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10月02日-一般質問-03号

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  1. 新潟県議会 2020-10-02
    10月02日-一般質問-03号


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    令和 2年  9月定例会 本会議令和2年10月2日(金曜日)  議事日程 第3号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(沢野修君、上杉知之君、杉井旬君、横尾幸秀君、高倉栄君、笠原義宗君)   ――――――――☆――――――――出席議員(53名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  星 野 伊佐夫 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君          佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君          飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          米澤 朋通 君  知事政策局長       小岩 徹郎 君  総務管理部長       笠鳥 公一 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       橋本 一浩 君  観光局長         佐野 哲郎 君  農林水産部長       山田 治之 君  農地部長         緒方 和之 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       田中 昌直 君  会計管理者兼出納局長   本間由美子 君  病院局長         藤山 育郎 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    川上 克也 君  警察本部長        山本 有一 君  労働委員会事務局長    綱島 知子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(桜井甚一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(桜井甚一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、沢野修君の発言を許します。沢野修君。   〔沢野修君登壇〕(拍手) ◆沢野修君 おはようございます。自由民主党の沢野修でございます。花角知事に対して初めて一般質問させていただきます。何せ6年ぶりの一般質問でございますので、やり方がちょっと間違うときもありますので、知事に対しては失礼のないよう十分注意して行いたいと思いますので、よろしくひとつお願い申し上げます。 質問の趣旨は、知事が常々おっしゃっている新潟県のあるべき姿、住んでよし、訪れてよしの新潟県をどうつくっていくか、このことを頭の中に入れて、順次質問してまいりたいと思います。 まず、新型コロナウイルス対策についてちょっとコメントさせていただきますが、県は、2月29日、新潟市秋葉区で県内最初の新型コロナウイルス感染者が確認された後、いち早く新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、本日まで県民の命を守ってこられましたこと、これまでの花角知事はじめ担当職員の皆様、医療従事者の皆様に、今日までの献身的な御尽力に心から感謝と敬意を表する次第であります。 改めて、県民の皆様の御協力にも大いに感謝を申し上げたいと思っています。誠にありがとうございました。 おかげさまで、昨日現在、県内感染者数は累計170人、重症者ゼロ、入院者7人、退院者162人、死亡者ゼロでございます。死亡者ゼロは、47都道府県中新潟県と秋田県、岩手県、鳥取県、島根県、佐賀県の6県のみであります。それだけ知事がリーダーシップを執って、この感染対策を進めてきたと、大いに評価をしたいと思います。 ただ、残念ながらマスコミの皆さんは何かあまり知事を評価していないところもありますので、私は知事の今日までのリーダーシップに敬意を表するとともに、我が党が選んだ、すばらしい花角知事を選んだなと思って、大変自画自賛しているところです。大変ありがとうございます。 そういう意味合いで、これからも慎重に、なおかつ国やマスコミやほかの都道府県に惑わされないで、今までどおりの慎重な対策を進めていただくことを望むものであります。 では、質問に入ります。景気動向について、簡単に伺いますが、先月8日に内閣府が発表した本年4月-6月期のGDPは、新型コロナウイルス感染症の影響により、実質前年比7.9%減、年率換算では28.1%減と戦後最悪の下落となっております。先日、日銀新潟支店長にお伺いいたしましたが、新型コロナウイルスの影響は、特に新潟県では業種や企業規模により影響度合いが違うとおっしゃっておられました。 本県の経済動向に対する知事の御認識について、まず伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響による税収動向等を踏まえ、200億円減少する見込みとおっしゃっていますが、昨年度策定した県行財政改革行動計画の見直しが必要ではないかと私は考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、厳しい財政状況にあっても、知事が公約の一丁目一番地と常に掲げている県民の安全・安心の確保につきましては、最優先に対応していかなければならないと思っております。 県においても、国に対し、本年度に終了する防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の継続を強く要望するとともに、必要な予算を確保し、防災・減災対策や国土強靱化に取り組む取組を継続的に実施していくことが重要と思っております。それは、結果として県財政を回していくことにつながると考えますが、このことについて知事の御所見をお伺いいたします。 次に、東京一極集中の是正について伺います。 新型コロナウイルス感染拡大は、日本が抱える数多くの課題を浮き彫りにしたところであります。中でも、東京に人口が一極集中する弊害が大きいと考えております。 日本国全体の人口が減少する中で、東京都の人口は、今年5月1日現在で1,400万人を突破いたしました。人口密度も日本一であり、世界でも有数の人口密度の高い都市であります。 この20年間で、若い若年層、女性層を含めて約200万人、東京の人口が増加しております。 また、帝国データバンクの調べによれば、2019年、本社機能を東京圏に移した企業は312社で、9年連続転入超過となっております。 過去、過疎と過密の解消ということで、平成2年、衆参両院が首都機能移転を決議し、平成11年には国会等移転審議会が全国3地域に絞り、国会に答申したところであります。残念ながら、当時の石原都知事、中央官庁の組織の抵抗により、あえなく頓挫したところでございます。 そのときの国会議員は何をしていたのか。目先の国益を考えて、将来の日本の国益を考えてこなかったのではないかというふうに思っています。 その反面、平成12年、申し訳ない程度に地方分権一括推進法を制定したところであります。その後、第二次安倍政権は、地方創生をスローガンに掲げ、平成27年度から5年間、首都圏とその他の地方圏の人口流出入を均衡させる政策を取ってこられましたが、結果として皆様の御存じのとおりになってしまいました。 省庁移転に関しても、消費者庁を移転すると言っていましたけれども、一部のほんの研究機関だけ徳島のほうに設置しただけでありますし、生き残っているのは京都への文化庁の移転だけでございます。 こうした中、2020年、今年の6月、辞任された安倍前総理が、骨太の方針2020の中で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、行政のデジタル化と並んで、東京一極集中の是正を目標として掲げました。 安倍前政権は、思い切った社会改革を果敢に実行するとおっしゃっておりましたが、菅新首相も安倍政権を継続と述べておられるのですから、このことを今の地方創生の一丁目一番地の政策として推し進めていただきたいと私は思っています。 また、6月25日、自由民主党の有志議員で、首都機能などの分散を目指す、社会機能の全国分散を実現する議員連盟が立ち上がり、また6月16日、国民民主党の前原誠司氏を中心に、日本維新の会、馬場幹事長らと新しい国のかたち分権2.0協議会が立ち上げられました。 経済界でも、経団連、また経済同友会でも、政府機関等の地方移転を再検討する必要があると述べております。 このように、与野党問わず、経済界からも、東京一極集中の是正を、首都機能移転を求めています。 人、物、金の集中は、平時はいいです。これから予想される首都直下型地震、大規模災害、富士山噴火爆発、大規模自然災害や今回の新型コロナウイルス感染症はもちろん、もし武力攻撃、テロなどの発生時において、今の首都で適切な対応ができるのか。できるわけがありません。 今こそ、この首都機能移転・分散による東京一極集中の是正が必要であり、地方における人口減少問題の一つの解決策になると私は考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、全国知事会を先頭に、地方六団体が一致団結して、東京一極集中を是正するため、首都機能の移転・分散を国に強く要望していただきたいと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 本県では、平成27年に、令和元年度までを計画期間とする、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、その後、新潟県総合計画を総合戦略として位置づけ、地方創生に取り組んでこられましたが、これまでの総合戦略に対する評価について、知事にお伺いいたします。 次に、2番目、拉致問題でございます。 県民の命を守ることが知事としては最大の使命であります。本議会としても同様であります。命を守る姿勢が、住んでよし、訪れてよしの新潟県をつくるものだというふうに考えております。 今年2月、政府認定拉致被害者、有本恵子さんのお母様、嘉代子さんが94歳の高齢でお亡くなりになりました。また、去る6月5日、横田めぐみさんのお父様、滋さんが87歳で亡くなられました。心から御冥福をお祈り申し上げる次第であります。 お二人とも、娘の救出を訴え続け、生きて出会うことを願い続けてこられましたが、残念ながら、時はそれを許しませんでした。我々に力がなく、誠に申し訳ない思いがいっぱいであります。 拉致被害者の御両親で御健在の方は、横田早紀江さん、84歳であります。有本明弘さん、91歳であります。たった2人だけになってしまいました。 誠に残念なことに、さきの通常国会において、北朝鮮による拉致問題について審議する衆参両院の拉致問題等に関する特別委員会が、通常国会閉会間近に、申し訳ない程度に開かれました。 衆議院は6月12日、参議院は6月15日、どちらの委員会とも、冒頭、有本嘉代子さんと横田滋さんに黙祷がささげられ、菅前官房長官兼拉致問題担当大臣及び茂木外務大臣から所信を聴取しただけで、質問なしで、僅か15分で委員会は閉じられたと報道されております。 こんなことでいいのでしょうか。この報道を見て私はがっかりいたしました。常々国民の命を守るという国会議員が、このていたらくであります。しっかりしてほしいと思っております。 知事は、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会の会長代行として、これまで国に要望を行い、拉致問題解決を国に訴えてこられました。国会でのこのような動きに対する知事の素直な思いについてお伺いしたいと思います。 7月21日に知事は、当時の菅拉致問題担当大臣に対して、知事の会として拉致問題の早期解決について要望を行われた。その際、要望書における要望のほかに、拉致被害者の多い新潟県知事として、特に何か具体的な要望を大臣に対して行われたか、行ったのであれば、その内容についてお聞かせ願いたいと思っております。 誠に残念ながら、8月28日、安倍前総理の緊急記者会見が行われ、御本人から体調の問題で辞意を表明されました。拉致事件が解決であったこと、痛恨の極みと涙目で語られたことが目に浮かびます。 知事は、記者会見において、拉致問題に対する安倍前総理の評価について、大変頑張ってこられたと評価されておりましたが、この安倍前総理だからこそ、今日まで来たのでないかと私は思っています。その精神的な支柱が辞められたとしたら、これからどうなるか、大変不安であります。 実際、家族会、救う会からも、安倍前総理は信頼されていたため、急な辞任に対し失望や不安を感じている関係者も多数おられます。 拉致問題の解決において、改めて安倍前首相の辞任に対する知事の認識についてお伺いいたします。 また、今後、国は、この問題の解決に向けてどう道筋をつけていく必要があるか、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、第一次安倍政権、第二次安倍政権とも、拉致問題の解決を最重要課題として掲げてまいりました。残念ながら、10年を経過した現在、結果として解決に終わったことは事実です。 では、次の10年待てばいいのか。先ほど話した拉致被害者の御両親は、果たして御健在でおられるのでしょうか。時間がありません。安倍政権を引き継いだ菅政権も、前政権同様、引き続き拉致問題の解決を最重要課題としております。 菅新首相に対し、拉致問題解決について、早期に知事の会として要望を行うべきと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、外交は国の専管事項であります。拉致問題を解決できるのは日本国だけです。でも、草の根外交という言葉もございます。地方でもできることはたくさんあると考えています。 韓国、ロシア、中国の総領事館が新潟市にございます。知事としても、あらゆる外交のチャンネルを生かし、様々な場で、また拉致問題かと言われても、拉致問題の解決について、第1番目に訴えていただきたいと思っております。 また、全国知事会はじめ、様々な知事会においても必ず拉致問題の解決を最優先の課題として取り上げていただきたいと考えていますが、これらのことについて知事の所見をお伺いいたします。 次に、拉致問題について県警本部長にお伺いいたします。 この4月に赴任された本部長は、いち早く、横田めぐみさんが拉致された事件現場を視察されたと聞いておりますが、新潟県警察における北朝鮮による拉致容疑事案の捜査の進捗状況についてお伺いいたします。 次に、県警察で拉致の可能性を排除できない事案として捜査している、大澤孝司さんの捜査状況についてもお伺いいたします。 次に、県警本部長は、北朝鮮による拉致容疑事案について、どのように考え、拉致問題解決に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 大項目の3、住んでよし、訪れてよしの新潟県をつくるための方策について伺います。 第1点目は、県内の交通アクセスでございます。 上越新幹線は通り、北陸新幹線も通りました。新幹線の沿線市町村の住民の皆さんは、大変喜んでおられます。利便性が高まった。でも、沿線以外の県民はどう思っているのでしょうか。同じような状況の交通アクセスを、何とか県で頑張ってもらいたいと思っているのではないでしょうか。 そういう意味合いで、北陸新幹線が開業するということで、平成25年に上越・北陸新幹線直行特急実現期成同盟会が新たにスタートして、今日に至っています。残念ながら、利便性のあまりよくない特急「しらゆき」が運行された程度で、目的が達成しておりません。 この点につきまして、同盟会の会長である知事のお考えをお伺いいたします。 同盟会では、フリーゲージトレインの導入を目指してこられましたが、2017年にはJR九州が長崎新幹線への導入断念、2018年には国土交通省が北陸新幹線への導入を断念いたしました。 このような状況を踏まえ、同盟会として今後どのように対応していかれるのか、会長のお考えをお聞きいたします。 また、昨年度実施された上越・北陸新幹線直通運転化に係る勉強会を踏まえ、県は日本海中速新幹線構想をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 昨年、我が党、小島総務会長から代表質問がございました。知事の答弁では、検討を進めるということでしたが、改めて、その実現に向け、今後どのように展開する計画か、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、今年度、国土交通省鉄道局は、幹線鉄道の効果的・効率的な整備・運行手法の検討を実施し、構造物、軌道、車両、信号システム等の観点から在来線の高速化における課題の抽出、並びに在来線の高速化に向けた具体的方策の検討を進めることとしております。 まさに中速新幹線の考え方そのものであります。国も動いてきました。県から国へ糸魚川-長岡間をモデルケースとすることを提案してはいかがかと考えておりますが、所見をお伺いいたします。 次に、国における在来線の高速化についての検討結果が出された後、全国でどの路線が優先されるかは、地元での具体的な検討や関係機関の協議の進捗状況によると私は考えております。 知事が会長を務め、信越本線沿線等の政官財で構成する上越・北陸新幹線直行特急実現期成同盟会へ予算づけし、県を挙げて具体的な検討や関係機関の協議を早期に、積極的に進めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、同じ県民でありながら、離島ということで大変交通アクセスの不便な佐渡島民に成り代わって質問したいというふうに思っています。 粟島もございますが、今日は佐渡だけの問題にいたします。 佐渡汽船は、県が筆頭株主の会社です。独占しているのですね、佐渡航路を。これはこれで、いろいろな経過がありますから、それに関してはコメントはしませんが、今回、新型コロナウイルス感染症の影響により、佐渡汽船は今年第2四半期に債務超過に陥り、通期でも14年ぶりの債務超過となる見込みであることを発表した。債務超過の解消に向け、収益基盤を改善するため、役員報酬や給与の減額に加え、金融機関に対して、グループ全体で総額40億円の資金調達を要請したと聞いております。 金融機関も理解を示したようでありますが、7月7日、佐渡汽船が発表した経営改善、老朽船舶更新に向けた方針について、関係者と必要な調整を図り、改善を進めていくということでございますが、筆頭株主の県として、この方針についてどのように評価しているのか、お伺いいたします。 次に、高速カーフェリー「あかね」の導入により、県は小木-直江津航路の損益の赤字に対し、12億円の債務負担行為を設定し補助するとともに、佐渡市、上越市も10億円以上の支援を行いました。 現在の経営陣が選定した「あかね」を、なぜ、今現在、売却しなければならないのか、理由をお伺いいたします。 次に、知事は記者会見で、「あかね」売却に関し、担当部局が佐渡汽船を交えて関係市と調整している中、まだトップ会談を行う状態ではないと、その旨何度もおっしゃっているようでありますが、経営にはスピード感が必要であります。筆頭株主であります。ぜひとも速やかに関係市とトップ会談を行い、次に、県としての明確な考え方を示し、関係者の理解を得て、佐渡汽船の対応をすべきと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、住んでよしの新潟県とするため、再生可能エネルギーの拡大についてでございます。 国連は、SDGsということで、持続可能な社会をつくろうとしています。 本県の再生エネルギー導入の促進に当たっては、脆弱な電力系統の解消が課題となっている。県では国に対して、系統強化を促進する措置等を講じるよう、毎年度毎年度要望しているが、一向に課題が解決されない状況であります。 これまで、隣接県と共同して国にも要望するなど、新しい取組を行っていると聞きますが、今年度の要望に対する成果について伺うとともに、要望に対する成果が芳しくないのであれば、今後どのような対策をしていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、観光について、訪れてよしの新潟県になるためには、観光の強化が必要であります。 県内宿泊割引キャンペーンの第1弾では、予算額4億円のうち、オンライン・トラベル・エージェントが3億円、新潟県の業者が1億円でございました。それを踏まえて、県は、第2弾は県内旅行社に絞ってきた。でも、あまり芳しくない。やはり県内の旅行社、旅行会社にもう少し支援するべきだと思うのです。ITやソフトウエアに強い旅行会社など、県民が旅行する際に選ばれる旅行会社として育成していく必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、観光協会です。今、こういうときこそ観光協会が表面に立って、県民の観光を推進していくべきところでありますが、全然観光協会の姿が見えません。ぜひそのことについて、どういう役割を担うべきか、知事の御所見をお伺いいたしますとともに、今、新潟県観光立県推進行動計画の見直しの中で、県観光協会の在り方を検討したらどうかと考えますが、併せてお伺いいたします。 次に、新潟県立大学の問題であります。 私も町の町長をさせていただきました。要するに行政は、教育と医療がなければ、誰も住みません。新潟県も、知事もそう思っていると思います。ですから、住んでよし、訪れてよしの新潟県になるには、最低限、教育と医療の充実、特に東京都並みまでとは申しませんが、他県よりも選ばれる県になるべきだというふうに思っています。 そんなことで、新潟県立大学がこの4月に新しい学部を設置した。385名の皆さんが入学いたしました。その中で、隣県から、特に山形、長野、富山でしたかね。山形から結構多いのですね。それは、やはり新潟県立大学の建学の精神にほれたから、来てくれたのですね。176名来たのです。約半分近く。その子供たちが、まだ大学にも行けない。後期は大丈夫ということで、対面授業をするようでありますが、まだ入学式もしていない。 ここはやはり、花角知事、新潟県の優しさを見せましょう。入学式をやりましょう。そうすれば、この入学した皆さんが、ここで、やはりいい場所で、いい講師陣に恵まれて、いい大学で学んだ、やはりこれから新潟県で住みたいなというふうになるかもしれません。 そんなことで、他県の大学では5か月遅れの入学式が行われた。県内でも入学式を行っております。朱鷺メッセを使えば楽々できます。3密は防げます。それは任せますが、ぜひとも、特に県外から来た学生が、大学の建学の精神に共感して進学してくれたわけですから、その生徒たちに報いるためにも、住んでよし、学んでよしの新潟県をつくるためにも新潟県立大学で入学式を開催すべきと考えますが、知事の御所見をお聞きして、私の久しぶりの一般質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 沢野議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、本県の現在の景気動向についてでありますが、個人消費など一部には持ち直しの動きが見られておりますが、新型コロナウイルス感染拡大による国内外経済の停滞が与える影響などから、生産が減少しており、企業収益や景況感は厳しさが増しております。また、設備投資や雇用情勢も弱い動きとなっており、厳しい状況にあるものと認識しております。 議員御指摘のとおり、これまでの新型コロナウイルス感染症による経済的な影響は大きく、さらに、現下の感染状況を踏まえれば、当県にあってもこの影響は長期化する可能性があると認識しております。 県といたしましては、予断を持たずに県経済の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、行財政改革行動計画の見直しについてでありますが、中期財政収支見通しについては、最新の経済指標等を反映し、毎年度9月と2月に改訂を行うこととしております。 今回の改訂では、新型コロナウイルス感染症の影響により県税収入が大幅に落ち込むと見込まれますが、令和3年度以降も地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に税収減については地方交付税等によって措置されることを前提に試算しております。 その結果、令和7年度の財源対策的基金残高は最低限の目標である230億円は確保できる見込みですが、依然として収支均衡に至る見込みとはなっておりません。 そうした中で、持続可能な財政運営を実現していくため、まずは、引き続き行財政改革行動計画の取組を着実に進めるとともに、新型コロナウイルスの影響による全国的な税収減の状況の中では、国としての対応が不可欠であることから、必要な地方一般財源総額の確保・充実を強く求めてまいります。 議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すると見込まれることや、国の地方財政措置の状況等を見定める必要があることから、中期財政収支見通しについて令和3年度当初予算編成の中で改めて検討し、お示しするとともに、行動計画についても必要に応じ見直してまいります。 次に、防災・減災、国土強靱化対策の継続的な実施についてでありますが、激甚化・頻発化する自然災害に対応するため、本県においては、国の3か年緊急対策を最大限活用し、防災・減災、国土強靱化対策を集中的に進めてきたところです。しかしながら、長大な河川を有し、脆弱な地質から成る中山間地を抱える本県では、緊急対策後も施設整備により被害発生リスクを低減させる対策などを計画的に推進していく必要があります。 このため、県といたしましては、緊急対策後も必要となる予算の確保や地方財政措置の拡充等による負担軽減について、これまで様々な機会を捉えて国に対して要望してきたところであり、引き続き、国への働きかけを行い、防災・減災、国土強靱化対策を着実に実施してまいりたいと考えております。 次に、首都機能の移転・分散についてでありますが、首都機能そのものの移転については、費用負担の問題や移転先以外の地域も含めた合意形成といった課題もあり、まずは、国において議論されるべきものと考えております。 一方で、過度な東京一極集中の是正を図る上で、首都機能を分散させていくことは、議員御指摘のとおり、危機管理の観点から有効な面があります。政府関係機関の地方移転はその具体策の一つとして積極的に進めるべきと考えており、全国知事会においても、その促進を要望しているところであります。 次に、本県のまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく取組の評価についてでありますが、本県がまち・ひと・しごと創生総合戦略として位置づけている新潟県総合計画においては、127の指標を設定しており、毎年度、目標達成に向けた状況を把握・分析し、施策の見直しにつなげているところです。 計画期間の中間年である今年度における目標に対しては、県内における企業立地件数など、41の指標において直近の数値が中間目標を上回っておりますが、策定時よりも悪化している指標も30あるところです。 指標の多くが成果指標、いわゆるアウトカム指標であることから、県の事業の寄与度の問題もあるものの、目標と具体の事業との関係をしっかりと分析し、それぞれの目標を達成できるよう、事業のより効果的な執行に引き続き努めてまいります。 次に、拉致問題についてお答えします。 まず、拉致問題に関する国会の動きについてでありますが、去る6月の衆議院及び参議院の北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会において、質疑が行われなかった事情等は承知しておりませんが、国会におかれましては、衆参両特別委員会に限らず、拉致問題の早期解決に向けて、しっかりと議論を行っていただきたいと考えております。 次に、政府に対する知事の会からの要望についてでありますが、去る7月21日、会長の黒岩神奈川県知事並びに平井鳥取県知事、大野埼玉県知事と共に、菅前拉致問題担当大臣と面会をし、一刻も早く全ての拉致被害者等の帰国を実現していただきたいとの要望を行いました。 その際、私からは、政府の取組を後押しするため、県民世論の喚起や意識啓発に今後とも取り組んでいきたいと申し上げ、同時に、拉致の疑いがある特定失踪者についても、引き続きしっかり調査を進めていただくようお願いをいたしました。 次に、拉致問題の解決における安倍前首相に対する認識と今後の取組に向けた所見についてでありますが、安倍政権は拉致問題の解決を最重要課題に掲げ、関係諸国の理解と協力を得るために尽力されました。その結果、国際社会と協調した制裁が維持されるとともに、トランプ大統領をはじめ各国首脳から、金委員長に対し日本人拉致問題を提起することにつながりました。一方、在任中、結果的に日朝首脳会談の実現には至らず、一人の拉致被害者も帰国を果たすことができなかったことは誠に残念であります。 菅首相は、拉致問題を引き続き政権の最重要課題として、全力で取り組む決意を表明されておられます。御家族の切実な願いを受け止めて、安倍政権の取組の土台をしっかりと引き継ぎ、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現していただきたいと考えております。 次に、知事の会としての要望についてでありますが、菅新政権が安倍政権の取組の土台を引き継ぎ、一刻も早く拉致被害者の帰国が実現するよう、知事の会会長の黒岩神奈川県知事等と相談しながら、可能な限り早期に政府に要望してまいりたいと考えております。 次に、拉致問題の解決に向けた海外要人への働きかけや知事会議での提起についてでありますが、議員御指摘のとおり、拉致問題は、政府による外交交渉によって解決されるものではありますが、県としましても、政府の取組を後押しするため、引き続き総領事館との会談や外国の要人が来県される機会等を捉えて、拉致問題への理解と協力を求めてまいります。 また、知事の会のほか、全国知事会や隣県の知事との会議などにおいて、新潟県が主導する形で、積極的に拉致問題を議題に取り上げ、国に要望しているところです。引き続きこうした場を通じて、政府への働きかけや世論喚起に努めてまいりたいと考えております。 次に、住んでよし、訪れてよしの新潟県をつくるための方策についてお答えします。 まず、上越・北陸新幹線直行特急実現期成同盟会の取組についてでありますが、これまでこの同盟会では、上越・北陸の両新幹線に挟まれる在来線の利便性を高め、将来の新幹線と在来線の直通運転化の実現を目指して、様々な活動に取り組んでまいりましたが、その実現のために最も期待をしていたフリーゲージトレインの導入が断念されたことは、活動を進めていく上で、大きな影響があったものと考えております。 しかしながら、直通運転化の実現は、日本海縦貫高速鉄道交通体系構築の一端を担う重要なものであることから、息の長い取組ではありますけれども、引き続き、沿線自治体や団体等と一丸となって、目的の達成に向け取り組んでまいりたいと考えております。 次に、同盟会の今後の対応についてでありますが、今ほど申し上げましたように、フリーゲージトレインの導入が断念されたことを受け、短期的には、既存の優等列車の充実等に向けて取り組むとともに、ミニ新幹線方式を含め様々な可能性を視野に入れながら、将来の新幹線との直通運転化の実現等に向けて、他の鉄道関係の同盟会とも連携をし、関係機関への働きかけを積極的に行うなど、取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、中速新幹線構想の評価と実現に向けた今後の展開についてでありますが、この構想は、在来線を時速200キロメートルで走行することなどをはじめ、既存の鉄道の枠組みを超える、これまで検討・検証されたことのない提案であります。仮に実現されれば、これまで勉強会等で議論してきた、新幹線との直通運転化や在来線の高速化にもつながるものと考えています。 その実現に向けては、技術的な課題や法令上の対応など、国レベルでの検証が必要であると考えており、国土交通省において、今年度、この構想にもつながる在来線の高速化に向けた具体的な方策等について、検討が行われることから、今後、積極的に情報収集等を行ってまいりたいと考えております。 次に、同盟会を活用した取組の強化についてでありますが、これまでもこの同盟会では、新幹線と在来線の直通運転化の実現や、在来線の優等列車等の充実などに取り組んできたところです。 今後、国の調査・検討の状況を踏まえ、中速新幹線構想の実現可能性を見極めた上で、同盟会の場も活用しながら、その導入可能性の検討や関係者間の協議に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、佐渡汽船の経営改善方針に係る評価についてでありますが、7月7日に佐渡汽船が公表した経営改善方針は、新型コロナウイルス感染症の影響が顕著になる以前から、厳しい経営状況に鑑みて佐渡汽船が検討を行っていたものと承知しており、それぞれの項目は、経営改善につながるものと評価しております。 しかしながら、感染症の影響が非常に大きく、佐渡汽船では、さらなる経営改善に向け、対応を検討しているところです。 県といたしましては、感染症の影響も踏まえ、佐渡汽船の経営改善が確実に図られるよう、地元市や関係者と協議を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、トップ会談の実施についてでありますが、「あかね」の売却を含む小木-直江津航路の収支改善策につきましては、現在、地元市や佐渡汽船と実務的に協議を継続しており、合意に向けて調整を行っているところです。 今後、状況を見極め、トップ会談の実施が必要と判断したときには、時期を失することなく対応してまいりたいと考えております。 次に、電力系統接続の制約解消に係る要望についてでありますが、県では、これまで、本県単独や全国知事会を通じての要望に加えて、山形県、福島県の3県の枠組みや、北海道東北各県の枠組みで連携をし、国に対し、電力系統の強化等を継続的に要望してきたところであります。 その結果、緊急時用に確保している空き容量の一部を平常時に活用するなど既存系統を最大限活用する仕組みが一部実施され、さらに現在、電力系統の混雑時に出力制御することを条件に新規接続を可能とする方法が段階的に運用されております。 また、電力広域的運営推進機関がマスタープランを策定し、送配電事業者が、主体的に系統増強を図る仕組みなどの検討が進んでおり、こうした動きは、これまでの要望の成果と捉えております。 県といたしましては、本県における系統接続の課題解決が早期に図られるよう、電力系統の強化や既存系統の最大限の活用について、他県とも連携しながら、引き続き国に要望してまいります。 次に、県内旅行会社の育成についてでありますが、旅行者の動向が多様化する中、個人旅行においては、宿泊施設への予約についても、電話による予約や旅行会社での窓口手配から、オンラインでの予約の利用が進み、今後もその傾向が、より強くなっていくものと考えております。 こうした中、県内旅行会社がインターネットを活用し、予約サイトを構築するなど、集客の強化を図ることは一つの手法でありますけれども、民間企業間における競争の中では、その強みを伸ばすことが重要であると考えます。 県といたしましては、県内旅行会社は、地域に根差して、きめ細かいサービスを提供することが県民から選ばれることにつながるものと考えており、引き続き旅行会社が加盟する協会と連携をし、県内旅行会社の指導・育成に努めてまいりたいと考えております。 次に、県観光協会の役割などについてでありますが、県観光協会は、これまで、商談会や旅行会社へのセールス、情報発信等を実施してまいりましたが、一昨年に県全体を対象とする地域連携DMOとなったことから、各種データの収集・分析、分析等に基づくプロモーションの実施、多様な関係者との合意形成など、魅力ある観光地域づくりに向けたかじ取り役としての役割を担うことが求められると考えております。 県観光協会の在り方については、現在、県で進めている新潟県観光立県推進行動計画の見直しの中で、県観光局との役割分担の再整理を含め、検討を進めているところであります。 次に、新潟県立大学における入学式の実施についてでありますが、入学式は学生にとって一生に一度のかけがえのない行事である一方、大学には学生の健康と安全を確保する必要があり、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年度、多くの大学では入学式を実施しておりません。 こうした中で、議員御指摘のように、県外、県内から新潟県立大学に進学してくれた学生を温かく迎えることは、重要なことと考えています。このため、新潟県立大学においては、全員が一堂に会する入学式に代えて、4月に全新入生に対し、学長からのビデオメッセージによる祝辞を送ったところであります。 さらに、先月には、学部ごとに日程を分けながら、一堂に会した新入生に対し、学長や学部長から、祝辞や歓迎の言葉を直接伝えたと聞いており、形は違いますけれども、新入生への歓迎の思いは届けられているのではないかと考えております。   〔交通政策局長田中昌直君登壇〕 ◎交通政策局長(田中昌直君) 2点についてお答えいたします。 幹線鉄道に係る国の検討に対して、長岡-糸魚川間をモデルケースとする提案についてでありますが、検討を実施する国土交通省に確認したところ、この検討業務においては、全国の幹線鉄道ネットワークの形成をどのように進めていくかについて、必要となる検討材料の把握・整理を目的とするものであり、個別路線を念頭に置く調査を行うといった性格のものではないとのことでした。 しかしながら、この区間の鉄道交通の利便性向上やアクセスの改善は重要と考えており、引き続き国等に対して、関係同盟会などを通じて、高速化の推進等を求めてまいります。 次に、高速カーフェリー「あかね」の売却理由についてでありますが、「あかね」については、導入により小木-直江津航路の運航体制の充実が期待されたものの、揺れによる快適性の問題が輸送人員に影響を及ぼすとともに、修繕費、燃料費等のコストが想定以上に増加したことなどが航路収支の悪化を招き、航路の赤字は、最近では年間約10億円にまで拡大し、佐渡汽船の経営を大きく圧迫しております。 このため、佐渡汽船は、この状況では会社の経営にさらに影響を及ぼすことから、就航船舶を「あかね」からジェットフォイルに変更することで、運航コストを削減し、航路及び会社の収支改善を図るため、「あかね」の売却方針を決めたものと承知しております。   〔警察本部長山本有一君登壇〕 ◎警察本部長(山本有一君) 御質問3点にお答えいたします。 まず、北朝鮮による拉致容疑事案の捜査状況についてでありますが、県警察では、横田めぐみさん、蓮池さん御夫妻、曽我さん親子が被害に遭われた3件の拉致容疑事案について捜査を推進しており、これまでに蓮池さんと曽我さんの事案において、それぞれ実行犯等として、計4人の逮捕状の発付を得て国際手配を行ってきたところであります。 しかし、いずれの事案も全容解明に至っていないほか、曽我ミヨシさん、横田めぐみさんの安否は依然として不明となっておりますことから、現在も継続して、事案の全容解明に向け、鋭意捜査を推進しているところであります。 次に、大澤孝司さんの捜査状況についてでありますが、お尋ねの件につきましては、昭和49年2月、当時佐渡郡新穂村、現佐渡市において、当時県職員であった大澤孝司さんが行方不明となった事案であり、県警察では、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案として、拉致の可能性を含め、事件・事故等あらゆる可能性を念頭に、予断を持つことなく捜査を推進しているところであります。 今後とも、御家族のお気持ちを十分に受け止め、事案の真相解明に向け、関連情報の収集や捜査に全力を挙げてまいる所存であります。 次に、拉致容疑事案に対する認識と解決に向けた取組についてでありますが、北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命・身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐え難い苦痛を与える許し難い犯罪であり、治安上極めて重大な問題であります。 また、拉致被害者やその御家族も高齢となられ、もはや一刻の猶予もない状況にあると認識しております。 今後とも、拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、県警察として、警察庁等の関係機関と緊密に連携を図りつつ、拉致容疑事案等の全容解明に向けた捜査・調査に全力を尽くしてまいります。   〔沢野修君登壇〕 ◆沢野修君 知事、答弁ありがとうございました。2点について、少し再質問したいと思います。 1点目は、首都機能移転。確かに首都機能の省庁の分散は、知事が言うとおりかもしれませんけれども、今回の新型コロナウイルス対応において、国の首都は東京都にあります。東京都知事と西村経済再生担当大臣なり菅前官房長官の意見にそごがありました。大阪府知事でもそうです。 それはやはり、国はですね、私は理想とすれば、アメリカ合衆国と同じように、政治の中心はワシントンであり、経済の中心はニューヨークです。カナダもそうです。あと何か国かあります。 ですから、もはや首都直下型地震があと20年後に想定されている。ましてや台風も首都圏を襲う台風が昨年から増えてきている。自然災害が来るのはもう目に見えています。 ですから、そういう意味合いで、その災害から日本を守ると。日本の中枢を守らなければ、判断を間違いますね。政治の判断を。 ですから、47都道府県知事が、ぜひともそういう意味合いで。花角知事は官僚出身であります。霞が関のことはよく御存じであるし、永田町のこともよく御存じである。これから将来の日本を考えたら、やはり首都機能の移転。国会機能はどうするか分かりませんが、それをやはり地方の知事の皆さんが一致団結して言わなければ、動きませんよ。 これが、今、感染症の有効な治療法ができた。来年からワクチンが投与された。副作用が出るかもしれませんけれども、ワクチンが投与される。インフルエンザ対策と同じで、もはやワクチンを打てば、もう喉元過ぎれば熱さを忘れるというのは日本人の特性であります。 今こそ、やはり地方が声を上げて、東京一極集中の中の首都機能移転というのは、ぜひとも大きな声で要望していただきたいと思いますので、もう一度その御答弁をお願いします。 2点目は、中速新幹線の問題であります。 フリーゲージトレインも国は諦めた。佐賀県は、まだちょっと負担金の問題があって、どうのこうのと、いさかいがあるようでありますけれども。それで新しい技術、国が今そういう方向に動いてきた。 そのとき、県は非常に厳しい財政でありますが、明日の新潟県をつくるためにも、些少の投資をしながら、沿線市町村と一緒になって、調査費でも掲げて、それに取り組むような姿勢が必要だと私は思います。再度、知事のお答えをお願いいたします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 沢野議員の再質問にお答えします。 まず、首都機能の移転についてでありますけれども、議員がおっしゃるように、政治首都と経済首都を分けるといった、そうした考え方もあり得ると思います。しかし、首都機能そのものの移転につきましては、移転先をどう決めるかというこの合意形成は大変難しい問題であります。私としては、まずは首都機能の分散、政府機関の移転の問題を先に議論することが現実的な地方分散につながるものだと思っております。 2つ目の中速新幹線構想については、この構想は、在来線を時速200キロメートルで走行するという、今までの既存の鉄道の考え方を超えた、これまで検討もされていない、検証されていない提案であります。国が、その構想の検証につながる調査検討を、今年度に行うと言っておりますので、まずはその検討の状況等、積極的に情報収集に当たってまいりたいと思います。 ○議長(桜井甚一君) 沢野修君の質問は終わりました。 次に、上杉知之君の発言を許します。上杉知之君。   〔上杉知之君登壇〕(拍手) ◆上杉知之君 未来にいがたの上杉知之です。通告に従い、順次質問いたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 新型コロナウイルスの感染状況について、GoToキャンペーン等による感染拡大を懸念する声がある一方、重症患者や死者の数が少ないこと等を理由に楽観視する声も広がりつつあり、中には、政府やマスコミが恐怖心をあおり過ぎだという意見すらあります。 見えない未知のウイルスに対し不安に感じるのは仕方のないことでありますが、自粛警察、マスク警察など、過度に恐れるがあまり、他人に対し攻撃的になり、社会が分断されることは大変な問題です。 一方で、ただの風邪でしかないと危険性を顧みない行動を取る人が多くなれば、市中感染が拡大し、医療崩壊につながるおそれがあります。 政府では新型コロナウイルス感染症患者に対する対応を見直す動きもありますが、この機会に新型コロナウイルス感染症の特性や社会に及ぼす影響等について、改めて県民に分かりやすく情報発信する必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症に関しては、PCR検査で陽性が判明した人や医療従事者等への偏見や差別が問題となっています。 これまで県や新潟市は、感染者が発生するたびに居住地や年齢、性別などの情報を逐一公開してきましたが、この発表内容が県民の偏見・差別を助長している懸念もあるのではないかと考えます。 発表のたびに、どこの町内かまで詳しく知りたいとか、近所の人らしいから、気をつけなくてはいけないといった声を聞くことがあります。うちの地域から感染者を絶対に出さないといった声もあり、こうした意識が感染者への偏見・差別につながっていくのではないでしょうか。 様々な考え方があるとは承知をしておりますけれども、偏見や差別をなくす一つの方策として、クラスターや市中感染のおそれがない場合においては、統計データの発表にとどめるなど、感染者の発表方法を見直してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 県は、7月31日に新型コロナウイルス感染症に関する注意報を発令しました。発令時には、県民の皆様への注意事項として、感染の拡大が見られる地域から県内に移動してきた場合の注意点や、飲食を伴う会食時における注意点など、県民に対し具体的な注意喚起を行いました。 この県民の皆様への注意事項の内容は、注意報発令時の状況により毎回異なるのでしょうか。また、警報発令時にはどのような行動要請を行うことを想定されているのか、お伺いします。 災害時におけるタイムラインのように、県民一人一人が、注意報・警報の発令時にどのような行動を取る必要があるのか事前に知っておくことは、感染症拡大防止の観点からも重要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 本県における新型コロナウイルスの感染状況について、注意報・警報の基準を超える感染拡大が続いた場合、さらなる警報の発令が想定されています。 現在のところ、県内の感染状況は一定の落ち着きを見せており、これまでも警報基準に達することはありませんでした。それでも、これから冬を迎え、感染の拡大は予断を許しません。警報、そして、さらなる警報の発令についても心の準備をしておくことが大切だと考えます。 そこで、最大級の警戒が必要となるこのさらなる警報についてですが、まず入院病床利用者数200人以上などとする基準の根拠について、改めてお伺いをいたします。 また、さらなる警報という表現についてですが、特別警報あるいは緊急事態など、県民にとってより分かりやすい表現も考えられるのではないかと思いますが、所見をお伺いいたします。 次に、新たな観光戦略についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な業界が大きな影響を受けていますが、中でも県内の観光産業は、旅行業、宿泊業、交通事業、土産物、飲食店、農林水産業など、幅広い関連分野で大きな打撃を受けています。 政府が実施するGoToトラベルキャンペーンでは東京都も対象に追加されることになりましたが、感染が拡大している地域との往来には不安も残ります。 まだしばらくの間は、それぞれの地域内、いわゆるマイクロツーリズムを推進すべきであり、本県においても引き続き、県民による県内の小旅行を後押ししていくべきではないかと考えますが、県内の観光振興における今後の方針について、知事の御所見をお伺いいたします。 一方、県内の旅行需要だけでは観光関連産業の回復につなげることは難しいことから、ある程度は県外からの観光需要を取り込むことも必要と考えます。 例えば静岡県においては、当初感染者の少なかった中央日本4県、静岡のほか山梨、長野、そして本県を対象とした観光誘客キャンペーンを8月まで実施していました。 本県においても、福島、山形との間で、それぞれの県民対象旅行キャンペーンを相互に利用できる取組を始めていますが、感染者数の動向に気を配りつつ、近隣県からの観光客を呼び込むキャンペーンをさらに進めるべきではないかと考えます。 県外からの観光誘客の取組方針について、知事の御所見をお伺いいたします。 政府のGoToトラベルキャンペーンのほか、本県の「つなぐ、にいがた。」キャンペーンなど、国や各自治体が旅行マインドの醸成に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、旅行先での感染に不安を覚える県民もまだ多くいます。 県民に安心して旅行を楽しんでもらえるよう、これまでに各地の観光協会や旅行事業者等が主催する感染防止対策に留意したモデルツアーが実施されていますが、業界関係者を対象としたものが多く、一般の県民には旅行先における感染防止対策の認知度が低いと感じます。 交通機関や観光施設、また宿泊施設等の感染防止対策についても、各事業者はもとより、県としてもさらなる情報発信が必要と考えますが、所見をお伺いします。 新型ウイルス禍は、様々な社会システムの変革をいや応なくもたらしています。観光においても、既存の観光スタイルを見直し、新たな価値感に基づく観光のスタイルをつくっていかなくてはなりません。 その新たなスタイルの一つとして、マイクロツーリズムに注目が集まっています。マイクロツーリズムでは、身近な地域の今まで気がつかなかった魅力を発見することが新たな価値につながります。その商品造成の過程においては、地域住民が地域の魅力を再発見し、育て、発信する取組がとても重要です。 マイクロツーリズムの取組は、まさに住んでよし、訪れてよしの新潟県をつくることにもつながり、県としても大いに支援すべきと思います。 マイクロツーリズムにおいて、地域の魅力をブラッシュアップする取組を支援することについて、所見をお伺いいたします。 現在、新潟県観光立県推進行動計画の見直し作業が行われており、検討委員会のほか、インバウンド、観光ブランド戦略、稼ぐ観光地域づくり、推進体制のあり方の4つの専門部会が設置され、有識者による議論が行われていると承知しています。 専門部会の名簿を見ると、全国的にも名の通った観光のプロがそろっており、貴重なアドバイスがいただけるものと期待しておりますが、せっかくその道のプロから提言をいただいても、当事者から、現実にはそう簡単にはいかないのだよねと、実現に至らないことが往々にしてあります。 行動計画の見直しに当たっては、県内観光関係者を対象とする意見聴取会も開催するとのことでありますが、行動計画をよりよいものとするためには、観光関係者のほか、地域住民にも当事者意識を持ってもらうことが必要と考えます。 新潟県観光立県推進行動計画の見直し作業に係る地域住民の参画について、知事の御所見をお伺いいたします。 県が2009年から行っている県内観光地の満足度調査において、直近の調査結果では、全体の評価で満足と答えた人が93.7%と過去最高となり、宿泊施設や食事など、全ての項目で前回よりも満足度が上がったとのことです。 しかしながら、じゃらんリサーチセンターが実施した、じゃらん宿泊旅行調査2020の中の、2019年度旅行実態・都道府県別魅力度ランキング総合満足度の調査では、とても満足、やや満足と答えた人の割合が2018年の83.8%から2019年では81.2%と下がり、全国順位では24位から37位へと下がっています。 項目別に見ると、食べ物の評価が全国平均より高いものの、観光スポットや施設の面で特に評価が低いようです。 県の調査では回答者の44%が県内客だったということも関係しているのかもしれませんが、全国的に見て満足度の順位が下がった要因をどのように分析しているか伺うとともに、県内観光地の満足度向上に向けた取組について所見を伺います。 この夏、ミシュランガイド新潟2020特別版が発売され、県内の飲食店、旅館、ホテルなど掲載店全282軒、二つ星3軒、一つ星18軒、ビブグルマン37軒、ミシュランプレート195軒が選ばれました。 ミシュランガイド新潟版の発売は、県民の間でもたちまち話題となり、新潟県内にも世界に評価される店がたくさんあることを知るよい機会となりました。 このことは、県民の自信や誇りを高め、住んでよし、訪れてよしの新潟県の発信にも一役買っていると思いますが、ミシュランガイド新潟版の発売が本県に与える影響について、知事の御所見をお伺いいたします。 ミシュランガイド新潟版では、数多くの店が評価された一方で、最高ランクの三つ星を獲得した飲食店は一つもありませんでした。 本県はこれまで、うまさぎっしり新潟や日本海美食旅をキャッチコピーとして掲げ、食の魅力を前面に打ち出してきたにもかかわらず、今回、ミシュランガイドで三つ星の店が一つもなかったことはとても残念な結果です。 今回は、たまたま調査員の舌に合わなかっただけで、県内飲食店のレベルは決して他県に引けを取るものではないと信じてはおりますが、ミシュランガイド新潟版における県内店舗の評価について、知事の御所見をお伺いいたします。 ミシュランガイド新潟版で本県から最高ランクの三つ星が出なかったことについて、もちろんミシュランガイドの評価が全てではないとは思いますが、うまさぎっしり新潟、日本海美食旅という本県の食の魅力を世界に発信する上で、やはり本県を代表する三つ星クラスの店が必要ではないかと考えます。 世界のミシュラン三つ星に値する店をつくることが、県内飲食店全体の底上げにもつながると思いますが、評価の向上に向けた取組の必要性について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、防災対策について伺います。 柏崎刈羽原子力発電所7号機の再稼働に関し、原子力規制委員会による3つの審査、すなわち新規制基準適合性、工事計画、保安規定の審査が事実上終了し、東京電力は再稼働に必要な検査の完了を来年の4月とする工程表を示しています。 あとは地元の同意を残すのみとなるわけですが、知事はこれまで一貫して、3つの検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論は始めることはできないとしておられます。 確かに県が独自に行う3つの検証は、再稼働の是非に大きく関わるものではありますが、必ずしもそれらの検証結果全てが出そろうことを待たなくても、議論はできるのではないでしょうか。議論の中から新たな課題も見えてくるかもしれませんし、議論を通じて県民が原発の問題に関心を持ち、理解を深めていくことも必要だと思います。 県民と共に原発問題を考えるためにも、議会の場において今から様々な想定に基づいて議論を深化させておくことが必要と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 柏崎刈羽原発立地地域の住民参画による柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会では、賛成、反対を問わず、地域住民が原発についてとても熱心に学習をしております。 その目的は、発電所そのものの賛否はひとまず置いて、安全運転に係る事業者や行政当局の必要にして十分な情報提供に基づき、発電所の安全について状況を確認し、地域住民の素朴な視線による監視活動を行うとともに、必要な提言を行うこととされています。 いずれ県として地元の同意を求められ、知事が信を問う時期が訪れるのであれば、この地域の会のような取組が全県で必要になってくるのではないでしょうか。 原発に関する県民の理解を深めていくためにも、県民全てに対して、3つの検証の経過をはじめ、経済性や安全性などを含む原発に関わる幅広い情報を、今から積極的に発信し続けなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 近年の水害は、地球温暖化の影響からか、これまでの想定を超えて大災害につながることが珍しくなくなってきました。毎年、日本のどこかで堤防の決壊、橋梁の流失、広範囲にわたる浸水などが繰り返し起きています。 人間が洪水を制御できるという旧来の考え方から、洪水と共生するという考え方に改めなくてはならないのかもしれません。これまでのようなダムや堤防など河川のハード整備だけでは対応し切れない洪水に対し、流域治水の必要性が指摘されています。 日本でも古くは、洪水に逆らわず、霞堤や遊水地などに逃がす、浸水地域には住まないなどといった水害と共生していた時代がありました。 こうした先人の知恵も流域治水という考え方につながるものと考えますが、これからの流域治水について、県内における取組状況も含め、知事の御所見をお伺いいたします。 人間が水害を制御できるという旧来の考え方から、水害と共生するという考え方に改めるとするならば、これからの防災対策は、ハード整備など公助に頼るだけではなく、自ら避難を判断するなど、災害に対する自助の意識改革が必要ではないかと思います。 大雨の中、行政からの避難指示を待つだけでなく、時には自ら判断し、率先して避難行動を取ることが求められます。そのためにも、日頃から自分が住む地域の災害特性を知るとともに、いざというときに地域住民がお互いに声がけできる関係性をつくるなど、自助・共助の意識醸成が必要です。 本県では、共助としての自主防災組織の組織率は高くなっていますが、今後は住民一人一人の防災意識をさらに高めていく必要があると思います。 県民の防災意識啓発について、知事の御所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、避難所の入所時の受付方法や感染が疑われる避難者への対応、段ボールベッドやパーティションの活用など、感染拡大防止に配慮した避難所運営が大きな課題となっています。 さらには、避難所が密にならないよう、可能な場合は親戚・知人の家や、ホテル・旅館など民間の宿泊施設に避難するなどの分散避難も呼びかけられています。 しかしながら、実際には、この夏、台風10号が襲った九州では、新型コロナウイルス感染症対策で収容人員を減らした避難所が満員となり、入場制限なども起こっています。 分散避難を呼びかけるだけではなく、台風10号の際の教訓を踏まえるなどして、住民の避難行動の実態を十分に想定した上で、今後の避難の在り方を再検討することが必要と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 避難所における新型コロナウイルスの感染拡大防止という観点から、収容人数の削減、段ボールベッドやパーティションの活用といった取組が進められていますが、そもそも日本の避難所の環境は国際的な基準に比べ劣っており、新型コロナウイルスに限らず、これまでも感染症対策等の面から課題が指摘されてきました。 避難者1人当たりの広さも世界基準の半分しかなく、海外ではふだんからベッドの生活が当たり前なので、日本のように床にごろ寝などはあり得ません。 国も避難所の設置に関する指針を見直してはおりますが、新型ウイルス禍というピンチをチャンスと捉え、これを機に避難所の居住環境を抜本的に見直す必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、本県の未来を担う世代についてお伺いいたします。 県民250万と歌われる本県の人口は、直近9月1日現在、220万1,199人となりました。対前年同月比で2万2,057人の減。対前月で1,319人の減ですから、もしかすると今日現在では220万人をもう割り込んでいるのかもしれません。 本県の人口減少問題に関しては、少子高齢化の影響もありますが、特に進学や就職のタイミングでの若年層の県外流出が大きな課題であります。 今年度の当初予算においても、若者、特に女性の県内定着、U・Iターン促進が重点テーマとされ、県内大学の魅力向上、県内企業への就職促進、結婚支援、妊娠・出産、子育て、教育環境の充実、ワーク・ライフ・バランスの推進といった施策が盛り込まれました。 その後、新型ウイルス禍により、若者を取り巻く社会情勢も劇的に変化していますが、若年層の県内定着に向けた県の取組について現状と課題を伺うとともに、今後の取組方針について知事の御所見をお伺いします。 県では、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けた政策パッケージの一つとして、起業・創業の推進に取り組んでいます。県内各地にスタートアップ拠点を設置し、起業家や支援者のコミュニティー形成を支援するなど、まずは人づくりという方向性は確かにそのとおりかと思います。 しかしながら、一から事業を立ち上げようとする若い起業家にとっては、どんなに成長が見込めるアイデアであっても、事業の立ち上げから軌道に乗るまでの資金調達が大きなリスクになります。多くの投資家がダイヤの原石、あるいは金の卵を産む鶏を探しているような東京圏に比べると、まだまだ本県で起業しようとするには資金調達が難しいものと思われます。 そこで、本県において起業・創業を支援しようとするのであれば、初期の資金調達を支援する仕組みを強化することで、多くの若い起業家を本県に集めることができるのではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 県のスタートアップ拠点支援のほか、県内大学やその中でも熱心な教授の取組などにより、起業・創業に関心を持つ大学生は確実に増えているようです。 しかしながら、新潟県全体で見れば、それはまだ一部に限られていると言わざるを得ず、起業・創業に関心を持つ学生の底辺を広げなければ、起業家として成功する確率は上がらないものと考えます。 そのためには、大学生のみならず、中学・高校からのキャリア教育の中に起業・創業に関する教育をしっかりと位置づけ、早くから選択肢の一つとして意識づけておくことが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 若い世代に対し、起業・創業に向けた意識づけをしたり、地域の産業に関する興味を引き出したりするには、中学・高校において地域の企業と協働した学習が必要と考えます。 そんな中で、高校では、総合的な学習の時間から総合的な探究の時間、いわゆる探究学習への移行が始まっています。 探究学習は、これまでのキャリア教育のレベルにとどまらず、自己の在り方・生き方に照らし、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら、見方・考え方を組み合わせて統合させ、働かせながら、自ら問いを見いだし、探究する力を育成することが目的とされています。 この探究学習により、地域や社会の課題解決を自らの生き方と関連づけて考える訓練ができ、地域で働く、あるいは自ら起業するといった考えを持つ若者を育てることに有効であると考えます。 県内における探究学習の取組状況と課題について、教育長の御所見をお伺いいたします。 未来を担う学生は、この新型ウイルス禍により大きな影響を受けています。小学生から高校生までは、新型ウイルス禍の中にあっても、何とか学校に通い、ふだんどおりではないにしても、取りあえず同級生と机を並べ授業を受けたり、部活動に励んだりと学校生活を送ることができていますが、多くの大学ではいまだにオンライン授業で対応しており、キャンパスライフを謳歌することができない状況が続いています。 オンラインで学習ができるとはいえ、同級生とフェース・ツー・フェースで議論をしたり、サークル活動で仲間を広げたりすることが、学生にとっては人間関係を育むために必要な時間です。 多くの大学が登校禁止措置を取っているのは、大学生は感染リスクが高いことが理由ですが、県内の大学生が安心して登校できるよう、大学による感染防止対策を支援してはどうかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 未来を担う子供たちの置かれた状況について、厚生労働省による2019年国民生活基礎調査によると、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合、いわゆる子供の貧困率は、2012年をピークにやや改善されつつあるものの、2018年時点において、全体では13.5%、独り親世帯ではさらに高い48.1%と、依然として厳しい状況が続いております。 今般の新型ウイルス禍により、仕事がなくなったり収入が減ったりするなど、より深刻な状況になることを危惧しています。 厚生労働省の調査からは本県における子供の貧困率は分かりませんが、本県の子供の貧困について、現状をどのように認識しているか伺うとともに、また、その状況に対しどのように対応していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 先般公表されたユニセフの報告書では、先進・新興国38か国に住む子供の幸福度に関する調査において、日本は総合で20位、身体的健康では1位だったものの、社会的スキルでは新しい友達をつくることに自信がないことなどから27位、生活満足度や自殺率からはじき出される精神的幸福度では38か国中37位と大変衝撃的な結果でした。 このことは、学校のいじめや家庭内の不和などが要因と見られ、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏によると、子供の自己肯定感が低いことが課題と分析されています。 ユニセフは、子供の幸福度を改善するために、所得格差と貧困を減らす、仕事と家庭のバランスを改善する、子育て支援策を拡充するといった施策を求めています。 ユニセフの報告書に関しては、今後、国において詳細な分析がなされることを期待しますが、本県においても未来を担う子供たちが、家庭や学校において幸せを感じながら成長していくことが、住んでよしの新潟県にとって重要だと考えます。 本県の子供たちが置かれている現状をどのように認識し、その現状に対しどのように対応していくのか、知事の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 上杉議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症に関する県民への情報発信についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内では、今日まで感染による死者は確認されておらず、重症者数も少なく推移しておりますが、今後、感染の拡大が懸念され、また、国内における重症化率及び死亡率は特に高齢者において高くなるリスクもあるなど、決して楽観視できる状況にはないと認識しております。 これまでも、県では、県民の皆様から、小まめな手洗いやマスクの着用等を実践していただくよう、新しい生活様式について対象別・場面別にリーフレットを作成し、周知してきているところです。 今後も、これらの新しい生活様式に加えて、風評に対する懸念からPCR検査等を受けないことがないよう、検査の重要性についての周知も含めて、県民の皆様が意識し、行動につながるような情報発信を行ってまいりたいと思います。また、発信に当たっては、SNSを活用するなど、情報が県民にくまなく十分届くよう、タイミングや頻度も踏まえて行い、感染拡大防止に努めてまいりたいと考えております。 次に、患者情報の公表についてでありますが、県内で患者が発生した場合、感染拡大防止の観点から、患者の年代、性別、職業等について公表を行っており、併せて、プライバシー保護の観点から、報道機関に対して取材等について配慮いただくようお願いしているところです。 しかしながら、患者に関する誹謗中傷やインターネットなどで不確かな情報を拡散する事例も見られます。 このため、県といたしましては、県民の皆様に対し、新型コロナウイルス感染症を理由とした偏見や差別、いじめなどの行為は決して行わないよう、引き続き啓発を行っていくとともに、患者情報の公表につきましては、御指摘のような方法も含めて、他県での事例なども参考にしながら検討してまいりたいと思います。 次に、注意報・警報発令時における県の対応についてでありますが、警報では外出の自粛や特定の施設の利用自粛の要請を行うこととしており、こうした状況に至らないよう注意報を早めに発令して、県民の皆様へ注意喚起を行うこととしております。 県といたしましては、注意報・警報の発令基準とそれに伴う対応について、引き続き、県ホームページや記者会見の場を活用して周知を図ってまいりたいと考えております。 なお、注意報・警報発令時の具体的な呼びかけの内容については、防災局長からお答えいたします。 次に、新たな観光戦略についてお答えします。 まず、県内の観光振興における今後の方針についてでありますが、県では、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況が続いた観光業界を速やかに支援するため、6月に県民を対象とした宿泊割引キャンペーンを開始したほか、8月からは割引内容を拡充するとともに、日帰り旅行商品などの割引支援を実施しているところであり、引き続き観光需要の喚起に取り組んでまいります。 次に、県外からの観光誘客の取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内観光関連産業の本格的な回復には、県内の観光振興に加え、県外からの観光需要を取り込むことが必要であると考えています。 そのため、6月からの県民向けの宿泊割引キャンペーンに続き、9月中旬からは比較的感染状況が落ち着いている山形、福島両県と共同の宿泊割引キャンペーンを開始し、誘客対象を近隣県に広げたところであります。 また、GoToトラベルでは、今月から東京発着が対象に加わるほか、地域共通クーポンの運用も開始されるなど、これまで以上に観光流動の促進が期待されます。 県といたしましては、感染状況を注視しながら、一刻も早く観光地ににぎわいが戻るよう、観光誘客の取組を近隣県、全国へと広げてまいりたいと考えております。 次に、観光立県推進行動計画の見直しに係る地域住民の参画についてでありますが、一般の県民の方々から、見直しの作業に直接、参画していただくことまでは考えておりませんが、多くの県民の皆様から、できる限り関心を持っていただきたいと考えております。 そのため、これまで検討委員会の委員の方々だけではなく、リゾート施設、スキー場や道の駅など観光施設の関係者、地元の観光振興に尽力されている方など、県内在住の幅広い方々から、御意見・御提案を伺ってまいりました。 今後も、市町村への意見照会や、パブリックコメントの機会を捉まえ、広く県内の皆様から御意見を伺いながら、市町村や地域の取組の後押しにつながる計画の策定に努めてまいりたいと思います。 次に、ミシュランガイド新潟版の発売が本県に与える影響についてでありますが、ミシュランガイド新潟版には、県内282軒もの多種多様な飲食店と宿泊施設が掲載されていることから、本県の上質な食の魅力を発信し、来訪の促進につながることを期待しております。 また、県民の皆様が新潟の魅力を再発見し、自ら発信していただくことにより、その効果は、さらに高まっていくものと考えております。 あわせて、県では、ミシュランガイドを海外の旅行会社やメディアに送付するとともに、英語のサイトを立ち上げ、観光情報と併せて発信しておりますので、感染症収束後の本県インバウンドの回復にも役立つものと期待しております。 次に、ミシュランガイド新潟版における県内店舗の評価についてでありますが、議員御指摘のとおり、このたびのミシュランガイドでは、三つ星の評価はありませんでしたけれども、県内282軒もの多くの店舗が、ミシュランガイドに掲載されたことは、大きな価値があると思います。同時に、県内の飲食店や宿泊施設が、次のステップに向けて挑戦していく契機になったのではないかと考えております。 県といたしましては、ミシュランブランドを最大限活用しながら、今後とも豊かな食文化と上質な食材の発信に努め、本県観光の回復につなげてまいりたいと考えております。 次に、ミシュランガイドの評価向上に向けた取組の必要性についてでありますが、ミシュランガイドは、星の数が全てではないと考えておりますが、議員御指摘のとおり、高い評価を受ける店舗があることは全体の底上げにもつながることから、評価向上に向けた取組は、必要であると認識しております。 具体的には、飲食店等の方々が、ミシュランガイドの発売を契機として、次のステップに向けて挑戦されることで、第三者評価の向上と全体の底上げにつながるものと期待しており、県といたしましては、ミシュランガイド掲載店と、掲載されていない店舗が連携した食のイベントなど、魅力向上に向けて、互いに研さんする取組などを支援してまいりたいと思います。 次に、防災対策についてお答えします。 まず、柏崎刈羽原発の再稼働の議論についてでありますが、原発事故に関する3つの検証の結果が示された後に始めたいと考えております。 なお、検証結果は県議会をはじめ、広く県民の皆さんと情報共有してまいります。 次に、原発に係る情報の発信についてでありますが、県が行っている原発事故に関する3つの検証や、柏崎刈羽原発の安全性の確認の状況については、県民の皆様と情報共有することは大変重要であると考えております。 そのため、各委員会は原則公開で行うとともに、資料や議事録はホームページに掲載し、広く県民の皆様に周知しております。 一方、経済性などの原発に係る幅広い情報については、国策として原子力事業を進めてきた経緯から、国が責任を持って十分な情報提供に努めてもらいたいと考えております。 次に、流域治水対策についてでありますが、令和元年東日本台風など、近年、これまで経験したことがないような豪雨による深刻な水害が、毎年のように全国各地で発生しています。 こうした中、今年7月に国の社会資本整備審議会において、これまでの水防災意識社会再構築の取組から、さらに一歩進め、流域内の全員が協働して行う持続可能な防災・減災対策、いわゆる流域治水への転換が答申されました。県としても、気候変動による影響や社会状況の変化などを踏まえた流域治水対策は重要と考えております。 現在、全国の1級水系では、流域内の国、県、市町村などの関係機関が一体となって流域治水プロジェクトを検討しております。本県においても、協議会等を設置し、年度内の公表を目途に取りまとめを進めるなど、引き続き、関係機関と連携・協力して防災・減災対策に取り組んでまいります。 次に、県民の防災意識の啓発についてでありますが、近年、集中豪雨等の自然災害が激甚化・頻発化し、施設能力を超える災害も発生しております。県としてはハード面の災害対策等を進めてまいりますが、同時に、県民一人一人が災害を自分事として考え、自らの命は自らが守る意識を持っていただくことは重要であると考えております。 これまでも、県では各種シンポジウムやセミナーの開催などを通して防災意識啓発に取り組んできたところですが、現在、地域の防災活動の核となる防災リーダーに助言・指導を行う、防災シニアリーダーの養成に向けた準備を進めております。こうした防災リーダー、シニアリーダーを中心とした地域の防災活動の充実を図り、県民の防災意識向上と災害被害の軽減に努めてまいります。 次に、住民の避難と避難所運営の在り方についてでありますが、先般の台風第10号では、九州地方において、感染症対策として避難所の定員を減らしていた中で、定員超過により受入れが制限されるなど運用に関する新たな課題が浮き彫りになったと認識しております。 県といたしましては、避難所への避難者の集中を避けるため、これまでも市町村と連携し、住民に対して安全な親戚・知人宅等への分散避難を呼びかけるとともに、新たな避難所の確保やホテル・旅館の活用等を進めてきたところです。 今後も引き続き、避難先の拡充に努めるとともに、今回の台風第10号の教訓を踏まえ、新規に確保した避難所や定員等の情報の住民に対する事前周知と混雑状況のタイムリーな提供などにより、住民の適切な避難誘導につなげ、避難者の集中回避を図ってまいりたいと考えております。 次に、避難所の居住環境の見直しについてでありますが、我が国の避難所は、主に学校の体育館を活用しているため、これまでもプライバシーの確保や避難者の健康管理などの面で様々な課題が指摘されてきたと承知しております。 今般の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、国の避難所運営に関するガイドラインが見直された結果、避難者間のスペースの確保、間仕切りや簡易ベッドの設置など避難者の居住環境の改善が相当図られたところでありますけれども、県といたしましては、先般の九州地方での台風災害への対応等を確認し、引き続き市町村と共に改善について検討してまいります。 次に、本県の未来を担う世代についてお答えします。 まず、若年層の県内定着に向けた取組の現状等と今後の方針についてでありますが、本県は進学・就職を契機とした若者の転出が社会減の大きな要因となっており、特に女性の転出者数が多いことから、今年度は、若者、特に女性の県内定着やU・Iターン促進を重点テーマとして、IT関連産業など若者に選ばれる魅力のある働く場の確保や、県内大学等と連携した県内就職の促進などに取り組んでおります。 これらの取組に当たっては、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、オンラインでのイベント開催や企業情報提供の強化といった工夫をしながら進めているところです。 今後は、これまで増加傾向にあった東京圏への転出超過を抑制していくとともに、感染症の拡大を契機として社会経済活動やライフスタイルの変化が見られる中で生じつつある、人や企業の地方分散の流れを促進していく必要があると考えております。 このため、ライフスタイルや働き方の変化を捉えた本県への移住促進に向けた応援金を今定例会にお諮りしております。 また、若者、特に女性に選ばれる魅力のある良質な働く場を確保しながら、教育や子育てなど本県の総合的な暮らしやすさを向上していくとともに、そうした情報をU・Iターンにつながる明確なターゲットに対して効果的に発信する施策を検討してまいりたいと思います。 次に、若い起業家への資金調達支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、起業・創業時は事業が軌道に乗るまでの資金繰りに課題があるため、タイムリーかつニーズに応じた多様な資金支援を行うことが重要であると認識しております。 そのため、事業の立ち上げに対する助成や、金融機関と連携した起業・創業時の融資制度による従来の支援に加え、新たにオンライン上で支援者が容易に起業家へ資金面の支援ができる仕組みを立ち上げるとともに、スタートアップ拠点のメンターが伴走し民間を含めた資金調達に取り組むなど、官民連携で初期の資金調達の支援に努めております。 引き続き、こうした支援の強化を進めることにより、若い起業家にとっても起業しやすい環境を整えてまいります。 次に、起業・創業に関する教育についてでありますが、県内の一部の中学校や高等学校においては、既にキャリア教育の一環として、起業・創業についての実践的な学習が行われていると聞いております。また、来年度から始まる新しい学習指導要領においては、中学校の社会科の中で、個人や企業の経済活動における役割と責任について考察し、起業を支える金融などの働きを学ぶこととなっており、学校教育の中で起業が位置づけられることになっています。 今後は、より多くの生徒が、早い段階から起業・創業を将来の選択肢の一つとして意識することにより、起業・創業者が増え、地域経済の活性化につながることを期待しております。 次に、大学が行う感染防止対策への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、多くの大学がオンラインで授業を行っており、学生同士の交流も限られていましたが、後期授業においては、遠隔授業と併用する程度に差はあるものの、全ての県内大学で対面による授業を実施する予定と聞いています。 対面授業の実施に当たり、各大学が様々な感染防止対策を講じており、県としても、新型コロナウイルス感染拡大防止対策推進支援金により、これを支援しております。 また、県立の2大学については、このたびの補正予算案の中で、施設の消毒等の感染防止対策に係る経費を計上しているところです。 次に、本県の子供の貧困の現状と対応についてでありますが、特に、約半数が非正規雇用である独り親世帯については、新型コロナウイルス感染症の影響で失業や休業等による収入減少の相談が寄せられていることから、これまで実施してきました出張相談に加え、新たにLINEによる相談を始めるなど、取組を強化してまいりました。今般、さらに就業支援を強化するため、ひとり親人材バンクと、ひとり親支援企業バンクを創設し、就業のマッチングを図る仕組みの構築について、補正予算を本定例会にお諮りしているところです。 一方で、貧困の状況にある子供が抱える困難や、その背景は様々であり、必要とされる支援も一様ではありません。 このため、県といたしましては、今後とも、総合的な取組を積み重ねていくとともに、現在見直しを進めております、県子どもの貧困対策推進計画の改定作業の中で、より効果的な施策展開などを探ってまいりたいと考えております。 なお、本県の子供の貧困の現状については、福祉保健部長からお答えいたします。 次に、精神的幸福度に係る本県の子供たちの現状と今後の対応についてでありますが、ユニセフの調査結果において、日本は15歳時点での生活満足度が62.2%で33か国中32位、15から19歳の1万人当たりの自殺者数が7.5で41か国中30位となっています。 一方で、昨年度本県が実施しました子供の生活実態調査において、自分は幸せだと思うとの問いに肯定的に回答した子供の割合は86.6%となっており、この調査を見る限り本県の子供たちについては、一定程度幸せを感じている状況にあると認識しております。 しかしながら、10代の自殺や学校におけるいじめ、家庭における児童虐待など、子供を取り巻く環境には、様々な課題も存在しております。 このため、県といたしましては、SNS等を活用した相談窓口の設置のほか、自殺やいじめ、児童虐待等の未然防止に向けた普及啓発に加え、学校現場においては、子供が生き生きと学校生活を送れるよう、成功体験を積み重ね、自己肯定感を高める授業づくりや集団づくりに取り組んでいるところです。 今後ともこうした対応を進め、子供たちが幸せを感じながら成長できる環境の整備を進めてまいりたいと思います。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症に関する注意報・警報発令時の具体的な呼びかけについてでございますが、7月31日の注意報発令時には、感染の拡大が見られる地域から県内に移動してきた場合の行動や、感染の拡大が見られる地域での行動、多人数での飲酒を伴う会食について、注意喚起を行ったところです。 県といたしましては、専門家会議の御意見を伺いながら、発令時の感染状況を踏まえ、その都度、効果的な呼びかけとなるよう柔軟に実施してまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 さらなる警報についてでありますが、まず、基準の根拠については、感染拡大が続き確保した病床のおおむね半数を超えた場合に、医療提供体制の逼迫が起こる可能性が非常に高いとの専門家や現場の医療関係者からの意見を踏まえ、総合的に判断して定めてきたところであります。 また、さらなる警報の表現については、県民にとって、より分かりやすい表現について、専門家会議の意見を伺いながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。 次に、本県の子供の貧困の現状についてでありますが、国の子供の貧困に係る調査は、国全体の世帯所得の傾向を把握するもので、子供の生活状況までは対象としておりません。 このため、本県では、子供の生活実態を把握するため、世帯所得のほか、必要とする食料を買えなかった経験などの家計の逼迫状況や、経済的理由による子供の体験や所有物の欠如などについて昨年度、調査を行ったところです。 調査の結果、低所得、家計の逼迫等に該当する困窮層は全体の8.2%、独り親世帯においては28.1%となっており、本県でも一定の子供たちが貧困の状況に置かれているものと認識しております。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 3点についてお答えいたします。 まず、観光関連施設における感染防止策の情報発信についてでありますが、これまで、県では、観光施設や宿泊施設などが行う感染予防の設備整備等への支援や、各施設が自ら行う感染予防策の見える化を推進するなど、観光に携わる方々と連携し、観光地全体の安全対策に取り組んでまいりました。 また、観光バスや宿泊施設等の感染防止策を広く周知するため、モデルツアーの実施や宿泊施設の感染防止PR等を支援してきたところでございます。 県といたしましては、観光地の安全対策を積極的に発信することで、県民の皆様をはじめ多くの方々に本県を旅先として選んでいただき、安心して旅行を楽しんでもらえるよう、引き続き観光関連事業者と連携し、さらなる情報発信に努めてまいります。 次に、地域の魅力をブラッシュアップする取組への支援についてでありますが、近年、旅行者の関心が、従来の消費型から体験・交流型にシフトしてきており、大地の芸術祭や工場の祭典に見られるとおり、住民との交流や日常生活に触れる体験が地域の魅力を高める上で重要となっており、今後もこうしたニーズは高まっていくものと考えております。 県といたしましては、市町村と連携し、地域住民や関係者が参画して地域資源を観光資源に磨き上げ、旅行商品の造成につなげる取組や、受入れ体制を拡充する取組などを支援することで、地域の魅力を高め、地域の活性化や交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、県内観光地の満足度向上に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、昨年度、民間調査会社が実施した旅行先の満足度調査の結果によれば、本県の全国順位は一昨年度の順位から後退していますが、順位が下がった要因までは、調査結果の中では公表されておりません。 ただ、過去のデータを経年で比較いたしますと、2015年度と2018年度に順位が上昇していることから、大地の芸術祭の開催などが満足度に何らかの影響を与えている可能性があるのではないかと推察されます。 また、項目別の評価では、食への評価が全国平均より高いものの、魅力的な宿泊施設や楽しめるスポット・施設などのポイントは、全国平均よりも低い結果となっています。 県といたしましては、国・県が実施している調査に加え、こうした民間のデータも参考にしながら、多様化する旅行者のニーズに的確に対応することにより、満足度の向上につなげてまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 中学・高校における地域の企業と協働した探究学習についてでありますが、一部の中学校や高等学校では、地域の企業と連携して、会社を模した組織を立ち上げ、地域資源等を生かした商品開発を行ったり、地場産業のPRイベントを開催するなど、地域の企業と協働した探究学習が行われております。 今後、キャリア・パスポートなどの活用により、中学校での一人一人の学びを高等学校へ引き継ぎ、生徒の発達段階に応じて系統的な取組を進めることや、起業・創業に関する先進校での取組を広く紹介するなどして、生徒の起業・創業への興味や関心を高めていくことが課題であると考えております。   〔上杉知之君登壇〕 ◆上杉知之君 1点だけ再質問させていただきます。 原発再稼働の議論の話なのですけれども、情報提供の点について、今ほど知事からは、経済性、安全性等の課題については国の責任で説明をしてほしいというお話があったのですけれども。それを踏まえて、やはり今回、原子力規制庁の審査がある程度めどがついたことの中でも、本来国が説明すべきものについてもしっかりと、県議会として、それが正しい判断なのか、あるいは疑念が残らないかといった部分も、やはりできるところから議論を始めていく必要があるのではないかと考えますけれども。国の判断と、新潟県における3つの検証との、この間の関係性といったものを踏まえつつ、やはりできることから議論していく必要があるのではないかと考えますが、改めて御所見をお伺いしたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 上杉議員の再質問にお答えします。 私は、再稼働の議論については、3つの検証の結果がそろって、材料が出てから議論を始めたいと申し上げているところでありまして、原発一般についての御議論を議会で議論されることについては、それは議会の御判断だと思っております。
    ○議長(桜井甚一君) 上杉知之君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時5分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、杉井旬君の発言を許します。杉井旬君。   〔杉井旬君登壇〕(拍手) ◆杉井旬君 リベラル新潟の杉井旬です。通告いたしました4つの項目について質問させていただきます。 1項目めは、県央医療圏についてであります。 まずもって、花角知事におかれましては、県央医療圏において、救命救急センターを併設した基幹病院がいかに必要であるか、県央地域の住民がどれほど待望している施設なのかについて深く御理解をいただき、昨今の医療需要や医師の働き方改革といった環境変化を十分に精査された上で、改めて、基本的な設計はそのままに、400床規模の基幹病院を開設すべきと決断してくださったことに対しまして、県央地域の住民の一人として、深く感謝申し上げます。 引き続き早期開院に向けて取り組んでくださいますようお願いした上で、数点お伺いいたしたいと思います。 県央基幹病院の建築本体、電気設備、空調設備、衛生設備について入札公告がなされております。開札や議会同意、着工などハード整備面に関する今後のスケジュールをお伺いいたします。 令和5年度中の開院という予定に変わりはないのかどうかについてもお尋ねいたします。 また、運営主体や診療科目などの決定、スタッフ確保などのスケジュールについても併せて伺います。 先般、県央地域医療構想調整会議が開催され、今後、再編後の役割分担などを協議することとされましたが、他の病院からは県央基幹病院の運営主体やどんな医師が来るのかが決まらないと、対応を検討することは難しいといった声が上がっております。 県央基幹病院の運営主体について、知事は、来春を目途に決定したいとの考えを示されていますが、決定時期を早められないものでしょうか。この点をお尋ねするとともに、どのような考え方で運営主体を決めるのか、選考に際しての基準や方針をお伺いいたします。 県央区域が厚生労働省の重点支援区域の選定を受けました。春先に申請していたとのことですが、この区域に選定されると、具体的にどのような支援が受けられる見込みなのか、県はどのような効果を期待して申請したのかをお伺いいたします。 重点支援区域の選定によって、地域医療介護総合確保基金の優先配分や国費でのダウンサイジング支援は、どの程度受けられる見通しなのかもお伺いいたします。 厚生労働省は、重点支援区域への技術的支援として、地域医療構想調整会議への地域の医療事情に係るデータ提供や、議論の場や講演会などへの国職員の出席、県が関係者と議論を行う際の資料作成支援、議論の場や住民説明会などへの国職員の出席、関係者の協議の場の設定などを想定しているようですが、新潟県として特に期待しているものは何であるのかをお伺いいたします。 質問の2項目め、新潟の拠点性向上についてお伺いいたします。 かつて新潟州構想というものがありました。新潟県と新潟市が平成24年11月から平成26年6月にかけて5回にわたり、新潟州構想検討推進会議を開き、当時の知事や新潟市長が二重行政の解消などについて協議しました。 地方自治法の改正を受けて、県と市の調整会議に移行するに当たり、当時の知事や市長は、今後も新潟州構想の名称を使うと話しておられたようですが、現在は全く使われておりません。 新潟州構想に対する花角知事の所見をお伺いいたします。 新潟州構想が検討されていた当時は、道州制論議が盛んでした。首相の諮問機関である地方制度調査会の道州制のあり方に関する答申や、主要政党の道州制推進本部の設置などを受け、東京一極集中を是正し、地方分権、地域主権を実現する手段の一つとして検討されたものと思いますが、現状では、そうした議論が忘れ去られたようになっております。 道州制に対する知事の所見をお伺いいたします。 道州制の議論では、全国を9ブロック、11ブロック、13ブロックに分けるなど、様々な案が議論されました。新潟県は、富山県や石川県、福井県と共に北陸州に区分されたり、これに長野県を加えた北陸信越州であったり、茨城県、栃木県、群馬県、長野県と一緒の北関東州、あるいは東北州といった区分もありました。 国の出先機関の管轄エリアも、国土交通省の北陸地方整備局は新潟、富山、石川、山形、福島、長野、岐阜、福井の8県、農林水産省の北陸農政局は新潟、富山、石川、福井の4県、経済産業省の関東経済産業局は新潟、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡の1都10県、国税庁の関東信越国税局は新潟、茨城、栃木、群馬、埼玉、長野の6県となっています。 電気は東北電力、ガスは北陸ガス。天気予報でも気象庁は新潟を富山、石川、福井と同じ北陸地方と位置づけ、NHKは関東甲信越で放送するなど、扱いはまちまちです。 例えば、青森は東北、千葉は関東、兵庫は関西、山口は中国、熊本は九州など、それぞれ所属する地域が明確な都道府県が多い中、新潟は東北なのか、北関東なのか、北陸なのか、関東甲信越なのか、曖昧となっています。 近隣県との連携を進めるに当たり、こうした状況をどのように考えておられるのかをお伺いいたします。 見方を変えれば、新潟県はどのブロックとも連携可能な好立地にあるとも言えます。実際、花角知事は、新潟、福島、山形の三県知事会議や新潟、福島、茨城、栃木、群馬の北関東磐越五県知事会議、新潟、群馬、埼玉の三県知事会議、新潟と北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の北海道東北地方知事会議など、様々な顔ぶれの知事会議を開いて、観光振興事業などを打ち出されており、多くの県民が心強く感じております。 そのような中、新型コロナウイルス感染症の流行拡大で首都の脆弱性が明らかになり、リモート勤務などによって改めて地方の魅力が見直され、本社機能の分散などが図られようとしている中、東京一極集中の是正に向け、他県と連携して本社機能の地方分散・誘致にどのように取り組んでいかれるのか、また、その中で新潟は何を売りとしてアピールしていくのかをお伺いいたします。 県が平成29年12月に策定した新潟空港アクセス改善の基本的考え方では、基本方針において、新幹線延伸案は、インバウンドを中心とした利用者の大幅な増加や、首都圏空港が被災した際のリダンダンシー機能の確保など、大きな効果も期待されているものの、インバウンド需要の今後の動向や、整備と空港利用者の増加との関係性等に不確実な要素も多い。加えて、多額の整備費の財源確保や、鉄道事業としての採算性等の課題も多く、現時点では整備着手を判断できる状況にないと新幹線延伸案の判断を先送りしています。 そして、改善策の方向性として、短中期的にはバスの利便性向上などに取り組み、中期的には短中期の取組を進めつつ、空港利用者が新潟空港ネットワーク戦略2017の2020年度目標、つまり今年度でありますが、135万人を達成した段階、もしくは中期の目標年次、2025年度を経過した段階で、利用者ニーズや社会経済の動向を見極めつつ、軌道系アクセス等の抜本的な改善策について本格的な検討を行うか、関係者で再度検討・意思決定を行うと定めています。 新潟空港の利用者数は、平成27年度の98万人から28年度には99万1,000人、29年度には102万2,000人、30年度には116万6,000人と、関係者の御努力によって着実に増え、令和2年度の目標達成も十分に可能と思われていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって急ブレーキがかかり、令和元年度は113万7,000人にとどまり、今年度の135万人も難しい状況となりました。 新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、135万人の目標を達成できたかもしれないところまで利用者を増やしてきた関係者の努力を、知事はどのように受け止め、評価されておられるのかをお伺いいたします。 県財政が厳しいことは承知しておりますが、今、投資をしなければ時期を逸するものもあります。今は新潟の拠点性向上のために、軌道系のアクセス改善について本格的な検討に踏み出すべきではないかと考えますが、前述の新潟空港アクセス改善の基本的考え方の改善策の方向性について、現時点でどのように考えておられるのかをお尋ねいたします。 新潟県は、立地的にも首都機能の分散先の適地の一つであるとともに、新幹線、高速道路、港湾、空港がそろっており、日本海側の拠点地域となるポテンシャルは十二分にあると考えます。ただ、残念なことに、新幹線、高速道路、港湾、空港がそれぞれ独立したような形になっています。 これらを有機的に結びつけることによって、新潟県の拠点性は飛躍的に高まるのではないかと思われます。それが運輸行政のプロ中のプロである花角知事に多くの県民が期待していることではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 3項目めは、工業技術の振興についてであります。 見附や十日町の繊維、加茂の木工、三条・燕の金属加工、長岡の鍛造など、新潟県内の多くの製造業は新潟県工業技術総合研究所と共に歩んできたと言っても過言ではありません。 工業技術総合研究所の前身は、大正3年に見附市に設立された新潟県染織試験場です。大正15年には加茂市に木材利用研究所、昭和5年には三条市に金工試験場、昭和26年には佐渡に竹工指導所、昭和31年には長岡市に鋳造試験場が設立されました。その後、昭和38年に工業技術センターと改称するなど何度か組織改革を繰り返し、平成7年に新潟市の工業技術総合研究所の本所と下越技術支援センター、三条市に県央、長岡市に中越、上越市に上越の各技術支援センターを置く体制となりました。 金工試験場の設立当初のスタッフは21人でした。ドロップハンマーやクランクプレスなど、当時としては最新鋭の設備と試験検査器具を備え、金属製品の試作や調査、試験や鑑定、検査機器の検定、講習会、依頼加工などを行ってきました。戦後も18人のスタッフが金属加工技術に関する研究や指導に努めてこられました。技術講習会のほか、技術者が工場に出向いて課題解決を指導する工場診断なども盛んでした。 金工試験場、現在の県工業技術総合研究所県央技術支援センターが、ものづくり産地としての県央の工業技術をリードしてきたことは間違いありません。 県が平成7年に策定した新潟テクノタンク構想でも、本県の工業構造の高度化促進や起業化支援を県政の重要課題に掲げ、工業技術総合研究所はそれらを推進する組織の一つと位置づけられていました。 これに対し、住んでよし、訪れてよしの新潟県を基本理念とする現在の新潟県総合計画は、工業技術の高度化に関する記述が少ないように感じます。第4章、活力のある新潟の中に、高い付加価値を生み出す企業の創出・成長促進と将来性が見込まれる産業分野への参入促進とありますが、工業技術総合研究所が果たすべき役割などには触れられておりません。 今回の補正予算で提案されておりますウィズコロナ、ポストコロナ社会を見据えた本県の活性化に向けた施策パッケージの産業のDX、デジタル・トランスフォーメーション推進についても、工業技術総合研究所は蚊帳の外に置かれているような印象を受けます。デジタル化も工業技術の一部であります。生産現場のDXにも強い指導力を発揮してこその工業技術総合研究所ではないでしょうか。 かつて工業技術総合研究所のホームページのトップには、工業技術総合研究所は、工業技術の高度化や高付加価値型産業群の形成など、本県工業構造の高度化を目指した新潟テクノタンク構想実現のため、研究開発事業をはじめ関連事業の充実を図り、地域技術創出の中核機関として、大学及び関係機関と連携し、積極的な企業支援に努めてまいりますと書かれていました。本県の工業技術の高度化を担う中核機関としての誇りが強く感じられるものでありました。 今は、県内企業が直面する技術課題の解決を支援し、ものづくりの基盤技術や先進的な産業技術に関する研究開発を通じて、新潟県産業の発展と成長を企業と共に目指していますとあるだけです。かなり慎み深くなっているのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 県は以前、新潟テクノタンク構想を推進し、工業技術総合研究所を新潟県の工業構造の高度化を推進する組織と位置づけていましたが、現在は総合計画でも工業技術の高度化に関する記述は少なく、工業技術総合研究所の果たすべき役割についても触れられていません。 工業技術総合研究所の位置づけは変わったのでしょうか。補正予算でも提案されている県内産業のDX推進における工業技術総合研究所の役割も含めて、現在の位置づけや役割をお伺いいたします。 また、工業技術総合研究所が果たしてきた役割を振り返り、ものづくり産地としての本県の今後を考えると、工業技術総合研究所の機能や役割をさらに強化すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 県内の大学には工学系の学部も、工業技術専門の大学もあり、専門的、基礎的研究が行われています。各大学と産業界との産学連携によって応用研究、生産技術研究も進められていますが、こうした共同研究に産業界から参加しているのは主として大企業です。 工業技術総合研究所には、大学とは違う役割が求められます。その一つが、意欲的な中小零細企業の要望に応えた応用技術を指導していくことです。あるいは、まだ実績はないけれども、面白い技術やアイデアを持っている新規創業者やベンチャー企業の力になってやることです。 最先端の技術を研究し、普及させる一方で、本県の職人たちが長い間受け継ぎ、守り続けてきた伝統的基礎技術を守ることも、工業技術総合研究所が果たすべき役割の一つではないかと思います。 県内には、一度絶やしてしまうと二度と復活させることができない伝統技術もあります。それらを守ることができるのは、少なくとも守るべき技術と判定して産業労働部に報告できるのは、工業技術総合研究所だけではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 県内の大学と大企業との共同研究も盛んになっている中、工業技術総合研究所は中小零細企業や新規創業者、ベンチャー企業の要望にこそ、積極的に応えるべきではないでしょうか。繊維や鍛冶など伝統的技術の保護、継承にも工業技術総合研究所は積極的に取り組むべきではないかと考えますが、各大学の産学連携センターなどと工業技術総合研究所の役割の違いは何かをお伺いいたします。 県央技術支援センターには現在も多くの依頼試験や機械器具の貸付要望が寄せられていますが、スタッフは以前の半分以下の8人だけです。かつての金工試験場のように、地域の工場と一緒になって研究開発に取り組んだり、生産現場の課題解決に取り組んでほしい、我々と共に考え、汗を流し、喜びを分かち合ってくれるセンターになってくれたらと期待している関係者はたくさんいます。 そこで、お伺いいたします。 中小零細企業こそ工業技術総合研究所の指導や支援を切実に必要としている中にあって、また工業技術総合研究所は大学とは違う役割を発揮すべき状況にあって、工業技術研究所の本所が工業集積地域ではない新潟市の中央区にあり続ける理由はないと考えます。 むしろ最終消費財を製造する中小零細企業がひしめき、新技術や新素材などの研究開発に日夜、切磋琢磨している県央に移す方向で令和の組織改革を検討すべきではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 4項目めは、校則についてであります。 ツーブロックという髪型があります。これを禁止している校則について、ある都道府県議会で質問があり、外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがあるため、生徒を守る趣旨から定めているといった教育長答弁が話題となりました。県内でも、校則が厳し過ぎる、ブラック校則だといった話題が度々新聞に載っています。 そこで、お伺いいたします。 校則の法的根拠について、文部科学省の生徒指導提要では、校則について定める法令の規定は特にありませんとし、判例では、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内において校則を制定し、児童生徒の行動などに一定の制限を課すことができ、校則を制定する権限は、学校運営の責任者である校長にあるとされていますとあります。ポイントは、教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内に限っているという点です。 県立高校などの校則は、教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内となっているのかどうかをお尋ねいたします。 県教育委員会は、関西の公立高校で人権侵害が疑われる生徒指導が行われているといった報道を受け、県内の生徒指導や校則を緊急調査した結果、生徒の人格権や学習権の侵害のおそれを指摘されるような事案が散見されたため、平成29年に生徒指導における適切な対応と校則の見直しについてという通知を出されました。 その通知では、髪の長さ等を細かく規定する内容については、社会環境の変化、生徒の実態を踏まえ、必要に応じて見直すこと、生徒の主体的、自立的な取組を尊重し、人権に配慮した丁寧な指導を行うこと、校則の内容やそれに違反する行為があった場合、どのような指導を行うのか、機会を捉え、生徒・保護者に周知しておくこと、頭髪や服装の規定に違反することを理由に授業を受けさせない、学校行事に参加させない等の指導は行わないことなどと、校則や規定の見直しやその運用について定めておられますが、この通知によって問題点は改善されたのでしょうか。 また、校則調査では、髪の毛の色を事前に届け出る地毛届の記載が校則にあった学校もあったと聞いておりますが、現在では改善されたのかどうか、お伺いいたします。 現在でも、女子生徒について、下着の色は白またはベージュとすると校則で定めている県立高校もあると聞いています。また、頭髪について、染色、脱色、パーマ、エクステンション等は認めないとか、横の髪で耳を隠さないようにするといった校則もあると聞いています。 これらの校則は、教育目的を達成するために必要かつ合理的範囲内と解されるのかどうか、御所見をお伺いいたします。 県内も国際化が進み、学校に在籍する生徒の出身地域も多様化しております。肌や髪の毛、瞳の色などもいろいろであり、宗教や生活習慣も様々です。以前のように髪の色も生活文化も同じ生徒ばかりという時代ではなくなりつつあります。宗教上の理由から豚肉を食べてはいけない人たちに、給食は残さず食べましょうと強制することは問題があります。 こうした社会の変化の中で、今後の校則はどうあるべきと考えておられるのか、お伺いいたします。 日本は生徒指導を学校に押しつけ過ぎているのではないかと思います。本来、家庭や地域で担うべき指導まで、全て学校に任せているために、箸の上げ下げまで指導するような細かな校則ができているのではないでしょうか。 学校は学業に関する指導が中心である。子供のしつけは各家庭で行うことが基本。学校は保護者の相談には応じるが、子供の生活に責任を負うのは保護者であるという考え方をもっと強く打ち出すべきではないかと考えますが、御所見をお伺いして、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 杉井議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、県央基幹病院の運営主体の決定方法についてでありますが、県といたしましては、まずは、県央基幹病院が提供する医療の具体的な内容、他病院との役割分担や連携について決定することが重要であり、年内を目途に、県央地域医療構想調整会議で決定したいと考えております。 その結果を踏まえ、運営主体の選定基準を設定し、この基準に基づいて適切に運営主体の選定を行うことになります。 そのため、運営主体の決定は来春より早めることは困難と考えております。 次に、厚生労働省の重点支援区域への支援内容等についてでありますが、重点支援区域に選定されることにより、国からは、データ分析や関係者との意見調整等の技術的支援のほか、財政的支援として、地域医療介護総合確保基金の優先配分や一層手厚い病床ダウンサイジング支援を受けられることになっております。 県央区域は、医師不足や圏域外への救急搬送が顕著であるなど、医療提供体制に課題があり、公立・公的病院の急性期機能の集約により、中核病院として県央基幹病院を整備し、県立病院など周辺病院は後方支援機能を担う医療再編を進めることとしています。 県といたしましては、国の支援を活用することで再編が円滑に進むことを期待し、申請を行ったところです。 次に、新潟の拠点性向上についてお答えいたします。 まず、新潟州構想に対する所見についてでありますが、新潟州構想については、当時、有識者による検討委員会の報告を受け、県と政令指定都市の合併・再編という制度の議論ありきではなく、広域・専門行政の一元化、二重行政の見直し等、県と市の間の個別の課題解決に優先して取り組むこととされたところです。 こうした方針の下、例えば、文化施設の一体的管理など、一定の成果を上げてきたものと認識しており、今後も、地方自治法で制度化された新潟県・新潟市調整会議を活用しながら、引き続き、県と市の具体の政策課題の解決に着実に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、道州制についてでありますが、平成27年に道州制基本法案の国会提出が見送られて以降、国・政府での議論に具体的な進展が見られない状況であります。 地方分権は重要な課題でありますが、道州制については、将来の我が国の統治機構の在り方、そして地方自治の在り方の根本に関わるものであることから、市町村も含めた地方の意見を十分に踏まえるとともに、国民的合意を前提とした慎重な議論が必要であると考えております。 次に、近隣県との連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県を所管する国の出先機関の区域が行政分野により異なるなど、本県の属する地域について統一的な整理はありません。近隣県との連携に関しては、本県の特性も踏まえ、特定の地域に限定されず多様な枠組みを活用していくことも意義があるものと考えております。 具体的には、北海道東北地方知事会議の構成員として、各道県に共通する課題等について国に提言等を行っているほか、新潟・山形・福島や、新潟・群馬・埼玉といった枠組みの知事会議に参画しており、今後も、各県の実情や、政策課題に応じた効果的で適切な連携を図ってまいりたいと思います。 次に、本社機能の地方分散・誘致についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会経済活動やライフスタイルに変化が見られる中、人や企業の地方分散の流れが生じつつあると認識しております。 地方への人の流れを創出することは、人口減少や地域経済の縮小といった、地方が抱える課題の解決に有効と考えられることから、県では、全国知事会などを通じ、本社機能移転に係る地方拠点強化税制の拡充など、東京一極集中の是正に向けた取組を、国に対して要望してきたところです。 県といたしましては、首都圏からの良好なアクセス、太平洋側と同時被災しない立地環境、優秀な人材、豊かな生活環境など、本県の持つ強みを積極的にアピールし、企業誘致につなげてまいりたいと思います。 次に、新潟空港の利用者数増加に対する評価についてでありますが、新潟空港ネットワーク戦略2017策定以降、ピーチ・アビエーション株式会社の関西国際空港線就航による新たな航空需要の創出や、ハルビン線の増便、香港線季節定期便の就航によるインバウンド需要の取り込みなど、空港利用者は着実に増加し、昨年度は、1月までの累計利用者数が前年同期比104%となっていたところです。 これは、県との協働により、路線誘致等を強く推し進めてきた経済界、旅行会社、自治体等の関係者の取組によるところが大きいものと受け止めております。 議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染拡大による航空需要の激減により、今年度の目標達成は困難な状況ではありますが、引き続き、関係者と連携した需要喚起の取組を着実に進めてまいります。 次に、新潟空港の軌道系によるアクセス改善についてでありますが、県方針では、空港への軌道系アクセスの整備を長期的な改善策として位置づけており、その整備は、空港の活性化や本県の拠点性向上などにつながる効果的な手段の一つであると考えています。 一方、その整備の実現には、財源確保や鉄道事業としての採算性等の課題があることから、県の財政状況を踏まえた上で、関係者との意見交換等を行いながら、実現に向けた道筋を探っていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、新型コロナウイルス感染症流行下ではありますが、状況を見極めつつ、まずは、路線ネットワークの強化や短中期的に実行可能なアクセス改善の取組により、空港利用者を増やすことで、できる限り早期に軌道系アクセスの本格的な検討を開始できるよう努めてまいりたいと思います。 次に、本県の拠点性を高めるための交通インフラの連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県は充実した交通インフラを備えており、日本海側の拠点地域となるポテンシャルを有しているものと考えておりますが、拠点性を高めていくためにも、新幹線、高速道路、港湾、空港など交通ネットワークを強化していく必要があると認識しています。 県といたしましては、今後、一層市町村や交通事業者など関係機関と共に各インフラの機能強化や利用拡大に努めるとともに、アクセスの充実などインフラ相互の連携性を高め、本県の拠点性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、工業技術の振興についてお答えします。 まず、工業技術総合研究所の現在の位置づけ及び役割についてでありますが、同研究所は、現在も、本県の工業構造の高度化を推進する組織であり、県内企業に対する産業支援機関として、試験・分析や研究開発等による技術の高度化や競争力の獲得等の面で重要な役割を果たしているものと認識しています。 今後は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてデジタル化が進展される状況を踏まえ、県内産業のデジタル・トランスフォーメーションの推進に向けた支援機能の強化を図る必要があると考えており、今定例会において、同研究所の関連機器整備に関する補正予算案をお諮りしているところであります。 いずれにいたしましても、引き続き、時代の変化や企業ニーズ等を踏まえ、県内企業の新技術や新製品開発に向けた取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、工業技術総合研究所の県央地域への移転についてでありますが、工業技術総合研究所の立地につきましては、県内全域の企業の多様なニーズに対応するため、人口や経済規模、事業所数、関係機関、交通アクセス等を総合的に考慮する必要があり、既に県央技術支援センターが設置されている中で、現行の体制の下で県央地域をしっかりと支援していくことが望ましいと考えております。 県央地域におきましては、金属洋食器や多様な金属製品など、金属加工業を中心とした産業群が形成されておりますが、海外製品との競争や、新たな金属加工技術の開発などの課題を抱えているものと認識しております。 このため、県央技術支援センターにおいて、今後も計画的な機器整備や企業ニーズの高い機器の導入等に努めるとともに、加工技術の高度化や金属材料試験・分析等の研究開発を支援してまいりたいと考えております。 また、工業技術総合研究所においても、デジタル・トランスフォーメーションの推進や新たな金属加工関連分野の研究開発に向けて、国の研究機関等との連携を図りながら、県央地域と共に取り組んでまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点についてお答え申し上げます。 まず、県央基幹病院の整備スケジュールについてでありますが、県央基幹病院の建築工事等の開札は、いずれも10月16日を予定しております。 本契約の締結につきましては、議会の議決に付すべきものであることから、順調に手続が進めば、12月定例会にお諮りし、議決をいただいた後着工となる予定であり、特段の遅れがない限り、令和5年度中に開院できる見込みとなっております。 また、運営主体につきましては、来春をめどに決定したいと考えており、具体的な診療科の決定やスタッフ確保に向けた取組等は、運営主体の決定後、運営主体と共に着実かつ速やかに進めてまいります。 次に、重点支援区域の選定による国の支援の見通しについてでありますが、地域医療介護総合確保基金の優先配分や、国費による一層手厚い新たな病床ダウンサイジング支援の具体的な内容につきましては、今後、医療機関による調整を通じて、全体の事業規模が詳細に決まっていく中で明らかになっていくものと考えております。 次に、重点支援区域の技術的支援についてでありますが、県央区域の医療再編は、複数設置主体による再編統合であることや、隣接医療圏との連携強化が必要であることなどから、特に、地域における医療事情を的確に把握することや、多くの関係者による綿密な調整などが必要になるものと考えております。 このため、地域の医療事情に係るデータ分析や他県の医療再編に係る情報提供など、国から手厚い支援を受けることで、再編に向けた調整が円滑に進んでいくことを期待しているところであります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 大学の産学連携センターなどと工業技術総合研究所の役割の違いについてでありますが、大学の産学連携センターなどでは、主として大学の研究シーズの活用に向けた企業とのマッチングや、産業界と協働して行う地域産業を担う人材育成等に取り組んでいるものと認識しております。 一方、工業技術総合研究所は、県内企業の日々の生産現場で発生する様々な技術課題から中長期的な戦略的課題まで、新技術の動向などを勘案しながら研究開発等による解決を支援する役割があるものと考えております。 また、繊維などの多様な地域産業に対しては、より付加価値の高い製品開発や品質向上を支援する役割があるものと考えております。 いずれにいたしましても、県といたしましては、同研究所の支援機能の充実を図りつつ、中小企業や新規創業者等を含め、地域産業の様々な課題解決に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 県立高校の校則についてでありますが、県立高校では、校長が教育目標に基づき、円滑で効果的な教育活動を行うために校則を定めております。 平成29年度に、校則違反をした生徒への指導が厳し過ぎるということが全国的に問題になったことを受け、服装及び頭髪指導について調査し、行き過ぎた指導を行っていた学校には改善を指導しました。今後、必要かつ合理的範囲の観点から、校則全般についてその妥当性を点検していきたいと考えております。 次に、校則等の見直しについてでありますが、平成29年度の調査では、校則を守らない生徒への行き過ぎた指導を行っていた20校とともに、校則に地毛届を定めた1校が確認されたため、県教育委員会が直接指導し、現在は改善されております。 次に、服装・頭髪等の校則の必要性・合理性についてでありますが、議員御指摘の内容を校則に規定している学校もありますが、将来、社会人となる生徒に、社会常識を身につけさせることは、教育活動の一環であり、学校教育の中では、染色、脱色等を禁止することは必要かつ合理的範囲内にあると考えております。 一方、下着の色や横髪の長さまで校則に定めることについては疑義があり、各学校の実態を調査した上で、適切に判断したいと考えております。 次に、今後の校則の在り方についてでありますが、学校では、学校行事の実施や給食指導等の際には、国籍や信教など個々の事情に応じて、校則の有無や規定にかかわらず柔軟に対応しております。 校則は、児童生徒が社会規範の遵守を身につけるために、教育的意義を有するものであり、学校という集団生活の場で過ごす際に、一定程度のルールとして必要なものであります。 一方、学校を取り巻く社会環境は変化するものであることから、校則は、社会環境の変化に合わせて見直す必要があるものと考えております。 次に、生徒指導における学校と家庭の役割についてでありますが、教育基本法には、教育の目的として人格の完成を目指すとあり、また、学校教育法の小・中・高のそれぞれの目標には、学力とともに人格の形成に不可欠な力や態度の育成が規定されており、学校教育は学習指導だけではなく、生徒指導も重要であります。 一方、教育基本法には父母その他保護者は、子の教育について第一義的責任を有すると定められており、児童生徒のしつけや指導に関する家庭の役割は大きいことから、保護者の理解を求めてまいりたいと考えております。 いずれにしましても、児童生徒の人格の形成のためには、学校と家庭が緊密に連携し、協力し合うことが重要であると認識しております。 ○副議長(佐藤純君) 杉井旬君の質問は終わりました。 次に、横尾幸秀君の発言を許します。横尾幸秀君。   〔横尾幸秀君登壇〕(拍手) ◆横尾幸秀君 自由民主党の横尾幸秀です。通告に従いまして順次質問いたします。 最初に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 新型コロナウイルス感染症対策に対し、花角知事をはじめ職員並びに県内各機関、特に医療従事者等、多くの皆様方の御尽力に対し、心より敬意と感謝を申し上げます。 新年早々、新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界に拡大し、今なお多くの感染者と死者が出ています。既に9か月以上経過しましたが、いまだ人間社会を翻弄し続け、収束のめどが立たない状況にあります。 この新型コロナウイルス感染症に関しては、私たちは連日様々な情報媒体で知るところですが、一口に言って、従来の社会通念が崩壊しつつあるとの思いです。 この見えない敵と対峙していくためには、これまでの社会通念を根底から見直し、一日も早くインフルエンザと同じスタンスで、コロナ禍の処方もできるよう望むところです。 さて、私たちの日常生活には、日々の生活資金は欠かせません。しかし、コロナ禍により日常行動や経済活動に関し、大幅な自粛や制限等が行われました。特に4月中旬の特措法による緊急事態宣言以降、その解除後も家計に大きな影響を与え、多くの国民が以前のような日常生活を取り戻せない状況にあります。 また、自粛や規制で、今年は県内各地で花火大会や祭りなど、恒例行事の大半が中止となりました。学校行事なども同様で、いろいろな行事等が縮小や中止で、一生に一度しか経験できない学校生活が空白となり、これにより子供たちが受ける心理的な影響も心配です。 私は以前、書物で、人類は感染症との闘いの歴史であり、これが繰り返されてきた事実を知りました。古くはエジプトのミイラから天然痘に感染した痕が確認されているそうです。その後も、中世ヨーロッパで当時の人口の3分の1が死亡したペストの流行や、1918年には世界中で5億人以上が感染し、死亡者数が2,000万人から4,000万人とも言われるスペイン風邪等、その後も多くの感染症が発生し、貴い命が奪われてきました。 しかし、人類を脅かす様々な感染症に対し、世界各国の学者たちが英知を結集して、ワクチンの開発や抗生物質等の発見で、大きな成果を収めてまいりました。これにより、多くの感染症に対する予防や治療が飛躍的に進み、今日の人類の存続と発展に大きく寄与してきたものと思っています。 当時の時代背景を想定しますと、研究機材だとか学問的知識等が未熟で、解明するまでには多くの障害があったものと推察いたします。 それに引き換え、現代社会にはスーパーコンピューターがあります。これを駆使して、膨大なデータをAI技術により解明すれば、時間もかけずに新薬の開発や予防対策は可能だと言われています。 日々刻々と新型コロナウイルス対策が進んでいますが、一日も早いワクチン等の実現を期待しているところです。 それでは最初に、知事を先頭に新型コロナウイルス対策に取り組んでいます。多くの県民も過去に経験したことがない難題に対し、冷静に秩序ある対応をしていただきました結果、感染拡大は最小限に食い止められているものと理解していますが、これまでの成果と今後の課題につきまして、知事の所見をお伺いします。 次に、国及び県では新しい生活様式の実践を提唱し、浸透を図っていますが、人と接する頻度が減少することなどにより、最も大切な、人とのつながりが希薄にもなっていると考えます。 新しい生活様式を実践しながら、このような問題にどのように対応していかれるか、知事の所見をお伺いします。 次に、私たちの日常生活を一日でも早く取り戻すためには、国で示しています感染拡大防止策と経済再生策の両立は大変重要であります。 県におきましても感染拡大防止と経済再生の両立に向けて、関係機関と連携して取組を進めていくことが重要と考えますが、知事の所見をお伺いします。 医療についてお伺いします。 本県の人口10万人当たりの医師数や看護師数は全国でも低位にあり、厳しい医療体制下にあります。このような中、コロナ禍に伴う県民の行動自粛により、県内の各病院では外来患者や入院患者数が激減して、経営悪化を招いています。県民の命を守る医療現場は、非常に厳しい状況に置かれているものと思います。 そこで、お尋ねします。 毎年秋から冬にかけて多発するインフルエンザ感染症との同時流行への対応が懸念されるところです。現状では、政府はインフルエンザワクチンの確保は万全の対策を講じていると明言していますが、インフルエンザの流行と新型コロナウイルス感染症の再拡大が同時に起こったとき、本県における医療体制下で十分な対応ができなくなった場合の対策につきまして、知事の所見をお伺いします。 次に、新型コロナウイルス感染症患者の受入れ病院等では、一般診療との連携等で多忙になっているとお聞きしますが、コロナ禍における医療機関でのスタッフの確保や長時間労働の是正などの働き方改革につきまして、県として、どのような対策を講じておられるか、お伺いします。 次に、令和元年9月26日に厚生労働省が発表しました公立・公的医療機関等に係る国からの再検証要請を受け、検討中の県立病院の役割・在り方の見直し作業において、関係市町と協議中の僻地病院についてであります。 コロナ禍が収束しない現状に加え、当該市町の財政だとか人的状況は本県よりも厳しく、加えて当該病院周辺には個人医も少ない状況にあります。拙速に結論を急ぐと地元住民に大変な不安を与えることになり、慎重に取り組む必要があると思いますが、知事の所見をお伺いします。 県経済についてお伺いします。 コロナ禍による県内経済の状況でも、ほぼ全ての業種で大きな影響を受けています。 ここに来て、国内の旅行等の移動やスポーツ観戦、各種イベント開催などに対し、自粛や入場制限など規制が緩和され、少し先行きが明るい見通しとなりました。先月の4連休は、全国各地で例年以上の混雑となったようですが、これが普通の状態になることを念じています。 しかし、依然として長い期間での自粛や規制で、中小製造業や飲食業、接客業やホテル・旅館業を含む観光業全般などでは、営業ができず、休業に追い込まれているようです。私の地元の観光業界でも、インバウンドによるスキー客の激減やスポーツ合宿の中止などで危機的な状況にあります。 マスコミ情報では、ここに来て一部業界では改善の兆しがあるとのことですが、多くの業界では今後も予想以上に倒産や廃業などが増加する傾向にあり、これによる従業員の一時帰宅や解雇・雇い止めなどが多くなると報道もされています。 このような中で、国では、例えば経営・金融相談、資金調達、事業継続に向けた給付金・補助金、税制上の支援など、様々な支援策を講じています。地元の商工会議所に聞きましたところ、多くの関係者が相談に見えているとのことでございました。 そこで、お尋ねします。 コロナ禍に伴う経済活動自粛の影響は県経済全般に及び、多くの業種で多大な影響が出ている中で、国や県などにおいて、これまでにない有利な各種融資制度で中小企業や個人事業者に対し支援しているところでございますが、現状における効果につきまして所見をお伺いします。 次に、最近は感染状況の改善により自粛や規制が緩和されてきましたが、自粛等の期間のダメージが大きいことから、年末にかけて事業を継続できるか、厳しい状況に追い込まれている中小企業や事業者が出ることも予想されますことから、これまで以上に相談体制や支援策の充実が必要と考えますが、知事の所見をお伺いします。 次に、GoToトラベルについて、今月に入り東京を発着する旅行が対象に加わることになりました。これまで経営不振に陥っていた観光業界では、待望久しい出来事で歓迎ムードですが、一方で、首都圏からの観光客が多くなることで感染拡大につながるとの県民の懸念に対し、県としてどのような対策を講じていかれるか、所見をお伺いします。 次に、経済活動の自粛と規制の影響により、多くの労働者が収入減を補うために副業を余儀なくされたり、また、失業などで生活基盤を失う人もいるとお聞きします。 特に、新卒採用の内定取消しが多いと聞きますが、県内の現状をどのように把握しておられるかお伺いしますとともに、若者の将来に大きな不安を与えることのないよう、県としてどのように対応していかれるか、お伺いします。 県財政についてお伺いします。 コロナ禍以前からの厳しい状況を踏まえ、少しでも財源不足を補うために、知事をはじめ県職員、我々議員等が報酬の一部削減を行いましたが、今年7月末には本県職員OBなどからも善意の寄附金約1,070万円が寄せられたとのことです。心温まる行為に、心より感謝申し上げます。 今後とも県政運営に当たり、県民の福祉向上を最優先に、さらなる経常的経費削減や徹底した事業の見直しなどが必要です。 そこで、お尋ねします。 今後もコロナ禍が収束しない場合、史上まれに見る景気悪化により県税収入は大幅に減少すると思われますが、今後の予算編成に対する影響につきまして、どのような対策を考えておられるか、知事の所見をお伺いします。 次に、現下の厳しい県財政を乗り切るために策定された新潟県行財政改革行動計画に基づき、初めて編成されました令和2年度予算がスタートしたばかりですが、コロナ禍により計画の前提条件が大きく変化しました。この現状を総括して、早急に計画の見直しを検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 次に、これまで我が国のインバウンド需要は順調に伸びて、大きな経済効果をもたらしてきましたが、コロナ禍により我が国のインバウンド需要は一変して激減し、特に観光業界関連では様々な分野で大打撃を受けています。その影響につきまして本県の現状を伺いますとともに、今後のインバウンド対策につきまして知事の所見をお伺いします。 教育関係についてお伺いします。 コロナ禍により、学校現場も大きな問題に直面しています。 子供たちにとって人格形成の大事な時期に、学校閉鎖による学習の遅れ、友達と会えないことや家庭内学習の増加によるストレス、スポーツや文化芸術など部活動の中止や縮小、修学旅行なども同様で、以前のような楽しい学校生活ができない現状です。 経済活動の停滞から、新学卒者に対する新規求人の減少も心配です。 また、中にはアルバイトができず、家賃や授業料が払えないで退学する大学生もいるとのことでございます。 将来を担う子供たちのために、県教育行政としても、このコロナ禍で経験したことを踏まえた対策の在り方について、改めて見直す必要があると思います。 そこで、お尋ねします。 教育現場において、コロナ禍により卒業式や入学式の取りやめや簡素化に加え、全国規模で開催されてきました部活動のスポーツ大会や文化芸術等、多くのイベントが中止となりました。 本県では、これに代わるスポーツ大会や文化芸術イベントなどが開催され、少しでも子供たちの思い出づくりに役立ったと考えますが、今後、これら行事の在り方につきまして、教育長の所見をお伺いします。 次に、コロナ禍により例年どおりの学校運営が行えない中、授業時数の確保や個別指導に差が生じることへの懸念に対する県の対応につきまして、教育長にお尋ねします。 次に、全国の教育現場において、コロナ禍で利用が増加したSNSなどによる、新型コロナウイルス感染症に関連した差別や偏見、いじめの増加があると聞きますが、本県の現状につきましてお伺いします。 また、このようないじめ等がない、日常の学校生活を続けていくためには何が必要で、具体的にどのような対策を講じていかれるか、教育長にお尋ねします。 次に、都市部と中山間地の教育格差を解消させるため、コロナ禍を契機に全県で進められていますICT教育を一日も早く導入し、オンライン授業に活用していくべきと考えますが、所見をお伺いします。 また、そのためには教員全員がICT機器等の操作を十分に行え、一方通行とならず、子供たちの習熟度に合わせたオンライン授業が行えるよう、研修体制を充実させていく必要があると考えますが、併せて教育長の所見をお伺いします。 次に、コロナ禍で、県内の新鮮な農産物や畜産物、魚介類等の需要がイベントや業務用需要を中心に落ち込み、農林水産業者や食品加工業者等の中には経営に大きく影響を受けている方も多いと聞きます。 県においては、これら県産農林水産物を学校給食に提供する取組を進めていますが、この取組に対する知事の所見をお伺いしますとともに、県内の現状についてもお伺いします。 また、地産地消の観点からもこの取組を推進する考えはないか、所見をお伺いします。 2点目は、県政の諸課題の中から何点かお伺いします。 県政の最大課題は、20年以上も続いている人口減少への対策です。特に、若者を中心とした社会減少は、県内の活力衰退の大きな要因ともなっています。これが東京一極集中となり、本県を含む地方は疲弊する構図です。船に例えれば、片方が重くて片方が軽い状況になっていて、このままの状態が続けば、やがて航行不能となります。まさに、現在の我が国はいびつな状況にあると思います。 先頃、憲政史上7年8か月という最長在任の安倍前総理に代わり、菅新総理が誕生しました。菅新総理は、本県と同じ雪国の秋田県の出身です。地方の状況を一番熟知されておられる菅新総理の手腕に期待するところでございます。 さて、コロナ禍により、一部の東京在住者が感染リスクを回避するため、また、豊かな自然の中で人間らしい暮らしを手に入れるため、地方への移住という新たなライフスタイルを真剣に考えている人たちが増えているとのことです。これを新たな働き方としたテレワークが後押ししています。 そんな中、人材派遣大手パソナグループが、全社員約1,800名のうち約1,200名規模で、本社を兵庫県淡路島に移転すると発表がありました。地方にとりましては大変な朗報です。これを機に、本県もあらゆる人脈を駆使して企業誘致活動すれば、人口減少対策の一助になると思うが、いかがでしょうか。 県内経済の活性化促進も大きな問題の一つです。 昨年まで順調に進んできましたインバウンドも、コロナ禍による入国制限のため、現在、観光地ではほとんど訪日外国人を見かけません。 この規制により、国内にある航空業界や観光業関連企業等は、想像以上の大打撃です。新潟空港もしかりですが、手をこまねいているわけにはいきません。早急にコロナ禍に対応できる、将来を見据えた対策が必要です。 最初に、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの調べでは、本県への移住に関心を持っている方は常に上位にランクされており、2018年の調査では20歳代以下では全国1位と若者に人気ですが、その要因をどのように認識しておられるか。また、実際に移住された実績についてお伺いします。 次に、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークやリモートワークなどの普及に後押しされ、東京在住者の一部で、感染リスクの少ない田舎暮らしを考えている人たちが多くなっているとお聞きします。 県においても、テレワーカー・フリーランス移住応援金を創設し、ライフスタイルの転換を促していくとのことですが、これを機に、これら取組や市町村との連携により、人口減少対策の取組を強化していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 次に、各種イベントやライブなどの開催自粛や人数制限の影響により職を失う者や、非正規労働者のように、収入減や解雇などにより、日々の生活に不安を抱えている人たちも多くいると思われます。 県内の解雇や雇い止めの実態と併せて、このような方々に対する県としての対応につきまして、知事の所見をお伺いします。 次に、コロナ禍による先行き不透明な経済状況の中で、中小企業や商店などで後継者不足が懸念されます。 2019年の県内企業の後継者不在率は58.2%で、全国では35位であり、若者の就職や地域の活性化には後継者対策が大変重要でもありますことから、県では県内各自治体や商工会議所などと連携して取組を進めていると思いますが、この取組状況をお伺いしますとともに、事業継承の課題とその対応につきまして、知事の所見をお伺いします。 次に、上越地域から新潟市までのアクセスは、北陸新幹線で東京へアクセスするよりも時間がかかることに対し、私も含め多くの議員より対策を講ずるよう求めてきました。これに対し、具体的にどのような検討を行ってこられたか、お伺いします。 なお、将来は新幹線構想もありますが、実現には時間と経費など課題が多く、今回は省略させていただきます。 そこで、問題の解決には、北陸新幹線開業に伴い運行を開始しました特急「しらゆき」もありますが、それ以前に新潟-金沢間を直結していました特急「北越」のような優等列車も併せて運行することが、関西方面からの観光客誘客も含めて、一番理にかなっていると思いますが、知事の所見をお伺いします。 次に、コロナ禍による航空需要の落ち込みにより、新潟空港の利用状況が大変厳しい状況に置かれています。他県の空港では、航空利用者以外を呼び込むために、魅力あるテーマパーク施設を併設し、活性化に取り組んでいる事例もありますが、今後の新潟空港の活性化に対する方向性につきまして、知事の所見をお伺いします。 次に、本年7月22日にトキエア株式会社が設立され、運航開始を目指して活動を本格化させる予定とのことでございます。離島の佐渡島を含む地方との航空ネットワーク構築に取り組む予定のトキエア株式会社に対する、県としての支援の方向性につきまして、知事の所見をお伺いします。 最後に、大規模災害についてお伺いします。 近年の自然災害は大規模化、凶暴化していて、本県も昨年の台風19号により、各地で大きな被害がありました。真夏ではなく、晩秋の時期でした。今年もその時期を迎えようとしていますが、今から十分な備えが必要です。 しかし、今年の場合はコロナ禍により、従来どおりの避難所の受入れ体制では困難となります。新しい生活様式として、3密回避や手洗いの消毒、マスクの着用などを徹底する必要があります。 また、本県には多くの高齢者がいます。この人たちに対する避難誘導や支援などの体制や情報伝達の在り方も、従来とは違う検討が必要です。 菅新内閣では、新たにデジタル改革担当相を新設しました。本県もデジタル化による事務改善を図る方針とのことです。大変結構なことですが、私たちの身近にはデジタル化に縁遠い人たちが存在することも忘れてはならないと思います。 そこで、質問です。 今年発生しました九州地方の台風被害におきまして、新型コロナウイルス感染症対策として3密を避けるため避難所の収容人員を減らしたことから、定員超過で受入れを断られるケースが多かったとお聞きしますが、本県での事前の備えにつきましてお伺いします。 また、多くの高齢者世帯やパソコン、スマートフォンなどを活用できない方に対する情報伝達も問題となったようでございますが、本県の対応状況につきまして併せてお伺いしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 横尾議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策に係るこれまでの成果と今後の課題についてでありますが、先般取りまとめた、新型コロナウイルス感染症対応に係る振り返りにおいて、県民の協力、医療関係者の努力やこれまでの感染拡大防止策の実施により、感染者が一定程度に抑えられていることが有識者からも評価されたところです。 一方、本県では規模の大きな蔓延を経験していないことから、今後の季節性インフルエンザの流行期に発熱患者が大幅に増加した場合にも適切な医療が提供できるよう診察や検査の体制を強化すること、また、宿泊療養施設をより有効に活用すること等を、今後の課題として取りまとめたところです。 県といたしましては、これらの課題にしっかりと対応してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症流行下における人とのつながりの希薄化についてでありますが、議員御指摘のとおり、飲食を伴う会合の自粛や帰省控え等により、人とのつながりが希薄になっていると感じる場合もあります。一方で、テレワークの普及やリモートでの会合、オンライン帰省など、この間に新たな形での人とのつながりを実感できる方法も増えてきているのではないかと考えております。 県といたしましては、長期にわたる対応も見据えながら、新しい生活様式の実践による感染拡大防止と社会経済活動の両立に取り組んでまいりたいと思います。 次に、感染拡大防止策と経済再生策の両立についてでありますが、県といたしましては、国の方針と同様に、感染症対策とバランスを取りつつ、地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくことが重要であると考えています。 このため、感染拡大防止を前提としつつ、商工団体や金融機関などと連携をし、国の経済対策も活用しながら、県内事業者の経営の下支えや意欲ある企業の挑戦を後押しすることなどにより、本県経済の再生に向けた取組を進めてまいります。 次に、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に備えた医療体制についてでありますが、国は、今後のインフルエンザ流行期に発熱患者が多数発生することを想定して対策を講じる必要があること、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を見分けることは困難であることを指摘し、県に対して本年10月中を目途に受診や相談対応が滞らないよう医療提供体制の整備を求めているところです。 県といたしましては、現在、県医師会や郡市医師会と協議をし、医療機関の実態を踏まえた受入れ体制の拡充を検討しております。 議員御指摘のようなインフルエンザの流行と新型コロナウイルス感染症の再拡大が起こった際にも十分な対応ができるよう、医療提供体制の整備に努めてまいります。 次に、いわゆる僻地病院の市町村主体の運営に向けた取組についてでありますが、議員御指摘の市町村の財政負担や医師をはじめとしたスタッフの確保に加え、病院運営に関するノウハウの不足などが課題であると地元市町から指摘されているところであります。 一方で、持続可能な医療提供体制を確保していくためには、市町村や民間医療機関との役割分担の下、県立病院が果たすべき役割に重点化を図っていくことも重要な課題と考えております。 このため、個別の病院の課題に対応した詳細なデータや情報などを地元市町に提供し、引き続き、丁寧に意見交換を重ね、住民説明会の開催も含めて議論を深めるなど、市町村主体の運営に向けて、地元の理解と協力を得られるよう、慎重に取組を進めてまいります。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けている事業者への支援についてでありますが、事業者の多くは、現在でも売上げが回復しないなど、依然として厳しい状況にあります。こうした状況が長引くことで、議員御指摘のとおり、今後、事業継続が困難になる事業者が出てくることも懸念され、努力している方々へのさらなる支援が必要です。 今般、事業者にとって身近な存在である商工団体の相談体制が強化されたところであり、県としては、これと連携して、きめ細やかな相談対応に努めてまいります。あわせて、感染症の影響により融資を受け、今もなお一定の売上げ減少が続く事業者への応援金の支給について、今定例会にお諮りしているところです。 今後とも、経済状況を見極めながら、さらなる対応も含め、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症流行下における若年者雇用対策についてでありますが、本県においても、新型コロナウイルスの影響により、解雇・雇い止め等を余儀なくされる労働者の数が増加しております。今後の経済状況によっては、雇用情勢のさらなる悪化が懸念される中、若者が将来に不安を抱くことがないよう、取組を進めていく必要があると考えています。 そのため、県といたしましては、学生のインターンシップ参加に向けたマッチングイベント等のオンラインでの開催や、SNSを活用した県内企業情報の発信力の強化に努めております。 また、就職先が決まっていない学生向けに県内企業の求人情報を提供するなどの取組を進めているところであり、今後も状況を見極めながら必要な対応を行ってまいります。 なお、県内の新規学卒採用の内定取消しの状況については、産業労働部長からお答えいたします。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない場合の予算編成での対策についてでありますが、現在の経済状況から、今後、基幹的な歳入である県税収入は大幅に落ち込み、財政状況がさらに厳しくなることが見込まれます。こうした状況に対し、県として引き続き行財政改革行動計画の取組を着実に進めていくことはもちろんですが、全国的な税収減の状況の中では国としての対応が不可欠であると考えています。 令和3年度当初予算編成に当たっての税収減については、現状においては地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に地方交付税等によって措置されることを前提としておりますが、引き続き必要な地方一般財源総額の確保・充実がなされるよう強く求めるとともに、今後の経済状況の変化や国の地方財政対策の状況を見極めながら、適切な対応に努めてまいります。 次に、行財政改革行動計画の見直しについてでありますが、中期財政収支見通しについては、最新の経済指標等を反映し、毎年度9月と2月に改訂を行うこととしております。 今回の改訂では、新型コロナウイルス感染症の影響により県税収入が大幅に落ち込むと見込まれますが、令和3年度以降も地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に税収減については地方交付税等によって措置されることを前提に試算しております。 その結果、令和7年度の財源対策的基金残高は最低限の目標である230億円は確保できる見込みですが、依然として収支均衡に至る見込みとはなっておりません。 そうした中で、持続可能な財政運営を実現していくため、まずは、引き続き行財政改革行動計画の取組を着実に進めるとともに、新型コロナウイルスの影響による全国的な税収減の状況の中では、国としての対応が不可欠であることから、必要な地方一般財源総額の確保・充実を強く求めてまいります。 議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化すると見込まれることや、国の地方財政措置の状況等を見定める必要があることから、中期財政収支見通しについて令和3年度当初予算編成の中で改めて検討し、お示しするとともに、行動計画についても必要に応じて見直してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症流行下における本県インバウンドの現状と今後の対策についてでありますが、現在、世界的な渡航制限や我が国の出入国規制などから、全国と同様に本県インバウンドは大幅に減少し、宿泊や飲食など幅広い業種が、その影響を受けていると認識しております。 一方で、旅行会社からは訪日旅行ニーズは依然高く、積極的にオンラインで観光情報を収集していると聞いておりますので、現地プロモーションが実施できない中であっても、SNSによる情報発信など継続的な取組を進めているところです。 今後の対策については、オンラインによる情報発信を強化するとともに、インバウンドの回復を見据え、二次交通の利便性向上といった受入れ環境の充実に取り組むとともに、国や地域ごとの感染収束等を見極めながら、短期と中長期の視点から検討してまいります。 次に、学校給食への県産農林水産物の提供についてでありますが、この取組は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた県産農林水産物の需要喚起を図るとともに、食育を推進するために、県内小中学校等の学校給食に県産食材を提供したものであり、地域で取れた安全・安心な農林水産物をおいしく食べることを通じて、多くの子供たちが本県農林水産業への理解を深めることができるものと期待しています。 また、学校給食への提供を契機に、家庭での県産農林水産物の消費拡大につなげ、地産地消を推進してまいりたいと考えております。 なお、学校給食への提供の現状については、農林水産部長からお答えいたします。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、人口減少対策の取組についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会経済活動やライフスタイルに変化が見られる中、人や企業の地方分散の流れが生じつつあると認識しております。 この流れを捉え、本県で新しいライフスタイルや働き方を実現することの魅力を訴求し、今回お諮りする移住応援金と併せて、本県への移住を促すための対策を総合的に推進したいと考えています。 また、移住希望者の様々なニーズに対応するためには、移住の受皿となる市町村との連携は一層重要であると認識しており、県といたしましては、市町村の受入れ体制づくりなどを支援していくとともに、県及び市町村の施策が一体となったパッケージとして打ち出し、地方分散の促進に向けた取組を進めてまいりたいと思います。 次に、県内の解雇や雇い止めの実態と県の対応についてでありますが、厚生労働省の調べによれば、本県における新型コロナウイルス感染症に起因する解雇・雇い止め等見込み労働者数は、9月18日時点で1,093人、雇用調整の可能性がある事業所数は631社となっており、今後の経済状況によっては、雇用情勢のさらなる悪化が懸念されるところです。 また、離職しないまでも、労働時間の減少などにより収入が減少した方も、特に非正規労働者において多くおられるものと認識しています。 県といたしましては、離職や収入の減少により必要となる生活資金等の確保を支援するほか、離職者が円滑に再就職できるよう、職業訓練に優先枠を設定して受講いただいております。 今定例会においては、職業訓練のコースの拡充及び定員増についてお諮りしており、引き続き、雇用情勢に応じて、さらなる対策を検討してまいります。 次に、事業承継の取組状況及び課題とその対応についてでありますが、事業承継は、後継者確保のほか、資産譲渡、債務整理など、課題は専門的で多岐にわたり、その解決には相当の時間を要することから、これまでに商工団体、金融機関、県内自治体などで構成する事業承継ネットワークの設置や、県内4地域への事業承継ブロックコーディネーターの配置による地域に密着した相談体制の充実に取り組んでまいりました。 加えて、今年度は新たに経営者保証を解除するためのコーディネーターを事業承継ネットワーク事務局へ配置し、さらなる相談・支援体制の強化にも取り組んでおります。 しかし、依然として事業承継の早期着手に関する意識が低い現状の中、後継者不在の企業が、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経営状況の悪化により、休廃業・解散する懸念があることから、関係機関と連携し、経営者の意識醸成や個々の事情に応じたきめ細かな相談対応などの支援に努めるとともに、M&Aなどの第三者による前向きな事業承継を支援するなど、地域経済を支える企業の円滑な事業承継を推進してまいります。 次に、上越地域から新潟市までのアクセスの改善についてでありますが、県では昨年度、中速新幹線構想を含め鉄道の高速化施策等について情報収集を行い、今年度は、JR東日本新潟支社と乗車時間や乗換時間の短縮などの検討を行っているところであり、今後とも、様々な可能性を視野に入れながら検討を進めてまいります。 また、新潟-金沢間を直通する在来線優等列車については、新幹線と並行する路線では難しいと考えておりますが、県といたしましては、上越地域と新潟市との間の利便性向上やアクセス改善は重要と考えており、糸魚川快速の再開や優等列車の充実、上越・北陸両新幹線と在来線との直通運転化などを、国やJRに要望しているところであり、引き続き取り組んでまいります。 次に、今後の新潟空港の活性化の方向性についてでありますが、県では、新潟市など関係者と共に、新潟空港の利用者の増加につながり、かつ、計画に一定の具体性があることなどを視点に、新潟空港活性化の方向性を検討してまいりました。 その一つとして、現在、民間主導で動いている地域航空経営会社の事業展開を後押しすることは、航空人材育成等の関連事業の広がりも含め、空港の活性化につながる可能性を持つものと考えており、事業者の取組に協力してまいります。 また、コンセッションの導入について、民間の創意工夫を生かした運営が、空港のにぎわいにつながることが期待されることから、現在、国が進めている資産調査の結果を踏まえ、議論することとしております。 議員御指摘の、大型施設の誘致についても、今後、先進事例の研究や状況把握等に努めてまいります。 次に、トキエアに対する県の支援の方向性についてでありますが、トキエアにより、新潟空港を拠点とする航空ネットワークが構築されれば、新潟空港の利用拡大につながることが期待されるとともに、新潟空港の活性化や拠点化の推進、さらには地域経済の活性化にもつながる可能性があることから、大いに期待しているところです。 県といたしましては、トキエアが運航を開始する際には、運航経費や利用促進の取組に対する支援等を検討してまいりたいと考えており、今後も事業の進捗に応じて最大限の対応を行ってまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症流行下における避難所運営等についてでありますが、県といたしましては、避難所への避難者の集中を避けるため、これまでも市町村と連携し、住民に対して安全な親戚・知人宅等への分散避難を呼びかけるとともに、新たに避難所の確保やホテル・旅館の活用等を進めてきたところです。 また、高齢者の方々をはじめ、広く県民の皆様に的確に災害情報を伝達するためには、多様な手段を用いることが重要と考えており、市町村に対し、情報伝達手段の多重化を働きかけるとともに、有利な起債制度など国の支援事業を活用した情報伝達手段の整備を促しているところです。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 1点お答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関のスタッフ確保等への対策についてでありますが、国の一次・二次補正予算を活用し、新型コロナウイルス感染症患者の受入れ体制確保のための空床確保に係る費用補填や、新型コロナウイルス疑い救急患者受入れのための院内感染防止対策に係る支援金等を創設しております。 加えて、新型コロナウイルス感染症対応における医療スタッフの質の向上と精神的負担の軽減につながるよう、感染制御支援チームや一部の重点医療機関から、感染予防・拡大防止に関する助言や指導を受けることができる仕組みを構築したところです。 また、不足する医療人材の確保を支援するため、新潟県ナースセンターを通じて就職する看護職員へ就職準備金支給事業を創設したほか、医療機関に対して、国が運営する医師・看護師・医療人材の求人サイトへの登録の周知を図っております。 県といたしましては、引き続き、国の補正予算も最大限活用しながら、医療機関におけるスタッフの確保や業務負担軽減を図るなど、新型コロナウイルス感染患者の受入れに支障が生じないよう、診療体制の確保に向けて支援してまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 3点についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大に対応した融資制度の効果についてでありますが、政府系金融機関では、3年間実質無利子の特別融資を創設したほか、県におきましても、セーフティーネット資金に3年間実質無利子・保証料ゼロの融資枠を創設し、9月18日現在までに、約2,800億円、1万7,000件を超える中小企業者の資金繰りを支援してまいりました。 民間調査会社によると、県内の倒産件数は、令和2年1月から8月までの累計で前年同月を下回っており、6月以降は、3か月連続で前年同月を下回るなど、低い水準で推移しております。こうした状況を踏まえると、国や県の融資による支援は、中小企業者の事業継続に一定程度の効果を上げているものと認識しております。 次に、県内の新規学卒採用の内定取消しの状況についてでありますが、厚生労働省の調査によれば、県内の新型コロナウイルス感染症に起因する令和2年3月新規学卒者で内定を取り消された者は、4人でありますが、いずれも就職を既に決定しております。 また、同調査によれば、新型コロナウイルス感染症に起因する令和2年3月新規学卒者で入社時期を繰り下げられた者は、2人であり、いずれも4月中に入社しております。 次に、移住希望地ランキングについてでありますが、当該ランキングにつきましては、ふるさと回帰支援センターで開催されたイベントの参加者等に対するアンケート結果を集計したものであり、イベントを積極的に行っている都道府県が上位になる傾向にあります。 本県では若者の転出が社会減の大きな要因になっていることから、若者をターゲットとしたイベント開催に力を入れており、結果として20代以下のランキングが上位になったものと認識しております。 なお、移住者数につきましては、公的な統計制度がないことから市町村へのアンケートの範囲での把握となりますが、平成28年度が808人、平成29年度が1,759人、平成30年度が1,473人、令和元年度が1,901人と増加傾向にあります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) お答えいたします。 GoToトラベルの対象に東京発着が加わることについてでありますが、議員御指摘のとおり、今月からGoToトラベルに東京発着が加わり、本県の観光需要回復に大きな効果が期待される一方で、首都圏からの来訪などが感染拡大につながるのではないかと心配する声もあると聞いております。 これまで県内観光事業者においては、各団体の感染防止対策ガイドラインに基づいた対策を講じるとともに、県では感染拡大防止対策に係る支援金の支給や、感染防止策の見える化を推進し、事業者の感染防止策を支援してきたところです。 県といたしましては、先般改めて観光関連事業者に対しまして、最大限かつ細心の感染防止策を徹底していただくよう文書で依頼したところであり、引き続き、県内観光地から感染が拡大しないよう必要な情報発信や感染拡大防止に努めてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 学校給食への県産農林水産物の提供についてでありますが、市町村等の実施希望調査を踏まえ、今年度中に、22市町村で、県内小中学校及び特別支援学校等の児童生徒、約8万人に、延べ26万食分のにいがた和牛と県産の魚を提供する予定としております。 この取組は、9月から開始したところであり、まだ実施は一部に限られておりますが、県内の対象児童生徒の約半数に県産食材を提供できる意義は大きいものと考えております。 また、食材提供に併せて食育教材の配付や動画の配信を行うとともに、モデル的に生産者が学校を訪問し、生産活動の苦労や食材への思いを伝える取組が、子供たちから大きな反響をいただいております。 これらの取組を踏まえ、これからも農林水産業への理解促進や食育を一層推進してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 4点についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症流行下における今後の学校行事等の在り方についてでありますが、新型コロナウイルスの影響により、多くの学校行事が中止や見直しを余儀なくされたところですが、部活動については、様々な方々の支援によって、代替大会等が実施され、参加した生徒からは、これまでの努力の成果を発揮することができ、よい思い出になったなどの声が届いております。 県教育委員会といたしましては、今後も感染予防に十分配慮するとともに、開催時期や規模を工夫しながら、可能な限り学校行事等の実施に努めてまいります。 次に、授業時数の確保や個別指導に差が生じることへの懸念に対する県の対応についてでありますが、学校再開後は、夏季休業の短縮や学校行事の精選等により授業時数の確保に努めております。県立高校等では約4割の学校が授業時数を回復済みであり、残りの6割の学校においても、今後、平均18時間程度で回復できる見込みです。また、小中学校においては8割以上の学校が既に回復済みと聞いております。 また、学校では、臨時休業に伴う児童生徒の習熟度の格差が拡大しないよう、一人一人の学習の定着状況を丁寧に把握するとともに、必要に応じて教員や学習指導員等による個別の指導を行うこととしております。 今後も、授業時数の確保や個別指導の充実に努めるよう、県立学校を指導するとともに、市町村教育委員会へ働きかけてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症に関連したいじめ等の現状と対策についてでありますが、県教育委員会には、3月から8月にかけて8件のいじめ事案が報告されております。内容としては、保護者が医療従事者であることや熱やせきの症状に対して不用意な言葉がけをする等の事案であり、SNSによるものはありませんでした。 いじめ等の防止のためには、児童生徒の人権意識を高める必要があり、県教育委員会としましては、新型コロナウイルスに関する誤解や偏見に基づくいじめや差別、感染者や家族等に対するプライバシーを明らかにする行為やSNS等への書き込みをしないこと等を、児童生徒に繰り返し指導してまいります。 次に、ICT教育についてでありますが、大規模校と中山間地域に多い小規模校を結んだオンライン授業により、小規模校においても、生徒の関心に応じた選択科目の充実や児童生徒の交流の活性化が図られ、地理的条件の違いによる教育格差の軽減につながるものと考えております。 また、効果的なICT教育を行うため、今年度から、タブレット端末の操作研修や教材作成研修、ICTを活用した授業展開のための研修を行うとともに、今後、個別最適化した学習に向けて、個々の児童生徒の学習状況に応じた教材の蓄積に努めてまいります。 ○副議長(佐藤純君) 横尾幸秀君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時53分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時10分 開議 ○議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、高倉栄君の発言を許します。高倉栄君。   〔高倉栄君登壇〕(拍手) ◆高倉栄君 未来にいがたの高倉栄でございます。通告に従い、順次質問させていただきます。 まず初めに、県央基幹病院をはじめとする県央地域の医療提供体制についてお伺いいたします。 2023年早期の開院を目指す、県央地域の皆様の悲願の病院、県央基幹病院は、本年、新潟県議会6月定例会におきまして、新潟県基幹病院事業会計補正予算にて可決されました。 2008年8月に燕市、三条市、弥彦村、田上町の地元4市町村から当時の泉田知事に対し、県央地域に救命救急センターを兼ね備えた基幹病院の設置を要望され、足かけ12年、県央基幹病院建設に当たり、花角知事はじめ、これまで熱い議論の積み重ねをなされました関係各位、多くの皆々様に、心から敬意と感謝を表するところでもあります。 今後、着実に、確実に、2023年早期の開院を目指し、一日も早く、一刻も早く、救える命を救う、救わなければならないという強い意志の中で、県央基幹病院の整備を力強く推進していかなければならないと強く確信いたします。 県央基幹病院整備に向けたこれまでの取組に対する知事の御所感をお伺いするとともに、今後、着実に、確実に医師・看護師確保を進め、開院時、一般病床396床、感染病床4床、計400床での完全稼働を目指し、県央基幹病院整備に向けて事業を力強く推進していかなければならないと考えます。 知事よりの力強いその決意と覚悟について、改めてお伺いいたします。 次に、8月18日、県央基幹病院の一般競争入札、総合評価落札方式での実施についての公告がなされました。工期については、契約締結の日から令和5年12月8日までと記されておりました。 県は、これまで2023年できるだけ早期の開院に向けてと御尽力なされてまいりましたが、その後に開院に向けた準備などの期間が必要であり、工事による工期によれば、2023年できるだけ早期の開院に向けてという見解は到底難しい状況であるとも認識いたしますが、工期から見る県央基幹病院の開院時期をお伺いするとともに、今後の開院に向けた具体のスケジュール内容についてお尋ねいたします。 次に、厚生労働省は8月25日、地域医療構想の実現に向けた集中的な財政支援や助言を行う重点支援区域に県央区域を選定しました。この選定は、本県初の快挙であり、これまでの御尽力に花角知事はじめ、関係部局の皆様に対し、敬意を表するところでもございます。 重点支援区域に選定されることにより、国と都道府県が積み立てる地域医療介護総合確保基金が優先配分されるとのことでございますが、県央基幹病院建設に向け、どの程度その基金が補填される予定なのかお伺いするとともに、重点支援区域に選定される具体のメリット内容並びに本県に配分される基金総額はどの程度と見込んでおられるのか、お尋ねいたします。 次に、県央基幹病院基本方針に、医工連携の推進が位置づけられております。地域に貢献する病院として、研究機能面において、地元産業を活性化させるという点において、県央基幹病院の特色、目玉でもあります。 これまでの議会答弁において、県央基幹病院の開院を待つことなく、燕労災病院とも協議をしながら、試作品の製作など、ソフト的に先行できるものは取り組むとのことでもございました。 燕労災病院に医工連携チームを立ち上げたとのことでもございましたが、現在の取組状況をお伺いいたします。 また、医工連携による地場産業の振興に関するこれまでの議会答弁においては、にいがた産業創造機構との連携による、メーカーとのマッチングを促進することで、医療機器分野における県内企業の新規参入や、併せて並行的に進めていかなければならない販路開拓を後押ししていくとのことでもございましたが、現在の取組状況をお伺いいたします。 次に、県立吉田病院は、築46年が経過し、大規模建築物の耐震診断結果において、震度6強から7に達する程度の地震で倒壊する危険性が高いとも指摘され、地域住民の皆様の不安な気持ちは日々大きくなっております。 まさに県民に愛される、親しまれる病院として、一日も早く、一刻も早く改築工事を行わなければならないと強く強く確信いたします。 また、県立加茂病院はじめ、県央地域の持続可能な医療提供水準を確保するためにも、県立吉田病院・加茂病院の、県央基幹病院の重要な支援病院として、これからの地域医療のあるべき姿を早急に県央県民の皆々様にお示しすることは必須であり、早急の作業であると強く認識いたします。 現在、県では県立病院の役割・在り方等を含め、公設民営など民間活力を生かした運営を提案し、今後意見交換を行っていく方向で検討することとしており、県内病院運営を行う全法人を対象に県立病院の運営に関する意向調査を実施されておりますが、県立吉田病院・加茂病院に対し、現在、どのような意向調査結果となっているのか、具体の内容をお伺いいたします。 また、上述のとおり、県立吉田病院の本館棟は耐震化が未了であり、老朽化も進んでいることから、早急に現地建て替えの改築も含め、議論を進めていかなければなりません。安全・安心な地域医療体制を構築するためにも、待ったなしの状況であります。鉄は熱いうちに打てとの、いにしえの言霊のように、年内中に県内病院運営法人との協議を含め、基本方針を決定させなければならないと強く確信いたします。 意向調査結果を基に、今後どのようなスケジュール感で議論を深化させていくのか、具体をお尋ねするとともに、県立吉田病院の役割・在り方について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、燕労災病院について、労働者健康安全機構から本県へ移譲を受け、県立燕労災病院となりました。 平成27年12月28日に県央4市町村の首長より提出された、県央基幹病院の早期整備に係る要望書においては、燕労災病院の跡地利用について地元燕市と誠意を持って協議することとされておりますが、今現在の協議状況並びに今後のスケジュールについてお尋ねいたします。 次に、コロナ禍における、これからの本県の新しい形についてお伺いいたします。 これまでの人類史上類のない未知のウイルス、新型コロナウイルスの猛威、脅威が世界各国に広がる今、本県経済はもとより、日本、世界経済の苦境の直面は深刻です。これまでの常識が通用しない曽有の事態の中で、従来の経済成長モデル、企業経営の在り方も含め、見直さなければなりません。 2020年4月から6月期の実質国内総生産GDPは、前期比28.1%減、リーマンショック後、2009年1月から3月期を超え、戦後最悪のマイナス成長まで落ち込みました。この事実をしっかりと今、受け止めなければなりません。 9月28日現在、民間の信用調査会社によると、新型コロナウイルス関連の経営破綻は、飲食業、アパレル、宿泊業が突出し、全国で555件。本県においては、県内上場企業の4月から6月期決算は6割減収。また先日、湯沢のリゾートホテルが倒産との報道もあり、県内のコロナ関連倒産は8件となり、資金需要が高まる年末にかけ、廃業、倒産が増加するとも見られ、今後、先行きの事業環境悪化も含め、経営環境のさらなる悪化は避けられない状態であり、決して予断を許される状況ではありません。 また、解雇や雇い止めは、調査できる範囲だけでも全国で6万人、本県は1,106人であり、その実態はそれ以上とも言われております。 新型コロナウイルス感染症の影響により、日本、さらには世界経済が苦境にある中、本県も例外でない状況であります。知事は、現在の本県経済の苦境をどのように受け止められているのか、お伺いいたします。 また、本県経済の苦境に対し、国が主導する小手先の補助金、助成金だけではなく、今こそ、本県経済の内需拡大路線のさらなる強化を図りながらも、未来像を見据えた抜本的な本県の経済対策を創造するときとも強く考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、総務省が8月5日に発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、国内人口は前年から50万5,046人減少、11年連続マイナス、減少数、減少率ともに過去最大。本県人口は2万4,867人の減少、減少数は全国4番目に多く、転出が転入を上回る社会減少は前年度比416人増の8,000人で、全国ワースト1位で、社会減少の歯止めが利かない深刻な状況でもあります。 また、8月27日に総務省が発表した人口移動報告は、東京圏から他の都道府県への転出、転入が1,459人上回り、東京圏初の転出超過、人口流出ともなりました。 また、求人情報サイトの運営会社の調査によれば、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、地方移住に興味がある首都圏に住む非正規労働者が増加しているとの調査結果も示されました。 本県は、Uターン情報発信強化、就職先決定学生就職支援等、本県への移住に向けた様々な支援策を充実させておりますが、現在の取組状況をお伺いいたします。 また、首都圏から地方への移住は、来年度の予算編成の大きな目玉政策にもなり得るとも確信しており、首都圏から本県への人口移住計画の政策等、本県のコロナ禍における抜本的な見直しを図りながら、さらなる施策展開を図っていくべきとも考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症は、東京、首都圏へ人、物、金が集まる東京一極集中の脆弱さを改めて認識させる出来事でした。 南海トラフ、首都直下型地震等の発生も予想される中、政治的機能や都市機能の壊滅的ダメージを回避する危機管理という視点からも、リモート、オンラインシステムがさらに充実していく中において、いま一度、地方への省庁移転・再編も含む東京一極集中の是正に向け、地方の財政危機の根本原因でもある人口減少を理由にする地方への交付金減額制度を見直し、新たな安定的な地方財政制度の確立も含め、地方こそ、地域こそ主役の日本を再構築し、均衡ある日本全体の発展を目指す、真の地方創生に向けた地方分権、地域主権の議論を始めていくときであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、本県の新型コロナウイルス感染症患者用の病床及び宿泊療養施設の整備状況については、9月17日に開催されました新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議の資料によると、国推計によるピーク時の患者数361名、宿泊療養者数167名を超える、確保済病床数456床、宿泊療養施設176室が確保されており、関係部局におかれましては整備や調整などに御尽力いただいておることに敬意を表するところでもあります。 また、この確保病床や宿泊療養の施設の利用率についても現在低く抑えられている状況でありますが、現在の確保状況に対する知事の見解と、今後の確保の方向性についてお伺いいたします。 次に、厚生労働省は昨年度、医療計画の見直し等に関する検討会の地域医療に関するワーキンググループにおいて、再編統合を議論すべき公立・公的病院が全国で約440、本県では22あることを公表いたしました。 この原案は、曽有のコロナ禍で策定されたものではなく、作成された時期と今現在の状況下において極めて大きな隔たりがあり、事実、本県の新型コロナウイルスの病床数確保策において、この再編統合対象の22の公立・公的病院のうち、幾つかの病院が該当しているとお聞きし、現実と現状に即さず、整合性がないことは極めて残念なことであると強く認識いたします。 平時の着眼点ではない新型コロナウイルス等の有事にもしっかりと備え、安定的な医療を確保提供するためにも、地域の医療は地域が決めるという基本的な考え方の下、現在の公立・公的病院の再編統合問題の再考を、国に対して強く求めるべきと考えますが、知事より御所見をお伺いいたします。 また、コロナ禍において減収が続く医療機関の県内状況をお伺いするとともに、医療機関に対する公的措置も含め、県立病院はじめ、病院経営に対し厳しい影響を与えているマイナス改定が続く診療報酬の見直しとともに、政策医療や不採算医療に対し、十分に提供できるよう地方交付税制度のさらなる充実を国に求め、地方の医療状況の実態を国へ強く提言していくべきと考えますが、知事よりの御所見をお伺いいたします。 次に、高度医療を担う特定機能病院に指定されている全国86の医療機関は、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対し、医療提供体制に支障が出ているとの回答が全体の3割以上、29病院にも上り、本来、特定機能病院として担わなければならない外来診療、手術、救急医療の制限を行い、その影響の深刻さも浮き彫りとなりました。 コロナ禍での医療体制の制限は、直接減収となる側面は、これまで強く警鐘されてきた医療崩壊にも直結いたします。医療崩壊を防ぐためにも医師確保は必須であります。地方での医師確保は、コロナ禍において拍車がかかり、喫緊の最重要課題の一つであるとも強く認識いたします。 ウィズコロナ時代においては、今まで以上に医師が必要となり、地方同士の医師確保競争が激化するおそれがある中、国が設けた医師充足度を示す医師偏在指標で全国最下位の本県は、さらに医師確保が難しい状況となる懸念があります。 木を見て森も見る、これからの人生100年時代、ウィズコロナ禍時代における医師少数県の医師確保や偏在解消に向けて、医師充足度が高い地域からの臨床医を含めた医師派遣制度の拡充等、抜本的かつ大胆な制度改革の実現を求め、強く国に訴えていくことは重要であると考えます。 これまでの本県の取組状況をお伺いするとともに、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、県は発令していた新型コロナウイルス感染症に関する注意報を9月8日に解除いたしました。また、知事は第2波の山を下りて裾野にいる状況と発言されましたが、感染拡大を引き続き抑え込んでいくことは重要であると認識いたしております。 これまでの対策の効果などについて、振り返りとして9月17日に検証結果をまとめられたところでもございますが、検証結果などを踏まえ、今後どのような視点で対策を講じるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 また、今後流行が予想される季節性インフルエンザとの同時流行に備え、さらなるPCR検査の強化体制など、万全の検査・医療体制の構築に向けて、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスの感染者や医療関係従事者に対する心ない言動や誹謗中傷、SNSでの書き込み、差別やデマの拡散が本県においても深刻化しており、県内医療機関への調査では、保育園の卒園式への出席拒否、美容院の予約の断り等のケースや、学校のいじめが3月から6月に少なくとも6件確認されているとのことでもございますが、それらは氷山の一角にすぎず、現場の実態は、実際に相談できずに悩み、苦しまれている状況の存在があるとも強く認識いたします。 結果的に差別や偏見を恐れ、県民の皆様が医療機関への受診をためらい、さらなる感染拡大を招きかねません。 現在、県では啓発活動や電話相談等を実施しているとのことでございますが、電話相談だけではなく、県と市町村がしっかりとスクラムを組み、実際の現場での状況把握に努めるとともに、個別具体の対応については、担当者レベルでの県と市町村がそれらの問題に対して特化した意見交換を密接に行い、対処できる体制の構築等を行うべきと強く確信いたしますが、知事よりの御所見をお伺いいたします。 次に、石川県は、新型コロナウイルスの影響を受けた企業や事業者の負担を軽くするため、県内に事業所を置く企業等の法人住民税を2年間引き下げ、減税規模は9億円になる見通しの方針を固めました。 本県においては、新型コロナウイルスによる影響で事業等に係る収入が大幅に減った法人や個人に対し、1年間、法人県民税や住民税などの徴収を猶予する特例措置を設けておりますが、負担を先送りにしているだけで、抜本的な軽減にはつながっておりません。 そこで、国が定める標準税率とは別に、県が超過税率を独自に定めている法人県民税の超過税を見直すなど、県内企業や県民の負担を軽減してはいかがと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、来年度の本県税収の見通しについてお尋ねいたします。 次に、来春入庁する職員の採用試験の最終合格者が前年度に比べ46人減少し、108人であり、過去30年間で4番目の少なさでありました。また、受験者は477人で、前年度に比べ117人減少して、過去30年間で最も少ない人数でもありました。 過去最少の受験者と数字に対し、どのように受け止められたのかお伺いするとともに、コロナ禍の今だからこそ、県民の皆様の安全・安心、命と暮らしを守る最前線の職場であることを含め、本県の未来に通ずる全ての政策・施策等の構築に関わることができる、とてもやりがいのある職場であることを積極的に発信し、人材確保にしっかりと取り組むことが重要であるとも考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、この章の結びとして、これからの新しい世界、日本の在り方をはじめ、ウィズコロナ時代に向け、新しい生活の形、新しい日本の形、そして新しい新潟の形を模索していかなければならないときであると強く確信いたします。 これまでの常識が全て覆された今、これまでの常識を180度転換させ、新しい形を創造し、全く新しい発想の転換をなさらなければならないと考えます。今、世界が探しているのは正解ではなく、新しい答えです。 ウィズコロナ時代におけるこれからの本県の新しい形を具体化していくためには、新潟県総合計画を見直すべきとも考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、本県のコロナ禍における教育政策についてお伺いいたします。 改正給特法第7条にのっとり、国が定めた指針に残業時間上限月45時間、年360時間と定められましたが、2年目である今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の対応もあり、学校現場の教職員に対する負担は、今まで以上に増加しているのではないかと大変危惧するところでもございます。 県内の各学校において、勤務時間の上限はしっかりと守られておられるのかお伺いするとともに、勤務時間を過少報告するようなことや、時間を守るため仕事を持ち帰るような状況は発生していないのか、実態をお尋ねいたします。 また、改正給特法第5条は、休日のまとめ取りのための1年単位の変形労働時間制の導入を可能とするものでありますが、第7条で決められた上限規制が守られなければ導入できないことにもなっております。 特に、今年度はコロナ禍において、夏休みが短くなり、教職員の夏季休暇や年次有給休暇の取得も十分ではなかったのではないかと危惧されます。 教職員の休暇取得の実態は、コロナ禍においてどのような状況になっておられるのかお伺いするとともに、変形労働時間制の導入に向けた条例制定はすべきでないと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、コロナ禍において、少人数学習を可能とするための加配やスクール・サポート・スタッフ等、人的配置に関し、確実に充足されているのか非常に危惧されるところでもありますが、充足状況についてお伺いするとともに、充足されていない場合は今後どのような対応をなされるのか、お尋ねいたします。 また、学校現場の新型コロナウイルス感染防止対策のための費用が順次予算化されているとも認識いたしますが、今後も学校現場から人的・物的支援が継続的に行われることが求められると考えますが、今後の支援体制についてお伺いいたします。 次に、本県の諸課題についてお伺いいたします。 本県の新潟空港は、初の定期路線として新潟-東京間に空路が開かれ、県民の皆様の重要な空の足として、62年の歴史を刻みました。 新潟空港は、他の地方空港と比較しても充実した空港ネットワークを有しており、日本海側の表玄関として、大いにその地位を確立させていながらも、現在のコロナ禍において、その機能は十分に発揮できず、大変残念な状況であります。 そのような中、新潟空港を拠点に各地を小型機で結ぶ、LCCのトキエアが早ければ10月にも新潟事務所を開設するとの報もありました。 現在、国において、全ての国管理空港にコンセッションを拡大するという方針を示しており、新潟空港の官と民との連携並びに民への移譲は、本県の大きなこれからのテーマの一つであると考えます。 これまでの議会答弁において、目指すべき新潟空港の姿として、空港全体の収益力向上が課題、特に路線を多く、便を多く、行きやすく、やるべきことははっきりしているとも答弁されております。 LCCトキエア設立は、本県民の新たな空の足として大いに期待するところでもあります。 現在、国において、全ての国管理空港にコンセッションを拡大するという方針を掲げておりますが、新潟空港の官と民との連携並びに民への移譲という観点から、トキエア設立が新潟空港におけるコンセッション導入の大きな起爆剤、導火線にもなり得るとも考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大で本県観光業界は、4月の延べ宿泊者数21万2,190人、前年度比73.7%減、5月16万6,940人と、苦しい状況が続いております。 その収束が見通せない中でも、3県連携宿泊割引キャンペーンの実施、県民向け宿泊者割引キャンペーンは10月まで期間延長、バス・タクシーを利用した旅行料金の一部キャッシュバック、体験型旅行商品の割引支援等々、県内観光需要を維持する政策を展開してきているものの、今後とも、本県としてしっかりと民間事業者の声を聞きながら施策を講じていく必要があると強く確信いたします。 コロナ禍における今後の新たな観光戦略についてお伺いいたします。 次に、JA全農新潟県本部は、令和2年産米のJA仮渡金の内訳において、新之助は令和元年産と比べ60キログラム当たり1,800円の大幅減額となり、コシヒカリは全4銘柄全て900円の減、当初比6年ぶりの減額となりました。 特に、新之助については魚沼産コシヒカリと大きな価格差が生じており、今後、生産者の新之助離れが懸念されることから、ブランド戦略、販売方針等の見直しは必須とも考えられますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新之助は高温耐性品種であるものの、ブランド化を図るための厳格な栽培管理が求められていることから、栽培に関するハードルが高いため、広く一般の生産者が栽培できる高温耐性品種の開発が重要であると考えます。県の高温耐性品種の開発に向けた方向性と開発状況についてお伺いいたします。 また、4月に新潟大学が発表した暑さに強いコシヒカリの開発について、県と連携して取組を進めるとしておられましたが、連携状況をお伺いするとともに、県で主体的に高温耐性を持つコシヒカリの育成を進めないのか、お伺いいたします。 次に、本県主催のスマート農林水産業ビジネス連携促進プラットフォーム会議が8月5日開催されました。 知事は、担い手の高齢化が課題、その解決策の一つとしてICT、AIを活用したスマート農業の期待は大きいと、スマート農業のさらなる推進に意欲をお示しになられましたが、参加者よりの課題として、機能を絞り安価な商品が欲しいとの要望や、IT業界からは、現場の接点が少ない、現状が分からないとの意見がありました。 今年度、県ではスマート農林水産業を強力に推進しているところでもありますが、今こそ、安価の商品と現場のニーズをしっかりと酌み取り、地元企業もプロジェクトに参画していただき、丁寧にマッチングさせることにより、ものづくり立県新潟の商品開発力と農業立県新潟の真髄を示し、本県最強コラボを期待いたすところでもございますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、原発再稼働について、知事は、選挙戦、議会答弁等を通じ、これまで一貫して職を賭して信を問うとされておられますが、3つの検証を取りまとめる検証総括委員会委員長は、来年、2021年に検証結果を取りまとめるとされ、UPZ内の8市町議員有志が、新たな安全協定の締結を目指す、超党派研究会の設立を正式に発表いたしました。 また、先日、原子力規制委員会で保安規定変更案が了承されましたが、これは事実上の合格であり、国の審査はほぼ全て終了となります。 前知事は、議会制民主主義であるこの国の政治の形として、知事として責任を持った決断を下すと同時に、当然それは県議会において十分な審議がなされるべきとも答弁されております。 知事は、当選当初の原発再稼働議論を取り巻く環境の変化の中で、今後、3つの検証の取りまとめ結果が出された場合、どのような議論構築のプロセスを経ていかれるのか、その方向性についてお伺いします。 知事よりの積極果敢な御答弁を御期待いたし、以上、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 高倉議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、県央基幹病院の整備についてでありますが、県央医療圏は他圏域と比べ、圏域外への救急搬送が顕著であるなど救急医療提供体制が長年の課題でありましたが、昨年度開催の県地域医療構想調整会議での意見を踏まえ、県央医療圏の公立・公的5病院の急性期機能の集約により県央基幹病院を整備し、断らない救急を実現していくという地域の合意が達成されたことは評価したいと考えております。 県央基幹病院の早期開院を求める地元の声に応えていくためにも、早急に運営主体を決定し、運営主体と共に、医師・看護師の確保や、断らない救急を実現するための体制整備などを着実に進めてまいります。 次に、吉田病院の役割・在り方についてでありますが、昨年末に開催された県地域医療構想調整会議において、県央基幹病院に吉田病院を含む再編対象5病院の急性期機能を基本的に集約し、吉田病院の役割は、後方支援病院として回復期機能を主に担うと取りまとめられたところであります。 今後、吉田病院が担うべき具体的な医療機能や規模について、医師配置や患者動向のデータ等を踏まえ、地域の医療関係者との意見交換等を通じて検討してまいります。 なお、公設民営など民間活力を生かした吉田病院の運営に向けた取組のスケジュールについては、病院局長からお答えします。 次に、コロナ禍におけるこれからの本県の新しい形についてお答えします。 まず、本県経済の現状の受け止めと今後の経済対策についてでありますが、本県経済は、経済活動の段階的な再開などにより、個人消費などで持ち直しの動きが見られるものの、多くの県内企業において売上げが前年と比べ減少するなど、厳しい状況にあるものと受け止めております。 このため、県といたしましては、まずは、事業の継続や雇用の維持を図るため、セーフティーネット対策に万全を期しつつ、県産品などの県内調達の促進など需要喚起の取組を進めております。 さらに、中長期的には、新型コロナウイルスによる社会経済活動の変化を本県の成長に取り込んでいくことが重要と考えており、新たな日常に対応した産業構造への転換や、地方分散の流れを捉えて人や企業を呼び込む取組などについて、本県の活性化に向けた施策パッケージとして今定例会にお諮りしているところであります。 次に、首都圏から地方への移住に係る取組についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会経済活動やライフスタイルに変化が見られる中、人や企業の地方分散の流れが生じつつあると認識しております。 本県は進学・就職を契機とした若者の転出が社会減の大きな要因となっており、特に男性よりも女性の転出者数が多いことから、今年度は、若者、特に女性の県内定着やU・Iターン促進に力を入れて取り組んでいるところです。 新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした様々な変化を捉えて、本県で新しいライフスタイルや働き方を実現することの魅力を訴求し、本県への移住・定住が一層進むよう、不断に施策の見直しを図りながら、実効性ある取組を進めてまいりたいと考えています。 なお、現在の取組状況については、産業労働部長からお答えいたします。 次に、地方分権の推進についてでありますが、地方分権改革は、累次にわたる地方分権一括法の成立等により、一定の進展が図られてきたものの、地方財源の確保など、いまだ道半ばであると認識しております。 また、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京一極集中のリスクが明らかとなり、地方分散を促す必要性が高まっているところです。 地方の人口減少をはじめとする諸課題の解決に向けては、国と地方が役割分担の下、実効性のある施策を共に考え、取り組んでいくことが重要であり、地方が地域の実情に応じてその自主性及び自立性を十分発揮できるよう、一層、地方への権限移譲や安定的な財源確保を図っていくことが必要であると考えています。 次に、本県の病床等の確保状況や今後の確保の方向性についてでありますが、病床等の確保状況については、平時であるフェーズ1における即応病床の139床に対して、これまで最大29床の稼働実績があり、稼働病床率は2割程度となっております。また、宿泊療養施設の利用者も少ないことから、患者の受入れ体制について、現時点では余力があるものと考えております。 また、今後の確保の方向性については、議員の御指摘のとおり、国の推計に基づく必要病床数以上を確保できていることから、現在はさらなる確保の予定はありませんが、宿泊療養施設については、地域バランスを考慮し、さらなる施設確保に向けた調整を進めているところです。 次に、公立・公的病院の再編統合の議論についてでありますが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、医療資源が充実し、対応力の大きい地域の中核病院の重要性を再認識したところであり、感染症対応の観点も加味しながら、今後の医療提供体制の在り方について検討していく必要があるものと考えています。 国においても、再検証等の期限を含め、地域医療構想に関する取組の進め方について、改めて整理の上、示すこととしており、県といたしましても今後も、国の対応方針を注視し、対応してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症による医療機関の経営状況等についてでありますが、県が5月に実施した影響調査によると、3月、4月は多くの医療機関で医業収支が悪化しておりました。その後の国民健康保険などの診療動向を見ますと、5月、6月を底にして持ち直し傾向にあるものの、依然として減収が続く状況にあるものと認識しております。 このため、県といたしましては、これまで、医療機関の負担に見合った診療報酬とすることや、地方自治体へのさらなる財政支援等について、県内の実態を踏まえ政府に要望するとともに、全国知事会を通じた新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急提言を行ってきております。今後も医療提供体制の維持・確保に向け、必要に応じて国に対し要望してまいりたいと思います。 次に、医師確保に向けた国への働きかけについてでありますが、県では、今年度、医学部地域枠を、昨年度の14名から12名増加させて26名とするなど、医師確保に全力で取り組んでいるところですが、県の努力のみでは限界があり、制度的対応など国でなければできないことが多くあると考えています。 このため、去る8月に、本県など12の医師少数県による地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会として、国会議員で構成する医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟や国に対し、臨床研修制度の見直しや専門研修の指導医派遣の仕組みの創設など6つの政策提言を行ったところです。 県といたしましては、今後も、知事の会などを十分に活用しつつ、国に対し、実効性のある偏在対策につながる抜本的な制度改革の実現について、時期を失することなく働きかけてまいります。 次に、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に備えた検査・医療体制についてでありますが、県では、専門家会議委員の御意見も伺いながら、9月17日に新型コロナウイルス感染症対応に係る振り返りを取りまとめたところです。その中でお示しているように、発熱患者が増加する秋冬に向けた検査体制のさらなる充実が必要であると考えております。このため、県としては、県検査機関の設備整備に加え、民間検査機関の協力を得ながら、PCR検査可能件数を現在の820件から1,200件に拡充することとしております。 また、発熱患者の受入れや検体採取を含めた医療提供体制の確保については、現在、県医師会や郡市医師会と協議し、医療機関の実態を踏まえた患者受入れ及び検体採取の体制の拡充を検討しております。 冬季に備え万全の検査・医療体制の構築に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症に関する差別等への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、現状を把握し適切に対応していくためには、市町村との連携が重要と考えております。 県では、市町村が把握した差別等の事案を情報提供いただくとともに、提供された事案や県・市町村が実施した啓発、県から事業者団体に対して行った人権配慮要請などの取組の情報を共有してまいりました。 また、差別やいじめ等の相談窓口の案内や、啓発チラシの配布をはじめとした広報に協力いただいているほか、個別の事案に対しましても、必要に応じ、市町村と相互に連携しながら対応に当たっております。 今後も、県において対応した個別の相談事例を共有して意見交換を重ねることなどにより、市町村との連携をさらに強めながら、効果的・継続的な差別防止の取組に努めてまいります。 次に、県内企業や県民の負担軽減についてでありますが、現在のような社会経済状況の下で取り得る財政政策としては、議員御指摘の減税という考え方もあると思います。 しかしながら、現状において必要とされているのは、減税といった中長期的な視点からの画一的な対応ではなくて、支援を必要としている方や企業に迅速かつ効率的に資金を供給するとともに、今後につながる需要を創出していくことであると考えており、そうした観点から国も手厚い補正予算を組んで対応しているものと考えています。 県といたしましても、そうした観点に立ち、国からの交付金等を最大限に活用して様々な支援に努めているところであり、本定例会にも事業の継続に懸命に取り組んでいるものの、依然として厳しい状況に置かれている中小企業者に対し、借入金の4年目の利子相当額を応援金として支給する支援策をお諮りしているところです。 なお、来年度の本県税収の見通しについては、総務管理部長からお答えいたします。 次に、県職員の人材確保についてでありますが、今年度の県職員採用試験の受験者数が過去30年間で最も少なかったことは、未来の県庁を担う優秀な人材を確保するという面で、残念な結果であると受け止めております。 人材の確保に向けては、議員御指摘のとおり、県の仕事の魅力ややりがいを伝えることが重要と考えており、これまでも、若手職員と大学生との意見交換を行うセミナーや、インターンシップ等を実施してきたところです。 今後も、SNSやオンライン等も活用し、県職員の仕事が県民の安全・安心や、本県の活性化のための施策等に携わるやりがいのあるものであることを伝えるとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による地方分散の動きも踏まえ、地方で働くことの魅力も積極的に発信しながら、人材確保に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ウィズコロナ等を踏まえた新潟県総合計画の見直しについてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの影響による社会経済環境の変化を的確に捉え、ウィズコロナ時代に対応する新たな施策を展開することが必要と考えており、部局横断的に検討を深めるとともに、まずは本県の活性化に向けて、9月補正予算案に必要な施策を盛り込んだところです。 新潟県総合計画については、県の最上位の行政計画として、中長期的な観点からの政策の方向性を示すものであり、ウィズコロナ時代への対応については、今後の感染症の状況や社会経済に与える影響等を見極めながら、現在の計画との関係を整理しつつ、対応の必要性や時期について検討してまいりたいと考えております。 次に、本県の諸課題についてお答えいたします。 まず、トキエア設立と新潟空港におけるコンセッションの導入についてでありますが、新潟空港におけるコンセッションの導入に当たっては、空港全体の収益力の向上の観点が必要であると認識しています。 トキエアの設立により、新たな路線開設や、航空人材育成等の関連事業が展開されれば、新潟空港の利用拡大や、活性化及び拠点化の推進、ひいては空港全体の収益改善につながる可能性があると考えます。 県といたしましては、現在、新潟空港のより詳細な現状を把握するため、国が進めている資産調査の結果を踏まえながら、コンセッション導入の可能性について議論してまいりたいと考えております。 次に、今後の観光戦略についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中でも、宿泊施設や観光施設などの民間事業者から御意見を伺いながら、適切な観光施策を講じていく必要があると考えています。 そのため、県では、まず足元の観光需要喚起策として、6月から県民向け宿泊割引キャンペーンを実施し、8月からは割引対象を拡大したほか、9月中旬には山形、福島両県と共同の宿泊割引キャンペーンを開始するなど、宿泊業界をはじめ、観光業界全体の需要回復に取り組んできたところであります。 県といたしましては、旅行者と受入れ側双方の安心・安全の確保を図るとともに、引き続き民間事業者の御意見を伺いながら、柔軟かつ機動的に観光流動の促進に努めてまいります。 次に、新之助のブランド戦略等の見直しについてでありますが、新之助は、新潟の新しいお米として、コシヒカリと双璧をなすトップブランドとして推進していく方針に変わりはありません。 消費者が求める安全・安心でおいしい新之助をお届けするため、ブランドへの信頼の基本である、一定の要件を満たす生産者が会員の研究会で栽培する体制を堅持するとともに、生産意欲が維持されるよう生産・流通対策を進めていく必要があると考えています。 県といたしましては、この秋から関西圏、中京圏での展開も強化し、コシヒカリと双璧をなす新潟米のトップブランドとして、多くの皆様から選んでいただけるよう、生産者、関係機関と共に取り組んでまいります。 次に、水稲の高温耐性品種の開発についてでありますが、異常気象が常態化しつつある中にあっても、本県の強みである米について、トップブランドとしての高品質・良食味をしっかり確保していくことが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、わせからおくてまで、暑さに強く良食味な品種をそろえられるよう、品種開発に取り組んでまいりたいと考えております。 また、コシヒカリ自身の暑さへの耐性を強化していくことも重要な課題であり、新潟大学と連携した取組を進めつつ、県としても今後の地球温暖化の状況を踏まえ、長期的に取り組んでいく必要があると考えております。 なお、高温耐性品種の開発状況や新潟大学との連携状況については、農林水産部長からお答えいたします。 次に、スマート農林水産業ビジネスについてでありますが、担い手の高齢化や人手不足などの課題に対し、生産性の向上や、初心者でも取り組みやすい農林水産業の実現に寄与するスマート農林水産業を生産現場に展開していくためには、農林漁業者の多様なニーズに応える製品開発が進むことが重要であると考えております。 8月のプラットフォーム会議には、私も出席し、県内企業のスマート農林水産業ビジネスに対する関心の高さを感じたところです。 県といたしましては、関係者との連携を図りながら、農林水産業の生産現場のニーズと県内企業が持っている技術シーズの丁寧なマッチングの取組を進め、農林水産業だけでなく本県産業全体の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、検証結果が出た後のプロセスについてでありますけれども、これまでもお答えしたとおり、3つの検証の結果を、県議会をはじめ、広く県民の皆さんと情報共有するとともに、評価をいただき、その上で、リーダーとして責任を持って、結論の全体像を県民の皆さんにお示しします。 そして、その結論について、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要であると考えております。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 来年度の本県税収の見通しについてでありますが、先週公表しました中期財政収支見通しの仮試算では、現時点での令和2年度県税収入見込額をベースとして、現下の経済指標やリーマンショック時の税収の落ち込み等を踏まえ、令和2年度当初予算計上額から約120億円減の2,522億円と試算をしております。 なお、これらの試算の前提は不確定な要素が多く、今後大幅な変動も見込まれることから、引き続き景気変動等を注視しながら、当初予算編成過程の中で改めて見積もることとしております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 4点お答え申し上げます。 まず、県央基幹病院の整備スケジュールについてでありますが、県央基幹病院の建築工事等の本契約の締結につきましては、議会の議決に付すべきものであることから、順調に手続が進めば、12月定例会にお諮りし、議決をいただいた後着工となる予定であります。 特段の遅れがない限り、令和5年12月には工事を終え、医療機器の搬入や開院リハーサルなどを行い、令和5年度中の開院が可能と考えております。 次に、重点支援区域への選定によるメリット等についてでありますが、国による技術的支援や手厚い財政的支援が受けられることが大きなメリットであり、その効果として再編が円滑に進むことが期待できると考えております。 また、地域医療介護総合確保基金の優先配分や、一層手厚い新たな病床ダウンサイジング支援の具体的な内容については、今後、関係機関による調整を通じて、全体の事業規模等の詳細が決まっていく中で明らかになっていくものと考えております。 次に、県央基幹病院の医工連携の取組についてでありますが、燕労災病院において、医師をはじめ医療スタッフから成る医工連携チームを中心に、産業労働部とも連携しながら、医療ニーズの発掘や医工連携に意欲的に取り組んでいる病院への視察や地元企業との交流などを行ってまいりました。 この結果、医療現場のニーズやアイデアと企業のシーズのマッチング等により、試作品が開発されるだけでなく、一般医療機器製品が販売されるなど、取組の成果が現れてきております。 次に、燕労災病院の跡地利用についてでありますが、これまで、燕市の具体的な要望を確認しながら協議を重ねてきたところです。 県央基幹病院開院後、燕労災病院は廃院となることから、県央基幹病院の整備スケジュールを見据えながら、今後の具体的な対応について、引き続き、燕市と協議してまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 医工連携における取組状況についてでありますが、県では、にいがた産業創造機構と連携した、医療機器メーカーと県内企業とのマッチングや販路開拓のほか、県内企業が行う研究開発等に対しても支援を行っているところです。 今年度は新たに、新潟県臨床工学技士会と連携して把握した医療現場の多様なニーズを、県内企業の製品開発に役立てるためのマッチングの仕組みを構築してまいります。 また、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、感染症対策に役立つ医療資機材の試作品開発を行う、県内中小企業の支援にも取り組んでおります。 次に、首都圏から地方への移住に係る取組状況についてでありますが、今年度は、若者、特に女性のU・Iターン促進の観点から、女性の視点で新潟暮らしの魅力についての首都圏への発信や、IT関連産業の誘致や活性化を図ることによる魅力ある良質な働く場の確保などに取り組んでおります。 また、新型コロナウイルスの感染拡大により、学生と県内企業の接触の機会が減少したことをフォローするため、県内企業情報の提供を強化し、就職先が決まっていない学生向けに県内企業の求人情報を提供するなどの取組を進めているほか、ライフスタイルや働き方の変化を捉え、本県への移住を促進するための移住応援金の創設について、今定例会にお諮りしているところです。 引き続き、新型コロナウイルスの影響で生じた様々な変化を捉え、本県への移住促進につながるよう、適時に対応してまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 水稲の高温耐性品種の開発状況などについてでありますが、現在、経営規模の拡大やいち早い新米需要への対応に向け、極わせで高温耐性を有する品種改良を最優先に進めており、本年度末を目途に品種候補を選抜し、その後3年程度の現地試験を行う予定としております。 また、新潟大学が開発した暑さに強いコシヒカリについては、農業総合研究所作物研究センターで栽培し、品種特性を見極めるため、高温耐性はもちろんのこと、品質や収量、食味、耐性などの各種データの収集を行っており、これらの成果を生かしながら、コシヒカリの高温耐性の強化に向け、長期的かつ計画的に取り組んでまいりたいと考えております。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕 ◎病院局長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、県立病院の運営に関する意向調査の結果についてでありますが、6月に県内で病院を運営する全72法人に対して実施した県立病院の運営に関する意向調査において、吉田病院については6法人、加茂病院については7法人から運営に興味ありと回答があり、7月中旬から下旬にかけて各法人を個別に訪問し、運営への関心度合いのほか、地域の医療需要や採算性を踏まえた機能・規模などについて意見交換を行ったところであります。 1回目の意見交換を終えた段階では、両病院とも複数の法人から運営に高い関心をお持ちいただいているものと考えており、今後、さらに詳細な条件等について、当該法人と継続的に意見交換を行ってまいります。 次に、公設民営など民間活力を生かした吉田病院の運営に向けた取組のスケジュールについてでありますが、吉田病院の耐震化は重要な課題であると認識しており、できる限り早期に対応する必要があると考えております。 今後、運営に関心のある医療法人や地元市町村との意見交換を重ねるとともに、改築を含む耐震化の手法についても具体的に検討し、公設民営など民間活力を生かした運営に向けた取組を着実に進める中で、できる限り早期に方針を決定できるよう取り組んでまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 県内の学校における教職員の勤務時間の実態についてでありますが、令和2年の4月から7月までの調査では、時間外勤務が月45時間を超える教職員の割合は、小学校で約4割、中学校で約5割、高等学校で約2割であり、昨年度と比較すると減少傾向にはありますが、教職員の長時間勤務はさらなる改善が必要な状況であると認識しております。 また、本県では、パソコンを使ったシステムにより、教員の出退勤時刻を記録し、勤務時間の把握を行っているため、勤務時間の過少報告はないものと認識しております。 なお、県立学校においては、今後、昨年12月に策定した県立学校における教員の勤務時間の上限に関する方針の取組状況と併せて、仕事の持ち帰りについても調査を行うこととしております。 次に、夏休み中の教職員の休暇取得についてでありますが、今年度は、新型コロナウイルス感染症対応の特別措置として、夏季休暇の1日ごとの分割取得を可能とするとともに、取得可能期間を10月末まで延長し、教職員の夏季休暇取得を促進しております。 変形労働時間制の導入については、夏休み中における教職員の休暇取得促進の面では一定の効果があると思われる一方で、実質的な勤務時間が変わらないことから、教職員の負担軽減につながるかは検討が必要であります。加えて、市町村立学校教職員の服務監督権を有する市町村教育委員会の意向も踏まえた上で慎重に検討すべきであると考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症流行下における学校現場への支援体制についてでありますが、人的支援につきましては、小中学校の少人数指導のための加配教員及び学校担任の業務をサポートするためのスクール・サポート・スタッフとして延べ446校に追加配置を予定しており、そのうち、10月1日現在、約8割の人員が決定しております。今後も教育事務所や市町村教育委員会と連携し、臨時職員希望者の情報を幅広く収集する中で、適任者の速やかな任用に努めてまいります。 また、物的支援につきましては、各学校が国からの補助金を活用し、サーキュレーターや消毒用アルコール等、必要に応じた物品を購入して、感染症対策や学習保障等に係る取組を進めているところです。 今後の支援体制については、学校現場の状況の把握に努め、国の施策の動向を注視し、必要な対応を検討してまいります。 ○議長(桜井甚一君) 高倉栄君の質問は終わりました。 次に、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 自由民主党の笠原義宗でございます。4時を回ってしまいまして、遅くなりましたが、大変お疲れのところかと思いますが、もう少しお付き合いいただければというふうに思います。 知事はじめ県職員の皆様方におかれましては、2月に新潟市で新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されて以来、昼夜問わず新型コロナウイルス感染症対策に当たっていただいていることに敬意を表します。 これからインフルエンザの流行が始まる冬に向けて、気を抜けない状況であると思われますが、知事の迅速な政治決断を後押しさせていただきます。 今後、新型コロナウイルス感染症と社会活動の維持を両立させるウィズコロナやアフターコロナを見据えた、新たな生活様式や経済活動・働き方に変わっていくと思われます。 新型コロナウイルス感染症の恐怖心を過度に強めるのではなく、新たな社会への転換期だと考え、今までの常識を変えていくことが、新型コロナウイルス感染症を乗り越える重要なポイントであるのではないかと考えます。 国では、菅総裁になり、新内閣が誕生いたしました。デジタル改革担当大臣に平井氏、行政改革担当大臣に河野氏など、改革意欲があり、仕事のできる人を結集したと言われています。早速、携帯電話料金の値下げやデジタル庁の設立、脱判こなどの取組の動きが始まりました。 河野大臣の縦割り110番には4,000件ものメールが殺到したとのことで話題になりましたが、新たな社会をつくるための力強い内閣であり、大きな期待を持っております。 本県におきましては、9月補正予算によって、地域医療体制、経済対策、デジタル・トランスフォーメーションなどの国の交付金を有効に使い、新たな施策を提案されており、評価をいたします。 様々な財政の確認や提案などを含めて質問させていただきます。 それではまず、新潟県の財政状況について伺います。 県は、行財政改革行動計画を示し、今後の収入と支出の推移や公債費負担適正化計画を策定し、悪化した財政の立て直しを進めていますが、災害とも言える新型コロナウイルス感染症により、医療や経済対策に対応した財政支出や200億円と言われる県税収入の減少、令和5年度までの職員給与の臨時的削減の反動など、財政に与える影響が多数あるものの、このたびの中期財政収支見通しによれば、基金残高は令和7年度まで230億円を維持するとの仮試算が出ていますが、歳入が下がれば歳出も下げなければならないと考えますが、どのように歳出の削減を行い、基金残高を確保していくのかを伺います。 次に、地方交付税について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、200億円の県税収入の減が見込まれておりますが、中期財政収支見通しの仮試算によれば、地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、国の地方交付税によって補填されるものとして試算されていますが、以前より安定的な財政運営を確保する観点から、地方交付税の活用により地方は予算を執行できてきました。 しかし、このルールは令和3年度までとされており、全てが補填されるものではないと考えますが、県税の減収分を全て補填されるものなのか、所見を伺います。 次に、県央基幹病院整備による財政について伺います。 県央基幹病院を令和5年度開院する予定となっており、県央並びに近隣住民の命と健康を守る上で期待が高まってきております。 6月定例会で整備事業費を243億円と示されましたが、魚沼基幹病院の例を見れば、さらに医療機器が概算で100億円、政策医療交付金が年間で17億円程度と想定されます。 このたびの中期財政収支見通しによれば、令和4年度から実質公債費比率が18%を超え、令和20年度まで起債許可団体へ移行する想定となっています。この試算に県央基幹病院の施設費、医療設備などを入れても令和20年度には起債許可団体から外れる目標達成の見通しは変わらないのか伺います。 次に、病院事業の今後の一般会計繰出金について伺います。 県立病院を取り巻く医療環境は、人口減少などにより厳しい状況であり、県立病院が果たすべき役割・機能にも支障が生じかねない状況となっており、今年も新型コロナウイルス感染症の影響により利用患者が減少し、全体で10億円の収入減となる報道がありました。 魚沼基幹病院を含む県立病院全体に対する一般会計繰出金は、近年大幅に増加し、高止まっており、平成30年度には167億円が繰り出されております。 また、監査委員の報告によれば、魚沼基幹病院について、事業計画よりも単年度の赤字幅が拡大し、累積赤字も増加し、指定管理者が債務超過に陥るおそれもあると指摘しています。 県立病院の13病院プラス魚沼基幹病院と令和5年度に県央基幹病院が開院することになっていることを考えますと、県立病院は地域医療を守る上で必要なものでありますが、一般会計に与える影響も大きくなっています。 今後の一般会計繰出金はどの程度と想定されるのか、所見を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 まず初めに、県庁のIT環境整備の進め方について伺います。 国では、デジタル庁を来年設立させるとの報道があります。縦割りの弊害を打開し、マイナンバーカードと預貯金口座を連動させることや、国と地方のシステムを統一化することなど、新型コロナウイルス感染症によりデジタル化の遅れを痛感した国が行政のデジタル化を進めようとしており、評価をいたします。 本県も県庁行政事務作業のデジタル化によりペーパーレス化や行政事務の効率化を図るための予算として、公文書管理システムに1億円が提案されています。内容としましては、県庁におけるテレワーク環境を整備することや、文書の作成取得から決裁、保存・廃棄等を電子的に管理する公文書管理システムとのことですが、このシステム導入によってどの程度ペーパーレス化が進むのか伺うとともに、課題について伺います。 次に、行政手続のオンライン化について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、持続化給付金や10万円の特別定額給付金など行政手続のオンライン化の不備や遅れが指摘されました。 県では、感染症拡大防止協力金のオンライン手続の際に不備がありましたが、様々な改善をし、よりよいシステムにしていく必要があり、デジタル化には失敗やトラブルもあり、それでもやろうと応援するムードをつくることが大事だと言われ、チャレンジし続けることがデジタル化を進めていくには必要なことだと考えます。 本来国が、国・県・市の統一したオンラインシステムを構築し、マイナンバーカードを使い、効率のよい整備を進めるべきと考えますが、市町村が10万円の特別定額給付金の手続を郵送とし、人が全て住民台帳と照らし合わせて手続することになり、コストがかかったことを考えれば、行政手続のオンライン整備を進めることが重要と考えますが、県の所見を伺います。 次に、本県の行政外部委託の現状について伺います。 国の施策である持続化給付金やGoToキャンペーンの外部事務委託の手続手数料の高さが問題になりました。事業を全て公務員や現場で行うより、専門業者に委託し事業を進めることは、コスト削減や事業のスピードを速め、現場に即した形で進めることが重要であり、行政がしたこともない事業を全面的にやることは絵に描いた餅になりやすく、現場の気持ちとかけ離れることも多くあります。 IT業者やコンサルタント、広告代理店など外注先は多岐にわたりますが、本県の行政事務の外部委託の現状と考え方について伺います。 次に、IT専門技術者の必要性について伺います。 県は、このたびICTの民間経験者の求人を1名募集し、県庁内のICTの活用を推進していくこととしています。 東京都副知事の宮坂氏は、デジタル政策を指揮する元ヤフー社長の民間出身者であり、専門知識を持った行政幹部を入れることは重要なことであると考えます。 宮坂氏は、デジタル化に向けた問題点は、職員が使っているパソコンなどの道具が古いことや、行政の中でシステムをつくれる人を増やすことも重要であると言われ、全ての内製化は無理だが、つくれる人が中にいて外部に発注すると、受注するほうも仕事がしやすい。マネジャーだけでなく、エンジニア、プログラマー、デザイナーなども入れていくことが重要であるとも言われています。 今後、専門家集団になると想定されるデジタル庁の設立を注視しながら、これからデジタル化によってペーパーレス化などが始まることになりますので、外部委託だけでない形の県庁内の複数の専門技術者のチームをつくり、今後始まるデジタル化を進めるとともに、市町村への技術協力などにも生かしていくことが重要と考えますが、県の所見を伺います。 次に、IT技術者の教育施策について伺います。 国は、GIGAスクール構想により小中学校ではパソコンを1人1台持ち、ICT教育の推進を進めており、プログラミング教育も始まり、IT技術者の裾野を広げるための取組が始まっています。 東京都では、教育でエンジニアを志す若者を増やすことを目的に、プログラミングの最前線で活躍する人が教える授業を都立高校で始めたとのことですが、本県も大学等の高等教育、テクノスクールなどにおいて、IT技術者の教育にさらに力を入れることが、今後のIT技術者や研究者の増加につながり、本県のIT産業の振興につながると考えますが、所見を伺います。 次に、PCR検査の行政と民間の考え方について伺います。 2月29日に新潟市で新型コロナウイルス感染症の陽性者が出てから、毎日、県や市で検体を取り、行政PCR検査をしています。今後、1日でできるPCR検査数を1,200件に拡充し、秋冬にも備えた対策をしていただいておりますが、行政検査だけでなく、民間の唾液PCR検査も増えています。ワンセット1万5,000円程度とも言われ、燕市などでは事業者に対し、民間検査機関等が実施する検査費用を補助するなど、企業を中心に民間検査が拡充しています。 県は、今後PCR検査を1,200件の検査体制まで拡充するとしていますが、民間の検査をどのように進めていくのか、所見を伺います。 次に、イベント開催支援について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、様々な業種で影響を受けていますが、イベントに関わる業者は3月から半年程度休業している状況であります。 国ではGoToキャンペーンのイベントなどの制度を設け、イベント開催ができるような後押しをしていただいております。 県は、9月定例会に、感染防止対策を講じた上で文化やスポーツイベントを開催する場合の必要経費を補助する補正予算を提出しています。今後、新型コロナウイルス感染症と社会活動の両立が続くことが想定されますので、評価いたしますが、イベント会社によれば、新たな生活様式による3密対策を講じ、収容人数の削減により採算が取れないので、イベントがやりにくい状況だと言われています。 施設会場費を県で補助することは重要なことであると考えますが、会場費だけでなく、減収分を補う手厚い支援をすべきと考えますが、県の所見を伺います。 次に、設備投資について伺います。 新型コロナウイルスの感染症の影響を受け、リーマンショックを超える経済の落ち込みとなっております。全国的に経営破綻や廃業が増えています。特に飲食業においては、県の注意報が発令されれば人は自粛し、大きな影響を与えるおそれがあり、先の見通しが立たない状況が続いています。また、製造業においても先の見通しが不安定なため、企業の設備投資の中止や延期も増えています。 今後も新型コロナウイルス感染症の影響は続くと想定されますので、設備投資にちゅうちょしている経営者を後押しする必要があると考えますが、設備投資の現状と併せて知事の所見を伺います。 医療・介護の現場を支える人材確保について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、感染のリスクと闘いながら命と暮らしを守るために働いていただいている医療・介護の現場の皆様に敬意を表するとともに、緊急事態宣言の際に医療・介護の現場を止めないために保育所や放課後児童クラブなどで子供を受け入れていただいたことなど、様々な立場の方が社会経済活動を維持することの必要性を感じました。 今後もウィズコロナで社会経済活動を進めていくには、医療・介護だけでなく、その周りで働いている保育所や放課後児童クラブの人材確保も重要と考えますが、県の所見を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症の人権擁護について伺います。 新型コロナウイルスの感染拡大により、感染者やその家族、最前線で闘う医療従事者、物流を支える運送業者などに対する差別やいじめが問題視されています。恐れるべきはウイルスであって人ではなく、感染した人や感染していた人を差別してはいけないと考えます。誰もが感染したくないと強く思うことから、感染者を遠ざけたり差別してしまっている可能性がありますが、大人の行動や姿を、今子供たちがどういうふうに見ているのかということを考える必要があると思います。 誰もが素直に、インフルエンザのように、感染しましたと言える社会にしなければならないと考えますが、コロナ禍における人権擁護の取組について伺います。 新型コロナウイルス感染症の報道について伺います。 全国では毎日、新型コロナウイルス感染症の陽性患者の地域・性別・年齢が報道されています。 本県もPCR検査と抗原検査の陽性者が報告されていますが、抗原検査は専用の機械が不要で、判定までの時間が短いなど利点がありますが、判定結果の正確性が低く、抗原検査が陽性であっても、その後の行政PCR検査で陰性となる場合が多いので、抗原検査においては、行政PCR検査の陽性が確認されるまで報道発表を控えてもいいのではないかと考えますが、県の所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者の取扱いについて伺います。 新型コロナウイルス感染症の陽性患者は基本的には入院することとなっており、濃厚接触者は人に感染させないように外出自粛することとなっていますが、濃厚接触者の家族や会社の同僚における感染防止の考え方について所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症対応について、政令指定都市新潟市との連携について伺います。 県と政令指定都市は別の行政組織となっていますが、連携を図ることが重要なことだと考えます。愛知県と名古屋市は連携不足であると報道を通して感じましたが、大阪府と大阪市の場合は、大阪府が主導し、評価が高い状況であったと考えます。 新型コロナウイルス感染症対応における本県と政令指定都市新潟市の連携状況と課題について伺います。 新型コロナウイルス感染症の医療従事者の宿泊場所の確保について伺います。 医療従事者や濃厚接触者の疑いがある人など、PCR検査の結果が出るまで1日、2日家に帰れず、単独で宿泊をしなければならないケースが多くあります。多くの場合、車の中やビジネスホテルで過ごしていると伺いますが、上・中・下越の単位で宿泊場所を確保する必要性があるのではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、企業誘致について伺います。 新型コロナウイルス感染症により、テレワークの定着や首都圏から地方への移住の動きがあります。総務省の7月の調査では、転出超過になったとの報道がありました。4月から7月では、北海道や沖縄、長野県など5道県で、東京圏から転出した人が多かったということでしたけれども、東京圏からの転出を占めるのは20代、30代で、テレワークの広がりもあり、若年者にとって地方移住のハードルが下がっているとの報道もあります。 また、人材派遣大手のパソナグループが本社機能の淡路島への移転を打ち出すことも大きな衝撃となっています。 今後、東京一極集中の是正をさらに進め、本県がその受皿として選ばれるような取組が必要であると考えますが、9月補正予算には地方分散の推進施策が盛り込まれていますが、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 新潟県文化祭について伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今年の県展も中止になり、様々な団体・個人が文化芸術を発表する場が少なくなりました。新潟県文化祭をオンラインという形でユーチューブ発信するという取組は評価をいたします。 今後も新型コロナウイルス感染症により活動が制限されることが予測されますので、本県の魅力ある伝統、文化、芸術を絶やさない取組が重要と考えますが、後世に向けて伝統、文化、芸術をどのように残していくのか、知事の所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、4月から5月、小・中・高等学校が休業となり、授業を受けられない状況が続きました。全国統一的なものであり、授業の遅れを夏休みや冬休みで補うこととされており、地域ごとの授業格差が少ないと予測されますが、家庭によってはICT環境の有無や塾などに通う子供などもおり、受験に多少影響があるのではないかと考えます。 また、スポーツ活動も中止となり、今まで積み上げてきた中学3年生、高校3年生の中にはその成果を試すことができなかった生徒も多くいるのではないかと考えますが、これから行われる高校・大学受験や就職、スポーツ推薦での進学などの影響を伺います。 不登校者への対策について伺います。 新型コロナウイルス感染症の学校休業により、不登校になるケースがあると伺います。学校再開の際に心身のバランスを崩して学校に行けない子供や、腹痛を訴える子供が出てきたとのことです。分散登校が奇数偶数で分かれ、数少ない友人と離れてしまい、居場所がなくなることがあったなど様々な原因で、不登校者に対し学校離れが進まないような取組が必要と考えますが、所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症による外出自粛や学校休業の影響もあり、成年者を中心にゲーム依存の深刻化が懸念されています。全国では消費生活センターの相談も増加し、高額な課金に関する内容や、子供がゲームをやめられないなど依存症が疑われるものが多くなっているとのことです。香川県は、4月、ネット・ゲーム依存症対策条例を施行するなど、ゲーム障害は世界中で社会問題化しています。 本県のゲーム障害の相談状況や医療機関などにつなぐ仕組みについて所見を伺います。 最後に、農業問題について伺います。 農林水産物の付加価値を高めるためにはブランド化を進め、生産、商品開発、販路開拓、情報発信、知的財産権の保護など、栽培技術から販路活動の展開など幅広に事業を進める必要があります。 石川県は、4月に農林水産物のブランド化の推進に関する条例を施行し、米の新品種、ひゃくまん穀、高級ブドウのルビーロマン、原木シイタケ、のとてまりなど8品目に絞り、販売額を伸ばす目標を掲げています。 本県も新之助やルレクチエ、枝豆、にいがた和牛、越後姫など、ブランド化に力を入れ販売額増加に取り組むことが園芸振興や農家所得を増やすことにつながると考えますが、県のブランド化推進についての所見を伺います。 今年の長雨の農業被害について伺います。 今年は、農作物の被害として、新型コロナウイルス感染症による和牛や花卉などの価格低下により被害を受けました。さらに、梅雨が長く、長雨の被害が園芸中心に多数あり、野菜や果樹など多くの品目が被害を受け、農家所得の減収になっていますが、それを補う共済や収入保険が機能していません。共済は掛金が高く、補填される額も少ないものであり、収入保険は掛金が高く、加入が少ない状況であります。 農業は、天候の被害を受けることは免れないため、所得を補填できる機能を強化することが今後の園芸振興や農業生産額を上げることにつながると考えます。 9月補正予算に収入保険加入加速化事業として、収入保険に新規に加入する農業者の保険料の一部を助成する予算がついており、評価いたしますが、新型コロナウイルス感染症の影響だけでなく、天候不順の影響を補填できる取組が必要であると考えます。 今年の長雨の影響を受け、今後農家がどのように収入を確保していくべきと考えているのか、所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、需要の減少や価格低下の影響を受けた農業者を支援する、新潟産品食べるエールプロジェクトを進めてきました。産地直送型通販サイト新潟直送計画を使い、本県農産物などを2割引きとする取組が行われてきましたが、その農作物需要喚起支援については予算も少なく限定的であり、新潟直送計画に参加している農家への支援にとどまり、幅広い農作物の支援になっていないのではないかと感じました。 新潟市は、農作物の送料を補助し、幅広く農家の支援となっていると見えましたが、今回、県が特定の通販サイトを通して事業を行った経緯と事業効果について伺い、一般質問を終わらせていただきます。大変どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県央基幹病院の整備と公債費負担適正化計画の目標達成の見通しについてでありますが、今回の推計に当たっては、将来の金利推計等を最新のものに更新するとともに、前回見込まなかった県央基幹病院の整備費用分を反映いたしました。 これらを踏まえた結果、本年2月の計画公表時にお示ししたとおり、令和3年度以降、平成30年度当初予算の実負担額から1割程度削減した水準を継続することで、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標を達成できる推計となりました。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えします。 まず、オンライン整備の必要性についてでありますが、各種給付の迅速化や事務の効率化の観点から、議員御指摘のとおり、国・県・市が使えるオンラインシステムの構築や、マイナンバーカードに対応した環境の整備は重要であると認識しています。 国においては、喫緊に取り組むべき事項として、デジタル社会のパスポートたるマイナンバーカードのさらなる活用や国と地方を通じたデジタル基盤の構築を進めるとしており、県といたしましても、国の動向を注視しながら、庁内の行政手続のオンライン化を推進してまいります。 次に、本県行政事務の外部委託の現状と考え方についてでありますが、県といたしましては、これまで外部委託推進のガイドラインを策定し、定型的または臨時的な事務事業や専門的かつ高度な知識や技術を必要とする事務事業など、外部委託を推進すべき事務事業の類型を明確化し、積極的な活用に努めてきたところです。 行政事務の外部委託につきましては、事務の減量化及び民間の専門性や創意工夫の活用が図られることから、競争性の確保やサービスの質及び成果などの検証を、県として十分に行いつつ、民間でできることは民間に委ねることを基本に、引き続き、推進してまいりたいと考えております。 次に、ICT活用の推進についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、新たな日常に対応した行政サービスを展開していく必要があることから、行政手続のオンライン化構想の策定や、ウェブ会議環境の拡充など、県庁のデジタル・トランスフォーメーションを推進していくための補正予算を本定例会にお諮りしているところです。 ICT活用の推進に当たっては、議員の御提案も踏まえ、情報施策の専門家である情報主幹をはじめとするIT企業出身の職員や専門知識を有する職員による部局横断のプロジェクトチームを立ち上げるなど、市町村との協力も含め、時代に即したICT活用の推進に取り組んでまいります。 次に、大学などにおけるIT教育についてでありますが、県内大学においては、情報学や統計科学等を学ぶことができる大学が新たに開学いたしました。そのほか、データサイエンス人材の育成に係る新たな教育パッケージの検討が進められています。 また、県では、県内企業におけるIT人材の育成・確保を支援するため、IT業務の経験者を対象とした合同研修や、IT関連企業とIT人材のマッチングイベントなどを行うとともに、テクノスクールにおいては、離職者等を対象としたIT分野のコースの拡充に加え、新たにIT関連企業においてOJTを行う雇用型訓練を始めたところです。 今後も社会経済活動の変化を的確に捉え、県内のIT人材の育成やIT産業の振興に努めてまいります。 次に、PCR検査についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では、今後、1日最大1,200件の検査が可能となるよう、検査体制を拡充し、これに対応した検体採取の体制を確保することとしております。これにより、本県では、発熱等の症状がある方は経過にかかわらず、相談があった際は必ず公費で検査を行うほか、引き続き、医師が必要と判断した方や、濃厚接触者に該当しなくても患者と接触のあった方、医療従事者等感染を早期に発見する必要がある方等に広く公費で検査を実施してまいります。 一方、現在の県内の感染状況を踏まえますと、民間検査機関が希望する方を対象に有料で行うPCR検査について、県が支援を行うことは、必要性や費用対効果の観点から、慎重な検討が必要と考えております。 次に、文化・スポーツイベントの開催支援についてでありますが、文化芸術・スポーツ団体等からの要望を踏まえ、イベントの開催制限等に伴う経費の負担増に対して支援するため、感染防止対策経費や施設利用料等を補助するための予算案を、本定例会にお諮りしているところです。 県といたしましては、この支援制度を広く関係者に周知し、活用を促してまいりたいと考えております。 次に、設備投資を後押しする取組についてでありますが、県内企業の設備投資については、弱い動きが見られる一方で、政府系金融機関が本年8月に行った調査によれば、回答があった約4割の県内企業が、感染拡大を契機とし、今後、サービスのAI・デジタル化に取り組むと回答しており、その割合は全国に比べて高くなっております。 こうした状況を踏まえますと、新型コロナウイルスの影響により、企業が設備投資に慎重になっている中であっても、県内企業の新たな取組に向けた設備投資を促すことが重要と考えております。 県といたしましては、従来の制度融資による設備投資の支援に加え、今年度から新たに、AI・IoTや5G関連機器の導入などの生産性向上につながる前向きな設備投資を促進するため、融資に係る金利相当額を支援しております。 さらに、5GやICTを活用した非接触型やリモート型の革新的なビジネスモデルの創出を支援するための予算を今定例会にお諮りしており、新たな投資やイノベーションの一層の誘発に向けて取り組んでまいります。 次に、保育所や放課後児童クラブの人材確保についてでありますが、議員御指摘のとおり、保育所や放課後児童クラブは、緊急事態宣言下においても、医療従事者や社会機能を維持するため就業継続が必要な方々の子供を受け入れる施設です。今後、再度感染が拡大した場合でも、安定的な運営を図っていくためにも、人材確保が重要と認識しております。 保育所に関しては、県が委託している新潟県保育サポートセンターにおいて、主に潜在保育士の再就職支援を行ってきたところですが、近年、東京圏へ就職する保育士を含む医療・福祉人材が増加していることを踏まえ、さらなる人材確保策強化のため、東京圏から県内に転居し、就職した場合に支援金を支給する事業について、補正予算を本定例会にお諮りしております。 また、放課後児童クラブに関しては、実施主体である市町村の取組を支援する観点から、クラブに従事する放課後児童支援員の認定資格研修を行っております。 今後も、新型コロナウイルス感染症の拡大に備える観点も踏まえ、市町村や関係団体とも連携しながら人材確保に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症に関する人権擁護の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染者やその家族等に対する差別は、決して許されない、あってはならないと考えており、これまでも、偏見や差別、心ない言動や不確かな情報の拡散など、人権を脅かす言動は決して行わないよう県民の皆様に呼びかけてまいりました。 今後とも、市町村や国等の関係機関とも連携しながら、感染した方などに対して人権に関する相談窓口を周知し、適切な相談につなげるとともに、様々な手法を用いた広報等により、不当な差別や偏見の防止に向け、効果的かつ継続的な啓発に努めてまいります。 次に、抗原検査の結果の公表についてでありますが、製造業者によりますと、抗原検査は、臨床試験の結果、PCR検査との陽性一致率が100%というデータが提出され、法律上の承認を得ているものと承知しています。このため、感染拡大防止の観点から、現時点では、抗原検査が陽性であることをもって確定診断とすることは差し支えないと考えておりますが、抗原検査が陽性であっても、PCR検査で陰性となる事例が県内でも発生しており、製造業者や国の研究所などに問合せや確認を行っているところです。 一方で、議員御指摘の報道発表の取扱いについては、公衆衛生上、県として何らかの発表は必要と考えておりますが、患者に対する風評等への考慮も重要であり、そのタイミング、頻度や広報媒体の活用方法なども含めた公表の在り方について、検討を行ってまいりたいと考えております。 次に、濃厚接触者の家族等の対応についてでありますが、本県においては、保健所が実施する新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査により、迅速に濃厚接触者を特定するほか、必要に応じて濃厚接触者のみならず広く接触者を対象に、PCR検査や健康観察等を行うことで感染拡大の防止を図ってまいりました。 濃厚接触者に対しては、PCR検査を実施した上で保健所から外出自粛や健康観察等をお願いしておりますが、濃厚接触者の家族等に対しては、感染防止対策を徹底していただくとともに、感染の可能性も念頭にふだんより注意深く行動していただくことが重要だと考えております。 次に、新潟市との連携についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対応に当たっては、住民に身近な市町村との連携が重要であります。このため県では全市町村と連携し、感染者情報の共有や緊急共同宣言の取りまとめなど、対応に当たってまいりました。 特に、保健所設置市でもある新潟市とは、県対策本部会議への新潟市保健所の参加をはじめ、病床の確保や入院調整等でも連携して対応に当たってきたところです。 季節性インフルエンザの流行期を控え、県・市ともに検査を含む医療提供体制の強化が必要であることから、県といたしましては、より一層新潟市と緊密に連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、医療従事者等への宿泊場所の確保についてでありますが、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関等の医療従事者に対しましては、日々コロナ患者と接触する可能性がある中で、家族等に感染させる不安なく、安全かつ安心して働ける環境をつくるという観点から、関係機関の協力を得て、各地域に15か所の医療従事者向け宿泊施設を確保しているところです。 一方、日常生活において何らかの機会に濃厚接触者となった方については、必ずPCR検査を実施した上で自宅待機をお願いしておりますが、その際には家庭内でのマスク着用などの感染防御を徹底していただくとともに、可能な限り速やかに検査結果をお知らせすることとしております。 また、御家族など何らかの接触があった方については、保健所において体調等をお聞きし、必要な場合に幅広くPCR検査をお願いするとともに、濃厚接触者の方と同様、自宅待機をお願いしております。 次に、地方分散の促進に向けた取組についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会経済活動やライフスタイルに変化が見られる中、人や企業の地方分散の流れが生じつつあると認識しております。 この流れを捉え、新潟を選ばれる地域とするには、引き続き移住促進や企業誘致といった施策に取り組んでいくとともに、地域単位でその地域の持つ強みや財産を生かし、県及び市町村の施策が一体となったパッケージとして打ち出し、民間事業者とも協働しながら、地方分散の促進に向けた取組を進めることが必要と考えています。 そのため、本定例会でお諮りしております関係予算において、まずはリーディングケースとして県内2地域で、テレワークやワーケーションを行う方々等への働きかけを強める取組など、人と企業を呼び込む施策を展開してまいりたいと考えております。 今後、事業効果を検証しつつ、他地域においても、地域の強みを生かし、市町村の取組とともに相乗効果を高める取組を順次検討してまいります。 次に、文化芸術を後世に残すことについてでありますが、文化芸術は、健康で心豊かな潤いのある生活の源泉であり、本県の大切な魅力、資源であると考えております。 現在、新型コロナウイルスの影響下においても、文化芸術の灯を消すことがないよう、新潟県文化祭2020の開催など動画配信による発表・鑑賞機会の提供や活動の維持・継続に向けた支援を行っているところであります。 県といたしましては、動画配信といった新たな取組を継続しつつ、昨年開催した国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭で培った県内文化団体等とのネットワークなどを生かしながら、県文化振興ビジョンを着実に推進し、文化芸術を大切に守り、育て、未来へ残してまいりたいと考えております。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、農林水産物のブランド化推進についてでありますが、これまで県では、県産農林水産物の付加価値を高めるために、首都圏等で評価が高い枝豆やルレクチエ等を牽引役として、ブランドへの信頼の基本である食味・品質を重視した生産を基本に、流通事業者等と連携した情報発信等によりブランド力の強化に取り組んでいるところです。 また、個別品目のブランド力強化に取り組むことに加えて、新潟の食の魅力全体について物語性を付与した情報を発信することにより、産地としての新潟のイメージをさらに高めていくよう、取り組んでまいりたいと考えております。 次に、長雨の影響を受けた農家の収入確保についてでありますが、議員御指摘の長雨を含め、近年は台風やフェーン等、異常気象が常態化してきており、こうした状況においても、農業者が安定的な収入を確保していくためには、異常気象にも強い生産体制を確立するとともに、農業者が安心して経営できるよう、セーフティーネットへの加入を進めることが重要であると考えています。 県といたしましては、異常気象に対応した的確な技術対策情報の提供や施設化の推進により、生産の安定化を図るとともに、自然災害をはじめ、あらゆるリスクに対応可能な収入保険制度の加入促進に向けて、関係機関と連携し、個々の農業者の経営内容に応じたきめ細かなサポートを行ってまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症への対応として特定の通販サイトを使った事業の効果についてでありますが、新しい生活様式の中、参加した生産者等が、本事業を契機に、通販サイトの有効性や、多様な販路を確保することの重要性を認識したこと、また、県内外の消費者に、生産者のこだわりや農産物等の魅力を幅広く伝え、新潟産品のファン獲得につながる効果もあったものと考えております。 なお、本事業を行った経緯につきましては、農林水産部長からお答えいたします。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) 3点についてお答えをいたします。 歳出削減と財源対策的基金残高の確保についてでありますが、今回の中期財政収支見通しの仮試算は、歳出については、令和2年度当初予算編成時に取り組んだ改革を継続することをベースとし、また歳入につきましては、令和3年度以降も地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に税収減については地方交付税等によって措置されることを前提に、令和7年度までの推計を行い、結果として財源対策的基金残高が230億円確保される見通しとなったものです。 本年2月に公表いたしました見通しと比べて基金残高が改善しておりますのは、金利上昇リスクを回避するため30年債を積極的に活用したことで、従来の推計と比べて償還までの据置期間や各年度の償還額に相違が生じ、公債費負担が後年度へ移行したことが影響したものでございます。 今回の試算でお示ししたとおり、依然として収支均衡に至る見込みとはなっておらず、加えて、今後、令和13年度に公債費の実負担がピークを迎えると見込まれることから、国の地方財政措置の状況等を見定めつつ、引き続き歳出歳入改革の取組を進める必要があると考えております。 次に、税収減の補填についてでありますが、今回の中期財政収支見通しでは、現状においては地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に税収減については地方交付税等によって措置されることを前提に試算をしております。 これは、平成30年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2018において、地方自治体全体の交付税総額は、令和3年度までこのルールに沿って算定されることが明記されており、本年7月の閣議決定においても、このルールを着実に実施することとしていること等に基づくものです。 なお、このルールは地方自治体全体として同水準としているもので、個々の自治体における同水準を担保しているものではありません。 そのため、本県において減収分の全てが補填されるかどうかは、国の地方財政措置の具体的な内容を注意深く見定めていく必要があると考えております。 次に、公文書管理システム導入の効果と課題についてですが、システム導入5年後の電子決裁率を50%とすることを目標に、起案時の紙文書の使用を削減することにより、5年間で約5,000万枚を削減できるものと見込んでおります。 また、ペーパーレス化によって、決裁権者への起案の持参や、文書の書庫等への引継ぎ・廃棄などが不要になるほか、自席での文書の閲覧・検索などにより作業時間の削減を図ることもできると考えております。 導入に当たっては、システムの開発・導入経費の負担や、導入後の運用面などの課題があるものと認識しておりますが、他の自治体の運用状況等も参考に、職員研修の実施なども含め、システムの円滑な導入とその後の運用に向けて取り組んでまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 まず、基幹病院事業会計に対する一般会計繰出金についてでありますが、魚沼基幹病院につきましては、今後の病棟のフル稼働により、政策医療交付金が減少する見込みのため、一般会計繰出金は、令和2年度の約25億円から令和4年度には約18億円に減少し、その後は、大きな変動はなく推移するものと想定しております。 ただし、この想定には、新型コロナウイルスの影響を考慮しておりません。現在、新型コロナウイルス関連交付金等国からの支援を最大限活用しながら対応しておりますが、感染状況等の影響を見極めていく必要があります。 このような状況を踏まえ、運営財団には、病棟稼働を着実に進めるとともに、さらなる収益の確保や費用の削減を通じて経営改善を図るよう指導してまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院につきましては、令和5年度の開院に向けて建設を進めているところですが、まず建設等に係る企業債の償還分として、現時点での試算では、償還期間30年間で毎年約10億円と想定しております。 一方、運営に係る収支の詳細な計画につきましては、今後決定する運営主体に定めていただくことになりますが、県といたしましては、運営主体選定の際に、収支に関する一定の条件づけを行うとともに、運営主体が運営計画に基づき適切に運営できるよう指導してまいりたいと考えております。 次に、本県におけるゲーム障害の相談状況などについてでありますが、令和元年度は、精神保健福祉センターや保健所に対し、12人、39件の相談があったところです。 主な相談内容は、ゲームにより昼夜が逆転している、ゲームへの課金が止まらないなどとなっており、依存の状況を丁寧にお聞きした上で、日常生活への助言を行うとともに、医療が必要な方には専門の医療機関を紹介するなどの支援を行っております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症への対応として特定の通販サイトを通して事業を行った経緯についてでありますが、本年5月、外食需要の低迷が続く中、家庭内需要を緊急的に喚起し生産者等を支援するため、新しい生活様式で利用者が急増する通販サイトを活用した事業の検討に着手しました。 その際、夏の需要期に向け、早急に実施する必要があったことから、県内事業者の中から客観的な要件を満たすサイトを速やかに選定し、事業を開始しました。 対象サイトは、一定期間で効率的な流通が可能な販売実績があり、県産品を対象に幅広い取扱品目を持つこと、生産者やJA等誰でも参加できるなどを要件に選定して実施し、好調な売上げにより、既に事業は終了いたしました。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕 ◎病院局長(藤山育郎君) お答えいたします。 県立病院に対する一般会計繰出金についてでありますが、病院事業会計は、患者の減少や給与費・材料費の増加等により収支悪化の傾向にあり、令和元年度決算公表時の試算では、一般会計繰出金は、当初予算ベースで令和2年度の約136億円から5年後の令和7年度には143億円に増加することを想定しております。 ただし、この想定には、新型コロナウイルスの影響を考慮しておりません。現在、新型コロナウイルス関連交付金等国からの支援を最大限活用しながら対応しておりますが、感染状況等の影響を見極めていく必要があります。 このような状況を踏まえ、昨年度取りまとめた経営改善に関する緊急的な取組を着実に進め、さらなる収益の向上や費用の縮減など、引き続き徹底した経営改善に取り組み、行財政改革行動計画でお示ししたとおり、経常損益の黒字化及び一般会計繰出金の縮減を目指しつつ、持続可能な経営を確保してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 学校の休業による受験や就職、スポーツ推薦での進学などへの影響についてでありますが、議員御指摘のとおり、休業による授業の遅れやスポーツ大会等の中止に伴い、中学3年生や高校3年生の中には、進学や就職の準備に不安を感じる生徒もいるものと認識しております。 このような影響を踏まえ、本県の公立高校入試では一般選抜の出題範囲を縮減することといたしました。また、大学入試では試験方法が変更されたり、スポーツ推薦における出願要件が緩和され、就職採用選考では開始期日が1か月繰り下げられるなどの配慮がなされております。 県教育委員会といたしましては、これらの変更点を把握した上で、生徒一人一人の進路希望実現に向けて、きめ細かな指導を進めるよう、県立学校を指導するとともに、市町村教育委員会に働きかけてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症に係る不登校への対応についてでありますが、県内では、学校再開以降、感染症に関する不安以外で、臨時休業の影響による生活リズムの乱れ等を理由に、1日以上欠席をした児童生徒を、小・中・高校等を合わせて72人確認しております。 これまでも、各学校において、面談や家庭訪問等により、児童生徒の不安の解消等に努めてきましたが、欠席が長期化して不登校に至らないよう、引き続き、教員やスクールカウンセラーによる心のケアを行うとともに、必要に応じて、別室登校等による学習支援、スクールソーシャルワーカーと連携した対応等に取り組んでまいります。 ○議長(桜井甚一君) 笠原義宗君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) お諮りいたします。 次会は、10月5日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桜井甚一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明10月3日及び10月4日は休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時15分散会...