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02月27日-一般質問-05号

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  1. 新潟県議会 2020-02-27
    02月27日-一般質問-05号


    取得元: 新潟県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    令和 2年  2月定例会 本会議令和2年2月27日(木曜日)  議事日程 第5号    午前10時 開議第1 第52号議案から第89号議案まで第2 請願第1号第3 陳情第1号から第6号まで第4 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1  第52号議案 令和元年度新潟県一般会計補正予算  第53号議案 令和元年度新潟県県債管理特別会計補正予算  第54号議案 令和元年度新潟県地域づくり資金貸付事業特別会計補正予算  第55号議案 令和元年度新潟県災害救助事業特別会計補正予算  第56号議案 令和元年度新潟県国民健康保険事業特別会計補正予算  第57号議案 令和元年度新潟県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算  第58号議案 令和元年度新潟県中小企業支援資金貸付事業特別会計補正予算  第59号議案 令和元年度新潟県林業振興資金貸付事業特別会計補正予算  第60号議案 令和元年度新潟県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算  第61号議案 令和元年度新潟県有林事業特別会計補正予算  第62号議案 令和元年度新潟県用地先行取得事業特別会計補正予算  第63号議案 令和元年度新潟県都市開発資金事業特別会計補正予算  第64号議案 令和元年度新潟県流域下水道事業特別会計補正予算  第65号議案 令和元年度新潟県港湾整備事業特別会計補正予算  第66号議案 令和元年度新潟県電気事業会計補正予算  第67号議案 令和元年度新潟県工業用水道事業会計補正予算  第68号議案 令和元年度新潟県工業用地造成事業会計補正予算  第69号議案 令和元年度新潟県新潟東港臨海用地造成事業会計補正予算  第70号議案 令和元年度新潟県病院事業会計補正予算  第71号議案 令和元年度新潟県基幹病院事業会計補正予算  第72号議案 新潟県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正について  第73号議案 新潟県手数料条例の一部改正について  第74号議案 新潟県県税条例の一部改正について  第75号議案 新潟県社会文化施設等整備基金条例等の廃止について  第76号議案 新潟県小児医療機能強化基金条例の制定について  第77号議案 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について  第78号議案 新潟県水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例の一部改正について  第79号議案 新潟県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部改正について  第80号議案 新潟県液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部改正について  第81号議案 新潟県産業立地を促進するための県税の特例に関する条例の一部改正について  第82号議案 財産の取得の変更について(一般国道7号朝日温海道路用地)  第83号議案 財産の処分について(新潟中条中核工業団地用地)  第84号議案 財産の処分について(一般国道7号朝日温海道路用地)  第85号議案 契約の締結について(妙高警察署建築工事請負契約)  第86号議案 契約の変更について(鵜川ダム本体建設工事請負契約)  第87号議案 契約の変更について(旧新潟地域振興局庁舎解体工事請負契約)  第88号議案 契約の変更について(十日町病院(第2工区)建築工事請負契約)  第89号議案 契約の変更について(十日町病院衛生設備工事請負契約) 日程第2  第1号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級の実現、教職員定数の増加及び教育予算の増額を求めることに関する請願 日程第3  第1号 「テクノロジー犯罪」の撲滅を求める意見書提出等に関する陳情  第2号 「嫌がらせ犯罪」の撲滅を求める意見書提出等に関する陳情  第3号 令和2年度に就職氷河期限定の新潟県職員採用試験実施を求めることに関する陳情  第4号 習近平国賓招待を撤回することを求める意見書提出に関する陳情  第5号 犯罪者・習近平の入国を禁止することを求める意見書提出に関する陳情  第6号 専門知識を有する者を監査委員とすることを求めることに関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(安沢峰子君、遠藤玲子君、青木太一郎君、小島義徳君、佐藤久雄君、飯野晋君)   ――――――――☆――――――――出席議員(53名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  星 野 伊佐夫 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君          佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君          飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          益田  浩 君  副知事          米澤 朋通 君  知事政策局長       笠鳥 公一 君  総務管理部長       佐久間寛道 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       藤山 育郎 君  産業労働部長       橋本 一浩 君  観光局長         佐野 哲郎 君  農林水産部長       山田 治之 君  農地部長         緒方 和之 君  土木部長         中田 一男 君  交通政策局長       田中 昌直 君  会計管理者兼出納局長   本間由美子 君  病院局長         岡  俊幸 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    関原  貢 君  警察本部長        花岡 和道 君  労働委員会事務局長    綱島 知子 君  監査委員事務局長     髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(岩村良一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第52号議案から第89号議案まで ○議長(岩村良一君) 日程第1、第52号議案から第89号議案までを一括して議題といたします。 提出者の説明を求めます。花角知事。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) ただいま上程されました議案38件について、御説明申し上げます。 第52号議案は、令和元年度一般会計補正予算でありまして、総額717億7,260万6,000円の減額補正についてお諮りいたしました。 このたびの補正予算は、職員給与費に係る過不足額を計上するとともに、社会保障関係経費の実績見込み等に基づく過不足調整等を行うものであります。 この結果、補正後の予算規模は、1兆2,341億2,352万4,000円となります。 また、第53号から第71号までの各議案は、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。 次に、その他の主な条例案件等について、御説明申し上げます。 まず、第74号議案は、地方税法の改正に伴い、法人事業税の収入金額課税のうち、発電及び小売電気事業に係る課税方式の見直しなどを行うため、第75号議案は、社会文化施設等整備基金ほか3基金を廃止し、財源対策的基金を財政調整基金に整理統合するため、第76号議案は、県内における小児医療の機能強化を図るための基金を設置するため、それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。 最後に、第85号議案は、契約の締結について、お諮りするものです。 以上、各議案の概要につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、各議案それぞれについて、御賛同賜りますよう、お願い申し上げます。 ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 第52号議案から第89号議案までは、審査のため、諸君のお手元に配付の議案付託表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔議案付託表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第1号 △日程第3 陳情第1号から第6号まで ○議長(岩村良一君) 日程第2、請願第1号及び日程第3、陳情第1号から第6号までを一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第1号及び陳情第1号から第6号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(岩村良一君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、安沢峰子君の発言を許します。安沢峰子君。   〔安沢峰子君登壇〕(拍手) ◆安沢峰子君 おはようございます。公明党の安沢峰子です。 花角知事就任より1年半余り、ますます精力的に政府与党への要望活動、他県との連携、国内外へのトップセールスにと県勢発展のために尽くしてこられたことに、まず敬意を表したいと思います。 まず初めに、持続可能な社会について伺います。 昨年も台風災害が相次ぎ、各地で甚大な被害をもたらしました。世界各国でも記録的な高温や大雨、大規模な干ばつなど、異常気象が頻発しています。世界気象機関は、これらの異常気候が長期的な地球温暖化の傾向と一致していると発表しています。 新潟県でも台風だけでなく、夏の高温障害によるコシヒカリの1等米比率の大きな減少、冬の少雪による春先の水不足への懸念、経済面では除雪事業者への影響、観光面ではスキー場が今季の営業を断念するなど、近年の地球温暖化の影響は深刻です。 そんな中でも、コシヒカリの銘柄が特Aと評価されたことはうれしいニュースでした。 先日、長野県白馬村での気候非常事態宣言に付随するイベントに参加した方のお話を伺いました。長野県白馬村では、地球温暖化に起因する気候変動は極めて深刻な脅威であり、雪などの雄大な自然の恵みを受けてきた村だからこそ、今こそ気候変動に対して行動を起こさなければならないとし、2050年における再生可能エネルギー自給率100%を目指す取組を始めるとした、気候非常事態宣言を行ったとのことです。 スキー場のゴンドラやリフトの電源を再生可能エネルギーで100%賄う、スノーリゾートから気候変動を考える3日間も既に実施したそうです。 気候非常事態宣言とは、国や地方自治体などが気候変動の危機を認め、具体的な政策やアクションにつなげていこうとする意思表明で、世界中に広まっています。 国として宣言しているのは、イギリス、フランス、カナダなど、またアメリカのニューヨーク市やサンフランシスコ市、オーストラリアのシドニー市やメルボルン市など、世界中で数多くの地方自治体が宣言しています。 日本では、2県13市町村が宣言しています。宣言をした県の一つ、神奈川県での気候非常事態宣言の内容は、目指す特続可能な社会を実現するため、気候変動問題への対応が不可欠であり、今、気候が非常事態にあるという危機感を市町村、企業、団体、県民と共有し、今後、誰一人取り残さないというSDGsの理念も踏まえ、県民の命を守る持続可能な神奈川県の実現に向けて、災害に強いまちづくりなど、適応対策と温室効果ガスの削減を図る緩和策などに、オール神奈川で取り組むとしています。 我が国の重要課題を包含した国連の持続可能な開発目標、SDGsや地球温暖化の国際的枠組みであるパリ協定に基づく日本の温室効果ガス削減の目標達成年次は10年後の2030年となっており、パリ協定が適用される初年度に当たる本年の取組が正念場となります。県として温室効果ガスの削減目標達成に向け、どのように取り組むのか伺います。 第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略では、SDGsの理念を踏まえた地方創生を推進することとし、SDGs達成に向けた取組を行っている自治体の割合を2024年までに60%に引き上げることを目指しています。 新潟県には、国連からSDGsの世界ハブ大学に任命された長岡技術科学大学があります。産学連携やSDGsの教育を進めています。 新潟県におけるSDGs推進のための取組状況を伺うとともに、市町村、大学を含む民間との連携を強化するため、新潟県SDGs推進室等の設置により推進体制の強化が必要と考えますが、所見を伺います。 長野県でも昨年12月に気候非常事態宣言が行われました。2050年にはCO2排出実質ゼロが盛り込まれ、徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの普及拡大の推進に取り組むとしています。CO2排出実質ゼロを表明する自治体は51自治体に上ります。 近年の深刻な地球温暖化に起因した異常気象による農作物への被害や、少雪による県経済への影響は深刻な状況にあり、本県は地球温暖化被害県と言っても過言ではありません。この状況の根本的解決に向け、CO2排出実質ゼロの表明を検討するときが来たと考えますが、所見を伺います。 特続可能な新潟県の財政のため、新潟県財政運営計画に沿って本年度の予算編成がなされたと承知しています。新年度当初予算については、より前向きで創意工夫がされたと知事はコメントされていますが、具体的に最も工夫された点はどのようなものか、知事の所見を伺います。 地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用し、地方財政計画に新たに計上された地域社会再生事業費については、何度も国、政府与党にじかに新潟の窮状を訴えたことに加え、同じ悩みを持つ他県と連携して要望した成果と考えますが、この制度改正に対する知事の評価を伺うとともに、今後さらなる拡充を求めるべきと考えますが、所見を伺います。 北海道では、ほっかいどう応援団会議を立ち上げ、北海道にゆかりや思いのある個人や企業、団体の方々の知恵と力をお借りしながら、道が抱える様々な課題を解決していくため、我こそ北海道の応援団という方々が集うネットワークを立ち上げました。 応援の形は様々で、ふるさと納税やクラウドファンディングによる資金面、企業立地や包括協定からボランティアに至るまで、北海道が魅力あふれる北の大地であり続けるため、一人でも多くの方に応援してもらえるよう、LINEやフェイスブックでも簡単に参加できるようになっています。 さきに財政再建を成し遂げた徳島県にも視察に伺いました。率直に財政難を乗り越えられた一番の要因を質問したところ、給与削減の協力に加え、知恵を絞った政策、計画的な財政運営と既存の財産の有効活用とのことでした。 その中でも一番は、若手職員の危機感がすごかったということでした。新潟県も同じことを既に取り組んでいますが、危機感はどうかというふうに思いました。 新年度当初予算は、危機的状況にある県財政の再建に向けた改革元年の予算となります。県勢振興となるよう財政再建に道筋をつけるには、まずは財政の危機を県民、県職員、議会一丸となって乗り越えるとの決意を県内外に発出し、危機感を逆手に県民には新潟を一丸となって盛り上げよう、県外には新潟を応援してほしいとの強いメッセージを伝えられる好機と捉え、取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 県の財政を揺るがす大きな波の一つ、県立病院には、新潟県立リウマチセンターがあります。開院当初、2006年の実患者数は約1,700人ほどでしたが、2017年には3,300人に倍増しています。新潟県外の患者の治療も行っています。 また、全国公募によってリウマチの研修、研究を目的に来られた若手リウマチ医は年間22人で、訪問に来られたリウマチ医は約120人おられるとのことです。 本県のリウマチ医療の中核を担うだけでなく、国内唯一の公立リウマチ専門医として、より一層期待のできる県立病院であると思います。 財政悪化の原因の一つである県立病院の再編に当たっては、このような専門医での経営努力とともに、県民目線での再編となるよう、市町村、民間病院と十分丁寧な意見交換を進めることが重要と考えますが、所見を伺います。 県の財政を揺るがす大きな波のもう一つの波、人口減少についてですが、これまでの若者や子育て世代への政策を強化し、財政難の中でも県全体で子育てを応援するという観点から質問します。 子ども医療費助成金や2歳未満児に対する保育士の配置拡充の特別保育事業に関しては、維持をしていただけたことに地域からも感謝の声を頂いています。 東京都では、出産・子育て応援事業として、ゆりかご・とうきょう事業を実施しています。育児の孤立化を避けるため、妊娠から子育て期にわたる妊産婦への切れ目ない支援を行う区市町村に対して、専門職の配置や育児パッケージの配付に係る経費を補助しています。育児パッケージは、社会で子育てを支援するというメッセージと、行政が育児の伴走者として家庭に関わるためのツールと子育て用品を直接渡す事業です。 少子化、人口減少は、想定を上回るペースで進んでいます。県は、人口減少に歯止めをかけるべく対策を講じていますが、財政難だからこそ、これまでの政策を強化し、例えば、結婚から子育てまで、新潟県はこんな支援で若者から子育て世代まで応援していることをパッケージとして、結婚・子育てを県全体がワンチームで応援するという力強いメッセージを明確に発信すべきと考えますが、所見を伺います。 1月末に公表された2019年人口移動報告で、東京圏は転入者が転出者を14万8,783人上回る転入超過でした。転入超過は24年連続で、超過分の9割は15歳から29歳の若い世代。 どうしたら東京一極集中を是正できるのか。注目しなければならないのは女性の動向で、本県でも進学・就職による若者の転出が社会減の大きな要因になっており、特に女性の転出超過が多くなっています。 政府の分析によれば、一旦東京圏に転出すると、女性は定着する傾向が男性に比べ強く、結婚・出産後も地元に戻る動きがありません。理由は幾つかあるようですが、見過ごせないのは出身地に対してマイナスのイメージを持っていることです。具体的には、希望する仕事がない、責任ある仕事を任せてもらえない、首都圏と比べ給与が安いなど。 私の娘も一旦東京に転出し、新潟に戻るか悩みました。娘のやりたい仕事が新潟には正規職員での採用がなく、東京では正規採用があったため悩んでいました。私はやりたいことは応援するが、東京で暮らせば物価も高いし、住宅費もかかること、御飯も誰も作ってくれないことなど話をすると、娘は東京は住むところではないと地元に戻ってくることにしました。 しかし、新潟には買物するところも遊ぶところもないと、毎月のように東京に買物や遊びに行っています。ほかの若い女性からは、住むには新潟がいいが、遊びや買物に東京へ行きたい、東京への交通費を県が助成してくれたらいいのにと要望を受けたこともあります。 地元の企業には、親が子供に、新潟や地元に帰ってこいと言っていないのではないかと言われました。確かに同年代の親にはそういう方もいるなというふうに感じています。親の子供との関わり方も重要かと考えます。 とにかく若い女性が住むことを敬遠する地域に、男性や子育て世代が積極的に移住することは考えにくく、女性が活躍できる環境整備が必要です。 そのため、他県では女性の声を直接聞く政策を始めています。地元企業や大学と連携し、女性のための出張労働相談や、県内で活躍する女性研究者と女子中高生との交流イベントなどを開いています。 人口減少問題対策を立てるに当たっては、有識者の意見を聴取することは当然ですが、若者世代、特に若い女性がどんなところに住みたいのか、何を要求しているのか、その声を聞くことも必要不可欠であると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、近年増加している野生動物被害についてです。 1992年、兵庫県尼崎市の中学校の生徒がツキノワグマが絶滅の危機に瀕していることを知り、熊だけの問題ではない、自分たちも寿命まで生きられないことを示している、野生で熊を残さなければならないと兵庫県知事に直談判したお話を聞きました。 兵庫県で開催された全国植樹祭に知事から招待され、両陛下にもお手紙を読んでいただくことができ、とうとう当時の浜四津環境庁長官から兵庫県のツキノワグマは絶滅のおそれにつき、狩猟禁止発令までこぎ着けたというのです。 熊の餌はクヌギやコナラ、ミズナラで、枝を折りながら実を食べるので、森に光が入り、植物は光合成し、小動物も生きることができる。熊が森をつくっているというのです。こうしてできた森は保水力が抜群で、滋養たっぷりの水になり、農作物や川の生き物を育み、都会の水源になっているのです。 戦後の拡大造林の政策により、杉やヒノキを植えたことや、餌のクヌギやコナラ、ミズナラが地球温暖化の影響や酸性雨によりナラ枯れが大発生し、日本の奥地の広大な森は荒廃し、餌場を失い、おなかをすかせて仕方なく森から人里へ下りてきては、次々と有害鳥獣として射殺されてしまう。 熊は、本来森の奥にひっそりすんでいて、見かけと正反対で大変臆病、99%ベジタリアンで、人を襲う習慣などはなく、怖がりの熊が人間から逃げようとして被害を起こしてしまっています。 兵庫県の人工林率は平均42%で、40%を超えると熊などの大きい動物から絶滅するそうです。既に九州は熊が絶滅した可能性が高く、四国でも数十頭の生息と推定し、環境省ではこの地域のツキノワグマをレッドリストに掲載しています。 中学生だった生徒たちは大学を卒業し、全国に実のなる広葉樹を植える運動などを先頭に立って行っています。 2017年には、根絶殺害に近いと、秋田県の佐竹知事に有害駆除と冬の猟の中止を求める要望書を提出したところ、秋田県は2018年から各地域を奥山ゾーン、市街地周辺ゾーン、市街地ゾーンと区別し、ゾーニング管理し、杉などを植えていい場所の管理もするということですが、ツキノワグマ被害防止活動支援事業を始めました。 4市6地区でモデル的に取組を始め、事業では専門家から熊対策の説明会や座談会を繰り返し、熊にとって魅力のない集落としたり、熊の生態を学び、熊に対する正しい知識も身につけ、熊との共存に取り組んでいます。 県内各地でツキノワグマが出没し、人的被害が発生し、県民の安全を守るため駆除が行われています。熊の出没は、地球温暖化の影響や森林政策により、生息域であった森が荒廃を続けているからと聞いており、長野県など他県は熊の生息調査を行うとともに、人的被害発生のおそれがないと判断した熊は放獣を行い、共存に向け取り組んでいます。 野生動物対応を捕殺一辺倒ではなく、共存に向けた取組をすることは、新潟県の宝の自然環境を未来に引き継ぐことになると考えますが、所見を伺います。 次に、安心・安全な社会について伺います。 コロナウイルスについては、感染が拡大するのか、抑制されるのかは、これから1週間から2週間が山場とし、異例の大規模イベント自粛要請を総理が要請するなど、ますます経済に与える影響が心配されるところです。 新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、観光も含む産業面への影響をどう認識しているのか伺うとともに、今後、産業面の影響を払拭するための必要な手だてを講じ、国へも要望していくべきと考えますが、所見を伺います。 新型コロナウイルスの感染者拡大に歯止めがかかっていない中、何より優先すべきは感染拡大防止と早期収束であり、相談体制の強化と県民の不安解消に向けて、正確な情報提供が急務であります。このような事態において、国、県、市町村、関係機関との連携を一層密にし、県民への正確な情報提供に万全を期すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 子宮頸がんは、年間約1万人近くの女性が罹患し、約3,000人もの女性が亡くなっています。 HPVワクチンと子宮頸がん検診が最も成功しているオーストラリアでは、2028年には新規の子宮頸がんは、ほぼなくなるというシミュレーションがなされています。オーストラリアなど11か国では、感染源となる男性も接種対象となっています。 日本では、副作用問題が出てから一気にワクチン接種率が落ち、WHOなどでも日本の状況に危機感を持っています。 新潟市では、より多くの方へ正しい情報を伝え、接種を希望する方が接種できるよう、これまでのホームページでの周知を、来年度からの個別案内の実施に向けて検討を進める方針だと伺っています。 HPVワクチン接種について、厚生労働省はリーフレットを改訂し、自治体を通じて接種対象者とその保護者に個別送付する方向性とのことですが、日本においてこのままHPVワクチンの接種が進まない状況が今後も改善しない場合、世界の流れから大きく取り残されるとの報告もあります。 予防可能な病気である子宮頸がんから失われる命を救うためにも、県として、予防接種の積極的勧奨の再開を国に求めるべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 平成30年度から県が国保の財政運営の責任主体となったことからも、レセプトや特定健診等のデータを活用した医療費是正は、まさしく県がイニシアチブを取って取り組むべきと考えます。例えば、様々な合併症を引き起こす糖尿病の重症化予防など、市町村がデータを活用しやすい環境整備や支援を県として行う必要があると考えますが、所見を伺います。 昨年の台風19号の被災地で、授乳できる場所がなかったり、生理用品が不足するなどの事態が起きました。同様のケースは、いまだ後を絶たないとのことです。 防災会議への女性委員の参画割合が高いほど、おむつなどの備蓄率が高まるとの指摘があるように、平時から男女共同参画社会の実現に取り組むことが災害などの非常時も含むあらゆる場面で有効に機能すると考えます。 本県においても、防災会議に限らず、女性委員の登用に本腰を入れるべきと考えますが、所見を伺うとともに、都道府県防災会議での女性委員の割合は昨年4月1日時点で16%にとどまり、政府目標の30%に届いていません。防災会議も含め、全国と比較して本県の女性委員登用率の現状を伺います。 原子力災害対応のための避難訓練については、県民が一番不安に思っていると思われる冬季の訓練を柏崎市や刈羽村だけでなく、周辺自治体と連携して行うべきと考えますが、所見を伺います。 また、国に対しては避難経路となる国道、県管理の国道、県道の整備促進を行うよう強く要望すべきと考えますが、所見を伺います。 県政の諸課題について伺います。 本年は、56年ぶりの東京五輪、パラリンピックが半年後に控えています。世界の注目が日本に集まることになりますが、この機会に本県の米粉をはじめとした農林水産物をPRし、輸出拡大につなげてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 県立歴史博物館で越後佐渡の温泉文化展が1月18日に開幕しました。新潟県は温泉地数151件で、全国第3位を誇ります。昭和初期、欧米から観光誘致のため国際観光を進め、赤倉観光ホテルを造ったこと。長岡の駅前には長岡温泉センター、映画館、ボウリング場、ステージつきの大宴会場を併設する長岡地域最初の日帰り温泉でにぎわったことなど、温泉レジャー施設は北陸随一の観光地だったということです。今後、インバウンドの魅力あるコンテンツとして、スキー場と並んで温泉がますます注目されると展示を結んでいました。 スノーリゾート新潟としてインバウンド誘客に取り組んでいるところですが、暖冬少雪による観光への影響と今後の対策について伺うとともに、今後は雪がなくても冬季に来ていただけるよう、スキーだけでなく、温泉、日本酒などを前面に打ち出したPRも積極的に行うべきと考えますが、所見を伺います。 加工用米、飼料用米、米粉用米へのインセンティブとなるよう産地交付金を活用し、需要と供給のバランスを取り、米価の安定につなげることに加え、米の消費拡大につながる取組も進め、農家の所得増に寄与するべきと考えますが、所見を伺うとともに、新たな米政策が始まって2年目の評価と3年目の課題を伺います。 米に偏る我が県の農業産出額は、山形県に抜かれ、13位と順位を下げました。地域の皆様も稲作だけでは農家所得が上がらないと実感しています。そのため、県が進める園芸振興については理解が進みつつありますが、取り組む作物について需要と供給のバランスに不安を持っている方が多いと感じます。 各地での作物の選定に当たっては、県がリーダーシップを取り、関係機関と一体となり行うべきと考えますが、所見を伺います。 就職氷河期世代の対象者は40代後半となっている者もおり、国では対応を急ぎ、既に職員採用を行っています。他県でも職員採用試験を行う動きがありますが、試験を受けた方の声では、もう10年早くしてほしかったと待ったなしの状況がうかがえます。 本県でも迅速に救済措置となる職員採用試験を実施すべきではないかと考えますが、所見を伺います。 以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 安沢議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、温室効果ガスの削減目標達成に向けた取組についてでありますが、地球温暖化問題は人類共通の喫緊の課題であり、日本を含む世界各国が参加するパリ協定に掲げられた目標の達成に向け、本県としても積極的に関与し、貢献していくことが必要だと認識しています。 そのため、本県では、国と同様に、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比26%削減することを目標と定め、この達成に向け、家庭や事業所の省エネルギー対策、再生可能エネルギーや新エネルギーの導入促進、新潟県カーボン・オフセット制度の普及等について、重点的に取り組んでまいります。 次に、SDGs推進のための取組状況と、民間との連携強化に向けた体制についてでありますが、国の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略が目指す、将来にわたって活力ある地域社会の実現と、東京圏への一極集中の是正に向けて、SDGsの実現といった新しい時代の流れを力にすることは、当面の人口減少が避けられない本県においても重要な課題であると受け止めております。 県といたしましては、人口減少や気候変動などの環境変化に対して中長期的に必要となる施策について検討するため、部局横断の政策研究会を設置したところであり、SDGsの視点も取り入れつつ検討を進めてまいります。 また、先般、SDGsの推進に向けて、企業や団体、自治体等のプラットフォームが民間主導で立ち上げられたところであり、県も参画して連携を強化してまいります。 次に、CO2排出実質ゼロの表明についてでありますが、地球温暖化による気候変動の影響が本県でも顕在化しており、次の世代に安全で快適な環境を引き継いでいくためには、さらなる温暖化対策の取組が必要であると認識しています。 本県におきましては、これまで再生可能エネルギーの導入促進や事業所における省エネルギーの推進などに取り組んでまいりましたが、来年度、洋上風力発電の導入促進や燃料電池自動車の普及などの取組を進めるとともに、地球温暖化対策地域推進計画の見直しを行うこととしておりますので、その中で2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことについて検討してまいります。 次に、新年度当初予算における具体的な工夫についてでありますが、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用して、地方団体が地域社会の維持・再生に取り組むための地域社会再生事業費が創設されたことや、県が単独で行う道路防災事業等が交付税措置率の高い特別な地方債の対象となったことは、国への積極的な働きかけにより、本県の要望に沿った制度改正が実現したものであると認識しております。 また、投資事業について、将来の実負担を抑制しつつ、頻発化・激甚化する自然災害に対応するため、国の補正予算など地方財政措置が手厚い有利な財源を活用し、補正予算案と一体として必要な事業量の確保に努めたところです。 次に、制度改正に対する評価と今後の進め方についてでありますが、人口減少が進んでいる地方においては、人口減少に応じて行政サービスを縮小することが困難な面や、公共交通の確保等で公的負担が一層増加する面もあるため、昨年来、地方法人課税の偏在是正により生じる財源を地方部へ重点配分するよう、国に対して要望してきたところです。 そうした働きかけにより、この財源を活用して地域社会の維持・再生に取り組むための新たな交付税措置が創設されたことは、人口減少等の課題に取り組む県にとって大きな支えになるものと考えております。 今後も、他県とも連携しながら、引き続き、本県の実情に応じた地方交付税の算定などについて、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。 次に、財政再建に向けた決意の表明と理解促進についてでありますが、今回の行財政改革は、新潟県の未来に希望をつなぐための取組です。その実現には、県民の皆様の理解と協力が必要であり、引き続き様々な機会を通じて、状況の説明や情報の提供、発信等を行ってまいりたいと考えております。 また、県外に向けては、ふるさと納税や産業面の協力等を通じ、個人・企業に本県を応援していただけるよう、効果的なPRなどに取り組むとともに、国に対しては、共通の課題を抱える他団体とも連携しながら要望活動を行っていくこと等により、本県の実情をより理解し、応援していただけるよう努めてまいります。 次に、県立病院の再編に関する市町村等との意見交換についてでありますが、地域において将来にわたって持続的に医療機能を確保していくためには、議員御指摘のとおり、住民をはじめ市町村や民間病院等の関係者の理解と協力を得ることが重要であると考えております。 昨年11月、県立病院経営委員会から県立病院の役割・あり方に関する提言を頂きました。その後、この提言を基本的に尊重しながら、病院類型別に役割・在り方等の見直しを検討してまいりましたが、このたび、病院局において、見直しに関する一定の方向を整理したところです。 地域医療病院については、患者需要等に応じた機能・規模の縮小や、設置・運営主体の見直しを含めた民間医療機関や市町村との役割分担の在り方を検討することとしております。 まずは、地元市町村等に各病院の現状や今後の見込みなどを丁寧に説明することとしており、その上で今後、地元医療関係者等で構成する各地域医療構想調整会議でも御議論いただき、各病院の役割・在り方について合意を目指してまいりたいと考えております。 次に、少子化対策の取組についてでありますが、少子化をはじめとした人口減少問題は、一朝一夕には解決できない構造的な問題であることから、議員御指摘のとおり、様々な主体と連携・協働し、県全体で長期的な視点を持ちながら取り組むとともに、若者や子育て世代を社会全体で支える体制づくりに取り組んでいることを明確に発信することが重要と認識しております。 こうした認識の下、新年度予算案では結婚支援と、妊娠・出産、子育て、教育環境の充実を人口減少問題対策の施策の柱の一つとし、それぞれのライフステージに合わせた切れ目のない支援をパッケージとしてお示しいたしました。 今後も、若者や子育て世代が抱える課題や不安にしっかりと寄り添いながら、結婚、妊娠・出産、子育ての希望がかなえられるよう、少子化対策に全力で取り組んでまいります。 次に、人口減少対策における若者、特に女性の声の聴取についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県は進学や就職を契機とした若者の転出が人口の社会減の大きな要因となっており、男性よりも女性の転出者数が多いことから、人口減少対策を進める上で、若者、特に女性の意向を把握することは重要と考えています。 このため、来年度は、若者、特に女性の県内定着、U・Iターンの促進を重点テーマとして、県内にU・Iターンしてきた女性の視点から新潟暮らしの魅力を掘り起こし、首都圏に発信することなどに取り組む中で、若い女性を中心に意向を聞き、関連する施策への反映を図ってまいります。 次に、熊の放獣等による共存に向けた取組についてでありますが、県では管理計画で生息数の維持の目標の下、毎年、生息状況調査結果に基づき捕獲数の目安を定め、人里や周辺に出没した熊を捕獲しているところです。 それらの捕獲した熊は、農作物への執着が強く、再度、出没するおそれがあることから、県民の安全・安心を最優先に考え、原則として放獣しないこととしております。 一方、他県では、主に奥山周辺で捕獲した熊は被害発生のおそれがないと判断し、放獣しているケースもあることから、県といたしましては、今後、人と熊の共存に向けて、これらについて研究を進めてまいります。 また、森林を適切に整備することで野生生物の生息環境の保全にも寄与してまいります。 次に、安全・安心な社会についてお答えします。 まず、新型コロナウイルスによる産業面への影響等についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国政府による団体旅行の停止措置に伴うキャンセルが、一部の宿泊施設に出ているところであり、中国に進出している企業や取引先がある企業については、現地工場の操業停止や仕入れ商品等の納期遅延など、事業活動に広範な影響が出ています。 今後、事態の長期化に伴い、業績や資金繰りの悪化なども懸念されます。 県といたしましては、中小企業金融相談窓口において資金相談に応じる体制を整えるとともに、利率を自然災害並みとした新型コロナウイルス感染症対策特別融資を創設いたしました。 また、先般、全国知事会を通じて、国に対して地域経済への影響を踏まえた対策の実施について要望を行うとともに、このたび国が実施する信用保証制度に本県が指定されるよう要請しているところであります。 引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、セーフティーネット対策に万全を期していくとともに、必要に応じて、全国知事会とも連携しながら、国に対して要望してまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症に関する県民への情報提供についてでありますが、県では、国内での感染が確認された先月半ば以降、病気の特徴や、予防のための正しい知識などについて、市町村等と共に、ホームページや電話相談等による情報提供を実施しているところです。 議員御指摘のとおり、県民への正確な情報提供は重要であり、県といたしましても、引き続き、国や関係機関と連携を密にし、効果的な情報発信に努めてまいります。 次に、HPVワクチン接種の積極的勧奨についてでありますが、HPVワクチンの接種については、ワクチンとの因果関係が否定できない副反応が特異的に見られたことから、国は、積極的な勧奨を差し控えております。 一方、学会等の学術団体からは、ワクチンの有効性は明らかなこと、副反応への相談・診療体制の整備が進んだことなどから、積極的な接種を推奨する見解が表明されております。 県といたしましては、法に基づく接種勧奨については、全国同一の対応とすることが適切であると考えており、現在、国において、積極的な勧奨の再開の是非について検討が進められていることから、引き続き、その状況を注視してまいります。 次に、県の審議会等への女性委員の登用についてでありますが、防災対策の検討における女性の参画は重要であると認識しており、県地域防災計画においても男女共同参画の視点を持って対応することとしております。 防災分野に限らず政策・方針決定過程に女性が参画する機会を確保することは、多様な意見が政策に反映されるという意味で重要と考えておりますので、県の審議会等の女性委員の登用に向けて、引き続き関係団体等における女性登用の促進や、特定の役職にこだわらない委員推薦の働きかけなど、様々な取組を行ってまいります。 なお、全国と比較した本県の女性委員登用率については、県民生活・環境部長から答弁いたします。 次に、原子力防災訓練と避難道路の整備促進についてでありますが、新年度は、今年度の訓練や避難委員会の検証の中で明らかになった課題等を踏まえ、冬季を想定した訓練も考えております。 訓練の内容については、今後、立地自治体だけでなく、周辺市町村や関係機関とも調整を行ってまいりたいと考えております。 また、万一の原発事故時に円滑に避難するための道路整備等は必要と考えており、そのための財政措置を国に要望しているところです。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした輸出拡大についてでありますが、県では、これまでも首都圏において、訪日外国人をターゲットとした新潟米のPRや、訪日外国人の利用が見込まれる飲食店などに対する、多様な食習慣に対応した米粉メニューの導入の働きかけなどを行ってまいりました。 議員御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピックは、世界の注目が我が国に集まる機会であり、訪日外国人を通じて県産農林水産物をPRする上でも絶好の機会であることから、引き続き積極的な情報発信を行うことにより、輸出の拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、インバウンド誘客における暖冬少雪の影響等についてでありますが、暖冬少雪により、県内スキー場の利用客全体は落ち込んでいるものの、インバウンドについては、昨年12月が対前年同期比4割増、今年1月も2割増となっております。 一方で、現在、新型コロナウイルスの感染拡大に終息の兆しが見えないことから、今後の影響を注意深く見守ってまいりたいと考えております。 また、スノーリゾート新潟のPRについては、スキー以外の観光など地域全体の魅力も前面に打ち出し、発信していくことが、幅広い旅行者層を誘客する上で、効果的であると考えております。 県といたしましては、議員御指摘の温泉や日本酒などを組み合わせたPR動画を作成し、SNSで発信しているところですが、今後は、スキー説明会やメディア招聘などの取組も拡充し、誘客拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、新たな米政策の評価と課題等についてでありますが、新たな米政策を迎えるに当たり、県では新潟米基本戦略を策定し、需要に応じた米生産を基本としつつ、主食用米・非主食用米を合わせた新潟米全体の需要拡大と農業者所得の最大化のための多様な米作りを推進しているところです。 新たな米政策2年目の令和元年産は、主食用米は需要に応じた生産が進みつつある一方、非主食用米は県内食品産業の需要に応え切れていない等の課題があると認識しております。 このため、令和2年産米の生産では、産地交付金の効果的活用や県内食品産業等との連携を図り、引き続き需要に応じた生産が適切に行われるよう取り組んでまいります。 また、議員御指摘のとおり、米の消費拡大も重要であり、県内の小売店や飲食店と連携した新潟米の消費拡大キャンペーンや、御飯食への理解促進などにより、新潟米の消費拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、園芸振興における作物選定についてでありますが、園芸導入に当たっては、国内外のニーズや販路の確保も考慮して品目を選定することが重要であると認識しております。 そのため、昨年7月に策定した園芸振興基本戦略では、構想段階から、農業者と農業関係機関のほか流通関係者等も交えて、品目や販路、生産・出荷体制などを検討していくこととしております。 この中で、県がコーディネートの役割を果たすことにより、地域の特性や優位性を十分考慮した品目選定や、生産から販売まで一貫した伴走型の支援を行い、議員御指摘の不安の払拭に努めてまいりたいと考えております。 次に、就職氷河期世代を対象とした職員採用試験の実施についてでありますが、いわゆる就職氷河期世代の方に対する支援については、社会全体の重要な課題となっており、先般、国の行動計画において、地方公務員についても中途採用を促進するという方針が示されたところです。 このため、県といたしましても、就職氷河期世代を対象とした採用を行いたいと考えており、現在、試験の実施に向けて検討を進めているところです。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 全国と比較した本県の女性委員登用率の現状についてでありますが、内閣府の令和元年度の集計では、本県の審議会等における女性委員の割合は37.5%であり、全国平均の37.1%を上回る状況にあります。 なお、防災会議における女性委員の割合は、全国平均16.0%のところ、本県は22.2%となっております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 レセプト等データ活用に向けた県の支援についてでありますが、データ活用に当たり、市町村が求めるデータ抽出・提供については国保連合会が支援を行っており、県はデータ分析・活用に関する研修会などにより支援を行っているところです。 糖尿病重症化予防の取組についても、多くの市町村でレセプト等のデータから治療中断者等を抽出し、受診勧奨などの取組を実施しております。 しかしながら、一部の市町村からは、データの集計・分析方法が分かりにくいなどの声もあることから、引き続き国保連合会と共に、市町村のニーズに沿った個別支援やノウハウの提供に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(岩村良一君) 安沢峰子君の質問は終わりました。 次に、遠藤玲子君の発言を許します。遠藤玲子君。   〔遠藤玲子君登壇〕(拍手) ◆遠藤玲子君 日本共産党の遠藤玲子です。通告に従いまして、知事並びに関係部局長、教育長に質問いたします。 まず、本県経済の見通しについてであります。 日銀新潟支店の昨年12月の企業短期経済観測調査によりますと、2019年度の企業の経常利益は、全ての産業で前回の調査から下方修正となりました。 また、新潟県中小企業団体中央会によれば、1月の月次景況調査報告における業界の景況DIはマイナス55と大きく落ち込んでいます。この指標がマイナス50を超えるのは、リーマンショック後の2009年以来の深刻さです。 消費税増税が引き金になっていることは疑いありません。しかも、異常な暖冬少雪。その上、世界の脅威となっている新型コロナウイルス拡大など、本県経済の先行きに大きな懸念が生じております。知事は、本県経済の見通しについて、どのような認識をしておられるのでしょうか、お伺いいたします。 次に、消費税について伺います。 1989年4月、消費税が3%で導入され、1997年に5%、2014年に8%へと引き上げられ、昨年10月に10%へと増税されました。この32年間の累積で国と地方の消費税税収は424兆円に上っています。 その一方で、法人三税は大企業優遇の税制見直しによって306兆円の減収となり、所得税、住民税も富裕層優遇の見直しでマイナス280兆円、合わせて586兆円の減収と計算されています。 もはや消費税の目的は社会保障のためでも財政再建のためでもなく、弱者から吸い上げて、大企業や富裕層を潤すことだったことが明らかになりました。 我が党は、格差を拡大させ、景気悪化を増大させる消費税の廃止を目標に、緊急に5%に減税し、社会保障と暮らしを応援するための財源は、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革で生み出すことを提案しておりますが、消費税についての知事の所見をお伺いいたします。 安倍政権は、社会保障のためと言って消費税増税を強行しながら、その直後に全世代型社会保障という名目で、社会保障の全面的な切捨てを進めようとしています。 その一つは、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる狙いです。仮に窓口負担が2倍になれば、深刻な受診抑制と重症化を招きかねません。 さらに、社会保障改革に雇用改革を組み入れ、生涯現役社会と称して、高齢になっても働き続けることを求め、年金の抑制が狙われています。まさに生涯現役強制労働社会であり、最も大きな被害を受けるのは若者の世代にほかなりません。 文字どおり全世代の社会保障切捨てにつながる、全世代型社会保障はやめるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。 次に、ジェンダー平等についてお伺いいたします。 昨年12月、世界経済フォーラムが公表したグローバル・ジェンダー・ギャップ指数で、日本は153か国中121位となり、過去最低を更新いたしました。順位を下げた理由の一つは、女性の政治参画度の低さとされ、女性閣僚数ではワーストテンとなるほど日本のジェンダー平等の後れは深刻です。 我が党は、さきの党大会でジェンダー平等社会の実現を綱領に盛り込みましたが、ジェンダー平等社会とは、あらゆる分野で男女平等が保障され、男性も、女性も、多様な性を持つ人々も差別なく平等に、尊厳を持って力を発揮できる社会を実現することだと考えますが、ジェンダー平等社会実現に向けた本県の取組について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、教員の変形労働時間制について伺います。 安倍内閣は、昨年の臨時国会で公立学校の教員を1年単位の変形労働時間制で働かせる改定給特法の改正を強行いたしました。1日8時間労働の原則を破って勤務時間の延長を可能にするもので、文部科学省は恒常的な時間外労働がないことを前提にした制度だと答弁しております。 しかし、先生方は既に恒常的な時間外労働を行っており、時間外労働が過労死ラインを超える方々も少なくありません。この制度を適用するために残業月45時間という国のガイドライン遵守が必要とされますが、教育現場の実態とはかけ離れております。 夏休みをまとめ取りするため、これが唯一の目的です。私も休みのまとめ取りは大賛成ですが、そのために変形労働時間制を導入する必要はありません。今でも過密な行政研修などを大幅に削減し、代休、年休を取得すれば十分まとめ取りは可能です。 2021年度から制度運用の予定ですが、条例制定から各学校の導入まで完全選択制とされています。県として、教員の労働環境を守るため、変形労働時間制は導入すべきではないと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、新年度予算案についてお伺いいたします。 新年度予算案と一緒に発表された中期財政収支見通しによると、今後、年度末に50億円の基金の積み戻しを見込んだ上で、令和5年度までに収支均衡を図ることを至上命題に掲げ、県債管理基金、公債費調整分と財源対策的基金を毎年105億円から50億円程度取り崩す方針が示されております。 経済成長率を堅めに見込むなど、失敗を繰り返さない姿勢は理解できますが、頻発している大規模災害の発生による予期しない財政需要や、職員の給与削減が終了する令和6年度以降のリバウンド対策について、どのように考えておられるのでしょうか。知事の所見を伺います。 あわせて、計画期間とされる令和6年度は、花角知事御自身の任期、令和4年6月を超えた将来まで、財政的縛りを課すことになるのではありませんでしょうか。知事の見解をお聞かせください。 次に、公債費負担適正化計画案についてお伺いいたします。 実質公債費比率が18%を超えると起債許可団体となり、県債発行に国の許可が必要となる、だから大変だと危機感をあおるアナウンスが行われてきました。 しかし、そもそも平成17年度まで、国の許可がなければ都道府県債を発行することはできない制度でした。その後、地方分権が叫ばれる中で許可制から届出制に変更されたのです。 そこで、質問ですが、起債許可団体になることで実際にどのようなデメリットが生じるのでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。 あわせて、それを乗り越えるためにどのような対策を講じるおつもりなのか、お伺いいたします。 次に、公債費負担適正化計画案の中の投資的事業について伺います。 3つの試算が行われており、投資的経費を最も削減する第3のケースでも、令和20年度まで起債許可団体を脱することができません。 この試算を詳しく見ると、令和3年度以降もずっと投資的事業の規模を当初予算と補正予算一体で管理し、実負担の合計を平成30年度当初の9割以下に削減することとしております。 先ほども指摘しましたが、近年、多発する自然災害や必要とされる経済対策、老朽化した県有施設の大規模修繕なども想定されるだけに、今後さらなる投資的事業の削減、見直しは避けられないのではないでしょうか。知事の見解をお聞かせください。 我が党は、県財政悪化の背景には、長年にわたる過大な公共事業とそれで生じた膨大な県債、国による地方交付税の大幅削減、労働者派遣法などによる雇用破壊、若者の流出と東京一極集中、平成の大合併と地域の疲弊、家族農業切捨ての農政など、様々な要因が重なり合っていると考えます。 こうした下で社会資本の整備は、中央大手ゼネコン中心の大型公共事業ではなく、県民の暮らしと地域経済に直結した真の防災・減災対策の推進、地域の中小建設業者が元請となって受注できる生活密着型の公共事業こそ、優先させるべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。 次に、基金の問題について伺います。 歳入確保策として財源対策的基金の整理が挙げられています。行財政改革行動計画の取組状況では、財源対策の柔軟性を高めるため、社会文化施設等整備基金のほか6基金を財政調整基金に整理・統合するとされています。 しかし、平成26年度の包括外部監査報告書要約版、基金の管理と運用についてでは、社会文化施設等整備基金について、次のように指摘しています。 社会文化施設等の老朽化に対応するための大規模修繕・改築に備えることは、現在の地方行政で強く求められている点であり、公共施設等総合管理計画に基づき、将来の大規模修繕支出に備えて基金を活用し、資金の平準化を図るよう努められたい。さらに、他の基金についても同様に、設置目的に沿った活用が提言されています。 これまで特定の目的のために積み立てられてきた基金を、財政危機だからと安易に財政調整基金に整理・統合することが許されるのでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。 次に、産業振興について伺います。 花角知事の得意分野とされる交流人口の拡大には、インバウンド拡大を目指す新規施策がめじろ押しです。しかし、今回の新型コロナウイルス問題は、インバウンド偏重の観光振興策の脆弱さを浮き彫りにしています。 起業・創業の推進の政策パッケージには新規事業メニューが並び、多様な雇用の場の確保と働きやすい環境づくりの分野でも、IT系企業など先端産業、成長産業への支援が目立っていますが、この間、粘り強く地域に根差して頑張ってきた中小企業に対する新たな支援策は見えてまいりません。 長年にわたり地域経済を下支えし、雇用の場ともなってきた中小地場産業に対する支援策は、新年度どのように取り組まれるのでしょうか、伺います。 農業振興についても、スマート農林水産業推進プラットフォーム事業など、先端技術、IT産業と結びついた新規事業は目立つものの、本県農業の土台を支えている家族農業への支援策は見えてきません。 国連は、2019年から2028年までを家族農業の10年とし、食料安全保障と貧困撲滅に大きな役割を果たしている、家族農業の振興を重視して取り組んでいます。 本県において、家族農業を重視した施策はどのように取り組まれるのでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。 次に、柏崎刈羽原発についてお伺いいたします。 第8回避難委員会は、昨年11月、重要な論点整理を行いました。 1、事故情報等の伝達体制における論点整理や2、放射線モニタリングにおける論点整理では、東京電力側の問題点を分かりやすく指摘し、時に原子力規制庁の問題点にも触れています。 そして、所感には次のように記述されています。多くの課題が指摘されたが、東京電力、原子力規制庁からは、それらについての十分な説明を得ることはできなかった。初動期の事故情報及び緊急時モニタリングに関して、我々委員会の理解不足なのだとしたら、東京電力、原子力規制庁の説明不足であり、ましてや県民に、初期の事故情報や放射線情報を適切かつ十分に伝えることは不可能であり、安全に避難を履行する条件が整っていないと判断せざるを得ない。 知事は、避難委員会のこの所感について、どのように受け止めておられるでしょうか、お伺いいたします。 また、昨年12月に開催された第7回生活分科会では、震災関連死は宮城、福島、岩手の中で福島が非常に多い。高齢者を中心として、病院や施設で暮らす方々が関連死の問題ともつながる。地域の再建、再生というものが非常に困難を来していることなどが、今後議論すべき課題として指摘されています。 福島で起きたことは新潟でも起き得ると考えるなら、県民の生活と健康を守り、福祉の増進を図るという知事の責務から見れば、もはや再稼働すべきではないとの態度表明をすべきではありませんか。知事の所見を伺います。 次に、医療・福祉についてお伺いいたします。 国は、1973年から始まった医療費抑制政策の流れの中で病床削減を進めてきました。そして、1985年の地域医療計画で一層本格化し、二次医療圏で必要な病床数を設定し、病床が増えないよう規制をかけてきました。 また、公立病院については、2007年に公立病院改革ガイドライン、2015年には新公立病院改革ガイドラインを示し、経営の効率化や民営化を含めた経営形態の見直しが推進されてきました。 2014年には医療機関から都道府県に病床数と病床の機能を報告することが制度化され、団塊の世代が75歳になる2025年に向けた地域医療構想を策定し、医療機能を分化・集約して、病院の統合・再編による病床削減を進めようとしてきました。 しかし、地域の実情などにより削減は進まず、昨年5月の経済財政諮問会議で財務大臣は、地域医療構想は2025年に達成すべき病床数に沿ったものとなっておらず、不十分、再合意に向けて適切な基準を設定することが重要とし、民間議員からも、地域医療構想の病床数との間に乖離がある。期限を区切って見直しを求めるべき、といった意見が出されました。 医療現場や住民からではなく、国や財界からの要求に迫られる形で、厚生労働省は昨年9月、公立・公的病院の再編統合など再検証が必要な病院名を公表し、本県も22の病院名が公表されたのは周知のとおりです。全国から批判や怒りの声が上がったのは当然のことでした。 しかし、本県は国の医療費抑制方針と軌を一にし、財政危機を理由に、新潟県病院事業の経営改善に関する緊急的な取組を打ち出して、県立病院の経営スリム化と再編統合を進めようとしているように見えます。 本県の地域医療構想は、2025年に向け、患者の状態に応じた質の高い医療を効率的に提供する体制を確保すると目的をうたい、病床の削減を前提にするのではなく、各地域の実情に沿った医療・介護サービスの提供体制の充実を図ることを方針としております。この立場こそ重要だと考えます。 地域医療体制の整備に責任を持つ県として、県民がどこに住んでも医療が受けられる体制を整えるべきという立場から、以下質問いたします。 まず1つ目に、2月10日に開催された県立病院経営委員会で、病院局は松代、妙高、柿崎、津川の4病院を市町村主体で、加茂、吉田の2病院は公設民営など民間による運営を関係者に提案し、協議することとされましたが、運営主体を見直そうとする理由は何か伺います。 また、県民へ医療の均てん化を図るには、広域行政を行う県が地域医療体制に責任を持つべきであり、市町村や民間主体では、医師や医療スタッフの確保などに懸念があると考えられます。 民間は、経営が困難であれば撤退を余儀なくされます。魚沼圏域では、既に2つの民間病院が診療所になりました。 県立として経営を継続し、県立病院のネットワークを生かした地域医療体制を維持すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 2つ目に、厚生労働省が発表した公立・公的病院の再編統合議論の推進について、2月1日の共同通信社のアンケートでは、全国の自治体の63%が公表に不満としていますが、この結果について知事の見解を伺います。 あわせて、ダウンサイジングなどを含めた地域医療の見直しを促す国の方針に対して、どう思うかというアンケートに対して、知事はどちらかといえば賛成と答えられた、この理由についてお聞かせください。 3点目に、厚生労働省の資料でも明確ですが、公立・公的病院に関する議論は、全国どこでもほぼ終了、合意され、県内でも病床数について、ほぼ100%終了、合意が得られています。この結論を、地域の実態や豪雪、過疎などの条件も考慮することなく、機械的な基準で再検討を迫る国に対し、撤回を求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 4点目に、第7次新潟県地域保健医療計画における一般病床及び療養病床の基準病床数は、第5次計画に比べ11.5%も減少しています。重大なことは、国が採用しているこの基準病床数算定式では、病床が不足するため、ほかの二次医療圏域へ流出する入院患者数が多いほど、基準病床数が減るという矛盾した算定式になっています。病床格差をますます拡大させることになり、医療の均てん化の観点からも大問題です。 このような基準病床数の算定方式は、国に改善を求めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 5点目に、厚生労働省の医療施設調査によれば、2014年から2018年の5年間に魚沼医療圏の一般病床と療養病床の総数は255床、15.5%も減少しました。県央医療圏は187床、8.8%減少しました。さらに、県央医療圏は2019年に加茂病院と吉田病院が稼働病床を減らしたことにより、稼働病床で見てみれば2014年から326床、15.3%減少しています。 そもそもこの2つの医療圏域は、他の医療圏域と比べても人口当たりの病床数が少なく、患者の流出割合が高くなっています。 県として、全ての住民が、住んでいる地域で医療が一定程度完結できるよう格差を是正すべきだと考えます。もともと医療資源が少ない圏域の病床をこれ以上削減すべきではないと考えますが、知事の所見を伺います。 6点目に、本県の医師数は平成30年は人口10万人当たり197.9人で全国44位でした。そして、今月25日に厚生労働省が発表した医師偏在指数は全国最下位だったことが報道されました。全国平均との差は48.8人で、本県人口220万とすれば、全県で1,000人以上も医師が足りません。 これは、大都市部の大病院に医師が集中し、本県など医療過疎地では、一層医師不足が加速するという悪循環に陥っていると考えられます。こうした現状について、知事はどのように認識されているのでしょうか、伺います。 あわせて、実効ある医師確保のための対策として、具体的にどのように取り組まれるのか伺います。 次に、聞こえのバリアフリー施策について伺います。 高齢者の2人に1人は、程度の差はありますが、難聴となります。難聴になると人と話すことを避けて引き籠もりがちになり、認知症や鬱のリスクが上がるとされ、早期に診断し、補聴器を導入することは、健康寿命の延伸にもつながります。聞こえのバリアフリーの重要性について、知事の見解を伺います。 また、補聴器の導入を促進するため、市町村と協力し、補聴器購入費の助成に取り組むべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 厚生労働省は、2019年度から地域生活支援促進事業の一つとして、障害者ICTサポート事業を新設し、ヒアリング・ループ整備費用の2分の1の補助制度を開始しています。これらを活用して、県としてもヒアリング・ループ設置を促進すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、国保について伺います。 県内市町村の国保滞納率は、2019年6月1日現在9.1%とされ、国保資格証交付世帯数は1,608世帯となっています。 2008年11月17日の参議院決算委員会で、日本共産党の仁比聡平議員の質問に厚生労働大臣は、1年間滞納したからといって、滞納者の特別な事情を確認することなく資格証明書を交付することは想定していないと答えています。 機械的な発行が行われないよう県が運用実態を把握して、しっかり指導すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 2020年度の国保事業費納入金の本算定結果は1人当たり11万9,479円で、2016年度に比べて4,280円、0.92%増加します。国による3,400億円の財政措置では不十分であり、国保料を協会けんぽ並みに軽減するため、国庫からの繰入金を全国知事会も求めている1兆円に拡充するためにも、世帯人数に応じてかかる均等割をなくすべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 あわせて、市町村が行う一般会計からの繰入れを制限すべきではないと考えますが、知事の見解を伺います。 最後に、教育問題について伺います。 文部科学省の調査によると、平成27年4月から平成29年3月までの2年間で、全国の全日制・定時制高校の在学生の2,098人に妊娠の実態があります。うち妊娠・出産を理由として退学に至ったものが全日制で39%、定時制で25.8%にも上り、重大なことは学校側が退学を勧め、その結果、自主退学したケースが全日制で2.1%、定時制で1.0%あったことです。 ルポライターの坂爪真吾氏は、高校中退が貧困に結びつき、困窮したシングルマザーが風俗店で働かざるを得ない実態があり、特に地方都市においてその傾向は顕著だと報告しています。 妊娠・出産を理由に退学させるのではなく、学業を継続させるためのサポートこそ行うべきと考えますが、教育長の所見を伺って、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕
    ◎知事(花角英世君) 遠藤議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県経済の見通しについてでありますが、本県経済は、海外経済の下振れなどから生産活動は弱含みの状態が続き、企業の景況感も悪化しています。一方で、個人消費は消費税率引上げの影響があるものの、おおむね横ばいで推移するなど、全体として県内経済は弱い状態が続く中、横ばいで推移しております。 今後については、世界経済の先行きに不透明感が増している中、記録的な少雪や新型コロナウイルスの影響など、本県経済を取り巻く状況には様々な懸念材料があることから、先行きを見通すことは難しい状況にあると認識しております。 県といたしましては、引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 次に、消費税を減税し、大企業・富裕層に応分の負担を求めることについてでありますが、これに対応する法人税や所得税は景気の変動を受けやすく、現役世代に負担が集中するという性質を有しており、少子高齢化により負担が増大する社会保障を、持続可能な制度として構築するためには、景気変動の影響を受けにくく、国民全体で広く負担する消費税を充てることが適当であると考えております。 次に、全世代型社会保障についてでありますが、国においては、ライフスタイルが多様となる中で、高齢者についての画一的な捉え方を変え、高齢者だけでなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで広く安心を支えていくため、年金、労働、医療、介護など社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討していると承知しております。 人生100年時代を迎え、元気で意欲ある高齢者が生涯現役で活躍できる社会をつくるなど、全ての世代が安心できる社会保障制度の構築は、国の責任において十分議論されるべきものと考えております。 次に、ジェンダー平等社会実現に向けた本県の取組についてでありますが、ジェンダー・ギャップ指数における日本の順位の低さは、政治・経済分野における女性参画割合の低さが主な要因と指摘されております。 男女平等な社会を形成するためには、家庭、職場、地域社会等のあらゆる場面で、性別に関わりなく、それぞれの個性や能力を生かした多様な生き方を認め合うことの大切さを理解することが重要であると考えております。 県といたしましては、様々な機会や多様な媒体等を通じて広報・啓発活動を展開するとともに、女性活躍の推進に向けた機運醸成などに取り組んでまいります。 次に、変形労働時間制の導入についてでありますが、制度の導入により、夏休み中における教員の休暇取得促進の面では一定の効果があると思われる一方で、実質的な勤務時間が変わらず、教員の負担軽減につながるかは疑問であり、加えて、育児や介護等が必要な教員の取扱いについても課題があると教育委員会から聞いております。 こうした課題があることから、教育委員会には、まずは業務削減の取組を進め、制度の導入については十分に検討した上で判断してもらいたいと考えております。 次に、新年度県予算についてお答えします。 まず、今後の財政収支見通しについてでありますが、令和2年度当初予算編成における歳出歳入改革の取組を継続することにより、令和5年度までの行財政改革行動計画期間において、大規模な災害が発生した場合に対応するための基金残高230億円を確保できる見込みとなっております。 一方で、令和6年度には職員給与の臨時的削減の終了などにより160億円の収支不足が見込まれているため、今回実施した取組の深掘りも含め、令和6年度までの間に、さらに徹底して行財政改革に取り組んでまいります。 また、現在の財政状況の中で、様々な行政需要に対応しつつ持続可能な県政を実現していくためには、知事の任期にかかわらず、中期的な見通しの中で財政運営を行っていく必要があると考えております。 次に、起債許可団体へ移行した場合の影響と対策についてでありますが、実質公債費比率が18%を超えて起債許可団体に移行した場合、公債費負担適正化計画の策定が義務づけられ、計画の内容や計画の実施状況について国の確認を受ける必要が生じます。 また、実質公債費比率は、県が自由に使える財源のうち、公債費の実負担が占める割合を表す指標であり、この比率が高まりますと、福祉や教育といったほかの行政サービスに使用できる財源が少なくなり、財政運営の柔軟性も損なわれることになります。 このため、県債発行に当たり国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態は、できるだけ早く解消する必要があると考えており、公債費負担適正化計画に基づき公債費負担の管理に努めてまいります。 次に、今後の投資事業についてでありますが、公債費負担適正化計画案では、今後、国の経済対策が実施され、足元の県内の経済状況等を踏まえ、補正予算の編成が必要となった場合には、当年度の補正予算と次年度の当初予算を合わせて実負担額の上限を超えない範囲内で実施していくこととしております。 また、大規模な自然災害が発生した場合等については、必要な対応は最優先に実施してまいりますが、その対応のために発行する県債の負担も含めて、将来の公債費負担を管理していく必要があります。 そのため、毎年度の予算編成に当たっては、公債費の実負担の総額を再算定した上で、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標を達成するように、投資事業の事業量を決めていきたいと考えております。 次に、社会資本の整備についてでありますが、住んでよし、訪れてよしの新潟県を実現するため、激甚化・頻発化する自然災害から県民の命と暮らしを守る防災・減災対策を着実に推進するとともに、さらなる拠点性向上に向けた交通ネットワークの整備等が必要と考えております。 また、急速に劣化が進行するインフラ施設の老朽化対策や、快適な暮らしを支えるきめ細やかな公共事業も不可欠であると認識しており、地域保全型工事による県内中小企業の受注機会の確保にも配慮しつつ、着実に社会資本整備を進めてまいります。 次に、財源対策的基金の整理・統合についてでありますが、今後も公債費の実負担額が増加する見込みであり、それに対応するための県債管理基金の公債費調整分が、令和3年度にも枯渇することが見込まれているため、基金による財源対策の柔軟性をより高める必要があります。 こうした状況を踏まえ、議員御指摘の社会文化施設等整備基金をはじめ、これまでも財源対策のための基金として管理してきた8つの財源対策的基金を整理・統合し、財政調整基金に集約するものです。 なお、従前の基金の設置目的に沿った事業については、緊急性・重要性など様々な観点から優先度を判断しつつ進めてまいりたいと考えております。 次に、地場産業への支援についてでありますが、これまで、地場産業が抱える様々な課題解決に向けて、地域ごとにしっかりサポートできる体制を整備し、計画づくりから実行段階まできめ細やかな支援に取り組んできたところです。 新年度は、引き続き、高齢化に対応した人材確保や、展示会・見本市への出展など販路開拓に向けた取組を支援するとともに、新たに、新商品開発など産地企業の高付加価値化が期待できる取組を支援し、産地の自立につながるよう取り組んでまいります。 次に、家族農業への支援についてでありますが、本県の農家は、その大半が家族単位で農業を営んでおり、家族農業には、小規模な個人経営から大規模な法人経営まで様々な形態がありますが、いずれも地域の持続性を高める役割を持つ重要な担い手であると認識しております。 県といたしましては、多様な家族農業の営農意欲を引き出し、農業者がその創意工夫を発揮できるよう、集落営農などの組織化、園芸導入や六次産業化の取組による高付加価値化など、生産性の向上や所得の確保につながる取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発についてお答えします。 まず、避難委員会で示された、事故情報等の伝達体制及び放射線モニタリングにおける論点整理についてでありますが、各委員が課題と認識している項目について、国と東京電力から十分な説明が得られていないなど、厳しい評価であったと承知しており、国と東京電力には、しっかり受け止めて対応していただきたいと考えております。 次に、生活分科会での議論についてでありますが、昨年12月の第7回生活分科会において、議員御指摘のような議論がなされたことは承知しておりますが、柏崎刈羽原発の再稼働については、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、議論を始めることはできないと考えております。 いずれにいたしましても、検証結果を踏まえ、最終的にはリーダーとして責任を持って、見解を県民の皆様にお示ししたいと考えております。 次に、医療・福祉についてお答えします。 まず、県立病院の運営についてでありますが、本県の県立病院は、公立病院本来の役割である、僻地等における医療、救急・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療、民間では限界のある高度医療に加え、歴史的経緯などから、民間病院と同様に地域の一般医療も担っております。 昨年11月に県立病院経営委員会から頂いた、県立病院が果たすべき役割・機能の重点化・明確化を図るべきなどの提言は基本的に尊重すべきものと考えており、市町村や民間病院との適切な役割分担の下で地域医療を守っていくことが重要であると考えております。 広域行政を担う県といたしましては、引き続き、安定的に持続可能な医療提供体制の実現に向け、医師・看護職員など医療スタッフのさらなる確保及び定着に努めてまいります。 次に、公立・公的病院の再編統合に関するアンケートについてでありますが、今回、再検証の議論が必要とされた医療機関は、全国一律の基準による分析で機械的に選定されており、必ずしも地域の実情が考慮されているものではなく、また、公表に唐突感があったことなどもあり、本県と同様に公表に不満とした自治体が多かったものと受け止めております。 また、地域医療の見直しを促す国の方針に対しましては、人口減による患者減少や医師不足に加え、医師の働き方改革の実施などもあり、地域医療の見直しに関する議論がいずれにしても必要になると考えたことから、どちらかといえば賛成と回答したところです。 次に、公立・公的病院に関する国の再検討要請についてでありますが、議員御指摘のとおり、新公立病院改革プラン等における公立・公的医療機関等の具体的対応方針については、平成30年度末時点で、本県を含め全国において、地域医療構想調整会議での合意がほぼ完了していると承知しております。 しかし、国は、合意された具体的対応方針では、人口減による患者減少や医師不足等がある中、トータルの病床数が横ばいとなっていることなどを理由に、地域医療構想の実現に沿ったものになっていないのではないかとの問題意識の下、再検討を求めたものと認識しております。 県といたしましては、今ほどもお答えしましたとおり、今後、地域医療の見直しに関する議論が必要になると考えており、国の要請はある程度やむを得ないものと受け止めております。 次に、地域保健医療計画における基準病床数についてでありますが、基準病床数制度は、新たに病院等を開設する場合や増床の申請があった場合に、都道府県知事が許可するかどうかを判断する際の基準の一つにすぎないものと捉えており、二次医療圏の性格上、3次救急をはじめとした是認せざるを得ない流出入があることから、流出入の要素を一定程度算定に加えることは合理的なものと考えておりますが、議員の御指摘も踏まえ、今後研究してまいります。 次に、各圏域における病床数の確保についてでありますが、県民が安心して安全に暮らせる県づくりを進めていくためには、地域で必要とされる持続可能な医療提供体制を確保していくことが何よりも重要であると考えております。 しかしながら、人口減少や平均在院日数の短縮などによる医療需要の減少のほか、医師不足など、医療機関を取り巻く環境は大きく変化しております。 地域で必要とされる機能別の病床数については、法律に基づき各地域に設置された地域医療構想調整会議において、将来を見据えた医療提供体制が議論される中で、決まっていくものと考えております。 次に、医師確保の対策等についてでありますが、地方の医師不足の背景には、国の医療制度と経済社会の東京一極集中という構造的な問題があり、本県の医師数は着実に増えてきたものの、全国との差は年々拡大し、本県の医師不足は深刻な状況にあると考えております。 県といたしましては、これまで臨床研修医の確保や県外医師の招聘など、様々な取組を行ってきたところであり、新年度においては、医学部地域枠の新設・拡充など、養成段階からの医師確保の取組を強化することとしております。 一方で、現行の制度、枠組みの下では、自治体の取組のみでは限界があることから、国に対し、本県同様に医師不足に直面する県と連携して政策提言を行うなど、引き続き、医師の確保に全力で取り組んでまいります。 次に、難聴の方に対する支援策についてでありますが、WHOのガイドラインによれば、議員御指摘のとおり、難聴は認知症のリスク要因であることから、補聴器の使用は高齢者の健康維持につながるものと認識しております。 現在、国の主導で、認知症予防のための補聴器導入の有効性について研究が行われているところであり、今後、その動向を注視しながら、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 また、ヒアリング・ループについては、難聴の方の情報取得に有効な手段の一つであると認識しております。 現在、公共施設を中心に導入されておりますが、利用実績が少ないことから、活用に向け、設置場所等について周知してまいりたいと考えております。 次に、国民健康保険の資格証明書についてでありますが、議員御指摘のとおり、資格証明書の発行は機械的に行うべきではなく、災害や事業の廃止等、滞納者の特別の事情の有無を確認した上で交付するべきものと認識しております。 県といたしましては、市町村に対し、滞納者との十分な納付相談の機会を持ち、個々の事情を十分勘案した上で交付の判断を行うよう、担当者説明会等、機会を捉えて周知徹底を図っているところであり、今後も引き続き現状把握と指導・助言に努めてまいります。 次に、国民健康保険の公費拡充等についてでありますが、国民健康保険を安定的に運営するために必要な支援は、投入する国費の規模も含め、制度設計者である国において検討し、必要な財源を確保すべきと考えております。 このため、国に対しては持続可能な制度の構築を要望しているところであり、引き続き全国知事会等と共に働きかけてまいります。 また、市町村が行う一般会計繰入れのうち決算補填等目的の繰入れについては、保険料と公費で賄う国保制度の趣旨からすれば望ましいものではないと認識しておりますが、最終的には市町村の判断によるものと考えております。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) お答えいたします。 県立病院の運営主体に関する考え方についてでありますが、昨年11月、県立病院経営委員会から、県立病院は民間医療機関で担うことが困難な高度急性期・急性期医療や不採算医療に重点化すべき、僻地医療、1次救急医療やプライマリーケアは市町村やかかりつけ医が主体的な役割を果たすなど、県立病院の役割を明確化すべきなどの提言を頂きました。 その後、この提言を基本的に尊重しながら、病院類型別に役割・在り方等の見直しを検討してまいりましたが、このたび、見直しに関する一定の方向を整理したところです。 松代病院等の4つのいわゆる僻地病院については、患者の大多数が高齢の地元住民であり、受益と負担を含めた県と市町村の役割分担を考える必要があること、全国的に僻地などの不採算地区病院の大多数が市町村主体の運営であること、市町村が地域包括ケアシステムの主体的な役割を担っている中で、これらの病院が訪問診療・看護などの1次医療を担っており、今後、高齢化の進展に伴い、医療と介護の連携がますます重要になってくることなどを踏まえ、まずは市町村主体の運営を提案したところであります。 一方、加茂病院、吉田病院については、現状においても民間病院でも可能な医療を多く提供していることに加え、昨年末に開催された県地域医療構想調整会議において、県央基幹病院に再編対象5病院の急性期機能を基本的に集約し、両病院は回復期機能を主に担うと取りまとめられたことや、立地条件も踏まえ、まずは公設民営など民間活力を生かした運営を地元市町村に対して提案したところであります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 妊娠した生徒への対応についてでありますが、議員御指摘の調査において、本県では、妊娠・出産を理由として、学校が退学を勧めた結果自主退学した生徒はおりませんが、本人や保護者の意思に基づいて自主退学した生徒が、全日制・定時制合わせて10人おりました。 文部科学省は、母体の保護を最優先としつつ、妊娠した生徒に対する学業継続への支援を学校に求めており、県教育委員会としましても、自校での学業を継続する生徒には、身体活動を伴う教育活動における配慮や、養護教諭等による丁寧な対応を行うよう、また、退学を申し出た生徒には、自校での学業継続を勧めるほか、必要に応じて転学に関する情報提供に努めるよう、県立高校等に対して指導を行っております。   〔遠藤玲子君登壇〕 ◆遠藤玲子君 1点再質問をさせていただきます。 2つの圏域について、非常に病床が減ってきている。ここのところは、もともと病床が削減されてきているわけなのですけれども、これ以上削減すべきではないという私どもの考えがありますが、これについて、もう一度、知事の見解を伺いたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 遠藤議員の再質問にお答えしたいと思いますが、質問の御趣旨は魚沼医療圏、そして県央医療圏の病床数が減少してきている、稼働病床が大幅に減っていると。これ以上削減すべきでないと。それは、結果として減ってしまうのを何とか阻止しろという御趣旨なのかよく分かりませんが、別に強制的に削減しているわけではないと思うのですけれども、先ほどお答えしていますのは、地域で必要とされる機能別の病床数については、法律に基づき、各地域に設置された地域医療構想調整会議において、将来を見据えた専門家による医療提供体制が議論される中で、最終的に決まっていくものと考えております。 ○議長(岩村良一君) 遠藤玲子君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時51分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、青木太一郎君の発言を許します。青木太一郎君。   〔青木太一郎君登壇〕(拍手) ◆青木太一郎君 皆様、お疲れさまでございます。私は、無所属の青木太一郎でございます。 次第に春の足音が聞こえるようになり、本来ならばこの心ときめく季節の訪れを手放しで喜ぶところでありますが、中国湖北省で発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、ただいまも続いており、我が国においても日を追うごとに感染リスクと不安が広がっております。 それでも、冬来りなば春遠からじとも申します。新型コロナウイルスの感染拡大が一刻も早く収束され、案ずることのない季節が迎えられんことを心よりこいねがうものであります。 さて、私が通告いたしました3件21項目につきましては、先週来の御質問を通じまして再三再四、意見が出尽くした感さえいたしておりますが、若干視点と角度を変え、虚心坦懐に、額に汗して真剣に働く県民の一人として、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて日々邁進されております花角県政への提言、箴言並びに激励を込め、簡潔明瞭なる質問を申し上げたいと存じます。 さて、現下の県財政について、県議会の最年長者として一言申し上げたいと思います。 本県の2018年度の実質公債比率は速報で15.9%となり、北海道、大阪、岩手に次ぐ全国ワースト4であります。したがって、県の財政は大変厳しい状況にありますが、確かに財政の将来展望への見通しが甘かったということもあると思います。 しかし、新潟県には中越地震、中越沖地震、水害など度重なる災害があり、対応すべき事案が多かったことも、これまた事実であります。 また、我々は歴代の各知事が御提案された議案について真剣に議論し、支持してきたという経緯があります。 その意味でも、県財政の悪化を特定の知事や県庁の職員の責任に帰するのではなく、執行部と議会が共同責任と捉え、次の世代に住んでよし、訪れてよしの新潟を引き継ぐため、一致団結して改革を進めるべきと考えます。 我々は、ただいまの事態に過度に萎縮することなく、このピンチを乗り越え、チャンスと捉え、高い志を持って創意工夫を尽くして、必要とされる取組を堂々と推進し、県勢のさらなる発展、飛躍につなげていくべきと考えます。 そこで、江戸時代屈指の名君で知られる第9代米沢藩主の上杉鷹山は、細井平洲師を招き、大倹約令による節約の実行や藩校、興譲館の創設等で知られておりますが、実は殖産興業の人でもありました。もともと米沢藩の特産品であったアオソを使い、武士の婦女子に内職として機織りを習得させ、その後、桑の栽培と養蚕を奨励し、絹織物に移行し、出羽の米沢織として全国に知られるようになりました。米沢織は、現在も米沢の主要産業となっております。 また、上杉鷹山は米沢織のほかにも新田開発による土木事業、製塩、製紙、製陶など、いろんな産業を起こしたと伝えられています。 我が新潟県も、財政が厳しい今だからこそ、県内産業を活性化し、人々が働き、豊かに暮らしていける環境をつくり、また、税源の涵養に努めることが重要と考えます。したがって、今定例会における私の一般質問は、産業活性化を中心に御質問申し上げたいと思います。 まず初めに、農林水産業を取り巻く情勢は大きく変化しております。国際的には、我が国の食料自給率が低いレベルで推移する中、日EU・EPA、TPP11、日米貿易協定の発効など、国際的な経済連携の動きが加速しております。 国内では、人口減少が進む中、担い手不足が深刻化し、米の消費量も減少の一途をたどっております。 先週20日、JA新潟中央会などが中心となって新潟市で開催した、需要に応じた新潟米推進集会には、生産者やJA役職員約1,300人が参加し、本県の主食用米の作付が大きく増えていることを踏まえ、過剰米の発生や価格下落に対する危機感を共有したとのことであります。 人口減少の進展に伴い、全国の米の需要が年間約10万トン減る一方、本県の主食用米の作付が大きく増えている現実をしっかりと受け止めた上で、昨年の異常高温等によって品質が大幅に低下したことを踏まえ、本県の農林水産施策を推進すべきことを初めに強調したいと思います。 さらに、先月、2018年の農業産出額が発表されました。全国の産出額は4年ぶりに減少し、9.1兆円となり、本県は前年より26億円少ない2,462億円となりました。本県の都道府県別の順位は1つ下がり、残念ながら13位で、統計が始まった1960年以来で初めて山形県を下回ったとのことで、大変驚くとともに、残念に感じているところであります。 そこで、何点かお伺いいたします。 初めに、1990年代に本県の農業産出額は、山形県を約1,000億円超上回ったこともありますが、直近で逆転されたことについて、原因をどのように受け止められておられるのか、今後どのように対応すべきか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、近年、山形県はサクランボなどの果物をはじめとした園芸の産出額を伸ばしたところでありますが、本県においても稲作だけに頼らない農業経営へ転換することが重要と考えます。 県は、昨年7月に園芸振興基本戦略を策定し、令和2年度予算ではこの戦略を着実に実践し、園芸の導入・拡大を推進するとしておりますが、具体的にどのように取り組む方針なのか、御所見をお伺いいたします。 最近、私は県内各地で「偉大なる田中角栄先生に思いを寄せて」という倫理法人会の講演を行っております。 私が田中角栄先生に初めてお会いしたのは、忘れもしない昭和30年11月、昭和大橋のたもとにあった昔の新潟市公会堂で行われた自由民主党結党に伴う新潟地方遊説大会のときでありました。 当時日本を代表する緒方竹虎、石橋湛山、大野伴睦、三木武吉、重光葵等諸先生方をはじめ、青年代議士の田中角栄、中曽根康弘両先生はともに弱冠37歳。中曽根先生のスマートな演説と田中先生の心の底から湧き上がるような熱弁が、当時私は17歳、高校2年生のときであり、64年前の感激、感動がいまだに鮮明によみがえってまいります。 それ以来、田中角栄先生との思い出は幾つもありますが、その中で特に農業関連では、昭和47年11月、新潟県経済連が東京新宿三越でコシヒカリ3俵の試食会を、100万円かけ開催したとの報道があり、農協関係者から事の詳細を聞き、協議の上、当時長谷川信先生の御指導をいただき、当時の亘四郎知事、川田農林部長、鶴巻経済課長からお許しをいただき、長岡の試験場のコシヒカリ3俵を頂き、翌日早速、総理官邸に出向き、田中総理に直訴、コシヒカリ試食会に至る一連の流れと、総理、秘書団によく御理解をいただき、ぜひ新宿の伊勢丹を御紹介してくださいとお願いをしました結果、田中総理からじきじきに伊勢丹の安藤常務を御紹介いただき、その後、多くの関係者の御協力の下、試食会を盛大に実施しました。 このことを通じて私たちが得た教訓は、いいものを作るだけではなく、PRして知ってもらうことが重要だということであります。 それ以来、私は30年以上前の黒埼町長時代から枝豆の生産・販売拡大に取り組むとともに、自らを黒埼町営業本部長に位置づけ、当時まだ無名ではありましたが、他の地域産と比べ品質の高い、くろさき茶豆の販路開拓に向け、県内外を奔走してきました。 今も名刺に、黒埼地区特産くろさき茶豆、GI登録、枝豆では国内登録1号と刷り込むなど、PRに努めております。おかげさまで、くろさき茶豆は首都圏等の需要者からも高い評価を得るに至っております。 そこで、伺います。 したがって、枝豆やルレクチエや柿など、本県の園芸の牽引役となる品目のブランド力をさらに高め、トップブランドとして確立することが園芸産地としての本県のイメージを高めるとともに、農業大県としての新潟の地位の維持につながると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、人口減少等に伴い国内の需要が減少する中、海外に目を転じ、県産農産物の輸出拡大を図ることも重要と考えます。 先頃発表された2019年の全国農林水産物・食品の輸出額は、前年より0.6%増の9,121億円となりました。日韓関係の悪化や香港の大規模デモの影響もあり、残念ながら目標の1兆円には届きませんでしたが、それでも、ここ5年で約5割増加しており、まだまだ伸び代があると思います。 県も農産物輸出の拡大の目標を掲げ、様々な取組を行っておりますが、本県農産物輸出の現状をどのように受け止め、新年度はどのような方針で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 さらに、県産農林水産物の輸出をさらに拡大するためには、これまでの国や地域に加えて、新規の市場開拓などにより需要を拡大することも重要と考えますが、新規市場開拓に向けた知事の御所見をお伺いいたします。 次に、稲作や園芸だけでなく、畜産、水産、林業の振興も重要な課題であります。畜産、水産、林業について新年度どのように取り組む方針か、御所見をお伺いいたします。 また、農林水産業に関わる人は減少傾向にあり、かつ高齢化が進んでおりますが、もうかる農林水産業の実現なくしては新たな担い手は現れません。そのためには、ICT技術の利用促進等により、農林水産業の生産性を向上することも重要と考えますが、農林水産業の生産性の向上に向け、新年度どのような方針で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、産業政策についてお伺いいたします。 国際通貨基金によると、2019年の世界全体の実質経済成長率は2.9%にとどまり、10年ぶりの低水準を記録しました。米国と中国との貿易戦争の悪化が主因とのことであります。米中両国の貿易交渉は第1段階の合意に達し、世界経済がさらに落ち込む危険は遠のきましたが、両国が輸入品の多くに高関税をかけ合う事態は続いており、欧州連合、EUから離脱した英国の混乱、米国とイランの対立といった不安材料もあり、世界経済には危うさが残ります。 また、冒頭に申し上げましたとおり、新型コロナウイルスの感染拡大が日を増すごとに加速し、世界経済の先行きにも暗い影を落としております。中国の生産、物流、観光、消費などの停滞は、世界景気の大きな下振れ要因であります。先般行われました20か国蔵相会議は、中国の閣僚が欠席する中で行われ、景気を下支えすることでは一致したものの、不安は払拭されておりません。 さらに、我が国経済に目を転じますと、2019年10月から12月期の実質成長率は前期比1.6%の減少、年率換算では6.3%の減少となり、10月の消費税増税や大型台風の影響が出て個人消費が落ち込んだほか、世界経済の減速で自動車や機械などの輸出低迷も続き、5四半期ぶりのマイナス成長となりました。 政府は、先週20日の月例経済報告で景気は緩やかに回復しているとの基調判断を維持しましたが、その先行きについては、終息のめどが立たない新型コロナウイルス感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要があるとしております。 したがって、このように内外の経済環境は必ずしも順風満帆とは言えない状況にありますが、我が新潟県は財政が厳しい今だからこそ、県内産業を活性化し、税源涵養を図ることが重要であると考えます。 限られた財源の中で効果的・効率的に税源を涵養するには、地域経済への波及効果の高い企業を重点的に支援することも重要であると考えますが、新年度の産業政策の展開の方向性について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、新年度予算の政策パッケージにおける意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化に向けた取組の1つ目の柱として、成長産業の創出・育成が挙げられております。県の考える成長産業とは何か伺うとともに、今後どのように成長産業を創出・育成していかれる方針か、知事にお伺いをいたします。 さらに、意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化に向けた取組の2つ目の柱として、販路拡大・海外展開の支援が挙げられています。人口減少により国内市場が縮小する中においては、ベトナム、シンガポール、タイ等、海外での販路開拓がますます重要となります。県内企業の海外での販路開拓支援について、新年度どのような方針で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化に向けた取組の3つ目の柱として、再生可能・次世代エネルギーの活用促進が挙げられています。自然エネルギーの島構想は、離島の環境負荷の低減とエネルギー供給源の多様化を図ることを目的としており、新年度の事業では、課題解決のために、電力等関係事業者や地元自治体と連携して離島の電力需給構造の調査に着手するとしておりますが、自然エネルギーの島構想の実現に向けた新年度の取組の方向について、知事の御所見をお伺いいたします。 また、自然エネルギーの島構想とも関連してくると思いますが、洋上風力発電の導入促進についてお伺いいたします。 平成29年度、県は長大な海岸線を地域資源として活用し、海洋再生可能エネルギーの導入を促進するために、本県沖における洋上風力発電事業のポテンシャルを調査し、ポテンシャルのある海域が示されました。 関心を持つ事業者も幾つかあると承知しておりますが、本県における洋上風力発電設置に向けた現状・課題と併せ、新年度の取組について知事にお伺いをいたします。 さらに、新年度、県は燃料電池自動車の普及拡大に取り組むとしております。水素社会の実現については国が旗を振っておりますが、実際のところ燃料電池自動車の普及は、現時点では目標に大きく及んでおらず、水素社会実現への道のりは平たんではないと認識しております。 令和2年度の予算案には水素関連予算として約4億円が計上されておりますが、何を目的としてどのように事業を展開されるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、水素については、私の知人である石川泰男さんという発明家が、水と炭酸ガスと窒素とステンレスを用いた水素製造技術を独自に研究し、画期的な水素燃焼ボイラーの試作品を製作しました。これまで産業振興課や工業技術総合研究所にも装置を見ていただきましたし、また燕市長・議長や燕商工会議所会頭にも装置の説明・展示を働きかけてまいりました。 私としては、暖房エネルギーコストの大幅な低減が期待できるこの画期的な技術を、ぜひ県の産業の振興に大いに活用すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、観光振興についてお伺いいたします。 2020年度は、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。また、佐渡金銀山の世界遺産登録の国内推薦についても期待が高まります。これらを生かして的確な観光振興施策を効果的に展開し、交流人口のさらなる拡大に取り組む必要があると思います。 先月公表された昨年1月から12月の訪日外国人数は前年比2.2%増となり、3,188万人を超え、過去最高を更新しましたが、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大により、当面は訪日外客数が大幅に落ち込むことが確実なように思います。 実際に、中国政府が団体旅行の販売を当面停止したことを受け、ハルビン線、上海線、ソウル線の相次ぐ欠航が発表され、宿泊施設のキャンセルも顕在化しております。予定されていたクルーズ船の寄港も幾つかキャンセルされました。 東京オリンピック・パラリンピックを無事に開催するためにも、ゴールデンウイークまでに新型コロナウイルスの感染拡大が収束されることを願わずにはおられません。 さて、前回、1964年の東京オリンピックは10月10日から24日まで15日間で開催されました。当時、私は26歳でありましたが、56年前のオリンピックの記憶はいまだに鮮明に残っております。 前回の聖火リレーは、沖縄に到着した聖火が4つのルートで日本中を巡りました。 県土が広い新潟県では、2つのルートで聖火をリレーしました。1つ目の聖火は、10月1目、山形県の小国町から関川村に入り、今の胎内市、新発田市、聖籠町など75.7キロメートルを走り抜けて新潟市に到着しました。翌10月2日、新潟市を出発した聖火は、旧国道8号線を通過し、三条市、見附市などを経由して長岡市へ、さらに10月3日、長岡市から旧三国街道を通って今の南魚沼市へ、そして三国峠で群馬県に引き継がれました。 2つ目の聖火は、10月2日、糸魚川市に入り、旧能生町役場で一夜を過ごし、翌3日、国道8号線を通って上越市へ移動し、国道18号線を南下し、妙高市を通って長野県にリレーされたとあります。 今回のオリンピックの聖火リレーは、1か月後の3月26日に福島県をスタートした後、日本全国858市区町村で実施され、121日間をかけて日本全国を巡ることになります。新潟では6月5目、6日の2日間にかけて聖火リレーが行われるということで、胸の高まりを感じます。 さて、このように東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ間近に迫っております。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が心配されますが、この絶好の機会を捉え、本県の魅力をPRすること等により、今後のインバウンド拡大につなげていくべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、佐渡金銀山の世界遺産登録の国内推薦は、知事がおっしゃるとおり、知事を先頭に多くの関係者の長年の努力と悲願がいよいよ手に届くところに来ております。これまでの県は、国から示された普遍的価値の明確化や、他の鉱山遺跡との差別化など課題に対応してきており、7月の文化審議会での推薦に大きな期待がかかります。 私といたしましては、佐渡金銀山の世界遺産登録国内推薦を見据えて、観光誘客の取組を積極的に推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 さらに、世界遺産登録の先行事例として、例えば、富岡製糸場では登録後に来訪者が急増しました。平成26年度の入場者数は、前年度の約31万人から実に4倍以上増加したと言われております。 世界遺産登録と国内推薦ではインパクトは異なりますが、国内推薦が決まれば、佐渡金銀山を目当てとした観光客は着実に増加すると見込まれます。 その際、佐渡は離島ですので、佐渡空港の整備をはじめ、宿泊施設や2次交通など、受入れ体制に不足がないかと、いささか先走った心配をしているところであります。 佐渡金銀山の世界遺産登録の国内推薦を見据えた観光客の受入れ体制整備について、これまでどのように取り組み、新年度どのように取り組まれるのか、具体的な方針をお伺いいたします。 さて、雪は本県の大事な資源であり、宝であります。今冬は暖冬の影響で特に雪が少なく、スキー場のオープンが大幅に遅れましたが、中国では2022年北京冬季オリンピック開催もあり、スキー人口が急速に拡大していると承知しています。 県は、巨大市場の獲得に向け、スノーリゾート新潟を重点的にPRするとしていますが、新年度の取組の具体的な方向性を知事にお伺いいたします。 したがって、国内外からのさらなる誘客促進に向けては、魅力ある観光地づくりと情報発信の強化が重要であります。県は、令和2年度の新規事業として観光消費額向上モデル事業を掲げ、モデル地域の戦略策定や実践を支援し、全県へ展開・波及するとしておりますが、この事業の目的や具体的な狙い等について御所見をお伺いいたします。 次に、情報発信の強化について、新潟観光ブランド情報発信強化事業において、新年度に初めて発行されるミシュランガイド新潟の活用・運用等により、食を中心とした本県の魅力を国内外に発信するとしていますが、ミシュランは長野出身、42歳の小林圭シェフの活躍等で世界に注目されており、新潟を国内外にPRする絶好のチャンスと思いますが、具体的にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 さらに、新潟には多様な観光資源がありますが、中でも大きな柱は食にあると思います。昨年のデスティネーションキャンペーンで、日本海美食旅をテーマに本県観光の強みである食の魅力を中心に、食を生み出した自然、伝統文化、人なども併せ、本県が誇る食文化を大いに発信したものと承知しております。 新潟の多様な地域資源を観光資源として生かし切るには、アピールポイントの明確化やストーリー性の強化が重要であると思います。ぜひ実りある観光施策を積極果敢に展開していただきたいと大いに期待するところでありますが、新年度の観光施策の充実とその方向性について、新潟県営業本部長であり、花角丸の船長として、乾坤一擲ぐらいの御決意を込めた御所見を改めてお伺いいたします。 さて、花角知事は、常々、発想は大胆に、実行は緻密にとおっしゃっておられます。御自身の仕事のスタイル、信条として、やるからには何かしらの成果を得るように努力したいとおっしゃっておられます。この成果を追求する姿勢は、上杉鷹山のなせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけりと大いに通じるところがあります。 そこで、花角知事が県の財政危機と言われるように、私も昨年の暮れから今月まで何回か上京陳情いたしました。まず私のお会いするほとんどの方々は、花角知事の温かい人間性と豊かな識見、包容力と先見性、決断力、実行力を兼ね備えた実力が極めて高い信望、評価につながっております。 中でも花角知事の高校、大学の諸先輩の先生方は、僕たちが東京でしっかりと花角知事を支えているのだから、君たち県議たちも、もっと頑張らっしゃいと叱咤激励というよりも東京花角応援団の力強いハッパをかけられ、感謝の思いでいっぱいでありますことを申し添えます。 したがって、花角知事を先頭に一丸となり、このピンチをチャンスに生かす新潟ワンチームとなって、財政危機という避け難い艱難辛苦を高い志と創意工夫をもって見事に乗り越え、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現を目指し、後に令和の上杉鷹山と評されることを大いに御期待いたし、心から確信いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 青木議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、農業産出額の受け止めについてでありますが、本県の農業産出額は、1994年をピークとしてこれまで減少してきており、その最大の要因は、米の価格低下と消費量の減少と考えております。 本県と山形県の農業産出額を1994年と2018年で比較しますと、米の産出額は両県とも減少しておりますが、園芸の産出額は、山形県が果実を中心に増加している一方、本県は減少していることが、両県の差につながったものと受け止めております。 県といたしましては、本県の基幹である米の生産に加え、園芸導入により経営の幅を広げることや、畜産の生産基盤の強化などに取り組むことによって、足腰の強いもうかる農業の実現を図ってまいりたいと考えております。 次に、園芸振興基本戦略の取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県においても稲作だけに頼らない農業経営への転換が重要と考えており、もうかる農業の実現に向けて、稲作農家の経営の幅を広げるとともに、県内各地で園芸生産の取組を拡大するため、昨年7月に園芸振興基本戦略を策定したところです。 稲作農家への園芸導入には、労働力の確保など多くの課題があり、一気には進みづらい面もありますけれども、機械化や集出荷体制の整備、就農促進から経営発展まで一貫した支援による担い手の確保、スマート農業の導入促進など、関係機関・団体と一体となって、挑戦する農業者や産地を様々な面から伴走型で支援することで、園芸振興基本戦略の目標を着実に達成してまいります。 次に、園芸産地としての本県のイメージ向上についてでありますが、これまで県では、県産農林水産物の付加価値を高めるための牽引役として、首都圏等で評価が高い枝豆やルレクチエなどを取り上げ、メディアを活用した情報発信や百貨店等と連携したプロモーションなどによるブランド力の強化に取り組んでまいりました。 今後は、引き続き個別品目のブランド力強化に取り組むことに加えて、地元固有の食材や食文化にも着目し、新潟の食の魅力全体について物語性を付与した情報を発信することにより、産地としての新潟のイメージをさらに高めていくよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農産物輸出の現状と新年度の方針についてでありますが、本県の農産物輸出は、直近の平成30年度において9億4,000万円となっておりますが、令和元年度は輸出用米の生産が減少に転じたことから、目標の令和2年度での10億円達成には、もう一段の努力が必要と受け止めております。 一方で、海外の日本食レストランは引き続き増加しており、新潟米を求める声も多いことから、需要に応じた供給が確保できれば、輸出量は拡大できるものと見込んでおります。 新年度に向けては、産地交付金の有効活用などにより輸出用米の増産に取り組むとともに、青果物など米以外の輸出体制の構築にも取り組むことで、農産物全体での輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、農林水産物の輸出拡大に向けた新規市場開拓についてでありますが、本県の輸出は米がその大半を占めていることから、日本米の主要輸出先である香港とシンガポールを中心に、現地飲食店とのマッチングなどによる販路拡大に取り組んでまいりました。 今後の輸出拡大に向けては、これまでの取組に加え、タイやマレーシアなど、経済発展が続いているASEAN各国の主要都市において、青果物や水産物なども含めた新潟県産品の一体的なPRを行うとともに、世界最大の米消費国である中国での本県産米の認知度向上にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、畜産、水産、林業の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、畜産、水産、林業の振興も、付加価値の高い持続可能な農林水産業の実現に向けて、重要な課題であると考えております。 このため、本県農林水産業の成長産業化を目指し、米や園芸だけでなく、畜産、水産、林業においても、担い手の確保・育成、農林水産業のスマート化、本県農林水産物の六次産業化や海外展開等を軸に、もうかる農林水産業の実現に取り組んでまいります。 次に、農林水産業でのICT技術の利用促進についてでありますが、スマート農林水産業は、議員御指摘の作業の省力化による生産性の向上につながる取組も重要ですが、ICT技術の活用により、熟練農林漁業者のノウハウをデータ化・自動化して見える化し、短期間で習得できるようにするなど、初心者が参入しやすい技術体系を確立していくことも重要であると考えております。 県といたしましては、このような観点から新年度予算案を編成したところであり、新潟ならではの農林水産業のスマート化について、生産性の向上も含め、民間企業や農林漁業者等と連携し、現地実証等の取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、産業政策についてお答えします。 まず、新年度予算の産業政策の展開の方向性についてでありますが、県税収入の増加につながる税源涵養を図るためには、県内産業をより付加価値の高い産業構造に転換を図ることが必要であり、そのためには、議員御指摘のとおり、地域経済への波及効果の高い企業を重点的に支援することも重要であると考えております。 県といたしましては、引き続き、新事業展開やより大きな市場の取り込みなどへの挑戦を後押しするとともに、本県の稼ぐ力を一層高めるため、新年度から、新たに、地域経済を牽引する地域中核企業等を集中的に支援し、その経済効果を地域内に波及してまいります。 さらに、今後成長が期待されるIT企業の創出・誘致やIT人材の確保・育成などにも重点的に取り組み、IT関連産業の活性化を図るとともに、新たに産学官の交流の場を通じた防災関連産業のさらなる集積に向けた環境づくりを進めることなどにより、県内産業を活性化させ、税源涵養につなげてまいりたいと考えております。 次に、成長産業とその創出・育成についてでありますが、総合計画では、県内企業の強みが生かせ、市場の成長が期待される分野として、航空機や次世代自動車、健康・医療・福祉関連分野とともに、AI、IoTなどのICT分野などを成長産業として掲げており、また、国内外の社会環境の変化等を適切に捉えつつ、将来の成長性が見込まれる分野を考慮しながら、施策を展開していくこととしております。 県といたしましては、引き続き、大学など多様な主体と連携し、本県が有する強みを最大限生かしながら、県内企業の成長分野への参入促進やAI、IoTなどの先端技術の導入に向けた支援に取り組んでまいります。 さらに、新年度から、新たに、5G技術を活用したビジネス創出や成長分野に対する設備投資の促進をはじめ、地域経済を牽引する地域中核企業等の集中支援などに取り組み、本県の稼ぐ力を一層高めながら、県内産業の成長を促進してまいりたいと考えております。 次に、県内企業の海外での販路開拓支援の取組についてでありますが、県といたしましては、県内企業の一層の付加価値向上を図るため、現状において企業ニーズのある市場だけでなく、今後成長が見込まれる市場もターゲットとすることで、県内企業が挑戦する、BツーBにつながる新たな市場開拓の取組を後押ししてまいります。 新年度は、県内企業や市町村のニーズが高いベトナムとの経済交流をさらに促進するほか、本県が強みを持つ品目を新たに選定し、品目に対応する海外市場の調査や販路開拓を、多数の海外事務所を有するジェトロとも連携を図りながら進めてまいります。 また、県産品の輸出拡大に向けて、ロシア、中国、韓国などからバイヤーを招聘するなど、県内企業の海外におけるビジネスチャンスの一層の拡大に努めてまいります。 次に、自然エネルギーの島構想の取組についてでありますが、離島では、電力系統が島内で完結しているがゆえに、大規模な再生可能エネルギー導入が電力系統の安定的な運用を難しくするといった課題があります。 新年度は、この課題を解決し、自然エネルギーの島構想の実現に向けて、島内の電力需給構造等の調査や再生可能エネルギー導入可能性調査を実施してまいります。あわせて、東北電力や関係事業者と研究会を立ち上げ、再生可能エネルギーを島内で最大限活用する具体的な方法や取組を検討してまいります。 引き続き、離島の環境負荷低減とエネルギー供給源の多様化を目指し、この構想の実現に向け取組を進めてまいります。 次に、洋上風力発電の導入に向けた現状と課題等についてでありますが、現在、本県での洋上風力発電を検討している事業者が複数おりますが、導入に当たっては、漁業や環境への影響のほか、電力系統の確保などの課題があります。 このため、県といたしましては、洋上風力発電導入研究会を設置し、漁業や環境の関係団体、地元市町村など、関係者の皆様と合意形成に向けた検討を進めております。 電力系統の確保については、事業化を検討する事業者が電力会社と調整を進めていると承知しておりますが、県としましても電力系統の強化等について、引き続き国へ要望してまいります。 新年度においては、こうした課題等を整理しつつ、村上市・胎内市沖に加え、それに続く候補海域の絞り込みに向けた作業も進めながら、国による洋上風力発電促進区域の指定を目指してまいります。 次に、新年度における水素関連事業についてでありますが、水素の利活用の拡大は、エネルギーセキュリティーの向上やCO2排出削減といった意義を有するとともに、県が先行して取り組むことで、金属加工品等県内企業の強みを生かした水素関連設備製造への進出などの効果が期待できるものと考えております。 そのため、新年度は、国の補助制度を活用して、小型燃料電池バスの開発をはじめ、再エネ由来水素供給設備の設置や、県内企業の水素関連産業への参入促進などの取組を進めながら、水素の利活用拡大を図ってまいります。 次に、観光振興についてお答えします。 まず、東京オリンピック・パラリンピックを捉えたインバウンドの拡大についてでありますが、首都圏等を中心に、国内外から多くの旅行者が訪れることが期待されますが、宿泊費の高騰や交通混雑などが懸念されることから、日本政府観光局は地方都市への周遊を推奨するなど、分散型の旅行を提案することとしております。 このため、本県の首都圏への交通アクセスの利便性や、本県発祥のニシキゴイ、ミシュランガイドが発行される食の魅力など、新潟・東北の情報発信拠点施設、東北ハウスや表参道ネスパスにおいてPRすることにより、本県観光の知名度向上と県内周遊を促進してまいりたいと考えております。 また、大会を取材する海外メディアに対して、県内周遊ツアーを積極的に提案し、本県観光の取材と発信を促進するなど、大会開催後も見据えながら、インバウンドの拡大につなげてまいります。 次に、佐渡金銀山の世界遺産登録の国内推薦を見据えた観光誘客の取組についてでありますが、国内推薦が決定となった場合、佐渡や本県への国内外からの注目度が飛躍的に高まり、インバウンドも含めさらなる誘客の原動力となることが期待されます。 県といたしましては、佐渡金銀山はもとより、佐渡の自然や食文化、伝統文化などを世界にアピールしていく好機であることから、各種メディアを活用し、その普遍的な価値や魅力を国内外に発信してまいります。 また、佐渡市や航路のある自治体などとも連携し、佐渡を核とした周遊観光の形成や地域での受入れ体制整備を促進することで、県全体の観光振興につなげてまいりたいと考えております。 次に、中国からのスキー客の獲得に向けた新年度の取組の方向性についてでありますが、昨年、スノーリゾート新潟のトップセールスを行い、訪問した北京のスキークラブ等関係者から、スキー場の知名度不足等が指摘され、今シーズンに県内スキー場を体験された際にも、同様の御意見を頂いているところです。 新年度は、こうした御意見を踏まえて、一層の知名度向上を図るため、スノーリゾート新潟のPR動画を活用した情報発信やスキー説明会の現地開催など、今年度実施しているプロモーション活動を拡充してまいりたいと考えております。 また、観光庁は、地域主体による国際競争力の高いスノーリゾートづくりを支援する新年度事業を予定しておりますので、こうした国事業の活用を関係者に促すとともに、事業計画づくりを側面支援するなど積極的に後押ししてまいります。 次に、新年度の観光施策の方向性についてでありますが、デスティネーションキャンペーンでは、アピールポイントの明確化やストーリー性重視の観点から、本県が誇る食文化、ガストロノミーに焦点を当て、その魅力を発信してきました。 今後は、この取組を一過性のものとせず、本県観光のブランドとして高めていくことが必要と考えております。 県の各種調査や民間事業者のランキングでは、本県の食に対する期待は極めて高く、観光の伸び代は大きいと感じております。 新年度では、今春発行されるミシュランガイドなどを活用した第三者評価の向上のほか、キラーコンテンツの創出などを地域と連携して進める中で、ブランドイメージを高め、交流人口の拡大につなげてまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 水素製造技術の活用についてでありますが、議員御指摘の、現在、発明家の方が研究を行っている水素製造技術については、まずは、データを基にした客観的な検証が必要であると考えており、今後、仮にこの技術の安全性や実用性などが確立されれば、県内産業の振興につながり得るものと考えております。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 3点についてお答えいたします。 まず初めに、佐渡金銀山の世界遺産の国内推薦を見据えた受入れ体制整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、国内推薦の決定により観光客が急増した場合、宿泊施設の不足や2次交通の混雑などが懸念されます。 こうした課題に対し、県や佐渡市では、平成28年3月に策定しました「佐渡金銀山」保存・活用行動計画に基づき、構成資産の将来的な価値保全や活用とともに、来訪者の受入れ体制の整備等についても検討・準備を進めてきました。 受入れ体制の充実は、お客様の満足度を高め、リピーターを創出する上で重要であり、引き続き佐渡市と準備を進めるとともに、航路のある新潟市や上越市とも連携し、広域的な周遊観光や受入れ体制の構築に取り組んでまいります。 次に、観光消費額向上モデル事業の狙い等についてでありますが、国内の人口減少に伴う国内旅行市場の縮小が見込まれる中、将来にわたって県内の観光産業を活性化させるためには、インバウンドの拡大に加え、観光消費額の向上に取り組むことが重要と考えております。 本事業では、観光事情に精通するコンサルタントを活用し、モデル地域の多様な関係者と合意形成を図りながら、ナイトタイムエコノミーの推進や質の高いサービスの提供、滞在期間の延長など、多様なアイデアの下での戦略策定を支援することとしており、波及性のあるモデルを創出してまいりたいと考えております。 次に、新潟観光ブランド情報発信強化事業の取組方針についてでありますが、一昨年から、デスティネーションキャンペーンのコンセプトとして、本県の食の魅力・ガストロノミーを前面に打ち出した情報発信を行い、本県観光のブランドイメージの構築に努めてきたこともあり、今年5月には、初めてミシュランガイド新潟版が発行されます。 新年度においては、これを最大限に活用し、本県観光のブランドイメージの一層の浸透・定着に取り組んでまいりたいと考えております。 具体的には、県のウェブサイトやSNS、海外旅行博、国内外のインフルエンサーなど多様な媒体、機会を活用して、ミシュランガイドに掲載される飲食店等を発信するとともに、食の評論家などと連携し、第三者評価を高める中で、本県観光の魅力を広く発信してまいります。 ○副議長(桜井甚一君) 青木太一郎君の質問は終わりました。 次に、小島義徳君の発言を許します。小島義徳君。   〔小島義徳君登壇〕(拍手) ◆小島義徳君 小島義徳でございます。 医療問題についてお尋ねいたします。 県財政が厳しい中において、県立病院の在り方や市町村との役割分担など、それぞれの責任の果たし方が問われており、新たな地域医療の提供体制を整える必要があります。 県立病院の本来の役割は変わらずとも、今日までに道路や交通事情が改善され、また、2機のドクターヘリ等のフル稼働により、遠かった病院が近づいてきました。道路等のインフラ整備は道半ばのところもあると思いますが、時間とともに徐々に整備が進み、さらに病院が近くなっていくものと思います。 このように社会インフラの整備が進み、病院までの所要時間が短くなりつつある中では、県立病院や民間病院、公的病院がそれぞれの役割を明確にして使命を果たしていくことが重要です。 県は、僻地医療はもちろん、全域における医療提供体制をバランスよく充実させていくために必要な制度を整え、無駄のない効率的な税金の使い方に責任を持つべきと考えます。 また、高度医療や専門医療において、県立がんセンター新潟病院は、がんの専門病院として優れた機能を発揮し、県民から支持されているものと思います。 今は、がんは早期発見できれば治る病気とも言われています。ステージ1や2であれば心配するものでもないとも聞きます。 そこで、幾つかお尋ねをいたします。 県立がんセンター新潟病院の入院患者について、がんの進行度4段階の各ステージの内訳と治療の成果について伺います。 様々なメディア等を通じて、最先端の医療技術やがん治療の新技術を耳にすることがあり、議会でも視察をしている技術も数多くあると思いますが、国内のがん治療における先進的な医療技術の動向について、病院局はどのように認識しているのか伺います。 また、県立がんセンター新潟病院に導入されている医療機器について、がん治療における先進技術の動向や、他都道府県のがん診療連携拠点病院との比較から、どのような水準にあると評価しているのか伺います。 新潟県、群馬県及び埼玉県の三県知事会議において、3県における高度医療資源等の相互活用に向けた情報共有に取り組むとされておりますが、現在の取組の状況を伺います。 高速道路網の充実やドクターヘリ2機導入により、広域での救急患者の搬送が可能となっており、救命救急医療については、二次保健医療圏単位ではなく、より広い整備をすることで足りるのではないかとも考えますが、所見を伺います。 このたび、五泉市では南部郷総合病院と北日本脳神経外科病院を統合して、五泉中央病院を新たに開院いたしました。五泉市には県立病院がなく、医療法人真仁会が総額60億円余りの総工費をかけて新たに五泉の地域医療を担うこととなります。 また、県からも新潟県地域医療構想に基づく事業として5億円余りの支援を頂くとともに、五泉市も10億円の支援をすることになりました。地域医療を守るためには、病院任せではなく、行政もしっかりと役割分担をして支援をしていかなければならない時代です。 五泉市は10億円を支援することになりましたが、五泉市だけではなく、阿賀野市も地域の病院支援に15億円を支援し、村上市においては地域医療を守るために20億円を病院に支援したと聞いております。 このほかにも、佐渡市をはじめ幾つかの町では、地元の地域医療を守るために地元行政が支援している地域もあると思います。 県立病院だけしかない地域では、県が全責任を負ってその地域医療を守ってきました。しかし、県立病院のない地域では、県立以外の病院と町がそれぞれの役割と責任を果たしていかなければ地域医療を守ることができなくなってきております。 県立病院のある地域も、そこの地域医療を守るために、県と地元自治体とで役割を明確に分けて、その責任を果たしていくべきではないでしょうか。地元の地域医療を守っていくためには、県だけに責任を丸投げできないものだと思います。 そこで、お尋ねいたします。 本県の地域医療は、県立病院と県立以外の公立病院や公的病院が担っていますが、県立病院が立地している地域と立地していない地域とで、それぞれ県と市町村はどのような役割分担をして地域医療を守っていくべきと考えるのか、所見を伺います。 がんの早期発見のため、検診技術や初期のがん治療技術が充実してきていることから、がんは早期発見により、ほぼ完治できるようになってきていますが、早期発見に向けた検診の受診状況は十分とは言えない状況にあると考えます。がん検診の受診率向上に向けた課題と新年度の取組について伺います。 医師らの働き方改革推進を柱とした診療報酬の改定が4月から行われることになりました。勤務が苛酷な救急医療で患者の受入れ実績の高い病院の報酬を手厚くし、勤務医の労働環境の改善を後押しすることとされております。 この2020年度の診療報酬改定について、県立病院の経営改善にどのような効果があると現時点で評価しているのか伺います。 IT技術、通信技術の発達や、より精度の高い医療機器の登場によって、医療分野でもコミュニケーション環境が大きく変化してきております。そして、第5世代移動通信システム、5Gの時代がすぐやってきます。そうなれば、さらにコミュニケーション環境がよりリアルになり、生活環境が変わり、オンライン診療も進化していくのではないでしょうか。 現代のインターネット社会において、オンライン診療は時間的にも経済的にも合理的と考えますが、県内でのオンライン診療の実施状況について伺います。 次に、医師確保問題についてお尋ねします。 昨年の今頃、厚生労働省は、都道府県や各地域の医師数の偏りの度合いを示す医師偏在指標の推計を公表し、都道府県別では岩手県、新潟県など16県を医師少数三次医療圏として、重点的に医師不足解消を促進する方針としておりましたが、具体的に国では医師偏在の解消に向けてどのような対策を講じているのか伺うとともに、その対策が本県の医師不足改善に実効性のあるものと考えるのか、県の評価を伺います。 また、現在の制度では医師確保のために県としてできることが限られ、国の抜本的な制度改革がなければ医師偏在の解消は困難であると言われておりますが、医師確保のために、本県を含む医師少数県6県による地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会が発足しました。発足の狙いと目指す成果について伺います。 花角知事は、臨床研修の在り方について、偏在を解消できる仕組みに変えられないか議論を深めたいと述べたとされております。地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会では、今後、共同で国への政策提言を行う予定とされていますが、本県としてはどのような観点で提言を行うべきと考えるのか伺います。 次に、原発問題についてお尋ねします。 福島第一原発事故によって、原発は絶対安全ではないということが明らかになりました。特に新潟県民の多くは事故現場周辺地域の悲惨な状況に衝撃を受けたにとどまらず、新潟県も事故の影響を受けるとともに、県内に避難を余儀なくされた皆様の大変な状況を目の当たりにして、絶対あのような事故が新潟県には起きてほしくない、起こしてはならないという思いが新潟県民の心にはっきりと刻まれたものと思います。 以来、東京電力が柏崎刈羽原発に対してどんな対策を講じても、多くの県民の気持ちの中では、どんなに対策を講じても、万が一過酷事故が起きたらどうなるのかと不安が払拭されません。 これは、絶対安全と言われていたことがそうではなかったということや、多くの被災者の普通の暮らしが事故で一変し、元の暮らしに戻れないでいる現状。東京電力の管理能力が疑問視される度重なる問題の発生。さらに避難計画の実効性がより確かなものでなければならないにもかかわらず、万全とは言えないインフラ整備や体制整備の問題等、これで本当に大丈夫なのかと思います。 県民の原発に対する不安な思いと、政府の原発政策の考えに大きな乖離があるとものと強く感じます。安全が確認された原発は再稼働する、この安全の言葉には多くの疑問と不安が消えません。 福島事故以来、柏崎刈羽原発も膨大な費用をかけてハード対策を行ってきていても、でも万が一という不安は拭えません。また、事故時の避難計画による避難対応も、十分に県民の命の安全が守られるという安心感も保証もありません。こんな状態が解消されないまま政府が原発の安全性が確認されたとしても、県民の大勢は再稼働を望まないものと思います。 政府は、原発の再稼働を本当に目指すのであれば、原発の規制委員会の判断や県の避難計画の実効性を求めるだけではなく、原発の存在や再稼働に係る県の負担解消や必要な対策、支援を全て賄うべきではないでしょうか。 そうでなければ、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働はあり得ないものと思いますし、そこをしっかり対応しないで、県や東京電力だけに責任を望んでいるだけならば、政府は国益と言いながら、新潟県民の将来に対する安全と安心を軽視していると言われても仕方ありません。 もし、そこまでの対応をする考えがないのであれば、新潟県民の理解は得られないと思いますし、国のエネルギー政策を原発重視から再生可能エネルギー重視による経済政策に転換するべきと考えます。 小泉環境大臣の発言から幾つかお尋ねします。 全面緊急事態におけるUPZ圏内への安定ヨウ素剤の配布方法と事務費用負担について、国の原子力災害対策指針等ではどのように定められているのか伺うとともに、県としてどのような課題があると考えるか伺います。 また、隣県の福島第一原発事故を経験した新潟県民は、柏崎刈羽原発の再稼働や存在に対して、様々な思いを持っているものと認識します。知事は県民の思いをどのように受け止めているのか伺います。 次に、転出超過問題についてお尋ねいたします。 ここ10年を遡ってみると、新潟県は様々な対策を講じてきているにもかかわらず、転出超過数の全国順位は毎年下がり続けています。 人口減少問題が本県の喫緊の課題とされ、県としても政策を総動員して取り組むとされている中、2019年の本県の転出超過数が日本人に限れば8,000人を超え、全国ワーストであったと報道されました。大幅な転出超過となった要因をどのように考えているのか伺います。 若者の県外流出の主な要因は進学と就職ですが、県内大学等への進学や県内学生の県内就職の促進に向けても様々な角度から取り組んでいる中、新年度はどのような工夫を行っていくのか伺います。 総合計画の政策と展開・取組には、「起業家予備軍がより多くなり、官民の連携による多様なネットワークの構築を通じて、意欲ある者が起業にチャレンジしやすいよう地域全体で応援していく環境づくりに取り組むことにより、県外からのU・Iターンや再チャレンジによる創業も含め、挑戦しようとする若者が多く集まり、創業が次々と湧き起こるとともに、創業後の持続・成長ができる環境を実現するとされ、起業家予備軍の育成と起業希望者への伴走型支援を行うとともに、多様な創業支援者との連携による総合的な創業支援体制の構築、創業関連情報と成功事例の発信などに取り組んでいくこと」とされております。 若者が地域から流出している現状において、地域に残った若者が起業に挑戦し、地域社会を活性化することが極めて重要です。全県規模の創業支援プラットフォームのほかに、地域レベルでの先輩経営者や起業経験者と起業家とのコミュニティーを形成する取組も有効と考えます。所見を伺います。 次に、農業問題についてお尋ねいたします。 総合計画では、担い手が将来展望を持って経営できる農業の発展を図るとされ、農業者の所得向上を図るためには、規模拡大や生産コスト低減の推進、稲作だけに頼らない多角化・複合化の推進、県産農産物の付加価値向上を推進する必要性、また農業経営の体質強化のため、農業生産基盤の整備を推進していく必要性が課題とされております。 また、政策の展開・取組では、経営基盤の強化、県産農産物のブランド力の向上、水田フル活用に向けた生産基盤の整備に取り組むとされております。 特にブランド力の向上において、海外における新潟ブランドの構築を進め、県産農産物の海外での需要拡大を図るため、多様な販路開拓の取組や積極的な情報発信を進めてきていますが、昨年からの海外情勢で日韓関係の悪化や香港の政情不安などにより、2019年の農林水産物・食品の輸出額が1兆円には届かなかったところであり、今後は新型肺炎の流行なども懸念されておりますが、本県産農林水産物の輸出への影響について伺います。 他県も様々な工夫と努力により農業生産額の向上に向けて取り組み、その成果を着実に上げている県もあります。農業産出額が全国上位の他県と比較した場合、本県産農産物の輸出額はどのような水準か伺うとともに、本県産農産物の輸出促進に向けた課題と可能性についてどのように考えているか伺います。 新潟県は農業県と言われていることから見れば、米だけにとどまらず、他の農産物でももっと生産額が伸びてもおかしくないものと思います。そのためには、生産基盤の強化とともに国内販路開拓はもとより、海外販路の開拓と確保が欠かせません。 本県産農産物の輸出促進に向けた今年度の取組による成果と、その成果を踏まえた新年度の取組方針を伺います。 滝谷慈光寺杉並木の保存活動について伺います。 五泉市には天然記念物が5か所あり、小山田のヒガンザクラ樹林は国指定の天然記念物とされており、県指定の天然記念物として切畑のイチョウ、慈光寺の杉並木、牧の衛守杉、上郷屋のオハツキイチョウが県指定されています。いずれも貴重な天然記念物ですが、特に慈光寺の杉並木は格別です。 慈光寺は、霊峰白山の麓に座する越後往古四ケ道場の二番札所として、楠木正成の3男である南北朝時代を代表する武将、楠木正儀の次男に当たる傑堂能勝禅師によって1403年に開創された曹洞宗の古刹、慈光寺であります。 ちなみに、四ケ道場の一番札所は村上市の耕雲寺で、これは1394年に先ほどの傑堂能勝禅師が開創したお寺で、孫寺以下を合わせると800にも及ぶという曹洞宗の立派なお寺でしたが、残念ながら明治19年に火災によって全伽藍を焼失し、僅かに残った鐘楼が今は山門として名残を残しております。 二番札所が五泉市の慈光寺で、平成24年に国登録有形文化財となっております。 三番札所は、NHK大河ドラマ「天地人」で脚光を浴びた上杉景勝、直江兼続が幼少期に学んだ南魚沼市の雲洞庵です。この雲洞庵は、1420年に傑堂能勝禅師によって中興開山されたお寺で、昭和61年に県指定文化財となっています。 最後に、四番札所は新潟市西蒲区にある種月寺です。この種月寺は、1446年に傑堂能勝禅師の弟子であった南英謙宗によって創建されたお寺で、平成元年に国の重要文化財に指定されております。 慈光寺参道の杉並木は、新潟県下においても希有な文化財として、昭和50年に137本、今現在は136本ですが、この杉が県の天然記念物の指定を受けており、いずれも200年から500年の樹齢を誇る巨樹、巨木になります。 しかし、昨今の参道への車両の乗り入れ等の影響により、根の傷みや落木、枝落ち、または空洞化などの被害が目立ち始め、現在では予断を許さない状況にあり、様々な対策を講じていく必要がありました。 平成24年に慈光寺檀信徒を中心として慈光寺スギ並木を守る会が組織され、現在に至るまで参道の林立する杉並木の維持・保存に向けて活動を行ってきております。 当会では、年1回会員有志の方々による参道の清掃活動を行い、その中で樹木周囲の草刈りや落木などの撤去、樹木医指導による肥料散布や栄養剤打ち込みなどを実施しております。 ちなみに、私も毎年欠かさず清掃活動に参加しております。 また、行政機関とも連携を図り、環境整備・維持保全活動を行っている状況であります。 慈光寺スギ並木を守る会では、県指定文化財となっているこの慈光寺杉並木について、国指定を目指して保存活動を重ね、取組を広げています。慈光寺杉並木に対する県の評価を伺います。 国指定文化財になることでのメリットと、慈光寺杉並木が国指定を受ける上での課題はどのような点にあると考えるか、所見を伺います。 次に、地域社会再生事業についてお尋ねいたします。 地方で生まれた子供たちを愛情と税金をかけて育てても、一極集中により、稼ぐ年頃になると東京で稼ぎ、東京で納税する。また、東京は地方で育てられた労働力によってより多くの税収を得ています。この非合理によって税の偏在が生じ、人口減少と相まって、地方がどんどん疲弊してきているものと思います。 このたびは、大都市圏に集中する地方法人課税の偏在是正のため、地域社会再生事業費として4,200億円が地方財政計画に計上されました。当初予算案では50億円を見込んでいますが、どのような点で本県にとって有利な制度となったのか、改めて伺います。 また、人口減少が進む地方部において、地方自治体が地域社会を維持するための財政需要は今後も増加していくものと考えます。地域社会再生事業費は、令和3年度以降も継続して確保されなければならず、県としても国に働きかけ続ける必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、教育問題について伺います。 令和2年1月30日に新潟県いじめ防止対策等に関する委員会により、第4号案件の調査報告書が提出されました。 この調査報告書の提言の中で、「いじめの定義の再認識と共通理解が徹底していない事実は非常に重く受け止めなければならない。県教委をはじめ各学校には、現在行われているいじめに関する生徒への教育、教職員への研修が真に実効的な内容であるのか、生徒、教職員にいじめへの共通理解が真に浸透しているのかを再検討し、また継続的に検討できる仕組みを構築してもらいたい」と提言されています。 いじめ対策総点検の結果を踏まえ、県教育委員会では今年度いじめ防止対策を強化しました。令和2年1月に提出された第三者委員会調査報告書においても、当該学校でいじめ防止基本方針に基づく対応が徹底されていなかったことが課題とされていましたが、その徹底に向けた教育委員会の取組状況と、徹底することの難しさがどのような点にあると考えるのか伺います。 また、今年度いじめ対策を強化して取り組んできた中での今後の課題と取組方針について伺います。 少子化における子育ては、限られた唯一の我が子を愛情込めて大切に育てようと、どこの親も一生懸命育てているものと思います。しかし、一部に限られた我が子ゆえに大切にし過ぎている面があるものと感じます。 かわいい我が子をしっかりと守ってやらなければならないと、子供に降りかかろうとするあらゆる危険や災いを親が完璧に取り払ってしまうことによって、子供は危険や災いを自ら乗り越える貴重な体験の機会を失ってしまっているのではないでしょうか。その結果、他人から注意や叱責をされると大きなショックを受けて、精神的に耐えられないというような状態になるものと思います。 子育てにあっては、子供には嫌なことも含む多様な経験をさせ、親は子供が様々な苦悩から乗り越えられるように、厳しく愛情を込めてサポートしていかなければならないものと思います。 スポーツなどのクラブ活動を全うしてきた若者は、クラブ活動を通じてトレーニングの厳しさや、節度ある人間関係の大切さなどを経験しているので、比較的粘り強く、たくましい人が多いものと思います。 あるいは、大学生時代に様々なバイト経験により社会の現実を学び、仕事や職場の適応能力を身につけてくる人も多いものと思います。 自分に降りかかる危険やあらゆる災いから、たくましく乗り越えられる社会人になってもらいたいものと思います。 そこで、お尋ねいたします。 先輩や上司から怒られるとすぐに辞めてしまう新入社員等が増えていると聞きます。新規学卒就職者の早期離職の状況を伺うとともに、早期離職の原因をどのように分析しているのか伺います。 また、新規学卒就職者の早期離職防止に向けて、新規学卒就職者と事業主と、それぞれどのような対策が必要と考えるか伺います。 現在、県財政は大変厳しい状況でありますが、厳しいときだからこそ、できることがたくさんあると思います。むしろこの厳しいときをチャンスと捉えて、知事からは県政運営に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小島義徳議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、救命救急医療の広域的な医療提供体制の整備についてでありますが、救急患者の受入れについては、迅速な対応が必要であり、基本的には、比較的専門性の高い医療活動が完結できる区域である二次医療圏内で行うことが望ましいものと考えております。 一方、脳や心臓などの救急医療については、二次医療圏内で完結することが難しくなってきており、現状においても、隣接医療圏への搬送やドクターヘリによる広域的な対応を行っているところです。 今後につきましては、医師の働き方改革の実施等もあることから、限られた医療資源の一定程度の集約化も視野に入れながら、二次医療圏での対応を基本としつつ、二次医療圏をまたいだ、または全県的な視点を加味した医療提供体制も検討していく必要があるものと考えております。 次に、地域医療における県と市町村の役割についてでありますが、県立病院の有無にかかわらず、日常的な健康相談、健康管理や一般的な疾病への対応など、住民の日常生活に密着した保健医療に関しては市町村が、比較的専門性の高い保健医療や、高度で特殊な技術、設備を必要とする保健医療に関しては県が、それぞれ主体的な役割を担うべきものと考えております。 いずれにいたしましても、地域で必要とされる持続可能な医療を確保していくことが何よりも重要であり、県と市町村が連携・協力し、お互いに知恵を出し合いながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、医師確保問題についてお答えします。 まず、国の医師偏在対策に対する評価等についてでありますが、国においては、医師の偏在解消に向けた対策として、医師少数区域等で一定期間勤務した医師を認定し、地域の医療機関を支援する中核的な病院の管理者となることができる仕組みなどを導入することとしています。 しかしながら、対象病院が限定的であるなど、本県の医師不足改善に向けては、実効性や即効性などの観点から、必ずしも十分ではないと考えております。 次に、このたび発足した医師の確保を目指す知事の会についてでありますが、県では、これまで様々な取組により医師の確保に全力で取り組んできたところですが、県の努力のみでは限界があり、国でなければできないことが多くあると考えております。 県といたしましては、共通の危機感を持つ県が連携することが重要と考え、知事の会を発足させたところであり、こうした力を十分に活用し、医師不足解消に向けた抜本的な制度改革の実現に向けて、国に対し働きかけてまいります。 次に、国への政策提言についてでありますが、地方の医師不足の背景には、国の医療制度など構造的な問題があることから、医師確保のためには、臨床研修医の都市部への集中を是正する対策など、国による抜本的な制度改革が必要と考えております。 県といたしましては、知事の会により、国に対し、医師少数県の医師確保や偏在解消につながる実効性のある大胆な制度改革を働きかけてまいります。 次に、原発問題についてお答えします。 原発に対する県民の皆様の思いについてでありますが、知事就任時の選挙からこれまでの間において、県民の皆様の原発への不安を肌で感じ、柏崎刈羽原発の再稼働問題については、改めて県民の皆様の関心の高い、深刻で重要な課題であると受け止めたところであります。 また、柏崎刈羽原発立地地域の住民から構成される地域の会に一昨年、昨年と2度ほど出席した際には、原発に対して様々な立場、様々な思いがあるということを再認識いたしました。 次に、転出超過問題についてお答えします。 先輩経営者等と起業家とのコミュニティー形成についてでありますが、起業に一歩踏み出し、事業を軌道に乗せるには、身近に相談できる人がいることが重要な要素であることから、議員御指摘のとおり、地域レベルで先輩経営者等と起業家が交流できるコミュニティーを形成することは有効であると考えております。 そのため、先輩経営者によるサポートネットワークの構築に加え、今年度から新たに、メンター等が伴走支援するスタートアップ拠点が4か所設置されたところであります。 新年度では、こうした拠点をさらに県内各地に増やしてネットワークでつなぐことで、官民連携の起業支援が身近で受けられる環境を全県に拡大するよう、コミュニティー形成に向けた取組を進めてまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 3点についてお答えいたします。 県内進学や県内就職の促進に向けた取組についてでありますが、新年度においては、県内大学が行う魅力向上に向けた取組の連携対象に新たに県内外の研究機関等を追加し、特色ある教育や研究を支援するなど、大学の魅力向上をさらに推進するとともに、県内大学等の合同進学説明会について、中学生の保護者も参加対象に加え、早い段階からの認知度向上を図ってまいります。 また、県内就職の促進に向けて、インターンシップマッチングイベントを拡充するほか、県内産業や企業に関する講義内容やフィールドワーク活動実績などを、大学から参加学生以外に対しても積極的に発信してもらうことで、県内企業への関心を高め、就職につなげてまいりたいと考えております。 次に、地域社会再生事業費についてでありますが、偏在是正措置により創設された地域社会再生事業費は、全国平均を上回って人口が減少している団体や、人口密度が低い地域の人口が多い団体の経費が割増しされる算定方法となっているため、本県にとって有利なものになっていると認識しております。 次に、地域社会再生事業費の継続についてでありますが、議員御指摘のとおり、人口減少が進んでいる地方においては、住民生活に必要な地域社会の機能を維持するために、人口減少に応じて行政サービスを縮小することが困難な面や、公共交通の確保等で公的負担が一層増加する面もあります。 地域社会再生事業費については、今後も継続的に措置されるものと聞いておりますが、その確実な継続についての要望も含め、必要な行政サービスを確実に提供できるよう、引き続き、様々な機会を捉えて地域の実情を国に対して訴えてまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 本県の人口における大幅な転出超過の要因についてでありますが、全国的に、進学や就職を契機とした若者の流出により、東京圏への人口の一極集中が拡大する中で、東京へのアクセスのよい本県からの流出に拍車がかかっているのではないかと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 4点についてお答えいたします。 まず、新潟県、群馬県及び埼玉県における高度医療資源等の相互活用に向けた情報共有の取組状況についてでありますが、平成29年4月に開催された三県知事会議において、新潟大学医学部災害医療教育センター、群馬大学重粒子線医学研究センター及び埼玉県立小児医療センターの相互活用に向けた情報共有の合意がなされ、現在、各施設について一定の相互活用が行われており、徐々にではありますが、活用の取組が広がりつつある状況です。 このうち、本県の新潟大学医学部災害医療教育センターにおいては、例年開催している、災害医療人材の養成に向けた研修会に、両県から平成30年度は8人、令和元年度は9人の医療関係者等に参加をいただいております。 次に、がん検診の受診率向上への取組についてでございますが、本県のがん検診受診率は全国トップクラスの水準ですが、年代別で見た場合40代の働く世代の受診率が他の世代と比較して低いことが課題となっております。 このため、県では、今年度新たに取り組んでいるヘルスプロモーションプロジェクトの柱の一つに、早期発見、早期受診を掲げ、がん検診受診の普及啓発に取り組んできたところです。 新年度は、これに加え、事業主を対象としたセミナーの開催や、モデル企業を対象とした個別支援等を行い、がん検診の受診率向上を図ってまいります。 次に、県内でのオンライン診療の実施状況についてでありますが、県内では、粟島浦村の僻地診療所において、村上総合病院によるテレビ電話を活用した定期的なオンライン診療が実施されており、平成30年度は、延べ852人の利用があったと伺っております。 次に、UPZ圏内の安定ヨウ素剤の配布方法等についてでありますが、国の原子力災害対策指針等において、地方公共団体は、UPZ圏内が全面緊急事態に至った場合、避難等と併せて安定ヨウ素剤の服用を行うことができる体制を整備することとされ、原則として、医師が関与して配布及び服用を行うことと定められております。 また、安定ヨウ素剤の購入や配布に関わる人件費などの経費については、国が負担することとされております。 県といたしましては、国が定める現行の配布方法では、迅速性・実効性の面で課題があると考えており、そのため、UPZ圏内での事前配布や医師関与の見直しなど、スムーズな配布方法の検討を国に働きかけてきたところです。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 新規学卒就職者の早期離職の状況と原因についてでありますが、新潟労働局によれば、本県の新規学卒の就職後3年以内の離職率は、足元の5年間、大学卒、短大・専修学校等卒、高校卒のいずれでも30%台で推移し、全国の離職率を下回る傾向にある一方で、事業所規模が小さいほど離職率が高く、宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス・娯楽業、その他サービス業において、学歴を問わず離職率が高い傾向にあります。 これは、雇用情勢の改善により売手市場となる中で、希望と実際の仕事が異なるミスマッチによる離職は減少してきているものの、小規模事業所や宿泊・飲食サービス業等では、労働条件や職場環境、福利厚生、能力開発機会の提供などの取組が必ずしも十分でないことによるものと考えております。 次に、新規学卒就職者の早期離職防止に向けた対策についてでありますが、早期離職を防止するためには、就職のミスマッチを防ぐとともに、就職初期段階での新規学卒就職者への相談対応や、事業所規模や業種にかかわらず、働きやすい職場環境を整備していくことが必要であると考えております。 県といたしましては、引き続き、生徒・学生に向けて、就労実態を含む企業情報の発信や、企業との交流会開催など企業への理解を深めることができる機会の提供に取り組むとともに、新潟労働局と連携し、新規学卒就職者に対する若者しごと館における就職初期段階のキャリアカウンセリングの実施、事業主に対する働き方改革の推進に向けた企業の取組段階に応じた支援を行うなど、働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 3点についてお答えいたします。 いわゆる新型肺炎の流行などによる県産農林水産物の輸出への影響についてでありますが、2019年の国の輸出実績については、香港及び韓国向けの輸出が低迷したことに加え、サバの不漁などにより水産物の輸出が減少したことが影響したものと聞いております。 いわゆる新型肺炎の流行をはじめとした昨今の情勢につきましては、海外ビジネスの専門機関であり、現在も現地情報を収集発信しているジェトロからは、これまでのところ本県農林水産物への影響は具体的に確認されていないと聞いております。 しかしながら、今後、長期化すれば、現地の消費活動が低下し、本県産の需要が減少することも懸念されることから、現地の情勢を注視してまいりたいと考えております。 次に、本県産農産物の輸出額の水準と、輸出促進に向けた課題等についてでありますが、都道府県別の農産物輸出実績については、それぞれ集計方法等が異なり、単純に比較することはできませんが、農業産出額に対する輸出額の割合を試算したところ、産出額の全国上位5道県との比較では、特に畜産が盛んな県において、輸出割合が高くなるという傾向にあり、新潟を含むその他の県においては、大きな差はないという結果になりました。 輸出の促進を図るためには、現地需要に応じた米を確保することや、園芸品目の輸出体制を構築することが課題であり、現在、その解決に向け取り組んでいるところです。 また、海外からの評価の高い和牛など今後に期待の持てる品目についても、輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、今年度の成果と新年度の方針についてでありますが、本県の主要輸出品目である米につきましては、香港・シンガポールなど主要市場への取組に加えて、本県産米の輸入が再開された中国をターゲットに、宣伝商談会やバイヤー招聘に取り組んでまいりました。 また、青果物については、ASEAN向けのトライアル輸出等に取り組み、継続輸出の可能性がある品目や市場の把握に努めてまいりました。 次年度につきましては、今年度に引き続き、需要に応じた米の確保に努めるとともに、中国向け米輸出について、現地バイヤー等との結びつきを強化することなどにより、輸出量の拡大を図ってまいります。 あわせて、青果物につきましても、関係者の意見を踏まえ、時期や品目の組合せを増やしながら、トライアル輸出を継続することにより、本県にとって最も適した輸出モデルを構築してまいりたいと考えております。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) 4点についてお答えをいたします。 県立がんセンター新潟病院の治療成果等についてでありますが、国立がん研究センターでは、最新のデータとして、全国のがん診療連携拠点病院等407施設において、平成22年から23年に、胃・肺など主要5部位のがんと診断された患者の5年生存率に関する集計結果を公表しております。 これによれば、本県がんセンターで最も対象数の多い肺がんでは、最も早期のステージ1が419例で生存率71.1%、ステージ2が58例で生存率50%、ステージ3が168例で生存率20.2%、ステージ4が198例で生存率7.1%となっており、他の部位も含めおおむね全国と同様の傾向となっております。 なお、この生存率につきましては、年齢や他の病気の有無など、施設ごとに患者構成が異なることから、単純に当該施設のがん医療の優劣の評価にはつながらないものとされております。 次に、国内のがん治療の先進的な医療技術の動向についてでありますが、治療薬では、がん細胞の活性化を阻害するオプジーボが平成26年に保険適用され、放射線治療では、一度にほぼ全身のがんを検索できる、PET-CTが平成18年に、コンピューター制御により正常組織の照射線量を抑えつつ腫瘍部分に放射線を集中して照射する、強度変調放射線治療が平成20年に、がん病巣だけを正確に照射することができる重粒子線・陽子線治療が平成28年に、それぞれ保険適用になっております。 また、平成30年には、内視鏡手術支援ロボット、ダヴィンチによる手術の保険適用の範囲が拡大され、がんゲノム医療では、がんの発生に関わる複数のがん関連遺伝子の変異を一度に調べる、遺伝子パネル検査が令和元年に保険適用となっております。 これらの新しい薬や治療法が順次、保険適用され、一般的な治療として広がることにより、がん治療の進展に貢献しているものと認識しております。 次に、県立がんセンター新潟病院の医療機器についてでありますが、今ほどお答えした中では、PET-CTを平成22年4月に県内で初めて導入し、また、放射線治療装置、いわゆるリニアックも4台設置しておりますが、このうち2台は、強度変調放射線治療が行える放射線治療装置であり、来年度の機器更新により、これを3台とする予定としております。 そのほか、本県がんセンターの医療機器を含め、がん診療施設としての機能は、他の都道府県のがん診療連携拠点病院と比較しても、遜色はないものと考えております。 なお、がんセンター新潟病院では、院内の中長期計画の策定などを通じて、こうした高度医療機器の維持、導入等についても検討しており、がん専門診療施設としての機能の整備・充実に努めながら、今後一層、がん治療機能の向上に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、診療報酬改定による県立病院の経営改善への効果についてでありますが、今回の改定は、診療報酬本体が0.55%の引上げ、薬価等が1.01%の引下げとなり、全体でマイナス0.46%の改定となっております。 県立病院の経営への影響といたしましては、例えば、救急病院における勤務医の働き方改革への対応として、救急搬送された患者を一定数以上受け入れている中央病院や新発田病院などでは、新たな加算によりプラス効果がある一方、人工腎臓に関する点数引下げにより、透析を行っている病院ではマイナスの効果が見込まれます。 なお、改定の詳細な内容は3月上旬に明らかになる予定であり、現時点では今回の改定の影響全体を具体的に試算することはできませんが、全体としてマイナス改定であることから、県立病院の経営に対しても、厳しいものになると見込んでおります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 4点についてお答えいたします。 慈光寺の杉並木に対する県の評価についてでありますが、この杉並木は延長500メートルにも及び、推定樹齢300年を超えるものも多くあり、見事な景観を呈していることから、昭和50年に県の天然記念物として文化財指定を行いました。 また、慈光寺スギ並木を守る会による樹木管理や環境整備などの熱心な保存活動等を通じて、現在まで良好な状態に保たれており、県を代表する並木の一つとして貴重なものであると認識しております。 次に、国指定文化財となることのメリットと課題についてでありますが、国指定文化財になることで、地域の方々がその価値を再認識し、保護意識が高まるとともに、国の補助事業の利用が可能となり、一層の保存・継承につながるものと考えております。さらに、全国的な認知が進むことから、地域振興に向けた活用も期待されるところです。 一方、国指定を受ける上での課題として、文化庁からは、全国的に見た場合の並木の文化的・歴史的価値等の整理や長期的な管理計画の策定などが挙げられております。 県教育委員会といたしましては、関係者の意向を踏まえつつ、五泉市とも連携を図りながら、国への情報提供等に努めてまいります。 次に、いじめ防止基本方針の徹底についてでありますが、平成30年9月に提出された第三者委員会調査報告書の指摘や提言を受けて、今年度、県教育委員会はいじめ対策の再構築に取り組んでおります。 2つの報告書で指摘されているいじめ防止基本方針に基づく対応の徹底のためには、学校の組織力の強化が不可欠であると考えております。そのため、全県立学校にいじめ対策推進教員を配置し、いじめに関する情報集約を担当するほか、校内研修などを実施しております。 また、教職員一人一人に、いじめはどこの学校でも起こり得るとの危機意識の下、いじめに対する理解を浸透させることが課題であり、その実現が組織力の強化につながり、基本方針に基づく対応の徹底にもつながると考えております。 次に、いじめ対策の今後の課題と取組方針についてでありますが、今年度、いじめ対策の再構築に取り組んでまいりましたが、2つの報告書により指摘されている、教職員のいじめの定義を含む法令理解の不足や、多発するSNSに関するいじめへの対応が不十分であることなどが課題として明らかになりました。 今後、県教育委員会といたしましては、いじめ対策の再構築の取組を継続していくことを基本方針とし、各学校において、教職員に加え生徒・保護者のいじめ理解を深めるためのスクールロイヤーを活用した研修等の実施や、SNS教育プログラムを年間計画に位置づけた実践を進めるとともに、いじめ対策総点検を通して学校の取組状況の検証などを行ってまいります。 ○副議長(桜井甚一君) 小島義徳君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時52分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時10分 開議 ○議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 佐藤久雄君の発言を許します。佐藤久雄君。   〔佐藤久雄君登壇〕(拍手) ◆佐藤久雄君 無所属の佐藤久雄でございます。通告に従い、順次お伺いをいたします。 まず、新型コロナウイルスによる肺炎への対応についてであります。 政府は、15日、新型コロナウイルスによる肺炎対策として、これまでの水際対策重視から転換し、検査・治療のできる医療機関を拡充するなどの対策を加速する方針を決定しました。また、日本感染症学会は、既に町なかで散発的な流行が起きてもおかしくないと警鐘を鳴らしております。 そこで、第1の質問であります。 県内で新型ウイルスによる肺炎が流行するおそれもあると考えますが、県内医療機関の現状の対応能力はどのくらいで、今後どの程度拡充するつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。 県の調査によれば、平成30年3月末現在の県内の企業の海外進出は、中国の65社をはじめとする104社に上り、グローバル化が進んでおります。 そこで、第2の質問であります。 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの県内企業の経済活動が阻害されることが懸念されます。県内経済に与える影響を伺うとともに、一時的な業績悪化による資金不足には、県はどのような対策を講ずるか、知事の御所見をお伺いいたします。 第2に、柏崎刈羽原発の安全性についてであります。 知事は、就任以来、3つの検証結果が出るまで再稼働の議論はしない旨を堅持しております。 そこで、第1の質問であります。 最終的には専門家の知見を参照するにしても、再稼働の議論を一切拒み、当県議会から遮断するのは思考停止も同然であります。当県議会でも再稼働を含めた原発の議論を活発に行い、専門家の検証と当県議会の議論を並行させ、その相互作用からあるべき姿を求めていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 広島高裁は、1月17日、伊方原発3号機の運転差止めを求め、50キロ圏内の山口県東部の3つの島の島民3名が申し立てた仮処分の即時抗告審で運転差止めを決定しております。 この決定は、四国電力の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分であるとし、原子力規制委員会の安全性に問題がないとの判断に誤りがあると指摘をしております。我々は、この決定に学び、柏崎刈羽原発の安全性を検討する必要があります。 そこで、第2の質問であります。 東京電力は、平成29年6月、「柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉火山影響評価について」を発表しております。これによれば、発電所に影響を及ぼし得る33火山を評価し、降下火砕物が敷地に影響を及ぼす可能性は十分に低いと結論づけております。 しかし、気象庁の常時監視対象の活火山、焼山が柏崎刈羽原発から76キロの距離にあることや、今回の伊方原発の運転差止め決定を踏まえ、東京電力の33火山の評価をどのように考えるか、知事の御所見をお伺いいたします。 津波堆積物研究の第一人者、平川一臣氏は、東日本大震災の発生規模及びその発生の範囲は約1,000年前の貞観地震に酷似しており、そして、おおむね同時期に佐渡北方沖地震が発生しているので、佐渡北方沖地震がいつ起きてもおかしくはないと論じております。 もし所論のとおりであれば、柏崎刈羽原発が過酷事故に遭遇する可能性は高いと思料されます。 そこで、本項目第3の質問であります。 県が平成29年11月に発表した津波浸水想定図では、想定9地震による柏崎刈羽原発の津波水位は4.4メートルであります。同原発の1号機から4号機までの防潮堤及び5号機から7号機に至る防潮堤はともに15メートルであり、浸水想定をクリアしているかに見えますが、それらの液状化による過酷事故が懸念されておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 報道によれば、避難委員会の関谷委員長は、事故の初動時に県民へ情報を伝えることは不可能で、安全に避難できる条件が整っていないと述べ、その理由を委員会で指摘された多くの課題につき、東京電力や原子力規制庁から十分な説明を得ることができなかったと述べております。 そこで、第4の質問であります。 当委員会は、2017年8月に設置され、約2年半経過しております。関谷委員長指摘のとおり、いまだ安全に避難できる条件が整っていないのであれば大きな問題であり、その原因が東京電力、原子力規制庁から十分な情報を得られていないのであれば、ゆゆしき事態であります。避難委員会が東京電力、原子力規制庁に求めている安全に避難するための情報とは何か、お伺いをいたします。 また、東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働を目指している以上、再稼働の大前提として、県民が安全に避難できる情報を提供するのは当然であります。県は、避難委員会が指摘している問題の解決のため、今後どう対応する方針か、併せて知事の御所見をお伺いいたします。 次に、昨年11月の避難訓練に、東京電力はスクリーニングや簡易除染の要員を参加させていますが、その際の最大の問題は、事故となれば避難者が何万人単位となり、検査要員は確保できるかというものでありました。 そこで、第5の質問であります。 報道によれば、1月21日の知事と東京電力の小早川社長との会談で、緊急時対応要員を確保するため県が求めている協定について、小早川社長はしっかりと対応したいと県への協力を表明しておりますが、東京電力は過酷事故の懸念があればその対応に精一杯で、スクリーニング等に社員を割く余地があるのか極めて疑問であります。 東京電力がスクリーニングに関わるあまり、過酷事故対応が手薄になるのであれば本末転倒であります。事故発生時には、東京電力が総力を挙げて過酷事故を未然に防止すべきであり、県が担うべき緊急時対応は県でその要員を確保・訓練し、県が責任を持ってその任に当たるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 第3に、園芸基本戦略についてであります。 唐の太祖、李世民は、その名著「帝範」で、それ食は人の天たり、農は国の基なりとその後継者、高宗に教えております。天が人にとって大切であるように、食もまた天と同じく大切であります。それゆえに、農業は国の基本であります。 そこで、本県農業は県の基となっているかの観点からお伺いをいたします。 我が国が米を最も多く生産したのは昭和42年の1,445万トンでしたが、今日は700万トンと半減をしております。加えて、米価低迷が農家経営を苦しくしております。 そこで、第1の質問であります。 県は、昨年7月、園芸振興基本戦略を策定し、園芸拡大にかじを切りました。本県農業を再生するには園芸振興が重要であり、そのためには注力すべき分野や作物を重点化するなど、より一層戦略性が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、基本戦略では販売額1億円規模の園芸産地の創出を打ち出しております。 そこで、第2の質問であります。 県は、産地と県、関係機関等が一体となり、産地の特性や優位性を最大限に発揮できる産地計画を策定する方針を打ち出し、新年度予算案に園芸振興基本戦略推進総合対策事業費3億9,000万円を計上し、産地自らの問題解決に向けた取組を支援する方針であります。 産地計画の中でも工夫を凝らし、成果を期待できるものには予算を傾斜配分するなど、競争原理を導入すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 農林水産省は、本年1月、2018年の農業産出額を公表しました。同年の県農業産出額は2,462億円で、ピーク時の1994年の4,169億円の約6割まで落ち込んでおります。他方、農家数も2018年は7万8,000戸で、1994年の14万3,000戸に対し55%と半減しております。 米の消費量が減少し、米価が低迷する中でも農業の担い手を確保するには、もうかる農業を構築する必要があります。2018年の本県の園芸作物の産出額は526億円で、米の産出額の1,445億円の4割以下であるのに対し、逆に山形県の園芸作物は1,255億円で、米の産出額835億円の1.5倍であります。 そこで、第3の質問であります。 県は、基本戦略の推進期間の2024年まで、園芸作物の産出額をどの程度まで増加させる計画か、知事の御所見をお伺いいたします。 第4に、県産米の輸出についてであります。 2018年11月、中国向け県産米輸出が解禁され、2019年1月に再開されてから1年間の対中国輸出実績は38トンで、福島原発事故前の2010年の77トンに比べ半減しております。 そこで、第1の質問であります。 人口14億人の中国の巨大市場には大きな可能性がありますが、県は中国向け県産米の輸出拡大に向け、今後いかなる手を打っていく方針か、知事の御所見をお伺いいたします。 県産米の対中国輸出の伸び悩みの原因として、薫蒸等の厳しい防疫条件があります。中国向けに輸出するには、中国が認め、農林水産省が指定登録した施設で精米、薫蒸する必要があります。我が国には精米工場が北海道、兵庫の2か所、薫蒸倉庫が北海道、山形、神奈川、兵庫、熊本等に7か所ありますが、県内にはありません。 そこで、第2の質問であります。 中国向けに県産米を輸出するには他県に頼らざるを得ず、輸送コスト等がかかり、対中国輸出への大きな制約となっております。今後、巨大市場の中国への輸出を戦略的に狙うのであれば、指定精米工場や登録薫蒸倉庫が不可欠であります。県は、それら施設の確保に向けて、これまで事業者等に働きかけてきたか伺うとともに、今後の対応方針について、併せ知事の御所見をお伺いいたします。 第5に、種苗法改正と遺伝子組換え食品対策についてであります。 2012年12月、調布市立富士見台小学校5年女子児童が給食を食べた後、死亡しました。死因は、アレルギーによるアナフィラキシーショックの疑いであります。 そこで、第1の質問であります。 厚生労働省は、「遺伝子組換え食品の安全性について」と題する小冊子で、組み込んだ遺伝子からできるたんぱく質がアレルギーの原因にならないか厳しくチェックしており、市場に出ない仕組みになっていると解説しておりますが、遺伝子組換え食品は世界26か国で生産されており、外国産食料に頼らざるを得ない我が国では、検査過誤等でそれが市場に出回り、子供の口に入らないとも限りません。 遺伝子組換え食品の安全性についての県の認識と、アレルギーを起こす遺伝子組換え食品の県内流通の可能性について、知事の御所見をお伺いいたします。 2018年4月、種子法が廃止されました。これに伴い、県は4月1日、新潟県主要農作物種子条例を施行しております。 そこで、第2の質問であります。 各種団体が種子法廃止に伴い、農家への種子の安定供給に影響が出ないよう県に要望した際、県は、今後とも予算化し、優良種子の生産と供給体制を堅持すると回答しております。 県は現在、財政危機で聖域なき改革を推進中でありますが、今後とも十分な予算を確保し、従来どおりの施策を継続することが県民の公共の福祉に合致すると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 県は、平成18年、遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例を施行しました。この条例は、遺伝子組換え作物の栽培等を規制し、一般作物との交雑や混入、そして生産・流通両面の混乱を防止することを目的とし、開放系一般栽培を行うには知事の許可が必要であります。 そこで、第3の質問であります。 これまでその許可申請がなかったこともあり、さらに一歩進めて本条例を改正し、本県では遺伝子組換え作物の栽培を一切認めないようにすることを提案いたします。 新潟県が他県に先駆け、遺伝子組換え食品を作れないオンリーワンの県となれば、本県が安心・安全な食料供給基地であることを全国の子育て世代や健康志向の方々にアピールでき、安心・安全な本県農産物のブランド化も可能と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 種苗法は1998年、植物の新品種保護のために制定されました。そして、その改正案が今国会に提出されようとしております。主な改正点は、優良品種の海外流出防止や農家に認められた自家増殖、自家採種を許諾制にするということであります。優良品種の海外流出が多発している現状、適宜適切な措置と言えます。 しかし、他方、自家増殖が許諾制になれば、在来種や固定種が大手化学品メーカーが開発するF1種に席巻され、遺伝子組換え食品の生産・流通拡大への道を開くのではないかとの懸念の声が、子育て世代を中心に私に寄せられております。 そこで、第4の質問であります。 知事におかれましては、全国の知事らと連携し、国会に種苗法改正案への慎重審議を求めるなど、子育て世代の不安の払拭に御尽力いただきたく、知事の御所見をお伺いいたします。 第6に、佐渡空港についてであります。 1985年4月、佐渡新航空路開設促進協議会が島内20団体を構成員とし、佐渡空港の滑走路2,000メートル化と大都市圏との新航空路開設を目指して設立されました。以来35年間活動が続いており、滑走路2,000メートル化は佐渡島民の悲願となっております。 この間、1991年の宮澤内閣、2009年の麻生内閣で民生安定と地域経済の活性化を掲げ、佐渡空港滑走路の2,000メートル化が閣議決定され、そして翌2010年、当時の泉田知事は佐渡-羽田線の飛行実績を重ね、滑走路2,000メートル化を実現する構想で、まず航空会社を60億円で設立し、ATR機を佐渡-羽田に飛ばす佐渡-羽田航空路構想の関連議案を県議会に提出しましたが、否決されております。 そこで、第1の質問であります。 県は、佐渡空港滑走路2,000メートル化と佐渡-羽田航空路開設構想を、今でも堅持していると確信をいたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。 2月4日、新潟市内で新潟空港活性化セミナーが開催され、トキエア構想が明らかにされました。これは地方間を小型機で結ぶLCCを設立する構想で、これが実現すれば、本州日本海側に拠点空港を置く初の航空会社となります。 そこで、第2の質問であります。 当日講演した事業予定者は、新潟発の地方ネットワーク航空の設立と新潟の経済の活性化を目指すと抱負を語っておられます。また、知事も地域や新潟空港の活性化につながり、県としても最大限対応していきたいと、トキエアの設立に協力姿勢を強調されておりますが、最大限の対応とはトキエアへの出資をも含むのか、その具体的な協力内容をお伺いいたします。 次に、佐渡空港の整備には総面積57万平方メートルが必要で、現空港の13万平米に44万平米の買い増しが必要であります。この44万平米の地権者総数は159名、うち6名が行方不明、141名が仮同意済みで、12名が未同意であります。この未同意者は、住居の移転を伴う地権者、その同意があれば同調する地権者等に分かれます。 家屋の移転を伴う地権者は、62年前の1958年、昭和33年の現空港建設当時から、県をはじめとする行政の事業の進め方に強い不信感を抱いてきました。そして、これが解決しないうちに、1993年8月、県から滑走路2,000メートル化計画を打ち出され、さらに一層紛糾をしております。 しかし、一昨年の花角知事誕生を境に、滑走路2,000メートル化で家屋の移転を余儀なくされる地権者から、県が我々の要望に応えてくれるのであれば、60年を超える紛争を乗り越え、県に協力したいとの声が上がっております。 我々地権者の人生は60年以上もめちゃくちゃにされた、しかし今となっては振り上げた拳を下ろしたい、こんなごたごたを孫子の代まで残したくないとの御意見であります。佐渡生まれの知事に60年も続いた問題を解決してほしいとの思いの表れであります。 そこで、第3の質問であります。 地権者の主な要望は、第1に現空港建設時の県をはじめとする行政の建設手法及び対応は誠に遺憾なもので、改めて陳謝すること。第2に新空港建設計画時に家屋の移転を伴うにもかかわらず、事前の説明がなかった点に瑕疵があり、改めて陳謝すること。第3に新空港について、国や県に建設促進の意向があるか確認をしたい等であります。 知事は、地権者の言葉に真摯に耳を傾けてください。私は、県がこれらを承諾すれば、地権者問題解決への道が大きく開かれると確信をしております。知事の御所見をお伺いいたします。 第7に、佐渡汽船等の諸課題についてであります。 2015年3月の北陸新幹線の開業に合わせて、翌4月に小木-直江津航路に新造船「あかね」が就航しました。初年度の乗客数は前年の13万人から大きく18万人となりましたが、以降漸減し、2019年は12万人となりました。 その原因は、「あかね」が波に弱く、激しく揺れることであります。その結果、長野県の修学旅行生等は激減しております。 そこで、第1の質問であります。 寺泊-赤泊を就航していた「あいびす」は、高波で頻繁に欠航したため、乗客が漸減し、ついに航路は廃止されております。 「あかね」の建造に当たっては、前轍を踏まぬよう、豪州のインキャット社と揺れについて十分協議したと考えられます。それにもかかわらず、乗客が再度の乗船を嫌がるほど揺れが発生することは、同社に瑕疵担保責任、特に隠れたる瑕疵を問う余地が十分にあると思料しますが、佐渡汽船はこの瑕疵担保責任を追及してきたか伺うとともに、筆頭株主の県はこの瑕疵担保責任をどう考え、佐渡汽船を指導・助言するか、知事の御所見をお伺いいたします。 佐渡汽船は、この「あかね」を売却し、小木-直江津航路に中古カーフェリーを就航させたい意向と仄聞しますが、上越市や佐渡市が建造費合計12億円を、県が損失補填12億円を出捐し、さらに同社が転換社債や銀行借入れで建造費を調達しておりますが、同社が売却方針を出すのは、揺れによる客離れを無視できないとの経営判断が働いたものと思われます。 そこで、第2の質問であります。 現在休止中の寺泊-赤泊航路を再開し、この「あかね」を投入することを求める島民の声が少なからずあります。小木-直江津航路が外海であるのに対し、寺泊-赤泊航路は内海と言ってよく、波は比較的穏やかと考えられます。しかも、同航路は小木-直江津航路の78キロ、新潟-両津航路の67.2キロに対し46キロと短く、輸送コストの面から乗客のほか貨物輸送に適しております。 県は、筆頭株主として寺泊-赤泊航路の再開と「あかね」の同航路への投入を佐渡汽船に申し入れるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 「あかね」は、2015年4月、北陸新幹線との連携によって、主に関西、中部等からの観光客を取り込むことが期待され、就航しました。そして、今年は佐渡金銀山の世界遺産登録の国内推薦への期待が大きく高まっております。この点からも、具体的に関西、中部等からの観光客の呼び込みに条件が整いつつあります。 そこで、第3の質問であります。 これらの状況から、今後、北陸新幹線速達型「かがやき」の上越妙高駅への停車がますます重要になることから、その実現に向けて国やJRに対し積極的に働きかけていただきたく、知事の御所見をお伺いいたします。 以上をもちまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の医療体制についてでありますが、新型コロナウイルスの感染が疑われる方の診察を行う帰国者・接触者外来を県内25医療機関に設置し、検体の採取等を実施しております。 検査の結果、新型コロナウイルスの感染が確認された方については、感染症法に基づき、感染症指定医療機関に入院し、必要な医療を提供する体制としており、現在、6病院に36床の感染症病床を整備しております。 また、万が一、県内で感染が拡大した場合を想定し、医療体制の拡大等について、医師会や医療関係者等の関係機関と協議を重ねているところであり、今後とも、国と緊密に連携を図りながら、万全な対応に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大による県内経済への影響と対策についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国政府による団体旅行の停止措置に伴うキャンセルが、一部の宿泊施設に出ているところであり、中国に進出している企業や取引先のある企業については、現地工場の操業停止や仕入れ商品等の納期遅延など、事業活動に広範な影響が出ております。 今後、事態の長期化に伴い、県内企業の業績や資金繰りの悪化なども懸念されるところです。 県といたしましては、中小企業相談窓口において資金相談に応じる体制を整えるとともに、利率を自然災害並みとした新型コロナウイルス感染症対策特別融資を創設したところです。 あわせて、このたび国が実施する信用保証制度に本県が指定されるよう要請しているところであり、引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 次に、柏崎刈羽原発の安全性についてお答えします。 まず、柏崎刈羽原発の再稼働の議論についてでありますが、再稼働問題につきましては、私といたしましては、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、議論を始めることはできないと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の火山対策についてでありますが、第一義的には、原子力発電所の安全規制に対し、一元的な権限と責任を有する原子力規制委員会が対応すべきことと考えております。 柏崎刈羽原発の火山対策については、原子力規制委員会の審査の中で確認されており、昨年度、技術委員会において、原子力規制庁から審査内容の説明を受けたところです。 県といたしましては、引き続き技術委員会において、原子力規制委員会の審査内容に疑問が残る点について、確認していただきたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の津波対策についてでありますが、津波や液状化対策についても火山対策と同様に、原子力規制委員会の審査の中で確認されており、昨年度、技術委員会において、原子力規制庁から審査内容の説明を受けたところです。 県といたしましては、引き続き技術委員会において、原子力規制委員会の審査内容に疑問が残る点について、確認していただきたいと考えております。 次に、避難委員会で指摘されている問題の解決等についてでありますが、原子力災害時に安全に避難するための情報とは、避難委員会の論点整理に記載のあるとおり、初動期の事故情報及び放射線情報です。 また、避難委員会で、東京電力や国に対して指摘のあった事故時の情報伝達等に関する問題については、東京電力と国に、しっかり対応するように求めております。 次に、緊急時対応の要員の確保等についてでありますが、県では、緊急時対応に備え、原子力災害対策本部要員を指定し、研修や訓練を繰り返し行うことによって、対応力の向上を図っております。 なお、国の防災基本計画において、住民等のスクリーニング及び簡易除染については、地方公共団体と原子力事業者が、国の協力を得ながら行うこととされております。 県といたしましては、原子力事業者等と十分に連携をし、あらかじめ人員の確保や役割等について決めておくことで、実効性を高めてまいりたいと考えております。 次に、園芸振興基本戦略についてお答えします。 まず、戦略性を持った園芸振興についてでありますが、戦略策定の委員会においても、議員御指摘の重点作物の設定が議論されました。 この中で、新潟のような広大な県土において、土壌・気象等の自然条件と併せ、これまでのノウハウや、機械・施設等の利用可能な農業資源をはじめとする生産条件など、様々な地域条件を考慮し、適地適作の基本に立って、産地の創意工夫で品目を設定することとしたものです。 品目を県が指定するのではなく、産地自らが選定することで、関係者がお互いに目標を共有する大切なプロセスになっているものと考えております。 次に、園芸産地の育成に向けた支援についてでありますが、園芸生産の拡大でもうかる農業を実現していくため、現在、県内全ての地域振興局において、市町村や関係機関・団体と一体となった推進チームが、真剣に産地計画を検討しております。 県といたしましては、これらのうち、より熟度の高い計画から支援し、さらに検討が必要な計画はブラッシュアップし、計画の実現を伴走型で支援してまいりたいと考えております。 次に、園芸振興基本戦略と産出額についてでありますが、昨年7月に策定した基本戦略は、推進期間を令和元年度からの6年間とし、新たに園芸に取り組む農業者の拡大や、消費者からも認知され得る販売額1億円以上の産地の倍増を目標としております。 これは、園芸振興に向けて県内各地の取組を促すためにも、分かりやすいメッセージの発信を意識しており、50億円以上の販売額増加を目指すものです。 今回の基本戦略を契機に、本県においても園芸振興の取組を一層拡大させ、農業の成長産業化を進めてまいります。 次に、県産米の輸出についてお答えします。 まず、中国向け県産米の輸出についてでありますが、令和元年度の本県産米の輸出量は、3月までの予定を含めると50トン程度になるものと見込んでおります。 輸出が再開された当初は、原発事故の風評や新潟米の認知度低下を不安視する声もありましたが、輸出事業者からは、食品バイヤーの招聘や現地での販促プロモーションに取り組んできたことにより、新潟米への引き合いが徐々に高まっていると聞いております。 来年度もこうした取組を継続し、現地小売店等と米輸出事業者の結びつきを強めることにより、さらなる輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、中国向け米輸出のための施設の確保についてでありますが、県では、これまで関係者に対し、指定・登録に向けた手続や、日本米の需要見込みなどについて情報提供を行ってまいりました。 その結果、精米工場については、現在、民間の施設において指定の前提となる調査が行われております。 また、薫蒸倉庫につきましては、新潟東港内の県有薫蒸倉庫を登録するための国内手続が完了し、来年度、必要な施設改修を行うこととしております。 次に、種苗法改正と遺伝子組換え食品対策についてお答えします。 まず、遺伝子組換え食品の安全性等についてでありますが、国内で流通している遺伝子組換え食品は、食品安全委員会において、アレルギー誘発性の有無も含め、科学的な根拠に基づく評価がなされており、安全性については問題ないものと認識しております。 また、安全性審査を受けていない遺伝子組換え食品は、食品衛生法により、その製造、輸入、販売等が禁止されており、県内に流通する可能性はないものと考えております。 次に、優良種子の安定供給についてでありますが、本県においては、主要農作物種子の安定供給を目的に、新潟県主要農作物種子条例を制定したものであり、必要な予算案を議会にお諮りした上で、引き続き、本県農業者への優良種子の安定供給に万全を期してまいります。 また、そのための安定財源確保に向け、引き続き知事会等を通じ、国に対し要請してまいりたいと考えております。 次に、遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例についてでありますが、本条例は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律を踏まえて制定したものであり、この法律においては、遺伝子組換え作物の栽培を認めないことは規定されておりません。 このため、条例で栽培を一律規制することは、法令で定める範囲を超える規定を設けることとなり、慎重な検討が必要と考えております。 一方、議員御指摘のとおり、本県が安全・安心な食料供給基地であることは重要と考えておりますので、県といたしましては、県産農産物の安全・安心の確保とブランド化に積極的に取り組んでまいります。 次に、種苗法の改正についてでありますが、近年、国内で開発された品種が海外に流出し、栽培が広がっている問題を受け、先般、農林水産省は改正法案を関係者に示したところです。 改正法案では、育成者の権利保護を目的に、登録品種の自家増殖に許諾制が新たに導入されますが、登録品種以外の在来種などは許諾制の対象とならず、従来と同様に自家増殖ができるとされております。 また、本県は遺伝子組換え作物の栽培について、条例で県の許可が必要であること、無断での栽培や虚偽の許可申請、命令違反した者への罰則などを規定し、実質的に県内での栽培を規制しております。 県といたしましては、種苗法の改正について今後の動向を十分注視するとともに、関係者の皆様に、条例の趣旨など関連する情報をお伝えしてまいりたいと考えております。 次に、佐渡空港についてお答えします。 まず、佐渡空港滑走路2,000メートル化と佐渡-羽田航空路開設構想についてでありますが、佐渡空港滑走路2,000メートル化が実現することにより、大都市圏の空港へ乗り入れが可能となることで、さらなる交流人口の拡大など、地域の活性化につながるものと期待しております。 また、過去の佐渡-羽田航空路開設構想は、県と佐渡市により航空会社の設立と機材調達を行う計画でありましたが、将来的な負担が不透明でリスクが大きいことなどから、県議会において否決されており、佐渡と首都圏とを結ぶ航空路は、地域の活性化を図る上で有効なものと考えているものの、現在、このような取組を進めることは考えておりません。 いずれにいたしましても、まずは、現在の空港を活用した佐渡-新潟線の運航再開に向けて、佐渡市と十分調整しながら取組を進めることにより、滑走路2,000メートル化などへつなげてまいりたいと考えております。 次に、新潟空港を拠点とする航空会社の設立構想への県の協力についてでありますが、これまで、事業会社の設立に向け、県の補助金や、にいがた産業創造機構の支援メニューを紹介してきたところです。 この構想は民間主導で進められるものと認識しており、県による出資は考えておりませんが、県といたしましても、国との調整が生じる場合に相談に応じるほか、運航開始の際には、利用促進に係る支援を検討するなど、地元経済界と連携しつつ、熟度に応じた最大限の対応をしてまいりたいと考えております。 次に、佐渡空港拡張整備関連地権者からの要望についてでありますが、佐渡空港拡張整備計画の空港予定地が、度重なる地元調整の結果、現在の位置になった経緯などから、一部の地権者に行政に対する不信感があり、用地の提供に御理解をいただけない状況であると認識しております。 県といたしましては、交渉に主体的に取り組む佐渡市と十分調整しながら、地権者からの同意取得に進展が図られるよう対応してまいりたいと考えております。 次に、佐渡汽船等の諸課題についてお答えします。 まず、小木-直江津航路の「あかね」に係る瑕疵担保責任についてでありますが、船舶の導入については、佐渡汽船が経営判断に基づいて行っているものでありますが、佐渡汽船では「あかね」の揺れについて、積載貨物の損傷発生など運航への著しい支障が生じていなかったこと等から、瑕疵担保責任を問うことは困難と判断したと聞いております。 県といたしましては、会社の判断を尊重してまいりたいと思いますが、現に「あかね」の揺れを指摘する声があることも踏まえ、今後、船舶の導入に当たっては、設備や性能等について十分な検討に努めるべきことを佐渡汽船に求めてまいります。 次に、寺泊-赤泊航路の再開等についてでありますが、当該航路は開設以来、慢性的な赤字が続いていたことや、船員確保が困難な状況にありましたが、存続の可能性を求め、週末中心の限定運航など、佐渡汽船と関係者が連携の下、利用促進に取り組んだものの利用が伸びず、その後の地域住民参加による協議会での議論や、県・関係市トップの会議を経て、航路廃止に至ったものです。 こうした経緯に加え、佐渡汽船の依然として厳しい経営状況や船員不足の状況を考慮すると、仮に「あかね」を投入するにしても、航路再開については極めて難しいものと考えております。 次に、北陸新幹線「かがやき」の上越妙高駅への停車についてでありますが、「かがやき」の県内駅停車の実現に向けては、これまでもJRに対して具体的なダイヤを提示しながら、沿線市とも連携し、要望を行ってきたところです。 議員御指摘のとおり、佐渡金銀山が世界遺産登録の国内推薦候補に選定されることにより、上越妙高駅の利用客の増加が見込まれ、「かがやき」停車の重要性が高まることから、国やJRに対してより一層積極的に働きかけてまいりたいと考えております。   〔佐藤久雄君登壇〕 ◆佐藤久雄君 3点ほど再質問させていただきます。 避難委員会の、東京電力や原子力規制庁から十分な説明をいただいていないということにつきまして、これは国ではなくて、県がどう対応するかという観点からお伺いをしたいと思っております。 といいますのは、例えば30キロ圏内で屋内退避といいましても、正確な情報が入らないと疑心暗鬼になって、恐らく我勝ちに避難するとか、そういう状況が起きてくるのではないか。結果、パニックになってくる。ですから、東京電力にしましても、原子力規制庁にしましても、正確な情報をとにかく避難委員会に出してもらう。これが再稼働の大前提ではないかと私は思っております。 それから、第2点目は種苗法改正についてでありますけれども、遺伝子組換え作物を作付させないというのは、法令を超えるものであるという御答弁がありましたけれども、本当にそうでしょうか。 条例は、上乗せ条例も認められております。法律よりもさらに一層厳しくすることも、条例は認められていると思います。その一例として、今治市は遺伝子組換え作物を作った場合には罰則規定を設けているわけです。 ですから、これはまだ知事に検討の余地が残されていると思います。上乗せ条例というのは認められておりますから、ぜひとも検討していただきたいと思います。 それから、地権者の問題でありますけれども、一昨年から、知事が6月10日、知事選を戦われまして、明けて7月に地権者の皆さんは私に話をしてまいりまして、とにかく振り上げた拳を下ろしたい。知事にお会いしたい。和解したい。そのように訴えられておるわけでありますから、この辺の、地権者の皆さんの心情を十分理解されて、前向きに検討していただきたいと思います。改めて知事の御所見をお伺いいたします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の再質問にお答えしたいと思います。 3つほどございましたけれども、まず第1点目の避難委員会において、事故情報の正確性の担保とか、放射性物質放出の評価。そういったことについてまだ十分、国や東京電力が説明をしてくれていないという関谷委員長のお話があり、そのことについてしっかり対応してほしいと、県は、国や東京電力に申し入れております。近々にも、再度説明なさるというふうに聞いております。 それから、2点目の遺伝子組換え作物の栽培の話でございましたが、法律を超えて条例が規制をすることができるかということについての一般論の、法律論は別にしまして、可能な場合もあると思いますけれども、それは法律の趣旨、全体の趣旨や規定の仕方等、十分慎重な検討が必要であるというふうに思っております。先ほども慎重な検討が必要というふうにお答えしたところです。 そして、3点目の地権者の方と面談することについてでありますけれども、交渉に主体的に取り組む佐渡市と十分調整させていただきながら、検討してまいりたいと考えております。   〔佐藤久雄君登壇〕 ◆佐藤久雄君 2点目の遺伝子組換え食物につきましては、私は今まで関心の薄かった分野であるのですけれども、やはり子育て世代の皆さんが、非常に不安を覚えておられる。それを踏まえた上での質問であります。 それから、例に出しました今治市の罰則規定。これは上乗せ条例という専門用語があるわけですから、法律を超える厳しい条件で条例を定めることは可能です。ぜひとも検討していただいて、前向きに、やはり子育て世代の皆さんに安心していただけるような、安心・安全の食料生産基地、供給基地というのを県が目指すべきではないかと思います。再度お願いをいたします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の再度の質問についてお答えしたいと思いますが、私も上乗せ条例を否定しているものではございませんけれども、先ほどもお答えしたように、慎重な検討が必要と考えております。 ○議長(岩村良一君) 佐藤久雄君の質問は終わりました。 次に、飯野晋君の発言を許します。飯野晋君。   〔飯野晋君登壇〕(拍手) ◆飯野晋君 飯野晋でございます。初めて一般質問します。この場に立たせていただけることに心から感謝するとともに、新潟県議会をもっと身近に感じていただくため、聞いていただく全ての方に分かりやすい質問となるように心がけて、一生懸命質問します。よろしくお願いします。 まず、1つ目の質問項目、東京一極集中について質問します。 私は、経済産業省や2度の地方勤務、そしてアメリカテキサス州での2年間の留学経験を通じて、東京一極集中による地方の疲弊や衰退が、やがては東京や日本全体の衰退へとつながる危機感を持っています。 アメリカでは、各州、各都市が地域主導で競い合うように経済発展に取り組む中で、特色ある産業が育成され、北東部から南西部に向けて経済発展が分散しています。 一方、もともと人口、経済、政治、文化が東京に集中する構造にある日本は、アジア諸国とのグローバルな都市間競争の中で、国も首都圏機能をむしろ強化しており、首都圏へ経済発展がさらに集中しています。 新潟から日本をよくしたいと思い、6年前に新潟市の公募区長に手を挙げて、父の故郷新潟に骨を埋める覚悟で飛び込みました。行政の最前線の現場で見たのは、衰退する公共交通網。公共交通空白地域では、雪の日に高校生が最寄りの駅まで行くことができず、やむなく何日も休ませた話を独り親のお父さんから聞きました。 ほかにも不足する地域の担い手や後継者、維持することも難しい公共インフラ、人口減少を背景とした危機的な財政状況など、疲弊する地方は大変厳しい状況に置かれています。 花角知事は、財政基盤強化や医師不足解消など、他県との連携や国への要望活動などを通じて精力的に取り組まれており、東京一極集中にも強い問題意識を持たれていると思います。 そこで、以下の質問をします。 初めに、東京一極集中の現状認識について。 新潟県の人口減少数は年間2万人を超え、人口減少が加速しています。首都圏への人口流出も加速しており、東京一極集中が新潟県の人口減少の大きな要因となっています。長年にわたる東京一極集中は、首都圏との所得や生活面で格差を広げ、さらなる人口流出を生み出す状況に陥っています。東京一極集中に対する知事の見解を伺います。 2つ目に、衰退する公共交通基盤について。 本県の乗合バス輸送人員は約15年で2割減少し、不採算路線の廃止により公共交通空白地域も生じています。新潟市北区の空白地域では、行政によるデマンド交通システムの社会実験が行われていますが、地元の運営による自立化が課題となっています。 住民の足である公共交通の衰退は、地方部の暮らしやすさや生活利便性を大きく損ねています。貨物と旅客の一体運送、いわゆる貨客混載、スクールバスや福祉バス等の活用、いわゆる多目的バス、サービスとしての移動、いわゆるMaaSなど、新たな概念で公共交通基盤を再構築すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 3つ目に、格差を助長する税財政制度について。 現在の地方税財政制度は、厳しい財政状況下で人口減少対策にあえぐ地方部から比較的財政に余裕がある都市部へ税財源がシフトしており、現状の財政需要を的確に反映していません。この制度的問題が新潟県を含む地方部の財政を圧迫し、東京一極集中により生じた地方部と都市部の格差をさらに広げています。この認識に対する知事の見解を伺います。 また、新たに設けられた偏在是正措置の新年度予算への反映、及びさらなる制度改革に向けた抜本的見直しに対する知事の思いについて伺います。 4つ目に、地方に厳しい老朽化インフラの更新・維持管理について。 高度経済成長期に一斉に整備された本県の道路インフラの橋梁は、10年後には建設後50年を経過する割合が56%に急増するとのことです。計画的に更新・維持管理の投資を行うことによって、将来の財政負担を軽減することができると考えます。 人口減少下で現行インフラを継続させる必要も考慮して、具体的な更新・維持管理の内容と、その費用を道路施設の維持管理計画に盛り込み、県民に理解を求めながら更新・維持管理を確実に進めるべきと考えますが、所見を伺います。 5つ目に、進学期の人口流出対策について。 県は、進学期の人口流出の課題として、大学等の高等教育機関の受皿づくりを掲げています。 昨年3月の県内高校生の大学等進学者数9,142人に対して、県内大学等の入学定員は7,004人となっています。県内私立大学13校中7校が定員割れしていますが、定員を上回る入学者を受け入れている大学もあり、全体の充足率は99%となっています。 県内大学等へ進学する県内高校生もいますが、県外からの県内大学等への進学者の受入れも考慮すると、県内高校生の大学進学者数と同程度の県内大学等の入学定員が必要であり、その拡大を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、首都圏の大学の定員管理の厳格化や定員増の規制も行われていますが、さらに進んで首都圏大学の入学定員の縮小を図るよう、国に強く働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 2つ目の質問項目、地域協働について伺います。 人口減少、少子高齢化、若者の人口流出の進展により、私も区長時代から様々な地域課題に向き合ってきました。高齢者の見守り、朝市の活性化、農業の後継者確保、自然環境の保全。地域の切実な問題が百出しています。 しかしながら、これら問題への対応を行政だけで行うことは、財政や人員の制約から、大変困難な状況にあると言わざるを得ません。もちろん地域や民間に投げても解決は難しく、行政としての役割を放棄することはできません。 地域で子育て家族の支え合い、若者と連携した魅力ある商店街づくり、住民と協働した海岸林の保全活動、大学生と地域が連携した児童生徒の育成など、行政頼りや民間任せ一辺倒ではなく、行政、産業界、地域、大学など、地域が進むべき方向を共有しながら、それぞれの強みを生かした地域づくりが必要不可欠と考えて、次の質問をします。 初めに、公民協働について。 厳しい財政状況の下、民間の創意工夫や資金、ノウハウのより一層の活用が必要です。昨年設置された公民協働の基盤となる、新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォームは重要な取組だと考えます。想定する公民協働の内容はどのようなもので、今後どのように進めていく方針か伺います。 また、PPP/PFI活用指針の見直しも含め、公民連携推進に向けた取組方針の策定の考えがあるか伺うとともに、新年度組織改正において行政改革課が設置されますが、民間からの提案や相談窓口に係る一体的な県の推進体制を整備する考えがあるか、併せて伺います。 2つ目に、支え合い・助け合いの仕組みについて。 県内高齢者世帯数は17.2万世帯、5世帯に1世帯が高齢者世帯であり、消費者トラブルや孤独死、生活意欲の低下、認知症の進行など、課題が顕在化しています。 「地域の茶の間」は、県が平成12年度新潟県長期総合計画でその普及を打ち出し、高齢者を含む地域の誰もが思い思いに時間を過ごせる居場所として広がりました。 今後の課題は、「地域の茶の間」に来られない高齢者への支え合い・助け合いの仕組みづくりだと考えますが、これからの高齢者の支え合い・助け合いについて、知事の考えを伺います。 3つ目に、地域の見守り・安全確保に取り組む青色防犯パトロール活動について。 地域で支え合いながら見守りを行い、安心・安全なまちづくりにつなげようとする取組に関心が高まっています。自主防犯ボランティアとして、青パト隊が地域で大変活発に活動しています。この活動の効果を上げるためには、実施団体と警察との緊密な連携が必要不可欠です。 各地域の警察署を連携拠点としての活用や、定期的な情報共有会議等の開催など、地域一体的な活動の推進やパトロールに関わる情報の提供、共有を図るべきと考えますが、所見を伺います。 4つ目に、コミュニティービジネスの取組方針について。 多様化・複雑化する地域課題を行政だけで解決することは困難です。社会的課題をビジネスの手法で解決するコミュニティービジネスが注目されています。新潟市北区では、CB南浜カンパニーが設立され、地域コミュニティーが松や松ぼっくりを活用したミニ盆栽を製作・販売して、その収益の一部で海辺の森の保全・再生活動を行っています。 新潟県においても、コミュニティービジネスによる地域課題解決の取組を促進するため、中間支援組織の体制強化、先進事例やノウハウの水平展開など、本格的に取り組むべきと考えますが、知事の考えを伺います。 5つ目に、コミュニティービジネスへの県職員の参画について。 コミュニティービジネスの成功の鍵は何より人材であり、地域課題解決の経験やネットワークがある県職員もプレーヤーとして重要な人材です。 県は、新潟県地域づくりサポートチームを各地域振興局に設置して、県職員をサポート役として、地域振興局の総合力を生かした地域づくり支援を開始しました。 これを一歩進めて、県職員の副業・兼業の基準を明確化するなど、県職員がコミュニティービジネスのスタッフとして地域課題解決の活動をしやすくするようにすべきと考えますが、知事の見解を伺います。 3つ目の質問項目、持続可能な社会について伺います。 スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが昨年、国連国際会議やCOP25で、経済発展がいつまでも続くのはおとぎ話。現存の排出量レベルでは、温室効果ガス累積排出量の上限に8年半以内に到達する。私たちや私たちの子供の世代に任せっきりで、私たちはリスクを受け入れられない、という表現で、今の社会システムが持続可能でないことを強く訴えています。 飛び恥と訳されるフライトシェイムという新語が登場して、オランダ航空会社、KLMは近距離の航空路線を鉄道に移すなど、若者の声は私たちの行動様式をも変えつつあります。 このように、世界では持続可能性の観点から地球温暖化に対する関心がかつてないほど高まり、具体的かつ速やかな対策が強く求められています。 新潟県民も、新潟県の環境について、今年度実施した県民アンケート調査の回答者のうち85.2%が、地球温暖化に関心があると回答しています。 持続可能な社会について、次の質問をします。 初めに、再生可能エネルギーの導入促進に向けた決意について。 新潟県は、豊富な水資源を生かした水力発電が他県に比べて多く、加えて、太陽光や風力発電にも適した長い海岸線を含む広い県土を持っています。新潟県が地球温暖化に率先して取り組み、次世代へ大切な地球環境を引き継ぐため、再生可能エネルギーの普及を確実に進めていく必要があります。 県は、2024年までに再生可能エネルギーの割合を52%まで引き上げる高い目標を掲げて取り組んでいますが、地理的特徴を生かした洋上風力発電や地熱発電の導入促進も含め、達成に向けた知事の強い決意を伺います。 2つ目に、再生可能エネルギーの導入促進に向けた電力系統の制約の解消について。 本県において再生可能エネルギーの導入に当たり課題となっているのが、電力系統の電力受入れ容量の不足による再生可能エネルギー発電設備の接続の制約です。再生可能エネルギーのさらなる導入促進に向けて、制約となるであろう具体的な電力系統に対して、国や電力事業者へ空き容量の活用だけではなく、系統の増設も含めた制約解消を強く働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 3つ目に、水素社会について。 中長期的な視野で重要となるのが水素エネルギーの活用です。国は、将来の目指すべき姿や目標を示して、コスト低減や利用拡大に取り組んでいます。水素は、低炭素化に加え、エネルギー調達リスクの低減、産業振興にも大きく寄与する重要なエネルギー技術です。 県も研究会などを立ち上げ、水素社会の実現に向け、水素ステーションの整備や燃料電池自動車などの普及促進、関連産業の振興に取り組んでいます。再生可能エネルギーの貯蔵技術としても水素が有望ですが、水素社会実現への知事の決意を伺います。 4つ目に、水害・土砂災害に備えた県の対応について。 海抜ゼロメートル地帯が全国有数の183平方キロメートルある越後平野は、豪雨、台風、津波など水害への対応が極めて重要な課題です。 近年の異常気象により、昨年の台風19号は10月に上陸して、各地に大きな被害をもたらしました。 新潟県は、6月から9月までを出水期として、集中豪雨による河川の急な氾濫に備えたダム貯水量の抑制を行っています。現在の出水期以外に大きな台風被害が発生しており、この出水期を見直すべきと考えますが、所見を伺います。 5つ目に、福島潟の水害対策について。 新潟市北区、新発田市、阿賀野市にまたがる福島潟は、13本の河川が流入し、新井郷川を経て日本海へ流出します。多くの水害が発生しており、平成10年には新井郷川周辺の多くの住居や農地に大きな浸水被害が出ました。 そのため、福島潟放水路から日本海へ流す、福島潟広域河川改修事業として整備が行われてきましたが、福島潟水門の整備も含めた事業の見通しについて伺います。 あわせて、福島潟に流入する大通川の河川改修事業の見通しについても伺います。 6つ目に、潟環境の保全と利活用について。 鳥屋野潟は、周辺に公共施設や公園、広大な田園が広がる、都心部のオアシスとなっており、また漁業も営まれてきました。かつて生活排水や農業排水の流れ込みで大きく汚染されましたが、行政のほか地元の熱心な取組で水質は向上し、鳥屋野潟の恵みを食するまでに至りました。 鳥屋野潟の健康診断という水質・底質の環境調査が行われ、水質も底質も安全という評価が出ています。 さらなる環境改善に向けて、しゅんせつ、流入水の水質改善、流入するごみの適正管理が求められますが、今後の県の取組について伺います。 4つ目の質問項目、農業問題について質問します。 農業には、雇用や生産といった産業の側面と、コミュニティー、伝統芸能、田畑、田園風景といった農村文化の側面があります。私も農業が盛んな地域で暮らして、農業の奥深さや重要性を改めて日々実感しております。 さて、我が国の米消費量は、人口減少と食生活の変化により一貫して減少を続けています。他方、世界人口は増加を続けており、海外需要は引き続き増加する見込みです。農業県新潟が今後も農業と共に発展するため、海外展開も含めた新たな需要創出が重要と考え、農業問題について次の質問をします。 初めに、米生産コスト低減に向けた県の取組方針について。 米輸出を増やすためには価格競争力が必要です。政府は、米の生産コストを10年間で60キログラム当たり1万6,000円から4割削減して9,600円とする目標を掲げました。実現には農地集積・集約、省力栽培技術の開発、生産資材費の低減が必要不可欠であり、土改水利費や地代・賃借料の大幅低減も課題です。米生産コスト低減に対する県の取組について伺います。 2つ目に、米生産コスト低減に向けた圃場整備について。 海外と競争するためには、経営面積の確保も重要です。県は、圃場整備を契機として農業法人の設立や農地集積の促進、複合営農の展開などが図られるとしています。財政が厳しく、投資事業を抑制せざるを得ない中、財源確保や県負担分の軽減も含め、いかにして圃場整備を進めるか伺います。 3つ目に、新たな米産業の創出について。 世界人口増加によるたんぱく質の供給不足、牛のげっぷのメタンガスによる地球温暖化、ハラールやベジタリアンなど、食のバリアフリーの需要を背景として人工肉が注目されています。 米国では、人工肉の食品テクノロジー企業が誕生し、大手ファストフードチェーンで商品化もされています。 また、亀田製菓株式会社のお米研究所では、研究室レベルで、全てお米で作ったハンバーガーの試作が可能になったと聞いています。 急速に広がる人工肉分野も含め、御飯として食べる以外の米需要を創造することは、米の市場価値を高め、米どころ新潟を支える新たな米産業となる大きな可能性を秘めています。 新潟から米のイノベーションを起こし、新たな食文化を創造し、国内外に発信していくべきと考えますが、新たな米産業の創出に向けた知事の決意を伺います。 4つ目に、農福連携について。 障害者の就労継続支援を行う福祉事業所、クローバーの利用者の3分の1が農福連携により農業に携わり、圃場作業だけでなく、蜂蜜や納豆など付加価値をつけた商品づくりにも参加しています。 また、昨年行政視察した、たくみファームでは、就労環境を工夫して、障害者が付加価値の高いブランドトマトを生産しています。 しかしながら、農福連携については、担い手として期待する農業者と、障害者の就労先として農業にもっと携わりたい福祉事業者のマッチングに課題があり、連携が十分進んでいません。農業振興にも大いに寄与する取組と考えますが、農福連携の課題と今後の対応について伺います。 5つ目に、農業の多様な価値の継承について。 農業や農村には、代々引き継いできた田畑、コミュニティー、伝統芸能、文化、農村風景、自然環境、治水や土地の保全など、米や野菜を生産する産業だけではない様々な大切な価値があります。 防災・減災や農村ツーリズムも含め、これからの新潟県の地域づくりにも、これらが果たす役割は大きいと考えますが、この多様な価値の継承についてどのように対応していくのか、知事の所見を伺います。 5つ目、最後の質問項目、産業政策について質問します。 これからを担う若者や子供たちが、新潟に希望を持って働き、暮らし続けたいと思うためには、活力ある産業を育成・発展させることが欠かせません。 現在、全国的に見て極めて低い起業・創業率と高い解散・休廃業率により、新潟県の企業数が急激に減少しています。 若者がチャレンジしやすい環境を整備するとともに、地域にとって大切な企業や産業は次の世代にしっかり承継する、また、そのための空港、港湾、工業団地といった産業インフラの整備は着実に前に進める必要があると考え、産業政策について次の質問をします。 初めに、チャレンジしたいと思う新潟について。 新潟県の人口流出が続いていますが、その大きな要因が学生や若者の県外への流出によるもので、就職や進学が主な理由です。首都圏に集まる学生や若者はチャレンジできる環境を求めていて、このような環境を提供していくことが、新潟県の人口流出を止める重要な対策だと考えます。 新年度の産業政策予算の一丁目一番地に掲げられた、起業・創業の推進について、知事の決意を伺います。 2つ目に、事業承継について。 70歳を超える中小企業経営者は245万人となり、放置すれば2025年頃までに650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があるとのことです。 事業承継については、国は個人版事業承継税制を創設するなど、支援を強化しています。 新潟県の休廃業・解散率は全国ワースト6位であり、県の対策にもかかわらず歯止めが利いていません。 より前向きな第2創業や、仮に廃業する場合にも設備や人材を経営資源として引き継ぎ、コストやリスクを抑えた創業を目指す、言わば、起業・創業支援と事業承継支援を併せた取組も考えられます。地域の大切な企業と雇用を守るため、事業承継にかける知事の決意を伺います。 3つ目に、空港・港湾の活性化について。 新潟空港や新潟東港・西港は、人・物・金の流れを新潟に生み出す極めて重要なインフラ施設であり、新潟経済の発展に大きく貢献してきました。新潟空港拠点の地域航空会社の立ち上げや、新潟東港の大型船航行安全の確保に向けた小型船の南浜船だまりへの移動の取組も含め、空港・港湾の活性化に向けた知事の所見を伺います。 4つ目に、産業集積に向けた企業誘致について。 アジア諸国の人件費増やメード・イン・ジャパン製品への需要の高まりにより、日本企業の国内回帰が見受けられ、国も税制措置を通じて本社機能の地方移転を進めています。 県は企業誘致に力を入れ、誘致企業と県内中小企業の産業クラスターを構築して、例えば、成長著しい食品テクノロジー分野や、機械化・自動化が進む農業機械分野、首都圏救援・代替機能といった防災分野の拠点化を目指すべきと考えます。今後の新潟県の企業誘致の取組について、知事の所見を伺います。 5つ目に、企業立地促進に向けた新潟東港物流団地の汚泥処理について。 放射性物質を含む汚泥の処分が進む新潟東港物流団地は、新潟東港に近接し、高速道路までのアクセスもよいため、県の企業誘致や地域雇用の創出を進める上で重要な県資産です。県の財産経営の観点からも、分譲による土地売却収入や県税収人を得る必要があります。 新工場の立地の国内回帰が続く中、新潟県は早期に汚泥を処分して、雇用や県収入につながる企業誘致を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 花角知事、そして執行部の前向きで分かりやすい御答弁をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 飯野議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、人口の東京一極集中についてでありますが、全国的に若者の東京圏への転出超過は増加傾向にあり、中でも20代前半で就職を機に転出する者が多く、本県も同様の状況になっております。 国の調査結果によると、東京圏への転入者は、仕事を選ぶに当たり、給与水準や自分の関心に近い仕事かどうかを重視しており、近年、男女ともに大学進学率、大手企業志向が高まっている中で、東京圏は高学歴者が希望する仕事が多く、大企業も集中していることから、地方からのさらなる人口流出につながっていると認識しております。 次に、今後の公共交通の考え方についてでありますが、人口減少等による利用者の減少や運転手不足により、地域の移動手段の維持・確保が厳しさを増している中、今後は、議員御指摘のスクールバス等の活用や、MaaS等新しいサービスの導入なども視野に入れ、関係者の合意形成を図りながら、地域の実情に合った公共交通を構築していく必要があると考えております。 県といたしましては、従来のバス路線の維持や、地域の実情に応じた移動手段の導入等に対する支援に加え、来年度は、自動運転やMaaS等の新たなモビリティサービスの導入や実証実験に対する支援を行うこととしており、引き続き、国や市町村と連携を図りながら、持続可能な地域公共交通の実現に努めてまいります。 次に、都市と地方の財政力格差の拡大とその見直しについてでありますが、地方から大都市への人口流出が進み、税源が大都市に集中する一方で、地域間の財政力格差を是正する役割を持つ地方交付税についても、財源が限られる中で都市部の社会保障関係経費への配分が増加しているため、地方部の財政は一段と厳しさを増していると認識しております。 このため、昨年来、地方法人課税の偏在是正により生じる財源を地方部へ重点配分するよう、国に対して要望を行い、地域社会の維持・再生に取り組むための新たな交付税措置が、人口が減少している団体等の経費を割増しする算定方法となり、本県としても50億円の配分を見込んでいるところです。 これまでも交付税の総額確保、税制の見直し、財源移譲等を全国知事会等を通じて国に対して要望してきたところですが、今後とも、安定的な地方財政制度の確立を求めてまいりたいと思います。 次に、県内大学等の入学定員増等についてでありますけれども、近年、相次ぐ大学の新設や学部の開設などにより、県内大学の入学者はここ2年で約300人増加し、入学定員も計画も含めますと令和3年度までに現在より約500人増えるなど、人口流出の抑制という点でも一定程度寄与しているところです。 しかしながら、既に定員割れの大学もあることや、今後18歳人口がさらに減少することを踏まえれば、単なる収容力の拡大ではなく、若者から選ばれる、魅力のある大学を目指す取組への支援がより重要になるものと考えております。 また、首都圏の大学の定員抑制につきましては、引き続き、全国知事会等を通じて他県と連携しながら要望してまいります。 次に、地域協働についてお答えします。 まず、公民協働についてでありますが、新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォームは、本県が抱える様々な困難な課題への対応等について、公と民が率直に議論し、知恵を出し合って具体的な行動に結びつけていくことを目的に設置したものです。 今後は、起業・創業の推進、新潟空港の活性化、防災産業クラスター形成など、公民協働にふさわしいテーマを設定した上で、県、市町村、経済界との間で、情報と認識の共有を図りながら、プロジェクトの具体化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 まずは、各プロジェクトの具体化に注力し、議員御指摘の公民連携取組方針の策定や相談窓口の設置などにつきましては、取組を重ねていく中で検討してまいります。 次に、高齢者の支え合い・助け合いについてでありますが、議員御指摘のとおり、高齢者世帯の増加により、様々な課題が顕在化していることから、「地域の茶の間」の普及と同時に、地域住民の互助による見守りや支え合いの取組を進めることが重要であると認識しております。 県といたしましては、こうした互助の取組が広がるよう、市町村による地域の実情に沿った生活を支える取組を引き続き支援してまいります。 次に、コミュニティービジネスによる地域課題解決の取組の促進についてでありますが、多様化・複雑化する地域課題を解決し、継続的に地域づくりを進めていく上で、コミュニティービジネスの活用も有効な手段の一つであると考えております。 本県においても、地域で、農産加工品の製造・販売、農産物直売所や農家民宿・レストランの運営などを行い、その収益を活用しながら地域住民の生きがいづくりや交流人口の拡大などにつなげている事例も多くあるものと認識しております。 県では、こうした地域の主体的な取組を促進するため、地域づくり専門家と協働し、地域づくりを進める人材の育成、中間支援組織等が取組を発表し合う磨き合いの場の提供などに、引き続き取り組んでまいりたいと思います。 次に、職員のコミュニティービジネスへの参加についてでありますが、職員が、地域振興などの社会貢献を目的にコミュニティービジネスの活動に参加することは、地域の活性化に資するとともに、公務では得られない知識・経験や人脈等を得ることにもつながるものと考えております。 このため、県では、働き方改革の取組の一環として、職員の社会・地域活動など業務外での活動を奨励するため、昨年、職員が報酬を得てこれらの活動に従事する場合における許可基準の明確化や手続の簡素化を行ったところであり、引き続き、多くの職員が社会や地域に貢献できるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、持続可能な社会についてお答えします。 まず、再生可能エネルギー導入目標の達成に向けた取組についてでありますが、県といたしましては、再生可能エネルギーを一定エリア内で生産・消費するためのシステム構築や自家発電・自家消費に係る発電設備等の導入を促進する取組等を進めております。 加えて、本県の地理的特性を生かした取組として、洋上風力発電の導入に向け、研究会を設置し、課題の整理や候補海域の絞り込みを進めており、地熱発電についても、妙高温泉エリアでの新たな事業化に向けた取組に協力しているところです。 今後こうした取組を通じて、本県の多様な地域資源を活用した、さらなる再生可能エネルギーの導入促進により、目標達成につなげてまいりたいと思います。 次に、電力系統への接続制約についてでありますが、議員御指摘のとおり、洋上風力発電等、大規模な再生可能エネルギーの導入促進には、電力系統接続の制約解消が不可欠であると考えております。 電力系統につきましては、国があらかじめ容量を確保することも検討されておりますが、県といたしましては、本県における早期の系統接続の課題解決が図られるよう、増設を含めた電力系統の強化や既存系統の最大限の活用について、引き続き国や電力会社へ要望してまいります。 次に、水素エネルギーの普及に向けた取組についてでありますが、水素の利活用を拡大することで、エネルギーセキュリティーの向上やCO2排出削減等が期待でき、県内産業の振興にもつながり得ることから、県といたしましても、平成29年度から水素関連の研究会等を立ち上げ、燃料電池自動車等の普及啓発の方策や水素供給体制の構築などの検討を進めてきたところです。 新年度は、小型燃料電池バスの開発をはじめ、再エネ由来水素供給設備の設置や、県内企業の水素関連産業への参入促進などの取組を進めながら、水素の利活用拡大を図ってまいります。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、圃場整備の推進についてでありますが、農地を担い手へ集積・集約化し、規模拡大や生産コストの低減により、効率的な営農の展開を図るとともに、園芸導入により経営の幅を広げて農家所得の向上を図るには、圃場整備は重要な事業であると認識しております。 このため、地域の事業実施に対する熱意をそぐことがないよう、新規採択に当たっては、すぐに工事が可能な区域を分割採択するとともに、事業実施に当たっては、国の補正予算など有利な財源の確保や、国庫補助率の高い事業の活用など、様々な工夫により、限られた予算の効率的な執行を図り、併せて地域に丁寧に説明を行い、理解を得ながら、圃場整備を着実に推進してまいります。 次に、新たな米産業の創出についてでありますが、本県は、米菓、切り餅、包装米飯、日本酒など、米を主原料とした食品産業が集積し、本県の基幹産業となっております。 この発展の背景には、日本の食料基地として米をはじめとする良質な農産物が生産されていることや、県の研究機関による技術の下支えがあったものと考えております。 県といたしましては、本県の強みである米について、その特徴や機能性を最大限生かし、新たな付加価値が期待できる米の活用技術の開発や需要開拓を産学官一体となって進めるなど、今後も新たな米産業の創出に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農福連携の課題と今後の対応についてでありますが、県内においても、農福連携の取組は、徐々に広がってきているものの、議員御指摘の双方のニーズをマッチングする仕組みづくりのほか、認知度の向上などが課題であると考えております。 県といたしましては、農業関係者と福祉関係者の相互理解の促進を図るとともに、新たに、県内各地域にマッチングを支援するコーディネーターを配置するほか、試行的に農福連携に取り組むモデル活動を実施するなど、農福連携を推進してまいりたいと考えております。 次に、農業・農村の多様な価値の継承についてでありますが、議員御指摘のとおり、農業や農村は、農業生産だけではなく、国土の保全や水源の涵養、良好な景観の形成、文化の伝承など、多面的な機能や価値を有しており、後世に受け継ぐべき県民共有の財産であると認識しております。 県といたしましては、多面的な機能や価値を有する本県の農村における農業をベースとしたその地域ならではの暮らしや、培われた技術・伝統文化を生かした都市住民等との交流などの取組を支援し、農業・農村の維持・活性化を図ってまいりたいと考えております。 次に、産業政策についてお答えします。 まず、起業・創業の推進についてでありますが、若者の人口流出の抑制やU・Iターンの促進に向けては、魅力ある多様な雇用の場を創出することが必要であるため、起業・創業を推進することが重要であると考えております。 そのため、NICOなどの創業支援プラットフォームや先輩経営者による起業家サポートネットワークをしっかり機能させるとともに、今年度新設されたスタートアップ拠点において、起業家や支援者等のコミュニティーを形成し、高成長な起業家の発掘や、事業立ち上げ初期の資金手当て等から、創業後の育成までの一貫した支援を行ってまいります。 こうした官民連携の支援体制をより一層拡大し、新潟が起業・創業を志す者にとって魅力的な場となるように取り組んでまいります。 次に、事業承継の取組についてでありますが、事業承継の推進に当たっては、事業引継ぎ支援センターや士業関係者など、県内の幅広いネットワークを通じて、個々の事情に応じた寄り添った支援を行うことで、後継者の確保や資産譲渡などの課題解決につなげてまいります。 また、議員御指摘のとおり、起業を目指す方と後継者不在の事業者のマッチングを進めることも効果的であることから、後継者バンク等を活用しながら、M&Aなどの第三者による前向きな事業承継を支援するなど、地域経済を支える企業活動と雇用の維持に、より一層力を入れてまいります。 次に、新潟空港や新潟港の活性化についてでありますが、空港や港湾の活性化は、本県の経済活性化や拠点化推進にもつながるものであり、大変重要であると考えております。 空港については、これまでも国内及び国際航空路線の充実や空港アクセスの改善などに加え、議員御指摘の地域航空会社立ち上げなど、空港や周辺エリアの利活用についても、検討を行ってきたところです。 また、港湾については、外貿コンテナ貨物取扱量の増加とこれに対応するための新潟東港コンテナターミナルの拡充や、議員御指摘の大型船の航行安全確保を図るための南浜船だまり整備も含め、港湾の機能強化に向けた取組を進めているところです。 引き続き、地元経済界等とも連携しながら、活性化につながる取組を進めることにより、地域経済が元気で活力のある新潟を目指して、空港と港湾のさらなる活性化を図ってまいります。 次に、企業誘致の取組と産業集積についてでありますが、県では、全国の企業に幅広く誘致を働きかけるとともに、進出企業や本県企業のサプライチェーンからターゲットを絞って重点的にアプローチするなど、戦略的かつ機動的な企業誘致に取り組んでいます。 こうした取組もあり、航空機関連や工作機械関連などで進出企業と県内企業の集積が図られつつあり、引き続き、太平洋側と同時被災しない地理的特性のメリットなどをアピールしながら、産業集積が進むよう、企業誘致に取り組んでまいります。 さらに、新年度予算案に計上している新たな支援策などを活用して、IT関連企業の誘致と集積を進めるとともに、本県の度重なる災害の経験を生かし、防災関連産業の集積に向けた環境づくりを進めてまいります。 次に、新潟東港物流団地への企業誘致についてでありますが、当団地は、新潟東港に近く、高速道路や新新バイパスへのアクセスがよいなど優れた立地環境にあり、民間企業に分譲することにより新たな雇用の創出や県経済の活性化、さらには県財政に寄与することが期待されます。 このため、現在、新潟東港物流団地内に保管されている汚泥の新年度内の撤去を目指し、年度早々から作業開始できるよう手続を進めているところであり、処分を着実に行うとともに、汚泥の撤去後は速やかに分譲開始できるよう準備してまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 米生産におけるコスト低減の取組についてでありますが、輸出需要等に対応し価格競争力を高めていくには、議員御指摘のとおり、コスト低減の取組が重要と考えております。 このため、県といたしましては、米の生産コストの低減策として考えられる多収性品種の開発や導入指導、省力化によりコスト削減を図る栽培技術の研究やスマート農業の推進、農地の集積・集約による生産性の向上などの取組により、稲作農家の所得向上を図っているところです。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 4点についてお答えいたします。 道路施設の確実な更新・維持管理についてでありますが、県では、これまで将来の更新・維持管理費と予防保全による縮減額を含めた橋梁などの道路施設の維持管理計画を公表し、県民の理解を求めながら、計画に基づく効果的・効率的な更新・維持管理に努めてきたところです。 現在、これまでの点検結果を踏まえ、より精度を上げた維持管理計画の見直しを行っているところであり、施設の健全度や利用状況などによる優先度に基づき、限られた財源を有効に活用し、確実な更新・維持管理を進めてまいります。 次に、ダムにおける出水期の見直しについてでありますが、土木部が下流の洪水被害を防止・軽減する目的で設置している県内のダム20基のうち、13基は出水期・非出水期にかかわらず、年間を通じて一定の洪水調整容量を確保しています。 残りの7基は主に発電のため、利水事業者との間で10月から5月までを非出水期と規定し、貯水位を上昇させる運用を行っておりますが、10月以降も、台風の接近に伴う洪水の発生が予想される場合等には、その都度、事業者と協議を行い、必要に応じて水位を低下させる対応により、適切な運用を行ってまいります。 次に、福島潟及び大通川についてでありますが、福島潟は、福島潟放水路が通水した平成15年より事業に着手し、潟周囲の湖岸堤等の整備を進めてきました。現在、築堤については一部を除きおおむね完了しており、平成29年度末には、大規模構造物として最後に残る福島潟水門工事に着手し、その他の附帯工事等についても、順次進めております。今後も引き続き、事業の早期完了に向け、着実に整備を進めてまいります。 また、大通川につきましては、平成30年度より工事に着手し、現在、築堤工事などを進めております。まずは、下流部における福島潟背水区間の整備について、早期完了に向け着実に進めてまいります。 次に、鳥屋野潟の環境改善の取組についてでありますが、県ではこれまで、国や新潟市、関係土地改良区と連携しながら、浄化用水導入事業やしゅんせつ工事の実施により、鳥屋野潟の水質改善に向けた取組を進めてきたところです。 また、行政主体の事業実施に加え、ボランティアや地域住民の河川環境改善への取組として、鳥屋野潟一斉清掃が実施されるなど、流入ごみ等に対する住民の意識啓発も図られてきたところです。 今後も、これまで実施した事業の効果を検証しながら、鳥屋野潟の環境改善の取組を継続してまいります。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 青パト隊との連携や情報の共有についてでありますが、県警察では、これまでも、青色回転灯を装備する自動車、いわゆる青パトの各団体に対し、防犯活動のノウハウや不審者情報等の提供・共有など、各地域の警察署と連携を図り、自主防犯活動の支援を行っているところであります。 県警察といたしましては、引き続き、青パト隊との合同パトロールや防犯講習会の開催、隊員同士の情報交換、警察署・交番への立ち寄りなど、各警察署等を連携の場として活用し、より効果的な活動が行えるよう、一層、連携を強化して、地域一体となった自主防犯活動の支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。   〔飯野晋君登壇〕 ◆飯野晋君 1点再質問させていただきます。 コミュニティービジネスの職員の参画についてでございますが、先ほど申し上げたとおり、新潟県地域づくりサポートチームの活動もあり、私の地元の基礎自治体の職員からも、県職員の方が今まで以上に、地域あるいは自治体との密な連携ができているといったような評価の声が聞こえてきているところであります。 先ほど知事のほうから御説明のあった、昨年3月の働き方改革に関する営利企業従事等許可手続等の見直しの件でございますけれども、社会貢献に資する事業に従事して報酬を得ることができるというふうに認めておりますけれども、これ実はNPOに限っているというか、NPOならいいというようなことになっていて、例えば、株式会社という形態は認められていないということです。 私が10年ほど前に経済産業省でコミュニティービジネスの先進事例集55選を全国でまとめた仕事に携わったことがありまして、55のうち実は15が株式会社でありました。27%ほどが株式会社の形態であって、例えば上勝町、徳島県のいろどり、葉っぱビジネスのいろどりも株式会社であったり、そういう事業をしっかり持って収益を上げて、補助金の受皿ではなくて、しっかりお金を回していく仕組みということで、株式会社という形態も十分地域活動、地域貢献ができる組織形態なのではないかなというふうに思っています。 県も公債費比率18%を令和20年まで、これから長丁場で財政再建をやっていく中で、県財政を使わずに地域課題を解決していく取組というのは、いろいろ広げていく必要があると思っておりまして。若手の職員もいろいろな政策提案をして、いろいろな県の予算であるとか、県の敷地を使うことではなくて、また、それ以外のところでも、そういった提案が実現できる場を創設するという意味でも、県職員のコミュニティービジネスへの道を広げるというのは、私はこれから中長期的に見ても、大切な取組かなというふうに思っておりまして、株式会社も含めた副業・兼業の許可を広げることについて、もう一度知事のほうから見解を伺いたいと思います。お願いします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 飯野議員の再質問にお答えします。 飯野議員の今ほどのお話を踏まえまして、今後、検討してまいりたいと思います。 ○議長(岩村良一君) 飯野晋君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明2月28日、3月2日から3月6日まで、3月9日及び3月10日の8日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、2月29日、3月1日、3月7日及び3月8日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、3月11日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時6分散会...