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02月26日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2020-02-26
    02月26日-一般質問-04号


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    最終取得日: 2023-06-14
    令和 2年  2月定例会 本会議令和2年2月26日(水曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(笠原義宗君、中村康司君、斎京四郎君、中川隆一君、小山大志君、河原井拓也君)   ――――――――☆――――――――出席議員(53名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  星 野 伊佐夫 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君          佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君          飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          益田  浩 君  副知事          米澤 朋通 君  知事政策局長       笠鳥 公一 君  総務管理部長       佐久間寛道 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       藤山 育郎 君  産業労働部長       橋本 一浩 君  観光局長         佐野 哲郎 君  農林水産部長       山田 治之 君  農地部長         緒方 和之 君  土木部長         中田 一男 君  交通政策局長       田中 昌直 君  会計管理者兼出納局長   本間由美子 君  病院局長         岡  俊幸 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    関原  貢 君  警察本部長        花岡 和道 君  労働委員会事務局長    綱島 知子 君  監査委員事務局長     髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(岩村良一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(岩村良一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 おはようございます。自由民主党の笠原義宗でございます。通告に基づきまして、順次質問させていただきます。 2020年度予算審議に入りますが、本県は財政難により行財政改革を進め、県職員給与、事業費、補助金の削減を進めており、県民の痛みを伴う改革の御苦労、知事はじめ県職員の皆さんの御努力に頭が下がる思いであり、応援させていただきたいと思います。 私も地元の様々な会にお招きを頂きますが、県の批判や我々議会のチェック機能の甘さに対するお叱りも多々ございます。その批判をしっかりと受け止め、このような県民に痛みや迷惑をかけていることを反省しなければならないと考えています。 今後二度と財政悪化を繰り返さないための仕組みづくりが重要であるため、今定例会で提案されています公債費負担適正化計画は、20年程度の公債費比率をグラフで示されていて分かりやすく、評価いたします。 また、令和4年度には実質公債費比率が18%を超え、起債許可団体へ移行と示されています。県債発行時に国の許可が必要となり、県債発行の自由度が低下するとされていますが、具体的にどのようなところに影響が出てくるのかを伺います。 次に、投資について伺います。 新潟県公債費負担適正化計画において、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標が発表されましたが、今後、県の成長につなげていくには魅力を高める投資も必要であると考えます。 知事は、記者会見の中で、新潟を元気づける夢として、上越新幹線の新潟空港までの延伸や県立アリーナという一大プロジェクトを取り上げていましたが、私は、県の成長には万代島地区将来ビジョンの提言にも入っております、モノレールに夢を感じております。 その目標を達成するためには、令和20年度まで大規模な投資ができないと考えているのか、知事の所見を伺います。 また、新潟県公債費負担適正化計画における令和20年度に18%以下を目標とした実質公債費比率のグラフにおいて、県央基幹病院の建設費は含まれていないと聞いております。 令和2年度予算編成において129億円の収支改善を達成したことは評価いたしますが、中期財政収支見通しでは、収支均衡にはさらに40億円程度の削減が必要で、県職員給与の臨時的削減も令和5年度までであり、令和6年度以降の収支均衡には現状より110億円の収支改革が必要と推定されています。 今後さらに県央基幹病院の建設を進める予定となっており、一般会計からの繰り出しが毎年発生すると推定されますが、令和20年度に18%以下とする目標は達成できるのか、できないとすればどの程度先送りされるのか、知事の所見を伺います。 本県の人口減少や地盤沈下と言われている背景として、民間投資を呼び込むことが弱かったことが要因ではないかと考えます。 安倍政権になり7年経過し、経済的施策の柱であるアベノミクスの効果により株価は8,000円台から2万2,000円台に上り、大手企業の資本が増えていますが、その投資先は、首都圏などの大都市や成長が見込める海外に限定されているように感じます。 今後も人口減少が進んでいくことが予測される中で、大手資本を呼び込むことが本県の成長につながると考えます。 全国には、人気のテーマパークがたくさん存在し、多くの観光客を集めているものがあります。東京ディズニーランドやUSJ、ハウステンボス、栃木県のあしかがフラワーパークなどが上位を占めていますが、アウトレットモールなども全国には多数ありますが、本県にはありません。 本県は財政難により、夢のあるプロジェクトに取り組めない状況でありますが、本県の魅力を高め、県民に夢を与える観光施設として、大手民間資本による大規模なテーマパーク等の誘致に取り組むことも必要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、県庁内の活性化施策について伺います。 本県のこれまでの事業や施策は、他県状況を見ながら進める事例が多いと感じていましたが、このたび若手職員の政策提案を受け、地域連携型居酒屋等と連携した関西圏における本県の情報発信強化に取り組むことを決定したことを評価いたします。 25グループの提案があり、事前審査により12グループがプレゼンをし、18件を事業化、施策を進めていると伺っています。事前審査で事業化されなかった提案も、私としては魅力ある事業が多数あり、説明を聞いてみたいなと思っていますが、県庁職員の皆さんの雰囲気がよい方向に変わってきていることを強く感じています。予算がなければ知恵を出し、汗をかくことが必要であると考えます。 今後も若手職員の政策提案を受け、全国事例が少ない施策を各部局で毎年1つずつ以上取り組んでいくことが庁内活性化につながると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、バスタ事業について伺います。 政府は、道路法等の一部改正案である安全で円滑な道路交通の確保と道路の効果的な利用を促進するため、バス利用拠点の利便性向上を図るバスタプロジェクトの全国展開に向けた施設の位置づけや、民間と連携した新たな交通結節点づくりの推進では、バス・タクシー・トラック等の事業者専用の停留施設を道路附属物として位置づけるほか、施設運営についてはコンセッション制度の活用を可能にする制度を進めています。 新潟市が新潟駅高架事業に関連して、中長距離バスターミナルの整備を国へ要望しています。バスタ新宿のような機能が想定されていますが、交通の結節点として大変有効であると考えます。また、東京・大阪・ディズニーランドなど長距離バス需要のある地域へ安価につなぐことは、観光・ビジネスの観点からも有効であり、魅力あるバスターミナル整備に県も積極的に関わり進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、インボイス制度について伺います。 平成28年度税制改正において、軽減税率制度の創設と言われる、いわゆるインボイス制度の導入が決定されました。今まで消費税の納入義務が免除されていた売上げ1,000万円以下の免税事業者は、実質消費税を払っていない状況でありました。しかし、今後は、インボイス制度導入後は適格請求書の発行ができず、免税事業者からの仕入れについては仕入れ税額控除ができなくなり、企業間取引で不利に扱われる懸念があります。 特に売上げ1,000万円以下の事業者は、まちの飲食店や商店街の小売業者が多く、経営的に厳しいと言われていますが、インボイス制度導入による小規模事業者への影響について、知事の所見を伺います。 また、インボイス制度は農業生産者にも適用され、売上げ1,000万円以下の農業生産者も今までは消費税の納入義務が免除されていましたが、今後は税額控除ができなくなります。しかし、農協等を通じて取引される農作物に対しては特例措置が受けられることから仕入れ税額控除の問題が生じませんが、その他の卸業者や小売業者に販売する場合は適用が受けられないため、小規模の農業生産者からは農協に販売が集まることが想定されます。そのため卸業者や小売業者に不安が出ていますが、その影響についての県の所見を伺います。 次に、東京2020オリンピックパラリンピックについて伺います。 今年は東京オリンピックパラリンピックの年になり、世界から日本にたくさんの選手や観客がお越しになります。新型コロナウイルスの感染が広がっている状況ですが、早期の終息を願うばかりであります。 オリンピック招致の際に、滝川クリステルさんがおもてなしと言われていましたが、我々国民もおもてなしの心を持ち、ようこそ日本へお越しくださいましたと温かく迎え入れる気持ちが大切だと考えています。 また、復興五輪についても、東日本大震災からの復興に対して世界の国や人から支援をしていただきました。まだまだ復興半ばですが、今、力強く復興している姿を見てもらい、感謝の気持ちを伝えることも重要と言われています。 スポーツを通し国際平和につなげることも東京オリンピックパラリンピックの開催の意義であると言われていますが、世界の方に感動を与えられるような東京オリンピックパラリンピックに期待をしたいと思います。 本県からはマラソンの服部勇馬選手とセーリングの富澤慎選手が日本代表に内定していますが、そのほかに出場が期待できる選手はどの程度いるのか、また、出場を目指している選手をどのように支援しているのかを伺います。 次に、JOC会長である山下氏が、東京オリンピックパラリンピックのレガシーとして、国際的な友好・人間交流・勝ち負けだけではない人間教育・フェアプレーの精神など日本独自の武士道やスポーツの精神を広げることが国際平和につながると述べられています。 本県も外国からの合宿の受入れなど外国選手団と関わることが想定されますが、国際交流をオリンピックパラリンピック後にもつなげ、国際平和に貢献する努力をすることが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 スポーツ庁は、東京オリンピックパラリンピックを契機にスポーツ人口を増やしたいとしています。スポーツは、健康寿命の延伸や人間教育など、人が成長する上で欠かせないものを多く持っており、近年では鬱病などの精神疾患者が増えていたり、体罰やいじめなど、心の弱さや相手を敬う心が希薄になってきている感じがいたします。 スポーツをすることで心を強くし、相手の痛みを知ることができ、人間形成に大変役立つことから、スポーツの魅力を高めることと併せて本県のスポーツ人口を増やす取組をすべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、食についてでありますが、東京オリンピックパラリンピックには世界から人が集まり、様々なPRを世界に発信できる可能性を持っています。その一つに日本の魅力である食の発信が欠かせないと考えています。 選手村の飲食で必要となる食材量は594トンとなっており、大量の食を提供することとなります。大会の食材にはGAP認証等が必要であり、さらに推奨されるものとして有機農業により生産された農産物、障害者が主体的に携わって生産された農産物、世界農業遺産や各国政府により認定された農業を営む地域で生産された農産物となっています。 今回の東京オリンピックパラリンピックを契機に、外国にも売り込みやすい農産物生産に力を入れるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、農業施策について伺います。 本県は農業県とも言われており、稲作では全国1位の産出額でありますが、農業産出額は減少しており、農業県と胸を張って言えるような状況ではないと思います。 また、私の地元では約50年ぐらい前、旧白根市の時代、米だけではやっていけないと当時の行政と農家が話し合い、田んぼに土を入れ畑にし、桃や梨などを植える地区や、鉄骨ハウスを建て、野菜や切り花を生産する農家や、冬の仕事のためにキノコを生産するなど、様々なチャレンジを繰り返し努力を重ねてきた地域であり、若手の元気な担い手も多くおります。 昨年、青年部の皆さんとのディスカッションやアンケート結果の報告を頂いたりと現場の声を聞かせていただく機会を頂きました。最終的には売れるものを作るか、売るためにプロモーションをかけるか、適正価格で売らなければ利益が出ないことを不満に思っている方が多くいます。 いいものを作っても低価格でしか売れないものは、現場の士気を下げることにつながりますので、適正価格で売る努力を米だけではなく園芸に力を入れなければ、新潟の農業は上向かないと感じました。 様々な提案も頂きましたので、15問にわたって質問させていただきます。 本県の農業産出額は、平成6年をピークに右肩下がりで、昨年は2,462億円で、山形県に抜かれ全国13番目に下がりました。農業産出額は減少しても農家所得が上がっていればよいと考えますが、園芸の作付まで減少していることが本県農業の課題であると思います。起業でも一緒だと思いますが、新しいことを始めるには不安な点が多いですが、それを乗り越え努力することが利益につながり、若い方が希望を持って就農することにつながるのではないかと思います。 農業産出額減少をどのように受け止めているのか、知事の所見を伺います。 次に、果物の販売戦略について伺います。 本県は、魅力ある果物が多数ある県であります。越後姫やルレクチエ、梨やブドウ、スイカ、佐渡のミカンなど、長年の努力で作られたおいしい果物が本県の宝であると考えています。 2020年の日本農業新聞の果実ランキング調査によりますと、トップは不動のシャインマスカットでありますが、生産量が増え、価格が下がっています。2位は紅まどんなというかんきつ類で、次いでわせミカンのゆら早生であり、4番目はリンゴのぐんま名月で、消費者の動向として1位が食味、2位が食べやすさ、3位が価格と示され、種なしや皮ごと食べられたり、皮がむきやすい新品種、高糖度の甘さを重視する声が根強いとも言われています。 ちなみに、ルレクチエは昨年12番目でありましたが、今年はラ・フランスとゼネラル・レクラークに抜かれ、ランキングに入りませんでした。 魅力が低いのかと考えさせられますが、卸売業者や小売業者からの産地への要望は、1位は品質・量の安定、2位が産地情報の提供との声が多くあります。裏を返せば、産地は積極的に情報発信することで有利に販売しやすくなるとも言えるのではないかと思いますが、本県においても魅力ある果物が多数あるので、ブランド価値を高めるために積極的に情報発信をすることが重要と考えますが、所見を伺います。 果樹生産におきましても、高齢化や担い手不足による労働力不足によって、現状の農地を維持することが困難になってきています。近年では台風や異常気象によっての被害も多数あり、防風ネットの増設などの課題もあります。 果樹においては機械化やジョイント栽培などの新技術導入により、省力化を進めることが果樹栽培の振興につながると考えますが、所見を伺います。 次に、棚技術の継承について伺います。 果樹栽培においては、和梨やルレクチエ・ブドウなど、畑に鉄線を張って、そこに枝をはわせて栽培する形式が多くあります。しかし、棚の新設や補修の技術の継承・育成が困難になってきていると伺っております。 今後、新規就農者や果樹生産にチャレンジする後継者を育成し、果樹栽培の生産額を増やしていくためにも、棚技術のマニュアル化・指導など、誰もが分かりやすい形で棚技術の継承を進めることが果樹栽培の振興につながると考えますが、所見を伺います。 ルレクチエは本県発祥で評価の高い果物であり、さらにその魅力は高まると期待しています。7年前からルレクチエの首都圏でのプロモーションの提案をしていますが、県からは、量ができないので、できませんとの返答で、生産者は施設の大きさに限界があることや、価格が低いので、増やせないと言われ、施策が進まない堂々巡りとなっています。 鶏と卵のような議論から脱しなければ、ルレクチエ生産者は減少すると想定され、逆に言えば、ルレクチエの価格が上がれば生産量を増やせることにつながります。 現在のルレクチエ1個の農家所得は300円台でありますが、これを400円台、500円台に上げるためには首都圏や関西に売り込むことが必要であり、需要の多い首都圏でのプロモーションと流通量を増やすことが重要であると考えます。 今後のルレクチエの農家所得を上げるための施策について、知事の所見を伺います。 果樹の生産量を増やすことは、本県農業の魅力を高めることにつながると考えております。果樹の産地を客観的に見ますと、新潟市南区、江南区、西蒲区、三条市、加茂市と、ある程度近い距離に産地が集積していると思います。大規模な選果場も老朽化してきていたり、例えば新たに選果場を建設するとしても、なるべく多くの産地を乗り越えた連携・協力によりコストを下げることが、他県との競争に打ち勝つことにつながると考えます。 そのためには共選施設や機械の産地を乗り越えた広域連携によるコスト削減など、果樹栽培に取り組みやすい条件整備により、果樹の生産拡大を進めることが必要と考えますが、県はどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 桃の今後の需要について伺います。 本県の桃の生産量は全国7位の2,000トン程度で、魅力ある果樹の一つであり、新潟市や三条市、加茂市、刈羽村などで栽培されています。近年は、樹齢20年以上の老木が増え、生産性の低下が課題となっており、桃栗三年柿八年と言われるように、改植をしても3年かかり、植え替えには多額の費用がかかっていましたが、県の園芸研究センターが密植栽培で育てた桃の木は定植後2年で初収穫でき、3年後には10アール当たり約2トンと従来の栽培方法よりも多くの量を収穫できる技術開発につなげていただいたことは評価いたします。 桃の需要は国内は伸び悩んでいるものの、海外での人気は高く、ここ数年で右肩上がりであります。輸出先としては香港、台湾、シンガポールが多くを占めている状況であり、検疫の観点からも本県からの輸出が見込めると考えます。 今後さらに桃の輸出に力を入れるとともに、インバウンド需要にも桃をコンテンツとして売り込むことが、今後の需要増加につながると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、貯蔵技術の支援について伺います。 近年、貯蔵技術を研究することにより、シャインマスカットを長期貯蔵し贈答用としたり、春時期まで出荷を遅らせることで付加価値を高める取組が他県で進んでおり、農家所得を上げることにつながっています。以前にも質問した際に、今後研究を進めますとの答弁でしたが、現場にはなかなか伝わってきていません。 本県の果物や野菜、米や酒などの農産品の貯蔵技術を高めることが、本県の農業産出額を高めることにつながると考えますが、知事の所見を伺うとともに、以前答弁を受けた低コストで簡易な雪中貯蔵の研究成果について伺います。 ベビーパーシモンは、佐渡で発見された柿の品種で、さど乙女などの呼び名があり、小さな柿で脱渋処理をすれば皮のまま食べられる珍しい品種で、高齢者でも取り組みやすく、付加価値の高いベビーパーシモンに着目し、数年前から試験生産を始め、昨年、初出荷にこぎ着けたと報道されています。 ベビーパーシモンの欠点は、軟化が早く棚もちが悪いことで、JAささかみが県の新発田地域振興局食品研究センターと共に脱渋方法の試験を行いました。柿の傷みはなくなり、安価な機器で脱渋が可能になり、増産を目指す機運が高まっているとお聞きをいたします。 この品種の産地が大きく広がっていくことを期待いたしますが、その可能性について県の所見を伺います。 近年、高齢化により果樹園の廃園が進んでいます。次の受け手が見つかるまで果樹園が荒れるため、辞める農業生産者が木を切ってしまい、更地にしてしまう傾向が多くあります。果樹が残ったまま次の受け手に渡されることで初年度からの収益につながるため、維持管理をしてもらう制度が必要であると考えています。 現状でも、農地中間管理機構が果樹園を借り受け、維持管理をし、次の担い手を探し、引き継ぐことで廃園を防止する事業がありますが、あまり活用されていません。 今後、果樹園芸を増やしていくためには、事業をさらに行政、JA、農業従事者に周知し、担い手に園地を集積し、引き継ぐ取組が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、農業体験型観光について伺います。 平成28年度消費者意識基本調査によりますと、今後のお金のかけ方の意向について、1位は食べることを挙げた割合が50.8%と最も高く、貯金と老後の準備に次いで旅行が39.1%と4番目でありました。食べることと旅行についての消費意欲が強いことが示されています。旅行会社の意向調査においても体験型の意向が強くなっており、モノ消費からコト消費への変化が見受けられます。 棚田観光や観光農園等の食を含めた体験型の観光メニューを国内外へ積極的に発信していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、農泊についてです。 国では農泊を推進しており、全国では様々な農泊事業が進んでいます。 全農は、2019年度からの3か年計画で農泊に重点的に取り組むことにしており、イタリアで広がっている方式で、宿泊施設に機能を集約するのではなく、飲食や体験などができる施設を分散することで地域全体の活性化につなげる施策を進めています。JAにチェックインや問合せ対応などの窓口機能をつくり、空き家も利用し、体験施設や宿泊施設、飲食店を結び、農泊の予約や検索ができるサイト、農泊ネットでインターネットを活用し、集客を支援します。 本県も遅れることなく農泊の取組を進めることが、地域全体の活性化とともに、農家所得の向上と観光振興につながると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、飼料用米について伺います。 国の施策により非食用米の需要先として飼料用米に補助金をつけ、養豚や養鶏の飼料に入れ、輸入している飼料を国産に変えてきたことは、食料自給率向上に見合い、評価をいたします。 しかし、近年の業務用米の価格の高騰や、補助金が対応できる生産量の確保の不安定さ並びに行政側の検査の厳しさなどにより、私の地元の農業生産者の飼料用米生産量も減少してきています。養豚・養鶏農家は、飼料用米を使うために粉砕機などの設備を導入していることもあり、安定した飼料用米確保を必要としています。 今後も養豚・養鶏農家の需要に見合う飼料用米を確保することが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 CSF、いわゆる豚コレラの発生により養豚農家に衝撃が走り、隣県までイノシシを介したCSFの感染が広がり、本県も時間の問題と言われておりましたが、本県もCSFワクチン接種が認められたことに対して、知事はじめ農林水産部の皆様方の要望のおかげだと感謝しております。 全国では21県を国がワクチン接種推奨地域に指定し、接種が進められておりますし、豚舎周りのフェンス設置については国の補助がありますが、農家負担も多く発生しています。 今後のワクチン接種が続くことで農家負担など課題もあると考えています。本県では3月末に全ての養豚農家での接種が終わると聞いていますが、現在のワクチン接種の進捗状況と今後の農家負担についての所見を伺います。 最後に、担い手と働き手確保について伺います。 本県は、新規就農者については目標である年間280人のところ、平成30年は283人と目標を超えたことは、労働力不足と言われている時代において評価すべきものと考えています。 その理由として、ホームページでの情報発信や産地見学ツアー、大きなところでは国の農業次世代人材投資事業が後押しをしていると言われており、新たに、にいがた農業「新3K」人づくり事業として、稼げる、かっこいい、感動する施策は農業のイメージを変える事業として期待をしています。 今後の担い手と働き手の確保の見通しについて知事の所見をお伺いしまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、起債許可団体へ移行した場合の影響についてでありますけれども、実質公債費比率が18%を超えて起債許可団体に移行した場合、公債費負担適正化計画の策定が義務づけられ、計画の内容や計画の実施状況について国の確認を受ける必要が生じます。 また、実質公債費比率は、県が自由に使える財源のうち、公債費の実負担が占める割合を表す指標であり、この比率が高まりますと、福祉や教育といったほかの行政サービスに使用できる財源が少なくなり財政運営の柔軟性も損なわれることになります。このため、県債発行に当たり国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態はできるだけ早く解消する必要があると考えております。 次に、今後の大規模投資についてでありますけれども、県の魅力を高め、成長していくために、必要な投資事業は実施していく必要があると考えております。 一方で、今回、公債費負担適正化計画案を策定し、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標を定めたところであり、今後は大規模なものも含めて、計画に基づいて管理していく中、緊急性・重要性など様々な観点から優先度を判断しつつ進めてまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院の建設費による公債費負担適正化計画の目標への影響についてでありますが、今ほど申し上げましたとおり、今後は大規模な投資事業についても、計画に基づいて管理していく中で実施していくこととしており、県央基幹病院の整備も含めた中で、令和20年度に実質公債費比率が18%を下回る目標を達成してまいりたいと考えております。 次に、テーマパーク等の誘致についてでありますが、民間の投資による大規模プロジェクトを呼び込むことは、地域の活性化を図るための一つの手法ではありますけれども、将来にわたる採算性、持続可能性をしっかり見極める必要があると考えています。 全国的には、首都圏等に立地する一部の大規模なテーマパークは好調であるものの、地方にある大半の施設は苦戦している状況と伺っております。 県といたしましては、特定の大規模施設による誘客効果に過度な期待をかけるよりも、本県の強みである豊かな食文化などを中心に、他県と差別化できる観光ブランドとしての魅力を高めることにより、交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、若手職員による政策提案についてでありますが、今年度提案のあった25件のうち18件を事業化し、その中には、全国的に事例の少ない施策もあったものと認識しております。 この取組により、若手職員の政策提案能力の向上が図られるとともに、提案を受けた関係部局においても、事業化を検討する過程において、各部局が抱える様々な課題に対する議論の活発化が図られたところです。 この取組は、来年度も継続することとしており、議員御提案のように、部局ごとに割り当てるやり方もあり得るものと考えますけれども、当面はそういった仕切りは設けず、引き続き若手職員ならではの前例にとらわれない大胆な発想を広く募ることで、政策議論の活性化を図ってまいりたいと思います。 次に、新潟駅の中長距離バスターミナル整備への県の関わりについてでありますけれども、現在、新潟駅の中長距離バスの乗降場は、駅を挟んで点在しており、これらを集約したバスターミナルの整備は、鉄道やバス等の公共交通網の結節点としての機能強化や、利便性向上等に寄与するものと認識しております。 バスターミナルの整備は、新潟市が、バスタ構想を展開する国との連携の下に事業を進めることとしておりますが、県といたしましては、新潟駅を中心とした広域的な交通結節機能の強化が、本県の拠点性の向上につながるよう、新潟市と意思疎通を図りながら、魅力あるバスターミナルの実現に向けて協力してまいりたいと考えております。 次に、東京2020オリンピックパラリンピックについてお答えします。 まず、東京オリンピックパラリンピック後の国際交流についてでありますが、県内では、大会参加国による事前合宿が8市で予定されているほか、大会参加国と地域住民の相互交流を図るホストタウンに県及び12市村が登録しております。 こうした大会参加国との交流は、国際相互理解を促進し、議員御指摘のとおり、大会後も継続することで国際平和にも貢献するものと考えております。 県といたしましては、こうした観点から、市民交流の盛り上がりがオリンピックパラリンピックのレガシーとなるよう、市町村の事前合宿や交流の取組を支援してまいります。 次に、スポーツの魅力を高めることと本県のスポーツ人口を増やす取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、スポーツは健康の保持増進による健康寿命の延伸や豊かな人間性の育成などの大きな力を有しており、このような力を生かし、豊かで活力ある県民生活を実現することが重要であり、それに向けてスポーツ人口を増加させることが必要だと考えております。 県といたしましては、県総合計画で、成人の週1日以上のスポーツ実施率を2024年度までに65%とする目標を掲げているところであり、東京オリンピックパラリンピックの開催による県民のスポーツへの関心の高まりを契機として、一層スポーツの楽しさや魅力を発信するとともに、日常生活の中で気軽にスポーツに親しむことができる環境整備に取り組んでまいります。 次に、外国にも売り込みやすい農作物生産についてでありますが、一例としまして、米国では原料調達において有機や持続可能性の高い農法で生産された農産物が重視され始めていることや、アジア圏でもGAP認証に着目した輸入検疫基準がつくられるなど、議員御指摘のように、海外市場における各種農産物認証への関心は高まっていると認識しております。 県といたしましては、海外への販売促進につながるようなGAP認証取得をはじめ、相手国が求める規格やニーズに応えられる農作物生産の取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、農業施策についてお答えします。 まず、農業産出額減少の受け止めについてでありますが、本県農業は産出額が減少していることだけでなく、農業産出額に占める園芸の割合が高い県に比べますと、1農業経営体当たりの生産農業所得が低いことも課題であると受け止めております。 このため、県といたしましては、昨年7月に園芸振興基本戦略を関係機関や団体と一体となって策定したところであり、稲作法人等への園芸導入により、新たな担い手の確保を進めるとともに、機械化・施設化やスマート農業技術の導入など、生産から販売まで一貫してサポートすることで、生産効率の高い産地を育成し、園芸生産の拡大を推進してまいります。 また、本県農業の基幹である米については、新潟米基本戦略に基づき、主食用米と非主食用米を合わせた米全体での需要拡大と、生産者所得の最大化のための多様な米作りを推進してまいります。 あわせて、担い手への農地集積・集約化により、経営基盤の強化も進めてまいりたいと考えております。 次に、果物のブランド価値の向上のための情報発信についてでありますが、これまで県では、県産農林水産物全体の付加価値を高める牽引役として、首都圏等で評価が高いルレクチエや越後姫などを取り上げ、メディアを活用した情報発信や、百貨店等と連携したプロモーションなどによるブランド力の強化に取り組んでまいりました。 私自身も、昨秋、東京・大田市場で、おけさ柿のトップセールスを行い、本県青果物に対する市場関係者の期待と情報発信の重要性を実感したところです。 今後は、首都圏でのPRなどを通じて、引き続き個別品目のブランド力強化に取り組むとともに、地元食材や食文化にも着目し、新潟の食の魅力全体について物語性を付与した情報を発信することなどにより、産地としての新潟のイメージをさらに高めてまいりたいと考えております。 次に、ルレクチエの農家所得向上についてでありますが、議員御指摘のとおり、ルレクチエは、その芳醇な香りや食味が高く評価されており、出荷時期が年末の贈答シーズンに当たるため、ギフトとしても広く使われておりますが、県外での出回り量が限られているため、十分な認知が得られていない状況にあります。 県といたしましては、引き続き、首都圏の高級果実専門店などと連携したプロモーションなどを通じて認知度の向上を図るとともに、新たな販売先の獲得に向けて、意欲ある産地や生産者に対し、国内外の需要とのマッチングの機会を提供することなどにより、流通量の増加と栽培農家の所得向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、輸出拡大の取組による桃の需要増加についてでありますが、桃をはじめとした日本産青果物は、輸送の難しさや他国産との競合などにより、リンゴなど一部の品目を除けば、限られた輸出量にとどまっております。 その一方で、日本産青果物は、海外でも食味や品質の良さが高く評価されていることから、議員御指摘のとおり、輸出とインバウンド向けの両面から海外需要を取り込んでいくことは、有効な手法と考えております。 本県としては、梨や桃などの青果物の輸出拡大に向けて、県産品フェアの開催やトライアル輸出に取り組んでいるところであり、今後もこうした取組を継続することと併せて、新潟の食の魅力を活用したインバウンド需要の拡大を目指す取組も進めてまいりたいと考えております。 次に、農産品の貯蔵技術についてでありますが、議員御指摘のとおり、農産品を貯蔵することは、特に出荷時期が限定される園芸品目で、出荷ピークの平準化や端境期の出荷が可能となり、価格安定や販売機会の拡大が図られることから、農家所得の向上につながるものと考えております。 このため、昨年策定した園芸振興基本戦略において、議員御指摘の貯蔵技術をはじめとして、技術的な課題の解決に向けた研究開発に積極的に取り組み、園芸生産の拡大や農家所得の向上を図ることとしております。 なお、低コストで簡易な雪中貯蔵の研究成果につきましては、農林水産部長から答弁いたします。 次に、果樹園の担い手への集積についてでありますが、議員御指摘のとおり、高齢農家の果樹園を経営資源として担い手に集積していくことは、産地の維持にとって重要であると考えております。 県といたしましては、農地中間管理機構事業において果樹園の継承にも取り組んでいることを改めて周知するとともに、生産者、市町村、JA等の関係者と一体となり、担い手への園地の円滑な継承と果樹産地の強化につなげてまいりたいと考えております。 次に、体験型観光メニューの情報発信についてでありますが、議員御指摘のとおり、物よりも心の豊かさに重きを置いた生活を送りたいという価値感が顕著となってきており、農業を生かした体験や食の魅力などの観光ニーズは、今後、ますます高まっていくものと考えております。 県といたしましては、こうしたニーズを踏まえ、地域資源を生かした魅力ある体験メニューの企画など、多種多様な取組を支援するとともに、本県が観光のブランド化を進める食文化、ガストロノミーも含め、SNS等を活用しながら国内外へ発信していくことで、一層の誘客拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、農泊の推進についてでありますが、農家や古民家等への宿泊により、農業との関わりを体験として提供する農泊は、農家所得の向上や観光客の誘客拡大、地域活性化につながるものと認識しております。 県といたしましては、観光産業等のノウハウを生かした着地型旅行商品づくりへの支援や、言語対応も含めた接客向上のための研修会等を行い、農泊による誘客拡大の取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、畜産農家の需要に見合う飼料用米の確保についてでありますが、本県の飼料用米生産量の4割程度が流通コストを削減できる地域内で流通している一方、飼料用米の需要に対して生産地域が偏在していることから、飼料用米を十分に確保できていない地域もあると認識しております。 このため、県といたしましては、畜産農家のニーズを的確に把握し、稲作農家と畜産農家双方のメリットにつながるよう連携を強化するとともに、産地の状況に応じ必要な支援を行うなど、飼料用米の安定確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、担い手と働き手の確保の見通しについてでありますが、ここ数年、新規就農者は280人前後で推移しておりますが、県内農業職の有効求人倍率は全職業平均よりも高い水準で推移する中、新規求人に対する充足率は低下傾向にあり、担い手を含む働き手の確保は今後も厳しい状況が続くものと考えております。 一方、農業に魅力を感じる若者もいることから、県では、国の事業の活用に加え、稼げる、かっこいい、感動するを新3Kとして農業の前向きなイメージを打ち出すとともに、就農促進から経営発展まで一貫した支援を実施し、新たな人材の確保に努めてまいりたいと考えております。 加えて、他産業からの転職誘導や農福連携の推進などにより、多様な人材の確保にも取り組んでまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 東京2020オリンピックパラリンピックに出場を目指す本県関係選手についてでありますが、県では、関係団体と連携しながら、大会出場に向けて支援する選手を、競技実績等に応じて指定しております。 上位の指定区分としては、出場が内定している2名を含む、国際大会の日本代表選手など十数名を指定しており、これら選手をはじめ、一人でも多くの本県関係選手が出場し、活躍されることを期待しております。 県といたしましては、選手が大会や強化合宿に参加するための費用を助成するほか、コーチの招聘や、選手を雇用している県内企業への助成等の環境整備を行うことにより、出場を目指している選手を支援しているところです。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 いわゆるインボイス制度の導入に伴う影響についてでありますが、議員御指摘のとおり、インボイス制度の導入に当たっては、免税事業者にとって、取引で不利に扱われることや、課税事業者への転換を迫られ、新たな税負担や事務負担を強いられることなどが想定され、特に中小企業者等への影響があるものと認識しております。 そのため、全国知事会を通じて、インボイス制度導入後に懸念される影響が軽減されるよう、実情を踏まえた対策を講じることを国に要請しているところです。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 7点についてお答えいたします。 インボイス制度導入に伴う農産物を取り扱う事業者への影響についてでありますが、卸業者等が免税事業者である農業者から農産物を仕入れる場合は、仕入れ税額控除が適用されないことによる税負担の増加や、その負担を農業者に求めた場合に農産物が集まりにくくなる等の影響があるものと考えております。 このため、全国知事会を通じて、インボイス制度導入後に懸念される影響が軽減されるよう、国に要請しているところです。 次に、果樹栽培における省力化についてでありますが、果樹栽培は、剪定や収穫等の手作業が多く、高齢化や後継者不足などにより労働力が不足している中、現状の樹園地を維持するには、議員御指摘のとおり、機械化や新技術の導入等により、省力化を進めていく必要があると考えております。 このため、県といたしましては、果樹栽培の省力化を目指して、ジョイント栽培等を推進するとともに、研究機関において、病害虫防除や収穫作業等の無人化に向けた研究を進めているところです。 次に、果樹栽培における棚の新設や補修に係る技術継承についてでありますが、これらの技術は、これまで産地や集落単位でお互いが棚を設置・修理し合う中で、ベテラン農家から若手農家におのずと引き継がれてきた、果樹産地においては重要な技術と認識しております。 棚の設置方法については、新潟県果樹栽培ハンドブック等でお示ししているところですが、近年は果樹を新たに植えたり、植え替えたりすることが減少傾向であることから技術継承の機会が減っていると伺っております。 県といたしましては、産地が行う技術継承に向け、ベテランの動作分析など効率的な技術の共有や勉強会の開催など、必要な取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、果樹の生産拡大に向けた取組についてでありますが、果樹の生産量を増やすためには、新技術の導入等による省力化や産地が持つ技術の継承などとともに、共同選果施設や機械の広域利用による低コスト生産体制の確立など、果樹に取り組みやすい条件整備が必要と考えております。 現在、地域ごとに園芸振興基本戦略の実践に取り組んでおり、産地計画策定の段階で施設や機械の広域的な有効利用についても検討が進むよう、産地での話合いや産地間の調整を進めてまいりたいと考えております。 次に、低コストで簡易な雪中貯蔵の研究成果についてでありますが、平成26年度に高冷地農業技術センターが研究成果として発表した簡易な雪中貯蔵の手法を用いて、平成27年から28年度にかけ、ニンジン、ジネンジョ、梨等の7品目を雪中貯蔵し、外観から見た貯蔵可能期間等について、調査研究をいたしました。 その結果、7品目中、ニンジン等の5品目で4週間以上の品質保持効果が確認されており、現在、雪中貯蔵技術は、積雪の多い魚沼や上越地域の直売所の継続出荷などに活用されております。 次に、ベビーパーシモンについてでありますが、ベビーパーシモンは、昭和56年頃に現在の佐渡市で発見されたおけさ柿の品種、平核無の突然変異種で、直径が3センチメートルから4センチメートル程度の小さな果実が特徴です。また、議員御指摘のとおり、小粒のため高齢者でも作業が楽なことや、通常のおけさ柿と比べて収穫時期が異なることなど、栽培上有利な点もあります。 今年度の県内の栽培面積は30アール程度と小面積ではありますが、主に都内の高級料亭で料理の付け合わせや彩りとして用いられており、さらに高級需要を開拓できれば、生産拡大の意欲も高まるものと考えております。 県といたしましては、これまで、産地と共に栽培技術や脱渋技術の調査研究を行っており、今後も産地化の機運醸成に努めてまいりたいと考えております。 次に、CSFのワクチン接種についてでありますが、県内の養豚農家でのCSF発生予防のため、1月16日に上越地域から接種を開始し、現在は下越地域で接種を行っているところです。 進捗状況につきましては、2月21日現在で、対象農場112農場中67農場、対象予定頭数13万5,000頭中5万4,000頭に接種済みで、計画どおり3月下旬には、初回接種が完了する見込みです。 また、ワクチン接種につきましては、初回は緊急的に全頭で実施することから全額免除しておりますが、今後、生まれてくる子豚への接種は、受益者である養豚農家から、適正な手数料を負担していただくことになります。   〔笠原義宗君登壇〕 ◆笠原義宗君 2点再質問させていただきたいと思います。 まず初めに、園芸の販売戦略なのですけれども、今までどおりの答弁をいただいて、答弁を作っておられる皆様方の考え方が、多分、そのまま変わっていないのだろうというふうに思っています。非常に米一辺倒の新潟県というところから脱却しようというときに、例えば新之助ですと、いまだに1年間で9,000万円程度の予算がついて、全国に展開しているわけです。非常に、売る力というか、売るところに力が入っているのはお米で、園芸の売るところというのは、まだまだ弱いということなので、私は新潟県が園芸にシフトしてこれなかったところは、そこにあるのではないかというふうに思っています。農家からお話を聞きましても、やっぱりしっかりとした値段で売れなければ、園芸には力が入っていかないというか、シフトすることは難しいということです。園芸の販売のところに、今後もしっかりと力を入れていただきたいという質問の趣旨でありましたので、知事のほうから、もう一度その辺について答弁をいただきたいというふうに思います。 あと、もう一点ですが、公債費負担適正化計画。3番目のところなのですけれども、県央基幹病院がここには入っていないというような状況なのですが、私が心配をしているのは、職員給与の臨時的削減が令和5年で終わるわけですし、県央基幹病院が建設されるのが令和5年ということで、令和6年からどんと。恐らくなのですけれども、魚沼基幹病院などは20億円から30億円の負担があるということを見ますと、一気にそこで、110億円プラス県央基幹病院になるのではないのかなというふうに思っています。県央基幹病院をつくることは、私は賛成ではあるのですが、その先の負担というか、計画。財政的なところがどういうふうになっていくのかということを、やっぱり議論しながら建設を進めていくべきなのではないのかなという点で、お聞かせいただければなと思いました。 逆に言いますと、この県央基幹病院建設に当たって、補正予算で来年度やっていくということですけれども、そこに関して先の計画は、どの時点で議論されるのかといったところもお聞かせいただければというふうに思います。 以上です。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の再質問にお答えしたいと思います。1点目の園芸の振興を図っていく中で、特に販売力をしっかり強化していくことが必要ではないかと。そうでないと生産者は、確実に売れて、しっかりした価格を取れないと生産意欲もなくなってしまうという御心配からの御質問であったと思います。議員御指摘のとおりでありまして、生産の段階からしっかり販売までを見通した計画を立てていく必要があると思いますし、この園芸振興基本戦略の中でも、最初の生産の計画を立てる段階から、流通関係者を交えて、品目の選定から販路をいろいろ考えて、まさに生産から販売まで一貫して、伴走型で、チームとして、連携して応援していこうということを定めてございますので、御懸念の販売力、販売強化というところについても、しっかり取り組んでいきたいと思います。 それから、2点目の県央基幹病院の整備を進めていく中で、あるいは進めると、公債費負担適正化計画の中で管理をしていくと、その管理の中に収まってこないのではないかという、これも御懸念かと思います。病院の建設そのものについては、国と一緒につくっている基金がございまして、その基金の利用も可能になっていくと思います。当然ながら負担は公債を発行してのものになりますが、返済が一どきに来るということではございません。その返済も、先ほど来申し上げています公債費負担の管理の中でしっかり見ながら、最終的に令和20年度、実質公債費比率18%以下という目標を達成できるように調整していきたいと思います。 ○議長(岩村良一君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 次に、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村でございます。一般質問をいたします。 今年の冬は暖冬で、新潟県の冬とは思えない少雪でもありました。自前の水力発電所を有しているある企業によりますと、1月末の段階でではありますが、観測を始めて70年になるが、最も少雪であるとのことでありました。 以前から識者が指摘をしていましたが、気候変動、COP25では気候危機とも言われたそうですが、いよいよ地球の気候変化を身近に感じて各種の対策を講じなければならない時期になったのかと改めて実感をいたします。災害対策など、この気候変動が、今現在、そして将来の新潟県へ与える悪影響が懸念されます。 まず、県経済及び財政について伺います。 国内景気について、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動によるマイナスが気になっていたところですが、内閣府が発表した2019年10月から12月期国民所得統計一次速報によりますと、GDPは前期比マイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%、特に内需の落ち込みが大きいとのことで、厳しい状況にあると考えられます。 また、本県経済ですが、弱い状態が続く中、横ばいで推移しているとのことであり、鉱工業生産状況を見ると、令和元年11月の段階で9か月連続前年同月を下回っているなど、製造業も楽観できない状況なのかと思われます。 このように、米中貿易摩擦、中東地域における紛争、中国武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎などにより、世界経済の先行きに不安感が増す中、県内経済の現況をどのように認識しているか、知事の所見を伺います。 GDPの6割近くを占めると言われる個人消費ですが、県内も12月の段階で3か月連続前年を下回っています。その上、この暖冬により、冬用品や衣類など売行きが厳しいとも聞きます。 このように、消費税率引上げなどの影響により、県内個人消費が昨年同時期を下回る低水準で推移する中、昨年10月から開始されたキャッシュレス手段を使った国のポイント還元事業は、消費喚起に向け一定の効果が期待されています。 本県における中小事業者の加盟店登録状況及び普及促進に向けた県の取組について伺います。 次に、暖冬の影響についてです。 本年の記録的な暖冬少雪により、除雪作業を担う建設業やスキー場をはじめとする観光産業など、多数の県内産業に影響が生じていますが、現状と県の支援策について伺います。 また、今後、農業用水の不足による稲作農家への影響も懸念されますが、知事の認識と対応について併せて伺います。 本県の財政危機の報道により、景気マインドが低下し、企業の投資や個人消費が抑制され、県内経済に悪影響を与えなければいいがと危惧をしております。そのような状況で、新年度の地方交付税に追加配分があるとの報道は、私たちに大きな希望を与えてくれたと思います。 私は、前回の一般質問でも地方交付税増額について質問し、知事の答弁を頂きましたが、知事はその際、地方創生実現財政基盤強化知事連盟を設立し、国に地方交付税の確保に向けた要望を行ったとの答弁をされました。これがまさに実を結び、我が党の要望もあったわけですが、その働きに敬意を表するものであります。 このように、地方法人課税の偏在是正措置により生じる財源の4,200億円を活用し、人口減少・少子高齢化の進行や、人口密度が低く持続可能性の危機に直面する団体に対し、地域社会再生事業費として地方交付税が配分されると聞いております。 本県にも50億円が配分される見込みとのことでありますが、これは本県財政にとって純増と理解してよいのか、実態について伺います。 続いて、先日可決された令和元年度補正予算と令和2年度当初予算についてですが、政府は経済対策として令和元年度補正予算を成立させました。従来であれば、県の令和元年度当初予算に補正予算を上乗せするところでありますが、公債費の実負担を抑制しつつ国の有利な財源を活用し、令和2年度当初予算と一体として計上することにより、令和元年度と同程度の事業費を確保しようとする知事の姿勢を評価いたします。 そこで、このたびの令和2年度当初予算については、令和元年度と比較し、実負担がどの程度変化したのかを伺います。 次に、投資について伺います。 投資は散財ではなく、資産を残すわけで、将来世代への責務であるとも思います。苦しくとも未来の新潟県のために投資は積極的に行うべきと考えます。民間企業でも投資を絞り過ぎてしまうと後々の企業経営に課題を残すことになる可能性もあり、たとえ厳しい時期であっても将来に向けて設備投資することはごく当然のことです。もちろん資金繰りとの関係もあり、その判断こそが経営者の大きな仕事の一つであるわけだと思います。 そこで、私は、投資額と県税収入の関係について、何らかの関連性があるかどうか、調べてみました。平成10年代は、平成10年の6,000億円をはじめ、5,000億円台から平成18年の3,605億円まで高い投資額でありました。平成19年に3,000億円を切って2,601億円に低下し、それ以降は2,000億円台、近年は2,000億円前後で推移をしています。それに対し、県税収入は、リーマンショックが起きた平成20年以降に少し下げたものの、おおむね消費税抜き2,000億円前後で推移をしております。 ここからが質問ですが、投資的経費に対する県税収入について、繰り返しますが、平成10年度は約6,000億円の投資に対し税収が地方消費税を除くと約2,380億円であったところ、平成30年度は、約2,126億円の投資に対し税収が地方消費税を除くと約2,016億円となっております。この2年を比較した場合、税収はほとんど差が見られないにもかかわらず、投資が3分の1となっていますが、税収が増えれば投資を増やすことができると考えます。 税収に見合った妥当な投資の在り方について、知事の所見を伺います。 続いて、公債費の償還スケジュールについて伺います。 民間企業では、借入期間の延長はその企業にとって非常にネガティブなことであり、よほどの事情でなければ経営者はそういう決裁はしません。 新潟県行財政改革行動計画によると、公債費の償還スケジュールについて、平成20年度に、20年から30年に見直しが行われておりますが、民間企業であれば借入期間の延長であり、一般的には危機的な状況と判断されてしまいます。 私は、そもそもこれが今般の財政危機のプロローグだったのではないか、また、実質公債費比率が18%を下回る見込みが令和20年度までかかるとのことですが、その遠因にもなっているのではないかと想像してしまいます。 見直しの経緯や当時の危機意識について伺うとともに、議会への説明がどのようになされたのか伺います。 この項の最後に、本県に対するふるさと納税について伺います。 令和元年度は12月までに1億円を超え、前年度の約3倍に迫る支援を頂いていると聞いております。背景として、返礼品の品目数を2倍以上に拡充するなどの取組が功を奏したとのことでありますが、さらに寄附額が増える余地はあるのか、今後の取組方針を伺います。 また、県と企業双方にメリットが大きい企業版ふるさと納税について、令和2年度に予定される税額控除割合の引上げなどの制度拡充を見据え、県としてどのような取組を行っているのか伺います。 次の項目は、産業振興についてです。 事業承継について、本県のみならず全国的に大きな課題になっています。今後10年間で70歳を超える中小事業の経営者は245万人となり、その半数の127万人が後継者未定であり、22兆円のGDPが失われる可能性があるとのことです。 後継者不足の理由は多様なものがあると思いますが、大きな要素が資金面ではないかと思います。先代経営者から後継者に対し、自社株式や事業用資産を贈与、相続する必要がありますが、その際の納税等の資金力、借入れがあった場合の個人保証などです。このような課題のために事業承継をちゅうちょする例もあると聞きます。また、承継後も経営者の責務として個人保証は避けられない問題でもあります。 県内経済の活性化と税収の確保に向け、県内企業の減少は避けなければなりません。そのためには、企業の円滑な事業承継が必須であり、その際の課題として、このように経営者の個人保証が大きな足かせとなっております。 国は、令和2年4月から、事業承継時の経営者保証を不要とする新たな信用保証制度を創設するとのことでありますが、県内企業の状況や新制度の実効性などについて伺います。 次に、制度融資につきまして、中小企業、個人事業主、起業者への支援として、県では金融機関や信用保証協会との連携により制度融資を実施していますが、借入れしやすい反面、保証料込みの場合が多く、合算した金利が高くなってしまう課題もあります。 借入れ窓口は金融機関となっており、制度融資以外の、いわゆるプロパーですね、借入れも可能であり、選択されにくいのではないかと考えますが、現在の利用状況について伺います。 地域経済を向上させるには、地元購買、地元消費が非常に重要だと思います。糸魚川市では、地元金融機関等が中心となって、地元購買運動を展開しております。糸魚川得本というパンフレットを1冊1,000円で販売。これを持っていくと市内加盟店で特典が得られるようになっていて、昨年に引き続き現在も好評発売中であります。このように知恵を絞って地元購買を推進しております。 昨年12月に県が公表した県民買い物意識調査によると、年齢層が上がるにつれて中心市街地、商店街とも利用頻度が高くなる傾向にあります。そして、商店街で主に利用する業種としては食品スーパーが78.8%と圧倒的に高く、高齢者ほど地元商店街の食品スーパーに頼っているのは明らかです。 しかし、そのような状況でも、同調査結果では、身近な商店街を週二、三回以上利用する方の割合は50%を下回っております。また、不足する業種として食品スーパーを挙げる意見が最も多数でした。 地域経済の活性化には地元購買率を高める必要があると考えますが、住民が求める業種を核とするなど、商店街の活性化に向け県としてどのように取り組んでいくのか伺います。 続いて、5Gにつきまして、ようやく少しずつ概要が見えてまいりました。私も当初は、早く地方でも供用開始され、スマホでの使用による利便性に期待をしておりましたが、その到達距離の短さから、我々の地域で利用できるまでにはかなりの時間を要するのかなと予想をしております。 しかしながら、ビジネス利用、医療福祉分野での利用は格差解消のためにも一刻も早くと切望されているのではないでしょうか。 また、いわゆるローカル5Gでありますが、携帯事業者の5Gとは異なり、携帯事業者によるエリア展開が遅れる地域において、5Gシステムを先行して構築することが可能で、かつ使用用途に応じて必要となる性能を柔軟に設定することも可能とのことです。 その結果、建設現場においての建機遠隔制御、工場への導入であるスマートファクトリー、4K、8Kによる河川等の監視等が期待されますが、その場合の無線局エントランスまでの光ファイバーの整備が必要になると考えられます。 このように、ローカル5Gは昨年12月に一部周波数帯で先行して制度化され、今後、他の帯域での制度化も検討されています。製造業など産業界での利用も待たれますが、遠隔医療など過疎地での利用に注力し、地域間格差を埋める手段として、地域企業や自治体等による利用を促進すべきと考えますが、今後の県の取組について伺います。 続いて、具体的な産業振興策についてですが、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業について、本県においても、成長ものづくり、観光・まちづくりなど、地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する多くの企業が登場し、高い付加価値の創出や経済的効果をもたらしているものと認識をしております。 そこで、本県における付加価値の創出や経済的効果の現状について伺うとともに、県の取組について伺います。 続いて、関西圏との観光交流について伺います。 北陸新幹線長野ー金沢間の開業から早いもので5年目を迎えようとしております。我々上越妙高駅、糸魚川駅を利用する者としては、関東方面への移動が格段に便利になりました。上越妙高駅への「かがやき」停車という大きな課題はあるものの、1時間に1本ほどの間隔で東京圏へ行けるわけで、直通列車のない新潟方面とは利便性で雲泥の差があります。 また、関西圏も近くなったと感じます。糸魚川から金沢までが約50分、そこから京都は2時間ちょっとです。当然ながら関西圏の方が本県を訪れやすくなったわけで、ピーチによる空路のほかに、上越エリアへはぜひ新幹線利用でお越しいただきたいものです。 そして、2023年の北陸新幹線敦賀延伸により、関西圏において本県をより身近に感じていただけるようになると期待をしております。関西圏からの誘客促進に向け、同エリアに対する本県の観光PRをより一層強化する必要があると考えますが、新年度に向けた方針について伺います。 続いての項目は、防災・減災についてです。 今年の暖冬以前に、異常気象としての昨年の台風15号、19号の被害は記憶に新しいものがあります。糸魚川市でも台風19号の際、観測史上最高の雨量を記録した地域もあり、糸魚川地域整備部関係では災害査定額で約9億円、農林振興部関係では、林道、治山も含めて被害報告が246か所、約27億円という広範囲かつ大きな被害が発生しました。 また、それ以前に近年では大きな自然災害が頻繁に発生しています。今年の暖冬のような気候変動からは再び夏の大型台風や集中豪雨を想像してしまいます。 自然災害に対する危機管理を一段と強化する必要があると考えますが、県として今後についてどのように取り組んでいくのか伺います。 県のホームページに、河床掘削・伐木の必要性について、という検証結果が掲載されております。これは、私の地元、能生川において、昨年の台風19号と平成29年の台風21号の雨量、被害額を比較したものです。 それによりますと、雨量については、単純に比較はできませんが、総じて昨年の台風19号のほうが多い状況であったにもかかわらず、被害について、平成29年台風21号は9か所、査定額で5億3,000万円であったのに対し、昨年の台風19号では4か所、1億3,000万円と、額にして4億円ほど、率にして約2割に被害額が減少をしています。 その理由は、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策により、能生川では令和元年度の春から夏にかけて河床掘削や河床整正を実施したからにほかなりません。事前防災の重要性を如実に物語っている事例だと思います。 この件以外にも、昨年の台風19号の際、その直前に河床掘削をしておいたために被害が軽減されたとの話を聞いており、県内各地域からの河床掘削や樹木伐採に係る要望も非常に多いようです。 今般、政府はこれに対応する緊急浚渫推進事業費を創設するとのことであり、地方債充当率100%、元利償還金に対する交付税措置率が70%と有利な財源となっております。ぜひこの財源を活用し、事前防災事業としての河川整備をより積極的に進めていくべきと考えますが、新年度に向けた対応方針を伺います。 また、河川の災害復旧工事においては、被災箇所の原形復旧だけではなく、未災箇所を含めた改良復旧工事を行うことが、再度の災害防止や予算面でも効率的と考えますが、知事の所見を伺います。 先ほど、糸魚川での農業関連被害が広範囲であったと申し上げましたが、このように、特定の地域に災害が集中した場合、市町村において災害査定やその後の発注等に係る人手が一時的に不足することも考えられます。 昨年の台風19号においても、糸魚川市が県農地部からの職員の応援を得ることができ、非常に助かったと聞いております。 今後も災害発生の際に、市町村からの人的支援を求められることがあると思いますが、対応方針について知事の所見を伺います。 災害時に安全を確保するのは、ハード整備はもちろんですが、最終的には避難など身を守る行動が大変重要だと思います。昨年、平成30年の西日本豪雨により甚大な土砂災害に見舞われた広島県を視察しましたが、現地の説明でも、最終的には避難が最も重要だと語っていたのが印象に残っております。本県においても県民の危機意識を高めるような施策が重要だと考えます。 県総合計画では県民の防災意識・地域防災力の向上が盛り込まれていますが、成果指標である災害や危機に対し、自ら対策を講じている県民の割合は、現状値64.1%とかなり低い状況と考えられます。 今後も、県民の危機意識の醸成が必要であり、また、災害被害を防ぐためには、防災リーダー、自主防災組織などの充実が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。 次の項目は、水産業についてです。 私の住む糸魚川市能生は、古くから漁業が盛んで、友人にも漁業者が多く、日常的に彼らと接しておりますが、ここに来てよく聞かれるのは、全体的に不漁で、魚価も期待しているほどのものではないとのことです。大和堆での他国の違法操業も不安要因です。 今年度、全国的にサンマが過去最低の不漁となっており、本県においても、近年、スルメイカやメギスなど、魚種によっては記録的な漁獲量の減少が続いています。不漁の原因としては、世界的な気候変動や漁業資源の枯渇などが考えられますが、知事の所見を伺います。 また、近代的な漁業を目指す観点からも、効率的な漁業操業と新規漁業就業者の確保・早期育成に向け、ビッグデータとICT技術を活用したスマート漁業の実現が有効と考えますが、県内での普及状況と県の取組について伺います。 先ほど、関西圏との観光について質問いたしましたが、関西の方はカニをよく食べると聞きます。そのような人たちを取り込むためにも、越前ガニに対抗すべく、本県産ズワイガニを売り込みたいものです。 本県産のズワイガニについては、平成29年度に生産者によるブランド、越後本ズワイの取組が開始され、県としても品質管理や販路拡大に向けた支援を行っていると認識していますが、ブランド化の現状について伺います。 この項目の最後に、港の安全対策についての質問ですが、漁業者の高齢化が進行する中、岸壁からの落下など漁業作業中の事故の増加が懸念されます。漁業者自身の安全対策の徹底などソフト面での対応とともに、県管理漁港における施設面での安全対策を図ることも必要と考えますが、現状と今後の対応について伺います。 最後の項目は、県政の諸課題についてです。 2019年ラグビーワールドカップは、当初の予想を超えた盛り上がりにより大成功で終了をいたしました。本県出身の稲垣選手の活躍もありましたし、何よりもジャパンチームのベストエイト進出という偉業も達成されました。そして、英連邦、ラグビー先進国以外での初開催にもかかわらず、チケットをほぼ売り切り、大きな盛り上がりのうちに幕を閉じました。 成功の理由の一つに、釜石、大分など大都市圏以外、新幹線のない地域での開催もあり、多くのファンが直接観戦できる機会があったということもあると思います。 先日、東北の地方紙に釜石開催における経済効果について掲載されておりました。それによりますと、岩手県への経済波及効果は約113億円とのことであり、大会前の試算の83億円を大きく上回り、予定されていた2試合のうち1試合が中止になったものの、一定の経済効果があったものと分析をしております。 一方で、大会期間中の釜石市内主要ホテルの稼働率は前年同期を下回り、飲食店からも、人の流れが少なかったとも言われており、思ったほどではなかったのではないかとも言われております。そういう分析もあるようです。 このラグビーワールドカップについて、新潟県開催が実現できなかったことは重ね重ね残念でありますが、改めて15年後、あるいは19年後の誘致を望む声も多いです。森日本ラグビーフットボール協会会長も、それについて言及をされております。その際は、ぜひ新潟開催を実現してほしいと考えており、そのためにも、今大会における経済効果などについて、具体的には本県と同規模の静岡県などの状況を検証すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ただ、あえて付け加えさせていただきますが、ラグビーに限らず、スポーツ大会等の誘致は経済効果のみを求めるものではないはずだと私は考えます。本県のスポーツ文化向上に寄与する、県民に世界の一流のプレーを間近で見てもらう、あるいは青少年に夢を与えるなど、誘致に当たっては多様な要素があるはずです。その点もぜひ鑑みていただき、経済効果のみで判断するのではなく、次回のラグビーワールドカップ、あるいは他のスポーツ大会、イベントの誘致に積極的な姿勢で臨んでいただきたいと強く要望するものであります。 最後の質問です。人口減少や高齢化の進行により地域づくりの担い手が不足する中、県は、今年度、各地域振興局に新潟県地域づくりサポートチームを設置し、地域課題の解決に向けた住民の主体的な取組を支援していると聞いております。この取組の成果と来年度に向けた方向性について伺いまして、私の一般質問を終了いたします。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県内経済の現況についてでありますが、海外経済の下振れなどから生産活動は弱含みの状態が続き、企業の景況感も悪化しています。一方で、個人消費は消費税率引上げなどの影響があるものの、おおむね横ばいで推移するなど、全体として県内経済は弱い状態が続く中、横ばいで推移しております。 議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの影響などを含め、世界経済の先行きに不透明感が増している中、本県経済を取り巻く状況には様々な懸念材料があるものと認識しております。 県といたしましては、予断を持たずに県内経済の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、少雪による県内産業への影響と対策についてでありますが、記録的な少雪に伴い、スキー場や旅館業など観光関連産業に影響が生じているほか、除雪関連業種や暖房器具製造業などで、売上げの減少などの影響が生じております。 県といたしましては、県内企業の資金繰りに万全を期すため、少雪対策特別融資を創設するとともに、除雪業者に対して基本待機料を前倒しで支払う等、対策を講じているところです。 また、農業分野におきましては、農業用水の不足が懸念されることから、気象や地域の状況について情報収集し、技術対策情報の提供など、機会を捉えて農業者等に注意喚起するほか、春作業が円滑に進められるよう、必要な対策を講じてまいります。 次に、投資事業の在り方についてでありますが、平成10年度と比べ平成30年度の投資的経費が税収以上に減少している点については、国の公共事業予算の減少等の影響によるものと認識しております。 また、投資事業については、主に県債を財源としており、その負担は将来の公債費として現れることから、将来にわたって投資事業以外の様々な行政需要にもしっかりと対応した財政運営を行っていくため、今般、公債費負担適正化計画案を策定し、税収や地方交付税措置など県が自由に活用できる財源のうち公債費の実負担が占める割合を表す実質公債費比率に基づき、投資の事業量を管理していくこととしたところです。 今後の予算編成に当たっては、この計画に基づき、毎年度将来の金利や税収等を適切に推計し、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とする目標を達成するように、投資事業の事業量を決めていきたいと考えております。 次に、産業振興についてお答えします。 まず、商店街の活性化に向けた取組についてでありますが、商店街の活性化に当たっては、ネット通販市場の拡大やキャッシュレス化などの新たな環境への対応をはじめ、地域住民が望む品ぞろえの充実や地域コミュニティーとの連携など、魅力ある商店街づくりに、商業者等が主体的に取り組むことが重要であると考えております。 県といたしましては、意欲ある商業者等が商店街の機能の強化に向けて行う、新たな視点や地域の特性を生かした取組が効果的なものとなるよう、まちづくりの主体となる市町村と連携して支援してまいります。 次に、ローカル5Gの利用促進についてでありますが、5GはSociety5.0を支える基盤として様々な分野での活用が期待されている一方、通信事業者による環境整備は収益性の高い都市部で先行することが懸念されております。 一方、企業や自治体等が独自に構築可能なローカル5Gは、費用負担が大きいといった課題はあるものの、地方部において5Gを活用する有効な手段であると認識しております。 新年度において、議員御指摘の遠隔医療など過疎地域における利用促進も含め、4Gではなく5Gでなくては実現の難しいテーマについて、民間事業者も含めて幅広く検討し、その具体化に向けて取り組んでまいります。 次に、関西圏からの誘客促進に関する新年度の県の方針についてでありますが、これまで、鉄道事業者、関西旅行エージェント等と連携した旅行商品の造成・販売支援や交通媒体を活用した情報発信に加え、LCC就航後は、航空会社とも連携し、若い女性層をターゲットとしたSNSによる発信などにも取り組んできたところです。 新年度では、こうした取組に加え、昨年12月にリニューアルオープンした関西情報発信拠点、「新潟をこめ」を活用した観光イベントの開催やメディア連携ツアーの実施など発信力の強化に取り組むこととしており、北陸新幹線延伸も見据え、本県観光のブランド化を進める中で、関西圏からの一層の誘客に取り組んでまいります。 次に、防災・減災についてお答えします。 まず、自然災害に対する危機管理についてでありますが、近年、気候変動の影響により、毎年のように数十年に1度、想定外と言われる大規模な自然災害が頻発しております。昨年、全国各地で甚大な被害をもたらした台風第19号等では、大規模河川及びその支川での氾濫や避難における逃げ遅れ等の課題が浮き彫りとなり、事前防災対策の強化と住民の確実な避難行動に向けた支援等が求められております。 こうした観点から、防災・減災対策をハード・ソフト両面にわたって一層強化してまいります。 次に、河床掘削の推進についてでありますが、河川が本来持つ能力を十分に発揮させるため、非常に重要な対策と考えており、平成30年度からの国の3か年緊急対策により集中的に実施した結果、台風第19号においても、その効果を発揮したところであります。 新年度においても、これに加え、新設された緊急浚渫推進事業費を積極的に活用するなど予算の確保に努め、引き続き事前防災対策に取り組み、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。 次に、河川の災害復旧工事についてでありますが、被害の状況や規模によっては、議員御指摘のとおり、原形復旧だけではなく改良復旧工事を行うことが再度災害防止に有効であるとともに、予算面でも効率的であると考えております。 県では、これまでも、平成23年新潟・福島豪雨や平成29年の豪雨災害など、過去の災害において改良復旧工事を実施して再度災害防止を図ってまいりました。 今後も、被害の状況に応じて、積極的に制度を活用してまいりたいと考えております。 次に、大規模災害時の県内市町村への人的支援についてでありますが、県は、これまでも市町村からの求めに応じ、農業土木職や林業職等の専門分野の県職員を積極的に派遣してまいりました。 加えて昨年3月には、県と全市町村でチームにいがた相互応援協定を締結し、発災直後に一般職員が大量に必要となる業務についても支援体制を手厚くしてきたところです。 今後も、県を挙げて市町村をしっかりと応援してまいります。 次に、県内水産業についてお答えします。 近年の漁獲量の減少についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年、全国的にサンマやスルメイカが不漁となっております。また、県内においてもスルメイカやニギスなど一部の魚種については漁獲量の減少が続いております。 漁獲量の減少は、海水温の分布や海流など、海洋環境の変化や乱獲等、様々な要因が関わっているものと考えられております。 今後も、温暖化等が予想されることから、漁業者においては、海水温変化等の精度の高い影響予測に基づく効率的な対応が重要になってくると考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 ラグビーワールドカップの経済効果の検証についてでありますが、静岡県をはじめとする、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催地や関係機関等において、開催に係る経済効果等の検証を行っていると伺っておりますので、それらの情報を幅広く収集・把握し、今後、ラグビーワールドカップの誘致を検討する際には、その参考にしてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 5点についてお答えいたします。 令和2年度の普通交付税等の予算計上額についてでありますが、今回、偏在是正措置により地域社会再生事業費が創設され、地域社会の維持・再生に向けた取組に要する経費が基準財政需要額として算定されることから、本県の基準財政需要額は50億円増加し、その分、普通交付税等の増加要因となります。 一方で、公債費に対する交付税措置額の減少といった要因などもあることから、普通交付税等の全体額としては、令和元年度当初予算と比べて23億円増加の2,722億円と見込んでいるところです。 次に、当初予算における投資事業の実負担についてでありますが、令和元年度当初予算における大規模施設建設等を除く投資事業の実負担802億円に対して、令和2年度当初予算案に今議会の冒頭に提案いたしました令和元年度補正予算を加えた実負担は749億円となり、約7%の減少となっております。 また、令和2年度当初予算案のみの実負担は694億円であり前年度比で約13%の減少となっております。 次に、公債費の償還スケジュールの見直しについてでありますが、公債費の償還スケジュールの見直しは、国の制度見直し等を契機として、公債費の単年度負担を軽減し、大規模災害からの復興や必要な行政サービスの提供のための一般財源を確保するために行ったものです。 議会に対しては、平成20年2月定例会の本会議や総務文教委員会で、県債の償還期間を延長したことは御説明しておりましたが、当時は高い経済成長率を前提に収支を見通していたことから、これにより増加する将来的な公債費負担が、財政悪化を招く要因になるとは認識しておりませんでした。 現在は、経済成長率をより堅実なものへと変更しておりますが、今後ともより堅実に収支を見通しつつ、公債費負担適正化計画に基づき公債費負担の管理に努めていきたいと考えております。 次に、ふるさと納税及び企業版ふるさと納税の取組方針についてでありますが、ふるさと納税につきましては、今年度、返礼品を拡充するなど積極的に寄附獲得に取り組んでまいりました。道府県の平成30年度寄附実績を踏まえると、1億円を超える団体が13団体あることから、本県としても、これまで以上に多くの方々から応援いただき、歳入確保にも資するよう、返礼品の魅力向上や効果的なPRに努めてまいります。 また、企業版ふるさと納税につきましては、今年度、全庁を挙げて本県にゆかりのある企業等に働きかけを行っており、1月末時点で11社から1,955万円の寄附を獲得したところです。来年度は、寄附額の約9割が税額から控除されるなど、さらなる制度拡充が予定されていることから、より一層活用しやすくなることを積極的にPRするとともに、企業から応援が得られるようなプロジェクトを幅広く認定事業として示し、引き続き、効果的に働きかけを行ってまいります。 次に、地域づくりサポートチームの成果と来年度に向けた方向性についてでありますが、地域づくりサポートチームについては、12の地域振興局において、まずは支援対象地域と信頼関係を構築するところから活動を開始し、全住民アンケートの実施や地域活性化の具体的な取組のアイデア出しをするなど、地域の取組の後押しをしてきたところです。 今後は、今月28日に活動報告会を行うとともに、年度末までに来年度以降の活動に向けた実践プランを策定する予定としております。 各チームで策定したプランの実現に向けて、市町村と連携し、地域の思いに耳を傾けながら、引き続き支援してまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 県民の防災意識と災害被害の軽減についてでありますが、これまでも、県では県民から防災を自分事として認識していただくため、各種シンポジウムやセミナーの開催などにより、住民の意識啓発に取り組んできたところです。 これに加えて、県といたしましては、地域の防災活動の核となる防災リーダーに助言・支援する人材として、新年度、新たに防災シニアリーダーを養成することとし、防災リーダーを中心とした地域の防災活動の充実を図り、県民の防災意識向上と災害被害の軽減に努めてまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 4点についてお答えいたします。 キャッシュレスの普及促進等についてでありますが、国の公表によると、ポイント還元事業での本県の加盟店数は、本年2月11日時点で1万8,963店となり、人口1,000人当たりの店舗数は全国平均8.0店を上回る8.4店となっております。 こうした状況から、国の事業を一つの契機として、キャッシュレス決済に対応しようとする事業者が増えたことがうかがえます。 これまで、県では、国と協力し、セミナーのほか中小事業者や一般向けの事業説明会の開催などを通じて、キャッシュレス決済のメリットや国の支援制度について情報提供を行ってまいりました。 今後とも、国、市町村及び関係機関と連携し、インバウンドの呼び込みなど潜在需要の取り込みや現金取扱いコストの削減、支払いの利便性といったメリットについて情報提供を行うなど、様々な機会を捉えてキャッシュレスの普及促進に努めてまいります。 次に、事業承継時の新たな信用保証制度についてでありますが、国の調査によれば、中小企業が受けた融資全体の約9割を経営者保証つきが占めており、承継を拒否した後継者候補者のうち約6割が個人保証を承継しない理由として挙げております。本県におきましても個人保証を理由に事業承継が進まない事例が見られることから、経営者保証の解除は、円滑な事業承継の推進において重要な課題となっております。 国が創設する新たな信用保証制度は、借換えも含めた融資に当たり、一定の要件下で事業承継時の経営者保証を不要とすることから、事業承継への効果が期待されるところです。 県といたしましては、新年度に設置する経営者保証コーディネーターによる金融機関との交渉支援や県制度融資の拡充などにより、国の新制度を補い、実効性が高まるよう取り組んでまいります。 次に、県制度融資の利用状況についてでありますが、県内金融機関の中小企業向け融資残高が増加する中、県制度融資の利用実績は、景気回復や市中金利の低下、民間金融機関の積極的な貸出し姿勢などもあり、リーマンショックのあった平成20年度以降は減少傾向にあり、令和元年12月時点でも前年度と比べて微減の状況となっております。 県制度融資は、保証つきの割高感もあり、民間金融に対する優位性は低下しているものの、借換え資金や小規模企業向け資金、創業者向け資金など、資金繰りに余裕のない事業者を対象とした資金の利用は底堅く推移しております。固定で低金利の県制度融資は、財務の厳しい企業、小規模企業や創業者など信用力の弱い事業者にとって、本制度の目的であるセーフティーネットの役割を果たしているものと考えております。 次に、地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業の現状と取組についてでありますが、令和元年12月末現在の地域経済牽引事業計画の承認件数は、全国第1位の146件となっており、令和4年度末までに付加価値創出915億円、新規雇用創出4,084人が計画されています。 なお、経済効果につきましては、平成31年3月末時点で、付加価値創出が34億円、雇用創出が697人となっておりますが、多くの事業が事業着手前や設備投資中で、付加価値を生み出す段階に入っていないため、実績が現れてくるのはこれからと考えております。 県では、独自の税制優遇や補助制度を創設し、制度のメリットや活用事例等を積極的に情報発信してきたところであり、引き続き、成長分野に挑戦する企業を発掘し、関係機関と連携しながら、事業計画の実現に向けて支援してまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 3点についてお答えいたします。 県内におけるスマート漁業の普及状況と取組についてでありますが、海洋ビッグデータとICT技術を活用し、漁業の効率化を図るスマート漁業について、本県では、平成30年度より国の委託を受け、7隻の漁船が、操業や漁場環境に係るデータを蓄積している段階であります。来年度は、このビッグデータを基にしたシステム開発が予定されており、本格的な普及は令和3年度以降になるものと考えております。 また、県の取組といたしましては、来年度より、漁業調査船「越路丸」にて、海底地形が複雑で漁具被害が頻発している海域の海底地形図を作成し、これに操業時に蓄積された水温などの海況情報や過去の漁獲情報を加え、漁業操業を支援するシステムの開発に取り組みます。 実用化されれば、ICT技術の支援により、経験の浅い漁業者でも、利用が難しかった漁場での操業が可能となり、漁業の生産性が向上するものと考えております。 次に、本県産ズワイガニのブランド化の現状についてでありますが、越後本ズワイにつきましては、今年度は、新潟プレミアサロンでのPR活動、解禁の様子、ネスパス新潟館におけるイベント等が多くのマスコミに取り上げられ、露出が増えております。 これまでの取組により、本県産ズワイガニの平均単価の4倍近い1キログラム当たり約8,000円で取引され、品質の高さから、県内外の実需者により高い評価を受けているところです。 一方で、生産量が極めて限られていることから、安定供給体制の構築に取り組む漁業者を支援し、ブランド力の向上を図ってまいります。 次に、漁業作業中の安全対策についてでありますが、本県における漁業者の高齢化は、全国よりも進んでいることから、従来の対策に加え、高齢化を考慮した安全対策も重要と考えております。 県では、日頃から、ライフジャケット着用や漁業作業中の事故防止に関する注意喚起を行うとともに、海上保安庁等の協力を得ながら、安全講習会を実施しております。 また、漁港施設の対策では、これまでも、車止めの設置や、万が一、海中に転落した際に岸壁に上るためのはしごの整備を行っております。 議員御指摘のとおり、高齢化が進行する中でも安全に漁業活動が行われるよう、漁業者や専門家の意見を伺いながら対策を検討してまいります。 ○議長(岩村良一君) 中村康司君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時54分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議
    ○副議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 上越市選出、自由民主党の斎京四郎です。通告に従い、順次質問を行います。 まず、今回の予算編成に当たり、花角知事のリーダーシップにより各部局が尽力され、財政状況の改善に向けた第一歩を踏み出すとともに、国の優位な財源を活用するなどして、予算規模に関して言えば、適度なダウンサイジングにとどめることができたのは大いに称賛されるべきことと認識しております。 しかし、今回の財政問題の表面化に伴い、その根本的な原因はどこにあるのかということに関して私なりに考えました。まずもって、県の行動計画に係る質疑や2020年度の予算編成についての内容は多くの議員からなされるかと思うので、視点を変えて、歴史的背景を踏まえた長期的な観点からこの問題を考えてみたいと思います。 さて、現状では、国の責務として地方に義務づける財政支出については、国が全面的には財政責任を負う仕組みにはなっていないという側面があります。一方で、地方の単独事業とされる事業についても地方は国からの交付税によって財源が保障されており、地方は100%財政責任を負っているわけではありません。 このように国と地方で入り交じるような財政負担の在り方は、国と地方の役割分担の根本的な見直しを行うことなく、長年にわたり、その都度、格差是正や地方の裁量権の拡充など、場当たり的な政策要請に応じて対症療法的に新たな制度を構築してきたことが、その根本原因と考えられます。 そもそも、地方交付税制度は財源保障と財政調整機能を有していますが、過去には財源保障機能を縮小する改革等がなされ、その後も様々な制度改正が行われてきており、結果的に大変複雑な制度となっています。 この複雑な仕組みを改め、どの地域に住む住民にも一定の行政サービスを提供する一方、地域が必要と判断した公共サービスを独自に提供できるようにすることが必要であります。 つまり、いわゆるナショナルミニマムを国がしっかりと保障し、それ以外の公共サービスを地域のニーズに応じて地方が自己決定できるよう、国がしっかりと財源を保障するとともに、分かりやすい地方財政の在り方に改革していくことを国に求めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、地方創生が叫ばれている中、各自治体が地域活性化に知恵を絞ることは大変よいこととは思いますが、例えば少子化対策として、子育て環境の充実を訴え、子供の医療や奨学金制度などの充実を施策の売りにするような自治体も目立つようになってきています。 しかし、こうした競争はアイデアを出すという意味では意義があると思いますが、実際に実施となれば、結局は財源の豊かな自治体が有利になるのは間違いありません。例えば、豊かな財源を持つ隣の都市の施策を自分のまちも取り入れてみようとしても、大きな産業もない人口減少地域の自治体にとっては、工夫などでどうにかなる問題ではなく、結局は子育て環境を自慢する隣の市に若夫婦が流出するようになるでしょう。 そして、結果的には子育て自慢の自治体には周辺の自治体から人口が流入するだけで、広いエリアで見れば何も変わらないのです。少子化問題は、日本全国で起こっている問題であり、自治体間での小さな差を競っても、意味のある施策ができるとは到底思えません。現在起こっているそうした自治体間競争は、結果的に自治体の疲弊を招くとともに、日本という国で生きる国民の平等を損なう可能性があると思います。 さて、こうした問題を解決するには、先ほど触れたナショナルミニマムのレベルを上げるしかないわけですが、それには常に財源の問題が絡むことは言うまでもありません。 県会は国の財政問題について議論すべき場ではありませんが、最近の国会では、政府の赤字は民間の黒字である、自国通貨建てで国債を発行する限り財政破綻はしない、経済活性化のためには政府による積極的な財政拡大が必要と主張する現代貨幣理論、MMTに基づく議論が行われています。 この考えに基づけば、地方活性化のための基礎的な投資は極めて重要な政府支出項目となり、交付税措置も当然その対象となるでしょう。 県財政悪化の原因の一つとされる地方交付税の減少については、根本的には地方交付税の財源不足によるものと考えられるわけですから、今ほど触れたように、昨今、現代貨幣理論、MMTと呼ばれる国の財政赤字を容認するような財政運営理論が注目されていることもあり、国に対して地方交付税財源を拡充するように求めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、教育問題について何点か伺います。 昨年、特別委員会での視察で三条市の義務教育学校を視察しました。校長先生の優れたリーダーシップの下、生き生きと学校が機能しており、伸び伸びとした子供たちが元気に活動していました。そこで感じたことをまとめて質問していきたいと思います。 まず、英語教育やプログラミング学習の導入に際して、あるいは以前から問題となっている理数系の教科教育に関して、現在、小学校での教科担任制が検討されています。こうした義務教育学校などでは小中の教員が一緒に教育活動を行っており、そのアプローチは、よりやりやすく、また大変効果があると思われます。 そこで、小学校への教科担任制の導入について期待される効果と課題、また、導入に向けた国の検討状況について伺います。 次に、新潟県は全国に比して公立の中等教育学校の設置を積極的に進めてきましたが、再三この本会議でも話題にしてきましたように、その教育的効果については一定の評価はあるものの、その設置数や設置エリア等、そして現状の倍率等を勘案すれば、既にその歴史的使命を終えており、早急な見直しが必要だと考えています。 特に人口減少地域での中等教育学校は、既存の中学校との共存共栄を図ることは極めて難しくなってきているのではないでしょうか。 むしろ旧市町村単位での一町一村一小学校一中学校が現実的になってきている現在、過疎地域や中山間地域を多く抱える新潟県としては、中高一貫の中等教育学校よりは、小中9年間の一貫教育校の研究や設置に向け、基礎自治体への指導・助言をすべき時期ではないでしょうか。 さて、こうした中、平成27年の学校教育法の改正により、新たな学校の種類として先ほど触れた義務教育学校の設置が可能となり、義務教育9年間を連続した教育課程と捉え、地域の実情などを踏まえた継続的、安定的な小中一貫教育の取組を実施できるようになったことから、義務教育学校が持つ教育的な効果は大変大きいと考えますが、全国的に設置が進んでいる中、県として導入に向けての見解や方針について伺います。 次に、こうした制度的な見直しや新規の取組が図られる一方、不易と流行の不易の部分に関して教育水準を保ち、教育環境の維持発展に努めることは、新潟県の魅力づくりや人づくり、さらには安心して新潟にとどまる人口を確保するためにも重要な施策と言えるでしょう。 つまり、小中学校においては基本的生活習慣の確立と基礎学力の定着を図り、高校においては多様なニーズに対応した学科やコースの設置、あるいは将来の進路選択に向けての有意義なキャリア教育や進路指導を展開する必要があります。こうした観点から何点か質問します。 まず、家庭学習時間の長い子供は、学習習慣と基礎学力が身についている子供が多いと考えられますが、全国学力・学習状況調査によると、義務教育期間における本県の1日当たりの家庭学習時間は、2時間以上の子供の割合が全国と比べ半分程度となっています。 広報紙「かけはし」によれば、1時間未満の割合を減らすような努力については取組が記載されていますが、むしろ意欲を持って学習している層が極端に少ないことのほうが問題ではないかと考えます。 新しい学習指導要領下での基礎学力向上の取組方針についてお伺いします。 続いて、高等学校教育について質問します。 全国的に高校普通科の在り方が問題となっていますが、そもそも学校の特色化とは行事や部活動で図られるものではなく、学校が持っているカリキュラムに反映されるべきものであり、普通科とはカリキュラムが普通であることが最大の魅力であり、特徴なのです。 特に大学等への進学を考えた場合、普通科のカリキュラムが一般的な大学入試に対応しており、大学進学を目指す場合には普通科が有利であった時代は確かにあったでしょう。 しかし、大学全入時代を迎えて、入試制度が多様化し、どのようなカリキュラムを持つ高校からでも大学進学は可能となり、この点で普通科の優位性はほぼなくなっています。 こうした状況下においては、特色ある普通科であるためには、ほぼ全員がある程度の入試の競争倍率を持つ大学へ進学を希望して、その進路希望を実現するためのカリキュラムを持つか、逆に専門高校のような実学的な内容を盛り込み、地域連携を図っていくような授業展開が可能なカリキュラムを持つかのどちらかになります。 前者の場合は普通科である意味が大いにありますが、後者の場合、それが普通科である必要があるかは甚だ疑問です。例えば職業教育、地域連携の一つとして導入されている、いわゆる日本版デュアルシステムも、本気でやるならば、専門高校的なカリキュラムと指導力を持たなければ、意味のある深い取組はできません。しかし、大学進学者が圧倒的に多い普通科を除けば、特色ある普通科への改革は、現実的にはそうした専門高校的な教育内容に近づくことになるはずです。そうした学校で専門高校のような実践的で職業教育的な内容の教育が果たして可能なのでしょうか。 今春の高校入試倍率を見ても、確かに平均で見れば普通科への志望が多くなっている傾向は続いていますが、都市周辺部の普通高校の倍率は総じて低いと言わざるを得ません。そして、そうした普通高校は、残念ながら存続の危機に瀕しているか、大学進学以外の特色を出していかなければならない方向での特色化が必要な普通科に分類されることになるでしょう。 そうであるならば、新しい学校の設置などは難しい中で、普通が魅力の普通科の特色を図るよりは、地域産業を担う人材の育成等の観点や若者の地元定着促進の観点からも専門高校の充実を図り、普通科の比率を下げていくべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 続いて、普通科あるいは理数科等、大学進学者が多い高校の現状について質問します。 新潟県の大学等進学率については、ほぼ全国最下位であった状態から、先人が努力し、生徒の希望をかなえられるような学力向上のシステムと進路指導の体制整備を行ってきた歴史があります。 県は、大学等の進学について、一定の成果があったとして、数年前より量から質との方針を示したと受け止めていますが、結果的には量も質も低下しているのが現状です。 大学進学者の多い高校において指導の体制整備促進や教員の指導スキルの向上に向けた取組が弱体化し、大学教育の内容や大学入試に関する情報に基づいて進路指導と教科指導ができる教員が少なくなり、経験豊富な教員から指導技術やノウハウを伝える機会が減っているのではないかと危惧するところですが、現状の認識と今後の方針について伺います。 次に、港湾に係る交通政策について伺います。 人口減少が進み国内マーケットの縮小が余儀なくされる中、海外との交易はますます重要性を帯びています。また、現在、様々な問題を抱えているとはいえ、歴史的に見れば、世界経済の中心に中国が君臨していた時代は長く、中国経済が安定的に成長することは結果的に東南アジア地域、北東アジア地域も活性化するという必然的な歴史の流れを呼び起こすでしょう。 そうした状況となれば、日本海はまさに交易の要となり、極東の地中海としての機能を持ち、再び日本海側の都市や港湾に光が差す時代もそう遠くはないはずです。その日に備えて着実な一手を重ねていくことは、本県の未来にとって極めて重要と言えるでしょう。 さて、政府は総合物流施策大綱を定め、アジア地域を中心とした貿易や効率的な物流のため港湾機能の充実等の施策を進めることとしていますが、こうした視点を踏まえた県内港湾の整備や振興策について、知事の所見を伺います。 次に、新潟県がアジア貿易で力を発揮するためには、新潟港や直江津港だけでは力不足であり、航路を増やし、貨物取扱量を増加させるためには、福井、石川、富山、長野各県との連携が重要と思われますが、県内港の外貿コンテナの取扱量増加に向けた北信越各県との連携協力体制について、現状と展望を伺います。 また、国内流通の視点から見ると、中部横断自動車道が開通すれば、静岡市清水区から長野県小諸市を経由して上越エリアまで高速道路が直結し、松本糸魚川連絡道路の効果も相まって中部・東海エリアとの物流がスムーズになることが期待されます。 港湾物流の促進に関し、こうした地域との経済的な結びつきの強化について、県の取組方針を伺います。 次に、本県の主要産業である農業の施策について伺います。 まず、中山間地域の維持については、多角的かつ総合的な見地からの支援が重要であり、県が新規事業として取り組んだ未来につなぐ中山間地域活性化支援事業は、地域の基盤産業となる農業をベースとした多様な人材の多様な働き方の創出を支援する事業で、非常に効果的と考えます。 本事業の進捗状況と実施過程の中で表出した今後の課題について伺います。 次に、中山間地域等直接支払制度の利活用については、現場の確認作業などが多く、市町村職員の負担増が懸念され、また高齢化に伴う集落機能の低下が制度活用にも支障を来していると聞いています。 中山間地を多く抱える県として、制度が有効に機能するように支援するとともに、制度の改善を国に働きかけていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 一方で、大規模な企業的な農業経営への期待も高まるところですが、現在、農業高校から直接、農業法人等に就職する生徒は極めて少ないと聞いています。これは、新潟県の主要産業である米の生産に大いなる希望を見いだして進路を選択する生徒がほとんどいないということでもあり、ほかの産業の高卒就職の状況から見れば、極めて残念な結果と言わざるを得ません。 農業経営の大規模化、法人化の進捗に伴い、新規雇用への期待も高まるところでありますが、農業系の学科を持つ高校からこうした法人への就職を推奨し、担い手の育成、若者の地元定着の観点からも就農する高卒者を創出すべく高卒求人、高卒就農に尽力すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 最後に、上越地域の課題について、幾つかお伺いします。 まず、起業家の育成・支援は花角県政の重要な柱の一つと認識していますが、財政厳しい折の今回の予算編成においてもスタートアップ拠点事業はしっかりと予算づけがなされています。 知事は、起業支援が身近で受けられる環境を全県で拡大するとしていることから、上越地域でもスタートアップ拠点の設置を推進すべきと考えますが、知事の考えを伺います。 次に、直江津港の代替機能についてお伺いします。 まず、平成28年度に国、県、民間等で組織する北陸地域国際物流戦略チーム専門部会が策定した計画で、直江津港は太平洋側大規模災害時の代替輸送港湾として位置づけられているものの、それに関して国等の特別の予算措置はされていません。 災害時の機能性の確保のためには一層の整備促進に加え、平時の貨物取扱量を増やすなどの工夫が必要と考えますが、荷主企業等のBCPの観点を踏まえた県の対応状況について伺います。 続いて、保倉川放水路の掘削土を用いた直江津港湾荒浜埠頭の整備について質問します。 前回の一般質問においては、荒浜埠頭の整備に保倉川放水路の掘削土を利用することについては、まずは、新たな埠頭整備に向けた必要性を見極めてまいりたいとの回答を得ています。 こうした面からエネルギー港湾としての機能の拡充について、上越市と共に県も企業や国に積極的に働きかけていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、地域の農業活性化について質問します。 上越地域は、他地域に比して農業法人数が多く、こうした法人に就職する意欲を持った若者も増えてきていますが、経営の安定や通年雇用者の確保のためには冬期間の作業確保等が喫緊の課題となっています。このような課題の解決に当たって、県ではどのような支援策を講じているのか伺います。 次に、新時代の交通システムについてお伺いします。 間もなく5Gの通信技術が導入され、革命的な変化が訪れようとしています。特に自動運転などのシステムにとって全く新しい局面が展開されることが期待されていますので、こうした点について2点お伺いします。 鉄道の自動運転化に対する機運が高まっている中、国土交通省は2018年12月から鉄道における自動運転を導入する場合の技術的要件の検討を進めているところです。赤字路線として厳しい経営が続いている県内三セク鉄道においても、人件費の削減等の面から積極的に推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、上越市の直江津ショッピングセンターには無印良品ブランドを展開する良品計画が直営店舗を設置することが決まり、併せてまちづくりに対しても積極的な発信を始めています。良品計画は、フィンランドで間もなく実用化されようとしている自動運転バスの車両のデザインを手がけたりするなど、こうした分野にも積極的な姿勢を示しています。こうしたことから、5G導入も相まって、上越の町なかを自動運転車両が走る日に向けて、期待も高まってくるでしょう。 ところで、今年の4月から茨城県において、国内初の自治体による公道での自動運転バスの実用化が始まります。定員は11名で、5キロ程度の区間の運行と聞いていますが、例えば、中山間地の路線バスについては同様の手法が有効と考えることができます。 赤字バス路線維持のために支援を実施している県として、リーダーシップを発揮して、こうしたシステムの導入に向けた支援に向けて取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 次に、身近な交通安全に関してお伺いします。 地域を回っていると、横断歩道が消えかかっているようなところが多く、要望を繰り返してもなかなか修繕されないという意見を聞きます。これは上越地域に限ったことではないと思いますが、多くは通学路に関係しており、県民の暮らしの安全・安心を重視する観点からも早急に対応すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、公共事業と景観の関係についてお伺いします。 公共事業において、景観に配慮した設計・デザインはまちづくりや観光の視点からも重要と考えられます。 昨年、直江津港西海岸地区から糸魚川方面を望む海岸において、市内の外国語指導助手、いわゆるALTの皆さんが企画した海岸清掃イベントが開催されました。この海岸は、町場にも近く、長野方面からのお客さんをはじめ、多くの人が集う憩いの海岸です。 さて、この活動の中心になったメンバーの一人は、このすばらしい海岸線と海、山々のコントラストは本当にすばらしく、上越での私のお気に入りの風景だ。しかし、あのテトラポッドが著しく景観を損ねており、誠に残念だ。私たちの国では、美しいビーチにはあのようなものは置かないと残念そうに話をしていました。 確かにこのエリアの海岸風景は極めて美しい風景ですが、波消しブロック等が景観を損なっている面も否めません。 新水族館うみがたりがオープンしたこともあり、海岸利用者の増加も見込まれることから、景観や環境に配慮した海岸保全対策が必要と思われますが、今後の対応について伺います。 これで私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、地方財政の在り方についてでありますけれども、現在の地方財政制度は、地方自治体の財源保障と財源調整において重要な役割を果たしてきておりますが、人口減少が進んでいる地方においては、人口減少に応じて行政サービスを縮小することが困難な面や、公的負担が一層増加する面も顕在化してきていることから、地方財政制度もそうした社会の変化に対応していくことが必要であると考えております。 このような観点から、今般地方の実情に応じた必要な行政サービスを確実に提供できるよう国に対して要望を行い、地域社会の維持・再生に取り組むための新たな交付税措置が創設されるなど制度改正が実現したところであり、引き続き、地方が抱える課題に対し、自ら取り組んでいくことができるよう、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。 次に、地方交付税財源についてでありますが、地方交付税は、人口減少が本格化する中にあっても、その本来の役割である財源保障機能が適切に発揮されることが重要であると考えており、今後とも全国知事会等を通じて、法定率の引上げを含め、交付税の総額確保を国に求めるとともに、税制の見直しや財源移譲等、安定的な地方財政制度の確立を求めてまいりたいと考えております。 次に、交通政策についてお答えします。 まず、県内の港湾整備や振興策についてでありますが、新潟港及び直江津港は、中国や韓国への外貿定期コンテナ航路を有し、貨物取扱量の約9割がアジア地域であることから、こうした特徴を生かして、政府の総合物流施策大綱に掲げるアジア地域を中心とした物流網の円滑化や港湾機能の充実に貢献することは重要であると認識しております。 県といたしましては、戦略的なポートセールス活動等により貨物の利用拡大を図るとともに、輸出入に要する日数の短縮につながる航路改編や新規航路誘致を船社に働きかけ、荷主の利便性向上と併せ、これに対応できる港湾機能の強化に取り組んでまいります。 次に、県内港の北信越各県との連携協力体制についてでありますが、他港との連携事例としては、中国華南地域への新規航路誘致に当たり、県内港単独では船社が持続的に航路運航するに足りる貨物量がないことから、富山、石川、福井各県との共同プロモーションに向けて協議を進めております。 また、今年度は、さいたま市と名古屋市において、北陸の各県と共同で、関東圏や中京圏の荷主企業等に対し、BCP目的での北陸地域港湾の利用を呼びかけたほか、来年度には、長野県内で直江津港セミナーを開催する予定であり、長野県とも協力しながらポートセールス活動を行ってまいりたいと考えております。 県といたしましては、今後とも、太平洋側港湾の代替港としての利用促進など、日本海側港湾の活性化の視点に立ち、各県の連携によりメリットのある取組については、相互に連携体制を取ってまいりたいと考えております。 次に、港湾物流における中部・東海エリアとの経済的な結びつきの強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、中部横断自動車道が全線開通すれば、中部・東海エリアから上越エリアへの陸送にかかる所要時間が短縮されることから、現在、名古屋港や清水港等を利用している中部・東海エリアの荷主企業に対し、直江津港の利用をさらに強力にPRできるものと考えております。 県といたしましては、開通を見据え、同エリアの荷主企業に対し、今後発生が想定されている南海トラフ地震などの大規模災害に備え、BCPの観点から、平時より日本海側の港湾である直江津港をバックアップ港として利用していただくことで結びつきを強められるよう、充実したインセンティブ制度や高速交通網の要衝であるといった優位性を積極的にPRすることにより、さらなる集荷拡大につなげてまいります。 次に、農業施策についてお答えします。 まず、中山間地域等直接支払制度についてでありますが、県ではこれまで、本制度を活用した集落営農組織の設立等の取組をサポートしてきましたが、協定参加者の高齢化が進み、5年間の耕作継続への不安や、農道・水路等の共同管理作業への参加を負担に感じている人が多くなってきていると認識しています。 このため、県といたしましては、高齢農家も安心して協定に参加できるよう、制度を活用して、引き続き集落ぐるみでのサポート体制づくりを進めるとともに、新たな人材の確保や外部支援組織との連携などの取組が進むよう支援してまいりたいと考えております。 また、市町村が制度の推進を強化できるよう、事務負担の軽減を国に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、農業系高校の卒業生の就職についてでありますが、卒業生の進路としては、進学と就職が約半数ずつであり、近年の人手不足による高卒求人の高まりで、他業種への就職が多く、議員御指摘のとおり、農業法人への就職者は非常に少ない状況となっています。 県といたしましては、高校生に限らず、農業の魅力についての情報発信や農業法人等での農業体験機会の提供などに取り組み、若者の農業への理解を促進してまいりたいと考えております。 中でも、農業系高校の皆さんには、新年度に取り組む、にいがた農業「新3K」人づくり事業で行う農業法人等でのインターンシップ研修などに、積極的に参加していただきたいと考えております。 次に、上越地方の課題についてお答えします。 まず、上越地域におけるスタートアップ拠点の設置促進についてでありますが、起業・創業の一層の推進に向け、今年度から、メンター等による伴走型の起業支援が身近で受けられる環境を整えるため、県内各地におけるスタートアップ拠点の設置支援に取り組んでおります。 新年度では、こうした拠点の全県への拡大を目指し、引き続き、意欲ある民間事業者を支援してまいります。議員御指摘の上越地域においても、前向きな民間事業者からの提案が得られるよう働きかけてまいります。 次に、直江津港に係るBCPの観点を踏まえた県の対応についてでありますが、北陸地域の港湾が対象となる代替輸送計画が策定されたことを受け、新潟港及び直江津港を太平洋側大規模災害時の代替港として利用していただくことを目的に、昨年3月に独自の代替輸送モデルルート等を追加した、新潟県版の代替輸送計画を策定したところです。 県といたしましては、計画を踏まえ、代替輸送受入れ体制の強化を図り、主に太平洋側港湾を利用する長野県や山梨県などの荷主企業に対し、BCPの観点から、同時被災リスクの少なさや便利なアクセスといった直江津港の優位性を積極的にPRすることにより、平時の貨物取扱量増加を図り、コンテナターミナルの整備につなげてまいりたいと考えております。 次に、直江津港荒浜埠頭の整備についてでありますが、荒浜埠頭は、コンテナを取り扱う物流拠点のみならず、発電所等の立地に対応したエネルギー基地としても活用できるものと考えており、これまでも電力会社等の進出により、エネルギー港湾としての機能を高めてきたところです。 県といたしましては、今後、エネルギー港湾としてのさらなる機能の拡充に向けて、港湾利用の相談など電力会社等からのニーズに的確に応えるとともに、エネルギー関連企業の動向も踏まえ、企業や国に必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次に、農業法人の経営の安定化についてでありますが、通年雇用による農業経営の安定化を図るためには、複合化や多角化などで経営の幅を広げ、1年を通して収入を確保できる体制を整備することが重要であると考えております。 県といたしましては、通年の作業が確保できる施設園芸や農産加工など六次産業化の取組を推進するため、経営改善や六次産業化の専門家の派遣を行うとともに、施設整備等の支援を行っているところです。 あわせて、生産条件が不利で農業だけでは所得確保が難しい中山間地域では、農業をベースに、農業以外の仕事を組み合わせた多様な働き方で所得を確保する取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、県内三セク鉄道における自動運転化の推進についてでありますが、人口減少などにより、鉄道分野においても運転士や保守作業員等の確保・養成が困難になっていることもあり、自動運転化が実現すれば、議員御指摘のとおり、人件費削減等の効果も期待できるところですが、一方で安全・安定輸送の面などにおいて、課題も指摘されているものと承知しております。 県といたしましては、まずは、国等の検討の動向や技術開発等の情報収集に努め、課題の整理を行ってまいりたいと考えております。 次に、中山間地域への自動運転バスの導入に向けた支援についてでありますが、過疎化や人口減少等により、中山間地域の公共交通の維持が困難な状況にある中、自動運転バスは、導入・運行コスト等の課題はあるものの、新たな公共交通として、地域住民等の日常生活に必要な移動手段の確保に貢献できるのではないかと期待しているところです。 そのため県といたしましては、来年度予算案に、市町村等が自動運転などの新たなモビリティサービスの導入に取り組む際の、実証実験や事業可能性調査に対する支援制度を盛り込んだところであり、将来を見据えながら、バスを含めた自動運転車の県内への導入につなげてまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 未来につなぐ中山間地域活性化支援事業についてでありますが、今年度、8地区で事業を実施しており、外部人材等の参画を得ながら、農業をベースに、地域資源を活用した起業や除雪等の農業以外の仕事の組合せによる多様な働き方の仕組みと必要な人材の確保・育成の取組などを盛り込んだ地域活性化プランが策定され、取組が始まっております。 今後は、このプランに基づき、人材のアイデアや能力を生かし、多様な人材による多様な働き方で必要な所得を確保していくことが課題であると考えております。 県といたしましては、実施地区の取組が他地域のモデルとなるよう、市町村と共にサポートしてまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 海岸保全対策についてでありますが、本県では、冬季風浪などによる高潮や海岸浸食から人命、資産を守るとともに、環境や利活用に資する砂浜を保全するため、効果的・効率的に海岸保全施設を整備しております。 議員御指摘の海岸につきましては、浸食対策としての波消しブロックが現在も機能している一方で、近年、新水族館がオープンするなど、観光面からも景観や環境への配慮の必要性が高まっているものと認識しております。 このため、新たな保全対策が必要となった場合には、海浜の利用状況や地域の意見も参考にしながら、これらの観点にも配慮した海岸整備を検討してまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 小学校の教科担任制の導入についてでありますが、それぞれの教員が自分の専門教科を指導することで、各授業の質が高まり児童の学力が向上することや、1つのクラスに複数の教員が指導に当たることで多面的な児童理解が可能となるなどの効果が期待されます。 一方で、課題としましては、教科担任制に必要な教員定数の確保とともに、学校への教科のバランスに配慮した人事配置等が挙げられます。 国の中央教育審議会では、平成31年4月の新しい時代の初等中等教育の在り方についての諮問を受けて、令和4年度をめどに小学校高学年の教科担任制の導入に向けた検討を重ねており、令和2年末に答申されると聞いております。 次に、義務教育学校の導入についてでありますが、義務教育学校の先行事例では、中1ギャップの緩和に加え、小学校で中学校の学習内容を先取りすることで、児童生徒の学びが深まるなどの効果が期待されております。 なお、義務教育学校の導入については、市町村教育委員会が地域の実情に応じて判断するものと認識しております。 次に、新学習指導要領における基礎学力向上の取組についてでありますが、新学習指導要領では、基礎的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力の育成に加え、自ら進んで粘り強く学ぶ力を学力と捉えております。 議員御指摘のとおり、家庭学習時間には学習意欲の持続の一面が表れており、知識・技能を確実に習得させるためには、一人一人の学習意欲の向上と持続が必要であると考えております。県教育委員会といたしましては、そうした力が身につくよう学ぶ楽しさや分かる喜びが実感できる授業づくりに向け、教員の指導力向上に向けた教員研修の充実に努めてまいります。 次に、普通科比率の在り方についてでありますが、議員御指摘のとおり、専門高校は、地域産業を支える人材の育成や、地元定着促進などにおいて、重要な役割を担っていると認識しております。 全日制課程における募集定員の比率では、専門学科が平成22年度から令和2年度の10年間で3.2ポイント上昇して24.9%となった一方、普通科系学科は3.6ポイント低下して63.9%となり、総合学科はほぼ一定で11.2%となっています。 今後、募集学級計画の策定に当たっては、7割以上の生徒・保護者が普通科系学科への進学を希望している現状と、地域産業界のニーズを踏まえ、各エリアの普通科系学科と専門学科のバランスに配慮しながら、それぞれ募集学級数を決定してまいりたいと考えております。 次に、大学等への進学に係る指導についてでありますが、大学等進学率は、5年間平均で平成22年から26年までが47.1%、平成27年から31年までが47.4%と、ほぼ横ばいとなっております。一方、いわゆる難関大学進学者数の大学等進学者数に占める割合は、同じく5年間平均で平成22年から26年までが1.83%、平成27年から31年までが1.68%と、やや下がっております。 議員御指摘のとおり、進路指導や教科指導に優れた教員がそのノウハウを学校内で伝えていくことは重要であると認識しております。各校では毎年、進路結果の分析を行い、進路指導計画を見直すとともに、授業公開等を行うことで指導技術等の向上を図っており、生徒の進学意欲の向上やセンター試験に対応した学力の育成については一定の成果があったと考えております。 一方、難関大学の合格に必要な記述力を含めた応用力の向上に加え、新しい学習指導要領では生徒の思考力・判断力・表現力等の育成が求められています。このため、県教育委員会といたしましては、教員が課題を設定するための発想力や課題を検証するための分析力など探求的な学習の指導方法を身につけられるよう、研修の充実を図ってまいります。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 消えかかっている横断歩道の修繕への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、消えかかった横断歩道等の修繕が、十分できていないことにつきましては、県警察におきましても重要な課題であると認識しております。 このため、令和2年度の道路標示予算につきましては、厳しい財政情勢の中ではありましたが、交通安全施設整備費予算の中で工面し、増額したところであります。 しかしながら、いまだ十分な予算措置と言えないことから、通学路等、より優先度の高いところから先に修繕するなど、限られた予算の範囲内で工夫をしながら事業を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(桜井甚一君) 斎京四郎君の質問は終わりました。 次に、中川隆一君の発言を許します。中川隆一君。   〔中川隆一君登壇〕(拍手) ◆中川隆一君 自由民主党の中川隆一でございます。通告に従いまして、一般質問を始めたいと思います。 1、県政の諸課題について。 新型コロナウイルスの感染が世界的規模で拡大し、感染者と死亡者は増加の一途をたどる状況であります。また、国内の複数地域で感染経路が明らかでない患者が発生している現在、いつ県内から感染者が発生してもおかしくないと考えます。 政府は、昨日、新型肺炎患者が国内でさらに増える事態に備えるため、基本方針を決定いたしましたが、本県では、県内での感染拡大の防止のためどのような検討を行っているのか、また、感染拡大防止のためにどのような体制整備が必要と考えますか、知事の所見をお伺いいたします。 県は、新型コロナウイルスの影響に関する緊急アンケート調査を中国と輸出入の実績がある県内企業等を対象に行い、2月7日に結果を速報として公表しました。アンケートは153社を対象に実施し、133社から回答が得られ、結果の概要として企業活動に影響が出ている企業は約半数で、具体的には海外工場・支店等の一時閉鎖・休業と回答した企業の割合が最も高く、次いで仕入れ・輸入の減少と回答した企業の割合が高かったわけですが、今後さらに感染が拡大したとき、県内企業にどのような影響を及ぼすと考えられるか伺うとともに、それら企業に対してどのような支援策を考えておられるのか、お伺いいたします。 国は、令和2年度予算において、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用して、地方公共団体が地域社会の維持・再生に向けた幅広い施策に自主的・主体的に取り組むために、新たに地域社会再生事業費(仮称)を創設いたしました。これは、花角知事が先頭に立って、国に対し地方交付税の確実な配分について積極的な要望活動を行った成果であり、財政の厳しい本県にとっては大変有益な交付税措置であります。 全国平均を上回って人口が減少し高齢化が進行している団体や、人口密度が低い地域の人口が多い団体の経費を割り増すもので、県財政に大きく貢献するとのことですが、この交付税措置の具体的な算定方法について伺うとともに、恒久的な措置と捉えてよいのか、お伺いをいたします。 知事は、1月28日の新年度当初予算案の査定に先立ち、報道陣に対して、収支均衡を目指す第一歩とし、効率的かつ効果的な事業実施に向け創意工夫すると述べられ、編成された新年度予算案は、行財政改革行動計画に基づいた緊縮型ですが、改革元年の予算とすれば、収支改善額も129億円とし、一定の評価を得ることができると考えます。 知事は、新年度予算を編成されるに当たり、どのような創意工夫を行ったのか、お伺いをいたします。 9月の一般質問で、佐渡ー新潟航空路線の運航会社の確保と早期再開に向けて具体的な検討を始める時期に来ていると質問をしたところ、知事は、「早期の運航再開については、現在も佐渡市と連携しながら鋭意取り組んでおり、現在の佐渡空港の滑走路長でも離着陸が可能で、かつ従来機より搭乗人数の多い機材が新たに開発されることにより、航空会社の佐渡路線開設の検討が促進されるものと期待しております。そのため、航空機メーカー等と導入の可能性などについて情報収集や意見交換を行っているところであり、今後は運航会社の確保にも努めてまいりたいと考えております」と御答弁されました。 去る1月31日の新潟日報の1面に、県内にLCC構想、新潟空港拠点、地方結ぶと題した記事が掲載されました。記事の内容は、「新潟空港を拠点に、地方間を小型機で結ぶ地域に密着した格安航空会社のトキエア(仮称)を県内に新設する構想が進んでいて、実現すれば、本州日本海側に拠点空港を置く初の航空会社になる見通し。地域に根差した航空会社は地域活性化につながると、全国の自治体で関心が高まっており、実現には政財界の協力や自治体の後方支援が鍵を握る。新規路線として新潟ー佐渡や新潟ー仙台、新潟ー丘珠(北海道)などが検討される見通しで、機材はフランスATR社のプロペラ機などが想定される」というものでありました。 地方間を結ぶ航空会社は、リージョナル航空やコミューター航空と呼ばれ、実現すれば地域産業や経済への貢献も大きいため、近年、地方自治体の関心が高まり、誘致や設立に向けた動きが活発化していると聞いております。 本県で実現すれば、新しい観光ルートの開発も可能となり、交流人口の拡大などが見込め、大きな経済効果や雇用面での効果も期待でき、さらに、佐渡ー新潟航空路線の早期再開にもつながると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、LCC構想は、新潟空港活性化検討会議の中でも活性化策として提案されており、県としても積極的に支援すべきと考えます。 知事は、これまでも最大限の対応をすると答弁されておりますが、これまでどのような対応を行ってきたのか伺うとともに、今後どのような対応を想定されているのか、お伺いをいたします。 2、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦についてお伺いいたします。 知事は、1月20日に県はじめ佐渡市の関係者の方々と、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦に向けて約50万筆の署名を持参し、国へ要望活動を行ったそうですが、かなりの好感触、手応えがあったと仄聞しております。 また、1月26日には県と佐渡市主催の佐渡金銀山世界遺産登録推進講演会が東京で開催され、大変大盛況でありました。 2月10日には署名も50万筆を超え、ますます機運が高まってきていると感じております。 さらに、2月13日には国会議員の世界遺産推進議員連盟の勉強会が開催され、文化庁の中岡司次長等と意見交換をしてまいりました。私は大変好感触を受けました。知事も出席されておりましたが、どのようにお感じになったでしょうか。国内推薦に向けての所見をお伺いいたします。 県は、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦を見据え、関係機関と連携し、各種メディアを活用した情報発信や旅行商品造成支援等を新たに実施するとのこととしておりますが、佐渡の魅力を国内外に発信し、数多くのお客様から来島いただくことは、本県の交流人口の拡大にもつながり、大変重要な施策と考えますが、実施するに当たり注意すべき点があります。それは、佐渡金銀山が産業遺産であるということであります。 同じ産業遺産の島根県石見銀山遺跡は、2007年に世界遺産登録され、翌年は80万人を超えた観光客はその後激減し、2016年には約30万人と登録前の水準まで戻ってしまいました。また、群馬県の富岡製糸場は、登録された2014年には133万人の来場者が2年後の2016年には約80万人、翌2017年には約64万人に減り、2018年には約53万人まで激減してしまいました。産業遺産は、ややもすれば一過性のブームで終わってしまう可能性があるということは、この2つの前例を見ても明らかであります。 同じ轍を踏まないためにも、佐渡金銀山以外の魅力も発信し、リピーターを確保することが最重要課題と考えますし、佐渡にはそれを可能にする観光資源が数多くあります。 2008年7月7日から開催された第34回主要国首脳会議、いわゆる洞爺湖サミットの晩さん会会場に展示され話題となった佐渡の天然杉はじめ南北両系の植物が自生し、大空にはトキが舞う豊かな自然、日本ジオパークにも認定され、日本の海岸地形が全てそろっている美しい海岸線の景観、また、芸能の島とも言われる佐渡には歴史的・地理的背景から能楽をはじめ鬼太鼓、人形芝居、佐渡おけさ等、多彩な芸能が伝承され、現在も楽しむことができます。 夏の一大イベントのアース・セレブレーションは、世界中で月間180万人が閲覧をしている日本紹介サイト、ジャパンガイドで、訪日外国人の旅行先満足度で第1位を獲得し、米国ニューヨーク・タイムズ紙にも掲載されました。 また、世界の観光地を格付しているミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも、本県で唯一星を獲得し、掲載されております。 これらの情報を積極的に国内外に発信し、リピーター確保に取り組んでいただきたいと思います。 また、旅行商品造成支援をするに当たっては、佐渡金銀山を核としながらも、佐渡だけではなく、県内の様々な伝統芸能やイベント等と連携するなど、県全体の魅力が体験できるような商品造成が最も必要で重要であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 3、子供たちを守る取組について。 児童相談所と一時保護所の設置についてお伺いいたします。 9月定例会の一般質問で、佐渡地域における児童相談所と一時保護所の設置及び人員体制の強化について質問をいたしました。児童相談所と一時保護所の設置については、管轄人口など県全体のバランスを考慮すると、佐渡地域に児童相談所と一時保護所を設置することは難しいと考えておりますとの御答弁でしたが、本土と地続きならばまだしも、離島の佐渡地域の子供たちの安心・安全を確保する施設の設置に関する質問に対して、管轄人口や県全体のバランスを設置できない理由にするなんて私には理解できません。 もちろん基本的には管轄人口や県全体のバランス、そして費用対効果を考慮することは間違ってはおりませんが、佐渡は離島であります。他の問題ならまだしも、子供たちの安心・安全に関わるこの問題に対して、この理由は通用しないと私は考えます。 もし佐渡の子供に何かあった際、なぜ佐渡にきちんとした児童相談所もなければ一時保護所もないのですかと問われたときに県は、管轄人口と県全体のバランスを設置しなかった理由とするのでしょうか。私は、離島の子供たちの命も本土の子供たちの命も、どちらも一緒だと、どちらも大切な国の宝であり、県の宝だと思っていますが、違うのでしょうか。 もちろん県の財政が厳しいことは百も承知しております。費用対効果も理解できますが、子供たちの生命に係る問題となれば違います。何も箱物を建てろと言っているわけではなく、佐渡市の保有する遊休施設等を有効利活用すればよいのだと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、人員体制の強化については、国の体制強化の方針に合わせ、児童相談所全体の児童福祉司の増員等、体制強化に取り組んでいるところであり、佐渡地域における児童相談所の人員体制強化についてもその中で検討するとのことでしたが、次年度はどのような体制強化を図ることとしているのか、知事にお伺いをいたします。 県の最上位の行政計画である新潟県総合計画では、児童虐待への対応の強化として、地域における発生予防や発生時の迅速・的確な対応のため、児童虐待や通告についての一層の理解促進に取り組むこととともに、児童相談所の職員配置充実と専門性の確保・向上に努め、体制強化を図るとしております。 2020年においての中間目標値を、専門研修を修了した職員が2名以上配置されている市町村数を15市町村とすることとしておりますが、現在の状況をお伺いするとともに、最終目標の達成に向けて次年度以降どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 4、県産農林水産物のブランド化についてお伺いをいたします。 2006年4月に、地域の名称と商品またはサービスの名称を組み合わせた商標である地域団体商標の制度が運用開始され、それぞれの地域の特産物等を他の地域のものと差別化を図るため、地域ブランドづくりが全国的に盛んになっております。 本県は、国内外に誇れるおいしい農林水産物があるにもかかわらず、お米と日本酒以外はブランド化ができていない、他県に比べ一歩も二歩も後れを取っているように思います。 その地域の農林水産物や特産物をブランド化することは、地域の信頼と知名度を上げ、ブランド化されたそれらの販路を拡大し、売上げを伸ばし、生産者や企業に利益をもたらすだけでなく、それらを求めて多くの人にその地域に来ていただくことによって地域経済の活性化につながり、本県としては最も力を入れなければならない施策の一つであります。 昨年のデスティネーションキャンペーンの開催に続き、先日ブランド総合研究所が発表した、食事がおいしい都道府県ランキングでは、1位北海道、2位福岡県、3位大阪府、4位香川県に次ぐ5位にランキングされ、また今年の5月にはミシュランガイド新潟2020特別版の発売が予定されているなど、新潟の食は大変注目される好機であると考えられ、本県の農林水産物のブランド化を推進する上でも絶好のタイミングと考えます。 県は、ルレクチエや新潟茶豆など評価の高い品目を、県産農林水産物のイメージリーダーとしてブランド化を図るとしていますが、次年度では県産農林水産物のブランド化を具体的にどのように進めていくのか、お伺いいたします。 また、ブランド化を進めるに当たり、単なる情報発信だけでなく、それぞれの産地や生産者との関わりや、地域の食文化などの歴史的背景など物語性やストーリーづけを作ることによって、さらなる付加価値向上を図ることが重要だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 5、令和2年度当初予算について。 次に、令和2年度の当初予算についてお伺いをいたします。 自治体が様々な取組を推進・促進するに当たって最も重要なことは、いかにして情報を発信するのか、目的・目標を明確にし、それぞれの対象者に有効な情報発信手段を用いて戦略的に広報することだと考えます。 県は、戦略的な広報の推進を旗印に情報発信の強化に努めて2年が経過をしましたが、これまでの成果を伺うとともに、東京オリンピックパラリンピックの開催や佐渡金銀山の世界遺産国内推薦に向けた機運の高まりを踏まえ、新年度はどのように戦略的広報を推進されるのか、お伺いをいたします。 総務省は、1月31日に2019年の人口移動報告を公表し、本県は日本人転出者が転入者を8,162人上回り、転出超過数が全国で最も多いという大変残念な結果でありました。 人口減少問題は、本県にとって喫緊の課題であり、最も重要な問題であります。人口減少の原因は多様で、複数の要因が複雑に絡み合った結果であり、解決するには絡み合った要因を一つ一つ解きほぐし、それらを解決しなければならず、中長期的な取組が必要です。すぐには成果が上がらないことは理解しておりますが、社会減、いわゆる転出超過全国1位に関しては、すぐに対応策を打たなければなりません。 県は、人口減少問題対策の社会減対策として、U・Iターンの促進を新年度の重点テーマの一つとして掲げていますが、これまでのU・Iターン関連事業の成果をどのように捉えているのか伺うとともに、新年度の事業展開はどのようなものがあるのか、お伺いをいたします。 医師・臨床研修医招へい総合支援事業についてお伺いいたします。 この事業は、モデル事業の終了などにより、今年度と比較して事業費が減額されております。一方で、奨学金地域枠の拡大などにより、医師確保の取組全体としては強化をしているものと認識しております。 医師や看護師の確保は、県として大変重要な課題であります。今後ますます財政が厳しくなっていく中で、医師、看護師の確保に向けた知事の所見をお伺いいたします。 本県のインバウンド政策を推進するに当たり、冬期のスキー客の増減が与える影響は非常に大きく、近隣の山形、福島、長野、群馬等の他県との差別化を図り、新潟独自の魅力を明確化し、情報発信することが重要と考えます。 県は、2022年の北京オリンピックの開催を見据えて、スノーリゾート新潟を積極的に打ち出そうとしておりますが、新年度はどのような点を拡充して事業を展開されるのか、お伺いをいたします。 昨年の12月13日より遠東航空が新潟ー台北線を休止したほか、新潟ー香港線を運航するキャセイドラゴン航空は、3月末までの運航予定を、新型コロナウイルスの感染拡大による需要の低迷を理由に、3月4日で運航を終了することが発表され、ハルビン線と上海線も既に欠航となっていることから、新潟空港の国際定期路線はソウル便のみとなってしまいました。そのソウル便も、韓国での感染者の急増によって、いつ欠航になってもおかしくない状況だと考えます。 終息の兆しが見えず、新型コロナウイルスの影響が残っている状況で、新年度のインバウンド政策のスタートに懸念を抱きますが、インバウンド政策の展開をどのように進めていかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。 数年前になりますが、北海道のニセコ町へ視察に行く機会がありました。インバウンド政策の成功事例であるニセコでは、誘客活動に外国人スタッフを使い、ホームページの作成をしたり、SNS等の情報発信をしていたことによって誘客に成功したとお聞きしました。 日本人の感覚ではなく、外国人目線での情報発信等はインバウンド対策において大変有効だと考えられますが、県は、外国人を活用したどのような誘客の取組を行っているのか、お伺いをいたします。 令和2年度の農林水産部当初予算要求方針によると、直面する財政状況をマイナスのみで捉えるのではなく、より効率的・効果的な事業への見直し、農林漁業者に分かりやすい、使い勝手のよい仕組みづくりを図る機会と捉え、7つのアプローチで重点的に取り組む事業の再編を行ったとしています。 7つのアプローチの中でも、ICT等の先端技術を活用した農林水産業のスマート化は、スマート農林水産業推進プラットフォーム事業として、全ての取組の中に取り込まれていることからも大変重要な事業だと推察いたします。 特に農業分野は、ここ数年で一気に加速・拡大しつつあるように感じます。スマート農業のメリットは、作業の省力化、危険な重労働からの解放、省力化による大規模生産、データを利用した多収・高品質生産、農業技術継承等、年々高齢化が進み、担い手不足、労働者不足の農家にとっては大変有効な施策と考えます。 一方、スマート農業を行うためには専用の機器やサービスなどを導入しなければならず、経営の安定している農業法人や大規模な圃場を保有している農家なら、初期の設備投資も可能かもしれませんが、それ以外の規模の小さい農家では、イニシャルコストの負担をすることは難しいと思われます。 また、新たな技術を導入するということは、その技術を使いこなし、活用しなければなりません。高齢化が進む農家の方々が、従来不要であったコンピューターと機器の操作に関する知識や資格が必要となり、それなりの研修や学習が必須であり、これまでとは違う負担がかかってきます。 県では、スマート農林水産業推進プラットフォームで産業界等との連携や現場への導入を推進することとしておりますが、どのように推進していくのか、お伺いをいたします。 クルーズ船誘致推進事業についてお伺いいたします。 県は、地域振興や経済活性化に資するクルーズ船の県内港への誘致に向け、関係市町村と連携して国内外の船社等に対するセールス活動を強化するとともに、クルーズ船の寄港時に乗船客に喜ばれる新潟県らしいおもてなしを実施するなど受入れ体制の充実を図るとし、クルーズ船誘致は交通政策局の主要事業に位置づけされていると思いますが、今回のダイヤモンド・プリンセス号の新型コロナウイルスの船内感染の問題もあり、クルーズ船の寄港キャンセルも出始めていると聞いております。 新年度にクルーズ船誘致推進事業を進めるに当たり、大きな影響が生じると思われますが、現時点で考え得る影響とその対応策についてお伺いをいたします。 以上で私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中川議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための対応についてでありますけれども、県では、国内での感染が確認された先月半ば以降、県ホームページ等による正確な情報の提供に加え、湖北省等からの帰国者や感染者と接触歴がある方を対象とした相談窓口を保健所等に設置し、診療可能な医療機関につなぐ体制を整備するとともに、危機管理監を本部長とする警戒本部を設置し対応しているところであります。 引き続き、感染の広がりを注視しながら、これらの対策を推進するとともに、万が一、県内で感染が拡大した場合を想定し、医療体制の拡大等について関係機関と協議を重ねているところです。 なお、県内で患者が確認された場合などには、現行の警戒本部を私が本部長となる対策本部に格上げをし、全庁を挙げて対応するとともに、感染拡大の防止のため、積極的な疫学調査や濃厚接触者の健康観察等の対策を徹底してまいります。 今後も国と緊密に連携を図りながら、万全の対応に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルスの感染拡大による県内企業への影響と支援策についてでありますが、中国に進出している企業や取引先のある企業においては、現地工場の操業停止や仕入れ商品等の納期遅延など、事業活動に広範な影響が出ております。 今後、事態の長期化に伴い、県内企業の業績や資金繰りへの悪化なども懸念されるところです。 県といたしましては、中小企業相談窓口において資金相談に応じる体制を整えるとともに、利率を自然災害並みとした新型コロナウイルス感染症対策特別融資を創設したところです。 あわせて、このたび国が実施する信用保証制度に本県が指定されるよう要請しているところであり、引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 次に、新年度予算案における創意工夫についてでありますが、歳出歳入改革の取組が単なる行政サービスの低下にならないよう、国への積極的な働きかけにより、本県にとって有利な財政措置を実現させるとともに、財源措置の手厚い国の補正予算を活用して事業量を確保するなど、国庫補助金等をできる限り活用するよう努めました。 また、企業・団体や市町村との連携強化、ゼロ予算の取組促進や若手職員による政策提案を積極的に活用するなどの前向きな創意工夫を行ったところです。 次に、新潟空港を拠点としたLCC構想についてでありますが、事業会社が設立され、県民や県内企業はもとより、新潟を訪れる方々にとって、利便性の高い路線が開設されれば、新潟空港の利用拡大につながることが期待されます。 また、このことによる交流人口の拡大や、新潟空港の活性化や拠点化の推進、さらには、議員御指摘のとおり、雇用創出など地域への経済効果も期待できるものと考えております。 次に、新潟空港を拠点とするLCC構想への県の対応についてでありますが、これまで、事業会社の設立に向け、県の補助金や、にいがた産業創造機構の支援メニューを紹介してきたところです。 引き続き、関係者との情報交換等を行うほか、国との調整が生じる場合など、相談に応じてまいりたいと考えております。 また、実際に運航を開始した際には、利用促進に係る支援などを検討することになるものと考えております。 今後も、地元経済界と連携しつつ、構想の熟度に応じて、最大限の対応をしてまいりたいと考えております。 次に、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦についてお答えします。 まず、国内推薦に向けての取組についてでありますが、文化庁からは、次の推薦候補として佐渡が最有力との見方を示していただいており、これまで以上に推薦候補選定の可能性は高まっていると認識しております。 3月末にはブラッシュアップした推薦書案を文化庁に提出し、来年度国内推薦を得られるよう、佐渡市や佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議の皆様と連携して全力で取り組んでまいります。 次に、佐渡金銀山の世界遺産登録国内推薦を見据えた旅行商品造成についてでありますが、議員御指摘のとおり、佐渡には金銀山はもとより二ツ亀・大野亀に代表される豊かな自然や島特有の食文化、伝統文化などが数多くあり、国内推薦が決定となった場合、こうした魅力を国内外にアピールしていく好機となります。 また、佐渡にとどまらず、県内の各地域に根づく雪国の食文化や歴史、風土を体験していただくことは本県観光のブランド化に資するものと考えております。 県といたしましては、佐渡市や関係市町村、旅行会社などと連携し、佐渡及び本県の魅力が体験でき、広域的な周遊観光が促進される旅行商品の造成や情報発信に取り組み、県全体の観光振興につなげてまいりたいと思います。 次に、子供たちを守る取組についてお答えします。 まず、佐渡地域における児童相談所等の設置についてでありますが、議員御提案の遊休施設等の活用を図る場合であっても、一時保護所については24時間対応のための人員配置が必要となる等の課題があります。また、児童相談所の管轄人口など、県の児童相談所全体のバランスを考慮すると、当面の間、佐渡地域において新たな単独施設を設置することは難しいと考えております。 一方、議員御指摘のとおり、荒天時の移動手段や、中央児童相談所からの職員の派遣に時間がかかることなど、離島特有の事情があることから、県といたしましては、佐渡地域振興局健康福祉環境部に児童相談のための専門の駐在員を配置し、対応しているところです。また、幼児の場合は、より家庭的な環境での保護が望ましいことなどから、一時保護委託先としての里親の確保に取り組むなど、佐渡市内での相談対応が可能となるよう工夫をしているところです。 今後、子供の安全を第一とした対応を徹底し、児童虐待の予防的な関わりの段階から、市をはじめとした関係機関との連携強化を進めるとともに、佐渡地域における児童相談の体制強化に取り組んでまいります。 次に、佐渡地域における児童相談対応の体制強化についてでありますが、次年度においては、県の児童相談所全体で児童福祉司等の専門職員の増員を図ることとし、佐渡地域についても、増員を予定しているところです。 次に、県産農林水産物のブランド化についてお答えします。 まず、県産農林水産物のブランド化に向けた次年度の取組についてでありますが、園芸振興基本戦略の実践が本格化する中で、首都圏の実需者等から評価の高い枝豆やルレクチエなど、牽引役となる品目のさらなる品質向上や生産拡大を図ることによりブランド力を強化するとともに、新潟の食の魅力全体について情報を発信し、産地としての新潟のイメージを高めてまいりたいと考えております。 次に、物語性などによる県産農林水産物の付加価値向上についてでありますが、議員御指摘のとおり、単なる個別品目のPRだけでなく、地域の食文化などのストーリーと合わせて発信することが重要であると認識しております。 このため、県内各地域に根づく固有の食材や、それにまつわる食文化、歴史にも着目し、上質な新潟の食の魅力全体について、物語性などを付与した情報を発信することにより、本県農林水産物の付加価値を向上してまいりたいと考えております。 次に、令和2年度当初予算についてお答えします。 まず、戦略的広報の推進についてでありますが、これまでの成果につきましては、昨年度策定の戦略的広報基本方針を踏まえ、的確にターゲットに伝わる広報を推進する中、全庁一体となった部局横断的な広報の取組の進展や、数多くのメディアへの露出獲得などにつながっております。 次年度は、これまでの取組をより一層推進するとともに、東京オリンピックパラリンピックや世界遺産国内推薦候補の選定等、国内外から注目が集まる絶好の機会を捉え、ターゲットを見極め、本県の強みとなるコンテンツや核となる情報に関連情報等を加え、様々な媒体や手段を活用して一体的に発信し、本県の魅力を幅広く効果的にアピールしてまいりたいと思います。 次に、医師や看護職員の確保についてでありますが、地域で安心して医療が受けられる体制の整備のためには、その基盤となる医療人材の確保が不可欠と考えております。 このため、新年度においては、医学部地域枠の新設・拡充など養成段階からの医師確保や、県立十日町看護専門学校の開校などによる看護職員の確保・定着に向けた取組の強化を図ることとしております。 一方で、現行の制度、枠組みの下では、自治体の取組のみでは限界があることから、国に対し、本県同様に医師不足に直面する県と連携して政策提言を行うなど、引き続き、医師や看護職員の確保に全力で取り組んでまいります。 次に、新年度からのインバウンド施策の展開についてでありますが、議員御指摘のとおり、現在、本県インバウンド施策を取り巻く環境は、台北線の休止に加えて、新型コロナウイルスの影響に伴う中国2路線の欠航など、様々な懸念材料を抱えていると受け止めております。 一方で、来月末からのタイガーエア台湾による台北線再開や、5月に予定されるミシュランガイドの発行、7月から開催される東京オリンピックパラリンピックなどの好機が控えております。 新年度からの施策展開に当たっては、これらを最大限活用し、現地旅行会社等とのコミュニケーションを密に図りながら、現地情勢の把握に努め、航空路線を活用した誘客促進を図るとともに、食の新潟やスノーリゾート新潟の情報発信を一層強化してまいりたいと考えております。 次に、小規模農家へのスマート農業の推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、小規模農家では単位面積当たりのイニシャルコストが高くなることから、通信技術を活用した圃場管理等のシステムや先端技術を駆使する農業機械の導入などに当たっては、地域全体での取組や設備の共同利用などが有効であると認識しております。 このため、県といたしましては、小規模農家へのスマート農業の推進に当たっては、地域全体での活用も視野に入れながら、導入から有効活用まで、各地域振興局の普及指導員による地域に密着した相談・指導を丁寧に行ってまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 地域社会再生事業費についてでありますが、地域社会再生事業費は、基準財政需要額の測定単位を人口とした上で、全国平均を上回って人口が減少し高齢化が進行している団体などの経費を割り増して算定するとされており、本県に有利なものと認識しておりますが、具体的な算定方法については現時点では明らかになっておりません。 また、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用して創設された算定項目のため、今後も継続的に措置されるものと伺っております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 U・Iターン関連事業の成果と次年度の事業展開についてでありますが、県では、首都圏における相談窓口の複数開設や本県への転職移住を仲介するU・Iターンコンシェルジュの配置など、全国的に見ても特色ある取組を進めており、これらが全国移住希望地ランキングで上位となることなどへつながっていると考えておりますが、東京一極集中が続く中、U・Iターン者数は伸び悩んでおります。 本県は進学・就職を契機とした若者の転出が社会減の大きな要因となっており、特に男性よりも女性の転出者数が多いことから、新年度は、若者、特に女性の県内定着やU・Iターン促進を重点テーマとして取り組みます。 具体的には、IT関連産業の誘致や活性化を図り、若者や特に女性に選ばれる魅力のある良質な働く場を確保するなどによりU・Iターンを促進するとともに、市町村や産業界、県内大学等との連携により、県内企業へのインターンシップマッチングイベントの拡充などを行い県内就職を促進するほか、県内にU・Iターンしてきた女性の視点から新潟暮らしの魅力を掘り起こし、首都圏に発信することなどに取り組んでまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 児童虐待に対応するための市町村職員の専門性強化についてでありますが、専門研修を修了した職員が2名以上配置されている市町村数は、2019年12月時点で16市町村となっており、2020年度の目標15市町村を既に上回っている状況です。 県といたしましては、全市町村に研修修了者が複数配置されるよう、引き続き、専門研修の計画的な実施と市町村への積極的な受講の働きかけに努めてまいります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 2点についてお答えします。 まず、新年度におけるスノーリゾート新潟の事業展開についてでありますが、今年度から、北京冬季オリンピックに向けて、スキー人口の拡大が見込まれる中国等をターゲットに、スノーリゾート新潟のPRに取り組んでおりますが、北京のスキー関係者からは、本県スキー場の知名度不足等が指摘されているところでございます。 現在、新型ウイルスの影響など懸念材料はあるものの、事態の収束後も見据え、新年度は、新潟の知名度向上のため、スキーの愛好家等に影響力がある、現地関係者やメディアを活用した取組を拡充してまいりたいと考えております。 具体的には、現地スキー説明会の開催地等を増やすとともに、県内スキー場に招聘するメディア数や、今年度制作したPR動画の放映機会を拡充するなど、積極的かつ効果的なプロモーション活動を展開してまいりたいと考えております。 次に、インバウンド誘客に向けた外国人を活用した情報発信についてでありますが、外国人旅行者の誘客には、ターゲットとする現地の方の感性や嗜好に応じた情報発信が重要であることから、積極的に外国人を活用した取組を進めているところです。 近年、スマホのSNSなどから観光情報を入手する旅行者が増加していることから、訪日旅行に影響のある現地ブロガーや県内の留学生などを活用した情報発信を行っております。 また、今年度、県に研修生として受け入れたベトナムの旅行会社のスタッフからは、帰国後もSNSによる情報発信に加え、旅行商品の企画にも協力をいただいているところです。 今後とも、留学生を含め、広く外国人を活用した情報発信に取り組み、インバウンド拡大につなげてまいります。   〔交通政策局長田中昌直君登壇〕 ◎交通政策局長(田中昌直君) お答えいたします。 クルーズ船誘致に係る新型コロナウイルス感染症の影響と対応策についてでありますが、現時点で、令和2年において新潟港に寄港予定のクルーズ船のうち、ダイヤモンド・プリンセスなどの寄港3回がキャンセルとなっており、これに伴い、歓送迎対応など関係自治体等と連携した受入れが取りやめになるほか、誘致に向けた全国会議や海外船社との商談会が、現在相次いで中止となっていることから、誘致活動の機会が少なくなることも想定されます。 こうした状況を受け、令和2年度事業においては、船社等の情報把握に努め、プロモーションの予定を適宜変更するなど、状況の推移に応じた対応を図るとともに、寄港が予定されているクルーズ船の受入れに当たっては、国・船社等と緊密に連携を取りながら、準備を進めていきたいと考えております。 ○副議長(桜井甚一君) 中川隆一君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時39分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後2時55分 開議 ○議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、小山大志君の発言を許します。小山大志君。   〔小山大志君登壇〕(拍手) ◆小山大志君 自由民主党、十日町市中魚沼郡選出の小山大志です。 令和2年度当初予算案において、行財政改革行動計画に基づき、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりをしっかりと前に進めるために、予算関係団体や市町村との意思疎通を図りつつ、歳出歳入の着実な見直しを行うとのことでありますが、医療、教育、少雪対応、観光、防災、林業に関係する質問を、通告に従いまして、順次いたします。 まずは、医療についてですが、地域医療の確保と健康立県の実現を目指し、主な取組として、県内医療機関の電子カルテや介護データのネットワーク構築、9月定例会でも一般質問させていただきましたが、本県での勤務を条件に、医学生の地域枠を14人から26人に拡充等の施策に対しては理解するとともに、積極的に進めていただきたいと考えます。 さて、昨年の11月15日に、医療や経営の専門家から構成される県立病院経営委員会から、県立病院の役割・あり方に関する提言が提出され、県では、この提言を基本的に尊重するとのことですが、2月10日に開催された県立病院経営委員会において、県立病院の類型別に、役割・在り方の見直しの基本的な方向が示されました。 この方向性は、各病院における患者の状況、医師の状況、経営状況を踏まえて検討されたものと考えますが、特に僻地病院に関して、市町村主体の運営を提案したとしても、地元市町村は簡単に受け止めることができないと考えます。 県では、今後、役割・在り方の見直しに向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 次に、国が再編統合の対象として、昨年の9月26日に公表した地域医療病院の一つである県立松代病院についてです。平成17年の市町村合併により、旧松代町から現在の十日町市に所在しておりますが、松代病院は上越市や柏崎市など、医療圏域を越えた地域住民も利用している実情があります。 主な利用者である松代・松之山地域の方は、自家用車で夏季に片道30分、冬季は45分をかけ通院されている方や、高齢化率が50.5%であることもあり、高齢者の多くの利用者においては、バスにて70分かけて通院されている方もいます。 十日町市では、このたびの県立松代病院の見直しに関して、地域住民が大きな不安を募らせており、昨年12月27日に十日町市長、市議会議長、松代・松之山地域の振興会が、県に対して3つの要望を行いました。 1つ目は、新潟県による県立県営での病院運営が維持存続されること、2つ目に、地域医療構想調整会議で協議した、圏域の病床数の実現に向け、地域の実情に即した病床機能と病床数の確保がなされること、3つ目に、安定した医療体制構築のための医師の確保がなされることについてとなります。 3つの要望事項への対応方針を伺うとともに、仮に対応できないとした場合、当地域における医療をどうしていくのかを含め、県による丁寧な説明が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 また、9月定例会において、宮崎悦男議員からの地域医療についての一般質問における知事答弁として、医師・看護師等の人材確保や医療資源の再編等を図っていくためには、財団法人等の運営のほか、医療機関相互間の機能分担や業務の連携等を推進するために設けられた地域医療連携推進法人制度など、幾つかの手法があると認識しており、他県における先行事例も参考にしながら、様々な可能性を視野に入れ、それぞれの地域の実情に応じた地域医療体制の構築を進めていくべきと答弁がありました。 その一つである地域医療連携推進法人制度は、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供するため、平成29年度に施行されました。 地域医療連携推進法人は、医療従事者の資質向上のための研修や人事交流、医薬品・医療機器などの共同購入、参加法人への資金貸付け、医療機関の開設などの業務を行うことができ、さらには、介護事業等を実施する非営利法人も参加することができるとし、介護との連携も図りながら、地域医療構想の達成及び地域包括ケアシステムの構築に資する役割を果たすことができます。 全国では既に15法人が認定されていますが、本県においても、既に先行している県の事例を情報収集し、関係自治体にも情報提供しつつ、推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、精神医療提供体制の在り方について、私から9月定例会の一般質問において、十日町市や津南町など地元関係者から、地域の実情や要望を伺う機会について質問させていただいた件ですが、昨年12月6日に開催された第3回精神医療提供体制のあり方検討会において、十日町市長及び津南町長が、中条第二病院の閉院による患者動向と豪雪地域の特性を踏まえた精神医療提供体制の整備について意見を述べる機会を頂きました。 県では、こうした地域の意見を受け、今後、十日町・津南地域の精神医療をどのように確保していくつもりか、知事の所見を伺います。 現在、魚沼医療圏における病床数は1,385床となっており、地域医療構想に係る2025年の病床数は1,259床と見込まれ、厚生労働省が示す1,258床とほぼ一致する調整が進められておりますが、十日町・津南地域においては、平成26年度時点で精神病床数及び休床を含む847床が、令和元年度では463床となり、大幅に減少しております。 魚沼医療圏においても、十日町市、津南町の信濃川筋と南魚沼市、魚沼市、湯沢町の魚野川筋で病床数や医師数においても偏在があることから、不安が高まっています。 知事におかれては、基礎自治体の首長と積極的に向き合っていただき、地域住民が安心できるように、県としてのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 あわせて、昨年12月19日に、新潟大学医学部の共用試験に合格した4年生が、医療現場に出て臨床実習を行う前に、大学の教授等から白衣を授与される新潟大学医学部白衣式に知事から初めて出席いただいたとのことですが、花角知事から白衣を授与された医学生からお話を伺う機会がありました。まさか知事が来られるとは思わなかったです。とてもうれしかったです。頑張って新潟の医療を支えていきますと力強くお話をされておりました。 花角知事の笑顔が一人の若者の道をつなげたのだと感じました。医療確保へ向けても引き続き、笑顔のままでよろしくお願いいたします。 次に、教育についてです。 文部科学省の平成30年度の調査によると、新たに育児休業等を取得可能となった教育職員のうち、育児休業の取得割合は男性が2.8%、女性が96.9%で、前年度の男性2.1%、女性96.7%から見ると増加傾向にあります。育児休業の取得率が高い傾向が見られるとのことで、心にゆとりを持って育児が行える環境整備へは、さらに尽力していただきたいと思います。 一方で地域からは、魚沼・南魚沼・十日町地域の小中学校の教職員は、若い世代が多いため、育児休業や精神的疾患による長期休業が多いとの声を聞きます。 地域によって教職員の年齢に偏りはないのか、数値的根拠を伺うとともに、若い教職員が意欲を持って働ける環境づくりが重要と考えますが、所見を伺います。 また、教職員の人事配置について、地域に根差した教育の一層の推進と教職員の健康保持や事故防止のために、自宅のある地域への配置を基本とした人事異動方針へ見直しを行ってから4年目を迎えますが、これまでの成果を伺うとともに、今後の取組方針について伺います。 次に、昨年9月定例会の一般質問で、スクールサポートスタッフの増員と、柔軟な配置を可能とする制度への見直しについて質問したところ、今後、配置効果等を分析した上で、国の予算動向を注視しながら、効果がより多くの学校に及ぶ配置の在り方について検討するとの答弁がありました。 新年度における配置数を伺うとともに、効果的な配置の在り方の検討状況について伺います。 また、政府は、GIGAスクール構想の実現に向けて、2023年度までに全ての小中学校の全学年で、1人1台端末環境を整備する方針を打ち出しました。 県内小中学校におけるパソコンやタブレット型端末の配備状況を伺うとともに、端末やネットワークなどICT環境の地域間・学校間格差が生じないよう市町村教育委員会を支援する必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、今後の中等教育学校の在り方についてですが、本県はこれまで、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的に中等教育学校を設置してきました。 近年は、県立中等教育学校6校の2020年度入試の志願状況平均倍率は1.0倍と、前年度の1.03倍から低下し、過去3番目の低さとなりました。その中でも津南中等教育学校は、80人の定員に対して志願者は46人で、倍率は前年度比0.08ポイント減の0.57倍と、6校の中で最も低い水準となりました。 低迷の一因として、2014年度まで保護者会が運行していた送迎バスが運転手の賃金上昇等により廃止となったことが学校関係者の評価の中で挙げられています。 志願者を増加させるには、生徒の通学に対する支援が必要と考えますが、所見を伺います。 昨年9月定例会、そして本日の一般質問において斎京四郎議員からも、中高一貫教育学校の在り方について質問がありましたが、地域や中等教育学校を取り巻く環境は、設立当時と比べ激変しております。 これまでの中等教育学校が取り組んできた特色ある教育活動は評価するとともに、中長期の教育環境について、地元教育委員会や児童・保護者への意思疎通を図りつつ、地域内の中学校の学級数や、高等学校の募集学級数に与える影響などを分析しながら、教育の目的はぶれることなく、中等教育学校の在り方について、早期に検討していただきたいと思います。 次に、少雪対応について伺います。 これに関しては、今年が特別ではなく、来年も同じ気象条件となることも想定をしてお伺いいたします。 私の住む十日町地域は、全国有数の豪雪地域であります。しかし、令和2年1月30日時点における積雪において、森林総合研究所十日町試験地では、1918年から観測が始まり、これまで102年の間でゼロセンチということは初めてのことであります。 また、県によると、1月15日時点の県内5つの指定観測地点の平均累計降雪量は23センチで、過去30年間で最も少ない値となり、スキー場や除雪を手がける建設業のほか、民宿、小売・サービス業など幅広い業種に影響が出ていることが予見されます。 今冬の記録的な少雪に対し、売上げや受注が減っている企業を対象に先月から実施している限度額3,000万の少雪対策特別融資の利用状況について伺います。 次に、国土交通省国土技術政策総合研究所防災・メンテナンス基盤研究センターが、除雪の社会経済活動への影響に関する調査を平成24年から平成26年の間で研究したところ、国道17号の六日町間のみの除雪による経済便益について、当時の除雪水準において年間1.9億円の損失。降雪20センチで年間3.4億円の損失と試算結果があることや、関東・甲信越・東北地方への被害が出た平成26年豪雪、記憶に新しい新潟市や福井市をはじめとする関東甲信地方や東北地方太平洋側を中心に大雪となった平成30年豪雪においても経済損失は計り知れないものでした。 経済活動においてはもちろん、県民が冬期間の安心・安全な暮らしを維持するためにも、降雪時の除雪作業は必要不可欠なものであります。その除雪作業を担う除雪業者の抱える不安や経費負担を軽減するとともに、これまでに想定されない気象条件にも対応できる除雪体制を早急に構築する必要があります。 また、過疎地域では建設業者は少なく、地域によっては1社しか対応できない地域除雪もあります。現状は企業間で連携が取れておりますが、その1社が撤退・廃業すれば除雪体制の維持が困難になります。 さらに、オペレーターの高齢化や技術の伝承も深刻な問題であり、技術が伝承されず、結果的にサービスレベルの維持が難しくなるのが現状です。 平成29年10月に公表された一般社団法人全国建設業協会のアンケート調査においても、除雪業務を継続していく上で特に重要な取組として、全体の8割以上が担い手確保・育成を挙げており、次いで企業維持のための公共事業量の確保を挙げる回答が6割以上となっています。 また、主な意見として、天候により稼働日数が変動するため、オペレーター等の担い手の確保が難しい。現状は、除雪の有無にかかわらず期間中の賃金を補償した雇用としており、一定の降雪量がなければ受注者負担が増え、経営を圧迫することになるとの意見もありました。 さらに、新潟県建設業協会が安定的・持続的な道路除雪体制確保の要望を、昨年10月に開催された全国建設業協会関東甲信越地方ブロック会議で行ったところ、国土交通省は、少雪時において、待機の有無にかかわらず従業員や除雪機械を確保しておくための経常的な支出をカバーする仕組みを検討していくとの回答をしております。 そのような現状ではありますが、十日町市において、平成25年度より既存の除雪待機料制度を改正し、除雪基本料前払い制度として、過去10年間の除雪費の平均70%の金額を返納なしで12月に前払いする制度にしました。これに関しては地元の建設会社からは、少雪時の心配が不要となった、冬期間の季節雇用作業員の確保や除雪機械の維持修繕等がしやすくなったなど評価する声が出されています。 県においては、この十日町市の制度も一部参考にしながら、現行の基本待機料制度の拡充を検討してはどうかと考えますが、所見を伺います。 また、このたびの少雪は中山間地の農業にも影響が予見されます。最近では比較的降雪が少なかった平成27年から28年の冬季の累計降雪量は、十日町市602センチ、津南町788センチであり、平成28年に十日町市5.7ヘクタール、津南町0.9ヘクタールの耕地で水稲が移植不能となっていることを踏まえると、少雪の影響は少なからずあるものと考えます。 今年度は、過去に例を見ない少雪となっており、田植作業への影響が懸念されますが、水源が少ない地域における対応について伺います。 さらに、暖冬の影響で、野菜等の病害虫が例年より早く発生したり、果樹等の発芽が早まって霜の被害を受けたりするなどのおそれがあることから、農家に対する暖冬を踏まえた農作物の栽培技術指導が重要と考えますが、今後の対応について伺います。 次に、観光について伺います。 今回の新型コロナウイルスによる肺炎の影響を2003年に発生したSARSの際と同じ割合で訪日客が減少し、それが1年続いたと仮定すると、日本のGDP全体の0.45%に相当する2兆4,750億円減少するとの試算も出ておりますが、様々な状況下で観光客の予測できない増加や減少が起きています。 今後、訪日外国人を迎え入れる宿泊や観光施設などの観光事業者や行政の方がどのような対応をするべきなのか、魅力の高い観光地域として持続するために様々な組織が一体となり、マーケティングマネジメントやブランディング、商品造成、プロモーションなどを行い、観光客を誘致することで、地域経済の活性化を図ることが主な目的であるDMOの形成が早期に必要と感じます。 そこで、県は、日本版DMOの形成に向け、日本版DMO候補法人等を対象に、組織の合意形成や必要な調査・分析等への支援に取り組んでいるとのことですが、これまでの取組状況と今後の取組方針について伺います。 また、上信越高原国立公園内にある清津峡は、黒部峡谷、大杉谷とともに日本三大峡谷の一つに数えられ、国の名勝・天然記念物にも指定されています。 また、東京2020オリンピックパラリンピック競技大会の開催を契機に、日本の美を体現するプロジェクトを日本全国で発信する日本博のホームページにも採用されている清津峡渓谷トンネルですが、平成29年度の入坑者数は5万9,000人でしたが、大地の芸術祭の現代アート作品として平成30年度にリニューアルオープンした初年度で、約3倍の18万3,000人と、訪れる観光客が大幅に増加しています。しかも、令和元年度においては、締めまで一月以上ありますが、2月18日現在で30万3,000人と、リニューアルから2年で約5倍以上の増と、怒濤のように人の流れが生まれています。 しかし、清津峡渓谷トンネルへ至る県道清津公園線は幅員が狭く、大型観光バスの通行に支障が出ている現状があります。観光資源を有効に活用し、増加するインバウンド需要を本県に引き込むためにも、観光施設へのアクセス整備を進めるべきと考えますが、所見を伺うとともに、県道清津公園線での検討状況について伺います。 次に、清津峡渓谷トンネルの変化に背中を押されるように、近接する宿泊施設や観光スポットにおいても増加が見られる傾向にあります。しかし、自治体が観光スポットに事業費を費やしても、宿泊等はほかの自治体へ流れてしまうなど、自治体からの投資が収入と整合性が取れない現状があります。一つの知恵から生まれたきっかけで広域的に経済成長が見込まれるからこそ、さきに話したDMOの形成と併せて、自治体の財源についても検討が必要と考えます。 持続可能な観光地づくりが求められる中、法定外目的税である宿泊税を県が導入し、入り込み数や宿泊施設におけるアンケートなど、一定の基準に基づき市町村へ配分するような仕組みが有効と考えますが、知事の所見を伺います。 公益財団法人日本交通公社の昨年11月の調査によると、新潟県内の関係団体による宿泊税の導入におけるアンケート調査結果では、全く支持しないが3割強と慎重論が強く、大変強く支持するが1割程度となっているのが現状ですが、財源が厳しい新潟県だからこそ、独自財源を観光振興へ確保するために検討していく価値はあると思います。 また、近々の課題である新型コロナウイルスの感染拡大で、本県の観光産業にも甚大な影響が及ぶと想定されます。新型コロナウイルスの影響による県内宿泊施設のキャンセル状況を伺うとともに、今後、どのような支援を行っていくつもりか、知事の所見を伺います。 次に、防災について伺います。 昨年6月に発生した新潟・山形地震時の避難行動について、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターが調査した結果、地震発生から10分未満で避難をした人が36.1%にとどまったことが判明しました。 本県では、最大規模の津波が早ければ10分ほどで陸地に到達すると想定されており、県民の津波に対する防災意識を一層高めていく必要があると考えますが、今後どのように対応していくつもりか、知事の所見を伺います。 また、昨年の台風19号の被害を受けて、被災者生活再建支援法に基づく支援の拡充を求める自治体が多いとの調査結果が報道されましたが、一部損壊世帯への支援を拡大することについて、県としてどのように考えるのか、知事の所見を伺います。 最後に、林業について伺います。 昨年4月にスタートした森林経営管理制度においては、管理されていない森林を市町村が所有者の委託を受けて管理したり、林業経営者に再委託をして適正な管理を進めるわけでありますが、それに必要な間伐や人材育成、木材利用普及など森林整備やその促進に関する費用に森林環境譲与税を充てる上でも、まずは林業に精通する人材育成が急務と考えます。 県内30市町村のうち約7割の市町村で、専任の林業担当職員がゼロまたは1人という状態となっており、市町村職員のマンパワー不足や技術的な知見の不足が懸念されています。 こうした中で、県は、森林環境譲与税を活用して、市町村職員の育成のための研修会等を実施していますが、その成果について伺います。 また、新年度において、どのような費用に充当することとしているのか、併せて伺います。 次に、昨年9月定例会の一般質問で、新潟県産材の家づくり支援事業の見直しについて質問したところ、今後、本事業の県産材利用拡大の効果を十分検証した上で、より県産材の利用促進につなげるような方策を検討するとの答弁がありました。 本事業の効果の検証結果を伺うとともに、新年度における事業の見直しの方向について伺います。 最後に、CLT普及に向けた県の取組について、これまでの実績と成果を伺います。 また、一層の利用拡大には、県内における製造施設の整備が必要と考えますが、県の補助等も含めた支援の在り方について伺います。 国は、森林環境譲与税の配分額を増やし、2020年度は当初予定の200億円から400億円に倍増させる見込みで、全額600億円の配分時期も9年前倒しして2024年度からとする方向で進められていることからも、市町村が効果的かつ効率的に譲与税が運用できるように、早期に県からの施策を基に、自治体が今まで以上の環境整備ができるようにお願いいたします。 行財政改革行動計画を策定してから最初の予算編成となりますが、影響を受ける関係団体、市町村との意思疎通をしっかりと図りながら、知事の政治判断が今後は多くなると思われます。どのような条件下でも、心は笑顔で、笑って向き合っていただけることをお願い申し上げ、私からの一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小山大志議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県立病院の役割・在り方の見直しに向けた取組についてでありますが、昨年11月、県立病院経営委員会から県立病院の役割・あり方に関する提言を頂きました。その後、この提言を基本的に尊重しながら、病院類型別に役割・在り方等の見直しを検討してまいりましたが、このたび、病院局において、見直しに関する一定の方向を整理したところです。 いわゆる僻地病院など地域医療病院については、患者需要等に応じた機能・規模の縮小や、設置・運営主体の見直しを含めた民間医療機関や市町村との役割分担の在り方を検討することとしております。 まずは、地元市町村等に各病院の現状や今後の見込みなどを丁寧に説明することとしており、その上で今後、各地域医療構想調整会議でも御議論いただき、各病院の役割・在り方について、合意を目指してまいりたいと考えております。 なお、僻地病院の役割・在り方の見直しに向けた具体の取組については、病院局長から答弁いたします。 次に、県立松代病院の維持存続に関する要望事項への対応方針等についてでありますが、地域において将来にわたって持続的に医療機能を確保していくためには、住民をはじめ関係者の皆様の理解と協力を得ることが重要であると考えております。 議員御指摘のとおり、昨年末に、十日町市等から松代病院について現在の医療体制を維持存続するよう要望を頂いたところです。 人口減少による患者減少や、医師の不足・偏在の進行など厳しい医療環境において、地域の皆様が将来にわたって安心して医療が受けられるようにするためには、関係者の理解と協力を得ながら、県立病院を含めた医療機関相互の機能分化と連携や、市町村等との役割分担による医療提供体制を構築することが重要であります。 今後とも、十日町市等と意見交換を重ねるなど、関係者の理解と協力が得られるよう、丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地域医療連携推進法人制度の推進についてでありますが、本制度は、複数の医療法人等が参画して、地域の医療機関相互の機能の分担及び業務の連携等を図るとともに、経営効率の向上や効率的な医療提供体制の確保を目的としており、地域医療構想を達成するための一つの選択肢であると認識しております。 一方、地域医療連携推進法人は、参加医療法人等の予算や事業計画などの重要事項の決定に関与できるとされ、各法人等の事業活動や経営面に大きな影響を及ぼす可能性があることから、本制度については、関係者の自主的な取組が基本になるものと考えております。 このため、県といたしましては、制度の活用を検討する医療機関等に対し、制度の内容や認定事例等に関する情報提供のほか、必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えております。 次に、今後の十日町・津南地域の精神医療の確保についてでありますが、十日町・津南地域においては、中条第二病院閉院後に開設された精神科診療所において、閉院前と同程度の外来診療や緊急時の受診対応、周辺病院との入院調整等を行っており、必要な医療はおおむね確保されていると受け止めております。 県といたしましては、十日町市長及び津南町長の要望や精神医療提供体制のあり方検討会での議論などを踏まえ、在宅においても必要な精神科医療が受けられるよう、地元自治体とともに、医療機関をはじめとした関係機関と連携をして、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。 次に、観光についてお答えします。 まず、宿泊税の導入についてでありますが、導入済みの自治体では、オーバーツーリズムの課題解消など新規需要に活用するほか、一部の県では地元の創意工夫を促す観点から、一定の基準で市町村に配分する動きもあると聞いており、各自治体の目的や使途により様々な手法があるものと受け止めております。 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、宿泊税は、持続可能な観光地づくりを進める上で、安定的な財源確保の一手法である一方、新税の創設は、新たな負担が生じることから、税の使途や公平性を含め、県民及び納税者の皆様の御理解が不可欠と考えております。 あわせて、本県においては、宿泊施設の稼働率などが宿泊税導入済みの自治体のような状況にはないため、宿泊税については、今後の観光需要や全国的な状況等を注視しながら、検討していく必要があると考えております。 次に、新型コロナウイルスの影響による宿泊キャンセル等についてでありますが、中国からの団体客を受け入れている新潟市、長岡市及び湯沢町の主な宿泊施設に対する調査によれば、2月13日時点で、約3,000人泊のキャンセルが出ており、地域や施設によって異なるものの、県内観光産業に影響が出始めております。 県といたしましては、中小企業相談窓口において資金相談に応じる体制を整えるとともに、利率を自然災害並みとした新型コロナウイルス感染症対策特別融資を創設したところです。 また、今後、中国政府による海外団体旅行の停止措置や中国路線の欠航の長期化などが懸念されますので、引き続き、状況把握に努めるとともに、国の対応も踏まえながら適切な対応に努めてまいります。 次に、防災についてお答えします。 まず、県民の津波に対する防災意識の醸成についてでありますが、本県では、1月28日に県内12市町村で津波災害警戒区域の指定を行いました。これにより、市町村には津波ハザードマップの作成・配布と津波防災訓練の実施などが義務づけられました。 県といたしましても、この機を捉え市町村と連携しながら県民の津波に対する防災意識の醸成に取り組んでまいります。 次に、被災者生活再建支援法による支援の拡大についてでありますが、県といたしましては、半壊世帯への支援の拡大が必要と考えております。 この支援対象の拡大については、全国知事会においても一部損壊世帯への拡大も含め議論した結果、現時点では半壊世帯までを国に求めることと整理されたところです。 今後も制度の見直しについて、全国知事会と連携しながら、国に要望してまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 少雪対策特別融資の利用状況についてでありますが、融資実績は、2月20日現在で、27件、2億9,400万円となっております。 業種別では、除雪作業の減少で資金繰りに影響があった建設業が13件、1億5,050万円と最も多く、そのほか、スキー客の減少の影響を受けた旅館業や小売業などで利用されております。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) お答えいたします。 日本版DMOの形成に向けた取組状況と今後の取組方針についてでありますが、観光形態が多様化する中、マーケティングに基づく戦略的な観光地経営が求められており、そのかじ取り役を担う、日本版DMOの形成を促進していく必要があります。 県では、これまで、候補法人を対象に、課題である多様な関係者との合意形成や各種データの収集・分析などの支援を行ってきた結果、現在、本県が関係する日本版DMOの登録は8法人、候補法人は1法人となっております。 今後は、こうした登録法人のネットワーク化を図り、課題や成功事例の共有を図りながら、組織のさらなる強化や連携を支援するとともに、そのノウハウや取組を他の地域へ伝える中で、本県における日本版DMOの形成を進めてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 4点についてお答えいたします。 暖冬の影響を踏まえた農家への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、この冬は平年と比べ気温が高いことから、病害虫の早期発生や発生量の増加、果樹等が霜の被害を受けるなどして収量・品質の低下が懸念されます。 このため、県といたしましては、暖冬により農作物の生産に大きな影響が生じないよう、今後の気象情報を注視するとともに、病害虫の発生状況や農作物の生育状況等を把握し、時期を失しないよう、農業者に対し技術対策情報を提供するなど、きめ細やかな支援に努めてまいります。 次に、森林環境譲与税を活用した市町村職員への支援についてでありますが、県では、森林整備に関する市町村の実施体制の強化を図るため、森林・林業の基礎的知識を習得するための研修や、アドバイザーによる専門的な業務サポートなどに取り組んでいるところです。 こうした取組により、市町村職員の皆さんの林業への理解や意識は、徐々に高まっているものとは思いますが、まだ、取組は緒に就いたばかりであると認識しております。 このため、新年度においても、この譲与税を活用し、職員研修やアドバイザー派遣等を引き続き実施するとともに、新たに航空レーザー計測による効率的な森林資源情報の取得や境界明確化の取組を支援するなど、市町村の森林整備実施体制の強化をしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。 次に、新潟県産材の家づくり支援事業の効果と見直しの方向についてでありますが、本事業は、県産材利用を増加させる意欲ある工務店を支援することにより、県産材の利用拡大を図ろうとするものであり、前年度の県産材利用実績を上回ることという補助要件を設けております。 本事業の効果を検証した結果、工務店を直接支援する制度としたことによって、新たに県産材の利用を始めた工務店があるなど、一定の効果があったものと受け止めております。 一方で、住宅着工棟数の中長期的な減少傾向が続く中、県産材を利用する意欲ある工務店であっても、前年度の実績を上回ることを見通せずに、事業の活用を見合わせたケースも相当数ありました。 このため、新年度においては、各工務店が年間に使用した県産材総量の増加だけではなく、1平方メートル当たりの県産材利用量を増加させる場合も支援対象とすることとし、県産材のさらなる利用促進を図ってまいりたいと考えております。 次に、CLTの普及に向けた県の取組と支援の在り方についてでありますが、県では、これまで、建築関係者等を対象としたCLT利用施設の見学会の開催や、CLT等の新技術を提案できる設計者の養成講座への支援など、需要の喚起に努めてきたところです。 こうした取組により、設計や建築関係者におけるCLTへの理解が深まりつつあるものの、県内のCLTを利用した施設は10棟にとどまっている状況です。 議員御指摘の製造施設の整備につきましては、需要の安定的な確保が課題であることから、県といたしましては、まずは、需要のさらなる拡大に向けて、設計関係者等に対し、CLTを利用した施設整備への補助事業の周知や、利用技術の普及などの取組を進めてまいりたいと考えております。   〔農地部長緒方和之君登壇〕 ◎農地部長(緒方和之君) お答えいたします。 水源が少ない地域における農業用水の対応についてでありますが、県では、先般、少雪に伴う営農対策等情報連絡会議を開催し、ため池の早期貯水開始や漏水箇所の点検・補修などの事前対応及び輪番取水や排水の反復利用等の節水対応など、地域の実情に応じた対応策を検討し、農家へ周知を図ることとしたところです。 今後とも、気象情報や、ため池の貯水状況など地域の状況を注視しながら、農家への技術対策情報の提供を行うとともに、限られた用水を有効に活用できるよう、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点についてお答えいたします。 除雪における基本待機料制度についてでありますが、県では、これまで安定的な除雪体制が確保できるよう、基本待機料制度を実施してきたところであり、今冬は平成以降で最も少雪となっていることから、12月末と2月末の2回、前倒しで支払いを行うこととしたところです。 毎年、除雪業者との意見交換やアンケート調査を行う中で、現制度は一定の効果を発揮しているものと捉えており、今後とも安定的な除雪体制確保のため、他の自治体の制度なども参考にしながら、制度の改善を検討してまいります。 次に、観光施設へのアクセス道路整備等についてでありますが、議員御指摘のとおり、観光振興や交流人口拡大のためのアクセス改善は重要であると認識しておりますが、観光地における道路整備においては、自然や地形などの環境保全や流入する車両増加に伴う地域の負担増など、様々な観点から検討が必要であると考えております。 県道清津公園線につきましても、現状を把握し、課題を抽出した上で、地域の実情に合わせた整備の在り方を検討してまいりたいと考えております。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) お答えいたします。 いわゆる僻地病院の役割・在り方の見直しに向けた具体の取組についてでありますが、先月から地元市町村を訪問し、各病院の患者、医師、経営等に関する現状や今後の見込みなどの具体的な資料を持参し、説明した上で、まず市町村主体の運営を提案し、今後意見交換を行っていきたい旨お伝えし、協議を開始したところであります。 今後、どうすれば地域に医療機能を残すことができるのかとの観点で、地元市町村等へ情報提供に努めながら、丁寧に意見交換を行っていくことが重要と考えており、各地域医療構想調整会議でも御議論いただき、各病院の役割・在り方について、合意を目指してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 魚沼・南魚沼・十日町地域の教職員の年齢構成等についてでありますが、議員御指摘のとおり、魚沼・南魚沼・十日町地域においては、20代の教諭の割合が27%と県全体と比較して8ポイント高く、50代は18%と9ポイント低くなっており、若い世代が多い傾向が見られます。 若い教職員に対しましては、各学校の管理職や先輩教員が悩みなどの相談に乗り、適切に助言などを行うことが重要であります。また、県教育委員会といたしましても、若い教職員が不安を抱くことの多い授業での指導力向上のため、教育支援システムの利活用を促すとともに、学力向上専門監による個別の支援等により、若い教職員の意欲向上に努めてまいります。 次に、教職員の人事配置についてでありますが、県教育委員会では、平成29年度の異動から、自宅のある地域への配置を基本とした人事異動方針に見直しました。 成果につきましては、見直しの背景にあった通勤距離の短縮に伴う重大な交通加害事故の減少に加え、地域と連携した取組が増加し、児童生徒の地域貢献に対する意欲が高まった要因の一つと考えています。 一方で、教職員の居住地は都市部に偏る傾向があるため、若い教職員を都市部以外の学校に配置してきた結果、年齢構成のアンバランスも生じており、今後は、年齢構成に配慮した配置に努めてまいります。 次に、スクールサポートスタッフの配置についてでありますが、事業を開始した平成30年度から、地域バランスを考慮した上で、時間外勤務の多い小学校の大規模校を優先して配置してきておりますが、配置校においては、時間外勤務の減少等、一定の効果が見られております。令和2年度につきましては、より多くの学校で活用する観点から、市町村教育委員会からの要望も踏まえ、小学校41校に配置を拡充するとともに、中学校との兼務も可能としたところです。 今後とも、配置の効果を分析した上で、学校規模や配置校種など、配置の方法を検討してまいります。 次に、GIGAスクール構想の実現についてでありますが、平成30年度末の県内小中学校の学習用端末の配備は、4.4人に1台となっております。 現在、市町村教育委員会が国の補正予算等を活用して、1人1台に向けた学習用端末の整備を進めることとしており、県教育委員会といたしましては、県立学校の義務教育課程と合わせ、市町村の学習用端末を共同調達できるよう準備を進めているところであります。 また、市町村立学校の教員に、学習用端末用の教材を提供するとともに、指導主事を派遣し学習用端末を使用した研修を実施することにより、市町村教育委員会を支援してまいります。 次に、生徒の通学に対する支援についてでありますが、津南中等教育学校では、南魚沼市から通学する生徒の保護者により、バスが運行されておりましたが、料金の値上げと利用者の減少により、廃止になったと聞いております。 生徒は、自らの学力、学校の特色に加え、通学方法とその費用などについて検討した上で、志望する学校を選択していることから、通学費に対する支援は行っておりません。 ○議長(岩村良一君) 小山大志君の質問は終わりました。 次に、河原井拓也君の発言を許します。河原井拓也君。   〔河原井拓也君登壇〕(拍手) ◆河原井拓也君 自由民主党の河原井です。通告に従いまして、順次質問をいたします。 まず初めに、地域医療についてお伺いをいたします。 先般方針が示されました県央基幹病院についてでありますけれども、このたび、病床数を400床程度、そして令和5年度の開院を目指すという方針を示していただきましたことに対しましては、県央医療圏内の住民の一人としても、知事、そして関係部局、また医療関係者の皆様方の御判断には感謝を申し上げる次第でございます。 ただ、一方で、今後考慮すべき課題も多くあるかと思いますので、そういったものを踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。 まず、このたび県央基幹病院は、整備基本計画で示された病床数が450床から400床へと見直し、下方修正されたわけでありますが、これまでの経緯と、また規模縮小の判断に至った主な理由を改めてお伺いいたします。 次に、これまで行われてきた医療関係者、有識者による県地域医療構想調整会議の中でも多くの議論が交わされたわけで、その中で県としても、県央基幹病院整備基本計画を策定した時点から現在まで医療環境が変化してきたことから、最新の状況を踏まえた上で計画の検証をしていくということでありました。 県央基幹病院を取り巻く環境の変化の要因については、人口減少や医療技術の進歩等による医療需要の減少や医療制度改革、地域医療構想の実現などが複合的に影響していると会議の中でも示されていたわけでありますけれども、このたびの県央基幹病院の病床数や機能集約等の見直しは、これらの要因に対してどう対応しようとしているのか、お伺いをいたします。 また、県央基幹病院整備基本計画の中では、救命救急医療の中核的機能を担い、救命救急センターとして、各疾患の重症救急患者への医療に対応すること、また、高度・専門的医療を提供することなどから、基本的な診療科を設置するとし、22科を基本としておりましたが、今後は、診療科目を含めてどのような病院を整備していこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。 また、県央基幹病院整備基本計画の基本方針として、医療スタッフが集まり、キャリアアップができる、魅力ある環境を整備し、マグネットホスピタルを目指すとされておりますが、知事は、マグネットホスピタルの条件としてどういったものが挙げられると考えているのか、お伺いをいたします。 またあわせて、医師や臨床研修医の確保の観点からも、400床の規模でマグネットホスピタルとしての機能が果たすことができるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、急性期機能集約についてお聞きしたいと思います。 県としましても、医療関係者による県地域医療構想調整会議の中でも様々な意見があった中で、このたび、燕労災病院と厚生連の三条総合病院の2病院を統合して県央基幹病院を構成するという当初の計画に、済生会の三条病院、そして県立吉田病院、また県立加茂病院の3病院をプラスして、結果5病院での再編が示され、断らない救急を目指し、5病院が持つ急性期機能を集約して、圏域外搬送の多いこの県央地域に不足する救急診療の強化を図っていくということであります。 これは、すなわち県央二次医療圏の救急指定7病院のうち5病院が担ってきた救急医療を、全てではないにしろ、今後は県央基幹病院が担うということになると理解するわけであります。 平成30年の県央二次医療圏内全体での救急車の搬送件数は約8,500台でございました。内訳として、このうち圏域内の医療施設で対応した台数は約6,300台、圏域外搬送が約2,200台でありました。この再編の対象外である県央医療圏内の2つの民間救急指定病院の救急車受入れ台数は合わせて約1,500台受け入れているわけであります。 すなわち、単純計算では、この圏域内で対応した6,300台から民間のこの2病院の1,500台を引いた台数、約4,800台を見ていかなければいけないということになります。さらに、圏域外搬送をなくそうというふうにうたっているわけでありますので、圏域外搬送である2,200台も加えていけば、結果的に約7,000台もの救急搬送数を受け入れていかなければならないということも、今後、想定していかなくてはいけないと考えますが、県としてはどのように捉えておられるのか、所見をお伺いいたします。 次に、今年の4月には十日町看護専門学校、それと同時に三条看護・医療・歯科衛生専門学校の開学が予定されております。 看護師不足とも言われる医療圏内、新潟県におきましても、看護師確保の観点からも効果が出ることが期待されるわけでもありますが、県内では、一方で看護職員の養成に当たる教員が少なく、養成施設では教員確保に苦労しているともお聞きしました。 現在の看護師養成に関わる教員の確保に向けた県の取組をお伺いいたします。 2つ目に、次に農業振興策についてお伺いをいたします。 農林水産省の発表によりますと、2018年の農業産出額で新潟県は前年より少ない2,462億円となり、都道府県別では13番目で、調査を開始した1960年以降初めて山形を下回ったということでありました。山形県は、野菜や果物等の産出額が伸び、園芸振興への取組の差が出たということでありました。 ただ、新潟県では、昨年、園芸振興基本戦略を策定したところでもございますので、逆にこれから伸び代がまだまだあるのではないかと考えます。 新年度予算案におきましても、園芸振興基本戦略をさらに推し進め、園芸の拡大に力を入れていくという姿勢がさらに強くなったと捉えております。園芸振興基本戦略では、令和6年までに、販売額1億円以上産地を倍増させることや、栽培面積や農業者の拡大を目標としておりますが、特に来年度は、どのような手法によりこれらの目標に向け取り組むのかお伺いするとともに、今後の目標達成に向けた意気込みをお伺いいたします。 農林水産省は、2013年の8月に、農林水産物・食品の輸出額を2020年までに1兆円規模に拡大するという目標に向けて、米・米の加工品、また青果物、お茶、牛肉、加工食品や林産物、水産物の重点品目ごとの目標額や、重点国・地域を定めた農林水産物・食品の国別・品目別の輸出戦略を策定し、海外のニーズに合った高品質な日本産品をより多く輸出できるよう、オールジャパンで取り組むとともに、輸出に意欲的に取り組む農林漁業者、そして食品事業者を支援する取組を推進しているところであります。 その取組支援の一つとして、現在まで農林水産物、また食品輸出の際に国際的な食品安全管理への対応が求められていることを踏まえて、国内の農家・農場へのGAP認証の取得を進めているところであります。 このGAP認証につきましては、農業において、食品安全、また環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組と認識をしております。 食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられるGAP認証制度には、世界基準であるグローバルGAPのほか、日本GAP協会が展開するJGAP、またアジアGAPなどがあります。 今年、2020年の東京オリンピックパラリンピックの開催において、選手村等で使う食材でGAP認証が条件とされたことで、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられるGAPの取得を目指す農家が増加し、また安全や環境を重視する消費者ニーズも高まっている中で、食品の大手や小売などは、農家の認証取得などの支援サポートや、認証取得農家や直営農場などを通じて安全認証された農産品の調達を本格化させてきております。 特にグローバルGAPにつきましては、世界の120か国以上に普及して、事実上の国際標準となっているわけであります。欧米の大手小売をはじめ、最近では日本の小売でもグローバルGAPなどの国際認証を取得した生産者からの仕入れを優先しているところも増えてきております。 県内では新潟県農業大学校におきまして、国内で唯一、米とイチゴで複数の品目のグローバルGAP認証を取得しているところでありますが、今後、県内の産地や生産者が将来的に国外への輸出を考えていくのであれば、味が良いとか、香りが良いとかという食味等の官能評価だけではなく、工程管理を客観的に評価する、第三者から評価する仕組みである、国際水準のGAP認証を取得することが今後必要ではないかと考えます。 今現在、県内のGAP認証取得農場は何件あるのか、そしてまた、GAP認証の拡大に向けた県の取組をお伺いいたします。 またあわせて、GAP認証を継続していくには、ある程度GAP認証取得後の継続的なフォローアップ体制が必要と考えますが、県の取組をお伺いいたします。 前段で申し上げましたように、農林水産物・食品の輸出額を2020年までに1兆円規模に拡大するという目標に向けて、戦略を策定して取り組んできた結果、今月の7日でありますが、農林水産省の会見によると、輸出額は前年比から0.6%増の9,121億円。微増ながら7年連続で過去最高となったが、政府が目標としていた1兆円規模という目標には届かなかったということでございました。 ただ、一方で、新潟県としては県産農林水産物の2018年の時点での輸出実績に関しては、輸出量について4,903トン、そして輸出額は9億4,000万円と、ともに7年連続で前年を上回っており、県としても実績を上げているところでございます。 品目別では米が9割を占めておりまして、日本食レストランの普及状況などを踏まえ、主な輸出先は香港や、またシンガポールを主要なターゲットと定めて、この2か国・地域で輸出全体の過半数を占めているということであります。 昨年、県とにいがた産業創造機構、NICOが合同で、東南アジア市場への波及効果が高いと言われるシンガポールにおいて、本県の安心・安全な農林水産物及び食品の販路開拓・拡大を支援するため、県内企業とシンガポールのバイヤー等との商談会、食の商談会inシンガポールを開催し、10社程度参加したとのことでありましたが、その中で、実績として契約等に至った企業、そして金額的にはどの程度であったのか、また現在、商談継続している企業はあるのか、お伺いをいたします。 また、農林水産物の海外販路拡大に対する県としての現在の取組状況をお伺いいたします。 国が2020年までに1兆円規模という目標に達することができなかったという、その理由の一つとしても、国際的な情勢、また農産物の不作や水産物の不漁等々、様々な原因があるわけでありますが、海外への日本食普及に力を入れている日本食レストラン海外普及推進機構によると、輸出にはまだまだ課題があり、相手国のニーズを把握できていないということ。例えばリンゴの場合、日本やアジアとは逆で、欧米では小形で蜜が少ないほうが好まれるなど、農産物も海外向けに作るという意識や情報がまだ足りないという指摘もあるとされております。 また、海外でのプロモーションに関しては、各都道府県が売り込んでいくよりも、特定の産品を国・地域ごとに絞って戦略的に売り込む手法のほうが、広く日本産品の知名度の向上、そして普及に貢献できるのではないかということでもございました。 昨年、県とNICOが主催したシンガポールでの商談会の中でも、県産の農産物につきましては、県内農家、そして各企業がばらばらに品物を持ってくるということで、まとまった量と品目のバリエーションがなく、市場が求めるものに対応できず、国内も含めて、海外向けの取引においても大きな契約に至らないという話を参加者の方や、また専門家、関係者の方からもお伺いをいたしました。できれば県内のものは、ある程度商談の窓口を1つにまとめてほしいということでもありました。 県下に点在する産地、そして農家が連携をしながら、ある程度同水準の品質とまとまった物量を提供できる体制をつくることで、流通が分散することなく、安定した物量を国内外に供給することが可能となり、その結果、農家所得の向上につながっていくのではないかと考えます。 県として産地間、そして農家間の連携を推し進めていくことも今後さらに必要になってくると考えますが、御所見をお伺いいたします。 新潟県としても多く輸出をしているシンガポールにおきましては、現在、日本の焼き芋が以前からブームになっているようであります。その火つけ役がドン・キホーテということでございました。2017年に出店を決める際に、ドン・キホーテでは、現地の文化や国民性を鑑みて、現地のお客さんが気軽に購入して食べられるモバイルフードを提供するため、様々な食品を現地の住民の方に試食してもらうなど徹底的にマーケティングを行い、焼き芋が特に支持されたことから取り扱うこととし、第1号店オープン後、焼き芋は連日行列ができるほどの人気になったということであります。昨年、4店舗目を出店し、さらなる売上げを拡大しているということでありますが、県内外、また国外問わず、マーケットイン、市場調査、そしてマーケティング、流通、販路というものは本当に重要であります。 今回の事例は極端な例かもしれませんが、ただこれを行政や、また農家の方個人が開拓していくには本当に厳しいところがあると考えます。 現在、例に漏れず三条市としましても農業振興を進めている中で、その取組の一つとして、先進農家、農業法人からの指導・支援をいただく事業を行っております。 その中でも、全国的にも農業部門のリーディングカンパニーとも言われる和郷園グループから御指導・支援をいただいております。 和郷園グループが数年前に、独自で確立したビジネスモデルのノウハウを公開して地方創生の人材育成に貢献したいという方針を出した中で、市内の園芸農家からの支援要請の声もあり、三条市が自治体としては全国で初めて取組支援の協力をしてもらうことになりました。 この和郷園グループについてですが、千葉県の香取市にある農事組合法人で、千葉県北東部及び茨城県南部の生産者約100軒以上の農家から成る農業生産を主とした農事組合法人和郷園と、生産された農産物に様々な付加価値をつけ加工・販売、流通を担う株式会社和郷の、生産と流通に特化した2つの法人が中核となる農業法人のグループであります。このグループの年商は100億円以上にも達すると言われているところでありますが、方針として、農家、生産者の自律をモットーとして、値段を自分たちで決められるよう、売り先を決めてから作る受注生産を基本としながらも、販路を拡大していき、現在ではグループ内でカット野菜工場、冷凍加工の工場、作物の研究施設、スーパー、直売所、大規模な農園リゾートなどを運営所有し、ブランドを確立。香港やタイ、シンガポールでの海外事業、取引を行うなど、農業分野における前例のないビジネスモデルを確立したトップランナーとしてメディア等で紹介されたり、全国で講演会を行うなど国内においても高く評価されている日本有数の農業法人グループであります。 現在、三条市におきましては、この和郷園グループ指導の下、4軒の農家、そして1社の食品加工会社が連携し、2018年の3月に農業法人を設立し、中期的な経営方針を立ち上げて、新潟県産の果物を主軸にして国内外に販路を急速に拡大しながら、現在、設立2年目で年商1億円に迫るまでに業績を伸ばしました。 和郷グループからは三条市の仲介で支援を仰ぎ、個人、国内、また世界的な大型スーパーへの販路や、農業生産工程管理、JGAPの認証も新潟県で初めて認証取得し、東京オリンピックの食材調達基準に合致した品質も担保しながら、より大きな市場を求めて国内外にさらに挑戦するため、JAとの連携、また協力、参加農家を募集することなどを目的として、「これが稼ぐ農家だ!」と銘打った特別セミナーを開催するなど、精力的な、また広域的な活動を続けております。 本県の園芸振興は、流通も含めて他県に比べて後れを取っていると認識をしております。流通体制構築に向けた取組の遅れを取り返していくには、マーケットインや流通のノウハウを持った民間の力も大きく必要になってくると考えます。 三条市においても農家への支援事業として、農業分野のコンサルティングとして全国でも実績がある民間企業より御支援いただいて、僅か数年で大きな成果を生み出していることからも、県としても、国内のみならず、海外マーケットへの取組においても独自のチャンネルを持ち、実績のある様々な民間企業からも支援いただけるよう、今後、様々な形で連携を図るべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 最後に、観光施策についてお伺いをいたします。 一般質問でも多々取り上げられましたが、コロナウイルスが今猛威を振るっている中で、一刻も早い終息を願うところでございますが、本県には中国からのインバウンド観光客も多いとされていますが、このたびの新型コロナウイルスに伴う訪日外国人観光客の減少による本県観光産業への影響についてお伺いいたします。 また、今冬の少雪による観光産業への影響についてもお伺いをいたします。 今年、旅行予約サービスの楽天トラベルが、2019年インバウンド人気上昇都道府県ランキングを発表して、前年同期比の伸び率が高かった1位の県は新潟県ということで発表されておりました。新潟県は前年同期比で85.2%増となり、前年の4位から順位を上げて1位となり、冬のスキー需要が好調な越後湯沢・苗場エリアが約2.1倍と、そして上越・糸魚川・妙高エリアが約2倍と大きく伸長しておりました。次いで2位が岐阜県と3位が山形県、4位が福島県となっておりました。 株式会社日本政策投資銀行が発表した新潟におけるインバウンド推進に向けた調査によると、新潟県の2018年の外国人延べ宿泊者数は、前年比で29.1%増の27.7万人泊となり、2007年の調査開始以降、過去最高を記録したということであります。しかし、外国人延べ宿泊者数では全国31位に位置しており、全国的に見ればまだインバウンド客の獲得は遅れている状況であるということでした。 また、こういった様々な調査結果を踏まえて、日本政策投資銀行新潟支店では、新潟におけるインバウンド獲得のための3C戦略というものを立ち上げ、アジア圏のリピーターをターゲットに、東北や北関東など周辺地域と協働しながら、雪などの自然を楽しむコンセプトツアーの構築が有効だと提言しております。 東京オリンピックパラリンピック開催による訪日外国人観光客の増加が予想される中で、県としては、どのような戦略をもって県の魅力を発信していこうとしているのか、お伺いいたします。 また、訪日外国人観光客の近年の傾向として、モノ消費からコト消費へと変化していると言われていますが、今後さらに体験型の観光を推し進めていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 現在、訪日外国人観光客は、SNSを使って旅行に関する情報を集める傾向にあり、観光庁の調査でも、旅行前に役立った情報としてSNSが上位となっております。 国や各自治体でも観光客誘致に積極的にSNS等の活用取組を加速している中で、多くの企業や自治体が、インバウンドのマーケティングではスタンダードな用語となりました旅マエ、旅ナカ、旅アトにおいては、この全てのシーンでデジタルマーケティングを導入して、動画メディアや、またインフルエンサーを活用した旅マエのプロモーション、ロケーションデータをベースとした旅ナカへの無料配布型広告配信など、新しいPR手法への注目度も高まっているわけであります。 インバウンドへのPRや施策を検討する際は、なるべく集客を強化したい国を絞り込み、国別にアプローチの仕方を変えていく必要があります。例えばインフルエンサーマーケティングを行う場合にも、国ごとに情報源が異なるので、ターゲットの国の人々がどんなブログやSNSを活用しているかといったことを踏まえたほうが効果的であると考えます。 例えば、ここ数年の訪問先として人気が高い世界遺産の白川郷、先ほど2位と言いました岐阜県ですが、数年前からこのSNSを利用したインフルエンサーマーケティングに力を入れており、特定の国のインフルエンサーを招待して、記事を書いてもらうといった施策を行っています。訪日客のゴールデンルートは東京に来て、関西に移動すると言われている中で、岐阜県は通常なら素通りされているところを、白川郷はわざわざ観光客に足を向けてもらうことに成功しているというわけであります。 今後、観光面でも、さらに戦略的なSNS発信の必要性が高まってくると考えますが、インバウンド観光客に効果的な訴求が可能となるであろうSNSを活用した観光情報の発信における県の取組をお伺いいたします。 あわせて、市町村との連携による情報発信も重要と考えますが、取組状況をお伺いいたします。 次に、新潟ー台北線は、2018年度に3万5,000人以上が利用し、搭乗率も8割を超え、特に冬季はスキーなど雪に関するコンテンツが台湾からのインバウンドで人気を集めていたということでありますが、昨年12月に、現地航空会社が経営不振を理由にして、新潟ー台北線を含む全路線を突然休止しました。 休止後、観光面での影響はどの程度であったのか、お伺いをいたします。 次に、今月初めに行われました新潟空港活性化セミナーの中で、報道によると、新潟空港を拠点に地方都市を結ぶ地域航空会社の事業予定者の方が、事業化には35億円規模の資金が必要であり、県内企業などに出資を募るという方針を示されておりました。 当然、空港の活性化には民間活力が必要であるものの、行政も強く連携を図らなくてはいけないと考えますが、県としては今後どのように関わっていき、取り組んでいくのかお伺いをいたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 河原井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県央基幹病院の病床数についてでありますが、医療需要の減少や国の医療制度改革の影響など、整備基本計画策定時からの状況変化を踏まえた検証が必要となったことから、医療の専門家から成る県地域医療構想調整会議において、県央医療圏に必要な医療機能や、県央基幹病院の機能と規模について議論いただいたところです。 県央基幹病院の規模については、各病院の診療実績や患者数を踏まえつつ、救急の圏域外搬送人員等を勘案して推計した将来入院患者数から、400床程度が適当であるとの意見で取りまとまったものと承知しております。 県といたしましては、こうした議論の結果を踏まえ、病床規模については、450床から400床に見直したところであります。 次に、県央基幹病院の見直しについてでありますが、県地域医療構想調整会議では、医療需要の減少や医師不足等の状況などを踏まえますと、急性期機能のさらなる集約化と一層の機能分化・連携を図ることが必要であり、急性期機能を担う中核病院と回復期機能を担う地域密着型病院に機能を再編すべきとの意見で取りまとまったところであります。 県といたしましては、こうした議論の結果を踏まえ、公立・公的5病院の急性期機能を集約し、県央基幹病院を整備してまいります。 次に、県央基幹病院の医師確保についてでありますが、マグネットホスピタルとなるためには、多くの診療経験が積める多様な診療科を有するなどの病院機能や医師にとって働きやすい勤務環境、キャリアアップを図りやすい指導体制の整備なども重要であると考えております。 県央基幹病院では、断らない救急の実現により、若手医師が臨床経験を積むことができる体制の構築や、子育てしやすい柔軟な勤務体制を導入するなど、医師にとって魅力ある環境を整備することにより、マグネットホスピタルとしての機能が果たせるよう取り組んでまいります。 次に、農業振興策についてお答えします。 まず、園芸振興基本戦略の実践についてでありますが、昨年7月の基本戦略公表後、各地域の関係機関・団体と一体となった推進チームにより、園芸振興の機運醸成や、需要見込みを考慮した品目選定など、具体的な産地計画の策定に取り組んでいるところです。 今後は、機械・施設整備による生産効率の高い産地育成や、就農促進から経営発展までの一貫した担い手確保の支援に加え、スマート農業の導入促進などにも取り組む必要があるため、関連事業を新年度予算案として本議会にお諮りしているところです。 県といたしましては、新たに園芸に挑戦する、意欲のある農業者の皆さんとしっかり連携をして、伴走型で後押しをすることで、基本戦略の目標を達成し、稼げる農業の実現を目指してまいります。 次に、産地間・農家間連携による県産農産物の販路拡大についてでありますが、議員御指摘のとおり、個別農家や産地の垣根を越えた連携を進め、品目ごとにまとまった物量が供給できる体制を構築することは、取引の拡大や新たな販路開拓を図る上で有効であると考えております。 このため、園芸振興基本戦略に基づいて、同一品目を生産する複数産地の連携や広域的な集出荷体制づくりについて、各産地の取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、園芸品目の海外展開における民間企業との連携についてでありますが、農産物輸出において、民間との連携は必要不可欠なものと考えております。 県では、これまでも海外で店舗を展開する小売事業者や、現地の高級飲食店等に強いパイプを持つコンサルタント等と連携しながら、県産農林水産物の販路開拓に取り組んできたところであり、タイやアメリカなどでは継続的な取引が実現するなど、具体的な成果につながっております。 今後とも、国内外の事業者と連携し、流通体制の構築や販売ルートの開拓などに取り組むことにより、輸出を拡大してまいりたいと考えております。 次に、観光施策についてお答えします。 まず、新型コロナウイルスによる本県観光産業への影響等についてでありますが、中国政府による団体旅行の停止措置を受けて、宿泊のキャンセルが発生しており、地域や施設によって差はありますが、一部の宿泊事業者に影響が出ております。 現在、日本と中国とを結ぶ航空便数が大きく減少しているほか、中国以外の国々からの訪日旅行を手控える動きも出始めていることから、引き続き、県内観光産業への影響を注視してまいりたいと考えております。 また、記録的な少雪に伴い、2月中旬時点でオープンしているスキー場は約7割にとどまっており、スキー場や宿泊施設などの観光関連産業にマイナスの影響が生じております。 そのため、県では、県内企業の資金繰りに万全を期すため少雪対策特別融資を創設したところであり、併せて誘客に向け、SNS等を活用した情報発信に努めております。 次に、東京オリンピックパラリンピックに合わせた魅力発信等についてでありますが、県といたしましては、大会期間中に首都圏に設置する東北ハウスや表参道ネスパスを活用し、ニシキゴイや雪など本県独自の魅力をアピールし、他県との差別化を図った情報発信に取り組んでまいります。 さらに、日本政府観光局と連携して、来日している海外メディアを対象とした地方周遊ツアーを実施し、本県観光の取材と発信を促進するなど、大会開催後も見据えた情報発信にも努めてまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、訪日外国人観光客のニーズはモノ消費からコト消費へと変化しており、体験型観光の予約をインターネットで行う旅行者が増加しております。 今後とも、体験型観光商品をインターネットで販売する海外旅行会社と観光事業者との商談会や、旅行者ニーズに対応した商品改善を目指した相談会などを継続的に開催し、官民一体により体験型観光を一層推進してまいります。 次に、新潟空港を拠点とする地域航空会社への県の関与等についてでありますが、事業会社が設立され、新たな路線が開設されれば、新潟空港の利用拡大につながることが期待されるとともに、新潟空港の活性化や拠点化の推進、さらには、地域経済の活性化にもつながる可能性があるものと考えており、大変関心を持っております。 議員御指摘のとおり、この構想は民間主導で進められるものと認識しておりますが、県といたしましても、国との調整が生じる場合に相談に応じるほか、運航開始の際には、利用促進に係る支援を検討するなど、地元経済界と連携しつつ、熟度に応じて、最大限の対応をしてまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 3点についてお答えいたします。 まず、県央基幹病院の整備についてでありますが、県地域医療構想調整会議の結果を踏まえ、県央医療圏にある公立・公的5病院の急性期機能を集約し、断らない救急を担う病院として整備を進めてまいりたいと考えております。 なお、具体の診療科目等につきましては、現在の整備基本計画の22科を基本としつつ、今後、病院の運営主体や病院長を決定し開院準備を進める中で、検討してまいります。 次に、救急搬送患者の受入れについてでありますが、県地域医療構想調整会議において、県央医療圏では病院勤務医が減少し、救急医療体制の維持が困難になっているという課題について議論が行われました。 この結果、断らない救急の実現のため、急性期機能のさらなる集約化を図るとともに、より高次の救急医療、高度・専門医療については、新潟大学医歯学総合病院や、新潟・中越医療圏の救命救急センターとの連携を構築すべきとの意見を頂いたところです。 県といたしましては、より高次の救急医療や高度・専門医療については、他圏域との連携強化を図るとともに、それらを除く大半の救急搬送患者については、圏域内で速やかに断らずに受け入れられる体制を整備してまいりたいと考えております。 次に、看護教員の確保に向けた取組についてでありますが、看護教員は、看護師等の実務経験や講習の受講等、資格要件が定められており、講習期間が長期であることや、受講費用の負担が大きいことなどから、要件を満たした教員の確保に苦労している養成施設もあると聞いております。 教員の確保については、基本的には養成施設が主体的に行うものと認識をしておりますが、県といたしましても、定期的に県内で看護教員養成講習会を開催するほか、新設、定員増を計画している看護師等養成所への講習会の受講費補助や、教員の資質向上のための研修会などを行っているところです。 引き続き、看護教員の確保・定着に向けた支援に取り組んでまいります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、SNSを活用した観光情報の発信についてでありますが、訪日外国人観光客は、SNSを有効な観光情報源として積極的に利用していることから、様々なSNSを活用した情報発信に取り組んでいるところです。 具体的には、訪日旅行に影響力と発信力があるブロガーや写真家などを県内観光地に招聘し、その魅力をSNSを通じて発信しているほか、日本政府観光局や県のフェイスブックなどを活用した情報発信も行っております。 また、情報発信は、常に新しい情報を発信し続けることが重要ですので、最新情報と併せて訴求力のある写真等の提供や、ブロガー招聘時の現地案内など、様々な場面において市町村の協力を得ながら取り組んでおりますが、今後とも連携を密に図ってまいります。 次に、遠東航空の台北線休止に伴う観光への影響についてでありますが、これまで台北線は、その大部分を台湾からの団体ツアー客が占めており、ツアーを催行していた現地旅行会社からの聞き取りによれば、宿泊先となる佐渡市や新潟市の一部宿泊施設においてキャンセルが発生しております。 一方で、路線の休止期間となる冬季は、首都圏空港を利用して県内スキー場を訪れる台湾からの個人旅行客が多いほか、小松空港や富山空港を利用する団体スキーツアーも多数催行されていることから、新潟ー台北線休止の影響は地域や施設によって差が生じているものと推測されます。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 2点についてお答えいたします。 GAP認証取得についてでありますが、本県においては、地域振興局の普及指導員を中心とした、取組メリットの啓発や丁寧な取得支援などにより、国際水準GAPの認証取得は本年1月現在で122件と、ここ3年間でほぼ倍増しております。 GAP認証は経営改善効果のみならず、議員御指摘のように、国内外での農場の信頼性向上にもつながることから、県といたしましては、普及指導員等を対象に資格を有するGAP指導員として育成することで、認証継続も含めGAPに関心がある幅広い農業者に対し、身近で一層きめ細かなフォローアップ体制を構築してまいります。 次に、シンガポールにおける商談会の実績についてでありますが、シンガポールでの商談会には9社が参加し、39件の商談が行われたところであり、昨年末時点の実績としては、見込みを含めた成約が12件・188万円、継続中の商談が5件となっております。 また、農林水産物の海外販路拡大に対する取組状況につきましては、日本米の主要な輸出先である香港、シンガポールに加えて、本県産米の輸入が再開された中国への販路拡大に取り組んでおります。 さらに、青果物については、ASEAN各国向けのトライアル輸出に取り組み、継続輸出の可能性がある品目や市場の把握に努めてきたところであります。 ○議長(岩村良一君) 河原井拓也君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 次会は、明2月27日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時28分散会...