新潟県議会 > 2020-02-21 >
02月21日-一般質問-03号

  • 462(/)
ツイート シェア
  1. 新潟県議会 2020-02-21
    02月21日-一般質問-03号


    取得元: 新潟県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    令和 2年  2月定例会 本会議令和2年2月21日(金曜日)  議事日程 第3号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(楡井辰雄君、上杉知之君、杉井旬君、青柳正司君、小島晋君、小泉勝君)   ――――――――☆――――――――出席議員(52名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君          池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君  大 渕   健 君          長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君  杉 井   旬 君          重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君  市 村 浩 二 君          安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君          小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          益田  浩 君  副知事          米澤 朋通 君  知事政策局長       笠鳥 公一 君  総務管理部長       佐久間寛道 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       藤山 育郎 君  産業労働部長       橋本 一浩 君  観光局長         佐野 哲郎 君  農林水産部長       山田 治之 君  農地部長         緒方 和之 君  土木部長         中田 一男 君  交通政策局長       田中 昌直 君  会計管理者兼出納局長   本間由美子 君  病院局長         岡  俊幸 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    関原  貢 君  警察本部長        花岡 和道 君  労働委員会事務局長    綱島 知子 君  監査委員事務局長     髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(岩村良一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(岩村良一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、楡井辰雄君の発言を許します。楡井辰雄君。   〔楡井辰雄君登壇〕(拍手) ◆楡井辰雄君 皆さん、おはようございます。今日から一般質問。最初に質問させていただきます自由民主党の楡井でございます。よろしくお願いします。 まずは、お金のない予算編成、大変御苦労さまでございました。20年前、私どもバブルが崩壊をし、国から地方交付税の減額も言い渡されたあのときを思い出すところであります。 これから審議することでありますが、国の力、そしてまた職員や皆さんの力をお借りして、また制度変更等の成果も相まって129億円という収支改善、本当に御苦労をしたのだろうというふうに思います。 初めての花角カラーの出る予算編成のはずなのに、なかなか出せないというもどかしさを感じながら、知事の言う県民の安全が一番という予算編成は県民の皆様に十分伝わっていることだろうというふうに思います。 いつも東奔西走し、体を酷使している姿を見たときに、残念ながらマイナス思考の不安をあおるような文言が躍るのは大変残念であります。 お金がなければ知恵を出す。そして人脈を駆使する。それでも駄目なら汗をかく。山本五十六元帥の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」を思い出し、行革という組織編成や仕組みはでき、マニュアルもあります。あとは職員、そしてまた県民の皆様の意識改革をどう進めて仕掛けをしていくかが重要であろうというふうに思います。 今回の質問は、意識をいかに変えるか、いかに担当部署同士の組合せによる水平思考ができるか、またBバイCを考え、効率よくするかをポイントに質問をさせていただきます。 初めに、行財政改革を進めていく中で、歳入歳出を見直すだけでなく、限られた予算の中で最大の行政サービスを提供することも重要であり、そのためには今までの県庁組織を見直し、縦割りでの仕事の進め方ではなく、視野を広げ、水平方向に物事を捉え、部局横断的に業務に当たることが重要と考えます。知事は、令和2年度の組織改正に当たってどのような点を重視したのか、お伺いをいたします。 また、効率的な事務事業を進めるためには、引き続き多様化・複雑化する課題に対して、部局を超えたプロジェクトチームを編成し、的確に対応することが重要とも考えます。知事の所見をお伺いするとともに、次年度の体制についてもお伺いをいたします。 あわせて、よりよい行政サービスの実現のためには、組織を見直すだけでなく、職員の皆さんの意識も変えていかなくてはならないと考えますが、令和2年度、どのような取組を行っていくのか、お伺いをいたします。 次に、行財政改革行動計画において、安定的な財政運営に必要な地方税財政基盤が確保・充実されるよう国へ働きかけていくこととしておりますが、これまでの成果及び今後の進め方についてお伺いをいたします。 次に、経済対策についてであります。 過去、類を見ないほどの本年の暖冬少雪による影響を考えますと、除雪業者の皆さんや冬季関連商品の販売の不振、飲食店の営業不振、また農家においては野菜の価格暴落等々、先が全く見通せない状態の中、追い打ちをかけるように中国発の新型コロナウイルスの影響が我が県にも及んでいるところであります。 大規模イベントの中止や宿泊キャンセルが相次ぎ、今後どこまで先の見えない暗闇の中という不安で、マイナス思考に陥ることや風評被害を考えると相当深刻だと思います。 東京マラソンの約3万8,000人もの一般参加者枠の開催取りやめしかり、にいがた酒の陣が昨日中止というふうにお聞きをしました。また、上越も高田城址公園観桜会や、4月に行われる大相撲上越場所はどうなるかなどを考えながらお聞きをいたします。 新型コロナウイルス感染症の発生による新潟空港の路線に係る欠航や外国人観光客の宿泊施設のキャンセル、また少雪による除雪作業を担う建設業者の収入減、今年産水稲栽培に係る水不足への懸念など、本県経済の停滞につながる事案が発生しておりますが、県経済にどのような影響が出ているのかお伺いするとともに、どのように対策を講じていくのかをお伺いいたします。 人口減少、若者流出を考えますと、所得のことが大変重要なウエートを占めることだろうと思います。1人当たり県民所得で見ますと、東京で約540万円、富山約330万円、福井約320万円、長野、山梨、新潟が同水準で約290万円という現実であります。この金額、格差だけを見れば、生活の地をどこへと考えると、親からしても子供からしても一目瞭然であります。 しかしながら、ここで諦めてはいけないわけであります。若者が生き生きと過ごせる新潟のすばらしい魅力をどう伝えるか、また人のよさや人間らしい生活をするには最高だと自信を持って言えるかが肝であると思います。 現実に私の周りには新潟のよさを感じ、農業に目覚め、人の温かさに触れ、移住をしてきた若者が多く存在をしております。仕事や地域のリーダーとしても頑張っております。 そこで、お聞きをいたします。 総務省の人口移動報告によると、本県は日本人の転出超過数で全国最多とのことであります。転出を抑える一つの対策としては、所得の向上を図っていくことが重要であり、そのために来年度予算編成においてどのような施策を盛り込んだのか、お伺いをいたします。 また、所得の向上対策とともに、雇用の場の創出は人口減少対策に効果的であると考えます。県では起業・創業を支援しているところでありますが、クラウドファンディングを活用した地域づくり活動資金調達事業など、地域づくり活動を支援する事業であり、起業・創業の支援にも寄与しております。関連する事業もうまく活用しながら、部局を超え、総合的に支援していくことが重要と考えます。今後どのように県内での起業・創業を支援していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 続きまして、ベトナムをはじめ9か国以上の国から1万人に及ぶ方々が、我が県に技能実習や身分に基づく在留資格等で労働者として来ていただいており、我が上越にも1,400人くらいの方が働いていらっしゃいます。 少子化、働き手不足の中で、小規模事業者の皆様から、外国人の雇用をどのようにしたらよいのかとよく相談を受けることがあります。また、働きに来ている方々の生活習慣の違いや文化の違いで、企業の方々から相談を受けることもあります。今はトラブルはないと聞いておりますが、今後もっと働く外国人の方が増えるとしたら、地元とのトラブルも考えられるところでありますので、提案を含めながらお聞きをいたします。 県内の外国人労働者が年々増加傾向にある中で、外国人材の在留資格、仕事、教育、医療、福祉など生活全般の相談体制や情報提供の強化を図るため、日本語のほかに7か国語に対応する外国人相談センター新潟を令和元年10月に開設したとのことでありますが、センターにおける相談対応等の取組実績をお伺いするとともに、外国人材の雇用確保の促進に向けて、新潟県外国人材受入サポートセンターとの連携が重要と考えますが、連携状況についてお伺いをいたします。 前回も廃校舎の利用という同じような質問をさせていただきましたが、今回もさせていただきます。既成概念を取り払い、意識を変えて考えたとき、やはり必要と感じますし、地元の方々によく聞きますと、それはいい仕組みだねというふうにお答えになって、考えれば有効で、少子化による小学・中学校の廃校を含め、地域として考えてはいかがと思い、お聞きをいたします。 今後、外国人相談センター新潟のような機能を持つ相談窓口を県内各地に設置することとなった場合、少子化の進行に伴う県立高校の統廃合による廃校舎の増加も見込まれることから、この廃校舎を利用して相談窓口を設置するとともに、地域の実情に応じて教室を共同生活施設に改修するなど、必要な機能を追加することで、総合的に外国人材をサポートできる拠点に造り替えていってはどうか、知事の所見をお伺いいたします。 さらに、県内企業での外国人材の雇用を促進するために、企業にとって身近な相談窓口の存在が安心感を醸成するものと考えます。新潟県外国人材受入サポートセンターの複数設置が困難だったとしても、各地にテレビモニターなどを活用して相談できる仕組みなど、効率的で効果的な体制を構築してはどうか、所見をお伺いいたします。 続きまして、教育問題についてであります。 現在、香川県議会が4月の施行を目指す条例の一つに香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)があります。背景にはネットやゲームの依存症になってしまう子供たちが社会現象になっているからとのことであります。 この条例に対して、高校生からゲーム依存の対策の必要性は認めるものの、ゲームの時間は家庭や自分で決めるもの、ゲームやインターネットの企業への規制や働きかけを強くするほうが重要であるとの主張から、全国約600人の反対署名を集め、県議会に提出したとお聞きしております。 現代において、eスポーツ世界大会で1億円の賞金が出たり、主婦がインフルエンサーとしてインスタグラム等SNSのフォロワー10万人、そして月に100万円を稼ぐという時代に入り、過去に存在しなかったゲームやスマートフォンの普及により、大人から子供まで依存している状況だということであります。その中で指導する教員の方々も本当に大変であります。 最近のソーシャルゲームやSNSのことをあまり理解できず、ただ単に時間や回数を制限する指導にとどまるような対応が多々あることや、心のケアに向けた教員の指導スキルや時間的余裕がないのが現実であります。 このゲーム障害の相談を受け、はや1年になりますが、本当に悲惨な状況で、アリ地獄に陥るように苦しんでいる方が目の前にいるのに助けてあげられない。また、的確なアドバイスができないという自分の無力さや制度の弱さ、そして遅れを感じながらお聞きをいたします。 現代の子供にとって、ゲームやスマートフォンへの依存、SNSでの悪口や仲間外れなどの現代特有の新たな障害やいじめが増えてきている中、未然に防止していくために、子供たちの向き合い方や注意すべき点などをしっかりと教育していかなければならないと考えますが、教育現場の対応状況及び指導する教員のスキルアップに向けた取組状況をお伺いいたします。 次に、子供の過激なソーシャルゲームへの依存を防止するためには、教育現場だけではなく、保護者によるフィルタリングの設定や家庭での使用のルールづくりなど、家庭での対応が重要と考えますが、各家庭からの相談に対しどのように対応しているのか、お伺いをいたします。 相談を受けた御両親と当該生徒の生活相談等の話をする機会を持ちました。その子は、eスポーツをしており、深夜に大会が開催されることから、昼夜逆転の生活をし、学校に行くことができない状況となっております。この生徒をどうにかしたいと思っても、対応してくれるカウンセラーや専門医が非常に少ない状況であります。地元のさいがた医療センターでは、手探りながらゲーム依存症へのカウンセリングや治療に取り組んでいただいておりますが、残念ながら人手が足らず、十分なケアができていないとお聞きをしております。 また、御両親から提案をいただきました。各学校等で実施している有名人の講演会などにユーチューバーやeスポーツ選手の講演会を企画してほしい。そしてゲームやSNSへの向き合い方や、ふだんの生活の重要性などを直接講演していただくことが、最も効果があるのではないかと話しておりました。 このような生徒が増えている中で、県でも早急な対応が必要であるとの思いからお聞きをいたします。 小学生の保護者の方々と意見交換をしたときに出た話の中で、過激なソーシャルゲームが幾つかあり、規制してほしいとの意見がありました。例えば県でゲーム内容を確認し、必要なゲームについては、子供を守るために年齢制限をかけるなど、一定の規制を設けるようゲーム提供会社などに働きかけてはどうか、所見をお伺いいたします。 ゲーム障害については、WHOにおいて2022年1月から正式な疾病として適用されることになりますが、ゲームやスマートフォンへの依存度が高まってしまった子供への治療に向けて、今後、県ではどのような対策を講じていくとしているのか、お伺いをいたします。 次に、福祉政策についてであります。 近年、障害を持っている方々への理解促進や社会的地位の向上については、行政やNGOなどが連携し、推進を図ってきたことから、少しずつではありますが、改善が図られてきたと感じているところであります。 一例で見ますと、新潟県内の福祉事業所における障害者の作業工賃は年々増加しており、新潟県総合計画において掲げられている、就労継続支援B型事業所における作業工賃の中間目標である2020年度の1万6,000円を達成する見込みで推移しているようでありますが、就労継続支援A型事業所の作業工賃は10年前から見ますと2.5倍の増加となっているのに対し、就労継続支援B型事業所では1.3倍と伸び悩んでいるのも現実であります。 私の出身の上越地域の支援団体からは、現状のB型の作業工賃では、作業者に最終的に残るお金が2万円程度で、趣味や娯楽、将来のための積立てなどに回す余裕がない状況で、最低でも工賃を現在の倍は向上させていかないといけないと相談を頂戴しているところでありますので、県としての考えをお聞きいたします。 就労継続支援B型事業所における作業工賃は年々増加しており、県の総合計画の目標達成も見込めるところでありますが、この目標を達成したとしても、生活費を差し引くとほとんど手元に残らず、文化芸術活動やスポーツ、レクリエーションなどを盛り込んだ生活を営むには厳しいと考えます。県で示す総合計画目標を上方修正し、その目標達成に向けて事業所へ働きかけ、支援を強化していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 私は、20年前から障害福祉サービス事業所にお願いをして、名刺に点字を入れております。全県に広めていけば、少しは障害者の皆さんの収入の増加につながるのではないでしょうか。これこそがゼロ予算の取組促進ではないかと思い、お聞きをいたします。 障害者の作業工賃の向上には、障害者優先調達推進法に基づき、国や県、市町村等が調達方針を策定し、その方針に則した調達を実施しているところでありますが、支援の輪を広げ、受注の機会をさらに確保するため、民間企業も巻き込んだ取組としていくことが今以上に重要と考えますが、知事の所見をお伺いするとともに、県の対応状況についてお伺いいたします。 次に、障害者にとって親の存在は大きく、特に生活面や金銭面での助けは重要な要素であります。親が亡くなってしまった後も何不自由なく生活ができるようにするためには、必要なお金を残しておくだけでなく、遺産相続に係る遺言書の作成や財産管理等の方法の検討など、生前に整理をしておかなくてはならないと考えますが、県ではどのような支援を行っているのか、お伺いをいたします。 次に、農業諸課題についてお伺いをいたします。 昨年は農業者にとって大変な年でありました。特に水稲においては、水不足と異常高温で品質低下や収量低下等で大変な年でありました。我が家も今、青色申告の準備中でありますが、かなりの売上げダウンが予想され、ダメージの大きさは全県に広がっていることだろうと、そしてまた大きさは計り知れないことだろうと思います。 一方で、平場でも水が豊富なところや、青未熟でいつも苦労している水が豊富な高冷地では、今までにない高品質で収量増であると大変喜んでいる私の仲間もおります。いかに温暖化が進み、異常気象が毎年続いていることかと推測をいたします。このことが普通になると思いますと、本当に背筋の寒い、ぞっとする気分になります。 また、果樹や花、野菜等も相当な影響を受けていることを私の周りの農業者の方々から聞いておりますし、現実に雪がないおかげで、雪下で出すべきキャベツや白菜が全て普通に売れてしまったり、ブロッコリーは大変おいしい脇芽が普通に収穫ができているという現実であります。 また、雪下野菜や雪中貯蔵が売りの加工や直接販売をしている野菜がなくなったり、雪冷房の米倉庫に入れる雪がないなど、これらの弊害が出ていることも現実であります。 農業者の平均所得が、先ほど新潟県の県民所得が約290万円でありましたけれども、約170万円という低い現実であります。そんなに甘いものではなく、後継者育成を含め、一朝一夕に改善できるものではありません。しかしながら、いろいろな難題があろうと、過去農業者は知恵を使い、汗をかいて乗り切るのが農業者のど根性であります。 そこで、お聞きをいたします。 昨年の夏季高温、今冬の少雪と近年異常気象が頻発する中で、今後とも新潟県産米のブランド価値の維持や農家所得の確保に向けて、どのようなことに重点的に取り組んでいくつもりなのか、知事の所見をお伺いいたします。 もう一つの農業者を悩ませている問題が野生鳥獣であります。新潟は大変広く、各地区で繁殖している有害鳥獣は多種多様であります。主に下越地方は猿を中心とした熊やイノシシ、中越はイノシシや猿、魚沼は熊を中心としたイノシシ、猿、鹿、上越はイノシシを中心とした熊や鹿、佐渡はハクビシンを中心とした鳥獣被害が見られるとのことであります。 我が党から平成26年に新潟県特定野生鳥獣の管理及び有効活用の推進に関する条例が提案され、制定されました。平成30年には一部改正されましたが、冒頭申し上げたように、一向に効果が出ておらず、増えるばかりという現実から、今定例会により効果を上げようと鳥獣被害対策支援センター農林水産部内にできたわけであります。 駆除は農林水産部、保護は県民生活・環境部という相反する縦割り組織から、条例の趣旨を踏まえ、一歩前へ進んでいただいたわけであり、今以上に農家のためにフル活動していただけると大変期待しているところであります。 ジビエは天の恵みであります。そして、これはインバウンドを含めたお客様へ食の発信、観光のツールの一つとして活用できればと思い、お聞きをいたします。 昨年は、熊の市街地出没が頻発し、人身被害も多発をいたしました。また、イノシシの生息域の拡大により、人身被害や農作物被害の増加が懸念されておりますが、人里にある食料の味を覚えた個体は人里への出没を繰り返し、被害を出すとも言われております。このような個体を捕獲するために県としてどのように対応していくのか、お伺いをいたします。 次に、野生の熊の肉について、福島第一原子力発電所事故の影響により、本県では佐渡市と粟島浦村を除く地域で捕獲した個体の肉の出荷を差し控えるよう国から指示を受けておりますが、ジビエとして魅力が高く、捕獲意欲の向上にもつながることから、野生の熊の肉の出荷に向けてどのように対応していくこととしているのか、知事の所見を伺います。 次に、捕獲された野生動物を単なる害獣として見るのではなく、山の恵み、命の貴さという視点からジビエ等として活用することは重要と考えております。さらに、適切に処理したジビエは食味もよく、差別化が図られることから、地域のブランド食材としての価値も高まると考えますが、県ではどのようにジビエを振興していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 以上で質問は終わりますが、今まさに花角イズムが浸透し始め、県庁の若手職員による積極的な施策提案がなされているようであります。新しい芽が出て大変すばらしいことだと感じているところであります。 がらっと話は替わりますが、知事をはじめ皆様は渡邉智哲さんという名前を聞いて、どういう方かお分かりでしょうか。今112歳で、存命中の世界最高齢男性でありまして、ギネス認定された上越の方でございます。女性も117歳、福岡の方で、ダブルのギネスであります。 県立高田農業高校の卒業生であり、昨年我が母校120周年記念誌に「至誠」という言葉を揮毫していただきました。大変すばらしい味のある書であり、大変感動いたしました。 お会いをして一緒にお茶を飲み、お話をして感じたことは、すごく聡明でジョークがうまく、甘党であり、いつも笑顔の絶えない柔らかな雰囲気の方でありました。 春にはやしゃごが3人になるとのことで、31人のお孫さんとひ孫さんに囲まれ、今は施設にいらっしゃいますが、亡くなられた長男の奥様が毎日通ってお世話をし、施設の皆様と御家族がワンチームになり、ラグビーでいう1人はみんなのために、皆は1つの目的のために、まさしく智哲さんの長寿のために皆で、智哲さんは感謝の笑顔で皆を幸せに、本当にラグビーの精神のようであります。 最後に、我が222万県民それぞれいろいろな御苦労があるだろうと思いますが、今が踏ん張りどき、個人のことや仲間のためだけでなく、将来の子や孫のために、これからもぜひ新潟県一つのワンチームでいきたいものであります。 終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 楡井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、令和2年度の組織改正についてでありますが、議員御指摘のとおり、限られた財源を有効に活用し、多様化・複雑化する行政ニーズに対応していくためには、部局間の連携を強化し、政策立案機能や政策の実行力を高めていくことが重要であると考えております。 このため、知事政策局に県政の重要課題についての企画立案や政策調整を総括する政策統括監を配置し、部局に配置する政策監と連携しながら、部局横断的に政策を企画立案・具体化し、推進する体制に見直すこととしたところです。 次に、プロジェクトチームについてでありますが、議員御指摘のとおり、本県が直面する課題に総合的に取り組み、県民サービスの向上を図るためには、幅広い視点で関係する部局が目的を共有し、連携して取り組むことが重要と考えております。 このため、これまでも人口減少対策のほか、Society5.0の実現などの課題について、部局横断的な取組を進めているところです。 今後は、新たに配置する知事政策局の政策統括監と部局の政策監が政策監会議を構成し、連携しながら重点プロジェクトを推進する仕組みとしたいと考えており、その下で、テーマに応じたプロジェクトチームなどを柔軟に活用しながら、多様化・複雑化する県政の諸課題に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、国への働きかけの成果と今後の進め方についてでありますが、地方公共団体の財政は、国の定める地方財政計画や地方税財政制度の影響を強く受けるため、昨年来、地方法人課税の偏在是正により生じる財源を地方部へ重点配分するよう、国に対して要望してきたところです。 そうした働きかけにより、この財源を活用して地域社会の維持・再生に取り組むための新たな交付税措置が創設されるとともに、県が単独で行う道路防災事業等が交付税措置率の高い特別な地方債の対象に追加されるなど、本県の要望に沿った制度改正が実現したところです。 今後も、他県とも連携しながら、引き続き、本県の実情に応じた地方交付税の算定などについて、様々な機会を捉えて国に要望してまいります。 次に、経済対策についてお答えします。 まず、新型コロナウイルスや少雪による県内経済への影響と対策についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国政府による団体旅行の停止措置に伴うキャンセルが、一部の宿泊施設に出ているところであり、中国に進出している企業や取引先がある企業については、現地工場の操業停止や仕入れ商品等の納期遅延など、事業活動に広範な影響が出ております。 また、記録的な少雪に伴い、スキー場や旅館業など観光関連産業に影響が生じているほか、除雪関連業種や暖房器具製造業などで売上げの減少などの影響が生じております。 県といたしましては、新型コロナウイルスへの対策として、中小企業金融相談窓口において資金相談に応じる体制を整えており、引き続き、県内経済の状況把握に努めるとともに、このたび国が実施する信用保証も活用するなど、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 また、少雪対策といたしましては、県内企業の資金繰りに万全を期すため、少雪対策特別融資を創設するとともに、除雪業者に対して基本待機料を前倒しで支払う等、対策を講じているところです。 さらに、農業分野におきましては、農業用水の不足が懸念されることから、気象や地域の状況について情報収集し、技術対策情報の提供など、機会を捉えて農業者等に注意喚起するほか、春作業が円滑に進められるよう、必要な対策を講じてまいります。 次に、来年度予算案における所得向上に向けた施策についてでありますが、本県の県民所得の向上に向けては、本県産業をより付加価値の高い産業構造に転換していくことが重要であると考えております。 県といたしましては、引き続き、新事業展開やより大きな市場の取り込みなどへの挑戦を後押しするとともに、本県の稼ぐ力を一層高めるため、新年度から、新たに地域経済を牽引する地域中核企業等を集中的に支援し、その経済効果を地域内に波及してまいります。 さらに、今後成長が期待され、若者にとって魅力的なIT企業の創出・誘致やIT人材の確保・育成などを強化し、IT関連産業の活性化を図るとともに、新たに産学官の交流の場を通じた防災関連産業のさらなる集積に向けた環境づくりについても進めてまいります。 起業・創業の推進に向けては、スタートアップ拠点を核として、起業家や支援者等のコミュニティーを形成し、より成長性の高い起業家の発掘や育成に対する支援などを官民連携で充実することにより、県民所得の向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、部局横断による起業・創業への支援についてでありますが、起業・創業においては、農林水産物・観光などの地域資源の活用や過疎・高齢化などの地域課題の解決を目指すビジネスなどもあることから、産業労働部に限らず、様々な部局の取組が関わることが想定されます。 そのため、起業・創業を目指す方に対しては、議員御指摘のクラウドファンディングも含め、部局間で連携を図りながら、広く起業に関連する事業を紹介し、活用を促すなど、より効果的に支援してまいります。 次に、外国人との共生についてお答えします。 まず、外国人材のサポートに向けた廃校の利用についてでありますが、昨年10月に開設した外国人相談センター新潟は、本県の拠点的な相談窓口として設置したものです。 今後、センターの機能を県内各地域に広げる必要が生じた場合には、議員御指摘のように、廃校となった校舎の利用も考えられると思いますが、現在、県内市町村においても外国人向けの相談窓口設置に向けた動きもあり、設置に当たっては、市町村との役割分担を整理する必要もあると考えております。 なお、外国人材の共同生活施設としての廃校利用については、あくまでも受け入れる企業の責任と判断によるものと考えております。 次に、福祉施策についてお答えします。 まず、障害者の作業工賃向上に向けた取組についてでありますが、障害者の作業工賃は着実に増加してきておりますが、障害のある方が地域で自立した生活を営むには、さらなる向上が必要と認識しております。 なお、総合計画に掲げる目標工賃については、障害のある方の自立を目指しつつ、働くことを通じて喜びや達成感が得られるよう、現実的な目標を段階的に設定したものであります。 県といたしましては、まずは、早期の目標達成を目指しつつ、さらなる工賃の向上に向けて、農福連携の推進や、新たな分野への進出支援などの取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、民間企業を巻き込んだ工賃向上に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、作業工賃の向上には、官公庁だけではなく、民間企業からの受注増加が重要であると考えております。 現在、障害者支援に関する民間企業の理解の高まりや、障害福祉サービス事業所の品質向上等の努力により、民間企業からの受注額は年々増加している状況となっております。 県といたしましては、民間企業からの受注がさらに増加するよう、引き続き、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 なお、県の具体的な取組については、福祉保健部長から答弁いたします。 次に、農業等諸課題についてお答えします。 まず、異常気象等に対応した新潟米の重点的な取組についてでありますが、異常気象が常態化しつつある中にあっても、本県の強みである米については、トップブランドとしての高品質・良食味を確保し、消費者の信頼に応えることで、農家所得の確保につなげていくことが重要と考えております。 このため、県といたしましては、品質向上に向けた緊急時の農業者への情報提供を強化するとともに、リスク分散に向けた非主食用米等の生産拡大の支援やセーフティーネットの活用を進めてまいります。 あわせて、異常気象に対応した栽培技術の研究開発や、高温に強い品種の育成などに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、人里に出没を繰り返す熊やイノシシへの対応についてでありますが、議員御指摘の電気柵の設置や、人家の周辺に餌となるものを放置しないなど、野生鳥獣を引き寄せない工夫とともに、人里だけでなく、その周辺に生息する個体の銃やわなによる捕獲を強化することが重要であると認識しております。 県といたしましては、市町村が行う有害鳥獣捕獲と県が行う個体数管理を目的とする指定捕獲を、連携して効果的に実施してまいります。 また、特に人里ではわなによる捕獲が主体であることから、県内外の専門家が有するノウハウの蓄積や、対策の現場を担う人材への技術普及により、担い手育成を進めてまいります。 これらの捕獲強化に向けた計画的な取組を、新たに設置する鳥獣被害対策支援センターにおいて推進してまいりたいと考えております。 次に、野生熊肉の出荷制限についてでありますが、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県内で捕獲されたツキノワグマから基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、佐渡市及び粟島浦村を除く地域で捕獲した熊の肉について、平成24年11月5日付で国から出荷制限指示を受けております。 熊や鹿などの野生鳥獣の肉については、本県と同様に出荷制限指示を受けている地域において、放射性物質の全頭検査等を条件に、国から出荷が認められている事例があることから、本県においても、市町村の意向を踏まえ、野生熊肉の出荷制限の一部解除について検討してまいりたいと考えております。 次に、ジビエの振興についてでありますが、イノシシ等の生息数が増加していると見られる本県においては、捕獲意欲のさらなる向上が必要であり、議員御指摘のように、地域のブランド食材ともなり得るジビエの利活用は有効であると考えております。 このため、県といたしましては、わな捕獲の取組強化や、適切な処理に必要な施設等の整備を支援するとともに、産地見学会の取組等を通じて、地域の魅力的な食材の一つとして情報発信するなど、野生鳥獣のジビエ利活用の拡大を図ってまいりたいと考えております。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 外国人相談センター新潟の取組実績についてでありますが、県国際交流協会で実施しておりました従来の外国人向け生活相談から、言語、時間を拡充して対応しているところであります。 10月1日の開設から今年1月末までに累計216件の相談があり、4月から9月までの相談件数の約2倍のペースで増えております。言語別では日本語が最も多く、次に中国語、フィリピン語と続いております。内容別では、在留資格に関する相談が最も多い状況です。 また、外国人材受入サポートセンターとの連携についてでありますが、日頃の情報共有のほか、開設半年後の来年度当初にサポートセンターをはじめ、労働局等関係機関との情報交換を予定しておりまして、こうした機会を積極的に設けるなど、関係者との協力関係をより強化してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 職員の意識改革についてでありますが、厳しい財政状況の中でも、よりよい行政サービスを提供していくためには、職員が前例にとらわれず大胆な発想で自ら考え、前向きな創意工夫に取り組むことや、組織内部にとどまらず、多様な主体と意見を交わし、知恵を出し合い、協力していくことが重要であると考えております。 このため、今年度から若手職員から政策提案を募り、施策に反映していく取組を行ったほか、県と民間企業等の若手職員が連携・協働して、県内の課題を解決する方策を検討する研修を行ったところです。 来年度も、政策形成過程や各種研修の場において、引き続きこうした取組を行っていくほか、新たに民間企業等から県に人材を受け入れ、交流を促進することなどにより、職員の意識改革に取り組んでまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 4点についてお答えいたします。 まず、子供に対するゲームの利用規制についてですが、議員御指摘のとおり、ゲームが子供にとって有害か検証し、規制の是非を検討することは必要と考えております。また、現在、ゲーム提供会社が参画する民間団体においては、暴力的な表現等に関して、対象年齢の規制が自主的に行われていると承知をしております。 この問題は全国的な課題であり、ゲーム提供会社の自主規制やフィルタリング開発事業者等における性能向上等への働きかけなど、より有効な規制手法等について検討するよう国に要望してまいりたいと考えております。 一方、たとえ対象年齢を限定しても、ゲーム等を利用する可能性を排除することは困難であることから、県といたしましては、保護者や子供たちに対し、家庭でのルールづくりや、ゲームを含めたインターネットの適切な利用を促すなど、普及啓発の取組を一層進めてまいります。 次に、子供のゲーム等依存症への対策についてでありますが、県では、現在、精神保健福祉センターなどにおいて、ゲーム依存症に悩む保護者の心に寄り添いながら、御本人への接し方のアドバイスや医療に適切につなぐなどの相談支援を行っております。 また、国では、今後、ゲーム等の依存症に関する相談従事者や医療従事者の育成などに取り組むこととしておりますので、県といたしましては、国が実施する研修などを活用し、職員の資質向上や専門医療機関の確保に努めてまいります。 次に、民間企業を巻き込んだ工賃向上に向けた取組についてでありますが、現在、県では、民間企業からの受注確保に向け、新潟県社会就労センター連絡協議会に営業担当コーディネーターを配置するとともに、共同受注窓口を設置しているところです。 県といたしましては、今後も様々な機会を捉え、障害福祉サービス事業所が提供可能な製品やサービスを紹介するなど、民間企業からの受注機会の拡大に向けた取組を進めてまいります。 次に、障害者の親が亡くなった後の支援についてでありますが、障害のある人の居住や介護など、日常生活に関する支援体制は整備されてきておりますが、相続や財産管理など、経済的な問題の相談に応じる体制は今後整備が必要と認識をしております。 現在、市町村では、成年後見制度など、障害者の権利擁護に必要な制度が円滑に利用できるよう相談体制づくりが進められております。 県といたしましては、議員御指摘の遺産相続なども含めて相談に対応できるよう、弁護士や司法書士等、専門職の方々と連携を図り、市町村の体制整備を支援してまいりたいと考えております。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 外国人材受入サポートセンターの相談体制についてでありますが、遠隔地に所在する企業等でもテレビ会議などを通じて相談しやすい体制を構築することは、利便性の向上を図る上で有効であると認識しております。 そのため、センターでは、現在、インターネットを活用したテレビ会議システム導入の接続試験を行っております。今後は、接続先として想定する商工団体等との調整を図るとともに、企業の相談内容の秘密保持にも留意しつつ、テレビ会議システムの利用方法や利用規約等の整備を行い、早期に本格的な運用を開始したいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 現代特有の新たな障害やいじめへの対応についてでありますが、ゲーム障害に関しては、各学校において、文部科学省が作成した依存症予防に関する資料を活用し、教員の指導力向上を図るとともに、特別活動や保健等の学習で、ゲーム障害に対する児童生徒の理解の向上に努めております。 また、保護者と児童生徒がノーゲームデー等を設定し、家庭での適正なゲーム使用の習慣化を図れるよう、学校では、取組状況を記録する計画表の配付や点検等を行っております。 加えて、SNSを介したいじめ防止のため、道徳等の学習において、発達段階に応じた児童生徒の情報モラルを育成するとともに、新潟県いじめ等防止のための資料集やSNS教育プログラム等を活用することで、教員のいじめへの対応力・指導力の向上に努めております。 次に、ソーシャルゲーム依存の防止のための家庭からの相談対応についてでありますが、これまでも、県では、保護者に対してリーフレットを配付することで、インターネットの利便性に潜む危険性を周知し、フィルタリング利用や家庭におけるルールづくりを働きかけるとともに、各学校でも、入学時オリエンテーションや、PTA講演会等において、保護者への意識啓発に取り組んでいるところであります。 ゲーム依存等に関する家庭からの相談に対しては、生徒指導課等の相談窓口でも相談を受けるとともに、市町村設置の子育てに関する相談窓口や支援センター等と連携を図りながらアドバイスを行っております。また、状況に応じてスクールソーシャルワーカーを派遣し、医療や福祉等の関係機関とつなぎながら、家庭への支援に当たっております。 ○議長(岩村良一君) 楡井辰雄君の質問は終わりました。 次に、上杉知之君の発言を許します。上杉知之君。   〔上杉知之君登壇〕(拍手) ◆上杉知之君 未来にいがたの上杉知之です。通告に従い、順次質問いたします。 初めに、新年度予算と行財政改革について伺います。 このたび発表された新年度予算案について、前年度と比較した収支改善額は129億円とのことです。国の補正予算に係る有利な財源を最大限活用するなど、現場の皆さんが努力されたことが伝わる内容であると思います。 しかしながら、収支均衡を達成するための目標額160億円には届かず、またその内訳も職員給与の臨時的削減が47億円、国の偏在是正措置が50億円となっており、収支改善の大半は言わばボーナスによるものです。今後さらに厳しく歳出を切り詰めていかなくてはならず、県民にさらなる痛みを強いることになるのは確実です。 県民の痛みについて、知事は記者会見で、市町村も含めて、影響を受ける関係団体、関係組織との対話、意見交換、意思疎通をしっかりと図りながら予算を編成したとし、本当に困るもの、多くの人が不利益を受けるようなものをやめているということはない、そんなに大きな痛みというものはないのではないか、県民生活に大きな混乱や痛みをもたらすようなものは避け得た、と繰り返されています。 しかしながら、大きいか小さいかは県民一人一人の受け止め方であり、多かれ少なかれ県民に痛みが伴うことは事実です。職員労働組合との給与削減交渉では、知事自らが謝罪を行ったとのことですが、県民の皆様に対してはどのように感じているのでしょうか。 そこで、改めて新年度予算において、県民に我慢や協力をお願いしなければならない点は何か、知事の御所見をお伺いいたします。 また、知事は県の経済がより元気になるように、安全・安心がより高まるように、暮らしやすさが一段とアップするように、知恵を絞った政策を盛り込んだ、充実させた予算です、とも発言されていますが、県民の皆様に前向きなメッセージとして捉えてもらいたい点はどのような点か、併せてお伺いをいたします。 県財政悪化の大きな要因は、公債費の実負担増と人口減少による交付税の減でした。これまでの日本は、その恩恵を受ける将来世代から借金をすることで、防災・減災対策をはじめとする公共事業を行ってきました。しかしながら、右肩上がりで人口が増加していた時代が終わり、現在の人口減少時代にあっては、将来世代から借金をして公共事業を行うこれまでのシステムは破綻したと言えるのではないでしょうか。これからの時代は、人口減少を加味した財政運営が求められると考えます。 今般策定される公債費負担適正化計画では、今後18年かけて実質公債比率を18%以下に抑えるため、実負担に基づく投資的経費の事業量を管理するとのことですが、実質公債費比率の目標値はどのような考えに基づくものでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。 財政改革について、現在の地方交付税制度等が見直されることがなければ、人口減少等により県の歳入が減り続けることは避けて通れません。そのような状況下において、歳出の単なる削減では将来的な収支改善につながらないことは明白です。 県財政の収支改善を図るためには、成長分野における技術革新や人材育成などへの投資をはじめとする税源涵養策が必要です。すぐに成果が現れるものではありませんが、今からその種をまいておくことは必要です。新年度予算にはどのような涵養策を盛り込んだのか、知事の御所見をお伺いいたします。 厳しい財政状況の中、新年度予算では多くの事業が廃止または縮小され、また臨時的な給与削減が実施されるなど、県職員を取り巻く環境が大きく変化しております。知事は縮み志向に陥らないようにと言われるものの、県民のために働こうと、やる気と希望に満ちて入庁された県職員のモチベーションの低下が危惧されるところです。 行財政改革に当たっては、ピンチをチャンスに変える今までにない柔軟な発想力と行動力が求められています。県にはこうした能力にあふれる職員が多くいると確信しておりますが、その能力をフルに発揮するためには、知事がリーダーシップを発揮して、県庁全体のやる気を最大限引き出していかなくてはならないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、人口減少問題について伺います。 財政危機の要因の一つに、本県の人口減少による交付税の減があります。また、地域医療や地域公共交通の維持など、人口減少対策は行財政改革の根幹とも言える大きな課題です。しかしながら、人口減少問題に対して地方自治体ができることは限られ、国としての大きな取組に頼らざるを得ない部分があります。 安倍政権はこれまでも地方創生を掲げ、様々な施策を打ち出してきましたが、オリンピック景気もあり、東京への人口一極集中に歯止めはかからず、むしろ地方との格差は広がる一方です。 そこでまず、本県の人口流出につながる東京と地方の格差の現状について、知事の認識をお伺いいたします。 あわせて、東京への人口一極集中に歯止めがかけられない国の地方創生政策の問題点について、知事の御所見をお伺いします。 安倍政権による地方創生政策として2015年度からスタートした国のまち・ひと・しごと創生総合戦略は、今年度で第1期が終了し、新年度から第2期に移行します。 本県では、国の総合戦略に対応し、新潟県総合計画をもって本県の地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略として位置づけ、一体として取り組んできました。新潟県総合計画は2024年度を最終目標とし、2020年度を中間目標としていますが、点検、評価に当たっては、毎年度状況把握と分析を行っていくとされています。 国の総合戦略第1期が終了するこのタイミングにおいて、本県では新潟県総合計画について、これまでの取組の効果検証をどのように行ってきたのかお伺いするとともに、目標の達成状況とその結果をどのように評価しているか、知事の御所見をお伺いします。 国は、12月20日、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を閣議決定しました。第2期総合戦略では、地方創生の目指すべき将来として、将来にわたって活力ある地域社会の実現と、東京圏への一極集中の是正を共に目指すとしています。しかしながら、その実現に向けては、人口減少を和らげる、人口減少に適応した地域をつくる必要があると人口減少を容認した内容になっています。もはや人口減少に歯止めがかからないことは国も認めているのです。 そうした中、人口減少に適応した社会システムの改革は国に任せざるを得ないとしても、県としても今後は人口減少を前提とした考え方の下で様々な施策を展開していかなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 国の第2期総合戦略では、東京一極集中の是正に向けた取組の強化の中で、地方への移住・定着の促進に加えて、新たに、関係人口の創出・拡大が打ち出されています。 本県における地方版総合戦略として位置づけられる新潟県総合計画のサブタイトルは「住んでよし、訪れてよしの新潟県」ですが、住んでよしが定住人口、訪れてよしが交流人口と受け取られます。 それでは、今般、国の第2期総合戦略に打ち出された関係人口はどのように表現できると考えているのかお伺いするとともに、本県における関係人口の創出・拡大に向けた取組方針について、知事の御所見をお伺いします。 国の第2期総合戦略では、新しい時代の流れを力にする施策として、地域におけるSociety5.0の推進や地方創生SDGsの実現などの持続可能なまちづくりなどを掲げ、未来技術を活用し、地域課題を解決、改善した地方公共団体の数やSDGsの達成に向けた取組を行っている都道府県及び市町村の割合を成果目標としています。 そこで、こうした課題に対し、本県としてどのように対応していくのかお伺いするとともに、国の第2期総合戦略に合わせて、本県の地方版総合戦略として位置づけられる新潟県総合計画を見直す必要性はないのか、知事の御所見をお伺いいたします。 人口減少対策について、これまで本県では平成27年度から3年間、経済的ゆとり支援、時間的ゆとり支援、地域で行う子育て支援といった県独自の新潟県少子化対策モデル事業を行い、有効な施策を国に提言するとしてきました。昨年の3月には、新潟県少子化対策モデル事業効果検証委員会から最終報告書が提出され、県としても結果を広く県民に伝え、今後の施策に活用してもらいたいとされています。 県としては、このモデル事業をどのように総括したのでしょうか。また、国に対して政策提言していくということでしたが、どのように提言をされたのでしょうか。モデル事業に対する評価と今後どのように政策実現に向けて取り組むのか、知事の御所見をお伺いいたします。 知事の公約であり、新潟県総合計画のサブタイトルにもある「住んでよし、訪れてよしの新潟県」ですが、住んでよしの新潟県の中でも、人口減少対策としては、若い世代が子供を産み育ててよしと感じるものでなければならないと考えます。 そう捉えた場合、新潟で子供を産み育てる上での現状における課題をどのように分析し、またその課題解決に向け、新年度はどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。 昨年、日本国内で生まれた子供の数が90万人を下回ったことが分かり、大きな衝撃となりました。出生率は僅かながら改善傾向にある中、出生数が減少し続ける大きな要因は、出産世代の女性人口の減少と言われています。 本県においても、少子化対策を推進する上では、若い世代、特に女性から子供を産み育ててよしと実感してもらい、新潟県を選んでもらうことが鍵となってきます。 そのためには、女性が働きやすい環境、女性が子供を産みやすい環境など、女性が住んでよしと思える環境の実現が重要と考えますが、女性に選ばれる新潟県に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 昨年末には、小泉進次郎環境大臣の育休宣言に注目が集まりましたが、女性が子供を産み育てやすい環境づくりを進めるためには、男性が共に育児に参加しやすい社会環境を整備することも必要です。 男性も育児休業を取得しやすい職場環境の整備が大事ですが、その在り方も、まとめて休業しなくても、残業を減らしたり、フレックスタイムを活用したりするなどの柔軟な取組が必要です。県内企業への働きかけや県民に対する意識啓発のためにも、県庁においてもそうした取組を一層進めていくべきと考えますが、所見をお伺いします。 続いて、防災対策とエネルギー政策についてお伺いします。 昨年の秋、台風15号、19号をはじめ、各地を襲った大規模水害では、新幹線の車両基地やバスの車庫、美術館の地下収蔵庫が水没するなど、官民を問わず公共性の高い施設が多く被災し、その後の地域住民の生活に大きく影響する事態となりました。 これらの施設は、土地の形状からもともと浸水の危険性が指摘されていた地域に立地し、そもそも設計段階で水害に備えておくこともできたでしょうし、また運転士の協力により、車庫内のバスを水没前に避難させた事業所もあると聞いています。 今回の被災事例を教訓とし、本県においても県管理の公共施設について、改めてその立地を点検し、もし洪水浸水想定区域であれば、その対策についても再確認しておく必要があると考えますが、所見を伺います。 水害対策について、昨今、豪雨災害時におけるダムの運用が問題となっています。大雨が降る前の事前放流により下流の水位を調整することができる一方、緊急放流により被害を拡大させてしまった例もあります。 また、建設中の八ツ場ダムが関東を救ったと思われる方もいるようですが、専門家によれば、試験的に水をためている段階だったので、計画以上にためることができただけで、完成後であったら下流の洪水を防ぐほどの水量調節はできていなかっただろうと言われています。 このようにダムの水害対策機能が議論されている中、県内にあるダムの多くが事前放流機能を有していないと報道されました。また、放流に関する関係機関との調整にも課題があり、改めて水害対策としてのダムの役割が問われていると考えます。本県は、こうした課題に今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。 ダムと並ぶもう一つの水害対策として、堤防の整備について伺います。 近年の大規模水害では、越水によるのり面の損壊、バックウオーター現象や内水氾濫など、従来の考え方に基づく堤防の整備基準や工法では対応できないと思われる被害が発生しています。 このような事態に対応するためには、新たな知見を基にした洪水想定や新たな技術の導入が必要ではないかと考えますが、今後どのように堤防の整備を進めていくのか、知事の御所見をお伺いします。 被災者の生活再建支援について、私たちの会派では、同一の災害で被災したにもかかわらず、災害の規模によって適用対象外となったり、被害の程度によって支援金の支給対象外となったりするなど、被災者間に不均衡が生じている状況を重く見て、支援制度の対象となる災害規模要件を緩和し、被災者生活再建支援金の支給対象となる世帯の範囲については、半壊世帯を含む世帯を対象とすることなどを要望する、被災者生活再建支援法の改正を求める意見書を昨年12月定例会で提案しましたが、残念ながら否決となりました。 長らく住宅は個人財産であるとの考え方から、住宅再建に対する補助は低く抑えられてきましたが、大規模災害が頻発する中で、支援の拡充が求められています。住宅再建をはじめとする被災者生活再建支援の拡充についての知事の御所見をお伺いいたします。 柏崎刈羽原発の事故を想定した実動避難訓練が、昨年11月に実施されました。今回の訓練では、船舶による避難やスクリーニング作業における人員確保など、様々な課題が指摘されました。これらの指摘を受け、県としては今後、様々な想定で訓練を行うことによって、原子力災害時の対応力の向上を図るとのことです。 再稼働に伴う手続や3つの検証作業などの工程などに関わるだけでなく、今も原発敷地内に核燃料が保管されており、いつ事故が起こるか分からない状況にあって、早急に避難計画の実効性を高めることが求められており、実動訓練もできる限り早く実行しなくてはなりません。今後の訓練はどの程度の頻度で行われるのか、訓練の計画についての知事の御所見をお伺いします。 柏崎市の桜井市長は、東京電力に対し、使用済み核燃料の経年累進課税を求めているとのことです。この課税により、発電所内にある使用済み核燃料の早期搬出を促し、国が進める核燃料サイクルを後押しする目的もあると聞いています。 しかしながら、再処理施設の建設、高速増殖炉の技術開発、プルサーマルへの理解促進など、核燃料サイクルにはいまだ多くの課題があります。こうした状況の中で、この経年累進課税が核燃料サイクルの推進に有効に機能すると考えるか、知事の御所見をお伺いします。 県では、水素エネルギーの普及啓発に取り組んでいます。新年度予算においても、小型燃料電池バスの開発、再エネ由来水素供給設備の設置などが盛り込まれ、県内企業の水素関連産業への参入促進による地域産業の活性化が期待されています。 水素は、次世代エネルギーとして大きく期待されている一方、水素の生成と供給ルートの開発はいまだ研究段階であり、普及にはまだ時間がかかると考えられます。 こうした中、本県が財政危機にありつつも、先行して水素エネルギーの普及に取り組む意義と今後の方針について、県民に丁寧に説明する必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いします。 燃料電池等を搭載した車両は、大規模停電時などに緊急電源としても機能します。昨年の台風15号で大きな被害を受け、大規模停電が長期間に及んだ千葉市においても、民間との災害協定に基づき、電気自動車を高齢者施設等に配備し、電源を供給したとのことで、今後は燃料電池自動車や家庭への接続機器の購入費用助成を進めているそうです。 本県としても、水素エネルギーの普及啓発に取り組むのであれば、行政や企業等が保有する燃料電池自動車について情報を共有し、災害時の救援体制を構築しておくことが大規模停電対策の一つとして有効と考えますが、知事の御所見をお伺いします。 最後に、新潟県の魅力発信についてお伺いします。 県では、県民による新潟県の魅力発信に取り組んでおり、「新潟※(コメジルシ)プロジェクト」などが始まっています。 先日、新潟県子ども観光大使認定証授与式に伺った折に、小学生の子ども観光大使から名刺を頂いたのですが、その名刺にはQRコードが印刷されており、新潟をPRする自身の動画にリンクが張られていました。 子供からお年寄りまで多くの新潟県民が新潟県の魅力を発信することが新潟の元気につながると私も確信しております。そして、多くの県民が観光大使を目指す中でも、とりわけ知事の発信力は大きいものです。知事自らが先頭に立って魅力発信を行うべきと考えますが、知事は現在どのような発信をし、また今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 本年7月から開催される東京オリンピック・パラリンピックは、本県の魅力を世界に発信する絶好のチャンスです。開催期間中における県の広報活動については、大会期間中に開設される東北ハウスにおいて、東北各県と連携して取り組むとのことです。 インバウンドにおける周遊観光などを考えれば、東北地方と一体としてのPRにも一定の効果が期待されるところではあります。ただ、本県独自の魅力をアピールし、他県との差別化を図る必要もあるのではと考えます。 東北各県との連携事業における取組の方針をお伺いするとともに、連携事業のほかにどのような広報活動を考えているのか、知事の御所見をお伺いします。 本県の魅力の一つに雪があります。雪の降らない地域から訪れる観光客にとっては雪は大きな魅力であり、新潟県にとっては大きな観光資源です。それゆえ、今冬の記録的な少雪はスノーリゾートに注力していた本県の観光業界に大きな打撃を与えており、少雪災害とも言われております。 県は、少雪対策として、短期的な支援策として経営上の緊急融資を行っているものの、あくまでも対症療法的な手当てにすぎません。 地球温暖化の影響からか、近年は猛暑、豪雨などの異常気象が続いており、今後も少雪の年が続くこともあり得ます。県では防災・減災対策に注力していますが、少雪も災害と考えるならば、今後の少雪に備え、人工降雪機の整備など事前にできる対策も必要になると考えますが、所見をお伺いいたします。 県内の観光業においては、記録的な少雪に加え、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大による影響もあり、経営に与える影響は深刻化する一方です。この冬落ち込んだ収入を補うには、今後のグリーンシーズンにおける大規模な観光キャンペーンの展開など、県内の観光業に対するてこ入れが必要になると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大による影響で、中国からの訪日観光客が激減し、県内の観光業にも大きな打撃となっています。これまで中国からの観光客はインバウンドの増加を支える大きな力でしたが、特定の国に依存することは、今回のように1つ問題が起きると大きな影響があることが分かりました。 今後の外国人観光客誘致に当たっては、このような事態に備え、平時から幾つかの国に対しバランスよくプロモーションをしておく必要もあると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 本県の魅力の一つとして、日本海に面した立地もあると思います。金子知事時代から、本県は環日本海、新日本海フロントと銘打ち、北東アジアとの交流を県勢発展の手がかりとし、中国の大連、韓国のソウルなどへの事務所設置、環日本海経済研究所、ERINAによる研究発表や国際会議の開催などに取り組んできました。 しかしながら、国際情勢が変化する中で、この地域との関係性を見直すべきとの意見もあり、総務文教委員会においても海外事務所やERINAの必要性について議論されております。 そこで、本県のアイデンティティーの一端を担ってきた北東アジアとの交流について、知事の御所見をお伺いします。 本県の魅力を世界に発信する上で、今年は佐渡金銀山世界遺産登録に向けた国内推薦が期待されております。長年の悲願が今年こそかなうことを願ってやみません。 しかしながら、登録はゴールではなくスタートと考えるべきです。急激に増加すると見込まれる国内外からの観光客への対応をどうするのか。また劣化が進む鉱山施設の維持を誰の責任でどのように行うのかなども大きな課題であります。 佐渡金銀山世界遺産登録に向け、県としてこれらの課題にどのように対応していくのか、知事の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 上杉議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新年度予算についてでありますが、令和2年度当初予算は、行財政改革行動計画を策定して初めての予算になることから、予算編成に当たって歳出・歳入全体について、様々な観点から見直しに取り組み、その中で市町村や関係団体等の協力もいただき、補助水準の見直し等も行うことができたところです。 そうした中でも、国庫補助金等の活用や企業・団体や市町村との連携強化などによる効率的・効果的な事業への見直しを行うなど、単なる行政サービスの低下にならないよう配慮し、県民生活に大きな痛みを伴うことは回避できたのではないかと考えております。 一方、このような厳しい財政状況の中でも、創意工夫を凝らしながら予算編成を行い、県民の安全・安心の最優先での確保や、挑戦する人や企業が次々と生まれ、集まる環境のさらなる整備といった本県の活力を創出するための取組を積極的に展開するなど、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けた取組をしっかりと前に進めることができる予算案になったものと考えております。 次に、地方債の発行と実質公債費比率の目標値についてでありますが、道路や河川等のインフラ施設や学校等の公共施設の整備は、次の世代も含めて長期にわたって効果・効用をもたらすものであり、そのために地方債を発行すること自体は、財政負担の平準化や世代間の負担の公平を図ることにつながるため、今後とも必要な制度と認識しております。 また、公債費負担適正化計画の目標については、県債発行に国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態はできるだけ早く解消する必要がある一方、激甚化・頻発化する自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策を着実に進める必要があることや、現時点の投資的経費は他県と比べ特に高いとは言えず、急激な削減は県民生活に過度な影響を及ぼすおそれがあることから、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とすることとしたものです。 次に、新年度予算案における税源涵養策についてでありますが、県税収入の増加につながる税源涵養を図るためには、県内産業をより付加価値の高い産業構造に転換していくことが重要であると考えております。 県といたしましては、活力のある新潟の実現に向け、スタートアップ拠点を核として起業・創業を推進するほか、引き続き、航空機、次世代自動車などの成長産業分野も含め、中小企業が取り組む新事業展開やより大きな市場の取り込みなどへの挑戦を後押ししてまいります。 さらに、新年度から、新たに、5G技術を活用したビジネス創出や成長分野に対する設備投資の促進をはじめ、地域経済を牽引する地域中核企業等の集中支援に取り組むとともに、今後成長が期待されるIT企業の創出・誘致やIT人材の確保・育成などの強化により、本県の稼ぐ力を一層高め、税源涵養につなげてまいりたいと考えております。 次に、職員のモチベーションについてでありますが、行財政改革の取組を着実に進めていくためには、職員が意欲とやりがいを持って仕事に臨めるよう、モチベーションを維持・向上させていくことが重要であると考えております。 私としては、厳しい財政状況の中でも縮み志向にならず、前向きな創意工夫に取り組むよう、機会を捉えて職員に直接伝えるとともに、若手職員による政策提案を積極的に取り入れることなどにより、職員が発想は大胆に、実行は緻密に、失敗を恐れずチャレンジし、その能力を最大限発揮できるよう努めてまいりたいと思います。 次に、人口減少問題についてお答えします。 まず、東京と地方の格差の現状認識についてでありますが、全国的に若者の東京圏への転出超過は増加傾向にあり、中でも20代前半で就職を機に転出する者が多く、本県も同様の状況になっております。 国の調査結果によると、東京圏への転入者は、仕事を選ぶに当たり、給与水準や自分の関心に近い仕事かどうかを重視しており、近年、男女ともに大学進学率、大手企業志向が高まっている中で、東京圏は高学歴者が希望する仕事が多く、大企業も集中していることが、東京圏への人口の集中と地方との格差の拡大につながっていると認識しております。 また、国の地方創生の取組については、地方創生推進交付金の創設や地方財政計画へのまち・ひと・しごと創生事業費の計上など、地方自らの発想と創意工夫による課題解決を国が後押ししてきたことは評価しておりますが、東京一極集中に歯止めをかけ、医療や若者の雇用などの分野において、大都市圏と地方の格差を解消するためには、全国知事会も指摘しているように、その取組はいまだ道半ばであると考えております。 次に、本県のまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく取組の効果検証等についてでありますが、本県がまち・ひと・しごと創生総合戦略として位置づけている新潟県総合計画においては、127の成果指標を設定しており、毎年度、目標達成に向けた状況を把握・分析し、施策の見直しにつなげているところです。 計画期間の中間年である令和2年度における目標に対しては、臨床研修医数など26の指標において直近の数値が目標を上回っておりますが、策定時より悪化している指標も23あるところです。 指標の多くがアウトカム指標であることから、県の事業の寄与度の問題もあるものの、指標と具体の事業との関係をしっかりと分析し、それぞれの指標で目標を達成できるよう、新年度当初予算案で計上している事業のより効果的な執行に努めてまいります。 次に、人口減少を前提とした施策の展開についてでありますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、今後も本県の人口は減少し続けることが見込まれており、当面は避けることができない状況にあるものと認識しています。 まさにこうした状況に正面から向き合い、県民生活に大きな影響が生じないよう、また地域社会の機能が失われることがないよう、対策を講じていく必要があります。 このため、中長期的な観点から、県政のあらゆる分野での取組を総動員し、人口の減少幅を縮小し、歯止めをかけるための施策に全力で取り組むと同時に、人口減少の局面で生じる様々な課題に対してもしっかりと対応し、地域での生活が守られ、県民一人一人が安全に、そして安心して暮らせるとともに、本県が持続ある発展をしていけるよう活力ある社会づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、関係人口の捉え方と創出・拡大に向けた取組についてでありますが、関係人口は、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人々の数であり、訪れてよしの交流人口を住んでよしの定住人口につなげていく間の人材の厚みを表すものであると考えております。 当県でも、大地の芸術祭などで以前から地域外の人材が継続的に関わっている事例もあると承知しており、新たな地域づくりの担い手や将来的な移住につながる潜在層として期待しているところです。 県としましても、来年度、地域づくりに関わることができるツアーやワーケーション体験プログラムを、市町村等と連携して新たに企画・実施するとともに、市町村が行う二地域居住体験などを総合的に支援してまいります。 次に、国の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略への本県の対応についてでありますが、国の第2期総合戦略が目指す、将来にわたって活力ある地域社会の実現と東京圏への一極集中の是正に向けて、Society5.0の推進やSDGsの実現といった新しい時代の流れを力にすることは、当面の人口減少が避けられない本県においても重要な課題であると受け止めております。 このため、Society5.0の推進について、新たに、企業の5Gなど先端技術の活用を促進するとともに、民間事業者と先端技術の活用について幅広く検討し、その具体化に向けて取り組むこととしており、関係部局がこれまで以上に連携して進めてまいります。 また、人口減少や気候変動などの環境変化を踏まえ、部局横断の政策研究会を設置したところであり、SDGsの視点も取り入れつつ、中長期的に必要な施策等について検討していくとともに、県だけの取組では限界があることから、先般、民間主導で立ち上げられた企業や団体、自治体等のプラットフォームに県も参画し、連携を深めてまいります。 なお、新潟県総合計画については、計画期間の中間年である令和2年度における目標の達成状況について、令和3年度において外部有識者による全体評価を実施することとしており、その評価結果も踏まえ、必要な見直しを検討してまいります。 次に、少子化対策モデル事業についてでありますが、平成27年度から3年間にわたり事業を実施し、外部委員による出生数や企業の従業員意識調査等の分析を通じた検証から、モデル事業の取組は、出産・子育てに関する様々な不安の緩和・解消につながり、もう一人子供を持ちたい気持ちが高まるとの報告をいただきました。 こうした検証結果を本県の政府に対する要望活動や、全国知事会における国への提言など様々な機会を活用し、国に届けてきたところです。 また、県としても検証結果に基づき、仕事と子育ての両立に積極的な企業や、地域で子育て関連の取組を行うNPO等に対する支援制度の創設など、新たな事業を構築し、取組を進めてまいりました。 今後は、こうした様々な取組の効果を検証しつつ、より効果的なものとなるよう努めるとともに、妊娠、出産、育児への不安にしっかりと対応し、社会全体で子育てを支える体制づくりに努めてまいります。 次に、子供を産み育てる上での課題と対応についてでありますが、女性の社会進出の増加や核家族化、地域コミュニティーの衰退等の社会情勢の変化により、出産・子育てに対する不安やニーズは多様化しているものと認識しております。 このため、県としましては、社会全体で子育てを支える体制づくりに向けた仕事と子育ての両立支援や、子育ての担い手として地域で活動している団体等の育成、子育てに関わる人材の育成や保育施設等の整備など、保育環境の充実・支援に力を入れているところです。 新年度も、市町村が地域の実情に合わせて取り組む施策への支援に加え、企業・団体等の取組促進や保育の質の確保・向上などを通じて、多様なサービスの提供につながる重層的な支援に努めてまいります。 次に、女性に選ばれる新潟県に向けての取組についてでありますが、本県は進学や就職を契機とした若者の転出が人口の社会減の大きな要因となっており、特に男性よりも女性の転出者数が多く、未婚化や晩婚化の進展も相まって出生数の減少にも影響している状況にあることから、議員御指摘のとおり、少子化対策を推進する上で、女性に選ばれる環境づくりは重要と考えています。 このため、来年度は、若者、特に女性の県内定着、U・Iターンの促進を重点テーマとし、IT関連産業の誘致や活性化を図り、若者、特に女性に選ばれる魅力のある良質な働く場の確保や、安心して子供を産み育てられる環境づくりなどを推進するとともに、県内にU・Iターンしてきた女性の視点から新潟暮らしの魅力を掘り起こし、首都圏に発信してまいります。 次に、水害対策としてのダムの役割についてでありますが、治水対策は、ダムによる洪水調節のほか、河道改修など様々な手法を組み合わせ、流域全体で総合的に進めることが重要であると考えております。 一方で、ダムの利水容量を洪水調節に活用する事前放流は、先般の台風第19号等、水害が激甚化・頻発化する状況を踏まえ、既存施設を有効に活用できる手段の一つであると認識しています。 このため、構造上可能なダムについては、関係利水者との協議を進めるなど、事前放流の導入に向けて取り組んでまいります。 次に、堤防の整備についてでありますが、堤防等のハード対策については、有識者による防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議より提言いただいた施設整備により被害発生リスクを低減させる対策、施設能力を超える事象が発生しても、被害を最少化する対策、本来施設が持つ能力を十分発揮させる対策、これら3つの取組を着実に進めていく必要があると考えております。 なお、具体の堤防整備の進め方については、土木部長から答弁いたします。 次に、被災者生活再建支援制度の拡充についてでありますが、現行の被災者生活再建支援法については、支援の対象となる損害の程度を半壊世帯まで拡大すること、また同一の災害で被災した全ての市町村がひとしく法の適用を受けられるよう、適用要件を見直すことが必要であると考えており、全国知事会を通じて国に要望しているところであります。 次に、今後の原子力防災訓練についてでありますが、新年度は、今年度の訓練や避難委員会の検証の中で明らかになった課題等を踏まえ、今年度と同様な住民参加の総合的な実動訓練を行うことに加え、個別項目ごとの訓練も実施するなど、条件を変えて様々な想定で複数回の訓練を行いたいと考えております。 そうした訓練を繰り返し行うことによって、広域避難計画の実効性を高めるとともに、原子力災害発生時における対応力のさらなる向上を図ってまいります。 次に、柏崎市長が東京電力に求めている使用済核燃料税の経年累進課税と核燃料サイクルについてでありますが、核燃料サイクルについては、現在、使用済み燃料を処理する施設が原子力規制委員会において新規制基準の審査を受けているところであり、現時点で先行きを見通すことはできません。 また、使用済み核燃料の経年累進課税は、柏崎市長が柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働の条件として求めているものであり、この課税が核燃料サイクルの推進に有効に機能するかどうかについて評価することは困難であると考えております。 次に、水素エネルギーの普及に取り組む意義と今後の方針についてでありますが、水素の利活用を拡大することで、エネルギーセキュリティーの向上やCO2排出削減等が期待できることから、国は水素基本戦略において本格導入に向けた目標や取組などを示しております。 県といたしましても、こうしたエネルギー・環境面の意義に加え、県が先行して取り組むことで、金属加工品等県内企業の強みを生かした水素関連設備製造への進出などの効果が期待できることから、燃料電池自動車の普及啓発や水素供給体制の構築の検討、県内企業の水素関連産業への参入促進などの取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、燃料電池等を搭載した車両の緊急電源としての活用についてでありますが、昨年の台風被害に係る国の検証チームの中間取りまとめによりますと、経済産業省において、令和2年6月末までに災害時に活用可能な電源車、電気自動車・燃料電池車等のリスト化やマニュアル整備を実施する方向で議論が進められていると承知しております。 県といたしましては、今後その結論を踏まえて対応を検討してまいります。 次に、新潟県の魅力発信についてお答えします。 まず、私自らが先頭に立って魅力発信を行うことについてでありますが、これまでも、国内外での各種トップセールスの実施、テレビ・ラジオ・新聞等のメディアへの出演・露出や首都圏在住の新潟ゆかりの方々を招く新潟プレミアサロン等において、新潟の魅力の発信に努めてきたところであり、引き続き、積極的に取り組んでまいります。 一方、県民の皆様から一人でも多くの県外の方へ本県の魅力を発信していただくことが、より大きなプロモーション効果を発揮すると考えられることから、県民が地域に誇りを持ち、積極的に発信・表現していただける意識や機運を醸成し、本県の多様な魅力の発信につなげてまいります。 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催時における広報活動についてでありますが、県では、東北各県等と連携し、東京の高輪ゲートウェイ駅前特設会場に設置する新潟・東北の情報発信拠点施設、東北ハウスにおいて、ニシキゴイや雪をはじめとした本県の魅力をアピールする予定です。 開催期間中、本県独自の企画や手法を用いることができる新潟県デーが2日間設けられる予定であることから、インパクトのある企画によって本県の露出度を高め、他県と差別化が図られるよう取り組んでまいります。 また、こうした連携事業と併せて、表参道ネスパスにおいてニシキゴイ発祥の地・新潟を前面に打ち出したPRに取り組むとともに、5月にミシュランガイドが発行される本県の食と日本酒、世界水準の技術で作られた洋食器などの県産品の販売を通じて、本県独自の魅力を発信してまいります。 次に、県内観光業の少雪や新型コロナウイルスに伴う影響への対応についてでありますが、少雪によるスキー客の減少や、新型ウイルスに伴う宿泊キャンセルなど、県内観光業への影響が出ていることを受け、県としては、緊急的に少雪対策の金融支援を行うこととし、また国では新型ウイルスの影響に対応する緊急のセーフティーネット対策等を講じたところです。 県といたしましては、当面は新型ウイルスの感染の動向を踏まえながら、グリーンシーズンの誘客に向けて取り組んでいくことが重要と考えております。 来月末の台北線のタイガーエア台湾の運航、5月のミシュランガイドの発行、7月の東京オリンピック・パラリンピックなどの好機を捉え、本県へのさらなる誘客につながるよう官民一体によるプロモーション活動を展開してまいりたいと考えております。 次に、バランスを取った訪日外国人観光客の誘客プロモーションについてでありますが、訪日外国人観光客の動向は、世界的な感染症の拡大や、政治・経済、社会情勢など外的要因の影響を受けることから、バランスよくターゲット国を設定するとともに、プロモーション効果を高めるためには、集中的な取組も必要であることから、集中と分散のバランスも考えながら、プロモーション活動を展開してまいりたいと考えております。 従来から誘致重点市場としてきた中国や台湾、タイやオーストラリアなどに加えて、今年度からベトナムなど東南アジア4か国を新たなターゲットに位置づけておりますが、今後の感染症の拡大に伴う訪日外国人観光客の動向を把握しながら、現地情勢を踏まえた効果的なプロモーション活動を行ってまいりたいと考えております。 次に、北東アジアとの交流についてでありますが、本県はこれまで、本県の地理的特性を生かし、北東アジアを中心とした海外との交流を積極的に進めてきたところです。 私も、知事就任後、韓国、中国、ロシアなどの北東アジア地域を訪問し、それを契機として、中国黒龍江省との共同プロジェクトの推進や、ロシア沿海地方政府・ハバロフスク地方政府との交流ロードマップの策定など、互いにメリットのある交流に向けた新たなステージの交流に踏み出したところです。 県といたしましては、今後とも、経済成長著しい東南アジアの活力を積極的に取り込んでいく一方で、韓国、ロシア、中国の3つの総領事館を有する強みや、これまでの交流で培った人的ネットワーク等の財産を活用しながら、北東アジアとの一層の交流拡大にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、佐渡金銀山の世界遺産登録を見据えた課題への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、世界遺産登録後は、国内外からの来訪が期待される一方で、将来にわたる施設等の価値保全・活用はもとより、宿泊施設や二次交通の確保など受入れ体制の充実が課題となります。 県と佐渡市では、これらの課題に的確に対応するため、平成28年3月に策定した「佐渡金銀山」保存・活用行動計画に基づき、各種取組を着実に進めております。 県といたしましては、今後とも佐渡市や関係機関と緊密に連携しながら、この計画に基づき、登録後も見据えた課題への対応をさらに進め、佐渡金銀山の普遍的価値の国内外への発信や県全体の観光振興につなげてまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 2点についてお答えいたします。 県庁における子供を産み育てやすい環境づくりについてでありますが、男性職員が育児に参加できる職場環境づくりは重要であると考えており、県では仕事と子育ての両立支援のための新潟県特定事業主行動計画を策定し、男性職員の育児休業の取得促進や時間外勤務の縮減、早出・遅出勤務等の柔軟な勤務時間制度の創設などに取り組んでいるところです。 また、今年度、職員アンケートを実施し、この結果等を踏まえ、来年度からの次期計画を現在策定しているところであり、育児休業を取得しやすい職場のサポート体制づくりや、子育て支援に係る休暇・給付制度の周知・啓発による活用促進など、仕事と子育ての両立の実現に向けた取組をより一層進めてまいりたいと考えております。 次に、県管理の公共施設の洪水浸水対策についてでありますが、平成28年以降に国土交通省北陸地方整備局や県が公表している洪水浸水想定区域図によると、浸水が想定される施設もあるところです。非常用発電設備のかさ上げなど、施設ごとに対策を検討し、実施しているところですが、議員御指摘のとおり、その対策を再確認し、必要な見直しを行っていくことが重要と考えております。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) お答えいたします。 今後の少雪への備えについてでございますが、現在、県では少雪対策として、スキー場に設置する人工降雪機やスノーマットの導入に係る融資制度を用意しております。 今後も温暖化等の影響で少雪となることも予想されることから、改めてスキー場関係者に融資制度を周知するとともに、業界のニーズをお聞きしながら、必要な対策や支援を検討してまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 堤防整備の進め方についてでありますが、先般の台風第19号においては、議員御指摘のとおり、本県でも越水による堤防の損壊やバックウオーター現象による氾濫などが発生いたしましたが、これらは、堤防等が未整備の箇所において被害が発生しており、まずは、計画に基づいた整備を速やかに進める必要があると考えております。 洪水が堤防を越水するなどの施設能力を超える事象に対しては、少しでも避難時間を稼ぐため、決壊までの時間を引き延ばす堤防天端舗装などの堤防強化が有効であると考えており、堤防の整備と併せて進めてまいりたいと考えております。   〔上杉知之君登壇〕 ◆上杉知之君 知事に1点だけ再質問させていただきたいと思います。 新年度予算に対する知事のメッセージという部分なのですけれども。記者会見の部分におきましてもそうなのですが、非常に県庁の皆さんが努力されてつくられた予算だということはよく分かるのですけれども、先ほど楡井議員の質問の最後にもありましたように、ワンチームで頑張っていきましょうというような県民に対するメッセージ的な部分がいま一つ感じられなかったような気がしております。県民の皆様に、この予算を基に共に協力をしていただきたいというような部分が、やはり少なからずあるのではないかなというふうに思っております。また、様々な将来に向けた施策も入っておりますけれども、県民の皆様に、この新年度予算をこんな気持ちで、皆さんと共に県の運営をやっていきたいのだという思いがもう少し伝わるメッセージというものが、知事の言葉としてあったらいいなというふうに思うのですけれども。 改めて県民に協力をお願いしたい点という部分がありましたら、お伺いをしたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 上杉議員の再質問にお答えしたいと思いますが、私は就任以来、住んでよし、訪れてよしの新潟県という目指すべき新潟県の姿をこのように表現をして、それに向けて最大限努力をしていくというふうに申し上げてきたところでありまして、その政策の柱として大きく2つ申し上げてきております。 1つは、安心と安全というところで、県民の生活、生命、財産、それらが安全に、そして安心して暮らせる、これが第一だと申し上げ、そして2つ目の柱として、県の経済が活力がないと駄目なのだと。経済に活力がなければ、職場もないし、収入も上がらない。そういう意味で活力をもたらす、経済の活性化、これを2本柱として取り組んでいくということを申し上げてまいりました。 その意味で、今回の予算案については、大変厳しい財政状況の中ではありましたけれども、職員の様々な創意工夫、努力があって、今申し上げた2つの柱である県民の安全と安心。そして経済の活力。特に、意欲ある人たちが生まれ出てくる、集まってくる。そうして県の経済の活力をつくっていくのだという、その2つの柱を達成したとは言いませんけれども、その2つの柱を着実に進めていくことができる予算案になったと。そのように思っております。
    ○議長(岩村良一君) 上杉知之君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時55分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、杉井旬君の発言を許します。杉井旬君。   〔杉井旬君登壇〕(拍手) ◆杉井旬君 リベラル新潟の杉井旬です。通告したとおり、5項目について質問させていただきます。 1点目は、県央基幹病院についてであります。 県央基幹病院の重要性や緊急性、地元要望の強さなどは、昨年6月定例会の一般質問で言わせていただいたとおりです。知事も今定例会初日の所信表明で、「急性期機能の集約による断らない救急の実現と、周辺病院との連携により、医療の質の向上を目指してまいります。今議会には、部分的な設計変更に要する概算の経費等をお諮りすることとし、今後できるだけ早期に建設事業に着手できるよう進めてまいりたいと考えております」と述べられておりますので、県央基幹病院の必要性などについて繰り返すことはいたしませんが、数点だけ確認をさせていただきたいと思います。 令和2年度当初予算案には、今後の医療需要等を見据え、病床規模を見直し、設計を一部変更するとして2,544万7,000円が計上されております。設計の一部変更とはどういう内容なのかをお伺いいたします。 地元が早期開院を強く求めていることは、これまで申し上げたとおりであります。令和5年度早期の開院を目指すとしてきた当初の計画はどうなるのかをお伺いするとともに、建築工事の発注はいつを想定されているのかをお尋ねいたします。 現在の設計では、病床数は450床となっています。医療需要や医師確保の状況を踏まえて検討するとのことでしたが、どのくらいの規模での稼働を目指すのでしょうか。マグネットホスピタルを目指すには400床は必要ではないかと考えますが、改めて知事の所見をお伺いいたします。 発達障害の児童生徒が急速に増えています。他の障害者のような固有の手帳制度がないため、正確な人数は分かっていませんが、文部科学省が平成24年に行った、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査によりますと、学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.5%でした。30人学級なら平均して1.95人、40人学級なら2.6人が在籍していることになります。 同じく文部科学省が平成27年に行った、通級による指導実施状況調査によりますと、通級によって指導を受けている児童生徒は、自閉症が1万4,189人、学習障害が1万3,188人、注意欠陥・多動性障害が1万4,609人で、合わせて4万1,986人でした。10年前と比べると6.1倍に増えているそうです。まさに急増であります。 新潟県内でも全国と同じように発達障害の児童生徒が以前より大幅に増えているものと思われます。実際、発達障害児に関して県教育委員会に教員の加配を求め、それでも手が足りないため、独自にスクールアシスタントなどの採用を増やし、学級運営をサポートしてもらっている市町村も増えています。 では、具体的に県内には発達障害の児童生徒が何人いて、その比率はどのくらいなのかと質問しても、県教育委員会は答えにくい状況となっています。その子が発達障害かどうか、小学校の先生がそうらしいと思ったとしても、診断するのは医師です。医師の診断がないまま勝手に判断するわけにはいきません。 裏返すと、そうらしいという状態で、保護者たちにも明確なことが言えないまま、曖昧な対応あるいは場当たり的な対応を続けていかざるを得ない状態が続いているとも言えます。 発達障害の専門医が診断し、言語聴覚士や作業療法士、保育士などの専門スタッフが支援した結果、症状が劇的に改善されることも多いと聞いております。適切な指導を受けたことで障害を乗り越え、学校生活を楽しんでいる児童生徒もいます。 ただ、発達障害の専門医に受診を申し込んでも、実際に診察してもらえるのは3か月、4か月先という状態が続いています。その間に児童が進級するなどして担任が替わったり、保護者の事情や気持ちが変わることもあります。 保護者の中には、先生や教育委員会の担当者が、あなたのお子さんには発達障害があるかもしれませんと伝えても、それを認めようとせず、怒り出してしまう人もいます。専門医の診断を受けるよう説得したのに、受診が4か月も先となると、そんなに待てないと拒否してしまう人もいます。受診の機会を逃してしまう子供がいるということです。 そこで、質問します。 県内でも発達障害の児童生徒が増え、診断や診察が3か月、4か月待ち状態となっています。県央基幹病院の空きスペースに関する活用の具体案が決まっていないのであれば、県央の各市町村とも連携し、小児科医を中心に言語聴覚士や作業療法士、保育士などのスタッフをそろえた発達障害のある児童生徒のための療育センターとして活用できないかをお伺いいたします。 2項目めは、商工業振興についてであります。 昨年10月から12月期の国内総生産、いわゆるGDPの速報値は、物価変動の影響を除いた実質成長率が前期比1.6%の減、年率換算では6.3%減で、1年3か月ぶりのマイナス成長となりました。消費税率を8%に引き上げた平成26年の4月から6月期の年率換算が7.4%減でしたから、それに近い落ち込みだったことになります。今回は、消費増税だけでなく、米中貿易摩擦や暖冬少雪の影響もあったのでしょう。今年1月から3月期は、新型コロナウイルスによる集団感染の影響も加わり、さらに厳しい数値が予想されます。 そこで、お伺いいたします。 米中貿易摩擦や昨年10月の消費税率の引上げ、この冬の暖冬少雪、さらには新型コロナウイルスによる集団感染の影響によって、新潟県経済は大きな影響を受けています。県内の経済面や観光面にどのような影響が出ているのかをお伺いするとともに、県としてどのような支援策を講じていくのかをお尋ねいたします。 新潟県ソウル事務所は平成2年の開設から30年、大連経済事務所は平成9年の開設から23年を迎えます。これまでどのような実績があり、現在は何を目標として、どのような活動を、どの程度の事業費で行っているのかをお伺いいたします。 平成29年度の見直しでソウル事務所、大連経済事務所は共に体制等を縮小したわけですが、事務所そのものは存続させています。どういう理由で縮小、存続を決めたのかをお尋ねいたします。 泉田裕彦元知事は、「高福祉、高負担でもスウェーデン、フィンランドといった北欧諸国は力強い経済成長を続けています。これは、多くの税金を納めてくれる企業が育っているためです。産業は福祉の糧と言われます。新潟生まれ、新潟育ちの私ですから、ふるさと新潟に新規企業創業や第2創業支援を積極的に行い、金の卵を産む鶏を育てます」と述べられ、地域経済の振興施策を展開してこられました。 結果的には、新潟県経済の成長は全国を下回り、それに伴って税収も全国平均ほど伸びませんでした。地方交付税などの公債費措置額の減少とともに、税収が期待したほど伸びなかったことが県財政悪化の歳入面の要因となりました。 金の卵を産む鶏を育てられなかったのか、鶏は育ちつつあったのだけれども、金の卵を産むまでには至らなかったのか、卵は産んでいたのだけれども、それを回収できなかったのか、今後の産業振興施策を考える上できっちりと分析しなければいけませんが、いずれにしろ、これまでどおりのことをやっていたのでは金の卵は手に入らないことははっきりしています。 そこで、質問します。 経済交流の主役は民間であって、県の役割はあくまでもサポートです。交流促進の先駆けとして県が乗り込み、先導することは大切なことですが、民間が行き来するようになれば、県の事務所がなくても交流は進みます。最少の経費で最大の効果を生むために、県は期間限定で乗り込み、民間交流の促進をサポートした後は別の地域、例えば東南アジアの他都市やインド、アフリカなど、今後、経済交流が進むことが見込まれる、あるいは期待できる地域に事務所を移していくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、農業振興についてお伺いいたします。 新潟県の平成30年の農業産出額は2,462億円で、都道府県別の順位は山形県に抜かれて、前年より1ランク下の13位となりました。30年前は3,870億円で6位、20年前は3,330億円で7位、10年前は2,777億円で9位であり、米価の下落に伴って農業産出額が減り、順位も低下してまいりました。 品目別に見ると、米は1,445億円で依然1位を保っているものの、産出額は10年前より224億円減っています。花卉は73億円で14位、野菜は350億円で22位、果実は77億円で27位にとどまっています。 順位低下の原因をどのように分析しているのかをお伺いするとともに、こうした現状を知事はどのように受け止め、今後どのような対策を取るお考えなのかをお尋ねいたします。 20世紀末、日本の家電メーカーは国内外の市場で圧倒的に強い競争力を持っていました。特にテレビは稼ぎ頭的な存在で、日本の技術力の高さも象徴していました。各メーカーは、機能や性能によって他社との差別化を図ろうと開発競争に没頭し、画面の解像度などを競い合いました。 そうやって高性能で高価格のテレビを市場に送り続けた結果、いつの間にか性能は程々でも価格が手頃な韓国、台湾、中国などのメーカーにアジア市場を奪われてしまいました。 日本の家電業界が後続メーカーに追い上げられ、苦境に陥ったのは、垂直統合型経営といったビジネスモデルに関する問題も指摘されてはいますが、プロダクトアウトに偏り過ぎ、マーケットインの発想を欠いたことも一因と言われています。 新潟県の農業は、かつての家電業界と同じ轍を踏んではならないと思います。特に新潟県農業は米で勝ち続けてきたという成功体験を持っています。それに縛られると、次のステップになかなか進めません。 米の場合、日本人の主食ですから、よりおいしいもの、食味の良いものを作るという1点で勝負できました。マーケティングなどするまでもなく、消費者がおいしいお米、あるいは安くておいしいお米を求める時代が続きました。その間、新潟はコシヒカリで勝ち続けました。他産地もブランド米を続々と市場に投入していますが、新潟はコシヒカリや新之助のブランド戦略で対抗してきました。 ただ、米にしても本当はマーケティングが必要な時期になっているのかもしれません。消費者は高性能で高品質なテレビを求めているはずだというメーカーの思い込みで開発競争を続けた結果、他国のメーカーに敗れた家電業界のように、おいしい米の代表的なブランドづくりにばかり力を入れていたら、実は市場では米はもう銘柄ではなく、有機農法など、栽培方法に着目して買う消費者が増えていたという時期が来ることだってあり得るかもしれません。 園芸の場合は、日本人の主食である米とは全く違う戦略が必要ではないかと思われます。作ること、耕作に関しては農業者も関係団体も行政も、これまで熱心に取り組んでこられたわけですが、それでも新潟県の農業産出額は減り続けています。 これからは、作ることに関する努力に加え、まず、どこにどんな市場があるのか、どの地域のどんな層がどんなものを求めているのかをしっかりと調べ、それに応じて物を作っていくことが必要なのではないでしょうか。また、それを支援していくことこそが行政の役割なのではないでしょうか。 流通の問題もあります。新潟は県民1人当たりの枝豆消費量が圧倒的に多いそうで、特に県外の人たちは私たちがざるに山盛りにした枝豆をむしゃむしゃと食べる姿を見て驚いたりしていますが、私たちだって東京の居酒屋に行けば、枝豆を大量に食べたりはしません。 新潟で大量の枝豆を食べるのは、それがおいしいからであって、東京の居酒屋で枝豆を食べないのは、それがおいしくないからです。新潟と同じ味の枝豆が東京の居酒屋で出てくればたくさん食べます。 なぜ出てこないのか。朝取りの香り豊かなおいしい枝豆がその日の夕方、首都圏の居酒屋に届くシステムができていないからではないでしょうか。もちろん出荷量の問題もありますが、出荷量が少ないのは高く売れなかったからで、高く売れるようになれば出荷する人は増えていくと思われます。 今、園芸に必要なのは、作り方の研究や指導だけでなく、マーケットをしっかり調査し、何が消費者に求められているのかを探し当て、そのうちのどれを新潟で作ればよいのかを見つけてくることと、それを作った場合にどうやって最適な時期に、最適なものを、最適な方法で消費者に届けるのか、流通の仕組みをつくり上げることではないでしょうか。 そこで、質問します。 県は、昨年7月、園芸振興基本戦略を策定しました。現在、各地域で具体的な取組を進めているわけですが、大切なのはプロダクトアウト、すなわち作り手の都合や発想で物を作っていくのではなく、マーケットイン、顧客や消費者が欲しいもの、必要としているものを提供することを基本にすべきではないかと考えます。物を作る側の理論を優先させては、新潟県農業の産出額減少は止められないのではないでしょうか。 どのような消費者ニーズや市場をターゲットとして選定するのか、そこに園芸作物を最善の状態で届けるためには、どのような収穫方法と流通システムが必要なのかまでをしっかりと考えた上で、園芸生産に取り組むことが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 園芸振興基本戦略では、市場との連携強化や新たな販路開拓、多様な販売の拡大も目指すこととしていますが、これらを具体的にどのように進めていくのかが今後の課題となります。 この先、販売額1億円以上の産地形成を目指す新潟の農家は、どの地域のどんな層の顧客を狙うべきなのか、首都圏なのか、海外なのか、富裕層や高級店なのか、中間層なのか、あるいは低所得者層なのか。それによって作るべきものや販売ルートも配送方法も全く違ってくると考えますが、ニーズの把握やターゲットの選定、流通システムの構築などについて県はどのように考え、支援していくのかをお伺いいたします。 新年度予算案には、園芸拡大スマート農業技術体系実証事業に8,000万円、スマート農林水産業推進プラットフォーム事業に216万4,000円が計上されていますが、農林水産省が昨年2月に発表したスマート農業の社会実装に向けた具体的取組についてには、2019年度から2020年度にかけてスマート農業技術を現場に導入し、生産から出荷まで一貫した体系として実証する取組を全国で展開するとあります。 新潟県内でのスマート農業実証の取組について伺うとともに、プラットフォーム事業でどのようなことに取り組むのかをお尋ねいたします。 次に、水道と消防の広域化についてお伺いいたします。 人口減少が進む中、広域化などによって効率をよくしなければサービス水準を維持できなくなることも考えられます。その一つが水道事業です。県内では、燕市と弥彦村が昨年4月から共同運営を開始し、柏崎市も刈羽村の水道事業に協力していますが、他はそれぞれ単独で水道事業を行っています。 過疎化が進んでいる地域などもあり、今後、現状を維持できなくなる市町村も出てくるのではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 総務省は、各都道府県に水道広域化推進プランを令和4年度末までに策定するよう求めています。このプランの策定に当たって、県は策定自体をコンサルタントに任せるだけでなく、例えば、このまま人口が減少していけば各市町村の負担はこれだけ増えるが、広域化すれば給水コストはこの程度まで抑えられるといった計画を試算し、市町村に判断材料として提供し、市町村と十分に協議の上、実現可能な計画を目指すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 水道と同じく消防も人口減少が続けば各市町村単独での運営が難しくなるのではないでしょうか。県内では、14市町が単独、16市町村が広域事務組合を結成したり、委託で運営しています。計19の消防本部がそれぞれ通信指令室を設置し、通信設備を整備するとともに人員を配置し、24時間365日休みなく運営し続けており、はしご車や救助工作車などの設備もそれぞれが持ち続けています。 広域化をさらに進めることで、必要不可欠な常備消防の能力は持ち続けながら、運営コストを減らすことはできないのかどうかを、県が仲介役となり、近隣の市町村が集まって検討、協議する場を設けるべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、収入証紙についてお伺いいたします。 県に手数料を納付する際、収入証紙を購入しなければなりませんが、収入証紙の販売場所は限られています。以前は地域振興局の売店でも購入できましたが、一部の地域振興局では売店がなくなったために、金融機関などに買いに行かなければならないといった不便を県民に強いています。 また、県の手数料納付書に間違えて収入印紙を貼ってしまう県民もいます。 県民に不便を強いている現状を踏まえ、収入証紙を発行し続けている理由をお尋ねいたします。 収入証紙の発行には、印刷費と金融機関や交通安全協会など販売委託先に支払う売りさばき手数料がかかります。平成30年度、収入証紙によって納付された手数料は33億1,000万円でしたが、これに対する費用は印刷費が870万円、売りさばき手数料が5,940万円の計6,810万円だったと聞いています。納付書による払込みや現金出納にすれば全く不要の経費であります。 財政難と言いながら多額の経費6,810万円を要していることについての認識をお伺いいたします。 東京都は平成22年から収入証紙を廃止しており、10年が過ぎようとしています。平成26年には広島県、平成30年には大阪府も廃止しています。大阪市、京都市、川越市、横浜市なども廃止しています。廃止した自治体で支障が出ているとは聞きません。国もキャッシュレスを積極的に推進している中にあって、県は収入証紙の廃止を検討しないのかどうか、知事の所見をお伺いして、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 杉井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県央基幹病院についてでありますが、県地域医療構想調整会議の結果を踏まえ、県央基幹病院の病床規模を400床とするとともに、開院スケジュールを考慮して、基本的に現設計を生かしながら整備を進めてまいたいと考えております。 しかしながら、病床規模を450床から400床に見直したことにより、空きスペースが生じる可能性もあることから、地元市町村とともに有効な活用方法を検討することとしており、レイアウトの見直しなど、設計変更に対応できる経費を計上しているものです。 次に、県央基幹病院の開院時期についてでありますが、400床規模に見直したことにより、空きスペースが生じる可能性もあることから、地元市町村とともに有効な活用方法の検討等を早急に進め、早期の建設工事着手に努めるなど、できるだけ開院スケジュールに遅れが生じないよう対応を検討してまいります。 次に、県央基幹病院の病床数についてでありますが、県地域医療構想調整会議において、医療機関の診療実績や医療需要の動向などの客観的なデータを基に、県央基幹病院の機能・規模について議論いただいたことを踏まえ、病床規模を450床から400床に見直し、開院準備を進めていくこととしたところです。 なお、マグネットホスピタルについては、病院機能や医師にとって働きやすい勤務環境、キャリアアップを図りやすい指導体制の整備なども重要であり、一律の必要な病床規模があるとは考えておりません。 次に、県央基幹病院の空きスペースが生じた場合の活用についてでありますが、県央基幹病院は、県地域医療構想調整会議の結果を踏まえ、断らない救急の実現に向けて、県央医療圏の公立・公的5病院の機能集約により、急性期機能を担う病院として整備することとしており、およそ急性期機能と関係のない医療機能を新たに付加することは考えておりません。 なお、発達障害のある児童生徒への支援は重要かつ全県的な課題であることから、今後、小児医療あり方検討会において議論してまいります。 次に、商工業振興についてお答えします。 まず、消費税率引上げや新型コロナウイルス等による県経済の影響等についてでありますが、県内経済は、海外経済の下振れなどから生産活動は弱含みの状態が続き、企業の景況感も悪化しているほか、一部の小売業等において、消費税率の引上げによる駆け込み需要の反動が見られております。 加えて、記録的な少雪に伴い、スキー場や旅館業など観光関連産業に影響が生じているほか、除雪関連業種や暖房器具製造業などで売上げの減少などの影響が生じております。 さらには、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国政府による団体旅行の停止措置に伴うキャンセルが一部の宿泊施設に出ているところであり、中国に進出している企業や取引先がある企業については、現地工場の操業停止や仕入れ商品の納期延期など、事業活動に広範な影響が出ております。 県といたしましては、中小企業金融窓口において資金相談に応じる体制を整えているところであり、引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、消費増税や少雪の影響に対する県の特別融資や、このたび国が実施する新型コロナウイルスの影響に対する信用保証も活用するなど、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 次に、経済交流の促進と県の海外事務所の在り方についてでありますが、県内企業の海外展開に係る支援については、企業のニーズやターゲットとなる国や地域の状況にもよりますが、ジェトロや商社等関係機関の活用等、様々なやり方があり得るところです。 経済のグローバル化が急速に進展している中にあって、自治体が独自の現地事務所を設置する必要性やメリットは従前に比べ小さくなっていると考えております。 そのため、現在設置している海外事務所についても、これまでの活動実績を検証するとともに、県内企業のニーズの変化や当該国の政治経済社会制度の状況等も踏まえながら、必要性も含め、不断に検討していく必要があると考えております。 次に、農業振興についてお答えします。 まず、本県の農業産出額の減少要因と今後の対策についてでありますが、本県の農業産出額が減少してきた最大の要因は、米の価格低下と消費量の減少でありますが、増加している他県に比べ、園芸振興に後れを取ったことも要因であると受け止めております。 このため、県といたしましては、昨年7月に園芸振興基本戦略を関係機関や団体と一体となって策定したところであり、稲作法人等への園芸導入により、新たな担い手の確保を進めるとともに、機械化・施設化やスマート農業技術の導入など、生産から販売まで一貫してサポートすることで、生産効率の高い産地を育成し、園芸生産の拡大を推進してまいります。 また、本県農業の基幹である米については、新潟米基本戦略に基づき、主食用米と非主食用米を合わせた米全体での需要拡大と、生産者所得の最大化のための多様な米作りを推進してまいります。 次に、園芸生産の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、産地育成には作り手の都合ではなく、消費者が求める品目を選定するとともに、流通・販売までを視野に入れて園芸生産に取り組む必要があると考えております。 このため、園芸振興基本戦略の実践に当たっては、県や市町村、JA等の関係機関・団体で構成する推進チームが、流通関係者等の参画も得ながら、市場や実需からの需要見込み等を考慮し、マーケットインを重視して品目を選定するなど、生産から流通・販売までの仕組みを構築する各産地の取組を支援し、園芸生産の拡大を進めてまいります。 次に、消費者ニーズの把握やターゲットの選定等についてでありますが、議員御指摘のとおり、園芸生産を拡大していくためには、国内外のニーズや販路の確保を見据えながら、品目の選定や生産・出荷体制などを具体的に検討していく必要があると考えております。 県といたしましては、一般品か希少品か、また、家庭用か加工・業務用かなど、それぞれの品目の特性に応じた販路拡大等の支援が必要と考えており、卸・小売等とのマッチング機会の提供や、流通全体の効率化、高付加価値化の検討などにより、各産地の取組を後押ししてまいりたいと考えております。 次に、水道と消防の広域化についてお答えします。 まず、今後の水道事業の見通しについてでありますが、議員御指摘のとおり、人口減少や施設等の老朽化に伴い、水道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、地域によっては使用料金の値上げなどが必要となる市町村等も出てくることが予想されます。 そのため、多くの水道事業においては、中長期的な経営戦略を策定し、計画に沿った運営を進めているところでありますが、将来にわたり安定的かつ持続可能な経営を確保していくためには、広域化等についての検討も必要なものと考えております。 次に、水道広域化推進プランの策定についてでありますが、広域化の効果等について、まず専門的な知見によるシミュレーションを行いますが、プランの策定に当たっては、議員御指摘のとおり、こうしたシミュレーションの結果を市町村等と共有した上で、十分に協議・調整を行いながら実効性ある計画となるよう進めてまいたいと考えております。 次に、消防の広域化促進に係る県の取組についてでありますが、県では、県内の全市町村の意見も聞きながら、広域化に係る検討を進めてきたところであり、まずは、広域化の中でも連携しやすい指令業務の共同運用について調整を行い、昨年3月に、積極的に検討を行っている地域を支援する新潟県消防広域化等に関する推進計画を策定したところです。 引き続き、県内市町村における共同運用に係る検討や協議の状況を注視していくとともに、今後とも、国の支援や他の先進事例等について情報共有を図るなど、本計画を踏まえ、必要に応じた支援をしてまいりたいと考えております。 次に、収入証紙についてお答えします。 収入証紙の廃止の検討についてでありますが、議員御指摘のとおり、東京都などでは収入証紙を廃止しておりますが、現在も本県を含む44道府県では収入証紙が利用されております。 本県においては、収入証紙は784種目と多くの手数料に幅広く利用され、定着しており、簡素な手続や確実な歳入確保などの観点から一定の合理性を有していると認識しております。 一方で、納付方法の選択肢を増やすことは県民の利便性向上に資することから、将来に向けた手数料納付方法の多様化について、国や他県等の情報収集を行いながら、事務効率、費用対効果などの観点を踏まえ、総合的に検討してまいります。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) 2点についてお答えをいたします。 海外事務所の目標と実績等についてでありますが、ソウル事務所につきましては、これまで経済交流のほか自治体交流や教育交流、観光誘客、港湾空港の利用促進など、幅広い分野の支援を通じて交流促進に取り組み、日本酒をはじめとした食品等の輸出や姉妹都市交流・学校交流の実現、交流インフラとしての新潟ーソウル線の維持拡大に貢献してまいりました。 現在は、新潟ーソウル線の増便とインバウンド観光客の増加を目標とし、大韓航空本社や現地旅行会社との情報交換や意見交換等を目的とした合同戦略会議の開催などを通じて、関係者への働きかけ等を行っているところであります。 また、大連経済事務所につきましては、長年の交流実績がある東北3省との様々な交流事業の支援や、見本市等を通じた本県企業の販路開拓の面で役割を果たしてきており、昨年度の大連市長による新潟訪問の支援などのほか、今年度の大連日本商品展覧会では過去最多、県別でも最多となる23社が出展するなどの成果を上げているところであります。 現在は、東北3省とのさらなる交流促進を目指し、黒龍江省との共同プロジェクトや、県内市町村の交流等の支援を担っており、本県企業の一層の販路拡大を目標に、新たな出展企業の掘り起こし等にも取り組んでいるところでございます。 なお、今年度の運営に係る県事業費は、ソウル事務所が約2,200万円、大連経済事務所が約1,900万円となっております。 次に、海外事務所の見直しについてでありますが、平成29年度に、有識者による新潟県海外事務所・拠点等検討会議での意見交換や県議会での議論を踏まえ、海外事務所の在り方を見直しいたしました。 具体的には、ソウル事務所につきましては、成熟化した韓国の社会経済情勢では、経済活動を中心に自治体の現地事務所に求められる役割は減少しているとの意見等を踏まえ、現地スタッフを1名減員する等、体制の縮小や経費の縮減を図る一方、当面の課題である新潟ーソウル便の増便及びインバウンド観光客の誘致に注力することとしたところであります。 また、大連経済事務所につきましては、本県と東北3省は長い交流の歴史がある中で、中国では、地方政府を含む政府の方針等が社会経済全般に大きな影響を及ぼし、また、自治体職員が常駐する現地事務所を重視する傾向にあること等を踏まえ、事務所移転等による経費縮減を行った上で現体制を維持することとしたところです。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 スマート農業関連の事業についてでありますが、県内で今年度、農林水産省のスマート農業実証に採択された地区は、いずれも平場の稲作で、自動運転機械や営農管理システムを活用した省力化及びコスト低減等の実証に取り組んでおります。 来年度の実証事業については、中山間地域の稲作や、雪下にんじん、おけさ柿など、新潟ならではの農業のスマート化について、民間企業や農業法人等と連携し、現地実証の取組を進めてまいりたいと考えております。 また、プラットフォーム事業では、農林水産業の現場ニーズと、ものづくりや情報通信系企業の技術シーズのマッチングを通じて、スマート農林水産業の新たな取組の創出等に取り組んでまいります。   〔会計管理者兼出納局長本間由美子君登壇〕 ◎会計管理者兼出納局長(本間由美子君) 2点についてお答えいたします。 収入証紙の購入等についてでありますが、収入証紙は、申請準備の際に証紙を購入いただくことで、申請者の皆様にとって、窓口での待ち時間や手続時間の短縮が図られることや、郵送申請が簡便になるなどの利便性があり、広く定着していることから、制度を継続しております。 現在、収入証紙は、金融機関を中心に県内約550か所の窓口で購入可能であり、また、地域振興局の庁舎内売店がなくなり、近隣にも購入場所がない場合には、必要に応じ、新たな売りさばき人を指定するなどしてきたところです。 引き続き、利便性向上や間違い防止のため、県ホームページや窓口での案内充実など、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 次に、収入証紙に係る経費についてでありますが、本県における収入証紙の印刷や、売りさばきに係る経費は、現在、収入証紙を使用している44道府県の中では低い水準であると認識しております。 また、収入証紙に替えて新たな納付方法を導入する場合には、そのための経費が必要となることが見込まれることから、今後、手数料納付方法の多様化を検討する中で、費用対効果についても十分調査、検討を行ってまいります。 ○副議長(桜井甚一君) 杉井旬君の質問は終わりました。 次に、青柳正司君の発言を許します。青柳正司君。   〔青柳正司君登壇〕(拍手) ◆青柳正司君 自由民主党の青柳正司であります。通告に従い、順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 まず、防災対策についてであります。 昨年は、台風15号や台風19号など災害発生等が多かった年でありますが、近年の災害は、もう忘れた頃にやってくるとは言えない状況であります。 花角知事は、本県施策において、安心・安全に対することを一丁目一番地として強い姿勢を表されておりますことに、敬意と信頼を寄せている県民は少なくないと思います。 また、政府は防災、減災、国土強靱化を進め、災害に強いふるさとをつくり上げていくとの方針です。 本県の取組について、以下何点かお尋ねいたします。 国土交通省は、令和2年度中に台風や豪雨の前にダムの水位を下げる事前放流をしやすくする新制度を始めます。事前放流後に電力会社や水道事業者などの利水権者に損失が出た場合、金銭で補填する仕組みをつくるとのことです。 しかし、本県の治水・多目的ダムの約6割は放流ゲートの構造から事前放流できないとの報道がありました。構造改修には多額の費用がかかるとのことですが、知事の所見と県の今後の対応についてお伺いいたします。 東日本大震災では沿岸部の救助活動や物資供給の中継地点として活用され、熊本地震でも住民の一時避難場所になるなど、防災拠点としての道の駅の役割が注目されています。交通利用者や地域振興の拠点施設として重要な役割のほか、市町村の地域防災計画に位置づけられている道の駅は、全国約1,160か所のうち500か所に上るとのことです。 国土交通省は、道の駅について、令和2年度に災害時の拠点となる機能を備えた施設を、防災道の駅として認定する制度を創設し、設備整備への助成も検討するとのことであります。本県においても災害時の防災拠点として道の駅を積極的に活用していくべきと考えますが、防災道の駅に対する知事の所見と今後の対応についてお伺いいたします。 昨年の台風19号では、河川の氾濫等により甚大な被害が生じましたが、台風15号では、千葉県内で杉等の樹木の倒木のほか、電柱の倒壊により大規模停電が発生し、改めて電力供給の重要性を感じたところであります。 安倍首相は、1月の施政方針演説で「相次ぐ自然災害の教訓を生かし、全国で川底の掘削、堤防の整備、無電柱化を進めます」と述べました。 大規模災害発生時に、電柱の倒壊により通行障害が生じ、救援活動や復旧活動の支障となることや、昨年の台風15号による千葉県内での長期間の大規模停電を鑑みると、本県も無電柱化の取組を進めていく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、同じく首相施政方針演説の中で「電力会社、自衛隊、自治体の平時からの連携などにより、強靱な電力供給体制を構築する」と述べていますが、本県の災害時における電力供給の連携体制に課題はないのか、所見をお伺いいたします。 次に、産業・観光の振興についてであります。 私は、昨年9月定例会の一般質問の中で、花角知事がベトナムとの交流事業を推進することについてお尋ねいたしました。今後ますます両国並びに本県との関係が深まっていく中で、花角知事の精力的な活動に敬意と期待を申し上げます。 また、私は先般、ある企業団体の集会に出席した折に、ベトナムの研修生が増加し、本県企業活動にも重要な人的交流が進められていることを実感してまいりました。 そこで、お尋ねいたします。 先月、花角知事は一昨年に続き2度目のベトナム訪問をされました。訪問中、中部の都市、ダナンで開かれた日本ベトナム観光交流シンポジウムに参加するとともに、ベトナム計画投資省のグエン・チー・ズン大臣と面談されました。経済や観光、人的交流などで大いにアピールされたことと思いますが、知事の手応えと今後の対応についてお伺いいたします。 県内産業は人材不足等の課題がある中、今ほど述べましたように、外国人労働者交流も重要でありますが、作業の省力化をはじめ、高付加価値化による収入アップに向けた取組は、若者の人口流出問題の対応にも関わるとの思いがありますことから、お尋ねいたします。 製造業など県内産業の高付加価値化に向けて、AI、人工知能活用の重要性はますます高まっていくものと考えます。 山形県では、AI需要に的確に対応できる県内IT企業の人材を育成するため、日本ディープラーニング協会のE資格、エンジニア資格の取得を目指す講座を実施し、修了者5人全員が合格したとのことです。 本県でのAI人材の育成の状況と今後の対応についてお伺いいたします。 私の議員活動の重要テーマの一つとして水質浄化があります。とりわけ、ふるさとの川を清流として復活させたいとの夢のような取組に関わっていきたいとの思いを強く持っておりますことから、下水処理事業関連の質問を幾たびかさせていただいております。今般は下水道のマンホールを取り上げますが、水質浄化推進の意識向上にもつながるのではないかとの思いからお尋ねいたします。 地域の観光名所などを描いた御当地マンホールが注目されており、御当地マンホールを活用した観光振興も各地で行われています。 東京都では、東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、今年度からアニメや漫画、ゆるキャラなどのキャラクターをテーマにしたマンホールの市町村補助事業を実施しています。 本県は魅力ある観光地も多く、また本県出身の漫画家も多いことから、こうした御当地マンホールを活用した観光振興を検討してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 私ごとで大変恐縮ですが、私の自宅は江戸時代には新発田と新潟間を結ぶ旧新発田街道に接しております。史跡によりますと、この街道を幕末の思想家、吉田松陰が通ったことや、明治の頃では明治天皇の行幸があったとの市教育委員会の案内立札が設置されております。 昨今、歴史探訪に関心が寄せられていると思いますが、とりわけ歴史に興味・関心を持った女性、いわゆる歴女も注目されていますことや、観光等や地域愛の醸成にも役立てられるのではとの思いからお尋ねいたします。 群馬県では、歴史街道の散策を楽しんでもらおうと、「街道を歩く」群馬県歴史の道シリーズパンフレットを発行しています。県民の健康づくりに役立てられるとともに、観光客の増加も期待されます。歴史的な街道について、整備の支援や観光振興への活用について本県の対応をお伺いいたします。 次に、農林業の振興についてであります。 いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが本年開催されますが、聖火リレーが本県でも行われ、ますますオリンピックムードが高まり、県民の期待感も高まっていくものと思います。 オリンピックのメインスタジアムは、木材がふんだんに使用された日本らしい、すばらしい施設であります。木材の長所等が近年ますます見直されつつある中、木構造の高層化や個人住宅に木そのもの、いわゆる無垢材を使用し、表面化したデザインに興味・関心が高まっております。 こうした状況の中、本県産材の活用促進の強化は重要であります。しかし、山林は林業従事者の高齢化や境界問題などの課題が山積しております。その重要課題の対応策への支援になろうかと思う森林環境譲与税の導入は朗報となるわけであります。 一方、もろ手を挙げて喜べる施策とは言えない面もあることが分かってきたようでありますことからお尋ねいたします。 今年度から導入された森林環境譲与税の配分方法は、総額の50%が私有林人工林の面積、30%が人口、20%が林業就業者数で案分して譲与されます。人口の配分ウエートが大きく、大都市が有利で、森林整備が重点課題の市町村は不利との見方がありますが、県内への配分額や配分方法についての評価をお伺いするとともに、森林整備に資するよう配分方法の見直しを国に求めていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 米生産日本一を掲げ、本県主産業としての取組がなされ、米施策が重要課題と認識することに論をまたないわけでありますが、生産調整に苦慮する中、本県産米の輸出事業はやはり生産者はもとより、販売者にとりましても重要であります。人口世界第1位の中国の富裕層をターゲットとして消費拡大を目指すことは、米価確保等の課題対応に大きな役割があるとの思いからお尋ねいたします。 中国への県産米の輸出が2019年1月に再開されてからの1年間で、県産米の中国への輸出量は約38トンにとどまったとのことです。中国が独自に課す防疫条件の厳しさや県産米の価格の高さなどが原因とされているようですが、今後の県の対応についてお伺いいたします。 また、県産米の輸出増に向けて、新潟東港にある薫蒸施設の改修・充実が有効と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 昨年、本県産コシヒカリの1等米比率は20%台と低水準であったことは、米生産者をはじめ、県当局にとりましても大きなショックとして受け止められたものと思いますが、8月の台風10号に伴うフェーン現象が響いたとのことです。 田植時期の調整検討が課題として挙げられている中、ある生産法人では作業効率を高めるために作付時期をずらした結果、県全体の比率より高い数値であったとのことです。 また、その法人では圃場ごとのデータ集積による作付計画の重要性が増してくるとの見解を示しています。 ICT、情報通信技術の活用が有効と考えられますが、導入の課題についてお伺いいたします。 農地の集約が進む中、農業でも市場動向を見極めて生産量や品種を決定し、効率化を図っていく必要があります。作業効率の改善にはICT、情報通信技術の導入が有効と考えますが、操作が難しいイメージもあり、導入するのは一部の農家にとどまっていると聞きます。 農業の担い手の高齢化が進む中、ICTに対する心理的なハードルを下げる取組が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 本県農業経営者の所得アップが農業後継者の育成に大きな影響があることは論をまちません。本県農業振興の取組の中で、園芸振興が重要な課題として、様々な施策を通して支援の強化が図られているとは思いますが、まだまだ農業者の心理面等での課題があることも少なくないわけであります。 先月24日、農業支援等を通じた地域の発展をテーマに地域経済活性化シンポジウムが開催され、知事はパネリストとして参加されました。報道によれば、本県農業は潜在的な力を発揮できておらず、まだまだ伸びる、稼げる分野の筆頭は園芸だと、野菜などの生産に力を入れる方針を説明しました。 他のパネリストから様々な課題が示されたと思いますが、それに対する知事の所感と本県の園芸振興に対する意気込みについてお伺いいたします。 農業振興施策が行政の強いリーダーシップが必要なことは理解いたしますが、やはり実践者にその理由をよく分かっていただかないと、なかなか思うような推進が図られないと思います。 そこで、お尋ねいたします。 昨年、県が策定した園芸振興基本戦略について、報道によれば、県農協中央会は基本戦略を具現化するためにJAグループ実践方針を決め、各地域で動き始めているとのことですが、県はどのように連携して取り組んでいく方針か、お伺いいたします。 農業は、やはり業でありますので、利潤が上がることを目標に掲げ、達成するべく工夫を重ねておられると思います。質を高めることはもちろん、量の増加も重要です。そのため、品種の選定から販売までの計画、実践は重要であります。 一方、農産品の質の向上の観点をはじめ、健康志向が高まる昨今、農業者自身も無農薬や減々農業、自然栽培に注目していることからお尋ねいたします。 有機農業の市場規模は年々拡大し、2017年には農林水産省の推計で1,850億円となったとのことです。健康志向の消費者のニーズに対応した有機農業の推進は、健康立県を目指す本県にもマッチしていると考えますが、本県の有機農業の推進に向けた課題と、今後の県の対応についてお伺いいたします。 私は循環型社会の構築も大きなテーマとして取り組んできたつもりですが、やはりその形態の代表として農業を挙げたいと思っております。 私の小さい頃の農業形態として思い出されるのは、畑には肥料として人ぷんや焼却灰が利活用されていたと思います。まさに自然の循環サイクルの中で農産物が生産され、私たちの健康、生命を守ってきたわけであります。 その後、化学肥料の発達や害虫対策をはじめ、生産量の確保が重視される中、農薬散布の取組もやむを得ない環境だったと言えます。 ここでは、循環型社会の構築につながる食品リサイクルの取組についてお尋ねいたします。 村上市の企業グループが温泉宿泊施設や食品スーパーから出る食品残渣を利用したバイオガス発電と、発電で発生する温熱やガス生成の副産物から生産される肥料を利用した南国フルーツなどの栽培に取り組んでいます。 栽培された果物やジャムなどの加工品は首都圏の料亭やレストランにも出荷されるとともに、市内の宿泊施設などでも宿泊客に提供されるなど、農業を軸とした食品リサイクルループが形成されており、食品リサイクル法に基づく再生利用事業計画に認定されています。 ごみ焼却の削減や観光資源化、新たな雇用の創出につながる取組であり、こうした食品リサイクルループを推進していく必要がありますが、県内の取組状況や推進に向けた県の対応についてお伺いいたします。 次に、環境問題についてであります。 近年の温暖化現象が原因とされる異常気象が世界規模的に起こっています。二酸化炭素、CO2の排出削減対策が世界的課題の中、石炭火力発電所に対する批判も少なくないようであります。 エネルギー問題は国政の重要課題ではありますが、やはり県民意識の啓発から、本県、とりわけ花角知事の積極的な姿勢を表現されることも重要との観点から、以下何点かお尋ねいたしますが、ぜひ知事の前向きな御答弁をお願いいたします。 国土交通省は、洋上風力発電の導入促進に向けて、設備の設置等の基地となる海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾、いわゆる基地港湾を指定し、発電事業者向けに重厚長大な資機材を扱うための埠頭を長期間貸し付ける制度を新設しました。 本県では、村上市・胎内市沖の再エネ海域利用法に基づく促進区域指定を目指した調整が進められていると聞いていますが、港湾法の基地港湾指定に向けた県の対応についてお伺いいたします。 中小型の水力発電施設の電力は、国の固定価格買取制度でほかの再生可能エネルギーより有利な条件で売電できるため、水路などを利用する中小水力発電が注目を集めているとのことです。 群馬県では、民間企業等の事業化検討の参考となるよう、砂防ダム等の落差を利用した小水力発電の有望地調査を実施するなど、導入を推進しています。 本県の地域性を有効に活用し、砂防ダムの改修等で中小水力発電を推進していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 十日町市で松之山温泉の源泉を活用する地熱発電事業が進んでいます。昨年12月には事業者と契約し、本年5月には工事着工、11月から売電を開始する予定であり、年間の発電量は124万キロワットアワーと想定しているとのことです。 温泉資源の豊富な本県においては、松之山温泉の事例をモデルに、他地域での導入を促進していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 県は、クリーンな水素を燃料とする自動車の普及促進に向けて、昨年12月からはFCVタクシーの実証実験を行うなど、様々な取組を進めています。今後も普及促進に向けて取組をさらに強化するとともに、水素製造企業など関連産業の育成にも取り組むべきと考えますが、今後の対応についてお伺いいたします。 2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目標に掲げる自治体が全国で増加しています。県内は、現段階では県も含め表明している自治体はない状況です。地球温暖化防止を率先し県内の企業や団体に範を示すため、本県も表明を検討してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 気候変動の要因となる二酸化炭素、CO2の排出削減は世界的な課題ですが、使い捨て製品の焼却コスト等にも課題があると聞いております。一例を挙げますと、高齢化が進み、一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合は推計で約5%になるとのことです。 3R、発生抑制、再使用、再生利用の仕組みづくりに対する本県のこれまでの対応と、一層の推進に向けた方向性についてお伺いいたします。 光媒体で水を分解し、分解した水素とCO2から化学原料を作るという人工光合成プロジェクトが、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOの委託事業として、三菱ケミカルや東京大学など20近くの企業や大学、研究機関により進められています。 化石資源に頼らずに、炭素と水素を原料として化学製品を作り出すことは、CO2排出削減に向けた画期的な技術です。今後この技術が実用化されれば、本県も県内企業と連携し、積極的に導入を推進していくべきと考えますが、プロジェクトに対する所見をお伺いいたします。 次に、県政の諸課題についてであります。 狭い日本、そんなに急いでどこへ行くとの標語は、車の運転者への交通安全のメッセージであったと思います。一方、経済的観念ではタイム・イズ・マネーということも、またしかりと思います。ビジネスが時を無駄にすることなく、チャンスを逃さない姿勢は大切とも言えます。車より、新幹線等より航空機の利用は至極当然とも思います。それに対応することは、企業戦略の一つとも言えます。 そうしたビジネス環境の中、報道によれば、地方空港の小牧空港と熊本空港、花巻空港を結ぶ航空便が好調とのことであります。トヨタ自動車関連のビジネス需要によるものでありますが、2019年4月から11月の搭乗率は小牧ー熊本便が72%、同花巻便が73%とのことであります。 そこで、お尋ねいたします。 新潟空港を拠点に地方間を結ぶLCC、(仮称)トキエアの設立構想が進んでおり、知事も県として最大限対応していきたいと述べられました。新潟空港の活性化や本県企業の発展、地方間ビジネスの推進につながるものであり、実現を期待しているところですが、今後、県はどのような支援をしていくのか、お伺いいたします。 本県は、東京首都圏への流出人口がワーストとの報道がありましたが、首都圏への一極集中問題は政府の重要課題とされています。 首相施政方針演説で安倍首相は、移住支援センターを全国1,000の市町村に設置し、移住へのニーズを実際の人の動きとつなげていくとして、都市住民の地方での兼業・副業を促すため、人材のマッチングや移動費の支援を行う新たな制度を創設し、関係人口を拡大することで、将来的な移住につなげると述べています。 県内市町村の移住支援や関係人口拡大に向けた取組の課題と、県の今後の対応についてお伺いいたします。 人口減少や高齢化が進み、公共交通の衰退、自動車運転免許の返納などで、交通弱者が増え続けています。とりわけ中山間地域ではそのことによりマイナスのスパイラルに陥っている様子で、地域の衰退が加速されている感があります。 住民の足を確保し、生活弱者、交通弱者を支援するには、官民の連携が必要であり、きめ細かい施策の取組が重要との関連からお尋ねいたします。 鳥取県は、中山間地域の住民の移動手段を確保するため、タクシー事業者と住民ドライバーが連携した新たな公共交通モデルの構築に取り組んでいます。タクシー事業者が配車指示やドライバー研修を行い、安全性を確保した上で、タクシーの不採算地域で有志の住民ドライバーが自家用車を使って利用者を有償で運ぶ仕組みです。 地域の交通を維持するためには、同様の取組は本県でも試行してみる価値があると思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 県政の施策、取組の中で、若手職員の発想、行動力に期待し、県庁前マルシェの取組をはじめ、県庁の森を活用する等、様々な取組は、意識啓発はもとより、インパクトのある刺激的な取組として県政を元気で活発化させることにも役立つものと思います。 また、県在住の若者たち、とりわけ学生たちの本県への熱い思いの中で、フレッシュで活動的な取組は貴重であり、地域愛の醸成にも影響を与えてくれるものと思います。 先日、私は県庁2階西回廊ギャラリーを通りました折、うれしく、また、頼もしいと思える取組の発表ポスターを目にすることができましたことからお尋ねいたします。 新潟大学地域創生推進機構COC+推進センターでは、15大学、2自治体、15企業・団体等と協働して地域創生事業に取り組んでいます。先月、県庁のギャラリーでも地域活動ポスターが展示され、学生が県内各地域の様々な魅力について掘り下げ、検討した地域活性化の方策が紹介されました。 地域の活性化や課題解決に向けて、こうした県内外の大学の力を活用していくことが有効と考えますが、所見をお伺いいたします。 最後の質問となりますが、副業・兼業の課題についてであります。 県政の推進に当たり、民間の技術や知識の活用、自由な発想等に期待するものということで、様々な民間との連携事業等を推進していると思います。また、厳しい財政状況の折、人手不足が進む中、正職員を増やせない状況のことから、民間のノウハウが欲しい自治体も少なくないと思います。 多様な働き方を進めつつ、少子高齢化による人手不足を補おうと、国は副業を推進していくそうです。 働き方改革が進められている中、様々な課題があることは認識しておりますが、こうした官民合わせての取組は重要となってくるとの観点からお尋ねいたします。 福井県や長野市など全国の自治体で、企業などに在籍したままの副業としての人材募集に、転職のリスクを避けつつ地域で活躍したいビジネスマンが殺到しているとのことです。また、逆に福井県や神戸市など、公務員が報酬を得て地域活動に貢献できるよう、兼業を認める自治体も増えてきているとのことです。 こうした副業・兼業は、高度かつ専門的な行政課題や、多様化する地域課題の解決にも資するものと考えますが、本県での導入について、知事の所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 青柳議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、ダムの事前放流についてでありますが、治水対策は、ダムによる洪水調節のほか、河道改修など様々な手法を組み合わせ、流域全体で総合的に進めることが重要であると考えております。 一方で、ダムの利水容量を洪水調節に活用する事前放流は、先般の台風第19号等、水害が激甚化・頻発化する状況を踏まえ、既存施設を有効に活用できる手段の一つであると認識しています。 県といたしましては、流域全体の費用対効果など総合的に見極めながら、まずは構造上可能なダムについて、関係利水者との協議を進めるなど、事前放流の導入に向けて取り組んでまいります。 次に、防災道の駅についてでありますが、国の、新「道の駅」のあり方検討会で、広域的な防災機能を担うため、国等の支援を受けてハード・ソフト対策を強化した防災道の駅を新たに導入するよう提言されたものと承知しております。本県では、中越地震の際に、道の駅が避難場所などに活用された実績もあることから、地域の防災機能の向上に資するものであると考えております。 県といたしましては、今後、この提言を受け、国において具体的にどのような支援策が示されるのか、注視してまいりたいと思います。 次に、災害時における電柱の倒壊と電力供給への対応についてでありますが、災害時の電柱倒壊は避難や救援活動、復旧活動の支障となることから、無電柱化の取組を進め、避難路や輸送路などの通行空間を確実に確保する必要がると認識しております。 また、災害時の電力供給については、国の台風第15号検証チーム中間取りまとめの中でも、関係機関の連携が不十分であったと示されているところです。 県といたしましても、現在、東北電力と協議を進めているところであり、今後も国の検証結果等を踏まえながら、本県の体制強化に努めてまいります。 次に、産業・観光の振興についてお答えします。 ベトナム訪問の手応えと今後の対応についてでありますが、今回のベトナム訪問において、ベトナム政府や旅行会社等関係者との意見交換や、日本ベトナム観光交流シンポジウムへの参加等により、経済分野等における交流をさらに進める足がかりができたものと考えております。 経済分野については、計画投資大臣との面談において、県内企業とベトナム企業との経済交流の拡大に向けて、ハノイでのビジネスセミナーや、来年度予定しているビジネスミッション団の派遣について協力を依頼し、了承していただきました。ベトナム側の関心事項として、産学連携や中小企業育成などが示されたことから、今後はこうしたポイントも踏まえながら取組を進めてまいります。 また、観光については、旅行会社幹部に来年度のチャーター便ツアーの催行を要請し、今年度を上回る数のツアーを行いたいと回答いただいたところです。今後は、旅行会社のツアー催行を後押しするため、旅行博を通じた本県観光のPRなどに取り組んでまいります。 県といたしましては、今回の訪問の成果も踏まえ、ベトナムとの交流を一層活発化させてまいります。 次に、農林業の振興についてお答えします。 まず、森林環境譲与税の配分額の評価等についてでありますが、森林整備に取り組む実施主体である市町村に、配分方法等に対する意向を確認したところ、多くの市町村が現行制度での実績を踏まえた上で、その見直しが必要かどうかを検討していくとのことでした。 また、他県においても同様にこの制度での実績を見極めた上で評価していく考えと聞いております。 国においても、各自治体における使途や森林の公益的機能への効果を検証しつつ、所要の見直しを行うこととしており、県といたしましては、まずは、現行制度による実績を踏まえ、配分額や配分方法を評価することが適当であると考えております。その上で、市町村の意向や他県の動向も踏まえ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、中国への県産米の輸出についてでありますが、現地においては、昨年9月頃から本県産米の本格的な販売が始まっており、令和元年度の輸出量は、3月までの予定を含めますと50トン程度になると見込んでおります。 輸出再開以降、食品バイヤーの招聘や現地での販促プロモーションなどに取り組んできたところであり、輸出事業者からは新潟米への引き合いが徐々に高まっていると聞いております。 今後もこうした取組を継続することにより、さらなる輸出拡大を図ってまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、薫蒸処理体制については、指定精米工場と併せ、輸出のための環境整備の一環として重要で、新潟からの米輸出の拡大に有効と考えられることから、薫蒸倉庫の登録に向けて、来年度、必要な施設改修を行うこととしております。 次に、園芸振興についてでありますが、私も参加いたしました先月の地域経済活性化シンポジウムにおいて、米だけではなく、園芸作物や畜産などにも幅を広げて、県の農業を成長させていきたいと語ったところ、参加されたパネリストの方から、新たに園芸に取り組む上での課題として、稲作との競合回避や、園芸品目の栽培・販売のノウハウ不足、産地としての体制整備や仕組みづくりなどが示されたところです。 県といたしましても、園芸導入に対するこれらの課題にしっかり対応していくことが重要であると認識しており、新しいことに挑戦する、前に進もうとする農業者の皆さんとしっかり連携して後押しをすることで、稼げる農業の実現を目指してまいりたいと思います。 次に、園芸振興基本戦略の実践におけるJAグループとの連携についてでありますが、JAグループ実践方針では、園芸振興基本戦略を踏まえ、産地育成の取組がJAグループ全体の施策として位置づけられ、各JAが事業計画へ反映することで、一体となって基本戦略を実践していただいており、さらには新年度の県予算案と連動したJAグループの支援策が措置されると伺っております。 県といたしましては、県農協中央会や全農県本部をはじめとしたJAグループと今後も基本戦略の目標を共有し、園芸に挑戦する農業者や産地を、生産から販売まで一体となって伴走型で支援してまいります。 次に、有機農業の推進についてでありますが、有機農業は、環境への負荷低減等に加え、議員御指摘のように、健康志向の消費者ニーズにも応え得る農法であると認識しております。 一方で、有機農業は、効果的な除草や病害虫防除など技術確立が不十分であるために、一般的な栽培に比べて品質・収量が安定しないことなどの課題があります。 県といたしましては、このような課題を踏まえ、より多くの農業者から取り組んでいただけるよう栽培技術の研究開発を継続するとともに、有機農業に取り組む農業者への技術的な支援や経営面への助言、さらには、より付加価値を高めるため、高度な栽培技術を持つ農業者に対する有機JAS認証の取得推進など、幅広い消費者ニーズに対応できるよう、有機農業の取組を促進してまいりたいと考えております。 次に、環境問題についてお答えします。 まず、洋上風力発電の基地港湾の指定に向けた県の対応についてでありますが、県は現在、国に対し、村上市・胎内市沖の再エネ海域利用法に基づく促進区域の指定に関して必要な情報提供を行っているところであり、促進区域の指定基準の一つとして、港湾との一体的な利用が挙げられていることから、想定される発電事業者を含め調整を進めております。 一方で、港湾法に基づく基地港湾の指定には、拠点にふさわしい利用が見込まれることなどが要件とされ、事業者が長期の発電事業に係る埠頭利用を行うことが前提となります。 このため、県といたしましては、現在の港湾利用の状況なども踏まえ、事業者の利用計画立案時から相談に応じ、十分な調整を図るなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、中小水力発電の推進についてでありますが、本県は全国第4位の包蔵水力を有し、中小水力発電の開発ポテンシャルが大きいものと認識しております。 県では、平成22年度から23年度に、県内14地点の導入可能性調査を実施し、そのうち2か所で事業化に至っております。 現在、民間企業を主体とした協議会と連携しながら、有識者による講演や成功事例の紹介等の普及啓発活動を行っているところであり、さらなる導入拡大に向けて取り組んでまいります。 なお、砂防ダム等の県有施設の利用を希望する事業者に対しては、引き続き必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。 次に、地熱発電事業の取組についてでありますが、全国で3番目に温泉地の多い本県にとって、地熱発電は地域の資源を生かした再生可能エネルギーの一つになるものと期待しております。 一方、地熱発電の導入には、探査・開発に多額の費用や長い時間を要し、温泉の湧出への影響を懸念する温泉事業者との調整などが不可欠であります。 そうした中、十日町市松之山温泉における地熱発電の取組は、平成21年度に県が地熱発電のポテンシャル調査を行い、国の実証を経て、県内初の事業化につながった事例となるものであります。 現在、妙高温泉エリアにおいて、事業者、妙高市、温泉関係者などから構成される勉強会に県も参加し、事業化の可能性を検討しているところであり、引き続き、地熱発電の導入促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、FCVの普及促進と県内関連産業の育成についてでありますが、新年度予算において、引き続きFCVタクシーの実証を行うとともに、小型FCバスの開発と再エネ由来水素供給設備の設置に新たに取り組み、県内初の再エネ由来の水素サプライチェーンの実証を進めることとしております。 この取組の中において、FCバスを含めたFCVや水素供給設備など、水素関連産業に関心を持つ企業等による研究会を立ち上げ、国のマッチング事業にも参加するなど、水素関連分野への参入を県として後押ししてまいりたいと考えております。 次に、温室効果ガス排出実質ゼロの表明についてでありますが、地球温暖化による気候変動の影響が本県でも顕在化しており、次の世代に安全で快適な環境を引き継いでいくためには、さらなる温暖化対策の取組が必要であると認識しております。 本県におきましては、これまで再生可能エネルギーの導入促進や事業所における省エネルギーの推進などに取り組んでまいりましたが、来年度、洋上風力発電の導入促進や燃料電池自動車の普及などの取組を進めるとともに、地球温暖化対策地域推進計画の見直しを行うこととしておりますので、その中で2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことについて検討してまいります。 次に、3Rの仕組みづくりへの対応と推進の方向性についてでありますが、県ではこれまでも3Rの推進に向け、県民や事業者、市町村などと連携して、レジ袋削減県民運動など廃棄物の発生抑制に取り組むほか、ペットボトル等の容器包装の分別・リサイクルを徹底するなど、資源を大切にする循環型の地域社会づくりを進めてきたところです。 今後も、廃棄物の発生抑制や循環的利用をさらに推進するとともに、地球温暖化や高齢化などの諸課題にも対応するため、先進的なリサイクル技術等の開発に取り組む事業者の育成・支援などを通じ、循環型社会づくりを一層進めてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、新潟空港を拠点とするLCC構想への県の対応についてでありますが、これまで、事業会社の設立に向け、県の補助金や、にいがた産業創造機構の支援メニューを紹介してきたところであり、引き続き、関係者との情報交換等を行うほか、国との調整が生じる場合など、相談に応じてまいりたいと考えております。 また、実際に運航を開始した際には、利用促進に係る支援などを検討することになるものと考えております。 今後も、地元経済界と連携しつつ、構想の熟度に応じて、最大限の対応をしてまいりたいと考えております。 次に、移住支援や関係人口拡大に向けた取組についてでありますが、関係人口は、人口減少対策の面でも、将来的な移住につながる潜在層になり得るものと捉えており、国の動きは地方移住の裾野を拡大するものと認識しております。 移住支援や関係人口拡大に向けては、受入先となる市町村において、体験ツアー等のメニューを充実し、県外在住者の来県の機会や訪れる地域の選択肢を増やしていくことが重要と考えております。 県といたしましては、来年度、市町村が行う二地域居住体験や、暮らし・職業体験などの移住に向けた促進施策を総合的に支援するほか、地域づくりに関わることができるツアーを地域とともに新たに企画・実施し、関係人口の拡大を推進することとしており、議員御指摘の国の施策も併せ、各種の取組を通じて、県外在住の方々から本県への関心や関与を高めていただき、将来的な移住につながるよう努めてまいります。 次に、地域住民の移動手段確保に向けた取組についてでありますが、議員御指摘の鳥取県の事例のように、地域と交通事業者が連携して行う取組は、交通空白地域の移動手段の確保につながる有効な取組であると認識しております。 一方で、実施に当たっては、行政や住民、交通事業者といった地域の関係者の合意形成に加え、運行管理や住民ドライバーの指導などへの交通事業者の積極的な関与が重要と考えております。 そのため、県といたしましては、鳥取県をはじめとする先進事例の成果や課題、県内における取組に向けた現状の把握に努めるとともに、市町村の意向に応じて、地域協議会への参画や現行補助制度の活用等による支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、地域の活性化や課題解決に向けた大学の活用についてでありますが、議員御指摘のとおり、大学生の若者としての視点や大学が有する知見等を活用することは、人口減少や高齢化といった地域課題の解決や、地域の魅力向上、活性化を図る上で有効であると考えております。 県といたしましては、COC+のように大学が主体となる事業へ参画するほか、大学の魅力向上を図る取組として、地域の諸課題の解決や活性化などに取り組む教育プログラムを支援するとともに、県内外の大学と連携した地域活性化事業を実施しているところです。 引き続き、来年度においても、大学が行う地域の活力向上や地域社会を支える人材育成などを支援してまいります。 次に、県での副業や職員の兼業についてでありますが、職員の兼業につきましては、働き方改革の取組の一環として、職員の社会・地域活動など業務外での活動を奨励するため、昨年、職員が報酬を得てこれらの活動に従事する場合における許可基準の明確化や手続の簡素化を行ったところであり、引き続き、多くの職員が社会や地域に貢献できるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 なお、県では、高度かつ専門的な知識・経験や民間の知見が必要な場合には、特別職の非常勤職員として、大学教授を参与に委嘱している例や、審議会等の委員を公募する例はありますが、副業として広く人材を募集することは行っておりません。 今後、他団体の事例も参考にしながら、本県において活用できる行政課題や業務があるのか検討してまいりたいと考えております。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 AI人材の育成の状況と今後の対応についてでありますが、情報通信技術の進展に伴い、より付加価値の高い産業構造に転換していくためには、議員御指摘のとおり、AIなど高度ITに対する需要に応えて新たなシステムや機器の設計・開発を行う、高度IT人材の育成が必要と考えております。 県といたしましては、にいがた産業創造機構と連携して、AIの開発技術者等を対象としたビッグデータ活用研修を実施し、平成29年度から3年間で延べ54名が受講しているところです。また、工業技術総合研究所がAIユーザーを対象としたディープラーニング研修を実施し、平成28年度から4年間で延べ444名が受講しているところであり、引き続き、開発技術者だけでなく、システム・機器の利用者の観点も踏まえて、AI人材の育成に取り組んでまいります。 次に、人工光合成プロジェクトに対する認識についてでありますが、当該技術は、高効率な水電解により水素を製造し、その水素とCO2から化学原料を作り出すもので、実用化されれば水素利用の本格普及やCO2排出削減につながる革新的技術であると認識しております。 県内のCO2を多く排出する石油化学関連企業などで活用されれば、県内産業の脱炭素化に寄与し得るものと考えておりますので、引き続き、情報収集に努めてまいりたいと考えております。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、御当地マンホールを活用した観光振興についてでありますが、議員御指摘のとおり、全国の自治体では、下水道への理解促進や観光振興に資することを目的に、マンホールの蓋に観光名所やキャラクターなどを取り入れ、広く発信しております。 本県でも、県所管の流域下水道のマンホールの蓋にトッキッキのデザインを取り入れているほか、多くの市町村が地域の特徴をマンホールに表現し、マンホールカードの配布やイベント開催などを通じて発信しているところです。 県といたしましては、下水道事業の目的を踏まえつつ、事業者が取り組むイベントと連携・協力を図るなど、様々な機会を捉えながら観光振興に活用してまいります。 次に、歴史的な街道の整備支援や観光振興への活用についてでありますが、文化庁では歴史的、文化的に重要な由緒ある古道などを歴史の道百選として選定し、保存修理や環境整備などの支援を行っており、本県は8か所が選定されております。 また、街道が所在する県内市町村や県地域振興局では、観光マップの作成、まち歩きガイド企画の実施など観光コンテンツとして幅広く活用しており、昨年開催されました国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭においても、ウオーキングイベントとしてその魅力を発信したところです。 県といたしましては、引き続き関係市町村等と連携し、街道の歴史や街道に由来する食文化などを観光コンテンツとして磨き上げるとともに、ストーリー性を持って発信することにより観光振興につなげてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 2点についてお答えいたします。 農業でのICT活用に向けた取組についてでありますが、携帯端末と連動した圃場管理・農作業支援システム等、情報通信技術の活用は、大規模化する農業者の作業効率や生産性の向上に寄与するものと考えておりますが、議員御指摘のとおり、担い手の高齢化が進む中で、ICTの導入や操作に不安を感じる方もおられます。 このため、県では、農業大学校や各地域において企業と連携し、導入事例を紹介する研修会の開催や、実演、操作体験等の機会を提供するなど、ICT導入への不安の払拭に取り組んでいるところです。 また、ICTの導入から導入した技術の有効活用まで、各地域振興局の普及指導員による伴走型の相談・支援を丁寧に行ってまいります。 次に、食品リサイクルループの推進についてでありますが、県内では、食品リサイクル法に基づいて国が認定している再生利用事業計画が6件あり、主に食品スーパー等から出る食品残渣を肥料化し、その肥料を使用して生産した農産物を食品スーパー等が販売する取組が行われていると承知しております。 食品リサイクルループは、食品廃棄物の減量化につながる有効な取組であることから、県ではこれまでも食品産業団体と連携した研修会を通じて、食品製造事業者等に対し、食品リサイクル法や再生利用事業計画認定制度を周知してきたところです。 今後も、機会を捉えて周知を図り、取組を推進してまいりたいと考えております。   〔青柳正司君登壇〕 ◆青柳正司君 1点だけ再質問させてもらいたいと思います。 観光局長から答弁いただいたのですが、街道を利用して観光に生かしてもらうのはありがたいのですけれども、1点、私の質問の中で整備の支援ということです。例えば様々な地域で、地域の方が一生懸命になって街道に石を並べたり、倒木があればそれを元に戻したりということがボランティアで行われていると思うのですけれども、それに関しての支援がどういうふうになっているのか。そういう方に支援ができるのか、また、市町村がやっているかどうか分かりませんけれども、その点確認させてもらいたいと思います。お願いいたします。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 今ほどの、歴史的な街道の整備支援に関するということで、ハードに関する整備の支援という御質問かと思います。 観光局のほうでは、観光施設のハードにつきましても、一定の条件を満たす場合には整備をするような、そうした事業を持っておりますので、ぜひ御相談をいただいて、それに該当するようであれば、県としても積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(桜井甚一君) 青柳正司君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時43分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時 開議 ○議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、小島晋君の発言を許します。小島晋君。   〔小島晋君登壇〕(拍手) ◆小島晋君 未来にいがたの小島晋です。通告に従い、順次質問いたします。 初めに、新潟県総合計画の進捗状況と令和2年度予算編成について質問いたします。 県の最上位計画である新潟県総合計画は、2020年度に中間目標値が設定されています。政策の柱は大きく、安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟、地域経済が元気で活力ある新潟、県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟であり、それぞれさらに中項目、小項目に細分されています。 計画より進んでいる政策や進捗が思わしくない政策がそれぞれあると考えますが、中間目標が設定されている2020年度に向け、県財政が厳しい中、中間目標を達成し、さらに進めるため、どのように予算編成をされたのか、お伺いいたします。 本県の人口減少は歯止めがかからず、総務省の2019年の人口移動報告では、新潟県は日本人の転出者が転入者を8,162人上回る転出超過で、超過数が全国で最も多く、新潟県が最多となったのは1955年以来64年ぶり。超過数はバブル経済崩壊後の1990年代後半から増加傾向が続いており、新潟県の人口流出に歯止めがかからず、東京圏は日本人の転入者が転出者を14万5,576人上回る転入超過だった一方、地方の道県は軒並みに転出超過で、東京への一極集中が一層加速しており、地方への移住などを後押しする政府の地方創生が奏功していないと報道されました。 本県でも人口減少対策に取り組んでおり、総合計画でもU・Iターンや合計特殊出生率の向上など、人口動態の改善数を5,900人程度としていますが、本県人口は基準年の平成28年、マイナス1万8,400人よりも約マイナス2万3,000人と悪化をしており、政策による改善が見えません。 これまでの人口減少対策が結果として効果が上がっていないと考えますが、知事の所見を伺うとともに、人口減少対策をさらに進めるべく、次年度における人口減少対策に対する取組をお伺いいたします。 また、人口減少は本県のみの課題ではなく、多くの地方自治体の共通の課題であり、国に対し、進んでいない東京一極集中の是正や地方への財政支援などを強く求めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、防災対策について質問いたします。 県では、防災・減災対策の新たな取組として、県内全域の洪水・土砂災害・津波などのハザードマップを閲覧する機能を有する、スマートフォン向けの防災アプリである新潟県公式アプリの運用を昨年7月から開始いたしました。 私も議会で、居住地以外の通勤・通学も多いことや、観光など交流人口も増えていることから、自らの命を自ら守るため、県内のどこにいてもいち早く現在地の災害情報を入手できる防災ナビアプリを作成し、その情報を基に避難できる体制整備を求めてまいりました。 このたびの新潟県防災ナビアプリの運用が開始されたことをうれしく思うとともに、次年度予算においても災害関連情報発信がさらに強化され、想定最大降雨量による洪水浸水想定や、ため池ハザード情報も追加されるなど、災害情報の充実も図られるとのことです。 今後は、多くの県民の皆様をはじめ、国内外から新潟を訪れる方々に防災ナビアプリのダウンロードを勧め、災害時には自らの身を守っていただくことが必要です。 そのためには、この防災ナビをもっと多くの方に知ってもらう情報発信が重要と考えますが、現状の取組とアプリのダウンロード数についてお伺いするとともに、それについての認識と拡大に向けた課題についてお伺いいたします。 さきの質問で防災ナビのダウンロード拡大に向けた課題を質問いたしましたが、せっかく良いものを作っても、使ってもらい、その情報を基に迅速に自らの命を守る行動をしてもらわなければ意味がありません。 県としても各種イベントや、JRなど公共交通機関の協力を得てポスターの設置、市町村や消防団への協力を依頼しているとのことですが、県民の安心・安全のために、さらなる防災ナビアプリのダウンロードに向けた取組強化が必要と考えます。 総務省の平成30年版情報通信白書によれば、13歳から19歳までの中高生のスマートフォンの保有率は82.2%であることから、中学、高校等、学校での説明会や、それ以外の世代では携帯販売店、商工団体や労働団体をはじめとする各種団体への協力依頼。また市町村においては、自主防災会の避難訓練や研修会等での説明会の実施が考えられます。 ただし、全部を県の職員が説明を行うということには無理があり、一つの手法として、自主防災会の避難訓練、研修会等で講師役となる消防職員、消防団員や地域の防災リーダーを対象とした研修会を開催し、防災ナビの使用方法などが説明できる講師役を務めてもらう体制整備が必要と考えますが、所見をお伺いします。 また、消防、消防団、自主防災会などは各市町村の所管であることから、市町村へ利用者拡大の依頼は必要ですが、各市町村においては、独自の防災システムの周知のみとなっていることも考えられます。全県をカバーする防災ナビの有効性を市町村から理解してもらい、連携を強化することが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 全県を網羅し、一人一人に災害及び避難情報が入る防災ナビは、今後も上がると予測されるスマートフォンの個人保有率を考えれば、防災情報の有効性はますます高まります。将来的には防災ナビを活用した避難訓練なども可能と考えますが、所見をお伺いするとともに、避難訓練の活用に関する課題についてお伺いいたします。 スマートフォンに対応した防災ナビアプリの優位性については前段でも触れましたが、普及率は100%ではなく、年代別に普及率に差が生じています。平成30年版情報通信白書によれば、スマートフォンの保有率は、13歳から19歳までは82.2%、20代で94.5%、30代91.7%、40代85.5%、50代72.7%、60代44.6%、70代18.8%、80代6.1%と、避難に時間を要する年代である60代以降の保有率は極端に下がっています。 将来的には、現在保有している年代が上がってくれば保有率は向上すると考えますが、災害はいつ起こるか分からず、保有率の向上だけを待っているわけにはいきません。 今後、スマートフォンの保有率が低い年代へ災害・避難情報を届け、いち早く命を守る行動を取るためにどのような対策を考えているのか、お伺いをいたします。 スマートフォンは、通話だけでなく、ネット、ラジオ、テレビ、ライト、地図など多くの機能を持ち合わせ、災害時でも役立つ必需品と言えますが、全てにおいて優れているわけではありません。いわゆるガラケーと比べ電池の消費が早く、電池残量がなくなれば便利な機能は使えなくなります。 北海道胆振東部地震でも、北海道の半分の電力を供給していた苫東厚真火力発電所が緊急停止し、北海道内全域の約295万戸が停電をし、スマートフォンを充電するために充電難民が続出したことは記憶に新しく、過去にも避難所における充電設備の設置について質問いたしました。 モバイル端末への充電のみならず、避難所運営の観点から、避難所の電源を確保することは重要であると考えている。まずは、避難所における非常用発電設備の整備の状況を把握した上で、避難所への電源供給の手段について、市町村とともに発電機の準備や電源車の利用も含めて検討していくとの答弁でありました。 スマートフォンは災害時でも役立つ必需品となっていることから、避難所の電源供給設備の設置はもとより、防災ナビで充電可能箇所の表示などをすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 一昨年の9月定例会で県内の空き家対策について質問いたしました。当時の数字で県内の住宅総数約97万戸のうち、空き家総数は13万2,000戸、空き家率は13.6%。利用目的のない空き家が約7万戸、県内の特定空家等の戸数は、認定を行っている11市町村で合計494戸とのことでした。 人口減少が進み、空き家の増加率は今後急速に伸びると予想しているとのことであり、市町村が主体となり、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき空家等対策計画を策定し、空き家の発生抑制や利活用、撤去等の様々な取組や、県も市町村の取組を支援するため、国の最新動向や先進事例をまとめた手引の策定や、空き家の改修に使える県単事業を創設するなど、支援を行っているとのことでした。 これまで多くの場合、一戸建てを想定したものでしたが、高度成長期に建築されたマンションについても想定していかなければなりません。 報道によれば、本年1月に滋賀県野洲市で築48年の分譲マンションについて、空き家対策特別措置法に基づき、行政代執行で解体工事を始めました。同法に基づく分譲マンションの解体は全国初と見られ、住人は十数年前から住んでおらず、管理組合もなく、修繕費用も積み立てられないため、壁や階段が崩れるなど老朽化が進んでおり、区分所有者に解体命令を出しましたが、集合住宅の解体は区分所有者全員の合意が必要で、区分所有者の一部とは連絡が取れず、費用約1億円の回収のめどは立っていないとのことであります。 国土交通省の調査では、築40年超えの分譲マンションは2018年末時点で全国に約81万戸あり、全体の約1割を占め、20年後には4.5倍の約367万戸に膨らむと推計され、修繕積立金が不足しているマンションは34.8%に上り、管理不全に陥るのを未然に防ごうと、一部自治体で管理状況を届け出させる制度が導入され、国土交通省も自治体の支援策を検討しているとのことですが、マンションの倒壊は一戸建てと比べ大規模となり、また、行政代執行に係る費用も高額となります。 人口減少が著しい本県においても検討すべき課題と考えますが、県内の特定空家等の現状とマンションに対する県の対応や今後の取組についてお伺いをいたします。 次に、就職氷河期世代支援プログラムの取組について質問いたします。 昨年12月に就職氷河期世代支援の推進に関する行動計画が策定されました。この支援プログラムを着実に実行するため、行動計画を年内に取りまとめ、実行に必要な予算について、集中的な取組で令和元年度補正予算を含め、3年間で650億円を上回る財源を確保し、支援策の実効性を最大限に高めるべく、計画的に取り組むとのことであります。 行動計画には、「いわゆる就職氷河期世代は雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代であり、希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にあるなど、様々な課題に直面している方がいる。こうした課題は個々人やその家族だけの問題ではなく、社会全体で受け止めるべき大変重要なものである」と記載されております。 私も県議になり、就職氷河期世代の就労支援の必要性について取り上げてきましたし、過去の県議会でも多くの議員が同様にその必要性を取り上げてきました。答弁の一例を挙げれば、「一般的に見て非正社員の年収は正社員よりも低くなっており、特に男性は年収が低くなれば低くなるほど婚姻率が低くなるという傾向が出ている。若者が安心して結婚して子供を産み育てることができる安定した雇用環境の整備ということがふるさとづくりに何よりも重要であり、県内産業、地域経済の活性化のためにも重要である」と答弁をされております。 国の推計では、現状の県内の就職氷河期世代の正規労働者は35歳から45歳の間で16万9,800人、これに対し非正規労働者6万2,700人で27%を占め、そのうち正規の職がなく、やむを得ず非正規で働く方は約1万人とのことです。 これまでも県は職業訓練を通じての能力の向上、ジョブカフェなどによるきめ細やかな相談支援などを行ってきましたが、県内就職氷河期世代の就労支援対象者の約1万人という数字は、やってきた政策の成果が出ていると考えているのか伺うとともに、これまでの取組に対する課題についてお伺いをいたします。 年齢が上がれば上がるほど正規雇用は狭き門となることは否めません。就職氷河期世代がこのまま非正規雇用で年代が進めば、社会保障費に与える影響の大きさが問題となり、今回の行動計画となっていますが、本来なら少なくとも10年、15年前には今回のような支援プログラムを行うべきだったと考えます。 生まれた年代が悪かっただけで、やむを得ず非正規雇用で働かざるを得なかった世代を支援する行動計画を実効性のあるものとし、非正規雇用から正規雇用への転換につなげていかなければなりません。 支援事業では、都道府県ごとに就職氷河期世代活躍支援プラットフォームを設置し、都道府県の協力を得ながら、事務局は労働局が担い、各界の参画を得、企業説明会等を行い、就職氷河期世代の積極的採用や正社員化等の支援、行政支援策等の周知に取り組むことになっております。 既に先行して大阪、愛知、福岡、熊本では就職氷河期世代活躍支援プラットフォームが設置をされていますが、県としてどのように労働局などと連携し取組を進めるのかお伺いするとともに、国は3年後の正規雇用への転換者数を約30万人として目標を設定しておりますが、県としての目標設定についてお伺いをいたします。 具体的な支援策として、就職支援コーディネーターの配置、ハローワークに専門窓口を設置、短期資格等習得コース(仮称)、職業訓練受講給付金や、企業側にはトライアル雇用、正社員として雇い入れた場合の助成金があります。 職業訓練受講給付金は、1か月ごとに支給額10万円、給付金支給要件について、収入が8万円以下であること、世帯の収入が25万円以下であること、世帯の金融資産が300万円以下であること、現に居住する土地、建物以外に土地、建物を所有していないことなどがあり、これまで非正規で働いていれば蓄えも乏しく、訓練期間の支給額である月10万円では受講に二の足を踏むと考えます。 受けたくても受けられないのでは支援策の意味はなく、生活の安定なくして支援プログラムは受講できません。安心して受講できるよう、この厳しいとも言える給付金額及び要件について、国に受講期間中の生活費の確保及び支給基準の緩和を求めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 政府は、国家公務員や地方公務員についても、各自治体の判断で就職氷河期世代を採用するよう求めております。 総務省調査では、就職氷河期世代を支援するため、兵庫県の宝塚市や三田市など、全国19自治体が2019年度に職員の中途採用試験を実施または実施予定であるとのことです。4人を採用した宝塚市では1,800人以上が応募し、倍率600倍と狭き門となり、全国的な話題となりました。また、2020年度も岡山市や渋川市など、複数の自治体が試験開催を決めています。 今や氷河期世代の採用試験は対象世代への支援の一部と化しており、今後も継続的に続くと見られますが、県としても前向きに検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いするとともに、本県の市町村の状況についてお伺いいたします。 また、採用に当たっては、多くの自治体が年齢制限を30代半ばから40代半ばとしていますが、国は就職氷河期世代を1993年頃から10年強程度とし、大卒であれば50歳となることから、年齢制限もそれに合わせる必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。 就職氷河期世代にはもう一つの固まりがあります。2008年のリーマンショックをきっかけに再び景気が悪化し、2010年頃には再び就職氷河期を迎えており、2010年から2014年に就職時期を迎えた世代を新就職氷河期世代とし、10年後に同じような波が来るとも言われています。 先ほどの質問でも言ったとおり、年齢が上がれば上がるほど正規雇用は狭き門となります。新就職氷河期世代への支援対策も必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、教育関連について質問いたします。 教職員の長時間労働について9月定例会でも質問いたしました。教職員の多忙化解消に向けた取組の成果については、「時間外勤務を行っている教職員の割合は、学校種別、学校規模、地域事業等により違いはあるが、部活動の休養日の設定などにより、全体としては改善の傾向にあり、一定の成果があったと考えている。しかしながら、依然として長時間の時間外勤務を行っている教員がいることから、多忙化解消の取組を継続していく。部活動では一定の改善がある一方で、授業準備や生徒指導上の対応などがあることから、教職員一人一人の多忙感が軽減されないものと推測している」との答弁でありました。 今後も教職員の長時間労働及び多忙化の解消に向け努力をされるものと考えておりましたが、次年度予算案では、教職員の多忙化解消は重点政策事業となっているにもかかわらず、長時間労働の要因となっている部活動に対する部活動外部人材活用費、マイナス253万円、教職員の業務支援を行うスクール・サポート・スタッフの配置費、マイナス353万円といずれもマイナス予算となっております。 スクール・サポート・スタッフの配置については、1日当たりの労働時間の短縮や複数校勤務とし、配置校の数を増やすなど、サポートスタッフの不利益変更で人員、配置校は増えていますが、依然、大規模校のみの配置計画となっています。 今回の予算については、教職員の長時間労働・多忙化解消について逆行するものと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、教職員の事務作業は昼食休憩時に集中するなど、休息時間を確保しづらいのは大規模校だけではなく、小規模校でも同様なことから、学校規模にかかわらずスクール・サポート・スタッフを配置し、昼食休憩の確保を行うとともに、生徒一人一人と向き合える時間を確保することが必要と考えますが、所見を伺うとともに、今後の取組方針をお伺いいたします。 将来的に全ての学校にスクール・サポート・スタッフを配置することが望ましいと考えますが、現状の予算内での配置は不可能であります。となれば、長時間勤務の要因となっている部活動や事務作業の簡素化、削減を行う必要があり、昨年の9月定例会でも県教育委員会がリーダーシップを発揮し、具体的な業務削減を示すべきと質問いたしました。 答弁では、「現在、県教育委員会が策定中の県立学校における教員の勤務時間の上限に関する方針の中で、学校閉庁日や完全定時退校日の設定及び部活動時間の見直しなど、主要な取組を示した上で、各市町村教育委員会がそれぞれの実態を踏まえた方針を策定するよう働きかける」との答弁でありました。 次年度は、長時間勤務削減をさらに進めるため、各市町村教育委員会の取組進捗状況を確認し、取組が遅れている市町村教育委員会への支援など実効性を持たせることが重要と考えますが、所見をお伺いいたします。 教職員が産休・育休、病欠などの欠員時に臨時教職員を採用し、配置を行っていますが、生徒、保護者からすれば正規・臨時を問わず同じ先生であり、求められるレベルは同じものと考えます。学校現場では、臨時教職員が正規教職員の仕事をそのまま行っているケースもあるとのことであります。 まず初めに、臨時教職員が正規教職員の仕事と同じ仕事を行っているとの認識はあるのか、お伺いします。 また、同じ仕事を行っているのであれば、それに対しどのように処遇をすべきと考えているのか、お伺いをいたします。 本年4月1日から働き方改革関連法の施行に当たり、同一労働同一賃金のルールの明確化が求められます。同一労働同一賃金とは、職務内容が同じであれば、同じ額の賃金を従業員に支払い、違いがある場合にはその違いに応じた賃金の支給となる制度で、現状は臨時教職員は正規教職員と同じ、または同様な仕事をしているにもかかわらず、臨時教職員の処遇、待遇は正規教職員と比べ大きく下回っています。 同じ仕事であれば同じ処遇、待遇を、また処遇、待遇が違うのであればその違いに応じた職務内容・範囲を定める必要がありますが、県教育委員会は臨時教職員の職務内容・範囲についてどのように整理をされていかれるのか、お伺いをいたします。 昨年の9月定例会で、県内公立学校教職員の休職者の現状の認識と対応について質問させていただきました。「平成30年度に精神疾患による長期病休者等が増加し、全体の約半数を占めている現状は、学校が抱える課題が多様化、複雑化しているなども背景にあると考えるが、業務内容や対人関係のほか、本人の家庭問題等、様々な要因が重なり合って精神的な不調を来すことが多い。県教育委員会としては、不調の未然防止から職場復帰支援までの各段階に応じた対策を精神科医等の支援を得ながら実施しているところであり、長期病休者等の今後の推移も注視しながら、引き続きこれらの取組を進め、教職員の心の健康の保持増進に努める」との答弁でありました。 次年度では、全ての市町村でストレスチェックが実施されます。今後は、ストレスチェックのデータを活用し、本人へのフィードバックやフォローはもとより、業務に起因する原因の改善対策や地域特性の分析及びその対策などが必要と考えますが、所見をお伺いするとともに、不調の未然防止対策をどのように行っていくのか、所見をお伺いします。 この質問の前提として、労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められております。 在籍出向の場合は、出向元である県も従業員である教職員との労働契約関係が存続している以上、出向先である市町村と同様に同義務を負うものであります。 さらに、人事権は県教育委員会が持っていること、人件費の3分の2は県費の支出であることからも、県の出向者である教職員に対する安全配慮義務は極めて大きく、よって出向者のメンタルヘルス対策は出向先の市町村の所管だからといって任せきりにしてはならず、より積極的に取り組まなければならないことを申し上げ、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小島晋議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、新潟県総合計画で設定した中間目標の達成に向けた予算編成についてでありますが、新潟県総合計画においては、127の成果指標を設定しており、毎年度、目標達成に向けた状況を把握・分析し、施策・事業の見直し等につなげております。 指標の多くがアウトカム指標であることから、県の事業の寄与度の問題もあるものの、それぞれの指標が目標を達成できるよう、厳しい財政状況の中、選択と集中を徹底するとともに、国庫補助金等の活用や、企業・団体や市町村との連携強化などによる効率的・効果的な事業への見直しを行いながら、予算編成に努めたところであります。 次に、これまでの人口減少対策に対する所見と、国への東京一極集中の是正等に向けた要請についてでありますが、人口減少は本県にとって極めて深刻な課題であり、一方で特効薬のない構造的な問題でもあると認識しており、県政のあらゆる分野での政策を総動員してその対策に取り組んでいるものの、歯止めがかからない状況が続き、危機感を持って重く受け止めております。 また、議員御指摘のとおり、人口減少は多くの地方自治体に共通する国家的課題であると認識しており、国でなくては手を打てない課題や地方創生関連施策の充実については、引き続き、全国知事会とも連携しながら、国に対して迅速かつ実効性ある対応を要請してまいりたいと考えております。 なお、次年度における人口減少対策については、県民生活・環境部長から答弁いたします。 次に、防災対策についてお答えします。 まず、高齢者に対する災害情報等の伝達についてでありますが、県といたしましては、住民の皆様に災害情報等が確実に伝達されるよう、市町村に対し、複数の伝達手段による情報提供を行う体制を整えるよう働きかけてまいりました。 特に、直接的な声かけなども効果的であることから、新年度においては、地域で避難行動の核となる防災リーダーの育成支援に、これまで以上に取り組んでまいります。 次に、マンションの空き家対策についてでありますが、高度経済成長期に建築されたマンションについては、管理組合等による適切な管理の実施が空き家の抑制につながることから、県では相談窓口を開設し、関係機関と連携して管理組合等からの相談に応じているところです。 また、今後の取組につきましては、現在、国において、マンションの建替え等の円滑化に関する法律等の改正を進めていることから、まずはその動向を注視してまいります。 なお、県内の特定空家等の現状については、土木部長から答弁いたします。 次に、就職氷河期世代支援プログラムの取組についてお答えします。 まず、これまでの取組の成果と課題についてでありますが、県では、これまでも、就職氷河期世代を含め、やむを得ず非正規雇用に就いている方々に対する正規雇用への就業支援を進めてまいりましたが、本県では非正規雇用者が増加傾向にあり、なお現状で支援が必要な方が就職氷河期世代で1万人との推計結果を踏まえれば、より一層の取組が必要と考えております。 これまでの取組は、必ずしも就職氷河期世代を直接的な対象とした支援ではなかったことから、就職氷河期世代の方々が抱える様々な悩み、ニーズ、配慮すべき事情に十分に対応し切れていなかったことが課題であると考えております。 次に、今後の本県における就職氷河期世代支援の取組と目標についてでありますが、県といたしましては、国が策定した就職氷河期世代支援に関する行動計画に基づき、新潟労働局と連携して、新年度早期に、就職氷河期世代の支援のためのプラットフォームを立ち上げ、福祉分野も含めて、国の支援策や市町村の施策と一体となって、支援の充実に向け取り組んでまいります。 また、本県における目標については、国の目標設定の考え方や推計結果も踏まえながら、今後、プラットフォームにおいて、構成機関と議論・検討の上、設定されるものと考えております。 次に、職業訓練受講中の支援策についてでありますが、職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない方に対して、職業訓練の受講を容易にし、受講期間中の生活を支援するものであり、雇用保険受給者への生活保障を行う失業等給付とのバランスや標準生計費などを勘案して支給要件や給付額が定められております。給付金では十分でない場合には、世帯の状況等に応じ、融資制度による支援がなされることになっています。 こうした制度設計の趣旨等を踏まえますと、現時点において、国に支給要件の緩和等を求める状況にはないと考えております。 県といたしましては、ハローワークと連携して一層の周知を図り、支援を希望される方が安心して職業訓練を受講し、確実に就職に結びつけられるよう努めてまいります。 次に、就職氷河期世代を対象とした採用についてでありますが、いわゆる就職氷河期世代の方に対する支援については、社会全体の重要な課題となっており、先般、国の行動計画において、地方公務員についても中途採用を促進するという方針が示されたところです。 このため、県といたしましても、就職氷河期世代を対象とした採用を行いたいと考えており、現在、試験の実施に向けて検討を進めているところです。 また、具体的な年齢要件につきましては、総務省から示されている年齢要件の考え方も踏まえ、適切に設定したいと考えております。 なお、市町村の状況につきましては、総務管理部長から答弁いたします。 次に、新就職氷河期世代への支援についてでありますが、不安定な就労状態にある方や長期にわたり無業の状態にある方に対する就業支援は、どの世代においても必要であると考えており、新潟労働局との連携の下、就職氷河期世代を対象とした支援のノウハウも活用しながら、支援の充実に向けて取り組んでまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 県内市町村における就職氷河期世代の採用の取組状況についてでありますが、今年度においては、就職氷河期世代のみを対象とした採用試験の実施はないものの、20団体が、いずれかの職種の採用試験において、就職氷河期世代に対象を広げているところであります。 県としましては、引き続き、市町村人事担当者へのヒアリング等の機会を捉えて、就職氷河期世代を対象とした採用試験の新規実施や、従来の採用試験における上限年齢の引上げについて助言してまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 次年度における人口減少対策についてでありますが、本県は進学・就職を契機とした若者の転出が社会減の大きな要因となっており、特に男性よりも女性の転出者数が多いことから、新年度は、若者、特に女性の県内定着やU・Iターン促進を重点テーマとして取り組みます。 具体的には、若者に選ばれる魅力のある良質な働く場を確保するため、IT関連産業の誘致や活性化を図り、市町村や産業界、県内大学等と連携して県内就職を促進するほか、県内にU・Iターンしてきた女性の視点から新潟暮らしの魅力を掘り起こし、首都圏に発信します。 あわせて、結婚を希望する方のマッチングの充実や、市町村との連携による大学生等に向けたライフデザインセミナーの開催など、晩婚化の抑制と婚姻率の向上に資する取組を強化するほか、社会全体で子育てを支える機運が高まる体制づくりの推進に加え、仕事と子育ての両立に積極的な企業に対する支援の拡充やワーク・ライフ・バランスの推進など、労働環境の改善に向けた施策を進めてまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 4点についてお答えいたします。 防災ナビの現状の取組と認識等についてでありますが、昨年7月の運用開始以降、県のホームページで周知するとともに、メディアを通じた広報、公共交通機関や大規模商業施設などにおけるポスター・チラシの掲示、イベント会場におけるデモンストレーション、高速道路サービスエリアでのチラシ配布などの広報活動を行っております。 防災ナビのダウンロード数は、今年1月末現在で約1万3,000件となっております。国の報告書によりますと、自治体等が作成した防災アプリの約8割が5,000件以下のダウンロード数であることから、運用して7か月の段階では、県民の皆様に一定の浸透が見られると感じておりますが、今後とも、市町村や関係機関とも連携し、様々な機会を通じて広報活動等を行ってまいります。 次に、防災ナビの普及啓発についてでありますが、昨年9月、県内全ての消防本部及び市町村宛てに周知依頼をするとともに、消防職員・消防団員に対し、様々な会議等の機会を通じ、周知を図ってきたところです。 防災ナビは、どなたでも使いやすいアプリを目指して開発したものであり、消防職員・消防団員や防災リーダーなど、地元住民に身近な様々な防災関係者を通じて、住民の皆様に周知を図り、利用者数の増加につなげてまいりたいと考えております。 次に、防災ナビを活用した避難訓練についてでありますが、防災ナビは洪水・土砂災害・津波などのハザード情報や避難所情報を提供しており、これらを活用した避難訓練は可能と考えております。 防災ナビの運用を開始して間もないため、今後、避難訓練での活用など、様々な場面での活用方法について、市町村と連携しながら、周知に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、防災ナビでのスマートフォン充電可能箇所の表示についてでありますが、防災ナビは、ふだんから災害リスクや避難所の位置を確認いただき、災害発生時において、自らの命を守るため、迅速に安全な場所に避難していただくことを主な目的として開発したものであります。 議員御指摘の充電可能箇所は、避難時において重要な情報ではありますが、情報過多による操作性の低下などの課題も考えられることから、防災ナビとどのように関連づけられるか、検討してまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 県内の特定空家等の現状についてでありますが、特定空家等の認定は市町村が行っており、令和元年10月1日時点において、認定を行っている市町村は16市町村、認定された特定空家等の合計は751戸となっております。 なお、特定空家等として認定されているマンションはありません。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 6点についてお答えいたします。 教職員の長時間労働・多忙化解消についてでありますが、部活動における外部人材の活用については、単独での指導、引率が可能で、より軽減効果が高い部活動指導員を、市町村の意向に沿った配置とすることで、教員の負担軽減を図ることとしております。また、スクール・サポート・スタッフについては、効率・効果的な活用となるよう勤務条件を見直し、配置校を拡充するとともに、市町村の意向により中学校との兼務を可能としたところです。 県教育委員会といたしましては、厳しい財政状況であっても、教職員の多忙化解消は喫緊の課題と認識しており、市町村教育委員会と連携を図りながら、できる限り教職員の負担軽減に努めてまいります。 次に、スクール・サポート・スタッフの配置についてでありますが、事業を開始した平成30年度から、地域バランスを考慮した上で、時間外勤務の多い小学校の大規模校を優先して配置してきておりますが、令和2年度につきましては、より多くの学校で活用する観点から、市町村教育委員会からの要望も踏まえ、小学校41校に配置を拡充するとともに、中学校との兼務も可能としたところです。 今後とも、配置の効果を分析した上で、学校規模や配置校種など、配置基準を検討してまいります。 次に、市町村教育委員会における教員の勤務時間の上限方針策定についてでありますが、県教育委員会といたしましては、今年1月に各市町村教育委員会に対し、県立学校の勤務時間の上限に関する方針を説明するとともに、働き方改革の先進事例集を作成し、提供したところであります。 今後は、各市町村教育委員会の業務削減の取組や方針策定の進捗状況等について把握するとともに、引き続き業務削減などの事例を情報提供することにより、市町村教育委員会の主体的な取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、臨時教職員の職務と処遇についてでありますが、県教育委員会といたしましては、教員採用検査に合格した正規教職員と臨時教職員とでは、職務内容による責任の軽重は当然異なるものと考えております。 臨時教職員が正規教職員の代替として学級担任を行っているケースもありますが、担任以外の業務については、発令が必要な学年主任などの業務量が多く、責任の重い職務は正規教職員が担っており、臨時教職員が正規教職員と同じ仕事を行っているものとは考えておりません。 加えて、人事配置により転居や遠距離通勤を求められる正規教職員と、採用時に自ら勤務地を選択できる臨時教職員とでは、処遇に一定の違いがあることはやむを得ないものと考えております。 次に、臨時教職員の職務内容についてでありますが、公務員の給与等の処遇は、職務内容と責任に応じて決まることが基本と考えております。 先ほどもお答えしましたとおり、正規教職員と臨時教職員とでは、校務分掌の内容と職務の責任の軽重、採用形態等に違いがあるため、処遇もおのずと異なるものと考えております。 次に、教職員の精神疾患対策についてでありますが、ストレスチェックにつきましては、教職員のセルフケアや面接指導に加え、集団分析を踏まえた職場環境改善などにつなげることが重要であり、引き続き、県立学校及び市町村教育委員会への支援に努めてまいります。なお、集団分析は、学校ごとや校種、職種単位で行っておりますが、今後、地域特性による分析についても研究してまいります。 県教育委員会といたしましては、今後も、ストレスチェックに加え、市町村の教職員も加入する公立学校共済組合と連携して、本人や管理職に対するセルフケアやラインケアに関する研修や情報提供などにより、教職員のメンタル不調の未然防止に取り組んでまいります。 ○議長(岩村良一君) 小島晋君の質問は終わりました。 次に、小泉勝君の発言を許します。小泉勝君。   〔小泉勝君登壇〕(拍手) ◆小泉勝君 リベラル新潟の小泉勝です。通告に従い、順次質問をいたします。 花角知事の所信表明による住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりを前に進める取組に沿ってお伺いいたします。 まず、第1点目は防災・減災についてであります。 令和元年6月18日22時22分、山形県沖を震源とする地震が発生しました。最大震度6強を記録し、夜間の地震発生により被害の状況が分からない中、現地の安否が気遣われました。初めに、この地震で得られた教訓と、その教訓を踏まえた新年度の取組について伺います。 その後の被災地支援として、村上市が被災した住宅の屋根瓦等の修繕に補助する村上市災害住宅リフォーム事業に対し、新潟県と国が費用の一部を補助したと認識しています。一部損壊以上の被害を受けた644棟に対し、この補助事業の交付件数は108件にとどまり、想定ほど伸びていないように聞いています。また、被災者の方からは自己負担も多く、使い勝手がよくないとの声を伺いました。この村上市の補助事業について、県の評価をお聞かせください。 昨年12月の定例会において、被災者生活再建支援法の改正を求める意見書が議員発議され、残念ながら賛成少数で否決をされました。 その後、共同通信社が全国の自治体に対し行ったアンケートでは、被災者生活再建支援法に基づき、自然災害で住宅が被害を受けた世帯に最大300万円を支給する制度をめぐり、全国の市町村の44%が拡充を求めているとされています。本県でも、新潟県と県内自治体の半数以上の16市町村が被災者生活再建支援制度の拡充を求めたとありました。 同じ災害で被災者生活再建支援制度が適用される市町村と適用されない市町村との間で不公平感が生じないようにと、県として独自に被災者生活再建支援制度を運用し、その不公平感を解消していただいていることは大変ありがたく思っております。 一方で、昨年の地震では、村上市は一部損壊が多く、県や国の被災者生活再建支援制度の適用対象外とされました。このアンケート結果での県内市町村の意見をどのように受け止めているのか伺うとともに、県はどのように拡充すべきと考え、国の働きかけなど、今度どのように取り組んでいくのか伺います。 異常な豪雨災害や特別警報級の台風、豪雪、さらには地震など、気候変動により自然災害が激甚化・頻発化しており、国は防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を閣議決定し、取り組んでいるところであります。 花角知事は、県政の様々な課題の中でも防災・減災対策を一丁目一番地と位置づけ、国と歩調を合わせて力を入れられております。 有識者による防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議からの県への提言では、ハード・ソフトの総合力で災害に強い新潟県を目指すとし、被害の影響度に着目した効果的・効率的な河川改修や土砂災害対策のハード整備に取り組む必要があるとされています。 極めて厳しい財政状況の中、限られた財源で提言されたような効果的・効率的な防災・減災のハード整備を進めるためには、整備の過程で多くの県民の納得を得る上でも、危険区域または影響度や緊急度といったハード整備箇所の具体的な優先順位を決める明確な基準が必要と考えますが、所見を伺います。 2019年10月12日、台風第19号の接近により、新潟県内では初めて大雨特別警報が発表されました。特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表し、気象庁では特別警報が発表されたら、直ちに命を守るための最善の行動と最大級の警戒をするなど、適切な行動を取るようにとしています。 この昨年10月の本県での特別警報の発表が住民の避難にどの程度つながったのか、その効果についての認識を伺うとともに、今後の特別警報発表時の住民の避難行動にどのような改善点があると考えているのか、お聞かせください。 県内各地でも地域防災リーダーの育成が進められておりますが、災害から命を守るために、事前に確実な避難行動を起こすためにも非常に重要であります。 さらに、自分は大丈夫だと思ってしまう正常性バイアスが働き、逃げない人をどう逃がすのかといった課題が指摘されており、避難インフルエンサーと呼ばれる災害発生時に避難行動のリーダーとなる者の必要性が説かれています。 実際、私の身近なところでも、不慣れな土地でハザードマップなど見たこともない、自分の住む地域がどんなところなのか理解不足の中で、離れて住む家族からの電話連絡により避難したというケースがありました。 県は、新年度において、新たに防災リーダーに対して指導・助言を行う防災シニアリーダーを育成するとともに、市町村の防災リーダー育成の取組を支援することとしていますが、いつ発生するか分からない災害に備え、県民の生命や財産を守るために、どのような工夫により、災害発生時に住民の避難行動につながる実効性ある取組としていくのか、お聞かせください。 昨年11月8日から9日にかけて、新潟県地域防災計画原子力災害対策編や新潟県原子力災害広域避難計画の策定を踏まえて、新潟県原子力防災訓練が実施されました。この訓練の実施によって明らかとなった課題はどのようなものか伺います。 また、原子力災害発生時にその課題を克服して住民の円滑な避難につなげるため、昨年の訓練での課題を踏まえて想定している新年度の原子力防災訓練の方針について伺います。 その原子力防災訓練の中では、地域住民が参加をした住民避難訓練も実施されました。県は、新潟県原子力災害広域避難計画において、原子力災害発生時に即時避難区域から避難先候補市町村へ避難する主な利用道路を示していますが、安全にスムーズに避難ができるとは思えない箇所もあるように感じており、避難命令が発令されたときに対象地域の住民の避難が確実に可能であるのか懸念しています。 できるだけスムーズに避難ができるための道路を確保する必要があると考えますが、新たに避難のための道路を整備する必要はないのか、所見を伺います。 小泉進次郎原子力防災担当大臣がUPZ圏内、原発の30キロ圏内での安定ヨウ素剤の事前配布を本県など関係自治体に求めたと発言し、それをめぐる知事の見解が報道されました。知事は、趣旨がよく分からないので、関係先に確認しているとした上で、現場の事務負担の重さについても言及しておられました。 また、柏崎市長におかれましても、5キロ圏に配るだけでも本当に大変だと切実に述べており、UPZ圏内での事前配付の費用負担、事務負担に関して、現状の5キロ圏と同様に絶対に国が負担すべきであることを関係自治体と連携して国へ強く求めるとともに、そもそもそのような危険な状況が必要となる可能性が1%でもあるのであれば、原発そのものを動かすべきではないし、廃炉にすべきであると言及しています。 安定ヨウ素剤の事前配布に関する大臣の発言についての確認の結果と、県の今後の対応について伺います。 内閣府、防災推進協議会、防災推進国民会議が主催する「ぼうさいこくたい(防災推進国民大会)」は、国内最大級の総合防災のイベントとして2016年より毎年実施され、昨年の名古屋での開催では2日間で1万5,000人の参加者を集めたといい、第5回となる本年は広島県で開催されると伺っています。 県民の意識や関心を、イベントを通して防災へ向けると同時に、産官学民が連携をした共助の枠組みが地域全体で防災意識を高めていくことにつながります。さらに、本イベントはそれだけにとどまらず、防災関連商品等の販路開拓や新製品開発など、ビジネスの機会創出の効果も大きいと考えます。 今週19日水曜日から本日までの3日間、アオーレ長岡を会場にNICOフォーラム2020が開催されており、防災×ライフ研究会の商品や事業PR展示のコーナーも拝見させていただきました。私が伺った時間帯がよくなかったのか、残念ながら人影がまばらでありましたが、こうした新潟発の防災ビジネスを広く県外へ向けて発信していただきたいと願うところであります。 県は、新年度から、新たに防災産業クラスターの形成に取り組むとされていますが、その取組の一環として、「ぼうさいこくたい」の本県への誘致を進めるべきと考えますが、所見を伺います。 第2点目は、教育についてであります。 台風第19号でも全国で多くの災害ボランティアの人たちの活躍が目に留まりました。県内からもチームにいがた、チーム中越などといった活動と、個人としても多くの県民がボランティア活動に行かれる姿を見聞きし、激甚災害で被災し、全国の皆様から多くの御支援をいただいた新潟県としても頼もしく感じました。 その中で、高校生の災害ボランティアについて考えてみました。郷土愛を育み、困ったときはお互いさまの精神で、高校生に多くを学んでいただける機会だと捉えます。 元衆議院議員であります故長島忠美先生が会長を務められていた、全国災害ボランティア議員連盟のメンバーからの話では、平成16年7月の福井県での豪雨の際には、2万人近い高校生が災害ボランティアとして活動し、初めは渋々被災現場に向かった高校生も、被災地で活動して顔つきが変わり、学校での1年より災害ボランティア活動現場での1日のほうが勉強になると頼もしい言葉を残してくれ、被災地での活動が貴重な社会体験となったと伺いました。 防災教育の観点から、県立高校において災害ボランティアを推進すべきと考えますが、所見を伺います。 2019年度採用の本県小学校教諭の採用選考では出願者が少なく、倍率が1.2倍と全国最低レベルの水準にあったものが、2020年度採用選考においては志願者数も増え、改善されたと聞いております。改善に向けてどのような取組をされ、実際に改善した要因をどのように分析しているのか、また今後、小学校教諭への優秀な人材の確保に向けた方針について伺います。 小学校の現場から育休や産休、病休で欠員が生じると、教員免許のある講師の人を補充するところが、その補充員としての講師が不足しているという現状を伺いました。補充されない負担は、ただでさえ多忙な現場のほかの教員にかかり、児童にしっかりと向き合う時間が少なくなってしまいます。県として先の見通しを持って補充員をしっかりと確保することで、現場にも余裕ができるのではないでしょうか。 2020年度採用選考において、志願者が増えたことで講師が確保されるのか、また2022年には定年延長が始まる影響も含め、講師確保の見通しをお聞かせください。 見附市のある中学校において、実践的な起業体験学習を実施しています。通常であれば採算度外視で、いわゆるお店屋さんごっこ的な体験となりそうなところではありますが、彼らは3年生を6つの会社に分け、会社設立に向けて事業計画、投資家向けのプレゼン、資金集め、株主総会から仕入れ、製造、販売まで自分たちで考え、行動しました。その結果、売る側も本気で売り込んできますので、その熱が投資家や消費者にも伝わり、売上げは上々であったようであります。 本県の開業率が全国最低水準にある中、この中学校のように具体性のある取組を県内の他の中学校に波及させるなど、起業家教育の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。 世界全体の流れとして、第5世代の移動通信システム、5Gへの時代が間もなく到来します。5Gの特徴としては、現行の4Gの最大100倍となる超高速大容量通信ができることであり、4Gで5分程度かかった映画のダウンロードが5Gなら3秒で済んだり、通信による時間のずれが0.001秒しかなかったり、あるいは100万台の機器に同時に接続できたりするものであります。 5Gは遠隔診療や車の自動運転などを実現し、日々の生活や産業に大きな変化をもたらすと言われており、経済効果としても、IHSマークイットの試算では、5Gで実現する様々なサービスや製品の売上高は、2035年までに最大で1,300兆円に上り、経済への影響も非常に大きいと言われています。 このような世界経済の流れを受けて、当県においても5Gに対応できるIT人材の育成は急務であります。IT人材の育成では、諸外国と比べ日本のプログラミング教育は後れています。そうした中、小学校でのプログラミング教育が本年4月に全面実施されますが、県教育委員会ではどのように教師の指導に取り組んでこられたのか伺います。 また、本県の産業界でもプログラミングの実務者不足が叫ばれており、新年度においてIT産業の重点的な支援に取り組むこととした県として、中長期的な視点で他県より優れたプログラミング教育に取り組んでいただきたいと考えますが、所見を伺います。 生徒数の減少により部活動の種類が少なくなっており、希望する部活動を実施している中学校へ生徒と保護者が住所を異動して就学している事例があります。 また、自治体により就学指定校以外の学校に就学することを認める基準が違い、就学指定校に希望する部活動がない場合に、部活動を理由とした学区外就学許可の自治体の対応が異なっています。 制度が統一されていない現状を受けて、越境入学の制度やルールを統一すべきではないでしょうか。県教育委員会として、このような部活動に起因する学区外への就学をどのように認識しているのか伺います。 就学先の中学校に希望する部活動がない場合に、就学先は変更せずに、あくまで部活動の時間だけ拠点校の部活動に参加することができるという拠点校部活動の制度も最近では聞かれます。 しかしながら、拠点校部活動では、公式戦に出場する際には拠点校以外から参加する生徒の出場が制限されているなど、弊害も起きているようです。団体種目のいわゆる合同チームでも、新潟県中学校体育連盟のルールにより、例えば野球ではそれぞれの学校の部員が9人を下回った場合にしか編成できない、すなわち公式戦への出場が制限されているといった弊害も聞かれます。 生徒が努力した成果を発揮できる場として、公式戦への参加ができるようにすることが大切であり、さらに言えば、近隣の中学校が全種目の部活動を維持しようとすると共倒れになり、しまいには全ての部活動が消滅してしまいます。 それよりも拠点校の部活動に近隣から参加することで、部活動の維持ができると同時に、部活動の総数が減少することで教員の負担軽減にもつながると考えます。 学校や地域によっては部活動そのものが存続の危機であり、スポーツ庁が発行している運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインにも、運動部活動の在り方に関しては、抜本的な改革に取り組む必要があるとの方針が示されています。 拠点校部活動制度の導入の検討と、新潟県中学校体育連盟に合同チームの公式戦への参加要件の緩和を働きかけることが必要と考えますが、所見を伺います。 第3点目は、障害者福祉についてであります。 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が平成28年4月から施行されています。障害を理由とする差別を禁止する法律でありますが、残念ながらその施行の効果は極めて不十分であります。 最大の課題は、差別や理不尽な扱いを受けた障害のある人が訴え出る窓口が不明確なことと、訴えた後の対応が明確にされていないことであり、そのため、訴えを受けた窓口の方の個人的な判断に対応が委ねられてしまうこと、つまり差別を受けたと訴え出てきた場合の対応の手続、手順が決められていないことであります。 事実、障害者差別解消法ができて以降の差別相談のほとんどは新潟市のケースであります。県内の市町村での条例制定は新潟市のみであり、新潟市では障害のある方が差別的取扱いを受けても泣き寝入りしなくていい体制整備が整えられているわけであります。 しかしながら、人口80万人の政令指定都市と366人の粟島浦村から18万人の上越市まで、29市町村それぞれが条例をつくるには時間も労力もかかります。 私は、県が条例をつくり、障害のある方が県内のどこで暮らしていても、差別や偏見で泣き寝入りしなくていい県にしていきたいと思います。 県が条例を制定し、県内における差別解消を推進すべきと考えますが、所見を伺います。 障害者が地域において自立した生活を送れるように、地域生活支援サービスを進めていますが、障害の度合いにより地域で自立した生活を送れない人もいます。一定程度の施設サービス、施設入所が必要なことは言うまでもなく、グループホームなど地域生活支援サービスも徐々に整備されてきてはいるものの、残念ながら現状において、障害者支援施設においても入所を断られたりするケースがあると聞いており、十分な体制にあるとは言えません。 県は、広域自治体として、個々の市町村では整備が困難な圏域での受皿確保のため、障害者支援施設の整備など、地域におけるセーフティーネットを構築する役割が求められると考えますが、所見を伺います。 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、いわゆる読書バリアフリー法が可決、成立し、昨年6月に施行されました。これにより、国だけでなく、自治体においても視覚障害者等の読書環境の整備が加速されることが期待されます。 かつての新潟県点字図書館が、新潟県視覚障害者情報センターへと施設の名称を変更し、社会福祉法人新潟県視覚障害者福祉協会が指定管理者として運営をされていると伺いました。そこでは、多くのボランティアに支えられながら活動をしています。 しかし、現在センターは生活支援に力を入れてきており、さらに点字を読める人が少なくなってきて、利用者が減少しているので、点訳や音訳の予算が削られていると聞きました。点訳のグループの人たちは、勉強会もできない状況だと、知事へその状況を訴えたとも聞いております。 新法施行に伴う視覚障害者情報センターの取組の方針について伺います。 成年後見人制度について伺います。 障害者福祉制度は、措置制度から契約制度へ大きな転換が行われました。措置制度では行政がサービスの利用先や内容などを決めていましたが、支援費制度では障害のある方の自己決定に基づきサービスの利用ができるようになりました。措置から契約に替わったおかげで自ら望むサービス、施設を選ぶことができるようになったことは、障害者も高齢者も、どちらにとっても非常によかったと思います。 一方で、重度障害者や重度の認知症の方には契約能力がない、名前すらも書けない方がおられますが、そういう方たちに対して成年後見人がついていないことが多いのが実態であり、サービスの質を上げるにはよかったが、民法に照らし合わせるといわゆる無権代理の状態であり、万一の事故などが起きた際には大きな社会問題になりかねないと考えられます。こうした現状についての県の所見を伺います。 平成28年5月に、成年後見制度の利用の促進に関する法律が施行され、平成29年3月には成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定されました。その中では、市町村に対して、権利擁護支援の地域連携ネットワークや中核機関をつくりなさい、というのが初めて盛り込まれましたが、中核機関とは一体どういったことをやればいいのかと、市町村が非常に困惑していると聞きます。 これまでつくられた中核機関や地域連携ネットワークについても、市町村はそのノウハウを持っていないため、うまく運営できていません。本来はその中核機関というのが親族後見の相談に乗ったり、実際のコーディネートをしたりと実働する時代にならなければならないのに、それができていません。 どこの市町村も財政が厳しい中で、ノウハウも乏しく、非常に困っています。県や県社会福祉協議会が、市町村による整備の取組を支援していく必要があると考えますが、所見を伺います。 以上で一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小泉議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、山形県沖を震源とする地震で得られた教訓と、それを踏まえた新年度の取組についてでありますけれども、昨年8月に開催した同地震に係る市町村などとの振り返り会議において、迅速な避難所開設や、日本海側で発生する地震の特徴である津波到達時間が短い中での避難方法に関する課題が挙げられたところであります。 県では、先月12市町村について津波災害警戒区域を指定したところであり、津波の危険度に応じ住民が取るべき避難行動に関する普及啓発、確実な避難につなげるための避難訓練等の支援や、地域において避難行動の核となる地域防災リーダーの育成支援など、地域の防災力の向上に向けた取組を進めてまいります。 次に、被災者生活再建支援制度の拡充等についてでありますが、議員御指摘のアンケートにおいて、本県は半壊世帯への支援の拡充が必要と回答し、市町村でも様々な拡充を求める意見がある一方で、財政負担の増加を懸念するものや、自助による対策の必要性に言及するものもあり、災害発生時に現場で対応する市町村の率直な意見が反映されたものと受け止めております。 なお、支援対象の拡充範囲については、全国知事会において一部損壊世帯への拡大も含め議論した結果、現時点では半壊世帯までを国に求めることと整理されたところです。 今後も制度の見直しについて、全国知事会と連携しながら、国に要望してまいります。 次に、原子力防災訓練で明らかになった課題等についてでありますが、訓練に参加された関係者の方々から、今年度の訓練を踏まえ、降雪や雨天など悪天候時の対応、夜間発災時の対応、自家用車避難を想定した訓練の実施などの課題が挙げられております。 新年度の訓練につきましては、これらの課題等を踏まえ、今年度と同様な住民参加の総合的な実動訓練を行うことに加え、個別項目ごとの訓練も実施するなど、条件を変えて様々な想定で複数回の訓練を行いたいと考えております。 そうした訓練を繰り返し行うことによって、広域避難計画の実効性を高めるとともに、原子力災害発生時における対応力のさらなる向上を図ってまいります。 次に、避難のために道路を整備する必要性についてでありますが、万一の原発事故時に円滑に避難するための道路整備等は必要と考えており、そのための財政措置を国に要望しているところです。 次に、小泉原子力防災担当大臣の発言を受けた今後の対応等についてでありますが、このたびの小泉大臣の発言の趣旨を改めて国に確認したところ、UPZ内の住民に対する安定ヨウ素剤の事前配布は、避難の際に学校や公民館等の配布場所で受け取ることが困難で、事前配布によって避難等が一層円滑になると想定される地域の住民に限られるとのことであり、従来の考え方から大きく踏み出した内容ではないものと聞いております。 県といたしましては、UPZ内の全ての住民に対して、基本的に事前配布することが望ましいものと考えておりますが、このたびの要請においても、自治体に多大な事務負担が生じることに変わりがないことから、事務軽減につながる医師関与の見直しなどについて、関係道府県と連携して、引き続き国に対して強く要望してまいります。 次に、防災推進国民大会の誘致についてでありますが、防災推進国民大会は、平成28年から東京都のほか、宮城県、愛知県で開催されており、県民の防災意識の向上に加えて、本県の防災関連産業の活性化や取組を発信する場としても活用できるものと認識しております。 県といたしましては、まずは、新年度から取り組む産学官の交流の場を通じた防災関連商品や技術の開発促進を進め、防災産業における本県の強みを強化してまいります。 あわせて、こうした取組の効果的な発信を進める中で、この大会の誘致についても、関係者と協議してまいります。 次に、障害者福祉についてお答えします。 まず、障害者の差別の解消に向けた条例の制定についてでありますが、現在、内閣府の障害者政策委員会において、民間企業等にも障害者への合理的配慮を義務づけるなど、障害者差別解消法の見直しの検討を行っており、年度内に取りまとめる予定と聞いております。 県といたしましては、こうした法律の見直しの動向も注視しながら、今後、関係者や有識者の意見をお聞きして、条例制定の必要性について検討してまいりたいと考えております。 次に、障害者の支援体制についてでありますが、障害者福祉施策に関して、現在、国は、障害者の自立支援の観点から、入所等から地域生活への移行といった指針を示しております。 県においては、こうした指針も踏まえ、さらなる障害者支援施設の整備よりも、障害があっても地域で安心して暮らし続けられる体制づくりを重点的に進めているところです。 今後とも、市町村と連携し、グループホームや短期入所などの地域での生活を支えるサービスの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、成年後見制度の現状についてでありますが、成年後見制度は、平成12年度の導入以降、その利用は年々増加しているものの、議員御指摘のとおり、財産管理や身上監護を必要とする障害者や認知症の人に対して十分に利用されている状況にはないものと認識しており、後見制度を担う人材育成の強化等が必要であると考えております。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 2点についてお答えいたします。 大雨特別警報の効果についてでありますが、大雨特別警報の発表前に避難勧告等が発令されており、大雨特別警報そのものに限定した避難行動への効果を明確にすることは困難です。 大雨特別警報は、発表時には災害が既に発生している可能性が高く、直ちに命を守るための行動を取る状況であり、それ以前の避難勧告や避難指示の段階で安全な避難場所等に確実に避難していただくよう、一層の理解促進を図る必要があるものと考えております。 なお、現在、国においても防災気象情報の伝え方や避難に関する課題の検証が進められているところであり、県としてもその動向を注視してまいります。 次に、住民の避難行動につながる実効性ある取組についてでありますが、市町村との意見交換を通じ、地域の核となる防災リーダーを助言・支援する人材が必要との声があったことから、新年度、新たに防災シニアリーダーを養成することとし、併せて、優良な取組事例を市町村を越えて共有するため、広域的な意見交換会を実施することとしたものです。 これらを通じて得られた知見を基として、各地域での避難計画の作成や効果的な避難訓練の実施などを進めていただき、住民の適切な避難行動をはじめとした地域の防災力向上につなげていただきたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、いわゆる読書バリアフリー法の施行に伴う視覚障害者情報センターの取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、視覚障害者情報センターの活動は、点字図書や録音図書の作成等、多くのボランティアに支えられております。近年は、情報技術の進歩により、利用しやすい電子書籍等に対する貸出しニーズが増えており、指定管理者においても、ICT機器活用のための研修やボランティアの養成等、利用者のニーズの多様化に柔軟に対応しているところです。 今後とも、新法の基本理念に基づき、電子書籍等の充実を図るなど、視覚障害者等にとって利用しやすい書籍等の提供に努めてまいります。 次に、成年後見制度の体制整備に係る市町村への支援についてでありますが、県といたしましては、議員御指摘のとおり、新潟県社会福祉協議会と連携して、成年後見制度の利用促進に向けた市町村支援の取組を進めていくことが必要であると考えております。 このため、これまでも、弁護士等の専門職団体等との定期的な意見交換、専門職団体等とともに市町村を個別に訪問して行う課題の共有や対応方針の検討、市町村の体制整備の要となる中核機関の設置に向けた研修などを行っているところです。 今後も引き続き、市町村への助言や成年後見制度を担う人材育成等について、より一層取組を進めてまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点についてお答えいたします。 村上市被災住宅リフォーム事業に対する県の評価についてでありますが、本事業は、県と市で国に働きかけた結果、地震で損壊した住宅の屋根改修工事について、耐震性の向上を目的とした国事業を制度拡充して適用したものです。 制度運用後も外壁等の対象工事の追加や、補助率のかさ上げなど、ニーズを踏まえた見直しも行っており、県といたしましては、本事業により、被災住宅の耐震性、耐久性の向上も含め、被災者への支援に寄与したものと考えております。 次に、防災・減災のハード整備の優先順位についてでありますが、本県では、河川改修や土砂災害対策などのハード整備が必要な箇所が数多くある中で、過去の被害状況や被災原因、想定被害区域内の重要施設の有無や資産状況などに基づき、優先度を判断して整備を進めております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 7点についてお答えいたします。 県立高校における災害ボランティアの推進についてでありますが、災害ボランティア活動は、被災地の復旧・復興を支援するだけでなく、生徒の防災意識を高め、災害発生時の対応力を培うものであり、防災教育の観点から、意義あるものと考えております。 また、災害に限らず、ボランティア活動に参加することは、生徒の社会貢献意識を育む上で重要であり、引き続き、ボランティアの体験活動や講演会、活動実績を単位として認定する制度などを通じて、生徒のボランティア参加を後押ししてまいりたいと考えております。 次に、教員採用選考検査についてでありますが、小学校の採用倍率は、令和元年度採用は1.2倍でしたが、令和2年度は2.5倍と改善しております。その要因としましては、県内外の大学等に直接出向き、検査の内容・方法等について説明するとともに、新潟県の教育の魅力について、ガイダンスやホームページ等で積極的に情報提供を行ったことが挙げられます。また、採用選考検査においては、他県での教員経験者等の優遇措置を拡充したことに加え、第2次検査の実技検査の廃止等、受検者の負担軽減を図ったことも要因の一つと考えております。 今後も、優秀な人材の確保に向けて、検査内容の見直しや、受検しやすい環境の整備、新潟県の公立学校教員になりたいという夢や希望を抱くような情報発信に努めてまいります。 次に、講師の確保についてでありますが、産休や育休、私傷病休暇等への講師の補充は、市町村教育委員会と連携しながら、速やかに配置できるよう努めておりますが、一部の学校で年度途中の未配置の状況が生じています。今年度、増加した採用選考検査の志願者全員に対して講師登録の希望を確認するなど、新年度の講師確保に努めてまいります。 また、定年延長に伴い、今後、新規採用数の減少が見込まれることから、講師登録者数の減少につながらないよう、大学生等に教員の魅力を伝える取組の充実を図るとともに、退職者や教員免許保有者にも個別に働きかけてまいります。 次に、起業家教育の充実についてでありますが、キャリア教育の一環として実施される起業体験学習は、生徒が自分の将来を設計し、自立して生きる力を育むために有効であると考えております。 県教育委員会といたしましては、キャリア教育DVD起業家編を全小中学校に配付し、その活用を働きかけてきたところです。また、議員御指摘の見附市内の中学校を含め、県内の中学校では、会社を模した組織を立ち上げたり、地域企業等と連携して商品を開発し、販売したりするなど、起業体験に関わる学習活動が行われており、生徒の学習意欲の向上等に成果が現れております。 今後も、こうした優れた取組を教育支援システムやキャリア教育に関する研修会で紹介する等、起業家教育の充実に取り組んでまいります。 次に、プログラミング教育の取組についてでありますが、本年4月からの学習指導要領の全面実施に備え、教育課程研究会を開催し、論理的思考力を育成する指導の在り方について理解を深めるとともに、小学校プログラミング教育推進講座を実施し、コンピューターを使用する授業の充実に努めております。 また、今年度末には、具体的なプログラミング教育の授業例を示した指導書を全教員に配付することとしており、今後とも、実践例や補助教材等の共有、蓄積を進め、プログラミング教育の充実に取り組んでまいります。 次に、部活動を理由とした学区外就学の対応についてでありますが、学校教育法施行令により、就学すべき小中学校の指定は市町村教育委員会が行うこととなっており、中学校の通学区域は、市町村教育委員会の規則により定められております。学区外就学の許可については、市町村教育委員会によっては、各学校の部活動の設置状況等に応じて許可要件を定め、対応していると認識しております。 県教育委員会といたしましては、子供の可能性をより広げるためにも、各市町村教育委員会において、地域の状況や、子供や保護者の意向に応じた適切な対応が行われることを期待しております。 次に、拠点校部活動の導入及び合同チームの公式戦参加についてでありますが、拠点校部活動制度は、生徒のスポーツへの多様な興味・関心に応える有効な方策の一つであり、その導入に当たっては、それぞれの地域の実情に応じて、市町村教育委員会において、適切に判断されるものと考えております。 県教育委員会としましては、公共交通機関の利用が困難な地域が多い本県においては、生徒の拠点校への移動や引率者の確保に課題があると認識しております。 一方、合同チームの公式戦参加については、現在の参加規程では対象競技が限定されていることから、生徒の大会への出場機会の拡大に向け、要件の緩和について、県中学校体育連盟との調整を進めてまいります。 ○議長(岩村良一君) 小泉勝君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 議案調査のため、2月25日は本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明2月22日から2月24日までは休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 次会は、2月26日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時39分散会...