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09月30日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2019-09-30
    09月30日-一般質問-04号


    取得元: 新潟県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    令和 元年  9月定例会 本会議令和元年9月30日(月曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第176号議案から第183号議案まで第2 請願第5号第3 陳情第8号及び第9号第4 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件日程第1第176号議案 決算の認定について(平成30年度電気事業会計工業用水道事業会計工業用地造成事業会計)第177号議案 決算の認定について(平成30年度新潟東港臨海用地造成事業会計)第178号議案 決算の認定について(平成30年度病院事業会計)第179号議案 決算の認定について(平成30年度基幹病院事業会計)第180号議案 新潟県電気事業利益剰余金の処分について第181号議案 新潟県工業用水道事業利益剰余金の処分について第182号議案 新潟県工業用水道事業資本余剰金の処分について第183号議案 新潟県病院事業資本余剰金の処分にについて日程第2第5号 私学助成についての意見書提出に関する請願日程第3第8号 NGT48山口真帆さんの暴行事件に関する陳情第9号 下越地方の私立中学校教諭による生徒への人権侵害および体罰的指導と私立学校への補助金見直しを求めることに関する陳情日程第4 県政に対する一般質問(中村康司君、斎京四郎君、中川隆一君、小山大志君、河原井拓也君、市村浩二君)   ――――――――☆――――――――出席議員(53名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  星 野 伊佐夫 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君          佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君          飯 野  晋 君議員以外の出席者 知事            花角 英世 君 副知事           佐久間 豊 君 副知事           益田  浩 君 副知事           米澤 朋通 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        佐久間寛道 君 県民生活・環境部長     村山 雅彦 君 防災局長          熊倉  健 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働部長        橋本 一浩 君 観光局長          佐野 哲郎 君 農林水産部長        山田 治之 君 農地部長          緒方 和之 君 土木部長          中田 一男 君 交通政策局長        田中 昌直 君 会計管理者兼出納局長    本間由美子 君 病院局長          岡  俊幸 君 企業局長          桑原 勝史 君 教育長           稲荷 善之 君 人事委員会事務局長     関原  貢 君 警察本部長         花岡 和道 君 労働委員会事務局長     綱島 知子 君 監査委員事務局長      髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(岩村良一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第176号議案から第183号議案まで ○議長(岩村良一君) 日程第1、第176号議案から第183号議案までを一括して議題といたします。 ◆笠原義宗君 ただいま議題となりました第176号議案から第183号議案までは、審査のため企業会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託することを望みます。 ○議長(岩村良一君) 笠原義宗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第3条の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会の委員定数を24人といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ○議長(岩村良一君) 次に、企業会計決算審査特別委員会委員の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第4条第1項の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会委員を諸君のお手元に配付の名簿のとおり、指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、名簿のとおり指名いたします。   〔委員名簿は付録に掲載〕 ○議長(岩村良一君) 次に、企業会計決算審査特別委員会の正副委員長の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第6条第2項の規定により、議長は、  企業会計決算審査特別委員会の委員長に   横 尾 幸 秀 君  同副委員長に   池 田 千賀子 君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう指名いたします。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第5号 △日程第3 陳情第8号及び第9号 ○議長(岩村良一君) 日程第2、請願第5号並びに日程第3、陳情第8号及び第9号を一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第5号並びに陳情第8号及び第9号は、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(岩村良一君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村康司です。一般質問をいたします。 本県の県政について、喫緊の課題といえば、昨年年初までは人口減少問題と言われていました。花角知事が就任し、安心・安全で暮らせる新潟県づくりに取りかかろうとした途端に財政悪化が叫ばれるようになり、現在では大変大きな問題とされています。 そもそも、この財政悪化の要因を分析すると、金額の増減幅が歳出に比べて歳入のほうが大きく、課題は歳入の低下にあるととれます。そして、その中身は地方交付税の減額と、他県に比して伸びが鈍い県税収入ということにたどり着くのだと認識をしています。 私は、自分自身が企業経営者ということもあり、常に県内経済状況や財政、税収などに注目し、一般質問でもたびたびテーマにしてまいりました。県税収入は、県内企業の収益状況の結果です。企業収益を左右するのは、企業の努力はもちろんですが、より大きな要素はやはり景気、そして国の経済政策であると思います。県ができる経済対策には限界があるとは思いますが、大事なことは経営者マインドがネガティブにならないようにしなければならないということではないでしょうか。 後ほど内部留保について質問しますが、富の分配も大事とはいえ、より重要なのは富の創造です。本県での富の創造する活力を失わないようにしなければなりません。いい景気を県内に取り込み、人口減少にあっても活力を失わないという県経済が求められているのだと思います。それを念頭に、県経済や財政について質問をしてまいりたいと思います。 政府は、8月の月例経済報告における基調判断において、緩やかに回復しているとの表現を維持した一方で、今後の先行きについては、米中貿易摩擦の激化を受け、通商問題をめぐる緊張の増大が世界経済に与える影響に注意すると前月より警戒感を強めた表現に一部変更しました。 このような状況の中、県経済の状況についてどう捉えているか、知事の所見を伺います。 企業の内部留保について、これについてどう考えるかですが、企業側としてはリスクに備えて、現預金などで構成される内部留保を1円でも積み増ししたいという気持ちは当然です。危機に陥った際の資金繰りに対応できるのは現金です。企業が行き詰まるのは借金ではなく、資金繰りです。また、内部留保するには納税後になるわけで、納税義務を果たし、企業の責務、社会貢献も果たしているではないかという考えも成り立ちます。 これに対して、政府は、設備投資や賃金上昇に回し、消費拡大につながるよう強く希望しています。労働力不足の状況下、経営者としては賃金を上げるのは当然のことだと思いますし、設備投資もしたい。しかし、先の景気見通しが暗いと投資意欲も減退します。 この内部留保に対する考えは非常に難しく、経営判断の中でも最も重要なことの一つだと思います。ましてや、県財政が苦しいという連日のように報道されている中で、県内企業に内部留保を取り崩してでも積極的に投資しろといっても厳しく、しかし、そうであっては県内消費も上昇しないわけで、非常に悩ましい状況だと思います。 平成30年度における企業の内部留保は463兆円と7年連続で過去最大を更新しました。ふえ続ける内部留保に対し、政府などからは賃上げや設備投資に回すべきという声が根強いですが、知事はこの状況についてどのように受けとめているのか伺うとともに、県内企業に対して、内部留保から積極的に賃上げや設備投資に回すよう促す考えはあるのか伺います。 次に、県内企業の企業数につきまして、民間企業の調査によると、休廃業・解散した県内企業数は1,030件と2000年の調査開始以来最多となり、休廃業・解散率は全国2位の2.08%となりました。 県内企業数の減少を食いとめ、県経済の活力を維持・向上していくためには、事業承継の取り組みを推進するとともに、起業・創業の取り組みにより企業数をふやしていくことが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 本県を初め、人口減少には多くの自治体が悩まされています。我が国全体で減少している上、首都圏への一極集中という状況を見れば当然のことです。地方創生が叫ばれ、各地で努力しているものの、苦しんでいるのが現状ではないでしょうか。地方交付税の減額の要因で人口減少が大きく影響しているのであれば、各県とも財政運営に苦労することとなります。 人口減少などに伴う地方交付税の減少については、本県だけの課題ではないものと認識をしています。同じような課題を抱える他自治体における地方交付税の確保に向けた対応について伺うとともに、本県として今後どのように国に要望していくのか伺います。 また、人口減少・少子高齢化の進展により、社会保障関係経費が増加している状況ですが、多くの県立病院を抱える本県特有の事情も踏まえ、病院に対する交付税措置額の増額を強く要望していくべきだと考えますが、所見を伺います。 財政悪化の要因として、公債費に対する実負担の増加も大きな要素だと認識をしています。この公債費の実負担の増加要因として、国における地方交付税措置率の見直しや県における償還スケジュールの見直し等を挙げていますが、公債費の実負担額を減らすため、国に対し公債費に対する交付税措置率の拡充を求めるべきだと考えますが、所見を伺います。 今までも幾度となく取り上げられていますが、そもそも、この財政悪化の大きな理由に経済成長率が予想どおりでなかったとすれば、なぜそのような予想をしたのか、今回の財政悪化の説明の中で腑に落ちないのはその部分です。 このように、高い経済成長率を前提とした計画に基づいた財政運営をしてきたことが、このたびの財政危機を招いた一つの要因になったと認識していますが、改めて高い経済成長率で見込みを立てた理由を伺うとともに、これらの反省を踏まえ、今回の計画では、どのように経済成長率の見込みを立てたのか伺います。 今般の財政難の一連の報道で県民の皆様が最も驚いたのは、基金の枯渇ではないでしょうか。一般家庭でいうと貯金が底をつくという表現に衝撃が走ったことと思います。この危機をどう乗り越えるか、県民は不安を持ちながらも知事に大きな期待をしていると思います。 新潟県行財政改革行動計画案における中期財政収支見通しによると、特別な対策を講じない場合、令和4年度に財源対策的基金は枯渇するとのことでありますが、歳出歳入改革の目標の実現に向けた知事の決意を伺います。 また、基金につきまして、財源対策的基金の必要な規模としては、230億円程度が一つの目安だと認識していますが、県債管理基金公債費調整分については、大規模災害時に対応可能とするための目標額に係る試算では、令和3年度末に枯渇することとなっています。県債管理基金の適正規模をどのように考えるのか、所見を伺います。 続いて、公共投資についてお伺いをいたします。 新潟県行財政改革行動計画案では、投資的経費についても抑制することとしており、公共事業に対する風当たりが強くなるのではないかと懸念していますが、公共投資の削減が民間投資にも影響すると認識をしておりまして、安易に削減するべきではないと考えています。有利な財源を確保するなどの工夫をしながら、将来を見据えた必要な投資は行うべきと考えますが、まずその点について知事の所見を伺います。 県財政危機について、危惧されるのは、企業の設備投資から一般県民の買い物に至るまでの消費抑制マインドです。内部留保の質問でも申し上げたとおり、先行きが不安であればお金を使わなくなるのは当たり前のことですので、理解できなくもありませんが、必要以上の抑制は県経済の活力が失われてしまいます。 このように、県の財政危機が報道されることにより、企業の投資意欲や消費意欲に悪影響を及ぼすのではないかと懸念をしています。新潟県行財政改革行動計画案においては、単に事業費を削減するだけではなく、前向きな創意工夫にも取り組むとしていますが、県民の不安を解消するため、これらの部分について、より丁寧に説明していくことが必要だと考えますが、所見を伺います。 新潟労働局が発表した7月のパートを含む有効求人倍率は1.63倍と前月より0.04ポイント低下、正社員は1.28倍で前年同月比0.01ポイント下落したとのことですが、同労働局は今後も高水準で推移すると見ていると報道されました。また、業務効率化が進み、採用数を絞っている傾向もあるが、基調としては人手不足が続いているとしているように、労働力不足が顕著です。不足する労働力の中で生産量を確保するのに各企業は苦労しております。 歳入増に向け、県税収入増が必須です。県税収入の増加のためには、県内企業の収益拡大が必要ですが、労働力不足に起因した倒産やコスト増加などが悪影響を与えているのではないかと懸念をしています。県内企業における労働力不足解消のため、どのような支援が必要と考えているか、知事の所見を伺います。 富山市で開催された全国知事会で、過度の東京一極集中に対して議論がなされ、東京一極集中の是正という表現に対し小池東京都知事が反発する場面があり、富山県の石井知事が東京の過密化がもたらす弊害を指摘し、地方への人の流れが首都の利点にもなるととりなしたというふうに富山県の地方紙に掲載されておりました。 小池知事は、地方創生が東京一極集中を是正することのみを目的とすると受けとめられかねないということらしいですが、人口減少、財政難に悩んでいる本県の立場としては非常に残念に感じました。 人口のみならず、経済等を含めた東京一極集中の是正に関しては、東京と他自治体との地方間の対立構図に陥ることなく、東京も含め全体のバランスのとれた地方創生に向けて、他県と政策連携などにどのように取り組んでいくかが重要だと考えております。 このように、富山市で開催された全国知事会において、東京一極集中の是正のための企業の本社機能の地方移転について議論があり、その進捗に期待する一方で、政府が進めてきた消費者庁の徳島県への全面移転が見送られるなど、現状は非常に厳しいものがあると認識をしています。 県では昨年度、本社機能を県内へ移転する企業に対する県税優遇措置を拡充したところでありますが、本県への本社機能移転の現状と課題について、所見を伺います。 そしてまた、東京一極集中の是正及び地方の担い手不足対策のためには、U・Iターンの促進が必要だと認識していますが、他自治体でも同様の取り組みが行われていることから、差別化を図っていくことが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 この項目の最後の質問です。 地域振興局については、体制移行から10年以上が経過していることから、県において現状や課題について検証を進めているものだと認識しています。市町村を支える重要な役割を担っていることから、合理化・効率化だけの観点からの見直しは行われるべきではないと考えていますが、知事の所見を伺います。 次の項目です。Society5.0についてお伺いをいたします。 狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会といった人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、イノベーションを最大限活用して実現するという意味で名づけられたSociety5.0は、単に製造業の革新や生産性の向上にのみ焦点を当てるのではなく、ICTやIoTなどのデジタル革新による、社会のありようを変えて、社会が抱えるさまざまな課題を解決しようとする包括的なコンセプトです。 政府は、新しい時代への挑戦としてSociety5.0に向けた取り組みを加速していく方針を示し、また、地方創生・富山宣言では、最先端技術を活用し、地域の利便性や労働生産性を飛躍的に向上させ、豊かで暮らしやすい地方を実現することとしており、地方においてもSociety5.0実現に向けた取り組みが加速していくものと考えられます。 経済発展と社会的課題の解決を両立できると言われているこれらの取り組みについては、全国を上回る人口減少や財政危機に苦しむ本県こそ、全国に先駆けて取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、5Gについてですが、5Gについては超高速、多数同時接続、超低遅延などのほか、電波到達距離が短いなど、弱点も含めて特徴が少しずつわかってまいりました。IoTなどのスマート社会に向けて大いに期待が持てます。政府も5G整備計画を加速するとし、地方創生の実現に向け、みずからの地域課題を解決する具体的な取り組みを有する先駆的な地方公共団体を優先して支援するとしております。 このように、2020年から5Gの商用サービスが開始されるなど、新時代の到来を予感させられます。企業におけるローカル5Gの活用など、さまざまな分野において新たなサービスの創出やイノベーションにつながる可能性があるものと期待をしており、関係者の意見を聞きながら、5Gを活用した取り組みについて前向きに検討していくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、農業での利用についてですが、Society5.0の実現に向けて、ICTやロボット技術を活用したスマート農業の導入は欠かせないものの一つだと認識をしています。これは同時に、農業分野における担い手の高齢化や人手不足などの課題への対応としても有効であると考えますが、本県におけるスマート農業の実践に向けた県の取り組みの現状について伺います。 続いて、RPAやAIについてです。 県庁働き方改革行動計画にも盛られておりますが、一度設定したタスクは繰り返し実行できるなど、定例的なルーチンワークに適しているRPAと、人間の頭脳の代替であるAIは、それぞれ単独の運用よりも、組み合わせることで現在の働き方が一気に変わるとされております。 このように、人工知能等の先端技術の活用は、県職員の働き方改革の推進や業務効率化のためにも有用なものだと認識をしています。新潟県庁働き方改革行動計画においては、AI・RPA技術の活用を掲げていますが、現在の進捗状況について伺います。 続いては、防災・減災についての質問です。 私は、この8月、旧青海町外波地区で行われた水害復興50周年式典に参列をいたしました。この50年前の水害とは、昭和44年8月9日に外波及び隣接する歌地区を襲った水害のことです。死者2名、重軽傷者75名、流失、全壊を含めた住宅被害が219棟と未曽有の災害でした。 遺族の方も参列する中、行われた式典で当時のことが生々しく語られ、展示されていた当時の写真とも相まって、大変悲惨な状況であったことを再認識させられました。 その災害後、この集落の上部に大きな堰堤がつくられ、その後の災害はもちろんなく、地区の方々は安全に暮らしております。しかし、もしこの堰堤が事前につくられていたならばと事前防災の重要さも突きつけられました。 また、こういう事例もあります。糸魚川市根知地区でのこと。平成25年、空沢川というところに堰堤がつくられました。それまで大きな災害が発生したことはなく、当初は地区民の中にも、こんなに大きな堰堤が必要なのかと感じた人もいたそうです。 しかし、3年後の平成28年8月、当該地区を豪雨が襲い、土石流が発生してしまいました。しかし、その堰堤は下流の集落を見事に守り、被害を軽減させたのです。単に経験主義にのみ頼るのではなく、計算や科学こそが重要だということを証明したのです。 もしこの土石流がなければ、いわゆる無駄な公共事業だと批判する向きもあったのかもしれません。無駄とは何か。しかし、地区民にとって、豪雨、土石流などは発生せず、この堰堤に頼らないほうが、より安心・安全に決まっています。その意味では、災害が発生しなくても、このような設備は無駄などではなく、有事の際の頼みの綱なのです。 財政危機という状況下、無駄な公共事業という魔女狩りのような批判を気にせず、繰り返しますが、経験のみに頼るのではなく、科学を信じて県民の安全・安心を先取りすべきと思います。 つけ加えれば、さきに紹介した外波水害では、その前後で人口が急激に減少してしまいました。外波、歌の両地区で1,214人だった人口が1,091人に、世帯数が306から282に減少したのです。それぞれ10%、8%減です。やはり大きな災害後の人口流出は避けられないということです。人口減少に拍車がかからないためにも、防災・減災は決しておろそかにはできません。 近年激甚化・頻発化する自然災害への対応は喫緊の課題です。厳しい財政状況ではありますが、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策などの有利な財源を活用できる時期は、優先的に予算を配分するなど積極的に防災・減災のハード対策に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 続いて、災害が発生した際の氏名公表の対応についてですが、災害時の死者や安否不明者の氏名公表については、各自治体において対応が分かれており、広域災害時における捜索に支障が出ることを懸念しています。全国知事会では、国に全国統一の基準策定を求める提言案をまとめたところでありますが、本県における現状と課題認識について伺います。 近年は、毎年のように大きな自然災害が発生しています。気象変動の影響によるものと思われる局地的な豪雨が全国各地で発生しており、先月には糸魚川市でも国道が一部冠水するなど交通への影響がありました。 本年6月には、防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議から、激甚化・頻発化する豪雨を踏まえた今後の水害対策のあり方について提言があったところですが、現行施設能力を上回る水災害への対応について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。 次の項目です。 全国的にも人口減少は避けられない事実です。減少していく中で、どう対応するかだと思います。人口減少が進み、高齢化が進む状況下、過疎地域は食料自給を支え、文化、芸能などの多様性を保持、また、農地や山林の防災・減災機能を通じて都市部の被災を低下させるなどの役割を果たしています。そういう地域をいかに存続させていくか。 過疎対策の中心にあるのは過疎地域自立促進特別措置法ですが、現行の過疎地域自立促進特別措置法については、令和2年度末の失効を控え、国において新たな過疎対策のあり方について検討しているところでありますが、全国的な人口減少が進む中、過疎地域における人口減少がさらに加速するなど、地域社会の存続を脅かすおそれがあると危惧しています。これらの対策のため、国における新法の制定等による支援の充実が必要だと考えますが、知事の所見を伺います。 過疎対策事業債は、ハード事業だけではなく、地域医療や生活交通の確保など、さまざまなソフト事業にも活用されています。 例えば、糸魚川市では高齢者に対する食事を配食し、生活習慣病の予防と孤独感の緩和、安否確認をすることによって在宅生活の継続を図っておりますし、隣の富山県朝日町は、地域医療への貢献及び医療人材の育成の目的で、町立あさひ総合病院で富山大学による寄附講座を開設、高齢者を中心とした診療の実施や地域医療の実態の調査及び研究などをしていると聞いております。 このように、過疎地域の市町村にとって非常に重要な財源となっております。過疎関係市町村からは、過疎対策事業債の維持・拡充を求める声が上がっていると認識をしています。本県における過疎対策事業債の活用状況について伺います。 続いて、中山間地域の活性化のためには、地域内の資源を活用し新たな仕事をつくり出す起業化や、地域で行われている仕事を引き継ぐ継業化などの取り組みが重要だと言われております。 県では今年度から新潟県地域づくりサポートチームにおける支援を実施しており、その役割に期待しているところでありますが、現在の取り組み状況と今後の予定について伺います。 最後に、スポーツイベントについて。 現在、ワールドカップラグビーが開催されております。当初の予想以上の盛り上がりであります。私も観戦をしてまいりましたが、競技場のみでなく、開催地全体で大変盛り上がっております。経済効果も4,000億円を超えると言われ、非常に予想以上の大きな大会になっているように感じます。 新潟でも有志が中心となり、稲垣選手を応援すべくパブリックビューイングで盛り上がっております。小島隆議員の代表質問にもあったとおり、今後はこのような大きなスポーツイベントはぜひ前向きに、県民に明るさや夢を持たせるためにも積極的に取り組んでいただきたいと思います。 ところで、本県においても、2020年2月に湯沢町においてアルペンスキーワールドカップの開催が予定されており、その盛り上がりに期待をしているところでありますが、本県におけるアルペンスキーワールドカップの準備状況についてお伺いをいたしまして、私の質問とさせていただきます。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕
    ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の経済状況についてでありますが、海外経済の下振れなどから生産活動が弱含む中、景況感は製造業で悪化に転じております。また、個人消費も、このところ持ち直しの動きに減速感が見られるなど、全体として県内経済は弱さが続いており、回復の動きに足踏みが見られております。 議員御指摘のとおり、米中貿易摩擦の激化による世界経済の先行き懸念や、10月に、あしたからですが、実施される消費税増税が個人消費に与える影響など、本県経済を取り巻く状況にはさまざまな懸念材料があるものと認識しております。 県といたしましては、予断を持たずに県経済の動向に注視してまいりたいと考えております。 次に、企業の内部留保についてでありますが、景気回復を受けて企業業績が改善する一方、内部留保が増加している状況にあり、企業収益が賃金や設備投資に回ることが必要でありますが、そのためには、議員御指摘のように、先行きへの不安が払拭され、成長の期待が高まるよう、経済が好循環する環境に整えることが重要と受けとめています。 そうしたことを踏まえ、国に対し地方の経済を支える中小企業の収益拡大から、適切な労働分配を通じた賃金水準の向上、消費拡大へとつながる適正な経済財政政策を早期に講じていただくよう要請を行ってまいりました。 県といたしましては、県内企業の成長に向けた挑戦を後押しすることで、稼ぐ企業をより多く輩出することに注力し、結果として賃金の上昇や設備投資の増加につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県経済の活力を維持・向上するための事業承継などの取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、県経済の活力を維持・向上していくためには、事業承継により企業の減少を食いとめ、起業・創業の取り組みにより、元気な企業をふやしていくことが重要であると考えております。 そのため、事業引継ぎ支援センターや士業関係者など、県内の幅広いネットワークを通じて、後継者の確保や資産譲渡などの課題解決につなげ、地域産業にとって必要とされる事業資産が円滑に承継できるよう取り組んでまいります。 あわせて、新しいアイデアや技術で起業する方を積極的に支援するとともに、起業を志す方がより多く生まれ育つ環境づくりを進め、魅力ある多様な雇用の場の創出にもつなげられるよう起業の活発化に努めてまいります。 次に、地方交付税の確保に向けた要望についてでありますが、議員御指摘のとおり、人口減少などに伴う地方交付税の減少は本県だけの課題ではないため、同様の課題を抱える他団体と連携して、先般、地方創生実現財政基盤強化知事連盟を設立し、国に対して地方交付税の確保に向けた要望を行ったところです。 今後、本県としても、地方の実情に応じた行政サービスを確実に提供できるよう、地方交付税の算定方法を見直すことなどを、さまざまな機会を捉えて国に対して要望するとともに、引き続き知事連盟でも要望してまいります。 次に、県立病院に対する地方交付税措置額の増額についてでありますが、本県の地域医療の確保においては、他県に比べて県立病院が重要な役割を担っております。歴史的経緯等から県立病院の数が多く、救急医療や、がんなどの高度医療の提供、不採算地区病院の運営などに多大な負担が生じており、魚沼基幹病院を含む県立病院全体に対する一般会計繰出金は、平成26年度以降、大幅に増加し高どまっています。 こうした状況を踏まえ、持続可能な県立病院の経営を確保するようさらなる経営改善に向けて取り組んでまいりますが、国に対しても、地域医療の確保に対する地方交付税措置を充実するよう先般要望したところであり、今後ともさまざまな機会を捉えて要望してまいります。 次に、公債費に対する交付税措置率の拡充についてでありますが、平成22年度などに行われた、公債費に対する交付税措置率の見直しの影響などにより、交付税措置額を除いた公債費の実負担額は、平成30年度と令和10年度を比較して約200億円増加することが見込まれており、今後の本県の財政運営を見通す上での大きな悪化要因となっております。 今後、厳しい財政状況のもとでも、激甚化・頻発化する自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策を推進していく必要があることなどを踏まえ、公債費に対する手厚い交付税措置率を含む地方財政措置を講じるよう、国に対して要望していく必要があると考えています。 次に、歳出歳入改革の目標の実現に向けた決意についてでありますが、厳しい財政状況の中でも持続可能な県政を実現するため、行財政改革の基本方針と具体的な対策を取りまとめ、行財政改革行動計画案を策定したところです。今後は、この計画を着実に実行していくことが重要と考えております。 今後の歳出歳入改革に当たっては、聖域を設けず、全ての分野について改革に取り組んでいきますが、単に事業費を削減するという縮み志向に陥ることなく、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、投資的経費についてでありますが、厳しい財政状況の中で、聖域を設けず、投資事業も含め、あらゆる分野を対象として事業の見直しを行う必要があり、行動計画案では来年度投資的経費の補助事業及び単独事業について、部局枠事業と同様に一般財源ベースで今年度予算の90%以内に抑制することとしたところです。 一方、自然災害が激甚化・頻発化する中で、県民の命と暮らしを守る防災・減災対策の実施や、老朽化が進む公共インフラへの対応など、社会資本整備は県民が安心して日常生活を送る上で、不可欠であると認識しております。 そのため、優先度を判断して事業を進めることに加え、有利な財源を活用し必要な予算を確保するためにも、さまざまな機会を捉えて国に補助金の増額や制度の拡充などについて要望してまいりたいと考えております。 次に、歳出歳入改革の県民への説明についてでありますが、今後の歳出歳入改革に当たっては、聖域を設けず、全ての分野について改革に取り組んでいきますが、単に事業費を削減するという縮み志向に陥ることなく、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら取り組むとともに、国庫補助金等を積極的に活用し、一般財源の負担を減らしつつ事業量を維持するなど、県内経済への影響にも最大限配慮してまいりたいと考えております。 その内容は、来年度当初予算編成の中で具体化し、県民の皆様に丁寧に説明してまいりたいと考えております。 次に、労働力不足解消のために必要な支援についてでありますが、県内においては、幅広い分野で人手不足感が高まっており、人手不足が事業活動を制約する要因となって、経済成長を妨げることが懸念されるところであります。 県といたしましては、こうした状況に対応するため、生産性向上につながる設備投資に対する積極的な支援や、AI・IoTの活用促進のためのシステム・機器の導入支援に加え、U・Iターンを含め県内就職のさらなる促進や、女性や高齢者など誰もが活躍できる環境の整備などにより、労働力の確保を支援することが必要と考えております。 次に、U・Iターン促進のための取り組みの差別化についてでありますが、議員御指摘のとおり、全国的にU・Iターン促進の取り組みが活発化している中で、本県が移住先として選ばれるためには、取り組みの差別化が重要と認識しております。 県ではこれまでも、首都圏における相談窓口の複数開設や本県への転職移住を仲介するU・Iターンコンシェルジュの配置、U・Iターン者に対する住宅家賃の支援など、全国的に見ても特色のある取り組みを進めており、これらが全国移住希望地ランキングで上位となることなどへつながっていると考えております。 今後とも、都内における交流の場の拡充などを通じて、就職を控えた学生や地方生活への関心者等のニーズをきめ細かく把握しながら、U・Iターン検討者の目線に立った密度の高い情報発信など、より効果的で独自性の高い取り組みを進めてまいります。 次に、市町村との役割分担と地域振興局体制の見直しについてでありますが、地域振興局は、県民に身近なところで行政サービスを行う地域機関であり、市町村との関係においては、市町村ができない広域的・専門的な行政課題への対応や、市町村の行政サービスが効果的に行われるようサポートやコーディネートをしていく役割を担っているものと考えております。 こうした市町村との役割分担も踏まえながら、人員など、限られた資源の中で、より質の高い行政サービスを提供していけるよう、常に簡素で効率的な組織体制にしていくことが重要と考えており、引き続き丁寧に検討してまいります。 次に、Society5.0についてお答えします。 まず、Society5.0実現に向けた取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、国がSociety5.0実現に向けた方針を示したことから、今後、各地域における取り組みが加速していくものと考えております。 こうした状況を踏まえて、県としましても、全国的に取り組みが進展する5Gの展開を含むSociety5.0の実現やSDGsの推進について、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりに積極的に活用するため、先般、部局横断のプロジェクトチームを設置し、検討を行っているところです。 今後、12月に決定される国のまち・ひと・しごと創生総合戦略や政府予算案も踏まえながら、本県としての施策の構築に向けて、検討を進めてまいります。 次に、5Gを活用した取り組みについてでありますが、5GはSociety5.0を支える基盤としての活用が期待されており、来春の商用サービス開始のほか、企業等が独自で運用可能なローカル5Gも年内の制度化が予定されています。 議員御指摘のとおり、5Gの活用により、農業、医療、交通などさまざまな分野において、地域課題の解決につながる可能性があることから、県としましても、関係者のニーズや活用のアイデアを把握しながら、今後の取り組みについて積極的に検討を進めてまいります。 次に、防災・減災についてお答えします。 まず、防災・減災のハード対策についてでありますが、自然災害から県民の安全と安心を守るための防災・減災対策の緊急性・重要性は、厳しい財政状況の中であっても変わらないところであり、限りある予算を効率的に活用し、最大限の成果が得られるよう取り組んでいく必要があると考えております。 そのため、さまざまな創意工夫をしながら効率的・効果的に事業を進めることに加え、有利な財源を活用し必要な予算を確保するためにも、さまざまな機会を捉えて国に補助金の増額や制度の拡充などについて要望してまいりたいと考えております。 次に、災害時における死者や安否不明者の氏名公表についてでありますが、これまで本県では、中越大震災などの大規模災害においては、死者、行方不明者の性別、年代などの公表にとどめ、氏名は公表しておりません。 氏名公表については、円滑な救助・救急活動の実施に資する一方、被災者のプライバシー保護の観点から、その判断は慎重に行う必要があるものと考えております。 県としましては、国と全国知事会の協議の動向を注視しながら、円滑な救助・救急活動の実施と被災者のプライバシー保護の両面を考慮し、十分精査した上で、氏名公表のあり方について整理してまいります。 次に、過疎地域の振興策についてお答えします。 国における過疎対策の充実についてでありますが、議員御指摘のとおり県内の過疎地域でも、人口減少や高齢化が大幅に進んでいることから、令和2年度末の現行法失効後も過疎地域の維持・活性化に必要な財源を確保していく必要があるものと考えております。 現在、国において過疎対策のあり方などが検討されており、その一環として、自由民主党過疎対策特別委員会が今月2日に本県を訪れ、過疎地域の視察や関係市町村長との意見交換が行われたところであり、県としても過疎対策の拡充をお願いしてまいりました。 県としましては、関係市町村の意向も踏まえながら、引き続き国に新法の制定などによる過疎対策への支援の継続や拡充を働きかけてまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 5点についてお答えいたします。 経済成長率の見込みについてでありますが、高い経済成長率を用いていた当時の判断としては、国の経済対策等の施策とも連動し、県の施策が最大限効果を発揮すれば、景気が浮揚し成長が実現できるものとして、国の中長期の経済財政に関する試算における経済再生ケースの経済成長率等を参考に見込んできたものと認識しております。 2018年2月の財政運営計画改訂時から、経済成長率をより堅実なものに変更し、今回の行動計画案においても堅実な経済成長率の見通しを前提としております。 具体的には、令和元年度から令和5年度の名目経済成長率の平均で申し上げれば、国の試算における経済再生ケース2.3%ではなく、ベースラインケース1.6%を用いた上で、全国と本県の乖離実績の10年平均であるマイナス0.5%を反映し、1.1%で試算しているところです。 次に、県債管理基金公債費調整分の適正規模についてでありますが、行動計画案の計画期間終了後も、公債費の実負担が増加することが見込まれるため、その増加に備え、基金を積み立てておくことが望ましいと考えております。 令和5年度から、国において金利の将来推計を示している令和10年度までの期間において、公債費の実負担が累計で200億円程度増加することが見込まれることから、行動計画案の収支均衡を図るための必要額の試算において、令和5年度末時点で200億円程度の県債管理基金公債費調整分を確保する目標を定めたところです。 次に、人工知能等の先端技術の活用状況についてでありますが、AIについては、音声認識にAIを活用した会議録作成支援システムを知事記者会見において活用しているほか、9月に新たに稼働したホームページ管理システムにおいて、職員からの操作方法等の問い合わせにAIが回答する仕組みを導入し、業務効率化を図っているところです。 また、RPAについては、昨年度、12の業務で2カ月間の実証を行い、今年度は、さらに導入の可能性を見きわめるため、年間を通じて一定の業務量が見込まれる2業務について、通年で実証を行うこととしております。 次に、本県における過疎対策事業債の活用状況についてですが、平成30年度はハード事業分約99億円、ソフト事業分約27億円が活用されており、対前年度では10.3%増加し、ここ数年増加傾向となっております。 全国と比べて本県では、ハード事業においては道路・橋梁や除雪機械の整備、下水処理施設、消防施設等での活用が多くなっています。 また、ソフト事業においては、観光や子育て関連等での活用が多くなっています。 次に、新潟県地域づくりサポートチームの取り組み状況等についてでありますが、7月にスタートアップ研修を終え、各チームでは、地域の実情に合わせた支援を行うため、現地確認や地域住民との話し合いなどを開始しており、今後は、年間で延べ10日程度地域に入って活動し、年度末までには地域のビジョンを実現するための実践プランを策定する予定としております。 議員御指摘のとおり地域の資源を活用した起業や地域内の仕事を引き継ぐ継業の取り組みについては、地域活力維持のために重要であると考えており、サポートチームの活動地域の中にも取り組みたいという声が上がっていることから、こうした地域の思いに耳を傾けながら、実現に向けて支援してまいります。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 2020年のアルペンスキーワールドカップの準備状況についてでありますが、2020年2月の開催に向け、県と湯沢町、全日本スキー連盟が核となって実行委員会を立ち上げ、会場の設営や運営、宿泊や輸送態勢等の検討を行うとともに、スポンサーセールス活動や、ホームページ、SNS等を活用した広報活動を行ってきました。 今月には、国際スキー連盟による現地視察を受けたところであり、今後は、これを踏まえたコース設営等の具体的調整を行うとともに、観戦チケットの販売や、報道機関向けの説明会などを予定しているところです。 県といたしましては、県内外への周知を一層強化しながら、円滑な大会運営のための準備に全力で取り組んでまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 本社機能移転の現状と課題についてでありますが、首都圏への人口流出を抑止するためには、企業の本社機能の地方移転を通じて、地方に魅力ある雇用の場を創出することが重要でありますが、取引先や官庁が東京に集中していることなどから、管理業務部門など企業の中枢機能の移転は、全国的にも進みにくい状況になっています。 このため県では、本社そのものの移転のみならず、調査・企画部門や情報処理部門等に着目し、県独自の優遇措置を活用しながら首都圏IT企業などの誘致に取り組んでおります。 これにより、本社機能の移転・拡充に係る計画認定件数は全国第4位の22件となっており、このうち、首都圏等からの新規移転は8件で、226人の新たな雇用の創出が計画されています。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 スマート農業の取り組みの現状についてでありますが、ICTやロボット技術などを活用するスマート農業は、生産性の向上につながるとともに、熟練農業者のノウハウをデータ化・自動化することで、初心者でも取り組みやすい農業の実現に寄与するものと考えております。 また、議員御指摘のとおり、担い手の高齢化や人手不足などの課題に対し、作業の省力化や安全性の向上等を進めることで、営農の継続が期待されるものと考えております。 このため県では、これまでに実用化されたスマート農業の技術について、地域で実演会の開催などを通じて農業者へ情報提供するとともに、取り組みに必要な機械・施設等の導入を支援しているところです。 一方で、スマート農業は、生産現場での適応性の確認や技術開発などが途上の段階のものも多くあることから、民間企業や農業法人等と連携し、共同研究や現地実証の取り組みも進めているところです。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 現行施設能力を上回る水災害への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年、豪雨が激甚化・頻発化し、全国各地で甚大な被害が発生しております。 こうした状況を踏まえ、深刻な被害を回避し、災害から命を守ることを最優先の課題とし、決壊までの時間を少しでも引き延ばす粘り強い堤防強化対策を初めとした被害を最小化するハード対策を強化してまいります。 また、災害リスクなどの情報を周囲に伝達できる防災リーダーの育成など、住民の主体的かつ適切な避難行動につなげるソフト対策と連携し、ハード・ソフトの総合力により、災害に強い新潟県の実現に向けて取り組んでまいります。 ○議長(岩村良一君) 中村康司君の質問は終わりました。 次に、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 上越市出身、自由民主党の斎京四郎です。通告に従い、順次質問をいたします。 まず、県財政に関連する点について、何点かお伺いします。 県の財政危機に対応すべく行財政改革行動計画案が公表され、既に今定例会本会議でも活発に議論されているところでありますが、私が感じる限り、県の皆さんは真摯に反省はしつつも、むしろ、これを機に県政全体の見直し、リニューアルができるチャンスとの前向きな雰囲気すら感じるところであります。 そもそも、この問題は根源的には、プライマリーバランスを重視する余り、結果的に地方軽視を続けている国の財政運営方針にも問題があると考えられることから、県だけにその責任があるわけではありません。 我々もそれぞれの会派と関係する国会議員に新潟を守るように働きかける必要があると思いますし、県職員の皆さんも、いたずらに暗くなることなく、前向きに県政運営に取り組んでいただくことを願っています。 とはいうものの、当面は厳しい財政運営となり、各部局の事業にも大きな影響を与えることとなると予想されます。しかし、意欲ある、そして能力のある県職員であれば、多少の給与削減のダメージより、みずからのアイデアや努力で県政を推進させることができなくなったほうが、はるかに大きなダメージを受けるはずです。 知事は、事業の見直しに当たっては、単に事業費を削減するだけではなく、前向きな創意工夫にも取り組み、県民サービスの向上に努めるとしていますが、職員の政策提案への意欲を高めるためにどのような工夫や組織風土づくりをしていくのか、所見を伺います。 次に、対岸交流の活性化についてお伺いします。 新潟港、直江津港など国際的に重要な港湾を有する我が県における日本海対岸交流・交易の重要性については、今さら述べるまでもありません。 ところで、現在は韓国との交易に大きな比重が置かれていますが、最近の両国間の関係はよいとは言えない状態です。また、中国との交易についても重要性については言うまでもありませんが、既に米の輸出で課題になっているように、社会体制の違いによる障壁は大きいことが懸念されます。 こうした中、対岸交流国としてのロシアの占める位置は、その貿易額以上に大きいものと言えます。 私は、今回、知事のロシア訪問と同時期に、自由民主党県議団の一員として極東ロシアを訪問しました。ロシア訪問は実に30年ぶりでしたが、当時のロシアはソビエト連邦時代であり、共産党一党独裁の限界と、崩壊しつつあった社会主義経済体制による疲弊で、まちは暗く、商品のない百貨店周辺には、外国人旅行者に外貨の両替を求めて群がる若者があふれ返っていました。 本年の11月で、ヨーロッパにおける社会主義という名の共産党独裁の歴史に終止符を打ったベルリンの壁崩壊30周年ですが、今回訪れたウラジオストクのまちは活気にあふれ、歴史ある建物を生かした百貨店には商品があふれ返り、軍港として冷戦時代に世界に知られたウラジオストク港は、アジアを代表する商業港湾に生まれ変わっていました。まさに壁が崩壊したこの30年で極東ロシアの環境も劇的に変化しています。 こうした極東ロシアは、シベリア鉄道でヨーロッパともつながっており、昨今話題のランドブリッジ構想が実現すればEU圏と直接結びつくことになり、その可能性ははかり知れないことから、新潟港、直江津港にアクセスポイントを誘導すべきと考えます。 さて、花角知事は、7月24日から27日の4日間、知事就任以来初めてロシア極東地域を訪問され、行政府との意見交換や県産品のプロモーションなどを行ってきたとのことですが、その成果と今後の対ロシア交流促進への意気込みを伺います。 また、昨年の対ロシア輸出入額を見ると、新潟港、直江津港とも圧倒的な輸入超過の状態であることに比して、富山県の伏木港においては、ロシア航路の確保やシベリア・ランドブリッジ構想の実験的な推進等により、輸出超過の状況にあると言えます。 今後の県経済の発展のために、新潟港、そして直江津港からの対ロシア輸出を伸ばしていくことは重要と考えますが、輸出が伸び悩んでいる現状についての課題及び今後の取り組み方針を伺います。 続いて、教育問題について伺います。 まず初めに、高等学校入学者選抜一般選抜、いわゆる高校入試についてお伺いします。 いわゆる高校入試については、該当する年代の子供たち、そして保護者にとっては大変大きな関心事であります。 本県では、一般選抜での2日制の導入、あるいは学校独自検査など、他県に先駆けるような取り組みをされてこられ、改革に取り組んできたことには敬意を表したいと思います。 しかし、一方で、前定例会で我が党の高見議員から指摘があったように、その趣旨や狙いについて県民の理解が進んでいるとは言えない現状もあるやに思います。 既に制度改革から5年が経過したところでありますが、大学入試の改革、あるいは高校入試を取り巻く環境の変化等もあることから、実施の方法や検査のあり方について再検討が必要な時期と考えられます。 そこで、入学者選抜一般選抜の検査について、現状の課題と今後の検討の方向性を伺います。 次に、高等学校再編整備計画について伺います。 先般、NHKのニュースで、島根県への都会の生徒の留学、いわゆるしまね留学の取り組みが取り上げられていました。この中で紹介された島根県の津和野高校のプログラムを運営しているのは、地域おこし協力隊としてこの地域に入った本県長岡出身の若者です。本人も、チャンスがあれば故郷新潟でもやってみたいと言っていますが、残念ながら本県にはこの都会からの生徒受け入れの積極的な制度がありません。 また、同番組でも紹介されていたように、既に東京や大阪などでは地方の公立高校への入学のマッチングイベントが行われている状況ですが、この点について本県は消極的な姿勢が続いており、既に他県に大きくおくれをとっています。 本県は、高速交通網が整備され、首都圏とのアクセスもよく、移住してみたい都道府県ランキングでも上位を占めています。花角知事も交流人口増加策を積極的に推進しようとしている中、こうした制度を導入すれば、流出しやすい本県の環境を逆手にとって、高校生、そしてその家族など多くの流入人口を期待することができます。 また、前回の一般質問でも取り上げたICTを活用した通信制のアイデアについても、失礼ながら、本県が研究すると言っている間に、お隣の長野県では統廃合を進める中での公立の通信制サテライト校の設置が決まりました。 このように、全国の高等学校の取り組みを見ると、山村留学制度の活用や地域キャンパスとしての公立通信制サテライト校の誕生など、多様性のある学校づくりが広がりつつあります。 本県も、その経験や地域的特徴を生かした学校や学科の再編に積極的な姿勢が求められていると思います。 ところで、本県が他県に比して積極的に設置し、実践研究を進めてきた分野に中高一貫教育の分野が挙げられます。本県においては、中等教育学校の設置数が非常に多いのが特徴です。平成30年のデータでは、全国で公立の中等教育学校は全部で31校ですが、そのうちの6校、率にして実に20%弱が本県に集中して設置されています。 さらに特徴的なことは、通常は人口集中地域に設置されることが多い中等教育学校が、本県の場合は、中山間地を含むエリアに設置されているケースが多いということです。 これにはさまざまな歴史的経緯があるのは承知していますが、この間、さまざまな工夫や教育実践研究が行われ、他県に比してこの分野については研究や課題解決のノウハウの蓄積が進んでいることが考えられます。 しかしながら、現在では、中等教育学校は、生徒数の減少などで同じ地域にあるほかの高校との共倒れ現象が危惧されています。こうした状況下においては、途中入学が事実上不可能な中等教育学校より、既存の高校を再編するなどして、併設型や複数地域との連携型の中高一貫教育校の設置などにシフトしていくべきと考えます。 折しも、県も大変厳しい財政運営の中でもあることから、再編整備計画を前倒しして見直し、新潟らしさを生かした新しい発想に基づく統廃合を、高等学校等の整備も含め、積極的に進めるべきと考えますが、所見を伺います。 また、本年2月定例会において、県立高校は地域コミュニティーにおいて重要な役割を担っているとの答弁をいただきましたが、全国的に見ると廃校舎を利用した地域コミュニティーの活性化アイデアによって十分な代替機能を果たしている事例も数多く見られます。 このことから、統廃合を受け入れた地域においては、特別な支援やインセンティブを与えることにより、廃校舎の利用を促進することを通して、地域コミュニティーの維持・活性化が期待できるとも言えます。 そこで、現在、県が所有する廃校舎の現状と今後の利用促進に向けた展望について伺います。 次に、国政の動向が県政に与える影響が大きいことを念頭に、第198回通常国会において成立した法令への対応について、幾つかお伺いします。 まず、森林環境譲与税が本年度から配分され、市町村では森林整備に関する施策と森林の整備を担うべき人材の育成・確保等にこの税を充てることができるようになり、取り組みが強化されることとなりました。 不動のブナの森を初め、すばらしい森林資源を持つ上越地方ですが、県北とは違い、組織も体制も十分ではない中、この税の適切な活用に大きな期待を寄せる森林・林業関係者も少なくありません。 しかし、市町村には森林・林業部門の専門職員が少なく、この税を有効に活用できるのか不安視されており、県による市町村への支援が非常に重要と考えます。所見をお伺いするとともに、市町村にどのような支援を講じているのか伺います。 次に、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法が一部改正されたことに関連して伺います。 本県では、工事の品質確保や建設業振興の観点から、2011年度以降、現行の県独自の入札方式を採用しています。現在、行財政改革の視点から最低制限価格の見直しの検討が話題となっていますが、この方式は業者間の過当競争や不当に低い価格での落札を防ぎ、工事の品質を確保する目的があることから極めて大切な方式と言え、先般の国会で成立した新担い手3法の法理念にも通底するものがあり、先駆的とも言える本県の取り組みの安易な見直しは慎むべきと考えます。 こうした中、先般改正された法律では、建設業界の担い手の中長期的な育成・確保に向けて、発注者の責務として、新たに債務負担行為等の活用による発注の平準化や社会保険料等も含めた適正な予定価格の設定などが明記されたところであります。 このような法令改正の趣旨に基づき、県として建設業界の発展に向け、どのように対応するのか、所見をお伺いします。 次に、行政手続を原則オンライン化する、いわゆるデジタル手続法の成立に関連してお伺いします。 この法案の成立により、政府が掲げるデジタル・ガバメントあるいはスマート自治体への取り組みが大きく加速することは間違いないと思われます。 また、県財政逼迫を解決するための一つの手法として、より一層、公務員定数の削減を推進するに当たり、デジタル手続の導入は有効であると考えますが、デジタル手続実現に向けた課題及びその対応方針についてお伺いします。 次に、農地中間管理事業の推進に関する法律等が一部改正されたことに関連してお伺いします。 上越地域を回りますと、農地の集約化には課題が多く、担い手の高齢化も相まって、地域や集落によっては深刻な状況が発生しています。もはや担い手の不足ではなく、そもそも担い手が全くいないなどという現状を見ると、地域の話し合いをサポートする仕組みや基盤強化に向けた公的な支援が急務と言えます。 つまり、一層の担い手の確保、農地の集積・集約化が求められているわけですが、現在の新潟県の現状と法改正の趣旨を生かした今後の取り組み方針についてお伺いします。 次に、第9次地方分権一括法の改正についてお伺いします。 今回の改正では、公立社会教育施設について地方団体の判断により、教育委員会から首長部局へ移管することが可能となりました。 これにより、博物館、美術館、神社仏閣、歴史的建造物、庭園、公共スペース等の施設を地域の風土や文化を体感できる空間として、イベントやレセプションなどに使用する、いわゆるユニークベニューの推進にも大きな期待が高まるところであり、このような観光事業とのリンケージも活発になることが予想されます。 そこで、新潟県でも多くの文化財やセンスのよい博物館などが存在していることから、こうした場所で行われるイベントや会議開催などの活動を支援・促進するためにも知事部局への積極的な移管を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、上越地域の諸課題について、何点かお伺いします。 まず、えちごトキめき鉄道は、このたび新しい社長が就任し、地域の各方面からもその経営手腕に期待する声が上がっており、経営改革や魅力の向上に一層の期待が高まっています。しかし、現状を考えれば、その道のりは決して容易でないことも予想されるところであります。 本質的な問題として、三セク鉄道として一定の経営努力は必要ですが、地方公共交通機関としての役割を考えた場合、市場原理だけでは到底、採算は厳しいと言わざるを得ません。鉄道を、地方を守り維持する基礎的な社会インフラと捉えれば、その維持についてはナショナルミニマム的な発想で、当然、国が責任を持つべきではないでしょうか。 つまり、北越急行も含め、このままでは地方の三セク鉄道を維持発展させていくことは極めて困難であると考えざるを得ず、県としても地方三セク鉄道の維持について国に対して働きかけを強めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、えちごトキめき鉄道は、地方三セク鉄道としては比較的人口があるエリアに展開しています。上越市は、直江津、春日山、高田のエリアに加え、上越妙高駅が誕生したことにより、多極化が一層進んでいくことが予想されます。こうした環境と鉄道のマッチングを高める場合、むしろ、駅の数をふやし、まちとまちをつなぐ次世代型路面電車システムであるLRTのような運用を実現すれば、利用者拡大はもちろん、新たなまちづくりにもよい影響を与え、地域鉄道として機能を高めることができると考えます。 県としてこうした運用方法について検討すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、現在、県は、えちごトキめき鉄道には90%以上、北越急行には50%以上の出資を行っています。それぞれ経営環境や経営状態の違いがあることに加え、成立した歴史的背景の違いや沿線自治体の相違も十分認識しているところではありますが、エリア的にも非常に近く、この2つの鉄道が協力体制を深めれば、利便性の高い上越新幹線と北陸新幹線をリンクさせることも可能であると考えられます。 確かに、現在、北越急行は旧「はくたか」の運行による巨額な内部留保資金を有しているわけですが、今後はそれを取り崩していく以外に道はなく、いずれは厳しい経営環境に置かれることは間違いありません。そうした問題が表面化する前に、財政的な面からも、将来的な両社の統合も視野に入れ、一体的な経営体制に移行することも選択肢の一つと考えますが、所見を伺います。 続いて、直江津港発展に関連して、何点かお伺いします。 現在、直江津港はLNG基地として発展していますが、今後のさらなる飛躍のためには、一層の埠頭の整備が必要であると考えます。現在の港湾計画では、LNG基地が集中する荒浜埠頭地区の新規の整備も位置づけられています。また、現在、上越地方の安全・安心のかなめ、かつ最も重要な治水事業として事業化に向け検討が進んでいる保倉川放水路の掘削土の利用の可能性も含めて、今後の埠頭整備の見通しについてお伺いします。 次に、本年2月定例会において、直江津港の佐渡汽船ターミナルの有効活用について質問したところ、佐渡汽船とともに、地域の方々から観光施設やオフィスとしてのニーズや活用のためのアイデアを聞きながら、施設の有効活用に向け検討するとの答弁をいただいたところですが、現在の検討状況を伺うとともに、今後、このターミナルの有効活用について、県、市、佐渡汽船、そして地域の港湾関係機関が議論する場を設けるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、文化財保護と観光開発のバランスについて伺います。 文化財保護法は、法隆寺の壁画焼失という大変痛ましい過去の教訓に基づいて制定された法律であり、その理念は大切であることは言うまでもありません。しかし、一方で今日では、先日我が党の笠原議員の質問にもあったように、文化財で稼ぐ仕組みへの転換も図られています。 ところで、先日、上杉謙信公の居城、春日山の草刈りに地域の皆さんと出かけた際、日曜日の早朝8時前にもかかわらず、観光客が訪れていました。どこから来たのかと尋ねてみると、1組は愛知、もう一組は兵庫、さらにもう一組は福岡から来ていました。 この3組は、特にツアーなどではなく、歴史好きなので、それぞれ訪ねてきたとのことでしたが、新潟県に早朝から県外客がフリーで訪れる観光地は、ほかに一体どれほどあるのでしょうか。 花角知事も訪れてよしの新潟県を掲げているわけですが、国指定史跡である春日山城跡も、そろそろ稼ぐ文化財としての可能性の研究や取り組みに着手するべき時期と考えています。 この際、一つの考え方として、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律による歴史的景観を生かしたまちづくりの取り組みが参考となりますが、新潟県では村上市のみが国の認定を受けている状況です。 上越市の国指定史跡の春日山城跡についても認定を目指していくべきと考えますが、所見をお伺いします。 次に、現在、上越市では、エクストリームスポーツと呼ばれるBMX、スケートボード、スポーツクライミング、フリースタイルスキーなど、普及に努力している若者たちがいます。その競技の中には東京オリンピック・パラリンピックの種目になるものもあり、こうした新しいスポーツの普及に向けて、県としてどのように支援していくのか、所見をお伺いします。 次に、現在、上越妙高駅周辺については土地利用状況が高まっており、上越市の中でも今後は魅力の高いエリアの一つとして成長していくことがうかがえます。 将来を見据えて、このエリアでさらに広い商業・業務用地を確保すべきと考えますが、土地利用計画の見直しの可能性について、所見を伺います。 次に、中心市街地活性化は県内のどの地域でも問題となることですが、高田、直江津の市街地は現実には中山間地と変わらない人口減少率となっています。どこの中心市街地でも同じかと思いますが、商用地としての機能が低下しており、残念ながら、商業の中心地としての回復は、毎日そのエリアで生活している住民である私ですら絶望的な思いを抱かざるを得ない状況と感じています。 中心市街地の活性化に向けて、まず空き家の再生や市街地整備等により、居住地としての価値、居住地としての機能を高めることが重要であると考えますが、県の支援策について伺います。 最後に、中山間地における拠点づくりについて伺います。 上越市は、いわゆる大合併により、多くの中山間地を有しており、特に13区と言われる旧町村の人口の減少、高齢化は極めて深刻です。 対策の一つとして、それぞれの旧町村の役場等の中心地にさまざまな機能を集約させ、にぎわいの創出、コミュニティーの再生を図る、つまり国が掲げる小さな拠点づくり構想も有効な手段と考えますが、県としての中山間地に対する支援の考え方について伺って、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、職員の政策提案への意欲を高めるための取り組みについてでありますが、厳しい財政状況の中にあっても、職員が萎縮することなく、その能力を最大限発揮することが重要であり、職員には、発想は大胆に、実行は緻密に、失敗を恐れずチャレンジしてほしいと考えており、そのような取り組みを積極的に評価したいと思っております。 今年度、若手職員から政策提案を募り、優秀な提案については施策に反映していく新たな取り組みを実施しているところであり、こうした取り組みを通じて、忌憚なく物が言え、知恵を出し合える風通しのよい組織風土づくりにも取り組んでまいります。 次に、ロシアとの交流拡大についてお答えします。 まず、ロシア訪問の成果と今後の交流促進についてでありますが、今回の訪問における沿海地方政府、ハバロフスク地方政府との意見交換では、経済、観光、文化、学術などさまざまな分野での交流拡大を図っていくためのロードマップの策定に合意いたしました。 また、同行した県内企業とともに、極東ロシアでの県産品の販路拡大に向け、県産米や新潟清酒、加工食品等を現地バイヤーやレストラン関係者にPRしてまいりました。複数の商品について引き合いがあった一方で、価格等の面での課題も明らかになったところです。 県といたしましては、今回の訪問の成果も踏まえ、今後ロシア極東地域との交流を一層活発化させるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新潟港、直江津港からの対ロシア輸出についてでありますが、新潟港及び直江津港は、ロシアから天然ガス等を大量に輸入している一方、有力な輸出貨物がないことから、大幅な輸入超過となっているものと認識しております。 輸出量を増加させていくためには、ロシア貿易に取り組む企業を含む新規荷主を発掘するほか、県内港からロシア極東地域への直行航路を誘致するなど利便性向上を図り、輸出貨物の集荷を促進することが重要であると考えております。 県といたしましては、本県の地理的優位性を生かせるロシア極東地域との間の航路を、取り組むべき航路の一つとして位置づけ、外航航路を既に有する船社による運航を模索することとしており、県内経済界と連携し、経済交流の実態を踏まえつつ、貨物の掘り起こしや船社等への働きかけ等を行い、航路誘致に向けて取り組みを進めていきたいと考えております。 次に、教育課題についてお答えします。 県立学校の廃校舎の利用促進についてでありますが、廃校舎が生じた際には、まずは、公的財産の有効活用などの観点から、その利活用を進めているところです。一方で、地域事情に精通している市町村や地域住民が、地域コミュニティー活性化などの観点から、具体的な検討を行うことも有効であると考えております。 県といたしましては、参考となる先進事例の紹介、活用できる補助や支援制度の周知などを関係部局が連携して行い、市町村等の創意工夫を生かした取り組みを支援してまいりたいと考えております。 なお、廃校舎の現状については、教育長から答弁いたします。 次に、第198回通常国会において成立した法令への対応についてお答えします。 まず、森林環境譲与税の有効活用のための市町村支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、市町村においては、森林・林業部門の専門職員が不足しており、森林整備を着実に進めていくには、人材の育成・確保など実施体制の強化が課題であると認識しております。 広大な森林を有する本県においては、地域に密着した市町村が主体となり、地域の森林整備を推進する役割を担っていることから、県といたしましては、広域的・専門的な見地から市町村の森林整備実施体制の強化をしっかりとサポートしていくことが重要であると考えております。 なお、本県の市町村に対する支援の状況については、農林水産部長から答弁いたします。 次に、品確法改正への対応についてでありますが、このたびの法令改正については、建設業が将来の担い手を確保し、経営の持続性を確保するため、働き方改革、生産性向上、事業環境確保などの観点から行われたものと認識しております。 県といたしましては、除雪や災害対応など地域の安全・安心の守り手として建設産業がその役割を将来にわたって果たしていくため、これまで債務負担行為等を活用した施工時期の平準化や、社会保険料等も含めた適切な積算に基づく予定価格の設定など、受注環境の確保に努めてきたところであり、引き続き、法令改正の趣旨を踏まえ、県内建設業の持続的経営の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、農地の集積・集約化についてでありますが、農地中間管理機構の活用により、本県の担い手への農地集積率は全国平均を上回る62.8%となっておりますが、このままのペースでは県が基本方針に定める目標の達成が困難なことから、取り組みを加速する必要があると考えております。 先般の農地中間管理事業法等の改正では、既に策定されている人・農地プランの中には、地域の話し合いに基づくものとは言いがたいものが少なくないとの認識のもと、農業者が地域の現況と将来の地域の課題を関係者で共有し、今後地域の中心となる経営体への農地の集約化に関する将来方針を明確化する人・農地プランの実質化の取り組みを進めることとされております。 県といたしましては、法改正の趣旨を踏まえ、地域のコーディネート役を担う農地利用最適化推進委員等との連携を強化して地域の話し合いを促進し、人・農地プランの実質化を進めることで、農地集積・集約化の加速や、地域条件に即した担い手の確保・育成につなげてまいりたいと考えております。 次に、公立社会教育施設の知事部局への移管についてでありますが、社会教育施設は、博物館、美術館や青少年教育施設など多岐にわたっており、教育委員会では、学校等と連携しながら社会教育を展開しています。 知事部局への移管につきましては、学校教育との連携等の観点から、社会教育の適切な実施の確保にも留意しながら、その効果や課題等を整理しつつ検討を行うことが必要と考えております。 次に、上越地域の諸課題についてお答えします。 まず、地方三セク鉄道の維持に向けた国への働きかけについてでありますが、三セク鉄道の維持発展のためには、厳しい経営状況が続く会社みずからが、持続可能な運行に向けて経営改善を進めていくことはもちろんのことですが、議員御指摘のとおり、県としても地方三セク鉄道への支援の拡充について、国に働きかけを強めていくことは必要と考えております。 そのため、引き続き国に対し、三セク鉄道の置かれている状況を十分に説明しつつ、財政支援の拡充等を要望するとともに、同じ事情を抱える他の自治体と連携し、関連の協議会などを通じて要望を行うなど、働きかけを強めてまいりたいと考えております。 次に、えちごトキめき鉄道における多駅化等の運用についてでありますが、駅の数をふやすことは、沿線人口や拠点施設の集積状況等にもよりますが、基本的には鉄道の利用促進や利便性の向上に有効な手段であり、議員御指摘のとおり、地域鉄道としての機能の向上に寄与するものと考えております。 その一方で、現在のえちごトキめき鉄道の経営状況を踏まえますと、多駅化や運行頻度の拡大に向けては、課題も多いものと認識しております。 えちごトキめき鉄道においては、現在、日本海ひすいラインの糸魚川-梶屋敷駅間において新駅の整備を進めており、さらなる駅の増設や運用の改善については、新駅設置による利用状況の変化や費用便益評価、他社事例、地元の意向などを踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 次に、えちごトキめき鉄道と北越急行との協力体制についてでありますが、現在、北越急行の超快速列車がえちごトキめき鉄道に乗り入れを行い、上越妙高駅における北陸新幹線との接続改善を行っているほか、リゾート列車「雪月花」のほくほく線への乗り入れ実績もあるなど、2つの三セク鉄道は協力しながら交通利便性の向上に取り組んでいるものと認識しております。 両社はそれぞれに路線の特徴や経営状況などが異なることから、現時点においては、相互に連携を深めていくことで、上越地域の利便性向上に寄与することが望ましいと考えますが、議員御指摘の一体的な経営体制についても、今後、勉強してまいりたいと考えております。 次に、直江津港荒浜埠頭の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、直江津港の今後のさらなる飛躍には、埠頭整備が重要な要素でありますが、今後の整備を進めるに当たっては、エネルギー関連企業やコンテナ貨物取扱量の動向などを踏まえた上で、機能強化の必要性を見きわめていくことが必要です。 また、荒浜埠頭の整備に保倉川放水路の掘削土を利用することにつきましては、双方の事業費の縮減が見込まれますが、まずは、新たな埠頭整備に向けた必要性を見きわめてまいりたいと考えております。 次に、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づく計画の認定についてでありますが、この計画は市町村が策定し、国の認定を受けるものであり、認定により国の支援事業の活用が可能となります。 地域の文化財を保存、活用したまちづくりの取り組みは、地域の魅力を向上させ、観光による活性化にもつながると考えており、県といたしましては、まちづくりの主体である市町村の意向を踏まえながら、必要に応じて助言や情報提供に努めてまいります。 次に、新しいスポーツの普及に向けた支援についてでありますが、県では、オリンピック種目である競技において、世界で活躍が期待できる選手に対して活動支援を行っております。 また、市町村が関係者と連携して、ジュニア層選手の発掘や育成強化に取り組む場合には、指導者の配置や練習活動等を支援しております。 選手の活躍による競技の知名度向上や、選手の育成環境の整備が、さらなる普及につながるものと考えており、新しいスポーツについても、これらの取り組みにより支援してまいります。 次に、中山間地域に対する支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、人口減少、高齢化が進展する中で、小さな拠点として、地域に買い物や交流などの拠点を置き、地域でできることをふやしていく取り組みを進めていくことは、地域の活力を維持するために有効なものと考えております。上越市においても現在15の拠点が形成され、高齢者支援や交流などの拠点として活用されております。 県では、中山間地域などの条件不利地域であっても、その地域に住みたいと思う人が住み続けられるよう、小さな拠点の形成など、地域活力の維持に向けた取り組みを、国や市町村と連携しながら支援してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 デジタル手続の実現に向けた課題及びその対応方針についてでありますが、行政サービスのデジタル化や人口減少時代における持続可能なサービス提供などを目指す、デジタル・ガバメントやスマート自治体に向けた取り組みは、事務の簡素化、効率化に有効であり、本県においても推進してまいりたいと考えております。 現在、本県でオンライン化している行政手続は、地方税申告や入札など一部の手続にとどまっておりますが、今後、デジタル手続の推進に当たっては、費用対効果を考慮しながら対象業務の範囲拡大を検討してまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 森林整備に関する市町村への支援状況についてでありますが、県といたしましては、森林整備に関する市町村の実施体制の強化を図るため、森林・林業の基礎的知識を習得するための職員研修や、アドバイザーによる専門的な業務サポートなどについて重点的に取り組んでいるところであります。 また、県地域振興局における個別の打ち合わせや検討会を通じて、それぞれの実情に応じた具体的な指導・助言を行うなど、市町村に対してきめ細やかに支援を行っているところであります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点についてお答えいたします。 上越妙高駅周辺の土地利用計画についてでありますが、土地利用計画の見直しについては、まちづくりの基本方針である都市計画マスタープランを踏まえ、現在の土地利用状況や将来の見通し、市全体のまちづくりへの影響を考慮し、検討する必要があると考えております。 このような計画の見直しにおいては、住民に最も身近な市町村が主体となって、土地利用ニーズや市街地の発展の動向を見きわめながら検討をしていくものと考えており、県といたしましては、市町村と連携を図りながら、広域的な観点から助言や調整などを行ってまいります。 次に、中心市街地における空き家の再生や市街地整備等についてでありますが、中心市街地の活性化については、住民に最も身近な市町村が主体的に取り組むことが重要であると考えております。 県といたしましては、居住地として、空き家の価値等を高めるため、U・I・Jターン者の空き家改修に対する国交付金等の活用促進や、県の空き家再生まちづくり支援事業による空き家利活用の支援を行っております。 また、市街地整備等については、中心市街地の機能向上や活性化に向け、基盤となる都市計画道路の整備を進めるとともに、県のにぎわい空間創出支援モデル事業により、市町村のまちづくりに向けての支援を行っております。   〔交通政策局長田中昌直君登壇〕 ◎交通政策局長(田中昌直君) お答えいたします。 直江津港の佐渡汽船ターミナルビルにおける遊休施設の活用に向けた検討状況と今後の対応についてでありますが、十分に利用されていない旧ジェットフォイル待合室の状況等を把握するため、佐渡汽船へのヒアリングや設備の現況調査を行った結果、当該施設が会議室等として貸し出されていることが十分に周知されていないことのほか、空調施設等の老朽化により、利用に当たっては、改修が必要であることなどの問題が明らかになりました。 今後、整理された課題をもとに、有効活用に向けて、議員御指摘のとおり、佐渡汽船を初め、上越市及び地域の港湾関係機関から施設に対するニーズや活用のためのアイデアをお聞きする場を設け、検討を進めてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 高等学校入学者選抜一般選抜の課題と今後の検討の方向性についてでありますが、現行の一般選抜の実施により、学力の着実な定着に向けて、粘り強く学習に取り組む態度が養われるなど、一定の成果が上がっているものと認識しております。 一方、1日目に実施している5教科の学力検査については、新しい学習指導要領において思考力・判断力・表現力の育成が求められることから、これらの力を適切に評価できる問題に改善していく必要があります。 また、2日目に実施している学校独自検査については、思考力等の評価を目的に実施していましたが、1日目の学力検査の変更により、この評価が一定程度可能になることや、検査が2日間に及ぶことによる生徒の負担感にも考慮して、それぞれの高校がゼロベースで見直し、独自性を高める方向に改めてまいりたいと考えております。 次に、高等学校等の再編整備についてでありますが、本県においては、県立高校の将来構想に基づき、5つのタイプの高校を各エリアにバランスよく配置するとともに、1学年当たり4から8学級を望ましい学校規模とし、魅力と活力ある学校づくりを進めることとしております。 議員御指摘のとおり、中等教育学校では、少子化などにより、志願者が減少するなど、設立当時と比べて状況は変わってきております。現在、児童・保護者を対象としたアンケートを実施しているところであり、地域のニーズを踏まえながら、中等教育学校のあり方について検討してまいります。 なお、今後、普通高校における新たなコース制の導入や通信制課程における通学コースの設置など、生徒にとって魅力のある学校づくりを進めてまいります。 次に、廃校舎の現状についてでありますが、平成13年度から30年度までの間に、18校の県立学校が廃校となっており、そのうち約8割の15施設が、特別支援学校への転用や、地域のコミュニティー施設等として利活用されているほか、災害時の緊急物資の備蓄や地域のスポーツ関連団体へ貸し出している例もあります。 ○議長(岩村良一君) 斎京四郎君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時51分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、中川隆一君の発言を許します。中川隆一君。   〔中川隆一君登壇〕(拍手) ◆中川隆一君 自由民主党の中川隆一でございます。新潟県議会で初めての一般質問をさせていただきます。 私は、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりにおいて、住んでよしは、離島のような遠隔地での政策実現が新潟県全体への試金石となると考えます。また、訪れてよし、すなわち観光振興のシンボルとして佐渡・粟島という2つの離島を活用することで、新潟県全体を観光から元気にすることができるのではないかと考えます。したがって、今回は佐渡地域の諸課題を中心に質問させていただきます。 1、佐渡地域の諸課題について。 佐渡-新潟航空路線についてお伺いします。 佐渡-新潟航空路線は、平成26年4月から休止状態にあり、佐渡と本土を結ぶ唯一の交通手段である佐渡汽船の欠航時の代替交通としても早期再開が求められております。 現在、滑走路長が890メートルの現佐渡空港で離着陸可能な機材の開発も進んでいることから、運航会社の確保等、佐渡-新潟航空路の早期再開に向けて具体的な検討を始める時期に来ていると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、佐渡空港拡張整備計画、いわゆる佐渡空港2,000メートル化の問題についてお尋ねします。 佐渡空港の拡張は、昭和60年4月に佐渡新航空路促進協議会が設立されて以来、佐渡島民の悲願であり、大都市との直結により時間距離が大幅に短縮されることから、国内外からの観光客増加による観光交流人口の拡大や農林水産物の販路拡大、また、企業誘致の可能性や雇用創出などが見込め、地域経済の活性化はもとより、佐渡の未来を見据えたとき、なくてはならない重要な計画と考えます。 そのため、現在、県と佐渡市で用地同意取得100%へ向けて地権者交渉を続けているわけですが、なかなか進展が見えてきません。事業化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 佐渡市立両津病院の建てかえについてお伺いいたします。 団塊の世代が75歳以上となる、いわゆる2025年問題を前に、地域全体での医療供給体制の構築と持続は喫緊の課題であります。 とりわけ離島である佐渡では、高度救命救急などの一部医療を除いて、島内で完結する医療体制が必要でありますが、佐渡医療圏域は、県内7医療圏域において、県立病院が設置されていない唯一の二次医療圏であり、厚生連佐渡総合病院が公的病院として昭和43年から佐渡の医療を担ってきました。 その佐渡総合病院が平成23年に移転新築する際、佐渡市は、建築費93億円に対して、約3分の1に当たる30億円を補助いたしました。 佐渡市の財政状況や予算規模で30億円の負担は余りにも大きく、また、一医療圏であるにもかかわらず県立病院も整備されず、佐渡総合病院を公的病院と位置づけているのであれば、それ相応の財政支援があってもしかるべきと考え、県に対し財政支援を要望しましたが、厚生連病院は民間病院なので、建築費の一部負担は行わないということで、県は建築費に対して支出をしなかったと仄聞しております。もちろん4つの補助事業で財政支援をされておりますが、大半が国費であり、県費での負担は3,500万円のみでした。 現在、佐渡医療圏域では、佐渡市立両津病院の果たす役割は大変大きいものがあります。しかし、両津病院は建設から38年が経過し老朽化が著しく、また、耐震性も劣ることから、移転新築に向けて新病院建設事業の基本計画が策定されました。 離島の医療供給体制を確保する上でも、両津病院が重要なことは言うまでもありませんし、民間病院でなく、公立病院であります。 くしくも今月26日、厚生労働省が再編や統合の検証を求める全国の公的病院424の病院名を初めて公表し、新潟県内においては41病院のうち、22もの病院が該当するとされました。そこには佐渡市立両津病院も含まれておりますが、離島佐渡においては絶対に必要な病院と考えます。 病院建設に対する県の財政支援が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 医師、看護師の偏在についてお伺いいたします。 厚生労働省の医師偏在指標によると、新潟県の医師の充足状況は下から2番目の全国46位となっております。全国の医師数は、2016年末時点で約32万人と過去最高を記録しております。それにもかかわらず、一部地域では医師不足が続き、偏在が解消される兆しは見えません。 県内では、7医療圏域中、5圏域が医師少数区域と判断された一方で、新潟市を含む新潟圏域では医師多数区域となっております。医師や看護師の偏在は、都市部と僻地の医療格差を広げるなど、過疎地域での医療提供体制の確保を困難にさせることは重大な問題であると考えます。 県内の医師、看護師の偏在解消に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 佐渡圏域における医師、看護師の確保についてお伺いいたします。 佐渡圏域では、島内唯一の精神病院である厚生連真野みずほ病院が、医師1名の退職により、病床縮小せざるを得ない状況となっております。 また、佐渡市立両津病院においても、医師の退職や看護師の不足のため、病床を99床から現在は60床で運営せざるを得ない状況にあります。 医師、看護師の確保については、運営者の努力はもちろんでありますが、このままでは二次医療圏としての必要な医療提供体制の確保もままならない状況になることが危惧されます。 佐渡圏域における医師や看護師の確保に対する県としての支援が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 佐渡汽船の船舶更新についてお伺いいたします。 佐渡航路は島民の生命線であり、安定した航路維持は、離島住民の生活確保や交流人口の拡大には必要不可欠であります。 現在、佐渡航路を就航している船舶は、カーフェリー「おけさ丸」、「ときわ丸」、高速カーフェリー「あかね」、ジェットフォイル「ぎんが」、「つばさ」、「すいせい」の計6隻体制であります。 しかし、佐渡航路においては佐渡汽船の経営が厳しさを増しており、特に老朽化した船舶の更新については、佐渡汽船単独での更新が難しい状況となっております。 中でもジェットフォイルの「ぎんが」は、1979年に建造され39年経過し、老朽化しているため、代替船建造が急務となっています。 そのため、佐渡汽船は7月29日付で、佐渡市と佐渡市議会に対して、文書でジェットフォイル代替船建造に係る支援をお願いしている状況にあります。 県は、佐渡汽船の筆頭株主であり、離島に住む県民の生活航路の確保・維持のため、船舶更新に当たっては県からの必要かつ十分な支援も必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 主要地方道佐渡一周線についてお伺いいたします。 主要地方道佐渡一周線は、佐和田地区を起点として、佐渡島を海岸線に沿って右回りに外周し、小木地区の西端の沢崎鼻付近に至る主要道路であります。路線延長は167.2キロメートルで、日本一長い主要地方道でもあります。 佐渡の島民にとって佐渡一周線は生活道路として、また、観光開発に欠かすことのできない重要な路線でありますが、まだまだ1車線区間もあり、待避所がないと観光バスなどの大型車両と交差さえできません。 また、近年の異常気象による災害で孤立地域が発生した事案もあり、安全・安心の観点からも未整備区間の一刻も早い整備が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 佐渡金銀山の世界遺産登録についてお伺いいたします。 金を中心とする佐渡鉱山の遺産群、いわゆる佐渡金銀山については、2010年、平成22年にユネスコの世界遺産暫定リストに記載され、これまで県と佐渡市は、県民と一体となって、登録に向けてさまざまな活動に取り組んでまいりましたが、残念ながら世界遺産国内推薦候補の選定には至っておりません。 しかし、来年度、2020年、令和2年には佐渡金銀山は世界遺産国内推薦候補の選定が有力視されておりますが、昨年、候補選定の見送りに際して知事は、国から示される課題を分析・検討し、万全の準備をしてまいりたいとコメントされておりましたが、これまでどのような取り組みを行ってきたかお伺いするとともに、推薦に向けて今後どのような取り組みを行っていくのか、また、県が行っている佐渡金銀山のユネスコへの推薦を求める署名活動では、令和元年9月19日時点で48万2,714筆も集まっていると聞いておりますが、現在どのような手応えを感じているのか、所見をお伺いいたします。 自然エネルギーの島構想についてお伺いいたします。 今月23日にニューヨークの国連本部で開催された気候行動サミットにおいて、16歳の環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんの演説が大変話題になりました。 地球温暖化対策については、全世界で取り組んでいかなければならない大変重要な課題であります。そういう意味では、国が推進する風力発電等の再生可能エネルギーや次世代エネルギーの活用は、二酸化炭素の排出量の多い火力発電への依存を少しでも削減できる有効な手段と考えます。 国は既に海洋再生エネルギーの実用化に向けた技術開発の加速のための施策として、全国8カ所に実証フィールドを選定し、我が県からは粟島浦村沖の海域が選ばれ、海底地形調査が実施されるようですが、県は平成31年2月6日に東北電力株式会社と包括連携協定を締結し、佐渡と粟島に再生可能・次世代エネルギー導入を促進していくとし、自然エネルギーの島構想を発表しました。 佐渡のエネルギー供給内訳は、火力発電が94%、太陽光発電が5%、水力発電が1%であり、ほぼ化石燃料に依存しております。 環境の島・エコアイランド構想を推進する佐渡にとっても、二酸化炭素の排出を少しでも抑えることができれば、イメージアップにもつながり、大変有益な施策であると考えます。 今後、どのようなスケジュールで、具体的にどのような取り組みを進めていくのか、お伺いをいたします。 2番、子供たちを守る取り組みについて。 児童相談所の人員体制についてお伺いいたします。 近年、子供たちが虐待で命を落とす痛ましい事件が後を絶たず、非常に残念でなりません。 平成29年4月の児童虐待防止法の改正により、市町村に支援拠点の整備についての努力義務や要保護児童対策調整機関への専門職の配置義務づけ等がなされました。 さらに、ふえ続ける児童の虐待死事件を受け、児童相談所の体制強化や親の体罰禁止を柱とする児童虐待対策関連法の改正案が可決、成立し、児童相談所の体制強化等が進められております。 厚生労働省の公表によりますと、平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応数は15万9,850件で、前年度より2万6,072件増加し、過去最高を更新しました。 対応件数の内訳は、心理的虐待が8万8,389件で全体の55.3%、身体的虐待が4万256件で25.2%、ネグレクト、いわゆる育児放棄が2万9,474件で18.4%となっており、これらで全体の98.9%になります。 また、県における児童虐待相談対応件数は2,793件で、前年度に比べ635件増加し、内訳は、心理的虐待が1,586件で全体の56.8%、身体的虐待が718件で25.7%、ネグレクトが464件で16.6%となっており、これらで全体の99.1%になります。構成割合は、国も県もほぼ同じ結果になりました。ちなみに、県は5年連続で過去最高を更新しております。 このようなゆゆしき事態は決して放置することなく、一刻も早く対応策を立てて、子供たちの命を危険から守らなければなりません。 そのような中で、県は児童虐待事案について、児童相談所と警察とが必要な情報を共有し、適切な役割分担のもと、児童の安全確認と安全確保を迅速かつ的確に行い、もって虐待の早期発見と被害の未然防止を図ることを目的とする児童虐待事案に係る情報共有について、児童相談所と警察の間の取り決めを結びました。 児童虐待事案は、その兆候を確認していたにもかかわらず、支援機関同士で連携がうまくいかず、情報共有ができなかったため判断ミスにつながり、助かる命を助けることができなかったということが多々あり、児童相談所と関係機関との連携・協働が最重要であることは言うまでもありません。ますます支援体制の強化をしていかなければならないと考えます。 このような実情に合わせ、県は3年連続で児童福祉司を増員しておりますし、今年度から県内5カ所の児童相談所へ心理判定嘱託員を各1名配置し、相談体制の強化を図っております。 6月定例会の一般質問の中で、知事は、児童虐待相談の増加傾向が続いていることを踏まえ、引き続き児童福祉司等の専門職員の増員や、研修等による質の確保に努め、児童相談所の体制強化に取り組む必要があると考えておりますと御答弁されております。福祉保健部長も、県といたしましては、国の児童相談所の体制強化の方針に合わせ、児童福祉司等専門職員のさらなる増員や研修等による質の確保に努め、児童相談所の体制強化を進めてまいりますと御答弁されております。 新潟県全体で見れば、確かに専門員もふえ、少しずつではありますが、体制強化がなされていると思います。 しかし、佐渡の状況はというと、佐渡地域は新潟市に所在する中央児童相談所の所管になっており、離島のため、職員2名が駐在のみの体制、そのうち1名は兼務職員のため、実質1名体制の状態であります。 佐渡市は、平成26年度に子ども若者相談センターを設置し、その施設で子供、若者に関する相談を受けておりますが、全相談対応数が平成30年度で306件、そのうちの要保護児童対策の相談対応数が約74%の225件あり、そのうちの約45%である101件が虐待に関する相談となっております。これは、平成26年度の相談対応数と比べると2.8倍になっております。 また、構成割合の内訳では、心理的虐待が34件で全体の34%、身体的虐待が28件で28%、ネグレクトが39件で38%となっております。その特徴は、国や県と異なり、ネグレクトが多いということであります。 このように佐渡地域においても相談件数は年々増加傾向にあり、現在の兼務職員を含む2名の駐在体制では、週末に加え、週1回程度の頻度で中央児童相談所に出張しており、職員が不在となる場合があるなど、相談の対応において佐渡市の負担が大きくなっていると聞いております。 緊急事案は、いつ発生するかわかりません。もちろんそれはどこの地域も同様であります。しかし、駐在員が研修や会議等により佐渡市以外に出張した際、離島である佐渡においては、児童相談所の機能が著しく低下せざるを得ません。 なぜならば、本土の他自治体であれば、児童相談所の他の職員が対応できますが、佐渡ではそういったことができないからであります。そういった場合、中央児童相談所に指示を仰いで佐渡市が対応しておりますが、現場を見ていない人との電話やメールでのやりとりは、時間の浪費と精神的苦痛を伴うものであると聞いております。これが佐渡地域の現状であります。 佐渡地域における児童相談所佐渡駐在所の人員体制の強化を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次の質問も関連であります。 先ほども申し上げましたが、佐渡地域にはしっかりとした児童相談所が設置されておりません。児童相談所がないということは、当然一時保護所もありません。県内にも3カ所しか設置されておりませんが、児童を保護したとき、本土であれば、多少離れていても地続きですので、車で対応ができますが、佐渡の場合、夜間で航路が運休していたり、悪天候で欠航があった場合、一時保護所に保護することが物理的にできないわけであります。 離島に住む子供も、本土に住む子供も、同じ新潟県の大切な宝であります。離島に住む子供たちを守る環境を整備するためにも、佐渡地域に児童相談所と一時保護施設の設置が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 子ども医療費助成事業等についてお伺いいたします。 少子化や子供の貧困問題が深刻化する中で、子育て世代の家計を圧迫する子ども医療費の負担を軽減させる助成事業は大変重要であり、有効であるため、県内各市町村では子ども医療費の助成対象の拡大に取り組んでおります。しかし、増加傾向にある医療費に対して、財源の確保に苦慮していると聞いております。 県は、子ども医療費助成事業補助金を平成28年度から交付金化し、子ども医療費助成等交付金として、市町村に交付をしております。交付金の配分額は、ゼロ歳から12歳までの人口と過去3年の医療費助成事業実績の平均額をもとに算出されることとなっております。 現在は、交付金化の経過措置により、一定の交付額が担保されておりますが、今年度で終了することとなっており、経過措置が終了した後も市町村が行う子ども医療費助成事業等に影響を与えないよう、県として確実に予算を確保すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 保育人材の確保についてお伺いいたします。 共働きの家庭の増加や就労スタイルの変化に伴い、子育てを取り巻く環境も大きく変化している中、市町村においても保育現場においても大変努力をしながら、多様化する保育ニーズに対応していると思います。 近年、特に首都圏等における待機児童の増加に伴い、地域においては保育人材の確保が困難となっているとも聞いております。 保育人材の確保・育成は、とりわけ幼少期の子供の育成を支える上でとても重要であると考えますが、県としての人材確保の取り組みの方向性について、知事の所見をお伺いいたします。 保育環境の整備・充実についてお伺いをいたします。 国においても待機児童対策として、保育士の処遇改善や施設修繕等の予算確保をしているところでありますが、私立の保育所が対象で、市町村の公立保育所は三位一体の改革による税源移譲にあわせて、施設整備費及び運営費につきましては、国庫補助金等が一般財源化されたため、全額が地方負担となりました。 とはいえ、小さい子供は特に手がかかる上、例えば誤飲や転落などのリスクも大きく、手厚い人員配置が必要であります。また、障害を持った子供の入所など、よりきめ細やかな対応が保育の現場で求められていることが多くなっている状況を鑑みれば、保育環境の整備・充実は不可欠であると考えます。県としてどのような取り組みを進めているか、お伺いいたします。 保育士の業務負担軽減についてお伺いいたします。 厚生労働省が平成26年度に公表した「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて」によりますと、保育士養成施設で保育士資格を取得したとしても、実際に保育園で就職するのは約半数だそうです。 また、実際に働いている人たちの半数が平均勤続年数5年未満と、せっかく保育園に就職しても5年以内にやめてしまうケースが非常に多いということになります。 資格を有しているにもかかわらず就職を望まない理由のトップは、責任の重さ・事故への不安でした。2位は保護者との関係が難しい、3位は教育・研修体制への不満でした。これらを解消できれば、有資格者の潜在保育士を掘り起こす鍵になると考えます。 また、職場の環境改善では、賃金が希望と合わない、自身の健康・体力への不安、休みが少ない・とりにくいがトップスリーでした。これらの理由が解消した場合、保育士への就業を希望するかどうかという問いには、約6割の人が希望すると回答しております。 そこで、お伺いいたします。先ほど来訴えております保育ニーズの多様化に伴い、現場においては人材の確保・育成の重要性に加え、有資格者である保育士の業務負担軽減対策も絶対に必要と考えますが、県ではどのような取り組みを進められているのか、お伺いいたします。 3、空き家問題について。 県内各地において、人口流出等による空き家がふえております。佐渡市においては、利用可能な空き家だけでも3,000棟を超えると言われております。 空き家は、人が住まなくなることで加速度的に老朽化が進みます。できるだけ早い段階で修繕等を行い、住居、宿泊施設、オフィス、カフェ等へのリノベーションによる活用が理想であります。 しかしながら、修繕可能なレベルを超え、解体が必要な老朽危険空き家となっている残念な事例も散見されるところであります。 老朽化した危険空き家については、各市町村で解体費用に対し一部助成をする補助制度等がありますが、非木造建築物等については解体除却費用が高額になり、所有者の負担がかさむことから除却が進まないという現状があります。 また、事業所やホテルなど法人所有の建築物で所有法人が破産している場合、当該建築物が換価できる可能性が少なく、財産管理人制度の活用では代執行費用の市町村負担が見込まれることや、当該建築物所在土地が抵当権設定されている場合が多く、除却跡地からの除却費用の回収ができないことが想定されます。 このように空き家がふえれば、まちの景観を損ねるだけでなく、観光地としてのブランド力にも影響が出ることとなります。そのため、県民の安全・安心を確保する観点からも、県独自の除却支援や県からの市町村への手厚い財政支援が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 4、民俗芸能、伝統芸能について。 今現在、新潟県で初開催となる第34回国民文化祭・にいがた2019及び第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会が同時開催され、にぎわいを見せているところであります。天皇皇后両陛下が御来県され、今月16日には盛大に開会式が開催されたことは、まことにうれしいことであります。全国の多彩な文化、芸術が融合する日本最大の文化の祭典として、大いに期待されております。 新潟県内には各地域に数多くの民俗芸能、伝統芸能があり、地域によっては集落単位で継承されております。民俗芸能は地域の祭りの華であり、その地域、集落の歴史や文化が凝縮されております。加えて、集落を形成、維持していく上で大変重要な行事でもあります。 しかし、近年、それらを継承してきた地域の青年団や保存会のメンバーが高齢化や後継者不足となり、また、慢性的資金不足のため存続困難の危機に瀕していると仄聞します。 活動資金の主な収入源は集落住民からの御祝儀であるため、自治体や県からの補助金等の助成がなければ衣装や道具の修理、購入ができないのが現状であります。 また、民俗芸能、伝統芸能は観光資源としても重要であり、欠くことのできない県の宝であると考えます。 県内の国・県指定の有形・無形文化財はもとより、指定がされていない県内の伝統芸能等についても、その保存や継承に向け、県としてきめ細やかな対応をしていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中川議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、佐渡-新潟航空路線の再開と佐渡空港拡張整備についてでありますが、佐渡-新潟線の早期の運航再開については、現在も佐渡市と連携しながら鋭意取り組んでおりますが、現在の佐渡空港の滑走路長でも離着陸が可能で、かつ、従来機よりも搭乗人数の多い機材が新たに開発されることにより、航空会社の佐渡路線開設の検討が促進されるものと期待をしております。 そのため、航空機メーカー等と導入可能性などについて情報収集や意見交換を行っているところであり、今後は、運航会社の確保にも努めてまいりたいと考えております。 また、佐渡空港の拡張整備に向けては、現在、事業化に向けた前段階として、地元自治体である佐渡市が主体となり、地権者からの用地同意取得に取り組んでいるところであり、今後も、佐渡市と十分に調整しながら取り組みを進めてまいります。 次に、佐渡市立両津病院建設に対する県の財政支援についてでありますが、両津病院は、僻地医療拠点病院に指定されるなど、佐渡島内の医療提供体制において、一定の役割を果たしているものと認識しております。 県といたしましては、今後の佐渡市の建設計画の進捗状況等を見ながら、対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、医師や看護師の偏在解消に向けた取り組みについてでありますが、県ではこれまで、養成施設の定員の増加、修学資金の貸与、勤務環境の改善など、さまざまな取り組みにより医師や看護師の総数の確保や偏在解消に努めてまいりました。 特に、医師については、医師不足地域に修学資金貸与医師を配置するとともに、看護師については、不足する地域に養成施設の設置を進めるなど、地域に必要な人材の確保に取り組んできております。 県といたしましては、引き続き、これらの取り組みにより、医師や看護師の偏在解消に努めてまいります。 次に、佐渡圏域の医師や看護師確保への支援についてでありますが、県ではこれまで、佐渡圏域の病院に、修学資金貸与医師や自治医科大学卒業医師を配置してきたほか、病院と連携し、臨床研修医の確保や県外医師の確保に努めてきたところであります。 また、働きやすい環境を整備するため、院内保育所の運営を支援するほか、看護師養成施設に対する運営支援も行うなど、さまざまな取り組みを行っているところであります。 県といたしましては、地域の実情を踏まえ、佐渡圏域においても安心して医療が受けられるよう、引き続き、支援してまいります。 次に、佐渡航路の船舶更新への支援についてでありますが、佐渡航路の輸送人員は減少傾向が続いており、今後予定されている老朽船舶の更新を踏まえると、佐渡汽船の経営環境はますます厳しくなるものと予想されます。 佐渡航路は、島民生活及び観光振興の両面から欠かすことのできない重要な航路であり、船舶の更新を含め、佐渡航路への県としての行政支援については、地元市とともに地域の交通体系をどのようにするかを考える中で検討してまいりたいと考えております。 次に、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦に向けた今後の取り組み等についてでありますが、国内推薦を得るためには、国から示された普遍的価値の明確化などの課題に対応した推薦書案を作成することが前提であり、改善に向けて修正を進めているところです。 また、推薦実現に向けては、県民の機運醸成をさらに図っていくことも必要であり、ことし1月から始めた署名活動では、現在、県内外から48万筆を超える署名が届けられており、推薦への期待が高まっていると認識しております。 文化庁からは、来年度の推薦候補として佐渡が最有力との見方を示していただいており、引き続き国内推薦を目指して全力で取り組んでまいります。 なお、推薦書案改善への取り組みの詳細については、教育長から答弁いたします。 次に、子供たちを守る取り組みについてお答えします。 まず、佐渡地域における児童相談所の人員体制の強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、佐渡地域に駐在している県の児童相談所の正規職員が不在となることがあるため、市の職員に負担が生じる場合があると承知しております。 県といたしましては、国の体制強化の方針に合わせ、児童相談所全体の児童福祉司の増員など体制強化に取り組んでいるところであり、佐渡地域における児童相談所の人員体制の強化についても、その中で検討してまいります。 次に、佐渡地域における児童相談所と一時保護施設の設置についてでありますが、管轄人口など県全体のバランスを考慮すると、佐渡地域に児童相談所と一時保護所を設置することは難しいと考えておりますが、県の児童相談所全体の体制強化を図る中で、佐渡地域における相談対応体制の強化についても検討してまいりたいと考えております。 次に、子ども医療費助成等交付金についてでありますが、市町村の意見も踏まえ、平成30年度に、県としての交付額の水準を小学校3年生相当から小学校6年生相当まで拡大したところであり、子育て環境の充実や少子化対策の観点から、一定の役割を果たしているものと認識しております。 新年度予算については、聖域を設けず、あらゆる分野を対象として事業の見直しを行うこととしており、市町村と意思疎通を図りながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、保育人材確保の取り組みの方向性についてでありますが、議員御指摘のとおり、保育人材の確保は、愛着形成が大切な幼少期の子供の育成を支える上で重要であり、県といたしましても、市町村及び関係団体と連携し、人材確保や育成のための研修等に取り組んでいるところであります。 しかしながら、首都圏等での待機児童対策を背景とした人材流出や、保育現場における業務負担感の増など、昨今の状況変化も踏まえ、今年度新たに、高校生が保育現場を体験する機会の提供や、働きやすい職場づくりにつながる取り組みなども進めているところです。 今後とも、保育現場における課題を市町村や関係者と共有しながら、幼児教育・保育の重要性を踏まえ、人材確保、育成に取り組んでまいります。 次に、空き家問題についてお答えします。 空き家除却に対する県の財政支援についてでありますが、空き家の除却については、現在、国が空き家対策総合支援事業等により重点的に財政面で支援していることから、県といたしましては、まずは市町村主体の取り組みが円滑に進むよう、情報提供や技術的助言等の支援に努めているところです。引き続き、市町村における活用状況を注視し、必要に応じて、より使いやすい制度となるよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、保育環境の整備・充実についてでありますが、県といたしましては、住民により身近な存在である市町村が実情に応じた取り組みを推進できるよう、国補助制度の効果的な活用を支援しております。 あわせて、法制上、保育士1名に対して児童6名である1歳児の職員配置基準について、保育士配置拡充を図る県独自の取り組みや、障害児などへのきめ細やかな対応を図る県補助制度の整備等、保育環境の充実整備、保育の質の向上に取り組んでおります。 また、国に対して、地方が地域の実情に応じて質の高い保育の実施に中長期的に取り組むことができるよう、一層の財政措置について要望しているところです。 次に、保育士の業務負担軽減への取り組みについてでありますが、多様化する保育ニーズへの対応が求められる中、有資格者である保育士が本来の業務に集中できるよう、国においても保育施設におけるICT化推進に係る費用や、保育補助者を新たに雇い上げる場合の費用への支援等を制度化しており、今年度においては、県内において3市がICT化推進に取り組む予定です。 保育補助者雇い上げ強化事業に係る国への交付申請は今後でありますが、市町村との情報共有を速やかに行いながら、その効果的な活用が図られるよう、支援してまいります。 また、県におきましても、保育士の勤務環境改善のため、今年度新たに、産休代替職員の引き継ぎ期間の人件費を補助するなど、業務負担感の軽減を図る取り組みを進めているところです。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 自然エネルギーの島構想の取り組みについてでありますが、この構想は、離島の環境負荷の低減とエネルギー供給源の多様化を図ることを目的として、離島における再生可能エネルギーをふやす、需給調整する、使うという観点で、洋上風力発電や水素関連等の取り組みを進めるものであります。 具体的には、既存設備の活用により短期的に実現可能なものとして、一定エリアの需給制御をする仮想発電所の取り組みについて、関係事業者と調整しながら実施の検討を進めています。 洋上風力発電については、佐渡沖等でも大きな可能性があることが確認されていることから、洋上風力発電導入研究会で検討を進めてまいります。 また、水素エネルギーの取り組みなどは、長期的な視点で取り組むものであり、関連技術の進歩等に応じた事業者の検討により具体化されていくものと考えております。 いずれにいたしましても、これらの取り組みの実現に向けて、関係事業者とスケジュール等も含め調整を進めてまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 主要地方道佐渡一周線の整備についてでありますが、当該路線は、佐渡島を外周し、観光拠点へのアクセスや海岸線に点在する集落を連絡する幹線道路であります。 県といたしましては、これまでも補完路のない唯一の道路として、重点的に整備を進めてきておりますが、いまだ幅員狭小区間や落石・越波の危険箇所などがあり、早期整備が必要であると認識しております。 引き続き、佐渡観光の振興や島民の安全・安心確保のため、未整備区間の解消に向けた道路整備を進めてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 佐渡金銀山の推薦書案改善への取り組みについてですが、昨年、国から示された普遍的価値の明確化や他の鉱山遺跡との差別化などの課題に確実に対応するため、文化庁からも助言を受けながら、佐渡金銀山世界文化遺産学術委員会において検討を重ねているところです。 さらに、ICOMOS審査のポイントなどを熟知した海外の鉱山専門家の参画を得て、幅広い観点でよりわかりやすい推薦書案の作成に取り組んでまいります。 次に、民俗芸能等の保存や継承への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、過疎化や少子高齢化等により保存や継承を担う人材が不足し、地域に根差した民俗芸能等の存続が危ぶまれる状況も見られます。 このため、県教育委員会では、現在作成中の新潟県文化財保存活用大綱で、文化財の保存と活用、継承を担う人材の育成等に加え、未指定の文化財の掘り起こしと価値づけが進むよう、方針を市町村に示すこととしております。 また、全国の取り組みの情報提供等を行い、市町村と連携しながら保護団体による保存や継承への支援を行ってまいります。 ○副議長(桜井甚一君) 中川隆一君の質問は終わりました。 次に、小山大志君の発言を許します。小山大志君。   〔小山大志君登壇〕(拍手) ◆小山大志君 人生初の一般質問に挑む、自由民主党、十日町市中魚沼郡選出の小山大志です。 傍聴席にお越しいただいております支持者の皆様初め、多くの地元の皆様から御支援いただき、この場に立たせていただきますことに、身の引き締まる思いです。 通告に従いまして、順次質問いたします。 質問に先立ちまして、まずは6月に村上市を中心とした震度6強の地震で被災された皆様、また、関東地方を中心に甚大な被害をもたらした台風15号により、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。早期の復旧・復興へ私自身もできることから支援してまいります。 最初に、東京2020オリンピック・パラリンピックについて伺います。 さて、新潟県においてうれしい出来事がありました。9月15日に開催された東京オリンピック日本代表選考レース、マラソングランドチャンピオンシップで、私の地元であります十日町市出身の服部勇馬選手が、最後は無我夢中で3位から追い抜いた場面は覚えていないという驚異の集中力と粘り強さを見せ、2位となり、オリンピック代表に内定いたしました。 新潟県出身の東京2020オリンピック代表内定は初めてとなります。また、過去に新潟県として燕市出身の宇佐美彰朗さんが1976年モントリオール大会に出場して以来、マラソンにおいては44年ぶりの快挙であります。オリンピックへ向けて、さらなる支援が必要と感じます。 県では、新潟県スポーツ協会に委託し、オリンピックなど世界で活躍できる選手の育成と強化を図るオリンピックアスリート夢チャレンジ事業を行っています。 県の出資法人に対する運営指導方針として、県が期待する役割・効果を明確にし、課題を明確にした上で、出資法人への指導・要請するとあります。 8月31日時点で指定選手数は77名となっていますが、本県出身の服部勇馬選手は、現時点で当該事業の対象選手に指定されておりません。今後の指定について見通しをお伺いいたします。 このたびの出来事は、県陸上界を初め、県内のスポーツ界に大きな刺激となるはずです。新潟県出身の代表内定選手が多く輩出されることを期待しますし、オリンピックを目指す子供たちが多く出てきてほしいと感じます。 また、本県出身または本県に活動拠点を置く選手が東京オリンピック・パラリンピックで活躍することで、選手が生まれ育った場所や活動場所が注目を集め、地域住民の誇りが高まり、地域活性化も期待できるものと考えます。 来年の大会本番で本県出身の選手が大いに活躍できるよう、県として選手を支援・応援していることを、関係自治体等とも連携して広く発信すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、行財政改革について伺います。 花角県知事は、5月7日、新潟県庁で開いた行財政改革有識者会議の初会合で、県財政について緊急事態と銘打ち、抜本改革の必要性を強調しました。歳入規模に対する県債残高の割合が2017年度決算で全国最悪だったことなど、県の危機的な財政状況が改めて明らかにされましたが、ぜひこの機会をさらなる未来への投資という気概で前向きに改革ができるきっかけにつなげるとともに、住んでよし、訪れてよしの新潟県とするため、行動計画以上に財政健全化へのより早い成果を出せるように、私も一議員として、検査権や調査権を行使し、尽力いたします。 さて、知事は常々、県民の皆様との対話をしっかりと行い、県民最優先の県政の実現に全力で取り組んでいくと述べられています。これまで、私がお見受けしている限り、県民と向き合っている知事から笑顔が絶えないことに感服しております。 今後、行財政改革に取り組む中で、県民や各種団体からさまざまな厳しい要望・意見が出されることが予想されますが、どのように対応していくつもりか、知事の所見を伺います。 次に、県内商工会や商工会議所、商工会連合会の数は計120あります。 平成の市町村合併により、平成12年3月31日に112であった新潟県内の市町村数は、平成22年3月31日には30にまで減少しました。市町村の減少率は7割を超え、減少した市町村の数は82で、これは全国最多となります。 また、新潟県における合併の特徴は、5つ以上の市町村が合併するという大がかりなものが6つ、その中でも10以上の市町村が合併したものが4つもありました。 それだけの地域再編がありながら、加速的に地域経済が混迷することなく、疲弊にもつながらなかったのは、商工団体という地域の事業者が、業種にかかわりなく会員となって、お互いの事業の発展や地域の発展のために総合的な活動を行っているからこそ、過疎が進む地域においてもこれまで存続ができているものと感じています。 そこで、商工団体補助金を初めとする県単独補助金の見直しに当たっては、削減ありきではなく、それぞれの補助金が実際に効果を上げているかどうかという視点が重要と捉えます。各部局が行う検証と具体的な予算の見直しを、今後どのように進めていくのか伺います。 また、県が保有する資産や固定観念にとらわれないアイデアを組み合わせ、これまでの既存の政策にイノベーションを起こすことも重要です。次の世代と手をとり合い、計画、実行、評価、改善を継続的につなげていき、長期的視野と複合思考で、限られた力や資源を総合的に運用していく、戦略的な政策を生み出さなければいけません。 既に取り組んでいる若手職員の政策提案については、10月下旬に知事へプレゼンを行い、優秀な提案は来年度予算や事業計画に盛り込むと聞いています。評価が高い政策提案に限らず、若手職員の前向きなアイデアは、できるだけ県の施策・事業に生かしてもらいたいと考えますが、所見を伺います。 また、公共空間の新たな維持管理手法を検証する社会実験として、先月開催された県庁前ナイトマルシェの取り組みは、民間事業者との連携や、マスコミへの情報提供、SNS等による情報発信など、事業を推進する上で参考になる先進事例であると考えます。今後、ほかの部門でも横展開できるよう、取り組みのノウハウ等を庁内で共有すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、国土強靱化について伺います。 近年、数十年に1度と言われる大規模災害が頻発しています。消防庁から報告された災害年報に基づき、2011年から2015年の5年間の自然災害において都道府県別損害額を算出してみると、新潟県においては1,581億円と、東日本大震災を考慮した太平洋沿岸地域を除くと、全国一の被害総額となります。 さらに、中小企業庁の2019年度中小企業白書によると、我が国における自然災害の発生件数と被害額の推移は増加傾向にあり、事新潟においては、1995年から2017年の間、災害救助法が適用された回数は第1位の13回で、第2位の長野、福岡、宮崎県が8回と、数値的なものを見ると、やはり2015年から2016年にかけて財政収支の状況が悪化していることから、災害における地域経済の疲弊、不安から人口減少と県税収入の減少という事象が起きたことは、少なからず因果関係があると考えます。 自然災害の発生頻度が高い県が不利をかぶることがないよう、本県において、被害を最小化するためのハード対策が重要であると考えます。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を延長し、公債費に対する交付税措置率を拡大することについて、国に提案すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、2004年の中越大震災から復興を支援してきた中越大震災復興基金が来年秋をめどに解散、そして2007年の中越沖地震の復興を支援する中越沖地震復興基金も今冬をめどに解散します。ともに災害により疲弊した被災地域を魅力ある地域に再生させることに寄与してきましたが、これまでの基金を活用した事業の評価について、知事の所見を伺います。 さらに、防災・減災における取り組みのよりどころとなっていた基金がなくなる中、現在想定されている首都直下型地震、南海トラフ地震のような広域的な大規模災害が発生した場合には、公助の限界についての懸念も指摘されています。 また、自助・共助の重要性は、特に東日本大震災以降、国民にも認識されるようになっています。内閣府が実施した世論調査結果によれば、自助・共助・公助のうち重点を置くべき防災対策としては、平成14年調査時には公助に重点を置くべきと考えている割合は24.9%でしたが、平成29年調査時では公助は6.2%に減少する一方、自助は平成14年の18.6%から平成29年の39.8%に、共助は平成14年の14.0%から平成29年の24.5%にそれぞれ増加しており、公助よりも自助・共助に重点を置くべきとするほうの割合が高まっています。 人口減少により過疎化・高齢化が進む中、災害を他人事ではなく自分事と捉え、県民一人一人が防災・減災意識を高め、具体的な行動を起こすことが重要と考えます。 半数以上の都道府県で、自助・共助・公助の取り組みを推進することで地域防災力の一層の向上を目的とする防災基本条例が制定されており、本県でも制定する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 条例においては、協働促進手法や誘導的手法、支援的手法のみにとどまらず、財源調整手法、規制的手法も盛り込むことで、新潟県は災害が多い地域ですが、災害対策先進地として、日本を先駆けていくと確信します。 さらに、避難・救助を初め、物資供給等の応急活動に関係し、災害においても停滞しない活力ある地域づくりのためには、高速交通網の社会資本整備も重要です。 国土交通省は、2019年度に新たに着手する事業として、新潟県の上越、十日町、南魚沼の各市を結ぶ上越魚沼地域振興快速道路の一部となる十日町道路11キロメートルを選定していただきました。2019年度は、正式なルートを決めるための調査や測量を行うわけでありますが、着工や完成の時期は未定としています。 全ての地域に言えることでありますが、社会資本整備の効果には、フロー効果とストック効果があります。 フロー効果は、公共投資の事業自体によって生産、雇用や消費といった経済活動が派生的につくり出され、短期的に経済全体を拡大させる効果とされています。 一方で、ストック効果は、整備された社会資本が機能することで、整備直後から継続的かつ中長期にわたって得られる効果です。 また、ストック効果には、耐震性の向上や水害リスクの低減といった安全・安心効果や、生活環境の改善やアメニティーの向上といった生活の質の向上効果のほか、移動時間の短縮等による生産性向上効果といった社会ベースの生産性を高める効果があります。 ただ、幾ら夢や希望を描いても、期間計画が明確に打ち出されていなければ、民間としても社会資本整備を生かした投資に至りません。民間からの税収の増加を考えるならなおのこと、整備をする道路においては早期に期間計画を公にして、民間からの投資に導くべきだと考えます。 そこで、上越魚沼地域振興快速道路の一部となる十日町道路は、地域経済・産業振興を支え、地方創生のために必要であるとともに、災害に強く信頼性の高い道路として、周辺地域住民は早期の完成を望んでいます。現時点での工事着手時期のめどについて伺います。 また、計画の十日町道路と並列している現状の一般国道253号十日町橋におきまして、劣化が進んでいることから、車両総重量20トンを超える特殊車両の通行が規制されております。補強工事等も適時入り、片側交互通行等の規制もあり、経済活動における生産性も低下させているのが現状です。 一般国道253号の十日町橋については、今後、仮に十日町道路の(仮称)十日町インターが暫定供用された際には交通量が増加すると見込まれますが、現時点でのかけかえの見通しについて伺います。 さらに、一般国道353号は、新潟県南部地域、長野県北部地域と上越新幹線、関越自動車道とを最短でつなぐ、極めて重要な路線であり、また、世界からも注目されている日本3大渓谷の清津峡へのアクセス道路として、さらに柏崎刈羽原発からの避難経路にもなるわけでありますが、県民の安全に安心して暮らせる生活を守るためにも、災害において交通不可になることはあり得ません。 一般国道353号の十二峠は、急勾配・急カーブが連続する山合いの道路で、雨や雪のため通行どめが発生し、住民生活に多大な支障が生じており、地元では抜本的解決策を求めています。県としても、国を初め関係機関と連携して、信頼性の高い十二峠の早期実現に取り組んでもらいたいと考えますが、所見を伺います。 続いて、原子力発電所の件です。 県では、本年3月に原子力災害広域避難計画を策定しましたが、原発から半径5キロメートル圏内の即時避難区域と5キロメートルから30キロメートル圏内の避難準備区域にある柏崎、刈羽、長岡、燕、見附、小千谷、十日町、上越、出雲崎の9市町村は、2016年までに避難計画を策定しております。県の広域避難計画と市町村の避難計画において、避難先等の整合性が図られているのか伺います。 また、市町村が避難計画を策定しても、住民がそれを理解していなければ意味はないと考えます。県では住民の認識、理解度を上げるために、どのように取り組んでいくつもりなのか伺います。 次に、教育環境について伺います。 義務教育の究極の目的は、社会で自立して生きていける個人の育成であると考えます。 その上で教職員の労働環境を見たときに、通常の授業や部活動の指導、いじめや不登校等の早期対応及び未然防止、障害により特別な支援を必要とする児童生徒への対応、新たな英語教育やプログラミング教育など、複雑化・困難化する課題への取り組みから、現場の長時間労働のイメージなどが影響し、教員のなり手不足が全国的な傾向となっていますが、新潟県教育委員会が2019年度に向けて実施した教員採用試験において、競争倍率が小学校1.2倍、中学校2.3倍とそれぞれ過去最低でありましたが、2020年度へ向けた教員採用試験においては、競争倍率が小学校2.6倍、中学校4.6倍と昨年度からは期待が持てる数値が出ています。 その点においては喜ばしいことですが、保護者も学校教育に安心できる教職員定数の計画的な改善や、十分な教育予算の確保等により、教員が心にゆとりを持って子供たち一人一人と向き合い、きめ細やかな教育を行うことができる環境整備が必要となります。 また、現状をサポートしている新潟県立教育センターを初め、上・中・下越教育事務所の支援体制の拡充も整備が必要と捉えます。 まずは、新学習指導要領が、小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面実施されます。今後、教職員の人的配置の拡充や資質・能力の向上が必要になると考えますが、所見を伺います。 また、Society5.0で実現されるべき公正に個別に最適化された学びには、学校教育と民間教育の協力連携が理想的であり、その一つの形を実証するために、未来の教室と題して、義務教育課程においても実証実験を経済産業省が主体となって行っています。県ではこうした公教育と民間教育の連携についてどのように考えているのか、所見を伺います。 さらに、県では、長時間労働が深刻な教員の負担軽減に向け、配付物の印刷や会議の準備などの事務作業を代行するスクールサポートスタッフを、昨年度は30校、今年度は34校に配置しています。十日町市においては、ことしより東小学校に配属されておりますが、市町村教育委員会、現場の職員からは非常に効果があるとの声を聞いており、さらなる増員が必要と考えますが、所見を伺います。 また、市町村教育委員会の判断で、業務量の多い学校に年度途中で配置がえできるような柔軟な制度に見直すことも有効と考えますが、あわせて所見を伺います。 次に、農林業について伺います。 広大な県土の約7割の面積を中山間地域が占める本県においては、これまでのさまざまな政策によって、耕作放棄による農地の荒廃が防がれ、生命、財産と豊かな暮らしが守られているとともに、美しい棚田などの農村景観の保全に重要な役割を果たしている現状があります。 その中心となったのは、中山間地域等直接支払制度であります。これは、平成10年に市町村、集落等への直接支払制度のアンケートから、新潟県直接支払制度検討会が設置され、計3回にわたる検討会では、第2回において旧松代町、松之山町等から意見聴取も行い、制度要望を国へ報告した新潟県の先輩諸氏の覚悟から生まれた制度と伺っております。 これまで4期20年という長きにわたり中山間地域を支えた制度も、農林水産省が2017年に実施した、全国における中山間地の集落を対象にした調査結果より、新潟県内分のみの調査結果では、農地維持困難との回答が54%にも及びました。 6月に開催された産業経済委員会でも、制度を生み出すきっかけをつくった新潟県として、現場の声をきちんと国へ伝え、制度改正を訴えていただきたいと述べましたが、やりがいを生み出す制度への改正はもちろん、集落間のさらなる連携や担い手の確保へ向けて、活力が生まれる支援を要望すべきとも捉えますが、中山間地域等直接支払制度の第4期対策が今年度で終了します。現行制度には、5年間継続して農業生産活動等が実施されることという要件がありますが、地域の現場からは、この要件を緩和してほしい旨の声が出ております。第5期対策の開始前に、現場の声を国へ伝え、制度改正を要望すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 あわせて、林業についてであります。 県産材の利用促進について、川下と呼ばれる住宅建築部門や消費者等における対策事業として、家づくり支援事業やふるさと新潟木づかい事業があります。過去にも先輩議員から質問されておりますが、欲しいときに量と質、ほかと比べて安価で手に入らないという工務店の声は、ことしに入り私にも話が入ってきております。 今年度見直しがなされた新潟県産材の家づくり支援事業のうち工務店等事業者に対する補助については、前年度の県産材利用実績を上回ることという交付対象者条件があるため、限られた事業者しか申請できないという声を聞きます。県産材利用の定着・拡大を図るという事業目的を達成するためには、より多くの事業者が申請できるよう、来年度に向けて見直しを検討すべきと考えますが、所見を伺います。 実際、見直し前の昨年度事業においては、申請者数186、申請棟数455、木材利用量7,648立米で、見直し後の今年度事業における現在の申請状況としては、申請者数49、申請棟数453、木材利用量5,232立米と、申請棟数はほぼ変わりませんが、前年度対比で申請者数は26%、木材利用量は68%と、事業目的からかけ離れている数値と評価せざるを得ません。 川上と呼ばれる造林・素材生産部門や川中と呼ばれる製材・加工部門への施策を手厚くし、川下においては仕入れにおいて、国外、他地域の木材よりも、より多くの方に安価で仕入れができるように取り組むべきだと考えます。 次に、医療について伺います。 少子高齢化、人口減少が進む中、将来的な医師不足が大きな問題となっています。 厚生労働省が将来の地域の医師数を新たに試算した結果をまとめて公表しました。医師の偏在を解消する目標である2036年で見た場合、全国で約2万4,000人の医師不足が見込まれるとのことです。二次医療圏の合計で見た都道府県別の医師不足上位10都道県の中に新潟県も入りますが、新潟県は1,540名不足とのことです。 厚生労働省のデータから新潟県を分析すると、2020年から2036年までの必要医師数を達成するための年間養成数について、本県は108人と全国的に類を見ない桁違いの数字となっています。 現在、新潟大学医学部医学科の入学定員は、1年次が122名、2年次の学士編入学5名を含めて127名です。うち22名が、国が医師不足の深刻な地域、診療科の医師確保のために医学科入学定員増が必要であると示したことに対し、地域枠として申請して認められたものです。 ただ、札幌医科大学では医学部定員110人に対して地域枠が90人と、定員の8割を地域枠として医師確保へ向けて対策をしている事例も踏まえると、新潟大学の医学部定員に対する地域枠が2割に満たない現状を抜本的に改善する必要があると考えます。 本県の医師確保対策として、新潟大学医学部医学科の地域枠の増員が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 地域枠1名のための支出は、国立であれば1,000万円です。地域医療介護総合確保基金などを用いて3分の2を補助してくれるとなれば、3分の1で済みます。最大100名の地域枠を設定するとしたら、県は3億円の負担で10億円分の事業ができます。最終的には6年間の事業となりますが、これは捨て金ではなく、将来の新潟県に資する未来への投資です。地域枠は、大学卒業後新潟県に住むことが義務づけられていますので、よい納税者にもなりますし、新潟県内に循環するお金でもあります。また、在学中の学生にも県にも貢献していただけるように、知事から力強いメッセージを発信していただけると幸いです。 そして、平成28年度において、新潟県の人口10万人当たりの医師数は205.5人、十日町市においては105.8人、津南町においては61.3人と、県内の地域格差もあり、医療従事者の1人当たりの負担が深刻です。 また、県立病院においては、トータル的には患者数が減少し続けている現状を踏まえ、比率としては高齢者は激増し、認知症や寝たきりのような退行性疾患もふえ、中年期においては生活習慣病や慢性疾患が爆発的にふえていきます。 それに対応するには、生活を中心とした医療が必要と感じます。地域住民への医療サービスが低下することなく、医療従事者の負担を減らすために、県が進める地域包括ケアシステムのさらなる充実が必要です。 訪問対応もできる経験のある医師をふやすには、都市部で人生を削りながら身を投じてきた医師の方に、地方における大自然と安らげる生活をPRするなど、ついの住みかとして新潟県を選んでいただけるよう、ターゲット層を絞った医師確保の取り組みを進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 今年度も厚生労働省にて現在調査が進められておりますが、2016年12月に医師対象とする初めての大規模調査、医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査が行われ、全国の医師約10万人を対象に、回収済み1万5,677人の回答から、医師の44%が地方勤務の希望があるとのことです。しかし、その意思がない理由を尋ねると、20代では労働環境、30から40代では子供の教育環境が1位とのこと。教育環境、労働環境、生活環境を一体に整えた上で、取り組むべき価値はあると感じます。 最後に、本年3月末をもって、十日町市、津南町周辺で唯一の精神病床を持つ中条第二病院の機能見直しがなされました。 1月31日に十日町市長、津南町長らが地域の精神医療の確保を求める要望を行った際、知事から、県全体の精神医療提供体制のあり方について検討会で議論を進めていくという考えが示されましたが、これまでの検討状況を伺うとともに、今後、地元関係者が地域の実情や要望を訴える機会は設けられるのか、あわせて伺います。 リーダーのたった1つのメッセージで、一人の人生を、地域を、新潟県、日本をも変えることができると感じます。花角知事の笑顔のリーダーシップを期待いたしまして、私の一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小山大志議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県出身選手等に対する支援・応援の情報発信についてでありますが、県では、オリンピックなど世界で活躍が期待できる本県出身選手等に対する遠征費などの活動支援や、活躍した選手に対するスポーツ賞の授与などの取り組みを行っております。 このような取り組みを広く発信することは、選手にとって活動の励みや本県への愛着につながるとともに、県民全体で応援する機運を高めていくものと考えております。 県といたしましては、東京オリンピック・パラリンピックに向け、引き続き選手の活動支援を行うことはもとより、関係する市町村や団体と連携し、県の広報媒体などを活用しながら、広く情報発信してまいります。 次に、行財政改革についてお答えします。 まず、県民や各種団体への対応についてでありますが、今後、個別事業の見直しに当たっては、市町村や関係団体等の関係者に対し、厳しい財政状況についてしっかり説明しつつ、十分意思疎通を図りながら、単なる行政サービスの低下にならないよう、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら取り組み、県民生活への影響にも最大限配慮してまいりたいと考えております。 次に、国土強靱化についてお答えします。 まず、公債費に対する交付税措置率の拡大についてでありますが、今後、厳しい財政状況のもとでも、激甚化・頻発化する自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策を推進していく必要があることなどを踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の終了後も所要の予算を確保し、公債費に対する手厚い交付税措置率を含む地方財政措置を講じるよう、国に対して要望したところであり、今後もさまざまな機会を捉えて要望してまいります。 次に、復興基金を活用した事業の評価についてでありますが、復興基金につきましては、被災地のニーズを的確に把握し、弾力的かつ機動的に施策を実施してまいりました。 復興の基盤となる生活再建やコミュニティーの再生などの事業により、被災地の復興に大きな役割を果たしてきたものと考えております。 次に、防災基本条例の制定についてでありますが、本県では、中越地震や中越沖地震など実際の被災経験から得られた教訓を踏まえ、専門家の知見や被災者の思いを反映する形で、平成21年3月ににいがた防災戦略を策定し、以降一貫して本県防災対策の基本理念としてまいりました。 同戦略においては、議員御指摘のような自助・共助・公助の取り組みに地域共同体による互助の役割を加味するなど、あらゆる主体の力を集めて効果的に災害に対応することを宣言し、その取り組みを進めているところです。 いわゆる防災基本条例は、地域防災力の向上や県民の防災意識を高めることなどを目的に基本理念や各主体の役割等を定めたものと理解しておりますが、他県での条例制定に至る経緯や条例の内容、その効果を確認しながら、このにいがた防災戦略に定められた基本理念を条例とすることも含め、幅広く検討してまいります。 次に、農林業についてお答えします。 中山間地域等直接支払制度についてでありますが、中山間地域は、高齢化が進む中で、制度の要件である5年間耕作を継続することに対して不安を持つ方が多いものと承知しております。 このため、県では、高齢農家でも安心して本制度に取り組めるよう、さまざまな機会を捉えて制度の見直しを国に要望してきたところであり、次期対策では、協定期間中に耕作を継続できなくなった場合に、交付金を遡及して返還する仕組みが原則廃止されるなど、一定程度要望が反映されたものと受けとめております。 県といたしましては、制度の継続実施に向けて、見直し内容を丁寧に周知するとともに、高齢農家の声に耳を傾けながら、なりわいとしての農業が継続できるよう、サポートしてまいりたいと考えております。 次に、医療についてお答えします。 まず、新潟大学医学部の地域枠の増員についてでありますが、地域枠の設定については、一義的には、大学において入試制度の中で必要性を判断し、決定するものと認識しておりますが、議員御指摘のとおり、地域枠は本県の医師の確保につながる有効な施策の一つであると考えております。 このため、現在、大学や県内病院などで構成する地域医療対策協議会において、地域枠の拡大も含め、具体的な施策について検討を進めているところであり、県といたしましては、これらの議論を踏まえて、さらなる医師確保に向けて取り組んでまいります。 次に、ターゲット層を絞った医師確保の取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、都市部で長く勤務してきた医師を対象に、豊かな自然や安らげる生活環境など、本県の持つ魅力を伝えることにより、県内での勤務を働きかけることも、有効な取り組みの一つであると考えております。 医師不足が深刻な本県といたしましては、そうした取り組みも含め、引き続き、臨床研修医や専攻医の確保、地域医療に従事する医師の養成など、でき得る限りの対策を積極的に進めてまいります。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) 2点についてお答えをいたします。 若手職員による政策提案についてでありますが、本事業の目的が、本県が直面する課題に対する議論の活発化、県庁組織の活性化であることを踏まえ、若手職員ならではの前向きなアイデアは、できるだけ県の施策・事業に生かしていきたいと考えております。 そのため、全ての提案について庁内で情報共有し、活用可能なものについては施策・事業への反映を検討してまいります。 次に、若手職員による先進的取り組みの活用についてでありますが、県庁前ナイトマルシェは、若手職員による政策提案に向け、職員が実践的な研究の一環として実施したイベントであり、当日は家族連れなど約3,500人が来場したものと聞いております。 議員御指摘のとおり、公共空間の利活用というテーマに加えまして、民間事業者との連携や情報発信の方法等は他の取り組みにも活用できる点もあると考えられることから、今後、他の政策提案とあわせ、庁内で情報共有を図ってまいります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 県単独補助金の見直しの進め方についてでありますが、行動計画案でお示ししたように、現在の財政状況や他県水準を踏まえた補助水準、民間等との役割分担を踏まえた補助額や補助率、議員御指摘の、事業目的に対する補助金の効果の検証、補助対象者が限定されている場合の公平性、補助事業者の効率的な事業実施や自立を促す仕組み等の観点を踏まえ、全ての補助金を対象に見直しを実施することとしており、その内容は、来年度当初予算編成の中で具体化してまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 オリンピックアスリート夢チャレンジ事業の対象選手の指定についてでありますが、この事業は、オリンピックなど世界で活躍が期待できる本県出身選手等に対して、県スポーツ協会を通じ、遠征費等の活動支援を行っているものです。対象選手の指定は、各競技団体の推薦を受けて、県スポーツ協会の検討委員会で競技実績等に基づき決定しております。 服部勇馬選手は、先日の東京オリンピックマラソン代表選考大会の結果により、代表に内定されたことから、今後、県スポーツ協会において、所定の手続に基づき対応されるものと承知しております。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 2点についてお答えいたします。 県の広域避難計画と市町村の避難計画との整合性についてでありますが、県は、平成26年に市町村や関係機関と調整の上、原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針を策定し、これをもとにPAZ、UPZ圏内の9市町村において避難計画を策定しております。 その後、原子力災害広域避難受け入れ調整マニュアルなど、住民避難の対応に係る個別マニュアル等の整備を進め、市町村や関係機関と調整の上、ことし3月に新潟県原子力災害広域避難計画として新たに策定しております。 PAZ、UPZ圏内の9市町村の避難先については、平成27年に県と市町村で調整したものをこの広域避難計画に掲載しており、各市町村の避難計画と整合がとれております。 次に、避難計画に対する住民の認識、理解度の向上に向けた取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、柏崎刈羽原子力発電所の事故時に住民が適切な行動をとるためには、各市町村が策定した避難計画を住民に理解していただく必要があると考えております。 県といたしましては、市町村が行う避難計画周知の取り組みを支援するとともに、住民参加による原子力防災訓練などを通じて、住民の原子力防災に対する理解の向上を図ってまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 精神医療提供体制のあり方検討会の検討状況等についてでありますが、これまでに2回開催し、委員の皆様から、受療動向に応じて入院医療から在宅医療へ提供体制をシフトする必要がある、限られた医療資源の有効活用や精神科病院と診療所との連携を進める必要があるなどの御意見をいただいたところであります。引き続き検討会を開催した上で、年度内には検討結果を取りまとめたいと考えております。 また、今後の検討会において、十日町市など地元関係者から、地域の実情や要望をお聞きすることとしております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 新潟県産材の家づくり支援事業についてでありますが、本事業は、これまでの住宅建築の支援事業と比べ、車庫や集合住宅など補助対象を拡充した上で、県産材利用を増加させる意欲ある工務店を支援することにより、県産材の利用拡大を図ろうとするものです。 一方で、議員御指摘のとおり、前年度の実績を上回るか見通すことが難しいことから、申請をためらっているなどの意見も伺っております。 このため、今後、本事業の県産材利用拡大の効果を十分検証した上で、より県産材の利用促進につながるような方策を検討してまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 3点についてお答えいたします。 十日町道路の工事着工のめどについてでありますが、十日町道路は、今年度、直轄権限代行事業として新規採択されたところです。 本道路は長大なトンネルや橋梁が連続する大規模事業であることから、必要な調査等の結果や関係機関との協議により工事着手の見通しが立ってくるものと認識しており、県といたしましては、事業が円滑に進み、早期に着手ができるよう国や十日町市と連携して取り組んでまいります。 次に、国道253号の十日町橋についてでありますが、十日町橋は、十日町地域を東西に結び、当該地域の道路ネットワークにおいて重要な位置を占めております。 しかし、現在の橋は、幅員狭小であることや、建設後50年以上が経過していることなどを踏まえ、安全・安心な道路ネットワークを確保するためには、かけかえが必要であると認識しております。 かけかえの時期につきましては、現在、検討している補修対策や十日町道路の進捗状況などを総合的に勘案し、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、国道353号の十二峠についてでありますが、議員御指摘のとおり、峠の区間は急勾配・急カーブが連続する道路であると認識しております。 県といたしましては、幹線道路であるとともに、隣接する集落への生活道路としても重要であることから、現道の幅員狭小区間の解消や雪崩対策などの道路改良を進めてきたところです。 今後も、関係機関と連携を図りながら、まずは、現道の道路整備に取り組み、当該道路の安全・安心の確保に努めてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 新学習指導要領の全面実施への対応についてでありますが、新学習指導要領では、情報化やグローバル化など社会の急速な変化の中、外国語教育の充実や、みずから課題を見い出し解決する力の育成が求められております。 このため、県教育委員会では、新学習指導要領対応非常勤講師や小学校英語専科教員などの配置を行うとともに、授業力向上研修の拡充や教育事務所の学校訪問等により、教員の教科指導力の育成に取り組んでおり、引き続き新学習指導要領の円滑な移行に努めてまいります。 次に、公教育と民間教育の連携についてでありますが、現在、経済産業省主体の未来の教室実証事業では、学校と民間教育機関が協力連携し、ICTを活用した遠隔授業や、学習記録データを活用した個に応じた学習計画や問題の作成などが進められております。 この取り組みは、学力向上だけではなく、不登校や日本語指導が必要な児童生徒等への学習機会の充実に資すると期待されることから、今後、実証事業の結果を注視してまいります。 一方、個別学習の比重が過度に高まると、集団としての活動の場が減少し、学校教育が果たしてきた児童生徒の人格形成や社会性育成の面においては、新たな問題が生じる可能性もあると受けとめております。 次に、スクールサポートスタッフの増員及び制度の見直しについてでありますが、スクールサポートスタッフの配置につきましては、学校現場からは、教員の負担軽減を図る上で有効であるという声を聞いております。今後は、配置効果等を分析した上で、国の予算動向を注視しながら、効果がより多くの学校に及ぶ配置のあり方について検討してまいります。 ○副議長(桜井甚一君) 小山大志君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時31分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後2時50分 開議 ○議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、河原井拓也君の発言を許します。河原井拓也君。   〔河原井拓也君登壇〕(拍手) ◆河原井拓也君 自由民主党の河原井です。通告に従いまして、順次質問を行います。 4つの大項目のうち、まず初めに県央の地域医療について、7点ほどお伺いをいたします。 先月の8月29日に、県央基幹病院の建設計画など県央地域の医療提供体制について検証する新潟県地域医療構想調整会議が開催されました。会議は、県央医療圏内の9病院の代表者や地元医師会、新潟大学医学部など医療関係者約20人の構成で、今回の会議では、県央地域の医療需要減少の可能性、また、国の医療制度改革の影響等を理由に、平成28年に策定された同病院の整備基本計画を見直す方針で一致し、必要とされる機能や規模について再検討するとのことでありました。 そもそも約10年以上もの間、県が主体となって、地元の医療、そして行政、さまざまな関係機関により検討、協議が行われ、その結果、平成28年に県央基幹病院整備基本計画が策定されました。それをもとに再編病院や設置場所も決まり、地域住民への説明も行われた中で、ようやくこれから着工という段階で、今回、再検討するという方針が示されたわけであります。 先日、厚生労働省からも、全国の公立・公的病院の病院名を公表した上で、各都道府県に対して病院の再検証要請が示された中で、県央医療圏内では県立吉田病院・加茂病院、三条総合病院の3つが再検証医療機関として挙がったところでもあります。 現時点で知事は、県央基幹病院の整備計画の見直しについては今後どういう検討がなされる可能性があると考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、2点目ですが、県央基幹病院の整備計画の見直しについて、知事は、議会の場、またメディア等を通しながら、財政難だから見直すということではなく、整備計画をつくった時点から現在まで医療環境が変化した中で、最新の状況を踏まえた上で計画の検証をしていくということでありました。 確かに県、医療圏内における将来的な人口減少に伴う医療需要減少の可能性など、病院を取り巻く環境の変化が以前から指摘されているところでありますが、具体的にはどういった医療環境の変化が起きて基本整備計画の見直しに影響していると捉えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、3点目ですが、県は平成18年に、県内で7つの二次医療圏を設定しました。この二次医療圏に関して、県が示した地域保健医療計画の中で、二次医療圏とは、特殊なサービスを除き、比較的専門性の高い保健医療活動が完結できる区域であり、病院における入院にかかわる医療提供体制の確保を念頭に、人口、保健医療の資源の状況、住民の受療動向等に基づき設定した区域であるとあります。 原則としては、この二次医療圏は圏域内で医療を完結させる地域完結型を目指しているものと捉えておりますが、県央医療圏も同様の目的を持って存在するという認識でよいのか、改めてお伺いをいたします。 次に、4点目ですが、改めて今の県央医療圏の現状について申し上げます。 県央医療圏では、病院規模100床以上から300床程度の7つの救急告示病院と療養及び精神を担う3病院が、救急医療や地域に必要な医療を提供しています。しかしながら、救命救急医療や高度・専門的な医療の拠点となる病院がなく、ほかの圏域に頼らざるを得ないというのが現状です。 県が設定した7つの医療圏ごとに、地域の医療圏内で対応できず、圏域外まで救急搬送した比率、いわゆる圏域外搬送率を見てみますと、平成30年の数値では、圏域外搬送率が最も低いのが中越医療圏で1.1%、次いで上越の1.5%、佐渡が1.6%、新潟が4.4%、下越が4.7%、魚沼が6.7%、そして県央医療圏では25.8%でありました。 県央医療圏の圏域外搬送率は、ほかの医療圏と比べると非常に大きな数値となっております。圏域外搬送率が高いということは、病院に着いて手当てを受けるまでの時間が相当かかっているということでもあります。 通報を受けてから救急車が到着して医療機関に収容するまでの時間について各消防署がまとめた平成29年の数字を見てみますと、三条では50.6分、燕・弥彦では52.5分、加茂・田上は54.2分で、県平均の43.6分と比べると、10分以上の差があります。この推移を見ていくと、年々搬送時間が延びている状況でもあります。 この圏域外搬送数の多さや医療機関までの搬送時間の長さが、県央基幹病院の整備基本計画が策定された大きな理由の一つとして挙げられたわけであります。 知事は、財政対策ではなく医療環境の変化に対応した検討をするとのことですが、県央医療圏における医療事情の環境の変化の一つとして、ここ数年の救急搬送の圏域外搬送の増加が挙げられると考えております。 先ほども申し上げましたが、県の調べでは、平成25年の圏域外搬送率は17.6%、件数にすると1,435件だったものが、平成30年には25.8%、件数では2,214件となっております。 二次医療圏が平成18年に設定されてから平成25年までの8年間は、多少の変動はあったものの、圏域外搬送率が17から18%、件数でいえば1,200から1,400件で推移しておりました。それが平成25年から平成30年の間に5年間で7.2ポイント、件数でいえば約800件以上と増加をしております。 この状況を踏まえてお伺いいたしますが、この5年間での圏域外搬送の増加を見れば、住民に対しての医療サービスが低下しているということ、県央医療圏内の住民にとっては医療環境の悪化とも捉えることができると考えます。この圏域外搬送の増加について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、5点目ですが、先ほど申し上げました圏域外搬送の増加の一つの原因として、県央医療圏内の既存病院等の救急搬送の受け入れ数が減少している傾向にあることが挙げられます。 県央医療圏内にある各医療施設の救急搬送受け入れ比率の推移を平成25年と平成30年で比べてみますと、平成25年が82.4%、そこから年々低下して、平成30年には74.2%と下がっております。 どうしてこういう状況になったかと医療関係者の方に状況をお聞きしたところでは、県央医療圏内の医療施設では地域医療に対して大変に御尽力をいただいている一方で、県全体も医師不足の中で、さらに県央医療圏は人口に対して医師数、看護師数が県内7医療圏の中で最下位であること、また、医療従事者の高齢化が進んでいるという状況もあり、救急患者を受け入れられる体制が年々弱まってきているということでありました。 救急搬送の受け入れに力を入れてきた病院が、医療従事者の減少等を理由に、急性期から今後は回復期のほうに力を入れていかなくてはならないという状況になってきているという話も医療関係者の方々からお伺いをいたしました。 今後、将来的にも医療圏内における既存病院の救急搬送の受け入れ数が減ることが想定されます。既存病院の受け入れ件数が減少し、圏域外への救急搬送数がふえてきているということからも、従来の計画どおり地域医療の中核を担う救命救急センターを併設した病院が必要となると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、6点目ですが、県央基幹病院整備基本計画の中では、燕労災病院と厚生連三条総合病院を、基幹病院整備に当たっての再編対象病院とし、両病院の医療機能は基本的に引き継ぎ、さらに発展させ、基幹病院の円滑な整備に向け準備を進め、病院が果たしてきた役割を踏まえ、基幹病院の開院まで、地域の医療機能の維持に努めるとあります。 県央基幹病院に統合される予定の燕労災病院と三条総合病院の近年の救急搬送の受け入れ数を合わせると、年間で2,000件を超えます。 県央基幹病院は、これまで地域医療を担っていた燕労災病院、三条総合病院の機能を基本的に引き継ぐということであるならば、両病院で担っていた約2,000件以上の救急搬送の受け入れをしていかなくてはならないと考えます。 この数字に、基幹病院の機能を考慮して、平成30年の圏域外搬送約2,200件という数字を加えると、単純計算では、県央医療圏には年間4,000件以上の救急搬送を受け入れられる病院が必要ということになります。 県内において、現在、4,000件以上の救急搬送を受け入れている病院は、600床を超える長岡赤十字病院、また530床の県立中央病院、また478床の県立新発田病院等々、いずれも大規模病院であります。 それを踏まえてお伺いいたしますが、先ほど申し上げたように、県央医療圏には100床以上から300床の中小規模の病院のみで、近年、各既存病院の救急搬送の受け入れが減少していること、また、将来的にも医療従事者を集められるマグネットホスピタルとしての持続可能な病院運営を鑑みても、県央医療圏には計画どおり450床規模の病院が必要となるのではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、7点目ですが、県央基幹病院のアクセス道路、周辺の環境整備についてお伺いいたします。 国道289号線八十里越の工事が進んでいる一方で、福島県、特に只見町周辺の方々も県央基幹病院の開院と道路整備の早期実現を心待ちにされております。 三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村の県央地域5市町村と各市町村議会などで構成する県央基幹病院設置に係る道路等環境整備促進期成同盟会は、先月、県に対し、三条市の上須頃地内で令和5年度早期の開院を目指す救命救急センターを併設した県央基幹病院のアクセス道路等の環境整備の要望が出されたところでありますけれども、現在の道路整備の状況等についてお伺いをいたします。 次に、2つ目の項目、医療従事者の確保について、5点ほどお伺いをいたします。 厚生労働省が発表した医師偏在指標によれば、新潟県は岩手県に次いで全国でワースト2位であり、医師少数県として位置づけられております。 県としてもこれまで行ってきた取り組みから、現在、医師確保計画を策定し、来年から約4年計画で医師偏在の対策を図るということであります。また、国への制度改革の要望も当然重要だと思いますが、健康立県を目指している新潟県としては、医師不足改善に向け多角的に、また、県独自の施策の強化も図っていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 2点目ですが、国が調査した都道府県別の医師数の状況で、東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、福岡県では医学部、大学の総合病院、また高度な研修病院もあることから、全国の医師の3分の1以上がその5都府県で今働いているということであります。基本的には首都圏に医師が集中しているということになります。 医師確保について、200床規模で運営している民間病院の取り組みを伺いますと、主に外来診療や救急当直、またレントゲン診断、麻酔を使う手術等のために、県内外から非常勤医師として、月平均で延べ160名程度の医師に来てもらっているということでありました。その民間病院は、常勤医が10人前後で、この160名のうち、首都圏からはその過半数の85名以上が来ているということでありました。 その病院は、比較的に新幹線の駅が近く、都心からの交通の便が比較的よいことから、その医師の方々は新幹線で通っておられます。病院としては、給与以外に、新幹線代など交通費だけでも年間で約2,000万円程度かかるということでありました。それが病院の運営にとっては、大きな負担になっているということでありました。 医師不足と言われる新潟県において、県外、特に首都圏からの医師の招致は必須だと考えます。国の医師確保計画案でも示されているように、医師の派遣、また医学部の増設も有効かと思います。ただ、今現在、地域医療を担う医療施設の機能を低下させないためには、特に医師が少ないとされる地域において、民間も含め各病院の実情を把握した上で、県外からの医師の招致にかかわる費用、例えば交通費の補助の支援などを、今後、市町村と協議、連携を図りながら検討していくことも必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、3点目ですが、看護師確保についてお伺いをいたします。 県内の看護師は少しずつふえてきている一方で、地域、病院ごとの偏在があり、看護師が不足し、やむなく病棟を閉鎖している病院が公立、民間でもあると聞きます。 国としても看護師の確保のため、平成26年に医療介護総合確保推進法が成立され、その中で看護師等の人材確保の促進に関する法律により、平成27年10月より、看護師は氏名などの届け出制を努力義務として、都道府県のナースセンターで情報を一括することとなりました。 この法律では、都道府県ナースセンターが中心となって、看護職員の復職支援の強化を図るため、看護師等免許保持者について一定の情報の届け出制度を創設し、離職者の把握を徹底することとあり、ナースセンターが離職後も一定のつながりを確保して、効果的・総合的な支援を実施できるようナースセンターの業務を充実・改善、支援体制を強化するということでありました。 県としても、看護職員再就職支援セミナーを行うなど、看護師の復職支援に取り組んでいるところですが、現在のナースセンターへの届け出の状況を伺うとともに、看護職の確保対策の一つとして潜在看護師の再就業の取り組みを強化していくことも必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、4点目ですが、看護師の養成として、来年の4月に、三条市では(仮称)三条看護・医療・歯科衛生専門学校が、そして十日町では(仮称)県立十日町看護専門学校が開校する予定であります。 県内の各看護師養成施設においては、実地研修の受け入れ先病院の確保に大変苦労しているという話を伺います。養成施設の近隣病院等に対して、実地研修の受け入れが円滑に進むよう、県としても取り組むべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 5点目ですが、新潟県では看護師確保施策の一環として、指定した条件に合う医療施設にて5年間勤務すれば返済免除となる新潟県看護職員臨時修学資金制度を設けておりますが、民間の医療施設においても同様に、看護師から従事してもらうため、医療施設独自の奨学金の制度を取り入れております。 しかしながら、各医療施設では奨学金を出しても看護師の確保には大変苦労しているのが実情であります。今後、県としても奨学金制度の拡充等を含め、看護師不足が著しい市町村と連携をとりながら、看護師の確保・定着に向けた取り組みをさらに強化してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、商工業等の振興策について、3点お伺いをいたします。 東京商工リサーチがことし5月に発表した2018年新潟県新設法人動向調査によれば、本県の新設法人数は前年の1,001社から平成30年は993社へ減少し、本県の新設法人数は再度、全国最下位に転落したとのことであります。 また、これまで県では、にいがた産業創造機構、通称NICOを中心に起業・創業支援に取り組んできたと思いますが、そうした取り組みの課題について伺うとともに、その課題を踏まえ、今後どのような取り組みを行う必要があると考えているのか、お伺いいたします。 2点目は、きょうも一般質問において質疑が行われましたが、新設法人数が低水準にある一方で、休廃業、また解散企業の増加が目立っております。 東京商工リサーチがことし2月に発表した2018年新潟県休廃業・解散企業動向調査によれば、平成30年は県内の休廃業・解散件数は1,030件で、5年連続で前年を上回り、平成12年に集計を始めて以来、過去最多の件数になったとのことでありました。 同社は、経営者の高齢化、また後継者難などが影を落としていると見ており、休廃業・解散企業が増加する一方で、円滑な事業承継や事業譲渡が進められるような支援が必要と分析しています。 新設法人率が低水準にある中、休廃業・解散企業が増加すれば、県内全体の企業数は減少していくこととなり、これは本県経済の活力が失われていくこととなります。このため、起業・創業支援とともに、休廃業・解散企業を減少させるための事業承継の取り組みが急務と考えますが、事業承継の取り組み状況を含め、知事の所見をお伺いいたします。 3点目でありますが、新潟県だけではなく、全国的にも同様に休廃業・解散がふえてきているという中で、経営難に陥った中小企業を救済しようと、東京都内屈指の工業集積地を抱える板橋区が設立した板橋区立企業活性化センターの取り組みが以前から全国的に注目されております。昼夜を問わず365日相談を受け付け、とことんまで経営立て直しにつき合う支援手法は大きな成果を上げ、板橋モデルと言われ、政府も板橋モデルの全国展開に向け動いております。 現在、全国の都道府県で、県内ではにいがた産業創造機構、通称NICOが実施機関となり設置されているよろず支援拠点のモデルとなった取り組みでもあります。 板橋区立企業活性化センターでは、専門的な経営改善チームを組織し、金融機関には本音で話せない、経営者が相談する場所がないといった悩みを解決し、今までの行政機関ではやっていないこと、できなかったことに挑戦しております。 チームを率いるセンター長の中嶋修氏という方は、御自身も大型倒産をして、立ち直ってきた経験から、9割の企業は救うことができるという信念で、創業支援1,500人以上、経営改善支援企業400社以上の実績がある方です。また、全国に設置してあるよろず支援拠点のアドバイザーとしても活躍されております。 新潟県の新設法人数、また休廃業・解散率が全国的にもほぼ最下位となっている中で、県としては板橋区立企業活性化センターのような先進事例、成功事例を大いに参考にしながら創業、経営改善支援の強化を図っていくことも必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、項目4つ目の観光施策について、3点お伺いいたします。 三条市では、福島県と結ぶ国道289号八十里越の開通が期待されている中、八十里越が開通することにより、多くの国内外の観光客を集める日光や奥会津などの地域と県央地域の移動時間が短縮し、燕三条の産業観光、弥彦神社や温泉等の周遊観光に期待が高まると考えます。 県としても観光立県推進行動計画の重点方針にも記載されているとおり、他県と連携した取り組みを進めることが重要であると考えますが、隣県他県との広域観光周遊ルートの形成に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたします。 2点目に、東京オリンピック・パラリンピックについてであります。 令和2年、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、地方自治体にとって、各地方の魅力を世界中の方に知っていただく、またとない機会であります。 この機を捉え、全国の各市町村の取り組みとして、各地域のあらゆる魅力を改めて発掘、そして整理し、意欲ある地域が手を携えて日本の総合力を発信するため、東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合が平成27年に設立されました。地方の活性化に向けた組織としては今までにはない規模であり、現在、新潟県内の三条市長が会長を務めております。 その取り組みの一つとして、東京のメーンスタジアムと選手村を結ぶシンボルストリートとなる新虎通り、通称マッカーサー道路を舞台に、日本全国津々浦々の人・物・事の魅力を集めて、それをまた編集、発信して、地方創生へつなげることを目的とするプロジェクトが平成29年よりスタートしております。 このプロジェクトは、首長連合が、自治体ネットワークを通じて地方資源の発掘、提供に協力し、3カ月ごとにテーマを設定して食を軸とした体験を提供したり、また、全国からセレクトした商品を販売したり、トップクリエーター等が日本の質の高いプレゼンテーションを行い、日本各地の地域のよいところを紹介するなどの取り組みで、地方へのインバウンド効果も期待されているところであります。 現在の地域活性化推進首長連合に加盟する団体は当初より大幅にふえて、全国では573団体・自治体が加入しております。 県としても2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたインバウンドの拡大を見据えた戦略の構築と、また、当該戦略に基づいた各種施策の展開に向けても、先ほど申し上げました地域活性化推進首長連合を含めて、県内市町村ともさらなる連携を図って進めていくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いします。 最後、3点目は、昨年3月に観光庁が実施した訪日外国人旅行者の国内における受け入れ環境整備に関するアンケートの結果によると、インバウンドが抱える3大不満は言語、通信環境、支払いとなっています。 特に日本は地方都市クレジットカード基盤の整備が出おくれていると言われている中で、先ほど申し上げました東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合が取り組みの一環として、キャッシュレスの関係会社と連携して、インバウンドを進めていくためにキャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業を実施する市町村の第1弾を選定して、全国10の市町村で、ことし2月から複合モバイル決済端末機の導入など、訪日外国人への情報発信などの事業を開始しました。県内からは三条市と弥彦村が選定されたということであります。 あす、10月からの消費税率10%への引き上げに伴う国の経済対策としてのポイント還元政策への支援等も含めながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの訪日外国人へのサービス向上に向けても、県内におけるキャッシュレス化の普及促進にこれまで以上に強く取り組んでいく必要があると考えますが、所見をお伺いいたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 河原井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県地域医療構想調整会議についてでありますが、議員御指摘のとおり、医療の専門家から医療機関の診療実績や医療需要の動向などのデータをもとに、県央医療圏に必要な医療機能や、民間病院との役割分担を踏まえた県央基幹病院、加茂及び吉田病院の機能と規模などについて議論いただいているところです。 県といたしましては、調整会議では、県央地域の皆様が、将来にわたって安心して医療を受けられる体制について検討がなされるものと期待をしており、まずは、予断を持たずにその議論を見守ってまいりたいと考えております。 次に、病院を取り巻く環境の変化についてでありますが、人口そのものの減少に加え、医療技術の進歩等により平均在院日数が短縮し、医療需要が減少しているほか、新専門医制度や医師の働き方改革などの医療制度改革や、地域医療構想の実現に向けた医療機関の機能分化と連携の推進が求められていることなどが、複合的に影響しているものと捉えております。 次に、県央医療圏における救急患者の搬送についてでありますが、他圏域と比べ、圏域外への救急搬送が顕著であるなどの課題のもと、県央基幹病院整備基本計画を策定し、整備を進めてきたものと認識しております。 このたびの県地域医療構想調整会議においては、議員御指摘の救急搬送の状況変化も踏まえながら、県央医療圏に必要な医療体制について議論いただいているものと考えております。 次に、県央医療圏の今後の救急医療体制についてでありますが、議員御指摘のとおり、県央医療圏では、中小規模の病院が多数存立し、医師の確保や効果的な配置が図りにくいことなどから、将来的にも救急医療体制の確保が困難になることが懸念されます。 このため、県地域医療構想調整会議においては、このような観点も踏まえながら、県央基幹病院の機能や規模等について議論いただいているところであり、県といたしましては、その議論を見守ってまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院の規模についてでありますが、県地域医療構想調整会議においては、救急患者の圏域外搬送件数のほか、傷病程度別の搬送件数等のデータをもとに、県央医療圏に必要な救急医療体制とあわせて議論いただいているものと承知しております。 県といたしましては、その議論を見守ってまいりたいと考えております。 次に、医療従事者の確保についてお答えします。 医師不足改善に向けた施策についてでありますが、県では、これまでさまざまな取り組みにより、医師の確保に努めてきたところでありますが、議員御指摘のとおり、さらなる医師数の増加、偏在解消を図るためには、地域枠の拡大など施策の一層の強化が必要であると考えております。 県といたしましては、引き続き、全力で医師の確保に取り組んでまいりますが、現行の制度、枠組みのもとでは、自治体の取り組みのみでは限界があることから、あわせて、国に対し、医師不足解消に向けた抜本的な制度改革や強力な財政支援について、要望してまいります。 次に、商工業等の振興策についてお答えします。 まず、起業・創業支援の課題と今後の取り組みについてでありますが、これまで県では、起業を志す方に対し、資金提供や相談対応を中心として、事業化等の支援をしてまいりました。この中で、新設法人率が依然として低い状況を踏まえますと、起業を志す方への支援に際しては、起業に必要な支援がタイムリーに、かつさまざまな地域で提供できることや、起業に関心を持つ方をふやし、裾野を広げていくことが重要な課題と認識しております。 そのため、起業家等の交流の場を提供する民間スタートアップ拠点による支援を初め、官民一体できめ細やかな支援により起業を後押しする体制を強化するとともに、創業関連情報や成功事例を発信するなど、起業・創業にチャレンジしやすい環境づくりに努めてまいります。 次に、事業承継の重要性等についてでありますが、議員御指摘のとおり、休廃業・解散企業の増加により、県内企業数は減少し、本県経済の活力が失われていくことから、事業承継は喫緊の課題と受けとめております。 事業承継に当たっては、後継者の確保や資産譲渡などの課題が多く、その解決に相当の時間を要することから、これまで商工団体等と連携して早期着手を促すとともに、第三者承継などの相談やマッチングの支援などを行ってまいりました。 今後さらに、事業承継の必要性のある企業に対し、個々の事情に応じた寄り添った支援を行うため、新たに県内各地に配置した事業承継のコーディネーターを活用しながら、相談体制の強化を図ってまいります。 事業承継の具体的な取り組み状況については、産業労働部長から答弁いたします。 次に、観光施策についてお答えします。 まず、広域観光周遊ルートの形成についてでありますが、国道289号八十里越につきましては、新潟・福島両県の観光スポットを周遊するバスツアーが人気となっており、今後の開通を契機とした周遊観光の拡大が期待されるものと受けとめております。 このため、他県や沿線自治体との連携を図りながら、将来を見据えて、バスツアーや八十里越の歴史の情報発信などに取り組んでまいります。 今後とも、東北や関東など他県との広域観光連携の幅広い枠組みを活用しながら、共同でモデルとなる周遊ルートの作成などの取り組みを継続的に進めることにより、新たな周遊ルートの形成につなげてまいりたいと考えております。 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機としたインバウンド拡大についてでありますが、県内市町村では、大会開催に向けて雪やニシキゴイなど本県ならではの地域資源をPRする取り組みを進めておりますので、こうした取り組みとの連携を図り、インバウンド拡大につなげてまいりたいと考えております。 具体的には、開催期間中に東北6県等との共同により、都内に設置する情報発信拠点を活用した取り組み等について、県が中心となり、関係する市町村とともに検討を行っております。 今後は、大会に訪れる外国人旅行者の県内周遊を促進する取り組みについても、市町村との連携を密にしながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、キャッシュレス化の普及促進に向けた取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、消費税率引き上げに伴うポイント還元への対応や、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴うインバウンド需要の取り込みに向け、キャッシュレス決済に対応していくことが重要です。 県といたしましては、国と協力し、キャッシュレス推進セミナーや県内各地での中小事業者向け事業説明会を開催するとともに、県内市町村や観光関係事業者に対して先行事例を紹介するなど普及に向けた研修会を開催したところです。 引き続き、国、市町村及び関係機関と連携し、さまざまな機会を捉え、キャッシュレス決済のメリットや国の支援制度等について情報提供を行うなど、県内におけるキャッシュレス化の普及促進に努めてまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 5点についてお答えいたします。 まず、二次医療圏の設定についてでありますが、県央医療圏を含めた現在の7つの二次医療圏は、議員御指摘のとおり、比較的専門性の高い保健医療活動が完結できる区域として、病院における入院に係る医療提供体制の確保を念頭に、人口、保健医療資源の状況、住民の受療動向等に基づき設定したものであります。 次に、県外から派遣される医師の交通費への支援等についてでありますが、基本的には、雇用した病院が負担すべきものと考えております。 県といたしましては、病院や市町村とも連携を図りながら、臨床研修医の確保や県外からの医師の招聘を進めるほか、医師不足地域に修学資金貸与医師を配置することなどにより、医師の確保、偏在解消に取り組んでまいります。 次に、潜在看護師の再就業についてでありますが、本県では、離職した看護師等の届け出制度が開始された平成27年10月から本年8月末までに、1,932人から届け出がありました。 県ではこれまで、ナースセンターの相談員が届け出者に対し、求人施設の情報提供や、ニーズに応じたきめ細やかな相談に対応することにより、復職の支援を行ってきたところです。 また、この10月には、新たに長岡市内に無料職業紹介の窓口を開設し、相談体制を強化するほか、再就職セミナーの開催や病院での看護業務体験等にも取り組んでいるところです。 県といたしましては、引き続き、関係団体等とも連携し、看護職員の再就業の促進に努めてまいります。 次に、看護師養成施設の実地研修の受け入れについてでありますが、研修施設の確保は、基本的には養成施設の設置者が行うものと認識しております。 しかしながら、看護学生の定員数の増加や、分娩件数の減少による産科など特定分野の研修先の減少などにより、研修施設の確保が困難な状況もあることから、県ではこれまで、養成施設に対し、受け入れ可能な病院等の情報を提供するとともに、病院等に対しては、受け入れの協力依頼を行ってきたところです。 引き続き、病院等関係機関と連携しながら、学生の不利益にならないよう、円滑な実地研修の受け入れを支援してまいります。 次に、市町村と連携した看護師確保の取り組みについてでありますが、現在、県を初め、多くの市町村や病院などにも、看護学生が利用できる奨学金などの支援制度があり、その目的により、貸与金額や返済免除要件など、それぞれ独自性を持った制度となっております。 県といたしましては、引き続き、市町村などと連携を図り、学生のニーズに応じた制度の活用を一層促進することなどにより、看護職員の確保・定着に取り組んでまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 事業承継の具体的な取り組み状況についてでありますが、昨年6月に、支援機関相互の連携により事業承継の取り組みを推進するため、行政、商工団体、金融機関、士業団体など約60の関係機関や団体で構成する新潟県事業承継ネットワークを立ち上げ、NICOが事務局となり、プッシュ型の事業承継支援を推進しております。 このネットワークにおいて、相談・マッチング支援を担う事業引継ぎ支援センターでは、平成27年7月の開設から、延べ相談件数は767件、うち事業承継に結びついた成約件数は75件になっております。 今年度は、事業引継ぎ支援センターの相談体制に加え、新たに事業全般を統括するコーディネーターのほか、上越、中越、下越、県央の4地域にコーディネーターを配置し、各地域において商工団体等との連携を進めることで支援機関のネットワークの強化を図り、よりきめ細やかな相談体制で、円滑な事業承継の取り組みを推進しております。 また、事業承継を契機とした新分野進出などの経営革新を後押しするため、経営計画の策定を新たに支援し、前向きな事業承継を促進していくことに加え、新たに事業承継を対象とした制度融資を創設し、その推進を図っております。 次に、よろず支援拠点についてでありますが、新潟県よろず支援拠点では、中小企業診断士、弁護士、税理士など専門コーディネーター15名を配置し、売り上げ拡大や経営改善等の課題解決に取り組んでおり、昨年度の相談対応実績は3,629件でありました。 議員御指摘の板橋区立企業活性化センターは、経営改善計画の骨子作成や金融機関への同行、資金繰り表も一緒に作成するなど、手厚い支援で全国的にも注目をされている事例として承知をしております。 県といたしましては、企業のニーズに寄り添い、あらゆる経営相談に対しきめ細やかな支援を実施するため、企業経営の自立性にも配慮しながら、産業支援機関のほか、地域に根差した商工団体や金融機関等と一層の連携を図るとともに、地域での出張相談の拡充にも努めながら活動強化を図ってまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 県央基幹病院のアクセス道路の整備についてでありますが、救命救急搬送において、安全で円滑な交通の確保は重要であると認識しております。 県といたしましては、県央基幹病院の開院時期を見据え、まずは、国道289号燕北道路や国道403号三条北道路の整備を進めており、燕北道路においては、今年3月、中ノ口川にかかる橋梁を含む1キロメートルを供用開始したところであり、引き続き、着実に道路整備を進めてまいります。 ○議長(岩村良一君) 河原井拓也君の質問は終わりました。 次に、市村浩二君の発言を許します。市村浩二君。   〔市村浩二君登壇〕(拍手) ◆市村浩二君 公明党の市村浩二です。県議会定例会で初の一般質問をさせていただきます。 ことしの夏は、猛暑による熱中症、さらに水害や台風等の被害により全国で多くの方が犠牲になり、各地で甚大な被害が発生しました。犠牲になられた方々の御冥福を祈り、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。 それでは、質問に移ります。 最初に、県財政の健全化について質問いたします。 ゆでガエル現象という言葉があります。経営やビジネス等で使われる言葉ですが、カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化になれていき、命の危機と気づかないうちにゆで上がって死んでしまうという話です。環境の変化に対応することの重要性を指摘するために用いられる警句であります。まさに、今、新潟県財政の危機的状況はゆでガエル状態直前の状況と言っても過言ではありません。 私は、県財政危機を招いたのは、人口減少や少子高齢化の人口動態、医療需要の減少、国の制度改正、高い経済成長率を前提とした試算等、いずれも社会や経済情勢の環境の変化に対応できてこなかったことに起因していると考えます。 この環境の変化に対し、見通しも含め早目の手を打つことができなかったのでしょうか。誰かが気づかなかったのでしょうか。意見や忠告をしなかったのでしょうか。忠言耳に逆らうという孔子の言葉があります。真の忠告の言葉は、欠点や過ちを鋭く指摘しているゆえに素直に聞き入れにくいとの意味であります。 今後、今回のような財政危機が二度と起こらないよう、得られた教訓を生かし、財政の健全化に向けて、知事のリーダーシップのもと、安定した持続可能な財政基盤を確立し、知事の目指す住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現を願うものであります。 その上で、経緯を振り返って質問いたします。 本年8月14日から22日に地元紙で、県財政危機って?というタイトルで、7回にわたる連載企画が掲載されました。女の子の夏休みの自由研究テーマにしたと仮定し、県職員の父との会話形式による解説で、新潟県財政についてわかりやすく紹介され、これを見た県民からは、これほど財政が厳しかったのか、行政の財政への見通しの甘さ、危機意識が欠如していたのではないか、県議会は何をチェックしていたのか等、厳しい意見が寄せられました。 そして、9月10日には持続可能で安定的な財政運営に向けた具体的な取り組みの方針となる新潟県行財政改革行動計画案が公表、令和元年度から令和5年度までの5年間の計画期間で、年度平均110億円から160億円の歳出削減目標が示されました。毎年度最低100億円を超える削減ができるのか、財政再建・健全化に向けてイバラの道と言わざるを得ません。 現在、県のホームページで県民から意見を募集するパブリックコメントを実施、寄せられた意見や本定例会での議論を踏まえて、今後、行動計画が決定されると承知しております。 改めて、財政健全化の方針と行動計画案の実現に向けた知事の決意を伺います。 8月20日に行財政改革推進会議で発表された知事、副知事及び部長級職員の給与の臨時的削減について伺います。 9月10日の行動計画案の発表前に、知事等幹部職員の給与の臨時的削減が発表されました。全体の行動計画案の発表前に、身を切る改革とも言うべき、みずからを含む幹部職員の人件費削減を発表したことで、私も含め多くの県民が県財政の危機的状況の深刻さとともに、知事の財政健全化への取り組みの覚悟を認識したのではないかと思います。 そこで、9月10日行動計画案発表前のタイミングで発表した理由について伺うとともに、知事等幹部職員の給与の削減率の考え方及び一般職員への今後の対応について、知事の所見を伺います。 行動計画案の中身について伺います。 行動計画案の具体的方策の収支改革額のうち、所要額見込み事業については、部局の裁量の幅が比較的小さいこと等から、部局枠とは区分して取り扱う事業であり、行動計画案では事業総点検によるゼロベースでの見直しを実施、行動計画案には計画期間において累計295億円から446億円の歳出削減目標が記載されており、単純に年度平均では約74億円から112億円となります。 この所要額見込み事業の削減については、法令上支出が義務づけられている経費の削減は難しいと考えられ、団体の運営に関連する経費が主な対象になると想定されますが、この経費をどの程度削減できるか、あるいは削減しようと考えられているか、知事の所見を伺います。 県立病院については、先日の9月26日、厚生労働省が、全国1,455の公的病院のうち、再編・統合の必要がある病院のリストを公表。全国で424病院、本県では22病院、うち県立病院が7病院含まれ、全国でも再編・統合の動きが活発化していくものと考えます。 これより先立って、行動計画案では県立病院について、徹底した経営改善と患者数等に見合った経営となるよう経営改革に取り組むとありますが、これまでも経営改善や経営改革は行われてきたと承知しています。 今後、さらに踏み込んだ取り組みをどのように考えているのか、知事の所見を伺います。 以上で県財政の健全化の質問を終わりますが、現在、日本で開催中のラグビーワールドカップで、9月28日、日本は世界2位のアイルランドに逆転勝利の大金星を上げました。 新潟市秋葉区出身の稲垣啓太選手は、勝因について、規律を守り、後半まで粘り強くプランを遂行できたことと語っていたことが報道されました。この言葉のように、決定した行動計画の実施に当たっては、粘り強く着実に実行していくべきと訴え、次の質問に移ります。 防災・減災対策について質問いたします。 物理学者、寺田寅彦氏は、天災は忘れたころにやってくると言われましたが、近年は、天災は忘れる間もなくやってくる状況であります。 我が党は、命を守る、命の安全保障という観点から、防災・減災・復興という最重要のテーマを政治、社会の主流に位置づけ、ソフト・ハード両面からの対策を、もう一段高いレベルまで引き上げなければならないと考えています。 私は、前職が土木・建設技術者、そして技術士として、社会資本整備、防災・減災、さらに中越地震、中越沖地震を初め、東日本大震災等の災害支援に携わってまいりました。 特に東日本大震災において、次の言葉が心に残っています。備えていたことしか役には立たなかった。備えていただけでは十分ではなかったと。この言葉から、だからこそ日ごろより防災・減災対策の備えを強化しなければならないとの思いを強くしております。 知事は、防災・減災を政策の一丁目一番地として進め、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用して、一段加速した防災・減災対策により、災害に強い新潟の実現に向けて取り組んできたものと承知しています。 しかし、県財政状況の悪化により、こうした知事の防災・減災対策の方針に影響はないのか伺うとともに、2020年度予算編成における防災・減災対策の予算確保に向け、どのように取り組むのか、知事の所見を伺います。 6月18日22時22分に発生した山形県沖地震では、震度6強を記録した村上市を初め、離島の佐渡市、粟島浦村、さらに県内の沿岸部等で多くの方が避難、自主避難を含めますと県内で約7,500名を超える方が避難されたと推定されます。 結果的に人的被害はほとんどありませんでしたが、避難された住民からは、指定された避難所があいていなかった、避難所付近が大渋滞して身動きがとれなかった等の声をいただきました。また、深夜に発生したことから、夜間の避難行動のあり方についても検討する余地があると思われます。 今回の避難行動による教訓等を導き出すため、各市町村地域の避難時の課題を吸い上げ、県の防災計画への反映や、市町村等が作成する地域防災計画に反映させていくことが大切と考えますが、6月18日山形県沖地震の本県の対応総括とともに、教訓の今後の防災計画等への反映について、知事の所見を伺います。 一方、地域の防災力向上に向けては、自治会やマンション管理組合等の地域コミュニティーによる地区防災計画の策定が有効と考えますが、本県においては策定が進んでいないと聞いています。 県として市町村を指導し、地区防災計画の策定を推進するための施策を講ずる必要があると考えますが、所見を伺います。 防災・減災対策を進める上で、公助、共助、自助があります。一般に公助1割、共助2割、自助7割とも言われており、自助である自分の命を守るため災害時にどのような行動をすべきか、常日ごろから考えておく癖をつけ、判断できるようにしておくことが必要と考えます。 タイムラインは、災害が起きると予測される時刻に向かって、いつ、誰が、何をするのかをあらかじめ決めておく、いわば防災のスケジュール表で、次第に危険性が高まって災害が起きる豪雨災害、特に台風で有効と言われています。 平成29年6月までに、国管理河川を対象とした、避難勧告等の発令に着目したタイムラインが全国730市町村で策定されています。 これまでは行政だけの取り組みでしたが、最近は住民が自分の計画、マイ・タイムラインをつくる取り組みが注目されています。マイ・タイムラインの取り組みは、4年前の関東・東北豪雨をきっかけに始まりました。この災害では、鬼怒川が決壊して広い範囲が浸水し、中央大学の山田正教授によれば、茨城県常総市では住民約4,300人余りが逃げおくれて救助されました。現在、鬼怒川流域の市町村が熱心に取り組んでいます。 本県においてもこのマイ・タイムラインの作成を推進し、県民一人一人の防災意識・避難意識を醸成させることが重要と考えます。県民みずからが災害時の自身の行動を事前に定めることができるよう、県でマイ・タイムラインの様式を含むマニュアルを作成し、県民に配布してはどうかと考えますが、所見を伺います。 現在、国全体にとって懸念されている大規模地震について、首都直下、東海、南海トラフ地震等、太平洋側の日本経済の中枢を担う地域で地震が発生した場合においては、地形的に首都圏や中京圏、関西圏へ広がる扇のかなめに位置し、太平洋側のバックアップ機能になり得る新潟県の果たす役割は大きいと考えます。 全国的な対応が必要となる災害発生時の日本海側の拠点として本県を大いに宣伝し、太平洋側の代替機能確保を切り口に、空港や港湾、高速道路などの機能強化を図るための国への予算要望・確保を推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 本年9月9日未明に上陸した台風15号の直撃で広範囲の被害を受けた千葉県では、大規模停電が長期化し、県民生活に多大な影響が出ました。千葉県が災害対策本部会議を開催したのは停電発生の翌日午前9時過ぎ。しかも、県と市町村をオンラインでつなぐ防災情報システムが働かず、被害情報把握のため県の職員を各市町村に派遣できたのは、台風上陸3日から4日後の9月12日から13日でした。また、電力事業所管の経済産業省が停電被害対策本部を設置したのが4日後の9月13日。国も県も初動対応が立ちおくれ、大規模停電に対する危機管理体制の総点検の必要性が指摘されています。 今回の千葉県で起きたような大規模停電が発生した場合、本県ではどのような対応をとることとしているのか、所見を伺います。 一方、本年8月に九州北部を襲った猛烈な雨で、佐賀県の鉄工所から住宅街に流出した油の拡散により、農作物などにも被害が拡大し、産業を初め生活環境を悪化させ、復旧作業の進捗を妨げたとの報道がなされています。 本県においても、こうした災害時の被害拡大を防ぐため、危険物を扱う事業所から油等が流出しないよう県としても取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 近年、全国で多発している道路陥没。本県でも、2017年12月に出雲崎町の県管理道路で運転中の女性が肋骨を折る陥没事故や、その5カ月後に起きた新潟東港の臨港道路での大型トレーラーの陥没を踏まえ、路面下空洞調査が行われてきました。 この調査業務は非破壊調査のため、その品質確保は、空洞発見の的中率が高いことが最も重要であります。医学のCT検査に例えれば、画像診断でがんの疑いが見落とされて死亡する事故がありました。がんの疑いの見落とし、すなわち空洞の見落としは調査自体が意味のないものとなってしまいます。 現在、国土交通省では、こうした業務の特殊性を考慮し、入札方式では、調査範囲の一部道路区間で実際に路面下空洞調査をさせ、路面下空洞発見技術やその的中率を競わせるコンペ方式の採用に統一し、総合評価を行って選定していると聞いています。 本県においては、こうした品質確保の観点から、路面下空洞調査については、長くこの業務を実施している国土交通省に倣って、今後コンペ方式を導入すべきと考えますが、所見を伺います。 知事が掲げます一段加速した防災・減災対策の新たな取り組みとして、新潟県公式アプリ、新潟県防災ナビを開発し、本年7月5日から運用が開始されました。 本アプリは、防災情報、避難所・避難場所検索、現在地情報、安否登録や自動で届くプッシュ通知機能等を有したスマートフォン用アプリで、県民の避難判断や避難行動に資する情報提供ツールとして、その活用が大いに期待されるものと承知しております。 防災情報は、新潟県内全域の洪水・土砂災害・津波などのハザードマップを閲覧でき、アプリは誰でも無料でインストールできますが、ダウンロードが必要であるため、普及啓発の推進が必要です。私も家族や知り合い等にダウンロードを勧めているところであります。 また、多くの利用者、ユーザーから意見等を吸い上げることで、よりよい、使い勝手がよい、より役に立つアプリに改善していくことも重要と考えます。 普及啓発の取り組み状況を伺うとともに、アプリに対する意見窓口の設置等への対応について取り組み状況を伺います。 次に、県民の安全・安心について伺います。 豚コレラについては、9月17日に、本県でも情報共有や今後の対応を確認するため、関係部署による豚コレラ防疫対策庁内連絡会議が開かれました。 9月14日に長野県畜産試験場の豚が豚コレラに感染し、飼育豚の豚コレラ発生は養豚場で確認された岐阜、愛知、三重、福井、埼玉に続き6県目となり、出荷先で感染が確認された大阪、滋賀、山梨を含めると9府県に上り、感染がおさまるどころか、隣接県へ感染が拡大してきており、水際で食いとめ、本県で豚コレラを発生させないための早急な対策が必要と考えます。現状認識と県の取り組みについて伺います。 本県における百日ぜきの感染について、本年8月25日現在で、本県の百日ぜき患者の報告数は248人と、昨年同期と比べ約3倍となり、既に昨年1年間の247人を上回っています。全国的にも流行しており、乳児が感染すると死亡するおそれもあることから、感染拡大防止対策は急務と考えますが、拡大防止に向けた県の取り組みについて伺います。 ドクターヘリについて、本県では現在2機体制で、県内全域をおおむね30分以内でカバーでき、離島や僻地でも高度な救急医療を確保、搭乗の医師等により専門的な救命医療が現地で迅速に実施でき、これまで救えなかった命も救えていると承知しています。 一方、広い県土を有する新潟県にとって、時間との勝負である救急救命活動に当たっては、県境地域を初め隣接県と相互にドクターヘリを融通し合う連携強化が不可欠と考えます。 現在、隣接県との広域連携協定は、福島県、山形県、群馬県とは締結されていますが、富山県、長野県とは未締結であると聞いております。今後、この2県との広域連携協定の締結見込みについて伺います。 高齢運転者交通事故防止対策について、本県においても、全交通事故件数に占める高齢ドライバーによる事故の割合がふえている一方、高齢ドライバーの運転免許返納に当たっては、車が唯一の移動手段となっている地域では代替手段の確保が不可欠であります。 また、高知県のある病院では自動車運転外来を開設するなど、医学的な見地から高齢ドライバーの立場に立った取り組みがなされています。 こうした生活支援や医学的見地から高齢運転者交通事故防止対策を進めていくべきと考えますが、取り組みの現状と課題について伺います。 次に、県政の諸課題について質問いたします。 新潟県総合計画の見直しについて、本県の最上位計画である新潟県総合計画は2018年度から2024年度の計画期間でありますが、ただし書きで、社会経済状況の変化や計画の進捗状況、中間目標に対する評価等を踏まえ、見直しを検討するとなっています。今回の行財政改革行動計画案の内容を踏まえて見直しを検討するのか、所見を伺います。 知事の海外トップセールスの成果について、知事は就任以来、約1年3カ月の間、韓国及び中国、ベトナム、シンガポール、米国、ロシアを訪問され、県産品や本県観光のPR、新潟空港への路線開設の要請など、精力的にトップセールスを展開されてきました。その行動力を高く評価いたしますが、これまでの海外トップセールスの成果について、知事の所見を伺います。 国際情勢と本県への影響について、現在、日韓情勢の悪化、香港デモの長期化など、本県との物流や人流が滞ることが懸念されますが、本県港湾の輸出入及び新潟空港利用者数や便数への影響、本県インバウンドへの影響と今後の見通しについて、知事の所見を伺います。 外国人労働者支援について、国の法改正により、本県においても外国人労働者の増加が予想され、今後、外国人の生活支援や、居住する地域等で孤立することなく共生するための支援が重要となってくると考えます。 特に住まいの問題では、あきのある県営住宅への入居条件の緩和も検討すべではないかと考えますが、所見を伺います。 また、県在住の外国人に対し、日本語学習の場を十分に提供すべきではないかと考えますが、どのように取り組むこととしているのか、所見を伺います。 プロ野球年間試合数及び球団誘致について、HARD OFF ECOスタジアム新潟でのプロ野球年間試合数は、ここ数年、1から2試合であり、多くの県民からもっと試合を多くやってほしいとの声をたくさんいただいており、試合数が多くなれば県内外からの交流人口が拡大し、経済の活性化も期待されるところであります。プロ野球年間試合数増加へ向けた県の取り組みについて伺います。 また、一歩進んでプロ野球球団の誘致は、財政難でうつむきかけた県民に希望を与え、広島東洋カープ・広島市民球場、東北楽天ゴールデンイーグルス・県営宮城球場のように、市民や県民が一体となって県民運動として取り組める内容と考えますが、プロ野球球団の誘致について、知事の所見を伺います。 関西圏における新潟のPRについて、関西情報発信拠点じょんのびにいがた食楽園は、食や観光の魅力を発信する関西圏における新潟の拠点として、大阪梅田の地下街に開設していましたが、現在、年内のリニューアル移設に向けた準備を進めているとのことであります。 2025年には大阪で万博も開かれます。関西において本県をPRする重要な拠点として期待していますが、リニューアル後のPRの方針及び活動計画について伺います。 性的マイノリティー、LGBTについて、性的マイノリティーであることを理由とした差別は人権侵害と考えますが、その啓発や理解を深めるためには教育が必要であると考えます。 性的マイノリティーに対する理解を深めるため、県民と直接接する機会の多い県職員への研修及び学齢期から児童生徒に性的マイノリティーに対する理解を深めてもらうため学校教職員への研修が重要と考えます。 県職員を対象とした性的マイノリティー理解促進の取り組みを伺うとともに、学校教職員に対する理解促進の取り組みについて伺います。 再生可能・次世代エネルギーの利用促進について、本県では、太陽光発電を初めさまざまなエネルギーに取り組まれております。鋭意利用促進に取り組んでいると承知していますが、隣の福島県では、震災後、再生可能エネルギーの導入と関連産業の集積を目標に掲げ取り組んできた結果、現在、再生エネルギーの導入量、認定量とも東北でトップとなっています。 ○議長(岩村良一君) 市村浩二君、時間が超過しておりますので、結論を急いでください。 ◆市村浩二君(続) はい。推進力となっているのが、国唯一の再生可能エネルギーの最先端研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所であると聞いています。研究所の所在地は福島県郡山市であることから、新潟から高速道路で2時間ほどと距離的にも短く、本県においても当該研究所と連携することでこのエネルギー…… ○議長(岩村良一君) 市村浩二君、今ほど注意いたしましたが、時間が超過しておりますので、結論を急いでください。 ◆市村浩二君(続) わかりました。済みません。当該研究所との連携を積極的に進めるべきと考えますが、所見を伺います。 以上で私の質問を終わります。時間を超過して大変に申しわけありませんでした。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 市村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、財政健全化の方針と行動計画の実現に向けた決意についてでありますが、厳しい財政状況の中でも持続可能な県政を実現するため、行財政改革の基本方針と具体的な対策を取りまとめ、行財政改革行動計画案を策定したところです。今後は、この計画を着実に実行していくことが重要と考えております。 今後の歳出歳入改革に当たっては、聖域を設けず、全ての分野について改革に取り組んでいきますが、単に事業費を削減するという縮み志向に陥ることなく、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、給与の臨時的削減の公表理由と削減率の考え方などについてでありますが、行動計画案の策定に向け、歳出歳入改革の検討を行う中で、投資的経費などの政策的経費の抑制に加え、各種団体への補助金などの見直しが避けられないことから、まずは私を含めた幹部職員について、県みずからの姿勢を先行して示す必要があると考えたものです。 また、削減率につきましては、財政状況を踏まえ、私自身については過去を上回る削減を実施するため20%とし、副知事以下の職員については、職務の責任の度合いなどを考慮し設定したところです。 幹部職員以外の一般職員の給与につきましても、事業の見直しなどの歳出歳入改革の取り組みを実施してもなお収支不足が見込まれることから、臨時的削減の実施について、先般、職員団体との交渉を始めたところであり、引き続き話し合っていきたいと考えております。 次に、所要額見込み事業の削減についてでありますが、所要額見込み事業については、法令上支出が義務づけられている経費等を除き、計画期間中に全体として10%の縮減を目指すこととしております。 なお、個別事業の具体的な見直しについては、来年度の当初予算編成の過程の中で、事業を所管する各部局を通じて、市町村や関係団体などの関係者と十分意思疎通を図りながら進めてまいります。 次に、県立病院における今後の経営改善・改革の取り組みについてでありますが、これまで県立病院では、地域連携の強化による患者確保、診療報酬制度への的確な対応等による収益向上とともに、病棟再編等による定員適正化、診療材料の共同購入拡充等による費用縮減に取り組んできております。 しかしながら、本県の病院事業会計は、人口減少による患者減少や、医師の不足・偏在の進行など厳しい医療環境などにより危機的な経営状況にあり、県立病院が果たすべき役割・機能にも支障を生じかねないと考えております。 このため、県立病院経営委員会からいただく提言や行財政改革行動計画等を踏まえ、県立病院が果たすべき役割に重点化を図ることを基本に、具体的なあり方や機能・規模について検討してまいります。 加えて、経営改善に向けて、最大限収益を向上し、費用を縮減するため、緊急的に取り組む具体的な事項を整理し、可能なものから速やかに実行に移すなど、持続可能な県立病院の経営を確保するよう努めてまいります。 次に、防災・減災対策についてお答えします。 まず、防災・減災対策の方針と来年度予算の確保に向けた取り組みについてでありますが、自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策の緊急性・重要性の認識は変わらないところであり、厳しい財政状況の中にあっても、限りある予算を効率的に活用し、最大限の成果が得られるよう取り組んでいく必要があると考えております。 そのため、創意工夫しながら効果的に事業を進めることに加え、有利な財源を活用し必要な予算を確保するためにも、さまざまな機会を捉えて国に補助金の増額や制度の拡充などについて要望してまいりたいと考えております。 次に、山形県沖を震源とする地震の際の住民避難についてでありますが、県では8月に市町村や気象台と津波対応の振り返り会議を開催いたしました。会議の場では、議員御指摘の避難所開設上の課題や道路渋滞など、津波に伴う避難に関する課題が挙げられたところであります。 これらの課題は、津波の危険度に応じ住民の皆様がとるべき避難行動に関する普及啓発や、避難所開設の対応等に行き届かない面があったことによるものと考えられます。 今回の振り返りを踏まえ、県では市町村に対し、住民の皆様の適切な避難行動に向けた普及啓発や必要に応じた地域防災計画、避難所運営マニュアル等の見直しに関する支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、交通インフラの機能強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の港湾や空港は、太平洋側での災害時にバックアップ機能が期待されることから、道路ネットワークも含めた代替機能の強化は重要であると考えております。 このため、港や空港、道路の機能強化を強く国に要望してきたところであり、その結果として、高速道路においては、今月、優先的に4車線化整備する区間として、磐越自動車道や日本海沿岸東北自動車道の一部が選定されたところです。 県といたしましては、引き続き、交通インフラの機能強化について、国や関係機関と連携して取り組んでまいります。 次に、大規模停電発生時の県内の対応についてでありますが、電力供給事業者においては、防災上重要な施設への電源車の迅速な配備や他の電力会社からの応援を受けての復旧作業、また、県においては、民間との協定に基づく非常用発電機用の燃料供給など、一定の対策がとられております。 なお、今後、今回の災害で明らかになる教訓を踏まえ、さらなる対策の強化に取り組んでまいります。 次に、県民の安全・安心についてお答えします。 まず、豚コレラの現状認識と取り組みについてでありますが、現在、近隣県で野生イノシシへの感染や養豚農場での発生が相次いでおり、いつ県内で発生してもおかしくない状況にあると認識しております。 そのため、養豚農場に対し、ウイルス侵入防止対策についての指導を継続するとともに、野生イノシシの侵入防止柵の設置支援などを進めているところです。 また、万一、県内の養豚農場で発生した場合には、蔓延防止のため、直ちに防疫措置を実施できるよう体制を整えているところであり、必要な経費について、補正予算でお諮りしているところです。 引き続き、豚コレラの発生防止に向けて、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。 次に、海外トップセールスの成果についてでありますが、知事就任以降、これまで長年にわたって交流を進めてきた北東アジアや、経済成長著しい東南アジアなど6カ国を訪問し、それぞれの訪問目的に対して具体的な成果につなげていけるよう取り組んでまいりました。 具体的には、現地政府関係者との意見交換を契機に、中国黒龍江省やロシア極東地域との中期的な交流計画を策定し、取り組みを進めていくこととしたほか、ベトナム計画投資省内の新潟デスク設置などにつなげることができました。 また、航空路の増便や旅行者の増加、県産品の認知度向上・販路拡大に向けた関係者との協議等により、ハルビン線の増便、ベトナムとのチャーター便の運航等につなげることができたほか、より効果的な誘客促進や県産品プロモーションに向けた足がかりを築くことができたものと考えております。 国内市場の縮小が見込まれる中にあって、本県にとっても海外との人的、経済的交流は今後ますます重要性を増してくると考えており、今後もタイミングを失することのないよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、日韓情勢の悪化などが本県の物流や人流に及ぼす影響等についてでありますが、本県港湾に係る輸出入については、外貿コンテナ取扱量の推移や、韓国への輸出管理強化に関する港湾物流関係者の情報等を踏まえると、大きな影響は出ていないものと認識しております。 一方、航空路では、ソウル線は、現時点で運休などの動きはないものの、8月の利用者数は前年比で1割程度減少しております。また、香港線も、10月末からの就航予定に変わりはありませんが、足元の予約は伸び悩んでおり、両路線いずれも多少なりとも影響が出ているのではないかと考えております。 また、インバウンドでは、韓国からの宿泊客は減少しているものの、県内宿泊客全体に占める割合が低く、中国などは増加傾向にあることや、香港はスキー目的の冬に集中することなどから、現時点においてインバウンド全体では大きな影響は出ていないものと考えております。 今後については、国際的な情勢不安により、先行きが見通せない状況ではありますが、事態の推移を注視しながら、県として適時適切な対策に取り組んでまいります。 次に、外国人労働者への支援についてでありますが、今後増加が見込まれる外国人が孤立せず安心して生活できるよう、環境を整えることは重要なことと考えております。 外国人の県営住宅への入居については、単身者への条件緩和が必要と考えており、日本人の単身者への緩和と整合を図りながら、見直しを検討してまいりたいと考えております。 また、在住外国人への日本語学習支援についてですが、留学や技能実習、就職等、外国の方が本県に来られる理由はさまざまであり、日本語の学習は、外国人を受け入れる教育機関や企業等のサポートにより行われることが通常であることから、それらに対して、県としてどのような支援が可能か、今後検討してまいります。 次に、プロ野球の公式戦の招致及び球団の誘致についてでありますが、本県にプロ野球の球団を誘致することは、交流人口の拡大や地域活性化につながるものと考えております。 県では、プロ野球公式戦の招致を通じ、県内の野球熱の盛り上がりを高めているところであり、今後も公式戦の招致を進めながら、チャンスがあれば、地元のプロ野球球団の誕生に向けて、取り組んでまいります。 なお、プロ野球年間試合数の増加に向けた取り組みについては、県民生活・環境部長から答弁いたします。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 行財政改革行動計画を踏まえた総合計画の見直しについてでありますが、総合計画については、策定過程において既に厳しい財政状況が見込まれていたところであり、そうした状況の中でも取り組むべき政策にしっかりと取り組むという方針のもと、ことし3月に策定したところです。 このため、行動計画の内容を踏まえて見直すことは考えておりません。 現在の厳しい財政状況を踏まえつつも、総合計画の基本理念である住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて、選択と集中を徹底し、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら、一歩一歩進めてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 職員に対する性的マイノリティーへの理解促進の取り組みについてでありますが、県では、新採用研修において、性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくすことについて、基礎的な知識の習得を図っているほか、課長補佐・次長研修において、ハラスメント防止の観点から、性的マイノリティーの理解促進に取り組んでおります。 また、性的マイノリティーに対する具体的な支援方法や相談対応など、実務における留意点等を学ぶ研修も実施しているところです。 今後とも、これらの研修等を通じて、職員の性的マイノリティーに対する理解の促進に取り組んでまいります。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 2点についてお答えいたします。 高齢運転者交通事故防止対策の現状と課題についてでありますが、県では、高齢者が安全に運転を続けるための取り組みや、運転免許返納後の高齢者の日常生活を支えるための取り組みを部局横断で進めているところです。 具体的には、安全運転を続けるための取り組みとして、医学的視点を取り入れた高齢運転者及びその家族向けの講演会や、交通安全指導員向けの研修会などを行っております。 また、運転免許返納後の日常生活を支えるための取り組みとして、移動手段の確保・充実に向けたデマンド交通等の導入を行う市町村への支援や、買い物環境向上に向けた移動販売等を行う事業者への支援などを行っているところです。 しかしながら、高齢運転者及びその家族向けの講演会への参加が一部にとどまっていることや、自家用車にかわる移動手段の確保が十分でない地域があることなどの課題があるため、引き続き、市町村や関係機関等と連携を密にしながら、さらに取り組みを進めていく必要があると考えております。 次に、プロ野球年間試合数の増加に向けた取り組みについてでありますが、県では、プロ野球公式戦の招致につながるよう、興行主である県内メディアと密接に連携・協力しながら、球団への働きかけに取り組んでおります。 また、より多くの県民に観戦していただくことが、翌年の招致につながることから、官民一体となり、招致した公式戦の集客支援やプロ野球ファン拡大のためのイベント等にも取り組んでおります。 来年8月には、本県で初の公式戦3連戦が決定しているところであり、引き続き、1試合でも多く公式戦を招致できるよう、努めてまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 4点についてお答えいたします。 地区防災計画の策定についてでありますが、地区防災計画は、住民などが市町村と連携しつつ、地域のリスクを把握し、発災時の避難や応急対策を立案するものであり、防災を自分事として捉えるという面で有効と考えております。 国では、地区防災計画策定を促進するためアドバイザー派遣事業を実施しており、また、本年度末を目標に市町村職員向けに地区防災計画策定に向けたガイドラインの策定を進めているところであります。 県といたしましても、市町村に対し、計画策定に向けた取り組みを働きかけるとともに、策定を進める市町村を支援してまいります。 次に、マイ・タイムラインの作成推進についてでありますが、マイ・タイムラインは、住民一人一人が、水害等に備え、みずからの避難行動をあらかじめ時系列で整理する取り組みと承知しております。 本年6月に提言を受けた、防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議の報告書においても、その有用性を認められているところです。 現在、国土交通省がマイ・タイムライン作成の要点をまとめた実践ハンドブックを作成中でありますので、県といたしましては、その状況を踏まえ、国、市町村及び河川管理者等と連携して取り組みを進めてまいります。 次に、風水害時の危険物を扱う事業所からの油流出防止についてでありますが、県では、従前から関係団体と連携して、危険物施設を所有する事業者に対し、油等流出防止の周知徹底を図っております。 本年8月の佐賀県での事故を受け、国は石油連盟等の業界団体に対して、危険物施設における風水害対策の徹底を通知しており、県においても改めて各消防本部に対して、危険物施設への指導を依頼したところであります。 引き続き、危険物施設からの油等流出防止に努めてまいります。 次に、防災アプリ、新潟県防災ナビの普及啓発等の取り組みについてでありますが、議員からも御活用いただいているということで、大変ありがとうございます。 当該アプリにつきましては、7月の運用開始以降、県ホームページで周知するとともに、メディアを通じた広報、公共交通機関や大規模商業施設などに対するポスター・チラシの掲示、イベント会場におけるデモンストレーション、高速道路サービスエリアでのチラシ配布などの広報活動を行っております。 また、運用開始時から問い合わせ窓口を設けており、県民の皆様からいただいた御意見を踏まえ、必要なアプリの改善などを行っております。 新潟県防災ナビは、洪水・土砂災害・津波などの危険性を手軽に確認でき、災害時に避難情報や気象情報が自動的に届くなど便利な機能を有しており、先般、小学校の防災教育においても活用していただいたところです。 こうした取り組みを通じて、多くの県民の皆様から本アプリを活用していただきたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、百日ぜきの拡大防止に向けた県の取り組みについてでありますが、感染症法に基づき百日ぜきの発生状況を調査・公表し、広く県民や医療機関等に注意を呼びかけているところです。 また、ホームページ等により、せきエチケット等の予防方法の周知や、定期接種対象者への接種勧奨を行うとともに、10月には、保育所や学校、医療機関等の関係者を対象として、百日ぜきに関する研修会を開催することとしております。 議員御指摘のとおり、百日ぜきの感染拡大防止は重要と考えており、県としましても、引き続き、これらの取り組みを推進してまいります。 次に、富山県、長野県とのドクターヘリの広域連携協定締結の見込みについてでありますが、富山県とは、平成29年の両県知事の懇談において、広域連携について検討を進めていくとの話があり、現在、両県の行政、基地病院関係者間で調整を行っております。 一方、長野県では、本県のみならず他の隣接県とも協定は結ばない方針と伺っており、協定締結には至っておりませんが、多数傷病者や大規模災害が発生した際、ドクターヘリの出動を円滑に行うことができるよう、運航に関する基本情報を共有しているところです。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 関西情報発信拠点のリニューアルについてですが、現在、12月上旬のリニューアルオープンに向けて、準備を進めているところであり、今回のリニューアルでは、店舗面積を約2倍に拡充し、日本酒の飲み比べやおにぎりなどを楽しめる飲食コーナーを新たに設置するなど、食を中心に本県の魅力を体感していただけるような機能を強化することとしております。 また、関西圏は、LCC就航等により気軽に本県を来訪できる機会が増していることから、地域性やテーマ性を持たせた商品展開や交通事業者等と連携したイベント等の充実により、関西圏での本県の認知度向上及び本県への来訪意欲の一層の喚起に取り組んでまいります。 次に、福島再生可能エネルギー研究所との連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、当該研究所は、再生可能エネルギーに関する研究開発、東日本大震災被災地企業への技術支援や人材育成等に取り組み、福島県等における再生可能エネルギーの導入促進に貢献していると承知しております。 先般、研究所の主催により、再生可能エネルギーに関する講演会を新潟で開催していただいたところであり、今後の水素の利活用に関する取り組みについて、製造・貯蔵・利用の一連の技術など専門的な知見から助言をいただきたいと考えております。今後さらに、研究所との連携を図りながら、再生可能・次世代エネルギーの導入を促進する取り組みを進めてまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えいたします。 路面下空洞調査の入札方式についてでありますが、路面下空洞調査は、品質確保が重要であることから、調査実績や路面下空洞探査車の保有状況及び他の自治体での調査状況を踏まえ、調査の実施が確実かつ結果が良好な業者を選定し、指名競争入札により業者を決定しております。 加えて、調査方法、解析方法及び的中率など業務全般の成果について、学識経験者に意見を聞き検証を行っており、学識経験者からは、これまでの路面下空洞調査の結果は十分な品質を有しているとの御意見をいただいております。 コンペ方式の導入については、県の1件当たりの発注金額が、国土交通省に比べ非常に小さいため、受発注者双方の労力、経費、時間の負担が相対的に大きくなることから、これまでどおりの方法で実施してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 学校教職員に対する性的マイノリティーへの理解促進の取り組みについてでありますが、人権教育を通して児童生徒が人権感覚を磨き、性的マイノリティーに対する正しい理解ができるよう、県教育委員会では教職員の理解促進と指導力向上に向け、初任者、養護教諭、管理職等、教員の経験年数や職位に応じた研修を行っております。 なお、性的マイノリティーに係る児童生徒への支援が必要になった場合には、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを含めた相談体制を整え、家庭と連携し、児童生徒の心情や状況に配慮した組織的な対応を行えるよう、市町村教育委員会及び学校に働きかけてまいります。 ○議長(岩村良一君) 市村浩二君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明10月1日から10月4日まで及び10月7日から10月9日までの7日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、10月5日及び10月6日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 次会は、10月10日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時38分散会...