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06月21日-一般質問-03号

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  1. 新潟県議会 2019-06-21
    06月21日-一般質問-03号


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    令和 元年  6月定例会 本会議令和元年6月21日(金曜日)  議事日程 第3号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件日程第1 県政に対する一般質問(楡井辰雄君、池田千賀子君、杉井旬君、高橋直揮君、樋口秀敏君、小泉勝君)   ――――――――☆――――――――出席議員(52名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君          池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君  大 渕   健 君          長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君  杉 井   旬 君          重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君  市 村 浩 二 君          安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君          小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君議員以外の出席者 知事            花角 英世 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           溝口  洋 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        佐久間寛道 君 県民生活・環境部長     村山 雅彦 君 防災局長          熊倉  健 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働部長        橋本 一浩 君 観光局長          佐野 哲郎 君 農林水産部長        山田 治之 君 農地部長          緒方 和之 君 土木部長          中田 一男 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    本間由美子 君 病院局長          岡  俊幸 君 企業局長          桑原 勝史 君 教育長           稲荷 善之 君 人事委員会事務局長     関原  貢 君 警察本部長         花岡 和道 君 労働委員会事務局長     綱島 知子 君 監査委員事務局長      髙橋 和已 君   ―――――――――――――――――   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(岩村良一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(岩村良一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、楡井辰雄君の発言を許します。楡井辰雄君。   〔楡井辰雄君登壇〕(拍手) ◆楡井辰雄君 自由民主党の楡井辰雄です。 一昨日の山形県沖地震で被災された皆様に、まず心からお見舞いを申し上げますとともに、まだ余震が続いているようでありますので、お気をつけいただければと思います。また、対応に当たられた方々に感謝申し上げます。 川崎殺傷事件や暴走運転、また児童虐待等でお亡くなりになられた未来ある子供たちに心からの御冥福をお祈りいたします。 花角知事が就任されて1年、夢と希望に満ちていた1年前に、手に入れた玉手箱をあけてみたら、中身は何もない空っぽに近い状態になっていたと、各数値が相当厳しい状況になっていることにいかが感じていることでしょうか。 私たちも、聞いていた話が一、二年でこんなに変わるのかとびっくりしております。何でこんなことになると思っているところでもあります。 この難局を乗り切るためには、我々も協力をし、そして我々も自戒をしなければというふうに思います。 私は、お金がなければ知恵を使う、知恵がなければ人脈を使う、人脈がなければ額に汗をする、そして既成概念にとらわれず、改革をしていくことだろうと思います。 まさしく知事が示している、物事を先送りしない、ふたをしない、そのために少しでも動かしたい、現場第一、見て聞いていくということ、持てる時間を最大限に当ててきたと総括をされておりました。まさしく知事の実行力と人柄の出た総括だと思います。 今回の質問は、統一地方選挙でずっと地域を回り、見たり聞いたり肌で感じたことの一部を御提案しながら、お聞きをいたします。 まず、県政の課題について。 4月に行われた統一地方選挙で回った中山間地域では、4年前と比べ荒廃がさらに進み、高齢化・過疎化がさらに進んだと、また感じているところであります。 当面、人口減少は避けられない状況の中、知事は、人口が減ってもその地域に住み続けたいと思う人が住み続けられる地域づくりを進めていくこととしておりますが、具体的にどのような地域を思い描き、その実現に向けてどのような政策を講じるのか、お伺いをいたします。 次に、中心市街地においても空き店舗や空き家がふえたと感じました。中山間地域よりも建物が密集し、防犯や防災の観点で危険性が増幅するおそれがあることから、中心市街地において空き家対策がさらに必要と考えますが、どのような対策を市町村とともに講じていくのか、現状と今後の対策をお聞きいたします。 さらに、中心市街地では、コンビニが国道沿いに移転したり、小売やスーパーが撤退し、空洞化が進むとともに、郊外の大型商業施設での買い物が主流となり、自家用車等での移動が前提の生活となる中、中心市街地の高齢者においても買い物難民が発生していると認識しておりますが、中心市街地における高齢者の皆さんの買い物難民の解消に向け、どのような施策を推進しているのか、お伺いをいたします。 次に、交通政策について。 上越から富山市や長野市へは、北陸新幹線の開業により、おおよそ30分程度で行けますが、上越から新潟市へ鉄道で行くには早くても2時間近くかかり、また、3時間かかるというのが現状となっております。 知事の誕生により、心の距離は短くなりましたが、この移動時間を短縮する効果的な方法として、中速の鉄道が浮上しております。在来線のレールの外側に2本レールを敷き、県内新幹線駅を結ぶ方法であります。 また、新潟-酒田間の羽越線に同様な方法で建設することで、時間の短縮と建設費の削減にもなると思い、お聞きをいたします。 国はフリーゲージトレインの導入を断念しましたが、在来線の軌道を活用した新たな新幹線、いわゆる中速新幹線が実現すれば、県内交通網におけるアクセス改善に寄与するだけでなく、新設と比べ建設費の圧縮や並行在来線問題の解消などのメリットもあり、導入効果が高いと考えますが、引き続きアクセス改善に向けてどのように進めていくのか、お伺いをいたします。 また、本県へのアクセス向上に向け、北陸新幹線「かがやき」の県内駅停車も重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 代表質問とダブるようでありますが、次にえちごトキめき鉄道についてお聞きをいたします。 北陸新幹線の開業後における特急列車の廃止や新潟方面との直通列車の減便等による影響、また、安全運行に不可欠な鉄道施設の維持補修、設備更新が当初予想していた以上に多額に及んでいることなど、当初の収支計画よりも損益が厳しい状況であるとの理由で、来年4月からの運賃を3割相当値上げする方向で国に認可申請を行うこととしております。 えちごトキめき鉄道は、他社路線と乗り継ぎ利用する場合に、双方の初乗り運賃が発生するため、運賃が増加している状況で、今まで乗り継ぎ運賃を設定して利用者の負担を軽減してきたものの、この割引運賃制度も来年3月で措置期限が切れることから、利用者の負担がダブルでのしかかってくることとなります。 えちごトキめき鉄道の皆様が「雪月花」を使いイベントの充実や、しなの鉄道との相互乗り入れ等、経営改善にたゆまぬ努力をされていることは十分承知をしているところでありますが、現実は厳しいことと思い、お聞きをいたします。 えちごトキめき鉄道は、他社路線と乗り継ぎ利用する場合に、双方の初乗り運賃が発生し、運賃が増加している状況に加え、このたびの運賃値上げの負担がかかってくることになります。特に、高校生は路線を乗り継ぎ、市街地の高校に通う場合が多く、何らかの負担軽減措置が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 先日、県央病院のあり方検討を指示されたようでありますが、医療問題についてお聞きをいたします。 今、新潟県を取り巻く医療の現実は、医師不足や看護師不足、入院患者の減少等による将来の経営の厳しさを感じているところであります。 また、入院稼働率50%前後の病院があるという厳しい現実、そして平成30年度の新潟県立病院の決算が発表され、純損益が18億円の赤字となっております。内訳を見ますと、費用については退職給付費の増加や給与改定等による給与費の増加、高額の医薬品使用の増加による材料費の増加等により、医業費用が増加している、赤字の原因の一つとなっております。 病院事業の赤字改善に向けては、県民全体で事前の予防を徹底し、高額医療費を削減することも重要と考えますので、お聞きをいたします。 高額医療費の削減に向けては、自動車に検査登録制度があるように、がん検診や特定健診などの各種健診を義務化することにより、県民全体の病気の早期発見による早期治療が進み、結果として、県民の健康の維持及び医療費の削減につながると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、地域を回っていて切実な要望があったのが、人工透析のことであります。 今、核家族化が進み、ひとり暮らしや老老介護がふえている中、公共交通が少なく、人工透析に行くには大変不便であり、運転が危険と感じていても運転せざるを得ないというのが現状であります。また、腹膜透析は在宅でできる治療でありますが、管理する医師が少なく、利用できる老人保健施設が少ないなどで、全国の割合と比べると、はるかに少ない現状を踏まえ、お聞きをいたします。 近年、我が県の人工透析実施者は横ばい傾向にあるものの、60歳以上の高齢者が75%以上を占めており、定期的な通院が必要な透析に当たっては、高齢患者の通院の負担が危惧されており、このような通院困難者に対する県の対応についてお伺いをいたします。 次に、人工透析を実施できる施設は中心市街地に集中しており、遠方の患者の通院負担が課題であることから、ICTを活用した医療サービスの活用や、クリニックや老人保健施設などとの連携等により、地域医療体制の充実が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 まずは、専門高校についてお聞きをいたします。 御存じとは思いますが、専門高校の生徒は地元への就職率が60%と非常に高く、また、即戦力となる人材として大いに期待をされております。その専門高校における特色あるすばらしい教育カリキュラムを実施していても、教える教員が異動してしまうと、カリキュラムが継続されないこともあります。生徒にとって魅力的な教育カリキュラムが継続されるように望みたいと思いますし、例えば、地元で就職をしている卒業生のパティシエや大工等の職人を招聘し、授業をしてもらうなどの工夫をし、また、農作物被害を生じさせ問題となっている野生鳥獣の肉を処理加工する地元農業者と連携をして商品開発する授業に取り組むなど、海洋高校のように、地域と連携することで質の高い教育を継続して提供できる体制を構築できると考えます。 また、全国の農業高校のうち、50校がGAP認証を取得し、さらにそのうちの20校がグローバルGAPの認証を取得している状況であります。県内では、巻にあります農業大学校がグローバルGAPの認証を取得しております。このことが地域力、学校力向上に結びつくことと考えます。 あえて半年前と同じ質問をするのは、地元就職を今以上にしてほしいからであります。そこで、お聞きをいたします。 専門高校における特色ある教育カリキュラムの実施に当たって、担当の教職員が異動しても、生徒にとって魅力的な教育カリキュラムが継続されるよう、地元の企業や専門家に講師を依頼するなど、地域と連携することで質の高い教育を継続して提供できる体制を構築できると考えますが、知事の所見を伺います。 また、グローバルな視点を持った人材を育成するために、グローバルGAPの認証取得に向けた取り組みを農業高校の授業に取り入れることは大変有効と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 今後も少子化の進行に伴い、県立高校の再編による学校の統廃合が進み、廃校の校舎がふえることは容易に想像がつくところであります。廃校となるのは非常に残念なことでありますが、廃校をそのままにせず、有効に活用することは地域にとっても有意義なことであると考えますし、先回は外国の学校招聘を申し上げたところであります。 また、近年、地域の企業では外国人労働者の雇用も大変進んでおり、上越にも、私の知っている限りでは、6カ国から約400人くらいの方々が企業で働いているとお聞きをしております。大企業では多くの外国人労働者を雇用していることもあり、サポート体制を充実させているとお聞きもしております。しかし、中小企業では雇用者数も少なく、サポートも行き届かない状況であると認識をしております。一義的には当然企業で仕事と生活のサポートをすべきと考えます。 県では、多文化共生総合相談ワンストップセンターの設置など、積極的に環境整備に取り組んでいるとお聞きしておりますが、地域ごとに、よりきめ細かに対応することが、今後の外国人労働者の安定した雇用につながると考えております。 今、他の国との競合、競争が激化している中、外国の方から働きに行くなら新潟へと言われるようにしていかないと、企業経営もおぼつかない現実が待ち受けているように思い、一つの提案をし、お聞きいたします。 今後も少子化の進行に伴い、県立高校の再編による学校の統廃合が進み、廃校の校舎がふえると考えられます。近年、地域の企業では外国人労働者の雇用も進んでいますが、その生活面も含め、外国人労働者を企業がサポートし切れていない現状を踏まえ、廃校の校舎を有効利用して、外国人労働者や今後ふえていくだろう技能実習生等の宿舎を兼ねたサポートセンターとすることで、総合的なサポート体制を構築する拠点としてはどうか、知事の所見をお伺いします。 次に、外国人労働者にとって主な交通手段はバスや鉄道の公共交通であります。特に頻繁に使うバスの路線図や時刻表などの情報が日本語表記であることが多く、買い物や食事など、日常生活での移動が不便であると聞いております。また、総合パンフレットがあればという声もお聞きします。県ではどのような対策を講じているのか、お伺いをいたします。 また、学校は耐震性やつくりもしっかりしていて、冷暖房効果がいい利点を生かし、他の利用法があるのではないかと思い、お聞きをいたします。 立地によっては、廃校の校舎を利用する観光農園や農業体験交流施設を誘致したり、創業を支援することで観光拠点とし、新潟への観光客誘致につなげてはどうかと思い、知事の所見をお伺いいたします。 次に、食育についてお聞きをいたします。 新潟の売りはと聞くと、異口同音に、おいしいお米とおいしいお酒と誰もが答えることと思いますし、また、たくさんよい素材がある中で、誇りにしてきたことでもあります。 我が県がずっと守ってきたことであり、今、一番の輸出品として期待し、進めているものだと特に思っており、そして子供のときから何げなく食べているものや美しい山河を見ながら育てられたこと、食育とは何だろうと考えたときに、就学や就職などをきっかけに首都圏などに移り住み、そこで食べた料理やお米の味と新潟で食べた料理の味との違いを実感することが、ふるさとを懐かしみ、誇りに思う心、我が新潟は最高だと思う、そのことが食育の効果をより高めると考えております。 また、このような体験を通じて、新潟のよさを再認識し、誇りを持つ人材を育成することができると考え、お聞きをいたします。 学校給食は、食育の重要な場の一つであり、地域のおいしい食材を使った給食を提供することで、教育効果が高まるとともに、地域への愛着を増すものと考えますが、所見をお伺いいたします。 減反政策の廃止を受けて、ある市町村では学校給食への地元コシヒカリ使用に係る支援を打ち切ったことなどから、つきあかりなどの業務用米の利用へ移行したと聞いております。学校給食に新潟のおいしいコシヒカリを提供することは、食育の推進につながると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、単純なことをお聞きいたします。 私は、義務教育ではない高校において、エアコンについて全て公費負担とすることは過剰ではないかと考えております。低所得者の皆さんへの一定の配慮は必要であると考えますが、全て県が出すということが本当によいことなのか、百歩譲ってエアコンの購入、設置までは県が出すとしても、最低限度の電気代や維持管理費を受益者負担していただくことが、シンプルに考えて、当然のように私は感じます。 また、親が負担していることを知ることにより、生徒は親に対する感謝の気持ちが湧き、大事に扱うのではないでしょうかと考えながら、お聞きをいたします。 県では県立高校の普通教室にエアコンの設置を進めるとともに、PTA等が負担している維持管理費等を公費負担に切りかえることとしていますが、維持管理費は保護者が我が子の教育環境を整えるために捻出すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、農業問題についてであります。 知事や皆様は、6月2日から連載された新潟日報の記事「上を向いて歩こう、人口減少社会柿崎・黒川黒岩編「つなぐために」」は読まれたでしょうか。今、若者が地域愛に燃え、自分たちで道を切り開く努力をしている姿、柿崎や農業が好きで移住したIターンの若者が、地元の若い農家と、楽しみながら、知恵と人脈を駆使して頑張っている実話であります。よいしょするわけではありませんが、大変いい記事を書いていただき、すばらしい連載だったと思っております。 ことし5月の気温はかなり高く、降水量も少ない状況でありました。そのため、上越で中山間地域を中心に水不足が発生し、代かきや田植えがおくれたりいたしました。そして、5ヘクタールの作付ができませんでした。 毎年のように高温・干ばつが普通になるとしたら、農業は立ち行かなくなります。水と生きることが農業の基本と思い、半年前と同じ質問でありますが、切実な将来のこととしてお聞きをいたします。 高温・干ばつが発生していることから、中山間地域の農業を守るためには、農業用水の確保としてため池等の整備を進める必要があります。そのため、地域の実態に即して、県や市町村が主体となり、地元農家と連携しながら、この場所はいい場所だ、この場所は保全をしよう等のゾーニングをすることで、選択と集中を図りながら必要な機能を備えた施設の整備を行っていくことが効率的かつ効果的と考えますが、所見をお伺いいたします。 平場の水源確保が難しい地域での対策として、深井戸の増設が効果的と考えますが、所見をお伺いいたします。 一方、中山間地域での農業用水の確保については、ため池を地域の上段、中段、下段に配備し、上流から流れてくる農業用水を下段のため池にためておき、用水が不足した際に、下段のため池の水を上段のため池にポンプでくみ上げて水を確保する手法は効果的と考えます。そこで、所見をお伺いいたします。 近年、地域の担い手に農地が集積されている中で、例えば、経営規模100ヘクタールの法人がこの圃場整備をするとなると、20ヘクタールを園芸に取り組まなくてはなりません。この大規模な園芸導入に対応するために、新たなマンパワーや園芸の栽培技術がないと、安定した収量、品質を確保することは難しくなります。また、設備投資が必要になりますし、今までの販売実績がないことから販路の確保も必要になるなど、難問山積であります。また、園芸には水が大変重要であります。 このように、園芸導入に当たっては幾つものハードルや不安があります。さらに、規模拡大に取り組むとなると、失敗した際のリスクは甚大なものとなることが容易に想像できますので、お聞きをいたします。 今年度以降の新規圃場整備着工地区については、地区面積の2割以上に園芸品目の導入を目指すとしております。園芸品目の選定や生産機械の導入、労働力の確保、販路の確保等、取り組む農業者にとっては不安な部分も多いと考えますが、県では円滑な園芸導入に向け、どのような方針で支援していく考えなのか、所見をお伺いいたします。 日本の人口減少が進み、食の多様化も進んだときに、まず県間競争に打ち勝つのは当たり前として、世界の人口が70億人から90億人になろうとしているときに、販路は自然と海外へとなることは必然であり、オール新潟で向かっていくことがこれからの農業の生きる道の一つだと思いながら、お聞きをいたします。 平成30年11月に中国の新潟県産米の輸入制限が解除され、5月には知事が中国を訪問して、米以外の食品について輸入規制解除の要請を行うなど、積極的に輸出の促進を図っていると認識をしております。また、県では、中国だけではなくて、東南アジアを初めアメリカ等にも輸出促進を図っておりますが、輸出の現状と今後の進め方についてお伺いをいたします。 次に、観光客の誘致についてであります。 スノーシーズンに当たる昨年12月から3月までの本県の外国人延べ宿泊者数は、前年同期比45.3%増の24万7,000人となり、過去最高となりました。年間通じて安定した観光客数が重要であることから、グリーンシーズンのあり方や、私が町長時代に誘致した大学バレーボールの合宿は20年間続いております。毎年、春と夏の2回、300人前後の学生が地域の民宿などに4から5泊程度宿泊をしていただいております。このような取り組みも、毎年、一定の交流人口を確保し、地元に経済効果をもたらしております。そこで、お聞きをいたします。 直近のスノーシーズンにおける本県の外国人延べ宿泊者数は過去最高となりましたが、年間を通じて安定した観光客の訪問が重要であることから、グリーンシーズンの外国人及び国内旅行者の宿泊者数の現状をお伺いするとともに、今後、どのように増加させていくのかもあわせてお伺いいたします。 また、観光以外の誘客として、スポーツ合宿や文化合宿等の誘致も効果的と考えますが、これまでの取り組みの成果と今後の方向性についてお伺いをいたします。 以上で質問は終わりますが、私は、ずっと上越の皆様に、安心・安全が経済と地域づくりのこれからのキーワードだと話してまいりました。そしてまた、4つのKと、そしてプラスワンということで、環境をテーマにすること、健康をテーマにすること、観光をテーマにすること、教育をテーマにすることの4Kと、交流というプラスワンで5Kがターニングポイントだと思い、進めているところであります。 知事におかれましては、今、相当厳しく、難局にある新潟県のかじ取り役として、住んでよし、訪れてよしの新潟県になるよう御奮闘を期待するとともに、今以上に体調管理にお気をつけていただき、頑張っていただくことをさらに期待して、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 楡井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、住みたいと思う人が住み続けられる地域づくりについてでありますが、議員御指摘のとおり、中山間地域では4年前に比べて高齢化・過疎化がさらに進行しており、当面は人口減少の進展は避けられないものと考えております。 このような中、地域の活力を維持していくためには、地域コミュニティーの力を高め、地域内で合意を形成しながら実情や課題に応じて活性化策に取り組み、地域の規模が小さくても地域でできることをふやしていくことが重要であると考えております。 県では、住民主体の地域づくりを促進するため、地域における合意形成の促進、外部人材の活用、地域づくり活動の組織化・継続化の支援など、地域づくりの各段階に応じた支援に取り組んでまいります。 次に、交通政策についてお答えします。 まず、県内交通網のアクセス改善等についてでありますが、在来線の軌道を活用した新たな新幹線、いわゆる中速新幹線が実現できれば、フル規格の新幹線と比べて整備コストが抑えられ、並行在来線問題も解消される可能性があるものと考えております。県といたしましては、今年度より新幹線と在来線の直通運転化の実現に向けて、羽越新幹線実現への影響も考慮に入れつつ、議員の御提案も含め、あらゆる可能性について検討を進めているところです。 また、北陸新幹線「かがやき」の県内駅停車は、当県へのアクセス向上に資するものであり、上越地域の活性化や本県の拠点性向上のためにも重要であると考えております。今後も、沿線市と密接に連携して利用促進に取り組むとともに、JRに対して具体的なダイヤを提示するなど、より一層積極的に働きかけを行ってまいります。 次に、えちごトキめき鉄道の運賃改定などに係る負担軽減についてでありますが、今回の運賃改定は、厳しい経営状況が続く会社が、持続可能な運行に向けた経営改善を進める上でやむを得ず行うものでありますが、通学で利用する高校生を初め、地域住民の負担をできる限り軽減することは必要と考えております。 やむなく発生するJR線との乗り継ぎに伴う負担増については、JRや国に負担軽減の要望を行うとともに、えちごトキめき鉄道でも独自に割引を継続する予定であり、また、今回の運賃改定における通学定期の扱いについては、地元の要望を踏まえ、現在、利用者負担の軽減について調整を行っていると聞いております。 次に、医療課題についてお答えします。 まず、健診の義務化についてでありますが、健診の受診は、病気の早期発見、早期治療につながり、ひいては県民の健康の維持及び医療費の削減に一定の効果があるものと考えております。 一方で、義務化については、費用負担やマンパワーのほか、実施機関の確保など、課題も多いことから、御指摘も踏まえて今後研究してまいりたいと思います。 次に、人工透析の実施体制についてでありますが、人工透析は、専用の機器とともに、専門医を初め、経験を有する看護師や臨床工学技士などのスタッフが必要であり、人工透析実施医療機関は限られている現状にあります。 県といたしましては、議員御指摘のICTを活用した遠隔診療による人工透析の可能性なども含め、人工透析実施体制の維持・充実に向け、引き続き医療関係者などとの意見交換を行ってまいりたいと考えております。 次に、県立高校の運営についてお答えします。 まず、専門高校における地域との連携、農業高校におけるグローバルGAPの授業への導入についてでありますが、県教育委員会では、これまでも県内の農業高校や工業高校に、農業士や熟練技能者などを招き、すぐれた技術や技能を学ぶ機会を設けることにより、生徒にとって質の高い知識や技能を身につけるための学習指導に取り組んできたと聞いております。 今後とも、専門高校が地域や産業界と連携を図りながら、実践的な学習の取り組みを一層推進していくことを期待しております。 また、グローバルGAPを授業で学ぶことは、生徒が食品安全や環境保全等の国際水準の知識や技術を身につけることにつながり、持続可能な農業を行う、海外にも通用する担い手を育成する上で有効な手法の一つであると考えております。 次に、廃校を利用した外国人労働者等の総合的なサポート体制の構築についてでありますが、県といたしましては、新たな在留資格の創設に伴い、今後増加が見込まれる外国人が安心して生活できるよう、今年度、県国際交流協会の既存の相談体制を拡充し、外国人の生活相談を多言語で受け付ける多文化共生総合相談ワンストップセンターを設置する方向で準備を進めているところです。 今後、センターの利用状況や市町村などのニーズを踏まえ、センターの機能を県内各地域に広げる必要が生じた場合には、廃校となった校舎の利用も考えられると思いますが、議員御指摘の技能実習生等の宿泊施設としての利用については、あくまでも受け入れる企業の責任と判断によるものと考えております。 次に、廃校舎を活用した観光誘客についてでありますが、学校は、地域住民にとって身近な公共施設となっており、廃校後も有効に活用することは、地域活性化にも資するものと認識しております。 また、県内各地では、廃校となった学校が有する物語性から、宿泊施設や美術館、レストランなどの観光施設として活用し、好評を得ている事例もあり、議員御指摘のとおり農業分野での活用に幅を広げることも有効と考えております。 県といたしましては、廃校舎の活用も含め観光農園や農業体験交流施設等の整備を支援しているところであり、市町村や民間事業者との一層の連携を図りながら、廃校舎の有効活用による観光誘客や地域の活性化につなげてまいります。 次に、県立高校のエアコンに係る維持管理費についてでありますが、今年度当初予算において、昨年夏の記録的な猛暑を受け、生徒の健康に配慮するため、県立高校の普通教室にエアコンを整備するとともに、PTA等が設置してきたものについても、公費負担に切りかえることといたしました。 あわせて、エアコンの維持管理費についても、暖房など他の維持管理費と同様の性格であることから、公費負担が適当と考えたものです。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、新規圃場整備着工地区での円滑な園芸導入についてでありますが、新たな園芸導入に当たっては、議員御指摘のような課題があるものと認識しております。 県といたしましては、チャレンジする農業者が安心して園芸を導入できるよう、ノウハウの習得から本格導入、販路の拡大を含め、総合的に支援してまいりたいと考えております。 現在、これらの取り組みを関係機関・団体と一体となって進めるため、園芸振興基本戦略を策定しているところであり、この戦略を着実に実践することで、園芸生産の導入・拡大に注力してまいります。 次に、本県農産物輸出の今後の進め方についてでありますが、これまでも香港やシンガポールなどで県産農産物の輸出拡大に取り組んでまいりましたが、今後は、本県産米の輸入規制が解除された中国や、東南アジアの有望市場の一つであるマレーシアを新たなターゲットとして、県産農産物の認知度向上と需要の拡大に取り組んでまいります。 また、園芸品目など米以外についても、流通ルートの確立や現地での継続的な取り扱いに向けた取り組みを進めてまいります。 なお、農産物輸出の現状につきましては、農林水産部長から答弁いたします。 次に、観光客等の誘客についてお答えします。 グリーンシーズンにおける外国人観光客の増加に向けた取り組みについてでありますが、年間を通じた観光客の誘客は、スキーエリアに限らず、広く県内経済の活性化や、安定的な雇用の場を確保する観点から、重要であると考えております。 これまで外国人宿泊客は、国内旅行客に比べてスノーシーズンに偏っておりましたが、近年、高田の観桜会や大地の芸術祭などグリーンシーズンの観光コンテンツにも人気があります。 今後は、こうした観光コンテンツを中心に、グリーンシーズンのアピールポイントを明確にした情報発信や、スノーリゾート新潟の知名度向上に取り組み、年間を通じた外国人観光客の獲得につなげてまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、スポーツや文化の魅力を生かした合宿などの誘致は、本県への誘客に効果的であると考えております。 県といたしましては、東京2020オリンピック・パラリンピックや国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭を契機とした関心の高まりも生かしつつ、引き続き、スポーツや文化による誘客にも努めてまいりたいと思います。 なお、宿泊者数の現状については観光局長から、これまでのスポーツ合宿等の誘致の成果については県民生活・環境部長から答弁いたします。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えします。 スポーツ合宿等の誘致の成果についてでありますが、県では、スポーツ合宿や新潟の文化を紹介する専用ホームページにおいて、県内の施設や地域の特色等に関する情報を提供し、また、合宿等への補助を行うなど、各地域が行う誘致に対する支援や交流促進に取り組んでまいりました。 こうした取り組みにより、利用者への周知が図られるとともに、市町村では、合宿誘致の一元的な窓口の設置など受け入れ体制の整備が進み、最近では、日本代表クラスの合宿受け入れのほか、大学サークル等の継続的な県内合宿の実施などの成果が見られるところです。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、高齢者等の買い物難民の解消に向けた施策についてでありますが、生活に必要な移動手段が確保できるよう、NPO法人によるバスの自主運行などへのアドバイザー派遣や、コミュニティーバス、乗り合いタクシーの導入等に対する市町村支援を行っております。 また、移動販売事業者の車両購入支援等にも市町村と連携して取り組んでいるところです。 次に、透析患者への通院支援についてでございますが、平成31年1月現在、県内26市町村において透析患者に特化した通院費等の助成事業が行われております。 県といたしましては、これまでも市町村に対して地域の実情に応じた支援を促してきたところでありますが、引き続き会議等の機会を通じて、さまざまな取り組み事例を紹介することなどによりまして、個々のニーズに応じた支援が行われるよう働きかけてまいります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) お答えいたします。 グリーンシーズンの外国人及び国内旅行者の宿泊者数の現状についてでありますが、観光庁の宿泊旅行統計調査によりますと、4月から11月までのグリーンシーズンについて、平成30年の外国人延べ宿泊者数は、対前年比42.7%増の約18万5,000人泊となり、スノーシーズンと同程度の宿泊者数となっております。 また、同時期の国内旅行者の延べ宿泊者数は、対前年比5.5%減の約630万人泊となっております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 農産物輸出の現状についてでありますが、本県農産物の平成30年度の輸出実績は、香港、シンガポール等への米輸出が引き続き増加したことなどにより、輸出額では前年度比19%増の9億4,000万円、輸出量では前年度比18%増の4,903トンと順調に拡大しております。   〔農地部長緒方和之君登壇〕 ◎農地部長(緒方和之君) 2点についてお答えいたします。 中山間地域の守るべき農地と用水確保のための施設整備についてでありますが、優良農地として守っていく必要がある農地としては、いわゆる農振農用地があり、中山間地域では、そのうちさらに、地域がみずから積極的に保全する農地として位置づけている中山間地域等直接支払いや多面的機能支払いの対象農地があります。 県といたしましては、市町村や地元農家と連携しながら、これらの対象農地を優先しつつ、地域の要望を踏まえ、効率的かつ効果的な施設整備を行ってまいります。 次に、農業用水確保の手法についてでありますが、平場で河川からの安定的な取水が困難な地域などでは、深井戸の活用は有効な手段の一つであると考えております。 現在、深井戸新設の要望が6カ所あり、このうち3カ所は今年度の整備を予定しているところです。 また、中山間地域におきましては、用水不足に対応するため、ため池用水の反復利用を行っている地域もあります。 議員御指摘のようなため池を上段、中段、下段に配置して用水を再利用する方法はより効果的と考えられることから、現在、上越市上達地区で整備を進めており、来年度からの用水利用において効果が期待されているところです。 県といたしましては、今後も地元の意向なども踏まえ、地域の状況について十分に調査した上で、施設の整備に取り組んでまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えします。 中心市街地の空き家対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、建物が密集した中心市街地において、適切に管理されていない空き家の一部が、防犯、防災面などで地域住民の生活環境に悪影響を及ぼす事態は、安全・安心なまちづくりを図る上で課題であると認識しております。 このため、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、市町村が空家等対策計画を策定し、国事業も活用しながら危険な空き家の撤去や、空き家の適正管理、利活用などのさまざまな対策を進めております。 県といたしましては、市町村への情報提供や技術的助言を行うとともに、空き家再生まちづくり支援事業によって、未策定市町村の計画策定や、国事業の対象とならない空き家の改修に対し、独自の支援を行っているところであり、今後とも市町村と連携しながら、空き家対策に取り組んでいきたいと考えております。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 バスの路線図等の外国語表記についてでありますが、外国語表記については、観光客を初め多くの外国人の利用が見込まれる一部の路線にとどまっており、基本的にはバス事業者が独自で外国語表記を進めていると認識しております。 県といたしましては、外国人労働者のみならず、訪日外国人旅行者も含めたニーズに対応できるよう、外国語表記に対応した路線のさらなる充実や、パンフレットやICTによる路線情報等の発信などを、必要に応じて、事業者や市町村に対し働きかけてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 地域の食材を使った学校給食の提供についてでありますが、地域の食材を学校給食に使用することは、児童生徒が地域の自然や伝統的な食文化に関する理解を深め、生産者の努力や食に対する感謝の念を育むことにつながることから、重要であると考えております。 県教育委員会といたしましては、引き続き、教職員を対象とした研修会等において地産地消についての理解を深めるとともに、地域の食材を献立に取り入れた学校給食のコンクールなどを通じて、今後とも関係機関と連携しながら食育を進めてまいります。 次に、学校給食における県産米の使用についてでありますが、今ほど申し上げましたように、学校給食に地域の食材を使用することは、児童生徒が地域への理解や食に対する感謝の念を深めていくものと考えております。 このことから、学校給食で使用する米につきましても、地域の実情に応じて、新潟のおいしい米を児童生徒に提供することは、食育の推進につながるものと考えております。 なお、コシヒカリを選択するかについては、さまざまな要素を踏まえて、それぞれの市町村教育委員会が判断すべきものと考えております。 ○議長(岩村良一君) 楡井辰雄君の質問は終わりました。 次に、池田千賀子君の発言を許します。池田千賀子君。   〔池田千賀子君登壇〕(拍手) ◆池田千賀子君 未来にいがたの池田千賀子でございます。 まず初めに、今月18日に発生をいたしました地震で被害をこうむられた皆様に心からのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早くふだんの生活が取り戻せることを心からお祈りを申し上げ、質問に入らせていただきます。 まず初めに、財政問題についてお伺いをいたします。 今般明らかになりました財政危機につきましては、花角知事が御就任以前の課題だというふうに私は認識をしております。しかし、これから県が進めようとしております行財政改革を円滑に進めるに当たり、私たち県議会、そして多くの県民の皆様から十分な御理解をいただくということはどうしても必要だと考えております。そういう観点から、知事に御質問をいたします。 私は、3年間この県議会に議席をいただいていた者として、非常に反省をしておりまして、改めて、過去10年ほどの決算カードの歳入歳出、あるいは県が公表しておりました予算・決算の概要、それから県債の償還に関してどのような情報が今まで出されていたのか等々について、改めて見てみました。 そうしましたところ、財政悪化を認識させられるような情報は、ほぼ私たち県議会、県民には提供されてこなかったというふうに思っております。 大きなポイントの時期は、昨年2月、財政運営計画改訂時だと私は考えております。このときの計画は、それ以前の計画とは、様式も、内容も、大きく異なっておりました。ここで初めて県財政の悪化の実態、詳細が明らかになったと思っております。 しかし、それ以前の説明との間に非常に大きな開きがあったために、大変な唐突感がありました。そこで、昨年2月定例会での一般質問におきましてこの問題を取り上げ、答弁を求めました。 しかし、答弁は、当時は米山前知事でありましたけれども、従来、参考としてきた経済成長率が本県の実情と乖離があることから、経済成長率等の前提条件を見直した云々とか、率直に言って、従来使っていた前提条件はやや楽観的と申しますか、中略、ですので、改訂時においては当然ギャップが大きく見えるということではないかと理解しておりますというような答弁にとどまっておりまして、今にして思えば、非常に楽観的な答弁であったと言わざるを得ません。 ましてや、それ以前の泉田元知事は、堅実な財政運営を行った結果、県財政への不信はかなり払拭できたなどと答弁をしておりまして、大きな危機はないというような答弁を私たちは聞いていたことになります。 昨年2月に財政が非常に厳しいという詳細の中身をせっかく示しておきながら、具体的な対応策を示すことをせず今日に至ったのはなぜなのか、疑問を持たざるを得ません。 昨日の答弁で、2015年度歳入ということを強調されておられましたけれども、この2015年度も含めて、県財政が厳しいという説明はされてこなかったと考えております。これはなぜなのか、知事の見解を伺いたいと思います。 次に、2010年度などに、それまで措置されていた公債費に対する交付税の措置率が下がって、結果として、県が実負担しなくてはならなくなった公債費の額が増加したということであります。 県債管理基金は、後年度の県債償還に充てるための基金でありますが、この中に実質負担が増加する分に充てるための公債費調整分を設けていたことも、今回さまざま提供されました資料から明らかとなりました。 この公債費調整分を設けたのは、お聞きしたところ、2010年度当時だと伺っております。こうした対策を講じて、できる限りの積み立てをしてこようとした努力、これは評価をできる一方で、当時からこの認識があったものと理解をいたします。2010年度といいますと、当時は泉田県政2期目であります。 この後、財政の厳しさの認識はより高まる方向に行ったというふうに推察をいたしますけれども、さきに述べました2018年2月、これまでの間、一体県庁の中では財政悪化についてどのような認識がされてきたのか、そして公表の時期が2018年2月にまでおくれたのはなぜなのか、理解ができません。知事の答弁を求めます。 新潟日報は、4月21日の朝刊で、米山前知事は、就任から半年後ぐらいに、財政当局から、そろそろこれを公表したいとデータを見せられたと報じております。この記事は、財政悪化について、知事に報告すべき状態になっていたにもかかわらず、報告が知事になされなかった、おくれたと解されます。 さきに述べましたように、泉田県政期、特に後半6年間だと思いますけれども、県庁内には認識があったものと私は考えておりますけれども、新聞記事は、知事が米山氏にかわったことを機に報告すべきということになったかとも想像がされます。 県庁内に知事への報告をちゅうちょさせる雰囲気があったとすれば、早期に対策を打つことをおくれさせたということになりまして、問題だと考えます。なぜ報告がおくれるということが起きたのか、知事の所見を伺いたいと思います。 今年度の予算の特徴は、深刻な財政問題が明らかとなった後の初めての予算でございます。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用した投資事業が手厚く計上されているという点でも特徴があります。 予算編成につきましては、10%のシーリングを部局にかけたとはいえ、歳入歳出規模は前年度と比較して1.7%増であります。普通建設事業費は、前年度比14.6%増となっております。そして、枯渇すると課題になっております基金について、その前の年度よりも42億3,900万円を多く取り崩して繰り入れることを前提とした予算となっております。 この3か年緊急対策事業が、補助事業では交付税措置率が50%、地方単独事業では70%という高い措置率でありますけれども、しかしこの有利な事業であるために、この際実施しようというふうに考えれば、結果として事業の優先性の見積もりが甘くなってしまうのではないかと懸念するところであります。 交付税のバックがあるとはいえ、今年度の起債、通常債は前年度より19%多い1,047億1,800万円の発行を前提としている予算であります。 知事のこのことについての見解をお伺いいたします。 昨日の代表質問で、今年度から取り組むこととしている財政対策が紹介されました。しかし、直ちに緊縮財政にかじを切ったというふうには私には見えません。予算規模は膨らんでおり、基金取り崩し額を増額する前提の予算でありますので、ややもすると財政再建のための歳出改革の結論が出る前に、前倒しで事業をしようというふうにも見えてしまいます。 なぜ今年度から直ちに緊縮財政にかじを切らなかったのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、前知事が計画を策定いたしました、2018年1月に公表した、県政運営の指針となる最上位計画、にいがた未来創造プランは、花角知事により見直しが行われたわけであります。今の総合計画も8年間という計画期間でありますので、当然深刻な財政問題を前提とした計画であるべきと考えます。 財政運営について書かれている項であります、適切な財政・行政運営の項を見てみました。花角総合計画と米山総合計画、比較をしてみますと、大きく変わっておりません。といいますか、ほとんど言い回しは同じであります。 これは、一体どのような検討がなされて、この項が見直しとならず、財政再建を進める具体的な書きぶりにならなかったのか、疑問に思います。知事の見解を伺います。 次に、行財政改革有識者会議における委員の意見の中には、公債費抑制に係る意見も多数あったと承知をしております。 起債償還に係る後年度負担を抑えること、例えば補償金免除の繰上償還、あるいは借換債等は財政再建のための基本的な手だてだと考えます。 現在、金利が低くなっているとはいえ、残っている県債の中で利息1.5%超えのものは3,500億円ほどあるようでありますけれども、公債費抑制に係る手だては、果たしてこれまで十分行ってこられたのでしょうか。知事の見解を伺います。 そしてまた、重要なのはこれからであります。県債発行抑制については、私は取り組まざるを得ないのだろうというふうに考えます。しかし、ことし2月に改訂をされました財政運営計画では、この新たな県債発行について、抑制を検討するということだけ述べており、対応策としては非常に不十分だなという印象を受けております。 なぜ発行抑制について直ちに踏み込むという姿勢ではないのか、知事の所見を伺いたいと思います。 次に、県央基幹病院整備計画です。 第2回の行財政改革有識者会議では、県が整備を進めている県央基幹病院について、周辺に県立病院が立地していることから、計画見直しに言及する意見が多数出されたと聞いております。 基幹病院の整備が日に日に進んでいるという状況であることとあわせ、ここまでの間に大変多くの関係者と協議を重ね、今日に至っているということを考えますと、対応は容易ではないと推察をいたします。 きのうも御答弁をいただいたところでございますけれども、改めて、今後の対応についてお伺いしたいと思います。 次に、新潟日報は6月6日の朝刊で、行財政改革有識者会議の議論の受けとめについて、部局から報告を受けていないことを理由に見解を示せない場面があったと報じておりまして、この記事を拝見したときに私はやや残念な気持ちになりました。 県の財政危機が明らかになって、県が行財政改革有識者会議を設置して、そして財政再建の検討を本格化したとなれば、県民は議論の行方を注視しておりますし、その行財政改革有識者会議が出した意見に、果たして知事はどういう見解を示されるのだろうかというのは、私は固唾をのんで見守っていると言っても言い過ぎではないと思います。しかるに、報告を受けていないので、答えられないというのは、いささか落胆をいたします。 公務多忙なのはわかりますが、県民の期待に応えていただきたいという意味でお伺いいたしますけれども、行財政改革有識者会議の議論に対し知事がどのような考えを示すかは大きな関心を持たれているということについて、知事はどのような御認識をお持ちか、お伺いしたいと思います。 次に、原子力発電所に関する課題について伺います。 原発事故に関する検証委員会の検証が進んでおり、真摯な検証と議論を行っていただいている委員の皆様に心から御礼を申し上げたいと思います。 各検証を行うことによりまして、新しい知見が示されているのを見るにつけ、随時、こうしたことを県民に伝えていくことが重要だと感じております。 今月4日に開催されました第6回避難委員会では、屋内退避について議論がなされました。屋内退避は、ドアや窓を閉めるということが常識だと考えておりましたけれども、プルーム通過後は、むしろ換気を行うほうが被曝量を減らせる可能性があることなどが委員から示されたところでございます。 こうした新たな知見は、避難計画を策定する役割を担っている自治体とも共有すべきであり、県民につきましても、後の判断に資するように、議論を知っておく必要があると考えます。 随時、県民に情報を届け、理解を深めていただく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、知事は検証の期限は区切らないとされておられます。つまりそれは、結果報告書が提出される時期が必ずしも明確ではないということを意味していると思います。 知事の任期との関係で、報告書の提出、知事としての結論、そして県民に信を問う、この一連の流れがどのように具体的に進められていくのかが私はやや不明だと思っております。具体的な進め方について、知事の所見を求めたいと思います。 次に、検証委員会では、過去の中越沖地震、福島第一原発事故、そしてまた最近では柏崎刈羽原発内でのケーブル火災等で、自治体への情報伝達が不十分であったということについて、不信感を示す声が委員から多く上がったと聞いております。 第6回避難委員会でも、第5回避難委員会で指摘をした事項を東京電力が回答したことに対して、指摘したことに答えていないなど、厳しい意見がありました。事故発生時の事業者の責務の基本的な部分に対する懸念であると感じております。 そしてまた、折しも、また新しい事案が発生いたしました。18日の地震発生の際に東京電力が柏崎市など自治体に送ったファクス、ここに使用済み燃料プールを冷却する電源の状況について、過って異常ありと誤記するという事案が発生したわけであります。非常に驚きましたし、信じられないと思いました。柏崎市長は、東京電力に危機管理能力があるのかという根本的な強い疑念がまた新たになったと述べておられます。 これは、原子力発電所を運転する事業者として、私は深刻な問題だと思っております。知事は、どのように受けとめておられるのか、見解を求めたいと思います。 次に、新規制基準に係る適合性審査は、設置変更許可に関する審査が終了しておりますので、現在、途中の工事計画認可、そしてまた運用基準であります保安規定変更認可に係る審査が終了すれば、事業者としては、起動前検査、起動後検査と、事実上原子炉を起動させる工程に移ることが可能であると理解をいたします。 この起動が可能となる時期と県が進めている検証委員会による検証、県民への意思確認のタイミングというのは当然一致するとは限りません。 東京電力は、県が検証や県民への意思確認を行った上でないと再稼働はできないというこの知事の考えを十分理解しているとは思いますけれども、改めてしっかりと確認をしておく必要があるのではないかと考えます。知事の所見をお伺いしたいと思います。 次に、学校教育について伺います。 2016年3月に策定いたしました県立高校の将来構想は、減り続ける中学校卒業生の数を背景に、適正な学校規模として、1学年当たり4から8学級という具体的な数値を示しました。これは、幅広い教育活動の提供のためだとしても、この学級数以下の学校は直ちに統廃合の対象かと懸念する声が多く出されたわけであります。 県教育委員会は、これらを踏まえ、適正なではなく、望ましい学校規模という考え方を示しておられるようでありますけれども、これは十分県民には伝わっていないと思います。いまだに、地域には、高校がなくなるという不安の声が根強いのが実態です。 県教育委員会が、学校の規模について、望ましいという考え方を持っているのであれば、将来構想の中の文言そのものを修正すべきではないかと考えますが、教育長の所見を伺います。 島根県教育委員会は、昨日の小山芳元議員の代表質問にもございましたように、しまね留学制度というのを運用しております。受け入れた人数は、開始当時の3倍にもなり、本県からも学生を受け入れていると伺いました。 当然、島根県においても学校再編が行われてきたそうでありますけれども、このしまね留学という制度を運用する際に、これを一旦脇に置いて、凍結をして、小規模の高校だからこそできることは何かという魅力に重点を置いて、県立高校魅力化ビジョンを策定したと伺っております。 本県においても、高校に求められる役割、特徴を明確にして、中学生が主体的に高校選択ができるよう独自タイプの設定を行っていることなどは承知はしておりますけれども、学級数減が進む中、果たして自分の地域の高校は存続するのかどうかといった非常にネガティブな感情、心配が県民の中には強いと私は思っております。 本県においても県内生徒に対して、新潟の高校の魅力というポジティブな、そういう発信を強く打ち出す必要があるのではないかと考えますけれども、教育長の所見をお伺いいたします。 次に、公務職場では、非常勤職員の皆さんなくして業務が遂行できないほどの役割を担っていただいているのが現状だと思っております。2017年の地方公務員法・地方自治法改正によって、非常勤職員の任用根拠が明確となり、本県においても近く条例が制定されると考えております。 学校で働く非常勤講師等にも会計年度任用職員制度が適用となると理解をいたしますが、職員団体との協議の進捗、これを含めまして、関係規定の整備に向けた検討がどのように行われているのか、お伺いいたします。 また、このたびの制度の趣旨にのっとって、処遇が改善されるという方向で運用がなされるべきと考えますが、制度運用の基本的な考え方についてお伺いいたします。 臨時教員は、任期と任期の間に一定の期間が設けられ、この期間は本来であれば出勤、仕事はできないわけでありますが、学校現場の状況から、この期間においても業務につかざるを得ない状況があると聞いております。 責任の所在という点からも、決して望ましいことではなく、切れ目のない任用についてあわせて改善を図るべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 次に、県政の諸課題についてです。 人口減少対策は、本県の課題であると同時に、各自治体においても喫緊の課題であります。自然減対策、社会減対策、要は魅力ある自治体、地域をつくっていくことにあり、県が少なくない財源を投じて実施している各種政策も、実際に人が住み、暮らす現場である自治体、ここの意識、取り組みレベルが高くならなければ効果を生みにくいと考えます。 全県を見渡したとき、そのレベルは自治体によってやや差があるなというふうにも感じておりますけれども、各自治体の意識や取り組みレベルをどのようにごらんになっていらっしゃるのかお伺いするとともに、県はその先頭に立ちリーダーシップを発揮する役割を担っていると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、風力発電についてです。 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律が施行となり、洋上風力発電に適した促進区域に指定されれば、これまでは3年から5年とばらつきがあった海域の占有期間が最長30年まで延長が可能となりました。長期の洋上風力発電が可能となれば、その権利が確保されれば、洋上風力発電への投資が加速するものと認識をしております。 県は、促進地域の指定を目指し、風力発電に係るゾーニング導入実証事業、今年度5,674万8,000円の予算を計上しました。環境や漁業にも配慮した上での風力発電適地を選ぶために、初回の研究会が今月13日に開催されたと聞いております。 県は長い海岸線を有するという特徴があり、県の初会合にも9市町村からの参加があったと伺っておりますし、本県が将来のエネルギーの選択の幅を広げ、かつ県内企業の関連産業への参入を目指すためという目標に合致するために、ぜひとも進めていただきたいと考えておりますけれども、先行地域、ここに合わせて、その区域外にも海域を広げて考えるなど、予断を持たずに十分な検討を行っていく必要があると考えますが、答弁をお願いいたします。 次に、太陽光発電です。 固定価格買取制度については、太陽光発電が一般家庭でも導入可能であるということで、1キロワットアワー当たり48円というやや高い設定で始まった経緯があり、2009年11月から買い取りが始まった太陽光発電は、ことしの秋、順次、契約期間が満了することが、以前から課題だとされてきました。 そして、今月、太陽光発電などの再生可能エネルギーの固定価格買取制度終了の検討という記事が新聞に報道されたわけであります。 2020年度の法改正を目指す、あるいは対象を事業用太陽光のうち新規の大規模発電にするなどと報道されているようでありますけれども、この制度終了は再生可能エネルギーの促進を進めております本県にどのような影響があると考えているのか、知事の所見を伺います。 次に、幼保無償化についてであります。 国は、消費税の引き上げの財源を利用して、今年10月から幼保の無償化を行うとしております。この政策につきましては、一律の無償化で入所希望者がふえ、待機児童問題がむしろ深刻になるのではないかとか、現場で働く保育士への負担がふえるのではないか、あるいは保育の質の担保等々、さまざまな議論や懸念が示されていたところであります。 この政策の大前提となります保育の必要性の認定を実施し、子ども・子育て支援新制度の対象となる保育所、認定こども園を所管する自治体、この自治体は秋に向かって万全な準備を進めていかなければならない、まさに今その時期にあると考えますが、聞くところによれば、準備を進めるに足る制度の詳細がおりてきておらず、非常に対応に苦慮していると聞いております。 国肝いりの政策だというのに、これでは問題だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、財源について、本年度分は全額国により賄われますけれども、来年度以降からは消費税増税分を活用して地方の財源を確保などとはいうものの、不透明な面も多いと考えております。県財政への影響をどのようにお考えになっておられるのか、所見をお伺いしたいと思います。 地域医療を担う厚生連の役割についてお伺いいたします。 本県では、県立病院にあわせ厚生連が県内各地の医療をカバーしている特徴があります。しかし、人口減少や医療情勢の影響によって、収支が悪化してきております。県内6の立地自治体によりますと、財政的に支援を行っている中で、2017年度の支援額は約9億円を超えているということであり、県による一定の支援とともに、厚生連の努力、各自治体の支援で地域に医療が提供されているという実態があります。 県は、県内の地域医療の体制について整備をしていく責務があると思いますけれども、厚生連が果たしている役割を十分認識しながら、各医療圏への医療が提供されるよう検討を行う必要があると考えます。知事の所見をお伺いいたします。 公害健康被害の補償等に関する法律、公健法に基づく水俣病の認定制度について、知事は、丁寧に個別事情を見ながら審査いただいていると述べておられますが、被害者の方々の認識とは乖離があると考えております。 納得できる丁寧な審査となるためには、主治医の意見を十分に聞く時間をとるとか、審査会の委員に疫学の専門家を加えるなどの改善が必要だと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、水俣病の被害者の救済については、全ての被害者に救済の手が差し伸べられておらず、症状が重い方が救済の対象になってきたと考えております。 県は、環境省に対し、水俣病の終局的な問題解決のために、抜本的に救済制度を見直すことを求めていると承知をしておりますが、これは軽症の方が救済されない現行の制度の問題点を認識した上での要望であると理解してよいか、知事の所見をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 池田議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、財政状況に係る説明についてでありますが、2016年度決算で一般財源歳入総額が大幅な減少となり歳出充当一般財源を下回ったことにより、財源対策的基金残高が減少に転じたこともあり、直後の2018年2月改訂の財政運営計画では、経済成長率等をより堅実な見通しに変更するなどとした結果、財源対策的基金残高が今後5年間で半減するという厳しい財政状況の見通しを御説明しております。 その後、2017年度決算において県税収入が減少し、また、2018年度の普通交付税等の決定額が当初予算を大幅に下回り、さらに、国の経済成長率の見通しが低下したことから収支の見通しが一段と厳しくなったため、本年2月改訂の財政運営計画では、このまま歳入歳出改革が進まなければ、2年後にも財源対策的基金が枯渇するという、さらに厳しい財政状況の見通しを御説明したところであります。 次に、財政悪化の認識等についてでありますが、公債費に対する交付税措置率の減少に伴い、公債費の実負担額が今後増加することについては、県として認識していたものの、2017年2月の財政運営計画改訂時まで、高い経済成長率を前提として試算した県税収入の伸びが大きかったことなどから、今回のような財政状況の悪化は見通しておりませんでした。 その後、2017年7月の2016年度決算の調製時には、一般財源歳入総額が歳出充当一般財源を下回り、財源対策的基金残高が減少に転じたこともあり、直後の2018年2月改訂の財政運営計画では、今後も一般財源歳入総額の減少が見込まれる一方、社会保障関係経費や県立病院に対する繰出金等の負担増加が見込まれることなどにより、財源対策的基金残高が今後も減少していくという、厳しい財政状況をお示ししたものであります。 次に、前知事への財政状況の報告についてでありますが、前知事在職時における事実関係に関することですので、総務管理部長から答弁いたします。 次に、国の3か年緊急対策の活用についてでありますが、今年度予算は、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて、県民の安全と安心を最優先に、一段加速した防災・減災対策などに取り組んでいくこととしたところです。 その取り組みを展開するに当たり、特に緊急に実施すべき防災・減災対策について、有利な財源である国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用したものであり、中長期的な財政負担を軽減しながら、将来も含め県として行うべき優先度の高い事業を集中的に実施することとしたものであります。 次に、今年度の予算編成における歳出削減についてでありますが、厳しい財政状況を踏まえ、選択と集中をこれまで以上に徹底することを基本に、シーリング等により財源の確保に努めるとともに、国庫補助金や有利な地方財政措置が見込まれる地方債を活用することにより、後年度を含む県負担を抑制するなど、今後の財政運営を見据えた対応を行ったところです。 しかしながら、年末に示された地方財政計画を踏まえ、地方交付税等の大幅な減少が見込まれる中で、県民生活への影響や行政サービスの急激な低下を避けるため、限られた時間での歳出の見直しには限界があり、不足する財源については財源対策的基金の取り崩しで対応することとしたものであります。 次に、公債費の負担抑制についてでありますが、2017年2月の財政運営計画改訂時まで、高い経済成長率を前提に試算した県税収入の伸びが大きかったことなどから、今回のような財政状況の悪化は見通しておりませんでした。 本来、公債費に対する地方交付税措置率の見直しによる将来的な実負担額の増加に備え、早くから資金手当債を含む地方債の発行抑制に取り組むべきであったと考えており、県として将来の見通しが十分ではなかったと認識しております。 今後の県債発行の抑制については、行財政改革有識者会議における御意見も踏まえて具体的な方策について検討してまいります。 今年度予算については、有利な財源である国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用し、将来を含めて県として行うべき事業を集中的に実施し、中長期的な財政負担の軽減につなげていくこととしたところです。 次に、行財政改革有識者会議での議論等を踏まえた県央基幹病院整備の対応についてでありますが、県の財政が危機的な状況にある中で、平均在院日数の短縮などによる医療需要の減少、新専門医制度や医師の働き方改革などの医療制度改革の影響など、整備基本計画策定時からの状況変化を踏まえた検証が必要と考えております。 このため、民間病院等との役割分担を踏まえ、県央基幹病院、加茂及び吉田病院の機能と規模等について、一体として議論してまいります。 今後、地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などから成る検討の場を設置し、年内を目途に検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、行財政改革に対する県民の関心についてでありますが、県の行財政改革については、県民サービスにも影響するものであるため、有識者会議の議論については、県民の皆様も大きな関心をお持ちであると認識しております。 そのため、行財政改革の実施に当たっては、急激に悪化した本県の財政状況や今後の財政運営について十分に御理解をいただくことが必要と考えており、情報発信に当たっては、有識者会議における議論を踏まえ、丁寧に説明してまいりたいと考えております。 次に、原子力発電所に関する課題についてお答えします。 まず、検証に関する県民への情報提供等についてでありますが、議員御指摘のとおり、検証委員会の議論の状況を県民の皆様へ情報提供することは重要であると考えております。そのため、各検証委員会は原則公開で行うとともに、資料や議事録はホームページに掲載し、広く県民の皆様に周知しております。 次に、検証については、期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいと考えております。 委員会としての検証の結果は、広く県民の皆さんと情報共有するとともに、評価をいただき、その上で、リーダーとして責任を持って、結論の全体像を県民の皆さんにお示しします。そして、その結論を受け入れていただけるかどうかについて、県民に信を問うことも含め、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要であると考えております。 次に、東京電力の情報伝達体制についてでありますが、避難委員会において、東京電力の情報伝達体制について、現段階では不十分という意見が多くあったことは承知しております。 原子力災害時には、事業者が、事故情報を迅速かつ正確に関係機関に伝達することが重要であり、東京電力には実効性のある情報伝達体制の構築に真摯に取り組んでいただきたいと考えております。 県といたしましては、事故情報等の伝達体制について、避難委員会等において、引き続き検証していただきたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の再稼働問題についてでありますが、原発が立地する本県としては、県民の命と暮らしを守ることが第一であり、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできないという姿勢を堅持いたします。 このことについて、東京電力の小早川社長に対し、繰り返しお伝えしております。また、小早川社長は、再稼働に当たっては地元の御理解が大前提と発言していると承知しております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、人口減少対策の全県的な状況についてでありますが、県も全ての市町村においても、人口減少問題を重要課題として、現状分析に基づき地域の実情に即した多様な施策を講じており、県では実務的な協議の場を設けるなど、市町村や関係団体と連携したオール新潟体制での取り組みを進めているところです。 しかしながら、県全体としては、進学や就職を契機とした若者を中心とする転出超過や出生数の減少に歯どめがかからないという現状にあることから、意識や取り組みにおいて、今後もレベルを高めていく必要がある状況と認識しております。 人口減少問題は構造的な問題でもあり、県全体での危機感の共有と連携・協力が必要なことから、広く県民への人口問題に関する意識醸成活動や、市町村、各界との連携をさらに進めるなど、県として期待される役割を果たすことで、全県的な意識や取り組みの底上げにつながるよう努めてまいります。 次に、固定価格買取制度見直しの影響についてでありますが、現在、固定価格買取制度の抜本的見直しに向けて、国の設置する委員会での検討が行われております。 これまでの議論では、同制度による国民負担増大を抑制する必要があることに加え、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた事業の自立性確保やコスト低減を図る必要があるといった意見が出されていると承知しております。 国からは、正式に具体的な見直し内容などが示されておらず、現時点で本県における影響などを推しはかることは難しい状況ですが、引き続き、今後の委員会での検討状況などを注視してまいりたいと考えております。 次に、幼児教育・保育の無償化の実施に向けた問題点と、本県財政への影響についてでありますが、幼児教育・保育の無償化は、幼児教育の重要性や負担軽減を図る少子化対策の観点などから、子育て世帯を応援する取り組みであると認識しております。 一方で、本制度に係る新たな法案可決が本年5月であり、10月からの導入に向けた準備期間が限られる中で、制度の円滑な実施に向けた対応が必要となることは課題と考えております。 このため、県といたしましては、制度の詳細等について、適時、国に確認するとともに、市町村や関係団体ともこうした情報を共有し、適切に対応してまいりたいと考えております。 また、無償化の財源につきましては、今年度は、臨時交付金として全額国費で措置することとされており、次年度以降につきましては、消費税率10%への引き上げによる増収分を充てることとされていることから、県財政への影響はないものと認識しております。 次に、医療提供体制の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、厚生連は、救急医療や僻地医療等、公益性の高い医療サービスを積極的に担っており、地域医療を確保する上で、その果たす役割は大きいものと考えております。 県といたしましては、限られた医療資源の中で、地域において必要とされる医療を確保するため、現在、二次医療圏ごとに、厚生連を含む地域の医療関係者等で構成される地域医療構想調整会議で、医療機関相互の連携や役割分担などについて協議を進めております。 地域医療構想の推進については、医療機関の自主的な取り組みを基本としており、県は引き続き調整役として、構想を推進する各プロセスにおいて、議論や協議が円滑に行われるよう、随時、必要な支援を行ってまいります。 次に、水俣病の認定審査についてでありますが、認定審査は法定受託事務のため、国が示した基準や通知にのっとって審査が行われるべきものであり、加えて、本県の審査会では、平成20年12月から弁護士委員を追加し、また、平成27年9月からは疫学の参考人制度を導入するなど、これまでも一人一人個別具体的に丁寧に審査を行っていただいていると認識しております。 一方で、審査を待たれている申請者の方々も多いことから、迅速な審査が求められているところです。 今後の審査会の運営につきましては、改善すべき点があるかどうか国や審査会委員等にも意見を伺いながら、引き続き丁寧な審査となるように努めてまいります。 次に、水俣病の救済に関する国への要望についてでありますが、新潟水俣病は、高度経済成長期において、我が国が豊かで快適な社会の実現を追求してきた一方で発生した公害であり、被害に遭われた方々に対しては、私たちが社会全体で支えていかなければならないと考えております。 現行の公健法では、単に症状の程度だけで判断は行っておらず、有機水銀に対する暴露、症状、暴露と症状の因果関係により、審査いただいているところですが、新潟水俣病の発生から既に50年以上経過し、暴露と症状の因果関係を立証することが非常に困難になってきております。 県といたしましては、こうした現実に鑑み、因果関係の立証を緩やかに捉え、広く被害者として救済される恒久的な制度の確立を国に対して求めているところです。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) 財政状況と総合計画の見直しについてでございますが、総合計画は、将来の本県が目指すべき姿を明らかにし、今後の県政運営の総合的・基本的な指針として定めるものであり、その着実な推進には安定した財政基盤を確立していくことが必要です。 現計画の前身のにいがた未来創造プランの策定において、既に2016年度決算が明らかとなり財源対策的基金残高が減少に転じるなど、今後も厳しい財政状況が見込まれたことから、議員御指摘の適切な財政・行政運営の項目において、毎年度、中期的な収支見通しを策定し、公表していくことを前提に、既存の事務事業の廃止・見直しや行政コストの削減及び歳入の確保に努めること、また、選択と集中に取り組んでいくことを明記したところでございます。 その後、現計画への見直しの過程の中でさらに厳しい財政状況が見込まれたところですが、財政運営の基本的な方向性は変わらないことから、厳しい財政状況の中でも取り組むべき政策にしっかり取り組むべき姿勢を付加した上で策定したものであります。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 前知事への財政状況の報告についてでありますが、前知事が、財政当局のどのような説明について話をされているのか定かではありませんが、就任後約4カ月となる2017年2月の財政運営計画改訂時には、従前と同様に高い経済成長率を前提としていたものの、前知事に対して、経済成長率は、実績との乖離が見られたことから、将来的には見直しの検討が必要であることを説明しております。 その後、2017年7月の2016年度決算の調製時には、財政状況が悪化したこと、また、2018年2月の財政運営計画改訂時には、財源対策的基金が今後5年間で半減するという厳しい見通しとなったことなどについて、折に触れて前知事に説明しておりました。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕
    産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 風力発電に係るゾーニング導入実証事業の進め方についてでありますが、この事業は、今年度設置した新潟県洋上風力発電導入研究会において、関係者の皆様と協議しながら、環境保全、事業性、利害関係者等の情報の重ね合わせを行い、総合的に評価した上で、来年度末までにゾーニングマップを作成するものであります。 事業の実施に当たっては、先行地域だけでなく、県内全海域の評価を行ってまいりたいと考えております。 これらの取り組みにより、洋上風力発電導入に向けた課題等を整理しつつ、候補海域の絞り込みに向けた作業を進めることにより、国が進める洋上風力発電促進区域の指定を目指してまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 まず、県立高校の将来構想における文言についてでありますが、平成29年以降、毎年度公表している県立高校等再編整備計画の基本的な考え方で、1学年当たり4から8学級を望ましい学校規模に見直し、地域の実情を考慮しながら、教育の質的な向上と学校の活性化を検討することといたしました。再編整備の具体的検討に当たっては、この方針に基づいて行っているところでございます。 今後、高校教育を取り巻く状況の変化や、国の制度改正に伴い、将来構想を見直す際には、この表現の修正についても検討してまいりたいと考えております。 次に、県立高校における魅力ある学校づくりについてでありますが、これまでも、将来の医療系人材を育成する、小出高校などの医療専攻や、日本の伝統的な建築技術を学ぶ、新津工業高校の日本建築科など、魅力ある学校づくりを進めてまいりました。 また、今年度、中条高校に地元企業と連携し、工業と商業の専門科目を学ぶ地域産業コースを設置し、令和2年度には、阿賀野高校と羽茂高校に、地域と連携した特色あるコースを設置するなど、地域と協働して県立学校の魅力向上を図りたいと考えております。 今後も引き続き、他県の先進事例なども参考にしながら、魅力と活力ある学校づくりを進めてまいります。 次に、会計年度任用職員制度の運用と臨時教員の任用についてでありますが、会計年度任用職員制度導入に係る法改正の趣旨は、従来の臨時・非常勤職員制度が不明確であり、各地方公共団体によって取り扱いがさまざまであったものを統一し、適切な運用を確保することであると総務省から示されております。 この法改正の趣旨に加え、国や他県の制度との均衡等も踏まえ、任用・勤務条件について検討を進めているところであります。 また、臨時教員の切れ目のない任用につきましても、会計年度任用職員制度の導入に合わせて、見直しに向けた検討を進めているところであります。   〔池田千賀子君登壇〕 ◆池田千賀子君 1点だけ再質問させていただきたいと思います。 非常に丁寧に、財政のところを御答弁いただいたと思っておりまして、また、詳しくは会議録のメモ等で、時系列等については確認をしたいと思います。 それで、今年度の予算規模が膨らんだ背景に、減災・防災、3か年緊急対策を活用したということが強く背景としてあるわけなのですけれども、やはりもうちょっと丁寧に説明していただく必要があるのではないかというふうに私は思うのです。 というのは、知事は、非常に有利な事業を使って、後年度の財政負担も考慮しながら、県として取り組まなくてはならない、行うべき事業を集中してやるのだというふうに御答弁されたわけですけれども、事業の性質上、起債が100%認められておりますので、多分補助裏を用意しないで、100%起債充当でやるということだと思うのです。 そういうこともあって、今年度の通常債、県債は、167億8,300万円ふえているということですよね。今後、起債償還が非常に厳しくなると言っている中で、交付税の高い率のバックがあるとはいっても、新規発行して、この事業を行う。しかも、どの場面でしたでしょうか、3年間の事業だから、ことしのみではなく今後もというようなことを、たしかおっしゃられたと思うのです。そういう形で進めていくということが、財政運営を健全化していくということとの間に、どうも乖離があるように見えると私は思うのです。ですので、財政的……   〔発言する者あり〕 ◆池田千賀子君(続) 静粛にしてください。 財政的にむしろ負担は生じないのだというのであれば、後年度負担が厳しくなることはないのだというのであれば、私はそこの十分な説明が必要だというふうに思うのですけれども、御答弁をお願いいたします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) お答えします。 今年度予算は、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて、県民の安全と安心を最優先に、一段加速した防災・減災対策に取り組んでいくこととしたところです。 その取り組みを展開するに当たり、特に緊急に実施すべき防災・減災対策について、有利な財源である国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用したものであり、中長期的な財政負担を軽減しながら、将来も含め県として行うべき優先度の高い事業を集中的に実施することとしたものであります。 ○議長(岩村良一君) 池田千賀子君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時50分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、杉井旬君の発言を許します。杉井旬君。   〔杉井旬君登壇〕(拍手) ◆杉井旬君 リベラル新潟の杉井旬です。通告に従って一般質問をさせていただきます。 最初は、県央基幹病院についてです。 県の行財政改革有識者会議や推進会議で、4年後の開院を目指している県央基幹病院の計画を見直すべきとの意見が相次いだと報じられております。知事も、記者会見などで、検討する意向を示されました。こうしたニュースは、県央地域の県民に大変強い衝撃を与えています。 県央には救命救急センターがない、新潟市や長岡市、上越市などなら助かる命が県央では助からない、助かる命を助けるために県央にも救命救急センターが必要だということは、ずっと以前から言われ続けてきたことです。 家族が病気で倒れたために119番通報する。すると、救急車はすぐに来てくれるけれども、患者を乗せた救急車は家の前にとまったまま、なかなか走り出そうとしない。家族は、じりじりしながら救急車が動き出してくれることを待ち続けます。それでも救急車は動かない。患者を受け入れてくれる病院が見つからないためです。 家族は、救急隊員たちが一生懸命、搬送先の病院を探してくれることは承知しています。承知はしていても、苦しむ患者を見かねて、救急隊員に、何とかしろとどなり出すこともあれば、頼むから、一刻も早く病院を見つけてください、お願いしますと頼み込むこともあります。 そういうつらい経験を強いられた県央の県民が日々ふえている中で、三条、燕、田上、弥彦の市町村長たちが、知事に、県央地域における中核病院及び救命救急センターの設置についての要望書を提出したのが平成20年8月、今から11年も前のことです。 その後、多くの検討や協議が重ねられた結果、ようやく再編病院や設置場所が決まりました。建設用地の造成工事も進み、間もなく着工、4年後には新潟市や長岡市で助かる命がようやく県央でも助かるというようになるという段階になって、行財政改革有識者会議で問題があるとの意見が出され、知事まで検証する意向を示されたのですから、ショックを受けるなというほうが無理です。 改めて、県央二次医療圏の現状を申し上げます。救急患者のうち、地元の二次医療圏内で対応できず、域外まで救急搬送した比率を県内7つの医療圏別に見ますと、平成29年の数値で域外搬送率が最も低いのが中越医療圏で0.8%、次いで佐渡が0.9%、上越が1.5%、下越が4.8%、新潟が4.9%、魚沼が5.0%となっています。 県央だけは桁が違っていて、24.4%です。搬送患者のほぼ4人に1人は圏域内で治療を受けることができず、圏域外まで運ばれています。しかも、この比率は3年前の平成26年より6ポイントも高くなっています。域外搬送率は、下がるどころか、上がっているということです。 域外搬送率が高いということは、それだけ患者が医師の手当てを受けるまでの時間もかかっているということです。119番通報から救急車が現着する時間は、燕・弥彦は7.3分、加茂・田上は8.6分、三条は8.8分で、いずれも県平均の8.9分より短いのですが、医療機関に収容するまでの時間となると、県平均の43.6分に対して、三条は50.6分、燕・弥彦は52.6分、加茂・田上は54.2分です。県平均とは10.6分もの差があります。 平時の10分ではありません。患者の命にかかわる緊急時の10分は、物すごく長いものです。しかも、この数字はあくまで平均ですから、もっと遅くなることもあるわけです。脳梗塞や脳溢血が発症したとき、あるいは心肺停止となったときの10分間の差を思い描いていただければと思います。 具体例を申し上げます。昨年11月の夜、三条市内の自宅近くの農舎の前で、農業を営む60歳代前半の男性が倒れました。家族が119番通報したのが午後8時。10分後には救急車が到着しました。心肺停止状態だったために、救急隊員が救命処置を施した結果、心拍は再開したのですが、受け入れてくれる病院が見つからない。消防は、県央のあちこちの病院に連絡しましたが、どこも受け入れられないという回答でした。結局、5つの病院に断られ、25分後、ようやく長岡市の病院の了解を得て、救急車を出発させました。病院に到着したのは119番通報から1時間が過ぎていました。その患者は、結局、2日後に亡くなりました。まだ60代。発症後すぐに手当てを受けることができていれば、助かったかもしれません。適切なタイミングで適切な治療を受けられなかったばかりに、家族は大事な一家の大黒柱を失い、地域は大事な農業の担い手を失うことになってしまいました。 県央には、ほかにも、救命救急センターがあれば助かったのではないかと思われる搬送事例が幾つもあります。そういう状況下で、県央の県民が早急な設置を求めてきたのが、救命救急センターを併設した県央基幹病院であります。一般の病院改築要望などとは必要度、重要度が全く違う問題なのです。 また、この計画は、県主導のもと、地元の医療・行政関係者などが協議を重ねてつくり上げてきたものです。 繰り返しになりますが、出発点は県央にも救命救急センターが必要だということであり、救命救急センターを運営するためには一定のスタッフを確保しなければならない、スタッフを確保し、かつ健全な運営を続けるためにはマグネットホスピタル的な、一定規模以上の病院が必要だ、基幹的病院を運営しようとすると県央の他の病院との役割や機能の分担、連携が重要になるという考え方のもとで練り上げられてきたものです。 これを主導してきた県が、財政難という次元の違う問題でちゃぶ台返しをするようであれば、県央地域住民の強い反発を招きかねません。県の財政が危機的状況にあるとしても、県央地域の住民は命が危機的状況にあるわけですから。 そこで、端的に質問いたします。 県央基幹病院は、救命救急センターが必要であるとの地元の要望も踏まえ、県が主体となって地元の医療・行政関係者と議論を積み重ねて整備基本計画を策定し、ようやく着工が近づいてきた段階にあるわけですが、財政難を理由に、ここに来て整備基本計画を見直すこともあり得るのかどうか、知事の所見をお伺いいたします。 県央基幹病院を整備するに当たっては、燕労災病院と厚生連三条総合病院を統合再編することとし、燕労災病院は基幹病院整備に向けた準備のために、昨年4月に県立病院となりました。 基本計画では、基幹病院は、救命救急医療及び高度・専門的医療の中核的機能、地域医療支援の拠点的機能、人材の育成・教育機能、災害時医療の拠点的機能という4つの機能を担い、22科程度の診療科と救命救急センター分の20床を含む450床の病床数を有する規模とすることになっています。 昨年2月には、三条市上須頃地内の4万2,503平方メートルに鉄骨鉄筋コンクリートづくり、地上9階、塔屋1階、延べ床面積約3万4,000平方メートルとする基本設計も公表しておられます。 これら整備基本計画や基本設計で示された病院の機能や規模は、県民の命を守るために不可欠なものであると認識していますが、整備基本計画を適切と考えておられるのかどうか、知事の所見をお伺いいたします。 県央基幹病院を開設するに当たっては、県央地域医療構想調整会議で基幹病院の役割や機能、病床数などを協議した上で、県医療審議会に諮問し、厚生労働省に申請することが必要となっています。予定では平成30年度中、つまりことし3月末までに調整会議で最終的な協議がなされ、医療審議会に諮問することとなっていましたが、調整会議は昨年10月以降、開かれておりません。 こうした状況で、令和5年早期開院のスケジュールに支障は生じないのかどうかをお伺いいたします。 厚生労働省は、医師確保対策などを検討するに当たり、これまでの人口10万人に対する医師数といった数値を使うことをやめ、新たに医療ニーズや将来人口、診療科や患者の流出入なども考慮した医師偏在指標を用いることとしています。 この指標によると、全国平均は238.3で、都道府県別で最も高い東京都は329.0であるのに対し、新潟県は169.8、47都道府県の中でも46番目にとどまっています。新潟県よりも低いのは169.3の岩手県だけで、新潟は岩手に次いで深刻な医師不足県となっています。 その新潟県の中でも、7つの二次医療圏別に見て、最も医師不足が深刻なのが県央です。県央医療圏の医師偏在指標は106.8。全国335の二次医療圏域の中でも305番目という低さです。 新潟県病院局が平成30年度病院事業決算の説明のためにつくった資料にも、県立病院の常勤医師数は、基幹的病院ではふえているのに、中小病院は減っていることが端的に示されています。 医師を確保するためには、中小病院ではなく、基幹的病院が必要であることは明白なわけですが、なぜか県央では大幅な赤字を毎年計上し続けている、中小病院である県立加茂病院の建てかえが優先される一方、基幹的病院である県央基幹病院の計画が問題視されているわけです。 そこで、質問します。 県央医療圏は、中小規模の病院が多数存立しており、医師の確保や効率的な配置が図りにくい状況にあります。こうした課題に対応するためにも、基幹病院の整備が進められてきたと認識していますが、医師確保策について知事の所見をお伺いいたします。 また、県央基幹病院の建設用地の近隣に、来年、(仮称)三条看護・医療・歯科衛生専門学校が開校する予定となっています。看護師確保のために、基幹病院と看護専門学校との連携を図るべきと思いますが、連携の可能性についてお伺いします。 県立燕労災病院は、県出資法人である一般財団法人新潟県地域医療推進機構が指定管理者となって運営しています。この法人は魚沼基幹病院も運営しているわけですが、魚沼基幹病院は平成30年度決算でも約3億円の赤字を計上しています。これで開院以来、4年連続の赤字決算となりました。 そこで、質問いたします。 県央基幹病院の運営主体について、現時点でどのような主体を想定されているのでしょうか。また、持続可能な医療体制とするために、どのような運営主体が適切と考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。 県央基幹病院のアクセス道路や周辺環境整備について伺います。 国道289号八十里越の工事が順調に進んでいる中で、福島県只見町周辺の方々も県央基幹病院の開院を心待ちにされております。しかしながら、県央基幹病院周辺の道路は混雑していることから、県央基幹病院設置に係る道路等環境整備促進期成同盟会では、病院へのアクセス道路等の早期整備を要望しております。県としてどのように道路整備に取り組んでいくのか、お伺いいたします。 国道403号三条北道路については、県央基幹病院開院予定の令和5年度早期までに加茂市から県道塚野目代官島線まで接続することが求められていますが、整備の見通しについてお伺いいたします。 須頃郷の雨水排水については、洪水時、中ノ口川の排水ポンプの運転が規制されてしまうという問題もあり、地元は国による中ノ口川の管理直轄化を求めています。これについて、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県と市町村の役割分担などについて伺います。 地方分権一括法が平成11年に成立し、ことしでちょうど20年になります。機関委任事務の廃止や権限移譲の推進、役割分担の基本の明確化などによって、国と都道府県、市町村の関係を上下・主従から対等・協力に変えることを狙った改革でした。 地方分権一括法施行後も、義務づけ、枠づけの見直しといった地方に対する規制の緩和、国から地方、都道府県から市町村への事務権限の移譲、国と地方の協議の場の法制化といった改革が行われてきました。 そこで、質問いたします。 知事は、これまでの一連の地方分権改革をどのように評価されているのでしょうか。これで十分とお考えなのか、まだ解決すべき課題が残っているとお考えなのか、課題が残っているとすれば、今後どのような方向に改革していくべきと考えておられるのかをお伺いいたします。 地方分権の議論では、近接性や補完性の原理が重視されてきました。地方自治法でも、都道府県が処理する事務は、広域にわたるもの、市町村の連絡調整に関するもの、規模または性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものであり、それ以外は基本的に市町村が処理することと定められていますが、現実的にはどこまでが市町村の仕事で、どこからが都道府県の仕事なのか、曖昧な部分も多くあります。 中には、県と市町村が同じようなことをやっているものもあります。いわゆる二重行政です。例えば中小企業向けの制度融資。県と市町村が似たような制度をつくり、それぞれがやっている感を競い合っているように見えることもあります。公営の住宅団地や工業団地などにも、市営と県営の両方があります。婚活活動なども、これは行政がやるべきことなのかといった声もある中で、少子化対策の一環だとして市町村が取り組む一方、それに上乗せするようにして県も婚活事業に取り組んでいます。婚活は、県と市町村が競い合って取り組むようなことなのでしょうか。 そこで、質問いたします。 県と市町村の業務について、役割分担が曖昧となっている部分があり、整理が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 岩手県は、平成20年に政策調整会議を設置しました。メンバーは、県と市町村の代表や担当部課長、大学教授などの学識経験者、民間人などで、目的は県と市町村の二重行政の解消と防止、連携・協働の推進、県から市町村への権限移譲の推進などでした。会議では、各分野の事務事業で何が二重行政となっているのかを細かくチェックし、どうしたら行政の無駄を省き、効率化を図ることができるのかを考えていったそうです。 そこで、質問します。 本県においても、新潟市との間だけでなく、各市町村との二重行政の解消、役割分担の明確化などに向けて調査研究をするための機関を設置してはいかがかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 岩手県が政策調整会議で検討し、効率化を図った事業の一つに、除雪を含めた道路の維持管理があります。県が管理していた道路の維持修繕を市町村に移譲した結果、除雪も含めた国道、県道、市町村道の維持管理をスムーズかつ効率的に行えるようになったそうです。 岩手県だけではありません。鳥取県でも道路の除雪や維持管理などの連携協定を県と町村が結んでいますし、広島県や岡山県などでも道路管理の権限を市町村に移譲しています。根拠法は道路法第17条です。 一方、北海道では、平成25年の暴風雪によって多数の車が立ち往生し、9人が死亡する災害が発生したことを教訓に、北海道道と市町村道が入りまじっている区間では、市町村道の一部の除雪を北海道が、北海道道の一部の除雪を市町村が受け持つ交換除雪を行っているほか、行きどまりのような距離の短い北海道道の除雪を市町村が担う連携除雪を始めており、それぞれ効果を上げているそうであります。 新潟県では、基本的に1桁の国道は国、3桁国道や県道は県、市町村道は市町村が除雪も含めた維持管理を行っています。同じ地域の道路であっても、国、県、市町村それぞれがパトロールし、舗装が傷んでいれば入札や見積もり合わせなどによって業者を選定し、契約し、できぐあいをチェックし、冬が近づけば除雪を引き受けてくれる業者を探して契約しと膨大な手間をかけています。 県の財政が危機的状況にあるという中で、こうした非効率的なことを続けていていいのでしょうか。県道と市道ではアスファルトの材質や舗装に必要な技術が違うのでしょうか。同じであれば、パトロールから発注、点検までの事務を同じところでやったほうが効率的ではないでしょうか。 除雪も同じことです。富士の高ねに降る雪と京都先斗町に降る雪となると、雪質や積雪量は違うとは思いますが、同じ町内の場合、国県道に積もる雪と市町村道に積もる雪では、量も質も変わりません。県道と市道で除雪の方法や技術が違うわけでもありません。 市町村道の場合、ほとんどの市町村はエリアごとに委託業者を決めています。つまり面で除雪を行っているのに対し、国県道は路線ごとに、線で除雪を行っています。面なら、同じ地域ですから、積雪量は変わりませんが、線だと、平野部と山手では降雪量も異なるため、どこを基準にするかで出動の判断も変わってくることになります。 そこで、質問します。 本県においても、除雪や舗装補修といった県管理道路の維持管理を市に任せれば、パトロールや業者の選定、契約、完了検査などの業務の効率化が図られるのではないかと考えますが、道路管理の市への権限移譲を検討してはいかがでしょう。知事の所見をお伺いいたします。 小中学校の教員人事も、新潟県の場合は県が行い、政令市の新潟市だけ新潟市独自で行っています。新潟市採用の場合は、県教委との交流人事を除き、異動先は新潟市内となりますが、県採用の場合、上・中・下越のどこに異動となるかわかりません。地域の歴史や文化、郷土出身の偉人などについて勉強し、地域が求める教育への理解が深まったところで異動となることもよくあります。家族と離れ、単身赴任を選ぶ先生もおられます。 そこで、質問します。 教員採用選考検査の県採用と新潟市採用、それぞれの競争倍率はどのようになっているのでしょうか。あわせて、新潟市に優秀な人材が偏る心配はないのかどうか、お伺いいたします。 文部科学省は、教職員人事権の市町村や地域への移譲は条例制定によって可能としています。適正な規模は、おおむね人口50万人との見解も示しています。大阪府は、これに基づいて、政令指定都市の大阪市や堺市だけでなく、豊中市などの5市町で構成する法定協議会、大阪府豊能地区教職員人事協議会に平成24年度から教員人事権を移譲しています。 おおむね50万人ということは、新潟県でも、新潟市のほか、3つの地区に教職員の人事権を移譲しようと思えばできるということになります。異動が上越、中越、下越の範囲内となれば、先生方も単身赴任をしなくても地元に腰を落ちつけ、マイホームから職場である学校に通うことができます。 県費負担教職員といっても、その負担は100%、交付税や国庫負担金で措置されているわけですから、実質は国庫負担教員であり、人事権を地域に移譲したからといって県の財政負担がふえるわけではありません。 先生にとっては異動範囲が狭まり、落ちついて教育に取り組めますし、子供たちは地域の歴史や教育に精通した先生から教えていただくことができる、保護者にとっても地元に住んでいる、地域に詳しい先生のほうが安心できる、まさにウイン・ウイン・ウインの関係になるのではないでしょうか。 そこで、質問いたします。 本県においても、地域の特色ある教育を実現するために、教職員の人事権を上・中・下越の各市町村で構成する法定協議会などに移譲することを検討すべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 最後に、地場産業と観光について質問いたします。 まずもって、知事の観光振興に対する取り組みに敬意を表します。今後も引き続き、新潟の魅力発信に努めていただきたいと願っております。 新潟の観光は、食のアピール力が強いこともあり、ことし秋のデスティネーションキャンペーンでも、日本海美食旅がテーマとなっております。これはこれで結構なのですが、新潟にはほかにも魅力的な観光資源があります。地場産業もその一つだと考えます。昨年、県内外から5万3,000人が来場した燕三条工場の祭典がその好例ではないかと思います。 特にインバウンドを考えたとき、地場産業は一層魅力的になるのではないでしょうか。欧米では、刃物は1つの鋼材だけでつくります。使うときは、主に押して切り、刃を研ぐ場合はやすり棒を使います。日本では、かたい鋼とやわらかい鉄を組み合わせて刃物をつくります。使い方も欧米とは逆の引き切りで、砥石で研ぎます。日本製の刃のかたさと鋭利さは、欧米のものとは比べ物になりません。鋼と鉄を張り合わせた合わせ鋼を研ぐから、折れにくい上に鋭利な刃ができるわけです。合わせ鋼による刃物は、日本独自の、世界に誇るべき文化です。 この合わせ鋼による刃物をつくってみたいと思ったら、日本に来るしかないわけですが、その日本でも実際に体験できるのは、三条市の三条鍛冶道場と福井県越前市のタケフナイフビレッジ、島根県雲南市のたたら鍛冶工房ぐらいです。 そこで、質問いたします。 訪日外国人旅行客の多くが体験型観光を求めている中、三条市では日本独自の合わせ鋼による刃物づくり体験を、世界に向けてPRしていこうと取り組んでいます。県としても側面支援ができないか、知事の所見をお伺いいたします。 首都圏では、東京国際展示場や千葉の幕張メッセなどで、各分野の最先端、最新型の製品や技術などを紹介する展示会が常に開かれています。そこには各国からビジネス客やマニアが訪れています。 地方が似たような展示会を開き、ミニ東京を目指しても魅力はありません。地方は、首都圏にないもの、首都圏ではできないことを狙うべきと思いますが、その一つが地場産業、伝統産業ではないでしょうか。新潟に行けば何らかの地場産業関連イベントが常に開かれているということになれば、東京に来たついでに、大阪や京都はもう飽きたから、今度は新潟に寄ってから帰国しようという訪日客のルートもできるのではないでしょうか。 そこで、質問させていただきます。 地場産業を観光資源の一つと位置づけたインバウンド対策を推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 地場産業の中でも機械化できるものは海外に行きました。機械化できる技術は、資本さえあれば、最適地を求めて世界のどこにでも移動していきます。韓国から中国、ベトナム、いずれはアフリカに行くのかもしれません。その結果、日本には職人の熟練した技術でなければつくれないものが残ったわけですが、その熟練した技術も継承者が不足しています。 地場産業が栄えた地域には、かつて徒弟制度というものがありました。職人が弟子をとる。弟子は、まだ稼げるほどの技術は身につけておらず、技術を教えてもらっている立場ですので、授業料を払わないかわりに親方の仕事を手伝う。親方は、賃金はほとんど払わないものの、弟子に技術を教えてやる。こうやって何年か修行して、それなりの技能が身につくと、ようやく賃金が支払われるようになるという仕組みでした。これは、昭和22年に施行された労働基準法によって廃止となりました。 親方が損をしてまで弟子をとらなくていい、俺の代で終わろうと思えば、その技術は次世代には継承されず、消えてしまいます。一度失った技術は二度と取り戻せないかもしれません。 そこで、質問します。 地場産業や伝統的工芸品産業の技術継承について、県としてどのように取り組んでおられるのか、対策をお伺いいたします。 三条地域振興局が、にいがた県央マイスター制度というものを行っています。地域の高度な産業技術を支える卓越した技術者や技能者を顕彰し、技術や技能の維持継承などに資するというもので、これまでに31人をものづくりの達人として顕彰していますが、後継者育成のための具体的な支援制度はありません。講演や実技指導を行った場合に、限度額2万円の報奨金を提供するだけです。 そこで、伺います。 マイスターたちの高齢化も進みつつある中で、マイスターや県内の他の名工たちのすぐれた技術を後世に残すために、マイスターたちが弟子をとって技術を伝える場合、3年から5年程度、弟子の給料相当分を県が支援する技術継承支援補助金制度といった支援が必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。 以上、御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 杉井議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、行財政改革有識者会議での議論等を踏まえた県央基幹病院整備の対応についてでありますが、県の財政が危機的な状況にある中で、平均在院日数の短縮などによる医療需要の減少、新専門医制度や医師の働き方改革などの医療制度改革の影響など、整備基本計画策定時からの状況変化を踏まえた検証が必要と考えております。 このため、民間病院等との役割分担を踏まえ、県央基幹病院、加茂及び吉田病院の機能と規模等について、一体として議論してまいります。 整備基本計画の見直しの有無を含めて、今後、地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などから成る検討の場を設置し、年内を目途に検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院整備基本計画に示された病院の機能や規模についてでありますが、整備基本計画は、これまで地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などによる議論を積み重ねて策定したものであり、尊重すべきものと認識しております。 しかしながら、計画策定時以降の状況変化や行財政改革推進会議での議論などもあることから、今後、医療関係者などとともに検証していくことが必要と考えております。 次に、医師確保策についてでありますが、議員御指摘のとおり、医師確保のために、基幹的な病院を整備することも一つの方法であると考えます。 一方で、医師不足が深刻な本県においては、どれか一つの対策を重点的に行えば、問題が解決するということではなく、さまざまな取り組みを総合的に推進していくことが必要であると考えております。 このため、県といたしましては、臨床研修医の確保や修学資金貸与医師を医師不足地域の病院に配置するほか、勤務環境の改善など総合的な取り組みにより、県内における医師確保や偏在解消を図ってまいります。 次に、県央基幹病院における看護職員確保についてでありますが、三条市が設置する(仮称)三条看護・医療・歯科衛生専門学校は、県央基幹病院を初め、県央地域の医療機関等におけるスタッフの確保先の一つとなるものと期待しております。 看護職員確保には、看護系学校との連携が重要であることから、三条市が設置する専門学校も含め、県内看護系学校との連携を広く検討してまいります。 次に、県央基幹病院の運営主体についてでありますが、地域に必要とされる政策的医療の担保や、再編対象病院との円滑な統合を図るため、県の一定の関与が可能な財団法人等を基本とし、新潟県地域医療推進機構を含め、幅広く検討を進めているところです。 政策的医療が安定的に提供されるとともに柔軟な医師派遣、医師確保や民間ノウハウを活用した効果的・効率的な病院経営が可能となるような運営主体を検討してまいります。 次に、中ノ口川の管理直轄化についてでありますが、当該地域は、水位上昇による氾濫の危険性を考慮し、各施設管理者からポンプ排水の規制について、御協力いただいているところです。 こうした状況を踏まえ、これまでも中ノ口川の河川改修を重点的に進めているところでありますが、流域市町村から管理直轄化の要望をいただいていることから、県といたしましても、直轄編入について検討を行うよう国に求めております。 いずれにいたしましても、国や県による水系一体となった信濃川・中ノ口川の河川改修を集中的に推進するなど、引き続き、当該地域の浸水被害軽減に向け、関係機関と連携し取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県と市町村の役割分担等についてお答えします。 まず、地方分権改革の評価についてでありますが、これまで、累次にわたる地方分権一括法の成立等により、国から地方への権限移譲など、地方分権改革は一定の進展が図られてきたものと考えております。 しかしながら、国の役割を国家としての存立にかかわる事務など本来国が果たすべき役割に限定していくことや、行財政運営を適切に行うための地方財源の確保、数多く存置される従うべき基準の廃止など、解決すべき課題はいまだ多いものと認識しております。 そのため、全国知事会の場を通じて、国民の合意を得ながら、地方が十分な権限と責任のもとで地域の実情に応じた行政を展開できる、あるべき地方自治の姿に向けて着実に取り組んでいくことが重要と考えております。 次に、県と市町村の役割分担についてでありますが、県と市町村とは、広域自治体と基礎自治体という、それぞれの立場から補完し合う関係にあり、適切な役割分担のもとで効果的・効率的に行政サービスを提供することが重要であると考えております。 さまざまな事業創設の経緯などから事業の重複が生じていた部分については、その解消を図ってきたところですが、今後も、必要に応じ、役割分担を明確化し、整理してまいりたいと考えております。 なお、議員御指摘の制度融資等についての役割分担については、知事政策局長から答弁いたします。 次に、市町村との二重行政の解消等を調査検討するための機関の設置についてでありますが、県と市町村との間で、事業の重複等により、効率的に行政サービスを提供できない状況があるのであれば、積極的に整理をしていく必要があると考えております。 県では、広域自治体の役割を踏まえ、事業の構築に努めているところであり、現状、市町村から、事業の重複などを指摘する声は上がっておりませんが、今後、役割分担を整理する必要が生じた場合には、市町村長とのブロック別懇談会や、市長会・町村会との定期協議など、既存の会議体を活用して検討してまいりたいと考えております。 次に、道路管理の市への権限移譲についてでありますが、県の骨格をなすような広域的な幹線道路の管理においては、市が管理主体となっても、必ずしも効率化が図られるとは限らないと考えており、県としては、広域自治体の責務として国県道の適正な管理に努めているところです。 しかしながら、まちづくりの一環として管理を希望された市に対し、協議により広域道路ネットワークを阻害しない範囲で、国県道の一部について権限移譲を行った事例もあります。 今後も、国県道の管理の要望に対しては、広域道路ネットワーク確保の観点と、まちづくり等の観点を勘案し、権限移譲について検討してまいります。 次に、地場産業と観光についてお答えします。 三条市の刃物づくり体験PRへの側面支援についてでありますが、議員御指摘の合わせ鋼による刃物づくりの体験は、日本独自の伝統的な技術を体験したいという外国人のニーズに対応した観光資源であり、外国人の誘客に効果的であるだけでなく、三条刃物のブランド化や販売促進にもつながるものと考えております。 三条市は、この体験を世界に向けてPRし、台湾からの誘客等に取り組んでおられますので、県といたしましても、観光コースに組み込んだ商品造成を海外の旅行会社やメディアへ積極的に提案するなど、三条市の取り組みを支援してまいります。 次に、地場産業を観光資源の一つと位置づけたインバウンド対策についてでありますが、地域固有の歴史と文化に育まれた地場産業等の現場を訪れる産業観光は、外国人旅行者からのニーズが高いことから、観光資源の一つと位置づけ、地元関係者との連携を図りながら、プロモーション活動を展開しているところです。 今後とも、酒蔵見学や燕三条工場の祭典など、ものづくりの現場における職人との交流や伝統技術の体験など、本県地場産業の観光資源としての魅力を積極的に情報発信し、インバウンド拡大を推進してまいりたいと考えております。   〔知事政策局長笠鳥公一君登壇〕 ◎知事政策局長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 制度融資等の役割分担についてでありますが、制度融資につきましては、県下全域の中小企業に対して、広域自治体である県が幅広い融資制度を提供することを役割分担の基本としております。市町村によっては、それぞれの政策的な観点で注力する分野について、県に上乗せした融資制度等を設けているところもありますが、そうしたものについては重複とは言えないのではないかと考えております。 また、公営住宅につきましては、平成8年に改正される以前の公営住宅法の区分に基づく役割分担により、県と市町村とが整備してまいりましたが、平成21年度以降は、県営住宅の新築や建てかえは行わないこととし、管理運営についても市町村に移管することで、一元化を図っております。 一方で、婚活事業につきましては、出会いの機会を提供するイベントの開催において、県と市町村が別々に開催し効率性を欠く部分も御指摘のとおり見られたところから、昨年度より、県は、複数市町村が共催する広域的なイベントの支援に特化する見直しを行ったところでございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 県央基幹病院開設に係る手続とスケジュールについてでありますが、県央医療圏は既存病床が基準病床を超える病床過剰地域であることから、議員御指摘のとおり、基幹病院の開設に当たっては、地域医療構想調整会議で協議した上で、県医療審議会への諮問、厚生労働大臣への協議等の手続が必要となります。 県といたしましては、整備基本計画に定めたスケジュールに支障がないよう検討を行い、開設手続を進めてまいりたいと考えております。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 地場産業等の技術・技能の継承の取り組みについてでありますが、金属加工や繊維等の地場産地においては、熟練技術者の高齢化などにより、後継人材の確保・育成が課題の一つであると認識しております。 県といたしましては、にいがたの名工を初めとする熟練技能者を企業に派遣し、実技指導などを通して、高度技能を持つ人材の育成に努めるとともに、県立テクノスクール等において、若年技能者の育成を行っております。 加えて、持続的発展に向けて各産地で策定された地場産業振興計画に基づき、技術者を新たに確保するなど、人材面での課題解決への取り組みに対し支援しているところです。 引き続き、地場産地等における技術や技能が次世代に継承されるよう、関係機関とも連携しながら各種取り組みを進めてまいります。 次に、卓越した技術者や技能者の後継者育成についてでありますが、卓越した技術や技能の多くが事業所の競争力の源泉になっており、現場での技能承継や後継者育成は重要な課題と認識しております。 そのため、県では、県央マイスターに加え、全県的に技能者を顕彰するにいがたの名工制度等により、高度な熟練技能者の地位向上と若年技能者の育成を図るとともに、県立テクノスクールにおける在職者訓練により、事業所の後継技能者の育成を支援しているところです。 なお、県が高度な技能等を習得するまでの給料等を長期的に支援することにつきましては、給料等は労働の対価として基本的には事業主が負担するものであり、費用対効果や県の関与のあり方などを慎重に考える必要があるものと認識しております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点お答えさせていただきます。 県央基幹病院へのアクセス道路等の整備についてでありますが、市街地における物流の効率化や緊急車両の円滑な交通を確保するための渋滞対策は、重要であると認識しております。 県といたしましては、県央地域の交通渋滞の緩和に向け、骨格となる国道289号燕北道路や国道403号三条北道路などの整備に取り組んでいるところです。 今後も、交通渋滞の早期緩和に向け、引き続き、道路整備を推進してまいります。 次に、国道403号三条北道路の整備の見通しについてでありますが、全体延長約8.3キロメートルの事業区間のうち、これまでに約3.5キロメートルを部分供用しており、残る区間の用地買収を昨年度までに完了し、全線で工事に着手しております。 今後とも、県央基幹病院の開院時期を見据えながら、鋭意、供用に向けて取り組んでまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 教員採用選考検査についてでありますが、今年度の競争倍率は、県の小学校は2.6倍、中学校は4.6倍、新潟市の小学校は2.7倍、中学校及び高校共通は6.0倍となっております。競争倍率が新潟市に比べて低かった昨年度の小学校の採用検査については、県の採用数が特に多かったことが主な原因であり、今年度はほぼ均衡しております。 受検者は教員免許を有しており、一定の水準が保たれていることから、倍率に大きな差がなければ、優秀な人材が偏ることはないものと考えております。 県では、今後も多くの採用者数を予定していることから、志願者をふやすことが優秀な教員の確保につながるものと認識しております。このため、教員の魅力を伝える県内外での採用ガイダンスの開催やSNSを活用した広報活動の充実等、人材の確保に向けた取り組みを一層進めてまいります。 次に、教職員の人事権の移譲についてでありますが、現在、教職員の居住地には偏りがあり、都市部以外の学校における教職員の不足や年齢構成のアンバランス等の問題が生じております。このような状況において、法定協議会などに人事権を移譲することは、地域によっては人事異動が膠着化するおそれがあり、県全体の教育水準の維持向上という観点から、慎重に考えるべきと認識しております。 なお、県教育委員会といたしましては、地域の特色ある教育活動を推進するために、市町村の教育方針や各学校の課題等について十分聴取した上で、適材適所の視点からの教職員配置に引き続き努めてまいります。   〔杉井旬君登壇〕 ◆杉井旬君 御答弁ありがとうございました。 県央基幹病院について再質問させていただきます。 十分御案内のことではありますけれども、県央が求めているのは、かわりがきかないことであります。例えば、がんセンターを新潟だけではなく県央につくってくださいというのであれば、新潟まで通えばいいでしょうということになりますけれども、救命救急の場合は、新潟や長岡まで行く時間がかかるので、そこで命を落とす人がいるから、何とか地元につくってくれということですので、これはかわりの方法がないことなのだということを、まず強調したいと思います。 それと、救命救急センターに特化したらどうだという御意見もあるかもしれないのですが、昔のように内科と外科の医師が1人ずついれば何とかなるというような時代ではないわけです。集中治療、あるいは多発外傷、そういったER専門の医師のほかに、脳だとか、心臓だとか、胃だとか、いろいろな各専門、さらには麻酔とか、いろいろな医師がそろって、スタッフがそろって、それでやっと救命救急機能が維持できるわけです。それでは、そのスタッフをどうやって維持していくのだといったら、一定規模の病院でなければ維持できないと。単発で中小のところにぽんと救命救急センターをつくっても、すぐ赤字になってしまってだめになると。ですから、こういう計画ができているわけであります。 そこのところを十分御承知の上で検証されるのだとは思うのですけれども、検証されるに当たっては、知事は、十分そう思っていらっしゃるとは思いますが、重ねて訴えますけれども、新潟であろうと長岡であろうと県央であろうと、県民の命の重さは同じなのだと。このことが1点。 それと、救命救急センターというのは、機能を分化できないものなのだと。脳に関しては県央の救命救急センターではだめだから、新潟へ運ぶ。きょうはたまたま心臓の医師がいないから、長岡へ運ぶ。それでは救命救急センターにはならないわけですので、基本的な機能を備えた救命救急センターが必要だということ。 そしてもう一つは、それを維持するために、持続可能性といいますか、採算性といいますか、それを維持できる経営基盤が必要なのだと。 命の重さは同じ、それから救命救急センター機能は分化できない、そして経営基盤がしっかりしている。この3つをしっかりとした基本方針とした上で、検証すべきだと思っているのですが、その点について知事の御所見を賜りたいと思います。 以上、よろしくお願いします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) お答えします。 議員御指摘のとおり、整備基本計画は、これまで地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などによる議論を積み重ねて策定したものであり、基本的には尊重すべきものと認識しております。 一方で、計画策定時以降の状況変化もあることから、今後、医療関係者などとともに検証してまいりたいと考えております。 ○副議長(桜井甚一君) 杉井旬君の質問は終わりました。 次に、高橋直揮君の発言を許します。高橋直揮君。   〔高橋直揮君登壇〕(拍手) ◆高橋直揮君 自由民主党の高橋直揮です。よろしくお願い申し上げます。 ことし2月に、財政運営計画を改訂し、3年後に本県の財政調整基金が枯渇するとの報道がありました。また、6月に入り、花角知事より県財政は緊急事態との発言があり、抜本改革の必要性を訴え、負担の多い病院事業やインフラ投資の見直しを検討せざるを得ない状況であるとの発言がされました。 なぜ今になってこのような緊急事態などという状況に陥るのか。就任1年しか経過していない知事にしてみれば、パンドラの箱をあけてしまったような気持ちではないでしょうか。 いずれにせよ、問題の改善を図るには、予算・決算を承認した議員の立場として、財政構造の基本的な議論をし、県民の理解を得られる改善策が進められるよう祈りつつ質問を進めてまいります。 通常、国や地方自治体の官庁会計は、一般会計のほか、多くの別の会計、例えば特別会計といったもので構成されます。一般会計と一般会計と同様の性質を有する特別会計をあわせ合算した普通会計で議論が論じられることが妥当であります。したがって、議論の対象となる会計を定かにした上で物事を考えていくべきであると考えます。 庁内の行財政改革推進会議において、行財政改革有識者会議での意見も踏まえ、県財政立て直しの検討が始まっていると承知していますが、一般会計だけの議論ではなく、特別会計も含めて議論すべきと考えます。知事は、行財政改革を、県の会計のどのような範囲で焦点を当てていくべきと考えるのか伺います。 また、歳入が大幅に減少し、赤字決算が続いているとの説明もありましたが、赤字の場合においては、普通であれば、直ちに赤字の原因とその解消措置に関する指摘がされるべきであったと思いますが、これまではどのような措置がされてきたのか疑問を感じます。 知事は、これまでの本県の経常収支において、構造的な問題があったと考えているのか、また、問題があったと考えるのであれば、どのような点であったと考えるか伺います。 私は専門ではないので、詳しくはありませんが、形式収支、単年度収支、地方債残高、財政調整基金、他会計への繰出金といった5項目に留意するのが通常であると考えます。 今後、中期財政収支見通しの改定に当たっては、県債残高や財源対策的基金残高、他会計への繰出金の見通しもあわせて示すべきと考えますが、所見を伺います。 単純な形式収支に基づく議論だけではなく、財政構造に及ぶ議論も必要であると思いますが、具体的には、経常収支における収支構造状況に基づき、財政状況の背景や原因を特定し、真因に迫らなければならないと考えます。 中長期で変化していく財政需要もどのように考えていくのか、その中身によっては改善案を総務省に提示する考えはあるのか、理解がされれば、国からの交付税に反映されることなど、当たり前のことが、当たり前にどのように議論され、行われてきたのか、人口減や農業・企業の減少から税収が減少することなど、随分前から言われてきたことであり、今になってわかったことではありません。 なぜ改善案を示さなかったのか、なぜ新たな算定方法を検討し、国に提案しなかったのか、高度成長期であれば、豪雪・道路・中山間地といった算定の中で、国から交付税をもらってきたとは思いますが、黙っていても財政需要は変化していきます。 仮に算定方法を検討してきたというのであれば、なぜ今になってこのような危機的状況になっているのか、就任1年の花角知事の前の話で申しわけありませんが、これまでの運営自体、私は不思議でなりません。また、民間企業では考えられません。 中長期の財政需要の変化について、県は、これまでどのように見通しをしてきたのか伺うとともに、財政需要の変化に対する交付税算定方法の課題について、所見を伺います。 財政構造的に見た際に、危機や破綻のおそれがある場合においては、歳出面の見直しをしなければならないと考えますが、その際に経費の性質別の考察が必要になります。決算の性質別経費分類に基づく客観的実態をベースとしなければならないと考えますし、多くの場合は、人件費や物件費、維持補修費、補助費、繰出金などが問題となると思います。 財政改革においては人件費の削減が議論されることが多いですが、本県の財政構造において、歳出を性質別に見た場合にどのような課題があると考えるか、所見を伺います。 中長期的に見て、健全化に要する期間、すなわち数会計年度の設定をしなければなりませんが、その際には普通会計収支のみならず、過去の借入負債である地方債償還残高の計画的処理や災害時等の臨時的財政需要への備え、対応力となる基金積立残高、赤字特別会計への繰出金の負債見通しなどを視野に入れ、検討を進めるべきであると考えます。 財政改革では、性質別歳出のうち繰出金も議論されるものと考えますが、一般会計から病院事業会計への繰出金の内容や歳出規模等について、知事の認識を伺います。 少し病院の話になりますが、県立病院の会計に関しては、公的病院としてのあり方や病院数も、今後は検討しなければならないと考えます。 貴重な一般会計から毎年100億円以上の繰り入れを続けていくことが、本当に県民の幸せにつながるのか、民間病院も含め、皆保険制度の中では人員配置等の条件が厳しくなることから、人件費はふえ、そこから利益が下がる原因となり、さらに人口が減り、患者も減り、高齢者だけが増加し、民間病院や厚生連など、病院だけが多く存在するこの状況下で、どう考えても県立病院の会計が健全化するとは思えないのですが、県立病院において、人員配置基準に基づき職員数は大きく変わらない一方での給与改定による人件費の増加や、人口減少下で民間病院や公的病院を含め患者数全体が減少する中での県立病院の患者数の減少をどのように受けとめているのか伺います。 各地域に13ある県立病院を赤字のまま運営することが、本当の意味での行政サービスにつながっているのか、本当に必要とされている病院なのか、本当に必要な診療科はあるのかなど、病院事業に関しては、時代的変化を検証した上で、身を切る改革が必要であると考えます。 また、財政健全化に向けて、一般会計から病院事業会計への繰出金の抑制が必要と考えますが、県立病院において、今後、患者をふやすといった方策は考えられるのか、所見を伺います。 話は戻りますが、単年度の考え方で一般会計から投資することから、これまでは、そこで事業が終わっているというように感じられます。 出して終わりではなく、いずれは一般会計に収入として戻ってくるといった発想、投資を回収するという考え方、支出の目的が達成されていたのかを検証することがなされていれば、日本海横断航路問題のようなことは起きなかったであろうと思います。 また、その考えがあったのかもしれませんが、それが着実に実施されていたのであれば、このような事態に陥ることはなかったでしょうし、もしかしたらそれが新潟県庁の体質だったのであれば、改善しなければならないと感じます。 まず、これまで、さまざまな要因が重なって一般財源歳入総額が大幅に減少したためとの答弁がありましたが、県民の理解を得る上で、知事が緊急事態と発言した現在の財政状況は、例えば平成29年度、28年度決算で具体的にどのような要因があったのか伺います。 また、知事は、事業や交付金が効率的な執行になっているか見直してほしいと話したと報道されています。効率的な執行とともに、事業や交付金といった投資が、県民や県財政への効果として回収できるよう、本来の支出の目的を改めて考える必要があると考えます。このような視点も入れて総点検に取り組んでもらいたいと思いますが、所見を伺います。 いずれにせよ、財政再建の計画を進めなければならないのであれば、昭和、平成を経過した令和においては、赤字解消に加え、また、単なる赤字解消だけでなく、地方財政需要の変化に対応された計画が求められます。 例えば、これまでのハードやインフラからソフトやサービスといった需要の変化、年金や医療に加え、介護、子育て、健康、両立といった分野の拡大は進んでおります。 そして、広域地域連携が今後は一段と欠かせない行政となります。特に新潟市との連携、新潟市を取り入れた計画は必要であると考えます。 加えて、地方一般財源の最たる地方交付税の基準財政需要額の算定見直し、現在の本県の実態に、より即応した算定方法にするよう改善案を国に提示するべきであると思います。 また、収支ともに官民で努力が必要であり、例えば収入を支える民間をふやすこと、支出であればサービス給付といった支え手をふやすことから、コストの効率化が実現できます。 繰り返しになりますが、医療や介護、子育て、健康といったソフト対策の歳出は増加するとともに、地域との連携強化は不可欠であり、特に新潟市との連携は重要と考えます。このような財政需要の変化を的確に見通した上で、本県の実態に即した交付税の算定方法を国に提案していくべきと考えますが、所見を伺います。 また、先ほどお話しさせていただいたとおり、今後の財政需要はソフト・サービスの時代に移行していくことを考えた際に、健康立県という取り組みは非常に重要であると思います。 この5月にはヘルスプロモーションプロジェクト推進会議を開催し、新たな県民運動を展開していくとのことですが、まさに財政需要としてヘルスケア産業との連携やあらゆる企業との協働が可能となり、健康を通じて需要の創出や、企業は旧来の福利厚生的思考から脱却し、健康経営という考え方で、健康増進企業を目指すような形が構築されることが期待されます。 このように健康増進企業を目指す雇用主に対しては、県及び市町村が連携して健康推進優遇制度を措置するなどの仕組みがあってもよいのかと思いますが、今後、健康立県を進めるに当たり、企業が行う健康経営に対する支援措置といった投資を行うことで、健康需要の創出やヘルスケア企業の成長による税収の増加や、健康寿命の延伸による将来的なサービス給付の支え手の増加といった県財政への寄与により回収が可能と考えますが、所見を伺います。 また、県民にヘルスプロモーションプロジェクトの意識の浸透を深めるには、市町村との連携が不可欠であり、市町村の取り組み等の実情に応じた普及拡大を検討する必要があると考えますが、所見を伺います。 以上のように、市町村は地域住民が自身の運動能力に見合った内容を選択することから参加の仕組みを構築していかなければ、周知や実践につながらないと思われます。 また、運動・生活習慣、定期的な健診、食生活、生きがいやストレスなどの項目と同時に必要であると考えられるのが骨粗鬆症の対策であると考えます。 健康寿命延伸や健康経営の一つの考え方として骨粗鬆症の検診を40代から進めることから、高齢になった際に寝たきりになる確率が減少します。介護が必要な高齢者の多くは、骨折や腰痛、背中が曲がっていることや関節痛などが一般的に言われ、一度骨粗鬆症と診断されたら、改善するのは難しいと言われております。 また、見た目の年齢にも大きな影響を与え、頭蓋骨や顔面骨も加齢とともに減っていき、顔痩せが進行し、老け顔になってしまうことなど、見た目年齢にも大きな影響を及ぼします。 女性の場合は、女性ホルモンの減少も大きな要因となります。健康な骨というのは、古くなった骨を壊して、そこを補填するように新しい骨をつくっていく作業を繰り返すことから、女性であれば、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を大きく受け、そのエストロゲンが、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するよう働きます。閉経を迎えた場合、女性ホルモンの分泌が減少することから、骨の形成が追いつかなくなり、急激に骨量や骨密度が減り、骨粗鬆症になるリスクが高まります。 また、ほかの検診に比べ検診率が少なく、多くは骨折して初めて気づく病気でもあります。特に高齢になり骨粗鬆症が原因で骨折すると、そのまま寝たきりになることが多く、早期発見や治療はとても重要であります。 高齢者の骨折の場合、寝たきりになることによって、介護者不足からくる負担、また、家族の負担もふえ、昨今では、子育てや仕事との両立を抱えながら介護をするといった人たちの、多重ケアの支援が急務とも言われております。 健康寿命を延伸し、健康立県を目指す上で、骨粗鬆症の検診を通じてみずからの健康状態を再認識することも重要と考えますが、所見を伺います。 また、全国的に見ても骨粗鬆症予防に対する取り組みは浸透が薄く、本県が率先して、ヘルスプロモーションプロジェクトにおいて骨粗鬆症予防の普及啓発等に取り組むことは、全国トップクラスの健康寿命を目指す上で有効と考えますが、県の認識と、考えられる今後の展開について所見を伺います。 並びに、本県の女性活躍の推進等にもつながることから、健康経営の一環として骨粗鬆症予防の取り組みを推進する企業に対し、何らかの支援を行うことも有効と考えますが、所見を伺います。 経済産業省では、2年前より、地域版次世代ヘルスケア産業協議会を立ち上げ、地域資源・地域人材を活用したビジネスモデルの構築や地域包括ケアシステムとの連携による地域課題に即したビジネスを持続的に創出する仕組みの構築に対し、支援を促進しております。 地域のヘルスケア関係者や大学、医療・介護機関、金融機関、民間事業者などが連携し、県民の健康づくりや2次予防、介護予防などを通し、新たなビジネスモデルが構築されることから、財政需要につながるのではないかと考えております。 現在では29都道府県が同協議会を設置し、この協議会を通して地域のためのヘルスケア産業の創出を推進しておりますが、本県としても同協議会を立ち上げ、健康寿命延伸分野の市場創出及び産業育成に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 さて、先日の報道発表でもありましたが、医療データベースの一元化を進め、医療・介護に役立つ情報基盤を構築するにいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトについて、3月に構想がまとめられ、6月に今年度第1回の推進委員会が開催されました。 その情報源となる個人情報を管理する機関の協力が課題との報道もありますが、データベースが不十分な形となった場合、本年度の予算として計上された1億5,000万円が当初の計画どおり達成されないことにもつながります。 2020年度の運用開始に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 現在のところ、情報源として国民健康保険や介護保険、協会けんぽといった情報や、臨床分野では全国保健医療情報ネットワークや県立病院の統合電子カルテなどといった情報をもとにデータを集約し、県民の健康に結びつけることが目的であると認識しておりますが、今のところの議論として、個人的な認識ではありますが、個人のデータを構築し、データベース化することが目標のように見受けられ、その先に具体的な目標が伝わっていないのが現状であると感じられます。 議論も順に整理しながら進めていることは承知していますが、もととなる健康寿命の延伸という大前提が、研究医のための情報基盤構築に見受けられておりますので、今後、情報収集の理解を深めるためにも、投入した予算に理解を得るためにも、情報を全県民のためにどのように利用していくかといった大前提や将来像をさらに明確にしていく必要があると思います。 また、個人情報保護といったプライバシーにかかわることに対しての配慮もすることから、現在、考えられているデータの集約先として、国保や介護保険などといった成人の情報源がほとんどでありますが、県民の健康のデータ構築に、なぜ子供の情報が含まれていないのか、本県で暮らす子供たちは新潟県民ではないのかという疑問を感じております。 将来の本県を担う子供たちの健康増進を図るため、子供の医療機関受診や食生活、運動習慣などのデータベースを構築し、分析することも有効と考えられますが、所見を伺います。 また、子供の健康データベースを作成する場合に、教育委員会からも体力測定や健康診断などのデータを提供することも有効と考えますが、データ提供の可否について、教育長の所見を伺います。 子供の健康を鑑みれば、現代は体だけではなく心の課題も多くありますが、本県では、児童・思春期精神疾患に対応できる医療機関は60設置されております。 しかしながら、ある病院では、小児科医が児童・思春期精神疾患の外来を行っていることから、親からの信頼を得ている一方、受診に3カ月待ちといった状況であり、平日は毎日診察を行ってもなお対応し切れないという状況にあることがうかがえます。子供に精神的な不安を感じて訪問した病院で3カ月も待たされるということは、その親の負担や不安ははかり知れないものであると感じます。 また、同様の診療形態を持つ病院がほかにないことも課題であると考えます。 このような背景があることから児童・思春期精神疾患の患者は増加傾向であると聞いておりますし、症状としてはリストカットやスマホ中毒、不登校などといったものが多く、社会の変化や環境の変化によって増加している状況であるそうですが、まず、子供の精神疾患の受診者数の推移と、受診内容の傾向について伺います。 また、それだけの問題ではなく、本県の児童専門の精神科専門医も不足していると聞いております。 児童・思春期精神疾患に対応できる60医療機関で診療に当たっている精神科医の数を伺うとともに、これらの医療機関で精神科医は足りている状況なのか伺います。また、人口当たりの児童・思春期精神疾患を診療できる医療機関数を、全国平均と比較した状況を伺います。 また、受診者数が増加傾向にある児童・思春期精神疾患に対応できる病院をふやすことで、未成年の自殺やひきこもりの予防にもつながるものと考えますが、知事の所見を伺います。 精神科医療体制の検討を進めるとのことでありますが、現在の年代別入院患者の割合は高齢者が多くを占め、減少傾向であるとのことであります。 財政需要を鑑みれば、見直しは検討に値するものかもしれませんが、高齢者を初めとした精神科入院患者が減少する傾向とは逆に、今後は若年層の患者が増加することが予測されます。 また、児童専門の入院施設も、教育を受けさせる設備が不十分であれば、健常な児童との学力の差が生じてしまうことも考えられます。 理想的な診療体制の形として、県立吉田病院にある子どもの心診療科と県立精神医療センターにある児童・青年期外来が合体したような形が考えられます。例えば子供の成長に不安を感じる親は、初めは小児科外来に受診します。なぜなら自分の子供が精神科に受診しなければならない状況であることを知識として知らないことや、信じがたいことや、行きたがらないことなどといったことが理由であり、子供の心身の発達に不安を持つ親として、小児科医と児童・思春期精神疾患に対応できる精神科医が協働して診察でき、さらに入院施設が備わっている病院が必要であり、特に児童数の多い新潟市に設置すべきと考えますが、所見を伺います。 大人も子供も、地域社会において心を支えるための需要は高まる一方でありますが、この行政需要に対処するには精神科医や臨床心理学を初めとする専門人材が必要であり、その人材を育成するには20年はかかると言われております。早急にシステムを構築する必要があると考えております。 県として、児童・思春期精神疾患に対応できる、不足する精神科医がどの程度必要と考え、今後どのように確保に向けて取り組んでいく方針か伺います。さらに、臨床心理技術者や精神保健福祉士などといった人材の需要の増加も考えられることから、育成の支援を検討する必要があると考えますが、所見を伺います。 また、現在、問題となっているひきこもりに対しての対策としても、メンタルヘルス対策として検討していかなくてはならない課題であり、他人事ではなく、県民にかかわる悩みでもあるのではないでしょうか。 ひきこもりを増長させる原因の一つとして、ゲーム障害も世界各国で診断例がふえており、WHOはギャンブル依存症と同じ精神疾患と位置づけております。 厚生労働省推計によると、病的なネット依存の疑いがある中高生は93万人いると言われておりますが、実態はわかっておりません。本県としても調査は不十分であると思われますが、まずは実態把握を進めるべきであると考えます。 その医療体制も、対応できる医療機関は全国に二十数カ所しか存在していないと聞いておりますし、話は戻りますが、拠点となる病院診療科の整備や専門医の育成も必要であると考えます。 ゲーム障害は、ギャンブル依存症やアルコール依存症と同じ精神疾患と位置づけられており、県として実態把握を進めるべきであると考えますが、所見を伺います。 また、ゲーム障害に対する周知など防止対策を講じる必要があると考えますが、現在行っている対策があれば伺うとともに、今後考えられる対策があれば伺います。 最後に、私の過去の質問を振り返りながら、当時の答弁について確認いたします。 平成27年度の病院経営の黒字について、一般会計からの繰入額がふえたことが要因で、一時的に黒字にしたのではないかとの趣旨の質問を平成28年9月定例会においてしたところ、答弁は、債務超過や資金不足が発生しているような状況ではない、経営の持続性は確保されており、経営は安定している。僻地医療やがん医療、高度専門医療などの不採算医療を担うことから、それらの経費の一部について、法令の基準に基づいて、一般会計から負担している。また、前年度の地方公営企業会計基準見直しに伴う特別損失の計上がなかったことや、診療内容の充実等により診療単価が増加したことなどが要因で黒字になったと当時の知事並びに病院局長は答弁されております。 当然ながら当時の知事や病院局総務課において答弁書を作成していますが、当時、この答弁に対し誰も疑問を感じなかったのか。本当に4年前の病院経営は安定し、経営の持続性は確保されていたのでしょうか。簡単に数年の間で危機的状況に陥るのでしょうか。 現在の県立病院の経営状況から考えれば、将来的にどうなるかぐらいは想像ができたのではないかと思いますし、だからこそ不安を感じ質問したのですが、当時、具体的にどのような根拠をもってこのような答弁がされたのか、病院局長に伺います。 また、知事は、県立病院の現在の経営状況と、平成28年9月定例会の、県立病院の経営の持続性は確保されており、経営は安定しているとの答弁に対して、どのような認識を持っているのか伺います。 最後になりますが、過去の答弁を振り返ると、今が見えてきます。よく車の両輪という例えが使われますが、本当は危険なのに安心そうに見せながら走ることによって、後になり事故が発生することを予測することや、互いのタイヤの減りぐあいをチェックすることが、この令和の時代には必要であると感じております。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 高橋議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、行財政改革の対象とする会計の範囲についてでありますが、持続可能な財政運営を行うためには、あらゆる分野の課題を俎上に上げて検討していく必要があり、一般会計だけでなく、特別会計及び公営企業会計についても対象とし、行財政改革を進めてまいります。 次に、本県の経常収支についてでありますが、本県の歳入は県税収入等の自主財源の割合が低く、地方交付税等の依存財源の割合が高いため、国の地方財政対策などに左右されやすい一方で、歳出は義務的経費である公債費の割合が高いという構造的な課題があります。 平成27年度から平成29年度にかけて財政構造の弾力性をはかる経常収支比率は、3.7ポイント悪化して96.4%となり、財政の硬直化が進んでおります。 これは収入面で税収が伸びない中で、全国を上回る人口減少等に伴い地方交付税も減っていることに加え、支出面で高齢化により社会保障関係経費が増加傾向にあることや、広い県土等の地理的な特性から公債費負担が高どまりしていることなどに起因するものと考えております。 次に、中期財政収支見通しについてでありますが、財源対策的基金残高の見通しについては、これまでもお示ししてきたところですが、県債残高や病院事業会計等の他会計への繰出金についても、持続可能な財政運営を行うに当たり重要な要素と考えており、今後これらの見通しもお示しできるよう検討してまいりたいと考えております。 次に、病院事業会計への繰出金についてでありますが、繰り出しは、県立病院が地域医療の確保のために行っている救急医療、がんなどの高度医療、不採算地区病院の運営などを対象として実施しております。 本県の県立病院の数が全国で2番目に多いことなどから、病院事業及び基幹病院事業の2つの会計に対する繰出金の合計は、2015年度から2017年度の平均で約170億円となっており、交付税措置額を除いた実負担が100億円を超え、全国平均の約29億円を大きく上回っております。 また、病院事業は、患者の減少や給与費・材料費等の増加により収支悪化の傾向にあることなどから、今後も、一般会計繰出金の増加が見込まれており、財政上の大きな課題の一つと考えております。 次に、事業総点検についてですが、議員御指摘のとおり、これまで実施してきた事業について、投資に見合った効果が発揮できているかを十分検証することは重要だと考えております。 その上で、単に事業費を減らすだけでなく、より大きな効果が得られる事業の執行方法や仕組みへの見直しなど、前向きな創意工夫をしながら、総点検を実施してまいります。 次に、本県の実態に即した交付税の算定についてでありますが、議員御指摘のとおり、医療や福祉の分野のソフト対策の歳出は今後とも増加する見込みであり、また、本県特有の事情により、歳出額が大きくなっているものもあります。 例えば、広い県土を持ち人口が分散している本県では、地域医療の確保において県立病院の果たす役割が大きく、不採算地区の医療も担っていることから、病院事業繰出金として、多額の実負担が生じている状況にあります。 そうした本県の実態に即した交付税の算定について、国に対して要望したところであり、今後とも要望してまいりたいと考えております。 次に、健康経営に対する支援措置についてでありますが、議員御指摘のとおり、企業が従業員の健康増進に取り組むことは、企業の業績・価値の向上につながり、結果的に健康経営を支えるサービスを提供するヘルスケア企業の成長及び増加につながるものと考えております。 このため、県といたしましては、健康づくりに取り組む企業をにいがた健康経営推進企業として登録し、その取り組みを支援することで健康立県の実現を目指してまいりたいと考えております。 次に、ヘルスプロモーションプロジェクトの県民への浸透についてでありますが、議員御指摘のとおり、県民一人一人に対し、ヘルスプロモーションプロジェクトを浸透させ、健康意識の向上を図るには、市町村との連携が不可欠であり、加えて、さまざまな関係機関との連携も必要と認識しております。 このため、市町村には、既にヘルスプロモーションプロジェクト推進会議に参加いただいているところであり、今後も引き続き、市町村を含む関係機関の意見を伺いながら、地域の実情に応じた普及拡大に取り組むことにより、プロジェクトを展開してまいりたいと考えております。 次に、骨粗鬆症の検診についてでありますが、議員御指摘のとおり、骨粗鬆症による高齢者の骨折は、寝たきりや、生活の質の低下につながることから、検診を受けることでみずからの健康状態を早期に認識することができると考えております。 一方、検診により骨密度の把握は可能であるものの、骨折の危険性は、生活習慣などのさまざまな要素が関係しているため、検診での早期発見だけでなく、生活習慣の改善に取り組むことも必要であると考えております。 県といたしましては、早い時期からの予防のため、検診の推奨を含め、運動、食生活、喫煙などの生活習慣改善に向けた保健指導や普及啓発に取り組んでまいります。 次に、普及啓発等の取り組みについてでありますが、骨粗鬆症予防やフレイル対策など健康づくりの普及啓発に取り組むことは、全国トップクラスの健康寿命を目指す上で重要と認識しております。 骨粗鬆症を予防するためには、若い世代からの運動や高齢者の食生活改善が重要であることから、世代別のワーキンググループを開催し、食生活や運動などのテーマの中で骨粗鬆症を含む生活習慣病予防のための目標や対策を検討してまいります。 これにより、生活習慣病の予防や県民の健康意識の向上を図り、健康づくりの行動変容につながるよう、県民一人一人にプロジェクトを浸透させてまいりたいと考えております。 次に、骨粗鬆症予防に取り組む企業に対する支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、骨粗鬆症は男性に比べて女性に多く見られる病気であり、従業員の骨粗鬆症予防を含め、若い世代からの健康づくりの取り組みを推進する企業に対して支援を行うことは、女性の活躍にもつながるものと考えております。 このため、これらの企業をにいがた健康経営推進企業として登録し、従業員の健康づくりの取り組みに支援を行うことにより、働く世代の健康づくりを一層促進してまいりたいと考えております。 次に、地域版次世代ヘルスケア産業協議会の立ち上げについてでありますが、議員御指摘のとおり、高齢化が急速に進む中、国民の健康寿命の延伸につながる産業の創出が求められており、県では、国の取り組みに先駆けて、健康ビジネス協議会との密接な連携のもと、健康関連産業の創出と高付加価値化に取り組んでまいりました。 医療・介護関係者、ヘルスケア事業者、金融機関などの連携による新たなビジネス創出を目指す地域版次世代ヘルスケア産業協議会は、目的、構成員、活動内容などの点で健康ビジネス協議会と一致する点も多いため、県といたしましては、当面は健康ビジネス協議会と連携しながら、健康関連産業の創出・育成に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトの取り組みについてでありますが、このプロジェクトの目的は2つあり、1つ目は、個人の健康・医療・介護のデータを連結し、県民一人一人の生涯を通じた健康カルテをつくることにより、診療や健康管理に役立てていくこと。2つ目は、客観的なデータを集約し、傾向分析などを行うことにより、効果的な生活習慣病の予防対策を初め、治療法の研究などにも活用していくことと考えております。 また、このプロジェクトは、県民の皆様に早期に成果を還元できるよう、短期間かつ安価に実現できる部分から段階的に進めていくこととしており、まずは、健診やレセプトの個人情報を除いた客観的データを分析し、より効果的・効率的な疾病の発生予防・重症化予防対策につなげていくことを目指してまいります。 来年度の運用開始に向けては、保険者などの個人情報を管理する機関の理解や協力が欠かせないことから、個人情報保護への対応、事業成果のメリットなどをお示ししながら、丁寧に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、子供たちの医療機関受診などのデータベースの構築等についてでありますが、議員御指摘のとおり、子供たちの健康増進を図るため、子供の健康や医療に関するデータを収集し、分析することは有効と考えており、まずは、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトにおいて、今年度から子供たちも含めたレセプトデータを収集することとしております。 一方、食生活や運動習慣など、健康増進に役立つと考えられるものの、現時点では定型化されたデータがないものもあることから、既にデータを活用した取り組みを進めている自治体の事例なども参考にしながら、どのようなデータの収集や分析が可能なのか、今後検討してまいりたいと考えております。 次に、未成年者の自殺やひきこもりの予防についてでありますが、議員御指摘のとおり、多くの医療機関において、児童・思春期精神疾患に対応できる体制を整え、早期発見・早期治療につなげていくことが重要と認識しております。 このため、県といたしましては、精神科医が限られている中、対応可能な医療機関・医療従事者をふやすため、小児科医などのかかりつけ医等を対象とした発達障害に関する対応力向上の研修を実施しているところです。 次に、子供の心身の発達に関する病院の設置についてでありますが、県では、小児医療体制のあり方について、幅広い視点で議論するとともに、本県の実情に即した小児専門医療施設の設置について検討を行うため、有識者で構成する小児医療あり方検討会を、今月設置したところです。 県内の医療関係者からも、子供の心身の健やかな発達のためには、小児科医と精神科医の連携が必要との意見があることから、このたび設けた検討会において、議員御指摘の施設機能や設置場所なども含め、幅広く御議論いただきたいと考えております。 次に、精神科医等の確保についてでありますが、児童・思春期精神疾患の受診者数が増加傾向にある中で、精神科医が何人必要かという数値の検証は困難ですが、いずれにしても精神科医が不足している状況にあり、県としては、奨学金貸与事業を実施し、精神科医の確保・定着に努めているところです。 また、医師数が限られている中、精神科医の負担を軽減するためには、議員御指摘のとおり、他の職種による対応を進めることが必要であると考えております。 このため、精神保健福祉士等の医療スタッフについて、育成機関である県内大学等からの要請により、資格取得に向けた実習を県立施設で実施するなど、人材育成について支援しているところです。 次に、県立病院の経営についてでありますが、議員御指摘のとおり、平成28年9月定例会においては、経営の持続性が確保されているとしていたところであります。 当時においては、直近の決算状況や関係財務指標をよりどころにして、そのように答弁したものと思いますけれども、平成30年度決算で資金不足比率が発生するなど、極めて厳しい現在の状況から振り返ってみれば、結果として、将来の見通しが十分ではなかったものと認識しております。 今後も、持続可能な経営に向けて、行財政改革有識者会議等の意見を踏まえ、あらゆる手段を検討しながら経営改善に徹底して取り組んでいくとともに、県立病院の役割・あり方についても、予断を持たずに検討してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 3点についてお答えいたします。 中長期の財政需要の変化についてでありますが、県の財政運営計画においては、人口減少・少子高齢化の進展という全国共通の背景のもとで、社会保障関係費が増加していくことなどを見通してきたところです。 こうした財政需要の変化に対して、交付税の算定においても、社会保障関係費に対する算定額は増加してきているところですが、一方で、国全体として、地方交付税等の総額が増額しない中、他の経費に対する算定額が減少していることもあり、結果として本県に対する普通交付税算定額は減少してきております。 このため、地方一般財源総額を増額し、個別団体に必要な一般財源を確実に確保するよう、国に対して要望したところです。 次に、本県の歳出の財政構造についてでありますが、2017年度決算においては、義務的経費である人件費、公債費、扶助費が占める割合は全体で42.8%であり、中でも公債費の割合が全国平均を3.7ポイント上回る18.0%と高くなっているほか、病院事業に係る繰出金等の割合も、全国平均を1.0ポイント上回る1.6%と高くなっており、財政の硬直化を招く要因となっております。 今後、公債費に対する交付税措置額が減少し、公債費の実負担が増加する見込みであることに加え、病院事業会計への繰出金も増加が見込まれており、その抑制が主な課題であると考えております。 次に、一般財源歳入総額の減少要因についてでありますが、平成27年度から平成29年度にかけて、全国を上回るペースで人口減少が進んだことや、リーマンショック後の雇用対策等のために設けられた歳出特別枠が、経済・雇用情勢の回復に合わせ廃止されたことに伴う地方交付税の減少や、会社再編等による県税収入の減少に加え、制度改正による電源立地交付金の減少が生じたことなどが、この間に一般財源歳入総額が大幅に減少した主な要因として挙げられます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 4点についてお答えいたします。 まず、子供の精神疾患の受診者数の推移及び受診内容の傾向についてでありますが、本県の受診者数は、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所が公表しているナショナルデータベースの数値によると、平成26年度は5,677人、平成27年度は6,213人、平成28年度は7,443人と、増加傾向となっております。 また、受診内容の傾向については、心理的発達の障害が39.1%と最も多く、次いでてんかんが19.2%、行動及び情緒の障害が18.8%などとなっております。 次に、児童・思春期精神疾患に対応できる医療機関の精神科医の数及び充足状況についてでありますが、児童・思春期精神疾患に対応できる医療機関の精神科医の数は、平成29年6月30日現在、161人となっております。 また、本県の人口10万人当たりの精神科医師数は、厚生労働省の調査によれば、平成28年12月末時点で、全国でワースト7位の状況となっております。 さらに、児童・思春期の精神疾患を診療している医療機関数は、平成28年度のナショナルデータベースの数値によると、人口1,000人当たりで全国平均が0.057カ所に対し、本県は0.043カ所となっており、全国平均を下回っている状況です。 これらのことから、児童・思春期精神疾患に対応する精神科医の数は十分とは言えないと認識をしております。 次に、ゲーム障害についてでありますが、本年5月のWHOの総会において、ゲーム障害が、ギャンブル依存症やアルコール依存症などと同じ精神疾患として、国際疾病分類に認定されたところですが、この新しい疾病分類については、2022年1月から適用される予定となっております。 これを受け、厚生労働省では、今後、ゲーム障害に関する調査を実施し、その実態を把握することとしており、県といたしましては、まずは、厚生労働省が実施する調査の手法や結果を注視してまいりたいと考えております。 次に、ゲーム障害への対策についてでありますが、現在、県として、ゲーム障害に特化した対策は行っておりませんが、精神保健福祉センターなどで、ゲーム障害に関する相談にも応じており、御本人への接し方のアドバイスや医療機関の紹介などを行っております。 ゲーム障害への対策については、厚生労働省の調査結果なども踏まえながら、今後検討してまいりたいと考えております。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) 3点についてお答えをいたします。 県立病院における人件費の増加や患者数の減少についてでありますが、人件費については、人事委員会勧告による増額改定の影響に加え、平成26年度からの退職給付引当金の積み立てや、特に平成30年度においては退職者数の増加などが、人件費増加の要因となっております。 また、患者数の減少については、国の医療保険制度改革や薬剤、治療法の進歩、医師の不足・偏在などにより減少傾向にあり、また、人口減少も患者数の減に影響を与えることから、この傾向は今後も続くものと認識をしております。 次に、患者増加に向けた方策についてでありますが、これまで地域の医療機関、介護施設との連携による紹介患者の確保や、救急患者の受け入れ、地域包括ケア病床など患者の状態に適した病床機能の見直し、病床運用の効率化などの取り組みに努めてきたところであります。 しかしながら、中長期的に見れば、今後も患者数は減少するものと見込まれることから、引き続き、医療需要に見合った診療体制の見直しに取り組むとともに、各県立病院の役割・あり方についても検討していく必要があるものと考えております。 次に、県立病院の経営についてでありますが、議員御指摘の平成28年9月定例会における答弁につきましては、平成27年度決算において、債務超過や資金不足比率が発生しているような状況にはないことから、経営の持続性は確保されており、経営は安定しているものと考えている旨、答弁したものと認識をしております。 一方で、平成27年度の単年度の決算では直ちに経営に支障を来す状況にはなかったものの、医師の確保が困難な状況に加え、患者数の減少傾向が続いていたことや、本業の収支を示す医業損益の悪化傾向が続いていたことから、病院経営を取り巻く環境は厳しい状況にあったものと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 子供たちの医療機関受診などに関するデータベースへの、学校保健情報データ提供の可否についてでありますが、健康診断結果を初めとする学校保健情報は、現状、電子データではなく紙で管理している学校が多く、また、電子データの記録形式の統一化、データの提供に当たっての保護者等の同意などの課題があります。 このため、県教育委員会といたしましては、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤プロジェクトの進捗状況や、学校保健情報の電子化に係る国の動向を踏まえつつ、学校保健情報のデータ提供に向け、これらの課題への対応を検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(桜井甚一君) 高橋直揮君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時49分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時5分 開議 ○議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、樋口秀敏君の発言を許します。樋口秀敏君。   〔樋口秀敏君登壇〕(拍手) ◆樋口秀敏君 未来にいがたの樋口秀敏です。よろしくお願いいたします。 初めに、18日に発生いたしました山形県沖を震源とする地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復興を御祈念申し上げます。 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず初めに、会計年度任用職員制度についてお伺いをいたします。 花角知事は、昨年6月の定例会で、住んでよし、訪れてよしの新潟を目指してまいりたいと述べ、現在では知事の政策スローガンとなっているところであります。 私は、住んでよしとするためには、新潟に質の高い雇用を生み出すことが大変重要だと考えております。知事も、新潟県の活力が低下した根本は人口減少と新潟日報のインタビューに答えております。 東京一極集中を是正し、人口減少のスピードを減速させていくためにも、質の高い雇用を創出し、住んでよし、働いてよしの新潟県としていかなければなりません。 このことは、自治体で働く臨時・非常勤職員についても同様であります。 現在、自治体で働く臨時・非常勤職員には、民間で働く非正規労働者に適用されるパートタイム労働法や労働契約法が適用されず、地方公務員法でも採用や労働条件が明確に定められていないなど、法律の谷間で不安定な状況に置かれています。 この臨時・非常勤職員の数は全国で65万人にもなっており、自治体の全職員に占める割合は4分の1にもなろうとしております。今や、地方自治体を支えている重要な職員であります。 こうした中、2017年に地方公務員法及び地方自治法が改正され、2020年4月から会計年度任用職員制度が導入されることとなりました。制度導入に向けた国会答弁で、総務大臣も、会計年度任用職員制度を導入したことや期末手当の支給を可能としたことは、臨時・非常勤職員の処遇改善に資するものと考えておりますと述べておるように、この法改正の趣旨は、任用方法の統一と処遇の改善にあると認識をしておりますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、この間、自治体職場では、総務省が進めてきた集中改革プランにより、大幅に人員が削減されてきました。新潟県においても、2005年度からの5年間で、一般行政職員だけでも972人が削減されました。適正な行政サービスを行っていくためにも、これ以上の人員削減や安価な労働力への切りかえは行うべきではなく、必要な定数は正規職員で配置すべきと考えます。 会計年度任用職員の導入に当たり、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営という原則は維持されるべきものとの国会答弁や国会の附帯決議が行われていますが、この点について知事の所見をお伺いいたします。 現在、新潟県で働く非常勤職員等は年収が200万円未満で、官製ワーキングプアと言われる状況にあります。日額報酬の職員は、祝日の多い月や、自身の病気などで休むと月収が減るのが現状であります。 また、臨時・非常勤職員を募集しても応募がなく、他の職員の負担が増している実態もあると聞きます。 新潟県が率先して質の高い雇用をつくっていく、このことを示すためにも、会計年度任用職員の制度設計に当たっては、任用の厳格化とともに処遇の改善が図られるべきであり、ましてや処遇の引き下げなどあってはならないと考えております。 会計年度任用職員の処遇について、制度設計をどのように考えているのか、お伺いいたします。 昨年、県教育委員会が実施した小学校教員採用試験の倍率が1.2倍、中学は2.3倍と全国最低水準に落ち込み、教員を目指す者の減少が課題となっております。病院職場においても、看護師の確保が全県的な課題となっているところです。 教育職場や病院では、そこを補う形で、免許を有して働く臨時・非常勤職員が数多くいますが、免許職種なだけに採用の困難性があります。 また、子供や患者と接する仕事のため、そこでの人間関係も大変重要であります。大幅な職員の入れかえは、職場に混乱をもたらすとともに、行政サービスの低下を招く懸念があります。 また、臨時・非常勤職員が生活設計を考える上でも、短期間の任用には問題があると考えております。 改正法の附帯決議では、再度の任用が可能としており、さきに述べたように任命権者ごとの職場実態に合わせた運用が必要であるため、一律に任用回数の制限を設けるべきではないと考えますが、どのような制度設計を考えているか、お伺いをいたします。 来年4月の制度導入まで、あと9カ月となりました。過去の議会答弁では、今年度前半に制度設計を行い、できるだけ早い時期に関係規程の整備を行うとしていますが、職員の労働条件に関する事項は、これまでも職員団体との交渉・協議を経て決定されてきていることから、会計年度任用職員の制度設計に当たっても、職員団体との交渉・協議により決定されるべきと考えてよいか伺います。 あわせて、今後、職員団体との交渉なども含め、制度完成に至るまでのスケジュールをお伺いいたします。 次に、医療に関してお伺いいたします。 都道府県としては岩手県に次いで多い13の県立病院を運営する新潟県ですから、病院運営に対する姿勢は県民の命と健康にかかわる大きな問題であります。 花角知事は、18日の議案説明で、病院事業会計が、患者数の減少等により約18億円の赤字決算となったこと等を受け、県立病院については、徹底した経営改善に取り組むとともに、役割やあり方について、予断を持たずに検討してまいりたいと述べましたが、県立病院の果たすべき役割をしっかり押さえた上で検討を進めていただきたいと思います。 まず、県立病院について伺います。 最初は、医師確保についてです。 厚生労働省が2月に発表した医師の充足率を示す指標が、新潟県はワースト2位で、県民に衝撃を与えたところです。このことを受け、新潟県は医師確保計画の策定に着手をいたしました。 医師の確保は急務ですが、新潟県の実態として公立病院が地域医療の中核を担っている中、13ある県立病院のスケールメリットを生かすことが重要だと考えております。このスケールメリットを生かした研修体制強化のほか、研究費の拡充や学会への参加費補助を行うなど、医師にとっても魅力ある県立病院にしていかなければならないと考えています。 また、魅力ある指導医の配置も必要と考えますが、今後、医師確保に向けてどのように県立病院の魅力向上を図っていくか、考えをお伺いいたします。 山間僻地など民間医療機関の立地が困難な地域での医療提供や、救急、小児、周産期など不採算医療を担う県立病院の役割は重要です。県立病院以外の医療機関のない地域も存在する中、これらの医療提供は、新潟県内どこにおいても必要な医療を受けるためには欠かせないものであるとともに、地域に雇用を生み、人口流出を防ぐ効果も発揮しています。引き続き新潟県が責任を持って県立病院を運営していくべきと考えております。知事の所見をお聞かせください。 病院局の2018年度病院事業会計では、一般会計から116億円余りの繰り出しが行われており、県の財政悪化の一因とされています。しかし、繰り出しは総務省の繰り出し基準に基づくもので、国からも地方交付税が交付されています。県財政の健全化は図らなければなりませんが、県財政の悪化を理由に、県立病院への繰出金を問題視するのは誤りではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 2017年3月策定の新潟県病院事業の取組方針の進捗状況を評価・助言する目的で、2018年度に県立病院経営委員会が設置され、ことし3月の報告書では病床や職員数を適正化するよう提言をしています。 病院局は、病院の規模適正化や再編も含めた抜本的改革が避けられないことを示唆したと報じられていますが、コスト削減だけを目的とした労働条件の引き下げは、医師のみならず看護師などの人材確保を困難にするもので、行うべきではないと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、経営改善に向けた考えをお伺いいたします。 病院の収入をふやすには、平均在院日数の短縮と診療材料費や薬剤費等の削減が必要であると言われています。診断群分類包括評価、いわゆるDPCデータの活用は、全国の同規模病院と比較をする中で、費用がより多くかかっているところを明らかにし、経営改善に結びつけることに有効です。 岩手県立病院では、医師、看護師、事務職員らでつくるワーキンググループでDPCデータの分析を行い、収益を大幅に改善したと聞いています。 本県県立病院においても、経営改善に向けてDPCの分析と、あわせてクリニカルパスの見直しを行うべきと考えるところですが、所見をお伺いいたします。 県立病院には医事企画員が配置されていますが、通常業務に追われ、DPCの分析など、経営改善にかかわる余裕がないのが実態であると聞きます。 こうした中、今年度から中央病院と新発田病院に経営戦略を担う組織が立ち上がったと聞いていますが、どのような効果を狙っているのか伺います。 また、他の県立病院にも立ち上げる計画はあるか、お伺いをいたします。 ここからは、魚沼基幹病院について伺います。 魚沼基幹病院は、2015年6月に、地域で一つの病院をコンセプトに行われた医療再編の中核を担う病院です。これまで魚沼地域にはなかった救命救急センターや新生児特定集中治療室、NICUを備えるなど、地域住民の大きな期待の中で開院をいたしました。 産科の分娩件数は多く、里帰り出産をしたお母さんから、次もこの病院で産もうと思いますと好評の声も聞かせてもらっているところです。 しかし、循環器医師の不足から救命救急センターの機能が十分に果たされないなど、課題も多く抱えているところであります。 経営改善に向けて早期の全面開院が待たれる中、その鍵を握る看護師の確保についてお伺いいたします。 魚沼基幹病院は、開院から4年がたった今も、看護師不足から全ての病棟を開けないでいます。ことし4月に1病棟20床が開設されましたが、いまだに、看護師不足から2病棟が開設できず、その不足が解消されていません。 このことは病院経営にも影響していますし、地域住民からも、せっかく建てたのにもったいないねという声を聞きます。地域住民の声に応え、安全・安心の医療サービスを提供していくためにも、看護師確保は喫緊の課題です。 看護師確保に向けて、どのような対策を考えているのか、お伺いいたします。 魚沼基幹病院は、2020年6月には開院から5年を迎えます。看護師の中には、5年間の勤務を条件に返済が免除される奨学金を受けて魚沼基幹病院で働いている者も多数います。5年を機に、都市部の病院での勤務を希望する者も多くいると聞かれることから、今後の看護師確保のためにも職員の意向をあらかじめ把握していく必要があると考えますが、どのような対応を行っているのか、お伺いいたします。 また、退職者が多数となった場合にはどのように対応していくのか、あわせて伺います。 そして、現在、県内には19の看護師養成機関があり、南魚沼にも1校がございます。ここの養成機関からは魚沼基幹病院へも看護師を多数輩出していて、魚沼基幹病院の運営にも貢献をしているところです。 こうした中、来年4月には、十日町に県立看護専門学校が開校することになっています。しかし、県内には定員を満たしていない養成機関も複数ある中、南魚沼の養成機関とどのように共存していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、児童相談所の体制強化について伺います。 児童虐待の痛ましいニュースが連日のように報道されています。虐待を受けて死亡した子供の数は年間50人にも上り、児童相談所における児童虐待相談対応件数は1999年に1万件を超え、2017年には13万3,000件余りにふえています。新潟県の児童相談所においても、同様の傾向で相談対応件数がふえているところです。 千葉県では、野田市でことし1月に起きた児童虐待死事件を受けて、一時保護所の定員を拡大するほか、児童相談所の職員増員も前倒しで進めることとし、関連予算を6月補正予算案に盛り込むこととしました。 国も2022年度までに児童福祉司を2,020人、児童心理司を790人増員することとしたところです。 新潟県においても、本年3月に策定の新潟県総合計画にあるように、児童相談所の職員配置の充実と専門性の確保・向上による体制強化で、不幸な事態の未然防止に努めるべきと考えております。 県では、今年度から5つの児童相談所の全てに心理判定嘱託員を配置し、相談機能の強化を図ったところですが、現時点でどのような効果があったのか伺います。 また、ふえ続ける児童虐待の相談対応件数を踏まえ、悲惨な事件、事故を未然に防ぐためにも、児童相談所のさらなる増員が必要と考えます。今後の体制強化に向けた知事の所見をお伺いいたします。 次に、一時保護所の施設整備について伺います。 保護する必要のある子供を預かる一時保護所は、県内に3カ所設置されていますが、職員の確保が困難などの課題を抱えています。中でも中央児童相談所は、夜間の嘱託職員希望者がおらず、運営に支障を来していると聞いているところです。 また、施設の老朽化が著しく、保護した児童に十分対応できていないとも聞いています。 保護された児童に対して、手厚い体制で対応することが重要と考えますが、上越、長岡を含め、現状に対する認識を伺うとともに、今後、一時保護所の充実に向けどのように対応していくお考えか、お伺いをいたします。 次に、最低賃金の引き上げに関して質問させていただきます。 非正規労働者は2,000万人を超え、全労働者の4割にも上っています。2019年度の最低賃金改定に向けた動きが始まるところですが、最低賃金の引き上げは、非正規労働者を初め、全労働者の賃金底上げにつながる重要な課題であります。 最低賃金法は、第1条で、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、中略、に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすると規定をしているところです。 法の趣旨からも、地方における最低賃金の改善は、良質の雇用を生み出し、若者の定住にも寄与するものと考えています。 しかし、現行の4ランク制のもとでは、ランク間の格差が拡大し、大都市圏との賃金格差は広がる一方と考えられます。新潟県の最低賃金803円と東京都の985円との格差は182円にまで広がっています。 政府は、早期の時給1,000円を目指すとしていますが、新潟県としても中小企業支援策を拡充し、地方における最低賃金の引き上げに向け積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、原子力政策についてお伺いをいたします。 日本における電気の多くは地方でつくられ、大都市で消費がされています。しかし、地方に届くのは、都市が負担する莫大な電気料金のごく一部だけです。 原子力発電も例外ではありません。収益の多くは本社機能のある都市部に届けられ、地方にはわずかな収益と、処分方法の決まらない核のごみが残るだけです。 一方、再生可能エネルギーは、その土地の自前の資源から生み出されます。これまでのお金の流れを一変させて、地方に仕事を生み、地域循環型経済のかなめとなることができると考えております。 6月16日付の新潟日報朝刊は、新潟の市民団体がつくった再生可能エネルギー由来の電気を県内で販売して消費する取り組みが7月にも始まる見通しになったと報じています。まさにエネルギーの地産地消への転換が始まっています。 原子力発電については、東京電力福島第一原発事故を契機に、国民の不安は高まっています。この間の各種世論調査では、再稼働に反対が50%を超えていますが、既に9基が再稼働、うち2基は停止中でありますが、しているところです。国民の過半数が反対する中での再稼働は、大変残念に思っております。 私の地元、南魚沼では、東京電力福島第一原発事故の影響が今も残っております。コシアブラという山菜があるのですが、この山菜の出荷が制限され、県からも出荷と食用の自粛が要請されています。 農家やJAなど多くの努力で特Aに復帰した魚沼産コシヒカリやスキーなどの観光への影響を懸念する声も多くいただいているところであります。一日も早い脱原発社会の実現は、多くの県民の願いでもあるところです。 そこで、花角知事にお伺いをいたします。 知事は、就任1年に当たり地元紙とのインタビューで、柏崎刈羽原発の再稼働については3つの検証が終わるまで議論はしないと改めて明言しています。また、検証も期限を区切ることはしないと述べているところです。 昨年の知事選では、脱原発の社会を目指すと述べていましたが、現在もこの考えに変わりはないか、お伺いをいたします。 福島県の現状を見たときに、一たび事故が起きれば、少なくとも10年単位の長期にわたり避難生活を余儀なくされる県民が多数に上ることは想像にかたくありません。私も昨年2度、福島の被災地を訪れてきましたが、双葉郡の帰還困難区域は7年半前のままでありました。 18日深夜には山形県沖で地震が発生し、県内にも被害が発生したところです。柏崎刈羽原発への影響も心配されたところであります。 222万人余りの県民の命と安全を守る立場にある知事として、一日も早い脱原発社会の実現を目指すべきと考えますが、いつごろ脱原発社会が到来するべきと考えているのかお伺いをして、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 樋口議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、会計年度任用職員制度導入の法改正の趣旨についてでありますが、総務省の通知により、従来の臨時・非常勤職員制度が不明確であり、各地方公共団体によって任用・勤務条件に関する取り扱いがさまざまであったものを、統一的な取り扱いを定めて適切な運用を確保することであると認識しております。 次に、適正な行政サービスのための職員配置についてでありますが、県ではこれまでも、簡素で効率的な行政運営を行うため、業務の見直しに合わせた職員定数の削減に取り組む一方で、複雑・多様化する行政課題や県民ニーズに迅速かつ的確に対応できる人員の確保に努めてきたところです。 また、本県の非常勤職員は、補助的な業務や特定分野に限定した業務に従事しているものであり、議員御指摘の、常勤職員が行うべき業務を非常勤職員に切りかえて従事させることは行っておらず、必要な定数には、常勤職員を配置することを基本としております。 今後とも、関係の国会答弁や附帯決議を踏まえ、限られた資源の中で効率的で質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。 次に、医療問題についてお答えします。 まず、県立病院の運営等についてでありますが、本県の県立病院は、公立病院本来の役割のほか、歴史的経緯などから地域医療の多くを担っている状況にあると認識しております。 しかしながら、患者減少や、医師の不足・偏在など厳しい医療環境などから、病院事業会計は危機的な経営状況にあり、県立病院が本来地域で果たすべき役割・機能にも支障を生じかねないと考えております。 このため、他医療機関や市町村等との役割分担、機能分化と連携のもと、持続可能な経営を確保していく必要があり、行財政改革有識者会議等の意見を踏まえ、徹底した経営改善に取り組むとともに、県立病院の役割・あり方などについて予断を持たずに検討してまいりたいと考えております。 次に、病院事業会計への繰出金についてでありますが、繰り出しは、基本的には、総務省の繰り出し基準に基づいて行われておりますが、そのほか、本県の実情に合わせて、一時的に大きな負担となる退職手当や、被曝医療経費などに対して繰り出しを行っております。また、基準に基づく繰り出しであっても全額交付税措置されるものではありません。 その結果、本県の県立病院の数が全国で2番目に多いこともあり、病院事業及び基幹病院事業の2つの会計に対する繰出金の合計は、2015年度から2017年度の平均で約170億円となっており、交付税措置額を除いた実負担が100億円を超え、全国平均の約29億円を大きく上回っております。 また、病院事業は、患者の減少や給与費・材料費等の増加により収支悪化の傾向にあることなどから、今後も、一般会計繰出金の増加が見込まれており、財政上の大きな課題の一つと考えております。 次に、魚沼圏域の看護師等養成機関についてでありますが、南魚沼市の養成機関と、十日町市に開校予定の県立十日町看護専門学校が、それぞれの特色を生かし魅力ある学校づくりを行うことにより、学生に選ばれ、卒業生が地元に就業することで、魚沼圏域の看護職員の確保につながるものと考えております。 県といたしましては、教育環境の整備に取り組む養成機関への支援や、より多くの中高生が将来看護職員を目指すように働きかけなどを行っているところですが、今後も両校の状況を十分確認するとともに、両校が共存できるよう、地元自治体や関係機関と連携しながら、必要な対応を行ってまいります。 次に、児童相談所についてお答えします。 まず、児童相談所の体制強化についてでありますが、今年度から県内の5カ所の児童相談所へ心理判定嘱託員を各1名配置し、相談体制の強化を図ったところであります。配置から約2カ月と間もない状況でありますが、心理判定業務の体制を強化したことで、従来より細やかな支援を行うことができていると考えております。 また、議員御指摘のとおり、児童虐待相談の増加傾向が続いていることを踏まえ、引き続き児童福祉司等の専門職員の増員や、研修等による質の確保に努め、児童相談所の体制強化に取り組む必要があると考えております。 次に、最低賃金についてお答えします。 最低賃金の引き上げに向けた取り組みについてでありますが、現行の最低賃金制度のもとで、東京都との差が拡大しており、賃金等の労働条件の差が、本県から首都圏に労働力が流出する一因になっているものと考えております。 しかしながら、本県は中小企業が多く、1企業当たりの付加価値額が低い一方で労働分配率が高いといった状況があり、急激な最低賃金の引き上げは企業経営への負担が大きいものと認識しております。 こうした状況を踏まえ、先般、最低賃金について、地域間格差の拡大につながっているランク制度の見直しを図るとともに、格差是正に向けて段階的に引き上げを行うこと及び引き上げによって影響を受ける中小企業への支援策を充実することを、国に対して要望したところです。 県といたしましては、新事業展開など意欲ある企業の挑戦を後押ししながら稼げる企業を一社でも多く輩出し、企業収益の拡大から賃金の上昇につながる取り組みを進めることで、結果として最低賃金の引き上げにつなげてまいりたいと考えております。 次に、原子力政策についてお答えします。 まず、原発に依存しない社会の実現についてでありますが、私としては、将来的に原発に依存しない社会の実現を目指すべきとの考えに変わりはなく、本県においても、引き続き、多様な地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進してまいります。 しかし、原発に依存しない社会の実現には、本県だけでなく国全体で取り組まなければ実現できないことであり、国において、原発への依存度を低減する具体的な道筋を示していただけるよう、私からも要望しております。 次に、原発に依存しない社会実現の見通しについてでありますが、このことは本県だけでなく、国全体で取り組まなければ実現できないことであることに加え、原発依存度を低減していく上では、再生可能エネルギーの拡大が不可欠であると考えており、現時点において、技術の進歩や再生可能エネルギー導入状況などが見通せない中で、具体的な時期を示すことは難しいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 3点についてお答えいたします。 会計年度任用職員の処遇についてでありますが、総務省が示している事務処理マニュアルでは、地方公務員法に規定する職務給の原則や均衡の原則に基づき、職務の内容や責任等に応じ、常勤職員の給与を基礎として決定することとされています。 現在の本県非常勤職員は、補助的な業務や特定分野に限定した業務に従事しており、その賃金は、これら業務内容に応じ、常勤職員に準じて定められていることから、これを基本としつつ、新制度への移行を進めてまいります。 次に、会計年度任用職員の任用回数の制限についてでありますが、総務省が示している事務処理マニュアルでは、任期の終了後、再度任用されることはあり得るとし、募集に当たって、任用の回数や年数が一定数に達していることのみを捉えて、一律に応募要件に制限を設けることは避けるべきものとされております。一方で、同一の者が長期にわたって同一の職に繰り返し任用されることは身分や処遇の固定化などの問題があるともされており、県民からの批判にもつながります。 制度設計に当たっては、こうした観点から、再度の任用は可能としつつ、何らかのルールは必要であると考えており、国や他県の制度との均衡等も踏まえながら、円滑な移行ができるよう適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、会計年度任用職員制度の導入に向けた今後のスケジュール等についてでありますが、来年4月1日の制度導入に向け、既に職員団体との協議を始めたところです。 今後は、関係条例や規則の改正を行うとともに、要領等の整備を進め、周知のための期間を十分に確保した上で、遅くとも来年当初から募集を行えるよう、新制度への移行を進めてまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 3点についてお答えいたします。 まず、魚沼基幹病院の看護職員確保についてでありますが、運営財団において毎年度40人以上の看護職員を採用し、平成31年4月1日現在、プロパー職員257人を含め、398人を確保しております。 魚沼地域において安定的、継続的に医療を提供していくためには、現行の病床数を維持拡大していくことが必要であり、財団は、修学資金の貸与や人材紹介会社の活用など職員確保に向けて取り組んでいるところです。 財団には、より一層の努力を求めることはもちろんですが、県としても、大学や養成校訪問に同行するなど、引き続き、財団の取り組みを支援してまいります。 また、当面は県からの派遣の継続や新たな派遣により、一定の職員数を確保する必要があることから、関係部局と調整を進めてまいります。 次に、看護職員の離職防止についてでありますが、修学資金の貸与を受け魚沼基幹病院に勤務する看護職員48人のうち、5年間の業務従事により返済免除された方が2名おりますが、両名とも魚沼基幹病院で引き続き働いていただいております。 運営財団では、実際の病棟を想定した魚沼共育、ともに育つと書いてキョウイクと読みますが、共育トレーニングセンターの整備や、経験年数に応じた人材育成プログラムにより職員のキャリアアップを行うことで、若手職員の離職防止に取り組むとともに、必要に応じて面談を行うなど、職員の意向把握に努めております。 貸与を受けた方の多くが地元出身であり、離職者が多数になるとは考えにくいところですが、そのおそれがある場合には、県と財団が一体的に離職防止に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、児童相談所一時保護所の現状等についてでありますが、中央児童相談所の一時保護所の夜間嘱託員が確保できず、その運営について現場に負担がかかっている状況と認識をしております。 このため、早期にこの状況を改善すべく、嘱託員の確保に向けた関係団体への声かけ等を行っているところです。 また、一時保護所についてですが、子供自身の権利擁護や、児童の特性に配慮した個別的な支援の必要性など、現在の一時保護所に求められている機能に対し、施設の老朽化等により応え切れていないと認識をしております。 こうした現状を踏まえて、児童福祉司等の増員への対応なども含めた児童相談所の体制強化とあわせ、一時保護所の充実についても検討してまいります。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) 4点についてお答えをいたします。 医師確保に向けた県立病院の魅力向上の取り組みについてでありますが、医師を確保するためには研修環境の充実が重要であり、これまでも各病院における研修プログラムの魅力向上を図るほか、県立病院のネットワークを生かし、新発田病院を基幹型として、診療機能の異なる複数の県立病院が連携して研修する臨床研修の実施や、研修ノウハウの蓄積・情報共有の推進を目的とした教育研修センターを設置するなどにより、医師の育成・確保に取り組んできたところであります。 今後とも、魅力ある研修プログラムづくりを初め、医師の研究・研修支援の拡充、さらには、指導医の数を充実する取り組みなどを進め、県立病院の魅力向上を図ることが全県的な医師不足解消に寄与するものと考えております。 次に、県立病院の病床や職員数の適正化についてでありますが、本年3月26日に県立病院経営委員会から新潟県病院事業の取組方針の取り組み状況に対する客観的評価をいただき、その中で、病床利用率が低迷している病院・病棟については、地域の医療提供体制を考慮した上で、医療資源を有効活用するという観点などから、適正な病床機能・規模へ見直すべきとの意見・提言等をいただいたところです。 今後も、県立病院が本県の医療提供体制の中で本来の役割を果たしていくためには、持続可能な経営を確保していく必要があり、行財政改革有識者会議等の意見を踏まえ、徹底した経営改善に取り組んでまいります。 次に、DPCの分析などによる経営改善に向けた取り組みについてでありますが、これまでも、DPC制度、いわゆる医療費を包括的に計算する定額払いの方式でありますが、これを導入している新発田病院などの4病院において、病院内で、議員御指摘のような多職種から成る委員会や専門のコンサルタントでDPCデータの分析に取り組むことにより、効果的・効率的な医療の実施や標準診療計画、いわゆるクリニカルパスの見直しによる入院日数の短縮や後発医薬品の導入促進などを図っており、経営改善に寄与しているところです。 例えば、平成30年度には4病院で全体の約4分の1に当たる124件のクリニカルパスの見直し、策定を行ったところですが、今年度は新たに新発田、中央の2病院に経営戦略チームを設けるなど、経営改善に向けて、さらにこれらの取り組みを強化してまいりたいと考えております。 次に、経営戦略を担う組織についてでありますが、今ほどお答えしたとおり、今年度から県立中央病院と新発田病院において、医師、看護師、事務職員等で構成する経営戦略チームを設置し、病院現場における経営意識の醸成や経営戦略の強化による収益の増加及び費用の効率化など、経営改善に向けた具体的な取り組みについて検討しております。 なお、県立中央病院では経営戦略チームの取り組みがより効果的になるよう、経営コンサルタントもあわせて活用しているところであります。 今後、両病院における実績を検証した上で、他病院での導入についても、積極的に検討してまいりたいと考えております。   〔樋口秀敏君登壇〕 ◆樋口秀敏君 会計年度任用職員制度の制度導入の趣旨について、再質問をさせていただきたいと思います。 今ほど知事のほうから、適正な勤務条件の確保という答弁があったところでありますけれども、法改正の附帯決議では、その制度移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保というふうにされておるところであります。 この意味からすれば、不利益が生じないということは、現行の処遇を下回らないといいますか、改善をされるというふうに理解をするものだと思います。私は、処遇の改善が趣旨ではないかというふうにお尋ねをしたところでありますけれども、適正な勤務条件というのは、不利益が生じないという意味からも、処遇が改善されるということでよろしいのか、再度お尋ねをいたします。よろしくお願いいたします。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 会計年度任用職員の見直しに関する法の趣旨という事実関係でございますので、私から答弁させていただきます。 知事から冒頭申し上げたとおり、これは総務省の通知に改正法の趣旨として書いてあるところでございます。従来、制度が不明確であり、地方公共団体によって任用・勤務条件に関する取り扱いが区々であったのに対し、統一的な取り扱いが定められることにより、今後の制度的な基盤を構築するものであるというふうに総務省の通知に記載しているところでございまして、先ほど知事から答弁したとおり、統一的な取り扱いを定めて適切な運用を確保するというところが趣旨であると認識しております。   〔樋口秀敏君登壇〕 ◆樋口秀敏君 今ほど総務管理部長から御答弁いただいたところですけれども、私がお伺いをしたのは、取り扱いといいますか、任用方法などの統一というところとあわせて、処遇の改善ということが図られるべきではないかと。そのことに対しての回答を求めたところであります。 法改正の附帯決議、繰り返しになりますが、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるようというふうにされているわけでありまして、不利益が生じないということは、当然に処遇の改善、これは総務大臣も、一時金の支給など改善に向けてということで国会の中でも答弁しているところであります。 ぜひその処遇面について改善を意図したものであるというふうにお答えをいただければと思いますが、答弁のほうをよろしくお願いいたします。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 樋口議員の御質問にお答えいたします。 国会答弁や附帯決議については、先ほどの知事の答弁のとおり、承知しているところでございまして、我々としても、限られた資源の中で、効率的で質の高い行政サービスの提供に努めてまいりたいと考えておりますが、法の趣旨というところにつきましては、まさに法の趣旨について直接解釈をしております総務省の通知に沿うところかと思います。そこについては、先ほども申し上げたとおり、従来、制度が不明確であったり、地方公共団体によって任用・勤務条件に関する取り扱いが区々であったのに対し、統一的な取り扱いが定められることにより、今後の制度的な基盤を構築するものであるというふうに、通知に改正法の趣旨として明記しているところでございます。 いずれにせよ、私から先ほど答弁したとおり、新潟県庁におきましては、本県の非常勤職員は、補助的な業務や特定分野に限定した業務に従事しており、その賃金は、これら業務の内容に応じ、常勤職員に準じて定められているというところでございます。 ○議長(岩村良一君) 樋口秀敏君の質問は終わりました。 次に、小泉勝君の発言を許します。小泉勝君。   〔小泉勝君登壇〕(拍手) ◆小泉勝君 リベラル新潟の小泉勝でございます。 6月18日に発生いたしました新潟・山形地震において被災されました方々にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く平穏な日常が訪れることを願っております。 4月の改選におきまして、見附市選挙区から初当選をさせていただきました。選挙を通して有権者の皆様に、新潟県の最大の課題を人口減少と捉え、お訴えをさせていただいてきました。今回が初めての一般質問となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 今回の質問は、私どもの会派リベラル新潟の綱領の中でもうたっておりますが、県政最大の課題である人口減少問題についてと、人口減少と同時に関連をしてくる県政の諸課題についての大項目2点につきまして、通告に従い、順次質問をさせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、1点目の大項目であります人口減少問題について質問をさせていただきます。 少し前の話になりますが、2014年に、元総務大臣、増田寛也氏を座長とする日本創成会議が、人口減少により自治体の維持が危ぶまれる都市を消滅可能性都市として、全国の自治体のうちのおよそ約半数に当たる896の市区町村を発表したことで、全国に衝撃が走りました。 国は、2060年代に人口1億人を維持し、合計特殊出生率を1.8程度に改善することを目標に掲げておりますが、残念ながら人口減少に歯どめがかかっていないのが現状であります。 一方で、平成30年新潟県人口移動調査結果報告によりますと、本県の平成30年10月1日現在の総人口は224万5,057人で、前年比0.93%減、1年間で2万1,064人の減少と、減少数、減少率ともに過去最大となりました。このままいきますと、2060年には約134万人にまで減少すると予想されており、人口減少への対応が県の最重要課題だと考えています。 本年度の当初予算の編成に当たって、花角知事は、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員した人口減少問題への対応を政策に掲げており、その意気込みを感じるものではありますが、まず現実として目の前のこの数字に対する知事の御所見をお伺いするとともに、この要因をどのように分析しているのか、お考えをお聞かせください。 さらに、知事は、ことし2月の定例会見で、本県の人口減少対策に関して、もう一段知恵を絞って努力を続けると述べたとの報道がありましたが、新潟県の10年先、20年先のことを考え、今、何をすべきなのかしっかりと議論し、決断、実行していかなくてはなりません。 先般、地元紙での報道でもありましたが、検討会議や有識者会議を立ち上げてきた知事の対話重視の姿勢については支持するものでありますが、さまざまな意見を聞き過ぎて、中途半端な政策にならないよう、実効性のある施策を望むものでありますし、知事としてのリーダーシップを発揮して、政治的判断、決断をしていただきたく期待するものであります。 そこで、本県の人口減少問題対策について、今後、どのようなことに、どのように取り組んでいくおつもりなのか、知事のお考えをお伺いいたします。 県では、平成24年度から29年度まで、新潟県人口問題対策会議を開催し、魅力ある新潟県を目指し、子育て、教育、雇用など、新潟県における人口減少対策の課題について検討を重ねてこられましたが、平成30年度にその会議のあり方の見直しを行い、これまでの新潟県人口問題対策会議を、自然減対策グループと社会減対策グループと、それぞれ対象を絞った別の角度から検討を進めていく2つのグループから成る人口減少対策ワーキングチームを設置したと伺います。 昨年度メンバーもかわり、新たな組織として検討し、取り組んでこられた、その成果についてお伺いをいたします。 そして、人口減少対策ワーキングチームは、2つのグループのいずれも副知事がトップとなり、関係部局がその構成員となっていると伺っておりますが、県の職員だけでチームを構成するのではなく、さまざまな分野の専門家の方々などからも参加していただくなどして、より幅広い視点で検討したほうが、さらに効果的な施策を立案できるものと考えておりますが、知事のお考え、御所見をお伺いいたします。 そして、今ほどお伺いさせていただきました人口減少対策のうちの社会減対策について質問をさせていただきます。 首都圏への一極集中に歯どめがかからない中、国は、地方から首都圏への人口の転入と転出を2020年までに均衡させるとした目標を設定しておりましたが、昨年1年間の転入、転出を見ても約14万人の転入超過となるなど、全く歯どめはかかっていません。事実上、2020年までという目標を断念し、今後、新たな目標時期を再度検討していくと報じられたところであります。 新潟県としては、まずは若い人たちの本県からの人口流出の原因を調べ、対応していくことが重要だと考えます。首都圏への転出超過の多くは、15歳から19歳と20歳から24歳に集中していることからも、大学等の高等教育機関への進学時と、高等教育機関卒業後、就職する際の2つの時期の転出が多いと見てとれます。 そこで、高校生の県内進学を促進するためには、県内大学の魅力をさらに高めることにより、高校生から選んでもらえる大学を目指す必要があると考えますが、それらに対する県の支援策についてお伺いいたします。 そして、人口流出の要因のうちの就職についてであります。さきにも述べましたとおり、首都圏への転出超過の2つ目の山が20歳から24歳であることからも、高等教育機関卒業後の就職時期と重なることから、若い人たちから選んでもらえる魅力的な仕事の場づくりが重要であり、新潟に残り、住み続けてもらうために、あるいは一度県外に出てもふるさとに戻って定住してもらうために、生活していくための仕事が必要です。 春の選挙を通しても、多くの有権者の方々から、子や孫をふるさとに呼び戻したくても働く場所がない、子供や孫が戻ってこられるような企業誘致や産業育成をぜひ頼むというお声をたくさん頂戴いたしました。 そこで、こうした家族の願い、県民の思いをかなえるためにも、若い人たちの県内就職を促進するために魅力的な雇用の創出につながるよう、県内企業への支援について、県として今後どのように取り組んでいくおつもりでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。 そして、若い人たちから見た魅力的な雇用の場を、県内企業への支援とは別に、企業誘致といった形でそれを実現することも一方で必要であると考えます。 見附市にある新潟県中部産業団地には、新潟県内企業の経常利益ランキングのトップ企業などを初め、多くの優良企業が進出してきており、これまで地域になかった産業が合わさり、複合的な産業構造を形成しながら地域経済を牽引しています。 若い人たちの雇用の場の創出に関しては、企業誘致に期待する声も大変大きいものがございます。雇用創出のための企業誘致について、知事のトップセールスも含め、今後も大変期待するところではありますが、これまでどのような取り組みをしてきて、どのような成果が上がっているのか、昨年度の企業誘致の実績についてお伺いをいたします。 企業誘致の際には、どのような戦略や計画が立てられているのでしょうか。例えば、最近ではIT関連企業などが、空き家や空き店舗、あいた公共施設を活用し、地方にITサテライトオフィスを構えたりして、それが商店街の中でも、自然豊かな地域でも、ITインフラさえ整っていればどこへでも進出することが可能であり、地方でもできる、あるいは地方だからこそできる、企業誘致のいい事例だと思います。 私は、昨年、実際に宮崎県日南市の油津商店街を訪れてきましたが、そこにはインターネットメディア記事の作成や編集をするオフィスが商店街の空き店舗を改装して企業進出をしていて、若い人たちが自分のデスクもないオフィスの中で、自由な空間と自由な時間の中で、伸び伸びと働いていました。こうした新しい働き方などは、若者を受け入れるには非常に有効な業態であると考えます。 学生から見た魅力的な企業が県内にあるのかどうか、必ずしも大企業を望んでいる学生ばかりではないとも仄聞しますので、中小企業であっても、自分のやりたいことや仕事への満足感、そして自己実現といった若い人たちの雇用に対するニーズ・ウオンツをしっかりと分析し、新潟県には一体どういった業種・業態の企業が不足しているのか、必要なのかをしっかりと見きわめ、施策に反映させていただきたいと思います。 そこで、企業誘致に当たっての県としての取り組みの中で、若い人たちのニーズをしっかりと捉え、そしてターゲットを明確にして取り組んでいくために、今後、どのような戦略で企業誘致に取り組んでいくお考えであるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次いで、人口減少問題対策を教育の観点から見た質問を幾つかさせていただきます。 私自身、高校卒業とともに一度新潟県を離れて、28歳でふるさとにUターンした人間でありますが、そうした私のように一度ふるさとから離れて戻られた方々からの話を伺うと、ふるさとには家族がいて友達がいる、そうしたコミュニティーのきずなが強い地域だと感じるし、戻ってきて、改めて、ふるさとは暮らしやすいと思うと言っておられました。 先週、6月15日には、東京見附会総会へ出席をしてまいりました。東京へ出てから毎年欠かさずお盆に墓参りに帰ると言っていた先輩の方々に、深い郷土愛を感じました。 また、別の日には、地元のある会合でお話をする中で、やはり年上の世代の方々がふるさとへの愛情の深さを語られておりました。 ふるさと見附を、ふるさと新潟を思う気持ちの強さを感じ、年代の差もあるのかもしれませんが、どちらも大変深い郷土愛に感銘を受けたところであります。 そうした地域に対する愛情を育むための教育に取り組んでいくことが大切であり、ふるさとのことを子供のころからきちんと学ぶことで、一度首都圏に転出したとしても、また戻ってくる、あるいはふるさととつながり続けてもらえることにつながります。 県内出身の若い人たちから、ふるさと新潟で暮らしたい、つながり続けたいと思ってもらえるように、ふるさとへの愛着心を育んでいく必要があると考えますが、県内の小学校、中学校、高校においてどのような取り組みを行っておりますでしょうか、お伺いいたします。 さらに、県内の小学校、中学校、高校で行われているキャリア教育について質問をさせていただきます。 特に、将来の職業を意識し始める中学生や高校生に対しては、新潟県のものづくりを初めとする地場産業や農林水産業、食品加工等、他県に誇れる産業と企業の魅力について理解を深めてもらうとともに、さらにそれが地元定着につながるようなキャリア教育が必要であると考えますが、県内の中学校、高校におけるキャリア教育の取り組みについて、現状をお聞かせください。 そして、人口の自然減の要因として、未婚者の増加や出生率の低下が同時に指摘されておりますが、こうしたことへの対策として、幼少期から、家庭を築くことの大切さへの理解を深める教育も同時に必要と考えますが、県内の小学校、中学校におけるそうした取り組みについてお伺いをいたします。 子ども医療費助成等交付金につきましては、昨年度、県の交付額の水準が小学校3年生相当から小学校6年生相当まで拡大されたところでありますが、市町村により対象年齢や一部負担金、入院時食事療養費助成などが異なっていることから、依然として市町村間格差が生じたままになっております。 新潟県の少子化対策として、子育て世代を支援する観点から申しますと、本来、県内のどこの市町村に住んでいても等しく一律のサービスが受けられる必要があると考えます。 また、県としては、そこはしっかりと子育て世代を応援するのだという立場と強い気持ちを込めた施策にしてほしいと願っております。 強調したいのは、この子ども医療費助成制度の優劣により市町村間での子育て世代の移り住みを促すための競争の道具となることは非常に不本意であるということであります。 制度の見直し、検討も必要ではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、2点目の大項目であります。人口減少問題とも密接に絡んでくる県政の諸課題についてお伺いいたします。 まずは、逼迫する県財政の問題についてお伺いをいたします。 花角知事は、本年6月10日に知事就任から1年を迎えられましたが、今年度の当初予算は御自身が知事として初めて編成をされたわけであります。 本年2月13日の記者会見の際には、厳しい財政状況との認識を示され、財政悪化の要因を、交付税の算定の基礎となる人口の減少が全国を上回るスピードで進んでいることで歳入が急速に落ちてきたこと、さらに歳出では、県立病院への繰出金や社会保障費等が大きくなっていることなどを主な要因として挙げられました。さらに、それらが財源対策的基金の減少を引き起こし、このままのペースで進むと、2021年度には財源対策的基金が枯渇するとの見通しを語られました。今後、国からの交付税措置額がさらに減っていくことが予想される中、実質公債費比率が2022年度には18%を超えるという予測と、起債許可団体に陥ってしまう可能性に言及されました。 さらに、知事は、本年5月の行財政改革有識者会議の初会合で、県財政について緊急事態と位置づけて、抜本改革の必要性を強調したとの報道がありましたが、なぜこのタイミングで緊急事態を宣言されたのでしょう。このタイミングで言われるのであれば、今年度の予算編成の段階から、もっと早くに、大胆に行財政改革に切り込むこともできたのではないかと考えますし、また、その必要があったのではないかとも考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次いで、観光について幾つかお伺いいたします。 知事は、本年5月23日から27日までの日程で中国を訪問され、新潟県の冬の観光の魅力をPRするとともに、観光や経済に関する意見交換を行ったと仄聞しております。 先日の地元紙の報道によりますと、「スノーリゾート売り込み他県が先行」の見出しのもと、中国では北海道と長野県に行く人が多い。新潟は宣伝にもっと力を入れて、知名度を上げてくださいと意見をされたと報じられました。 そうした厳しい御指摘も、前向きに、一つの成果として捉えますが、今回の中国訪問での成果についてお伺いするとともに、今後の新潟県の施策にどう反映し、生かしていかれるお考えなのかをお伺いいたします。 県は、新潟の魅力を県民みずからが考え、気づき、そして積極的に表現することが重要と捉え、新潟の魅力を考える懇談会を4月に開催されました。 私も、新潟県民が、この自然豊かな広い県土に加え、食の宝庫であり、東北、関東、北陸への玄関口がある多彩な文化を持つ新潟の魅力を十分に認識し、自慢に思ってもらえることの必要性を感じておりましたので、この新潟の魅力を考える懇談会に大きな期待をしておりましたが、その懇談会ではどのような意見が出されたのかお伺いするとともに、それらの意見を踏まえ、今後、県としてどのようなことに取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 県では、平成29年度から令和2年度までの5年間を計画期間とする新潟県観光立県推進行動計画を平成29年3月に策定し、行動計画の政策目標として、観光入り込み客数や外国人宿泊数などの数値目標を定めておられますが、行動計画の進捗状況については毎年度検証するとされております。 昨年度に行った検証結果がどのようなものであったのか、お伺いいたします。 平成16年から始まったにいがた酒の陣が本年も3月に開催され、公式ホームページによりますと14万1,611名の方が来場されたようであります。 県内での盛り上がりはもとより、県外からのお客様が次の観光目的を目指し、県内を回遊してもらうことで、少しでも県内での滞在時間を延ばし、さらなる県内観光に結びつけていくことが大切だと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、健康立県のお取り組みについてお伺いいたします。 健康を維持する上で、歩くということはとても有効なことであります。 近年、東京都健康長寿医療センター研究所の研究において、1日に2,000歩歩くことで寝たきりの予防に、5,000歩歩くことで認知症、心疾患、脳卒中の予防に、7,000歩歩くことでがん、動脈硬化の予防に、8,000歩歩くことで高血圧症、糖尿病の予防に効果があるということが具体的にわかってきました。 知事は、健康寿命が全国トップクラスの健康立県の実現を目指すとされて、ヘルスプロモーションプロジェクトスローガンに、運動、食生活、デンタルケア、たばこ、早期発見と早期受診、生きがいと幸福度の6項目を挙げて、県民運動に取り組むとされております。 私の住む見附市では、自家用車に頼らなくても、徒歩や公共交通を使って生活できるまちづくりを進め、住んでいるだけで健やかに、幸せになれるまち、スマートウエルネスみつけの実現のために、健康に対して関心が薄い市民でも歩きたくなるような道路整備や景観づくり、出かけていきたくなるたまり場づくり、そして筑波大学のベンチャー企業であるつくばウエルネスリサーチとの共同実験で体力年齢の若返りと医療費の抑制効果が科学的に実証された健康運動教室、さらに健幸ポイント制度の導入などに取り組んでおります。 健康で長生きすることが医療費、介護費の抑制の観点からも大変重要な政策であると考えますし、ぜひ県のお取り組みも力強く推進していただきたいと願っておりますが、今後、健康立県の実現に向けてどのようにして県民運動を推進していくおつもりなのか、具体的にお伺いをいたします。 多くの自治体において、住民の健康づくりを進める上で、運動や健康に対する無関心層へどうアプローチをしていくかといった課題がありましたが、そんな中、運動や健康診断の受診にインセンティブを与える健幸ポイント制度が住民の行動変容を促す取り組みとして効果を見せてきており、知事の目指す健康立県に向けた県民運動を先取りしたものであると考えます。 全国的にも、あるいは県内自治体でも広がりを見せているところでありますが、こうした先進的な取り組みを県内の他市町村と共有しながら、さらに横展開を推進することが知事の目指す健康立県へと向かうものと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、新潟県工業団地、産業団地についてお伺いいたします。 ふるさとへUターンされた同世代の方からのお話では、自分が働きたい職場が近くにできたことがUターンをしたきっかけになったと、その理由を挙げてお話しくださいました。 見附市にある新潟県中部産業団地の工業用地は全て完売し、企業進出率が100%となり、一昨年の平成29年6月に全区画の分譲が終了しました。まだ操業開始に至っていない企業もあるため、操業率は100%とはなっていない状況ではありますが、そんな中においても産業団地内での雇用者数は約2,800人、そのうち見附市民の雇用は約1,000人であり、その役割、効果については、地域における人口の定着といった観点からも非常に重要であり、大変ありがたく感じております。 しかしながら、地域においては工業用地の不足感があるというお話や、さらなる造成を望む声も聞こえております。 そこで、県営工業団地、産業団地全体の分譲の現在の状況をお伺いするとともに、将来的な新規造成の可能性について、知事の御所見をお伺いいたします。 以上、御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小泉議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、人口減少に対する所見とその要因分析についてでありますが、人口減少は、本県にとって極めて深刻な問題であり、一方で特効薬のない構造的な問題でもあると認識しており、歯どめがかからない状況を危機感を持って重く受けとめております。 本県では、進学や就職を契機とした若者の流出が社会減の大きな要因となっておりますが、東京圏への人口の一極集中が拡大する中で、東京へのアクセスのよい本県からの流出に拍車がかかっております。 また、こうした若者の流出が出生数の減少にもつながり、人口減少を深刻化させていると考えております。 次に、人口減少対策の今後の取り組みについてでありますが、今年度においては、起業・創業の推進や新たな事業分野へ挑戦する企業の積極的な支援などによる、若者や県外居住者にも選ばれる企業の育成・創出や、交流人口の拡大や交通ネットワークの整備による本県の魅力の向上に向けて重点的に進める施策を政策パッケージとして取りまとめ、取り組んでいるところであります。 加えて、若者の定住やU・Iターンの促進、結婚支援や子育て環境の充実、労働条件・労働環境の改善など、社会減・自然減への直接的な施策についても、より効果的なものになるよう見直しを行った上で、実施しているところであります。 人口減少が続くことに伴うさまざまな影響などについて、今後とも県全体で危機感を共有し、市町村はもちろん、各界の皆様と連携・協力しながら、県政のあらゆる分野での政策を総動員して、全力で取り組んでまいります。 次に、人口減少対策の検討における専門家の活用についてでありますが、ワーキングチームでは、必要に応じて外部有識者などにも出席をお願いすることとしており、昨年度は、人口減少問題に詳しい大学教授等に本県の実情を説明した上で意見を聴取し、今年度取り組む施策の取りまとめにつなげたところです。 今後も、議員御指摘のとおり、より効果的な施策の立案につながるよう、関係する分野の専門家などから助言を得ながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、若者の県内就職の促進に向けた企業への支援についてでありますが、若者の県内就職の促進には、若者に選ばれる働く場の創出・確保が何よりも大切であり、そのためには、十分な所得が得られ、自己実現ができる、魅力ある多様な働く場をつくり出すことが重要であると考えております。 県といたしましては、みずからの夢の実現を含め、幅広い業種での起業・創業を推進するとともに、新事業展開など意欲ある企業の挑戦を後押ししてまいります。 また、成長分野への参入や、AIやIoTなどを活用した新たなビジネス展開などを積極的に支援するとともに、働き方改革による働きやすい環境づくりを支援することで、所得水準の向上につながる県内企業の高付加価値化と、魅力的で多様な雇用の場の創出につなげてまいります。 次に、若者のニーズを捉えた企業誘致戦略についてでありますが、若者の県外流出への対応が課題となる中、若者のニーズを捉えた魅力ある企業の誘致に一層取り組む必要があると考えております。 県では、地域未来投資促進法に基づく県基本計画において、若者のニーズの高いAI、IoT等の技術を活用した第4次産業革命分野や本県のICT人材を活用した情報通信関連産業分野を初め、地域の特性を生かした成長性の高い11の産業分野をターゲットに定めています。 その上で、首都圏と短時間で結ばれ、太平洋側と同時被災しない地理的特性に加え、高度な人材を輩出する高等教育機関が多数あることなどの本県の優位性をアピールし、積極的に企業誘致を推進しているところであります。 県といたしましては、今後とも企業誘致により、十分な所得が得られ自己実現ができる、魅力ある多様な働く場の確保に努めてまいります。 次に、子ども医療費助成等交付金についてでありますが、市町村においては、従前から助成のあり方について、地域の状況に応じそれぞれ工夫をしながら、独自に取り組まれているものと認識しております。 その上で、平成28年度に実施した交付金化は、市町村の意見も踏まえ、従来の医療費助成に加えて、子育て支援にも活用できるよう使途を拡大したものであり、市町村それぞれの判断に基づいた対応を支援することを目的としております。 県としては、これにより、使途を限定しない交付金という形で、引き続き市町村の子育て世帯への支援の底上げを行っていきたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、今年度の予算編成における歳出削減についてでありますが、厳しい財政状況を踏まえ、選択と集中をこれまで以上に徹底することを基本に、シーリング等により財源の確保に努めるとともに、国庫補助金や有利な地方財政措置が見込まれる地方債を活用することにより、後年度を含む県負担を抑制するなど、今後の財政運営を見据えた対応を行ったところです。 しかしながら、年末に示された地方財政計画を踏まえ、地方交付税等の大幅な減少が見込まれる中で、県民生活への影響や行政サービスの急激な低下を避けるため、限られた時間での歳出の見直しには限界があり、不足する財源については財源対策的基金の取り崩しで対応することとしたものであります。 次に、訪中の成果と施策への反映についてでありますが、今回の訪問において、米以外の県産食品の輸入規制解除に向け、中国政府などの関係機関に対し、県産食品の安全性について説明をしたところであり、中国側の理解を深めていただく機会になったものと考えております。 今後、さらなる輸入規制緩和に向け、積極的な働きかけを政府に要望するとともに、県としても、県産食品の安全性に関する情報を的確に提供してまいりたいと考えております。 また、観光面については、北京のスキークラブ等観光関係者との間で誘客拡大に向けた意見交換を行いました。そこでの意見を踏まえ、引き続きスノーリゾート新潟の知名度向上に向けて、中国での観光商談会開催やSNSによる情報発信などに取り組んでまいります。 県といたしましては、今回の訪問の成果も踏まえ、中国との経済交流、観光交流を一層活発化させてまいります。 次に、新潟の魅力を考える懇談会についてでありますが、4月に開催した第1回目の懇談会では、委員の皆様から、新潟県のポテンシャルは非常に高いが、余り知られていないものが多い。付加価値を高めてPRする必要があるとの意見や、東京から2時間で到着し、海にもスキー場にも短時間で行ける場所はほかにない。そうしたことを県民から気づいてもらうことで外に伝えていけるようになるなど、県内外から見た新潟のイメージや魅力、課題などについてさまざまな御意見をいただいたところです。 今後、年度内に3回程度懇談会を開催するとともに、新潟ゆかりの著名人へのインタビュー内容や、新潟の魅力に関するアンケート調査結果などを県民の皆様と共有しながら、県民の皆様から新潟の魅力を主体的に考え、積極的に表現していただけるよう、県民参加型の情報発信なども検討してまいりたいと考えております。 次に、にいがた酒の陣を通じた観光振興についてでありますが、にいがた酒の陣では、首都圏からの旅行商品が大変好評であり、個人旅行者も含め宿泊地は新潟市のみならず、周辺市町村にも及んでいると聞いております。 また、当日は、新潟駅でのおもてなしイベントのほか、会場内において市町村によるブース出展など観光情報を発信しているところです。 県といたしましては、こうしたイベントを一過性の取り組みにすることなく、リピーターにつなげていくことが重要と考えており、イベントを通じた情報発信はもとより、食の魅力を中心として本県観光のブランド化を進める中で、滞在型観光につなげてまいります。 次に、健康立県の実現に向けた県民運動の推進についてでありますが、今年度から、市町村や医療、教育、産業等のさまざまな分野の関係機関と連携・協働して、新たな県民運動を創出することとし、先日、第1回のヘルスプロモーションプロジェクト推進会議を開催したところです。 今後は、推進会議等での検討を踏まえ、食生活や運動など6つのテーマで身体的・精神的・社会的健康の向上に包括的に取り組んでまいります。 これにより、生活習慣病の予防や県民の健康意識の向上を図り、健康づくりの行動変容につながるよう、県民一人一人に県民運動を浸透させてまいりたいと考えております。 次に、市町村における健康づくりの取り組みについてでありますが、議員御指摘の見附市を初め、さまざまな市町村において、健康づくりに関する先進的な取り組みが進められているところです。 県といたしましては、こうした先進的な取り組みについて、市町村と情報共有を図りながら、県民運動を進めてまいりたいと考えております。 次に、県営産業団地の分譲状況と今後の造成についてでありますが、県営産業団地の全体の利用率は、現時点で分譲及びリースの合計で80.8%となっており、分譲可能面積は68.5ヘクタールとなっております。 また、市町村も相当の分譲可能な産業団地を有しており、新潟市や長岡市など複数の市町村において、産業団地の造成計画や、個別企業のニーズに応じた事業用地確保の取り組みが進んでおります。 これらを踏まえ、県といたしましては、まずは残る県営産業団地の分譲に注力するとともに、市町村のこうした取り組みを支援してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 県内大学の魅力向上に向けた支援策についてでありますが、各大学が行う特色ある教育プログラムの開発や、地域連携等の取り組み、学生の就職支援の強化など、県内大学の魅力向上に向けた意欲的な取り組みを支援しているところです。 あわせて、県内進学を促進するためには、県内大学の魅力を発信し、認知度の向上を図ることも重要となります。 そのため、高校生や保護者を対象とした県内大学の合同進学説明会に加え、今年度は新たに、高校教員を対象とした現地説明会を実施することとしています。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えします。 人口減少対策ワーキングチームの取り組みの成果についてでありますが、副知事をトップとして、関係部局で部局横断的に議論を重ねることを通じ、社会減対策について、県内大学の認知度や魅力の向上のための修学支援強化や県内企業への就職促進のための産学連携による人材育成・定着促進などの新たな施策のほか、より本県の魅力が伝わるよう、U・Iターン希望者等の目線に立った密度の高い情報発信や交流の場の拡充などの施策の取りまとめにつなげました。 また、自然減対策についても、県庁はもとより市町村や地域で活動する団体、企業などさまざまな主体との課題意識の共有を進め、子育てを社会全体で支える体制づくりなどのさらなる推進に向け、幅広い世代に対する機運醸成の取り組みや子育て支援団体への働きかけ強化など、新規事業の創設や既存事業の再構築などを行いました。 加えて、労働条件・環境の改善など、自然減・社会減に共通する課題についても検討を行い、施策の見直しにつなげたところです。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 昨年度の企業誘致の実績についてでありますが、平成30年度に県外本社の企業が本県に立地した件数は18件で、各企業の事業計画によれば、雇用創出は全体で1,230人が見込まれます。 内訳としては、製造業等が9件で雇用創出は762人、物流業等が3件で雇用創出は85人となっております。 また、若者に人気があるIT関連分野等につきましては、人材確保等を目的とした首都圏企業の地方進出の動きを捉え、6件の誘致を実現したところであり、これによる雇用創出は383人を見込んでおります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) お答えいたします。 新潟県観光立県推進行動計画の数値目標に関する検証についてでありますが、行動計画の指標8項目のうち、外国人宿泊数などの一部は、目標の達成に向け順調に進捗しているものの、全体としましては引き続き努力が必要な状況にあると考えております。 その中でも、県総合計画の主要指標でもございます県全体の観光入り込み客数を見ますと、目標値8,000万人に対し、平成29年は、夏の天候不良による海水浴客の減などにより対前年比マイナス2.3%、7,248万人と伸び悩んでおります。 一方で、外国人宿泊数は、目標値50万人泊に対し、平成29年は約32万人泊と台湾を中心に前年から約5万人泊増加しており、官民一体による新潟-台北線等を利用したツアー客の誘致促進などの取り組みに一定の効果が出ているものと受けとめております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 郷土への愛着心を育む教育についてでありますが、県教育委員会では、小学校段階から、郷土の伝統や文化、産業を学び、将来の夢についての考えを、小・中・高と段階的に深められる、本県独自の夢ナビカルテや、本県のさまざまな産業について学ぶことのできるDVD「夢サポート」を作成し、授業での活用を図ってまいりました。 また、地域人材を活用した授業や地域でのボランティア活動、地元企業や地場産業と関連した体験活動等についても、さらに充実するよう、取り組んでまいります。 次に、県内の中学校、高校におけるキャリア教育の取り組みについてでありますが、本県では、教育振興基本計画に、郷土愛や児童生徒一人一人が社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力の育成を掲げ、地域参画型のキャリア教育に取り組んでいるところです。 現在、全ての中学校と高校では、地元企業等での職場体験学習やインターンシップを実施しているほか、専門高校では長期の企業実習等を行っています。 今後も、地域や産業界等と連携したキャリア教育を推進してまいります。 次に、家庭を築くことへの理解を深める取り組みについてでありますが、現在、小中学校では学習指導要領に基づき、家庭科や道徳の授業などにおいて、児童生徒が家族の一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築くことを学習しているところです。また、中学校では保育実習などを通して、子供が育つ環境としての家族の役割についても学習しております。今後も、これらの学習の充実に向け、学校を支援してまいります。 ○議長(岩村良一君) 小泉勝君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) お諮りいたします。 次会は、6月24日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岩村良一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明6月22日及び6月23日は休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(岩村良一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時47分散会...