平成31年 2月定例会 本会議平成31年2月27日(水曜日) 議事日程 第5号 午前10時 開議第1 第76号議案から第103号議案まで第2 請願第1号から第3号まで第3 陳情第1号及び第2号第4 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件日程第1 第76号議案 平成30年度新潟県
一般会計補正予算 第77号議案 平成30年度新潟県
県債管理特別会計補正予算 第78号議案 平成30年度新潟県
地域づくり資金貸付事業特別会計補正予算 第79号議案 平成30年度新潟県
災害救助事業特別会計補正予算 第80号議案 平成30年度新潟県
国民健康保険事業特別会計補正予算 第81号議案 平成30年度新潟県
中小企業支援資金貸付事業特別会計補正予算 第82号議案 平成30年度新潟県
林業振興資金貸付事業特別会計補正予算 第83号議案 平成30年度新潟県
沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算 第84号議案 平成30年度新潟県
有林事業特別会計補正予算 第85号議案 平成30年度新潟県
用地先行取得事業特別会計補正予算 第86号議案 平成30年度新潟県
都市開発資金事業特別会計補正予算 第87号議案 平成30年度新潟県
流域下水道事業特別会計補正予算 第88号議案 平成30年度新潟県
港湾整備事業特別会計補正予算 第89号議案 平成30年度新潟県
電気事業会計補正予算 第90号議案 平成30年度新潟県
工業用水道事業会計補正予算 第91号議案 平成30年度新潟県
工業用地造成事業会計補正予算 第92号議案 平成30年度新潟県
新潟東港臨海用地造成事業会計補正予算 第93号議案 平成30年度新潟県
病院事業会計補正予算 第94号議案 平成30年度新潟県
基幹病院事業会計補正予算 第95号議案 新潟県
固定資産評価審議会条例の一部改正について 第96号議案 新潟県県税条例及び新潟県県税条例及び新潟県特定非営利活動法人を支援する ための県税の特例に関する条例の一部を改正する条例の一部改正について 第97号議案 新潟県
看護職員修学資金貸与条例の一部改正について 第98号議案 新潟県
看護職員臨時修学資金貸与条例の一部改正について 第99号議案 新潟県
電気自動車等の普及の促進に関する条例の一部改正について 第100号議案 新潟県
地域経済牽引事業の促進のための奨励措置に関する条例の一部改正について 第101号議案 財産の取得の変更について(一般国道7
号朝日温海道路用地) 第102号議案 財産の処分について(一般国道7
号朝日温海道路用地) 第103号議案 契約の締結について(
県道新発田津川線橋りょう(白川大橋下部その2)工事請負契約)日程第2 第1号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級の実現、教職員定数の増加及び教育予算の 増額を求めることに関する請願 第2号
生活保護基準引き下げ中止を求める意見書提出に関する請願 第3号 高すぎる
国民健康保険料(税)の引き下げを求める
意見書提出等に関する請願日程第3 第1号 全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の主旨に基づいて、地方自治の根幹を 脅かす日米地位協定の見直しを求める意見書提出に関する陳情 第2号 奥山等のスギ・ヒノキ等の放置人工林を、
森林環境譲与税(仮称)を使って一定面積皆伐し、 天然林に戻すことを求めることに関する陳情日程第4 県政に対する一般質問(志田邦男君、渋谷明治君、青木太一郎君、小島義徳君、佐藤久雄君) ――
――――――☆――――――――出席議員(51名) 石坂 浩 君 斎京 四郎 君 中村 康司 君 松原 良道 君 笠原 義宗 君 高橋 直揮 君 宮崎 悦男 君 青柳 正司 君 矢野 学 君 石塚 健 君 横尾 幸秀 君 皆川 雄二 君 小林 一大 君 冨樫 一成 君 佐藤 卓之 君 楡井 辰雄 君 小島 隆 君 佐藤 純 君 桜井 甚一 君 西川 洋吉 君 岩村 良一 君 沢野 修 君 金谷 国彦 君 早川 吉秀 君 尾身 孝昭 君 柄沢 正三 君 中野 洸 君 小野 峯生 君 帆苅 謙治 君 渡辺 惇夫 君 石井 修 君 三富 佳一 君 星野伊佐夫 君 藤田 博史 君 佐藤 伸広 君 小島 晋 君 秋山三枝子 君 高倉 栄 君 上杉 知之 君 大渕 健 君 長部 登 君 小山 芳元 君 安沢 峰子 君 志田 邦男 君 渋谷 明治 君 青木太一郎 君 佐藤 浩雄 君 片野 猛 君 小島 義徳 君 佐藤 久雄 君 重川 隆広 君 ――
―――――――――――――――議員以外の出席者 知事 花角 英世 君 副知事 高井 盛雄 君 副知事 溝口 洋 君 副知事 益田 浩 君
知事政策局長 笠鳥 公一 君
総務管理部長 佐久間寛道 君 県民生活・環境部長 本間由美子 君 防災局長 熊倉 健 君 福祉保健部長 藤山 育郎 君
産業労働観光部長 橋本 一浩 君 農林水産部長 山田 治之 君 農地部長 緒方 和之 君 土木部長 中田 一男 君
交通政策局長 水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長 山田富美子 君 病院局長 岡俊 幸 君 企業局長 稲荷 善之 君 教育長 池田 幸博 君
人事委員会事務局長 関原 貢 君 警察本部長 花岡 和道 君
労働委員会事務局長 田村 定文 君
監査委員事務局長 髙橋 和已 君 ――
――――――☆――――――――
△午前10時開議
○議長(沢野修君) これより本日の会議を開きます。 ――
――――――☆――――――――
△日程第1 第76号議案から第103号議案まで
○議長(沢野修君) 日程第1、第76号議案から第103号議案までを一括して議題といたします。 提出者の説明を求めます。花角知事。 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) ただいま上程されました議案28件について、御説明申し上げます。 第76号議案は、平成30年度
一般会計補正予算でありまして、総額584億7,089万1,000円の減額補正についてお諮りいたしました。 このたびの補正予算は、道路除雪費の所要額を措置するとともに、職員給与費に係る過不足額を計上したほか、地方創生の取り組みの推進に必要な経費や、補助事業等の内定見込み、事務事業の執行見込みに基づく
過不足調整等を行うものであります。 この結果、補正後の予算規模は、1兆2,397億281万1,000円となります。 また、第77号から第94号までの各議案は、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。 次に、その他の主な条例案件等について、御説明申し上げます。 まず、第96号議案は、地方税法の改正に伴い、自家用乗用車に対する自動車税の税率の引き下げなどを行うため、第99号議案は、
電気自動車等の普及促進に向けた自動車税等の軽減措置の期間を延長するため、それぞれ、条例の所要の改正を行うものであります。 最後に、第103号議案は、契約の締結について、お諮りするものです。 以上、各議案の概要につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、各議案それぞれについて、御賛同賜りますよう、お願い申し上げます。
○議長(沢野修君) お諮りいたします。 第76号議案から第103号議案までは、審査のため、諸君のお手元に配付の議案付託表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔議案付託表は付録に
掲載〕 ――――――――☆――――――――
△日程第2 請願第1号から第3号まで
△日程第3 陳情第1号及び第2号
○議長(沢野修君) 日程第2、請願第1号から第3号まで並びに日程第3、陳情第1号及び第2号を一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第1号から第3号まで並びに陳情第1号及び第2号は、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 〔請願・陳情文書表は付録に
掲載〕 ――――――――☆――――――――
△日程第4 県政に対する一般質問
○議長(沢野修君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、志田邦男君の発言を許します。志田邦男君。 〔志田邦男君登壇〕(拍手)
◆志田邦男君 おはようございます。公明党の志田邦男です。私にとっては最後の一般質問になりますが、答弁よろしくお願いいたします。 昨年6月、花角知事が当選し、沈滞ぎみであった本県状況にあって、精力的に県勢発展に尽くしてきたことにまず敬意を表します。 そして、取り組んだ初の予算案。住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりの第一歩を踏み出す予算として、各項目厳しい財政の中、喫緊の課題である防災・減災対策等11の
政策パッケージは、いずれも我が党の要望にも合致した予算であると評価いたします。これらの予算は、今後も引き続き取り組まなければならない、まさに第一歩の踏み出しであります。 今後、県政を運営するに当たり、安定した財源の裏づけは欠かせないものであります。しかしながら、歳入の中身を見ると、懸念するのは
財源対策的基金繰入金が前年比38億円、実に39.6%の増となっていることであります。そして、
財源対策的基金残高が当初予算編成後、272億円程度に減少すると見込まれています。 これまで500億円弱程度の残高で推移してきましたが、ここに来てこれほどの減少となったことに対して大きな危機感を持っています。期待を持って船出をした花角丸ですが、これが最後の晩さんにならないようにしていかなければなりません。 既に代表質問等でも、なぜこれほど急激な財政悪化が起きたのか、これから大丈夫なのか等、心配する声が多く出されていました。これまで財政は健全ですと言ってきたことが何だったのかというのが多くの人の正直な思いですが、県としては
財源対策的基金の残高にどのような認識を持ち、対策をしていくのか伺います。 次に、厳しい財政状況、そして本県の2045年の推計人口が169万人、阿賀町は60%の減少、佐渡市は人口3万人を切る、65歳以上の高齢者が40%という深刻な人口減少への対応、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりのためには積極的な県政運営が求められています。 今、本県においても交流人口、産業振興など明るい兆しが見えていると私は思いますが、新年度予算案は県民にとって明るい、期待の持てる予算案なのかどうか、知事の思いを伺います。 次に、知事は選挙戦以来、原発再稼働に関しては住民の直接投票を含む何らかの形で県民に信を問うとしてきました。しかし、原発再稼働に関する県民投票に関して、2013年当時の泉田知事は、稼働の是非について県民が考えるための十分な情報提供ができない、さらに二者択一では民意を適切に反映できないなど意見を付し、提案しましたが、条例案は議会で否決された経緯があります。 宮城県では、2月定例会で市民団体からの直接請求を受け、
東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働の是非を問う
県民投票条例案を提出しました。村井知事は、本会議答弁で賛成または反対の選択肢では多様な民意が正しく反映できないと答弁をしています。 また、沖縄においても24日、辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票が三択で行われました。投票率52.48%、反対票が最多となり、
投票資格者総数の4分の1を超えました。 沖縄県民の声は尊重しなければなりません。しかし、世界一危険と言われる普天間基地をどうするのかという根源的な問題には触れられていない。投票しなかった約半数、そして賛成とは言えない4分の3の声を推しはかることもできません。安全保障に対する手だても示されていません。また、法的拘束力もなければ、多くの不安に対する答えを見出すことの難しさを感じています。 また、イギリスのEU離脱の国民投票も、今現在多くの混迷をもたらしております。 これらを見ると、原発のような極めて多岐にわたる問題を県民投票で判断することがよいのか、改めて考えざるを得ませんが、住民投票に対する知事の見解を伺うとともに、24日投開票された
辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う沖縄県の県民投票をどのように受けとめられたか、認識を伺います。 次に、平成28年3月に
首都圏広域地方計画が策定されました。対流がもたらす活力社会の再構築として、本県は首都圏と隣接する福島、長野、静岡とともに広域首都圏として位置づけられています。 現在、日本の行政機構として47都道府県があります。これは、明治23年に現在の形となって以来、合併、分割がないまま今日まで来ております。 現在では、交通、通信の発達で地方のあり方をどうするか、しばしば議論がなされてきました。最近も道州制の議論がありましたが、いつしか下火となっております。しかし、明治時代の体制でこれからの地方自治を考えるというのは、無理があるのは明白です。 本県は一体どこと組めばよいのか、これまでも本議会でも論議されてきました。 さて、現在の本県の置かれた状況、
東日本大震災で果たした役割等を考えると、本県はまさに日本の中央かつ首都圏の命運を握る重要な役割を持っていると思うのであります。その意味では、かつての北陸あるいは東北、信越というくくりでなく、まさに首都圏というくくりが適正ではないでしょうか。 しかし、
首都圏広域地方計画を見てみると、相変わらず首都圏は関東というくくりで、新潟等はあくまでも周辺の広域です。しかし、首都の電車は
小千谷JR発電所の電気なくしては動きません。現在休止しているとはいえ、柏崎刈羽原発の電気にも大きく依存しておりました。 ここでいう首都圏は太平洋側にしか面しておらず、
東日本大震災のときに見られたように、大災害時には機能麻痺に陥ることは明白であります。巨大ビルに例えれば、出入り口が1カ所しかない欠陥ビルです。 少なくとも東口、私はあえて東京を表玄関とは言いません。これがあるならば西口というのは必須であります。空港も新潟空港と常に一体運用されなければなりません。今の時代に旧来の関東という形での首都圏という発想は、余りにも古臭い考えです。 このようなことを考えれば、首都圏が発展、維持されるためには、日本海側の玄関口として本県の存在は必須であります。それを考えるならば、
交通インフラも一体化して整備されなければなりません。 現時点でも大規模災害時の救援などにおいて本県が首都圏を支援するとありますが、これから新潟県は首都圏の欠かすことのできない重要拠点として、広域首都圏ではなく首都圏と位置づけをして、
交通インフラ等の整備もその観点から進めるべきだと県内の有識者からも声が出ております。 県として強く首都圏新潟として位置づけるように各方面に働きかけるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 次に、県政の諸課題について質問します。 最初に、航空機産業への取り組みについてです。 新潟市における
航空機エンジン部品関連企業の集積が進み、1月からは商社機能を持つ企業が事業を開始したと承知をしています。現在、我が国の航空機産業はいまだ
サプライチェーンの構造が不十分でありますが、新潟地域に新たなティア2に位置する商社が設立されたことは、
国内航空機産業の
サプライチェーン構築として国内初の試みであり、画期的なことと認識をしています。 県北地域の
航空機内装関連企業の集積もありますが、地域の中堅企業が成長分野に先行投資を行い、新たな地域産業の基盤構築を目指すには大きなリスクもあり、総合的な支援が必要であります。 また、これらの新事業を展開するに当たり、
新潟空港活用も見込まれると思われます。 当初
予算発表資料において、新潟市と連携しながら航空機産業の振興を進めるとしていますが、今後、県内の航空機産業の発展に向けてどのように取り組むのか、知事の所見を伺います。 次に、空港民営化の動きが全国で加速しています。国土交通省は、国が管理する19空港に
原則コンセッションを拡大する方針を打ち出し、地方自治体が管理する空港にも導入を推奨すると言われています。民間の知恵と資金を活用して、空港経営の効率化や
空港インフラ活用の最大化を図るのが狙いですが、先行する空港では民営化による運営の改善効果もあらわれていると言われています。 空港の活性化や利用拡大を図るためには、空港運営の民営化も一つの手段と考えられますが、新潟空港の民営化に向けた考えについて伺います。 新潟空港の
航空路線ネットワークの充実に向けた取り組みの方向性について伺います。 知事は、就任以来、新潟空港の
路線ネットワークの拡充に精力的に動いてきました。このことについては大きく評価をしたいと思います。特に昨年3月の関西国際空港との
ピーチ・アビエーション株式会社の路線開設は、新たな利用者の開拓、飛行機をバスのように格安で利用するという私たちにとっては既成概念を破る利用法で、空の旅のイメージを変えました。 先月、私は静岡空港に行ってきましたが、静岡駅からの空港行きバスの往復ともほとんど韓国の若い旅行者でした。静岡-ソウルが5,000円。韓国の若い人たちにとっては国内旅行の感覚だそうです。新潟にとって静岡は
新幹線乗り継ぎで結構高い旅費になります。 このように新潟にとって国内においても交通の空白地域が多くあります。東北、東海、四国、山陽、山陰、南九州等であります。これら地域とLCC路線を結ぶことによって大きな利用増が見込まれるのではないかと感じましたが、知事の所見を伺います。 静岡空港では、既存の航空会社の関連企業が平成26年に
プライベートジェットの格納庫を整備し、空港の利用拡大をしています。平成29年度には、
プライベートジェット機の受け入れ実績は約300機になっています。また、新たな格納庫を整備して、首都圏と近いという点に着目し、近過ぎるという欠点を長所にしていこうとしています。 新潟空港においても、首都圏との近接性を生かして
プライベートジェットの需要を積極的に取り込むため、新潟空港における格納庫の整備は有効ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、クルーズ船について伺います。 先日、清水港を視察してきました。視察先の埠頭に面した
港湾局管理棟に行きましたが、その折、管理棟の後方に巨大なマンションが目に入りました。ところが、それは総トン数11万6,000トン、乗客定員2,700名のダイヤモンド・
プリンセス号でした。船からは次々に乗客がおり、埠頭には仮設の店舗等、多種多様の
受け入れ体制ができておりました。 清水港は、立地条件からして恵まれており、
国際旅客船拠点形成港湾に指定されて、今後も旅客施設の工事が着手されております。しかしながら、経済効果は、クルーズ船の就航は不定期であり、乗船客の宿泊は船内であること、一時的に周辺へのバス手配も大変、一時の爆買いも鎮静化するなど、地域への経済波及は限定的との声も聞かれました。 本県においては、
クルーズ船誘致で経済効果を期待し、
クルーズ船誘致推進事業を増額しています。また、クルーズ船が寄港した際の
受け入れ体制の充実も必要でありますが、
クルーズ船誘致については
受け入れ体制等も難しい状況もあり、私は必ずしもバラ色だけではないと懸念もしていますが、知事の所見を伺います。 近年、各地に行きますと、旅行者がまず手軽にその土地の歴史、味覚を楽しむ施設が整備されております。 沼津港においても、港湾そのものはさして大きくないものの、官民挙げて港の
にぎわいづくりを進めて、年間150万人以上、しかも8割が県外から来訪するようになりました。築地の場外市場のような雰囲気をつくり、御当地ならではの味覚も楽しめるほどよい雰囲気のところでした。 さて、本県はどうか。寺泊など頑張っているところもありますが、一番来訪者の多い新潟市では、本県の魅力を体験できる場所が少ないと感じております。 大きな集客力のあるにいがた酒の陣等のイベントを初め、県内外から多くの人が集まる
新潟西港万代島地区は、本県の魅力を発信する場として最適であると感じていますが、五体で港を感じるものがない、いい素材があるのに1カ所でまず楽しめるところがない、駅からも繁華街からも近い信濃川河口の景観もあるのにもったいないと指摘もされています。 新潟市とも協力して、恵まれた、充実した海の幸を初めとした食など、本県の魅力をアピールできる施設が必要であると考えますが、万代島地区の魅力向上の方向性について知事の所見を伺います。 次に、2020年冬には苗場スキー場で
アルペンスキーワールドカップが開催され、関連する経費が当初予算案にも計上されています。 本県には多くのスキー場があり、アイススケートリンクやハーフパイプなど、
冬季スポーツのインフラが整ってきております。 2022年の
北京冬季オリンピックに向けて、中国では国民に
ウインタースポーツを奨励しているとのことであります。 ちなみに、寒さの厳しい中国東北部、北欧などでは、ゲレンデが
アイスバーン状態になってスキーには向かないとの声も聞きます。まさに本県の雪、そして交通、環境は
ウインタースポーツに最適であります。
平昌オリンピックでも新潟市で練習したザギトワ、
メドベージェワ選手が金、銀を獲得しました。新潟で練習したらメダルを獲得できると声を大にしてPRしてもらいたいものです。
冬季スポーツの関心が高まる中国からのインバウンドの取り込みや、
事前キャンプ地としての取り組みを積極的に進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、本県においては、雨天のときあるいは冬期間でも大規模な
スポーツイベントを開催できる屋内施設が未整備であり、
県立アリーナ整備の要望がなされているとも承知しています。 他県においては、民間の力も活用しながら運営を行い、スポーツの舞台づくりやにぎわい創出につなげている事例もあります。 県内における大
規模スポーツイベントを開催できる屋内施設のあり方について、有識者の意見を聞く場を設けるなど、議論を深めていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、昨年末、新潟県高校野球連盟が今春の県大会限定で投手の
投球数制限導入を表明しました。 新潟県高野連、また新潟県野球協議会は、かねてから医療関係者と協力して、野球肘などの故障防止に取り組んできました。また、
プロ野球OB会とも連携して、正しい練習の仕方など、子供たちが生涯野球を楽しくできるように取り組んできました。 その結果が高校、大学野球など全国で新潟が注目を集め、弱小県との声を返上するまでになったと認識をしています。 しかし、
日本高等学校野球連盟は、この動きに対してストップをかけるなど、改革に後ろ向きの態度をとっています。 かねてより日本高野連は汗と涙のドラマを強調、また、教育界と違う古い精神指導と称するやり方で厳しく批判されてきました。一方で、大手新聞社の手足となって商業主義そのものと、子供、選手ファーストでないやり方で厳しく指弾されてきました。 その権威主義の日本高野連に対する改革の声を上げた新潟県高野連、関係者の動きは歴史的な勇気ある行動と敬意を表します。 鈴木大地スポーツ庁長官も新潟の勇気を応援したいと発言したとの報道もありましたが、本件に対する知事の所見を伺います。 次に、政府は消費税率10%への引き上げに伴う経済対策として、キャッシュレス決済時のポイント還元率を支払い代金の5%とする方針を示しています。 一方で、キャッシュレスになじみのない高齢者からは仕組みがよくわからないとか、小売業者等からは効果が不明でなかなか踏み切れないといった声も聞こえるのが現状であります。 キャッシュレスの普及は、人手不足、国際化の中で県民生活を変える大きな起爆剤になるものと認識をしていますが、多くの県民がそのメリットを享受できるよう、県も先頭に立ってキャッシュレス普及のための情報提供を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、2020年から本格的な5G導入が始まります。先日セミナーにも参加してきましたが、これまでの4Gとは全く違うシステムで、現在の4Gより100倍速く、リアルタイムでロボット重機を操作する、現行ではスマホなど数個の端末としか接続できないのが約100個の端末と接続できる等、全く新しい時代に突入すると感じました。 これは、本県の抱える農業、観光、建設、過疎地対応、遠隔医療、防災等にも画期的な局面を与えるものとして期待されます。 本格的なIoT時代を多くの県民が享受できるよう県としてどのように取り組むのか伺います。 次に、我が国に在留する外国人は近年増加しており、県内にも多くの外国人の方が働いています。新たな在留資格が創設され、4月から施行される中で、政府は外国人材の適正・円滑な受け入れの促進に向けた取り組みと、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を推進するための総合的対応策を取りまとめました。 県としても外国人との共生に向けた取り組みを総合的に進めるべきと考えますが、基本的な考え方と具体的な方策について伺います。 次に、原子力発電所について質問します。 現在、県は柏崎刈羽原発の検証を行っています。知事の任期中には原発をどうするかということが、大きな問題となると認識をしています。 しかし、目の前の再稼働の是非にかかわらず、現に原発が存在し、いずれは寿命を迎える中で、廃炉は避けて通れない重要な課題だと認識をしています。むしろ当面の再稼働云々よりも大きな問題が、寿命を終えた原発をどうするのかということと私は考えます。 原子炉の大量廃炉時代を迎えることを考えれば、技術者の確保、技術・資材の確保、廃棄物処理など多くの課題を解決する必要があります。再稼働させない、以上終わりでは廃炉を含む技術者の育成もおぼつかなくなります。 柏崎刈羽原発があるとの現実を踏まえ、長期的な視点に立って、本県に廃炉の技術開発や人材育成を行う拠点が整備されるよう、県がイニシアチブをとって国に働きかける必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、新年度予算案には国の3か年緊急対策を活用して、重要インフラの防災・減災対策推進として807億円、安全な暮らしを支えるきめ細かな公共事業の推進として195億円計上されました。 特に通常の生活はもちろん、災害時の避難に当たって道路の確保が重要と考えますが、近年、道路の陥没が社会問題となっています。本県でも出雲崎町や新潟東港で道路陥没の事例があったところであります。 路面下では各種構造物があり、また、老朽化で従来の施設の維持管理でなく、危機管理での視点が求められます。このために路面下空洞対策として、1、優先的に対策を行う路線を決める、2、路面下調査は成果物が見えない状況から、品質の高い調査を実施するということが求められます。 全国の調査事業実施に当たっては、粗雑業務が判明して指名停止になった事例もありますが、本県の路面下空洞調査の実施状況及び結果について伺います。 また、調査に当たっては、常に民間の最新の知見や技術力も活用していく必要があると考えますが、今後の調査に当たっての業者の選定手法についてもあわせて伺います。 次に、先般、千葉県で児童虐待による痛ましい事件が発生し、関係機関の対応の不備についてもさまざまな報道がなされています。次々に起こるこのような状況について心が痛む思いです。 国においても新年度から児童福祉司を870人ふやすなどの取り組みをしていますが、本県での児童虐待の相談件数と児童福祉司の配置は他県と比較してどのような現状なのか伺うとともに、今後の体制強化の考え方について伺います。 次に、連日悲惨な犯罪の発生が報道されております。被害を受けた方は、皆、生活状況等が一変し、その後の日常生活に多くの困難な問題を抱えています。その一つの性暴力被害者支援対策においては、県の支援もいただいて大きく前進をしています。しかし、それ以外の犯罪被害者に対しては、犯罪のない安全で安心なまちづくり推進計画があるものの、他県と比べても非常に不十分との指摘があります。 福岡県では、議員提案による犯罪被害者等支援条例が2018年3月に制定され、本年4月から全面施行されます。この条例は、都道府県では初めて犯罪被害者等の損害賠償請求への支援を定めた画期的なものでありますが、本県における犯罪被害者等の支援に特化した条例の制定について知事の所見を伺います。 次に、私も初当選以来取り組んできた子供の歯を守る運動について質問します。 1970年に弥彦小学校で開始されたフッ化物洗口の効果もあり、本県は今や12歳児の虫歯数が全国一少ないとの記録を更新しています。これは、本県の公衆衛生上の取り組みとして実に輝かしい成果であります。 また、フッ化物利用が子供だけでなく成人の虫歯予防にも効果があることがわかってきました。しかしながら、成人・高齢者におけるフッ化物利用は必ずしも十分ではありません。肺炎が原因で亡くなる60歳以上の高齢者のうち96%が誤嚥性肺炎であるというデータがあります。これは、歯が悪く、そしゃくできないことが大きな要因であると言われています。 歯を守る50年の歴史を評価・総括し、行政・医療が連携しながらこれからの超高齢化社会における歯科保健対策を考えることが重要でありますが、今後の課題と取り組み方針について知事の見解を伺います。 次に、子宮頸がんは年間1万人が罹患し、約2,900人が死亡しており、特に20から40歳代の若い世代での罹患の増加が著しいものとなっています。副作用問題が出てから一気にワクチン接種率が落ち、WHOなどでも日本の状況に危機感を持っています。 県としてこの状況をどのように捉えているのか、また、若い女性を守るためにワクチン接種の正しい情報提供を積極的にすべきと考えますが、見解を伺います。 最後に、風疹が5年ぶりに流行しています。患者の約8割が成人男性であり、アメリカやタイは妊婦に日本への渡航の自粛を勧告しております。先天性風疹症候群で生まれる子供もいることから、免疫のない成人男性のワクチン接種が急務であります。 本県の現状とワクチン接種への県の取り組み方針を伺います。 最後になりますが、私も6期24年間、知事を初め県職員の皆様、またこの議員諸兄の皆様、そして私の支持者の皆様、そのおかげでさまざま県会の中で県民の声を訴えさせていただきました。これからもまた新潟県が、改選時期を迎えますが、ますます発展することを祈りまして、最後の質問とさせていただきます。大変にありがとうございました。(拍手) 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 志田議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、
財源対策的基金の残高についてですが、本県は、たび重なる大規模災害の経験を踏まえ、将来の不測の事態に備えた財源確保の観点から、
財源対策的基金の残高を維持することを基本に財政運営を行ってきました。 しかしながら、2015年度から2017年度にかけて一般財源歳入総額が大幅に減少したため、2016年度から残高が減少に転じ、このまま歳入歳出改革が進まなければ、2021年度にも基金が枯渇する深刻な状況にあると受けとめております。 今後、2023年度までの期間においては、少なくとも、
財源対策的基金の残高を枯渇させないことを目標といたしますが、将来的には災害など不測の事態が生じた際にもしっかりと対応できる残高を確保してまいりたいと考えております。 そのためにも、庁内一丸となって歳入歳出改革の検討を進め、今後策定する行動計画を踏まえ、その実現に全力で取り組んでまいります。 次に、新年度予算案に対する所見についてですが、平成31年度当初予算は、県民の安全・安心の確保や、活力やにぎわいの創出など、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けた取り組みを積極的に展開するとの観点から予算案を編成いたしました。 特に力を注いでいきたい政策としてお示ししてきました、一段加速した防災・減災対策の推進、健康立県の実現、起業・創業の推進、交流人口の拡大の4つの柱については、県民の皆様にきちんと成果をお示しできるよう、部局横断的な議論を重ね、効果的な施策の立案や構築に努め、新年度予算案に盛り込んだところであります。 公約の実現に向けた重点的な取り組みを、4つの柱を含む
政策パッケージとして取りまとめたところであり、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりの第一歩を踏み出す予算になったものと考えております。 次に、県民投票により民意を確認することについてでありますが、住民の直接投票も民意を確認する一つの手法と考えられます。 原発再稼働に関して民意を確認する方法については、再稼働に関する議論も始まっていない現段階では決めておりません。 なお、沖縄県の県民投票につきましては、県議会の議決など民主的な手続を経て実施されたものであり、その結果については、一定の住民の意思があらわれているものと考えております。 次に、首都圏としての本県の
交通インフラ整備についてですが、
首都圏広域地方計画において、首都圏は、太平洋だけでなく日本海にも面していると捉え、各面の港湾機能を強化するとともに、日本海と太平洋を結ぶネットワークの強靱化を図り、積極的に二面活用を図ることとされています。 このことから、議員御指摘の、首都圏としての本県の
交通インフラ整備の理念は、本計画に盛り込まれているものと考えております。 県といたしましても、本計画の理念を踏まえ、対岸諸国との物流拠点の形成や太平洋側のリダンダンシー確保の観点から、港湾施設や道路ネットワークなどの
交通インフラの計画的な事業実施が図られるよう、国に要望してきたところです。 今後とも、首都圏と一体の区域として、その一翼を担う観点から、
交通インフラの整備を進めていただくよう、国に働きかけてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、航空機産業の発展に向けた取り組みについてですが、これまで県では、県内企業の航空機産業への参入に向け、技術の高度化や品質管理能力の向上などを支援するとともに、立地に対する補助や優遇制度を活用した誘致活動に取り組んできたところです。 また、新潟市においては、航空機産業の集積に向けたプロジェクトを推進し、国内外への展示会出展等を通じたPR活動や参画企業に対する支援等に取り組んできたものと認識しており、今後は県と市の取り組みが相互に結びつき、より高い相乗効果を発揮していくことが重要と考えております。 そのため、県といたしましては、引き続き県内企業の技術開発や人材育成支援、関連企業の立地促進や設備投資支援等に取り組むとともに、本年1月に事業を開始した企業の商社機能の有効活用等を図りながら、航空機関連企業等とのネットワークをさらに強化し、新潟市と連携しながら本県航空機関連産業全体の振興に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新潟空港の民営化についてですが、空港運営の民営化は、民間の自由な発想を生かした空港の活性化などが期待できる利点があるものと認識しております。 また、国においても、具体的な期限は示されておりませんが、原則として全ての国管理空港に空港運営の民間委託を拡大する方針を掲げているところであります。 新潟空港における導入については、現状では新潟空港は大幅な赤字であることから、民営化の方針を打ち出すには、空港全体の収益力向上が必要であると認識しております。 そのため、空港利用者の増加や空港機能の高度化など民営化に向けた取り組みについて、引き続き、新潟市や地元経済界等とともに前向きに検討を進め、実現可能性を高めてまいりたいと考えております。 次に、新潟空港と国内の地方空港とを結ぶLCCの誘致についてですが、昨年3月に本県初のLCC路線として
ピーチ・アビエーション株式会社による関西国際空港線が就航したところでありますが、利用は好調であり、新潟空港でも若い女性がふえた、あるいは関西が近くなったという声を聞いております。 また、就航を契機として、新たな2次交通の整備や、市町村間の観光における広域連携など、地域の主体的な取り組みが進められております。 このようにLCCの就航は、新たな航空需要の創出や観光振興等にもつながることから、県といたしましては、今後とも、既存路線に配慮しながら、まずは国内外のハブ空港等との接続を目指しながら、需要動向も踏まえつつ、国内の地方空港との路線開設についても取り組んでまいりたいと思います。 次に、新潟空港における
プライベートジェット用の格納庫の整備についてですが、
プライベートジェットのユーザーの中には、滞在期間中、
機体整備等のために、機材を格納庫で保管することを希望する場合があると聞いており、格納庫を整備することは、議員御指摘のとおり、首都圏との近接性からも、新潟空港が駐機先として利用されることが期待されます。 一方で、新潟空港における現時点での年間飛来数は20機に満たないことから、引き続き、
プライベートジェットの運航支援事業者へのセールス活動等に取り組みながら利用拡大を目指すとともに、格納庫の整備については、需要の動向やユーザーのニーズを見きわめながら検討してまいりたいと考えております。 次に、クルーズ船の誘致についてでありますが、地域振興や経済活性化に資するクルーズ船の県内港への誘致に向け、地元自治体などと連携して海外を含めた船社や代理店に対するセールス活動などを実施するとともに、官民が共同してクルーズ船
受け入れ体制の充実を図ってきております。こうした取り組みの成果もあり、近年の寄港数は着実に増加してきております。 クルーズ船の経済効果については、議員御指摘のとおり、宿泊は伴わないものの、クルーズ船での来訪をきっかけにして新潟のファンとなっていただくことにより、再度の新潟来訪や県産品の購入など、寄港後の経済効果も期待できるものと考えております。 県といたしましては、さらなる
クルーズ船誘致を図るため、引き続きプロモーション活動を積極的に進めるとともに、歓送迎イベントの実施や、円滑な2次交通の提供など、新潟県の特徴を生かしたおもてなしを行うなど、
受け入れ体制の一層の充実に取り組んでまいりたいと思います。 次に、
新潟西港万代島地区の魅力向上についてですが、万代島地区は新潟市の中心市街地に近接しており、朱鷺メッセやピア万代などの集客施設が立地し、多くの観光客などを集めていることから、本県の魅力を発信する重要な拠点の一つであると考えております。 現在、万代島地区のさらなるにぎわい創出を図るため、県と市協働で将来ビジョンの策定を進めており、この中で、新潟ならではの食などの魅力をアピールできる施設も検討してまいりたいと考えております。 今後、将来ビジョンの実現に向けた取り組みを進めていくことで、万代島地区のさらなる魅力向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、2022年の
北京冬季オリンピックを見据えた中国からのインバウンドの誘客等についてですが、議員御指摘のとおり、
北京冬季オリンピックに向けて、中国における
ウインタースポーツ人口の拡大が見込まれますので、官民一体によるスノーリゾート新潟の重点的なPRを展開してまいりたいと考えております。 今年度は、観光庁のモデル事業として採択されまして、中国スキークラブの招聘などを実施したほか、来月開催する日中観光トップフォーラムにおいて、冬の新潟の魅力を積極的にアピールすることとしております。 さらに、新年度におきましては、新たにスキー観光のPR動画を作成するとともに、スキークラブの招聘やスキー観光説明会など、これまでの取り組みを拡充し、中国からのインバウンド拡大を図ってまいりたいと考えております。 また、
北京冬季オリンピックにおける事前キャンプの誘致につきましては、県内には数多くの
ウインタースポーツ施設があることから、来年2月に開催されます
アルペンスキーワールドカップの機会を捉え、市町村や競技団体とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 次に、大規模な屋内スポーツ施設のあり方についてですが、現在、他県施設の状況を中心に、基礎的な情報収集・調査を行っているところであり、今年度末を目途に、これまでに収集した調査結果の取りまとめや課題整理を行ってまいります。 その結果をもとに、スポーツ関係団体等との意見交換や勉強会などを通じて議論を深めてまいりたいと考えております。 次に、高校野球における球数制限についてですが、
日本高等学校野球連盟では、新潟県高等学校野球連盟に対し、春季県大会での導入について再考を求めるとともに、来年度、有識者会議を立ち上げ、球数制限を含めた生徒の障害予防について議論することとしており、県高野連では、このことを受け、今後の対応を改めて検討すると発表したところです。 成長過程にある高校生の野球部活動での肩や肘などの故障を防ぐことは重要であり、このたびの県高野連の取り組みは、高校野球のあり方に一石を投じたものと思っています。 今後、選手を第一に考え、安全に長くプレーできる環境の構築に向け、有識者会議において、多角的に検討していただきたいと考えております。 次に、キャッシュレス普及に向けた情報提供についてですが、議員御指摘のとおり、消費税率引き上げに伴うポイント還元を契機として、キャッシュレス化のメリットを多くの県民が享受できるよう、その普及を進めることが重要と考えております。 県といたしましては、昨年10月に庁内関係課によるキャッシュレス推進ワーキングチームを立ち上げ、関係者からの情報収集を行うとともに、市町村・商工観光団体等に対するセミナーを開催したところです。 引き続き、県内におけるキャッシュレスの普及促進に向け、国、市町村及び関係機関と連携し、メリットや国の支援制度等について、広く県民に各種広報媒体の活用により周知するなど、情報提供の強化に努めてまいります。 次に、5Gの導入についてですが、2020年に本格的サービスが始まる5Gは現行の4Gに比べ、超高速、多数同時接続、超低遅延という特徴があり、議員御指摘のとおり、本県の抱える諸課題の解決に資する情報通信技術として期待されております。 県といたしましては、本格的なIoT時代のメリットを多くの県民が享受できるよう、地域の活性化・課題解決にICTを活用し、5Gの早期エリア展開につなげるとともに、引き続き、産学官連携により、5Gも含めたICTのさらなる活用について、周知、啓発、支援に取り組んでまいります。 次に、外国人との共生に向けた方針と具体的な方策についてですが、県といたしましては、新たな在留資格の創設や外国人留学生の受け入れ促進に伴い、今後増加が見込まれる外国人が安心して生活し、活躍できる社会の実現に向けて、積極的に取り組む必要があると考えており、このたびの総合計画見直し案において、多文化共生社会の実現に一層取り組む旨を反映させたところです。 具体的な方策として、まずは、国の平成30年度補正予算を活用し、外国人を対象とした生活相談等の一元的窓口である多文化共生総合相談ワンストップセンターを設置することとしております。 今後は、この窓口での相談状況も踏まえ、関係機関とも連携しながら、さらなる取り組みについて検討してまいりたいと思います。 次に、廃炉の技術開発等の拠点の本県への整備についてですが、廃炉は全国的な課題であり、既に、国の支援のもと、日本原子力研究開発機構が福井県に廃炉技術の実証拠点を設置し、産学官が連携して対応していることから、新たに本県へ設置することは難しいものと考えております。 なお、廃炉だけでなく、原子力分野全般の人材育成及び技術の維持・強化、研究開発施設の基盤整備に取り組むよう、国に対し、昨年8月には全国知事会を通じて、昨年11月には原発立地道県等で構成する原子力発電関係団体協議会を通じて、改めて要請したところであり、引き続き国に働きかけてまいります。 次に、児童虐待相談の現状等についてですが、県の児童相談所が対応した虐待相談件数は、近年、大幅に増加しており、虐待の種類別では、心理的虐待が半数以上を占めるなど、おおむね全国と同様の状況にあります。 また、児童福祉司も他県同様に国の基準に基づいて配置しており、来年度も増員を予定しております。 県といたしましては、引き続き、児童福祉司等の専門職員の増員や研修等による質の確保に努め、児童相談所の対応力の一層の向上を図るとともに、警察や市町村、学校など関係機関との連携強化を進め、児童虐待への対応体制の強化に取り組んでまいりたいと思います。 次に、犯罪被害者等の支援に特化した条例の制定についてですが、犯罪被害者やその家族等が、受けた被害を回復し、または軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう必要な支援を行うことは重要なことと認識しており、議員御指摘の福岡県を初め、既に犯罪被害者等の支援に特化した条例を制定している他県の状況等を情報収集しながら、検討していきたいと考えております。 次に、歯科保健対策の今後の課題と取り組み方針についてですが、本県においては、長年にわたり学校、歯科医師会などと連携した虫歯予防対策に地域全体で取り組み、12歳児の虫歯数は18年連続して日本一少ないなどの成果が上がっております。 一方で、歯周病のリスクが高まる働く世代においては、定期歯科健診や口腔衛生習慣の定着が十分ではなく、高齢期には多くの歯が失われていることが課題となっており、生涯を通じた切れ目のない歯科保健対策が極めて重要と考えております。 県といたしましては、健康立県の実現を目指して、市町村や医療、教育、産業等のさまざまな分野の関係機関などと連携・協働した県民運動を展開する中で、歯科保健対策にも取り組んでまいりたいと思います。 次に、子宮頸がん予防ワクチンの現状等についてですが、子宮頸がん予防ワクチンの接種については、ワクチンとの因果関係が否定できない副反応が特異的に見られたことから、国は、積極的な勧奨を差し控えております。 一方、学会等の学術団体からは、ワクチンの有効性は明らかなこと、副反応への相談・診療体制の整備が進んだことなどから、積極的な接種を推奨する見解が表明されております。 県といたしましては、法に基づく接種勧奨については、全国同一の対応とすることが適切であると考えており、現在、国において、積極的な勧奨の再開の是非について検討が進められていることから、引き続き、その状況を注視してまいりたいと思います。 なお、議員御指摘のとおり、接種希望者に対して、ワクチンに関する有効性と安全性に関する適切な情報を提供することは重要であり、県としましても、引き続き、効果的な情報発信に努めてまいりたいと思います。 〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕
◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 風疹の流行の現状と取り組み方針についてですが、平成30年の県内における風疹の報告数は12件であり、近年では平成25年の51件に次ぐ報告数となっております。また、その内訳は、成人男性が9件と全体の75%を占めており、全国と同様の傾向にあります。 議員御指摘のとおり、現在の風疹の感染拡大を防止するためには、免疫のない成人男性への対策が重要であり、国は、予防接種法を改正し、現在39歳から56歳の男性への風疹の予防接種を制度化したところです。 県としましては、この制度が円滑に実施されるよう、対象者への周知に努めるとともに、接種体制の確保等について、実施主体である市町村を支援してまいりたいと考えております。 〔土木部長中田一男君登壇〕
◎土木部長(中田一男君) お答えします。 路面下空洞調査の実施状況等についてですが、これまで、道路陥没リスクが高いと想定されている県管理道路の606キロメートルについて、路面下空洞調査を実施いたしました。その結果、路面に影響を及ぼす可能性がある箇所が81カ所存在し、全ての箇所についての対策を完了したところです。 また、路面下空洞調査の業者選定については、調査実績や路面下空洞探査車の保有状況などを確認しつつ、最新の知見や技術力を有する業者を選定してまいります。 〔志田邦男君登壇〕
◆志田邦男君 1点だけ再質問させていただきます。 まず、県民投票の件なのですが、これはまず、具体的に柏崎刈羽原発に対する県民投票云々という問題ではなくて、これまでの大きなテーマに対するいわゆる住民投票と。こういうようなことが、さまざまな選択肢、あるいはいろいろな各方面にわたる影響が大きい。そういう中で、直接民主主義、住民投票と。こういうようなことで、極めて狭い範囲でのイエス、ノーを求めると。こういうようなことが、なかなかこれはなじまないのではないかなと。 さっきも言いましたが、例えばEU離脱をどうするかとか、あるいは今回の沖縄におきましても、辺野古の反対というほうに焦点を置いた設問、あるいは今度は逆に普天間の危険性排除と。こういうような、例えばそこを明確にした設定ということであれば、これはまた、いろいろ結果が変わってきたのではないかなと、こんなふうにも思います。 しかしながら、法的拘束力がないとはいいますが、やはり県民投票の結果というのは大変重いものがございます。そのことが、今度はずっと影響、縛るといいますか、そういうようなことがずっと続きますと、その後いろいろな知見が出たとか、状況が変わったといっても、そこで、ではさらにもう一回、県民投票、住民投票をやって、それを一回変更する、こういうようなこともなかなか難しい。こういうものがあります。 そういう意味で、今、柏崎刈羽のことということではなくて、そういう極めて多様な大きな問題での県民投票というものが、一般的に適切なのかどうなのか。こういうような考え方ということで、知事にお伺いしたいのです。今ほど、やってみたらとあるのですが、やってみたらとんでもないということが、結構今までありましたので、再度答弁をお願いしたいと思います。 以上です。 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) お答えします。 今ほど志田議員がおっしゃられたとおり、一般的に、複雑な、多角的かつ多面的に考えなければならないようなテーマについて、二者択一的な住民の直接投票が適切な手法かどうかという点については、議員の御指摘も、私も十分共感できるところがあります。 したがいまして、住民投票の実施については、慎重に考えていくべき部分があると思いますが、しかし、住民投票も民意を確認する一つの手法であることは否定できないと思っておりますので、今後の住民投票の扱いについては、よくよく慎重に考えていきたいと思います。
○議長(沢野修君) 志田邦男君の質問は終わりました。 次に、渋谷明治君の発言を許します。渋谷明治君。 〔渋谷明治君登壇〕(拍手)
◆渋谷明治君 日本共産党の渋谷明治です。通告に基づいて一般質問を行います。 まず、知事の政治姿勢について伺います。 安倍内閣は、昨年10月の臨時閣議で消費税増税を決めました。菅官房長官は、その後の記者会見で、消費税増税はリーマンショックのような出来事が発生しない限り行うとする一方、最終判断はその時点での状況を見て行うとの立場を表明しております。 この間、厚生労働省の毎月勤労統計など、数々の統計で不正が発覚し、安倍首相が自慢してきたアベノミクスも偽りだったことが明らかになりました。 実際、物価変動の影響を除いた実質家計消費支出は2014年の消費税8%への増税を契機に年間25万円も落ち込んでおり、実質賃金は年10万円以上も減っていることが明らかになりました。 安倍首相が誇らしげに述べた就業者380万人増の実態は、その7割が高齢者で、年金だけでは生活できないから、残りの2割は学生で、やはり仕送りだけでは生活できないからというものです。 もはや消費税増税の根拠は総崩れです。こんな状況で増税を強行すれば、ますます消費は冷え込み、暮らしも経済も大破綻に陥ってしまうでしょう。 知事は、昨年9月定例会で消費税は本県においても貴重な財源であると肯定的な答弁をされましたが、消費税増税が及ぼす県民生活への打撃についてどのように認識しておられるのでしょうか。県民の痛みがおわかりになっているのか、お尋ねいたします。 安倍首相は、今回はいただいた消費税を全てお返しする形で対策を行うと述べ、景気対策としてキャッシュレス決済時のポイント還元を大々的に宣伝しています。 このポイント還元は、複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって実質的な負担割合が5段階にもなり、混乱と不公平をもたらすものとして非難と怨嗟の的になっています。 まちの八百屋や魚屋などからは、キャッシュレス決済に対応できない、カード会社に支払う手数料が大変、現金がすぐに入ってこなくなるといった不安が広がっています。 中小業者と県民の生活に負担と混乱を招くこのような愚策はやめるべきと考えますが、いかがでしょうか。増税分を全てお返しするのなら、最初から増税しなければいいではありませんか。知事の所見を伺います。 消費税導入から31年、消費税収の累計は397兆円にも上ります。一方、この間、大企業と富裕層への減税によって法人三税の減収は累計298兆円、所得税、住民税の減収は275兆円とされ、庶民から吸い上げた消費税は大企業減税、金持ち減税の穴埋めで消えてしまった計算です。消費税増税は、社会保障のためどころか、大企業、大金持ちのためだった。 我が党は、消費税に頼らない別の道を提案しています。富裕層の株のもうけに欧米並みの課税を行えば、1兆2,000億円の新たな財源を生み出せます。400兆円もの内部留保を抱える大企業に中小企業並みの税負担を求めれば、4兆円の財源が生み出せます。合わせて5兆2,000億円。消費税率10%への増税分は十分に確保できます。 経済的弱者ほど負担の重い消費税の増税ではなく、今こそ大企業、富裕層に応分の負担を求めていくべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、安倍首相の改憲発言について伺います。 安倍首相は、これまで現にある自衛隊を憲法第9条に書くだけ、何も変わらないなどと言ってきました。しかし、今年2月10日の自民党大会では、自衛隊の新規隊員募集に自治体の6割以上が協力を拒否している、この状況を変えよう、憲法にしっかりと自衛隊を明記して、違憲論争に終止符をなどと改憲の新たな論拠を持ち出しています。 そもそも法令では、防衛大臣は自衛官募集で資料の提出を求めることができるとしているだけで、自治体に義務はありません。にもかかわらず、適齢者名簿を自治体から強制的に召し上げて、隊員募集を行うために第9条を改憲するというのです。 危険な狙いをあけすけに語った首相の発言は、安保法制、戦争法の強行以来、自衛隊員の入隊が激減している状況のもとで、徴兵制にもつながりかねない発言として看過できないのであります。 適齢者名簿などの資料提出は、法令に沿って市町村が判断すべきものであります。 知事は、安倍首相が述べているように、全ての市町村が紙媒体で適齢者の個人情報を提供すべきと認識しておられるのでしょうか、所見を伺いたいと思います。 この問題では、石破元防衛大臣も自衛隊が違憲なので協力しないと言っている自治体を私は知らないと語っており、政府与党内からも疑問の声が上がっています。 これまでは自衛隊を憲法に書き込んでも何も変わらないと言っていたのに、今度は自治体が言うことを聞かないから、強制的に募集業務をさせるために憲法を変える。自治体に責任を転嫁して、9条改憲をごり押しするなどあってはならないと考えます。知事の所見をお伺いいたします。 次に、この24日に投開票された沖縄の
辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票結果について伺います。 結果は、投票率52.48%、反対が約43万4,000票で、実に72%と圧倒的多数になりました。玉城知事は、はっきりと民意が示されたと述べ、政府に改めて工事中止を迫る立場を表明しています。 地方自治の本旨に基づけば、国と地方自治体は対等、平等であります。沖縄県民の明確な意思表示が示された以上、国は辺野古新基地建設を断念すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、新年度県予算について質問いたします。 まず、歳入であります。 さきに述べたように、消費税増税の根拠は総崩れ。官房長官も最終判断はその時点での状況を見て行うと述べているように、消費税増税はまだ確定しているわけではありません。 しかし、県税収入では消費税増税を既定事実として前提に置き、地方消費税など37億円増を計上しており、問題ではないかと考えます。 我が党は、消費税増税反対の1点で多くの国民と力を合わせ、統一地方選挙や参議院選挙の戦いで増税を断念させるために力を尽くす決意です。 消費税増税中止は圧倒的な県民の願いだと確信していますが、仮にこうした世論と運動に安倍政権が追い詰められ、消費税増税が断念、中止された場合には、県はどのような対応をされるのでしょうか、お伺いいたします。 消費税増税に関連して、各種手数料を値上げする31もの条例改正案が提案されております。一つ一つを個別にただす余裕はありませんが、県立自然科学館や県立歴史博物館などの入館料の値上げ、新潟県民会館や新潟ユニゾンプラザ、県立環境と人間のふれあい館などの施設使用料の値上げなど、その多くが県民の負担増に直結する条例改定案となっています。 中には障害者交流センター、障害者リハビリテーションセンター、コロニーにいがた白岩の里など、社会的弱者の方々が利用する施設の使用料、手数料まで一律機械的に値上げされていることは大問題です。 これらの条例改正は、多くの県民と県内中小企業の負担増に直結する問題であり、増税の前提が崩れている以上、保留し、延期すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、既に議論されているところですが、私からも財源不足の問題について質問いたします。 新年度予算は、国に追随して投資的事業を可能な限り取り込んだために生じた財源不足を、
財源対策的基金134億円の取り崩しで賄う緊急避難的なやりくりで何とか乗り越えています。 こんな財政運営を続ければ、3年後には基金が枯渇するという見込みも示されましたが、全国より速いテンポで進む高齢化と人口減少に直面している本県の財政見通しを踏まえれば、慎重な対応が求められます。 知事は今後の財源不足にどのように対応するつもりでしょうか、所見を伺います。 歳出について順次お伺いいたします。 新年度予算の最大の特徴は、一段加速した防災・減災対策の推進として、前年度当初比237億円の大幅増、総額2,142億円もの投資的経費を計上したことです。その上、493億円もの投資事業を含む平成30年度補正予算案が可決され、総額2,635億円にも上る巨額の投資的経費となりました。 起債充当率や後年度の交付税措置などが中期的に見てお得だからなどと国の言いなりになって過大な投資的事業を取り込めば、結果として将来における県財政の大きな悪化要因になるのではありませんか。知事の所見を伺います。 防災・減災対策予算の総額確保は重要ですが、それも県内の中小建設業者と地域経済が持続して潤う、身の丈に合った予算規模であればこそ、地域の実情を踏まえた防災・減災対策を行うことができるのではないでしょうか。 単年度限りの突出した予算では、先行きの展望も見えてきません。地に足のついた予算を継続して確保することこそ求められているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。 次に、3つの検証について質問いたします。 新年度予算では、福島原発事故の3つの検証に係る経費が前年とほぼ同額で計上されたことは、再稼働ストップを求める圧倒的な県民世論の反映であり、重要です。 同時に、策定された広域避難計画の実効性を高めるためには、机上訓練や実働訓練の実施と課題の明確化などの努力は引き続き不可欠です。 避難計画の策定が義務づけられているUPZ、30キロメートル圏内の自治体に対する県の支援はそれなりに実施されているように見えますが、避難住民を受け入れる側のUPZ外の市町村からは、県は何も言ってこないとの声が聞かれます。 UPZ外にあっても避難者の受け入れのための準備、スクリーニング対策、避難所の開設と運営など、課題は山積です。それだけに、県内の全ての市町村に対して、広域避難計画の実効性を高めるための支援を強化すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、国でなければ解決できない問題について伺います。 平成27年、当時の泉田知事が国に要望していた国でなければ解決できない課題の一つに、高線量下で災害対応に当たるための労働安全衛生法や地方公務員法などの改正の問題があります。 労働安全衛生法では、年間1ミリシーベルトを超える被曝環境で労働させることは禁じられています。しかし、原子力災害では高線量下での住民避難対策や災害復旧対策が求められることから、この規定が直ちに障害となります。 住民避難のためのバス運転手、道路復旧作業を行う建設業者、そしてそれらを指揮する公務員や消防職員など、一体どうすればいいのか、法律が定まっていません。 このことについて、ことし2月8日、我が党は政府要望を行いました。この要望がその後どのように検討されているのかただしたところ、原子力規制委員会は全く検討していないとの答弁でした。国が法改正をサボタージュしているのは大問題ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、子供の医療費助成について伺います。 子ども医療費助成等交付金の枠組みは、新年度は拡充されず、少子化を反映して前年比で微減となりました。 県が昨年10月1日に取りまとめた資料を見ても、県内30市町村のうち実に21市町村では、既に通院・入院とも高校卒業までを対象として医療費助成が実施されています。湯沢町などでは、一部負担金への補助も始まっています。 県の交付金制度は小学校卒業まで拡充されてきたものの、一層の拡充を行うべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、医師確保対策について伺います。 厚生労働省がさきに発表した医師偏在の度合いを示す医師偏在指標で本県は全国46位となっており、衝撃が走りました。さらに、二次医療圏別に見ると、県央や佐渡、魚沼などの医師数は、全国に335ある二次医療圏の中で300位前後と最下位水準になっています。 平成28年12月定例会の連合委員会で、米山前知事に対して秋田県の事例を参考にお尋ねしましたが、深刻な医師不足と医師の偏在を解消するためには、県が直接医師を雇用して、不足している地域に派遣する新たな仕組みづくりを検討すべきではありませんか。花角知事の所見を伺います。 次に、国民健康保険について伺います。 高過ぎる
国民健康保険料が社会問題となり、加入者は低所得者が多いのに、保険料は他の医療保険に比べて高いという構造的問題が指摘されました。この打開のため、全国知事会も国費1兆円の投入を求めてきました。 我が党は、昨年11月、国保の改善の提言を発表し、1兆円の公費投入を提起しました。そうすれば、人頭税にも似た均等割、平等割を軽減、廃止して、協会けんぽ並みの国保料を実現することができます。 国民の4人に1人が加入し、皆保険制度の重要な柱を担うべき国民健康保険を、社会保障にふさわしい制度とするため、1兆円の国費投入を改めて強く働きかけるべきではありませんか。知事の所見を伺います。 次に、外国人観光客の誘致について伺います。 新年度予算案では、多様な地域資源を生かした交流人口の拡大と銘打って、アセアン訪日市場プロモーション事業とか、海外旅行博等出展支援事業、新潟観光ブランド情報発信強化事業など、外国人観光客誘致のための新規施策が並んでいます。しかし、外国人観光客、インバウンドの増加によって県経済と県民生活がどのように潤い、活性化するのでしょうか。基本的な問題ですが、知事の所見を伺います。 次に、交通ネットワークの整備についてお尋ねいたします。 さらなる拠点性向上、高速交通ネットワークの充実などの施策が華々しく並んでいます。しかし、大幅な人口減少と厳しい財政状況に直面するもとで、羽越新幹線とか新潟空港への軌道系アクセス乗り入れなど、巨額の財源が必要とされる新たな
交通インフラへの投資はとりわけ慎重さが必要と考えますが、知事はどのように認識しているのか伺いたいと思います。 次に、農業問題について質問します。 農業分野では、付加価値の高い農業、稲作だけに頼らない農業経営への転換、農産物の輸出拡大なども含め、意欲のある農業者への支援メニューは並んでいるようです。 しかし、国が米の価格支持政策から手を引いたために、生産費を賄えないほどの低米価と担い手の高齢化で耕作放棄に直面している圧倒的多数の家族農業に、県としてどのように光を当て、いかなる支援を行おうとしているのでしょうか。 また、中山間地域の集落と地域産業をベースとして支えてきた農業が、これ以上続けられない局面に立ち至っています。集落を支え、地域産業を支えてきた中山間地農業をこれからも維持できるよう、どのような対策を講じるおつもりか伺います。 次に、児童虐待問題についてです。 既に多くの議員が質問しておりますので、簡潔に伺います。 児童相談所の相談件数が急増するもとで、児童虐待問題の広がりが懸念されています。大事なことは、この問題に対して意欲と適性のある職員の配置と増員など、児童相談所の体制強化と相談対応能力の向上ではないかと思いますが、どのような対策を講じるおつもりなのでしょうか、伺います。 次に、教育長に伺います。 新年度予算では、県立高校の普通教室にクーラーを設置し、これまでPTAや後援会などの予算で設置・運用されてきたクーラーの維持管理費等も公費で負担することになったことは、関係者の強い要望が実ったものとして歓迎いたします。 一方で、県内では、小中学校のトイレの洋式化や、手洗いのための給湯器設置を開始する市町村も生まれています。県としても、さらに一歩進んで、県立高校のトイレの洋式化や、インフルエンザ予防のための手洗いの給湯器設置にも取り組むべきではありませんか。所見を伺います。 次に、県版給付型奨学金について伺います。 新年度は3年目を迎えますが、現場の先生方に伺うと、やはり狭き門となっているとの声があります。 国の給付型奨学金から漏れた子供たちは、専門学校や短大などに進学するケースも少なくないと聞きます。それだけに、県版給付型奨学金の基準を、4年制大学だけでなく専門学校や短大進学も対象に拡大すること、所得基準や成績基準も一層緩和するよう検討すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、人口減少対策についてお伺いいたします。 ことしの1月31日に総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告によると、本県は転出超過が6,901人で、全国3番目に多い結果となりました。歴代の知事が、県政の最重要課題に人口減少対策を挙げてきただけに、この結果を見ると、この間の対策は何だったのかと疑問に思わざるを得ません。 少子化対策モデル事業など、これまでの対策についてしっかりと検証し、評価を示す必要があるのではありませんか。その上で、効果を上げていない事業については抜本的に見直すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 質問の最後に、人口減少を食いとめるための対策について伺います。 私は、人口減少の最大の原因は、歴代の自由民主党・公明党政権の国政にあると考えます。労働者派遣法によって雇用が崩壊し、賃金が大幅に削減されました。輸入自由化によって農林水産業が破滅的打撃を受け、平成の大合併で地域が切り捨てられてきました。大企業とほんの一握りの富裕層だけが潤い、東京一極集中が加速する地方壊しが進められました。こうした歴代内閣の悪政にこそ最大の原因があり、対症療法だけでは打開できないと考えています。 今、定住人口を維持、回復させるためには、農業を含め、地域に根差した産業と良質な仕事、雇用があり、安定した賃金があり、住宅があって、若者が恋愛し、結婚し、子育てできる希望と展望の持てる社会環境をつくることこそ求められていると私は考えます。知事の所見をお伺いして、質問を終わります。(拍手) 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 渋谷議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、消費税率の引き上げが及ぼす県民生活への影響についてですが、消費税率10%への引き上げに際しては、県内の景気や県民生活への影響を十分に考慮する必要があると考えております。 この観点から、適切な施策を講じるよう、国に対して本県の要望活動に加え、全国知事会を通じた働きかけも行ってきたところであります。 次に、消費税率引き上げに伴う景気対策についてですが、需要変動の平準化等と地域経済への影響を考慮した施策が必要と考えており、ポイント還元支援は、その一つとして認識しております。 また、この事業は消費税率の引き上げ後9カ月間に限定されて行われることになっておりますので、増税分を全て還元するというものではないと考えております。 次に、富裕層や大企業に税負担の強化を求めるべきということについてですが、これに対応する所得税や法人税は景気の変動を受けやすく、また、現役世代に負担が集中するという性質を有しており、少子高齢化により費用が増大する社会保障を持続可能な制度として構築していくためには、景気変動の影響を受けにくく、国民全体で広く負担する消費税を充てることが適当であると考えております。 次に、自衛隊員募集に係る適齢者情報の提供についてですが、自衛官等の募集に関し必要となる氏名等の情報に関する資料は、自衛隊法及び自衛隊法施行令の規定により、市町村長に対し求めることができるものと解されております。 一方、市町村長に資料提出に応じる義務は課されておらず、求めに応じるか否かは、個人情報保護の観点を踏まえて、それぞれの市町村において判断されているものと承知しております。 県といたしましては、自衛隊法及び自衛隊法施行令の規定の趣旨について、引き続き市町村への周知を図ってまいります。 次に、憲法第9条の改正についてですが、憲法は、国の根幹にかかわるものであり、日本の社会・経済状況、外交的環境の変化を踏まえ、国民的議論を十分経ながら、コンセンサスをつくっていくことが不可欠であると考えております。 次に、沖縄の
辺野古米軍基地建設についてですが、我が国の安全保障に関する事項は、第一義的に政府が責任を持って取り組むべき事柄であり、十分な情報を持たない他の地方自治体が的確な判断をすることは困難であることから、コメントすることは差し控えさせていただきます。 次に、消費税率の引き上げに伴う手数料等の改定についてですが、使用料及び手数料については、受益者負担の適正化の観点から、原則として原価計算に基づいて設定しているところです。 県が行う事務に要する消耗品の購入や施設の維持管理に係る電気代などには、消費税が課されていることから、消費税率の引き上げに伴う負担増分については、受益者が適正に負担すべきであると考えております。 次に、今後の財源不足への対応についてですが、今後、持続可能で安定的な財政運営を行うためには、本県の人口動態や歳入規模に見合った歳出構造への転換を早急に進め、収支均衡を図る必要があり、これまで以上の歳入歳出改革が急務であります。 そのため、自主財源である県税収入等の財源確保に向けた歳入対策に取り組むとともに、歳出全体で選択と集中をさらに徹底していく必要があり、今後設置する財政改革推進会議を中心に、庁内一丸となって、改革の具体的な取り組みについて検討してまいります。 また、こうした改革を実現するためには、県民の皆様から県の財政状況や改革の取り組みについて十分に御理解いただく必要があることから、議会の場を含め、さまざまな機会を捉えて丁寧に説明しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、本県の投資的経費の予算規模についてですが、投資的経費の予算については、災害から県民の命と暮らしを守る防災・減災対策を一段加速するため、国の3か年緊急対策などの有利な財源を最大限活用し、将来も含めて県として行うべき事業を集中的に実施することで、中長期的な財政負担の軽減につなげていくものであり、将来の県財政を悪化させるものではないと考えております。 次に、適正な投資的経費の予算規模の継続的な確保についてですが、今年度の2月補正冒頭予算と新年度予算案における投資的経費については、自然災害が激甚化・頻発化する近年の状況を踏まえ、県民の命と暮らしを守るため、防災・減災対策を一段加速し、早期に災害発生リスクを抑えていくためのものであります。 今後、持続可能な財政運営に向けて、本県の財政状況等も踏まえ、適正な予算規模について検討していくこととしております。 次に、広域避難計画の実効性向上のための市町村に対する支援の強化についてでありますが、先般、広域避難計画案をもとに、原子力災害対応に当たる職員や全市町村が参加し、住民避難を想定した机上訓練を行いました。この経験を踏まえ、新年度には、住民の皆様や市町村等関係機関も参加する形での実働訓練を行い、そこで明らかになった課題への対応を改めて計画に反映したいと考えております。 こうしたプロセスを繰り返すことによって、広域避難計画の実効性を高めてまいりたいと考えており、その中で、引き続き市町村に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、高線量下での災害対応に関する法整備についてですが、本県や全国知事会などからの要望に対応し、国においては、平成28年3月の原子力関係閣僚会議決定及びその後の関係省庁による検討で、法整備には至らないものの、個別の民間事業者との協定締結を支援することなど基本的な考え方が示されました。 しかしながら、県としては避難計画の実効性を高めるためには、民間事業者等が原子力災害に対応する際の被曝線量限度の法制化などが必要と考えており、今後とも必要な対応を国に求めてまいります。 次に、子ども医療費助成等交付金についてですが、市町村との議論も踏まえ、今年度、県としての交付額の水準を小学校3年生相当から小学校6年生相当まで拡大したところです。 これにより、県から市町村への助成の水準は、全国的にも上位となっていることから、当分の間、この水準を維持してまいりたいと考えております。 次に、医師不足地域への医師の派遣についてですが、県では、自治医科大学卒業医師を原則県職員として採用し、県立病院に配置するだけでなく、市町村立病院等公的病院にも派遣してきております。 加えて、修学資金貸与医師を医師不足地域の病院に配置するなどの対策を講じてきております。 こうした対策により、地域医療に従事する医師を確保しながら、安心して医療を受けられる体制づくりに引き続き努めてまいります。 次に、国民健康保険への国費投入についてですが、国民健康保険を安定的に運営するために必要な支援は、投入する国費の規模も含め、制度設計者である国において検討し、必要な財源を確保すべきと考えております。 このため、国に対しては持続可能な制度の構築を要望しているところであり、引き続き働きかけてまいります。 次に、インバウンドの増加に伴う県経済の活性化などについてですが、観光は、宿泊に限らず買い物や飲食など幅広い消費行動が期待され、波及効果の裾野が広いことに加えて、外国人観光客の1人当たりの消費額は、国内観光客を大きく上回っていることから、インバウンドの増加は、関連企業の売り上げ拡大や雇用の増加につながり、県経済の成長を促すものと考えております。 また、インバウンドの増加は、地域の豊かさなどの魅力の再発見や国際相互理解が促進され、外国人の感性や見方も参考にした主体的な地域づくりの契機になるなど、県民生活の活性化にもつながるものと考えております。 次に、新たな
交通インフラへの投資に係る認識についてですが、住んでよし、訪れてよしの新潟県を築いていくためには、生活密着型の事業のみならず、将来を見据えた新たな
交通インフラへの投資など、本県の拠点性向上等に資する大型事業も必要と考えております。 一方で、こうした事業の実施に当たっては、投資効果や採算性等を十分に吟味するとともに、本県の将来の発展や県民生活の向上に資するかどうかをしっかりと検討し、その上で必要と判断したものについては、県民の皆様に丁寧にその意義等を説明し、コンセンサスを得つつ進めていくことが必要であると考えております。 次に、県給付型奨学金の見直しについてですが、国では、2020年度からの大学等の授業料減免措置の拡大と、給付型奨学金の所得基準や成績基準を見直し、対象者を拡大することや、給付額の増額など拡充の方針を示しております。 県給付型奨学金は、国の奨学金制度を補完するものであることから、新年度の募集状況など国の動向を見きわめながら、県給付型奨学金のあり方について検討していく必要があると考えております。 次に、人口減少対策の検証と見直しについてですが、人口減少は、本県にとって極めて深刻な課題であり、一方で特効薬のない構造的な問題でもあります。 人口の減少幅を縮小し、歯どめをかけるためには、議員御指摘のとおり、これまでの対策について検証しながら、より効果的な施策を積み重ねていく必要があると考えております。 このため、副知事をトップとするワーキングチームにおいて、事業の見直しや改善を行いながら、より効果的な企画立案につなげるよう議論を重ねてまいりました。 こうした議論を踏まえて、若者の定住やU・Iターンの促進、結婚支援や子育て環境の充実、労働条件・労働環境の改善などの施策について、より効果的なものになるよう見直しを行った上で、新年度予算案に計上したところです。 次に、定住人口の維持、回復に向けた取り組みについてですが、人口の減少幅を縮小し、歯どめをかけるためには、議員御指摘のとおり、若者が希望と展望を持てる社会環境づくりが重要と考えており、中長期的な観点から、県民の所得水準や暮らしやすさの向上に取り組み、若者が魅力を感じる多様な教育や就労の場、そして、安心して子供を産み育てられる環境をつくり出すことが基本であると考えております。 新年度予算案においては、付加価値の高い農林水産業の実現や地場産地のブランド確立に向けた支援などのほか、起業・創業の推進や新たな事業分野へ挑戦する企業の積極的な支援などによる、若者や県外居住者にも選ばれる企業の育成・創出などの施策を盛り込んだ上で、若者の定住の促進、結婚支援や子育て環境の充実、労働条件・労働環境の改善などの施策も、より効果的なものになるよう見直しを行ったところです。 〔
総務管理部長佐久間寛道君登壇〕
◎
総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 新年度予算の県税収入についてですが、地方税法や県税条例等による現行の税制をベースに、2019年度の経済見通しや税制改正等の影響を踏まえ見込んだところです。この中で地方消費税についても、税率を改正する法律が既に成立しており、その施行日が2019年10月1日となっていることから、それを踏まえた見込みとしています。 なお、政府も予定どおり消費税率を引き上げるとの方針を示していることから、引き上げが延期されるような仮定の対応は考えておりません。 〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕
◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 児童相談所の体制強化等についてですが、児童虐待相談の増加に対応するため、来年度、児童福祉司をさらに増員するとともに、子供の心理診断等を行う嘱託員を新たに配置し、児童相談所の体制を強化いたします。あわせて、OJTや研修による職員の資質向上に引き続き取り組み、対応力の一層の向上に努めてまいります。 〔農林水産部長山田治之君登壇〕
◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 家族農業と中山間地域の維持についてですが、本県の農家は、大半が家族単位で農業を営んでおり、家族農業は本県農業の重要な担い手となっておりますが、高齢化が進む中で、生産条件の厳しい中山間地域では、家族単位よりも集落単位で相互に協力、補完する集落営農組織の取り組みが有効であると認識しています。 県といたしましては、集落営農組織の育成を進めるとともに、新年度予算案において、農業をベースとした地域活性化に必要な人材の確保や、地域資源を活用した新規事業の立ち上げを支援することとしており、こうした取り組みが地域の皆様の誇りとなるよう、事例の周知にも努めてまいりたいと考えております。 〔教育長池田幸博君登壇〕
◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 県立高校の施設整備についてですが、県教育委員会では、安全・安心で質の高い教育環境を確保するため、耐震対策や耐久性の確保、バリアフリー化や省エネ化などの社会環境の変化等に対応した機能性の向上に取り組み、新年度予算案では普通教室へのクーラーの設置費等を計上したところです。 議員御指摘のトイレの洋式化なども含めたさまざまな設備の整備については、厳しい財政状況も踏まえて、教育面・安全面などの必要性や緊急性を勘案し、工法の工夫や修繕内容の見直しなど経費の圧縮を図りながら、整備に努めてまいります。 〔渋谷明治君登壇〕
◆渋谷明治君 時間もお昼でございますので、長い質問はやめて。ただ、県民生活にかかわる問題ですので、消費税の問題についてだけ、1点に絞ってやりたいと思います。 今、知事の答弁を聞いておりましたら、私が聞いているのと、少し合わない部分があるのではないかなというふうに思います。 知事、消費税について、この期間中に、大企業と富裕層の減税額は298兆円。それから、所得税と住民税の合計で275兆円の減税があったと。同じ期間中に、国民は三百何十兆円の消費税を。その期間中に減税をしてやったのですよ。大企業は、400兆円も内部留保をためているのですよ。このことを、一体知事は、わからないのですか。わかっているのですか。わかった上での答弁なのですか。そのことから、まず理解しているのか。私が述べたことについて、間違いなら間違いと言ってもらってもいいですが、このことをまず1つ。 それから、知事。戻すのは9カ月間だけですよと。その以降は、それはないのですよと言いました。したがって、還元はずっと続くのではなくて、それは変わらないと、こういうふうに言っているわけです。だから、そうなってきたら、私はいいのだけれども、9カ月間というのは、増税した分を戻す。そうであれば、その9カ月後に増税したらいいのではないですか、ということになりますよね。その点が、私は、やはり判断が違うのではないかと思います。私が述べているのは、増税して9カ月間戻すというのだから、だったらその後から上げたらどうですかと。 それから、もう1つ。その関連で言うならば、答弁がありましたけれども、私が言いたいのは、消費税について今述べたように、県民の生活に影響がないかのような答弁ですが、これは重大にあるというふうに思うのですが、本当に生活に影響がないと。だから、消費税増税は当然だと。 それから、国が仮に実施を見送ったときには、この予算上から見れば、税収を見込んでおり、手数料を取ることになっていますが、それはどうするのですかと聞いたら、考えていないという答弁があったようですが、これは考えてもらわなければならない。そうなったときには、そうしますという答弁がなければ、うまくないのではないですか。どうですか。 終わります。 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) お答えしたいと思います。 3点ほど御質問があったように理解しますけれども、まず1つ目は、大企業の減税等で290兆円というような各種の数字をおっしゃられましたけれども、私自身は、おっしゃられた数字等について、その数字が適切なものであるかどうかについては、承知しておりません。 2つ目に、ポイント還元等が9カ月間に限定されているというところを捉えて、愚策ではないかとの御指摘だったかと思いますけれども、私が先ほど答弁で申し上げたのは、消費税率引き上げに伴う景気対策として、特に需要変動の平準化、あるいは地域経済への影響を考慮した施策が必要だと考えており、ポイント還元については、その需要変動の平準化等に資する施策であると認識をしています。 そして、3つ目の点は、県税収入を消費税率の引き上げを前提にして見込んでいることについて、それがなくなったらどうするのだと。税制改正がなければどうなるのだという点についてですが、それはそういう事態が起きれば、その時点で改めて考える必要があると思います。
○議長(沢野修君) 渋谷明治君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。 午前11時54分 休憩 ――
――――――☆―――――――― 午後1時 開議
○副議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、青木太一郎君の発言を許します。青木太一郎君。 〔青木太一郎君登壇〕(拍手)
◆青木太一郎君 私は、第2の成人式を迎えました青木太一郎であります。 花角英世さんが昨年の6月に新潟県知事となられ、初めての予算編成となりました。新しい総合計画の基本理念である住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指した取り組みを積極的に進めるとの考えのもと、厳しい財政状況とはお聞きいたしておりましたが、非常にめり張りのきいた新年度予算が編成されたものと受けとめております。 新年度からは、知事が先頭となり、県職員一丸となって施策を実行していただけるものと大いに期待をいたしております。 私も長い政治活動の中で、人とのつながりを大切にしながら、今までさまざまなことを実行してまいりました。花角知事もこれまで培われた人脈をフル活用していただくとともに、さまざまな方々とお会いし、新たな人とのつながりをつくりながら、引き続き本県の発展のため邁進していただきたいと切望いたしております。 それでは、県政を導く花角知事への提言、箴言並びに激励を込め、額に汗して真剣に働く一般県民の立場で、一般質問をさせていただきたいと存じます。しばらくの間、御清聴、御協力を賜りますように心からお願いを申し上げます。 それでは、平成31年度当初予算編成案の柱に沿って順次質問をさせていただきます。 まず、1つ目にお聞きしたいのは健康立県の実現の柱についてであります。 私も昨年7月に満80歳を迎えることができました。旧吉田町では、80歳を第2の成人式としております。皆様の御支援、御協力のおかげで元気に政治活動を続けさせていただいております。そして、満80歳になりまして、何よりも健康で長生きすることの大切さを心から実感し、両親に敬意を表し、多くの関係者に感謝している次第であります。 さて、知事は、健康寿命が全国トップクラスの健康立県の実現を目指すとされております。そこで、本県の健康寿命の現状と課題をお伺いいたしますとともに、県民の健康づくりをさらに推進していく上で、新年度予算において、特にどのような点に重点を置いて進めていくお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。 健康寿命の延伸に向けた取り組みの一つとして、健康・医療・介護のデータ連携によるにいがた新世代ヘルスケア情報基盤を構築し、さまざまな主体と連携しながら取り組むとお聞きしております。人には知られたくない健康・医療データなども多いとは思いますが、情報基盤を構築する上で、個人情報の保護への配慮についてどのようなお考えで進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 健康立県の実現のために、新年度の新規事業に生活習慣病重症化予防ネットワーク事業として、糖尿病対策の地域ネットワークを構築とありますが、さまざまな疾病がある中で、どうして糖尿病対策を新規事業とされたのか、その理由についてお伺いをいたします。 次に、食べるためになくてはならない歯についてお伺いをいたします。 我々の健康は、言うまでもなく食べることによって支えられています。日本人の平均寿命は延びましたが、歯の寿命はそれに追いついていない状況であると考えます。歯を失う2大原因は歯周病と虫歯と言われておりますが、歯周病は糖尿病や心臓病と同じ生活習慣病の仲間に位置づけられ、健康寿命にも大きく影響を与えるものと考えます。 また、厚生労働省と日本歯科医師会により、1989年より80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという8020運動が推進されてきました。心と体の健康を保ち、豊かな毎日を送るためには、よくかんでおいしく食事ができることが大切であります。 高齢者になっても自分の歯でしっかりと食事ができることは、健康寿命の延伸にも大きな関連があると考えますが、本県における歯の健康の現状と課題をお伺いいたしますとともに、今後どのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 健康増進法の一部を改正する法律の昨年7月の公布を受け、10月に知事は、県庁行政庁舎並びに警察庁舎の17カ所全ての喫煙室を平成31年度早期に廃止すると発表されました。健康立県の実現に向けて、まず隗より始めよではありませんが、敷地内の屋外に喫煙場所を設けるほか、喫煙を希望する職員に対し禁煙治療への支援を行うなど、県庁が率先して県庁内の受動喫煙の防止に取り組まれることは、非常によいことだと考えます。 健康立県の実現には、受動喫煙対策についてもこれまで以上に取り組んでいく必要があると考えますが、新年度からは新たにどのような取り組みを行っていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 県民がいつまでも健康であるためには、適度に体を動かすスポーツを日常的に行うことを習慣づけることも有効であると考えますが、県民のスポーツ実施の現状と課題をお伺いいたしますとともに、健康づくりの推進のため、今後スポーツをどのように利用していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、健康立県に関する最後の質問となります。 平成30年10月1日現在の本県の65歳以上の人口は71万2,000人余りであり、県総人口に占める割合、すなわち高齢化率は31.9%であります。また、全国の高齢化率は28.1%であり、新潟県は全国を3.8ポイント上回っております。私の周りにも高齢者が多くなってきておりますが、皆さんまだまだ元気な方ばかりであります。 高齢者になっても生き生きと暮らしていくためには、やりがいがあって、働ける場の確保が必要と考えますが、高齢者雇用の現状と課題をお伺いいたしますとともに、今後どのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 続いて、交流人口の拡大の柱について何点か御質問をいたします。 花角知事のこれまでの知識、経験、人脈を最大限活用できる、得意とされる分野でありますので、新年度予算編成に盛り込まれた新たな施策を着実に実行され、新潟県の魅力、宝を掘り起こし、大きな成果を導いていただけるものと大いに御期待をいたしております。 さて、新聞報道によれば、昨年、2018年1月から11月にかけて新潟県内に宿泊した外国人は約32万5,000人泊であります。過去最高の人数になりました。一方、お隣の長野県では133万人泊、石川県では約85万人泊となっております。 両県と比較すると、本県にはまだまだ伸び代がたくさんあると考えますが、この現状をどのように認識され、両県を下回っている原因をどう考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、観光施策に取り組むための県の組織体制についてお伺いいたします。 先日の発表では、外国人観光客の誘致や魅力ある観光地づくり等の取り組みを強力に推進するため、新年度に観光局を部局に格上げするとのことでありますが、新体制で重点的に取り組む施策についてお伺いをいたします。 次に、地域における取り組みとその情報発信についてお伺いをいたします。 糸魚川市では、長野県白馬村と小谷村の外国人スキー客などに日本海の海の幸を楽しんでもらうため、官民で組織する実行委員会でシャトルバスを運行し、今冬で4期目を迎えたとお聞きします。このような地域で行われている取り組みを支援すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、このような地域の取り組みを広く県内に普及するとともに、旅行者へ一元的に情報発信する仕組みが必要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、国際大会を契機とした施策展開についてお伺いをいたします。 2020年2月には
アルペンスキーワールドカップ2020にいがた湯沢苗場大会、2020年7月には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。多くの外国人旅行客の来県が予想されます。これを契機に国内外に向け本県の魅力を発信し、インバウンドを中心とした交流人口の増加を図る施策を展開すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、新潟空港の活性化についてお伺いいたします。 仙台空港では、2016年7月の民営化を契機に、アクセスの強化やターミナルビルの充実が図られ、また、LCCの
ピーチ・アビエーション株式会社が拠点空港に選んだほか、台湾のLCCが新規航空路を開設いたしました。2017年の旅客数は343万人となり、当初目標の341万人を上回り、決算も当初予想の赤字から一転、最終黒字となったそうであります。 外国人観光客を中心とした空港利用者を増加させるためには、新潟空港の民営化も有効な手段であると考えますが、先ほども質問が出ておりましたが、現在、新潟空港整備推進協議会に設置されている勉強会で議論された民営化に向けた課題と、それを受けた新年度での対応についてお伺いをいたします。 昨年、国内でホンダジェットを使ったエアタクシーサービスを提供する会社が誕生し、羽田空港等ではビジネスジェットの利便性向上の取り組みが行われております。今後は、ビジネスやプライベートでの小型ジェットの利用拡大が見込まれると考えます。 新潟空港においても、このような小型ジェットの受け入れに向けた取り組みを推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、佐渡の振興についてお聞きいたします。 佐渡の振興、交流人口の拡大には、佐渡空港をいかに利活用するかが鍵と考えます。現在計画されている佐渡空港の拡張整備においては、新たな視点として、世界の富裕層の
プライベートジェットをターゲットにした
受け入れ体制の強化と駐機スペースなどの整備も検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、新潟港のおもてなし戦略についてお伺いいたします。 まず、新潟港における海外の大型クルーズ船の寄港状況の推移をお伺いいたします。 また、大型クルーズ船の誘致は、交流人口の増大、地元への経済効果につながるため、クルーズ船客のおもてなしを強化することが重要と考えますが、新年度における関係自治体と連携したクルーズ船客のおもてなし戦略についてお伺いをいたします。 交流人口の拡大に関する最後の質問として、本県の観光資源の活用についてお伺いいたします。 新潟には見るところがないとよく言われておりますが、知事のおっしゃる訪れてよしの新潟県を実現するためには、歴史的な町並みや伝統的な食文化等の古きよきものに目を向けて、観光資源として活用していく取り組みを推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 続いて、防災・減災対策の柱について何点かお伺いをいたします。 平成31年度当初予算案においては、知事が一丁目一番地とする防災・減災対策について、手厚く対応されていると認識しております。また、事業執行に当たっては、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策も活用して、集中的に実施するとのことでありますので、国と連携を密にし、新潟県民が安心・安全に暮らせるようしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 県は、昨年の12月7日に、近年の頻発・激甚化する豪雨災害を踏まえ、本県の防災・減災対策の強化に向けて、河川、砂防、治山、農地分野における豪雨による自然災害を対象としたハード対策に関して総合的かつ技術的な検討を行い、今後の本県の水害対策のあり方について御提言をいただくために、学識経験者4名から成るハード対策分野の防災・減災の新たなステージに向けた検討会議を設置されました。 1月17日には第2回のハード対策分野の検討会議が行われ、提言の骨子が示されましたが、新年度予算にどのように反映されたのか、知事の御所見をお伺いいたします。 この検討会議による提言の最終の取りまとめは、ことしの出水期前の5月ごろとお聞きしておりますが、これまでの検討会議の議論を踏まえ、今後、本県の河川整備をどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。 平成30年7月豪雨においては、多くの方々がお亡くなりになりました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、今なお仮設住宅にお住まいの被災された方々や関係者の方々に対しましても、心からお悔やみとお見舞いを申し上げる次第であります。 この豪雨では、水害の危険性を認識できず、逃げおくれが多く発生したことが課題とされております。住民に洪水の切迫感が伝わるよう、より身近な河川の水位情報を工夫して発信することが重要と考えますが、河川情報の発信に関する現状と課題についてお伺いいたしますとともに、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 また、治水ダムや砂防堰堤の整備により安全度が向上した地域では、災害に対する安全性についての期待などから、避難しない人が発生したとの課題も指摘されております。 最近では、施設能力を上回る豪雨も頻発していることから、確実な避難行動につなげるため、これまで整備してきた治水ダムや砂防堰堤の効果や機能を改めて関係住民へ理解してもらう取り組みが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、農業問題について何点かお伺いいたします。 農林水産業をめぐる国内外の環境は大きく変化しています。特に輸出入に関する環境は急速に変化しており、その対応はしっかりと取り組んでいっていただきたいと考えます。 昨年の12月にTPP11、ことしの2月に日本とEUとのEPAと、大型の経済連携協定が相次いで発効し、農産物市場の大幅な自由化が進んでおります。政府は、平成30年度補正予算及び31年度予算において、総合的なTPP等関連政策大綱に基づく政策を実施することとしておりますが、現場の農家からは不安の声もあるとお聞きいたします。 知事は、これらの経済連携協定の発効による本県農産物への影響をどのように受けとめ、どのような施策を講じられるのか、お伺いをいたします。 また、TPP11及び日本とEUとのEPAが相次いで発効したことで、対日輸出の条件が不利になったアメリカは、今後交渉が始まるとされている物品貿易協定、いわゆるTAG交渉において、農業分野での市場開放の交渉圧力を強めてくるものと予想されます。 このTAG交渉が今後妥結されることで、本県農業に大きな影響があってはならないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 国は、2019年の輸出額1兆円を目指し、輸出拡大を図っており、農林水産省が先日発表した2018年の農林水産物、食品の輸出額は、速報値ではありますが、前年比12.4%増の9,068億円となり、6年連続で過去最高を更新しております。 県も農産物輸出の拡大の目標を掲げ、さまざまな取り組みを行っておりますが、本県農産物輸出の現状をどのように受けとめ、新年度はどのような方針で取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 農林水産物の輸出をさらに拡大するためには、これまでの国や地域に加えて、新規の市場開拓などによる需要の拡大も重要と考えますが、今後の新規市場開拓に向けた県の取り組みについてお伺いをいたします。 昨年11月には、東京電力福島第一原発事故の影響で規制を受けていた中国向け新潟米輸出が規制緩和され、県内農業関係者からは中国輸出に期待する声が寄せられているところでありますが、県として、新年度、どのように中国向け輸出に取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、県政の諸課題として質問させていただきます。 まず、小学児童などに対する安全の確保についてであります。 昨年5月に新潟市西区において、小学生が殺害される痛ましい事件が発生しました。その後、国の登下校防犯プランに基づき、警察や地域住民等と連携し、通学路の緊急合同点検を行ったと聞いておりますが、点検の結果、どのような危険箇所が多かったのか、傾向をお伺いいたしますとともに、新年度から対策をどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。 いじめを理由とした重大な事案が相次いでおります。いじめを受けている子供が、周りの大人に相談できずにいる場合、電話やSNSなどを活用した相談窓口の役割が重要になってくると考えますが、現在のいじめ相談窓口に対する課題をお伺いいたしますとともに、新年度から電話・メール・SNS相談の窓口を教育委員会本庁に一元化する意図についてお伺いをいたします。 いよいよ来年、2020年7月に東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。本県でもスポーツへの関心が高まり、本県出身者の活躍も期待されております。 今後、国際大会で活躍できる選手を育成するためには、ジュニア世代からの強化活動が重要と考えますが、現在の本県ジュニア世代の競技水準に対する認識をお伺いいたしますとともに、競技力向上のため、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、気候変動適応法についてお伺いをいたします。 近年、気温の上昇、大雨の頻度の増加や農作物の品質低下、動植物の分布域の変化、熱中症リスクの増加など、気候変動の影響が全国各地で起きております。 これらの影響が今後長期にわたり拡大するおそれがあるため、国では、現在または将来予測される被害の防止・軽減等を図る気候変動への適応に、さまざまな関係者の連携・協働のもと、一丸となって取り組むことが一層重要として、気候変動適応法を昨年6月に公布し、12月に施行されました。 そこで、埼玉県などでは、地域ごとのより細かい気象データを蓄積することで、地球温暖化に対応した品種改良や気象災害などの被害軽減策の取りまとめを目指す地域気候変動適応センターの設置が進んでおります。 本県も地域の実情に応じた気候変動への対応策を検討するために、地域気候変動適応センターを設置すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、知事が新潟の魅力・新潟らしさ、新潟ブランドの再認識に向けた取り組みとして設置された新潟の魅力を考える懇談会についてお伺いをいたします。 先日、発表されました新潟の魅力を考える懇談会については、幅広い分野から委員が選ばれており、新潟の魅力についてさまざまな観点からの意見等が出されていると非常に期待しておりますが、改めて懇談会を設置する目的と、どのような成果を期待されておられるのか、知事にお伺いをいたします。 さて、本県の行財政は、まさに累卵の危うき状態といえども、苦難福門、聡明闊達なる花角知事を先頭に、関係部局長はもちろんのこと、実戦部隊にある職員ともども、あらゆる英知と総力を結集して、いのしし年にあやかって、新しい景気の兆しを呼び込む施策により、県勢の進展と県民の医療・福祉の向上を図り、我が新潟を背負う青少年の瞳がらんらんと輝くような、夢、ロマンのある子供たち、ああ、我がふるさと新潟に生まれてよかったなと、ほのぼのとした情感が生まれ来るような、そんなすばらしい、安全・安心、信頼される人づくりの実践、住んでよし、訪れてよしの新潟県実現のため、花角知事の持てる力を大いに発揮され、新・新潟県営業本部長として、戦後10代目、歴史に必ず残る名知事として大活躍されますことを御期待申し上げ、80歳に耐えて耐えて耐え抜いた豊富な経験、視点と将来の期待について、元気よく提言、箴言を申し上げつつ、御質問を終了いたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 青木議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の健康寿命の現状等と新年度の重点的取り組みについてですが、本県の健康寿命の全国順位は、男性10位、女性11位と上位にあるものの、平均寿命と健康寿命には約10年の差があり、この差を縮小することが課題であると認識しております。 県民の健康寿命を延伸し、健康立県を実現するには、生活習慣病のリスクが高まる働く世代を初め、県民一人一人がみずからの健康状態に関心を持ち、健康づくりに取り組みやすい環境を整備することが重要と考えております。 このため、新年度予算案においては、市町村や医療、教育、産業等のさまざまな分野の関係機関が連携・協働した新たな県民運動を展開するとともに、企業における健康経営の取り組みが一層充実するよう、企業への支援を強化してまいりたいと思います。 次に、にいがた新世代ヘルスケア情報基盤における個人情報保護への配慮についてですが、個人情報の保護は重要であり、取り組みを進めるに当たっては、厳重な対策が必要と認識しております。 また、現在、有識者で構成する推進委員会においても、個人情報保護を前提に構想の策定を進めているところです。 県といたしましては、推進委員会の議論や国の取り組みを踏まえ、県民や関係者の御理解を得ながら慎重に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、本県における歯の健康の現状と課題についてですが、生涯を通じて歯と口腔の健康を維持し、高齢者になっても自分の歯でしっかり食事ができることは、健康寿命の延伸に寄与するものと認識しております。 本県においては、12歳児の虫歯数が18年連続で全国一少ない一方で、子供のころのよい口腔衛生習慣が、その後、必ずしも継続できておらず、結果として高齢期には多くの歯が失われていることが課題となっております。 このため、新年度予算案において、学生や働く世代の口腔衛生習慣の定着に向け、大学や企業等を対象に歯科健診や研修等のモデル事業を行うこととしており、切れ目のない歯科保健対策を一層推進してまいりたいと考えております。 次に、スポーツを利用した健康づくりについてですが、議員御指摘のとおり、適度なスポーツの習慣は、県民の健康の維持・増進に大きな役割を果たしていると考えております。 そのため、県民の誰もが気軽にスポーツに親しみ、体力の向上や健康増進を図ることができる環境づくりに努めているところですが、本県成人の週1日以上のスポーツ実施率は、全国と比較して低い状況です。特に40代から50代までの働き盛り世代が、運動やスポーツが嫌い、仕事などで忙しいなどを理由に低い状況となっております。 県といたしましては、県民の健康づくりのため、幼児期に運動遊びを経験できる環境を整備し、将来の運動やスポーツ嫌いを減らすとともに、企業に対し、従業員のスポーツ活動をさらに奨励することで、働き盛り世代のスポーツの習慣化を促進してまいります。 次に、高齢者雇用についてですが、本県においては、65歳以上の就業者は平成27年時点で約15万人と、5年前と比較しまして約3万人増加している一方で、就業率は約2割にとどまっております。 また、高齢者の生きがいづくりだけでなく、社会を支える力を強化する観点から、健康寿命の延伸にあわせて、健康で意欲のある高齢者がやりがいを持って働ける場を確保することが課題であると考えております。 県といたしましては、労働局を初め関係機関と連携しながら、企業における継続雇用を促進するとともに、来年度から新たに、現在職についていない高齢者の新規就業の促進に取り組むなど、ライフスタイルに応じた就業機会の創出促進に取り組んでまいりたいと思います。 次に、交流人口の拡大についてお答えします。 まず、本県の外国人宿泊者数の現状と、長野県などを下回っている原因についてですが、本県には多くの魅力ある地域資源があることから、今後の伸び代は十分にあるものと認識しておりますが、現状はそれらが必ずしも外国人旅行者に向けた観光資源として生かされているとは言えません。 旅行者ニーズを的確に捉え、多様な地域資源を活用した観光の魅力づくりや情報発信をいかに進めていくかが重要な課題であるとともに、観光に携わる方々の機運醸成などの取り組みに、一層の努力が必要ではないかと考えております。 県といたしましては、新年度から観光局を部局として独立させ、部局横断的なマネジメントを図るとともに、市町村や関係団体などの力を引き出しながら、官民一体による施策を積極的に展開し、インバウンドの拡大を図ってまいります。 次に、観光局の重点施策についてですが、新年度では、本県のアピールポイントを明確に発信するため、スノーリゾート新潟の重点的なPRや、東南アジアにおける誘致対象国の拡大に向けたプロモーションの強化を図るなど、インバウンド拡大に向けた施策を推進してまいります。 また、国内誘客においては、ことし秋のデスティネーションキャンペーンも契機としながら、キラーコンテンツの創出や首都圏などをターゲットとしたストーリー性のある観光情報の発信を強化するなど、本県観光のブランド化に向けた施策を拡充してまいります。 これらの施策により、3大都市圏から地方へ広がりつつある訪日外国人の本県への誘客拡大や、本県観光のブランドイメージの向上といった成果につながるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、観光誘客における地域の取り組み支援と情報発信についてですが、県内には、議員御指摘の糸魚川シーフードシャトルバスを初め、本県を代表するイベントである大地の芸術祭など、国内外からの観光客の獲得に向けた地域主体の取り組みが進められているところです。 県といたしましては、こうした取り組みにおいてモデルとなるものを支援するとともに、旅行会社やメディアへの情報提供や海外旅行博等への出展を通じて、広く消費者にアピールすることで、観光客の増加につなげ、地域の取り組みが持続的に発展できるよう努めているところであります。 また、地域の取り組みを広く県内に普及させるため、研修会等において情報共有を図るとともに、県の多言語ホームページ等に各地の情報を取りまとめ、旅行者に発信しているところであり、引き続き、旅行者の情報入手における利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、
アルペンスキーワールドカップ2020にいがた湯沢苗場大会などを契機とした施策展開についてですが、2020年の
アルペンスキーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックは、国内外からの観光客を本県に取り込んでいく絶好の機会であることから、交流人口の増加に向けた施策を官民一体で展開してまいります。 特に、本県はスノーリゾートとして十分な魅力を持っており、2022年の
北京冬季オリンピックに向けて、スキー人口の拡大も見込まれることから、中国などをターゲットに冬の新潟の魅力を重点的に発信してまいりたいと考えております。 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、首都圏に長期滞在する外国人旅行者を想定し、本県観光情報を首都圏の宿泊施設で提供する仕組みをつくり、本県への取り込みを図ってまいりたいと考えております。 次に、新潟空港の民営化に向けた課題と新年度の対応についてですが、議員御指摘のとおり、空港運営の民営化は、民間の自由な発想を生かした空港の活性化が期待できる有効な手段であると認識しております。 県といたしましては、今年度、仙台空港など先行する他空港や国などからの情報収集に努めてきたところですが、現状では新潟空港は大幅な赤字であることから、民営化の方針を打ち出すには、空港全体の収益力向上が課題であると認識しております。 そのため、新年度においても、空港利用者の増加や空港機能の高度化など、民営化に向けた取り組みについて、引き続き、新潟市や地元経済界などとともに前向きに検討を行ってまいります。 次に、小型ジェットの受け入れに向けた取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、今後、ビジネス等の目的で利用される小型ジェットの需要の拡大が見込まれており、特に海外からの受け入れは、新潟空港の知名度向上や観光面での海外富裕層の来訪、さらに国際会議や国際イベントの誘致等につながるものと期待されております。 県といたしましては、新潟空港の
路線ネットワーク戦略2017において、空港利用者拡大・路線充実に向けた取り組みの一つとして、ビジネスジェットの受け入れ推進を掲げており、これまでも情報収集や本県のPRに取り組んできたところであります。 一方、受け入れに当たっては、専用の
受け入れ体制の整備等の課題もありますので、飛来が集中する2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会への対応も含め、今後、国や空港ビルディング株式会社等との調整を進めるとともに、引き続き、小型ジェットの運航支援事業者等に対するセールス活動に取り組んでまいります。 次に、佐渡空港拡張整備計画における
プライベートジェットの
受け入れ体制の検討についてですが、議員御指摘のとおり、
プライベートジェットの受け入れは、佐渡の交流人口の拡大にも資するものと思っております。 佐渡空港においても、その需要動向を注視しつつ、先行する他空港における施設整備などの情報を収集しながら、必要に応じて、佐渡空港拡張整備計画への反映も検討してまいりたいと考えております。 次に、新潟港におけるクルーズ船客へのおもてなし戦略についてですが、県では、新潟市・聖籠町はもとより、交通・観光事業者や観光客の受け入れが想定される広範囲の自治体等の多様な関係者で構成される新潟港クルーズ客船受入協議会とも連携し、クルーズ船の
受け入れ体制の充実に取り組んでいるところであります。 今後とも、関係自治体等と連携し、クルーズ船客の心に残る歓送迎イベントの実施や、円滑な2次交通の提供など、新潟県の特徴を生かしたおもてなしを行い、船社や乗船客の満足度を高めてまいりたいと考えております。 なお、新潟港における海外の大型クルーズ船の寄港状況については、
交通政策局長から答弁いたします。 次に、古きよきものを活用した観光振興についてですが、議員御指摘のとおり、歴史的な町並みや伝統的な食文化は、本県ならではの魅力をあらわす重要な観光コンテンツとして、観光誘客に資するものと認識しております。 このため、ことし秋のデスティネーションキャンペーンでは、日本海美食旅、ガストロノミーをテーマに、本県が誇る食文化を中心に、自然、伝統文化、歴史、暮らしなど地域に根差した観光資源もあわせ、ストーリー性を持って発信することとしております。 さらに、本県固有の歴史的景観や伝統文化は、日本らしさや新潟らしさをあらわすものとして訪日外国人の誘客にも資する観光コンテンツであり、これらを活用し、本県のブランドイメージを高める中で、国内外から多くの方が訪れる訪れてよしの新潟の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。 次に、防災・減災対策についてお答えします。 新年度予算案における防災・減災対策についてですが、検討会議の議論を踏まえ、今後、県といたしましては、人命被害や社会経済活動への深刻な被害などを回避するため、施設整備により被害発生リスクを低減させる対策や、施設能力を超える事象が発生しても被害を最小化する対策、さらに施設が持つ能力を十分発揮させる対策を組み合わせ、一段加速した防災・減災対策を推進していく必要があると考えております。 このため、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に係る支援制度を最大限に活用しながら、河川改修を初めとする治水・土砂災害対策事業などを集中的に実施することとし、さらに、豪雨時における住民の主体的な避難行動を支援するための事業を拡充するなど、ハード・ソフトの両面から防災・減災対策を推進するための事業を盛り込んだ新年度予算案としております。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、TPP11及び日欧EPAの発効による本県農業への影響と対応についてですが、県内の農産物については、牛肉、豚肉等を中心に、輸入価格の低下による国産価格への影響などが懸念されることから、国産市場の動向を注視していく必要があると考えております。 県といたしましては、新年度予算案において、国が実施する国内対策を活用するとともに、にいがた和牛のブランド力強化や酪農の生産性向上のための支援策を講じるなど、畜産経営の基盤強化を図ってまいりたいと考えております。 次に、TAG交渉に関する所見についてですが、TAG交渉については、日米共同声明において、日本の農林水産品は、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であるとしています。 このため、政府においてはこの前提に基づき、重要品目を初め、農林水産物等に対する必要な国境措置を確保していただきたいと考えております。 県といたしましては、これまでも国に対し、TAGを初め、その他のいかなる国際貿易交渉にあっても、国内の農林水産業が将来にわたって持続的に発展していけるよう、万全な対応を要望してきたところであり、今後とも必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。 次に、農産物輸出の現状と新年度の対応方針についてですが、本県の農産物輸出は、香港、シンガポール等への米輸出が増加してきたことにより、平成29年度の輸出額は7億9,000万円、前年度比1.4倍と順調に拡大してきております。 また、輸出用米の生産に関しては、前年度比1.3倍に拡大したものの、他県の伸びが著しいことから、さらなる拡大に向けた取り組みが必要と考えております。 県といたしましては、東南アジアにおいて新たな販路開拓を図るため、流通事業者と連携した総合的なプロモーションを展開するとともに、産地交付金を活用しながら、現地が求める値ごろ感のある米の生産拡大にも取り組んでまいります。 次に、中国向け輸出についてですが、このたびの輸出再開まで8年が経過しており、中国国内での新潟米に関する認知度の低下が懸念されることから、まずは、流通事業者や輸出事業者などを通じて現地の状況を確認しながら、効果的な情報発信につながる取り組みを実施してまいりたいと考えております。 あわせて、米以外の本県産食品についても、政府与党と連携し、中国の政府当局や関連団体への情報提供を行うなど、働きかけを継続することにより、県産食品全体の輸出再開を目指してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、通学路の安全対策についてですが、昨年、市町村教育委員会等が行った通学路の緊急合同点検の結果では、子供が1人になったときに周囲の目が少ない、周囲から見えにくく、連れ込まれやすい場所があるなどの報告が多く、必要な対策として、防犯カメラの設置やボランティアによる見守りの強化が挙げられています。 新年度予算案では、新たに自治会や市町村が通学路等に設置する防犯カメラの費用の一部を支援するとともに、効果的な見守り活動事例の紹介や、日常業務をしながら子供を見守るながら見守りの推進など、地域の見守り活動を支援するための取り組みを実施したいと考えております。 加えて、学校等に対し児童生徒の安全確保に関する助言を行うスクールサポーターの増員や、安全マップづくり等を通じた児童生徒の危機回避能力の向上を図るモデル事業も実施するなど、通学路の安全確保に向けて、関係機関が連携して取り組みを進めてまいります。 次に、ジュニア世代の競技力向上についてですが、議員御指摘のとおり、国際大会等で活躍できる選手の育成は、ジュニア期からの強化活動が重要であると認識しております。 そのため、競技団体による一貫したジュニア選手の強化活動を支援し、競技水準の向上に取り組むとともに、国際大会で活躍するジュニア選手の活動を個別に支援しているところであります。 しかしながら、近年、指導者不足や少子化による競技人口の減少などの要因により、ジュニア選手の育成・強化が結実せず、国際大会等に出場するジュニア選手が減少傾向にあります。 そのため、長期的な展望のもと、指導者を養成していくとともに、対象を小学生まで拡大するなど、スポーツ関係団体や大学などと連携を図りながら、次世代のジュニア選手の育成・強化に取り組んでまいります。 次に、地域気候変動適応センターの設置についてですが、近年、全国各地で大規模な水害等の自然災害が多発しており、県内においても、昨年の夏には40度を超える気温が観測されるなど、気候変動の影響が顕在化しています。 気候変動の影響は、自然災害、農林水産業、自然生態系や健康など、さまざまな分野に及ぶものであり、これらの被害の防止、軽減を図っていく必要があると認識しています。 県では、新年度から保健環境科学研究所に地域気候変動適応センターを設置することとし、準備を進めているところです。 この適応センターにおいて、本県の気候変動の現状及び将来への影響について、最新の知見を収集し、調査・研究等を行い、さらなる気候変動適応の取り組みを検討してまいります。 次に、新潟の魅力を考える懇談会についてですが、本県には、多様で魅力的な地域資源があるにもかかわらず、県外の方々はもとより、県民の皆様にも共有されていないことが、新潟の魅力を十分伝え切れていないことにつながっていると考えております。 そのため、県民の皆様が新潟の魅力を改めて考え、気づき、そして積極的に表現していただける環境づくりに取り組みたいと考えており、その一環として、専門的な観点から御意見等をいただく懇談会を設けることとしたものです。 懇談会では、新潟の魅力・新潟らしさについて、県内外から見た現状の分析や再認識に向けた課題、情報発信の手法などについて御意見をいただく予定であり、そうした内容を県民の皆様と共有することで、新潟の魅力に気づいてもらい、さらに周りの人にも伝えてもらう、そのような動きにつながることを期待しております。 〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕
◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 新年度の糖尿病対策についてですが、平成28年の国の調査では、糖尿病が強く疑われる20歳以上の者は全国で約1,000万人、本県の人口規模に当てはめると約23万人にも上ると推計されます。 また、糖尿病は重症化すると失明や透析治療に至るおそれがあるため、患者本人や家族の生活に大きな支障を来すのみならず、多額の医療費を要するなど社会的にも大きな負担となることから、早期発見・早期介入により医療につなげ、重症化を予防することが健康立県の実現において極めて重要であると認識しております。 このため、新年度予算案においては、医療機関、医療保険者や行政等の連携に向けた体制を構築するなどして、糖尿病の重症化予防対策を展開してまいりたいと考えております。 次に、受動喫煙対策についてですが、望まない受動喫煙をなくすことを目的として、昨年7月、健康増進法が改正されました。 学校、児童福祉施設、病院、診療所、行政機関の庁舎等の敷地内禁煙がことし7月から、事業所等その他の施設の屋内禁煙が来年4月からと段階的に施行されます。 県といたしましては、県庁舎内の喫煙室を廃止するほか、県管理以外の各施設等においても適切な措置が確実に行われるよう、県民、事業者等への周知に取り組み、受動喫煙のない社会の実現を目指してまいります。 〔農林水産部長山田治之君登壇〕
◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 農林水産物輸出における新規市場開拓に向けた取り組みについてですが、県では、これまで本県の主要輸出品目である米を中心に、業務需要を主なターゲットとして、現地飲食店等とのマッチングやバイヤーの招聘などの取り組みを行ってきたところです。 今後につきましては、東南アジアにおいて新たな販路開拓を図るため、これまでの取り組みに加えて、現地に店舗を有する流通事業者と連携し、事業者が有する物流ルートや仕入れに係るネットワークを活用することにより、より効果的に販路開拓を図ってまいりたいと考えております。 〔土木部長中田一男君登壇〕
◎土木部長(中田一男君) 3点お答えいたします。 本県における今後の河川整備の進め方についてですが、ハード対策分野の防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議の議論を踏まえ、人命被害・社会経済活動への深刻な被害を回避する河道拡幅や、洪水が堤防を越えても被害を最小化する堤防強化、河道が本来持つ洪水の流下能力を十分に発揮させるための堆積土砂の撤去など、各対策を組み合わせ、県民生活の安全・安心の確保に向けて一段加速した治水対策を推進してまいりたいと考えております。 次に、河川情報の発信についてですが、平成30年7月豪雨などを踏まえ、河川監視体制の強化、水害危険性の周知が課題であると認識しております。 本県では、水位計を160カ所に、カメラを11カ所に設置しておりますが、さらに、河川監視体制の強化として、危機管理型水位計の設置を推進しているところであり、今年度から3カ年で約180カ所に設置することとしております。あわせて、簡易型カメラの導入により、河川画像と水位情報を一体的に提供することで危険性が伝わるよう工夫してまいります。 これらにより、よりきめ細かく河川の状況を把握し、県防災情報システムで的確に情報発信し、市町村の避難情報発令や住民の確実な避難行動に結びつくよう努めてまいります。 次に、治水ダムや砂防堰堤の住民理解への取り組みについてですが、県では、これまで施設の見学会や数々のイベントの開催、さらにホームページやパンフレットなどを通じて、施設の仕組みや効果事例を広く紹介してきたところです。 しかしながら、平成30年7月豪雨などを踏まえ、施設能力を上回る異常な豪雨は必ず発生することも、関係住民の皆様から理解していただくことが必要であると考えております。 このため、これらの施設の効果や機能に関する情報に加え、主体的な避難行動につながるような効果的な情報の発信に努めてまいります。 〔
交通政策局長水口幸司君登壇〕
◎
交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 新潟港における海外の大型クルーズ船の寄港状況についてですが、新潟港へのクルーズ船は、大型船を東港に、中小型船を西港に誘致する取り組みを進めております。 東港への大型クルーズ船寄港は、2016年は1回、2017年と2018年は各2回でしたが、大型船の受け入れに対応するため、施設整備等を行ったこともあり、回数は徐々に増加し、ことし以降については、現時点において、2019年は3回、2020年は4回の寄港予約が入っております。 〔教育長池田幸博君登壇〕
◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 相談窓口の課題、一元化の意図についてですが、このたびの総点検や相談実績などにより、相談窓口の周知が不十分でわかりにくいことや、各相談の活用状況に差があること、また、SNS相談の利用時間が生徒のニーズに合っていないなどの課題が明らかになったところです。 そのため、分散していた相談窓口を生徒指導課に一本化するとともに、より専門的な対応ができるよう、同課に指導主事をいじめ相談担当として配置したほか、SNS相談の開設時間を中高生の生活実態に合わせ、延長することといたしました。 さらに、現在、いじめを発見した生徒が県教育委員会に直接通報できるシステムの整備を進めており、今後とも悩みを抱えた子供や保護者が安心して相談できるよう、学校での取り組みとともに、いじめ等に関する相談体制の充実に努めてまいります。
○副議長(岩村良一君) 青木太一郎君の質問は終わりました。 次に、小島義徳君の発言を許します。小島義徳君。 〔小島義徳君登壇〕(拍手)
◆小島義徳君 小島義徳でございます。 本定例会の新年度予算案は、花角知事のきょうまでの豊富な経験と実績に基づく手腕に対して、県民が期待と関心を寄せて注目する予算であり、議会であると感じております。県財政を取り巻く環境は依然厳しく、予断を許しませんが、限られた予算を原資に有効な施策をと全庁挙げて編成されたものと思います。私も前向きに捉えて幾つか質問をさせていただきます。 知事は、最優先に、安全に安心して暮らせる新潟と述べられておりますが、まずは、防災・減災対策の加速について伺います。 国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策は、3年間でおおむね7兆円規模をめどとして防災・減災対策を加速することとされており、本県においても対策が進むことを期待していますが、本県における3年間の全体の投資事業規模の見込みについて知事の所見を伺います。 また、新年度予算案では、本年度補正予算と一体として、国の3か年緊急対策を活用して集中的に投資事業を行うこととされていますが、本年度補正予算及び新年度予算において、国の対策に応じた投資事業の規模について伺うとともに、どのような観点で編成したのか、知事の所見を伺います。 新潟地震や中越地震、中越沖地震、羽越水害や7.13水害、新潟・福島豪雨災害等を初めとする幾多の激甚災害を乗り越えてきましたが、それでもなお防災や備えが必要な危険箇所が数多く存在しているものと思います。 まずは、河川の氾濫を防ぎ、人命や財産を守るため、河道拡幅や河床掘削、堤防強化を加速すべきと考えますが、国の3か年緊急対策を活用し、補正予算と一体となった新年度の事業実施箇所数や延長は、平成30年度当初予算と比較してどの程度増加するのか伺います。 次に、土砂崩れや流木などの土砂災害に対応する砂防堰堤の整備を加速すべきと考えますが、国の3か年緊急対策を活用し、補正予算と一体となった新年度の事業実施箇所数は、平成30年度当初予算と比較してどの程度増加するのか伺います。 あわせて、落石などによる土砂災害に対応した道路のり面等の対策と、道路の冠水等を防ぐ排水施設の補修等は、災害時の避難路確保に有効であり、早急に対策を講じるべきと考えますが、国の3か年緊急対策を活用し、補正予算と一体となった新年度の事業実施箇所数は、平成30年度当初予算と比較してどの程度増加するのか伺います。 土木分野のみならず、農地分野においてもため池等の安全対策が求められます。 被災時に下流への影響が大きい農業用ため池や、農業用排水の機能を確保するための農業水利施設の改修等を加速すべきと考えますが、国の3か年緊急対策を活用し、補正予算と一体となった新年度の事業実施箇所数や延長は、平成30年度当初予算と比較してどの程度増加するのか伺います。 有利な国の制度があるうちに、整備を必要とする箇所を前倒しして完備してしまうことで、以降発生し得る災害から人命や県民の財産を守るために整備することは大変重要なことです。この期間の建設事業量も建設業界から見てもかなり豊富な量と考えますが、期間終了以降の事業量の規模も懸念されます。 国の3か年緊急対策が終了した後、投資事業の規模は通常の規模となるのかお伺いするとともに、急激な変動が生じないよう配慮が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 有利な財政措置を活用して投資事業を前倒しすることが、どのように財政上有利なのか、県民はよくわからないと思いますので、伺います。 国の3か年緊急対策による有利な財政措置を活用して、投資事業を編成したとのことでありますが、通常どおり編成した場合と比較して、どの程度財政的に有利となったのか、一般公共事業、県単公共事業それぞれについて伺います。 県内経済を元気にしようと県も施策展開に汗をかき、ようやく県税収入も増収となったと思えば、地方交付税が減額される。地道な努力もむなしく感じます。しかし、そもそも交付税制度の仕組みなので、いたし方ありません。 そこで、企業局が取り組む電気事業収益は、収益が発生しても地方交付税の基準財政収入額に算定されないため、交付税に影響しない純粋な県の財源ということになります。 今後も必要性が高い防災・減災対策を初めとする各施策を推進するに当たっては、財源の確保が重要でありますが、県税収入等がふえても地方交付税が減少してしまうことから、地方交付税の額に影響しない地域振興積立金のような県が独自に活用できる財源をふやしていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、インバウンドについて伺います。 国はインバウンドに精力的に力を入れ、勢いよく訪日外国人観光客がふえてきています。 昨年9月に新潟県議会東アジア等訪問団で在香港日本国総領事館に伺い、大使兼総領事である松田邦紀さんから話を聞きました。松田大使によると、過去13年間連続で香港が日本にとって最大の食の輸出先で、第2位のアメリカの約2倍近く購入しています。 740万人しかいない香港が、なぜこれだけ日本のものを買ってくださるのかというと、ここには秘密があります。東京都の半分の面積である香港には、740万人が住んでいます。このまちに中国を初め世界中から何と1年間に約6,000万人が来ます。 ちなみに、日本では、昨年1年間に約3,000万人近くの人が来日し、もう既にホテルが足りない、あれが足りない、これが足りないとなっています。 香港の場合は、1年間に約6,000万人の人が旅行、観光、ビジネス、買い物、留学で来ても、とりあえずそれを賄うだけのホテルとレストランがあります。この6,000万人が事実上、香港のマーケットの一部となっています。 また、マカオの場合には、日本でいうと杉並区よりも小さいところに70万くらいの人が住んでいるのですが、何とそこに年間3,000万人の人が訪れますとのことでした。 香港と新潟県を単純に比較はできませんが、新潟県もおくればせながら県内誘客に力を入れてきており、期待される観光施策は、今後の県の活力につながる重要な施策であると考えます。 そこで、県内のインバウンドについてお尋ねをいたします。 新年度予算において、インバウンドを初めとした交流人口の拡大に力を入れることとしておりますが、外国人観光客の誘致に向け、これまで行ってきたプロモーションの対象国と内容を伺うとともに、今後どのように取り組むこととするのか、知事の所見を伺います。 今後、県内訪日外国人観光客数がふえる見込みとなっているようですが、外国人観光客数の増加による問題や課題も見えてくるものと思い、お尋ねします。 今後、外国人観光客の増加に対応するためには、ハード・ソフト面での
受け入れ体制のより一層の強化が必要と考えますが、現状における課題をどのように認識しているのか伺うとともに、その解決に向けてどのように取り組もうとしているのか、知事の所見を伺います。 先ほどの在香港日本国総領事館の松田大使によれば、香港の人口は740万人で、大体、埼玉県と同じくらいです。この740万のうち香港の旅券を持っている人が一昨年は223万人なので、単純に言っても3人に1人くらいは来日しているということになります。 実際には、日本に来る世界の人たちの中で、香港人がリピーター率第1位です。それから、日本に来る外国のお客様の中で、1日に落とす1人当たりのお金が一番多いのは香港人だそうです。それから、国内でレンタカーを使って最も広範囲に移動するのも香港人となっているそうです。 したがって、香港人が個人客の率で一番高く、この223万人のうち90%は個人客として来ており、空港をおりてからレンタカーを借りて国内のどこかに観光しているということになっているそうです。 現在、本県を訪れる外国人観光客は、どういった特徴を持つ地域に集中しているのかを伺うとともに、今後どのような傾向になると見込んでいるのか、所見を伺います。 県内で外国人観光客が一番多く訪れる先は、苗場を初めとするスキー場となっているようですが、外国人観光客が一部の観光地に集中する傾向にあると思います。 インバウンド需要を外国人観光客が集中する地域から周辺の県内各地域に広げるためには、市町村間の連携や県のリーダーシップが重要と考えますが、どのような取り組みが必要であると考えるのか、知事の所見を伺います。 よく地方の田舎で、この地域の観光スポットはどこですかと地元住民に尋ねると、ここは田舎だから、何もないとすっぱり言い切る住民がいます。 有名な名所旧跡や都会にあるレジャーランドのようなものだけが観光のスポットだと誤解しているか、毎日見ている風光明媚な自然景観や地方の町並み、小規模ながら地域に受け継がれている伝統文化、人々の営みなども、外国人観光客や都会の人から見ると魅力的で興味深い観光スポットとなっていたり、潜在性を持つところはたくさんあるはずです。 地元の魅力に気づかない住民は、毎日見ているものには興味や価値を感じない傾向が見られ、よその地域にあって地元にはなく、自分が見たいものが、観光客も見たいと思っていると思い込んでいる。自分の欲するものや場所が自分の地域にないということで、ここは田舎だから、何もないという言葉につながってしまうのではないでしょうか。 本県の魅力を海外に発信するためには、まず地域みずからがみずからの持つ魅力に気づくことが大切ですが、魅力自体が日常生活の中に溶け込んでおり、気づきにくい状況にあります。気づきを与えるきっかけづくりとともに、気づいた魅力を活用した訪日外国人観光客誘致の挑戦を後押しすることが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 小さくても、自分たちが住んでいる地域の魅力に気づき、育て、誇りと自信を持って人に自慢できることが、観光客から訪れてもらうために必要な基本ではないでしょうか。どんどん県内で自慢できるポイントをふやして発信していっていただきたいと思います。 次に、医療問題についてお尋ねします。 五泉市では、現在、民間病院である医療法人社団真仁会が、県からも厚い支援をいただき、南部郷総合病院と北日本脳神経外科病院を統合し、新たな五泉中央病院の建設を進めております。ほかにさくら福祉保健事務組合の南部郷厚生病院も真仁会が病院運営を行っております。 五泉市は、開業医を除く全ての病院は民間である医療法人社団真仁会が運営を行っており、五泉の地域医療には開業医を初め真仁会がなくてはならない存在となっております。 二次医療圏域内における医療機関は地域間で隔たりがあり、住民が受けられる医療サービスに格差が生じていると考えます。県立病院を有する地域には公的資金が常時投入されていますが、民間病院中心の地域には公的資金が常時投入されず、必要な医療体制が維持されるのか懸念しております。 どのような地域であっても必要な医療提供体制を確保・維持することが必要と考えますが、公的病院と民間病院に公的資金をどのように投入するべきと考えるのか、知事の所見を伺います。 一般的に病院の救急医療対応は採算性が悪く、その分野だけ見れば赤字です。しかし、民間病院でも地域が求める救急医療の提供に使命感を持って対処している現状です。 病院を取り巻く経営環境が悪化し、経営の立て直しを求められた場合は、救急医療を廃止し、慢性期に特化することとなるものと思われます。医師不足や看護師不足、診療報酬の改定など、経営に直結する問題がさらに深刻化することで経営は悪循環になり、地域の期待に応えられなくなる可能性があります。 急性期から慢性期まで、患者の状態に応じた適切な医療を地域において提供するため、県が果たすべき役割を伺うとともに、地域医療体制確立のためには公的病院、民間病院を問わず公的資金を投入することが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 厚生労働省は、この18日に都道府県や各地域の医師数の偏り度合いを示す医師偏在指標の推計を公表いたしました。都道府県別では、岩手県や新潟県など16県を医師少数三次医療圏として、重点的に医師不足解消を促進する方針としています。 この推計によると、16県は岩手、新潟、青森、福島、埼玉、茨城、秋田、山形、静岡、長野、千葉、岐阜、群馬、三重、山口、宮崎となっています。 厚生労働省は、2036年度の医師偏在解消を目指しています。平成19年4月施行の改正医療法では、二次医療圏ごとに医師数や人口などをもとに算出する医師偏在指標に応じ、医師少数区域、多数区域を指定し、少数区域の医師確保のため重点的に対策を進めることとしております。 そこで、伺います。医師不足の解消に向け、県では医師養成修学資金貸与事業に取り組んでいますが、取り組み開始からこれまでの間で、年平均何人の医師確保につながったのか伺うとともに、どの程度の効果があったのか、あわせて伺います。 都市部に医師が集中する医師偏在が問題となる中、必要な医師の確保を議論してきた厚生労働省の検討会は、今月18日、医師が不足している都道府県として初めて16県を指定し、公表しました。医師不足を示す新たな指標として医師少数県を設けるもので、指定予定の16県のうち最も深刻なのは岩手県で、次いで新潟県、青森県、福島県、埼玉県などとなっています。 さらに、今後、各地域で医師を確保するための取り組みが行われた場合でも、2036年の時点で新潟県や埼玉県など12道県、合わせて医師5,323人が不足するとの推計も公表されました。うち新潟県は2036年の時点で1,540人の医師不足となる推計で、極めて深刻です。 報道によれば、厚生労働省が医師偏在解消を促進する方針を示し、少数区域の医師確保のため、重点的に対策を進めるとのことであります。本県の医師不足の解消につながるものと期待しますが、医師偏在是正の実効性を上げるため、国の対策にどのような取り組みが盛り込まれることが必要と考えるのか伺うとともに、取り組みが盛り込まれるよう県はどのような対応を行おうとしているのか、知事の所見を伺います。 地域の医療機関では、独自の医師確保が困難であることに加え、大学からの医師派遣が突然中止されるなど、地域で安定した医療の提供が困難な現状にありますが、このような現状をどのように認識しているのか伺うとともに、どのような対策が必要と考えているのか、知事の所見を伺います。 次に、林業問題について伺います。 中越地震発生当時、旧山古志村を初め各地で甚大な被害が発生いたしました。当時、西川洋吉議員らとともに山古志村に続く中山間地である半蔵金集落の被害箇所の調査に行った際、急峻な山合いで一輪車がやっと通るような小さな棚田の脇に、腰の曲がった80歳後半と思われる高齢女性が腰をおろしておりました。その人は、目の前に広がる山の斜面から無数に崩落し、赤茶けている山々の光景をぼうっと眺めていました。 その人に地震のときの話を聞くことにしました。彼女は、地震の話に加えて若かったころの集落の昔話を始めました。その際、何度も何度も村長様、村長様と言っていたことが今でも耳に残っています。 中山間地の小さな集落での生活は厳しくても、集落みんなで村長様の言うことに協力して助け合っていたとのことです。集落民は村長を奉り、信頼し、個々のわがままを出さず、協力し合っていたからこそ村長様なのだと思いました。 集落では、条件の厳しい限られた棚田と林業が生活の糧であります。小規模ながら米と野菜を育て、林業で収入を得て家庭を守り、集落が存続していました。村長の指導力が集落の住民をまとめ、厳しくても安泰な山合いの生活が守られていたものと思います。 しかし、戦後、高度経済成長に伴って中山間地の林業や農業が低迷し、集落から若者が離れ、過疎化の進行が現在もとまりません。何としても中山間地の過疎化の進行を食いとめなければならないと痛感しております。 そのための一つとして林業の再生が不可欠です。林業を再生するには、川上から川下まで木材製品の流れをスムーズにしなければなりません。それぞれの生産コストを下げる取り組みが求められます。 今まで県も森林整備に関する事業費を長年投じてきたものと思いますが、過去10年間で森林整備に投じた事業費の合計額と、この間の木材生産の生産額を伺うとともに、その政策効果をどのように評価しているのか、あわせて伺います。 林業が栄えていた当時は、植林、杉起こし、枝打ち、下草刈りと間伐伐採、搬出と常に手入れが行き届いており、整然とした里山の見事な景観が生き生きとしていました。また、枝打ちや間伐の枝葉は燃料として、下草刈りの草は牛や馬の餌として残さず持ち帰り、無駄なく活用され、循環していました。集落では、厳しい中にも村民に夢と希望があり、中山間地域が活気に満ちていたものと思います。 中山間地の過疎化が問題となってから半世紀余りが過ぎ、過疎化が深刻で、なかなか特効薬が見出せない現状です。しかし、県土の7割を占める森林を守ることが県の使命であり、中山間地の過疎化を引きとめる一つの手段であると考えます。 県土の約7割を占める森林を有効活用できれば、県勢の発展に大いに貢献するものと思われますが、本県の林業が抱える問題とその原因を伺うとともに、解決に向けた取り組みと目標について知事の所見を伺います。 また、川上、川中、川下を総合的に支援する新たな県産材利用促進策が開始されますが、どのような観点で施策を構築したのか伺うとともに、それぞれどのように取り組むのか、あわせて伺います。 次に、農業問題について伺います。 中山間地の条件不利な農地で農業に携わる人も、平場で条件のよい大規模圃場で農業に携わる人も同じ新潟県民です。平場は平場で、大規模圃場整備の取り組みや農業法人などの担い手育成等において関係者の合意に時間を要し、苦労している状況です。 農業者の高齢化により離農者が増加し、耕作できない農地の増加が見込まれる中、農業法人などの担い手に農地を集積・集約していくことが必要と考えますが、現在の進捗状況をどのように認識しているのか伺うとともに、今後どのように進めることが必要と考えるのか、知事の所見を伺います。 農業の大規模化は一朝一夕にはできず、段階を踏まなければならないケースが大半だと思います。規模が拡大されていく中で、大きな設備投資が避けられない段階が生じます。先行き不透明な中での長期的な借り入れ返済に不安が生じているものと思われます。 農地の受け手である法人が規模拡大を行う際には、設備投資資金の確保や台風等による減収のリスクなど、さまざまな課題があると考えますが、想定される課題と解消に向けた取り組みについて知事の所見を伺います。 地域では、法人化が進む一方で、法人化を目指すに当たって、さまざまな不安と課題を抱えてちゅうちょしている担い手もいます。特に規模拡大の節目に生じる設備投資の不安や、法人を永続していく将来の不安などさまざまです。 持続可能な農業とするため、法人の設立や大規模化が必要になると考えますが、法人化・大規模化を後押しし、県内に波及させるため、どのような取り組みが必要と考えているのか、知事の所見を伺います。 次に、仮想発電所について伺います。 東北電力は、地域社会との共栄を経営理念に掲げ、電力の安定供給という基本的使命を果たし、新潟県の発展に資する活動に取り組んできております。 そのような中、地域に寄り添う企業として新潟県のさらなる発展に貢献するためには、地域のさまざまな課題を熟知する新潟県との連携・協力をより一層強める必要があるとの考えから、県は今月、東北電力と包括連携協定を締結したとのことですが、エネルギー分野においてどのような取り組みを進めようとしているのか伺うとともに、期待する効果についてあわせて伺います。 自然エネルギーの島構想は、「再生可能エネルギーを需給調整する」、「再生可能エネルギーをふやす」、「再生可能エネルギーを使う」の3項目について、東北電力や関連事業者と連携しながら検討を進めるとされています。 「再生可能エネルギーを需給調整する」では、再生可能エネルギー電源の有効利用に向けた仮想発電所、VPP実証のほか、再生可能エネルギーへの理解を深める取り組みとして需給の見える化を進め、再生可能エネルギーの電源の活用として避難所への蓄電池設置などに取り組むとしております。 また、「再生可能エネルギーをふやす」では、洋上風力発電の地元との協調・共生に向けた取り組みや粟島実証フィールドの活用促進、自家消費型の太陽光発電の導入支援、発電事業者への立地の働きかけを行うとし、「再生可能エネルギーを使う」では、再生可能エネルギー由来の電気自動車充電池の設置や、再生可能エネルギーを地域で融通、消費する取り組み、水素による発電システムなど水素
サプライチェーンの検討などを行うとされております。 この島構想の中で、新年度において、仮想発電所の実証を行うとされておりますが、仮想発電所が求められる背景を伺うとともに、仮想発電所に期待する効果をあわせて知事に伺います。 次に、羽越新幹線の早期実現について伺います。 1970年の全国新幹線整備法制定後、1973年11月15日に羽越新幹線の基本計画が決定し、基本計画路線と位置づけられています。 羽越新幹線は、富山市から新潟市、秋田市を経て青森市に至る新幹線です。北陸新幹線と共用する富山から上越妙高間と、上越新幹線と共用する長岡から新潟間が開業済みとなっておりますが、それ以外の区間の着工予定は今のところなく、開業予定時期も未定な状況ですが、2017年8月9日には、奥羽・羽越両新幹線のフル規格での整備を目指し、山形県を事務局として沿線6県、青森、秋田、山形、福島、新潟、富山の担当課長などで構成される羽越・奥羽新幹線関係6県合同プロジェクトチームが発足し、日本海側の県で連携して建設運動に取り組む方針が示されました。 羽越・奥羽新幹線プロジェクトチームは、沿線エリアの地域ビジョンや費用対効果、整備手法の3項目について調査・検討を進め、2019年度をめどに最終報告を取りまとめる方針とされております。 新潟県にとっても、羽越新幹線の実現は、県土の一体感が醸成されるとともに、日本海側を縦貫する高速交通体系の構築により、交流人口の増加や経済の活性化が期待でき、将来の新潟県のあるべき姿と考えますが、羽越新幹線の早期実現に向けてどのようなスケジュール感で挑んでいくのか、知事に伺います。 また、羽越新幹線の早期実現に向けて、関係県と連携した調査・検討や機運醸成等に取り組むとされていますが、これまでの取り組みを伺うとともに、新年度は具体的にどのような取り組みを行うのか伺います。 将来の新潟県のあるべき姿の一つである羽越新幹線が早期に実現することを強く願いまして、質問を終わります。(拍手) 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 小島義徳議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の投資的経費全体の予算規模についてですが、国の3か年緊急対策は、今年度第2次補正予算、2019年度及び2020年度予算を活用し、集中的に実施することとされています。 国の緊急対策の活用も含めた本県の投資的経費全体の予算としては、今年度の2月補正冒頭予算に493億円、2019年度当初予算案に2,142億円をそれぞれ計上しておりますが、今後の対応につきましては、国の予算や地方財政計画の動向及び本県の財政状況などを踏まえて、検討してまいりたいと考えております。 次に、国の3か年緊急対策に対応した本県の新年度予算案等についてですが、国の地方財政計画を踏まえつつ、災害から県民の命と暮らしを守る防災・減災対策を一段加速するため、国の有利な財源を最大限活用して財政負担を抑制しながら、将来を含めて県として行うべき治水・土砂災害対策などの事業を集中的に実施する観点から予算を編成いたしました。 その結果、国の緊急対策に対応する本県の投資事業予算としては、今年度の2月補正冒頭予算で367億円、新年度予算案で362億円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、国の3か年緊急対策終了後の本県の投資的経費の予算規模についてですが、国の緊急対策が終了する2021年度以降の予算規模については、国の予算や地方財政計画の動向、中長期的な財政負担の観点も含めた本県の財政状況などを踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。 次に、本県の必要な施策推進のための財源確保についてですが、本県の必要な施策を推進していくために必要な財源については、歳出全体で選択と集中をさらに徹底することで財源を捻出するとともに、国庫補助金や地方財政措置が有利な地方債などの財源を有効に活用するだけでなく、自主財源である県税収入を初めとして、電気事業会計地域振興積立金を含めたあらゆる財源の確保に取り組んでいく必要があると考えております。 今後、具体的な歳入歳出改革について、庁内一丸となって検討を進めてまいります。 次に、インバウンドについてお答えします。 まず、これまでのプロモーション対象国等と今後の取り組みについてですが、これまでは、新潟空港に直行便がある中国や韓国、台湾などを対象として、団体客の増加に向けた海外旅行会社への商品造成の促進や、個人客が大宗を占めるタイやシンガポール、オーストラリアに対して、他県連携による海外旅行博への出展や、ブロガーを活用したSNSによる情報発信などに取り組んできたところです。 今後は、経済成長が著しい東南アジア市場を開拓するため、新たにインドネシアなど4カ国を対象としたプロモーションに着手するほか、2022年
北京冬季オリンピックを控え、スキー市場の拡大が見込まれる中国などに向けたスノーリゾート新潟の重点PRを展開してまいりたいと考えております。 加えて、今春からのハルビン線と台北線の増便に合わせたプロモーション活動の強化や、新規国際路線の就航に向けた取り組みを加速することにより、インバウンド拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、外国人観光客の
受け入れ体制における課題と対応についてですが、現在、県内に宿泊する旅行者は、日本人が大宗を占めていることなどから、外国人旅行者の視点で
受け入れ体制を整え、積極的に獲得していく取り組みが十分とは言えない状況にあると受けとめております。 今後、少子高齢化の進展などにより、日本人による国内旅行市場は縮小していくことが見込まれるため、まずは外国人観光客の獲得に向けた機運を一層高めていく必要があると思います。 また、2次交通の整備や店舗等でのキャッシュレス決済の導入、ハラール対応など、ハード・ソフト両面で
受け入れ体制を整えていくことが喫緊の課題であると考えております。 今後は、官民一体による海外旅行博への出展などを新たに支援し、外国人観光客獲得に向けた取り組みを促進するとともに、出国税を財源として拡充された国支援メニューの活用促進や、キャッシュレス決済の普及啓発などを通じて、
受け入れ体制の課題解決に向けた地域の取り組みを推進してまいりたいと考えております。 次に、インバウンド誘客における市町村間の連携等についてですが、これまで訪日旅行の形態は、団体で大都市圏を訪れる消費型観光が中心でしたが、近年、リピーターの増加などを背景として、個人で地方を周遊する体験型観光に変化しつつあります。 今後、外国人観光客が集中している地域から、周辺の地域にも広げていくためには、こうした旅行者ニーズを踏まえた取り組みが必要であり、とりわけ市町村間の連携が重要であると考えております。 そのため、市町村間の連携をしっかりと図りながら、地域の体験型の観光資源をテーマ性のあるルートとして組み合わせ、行政だけでなく、観光関係事業者と一体となり、プロモーション活動を強化していく必要があると考えております。 県といたしましては、広域的な周遊ルートづくりに向けた地域のマッチングや、個別のプロモーション活動の全県的なコーディネートに取り組むなど、しっかりとリーダーシップを果たせるよう努めてまいります。 次に、本県の魅力への気づきを与えるきっかけづくり等についてですが、議員御指摘のとおり、本県の魅力を海外に発信するためには、まずは、地域に住む人たちが、自分たちは何を持っているのかを見詰め直し、その魅力に気づいてもらうことが重要であると考えております。 来年度、県民の皆様が、新潟の魅力を改めて考え、気づき、そして積極的に表現していただける環境づくりに取り組みたいと考えており、その一環として、専門的な観点から御意見等をいただく新潟の魅力を考える懇談会を設けることとしました。 この懇談会における議論も参考にしながら、外国人観光客の誘致に向けて、地域に住む人たちがみずから気づいた魅力を県としても積極的に発信するなど、地域の取り組みが活性化するよう後押しをしてまいりたいと考えております。 次に、医療問題についてお答えします。 まず、公的病院と民間病院への公的資金の投入についてですが、これまでも、県内のどこに住んでいても安心して生活できる医療提供体制の確保に努めてきており、僻地や救急などの政策医療を担っている医療機関に対しては、公的・民間を問わず、国の財政措置を活用するなどにより、必要な財政支援を行ってきているところであります。 これに加えて、地域医療構想の考え方に沿った病床の機能分化・連携に取り組む医療機関に対しまして、公的・民間を問わず、地域医療介護総合確保基金等を活用し、引き続き必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、医療提供体制に関する県の役割等についてですが、限られた医療資源の中で、地域において必要とされる医療を確保するため、現在、二次医療圏ごとに地域の医療関係者等で構成される地域医療構想調整会議で、医療機関相互の連携や役割分担などについて協議を進めております。 地域医療構想の推進については、医療機関の自主的な取り組みを基本としており、県は引き続き調整役として、構想を推進する各プロセスにおいて、議論や協議が円滑に行われるよう、随時、必要な支援を行ってまいります。 また、公的資金の投入につきましては、地域医療構想の考え方に沿った取り組みを行う医療機関に対して、公的・民間を問わず、引き続き必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、国の医師偏在対策への対応についてですが、現在、国の検討会において、医師の偏在是正に向けた対策などを議論しているところであり、今回、新たに示された指標の算出根拠や詳細な対策などが不明なため、情報収集に努めているところであります。 県といたしましては、その効果や影響などを見きわめた上で、必要があれば国へ働きかけるなど、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、引き続き、県内における医師偏在の解消やさらなる医師確保に向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、地域医療に対する現状認識などについてですが、医師不足が深刻な本県においては、医療関係者の献身的な努力により、地域の医療が支えられているものと認識しております。 県では、これまで臨床研修医の確保やドクターバンクなどにより、医師総数の確保に努めてきたところです。 さらに、今後増加が見込まれる修学資金貸与医師を配置するとともに、地域の中核的な医療機関から当該地域の医療機関へ医師の派遣を行う仕組みを検討するなど、安定した医療の確保に向けた実効性のある取り組みを行う必要があると考えております。 次に、林業問題についてお答えします。 まず、森林整備の事業費とその政策効果についてですが、平成28年度までの10年間の森林整備に要した事業費は約501億円で、同期間の木材生産の産出額は約138億円となっております。 産出額は事業費の約3割ですが、森林はこうした木材生産等の経済的機能だけでなく、山地災害の防止や水源涵養など、金額でははかることが難しい公益的機能も有しています。 森林整備の効果は、この公益的機能の発揮を含め、県民の命や暮らしを守ることにつながっているものと評価しており、森林の有するさまざまな多面的機能が将来にわたって持続的に発揮されるよう、継続して森林整備を実施してまいりたいと考えております。 次に、本県の林業における問題や取り組み等についてですが、本県では長期にわたり、川下の建築事業者が必要とする製材用の素材生産量が低迷しています。 これは、生産・加工における施設や機械の稼働率が低いためにコスト高となり、県産材が他県材に比べて割高な傾向にあることが主な原因であると考えております。 このため、新年度では、稼働率向上の観点から、県産材の増産を条件とし、素材生産者から製材事業者、建築事業者まで一貫した支援を行うことより、川上から川下へと着実に県産材が流れ、利用拡大につながるよう取り組むこととしております。 こうした取り組みを推進し、県産材生産量の目標値である2020年度の20万立方メートル、2024年度の25万立方メートルを達成し、林業及び木材産業の持続的発展を図ってまいりたいと考えております。 次に、新たな県産材利用促進策についてですが、12月定例会で制定された新たな条例を踏まえ、県産材全体の利用促進のために、関係事業者が相互に協力しながら一体的に取り組むことが重要との観点から政策を構築したところであり、新年度においては、それぞれの事業者がしっかりと結びつくことで、川上から川下へと着実に県産材が流れ、利用拡大につながるよう事業を展開してまいりたいと考えております。 具体的には、素材生産や製材、建築のそれぞれの分野において、県産材の生産量や利用量を増加することを条件に意欲ある事業者を支援することとしており、これらの事業について各地域において丁寧に説明し、積極的に活用いただくことで県産材の着実な利用拡大につながるよう取り組んでまいります。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、担い手への農地集積・集約化についてですが、本県における担い手への農地集積率は6割を超え、全国を上回るペースで進展しておりますが、集約化がおくれているため、担い手の農地が分散し、作業効率が上がらないなどの課題があると認識しております。 県といたしましては、地域のコーディネート役を担う農地利用最適化推進委員が、今年度、設置が必要な全ての市町村に設置されたことを受け、新年度においても引き続き農業委員等との連携を密にし、将来の農地利用についての地域の話し合いを促進することで、農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化につなげてまいりたいと考えております。 次に、法人の規模拡大に向けた対応についてですが、農地の受け手である法人が規模拡大を進めるに当たっては、農地が分散し、集約化が進んでいないことや、現有の機械・施設、労働力では新たな農地の引き受けに対応できないことなどが課題になっていると認識しております。 このため、県といたしましては、農地中間管理事業の活用や農地整備事業との連携により、農地の集約化を推進するとともに、規模拡大や作業の省力化に必要な機械・施設の整備を支援してまいりたいと考えております。 次に、農業者の法人化や規模拡大の推進についてですが、法人化を進めるに当たっては、作付品目や経営規模など、農業者や地域によって目指すべき姿が異なるため、それぞれの実情に即したサポートが必要であると認識しております。 このため、県といたしましては、外部専門家と連携した経営計画作成等の支援を行うとともに、さまざまな先行事例も踏まえ、取り組みのポイントや組織運営の手法等について、きめ細やかな相談・助言等を行い、農業者の経営基盤の強化を進めてまいりたいと考えております。 次に、仮想発電所についてお答えします。 まず、東北電力との包括連携協定におけるエネルギー分野の取り組みについてですが、離島の環境負荷の低減とエネルギー供給源の多様化を図ることを目的とした自然エネルギーの島構想の実現に向け、再生可能エネルギーの導入促進や、水素エネルギーの普及啓発などを連携して進めることとしております。 今回の包括連携協定締結により、これまで以上に県と東北電力が緊密に連携して取り組みを進めることで、再生可能エネルギー等の導入がさらに促進されるものと期待しております。 次に、仮想発電所が求められる背景と期待する効果についてですが、太陽光や風力など、天候の影響によって大きく変動する再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給バランスを保ち、電力系統の安定化を図ることがより重要となっております。 仮想発電所は、これに対応する有効な取り組みの一つであり、一定エリア内の一般家庭や事業所の蓄電池等を使い、電力の需要と供給を一括制御することにより、再生可能エネルギー電源の有効利用を図るものであります。 現在、仮想発電所は実証段階ではありますが、実現すれば、電力系統の安定運用につながることが期待されており、それにより、さらなる再生可能エネルギーの導入が可能になるものと考えております。 次に、羽越新幹線の早期実現についてお答えします。 実現に向けたスケジュール感についてですが、羽越新幹線の実現に向けては、今後、整備計画の決定に必要となる調査の実施、整備計画の決定、工事実施計画の認可等の手続が必要となるほか、着工後の工事にも非常に長い年月を要することから、具体的なスケジュール感をお示しすることができる段階ではありませんが、早期実現に向けて、関係県と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 なお、北陸新幹線長野-金沢間については、昭和48年に整備計画に位置づけられた後、平成10年に着工し、平成27年3月の開業までに40年以上かかっております。 〔
総務管理部長佐久間寛道君登壇〕
◎
総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 国の3か年緊急対策を活用した有利な財源措置についてですが、本県の最終的な負担額は、国から今後示される内示等の結果によって変わりますが、制度上、国の緊急対策における交付税措置が有利な起債を活用することで、一般公共事業では、通常、県債償還額の約20%が交付税措置されるところ、その措置率が50%にかさ上げされます。 また、県単公共事業では通常、交付税措置がないところ、70%が交付税措置されることとなり、通常の県債を活用した場合と比べ、財政上有利となる見込みです。 〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕
◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 医師養成修学資金貸与事業の効果についてですが、平成20年度から段階的に指定勤務を伴う修学資金貸与者数をふやしてきており、近年においては年平均10人程度が、大学卒業後、制度から離脱することなく医師として県内で勤務しているところであります。 また、ここ数年、県内で新たに臨床研修を始める医師は年100人程度であることから、そのうちの約1割を修学資金貸与者が占めております。 今後は、当面年平均20人程度が県内で勤務する予定であり、これからさらにふえる見込みであることから、相当程度の効果があるものと考えております。 〔
産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕
◎
産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 外国人観光客が集中している地域の特徴と今後の傾向についてですが、平成29年の本県外国人宿泊客は、首都圏からのアクセスに恵まれ、本県を代表するスキーエリアである湯沢地域と妙高地域に最も集中しております。 また、たらい舟など多様な体験メニューを有する佐渡地域や、産業観光が楽しめる県央地域は、近年、外国人観光客が増加傾向にあるところです。 現在、外国人観光客は、大都市圏から地方を訪れる割合が増加し、消費型から体験・参加型の旅行へと変化しており、特に、中国では2022年
北京冬季オリンピックを控え、スキー人口の拡大が見込まれております。 そのため、今後、本県を訪れる外国人旅行者は、スキーエリアを中心に増加していくものと見込んでおりますが、その他の地域においても、体験・参加型の観光地づくりを推進することにより、外国人観光客の増加につながっていくものと考えております。 〔農地部長緒方和之君登壇〕
◎農地部長(緒方和之君) お答えいたします。 新年度における農業用ため池や農業水利施設の事業実施予定についてですが、平成30年度当初予算に対して、下流への影響が大きい農業用ため池は14カ所増の42カ所、農業水利施設のうち用排水路は6.3キロメートル増の19.4キロメートル、排水機場等は5カ所増の45カ所を予定しております。 県といたしましては、今後も国の3か年緊急対策等を活用しながら、農業用ため池や農業水利施設の改修等を集中的に実施し、早期の効果発現に努めてまいります。 〔土木部長中田一男君登壇〕
◎土木部長(中田一男君) 3点お答えいたします。 新年度における河川整備の実施予定についてですが、近年、豪雨が激甚化・頻発化する中、災害被害の防止・軽減を図るための事前対応の強化に向け、河道拡幅につきましては、平成30年度当初予算に対して、10河川増の65河川を予定しております。 また、堤防強化につきましては、8河川増の9河川を予定しております。 さらに、河床掘削などにつきましては、人家や重要施設に影響のある箇所について、国の制度を活用し、約260河川において実施する予定としております。 次に、砂防堰堤整備の実施予定についてですが、平成31年度当初予算案の事業実施箇所数は、平成30年度当初予算に対して、1カ所増の76を予定しております。 緊急的に対策を講ずるべき土砂・流木対策や重要交通網などを保全する箇所について、予算を集中投資し、重点的に整備を進め、早期の効果発現に努めてまいります。 次に、道路のり面の落石などの対策及び道路の冠水対策の箇所についてですが、道路のり面の落石などの対策を実施する箇所は、11カ所増の36カ所を予定しております。 また、道路の冠水対策を実施する箇所は、13カ所増の19カ所を予定しており、災害からの速やかな復旧・復興を図るための事前復興の対策を推進し、避難路確保など県民の安全と安心の確保に努めてまいります。 〔
交通政策局長水口幸司君登壇〕
◎
交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 羽越新幹線の早期実現に向けた具体的な取り組みについてですが、県といたしましては、これまで、羽越新幹線建設促進同盟会を通じ、法に基づく整備計画策定に必要な調査の実施を国へ要望しているほか、山形県など関係県と連携し、整備手法や費用対効果の調査・研究等を行ってきたところです。 来年度は、調査・研究の結果を取りまとめ、その内容も踏まえて国等への働きかけを行っていくとともに、シンポジウムの開催などにより、沿線市等とも連携し、早期実現に向けた県内における機運醸成に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(岩村良一君) 小島義徳君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。 午後2時57分 休憩 ――
――――――☆―――――――― 午後3時15分 開議
○議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 佐藤久雄君の発言を許します。佐藤久雄君。 〔佐藤久雄君登壇〕(拍手)
◆佐藤久雄君 無所属の佐藤久雄でございます。通告に従い、順次お伺いをいたします。 第1に、柏崎刈羽原発の再稼働についてであります。 知事は、昨年6月の知事選挙以来、今日まで一貫して3つの検証結果が出るまで再稼働は議論できないとしております。 そこで、本項目第1の質問であります。 これらの検証に現時点で何が問題となっており、進捗状況は予定どおりか伺うとともに、特に福島原発の検証について、桜井柏崎市長によれば、国の原子力規制委員会の検証過程に比べると、県技術委員会の開催日数が格段に少ない旨の指摘がありますが、それで十分な検証が可能かどうか、知事御所見をお伺いいたします。 次に、福島原発事故の検証と総括がなければ柏崎刈羽原発の再稼働の議論はしないとの主張は、泉田、米山歴代知事の主張であり、花角知事もこれを踏襲されていると解します。 そこで、本項目第2の質問であります。 福島原発も柏崎刈羽原発もともに沸騰水型原発で、その主張も一応は理解できますが、福島原発の総括と検証が柏崎刈羽原発の安全性にどう結びつくか、さらに柏崎刈羽原発そのものの安全性の議論を進める必要も重要と考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 次に、知事は福島原発事故の検証と総括がなければ柏崎刈羽原発の再稼働の議論はしないと歴代知事の主張を踏襲されていると解します。しかし、現在、柏崎刈羽原発固有の安全性についての国の審査で、原子炉設置変更が許可された段階であります。 そこで、本項目第3の質問であります。 今後、工事計画や保安規定の審査と使用前検査が残っている中、これらの国の審査が終わらない限り、手続上、柏崎刈羽原発の再稼働に至ることはありません。知事は再稼働の是非につき、福島原発事故の検証と総括をしても、国の審査が終わらないため、県民に信を問うことはできないと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 次に、国の原子力規制委員会は、国の安全宣言が出てから9カ月以内に原発を再稼働しない場合、交付金をカットする旨を明らかにしております。 ところが、昨年6月15日、花角知事の世耕経済産業大臣との会談の際、花角知事が安全確保のための運転停止期間も交付金対象とするみなし規定の継続を求めた際、世耕経済産業大臣は地域経済の発展という広い視点で引き続き連携したいと述べております。 そこで、本項目第4の質問であります。 原発再稼働に必要な国の審査を全て終えてから9カ月たっても稼働しない原発につき、立地自治体に交付する電源立地地域対策交付金を大幅に減額するとの国の方針が示されておりますが、現在、原子力規制委員会の審査がどの段階にあり、そして今後、国の審査がどの段階になってから9カ月後に交付金が減額される可能性があるのかをお伺いいたします。 次に、検証結果を踏まえ、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を判断して、知事選で県民の信を問うとした知事発言についてであります。 地元紙が昨年6月に実施した県内世論調査で、柏崎刈羽原発の再稼働について、反対、どちらかといえば反対は合計65.1%であり、賛成、どちらかといえば賛成の合計20.2%を大きく3倍上回っております。 そこで、本項目第5の質問であります。 国の審査結果について場合分けをしてお伺いをいたします。 国の審査結果について、県技術委員会で異論が出た場合、再稼働は認められない判断になるかと思います。 他方、同委員会で異論がない場合であったとしても、知事が知事選で原発への不安を訴えていることや、最終的に自然エネルギーへの転換を訴えていることなどを考慮すれば、すんなりと柏崎刈羽原発の再稼働を県民に訴えるわけにはいかないと考えます。 柏崎刈羽原発は、つまるところ知事の立場としては再稼働を容認できないのではないかと思料しますが、知事御所見をお伺いいたします。 次に、本項目第6の質問であります。 県内世論調査で反対、どちらかといえば反対が65.1%を占めるところから、仮にこれと異なる方向で、新潟県知事の職を賭して民意を問うても、知事はその職を失いかねません。それでも知事は、職を賭して民意を問う挙に出るのか、知事御決意をお伺いいたします。 次に、原子力損害賠償制度の見直しを行った専門部会は、昨年8月、民間保険や政府補償で賄う最大1,200億円の損害賠償額の引き上げを見送る報告案をまとめました。 また、福島第一原発事故の損害賠償を求める福島県民の集団訴訟に対し、東京電力の和解案拒否による打ち切りが相次いでおります。 そこで、本項目第7の質問であります。 福島第一原発事故を見ると、家を初め財産を置き去りにし避難した住民の財産権が侵害されたままとなっております。柏崎刈羽原発が立地する我が県でも、県民に同様なリスクがあると考えますが、万が一柏崎刈羽原発に過酷事故が起きた場合の保険や賠償について知事御所見をお伺いいたします。 県は、1月18日、福島原発事故で福島県等から本県に避難している世帯の意向調査の結果を公表しました。それによれば、本県での定住を考えている世帯が42%で、避難元に戻って生活をする世帯28%を上回っております。これは、これまでの調査結果を逆転するものであります。 そこで、本項目第8の質問であります。 県は、定住希望者がふえたのは、就職や子供の進学等で本県とのつながりがふえたと分析をしております。 知事は、これを本県に置きかえて考えてみた場合、柏崎刈羽原発に過酷事故が発生すれば、県民生活の基盤が根こそぎ奪われることは火を見るよりも明らかであります。その場合、人口減少のみならず、県産業の衰退を余儀なくされることが予見されます。 こうしたことを踏まえ、福島原発事故を他山の石として再稼働の議論をすべきものと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 次に第2に、人口減少問題と産業構造についてであります。 総務省は、本年1月31日、外国人を含む2018年の住民基本台帳人口移動報告を発表しました。それによれば、首都圏の転入超過が前年より1万4,000人多い14万人となり、首都圏の一極集中がさらに拡大をしております。全国市町村の72.1%が転出超過であり、本県の社会動態も前年の転出超過6,192人から709人増加した6,901人となりました。 そこで、本項目第1の質問であります。 本県の2018年の人口転出超過は、茨城県、福島県に次いで3番目に多く、前年の4番目からさらに悪化しておりますが、その主因は何と考えるか、知事御所見をお伺いするとともに、このまま推移すれば、2024年度に5,900人程度の改善を目指す新潟県総合計画とは逆の方向に進んでいる県の人口動態をどのように考えるか、知事御所見をお伺いいたします。 さらに、県内で減少しているのは人口だけではありません。民営事業所数も同様であります。昭和41年の11万3,614社から50年後の平成28年には11万4,895社となり、数字の上では1,281社増加しております。しかし、これを製造業に限定してみると、昭和41年の1万9,876社から50年後の平成28年には1万1,487社となり、8,389社減少しております。 そこで、本項目第2の質問であります。 知事は、県内産業の実態がものづくりからサービス業への移行過程にあることを県全体の産業バランスからどのように捉えるか、知事御所見をお伺いいたします。 次に、知事は2月5日、県庁での定例記者会見で、2019年度の当初予算編成につき、人口減少問題への対応を最重要課題と位置づけました。 そこで、本項目第3の質問であります。 知事は、これまで重点課題として、防災・減災、県民の健康寿命、起業・創業、交流人口等を挙げてきましたが、ここに来て人口減少問題を最重要課題と位置づけ、さらに産業振興が人口減少問題にも寄与すると発言されました。そうした発言の趣旨をお伺いするとともに、県の経営資源を具体的にどの産業分野に傾斜配分するかをお伺いいたします。 知事は、これまで県の最大の課題は人口減少問題と指摘しながら、その解決の決め手はない旨答弁をされてきました。ところが、このたび起業・創業に着目され、経済活動を活発にし、多様な働く場を創出することによる産業振興が人口減少対策にも寄与するとの考えを示されました。 そこで、本項目第4の質問であります。 県総合計画見直し素案によれば、本県の開業率は3.0%であり、全国5.6%に比べかなり低水準であり、全国第46位にあります。これまでも県はさまざまな施策により起業・創業に相当注力されてきたものと理解いたしますが、その結果がこれであり、起業・創業に県の人口減少問題の解消を期待するのは百年河清を待つに等しいと考えますが、ほかに即効性のある施策はないのか、知事御所見をお伺いいたします。 唐の太祖、李世民は、その名著「帝範」において、それ食は人の天たり、農は国の本なりと喝破し、天が人にとって重要であるように、食も人にとって重要である、それゆえに農業は国の基礎であると後継者、高宗を教え諭しているのであります。 ところが、県農業の実態を見るに、県の農業人口は1965年に48万人であったところ、50年後の2015年には7万人となり、50年間に実に41万人減少しているのであります。また、米の生産高は1965年に83万トンであったところ、50年後の2015年には62万トンとなっております。 そこで、本項目第5の質問であります。 元東京大学名誉教授の生源寺眞一氏は、その名著「農業再建」で、経済成長とともに就業人口に占める農業人口は低下するとのペティ・クラークの法則を引用するとともに、利潤の大きさは商業、工業、農業の順であり、商工業の発展に伴い、農業は衰退するとのペティの学説を引用しております。 もしペティの所論のとおりとすれば、新潟県は農業の衰退とともに衰退すると言わざるを得ません。かつての県の基幹産業であった農業を初めとする第1次産業の衰退に伴う産業構造の改善がうまくいかず、それに人口減少が相まって、県の産業・経済状勢は厳しい状況にあると考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 ペティ・クラークが指摘するように、利潤の大きさが商業、工業、農業の順であり、経済成長とともに就業人口に占める農業人口が低下するのであれば、県内に利潤が高く、人が集まる産業を創出する必要があります。 地元紙によれば、県内事業所の6割が後継者難に陥り、事業所数も減少傾向にありますが、これを上向かせることは並大抵のことではありません。 そこで、本項目第6の質問であります。 高付加価値産業で裾野の広い産業は、航空機産業と自動車産業であります。私は、県が目指すべき産業分野はこの2分野と確信をいたします。前者は、新潟市が主導し、現に推進中であります。後者は、かつて県が取り組み方針を明確にした産業分野であります。 これらの分野に県の経営資源を傾斜配分することで、県の産業構造を大幅に改善することが期待され、県の人口減少傾向に歯どめをかける有効な手段となり得ると考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 他方、我が国の食料自給率を考えれば、農業県を自負する新潟県で、食料生産基地としての一定の役割を果たす必要があると考えます。その際、米価が低迷する中で、いかに稼げる農業を構築するかが問題となります。 その点、県は2月8日、園芸作物の生産拡大に向けた園芸振興基本戦略の策定に向けて、生産者らによる検討会議を開いたことは注目すべきことであります。 本県は米への依存度が高く、農業生産額が減少傾向にあるのに比べ、園芸が盛んな長野県や山形県の産出額は増加しており、我が県においても当然進むべき道と考えます。 そこで、本項目第7の質問であります。 知事は、本県にふさわしい高収益の園芸作物は何と考えるか伺うとともに、生産した園芸作物は販売し、現金化して初めて生産者が潤うことになりますが、販売ルートをいかに構築するか、知事御所見をお伺いいたします。 第3に、佐渡空港の拡張整備と地権者問題であります。 昨年6月、多くの県民の衆望を担い、花角知事が誕生しました。知事は、その選挙戦で佐渡空港の拡張整備を訴えられました。思えば、佐渡空港滑走路2,000メートル化と佐渡-羽田航空路開設を目指す佐渡新航空路開設促進協議会が発足したのは昭和60年で、以来34年がたちました。 そこで、本項目第1の質問であります。 佐渡空港2,000メートル滑走路建設にかかわる地権者交渉に三十有余年経過した現在でも、その交渉は解決をしておりません。 地権者は、当初、県が現佐渡空港の建設手法や地権者への対応の仕方に対する不満を解消しないうちに、新たな2,000メートル滑走路建設の計画を提示し、しかも家屋移転が伴う樹崎地区には何ら事前説明をしないまま地権者説明会を開催したのは手続上の瑕疵があると主張しつつも、今となっては振り上げた拳をおろしたいと私に申し出ているわけでございます。 知事におかれましては、この際、知事御英断で地権者に面談されて、地権者交渉を一挙に解決していただきたく、知事御所見をお伺いいたします。 次に、佐渡空港の2,000メートル滑走路建設にかかわる地権者は159名、このうち6名が行方不明、141名が仮同意締結済みで、同意取得率は92.2%であります。そこで、仮同意未締結者は12名でありますが、樹崎地区の4名に代表されるように、仮同意未締結の理由は、行政上の手続の瑕疵によるものであります。 そこで、本項目第2の質問であります。 県は、佐渡空港拡張整備にかかわる地権者交渉は佐渡市の役割と決めておりますが、樹崎地区の4名を初めとする未同意地権者12名は県の瑕疵を主張しているのでありまして、県が地権者交渉の前面に出ていただきたく、知事御所見をお伺いいたします。 第4に、県の観光政策についてであります。 2015年の北陸新幹線開業に伴い、観光庁による北陸新幹線を使った東京-関西間の訪日客への観光誘客事業が始まりました。これは、太平洋側のゴールデンルートに続く新たなルートを形成し、全体を大きな円で結ぶものであります。 そこで、本項目第1の質問であります。 佐渡観光は、かつての120万人から50万人を割り込む状況であります。これを回復基調に乗せるには、北陸新幹線の上越妙高駅から直江津を経て佐渡に誘客するルートや、そのルートに富岡製糸場、五箇山合掌造り集落らとともに、近い将来の世界遺産登録候補と期待される佐渡金銀山を組み合わせた世界遺産めぐりルートを構築してはと提案いたしますが、知事御所見をお伺いいたします。 次に、新潟県は食、酒、雪など幾多の観光資源に恵まれながら、訪日客の対前年比の増加率で、近隣諸県におくれをとっております。 過日、ある商社の新潟支店長と懇談していた際、シンガポール発台北経由新潟行きのLCCを飛ばしたらどうかとの話がありました。これに対し、私はインドネシア発を提案いたしました。インドネシアは産油国であり、富裕層が多く、加えてオランダからの独立を助けた日本人義勇兵に感謝している親日国であるからであります。 そこで、本項目第2の質問であります。 このインドネシア発シンガポール、台北経由新潟行きのLCCが実現すれば、航空機利用者の増加はもとより、インドネシアなどの国々の灼熱の気象条件を考慮すれば、新潟の冬景色は格別と思われ、冬季を中心に通年で観光客が増加することで、旅館、ホテルを中心とした県内の宿泊施設等は潤い、従業員の通年雇用にもつながり、ひいては少子高齢化の有力な歯どめ策にもなると期待されますが、こうした新たなLCC誘致についての知事御所見をお伺いいたします。 第5に、小木-直江津航路の「あかね」の就航時間帯の変更についてであります。 2015年4月、佐渡汽船の小木-直江津航路に「あかね」が就航してから早くも4年になろうとしております。佐渡島民には主に生活航路として、島外の人々には主に観光航路として利用されております。しかし、利用者からは、今の「あかね」の就航時間帯では日帰り利用が難しく、時間帯の変更を求める声が多数寄せられております。 そこで、本項目第1の質問であります。 通常月の1日2往復の運航時間帯では、直江津9時30分発の折り返しとして小木11時50分発、直江津14時10分発の折り返しとして小木16時30分発となっております。これらは北陸新幹線の観光客対応となっているものと思われますが、その効果が計画どおりあらわれているか、1日2往復、おのおのの地点での年間利用客の4年間の推移を伺います。 次に、12月から2月までの運休期間を除き、始発は直江津ですが、これを小木発にしてほしいとの利用者の声が多数寄せられております。県も筆頭株主として、これらの声に応える必要があると考えます。 そこで、本項目第2の質問であります。 運航時間帯を見るに、ゴールデンウイークやお盆は、例外的に1日3往復で、直江津4時40分発の折り返しとして小木7時発となっておりますが、その他の通常月は直江津9時30分発の折り返しとして小木は11時50分発であります。これでは、ほとんどの利用者にとりまして日帰りが困難であります。 そこで、小木発を両津並みの5時半か、それに近い時間帯にすれば、佐渡島民の信頼を取り戻し、日帰り利用が促進されると考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 第6に、県の自然エネルギーの島構想についてであります。 県は、2月6日、離島での再生可能エネルギーの導入促進に取り組む自然エネルギーの島構想を明らかにし、東北電力と包括連携協定を結びました。佐渡や粟島を自然エネルギーの島として世界に誇れる最先端の地域にするとの知事構想に賛同いたします。 佐渡には環境の島の経営理念があり、これをエネルギー政策に落とし込むと、行き着く先は自然エネルギーであります。佐渡の年間のCO2の排出量は70万トンで、このうち3カ所の火力発電所から排出されるCO2は36万トンであります。化石燃料から自然エネルギーへの転換でCO2が56%削減され、地球温暖化対策に取り組む先進的な島として、そして世界一空気がきれいでおいしい島として、新たな観光資源となり得るものと確信をいたします。 そこで、本項目の質問であります。 自然エネルギーの島構想では、太陽光発電などの再生エネルギーの導入をふやすとのことでありますが、この構想を実現するに当たり、太陽光のみならず、風力、波力、潮力等あらゆる自然エネルギーを駆使して、島をエコ・エネルギー・ミュージアムと銘打ってはいかがかと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 以上をもちまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、技術委員会における福島第一原発事故の原因の検証についてでありますが、これまで、メルトダウンに関する事実を明らかにするなど成果を上げております。 現在は、地震動による重要機器の影響について議論が進められており、しっかりと議論をしていただいているものと受けとめております。 私といたしましては、新たな論点が出た場合にはそれらも含め、十分な検証がなされるまで、議論を尽くしていただきたいと考えております。 次に、福島第一原発事故の検証・総括と柏崎刈羽原発の安全性の議論についてですが、福島第一原発事故の原因の検証を踏まえ、柏崎刈羽原発における対応状況を確認し、安全を確保するために実施しているものであります。 なお、福島第一原発事故の原因の検証と並行して、技術委員会には、原子力規制委員会による柏崎刈羽原発の審査の状況に応じて、安全性の確認をしていただいております。 次に、原子力規制委員会の審査と県民の意思の確認についてですが、国の審査が終わらなければ、そもそも柏崎刈羽原発の再稼働の条件が整わないため、再稼働について、県民の意思の確認を行うことはできないものと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の再稼働についてですが、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできません。 次に、原発再稼働に関する民意とその確認方法についてですが、原子力発電所については、私も、昨年の選挙を通じて、県民の皆様の不安を肌で感じており、再稼働問題は、改めて県民の皆様の関心の高い、深刻で重要な課題と受けとめています。 民意を確認する方法については、現段階で決めているわけではありませんが、私は信を問う方法が、最も責任が明確で重い方法であると考えています。 次に、原発事故時の賠償のあり方についてですが、国策として原子力事業を進めてきた経緯や、甚大な被害の実態を踏まえ、国が最終的に責任を持つ仕組みが必要であると考えております。 次に、柏崎刈羽原発の再稼働に関する議論についてですが、議員御指摘のとおり、福島第一原発事故は教訓とすべきものであり、原発事故に関する3つの検証を進めているところです。 この検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできないと考えております。 次に、本県の人口減少問題と産業構造についてお答えします。 まず、人口転出超過の推移についてですが、本県では、進学や就職を契機とした若者の流出が社会減の大きな要因となっておりますが、東京圏への人口の一極集中が拡大する中で、東京へのアクセスのよい本県からの流出に拍車がかかっているのではないかと考えています。 こうした状況のもとで、県民全体で危機感を共有し、県と市町村が力を合わせ、各界の皆様とも連携・協力しながら、若者の県内定着やU・Iターンの促進など、転出超過の抑制につながる、より効果的な施策をさらに積み重ねる必要があると考えております。 一方、人口減少問題は国家的課題でもあり、自治体の取り組みだけでは限界があるものと認識しています。国でなくては手を打てない課題について、これまで以上に実効性の高い抜本的な対応をしていただくよう、今後も、全国知事会と連携しながら国に積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。 次に、県内の産業別構成についてですが、中長期的に見ると、経済のソフト化・サービス化やグローバル化の進展などを背景に、ものづくりからサービス部門へシフトするのが大きな流れであり、本県においても同様の傾向にあります。 また、雇用面からも、IT企業を初めとするサービス業の成長は、魅力ある多様な雇用の場の確保につながるものと考えております。 その一方で、本県は、飲食料品、金属・機械、繊維など、地域の特性と歴史などにより、県内各地でものづくりが発展してきたことから、全国と比較すると、製造業のウエートが高く、地域経済と雇用に重要な役割を担ってきております。 本県における県民所得の向上には、こうした強みを生かしたイノベーションをさらに推進することにより、高い付加価値を生み出す産業構造に転換していくことも必要と考えております。 次に、人口減少問題対策における産業振興についてですが、本県にとって極めて深刻な課題である人口減少問題については、社会減・自然減ともに経済的要因が影響していることを踏まえますと、十分な所得が得られ、自己実現ができる、魅力ある多様な働く場を確保していくことが重要であります。 それを実現するためには、産業振興により経済の活性化を図ることが基本的な対策になるものと考えております。 また、その際に傾斜配分する産業分野についてでありますが、新潟県総合計画の改定案で掲げた航空機や次世代自動車、健康・医療・福祉といった成長が期待される分野はもとより、県内企業の強みを生かすことなどにより、さまざまな産業分野やビジネスで成長する可能性があるものと考えております。 したがいまして、特定の分野や業種にこだわることなく、新しい事業領域への進出など、あらゆる挑戦する企業を後押しし、稼げる企業をより多く輩出できる環境にしてまいりたいと考えております。 次に、人口減少問題解消に向けた産業施策についてですが、人口減少問題は、本県にとって極めて深刻な課題であり、一方で特効薬のない構造的な問題でもあります。 人口の減少幅を縮小し、歯どめをかけるためには、今ほどお答えしたとおり、中長期的に、十分な所得が得られ、自己実現できる、魅力ある多様な働く場をつくり出すことが基本的な解決策につながるものと考えております。 こうした観点から、幅広いビジネスが生まれる起業・創業の推進に力を入れていくことが必要と考えているところです。それとあわせて、新たな製品やサービスを開発することのほか、成長分野に参入する、あるいは、新たに海外市場に踏み出すことなど、あらゆる新しい事業領域に挑戦する企業を後押しし、本県産業全体の付加価値の引き上げと県民所得の向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、本県の産業構造と経済状況についてですが、本県では、国内有数の農業生産地として農産物を原材料とする食品産業が発達してきたほか、気候風土や資源などの地域特性や、歴史などにより育まれたものづくり産業が形成され、イノベーションを繰り返すことで発展してきており、特徴に応じた構造変化が進んできたものと認識しております。 そうした中で、1人当たり県民所得は、平成27年度の統計で約278万円と全国24位の中位にありますが、国民1人当たりの金額を下回っている現状にはあります。 そのため、農業を含めさまざまな産業分野において、本県の強みを生かしたイノベーションや、新たな事業領域へ挑戦する方々をふやすことにより、県民所得の向上や魅力ある多様な雇用の場の確保を図り、本県経済の活性化につなげていくことが必要と考えております。 次に、県が目指すべき産業分野についてですが、特定の分野や業種にこだわることなく、それぞれの企業ニーズを十分に踏まえた支援や、民間の創意工夫が生かせるような環境づくりが重要であると考えております。 このたび公表した新潟県総合計画の改定案では、航空機、次世代自動車、医療機器分野や健康・医療・福祉関連分野、また、AI、IoTなどのソフト分野などを成長産業として掲げているところです。 県といたしましては、これらの将来性が見込まれる産業分野及び新たな成長分野への県内企業の参入促進に向けた支援に努めるとともに、幅広い企業においてAIやIoTなどの活用を促進することで生産性の向上を図り、本県産業の付加価値の向上を実現してまいりたいと考えております。 次に、本県にふさわしい園芸作物と販売についてですが、耕地面積の約9割を水田が占め、稲作が主体の本県で園芸導入を進めるには、稲作との作業競合が少なく、水田での大規模生産に向けて機械化が可能であることに加え、市場等からのしっかりとした需要が見込める品目が望ましいと考えております。 また、園芸作物の販売については、一般品か希少品か、また、家庭用か加工・業務用かなど、それぞれの品目の特性に応じた販路開拓等の支援が必要と考えており、卸・小売等とのマッチングの機会を提供することなどにより、各産地の取り組みを後押ししてまいりたいと考えております。 次に、佐渡空港の拡張整備と地権者問題についてお答えします。 まず、私と地権者の面談についてですが、佐渡空港拡張整備計画の空港予定地が、たび重なる地元調整の結果、現在の位置となった経緯などから、一部の地権者に行政に対する不信感があり、用地の提供に御理解をいただけない状況であると聞いております。 現在、用地提供に関する地権者からの同意取得については、事業を円滑に進めるため、事業化に向けた前段階として、地元自治体である佐渡市が主体となって取り組んでいるところです。 今後も佐渡市と十分調整しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、佐渡空港拡張整備に係る用地提供への同意取得に対する県のかかわり方についてですが、今ほどお答えしたとおり、地権者からの同意取得については、現在、地元自治体である佐渡市が主体となって取り組んでいるところであり、県といたしましては、今後も佐渡市と十分調整しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、県の観光政策についてお答えします。 まず、北陸新幹線や沿線の世界遺産等を組み合わせた佐渡観光ルートについてですが、現在、本県を含む北陸新幹線沿線の各県が連携し、新たなゴールデンルートとして、エリア内の自然景観や世界遺産、産業観光などを組み合わせ、北陸新幹線を活用した観光周遊ルートを構築し、インバウンド獲得に向けたプロモーション活動を展開しているところです。 議員御提案の上越妙高駅から直江津港を経由して佐渡を訪れるルートや、佐渡金銀山とエリア内の世界遺産等についても、ルートに位置づけているところです。 これまで新幹線駅周辺の観光地を中心にPRしてきたところですが、今後は、佐渡金銀山の世界遺産登録を見据え、佐渡を訪れるルートもしっかりと打ち出すなど、情報発信を強化してまいりたいと考えております。 次に、インドネシア発の新たなLCCの誘致についてですが、インドネシアは、人口が世界第4位で、豊富な天然資源を有することなどから堅調な経済成長を続けており、今後のインバウンド需要の拡大が期待されるとともに、バリ島などの魅力的な観光地を有し、アウトバウンド需要も見込まれる地域と認識しております。 新潟空港の
路線ネットワーク戦略2017においては、インドネシアを含む東南アジアを新規の国際路線の誘致対象に位置づけており、県といたしましては、需要等も踏まえながら、インドネシアと日本の間の就航実績を持つLCC等を主なターゲットとして、まずはチャーター便の誘致を検討してまいりたいと考えております。 次に、佐渡汽船の小木-直江津航路についてお答えします。 小木-直江津航路の運航ダイヤの変更についてですが、現在のダイヤは、北陸方面や関西方面からの観光客の取り込みを念頭に設定されており、佐渡に約5時間滞在できる日帰り商品の設定も可能になっています。 議員御提案の小木を始発とし、早朝出発の便を設定した場合、佐渡汽船からは、島民の日帰り利用等の増加が見込まれるものの、同航路の島民の利用は約6%と少ないこともあり、ダイヤ変更による観光客の減少により、結果として、航路の利用者数の減少が懸念されると聞いております。 いずれにいたしましても、運航ダイヤについては、航路事業者である佐渡汽船がニーズ等を踏まえて検討し、関係者と協議の上、設定するものと考えております。 次に、再生可能エネルギーの導入についてお答えします。 自然エネルギーの島構想についてですが、この構想は、離島の環境負荷の低減とエネルギー供給源の多様化を図ることを目的としており、再生可能エネルギーの導入を促進することにより、産業振興や生活環境の向上を図るものであります。 再生可能エネルギーの導入促進に当たっては、議員御指摘のとおり、太陽光に限らず、風力など離島における多様な地域資源を活用してまいりたいと考えております。 同構想については、先般、自然エネルギーの島構想として打ち出したところであり、まずは、その取り組みを着実に進めてまいります。 〔
産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕
◎
産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 原発再稼働に係る国の審査状況と電源立地地域対策交付金についてですが、国においては、原発再稼働に対して、設置変更許可、工事計画認可、保安規定変更認可の3つの許認可と使用前検査が行われますが、現在のところ、柏崎刈羽原発に対する国の審査は、6・7号機の設置変更が許可された段階にあります。 電源立地地域対策交付金については、この3つの許認可日のうち、いずれか遅い日から9カ月を経過しても再稼働しない場合、いわゆるみなし交付金制度の適用対象外となり、交付金が減額されることになります。 なお、国の審査には今後一定の期間を要することが見込まれます。 〔
交通政策局長水口幸司君登壇〕
◎
交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 小木-直江津航路の利用者数の推移についてですが、年間の利用者数を便ごとに、「あかね」就航時の平成27年と直近の平成30年で比較しますと、まず直江津9時30分発の便は、平成27年の4万2,415人に対して、平成30年は3万1,859人、同じく直江津14時10分発の便は、4万4,595人に対して2万5,763人、また、小木11時50分発の便は、4万9,152人に対して3万4,765人、最後に、小木16時30分発の便は、3万2,457人に対して2万3,879人となっております。 なお、これらの数値には、繁忙期の増便分や、平成27年における「あかね」就航前のデータは含んでおりません。 平成27年の「あかね」就航後の航路利用者数は、北陸新幹線開業と新船就航の効果により、前年同期比で約4割の増加となりましたが、その後はこうした効果を継続することができず、どの便も年々利用者数が減少しております。 〔佐藤久雄君登壇〕
◆佐藤久雄君 3点お伺いをいたします。 まず第1点目は、柏崎刈羽原発の国の審査。これには、先ほど申しましたように、原子炉設置変更、第2に工事計画、第3に保安規定の審査がありまして、それから使用前検査が残っているわけでありますけれども、現在は、原子炉設置変更の安全宣言がなされたというふうに理解をしております。 しかし、私が知事にお伺いしましたのは、国の審査に対して、県技術委員会が異論を述べた場合と、異論を述べない場合の場合分けをして、それに対する知事の御決断をお伺いするというのが、質問の趣旨であります。これに明確にお答えをいただきたいと思います。 それから、佐渡空港の地権者の問題でありますが、今、知事の答弁を伺っておりまして、今までの知事の答弁と、全くトーンは変わっていないというのを実感いたしました。 しかし、昨年6月の知事選挙が終わった直後、私は5年前から地権者とは交流をしておりましたけれども、非常に大きく変わりまして、知事とお話がしたいというふうにおっしゃっているわけであります。昨年12月24日には、地権者から書類をお預かりしまして、翌25日には、知事にお届けをしております。 このように、地権者の皆さんは、振り上げた拳をおろしたいというふうにおっしゃっているわけでありまして、これに対して、知事はどうお答えになるか。その質問をしているわけでありまして、従来の答弁を繰り返されたことは、全く遺憾であります。 それから、小木-直江津航路の時間帯についてでありますけれども、やはり南部を中心とします佐渡島民の皆さんは、日帰りができないということで、非常に、日ごろから私に苦情を申し立ててきております。 ですから、生活航路としての役割を果たすべきでありまして、観光航路としての役割との接点を、どこでとるか。この辺のところは、やはり県が筆頭株主であるわけでありますから、かじ取りをお願いしたい。 今、従業員の宿舎が直江津にできて、もう3年になりますけれども、これでは観光航路としての役割を固定化する。この点は、佐渡島民は皆さん感じ取っております。この辺、筆頭株主として、県の御英断をお願いしたいというふうに考え、以上3点、再質問をお願いいたします。 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) お答えいたします。 まず、第1点目の柏崎刈羽原発の再稼働に係る御質問ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、再稼働の議論につきましては、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、議論を始めることはできません。 次に、第2点目の、佐渡空港の拡張整備と地権者問題についての御質問であったと思いますけれども、地権者の状況につきましては、現在、佐渡市が中心となって、地権者からの同意取得についての調整を進めていただいているところであり、私としては、佐渡市から十分現地の状況を確認させていただいて、調整させていただきながら進めてまいりたいと思います。 次に、3点目の小木-直江津航路の運航ダイヤの変更につきまして、議員御指摘のように、観光航路としての性格、一方で生活航路としての性格がある。その折り合いについてというお話でありましたけれども、運航ダイヤにつきましては、まさに航路事業者である佐渡汽船が、しっかり観光客や島民等のニーズを踏まえて検討していただき、関係者と協議の上、設定すべきものと考えております。 〔佐藤久雄君登壇〕
◆佐藤久雄君 2点再々質問をさせていただきます。 地権者問題につきましては、今、知事の答弁によりますと、佐渡市が中心となって進めているということでございますが、佐渡市の進捗状況、私が地権者から聞いている話では、全くないというふうに聞いております。どういう進捗状況にあるのか、知事の御認識をまずお伺いしたい。 それから、小木-直江津航路につきましては、やはり39%の持ち株比率を持つ筆頭株主でありますから、島民の利益ということも、また考えていただかなければなりません。その筆頭株主としての役割を、南部を中心としまして、佐渡島民の皆さんは、みんな我々に言ってくるわけです。ですから、もっと大きく言えば、取締役を入れていないというところに大きな原因があるのだろうと思うのですけれども、同社の経営方針について、やはりある程度意見を言っていただかないと、経営上の問題だけでは済まない点もあるかと思います。これもあわせてお伺いをいたします。 〔
知事花角英世君登壇〕
◎知事(花角英世君) お答えします。 第1点目の佐渡空港の拡張整備と地権者問題の件でございますけれども、私としても、地元で調整に当たっていただいている佐渡市から、現在の状況について確認をして、その上で、対応について考えてまいりたいと思います。 2点目につきまして、小木-直江津航路の運航ダイヤの件でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、運航ダイヤについては、やはり航路事業者がしっかりとニーズを、そのニーズというのは、もちろん島民のニーズでもあるでしょうし、観光やさまざまな理由でこの航路を利用される方々のニーズをしっかり踏まえながら、最適なダイヤを考えるべきものと思っております。
○議長(沢野修君) 佐藤久雄君の質問は終わりました。 ――
――――――☆――――――――
○議長(沢野修君) これにて一般質問は終了いたしました。 ――
――――――☆――――――――
○議長(沢野修君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明2月28日、3月1日及び3月4日から3月8日までの7日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、3月2日、3月3日、3月9日及び3月10日は休日のため、本会議を休会といたします。 ――
――――――☆――――――――
○議長(沢野修君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、3月11日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。
△午後4時13分散会...