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12月11日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2017-12-11
    12月11日-一般質問-04号


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    平成29年 12月定例会 本会議平成29年12月11日(月曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第129号議案第2 請願第6号から第8号まで第3 陳情第9号第4 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1  第129号議案 決算の認定について(平成28年度新潟県一般会計・特別会計) 日程第2  第6号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級の実現、教職員定数の増加及び教育予算の増額を      求めることに関する請願  第7号 学費と教育条件の公私間格差の是正へ私立高校への私学助成増額を求めることに関する請願  第8号 すべての子どもたちに、ゆきとどいた教育をすすめることを求める意見書提出等に関する請願 日程第3  第9号 「共同所有貨幣制度」を検討課題とするよう求める意見書提出に関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(矢野学君、宮崎悦男君、高橋直揮君、松原良道君、安沢峰子君、重川隆広君)   ――――――――☆――――――――出席議員(51名)          中村 康司 君  松原 良道 君  笠原 義宗 君  高橋 直揮 君          宮崎 悦男 君  青柳 正司 君  矢野  学 君  石塚  健 君          横尾 幸秀 君  皆川 雄二 君  小林 一大 君  冨樫 一成 君          佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君  小島  隆 君  佐藤  純 君          桜井 甚一 君  西川 洋吉 君  岩村 良一 君  沢野  修 君          金谷 国彦 君  早川 吉秀 君  尾身 孝昭 君  柄沢 正三 君          中野  洸 君  村松 二郎 君  小野 峯生 君  帆苅 謙治 君          渡辺 惇夫 君  石井  修 君  三富 佳一 君  星野伊佐夫 君          藤田 博史 君  佐藤 伸広 君  小島  晋 君  池田千賀子 君          秋山三枝子 君  高倉  栄 君  上杉 知之 君  大渕  健 君          長部  登 君  小山 芳元 君  安沢 峰子 君  志田 邦男 君          渋谷 明治 君  青木太一郎 君  佐藤 浩雄 君  片野  猛 君          小島 義徳 君  佐藤 久雄 君  重川 隆広 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            米山 隆一 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           溝口  洋 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        杉本 孝信 君 県民生活・環境部長     丸山 由明 君 防災局長          山田 治之 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働観光部長      佐久間寛道 君 農林水産部長        目黒 千早 君 農地部長          石川 善成 君 土木部長          美寺 寿人 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    山田富美子 君 病院局長          岡俊  幸 君 企業局長          小林 康昌 君 教育長           池田 幸博 君 人事委員会事務局長     長谷川 誠 君 警察本部長         山岸 直人 君 労働委員会事務局長     田村 定文 君 監査委員事務局長      本間由美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(金谷国彦君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第129号議案 ○議長(金谷国彦君) 日程第1、第129号議案を議題といたします。 普通会計決算審査特別委員長の報告を求めます。小島隆君。   〔小島隆君登壇〕 ◆小島隆君 普通会計決算審査特別委員会に付託されました第129号議案、平成28年度決算の認定について、本委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案につきましては、去る9月定例会において、継続審査となり、閉会中審査を重ねてまいりましたが、12月8日にその審査を終了したものであります。 以下、審査の過程で述べられた主な意見について申し上げます。 まず、農林水産部関係として 新之助については、試験販売を通じたPR等により、首都圏においても相応の認知が進んでいるものの、今年度以降の本格販売を一層促進することが重要なので、非コシヒカリ系としてのトップブランド確立に向け、競争相手となる他県ブランド米を意識した上で、より具体的な販売戦略を構築すべきとの意見。 次に、交通政策局関係として 日本海横断航路事業など県の重要プロジェクト遂行に当たっては、リスク管理を踏まえた適正な事業執行体制の構築が重要なので、ガバナンスの確立・改善に引き続き尽力すべきとの意見。 また、県議会の有する監視機能を最大限発揮できる環境づくりが求められているので、適時適切な情報提供・共有のあり方を検討すべきとの意見。 以上が、審査の過程で述べられた主な意見の概要であります。 次に、議案採決に先立ち、各党の党議結果並びに無所属委員の検討結果の報告を求めたところ、第129号議案については、各党・無所属委員とも原案賛成というものであります。 次いで採決を行い、原案のとおり認定すべきものと決した次第であります。 以上をもって、報告といたします。 ○議長(金谷国彦君) これより、第129号議案を採決いたします。 議案のうち、まず、平成28年度新潟県一般会計歳入歳出決算及び平成28年度新潟県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら2件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。2件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○議長(金谷国彦君) 起立多数。よって、2件は委員長報告のとおり認定いたしました。 次に、同じく第129号議案のうち、残りの平成28年度新潟県県債管理特別会計ほか10特別会計の歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら11件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。11件を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、11件は委員長報告のとおり認定いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第6号から第8号まで △日程第3 陳情第9号 ○議長(金谷国彦君) 日程第2、請願第6号から第8号まで及び日程第3、陳情第9号を一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第6号から第8号まで及び陳情第9号は、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(金谷国彦君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、矢野学君の発言を許します。矢野学君。   〔矢野学君登壇〕(拍手) ◆矢野学君 おはようございます。自由民主党議員団の矢野学でございます。 知事就任後1年が過ぎましたが、選挙時に示された6つの公約、就任時の所信表明について、どのようなスタンスのもとで県民にわかりやすく、そしてスピード感があって、ハードもソフトも目に見える形で推進されるのか、注目してきたところであります。 知事の記者会見、議会における一般質問の回答、あるいはまた、知事のタウンミーティングなどにおいて、明確な方向性と県民を引っ張る意欲を、まだ感じ取ることが私はできないでいるところでありますが、特にソフトに関しては、いろいろな表現の仕方で考えを述べられますが、理念というものに理解しがたい文言が多いので、明快な御答弁を期待して質問をさせていただきます。 まず、知事の政治姿勢について伺いますが、選挙時の公約については、就任時の臨時会での所信表明で、同じことを決意表明されました。また、今年度当初予算において、全部ではありませんが、公約に向けた重要項目も示されたところであります。 知事就任後1年が経過したわけでありますが、選挙公約に基づき所信表明された項目がどの程度達成されたのか、また、進捗率はどのくらいだと考えておられるのか、お伺いいたします。 本県における今回の総選挙は、与野党が拮抗した結果となりましたけれども、一方で国会では我が党が多数を占め、引き続き政権運営が安倍総理のもとで推進されております。県政運営を推進するために、どの政党を重視して県勢振興に当たるのか、また、国会では野党となる県選出国会議員とどのようなスタンスで向き合い、県勢振興に努力されるのか、お伺いをいたします。 日本海横断航路問題で、前知事と部局長との間で認識の違いがあったところでありますが、知事就任以来、庁議メンバーとどのようにガバナンスの構築を図られ、県政運営全般において具体的にどのような成果があったとお考えか、お伺いをいたします。 次に、議会における所信表明では、選挙公約と同じ表明をされていることを踏まえ、特に県民にとって大きな関心があります住民参加への責任について、6月定例会で一般質問をいたしました。 その際、住民参加への責任には、徹底した情報公開、一人一人が参加できる対話型県政の推進が、前提として含まれておりますので、その理念や実施の手法などについて質問してきました。 再質問での答弁では、住民参加への責任との表明については、文言の解釈は標語であると答弁されました。 こうおっしゃっています。標語というものと実際の政策との整合性、これは私が質問したことでありますが、この標語、ある種のスローガンですが、スローガンが間違っているとも思わないとの御答弁であります。 私の認識としては、この議場の場で、標語という意味や考え方で質問しておりませんが、知事の公約や所信表明の政策の柱であります、原子力防災の取り組みだとか、食と農を守る責任など、6つの柱があります。これは皆、標語なのでしょうか。見解を伺います。 次に、住民参加への責任について質問いたします。 まず、質問の前提を申し上げます。私と知事との認識が大きく違うので、整理して申し上げたいと思っております。 まず、所信表明と公約の、住民参加への責任の意図するところは、県政運営を担う上で、結論を出す前段階として、住民の参加を高め、できるだけ納得の合意形成を図って、県民の意見を反映していくこと、そのように私は解釈しております。 したがって、従来の県政史上において実施されていない発想で、住民みずからの参加を促すことを意図した上での情報公開、対話型県政の表明だと思っています。単一の情報公開あるいは対話型県政と違うということです。違っておりましたら、知事、反論してください。 今までの知事答弁は、住民参加を意図したものではなく、知事と県民による対話でしかありませんので、他県の取り組みを紹介しておきます。 島根県の溝口知事は、2007年の就任時に、県民との対話を掲げて初当選され、県民の声を施策に反映させるための組織として県民対話室を設置して、知事公聴会を開始されました。2017年までの11年間に947回開かれたとのことであります。 手法として評価することは、県民対話を島根県知事主導で1年に100回も実施されているということであります。現場視察の上で関係者と意見交換をする、例えば、どこでもふれあい懇談会、あるいは、終日県民の意見を聞く一日対話の日、県庁内で行う気軽に知事とミーティングというようなことをおやりになっておられます。 島根県議会では、中山間地域とか離島対策、これらの地域課題が多いので、積極的にもっともっと出かけるべきだとの意見が、これだけの回数をされてもあるそうであります。 溝口知事の取り組みは、知事主導の公聴会であることから、県民との対話という知事みずからの認識で実施されているものと思っております。 米山知事の表明は、そのまま解釈すれば、住民参加への責任というのは、住民が主体となった対話を進めることであり、その前提として、対話型県政、徹底した情報公開を実現するとのことですから、島根県知事と立ち位置が全く違うということです。 したがって、米山知事のほうが、むしろ、私からすれば、県民からすれば、県民の参加を促す意味で先進的な考えであろうと思っていました。 しかしです。私が、再三にわたり知事公約の一つの項目として、住民参加への責任についてお聞きしてきましたが、知事は、この実現には、対話型の県政によって実現するとして、一人一人が参加できる県政の実現、徹底した情報公開を声高々に申されているにもかかわらず、昨年の12月と本年6月の一般質問では、その理念と具体的な手法、県庁組織をどのように変えていくのか、県民、団体などに対してどのような協力を要請されるのかなど、住民に対して参加を促す、知事の具体的な回答がありませんでした。 そして、残念なことです。昨年の12月の一般質問での答弁で、住民参加、対話型県政、徹底した情報公開ということは、今までどおりのことをやる、そして、同じことをどうやるかというのが重要だとおっしゃっています。 情報公開や住民参加に関しても、非常に奇をてらった新しい手法というのがあるわけでは全くない、そして、メール等でお話を聞いたり、タウンミーティングをしたり、ワークショップに参加したりといった従前ある方法をやるしかないのだとの御答弁でありました。 こうした住民参加への責任に対する知事答弁を総括すると、従来から県が行ってきた枠組みの中にとどまり、こうした答弁は、先ほど申し上げました、知事公聴会、あるいは、県民と知事との対話、あるいは、単なる行政運営の会議でしかありません。とても公約や所信表明などの重要項目とは思われませんし、責任が希薄ではないでしょうか。これでは県民と県政の距離が近くならないのではないですか。 私には、御自身の発想から生まれた新たな挑戦や理念ではないという疑いが晴れません。住民参加への責任という表明は、私には他の人のおつくりになった文言に聞こえてきます。 公約で掲げた住民参加への責任は、知事自身の発想や理念から生まれた言葉なのでしょうか、お伺いをいたします。 住民参加、対話型県政、徹底した情報公開の3点セットは、米山県政を推進される中での柱であるというふうに私は捉えて質問を続けますが、この3点の柱を推進するためには、まず、従来の県政と違う立ち位置を示すため、県民目線で従来の会議も含め発想の転換を図り、県民参加のための具体的なフォーラムとかイベントなどが必要だと思います。 このためには、多くのお金はかかりませんが、多くの時間と発想の転換、そして改革が必要ではないかというふうに思っております。最も必要な改革は、県庁組織が知事の理念を理解し、目に見える形で取り組むことでございます。 県政運営の柱であるとの認識のもとで、住民参加、対話型県政、徹底した情報公開について、この1年どのように取り組まれてきたのか、お伺いをいたします。 また、住民参加については、6月定例会でも紹介しましたが、ある識者は、市民参加について、こういうことを言っていらっしゃる。 市民参加とは、政治行政を役所に任せることなく、市民が自治の重荷を日常的に担っていくような市民自治の仕組みを確立するために、次が大事であります、市民間の討議を拡大していくことであると、提言されています。 そこで、知事の、住民参加への責任を果たすとの重点的な取り組みにおいて、責任を負う対象者というものが、知事のほかに存在するのか、あるいは、存在するのであれば、知事自身の責任だけでなく、住民が県政に参加する責任もあると考えておられるのか、私がお伺いいたしました。 前段の御答弁では、県民の皆様にも県政のさまざまな課題や取り組みについてみずからのことと考え、行動につなげていただきたいと答弁されたのですが、つけ加えて答弁されたところは、責任というのはやはり行政側が持つものであって、県民の皆様はそれに参加していただきたいという要請であって、責任というものではないというふうに捉えているとの御答弁でした。住民参加への責任について、どのように行政が責任を持つのでしょうか。大きな疑問であります。 6月定例会の答弁で、知事は、住民参加への責任の、責任は行政が持つものであって、県民に対しては参加を要請することだとの認識でいらっしゃいますが、行政が責任を持つとの根拠というのはどのような考え方なのか、また、行政が責任を持つ具体例を伺います。 次に、私は、対話型県政の対話というものは、合意形成をするために、納得に向けた話し合いのプロセスが重要になるという認識こそが大事であり、従来の県政で取り組んできた事案を無理に対話型県政だと言うのは、知事の認識不足だと申しました。 知事は、ボトムアップの対話型県政という中で、対話の中には当然説得が入ってくるし、説得というのは当然対話を前提にしていると、説得が入ったからといって対話型でないということでは全くない、そもそも対話というものは説得というものを本質的に含んでいると答弁されました。 行政が、県民の中に入って説得もあるなどとおっしゃいますが、説得というようなものを本質的に含んだ対話では、住民参加を促す対話型県政だと解釈することに非常に無理があります。私には理解に苦しむ答弁であります。 住民のみの参加による対話ではなく、行政も対話の中に入るのが対話型県政だと位置づけていらっしゃるのであれば、そのように対話型県政だと位置づけている根拠をお聞かせいただきたいし、住民参加の対話の場を設け、あるいはまた、参加した県民のアイデアや意見を県政運営に生かすために、行政側からの説得を本質的に含んでいるのか、改めてお伺いいたします。 知事は、従来の県政で行われてきた具体例のみを挙げて、住民参加、対話型県政だとおっしゃっていますが、従来の例示された手法そのものが、住民参加による対話型県政ではないと、私は考えておりますので、質問をしてきたのです。 その理由として、泉田前知事が策定された上位計画の新潟県「夢おこし」政策プランには、地域主権に向けた発想の転換が必要であるが、職員の意識は旧態依然のままで、現場から新たな価値を創造しようとする行動につながらないという記述があります。 しかし、目指すべき政策目標などには、住民参加だとか、対話型県政という文言はないのでございまして、従来の県政で行われてきた具体例は、対話型の県政と連動していないということであります。 230万県民に対し、一人一人が参加できる県政の実現を目指す、住民参加への実現は、容易なことではできませんから、従来やってこられた事案を当てはめただけの御答弁では、十分な知事の認識が確認できませんし、具体的な手法が見えない以上、実効性に大きな疑問があるということであります。 知事は、答弁で、住民参加の手法というものに関して新しい手法があるわけではない、既にある手法をきちんとやっていくと述べられましたが、従来の県政運営で先進的な住民参加、あるいはまた、対話型県政を行ってきたなどと、先ほど申しましたように、私は評価しておりませんから、知事は、従来行ってきたことを踏襲しながらも、きちんとしたやり方をして住民の意見を聞くことが重要と答弁されておりますけれども、従来の手法を継続することが、知事公約に掲げた対話型県政であるとすれば、予算発表資料に掲げるほどの重要項目だとは思われませんが、重要項目との認識なのでしょうか、お伺いをいたします。 住民参加、対話型県政を推進する場合には、県庁組織、特に職員の意識改革が最も大切と指摘してまいりました。 知事は、日ごろから現場の声を聞き、課題やニーズを把握する機会を職員一人一人がつくっていくよう徹底することと、現場の声を施策形成の中心に据えることを基本とするとの答弁でした。 具体的な手法は何も示されておりませんが、巨大な県庁組織の中で、この程度の安易な考え方で県庁全体に、住民参加、対話型県政が浸透するわけがありません。 就任以来、知事はどのような方法で職員に対して現場の声を聞くよう徹底されましたか。また、対話を通じて現場の声を反映した施策形成がなされたのか、具体的な事例についてお伺いいたします。 また、職員は住民の方々と非常に向き合っている、こういう認識を示されていますが、先ほど、新潟県「夢おこし」政策プランで申しました。職員の意識は旧態依然のままだと、現場から新たな価値を創造しようとする行動につながらないと、政策プランで言っているのです。知事の認識と随分違います。 住民参加を主管する窓口がどこなのかさえも私にはまだわかっておりませんが、答弁では、職員の人材育成については職員研修を行い、住民に密接な行政運営を行っている、そして、市町村への派遣だと答弁されていますが、対話型県政実現に向けて、職員意識が向上しているとの考えなのかどうか、お伺いいたします。 先ほども申しましたが、住民参加への責任は、行政が責任を持つとの認識でいえば、まずは庁議メンバーから住民参加、対話型県政の理念を熟知していただく必要があり、末端の組織にまで浸透させることが不可欠ではないでしょうか。 特に庁議メンバーとの意思の疎通、コミュニケーションが大切となりますが、知事として、改革に向けて先頭に立つ必要のある庁議メンバーについて、この1年どのような手法を用いて住民参加への意識向上につなげられたのか、お伺いをいたします。 6月定例会における我が党の代表質問の際には、新たな総合計画の特色の一つとして、対話型県政の実現に向けた取り組みを挙げておられます。「夢おこし」政策プランとの違いがあると答弁されておられます。 新・総合計画の策定において、知事の目指す住民参加への責任を果たすには、総合計画の策定に着手している今が、対話型県政を進め、県民の豊かなアイデア、県の発展と県民生活向上に生かす、これは知事がおっしゃっているのですが、チャンスではないだろうかと思います。 過程を見ますと、県の意思形成の段階から、県民の意思が反映されるよう住民参加による計画策定がなされたという形跡がありません。6月定例会での御答弁では、計画骨子案を市町村に説明すること、あるいはまた、パブリックコメントの実施のみの回答でございました。 現在のところは、新・総合計画策定検討委員会の公開のみでありますから、新・総合計画の策定において、住民参加、あるいは、対話型県政のもと、計画策定の責任が果たされたとは、到底私には言いがたいのでございます。 また、先般、県市長会と町村会は、「にいがた拠点化・活性化検討会議」を設立されました。2019年4月に、県に提案するとされていますが、こうした市町村からの提案に対して、新・総合計画に反映する必要があると思いますけれども、知事は、新・総合計画が住民参加によって策定されたとお考えなのか、また、市町村の提言についてどのように反映されるのか、お伺いいたします。 このたびの新・総合計画案では、計画推進に当たって、対話型県政の推進として、県民の皆様にも、県政のさまざまな課題や取り組みについて、みずからのこととして考え、行動につなげていただくことが重要であるという記述をもとにして、市町村・住民等との連携・協働、近隣県との連携を挙げておられます。 住民参加とした対話型県政の推進に、市町村、近隣県との連携とか、あるいは、こういう自治体との連携という項目がありますけれども、対話型県政の対象として、自治体が入るのかどうか疑問でございますが、どのような認識に基づくことなのか伺います。 次に、情報公開と情報提供についてお伺いいたします。 住民参加、対話型県政の推進の前提となるのが、徹底した情報公開でございます、このように知事は答弁されておりますが、広義に解釈して、もっともなことだと思いました。 ところが、徹底した情報公開というのは、情報公開条例に基づくもので、求められた情報にきちんと公開していくことであって、情報提供は含まれないとの答弁です。 私は、住民参加、対話型県政を推進する上で情報公開をどのように考えるかとの視点で、情報提供も含むと考えてお聞きしたのですが、徹底した情報公開ということは、情報公開請求に基づくものだとの御答弁で、県政の情報を可能な限り例外を設けることなく県民の皆様に公開するスタンスに立ち、条例で定める非公開情報を除き原則として公開すると、これは当たり前なことでありまして、そのことをおっしゃいました。 また、情報公開条例の趣旨を徹底するとも御答弁されていますが、従来から行われている事務的な処理だと私は解釈しますし、法令や条例などによって決まっていることに対して、趣旨などを徹底するとの答弁は、住民参加に必要な条件ではないと私は思っております。 知事は、住民参加の前提条件として、情報公開条例に基づいた情報公開で、さらに公開を徹底する情報の項目があるのか、また、条例改正等によって徹底する必要があるのか、改めて伺います。 今ほど申しました、狭義の御答弁では、住民参加、対話型県政の推進の前提となる徹底した情報公開は必要ないのでありますが、ましてや知事を先頭にした徹底した情報公開ということ自体に、その意味がなくなるのではないでしょうか。県民目線からすれば、虚偽の公約になります。 それでもなお、知事は、公約に掲げた住民参加に必要な情報公開とは、条例による情報公開だということであれば、情報公開に情報提供を含むと考える私とは認識が異なるのでございます。 住民参加との整合性をどのように説明されるのかお伺いいたしますし、情報公開条例による狭義の情報公開だけで、対話型県政の推進に役立てられるとお考えなのか、所見を伺います。 次に、公約や所信表明の情報公開には、情報提供が含まれないとの認識ですが、住民参加、対話型県政の推進に重要なことは、積極的な情報公開、情報提供だと御答弁されておりますけれども、この1年が経過した中では、積極的な情報公開、情報提供が見られないと思いますが、例えば日本海横断航路のあり方検討委員会と11月30日に開催された新潟空港アクセス改善協議会において、非公開とされました。 非公開の根拠については、闊達な議論のためには、率直な意見交換が困難になる、あるいは、人目が気になって言いたいことが言えないというような回答であります。 私は、非公開理由は、提唱されている徹底した情報公開、情報提供と逆行した理由である、そういうふうに思いますが、情報公開と矛盾していないのか、お伺いいたします。 次に、津波浸水想定による防災対策についてお伺いいたします。 11月15日に、2011年12月施行の津波防災地域づくりに関する法律に基づく試算が公表されました。今回は、最高津波水位の最大値が大きくなったことや、浸水面積の増加が高くなった地域もありますけれども、平成25年公表と同じく、津波の影響開始時間は最短で5分となっております。 この公表によって住民への情報提供などを含め、目標数値を定めた防災対策が必要となりますが、県の津波防災に対応したインフラ整備の考え方についてお伺いいたします。 また、市町村は津波防災地域づくりに関する法律に基づいて推進計画を策定することとされていますけれども、市町村が今回の浸水想定を受け、対応を検討していくに当たりまして、市町村を積極的に支援していくべきと考えますけれども、どのように市町村を支援し、対策を進めていくのか、お伺いいたします。 次に、上越地域の課題についてお伺いいたします。 11月25日に、上越魚沼地域振興快速道路の魚沼―十日町間を結ぶ難所の八箇峠が開通いたしました。開通までに御尽力された所管の国土交通省、あるいは、努力されてこられた知事初め関係者に感謝申し上げます。何よりも地元県議の方々の御尽力に敬意を表したいと思います。 知事も御出席されて御承知のように、上越市と十日町市、南魚沼市を結ぶ上越魚沼地域振興快速道路については、十日町市から上越市に至るルート選定、工事着工の見通しが、いまだ立っておりません。 11月21日には、上越市と十日町市、南魚沼市を結ぶ大動脈であります国道253号が、上越市の大島区太平地内で交通事故によって9時間30分の通行どめとなりました。県道の迂回路が難所のところが多く、大渋滞となりましたので、改めてこの上越魚沼地域振興快速道路の重要性が再認識され、早期の完成が望まれるところでございます。 安塚から大島間における上越魚沼地域振興快速道路の建設促進について、お伺いをいたしたいと思います。 北陸新幹線開通による上越妙高駅周辺の交通網整備が進んでおりますけれども、駅までに至る県道整備がおくれております。 とりわけ、国道18号上新バイパス寺インターチェンジの西に位置する上越大橋については、橋に至る道路は4車線でありますけれども、暫定2車線供用になっております。今後の4車線化の見通しについてお伺いをいたします。 上越地域振興局の庁舎につきましては、本館の建築時期が昭和38年と各地域振興局の中で最も古い庁舎でございます。エレベーターもなく、バリアフリー化も進んでいない状況でありますし、加えて離れた場所に健康福祉環境部がありますので、統合も想定した上越地域振興局の改築が急務と考えますが、所見をお伺いいたします。 以上で一般質問を終わります。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの矢野議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、就任1年での公約の達成状況等についてですが、私は、昨年の臨時会において、県民の皆様の思いを踏まえ、命と暮らしを守り、現在と未来への責任を果たすとの基本理念のもと、公約に掲げた6つの責任を柱として、県民の皆様の切実なる思いに応える県政を実現していくことを表明させていただきました。 就任後1年を経過して、これらの6つの責任を柱として展開した具体的な施策では、原発事故に関する3つの検証を行う委員会を設置し、検証をスタートさせ、ビッグデータを活用した地域の健康課題の分析や給付型奨学金の創設などの検討・具体化を進めました。 加えて、市町村長の皆様と定期的な意見交換や現地視察を通じて緊密な意思疎通を図るとともに、タウンミーティングの開催などを通じて、県民の皆様から直接御意見を伺う機会を積極的に設け、現場のニーズに基づいた施策展開ができるよう取り組んでまいりました。 いずれの取り組みもまだ緒についたばかりではありますが、今後は、私の公約を踏まえて策定に取り組んでいる新・総合計画案で示している政策の方向性に基づき、その実現に向けて着実に取り組みを進めていきたいと考えております。 なお、公約の進捗率につきましては、1期4年の初年度であり、事業の実施の前段階である計画や調整も多かったため、おおむね10%から20%程度と考えておりますが、今後は、施策を進めるスピードを上げ、公約の実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、政党などへのスタンスについてですが、私といたしましては、特定の政党を重視するのではなく、与野党いずれの県選出国会議員の方にも、それぞれの立場で、県が抱える課題の解決に向けて、県の代弁者として国政の場で積極的に御議論いただき、県政をより前に進めるために、御協力をいただきたいと考えておりますので、等距離でぜひ一緒に県政を前に進めさせていただければと思っております。 次に、県庁内におけるガバナンスの構築と具体的な成果についてですが、今後は、二度と日本海横断航路のような事態が起きないよう、プロジェクトを進めていく上で、権限と責任を明確化し、報告体制を確立することなどについて、庁議等の場において周知徹底し、ガバナンスの確保に努めております。 具体的な取り組みとしては、全庁で県のさまざまなプロジェクト等を洗い出し、それぞれについて責任者等を明確にするとともに、随時、進捗状況等の確認を行っております。 また、部局長に対しましては、私自身が、常に職員の声に耳を傾ける姿勢を示し、日ごろから政策議論を行うとともに、意見交換の機会を設け、率直な話し合いを行うなど、円滑な意思疎通に努めているところです。 その結果、部局のマイナス情報も報告が迅速に届くようになるなど、効果も出てきていると思いますが、ガバナンスは、形も大切でありますが、不断の取り組みとその検証が、より一層大事であると考えております。 こうした取り組みを継続する中で、しっかりとした成果があらわれてくることを期待しております。 次に、公約などの政策の柱は皆、標語なのかということについてでございますが、公約は、私と県民の皆様との約束でありまして、当然のことながら、その実現に向けて取り組むべきものと考えております。 6月定例会におきまして、私が公約の言葉を標語と申し上げましたのは、公約は、私の政治姿勢や今後の県政に対する考え方について、人によっては10秒から30秒立ちどまって聞くだけの演説においてもお伝えできるように、わかりやすく、かつ、簡潔にまとめたものであるということであり、その内容を軽視したものではございません。 標語の例といたしましては、飲んだら乗るな、乗るなら飲むなというのがありますが、あれも簡潔に示しているものでございますし、また、御党が掲げました、日本を取り戻すであるとか、一人一人が輝く社会というのも、それは標語でございまして、それは決して軽視しているわけではないということだと思いますし、だからといって標語は一つ一つの政策に、日本を取り戻すというものは一つ一つの政策に合致するわけではありませんので、それと同じようなことであろうというふうに思っております。 公約で掲げるのは、やはりそれは短く、わかりやすく、飲んだら乗るな、乗るなら飲むなと同じように、わかりやすくしているということであるというふうに理解しております。 公約を踏まえてその具体化に向けて現在策定しているのが新・総合計画案であり、その政策の方向性に基づき、公約の内容の実現に向けて着実に取り組みを進めてまいります。 次に、住民参加への責任についてお答えいたします。 まず、住民参加への責任は、私自身の発想や理念から生まれたものか、ということでございますが、住民参加というのはもちろん民主主義の一内容であると思うのですけれども、民主主義というものは、基本的にはギリシャ・ローマにさかのぼる非常に長い歴史の中で培われたものでございまして、もとより私が発想した理念でも言葉でもないわけでございます。 住民参加も、もちろんその言葉も理念も、長い民主主義の歴史の中で確立した概念でありまして、特段、私がつくったり発想したというものではないというのは、それは言わずもがなではないかと思います。 例えば、また御党を例にとって恐縮でございますが、有名なアベノミクスというものも、命名は安倍総理かもしれませんけれども、その内容は長く経済学会で議論されたリフレ議論、リフレという議論を採用したものでございまして、安倍総理がつくったとか発想したというものではございません。安倍総理がそれを採用したということであると、私は理解しておりますし、基本的に政策というものは、そのようにさまざまな方の提言や議論を参考にして、適切な政策を採用するのが、政治家の役割であるというふうに認識しております。 私といたしましては、情報公開を徹底し、対話の場を設け、県民の豊かなアイデアを生かす対話型県政の実現によって、住民参加への責任を果たす県政にしていくと、これはもちろんさまざまなところででき上がった概念であり、言葉でありますけれども、それを採用させていただき、その決意を公約として掲げたものであるというふうに考えており、その意味では、私の理念から採用したということであると考えております。 今後も、県民の皆様からの意見に真摯に耳を傾け、県政に生かしていくということを丁寧、かつ、継続的に行い、公約の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 また、溝口知事のお取り組みというのは、それは大変すばらしいと思うのですけれども、基本的にはそれに類することを、それに類していたらいかぬという話なのかもしれませんが、タウンミーティング等は同じ発想であり、そういった先人がやられたことを同じような発想で、しかし、きちんとやっていくというのは、重要なことであろうというふうに思っております。 次に、この1年間の住民参加等の取り組みについてですが、県民の皆様の意見を県政にしっかりと反映するために、県民の皆様との対話の機会を積極的に設けてまいりました。 その一つとして、私が直接県民の皆様と触れ合い、対話するタウンミーティングは、対話の機会を最大限活用できるよう、開催方法やテーマを工夫して実施してまいりました。 また、市町村長の皆様とは、全市町村長との意見交換や、市長会・町村会との定期協議、また、私みずからが各地域に足を運び、個別に対話を行ってまいりました。 加えて、対話型県政を推進する前提となっている情報公開については、原則として情報を公開するという基本的な考えのもと、個人情報など非公開情報に該当するものを除き公開するという、条例の趣旨に沿った運用を徹底したところでございます。 また、決してこれは、この後の質問にもかかわるところでございますが、情報提供をしないという意味では全くありませんで、基本的には言葉の問題といいますか、私は、情報公開といえばそれは情報公開のことであり、情報提供は情報提供のことであるという意味でお答えしていることでございまして、もちろんタウンミーティング等々をするに当たっては、議論の前提となる情報が提供される必要がございますので、情報提供にも努めているところでございます。 また、県民の皆様から県政への興味や理解を深めていただくよう、さまざまな広報媒体を活用して、県民の皆様にわかりやすい情報提供にも努めてきたところでございます。 次に、住民参加への責任を行政が持つ根拠等についてですが、これは恐らく、住民参加というものに対して言っていることが違うのだろうと思います。 もちろんNPO等を例えば想定して、もしくは町内会のようなものを想定して、住民が自発的にその場で住民だけで話し合って、ある種その場における政治といいますか、自治に参加しているというものを住民参加というのであれば、私が言っている住民参加はそれではないのですけれども、もし全く行政が関与しない住民参加というものを想定されているのであれば、それはあくまで行政は参加しないのだと思うのです。行政とは関係ないところで行われていることであり、そういった住民参加があるのは、もちろん尊重すべきだと思います。 ただ、県政としては、それに対して県との役割の分担、整合性等を考えたり、いずれにせよ誰がどう役割を担うかという県政との役割分担があるからこそ考えることであろうというふうに思います。 そうしますと、基本的にはそういった形も含めてさまざまな形で、やはり私が言っている住民参加というのは、県政の枠組みにおける住民参加、県政の枠組みに対する住民参加という意味であるというふうに考えております。 繰り返し、それは住民同士の自主的な住民における参加を否定するものではないというところは、申しておきたいと思っております。 代表民主主義制度における政治家は、その理念として、一人一人の有権者が政治に参加することの代替として代表に選ばれているものであり、理念上、有権者の政治参加を実現する責任があるものと考えております。それを反映して、まずもって選挙、さらには住民による直接請求等、住民参加の場を設け、運営することが法定されております。 法定されている範囲を超えて、住民参加の責務をどのように具現化するかの判断は一人一人の政治家に委ねられるものと思いますが、私は、さまざまな立場の県民の皆様の多様な御意見を真摯にお聞きし、対話を重ねながら集約を図り、施策立案に的確に反映させ、それを地元の要望等をよく御存じの県議会の皆様との議論に付していくことで、具現化してまいりたいと考えております。 したがって、法定されている具体例といたしましては、選挙や住民による直接請求等、また、その機会をきちんと執行するということだと思いますが、直接請求等であり、それを超えるものにつきましては、日々の行政運営そのものであると理解しております。 次に、対話型県政における県の位置づけ等についてですが、対話を通じて、県民の皆様からの多様な意見を伺う手法といたしましては、議員御指摘の、県民の皆様同士がワークショップのような形で一定のテーマについて議論し、それを行政に提案していただく場合もあれば、行政も議論に加わって意見交換を行うタウンミーティングや、行政から案を示して意見を求めるパブリックコメントなどもございます。 県といたしましては、さまざまな話題やテーマごとにふさわしいやり方で、県民の皆様の意見をお聞きし、政策立案に的確に反映できるよう、県の施策形成プロセスに対話を位置づけていく必要があるものと考えております。 また、最終的に実施することとした施策が、より大きな効果を発揮するためにも、できるだけ多くの県民の方々に理解し、納得していただくことが必要であり、対話には、本質的に説得も含んでいるものと認識しております。 対話というのは、常に両方向だと思うのですけれども、それは住民の皆様からの御提案ということであれば、それは住民の皆様が県を説得、抽象的な県ということですが、県を説得するわけですし、逆に県が自分の施策を説明するということは、ある程度そこには説得という作業が入るのだと思います。 逆に相手の意見を変えようとして説得するということが全くないのであれば、それは対話というか、おしゃべりというか、それはただ単に話しているだけであって、特段、政治的な意味合いというのは薄いのだと思います。 政治的な意味における対話というのは、基本的に相手を説得するということが、いずれの方向に対してであれ本質的に入っているというふうに理解しております。 次に、対話型県政の重要性の認識についてですが、対話型県政を推進するための方法として、全く新しい手法があるわけでは、私はそれはないと思うのですけれども、全く新しい奇抜な方法をとることが、よりよい対話を実現する方法とも考えられないというふうに思っております。 対話というのは、古来人間が行ってきたものですから、それほど手法に変わったものがあるわけではなく、従来行ってきた対話の中で、さまざまなよりよいことをしていけばいいというふうに考えております。 従前からあるさまざまな方法を活用しつつ、よりよい対話が実現する方法で、県民のニーズや県民の皆様の御意見を真摯にお聞きすることが、住民参加の上で一番重要なことであると考えております。 その上で、いただいた御意見を的確に施策に反映させることで、よりよい県政を実現してまいりたいと考えていることから、対話型県政は県政運営における極めて重要な項目であるというふうに考えております。 次に、職員に対する現場の声を聞くことの徹底等についてですが、私みずからが職員に対して、県民の皆様の多様な御意見を真摯にお聞きし、対話を重ねながら施策立案につなげていくことの重要性についてのメッセージを発信しているほか、職員研修や県民視点での業務改善の取り組みを通じて、現場の課題やニーズを把握する機会をつくっていくよう徹底し、職員の意識向上と職場づくりにも努めてまいりました。 また、実際の施策形成において、住民や企業、市町村の意見・要望といった現場の声を聞くことを徹底したところです。 現場の声を踏まえた対応の具体的な例をお示しすると、救急現場の声等を踏まえ、夜間の急病等の際に、受診の必要性等を相談できる電話相談窓口を設置したこと、また、地域住民の参加した協議会での議論を踏まえ、県と地元自治体が支援することで、寺泊―赤泊航路の次年度の運航継続を佐渡汽船が決定したことなどがございます。 引き続き、来年度予算編成に向けても、政策議論を通じて、現場の声を適切に施策に反映してまいりたいと考えております。 これで徹底するのかとおっしゃるかもしれないのですけれども、県庁の中に指示といいますか、私の考え方を周知徹底する方法というものは、基本的にはこれも奇をてらったものはなく、指示と、かつ、県庁の方は怒るかもしれませんが、率直に言って人事ということでございまして、的確な指示をして、それを実行しない方は的確な対処の後に人事でプラスにもマイナスにも報いるということをしていくことが、私の考え方を県庁内に徹底させる最も簡潔かつ効果的な方法であろうというふうに考えております。 次に、対話型県政の実現に向けた職員意識の向上についてですが、議員御指摘の、職員の意識は旧態依然のままとの記述については、「夢おこし」政策プランには、いいシナリオ、悪いシナリオというのがございまして、その悪いほうのシナリオ、避けるべきシナリオとして記載されているものであり、そうなっているという意味ではないと承知しております。 先ほどお答えしましたとおり、対話型県政の推進に向けて、職員の意識向上と職場づくりに努め、実際に現場の声を反映した具体的な施策形成に取り組んでいる事例もお示ししたところでございます。 私としては、従前の状態をそれほどよく把握しておりませんので、比較はこの1年のみとなってしまいますし、また、知事という立場ですと、本当の現場の状況が子細にわかるというわけではないのですけれども、職員の意識は引き続き向上しているものと捉えております。また、もちろんそれで満足していいというわけではございませんので、今後さらなる向上を求めていくべきであると考えております。 今後とも、着実な取り組みを継続することを通じて、職員意識の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、庁議メンバーに対する住民参加への意識向上についてですが、対話型県政を推進していくためには、各施策・事業の実務的な責任者である部局長と目的意識を共有していくことが極めて重要であると考えております。 そのため、部局長とは、庁議の場や日ごろの政策議論に加え、迅速な情報公開が一つの課題となった事案の発生などの機会も捉え、業務を推進する上での徹底した情報公開や積極的な情報提供及び現場の声に基づいて、施策形成を行うことの重要性を伝えてきたところです。 次に、新たな総合計画の策定における住民参加と市町村意見の反映についてですが、計画策定に当たっては、2度にわたるパブリックコメントタウンミーティングの機会を通じて、県民の皆様からいただいた御意見や、県民の代表である県議会の場における御議論、住民に近い市町村からいただいた御意見をできる限り計画案に反映させながら、策定を進めているところです。 中でも、市町村からの御意見については、策定検討委員会において、市長会及び町村会の代表の方からも委員となっていただき、御意見をいただいているほか、計画骨子案及び計画素案の各段階において、全市町村に意見照会を行っているところです。 多くの御意見のうち、計画に反映した主なものについて申し上げれば、犯罪防止や安全確保等について、重要な政策の柱として明確に位置づけるべきとの御意見に対し、新たに中項目として、安全で安心な社会の実現を設けております。 また、地域の特色を捉えるべきとの御意見に対して、県内産業の活性化の項目の中で、県内各地の多様な地域産業の状況について記述しております。 そのほか、中山間地域の過疎化や人口流出に着目した対応を記述すべきとの御意見に対して、改めて過疎地域等の条件不利地域における現状分析を行い、豊かな自然環境や地域資源を生かした新たなビジネスの創出や、地域を支える公共交通ネットワークの環境整備などについて記述したところです。 次に、新たな総合計画における対話型県政の対象についてですが、対話型県政の基本は、地域住民の皆様の御意見をできる限り県政に反映していくことであると考えております。 その手法として、直接伺うことももちろん一つの方法ですが、全ての県民の皆様の声を直接お聞きすることは、物理的には難しいことでございますので、県民の皆様のさまざまな意見を踏まえた中での代表である議員の皆様の御意見や、地域住民の声を反映している市町村からの御意見等を県政に反映させていくことも、十分に対話型県政の一内容であると考えております。 次に、情報公開と情報提供についてお答えいたします。 まず、徹底した情報公開についてですが、恐らく言葉の問題ということだと思うのですけれども、情報公開請求に対しましては、原則として情報を公開するという基本的な考えのもと、個人情報など非公開情報に該当するものを除き公開するという、条例の趣旨に沿った運用を徹底してきたところでございます。 引き続き、非公開としなければならない情報を精査し、それ以外の情報は公開していくことにより、現行の条例のもとでの徹底した情報公開を進めてまいりたいと考えております。 そしてまた、もちろんそれと同時に、徹底した情報提供ということも行ってまいりたいと考えております。 次に、情報公開及び情報提供と住民参加との関係についてですが、繰り返しになりますけれども、言葉の定義の問題かと思いますが、私は、情報公開とは求められた情報を公開すること、情報提供は求められていなくても、こちらから情報をお伝えすることと定義しているということでございます。 議員が言われる情報公開には情報提供を含むということですと、それは、議員の言われる情報公開は、私の言う情報公開と情報提供をあわせたものということになるということかと存じます。 住民参加による対話型県政を推進するためには、県民の皆様にも、県政のさまざまな課題や取り組みについて、みずからのこととして考え、行動につなげていただくことが重要であり、その前提として、県民の皆様に県政の情報をしっかりと届くようにすることが必要です。 そのため、条例に基づく情報公開だけではなく、みずから情報をとりに来ない方に対しても、県として知っていただきたい情報を積極的に提供することが必要であると考えており、その2つがあって、初めて県民の皆様から県政に対する理解を深めていただけると考えております。 次に、日本海横断航路のあり方検討委員会等の公開についてですが、日本海横断航路のあり方検討委員会及び新潟空港アクセス改善協議会については、関係する法人等の情報を扱うとともに、議論の公開により率直な意見の交換が困難になるおそれもあることから、附属機関等の会議の公開に関する指針の規定に照らし、冒頭を除き非公開といたしました。 会議の全てを公開した場合、発言者が特定され、場合によっては批判の対象となることで闊達な議論が妨げられ、会議の目的が十分に達成できないおそれもあります。そのため、本件は会議の議論そのものは非公開とし、それぞれの会議資料及び結果概要を公表することで、できる限り情報提供をしております。 会議の公開は、条例上の情報公開ではなく、住民参加や対話型県政を促進するための情報提供として実施しております。会議は公開が原則ではありますが、個々の会議を公開するか否かは、やはりバランスの問題であると考えており、情報提供を徹底するといっても全ての会議を完全に公開するという意図ではないことから、自由闊達な議論を妨げないなどの目的で、必要に応じて非公開とすることは、公約に矛盾しているものではないと考えております。 以上、答弁でございます。   〔総務管理部長杉本孝信君登壇〕 ◎総務管理部長(杉本孝信君) お答えいたします。 上越地域振興局庁舎の改築についてですが、議員御指摘のとおり、庁舎本館は建築後53年が経過し、県内で最も古い振興局庁舎でありますが、平成24年度までに耐震改修工事を行うとともに、必要な修繕にも努め、建物の安全性等を確保しております。 現在、県内には、上越のほかにも建築後長期間を経過した振興局庁舎が数多く存在することから、県では今後一層、建物の健全度の把握に力を入れ、その長寿命化を進めることとしております。 今後、建物の健全度を的確に把握する中で、適切な改築の時期を見きわめるとともに、健康福祉環境部庁舎の統合についても検討課題としてまいります。   〔防災局長山田治之君登壇〕 ◎防災局長(山田治之君) お答えいたします。 市町村が行う津波対策への支援についてですが、津波対策については、県が設置した新潟県津波対策検討委員会の検討結果をもとに、平成25年度に公表した県独自の津波浸水想定などに基づき、既に各市町村において、ハザードマップや避難計画の策定などが行われているところです。 今回の津波浸水想定は、国が公表した津波断層モデルを踏まえ実施したものであり、平成25年度の想定とは浸水域などが異なっておりますが、基本的な対策の方向性は変わらない状況となっています。 このため、県では、平成25年度の想定と今回の想定を踏まえながら、市町村が行う対策の見直しが円滑に行われるよう、市町村を対象とした勉強会の開催や、住民の皆様の津波避難等に対する意識向上の取り組みを実施するなどして、市町村を支援してまいります。   〔土木部長美寺寿人君登壇〕 ◎土木部長(美寺寿人君) 3点についてお答えいたします。 県の津波防災に対応したインフラ整備の考え方についてですが、津波浸水想定における最大クラスの津波に対しては、津波防災地域づくりに関する法律に基づき、市町村が主体となり、住民の避難を軸に総合的な対策を進めるものとなっております。 そのため、今後、関係市町村により法に基づく推進計画が策定される際には、計画との整合を図りながら、県が所管となる防災インフラの整備について検討してまいります。 次に、上越魚沼地域振興快速道路についてでありますが、本道路は、上越地域と魚沼地域を結び、北陸自動車道、関越自動車道と連結して高速交通ネットワークの形成を図るとともに、地域経済・産業振興を支え、地方創生を実現するために重要な地域高規格道路であります。 現在、直轄権限代行により上越三和道路、八箇峠道路の整備を行っており、また、県では三和安塚道路の整備及び(仮称)十日町道路の計画検討を行っているところであります。 安塚から大島間については、各区間の進捗状況を見据えながら、事業化に向けて必要な調査等を進めてまいりたいと考えております。 次に、上越大橋の4車線化の見通しについてでありますが、上越大橋の位置する都市計画道路飯門田新田線は、昭和43年に都市計画決定され、上越市街地の交通の円滑化や雪や災害に強い道路ネットワークを形成する重要な都市内幹線道路であります。 平成26年度に北本町工区約650メートルが完成し、県道上越新井線から国道18号上新バイパス寺インターチェンジを結ぶ区間約3,400メートルが開通しましたが、上越大橋を含む前後約560メートルは、暫定2車線供用で交通渋滞が発生していることから、4車線化の必要性は高いと認識しております。 今後は、上越魚沼地域振興快速道路の暫定供用により交通量の増加も見込まれることから、早期の事業化に向けて努力してまいりたいと考えております。   〔矢野学君登壇〕
    ◆矢野学君 再質問させていただきます。 まず、6つの公約が標語なのですかということだけ、私は質問したのです。住民参加への責任は標語だとおっしゃったので。6つの公約、知事、ありますよね。それは全部標語なのですかと、こういうことです。もう一度お答えください。 それから、住民参加への責任ということですが、どうもまだ基本的に知事と私の考え方が違うようですね。知事の所信表明、公約を、私はそのまま解釈して申し上げて、前段で申したことがそれです。 例えば県政運営を担う上で結論を出す前段階として、ある1つの項目について、住民の参加を高めて、できるだけ納得の合意形成を図ろうとする、そういう県政運営。 もう一つは、知事がそこまで考えていらっしゃるかどうかわかりませんが、いわゆる市民自治の仕組みというようなものを確立するために、どんどん市民間の討議を拡大していく。それが知事がおっしゃっている住民参加への責任ということではないのですか。 そうでないとすれば、先ほど行政職員の方が書いたことの棒読みですと、これは住民参加ではなくて、先ほど紹介しましたけれども、他県の知事がやっていることを紹介した。これは知事と住民との対話なのです。住民参加と基本的に私は違うと。この認識のもとにお答えいただかないと、納得できないのでございます。 ですから2つ、私は再質問しますが、いわゆる行政が責任を持つ、あるいは、説得というものが、住民参加をする上で考えられないということを私は申し上げている。 知事、まだ説得とか、行政が責任を持つというようなことがあるのだと、こうおっしゃるのであれば、ではそれは住民参加ではないのではないですかと、こう私の認識から申し上げたいのですが、どっちなのでしょうか。 それから、情報公開のことについてお聞きしますが、私は情報提供についてお聞きしているわけではありません。情報提供は、知事がおっしゃるようにどんどんお出しになること。それは大賛成ですし、それが住民参加に必要な条件であります。 しかし、知事は情報公開条例に基づいた情報公開、これを徹底した情報公開だと、こうおっしゃったわけです。ですから、条例に基づく情報公開は、住民参加を拡大していく上で必要なのですか。私は必要ないと思うのです。請求して、県民が素直に資料をもらえばいい話です。 ですから、住民参加を拡大していく、考えていらっしゃる県政運営を担うのであれば、情報提供はもちろん必要ですが、知事の議論でいえば情報公開条例に基づいた情報公開だけですから、必要がない。私は、知事の言う徹底した情報公開というのは、情報提供も含むという考え方をしておったのです。そこが大いに違うところでありますので、もう一度お答えいただきたいと思います。 以上です。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えいたします。 6つの責任は標語かどうかということなのですけれども、相変わらず御党を例にして大変恐縮なのですけれども、日本を取り戻すというのは標語であるけれども、同時に公約なわけです。 何度も申し上げているとおり、公約というものは、まず中身としては非常に長いものがあるわけです。詳細なものでなければ、具体的でないと公約となりませんから。しかし、それを一々、一々街宣車の上で申し上げるわけにはいきませんから、それを短く一言で伝わるような標語をつくるわけです。 ですので一つ一つの、例えば安全への責任というその言葉は標語です。しかし、その言葉は標語ですが、その後ろにはもちろん当然具体的な公約が入っているわけです。ですから1つの短いフレーズが標語だからといって、それは公約でないということには全くならないわけです。標語というのは、長い公約を一言でわかっていただくために、短く煮詰めたもの、大体公約というものの上につくわけです。 まさに御党がやられていることです。全ての人が輝く社会とか、女性が輝く社会というのは、中身として公約は非常にあるけれども、標語としては女性が輝く社会と言っているわけなのです。そういうものだと理解していただければと思います。後ろに公約がきちんとある上で、それを短くまとめた標語であると理解しております。 次に、住民参加ということに関しては2つの住民参加のあり方があって、議員がおっしゃっているのはいわゆる市民自治的な、市民同士の議論で市民の中でやられるという住民参加なのだと思いますし、私が申しているのは基本的には行政に対する、県政に対する参加です。 NPO法人等々との舞台をよくつくって、市民参加の場面をつくっていくということももちろん重要で、それは取り組ませていただくのですけれども、少なくとも私が公約をつくったときに考えていた、公約の中で言っていることは、それは基本的には県政というものに、いかに住民の皆さんに参加していただくかというスタンスで述べているものでございます。ですのでそれは、両者が別のものであるというふうに考えております。 ただ、繰り返しになりますけれども、公約に掲げていないことは全くしないということは全然ないわけでございまして、基本的には市民間の自治というものは公約に掲げたものでは全くないのですけれども、同時にそれは非常に重要だということもよく理解しておりますので、もちろん一定の政治の関与は必ず要るのだと思いますが、一定の政治の関与のもとで市民間の自治という意味での住民参加というものもまた進めてまいりたいと考えております。 また、情報公開と情報提供に関しましても、議員がおっしゃるとおりの部分もあって、確かに本当に住民参加、私の言っている行政への参加ということですと、情報公開も必要だと思うのですが、基本的には情報公開よりは情報提供を求める人のほうが多いというのは、そのとおりかもしれないと思います。 いずれにせよ、言葉の定義として、情報公開は情報公開というふうに私は思うタイプなので、公開し、提供だと思うのですが、住民参加においてもちろん情報提供もよく拡大し、もちろん情報公開は不要ということではないですので、きちんと情報公開も徹底させていただいて、情報公開と情報提供をともに徹底する中で住民参加をより図っていきたいと考えております。 以上です。   〔矢野学君登壇〕 ◆矢野学君 再々質問させてもらいますが、知事、私が住民参加への責任ということを御質問したときに、標語ということを強調されたわけです。訂正されるなら訂正されたほうがいいのではないかというふうに思うのです。私は単純にえっ、標語かよと思ったので、では原発云々だの、農業の問題だので、いろいろ6つの大きな公約がありますけれども、標語という考え方なのかどうかを質問しているだけの話なのです、単純明快に。 今言われた公約とか表明というのはああだこうだというのは、それは私も理解しています。そういうことを聞いているのではない。標語と表現された住民参加への責任と同じように他の項目が標語なのかということだけなのです。 もう一つ、行政に責任を負うということと、説得ということ、これは知事が今ちょっと言われましたが、住民参加の中に、これを理念として理解していただければわかると思いますが、そういう物事が入らないということで質問しているのです。 知事は、入るということをおっしゃったので、これも確認と、入るのであれば、行政の責任というのは何ですか。説得というのを行政がするのですかと、こう言っているのです。それをお答えいただきたい。 それから、3番目の情報公開ですけれども、知事の言われた徹底した情報公開というのが、条例に基づくものの徹底した情報公開と言っていらっしゃるから、これはおかしいのではないですかと。住民参加を拡大する意味で。私は情報提供もそういうものもみんな全て入っていいという考え方ですし、知事はそうでなくて徹底した情報公開、自分でおつくりになった公約ですから、その中には条例のみの公開だと、こうおっしゃっているから、おかしいではないですかと、こう言っているのです。おわかりいただいて、御答弁いただきたいと思います。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えします。 繰り返しになってしまうかもしれないのですけれども、それぞれの公約として短く言っているものは、それは標語なわけです。それは、ただし意味がないという意味ではなくて、長い内容を短くしているわけです。 そうしますと、住民参加のところで標語だと言ったのは、まさに今の議論で明らかになっているところだと思うのですが、短く住民参加という言葉で言っていますので、その中身は行政への参加のことなのか、市民自治のことなのか、それは議論が、それだけをとると分かれてしまうわけです。それは中身の細かいほうを見ていただかないとわからない。そういう意味でこれは標語ですと申し上げたわけです。 それは標語だから、無視していいということではなくて、標語なので、短いセンテンスになっているので、それだけをとってみると解釈が2つなり3つなりに分かれてしまうので、それだけを見てしまって言われても、それはちょっと議論としては余り生産的ではないですということを申し上げております。 それは、標語というのはごく短くしているものなので、中身としてはより長いほうを参照していただかないと、それは女性が輝く社会と言っておきながら、特段スポットライトを当てていないではないかと、物理的に当てていないではないかみたいなことを言われても困るという話で、輝くというのは物理的に輝くこともあるし、社会的に輝くこともあるわけであって、それは中身としては社会的に輝くことなのだと、そういうようなお話かと思います。 こちらはそれを繰り返させていただければと思っております。 行政に関する説得と責任というのも、これも繰り返させていただきたいのですが、少なくとも行政への参加ということで、行政に参加していただくということで、一方的に住民の皆さんの声を聞くだけということであれば、それは説得という行為は入らないと思うのですけれども、それは対話でないといいますか。対話というからにはもちろん行政の考え方もお示ししますし、それに対してどう思われますかということで、向こうからの御意見を聞くわけですから。 そもそもその時点で双方に、相手に幾ばくかの説得をしようというものはあるわけですので、対話というのは常に、それは私は相手を説得しようとするものがあるというふうに思います。 これも繰り返しですけれども、住民参加の責任ということに関しましては、そもそも民主主義というものは住民参加によってできているものであり、その中で幾つかの法定的なものが法定されており、それはもちろん当然やる責任があるのですけれども、それを超えて責任というものをどう果たすかということは、それは政治家、各立場にある者がそれぞれの考え方で決めることであろうというふうに思います。 また、徹底した情報公開を条例の範囲でということだと矛盾するということでございますが、あらゆる行政は条例の範囲外ではやってはいけないわけですので、条例以上のことをするというのはそもそも間違いと申しましょうか、条例の範囲できちんとやる。条例の範囲で理解できるところは、もちろん公開することは公開するということでございますので、私は条例の範囲で徹底してやるというのは極めて当然のことであるかというふうに思います。 逆に条例を破っていいというふうにおっしゃっていることであれば、それはむしろ非常に意外な御意見だと思いますが、私としてはちょっとその御意見は採用できないというふうに考えております。 以上、答弁でございます。 ○議長(金谷国彦君) 矢野学君の質問は終わりました。 次に、宮崎悦男君の発言を許します。宮崎悦男君。   〔宮崎悦男君登壇〕(拍手) ◆宮崎悦男君 自由民主党の宮崎悦男です。通告に従い順次質問いたします。 米山知事が知事に就任されて、早いもので1年余りがたちました。県では現在、新・総合計画を策定中ですが、その計画では人口減対策、産業の創出・活性化など、さまざまな目標を掲げています。産業の活性化がそのまま人口減対策につながり、自立した自治体が形成されることは言うまでもありません。 活力ある産業と働きやすい新潟を目指して、産業政策等の質問に入ります。 まず初めに、新・総合計画案の意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化では、達成目標として、1人当たり県民所得を平成36年度には全国20位相当程度の290万円を目指すとしています。本県の最大の課題である人口減少を抑制する上で、所得の向上は不可欠でありますが、この目標は必ず達成しなくてはならないものだと思っています。目標達成に向けどのように取り組みを進めていくのか、知事の基本的な考えを伺います。 次に、県民所得をふやすにはAI、IoTの導入を促進し、付加価値生産性を上げていくことが欠かせません。しかし、県内の多数を占める中小企業では、導入のための費用や知識が不足していることが問題とも言われています。 県でもAI、IoTの研究会、導入実証などに取り組んでおりますが、中小企業経営者の疑問点や不安を払拭するためにも、積極的に進めるべきと考えます。県の取り組みの現状と課題を伺うとともに、今後の方針について伺います。 次に、県では、地域未来投資促進法に基づく企業設備投資に関する県税優遇措置を行うこととなりました。この法律の施行により、地域経済を牽引する意欲ある事業者がより積極的に設備投資を行い、付加価値生産性の向上や成長分野への進出を図ることができると思われます。 現在、4市区域が基本計画を策定していますが、県が県全域の基本計画を策定するとともに、市町村ともより緊密に連携し、積極的に進めることによって、地域経済の発展や付加価値向上を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、企業の人材不足や人口減少に対応していくためには、県内高校生や県外に流出した若者の県内就職を促進する必要があります。 小千谷市では、小千谷西高校が地元企業や中学校、自治体と協力して就職体験などを行うデュアルシステムを取り入れました。キャリア教育推進やUターン就職につながる点が評価され、文部科学大臣表彰を受賞しましたが、こうした取り組みは、大学進学を視野に入れた高校でも行うべきと考えます。 早い段階から地元企業についての理解を深め、企業の特性や経営者の姿勢を学ぶことが、将来、就職を考える際に選択肢の一つになるのではないでしょうか。 デュアルシステムやインターンシップなどの就業体験の取り組みは、将来のUターンを促すためにも有効であると考えます。本県におけるこれらの取り組みの現状を伺うとともに、今後、特に普通科に対しても取り組みを強化していくことが重要と考えますが、所見を伺います。 次に、現在、高校では全県一区で生徒を募集するため、高校進学と同時に地元を離れてしまう生徒も多くなりました。より早期に、中学校の段階から地元企業への理解、関心を深めていくことが郷土愛を醸成するという観点からも大変重要であると考えます。 実際に職場体験することはもとより、地元の中小企業や地場産業の魅力を深く知るような取り組みを行うべきではないかと考えますが、所見を伺います。 次に、県内中小企業にとって円滑な事業承継は喫緊の課題です。後継者不足に苦しむ中小企業と県内で起業を考えている人とをマッチングするような仕組みの強化が重要と考えますが、取り組みの現状と課題、今後の方向性について伺います。 次に、新潟県人口ビジョンによると、2010年に110万人だった労働力人口は、2040年には70万人になる試算です。この30年で40万人の減少と言われており、少子化対策やUターン施策だけではとても補い切れません。 本年6月定例会において、外国人技能実習生の受け入れ促進について質問したところ、知事から、制度の適正な運用を確保しつつ、県内産業の活性化に結びつく手法も研究してみたいとの答弁をいただきました。 農業や医療、介護の分野などの提示した産業や、その他の県内産業に関して研究した結果、今後どのような手法で受け入れを促進していくのか伺います。 次に、クールジャパンについて伺います。 クールジャパンという言葉が多くの人に使われるようになりました。漫画やアニメ、食文化など、日本の多様なコンテンツが世界に配信され、一部でブームを巻き起こし、インバウンドを初めとした経済効果をもたらしています。 しかし、その一方で、官製ファンドの投資のやり方やその成果などにも課題があり、検証が必要だとの指摘もあります。安易な投資や展開ではなく、しっかりと地域に根差しながら、地域に必要とされるものをクールジャパンのコンテンツとして戦略を進めていくことが重要だと感じています。 小千谷市と長岡市の一部を原産地とするニシキゴイは、世界中から本県にバイヤーが訪れ、また、40カ国以上にも輸出され、世界中に愛好家が広がるなど、真に地域に根づいたクールジャパンの象徴との評価を受けるようになりました。 昨年の9月定例会において、ニシキゴイを新潟県のシンボルにする請願を全会一致で可決いただいたことが、こうした評価にもつながっているものだと思います。改めて心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。 現在、そのクールジャパンの象徴のニシキゴイを今度は国の魚、国魚を目指すべく活動を加速させています。 先般、故長島代議士の遺志を乗せて、新潟県のニシキゴイ団体とともに、自民党本部にニシキゴイの水槽を設置してまいりました。放流式には、二階幹事長を初め多くの国会議員の方々に御列席いただき、小泉筆頭副幹事長の司会のもと、国魚に向けての発言をいただきました。 新潟県のシンボルであるニシキゴイを国魚とする取り組みを超党派で行えるよう、知事からも強い働きかけを期待しているところであります。 クールジャパンの象徴のニシキゴイをキラーコンテンツに育てることで、本県のさまざまなすぐれた産業や観光につなげていく一翼を担えるものだと思っておりますが、県の鑑賞魚にとどまらず、より大きく国魚を目指していくためには、国内外に向けてより一層のPRが重要になってくるものと思います。これまでの実績、今後の取り組み方針について伺います。 先日行われた参議院予算委員会では、クールジャパン基本法案を議員立法で準備していきたいとの発言がありました。その発言の中でニシキゴイ特区というものを事例としたクールジャパン戦略を成長戦略の柱に位置づけていただきました。 現在、小千谷市では、近隣自治体と協力し、ニシキゴイを生産しやすい環境の整備や、国内外の観光客受け入れによる地域の活性化を目指したクールジャパン特区を研究しているところであります。 海外から新たなインバウンド需要などを開拓するクールジャパン戦略は、日本の成長の大きな柱として位置づけられており、訪日外国人の伸びは堅調であります。 しかし、京都や富士山、東京観光など、圧倒的なインパクトを持つ観光資源があり、そこからの発信力を持つ東京―大阪間のゴールデンルート等に比べますと、本県は、これという観光資源に乏しく、インバウンド需要をうまく取り込めていないのが現状であります。 国の観光施策として認定された広域観光圏ルート「東京圏大回廊」を見ても、本県は、他県に比べ通年楽しめる圧倒的なインパクトを持つ観光資源がありません。 私自身は、スキーや食文化、アニメなど、誇れるものはたくさんあると感じておりますが、識者によりますと、新潟県は、自分たちで誇れるものはあるのだろうけれども、実はそれが世界から見てどうなのかという視点が足りないとのことであります。 実際に、このたびの新・総合計画におきまして、外国人誘客の目標値は延べ宿泊者数を2016年の26万7,000人泊から大幅にふやして80万人泊に設定しておりますが、知事は、本県のどのような観光資源が世界から人を呼ぶコンテンツとなり得ると考えるのか伺います。 あわせて、そのコンテンツを今後どのように磨き上げて世界に打ち出していくか伺います。 次に、本県のクールジャパンコンテンツとしては、豊かな自然、歴史文化、食などのほかに、例えば、燕三条の金属加工や小千谷の鉄工電子など、我が県の職人の高い技能を生かしたものづくり、地場産業なども有力なコンテンツになり得ると考えます。 個人レベルの交流や消費にとどまらず、外国企業と本県企業とのビー・ツー・ビーの促進にもつながるものであり、県として積極的にものづくりコンテンツの掘り起こし、磨き上げ、情報発信を研究すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、原子力防災について伺います。 このたび行われた衆議院議員総選挙で5区の候補者が泉田前知事に決まり、そして当選されました。5区で政治活動をしている私にとりましては、まさか元自民党の米山知事が野党系の県知事となり、そして泉田前知事が5区の自民党の代議士になるとは夢にも思っておりませんでした。政治の世界は一寸先は闇だと言いますが、その言葉を肌で感じております。 米山知事と泉田前知事とに奇妙な御縁のある私としましては、皆川議員もそうでありますけれども、お二人の考えがどこにあるのか時々悩んでしまうときがありますが、確認も含めまして質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、知事は昨年の12月定例会の私の一般質問において、原子力発電の必要性については泉田前知事の考えと大きな違いがないとの答弁でありましたが、衆議院議員選挙が終わった今も大きな違いはないとの考えでしょうか。また、考えの違いが出てきたとしたらどの点が違うか伺います。 次に、知事は、原発問題は衆議院議員選挙の争点の一つと発言しています。泉田前知事は、選挙期間中も知事在任中と変わらぬスタンスで、過酷事故時の避難方法や安定ヨウ素剤の配布に課題があることについて発言をしておりました。 また、米山知事も1年前の知事選においては原子力防災に関して泉田前知事と同様のスタンスであったと私は受けとめています。泉田前知事の当選という結果や発言を踏まえ、原子力防災について泉田前知事との違いが出てきているのかいないのかも含め、知事はこれらの課題についてどのように考えているのか伺います。 次に、先般、小千谷市で原発事故の避難訓練を行いました。決められた形に従って要配慮者を支援し、避難場所に集まり、移動するという基本的な動作を確認しました。大きな問題はなかったようでありますが、あくまで練習内容に沿った訓練であり、実際に過酷事故が起きたときには、とてもこのような行動は難しいのではという声も届いており、私自身もそのように強く感じております。 私のこの問題意識の根底にあるのは、中越大震災や中越沖地震、東日本大震災等での体験があるからであります。中でも東日本大震災では、発災直後に支援要請を受けて福島県に向かう途中で、福島原子力発電所の爆発事故の知らせが私に入りました。進路変更を余儀なくされ、見えない放射能の恐怖と向き合いながら被災地の支援に入ることの難しさを身をもって感じました。 仮に、どんなにすばらしいマニュアルができたとしても、マニュアルどおりの支援や避難は現時点では不可能に近いと感じています。なぜならば、そのマニュアルを実行するのは人であるからであります。マニュアルどおりに支援するには高い使命感が求められ、被災者が安全に避難するには高い倫理観や規律性が求められます。 それらを踏まえると、安全な避難が困難な要配慮者等のために、福祉施設等の防護対策は大変重要であると常に感じています。施設整備の進捗状況を伺うとともに、今後の取り組み方針について伺います。 次に、本県は豪雪県であります。平時はスムーズに避難できたとしても、厳冬期の避難となると、路肩の雪の壁で車同士のすれ違いもままならず、大変な困難が予想されます。 報道によると、知事御自身も、桜井柏崎市長からの冬期間の避難訓練実施の要望に対して、相当準備をしないと訓練さえ危険なので、今年度は行わないとの発言をされたと聞いております。 夜間の豪雪時にも過酷事故は起こり得ます。どのような状況にあってもUPZ外へ速やかに避難できるよう、豪雪時も想定した避難体制の強化が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 あわせて、実際の避難時には、幹線道路はもとより、それ以外の比較的幅員の狭い県道等の役割も重要で、その整備も必要であると考えますが、今後の具体的な進め方について所見を伺います。 次に、冬期間に原発事故が発生した場合、道路の機械除雪をしながら避難することは極めて困難であると考えます。UPZ内の道路について、消雪パイプやロードヒーティング等の設置を進めることが重要であると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、安定ヨウ素剤等について伺います。 UPZ内での安定ヨウ素剤配布は、昨年の12月定例会でも取り上げましたが、いまだに市町村との協議が進まず、県の保健所等への配備にとどまっています。コミュニティーセンターなど、より住民に身近な施設等には、いまだ配備されていません。できるところから分散配備を積極的に進めていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、仮にUPZ内の全世帯に安定ヨウ素剤を配布し、主要施設に分散配備をしていたとしても、いざ重大事故の場合、圏内の人々に行き渡らせることは困難を伴います。我先にと車で逃げ出す人で、道路は大渋滞を起こすことが想定されます。その状況で、安定ヨウ素剤を行き渡らせることができると考えるか、知事の所見を伺います。 また、今後、県で安全な避難方法の検証を進めるのであれば、例えばUPZ内の車両にあらかじめ安定ヨウ素剤を配備するなど、県独自の配布方法も積極的に研究するべきと考えます。 安定ヨウ素剤の事前配布は、3年ごとの更新等も含め、手間やコストを初めとする課題も山積しており、自治体の管理も非常に難しいものになっています。自動車業界と連携し、3年や2年ごとの車検のたびに、服用に関する注意事項や避難マニュアルなどを車検証と同じように設置することによって、原発事故が起こった際に安定ヨウ素剤を持っていない人にも配布することが可能になります。 昨年11月の福島県沖の地震におきましても、東日本大震災の教訓が生かされることなく、車の大渋滞が発生しました。原発30キロ圏内は一時屋内退避となっていても、いざ大災害ともなると、人の心理として多数派同調バイアスが働き、誰かが車で逃げ出せば、それに続いて逃げ出そうとするでしょう。防災計画や避難計画は、人の心理状況を鑑みた計画であるべきと私は思っております。 夏場高温の車内での保管方法や薬事法などの課題があることは承知しておりますが、県民の安全・安心のために、あらゆる可能性を追求したいという思いであえて提案いたします。知事の所見を伺います。 次に、障害者の自立等について伺います。 ことしの秋、障害のある方とない方とがともに参加する4回目のハートフルスポーツフェスタが小千谷市で開催されました。このイベントの運営は商工会議所、地元企業、スポーツ団体、民間団体等の代表で構成される実行委員会形式で行っており、企業と障害者の垣根を取り払い、ともに生活できる環境や就業につなげることを目的としています。 障害を持つ方と初めて交流した方はどう接していいか戸惑った様子でありましたが、回を重ねていくたびに一人一人の特性がわかるようになり、笑顔が見られるようになりました。経営者の方々にもボランティアとして出席していただいており、少しずつ理解が深まってきております。 しかしながら、その一方で、工賃や雇用率を上げていくということは簡単にいかないことも事実です。行政と教育現場、地域が一体となって、より一層問題意識を持って取り組むことが重要だと考え、質問します。 まず初めに、障害者が地域に溶け込み、安心して人生を送れるようにするには、地域や企業のより一層の理解促進が重要と考えます。理解促進に向けた取り組みの現状と課題を伺うとともに、今後の方向性について、知事の所見を伺います。 次に、スポーツフェスタに来てくださる小中学生の保護者は、初めて障害者とかかわって学ぶことが多いとの声を聞きます。教育現場において障害者との交流など児童生徒に対する正しい理解を深めることは当然でありますが、家庭でも教育しなければ教育効果は限られてしまうため、保護者が理解を深めるということは極めて重要だと考えます。 教育現場における保護者に対する取り組みも含めた障害者の理解促進に向けた取り組みの現状と課題、今後の方針について伺います。 次に、新・総合計画案では、障害者の自立と社会参加の支援の充実があり、その達成目標として、就労継続支援B型事業所における作業工賃について、平成27年度に月額1万4,378円となっているものを、平成36年度には1万9,000円を目指すとしています。現状では、本県の就労継続支援B型事業所の作業工賃は、依然全国平均を下回っております。 事業所に勤める一人一人の特性を見きわめ、その人に合った付加価値の高い仕事を企業等と連携し、つくり出していくことが重要と考えますが、目標達成に向けどのように取り組みを進めていくのか、賃金向上への課題も含め、知事の所見を伺います。 次に、新・総合計画案では、障害者の自立と社会参加に関して、関連指標として民間企業の障害者雇用率を設定し、現在1.93%となっている本県の民間企業の障害者雇用率について、平成32年度には2.2%、平成36年度にはその時点における法定雇用率を目指すとしています。 ところが、納付金を支払ってでも障害者を採用しないほうがよいという声がいまだに聞こえてきます。雇用率を上げていくには、さらにもう一歩踏み込んだ意欲的な施策が必要です。 目標達成のため、県としてどのように取り組みを進めていくのか、民間企業における障害者雇用の課題もあわせ伺います。 次に、障害者の就業を後押ししていくためには、特別支援学校の中学部段階から企業のニーズを取り入れるなど、企業や地域と学校の距離を一段と近くすることが重要だと考えます。 「ぷれジョブ」という、障害のある子もそうでない子も一緒に生きていくことができる地域社会をともにつくるという目的のために活動している団体があります。小千谷市の「ぷれジョブ」を立ち上げ当初から見てまいりましたが、何年経過しても、まだまだ就労体験の場を広げる大変さを感じておりますし、児童生徒の成長は見てとれますが、実際に働くにつなげるまでの困難さを痛感しております。企業のより深い理解があってこそ成立していく取り組みであります。 この子が成長したらうちの会社で働けないかとか、この子の適性からするとこんな仕事ができるかもしれないとか、より早い段階から生徒一人一人の適性に応じたスキルアップ、進路指導を行うことが重要と考えます。 個別の教育支援計画から就労へと、より関係機関や企業と連携を深めていかなくてはなりません。現状と課題、今後の方針について伺います。 障害の有無にかかわらず、地域で支え合っていける社会になることを願い、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの宮崎議員の一般質問にお答えいたします。 まず、1人当たり県民所得の目標でございますが、これは私もぜひ達成したいと思っております。稼ぐ企業をより多く輩出するなどにより、本県産業全体の付加価値を引き上げ、県民所得の向上につなげてまいりたいと考えております。 そのため、意欲ある企業が自社商品を持つことや、企画提案力を持つための取り組みを支援するなどの、下請構造からの脱却に向けた施策の効果を高めるとともに、成長する需要の取り込みや、地域経済を牽引する企業の県内投資を促進していくことが必要と考えております。 また、起業家とのネットワーク構築を通じて、県民の起業マインドを高めるとともに、起業を志す方の背中を押すための環境整備を行うなど、地域経済の活力になる起業・創業の推進を強化してまいります。 起業と言うとハードルが高いように聞こえますけれども、別にそれが悪いというのではなくて、小さな飲食店だって立派な起業ということで、さまざまな起業の取り組みを推進してまいりたいと考えております。 あわせて、人手不足感の高まりに対応して、AI、IoT等の活用を促進するなどにより、生産性向上を進めてまいります。 本県産業は、これまで培われた高い技術力やイノベーションでさまざまな環境変化を乗り越えてきた経験値があり、今後さらに伸びる余地を有しているものと思います。また、後継者不足や人手不足は、考え方を変えれば構造転換のチャンスでもあります。 そうした考えのもと、しっかり施策を推し進め、目標の達成に向けて、経済界や金融機関、高等教育機関、市町村など関係者とも力を合わせながら、新潟の産業活性化に全力で取り組んでまいります。 次に、AI、IoTの導入促進に関する取り組み等についてですが、議員御指摘のとおり、付加価値や生産性の向上を図るためには、AIやIoTの活用が重要と考え、昨年度より、産学官による研究会の開催や導入実証による効果検証、建設現場で活用するシステムの開発等に取り組んでおります。 県内企業の多くはAI、IoTに関心はあるものの、情報や人材の不足等により導入が進まないことが課題となっております。 しかしながら、AI、IoTの活用は決して特別なものではなく、生産管理等のツールであり、県内中小企業でも導入例が見られてきたところです。 県としましては、引き続き、最新情報の提供やモデル的な取り組みの創出、また、人材育成などにユーザー目線で取り組み、幅広い企業での導入を促進してまいりたいと考えております。 次に、地域未来投資促進法への取り組みについてですが、本県におきましては、同法施行後、4市の区域において、地域の特性とその活用分野を定める基本計画を県市が共同で策定し、9月に国の同意を得たところです。 議員御指摘の県全域の基本計画につきましては、県内各地で特色ある多様な産業が発展してきたことを踏まえ、全域で県税優遇措置などの支援制度を活用できるよう、全市町村と共同で策定する方針であり、現在、国と協議を行っているところです。 今後とも、市町村や関係機関との緊密な連携により、地域の特徴や強みを生かした企業の取り組みを促進し、地域経済における稼ぐ力の好循環の実現を目指してまいります。 次に、後継者不足に苦しむ中小企業と起業家のマッチングについてですが、議員御指摘のとおり、事業承継の方策の一つとして重要と考えており、本県では事業引継ぎ支援センターにおいて、平成27年11月から後継者不在の中小企業と創業を目指す起業家のマッチングを目的に後継者バンクの運用を開始しているところです。 これまでの間、譲渡を希望する企業の登録は20件、成約は3件と、いずれも少数にとどまっております。 このため、商工団体や金融機関等の関連機関と連携しながら、制度や成果事例の周知に努め、後継者バンク登録者数をふやすとともに、登録者のニーズに寄り添った対応を地道に行うことにより、マッチングの可能性を高めるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、外国人技能実習生の受け入れ促進についてですが、県内においても、新たに実習生の受け入れや監理団体の設立に取り組む動きがあるものと承知しております。 そのため、県内企業等のニーズや監理団体の実情等の把握を進めたところ、監理団体の設立に当たっては、議員御指摘の点のほか、ノウハウの不足や、外国人受け入れに対する心理的負担などについて懸念する声も聞かれたところです。 今後の受け入れ促進に向けた取り組みについては、こうした声も踏まえつつ、広く外国人材の活用に向けた県としての支援の仕組みや枠組みづくりも含めて、新年度予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。 次に、クールジャパンについてお答えします。 まず、ニシキゴイの国内外に向けてのPRについてですが、県では、これまで交流拠点施設である朱鷺メッセに展示水槽を設置したほか、海外特派員への情報提供等を行ってまいりました。 また、本年5月には、ニシキゴイ業界を初めとする県民の要望を受け、ニシキゴイを県の鑑賞魚に指定し、これを契機に県民向けの広報紙や広報番組のほか、国内の雑誌やウエブサイト、SNSを活用した英語版の動画配信など、国内のみならず海外に対してもニシキゴイの魅力を積極的に発信してまいりました。 県の鑑賞魚の指定を受け、ニシキゴイ業界では国魚を目指す機運が高まっていると認識しており、県としましては、関係する自治体や業界とともにニシキゴイ発祥の地・新潟の認知度向上に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。 あわせて、県庁の入り口もそうですし、まさに御指摘いただきました自民党本部の入り口もそうなのですが、池だけではなくて室内での飼育が今後ふえるということも勘案して、新たな展示方法等について、もちろん水槽ではあるのですけれども、より見ばえのする水槽という意味で新たな展示方法等について、関係機関との研究を検討してまいりたいと考えております。 次に、インバウンドに係る観光コンテンツについてですが、本県への訪日外国人は、今年度に入り、台湾から佐渡のアクティビティーや大地の芸術祭などのツアーが増加しております。本県が世界に誇る観光資源としては、既に台湾で人気のこのようなコンテンツのほか、従前からということでございますが、米・酒などの食の魅力はもとより、本県が発祥のスキーやニシキゴイ、また、県央地域の産業観光などがあり、これらの観光資源をより向上させることが重要であると考えております。 また、観光の基本に立ち返りますと、観光、言葉どおりでございますが、最大の観光資源はやはり各観光地の景観であるという部分はあると思いますので、昨今流行のインスタ映えの観点も踏まえて、各観光地における中心的景勝地だけではなく、それを取り巻く観光地全体の丁寧な景観の向上も必要であると考えております。 県といたしましては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも見据え、各国・地域の嗜好・ニーズを的確に捉える中で、丁寧に各観光地の景観の向上に努め、訪日外国人に人気の体験型観光コンテンツとして磨き上げることにより、アピールポイントを明確にしながら、本県ならではの魅力を世界に発信してまいります。 次に、ものづくりコンテンツの情報発信等についてですが、県内のものづくり分野は、国内外でのトップシェアや独自技術により高い競争力を持つ産地・企業が多数あるものの、認知度の向上が課題となっております。 このため、議員御指摘のとおり、地域の産業と歴史・文化等とのかかわりや品質の高さを来訪者に実感してもらうことで、海外販路の拡大につなげていくことが重要であると認識しております。 県といたしましては、本年度から訪日外国人を主なターゲットに、体験を核にした金属製品、織物等の県産品の認知度向上や新商品の開発支援の取り組みを始めたところであり、ものづくりコンテンツの掘り起こしから情報発信まで、より効果的な展開を検討してまいりたいと考えております。 次に、原子力防災についてお答えいたします。 私の2005年、2009年の選挙のときには、当時泉田前知事がもちろん知事だったわけなのですけれども、私と泉田前知事が2017年において、それぞれがこういう立場にいるというのは思ってもいなかったところでございますが、幸いにしてといいますか、まさに本当に幸運にして大変やりがいのある立場に立たせていただいておりまして、天命であったというふうに考えさせていただければと思っております。 また、原子力発電の必要性についてですが、従前の泉田前知事の、昨年の12月定例会の時点における立場というのは承知しているのですけれども、現在どのようなお考えなのかというのは必ずしも承知しているわけではないのですけれども、私といたしましては、1年前泉田前知事がおっしゃっていた、原子力発電は、まずは、県民の命と暮らしが守られる安全対策が確実にとられるかどうかを検証する必要がある、逆に言うならば、3つの検証がなされない限り再稼働の議論は始められないと考えており、その点において泉田前知事と考え方は同じであるというふうに考えております。 一方で、これは何度か別の質問でお答えしているところではあるのですが、どのような資源を使って必要なエネルギーをつくるのがよいのかという、国のエネルギー政策ということにつきましては、私自身は、資源枯渇のリスクや資源利用のリスク、経済的コスト、環境への負荷、経済情勢等を総合的に判断して決めていくべきことであるというふうに考えておりますが、同時に、それは県の所管事項ではございませんので、県知事としてそれは発言はできないものと考えておりますけれども、一方、県知事の任期が終わりまして、現在国会議員になった方は、それは国政のエネルギー政策についてどう考えているかということに関して、やはり一定の御意見は言われるのが通常であろうというふうには理解しております。 次に、原子力防災の課題についてですが、長部議員の代表質問でお答えしたとおり、高線量下での災害対応方法、また、防護対策に必要な人員や財源措置、原子力災害対策指針の見直しなど、権限を持つ国でなければ解決できない課題がございます。 これらの解決なくしては、実効性のある避難計画はできないものと考えており、この点について、泉田前知事の当選ということにつきましては、特段の影響がないものと考えております。同じでございますので、特段の影響がないというふうに考えております。 このため、今回の衆議院議員選挙の結果にかかわらず、引き続き、避難計画の実効性の検証を進める中で生じた課題も含め、国に対応を求めるとともに、関係機関と連携し、課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、防護施設整備の進捗状況と今後の取り組み方針についてですが、冒頭でおっしゃったマニュアルがあったからといって実行できないというのはまさにおっしゃるとおりで、その次の質問のところでおっしゃったかと思うのですが、避難というのは人間がやることでございますので、人間の心理というものに対して、非常にそれを反映したもの、それを想定したものでなければならないと考えております。 怖いのはパニックであり、そしてトラブルであり、そうしますと、やはりパニックやトラブルということが起こり得ることを前提として適切にシミュレーションを重ね、また、トラブルが起こってマニュアルどおりにいかないときに適切に情報が提供され、また、そういった前提となるそれぞれの避難する方の安全が確保されるということが非常に重要であるというふうに考えております。 安全の確保の中では、議員御指摘のとおり、社会福祉施設等の防護対策というのも非常に重要であると考えております。 一方で、現在の国の補助事業は、施設の構造や立地等に要件があることから、活用が可能な施設というものは限定されております。 このため、施設の防護対策も含め、要配慮者等の防護対策のあり方については、避難委員会での検証も踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えております。 なお、防護施設整備の進捗状況については、防災局長から答弁させます。 次に、豪雪時も想定した避難体制の強化についてですが、こちらも議員御指摘のとおり、豪雪時においても円滑に避難できるよう、避難体制を強化していくことが重要であると考えております。 県といたしましては、国、市町村、関係機関と連携し、豪雪時の避難方法も含め、避難計画の具体化・充実化に向けた取り組みを進めているところであり、引き続き、避難体制を強化するよう対応を進めるとともに、原子力災害時の避難方法に関する検証委員会において検証をしていただきたいと考えております。 なお、県道等の整備については、土木部長に答弁させます。 次に、原発事故に対応した冬期間の道路除雪についてですが、原子力災害時の安全な避難方法について、現在、避難委員会において検証していただいているところであります。 県といたしましては、委員会における議論等を踏まえ、冬期間の道路交通の確保についても検討してまいりたいと考えております。 ロードヒーティング等もできればいいのですが、そこはなかなか予算等もありますので、予算等も踏まえ、また、検証委員会も踏まえ、さまざまな検討をする必要があろうかと存じます。 次に、UPZ内における安定ヨウ素剤の分散配備についてですが、議員御指摘のとおり、住民に身近な施設等に配備することが望ましいと考えておりますが、加えて、いざというときの配布の実効性も担保される必要があります。 このため、UPZ内における市町への分散配備に関してさまざまな御意見がある中で、現在、配備場所や緊急時の配布方法等について、他県の取り組み状況も参考にしながら、関係市町と協議を進めているところであり、関係市町の合意を得た上で、できる限り早期に配備してまいりたいと考えております。 次に、安定ヨウ素剤の県独自の配布方法の検討等についてですが、国が定めている現在の指針等は、安定ヨウ素剤の配布・服用の指揮系統や判断根拠など、実効性のある配布という面でさまざまな課題があるものと認識しております。 また、UPZ内における事前配布に当たっては、安定ヨウ素剤は医療用医薬品に指定されていることから、法令上のさまざまな制約があるとともに、温度や湿度など保管する環境についても留意する必要がございます。 そのため、関係法令や指針の見直し等を全国知事会等を通じて要望しているところですが、あわせて、現状において、どのような方法であれば緊急時に実効性のある配布・服用ができるかという視点で、引き続き研究してまいりたいと考えております。 議員が既に御指摘のとおり、車両にさまざまな課題はある中で、しかし、まさに御指摘いただいたように、さまざまな選択肢について柔軟に検討してまいりたいと考えております。 次に、障害者の自立等についてお答えいたします。 まず、障害者への理解促進に向けた取り組みについてですが、県ではこれまで、メディアを活用した啓発活動や障害者雇用の取り組み事例の紹介などに取り組んできたところですが、依然として、身体障害者補助犬の同伴入店の拒否や障害者雇用に取り組んでいない企業があるなど、障害者への理解が十分に進んでいない状況にあります。 障害者への理解をより深めるためには、障害のある人もない人も、ともに活動する機会を十分に確保することが課題であると考えております。 県といたしましては、引き続き、県民や企業に対する啓発活動を強化するとともに、住まいや働く場の確保、文化・芸術活動やスポーツ活動の環境整備により、障害のある人もない人も地域でともに暮らし、ともに活動する社会づくりを進め、障害者に対する一層の理解促進を図ってまいります。 次に、障害者の作業工賃の向上についてですが、近年、就労継続支援B型事業所の利用者が増加していることから、それに対応した仕事量の確保と、製品やサービスの質の向上が課題であると考えております。 工賃の向上は、障害者の自立と社会参加を促進する観点から、極めて重要なものであることから、目標工賃の達成に向け、取り組みを強化してまいりたいと考えております。 なお、具体的な取り組み内容については、福祉保健部長から答弁させます。 次に、障害者雇用の課題と目標達成に向けた今後の取り組み方針についてですが、本県における障害者雇用は着実に向上している一方で、本県は中小企業の割合が高く、その多くは厳しい経営状況にあることから、障害者雇用に対する経済的な負担感、また、経営資源上の不安感、これは要は障害者の方を雇用した場合に十分に周辺の状況をきちんと整える手数がないというような恐らく不安感というものがあるのだろうというふうに思っております。経済的な負担感と経営資源的な不安感があるという企業も多いということが、一つの原因ではないかと考えております。 法定雇用率の達成に向けて企業の一層の取り組みが必要となりますが、同時に、障害者を含め多様な人材の能力を生かすことは、組織の活性化につながるなど、企業にとってもプラスであると考えております。 県としましては、新潟労働局等の関係機関と連携して、障害者雇用促進プロジェクト助成金事業や、伴走型で企業をサポートする事業等を行い、障害者雇用に対する企業の負担感の軽減や不安感の解消を図るとともに、障害者が企業の戦力となる取り組みを支援することにより、障害者雇用の促進に努めてまいります。 以上、答弁でございます。   〔防災局長山田治之君登壇〕 ◎防災局長(山田治之君) お答えいたします。 防護施設整備の進捗状況についてですが、県では、平成24年度から、国の補助事業を活用し、施設の構造や立地条件、また、市町村や福祉事業者等の関係者との調整を踏まえ、安全な避難が困難な要配慮者等のため、社会福祉施設や病院など12施設について、防護対策事業を実施してきたところです。 なお、現在、2施設を対象に事業を実施しております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 障害者の作業工賃の向上についてですが、県ではこれまで、工賃向上に向け、書類の封入作業、清掃等の県業務のアウトソーシング、大量発注に対応するための共同受注窓口の設置と受注拡大の共同PR、新たな分野へ進出する事業所に対する準備経費の助成などを行ってきたところです。 こうした取り組みに加え、農業分野における障害者の就労機会を創出するため、農作業の受注開拓等を行う農作業受託サポーターの配置、農業との連携で生まれた農作物を販売するマルシェの開催などにより、障害者の工賃向上に向けた取り組みを進めてまいります。   〔土木部長美寺寿人君登壇〕 ◎土木部長(美寺寿人君) お答えいたします。 比較的幅員の狭い県道等の整備についてですが、県といたしましては、冬期間においても円滑に通行できる道路幅員確保のため、車道の幅員はもとより、路肩部に十分な堆雪幅を確保することによって、災害時の避難においても有効に機能する、雪や災害に強い道路の整備を進めてまいります。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点お答えいたします。 高等学校における就業体験についてですが、平成28年度には、専門学科や総合学科において、200人以上の生徒がデュアルシステムに取り組むほか、県立学校の約3割の生徒がインターンシップなどの就業体験に参加しております。 議員御指摘の普通科でも、インターンシップの取り組み強化や医師・看護師等医療体験がふえる中で、3年前と比較して就業体験の参加数が約3割ふえている状況にあります。 議員御指摘のように、企業や団体の協力を得ながらインターンシップ等、多種多様な就業体験の機会は、生徒の高校卒業後または大学等の卒業後の進路の幅を広げ、職業観や勤労観、さらには進路を主体的に選択する能力を育成する上で有効と認識しております。 県教育委員会といたしましては、引き続き、地域の企業や団体などの協力を得ながら、高校生に対する就業体験の機会を充実してまいります。 次に、中学生が地元企業等の魅力を深く知る取り組みについてですが、生徒が将来、就職する際の選択肢を広げていく上でも、議員御指摘のとおり、中学校の段階から地元企業への理解、関心を含め、将来の職業や働くことへの理解を深めていくことは、重要であると考えております。 現在、県内の全ての中学校で、職場体験学習を実施し、事前・事後学習を含め、地元企業等への理解を深めるとともに、働くことの意義を学んでいるものと認識しております。 また、県教育委員会としましても、中学生向けに、地元職業人による講演会、高校生や企業関係者によるパネルディスカッション等を県内各地で開催し、地域や地元企業等への理解、関心を高めているところです。 一方で、中学生への進路に関する調査によると、中学生時点では生徒はまだ、プロ野球選手になりたい、医者になりたい等、比較的社会的知名度の高い職業への憧れを漠然と持っている状況であり、地元企業への就職という未来像自体は、具体的にイメージできていない段階であると思われます。 それらの観点を踏まえ、今後、キャリア教育DVDの活用や講演会、パネルディスカッションの開催等による幅広い職業観の醸成及び地域人材や地域産業を生かした先駆的な授業等への支援など、地元企業や地場産業の魅力を深く知る取り組みが充実するよう、市町村や学校を支援してまいりたいと考えております。 次に、障害者理解促進に向けた現状等についてですが、議員御指摘のとおり、障害者の正しい理解には、保護者の啓発も含め、交流活動の推進は重要であると認識しています。 現在、小中学校の通常学級と、特別支援学級との交流活動は、全国平均を上回り8割以上が実施しております。 一方、小中学校と特別支援学校との交流活動は、全国同様、本県も低い傾向にあり、その要因としては、時間の確保が困難なことや、児童生徒が互いに理解し合える、具体的な計画づくりができる教員が少ないことにあると考えております。 県教育委員会としましては、今後、特別支援教育コーディネーター等の指導力向上のための研修や、教員の交流活動の計画づくりを支援する研修を充実させるとともに、保護者に対する交流活動への参加の働きかけや、活動の様子を広報したりして、障害者理解の推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、障害者の進路指導の現状と課題等についてですが、特別支援学校では、一人一人の能力・適性に応じ、進路選択できるよう支援しているところですが、企業就業に向けては、発達段階に応じた職業教育の実施と、企業と連携した進路指導が重要であると認識しています。 現在、中学部段階から、個別の教育支援計画に基づき、作業学習や職業技能検定等の取り組みを行い、働くことへの期待感を醸成する進路指導を行っているところです。しかしながら、実際の進路状況を見ると、就労先が限られた企業になっていることや、企業のニーズと生徒の希望や適性が一致しないなどの課題があると捉えております。 今後、生徒の希望や能力・適性に応じた課題を設定し、職場を想定した環境での指導や企業のニーズに応じた実習等を充実して、確かな自信と、企業で働くことへの態度を育成するとともに、関係機関との連携を強化した求人開拓に努めてまいります。   〔宮崎悦男君登壇〕 ◆宮崎悦男君 2点伺います。 まず、クールジャパンについてでありますが、こちらのほうは、私も指摘をさせてもらいましたが、本県に圧倒的なインパクトを持つコンテンツが足りないというのは識者からの意見でありますし、それらを考えていく中で新・総合計画の目標値は、非常に意欲的な目標値で、訪日外国人客をふやすというふうに規定しております。 そういう部分におきましては、世界から人を呼び込むコンテンツというものを磨き上げることが大切であるということを指摘させてもらいましたが、ちょっと抽象的だったというふうに考えておりますので、その点を改めて伺いたいのが1点。 あと、その一つとして、ニシキゴイを国魚にしていくということも重要な施策になってくると思います。米山知事も、5月のニシキゴイの県魚指定の記念式典においても、国魚に向けて頑張るとの発言もありましたが、ぜひまた知事から改めて国魚に向けての意欲を伺いたいと思います。 もう一点ですが、障害者雇用率アップにしましても、県民所得の向上などいろいろ質問させてもらいましたが、今ほどお話をさせてもらいました訪日外国人客の増にしましても、新・総合計画の達成目標値は、非常に挑戦的な、意欲的なものもあれば、比較的容易に実現できるのではないかというふうに私が感じる部分もあります。 私もこれらの新・総合計画を見ながら今回質問を組み立てさせていただきましたが、この数値目標というものは、なったらいいなというような努力目標なのか、必ず達成しようという意欲的な必達目標なのか、その点を確認させてください。 というのは、答弁が非常に前向きな部分もあれば、今までのやり方ではこの数値目標を達成することは難しいのではないかというふうに感じる部分もあるものですから、その点も伺いたいと思います。 以上です。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまのクールジャパンのコンテンツについて、まずお答えいたします。 確かに抽象的かもしれないのですけれども、本県に圧倒的コンテンツは少ないといいながら、圧倒的コンテンツを持っているところはどこだろうというと、基本的にはまず京都が断トツに、非常に圧倒的な日本的というコンテンツがあり、当然東京も、日本に来たからには東京という、首都という圧倒的なコンテンツがあるのだと思います。 実はそのほかの県でそんなに特徴があるかというと、北海道、沖縄県はあるとして、そのほかは実は正直それほどあるわけではないのだと思うのです。 その中で新潟県の話をすると、マンネリと言われようが何であろうが、やはりスキーというのは大きいといいますか、スキーの新潟県というのは、ある程度のコンテンツであるというふうに思っております。 また、台湾からの方では、佐渡というのは、一つの孤島ではないですけれども、あの大きさの島ということで大分台湾の方には受けており、佐渡というのは一つのコンテンツであろうと思います。 また、温泉はあちこちにあるので、これだけというわけにはいかないのですけれども、お酒やお米と一緒にして、温泉は食と一緒にできますから、食と一緒にしての温泉というコンテンツは、これから熾烈な勝ち残りをかけるのでしょうけれども、一つのコンテンツであろうと思います。 次々と言ってしまうと、どれもになってしまうのですけれども、あとは今おっしゃったように燕三条であり、当然その周辺といった産業コンテンツというのも出てくると思いますし、また、新潟市もということになろうかと思います。 なかなかコンテンツと言い出すと難しいのですけれども、やはり基本的には知名度のあるスキーであり、佐渡であり、温泉、お米、お酒というところを核にしつつ、そこは無理せず、外から見たらなかなか細かいところまではわからないわけですから、そういうところを核にしながら、特に温泉地ということであれば、各温泉地の景観をきちんとよくしていく。 また、スキーに関しても、単なるスキー場という話ではなくて、各スキー場の景観をきちんと向上させていく。佐渡も同じで、佐渡自体の魅力をきちんと高めていくということが必要なのだというふうに思います。そういう中で、さまざまな魅力が向上していくのだと思います。 また、ニシキゴイは非常に大きなコンテンツでございまして、クールジャパンとしてはトップコンテンツなので、ぜひ国魚とさせていただきながら磨き上げていただきたいと思うのですけれども、観光ということになると、現状では、直接観光に結びついてはさほどいないのだと思います。 ですので、観光への生かし方というものはこれから考えなければいけなくて、そこに関しては先ほど申しました室内での展示方法というのも一つの考え方ではあろうと思います。 必ずしもいろんな温泉に大きな池をつくれるわけではないので、室内で展示するということに関しても、それは温泉地の磨き上げという中で、温泉地にとってもよいし、ニシキゴイにとってもよいというような形でいろいろあるのだと思いますので、その辺もまた工夫させていただければと思っております。1点目に関しては以上でございます。 2点目については、まさに御指摘のとおり、かなり意欲的なものから、それなりにいけるのではないかというところまであると思うのですが、これは性質によって分けております。 1人当たり県民所得のようなものに関しては、ぜひ上げたいというのがある中で、同時に、必ずしもそれは経済的なことですから、絶対に上がるかというと、それは確定できるようなことではないのだとは思います。 一方、そういうことの取り組みは、途中で終わっても必ず価値があるといいますか、ある程度無理をして頑張ることによって残るものでも、県民所得は一定程度上がるわけですから、価値があるわけなので、そういう多少無理をして頑張って、達成できなくても価値がちゃんと残るというようなものに関しては、意欲的な目標とさせていただいております。 また、もう一つ意欲的な目標となっているのは、これから予算編成の中で、皆さんに、また何回かの予算編成でお諮りしていくことになると思うのですが、従前どおりではできないけれども、これから少しずつ予算の考え方を変えていく中で実施しなければならないということに関しましては、少し意欲的な形で示させていただいて、状況を見ながらそれにかける予算規模というものを調整させていただきたいというふうに考えております。 一方、割と保守的なものもあるのですけれども、それに関しましては余り無理をすること自体が正しくないのではないかと。無理をすることよりも自然に達成できる目標にしたほうが、むしろ性質上いいのではないかということに関しましては、自然的な目標値とさせていただいております。 以上、答弁でございます。 ○議長(金谷国彦君) 宮崎悦男君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時24分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時25分 開議 ○副議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、高橋直揮君の発言を許します。高橋直揮君。   〔高橋直揮君登壇〕(拍手) ◆高橋直揮君 自民党の高橋直揮です。よろしくお願いいたします。 本年11月24日に新潟県立大学新学部設置に関する有識者会議が開催され、県立大学の新学部創設は妥当との報告書がまとめられました。新学部は(仮称)国際経済学部国際経済学科とし、2020年4月の新設を目指し、定員90名程度を予定しているとのことであります。 県立大学の新学部においては、経済・産業・企業の仕組みを理解し、情報分析力と確かな語学力を備えた複合的実践力を有する人材や、新潟の地理的な特性を生かした、東アジアの経済・産業・企業に強いプロフェッショナルの育成を目指すとしておりますが、本県企業において海外に通用する人材をどれだけ確保できているのか、その現状について知事の認識を伺います。 また、具体的に県民から新学部設置に対してどのようなニーズがあったのか、お伺いします。 県内高等学校等を卒業した大学・短大進学者の6割が県外に進学していることを原因として、県内に希望に合う十分な受け皿がないことを挙げ、教育環境の充実が必要であると、新学部設置の必要性について有識者会議の報告書で説明されておりますが、定員を90名程度で検討している理由について伺います。 また、新学部で育成する人材の受け皿は本県に十分にあるのか、さらには新学部設置が本県の経済界、産業界にどのような効果を及ぼすと考えているのか、知事の所見を伺います。 国際経済を学ぶことができる県内大学や県外大学の教育環境の現状について伺うとともに、県立大学で設置を検討している国際経済学部と他大学の国際経済を学ぶことができる学部との違いについて伺います。 新しい学部をつくることは小規模な大学運営を安定させるためには必要とは思いますが、県民のニーズに合っているのか、十分な説明が必要であると思います。授業料の安い国公立大学の定員がふえることは、それだけ見れば県民にとって喜ばしいことではありますが、税金で賄われている以上、ほかの歳出との関係で、どこまでを県立大学が担うべきか、県立大学の役割論を検討する必要があると感じます。 また、定員割れ等により経営困難な私立大学が多数ある中で、入試日程をほかの国公立大学と別にして滑りどめに専念する公立大学というのも全国的にも聞かれませんので、当然そのような目的で設置するということではないと思いますし、国公立大学と私立大学間には国からの補助金に大きな格差があり、授業料で国公立は私立の半分以下と圧倒的有利な競争原理にあり、県立大学の定員増は公平な競争条件にない私立大学側からすれば、民業圧迫ではないかという考え方もある中で、新学部を設置する場合には、その必要性について、きちんと説明していただく必要があるのではないでしょうか。 また、以前の議会質問において、入学式、卒業式の国歌斉唱時に起立すらしない教員についての質問がありましたが、新潟県の税金から運営交付金という形で職員に給与が支払われているのであれば、当然ながら県や法人の方針に対し拒否する教員は問題視せざるを得ないと考えます。 公立である県立大学の教員が国歌斉唱時に起立すらしないことに対し、これまで県としてどのような対応をとってきたのか伺います。 また、今後、国歌斉唱時に起立しないといったことが起こった場合には、大学において当該教員に対して処分等を検討するよう、県として指導する必要があると思いますが、知事の所見を伺います。 平成11年に国旗及び国歌に関する法律が施行され、その際に発表された内閣総理大臣の談話にもあるように、県としても、国民が国旗及び国家について、より理解を深めていくよう取り組む必要があると思います。 そのような中、県立大学には国旗掲揚塔がありません。これまで国旗掲揚塔を設置してこなかった理由について伺います。 また、県立大学は県が出資した公立大学法人であり、国旗掲揚塔を設置すべきであると考えますが、県立大学に国旗掲揚塔が存在しないことに対して、知事はどのように考えているのか、所見を伺います。 公立大学としての研究実績を伸ばし、大学院の入学者も含め志望倍率を高めるためにどうすべきか、県としても、これまで以上に考えていただきたいと思います。 次に、若者の県内定着とU・Iターンの促進についてですが、本県では平成9年をピークに人口の減少が続いており、全国の中でも減少数、減少率は上位となっております。進学や就職を契機とした若年層の東京圏への流出が社会減の主な原因となっていると、新・総合計画案では分析しております。 また、新・総合計画の中で、県内にみずからの希望に合う大学、学部がないために、やむを得ず県外へ進学している者が一定程度いるということが課題であるとし、県内大学等が行う新たな魅力創出を支援するとありますが、魅力ある大学、学部があれば学生が県内にとどまることについて、進学等を考えている高校生への調査を実施しているのであれば、どのような結果であったのか伺います。 希望に合った学びができる県内大学の魅力向上が、定員90名程度の募集を検討している県立大学の国際経済学部の設置だけではないとは思いますが、新たな大学や学部の設置の前に、まずは既存の大学、学部に進学してもらえるよう、高校の段階で、県内大学の魅力や県内での進学の意義等を、子供たちに十分伝えていくことが重要であると考えますが、知事の所見を伺います。 県立大学新学部設置に関する有識者会議の報告書でも、また、新・総合計画でも、県内の若者が県外に流出しないための政策を中心に記載されているように感じます。人口流出を食いとめるための守りも必要ではありますが、どうやって新潟県に来てもらうかという攻めの政策がなければ、守ることもできないのではないでしょうか。 若者の県外流出を食いとめることはもちろん重要ではありますが、県内の高校等を卒業した者が進学の際に県外に流出することを防ぐだけではなく、県外から県内大学への進学者をふやすことも重要であると思います。県外の若者から県内大学を選んでもらうために、今後、県としてどのような取り組みを考えているのか、知事の所見を伺います。 次に、市町村が実施している子ども医療費の助成についてです。 報道発表でもありましたが、本年11月20日に開催された知事と市長会・町村会との定期協議の場で、政令市である新潟市を除く市町村に対し、子ども医療費助成等交付金を来年度は拡充するとの方針が示されました。市町村の上乗せなどもあるため、助成対象の年齢は異なりますが、市長会・町村会の要望に対し、確定ではないが、反映できるようにすると前向きな発表がありました。 県では今年度、新潟市を含めた各市町村の子ども医療費助成の実態調査を行ったとのことですが、どのような調査結果であったのか伺うとともに、その調査結果をどのように今回の見直しに反映したのか伺います。 この子ども医療費助成については、新潟市のみ、政令市移行時における基本協定により、県からの助成が段階的に廃止され、平成22年には完全に廃止となっております。平成28年度に交付金制度に変更された際も、補助金制度からの移行ということから、引き続き対象から外されている状況であります。 子ども医療費助成について、県からの補助を受けていない政令指定都市は、さいたま市、新潟市、静岡市、浜松市、岡山市の4県5市となっております。千葉市は政令市移行後、一旦廃止となりましたが、その後復活したという例もあります。 安心して子供を産み育てられる環境を構築することを目的とした交付金制度の効果は、県民にひとしく帰属されるべきであると考えますし、知事の方向性とも一致していると思われます。新潟市のみ今後も対象から除外するのであれば、子育て世代の新潟市民の県税に対する意識に不満が生まれる可能性も考えられます。 子ども医療費助成が新潟市に移譲された際に、宝くじ販売収益金の一部を含む財源が市に移譲されたという経緯は承知しておりますが、その後、県では子ども医療費助成の対象年齢が拡大され、平成28年度には交付金化されるなど、制度が拡充されています。 また、少子化が大きな社会問題になる中、子育て支援に対する期待が大きくなってきているなどの社会情勢の変化や、千葉県のように一度移譲した子ども医療費助成を復活した県もあることを踏まえれば、本県の人口の3分の1を占め、多くの県税を納めている新潟市を除外するのは不適切であると考えますが、知事の所見を伺います。 平成28年の合計特殊出生率は、県全体で1.43でありますが、新潟市は1.34と低い状況にあります。新・総合計画では、目標として希望出生率1.8を掲げていますが、その目標を達成するためには、人口の多い新潟市の数値を上げていくことが不可欠ではないかと思います。 政令指定都市移行の際の経緯はあるものの、現在策定している新・総合計画を踏まえ、新たな考えのもと、子ども医療費助成等交付金の対象に新潟市を加えるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、幼児教育についてでありますが、国では、3から5歳児を無償化するという方向の議論が進められております。海外では既に無償化されている国もあり、義務教育として取り組む事例もあります。 しかしながら、現在の考え方として、国の認可基準を満たさない、いわゆる無認可施設も対象となるのかという問題もあり、国の高いハードルを越えて一定の保育の質を担保する努力をしてきた認可施設との整合性が問われるところでもあり、保育や幼児教育の質の確保が今後重要になってくると思います。 3から5歳児の子供の教育費用を公的に担保するという政策であれば、無償化の対象を選別し、認定された施設だけをただにするという考え方は理論的に難しいという考え方もあることは理解しておりますが、私的には、国の財源が限られる中で、無償化のための投資額、ほかの施策との優先性や財源の配分などを比較した上で、効果を十分に検証し、幼児教育の質を確保していくような制度にするべきだと思います。 そのため、幼児教育を無償化するだけでなく、保育の質を高めることを目的とした保育士の処遇改善や勤務を継続できる環境、受け皿の整備を進めていく必要があり、それらが改善されることによって、一番の課題である保育士不足が解消されるものと思われます。 幼児教育を充実したものにしていくためには、共働き世帯がふえる状況の中で、親の責任と同時に、将来を担う子供たちを育てていくための保育士の確保が必要であり、保育士不足解消のためには処遇改善が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 国は、今年度からキャリアアップ研修の受講等を要件とする新たな処遇改善の仕組みを創設しましたが、研修の本来の目的は処遇の改善ではなく、よりよい保育や幼児教育を実現するため、保育士の質を高めることであると思います。 そのためには、県としても、より効果的な保育士の研修体系を構築していくことが必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、このたびの新・総合計画の中でも掲げられております給付型奨学金についてですが、我が国においては、高校教育は十分に普及しておりますが、その後の進学となると、意欲や学力があっても経済的理由で進路を断念せざるを得ない若者がいます。そのような若者をなくすことが必要であり、急がれるべきは機会均等によって教育格差の是正につなげ、将来の夢に向かって勉学に励んでいる子供たちの大学等への進学を後押しすることであると考えます。 給付型奨学金について、既に国の制度は今年度から一部先行実施され、来年度からの本格実施に向け、対象者の選考を実施するなどスタートしており、県の給付型奨学金は国の制度を補完するとしています。 本来支援すべき対象者の給付要件の線引きは難しいと思われますが、現状でも高校レベルの知識、理解が不足している学生が半分以上いると答えた大学が3割を超えるとの民間調査もあります。 また、学力要件を厳しく問うことがなければ、奨学金の給付により大学への進路が容易になり、大学改革とは真逆の方向になることも考えられます。 高校卒業後、就職した者との公平性の観点からも、低学力の学生や競争力のない大学への進学者が対象とならないためにはどうすべきか、どこまでを支援すべきか、難しいところであるとも思います。 今年度、本県における国の給付型奨学金制度に申請した人数と推薦された人数、また、推薦漏れとなってしまった人数について伺います。 また、国の給付型奨学金制度で推薦漏れとなった理由について伺います。 奨学金を給付する対象としては、意欲と能力があることが大前提であると思います。県の給付型奨学金制度の学力・資質基準は、成績概評がAの者または教科以外の学校活動等ですぐれた成果が認められる者で、成績概評がおおむねBの者を対象としていますが、給付型奨学金の制度趣旨である意欲と能力がある者だけが対象となるのか、疑問があります。 制度を運用する中で、学力・資質基準が適正かどうか検証し、必要に応じて今後見直しも検討していく必要があると考えますが、所見を伺います。 このたびの新・総合計画では、達成目標として、住民税所得割非課税世帯と課税世帯の大学等進学率の差の減少を掲げていますが、創設する給付型奨学金でどの程度減少させていこうと考えているのか伺います。 本定例会で、給付型奨学金について、債務負担行為として1億2,480万円の予算が計上されています。来年度は、大学に新たに入学する1年生だけですが、学年が進行することにより必要額もふえていくことになります。 新潟県版給付型奨学金について、シミュレーションをどのように行い、今後の必要額を見込んでいるのか伺います。 また、給付型奨学金の財源は、法人県民税の超過課税分の一部を充当するとのことでありますが、例えば10年後といった将来についても財源を確保していくことができるのか伺います。 奨学金を給付した子供に対し、大学でどのようなことを学び、どのような職業についたのかなどについて追跡調査を行い、給付型奨学金の施策効果を検証すべきと考えますが、所見を伺います。 新潟県版給付型奨学金という事業で新・総合計画にも示されているとおり、本県からの若者の流出防止を考えるのであれば、県内への進学を促すような制度、例えば県内の大学へ進学する場合には、選考基準を緩和したり、給付額を引き上げるなどの優遇策を検討すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、2025年時点でリタイア適齢期を迎える中小企業経営者の数は245万人と、全中小企業の6割以上に上ると言われておりますが、現状ではその半分に相当する127万社で後継者不在の状態にあります。 本県においても、優良技術の断絶など、産業基盤が劣化する可能性もあり、生産性の高い黒字企業の廃業は経済全体の効率を下げ、この黒字廃業を放置することによってGDPが失われ、働く場や雇用が失われるおそれがあります。 地域の中小企業の経営引き継ぎは、企業体の継続の問題にとどまらず、地域全体の課題であることを認識すべきではないかと思います。 承継されるべき経営資源としては、株式、資金等の一般的な資産のほか、経営権、後継者教育等の人的資源、取引先の人脈、技術のノウハウ、顧客情報等の知的資源などといったものがあります。外部や第三者には把握が困難であり、社外には絶対に出さない内容こそが、承継されるべき経営資源であり、その重みや引き継ぎの過程や仕組みが非常に難しいと思われます。 本県企業における社長の平均年齢及びリタイア適齢期と言われる70歳以上の割合について伺うとともに、そのような状況に対し、どのように考えているのか、知事の所見を伺います。 現在、本県においても事業引継ぎ支援センターにて相談窓口を設置していますが、その相談件数の推移を伺うとともに、マッチングの成果について伺います。 政府としても、大廃業時代回避への集中的な対策を講じる構えでありますが、問題は省庁縦割りではなく、総合的な制度的対応がなされるか否かにあると考えます。税制、金融、予算の動員が必要でありますし、外部人材登用、外部登用のための兼業、副業の規制緩和などの施策の連携も求められていると考えます。 県として、事業引継ぎ支援センターのみの対応も重要であると考えますが、それに加え、信用保証協会や金融機関等の機関とも連携して事業承継に取り組むことも必要と考えますが、知事の所見を伺います。 事業承継は喫緊の課題であり、現在の取り組み以外にも、譲渡を希望する企業データのネットワーク化などにより、マッチング機能を強化することについて検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、政府は、地域の企業に、経営サポート人材や技能を有する人材を供給するプロフェッショナル人材事業を始め、既に約1万9,000件の相談があり、2,000件以上の採用が実現したそうであります。 人口減と高齢化の悪循環を断ち切るには、地方においても新事業展開や販路開拓に取り組む必要があり、地方に求められるのは、まずは雇用をつくり出す人材を確保することであると考えます。 国に求められるのは、多様な人材の地方への還流ルートの開拓を押し上げることであり、現在は主として中小企業経営の右腕的存在をターゲットにしていますが、今後は事業の担い手となる承継支援や事業を立ち上げる創業支援も対象とするように制度を拡充していくべきであると考えます。 政府の行っているプロフェッショナル人材事業は、主に首都圏を中心に行われていると聞いています。本県においてもプロフェッショナル人材戦略拠点を設置していますが、新事業展開等に向けた人材確保の観点から重要な取り組みであると思います。 これまでの本県における実績について伺うとともに、この取り組みに対する知事の期待について伺います。 最大の問題は、多くの自治体では地域の雇用や産業の創出を担う人材、それらを支援する人材が育成されていないことであり、地域の戦略を実行に移すにはプロフェッショナル人材が必要不可欠であり、欧米では地域の雇用戦略に必要な人材を意識的に育成し、活躍の場を用意してきたと言われています。 そういう意味においては、新潟県庁内においても、さまざまな職員が存在する中で、事務職や技術職といった方々が、本県の施策をつくり上げております。 しかしながら、庁内の異動があることから、その筋一本という職員がどれくらい存在するのか、この分野であれば専門であるから、全てを把握し、その先の未来まで考えられるようなプロフェッショナル職員の育成もするべきであると思います。 既にプロフェッショナルであると自負できる職員もおられるとは思いますが、部局等を異動することにより、さまざまな業務を幅広く対応できるような県庁職員を育成することも必要であると思いますが、それと同時に、専門職以外の職員についても、施策立案や事業の企画などを行う上で、専門分野のプロフェッショナル職員を育成していくべきではないかと思いますが、知事の所見を伺います。 企業は当然ですが、自治体も地域に根差したリーダー人材育成のために、人事異動や転勤制度を見直し、頻繁な異動、交代や順送り人事を見直す必要もあるのではないかと考えます。 次に、自殺対策についてですが、本県ではCM等で啓発を行ってきたこともあり、自殺者数は減少していますが、依然として自殺死亡率は全国平均を上回っている状況にあります。また、自殺者数の減少は本県だけでなく、全国的に減少しているものであり、各都道府県でも同じように努力している結果ではないかと思います。 自殺対策に関しては、息の長い取り組みが必要であり、相談窓口を拡充することも重要でありますし、啓発することも大切なことであります。世代的にも年代的にも地域的にもさまざまな問題があり、それらに対応していくためには、当然ながらこれまでの取り組みも重要であります。それでも新潟県の自殺者が多いのであれば、新潟県の文化や風土といったところまで踏み込み、息の長い取り組みを積み重ねていかなくてはならないのではないでしょうか。 対策自体は全国どこでも同じように行っているわけであり、新潟県の取り組みが特別劣っているわけではないと思います。そのため、本県における自殺に至るまでの経緯や県民性、歴史的な流れといったところまで踏み込み、そこから考える必要もあるのかもしれません。 これまでの自殺対策の取り組みに加え、本県の特異性や風土、県民性といった、ふだんの生活において当たり前に感じていることについて、自殺の要因になっていないか検証し、今後の対策を検討していくことも必要と考えますが、知事の所見を伺います。 自殺既遂者の89.2%は自殺直前から精神疾患を抱えていたとの報告があり、精神疾患患者は自殺のハイリスク者であることがわかります。私の知る心療内科では、常に患者が出入りし、心療内科に通う患者の多さに驚きを感じますし、それだけ精神疾患になる可能性が高いことも推測されます。 新・総合計画の中でも自殺対策の推進が挙げられ、対策の推進や危険がある人などへの支援が検討されておりますが、精神疾患の予兆に気づくこと、予防することも重要であります。 精神疾患を抱えている場合、アルコールに依存する傾向が高いことから、アルコールと自殺の関連性が指摘されているところであります。 したがって、自殺予防の観点からもアルコール依存や乱用対策は重要だと思います。 平成26年6月1日に施行されたアルコール健康障害対策基本法では、アルコール健康障害対策推進計画の策定を都道府県の努力義務としています。自殺死亡率が全国的に見て高い本県においても策定が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 特に働き盛りにある中高年男性のアルコール対策が必要であると思います。あらゆる分野と県民全体を巻き込んだ対策と連携が必要であると考えます。 次に、日本医師会などでつくる医師臨床研修マッチング協議会から県内の病院で来年度、研修生として働くことが内定した医学生は129名で、2004年度の新臨床研修制度開始以来、最多となったとの発表がありました。ことしと比較すると31名増加となり、医師不足に悩む本県としては大変喜ばしいことであると思います。 内定者のうち本県出身者の割合と県外出身者の割合について伺います。 また、県ではこのたびの結果の要因をどのように分析しているのか伺うとともに、その分析を踏まえ、次年度以降の臨床研修医の確保をどう進めていくのか伺います。 医学生が県内の病院を研修先に選ぶことによって、本県にとどまる可能性が高くなることを考えれば、今後の確保対策次第では十分な成果が見込まれる可能性があると思うのですが、このたびの新・総合計画案の中の臨床研修医数の達成目標において、中間目標は110名と、今年度のマッチング数を下回った目標値を示しております。なぜ本年度より下回る目標を設定するのか疑問であり、何でもそうでありますが、1位を目指さなければ2位にも3位にもなれません。 喫緊の課題である医師確保に向け、目標を上方修正し、県として積極的な姿勢を示すべきであると考えますが、知事の所見を伺います。 最後に、質問通告に間に合わなかったので、答弁は求めませんが、この数カ月、北朝鮮からの木造船漂流による報道がされておりますが、難民が押し寄せ、麻薬密輸や伝染病などを日本国内に持ち込むなどの脅威も今後は考えられます。海では海上保安庁であり、陸では県警察となります。本県としても十分な検討をしていただけるようお願いを申し上げ、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの高橋直揮議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、本県企業の海外に通用する人材確保の現状についてですが、海外進出している県内企業の例では、企業みずからOJTや職場外での語学研修等により社員を育成しているほか、必要に応じて日本人の実務経験者や現地スタッフ、外国人留学生を採用することにより人材を確保していると伺っております。 一方で、本県は中小企業の割合が高く、人的・資金的な余裕がないため、こうした人材を十分育成・確保できない場合があると聞いております。 県としましては、産業界・企業のニーズを踏まえ、海外展開を初め、将来的に企業等の運営の中核を担うことのできる人材を育成・確保していく必要があると考えております。 なお、新学部設置に対する県民からのニーズについては、総務管理部長から答弁させます。 次に、新学部で育成する人材の受け皿と新学部設置の効果についてですが、既存の国際地域学部では、国際貢献・地域貢献ができる人材を育成してきており、製造業、金融・保険、卸売・小売業等の多くの業種で採用されております。国際経済学部では、より実践力の高い人材を育成することとしており、より多くの業種、職種で幅広く受け入れられるものと見込んでおります。 こうして育成・輩出された人材が、将来的に企業等各種機関の運営の中核を担うことにより、将来の本県の産業・社会を支え、今後の発展の基盤となることが期待されるとともに、本県に多様性のある有為な人材が集積することで人材の基盤がさらに厚くなり、新たな発展の芽となることも期待されます。 なお、具体的な就職先の見通しについては、総務管理部長から答弁させます。 次に、県立大学における国歌斉唱についてですが、大学が国歌斉唱を式典の一部としている以上、教員は大学組織の一員として、式典の円滑な遂行に協力し、起立斉唱することが適当であると考えております。 一方で、大学は高等学校までの学校とは異なり、学習指導要領といった、式典に関して国や県が関与する法的根拠はなく、式典の運営は大学の自主的な判断に委ねられております。 県としましては、起立斉唱の意義を教員に理解してもらうよう、大学に対し要請してきたところです。教員への処分等につきましては、大学の自治を基本として、大学みずからが判断すべきことでありますが、県としましては、引き続き、大学に対して適切な対応を要請してまいりたいと考えております。 次に、県立大学の国旗掲揚塔についてですが、国旗及び国歌に対する正しい理解を促進することは重要であり、県立大学の入学式等の式典の際には、会場に国旗を掲揚しているとのことでございます。 大学施設における国旗掲揚塔の設置については、基本的には大学において判断すべきものと認識しております。 なお、国旗掲揚塔を設置してこなかった理由については、総務管理部長から答弁させますが、昭和38年に設立された県立女子短期大学時代からということでございますので、正直今さらというところではなかろうかとも思います。 次に、県内高校生への県内大学の魅力等の周知についてですが、議員御指摘のとおり、県内大学への進学促進に向けては、県内高校生に県内大学の魅力や県内進学の意義等を十分に伝えることが重要であると考えております。 このため、県では、県内大学が共同で行う高校生向けの説明会や情報発信の取り組みを支援しているところです。 今後とも、県内高校生が県内大学の魅力に触れる機会の提供や高校における進路指導での情報提供など、県内大学に対する県内高校生の理解を深める取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、県外の若者から県内大学を選んでもらうための取り組みについてですが、県内の各大学においては、県外での大学合同説明会への参加や県外高校への学校訪問、新聞広告等の広報などにより、県外からの進学者確保に努めていると聞いております。 まずもって、県内大学が選ばれる大学となるためには、それぞれの大学が魅力を打ち出し、県外の高校生、保護者等からの知名度や評価を高めることが重要であると考えております。 このため、県では、県内大学がさらなる魅力向上を図る取り組みを支援しており、今後も、特色ある教育プログラムの開発など、大学が行う意欲的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。 次に、新潟市に対する子ども医療費助成についてですが、子ども医療費助成は、議員御指摘のとおり、平成17年に新潟市と締結した事務移譲に関する基本協定書に基づき、財源とあわせて移譲した事務事業の一つでございます。 そのため、基本的には新潟市が政令指定都市としてみずからの判断において制度を運用していくべきものと考えており、現状においては不適切であるとは認識しておりません。 次に、新・総合計画を踏まえた新潟市への子ども医療費助成に係る対応についてですが、今ほど申し上げましたように、子ども医療費助成については、政令指定都市に移行する新潟市がみずからの判断で制度を運用していくべきとの考え方に県・市が合意したことから、県から財源とあわせて新潟市に移譲した事務事業であるとの県のスタンスを変更することは、現状において困難であるというふうに考えております。 次に、保育士確保のための処遇改善の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、将来を担う子供たちの健やかな成長を育む上でも、保育の現場で働く人材の確保に取り組むことは重要であると考えております。 国におきまして、ニッポン一億総活躍プランに基づき、保育士等の確保に向けた処遇改善に力を入れていくこととしており、県といたしましても、処遇改善などの加算に必要な財源を確保するとともに、多様化する保育ニーズに応えるため、市町村が行う子育て環境の充実に対する支援や、人材の確保に取り組み、伸び伸びと子供を産み育てられる環境の実現を図ってまいります。 次に、保育に係る効果的な研修体制の構築についてですが、中堅保育士等のキャリアアップを図り、処遇改善を進める新たな研修の実施は、議員御指摘のとおり、よりよい保育の実現を図ることが本来の目的であると認識しております。 このため、県といたしましては、県内保育団体や指定保育士養成施設等と連携し、子供や子育てを取り巻く環境の変化を踏まえ、より高度な専門性が求められる保育士の質の向上につながるよう、今年度からキャリアアップ研修に取り組んでいるところです。 また、次年度以降の研修体系構築につきましても、関係者と引き続き意見交換を行いながら、その内容の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、県給付型奨学金の必要額についてですが、国の制度を補完して、意欲と能力のある子供たちの大学進学を後押しするという考え方で対象者数を設定し、算定しております。 平成30年度については、住民税所得割非課税世帯の大学進学予定者の推計から国制度の推薦者を差し引いて、対象者を300人程度と設定し、今春の進学実績を踏まえ、大学の設置主体や通学形態を考慮して必要額を算定しております。 つまり、国と県を合わせると、ほぼ住民税所得割非課税世帯を網羅できるということになります。ほぼということですが。 今後の必要額は、関連施設の成果のほか、景気動向の影響を受ける家計所得の状況等の変動要因があるため、正確な見通しは困難ですが、大学進学率が向上するよう取り組む一方で、高校卒業者数が実は残念なことに大幅に減少しますので、大学4年生まで支援することとなる4年後からは、毎年5億円程度が必要になるものと見込んでおります。 また、財源については、法人県民税の超過課税の一部を活用して基金を造成し、これを充てることとしており、この仕組みのもとで安定的な運営を確保できるものと考えております。 なお、今後の国の動向を踏まえ、必要に応じて財源を含めた制度の検証を行っていくことになるものと考えております。 次に、県給付型奨学金における県内大学の優遇策についてですが、制度創設の目的は、子供たちが経済的な理由などで教育を受けられる機会を失うことなく、誰もが安心して教育を受けられる新潟をつくることでございます。 給付型奨学金と若者の流出防止とは、その趣旨が異なっているため、制度設計としては別であるべきと考えております。 高校生の中には、進学後も新潟で暮らしたい方もいれば、将来の夢をかなえるために勉強したい分野があって、県外への進学を希望する方もおられます。 私は、そうした大学選択の自由は当然尊重されるべきであり、県の給付型奨学金は、さまざまなチャレンジを心から応援できる制度としてこそ意義があるものと考えております。 そして、ひいてはそういったことが教育環境の充実につながり、新潟の魅力づくりにもつながるものと考えております。 次に、関係機関と連携した事業承継の取り組みの必要性についてですが、事業承継の課題は、資産相続や債務整理、経営ノウハウの継承など専門的で多岐にわたり、支援機関が個別に対応することに限界があることから、議員御指摘のとおり、関係機関と連携し、取り組んでいくことが必要と考えております。 県といたしましては、今後とも公的支援窓口である事業引継ぎ支援センターと金融機関を初めとする関係機関とのさらなるネットワーク強化を進め、県内企業の円滑な事業承継に向けた相談・支援体制の強化に努めてまいります。 次に、事業承継におけるマッチング機能の強化についてですが、議員御指摘のとおり、企業データの民間を含めたネットワーク化は、マッチングを幅広く進める上で有効な手法と考えており、中小企業庁が本年7月に策定した事業承継5ケ年計画においても、こうした取り組みを進めることが盛り込まれているところです。 既に、本県の事業引継ぎ支援センターにおいては、一部の関係機関と匿名の企業概要の共有化を通じたマッチング支援を行っておりますが、譲渡を希望する企業において、情報開示に消極的な場合も多いことから、ネットワーク化による成果事例の周知を行いつつ、個別の状況に応じた対応も必要と考えております。 今後とも、効果的なマッチングにつながるよう、事業資産の承継の観点からさまざまな手法を活用しながら、県内企業の事業承継を推進してまいります。 次に、プロフェッショナル人材戦略拠点の取り組みに対する期待についてですが、議員御指摘のとおり、平成27年からNICOに設置しているプロフェッショナル人材戦略拠点の取り組みは、新事業や新たな販路開拓など、企業の新たな取り組みに必要となる知識やノウハウ等を有した外部人材の活用を促進するものであり、重要な取り組みであると認識しております。 拠点の開設以来、徐々に、海外展開や開発力の強化のための人材確保といった成果につながってきているところであり、今後とも、この取り組みを通じて企業の成長に必要な人材の確保を促し、本県産業の活性化につなげてまいりたいと考えております。 なお、プロフェッショナル人材戦略拠点の実績については、産業労働観光部長から答弁させます。 次に、県庁における専門分野の職員の育成についてですが、議員御指摘のとおり、より高度化、専門化していく県の行政ニーズに的確に対応していくためには、幅広い視野や多様な業務経験を基礎にしつつ、しかし同時に、特定の分野における専門的な知識や能力を有する職員が求められております。 そのため、本県では、異動サイクルの長期化や、経験を有する職員の再配置などにより、より高度な専門性を身につけた職員の育成に努めているところであります。 今後とも、県民の皆様の期待に応える県庁となるよう、多様な業務経験と高い専門性を有する職員の育成に努めてまいります。 次に、自殺対策についてですが、自殺は、健康問題、経済・生活問題、人間関係の問題のほか、地域・職場のあり方の変化などさまざまな要因と、その人の性格や家族の状況、死生観などが複雑に関係していると言われております。 先般の自殺予防対策推進県民会議においては、人に迷惑をかけることを潔しとしない真面目な風土が高齢者を中心に残る地域があるとの指摘もありました。つまり、そのほかに説明する理由は余りないのですけれども、ある地域に集中しているという事例もあるというふうな指摘がございました。 県といたしましては、引き続き、県民会議等の場で議論を深めることや、自殺に関する県民アンケートの実施により、県民の考え方や他都道府県民との意識の違いを把握することに努めるなど、多角的な視点から、自殺の要因に関する考察を深めてまいりたいと考えております。 次に、アルコール健康障害対策推進計画の策定についてですが、アルコール依存症等の不適切な飲酒の影響によるアルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、議員御指摘のとおり、自殺等の重大な社会問題を生じさせる要因の一つであると認識しております。 県といたしましては、新潟県アルコール健康障害対策推進計画を平成30年度中に策定し、アルコール健康障害の発生予防を初め、依存症者への支援等、関係機関と連携した一体的な取り組みを推進してまいります。 次に、新たな総合計画の指標についてですが、臨床研修医数については、計画の最終年度である平成36年度において、137人の確保を最終目標としております。 議員御指摘のとおり、本年度のマッチ者数は、平成32年度における中間目標である110人を上回っておりますが、これは年によって変動もあることから、県としましては、計画期間である8年間で、最終目標である137人の安定的な確保を目指し、臨床研修病院、新潟大学や医師会と共同して、臨床研修医の確保に着実に取り組んでまいりたいと考えております。 これは、私も多少なりとも医療に関係あるので、このマッチングの状況は確認しているのですが、全く同じ病院でほとんど変わらないのに、物すごく多い年と物すごく少ない年みたいなものがあるといいますか、ある種、学生同士のはやりみたいな、はやりって言葉が悪いかもしれませんけれども、友達同士が一斉に同じところに行くというようなことが起こったりして、反動で全くそこに行かなくなるというようなことが起こったりするので、ある程度、波はあるということを前提にして、安定的な目標を掲げていくというのが適当ではないかと考えております。 以上、答弁でございます。   〔総務管理部長杉本孝信君登壇〕 ◎総務管理部長(杉本孝信君) 6点についてお答えいたします。 まず、県立大学の新学部設置に対する県民ニーズについてですが、経済界と高等学校を対象とした調査結果では、いずれも実践的な経済学・データ分析の教育と実践的語学教育などに対する教育ニーズが高くなっております。 また、こうした教育が充実すれば、これまで首都圏に進学していた学生が県立大学に志望先を変更することが予想されると多くの高等学校が回答しております。 さらに、パブリックコメントで寄せられた県民意見としては、地元の経済を支える人材を育成してほしいという意見や、地元の若者が不本意ながら県外に進学することのないよう魅力ある受け皿をつくってほしいという意見など、新学部の設置に賛成する意見が大多数を占めております。 こうしたことを踏まえ、先般、有識者会議において、新学部の設置は社会のニーズに適合している旨の報告がなされたところです。 次に、新学部の入学定員についてですが、新学部では、東アジアと新潟の産業・経済・企業の知識にたけ、高い実践力のある人材の育成を目指して、国際経済コースと地域経済創生コースの2コース制を予定しております。 大学では、これまでの国際地域学部での教育実績を踏まえ、教育効果を適切に発揮するための規模としては、1コース45名程度が適当であるとの判断から、新学部においては、2コースで90名程度が適当であると判断したと聞いております。 加えて、収容施設の規模の制約や、県内私立大学への配慮などの要素も総合的に勘案して、入学定員を設定したと聞いております。 次に、新学部で育成した人材の就職先の見通しについてですが、県内企業に対する教育ニーズ調査では、多くの企業が実践的な経済学・データ分析の教育や実践的語学教育、地域・海外企業での実地研修などが充実すれば、採用の可能性が拡大すると回答しております。 新学部の教育内容は、こうしたニーズに対応していることから、現時点では、新学部の卒業生は、企業等の財務戦略・経営企画部門、市場分析・調査部門、生産・流通システム開発部門、生産管理部門などを担う人材として、多くの業種で幅広く受け入れられるものと見込んでおります。 次に、国際経済を学ぶことができる大学についてですが、科目としての国際経済については、県内外の経済系の多くの大学で学ぶことができます。 また、国際経済を学部・学科等の体系として学ぶことのできる大学は、首都圏などの私立大学に見られます。そうした大学の多くは、世界の主要な地域の経済や語学などを学ぶ教育内容となっている一方、県立大学の国際経済学部は、経済学の基礎に立って世界経済の主要な仕組みを学びつつ、東アジアと新潟の経済を教育研究の主な領域としており、あわせて情報・データ分析に力を入れるとともに、英語に加えてロ中韓言語を学ぶこととしております。 このように、グローバル人材を育成するという点では共通していますが、県立大学では、新潟の地域特性を生かした教育研究分野に重点を置いていることから、他大学とは差別化が図られているものと考えております。 次に、県立大学に国旗掲揚塔を設置してこなかった理由についてですが、県立大学は、法人化する際に、県立女子短期大学の施設を引き継いだものです。昭和38年に設立された県立女子短期大学が国旗掲揚塔を設置しなかった理由については、記録がなく、明らかではありませんが、その後、国旗掲揚塔が設置されていない状態で県立大学に施設が引き継がれ、その状態のまま、現在に至っているものと認識しております。 次に、大学進学に関する高校生への調査についてですが、県では、県内高校生を対象としたアンケート調査を実施しており、高校生が大学選択時に最も重視することは、学びたい学問を専攻できることであるとの結果が出ております。 また、大都市の大学への進学を志望すると回答した高校生のうち半数以上は、県内に自分の興味のある学部や学科があれば、志望進路が大都市から地元に切りかわると回答しております。 このため、高校生のニーズに合った魅力ある大学、学部の設置により、これまでやむを得ず県外に進学していた層の中から、県内大学への進学に切りかわる高校生もいるものと見込んでおります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、子ども医療費助成の実態調査についてですが、調査は、レセプトのデータを活用し、市町村ごとに、年齢別の子供1人当たりの医療費やこれに要する助成額の集計・分析を行ったものです。 調査結果の概要ですが、子供1人当たりの医療費は、入院ではゼロ歳で11万円、1歳、2歳が3万円前後、その後はおおむね1万円前後となり、3歳未満で高くなります。通院では、ゼロ歳から6歳までおおむね12万円前後で、就学前において高くなっております。また、市町村の助成額の実績は、4割が就学前まで、8割が小学校卒業までであることなどが判明したところです。 この調査結果につきましては、県としてどの程度の助成が適切であるかの検討や助成額の試算等に活用しております。 次に、臨床研修マッチングの結果についてですが、県内病院におけるマッチ者数は、平成29年度の98人から平成30年度は129人へと大幅に増加し、そのうち本県出身者は約6割、県外出身者は約4割となっております。 この大幅増は、新潟大学生の県内病院におけるマッチ者数が、平成29年度の47人から平成30年度は79人となり、30人以上増加したことが要因であると考えております。 これは、新潟大学医学生と県内指導医との懇談会や、春と夏に開催している臨床研修ガイダンスなど、良医育成新潟県コンソーシアムの取り組みの成果があらわれたものと分析をしております。 次年度以降につきましては、これらの取り組みの継続により、新潟大学生に対し県内での研修を働きかけることに加え、県外大学訪問の拡充等により、Iターン・Uターン型の臨床研修医確保の取り組みも強化してまいりたいと考えております。 以上でございます。   〔産業労働観光部長佐久間寛道君登壇〕 ◎産業労働観光部長(佐久間寛道君) 3点についてお答えいたします。 本県企業における社長の状況についてですが、民間の信用調査機関の調査によると、悉皆調査ではないものの、直近の平成28年における県内企業の社長の平均年齢は60.3歳で全国8位、70歳以上の社長の割合は17.2%で全国と同程度となっております。 本県の社長の平均年齢が、全国的に見ても高い状況にある中、事業承継の準備には5年から10年程度を要するとも言われていることから、さまざまな形態から成る事業承継が円滑に行われるよう、その準備を各経営者に進めていただくことが必要と考えております。 次に、事業引継ぎ支援センターにおける相談件数の推移等についてですが、平成27年度は7月の開設以降70件、平成28年度は170件、本年度は11月末現在で140件となっております。 本センターにおいては、相談対応に加え、金融機関、税理士、弁護士等と連携しながら、事業承継のマッチング支援に取り組み、平成27年度が3件、平成28年度が12件、本年度は11月末現在で11件の成約に至ったところであり、相談、成約とも増加する傾向にあります。 次に、プロフェッショナル人材戦略拠点の実績についてですが、平成27年12月の開設以降、県内の金融機関や商工団体等と連携を図りながら、県内企業への周知や活用促進に取り組んでまいりました。 その結果、平成29年10月末までに、延べ318件の相談があり、そのうち人材採用に至った成約件数は44件となっているところです。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点についてお答えいたします。 国の給付型奨学金制度の本県における推薦状況ですが、先月末に追加配分された20人を含めて、国から各高校等へ配分された推薦枠数の417人に対し、申請者数は578人でありましたが、うち353人が推薦され、225人が推薦漏れとなっております。 また、各学校における、推薦漏れとなった理由としては、推薦基準を満たしているものの推薦された者より成績評定が低かったこと、そのほか、推薦された者より世帯所得が高いことや、部活動、生徒会活動などの教科以外の学校活動等における評価が相対的に低かったことなどとなっております。 次に、給付型奨学金制度の学力・資質基準についてですが、奨学金は勉学のために受け取るものである以上、基本的には勉学への適性や意欲のある者に優先的に支給されるものと考えています。県の奨学金制度においても、成績概評が高い者を対象にし、加えて、それに準ずる者の中で教科以外の学校活動等ですぐれた実績を持ち、大学で勉学の成果が期待できる者も対象とすることとして、国制度も参考にしながら、学力・資質基準を定めることとしています。 一方で、大学入学時、すなわち高等学校卒業時に成績優秀な者が必ずしも大学での成績が優秀なわけではないという調査もありますので、学業の相対的な評価が低いということが、必ずしも本人の学ぶ意志と能力が高くないということではないと思います。予算との兼ね合いはありますが、今後の運用状況を見ながら対象を順次拡大することも望ましいものと思っております。 大学入学後、支給継続の確認のため毎年度報告される勉学の状況や家計状況、さらには卒業後の状況などを踏まえながら、議員御指摘のように、学力・資質基準等が適正かどうかを検証し、必要に応じて見直しも検討していきたいと考えています。 次に、新・総合計画の達成目標と県給付型奨学金についてですが、御指摘の住民税所得割非課税世帯と課税世帯の大学進学率の差の減少の達成目標は、誰もがひとしく豊かな教育を受けられる環境の整備の項目において、給付型奨学金を初め、経済的困難を抱える家庭の子供への学習支援や相談・支援体制の充実など、各施策・事業の進捗状況の把握と評価を適切に行っていくために設定したところです。 給付型奨学金制度については、もともと進学を予定している者も対象となることも想定される中で、より厳しい家計所得にある者を優先的に候補とすることで、大学進学率の向上につながるものと考えております。 そのため、現時点で本制度の効果測定は困難な面がありますが、今現在の手持ちの国や県のデータをもとにあえて推計すると、現在10%程度の差を当面2%程度減少できるのではないかと想定されます。 いずれにしましても、今後、本制度を運用する中で、他の施策等とあわせて大学進学率向上に向けての効果を調査・分析していきたいと考えております。 次に、給付型奨学金の効果検証についてですが、先ほど申し上げた大学進学率への影響の調査・分析や、大学進学後の学業等の状況、卒業後の就職等について把握して、議員御指摘のとおり、施策効果の検証を行い、その状況に応じて所要の見直しを行うことが必要であると考えています。 なお、今年度に先行実施された国の給付型奨学金でも、今後、施策の効果検証を行うとされておりますので、その動きも参考にしながら、検証方法について研究してまいりたいと考えております。   〔高橋直揮君登壇〕 ◆高橋直揮君 御答弁ありがとうございました。 まず、県立大学の国歌斉唱時の起立しないことに対しての処分なのですが、学校法人の判断ということに任せるというふうな御答弁だったのですが、私は、知事の所見を聞いておりますので、改めて知事の所見をお聞きしたいと思います。学校の判断と知事の考えは違うと思いますので、そこをちょっとお聞きしたいと思います。所見でございますので、よろしくお願いします。 また、国旗の掲揚塔がないことについて、これは所見なのかもしれないですが、「正直今さら」というふうにおっしゃっていましたけれども、「正直今さら」の真意についてお聞かせいただきたいと思います。 また、国際経済学部の設置に関して、私は現時点では賛成でも反対でもないのですが、中身をもう少し確認してから、そこははっきり考えたいなと思うのですが、今ほどの御答弁が設置が前提で進めていくというふうな考え方であれば、改めて、しつこいようなのですが、国歌斉唱に起立すらしない教員がこういった国際経済を教えて、果たしていい人材が、海外に通用する人材が育つのかどうなのか。 例えば、日本人で海外で活躍するのであれば、海外で、外国でビジネスのときに、あなたの国のことを教えてくださいと言われたときに、自分の国のことを教えられるような人材が果たして育つのかどうなのか。そういった国歌斉唱ですとか、国旗掲揚とか、こういった基本的なことができないような国民が、海外で日本人ですと言って、活躍できるのかどうなのかということを、私は非常に疑問に思っております。 ということで、知事の県立大学のあるべき姿と教育方針、県立としての役割についての認識を、知事にお伺いしたいと思います。 もう一つですが、今ほど申し上げました海外で活躍できる人材というのは、どのようなアイデンティティーを持った人材だと思うか、知事からお話を聞きたいと思います。 次に、新潟市の話なのですが、今回の県の新・総合計画案の中で、希望出生率1.8というものを掲げております。どう考えても新潟市が出生率を上げない限りは達成できないというふうに私は思うのですけれども、改めて新潟市の子育て環境、県がやっぱり協力していかなければこういった出生率というのは達成できないと思うのです。 ここでもう一回お伺いしますけれども、子ども医療費助成等交付金の影響で、子育て世代にとって重要な要素、新潟市にとって重要な要素だと思うのですけれども、新潟市の出生率を上げずに目標値を達成できるのか、ここに非常にかかわってくる部分だと思いますので、改めてお聞きしたいと思います。新潟市のことは除外するというお考えであるならば、改めてこの達成値は、新潟市以外で達成できるかどうかということをお伺いしたいと思います。 最後に、臨床研修医数、これも新・総合計画の指標で110人ということで、知事の御答弁ですと、定期的な波が110名だと、波という言い方をしましたけれども、はやりですか、波とかはやりがあれば、今後はさらにこんな感じなのではないかというような御答弁でしたけれども、目標がことしより下がるというのは、私は非常に疑問を感じます。 もし波があるのであれば、波を起こせばいい話であって、これから進めるべきこともたくさん考えられると思うのですけれども、そこであえて消極的に目標値を下げるという部分について、上げるべきではないかということに対して検討すべきではないかと思うのですが、再質問をさせていただきます。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えいたします。 まず、県立大学の国歌斉唱についてでございますが、学校の判断に委ねるというのが私の所見でございます。学校というのは自分で運営する自由がございますので、それに対して、特段県として大きく口を挟むことはしないというのが、それ自体が所見であるというふうに考えております。 また、「今さら」と申しましたことに関しましては、国旗掲揚塔がないということは昭和38年からでございまして、私が知事についたのは平成28年からでございまして、その間、ここにいらっしゃる皆様が大分その状況をそのままにしておられたのだと思うのですけれども、その状況について私に伺うということに対して、多少の今さら感はあるのではないかということでお答えさせていただきました。 次に、国への……   〔発言する者あり〕 ◎知事(米山隆一君) 続) そのようにしてお答えさせていただきました。なぜかということでございますので、なぜかということに関しまして、私は平成28年以降のことしか存じ上げませんので。 3番目の質問についてお答えさせていただきますが……   〔発言する者あり〕 ◎知事(米山隆一君) 続) 御質問は後ほどしていただけますか。再質問のときに御挙手していただければいいのだと思うのですけれども。 それでは、3番目の国歌斉唱をする、しないということに関して、それが直接海外で活躍できるかどうか、起立するかしないかということが、直接海外で活躍できるかどうかには、一要素だとは思いますが、完全にそれで全て決まるということではないというふうに存じます。 次の質問ともかかわるところでございますけれども、比較的自分の国について知らなければ海外で活躍できないという御議論はよく聞くのですけれども、それはそういう部分もあるかと思いますが、まず語学ができなければ当然海外では活躍できません。自分のことを幾ら知っていても、全く語学ができない人が海外で活躍するということは、ちょっと想定しがたいものがございます。 また、皆さんもテレビ等を見ておわかりだと思うのですけれども、テレビで活躍している外国人、我々にとっての外国人ですね、つまり彼らは日本という外国で活躍しているわけなのですが、彼らは基本的には日本をよく知っています、日本大好きですと言うと日本人に受けるわけです。それは当然のことでございまして、よく日本について聞かれたら日本について答えなければいけないと言いますけれども、例えばアメリカに行って日本について聞かれて、とうとうと日本のことだけしゃべっている人というのは、基本的にはほとんど好かれないわけでございまして、それは多少一言、二言言ってもいいのですけれども、基本的にはアメリカに行ったら、アメリカの国のことをよく知っていて、アメリカ人の心情をよく理解している人が、アメリカにおいては好かれるというのは当然のことであろうかと思います。 次に、新潟市の子育て環境についてでございますが、もちろん新潟市の出生率は上げていただきたいと思います。ただ、先ほど申しましたとおり、それは財源とともに移譲していることでございますので、もし仮に他の市町村と同じように支援するということであれば、それは財源に関してもまた戻さなければいけませんが、それはちょっとなかなかできづらいことではなかろうかというふうに考えております。 また、研修医数についてでございますが、これははやりが、波があるのはいかぬということであったり、波を起こせということは、起こしたいとは思いますけれども、しかし、人のはやりというものをそう簡単にコントロールできるようであれば誰も苦労はしないわけでございまして。事実上、波はあるわけでございますので、それはやはり最終的な目標に置いた上で、そこに対してコンスタントな上り坂を持っていくというのがまた無理のない話であろうかと思います。 逆に余り一喜一憂して、あるときに非常に多かったから、次々とそうでなければならないといいますと、現場に対する負担も非常にかかるところでございます。波があることの一つの理由は、1施設に余り一遍に研修医が来てしまいますと、研修が十分にいかなくなって、次の期にはそれが不評になってしまうということがありますので、そういう意味では多いからといってどんどんふやせばいいということではなく、やはりコンスタントに体制を整えていくというのが、あるべき姿ではないかと考えております。 以上、答弁でございます。   〔高橋直揮君登壇〕 ◆高橋直揮君 再々質問させていただきます。 知事は、要は自分の判断ではなくて学校の判断に任せるということ、今、全体的な話をまとめられないのですけれども、総合的に考えると、学校の国歌とか国旗掲揚とかはどうでもいいのかなというふうな印象を持ったのです。それをやろうがやるまいがどうでもいいと、海外に通用する人材も、そういったことで別に認識がなくても、海外で通用できる人材というのはたくさんいるのだみたいな、そういった答弁だったと思うのですけれども。 では仮に、外国人が日本に来て、あなたの国のことをといって、誇りを持って説明できる外国人、例えば日本みたいな教育を受けて説明できる外国人というのは、国というのはどこにあるのかなと。 あと、国旗掲揚ですとか、国歌を歌わない、拒否する外国人が、アメリカでこの間ありましたけれども、外国人がどこに、外国はどこにあるのかということを、知事が御存じであれば教えていただきたいというふうに思うのです。 「正直今さら」というふうなお話、国旗掲揚塔があるかないかは別として、今さらつくる必要がないという言い方も、今さらという言い方で、その前のことはわかりませんと言ったではないですか。でも、一番最初の答弁では、「正直今さらと思っています」というふうに御答弁されていたのですが。ちょっとその辺が食い違っているので、お聞きしたいと思います。 また、学校法人でやっているということで判断するのであれば、教員の給与というのは県から出ている運営交付金で給与を賄っているわけであって、ではその辺は、県が全然関係ないのかといえば、これは県がお金を出している限り、運営交付金を出している限り、絶対に関係あるというふうに私は考えているのですが、そこについて御所見をいただきたいと思います。 最後なのですが、新潟市の話ですが、もし新潟市の話というふうに考えているのであれば、新潟市を除いた目標値で、希望出生率の目標値は新潟市を除いて示してほしい。そういうふうに考えるのであれば。実際に調査も行っているということでありますよね。新潟市を含めた子ども医療費助成の実態調査を行っている。それでも新潟市を外すというのであれば、実態調査も新潟市はしなければいい話ではないですか、現実的に。 だから、そこがちょっとよくわからないのですが。もし、新潟市をどうしても外して進めるのであれば、検討もしないのであれば、実態調査もしない、県の新・総合計画の中で出生率の目標値も新潟市を外していただきたいというふうに考えるのですが、御所見をいただきたいと思います。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) 国旗掲揚、国歌斉唱についてお答えいたしますが、それは個々人が自由に判断できることであるというのが、私の所見でございます。また、大学法人も法人ごとに判断できるということでございます。例としては、極めて明白に、議員自身が御指摘いただきましたけれども、アメリカではそれに賛同しない者は賛同しない自由がございます。 また、「今さら」ということでございますが、先ほどもお答えしたとおり、国旗自体はもちろん掲揚されているわけです。それをどのように掲揚するかということに関して、必ず塔がなければならないということではないわけでございます。 今さらというのは、何せそれに関しまして、今までつくらないでいいという御判断を議会がされてきたのだと思うのですけれども、平成28年まではそのように御判断をされてきたということでございますし、それに関しては高橋議員もずっとこの議会におられたと思うのですが、それに関しまして、少々質問としては今さら感があるというふうにお答えさせていただきました。 また、県がお金を払っているということでございますが、県がお金を払っているからといって、全て県ができることではございませんし、例えば、教育に関しましては、県がもちろんお金を払っているわけでございますけれども、教育委員会を通して教育というのは行われているわけでございます。県立大学においては、県立大学で自主性を尊重されるというのは、当然あるべき姿であるというふうに思っております。 また、新潟市の出生率についてでございますが、全く出生率を外すというお話をしているわけではございませんで、医療費の助成に関しましては財源とともに新潟市にお任せするということになっておりますので、それは当然制度としてあるべき姿でございます。 逆にそれをそうでないというのであれば、当然財源も改めなければいけないわけなのですけれども、それは新潟市が恐らく「うん」と言うことではなかろうというふうに思います。財源が行っている以上は、その政策に関しましては、もちろん協力はございますが、新潟市が責任を持って行うというのは、地方自治のあり方として当然かと思います。 以上です。 ○副議長(沢野修君) 高橋直揮君の質問は終わりました。 次に、松原良道君の発言を許します。松原良道君。   〔松原良道君登壇〕(拍手) ◆松原良道君 自由民主党の松原良道でございます。通告に従い順次質問をさせていただきます。 まず、1点目、県政の諸課題について。 1つ、道路メンテナンスについてお伺いいたします。 我が国の橋梁のうち市町村の管理する橋梁は全体の約72%を占め、アメリカでは市や町が管理する橋梁は全体の約13%となっております。比較すると我が国は、市町村の管理する橋梁の割合が非常に高いことがわかります。 また、地方公共団体の意識調査によると、橋梁管理にかかわる土木技術者が存在しない市町村は、全国では町で約3割、村で約6割となっております。過去の調査に比べて割合は減少したものの、依然高い水準でありますが、本県の状況についてまず伺います。 また、市町村の財政力指数と橋梁の点検実施率及び要修繕橋梁の割合にも一定の関係が見られるとされております。 このような状況を踏まえ、今後、本格的な老朽化の時期を迎える中で、適切な維持管理・修繕を進めていくためには、多くの橋梁を管理する市町村への支援が特に重要であると考えられます。 今後は、財政、人材、技術力等の分野で市町村への支援をさらに充実させることが必要と考えますが、現状の認識と今後の対応について、県としてどのように考えているのか、知事の所見を伺います。 次に、中小河川整備の重要性についてであります。 中山間地域では、人家、集落が山沿いまで立地しているため、豪雨による出水や土砂流出による被害を非常に受けやすい地域となっています。 本年7月の梅雨前線豪雨による出水で、特に中小河川において護岸の欠損、河道埋塞などの被害が発生しています。 一方、中小河川では経年的な河道の土砂堆積などにより、出水時には河道満杯まで水位の上昇あるいは田畑や道路が浸水して、住民に大きな不安を与えています。 近年の異常気象は、いつどこでどのような豪雨が発生するか予測不可能なことが多いです。地域住民の安全・安心を確保し、生活に密着した河川の防災機能を維持するため、中小河川の土砂堆積への対応など、適切な維持管理が必要と考えますが、知事の所見と今後の取り組みについて伺います。 近年、毎年、日本のどこかで豪雨による大規模災害が発生しており、その原因は、出水、土砂流出だけでなく、大量の流木が被害を大きくしていると言われております。 特に人工林の多い全国の市町村においては、人材不足、高齢化等により山林の管理がほとんどなされていない状況にあります。本来、山林は枝打ち、下草刈りをすることにより、根が深く張り、成長を続けることが望ましいと言われております。管理不足等により、豪雨時に一気に斜面が滑り、河川に流木として流れ、橋梁につかえ、川の流れが変わることにより甚大な被害をもたらす原因と言われております。 山林に囲まれている中山間地の防災・減災対策として、河川整備だけでなく、治山、森林整備が重要と考えますが、知事の所見と今後の取り組みについて伺います。 次に、スポーツ健康増進について伺います。 スポーツは、これまでも心身の健康の保持、増進や地域社会の一体感の醸成などにさまざまな分野で大きな役割を果たしてきました。急速な少子高齢化や人口の減少、地域コミュニティーの希薄化が進む中、スポーツの果たす役割はますます大きくなっているところであります。 スポーツは、住民の健康増進、医療費削減や生きがいづくりに寄与することから、各地域において官民が連携し、スポーツの普及促進や、スポーツを介した地域活性化に取り組むことが重要と考えますが、知事の所見並びに今後の取り組みについて伺います。 次に、民泊における県条例制定についてであります。 国の平成28年の宿泊旅行統計調査によれば、全国の客室稼働率は59.7%、その中で、本県の稼働率は41.0%と全国47都道府県の中で下から3番目となっているのが現状であります。 湯沢町を例に挙げれば、町の客室稼働率は21.4%とさらに低く、県の稼働率を大きく引き下げています。この厳しい現状下において、住宅宿泊事業法が施行されることになれば、これまで以上に宿泊施設が供給され、さらなる稼働率の低下を招き、宿泊産業を中心とした観光の町、湯沢町の経営基盤の崩壊を意味すると私は思っております。 湯沢町においては、58棟、1万4,700戸のリゾートマンションがあり、定住者が町人口の15%を占め、さらにふえ続けています。民泊化の進行によって、居住者やマンションオーナーが、騒音や共有施設の利用、あるいはまた、ごみ問題などにより、湯沢離れがさらに進むことが懸念されています。 住宅宿泊事業法の施行は、経営基盤を根底から揺るがし、定住人口の減少という地方創生に逆行する政策であることから、湯沢町の全域を住宅宿泊事業の実施制限区域とする県条例を制定すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、看護学校の今後のあり方について伺います。 県は、3年後の開校を目指し、十日町市に3年制の看護学校を整備する計画であります。1学年定員は40名です。魚沼地域の看護師不足解消に期待される一方、南魚沼市では35年の歴史がある北里大学保健衛生専門学院への影響が心配されております。 当学院の保健看護科は1学年定員80名で、その25%は十日町病院で臨地実習を行っていますが、開校後には従来どおりの受け入れは困難となることが予想されています。 あわせて、授業料の安い公立看護学校に生徒が流れれば、定員の削減、それによる経営の圧迫、ひいては当学院の存続が危ぶまれることになり、魚沼地域の看護師確保がさらに困難になるのは明白であります。 また、当学院は、平成9年度から平成29年度までに、676人の有能な人材を県内に看護師または保健師として送り出してきました。こうした現状を踏まえても、なお開校に至った経過に、私は強い憤りを感じているところであります。 長岡市でも民間医療機関による新たな看護学校計画があると聞いています。お互いに生徒を奪い合うことに強い懸念を持っております。 本来、県が県全体の適正な定員計画を示し、バランスのとれた配置を目指して、官民含めた調整役を果たすことが、県のとるべき対応であると考えています。十日町の看護学校設立について、知事の所見を伺います。 また、北里大学保健衛生専門学院への影響についてどのように対応すると考えているのか、あわせて知事の所見を伺います。 次に、少子化について伺います。 少子化は、我が国にとって現在進行形の最重要課題であり、少子化への対応がおくれればおくれるほど、将来への影響が大きくなるとされています。そして、少子化対策は、その効果があらわれるまでに長い時間を要し、集中的な取り組みに加え、長期的展望に立って、粘り強く施策を進めていかなければならないと考えます。 県としては、国や、地域の事情を把握している市町村の少子化対策も注視しながら取り組みを進める必要があると考えますが、新年度に向けて、どのような施策に重点的に取り組んでいくつもりなのか、知事の所見を伺います。 子ども医療費の県費における県内統一について伺います。 「すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活が保障される」、これは昭和26年5月5日に制定された児童憲章であります。12項目のうちの1項目であります。 子育ての支援策の一つ、子ども医療費の助成が県と市町村で行われていますが、子育て世代にとっては大変安心できる制度であると感じております。 この制度は、県内市町村の中でもそれぞれの政策がまちまちであり、居住地によって格差があり、異なっている状況であると認識しております。 根本的に、県内どこに居住しても同じサービスが受けられる制度が望ましい、そして、市町村という基礎自治体ごとに子供に対する施策が違うことは、さきの憲章からいってもそうあるべきでないと私は強く感じています。 少子化の時代であるがゆえに、人口増加、流出防止と相まって、今現在の子供たちを大切に育てることが、施策の根幹となるべきものと考えております。 市町村は、それぞれ財政力に差がある中で、工夫しながら少子化対策や子育て支援施策に取り組んでいます。県の子ども医療費助成等交付金の予算は、現在では小学校3年生程度までをカバーしているように思っております。この予算を、特に疾病の多いゼロ歳から小学校6年生までを対象として拡大することで、市町村は、他県の自治体とも差別化が図られ、きめ細かな子育て支援施策等に取り組むことができるというふうに私は考えておりますが、知事の所見を伺います。 教育問題についてであります。 公立学校のトイレ洋式化についてです。 文部科学省は、昨年11月に、公立小中学校施設におけるトイレの状況についての調査結果を公表しました。これを受け、対象外だった公立高校について調べました。宮城県を除く、全国約3,200校にある約22万5,000個の便器のうち、洋式は約8万個、和式は約14万5,000個と言われております。 県別の洋式化率は、岐阜県の62.4%が最高で、最低は愛媛県の18.6%であり、本県は38.5%、実に最高と最低の差は43.8ポイント離れており、自治体間の格差が目立ちました。全国平均は35.8%にとどまりました。この結果について知事の所見を伺います。 国は、自治体が公立小中学校のトイレ改修をする場合にコストの3分の1を補助していますが、高校は対象外です。大規模校の場合、費用は数億円とされ、予算がネックと指摘をされています。また、耐震化が優先され、トイレ対策は後回しになっているとも指摘をされております。 そこで、本県の公立小・中・高校における耐震化率について伺います。 公立小・中・高校は、大規模災害時に高齢者や障害者らが利用しやすい避難所としての役割を期待されていることから、利用しやすい洋式への早急な対応が求められていることについて、知事の所見を伺います。 また、トイレ洗浄水量で、洋式のほうが節水ができるため、水道料が安く、長期的に考えれば改修費も回収できると指摘をしている学者もおります。衛生面や防災面から洋式化は急務で、国は高校に対しても支援を考えるべきと思いますが、知事の所見を伺います。 次に、塩沢商工高校の建設系学科の新設について伺います。 魚沼地域においては、中山間地の宿命である土砂等の自然災害や冬期間の道路除雪など、建設業が担う役割が地域住民の安心・安全につながり、さらには定住促進や交流人口の増加に大きく関係しております。 県教育委員会は、本年7月に公表された県立高校等再編整備計画において、各学校の特色化について、市町村や地元企業からの協働の提案を踏まえていくことを基本的な考え方としています。 塩沢商工高校では、南魚沼市で不足している土木系の人材の確保のため、平成26年度入学生から教育課程を変更し、地元建設業団体の協力を得て、土木系の科目履修ができる取り組みが進められております。 さらに、本年9月には、建設土木系の学科の設置について、同校の同窓会が中心となり、地元建設業協会が協力する形で署名が行われ、県教育委員会に要望書が提出されております。 塩沢商工高校におけるこれまでの地元企業と協力した教育実践を県教育委員会としてどのように評価しているのか伺うとともに、地元では学科新設の一日も早い実現を期待していますが、その対応状況についても伺います。 次に、今後の農政について伺います。 農業は、安全・安心な食料の供給、多面的機能、地域経済社会の維持、発展等に極めて重要な役割を担っています。しかし、本県農業は、農業産出額の減少、農業従事者の減少と高齢化の進行、耕作放棄地の増加等、依然として多くの課題を抱えています。中山間地域では、高齢化の進展や後継者不足により、将来的に農業が立ち行かなくなるのではないかという懸念すらしています。 こうした中で地域農業を守っていくには、集落ごとに農業法人が設立され、担い手になるのが理想と考えます。中山間地域における農業法人数は平成27年度で430法人と、まだまだ少ない状況であることから、法人設立の推進に県として力強く支援すべきものと考えますが、知事の所見を伺います。 本県の基幹作物である米については、平成30年以降の生産調整見直しにより、過剰な作付による米価下落等が懸念されていることから、生産現場に不安が生じています。 このため、その不安の解消と需要に応じた生産に向けて、県・市町村の役割は重要であり、一層の長期的、継続的な支援策が必要であります。知事のリーダーシップが不可欠と考えますが、知事の所見を伺います。 一般販売における新之助について伺います。 県は、2008年から新品種の開発に取り組んできました。約9年の歳月を経て、ことし秋に新之助の一般向けの販売が始まりました。 新之助を新たなトップブランドに押し上げることを目指し、県としてPRに力を入れてきましたが、販売に伴う新之助に対する消費者の評価についてどのように捉えているのか、まず評価についてを伺います。 また、新之助は、コシヒカリと双璧をなすプレミアム米として大々的に売り出され、今のところ店頭価格は最高級の魚沼コシヒカリとほぼ同水準で推移しています。このことは、開発に取り組んできた県としては喜ばしいと思っております。 県外の米取り扱い業者からの評価を定着させ、県が期待しているプレミアム米に押し上げるには、引き続きPRに取り組んでいくことが重要と考えます。消費者に新之助のよさを定着させていくために、県として今後どのような取り組みを考えているのか伺います。 また、生産者にとって、新之助がいいことずくめではありません。新之助は、1等米でなければ新之助と名乗れないこと、また、食味はさほど変わらないのに2等米になると大幅に価格が安くなること、高い品質を保つため、県は厳格な栽培基準を設定していることにより、新之助として売れれば生産者の苦労も報われます。 しかし、天候等のいろいろな状況によって2等米以下になってしまうと、生産者の手間に見合う対価が得られないことになります。一方、コシヒカリは2等米であってもそれなりの評価で売れるということであります。 農林水産省が11月27日に公表した新之助の1等米比率は94.4%と高かったが、生産者が今後、安心して栽培できる仕組みを整え、コシヒカリと並ぶブランド米として育てることが最重要と考えますが、所見を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの松原議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、多くの橋梁を管理する市町村への支援等についてですが、市町村の管理する橋梁が適切に維持管理・修繕されることは、地域の経済活動や生活を支える観点から、大変重要であると考えております。 県では、市町村職員を対象とした老朽化対策に関する講習会の実施や、技術的な助言などの支援に取り組んでいるところです。 今後も、市町村職員が橋梁の維持管理・修繕に関する必要な技術を習得できるよう、引き続き支援してまいります。 なお、県内の市町村管理の橋梁の割合等については、土木部長から答弁させます。 次に、中小河川の適切な維持管理及び計画的な整備についてですが、議員御指摘のとおり、河川の防災機能を維持するためには、堆積土砂撤去などの維持管理による流下断面の確保とともに、計画的な河川整備が必要と考えております。 河川内の堆積土砂は、出水のたびに状態が変化するため、今後も定期的に巡視を行い、状態を把握しながら、河床掘削など適切な維持管理に努めるとともに、過去に発生した水害や想定氾濫区域内での資産の状況等から総合的に判断して、河川ごとに計画を定め、整備に取り組んでまいります。 次に、中山間地における治山、森林整備の重要性についてですが、議員御指摘のとおり、豪雨による山地災害から県民の生命・財産を守るため、治山、森林整備は重要と考えており、これまでも土砂の流出防止のために、治山ダムの設置や間伐等森林整備を進めてまいりました。 今後は、これまでの取り組みに加え、大量の流木による被害の拡大防止の観点から、倒木の除去を計画的に進めるとともに、治山ダムに流木をせきとめる施設を付加し、ダムの機能を強化することなどにより、対策を強化してまいりたいと考えております。 次に、スポーツ振興とスポーツによる地域活性化についてですが、少子高齢化や人口減少が進む中、社会の活力や地域機能の維持が課題となっております。議員御指摘のとおり、こうした状況においては、スポーツが持つ力を生かし、地域全体が連携して取り組んでいくことも重要であると考えております。 また、個人的な経験で恐縮ですが、私はテニスをするのですけれども、孤独になりがちな留学時代、現地のテニスサークルに参加して非常に救われたことを覚えております。 県といたしましては、県民の方々がスポーツを通じて健康で活力に満ちた生活を送る社会の実現を目指し、県民の方々がスポーツに親しみやすい環境の整備、また、スポーツを活用した健康増進や子育て支援なども含め、スポーツに親しむ人をふやすことにより、地域活性化に取り組んでまいります。 また、地域の豊かな資源を生かし、スポーツ合宿の誘致や御当地スポーツの育成、各種スポーツイベントの開催などに取り組み、地域内外の交流拡大につなげてまいります。 次に、湯沢町全域を住宅宿泊事業の実施制限区域とする県条例の制定についてですが、いわゆる需給調整の観点からの制限は、営業の自由の保障という観点から、最近の立法では規制手法としては用いられておらず、住宅宿泊事業法においても、生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、県条例で区域を定めて、事業の実施期間を制限することができるとされております。 県といたしましては、これから示される法令等の具体的な解釈基準を示した国のガイドラインを踏まえるとともに、湯沢町を初め、市町村の意見をお聞きしながら、適時的確に方向性を決めてまいりたいと考えております。 次に、十日町の看護学校についてですが、県では、需給見通しに基づく将来的な看護職員不足が見込まれる状況や、地域偏在、特に魚沼地域の看護職員不足及び人口当たりの養成定員数が少ない等の課題を踏まえ、有識者等からの御意見をお聞きしながら、全県的な視野で看護職員養成のあり方について検討した上で、十日町市に県立看護専門学校を設立することとしたものでございます。 なお、看護学校設立の影響については、福祉保健部長から答弁させます。 また、この現状の計画に沿って進めていくのですけれども、議員から御指摘いただいたように、県立、そして私立を問わず、全体の調整といいますか、存在するそれぞれの学校が困ったことにならないように、特に学生さんがそれによって不利益をこうむることがないように、県としてはしっかりと調整機能を果たしていきたいというふうに考えております。 次に、少子化問題についてお答えいたします。 まず、今後の少子化対策についてですが、人口減少問題への対応は、議員御指摘のとおり、集中的な取り組みに加え、長期的展望に立って、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員し、粘り強く施策に取り組んでいかなければならないと考えております。 とりわけ少子化対策については、地域の実情に合わせて施策に取り組んでいる市町村と連携・協力していくことが重要と考えており、新たな総合計画においても、市町村の取り組みを支援することにより、安心して子供を産み育てやすい環境の充実を図っていくこととしております。 このため、来年度予算において、計画で掲げた対応の方向性を踏まえ、取り組んでまいりたいと考えております。 なお、子育て支援について、特に重点ということであれば、子ども医療費助成や新潟県版給付型奨学金といった経済的負担の軽減、また、にいがた子育て応援企業やイクメン応援宣言企業といった仕事との両立支援、病児保育や子供の居場所づくりといった子育てに係る不安の軽減等に取り組み、子育てしやすい環境をつくってまいりたいと考えております。 また、それらと並行して、まちづくりや議員から先ほど質問で御指摘いただいたスポーツを活用した子育て支援等を通じて、子育てを楽しめる環境づくりにも努めてまいりたいと考えております。 次に、子ども医療費助成等交付金についてですが、桜井議員の代表質問でもお答えしたとおり、来年度につきましては、制度を拡充する方向で検討しているところでございます。 議員御指摘の内容は大体というところでございますが、これから来年度の予算編成において議会で御承認いただかなければならないことですので、現時点では具体的な言及は避けさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ拡充という方向で、また、議員御指摘の趣旨もよく踏まえた上で、予算編成をさせていただきたいと思っております。 交付金は、医療費助成や他の子育て支援施策の充実など、市町村それぞれの判断に基づいた対応を支援するものと考えており、議員御指摘のとおり、県の支持の拡大によって、交付金でございますので、市町村の交付金がふえるわけでございますが、その部分で市町村独自の子育て支援施策等への活用がなされることを期待しているところでございます。 次に、教育問題についてお答えいたします。 県立高校のトイレの洋式化率についてですが、詳しくは教育長が答弁いたしますが、私も答弁を求められたところですので、少しだけコメントいたしますと、私は昔は和式で育った世代で、和式でしかできなかったのですが、洋式になれてしまうと、今度は洋式でしかできないという状況に、できないことはないのですけれども、洋式のほうがいいなと思うようになりました。 恐らく最近のお子さんたちも、多くのお子さんたちはおうちで洋式で育っておられるでしょうから、やはりそこは、なれた環境にするということが、お子さんたちにとってもいいのだろうというふうに思います。 それらの観点を踏まえて、しかし同時に、財源の問題もあり、議員から御指摘いただいた、やはり優先ということでは耐震化が優先というところもあり、それらを踏まえて、さまざまな取り組みを進めてまいりたいと思います。具体的には教育長が答弁いたします。 次に、県立高校等のトイレの洋式化についてですが、議員御指摘のとおり、避難所となる学校施設では、高齢者、障害者等の要配慮者の使用が想定されることから、避難所機能の向上にもつながる洋式トイレの整備は重要と考えております。 このため、県立高校のトイレの改修に向け、本県を含めた全国都道府県教育長協議会では、国に対し、地方財政措置の充実を図るよう要望しておりますが、今後、県といたしましても要望してまいります。 次に、農業問題についてお答えいたします。 まず、中山間地域における農業法人の育成についてですが、議員御指摘のとおり、大きな方向性としては、高齢化が進む中山間地域においては、集落の農地や新たな人材の受け皿となる農業法人を育成し、将来にわたって農業が継続できるよう体制を整備していくことが重要であると認識しております。 一方で、集落によって状況は異なり、法人化が困難な地域もあり、そのような地域では、集落営農等も含めて組織化を推進する必要があると考えております。 このため、県では、集落での話し合いや、営農体制の強化に必要な機械・施設整備への支援などを行ってまいります。 また、中山間地域において安定的に経営を継続するためには、所得保障的な公的サポートの拡充が必要であり、現在実施しているモデル事業の成果を踏まえ、国に働きかけてまいります。 次に、平成30年以降の米政策についてですが、議員御指摘のとおり、平成30年以降も米の需給バランスを保つためには、県・市町村の役割は重要と考えております。 このため、県では、農業者や市町村・農業団体とともに、新潟米基本戦略を策定し、県全体の生産目標を提示したところであり、目標の実効性を確保するため、必要な施策を講じてまいりたいと考えております。 なお、この基本戦略は、非主食用米のインセンティブを高めることで米の需給バランスを均衡させる、現在の仕組みを前提としたものであり、この制度を維持することが必要と考えております。 県といたしましては、この制度の恒久化と安定財源の確保を引き続き国に要望するとともに、議員御指摘のとおり、長期的、継続的に農業者が安心して農業に取り組める施策を推進してまいりたいと考えております。 リーダーシップということに関しましても、リーダーシップを受け入れてくださらないといけないのですけれども、少なくとも、何度か答弁しているところでございますが、新潟米のブランド価値が保たれるように、知事として、また、県として、できる限りのことをしてまいりたいと考えております。 次に、新之助の今後の取り組みについてですが、メディアを使った宣伝活動や、企業と連携した情報発信など、新之助の話題づくりに積極的に取り組んだことにより、多くのメディアから新之助を取り上げていただいており、新之助への関心を高めることができたと考えております。 評価を定着させ、認知度をさらに高めるためには、一定の生産拡大が必要であり、高いレベルで安定した食味・品質の確保を最優先にしながら、同時に、生産を拡大してまいりたいと思っております。 あわせて、話題が途切れることのないよう、情報発信源の多角化と情報量の拡大に努め、トップブランド米としての定着を図ってまいりたいと考えております。 次に、新之助の生産についてですが、新之助は、常に高いレベルで安定した食味・品質を維持することで、消費者の信頼を確保するため、生産者要件や食味・品質基準を設定したものであり、ブランド確立には、この基準を堅持することが重要であると考えております。 また、新之助については、企業コラボを積極的に進めながら関連商品をふやし、情報発信源の多角化と情報量の拡大に取り組んでいるところであり、現在、基準に満たないお米はさほど多くないということもございまして、基準に満たないお米はこれらの商品の原料として供給を進めるなど、生産者が安心して栽培できる環境整備に努めてまいりたいと考えております。 以上、答弁でございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 十日町看護学校設立による影響への対応についてですが、全県的に看護職員が不足している中、現役の看護師等とともに高等学校を訪問したり、中学生の看護職場体験に関する情報提供を行うことで、より多くの中高生が将来、看護職員を目指すよう積極的に働きかけているところです。今後も、議員御指摘の北里大学保健衛生専門学院を含め、公立・私立を問わず、どの地域の養成施設においても定員が充足されるよう、引き続き取り組んでまいります。 また、県内各地の養成施設における臨地実習施設の確保につきましては、これまでも県として支援を行ってきたところです。この地域の実習施設の確保につきましては、状況を十分に確認しながら、議員御指摘の北里大学保健衛生専門学院を初め、周辺の養成施設に支障が生じないよう、設置者として関係機関と調整を進めてまいります。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) お答えいたします。 新之助の評価についてですが、この秋の販売では、魚沼コシヒカリと同等程度の価格が設定された中、全体的に卸や小売からの引き合いが強く、特に県内の量販店では、店頭に置けば短期間で売り切れる状況とお聞きしております。 また、CM動画がユーチューブで約70万回再生されるとともに、新之助を食べた消費者からは多くの好意的な声がSNSで発信されており、おおむね好評価をいただいているものと受けとめております。   〔土木部長美寺寿人君登壇〕 ◎土木部長(美寺寿人君) お答えいたします。 県内の市町村管理の橋梁の割合等についてですが、県内の橋梁のうち市町村が管理する橋梁の割合は約71%です。 また、橋梁管理に携わる土木技術者が配置されていない市町村の割合は、市では20市のうち4市の20%、町では6町のうち3町の50%、村では4村のうち3村の75%となっております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 2点お答えいたします。 県立高校のトイレの洋式化率についてですが、今ほど知事が要点を御説明いたしましたけれども、本県の県立高校の洋式化率は、今回報道の調査によると、高校の全国平均を若干上回っているものの、公立小中学校の全国平均や県平均より低い率となっております。 このため、県教育委員会といたしましては、議員御指摘のとおり、洋式化に対する国の財政支援はなく、生徒の安全確保のため、校舎耐震化を優先してきておりますが、大規模改修や修繕等に合わせて、洋式を基本に、学校の意向も踏まえながら着実に整備を進めていきたいと考えております。 次に、塩沢商工高校における教育実践の評価と学科等新設の対応状況についてですが、不足する土木系人材の確保に向けた地域からの提案を受け、平成26年度に機械システム科の生徒が土木系科目を選択履修できるように教育課程を変更し、地元建設業団体の御協力のもと、専門的な指導を受けながら現場実習などの教育活動を進めております。これにより、土木系への就職者は平成29年3月は6人、来春の卒業予定者では8人の見込みとなっており、成果が徐々にあらわれてきていると認識しています。 塩沢商工高校への建設土木系の学科などの早期設置の要望を受けて、現在、学校と県教育委員会で教育内容や教育課程などについての検討を進めているところです。 県教育委員会といたしましては、今後、地元企業や団体などと協力・連携についての意見交換を進め、設置年度や特色ある教育活動などについての方針が決まり次第、県立高校等再編整備計画としてお示ししたいと考えております。   〔松原良道君登壇〕 ◆松原良道君 3点ほど再質問させていただきます。 今ほど私は湯沢町の例を出して民泊について質問させていただきましたけれども、県内の客室稼働率が全体で41%ということですから、オリンピック景気に沸く東京等、そういったところでは、こういう問題があって当然だというふうに思っていますけれども、そうした県内の客室稼働率から見て、また、湯沢町と同じような、類似した市町村もあると思うのです。そうした中で、この条例の制定については、今ほど答弁にありましたように、慎重に地元の声を聞いていただいて、きちっと対応していただきたい。 そうでなければ、長年民泊業として頑張ってきた皆さんの報いがないわけですから、その辺はまず慎重に対応していただきたい。県として、県民の皆さんが納得できるような、そういった方向を示していただきたいというふうに思っています。 その次、医療費助成ですけれども、児童憲章にもありますように、その辺をきちっとして、今ほどの高橋議員の質問にもありましたけれども、新潟市は政令市になるために、そういう約束だという答弁のような感じがありましたけれども、県内の子供全てが平等に県の子育てに対する恩恵を私は受けるべきだというふうに思っています。 やはり今いる子供たちを大切にする責任、この責任という言葉は、非常に知事は好きですけれども、私もここであえて使わせていただきますが、今いる子供たちを大切に育てる責任、そして、子育て世代の皆さんに、県が少子化に対してそこまで力を入れていると思っていただく、それぐらいの施策を私はするべきだというふうに思っています。 そして安心して産んで、子育てをしていただける、このことが少子化対策の、私は一丁目一番地だというふうに思っていますので、医療費助成をぜひ拡大していただいて、県民、子供たちがひとしくその恩恵にあずかれるように、また、市町村においては、県が拡大した医療費助成のほかに、きめ細かな取り組みができる制度であってほしいというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思っています。 もう一つ、農業問題でありますけれども、今ほどは集落、通常の集落であれば1集落1法人、大きな集落であれば1集落2法人というのが、私は理想というふうに思っています。ただ、法人にできない、そうした環境の地域もありますので、私はそれで結構だと思います。集落営農で結構だと思っています。 実際に、一般的に法人化をした場合に、条件のいいところだけをとる法人がいるのです。そうすると、条件が悪いところは地域の実情のわかる法人、組織でなければ維持されないということでありますので、ぜひそういう点に力を入れていただきたいと思っていますが、もう一度お願いします。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの松原議員の御質問にお答えいたします。 県内の客室稼働率というのも承知しておりますし、さまざまな宿泊業者さんのお声というのも伺っているのですが、これは住宅宿泊事業法ができておりまして、その中で条例で定められるということでございますので、さまざまな、もちろん御要望があったとおり、地元の声を聞きながら、しかし、法律に反することはできませんので、法律の趣旨の中で条例を定めさせていただきたいと思っております。 次に、医療費助成に関しましては、先ほどの答弁でお答えしたとおり拡大させていただくのですが、新潟市に関しましては、いろんな御意見もあろうかと思いますが、財源をもとより調整してくださるならば、財源をお戻しいただけるならば、それは全く同じようにできるのですけれども、それでないとなると、分掌としてちょっとおかしいといいますか、そこは何でもただといいますか、打ち出の小づちはないわけですから、常に財源の中でどうするかということであり、財源の中でやるとした以上は、財源がある以上はそうしていただかなければいけないですし、県の補助でということであれば、その分だけ財源を戻していただかなければいけないというのが、私は筋論であろうというふうに思っております。もちろん基調としては、拡充させていただきたいと思っております。 農業に関しましても、法人というのは法人でつくるものですから、余り県としてできる、思いっきりこうしなさい、ああしなさいと言えるわけでもないのですけれども、とはいえ農業法人はそれなりに県も関与できるところでございますので、そこは集落全体を保持できるように、集落全体の農業を維持できるように、適切に指導させていただきたいと思っております。 以上、答弁でございます。 ○副議長(沢野修君) 松原良道君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後3時30分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時45分 開議 ○議長(金谷国彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、安沢峰子君の発言を許します。安沢峰子君。   〔安沢峰子君登壇〕(拍手) ◆安沢峰子君 公明党の安沢峰子です。通告に従い質問させていただきます。 初めに、知事の政治姿勢及び県政の諸課題について質問させていただきます。 昨年10月の知事就任から1年2カ月がたちました。最近の県民や首長らとの知事の発言や行動から、新潟県をどのように導いていかれるのか、どのような姿勢でいらっしゃるのか、改めて伺いたいと思います。 まずは、新聞報道での、県民とのやりとりで印象的であったと感じたのは、新潟青年会議所主催のフォーラムに参加し、新潟青年会議所が新潟再興として提案した7つの政策をなで切りにしたとの報道でした。 これからの新潟県を担っていく青年たちが、真剣に考えたであろう渾身の提案を、見るも無残に切り捨て、同席していた新潟市の副市長がフォローする場面もあり、会場からも、前向きな意見が少なくて残念、産業労働観光部の方のほうがよかったと不満が漏れたとも報道されました。 知事は、みずからをずばずば言うキャラクターで売っていると称し、その辛口なトークがさまざまな場面でマスコミにも取り上げられています。 一方、知事は県の顔であり、県民の老若男女誰からも好かれることはもとより、国や隣県、市町村、県職員とも良好な関係を築くことで県政をよりよい方向に導けるのではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、対人関係の秘訣について伺います。 私は、学生時代や就職間もないころ、ずばずばと自分の意見を言い過ぎて、敬遠されたり、自分の意思のとおりに仕事が進められなかった経験を踏まえ、対話の秘訣として、まずは一旦相手の考えや気持ちを受けとめ、認めた上で、自分と意見の違うところをどうしたら近づけられるか、気持ちを砕きながら対人関係を良好に保ち、仕事を進めてきたつもりです。 それは子育てにも通じ、長い反抗期に悩んで、行き着いたのが、子供の意見、要求は全て一回イエスと言い、全て受けとめるということでした。子育てが一番、人間性を鍛えられました。知事の言う費用対効果は全く見込めないものですが、家事は合理的にできますが、子育てや対人関係はそれでは通りません。 知事は、対人関係を良好に保つ秘訣をどのように考えているのか伺うとともに、知事就任から約1年間の自分自身の評価についてお伺いいたします。 次に、前者であってほしいと思いながら質問しますが、知事は、自身の姿勢について、北風と太陽に例えれば、太陽のように県民を照らし、先頭に立って旗を振り、県民に勇気と希望を与え、引っ張っていきたいと考えていらっしゃるのか、北風のように悪いところをずばずば指摘しながらも、県民を鍛え、ほかの県に負けないようにしていきたいと考えるのか、知事のスタンスを伺います。 次に、今後交流が期待される大阪府との関係について伺います。 10月31日、ピーチアビエーション株式会社が、新潟空港と関西国際空港を結ぶ路線を、来年3月1日から開始することを公表しました。実現すれば、新潟空港としては初の国内LCC路線の就航となり、県が9月に公表した新潟空港の路線ネットワーク戦略2017では、2016年度で99万人だった新潟空港の利用者数を、2020年度までに36%増の135万人までふやす計画で、ピーチ便が就航すれば空港の活性化に弾みがつきます。 知事は、自身のトップセールスを初めとした県の継続的な誘致活動が実り、新潟県のポテンシャルを高く評価していただいた、大阪を中心とした近畿圏の方々と、さまざまな交流が活発になるものと期待していると所見を述べられました。 知事のトップセールスは評価すべきことと思いますが、しかしながら、大阪府立高校の生徒が髪染めを強要され、精神的に苦痛を受けたとして、府に損害賠償請求を提訴した件に関し、知事と松井知事とのツイッターでのやりとりが物議を醸しています。 折しも関西空港へのLCC路線就航が発表され、観光誘客などで一層の連携が重要となる大阪府知事とは良好な関係を築くべきであり、ツイートの応酬は、デメリットはあってもメリットはないと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、農政の課題と政策について伺います。 日本の食料自給率の低下が続く中、安倍政権はことし6月の骨太方針から、これまで盛り込まれていた食料安全保障の確立という表現を削除しました。 一方、スイスは9月の国民投票で、食料安全保障を憲法に明記することを決めました。スイスの憲法改正の背景には、農家数や農地の減少に加えて、貿易の自由化があり、自給率も低く、安い農産物の流入が懸念されていました。 日本でも同様の状況にあり、食料安全保障を再定義する時期に来ていると考えますが、食料安全保障についての知事の所見を伺います。 カロリーベースの食料自給率では、畜産物の場合、飼料が国産でなければ自給とみなされず、鶏卵は9割以上が国産ですが、これを産む鶏の餌のほとんどが輸入飼料なので、カロリーベース自給率は10%と計算され、同じ理由で、畜産物や乳製品の国内生産がふえればふえるほど自給率は低下します。 日本の食料自給率は、カロリーベースで38%であり、世界的に見て先進国の中でも飛び抜けて低い状況にあり、食料安全保障の観点から考えて、飼料用米や輸出用米の生産拡大など、水田フル活用の取り組みにより、我が国の食料自給率の向上を進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 平成30年以降の米政策に向けた新潟米の方向性として、需要に応じた米生産を基本とし、主食用・非主食用米を合わせた全体での需要を拡大し、コスト低減で生産者の所得を確保するとし、業務用米においてニーズに合わせ生産拡大する方針ですが、他県において業務用米のブランド化は進んでおらず、いち早く他県に先駆け、家庭消費向けだけでなく、業務用米も新潟県産と言っていただけるようにブランド化を進めるべきと考えます。 また、飼料用米においては、県は、畜産農家と飼料用米生産者の結びつきを推進し、地域内で結びつけることにより、飼料費の低減につながるように進めていると承知していますが、県内には一歩進んで、食肉事業者やJAで新潟米を配合した飼料を与えた肉や、JA管内で生産された飼料用米を食べさせた「米っしぃポーク」や「米っしぃビーフ」として、ブランド肉として販売が始められています。 飼料用米についても、新潟県産米で育てた畜産物をブランド化するなど、需要拡大に取り組むべきと考えます。自給率の向上と水田のフル活用だけでなく、資源の循環などにもつながる取り組みであり、消費者にもPRしていけると考えますが、所見を伺います。 次に、自殺・いじめ問題について伺います。 神奈川県座間市での殺人事件は、残虐な犯行に怒りを禁じ得ません。そして、SNS利用の危うさが改めて浮き彫りになりました。 警察庁によると、SNSに起因する18歳未満の犯罪被害者は、平成28年に1,736人、本年上半期だけで919人で、相談に乗るふりをして犯罪に巻き込む事件が、援助交際に次いで2番目に多かったとのことです。 文部科学省は、学校における情報モラル教育に力を入れるよう学習指導要領に明記していますが、県教育委員会の対応を伺うとともに、SNS利用を規制するだけでなく、学校において、SNSの利点と危険性について啓発を強化すべきと考えますが、所見を伺います。 座間市の事件は、自殺対策の重要性も示しました。政府は、本年7月、新たな自殺総合対策大綱を決定しました。年間自殺者数は減少しているものの、特に深刻なのは若い世代で、2017年版の自殺対策白書によると、15歳から39歳までの死因の第1位を自殺が占めています。 そこで、新大綱では、若者に焦点を当てた対策を新たに打ち出しました。10代に多いいじめを原因とする自殺を防止するため、学校でのSOSの出し方教育を行い、相談しやすい環境をつくる対策を促進することとなっています。 長野県は、9月にLINEを利用した自殺・いじめ相談を全国で初めて試行しました。県がLINE株式会社と連携協定を結び、LINEでのいじめ相談の試行に至った背景には、公明党長野県本部青年局が昨年、増加傾向にある若者の自殺をテーマにアンケートを行い、県内の10代後半から40代までの2,038人から回答を得て、調査の結果、4人に1人が本気で自殺を考えたことがあり、その時期は10代との回答が3割に上りました。 この結果をもとに、本年2月定例会で、知事にLINEなどのSNSを活用した防止対策を要望、議会で知事が、SNS活用を検討すると答えた記事が公明新聞に掲載され、この記事を読んだLINE株式会社の社員が、長野県の自殺対策に協力したいと申し出て、今回の協定につながりました。 国においても、ことし3月、我が党の国会議員がSNSを活用したいじめ相談について要望し、松野文部科学大臣は、実現に向け検討したいと明言しました。今国会でも、SNSを活用したいじめ相談は大きな成果があり、全国展開を要望したところ、林文部科学大臣は、全国的な展開を検討したいと応じました。 自殺対策に取り組む専門家は、被害者が容疑者より先に相談機関につながっていれば被害に遭わなかった可能性があるとして、相談体制の強化を訴えるとともに、自殺総合対策大綱に盛り込まれたSOSの出し方教育が十分に実行されていないと指摘しています。 県として、自殺を悩む若者が相談機関につながれるよう、SNSを活用した対策も検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、中高生に対して、いじめや自殺対策にSOSの出し方教育は有効と考えますが、今後の方針を伺います。 県では、電話やメールによるいじめ相談窓口を設置していますが、今の子供たちの主たるコミュニケーションの手段はSNSであり、相談体制が子供たちの生活実態と大きく乖離しています。 長野県がことし9月、中学生・高校生を対象に試行したLINEを活用したいじめ相談には、2週間で1,500件を超える、想定を上回るアクセスがあり、昨年度1年分の相談件数の2倍に上りました。 いじめ相談にLINEの活用は有効であると考えますが、所見を伺います。 次に、医療・福祉について質問します。 不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会などによると、助成開始の平成16年度は約1万8,000件だった助成件数は、平成27年度には約16万件に増大しているとの報告からも、不妊治療経験者の対象は年々広がっています。 しかし、一般的に特定不妊治療費が、1回30万円から60万円ほどかかるのに対し、現行の制度では、1回の治療につき上限額15万円、初回は30万円になりましたが、通算6回までなどの制限があり、経済的負担の軽減が十分とは言えません。 また、人工授精は、体外受精、顕微授精の前段階治療として広く行われているにもかかわらず、助成制度の対象外であり、医療保険の適用対象外でもあります。 さらに、男性不妊治療についても、助成の対象にならない治療法もあります。晩婚化、晩産化が進む社会のもと、不妊に悩む夫婦の割合は、平成17年の25.8%から平成27年の35.0%と上昇しており、社会全体で身近な問題となっています。不妊治療により出生した子供の割合も年々増加しており、不妊の原因が女性のみならず男性側にも約半分あることから、男性、女性の両方について、手厚い支援を行う必要があります。 不妊治療については、医療保険の適用外で、高額な費用負担が課題となっています。本年8月、新潟県を含む関東甲信越1都9県議会議長会は、不妊治療への医療保険適用を国に求めることを満場一致で決定しました。 県としても、不妊治療の保険適用について国へ要望すべきと考えますが、所見を伺います。 また、九都県市首脳会議として、埼玉県知事、千葉県知事、東京都知事、神奈川県知事、ほか5市長も同様の要望を国へ行っています。 議員になり一番最初に相談を受けたのは、不妊治療の悩みでした。その後も、相談の場がわからない、助成を出産費用と同じ現物支給にして、一旦高額を用意しなくてもいいようにしてほしい、不妊治療と仕事の両立が難しい、市町村により格差があるとの多数の声が寄せられました。 不妊治療で2人の子供を授かった方からは、2人も子供を授かり夢のよう、こんな日が来るなんてと、不妊治療し、よかったとお聞きしています。 若くても、食生活や生活の乱れにより、不妊になると言われています。不妊は、若い世代も悩んでいます。私の身近だけでも、24歳から30歳の方が4人悩んでいます。 保険適用が実現するまでの間、不妊治療の経費負担を軽減し、若い世代が治療を受けやすくすることで、出生数増加への寄与も期待されます。 本県の不妊治療助成制度は他県に比べて充実していますが、支援をさらに充実するため、課題が多くあるとは思いますが、助成を現物支給にすべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、子宮頸がんワクチンについてですが、日本では、2013年に小学6年生から高校1年生の女子を対象に公費で打てる定期接種となりましたが、接種後に痛みやけいれんなど多様な症状を訴える声が相次ぎ、同年6月に国は積極的に国民に勧めることを停止しました。 このころから、マスコミはけいれんや痛みを訴える女の子を積極的に取り上げ、怖いワクチンというイメージが世の中に広く浸透しました。 ほとんど接種する人がいなくなり、HPVワクチンの安全性を検証する発信を続けてきた医師でジャーナリストの村中璃子さんは、これは薬害なのかと疑問を持って取材を始め、小児科医や小児精神科医を取材したところ、ワクチンを打っていなくても、思春期特有の症状として同様の症状を訴える子供が多いことに気づき、1年ほど取材を重ね、HPVワクチン接種後の多彩な症状は薬害ではないのではないかと、科学的に検証する記事を次々に発表していきました。 厚生労働省も、ワクチンの安全性を検証する検討会で、ワクチン接種後の体調不良の多くは、心理的、社会的な要因が関連する心身反応と結論づけています。 WHOも、ことし7月にも改めて、HPVワクチンとさまざまな症状との因果関係を示す根拠は今のところない、HPVワクチンは極めて安全という見解を公表しました。 それでも国は、積極的な接種勧奨を再開するかどうか、判断を先送りしたままです。 そして、今回、海外の一流科学雑誌「ネイチャー」は、HPVワクチンの安全性を検証してきた日本人医師、村中璃子さんを表彰するとともに、日本の状況を、誤った情報により接種率は70%から1%未満に落ち込んだと厳しく批判しました。救えたはずの命が救えなかったと考えます。 日本小児科学会や日本産科婦人科学会など17の関連学術学会も、2016年4月に積極的な接種を奨励する見解を発表しています。 子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を防ぐHPVワクチンの積極的な接種勧奨を再開するよう国に働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、結婚支援についてですが、厚生労働省によると、50歳までに一度も結婚したことのない生涯未婚率が年々増加傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所で、結婚の意思のある未婚者を対象に、結婚の障害を調べたところ、結婚資金との回答が最も多く、男女とも4割以上を占めました。経済的な理由で結婚をためらう若者がふえ、出生率の低下にもつながり、少子化が進みます。 公明党青年委員会が昨年、全国で実施した政策アンケート、ボイス・アクションでも、婚活や新婚世帯への支援が、多くの若者の支持を集めました。 こうした声を実現するため、公明党青年委員会は昨年5月、ボイス・アクションの結果を安倍首相に直接伝え、新婚世帯支援など青年政策の充実を訴えました。 国は、2015年度補正予算に、結婚に伴う住居費や引っ越し費用などを補助する結婚新生活支援事業を始め、今年度は対象世帯を夫婦合計で年間所得300万円未満から340万円未満まで拡充し、補助を受けられる上限も18万円から24万円に増額しました。 県内市町村の取り組み状況を伺うとともに、また、今後実施する市町村がふえるよう、県としても働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。 先日、障害者就労支援施設へ伺いました。障害のある方の作成したパンフレットや名刺などを見せていただき、どれも目を引くすてきな商品でした。イベント等でも実際に活用されていて、波はありますが、支援によりきちんとした仕事ができるとのことでした。 また、ほかの方からですが、正規の就職は難しく、非正規だと3年たつとまた就活をしなければならないとの声も聞いています。 障害者雇用は、改正障害者雇用促進法に基づき、来年4月から法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられ、その算定基礎には身体・知的障害のほか、精神障害も含まれるようになります。 東京都では、今年度から正規職員の受験資格に知的・精神障害者を加え、先月、初めて精神障害者の合格を発表しました。障害者枠の合格者は35人で、うち精神障害者は23人、身体障害者が12人でした。東京都は、都の取り組みを参考に企業、団体なども障害者雇用が広がればと期待しているとのことです。 本県知事部局でも、非常勤では門を開いていますが、知的・精神障害者の正規採用の検討を始める時期に来ているのではないかと考えますが、所見を伺います。 最後に、廃校問題について伺います。 少子化による児童数の減少により、毎年全国で500校前後の廃校が発生しています。 少子化の進行による児童数の減少で、私の地元でも昨年度末で3校を1校に地域住民主導で統合し、2校が一度に廃校になりました。小学校の統廃合が進み、地域では廃校の利用に苦慮しています。 廃校になる前から、どのように活用していくか地域で話し合ったり、卒業する6年生がこんなふうに使いたいなどの提案を廃校記念の会で紹介したり、前向きな検討を行ってきましたが、9カ月が過ぎ、子供たちがいなくなったグラウンドには草が生え、地域の方々は草が生えては寂しいと草取りをしたり、プールをナマズを飼う施設に使ってはとか、エミューを飼育し、働く場もつくってはとさまざまな意見が出たり、地域の出身で関東で企業経営をしている方に誘致を持ちかけてみたりもしましたが、どこが中心で受け皿になり、市と相談していくのかも決まらず、徐々に不安感が広まっているようです。 初めに有効な施設をつくったところは成功しているかもしれませんが、事例を見て同じような施設をつくってもうまくいきません。 その地域に合った活用法を、地域住民の意見を尊重しながら進められるよう、国の助成も多くありますので、マッチングできるよう、例えばコーディネーターを派遣していただくなど、市町村や地域住民だけでなく県も協力し、廃校利用を進めるべきと考えますが、利用の状況と今後の取り組みを伺います。 以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの安沢議員の一般質問にお答えいたします。 まずもって、青年会議所の件なのですけれども、私、ずばずば言うキャラクターというのもあるのでしょうけれども、もう少しちゃんと言うと、何でも真に受けるタイプなのかもしれないと思っております。これは、忌憚ない御意見をということで忌憚なく言わせていただいた。忌憚ない御意見をと言われているのに手かげんをするのは失礼だろうということで、また、青年会議所の皆さんは、私もかつて青年会議所におりましたので、それは忌憚なく言うのが礼儀かなと思って言わせていただいたことでございます。 なお、私のかわりということで、産業労働観光部の方ということでございますと、現産業労働観光部長が行くのだと思いますけれども、現産業労働観光部長はにこにこしておられますけれども、より一層ずばずば言うキャラクターかと思いますので、むしろ私でよかったのではないかというふうに思っております。 まず初めに、県民や職員、国や市町村等との良好な関係を築くことについてですが、もとより県政運営は、知事が一人で担えるものではなく、県組織の力を最大限に発揮させることはもちろん、市町村や県民の皆様の協力が不可欠であり、そのためには、議員御指摘のとおり、それらの方々と良好な関係を築くことが重要であると考えております。 一方、県政運営は選択の連続であり、その際には私も意見や考え方を積極的に発信することも必要であると考えております。その上で、立場や意見が異なる方々とも真摯に、粘り強く対話を重ね、連携・協力を図っていくことが重要であると考えております。 次に、対人関係を有効に保つ秘訣とこれまでの自己評価についてでございますが、まずもって対人関係を良好に保つ秘訣ということでございますと、それは先ほど議員からの御質問の中でもあったかと思うのですが、好かれるといいますか、要は人から愛される秘訣だということだと思うのですが、私としては、人から愛される最大の秘訣は、人を愛することであると思っております。自分を好きな人を嫌いな人は少なく、逆に自分を嫌いな人を好きな人はまずいないということでございますので、それが秘訣であろうと思っております。 自己評価的には、なかなか全ての方を愛するというわけにはいかないのですけれども、それでも相当に幅広い方を、何回質問されても愛しているタイプではないかというふうに思っております。 県庁内の対人関係について申し上げるとすれば、人は不機嫌な人に対して物が言いづらくなり、十分な情報交換が困難になることから、組織のトップとしては、常に上機嫌であることが重要というふうに考えております。人の話をしっかりと聞くということを心がけているつもりでございます。 私といたしましては、そのような心がけを基本として人と接しているつもりでありますが、私がそのように接した結果、秘訣を実行した結果、自分が愛されたいと思うほどに愛されているかどうかというのはわからないことでございますし、県庁において情報を上げやすい上司として認識されているかどうかということも、これは相手の方に聞いてみないとわからないということではないかと思います。 次に、北風と太陽に例えた場合のスタンスについてでございますが、多くの皆さんが御存じのお話だと思うのですけれども、北風と太陽のお話は、厳しい態度で人を動かそうとしてもうまくいかないが、温かい態度を示すと人は自分から行動してくれるという教訓を示しているものと思います。 それを北風と太陽という例えで表していることだと思いますが、例えさせていただくなら、太陽は暖かくていいのですけれども、暑過ぎますと熱射病になりますし、そういうときに北風が吹くと涼しくていいということもあるのではなかろうかと思います。 先ほども申し上げましたとおり、県政運営は選択の連続であり、その際には私の意見や考え方を積極的に発信することも必要であると考えております。その上で、立場や意見が異なる方々とも真摯に、粘り強く対話を重ね、連携・協力を図っていくことが重要であると考えております。 その意味では、できる限り太陽のように県政の隅々を照らしながらも、それと同時に湿気がこもって風通しが悪くならないように、時にはずばずばと適切に風を吹き込ませていただきながら、県民の皆様から積極的に御協力いただけるよう、県政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、大阪府知事とのツイートでのやりとりについてでございますが、これも事実関係としては、私が応酬したわけではございませんで、私としてはひとり言的に、あれは三浦さんという学者の方のツイートに対して自分の思いを述べたところ、大阪府知事のちょっとお気にさわってしまったらしく、さまざまな突っ込みを受けて、それに対してそういうつもりではございませんと言ったところでございますので、特段の応酬ではないというふうに理解しております。 もちろんこれによってLCC等でこれから交流が盛んになるところが盛んにならなくては困るのですけれども、全般に大阪の方はそういうことがあっても、ではそんな県知事を見に行こうかと言ってくださるおばちゃまも多いことであろうと思われますし、また、私が先ほど申しましたとおり、どのような応酬があっても相手を好きでいるタイプでございまして、松井大阪府知事も愛しておりますので、ぜひLCC就航の折には新之助を持って、大阪府庁にお訪ねさせていただければと思っております。 桜井議員の代表質問でもお答えしたとおり、民主主義のもとで首長は、行政官であると同時に、政治家でございますので、民主主義政治家として民主主義をきちんと機能させるのも責務の一つと考えており、国のあらゆる制度の基盤となっている自由主義や民主主義をしっかりと守るという観点から、重要であると考える問題についてツイッターで意見を表明しているところでございます。 このたびの府立高校の事案につきましても、決して応酬が目的ではなく、生徒指導による生徒の人権侵害という極めて重要な問題も含まれていることから、意見を表明したところ、多少の誤解もあって、ツイッターのやりとりとなったということだと思っております。 今ほど述べましたとおり、大阪府に限らず、他の都道府県と良好な関係を築くことは、観光のみならず、さまざまな場面での連携・協力という観点から重要であることから、知事が有する発信力と社会的影響力の大きさも踏まえながら、正しく受け取られるよう十分留意しつつ、必要な情報発信を行ってまいりたいと思います。 また、先ほど安沢議員からの御指摘もあった人に好かれる秘訣ということで、まず大阪府知事の御指摘をしっかりと受けとめつつ、大阪府知事を愛し続けるというのが仲よくする秘訣であろうと理解しております。 次に、食料安全保障についてですが、全ての国民が、将来にわたって良質な食料を合理的な価格で入手できるようにすることは、国の基本的な責務であり、国は、食料・農業・農村基本法において、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄を適切に組み合わせ、食料の安定的な供給を確保することとしております。 このため、骨太の方針に食料安全保障の確立という記述はございませんが、法に基づく基本的な考え方は変わっていないものと認識しております。 また、WTOの中でも、食料安全保障を確保することは各国固有の権利とされており、国際的にも食料安全保障は重要事項として位置づけられているものと考えております。 次に、食料自給率の向上についてですが、我が国の食料安全保障のためには、食料自給率と食料自給力の維持向上が必要と考えております。 米につきましては、食料自給率が97%程度となっておりますが、輸入品の代替となる飼料用米や米粉用米、また、輸出用米の生産拡大を図ることは、自給率向上に一定程度寄与するものと思います。 なお、生産装置である水田の機能を維持することは、食料自給力の維持向上に重要であることから、議員御指摘のとおり、水田フル活用の取り組みを積極的に進める必要があると考えております。 また、質問の冒頭のほうで御指摘があったカロリーベースの計算は、もちろん高いほうがいいのですけれども、あれ自体は御指摘いただいたような矛盾もございまして、畜産をやればやるほど減ってしまうみたいなところがありますので、カロリーベースそのものにはそれほどこだわらず、場合によっては付加価値ベースのような考え方も今後は検討する余地はあるのかもしれないとは思っております。 次に、業務用米や飼料用米の需要拡大についてですが、議員御指摘のとおり、家庭内消費が減少する中で業務用米の生産拡大は重要であり、実需者が求める品質やロットを安定供給できる体制を構築するとともに、多収・低コスト栽培を推進し、業務用米も新潟米という形でブランドを確立してまいりたいと考えております。 また、飼料用米については、畜産農家に畜産物の付加価値向上や、飼料費低減のメリットを啓発するとともに、破砕機等の導入支援などにより、需要の確保を図ってまいりたいと考えております。 次に、若者の自殺対策についてですが、若年層では自殺が死因に占める割合が高く、また、家族や周囲に悲しみと困難をもたらし、社会にとっても損失となることから、大変深刻な問題と認識しております。 若者は、インターネットやSNS上で悩みを打ち明けることには抵抗感が低いという傾向があることから、悩みを抱えた若者を安心して相談できる窓口に誘導できるよう、議員御指摘のとおり、SNSを活用した対策を検討してまいります。 また、議員御指摘のとおり、中高生に対するSOSの出し方教育につきましては、悩みを抱えたときに、信頼できる大人に援助を求める具体的スキルを教える取り組みであり、いじめや自殺予防に対して有効であると認識しております。 県教育委員会には、SOSの出し方教育の内容を取り入れながら、相談体制を初め、中高生のさまざまなサインを見逃さない取り組みの充実を図ることや、中高生がよりよい援助希求行動、援助を求める行動をとることができるよう、学校における自殺予防対策の強化を要請してまいりたいと考えております。 次に、不妊治療の医療保険適用についてですが、厚生労働省においては、体外受精等の不妊治療について、不妊の原因となる疾病の治療を目的としたものと言えるかどうか等の観点から、保険適用の対象とすることは困難と考えているものと承知しております。 県といたしましては、国の考え方を考慮しつつも、不妊治療を受ける夫婦の経済的負担が大きいことなどから、引き続き他県とも連携を図りながら、保険適用とすることも含めた一層の負担軽減策を講じるよう、国に要望してまいりたいと考えております。 次に、不妊治療助成の現物支給についてですが、不妊治療は、自由診療であり、治療を受ける方の状況や医療機関によりその内容や費用が異なっているため、費用負担の基準が類型化されておりません。 このため、個々の治療の内容や費用を確認した上で助成を行う現在の仕組みが、現状においては適切であるというふうに考えております。 一方で、御指摘の趣旨はよくわかるといいますか、最初にお金を用意するのが大変で二の足を踏んでしまうというところは、もちろん特に若い御夫婦であればあることと思いますので、議員御指摘の費用負担の軽減については、どのようなことができるのか研究をしてみたいと考えております。 次に、HPVワクチンの接種についてですが、医学界を初めとする関係者は、「ネイチャー」に示された医学的知見を真摯に受けとめ、尊重すべきと考えておりますが、積極的な接種勧奨の再開には、接種を希望する方に対して、ワクチンの有効性と安全性に関する適切な情報提供が行われることが重要であると考えております。 これは、単に情報提供というだけではなくて、情報提供の環境整備ということが事実として必要なのだと思います。 現段階においては、国において恐らくは準備を進めている段階というふうに承知しておりますし、残念ながら準備を進めながら、十分な情報提供のあり方が、現時点においては集積し切っていないということだと思いますので、国は引き続き、副反応に関する調査・分析を進め、専門家による評価を行った上で、積極的な接種勧奨の再開の是非を判断するとのことでございます。 県といたしましては、当面、国の検討状況を注視してまいりたいと考えております。国の判断が出ましたら、もちろん国に従わせていただきたいというふうに思っております。 次に、本県知事部局における知的・精神障害者の採用についてですが、議員御指摘のとおり、法改正の趣旨を踏まえ、県としても率先して障害者雇用の促進を図るため、知的・精神障害者の採用についても拡大していく必要があると考えております。 そのため、非常勤職員の障害者採用においては、平成29年度から、身体障害者に限定せず、知的・精神障害者にも門戸を広げて募集しております。 なお、正規職員については、他の県の例等も参考にしながら、それぞれの特性や能力を十分発揮できる業務を整理するなど、採用に向けた検討を行ってまいります。 以上、答弁でございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 結婚新生活支援事業の取り組み状況についてですが、県内では、平成28年度及び29年度において、それぞれ2自治体が取り組んでいるところです。 県といたしましても、同事業の活用について、市町村に対して周知を行っているところですが、対象世帯の所得上限額が依然として低いことや、同一自治体が複数年続けての事業実施ができないこと等、取り組む上での課題があることから、国に対し、全国知事会を通じて、事業のさらなる充実を働きかけているところです。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 3点についてお答えいたします。 SNSの利点と危険性の啓発についてですが、SNSが児童生徒の主要なコミュニケーションツールとなっていることから、議員御指摘のとおり、SNSの利用を規制するだけでなく、利点と危険性の両面から指導、啓発することが大切であると認識しております。 各学校では、学習指導要領に沿って、児童生徒が情報モラルを身につけ、コンピューターや情報通信ネットワークを適切かつ主体的に活用できるよう、各教科や特別活動を通じて指導しているところです。 一方、本県でも、SNSをきっかけとしたいじめや家出、犯罪に巻き込まれる事例が発生していることから、学校と保護者、警察、通信業者との連携を進め、犯罪やトラブルに巻き込まれた事例を児童生徒に示すなどして、SNSの有用性だけでなく、誰もが危険に直面する可能性があることを指導してまいりたいと考えております。 次に、LINEを利用した相談事業についてですが、議員御指摘のとおり、現在、電話やメールより、SNSが児童生徒の主たるコミュニケーションツールになっているところであり、県教育委員会としましても、長野県での試行結果から、LINEなどのSNSは児童生徒の悩みをすくい上げる相談手段として有効であると評価しているところです。 一方で、長野県の試行で示された相談員の確保、スキルアップの課題や急を要する相談相手を特定するなどの課題があることから、これらの研究を進めるとともに、現状の電話やメールによる相談や、スクールカウンセラー等の活用状況を検証し、LINE等の利用も含めた、生徒が相談しやすく、効果的な体制の構築について検討してまいりたいと考えています。 次に、小学校の廃校利用についてですが、小学校は、地域住民にとって身近な公共施設であることから、廃校後も地域の実情に応じ、有効に活用されることが期待されております。 県内では、平成14年度から平成27年度の間に159校の小学校が廃校となっており、そのうち建物が現存する137校中の99校、割合にして72%が、社会教育施設や社会体育施設等として利用されております。 廃校舎の利活用に当たっては、市町村が主体となって、地域コミュニティー活性化のため、地域の実情を踏まえた検討を進めることが望まれますが、県といたしましても、教育委員会を初め関係部局が連携しながら、参考となる先進事例の紹介や、活用できる補助・支援制度の周知等を行い、市町村の創意工夫を生かした取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ○議長(金谷国彦君) 安沢峰子君の質問は終わりました。 次に、重川隆広君の発言を許します。重川隆広君。   〔重川隆広君登壇〕(拍手) ◆重川隆広君 無所属の重川隆広です。通告に従いまして質問を行います。 新潟県の林業生産額をふやし、活性化するためには、林業の出口戦略である越後杉ブランド認証材の品質を確保し、積極的に活用することが重要となります。 品質が不十分なブランド材が、一部に流通しているとして、昨年、平成28年2月定例会連合委員会で泉田前知事に質問を行いました。品質が劣る越後杉ブランド認証材が流通をしている、そのため工務店等の支持が得られていないと考えるとの質問です。 そこでの前知事答弁を要約すると、他県産と同レベルの品質が確保されている、問題はないとしています。その根拠として2つ挙げています。1つ目が新潟県木材組合連合会による定期的な検査を行っている、2つ目が聞き取り調査の結果、問題がなかったとしています。 私は、この答弁に違和感を覚え、事実関係の確認をしてまいりました。越後杉ブランド認証材の品質について、一部に問題があることは、林政課職員の間でも共有し、業界の内部でも常識となっていたからです。 事実確認を進めていく中で、徐々に、答弁の根拠が崩れ、本年3月28日、当時の林政課長、課参事の2人が答弁は事実と違っていたと認め、謝罪に訪れ、翌日、林政課内でその内容を記した備忘録を3人で確認し、署名をしました。 私は、2人が誤りを認め、謝罪をしたことで、この問題は収束させたいと思っていましたし、収束したと考えていました。あとは、林政課、農林水産部が改善に取り組んでいただくことだと考えていました。 しかし、本年4月に着任をした新課長、課参事は、答弁には間違いはなかったと、雑で苦しい説明を再び始めました。答弁の作成をした課長、課参事が誤りを認め、謝罪し、その記録が残っているにもかかわらず、答弁作成に関与していなかった新課長、課参事の言動には極めて不信を感じていますし、認めてはいけない何かが課長たちの間から透けて見えてきます。 新たに行政文書公開請求などにより、複数の資料が出てまいりました。きょうは、その紹介をしてから質問に入ります。 品質について確認ができる書類は、前知事答弁の5年前、平成23年9月に県が調査委託をしていた報告書があります。越後杉ブランド材の品質に問題ありと指摘がしてあり、その後、行政文書公開請求などにより、平成25年度の地域振興局の林業担当課長が出席をする連携林業振興課長会議では、乾燥が基準を満たしていない材が見受けられる、県木連が年1回以上定期検査を行うことになっているが、行っていないなどの発言記録があり、以降の平成26年7月及び平成27年の会議でも、ブランド材の品質や定期検査の実態について、同様の発言が明らかになりました。 それでは、最初の質問です。 平成25年度に県が行った第2回連携林業振興課長会議において、複数の地域振興局の課長より、ふるさと越後の家づくり事業の検査の際、乾燥が基準を満たしていない材がある、県として品質を保証しているので、計測して指導すべきとの発言があり、品質に問題があることが林政課内では共有されています。また、以降の会議でも、同様の発言が見られます。 県は、乾燥に問題がある製品が流通していることを知りながら、県のホームページには、越後杉ブランド認証材は乾燥しており、狂いが少ない、品質・性能が明確な県産材製品である、ふるさと新潟で育った越後杉で家を建ててみませんかと、県民に勧めています。 農林水産部林政課では、実態を知りながら手を打たず、一方では、県のホームページで県民に勧めていた、このことに対して知事の所見を伺います。 次に、定期検査に関する質問です。 平成25年度の同会議では、品質管理について、県木連が認証工場を年1回以上定期検査をすることになっている、でもやっていない、県木連への指導を林政課幹部からお願いしたいと、出席者から発言があります。以降の会議でも同様の発言があります。地域振興局職員からは、定期検査に自分たちも協力しようとの前向きな発言が見られます。 本年6月定例会産業経済委員会での林政課長答弁では、県は平成26年度まで県木連が定期検査をやっていなかったので、県木連を指導し、定期検査を9工場行ったと、あたかも県木連しっかりしろと指導したかのような印象を与える答弁をしていますが、県木連への指導実態は、農林水産部でも県木連でも確認ができていません。 さらに、県木連が初めて行った定期検査は平成27年9月であり、平成26年2月の会議から1年と7カ月かかっています。その間に検査を受けない工場から越後杉ブランド材が出荷されています。 さらに、この平成27年度の定期検査は、84工場中1割の9工場のみであり、残りの75工場の定期検査は行っていません。 県のこの遅々とした指導体制、対応について、知事の所見を伺います。 次に、県が、越後杉ブランド認証材の品質に問題があることを認識したのはスタート当初からであり、平成14年ころからと推測をします。その後、品質に問題のある製品の流通が一部で続いています。書面で確認ができるのは、10年後の平成23年9月の林政課への報告書からであります。しかし、平成28年2月定例会連合委員会での答弁では、品質に問題なしとし、同年9月の産業経済委員会で初めて問題を認めました。 この品質に対する対策及び効果の検証をどのように行い、ブランド材の適正化を確認していたのかを伺います。 また、平成28年3月8日の前知事答弁で、問題製品の流通を認識していたのに、なぜ他県産と同等で問題なしとしたのか、知事の所見を伺います。 次に、情報公開からの文書により、平成25年度以降の連携林業振興課長会議において、ブランド認証材の品質問題対策として、定期検査の必要性が共有されていることが明らかになっています。林政課内のブランド材に対する事実認識、共通認識と、前知事答弁、定期的な検査を行っているから大丈夫、が違うことについて、知事の所見を伺います。 次に、知事は、本年10月6日の連合委員会で、ブランド材を確認しない3年に1回の更新時検査について、材木を検査していなくても検査機器がきちんとしていれば検査はきちんとしている、性善説に立てば一定の品質は確保されていると泉田前知事は考え答弁をしたのだろうと、答弁をしています。米山知事も同様にお考えなのか、お尋ねをします。 米山知事のお考えがそうであれば、県の許認可業務において、申請者である県民が提出をする書類で、埋めていない項目、やっていない検査についても、県職員に対して性善説で判断をするようにとの指示と受けとめる職員もいると考えますが、それでいいのでしょうか。知事の真意、所見を伺います。 次に、平成26年度まで、県木連は越後杉ブランド認証材品質確保のための定期検査を行っていませんでした。平成27年度は、84工場のうち1割の9工場のみの定期検査を行っていますが、年度内で行わなければいけない定期検査が、前知事答弁の平成28年3月の時点で75工場、9割残り、そのまま年度末を過ぎています。 現林政課長は、平成26年度に県木連に対して定期検査実施を指導したといいますが、平成27年度の定期検査は9割が実施されていないし、県の指導実態も見えてきていません。なぜ、このようなだらしない検査・指導体制であったのか、県木連を育成・指導する立場の農林水産部長に伺います。 私は、10年以上前から林政課に対し、一部に問題製品の流通があると指摘してきました。しかし、改善はなかなか進まないため、昨年5月に県木連会長につきました。昨年度は、役職員の努力で全数の定期検査を行っています。 次に、昨年の5月に県木連は会長、副会長兼専務理事が交代をしました。当然、過去の未実施については私、現会長の重川が責任を深く受けとめますが、県木連の専務理事ポストは、県の林業職幹部が県庁退職後に座ってきたポストであります。いわゆる天下り先です。さらに、農林水産部の課別事務分掌でも、林政課は県木連等の育成・指導を行うこととなっています。 県木連は独立をした団体であることは認識をしていますが、県と県木連は密接な連携関係にあると承知していますし、今後、越後杉ブランド認証材についての問題が発生し、おわび会見などがあれば、当然私が座りますけれども、今までのブランド材に対する県の対応を考えると、米山知事と目黒農林水産部長からの同席もお願いしたいと考えますが、所見を伺います。 次に、県の聞き取り調査について伺います。 行政文書公開請求からの文書によると、農林水産部は、17社を調査し、全てが品質、強度に問題なしと前知事に説明しています。そこには、平成23年9月時には問題があったが、今はよくなりましたと説明をしたかのような紙面構成になっています。非常に勉強になります。 しかし、本年3月に林政課幹部職員2名同席のもと、17社中16社に電話で聞き取りを行いました。責任者に通じた5社のうち1社は、含水率が高く、物がよくない、県の問い合わせにもそう答えたということでした。これは真っ黒です。もう一社は、うちは問題がないが、よそはよくない。これはグレーです。この黒とグレーを白の箱の中に入れて、前知事には説明をしてあります。 このように私の聞き取りが明らかになると、常任委員会で、議会の間で行ったので時間がなかったと、林政課長は答弁をしています。 答弁を紹介しますと、この聞き取り調査につきましては、議会の間ということで、時間の制約がある中で可能な範囲で行った緊急的なものであり、必ずしも十分な精度であったとは言えない。 五、六回読み返し、5つの修飾語を外し、主語と述語を抜き出したらようやくわかりました。この聞き取り調査は正確ではありませんでした、これだけが残ります。まさに言語明瞭、意味不明瞭で、官僚答弁のお手本を聞いているように感じます。2センチのエビにたっぷりと衣をつけ、20センチのエビフライに仕上げたように感じます。 また、議会中に行ったという17社の聞き取りのうち11社は、議会前、質問通告の前の2月9日に行っています。他の調査からかりてきたことがばれました。議会中の調査ではないと指摘をすると、調査は議会前であっても議会の間に整理をしたから、議会中だと言い出します。 この答弁に対し、知事は、多少なりとも自己弁護が入っているかな、それほどの意図ではなく、詳しく言わなかったということで、それで内容がすごく変わるものではないとしています。私もそのとおりだと思います。 しかし、このような事実と違うことを言い、相手の指摘があると訂正をする、こんな話は県庁の中では通用しても、県庁の外では一切通用しません。知事は、今もそのようにお考えなのか伺います。 この2月9日の聞き取り調査について、行政文書公開請求を行いました。出てきた資料はA4、1枚です。記載内容は、ふるさと越後の家づくり事業の県内トップランナー工務店への越後杉住宅の建築棟数しか記載をされていません。品質に対する調査結果はありません。 品質調査のない結果をもとに17社中17社問題なしとしたことは、うそ、捏造であったと言わざるを得ないと思いますが、農林水産部長はこの実態を知りながら、答弁を容認または誘導したのか伺います。 また、この事実に対する知事の所見を伺います。 今の質問に関連いたします。2月9日の聞き取りは、林政課からいただいたA4、1枚から見える内容は、ことしは何棟建てましたかという質問であり、品質に関する調査結果はありませんでした。一方、知事への説明に使用したと思われる資料には、認証材の品質についての聞き取りとして、17社全社とも含水率、強度に関する品質に問題なしとしています。農林水産部長は、この調査の実態を知っていたのか伺います。 また、工務店は強度をはかる機器を持っていません。ですから、工務店17社についても強度が大丈夫という返答は出てきませんので、プロがこの紙を見ると怪しいと感じますので、工務店調査には強度を載せておかないほうがよろしいと思いますので、御参考になさっていただきたいと思います。 平成26年2月の連携林業振興課長会議及び7月の林政課主催会議での復命書からも、越後杉ブランド認証材の品質に問題のある製品が一部に流通していたことは明白であり、林業関係職員の共通認識でありました。 しかし、前知事答弁では、越後杉ブランド認証材は他県産と同等で問題なしとしており、林業関係職員の認識と異なります。そのような答弁となったことについて、農林水産部長の所見を伺います。 ことしの3月末に、農林水産部の林政課長及び課参事が、平成28年3月8日の泉田前知事答弁の作成の際に、知事答弁案を事実と違う内容にしたことを認め、謝罪に訪れました。 翌日、林政課内において、てんまつを書いた備忘録を私、課長、課参事の3名で内容を確認し、署名をしました。内容は、越後杉ブランド認証材については3者とも品質に問題がある製品が流通していることを認識していた、県木連が定期検査を実施していないことを課長、課参事は認識していた、重川が聞き取った調査事実を認める、であります。6月の連合委員会において、さわりの部分については述べています。 当事者の課長、課参事は、人格からも識見においても非常に立派な人です。今までの林政課の歴史の中で、非常に真面目で立派な方だというふうに私は思っています。問題は、組織の中のしがらみと体制、体質です。2人はその犠牲者とも見えてきます。 知事、農林水産部長は組織として、組織の長として、事実、これは備忘録ではなく議会答弁の経緯という意味です。事実の確認をすべきと考えますが、知事の所見を伺います。 本年の6月、9月の連合委員会で、知事に対し、私と農林水産部の話が食い違っているため、第三者による整理をお願いしました。6月の連合委員会で知事は、聞き取りはしたいと思うが、水かけ論の可能性は高い、それぞれが自分に寄せたことで懸隔になってしまったとしています。 調査を行うことで問題箇所が見つかり、さらに、知事の方針である正確な答弁をすべきということがしっかりと庁内に伝わると思います。再度、私と農林水産部との聞き取り調査の実施をお願いいたします。知事の所見を伺います。 次の質問です。 9月の産業経済委員会において、農林水産部幹部より、平成28年3月8日の前知事答弁は断定していないとの話がありました。複数の国語の先生に読んでもらい、主語と述語に整理するとよいとのアドバイスをいただき、答弁要旨、口頭答弁を主語と述語に整理をしました。その結果、私は断定と考えますが、農林水産部長の所見を伺います。 また、断定でないとの答弁となるのであれば、なぜ断定のような言い方をし、苦しくなると断定ではないと言うのか。本来、議会答弁は県民にわかりやすい答弁とすべきであり、後で議事録を読み込まなければ、意味がわからない答弁をすべきではないと思いますが、所見を伺います。 ちょっと時間の関係で順番を変えさせていただいて、飛ばすところが出てまいります。 現在の新潟東港エリアの開発は、三十数年前、1人の県幹部職員が信念を持って実態の把握や説明を行うことを通じて、県が最重点、総力と打ち出し、低迷するプロジェクトが軌道に乗ったと当時の新聞に報じられています。 さらにその局長は、首を覚悟で内部告発を行った、ガンは役人根性、庁内の批判も相次いだとしていますが、米山知事は本年4月11日の庁議で、早目の情報伝達や議論を求め、悪い情報ほどこの場に出してもらいたい、早く対策が打てる、間違っていると思えば率直に言い合い、活発な議論の中でよりよい県政を進めたいとの旨を発言したと報道されています。非常にすばらしいメッセージと、私は心から米山知事に拍手を送ります。 しかし、一連の越後杉ブランド認証材の対応においては、知事のその思いが幹部職員等に伝わっていないと思います。100の言葉より1つの実践が重要で、知事の対応を職員も見守っていると考えますが、所見を伺います。 栃木県に本社を置き、東日本ナンバーワンの製材工場、今はほぼ100億円企業になりました株式会社トーセンは、県の懇請で村上市の製材工場を引き継ぎ、運営をしています。 その東泉社長は、新潟県林業についてこのように話しています。山には木がある、路網や高性能林業機械もある、しかし出てこない、山で働く人材の育成を含む、これは片野議員が以前質問された部分でございます、人材の育成を含む県の県産材生産への熱意と戦略が大切であり、材が出なければ新潟の林業を牽引するような大型工場は出てこないと話しています。 県は、課題を外に求め、施策・事業は打つだけであって、それでは当然成果は上がりません。加えて、越後杉ブランド認証材の品質議論を通して、農林水産部の体質が見えてきています。各施策・事業の効果の検証が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 新潟県「夢おこし」政策プランの最終報告書において、越後杉ブランド認証材出荷額の目標達成率が78.2%と20項目中最低でありました。理由として、いわゆるローコスト住宅が業績を伸ばしているということと、住宅の小規模化を挙げています。 このように成果の上がらない課題を外に求めている間は改善は難しいと考えますが、このような答弁に至った根拠について伺います。 質問は以上です。 私は、県内林業の川上、川中、川下の全てに足をかけ、そこから生活をしています。そこに水を差す考えは一切ありません。事実を明らかにして、そこから手を打っていかないと業績の向上は望めません。 また、議場で議論する内容と委員会で議論をする内容は承知しているつもりです。また、執務室で解決のできる内容も多くあります。 この越後杉ブランド認証制度とふるさと越後の家づくり事業は、用い方次第では、新潟県内の林業生産額への貢献だけではなく、各種の地場産業の活性化にもつながる、ほかの県にまさる事業であります。スタート時の立ち上げに御尽力いただいた農林水産部の皆さんの御苦労には感謝を申し上げます。 しかし、しっかりと根づかせるための努力が十分ではなく、昨今は指摘をしても隠蔽をしてしまう体質も見えてきました。 私は、この質問、議論を通じ、県庁職員が県民の幸福のために県民の方向を向き、県民目線で仕事に取り組んでいただくことを期待し、質問を終わります。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの重川議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、越後杉ブランド認証材についてですが、一般論として、全ての製品に言えることですけれども、製品には一定の割合で基準以下のものがあり、一定の割合で不良品が発生することを完全に排除することはできません。 世界的に非常に品質が高いという評判を確立しております日本の時計などにおきましても、一定の割合で不良品は生じます。 この場合に、多くのものが基準以内であり、品質を満たすものであれば、その製品を品質が高いと言うこと自体は、それ自体が問題であることはございませんが、同時にチェック体制を高め、より実態といいますか、より完璧な品質に近づける努力は必要ということであると理解しております。 県では、日ごろから、認証機関である県木材組合連合会に対し、規程の遵守及び当該団体の運営要領に基づき適切に対応するよう指導してまいりました。 あわせて、品質向上に向けて、県木材組合連合会等が実施する技術向上のための研修会の開催や、事業者の施設整備など、業界の自主的な取り組みを支援してきたものと認識しております。 次に、県木材組合連合会による検査についてですが、県木連が定める運営要領によれば、県木連が3年に1回の更新時の検査と年1回以上の定期検査を実施しなければならないと規定されております。しかしながら、県木連では3年に1度の更新時の検査は行われていたものの、年1回以上の検査が行われておりませんでした。 このため、県では県木連に対し、要領に基づく検査の実施を指導してまいりました。これを受け、県木連では検査員を増員し、検査体制を整備したものと考えております。 指導内容が実現されるには、一定の時間を要する場合もあり、県として必要な対応を実施してきたものと認識しております。 次に、越後杉ブランド認証材の品質確保についてですが、越後杉については、他県産材に比べてコストが高い一方で、品質については特段の優位性はないということで、一定の品質を確保することで消費者の信頼確保・需要拡大を図ることが必要であり、関係する企業・団体と取り組みを進めてきたところでございます。 県では、積極的にこの取り組みを進める事業体を支援する一方で、業界のまとめ役である県木材組合連合会への指導・支援を行ってまいりました。また、県産材出荷額を政策プランの指標として事業効果の検証を続けてきたところです。 なお、前知事の答弁については、9月定例会で答弁したとおり、検査機械がきちんと確保されており、かつ、適正な検査は業界できちんと行われることで、一定の品質は確保できているのではないかとの考えで答弁したものであろうと、これは推測でございますが、認識しております。 次に、前知事の答弁と林業関係職員の認識についてですが、平成28年2月定例会の認証材に関する前知事の答弁は、直近の状況を把握することが適切と判断した中で、聞き取り調査を踏まえた答弁であったと認識しております。 なお、議員御指摘の職員の認識は、これは平成26年2月時点、2年前の認識というふうに思いますので、先ほど述べましたとおり、一定の割合で基準以下のものが存在することと、全体として品質が低いこととは同じではございませんし、県では、その後も品質向上のための必要な対策を継続して講じてきているところでございますので、平成26年2月から2年たった、前知事が答弁した平成28年2月定例会においては、平成26年2月の状況とは異なっていたものと考えております。 したがいまして、平成26年2月における職員の認識と、平成28年2月定例会における前知事の答弁とが食い違っていたかどうかということにつきましては、それぞれ違う時点でございますので、判断は極めて困難であろうというふうに考えております。 次に、認証材の品質についてですが、認証材の検査は、制度のたてつけ上、認証工場がその品質を検査して、県木材組合連合会が適切に品質を検査しているか、これを県が監督するという立場となっております。 県として検査することは、認証工場がその品質を検査しているか、また、県木材組合連合会が適切に品質を検査しているか、これを監督する立場でございます。 県は、認証規程に従い品質が確保されるよう県木材組合連合会を指導してきたところであり、そのもとで、認証制度を運営する県木材組合連合会初め業界の主体的な取り組みにより品質が向上し、確保されていると考えることは、特段問題のある考え方ではないと考えております。 また、県の許認可業務につきましては、客観的な基準に基づいて行うものと考えております。 次に、県木材組合連合会が会見される場合の対応についてでございますが、どのような目的・内容で会見されるのか承知しておりませんので、それに対するお答えというのはできないのですけれども、基本的には、県とは別の独立した団体の会見に同席するということは、通常ないものというふうに考えております。 次に、17社に対する聞き取り調査に関する答弁についてですが、こちらは特段に、認識は私としても変わっておりません。 前定例会で答弁したとおり、より正確に17社のうち11社は事前の調査を使い、17社のうち6社に関しては3月3日に急遽行ったと、そのまま答えるのが一番シンプルであったというふうに思っております。 また、場合によっては、議員御指摘のように、調査そのものは議会前であったが、議会中に整理したものである、というようなことをつけ加えてもよかったかもしれないと思います。 次に、品質に関する答弁についてですが、聞き取り調査を実施し、その結果を踏まえて答弁したものと認識しております。 聞き取り調査では、品質に対して概括的な意見にとどまり、口で聞いているだけですので、詳しい数値の記載がないことも通常あり得るのではないかと考えております。 次に、備忘録についてですが、議員の求めにより、議員が作成した書面に職員が署名したものと聞いておりますが、既に前後の事実関係は明らかになっており、異なっているのは、その解釈が異なるということかと思いますので、事実関係それ自体に争いはなく、これ以上の確認の必要はないものと考えております。 次に、議員との聞き取り調査の実施についてですが、今までのやりとりの中でほぼ事実関係としては明らかであり、双方の違いは実のところ事実関係の解釈であって、事実関係そのものではございませんので、聞き取り調査の実施は必要ないものと考えております。 次に、施策・事業についてでございますが、継続して効果を検証して、その結果により不断の見直しをすることが重要であると考えております。越後杉ブランド、株式会社トーセンの東泉社長の言に対するものでございますが。 また、どのような分野であっても、そもそも業界の拡大はまずもって業界自身が第一の熱意と戦略を持って取り組むべきであり、県がこれを支援するに当たっては、関連する業界・企業との信頼関係と連携によって、事業を進めることが不可欠であると考えております。 次に、一連の認証材への対応についてですが、よい情報も悪い情報も出していただいた上で、率直な意見と活発な議論が行われ、これまでも現状を踏まえながら、県として必要な対策を的確に講じようと努めてきたものと考えております。 私の対応につきましては、言葉においても行動においても、よりよい県政の運営につながるよう努めてまいりたいと考えております。 以上、答弁でございます。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) お答えいたします。 県木材組合連合会による定期検査の実施についてですが、県としては、連合会に対し、継続して品質管理の徹底を指導してきたものと考えております。 また、検査は、常に、検査のコストとベネフィットを勘案してなされるものであり、多くの検査がその観点から全量検査ではなく、サンプリング検査で行われております。80工場の1割以上に当たる9工場で検査を行ったことは、県木材組合連合会がみずから定めた運営要領に則していませんが、一般的にサンプリング検査として、特段問題のあるものではないと考えます。 また、この間、品質向上に取り組む企業等に対する支援を行ってきたところです。 次に、品質に関する答弁についてですが、聞き取り調査においては、品質に問題があるとの回答はなく、その結果を踏まえての答弁であったと認識しております。 2月9日の聞き取り調査は、前年度から越後杉住宅の棟数が減った原因とあわせて、品質についても聞き取りを行ったと承知しております。 次に、17社への聞き取り調査についてですが、2月9日の調査では、11社に対し、前年度からの越後杉住宅の建築数減少の要因とあわせて、品質についても聞き取りを行い、特に問題はないとの回答を得たところです。 その後、品質について聞き取り調査を追加し、別の6社から、同様に特に問題ないとの回答を得たものであり、これらを踏まえた答弁であったと認識しております。 次に、平成28年2月定例会の答弁についてですが、議員の質問に対しては、直近の状況を踏まえた内容でお答えするのが適切と考え、聞き取りによる直近の調査結果を踏まえて答弁したものでございます。 次に、前知事の答弁についてですが、17社の聞き取り調査の結果の一方で、議員の御指摘等も勘案し、品質の現状についての調査の必要性について述べたものと考えております。 知事が答弁で申しましたとおり、他県産と同等で問題ないということと、一部に不良品が存在することは相矛盾することではなく、他県産と同等であっても、品質に全く問題がないと決めつけることなく、しっかりと現状を把握する必要性を示唆した答弁であったと考えております。 次に、議会での答弁についてですが、議会答弁は、議場におられる県議会議員の方々はもちろん、県民の皆様にも御理解いただけるよう、わかりやすい答弁を行わなければならないと考えております。 しかし、時としてわかりにくい答弁があったという御指摘であれば、今後も十分注意してまいりたいと思います。 次に、住宅のローコスト化や小規模化の根拠についてですが、本県における、ローコスト住宅の供給を主とする住宅会社4社の建築確認数に占める割合が、平成23年から平成27年の5年間で2.7%増加したこと、新築木造持ち家住宅における1棟当たりの延べ床面積が、同様に5年間で約4%減少したことを根拠にしております。 また、出荷額低迷の理由は、現状・課題に掲げているとおり、価格面での競争力不足にあると認識しております。   〔重川隆広君登壇〕 ◆重川隆広君 1問だけ知事に再質問をさせていただきます。 まずその前に、今知事の御答弁と農林水産部長の御答弁については、そういう答弁の内容については、私が今まで生きてきた中ではありませんでした。ただ、私もここに臨んでどういう答弁がいただけるかということを考えていた中で、大体そんなだろうなと、それが県の行政の力量と限界であり、大変米山知事には失礼な言い方で恐縮ですが、今現在の米山知事の限界かなと、そんなふうに私自身、ある程度予測をしてきましたので、余りストレスを感じないようにしようと思っております。これは目黒部長に対しても同じ印象を持っています。 ただし、一言だけ申し上げますと、県庁の外ではそういう答弁は、あるいは、会社と会社がやりとりするときに、私も社長になってから33年ですけれども、一度も経験はしていません。 それで、質問を1つだけ知事にお願いいたします。平成23年に林政課が依頼をした調査委託報告書、品質が悪い。それから、平成26年2月、26年7月、地域振興局の林業担当課長が集まっての会議、それから7月はそれにもう少し別な視点で林業担当者が集まっている会議、ここでも品質が悪い。それから、私の質問の後の平成28年4月を中心にして県が117の工務店に調査をしています。ここでも答えた中の14%ぐらいが品質が悪いという内容になっています。 もちろんさっき知事がおっしゃるように、100%ではなくて、一定の割合で悪いものがあるということは私も承知しています。だけれども、平成23年の9月の報告書の悪いという数、平成26年2月と7月の地域振興局の林業担当の職員たちがそこで議題に上げて、悪いという、それを検討しなければいけないという、それは知事がおっしゃる範囲を超えているから、そういう話になるのだろうと、私は思います。 それから、平成28年4月でも一定数量が出ているわけですので、その間にある平成28年2月定例会の前知事答弁だけが品質がいいというようなことには、当然ならないと思います。 その1点だけ、御答弁をお願いいたします。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの御質問にお答えいたします。 平成28年2月定例会の前知事答弁は、品質は他県並みということだと思います。平成23年から平成27年まで、さまざまな問題も指摘されているところであり、もちろんそこは品質向上に努めるべきだと思うのですが、同時にこの間、県木連の皆様の御努力もあって、基本的にはそれなりの数はちゃんと売れているわけでございますし、基本的にはそれが他県並みということであったということであろうと思います。 私は余り木材業界に詳しくはないのですけれども、木材においては基本的には性質上、工業製品とは違いますから、相応に不良品が出る、不良品といいますか、あってはいけないのですけれども、一定数出るのは出るのでしょうし、また、大工さんですから、それを見ながらつくっていくのでしょうから、それが他県並みであれば、それは他県並みということになるのだろうと思います。 もちろん問題点はより改善していく中で、より取り組みを進めてまいりたいと思いますが、御指摘いただいたような平成23年、26年、27年で問題のあるものがあったということと、品質が他県産並みだったということは、特段矛盾するものではない、ということは変わらないというふうに思っております。 以上です。 ○議長(金谷国彦君) 重川隆広君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明12月12日から12月15日まで及び12月18日から12月21日までの8日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、12月16日及び12月17日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、12月22日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時24分散会...