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12月12日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2011-12-12
    12月12日-一般質問-04号


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    平成23年 12月定例会 本会議平成23年12月12日(月曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第131号議案第2 請願第13号から第16号まで第3 陳情第23号から第32号まで第4 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1   第131号議案 決算の認定について(平成22年度新潟県一般会計・特別会計) 日程第2  第13号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級実現等を求める意見書提出等に関する請願  第14号 すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめることに関する請願  第15号 私立学校に通う子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の意見書提出等に関する請願  第16号 魚沼地域医療再編にあたり医療水準確保に向けた新潟県の役割に関する請願 日程第3  第23号 新潟県専修学校各種学校教育振興費に関する陳情  第24号 新潟県専修学校各種学校教育振興費に関する陳情  第25号 陸上自衛隊の災害派遣時の組織強化を求める意見書提出に関する陳情  第26号 海上自衛隊の災害派遣時の組織強化を求める意見書提出に関する陳情  第27号 費用弁償を適正金額にすることに関する陳情  第28号 議会基本条例制定に関する陳情  第29号 新潟県議会議会運営委員会の県外視察による議会運営の調査を今後中止することに関する陳情  第30号 佐渡島の離島航路運賃及び島民の生活に必要な燃料の負担軽減を求める意見書提出に関する陳情  第31号 佐渡島の離島航路運賃及び島民の生活に必要な燃料の負担軽減を求める意見書提出に関する陳情  第32号 消費者のための新たな訴訟制度創設を求める意見書提出に関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(冨樫一成君、金子恵美君、宮崎悦男君、長部登君、青木太一郎君、横尾幸秀君)   ――――――――☆――――――――出 席 議 員(53名)          高橋 直揮 君  宮崎 悦男 君  青柳 正司 君  坂田 光子 君          矢野  学 君  金子 恵美 君  皆川 雄二 君  小林 一大 君          冨樫 一成 君  佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君  小島  隆 君          佐藤  純 君  桜井 甚一 君  小林 林一 君  西川 洋吉 君          佐藤 莞爾 君  岩村 良一 君  沢野  修 君  斎藤 隆景 君          金谷 国彦 君  早川 吉秀 君  尾身 孝昭 君  柄沢 正三 君          中野  洸 君  小川 和雄 君  村松 二郎 君  小野 峯生 君          帆苅 謙治 君  渡辺 惇夫 君  石井  修 君  東山 英機 君          三富 佳一 君  星野伊佐夫 君  高倉  栄 君  上杉 知之 君          梅谷  守 君  石塚  健 君  大渕  健 君  内山 五郎 君          市川 政広 君  長部  登 君  小山 芳元 君  竹島 良子 君          志田 邦男 君  青木太一郎 君  松川キヌヨ 君  佐藤 浩雄 君          片野  猛 君  横尾 幸秀 君  若月  仁 君  小島 義徳 君          佐藤 久雄 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            泉田 裕彦 君 副知事           森  邦雄 君 副知事           大野 裕夫 君 副知事           北島 智子 君 知事政策局長        杉山 順爾 君 総務管理部長        安居  徹 君 県民生活・環境部長     中村稚枝子 君 防災局長          飯沼 克英 君 福祉保健部長        若月 道秀 君 産業労働観光部長      高井 盛雄 君 農林水産部長        目黒 千早 君 農地部長          米田 博次 君 土木部長          田宮 強志 君 交通政策局長        坂井 康一 君 会計管理者兼出納局長    安藤ますみ 君 病院局長          江口 孝雄 君 企業局長          鈴木 文夫 君 教育長           武藤 克己 君 人事委員会事務局長     土屋 良治 君 警察本部長         大庭 靖彦 君 労働委員会事務局長     飯塚真理子 君 監査委員事務局長      本間 俊一 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(村松二郎君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第131号議案 ○議長(村松二郎君) 日程第1、第131号議案を議題といたします。 普通会計決算審査特別委員長の報告を求めます。佐藤純君。   〔佐藤純君登壇〕 ◆佐藤純君 おはようございます。普通会計決算審査特別委員会に付託されました第131号議案、平成22年度決算の認定について、本委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、去る9月定例会において継続審査となり、閉会中審査を重ねてまいりましたが、12月9日にその審査を終了したものであります。 以下、審査の過程で述べられた主な意見について申し上げます。 まず、総務管理部関係として 長時間勤務については、依然として多い実態にあることから、職員の健康への影響が懸念されるので、適正な人員の確保を図るなど縮減に向けて取り組むべきとの意見。 次に、福祉保健部関係として 医師確保については、地域において安心して医療を受けられる体制整備に重要であるので、医師養成に関する規制緩和の国への働きかけや研修環境の整備等による臨床研修医の確保など取り組みを一層推進すべきとの意見。 次に、産業労働観光部関係として 県内産業については、行き過ぎた円高が続く中で空洞化が懸念されるので、経営安定化に向けた支援に加え、企業誘致戦略を再検討するなど、一層の振興策の強化に努めるべきとの意見。 次に、土木部関係として 建設業については、地域の保全や災害対応の重要な担い手であることから、安定的な経営が求められるので、過度な競争による疲弊化を招かぬよう入札制度の見直しなど一層の支援に努めるべきとの意見。 以上が審査の過程で述べられた主な意見の概要であります。 次に、議案採決に先立ち、各党党議結果の報告を求めたところ、第131号議案については各党とも認定というものであります。 次いで採決を行い、原案のとおり認定すべきものと決した次第であります。 以上をもって、報告といたします。   ――――――――――――――――― ○議長(村松二郎君) これより第131号議案を採決いたします。 議案のうち、まず、平成22年度新潟県一般会計歳入歳出決算及び平成22年度新潟県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら2件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。2件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○議長(村松二郎君) 起立多数。よって、2件は委員長報告のとおり認定いたしました。 次に、同じく第131号議案のうち、残りの平成22年度新潟県県債管理特別会計ほか11特別会計の歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら12件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。12件を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(村松二郎君) 御異議なしと認めます。よって、12件は委員長報告のとおり認定いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第13号から第16号まで △日程第3 陳情第23号から第32号まで ○議長(村松二郎君) 日程第2、請願第13号から第16号まで及び日程第3、陳情第23号から第32号までを一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第13号から第16号まで及び陳情第23号から第32号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(村松二郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(村松二郎君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、冨樫一成君の発言を許します。冨樫一成君。   〔冨樫一成君登壇〕(拍手) ◆冨樫一成君 自由民主党の冨樫一成でございます。通告に従い、順次質問をさせていただきます。 まず初めに、市町村合併についてであります。 地方分権の担い手となる市町村の行財政基盤の確立を目的とし、平成11年以来、全国で市町村合併が推進され、財政特例措置を盛り込んだ市町村合併の期限であった平成22年3月をもって平成の大合併は一区切りとなりました。 県内においても、平成11年に112あった市町村が、平成22年には30となっております。この合併は、御承知のとおりスムーズに進んだわけではなく、首長等の判断はもとより、市町村議会や合併協議会、住民説明における多くの議論や、中には住民投票に至るなど、多くの話し合いや時間を費やし現在に至っております。 これは、現在、新潟州構想で議論になっている新潟市でも同様であります。合併については、どの自治体においても合併の功罪がありながら、合併してよかったと思えるようまちづくりを行っているものと思います。 そこで、平成の市町村大合併から一定程度の年数が経過しましたが、改めて知事は本県の市町村合併をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 また、平成の合併では厳しい財政状況を踏まえ、行財政基盤を強化することが大きな目的でありましたが、合併した県内市町における財政状況がどのように推移しているのか伺うとともに、その結果を踏まえ、県として今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 特に合併後10年を経過した市町については、普通交付税が減額となりますが、その対応状況についてお伺いいたします。 次に、交通問題について、計画段階評価に格上げされた日本海東北自動車道について2つ質問させていただきます。 県内で唯一高速交通体系から取り残された県北地域も、ようやく事業化が現実味を帯びてきております。平成23年2月定例会で、ミッシングリンク区間について、知事は地域の皆様が安心して日々の生活を送るためにも一日も早い整備が必要とその重要性を唱えております。 そういった中で、国土交通省は9月15日に社会資本整備審議会道路分科会第1回東北・北陸地方合同小委員会を開催し、3つのルート案を示すなど、計画段階評価に着手しました。 現在は、専門家らで構成するワーキングチームによるルート案となっている現地の視察、また住民への説明会の開催や各方面へのアンケートの実施により、ルート案に対する地元等の意見を聞くなど、丁寧な検討が進められていると聞いております。 これから先は、何より事業化までのスピード感が重要と考えるわけであります。国土交通省には今後の整備促進に期待するところであります。 しかしながら、現政権の公共工事に対する考え方では財政的な裏づけは余り期待できず、来年度の全国ミッシングリンク整備予算は一定程度盛り込まれているものの、開通が目前の箇所を優先するとのことで、朝日まほろば以北など新規路線については大変厳しいようであります。 また、今回の計画段階評価格上げについては、日東道朝日まほろば・温海間だけでなく、遊佐・象潟間や東北自動車道の福島・山間などでも格上げとなっており、新規路線の箇所数の増加に比例して財源もふやしていかなければ着工の見通しが立たない状況ではないかと危惧するところであります。 そこで、県として事業化に向けスピード感のある目標を持って対応していくべきと考えますが、現時点での計画段階評価の進みぐあいについて伺います。また、早期事業化に向けた今後の県の取り組みについて伺います。 また、ミッシングリンク解消に当たり、日東道の役割、必要性ということで命をつなぐ道路という言葉が前面に出ておりますが、国土交通省の東北・北陸地方合同小委員会や地元への説明会資料には、高速道路という国土の骨格を構成するインフラの役割として、医療、産業、観光、災害対応、事故等さまざまな視点からその必要性や整備効果が示され、さらには圏域の将来像や5つの政策目標の設定なども記されております。 一般論としては、高速道は人、物、情報などの交流を拡大し、豊かな地域社会の形成に向けポテンシャルを高めるものであると認識しております。産業や観光の活性化や生活環境の向上などのプラス効果もあれば、一方で消費の流出や地場産業の活力低下などのマイナス面の効果も発生していくものと考えています。 そこで、日東道のミッシングリンク解消の必要について、命をつなぐ道路という言葉が前面に出ておりますが、その効果は県北地域にとどまらず、観光や物流の分野に与える影響は大きいと考えますが、インフラとしての日東道が担う役割について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、福祉・医療問題について、以下、少子・子育て問題、看護師不足問題、健康ビジネス連峰政策、エイズ問題に項目を分け質問させていただきます。 まず、少子・子育て問題について質問いたします。 本年6月、厚生労働省より2010年の合計特殊出生率が、対前年比0.02増の1.39と発表されました。厚生労働省ではこの要因について、30歳代女性の結婚がふえ、第2子以上の出産数も伸びているとのこと、女性が年をとっても働きながら出産できる環境が進んでいることなどを挙げております。 ここで気になるのが民主党のマニフェスト、子ども手当であります。数字の上では、子ども手当がその要因ともなっているようにも映ります。しかしながら、人は果たして子ども手当があるから子供をつくろうと思うのでしょうか。 そんなことよりも、子供が好きであったり、夫婦のきずなとして欲しかったり、子供を育てる喜びを味わったり、それぞれの理由があるはずであります。そして、妊娠するまでから出産後子育ての中で発生するさまざまな負担を軽減していくのが、本来の少子化・子育て対策の姿ではないでしょうか。 少子・子育て対策を単に子ども手当といったことで一くくりにすることは問題を矮小化してしまい、いただいた手当を預貯金に回すなど、本来の少子・子育て対策とは逆行していくのではないかと危惧いたしております。 そこで、一律に現金を配る子ども手当は政策効果がはっきりせず、少子化対策、子育て支援対策にはならないと考えます。安心して子供を産み育てるためには、子供の病気など子育てのさまざまな場面に応じた経済支援を行うべきと考えますが、県の子育て支援のあり方についてお伺いいたします。 この次に、不妊治療に対する既存事業の拡大についての質問を通告しておりましたが、金曜日の楡井議員と同趣旨の質問であり、かつ知事から前向きな御答弁をいただきましたので、質問を取り下げさせていただきました。泉田知事におかれましては、来年度に向けて大いに期待するところであります。よろしくお願いいたします。 次に、妊婦健康診査の公費助成についてであります。 国の平成20年度の第2次補正予算において、妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るため、妊娠週数に応じて受診する必要がある妊婦健康診査14回のうち、それまで地方財政措置がなされていなかった9回分について支援するための妊婦健康診査臨時特例交付金が措置され、それを財源に各都道府県に基金を創設し、市町村への補助が行われております。 それにより妊娠から出産までの公費負担による健康診査を受けられるようになりましたが、この事業の実施期限は、平成22年度第1次補正予算により1年間の延長がなされて、平成23年度末となっております。 妊婦健康診査の公費助成については、妊娠中の適切な母体管理の観点から大変重要でありますが、現段階では平成24年度以降の対応が未対応となっております。このことについて県の御認識をお伺いするとともに、県として継続を国に働きかけるべきと考えますが、御認識をあわせてお伺いいたします。 少子化対策最後は、ポリオワクチンについてであります。 ポリオはポリオウイルスが口から体内に入り、のどや小腸の粘膜で増殖、脊髄の神経などを破壊し、手足に麻痺が出る病であり、1960年には年間1,000人単位の患者が発生したそうであります。 その後、日本では生ワクチンを導入し、患者は激減し、1981年以降患者は発生していないとのことであります。 ところが、この生ワクチンは毒性を弱めたウイルスを直接口の中に入れて免疫をつくる方式で、免疫効果は高い反面、ごくまれに体内で強毒化し、ポリオを発症するとのことであります。その数は2001年から2010年の間で15人、100万人に1人の割合とのことであります。 一方、海外で使われております不活化ワクチンは毒性がなく、発症しないそうであります。日本では、不活化ワクチンについては未承認でありますので、希望する場合には個人輸入している医療機関で接種することになるそうで、こうした方が近年ふえているそうであります。 以上、ポリオの予防接種をめぐり、保護者の間で接種を控える動きが広がっております。そこで神奈川県が安全性の高い不活化ワクチンの接種を独自に始めるという方針を出しましたが、県としてどう評価しているのか、また県として独自に取り組む考えがあるのか、お伺いいたします。 次に、看護師不足対策についてであります。 県によると、本県には約4,600人の看護師がいるものの、本県病院の募集定員に対する充足率は7割程度にとどまり、慢性的な看護師不足が続いているとのことであります。その現状と看護師不足が医療現場等に与える影響についてお伺いいたします。 看護師については女性が多く、結婚や出産により現場を離れたり、また新卒看護師の離職など、いわゆる潜在看護師対策も重要であります。しかしながら、この問題については家庭環境の問題であったり、適性であったりと、この問題だけでは看護師不足を解決することは困難であると考えます。 やはり慢性的な看護師不足を解消するためには、県内看護師学校養成所卒業生の県内定着が重要と考えますが、卒業生の県内就業の状況と、その状況を踏まえた県の御認識についてお伺いいたします。 また、県では看護師確保対策事業として、U・Iターンを検討している看護師や家族向けの個別面談をし、U・Iターンの促進を図っているとのことでありますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。 また、県内における看護師等学校養成所をふやしていくことも必要ではないかと考えますが、県の御認識をお伺いいたします。 次に、健康ビジネス連峰政策についてであります。 平成18年、新たな産業興しとして取り組んでこられた健康ビジネス連峰構想については、高齢化社会の時代のニーズを的確にとらえ、2008年には日本経団連で講演を行うなど、この分野では全国を牽引してこられました。 しかしながら、全国各自治体では本県での取り組みを参考にしながら同様の施策を行っている地域もふえてきているようであります。特に規制緩和や税制を優遇する総合特区、とりわけ政府が年内に認定する地域活性化特区では、健康や福祉に着目したものが多く提案されております。 その内容については、高齢者雇用の拡充や高齢者が歩きやすいまちづくりを目指す内容や、医療機器を製造販売できる業者の要件緩和で、血液・血管医療の関連産業集積を目指す内容であったり、医療機関が医療観光の旅行商品を販売できるようにするなど、国際的な医療都市を目指す内容であったり、また特区を利用せずに多くの自治体でさまざまな健康関連産業の取り組みを行っております。 このように、全国的に見ると健康や福祉をキーワードとした独自の地域づくりを目指している自治体がふえてきております。健康ビジネスといえば新潟県という認識を全国に広めていくとのことでありますが、ことしで7年を経過した健康ビジネス連峰政策について、これまでの実績とそれに対する評価についてお伺いいたします。また、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 健康、福祉、医療関連産業トップリーダーが魚沼の地に集い、現状や課題、そして将来について議論し、成果を発信するとともに、異業種間交流を通じてさらなる健康ビジネスの発展を目指す健康ビジネスサミットうおぬま会議が先月開催されました。 このうおぬま会議でありますが、ことしで4回目の開催となったわけでありますが、これまでの実績とそれに対する評価についてお伺いいたします。 また、開催地域周辺の方々は参加しやすい環境にあるものの、他地域の方々は参加しづらく、その恩恵をこうむることは大変難しい状況であります。このことに対する県の対応と、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、エイズ対策についてであります。 去る12月1日は世界エイズデーであります。死の病とされたエイズでありますが、現在では医療の進歩でエイズウイルスの増殖を抑えられるようになり、患者の余命が飛躍的に延びております。 一方で、日本におけるエイズの現状は深刻で、日本は先進国の中で唯一HIV感染者並びにエイズ患者がふえ続けているとのことであります。まずは、このことに対する県の御認識についてお伺いいたします。 ところが、このエイズでありますが、年々検査を受ける人が減少し、病気の関心低下が指摘されております。本県においてはこの傾向が強く出ているようで、HIV感染者の段階で発見される件数よりもエイズ患者として発見される、いわゆるいきなりエイズで発見される件数が徐々に増加している傾向にあります。 ちなみに、平成22年度ではHIV感染者が2件で、エイズ患者が4件とのことであります。このように、本県におけるHIV感染者並びにエイズ患者の届け出数について、HIV感染者の段階で発見される割合よりもエイズ患者として発見される割合が高い状況に対する御認識と今後の対応についてお伺いいたします。 さきにも触れましたが、エイズについては医療の進歩でエイズウイルスの増殖を抑えられるようになり、患者の余命が飛躍的に延びている一方で、高齢になったHIV感染者やエイズ患者の福祉施設への入居や介護サービスの利用が困難な事例があると仄聞いたします。現状と対応についてお伺いいたします。 また、若者のエイズや性感染症の未然防止対策として、中高校生に対して講演会を行うなどの対策を講じておりますが、その効果についてお伺いいたします。 次に、教育問題について質問させていただきます。 本年10月、県教育委員会で正式決定された来年度の高等学校の募集計画が発表されました。加速する少子化で高等学校の統廃合が余儀なくされる中、新津工業高等学校における日本建築科や新潟中央高等学校音楽科ロシアンメソッドピアノ専攻を設置するなど、新潟県という地方でも夢をかなえることができる環境を整えていただくと同時に、本県の文化レベルのさらなる向上も期待されるところであります。 この件を含む中長期高校再編整備計画につきましては、本年7月に平成24年から26年までの年次計画案が公表されました。この中長期高校再編整備計画については、中学生の学校選択や進路指導に大きな影響を与えることから、次年度に設置される学校等の情報を含む同計画につきましては、より早く示すべきであったと考えますが、県の御認識をお伺いいたします。 また、平成24年度から平成31年度までの間に、約3,000人の生徒が減少することが見込まれているとのことでありますが、本県の高校教育を取り巻く現状と課題についてお伺いいたします。 また、県内中学生の学校選択の公平性を保ち、今後も高校再編整備を行うべきと考えますが、御認識をお伺いいたします。 次に、スポーツ振興であります。 去る10月1日、第66回国民体育大会、おいでませ!山口国体の開会式が行われ、県選手団顧問として参加させていただきました。 心配された天候にも恵まれ、天皇皇后両陛下をお迎えする中、全国47都道府県の選手団5,000人が入場行進。また、今大会は3月に発生した東日本大震災からの復興を願い、立ち上がれ!東北 がんばろう!日本、が合い言葉になり、山口県内で採火された炬火のほか、東北3県で採火された炬火もリレーされ、その後、炬火台に点火、熱戦の火ぶたが切って落とされました。その後の本県選手団の活躍は、多くの県民に勇気と感動を与えました。 さて、この国民体育大会でありますが、地方のスポーツ振興と国民の健康、体力の増進、文化の発展に大きく寄与することを目的に開催されてきましたが、全国47都道府県を1巡し、一定の役割を果たしたと感じております。 ところが、2巡目国体になると都道府県における財政的な負担が大きく、非効率的な仮設の競技場の設置や、冬季大会では開催地の決定がおくれたり、国体運営に大きな支障を来しております。 また、競技についても世界トップレベルの選手が、世界選手権やワールドカップを優先したり、国体以外の試合の調整のため出場を見合わせたりと、日本トップレベルとは言いがたい種目も出てきております。 そこで、2巡目国体を経験し、現在の国民体育大会のあり方についてどのように感じているのか、また、どのような大会を目指すべきなのか、あわせてお伺いいたします。 さて、このたびの第66回国民体育大会における本県の男女総合成績についてでありますが、昨年の15位から33位と大きく後退いたしました。県では、トキめき新潟国体における競技力向上の対策を一過性に終わらせることなく、定着させていくことを目的としておりましたが、このたびの国体の成績に対する所感をお伺いいたします。 この山口国体の結果は結果でありますが、私は決してトキめき新潟国体における競技力向上の取り組みは間違いではなかったというふうに考えております。それは山口国体における阿賀黎明高校ボート部少年女子の活躍が証明しております。 各地で甚大な被害を及ぼした7月に発生しました新潟・福島豪雨の災害でありますが、阿賀黎明高校のボート部の練習場でもある阿賀野川の津川漕艇場をも破壊してしまい、地元の阿賀町では実践練習ができない状況に陥ってしまいました。 しかしながら、選手たちは決してあきらめることなく遠征を繰り返し、また懐中電灯の明かりを頼りに夜遅くまで筋トレに励んだりと、地元で実践練習ができないハンディを乗り越え、9月の日本選手権では社会人を押さえ優勝。そして、その後の山口国体でも他を寄せつけずに優勝を果たしました。 このように競技力向上には、ジュニア育成や支援体制の確立が欠かせないものと考えますが、来年開催される2012北信越かがやき総体を前にもう一度体制を構築し、競技力向上に努めていくべきと考えますが、御認識をお伺いいたします。 また、来年開催される2012北信越かがやき総体については、全国のトップ選手の競技力に触れることができる千載一遇の機会であります。競技力向上には、年齢の若いうちに一流選手の競技に触れることが極めて重要と考えますが、県の御認識をお伺いいたします。 最後に、拉致問題であります。 横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された11月15日、ことしも何ら進展の見られない中、忘れるな拉致11・15県民集会が開催されました。小泉元首相の訪朝以来、拉致問題は停滞しており、一方で拉致被害者や家族の方々は年齢を重ねております。また、街頭演説や署名活動を行っても立ちどまる方は大変少なくなっており、時間とともに国民、県民の関心が薄れていること、また拉致事件が風化していることを感じざるを得ません。 こうした中、拉致問題を一日も早く解決しようと、拉致問題担当大臣がかわるたびに北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会として早期解決に向けた要望を行っておりますが、政府からは何ら解決に向けた動きが見えてまいりません。このままでは、新年を迎えることになってしまいます。 野田内閣が発足してから3カ月が経過しましたが、野田内閣における拉致問題解決に向けた取り組みについての知事の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 冨樫議員の一般質問に順次お答えをいたします。 まず初めに、本県の市町村合併の評価についてお尋ねがございました。合併の効果をどう評価するかと。目に見えて実感をするためには、やはりある一定程度時間が必要ではないかと考えております。そして、その目安としてよく言われますのが、10年程度時間がかかるのではないかということが指摘をされているところであります。 したがいまして、まだ10年には至っておりませんので、もう少し様子を見た上で最終的な評価をしてまいりたいと考えております。 なお、現時点においてどうかということですが、行財政の効率化、財政基盤の強化、これは御指摘のとおり合併の目的で掲げられていたわけであります。進んでいる自治体、そうでない自治体があるかと承知をいたしております。 また、住民サービスの提供体制でありますが、これもさまざまでして、よくなったというところと地元で決められなくなったというようなマイナスの評価も含めて、さまざまあるというふうに承知をしております。 特に合併によって周辺地域という形になってしまっているエリアについて、問題が生じている部分もあるという認識を持っております。いずれにしても、一つの区切りの時期が来た段階で、県としての評価をまとめたいと考えております。 次に、交通問題についてお答えをいたします。 まず、日東道が担う役割についてでありますが、県北地域の救命救急センター、御承知のとおり新発田にあるわけでありまして、やはり守れる命を守るということ、これは日東道の整備に大変重要な意義を与えているというふうに考えております。 命をつなぐ道路、これはBバイCとか経済性で判断することではなく、どこに住んでも助けられる命は助けられるという環境をつくることがまず第一義であるというふうに考えております。 さらに整備をすればということですが、新潟港の拠点性の向上につながる可能性があると思っておりますし、また災害時の広域の代替ルートを確保するということも意味があると考えております。 東日本大震災の際に日本海側の交通網が整備をされていれば、さらに円滑な物資輸送、これが可能だったのではないかと考えております。これは震災のときだけではなくて、今後、東北地方を復興していくというためにも、この日東道の整備というのは大変重要な役割を果たしてくれるというふうに期待をいたしております。 次に、福祉・医療問題についてお答えをいたします。 まず、子育て支援のあり方についてであります。子育て支援の中の子ども手当は施策効果がはっきりしないという議員の御指摘でありましたが、世界に目を転じてみますと、フランス、スウェーデン等北欧で実施をしています子ども手当、これはそれ以外の施策と相まってということになると思いますが、効果ははっきりと目に見える形であらわれていると認識をいたしております。 特にフランスやスウェーデンでは、第2子以降、すなわち子供が2人以上生まれるとさらに負担が大変になりますので、この負担感を軽減するために第2子以降に手厚く子ども手当を支給するという制度をとっています。 その結果、1.5程度まで下がった合計特殊出生率が2まで回復をしているということであります。やはり、少子化対策に一定の効果を上げていると認識すべきであると考えております。 安心して子供を産み育てる環境を整備するためには、やはり2つの要件を同時にそろえなければいけないと思っています。1つは、2人目、3人目も安心して育てられるだけの経済的環境を整備するということ、そして経済的にゆとりがあっても時間的ゆとりがなければ子育てできないわけですから、時間的ゆとり、これを同時達成するということが必要だと考えております。 県といたしましては、経済的支援として子育て世帯の家族構成、経済状況に応じて子ども医療費の助成などを行っているところであります。引き続き、必要な支援に努めてまいりたいと思います。 加えて、共働き世帯で特に問題になっております病児・病後児保育、こういった多様な保育サービスができる環境の整備に努めてまいりたいと思います。 次に、妊婦健康診査の公費助成についてであります。 議員御指摘のとおり、妊婦健康診査は母体や胎児の健康管理を進めていくために大変重要であると考えております。国の制度が中途半端な設計になっておりますので、やはり不安を抱かれている方も多いと考えています。 国で制度を始めて、地方に負担を押しつけるということをすると地方財政は成り立たなくなります。突然、地方への協議もなく子ども手当の半分財源を持てみたいな乱暴な話が次から次へ出れば、それは施策展開は無理になるということだと思っています。 平成24年度以降も妊婦健康診査に対する公費助成が継続されるように、引き続き国に働きかけてまいりたいと思います。また、単独でやるだけではなく、全国知事会や全国衛生部長会等も通じまして全国的な流れになるように努力をしてまいりたいと思います。 次に、不活化ポリオワクチンについてであります。 ポリオは流行のおそれということも指摘をされております。やはり、安全な形で予防接種を受けていただくということが重要であると考えております。 しかしながら、御指摘の不活化ワクチンについては、トラブルがあったときに現在の国の制度では救済制度が適用されないなど、課題が幾つか指摘をされているわけでありますので、県として独自に取り組む取り組みの仕方、どうすべきかということも含めて検討してまいりたいと思います。 なお、現状、課題については福祉保健部長からお答えをいたします。 次に、看護師等の学校養成所の新増設についてであります。 大学、養成所の中で比べてみますと、養成所は県内出身者が多くて、かつ県内就業率が高くなっております。特に看護師不足ということも大変強い現状というものが本県の中にありますので、この養成所をふやしていくということは、看護職員を確保する上で有効な方策の一つというふうに考えております。 このため、県としては施設整備や運営に対して現在支援を行っているところでありますけれども、さらに新増設に向けまして病院、養成所の関係者への働きかけを強化してまいりたいと思います。 なお、看護職員のU・Iターン促進の具体的な取り組み状況については、福祉保健部長から御説明をいたします。 次に、健康ビジネス連峰政策についてであります。 これまでの評価についてのお尋ねがありました。県内企業へのモデル的な取り組み、さらに先進的なビジネスの紹介、さらには異業種間の交流等々を進めてきたところであります。 また、御指摘のありましたうおぬま会議には大変多くの企業さんから参加をしていただきまして、県内のみならず県外からの参加者も大変多いという状況であります。 政策プランの中間評価では、県内健康ビジネスの付加価値額の進捗状況はおおむね順調と評価をされているところであります。 今後につきましては、健康ビジネス協議会とさらに密接に連携をしてまいりたいと思います。そして、今後成長が期待できる分野、県内企業のさらなる新規参入、これは製造業も含めて可能性があると思っています。こういったところの促進、そしてまた販売力強化への支援、これに努めてまいりたいと思います。 加えて、やはり国のさまざまな規制が健康ビジネスの発展を阻害している面があります。薬だけではなくて、医療機器ということになると国の承認が必要と。そのために長い時間がかかる。 後ほどまた御説明いたしますが、例えばロボットスーツのようなものは、日本で発明がされているにもかかわらず、実験は国外ということになってしまうと。このような体制を直していかなければ、伸びる産業を伸ばすという機会を失っているということにほかなりませんので、国への働きかけをさらに強化をしてまいりたいというふうに考えております。 結果として健康関連産業、健康で長生きができ、さらにそこでビジネスが展開できるような環境をつくっていくために努力をしてまいりたいと思います。 次に、スポーツ振興についてお答えをいたします。 今後の国民体育大会のあり方についてでありますが、議員御指摘のとおり世界的な競技大会と調整しなければいけない。もう少し具体的に言うと、トップ選手が世界大会を優先するので、国体には出ないよという形が散見をされるという状況になっています。 同時に開催都道府県の財政負担の問題、それも施設が整備をされるということになればいいのですが、何億円もかけて仮設の施設をつくって、その後壊すというような非効率な運営になってきているという現実、これは深刻に受けとめるべきだろうと考えております。 運営全体のあり方、これは国レベルで検討することが必要な時期に来ていると考えています。毎年やったほうがいいのか、それとも4年に1回にしたほうがいいのか等も含めて、抜本的な議論をすべきではないかと考えております。 目標は国体が名実ともに国内最大級のスポーツ大会となって、トップアスリートが競い合い、注目される大会になるということが必要だと思います。 オリンピックの出場権を国体優勝者に付与するというようなことをやれば、トップアスリートが集まるということになると思うのですが、新潟大会を開催する際にも日体協とやりとりしてみましたけれども、結局4人出てしまうのです。オリンピック期間に国体優勝者が。そうすると、だれが出れるのかということが調整できないと。毎年やる以上はこの問題がクリアできないということになっています。 ワールドカップの出場との関係をどうするのか。そもそも仮設の競技場を全国でつくっては壊し、つくっては壊しということがいいのかという点。こういった問題点も含めてよく議論をして、見直すべき時期に来ているのではないかと考えております。 次に、拉致問題についてお答えをいたします。 野田内閣の取り組みについてでありますが、野田総理は、これまでの民主党政権の中では、首脳会談や国際会議などの場面で拉致問題解決への意思をアピールされてきているというふうに感じております。しかしながら、この3カ月間を見ても解決に向けた具体的な動きが見られないという状況であります。 また、尾身議員の代表質問にもお答えをいたしましたが、拉致問題を解決するためには、相手方がどう見ているのかということをよく意識しないといけないということだと思っています。日本の中で必ずしも優先順位が高くないと見れば、それは解決できないということだと思っています。 政権内での優先順位、この不況下で消費税を上げるなどという問題をトップに挙げずに、拉致問題をトップに挙げるという強い姿勢を見せなければ、交渉には応じてもらえないということではないかと思っています。 被害者の全員の帰国につながる再調査の早期実施、これを北朝鮮に強く求めるなど、政権内での施策優先順位を変えていただきたいと考えております。そして、ぜひとも一刻も早く拉致問題を解決していただきたいと考えております。   〔総務管理部長安居徹君登壇〕 ◎総務管理部長(安居徹君) 合併した県内市町の財政状況と県の対応についてでありますが、合併市町におきましては、これまでの間、行財政改革の推進とたゆまぬ努力により、財政の健全度を示す経常収支比率等はおおむね改善傾向にあります。 しかしながら、議員御指摘のとおり交付税算定方法の特例期間経過後は普通交付税が大幅に減額されますことから、一層厳しい財政運営が見込まれます。 このため県といたしましては、住民サービスの維持向上を図るため、行政のさらなる効率化が必要と考えており、合併市町に対しその旨助言しているところです。   〔福祉保健部長若月道秀君登壇〕 ◎福祉保健部長(若月道秀君) 8点お答えをいたします。 不活化ポリオワクチンの課題についてでありますが、不活化ワクチンは国において導入に向けた作業が進められており、生ワクチンと比べ接種後の重篤な副反応の危険性が少ないとされる一方で、健康被害救済制度がないこと、接種費用の自己負担が生じること、十分な量のワクチンが確実に入手できるか不明であることといった課題があるものと認識しております。 次に、看護師不足の現状とその影響についてでありますが、毎年4月の病院看護職員の採用状況は、ここ数年、募集人数の7割程度の充足にとどまっております。医療現場への影響としましては、時間外勤務や夜勤回数の増加などにより労働環境が一層厳しくなっているものと考えております。 次に、看護師等学校養成所卒業生の県内定着についてでありますが、平成23年3月の卒業生で看護職員として就業した者888人のうち、県内に就業した者は665人で、県内就業率は74.9%となっております。 県といたしましては、一人でも多くの看護職員を確保するため、卒業生の県内定着を高めることが重要と考えております。そのため、病院就職ガイダンスや修学資金の貸し付けなど、さまざまな確保対策に取り組んでいるところであり、今後も引き続き県内就業率の向上に努めてまいります。 次に、看護職員のU・Iターン促進についてでありますが、県といたしましては、これまでのナースバンクによる職業紹介に加え、昨年度から県外在住の看護職員や学生等に向けて、県内看護職員の求人情報を閲覧できるホームページを立ち上げ、今年11月末現在で180施設を掲載し、幅広く情報提供しているところです。 また、今年度、修学資金の貸し付け対象を県外の看護師等学校養成所の学生にも広げたほか、特に首都圏で県内病院等への就職について個別に相談できる面談会を開催するなど、U・Iターンの促進に向けて取り組んでいるところです。 次に、国内のエイズ患者等の増加に対する認識についてでありますが、厚生労働省のエイズ動向委員会の報告によれば、平成22年の国内のHIV感染者及びエイズ患者の届け出数は過去2位の1,544件であり、ほぼ一貫して増加傾向にあります。 このことは、感染予防のための啓発が国民に十分に行き届いていないためと考えられ、本県も含め早急に対応すべき課題であると認識しております。 次に、県内のエイズ患者等の現状と今後の対応についてでありますが、本県の届け出数のうちエイズ患者の占める割合は、過去5年間で見ると全国平均のおよそ2倍の約6割となっており、感染に気づかない人が多いという憂慮すべき状況と認識しております。 県では、こうした方々に早期に検査を受けていただけるよう、6月のHIV検査普及週間や12月の世界エイズデーにおけるイベントの開催に加え、休日街頭検査の実施、各種メディアとの連携、新潟県元気大使を活用した普及啓発などに取り組んでいるところであり、引き続き切れ目のない情報発信と検査機会の確保に努めてまいります。 次に、患者や感染者の施設入居等の現状と対応についてでありますが、患者や感染者の方が施設入居等の希望をされる場合、プライバシーへの配慮の観点から、これまで主に医療機関が中心となり調整を行ってきましたが、受け入れ施設の確保が困難な事例があったと聞いております。 今後、患者や家族からの申し出があった場合に適切に対応できるよう、保健所、医療機関において課題認識の共有を図るとともに、個々のケースへの支援を通じて療養支援体制の整備を進めてまいりたいと考えております。 次に、中高校生に対する講演会などの対策の効果についてでありますが、県が行う講演会の内容は単なる性感染症予防の啓発だけではなく、思春期における性に関する全般的なテーマを取り上げ継続的に行うものであり、教職員や保護者の方にもこうした取り組みの重要性を改めて認識いただく機会になっているものと考えております。 講演会後のアンケートでは、エイズや性感染症のことがよくわかった、予防できる病気であることがわかったとの声が寄せられていることや、講演会をきっかけとして学校と地域の連携による取り組みを始めた市町村がふえていることからも、一定の効果を上げているものととらえております。   〔産業労働観光部長高井盛雄君登壇〕 ◎産業労働観光部長(高井盛雄君) お答えします。 うおぬま会議についてでありますが、うおぬま会議は、健康ビジネスに取り組む県内企業にとって最新の研究成果や他企業の取り組みに接することができる重要な機会となっており、特に今回は世界的に注目されているロボットスーツHALに関する会議を開催するなど、充実した内容になってきたと考えております。 また、開催地については、健康ビジネスに関する取り組みが盛んであること、首都圏からの交通アクセスがよいことなどを理由に、当初から魚沼地域としてきたところでありますが、議員御指摘の点も踏まえ、今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。   〔土木部長田宮強志君登壇〕
    ◎土木部長(田宮強志君) お答えします。 日東道における計画段階評価の進捗状況と事業化に向けた取り組みについてでありますが、大渕議員の代表質問にお答えしたとおり、計画段階評価において、現在アンケート等による地域意見の取りまとめを行っていると国から聞いております。 今後も関係各県や関係市町村と連携しながら、早期に事業化されるよう国に対してより一層積極的に働きかけを行ってまいります。   〔教育長武藤克己君登壇〕 ◎教育長(武藤克己君) 御質問5点についてお答えいたします。 まず、県立高校における新設学科等の公表についてでありますが、今回公表の新津工業日本建築科等の新たな学科の設置につきましては、予算措置を伴うことから、公表時期に一定の制約があることを御理解いただきたいと思います。 今後は、御質問の趣旨を踏まえ、できるだけ早期に公表できるよう努めてまいりたいと思います。 次に、本県の高校教育を取り巻く現状と課題についてでありますが、中学校卒業者数の変動や価値観の多様化、また高校教育に対する社会のニーズの変化等に適切に対応することが課題と認識しております。 今後とも高校再編整備に当たりましては、中学生の進路希望や地域の状況などを精査し、中学生が主体的に学校選択できるよう、魅力的で特色ある学校づくりを進めてまいりたいと思います。 次に、第66回国民体育大会における本県の成績についてでありますが、全国順位が昨年の15位から33位と大幅に後退し、まことに残念な結果となったことを真摯に受けとめております。 なお、現在、県体育協会が行った今大会の検証・分析結果に基づき、第67回国体での躍進に向け強化活動に鋭意取り組んでいるところであります。 次に、競技力向上についてでありますが、ジュニア選手の育成、強化は本県競技力向上に不可欠であり、ひいては国体成年種別の強化にもつながるものと考えております。 2012北信越かがやき総体に向けては、現在、強化の拠点であるスポーツ活動推進重点校を中心に、競技力の向上を目指し強化活動に取り組んでいるところであります。 次に、2012北信越かがやき総体についてでありますが、全国高校総体は各都道府県予選を勝ち上がった選手が日本一を目指す大会であり、オリンピックメダリストのほとんどはこの大会の経験者であります。 県内の多くの児童生徒が大会を観戦し、トップアスリートの競技に触れることは、より高いレベルへの意識づけや技術の習得にもつながり、本県競技力の向上に大きく寄与するものと認識しております。 以上であります。 ○議長(村松二郎君) 冨樫一成君の質問は終わりました。 次に、金子恵美君の発言を許します。金子恵美君。   〔金子恵美君登壇〕(拍手) ◆金子恵美君 自由民主党の金子恵美でございます。本年平成23年は、3月に東日本大震災、長野県北部地震、7月には本県の豪雨に数々の台風と、たび重なる自然災害が我が国を襲いました。 悲しくつらい出来事の多かった本年も残りわずかとなりましたが、来る新たなる年が国民、県民にとりまして心穏やかな、また元気と勇気に支えられる1年となることを心から願いながら、以下通告に従い、順次お伺いいたしたいと思います。知事初め執行部の皆様にはよろしくお願いいたします。 まず初めに、福祉行政と地方労働行政の一体化に関してお伺いいたします。 先月11月、本年7月時点の生活保護の状況が公表、報道されました。受給者数が200万人を超え205万人に達し、1995年の88万人を底に逐年増加し、史上最高となったと新聞紙面に大きく活字が躍りましたことは御承知のとおりであります。 しかし、205万人という受給者数もさることながら、私は問題の本質はその実態、その内容にあり、その内容的変化にこそ焦点が当てられるべきと思います。 すなわち、受給世帯のうち高齢者世帯63万世帯、傷病者世帯32万世帯ではない、いわゆるその他世帯が25万世帯にもなっている点であります。換言すれば、勤労世代あるいは現役世代が急増を見ているという時代的変化にこそ着目すべきものと思うのであります。 この点だけ見ましても、公的扶助、生活保護という典型的な社会保障、社会福祉行政が、今や職業、就労、雇用という労働行政と密接不可分にして、それこそ一体化されるべき時代に入ったと認識すべきではないでしょうか。 しかしながら、現行の制度、体制は、簡潔に表現すれば福祉は地方公共団体の事務、労働は地方団体の及ばぬ国の事務となっているのであります。このことは、地方行政に係る歳出決算総額96兆円のうち、労働費は9,188億円で1%にも満たないことからも統計的にも実証的にも明らかであります。 質問の第1点は、今述べましたような生活保護行政と雇用労働行政との連結一体化の必要性増大という認識に関して、就労意欲はあっても職につけない生活保護受給者に対しては、雇用労働政策と一体化した支援が必要と考えますが、福祉行政を主体とする県はどのようにお考え、今後どのようなアクションをされんとお考えなのでしょうか。まず、基本認識についてお伺いしておきたいと思います。 2点目は、本庁の福祉保健部というよりは公的扶助、社会福祉を直接担っている市町村を含む社会福祉事務所等の現場では、生活保護受給世帯の自立に不可欠な職業訓練や職業紹介などの労働行政上の諸案件に関してはどのような対処をされているのでしょうか、お聞かせください。 雇用は我々福祉の仕事ではないという悲鳴が聞こえるとも言われます。恐らくは所管が国の仕事、国の機関ということで大変御苦労されているものと推察いたしますが、国任せにして丸投げ放置されていないことを願うばかりです。 3点目は、直近に発足した制度であり、国と県をめぐる具体的な問題でもある求職者支援制度に関してであります。 本年10月から生活保護制度という安全網に加え、いわゆる第二のセーフティーネットとしてこの制度が創設されましたことは御案内のとおりであります。問題は職業訓練、職業能力開発とその後の職業紹介、雇用にあることは言うまでもありません。 その意味におきましても、県としても国の事務とはいえ自治体としての総合行政の立場からいっても、また地域を先導すべき県の役割から申しましても主体的な機能を発揮すべきと私は考えますが、これまでのところ県の労働行政はどのような役割を果たされているのでしょうか伺います。 最後に、当初県議会でも知事にお尋ねした労働行政の改革について再度お尋ねいたします。 繰り返しになりますが、福祉と労働行政との連結が重要な時代に入ったわけであります。当初県議会で私は、時代的にこれほど重要度を増しつつある雇用労働行政に県政、市町村政ともに、したがって首長も地方議会も裁量権、政策決定権を欠く現行制度を改めることは急務ではないでしょうか、と御質問いたしました。 知事からは、労働行政を中央集権一括でやるのではなく、大幅な権限移譲を国に対して求めてまいりたいと積極、前向きの御答弁をいただきましたが、この改革に関するその後の動向はいかがでしょうか。 知事には全国知事会等で重ねて強いお訴えを継続していただきたいものと考えますが、労働行政の権限移譲に関する知事の御所見をこの際改めてお聞きしておきます。 福祉分野と同様に、県や市町村の窓口において自治体職員から直接就労や雇用の相談支援を受けられる日が近からんことを願って、次の質問へ移ります。 次に、農業人材政策、担い手問題についてお伺いいたします。 私は、このたびのTPP論議によって農業、農村の重要性が改めて再認識されたものと受けとめております。TPPへの賛否、方針がいかなるものであろうと、日本農業、そして農村社会を維持発展させなければならないことは変わりありません。 TPPを初め、対外的な通商政策に関連して、今後農政としてもさまざまな役割、機能が議論されるものと思いますが、やはりかなめとなる政策は農業人材、具体的には次世代人材の参入促進政策であろうと考えます。 この問題に関しては、これまでも国、県それぞれ御努力されてきたところでありますが、若き人材の農業参入なくして農業の持続も活路も望むべくもなく、今後とも実効ある政策を探求し、全力を傾注すべきことは当然であります。 執行部におかれましては、これから新年度予算編成に向けての施策を検討されるわけでありますが、その際、ぜひ強化充実を図っていただきたい点を私なりに数点申し上げたいと思います。 その1つは、次世代に示し得る仕組みを、技術習得、生活資金の支援、経営計画達成の経済的サポートなど、切れ目のない連続したパッケージの支援策として構築していただきたいのであります。 そこで、新年度予算編成において、農地集積、法人化推進、基盤整備、技術取得、経営政策、農業金融など、いわば縦割りの組織分割的な制約を極力少なくし、一体的、総合的な連続性を持った支援策の総合化を図るべく、いま一度御検討いただきたいと思いますが、そのお考えはおありでしょうか。 2つ目は、担い手政策の対象として、農業の経営発展を目指すような担い手政策と集落存続の地域担い手との相違を明確にした施策はできないものか、お伺いいたします。 3つ目は、担い手人材対策に取り組み、成果を上げんとする地域には、通常の措置を上回る上乗せ措置を講ずるという手厚い支援策を講じるなど、市町村における担い手確保・育成策をバックアップすべき時期に至っていると思いますが、地域の取り組みにインセンティブを与える方策についてはいかがお考えでしょうか。 4つ目は、直接的な人材確保策ではありませんが、若い世代の就農希望者に向けて、将来展望が持てるように特別にこれからの県農業経営の方向性、活路を明示することが望ましいのではないでしょうか。その中には、当然、新規需要の掘り起こしや直売などのいわゆる6次産業化、また対外取引などが含まれるべきであります。 いずれにいたしましても、これからはいかなる新規の施策、事業であっても、必ず当該施策と人材確保施策と組み合わせながら展開されるという庁内慣行を県農業行政に取り入れる必要があると考えておりますが、いかがお考えか、お伺いいたします。 農業の担い手問題の最後に、青年農業士についてお尋ねいたします。 青年農業士制度は、将来とも農業において活躍が期待される青年を知事が認定し、学習意欲を喚起するとともに、自主的な組織活動を助長し、自信と誇りを持って農業経営を実践する県農業の中核となる農業者を育成するものと伺っております。 私も地元で青年農業士の皆様とお話しさせていただく機会がありますが、農業に対する姿勢や考え方が大変しっかりされており、また地域の若い農業者のリーダーとして活躍している姿を頼もしく感じております。 こういった農業者がさらに経営者としてのスキルを磨き、将来、6次産業化や対外取引などを通じて付加価値の高い農業を実践し県農業をリードしていけば、県農業の活路も開けるものと確信し、期待しております。この意味で青年農業士の存在が地域でもっと評価されるべきと考えております。 県内各地で意欲的に農業に取り組む青年農業士を知事はどのように認識していらっしゃいますでしょうか。また、今後の県農業の発展に向けて青年農業士にどのような役割を期待されているのかをお伺いし、次の質問に移ります。 次に、公立図書館と指定管理者制度についてお伺いいたします。 2003年、指定管理者制度を導入する地方自治法改正からはや約10年。2006年、従前の管理委託制度が廃止され、多くの自治体が実際に指定管理者を選定してから5年。それだけの期間の経過と運営の経験を有するに至りました。 その意味におきまして、県の2011年度の包括外部監査が指定管理者制度による公の施設の管理運営をテーマとされたことは時宜を得たものと思いますし、その監査結果に大いに注目するところであります。 指定管理者制度一般の全体的な考察はそちらにゆだねることとし、私がここで取り上げたいのは、かねてから議論の多い公立図書館とこの制度との関係についてであります。 まず、県下公立図書館における指定管理者制度導入の現況はどのようになっているのでしょうか。県下公立館全体における導入の趨勢、トレンドとしてはどのように現状認識されているのか伺います。 次に、多くの専門家や関係者からは、指定管理者による管理は公共図書館の設置目的からは離れていくおそれがあるという指摘がなされています。一口に言葉の上で公立館の使命といっても難しい議論でありますが、その一つとして専門性の維持、発揮が万人の求める責務として挙げられることは言うまでもありません。 利用者の利便や顧客へのサービスに腐心するばかりでは、肝心の専門性レベルが低下していくとの多くの懸念の声がありますことは御承知のとおりであります。 公立館の専門性発揮の具体的な責務の一つとして、他の図書館及び学校図書館との連携、支援があります。私が最も懸念しますのは、指定管理者管理となった場合に、他館、とりわけ学校図書館との交流、連携、支援に影響を及ぼすことはないかという点であります。 学校図書館へのサポート機能が従前にも増して発揮されるということは想像しにくいのでありますが、実態はどのように変化しているのでしょうか、この点もあわせて伺います。 質問の第3は、それと関連することではありますが、指定管理者にゆだねた館においては、1、利用者ニーズの調査、2、利用者満足度に関するアンケート調査、3、目標数値による達成度公表といった責務達成には不可欠なことは事業者サイドにおいて実施されているのでしょうか。 最後に4番目として、いずれにしても指定管理者による管理が運営経費の縮減や運営管理の効率化を企図することは当然に予想されることでありますが、その側面にウエートが置かれ過ぎますと公立館としての機能が縮小され、その魅力も薄れ、結果として住民の利用は遠のき、結局、予算支出、管理コスト縮減の効果を失わせる結果となりかねず、利用者へのサービスが向上したと言えるのか疑問であります。 その意味において、多くの公の施設の中で、やはり図書館はその基本的性格上、指定管理には慎重かつ厳重なチェックが欠かせないものと思います。 公立図書館は直営でなければならぬとか、いや、もっと民間能力、ノウハウを注入しなければという、いわば官か民かの議論は実益がないというよりも、もはや古いと言えましょう。 今や問題は、官と民の双方の力が結集されているかどうか、結果、成果として住民サービスが客観的に向上を見ているかということであると思います。これまでの実態から見て、公立図書館における指定管理者制度導入による成果と課題について最後にお尋ねして、この項を終えることといたします。 次に、魅力ある高校づくりについて伺います。 本年度創設された魅力ある私立高校づくり支援事業は、各私立校の魅力向上、生徒能力の伸長を目的とした新たな取り組みを支援しようとするものであり、その趣旨、目的を理解した上で、事業の成果を達成するという観点から、以下御質問いたします。 第1は、私立高校には私立学校法に基づくコントロールが及ぶにしても、一般的な経常費助成や通常の施設設備費補助とは違い、教育内容そのものに及んでくる助成については、相当に慎重な運用が必要かと思われます。この点に関しての県としてのお考えはどのように整理されているのか、その哲学をまず伺います。 第2は、補助目的達成の評価に関してであります。 助成対象が教育内容そのものに及んでくる場合には、その及ぶ度合いが深ければ深いほどその補助事業の達成度の評価が難しくなることは言うまでもありません。 助成金受領者である各学校法人に対して、補助事業者の義務として学内の評価体制や評価手法、評価情報の扱いなどが要求されるのは、その意味においても当然のことと思います。 私が伺いたいのは補助事業者ではなく、その逆の立場にある助成金の交付決定者としての県側の体制なり対応いかんということであります。この支援制度の成否判断は、単に私学側の体制整備の問題ではなく、むしろ公金交付者側の評価体制、評価方法、評価結果の扱いこそ問題であると私は考えるからであります。 第3は、言うまでもないことですが、教育に関する補助政策の達成は、一般的な経常費や施設設備費を対象とする助成の場合を除けば、単年度ではなく相当の期間、相当の歳月、スパンを要するものであります。 国際人材の育成、進路実現、スポーツ・芸術才能発現は、いずれも中長期的な取り組みを必要とするものと考えます。したがって、本支援策それ自体についても中長期的な展望が不可欠と思います。 予算措置及び事業採択、交付決定は単年度あるいは単年度ごととしても、支援継続のスパンなり支援終了後の措置など、県としての考え方が明らかにされることが望ましく、また欠かせないものと思いますが、この点、すなわち継続性に関してはいかが想定されているのでしょうか、お尋ねします。 第4は、この私学に対する支援措置の趣旨目的である魅力ある学校づくり、生徒能力を伸長させる高校教育などは、私学に限らず県立高校にも求められているとする保護者の声が多いという点であります。 既に県立高校でも取り組みが始められていると伺っておりますが、そこでお聞きしたいのは、県立高校のこれらの取り組みに対する学校運営費予算措置やその配分においてどのような配慮がなされているのかどうか、お伺いいたします。 あわせて、その数値目標や評価手法をお聞かせの上、その成果評価、結果評価はどのようになっているのかをお示しください。 特色ある教育や個性的な取り組みを求める県民の声は、私学においても県立学校においても同様に反映されなければならないものであり、そこに公私の差が存在することは教育行政における県の財源投入のあり方としても問題があると私は考えるものであります。 第5は、そのことと関連することでもありますが、ぜひ私学におけるこの支援事業の成果を県立学校でも生かすための効果的な措置を別途お考えいただきたいということであります。 県の財政支出による私学における取り組み成果と圧倒的割合を占める県立高校が、その成果を互いに共有し合うという流れは想像するだけでもすばらしい姿であり、補助金政策の効果としてもこれ以上のものはないものと思います。私立学校の成果を県立学校でも生かすべきと考えますが、御所見を伺います。 以上、いずれにいたしましても、この補助金が対象とする国際人材育成、難関進路実現、生徒才能発現への取り組みは、本県の次世代人材の育成確保という中長期課題にかなうものであり、それは公立、私立ともに力を合わせ達成すべき性質のものと考えます。 一例として、私の地元の話で恐縮ですが、県立白根高校がこの夏の全国高校野球選手権新潟大会において、私立の強豪校の中で見事ベスト4に輝きました。 選手総数14人ながら、また公立高校でありながらこのような実績を残すことができたことは、他の公立高校にとりましても希望となったことでしょう。野球は人数や能力ではなく日々の努力、と胸を張る選手にスポーツの原点を見た思いがいたしました。 このように、スポーツの分野なり芸術文化の分野なりで潜在的才能を開花できるような環境づくりが推し進められることを切に願い、またその意味においてのこの支援事業の成果に大いに期待しておりますことを申し添え、この項の質問を終わります。 最後に、健康づくり、スポーツ、体育の推進についてお伺いいたします。 疾病予防からリハビリまでなどと言われて久しく、その後も時代の変化を背景に、健康増進、介護予防、生活習慣病予防、ロコモ運動、心ケアなど、運動・身体活動に関する新たな需要は、潜在的に膨大なものとなっています。 こうした新規の向健康需要への公的対応が、県民生活上の喫緊度及び優先度から急がれるべきものと考えます。 健康増進法第8条に定める都道府県健康増進計画の実行計画として、平成18年3月、本県の健康にいがた21実行計画が策定され、20年度からの特定健診・特定保健指導制度の導入に伴い、また国による医療費適正化計画の策定もあり、生活習慣病予防対策の一層の充実強化を図る必要が生じたことから、21年1月にはその改定が行われております。 それぞれ重点目標及び目標値等を9分野別に設定していますが、名称は健康づくり実行計画となってはいるものの、実質的には9分野ごとの分野別の進行管理に放置される仕組みにとどまっており、行政執行としての推進責任主体、実践責任主体は構築されていないように思われます。 中でも、その一つ、運動・身体活動分野は実行計画とされていますが、健康づくりを網羅した9分野の中の一分野として埋没しがちな位置づけであります。 推進体制は健康運動分野検討委員会が中心的な役割を担うこととなっていますが、同委員会が責任ある推進主体、進行管理主体となり得るには、相応の政策裁量と予算裁量につながる制度の中での位置が付与されなければならないと考えますが、実態はどうでありましょうか。 また、目標、指標が平均歩数、運動習慣割合のみで過少であるのみならず、その達成に必要な取り組みについての県としての政策的主導性がうかがい知れません。特に生涯スポーツ部門との連携強化は、県行政自体がみずから率先して取り組むべき課題と考えますが、いかがでしょうか。 さらに、地域における実践主体である市町村の取り組みを支援、誘導する仕組みにも言及されておらず、結果的に地域丸投げのおそれが感じられるため、対市町村向けの施策提案を急ぐべきであると考えますが、今後どのように取り組まれるのかお聞かせください。 スポーツ、体育、運動等はいずれも多義的概念であります。向健康需要を専らまたは直接に健康につながる領域と限定定義し、概念の単純化を図ることが先決であり、基本となります。 このような概念の狭義限定をすればするほど医療や福祉との距離感が短縮される一方、医学を初めとする科学的根拠の明示がより必要になります。したがって、学問的・理論的知見に基づく指導体制が不可欠であり、独立した政策企画をする仕組みづくりが望まれると考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。 以上、5項目にわたり質問させていただきましたが、最後に1点だけ要望として申し上げさせていただきます。 御承知のように、本年は雇用機会均等法施行から25年の節目の年であります。また、平成13年稼働の政府の共同参画基本計画から10年の歳月を経過した時点に当たる年でもあります。 その意味におきましても、この年末から明年度の予算編成に取り組まれる県の共同参画に関する施策に期待する声が大変に大きいと受けとめております。 政府は、御案内のようにこの問題を21世紀我が国社会を決定する最重要課題と位置づけて取り組んでいるところであります。県としても地域、区域の特性に応じた自治体施策をお考えいただきたいところでありますが、明年度はぜひ多くの人々に積極的改善措置、ポジティブアクションと受けとめられるような新規施策ないしは拡充措置を講じていただきますよう要望させていただきます。 最後は要望、お願いの筋となって恐縮ですが、質問に対します率直な御答弁をお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 金子議員の一般質問に順次お答えをいたします。 まず初めに、労働行政についてであります。地方との関係というところでありますが、議員御指摘のとおり現在の労働行政、国が基本的に所管をいたしているわけであります。 一方で労働者、そしてまた労働環境にとっては、だれが所管しているって余り関係なくて、要はどのような形で生活を維持し、そしてまた、いざというときにセーフティーネットをどのように張るかということ、これが一体で構築をされている必要があるということだと思っています。 例えば、失業して困ったというときに、これは就職できればその場で問題が解決するわけですが、それがかなわなければ生活保護ということになってしまうケースもある。そしてまた、家庭の事情によっては御家族の中で介護が必要な方がいるために就職することができないというケースも考えられるということなので、お一人お一人の状態に合わせてワンストップで相談できるような体系というのが不可欠だと思っています。 したがいまして、御指摘のとおり本県でも生活保護受給者が経済状況が厳しい中で増加をしているのに福祉事務所に行くのか、ハローワークに行くのかばらばらという体制、これは是正していかなければいけないということだと思っています。 加えて、就職しようと思ってハローワークの機械を操作すると結構資格が必要なのです。職業訓練も一緒に相談できる体制というのをつくっておかないと円滑にいかないだろうというふうに考えています。 こういった観点を含めまして、ぜひとも福祉政策、産業政策、さらには相談・援助機能、一体で運営できる体制をつくっていけるようにさらなる努力をしてまいりたいと思っています。 組織上の理由でなかなか首を縦に振ってもらえない部分はあるのですが、ハローワークについては全国トップを切ってU・Iターンセンターを新潟県が設置をしておりますネスパス、東京表参道ですが、ここで国との共同作業を始めております。 こういう事例も含めて、抜本的には権限移譲ということになると思いますが、まずはできることから努力をしてまいりたいと考えております。 次に、農業の担い手政策についてでありますが、これも議員御指摘のとおり担い手対策を進めていかなければ持続可能な社会というものがつくれません。特に農村の破壊は日本の食料安全保障の力を弱めるということになりますし、そもそも人類が生きている限り食料生産をやはり第一義に考えていくということは変わらないということだと思っています。 担い手対策に取り組んでいけるようなインセンティブ、そしてまた、後継者になりたい、また育てたいという人にインセンティブを与えるという仕組みを社会全体でつくっていくということは、これは不可欠であるというふうに考えております。 このため今求めていますのが、国が実施している所得補償制度、これに地域の裁量が発揮できるようにしてほしいということです。中山間地域でも、また広大な面積を持っている平野でも、全国一律の支援制度ということになると、後継者育成というところがおざなりになってくるわけであります。 やはり、後継者育成をできるような仕組み、制度に変えていく必要があるというふうに考えています。新潟版所得保障モデル事業、この中には後継者支援にインセンティブを与える仕組みを取り入れておりますので、地域裁量を与えていただければ新潟県はもう準備オーケーですから、いつでもこのインセンティブを与える体制がとれています。 ぜひとも全国一律ではなく、地域の事情に合った裁量をこの現場に近い地方政府が発揮できるような仕組みを取り入れていただきたいと、国に改善を働きかけてまいりたいと思います。これがなれば、直ちにこれまでのモデル事業の成果を反映してインセンティブを与える仕組みを導入したいと考えております。 次に、6次産業化と人材育成を組み合わせた担い手政策についてであります。 これも今の話と類似をする部分があるのですが、6次産業化を進めていくためには、やはり意欲のある若い人が入ってきて、さまざまにチャレンジをしていくということは大変重要だと考えております。 そしてまた、若い世代がこの6次産業化に取り組むことによって、みずからの人生設計が大きくプラスに変わっていくということも必要だろうというふうに思っています。若い世代の就農希望者が将来展望を持てるように、6次産業化施策と人材育成施策は一体として取り進めていけるように施策を構築してまいりたいと思います。 次に、青年農業士に対する認識と期待でありますが、やはり社会が安定をしていく、そしてまた、きょうよりあしたがよくなるという希望を持てるためには、若い人が夢と希望を持って農業に入ってくる、地域社会を支えていく仕組みというのがどうしても必要だと思っています。 そういった中で、青年農業士の皆さんは、地域農業の中核的な担い手の役割を果たしていらっしゃいますし、さらには、後を追って入ってこられる若い農業者へのよき助言者でもあるというふうに認識をいたしております。 このような青年農業士の皆さんが日々活動をする中で、さらに夢と希望が持てるような環境、これをつくっていくことが必要だと思います。今ほどもお答えをしましたとおり、6次産業化、そしてまた後継者育成、そして付加価値をつける経営、こういったものの取り組みを牽引していただける大変重要な方々でいらっしゃいます。 こういった方々が夢を持っていただけるような、若者のモデルとなっていただけるようなことができるような環境整備をするということをお誓いをいたしまして、あわせて強い期待を申し上げたいと思います。 次に、魅力のある高校づくりについてお答えをいたします。 まず、私立高校に対する助成についてでありますが、これは議員御指摘のとおり私立学校は建学の精神というものを持っていますので、その自主性によって特色のある教育を積極的に今後も提供していただきたいと思っています。個性のある人材の創出を図っていくべきものと考えています。そうした努力を前提として私学助成を考えていきたいと思います。 魅力ある私立高校づくり支援事業については、学校側からさまざまな主体的な提案を受けております。そして、その私立高校の一層の魅力向上につながるすぐれた取り組みに対して支援を行うものでありますので、さらにこの取り組みは強化をいたしたいと考えております。 次に、本事業の継続性についてでありますが、実施校が事業目標を達成するためには、これも御指摘のとおりある程度の期間が必要であると考えております。そのため、県の支援を行うに当たりましては相当程度の期間が存続するという前提で、審査委員会による評価などを実施してまいりたいと思います。 次に、健康づくり、スポーツ、体育の推進についてお答えをいたします。 スポーツ、体育、運動等に関する政策企画の仕組みづくりについてお尋ねでございました。御指摘のとおり、これらは相互に関連をしているということだと思っています。 それぞれ健康づくりを進めるためにはスポーツ施策の充実が必要ですし、体育の教育、これを進めることによってスポーツが高まり、結果として健康づくりにつながるという相互連関する関係にあるというふうに考えております。 実際、県の施策企画立案に当たりましては、医科学健康センターというものを設置しておりまして、理論的な分析等をここで実施をしているということもございます。 一方で、御指摘の組織については、形式化している側面というものも否定できないと考えております。これはなぜだろうと考えてみますと、外部から意見をいただく、伺うという機会をつくりたいということで、各組織のトップがメンバーに入っている連絡調整会議というものが設定をされている一方で、では外部から意見を聞いてそれを具体的にどのような施策企画立案をするのかという点については、これは関係部局が複数に分散をしているという状況でありますので、意見を聞きながらかつ総合的に企画立案をするところと、それから理論分析をするところが、やはりもう少し改善をして政策を立案する余地があるのではないかなというふうに受けとめています。 現在、県民生活・環境部、福祉保健部、教育庁と分散所管ということになっていますので、外部の意見を聞いた上で、具体的な予算化につなげていけるような仕組みづくり、これを強化する方向で検討したいというふうに思います。   〔総務管理部長安居徹君登壇〕 ◎総務管理部長(安居徹君) 魅力ある私立高校づくり支援事業の評価についてでありますが、県では実施校から定期的に中間報告を受けるとともに、選定にかかわった外部有識者による審査委員会を年度内に再度開催し、当年度の事業成果と次年度の事業計画を評価することとしております。 また、その結果については県のホームページなどを通じて公表したいと考えております。 なお、実施校におきましても校内に学校関係者を中心とした評価体制を構築するとともに、評価結果を事業計画に反映するよう努めることとしております。   〔福祉保健部長若月道秀君登壇〕 ◎福祉保健部長(若月道秀君) 4点についてお答えをいたします。 生活保護受給者に対する雇用労働政策と一体化した支援についてでありますが、知事がお答えをしたとおり、生活保護受給者に対してより効果的な就労支援を行うためには、これまで以上に福祉事務所の相談援助機能とハローワークの職業紹介機能が一体となって支援を行っていく必要があり、国に求めています権限移譲と一体で支援のあり方を見直していかなければならないと考えております。 次に、生活保護受給者に対する労働行政上の支援についてでありますが、県内の福祉事務所におきましては、生活保護受給者に対する就労支援を強化し、経済的自立を促すため、今年度から、福祉から就労支援事業をハローワークと連携しながら実施しております。 具体的な支援としましては、福祉事務所とハローワークの担当者で構成する支援チームが策定した支援計画を踏まえ、職業紹介及び職業訓練等を行っており、10月現在で全県で189名を就労支援対象者とし、103名が就労しております。 このほか福祉事務所では、ハローワークへの同行や面接指導等の就労支援を専門的に行う就労支援員を配置するなど、生活保護受給者の自立に向けた支援を行っております。 次に、健康にいがた21実行計画における健康運動分野検討委員会の役割等についてでありますが、この委員会は、計画に基づく施策の推進、進行管理に関し、有識者や関係機関・団体等の意見をお聞きするため、年1回定期的に開催し、委員会の意見等を踏まえながら各種の取り組みを進めております。 議員御指摘の点を踏まえ、今後は体制をどうするか検討してまいりたいと考えております。 次に、計画の目標達成に向けた県の役割等についてでありますが、議員御指摘のとおり県及び市町村において生涯スポーツ部門と健康づくり部門との連携は重要と認識しており、総合型地域スポーツクラブなどを活用し、県民が運動に取り組みやすい環境整備に取り組んでいるところであります。 また、市町村が地域の特性に応じた健康づくり事業を推進するに当たり、県は市町村の取り組みの支援として、ウオーキングイベントのモデル事業実施など、県民が健康づくりに取り組みやすい環境整備の視点から取り組んでいるところですが、今後、市町村の主体性を尊重し、支援していくための仕組みを検討してまいりたいと考えております。   〔産業労働観光部長高井盛雄君登壇〕 ◎産業労働観光部長(高井盛雄君) 2点についてお答えします。 まず、求職者支援制度に関する県の役割についてでありますが、本制度は雇用保険の受給者を対象としたこれまでの公共職業訓練では救えなかった求職者に対して、職業訓練と訓練期間中の生活給付を行う国の制度として創設されたものであります。 県としましては、公共職業訓練の受講機会拡充を図る立場から、関係機関で構成する新潟県地域訓練協議会のメンバーとして職業訓練の計画策定に参画しているところであります。 次に、労働行政の権限移譲に関する動向についてでありますが、ハローワークについては、本年3月末に県としてまずは1カ所以上の移管を求める提案を行ったところであります。さらに8月には、全国知事会から移管に向けた検討を速やかに進めることを強く申し入れたところでありますが、現時点では政府において実質的な検討が始まっていない状況にあります。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) 2点お答えいたします。 若い農業人材の確保・定着対策についてでありますが、農業経験のない若者が就農し経営を安定させるためには、さまざまな能力の獲得や資本装備等が必要であり、議員御指摘のとおり就農の各段階に応じて必要な支援を継続して実施することが重要であると考えております。 現状においても、就農前の相談活動や研修の実施、就農後の資本装備支援や経営・生活資金の融資等、各段階での支援を実施しておりますが、さらに実効あるものとなるよう検討してまいりたいと考えております。 次に、担い手の対象に応じた施策についてでありますが、議員御指摘のとおり地域条件に応じた多様な担い手の育成が重要であると考えております。 このため、大規模化や高付加価値化を目指す経営体に対しては、農地集積や6次産業化を支援するとともに、中山間地域などの担い手が不足している地域では継続的な集落営農体制の整備を支援するなど、地域の実情に即した担い手の確保、育成策をさらに推進してまいりたいと考えております。   〔教育長武藤克己君登壇〕 ◎教育長(武藤克己君) 御質問6点についてお答えいたします。 まず、公立図書館における指定管理者制度についてでありますが、県内には県及び23市町村で分館、地区館を合わせて71図書館が設置されており、うち6市村14図書館において導入されております。 今後につきましては、事務事業の効率化や住民ニーズの多様化などにより指定管理者制度を導入する自治体は増加するものと認識しております。 次に、指定管理者制度導入図書館と学校図書館との連携等についてでありますが、導入後の学校への図書の貸し出し冊数はおおむね増加しており、また児童生徒に対する読み聞かせ、ブックトークや職場体験の受け入れなど、直営図書館と同様、学校図書館と連携を密にし、協力を行っていると聞いております。 次に、指定管理者制度導入図書館における事業評価等についてでありますが、導入した市村では当該市村の基準により利用者ニーズや満足度の調査、数値目標の達成度等について、定期的に評価を実施しておりますが、評価結果の公表につきましては一部の市村では行われていないと承知しております。 次に、図書館への指定管理制度導入の成果と課題についてでありますが、開館時間の延長や開館日数の増加、民間事業者のノウハウの活用による柔軟な図書館運営などにより、利用者の利便性が向上した反面、契約期間が限られるため長期的な施設運営や専門的知識、技術の蓄積などに課題が残ると考えております。 いずれにいたしましても、図書館の運営に当たりましては、それぞれの自治体が地域の実情を踏まえ、住民サービスの向上の観点から最適な管理運営形態を選択すべきものと考えております。 次に、県立高校における魅力ある学校づくりについてでありますが、平成21年度からオンリーワンスクール推進事業、平成22年度から魅力ある高校づくりプロジェクトに取り組んでいるところであり、それぞれ必要な予算措置が講じられております。 また、評価につきましては外部評価委員による評価等を勘案いたしますと、おおむね良好との認識であります。 次に、魅力ある私立高校づくり支援事業との関係についてでありますが、今後、私立高校における取り組みの成果を検証し、効果的なものについては県立高校にも取り入れてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、互いに切磋琢磨し、本県の高等学校の一層のレベルアップにつなげることが必要と認識しております。 ○議長(村松二郎君) 金子恵美君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時52分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(中野洸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、宮崎悦男君の発言を許します。宮崎悦男君。   〔宮崎悦男君登壇〕(拍手) ◆宮崎悦男君 自由民主党の宮崎悦男でございます。年末に当たり、この1年を振り返ってみると、冬の豪雪災害から始まり、東日本大震災、長野県北部地震、新潟・福島豪雨と本当に災害の頻発した1年でした。 小千谷市においても、2月には中山間地域で4メートルを超える積雪を観測、災害救助法が適用されました。7月の豪雨災害では、市内を流れる表沢川がはんらんし、水防活動をしていた方がお亡くなりになりました。同時刻にその現場付近で活動をしていた私は、豪雨によって表情を一変させた表沢川を目の当たりにして、自然の恐ろしさと命のはかなさを痛いほど感じました。 水害、豪雪、大震災等、たび重なる災害を身をもってくぐり抜けてきた私たちには、机上の空論に終わらない危機対応能力が宿っていると思います。その同じ思いは、知事もお持ちであると思います。災害のたびの知事の迅速な対応には心から感謝しております。 実体験に基づくこのような危機感をこれからの安心・安全な県民生活を送るために生かしていくことが私たちの使命であると考えます。今回は、こうして骨にこたえるようにして得てきた防災意識を踏まえながら質問させていただきます。 まず初めに、原発再開の是非と原子力防災計画の見直しについて伺います。 先般の9月定例会で、知事は、福島原発の検証がなされない中で、柏崎刈羽原発の再稼働について議論する段階にない、との答弁をなさいました。県民の安全と安心を第一義に考えれば、事故の検証が何よりも先に行われるべきであることは私も同感です。 しかし、福島原発事故はいまだ収束せず、最終的な検証はいつになるのか不明であります。検証がないと議論ができないというばかりでは、思考停止になりかねません。検証結果によって対応が変わることは当然ですが、今のうちにさまざまなパターンを想定し、今からできることを準備していくことが大切なのではないでしょうか。 そこで質問ですが、柏崎刈羽原発を再稼働する判断について、福島原発事故の検証以外にもIAEAで定める目安と同等のUPZ圏内の市町村の同意を得ることは再稼働する上での最低条件と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、今回の福島原発事故はこれまで想定された原子力防災の枠を大きく超えたものとなり、本県でも安全だとされていた自治体も防災計画の範囲に入りました。 県内24市町村が参加している市町村による原子力安全対策に関する研究会では、電力会社と事故通報協定を締結することを検討しておりますが、このような協定を締結する自治体の意見も柏崎刈羽原発再開是非の判断材料の一つと考えますが、知事の所見を伺います。 恐らく国も電力会社もできるだけ早期に再開したい意向であるとは思いますが、このたびの事故を受けて全国の立地自治体では安全性の確保と雇用の場など生活の確保の間で苦悩しているものと推察しております。また、UPZ圏内に含まれる自治体についても今回の福島原発事故により状況が一変いたしました。 そこで質問ですが、柏崎刈羽原発の再開の是非について、県、立地自治体、またはUPZ圏内の自治体など関係者が多数存在している中、最終的には県民の負託を受けた知事が再開の是非について判断するものと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、原子力防災計画についてお伺いします。 本年11月初めに、国の防災指針検討ワーキンググループから、原子力発電に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方が示されました。これを踏まえて、県から事務局案が示されましたが、避難区域に加え、避難指示の命令系統や避難先の考え方など踏み込んだ内容になっており、今後の議論のたたき台として評価するものであります。 しかし、過酷事故時に県民の安全を守るには、さらに議論を深め、関係市町村などからの意見を十分に反映させる必要があると考えます。 先週9日の柏崎市議会でも、会田市長が、5キロ圏内の避難方法について、バス避難を前提とした避難方法を見直し、自家用車による避難の検討も必要と述べました。 過酷事故の際、目の前を多くの車が通り過ぎている間、5キロから30キロ圏内の県民がおとなしく待っていられるだろうか。集団心理として、なし崩し的に避難を始めやしないか。避難指示を出した段階で既に渋滞で、30キロ圏内の住民が思うように避難できなくなるのではないか。避難道路が地震により通れなくなったら、また、降雪期の場合はどうでしょうか。地震により道路が傷めば除雪もできない。待機している間に道路に雪が積もり、避難指示が出た際には身動きもとれない。今挙げたのは複合災害の一例であります。 先日の代表質問で、原発事故時の避難指示は知事が出すと答弁されました。知事から避難指示を出すことは基本的に理解できますが、災害現場は複合的な問題が次々と発生してきます。時には自治体が県に対して避難する旨を伝える場面も発生するかもしれません。指示系統の一本化による硬直化が起きぬよう、今後も議論を深める必要があると考えます。 そこで質問ですが、さきに示された県の事務局案では、市町村及び関係機関の理解と協力なしには達成できない内容であり、十分な議論が必要であります。今後は知事のリーダーシップのもと調整を図っていくべきと考えますが、最終的な体制整備が整うまでの課題と今後のスケジュールについて伺います。 また先般、県はこの事務局素案について自治体向けの説明会を行いましたが、自治体の反応について伺います。 次に、県が示した事務局素案では、放射線量監視区域を県内全域に設定し、安定沃素剤の配備やモニタリングポストの整備などを実施するとしております。 そうした場合、PPA圏50キロを超えて本県独自で設定した地域に関しては、国の財源確保が課題になることが考えられます。今後は、他の原発立地道県と足並みをそろえて国へ要請していくことも必要と考えますが、知事の所見を伺います。 また、今回の福島原発事故に伴い設置する可搬型のモニタリングポストについて、どういう条件のもとに設置場所を決めているのか伺います。あわせて柏崎刈羽原発の防災対策のために設置するモニタリングポストは、どういう条件のもとに設置場所を決めるのかについても伺います。 次に、UPZ圏の拡大により、今まで原発事故とは無関係と考えていた自治体も対象範囲に含まれることになります。そのような自治体は、原発に対する専門知識がなく、対策を考える上で大変苦慮していると仄聞しています。 県では、国に対し関係自治体の計画策定、専門知識を有する要員養成への協力、支援を求めていますが、県としても専門職の紹介や情報提供を行っていくべきと考えますが、所見を伺います。 次に、県では国に対しモニタリング機器等の原子力防災に必要となる資機材の早期整備に向けて、国において確実に財政措置を行うことを求めていますが、今後、防災重点地域における避難道路や屋内避難所となるコンクリート施設の整備に係る安全対策費用についても国へ財源措置を求めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 続きまして、中越大震災新潟モデルの施策展開について伺います。 早いもので、中越大震災から7年が経過しました。私の住む小千谷市では、住民のほとんどが被災し、避難を余儀なくされましたが、反面、そこで培った教訓は得がたいものでした。そして、これが東日本大震災の被災者支援に大変生かされたと考えております。 震災から8年目を迎え、復興計画は被災地で新しい日常が創設される第3次復興計画の発展段階に入りました。これからが新潟モデルとしての真価を問う時期と考えますが、これまでの成果と今後の課題について伺います。 また、第3次復興計画では中越大震災復興基金について、震災10年目以降も引き続き必要な経費について存続することが必要とされていますが、復興基金の活用状況と今後の方針について伺います。 本年10月には中越地区に6カ所のメモリアル拠点が誕生し、震災の体験と教訓の発信力が強化されました。知事からも施設の見学をいただき、あわせて貴重な助言もいただき感謝しております。 仏つくって魂入れずにならぬよう、この施設を有効活用し、本県が経験した2度の震災の教訓をいかに全国へ伝えていくかが今後の課題と考えます。そのためには、県と関係自治体、中越防災安全推進機構が同じ志を持って連携しながら、それぞれの役割を主体的に果たしていくことが重要と考えます。 そこで提案ですが、関係自治体・機構と一体となって全国の自治体の防災担当職員、自主防災組織やNPO法人等を対象にした防災研修プログラムを研究し、実施してはいかがでしょうか。単に記録を読んだり聞いたりするよりも、実際に見たり体験することで生きた防災力が身につきます。新潟モデルが凝縮されたメモリアル拠点なら、生きた防災力を発信できます。 内閣府も災害被害を軽減する国民運動に積極的に取り組んでおります。研修プログラムを、近い将来、全国の防災研修拠点として国の施策に取り上げてもらえるよう提案、全国に新潟モデルを紹介し、頻発する災害から人命を守ることが復興を助けてくれた全国の方々への恩返しになると考えます。 そこで改めて質問ですが、震災メモリアル拠点施設について、今後は自治体の防災担当職員や自主防災会向けの防災研修プログラムを作成するなど、兵庫県にある人と防災未来センターのような防災研修拠点としての機能を担うことも必要と考えます。県としても関係自治体や機構と連携しながら研修プログラムを研究し、震災の経験と教訓を生かした新潟モデルの発信と施設の持続的な活用が図られるよう検討を深めていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、児童生徒への防災教育についてでありますが、文部科学省の24年度概算要求において学校での防災キャンプ推進事業が盛り込まれました。よりよい防災教育を児童生徒に行うには、何よりも指導者となる教員の育成が必要と考えます。 そこで質問ですが、中越大震災の経験と教訓を発信する観点から、震災メモリアル拠点施設を活用した学生指導者プログラムを策定してみてはいかがかと考えますが、教育長の所見を伺います。 あわせて、児童生徒を対象に、震災メモリアル拠点施設を活用した防災学習旅行を県内の各学校で実施してみてはいかがかと考えますが、所見を伺います。将来的には文部科学省の施策として取り上げてもらえるように提案してみてはいかがかと思っております。 次に、防災グリーンツーリズムについて伺います。 東日本大震災の際、小千谷市では被災地から避難してきた方々250名を民泊で受け入れ、疲れた心をいやすお手伝いができました。今回の県内への受け入れは、まさしく知事が推進している防災グリーンツーリズムの真価が問われたものであったと思います。 知事が宣言された防災グリーンツーリズムは、首都圏直下型地震で最大700万人とも言われる避難者を想定し、県内に100万人の受け入れを目指すとしてあります。 大災害時、100万人の受け入れは理想ではありますが、中越大震災の実体験や東日本大震災の被災者受け入れの現状から、その数値はかなりハードルが高い目標であると考えます。なぜなら、100万人という数字は新潟県民の40%以上であり、単純に人口割をすれば人口3万9,000人の小千谷市だけで1万6,000人、新潟市に至っては30万人以上もの被災者を受け入れる計算になるからであります。 そこで質問ですが、防災グリーンツーリズムの目指すところが人と人とのきずなであるとするならば、受け入れ人数を再検討した上で、心の通った受け入れ態勢をつくる必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 また、100万人の受け入れを目指すのであれば民家やホテルはもちろんのこと、全公共施設を駆使しても達成が危ぶまれ、環境も劣悪な状態になりかねません。受け入れ態勢は県内自治体はもとより、近隣各県との連携、協議が必須だと考えます。 県内の受け入れ団体や市町村との役割分担並びに施設の確保、食料や日用品の確保などさまざまな対応が必要になってくると考えますが、県の取り組み状況について伺います。 次に、新潟港の振興について伺います。 近年著しい発展を遂げている北東アジアの日本海側の玄関口として、新潟県が持つ優位性はだれもが認めるところであると考えます。県でもコンテナの取扱量増加やコンテナ航路の増設を計画しています。この計画が実現するには、国内からの荷主をどのように集めるかが課題であります。 本年9月の埼玉県、群馬県、新潟県の三県知事会議において、対岸貿易による産業振興の共同研究として、新潟港の優位性をPRするためのセミナーを開催するとあります。3県は上越新幹線や関越自動車道、国道17号などの交通インフラが整っており、埼玉県知事も経済界を巻き込み、3県が連携して新潟港の貨物量を増大させる利便性を高める戦略に積極的な意見を述べております。 そこで質問ですが、三県知事会議での取り組みとして埼玉県、群馬県からのコンテナ貨物を新潟港へ持ってくることは、コンテナ貨物の取扱量を増加させる上で大変有効と考えますが、実現に向けての課題と可能性について知事の所見を伺います。 本年11月に新潟港が日本海側拠点港として選定されるとともに、全国で5港の総合拠点港にも位置づけられました。選ばれたことは大変喜ばしいことではありますが、応募23港のうち約8割の19港が選定されているという状況になっております。国が進めている選択と集中の観点から、今回の拠点港選定結果を知事はどう受けとめているか伺います。 今回の東日本大震災では、東北の太平洋側が被害に遭いましたが、国の太平洋偏重のインフラ整備により、救援物資の輸送も滞りがちになる状況が発生しました。リダンダンシーの観点からも日本海国土軸の形成が必要であると改めて感じたところであります。 港に関しても東日本大震災により打撃を受けた八戸港や仙台港の代替として、新潟港のコンテナ貨物取扱量が増加しております。日本海国土軸形成の観点からも増加したコンテナの取扱量を維持し、機能強化をしていくことが必要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。 次に、障害者雇用の促進について伺います。 知事は、昨年の記者会見で、障害者雇用促進プロジェクトチームを新潟労働局と一緒に立ち上げた上で、何とか新潟県の障害者実雇用率を上げていきたい、と発言されました。 新潟労働局の発表によりますと、本年6月1日現在で、本県の障害者実雇用率は法定雇用率1.8%を下回る1.54%であり、前年の全国46位からは浮上したものの43位という大変不名誉な結果となっております。これには、あらゆる方策をとって率の向上を図っていくことが喫緊の課題と考えます。 そこで質問ですが、本県の障害者実雇用率について中小企業での雇用率が低いことが原因の一つとして挙げられておりますが、その理由を含め、本県の障害者実雇用率が低い原因をどのように分析しているのか伺います。 また、本県の障害者実雇用率を上げていくためには率の高い他自治体の取り組みについても分析し、本県で取り組めるものはすぐにでも取り組んでいくべきと考えますが、知事の障害者雇用にかける意気込みについて伺います。 障害者就労では、一般企業などで就労する一般就労と授産施設などで就労する福祉的就労に二分され、そのどちらにも課題があります。県も一般就労に向けては雇用促進プロジェクト計画を立ち上げました。福祉的就労においても授産施設の工賃倍増計画を掲げ、平成18年度比で23年度末には工賃倍増を果たそうと努力をしております。 しかし、世界的な景気低迷も重なり、努力に見合う成果が余り上がってきていないのが現状ではないでしょうか。先日、新発田市ののぞみ工房に視察に行った際、障害者の方々が器用にテーブルセンターを織っておりました。小千谷でもさまざまな作業を行っております。 どこの現場においても職員の方々の努力や工夫には本当に頭が下がりますが、どうしてもその作業の多くが単純作業の下請的な内容にならざるを得ません。よって、一般企業への就労を目指した訓練とは言えない部分も見受けられ、個々の能力や適性に合わせて働くことが難しいのが現状だと思います。 そのため、本来であれば障害者の自立を手助けするはずの入所施設が、長期生活のための場にならざるを得ない状況にあると思います。 そこで、一般就労と福祉的就労の中間的な就労の場、社会的雇用の制度について検討してみてはいかがでしょうか。これは大阪府箕面市や滋賀県が取り組んでいる事業で、一般就労には至らないが、働きたい思いを持った障害者がみずからの能力、適性に合わせて働くことができて、かつ自立して生活するに足る賃金が受け取れる制度であります。 本県においても箕面市の社会的雇用について取り組めないか検討し、障害者に新たな選択肢を提供できるよう研究してみてはいかがかと思いますが、知事の見解を伺います。 本県においても障害者雇用促進のため、4つの柱で取り組み、障害者の雇用の場の確保、拡大を図っておりますが、知事は昨年の記者会見で、特例子会社設置に向けたワーキングチームの設置に期待している、との発言がありました。 そこで最後の質問ですが、今年度から特例子会社設立支援として、特例子会社設立に係る助成金交付事業を創設しましたが、県内企業の反応について伺います。 知事は、産業は福祉の糧と公約でおっしゃっております。ぜひともあらゆる知見を生かし、障害者雇用の促進を図っていただきたいと思っております。 以上、5項目にわたり質問いたしましたが、知事の率直な答弁をお願いいたしまして、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 宮崎議員の一般質問に順次お答えをいたします。 まず初めに、柏崎刈羽原子力発電所の再開についてであります。 まずやらなければいけないことは、福島第一原発の事故の検証であると考えております。手続を含めて、再稼働について議論する段階にはないと認識をいたしております。 次に、柏崎刈羽原子力発電所の再開の判断材料についてでありますが、県内市町村が東京電力と事故通報協定を締結することについて検討しているということを承知いたしております。 福島第一原発の事故の検証がなされない中で、何を再開のための判断材料にするのかというお尋ねでしたが、現段階においては再開を前提とした議論をする段階にないと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の再開の是非についてでありますけれども、今ほども申し上げたとおり、まずやらなければいけないことは福島第一原発の事故の検証と考えておりますので、手続を含めて再稼働について議論する段階にはないと考えています。 次に、原子力防災体制の整備についてであります。 災害は一つ一つ顔が違うと、宮崎議員も十分に御承知のとおりだというふうに思います。それぞれの災害の検証結果を通じまして、その都度明らかになった課題、これを踏まえて対応していかなければならないと考えております。防災体制の整備に終着点はないというふうに考えております。 今回お示しをいたしました考え方につきましてもこういう認識を持っておりますので、常に見直しを行っていくということとして対応してまいりたいと思います。 次に、放射線量監視地域の設定に伴う財源確保についてであります。 このたびの素案につきましては、実効性のある防災対策を進めるために避難対応やモニタリング体制など、まずやらなければいけないことは何なのかということを中心に整理をしたものであります。 御指摘のとおり、これらを実施する上ではやはり財源が必要になりますので、財源についてはしっかり対応していく必要があると思います。県といたしましては、これら防災に係る経費については国において確実に措置すべきものと考えています。 現在、国におきまして防災計画を見直しする作業、原子力防災計画の見直しのための作業をしておりますので、これが固まる前に申し入れをしたいというふうに考えています。年内に原子力防災部会を開催して、ある程度のまとめられる意見はまとめた上で、国が方針を固める前に必要な対応については申し入れをしてまいりたいと考えております。 加えて、市町村や関係機関の皆様からの御意見をいただきながら、原発立地道県で構成しております協議会を通じての要請、これも引き続き行ってまいりたいと思います。 次に、安全対策に係る財政措置についてであります。 現在、過酷事故時における対策の考え方の素案をお示しいたしております。市町村などからも必要となる財政措置についても御意見をちょうだいしております。これらを踏まえまして意見をまとめて、後手に回らないように改めて国に要望をしてまいりたいと思います。 次に、中越大震災新潟モデルの施策展開についてお答えをいたします。 まず、これまでの成果と課題についてでありますが、震災から7年を経過いたしました。被災地では、依然としてボランティアの皆さんとかNPOなどの皆さんからさまざまな支援、交流が続いておるというふうに認識をいたしております。 集落ごとに自己完結に近かったような社会の仕組みから、都市との交流や地域の特色を生かしたさまざまな取り組みが始まっているというふうに認識をいたしております。 その一方で被災地では、これも地域差があるのですが、若い方が平場に転居したというケースもありました。過疎化、高齢化が進展しているという現実もあります。 持続可能な地域社会、そしてまた、日本の伝統文化を守っていく、また食料安全保障にも資するような被災地の再建というものをつくり上げていくということが課題であると認識をいたしております。 次に、震災メモリアル拠点施設の活用についてでありますが、これも議員御指摘のとおり震災の経験と教訓を生かしました新潟モデルの発信、そしてまた、施設の持続的な活用、大変重要だと思っております。 私も、人と防災未来センターに行ってまいりました。ハードだけではなく、被災の跡地を残し、かつ研修プログラムを持っているということであります。実体験に即した研修プログラム、大変有益であると考えております。 展示物については、多少誇張がなされているという部分がありまして、そういう意味で今回のメモリアル拠点は、本当に当時の状況をそのまんまほうふつとさせるような、大変よく考えられた展示になっておりますので、研修プログラム等で訪れていただく方には大変有意義ではないかというふうに受けとめています。 中越大震災基金にも、これは教育のためのプログラムをつくる費用を別途、別会計で措置をしているということもありますし、それから東日本大震災で中越の経験が引き継がれたという部分もあるわけでございます。 そしてまた、これから復興を進めていく上で、一つのモデルとしてこの中越エリアの視察ということも相次いでおりますので、御指摘のとおり運営主体である中越防災安全推進機構の取り組み、これを支援するとともに、県事業等における活用についても努めてまいりたいと思います。 次に、防災グリーンツーリズムについてお答えをいたします。 住宅施設を中心とした受け入れ側の受け入れ態勢の構築についてであります。防災グリーンツーリズムを必要と感じた最大の理由は、これは中越大震災のときがそうだったのですが、多くの受け入れ、特に体が言うことを聞かなくなってしまう。 つまり、体育館の上で1週間、10日と過ごすと、やはり高齢者にはかなりこたえると。そしてまた、小さなお子さんをお持ちの母親にとっても大変厳しい環境になるということで、遠距離避難というものをしたらどうかという話は当時もありました。 しかしながら、全く知らない土地に行くということにはやはり抵抗感があって、移動していただけるケースというのは1週間なり10日なりたって親戚の方が心配をして、それならうちに来いよということで声がかかったときには、個々人のつながりで遠距離に避難するというケースはありましたが、大量に町内会単位で避難するというのは相当難しいという経験をいたしましたので、ふだんからつながりを持てるような環境をつくりたいということで、この防災グリーンツーリズムを提唱したわけでございます。 日ごろからの交流を通じて築いたきずなをもとに、顔の見える相手、ここを頼ってその方々の住んでいる地域、できれば第二のふるさととしてふるさとを持たない都会の人との交流をふだんから進めていくという上でも重要ということで取り組みを進めてまいりたいと思います。 都市側のニーズによって、これも災害の形態、場所によって違ってくると思いますが、さまざまな対応の仕方があると思います。近隣の県で対応し切れない場合等々、一時的に体育館等を活用した受け入れ、これもあり得るということだと思います。 災害の対応時にはお手洗いの問題、これは上水道のほかに下水道がどうなるかによって被災地の避難所というのは相当厳しい環境に置かれる可能性、特に大都会であればその傾向が強いということだと思っていますので、そういったところの体育館よりはより環境のいいところに避難するということは、可能性として想定しておくことも必要だろうというふうに考えております。 一方で、福祉避難所を中心に、対象者としては100万人にしているけれども、同時に100万人は必ずしも来ないというケースもあり得るわけで、むしろ自主防災組織の代表者等々が新潟県の実態をよく承知していただいた上で、高齢者、病弱の方、小さいお子さんをお持ちのお母さんを中心に避難をしてくるということもあり得るということだと思っています。 同時受け入れを最初から目指して数ありきということではありませんので、最終形の目標としての受け入れの目標は変えませんが、議員御指摘のとおり信頼できる相手のもとにある安心感、そしてまた、被災経験を生かした健康管理や心のケアなどの支援によりまして、避難してこられた方々の心に寄り添った受け入れができるよう、引き続き取り組みを進めてまいりたいと思います。 次に、新潟港の振興についてお答えをいたします。 まず、埼玉県、群馬県からの貨物確保の課題と可能性についてでありますが、新潟港を利用していただくために何が大事かといえば、やはり荷主さんが求めるサービス水準、これを競争力のある価格で提供できるかどうか、ここが大きな課題であるというふうに考えています。 世界じゅうが、一体化をするグローバル経済の中で、サプライ・チェーン・マネジメントを的確にこなすということが、企業の生き残りに直結をするという状況になっているわけであります。この荷主さん側のニーズにこたえられるような体制整備ということが極めて重要であると考えています。 今後の可能性については、貨物の動きなどを調査した上で対応を図ってまいりたいと考えております。 なお、具体的な課題等につきましては交通政策局長から答弁いたします。 次に、日本海側拠点港の選定結果についてでありますが、これは従前から申し上げているとおりなのですが、日本政府が拠点港を選定したからといって船がやってくるわけではありません。新たに航路が開設されるというわけでもありません。応募数に対する選定数の多寡をもって評価することに大きな意味はないと考えております。 そこには、やはり船主さん、それからさまざまな荷主さんも含めて新潟港を利用するメリットというものがなければ、ハードだけ投資をして、整備はしたけれども使われないということになりかねませんので、やはりいかに使われるかということが重要だということだと思っています。 現在、東港でバースの整備を進めていますが、なぜこれが優先順位を国の中で上げていただくことができたかといえば、沖待ちが発生をしたから、今の能力ではさばき切れないということを認識していただいたので、整備に着手できたということです。 整備をすれば船が来るという関係になっていませんので、まずは今回の日本海側拠点港形成に向けたスタートラインに立ったという認識のもとに、利用拡大に向けた取り組みを進めてまいりたいと思います。そして、競争力のある港づくりを進めるため努力をしてまいりたいと思います。 次に、障害者雇用の促進についてお答えをいたします。 まず、障害者雇用にかける意気込みについてでありますが、障害者雇用を通しまして企業や働く人々を初め、社会全体に共生の輪が広がっていくと。そして、障害の有無にかかわらずすべての人が相互に尊重し合う社会の実現に向けて、さまざまな知恵を振り絞って全力で取り組んでまいります。 次に、障害者の社会的雇用制度の創設についてであります。 議員御指摘の制度については、さまざまな課題もありますので、総合的に判断をしてまいりたいと思います。 なお、制度の課題については福祉保健部長から御説明を申し上げます。   〔県民生活・環境部長中村稚枝子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(中村稚枝子君) お答えいたします。 中越大震災復興基金の活用状況と今後の方針についてでありますが、これまで生活再建、住宅再建等10分野138事業を事業化し、平成23年10月末現在で執行可能額654億円の約88%に当たる575億円余りを執行しております。 今後は第3次復興計画を踏まえ、引き続き持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを支援するとともに、10年経過後において必要とされる財団の機能についても被災地の復興状況を踏まえながら検討していくこととしております。   〔防災局長飯沼克英君登壇〕 ◎防災局長(飯沼克英君) 4点についてお答えいたします。 柏崎刈羽原子力発電所の過酷事故時における対策の考え方の説明会についてでありますが、市町村の皆様からは、県が広域調整の役割をしっかり果たすべきことや財政措置などについて熱心に御議論いただいたと認識しております。 現在、改めて市町村や関係機関の御意見を募っているところであり、今後それらを踏まえて原子力防災対策の検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、モニタリングポストの設置場所についてでありますが、福島第一原発の事故を受けた可搬型モニタリングポストの設置につきましては、福島県との県境に近い場所に配置し、さらに本県への影響を広域に見るため、上・中・下越にそれぞれ設置しております。 また、UPZの設定に伴う今後の設置場所につきましては、UPZの設定範囲も含めて市町村等に御意見を募っているところであり、今後その結果も踏まえて検討してまいりたいと考えております。 次に、UPZの拡大に伴う自治体への支援についてでありますが、県といたしましては、空間放射線量測定の支援、勉強会の開催、講師情報の提供など、市町村職員が放射能に関する知識を深めることができるよう対応を行ってまいりました。 今後につきましては、国に対して関係自治体への協力、支援が確実に行われるよう引き続き要望するとともに、市町村の御意見や要望も踏まえて必要な支援を検討してまいりたいと考えております。 次に、防災グリーンツーリズムの避難者受け入れの取り組み状況についてでありますが、地震等の災害で遠方から避難される方は、まず高齢者や子供さんなどケアを必要とする方が想定されますので、健康管理や心のケアへの対応、福祉避難所の運営等について、被災経験のノウハウを生かした受け入れに取り組む必要があると考えております。 県内の受け入れ団体では、これらの対応に市町村と連携して取り組むこととしており、県といたしましても関係部局の連携により、物資調達や福祉避難所の運営、ボランティアや地域外の団体との連携等を含め、過去の災害対応経験を生かしてサポートしてまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長若月道秀君登壇〕 ◎福祉保健部長(若月道秀君) お答えいたします。 障害者の社会的雇用制度の課題についてでありますが、国が障害者年金などとセットで運用している障害者をサポートする仕組みが失われ、賃金補てんに振りかわることにより、地方に負担が転嫁される可能性が否定できないことや、この制度が、所得が保障されることで障害者の一般就労への意欲をそぐおそれがあることなどの課題があるものと考えております。   〔産業労働観光部長高井盛雄君登壇〕 ◎産業労働観光部長(高井盛雄君) 2点についてお答えします。 まず、障害者実雇用率が低い原因についてでありますが、本県の民間企業における障害者実雇用率は、平成23年6月1日現在で従業員300人以上の企業が1.7%であるのに対し、調査対象企業の8割以上を占める299人以下の企業では1.35%となっており、議員御指摘のとおり中小企業での雇用率の低さが全体に影響を及ぼしております。 その背景としては、本県は下請中小企業が多い経済構造となっており、その多くは労働分配率が高いにもかかわらず賃金が低いという厳しい経営を迫られており、余力がない状況にあるものと考えております。さらに、設備面等の受け入れ態勢や業務の指導面に対する不安などもあるものと考えております。 次に、特例子会社の設立支援についてでありますが、本制度の創設以降、特例子会社制度や県の助成制度について詳しく聞きたいという話が多く寄せられており、先般開催した特例子会社の説明会や見学会においても活発な意見交換がなされ、関心の高さがうかがえたところであります。 そうした取り組み等により、現在複数の企業が特例子会社の設立を検討しており、県としましては関係機関と連携してこうした企業を支援し、特例子会社の設立につなげていきたいと考えております。   〔交通政策局長坂井康一君登壇〕 ◎交通政策局長(坂井康一君) 新潟港への埼玉県、群馬県からの貨物確保の課題と可能性についてでありますが、北関東の荷主にとって新潟港を利用するかどうかのポイントとして陸送コストや運行頻度のほか、県境でのトンネル整備などが課題として挙げられます。 県といたしましては、荷主にとって使い勝手がよい港となるよう、ニーズの把握やサービスの向上に努めていくとともに、引き続き背後圏となり得る地域の荷主等への積極的なPRなどに取り組んでまいります。 次に、大震災により増加したコンテナ貨物量を維持していくための取り組みについてでありますが、震災を契機に新潟港にシフトした荷主の多くは、太平洋側の港が復旧すればもとの港に戻ると思われます。 ただし、今回の震災で新潟港を利用し、距離や運賃の面での優位性を見出した荷主もおられますので、引き続き定着していただけるよう企業ニーズの把握に努めるとともに、航路の充実やコンテナターミナルの整備などのサービスの改善に取り組んでまいります。   〔教育長武藤克己君登壇〕 ◎教育長(武藤克己君) お答えいたします。 震災メモリアル拠点施設を活用した防災教育についてでありますが、防災教育の充実には体験的な学習の推進が極めて重要な要素と認識しております。 現在、防災教育プログラムの策定作業が進められておりますが、その中に震災メモリアル拠点施設を活用した教員研修や現地での体験学習をプログラムとして盛り込んでまいりたいと思います。 ○副議長(中野洸君) 宮崎悦男君の質問は終わりました。 次に、長部登君の発言を許します。長部登君。   〔長部登君登壇〕(拍手) ◆長部登君 原発とTPP問題について質問します。 私は、政治家の末席を温める者として、この2つに強くこだわり続けています。また、そうするのが政治家としての使命だと自覚しています。この2つの問題は、ともに対応を間違うと日本の未来にとって、多くの国民にとって不幸のどん底に陥れる危険に満ちている極めて重要な問題だと認識しているからであります。 原発については、安全だと確認されない原発は絶対稼働させてはならない。そして、できるだけ早期に原発依存から脱却しなければならない。一方、TPPは、現時点においての受け入れは、多くの国民、県民にとってメリットは少なく、デメリットだけが極めて大きく、絶対に受け入れてはならないと思っております。 とりわけ、デフレ下においてのTPP受け入れは絶対にあってはならないことだとの思いを強くしているのであります。 質問に入る前に2つの文章を引用させていただきたいと思います。1つは、東海村村上達也村長がJCO臨界事故12周年集会へ送ったメッセージの抜粋であります。 すなわち、福島原発周辺の人たち10万人強の避難者は、今もなお将来の当てもなく漂流しています。生活の基盤であるふるさとを失い、子供の将来に心を痛め、何もかも失う恐怖におののいています。 国破れて山河あり。その山河は原発事故の後も以前と変わらず昔のままなれど、そこで暮らしは営めぬ。こんな不条理が許されていいのでしょうか。ふるさとを追われた人たちの心情は私の想像を絶するものがあります。 この人たちが救済について政府に問うたところ、損害賠償は誠意を持ってやるという答えでした。損害賠償ですか、金で償える話ではないのに、何と心のない回答でしょう。 さきの大戦で人間の命を紙くずのように扱い、中国を初めアジア各国で2,000万人以上、日本人380万人の死者をもたらした戦前のエリート軍人の感覚に同じであります。人の命は鴻毛よりも軽しか。 原発政策は大上段に国策と言われています。そして、これを議論するとき必ず出てくる言葉は「経済はどうする」「産業は空洞化する」「便利、快適な生活はやめるのか」「夏場の電気はどうする」などなどでありますが、実は今と同じことがこの国で31年前のスリーマイル事故後のときにも言われたようであります。 日本人は国益、国威という言葉に弱いようですが、今度こそ命、それは人間だけでなくあらゆる生きとし生けるものの命を第一に考えられるよう頭を切りかえるときであります。日本人も福島原発事故から原発による繁栄は一睡の夢でしかないことを知るべきであります。 いま一つは、京大大学院助教中野剛志氏、これは知事の経産省の後輩でありますが、その著の「TPP亡国論」序文の抜粋です。 すなわちこの本を出すに当たって、私は何とも言えない漠然とした不安を感じています。それは我が国における議論や物事の進め方の異様さです。 まず、一番怖いのは農業関係者を除く政治家、財界人、有識者あるいはマスメディアが、ほぼすべてTPPへの参加に賛成しているにもかかわらず、その根拠が余りにも弱く、その論理が余りにも乱れているという点であります。この全体主義的な事態はただごとではありません。 私は、TPPへの参加に賛成する議論を追っているうちにある共通する特徴に気づきました。それは、どの議論も戦略的に考えようとするのを自分から抑止しているように見えるという点です。 例えるならば、戦略的に考えようとする思考回路にサーキットブレーカーがついていて、あるコードが出るとそれに反応してブレーカーが自動的に落ちて思考回路を遮断してしまうような感じです。 「開国、鎖国」「自由貿易」「農業保護」「日本はおくれている、乗りおくれるな」「内向き」「アメリカ」「アジアの成長」「環太平洋」、TPP賛成論にはこういったお決まりのせりふがよく出てきます。そして、こういったせりふが出てきた瞬間、論理が吹っ飛んでTPPに参加すべきだという結論へと着地するのです。 どれほど論理が矛盾していようが、どれほど現実に起きていることと反していようが、TPPに参加するしかないとなり、他の結論は許さないようになっているのです。 引用は以上ですが、私には原発とTPP問題の2つには、何か共通したものがあるように思えてなりません。それを私なりのつたない頭で単語的に列挙すれば、経済優先、効率優先、必然的に人間軽視あるいは安全・安心軽視、情報操作、全体主義、思考の停止、原子力村、アメリカ優先、エネルギー不足、自由貿易至上主義、環境破壊などなどであります。この2つについてこのような認識を持ちながら、以下質問をいたします。 最初に、原発についてであります。 国、東電の福島原発震災対応において、情報提供などについて知事はこれまでもろもろ批判してこられましたが、現段階において国、東電の隠ぺい体質や官僚的な体質が少しは改まり、信頼できるようになってきたと言えるのか所見を伺います。 国は、原発事故に備えた防災対策の重点地域を原発から半径30キロ圏に拡大するとともに、半径50キロ圏を視野に入れたプルームに対する防護措置地域を設定する見直し案を示しました。 先般公表された県の対策素案は、この見直し案を土台としていると思いますが、福島原発事故で放射性物質が広範囲に拡散したことを踏まえれば、県の素案のPAZ、UPZ、PPAの範囲は実態に即していないと言わざるを得ません。 国に対しても拡大を働きかけるとともに、本県計画もそれぞれさらに広げるべきではないかと考えますが、これは意見として述べておきたいというふうに思います。 報道によれば、県内の市町村による原子力安全対策に関する研究会では、安全協定は原発の安全確保には有効だが、現状では周辺市町村に立入調査や事前協議に対応できるだけの体制が整っていないとの見解が示され、暫定的な対応として東電と希望する市町村が年度内に通報連絡協定締結を目指すとしています。 そして、長岡市長は安全協定に進めるかどうかはさらに研究を進めたいとしていますが、安全協定は原発の安全確保に有効と当該研究会みずからが認めているように、住民の安全・安心の立場に立つならば当然に締結すべきであります。 希望する市町村においても、柏崎市や刈羽村と同様に対応できるだけの体制が整えられるよう、それら周辺市町村における安全協定の締結について県として支援すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 原発の安全神話が崩れた中、国と同様に技術委員会に反対派の学者などを増員すべきとの質問に対し、知事は、座長や小委員長の意向を尊重しながら対応したい、と答えておられましたが、これまでどう対応され、今後どのような見通しを立てておられるのか、お伺いをいたします。 県技術委員会には、通産省時代、六ケ所再処理工場の敷地内を走る断層を知っていて隠していたことが国会で指摘されたり、その後も保安院の立場にありながら活断層の調査などで電力側に有利な発言をしてきたとの疑いを持たれたり、今回の原発事故は起こり得ないとの発言等を過去に行っているような住民目線からは不信感を抱かれているような不適任な委員がいると指摘されておりますが、こうした委員については技術委員会への信頼性維持の観点から交代させるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 福島原発震災で安全神話が崩壊し、東電や国の安全意識の甘さなどが数多く露見していることを踏まえれば、県技術委員会において福島原発事故の検証がなされた段階で、柏崎刈羽原発に関する断層や機器の安全性など、これまで2つの小委員会で議論が乾かなかった部分については当然に再審議されるべきものと考えるが、知事の所見をお伺いいたします。 報道によれば、火力発電や揚水式発電の増強などにより、東京電力や東北電力は、今夏を上回る供給電力を確保できる見通しであり、また原発に頼らなくても必要電力の確保は可能との専門家の意見もございますが、電力確保の観点から原発の必要性についての知事の所見をお伺いいたします。 本県の技術委員会小委員会の委員の一人であります石橋克彦氏編著の「原発を終わらせる」の中の京都大学原子炉実験所の今中哲二氏の著述によれば、1960年に東海原発の運転開始に際し、原子力損害賠償法を制定することになり、そのためには日本の原発で最悪の事故が起きた際にどれくらいの被害が出るのかを見積もっておく必要があるとして、当時の科学技術庁の委託を受け、日本原子力産業会議がアメリカで1957年に発表されたブルックヘブン研究所によるWASH740と呼ばれる研究報告の試算結果を参考に試算し、大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害に関する試算と題する報告書をまとめました。 しかし、試算結果が余りにも大きな被害を示していたため、原子力損害賠償法審議を行っていた国会には一部が報告されたのみで、全体はマル秘扱いにされたのであります。 報告書の概要が1973年に一般に明らかにされることになり、それによれば東海原発50万キロワットを想定、最大の死亡、障害者のケースで、死者720人、障害者5,000人。最大の被害額のケースで3兆7,000億円と当時の国家予算1兆7,000億円の2倍を優に超えるものとなっており、まさに国家経済の破綻を引き起こす額と言わざるを得ない結果となっております。 一方、発電コストが高いと言われた火力発電が福島原発事故の後、最新の研究では廃炉や除染費用などを盛り込めばむしろ原発より安上がりとの評価もあり、また、今も述べたとおり、事故の際の賠償や除染費用なども勘案すれば国家財政を破綻させる天文学的な数字になるとの見方もありますが、これらについて知事の所見をお伺いいたします。 福島原発事故の検証もない中で、日本の原発輸出に向け、ベトナム、ヨルダンなど4カ国との原子力協定承認案が民主、自民両党などの賛成多数で可決、承認されました。国民目線からは非常識であり、政府を先頭にした経済優先のこのような安全意識の希薄さが取り返しのつかない事故を招いたと言えますが、福島第一原発事故が収束もしない中、政府を先頭にしたこの原発輸出は到底認めがたいところでありますが、政府のこの動きについて知事はどのように考えているのか、お伺いをいたします。 静岡県牧之原市議会が、一度の間違いも許されない原子力発電にもかかわらず、福島第一原発で重大事故が発生した事実をかんがみれば、まず第一に市民の生命、財産を守ることを考えなければならないとして、浜岡原発の永久停止を求める決議をし、市長もこれを受けて事故発生のリスクがある以上、市民の安全と安心のために永久停止すべしとの見解を表明いたしました。 また、東海村長も国に東海第二原発の廃炉を求め、さらにこのたび、福島県知事も県議会の請願を踏まえて全10基の廃炉を国、東電に要請するとのことであります。知事は、これらの脱原発の動きをどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。 自治体に脱原発の動きが広がっており、また、社民党では2020年までに原発ゼロ、2050年には再生可能なエネルギー100%にとする極めて実現可能な脱原発アクションプログラムを5月に策定しました。 このように脱原発が決して不可能ではなくなった現段階において、本県も自治体などにおける動きを直視し、脱原発を視野に入れた対応を真剣に模索すべきときに来ていると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 報道によれば、東電の社内調査委員会が先日公表した中間報告書では、福島原発事故の原因について地震の揺れによることを改めて否定し、また津波の高さが10メートルを超えるとの社内的な試算が過去にあったにもかかわらず、津波対策については、敷地高さに十分余裕があり、多重事故を起こす要因とは考えなかった、と結論づけています。 マスコミも、自己弁護に終始した内容で、責任逃れにもほどがあると強い論調で非難しているとおり、これだけの事故を起こしたにもかかわらず反省のハの字も、謙虚さのケの字もないと言わざるを得ませんが、この中間報告に対する知事の所見をお伺いいたします。 福島原発事故の輸出に対する影響について、中国政府の日本に対する輸入規制が続くなど、関連産業には大きな痛手となっております。風評被害も含め、東電に対し当然に請求する権利があると考えますが、知事はこの影響についてどのように受けとめ、今後どう対応するのか、お伺いをいたします。 電力の固定価格買い取り制度について、再生可能エネルギーの買い取り価格を検討する国の調達価格等算定委員会では、委員候補5人のうち3人が直接の利害関係者やこの制度に否定的な人、もしくは消極的な人物で占められており、政府の本気度を疑わざるを得ません。 先進国の例を見れば、再生可能エネルギーの普及は充実した固定価格買い取り制度、全量買い取り制度によって実現すると考えますが、一歩後退したように見えるこの国の動きに対して知事はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 次に、TPPについてであります。 本定例会での提出議案の知事の説明を聞いて、私はがっかりしたというのが率直な気持ちです。知事は次のように述べておられます。「事実上の参加表明をした以上、政府においては、各分野における課題について冷静に分析した上で、国益にかなうようルールメーキングに参加し、戦略的な交渉を行ってほしいと思います」と。 今、知事が行うべきことは、政府による事実上の参加表明だとしても、一国の総理が、一応、交渉に参加するかどうかの事前協議と言っている以上、この段階でこそ知事が絶対に譲れないとしている米の関税撤廃の例外化を明確にして、政府が事前協議に臨むよう強く政府に働きかけることだと思います。 それを政府がしなければ、TPP交渉参加は絶対反対であるとして、農業団体など反対勢力と一体となって一大反対運動を起こすべきであります。それくらいの決意と迫力がなければ、知事の言う米の例外化すらも守れないと危惧するのであります。そして、批判はするが、結果的に政府が決める既成事実をずるずると受け入れるだけに終わってしまう、そのことを恐れるのであります。 野田総理のTPPに参加しようとの意図は最初から明らかな中、何の担保のないままの交渉参加はさせるべきではないとして行動するのが知事の立場での最善の策だと思っていますが、以上は質問を通告した後ですので感想にとどめ、以下質問をいたします。 TPPについて、一たん交渉に参加すれば脱退は簡単にできないとの農業関係者の懸念の一方、知事は、あらかじめ米の例外化を明確にして交渉に臨み、相手側から認められなければ当然離脱となるとの考えであります。 また、農業関係者は全面的に反対であり、知事は米だけは絶対譲れないとのスタンスでありますが、交渉参加に向けた事前協議段階の今こそ、政府は今後どのように対応し協議に臨むべきなのか、改めて知事の所見をお伺いいたします。 TPPへの対応について、農業対策の観点から、県として、県内の農業関係者を初め、関係団体と理解を深め、考えを1つにして国に働きかけるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 TPPについて、知事は国民的合意が十分なされない中で参加に向けた表明を首相が行ったことに対し、拙速な判断と評し、東日本大震災以降に生じたブランド力の低下及び円高の進行による貿易環境の悪化について考慮すべきとの考えであります。 知事は、現時点での交渉参加は時期尚早との立場であると受けとめておりますが、政府に対し、今は拙速に参加すべきでないと強く働きかけるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、知事は米を関税撤廃の例外にし、しっかりとした所得保障制度によってTPPと国内農業の両立は可能との考えでありますが、デフレ不況が続く一方、震災対策や原発災害補償等に膨大な費用を要するであろうことを勘案すれば、国内農業対策のための財源を確保することは極めて困難であります。 また、現在行われているWTOドーハ・ラウンド交渉で、農業生産者や特定の農産品に対する補助金を大幅に制限する国際ルールをつくろうとの議論がなされていると言われており、これらを踏まえると、持続的な農業所得保障の実現は極めて疑問でありますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、TPPへの参加によって外資が参入して営利が目的になり、病院は公的医療保険による保険診療を行いつつ、高額の自由診療との混合診療を行うようになる。混合診療が解禁されれば、製薬会社や医療機器メーカーは、新薬や新しい治療法に公的保険を適用させるための努力を行わなくなる。 結果として、そうした薬や治療法はいつまでも高額な自由診療でしか使えない。お金持ちのためだけのものになり、また地方の公的病院は立ち行かなくなる。 このように、医療分野が自由化され、混合診療の解禁や医療格差の拡大などにより公的医療制度が崩壊するとの懸念について、知事はどのように考えているのか、所見をお伺いいたします。 BSE対策に係る規制や遺伝子組み換えに関する表示義務の緩和、あるいは輸入農産物の検査の簡素化など、TPPへの参加により生じる可能性のある食の安全への懸念について知事の所見をお伺いいたします。 TPP参加によって公共事業などへの参入が自由になり、地方の建設業に大きな影響を及ぼすことが懸念されますが、これらについての知事の所見をお伺いいたします。 最後になりますが、9月定例会の連合委員会でも議論をいたしましたが、TPPへの参加は、低価格競争の激化によるデフレの促進や格差の拡大につながるとの懸念を私はどうしても払拭することができません。 冒頭紹介した中野剛志氏は、「TPP亡国論」の中で次のように述べています。 貿易自由化によるデフレの促進は、次のような経路で起きる。まず、安い製品が輸入されると競合する国産品が淘汰され、国内雇用が失われる。 例えば国産米や国産牛が安価なアメリカ産米やアメリカ産牛との競争で駆逐され、米農家や畜産農家の多くが失業する。さらに、例えば牛丼がより安価になれば、牛丼と競合する他の外食産業は人件費のカットで対抗するため、雇用を削減せざるを得なくなる。農家や食品関連産業で失業者がふえれば、労働市場全体が供給過剰になり、実質賃金が一段と下がりデフレが悪化する。 このメカニズムは次のようにも言いかえられる。デフレとは需要不足が続くことなので、これをとめるには需要を追加するか供給を削減する必要がある。 しかし、貿易自由化により国産品が輸入品に代替されると、需要側では国産品関連の雇用が奪われ、内需が縮小する。他方、供給側を見ると貿易自由化による競争の激化で生産性が上昇し、供給が増加する。こうして貿易自由化は需要不足と供給過剰を深刻化させ、デフレを悪化させることになる。 引用は以上ですが、TPP参加によるデフレの促進の過程を実に論理的に、そして明快に述べていると思っています。 ついでに、TPPの根拠である自由貿易至上主義が揺らいでいる点も紹介させていただきたいと思います。「TPP亡国論」に記されている部分を拾い上げれば、2011年、ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツら257人の経済学者が連名でアメリカのクリントン国務長官やガイトナー財務長官らにあてて、アメリカが投資・貿易協定によって進めている資本移動の自由化が、金融危機を防ぐための政府の権限を弱めると懸念する意見書を提出、あるいは自由貿易の強力な擁護者として有名なアメリカのジャグディーシュ・バグワティーは金融のグローバリゼーションを厳しく批判、あるいは経済学者のゴードン・ハンソンは2001年に、対内直接投資による正の外部効果はほとんどなかったばかりか、国内経済に悪影響を及ぼした場合すらあったという実証研究結果を発表。 あるいは、東谷暁氏の「間違いだらけのTPP」から拾ってみれば、戦後世界の経済学を長い間リードし続けてきた経済学者ポール・サミュエルソンは2004年に、リカードの比較優位説に疑問を呈す論文を発表、あるいは1990年代の中ごろリカードに戻れと当時急伸していたグローバリズムを手放しで称賛した人気経済学者ポール・クルーグマンは、2008年にグローバリズムによる国内の格差が拡大していることを認め、素朴な自由貿易論を放棄、オバマ政権が保護主義政策をとるとすぐに支持して、保護主義が間違っているというのは現代の神話であるとまで断言、などなどであります。 このように今、これまで自由貿易論を主張していた経済学者が、次々に自由貿易論に確かな根拠がないと言及し始めています。このような中、日本にとってTPPへの参加はデメリットのほうが多く、有益であるとは到底思えませんが、TPP参加の意義について改めて知事の所見を伺い、私の一般質問といたします。ありがとうございました。   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 長部議員の一般質問に順次お答えをいたします。 まず初めに、福島第一原発事故対応における国、東京電力の対応についてどう思うかという御質問でありました。 柏崎刈羽原子力発電所と、それから東電の本店、国、この間にギャップがあるように感じています。柏崎刈羽原子力発電所の対応については、2007年中越沖地震以降、現場の方々含め、熱心に情報開示を含め対応をするための努力を重ねていただいているという実感を持っております。 一方、東京電力本店や国の対応を見ますと、いまだに公表資料に一部黒塗りがなされるなど、また情報の発表が極めて遅いと。なぜこれだけ大量被曝をする人が大量に出なければいけなかったのかというような情報開示のタイミング、スピード含めて今までの体質が改まったとは思えず、ギャップがあるように感じております。 次に、周辺市町村における安全協定の締結についてであります。 現在、市町村による研究会において議論が続いておりますので、県といたしましては必要な支援を実施してまいります。 次に、技術委員会の委員構成についてであります。 技術委員会の座長は、柏崎刈羽原子力発電所の安全性確認の議論に当たっては、これまでの議論の経緯もあり、当面、現状の委員で対応を行うことが望ましいとの御意見でありました。 県といたしましては、今後、福島原発事故の検証を進めるためには、防災や放射線防護の観点からも議論をしていただきたいと考えておりまして、その委員構成について改めて座長と対応を調整してまいりたいと思います。 次に、技術委員会の委員についてであります。 議員が御指摘されているのが具体的にどのような発言であるかが把握できておりません。また、地震を対象とする学問は単純な定理や公式で評価できる学問でないため、事実関係が今把握できない状況です。事実関係が把握できない中で特段の対応をとるというのは、難しい側面があるものと考えております。 次に、県技術委員会の2つの小委員会での議論についてでありますが、福島第一原発事故の検証を踏まえて技術委員会などで議論していただきたいと考えております。 次に、電力確保の観点からの原子力発電所の必要性についてでありますが、原発を稼働させなくても企業や家庭での省エネの御協力をいただけるということを前提にすれば、東北・東京電力管内では、需要に見合う供給力の確保が可能と見込まれております。 一方で、地球環境問題である京都議定書への対応や、国際競争力をどう維持するのか等の課題は残るものと考えております。 次に、発電コストについてであります。 県として評価するための情報を持ち合わせておりませんので、現時点で判断することは難しい状況であります。 次に、原発の輸出についてであります。 まず、福島原発の事故を検証するというのが道筋だと考えています。そもそもこれなくして原発輸出を試みても、日本の原発は不安の対象にしかならないのではないかと考えています。 次に、脱原発の動きについてであります。 基幹産業に甚大な被害を受けたり、地域社会に深刻な打撃が与えられた地元の脱原発の動きは、一つの見識であると受けとめております。 次に、脱原発を視野に入れた県の対応をとるべきではないかという御指摘であります。 そもそも原子力発電所を動かすためには燃料が必要でありまして、この原発の燃料であるウランは埋蔵量に制約がある資源であります。人類史的に見れば、原子力発電というのは過渡的なエネルギーにしかなり得ないということであります。 核燃料サイクル政策の行方、これを見きわめながら次世代のエネルギー選択の幅を拡大させる取り組みを進めてまいりたいと思います。 次に、東京電力の社内調査委員会における中間報告についてであります。 中間報告には、外部の有識者による検証委員会から、事前の安全対策から十分でなかったと指摘があるなど、本当に今回の中間報告をまとめるに当たりまして厳粛な反省と真摯な姿勢で検証を行ったのか疑問を感じています。 次に、福島原発事故の輸出に対する影響と対応についてであります。 食品に関する中国の輸入停止を初めとしまして、諸外国における工業製品も含めた検査や規制措置など、いまだに海外取引で影響を受けるものがあるというふうに認識をいたしております。 本県といたしましては、今後とも的確な情報発信による信頼回復と県内企業の負担軽減を図るために取り組みを進めてまいりたいと思います。これらの経費については、東京電力のほか、原発事故に伴う諸問題について責任を負う国に対しても負担を求めてまいります。 具体的な対応及び風評被害等については、知事政策局長から御説明いたします。 次に、固定価格買い取り制度の調達価格等算定委員会についてであります。 再生可能エネルギーの普及を促進するという基本理念で対応していただく必要があると思っています。 一方で、電気料金の過度な値上げにつながらない設計ができる的確な人選を進めてほしいと考えております。 次に、TPPについてお答えをいたします。 まず、今後の政府の対応についてでありますが、長部議員と考え方は余り違わないので、言葉じりをとらえて誤解されているのではないかという思いをしましたので、少し丁寧に御説明したいと思います。 事実上の交渉参加を表明した以上は、まずは国益にかなうようルールメーキングに参加をし、戦略的な交渉を行うべきであるとは、どういうことかというと、明確に戦略を国民との間でコンセンサスをつくってくれということです。 米については、関税の例外化ということの方向性を出した上で交渉に臨むということを引き続き求めてまいりたいというふうに思っています。 したがって、一体何をとって何を譲るのかということなしに、一方的に受け身の交渉はすべきでないということを申し上げています。現に日米構造協議、私も参画したことがありますが、日本から要求する項目というのを検討するチームを立ち上げて、相手国の制度をむしろ日本の産業構造にプラスになるように合わせてくれという要求をしました。 1つ例を出せば、食品輸入のストップしている部分というのは、ICRPの勧告に従った基準であればとめてはいけないというルールメーキングをすれば日本側にとってプラスになるわけです。 TPPをベースにして、これを世界各国の共通ルールにしていくというメリットをとるための交渉をなぜやらないのかということであって、日本がとるべき項目は何なのか、譲ってはいけない項目は何なのかということを国民のコンセンサスにした上で交渉をやれということを言っているのであって、自由にやってもいいですよということを言っていませんので、ほぼ言っていることは一緒ではないかなというふうに先ほどの質問を聞いていて感じましたので、御説明申し上げます。 日本は瑞穂の国であります。食料安全保障の観点から、国内の食料供給力を落とすような合意というのはすべきでないというふうに考えています。それを政府の裁量の中でおさめるのではなくて、国民に対して説明をした上で交渉をすべきではないかというふうに思っています。 米は関税撤廃の対象からの除外を求め、こういう方針でやりますということを表明すべきではないかと思っています。認められない場合ということになれば、そもそも交渉に入れないということになるのか、それ以外のものについてもプラス・マイナスいろいろあるわけですから、場合によっては交渉から撤退するという選択肢、これを行使するということもあると思います。 所得補償制度について財源の不安という点も同感でありまして、すべてのものを所得補償でやれと言えば、それはもう財政が持たないと。 米は絶対譲らない。かわりに38%しか関税かかっていないところ、これは牛肉なのですけれども、牛肉については、以前畜産振興事業団がやっていたような国内措置で対応するという選択もあるわけですから、それは総合的な判断をするということをしないとやはりいけないのではないかというふうに思っています。 大事なことは、国民的な合意を得た上で交渉に臨むと、全部総理のポケットに入れたまま好き勝手にやられるということは、これはいけないということだと私は思います。 次に、TPP対応での農業団体等との意見統一についてであります。 TPPは農業だけではなく、さまざまな分野に影響が及ぶ可能性がありますので、多様な意見があってしかるべきということだと思います。 一方で、生産者利益だけを追求するということではなくて、消費者利益も含めた国益にかなう結論が出せる、こういうような取り組みを進めるべきだろうと思っています。そのためにも、すべて全面的に委任するのではなく、国民的議論をまず深めることが大事だろうというふうに考えています。 このため、農業関係団体との意見交換を通じて相互理解を深めていくこと、これは大切にしたいというふうに思いますが、最終的にそれぞれの立場で国に働きかけを行うこともやむを得ないと考えております。 次に、TPP交渉参加についてでありますが、農業を初めとして、医療や金融など、個々の分野については国から情報を十分提供されていません。これでは国民的議論を深めようがありませんし、国民的合意がなされないという状況から脱却できないというふうに思っています。 事実上の交渉参加に向けた表明がなされたと、こういう状況の中で事実上の交渉参加に向けた表明がなされたことは極めて遺憾であり、拙速な判断であると言わざるを得ません。 しかしながら、事実上の参加表明をしたという以上は、政府において米はどうなる、牛肉はどうなる、生鮮野菜はどうなるということを明確に交渉の状況と、それから影響の可能性というのを示した上で議論を進めていくべきではないかと。 交渉に向けた準備か何かでコンセンサスができたことになって、それ以降ぱたっと情報提供がとまるということが問題ではないかというふうに思っています。 諸課題について冷静に分析した上で、逆に日本が要求すべきものはこういうことですということを明らかにした上で、ルールメーキングには参加をすべきだろうというふうに思っています。その結果、受け入れがたければ批准しない、交渉から脱退するということでいいのではないかと思っています。戦略的な交渉は行っていただきたいと思います。 次に、持続的な農業所得保障制度の実現についてであります。 まず、御指摘のあったWTOドーハ・ラウンド交渉ですが、これは議員もおわかりの上で指摘されていると思いますが、動かない状況になっています。これは、先進国と発展途上国、いわゆる南北対立がかなりあってとてもまとまる状況にならない。 それで各国、EPA、FTAという個別協定に移ってきていると。その中の一つの大きな固まりとしてTPPも存在しているということですから、ドーハ・ラウンドを引き合いにして、だからどうだという議論をしてみても、動かない協定を動かすための努力をしている段階で、余り生産的ではない御意見だというふうに思います。 ガットからWTOに移行した際、何が起きたのかということなのですけれども、ウルグアイ・ラウンドを通じて提示をされたのは、食料安全保障を確保するという各国固有の権利を相変わらず持っているわけです。それを数量調整から関税に置きかえましょうと、例外なき関税化というのがウルグアイ・ラウンドの結果だったわけです。 そのときに世界の趨勢を見ないで、米は一粒も入れないと言って頑張ったがゆえに、次にとるべき政策を見誤って、結果として農村の疲弊を招いたのではないかと。歴史の失敗を反省して、とるべきところはとりに行くということをしないと、何でも反対と言い続けていればとれるところがとれなくなってしまう。私はそこを危惧しています。 本来やらなければいけないことはしっかりとっていくと。かつ日本が世界の孤児になるということは避けなければいけない。こういった中で判断していくべきではないかと思っています。 世界的にはガットからWTOに移行した際には、所得政策の導入を、これはレッド補助金から外してブルー補助金をつくったということなのです、一番のポイントは。皆さん理解できていたのかと。日本国民は少なくとも理解していなかったのではないか、他国民は理解をしていましたけれども。 結果として農村の疲弊を招いたというような轍を踏まないように、国が責任を持ってWTOルールに適合した制度として実施をすべきであると考えております。 現行の所得補償制度については、アクセルとブレーキを同時に踏むような形になっていますので、より効果的、効率的な仕組みへ見直すということも必要だと考えています。安定財源の確保、そして、その安定財源が確保できれば、それ以外の農産物に振り向けることが可能になるわけですので、持続可能性が出てくるということではないかと思っています。 安定的、持続的な制度に改善するという国内措置も、これは経済連携に参加する、参加しないにかかわらず検討を進めるべき課題であると考えています。 次に、TPPによる公的医療保険制度、食の安全及び地方の建設業への影響についてであります。 これも現時点でどのような交渉がなされているのか、どういう可能性があるのか、政府から十分な情報提供がないと。その中での影響判断というのは難しいと考えております。個別の交渉事項については、我が国の国益にかなうように戦略的にやはり交渉すべきだろう。 懸念の点については、方針を出すべきだと考えています。全くフリーハンドで、どっちの方向へいくかわからないけれども交渉しますというから不安になるので、基本線で守るところは、こことこことここは絶対守ると、逆に、日本のメリットを出すために、これとこれとこれはとりに行くということを政府が説明をしないから不安になっていると。 交渉すら許さないというのは、これは世界のルールになっていく可能性があるものに一切近づかなくて、後からのまされるとそれは悲劇になりますので、日本が主張すべきことは主張しておくということは、機会をとらえてやるべきではないかと。 その上で入る入らないは別です。これは京都議定書のときの対応も見ていただければわかりますが、アメリカは確かに京都議定書に入っていませんが、交渉は参加しているわけです。そして、アメリカの意見は思い切り言った上で、最後、国益に合わないからといって抜けているということであって、意見も言いませんという選択をなぜ志向されるのか。私は、言うべきことは言っていくべきだろうというふうに考えております。 次に、TPP参加の意義についてであります。 まず、経済学と、それから金融の話と少し混同されている部分があるのではないかというふうに思いましたので、御指摘をさせていただきたいと思います。 金融のグローバリゼーションについては、これは相当懸念が各方面から出ているというふうに承知をいたしております。ただ、それは貿易そのものの話なのかということになると、自由貿易がおかしいというのが経済学界で大勢になっているという認識は残念ながら持てません。 歴史を振り返ってみるべきなのですけれども、なぜ第二次世界大戦が起きたのだろうかというと、これは持てる国と持たざる国の戦いというふうにも言われたわけです。 ブロック経済を各国進めるとどうなるのか。資源を持っている国はいいでしょう。そこを囲い込んで全部関税かけたら、持たざる国というのは行き詰まりを見せるということで、枢軸国側と連合国側に分かれて戦争に入っていったというのが歴史的な評価だったのではないのでしょうか。 したがって、もう一度戦争を起こさないという反省に立てば、基本的には自由貿易を志向するというのが正しい態度ではないかというふうに思っています。 そして、そのときとられた国際秩序というのがガット・IMF体制というふうに言われているわけです。議員御指摘になったのは、ガットのほうではなくてIMFのほうです。 金融資本主義をどのように対応していくのかの部分について、少し見直していく必要があるのではないか。巨大なマネーが動いて、実物経済と関係ないところで市場がゆがむということについては、一定の規制があるというのは、コンセンサスとして進んでいっているのではないのでしょうか。 でも、持たざる国と持てる国がブロック経済を進めていいなんていうのは、だれも言っていないということではないかと思っています。 そもそも我が国というのは、世界で最も自由貿易によって恩恵を受けている国の一つです。資源もエネルギーも持たない国が、貿易阻害的な方向にかじを切っていくというのは、これは自殺行為以外の何物でもないということだと思っています。 ただし、食料安全保障の観点、これは捨ててはいけないということだと思っています。主食である米を関税撤廃の対象から除外することを前提に、基本的には経済連携に取り組んでいかなければ、我が国の将来というのは暗いということではないかと思っています。 ちなみに、今、TPPに入ることを検討しなければならない理由の一つが、日本はマルチの協議にこだわり過ぎました。先ほど申し上げましたとおり、WTOの協議、こちらのほうで世界共通にやろうということに重きを置き過ぎて、2国間協定とか、それから多国間の交渉に積極的に参加しなかったと。 よって、FTA、EPAで各国におくれをとっているわけです。マイナスからのスタートだということを認識すべきではないでしょうか。 結果として、トヨタ、日産の首脳が発言をしているように、このままでは国内に自動車工場を置いておくことが難しいというところまで日本の主力産業が追い込まれているわけです。 日本から自動車の産業が撤退すれば何が起きるのかというと、そこに連なる2次、3次、4次、5次下請も含めて大きな産業が失われて雇用の場が消失をしていく、産業の空洞化を招いてしまう。こういうマイナスを少しでも取り除いていくというようなことを考えなければ、その後我々は一体どこで飯を食っていくのかということになるというふうに大きな危惧を持っております。 デフレについても理性的な分析と言っていますけれども、極めて前提を欠いた発言、認識だと思っています。それは何かというと、財政金融政策が変わらなければという前提がついているのです、今の話は。 金融財政政策を変えてインフレを、できればクリーピングインフレーション、1から2%程度のインフレに誘導するというほうが望ましいのですけれども、有効需要を高めるときに、名目でその通貨の価値を上げてあげるということをやればいいわけであって、別に自由貿易体制を進めたからデフレが進むということはありません。自由貿易体制を進めて、さらに金融政策をいじらなければそうなるかもしれません。 しかしながら、本来やるべきことは過剰な円高を是正して、そして各国がベースマネーをふやしている中で、日本だけがベースマネーの量を変えず、相対的に円高になり、デフレになっているところを是正する金融財政政策をとって、今の問題は回避すべきであると考えております。 以上です。   〔知事政策局長杉山順爾君登壇〕 ◎知事政策局長(杉山順爾君) お答えいたします。 福島原発事故の輸出に対する影響への具体的な対応及び風評被害等についてでございますが、本県においては、震災直後から県内の放射線測定結果などを英語、中国語、韓国語、ロシア語で迅速に情報発信するとともに、総領事館等への説明など、あらゆる機会を通じて働きかけを行ってきております。 さらに、県産食品を輸出する際に実施する放射性物質の検査料の一部補助や、工業製品用の測定機器の無料貸し付けなどの支援を引き続き行っているところでございます。 また、輸出に係る風評被害等につきましては、東京電力が賠償基準を示しているところでございますが、実態に即し的確な対応をしていただきたいと考えております。   〔長部登君登壇〕 ◆長部登君 知事、日本は何も国が開かれていないなんて言っていないのです。最も開かれた国なのです。これ以上さらにという意味だけであって、世界で孤立なんかしているわけではありませんし、その意味では、例えば関税なんかいったって世界で一番です。全品目の平均では3.3%、農産物に至っては12%で、これは6%のアメリカに次いで安い。 そういう意味では、だから何も日本は保護主義をやっているということを言っているわけではないです。これ以上開くのがいいのかどうかとか、いろんな形がありますし、また、これは今まで言ってきたのですが、TPP、それぞれ2国間でかなりみんな結んでいるわけです。アメリカ以外はほとんど。 そういう意味ではメリットがあるのかないのかと、そういうことも含めて、今までの前提に立って質問していたわけでありますから、孤児なんかには決してなっているとは思っていません。やっぱり、メリット、デメリットというと、そういう意味では孤児とかそういうのではなくて、あるのだろうというふうに思います。 それから、金融の話をされました。だけれども、日本のGDPに占める輸出というのは十一.四、五%なのです。そのうちの自動車や電機、いわゆる消費財というのですか、それは1.65%なのです。GDPの占める比率というのは。自動車でいえばわずか、それは8兆円か何かですけれども、それにしたって自動車で1.23%しか占めていないのです。 そういう意味で、何か非常にそこを過大評価していますけれども、やっぱり内需に中心を置いたほうがはるかに大きいという意味が私はあると思うのです。 それからいま一つ、知事にぜひ言っておきたいのが…… ○副議長(中野洸君) 長部登君に申し上げます。 再質問の趣旨を踏まえ、質問の内容を簡潔にお願いします。 ◆長部登君(続) 質問のために言うわけであります。 保護主義というのがやっぱり非常に批判されていたわけでありますけれども、1929年のとき、例の恐慌がありました。それが保護主義の原因だというけれども、それも崩れているところなのです。 経済史のポール・ベロックというヨーロッパのしたときに、保護主義のほうがむしろ…… ○副議長(中野洸君) 長部登君に申し上げます。 再質問の趣旨を踏まえ、質問の内容を簡単明瞭に述べてください。 ◆長部登君(続) 保護主義のほうが自由貿易主義よりもむしろ経済成長したという、そういう過去の評価の中で言われているのがあるのです。ですから、私は今のTPPによる成長というのは、やっぱり望めないというふうに思っています。 それからいま一つ、知事の……要するに知事と立場が同じだと言われました、事前協議。私は、協議の段階に入る前にきちっと明確にするべきだというふうに言っているわけでありまして、知事は国民に交渉の中でより有利な立場で交渉せいといいますが、する前にきちっとして交渉にいかなければならぬ、するべきだということでございますので、その点については知事とは立場が違うということを申し述べて、ぜひ今の段階できちっと立場を明確にして交渉に参加すべきだと、そうしなければ認められないと、こういうふうに言うべきだというふうに思っているのです。 今、事前ですから…… ○副議長(中野洸君) 時間が超過しておりますので、結論を急いでください。 ◆長部登君(続) 事前協議の段階ということで、こういうことでございますので、いま一遍、その点については御答弁をお願いします。   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 長部議員の意見、しっかり拝聴させていただきました。現時点において方向性をはっきりすべきだという考え方は、やっぱり一緒だというふうに思っています。 ○副議長(中野洸君) 長部登君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時53分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時10分 開議 ○議長(村松二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、青木太一郎君の発言を許します。青木太一郎君。   〔青木太一郎君登壇〕(拍手) ◆青木太一郎君 皆さん、大変お疲れさまでございます。青木太一郎であります。 まずは、去る3月11日に東日本大震災が発生し、未曾有の原発事故が大きな被害を被災地の方々のみならず、日本全土を覆い尽くしてしまいました。この震災で亡くなられた方々、皆様に心から哀悼の誠をささげる次第であります。 また、被災された方々並びに翌3月12日、長野県北部地震に遭遇された方々に心よりお見舞いを申し上げ、今後の復興へのお力添えをお約束したいと心に期しております。 さて、物事には始まりがあり、また終わりがございます。大きな物事の始まりから身の回りの始まりもございます。終わりよければすべてよしとよく申されます。 新潟県も年が明けてから3月の東北の大震災に隠れてしまいましたが、魚沼地方も大きな被害をこうむり、中越地震、中越沖地震、そして東日本大震災と繰り返しの被害を目の当たりにしております。 さらに、7月の大水害は7年前に匹敵する被害であり、知事初め関係者の迅速な対応によって予算的な措置はほぼされつつありますが、いかにして復興をなし遂げていくのか、いまだに暗中模索の中で関係者の懸命な努力をしていることに、心から敬意と感謝の念を禁じ得ません。 いずれにいたしましても、大震災の復旧復興、原発事故の除染方針、景気回復と雇用、医療、福祉、年金、環境、TPP、新潟州構想等々の対策や社会構造の変化に対応しながら諸問題に取り組むべき重要な転換期であり、今まさに新しい年に向けての国政、県政の進路を決める船出のときであります。 出航のどらが鳴っているのに、震災復興、原発処理、TPP、景気回復などの対応策を積み込んだはずの船は、岸壁からなかなか離れられずに係留されたまま動かないような状況であります。君は船なり、民は水なりと申しますように、政治の船は民の声、すなわち県民の声である。水なくして浮かばないもの、動かないものであります。 順風満帆の大きな夢を抱いて立派な船をつくっても、県民の声が反映されないものであったら船は浮かべることはできず、たとえ浮かべて出航しても大あらしに遭遇したり、霧の中で迷走したり、座礁して動けなくなってしまうことが必定と思います。 県民の水があってこそ県政の船が航海できるものと肝に銘じ、額に汗して真剣に働く県民の立場と視点に立って、先週来より先輩諸氏の御質問とできるだけ重複を避け、いささか違った角度から落ち穂拾いの気持ちで県政の諸問題について御質問をいたしたいと存じます。泉田知事初め関係者の賢明なる御答弁を御期待申し上げます。 初めに、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてであります。 去る平成15年8月26日に発生してから既に9年目に入り、超長期化した案件であります。本来なら、日本海のゲートウエーとしての拠点施設朱鷺メッセの表玄関に値する観光施設であります。オープン後わずか4カ月足らずで落下したのであります。 私は、15年9月定例会以来、常任委員会、事故調査特別委員会、一般質問、連合委員会等を通じて質問、提言をしてまいりました。その間、入り江側デッキは万代島再開発と福田組、本間組との間でそれぞれ4,500万円ずつで和解が成立、補強工事が施され、既に供用されておるのであります。 したがって、私は過去数十回の質疑を通じまして、終始一貫、できれば和解をすべきものと勧めてきた経緯があることを踏まえて、御質問を申し上げたいと思います。 そこで、県が設計や施工を請け負った業者を相手取り損害賠償を求めた朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故訴訟が去る10月28日に結審し、いよいよ来年3月に判決が言い渡されることになりましたが、判決について知事はどのような見通しを持っておられるのか、御所見をまずお伺いをいたします。 私は、これまで和解すべきとの立場で何度か質問してきましたが、知事の答弁は一貫して、相手方が県の主張を認めて歩み寄る形で和解したいとの申し出があれば和解を検討することもやぶさかではない、県から和解を申し入れ譲歩する考えはない旨の答弁でありました。 結審した現時点において、今後和解されるお考えはあるのか、改めてお伺いをいたします。 次に、本件裁判は、去る平成16年6月に工事関係者6社を提訴し、7年前の16年11月、第1回公判以来、公判さえなかなか開けず、小法廷で円卓を囲む弁論準備期日を延々5年も開き続け、そのあげく本件裁判長も3人目となり、昨年度は5回開かれ、証人尋問が行われ、本年6月22日に開かれた第8回公判では、証人尋問の締めくくりの中でようやく真実が語られつつあり、新たな証言が出てきたと聞いておりますが、足かけ丸7年続いた本件裁判における県の裁判戦略にいささか陰りが見えるような感さえいたします。 仮に、県の主張が認められなかった場合、どのような対応をお考えか、知事に御所見をお伺いいたします。 次に、長野県北部地震における震災後の状況についてでありますが、本年3月12日に発生した長野県北部地震は、公共土木施設や農地、農業用施設に大きな被害をもたらしました。被災地は豪雪地域であり、これから冬を迎えることから復旧の状況を心配しております。 そこで、公共土木施設と農地、農業用施設にかかわる復旧に要する費用と現在の復旧状況についてお伺いをいたします。 また、6月定例会で知事は、降雪前までに復旧作業が完了するよう全力を挙げて取り組む、との復旧に向けての決意を述べられ、今定例会でも大きな被害を受けた十日町市、津南町、上越市に対して、被災規模に応じて総額2分の1を直接交付し、一刻も早い震災からの復興に向けて支援策について提案されておりますが、いまだに復旧が完了していないところもあると聞いております。豪雪地域であるだけに、来春の作付に影響が出ないのかと心配しております。改めて、農地、農業用施設の復旧に向けた知事の決意をお伺いいたします。 次に、津波対策についてであります。 東日本大震災では、津波の高さが最大で40メートルを超えたとの調査結果もあるようでありますが、私も去る4月、女川原発のある女川湾で、37メートル地点で竹の葉っぱが枯れている現場を見るに、いかに今回の巨大津波により広範囲にわたり想像を絶する甚大な被害をもたらしたかがわかりました。 したがって、そうした中で防潮堤のおかげで難を逃れた地域もあります。本県も日本海に面し、離島も含めて海岸総延長が約600キロメートルを超える長い海岸線を有しております。 そこで、堤防、護岸の整備などの津波対策の現状について御所見をお伺いいたします。 県では、東日本大震災の想定をはるかに超える甚大な津波被害を踏まえ、本年5月に津波対策検討委員会を設置し、年度末までに今後の対策についての検討結果を取りまとめると聞いております。 大規模地震はいつ発生するかわかりません。昔から備えあれば憂いなしと申します。県民の生命、財産を守ることは行政の重要な課題であり、役割であります。できるだけ速やかに必要な対策を講じるべきと考えます。今後どのように対応されるのか、お伺いをいたします。 さらに、新聞報道によると、先月、東京電力は柏崎刈羽原発で原子炉建屋などの津波対策として、2013年の完成を目指し防潮堤の設置工事を始めたとのことでありますが、東京電力の津波対策に対する知事の御所見をお伺いする次第であります。 次に、東日本大震災の影響等についてでありますが、まず、福島県等からの避難者に関連して何点かお伺いをいたします。東日本大震災に伴う本県への避難者は震災直後から急増し、3月末ごろには9,200人を超えましたが、その後減り続け、9月初めには約6,500人となりました。 しかし、その後徐々に増加し、12月初めには7,100人程度となっております。このように最近増加傾向にある理由と今後の見通しについて、まずお伺いをいたします。 本県に避難をしてこられた方々の中には、生活の糧を失われた方々もいるのではないかと思います。そうした方々が本県において安定した生活を送れるようにするためには、雇用の場の確保が重要であります。 そこで、就職を希望する避難者の就職実態と避難者の雇用確保に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。 また、原発事故という特殊性から避難が長期化すると考えられます。やむを得ず故郷を離れ、見知らぬ地で長期間にわたり避難生活しなければならない被災者のことを思うとき、胸が痛むのは私だけではないと思います。 本年3月に本県議会において、全会一致で新潟県人と人との絆きずなづくり条例が可決されました。私たち新潟県民は、人と人とのきずなを大切にする県民であります。やむを得ず県内に避難してこられた方々が安心して生活できるように、すべての県民で支え、我も人もの仕合わせを目指してピンチはチャンスを与えてくれるとの思いで続いて御質問をいたします。 福島県飯舘村で農水省が放射能の除染対策の一環として、田んぼの表土を5センチ削って精製ゼオライトを施し、稲作を収穫いたしました。 それに対して、私たちは福島県棚倉町で海底から隆起し露天掘りした八幡鉱業社製のミネグリーンを田んぼの表土を削らないで施すことで、去る6月、鹿野農水大臣に直訴しまして作付の認可をいただき、6月5日、コシヒカリ1反歩を田植え、10月22日、稲刈り、放射能検査を実施した結果、国の出荷基準値よりもはるかに低濃度であることが証明された次第であります。 ほんの一例を申し上げましたが、農水省や飯舘村の菅野村長さん、佐野村議、関係者に心から厚くお礼を申し上げます。 そこでお尋ねしますが、本県においても避難者が県内において安心して生活が送れるように、定期的にアンケート調査を実施するなど、避難者の声を踏まえ、きめ細やかな対応が望まれますが、避難者の対応について知事の御所見をお伺いいたします。 次に、東日本大震災及び福島原発事故は、あらゆる産業に大きな影響を及ぼしました。県内の第1次産業、2次産業、3次産業にはどのような影響を及ぼしたのでしょうか、具体的に質問をいたします。 まず、第1次産業である農林水産業の影響について、風評被害など、先ほどの質問にもありましたけれども、東京電力への損害賠償請求の状況はどうなっているのでしょうか。 また、震災後の第2次産業である県内製造業の動向はどうなのか。 さらに、第3次産業である県内の観光への影響と今後の対策はどうなのか、まずお伺いをいたします。 次に、被災地、特に原発事故のあった福島県に派遣された職員の健康管理についてでありますが、東日本大震災の関係では、本県から多くの職員が被災地に派遣されました。 特に警察官の皆さんは、震災直後から被災地に出向き、これまでに延べ2万人以上が派遣されたと聞いております。行方不明者の捜索、被災地のパトロール活動、立ち入り制限区域の警戒、交通整理などの活動を行っております。昼夜を問わず被災地において活動している警察官の皆さんに心から敬意と感謝を申し上げます。 原発事故のあった福島県にも多くの警察官が派遣されておりますが、これまで経験がないだけに放射線による健康への影響も心配されることから、派遣後も健康管理をしっかり行っていく必要があろうかと思うわけであります。 特に私は派遣された家族から、そのことをしっかりとやっていただきたいという申し入れも受けておるわけであります。 そこで、警察官の派遣後の健康管理がどのようにモニタリングされ、また沃素剤の服用状況についても県警本部長にお伺いをする次第であります。 次に、新潟州構想についてであります。 本年1月25日、泉田知事と篠田市長が共同で、県と政令市との二重行政の排除、行政の効率化、基礎自治体の自治権強化等を目的として新潟州構想を発表し、そして7月には北川正恭氏を座長に迎え、新潟州構想検討委員会が設置され、来夏をめどに中間報告的な取りまとめに向け、これまでに3回検討委員会が開催されているところであります。 私は、6月定例会の連合委員会でも申し上げましたが、この新潟州構想は、20年先、30年先の新潟県、新潟市の将来展望に立った極めて高度な構想だと思っております。したがって、賛成の立場であり、大いに期待いたしております。 しかし、この構想の実現には大きな課題が2つあります。それは、新潟市民はもちろんのこと、県民の理解と地方自治法の改正がどうしても必要であります。 そこで、まず課題の一つである市民、県民の皆様の理解を得るという点は、市民、県民の皆さんがどのようにこの構想を受けとめているのか、どのような疑問を持っておられるのか、そういったことを受けとめ、そして知事、市長がそれぞれにしっかりと答えていく説明責任を果たしていくことが最も重要であろうかと思います。 そこで、新潟州構想検討委員会の委員の方々は高い見識を持った方々で、一般の市民、県民の目線とは少し異なるとは思いますが、3回開催されました検討委員会でさまざまな意見が出ていると聞いております。 また、知事、市長も2回出席され、直接意見を聞かれたかと思うのでありますが、検討委員会に出席してみての知事の所感をお伺いいたします。 市民、県民の皆さんにとって一番の関心事は、新潟州構想が実現した場合に提供される行政サービスがどのようなものかということではないかと思います。 そこで、これまでの検討委員会の議論の中で、県から政令市である新潟市に権限移譲すべきものとしてどのようなものが具体的に挙がっているのか、お伺いをいたします。 また、知事は記者会見等で二重行政の例として、県と新潟市の両方で持っている野球場、図書館、文化会館等を挙げておりますが、そうした施設の二重行政の問題は新潟州の実現を待つまでもなく、県立の施設を新潟市に譲渡すれば解決できるものではないかと素朴な疑問を持っている方もおられると思います。 そこで、二重行政の例としてそうした施設を挙げたというのは、近い将来、県立の施設を新潟市に譲渡するお考えなのかどうか、御所見をお伺いいたします。 次に、課題の2つ目である地方自治法の改正についてでありますが、地方自治法の改正は国政レベルの話になります。そのため、新潟州構想の実現には絶対に実現させるという熱意、執念を持って行動していくことが必要かと思います。 そこで、先般行われました大阪のダブル選挙は、大阪府知事であった橋下氏が大阪都構想の実現のためにとった行動によるものであります。そして、大阪市長選、大阪府知事選で、大阪都構想を目指す橋下、松井両候補がそれぞれ大差で当選し、その選挙結果を受け、自民党も民主党からも大阪都構想に前向きな声が出ております。まさに橋下氏の熱意、執念が市民、府民を動かし、国をも動かそうという感さえあります。 そこで、地方自治法の改正のために、例えば本県においても地域政党を立ち上げ、知事みずから、あるいは候補者を立て、大阪維新の会の橋下氏等とも連携しながら、新潟州実現のために地方自治法の改正を争点に、国政選挙で戦うなどといった方法もあろうかと思いますが、知事は地方自治法改正の具体的な方策についてどのように考えられているのか、御所見をお伺いいたします。   〔何事か呼ぶ者あり〕 ◆青木太一郎君(続) ありがとうございます。 次に、エネルギー政策についてでありますが、まず初めに、今冬の節電対策についてお伺いいたします。 ことしの夏は、東日本大震災による福島第一原発事故を発端とする電力不足に対応するため、東京電力、東北電力管内に37年ぶりに大規模工場など大口需要家に対して節電を義務づける電力使用制限令が発動されました。 また、全国的に節電キャンペーンが行われ、本県においても県民の皆さんの協力を得るためにピークカット15%大作戦が展開され、ことしの夏は節電の夏でありました。 ところが、今冬は新聞報道によると、東北電力の電力需要見通しは、12月に最大41万キロワットの電力不足が想定されるものの、1月、2月は電力不足なしとのことであります。 そこで、県では今冬の電力需要見通しについてどのような認識を持っておられるのか伺うとともに、今冬の節電対策にどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、新潟版グリーンニューディール政策の一環として取り組んでいる東部産業団地のメガソーラーについて何点かお伺いをいたします。 福島第一原発事故を受け、太陽光発電など再生可能エネルギーに注目が集まっている中、本年8月に再生可能エネルギーを一定価格で電力会社が買い取ることを義務づける再生エネルギー特別措置法が成立し、来年7月から再生可能エネルギー固定価格買い取り制度がスタートすることになりました。 そうした動きが出る前から、本県においてはこれまで昭和シェル石油株式会社と共同で国内初となる商業用メガソーラーや、東部産業団地で全国初の自治体直営のメガソーラーに取り組んできました。まさに時代を先取りする取り組みを進めてきたと言えます。 しかし、県が行うということは、そのことで県民にどのようなメリットをもたらすのか、また企業会計で行うには採算性も重要であると私は考えます。 そこで、本年10月31日に営業運転を開始した東部産業団地のメガソーラーについて、建設に要した総事業費と平年ベースで見込まれる収益、費用、損益はどうなのか、お伺いをいたします。 また、メガソーラーの設備によって雇用が新たに創出されれば、県民にとってのメリットにもなりますが、現在増設予定のものを含め東部産業団地のメガソーラーの整備による雇用効果はどのようなのか、お伺いをいたします。 さらに、東部産業団地のメガソーラー建設の目的について、企業局長は以前、分譲がおくれている東部産業団地に、新たな企業誘致戦略として新エネルギー施設を建設し、分譲促進につなげたいという答弁をしておりましたが、企業誘致の活動などで企業の皆さんと話し合いをしてみて、企業の反応はどうなのか、また分譲につなげたいという希望どおりに企業誘致が進んでおられるのか、メガソーラー建設による企業誘致の効果についてお伺いをいたします。 再生可能エネルギー固定買い取り制度がスタートすれば、事業の採算性が向上することから、それをにらんで既に民間企業が新たにメガソーラー事業に参入する動きが出ております。 例えば、先日新聞報道されていましたが、大阪の企業が2012年3月までに合計4万キロワット分を本県など全国数カ所で着工するため、本県や福岡などの自治体と用地確保などの交渉を進めるとのことであります。 そこで、採算性が向上し利益が出るのであればさらなる建設も考えられますが、今後、電気事業としてさらに取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、原発の安全性についてお伺いいたします。 本年3月に発生した東日本を襲った1,000年に1度とも言われる未曾有の大震災により、想定をはるかに超える津波が発生し、史上最悪とも言われる福島第一原発事故が起きました。 これまで、原子力発電は我が国の経済発展に寄与してきましたが、その存在は安全性が確保されることが大前提でなければなりません。国民の生命にかかわるだけに、1,000年に1度の地震、想定外の津波による事故だからでは済まされません。 そこで、今回の福島第一原発事故を受けて、原発の安全性に対する知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、北陸新幹線開業に伴う在来線対策についてであります。 第三セクター鉄道等協議会の発表によれば、加盟している35社の昨年度の経営状況は、赤字が31社で赤字総額38億5,200万円、黒字はわずか4社とのことであります。 そうした状況の中で、ほくほく線を運営している北越急行株式会社は、11億6,100万円の経常黒字とすばらしい成績を上げており、第三セクター鉄道の優等生となっていることは御承知のとおりであります。そうした北越急行の経営を支えているのが、営業収入の9割を占めると言われている特急はくたかによるものであります。 しかし、北陸新幹線の金沢開業により、特急はくたかの利用者が北陸新幹線にシフトすることで、北陸新幹線開業後は赤字経営が見込まれます。 6月定例会で北陸新幹線開業後の北越急行の経営見通しについて、知事は、赤字経営が見込まれるものの、内部留保資金を充てることで当分の間会社単独での運営は可能と答弁されましたが、具体的に現時点で計画している内部留保額と想定している年間の赤字見込額についてお伺いをいたします。 また、現時点で多額の内部留保資金があることは承知しておりますが、将来的な不安材料として、老朽化する資産の取りかえや、上越と魚沼を結ぶ地域高規格道路の開通もあります。 私も新潟交通電車線の廃止で沿線地域の活力が低下したことを知っているだけに、地域住民の生活を支える重要な路線であるほくほく線は絶対に廃止してはならないと考えます。 やはり、将来にわたって安定的な運行を確保していくために、黒字経営を目指して北陸新幹線開業前から沿線各自治体等とも話し合いをしながら利用促進に向けて取り組んでいくべきことが重要と考えますが、ほくほく線の利用促進に対する知事の御所見をお伺いいたします。 北陸新幹線開業でもう一つ懸念されるのが、特急北越などの優等列車の廃止であります。もし特急北越などの優等列車が廃止されれば、長岡、柏崎、直江津、糸魚川等が高速鉄道網から取り残され、利便性の低下により交流が減少し、県全体の活力低下を招くなどの悪影響が出るのではないかと心配しております。 そこで、県では特急北越などの優等列車の存続についてJR東日本に働きかけていると聞いておりますが、働きかけの中でJRから何らかの意向が示されているのか、また存続に向けて今後どのように対応していかれるのか、あわせてお伺いをいたします。 さて、ことしも残りわずかでございます。さまざまな質問を投げかけてまいりました。昨今の世情を見るに、今、最悪な経済環境にさいなまれ、国民、県民は必死に生きているのであります。 かの上杉鷹山の言葉を何度か引用してまいりました。なせばなるなさねばならぬ何事もと、ふと立ちどまって、何かなしたのかなと自問すれば、いまだに回答が出てきません。次々に起きる問題に追われ、ただその対策に当たっているだけではないかと懸念さえいたしております。 今、何をなさねばならないのか。まず、足元の土を耕し、産業という作物を植え、雇用という花を咲かせ、収入という実りをもたらせ、消費という食を満遍なく与える。それが本来の経済政策だろうと考えております。 確かに今は大変な時期であります。国の国民に対する借金も今や1,000兆円に迫ろうとしております。これは私たち国民が責任をとらなければなりません。 国民、県民一人一人が真剣に向き合わなければならないときであります。新たなる仕事を創造し、大きな市場に拡大できるような策を考えようではありませんか。まず、いま一度足元を見てみようと考えております。皆さんも足元をしっかりと見てください。何かあるかもしれません。 ことし1年、終わりよければすべてよしということがございます。師走は新しい年を迎える助走の月であります。県民起点に立ち、新しい年にふさわしい復旧復興、景気回復に向かって苦難福門の精神と常にプラス思考でもっともっと元気を出し、助走の勢いで泉田知事を先頭に全職員が心を一つにして、曇りなき明鏡の心境で来るべき新しき大節を迎えられますように大いに御期待申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 青木議員の一般質問に順次お答えをいたします。 激励にたがわぬよう、一生懸命県政運営をやらせていただきたいと思います。 まず初めに、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事件訴訟の判決見通しについてでありますが、判決は裁判所が裁判官の良心に基づいて下すものでありますので、県として予断は持っておりません。 次に、今後の和解についてでありますが、落下した連絡デッキは、完成から2年4カ月しかたっていないときに自重で落下をしたと。外的要因が全くない中で崩落をしたということでありますので、この事故の責任は、直接的には設計、施工をした側にあると認識をしております。 したがいまして、これまでも申し上げてきたとおり、県側から譲歩することは考えておりませんが、相手側から県の主張を認めて歩み寄る形での和解申し出があれば検討することもやぶさかではありません。 次に、判決後の対応についてでありますが、県といたしましては、判決内容を見た上でその対応を判断してまいりたいと思います。 次に、長野県北部地震における震災後の状況についてお答えをいたします。 農地、農業用施設の復旧に向けた決意についてであります。議員御指摘のとおり、被災地は中山間地域であり、かつ豪雪地域であります。もう降雪が始まっているという状況であります。雪解け直後から全力で復旧を進めてまいりました。 この結果、来春にはほぼすべての農地を復旧し得るのではないかと考えております。ほぼということは、残るところがあるということですが、農家単位で見ますと、すべての農家の方々が何らかの形で作付できるのではないかと現在のところ考えております。 被災された農家のお一人お一人が将来にわたって農業に携わっていただけるよう、引き続き営農体制も含め、きめ細かな対応を進めてまいります。 次に、津波対策についてお答えをいたします。 まず、今後の津波対策の対応についてであります。私も中央防災会議専門委員会の委員の一人として報告の取りまとめに携わらせていただきました。今回の東日本大震災の津波を見ておりますと、やはりどうしてもハードだけでは命は守れないという部分が見られるところであります。 津波の被害を軽減するためにどうしたらいいのか、特に高齢の方、体が不自由な方、小さなお子さん等々、避難者を支援するにはどうしたらいいのか。支援する方のほう、命をどう守るのか、警察、消防、介護士等々を含めて、命をサポートする側に大きな犠牲者も出たということは大変痛ましく感じております。 こういった方々の安全も確保しながら、住民の命を守るということを最優先に社会を構築していく必要があると考えております。迅速な避難に向けた仕組みづくり、これが必要ではないかと考えております。 そして、平時起こり得ると考えられる津波に対処する場合と、100年、1,000年に1回というような津波に対処する仕方、やはり違いがあるということだと思います。 この中央防災会議では2段階想定をしております。通常守らなければいけないものはハードで、それを超えた場合はソフトで命を守るということを主眼に対応していく。そのために避難行動につながる津波防災教育など、直ちに取り組めるところから実施をしてまいりたいと思います。 次に、東京電力の津波対策についてであります。 福島における原子力事故の原因が明らかにならなければ、安全上十分な対策と言えるのかどうか判断できません。実際、技術委員会においても津波対策についてさまざまな意見が出ておりますので、東京電力には技術委員会から出た意見を十分に考慮して進めていただきたいと思います。 次に、東日本大震災の影響等についてお答えをいたします。 避難者への対応についてでありますが、大渕議員の代表質問でお答えをしたとおり、現在、福島を中心に避難されてこられている方は、その避難期間が長期化をいたしております。支援のニーズも多様化をしているということでありますので、こういう多様化しているニーズにきめ細かく対応するという方向で対応を進めてまいりたいと思います。 原因を考えますと、国から先の見通しが示されていないということも大変罪深いと考えております。福島県当局、そして関係自治体は除染を進めて一刻も早く住民に帰ってきてほしいと、そしてまた、ふるさとを再構築したい、そういう気持ちを強く持たれているわけであります。 一方で、放射線量の高い地域に戻ることに大きな懸念を感じている母子等もいらっしゃるわけであります。今後、しばらく長期で住めないということが想定できる地域もあるわけです。新たに対策をどのように講じていくのか、国としての考え方を示すべきではないかというふうに考えております。 県といたしましては、現在アンケート調査を実施中であります。今後とも定期的なアンケートや懇談会を開催してまいりたいと思います。これらによりまして、お一人お一人のニーズの把握に努め、引き続き市町村、NPO等とも協力をしながら、お気持ちに寄り添った支援の充実を図ってまいりたいと思います。 次に、新潟州構想についてお答えをいたします。 まず初めに、新潟州構想検討委員会についてでありますが、私も7月の第1回に引き続き、さきの第3回の委員会に出席をさせていただきました。北川座長を初め、各委員の皆様がさまざまな観点で非常に熱心に、また関心高く御議論をいただいたというふうに受けとめております。 また、前回の委員会におきましては、課題と可能性を含めて幾つか事例の御説明をさせていただきました。委員の先生からは、具体例を聞いて新潟州構想の意義がよく理解できたといった意見もいただいたところであります。 やはり多くの県民、市民の皆様に御理解をいただくためには、具体例を積み重ねていくということが必要ではないかと思っています。制度的な課題を追求していくということもあわせてやりたいとは思うのですが、まず新潟州構想の意義、必要性などについて、広く県民、市民の皆さんに御理解をいただけるような実例をお示ししてまいりたいと思います。 次に、二重行政の排除に向けた県立施設の市への移譲についてであります。 御提案のありました県立の施設を新潟市に譲渡をするという考え方でありますが、県立のものを新潟市に譲渡すると何が起きるのかということなのですが、今までは県民の皆さん、新潟県民であれば当然県立の施設で、おれたちの税金も入ったおれたちの施設だと思っておられるわけです。現実、県の財政で建設、運営をしてきたというものでありますので、市立になると新潟市民以外の方はどう思われるかという問題が発生し得ると思っています。 現実、東京の区立のプールというのは区民は特別料金で、区民以外は料金が高くなるというようなケースもあるわけです。そうすると新潟市に移管すればすべて問題解決するかというと、新潟市民以外の県民にとっては少々不安が残る可能性というのは否定し得ないということがありますので、慎重な検討が必要ではないかと。 では、この施設の二重行政の問題を解決するにはどうしたらいいのかというと、それぞれの機能を明確にして一体的に管理をしていくという手法もあるのではないかと思っております。 具体論については、今後、委員会等で幾つか提案をしながら、県民の皆様にも安心をしていただいて、かつ効率化をする仕組みというものを模索してまいりたいと思います。 次に、地方自治法改正に向けた具体的な方策についてであります。 議員御指摘のとおり、大阪都構想の実現に向けては、府と市の対立関係から橋下氏が地域政党を立ち上げ政治主導で進めるということとなりました。しかし、新潟州構想については県と市で共同で提案をし、かつその実現を目指しているということですので、地域政党を立ち上げる必然性は必ずしもないと考えております。 まずは丁寧に説明をし、十分議論して合意形成を進めていきたいと考えております。新潟州構想検討委員会を設置した趣旨もこういった考え方からであります。 いずれにいたしましても、現在の地方自治で満足しているのかと。これは知事だけではなくて市町村長に聞いても、何か施策をやりたい、ローカルマニフェストを掲げて選挙に当選したけれども、ほとんど裁量の余地がないという感覚を持っている人が大勢を占めているということだと思います。 私も知事に就任してからこんなに裁量権がないのかと愕然としたことを覚えていますが、やはりこの国の形として住民のニーズにこたえられる地方自治制度をどういうふうにつくっていくのかと。これはやはり徐々に改善をしていく、早急に見直しを進めていく、ここに取りかからなければいけないということだと思っています。 国が動かなければ一切何も変わらないということではなくて、市民、そして県民の意思が地方議会を通じて動いていくというダイナミズムが見えるような地方自治制度を目指すべきではないかと、このように考えております。 いずれにいたしましても、各地域の取り組みが国を動かす力になりますので、共通の課題認識を持つ他の地域とも連携をしながら国へ働きかけてまいりたいと思います。 次に、エネルギー政策についてお答えをいたします。 まず、今後のメガソーラーの取り組みについてでありますが、全量買い取り制度を内容とする特別措置法が成立をいたしました。しかしながら、人事でもめているという段階で、具体的な買い取り価格、買い取り期間が示されておりません。 今後どうするかということについては、具体的な買い取り価格、買い取り期間が示された段階において、その内容を見きわめ、可能な限り前向きに取り組んでまいりたいと思います。 次に、原子力発電所の安全性についてであります。 人がつくるものに100%安全なものは存在しないと認識をいたしております。今回の福島原発事故を踏まえれば、どこの原子力発電所においても事故が決して起こらないとは言えないものと考えております。 本県には既に柏崎刈羽原子力発電所が存在しており、安全性について懐疑的な立場において原子力発電所にかかわり続けていかざるを得ないと考えております。 次に、北陸新幹線開業に伴う在来線対策についてお答えをいたします。 北越急行の利用促進の取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、やはり駅をもって、それがまちの核となって住民の生活を支えていくということは、地域の活力に大きな影響を与えるということだと思います。 ほくほく線は地域住民の生活を支え、沿線の観光地をつなぐ重要な路線でもあると認識をいたしております。 現在、関係者が中心となってマイレール、北越急行を残していこうというさまざまな取り組みがなされています。私も利用した際に旅館のおかみさんたちと駅のプラットホームで遭遇をいたしました。それこそ地元の特産品を配布をしたり、大変涙ぐましい努力をされているという状況を理解しているつもりであります。 こういった沿線イベントのPRや利用促進活動等を進めてきた結果もあると思っていますが、平成21年度には、はくたかを含まない、はくたかの旅客を除いて、普通列車の年間輸送人員が初めて100万人を超えるということで、これらの活動の成果も出てきているのではないかと受けとめております。 県といたしましても、北陸新幹線開業に向けてこうした流れがさらに活発になるよう協力をしてまいりたいと思います。   〔知事政策局長杉山順爾君登壇〕 ◎知事政策局長(杉山順爾君) お答えいたします。 新潟州構想検討委員会における新潟市への権限移譲の具体例についてでございますが、現在、新潟州構想検討委員会では、港湾・空港機能の強化、災害時危機管理対策、まちづくりなどの具体例を用いて、県と市の現状や課題について検討を進めているところでありますが、こうした課題への対応策については、制度的な課題解決が必要なもの、あるいは県と市の連携の強化により対応可能なものなど、各課題に応じてさまざまな対策が想定されるところでございます。 新潟市への権限移譲につきましても、その手法の一つとして考えられるところでございます。いずれにいたしましても、検討委員会で示された具体例に限らず、新潟州構想を契機として、今後、県と市で検討を進めていく必要があると考えております。   〔防災局長飯沼克英君登壇〕 ◎防災局長(飯沼克英君) 東日本大震災に伴う本県への避難者についてでありますが、最近増加傾向にある理由といたしましては、尾身議員の代表質問でお答えしたとおり、被災県側の仮設住宅への入居が一段落した一方で、放射能の影響を懸念する小さいお子さん連れの世帯を中心とする避難が継続していることによるものと考えております。 また、今後の見通しにつきましては、避難を希望する問い合わせが少なくなっていることから、急激に増加する状況ではないものと考えております。   〔産業労働観光部長高井盛雄君登壇〕 ◎産業労働観光部長(高井盛雄君) 4点についてお答えします。 まず、東日本大震災に伴う本県への避難者に対する就労支援等についてでありますが、県といたしましては、避難者の就労の意向をお聞きするとともに、雇用対策基金事業の活用や経済団体に対する要請などにより、避難者の雇用の場の確保に努めてきたところであり、これまでに約630名の避難者が県内で就職しております。 本県への避難者が最近再び増加傾向にあることから、引き続き関係機関と連携して求人情報の提供や就職相談の実施、本定例会に補正予算案を提案している雇用対策基金事業の拡充などにより、避難の長期化にも対応した就労支援を続けてまいります。 次に、東日本大震災及び福島原発事故後の県内製造業の動向についてでありますが、発災当初はプラス、マイナスの両面の影響を受けながら、総体として弱い動きで推移していたものと承知しております。 具体的には、建設関連部材や加工食品を初めとした防災関連など、震災特需により増産となった業種がある一方、機械関連産業を中心にサプライチェーンの寸断による稼働率低下のほか、一部食品等で諸外国における輸入規制の影響が見られたところであります。 このところは、サプライチェーンの回復とともに部材・部品調達の障害が解消されるにつれ徐々に持ち直す動きが見られますが、異常な円高や海外経済情勢の不確実性などから先行きへの不安が高まっているのが現状と認識しております。 次に、東日本大震災及び原発事故による県内観光への影響と対策についてでありますが、楡井議員の一般質問にお答えしたとおり、震災後は観光客が大幅に減少しましたが、ゴールデンウイークにはほぼ例年並みとなりました。 その後、入り込みが厳しい時期もありましたが、夏以降は例年より増加した地域もあるなど、持ち直しの動きが見られるところであります。 今後の対策といたしましては、スキーを中心とした雪の楽しさや温泉など、新潟の冬の魅力をアピールしていくことで入り込み客の増加を図ってまいります。 次に、今冬の節電対策等についてでありますが、東北電力においては、被災した発電所の復旧、自家発電の購入、電力会社間での電力融通などにより供給能力の確保に努めていると承知しており、今冬において電力供給に大きな不安はないものと考えております。 今冬の節電対策については、健康や安全、事業活動に影響を与えない範囲での無理のない節電を広く呼びかけるとともに、県内企業が生産に関与する石油ストーブやニット製品等を冬季節電サポートグッズとして周知し、県内産業の振興を図ってまいります。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) お答えいたします。 東京電力への損害賠償請求の状況についてでありますが、本県ではJAグループの損害賠償対策県協議会において、風評に伴う肉牛の販売価格の下落や出荷遅延による損害分として、これまでに総額1億6,892万円の賠償請求が行われ、12月2日にそのうちの1億4,380万円が支払われております。 今後、風評に伴う損害分の追加請求に加え、新たに汚染堆肥の保管経費や放射性物質の検査費用などについても賠償請求を行うことを検討していると聞いております。   〔農地部長米田博次君登壇〕 ◎農地部長(米田博次君) お答えいたします。 長野県北部地震における農地、農業用施設等の復旧に要する費用についてでありますが、国庫補助による費用は約8億4,000万円となっております。 また、復旧状況についてでありますが、現在、農業用施設についてはすべて機能を確保しており、農地については復旧作業を続け、1カ所を除き来春の作付は可能となる見通しです。 なお、大規模な地すべりにより来年秋までの工程で事業を実施している当該箇所においても、工事の進捗に伴い、来春作付できない農家は解消される見通しです。   〔土木部長田宮強志君登壇〕 ◎土木部長(田宮強志君) 2点についてお答えいたします。 長野県北部地震で被災した公共土木施設に係る復旧に要する費用と復旧状況についてでありますが、県管理公共土木施設の復旧事業費は約25億円であり、県では発災当初より市町村及び関係機関と連携を図りながら災害復旧に全力で取り組み、今冬の道路ネットワークを確保したところであります。 今後とも引き続き早期復旧に向け取り組んでまいります。 次に、堤防、護岸の整備などの津波対策の現状についてでありますが、本県においては保全対策が必要な海岸約370キロメートルを有し、平成22年度末現在で約240キロメートルの堤防や護岸を整備しております。 これまでの対策としては、過去に津波による大きな被害がほとんどなかったことから、津波対策を主眼としての取り組みは行っておらず、冬季風浪や高潮対策として施設整備に取り組んでいるところであります。   〔交通政策局長坂井康一君登壇〕 ◎交通政策局長(坂井康一君) 2点についてお答えいたします。 まず、北越急行株式会社の内部留保額と赤字見込額についてでありますが、北越急行が平成19年に策定した経営計画によれば、北陸新幹線開業までに内部留保を約130億円積み上げ、開業後の赤字見込額を年間1億円から2億円程度と見込んでいたところです。 しかしながら、世界的金融不安に端を発した経済不況や東日本大震災など、経営計画策定以降の経済・社会情勢が大きく変化していることから、現在、北越急行において経営計画の見直しを行っていると聞いております。 次に、優等列車存続に向けた対応についてでありますが、県といたしましては、存続に向けてJR東日本に対し働きかけているところでありますが、現段階においてJRから意向は示されておりません。 大渕議員の代表質問で知事がお答えしたとおり、JRの経営にマイナスになることを一方的に求めるのではなく、JRにとっても経営上プラスとなるような交渉材料が必要であり、そのためにも国に新幹線貸付料の赤字解消分の返還を求めているところです。   〔企業局長鈴木文夫君登壇〕 ◎企業局長(鈴木文夫君) 3点お答えいたします。 メガソーラー1基目の事業費等についてでありますが、電気事業会計として見れば、発電設備等が約4億3,000万円、用地費用が約2億9,000万円であり、総事業費は7億2,000万円余りとなっております。 一方、発電設備に充当した国庫補助金及びもともと県の所有であった用地費を除けば、県の負担は地域振興積立金を充当した約2億3,000万円となります。 また、電気事業会計で見込まれる収益等につきましては、事業期間を22年として試算しますと、収入は年間で約1,100万円、費用も同程度と見込んでおり、収支はほぼ均衡するものと考えております。 なお、この事業の実施により未利用地の活用が図られるとともに、毎年度費用計上される所在市町村交付金は地元市に交付され、有効に活用されるものと考えております。 次に、メガソーラー建設による雇用効果についてでありますが、1基目及び2基目の投資額をもとに新潟県産業連関表から推計すると、90人程度の県内雇用が誘発されることになります。また、設備の定期的な点検、除草等の場内環境整備や施設の警備等の業務を委託することとしており、これら業務の実施により雇用が生ずると考えております。 次に、メガソーラー建設による企業の反応と企業誘致の効果についてでありますが、東部太陽光発電所の建設にあわせて見本市出展や業界紙等を通じて東部産業団地の宣伝活動を行っており、企業の太陽光発電所への関心の高まりとともに、団地のイメージや認知度も上がっているものと認識しております。 最近の急激な円高により、企業の海外展開が一層進展し、企業誘致は厳しい状況ではありますが、分譲の促進に一層努めてまいります。   〔警察本部長大庭靖彦君登壇〕 ◎警察本部長(大庭靖彦君) お答えいたします。 福島県に派遣された警察官の派遣後の健康調査についてでございますが、派遣する部隊につきましては、部隊員に被曝線量計を携行させて被曝線量を把握し、累積の被曝線量を管理しておりますが、いずれの部隊においても健康に影響がないと認められる数値となっております。 また、被災地の悲惨な状況に直面して受けるストレス対策といたしまして、6月末まで派遣されて帰県した718人に対しましてストレスチェックを実施しましたが、治療等のフォローが必要な部隊員は確認されておりません。 次に、安定沃素剤の服用状況についてでございますけれども、福島県に派遣した部隊員で服用した者はおりません。今後とも派遣する部隊員の健康管理につきましては、万全を尽くしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村松二郎君) 青木太一郎君の質問は終わりました。 次に、横尾幸秀君の発言を許します。横尾幸秀君。   〔横尾幸秀君登壇〕(拍手) ◆横尾幸秀君 無所属の横尾です。通告に従いまして、順次一般質問をさせていただきます。最後となりまして、多くの質問でダブっていますけれども、よろしくお願いします。 最初に、県政の諸課題につきまして13点質問させていただきます。 3月11日に発生しました東日本大震災を初め、国内では本県も含め予想を超える大型台風やゲリラ豪雨などで甚大な被害を受けました。多くのとうとい生命と財産をなくされた方々、被災された方々に心より御冥福とお見舞いを申し上げます。 さて、今臨時国会で本格的な震災復興費を含む12兆1,000億円と財源確保の関連法案並びに復興特区法案、復興庁設置法案が震災発生から9カ月後にようやく成立しました。復興財源を増税で賄うとしたことには賛成しかねますが、執行に当たっては関係者全員が襟を正し、歳費の無駄を徹底排除するなど、国民に納得していただいた上で実行すべきです。 そして、国の支援体制のおくれで、本格的な冬を迎える被災地では、寒さ対策や企業などの資金繰りが深刻な問題となっていることを肝に銘ずべきです。その上で一刻も早い予算執行を急ぎ、復興のおくれを全力で取り戻してほしいと願うものです。 この3次補正には急激な円高・デフレ対策も盛り込まれています。企業立地を促す補助金が主なものだそうですが、これが震災復興と組み合わせて震災地の雇用改善や生産改善になるよう工夫も重要と考えています。閉塞感が著しい日本経済を被災地の復興から特需として拡大することが一番現実的ではないでしょうか。 先般、内閣府が7月から9月期の実質国内総生産GDPを発表されました。12月9日に公表されました2次速報値では、11月公表の速報値からやや下方修正されていますが、それでも前期に比べ1.4%増、年率換算で5.6%増となっています。 1年ぶりのプラス成長とのことですが、超円高・デフレ下では実感が伝わらないし、企業の生産現場では、東日本大震災やタイの洪水被害などで部品供給や調達などに支障が生じて、生産の正常化には相当時間がかかるとの見方もあります。 企業の業績が上がらなければ、一番先にリストラされるのは非正規労働者です。リーマンショック後、製造業などで大量の派遣労働者の雇いどめが発生し、社会問題となりました。 国内の景気低迷により派遣切りが大量に出ないよう、雇用や生活の安定を保障する方策を現在国会で継続審議中となっております労働者派遣法改正の具体的な方策を早急に出してほしいと思うものです。 野田首相は、中間層の厚みを増すと言っています。中間所得層をふやすには、安定した雇用が不可欠です。ならば非正規雇用から正規雇用実現に対する具体的な道筋を示してほしいものです。 また、世界各国では自然災害が拡大しています。日本や中東など各地で多発する地震、中国や東アフリカなどで発生している大干ばつ、オーストラリア、東南アジア、アメリカなどの異常豪雨や大型の竜巻被害、火山の爆発などなど、今世紀に入って頻発している自然現象は我々人類に何かを警告しているのではないでしょうか。 本県もたび重なる大災害で甚大な被害を受けました。県行政の仕事は県民の生命、財産を守ることを最優先することですが、基本は自分の命は自分で守る、この啓発もしていかなければなりません。 そのためには、日ごろから防災意識を持ち、避難場所や避難訓練を通して即行動ができるよう、全県で総合防災の日を設けて訓練するなど、共通認識を持つことが大切ではないでしょうか。 心配の種は尽きませんが、爆発的な世界の人口増加に対する食料供給の危機が現実味を帯びてきました。食料を輸入に頼っている我が国にとりましては、看過できない重要な行政課題です。 一方、ギリシャの財政破綻を皮切りに、イタリアなどEU諸国の債務危機が世界経済に飛び火して大恐慌になるおそれも現実味を帯びてきました。我が国は世界第3位の経済大国ですが、世界の潮流にのみ込まれる危険性もはらんでいます。 特に近年目覚ましい勢いで世界じゅうに新自由主義が台頭した結果、我が国にも格差社会が蔓延し、日本らしい秩序が失われつつあります。しかも格差は地方ほど顕著です。地方が元気にならなければ国全体が衰退していくはずです。 そんな中、知事は地方の行政改革を掲げられました。前途は厳しいものがあると思いますが、一石を投じなければ波紋が広がらないと私自身も思っています。 そこで、本県に山積しています課題の中から知事並びに関係部局長にお伺いをします。 まず、1点目の質問です。前段でも申し上げましたが、現在、我が国は数年間にわたり超円高で、経済全体が疲弊していると思います。しかし、政府も日銀も為替介入をしたものの消極的です。 企業にとっては、設備投資をして生産拡大し利益を出そうにも、経営維持がやっとの状態では有利な融資などの制度も活用できない状態です。賃金が上がらなければ、生活をしていくのがやっとです。消費意欲もわきません。完全なデフレスパイラル状態です。 常々知事が言われているように、この際は思い切ったインフレにシフトするチャンスと思いますが、政府はなかなかかじを切りません。超円高で得をする企業もあるでしょうが、全体的には少ないと思います。 そこで、長引く円高・デフレにあって、県内の企業などは大変厳しい状況が続いていると思いますが、最近、妙高市におきましても大手企業では事業の大幅縮小も検討されており、地域経済に大きな影響を及ぼしつつあります。 加えて、欧州の経済情勢が不安定となる中で、本県経済の現状と今後の見通しをどのように認識しておられるか、お伺いします。 2点目の質問です。県では、これまで何回も円高・デフレ対策としてマイナス金利制度や各種融資制度の拡充などで支援に取り組んできましたが、これまでどのような効果があったのか、お伺いします。また、これらの制度にはどのような課題があるのか、お伺いします。 3点目の質問です。国内大手企業や中小企業の中には、長引く円高・デフレの影響により経営が成り立たないとのことから、賃金や土地の安い海外へ工場移転をする企業も急増中の様子です。 価格競争の激化への生き残り策として、県内企業は海外移転を考えているとお聞きしますが、県内企業の海外への移転の現状につきましてお伺いします。 4点目の質問です。依然として雇用は厳しい状況にあります。来春の大学卒の就職内定率も調査開始以降、過去最悪に近いと言われる中で、その就職活動は学生にとっては心身ともに苦労が多いと聞きます。 特に大卒者の多くは安定した大手企業を望みますが、本県の場合、中小企業が中心であり、求人する側と求職する側とのミスマッチが壁となっています。従来は新規高卒の就職内定率は安定していましたが、現状では大変厳しいことになっています。 一方で、若者の非正規雇用は増加しており、安定した生活を確保するにはほど遠い状況にあると考えます。 住んでみたい新潟を目指している本県としては、若者が県内に定着できるよう、さらなる雇用対策が必要と考えますが、所見をお伺いします。 5点目の質問です。中高年層の雇用環境も厳しい状況にあります。高度な技術を発揮できる世代は、子供たちの養育費なども一番必要とする世代です。特に定年前の世代の再就職は大変狭き門となっていると感じられますが、本県の現状につきましてお伺いします。 また、これら世代の再就職につきましては、職業訓練校などで必要な技術取得の機会もあります。再就職を積極的に後押しする必要があると思いますが、どのような対応をとっておられるか、お伺いします。 6点目の質問です。本県は、自然と食を生かしたグリーンツーリズムや災害での防災経験から防災グリーンツーリズム、海外からの観光客誘致などさまざまな取り組みが各地で行われています。働く場の確保にも十分対応できるものであり、取り組んでいかなければなりません。 しかし、本県はまだ恵まれた海、山の特性を生かし切れていないと感じています。歴史や文化、名所旧跡を初め、森林資源や温泉など豊富な自然資源と、最近、県内各地で活発に実施されていて大変好評な御当地グルメなどのイベントとの組み合わせでさらなる観光誘客を図ることも考えられると思いますが、所見をお伺いします。 7点目の質問です。全国でも医師不足は下位にあり、年々深刻さが増しています。そんな中、(仮称)魚沼基幹病院の整備や県央圏域の救急医療体制の検討が進んでいます。今後の県内の医師不足はますます深刻さを増すものと予想されますが、現在進めています医学生の増員や医学部の新設などは大変な時間を必要とします。 あらゆる機会を通して医師確保にみんなで努力していくことはもちろんですが、医師不足対策には可能な限り医療に頼らない方策も重要と考えます。 医療の必要な高齢者や子供たちが毎日元気に過ごせるような生活習慣を充実することが一番現実的ではないでしょうか。 そこで、その一つとして県では新潟県「夢おこし」政策プランに基づく計画として、平成18年に新潟県健康福祉ビジョンを策定し、平均寿命、健康寿命の延伸を目指していますが、その進捗状況につきましてお伺いします。 8点目の質問です。既に県内市町村や民間団体などでも健康づくりや疾病予防の取り組みが積極的に行われているとお聞きしていますが、今後、県として関係市町村や民間団体などと連携してどのような取り組みを行っていかれるか、お伺いします。 9点目の質問です。健康ビジネス連峰政策につきましては、本年3月に公表された健康ビジネス∞ベストプラクティスの中でも、地域の自然散策や温泉を活用した健康ツアー、山野草などの薬膳ツアーが採用されていますが、その後、ビジネスとして定着が図られているのか、お伺いします。 また、今後、それらを含めた健康ビジネス全般の拡大に向けて、どのように事業展開をしていかれるのか、お伺いします。 10点目の質問です。農業県である本県の主たる経営者の大半が60歳以上の高齢者です。持続的な農業経営を行うには、若い農業後継者の確保も重要な課題であります。そこで、本県の中山間地域で取り組んでいます新潟県版所得保障モデル事業の成果と課題につきましてお伺いします。 11点目の質問です。また、県内では自立できる農業経営として、6次産業化を重点施策に取り上げ推進しているところですが、現状におきまして既に成果を上げている経営体もあるとお聞きしますが、現状と課題につきましてお伺いします。 12点目の質問です。間もなく冬将軍がやってまいります。雪は豊かな資源ではありますが、生活するためには大変苦労が伴います。雪国の生活で困ることは、救急医療や消防、通勤、通学など安心、安全の確保です。 最近はきめ細かな道路除雪などで何とか生活は確保されていますが、住民要望の多いのは道路除雪情報です。医者通いする高齢者、遠方への電車通学生や勤務者などは、寒い中、不規則時間で来るバスや電車を待つことが大変つらいとのことです。 冬期間における道路除雪情報につきましては、一部の地域でGPSを活用してリアルタイムで住民へ情報提供を試行していますが、こうした情報は一部住民や除雪事業者だけでなく、広く県民や来県者にも情報を提供することで雪道の安全確保に役立つものと考えますが、この道路除雪情報に係る取り組みの評価と全県への拡大の方向性につきまして所見をお伺いします。 13点目の質問です。県が行う防災訓練には、広域的な被害も想定した上で、複数市町村と連携し、一般県民のほか、学校、保育園、介護施設などの多様な関係者の参加も得ながら、実践的な内容で行うことが重要であると考えますが、県が行っている防災訓練の状況を伺うとともに、東日本大震災を踏まえ、今後の防災訓練をどのように進めたいと考えておられるか、お伺いします。 次に、私は本年2月定例会でTPP問題に関する一般質問をさせていただきました。その後も大勢の人たちから内容がよくわからないという質問をいただきました。そこで、今回も通商関係の専門家である知事のお考えをお聞きして、疑問に思っている方々に少しでも理解していただきたいと思い、再度質問させていただきます。 そもそも私も疑問視する一人です。その発端は、小泉元首相が新自由主義を日本に持ち込み、例外なき構造改革を進めたときからです。 これまで日本は、独自の歴史観と卓越した伝統ある技術力で戦後の復興をなし遂げてきまして、一時期世界の注目を浴びました。みんなで協力した結果、今や世界でもトップクラスの経済大国となったわけです。 そんな日本をアメリカが輸出国としてターゲットに選ぶのは至極当然のことです。アメリカの歴代大統領は、日本に対しあらゆる手段を用いてアメリカ自身の国益となるよう、巧妙かつ大胆な戦略で外交交渉をしかけてきました。 アメリカのすごいところは、交渉経過の大半をオープンにして、だれもがインターネットで情報を知ることができるところです。 私は、小泉改革が始まったころ、偶然にもノンフィクション作家であり建築家でもある関岡英之さんの「拒否できない日本」という本を読んで愕然としました。 関岡氏は、みずからが建築家として研修するために、1999年6月、北京の人民大会で開催された国際建築家連盟の世界大会に参加されたとき、アメリカが中国と歩調を合わせて世界各国の建築家の資格制度を国際的に統一するルール、これが決定されたそうです。 この国際ルールはアメリカの制度そのものであり、関岡氏はそのときアメリカの戦略のすごさを感じたそうです。 アメリカの日本に対しての戦略ですが、最大の貿易国として選んだ後、時間をかけて日本のあらゆる諸事情を研究して、日本を改造し拒否できない日本にしたということです。 先ほど、知事からかかわっておられたというお話でしたが、1989年、アルシュサミットの日米首脳会議、これは当時のブッシュ元大統領と宇野元総理との間で日米構造協議が取りざたされた後、1993年7月、当時の宮沢喜一首相とビル・クリントン大統領の間で日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく要望書、これは年次改革要望書と言われていますが、これが実行されました。 アメリカは、日本の実情を事細かに分析し、日本の思考・行動様式を変形、破壊しないと対日貿易赤字は解消されないとして、アメリカ側からいろんな要望が出されました。そして、建築基準法の改正、独占禁止法の強化と運用の厳密化、労働者派遣法改正、郵政民営化などが実現したのもこの流れからです。 関岡氏は、これらの情報は駐日アメリカ大使館のウエブサイトで毎年報告されていて、それも日本語訳にされているもので、それが日本政府も日本のジャーナリストもほとんど情報開示に関心を示していないと言っています。何かその中に意図的なものを感じます。 このような経過を知るにつけ、私は一番心配、大変疑問に思うところは、既に交渉の入り口で完全にアメリカにイニシアチブをとられ、主権国家間の正常な交渉にほど遠いものを感じるからです。 アメリカは、しっかり、国益として、選挙民やスポンサー企業へのビジネスチャンスの拡大を明確な戦略としているところであります。日本は、これに対抗できる戦略と交渉努力をしてきたでしょうか。 これまでの日米外交交渉の経過から、アメリカは日本をターゲットとして組みやすいと明言しているところに、今後の危うさを感じるのであります。私の浅はかな私見ですが、この一連の経過がTPPにつながっていると思えてなりません。 TPP環太平洋連携協定は、現在9カ国以上が参加の予定ですが、アメリカのねらいは日本です。本質は物品市場アクセスや政府調達、知的財産、医療、金融サービスなど21分野に対し、規制緩和や例外なき関税撤廃を段階的撤廃することを求め、経済協力を推進する包括的な協定と言われています。 野田首相は、TPP参加で日本の将来の国益を最優先するとしていますが、一連の行動を見ていてかなり心配です。 そこで、知事にお尋ねをさせていただきます。 1点目の質問です。野田首相は、先月TPP交渉参加を表明しましたが、国会の場などでメリット、デメリットなど重要な情報開示をしないまま、しかも国民的な議論のないまま参加表明をされましたが、無謀と思います。これに対する知事の見解をお伺いします。 2点目の質問です。TPPの参加を否定している理由の一つとして、投資家対国家の紛争解決、つまりISDS条項が盛り込まれていることが挙げられます。 この条項は、オーストラリアやカナダではアメリカの投資家との間でトラブルが生じ、アメリカの政府筋でも一定の歯どめが必要との見解もあると聞いています。 この条項については、外国投資家から多大な損失賠償請求の増加を懸念する声がある一方、利害得失は日本も他国も同様との意見もありますが、この条項につきまして知事の所見をお伺いします。 3点目の質問です。日本は既に世界でも有数の食料輸入大国となっており、競争の厳しい製造業などでは海外での調達や生産を行うことで関税の問題は一定程度回避されていると思います。 また、日本は既にTPP参加国のほとんどとFTA、EPAを交渉、締結しており、あえて国論を二分するTPPへ参加する必要性は乏しいものと思いますが、知事の所見をお伺いします。 4点目の質問です。TPP交渉の中で日本への影響が著しいのは、主食用の米であると思います。米が関税撤廃の例外として認められない場合は、米作中心の農業県としてはかり知れない打撃を受けると思います。 知事は、あくまでも交渉で例外品目とすべきと言われていますが、拒否される場合も十分想定されます。その場合、知事は交渉から脱退もあり得ると考えておられるのか、改めてお伺いします。 最後の質問は、北陸新幹線問題についてであります。 これも前回一般質問させていただきました。しかし、開業まで残り3年となりましたが、この段階でも積み残された問題も多く、上越地域の皆さんは一日も早い解決を望んでいますことから、何点かお伺いするものです。 天気のいい日には、私の家から上越方面を見ますと、長く真っ白い高架橋が横断しているのがよく見えます。近くへ行きますと工事も順調に進んでいることがわかります。上下線とも秀麗妙高山が最初に歓迎してくれる地元では、(仮称)上越駅周辺の整備計画も動き始めました。 新幹線開業に合わせて、上越市が中心になって新幹線まちづくり推進上越広域連携会議が組織され、これに行政を含め、商工観光、交通、農業、教育、医療、スポーツなど関係諸団体が参加して地域振興策を検討しています。 新幹線の特徴は、時間距離が短縮され、1日の行動範囲が大幅に拡大されることです。大都市圏も完全に視野に入ります。何もしなければ出ていく人がふえ、入る人が減ることになります。 ごく当たり前のことですが、知事が関係機関に要望しています開業を契機にすべての列車を停車させるには、上越地域一丸となって最善の努力をすべきですが、これには上越地域だけの力では到底無理があります。 今後一層県からも本気になってもらって、地域の魅力創出に力を入れてほしいと願うものです。北陸新幹線が上越地域の振興策の起爆剤となりますよう、知事の積極的な対応を期待して、5点につきましてお伺いします。 1点目の質問です。上越地域では、北陸新幹線開業を大きな盛り上げをもって迎えたいと考えていますが、現状における諸課題の解決に向けて知事に期待する一方で、その進展が見られないことを不安視する声も多く聞かれます。 そのため、上越地域の人たちの不安を解消するために、一日も早い解決の道筋をつけることが必要と思いますが、解決に向けた知事の決意をお伺いします。 2点目の質問です。知事は、JRが支払う新幹線貸付料はJRの赤字解消分が含まれていることから、この赤字解消相当分を地方へ還元することを国に求めています。そのためには、北陸新幹線を初め、東北新幹線など整備新幹線沿線各県とも連携していくことが重要と思いますが、所見をお伺いします。 3点目の質問です。知事は、JRから経営分離される並行在来線の経営が成り立つよう、旧政府与党申し合わせによるスキームの見直しや初期投資への起債充当、交付税措置なども国に求めていますが、実現可能性をどのように考えておられるか、お伺いします。 4点目の質問です。知事は、国の対応いかんにかかわらず並行在来線が将来にわたって存続できるよう、並行在来線株式会社に対し必要な資金手当てに責任を持つとしておられますが、国の支援が得られない場合は多大な県民負担とともに、沿線3市も負担増が生じると危惧されますが、所見をお伺いします。 最後、5点目の質問です。北陸新幹線の金沢延伸により、新潟から北陸地域間の直通列車の廃止などが懸念されます。県でも、県土分断や本県と北陸地方とのアクセスの利便性が低下しないよう、現在の優等列車の存続をJRに求めていくとしています。 県では、現在どのような取り組みを行っているのかお伺いしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事泉田裕彦君登壇〕 ◎知事(泉田裕彦君) 横尾議員の一般質問に順次お答えをいたします。 まず初めに、本県経済の現状と今後の見通しについてであります。 本県経済は、3月11日の東日本大震災以降の落ち込みから持ち直しの動きが見られますが、足元では生産活動が足踏みしているという認識を持っております。さらに、水準として見れば依然として厳しい状況にあるものと認識をいたしております。 なぜそうなるかということですが、これも議員御指摘のとおり異常な円高・デフレが続いているということですし、輸出型産業、電機・自動車関連であれば欧州の経済状況というものが影響しています。さらには、タイの洪水の影響というものも徐々に国内に波及をしてきているものと受けとめております。 結果的に、特に新井工場の件もあるのですが、直接貿易をしている企業に比べて、そこの受注が見通せないことから、取引先中小企業にも企業経営面で不安が高まっているという状況です。 さらに、日銀短観よりも早い景気見通しは、鉱工業生産指数の予測修正率ってあるのですが、2カ月前、1カ月前、現実の生産というのを比べて、実際の生産がどうだったのかと、これが4カ月連続で下方修正になっていると。すなわち、在庫が企業が予測をしたよりも余分に積み上がって、生産を抑えるというような状況になってきていますので、今後も厳しい状況が続くと。 やはりマクロ経済対策をちゃんとやらないと、せっかく復興事業で盛り上がって日本経済はV字回復のチャンスであったのに、そのチャンスをつぶしてしまうということになることを大いに懸念をいたしております。 次に、若者の雇用対策についてであります。 議員の御指摘の大卒の内定状況、これは全国の状況でありまして、本県の状況は調査開始以来16年たっておりますが、下から7番目の水準ということで、必ずしも過去最悪という状況ではありません。 しかしながら、状況が厳しいことには変わりありませんので、若者が県内定着できるようにさらなる対策を進めてまいりたいと思います。 次に、観光資源と食のイベントとの組み合わせによる観光誘客についてであります。 これも議員御指摘のとおり、県内にはさまざまな観光資源が数多くあります。また、新潟の大きな魅力、これはやはり食であろうと受けとめております。食をキーワードとした観光誘客の取り組みを活発に行ってきております。 また、キャッチフレーズとして採用しているのが「うまさぎっしり新潟」ということでありますし、首都圏等で調査を実施しても新潟の食に期待するところは大ということです。 海産物に関していえば、日本海側の海産物ということになりますので、言い方はいろいろあるのですけれども、新潟の食を売り出していくということは大変重要ではないかなというふうに考えています。 組み合わせをしています例というのは、先般、月岡温泉で開催いたしました国際ご当地グルメグランプリもありますし、さまざまな形で観光と食、これの取り組みを進めてまいりたいと思います。 今後も地域の創意工夫を踏まえながら、効果的に誘客が図れるよう取り組んでまいります。 次に、健康ビジネス連峰政策の今後の事業展開についてであります。 冨樫議員にお答えをしたとおり、今後も健康ビジネス協議会と密接に連携をしながら、県内企業の新規参入を促してまいりたいと思います。 また、新規参入だけではなくて販売力強化への支援、これも重要ですし、さらなる発展が期待できるところを阻害しているのが国の規制です。国が責任をとりたくなければ、地方政府に権限を渡してくれればいいので、そうすれば域内で取り組みを進めて安全との両立を進めていけると思っています。 せっかく日本で生まれた技術が海外でしか試せないという状況を直していかないと、なかなか日本の今の閉塞感というのは打ち破れないのだろうというふうに思っています。 健康関連産業の高付加価値化、高齢化が進んでいる我が国が、先頭を切って新しい付加価値のあるサービス、それから機器等を提供していけるというのは、これは大きな可能性としてとらえるべきだろうというふうに考えております。 なお、健康ツアー型のビジネスの定着状況については産業労働観光部長から御説明いたします。 次に、TPP問題についてお答えをいたします。 まず、総理によるTPP交渉参加表明についてでありますが、まさに議員御指摘のとおりだというふうに思います。国から情報が十分提供されない、さらに国民的合意がなされていない中で政府の戦略も見えない。事実上の交渉参加に向けた表明だけがなされるという状況であります。 米国のサイドから見れば、これはTPPは米国だけが相手ということではないですけれども、情報開示がなされているわけで、これは大使館のほかにACCJ米国商工会議所が日本のルール、仕組み等、これを綿密に体験を通して調べ上げた上で、政府に報告をした上で、こうするべきということを提言しているわけです。それを踏まえて政府は動いていると。 一方、日本政府の場合は、今回ちょっと霞が関の話も聞いてきたのですが、日本が要求することを全然まとめていないという状況です。 幾つかやはり要求を出して、メリットがあるような形でこの交渉を活用するということであれば意味があるのですが、完全に受け身に回って情報を隠ぺいする、隠ぺいと言ったら言い過ぎかもしれませんが、情報を出さない中で交渉参加だけやっていくということは、これは極めてよろしくないということだと思っています。受け身に回った拙速な判断ということだと思っています。 1つ提案したいのですが、日本が要求すべき項目、ローカルコンテンツ法をやめるということを要求してみたらどうかと。 これは、海外に進出した日本の自動車産業は、地元から部品を調達しろということを義務づけられているわけです。そんな不公正な慣行はやめろと。日本から部品が輸出できるようにするというだけで、日本国内の中小企業を含めたインパクトというのは出てくるわけですから、米国が今持っている法律の中で日本経済を阻害しているものを要求していくべきなのだろうということだと思っています。 そういうことをしないで、要求されるほうだけ唯々諾々と受けていては、これは国益に合わないということだと思っています。 先ほど長部議員にも申し上げましたけれども、放射能を理由にして、科学的に根拠があるかわからない水準のものも食品輸入規制がかかっているわけです。そういうことはやってもいけないというルールをつくれという要求を出していくということも意味あると思っています。 いずれにいたしましても、日本国にとってメリットがある形の要求は何なのか、これは受けてはいけないものは何なのかということを産業界、労働界、それから医療関係、国民に開示をした上で交渉すべきだろうというふうに私は思います。それがなされない判断というのは拙速と言わざるを得ないということであります。 次に、ISDS条項についてであります。 これは、さまざまな見解があります。議員御指摘のような懸念もあるということですが、影響がないかもしれないということでして、やはりもう少し情報を出していただかないと判断ができないということだと思っています。 政府には十分な情報提供と戦略を求めたいと。仮に問題があるのであれば、受けないという方針で臨めばいいというふうに私は思います。 次に、TPPへ参加する必要性についてでありますが、基本的には我が国はエネルギーも資源も持たない貿易立国であります。したがって、経済連携を進めるということは国益にかなうものであると考えています。 戦前の状況を思い出していただければ、ブロック経済で相対的に条件不利になった国、持たざる国と持てる国で戦争が生じてしまったということがあるわけです。 したがって、経済連携を進めていくということは、資源、エネルギーを持たない国にとっては、基本的な方向性としては、こちらの自由貿易のほうでいくべきであろうということだと思います。 基本戦略で資源とエネルギーを持っている国は囲い込んだほうが得なわけです。でも、そういうことをするとトラブルが生じるということでできたのが、第二次世界大戦以降のIMF・ガット体制ということなわけですから、歴史教訓に学んで賢い判断をすべきだろうというふうに思います。 なお、具体的な必要性については知事政策局長から御説明を申し上げます。 次に、米の関税撤廃除外が認められない場合のTPP交渉からの脱退についてでありますが、あくまでも日本の方針というのは明らかにして交渉するということだと思います。 例外品目を明示した上で交渉すると、それを拒否されれば当然条約に加入できなくなるわけですから、それはそれで仕方がないと。その場合は、FTA、EPA等の2国間協定を模索するということでいいと思います。 少なくともマルチの交渉で意見も言わないというのはもったいないと。交渉参加表明ということをしている以上は思いきり意見を言うだけ言っていったほうがいいというふうに私は思います。 その上で、以前カナダのように除外品目を明言して交渉して参加を拒否されるケースがありましたので、結果がそのようになるというのは、これはやむを得ない。また、国益に合わないことでまとめようということになれば批准しないという選択もあると。 先ほども申し上げましたが、アメリカは京都議定書で思い切り意見を言うだけ言って、結局は国益に反するということでこれを批准しなかったという例があるわけですから、最大限努力して国益に合わなければ批准しないと、こういう行動をとるべきだと思います。 次に、北陸新幹線問題についてお答えをいたします。 諸課題の解決に向けた決意についてでありますが、本県としては既に国に対し具体的な解決策を提案いたしております。国として具体的な対応策を検討しているというふうに聞いております。 そもそも前原元大臣と約束した期限は、1年以内ということであったわけです。大幅に超過をしていることから、解決につながる話し合いができることを期待いたしております。 次に、新幹線貸付料返還に向けた他県との連携についてでありますが、本県がこの問題について広く働きかけた結果、各県共通の課題として取り扱うこととなり、共同で国に対して要望をいたしております。 次に、並行在来線に対する支援についてであります。 議員御指摘のとおり、本県では新幹線貸付料の赤字解消相当額の返還を求めております。一方、国からは、なぜ赤字解消部分を国が横取りするのかと、地方に返還しないのかという説明については明確な説明がありません。 その他の選択肢として、これも御指摘のとおり初期投資と県の出資補助に対する起債充当及び交付税措置というものも要望しております。これは、選択肢として要望しておりますので、並行在来線会社の安定した経営につながるような措置が講じられれば、すべて実現する必要はないと考えております。 次に、並行在来線に対する公的負担についてであります。 他の先行事例でも明らかなとおりなのですが、国から新たな支援が得られない場合、並行在来線を維持するためには多額の公的負担が必要になります。加えて、運賃値上げで高校生をお持ちの御父兄の皆さんとか、それから病院に通っている方々等が余分に負担をするということになるわけです。 新幹線で東京に用事のある方々の犠牲になって、ふだんの生活で余分な出費を強いられるという構造になっていくわけで、極めてそういった方々にとっては理不尽きわまりない制度になっているということだと思っています。 そうならないためには、国が二重取りする仕組みになっている新幹線貸付料の赤字解消相当額を地方に返していただくということが必要だと考えています。現在、国に強く働きかけているところであります。 仮にそれが実現しない場合はどうするかということですが、追加の新幹線建設費について新たに支払うための協定は締結せず、これを並行在来線に充てるということも考えられると思います。   〔知事政策局長杉山順爾君登壇〕 ◎知事政策局長(杉山順爾君) それでは、2点についてお答えいたします。 まず、県内企業の海外への移転の現状についてでございますが、県で毎年実施しているアンケート形式によります海外進出状況調査によりますと、進出地域の市場開拓、人件費、原材料費等の生産コストの削減などを主な理由として海外への移転が行われている状況でございます。 なお、平成23年3月末現在、36カ国に555件の進出となっており、対前年比で27件増加しております。 次に、TPPへ参加する必要性についてでございますが、TPP参加によって、関税撤廃により輸出産業を中心に海外市場への開拓が広がるとともに、生産拠点の海外移転に歯どめがかかる方向に作用するものと認識しております。 また、日米のFTAが結ばれていない状況下では、世界最大のマーケットである米国市場において、既にFTAを締結済みの国などと比較して我が国は競争力を落とし、不利な立場にあり、TPPに参加する意義はあるものと考えております。   〔防災局長飯沼克英君登壇〕 ◎防災局長(飯沼克英君) お答えします。 県の防災訓練についてでありますが、県では地震や豪雨などを対象とする総合防災訓練、石油コンビナートや原子力発電所の事故を想定した防災訓練を市町村単位を基本として、地元住民の方々や関係機関等の参加を得ながら行っております。 今後は東日本大震災を踏まえ、複合災害への対応や複数都市にかかわる広域的な被害を想定し、広域応援部隊の受け入れ調整、自治体相互間の避難や応援調整など、複数市町村と連携したより実践的な訓練を行い、県の災害対応能力向上を図ってまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長若月道秀君登壇〕 ◎福祉保健部長(若月道秀君) 2点についてお答えをいたします。 新潟県健康福祉ビジョンの平均寿命、健康寿命の延伸の進捗状況についてでありますが、県民がより質の高い生活をより長く送ることができるよう、県では生活習慣病予防、がん対策の推進などの健康づくりや安全、安心な医療、食品の基盤づくりなど、保険・医療施策の充実を図ってきたところであります。 この結果、平成22年の平均寿命は簡易生命表上ではありますが、本県の男性は79.50歳で全国平均をわずかに下回るものの、女性は87.06歳と全国平均を上回ったほか、県民意識調査によれば、健康で充実した生活を送っていると感じる県民の割合も6割を超える状況にあります。 次に、健康づくりや疾病予防の今後の取り組みについてでありますが、県内の市町村や団体等はこれまでも独自に健康に関する教室やウオーキングイベントなどを開催しております。 県では、こうした取り組みを支援するため、観光に関係する団体と連携した魅力ある健康ウオーキングロードの選定と活用、外食産業と連携したにいがた減塩ルネサンス県民運動における減塩メニューの開発などにより、県民が健康づくりに取り組みやすい環境整備を図ってきたところでありますが、今後も同様の観点から、市町村や団体との連携を一層強化し、取り組んでまいりたいと考えております。   〔産業労働観光部長高井盛雄君登壇〕 ◎産業労働観光部長(高井盛雄君) 3点についてお答えします。 まず、マイナス金利制度や制度融資の効果等についてでありますが、マイナス金利制度により投資需要の喚起に取り組んでおり、今年度は9月補正も合わせた13億円の執行で158億円の設備投資の誘発と651名の雇用創出を見込んでおります。 また、制度融資の新規枠の拡充や融資要件の緩和などにより、中小企業の資金繰り支援に万全を期しているところであります。 日銀短観によれば、県内中小企業の設備投資計画や資金繰り判断DIはいずれも底がたさを示しており、円高・デフレに伴う厳しい経済環境において投資需要の喚起や企業マインドの改善に一定の貢献をしているものと分析しております。今後の円高の進行状況等を踏まえ、必要に応じて要件等の見直しを行ってまいりたいと考えております。 次に、中高年齢者の雇用環境についてでありますが、総務省の調査によると、中高年齢者の失業期間は若年者と比べて長く、仕事につけない理由として求人年齢が合わないとする割合が高い傾向にあるなど、一たん離職すると他の世代よりも再就職が難しい状況がうかがえます。 本県においても、求職者総合支援センターでの生活・就労相談は中高年齢者が過半数を超え、長期失業者が多いなど同様の傾向にあるものと考えております。 県としましては、引き続ききめ細かな生活・就労相談に取り組むとともに、関係機関と連携し、求人開拓や職業訓練の充実なども含め、中高年齢者の再就職に向けた支援を進めてまいります。 次に、健康ツアー型ビジネスの定着状況についてでありますが、議員御指摘の健康ビジネス∞ベストプラクティスに採択された健康ツアーや薬膳ツアーにつきましては、参加者に好評でリピーターも確保できており、いずれもビジネスとして継続的に取り組まれているところでありますが、原発事故に伴う風評被害から一部で集客に苦労していると聞いております。 以上であります。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) 2点お答えいたします。 新潟版所得保障モデル事業の成果と課題についてでありますが、これまでの実施により法人の経営規模の拡大や米の新たな販路が確保されるとともに、新規就農者が地域活動等に参加し地域の活性化が図られるなど、一定の成果が出ております。 今後は企画・販売ノウハウを十分に活用し売り上げを伸ばすことで、事業終了後も安定して就業できるようにしていくことが課題であると考えております。 次に、6次産業化の現状と課題についてでありますが、平成23年3月に県が行った経営体への意向調査では、6次産業化に取り組んでいる経営体の割合は前年度に比べ2ポイント増加の46%、またその平均売上額は184万円増加の2,841万円となっており、経営発展に寄与していると考えております。 今後さらに取り組みの拡大を図るためには、加工、販売のノウハウや技術を有する人材の確保・育成、新たな投資による施設整備などが課題であると考えております。    〔土木部長田宮強志君登壇〕 ◎土木部長(田宮強志君) お答えいたします。 GPSを利用した道路除雪情報のリアルタイムの提供についてでありますが、妙高市と上越市が市道の道路除雪の進みぐあいをホームページやケーブルテレビなどで提供しており、道路利用者が行動計画を立てやすくなり、雪道の不安感を払拭できるメリットがあると考えております。 県でも昨年度、妙高市の区域で試行しておりますが、県全体への拡大については、除雪車が1,000台以上ありコスト負担が大きいこと、提供情報が除雪車の位置などに限定的なことから、当面機能の充実に向けたさらなる技術開発を注視し、引き続き検討してまいりたいと考えております。   〔交通政策局長坂井康一君登壇〕 ◎交通政策局長(坂井康一君) 優等列車存続の取り組みについてでありますが、大渕議員や青木議員の質問にもお答えしたとおり、既にJRに対して優等列車存続の働きかけを始めておりますが、上場会社であるJRの経営にマイナスになることを一方的に求めても、それを決定した取締役は責任を追及されるおそれがあります。 したがって、JRにも経営上プラスとなるような交渉材料が必要であり、そのためにも国に新幹線貸付料の赤字解消分の返還を求めているところであります。 ○議長(村松二郎君) 横尾幸秀君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(村松二郎君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(村松二郎君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明12月13日から12月16日まで及び12月19日から12月21日までの7日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(村松二郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、12月17日及び12月18日は休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(村松二郎君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、12月22日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時11分散会...