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12月05日-代表質問-02号

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  1. 新潟県議会 2003-12-05
    12月05日-代表質問-02号


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    平成15年 12月定例会 本会議平成15年12月5日(金曜日)  議事日程 第2号    午前10時 開議第1 県政に対する代表質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する代表質問(長津光三郎君、小山芳元君、竹山昭二君)   ――――――――☆――――――――出席議員(61名)       小島 義徳 君  佐藤  純 君  桜井 甚一 君  小林 林一 君       西川 洋吉 君  佐藤 莞爾 君  岩村 良一 君  沢野  修 君       皆川 浩平 君  斎藤 隆景 君  金谷 国彦 君  江口 俊一 君       早川 吉秀 君  木村 一男 君  尾身 孝昭 君  中原 八一 君       柄沢 正三 君  中野  洸 君  小川 和雄 君  小野  忍 君       目黒 正文 君  村松 二郎 君  小野 峯生 君  帆苅 謙治 君       三林 碩郎 君  上村 憲司 君  長津光三郎 君  天井  貞 君       渡辺 惇夫 君  佐藤 元彦 君  種村 芳正 君  西川  勉 君       石井  修 君  東山 英機 君  高橋  正 君  三富 佳一 君       星野伊佐夫 君  嵐  嘉明 君  布施 康正 君  塚野  弘 君       長部  登 君  桝口 敏行 君  米山  昇 君  小山 芳元 君       近藤 正道 君  大渕  健 君  竹山 昭二 君  杉田 弘美 君       佐藤 信幸 君  市川 政広 君  近藤 貞夫 君  佐藤 浩雄 君       松川キヌヨ 君  青木太一郎 君  宮原 典子 君  志田 邦男 君       五十嵐完二 君  宮越  馨 君  内山 五郎 君  中川カヨ子 君       片野  猛 君   ――――――――――――――――― 議員以外の出席者  知事          平  山  征  夫  君  副知事         高  橋  正  樹  君  副知事         川  上  忠  義  君  出納長         関  根  洋  祐  君  総務部長        佐  藤     衛  君  総合政策部長      西  埜  孝  樹  君  県民生活・環境部長   中  原  義  行  君  福祉保健部長      神  保  和  男  君  産業労働部長      高  橋     豊  君  農林水産部長      森     邦  雄  君  農地部長        本  間  泰  造  君  土木部長        島  原  利  昭  君  港湾空港局長      武  藤  克  己  君  病院局長        山  田  武  直  君  企業局長        石  田  英  紀  君  教育長         板 屋 越  麟  一  君  人事委員会事務局長   萩  原  一  郎  君  警察本部長       松  尾  庄  一  君  地方労働委員会事務局長 阿  部  裕  一  君  監査委員事務局長    落  田  真  一  君   ――――――――☆―――――――― △午前10時1分開議 ○議長(西川勉君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆――――――――人事委員会意見報告 ○議長(西川勉君) 御報告いたします。 今期議会に提出された第221号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、諸君のお手元に配付のとおり意見の提出がありました。御了承願います。   〔意見書は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する代表質問 ○議長(西川勉君) 日程第1、県政に対する代表質問を行います。 順次発言を許します。 まず、長津光三郎君の発言を許します。   〔長津光三郎君登壇〕(拍手) ◆長津光三郎君 私は、自由民主党を代表して、知事の政治姿勢とあわせ、当面する諸課題について質問させていただきます。 まず、先月29日にイラクで日本人外交官2名が何者かに殺害されるという衝撃的な事件が発生したことは痛恨のきわみで、深い悲しみと強い怒りを覚えたところであり、無念きわまりない犠牲を払われたお二人の御冥福を謹んでお祈りいたしますとともに、御遺族に対し、心からお悔やみを申し上げます。 政府は、このことによるイラクへの復興支援のための自衛隊派遣方針に変化はないことを改めて強調しておりますが、新聞の論調を初め各界から、今回の悲劇を踏まえて、自衛隊の派遣に慎重論を唱える意見と、テロに屈することなく、イラクの復興支援に積極的に取り組めという相反する主張が見られるのでありますが、知事はイラクへの自衛隊派遣についてどのような御見解をお持ちか、お伺いをいたします。 次に、財務省が発表した今年度上半期の国際収支速報では、海外との取引状況を示す経常収支の黒字額が、アジア向けの輸出増加などによって、半期ベースで前年同期と比べ20%増の過去最高となり、また民間の研究所で主要企業の大半を含む東京証券取引所1部上場の約4割について調査した結果、今年度9月期中間の経常利益が前年同期比で14.2%で、やはり過去最高を記録したとのことであります。 このように、我が国の景気は着実に上向きつつあるようでありますが、一方で本県は、公共事業の減少に伴い、本年度10月末における県内の建設関連の企業の整理、倒産が昭和62年の調査開始以来過去最多になっていることが民間保証機関の調査で明らかになっております。 これも民間の試算でありますが、今後3年間で過去5年間と同率に公共事業が削減された場合、北陸地方の雇用喪失者数は約4万人と推計され、このうち建設業が半数を占めるとの試算を出しております。 特に本県は、全従業者数に占める建設業の割合は全国3番目という高さであり、公共事業削減の影響は、建設業界のみならず、本県経済にも大きな打撃を与えることから、県としても建設業界の活性化に積極的に対策を講じるべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、入札制度の改善についてお尋ねをいたします。 公共事業の入札については、新潟市発注工事をめぐる談合疑惑で、去る9月30日に公正取引委員会が市内の建設業者120社と新潟市役所に立入検査に入り、県民に大きな衝撃を与えたところでありますが、こうした入札談合に対する県民の疑惑を払拭するためにも、入札制度の改善は避けて通れないものかもしれません。 入札制度については、庁内ワーキンググループによる検討もなされていると聞いておりますが、入札制度の急激な改革は、価格のみによる競争の激化をもたらし、中小零細企業の経営を圧迫し、ひいては良質な社会資本の整備という県民の利益を損なうことにもなりかねないのであります。 特に本県の建設産業は、地域の主要産業として地域経済の活性化や雇用の確保に貢献していることから、急激な制度改革によって産業が疲弊し、回復困難な状態にまで陥らせることは断じて避けるべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 また、公共事業は大幅に削減すべしとの強い意見があることも事実でありますが、しかしながら公共事業による社会資本整備は、都市、地方にかかわらず、住民生活を維持していくために必要不可欠なものであって、いつかは必ずやらなければならないものであります。我が党の中でも、社会資本整備はいつか必ずやらなければならないものなので、それならば、金利が安く、景気や雇用対策にもなる今こそ、むだを厳しくチェックした上でやるべきだという意見もあります。 既に少子・高齢社会に入っております。さらにそれが進む前に社会資本を整備しておくという考え方に私は全く同感でありますが、知事はこのことについてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 次に、さきの総選挙では、年金制度改革について有権者の関心が高まったのでありますが、政党によっては、基礎年金、国民年金の部分を全額税法式にして、財源は消費税率を引き上げて目的税にすることを政権公約とした政党もありました。一方では、年金制度は自助努力も必要であるという意見も聞かれるのでありますが、知事はこれらについてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 次に、政府の三位一体改革は、補助金の削減、税源移譲、地方交付税交付金の削減を一体に実施し、地方分権を進める目的で現在検討されており、17兆円の補助金については、平成18年度までの3年間に4兆円を削減する方針が出され、削減分の原則8割に相当する税源移譲を行うこととされております。 首相は、改革初年度の来年度、補助金の1兆円削減と、財源移譲も行うことを指示されたようでありますが、補助金削減の調整等で、来年度は税源移譲が先送りされるのではないかとの懸念も出ているところであります。 この自治体から要望の強い税源移譲が実現すると、税収の確保はそれぞれの自治体にゆだねられることになり、税収の多寡は地方自治体の力量、手腕いかんに左右されることにもなるため、県内産業を活性化させることなど、税源の涵養に努めることが何よりも重要であると考えますが、知事の決意についてお聞かせをいただきたいと思います。 次に、原子力発電の安全対策についてお尋ねをいたします。 先般、東京電力柏崎刈羽原子力発電所で、圧力抑制室内の水中部分において、電動工具等百数十個の異物が回収されましたが、このことによって原子力発電に対する県民の新たな不信と不安が生じております。この問題に対する知事の御認識と対応、並びに現在、点検、補修を行っている1・2号機を初めとする4プラントの再稼働への影響についてお伺いをいたします。 また、国の原子力規制体制の見直しは、原子力に対する国民の信頼を取り戻すためにも極めて重要と考えております。先日、福井・福島県知事とともに、3県知事で国に対して要請を行ったようでありますが、その趣旨と国の反応並びに今後の対応方針についてお伺いをいたします。 次に、県の危機管理体制についてお尋ねをいたします。 本県における原子力発電所の安全対策は産業労働部の所管であり、防災対策は県民生活・環境部で行っております。また、我が国の有事や大規模テロに際し、国民の避難や救援手続などを定める国民保護法制の要旨が先般発表されましたが、原発に対するテロ活動が懸念されることや、有事における県民の保護、あるいは大規模な事故や災害に対する県の対策を強化するため、これらの危機管理体制の強化及び一元化が望まれるところであります。今後、県の危機管理対策を強力に推進する組織への改正を行うべきでないかと思うのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、我が党がかねてからその是正について強く求めている、いわゆる、ながら条例については、先般組合側と話し合いが持たれたと聞いております。是正に向けて組合との交渉が持たれてから既に1年を経過しようとしていることから、少なくとも今年度内の決着を図るべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。 次に、先月の23日は、サッカーファンのみならず、県民にとっても最良の1日となりました。アルビレックス新潟がホームのビッグスワンで、J2記録となる4万2,000人以上のサポーターの前で、ついに悲願のJ1昇格と同時にJ2優勝という快挙をなし遂げたのでありますが、今後とも県民の熱い期待にこたえていただくために、アルビレックス新潟のさらなる活躍を期待しているところであります。つきましては、この喜びについて知事の感想をお聞かせいただきたいと思います。 次に、来年度県予算編成についてお尋ねをいたします。 依然として厳しい県内経済状況等を反映し、県財政も来年度当初で約421億円もの収支不足が見込まれておりますが、本年度及び来年度の税収見込みについてお伺いするとともに、あわせて来年度の県当初予算規模について、お伺いをいたします。 また、国からの交付税の大幅な削減等が懸念される中、来年度が最終年度となる財政健全化プログラムの着実な推進とあわせ、県内経済の活性化をも図らなければならないとの難題を抱えておりますが、来年度県予算編成に対する基本的な考え方についてお伺いをいたします。 次に、限られた予算の中で、県内産業の活性化、県民生活の安全、安心の確保など、当然やらなければならない事業は数多くありますが、来年度はどのような課題に重点的に取り組んでいこうとされるのか、お伺いをいたします。 報道によれば、来年度の県単公共事業費は、今年度対比で13.8%減の約556億円と試算されているようであります。そのうち、道路や橋などの維持補修費等の維持系はマイナス20%とも報道されておりますが、県民生活に密着した県単公共事業、中でも特に県民生活の安全、安心のために欠かせない社会資本の維持補修費を歳入不足の割合で一律削減するという考え方に私どもはくみすることはできません。 県が平成12年度に行った県民アンケート調査、15年度に行った県政の世論調査の中で、公共土木施設維持管理状況に対する県民の満足度に関する調査結果を見ると、例えば道路の穴ぼこの補修などの路面状況については、満足とほぼ満足との合計が、平成12年度には60%近くあったものが、平成15年度には33%と半減し、逆にやや不満と不満を合わせて47%にも上っております。同じく、ガードレールなどの管理状況、河川の堤防や河川敷の管理状況などについても、平成12年度と比較して満足度は50%を割ったり、大きく後退していることから、県民の大多数がこれらの維持補修について不満を抱いていることがうかがわれるのであります。 我が党は従前から、今あるものが適切に維持管理されていくことによって、災害を未然に防止することができ、それが県民生活の安全、安心にもつながり、また結果として耐用年数も延伸することから、最も効率的で有益な財政手段になり得るものであるとの一貫した考えでまいりました。こうしたことから、必要な維持管理、補修等は先送りすることなく、適宜適切な処置を講じていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、市町村合併についてお伺いをいたします。 先般、第27次地方制度調査会がまとめた今後の地方自治制度のあり方に関する答申では、現在の合併特例法が失効する平成17年4月以降の合併の手法等について、具体的な提言を行っております。答申は、市町村の規模や能力拡充のため、特例法期限後も新法を定めて自主的な合併を促進するよう求めておりますが、期限後は合併特例債のような財政優遇措置は廃止するが、期限までに議会で合併を可決し、翌年3月までに実際に合併した市町村に限って経過措置を講ずることとしております。 答申は、合併を促進すべき小規模市町村の規模をおおむね人口1万人未満と明示しましたが、9月現在で全国3,181市町村の48%が人口1万人未満と言われる市町村にとって、この目安は大きな重圧となることは確実であります。ややもすれば、小規模自治体の切り捨てにもつながりかねないこの人口規模の明記について、知事はどのようにお考えか、お伺いをいたします。 また、自主的合併の促進を求めながら、一方で都道府県が市町村合併に関する構想を策定したり、知事の権限を強化し、知事は構想に基づき、合併協議会の設置や合併に関する勧告やあっせんなどを行うことを提言しております。強制力はないものの、こうなると自主合併とは裏腹に強制合併ではないかとの感を強くするものでありますが、知事はどのようにお考えか、お聞かせをいただきます。 次に、答申は、連邦制については明確に否定したものの、道州制、あるいはその前段階となる都道府県の合併についても、議会の議決で合併を申請できるような法整備の検討について言及しておりますが、都道府県合併あるいは道州制について、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、教育問題についてお尋ねします。 授業時間の大幅な削減や学校週5日制など、ゆとり教育を推進する現行の学習指導要領は、小中学校では昨年度から、高校では今年度から導入されたのでありますが、去る10月に中央教育審議会はこの内容の見直しを求める答申を提出いたしました。文部科学省は、この答申を受けて指導要領の改正に着手し、来年度から実施する方針と伝えられております。学力低下を懸念する世論に押されての方向転換とも言われておりますが、学校現場の指針となる学習指導要領がわずか2年足らずで見直されることは極めて異例とのことであります。 ゆとり教育から確かな学力をはぐくむ実質的な学力向上路線への転換について、歓迎する意見の一方、国の教育行政の指針が揺らぎ続けることで、学校現場の混乱を懸念する声も聞かれるのでありますが、今回の学習指導要領見直しの答申について、教育長はどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。 また、今回の答申では、基準性の一層の明確化を打ち出し、学習指導要領はすべての子供が学習する最低基準とした上で、児童生徒の実態に応じ、示されていない内容を加えて指導することも考える必要があるとしております。そのほか、学習内容の習熟度に応じた指導や、何々は扱わないものとするとして学習範囲の上限を定めた、いわゆる歯どめ規定の緩和など、個に応じた指導の一層の充実を求めておりますが、県教育委員会としてどのように対応していかれるのか、お伺いをいたします。 次に、答申は、必要な指導時間を確保するための工夫として例示されている2学期制については、現在全国の公立小中学校の3%近くで採用されており、県内でも本年度は柏崎市の中学校で試行されているようであります。また、来年度からは三川村の全小中学校で導入されるほか、新潟市でも導入に向けて検討が進められるなど、県内でも増加傾向にありますが、一方で埼玉県のある高校のように、日本の気候に合わないとして、2学期制から3学期制に戻した学校もあるようであります。 また、導入に当たって、2学期制が子供にとってどのような影響を与えるかという最も重要な観点や教育効果についての検討不足、あるいは保護者に対する情報提供が十分でないなどの指摘も聞かれるのでありますが、義務教育における2学期制の導入について、教育長の御見解をお伺いいたします。 次に、来春高校卒業予定者就職内定状況が報道されましたが、それによれば、今年9月現在で全国の就職希望の高校生の内定率は34.5%と、前年を1.1%上回ったものの、過去2番目に低い厳しい状況にあるとのことであります。一方、県内高校生の就職内定率は、10月現在で52.3%と、史上最低を記録した前年同期より2.9%上回ったものの、憂慮される状況であります。 こうしたことから、県教育委員会として、高校生の就職についてさらなる支援が求められていると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、農業問題についてお尋ねをいたします。 まず初めに、平成16年度からの新たな米の需給調整対策における都道府県別生産目標数量の設定についてであります。 米政策改革大綱では、客観的な需要予測を基礎に、透明性のある手続により生産目標数量を設定することとされており、都道府県別生産目標数量は、消費者重視、市場重視の考え方に立って、需要に即した米づくりを推進するとの観点から設定されることが基本と考えておりますが、先般配分された生産目標数量は、需要動向を反映する一方で、平成15年度の配分実績や転作率の格差是正などが考慮された結果、本県には58万7,320トンが配分されました。これに対する県としての受けとめと、市町村への配分など、今後の対応についてお伺いをいたします。 次に、世界貿易機構、WTOの第5回閣僚会議が9月にメキシコのカンクンで開催されましたが、大詰めの段階に来て先進国と発展途上国が激しく対立し、交渉は決裂して閉幕したことから、来年末までの一括合意はほぼ絶望的と言われております。 決着が先送りされたとはいえ、新ラウンド農業交渉もいつかは動き出します。その際は、閣僚宣言第3次案を基本として協議がなされる可能性があると考えますが、我が国が強く反対していた関税の上限設定は3次案でも残されております。この3次案では、我が国などが強く求めた多面的機能への配慮が、少品目に限定ながら、関税の上限設定から除外されたことは唯一の救いであり、今後の交渉においては、最低限この文言を維持していくための努力をしていただきたいと思っております。 しかしながら、貿易自由化が国際的な流れになっており、今後の交渉は予断を許さない状況にありますが、このような中で我が国の農業、本県稲作が生き残っていくためにはどうすればいいのか、これは行政や農業者のみならず、県民みんなで考えていかなければならないことだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、来年度から始まる米政策改革によって、米の需給調整は、前年に販売できた量など客観的な需要予測を基礎に生産目標数量が配分される仕組みとなることから、産地においては生産した米を売り切る努力が求められます。すなわち、つくれば売れるという時代は終わり、今後は売れる米づくりに主眼を置いた取り組みが求められるのでありますが、消費者はブランド米を求める一方、低価格志向になってきており、低価格こそ需要の拡大につながるということも言われております。米の消費量が年々減少する中で、売れる米づくりに向けて、生産、販売等に県としてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、米政策改革では、米の生産を担い手にシフトすることが明確にされております。今後、本県が米政策改革の実践に伴い、激化する産地間競争に打ち勝っていくためには、経営体等の担い手を中心とした地域農業システムづくりをこれまで以上に積極的に推進していくことが重要であります。来年度から導入される担い手経営安定対策では、経営体である認定農業者のほか、集落営農も一定の要件を満たせば、第2種兼業農家だけの組織でも集落型経営体として担い手に位置づけられ、担い手経営安定対策の対象となることが可能になります。 こうしたことから、中山間地を中心に、兼業農家が大半で、当面経営体の確保が困難な地域においては、このような集落型経営体の育成を積極的に進めていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、現在の我が国の農業政策の柱になっている食料・農業・農村基本計画は平成12年に策定され、平成20年までに食料自給率をカロリーベースで5ポイント引き上げ、45ポイントとする数値目標を設定しております。この計画は、5年ごとに見直すこととされていることから、今月9日以降に見直しの具体的論議が始まるものと見られております。 この中で特に注目したいのは、食料自給率の目標設定であります。平成7年には43%だった食料自給率は、毎年1%ずつ下がり、平成10年には40%となったことから、基本計画では10年後の数値目標を45%と設定したと言われておりますが、以降4年連続して40%を維持しているものの、上昇の動きはありません。 国民の主食である米も需要減が続いており、平成13年には1世帯当たりの米の年間購入量が100キロを割り込み、昨年度の国民1人当たりの米の消費量は62.7キロまで落ち込んでおりますが、カロリー消費量の約4分の1を占めると言われる米の需要減を食いとめることが自給率の低迷から抜け出すための何よりも重要な方策と思います。1日当たり、御飯を男性で今より一口、女性で二口食べる量をふやせば、食料自給率は1%上がると言われております。 昨年12月の第57回国連総会において、来年を国際コメ年とすることが宣言されておりますが、こうした機会をとらえて、県として米を食べる食生活の推進をさらに広げていくべきではないかと思うのでありますが、御所見をお伺いいたします。 次に、茨城県霞ケ浦に端を発したコイヘルペスウイルス病が全国に広がり、関係者の間に大きな衝撃をもたらしております。この病気は、これまで我が国には発生しておらず、病気のメカニズムも不明、治療法もないことから、本県だけの対応では感染を阻止することも困難であり、国における対応が必須と考えられますが、全国有数のニシキゴイ産地を有する本県として、国に対してどのような働きかけを行っているのか、お伺いをいたします。 次に、医療・福祉問題についてお尋ねをいたします。 県民に安心、安全な医療を提供するためには、医療の質の向上とともに、医師の絶対数の確保も必要になることは当然でありますが、平成12年度における人口10万人当たりの医師数では、全国が201.5人に対し、本県では172.5人となっており、依然として本県の医師不足状態は続いており、しかも年々その格差は広がっていることから、本県における医師の確保対策は長年の課題となっております。 医師確保対策として、昨年度から県主催で医師確保説明会を開催し、昨年は東京と大阪で、またことしは11月下旬に金沢で開催されたようですが、どのような状況であったかお伺いをいたします。 また、医師が基本的な診療能力を習得して現場に出ていくために、医学生の来年度卒業生から2年間の臨床研修病院での研修が必修化されました。これに伴って、研修生を受け入れる病院が国から指定されることになり、本県は12の病院が指定を受けたようですが、来年度本県を希望している研修医はどのくらいになるのか、お伺いをいたします。 また、2年間の研修を終えると、その後引き続いて専門的分野での研修を行う医師もおられるようですから、高度な技術分野での受け入れ態勢も必要であります。こうして本県で研修を受けられた研修医が、研修が修了したら他県で医療行為に携わることになれば、本県にとっては損失になることから、ぜひ県内へ定着していただくような対応が必要でありますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。 また、医師はどうしても大都市に集中する傾向にありますが、これはまた、大都市にはそれなりの需要があり、やむを得ない面もあります。これに伴い、周辺地、特に過疎地等へそのしわ寄せが生じ、患者は長い時間をかけて大病院へ行かざるを得ないという不幸な状況も出ております。 したがって、医師の絶対的な不足の中、過疎地などの患者の需要に対応するために、県立病院、市町村立病院あるいは厚生連病院などがネットワークを組み、週何回か互いに補完し合うというシステムをつくっていくことがより望ましいと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県立病院の経営健全化のため、平成19年までに単年度収支の均衡を目指した県立病院中期収支計画が10月に策定されましたが、具体的にはどのように進めていかれるのか、また今年度上半期の県立病院の収支はどのようになっているのか、あわせてお伺いをいたします。 次に、平成14年に母子及び寡婦福祉法の改正により児童扶養手当が減額になり、それにかわるものとして、自立のための子育てや生活支援、養育費の確保、就労支援や経済的支援等、総合的な自立支援策が打ち出されました。さらに、ことしの7月に母子家庭の就業支援のための特別措置法が成立したのでありますが、母子家庭が経済的にも自立していくためには就業支援は欠かせないものであり、県としても積極的に推進していくべきと考えておりますが、御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 長津議員の代表質問にお答えいたします。 まず、イラクへの自衛隊の派遣についてでありますけれども、先日現地で復興支援に携わる2人の日本人外交官が殺害されたという事件につきましては、正確な事実関係はいまだ明らかになっておりませんけれども、テロ組織によるものというふうに見られており、とうとい命が失われたことはまことに痛ましく思っております。 イラク国内におきましては、この事件に至るまでにも、米軍やほかの派遣国、国連機関に対する攻撃が相次ぐなど、現地を取り巻く情勢は極めて不安定であります。我が国の人道復興支援活動、その対象地域でありますいわゆる非戦闘地域を見きわめるということが現状では難しい状況にあるというふうに指摘されているところでございます。 私としては、イラクの安定化、人道支援、復興のための支援そのものについては必要であるというふうに思いますけれども、日本という国がこうした状況の中で自衛隊を派遣するということは、万一派遣された自衛隊員が現地で戦闘に巻き込まれた場合に、自衛隊員の生命の安全の確保という問題もございますけれども、それに加えて、憲法そのものに抵触することになりかねないという、憲法問題を持っているという、重大な問題にも及ぶ可能性も日本の場合あるわけですので、政府においては、この点についてしっかりと認識して、現地の情勢を見きわめた上で慎重に判断する必要がやはりあるというふうに考えております。 いずれにしましても、自衛隊の派遣という重要な問題でありながら、これまで政府の国民に対する説明は十分とは言い切れず、今後国においては、憲法問題も含めて、国民に対して納得のいく説明を行う必要があるというふうに考えております。 次に、建設業界の活性化対策でございますが、本県の建設産業は、生活基盤などを整備推進する担い手として重要な役割を果たしてきております。特に多くの中山間地を抱えます本県においては、主要な地域産業として多くの就業機会を提供するなど、本県経済に欠かすことのできない存在となっておるわけであります。 しかしながら、御指摘のように、近年建設産業は、公共工事の落ち込みなど、投資の低迷から厳しい経営環境に置かれております一方、財政面から下支えしていくことはもはや限界にありますことから、県といたしましては、建設産業振興プラン、アクションプログラムを策定いたしまして、建設企業の自己責任、自助努力の考え方をベースとしながら、県工事入札参加資格総合評点への加点項目に工事施工成績あるいはISO認証取得の技術評価を加えたり、あるいは合併、協業化等の企業連携の促進、CALS/ECなどの情報化の計画的推進による技術と経営にすぐれた企業づくり等々を積極的に進めると同時に、引き続き新分野、新市場への進出について、より一層の支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 次に、公共工事の入札制度の改善ということでありますが、平成14年度に策定いたしました建設産業振興プラン、アクションプログラムの方向性を踏まえながら、本県入札制度のさらなる改善を図るため、庁内ワーキンググループを立ち上げ、入札制度の一層の透明性、競争性の確保のための方策を検討させてきたところでございまして、このたびその作業を終え、現在私のところで議論をしているところでございます。 今後の実施案の策定に当たっては、ワーキングの検討結果を一つのたたき台といたしまして、地域建設産業の状況を見きわめ、関係方面の御意見を参考にしながら、透明性と競争性の一層の向上や談合行為の排除の徹底などのための現実性なども含め、具体的にその方策について詰めてまいりたいと考えております。 次に、少子・高齢化が進む前に社会資本を整備しておくべきという御意見でございますが、公共事業は豊かで安全な生活、あるいは経済発展の基礎となる社会資本を整備するものであり、今後とも計画的かつ着実に推進していく必要があるというふうに考えております。 しかしながら、現時点において社会資本整備のテンポを引き上げていくということは、景気や雇用の下支えに一定の効果は期待できますけれども、その財源を賄う財政余力がほとんどない極めて厳しい財政状況のもとでは困難と言わざるを得ず、事業の重点化、優先度の厳格な設定を行いながら、財政負担の可能な範囲内で着実に実施してまいりたいというふうに考えております。 次に、年金制度の改革でありますけれども、この問題は、少子・高齢化が急速に進む中で、国民の老後生活を支える所得保障としての年金制度をどう組み立て直していくかという極めて重要な問題でございます。 さきに厚生労働省案が発表され、その内容については、基礎年金の国庫負担の3分の1から2分の1への引き上げとその財源確保、さらに国民の負担と給付のバランス、あるいは世代間の不公平感、特に若年層に多い保険料の未納等が課題となっているわけであります。 いずれにいたしましても、国において年金、医療、介護という社会保障全体をどう持っていくのか、少子・高齢化時代においても持続可能な制度としてどう再構築していくかというテーマとして、国民のトータルとしての負担がわかるような改善の打ち出し方をしていくことが必要であり、年金改革の個々の課題については、広く国民の意見を聞き、十分議論を尽くした上で、国民の信頼の得られる持続可能な安心できる年金制度を構築していく必要があるというふうに考えております。 特にこうした社会保障の中でも、全員が関係する年金制度は極めて医療、介護保険とあわせて重要でありますけれども、最も重要な制度というふうに認識しております。 次に、税源の移譲に伴う税源涵養努力、三位一体の関係の質問でありますが、現在国での検討が進められております三位一体の改革については、地方でできることは地方にという地方の自由度を増す改革であると同時に、地方の自立を促進し、地方の自己責任を強化する改革でございます。 本来地方自治は、国からの補助金等の移転により歳入と歳出が均衡するのではなくて、地域における受益と負担を一致させる中で、必要な行政サービスについては、県民に理解を得ながら負担を求めるとともに、地域の発展と財政貢献の双方を目指して、産業振興や地域の活性化等により税源を涵養するというのが望ましい姿であるというふうに考えます。 こうした地方分権に取り組んでまいりましたけれども、三位一体の改革により、地方の自立促進と自己責任の強化に伴い、いわば江戸時代に藩ごとに殖産振興に取り組んだように、地域ごとの特性に応じた税源涵養の努力はますます必要となりますので、これまで以上ににいがた産業創造機構の取り組みの支援を初めとする県内の地域産業の活性化の取り組みを行っていく必要があるというふうに考えます。 なお、税源移譲については、より安定した偏在性の少ない基幹税での移譲を要望しておるわけでありますが、それでもなお生じます地域間のアンバランスについては、地方の税源としての位置づけをさらに明確にした上で、地方の意見も十分反映しながら、交付税により調整すべしと主張しているところでございます。 次に、原子力発電問題であります。 まず、圧力抑制室内の異物については、緊急時の冷却水源にもなるプールから本来あるはずのない工具等多数のものが発見されたことは、発電所の作業管理、品質管理の基本にかかわるゆるがせにできない問題でございまして、極めて遺憾であると思います。 このため、県としては、速やかな点検と回収を行うとともに、徹底した原因究明と適切な再発防止策の実施等について強く要請したところでございまして、先日東京電力による調査結果と再発防止策が発表されたところでございます。 今回の異物混入は、国により原子炉運転の安全機能に影響を与えるものではないというふうに評価されており、現在停止して点検、補修を行っている号機の運転再開と直接結びつけては考える必要はないというふうに思いますけれども、今回の問題は、昨年来東京電力が行ってきたさまざまな改善のための取り組みが作業現場の末端までは十分に浸透していなかったことを示すものでございまして、調査結果を踏まえ、改めて発電所全般の作業管理・品質管理体制の改善と再構築を徹底していく必要があるというふうに考えております。 県として、住民の方々に対する安心対策として重要なことであるというふうに考えておりますので、今後の対応を厳しく確認してまいりたいというふうに思います。 次に、3県知事による要請でありますけれども、さきの定例県議会において可決されました意見書も踏まえ、私の方から福井、福島の両県知事さんに呼びかけ、内閣官房長官及び経済産業大臣に対し、原子力の安全規制体制のあり方の検討等について要請をいたしますとともに、同日の全国知事会と総理大臣との意見交換の場においてもその趣旨について直接総理に伝え、誠意のある対応を求めた次第でございます。 私は、この問題は原子力の信頼そのものにもかかわる極めて重要な問題であるというふうに考えておりますけれども、これに対する国のこれまでの対応は組織防衛的と言わざるを得なかったことから、この件に関し、問題意識を共有する両県知事に働きかけ、一省庁の案件にとどめることなく、政府として責任ある対応を図るよう要請したものでございます。 今回の要請に対する官房長官、大臣の対応からは、一定の前向きな受けとめをしてもらったというふうに感じておりますけれども、もとよりこの問題は国の組織にかかわる大きな問題であります。時間をかけて幅広い議論をしていかなければならないというふうに考えております。そのため、まず議論の場を設けることから始めるべきでございまして、それに向けて国の具体的な対応がなされますよう、私としては今後ともあらゆる機会をとらえて必要な意見を申し上げてまいりたいというふうに考えております。 次に、県の危機管理体制の強化でありますけれども、危機管理に係る機能及び体制を強化するために、昨年度県民生活・環境部に危機管理監を設置いたしまして、本年3月に県の危機管理対応方針を制定し、現在、全庁的な危機管理体制の整備を進めているところであります。 また、原子力発電所や大規模な事故、災害等に対する県民の安全、安心の確保のために県の果たすべき役割が一段と高まっておりますことや、来年度国民保護法制の制定が予定されていることなど、危機に対して迅速かつ的確な対応が強く求められておりますことから、原子力発電所に係る防災や安全対策の一元化を含め、県の危機管理体制の強化や国民保護法制に対応する組織の整備などについて検討しているところでございます。 次に、ながら条例でありますけれども、本年2月に職員団体に条例改正を含めた見直しを提案してからこれまでの間、職員団体との協議を重ねてきたところでございます。 これまでの交渉においては、勤務時間中の組合活動についての現状認識や基本的な考え方、見直しの必要性等について相当の意見交換を行い、一定程度の理解が進んでいるものというふうに認識しております。しかしながら、条例の適用範囲、すなわち有給の組合活動の範囲等については、いまだに双方の意見に隔たりがございまして、さらに協議を継続する必要がある状況にございます。 そうした中、実態調査により、個人で年間700時間以上もながら条例の適用を受けているというケースが明らかになったことや、教育委員会において不適切な運用によって多額の給与の返還が発生したことなどから、現行の制度とその適用実態は県民の理解を得がたい状態にあるというふうに考えており、今年度内にきちんとした見直しを行うよう、担当部局に対して指示をしているところでございます。 次に、アルビレックス新潟のJ1昇格の感想いかんということでありますけれども、サッカー不毛の地と言われた新潟からJ1チームが誕生したわけであります。このことについては、県民の皆様とともに心からお祝い申し上げたいと思います。 アルビレックス新潟の活躍は、スタジアム全体がチームカラーのオレンジ色に埋め尽くされ、選手は大声援を受けて気迫あるプレーを繰り広げるなど、選手とサポーターが一体となった試合ぶりは全国的にも注目されております。ワールドカップをしのぐほどの夢と感動を私たち県民にもたらしてくれたところであります。 その一方で、やや内弁慶過ぎるのではないかという指摘も一方であるわけでありますけれども、こうした躍進の陰には、選手とスタッフ、そして関係者の長年にわたるファンをふやすための地道な努力があったわけであり、年間観客数約67万人という日本一に成長したサポーター、県民が郷土を愛する思いでチームと一体となって応援している姿を見ますと、こうした地道な活動積み上げによる新潟方式をとってきたことの成果を率直に評価しているところでございます。県民が心を一つにして頑張れば地方でもできるという自信を得たということは、地方の時代の一つの象徴としてとらえたいというふうに思います。 いよいよJ1昇格でありますが、昇格後は、本県に新しいスポーツ文化を生み出したことの価値を大切にしながら、新たな試練、新たな正念場が待ち受けているわけであります。そのJ1定着をまず図りながら、さらにこうした新潟方式をJ1でも通用させるにはどうしたらいいかというさらなる工夫、知恵、努力が要るだろうと思います。J1定着をまず図りながら、J1優勝を目指すという夢を持ちながら、地道な努力を積み重ねていってほしいというふうに願っている次第であります。 次に、来年度の予算編成であります。 まず、税収見込みと来年度当初予算規模でありますけれども、本年度の県税収入の現計予算額は、前年度決算見込み比プラス0.5%、約12億円の増加を見込んだところでありますけれども、10月末現在の現年度調定額は、個人県民税あるいは軽油引取税等の落ち込みから、前年同月比マイナス2.3%、約39億円の減収となっております。最終的な税収見込額は、今後の調定額全体の4割強のウエートを占めております11月の調定額を見た上で判断するしかございませんけれども、現状では現計予算額を50億円程度下回ってしまうのではないかというふうに懸念しているところであります。 来年度の税収については、こうした本年度の最終的な税収見込額をベースに、地方財政計画や、あるいは税収に連動する経済指標等により積算するわけでありますので、現段階で見通すことは困難でございますけれども、11月の月例経済報告では、景気は持ち直しているというふうにされております。しかしながら、本県の経済の状況を見ますと、依然不透明な状況にあるわけであり、こうした現下の県内経済を考えて来年の県税の見込みを立てるとすれば、本年度同様厳しい状態を前提にせざるを得ないというふうに思います。 また、来年度当初予算規模については、こうした厳しい税収見込みに加え、三位一体の改革に伴います国庫補助金等の削減、あるいは地方への税源の移譲の状況、地方交付税の抑制などの県財政への影響が避けて通れないだろうというふうに見込まれているわけであり、自主財源に乏しい本県の来年度の歳入の見込みについては、かつてない厳しいものが想定されますので、必然的に予算規模は3年連続のマイナスを視野に入れざるを得ないというふうに考えております。具体的には今後、県内経済の動向、国の予算編成あるいは地財措置の動向等を踏まえつつ、予算編成過程で総合的に検討する中で予算規模を決定してまいりたいと思います。 次に、16年度当初予算に対する考えでありますけれども、中期収支見通しにおいて400億円を超える財源不足が見込まれております上に、現時点において県税収入が一段と厳しく見込まざるを得ないということであり、財政健全化債の発行額を15年度より増加せざるを得ず、財政健全化期間の中で最も厳しい予算編成を強いられるものというふうに考えております。 このため、現在財政健全化プログラムの着実な推進を目指し、予算要求上限枠方式によります予算編成を進める中で、部局が主体的に思い切った事業再構築を進めますとともに、引き続き人件費や投資的経費の抑制を行いますほか、県財政の構造の見直しにつながるよう、企業会計、補助金、三セクの見直しに取り組むなど、全庁を挙げてあらゆる角度から歳出の抑制に取り組んでおるところでございます。 また、16年度当初予算における重点課題いかんということでありますが、こうした厳しい財政状況の中にあっても、経済・雇用情勢の低迷、少子・高齢化の進展、県民を取り巻きます環境の変化等を踏まえますと、限られた財源を有効活用いたしまして、県内産業をリードする企業、人材への支援、あるいは新たな観光振興といった地域経済の活性化、子育て支援や医療体制の確保といった県民の安全・安心づくりなどには予算を重点的に配分していく必要があるというふうに思います。 新産業育成や環境対策など、にいがた未来戦略事業、そして産業・雇用対策、新しい観光振興対策といった戦略重点事業、さらには今ほど申し上げましたような重点課題へ対応する新規事業に要する財源といたしまして、予算編成方針段階ではおおむね10億円を配分することとしているところでございますので、今後予算編成過程で、厳しい予算の中でも波及効果の高い施策、事業を精査していきたいというふうに思います。 次に、社会資本の維持管理でございますが、御指摘のとおり、維持管理、維持補修は、災害や事故の未然防止ということがまずございますし、施設の長寿命化を図るという観点からも、適時適切に対応していく必要があるというふうに考えております。 このため、県では、厳しい財政状況の中で県民生活の安全確保とライフサイクルコストの低減を図るために、平成15年度に社会資本の維持管理基本計画の策定に取り組んでおり、平成16年度以降、道路、橋などの各施設ごとに維持管理、維持補修の優先度を定めました実施計画を策定することにしております。 今後ともこうした取り組みを通じて、維持管理の効率化とコストの縮減なども図りながら、適切な維持管理に努めてまいりたいというふうに思います。 次に、市町村合併であります。 地方制度調査会において、都道府県が市町村合併に関する構想を策定するに当たっての小規模の市町村として、おおむね1万人未満を目安とするという答申を行ったことについてでありますが、人口密度とか経済事情なども考慮するとしつつも、合併を促すべき市町村の人口規模を明示するということは、間接的にそれ以下の市町村に対して合併を強制するというふうに受け取られかねないわけであり、合併特例法失効後の新法の法制化に当たって、こうした考えをベースに検討がなされるとすれば、問題であるというふうに思います。 私としては、たとえ小規模市町村であっても、基礎的自治体として自治は認めるべきであり、合併は関係者の合意により、あくまでも自主的に決定されるべきであるというふうに考えております。 また、知事の権限強化による合併の促進ということでありますが、答申では、新法においては、必要に応じてなお合併を行うことが期待される市町村を対象に、都道府県が合併に関する構想を策定し、この構想に基づき、合併協議会の設置や合併に関する勧告、あっせん等により、自主的な合併を進めることとすべきというふうにしているわけでありますが、そもそもこれだけあっせん、勧告といって自主的な合併を進めるということなのかという疑問もございます。そして、地方分権の受け皿を強化するために知事の権限を強化して合併を推進するということは、地方分権の趣旨そのものに沿うものかどうか、このことについては、より慎重に検討する必要があるというふうに思います。 いずれにいたしましても、合併は地域の将来に深くかかわる重要な問題であり、地域での十分な議論のもと、あくまで自主的に行うべきものでございまして、県としましては、そうした合併に向け取り組む地域に対し、的確な助言、正確な情報提供などを行ってまいることが役割だというふうに考えております。 次に、都道府県合併、道州制でありますが、まず都道府県の合併については、地域のさまざまな実情に応じ、広域自治体としての都道府県の役割、機能を十分に発揮するという見地からは、都道府県の発意により自主的に合併できる手続を整備するということは必要であるというふうに考えております。 また、道州制については、基礎自治体と広域自治体の2層制を前提とするとともに、国の役割を重点化し、権限の相当部分を地方に移譲していくということとしており、分権型社会を形成していくという観点に立脚したものというふうにこの道州制については受けとめておりますけれども、次期地方制度調査会でも引き続き議論することとなりましたように、そのことは地方自治制度の大きな変革でございまして、国民的な議論も必要でありますので、権限や区域、税財政制度等との関連、そのあり方等について広範な議論が必要でございます。本県といたしましても、現在庁内の地方分権推進会議を中心に道州制についての研究を行っているところでございます。 なお、政府では、当面北海道について先行的に道州制の導入方針を打ち出しております。これは、県を合併させるというような措置が必要ない、いわゆる現状のままの地域指定で道州制が実行できるということで、先般の会議でも総理は説明しておりましたが、そういうことから北海道について道州制を先行導入するという方針を打ち出しているわけであります。この動向については注視しているところでございます。 次に、農業問題であります。 まず、16年度の米の生産目標数量についてでございます。全国的には前年とほぼ同規模、…申しわけございません。数量ですので、従来、これまでは生産調整面積でありましたが、16年度から生産目標数量であります。数量は全国的に前年とほぼ同規模、トンであります。その中で本県に対しましては、15年度のガイドライン数量に比べて8,820トン多い、プラス1.5%の58万7,320トンが配分されたわけでありますが、配分のこの算定において、需要動向を反映するということがありました一方で、このことは本県にとってはプラスにきくわけであります。その一方で、逆にマイナスの方に働きます各都道府県の転作率の平準化という妙なことがそこに織り込まれ、こうした要素も勘案され、その結果、本来もう少し大きいプラスになるべきところが1.5%にとどまったということであり、県別の生産目標数量を客観的な需給予測に基づいて設定することとした米政策改革の基本原則にいわば反するものがございました。総体としてそういうものを織り込んだということについては、米づくりの本来あるべき姿の早期実現に逆行するものであります。まことに私としては遺憾であるというふうに思います。 なお、これを従来の生産調整面積で見ますと、3.4%減となっているわけであり、このことをどういうふうに評価するか。面積と数量、いわゆる反収の数値が高くなったために、面積で減って数量ではふえていると、こういうことであります。 そして、良質米主産県であります本県といたしましては、新潟県米政策改革推進協議会での議論を踏まえ、意欲のある担い手の期待にこたえる米政策改革が展開できますよう、市町村別の配分の基準を設定いたしました。いわば全国では平準化というようなことが織り込まれましたけれども、県内の配分についてはそうしたことをしないで、本来の趣旨で配分していこうという趣旨でございます。基準を設定いたしまして、消費者に支持される売れる米づくりの徹底を図っていきたい。販売実績の確保と、それに応じた生産の拡大を実現してまいりたいというふうに思っております。 次に、貿易自由化の国際的な流れを踏まえた本県農業のあり方でありますが、現在WTO交渉において、交渉再開に向けた協議が進められるなど、農業分野における自由化に向けた流れは予断を許さない状況にございます。 このため、稲作を基幹とする本県といたしましては、農業分野における自由化が長期的に見て日本の自給率を引き下げ、地球規模でもマイナスであるということ、そもそも地域事情が異なることから、こうしたWTOには農業はなじまないということ等々を強く訴えていく所存でありますが、同時に国内外の産地間競争に打ち勝てる生産・販売体制を確立することが何よりも重要でありますことから、まず新潟米の販売力、ブランド力の強化、担い手を中心とした競争力と持続力を兼ね備えた生産体制の早期確立を図りますとともに、厳しさを増します中山間地域の営農体制の維持と活性化を推進すべく、生産者、関係団体はもとより、消費者と連携を図りながら、水田農業の構造改革に取り組んでいきたいというふうに思います。 また、売れる米づくりということですけれども、全国一のブランド米であります新潟コシヒカリを有する本県といたしましても、米政策改革のもとでは、何よりも多様なニーズに対応した徹底した売れる米づくりを推進していく必要があるというふうに思います。消費者に支持される良質米主産県としての地位を一層固めておくということが極めて重要であります。 そのために、産地と食品産業や卸、小売等との結びつきの促進によります販売力、ブランド力の強化、品質、作柄の一層の安定化、そして直播の普及などによりますコストの低減の徹底化等、競争力のある生産体制の確立、さらには消費者の安全・安心志向にこたえる栽培履歴のわかる米づくり、環境保全型農業の推進等々、消費者重視、市場重視に立った各種の施策を農業団体と連携し、積極的に推進してまいる考えでございます。 次に、集落型経営体の育成でありますけれども、来年度から実施されます担い手経営安定対策においては、担い手として4ヘクタール以上の水田経営規模の認定農業者に加え、20ヘクタール以上の水田経営規模で、5年以内の法人化が確実な協業経営組織であるということや、主たる従事者が市町村基本構想の目標農業所得額を確保する計画を有することなどの要件を満たします集落型経営体というのが制度の対象となることになります。 今後、本県が米政策改革のもとで激化する産地間競争に打ち勝っていくというためには、認定農業者や農業生産法人等の担い手を中心とした力強い生産構造を確立することが基本でありますけれども、当面、経営体の確保が困難な中山間地域等では、今申し上げました集落型経営体の育成を積極的に推進することが大切であるというふうに思います。 このため、県といたしましては、中山間地域等直接支払制度を活用した集落ぐるみの継続的営農体制の確立に向けた支援に加え、今年度新たに農業法人等育成緊急加速総合対策事業を創設するなど、生産組織の協業化、法人化に向け積極的に取り組んできているところであります。今後とも、市町村を初め関係団体と一体となり、集落型経営体の育成に取り組んでまいる所存であります。 次に、米を食べる食生活のさらなる推進ということでございます。中長期的には世界的な食料問題が懸念される中で、私といたしましては、米はもとより、国内で生産が可能な農産物の生産拡大に努め、食料自給率の向上を図っていくことは極めて重要なことだと思います。 そのため、県としましては、県民各層の参加のもとで展開をしておりますにいがた21地産地消運動と連携しながら、小学校から短大に至るまでの各段階に応じた御飯食のよさ、そして食生活の見直しに関する啓発指導、米粉パンの学校給食への導入など、米を中心とした栄養バランスにすぐれた日本型食生活の普及啓発に取り組んでいるところであります。 さらに現在、国におきましては、国際コメ年を契機といたしました国際コメ年日本委員会の設置や、米の重要性に関する普及啓発のための各種イベント、セミナー等が検討されておるところでありますので、これらの活動と連携しながら取り組みの強化を図っていきたいと思います。 次に、コイヘルペスウイルス病に関する国への働きかけでありますけれども、先般も農林水産省の方に陳情に行ったのですが、ヘルペスという言葉がついていると、どうもこの病についてイメージが強過ぎるので、コイウイルスと言った方がいいのではないかという御指摘もございましたけれども、このことについては今後検討したいと思いますが、現状正式名称でありますコイヘルペスウイルスというふうに呼びたいと思いますが、呼ばせて答弁いたします。 本県でも、食用ゴイにKHV陽性反応が確認されております。11月末までに全国21都府県で発病が確認されている状況にございます。依然としてなお拡大傾向にあるわけであります。その一方で、感染経路あるいは病原体については不明な点が多くて、国によります全国的な対策が必要な状況にあります。そのため、今月の2日に国に対し、万全な防疫検査体制の確立、それから予防薬、治療薬の早急な開発、KHV検査経費、低利融資等の支援、この3点について要請をした次第であります。 なお、このことについては、総理との懇談の後の閣僚との懇談の場においても申し上げたところであります。 なお、全国1位のニシキゴイの産地であります本県といたしましては、地元市町村に設置されております対策本部と連携を図りながら、早期発見と蔓延防止のための検査体制の強化などの必要な対策に取り組んでおるところでございます。今後とも、こうした病原体の状況あるいは経路等が判明次第、必要な対応については即刻打っていく所存でございます。 次に、医療・福祉問題であります。 まず、臨床研修医師の本県希望状況と県内定着ということでありますが、県では、研修医師の確保が県内での医師確保に直接つながる有効な手段というふうに考え、新たな研修病院の指定への働きかけ、そして病院が研修医師を募集する際の支援等に積極的に取り組んでまいったところであります。その結果といたしまして、研修病院が7病院ふえ12病院になりますとともに、本県での研修希望者数は、今年度の実績89名から11名増加いたしまして、11月13日現在100名となっております。その後も、この12になりました研修指定病院の中で、最もこれまでその中心になっておりました新潟大学が他の病院に優先的にこの研修医の配置を進めてまいりましたので、新潟大学が本格的に研修医を確保するのは、現在行われている最中でございます。その分も含めますと、ほぼ110名前後になるのではないかというふうにも言われていますので、全体として、まずまずの研修医生の確保が図られるものというふうに見ておる次第であります。 県といたしましては、研修医師が研修終了後も引き続き本県に定着するように、質の高い魅力のある研修とするための内容の充実、あるいは研修終了後の認定医とか専門医を養成する後期研修の体制づくり等々を研修病院に働きかけていきたいというふうに考えておるところでございます。 次に、公立・公的病院の医師の派遣等の相互補完システムでありますけれども、県では、地域全体の医療機能の向上と医療資源の効率的な活用のためには、プライマリケアを担います開業医、そして病院と地域の中核的な病院とのバランスのとれた機能分担・連携を図ることを目指しました病診・病病連携の構築が必要だというふうに思います。 そのため、県といたしましては、昨年度から新潟県医師確保・へき地医療支援会議を設置いたしまして、医師の確保に関するネットワークづくりを行いますとともに、僻地等への医師の派遣のための調整や遠隔医療体制の検討等を進めておりますけれども、今後は、公立や厚生連等の公的病院などの枠組みを超えました医師の派遣調整等ができるシステムづくりの検討を進めていく必要があるというふうに考えている次第であります。 母子家庭の就業支援についてお答えしたいと思います。 近年、離婚率の増加等により母子家庭等が急増いたしております。そして、それとともに長引く経済不況の影響もございまして、母子家庭の母親の雇用ということが大変厳しくなっており、母子家庭の生活の問題が重要な課題となっております。安定した就業の確保によって家庭を安定させるということにどう取り組んでいくか、極めて重要なテーマになってきているというふうに認識しております。 本年8月に県が実施いたしました母子世帯等就労実態調査を見ますと、母子家庭の母のパートなどを含めました就業率は約9割と高いわけですけれども、その実態は、年間平均の就労収入が168万円ということで、全国平均が200万円ぐらいでありますので、本県の平均就労収入はそれをかなり下回っており、低賃金と不安定雇用の中での就業というのが実態でございます。よりよい雇用先の確保ということが緊急の課題であるというふうに思います。 現在、これらの調査結果を踏まえ、母子及び寡婦福祉法に基づく自立促進計画の策定に向けた作業を行っているところでございまして、全国的にも今設立が進められつつあります母子家庭等就業・自立支援センターの設立ということも含め、総合的な母子家庭の母親の就業対策の充実を重点の一つとして検討をしていきたいというふうに考えておるところでございます。 以上であります。   〔福祉保健部長神保和男君登壇〕 ◎福祉保健部長(神保和男君) 医師確保対策についてお答えいたします。 医師確保の説明会についてでありますが、説明会に参加した医学生や医師は、昨年度の東京会場が25人、大阪会場が9人であり、今年度の金沢会場は7人でありました。参加者の反応は、いずれの会場でも、本県が医師不足であるということを初めて知ったという意見が多く、またこの説明会をきっかけに、県内の病院で臨床研修を受けることを選択したという医学生もいたところであります。 来る2月には、再度東京で説明会を開催する予定であり、この説明会を通して、継続して県内の情報を提供していくとともに、今後さらに多くの県外在住の医学生や医師に対して、県内病院での臨床研修参加や県内病院へのU・I・Jターン等について働きかけを行い、本県の医師確保をさらに積極的に進めてまいりたいと考えております。   〔病院局長山田武直君登壇〕 ◎病院局長(山田武直君) お答えいたします。 県立病院の中期収支計画の具体的な取り組みについてでありますが、診療収益の確保対策といたしましては、国の医療制度改革に沿った病院経営の徹底、診療報酬体系に沿った経営の徹底、医師の確保や患者サービスの向上による患者確保等を図ることとしており、経費節減対策としましては、材料費の効率的執行、省力化器械及びシステムの導入拡大、業務のアウトソーシングの推進などを図ることにより、経営健全化に取り組んでまいりたいと考えております。 また、今年度上半期の収支状況につきましては、経常損益で前年度比較で約3億1,100万円の改善となったところであります。その改善の要因といたしましては、診療損益額の増加が約1億8,300万円、給与費や支払利息等の費用の減少で約1億2,800万円の改善となったところでございます。診療収益面で、中期収支計画の取り組みの成果が少しずつあらわれてきているものと考えております。 以上でございます。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) 長津議員の代表質問にお答えいたします。 まず、学校指導要領の見直しに係る中央教育審議会の答申についてでありますが、今回の答申の目的は、すべての児童生徒に指導すべき内容の徹底を初め、子供たちの実態に応じ、学習指導要領に示されていない内容についても指導することが可能であり、その基準を明確にしたこと、また発展的な学習や習熟度別指導等を実施する個に応じた指導の充実や、各教科等との関連を図り、知識や技能、思考力、判断力を高める総合的な学習の充実などについて、新学習指導要領の趣旨の徹底が十分でなかったことから、一層の明確化を図るよう求めることなどにあると受けとめております。 県教育委員会といたしましては、平成14年度から実施された新学習指導要領の準備段階からその趣旨を確かに受けとめ、個に応じた指導を充実するための少人数指導の手引きの策定や、にいがた学びはつらつプランの実施、実効ある総合的な学習の時間を推進するためのガイドライン等を示すなどの取り組みや指導を行い、既に新学習指導要領の趣旨に沿った実践が展開されておりますので、今回の答申に基づいて学習指導要領の一部改正がなされたとしても、特段の影響はないものと考えております。 次に、新学習指導要領の基準性の明確化と個に応じた指導への対応についてでありますが、県教育委員会では、これまでも新学習指導要領は最低基準であると受けとめ、すべての児童生徒にその学年、学校で身につけるべき内容を確実に習得させて次の学年、学校に送ることを徹底するよう指導してきております。 これを受け、各学校では、少人数指導や習熟度別指導などの一人一人の児童生徒の実態に応じたきめ細かな指導によって、わかる授業の実践など、みずから学ぶ喜びを実感させる取り組みが実施されております。また、理解の進んでいる児童生徒に対しては、学習指導要領の趣旨を踏まえて、発展的な学習に挑戦させ、持っている力を一層伸ばすよう工夫しているところであります。 このように、今回の答申内容は、本県では既に各学校で着実に実施されておりますが、今後も児童生徒一人一人の個性や能力を引き出し、個に応じた教育を展開し、新学習指導要領で求めているみずから考える力や創造性をはぐくむことに一層力を入れてまいりたいと考えております。 次に、義務教育における2学期制の導入についてでありますが、学習指導要領が弾力化され、各学校が創意工夫を生かした教育課程を編成できることなどから、これまで長い間実施されてきた3学期制も含め、教育課程全体の見直しが進められているものと認識しております。 2学期制を実施している学校では、効果として、学校行事や定期テスト等の見直しによって授業時数が確保しやすくなるため、児童生徒が学習や諸活動にじっくりと打ち込むことができ、教師にも時間的、精神的なゆとりが生まれて、一人一人に応じたきめ細かな指導や相談が一層充実することなどが挙げられております。 一方、課題としては、4月から9月までを1学期とした場合、学期の区切りが長くなるため、めり張りがつけにくく、特に小学校では気持ちに緩みが生じがちになること、夏休みなど長期休業が学期途中にくることから、学習の継続が今まで以上に難しくなることなどが指摘されております。 このように、2学期制については長短両面があり、学期を定める市町村教育委員会を初め、各学校が保護者の理解を得ながら、子供たちにとってよりよい教育を実現するためという観点で、教育課程全体についての工夫を含めて幅広い検討を行った上で選択すべきことと考えております。 次に、高校生への就職支援の取り組みについてでありますが、御指摘のように、10月末現在の就職内定率は前年同期を2.9ポイント上回っているものの、2,000人を超える生徒が内定を得ていないなど、厳しい状況が続いております。 このため、幅広い人脈を生かした新たな求人先の開拓や、豊富な社会経験を生かしたきめ細かな個別指導等により、大きな成果を上げた進路指導等支援アドバイザーを昨年度の2倍の50校に拡大配置して、就職支援体制を強化したところであります。今後、これらのアドバイザーを最大限に活用するとともに、公共職業安定所などとも連携を図りながら、最後まであきらめずに挑戦させ、生徒の希望達成に向けて学校全体で取り組むよう指導しているところであります。 以上です。 ○議長(西川勉君) 長津光三郎君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午前11時28分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時1分 開議 ○議長(西川勉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する代表質問を行います。 小山芳元君の発言を許します。   〔小山芳元君登壇〕(拍手) ◆小山芳元君 社会民主県民連合の小山であります。会派を代表して、知事の政治姿勢及び県政にかかわる諸課題について、通告に従いまして一般質問させていただきます。 通告の第1点目、知事の政治姿勢について質問いたします。 最初に、このたびの衆議院議員選挙結果に関連してお伺いいたします。 11月9日投票の衆議院議員選挙は、大きな争点でありました政権交代が全国的には実現しませんでしたが、本県では非自民党候補が過半数を制し、政権交代が現実となり、県内の政界地図が大きく塗りかわりました。衆議院議員選挙前に行われました自民党総裁選で、公共事業への財政出動を柱とした経済政策を訴えた亀井派の候補者が今回相次いで落選したことは、新潟県の今後の県政運営のあり方を根本的に見直す必要があるのではないかと考えますが、このたびの衆議院議員選挙結果について、知事はどのように受けとめ、今後県政にどう影響を及ぼすとお考えか、知事の所見をお伺いいたします。 あわせて、衆議院議員選挙の結果を受け、知事はこの先どのような政治スタンスに立つお考えか、知事の姿勢をお伺いいたします。 次に、これまでの平山県政の評価と来年度の知事選についてお伺いいたします。 私ども社会民主県民連合は、これまでの平山知事の一党一派に偏しない姿勢に一定の評価をしつつ、是々非々の立場を堅持しながら、県政への監視と政策提言を行ってまいりました。知事は、来年10月に任期満了を控えておられるわけですが、これまでの3期12年間における政治手法と政策の取り組みに反省すべき点はなかったか、所感をお伺いいたします。 また、知事は就任当初に、21世紀の新潟県づくりに大きな夢を描いて、それに向けて取り組んでこられたと考えますが、知事の目指した目標が、どの程度達成されたと判断されておられるか、あわせて見解をお伺いいたします。 次に、今回の衆議院議員選挙の結果を見てもわかりますように、県内の政局はこれまでになく大きく流動化している実態の中、多くの県民は来年度の知事選に向けた知事の動向を注視をしております。知事は、これまでみずからの去就を明らかにしませんでしたが、いつまでも白紙の状態を貫くのではなく、取り巻く環境の変化を考慮し、早い時期に態度を表明すべきであると考えますが、現時点における知事の見解をお伺いいたします。 また、現時点でも白紙としたならば、知事はどの時期に任期満了に向けたみずからの去就を明らかにしようとしているのか、あわせて所見をお伺いいたします。 次は、イラク派兵問題についてであります。 小泉政権のもと、周辺事態法、有事法制、イラク特措法の成立と、いつでも戦争のできる国への流れが加速し、歯どめがきかなくなってきている状況にあります。大量破壊兵器などなく、国連決議を無視し、攻撃の正当性が問われたアメリカ、イギリス両国によるイラク戦争は、戦争終結宣言後もアメリカ兵等の死者が200人近くにも及ぶなど、治安情勢が悪化し、日本もアメリカに加担することで、テロ組織の攻撃対象国リストにもなっています。 こうした状況下、このたび日本の外交官2名が殺害され、この先日本人の犠牲者が出るのではないかと多くの国民の懸念していたことが現実となり、大きな衝撃を受けております。亡くなられたお二人の御冥福を祈り、遺族の皆さんに心から哀悼の意を表する次第であります。 もともとイラクには非戦闘地域などなく、今回の事件を見てもわかりますように、イラクの全土が戦闘地域で、安全な場所などないことから、今後自衛隊を派遣することは、明らかに憲法に抵触することになり、自衛隊や文民を問わず、国民に大きな犠牲者が出ることになります。イラクへの自衛隊派遣につきましては、これまでも国民世論の60%以上が反対をしており、今回初めて犠牲者が出たことから、一層の派遣中止を求める声が強まってきている現状であります。 しかしながら、小泉首相は、自衛隊派遣の基本方針は揺るがないと、強硬姿勢を崩していません。イラクへの自衛隊の派遣は、逆に反米組織やテロ組織の攻撃を激化させ、事態を深刻化させるだけであり、イラクの復興に寄与するどころか、泥沼化し、イラク復興の展望すら見出せなくなるものであり、こうした政府の方針は完全な誤りであります。政府は、方針の誤りを認め、勇気を持って中止の決断を行い、復興支援のあり方を根本から再検討すべきであると考えますが、知事はどのように受けとめておられるか、所感をお伺いいたします。 あわせて、今回の事態を受けとめ、これ以上悲劇を起こさないためにも、議会としても当然県民の声を代弁し、派遣反対の意見書や決議の採択を目指しますが、知事としても他県の知事と一緒になって早急に政府に自衛隊派遣中止を求めていくべきでないのか、知事の所見をお伺いいたします。 通告の第2点目、財政問題と新年度予算編成について質問いたします。 現在知事は、3期目の任期最後の予算編成を迎えていますが、知事に就任した時点から今日までの財政状況は、主要3基金が平成5年度で2,026億円あったものが、平成15年度末予想では91億円と、貯金をすべて使い果たした状態となっています。県債発行残高も8,474億円から2兆359億円と、約2.5倍にも膨張するなど、財政体力は破綻寸前の状況となっております。長引く経済不況による県税収入の落ち込みという厳しい情勢下にありましたが、大型公共事業や国の施策に追随した大幅な県債発行など、身の丈以上の投資的事業の促進が今日の財政悪化を招いた大きな要因であると考えます。もちろん、それを追認してきた議会にも大きな責任があり、反省せざるを得ませんが、この12年間の財政運営に対する責任者としての評価と責任をどのように総括しておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、国の三位一体改革についてお伺いいたします。 平成18年度までに補助金をおおむね4兆円削減し、その8割を地方へ税源移譲するとした政府の骨太方針2003による三位一体改革の具体的なプロセスが示されない中、政府は1兆円の補助金の削減を新年度予算編成で行う方針を発表しましたが、肝心な税源移譲は、補助金の削減に見合う規模がなされるか不透明であります。加えて、その税源移譲も基幹税を基本方針にしており、これでは人口が多く、所得水準の高い都市部に移譲が偏って、本県など地方は逆に財源不足に陥ってしまう懸念がありますが、知事はこの政府方針をどのように受けとめ、今後三位一体改革に対し、国にどう対応を求めていかれるのか、所見をお伺いいたします。 また、1兆円の補助金の削減や地方交付税の削減など、こうした三位一体改革をもとにした政府の新年度予算編成方針が本県の新年度予算にもたらす影響をどのように把握しておられるか、あわせて知事の所見をお伺いいたします。 次に、当初予算において、前年度対比6.1%減の2,312億円を計上した本年度の税収はどのように見込まれ、新年度の税収をどの程度見通しているのか。あわせて、本年度末見込みの2兆351億円の県債残高はどの程度の見込みとなり、3年間の時限措置から来年度以降も継続される方針である臨時財政対策債の発行も含めた新年度の県債発行見通しを知事にお伺いいたします。 次は、新年度予算編成についてであります。 未曾有の財政状況下、歳出改革を推し進めて予算の質を向上させる必要がありますが、このためにも、大規模公共事業や新規事業は十分に精査をした中で、見送るべきものは見送り、予算にめり張りをつけていかなければならず、そのためにも、これまで削減割合が少なく、比較的温存されていた県単公共事業にも大胆な切り込みが必要であると考えます。県単公共事業は、従来のばらまき的な配分でなく、むだを排し、日常生活に密着した、本当に地域住民が必要と求めている維持補修や、あるいはまた、暮らしの不安解消に向けた質の高い福祉・教育・生活関連事業へ変換を図るべきと考えますが、知事の新年度予算編成に対する基本的な考え方をお伺いいたします。 次に、財政健全化債についてであります。 いわゆる赤字県債は、例えが適当でないかもしれませんが、個人で言えばサラ金みたいなもので、可能な限り抑制する必要があります。知事は、今年度100億円から増加せざるを得ない中、可能な限り抑制するとしてきましたが、どのように抑制される見通しであり、最終的な新年度予算規模はどのように見通しておられるのか、知事の御見解をお伺いいたします。 通告の第3点目、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故問題について質問いたします。 最初に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下問題は、今日まで事故の原因究明に多くの時間を費やしてきましたが、鉄骨溶接が不完全であったとの構造設計者の指摘に対し、県事故調査委員会は、通路を側面で支える斜材ロッドの外れが崩壊の発端であるとほぼ断定したようでありますが、いつ最終結果が出されるのか、そしてこの県事故調査委員会が出された結果を県は最終結論とする考えなのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、この朱鷺メッセ連絡デッキ落下は、設計監理、工事施工など、それぞれの部署や過程で責任ある対応がなされていれば本来起こり得ない事故であることから、この問題で不要な県費を出すことは許されるものではありませんが、最終的にどのくらいの県費の支出が見込まれ、設計業者や施工業者など、だれに対してどう責任を求めていかれるのか、加えて県の責任を県民にどのように明らかにしていくのか、知事の姿勢をお伺いいたします。 次に、通告の第4点目、雇用対策について質問いたします。 最初に、国の緊急地域雇用創出特別交付金事業を受け、全国各都道府県では具体的な数値目標を設定した雇用創出プランを策定し、地域の特性を生かした雇用創出に向け、各種の取り組みが展開されています。しかしながら、これまでの取り組みで、若干の継続雇用のケースがあるものの、多くは短期間の臨時雇用と、一時しのぎにしかなっていないことなどが明らかになっており、安定した常用雇用へどう道筋をつけるのか、このことが課題となっております。 そこで、緊急地域雇用創出事業を初め、本県におけるこれまでの雇用対策の成果はどのようになっているのか、知事にお伺いいたします。 また、新年度においては、雇用創出の数値目標を設定し、国の事業と連携しながらも、本県独自の雇用対策に一層の工夫を重ねていくべきであると考えますが、雇用対策の促進策について、あわせて知事の所見をお伺いいたします。 次に、若年者の雇用対策についてでありますが、24歳以下の失業率は全世帯平均の倍に当たる約10%、フリーターは200万人にも及んでいると言われ、若年層の雇用問題は深刻さを増しており、本県でも同様の実態にあります。政府は、ことしの6月に若者自立・戦略プランをまとめ、新年度ワンストップ・サービスセンターを設置し、若者の働く意欲の喚起、職業的自立の促進に向けた予算措置を行い、若年失業者の解消を目指すとしていますが、県はこうした国の事業を受け、市町村と有機的な連携を図る中で、若年者の雇用問題にどう取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。 通告の第5点目、市町村合併について質問いたします。 最初に、県下の実態についてお伺いいたします。 合併特例法の期限切れまで1年余りとなる中、市町村合併の取り組みが促進されていますが、全国的には、条件をめぐり話し合いがつかず、協議会の解散や協議会の事実上の停止、そして一部市町村が離脱するなどのケースが多く出ており、本県でも同様の実態と考えますが、現時点の県内における当初から合併しない市町村や、協議会の離脱などで合併を見合わせている市町村、それに協議会の解散や機能が停止しているなどの実態はどのようになっているのか、知事にお伺いいたします。 また、今後も合併をめぐる住民投票の活発化や、新自治体名や新庁舎をめぐり、流動化する要素もありますが、県が当初構想で示した合併パターンが最終的にはどのような形で収れんされる見通しか、あわせて知事の見解をお伺いいたします。 次は、地方制度調査会の最終答申でありますが、政府の地方制度調査会は、合併を促す市町村の規模の目安をおおむね人口1万人未満とし、合併特例法期限切れ後は知事による市町村合併構想の策定を求め、勧告、あっせんなど知事の権限を強化する中で、自主的な合併としながらも、知事主導で強制的に合併を促進させようとしております。これに対して多く県知事は憤りを表明しており、平山知事も知事の権限を強化してまで合併を進めるのは分権の趣旨に反するとして批判をしておられます。自主的な合併を促進するためにも、この先において国の方針に基づく知事権限を行使することなく、求められている新たな市町村合併構想の策定は行わず、県内市町村の住民総意による自立を目指す努力を尊重し、支援すべきと考えますが、知事の姿勢をお伺いいたします。 次は、地域自治組織についてであります。 政府の地方制度調査会の最終答申では、旧市町村単位で設置する地域自治組織について、独立性を高めるため、法人格を持つことができるとしていますが、その地域自治組織の長や地域協議会の構成員を公選することができない内容であります。これでは、新たな自治体の出先機関としての窓口処理にとどまってしまい、地域の一定の自治を担うにはほど遠い制度であると言わざるを得ません。合併で中心部のみが栄え、周辺の過疎が促進されるとの根強い住民の懸念がある中、少なくても合併してよかったとの結果にならなければならず、合併することによって地域が今よりも悪くなっては何にもなりません。そのためにも、合併して新しくできる自治体がそれぞれの地域の自治権を保障し、バランスある発展を目指していくためには、住民の総意が生かされ、主体性の持てる地域自治組織になるよう、国に制度の充実を求めていくべきでないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 通告の第6点目、農業問題について質問いたします。 米政策改革大綱を受け、来年度の米の生産調整配分については、本年度が冷害で、全国作況指数が90と大きく落ち込んだことから、現行配分を求める団体と、当初の改革方針に沿って需要実績配分を求める本県との違いが表面化したことから、都道府県別の配分調整の動向を県民は注視をしてきました。最終的に農水省は、来年度の米の生産目標数量配分を、全体の生産調整規模を据え置く中で、需要見込みを基本にしつつ、15年度分の配分実績や冷害による米の不作地域に配慮する特例を設けて決着させ、本県の生産目標数量は58万7,320トンと、今年度に比べ1.5%増、ほぼ現行水準にとどまりました。これまで国の農政に協力し、米改革元年として需要実績に応じた都道府県配分を求めてきた本県の農家や関係団体は、改革の理念とはほど遠い結果になったことに大変失望している状況にあります。今後、農家等の期待にこたえた市町村配分をどのように進め、需要に応じた売れる米づくりに向けた生産拡大にどのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。 通告の第7点目、福祉問題について質問いたします。 最初は、障害者支援費制度についてであります。 身体障害者が身体介助や外出支援などのホームヘルプサービスを利用した場合、2分の1が国庫補助となる障害者支援費制度が4月から始まりましたが、居宅支援の利用実績が国が当初見込んだ予算計上額より上回ることが予測されることから、初年度から国の補助金の全額交付が困難になるとの問題が浮上しております。これにより、本県にも大きな影響が予想されますが、現状の本県における利用実態はどのようになっており、不足が見込まれる交付金の額はどの程度試算されるのか、知事にお伺いいたします。 また、当初見込みより利用者が多いからといって補助金が打ち切られることは大きな問題であり、交付不足額は当然国に予算の全額確保を求めていくべきであり、仮に国の補助金の全額確保が難しい場合であっても、市町村にその負担の一部を求めるのでなく、県で対応すべきと考えますが、あわせて知事の所見をお伺いいたします。 次は、介護保険制度の改悪についてであります。 財務相の諮問機関である財政制度等審議会は、国の新年度予算編成に当たり、介護保険制度における現行の利用者自己負担率1割を2割から3割に引き上げることが必要との意見書をまとめ、財務相に提出しました。これが具体化されると、現行の1割でも利用料が高いことから、要介護対象者が介護保険を利用しない実態が問題になっている中、さらに利用しない人がふえることになり、介護保険制度そのものの目的が生かされず、制度基盤が揺らぐことにもなりますが、現状の本県における要介護対象者の制度未利用者の実態とあわせ、こうした利用者自己負担率の引き上げの意見書が出されることについて、知事はどのように受けとめているか、所見をお伺いいたします。 また、このような自己負担率の引き上げで介護保険制度が改悪されることのないよう、県として早目の対応が必要ではないのか、あわせて知事の所見をお伺いいたします。 次に、厚生労働省は、地方財政の三位一体改革に関連して、介護保険制度に基づく要介護認定等を行う介護保険事務費交付金について、ほぼ目的が達したとして廃止する方向を打ち出していますが、これについても市町村にとっては多額な自治体持ち出しとなり、大変な状況に追い込まれることになりますが、このことについても知事はどのように受けとめておられるか、お伺いいたします。 また、介護保険の利用者負担率の引き上げとあわせ、こうした地方と住民サービスの切り捨て方針に対し、あらゆる手段を講じて異議を申していくべきでないかと考えますが、あわせて知事の対応と所見をお伺いいたします。 通告の第8点目、環境問題について質問いたします。 最初は、産廃不法投棄対策についてであります。 産廃不法投棄の自治体処理の促進に向けて成立した産廃特措法及び県が導入を決めた産廃税を生かした対策強化を求めた私の6月定例県議会質問に対し、知事は、長年問題となっている三和村宮崎新田を初めとする不法投棄された産廃の撤去に取り組む姿勢を表明されました。廃棄物処理法に基づく産廃適正処理推進基金の活用も踏まえ、県内に不法投棄された産廃の処理対策について、新年度の予算でどう具体化を図っていかれるのか、県内の不法投棄の実態とあわせて知事の所見をお伺いいたします。 次に、上越地域における公的関与の産廃処理場建設計画について、県は平成13年度に地域説明会を開催し、整備構想を発表して以来、今日まで構想見直しを行いながら、計画の具体化に向けて取り組みを進めてきましたが、一向に進展は見られず、とんざした状態となっていますが、この計画の進捗状況と今後の見通しを伺うとともに、新年度に向けどのような取り組みを展開していかれるのか、知事の見解をお伺いいたします。 次は、ごみ処理施設の安全性の問題であります。 8月に三重県企業庁のRDF焼却施設の爆発事故は、2名の死亡者と5名の負傷者を出し、さらに11月には神奈川県のジャスコ大和鶴間店で生ごみ処理施設が爆発し、12名が重軽傷を負うなど、ごみ処理施設をめぐって大事故が相次いでおります。本県においても、昨年3月に竣工した糸魚川地域広域行政組合のごみを燃やさず蒸して炭化燃料にするという国内初の最新鋭施設、炭化システム型ごみ処理施設が、稼働当初から新技術の炭化物の生成にふぐあいを生じるなどトラブルが相次ぎ、ことしに入って作業員2名がやけどする人身事故を引き起こしており、地域住民からはこの先また爆発やダイオキシンの発生の危険性も懸念されるとの声も聞かれており、新技術には多くの課題があることを物語っております。 そこで、県内におけるRDFや炭化システム型、その他新しい技術による一般廃棄物焼却施設の建設の実態はどのようになっており、全国での連続した事故の発生を踏まえ、県内施設の安全性が懸念されますが、このことについて県はどのように対応されておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 通告の第9点目、教育問題について質問いたします。 最初に、高校再編整備の進め方についてでありますが、県民の声を受け、県は高校再編整備中長期計画を公表してきたことは評価いたすところであります。今後、少子化の進行に伴い、生徒が減少することから、それを理由として公表された計画を上回る募集停止や統廃合が促進される懸念がありますが、再編整備に当たっては、単なる財政効率を優先にするのでなく、教育的な観点から、小規模校、分校、定時制などの果たしている役割に配慮し、地域の声を十分に聞く中で高校再編整備に取り組むべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 また、平成18年までに六日町高校と湯沢高校、柿崎高校と吉川高校の統廃合が計画されていますが、統廃合後の新しい高校名のあり方などは、地域住民と十分な話し合いの中で進めるべきであると考えますが、あわせて教育長の所見をお伺いいたします。 次に、少人数学級、少人数学習の拡充についてお伺いいたします。 公立小・中学校の少人数学級を促進するには、現行制度では教員の増員分を都道府県が全額負担しなければならないことから、国庫負担の拡充を求める制度改正の要求等が出されていましたが、文部科学省は来年度から、加配教員の増などに対し、国庫負担で実現できるよう、制度の運用を緩やかにする方針であります。 県は、にいがた学びはつらつプラン事業で、2001年度より少人数学級、少人数学習を導入し、逐次制度の拡充を図ってきましたが、これに対しては教育効果が大きいことから、県民の大きな評価を得てきております。これまでのにいがた学びはつらつプラン事業の取り組み課題も含めどう総括し、文部科学省の国庫負担制度の運用弾力化方針など、国の動向にも注視しながら、新年度の少人数学級、少人数学習の拡大へどのような取り組みを展開していかれるのか、教育長の所見をお伺いいたします。 通告の第10点目、原発問題について質問いたします。 最初は、異物の落下問題についてであります。 一連の原発不祥事で、県民の怒りがおさまらず、信頼回復にほど遠い状況にある中、ここに来て、原子炉格納容器内プールや圧力抑制室などに電動グラインダー、ビデオテープ、作業靴、懐中電灯、プライヤー、その他点検作業や補修工事で使った150点以上もの異物の落下が次々と発見され、よくぞまあ原発は次から次へと問題を引き起こすものだと県民はあきれております。東京電力は、異物の落下は安全上問題ないとしていますが、電動グラインダーなど考えられないものの落下は、東京電力のずさんな管理体制を表面化させたものであり、企業に対する信頼性は再び崩壊し、住民を不安と不信に陥れております。 議会は、一連の原発トラブルに対し、異例の2回にわたる東京電力幹部の参考人招致を行ってきましたが、その都度東京電力の幹部からは、会社風土、組織、仕事のあり方、意識改革に抜本的に取り組み、失われた信頼の回復に努めると議会答弁がありました。しかしながら、それらはすべてその場しのぎの答弁であり、今回の異物の落下問題を見てもわかりますように、企業体質は何も改善されていないことを証明しております。 今回の異物落下問題で、県は東京電力に徹底した原因究明と対策防止策の検討、県民への説明を求めていますが、それだけでは県民の信頼は回復できません。知事はもっと本気になって怒り、県民が納得できる厳しい処置をすべきでないのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、こうした問題が続いている中、11月26日には、原発7号機から燃料棒を傷つける可能性のあるワイヤ片の異物8本が回収されており、次から次へとこうした状況が続いていては、県民はとても安心して生活することはできません。県は、運転中の号機についても直ちに運転を中止させ、徹底した点検を行うことを東京電力に求めていくべきでないのか、知事の見解をお伺いいたします。 次は、原発のコスト高の問題であります。 電気事業連合会は、原子力発電の使用済み核燃料サイクルを前提にした原発の後処理費用が総額19兆円になるとの試算を公表しましたが、この内容は、他の発電よりもコストの優位性を主張し、原発推進を図ってきた国の原子力政策のよりどころを崩壊させるものであり、この先、最終処理費用の電気料金への上乗せなど、新たな国民負担の増につながることが懸念されます。もともと、後処理費用を含めた原発のコスト高は当初から指摘されていたものが、今回それが裏づけられたものであり、こうしたデメリットを表面に出さず、推進を図ってきた国の原子力政策、これに対し、知事は一貫して支持の姿勢をとってきましたが、このコスト高が表面化したことと新たな国民負担増が懸念されることに対し、どのように受けとめておられるのか、知事の見解をお伺いいたします。 また、原発のコスト高が明らかになった以上、あらゆる機会を通じて国にエネルギーの原子力依存からの脱却を求め、独自に県としても新エネルギー事業の新たな展開を促進していくべきでないのか、あわせて知事の所見をお伺いいたします。 通告の第11点目、最後の項目になりますが、私ども県議団が当面の重要課題として調査し、取り組んでいる入札問題と天下り問題について質問いたします。 最初に、このたびの新潟市の入札談合疑惑問題についてでありますが、9月末に公正取引委員会が120もの業者や市行政の内部にまで調査に入り、官製談合にまで疑惑が及んでおり、全国的にとどまることなく続けられてきている政・官・業癒着の構造が県内でも展開されている懸念に対し、県民は大きな衝撃を受け、怒りの声を上げております。県都新潟市を舞台に、数多くの県事業も手がけている県入札参加資格を有する業者が調査対象とされていることから、県と市の違いだけで、県行政に対しても同様な疑惑があるのではないかとの県民からの声が聞かれますが、県の公共工事の入札・契約執行を取り扱う責任者として、知事は今回の事件をどのように受けとめ、県行政へどのように対応されたのか、お伺いいたします。 次は、入札談合情報への対応についてであります。 ことしの5月に県立高田商業高校校舎電気設備工事の入札が談合の疑いで中止されたのを受け、知事は、かなり談合が行われていたと言わざるを得ない、これまでの対応の反省も含め、最大限の工夫をすると、意向を表明してきた経過があります。ここに来て、県立新発田病院移転新築工事においても談合情報が寄せられ、県は事実確認ができないとして、予定どおり入札実施を決めてきましたが、最終的に再検討に迫られております。加えて、県事業とは直接関係ありませんが、新潟市に官製談合の疑いで公正取引委員会が調査に入った後でも、新潟市発注の総合卸売センター青果棟の建設工事の入札をめぐり、これまた談合情報が寄せられています。こうした一連の問題は、どんなに事件が大きくなり、問題が発生しても、その場しのぎで済ませてしまい、業界の談合体質は全く変わっていない、その実態を物語っております。 こうした談合情報に対し、県は一時入札を留保し、全業者から個別に事情を聞く対応をとるものの、県の調査に強制力がないことから、事実確認ができないとして、一部を除き当初どおり入札を実行するのが通例となっていますが、こうした対応では何の解決にもならず、これでは談合体質がますます温存化されていくのは目に見えております。談合情報が寄せられた場合は、警察や公正取引委員会への通達で、連携して調査の強化を図る制度等を設けるべきでないのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、入札談合情報が寄せられた場合は、県として、業者の総入れかえはもとより、事実が確認されれば、このたび見直した1年間の資格停止でなく、半永久的に入札参加資格を停止させるぐらいに強化した抜本的な談合防止策をとらなければ改善されないのではないかと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 次に、高落札率についてお伺いいたします。 県は、透明、公正な入札制度への改善に向け、いろいろ各種手だてを講じてきており、そうした努力は一定の評価をするところであります。しかしながら、現行法による一般競争入札の原則がありながらも、依然として指名競争入札が主流になっているのが実態であります。このことは、指名権獲得に向けた癒着や指名者同士の談合など、不正が起こりやすい土壌が温存されていることにもなるのではないのでしょうか。 こうした環境下において、議会でも問題になっている高落札率に対し、県監査委員が2年連続で指摘することは異常とも言えることであります。ここに来て若干の改善はされてきていますが、全国的に類を見ない本県の高落札率は、透明、公正な入札が行われているとは言いがたく、県税のむだ遣いを許していることにもなりかねません。 なぜ予定価格に極めて近い価格で落札できるのでしょうか。これまで高落札率に対する県の見解は、積算技術の発達、物価・単価情報の共有化などから結果してそうなるとしていますが、そこまで正確に積算ができるのであれば、なぜ業者が予定価格を知りたがるのか、なぜ落札者だけが予定価格に極めて近く、他の参加者の入札価格が高いのか、そのことを問わなければなりません。つい先日報道された新潟市発注工事の指名競争入札で、89件中88件が再入札しても同じ業者が最低価格を入札しているというように、1位不動の原則がなぜ温存されているのかも問わなければなりません。高落札率は、明らかに公正な入札が行われていないと見るべきであり、その方が多くの県民の見方だと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。 次は、入札制度の改革についてお伺いいたします。 地域産業の育成は行政の使命でありますが、真の建設業育成はどうあればよいのか。一部に共存共栄、良質な工事をするためには、談合は必要悪との声もよく聞かれますが、健全な競争ができる環境の中で企業が努力する、このことによって真に業界が発展し、業者が育成されるものであることを私は内外に強く訴えておきたいと思います。業者選定から落札者の決定に至るまでの入札制度全体について、不当、不公正な入札が起きない構造に向け、もっともっと改革のスピードを上げるべきでないのか、ワーキンググループの検討結果内容を伺うとともに、入札改革に取り組む知事の積極的な姿勢をお伺いいたします。 最後に、県幹部職員OBの天下り問題についてお伺いいたします。 今回の新潟市の入札談合疑惑が発生してから、元新潟市都市整備局長など市の幹部職員OBが公正取引委員会の立入調査に入った企業に天下り、再就職していることについて、談合疑惑問題とは関係がないとしても、県民からは疑念と批判の声が上がっております。本県においても、優秀な人材の活用とか職員の退職後の自主的就職活動という名のもとに、県のあっせんで多くの県幹部職員OBが公共事業にかかわる企業に再就職をしております。あってはならないことであり、あり得ないとしても、万が一にそのことで県発注の公共事業の公平性、透明性がゆがめられているのではないかと県民が疑惑の目を向けているとしたならば、それは適切なあり方ではないと私は考えます。 国家公務員は、離職後2年間はそれまで密接な関係にあった営利企業への就職を禁じられており、他県においても、国に準じた規則を定めたり、再就職先をホームページで公表している状況もあります。本県でも、幹部職員OBの天下りについて、一定期間の禁止の規定は設けられているわけでありますが、それだけでは適正化が図られているとは言いがたいと思います。本県幹部職員OBが公共事業関連企業へどのくらいの方が再就職されておられるのか、実態をお伺いするとともに、人材バンクによる県業務の一部として行政があっせんすることの中止も含め、抜本的な改革に向け、知事の英断を求めたいと思いますが、所見をお伺いし、私ども県議団は引き続き入札問題を重要課題として取り組んでいく決意を申し上げ、私の代表質問とさせていただきます。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、小山議員の代表質問にお答えいたします。 まず初めに、衆議院議員総選挙の結果と県政への影響ということでありますが、本県の選挙結果については、これまで小泉内閣が進めてまいりました改革の内容、成果、痛みなど、改革の現状に対するより厳しい県民の評価がそこにあらわれたものというふうに思われますけれども、これまで私は一貫して、各政党とはそれぞれの政策を中心に是々非々の立場で県政を運営してきたところであり、今般の国政選挙の結果により、大きな影響を受けることはないものというふうに考えております。 今後とも、県民のためには何が一番大切かという県民起点に立った県政を推進してまいりたいというふうに考えております。このたび選出されました国会議員の先生方には御支援、御協力をいただきながら、ともに本県の発展という目的のために努力をしていただきたいというふうに考えております。 次に、これまでの県政運営に対する所感ということですが、私はこれまで公正でクリーン、県民本位で開かれた県政ということを基本姿勢として、地域の将来を見詰める先見性を持ってさまざまな政策を実行し、新潟県の発展と県民福祉の向上のために全力を尽くしてまいったところであります。この間、常に県議会を初め県民の皆様からの声には謙虚に耳を傾け、初心に立ち戻って厳しくみずからを省みながら、信念を持って県政の運営に当たってきたつもりでございます。 そして、就任以来、物の豊かさと心の豊かさをともに享受できるような真に豊かな新潟県づくりということを目指し、豊かな人間性を持った人づくりを初め、北東アジア経済圏における新潟の拠点性の向上、地域の価値を大切にしたふるさとづくり、少子・高齢化社会に対応した福祉社会づくり、活力のある農業や地域産業づくりなど、21世紀の新潟県の基盤づくりに一定の成果を上げることができたのではないかというふうに考えております。 来年度の知事選挙についてもお尋ねがございました。私といたしましては、現在行財政改革を初めとし、山積する県政の諸課題を解決するために、日々全力で取り組んでいるところでございます。次の知事選に出馬するかどうかということについては全く白紙でございます。いずれしかるべき時期には、自分が適任であるかどうか冷静に判断し、結論を出すべきというふうに考えておりますが、当面は現在の職務に全力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、自衛隊派遣などイラクの復興方針いかんということですが、イラクの復興と民生の安定を図るということは、我が国にとって重要な意味を持つ中東地域の安定、ひいては国際社会の平和と安全を確保するために重要であり、国連や関係国との協力のもと、復興支援に主体的かつ積極的に取り組んでいくこと自体は、我が国が国際社会の一員としての責務を果たすために、基本的には必要な活動であるというふうに考えております。 しかしながら、イラク国内では米軍や他の派遣国、国連機関に対する攻撃が相次ぎ、先日は日本人の外交官お二人が襲撃されるという大変痛ましい事件が発生しております。現地の情勢は極めて不安定であると言わざるを得ず、我が国の人道復興支援活動の対象地域として言われております非戦闘地域を見きわめるということは、現状では難しい状況にあり、そういう中で自衛隊を派遣するということは、万一派遣された自衛隊員が現地で戦闘に巻き込まれるということになれば、自衛隊員の生命そのものの安全確保という問題に加え、海外における戦闘行為という、憲法に抵触することになりかねないという重大な問題も発生するわけであります。 政府においては、こうした課題についてしっかりと認識し、現地の情勢を見きわめた上で、派遣について慎重に判断すべきものというふうに考えており、今後、国においては十分に議論を尽くして、国民に対してこうした憲法問題も含め納得のいく説明を行う必要があるというふうに考えております。 次に、財政問題と新年度予算編成についてお答えしたいと思います。 まず、現在の財政状況に至った責任ということですが、私が知事に就任して以来この10年間の財政運営に当たっては、財政の健全性の維持ということを基本としながら、バブル経済崩壊以降の県内の景気、雇用の下支えを図るとともに、県内の社会資本の整備を促進するために、国の経済対策と歩調を合わせ、数次にわたって県債の増発と主要3基金の活用によって、絶対的な有効需要の不足の中でこれを補い、民需主導の自立的な経済回復を期待して取り組んでまいったわけでありますけれども、結果的に景気の回復が図られないまま、逆に景気低迷に伴う税収の落ち込みの一方、少子・高齢化や環境問題等の新たな行政需要の増加、そして県債残高の累増に伴います公債費の急増に対処するために、主要3基金の取り崩しを余儀なくされたわけであり、そして同時に構造的かつ大幅な収支不足が継続し、財政の硬直化が進展しているところでございます。 その時々の財政運営といたしましては、健全財政にも十分配慮して行ったものであり、必要やむを得なかったものというふうに考えておりますけれども、デフレ経済の克服、不良債権の処理、経済のグローバル化などの課題を抱え、日本経済が単なる景気循環ではなくて、構造的な長期停滞に入っているという状況の見通しがなかなかつかめず、結果としてこうした財政状況に至ったことについては、県の財政を預かる最高責任者として責任を痛感しているところであり、今後1日も早い財政再建に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。 なお、御指摘もございましたけれども、私の知事就任前の平成4年度から15年度までの間に県債残高は8,316億円から2兆369億円へと1兆2,043億円増加しております。そのことについての御批判というか、御指摘がございました。このうち、いわゆる通常債でふえた分は3割弱の3,395億円でございます。残りの7割以上の8,648億円の県債残高の増加部分は、これまでの数次にわたる経済対策の実施、そして恒久的減税に伴う補正予算債あるいは減税補てん債の累増、さらには国、地方を通じる構造的な税収不足を補てんするために、交付税の代替として発行しております臨時財政対策債及び財源対策債などの国の財政対策によります特別の地方債の発行に伴って大きく積み上がったものでございまして、国が枠組みを定めております地方財政制度の影響が大きく県政運営に影響しているわけであり、これは各県とも同じでありますけれども、こういう面もございますので、国に対して地方税財政制度の改革を働きかけているわけであります。 次に、三位一体改革の本県予算への影響ということでありますけれども、国においては、現在1兆円の国庫補助金等の削減と、それに対応した税源の移譲について、官邸と各省庁との協議がもつれております。廃止される国庫補助金がまだ具体的になっていないこと、また移譲される税源が未定であります。県と市町村のどちらに移譲されるかということも明らかになっておらないわけであり、こうしたさまざまな不確定要因がございまして、県の新年度予算への影響を見通すという状況にはなお至っておりません。 今後これらの動きがどのような姿に落ちつくのか予断を許しませんので、今後とも政府の動きを注視して、必要に応じて政府へ働きかけるほかに、的確な情報の収集と分析を行い、本県への影響を見定めていきたいというふうに思いますが、基幹税の移譲に伴い、税の現状より拡大する偏在については、交付税による調整で行うことで全国知事会内で議論をしている次第であります。 次に、県税収入と県債発行の見通し等でありますが、まず県税収入については、午前中にもお答えしたように、現段階で的確に見通すことは難しいのですけれども、本年度は今のところ、現計予算2,328億円に対し、50億円程度下回るのではないかというふうに見ており、来年度についても、本年度と同様の厳しい状況が続くというふうに見ております。 また、新年度の県債発行の見通しですけれども、16年度当初予算においては、投資的経費について抑制を図るため、いわゆる通常債は大幅に抑制しておりますけれども、国税や地方税の減収に伴います交付税特会借入金の振りかえとしての臨時財政対策債も、本年度の約550億円に引き続き、なお高どまりすることが想定されますし、県の基幹的歳入が厳しいということから、財政健全化債の増加も見込まざるを得ず、全体として本年度の約2,200億円近い規模の発行にせざるを得ないのかなというふうに見ている次第であります。 次に、県単公共事業の維持補修、そして福祉・教育・生活関連の重点化という御指摘でありますが、厳しい県財政の中で、本県財政で大きなウエートを占めます投資的経費についても抑制せざるを得ないものというふうに考えておりますけれども、一方で県単公共事業は、道路の安全施設の整備とか小規模な改善など、地域の住民の皆さんの身近な生活基盤の整備を行っておるわけであり、特に道路や河川の維持補修、そして施設の適時適切な管理によって、災害や事故を未然に防止するという性格のものであり、県民生活の安全確保、利便性の向上等の観点からも重要でございますので、結果的に施設の長寿命化に資するこうしたものについては一定の配慮が必要だというふうにも思っております。 厳しい県財政を考慮しますと、計画・設計手法の見直し及び公共工事のコストの縮減等に引き続き積極的に取り組みながら、極力事業量の確保に努め、原則は体力に合わせつつ着実に推進するということになりますけれども、県単公共事業のマイナスをカバーするべく、農業、観光等中山間地への支援策についても工夫してまいる必要があるというふうに思います。16年度の予算編成に当たっては、県内経済、県税収入、国の予算編成、そして地方財政対策の動向等をぎりぎりまで見きわめた上で、具体的予算編成を進めてまいる所存であります。 次に、財政健全化債ですが、本年度当初予算において、県税の大幅な減少による急激な歳出の削減を避けるため、やむを得ず発行しておりますけれども、16年度当初予算編成においても、県税や地方交付税という基幹的歳入の回復が見込めませんので、これまで財政運営を支えてまいりました主要3基金が底をつくという中では、財政健全化債を15年度より増加せざるを得ないという状況にあるというふうに認識しております。 財政健全化債は、行革による将来の財政負担の軽減の見合いで、つなぎ資金として発行するものであり、これに依存した財政運営は好ましくないわけであります。言うまでもなく、可能な限り発行額を抑制し、期間も短縮する必要がございますので、あらゆる角度から歳出削減策を検討いたしまして、来年度予算における発行額については、増加抑制をできるだけ目指してまいる所存であります。 また、来年度当初予算規模については、厳しい税収見込みに加え、三位一体の改革の初年度の姿が明らかではございませんけれども、県財政への一定の影響は避けられないというふうに見られますので、自主財源に乏しい本県歳入はかつてない厳しいものが想定されます。必然的に予算規模は3年連続のマイナスを視野に入れざるを得ないというふうに考えております。具体的には今後総合的に検討し、予算編成過程で決定をしてまいる所存であります。 次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてお答えしたいと思います。 まず、事故原因の調査でありますが、事故調査委員会では、年内を目途に結論に至るよう鋭意検討を重ねているところであり、11月23日開催の第8回委員会までに落下の起点を斜材ロッド定着部の破壊にほぼ特定し、落下プロセス等について最終的な詰めを行っているところというふうに聞いております。 私としましては、調査の客観性や透明性を確保するために設置いたしました本調査委員会の調査結果を尊重してまいりたいと考えております。 次に、事故に係る県費負担の見込みということですが、通路機能の復旧方法については、事故調査委員会の最終的な検討結果を踏まえた上で対応することとしております。現時点で所要の経費を算出することは、その意味で難しいと言わざるを得ません。 また、責任の所在についてでございますが、私としましては、事故が発生し、その結果施設を利用される方々に御不便をおかけしたことに対し、施設設置者としてまずおわびを申し上げたところでございます。 なお、事業実施に当たり、担当の職員は発注から検査まで所定の手続に従い対応してきたというふうに考えておりますが、その過程で問題点がなかったのかどうか、その責任も含め、現在精査をしているところであります。 さらに、当然のことでありますが、落下事故に責任があると考えられます関係者に対しては損害賠償請求を行うなど、遅滞なく適切に対応してまいりたいというふうに思います。 次に、雇用対策であります。 まず、これまでの雇用対策の成果と今後の取り組みということでありますが、平成14年度においては、緊急地域雇用創出特別基金事業により、約3,200人の雇用を創出いたしますとともに、再就職に向けた職業訓練により、本年9月末までに約800人が就職に結びついております。さらに、新潟労働局において、中小企業の雇い入れ助成等により、約3,000人の雇用の創出が図られたところであります。 厳しい雇用情勢が続く中、効果的な雇用対策を実施していくに当たっては、何よりも求人開拓とそれにマッチした人材の紹介がポイントでありますことから、新潟労働局との連携が必要不可欠であり、来年度についても、それぞれの予算状況等を踏まえ、数値目標を掲げながら、県内の実情に応じた事業実施に努めてまいる所存であります。 次に、若年者の雇用問題ということですが、今後の社会の根幹を担うべき若年者の失業の増加は、深刻な社会問題を引き起こす重大な問題でございまして、県として重点的に取り組む必要があるというふうに考えております。 このため、来年度から県、ハローワーク、雇用・能力開発機構が一体となり、フリーター等の若年者に対し、ワンストップで総合的な就職支援を実施するセンターの設置について検討しているところでございます。 具体的には、職業や能力開発に関する情報提供やインターンシップの実施等による職場体験機会の確保、きめ細かなカウンセリングの実施、あるいは職業紹介などを計画しているところであり、これらの実施に当たっては、関係市町村の連携も図りながら取り組んでまいりたいというふうに思います。 次に、市町村合併問題であります。 まず、県内の合併協議状況と今後の合併の見通しということですけれども、燕市や田上町のように一部の地域におきましては、ここに来まして住民アンケート結果等に伴い合併協議から離脱するというケースが見られますけれども、法定合併協議会を設置しております市町村数が全体の過半数を超えてくるなど、19の協議会等によってほぼ9割近い市町村が協議を進めているところでございます。 また、合併の見通しについては、今後の協議状況を踏まえる必要があり、具体的な数字を申し上げる段階ではございませんが、現在取り組みがなされております地域において、将来を見据えた合併協議が精力的に行われており、その大半は合併へと進んでいくものというふうに期待をしているところであります。 次に、国の方針に基づく知事権限の行使や新たな市町村合併構想の策定についてでありますが、御指摘の内容はあくまで地方制度調査会の答申であり、最終的に合併特例法失効後の新法にどのような内容がどこまで盛り込まれるかということについては、今後の検討になるところでありますので、その内容が具体化した段階で県としての対応を考えていくことになるものというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、合併は地域の将来に深くかかわる重要な問題でありますので、地域において、将来の厳しい状況等いろんなことを踏まえ、十分な議論を踏まえ、関係者の合意のもとで、合併するのかしないのか、地域の発展にどう対応していくのか、自主的に判断されることが基本でなければならないというふうに思います。 次に、地域自治組織でありますけれども、最終答申によると、当該組織は、基礎自治体内の一定の区域を単位といたしまして、住民自治の強化、そして行政と住民との協働の推進などを目的に、基礎自治体の判断により設置されるものというふうになっています。 私としましては、このような組織の設置ということは、地域コミュニティーの維持、再構築のため、基本的には望ましいものというふうに考えておりますけれども、合併市町村の一体性の確保とか簡素で効率的な組織の構築ということなどについて、制度上一定の配慮が必要なのではないかというふうに申し上げてきているところであります。 このたびの答申については、基礎自治体の長による自治組織の長の選任や、基礎自治体からの移転財源による自治組織の財源構成などにおいて、基礎自治体の一体性の確保に配慮するとともに、法人格を持たない地域自治組織については、合併にかかわりなく、一般制度として基礎自治体の判断により設置できるものとするなど、地域の自主性を尊重するという観点からも検討されたものではないかというふうに受けとめております。 なお、現時点では制度の詳細が明らかでない点もございますけれども、地域において活用しやすい制度内容となりますよう、制度化に向けた国の動向を注視し、適時適切に対応してまいりたいというふうに考えます。 農業問題でございます。 来年度の米の生産目標数量の市町村配分等でありますけれども、消費者に支持される良質米の主産県としての地位を一層確固たるものにするために、新潟県米政策改革推進協議会での議論を踏まえ、需要実績を基本としつつ、意欲のある担い手の努力が報われる米政策改革が展開できますように配分基準を設定し、これをもとに販売実績の確保とそれに応じた生産の拡大が図られますよう、産地と食品産業、卸小売等との結びつきの促進による販売力、ブランド力の強化、品質、作柄の一層の安定化やコスト低減の徹底による競争力のある生産体制の確立など、各種の施策を農業団体と連携し、積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。 次に、福祉問題についてお答えいたします。 まず、障害者支援費制度における居宅支援費の国庫補助金でありますけれども、国からは、本年11月に全国を6つのブロックに分け開催いたしました障害福祉主管課長会議において、ホームヘルプサービスの利用実績が制度変更をきっかけに全国的に予測を超えて増加しておりますことから、本年の所要額が予算額278億円を大幅に、約20%上回ってきているという見通しが示されたところであります。 県内の市町村においても、ホームヘルプサービスの上半期の実績は、事業費ベースで4億8,440万円、対前年度比41%増となっており、昨年度実績と比較して大幅に伸びているところでございます。 支援費制度においては、所要額の2分の1以内を国庫補助金として交付するということにされておりますので、国は予算の確保について最大限努力をいたして、そして1月初旬までには予算配分予定額を示すというふうにしていますけれども、具体的な配分案については現時点では確定されておらないわけであり、本県への影響額を試算するということは難しいわけであります。 補助金の交付に不足が生ずるということになった場合には、市町村の超過負担ということにもつながりかねないわけでありますし、ひいては支援費の支給決定に影響を及ぼすということも懸念されますことから、既に北海道・東北7県保健福祉主管部長会を通じ、補助金の全額確保を国に要望しているところであります。今後とも国の動向を注視しながら、必要に応じて国に働きかけてまいりたいと思います。 次に、財政制度等審議会の意見についてでありますが、これは介護給付費の増大を抑制し、国民経済・財政との均衡をとるための方策の一つとして、介護サービス利用者の自己負担率を引き上げ、コスト意識喚起の必要性があるというふうにしているものでございます。 介護保険制度については、高齢化の進展等に伴い、さらなる介護費用の増大が見込まれ、保険料や保険財政への影響が強く懸念されますことから、持続可能な安定した制度にしていくということが今後の大きな課題であります。 県内のサービス未利用者の状況については、平成13年度に実施いたしました調査では、未利用の理由といたしまして、まだ利用するほどではないというのが31%と最も多いわけですけれども、御指摘の利用料金に絡みます利用料が高いということが未利用の理由となっているという回答は2.8%と少数でございました。しかしながら、利用者の負担のあり方については、介護サービスの内容とか給付水準とあわせて、被保険者の範囲、また施設利用者と在宅サービス利用者との負担の公平性、あるいは低所得者対策の状況などの点を含め、介護保険制度の見直しの中で総合的に検討されるべきというふうに考えます。 現在厚生労働省においても、介護保険制度施行5年を目途とした見直しを進めているところでありますので、機会をとらえて提言をしてまいりたいというふうに思います。 次に、介護保険事務費交付金廃止ということについてでありますが、この交付金は介護保険制度の創設の段階で保険者を市町村としたことを踏まえて導入されたものでありますけれども、全国市長会においては、本年10月の税源移譲と国庫補助負担金の廃止・縮減についての緊急提言において、介護保険事務費交付金を含む101件を廃止する一方で、地方への税源移譲を求めているというふうに聞いております。 県といたしましては、介護保険施行後4年が経過し、介護保険事務は一定程度市町村に定着しておりますし、15年度の県全体の交付額が約6億円、1市町村当たり600万円弱と、市町村財政に与える影響も大きくないということから、これを一般財源化することに適しているわけですので、このことが直ちに住民サービスの切り捨てにつながるというふうには考えておりませんけれども、三位一体の改革を進める中で、税源移譲を確保していくということを前提に、市町村の意見を踏まえ、適切に対応してまいりたいというふうに思います。 次に、環境問題であります。 まず、県内において不法投棄や会社の倒産等によって放置されたままになっております産業廃棄物の実態でありますけれども、平成15年10月1日現在で68カ所、約9万8,000トンございます。このうち、現場の状況等から早急に撤去すべきというふうに思われるものが約2万2,000トンぐらいございまして、それに要する費用として、2万2,000トンの撤去に要する費用だけでも約10億円ぐらいが見込まれております。 そうした中、新年度予算においての対応ということでありますけれども、新たに導入いたします産業廃棄物税の税収の一部を財源とし、可能な限り国の助成制度を活用して、撤去等を着実に推進することとしておりますけれども、巨額の費用がかかる上に、実施財源にも限りがございますので、県内に放置されておりますこうした産業廃棄物の実態について、生活環境保全上の支障の程度や、あるいは緊急性を勘案いたしまして、具体的な撤去計画を立てて、着実かつ段階的に実施をしていきたいというふうに考えております。 次に、上越地区の公共関与の産業廃棄物処理施設の整備についてでございますが、今年度は基本計画に基づいて具体的な内容を説明するなど、引き続き住民の皆さんの理解を求めるための種々働きかけをしておりますけれども、話し合いは進展しておりません。計画の実現に向けた見通しは、その意味で全くついていないという状況にございます。 このため、県といたしましては、今後の進め方等について、上越市及び上越地方振興促進協議会と協議の上、総合的に検討し、判断をしてまいりたいというふうに考えております。 次に、新しい技術による一般廃棄物焼却施設についてでありますが、県内ではガス化溶融施設が本年度中に竣工を予定しているものを含めまして2施設ございますけれども、これらについては特に問題は生じておりません。また、国内初となりました炭化施設については1施設が稼働しており、御指摘のようにふぐあい等がありましたけれども、現在改造工事がほぼ終了し、定常運転を開始したところでございます。 なお、全国的に事故が多発しておりますRDF施設については、検討をずっとしてきたのですけれども、平成10年、事業採算性の問題、それから技術的な問題等を考慮いたしまして、本県では企業局では導入しないという判断をしており、県内ではその意味でRDF施設は設置されておりません。 県といたしましては、廃棄物処理施設全般の安全性の確保は重要な問題というふうに認識しており、現在、国の中央環境審議会廃棄物リサイクル部会で行っております焼却処理システムの技術上の基準の検討結果を踏まえ、設置時の技術審査のほかに、運転管理においても必要な技術的助言や情報の提供を行うなど、万全を期してまいりたいというふうに考えております。 次に、原発問題でございます。 まず、東京電力の作業管理でありますけれども、先ほどもお答えしましたとおり、私としても、今回の事案は単に異物の混入という問題にとどまらず、発電所の作業管理、品質管理の基本にかかわるゆるがせにできない極めて遺憾な問題であるというふうに認識しており、県として厳正に対処してきたところであります。 今回の問題は、東京電力のさまざまな改善のための取り組みが作業現場の末端までは十分に浸透していなかったことを示しておりますから、異物混入問題の調査結果を踏まえて、改めて発電所全体の作業管理・品質管理体制の改善と再構築を徹底していく必要があると考えており、今後の東電の取り組みを厳しく監視、確認してまいりたいというふうに思います。 次に、7号機で回収されたワイヤ片についてでありますが、これらは過去の定期検査の際の作業等において使用されておりました金属製ワイヤブラシの毛先等が炉内に混入したものと推定されております。このため、平成12年度以降は原子炉内での金属製ワイヤブラシの使用を禁止するなどの対応が図られてきているところでありますけれども、今回7号機の炉内点検の際、残留しているものが回収されたものであります。 これらの微少なワイヤ片等が燃料棒の特定の部位に入り込み、時間をかけて燃料棒を傷つけるという可能性は否定できないわけでありますけれども、仮に燃料棒が損傷されたという場合でも、炉内状況の監視システムにより、ほんのわずかでも直ちに検知でき、原子炉運転の安全性に問題を生じないうちに対応できる体制となっておりますことから、現在運転中の号機を直ちに停止して点検するという必要はないものというふうに考えておる次第であります。 次に、原子力発電のコスト等でありますが、これまで平成11年にバックエンド費用も含めた政府による試算が示されていたところですけれども、このたび電気事業連合会により、バックエンド事業全般にわたるより詳細な試算が示されたことは、おくればせではありますけれども、注目に値するものと受けとめています。 この試算は幾つかのケースを想定して行われておるわけでありますが、これをもとに単純に原子力発電のコストを計算した場合、最も厳しいケースにおいては火力発電と同等程度になると見積もられておるわけでありますが、試算自体が多くの仮定を前提としたものでありますことから、この妥当性等については今後国において精査され、その上で最終的には御指摘の費用負担のあり方等についても議論がなされるべきものと承知しております。 こうしたことを契機に、原子力政策全般について、さまざまな角度から国民的な議論が喚起されることは望ましいことであり、私としては今後の議論の行方に注目をしているところであります。 いずれにしても、国民生活の基盤でありますエネルギーは、経済性はもとより、供給の安定性とか環境への負荷などを総合的に勘案して、各種の電源をそれぞれの特性に応じてバランスよく組み合わせて利用していくということが必要であり、当面の間、安全の確保を前提に、一定程度原子力に依存せざるを得ないものというふうに認識しております。新エネルギーについては、当面は補完的なエネルギーとして位置づけられておりますけれども、将来の可能性を踏まえて、県としても積極的に導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、入札問題と天下り問題であります。 まず、新潟市の入札談合疑惑についてでありますが、県内の市町村においてこのような疑惑が生じたことについてはまことに遺憾なことであります。 県では、これまでも職員一人一人に綱紀粛正、公務員としての自覚や関係法令遵守の徹底等を機会あるごとに繰り返し喚起してきたところでございます。さらに、平成15年1月からの入札談合等関与行為防止法の施行に伴い、昨年11月には市町村職員及び県職員に対し、本年3月には土木関係職員に対し、公正取引委員会から講師を招いた説明会を実施するなどの取り組みを行ってきたところであり、今後とも適切に対応してまいりたいと思います。 次に、談合情報に対する調査の強化ということでありますが、これまでも談合情報対応事務処理要領による調査を行ってきてはおりますけれども、強制力のない県の調査では限界があり、相手が談合を認めなければ、それ以上の調査はできないわけであり、また公正取引委員会においても、単なる談合情報段階での実際の調査というのは非常に難しいというふうに聞いておりますけれども、調査の効果的な方策についてなお引き続き工夫し、検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、抜本的な談合防止策ということでありますが、これまでも談合情報により疑わしいと判断したものについては、高田商業高校の例にあるように、公正取引委員会への通報を含む、そしてまた関係業者の指名停止を行うなど、厳格な対応をしてきており、さらにこの11月には、指名停止期間の延長など、談合が確認された場合の罰則の強化を図ったところでございます。 また、現在庁内のワーキンググループから報告された検討結果をたたき台として、談合防止のための具体的方策についても突っ込んだ検討をしているところでございまして、早晩まとめたいというふうに思います。 次に、落札率ということですが、県のこれまでの入札状況を見ますと、予定価格の設定に当たり、想定している標準的な技術力、経営力に達していない業者や受注意欲のない業者が参加していることなどにより、価格競争力が十分作用せず、十分な競争が働いているとは言えないケースがあったというふうに思っております。 平均落札率については年々下がってきており、これまで行ってきた入札の透明性、競争性を高めるための制度改正によって、入札における競争性が徐々に高くなってきた結果であるというふうには思われますけれども、今後は一般競争入札が原則であるということを踏まえながら、公募型の入札を拡大するなど、なお一層の競争性の向上、透明性の確保を促す改善策、制度について、事務手数等も踏まえた現実性を含め、さらなる検討をしてまいりたいと考えております。 次に、入札改革への取り組みでありますけれども、庁内ワーキンググループにおいては、建設産業振興プラン、アクションプログラムの方向性を踏まえながら、入札制度の一層の透明性、競争性の確保のための方策を検討してきたところであり、現在私の段階で議論をしているところであります。 今後、実施案の策定に当たって、ワーキングの検討結果を一つのたたき台として、地域建設産業の状況を見きわめ、関係方面の御意見も参考としながら、透明性と競争性の一層の向上や談合行為の排除の徹底などのための具体的な方策について検討してまいる所存でございます。 また、幹部職員の公共事業関連企業への再就職の実態ということですが、昨年度末に退職した課長級以上の職員131名のうち、公共事業に関連した建設業、設計コンサルタントへの再就職者は21名となっております。 また、御指摘の人材バンクシステムの中止を含めた見直しということでありますが、人材バンクは、退職者の再就職について、幹部職員だけではなくて一般職員も対象とするもので、団体、企業からの求人情報を職員に一斉に公開し、求職希望者を募集するという透明性の高い手続で人材を紹介する仕組みであり、むしろこの人材バンクを適正に運用していくことが再就職の公平性、透明性を確保する上で重要であるというふうに考えておりますし、結果として県庁職員として培われた人材が高齢化社会の中で活用されるということは、一般的には望ましいというふうに考えております。 ただし、御指摘のように、公共事業等に直接かかわることをねらっての再就職ということは好ましくございませんので、従来から行っている役員就任等の自粛要請等について、改めて指導徹底を図り、発注側と受注側の節度ある適正な関係が保たれますよう努めてまいりたいと思います。 御指摘の民間企業への再就職自体を禁止するということは、地方公務員の場合、国家公務員と異なり、法体系上難しいものというふうに考えておりますけれども、今後ともこの点について研究してまいりたいというふうに思っておるところでございます。 以上です。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) 小山議員の代表質問にお答えいたします。 まず、高校再編整備の今後の進め方についてでありますが、この計画は、生徒にとって魅力ある学校づくりを推進するため、地域の実情や社会、産業界の動向、各学校・学科ごとの生徒の入学状況等を踏まえ、広く地域、県民の意見、要望等を聞くなどして策定したものでありますが、今後とも必要に応じて、地域の意見等にも配慮しながら、この計画策定の趣旨に沿って着実に実施してまいりたいと考えております。 また、新しい高校の名称の決定に当たっては、これまで同様、地域や学校設置の趣旨にふさわしいものとなるよう、学校関係者や地域の意見を十分にお聞きしてまいりたいと考えております。 次に、にいがた学びはつらつプランについてでありますが、このプランは、平成13年度を初年度とし、17年度を目標年度に、少人数学級については小学校1・2年生で、少人数学習については小学校3から6年生で国語、算数を、中学校1から3年生で数学、英語の実施を、学年、教科を年度ごとに順次拡大することとして計画したところでありますが、予想以上の成果を得たことから、今年度、17年度を待たずに計画を前倒ししたところであります。 このプランにより、少人数学級では学習面や生活面で行き届いた指導が可能となり、子供一人一人が生き生きと学習に取り組み、落ちついた学校生活を過ごすようになってきておりますし、少人数学習では学習意欲が向上し、基礎的・基本的事項の定着度が高まっているなど、着実に成果があらわれているものと考えておりますが、今後は義務教育費国庫負担制度の地方の裁量と財源の見直しの動向を注視しながら、現在の取り組みの効果や課題を十分に分析し、本県の義務教育の充実が図られるよう適切に対処してまいりたいと考えております。 以上です。   〔小山芳元君登壇〕 ◆小山芳元君 5点にわたり再質問をさせていただきます。 1つは、イラク問題でありますが、知事はイラクの自衛隊派遣については、憲法にかかわる重要な問題であるとの認識の答弁をされました。そして、非戦闘地域、戦闘地域の見きわめが難しいという答弁をなさいました。やはり今のイラクの実態を見ますと、戦闘地域、非戦闘地域の区別は不可能だと、全土が戦場と見るのが常識ではないかと思うわけであります。そういう面では、知事の答弁からすると、明らかに憲法に抵触していると私は見るべきでないかと思いますが、知事みずからの答弁を踏まえて、憲法との関連性をいま一度お聞かせ願いたいと思います。 それと、2点目でありますが、マスコミの世論は、大方自衛隊派遣は反対という状況になってきているわけでありますが、現状は自衛官の生命を守れる状況にない、明らかにイラク特措法の執行の前提を欠いていると思うわけであります。そういう意味では、自衛隊を出せる状況にないこと、これもまた常識だと思うわけであります。知事は、十分な国の論議を期待したいと、その旨の答弁もあったわけでありますが、国に任せてはいられない。小泉総理は強硬姿勢を崩しておらないわけでありますから、地方からも声を大にしていかなければならない。知事の今の答弁からすると、やはり一緒になって、今こそ勇気を持って政府に自衛隊派遣の中止を求める提言を、進言をしていくべきではないかと思いますが、それについての知事の見解をお聞きしたいと思います。 3点目は、朱鷺メッセの件でありますけれども、調査委員会の結果を尊重するというのが知事の答弁でありますが、私どもにこの「橋梁と都市」という本が配られてきたのですけれども、この中に緊急報告として、この朱鷺メッセの問題が取り上げられておりまして、その内容は、ジャッキダウンのとき大損傷を受けて、それが事故につながっているというのが大まかな内容であります。そういうことで、県の事故調査委員会は判断基準をずらしているということで、公正な調査を求めたいというのがこの内容であります。恐らく皆さんのところにも行っていると思うわけでありますが、この見解をどのように受けとめて、県の最終結論に対しても、これについてはどのような考え方で取り扱われるのか、お聞きをしたいと思います。 4点目でありますが、県幹部職員の天下りについてでありますけれども、人材バンク、この制度はむしろ透明性を高めるための制度だという旨の答弁でありますけれども、今回の新潟市の官製談合疑惑の問題が浮上したときに、新潟市に本社がある御三家、この大手建設業3社に中央官庁、あるいはまた県、そして新潟市、3割もの人が天下って幹部になっているということであります。そしてまた、かつての職場に訪れるのも、これまた日常の光景であって、かつての上司に頼まれれば、いろんな面で嫌と言えない状況も生まれてくるということも指摘されているわけでありますが、やはりこうした実態は適正ではないと、改善すべきだと私は思うわけでありますが、再度この件についてお聞かせを願いたいと思います。 最後の再質問でありますが、人材バンク制度、人事課が日常の所管業務の一環として幹部職員のあっせんを行うと、一般の職員もということでありますけれども、これが果たして県税を使って行う仕事なのかと。自分たちの再就職先をあっせんするということは、どう考えても私は手前みそでおかしいと思います。人事院で公正な人材活用システムに基づくもので、県も準じたことをやっているから問題ないということで、これまでも言われてきたわけでありますが、やはり県の業務で県民が疑惑の目を向けていると、天下りの手伝いをしていると言われかねないわけでありますから、やはりこの際、ぜひ改めるべきだと私は思いますけれども、その辺をお伺いしたいと思います。 以上です。   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 5点の再質問をいただきました。 まず最初、イラク問題ですけれども、憲法との関連については、日本の今の憲法上からいけば、海外において戦闘行為を行うということはできないわけですから、結果的にそういう事態に至るかもしれないという意味でここに触れるかもしれない。いわゆる戦闘行為は行わないのだと、だから非戦闘地域に行くのだというのが憲法との矛盾を回避するための一つの方策としての説明になっているわけですが、その前提が確保されなければ、戦闘に至るかもしれないということを想定せざるを得ない。となれば、憲法違反になるかもしれない。国という一つの政府が国の一番重要な柱であります憲法を守れない、守らないということが起こるということになれば、これは極めて重要な問題ですので、指摘をもっときちんとしておかなければいけないということで申し上げたわけであり、このことを一番きちんとした議論をしなければいけないのは国会でありますから、国会できちんとした議論をしてほしいというふうに言っています。 それから、そういうことであれば、国に任せていられないから、ほかの知事さんと連携して動いたらどうかということですが、小山先生のおっしゃるようにやっていると、すべてのことに知事が動かなくてはいけなくなりますので、これは持ち場持ち場できちんとやるべきであって、問題の指摘に現時点においてはとどめておきたいというふうに思います。 それから、事故調査委員会の報告を尊重したいと、これは当然のことであります。そして、今御指摘のございました雑誌ですけれども、私も承知しておりますが、一定の立場におけるところの業者の方から出てきている、あるいは取材に基づいて書かれたものであるというふうに思われますので、このことも一つの見解であるとすれば、含めて総合的に事故調査委員会で判断していただくということでやっていただいております。したがって、その雑誌のことが正しいとも間違っているとも私の立場でまだ言えるわけではありませんが、どうももとはそういうところから取材されて、ある立場の方からの取材で書かれているようにも聞いております。客観的な判断がされるよう、事故調査委員会で今詰めておるというふうに思っております。 人材バンクの問題については、御指摘のように議論があるのだろうと思いますけれども、かといって、一方でまた公務員の定年後の人材の活用を含めて再就職、生活の場を確保するということについて、一定の必要性も指摘されているわけであります。高齢者雇用安定法第9条の趣旨の準用ということで、人材バンクの法的位置も、求人の開拓その他、当該高齢者の再就職の援助に関し、必要な措置を講ずるよう努めるものとする、事業主はと、こういうふうに書いてあるわけですので、私たちも事業主でありますので、そのことについては趣旨として尊重すべきだと思います。御指摘のように、そうしたことは、一定の才能と経験を生かすことが公共事業関係においてマイナスの問題を起こすことがあってはならないということだと思いますので、そうならないように、先ほど申し上げましたようにできるだけ研究し、必要な措置があれば対応してまいりたいというふうに思っていますが、人材バンクそのものについて中止する、やめるということについては、現状においては考えておらない次第でございます。   〔小山芳元君登壇〕 ◆小山芳元君 再々質問で恐縮でありますけれども、イラク問題はとにかく国会だという知事の答弁でありますが、ぜひともそれにとどまらず、地方からもやっぱり声を上げていかなければ、多くの国民が犠牲になる、ひいては県にも被害が及ぶということになりかねませんので、とにかく一緒に行動を展開していただきたい、このことを強くお願いしておきます。 再々質問で、県幹部の天下り、今人材バンクで一定の、従っていくしかないという旨の答弁でありますけれども、今回の新潟市の官製談合問題で、新潟市で再就職自粛が1年間設けられているのが、実際にはその規則に抵触して、1年未満で今回公正取引委員会が入った企業に幹部として就職している実態が明らかになったということになったわけですけれども、県の幹部の再就職の実態はどうなのでしょうか。県の規則にきちっと抵触しない形でやっているのかどうか、その辺が非常に心配でありますが、その辺をお聞きしたいということと、新潟市はこれを受けて、この自粛の期間を3年に延長するという方向を市長が打ち出しておりますけれども、罰則の強化も入れてということなのですが、当然本県としてもこの辺についてはやっぱり厳しくいくべきだと思うわけでありますけれども、県としてもこの再就職の自粛期間をもっと拡大すべきだと思うわけでありますが、そのことをお聞きをして、終わりたいと思います。お願いします。   〔知事平山征夫君登壇〕
    ◎知事(平山征夫君) 幹部職員の再就職の場合のいわゆる1年間直接担当するような役につかないようにとか、今の規定について、先ほど言いましたように、再度徹底するようにということで考えておりますけれども、今入札等についての見直しをしているということの中で、当然考慮しなければいけないのは、いろんなこの同じ問題について、ほかの県でもやっています。強化もしています。そのことの方策としての効果性ということも含めて、どういう措置がとられてどういう効果を上げているか、本県としてさらなる工夫の余地がないのかということも重要なポイントですけれども、もう一つ、私としてやっぱりきちんと見ておかなければいけないのは、談合事件を起こしてといいましょうか、この問題が起こって制度の改革をしている、一番身近なところでやっている新潟市の改革の内容というのは、県としてもきちんと踏まえなければいけないというふうに思っていますので、そのことも含めて、先ほど来申し上げているようにワーキンググループで、談合が起きにくいように、あるいは問題がほかにも、ある程度周辺も含めて、御指摘の天下りと言われている人たちとの関係においても透明性が確保できるようにする、そのことにさらなる工夫の余地があるのか、あるいはどういう措置が考えられるのか、ここも議論の対象として、項目として含めて検討していますというふうに申し上げたわけです。 中身についてはどうなるかは、検討中でありますので、これ以上はこの時点で答えることはできませんけれども、そのことも一応テーマに入っていることでございます。 ○議長(西川勉君) 小山芳元君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時33分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後2時52分 開議 ○議長(西川勉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する代表質問を行います。 竹山昭二君の発言を許します。   〔竹山昭二君登壇〕(拍手) ◆竹山昭二君 冒頭、イラクで犠牲になられた日本大使館員お二人と御家族の皆さんに、哀悼の意をあらわすものであります。 新潟みらいを代表して、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 政権選択が最大の焦点でありました新世紀初となる第43回衆議院議員総選挙は終わり、小泉政権が継続されることになりました。小泉首相は、「改革なくして成長なし」をキャッチフレーズとし、経済成長率が7期連続のプラスになることから、改革の痛みから回復、成長にバトンタッチしつつあるとの認識に立っておられます。しかし、国民の目には改革の成果が乏しく、人気を得るための大衆迎合的な政治手法が目立つと言えます。身内や周辺に敵をつくり、それと闘うイメージで支持率を高める従来の手法は、もはや国民に受けないと考えます。国民は、スローガンではなく、実のある政治を求めていることを認識しなければなりません。 今回の総選挙、初めての本格的なマニフェストを掲げて戦った選挙でありました。マニフェスト選挙の意義は、小選挙区制本来の政党、政策本位の選挙を促すだけでなく、その後の公約の実行の検証結果がその選挙に反映されることにあります。公約の実行がこれまで以上に厳しく問われます。実現できなければ、次の国政選挙で有権者のしっぺ返しを食うことを覚悟しなければならないのであります。そこで、新世紀初の第43回衆議院議員総選挙の結果と、本県の選挙結果についてどのように受けとめられたのか、お伺いをいたします。 次に、地方の自治体への補助金の削減や税源移譲、公共事業の削減、市町村合併の推進、道州制導入など、各党のマニフェスト政権公約には地域の将来を左右する内容がかなり盛り込まれております。地方分権の推進がこれまで以上に重要と各党とも受けとめているからと考えますが、このマニフェスト選挙についてお伺いをいたします。 次に、中央依存から脱却し、地方の自主性と自立性を高めることを目指した地方分権一括法が施行されたのは、平成12年でありました。国と自治体の関係は、これまでの上下、主従から対等、協力の関係に転じたはずでありました。しかし、地方の裁量が広がった面も確かにありますが、現実には地方の自立と言うにはほど遠く、依然として国に依存をせざるを得ない構造となっているのが現状であります。三位一体改革、補助金の廃止・削減、国税の一部を地方税に移す税源移譲、自治体の財源不足を補っている地方交付税の見直しを同時に進めようとしているものであります。 使い道が決められ、手続が面倒な補助金より、地方の裁量で自由に使える金がふえれば、より行政サービスの充実につながります。だが、現実には、補助金削減、財源移譲には各省庁の抵抗もあります。交付税改革も進んでおりません。具体的にどのようになるかはっきりせず、むしろ補助金削減や交付税の圧縮などがつまみ食いされ、国の財政再建策に終わることが懸念されることから、十分な議論ができるように、国に対し早期に削減対象補助金や移譲財源などの具体化を働きかけるべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 また、全国知事会や市長会など、自治体側からも補助金の大幅削減など、いろんな意見が提言、要望されていると聞いております。こうした地方自治体の意見への理解を政府や各党に求めていくべきと考えますが、所見をお伺いをいたします。 この選挙で各党が明らかにしたマニフェストでは、与野党とも自治体の裁量を広げることで一致しております。税財源の仕組みを変えない限り、地方の自立も、活性化も進まないことは確かであります。仕組みを具体化していくにも、いろいろな課題があります。 例えば地方へ税源を移譲するにしても、地域、自治体間によって事業が異なります。税源は、地方によって遍在しているのが実情であります。単に国から地方へ税源を移すだけでは、大都市と農山村部との格差が拡大するだけだと考えます。地方間の財政調整の仕組みを考えなければならないと思いますが、知事の所見をお伺いをいたします。 政府は、来年度予算の骨格となる概算要求基準と、予算編成の基本を示す来年度予算の全体像を決めました。来年度予算の全体像は決めたが、肝心の概算要求基準は前年度の伸び率が基準で、しかも削減が原則という相変わらずの前年踏襲型との声が上がっております。新しい発想で新規分野への予算を要求する余地など、どこにも見受けられません。今、国の財政政策に求められるのは、予算をゼロベースで見直し、景気浮揚に役立つ分野に限られた資源を投入していくような発想の転換が必要と考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 企業業績は徐々に持ち直し、生産活動に底打ちの兆しが見えるとのことであります。この機会を逃さず、強力なてこ入れに踏み切るのが財政当局の責務であります。国は、今年度補正予算または来年度予算において、財政出動を含む効果的な景気刺激策を実施すれば、長引く不況から脱出する糸口がつかめるのではないかと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 いま一つの指摘は、社会保障関係費の取り扱いであります。年間9,000億円とされる自然増分を圧縮する方針が盛り込まれております。しかし、基礎年金の国庫負担割合を来年度から現在の3分の1を2分の1に引き上げる懸案については、財政問題を素通りしております。それは、2兆7,000億円もの巨額の原資の手当てのめどがついていないことであります。この問題に目鼻がつかなければ、社会保障費関係費ばかりか、予算編成全体の方向性も定まらないのであります。国民の間に広がる年金不信を緩和するためにも、政府は消費税の取り扱いを含め、財源問題の解決策を早急に提示すべきと考えます。年金制度については、後段で質問させていただきます。 補助金削減、税源移譲、地方交付税改革を同時に進める三位一体の改革でも、ほとんど具体策がなかったと思います。パンチ力に欠ける要求基準や全体像は、小泉内閣の政策対応能力の低さを改めて示したものと指摘があります。来年度予算を真の経済活性化につなげるためには、官僚任せでない政治主導の歳出構造の見直しが必要と考えます。財政出動を含む大胆な政策転換も、待ったなしと考えるのであります。 そこで、来年度予算編成についてお伺いいたします。 国の概算要求では、骨太の方針2003を踏まえ、平成15年度に引き続き歳出構造改革の一層の推進を図らなければならないと考えます。一般歳出及び一般会計歳出について、実質的15年度以下の水準に抑制することを目標に、公共投資については3%、裁量的経費については2%削減するなどの方針が示されております。 地方財政については、国と歩調を合わせ、人員、投資的経費、一般行政経費などの徹底した見直しや地方財政計画の歳出規模、地方交付税総額を抑制する。特に地方単独の投資事業については、景気対策実施前の水準に抑制するため、5%程度の削減と聞いております。 三位一体の改革については、具体的な対象と規模は予算編成過程にゆだねられ、3年間の初年度として、国庫補助金の廃止・縮減などと税財源移譲が行われるとのことであります。個別の事業は定かではありませんが、地方交付税や国庫補助金に依存し、投資的経費が大きなウエートを占める本県財政にとって、影響を受けるのは必至と考えます。厳しい来年度予算編成への対応と、その取り組みについてお伺いいたします。 本県の財政状況は、公債費の増加、大幅な収支不足、主要3基金の払底、基幹的歳入の低迷というかつてない厳しい状況下にあります。引き続き、財政健全化債に依存せざるを得ない状況と考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 極めて厳しい財政状況にあっても、重点施策については緊急かつ優先的に取り組む必要があります。可能な限り優先的な財源配分をすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてお伺いをいたします。 構造設計を担当した構造設計集団SDGが、独自に分析した落下メカニズムを発表いたしました。落下が始まったのは朱鷺メッセ側の鉄骨部分であり、溶接のふぐあいが要因とのことであります。一方、県事故調査委員会は結論に至ってはおりませんが、佐渡汽船側のロッドが根元から外れて落下が始まったと特定し、根元部分の設計が必ずしも十分でなかったと指摘しております。これをどのように受けとめ、どのように対応されるのか、お伺いをいたしたいと思います。 落下事故については、県としても工事の検査などもしてきたところであります。県の責任についてどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。 落下部分の工事費は約3億4,000万円を要しております。復旧経費はどのくらいかかるのでありましょうか。復旧経費はだれがどのように負担するのか、お伺いをいたします。 さらに、連絡デッキ復旧の見通しと手法についてもお伺いをさせていただきます。 この項、最後になります。 平成16年度予算の編成。平成16年秋には知事選挙があります。4選出馬について知事はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、市町村合併についてお伺いいたします。 市町村合併は、地域の将来に深くかかわる重要な問題であります。市町村は、住民に対し正確かつ的確な情報提供を行うと同時に、合併ビジョンの提示などにより議論を深めていく必要があります。合併を成功に導くためには、市町村、議会、住民がみずからの地域をどうするべきかということを十分議論して、魅力ある地域の将来像を共通の認識とする中で合併の協議を進めることが重要と考えます。 市町村合併は、地方分権型社会において、市町村、議会、住民の皆さんが地域の将来像をともに議論し、個性のある、そして自立した地域づくりを自分の手で行えるようにしていこうというための有効な手法の一つであるとの答弁をさきの議会でもいただいております。 政府の地方制度調査会は、都道府県が合併を促す自治体の目安などを盛り込んだ最終答申をまとめました。注目されるのは、合併対象となる小規模市町村の人口の規模について、おおむね1万人未満と明記し、初めて数値を示したことであります。市町村の人口規模を明示することには、かねてから全国町村会などが、人口だけで判断できるのかと強く反対をいたしておりました。それにもかかわらず、人口規模を示したのは、地方分権の受け皿となる基礎自治体としては一定の規模が必要だと示したものと考えます。全国的に合併が政府の思惑どおりに進んでいないことが背景にあると考えるのであります。 そこで、地方制度調査会が初めて小規模市町村の人口規模について、おおむね1万人未満と数値を明記したことについて、知事の所見をお伺いいたします。 知事は、これまで市町村の自主性を尊重してこられました。このたびの地方制度調査会の答申は、都道府県知事に合併協議会の設置や合併に関する勧告、あっせんなど合併を進める役割を求めていることについて、知事の所見をお伺いいたします。 市町村、議会、住民が十分議論する、地方の将来像をともに議論するのではなく、最近では市町村で合併の賛否を問う住民投票が行われております。 さきの小国町は賛成が60%でありましたが、ほとんど合併反対が過半数を占めております。市町村合併の住民投票では、現状維持の支持が圧倒的であります。住民は変化を求めようとしない、現状で十分なのでありましょうか。 巻町の原子力発電所受け入れの是非を問う住民投票が行われ、全国で初めての原発住民投票で注目され、話題になりました。それ以来、市町村合併の是非を問う住民投票が定着した感があります。 市町村の首長、その議会までが住民投票に頼るのは問題があります。何のための首長であり、議会なのか。住民投票は直接民主主義であり、議員を選んで一任する代表制民主主義とは異質なものであります。市町村合併問題で唐突として直接民主主義になることについて、知事の所見をお伺いをいたします。 何でも住民投票に頼るなら、首長も議会も必要ないとの指摘があることについて、知事の所見を伺いたいと存じます。 次に、県立病院問題について伺います。 都道府県で2番目の規模であります県立病院、15病院4,000床は、1986年から16年連続の赤字累積損失は321億円であります。病院局が慢性的な赤字体質を説明するのによく使われる言葉に、僻地医療、救急医療などの不採算部分を抱えているとのことでありますが、県立病院は地方公営企業法に基づき、不採算事業ごとに一般会計から運営補助を受けております。昨年度97億円。補助金自体は構いませんが、問題は補助金で穴埋めし切れず、なお赤字であることであります。 15病院で計3,400床と県立病院と同規模である新潟県厚生農業協同組合連合会(JA新潟厚生連)は農村の医療水準向上を目的として設立され、佐渡にも病院を持ち、僻地医療も手がけております。昨年度は、12億円の利益を出しております。 両者の大きな違いは人件費であります。昨年度決算で本業に占める人権の割合を見ると、厚生連が54.9%、県立病院62.8%と8ポイントも高くなっております。 職種別に見ますと、県立病院の医師の平均年収は1,800万円、厚生連2,100万円。厚生連が高いのは、医師不足のため好待遇にする必要があるためと言います。 他の職種では、いずれも県立病院が上回っております。看護師は、県立病院650万円、厚生連520万円、薬剤師700万円と530万円、事務職では760万円と600万円で、100万円以上県立病院が上回っております。看護師は人件費の5割強を占めており、経営改善には給与体系の見直しが必要と考えます。 16年連続の赤字、321億円の累積損失という経営状況の中で、5カ年の県立病院の中期収支計画については、人件費の見直しや病院再編など抜本策が盛り込まれておらず、減少が続く本業収入は来年度から増加に転じると仮定しております。今後予想される診療報酬や薬価のマイナス改定の影響も織り込んでおりません。2007年に単年度黒字回復が見込めるのか疑問に思いますが、知事の所見をお伺いをいたします。 埼玉県立病院は、昨年度診療報酬改定を乗り越えて8億円の黒字を出しております。経営改善のきっかけは、病院事業管理者に鹿児島市立病院長、武弘道氏が手腕を買われて就任されたことであります。 武氏が力を入れたのが、職員の意識改革であります。職種別に人を集めて、病院経営について話し合い、改革案を募ったとのことであります。看護師を副院長に登用し、やる気を引き出したり、医師の賞与に患者数、勤務態度などを反映させたとのことであります。診療時間を15分繰り上げたり、小児科救急を365日、24時間受け入れるなどのサービスの改善も進めております。薬の共同購入や業務委託先の見直しでコストの削減。今や36億円あった累積損失は、今年度末にも解消される見込みとのことであります。 そこで、病院局職員は知事部局から来て、医療に詳しくなるころには異動する例が多いとの指摘があります。医師や看護師ら現場のプロと渡り合える医療に通じた事務職員を育てることが急務と考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 武氏は、病院改革には強い改革意識を持った社長が必要と説いております。他県では、病院管理者がかわり過ぎるとの指摘をしております。本県の病院局長については、2年で交代するのが慣例のようでありますが、外部からの人材を登用し、県立病院の経営改革について職員の意識改革から取り組むべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 次に、医療事故について伺います。 今年度に入ってたびたび医療事故が公表され、病院局長や病院長が謝罪する姿がテレビに映し出されております。また、結果として医療事故に至らなかったものの、冷やりとしたりはっとした事例、つまりヒヤリ・ハット事例でありますが、その件数が2002年度県立病院全体で1万件に達していると聞いております。 今定例会に、医療事故訴訟に係る損害賠償資金7,500万円の和解案、また1,560万円の示談案が提案をされておりますけれども、こうした医療事故やヒヤリ・ハット事例が日常の医療行為の中に多く存在していることについて、知事はどのように受けとめられているのか、お伺いをいたします。 次に、教育問題についてお伺いいたします。 小泉政権のもとでは、教育政策が最もないがしろにされていると指摘する声があります。三位一体改革の名のもとに教育関係予算がねらい撃ちにされていることや、法人化で数百人天下りかとも報道されましたが、文部科学省による国立大学への統制強化などは教育行政の明らかな後退だと言われております。 ゆとり教育により、小中学校では完全週5日制が実施されましたが、その結果、学習内容を大幅に削減していく一方で学力低下が問題になり、結局補習授業が増大をいたしました。 このような猫の目教育政策では、子供たちが翻弄されるばかりであります。温かくきめ細やかな学習環境、生活環境を与えられるべき子供たちに対し、大人の社会の財政事情や役所の縦割り行政のへ理屈を押しつけてきたのがこれまでの国のやり方との指摘がございます。 そこで、教育の地方分権の具体化を最大の柱に据えた上で、少人数学級をさらに進めるための制度改正と財源措置を国に対して求めるべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 昨春から実施されている新学習指導要領による影響について、公立小中学生の保護者の7割が学力低下を心配しているとの調査結果が出ております。また、中学生以上の未成年者5,000人を対象とした今年初めの調査で、4人に3人が体調が気になると答えております。時間に追われて生活しているが37%、疲れやすいが35%、ストレスがたまるが31%。子供たちの心と体が非常に深刻な状況になっていることを示しております。 今年7月、長崎県でも、13歳の中学生が、まだ4歳という幼い子供を殺害した事件に代表されるように、近年の少年による凶悪犯罪を列挙すれば枚挙にいとまがありません。 昨今の荒廃した社会状況を見ると、戦後進めてきた日本の教育は結果として成功したとは言えず、現在十分に機能しなくなっていると考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 文部科学省主導のこれまでの管理教育により、学校崩壊、学力低下、地域の荒廃、切れる子供、規律ある自由を履き違えた大人といった弊害が出ております。学校現場だけでは対応できなくなっていると考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 今の教育に必要なことは、知識教育だけではなく、広い意味での人づくり教育を行うことと考えます。学校、家庭、地域社会がそれこそ三位一体となって人づくり教育を行い、その中で我が国や地域社会の歴史や文化を学ぶとともに、互いに一体となって共同生活のできる子供たちを育てていくシステムの構築を急ぐべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 未来社会を開くにふさわしい教育のあり方という観点で、今最も欠落しているものは何であるかとお考えか、お伺いをいたします。 また、それを踏まえ、これからの人材を育てる具体的なプログラムが必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、年金制度改革についてお伺いをいたします。 「私たちはもらえないのでは」、「高齢者だけが得をしている」、若い世代に年金制度への不満が渦巻いております。 一方で、受給している高齢者世代には、減らされるのではという不安がよぎる。支給年齢を間近にした中高年世代には、改正のたびに逃げ水のように先送りされる制度に、いつから幾らもらえるのという不信が充満いたしております。 老後の経済的保障の大きな柱が公的年金制度であります。国民の間には、こうした不満と不信と不安が爆発寸前にまで膨れ上がっております。来年の大幅改革を踏まえ、財源と目される消費税論議と相まって、年金制度は今般の総選挙の最大争点にも浮上いたしました。 急速に進む少子・高齢化が年金制度に大きく影を落としております。昨年度の国民年金保険料の未納率は過去最悪の37.2%、10人に4人が未納者で、年金改革は待ったなしの課題となっております。日本の公的年金制度は5年に1度の見直しで、次回は来年であります。 そこで、持続可能で安心できる年金制度に取り組んだのが、今回の厚生労働省改革案、負担増は2022年度まで続くが、あとは安定した水平飛行に移行できるとしております。 これまでも少子・高齢化の推移では、実態が予想をはるかに超えたこともあります。そのたびに大幅なシナリオ改正が強いられてきました。2022年度どころか、数十年先まで予測することは無理と考えます。上限を20%とした根拠をわかりやすく示すべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 制度を足元から崩す未納者問題については、若年層の年金未納が制度への不信感にあることから、解決するのは非現実的であります。猶予制度を加味し、徴収対策を強化するというだけでは困難と考えますが、知事の所見を伺いをいたします。 また、20%負担は経済界が困難と見ていることも課題を残すと言われております。試算の前提となる基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるのに必要な2兆7,000億円の財源のめどが立っておりません。財源には多様な選択肢があると考えますが、国は目先の政治情勢にとらわれず、大胆に国民の前に提示してほしいと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 北欧的な高負担・高福祉国家を目指すのか、アメリカのような低負担・低福祉国家を目指すのか、さらには別の国家観を模索するのか、国の将来像について国民的合意を形成していく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 最後に、農業問題について伺います。 政府は、11月26日、2004年産の米生産目標数量を本年と同水準とし、生産調整面積は本年の不作を考慮して現行の106万ヘクタールとする見通しであります。30年以上続いてきた生産調整政策には、多くの批判と課題があるものの、米価格の安定を図るには必要な施策でありますが、近年農業者の間では生産調整の必要性についての認識が薄れてきている感があります。 遅くとも平成20年度に農業者、農業者団体が主役になるシステムにスムーズに移行するためにも、もう一度原点に返って生産調整の必要性について農業者に認識してもらうことが重要と考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 米政策改革で打ち出されている売れる米づくりに向けた取り組みが、本県にとって重要なことは言うまでもありません。消費者ニーズを考えた場合、売れる米づくりには、減農薬や減化学肥料栽培による環境保全型農業を進め、安心、安全、信頼という付加価値をつけることが重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 売れる米づくりのためには、ベンチフリュームを土水路にするなどして、蛍、メダカ、ドジョウなどが生息できる自然循環を取り戻すことにより、農業自体が自然循環型の産業であり、多面的機能を持つことをアピールすることも安心・安全、信頼の付加価値をつけることの一つとして必要と考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 竹山議員の代表質問にお答えいたします。 まず初めに、衆議院議員総選挙の結果ということですけれども、今回の総選挙は政権交代の是非ということと、小泉内閣の進める構造改革への評価が大きな争点であったわけであります。結果として、政権与党が引き続き安定多数を確保し、国民は小泉政権の継続を選択したというふうに考えております。しかしながら、その一方で民主党が躍進して、2大政党化が進んだというところであり、勝利者なき選挙結果とも言われています。このことは、国民が構造改革については基本的に支持しながらも、これまでの改革の手法とか内容、あるいはその成果、痛みなどについて、必ずしもすべて賛成はしていないということが示されたというふうに思われます。 また、本県の選挙結果については、政権与党であります自由民主党に対して、改革の現状に対するより厳しい県民の評価があらわれたものというふうに受けとめております。 次に、今回の総選挙を特徴づけたマニフェストについては、国民の政治的な関心を高めますとともに、国庫補助金の縮減と税源の移譲の問題を初めとし、年金、高速道路等に関連した具体的な政策論争が行われたことなど、一定の評価ができるものというふうに考えます。しかしながら、その一方、個々の具体的な政策論争に目が行き過ぎた結果、改革が目指す新しい社会の姿や将来のこの国のあり方といった一番大切な問題についての議論が必ずしも十分行われなかったということについては、課題として残ったというふうに考えております。 今後、地方分権を初め、景気・雇用対策、行財政改革など、示されたマニフェストがどのように実現されていくか、国民として注意深く見守っていきますとともに、国のあり方についてもきちんとした議論を求めていくということが重要なことであるというふうに思います。 次に、三位一体の改革に関する国への働きかけですけれども、私としては国庫補助金等の廃止を国任せにしていては進みませんので、地方サイドから具体的かつ戦略的な提案を行うべきというふうに考え、全国知事会等でもその旨発言し、取り組んでまいったわけであります。 先般、全国知事会として、各県の意向を集約いたしまして、おおむね9兆円の国庫補助金を廃止し、8兆円規模での税源の移譲をすべきであるという提言を取りまとめており、強く政府・与党に働きかけを行っているところであります。そのほか、いわゆる21世紀臨調にも参加しており、6団体ベースでの有志の知事、市町村、特に市町村が多いですけれども、等と一体となり同様の提言を行っておるところであります。 また、先日総理を初めとする閣僚参加のもとで開かれました全国知事会において、私としても国と地方の役割分担をもう一度明確にして、そして国の財政再建の都合ではなくて、国の構造改革の一環として、真の地方分権の確立を図るために、思い切って国庫補助負担金の原則廃止を打ち出して、三位一体の改革を実現すべきであると、そして直接総理にそれを訴えると同時に、そのリーダーシップの発揮について要請したところであります。さまざまな機会を通じ、今後とも強く働きかけていきたいと思います。 こうした中、市長会、町村会でも同様の提言を行っておるところでありますが、こうしたさまざまな取り組みを16年度予算編成に先駆けて行いました結果、16年度に1兆円を目指して国庫補助負担金の廃止・縮減等を行うとともに、税源の移譲についても確実に行うという総理の方針、指示が出されたわけであります。それを契機に、官邸主導の各省庁との折衝、そして経済財政諮問会議の審議などが進められておるところでありますので、今後ともこの動きを注視しながら、適切に対応してまいりたいと思います。 また、税源移譲に伴う地域間の財政調整でありますけれども、地方交付税制度において標準的な国庫補助金等を控除した基準財政需要額と、現行税制を前提とした基準財政収入額の差額を基準として、普通交付税が交付されておりますので、仮に国庫補助金等が削減された場合、その見合いの基準財政需要額が加算されることになり、地方行政サービスに要する標準的な経費については、基本的には地域間の財政調整が行われる仕組みとなっています。 しかしながら、三位一体の改革で税源の移譲とそれに伴う交付税制度の見直しを行うことになっておりますし、現に税源の移譲の仕方でより地域間の格差が拡大することも懸念されるところであり、また法令あるいは補助要綱等で執行基準が定められていた事務の基準が廃止・緩和され、地方の自由度が増すことにより、基準財政需要額が減少するという影響も想定されますほかに、現在の地方交付税に関して、算定の簡素化あるいは交付税特別会計借入金の抑制等の課題を指摘する声もございます。こうしたことを含めて、この改革を契機といたしまして、21世紀型の地方分権型の社会を確立するためには、どのような財政調整制度が望ましいのか、幅広く検討する必要があるというふうに考えており、全国知事会等で問題提起をしているところであります。 政府の予算編成でありますけれども、平成16年度の政府の予算編成において、日本経済の再生を目指し、いわゆる骨太方針2003に基づき、構造改革特区を初めとする規制緩和の推進、それから平成16年に不良債権問題の終結を目指した金融再生プログラムの推進、持続的な経済社会の活性化を目指した税制改革の推進などにスピード感を持って実施することとされているわけであります。 私は、構造改革の推進によって、一層の需要の減退とか失業の発生から、地域経済・雇用に大きな痛みを生じさせるおそれはあるというふうに考えております。そうした影響を最小限度にとどめながら改革を行うというためには、最適資源の配分に向け、投資誘発型の税制改正や思い切った全面的な規制緩和を進めて、民間需要を喚起することが何よりも重要であります。そしてまた、民間の潜在力を引き出す政策や新事業創出の政策など経済活性化策が新年度予算に反映されるということが重要であるというふうに考えてきましたが、概算要求の状況とか規制改革、あるいは税制改革、経済活性化などへの個別の取り組みを見てみますと、いかにもスピード感がない、斬新さに欠ける、大胆さが感じられないその取り組みについては不十分であると言わざるを得ません。 国・地方による財政出動を含む景気刺激策についてでございますが、景気対策を担うべき国においては、財政出動による有効需要の創出は一段の財政赤字の拡大を招き、財政赤字が既に先進国中最悪の水準に達している中で、これ以上の赤字拡大ということは、むしろ個人消費の萎縮とか、国債に対する信頼の低下に伴います長期金利の上昇リスクということも抱えるわけであり、民需主導の景気回復の足かせとなるということも強く懸念されておりますし、県としても景気対策を担うということについては、既に県財政の状況は危険水準に近づいておりますことや、公共投資に対する財政措置が手薄くなっておりますことを考えますと、もはやほとんどその余地はない、不可能に近いと言わざるを得ません。 現在の景気回復の兆しは、中国向けを中心とする輸出と一部業種における設備投資によるものであり、これを本格的な回復に定着させるためには、やはり何としても長期展望の持てるその国のあり方についてのビジョンが明確に示されるということが必要であるというふうに考えておるところであります。小さい政府を目指した構造改革の道筋を明らかに進めていくと同時に、デフレ防止、不良債権処理のための金融対策もきちんと打ち出しながら、民間投資を刺激する税制改正、あるいは規制緩和など思い切った対策を打っていくということが大切であります。県としては、県経済の成長をリードする新産業の創出などの総合的な支援、あるいはPFI、民間委託など民間需要の創出に力点を置いた施策を進めていくことで、県としてできることについては対応をしていきたいというふうに考えております。 次に、三位一体の改革の本県予算への影響ですけれども、国においては現在1兆円の国庫補助金等の削減と、それに対応した税源移譲について、官邸と各省庁の協議がもつれております。廃止される国庫補助金を具体的にどれにするのか、決まっておりません。また、移譲される税源については、できるだけ移譲したくないということで、果たしてちゃんとできるのかどうか、これも未定であります。県と市町村のどっちにそれが移譲されることになるのか、これも明らかでありません。さまざまな不確定要因がこの時間のない中でまだ決まっていないと。どういう姿に落ちつくのか、全く予断を許せない状況にございます。今後とも政府の状況を注視しつつ、本県への影響を見定めるために的確な情報収集と分析を行い、マイナスの影響が出ないように、必要に応じ適切に働きかけてまいりたいと思います。 次に、財政健全化債でありますけれども、本年度当初予算において、県税の大幅な減少による急激な歳出削減を避けるためにやむを得ず発行したわけでありますが、16年度当初予算編成においても、県税や地方交付税という基幹的歳入の回復は見込めません。これまで財政運営を支えてきた主要3基金が底をついてくるという中で、財政健全化債の発行は増加をせざるを得ないだろうという状況にあると認識しております。 財政健全化債は、行革による財政負担軽減の見合いのつなぎ資金であります。償還時の交付税措置もございませんし、これに依存した財政運営は好ましくないわけであり、可能な限り発行額を抑制し、期間も短縮すべきであり、このことは当然であり、あらゆる角度から歳出削減策を検討し、来年度予算における発行額については、極力増加の抑制を目指してまいる所存でございます。 次に、16年度当初予算における重点課題ですけれども、厳しい財政状況の中にあっても、経済・雇用情勢の低迷、少子・高齢化の進展、県民を取り巻く環境の変化等を踏まえますと、限られた財源を有効活用し、にいがた未来戦略事業とか、あるいは県内産業をリードする企業・人材への支援など産業・雇用対策、新しい観光振興対策といった戦略重点事業、さらには子育ての支援とか医療体制の確保といった県民の安全・安心づくりなど重要施策に予算を重点的に配分していく必要があるというふうに考えております。今後の予算編成過程で必要な施策・事業を精査してまいります。 次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査でありますが、先ほどもお答えしましたとおり、事故調査委員会では、これまでの検討によって斜材ロッドの定着部の破壊により連絡デッキの落下に至ったということにほぼ特定してきており、落下プロセス等について最終的な詰めを行っているところであるというふうに聞いております。 私としましては、同委員会の最終的な報告書について説明を受けた上で判断することとなりますけれども、基本的には同委員会の調査結果を尊重していきたいというふうに考えます。 また、落下事故に対する県の責任ですけれども、これもお答えしたとおり、事業の実施に当たって発注から検査まで所定の手続に従い対応してきたというふうに考えておりますけれども、その過程で問題がなかったのかどうか、そのことの責任も含めて、現在精査をしておるところでございます。 次に、復旧経費でありますが、復旧の方法がどうなるのか未定の現時点では所要の経費を算出することは難しいわけであります。 また、復旧費用の負担については、落下事故に責任があると考えられます関係者に対して損害賠償請求を行うなど適切に対処してまいりたいと思います。 次に、復旧の見通しと手法ですけれども、事故調査委員会の最終的な検討結果を踏まえた上で対応することとなりますけれども、安全の確保を第一に、整備に要する費用や期間、構造、そして工法等の技術的問題を十分に検討いたしまして、極力早期に通路機能の復旧に努めてまいりたいと思います。 また、私の4選出馬についてのお尋ねがございましたけれども、私といたしましては現在の行財政改革を初めとする山積する県政の諸課題を解決するため、日々全力で取り組んでおり、次の知事選については全く白紙でございます。 次に、市町村合併であります。 まず、地方制度調査会の答申における小規模市町村の人口規模の明示については、これもお答えしておりますが、小規模市町村であっても自治は尊重されるべきであり、合併を促すべき市町村の人口規模を明示するということは合併を強制するものになるというふうに受け取られかねません。私としては、適当ではないというふうに考えております。合併特例法失効後の新法の法制化に当たっては、この点についてもさらに慎重な検討が必要であるというふうに思います。 また、合併を推進するため都道府県知事に一定の役割を担わせるということでありますけれども、強制的な合併の推進と受け取られかねず、そもそも地方分権の受け皿を強化するために知事の権限を強化して合併を推進するということは、地方分権の趣旨そのものに沿うかどうか疑問であります。慎重に検討すべきであると思います。 いずれにしても、県としましては自主的な合併を基本に、合併に向け取り組む地域に対し、必要に応じましてサポートしてまいりたいというふうに考えます。 次に、住民投票と代表民主制についてでありますけれども、市町村合併は地域の将来に深くかかわる住民に密接な重要課題でありますことから、何らかの形で住民の意向を把握する必要があり、合併問題に係る住民投票については、その一つの手法というふうに考えられているものであります。しかし、仮に住民投票を実施する場合においては、住民が判断する上で正確かつ十分な情報を提供する必要があるというふうに考えております。 なお、県内では6市町村が住民投票を実施しておりますが、そのほか多くの市町村では住民説明会の開催とか住民アンケートによって住民の意向の把握をしております。さまざまな手法がある中で、その地域の実情に合った最も有効と考えられる手法を検討した上で選択されることが肝要であるというふうに思います。 また、住民投票に頼るならば市町村長とか議会は不要ではないかという意見があることについての御指摘でありますが、住民投票はあくまで代表民主制という制度の中での住民意向を把握するための補完的手法であるというふうに考えます。市町村合併は、地域の将来にかかわる極めて重要な問題でありますので、当該市町村の行財政全般について熟知している市町村長や議会の果たすべき役割は大変大きく、住民投票を行うといたしましても、正確な情報提供と住民不安の解消、あるいは住民との十分な議論を展開するなど、それぞれの立場で住民投票に向かって住民理解に向けたリーダーシップを発揮していただいていくことが期待されているところだというふうに思っております。 次に、県立病院問題であります。 県立病院の中期収支の計画の達成見込みはどうかということでありますが、県立病院は県民に安心かつ良質で効率的な医療を継続的に提供していく使命のもと、現有施設や現在の診療体制をベースにして、診療収益の確保、経費節減や業務量に応じた人員の適正管理などにより、計画の達成を図っていくということで考えておるものであります。 また、県立病院の経営は民間病院、あるいは他の業種の企業とは異なり、人事委員会勧告とか診療報酬改定等の外部的要因による影響のほかに、医師確保の状況によっても入院・外来患者数が変化し、そして収入・支出が大きく左右されるということがございますので、それらの要因の変化に応じて弾力的に計画の見直しを行っていきながら、当面は中期収支計画の確実な実施によって経営の健全化に努めてまいりたいというふうに考えておるところでありますが、地域の医療ニーズ、あるいは医療制度改革なども踏まえながら、今後の収支改善の動向いかんによっては、経営方法そのものにも踏み込んだ対策について検討していく必要があるかなというふうにも考えているところでございます。 次に、医療に通じた病院局職員の育成ということでありますが、厳しい経営環境の中で改善を進めていくには、医療に通じた専門性の高い事務職員の必要性は高くなっているというふうに認識しておりますけれども、一方、政策医療も担うという県立病院にあっては、幅広い行政経験ということもまた重要なことでございます。 このため、事務職員の配置に当たっては、経営改善に意欲的に取り組む人材を中心に、職員の適性とか病院局、あるいは病院での勤務経験の有無なども考慮しながら行ってきておるところであります。 今後一層、職員の適正配置や人材の育成に努めますとともに、経営の改善に向けてより有効な人材配置のあり方や登用について検討してまいる考えでございます。 また、病院局長の外部登用と職員の意識改革についてでございますが、医療をめぐる環境が厳しさを増す中で経営の改善を進めていくためには、管理者のリーダーシップのもと、職員一人ひとりが経営を意識し、一体となって取り組むことが重要であります。 そのため、病院局長の選任に当たっては、人格、識見、リーダーシップなどの観点から、適任者の選任に努めておりますけれども、経営改革を断行するには任期が短いことの問題点があることは認識しておるところであります。 こうした中、荒川前新潟大学学長、伊藤前がんセンター新潟病院長を病院局の参与に迎え、病院運営全般について幅広く専門的な観点から経営改善に向けた具体的な指導、助言をもらえるような体制強化を図ったところでございまして、医局を中心に職員の意識改革も図られてきているものというふうに認識しております。 今後も、職員の意識改革ということも含め、経営改善に向けた体制づくりに加えて、より有効な方策の実施に十分意を用いてまいりたいというふうに考えております。 次に、医療事故についてでありますが、これまで事故防止に向けたさまざまな対策を講じてきておるにもかかわらず、依然として医療事故が発生しておりますことは、まことに遺憾なことであります。 これは、注意不足や事故防止マニュアルの不徹底などによるものと考えます。 ヒヤリ・ハット事例の平成14年度の報告件数は、全県で前年度よりも2,300件ほど増加いたしまして、1万件を超えております。これは、事例そのものが増加したということもありますけれども、それよりは職員の医療事故に対する認識が高まって、自分の行為自体に目を向け始めた結果、報告がきちんとされるようになってきたことによるものが圧倒的に多いということがその実情ではございます。 しかしながら、ヒヤリ・ハット事例の中には、誤った医療行為が実施されたが、結果として患者さんに影響を及ぼすには至らなかったというものも含まれております。これらは、将来大きな事故につながる可能性もございますので、医療事故はもちろんのこと、こうしたヒヤリ・ハット事例についても、これを教訓として生かし、発生防止にさらなる努力をしていく必要があるというふうに考えておるところであります。 次に、教育問題についてお答えしたいと思います。 まず、少人数学級に係る制度改正等についてでありますが、学級編制を含めた今後の義務教育は、地方分権の推進の考え方に立ち、地方の特色を生かした教育施策を展開し、児童生徒や保護者等の多様なニーズに対応したきめ細かな指導の充実を図ることが重要になってくるものと考えており、本県でも全国に先駆け、にいがた学びはつらつプランを策定して、現在小学校1・2年生は少人数学級、3年生以上については少人数指導を実施しており、その効果及び課題等について分析、整理をしているところでございます。 また、現在検討が進められております三位一体の改革の中で、義務教育に関する地方の自由度を高めるための制度改正を行うことや、あわせて義務教育国庫負担金について、十分かつ安定した財源措置を講じた上で一般財源化を図り、特色のある教育施策を展開できるよう、全国知事と連携しながら働きかけておるところでございます。 次に、戦後の日本教育ということについてでありますけれども、これは成功したとは言えず、現在十分機能していないのではないかというお尋ねであります。 我が国の戦後の教育は、国民の教育水準を大いに向上させ、有為の人材を多数育成して、経済・社会の発展の原動力になったということ、そしてまた個人の価値観や自由を尊重する精神がはぐくまれ、戦後の民主的な社会を実現したことなど、その大きな役割を果たしたことについては一定の評価をしていいというふうに思います。 しかしながら、近年価値観が多様化し、社会が複雑化する中で、子供たちは豊かさに伴う欲望に振り回され、自己を見出せずにいる一方、学校教育に対する保護者や地域住民の期待や要望が、本来学校が持つ教育力や役割を超えて複雑多岐にわたるようになり、これらに学校は対応し切れずにいるということが現状だというふうに思います。 こうした問題を解決するためには、子供たちに正しい価値観、判断力を身につけさせるように努めますとともに、学校の役割や機能を明確にし、家庭や地域社会が本来果たすべき責任を自覚し、互いに連携・協力し合いながら、みずからの役割や責任をしっかりと果たしていくことが重要であるというふうに考えております。 次に、教育の抱える問題に学校現場だけでは対応できなくなっているのではないかという御趣旨であります。 このことについても、昨今の状況を見ますと、子供たちの社会性の欠如、あるいは自立のおくれ、倫理観の低下などに起因するさまざまな、しかも深刻な問題が発生しております。毎日のように事件として報道されるという異常な状況がそこに見出せます。学校の力だけでは解決することがもはや困難な状況にあることは、明確であるというふうに思います このことは、学校が社会や子供たちの変化に対応し切れていないという問題点もありますけれども、これまでややもすれば子供たちの教育を学校に任せ、本来家庭や地域が担うべき責任を十分に果たしてこなかったことも大きな要因ではないかというふうに思います。こうしたことを十分に自覚し、家庭や地域の教育力を向上させることが大切でありますし、各地域で将来を担う子供たちの育成について、もっとこのことを重要に考え、情熱を持ってこの問題に真剣に取り組まなければならない状況にあるというふうに思います。 その意味で、学校・家庭・地域社会が一体となった教育についてどうかという次のお尋ねでありますが、家庭や地域社会の役割分担を明確にして、その上で学校と力を合わせて、地域の子供は地域で育てる取り組みを進めていくことは極めて大切になっています。 地域全体で子供をはぐくむためには、学校をこれまで以上に開かれたものとして、保護者や地域住民が学校のさまざまな活動に参加できる機会、あるいは仕組みをつくって、その中で子供たちに地域の人々との交流を通して、大人が身につけている生活の知恵、あるいは地域の伝統文化等のすばらしさを実感させる、そしてみずからの地域における子供たちの必要性、それ自体も自覚してもらう。あるいは、大人たちの地域における生き方ヘの理解とか地域の持っているよさというものを感じ、愛着を持ってもらうということにより、社会性とか豊かな人間性をはぐくんでいくことが必要であります。今、週5日制の中で、いろんなプログラムの中で、こうしたことを感じてもらえるような動きが少しずつ見られているのは大変重要なことだと思っています。地域の大人の持つこうした教育力を結集して、学校を核とする地域に根差した教育を展開することが重要であるというふうに考えております。 その意味で、御質問がございました、今最も欠落しているのは何か、その質問に答えるとすれば、私は大人がちゃんとしていないと、もっとしゃきっとしなければいけないと、そういうふうに自分自身には言い聞かせております。未来社会を開くにふさわしい教育を考えたとき、最も必要なことはそのことだと思いますが、もう少し具体的に言えば、何といいましても子供たちにとってみずからの力で自分の未来を切り開いていくという知恵と創造力を身につけることであるわけでありますので、そのためには問題解決にたくましく立ち向かうチャレンジ精神、他との違いを恐れない自立心、あるいは他人の痛みがわかる思いやり、そういったことのできる豊かな心等を持った子供たちを学校だけでなく社会全体で育てることだというふうに思いますが、その方法としては何といっても大人みずから自分たちの生き方をもう一度問い、子供たちへ正直に、そして一生懸命に、かつ自信を持って生きているというその姿を示していくということが何よりも肝要であります。すべての大人が次世代を担う青少年の育成に情熱と責任を持って臨むことであります。家庭や地域の子供の教育に積極的に参加し、地域社会全体でともに子供を育てていくという土壌をつくり上げることが大切であるというふうに思っております。 次に、年金制度の改革についてお答えしたいと思います。 まず、保険料の上限設定ということですけれども、今般示されました厚生労働省案においては、国庫負担割合の現行3分の1から2分の1への引き上げ、そして保険料の上昇による将来の現役世代の過重な負担の回避、給付水準の50%台の維持、年金の社会経済に与える種々の影響等を総合的に勘案し、検討したものであり、将来予測については、少子化の状況により合計特殊出生率を3つのパターンで試算を行っておりますほか、賃金上昇率、そして運用利回りについても、複数の前提条件を設定しており、一定の将来変動を想定して上限を設定したものというふうに承知しております。 いずれにしましても、中長期的には社会経済情勢の変動により試算のこうした前提条件の幅を超えた事態が生ずることも想定されるわけであり、国においてはこうした前提等のことも含めて、もっと国民に対しわかりやすく説明することが必要であるというふうに思います。 そして、未納者問題ですけれども、特に若年層において納付率が低いという傾向がございます。本県の納付率はかなり下がっておりますが、新潟県は13年度が88.4%、14年度には75.7%に下がっております。しかしながら、この75.7%の納付率は全国で2番目に高いという、13年度の88.4%は最も高い、1番に高い納付率だったのですが、2番になっておりますけれども、いずれにしましても全国的にこうした、そして本県でも納付率が下がっているという傾向がございまして、その原因の一つとして、御指摘のように公的年金制度の将来に対する不信感が根底にあるわけであります。徴収対策の強化等の直接的な対策だけではなくて、今回の制度改革において目指しております持続可能な安心できる年金制度ということを構築して、それを国民にわかりやすい形で示すことなどにより年金制度への信頼を回復していくということ、そして一人一人の国民にとって年金ということが自分の将来において重要なことであるという認識をきちんと持ってもらうということが大切だというふうに思います。 次に、国庫負担割合の引き上げに伴う財源の確保ということですが、今回の制度改革案は国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることを前提に構築されており、その実現には御指摘のように多額の安定した財源が必要となるわけであり、将来に向けた道筋を明らかにしつつ、税制の見直しなどにより早期に財源確保に着手する必要があるところであります。国において、国及び地方の財政や国民経済に対する影響等も十分勘案しながら、早急に検討する必要があるというふうに思っております。こうした制度の根幹をなす財源を明確にしていくことが制度への信頼にもつながってくるものというふうに思います。 次に、国の将来像についてでありますけれども、少子・高齢化のさらなる進行やライフスタイルの多様化、あるいは経済環境の変容など社会を取り巻く環境が大きく変化をしていく中で、年金制度だけではなくて我が国の社会保障制度全体について、将来的にも公平で持続可能な制度の構築が緊急の課題であり、セーフティーネットとしての機能を維持しながら、国民に納得と安心を与える制度への見直しを進めていく必要があるというふうに思います。また、御指摘の点は単なる社会保障制度のあり方ということにとどまらず、我が国のあり方そのものにかかわる重要なテーマであり、公正を尊ぶという日本人の国民性からは中福祉中負担という形で私はきたというふうに理解しておりますけれども、現状は税の落ち込みから中福祉低負担となって、その差額が財政赤字問題としてクローズアップされているわけでありますので、そのことへの対応も含めて、福祉型国家と市場型国家との間におけるグローバル社会でのこうした国家のあり方における経済成長性ヘの格差、あるいは経済の効率性への格差等への対応も含め判断される重要な課題だというふうに思います。 農業問題についてお答えします。 まず、生産調整の必要性でありますが、新たな米政策においては、16年から数年間の生産調整システムの実績を踏まえ、遅くとも20年度には農業者・農業者団体が主体的に取り組む需給調整システムに移行することを目指しておりますので、需給調整の必要性について農業者みずからの問題として理解をしてもらうことは何よりも重要であるというふうに思います。 このため、県としては、市町村水田農業ビジョンの地域での策定・実践を通じて、売れる米づくりの徹底や需給調整の必要性が、農業者・農業者団体に浸透していくようその推進に努めているところであります。 なお、御指摘のございます平成20年度以降の需給調整のシステムへの移行ということについては、その中心となるべき全国の農業団体におけるこの問題に対する考え方が、本県の農業団体は比較的私は改革について理解を示していると思いますけれども、全国となりますとこのことについて、例えば一時的な割り当て等に、いわゆる適地適産に対する、あるいは改革について意欲が欠如していると言わざるを得ないわけであり、本当に平成20年度に農業団体でこの生産調整のシステムへ移行するということができるのか、問題点が多いというふうに思っていまして、強い懸念を現在抱いて見守っているところでございます。 次に、売れる米づくりに向けた環境保全型農業の推進ということですけれども、安全・安心な農産物に対する消費者のニーズにこたえるために、農薬とか化学肥料の使用量を減らした米づくりを進めて、新潟米に対する信頼性を高めていくということは御提案ありましたけれども、極めて重要だというふうに私も思います。 このため、県では環境保全型農業の現地展示圃の設置により、高精度機械除草や良質堆肥利用などの農薬や化学肥料の使用低減技術の普及、あるいは環境保全型農業に主体的に取り組むエコファーマーの育成強化、あるいは肥料や農薬使用などの栽培履歴についての情報を提供するシステムの構築など、消費者に支持される米づくりに向けた新たな取り組みを積極的に展開しているところでございます。 また、9月に設置されました新潟県米政策改革推進協議会においては、来年度の生産調整に係る市町村への生産目標数量の配分に際し、環境保全型農業の取り組み状況を加味することについて検討されているところでございます。 次に、生態系に配慮した生産基盤の整備ということですが、こうした整備は地域の特色ある自然環境の保全、そして水源涵養などの多面的な機能の発揮に重要な役割を果たすものと認識しており、これをアピールすることは、安心・安全などの付加価値も期待できるわけであり、売れる米づくりにつながるものと考えております。 県としましては、これまでも生態系に配慮した生産基盤づくりに取り組んでおるところであり、今後さらに地域住民との連携強化や自然環境との調和を進めるための指針の策定などを通じ、農業農村の持つ多面的機能の理解増進に努めてまいる所存でございます。 以上であります。 ○議長(西川勉君) 竹山昭二君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(西川勉君) これにて代表質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(西川勉君) お諮りいたします。 次会は、12月8日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西川勉君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明12月6日及び12月7日は休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(西川勉君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時6分散会...