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02月28日-一般質問-05号

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  1. 新潟県議会 2003-02-28
    02月28日-一般質問-05号


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    平成15年  2月定例会 本会議平成15年2月28日(金曜日)  議事日程 第5号    午前10時 開議第1 第1号発議案第2 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1   第1号発議案 医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書 日程第2  県政に対する一般質問(西村智奈美君、斎藤隆景君、塚野弘君、風間直樹君、沢野修 君)   ――――――――☆――――――――出 席 議 員(60名)          風間 淳一 君  沢野  修 君  皆川 浩平 君  風間 直樹 君          大野 進一 君  太田  修 君  斎藤 隆景 君  金谷 国彦 君          江口 俊一 君  早川 吉秀 君  木村 一男 君  尾身 孝昭 君          清野 正男 君  中原 八一 君  柄沢 正三 君  中野  洸 君          小川 和雄 君  小野  忍 君  目黒 正文 君  村松 二郎 君          小野 峯生 君  帆苅 謙治 君  三林 碩郎 君  上村 憲司 君          長津光三郎 君  天井  貞 君  渡辺 惇夫 君  佐藤 元彦 君          種村 芳正 君  西川  勉 君  石井  修 君  東山 英機 君          梁取  隆 君  高橋  正 君  三富 佳一 君  相川 平松 君          星野伊佐夫 君  嵐  嘉明 君  目黒 武尚 君  高山  巌 君          布施 康正 君  塚野  弘 君  長部  登 君  宮崎 増次 君          桝口 敏行 君  米山  昇 君  小山 芳元 君  近藤 正道 君          西村智奈美 君  竹山 昭二 君  杉田 弘美 君  市川 政広 君          志田 邦男 君  近藤 貞夫 君  佐藤 浩雄 君  松川キヌヨ 君          青木太一郎 君  五十嵐完二 君  岩村 良一 君  佐藤 莞爾 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            平山 征夫 君 副知事           磯部 春昭 君 副知事           高橋 正樹 君 出納長           川上 忠義 君 総務部長          関根 洋祐 君 総合政策部長        西埜 孝樹 君 県民生活・環境部長     中原 義行 君 福祉保健部長        神保 和男 君 産業労働部長        高橋  豊 君 農林水産部長        池田 直樹 君 農地部長          河野 俊正 君 土木部長          島原 利昭 君 港湾空港局長        武藤 克己 君 病院局長          地主  昭 君 企業局長          五十嵐純夫 君 教育長           板屋越麟一 君 人事委員会事務局長     萩原 一郎 君 警察本部長         加地 隆治 君 地方労働委員会事務局長   阿部 裕一 君 監査委員事務局長      斉木 孝雄 君   ――――――――☆―――――――― △開議午前10時2分 ○議長(石井修君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第1号発議案 ○議長(石井修君) 日程第1、第1号発議案を議題といたします。   〔発議案は付録に掲載〕   ――――――――――――――――― ◆小川和雄君 ただいま議題となっております第1号発議案は、趣旨弁明及び委員会の審査を省略し、直ちに採決することを望みます。 ○議長(石井修君) 小川和雄君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(石井修君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。 これより、第1号発議案、医療費3割自己負担の実施延期を求める意見書を採決いたします。 本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○議長(石井修君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 県政に対する一般質問 ○議長(石井修君) 日程第2、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、西村智奈美君の発言を許します。   〔西村智奈美君登壇〕(拍手) ◆西村智奈美君 おはようございます。新潟みらいの西村智奈美です。通告に従いまして、一般質問をいたします。 今、我が国においては、共同体的なものが急速に衰退していると言われます。他人のことには干渉しないなどといった価値観が急速に広がっております。これまで地域社会を支えてきたつながりが急速に弱まっており、社会集団としての機能が失われてきています。 それにもかかわらず、今、地方が元気だと言われます。その理由は3つです。1つには、国レベルの問題は解決の糸口が見出しにくくなっていること、2つ目は多くの自治体でユニークで独創的な首長が誕生していること、3つ目は市民的な動きが広がってきたこと、この3点目に注目をしてみます。 自治体レベルで具体的な政策課題に取り組む市民活動が全国各地で見られるようになりました。本県も例外ではありません。私もこの間、自治体と市民との協働、地域主導によるコミュニティーの活性化など、県内でさまざまな市民活動に数多く出会うことができました。自分たちの暮らす地域と仲間たちのため、元気に楽しそうに活動する人々がたくさんいました。真に自立した地域社会をつくり出すための要素は、徐々にそろいつつあると感じています。 こうした状況を踏まえ、県庁サイドとしてのこれからの課題は、知事のリーダーシップのもと、県庁改革をさらに進め、市民活動の息吹を促す、支える、あるいは足を引っ張らない、そんな体制を整えることだと考えます。そこで、いかにそれらを図っていくのか、行政運営の手法等について伺います。 まず、ユニバーサルデザインについて伺います。 平成15年度予算では、ユニバーサルデザイン研究事業、社会資本のユニバーサルデザイン研究事業ユニバーサルデザイン住宅調査事業等ユニバーサルデザインと冠のつく事業が次々と出現しております。いずれも調査研究が主体となっているようです。 そこで、第1に、これまでユニバーサルデザインの推進について互いの連携はどのように図られてきたのか、お伺いします。 次に、ユニバーサルデザインについて、推進基本指針を今後1~2年をめどに策定し、長期総合計画後期計画に反映させていくとのことですが、物、社会資本、住宅などを多くの人にとって利用しやすいものにするという視点ばかりでなく、県民参加などプロセスを重視する視点も必要と考えます。第2に、推進基本指針の策定に向けた考え方についてお伺いします。 さて、ことしは、いよいよNPOサポートセンターが設置されることになります。県のNPO施策にとって大きな節目の年になると思われますが、実態はどうなのでしょうか。第3に、県行政創造運動の中で、これまで取り組んできたNPO等との連携はどの程度達成されたのでしょうか、具体的に伺います。 第4に、NPOサポートセンターの機能、施設の概要及び運営事業の委託先の考え方について伺います。 第5に、サポートファンドについて、県のほかに出捐団体の見込みと、新年度、県はどの程度の助成を見込んでいるのか、伺います。 ところで、現在、調整課を中心に行政評価の仕組みづくりが進められていると聞いております。これからの行政システムの構築に向けて、各自治体も行政評価に取り組んでおり、本県でも平成12年度から施策・事務事業評価の取り組みが進められていますが、第6に平成14年度の取り組み状況と今後の進め方について伺います。 また、評価内容等の県民への公表について、その考え方をお聞かせください。 さらに、評価をNPOなどから担ってもらう考えはないのか、あわせて伺います。 項目の第2番目、教育についてお伺いをいたします。今回は、とりわけ学校教育についてお伺いをしたいと存じます。 まず、学校評議員制度について。学校評議員制度がすべての県立高等学校で設置されており、地域社会に開かれた学校づくりに資するために活用されることを望んでおりますが、現状はどうなのでしょうか。その実施状況と成果及び今後の展望についてお伺いをします。 小中学校における評議員設置状況は、平成14年8月現在で、学校管理運営に関する規則に規定している市町村が80、実際に設置している市町村が41、学校数でいいますと小学校166校、これが全体の27.3%、中学校65校、これが全体の26.3%となっております。 このように、小中学校では学校評議員の設置率が低くなっていますが、県立高校の学校評議員で成果が認められるのであれば、市町村教育委員会にもっと積極的に設置を働きかけるべきではないでしょうか、所見を伺います。 さて、これまでの我が国社会では、求められる人材、そのために必要とされている学校教育及び教育委員会のあり方等が明確でありました。戦後の復興を支えるため、工場での単調な労働にも疑問を持つことなく耐えることのできる人材、少し言葉が適切ではないかもしれませんが、そんな人材が必要であったと思います。それに応じて学校教育のあり方も規定されてきました。 しかし、現在、その前提となる社会状況が変わってきております。工場での単調な仕事は、もうわずかしか国内に残っておりません。かわって地域に入ってくるのは、ITや外国産品であります。 そこで、国際化、情報化などがいや応なく進む世界において「生きる力」とは何か、それはいかにして身につくものか、また、そのために学校教育はいかにあるべきか、また、教育委員会はいかにあるべきか、教育長の所見を伺います。 学校教育制度は、この間、大きく変化をしてきました。変化させる大きな原動力となったのは、いわば大人の視点であります。大人が子供のための教育はいかにあるべきか、そんなことを主眼に考えて行ってきたものです。 しかし、大人が子供のためと言いながらやることの中には、逆に子供の成長を妨げることになっていることも、もしかしたらあるのではないでしょうか。大人も昔は子供でしたのに、大人になって生活していく中で、大人中心の利益しか見えなくなりがちです。 そこで、子供の声を聞く姿勢が大切になってきます。子供が決定に関与することによって学校が活性化し、地域へのかかわりを増していく方法も探し出されるのではないでしょうか。 学校再生のために、学校の裁量を拡大したり、また、自由競争を行わせることも有効と考えています。文部科学省は、株式会社やNPOにも学校運営を認める方向であります。それらの試みも試みとして評価しますが、学校運営に子供や地域住民の参画をさせることが何よりも重要であり、多くの課題はそれで対応できるのではないかと考えます。学校教育改革に子供の視点が必要ではないかと考えますが、これについて教育長の所見を伺います。 次に、学校の統廃合が進み、現状では1市町村1校、こんな状況がふえております。学校そのものの意味合いも変わろうとしてきている。子供たちの大切な生活の場である学校の統廃合に当たっては、どうあってほしいのかについて、子供たち自身にも意見表明の機会を与えるべきではないかと考えますが、所見を伺います。 さらに、現代の若者の傾向として、アイデンティティー探し、職業観の育成、他者との関係づくりなどなどに困難を来している若者たちが多くなってきていると言われます。高校進学率が100%に近い状況の中で、中途退学率が年間2.2%、1,365人という数字の大きさは、学習環境や生活環境が本人の意欲や状況と合っていないことを示していると言わざるを得ません。高校整備計画を進めていく中で、どんな高校があったら入学したいと思うのかについて、子供たちの意見を反映する機会をつくるべきではないでしょうか、お伺いいたします。 さて、第35回県政世論調査では、子供の人権についての設問が含まれておりました。子供の人権が尊重されていないと感じることがある人は、実に県民の62.6%に上り、その内容は子供同士の暴力、いじめ、親の虐待、子供の意見無視などでありました。 1999年に日本も批准しています子どもの権利条約には、生存、保護、発達、参加という4つの原則が掲げられております。このうち最初の3つは、1924年、児童の権利宣言以来、努力が続けられ、国際的にも定着した権利と言ってよいと考えます。 しかし、日本は参加の権利、とりわけ意見表明の権利の実現について消極的であると指摘されてきました。そのかわり、地方自治体の動きが活発になっており、条約に基づいた条例を制定する自治体や、また、遊び場づくりのワークショップを行って子供から参加してもらう自治体も数多く出てきています。また、子供に対する暴力防止、子供電話相談活動などのNGO、NPOが活発に活動していることも見逃せません。 子どもの権利条約が批准されて9年になります。条約は、今や保育、教育、非行、子供の福祉、親子関係を含むあらゆる子供問題を考える際に、欠かすことのできない世界共通の最も基本的な国際基準になっていますが、今、学校現場で条約はどのように生かされているのか、伺います。 子供や若者たちが仲間の最大限の幸福を考え、行動する力を身につけてほしいと思っています。大人から教えられて身につくものではなく、みずから体験して学び取っていかなければいけません。 12月定例会において、性教育の一環として、若者のピアカウンセリングの実施について前向きな回答をいただきました。いじめ・不登校問題への対策としても有効と思われますので、高校生にはピアカウンセリング、小中学校ではピアサポートに取り組んではいかがでしょうか、所見を伺います。 項目の第3番目、男女平等政策について伺います。 新潟県男女平等社会形成推進条例では、第22条において、性別による差別的な取り扱いについての相談、また第23条において、県が実施する施策についての苦情を申し出ることができ、必要があると認められるときには審議会の意見を聞くことができるとしています。これに関連して、男女平等推進相談室の相談事業及び苦情処理の状況について伺います。 また、その内容などから見て、県内の女性差別の状況はいかなるものと認識しているか、伺います。 いわゆるDV防止法施行後、ドメスティックバイオレンスの認知件数がふえていると聞きます。これまで声を上げることができなかった人たちが法制度が整ったことにより、少しずつ声を上げることができるようになったためと考えられており、このことは男女平等推進策を考える上で大切なヒントを示しているように思います。どこに訴えたらいいのかわからなった人たちがどうしたらいいのかを知り、アクションを起こすことができるようになる。男女不平等の構造は、社会システムに組み込まれ、外から見えにくくなっておりますので、その改善には当分の間、当事者からの訴えがどうしても必要になります。 そうした点から考えますと、男女平等推進相談室の相談窓口が県内1カ所というのは少ないのではないでしょうか。相談窓口を全県に展開する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 昨年12月、内閣府の男女共同参画会議、今回知事が新たに議員として着任された会議と存じますけれども、ここの影響調査専門調査会が報告書を出し、そこで女性の労働力率と合計特殊出生率の関係について詳細なデータ分析をしています。先進国においては、女性の労働力率が高いほど合計特殊出生率が高いという傾向が見られ、日本はともに低位に属しておりました。 今回、都道府県別の労働力率と合計特殊出生率との相関関係が示され、やはり前者が高ければ後者が高いという傾向が明確に示されております。本県は、他の都道府県に比べて労働力率も合計特殊出生率も高く、全国では比較的高位に属しています。 また、報告書では、社会制度慣行を個人のライフスタイルの選択にできる限り中立性が確保されるように見直すことや、子供を産み育てることに優しい社会にすることが必要であると述べています。 現状では、働く女性のみならず、働く男性にとっても育児、家事、介護などの家庭と、そして仕事との両立はまだまだ大変に厳しいものとなっています。意識調査などでは、家庭と仕事との両立が難しいと感じている割合は、男性が女性の半分です。まだまだ女性に過分な負担がかかっています。これを女性の個人的な努力によって解決すべしというのは、もうやめにしたいと思います。社会全体で解決していこうという共同作業として対応していくのが本当の少子・高齢社会対策であり、ひいては真の男女平等社会へとつながってくると考えます。 そこで、県は企業に対して働く女性の現状について実態調査を行い、育児・介護支援策やセクシュアルハラスメント対策などに、より積極的に努めるべきではないでしょうか、お伺いします。 また、今までどのような対策、指導を行ってきたのか、あわせてお聞かせください。 項目の第4、国際化についてお伺いをします。 私は、新潟にとっての国際問題とは、すなわち環日本海地域の問題であると考えてきました。東西問題と南北問題の交差点である日本海、そこに対面する本県としては、この地域での平和の創出が非常に優先度の高い課題である、また、それゆえに優位性もあると考えてきました。 今、本県では、環日本海地域ばかりでなく、さまざまな地域、国との交流が進められています。しかし、それらの交流と環日本海地域との交流は少し質が異なります。これまでの歴史があり、担ってきた人たちの使命感があり、それと表裏一体で難しい国際関係がありました。流行に乗って膨張した国際交流バブルとは異なると思います。新潟だからこそ、やらなければならないこととして取り組んでいただきたいと願うものです。 そこで、第1に、環日本海地域の都市、自治体との交流は、知事が着任してこの10年間でどのくらい進展してきたのか、伺います。 第2に、ハードインフラについてお伺いします。 新潟空港の課題です。新潟空港3,000メートル化は、当面難しいと言われておりますが、利用客の増加や新規路線の開設が重要だとも聞いております。Wミリオン構想を今後どのように推進し、どのように目標を達成していくのか、伺います。 第3に、とりわけ国家間関係、国家のありようが面倒な環日本海地域にあって、国際平和の維持のため、地方自治体も独自の戦略を持って国際交流を進めていかなければならないと考えています。文化、スポーツ、経済など、多様な面における交流も目的性を持って進めることが必要と考えます。自治体交流による国際社会の平和の構築への貢献について、知事の所見を伺います。 第4に、北東アジア経済会議の開催及び組織委員会の今後の活動、これらの方向性について、知事の所見をお伺いします。 項目の第5、朱鷺メッセについて伺います。 国際観光振興会のまとめによりますと、国内で開催された国際コンベンションの過去10年の件数推移は約2.5倍とされております。これは近年、各地で施設の設置が進んだことや、平成6年のいわゆるコンベンション法の制定を受けて、各自治体が積極的なコンベンションの支援環境を整備したことによるものと考えられます。 さて、朱鷺メッセは日本海側で最高のレベルとなる展示ホールを持ち、また、ウオーターフロントの好立地でもあり、充実した施設でスタートすることになります。これをいかに生かしていくのでしょうか。大変重要な課題であると思います。産官学民が一体となった取り組みが必要でありましょう。 県内需要の増加、生産の増加、雇用の増加などの経済的効果、販路拡大、異業種交流機会の増大、地域産業のブランド化などの産業振興効果、都市のイメージアップ、都市環境の整備促進、来県客の誘致拡大などの社会的効果、先日の一般質問では、平成15年度のコンベンションの経済波及効果は176億円が見込まれると示していただきました。これら期待される成果は大変に大きいのですが、それを実際に導くための施策が各方面から、今まさに問われているところと感じています。 オープンがいよいよ間近に迫ってきました。コンベンションセンターの施設運営の充実を図っていくためには、新潟の持つ魅力と主催者に対するサポート等が必要であります。第1に、今後のコンベンションセンター運営の拡充強化に向けて、知事の基本的な考え方について伺います。 第2に、本県では大規模なコンベンション運営の実績が乏しいと言われております。しかし、新潟のホスピタリティー能力は、ワールドカップ開催で既に実証されており、高い評価を得ています。その能力を大結集することができれば、新潟のコンベンションの未来は必ず約束されることでしょう。問題は、実績の布石、それとノウハウの未成熟です。地域主導型コンベンションを推進するためには、地元業界に対する県の支援策が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 第3に、地域主導型コンベンションの開催には、産官学民の連携が必要であります。県内外の産業界、自治体、研究団体、県民といった地元関係者がみずから主体となり、本県の特性を生かしたコンベンションを企画、提案し、開催していかなければなりません。そのために、県、市、新潟万代島総合企画株式会社、地元経済界、NPOなどとの連携をどのように図っていくのでしょうか、伺います。 第4に、新潟万代島総合企画株式会社は、韓国ソウルのCOEXと姉妹提携をすることになったと伺っております。COEXは、施設としても世界トップレベル、企画運営としても世界トップレベルであります。今後、この連携によって質の高いサービスを目指していくとのことですが、COEXを見習い、新潟万代島総合企画株式会社にPCO機能を導入していく考えなのでしょうか、知事の所見を伺います。 ところで、5月1日の開業イベントは、県からの運営資金が2億円を上回ると聞いております。開業イベントの発注額のほとんどが、東京のPCOと言ったらいいのでしょうか、製作会社の方が適切かもしれませんが、そちらの方に流れていると聞きますが、第5に地元業者への発注額はどの程度なのか、発注額の比率とその理由について伺います。 交通アクセスについてお伺いします。 佐渡汽船乗り場が朱鷺メッセの一番奥に位置しております。イベント時の渋滞により、船に乗りおくれることがありはしないでしょうか。施設周辺の交通環境にかなり問題があるように思います。第6に、朱鷺メッセへのアクセス、イベント時の交通規制の対応についての考え方を伺います。 最後の項目についてお伺いします。 県財政の大変な状況は、平成11年の県議会議員選挙後に発表された中期財政収支見通しと財政健全化に向けた取り組みから、ますます悪化の一途をたどっております。 本県は、これまでの政治的経験から、大きなパイから分け前にあずかる、いわばパトロン・クライアント関係になれてきました。公共事業、社会資本整備そのものが縮小の流れにありながらも、雇用対策としての色合いを強く持たせ、進めてきたこともその流れにマッチしたものと考えます。 しかし、もうその財政そのものがもたなくなってきております。公共事業のあり方そのものも少しずつ転換を求められます。ハード中心、トップダウンで行われている日本の現在の公共事業ですが、住民参画で地域再生という概念を中心としたスタイルへと質的転換を図ることを提案いたします。 建設業に従事する人々の雇用問題についてお伺いします。 平成13年5月の新潟県建設産業振興アクションプラン以降、平成14年5月にアクションプログラムが策定され、協業化や他産業への転換などが促されています。これを建設業で働く人たちの雇用対策の中軸と据え、県の強力な指導力で進めていく必要があると思いますが、知事の所見を伺います。 建設産業の協業化や他産業への転換などの課題については、県の地域機関や関係諸団体とも連携・協力していかなければなし得ませんが、意識の共有化をいかに図っていく考えか、所見を伺います。 最後に、県の予算を赤字県債に頼らざるを得ない現状の中で、今後の歳入の確保と歳出の適正化に向けた考え方及びその取り組みについてお伺いをいたします。 以上で質問を終わらせていただきます。4年間、本会議で質問の発言の機会を与えていただき、まことにありがとうございました。知事と教育長の短い御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、西村議員の一般質問にできるだけ短くお答えしたいと思います。 初めに、ユニバーサルデザイン研究事業と社会資本及び住宅調査事業の連携ということです。研究事業は、平成14年度より全部局からのメンバーで構成いたしまして研究会を設置したものであります。県としてユニバーサルデザインをどう位置づけるか、どう取り組んでいくか、幅広い検討を進めてきた次第です。 社会資本、そして住宅調査事業は、これまでの研究会での議論を踏まえ、比較的その概念が固まっているということで、社会資本と住宅といったハード面については、県民のニーズも大きいということであり、14年度からユニバーサルデザイン住宅のあり方について調査を開始し、15年度には新たに多様なニーズにこたえられる社会資本の整備のあり方についても調査研究をするということにしたものであります。今後とも、それぞれの調査研究につきましては、相互に連携・調整を図りながら進めていきたいと思います。 なお、この研究会では、新発田病院の改築に対しまして、ユニバーサルデザインの見地からの提言を行って、それを今取り入れているところでございます。 次に、ユニバーサルデザイン推進基本指針の策定でありますけれども、今日ではユニバーサルデザインをハードというだけではなくて、一人一人の人間性を尊重した環境づくりとしてとらえる方向にあります。ユニバーサルデザインでつくり出されたものが多くの人々に利用しやすいものであるということがもともとの概念でありますけれども、もちろんこれも大切ですけれども、それをつくり出し、改善していくため、一人一人の県民のニーズを反映させていくというプロセスを重視していく必要があります。 私もこの問題を研究してきましたけれども、今、到達しています1つの考え方は、言いかえて、当たっているかどうかはわかりませんが、ユニバーサルデザインというのは、一人一人が大切にされ疎外される人のいない社会づくりとも言えるのではないかなと思っております。行政のあり方の基本そのものであるというふうに思っております。 したがって、今後、策定することとしております推進基本指針においては、ユニバーサルデザインによる県づくりを推進していくための基本的な考え方として、県民参加などのプロセスを重視した視点を明確に位置づけると同時に、具体的な取り組みに向けての実効性のあるものにしてまいりたいというふうに考えております。 次に、NPO等との連携の達成状況ですけれども、平成13年7月に、新潟県NPOの活動環境整備に関する指針を策定しまして、NPOとの協働に関する基本方向を明らかにいたしております。同時に、にいがたNPO情報ネットの開設、行政向け手引書の作成配付、行政職員の研修等々により、NPOとの協働を推進してきた次第です。 平成14年度に本県では、環境、福祉、まちづくり、施設の管理等の分野で27事業について38のNPO等と事業の委託とか補助が行われており、年々その協働に取り組む分野は拡大しており、NPOと県とのパートナーシップは、私としては着実に進んできているというふうに思っております。 活力のある地域社会の創造のために、今後とも県・市町村において、協働する分野や地域の拡大に努力してまいりたいと考えております。 次に、NPOサポートセンターでありますけれども、NPO活動支援の拠点として、また、行政、NPO、企業、県民が地域の課題に連携して取り組む場であり、平成15年8月に新潟ユニゾンプラザ内に開設をする予定でございます。 具体的な機能として、情報の受発信、人材の育成、交流の促進、相談、広報啓発、そして地域のNPOサポートセンターの設立・運営支援等々を想定しており、これらの機能を担う専門職員を常時配置することとしたいと思います。 また、センターは県が設置しますけれども、これらの機能を十分に発揮して効率的な運営を図ると同時に、NPOの自立性を高めるために運営は民間に委託する予定であり、NPO法人や公益法人、社会福祉法人など、公益性のある民間の法人の中から公募によって決定をしたいというふうに考えております。 また、にいがたNPOサポートファンドですけれども、県内のNPO活動の活発化とNPOへの民間資金の活用を図るために、公益信託として基金を設置して、それを10年間で取り崩してNPOに助成するという考えであります。 基金の総額は、約4,000万円を想定しております。県が15年度から17年度まで3年間、毎年度1,000万円、計3,000万円を出捐して、あわせて趣旨に御賛同いただきます県民の皆さん、企業からも広く寄附金を募り、10年間で約1,000万円を確保することとしています。民間資金を募るという考えは、それがないと単なる行政からの補助になってしまいますけれども、それに加え、この募金活動を通じ、NPOへの理解を広げていきたいという考えであります。 したがって、毎年度の助成総額は、おおむね4,000万円の10年ですので、400万円程度ということになってしまうわけですけれども、平成15年度は初年度ということもあり、制度設立の手続、制度の周知等に時間を要するために、助成団体は通常年度をかなり下回ることになるというふうに思います。 なお、個別のNPOに対する助成額については、NPOの立ち上げ、あるいは事業拡大の経費の一部ということでありますので、10万円程度から50万円程度ということを想定しておるところであります。 次に、施策・事務事業評価等の取り組みでありますが、今年度は長期計画で定めました267施策のうち133の施策と未来戦略の17システム、そしてそれらを構成いたします事務事業についての評価を行いましたほか、新たに施策の上位にあります長期計画の70小項目を対象に政策マネジメントの仕組みづくりに着手をしたところであります。 次年度以降、施策・事務事業評価の対象を順次拡大いたしますとともに、政策マネジメントと施策・事務事業評価を一体的に実施することを通じ、成果をより重視した施策展開が庁内で不断に行われますよう努めてまいりたいと思います。 また、県民への公表につきましては、行政の説明責任を果たす上からも、評価内容に県民の皆さんから御意見をいただくことにより、妥当性、客観性を高める上からも極めて重要でありますので、評価結果を10月に、評価結果を踏まえた施策・事務事業の改善措置状況を3月に、行政情報センターや地域振興事務所等で公表しておりますほか、県のホームページにもその内容を掲載しているところであります。 また、本県では制度に対する助言を目的といたしました有識者懇談会を設置しておりますけれども、評価そのものは、まずもって県みずからがしっかり行うことが重要であるというふうに考えておりますので、制度として第三者機関による外部評価の導入ということは、現段階では考えておりません。 なお、県民への公表に際して、評価結果について県民やNPOの方々から種々御意見をいただくことは、協働して目標を達成していくという上からも重要なことであるというふうに考えております。 次に、男女平等政策であります。 まず、男女平等推進相談室の相談状況についてお答えします。昨年8月の開設以来、1月末までに638件の相談が寄せられており、その内容を見ますと離婚問題、夫婦間の暴力などを含む家族の人間関係に関する相談、この2つが全体の5割を超えております。そのほかは、主として心の悩み、家庭・暮らしに関する相談、セクシュアルハラスメントを含む労働に関する相談等々となっております。 これらの相談の内容から見ますと、個人的な問題によるだけではなくて、性別による固定的な役割分担意識や男性優位の意識・慣行、男女の経済力の格差など、過去からの女性の置かれてきた社会的状況が反映されているというふうに考えております。 なお、県の男女平等推進施策に関する苦情につきましては、現在のところ申し立ての事例はございません。 次に、相談窓口の全県展開でありますけれども、男女平等推進相談室を積極的にPRすることにより、当面は遠隔地の県民の皆さんに対しては、電話あるいはメール等による相談対応を中心に、気軽に相談できる窓口として、その定着促進に努めてまいりたいというふうに考えております。 また、女性福祉相談所、警察署、地域振興事務所などの県民相談窓口、あるいは市町村その他関係機関・団体の相談窓口との連携によります対応もあわせて図りますとともに、必要に応じて男女平等推進相談員によります地域への出張相談についても検討してまいりたいというふうに考えておるところであります。 次に、育児・介護支援策等につきましては、女性が安心して働くことのできる環境の整備ということが男女共同参画社会の形成を進める上で重要な課題であるというふうに考えます。 そのため、県では平成12年度に実施いたしました女性労働者の意識調査を踏まえ、女性の就業環境の整備に積極的な企業の紹介、あるいは事業主等を対象とするセミナーの開催、労政事務所によります企業の巡回指導により、育児・介護休業制度の定着、あるいはセクシュアルハラスメントの防止に向けた周知・啓発を行ってまいったところであります。 また、地域におけます子育ての支援といたしまして、ファミリー・サポート・センターの普及に努めておるところであります。 さらに、来年度におきましては、少子化対策に関する県民意識・ニーズ調査を行い、その中で、働く女性の実態把握に努めることとしておりまして、こうした調査を今後、施策の展開に生かしてまいりたいというふうに思います。 次に、国際化についてお答えいたします。 まず、環日本海地域の都市・自治体との交流の進展はどうであるかということであります。本県は、昭和58年に中国黒龍江省との友好県省提携を行ってことし20周年を迎えますほか、ロシア極東地域、韓国との交流を推進してまいりました。 中国とは、黒龍江省との間で互恵の精神に基づく医療、あるいは道路舗装等の具体的な技術協力事業を本年度から新たに開始しているのを初め、陜西省とのトキを通じた交流など、幅広いものとなってきております。 また、ロシア極東地域とは、昨年、青少年音楽家・芸術家使節団の受け入れなどを行いましたけれども、交流の幅が広がってきていると思います。韓国とは、昨年のワールドカップサッカー大会後、ソウル特別市の市立図書館と県立の図書館が友好提携を行うなど、新たな交流も始まっております。 こうした個別の交流の進展のほかに、北東アジア経済会議を長年にわたって開催して、地域の共通課題に取り組んできたほか、5月に開業いたします朱鷺メッセでは、国際交流の拠点となります施設整備も進めておるところであります。 さらに、この10年間で県内市町村の姉妹提携等も6市町村から17市町村に増加しておりますほか、航空路は3路線から、ハルビン線など6路線に倍増、コンテナ航路も釜山航路のほか、新たに中国航路が開設されるなど、コンテナ取扱量も大幅に増加してきております。 このように、日本海を越えた人と物の動きが活発化し、10年前に比べれば、環日本海地域の自治体交流は大きく進展しているものというふうに考えております。しかしながら、一方で自治体外交を中心とする地方の国際交流については、依然として表敬外交が中心であり、ここからいかにして真の経済交流の活性化とあわせ、心の外交に発展させることができるかということが課題だというふうに思っている次第であります。 次に、新潟空港Wミリオン構想であります。この構想は、新潟空港が地域拠点空港として発展するために、平成22年の新潟空港利用客数200万人を目指すものであり、これまでの取り組みにより平成14年の利用客数は、構想を策定した平成7年に比べ、40万人ほどふえており、約127万人まで上がってきております。 今後は、中国等への新規航空路の開設、チャーター便の拡充、空港へのアクセス向上等により、県内はもとより隣接県等からの需要拡大を図りますと同時に、何といっても経済発展が目覚ましく、ビジネス、観光両面での需要増が今後期待できます中国を初めとする訪日外国人需要の取り込みを視野に入れ、構想の実現に努力してまいりたいと考えております。 次に、国際社会の平和構築への貢献でありますけれども、地方自治体が行います国際交流は、国際性豊かな人材の育成と国際化に対応した地域づくりのためであるとともに、さまざまな分野での交流を通じ地域レベルで人と人とが直接ネットワークを結び、互恵と相互理解を基本として信頼関係を築いていくことで、国際社会における平和の構築にも寄与していくことを理念とすべきであるというふうに考えております。 私としましては、北東アジア経済圏の形成・発展をテーマとした北東アジア経済会議を通じて、この地域の共通の課題に関係自治体が協力して取り組んでいくことや、環境、経済、文化、スポーツなど、さまざまな交流事業を積極的に展開することを通じて、友好親善、信頼関係を深め、予防的平和外交に貢献していきたいというふうに考えております。 また、北東アジア経済会議と組織委員会の今後の活動でありますが、次回の経済会議は本年6月2日から3日間にわたり、新しくオープンします朱鷺メッセにおいて、北東アジア経済フォーラムと共同開催ということで予定しております。運輸・物流、環境、エネルギーなどのほかに、新たに北東アジア地域のグランドデザインについての議論を行うこととしております。 また、国際展示場では関連行事として、対岸諸国と県内企業との経済交流を推進するために、北東アジア地域のビジネスメッセを開催することとしております。 組織委員会につきましては、多国間協力への具体的な最初の取り組みとしまして、運輸・物流分科委員会の活動を進めており、昨年度、北東アジア輸送回廊ビジョンを提言したところであります。先般、このビジョンについて東京でのシンポジウムを開催したところでありますけれども、今後はこの輸送回廊ビジョンの実現に向け、さらに各国への働きかけをしてまいるほかに、北東アジア地域の課題として、近年議論が高まっております環境に関する新たな分科会を組織委員会に設置することを予定しており、多国間協力に向けた活動がさらに進められますよう努力してまいりたいと思います。 次に、朱鷺メッセであります。 まず、コンベンションセンター運営の考え方ですけれども、広告代理店、旅行業者、ホテル業、あるいはケータリング業等のコンベンション関連産業といいましょうか、主催者への直接的なこうしたサポートについては、コンベンション運営の成否につながるわけであります。 現在、万代島総合企画株式会社では、コンベンションサポーター登録制度を設けており、誘致活動の際には、主催者をサポートするコンベンション関連の24業種、延べ140事業者の情報の提供を行っておるところでございます。今後も定期的に情報更新を行うと同時に、開業以降は主催者の意見も聞きながら、今後のコンベンションセンターの運営が順便にいきますよう、同時に地元コンベンション関連産業の育成という観点からも努力してまいりたいというふうに考えております。 次に、地域主導型コンベンションへの県の支援ということですけれども、朱鷺メッセが真に地域に根づくためには、地域の産業振興につながるテーマに基づいて産業界が一体となって主体的に取り組みます、地域主導型コンベンションの開催が有効であるというふうに考えております。そのためには、新潟においても主催者をサポートし、そしてコンベンションの円滑な運営を行いますPCOと呼ばれます企画・統括機能の整備が必要であるというふうに考えております。 PCOは、基本的には地元産業界が主体となって取り組むべきものというふうに考えておりますけれども、県といたしましても、民間が取り組みますPCO機能の組織化、起業化の動きを推進するため、今年度イベント・プランナーを中心に立ち上げたコンベンション・ビジネス研究会の活動を支援してまいりたいというふうに考えております。 次に、地域主導型コンベンションの開催に当たっての産学官民の連携でありますが、地域主導型コンベンションは、新潟の総合力の発露といたしまして、基本的には新潟の地元経済界を初めとする民間が主体となって企画運営されるべきであると考えます。しかしながら、そうした体制ができ上がるようサポートしてまいりたいと思っておりますし、そのためには新潟市、万代島総合企画株式会社とも連携をしていく必要があると考えております。 また、先般のワールドカップサッカー大会に見られましたように、コンベンションの開催に当たりましては、ボランティアとかNPOとの連携ということも重要な要素でありますので、NPOによるコンベンションの企画立案、あるいは主催者への支援等、多様な分野での積極的な参加についても働きかけをしてまいりたいと考えております。 次に、新潟万代島総合企画株式会社のPCO機能の導入ということでありますけれども、同社におきましてはコンベンションの誘致を中心にした業務を当面行うこととしており、将来的にはこうしたPCO機能を導入したいというふうに思いますけれども、当面その意味ではCOEXの持つPCOの機能の導入ということにはならないのかなというふうに思っておるところであります。 また、開業記念事業における地元発注でありますが、事業費約2億8,000万円のうち、地元への発注率は約48%と見込まれます。残りの52%は、特殊なノウハウが必要なテーマ展示の制作及び運営委託などでございまして、残念ながら県内にそうしたことに十分対応できる業者がいないために県外発注となったものであります。 なお、繰り返しになりますが、PCOを初めとした県内のコンベンション産業の振興は、県内経済の活性化にとって重要でありますし、その意味でも、今後ともその育成に努めてまいりたいと思います。 次に、朱鷺メッセへの交通アクセス等の対応ですけれども、佐渡汽船利用者に影響を与えるおそれがあります大規模イベントの開催時におきましては、新潟駅からのシャトルバスの運行、パーク・アンド・バスライド、そして万代島内駐車場への適切な誘導の実施などを行い、佐渡汽船関連交通の円滑化を確保していきたいというふうに思っております。 財政問題についてお答えいたします。 まず、建設業の雇用対策でありますが、建設産業は公共、民間ともに投資が減少するなど、大変厳しい経営環境に直面しており、県ではアクションプログラムに基づき、新分野・新市場等における雇用確保・創出への支援などの取り組みを進めているところでございます。また、建設業協会など、建設業団体におきましても、県と同様な認識に立ちまして、合併・協業化などの企業連携の促進や新産業分野の開発・育成に取り組んでおるところであります。 さらに、県といたしましては、建設産業における雇用の場の確保の取り組みを、より一層強化するために、建設産業の構造改善・新分野進出の支援を戦略重点体系に加え、新年度からは協業化や新分野進出に意欲のある建設企業グループを積極的に支援していくこととしている次第でございます。 また、建設業の協業化、新分野進出等に係る連携でありますけれども、協業化や新分野の開発・育成等については、その対象領域が広範囲にわたりますことから、庁内のみならず、国・市町村等の行政機関、建設業協会等の業界団体、にいがた産業創造機構等の諸団体などと広く連携を図りながら、企業に対する支援を行う必要があると考えております。 そのために、庁内では従来からございます建設産業雇用問題調査連絡会議に加え、建設企業の合併、協業化や新分野・新市場の開拓・進出についての情報交換、そして建設企業への情報提供・助言等の支援を行うことを目的といたしました、建設産業構造改善・新分野進出支援連絡会議を、土木部、産業労働部、農林水産部等の関係各課で立ち上げたところでございます。 また、建設労働者の雇用の安定、そして雇用機会の拡大を支援するために、雇用・能力開発機構が中心となりまして年度内の立ち上げを進めております、新潟県建設業支援関係機関連絡会議等を通じまして、労働局等の国の機関、さらに建設業協会等の関係団体とも連携を深めてまいりたいというふうに考えております。 次に、今後の歳入確保策と歳出の抑制に向けての考えでありますけれども、財政健全化プログラムにありますように、期間中の歳出削減目標を公債費の実質的な増加額に相当する300億円を少なくとも自主的な対策で削減するという具体的な目標を持っているわけであり、この達成に向け人件費等の義務的経費の縮減、経常的経費のさらなる削減に加え、投資的経費を財政負担の可能な範囲内に抑制すること、将来の公債費負担の軽減を図るということとあわせ、他会計への繰出金、市町村補助金等の見直しも進めてまいります。さらに、財源配分の一層の重点化、効率化を図ると同時に、PFIの導入、外部委託化の推進等々、歳出の質的な見直しをも進めてまいりたいと思います。 また、歳入の確保のためには、法定外税の創設等、県税収入の確保、使用料、手数料等の受益者負担の適正化、未利用地の売却に加え、特定目的基金の中期的かつ計画的な活用も行ってまいりたいと思います。 あわせて、県財政の再建のためには、これらの取り組みに加え、国に対し、国・地方を通じる税財政制度の抜本的な改革を強く働きかける必要があると考えており、地方分権の確立という観点からも、地方税財源の充実確保、中でも税源の移譲の実現に向け、積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 以上であります。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) お答えいたします。 まず、学校評議員制度の実施状況についてでありますが、この制度は校長が地域社会の有識者から個別に意見を聞いたり、一堂に会して意見を求めるなど、さまざまな意見・要望・提言をいただき、それを学校運営に反映させることを目的に導入したものであります。 各学校では、校長と評議員だけでなく、教員と評議員との意見交換の場を設けるなどして、この制度を幅広く活用しており、このことが学校運営の改善のみならず、学校や教職員に対する期待や批判を直接聞く機会となり、教職員の意識改革の大きな契機となっております。 今後は、教育活動を評価して、それを公表する学校評価システムの導入に当たって、外部評価員として学校評議員を活用し、この制度を開かれた学校づくりに役立ててまいりたいと考えております。 次に、小中学校における学校評議員の設置の促進についてでありますが、御指摘のとおり平成14年8月1日現在で、小学校27%、中学校で26.3%となっております。 県立高校におきましては、今ほど申し上げたような効果が上がっていることから、設置が進まない市町村に対して、学校評議員制度が学校運営に関し、地域住民の意向を反映させ、開かれた学校づくりを進めることや、学校がみずからの取り組みを点検評価し、外部に対して説明責任を果たす学校評価システムを確かなものにするためにも重要な役割を果たすことについて理解を促し、設置について強く指導してまいりたいと考えております。 次に、「生きる力」の育成についてでありますが、学校教育で「生きる力」とは、自分で課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力であり、また、みずからを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性とたくましく生きるための健康と体力としております。 こうした力は、みずから学び続けること、豊かな経験を重ねること、集団の中で磨き合い、高め合うことなどによってはぐくまれるものと考えております。 そのために、学校では何よりもまず基礎・基本である学力を確かに身につけさせ、その上で総合的な学習の中でさまざまな知識を活用して、みずからの問題解決にじっくりと挑戦し、自然体験や社会体験の中で失敗や成功を繰り返し、学校行事や部活動などの集団活動で競い合い、自他の努力の価値を実感し、スポーツや遊びを通して体力づくりに励むなどの機会や場をつくることが重要であります。 こうした取り組みを支援するため、教育委員会は地域の特性を踏まえたビジョンを示し、人的・物的環境を整え、社会を形成する一員として生きていく上での基盤となる力をはぐくむ役割を果たしていくべきであると考えております。 次に、学校教育に子供の視点などを導入することについてでありますが、学校教育は次世代を担う児童生徒の健やかな成長と自立を目指して、国民すべての願いのもとで行われるものであり、実際の学校教育を進めるに当たっては、法令の定めるところに従って各学校が教育課程を編成し、具体的な教育活動を展開しております。その中で、児童生徒は1人の個人として尊重され、教師と児童生徒双方の響き合いの中で教育が成立しております。 しかしながら、これまでの学校教育は、ともすると画一的、閉鎖的な傾向に陥りがちであったとの反省や教育の規制緩和の流れの中で、開かれた学校づくりの推進や学校設立の自由化などの動きが出てきており、こうした改革の中で地域住民の声とあわせて児童生徒の願いや意見を聞き、それを学校運営に反映させることも一層大切になってきております。 こうした考えのもとで、本年度、学校の主体的な経営活動の確立をねらいとして開始した学校評価システムにおいては、授業の進め方や学校行事の持ち方等について、アンケートなどの手法により児童生徒の意見や評価も取り入れることとしたところであります。 次に、学校の統廃合における子供たちの意見表明についてでありますが、これまで県内各地域では、少子化の急速な進行により、学校規模の適正化や教育効果の観点から、統廃合が進められてまいりましたが、その過程において子供たちの直接的な意見表明はなかったものの、その思いや願いは保護者や地域の声として十分反映されてきたものと考えております。 今後、市町村合併に伴い、さらなる統廃合が予想されますが、小中学校の統廃合については、教育を経済性や効率性のみで考えるのではなく、子供たちの豊かな学習環境の確保や子供たちの幸せを考えることを基本として、地域の人々が慎重に議論していくことが求められていると考えております。 次に、高校再編整備計画を進めていく中で、子供たちの意見を反映する機会をつくるべきではないかとの御提言についてでありますが、さきに策定した高校再編整備計画は、例年実施している中学2年生全員を対象に、将来、全日制や単位制など、どんな高校に進みたいか、具体的にどんな分野の学習をしたいかなどについての調査や高校進学を意識している中学3年生全員を対象にした、具体的にどの学校・どの学科に進学を希望しているのかなどについての調査を分析するとともに、高校1、2年生の4分の1を対象として高校生活の満足度などの意識調査を行い、希望と実態が合っているかなどについて検証し、それぞれの結果を踏まえて策定したところであります。 また、募集学級計画は、これらの調査結果や中学生の進学希望が直接反映されている入学者選抜検査における応募状況等を精査して策定しておりますので、中学生の学習ニーズや進路希望など、子供たちの意向について十分反映されているものと考えております。 なお、今後ともそれぞれの学校の特色化を図るため、こうした取り組みを一層充実させ、子供たちの意向を反映させてまいりたいと考えております。 次に、児童の権利に関する条約と学校教育についてでありますが、この条約は子供たちの人権を尊重し、意見表明権や表現・集会の自由、プライバシーの保護などを規定しているものであり、平成6年に当時の文部省が出した、児童の人権に十分配慮し、一人一人を大切にする教育をより進めるようにとの通知を受け、学校においては児童生徒が人格を持った1人の人間として条約に規定されているさまざまな権利について尊重し、子供の意見を生かす教育の充実に努めているところであります。 具体的には、学級会や児童会、生徒会等で、自分たちの問題を提起し、多くの議論に基づいて、これからの方向をみずから決定する活動の重視、また、中学校の、いじめ0スクール運動では、生徒自身の手によるいじめ防止の取り組みを展開する活動の設定など、子供たちの願いや意見、考えを生かし、子供の主体性を尊重した活動の充実などが図られております。 学校は、多様な児童生徒が教育を受ける場であることから、権利、義務、自由、責任などについても正しく指導する必要があると考えております。 次に、いじめ・不登校問題に対応するためのピアサポート等の導入についてでありますが、県教育委員会では平成12年に策定した、いじめ防止学習プログラムにおいて、いじめ防止に効果がある多様な方法を紹介しており、その中の1つとして子供同士が互いに支え合えるような関係をつくり出すピアサポートも取り上げているところであります。 ピアサポートを導入している学校では、学年や学校全体でゲームやロールプレーイングを活用した体験的なトレーニングが実践されており、児童生徒が、自分は人の役に立っていること、そういう自分は価値のある存在であることに気づき、ストレスを軽減することができることから、いじめや不登校の防止に効果があるとの報告を受けておりますので、今後もこうした手法を積極的に活用するよう指導してまいりたいと考えております。 また、高校生のピアカウンセリングにつきましては、思春期保健対策事業として高校生を対象としたピアカウンセリングの事業化が平成15年度に予定されておりますので、その効果等について見守ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(石井修君) 西村智奈美君の質問は終わりました。 次に、斎藤隆景君の発言を許します。   〔斎藤隆景君登壇〕(拍手) ◆斎藤隆景君 おはようございます。自由民主党の斎藤隆景であります。1期4年間、大変お世話になりました。 本日は、大所高所ではなく、地元密着型の、できれば地元経済の活性化のために、十分に4月を意識して質問させていただきたいと思います。できれば、ぼわっとした答弁ではなくて、明るい未来が見えるような答弁を期待しております。よろしくお願いします。 観光1本でまいります。観光という言葉の意味をじっと考えてみると、どうも「おはよう」とか「こんにちは」と同じように簡単に使われているのではないか。改めて観光という字を見ると、光を観るということなのでありまして、これはやはり、いろんなところへ行って、それなりの感動を覚える、そしてそれなりのよさを体感する、そういったことが本来の観光の意味ではないのかなと。 そういう意味で、私たちの県の観光行政を改めて振り返ってみると、なぜ落ち込んでいるのか、その要因の解明がどうも徹底的に行われていないように思います。自分は医師ですので、例えば1人の患者さんを診るとき、診断が徹底的に行われること、そして検査が徹底的に行われること、そのことをもって初めて治療方針が十分に尽くされるわけでありますので、今後の新潟県の観光業の行く末のために、具体的な問題点を挙げながら、お尋ねをしたいというふうに思います。 まずもって、県の観光へのかかわりについてでありますが、県の観光関連の予算は、平成11年度26億6,682万円、15年度が22億2,162万円であります。しかも、その大半がいわゆる観光行政に使われているのではなくて、ふるさと村関連等でございまして、これは改めて予算書を見せていただくと、その多さに驚くばかりでございます。例えば22億円のうち、新潟ふるさと村経営改善資金の貸付金で10億円でございまして、そのほかにもコンベンションの誘致推進に1億6,000万円であるとか、新潟ふるさと村の宣伝費が4,300万円もあるとか、さまざまなのでございまして、具体的に観光に資する部分が余りにも少ないのかなと。 このような予算状況から見ると、観光産業が我が県において、やはり雇用等の観点からすると、主たる産業の1つであるというふうに思うわけでありますが、その認識に欠けているのではないかと。知事は、観光業に対してどのような認識をお持ちなのか、まずお伺いをしたいと思います。 県内の観光業の生産に係る統計は、実は出ておりません。調査すらございません。国土交通省が平成12年データに基づいて推計した国内における観光にかかわる経済量、これは22兆6,000億円ぐらいあるのでしょうか、こういった統計がございます。 そして、なおかつその波及効果は、観光業がどうしても人的な集約産業型であることから、雇用というのは、かなり売上高の中で占める割合が多いわけでございます。そういう意味では、経済波及効果も十分に私自身は考えているわけであります。 自治体では、既にこの観光振興に取り組みながら、一体どのような推計なのかということを試みている団体が大変多うございまして、ちなみに宮城県では3,827億円、福島県が3,614億円の売り上げでございまして、生産波及効果はそれぞれ宮城県が6,354億円、福島県が5,505億円、平成13年度の統計であります。 我が県は、こういう統計がございません。やはり観光についてきちんと対応しているのかなと思わざるを得ないわけであります。東北6県、やっていないのは山形県だけでございます。ちなみに、北東公庫でやっていないのは、我が県と山形県だけでございました。 本県における観光客の入り込み数のピークは、平成8年、この年が8,180.4万人、それから徐々に減ってまいりまして、平成13年7,792.6万人で、4.7%減ってございます。県内観光客は、それでも平成8年が4,685万人、平成13年が4,693万人ですから、ほとんど減っていない。県外が3,495万人から3,098万人に、県外客の占める割合が減少傾向にあって、そして先ほど申し上げたように、相当の落ち込みがあるにもかかわらず、なぜ落ち込んでいるのかという分析がちょっと不足をしているのかなと。知事は、このことに対する評価をどのようにお考えなのか、お伺いをします。 本県の観光は大別しますと、降雪期の観光、そして一方で無雪期、やはりこういう形で大別をされるのが妥当かなというふうに思いますが、県の観光対応は必ずしもそのように明確になってございません。 多分、アトランダムと言ったら大変失礼なのですが、その場面ごとの思いつきに終始しているのではないかなと言わざるを得ないわけであります。例えば、この表題だけを見ても、外国人観光客の誘致のためにやってみたり、うるおいの温泉まちづくりの事業であるとか、新潟を歩く旅づくりであるとか、ときめき佐渡であるとか、突然、滞在周遊型スキー観光であるとかというふうに、どうも脈絡がない。構造的にきちんと観光対応をしていないのではないか。私たちの県は、気象条件、自然条件などの違い、施設や提供側の根拠、それらを明確にした上で診断と治療をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、冬季観光についてお尋ねをします。 冬季観光、私たちの、特に新潟県南魚沼郡、北魚沼郡、そしてまた山際のところは、やはり冬期のスキー観光に依存するという傾向がどうしても多いわけでございまして、平成15年度のスキー観光予算を見てみますと1,391万円であります。改めて見ると本当に少ないなという気がいたします。 なぜかというと、新潟ふるさと村の宣伝費が4,317万円です。スキー観光の予算が1,391万円ですから、その差に改めて驚くばかりであります。県内に72のスキー場がございます。とても真剣に対応しているというふうには言いがたいのでありまして、このわずかな1,300万円当たりの予算をどのように使っているのか、そして一体これで何ができるとお考えになっているのか、改めてお伺いをしたいと思います。 さて、県内のスキー場の利用客の状況は、平成4年の1,597.4万人がピークでございます。それ以降、どんどん、どんどん減ってございまして、平成13年918.7万人、42%も減少をいたしました。そのうち、スノーボーダーが42%でございます。スキーだけではないのでありますが、増加させるための試みとして、県は一体どのような施策を心がけてきたのか。ただ黙って、42%も減るのを看過してきたのか、そのことを改めて確認の意味で御質問をさせていただきます。 それから、スキーは、私がかつて県立小出病院に奉職をさせていただきました30年ぐらい前でしょうか、そのころには、結構、脳外科の外来にもスキー授業で頭を打った、ジャンプで頭を打ったというようなお子さんが大変多うございました。 かつて私たち山際、中山間地では、義務教育においてスキー授業を実施する学校が大変多く見られていました。ほとんどの学校がやっていたと言っていいと思います。そういったスキー授業というのは、やはり自分のふるさとを知ること、新潟県の冬のよさを知ること、何よりも子供たちが一緒になって体育の授業をするということで、今、西村先生の話題にもございました、例えばいじめであるとか、学校が嫌になるとか、不登校であるとか、そういったさまざまな学校の抱えている問題、いわゆる教育的な観点からも必要なことと考えたいわけであります。結果として、スキー人口の底辺拡大に必ず直結するわけでございますので、ぜひ義務教育におけるスキー授業の充実を図るべきであると、私は改めて御提案を申し上げたいわけであります。 そこで、現在の小中学校におけるスキー授業の実施校は大体何校ぐらいあるのか。そしてまた、その地域に偏在性があるのかないのか。また、そのスキー授業はどのように充実が図られているのか、お伺いをしたいと思います。 もう1つ、これまで県はさまざまな観光の事業の取り組みをしてございます。数年前の予算でありましたか、台湾、韓国のマスコミを招致するという予算がたしか掲載されていたのを記憶しているわけでありますが、外国からのお客さん、特にスキー等を初めとした観光客招致を今まで試みてきたわけでございます。この予算は、本年3,150万円も計上されております。実際スキーは、先ほど言ったように1,391万円ですから、外国の方をお呼びするのに、果たしてこれだけのお金をスキーと対比したときにかけられるのか、また、その成果があったのかどうか、こんなことをすごく心配をするわけであります。 私のよく知った方に、台湾華僑商工会の会頭のコウさんとおっしゃる方が東京におられます。この方にこの間、電話をして聞いたら、いや、台湾の人は、みんなスキーは北海道に行くのではないですかというようなことだそうであります。その一般的なルートを聞きましたら、まず羽田におりて、そしてディズニーランドに行くのだそうであります。ディズニーランドに行って、その後羽田に戻って、北海道のアルファリゾートトマム等のスキー場へ2泊して、また戻って東京から帰るというのが一般的な3泊4日、もしくは4泊5日の台湾の固定的なと言っていいかもわかりませんが、観光だと思います。 幾ら新聞記者を呼んで、どの程度の見返りというのでしょうか、成果があったのか。このことについて、具体的にこの中身の問題をどのようにしてきたのか、そしてまたその成果はいかがであったのか、ぜひお伺いをいたしたいと思います。 さて、県スキー観光活性化戦略会議というのが県及びそれぞれの観光業者さん、または県の委託を受けた皆さん方によって進められてまいりました。そのまとめに従って、首都圏等を対象に修学旅行のスキー体験を個々の業者さんが既に始められております。私の郡内では、かなりあるようでございますが、一定程度の成果が上がっているように見受けられます。 この活性化会議が3月に湯沢町と安塚町だったでしょうか。現地説明会等を東京の業者さん等にさせていただくということだそうでありますが、私自身は県としてスキー人口の底辺拡大のためにも各地方自治体に対して、もっと積極的に県独自がその地の教育委員会等に働きかけを展開をして、ぜひスキーの修学旅行体験をやっていただけないものか、このことについてお伺いをいたします。 もう1つ、この項目の最後になりますが、スキーがかつて大流行をしたときには、必ずその花形というような人がいました。日本におけるスノーボーダーの急増は、やはりオリンピックにおける上村選手等の金メダル、もしくは大活躍が牽引であったろうというふうに思うわけでございます。スキーに例えて言えば、トニー・ザイラー、ジャン・クロード・キリー、グスタボ・トエニといったような人たち、そしてまた猪谷選手、極めて古い、懐かしいという人ばかりでございます。 日本には、本当にもう久しくゴールドメダリストもメダリストもおらないし、花形となり得るアルペン選手の養成、このことは翻って私たちの県の二巡目国体、冬季国体も視野に入れて、ぜひこういったかかわりはあってしかるべきではないのか、そのことについてお考えがないのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。 さて、次にもう1つ、南魚沼郡の無雪期の観光についてお尋ねをします。 いわゆる通年観光というのが、ずっと私たちは提案をされてまいりました。恐らく3、40年、提案があるのでしょう。 JTBなどの提案では、いわゆる通年型というか、観光のためには参加型、長期滞在型等という抽象的な概念だけが先行をしているようであります。何をもって何に参加するのか、どのような要因で長期滞在ができるのか、こういった具体的な論議がなされていないように思います。 県は、どのようにしたらそのような観光が達成されるのか、お考えになっているのかいないのか。どうもこの予算配備から見ると、余り考えていられないのではないかなと、厳しい言い方をせざるを得ないわけであります。通年観光について、いかがお考えなのか、そのことについてお伺いをいたします。 さて、私の住んでいる六日町では、自転車ロードレースというレースがあるわけでありますが、国体の会場に内定をしていただきました。三国川ダムという建設省直轄で行われた、そこそこのダムがございます。ここのしゃくなげ湖の周遊コースをぜひ公認コースとして決めていただくことによって、この地域がかなり立ち上がれるのではないかと。今現在は、十字峡というもみじの名所がございまして、知事もかつて1回行かれたことがあるそうでございますが、このもみじの名所だけが今流行でございまして、そのほかは本当にだれも行きません。だれも行かないから、走っているのはカップルばかりです。1回人殺しがあって、本当に不幸なことがありましたが、そういうことであります。 この地域は、だれも通いませんから、ある意味で交通事情は大変いいのです。ですから、クローズドサーキットにしていただいて、公認常設のコースとすることが可能でありますので、関東、東日本等のロードレースのメッカになれるのではないかと確信をしております。 もしそういう状況設定ができれば、日本自転車振興会の後援を受けて、ロードレースセンターの建設というようなことも計画の視野に十分入ってまいるわけで、そのことが私たちの地域のスポーツ型観光になるのではないかと、こういうことを考えております。このような計画について、県はどのようにお考えなのか、お伺いをします。 そしてまた、塩沢町が国体の硬式テニス会場に内定をしていただきました。既に県の補助を得て、22面のテニスコートが計画されております。今後は、テニスを中心とした合宿を対象としたスポーツ観光がここでも可能性が高まってまいりました。このような考えや取り組みをどのようにお考えか、県の具体的な支援策をぜひお伺いをしたいというふうに思います。 さて、きょうはこのことをお話をしたかったわけでありますが、佐賀県などを皮切りに、20数年前から県立武道館を整備する県が大変ふえてまいりました。本県には、まだ設置されてございません。上杉氏の祖、長尾氏発祥の地の塩沢町に県立武道館をぜひ整備していただきたいということを提案をいたします。 というのは、この県立武道館を整備することによって、実は警視庁の柔道の合宿が誘致できます。警視庁には、23区内に44ぐらいの団体があるそうでありますが、この合宿を1カ所でやることが余りにも団体が多いものですから可能でありません。ですから、私たちのまちに来ると、小学校、中学校、高等学校、ほかの体育館を借りてやるという格好になります。1カ所でこの合宿を行うことができれば、それを目当てに東海大学とか天理大学だとか、柔道の強い大学が必ず周辺で合宿をいたします。この大学を目指して、今度は高等学校が合宿をする。この原型はどこにあるかといいますと、長野県の菅平にあるわけであります。菅平は、御案内のとおり、菅平ラグビータウンというのが、もう既に成立してございまして、年間700の合宿があるそうでございます。 私自身は、こういった提案を具体的にしながら、何とか塩沢町が冬季観光だけではなく、通年、武道を中心、もしくはほかの体育を中心とした合宿所を誘致するという形で、地域の経済効果というものが十分に発揮されるのだろうと、こういったことを提案をしたいわけであります。この取り組みをどのようにお考えになるか、お伺いをしたいと思います。 これらの投資は、今御案内のように、投資効果から見ても十分なインカムが期待されますので、ぜひ再々話題になっておりますPFIの導入等も視野に入れて、御支援を賜りたいことを改めて要望をしておきます。 さて、今や世界最大となった私たちの六日町毘沙門山焼きというのがあります。ポスターをお持ちしました。(ポスターを示す)議長にお断りをしてお見せしますが、この毘という字の山焼き、これは私が実は始めさせていただいたわけでありますが、地元ボランティアによって毎年8月16日、横160メーター、縦220メーターの毘沙門の毘の字が標高750メーターの山腹に描かれます。 そろそろ全日本的にも話題になりつつありまして、こうした観光を視野にしたイベントについては、積極的に県の御支援をいただきたい。いただいていません。ほとんど全部私たちが寄附を集め、自分で私財を投入してやっているわけでありますが、なぜかといいますと、この支援が計画開始から3年間に限ることとか、さまざまな限定がございまして、自分たちで勝手に始めてしまったから、支援できないと、そういうせつないお話でございまして、やはり既に東京近郊では、このイベントに対する見学ツアー等も昨年から始まっております。観光振興上、有効なこのような取り組みに対して、ぜひ期限を切ることなく、県の積極的な御支援があってしかるべきと思いますが、いかがでしょうか。 次に、話題になっております柏崎の美術館、この柏崎の美術館は単なる美術館でないことは再々執行部から御説明があります。学ぶ、指導を受ける、そしてつくってみるといったような参加型の新しい文化型の施設として御提案があったわけでありますので、私たちは県民文化の向上からも同様の施設を県内各地に拠点展開すべきというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。 というのは、例えば東京あたりでは、陶芸や絵画といったような教室が実に2~3,000あるのです。関東圏全部で5,000からあるそうであります。油絵をかくときは、狭い部屋だと揮発油があるものですから、かけません。大きなところしかできない。そういうような教室の皆さん、大変お困りなことが随分あるようでございます。 まして陶芸になりますと、東京で700教室があるそうですが、ここでつくっても、これが焼き上がるのに1カ月半かかるのだそうです、益子あたりにみんな外注で出しますから。要するに消防法の設置規制で都内に窯ができないのです。 私たちは、そういった陶芸や絵画などの文化的趣味を体現できる場所をぜひ提供する。そのことで新文化創造施設を関東圏の表玄関である南魚沼郡や妙高高原、佐渡等の主たる観光地に整備することによって、文化・長期滞在型の観光地として改めて提案ができるのではないか、経済量の増加や雇用が期待できると思います。こうしたプランを推進するお考えはないか、お伺いをします。 さて、昨日、宮崎議員から御質問がございましたレジオネラ菌汚染の問題についてお尋ねをします。 平成12年、茨城県、静岡県の発症死亡例に始まって、昨年7月、宮崎県日向市の公衆浴場における7名の死亡例がございまして、レジオネラ感染症が大々的に話題になりました。県内では、既に公衆浴場、温泉旅館等で調査を行っているわけでありますが、実はレジオネラ菌汚染は、プール等で角膜炎等の失明する症例等も出たやに聞いておりますので、今後、病院、社会福祉施設、プールなどへの調査は予定しているのかどうか、そのことをお伺いをしたいと思います。 また、温泉を利用した入浴施設に設備されている循環ろ過型、このろ過方式はいっぱいあると思うのですが、これらはそれぞれに努力をされているのだと思いますが、有効性についてお伺いをします。 さて、御存じない方も大変多うございますので、医者としてちょっと情報提供をさせていただくと、このレジオネラ菌属による感染症は、欧米では在郷軍人病というふうに言われております。1976年、フィラデルフィアで全米の在郷軍人会が開かれました。その折に不特定多数、かなり多数の肺炎が発生をいたしました。病原体が未知であったこと、その後にレジオネラ菌属が発見をされました。米国では、在郷軍人病というふうに言われているようでございます。 環境細菌でありまして、もともと土壌、河川、湖沼などの自然環境に生息をしております。なぜかというと、この菌属は単体では生息ができないのです。アメーバ、繊毛虫等の原生動物に寄生して繁殖することが知られています。何を言いたいかというと、それらの細胞膜内で繁殖、増殖を繰り返す、要するに入浴者の体表等についた有機物質を栄養源として浄化槽、施設などに定着をし、増殖をするわけであります。これらを生物膜というふうに言いますが、生物膜が形成されるところで繁殖をするわけでございますので、ある種のアメーバは塩素に対して厳しい抵抗性を持っているものもあるようでございますので、必ずしも塩素殺菌が有効であるとも言いがたいし、循環型浴槽であるからといって、かけ流しであるからといっていいというわけでもなさそうでございます。 県内の温泉は、循環型浴槽を採用しているものが大変多いと聞きます。厚生労働省は、この対策を検討中というようなうわさもございまして、昨年10月、各県における対策を指示しております。浴槽に対する給湯方式の表示を義務づけるといったような乱暴な議論もあるやに聞いています。もしそのようなことになれば、我が県のような温泉の観光地は大ダメージを受けるわけでございますので、その観点から、少なくともかけ流しが安全だというような安易な対応ではなくて、塩素に頼ることなく、県としてぜひ条例制定に際して新聞報道以上の十分な自主規制を実施していただきたい。温泉地をどのように守るのかという観点で、お考えをいただきたいと思います。 一例ではございますが、死亡例のほとんどが飛沫の発生しやすい浴槽での事故のようでございます。要するに打たせ湯であるとか、プールのシャワーとか、そういうところで感染をするようであります。そういう意味で、県の御提案、これはぜひそういった観光というような視点も十分に交えて、御検討をいただければ幸いであります。 ほかに、大和町には既に奥只見レクリエーション都市公園が整備中でありまして、県にも大々的な投資をしていただいております。ここに温泉施設を併設すると、これは全町民の要望でございますので、法律改正等も含めて、県にはこのことを要望をしておきます。 さて、もう1つ、新潟を歩く旅づくり事業に450万円の予算が出ております。塩沢町では、本町通りというところの中心街が今、道路改修に入ってございます。ここでは、歴史街道牧之道、鈴木牧之先生のお生まれになったところであります鈴木酒店の前が今道路改修になってございます。ここは、両側に雁木を昔と同じようにつくって、歴史探訪、まさしく新潟を歩く旅づくりにふさわしい地域設定を、今、県の御努力でしていただこうという真っ最中でございます。私自身は、この御提案、そしてまた事業推進をしていただきました土木部の皆さんに大変感謝をいたしております。 大変足早に申し上げましたが、私たちの地域には建設業以外に主たる産業がございません。この観光という視点が経済活性に必ずやつながるというふうに確信をいたしておりますので、県の前向きな御答弁を期待し、これからの事業運営を期待して、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 斎藤議員の一般質問にお答えいたします。 まず、観光産業に対する認識ということでありますが、観光産業は幅広い経済波及効果が期待できます。そして、地域の活性化の牽引役を担う将来性のある重要な産業であるというふうに認識しております。特に御指摘のように、中山間地等、農業を主体としているところにおきましては、今後この観光産業というのがそれだけ重要性を増してくるというふうに思っています。 こういう認識のもとで、新年度から新しい観光の推進と交流型産業の育成ということを新規戦略として位置づけ、地域の魅力を丸ごと感じることのできる観光メニューの開発、質の高いサービスを提供する知識と経験を持った人材の育成、あるいは地域経済の振興を図るための観光ビジネスの育成等により、総合的な観点から観光振興に取り組んでまいりたいというふうに思います。 県の予算が少ないという御指摘がございました。北海道、東北、関東等を見ますと、実を言いますと表面的な数字だけ見ますと、我が県の数字が一番実は多いのですけれども、しかしながら御指摘のように、24~25億円という数字は一番多いのですが、残念ながら、そのうちの10億円は例の佐川急便に関係してのふるさと村への貸付金でございまして、それが毎年出ていますので、実質的には使える金はその分から引くということになりますと、14~15億円という規模であります。14~15億円ということになりますと、秋田県、長野県、青森県が我が県よりも多いということになります。そのほかの県よりは、除いても一応多いということになっておりまして、人口1人当たりとか、ほかの指数の見方もありますので、一概に多いということを言うつもりはございませんが、客観的な数字としてはそんな状況にございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。 次に、本県観光の行政の評価でありますけれども、御指摘のように入り込み客が平成8年度の8,180万人がピークであり、その後、多少の移動はありますけれども、傾向としてはおおむね微減ということで、13年度に7,792万人まで落ちてきたわけであります。 この背景ということになりますけれども、観光を取り巻く環境が、1つはやはり長引く景気の低迷と、それからニーズが個性化、多様化しています。旅行の形態、いずれも変わっています。そしてまた、海外が割安感ということで、これとの競合も出ています。 そういう意味では、依然として厳しい状況にあるわけでありますし、こうした環境、あるいは状況の変化に適切に対応してきたかどうかという問題もございます。地域ぐるみの総合的な取り組みが必要であるという認識に立ち、本県の代表的な観光資源でありますスキー観光振興のためのスキー観光活性化戦略会議での検討、あるいは中心的な観光地であります佐渡の観光再生のための佐渡観光アクションプランの策定、あるいは温泉街の活性化のための、うるおいの温泉まちづくり事業の実施、コンベンション誘致によります都市型観光の推進、そして新たなマーケットの開拓を目指した外国人観光客の誘致等の政策を積極的に推進してきたところであります。 近い将来、こうした取り組みが実を結ぶというふうに期待しておりますし、また御指摘のとおり、若干その時々の観光に対する単発的な対応になっているという御指摘も、指摘どおりのところもございます。どうしても業界と一体となった観光対策ということになりますので、そうした傾向はあったと思います。今後は、さらに総合的な見地から観光施策としての手を打ってまいりたいというふうに思っています。積極的に観光振興に取り組んでまいりたいというふうに思います。 また、降雪期、無雪期における対応ということでありますが、我が県は雪国であります。そして、そのことは逆に言えば、雪のある季節と雪のない季節の間に四季それぞれの美しさと魅力に恵まれているということであり、それを生かした観光地づくり、観光メニューづくりということでありますので、基本的には通年観光でいくべきだというふうに考えております。 その中で、まずウインターシーズンの代表観光、スキーについては、13年度よりスキー観光活性化戦略会議を立ち上げ、その振興策を関係者の皆さんと真剣に検討しているところであり、御指摘の後でございます子供たちにスキー体験を積ませるというあたりをメーンにやってきているところでございます。 グリーンシーズンにつきましては、本県の豊かな自然を生かして体験観光を推進するために、人材の養成、宿泊施設の充実等々、受け入れ態勢の整備等に取り組むこととして、具体的には新年度から本県の自然のすばらしさ、楽しみ方を紹介する大切な役割を担う体験インストラクターを養成するために、体験交流型人材養成事業に着手することにしております。 また、受け入れ態勢そのものの整備についても、地元の方々との交流という触れ合い体験観光の魅力を発揮できますように、農家民宿の活用策について検討を行っているところでございます。 こうした取り組みを地域と一体となって総合的に進め、1年を通して楽しめる観光地づくりに努めてまいりたいと思います。 スキー観光の関連予算が少ないではないかということであります。長引くスキー客の減少傾向を何とか打開しようということで、スキーを初め、周辺の観光素材を組み入れた滞在周遊型のスキー観光の促進を目指し、平成13年度に県、市町村、関係団体が一体となってスキー観光活性化戦略会議を設立して、3カ年の取り組みとして全体の事業費約1億円の規模でさまざまな事業を進めているわけでございます。 議員御指摘の1,300万円というのは、この3年間で県が約4,600~4,700万円負担するのですが、そのうち3年目の15年度の負担分1,300万円の御指摘であります。このほか市町村、業界の負担がございますので、3年間で1億円という事業であることを御理解いただきたいと思います。 スキー観光活性化戦略会議では、これまでの一過性の取り組みではなくて、スキー客のターゲットが各地域で異なることも背景に、それぞれの地域の特性を生かした県内各エリアの活性化策に取り組んでいこうということで、今、それを取りまとめました。さらに、全県レベルでの基本戦略を検討しており、今後はこれらの検討結果に基づき、全県的な取り組みとしてのスキー観光振興策を図っていくと同時に、地域別の対策についても考えていこうということになっております。 また、これらの検討にあわせ、スキー教育旅行の誘致、そして体験学習プログラムの開発、首都圏を中心とした効果的な情報発信の積極的な取り組み等を行っているところでございます。 次に、スキー客を増加させる試みということですけれども、人口が伸び悩む、景気が低迷している、ほかのレジャーとの競合が強まっている等々、スキーをめぐる厳しい条件の中で、一過性でない持続的な拡大を図っていくということになれば、各スキー場を核として、それぞれの地域において関係者一体で、地域ぐるみで活性化のために取り組んでいくことがまず重要であります。 そして、スキー観光活性化戦略会議では、こうした観点から、昨年度、今申し上げましたように、湯沢・塩沢地区、妙高・信越地区、下越という3つのエリアを設定して、マーケティング調査を実施し、各エリアごとの課題を整理した上で、それぞれの活性化の方向性を昨年11月に取りまとめたところであります。 今後、この方向性に基づき、スキー観光の活性化戦略会議において、各エリアにおけます活性化のための具体策を検討し、それに取り組んでいくということになっておりますので、県としてアドバイザーの導入支援、あるいは助言等、さらなる支援を行っていくこととしている次第であります。 次に、外国人観光客の誘致ということでありますが、中国、台湾、そして韓国を対象として現地エージェントへの旅行商品の提案、マスコミ等を通じての現地でのPR等を官民挙げて取り組んでいるところであり、先般取りまとめました平成13年度の本県外国人宿泊者数の調査では、全体では3万6,020人、12年度に比較して1.0%増加ということであり、本県のプロモーションの対象となっています3カ国について見ますと、台湾が最も伸びており、成果を上げてきている1番目に挙げるのは、やっぱり台湾だろうと思います。しかしながら、台湾との間は定期航空便がございませんので、チャーター便ということになりますと、先にかなりの便を北海道に実は押さえられておりますので、これをさらにどんどん増加させるということはチャーター便との枠の問題もございますが、今後とも最も所得があって安定した顧客ということでございますので、力を入れてまいりたいというふうに思います。 韓国は5,643人、1.7%増ということで、12年度にかなり伸びましたので、13年度はこういう伸びになっておりますけれども、スキーブームは少しずつ火がついているようでありますので、今後期待できると思います。 中国につきましては3,125人、8.4%減となっております。議員のおひざ元でもございます苗場プリンスホテルでのスキー団体の顧客が中国の場合、あったりなかったりということで、ややまだ不安定という状況にございます。総じて見れば、この3カ国を見て、近年微増傾向ということでございますので、今後とも力を入れてまいりたいと思います。 本県の観光地を組み込んだ旅行商品につきましては、佐渡を初め、県内を周遊する商品が台湾で定着しつつあり、また韓国に関しましてはブームとなってきていますスキーツアー、ゴルフツアーも有望になってきております。今月、韓国の新聞社が本県のスキー場を取材に訪れておりますけれども、その雄大なスケール、雪質のすばらしさ、整った設備という面でかなり関心を示しており、現地の新聞にその紹介記事も掲載されたところでございます。今後、具体的な商品提案を現地エージェントに対し行っていきたいというふうに考えております。 また、巨大なマーケットに将来なります中国への誘致活動は、プロモーション活動の対象地域を上海のほか、広東省にも拡大するなどして、より積極的に取り組んでまいりたいと思います。 次に、スキー人口の拡大のための修学旅行の誘致でありますけれども、中長期的視野でスキー客の増大を図るということになれば、何よりも首都圏等の子供たちの学童期におけるスキー体験が重要であるというふうに考えており、このことの戦略を練っているわけであります。 このため、スキー観光活性化戦略会議におきまして、3月に県外エージェントの教育旅行担当者等を対象にした現地視察会を開き、来年度にこれら専門家の意見を踏まえながら、スキー教育旅行誘致に向けたモデルプランを取りまとめ、全県的な取り組みとして普及していくこととしております。今後とも、県外エージェント、教育旅行関連のマスコミ等を中心に積極的にPR活動に取り組んでいきたいと思います。 次に、スキー客増加対策として、アルペン選手の養成でありますが、スキー観光の振興の観点からは、先ほど申しましたとおり、何よりも学童期の体験が大切でありますし、その対策を講じる中でスキー人口の拡大につながり、ひいてはトップレベルの選手が県内に育っていくということも大変望ましいことと考えております。 県としましては、ジュニアからトップレベルの選手を対象といたしまして、指導者の養成や強化合宿に対する支援等を行っており、皆川選手のような有望な選手も育ってきているところでございますので、引き続きアルペン選手の養成に取り組んでまいりたいと思います。 そして、こうしたトップレベルの選手の誕生が、御指摘のございましたトニー・ザイラーを初めとするかつての世界的なスター選手の登場をきっかけとするスキーブームが起こったように、スキー人口の増大につながってくれればという期待もしているところでございます。 次に、参加型の長期滞在型観光ということでありますが、個性化、多様化へと次々に人々の意識が変化していく中で、名所・旧跡等をめぐる、いわゆるこれまでの物見遊山型の観光から、それぞれ自分の価値観に合った体験をみずからつくり上げていく観光にスタイルが大きく流れとしては変わっていると思います。 こうした動きに対応していくためには、地域の観光資源を生かした豊富な観光メニューを用意するということ、長期滞在を可能にする安価で快適な宿泊環境を整備するということ、それらの情報提供と、最も大事と言われますそうした場を提供してくれる人材の育成、そして国が取り組んでおります休暇取得等の促進等々、多面的な取り組みが必要と考えております。 そして、通年型の観光につきましては、先ほども申しましたとおり、それぞれの地域の宝物や、そしてまた四季の魅力を生かした自然体験の交流等、観光地づくり、メニューづくりが大事でありますので、そうしたことを進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、三国川ダムのしゃくなげ湖の周遊コースの整備ということでありますが、御承知のように六日町を二巡目国体の自転車ロードレースの会場地として選定をしたわけであります。しゃくなげ湖を取り入れたレースコースにつきましては、県及び市町村が競技団体と連携を図りながら整備をいたしまして、国体の公認コースとして認定を受ける予定にしております。 しゃくなげ湖の周遊コースをロードレースのメッカにしてはという御提案につきましては、自転車競技、そして地域のスポーツ振興に寄与するとともに、国体施設の有効活用ということを通して、観光振興、地域振興にも結びつくものと考えられますので、地元住民、あるいは六日町の意向、取り組みは尊重していく必要はありますけれども、基本的には望ましいというふうに考えております。 次に、スポーツ施設を利用いたしました観光客の誘致でありますけれども、スポーツも観光の重要な要素の1つであると考えています。 県内では1年を通じ、スキーを初め、トライアスロン、トレッキング、登山などの各種のスポーツ、それにスポーツ施設と地域の観光素材を組み合わせたさまざまなイベントや体験的なプログラムが実施されておりますし、それに伴って大勢の観光客も訪れておりますほか、御指摘のございました夏場を中心とした多くのスポーツ団体が合宿等に来ております。核となりますスポーツ施設を活用して、観光関係者だけではなくて、スポーツ、そして他のさまざまな分野の関係者が一体となって、独創的なアイデアで新しい観光地づくりに生かしていくということが大切であると考えておりまして、御指摘の塩沢町の硬式テニスコートが多面的に利用され、交流人口の増大につながることが望ましいというふうに思います。 なお、スポーツ観光には特にインストラクター等の存在が重要でありますので、官民一体となって核となる人材の養成にも力を入れてまいりたいと思います。 次に、塩沢町に県立武道館を整備すべきという御意見でございます。県立スポーツ施設は、本県のスポーツ振興を目的に、拠点となる基幹スポーツ施設を中心に整備することとしており、このうち武道館については、武道の普及・振興を図るために必要な施設として基本的には考えておるわけでありますけれども、現在のところ、二巡目国体については、この国体に必要な設備を優先的に整備するということで、新しい施設については武道館ということは考えておらないところでございます。県の財政状況等を勘案いたしますと、武道館等の新たなスポーツ施設の整備については、当面は難しいのではないかなというふうに考えておるところであります。 なお、菅平の例もございましたが、実を言いますと長野県も武道館のない県なのですけれども、菅平のような大変有名な合宿所によって地域おこしをしているところもございますので、こうした合宿の誘致等につきましては、県としても力を入れてまいりたいというふうに考えております。 次に、地域イベント支援制度でありますけれども、御指摘の大毘沙門山焼きにつきまして、支援の条件が13年度については整っておらなかったところでございまして、不採択になってしまったところでございます。 地域の観光資源を生かした個性的なイベントでこれから実施しようとするもの、そしてまた、立ち上げ間もないというもので運営面のノウハウが十分蓄積されていないイベント等を育成していくためにこの制度は設けたものであり、その意味ではちょっと基準があり、それに満たなかったということであります。 各地域の観光振興のために、独自に開催しているイベントにつきましては、地元と連携を図りながら、県としてPR、誘客等の分野で多面的な支援を行ってまいりたいというふうに考えておりますので、このお祭りにつきましてもそうした面での支援ができるかどうか、検討させていただきたいというふうに思います。 次に、参加型の美術館を中心とした文化創造施設を整備するべきという御意見であります。柏崎に予定しております美術館は、申し上げてきていますように、平松氏からの寄贈の申し出を契機に、県民あるいは児童生徒が自然に親しみながら気軽に楽しく絵をかく、そして写生の場としての庭、組み合わせがそういう意味で非常に適切であろうと考えており、自主的な創作活動ができる場を提供し、そして、そのことによって多くの人々が集い交流する文化の拠点となるような参加型・体験型の美術館として整備することにしたものでありまして、もしこれが完成すれば、御指摘のように、当然のことながら、東京方面、関東方面からのグループがここを訪れて、この場を活用するということも、十分プログラムには入ってくるというふうに思っています。 御提案につきましては、すぐれた芸術文化を鑑賞できる機会や場の提供に加えて、自主的な創作活動のチャンスに対する県民ニーズも高いということから、整備手法も含め、今後、検討課題として考えておりますが、当面、県立美術館を核に他の県内の公立、私立を含めた美術館との連携を図りながら、多彩で魅力的な展覧会の開催、あるいは地域に密着した参加・体験型の美術教室等の実施等につきまして、そのネットワークの構築等を検討していきたいというふうに考えております。 次に、文化型観光の推進ですけれども、観光振興を図る際に、文化をテーマとしたさまざまな試みを行っていくということは、個性ある観光地をつくり上げていく上で有力な手法の1つであるというふうに考えております。 現在、佐渡で行われていますアクションプランの中でも、佐渡におけます陶芸等、いろんな面で佐渡の持っている伝統工芸、こういったものを活用できないかと、いろんな意味での検討もされているところであります。 魚沼を初めとして、県内各地で市町村、あるいは民間の手によって、さまざまな文化施設の整備も進んでおります。現に工芸体験、生活体験の場として、さまざまなイベントの会場としてこうした施設が活用されており、文化振興のみならず、観光振興の拠点になっているところでございます。 また、十日町圏域での大地の芸術祭、新井頸南地域での妙高四季彩学校にも見られますように、自然を舞台にした創作活動、あるいは来訪者と地元住民との間の交流等々は、観光振興に単にとどまらず、新たな地域活性化の動きとして期待できるものというふうに考えております。 次に、レジオネラ属菌汚染の現状と対策についてでございます。 まず、県内の入浴施設の実態調査の結果ですけれども、衛生管理面について厚生労働省の示す対策マニュアルに照らしてみますと、浴槽水の換水は旅館で77%、公衆浴場で82%が、塩素による消毒は旅館で41%、公衆浴場で74%が適合しておりました。 レジオネラ属菌の自主検査につきましては、旅館で11%、公衆浴場で48%実施しているにとどまっております。 今回の調査につきましては、旅館及び公衆浴場について実施をしたところでありますけれども、一部社会福祉施設についても調査を行ったところ、衛生管理対策等が不十分な施設が見受けられましたので、当該施設に対し改善指導を行いますとともに、今後、防止対策等の徹底について指導してまいりたいというふうに考えております。 なお、病院に対しましては、平成12年11月にレジオネラ症防止対策について周知徹底を図りますとともに、毎年度実施いたします医療監視の際に院内感染防止対策の徹底を指導しているところでございます。 次に、循環式入浴施設におけるろ過方式でありますが、大きく分けて汚濁物質等を砂等により物理ろ過する方式と、微生物によって分解させる生物浄化方式がございます。 物理ろ過方式については、ろ過装置の洗浄・消毒を行うことにより、有効なレジオネラ属菌の汚染防止対策を行うことが可能であり、県内の多くの施設がこの方式を採用しているところでございます。 一方、生物浄化方式においては、ろ過装置の消毒が困難でありますことから、湯水がレジオネラ属菌に汚染される原因となることが指摘されておりますので、県としましては生物浄化方式を採用している施設に対しましては、一層の衛生管理の取り組みを指導いたしますとともに、レジオネラ対策としてより有効な物理ろ過方式への転換を促進してまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、塩素消毒等の実態でございますけれども、県では浴槽水の換水及び浴槽の清掃等にあわせて、原則として塩素により消毒を行うよう指導しているところであります。 浴槽水の消毒に当たっては、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定いたしまして、通常0.2~0.4ミリグラムリットルに保つことがレジオネラ属菌の増殖防止に有効でありますことから、研修会等を通じて営業者に指導しているところでございます。しかし、温泉の泉質等により、浴槽水の塩素による消毒が難しい場合もございます。そうした場合には、オゾンや紫外線等による方法もございますので、泉質に影響を与えない範囲において塩素を併用するよう指導をしているところでございます。 なお、先般の調査結果では、塩素系薬剤により消毒を行っている施設は旅館で34%、公衆浴場では72%でございました。 次に、循環式の温泉施設におけるレジオネラ属菌対策でありますけれども、現在、関係業界におきましては、レジオネラ属菌対策に係る専門機関を設置して、県や専門家の指導を受けながら、個々の状況に応じて検査による実証に基づく衛生管理を行うなど、自主的な対策に取り組んでおるところであります。 県としましては、レジオネラ属菌対策の一層の強化を図るために、新たに整備いたします機器を活用した監視指導の強化、あるいは有効な衛生管理手法の情報提供などを行いますとともに、関係条例の改正を視野に入れながら、今後とも関係業界、団体と連携を図り、より安全・安心な温泉地づくりに取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。 以上であります。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) 義務教育におけるスキー授業の実施状況等についてお答えいたします。 平成13年の調査によりますと、小学校では全体の40.5%、255校で、中学校では全体の25.4%、63校で、地域別では上越地域の小学校で70.5%、中学校で75.8%、中越地域の小学校で52.7%、中学校で32.3%の学校で実施されております。 御指摘のとおり、近年、少雪傾向が続いたこと、児童生徒の運動ニーズが多様化してきたこと、授業時数が削減されたことなどの理由により、学校でのスキー授業は減少しているものと思われます。 屋内にこもりがちな冬期にスキーの授業を行うことは、健康の増進と体力の向上が図られ、自然の中で運動に親しむ資質や能力も養われることから、極めて意義深いものと考えており、積雪状況や地域性、学校の実態等が異なり、難しい問題もありますが、スキー授業を活用した特色ある学校づくりやジュニア層の選手育成にも有効でありますので、多雪地帯における学校を中心に働きかけてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(石井修君) 斎藤隆景君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時4分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時1分 開議 ○副議長(西川勉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、塚野弘君の発言を許します。   〔塚野弘君登壇〕(拍手)
    ◆塚野弘君 通告順に従いまして質問をいたします。 最初に、地方分権と三位一体改革について伺います。 1点目は、国庫補助負担金の一般財源化についてであります。経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002において、国と地方の役割を見直し、国の関与を縮小しつつ、地方の権限と責任を大幅に拡大するために、国庫補助負担事業のあり方の抜本的な見直しに取り組み、国庫補助負担金については改革と展望の期間中に数兆円規模の削減を目指すとしております。さらに、廃止する国庫補助負担金の対象事業の中で、引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては、所要額を地方の自主財源として移譲することとしております。 この改革の芽出しと称して15年度予算では、国は義務教育費国庫負担金の共済長期給付及び公務災害補償に係る部分を一般財源化しました。さらに、在宅福祉事業補助金の一部も一般財源化しております。国庫補助負担金の縮小・廃止が一部行われ、縮小・廃止財源の8分の7を一般財源化したことは、今までの財務省のやり方や抵抗を考えれば、三位一体の改革の前進と見るべきであると考えております。 知事は、財源化を伴わない地方の権限と責任を大幅に拡大することには異論を唱えておられますが、国が言っている、改革の芽出しとして行われた今回の措置をどのように評価されているのか、伺います。 2点目は、15年度の地方交付税の見直しは、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が大幅に減少する一方で、公債費が大幅に累増することでの過去最大規模の財源不足が生じることから実施されました。 15年度予算案で歳入総額の24.5%、臨時財政対策債を含めると28.9%と、地方交付税依存体質の高い本県にとって、地方交付税改革には重大な関心とその対応が必要であります。 国は、地方交付税の改革として、交付税の財源保障機能全般について見直し、縮小していくとして、15年度では地方財政計画の歳出の抑制方針を打ち出し、地方財政計画規模の抑制を図り、財源不足額の圧縮を通じて交付税の抑制に努め、三位一体改革の芽出しと言っています。 今回行われた税財源の移譲が伴わない都道府県の留保財源率の引き上げ、事業費補正、段階補正の見直しなどの地方交付税制度が財源保障機能を縮小し、財政調整機能に移行している15年度の地方交付税改革を知事はどのように評価されているのか、伺います。 3点目は、国の平成15年度の地方財政計画は、一般公共事業を3.9%、地方単独事業を5.5%、それぞれマイナスにしています。新潟県も国の地方財政計画に沿って、地方単独事業を5.5%削減した予算案になっております。限られた自主財源の中では、国庫補助のある一般公共事業を推進することがより多くの事業に取り組むことができる利点はあると考えておりますが、社会基盤の整備、地域活性化を進めるには、地域に即した地方単独事業がより知事の言う県民参加型の公共事業と言えるのではないかと考えております。国の関与が強い一般公共事業と地方単独事業の活用のあり方について、知事はどのように考えておられるのか、伺います。 次に、15年度予算案と県財政について伺います。 国の15年度地方財政計画と本県の15年度予算案を比較してみますと、歳入歳出規模は地方財政計画マイナス1.5%、本県はマイナス1.2%であり、ほぼ同程度になっており、地方税も地方財政計画マイナス6.1%、本県も同数値になっております。 地方交付税については、地方財政計画マイナス7.5%、本県マイナス3.6%と減額幅が小さくなっていますが、地方交付税と同様に一般財源として使用できる財源対策債を含めた比較は、地方財政計画5.1%増に対して、本県は3.4%増にとどまっています。 一方、歳出で見ると、地方財政計画では給与費はマイナス1.1%、一般行政経費は前年度並みであるのに対して、本県は職員給与の臨時的削減や定数削減で給与費がマイナス3.1%、準義務的経費、団体補助金などの削減で一般行政経費はマイナス5%になっております。公債費は、地方財政計画2.5%増に対して、本県の実質的公債費は9%の増加になっております。 公債費が地方財政計画よりも9%と大幅に増加しているにもかかわらず、地方交付税が伸びないのは、知事が言っておられる元利償還金が後年度に地方交付税で補てんされる県債が本県には多いので、県債残高が多くても問題はないという発言を私に以前されておられますが、それとは矛盾するように思われますが、なぜ公債費がこれだけ増加しても交付税は増加しない15年度予算になったのか、伺います。 次に、2月17日の2月定例会開会日の所信表明で、構造的デフレ経済の克服の目途が立っていないことから、県財政の見通しは楽観視できないと言っておられますが、克服なくして本県財政の健全化はできないとなれば、政府が示した改革と展望の2002年度改定では、デフレ脱却や財政再建を1年から2年先送りをして2005年度以降になっており、本県の財政健全化もおくれるように受け取れますが、知事の御所見を伺います。 次に、政府はデフレ脱却のために日銀にインフレターゲット政策導入を迫っています。それに対して日銀総裁は、一定の物価上昇率を設けて金融政策を運営するインフレ目標策について、経済を不安定化させる副作用が大きくて無謀なかけだと導入を強く否定をしております。デフレ脱却のためのインフレターゲット政策導入について、日銀出身の知事はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、知事が力を入れておられた長期総合計画の地域別の振興計画が14圏域で策定され、地域の視点から圏域の進むべき振興方向が明らかになりました。計画期間が15年度から22年度までの8年間であり、地域活性化推進事業として15年度からスタートをすることになりました。地域の活性化には欠かせない事業であり、予算化されたことは評価をさせていただきます。知事の地域振興計画に対する思いと地域振興計画に盛られた事業を今後どのように推進させていくお考えか、伺います。 次に、第27号議案で新潟県特別職の職員の退職手当支給条例の改正案が提案されており、内容は支給割合の引き下げと在職月数の計算方法について所要の改正を行うものとなっております。知事の退職金が22年ぶりに12.5%引き下げられ、1期4年在職した場合で5,145万円から4,502万円になり、金額で643万円、率をとっても大幅な引き下げであります。 しかし、県民から見れば、赤字県債を発行し、県民に一定の痛みを願い、県職員の給与を臨時的に削減しなければならない危機的な県財政にある今日の状況の中で、1期4年間で4,500万円は高過ぎるとの声があることについて知事はどのように説明されるのか、お伺いいたします。 次に、平成16年度から法人事業税への外形税の導入が実現する運びとなりました。総務省は、「長年の地方側の念願であった法人事業税への外形税の導入が実現する運びになった。15年度の税制改正の一環として通過させたい。制度化されるのは16年度からで、スムーズに行われるためには大変な努力を要する」と言っており、実現までには幾多の苦難があることをうかがわせる発言であります。 課税対象企業は、資本金1億円超の企業、外形基準の割合を4分の1とするなど、中小企業や税率などにも配慮がなされているように見えますが、企業には増税感が強いのが実情であります。知事は、国が示した法人事業税への外形標準課税をどのように評価されているのか、伺います。 この項の最後に、東京都が平成12年度から導入した東京都外形標準課税、いわゆる銀行税の東京高裁の二審判決が出されました。東京都と銀行側の主な争点であった事業税の性格、事業の状況の解釈など、資本金5兆円の区分、課税標準である業務粗利益では東京都の主張がほぼ認められ、税負担の均衡では地方税法第72条の22第9項の均衡要件に適合しているとは認めることができないと。よって、東京都外形標準課税は地方税法第72条の22第9項に違反するので、無効であるとの判断が下されました。 東京都の税負担の均衡についての対策が不十分なため、3塁打を打ったが、2塁ベースを踏まなかったから、アウトになったようなものだと言っている学者もいます。知事は、この判決の中で示された判断についてどのように受けとめられておられるのか、伺います。 雇用対策について伺います。 パートタイム労働者の処遇の改善に向けた議論が厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会で行われ、パート労働者を日本の経済社会にとって不可欠な役割を担うと位置づけ、十分な能力を発揮できる環境を整備するよう求めた報告案をまとめました。 事業所がパートを雇用するのは、人件費が安いからが最大の理由でありまして、賃金面での処遇改善が大きな課題となっております。経営者委員からは、法律で一律に規制することには反対で、企業が自主的に取り組む課題であり、行政介入は極力慎むべきと主張し、労働者委員はパート労働法が企業による公正な処遇を努力義務にとどめたために、正社員との待遇格差に大きな開きがあり、法制化すべきであると訴えています。 パートタイム労働者の就業形態にかかわらず、意欲、能力を発揮できる社会にするためには、働きに応じた公平な処遇は不可欠でありまして、直ちに公正な処遇を法制化すべきであると考えておりますが、知事の御所見を伺います。 また、地方自治体での非常勤、臨時、パート職員も、ただ人件費を安く抑えることができるからとの理由で雇用されているのが現状でありまして、処遇が改善されない状況にあります。 三条市での年度途中の臨時職員の賃金引き下げ問題は、その典型と言えます。新潟県や県が出資する公益法人、第三セクターでも多くの非常勤、臨時、パート職員を雇用しておりますが、正職員と賃金格差改善などについて公正な処遇をすべきであると考えておりますが、知事の御所見を伺います。 本議会でも議論がありましたが、新規学卒者の求人就職状況は厳しい状況が続いています。高校新卒者の就職率は過去最低を記録しており、このままでは学卒後に定職につかず、進学もしないフリーターがさらに増加することになります。昨今の厳しい就職状況にあることからも、最初から就職をあきらめてフリーターになる若者が年々増加をして社会問題になっています。 平成13年度の高校卒業者に占めるフリーターを含む無業者等の割合は、前年度0.6ポイント増の8%に達していることが県教育委員会の調査で明らかになっています。 将来の社会経済を支えていく新規学卒者などの若者の就職問題は、本県経済の活力を維持するためにも大変重要な課題であり、就職促進に向けた取り組みの強化が必要でありますが、就職促進に向けてどのような取り組みを行うのか、伺います。 また、就職が決まらない高校新卒者をフリーターとして生活させるよりも、他県でも行っているように非常勤職員として採用して、自分たちに合った職探しをしてもらう仕組みをつくるべきであると考えますが、知事の御所見を伺います。 農業問題について伺います。 自主流通米の入札取引で、自主米価格は相場が低迷している中にあって、新潟産のコシヒカリの価格が上昇しているとの明るい話題が報道されました。JAS法に基づく表示の適正化が進む中で、偽表示監視が強まったことによる卸各社の新潟産コシヒカリの確保が要因で上昇したようであります。新潟産コシヒカリの人気の強さを証明したものと言えます。このまま人気にあぐらをかいているのではなく、消費者に信頼される米づくりを今こそ真剣になって取り組む必要があると考えております。 新たな米政策に対応して、農協が主体となって取り組む売れる米づくり戦略プランに対して県として支援する予算が計上されました。他県でも同様の戦略プランを策定しております。本県が産地間競争を勝ち抜くためにも、大都市圏などの消費者のニーズを取り入れた内容で、米生産農家が取り組むことができる内容の戦略プランにする必要が重要であります。戦略プランの作成を県としてどのように指導していくお考えか、伺います。 次に、とも補償制度の交付基準が改正になり、15年度から適用になります。改正内容は、団地化などが行われず、経営確立助成の対象とならないような一般作物の作付けには10アール当たり2万円から1万円に半減させる改悪で、土地改良区の賦課金相当分をも受け取ることができない交付基準の改正であります。 15年度の生産調整面積は、14年度の緊急拡大分を取り込み、さらに上乗せされた4万8,555ヘクタールとなり、米生産農家の間では限界感から、農家をつぶすものだと強い声が上がっています。 また、圃場整備率や汎用化率の低い地域や市町村では、農業従事者の高齢化や人手不足から、青刈りしかできないとの声もあります。米生産農家の多くは、減反はしたくないけれども、地域に迷惑がかかるから、仕方なく協力しているのが実情であります。とも補償制度の改悪等で生産調整に対する国・県の支援制度が後退し、目標達成は極めて厳しい状況になることが予想されます。このような状況下にあって、生産調整に協力させるために県単独事業採択に際してペナルティーを科すようなことは、県はやめるべきであります。知事の御所見を伺います。 食の安全・安心について伺います。 食品の安全性を確保するための食品安全基本法案が閣議決定され、通常国会に提案されました。法案には、関係者の責務・役割があり、地方公共団体の責務として基本理念にのっとり、国の適切な役割分担を踏まえ、施策を策定・実施するとあります。県においても、食品の安全性を確保し、食に対する安心感の醸成に努めていくことが喫緊の課題となっており、食の安全・安心に関する基本方針の策定や県民との情報共有の推進など、消費者の視点に立った総合的な対策が重要になっています。 食の安全・安心問題は、地産地消を進める上でも欠くことのできない課題であります。食品安全基本法を受けて、本県としてどのような取り組みを行っていくお考えか、伺います。 岩手県では、増田知事のリーダーシップによって、食の安全・安心の確保に関する基本方針の調査審議や施策推進を客観的・中立的に検証し、必要な建議を行う「岩手県食の安全安心委員会」を地方自治法に基づく附属機関として設置をして、食の安全・安心に関して取り組みを推進することとしています。消費者に軸足を置いた食の安全性を確保することは、回り回って生産者の利益につながり、地産地消、国産国消となり、自給率の向上にもつながると言って積極的に取り組んでおられます。本県においても条例を設置して取り組みを推進するお考えがおありか、伺います。 障害者福祉について伺います。 障害のある方が生き生きと生活できる社会を目指すとして、障害者支援費制度が4月からスタートすることになり、支援費制度の内容が明らかになってきました。国は、支援費制度に移行することで現行制度よりも著しく負担額がふえることはないと言っておりましたが、知的障害者入所施設の必要経費の見直しで大幅な負担増があったと聞いておりますが、どのような負担額の増加になったのか、伺います。 また、入所施設では収入が減少して経営が大変になるとも聞いておりますが、どの程度減少し、経営への影響をどのように見込んでいるのか、伺います。 国の措置制度から支援費制度への移行は、利用者本位の考えに立った新しい仕組みに変えたと言っておりますが、支援費制度の中身は国の支出を抑え、利用者の負担増を図り、入所施設事業者の経営を危うくさせるだけでありまして、措置制度より内容が後退していると考えております。これまで事務を行ってきた県は、今回の制度改正について国に対してどのような取り組みを行ってきたのか、伺います。 また、障害者福祉を後退させないためにも、障害者や入所事業者の立場に立って国に改善策を強く求めるべきであると考えますが、どのように対応するのか、あわせて伺います。 県民の安全性確保について伺います。 前橋市でスナックに2人組の男が押し入り、けん銃を十数発も乱射して、一般市民3人を含む4人が死亡する事件が起きました。市民が暴力団抗争の巻き添えになった痛ましい事件であります。このような発砲事件がいつ、どこで起きるかと県民も不安であります。暴力団抗争の取り締まりと銃の徹底した取り締まりを行って、県民が安心して暮らせる社会にしなければなりませんが、本県の暴力団抗争の現状をどのように把握し、どう対策を講じているのか、伺います。 また、銃の取り締まりはどのようになっているのか、あわせて伺います。 高齢者の交通事故死が急増し、ことしに入って10人の方が亡くなっておられます。安全施設の不備、運転者の交通マナー、高齢者であることでの危険性などの要素が重なって事故が起きております。高齢者が事故に遭わないための対策、総合的な高齢者事故防止対策が必要であると考えておりますが、どのような対策を講じていくお考えか、伺います。 教育問題について伺います。 教育情報化対策として国では、すべての公立小中学校などからインターネットにアクセスができ、17年度を目標にすべての学校のあらゆる授業において、教員及び生徒がコンピューターを活用できる環境を整備するとして必要な財源措置を講じております。小中学校の現状はどのようになっているのか、伺います。 また、整備がおくれている市町村に対してどのように対応していくお考えか、伺います。 地域住民が学校運営に参加する仕組みとして2000年度から制度化された学校評議員制度について、文部科学省が全国調査を行いました。午前中の西村議員からも質問があったわけでありますが、答弁でもわかりましたけれども、本県の学校評議員の設置状況については答弁が午前中にありましたから、よろしいですが、評議員の男女割合がどのようになっているのか、伺います。 また、全国平均より低い設置状況の本県において未設置の市町村、学校はなぜ設置をしないのか、その理由と未設置の市町村、学校への対応についてもあわせて伺います。 いじめ・不登校問題の対応として、中1ギャップ問題の原因と解決策の研究に15年度から取り組むことになりました。いじめ・不登校・高校中退などは全国的な問題でありまして、各都道府県でも独自の取り組みが行われております。その中でも注目されるのが減少目標の具体的な数値を設定して効果を上げていることが実証されました。本県においても成果が見られる、いじめ・不登校・高校中退の減少目標の数値を設定し、各学校が独自目標に置きかえて取り組む体制を構築すべきであると考えますが、御所見を伺います。 市町村合併について伺います。 県が枠組みを示して策定した市町村合併促進要綱が発表されて以降、本県の市町村合併の議論が大きく進み、法定協議会、任意協議会が県内で19発足しています。 一方で、首長の判断や住民の意向調査などで合併を選択しない市町村もあります。知事の言う住民みずからが決断したものであり、尊重しなければなりません。合併をしない市町村に対して、今後どのような支援を行っていくのか、伺います。 合併の選択いかんにかかわらず、事務処理能力の向上や行政の効率化などは、すべての市町村に共通する課題であります。これらの課題を処理するための広域行政の検討も重要になっております。県として市町村行政支援方策を検討する必要があるのではないかと考えておりますが、知事の御所見を伺います。 第27次地方制度調査会副会長、西尾勝国際基督教大学教授が私案としてまとめた今後の基礎的自治体のあり方について、いわゆる西尾私案が平成14年11月1日に発表されました。小規模自治体に対する考え方に対して大きな反論が起こっており、本県でも県内57町村議会で西尾私案に反対する意見書が採択されました。 西尾私案は、国による画一的な基準や価値の押しつけでありまして、合併によって解消すべき市町村の人口規模を法律上明記をして合併を強制的に行おうとするものであります。この西尾私案は、憲法第92条「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」とあり、改正地方自治法では、自治体の意思を尊重しなければならないと定めていることからも、憲法に反する内容を含んでいると考えておりますが、知事の御所見を伺いまして、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 塚野議員の一般質問にお答えいたします。 まず、国庫補助負担金の一般財源化についてでありますけれども、義務教育費国庫負担金の共済長期負担金等及び在宅福祉事業費補助金等2,300億円の一般財源化が行われ、本県への影響額はそのうちの約48億円となる見込みであります。 このうち半分は、地方特例交付金として交付され、残り半分は地方交付税で措置されることとなり、この交付税措置分のうち4分の3は国が実質的に負担し、結果的には実質的な地方負担は8分の1となったわけであり、このことは極めて異例な措置であり、一般財源化とあわせ、学級編制及び教職員配置に関する地方の裁量が拡大していることを勘案いたしますと、国・地方ともに大変厳しい財政状況の中で、地方分権と地方財源の確保という観点からは、一定の評価も可能というふうに考えております。 しかしながら、私はこれまで申しておりますように、真の地方自立、地方財政の建て直しということのためには、一般財源化ではなくて、最終的には税源移譲への道筋を明確にするという必要がある点から考えますと、まだまだ不十分でございまして、本年6月のいわゆる三位一体の改革の構想の取りまとめに向け、地方分権の確立という観点からも国・地方を通ずる税財政制度の抜本的な改革、地方税財源の充実確保、中でも税源移譲の実現に向け積極的に働きかけてまいりたいというふうに思います。 次に、平成15年度の地方交付税制度の改正についての評価ということですけれども、15年度におきましては交付税特別会計借入金の廃止、廃止というよりもできなくなったということなのですけれども、そして臨時財政対策債の増発、さらに都道府県の留保財源率の見直し、14年度に引き続き段階補正の見直しが行われることとなっておるわけでありますが、交付税特別会計借入金の廃止と臨時財政対策債の増発の2点につきましては、国と地方の財政関係の明確化という観点からは理解もできるわけですけれども、結果としては本県の新規県債の発行額の30%超もこの臨時財政対策債が占めるという大変異例といいましょうか、極めて異常な状況を招いているということは問題でありますし、一刻も早く税源移譲を含む国・地方を通ずる税財政制度の抜本的な改革を実現することが不可欠というふうに思います。 留保財源率の25%への引き上げにつきましては、税収の使途の裁量度が増すというふうにされておりますけれども、具体的に大きな影響はないものというふうに今のところ考えております。 また、中山間地を多く抱え、小規模町村の多い新潟県の市町村にとりましては、段階補正の見直しの継続は続いているわけですけれども、一定の影響は避けられないわけでありますけれども、市町村への交付税の決定状況を踏まえ、各市町村の声もお聞きいたし、財政運営に支障が生じないように、必要に応じて適切に対処してまいりたいというふうに思います。 なお、住民生活に密着した行政の大半を地方公共団体が自主的に実施しており、しかもその水準や内容について国が法令等によって義務づけているという現状では、地方交付税の大きな機能であります財源保障機能は維持されるべきというふうに考えております。 次に、一般公共事業と地方単独事業のあり方でありますけれども、これまでは不足しておりました社会資本を早急に整備するという必要性から、国の社会資本整備に関する長期計画等に基づき計画的に実施すべきものといたしまして、多くの事業が国庫補助で実施され、県単独事業はいわばそれを補完するという役割を果たしてきたわけであります。 しかしながら、ある程度の基盤整備が進んでまいりました現在、国庫補助による整備は画一的にならざるを得ないという面もありますことから、税源移譲を含む財源移管を行い、この分野におきましても地方分権を確立することにより、広域的・根幹的なものを除いた社会資本の整備ということについては、県民参加を進めるなどにより、地域のニーズを的確に把握して、きめ細かな配慮を行いながら進めるというやり方が望ましいわけで、そのためには県単独事業として県の判断と責任で行うというやり方がより効果的な方法であるというふうに考えております。 また、15年度予算案と県財政についてお答えしたいと思います。 まず、15年度の地方交付税でありますけれども、御指摘のように、本県の当初予算計上額の伸び率は全国ベースの伸びよりも低くなっておりますが、これは基準財政需要額におきまして知的障害者等に係る事務が市町村に移譲されること、それから道府県分でより大きなウエートを占めております臨時財政対策債への振りかえ、そしてさらに地方単独事業が削減されることなどを反映しているものでありまして、全国的に道府県分の伸びよりも市町村分の伸びが高くなっているわけであります。 また、公債費の増加と交付税の額の関係については、御承知のとおり、普通交付税額は基準財政需要額と基準財政収入額の差であります財源不足額を基準として交付されるわけでありますので、実際の公債費の伸びと普通交付税額の伸びが近似になるものではありませんけれども、基準財政需要額に含まれます公債費等の額については、平成7年度と平成14年度を比較しますと、397億円から1,037億円と160%の伸びになっております。この間の普通交付税の額は2,618億円から3,280億円と25%の伸びとなっており、臨時財政対策債等への交付税の振りかえを考慮いたしましても一定の伸びは見ているわけであります。 なお、県としては、県債残高の過半を占め、県財政へのしわ寄せとなっております国の財源対策による臨時財政対策債等がさらに増発され、後年度の地方交付税の負担となって、ひいては交付税制度への信頼を揺るがすということは想定されますので、そういったことを考えますと、先ほど申し上げましたとおり、交付税制度を含む国・地方を通ずる税財政制度の抜本的改革が不可欠というふうに考えております。 次に、デフレ経済の克服と本県の財政健全化の見通しということですけれども、さきに政府が示しました「改革と展望」によりますと、集中調整期間を2004年度まで延長し、経済が回復軌道に乗る目途を2005年度ないし2006年度ごろ、プライマリーバランス対GDP比の現状が半分程度へと改善する目標を2007年度ごろとするということで、おおむね昨年のものから1年延ばした形になっております。デフレ経済の克服の見通しがそれだけ厳しいというふうに見ておるわけであります。 県税収入の低迷、さらに国税収入の低迷によります地方交付税の減少が現下の構造的なデフレ経済に起因することを考えますと、また過度のデフレが県の債務残高を実質的に膨張させるというおそれもありますことを考慮いたしますと、デフレ脱却によります県税と交付税という基幹的歳入の安定的増収は、県財政の再建にとりまして、その第一歩でございます。 また、民需が活性化する中で、公的需要の積み増し圧力も和らぐ中で歳出の一層の抑制を図ることも可能となります。 デフレ経済には、県の自主的な努力の及ばない構造的な面もございますけれども、私といたしましては県の財政再建の道筋をつけるために、財政健全化プログラムに沿って経済情勢や経済・地域の活性化による税源涵養にも配慮しながら、歳入の確保と歳出の抑制を図り、全力を挙げて健全化に取り組んでまいる所存であります。 次に、インフレターゲット政策の導入でありますけれども、インフレターゲットは一般的には、一定の物価上昇率を目標として日銀が金融政策を行うというふうに解されておりますけれども、日銀が終始これに慎重な姿勢であります一方、政府・与党の一部からは導入を強く求める声が出ており、経済学者等も巻き込んで、今やその効果あるいは手法、経済不安定化のリスク等について大変盛んな議論がされているところでございます。 この点につきまして、かつてその実務に当たった経験を持つ私としましては、そもそもインフレターゲット政策の効果に対しては、それはほとんどないというふうに考えておりますし、最近のマネーの供給を国債の買いオペによらず、直接土地あるいは株を購入することで、その物価を上げるといいますか、インフレ化を行うということを提案する向きもありますけれども、効果そのものが大変大きな土地あるいは株というマーケットに対して、どれだけものを購入すれば効果があるかということからいけば疑念もありますし、それと同時にもし一時的に上がったといたしましても、それが続かなかった場合には資産価値が下がるということが想定されますので、中央銀行のいわゆる銀行券の発行の裏づけになっております資産が悪化するという大きな信用における副作用を抱えるというリスクがございます。 いずれにしても、心理的効果は想定されますけれども、それ以外にはほとんど効果は、実務的には考えられません。私としては、賛成しかねるものであります。今の我が国のデフレは、グローバルな需給ギャップ、あるいは発展途上国からの低価格品の輸入増等、複雑に絡んでおり、日銀の金融政策よりむしろ民間需要を活性化して、そしてそのための規制緩和とか、あるいは税制改革等の構造改革、そして不良債権処理の問題の解決等を適切に行う、いわゆる王道を歩むことが最も大事であるというふうに考えております。 次に、地域振興計画の推進ですけれども、地域振興計画は地域機関が主体となって、市町村・住民等の意見を聞きながら作成したものでございます。今後は、この計画を地域振興の共通の指針といたしまして、地域機関が連携して施策の一体的な推進を図りますとともに、この計画の推進により地域機関が政策立案、遂行能力を高め、住民ニーズをベースとした現場主義に立った発想を生かし、市町村とともに地域の振興に積極的な役割を果たすことが期待されておるものであります。 また、この計画の実現に向け、地域振興予算制度を本格的に実施することとし、予算案として御提案しているところでございます。具体的には、地域の優先課題に対応するソフト事業に充てます地域振興戦略事業調整費を重点的に予算配分することにいたしておりますが、それと同時に各分野の既存の予算を戦略的に再構成いたしました地域振興戦略事業費、そして地域活力創出を県民と一体となって推進する地域活性化推進事業をあわせ、振興計画に盛られました事業を地域機関の主導により着実に推進していきたいというふうに考えております。 次に、知事の退職手当ということですけれども、最近、知事の退職手当が高いのではないかという議論がなされておりますこと、それから他の都道府県知事と比較してやや高水準にあること、そしてまた現下の大変厳しい社会経済情勢などを考慮いたしますと、退職手当の支給額について見直すことは適当であるというふうに判断した次第でございます。 具体的な額の検討に当たりましては、県民の御理解が得られるものでなければならないということから、第三者的機関であります特別職報酬等審議会に御判断をいただき、過日その答申をいただいた次第であります。 今定例会に上程されました改正条例案は、答申どおり引き下げるものでありますけれども、審議会の答申は他の都道府県知事との比較や一般公務員の退職手当を取り巻く状況及び大変厳しい社会経済情勢を十分勘案した上でなされたものであるというふうに聞いており、ほかの都道府県に改正の動きがない中での改正となりますけれども、私といたしましては御指摘の県民感情というのもそれなりに感じておりますけれども、答申の客観的判断というのを尊重すべきであるというふうに考え、今定例会に提案したものでございます。 次に、法人事業税の外形標準課税でありますけれども、法人事業税は教育、環境保全、警察、道路など、県の行政サービスを受けております法人にその経費の負担を求めるものでありますけれども、現状では法人事業税を負担していない約7割の赤字法人を含め、すべての法人がひとしく事業活動に必要な行政サービスを受けているということからすれば、負担はできるだけ薄く広く求めるべきというふうに考えておりますし、今般の県財政悪化の要因の一つであります県税収入の不安定性を考えれば、知事として、地方財政を預かる責任者としては、基本的には外形標準課税の導入は税の安定ということを含めて望ましいというふうに考えております。 このたびの外形標準課税は、景気の状況や税負担の変動などに配慮いたしまして、資本金1億円超の大法人に限定するとともに、外形基準割合を4分の1に圧縮しておりますけれども、外形標準課税の導入は都道府県にとりましては長年の懸案事項でありますし、今後の税負担の公平性の確保や地方分権を支える安定的な税源の確保などにつながるものとして評価をしているところでございます。 また、東京都の銀行税でありますけれども、銀行税は銀行という特定の業種におきまして資本金5兆円以上という、さらに資金量を限定して外形標準課税を導入するというものであり、私としては、経済や他の自治体の税収に影響を及ぼすという問題がありますけれども、そもそも税の基本である公平性という観点から、問題があるというふうに言わざるを得ないと思っていますし、地方分権を推進する財源の安定的確保という本来の外形標準課税の導入目的からすれば、やはり全国的な制度として導入されるべきものというふうに考えております。 東京高裁の二審判決では、法人事業税が応益課税であるとした上で、事業の状況の解釈、資金量を限定しての導入などについて都の主張を認めており、一審判決と比較して自治体の課税自主権に関連する裁量権を大幅に認めたものとなっております。 こうしたこととあわせ、今回の判決は課税自主権のあり方として、新税等の目的や必要性が県民の理解を得られるものであるか、納税義務者の負担が著しく過重にならないかといった点を十分考慮することが求められたものというふうに受けとめておる次第でございます。 次に、雇用対策についてお答えいたします。 まず、パートタイム労働者の処遇のあり方ということですけれども、その職務の内容、能力等に応じまして公正に処遇されることは、労働者がみずからの個性と能力を十分に発揮しようとする意欲を喚起することにより、経済社会の活力を高めることにつながるものというふうに考えます。 この課題につきましては、国民の就業意識も変化している中で、従来の終身雇用、年功賃金という、いわゆる日本的雇用慣行に基づいた雇用システムを多様な働き方をみずから選択できる雇用システムに転換していくという中で総合的に検討されるべきことでございますし、就業形態の多様化に対応した社会保険制度等の改革もあわせて議論していく必要がございます。 その意味で、労使を含めた十分な国民的合意形成を図りながら、段階的に進めていくべきものというふうに考えております。 次に、県や県出資法人に雇用されている非常勤職員の賃金等でありますが、本県の非常勤職員は正規職員の補助的業務に従事しておりますことから、賃金の決定に当たっては、民間における同種の従業員の賃金水準を参考にしまして、正規職員の給料表を基準として、その業務内容・勤務時間の違い等を勘案して決定するという仕組みにしているところであり、私どもとしては公正な処遇がなされているものというふうに考えております。 また、県出資法人に雇用されております非常勤職員の勤務条件は、当該法人の責任によって法令等に基づき適正に定められるべきものというふうに考えております。 次に、未就職高卒者の就職支援ということでありますが、内定を得られないまま卒業する生徒の早期就職の促進ということは重要な課題であるというふうに受けとめております。 このため、県としましては新潟労働局と連携をとり、未就職者に対して卒業後も継続した就職指導を行うとともに、個々人の希望や適性に応じた求人の開拓、あるいは早期の就職面接会の開催などの対策を実施いたしますほか、国の若年者トライアル雇用事業なども積極的に活用してまいりたいと考えております。 なお、他県におけます新規学卒者を一時的に非常勤職員として県庁等で雇用する動きにつきましては、それぞれの地域の極めて厳しい雇用状況を踏まえての対応と理解をしておりますが、基本的には新規学卒者がきちんとした形で知識や能力を生かせる就職の場が確保できるような雇用対策や地域企業の活性化を通じた雇用の確保に取り組まなければ、基本的な問題の解決にならないというふうに考えておりますので、当面これらに全力を挙げてまいる所存でございます。 次に、農業問題でございます。 県単事業採択に関するペナルティーの措置はやめるべきという御意見でありますけれども、14年度における農業関係県単事業の優先採択措置につきましては、未達成市町村に対するペナルティー措置ではなくて、あくまでも県の極めて厳しい財政事情から、限られた財源の中で未達成市町村まで採択することが困難な状況から、生産調整の目的達成市町村に対する県単事業の優先採択措置を行ったものでありまして、一部事業では未達成の4市町村からの申請事業につきましても、予算枠の範囲内で来年度の生産調整の着実な取り組み方針を確認した上で採択を行っております。 御指摘のように、15年度の生産調整対策につきましては、限界感が根強い中、さらに3,332ヘクタールが上乗せされ、とも補償の助成金も見直されるという極めて厳しい状況にございますけれども、16年度からの新たな生産調整対策では、県別の目標配分に米の販売実績を反映させるという方向が示されておりますので、県としましては農業団体、市町村と連携しながら、的確な達成推進に努めていく必要があると考えております。 また、厳しい県の財政事情により、県単事業の予算枠が14年度よりさらに減少していることなどから、基本的には達成市町村からの要望事業を優先的に採択する措置を15年度も継続するとともに、組織化・団地化の推進を図りながら、大豆・園芸作物等の本作化の定着を進め、農家所得の確保に努力してまいりたいと思います。 次に、食の安全・安心でございます。 まず、食品安全基本法を受けての本県の取り組みでありますが、現在、消費者の視点に立って生産から消費まで一貫した県民の食の安全確保のための食品安全基本方針(仮称)の策定を進めているところでございます。 この基本方針は、現在、国会で審議中の食品安全基本法を初めとする食品安全関連8法案の経過を見ながら、平成15年度の早い時期に策定・公表することとしており、これに基づき消費者へのわかりやすい情報提供の推進、食品の検査や監視指導の充実強化、農産物のトレーサビリティシステムの確立支援などの総合的な安全確保のための取り組みを行っていきたいと考えております。 また、食の安全・安心に関する条例の制定等ということでありますが、本県では平成15年度に消費者、生産者、食品業界の代表者や学識経験者で構成いたします食品の安全・安心懇談会(仮称)を設置いたしまして、食品安全基本方針(仮称)に基づく食の安全・安心に関する事業の推進についての提言、意見を求めていくことにしております。 また、国の食品安全基本法に定められます地方公共団体の責務を具体化し、その方向性を明らかにしたものが食品安全基本方針(仮称)でございますので、現時点での条例制定は考えておりませんけれども、今後とも実効的な食の安全安心の確保の方策を検討してまいりたいと思います。 次に、障害者福祉であります。 支援費制度は、従来の措置制度にかえて、障害者の自己決定を尊重した利用者本位の考え方に立つ契約制度として4月から施行される制度でございまして、県としましても制度の円滑な施行に向けサービス提供事業者の確保、あるいは居宅サービスの充実などに努めてきた次第であります。 サービス基盤の充実や施設経営への影響などが懸念されたことから、御指摘の国への改善要望等につきましては、全国主要都道府県民生主管部局長会議の場などを通じまして国に要望いたしましたほか、昨年12月には施設訓練等支援費単価の見直し、あるいは利用者負担基準に対する経過措置の導入等について、国に対して緊急に見直しを求める要望を行ったところであります。 国におきましては、4月からの支援費制度の施行に向け、施設訓練等の支援費の基準額の見直しや知的障害者入所施設の利用者負担額についての経過措置の導入などの改善を行ったところですけれども、県としましては、基本的には本年4月からの施行状況を見守ってまいりたいというふうに考えておりますが、必要がありますれば、さらに国に制度の改善の要望をしてまいる所存でございます。 次に、市町村合併であります。 まず、合併を選択しない市町村に対する県の支援ということでありますが、私は昭和の合併から50年、新しい時代の地域の自治のあり方の一つの手段として合併を検討してもらいたいし、ただしその合併はその地域の住民の自主的な選択によることが最も重要でございますので、地域の将来をどうするか検討の結果、合併を選択しないという市町村もあるというふうに考えております。 また、その選択をした市町村に県が支援を行うかということについては、当該市町村が直ちに県の支援を必要とするとは考えておりません。もちろん一般論としてあえて申し上げれば、合併するかしないかとかかわりなく、県が各市町村における地域づくりを支援していくというのは当然のことでございます。 なお、今回の合併云々にかかわりなく、一定の規模以下の町村における行財政機能についてどう考えるかというテーマが残ることになりますので、県としてこの点についてどう支援していくかは考えていきたいと思います。 次に、市町村が行います各種広域行政制度の活用に対して、県として何らかの支援を検討すべきではないかということですけれども、これまで市町村は一部事務組合などの各種広域行政制度の活用をしまして、広域的な行政事務処理に一定の成果を上げてきたところであります。 しかし、ややもすると責任の所在があいまいになりがちであるということや迅速な意思決定を行うことが困難であること等々、課題もあるというふうに言われております。 市町村を取り巻きます社会情勢が一層厳しさを増す中で、地域の課題に総合的に対応するためには、何といいましても基礎的自治体としての行財政能力の向上ということが求められますので、まずは最も有効な手段と思われます市町村合併を検討することが必要であるというふうに考えております。 その検討において、広域的な行政課題について、さらなる広域行政への対応が必要とされる場合には、その地域の実情に応じて各種広域行政制度の活用を検討することになるというふうに考えておりますので、合併の進展状況、国の広域行政施策の方向性を踏まえながら、支援のあり方については検討してまいりたいと思います。 次に、西尾私案の考え方と憲法に関する所見でありますけれども、この私案は合併特例法後の自治体の再編成について、地方自治制度の見直しという観点から提言されたものであり、私案の段階ではありますけれども、ここで述べられております小規模市町村の取り扱いの中には、その住民の意思にかかわらず、他の基礎的自治体へ編入する等、合併を強制するものと受け取られかねない内容が含まれており、こうした点については憲法で保障いたします団体自治あるいは住民自治との関連において、さらに十分な議論が必要であるというふうに考えます。 いずれにしましても、自己決定、自己責任という地方分権の理念の実現に向けました地方制度調査会のさらなる議論を期待し、今後もその動向については注視してまいりたいというふうに思います。   〔農林水産部長池田直樹君登壇〕 ◎農林水産部長(池田直樹君) お答えします。 売れる米づくり戦略プランに対する指導についてでありますが、16年度からの新たな生産調整対策では、県別の目標配分に米の販売実績を反映させる方向が示されておりますので、県としましては移行準備期間である15年度において、全産地農協における売れる米づくり戦略プランの主体的な策定に対し支援することとしております。 このプランの策定に当たりましては、生産者・産地がみずからの意識改革により、需要に応じた売れる米づくりに取り組むことが何よりも重要でありますので、策定主体となる産地農協が消費者や実需者等のニーズの把握はもとより、マーケティングアドバイザーの助言、生産者の意向調査等を進め、売れる米づくり戦略と大豆、園芸作物等の本作化計画を内容とする中長期的なプランを的確に策定できるよう、県農協中央会や全農県本部と連携しながら、十分な指導支援に努めてまいる考えであります。 以上です。   〔福祉保健部長神保和男君登壇〕 ◎福祉保健部長(神保和男君) 障害者の支援費制度についてお答えいたします。 支援費制度による知的障害者入所施設の利用者負担についてでありますが、支援費制度における利用者負担額は、本人の収入額をもとに厚生労働大臣が定める基準額表を適用して決定することとされ、措置費の場合のように本人の収入額から日用品費相当額が控除されないことから、障害基礎年金1級受給者で収入が年金収入のみの利用者の場合では、現行の月額3万4,100円から5万1,800円に増加することになりますが、平成15年度については経過措置により月額4万3,800円となります。 また、入所施設の収入の見込みにつきましては、入所定員50名という平均的な施設を例に試算した場合、みなし単価が適用される平成15年度は、現行の措置費収入と比較すると、身体障害者入所施設で平均約5%、1,200万円程度、知的障害者入所施設で平均約3%、600万円程度の減収となりますが、平成16年度以降は入所者の障害程度区分により定められた3区分の支援費単価が適用されることから、現行の措置費収入と比較すると、身体障害者入所施設で平均約1%、200万円程度の減収、知的障害者入所施設で平均約2%、400万円程度の増収となるものと見込んでおります。 以上でございます。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) お答えいたします。 まず、高校生の就職促進に向けた取り組みについてでありますが、産業構造の急激な変化や厳しい雇用状況のもとで、現在、高等学校においては公共職業安定所と連携して校長を初めとした教職員による求人開拓を行うとともに、進路指導等支援アドバイザーを配置し、就職を希望する生徒がその希望を達成できるよう全力を挙げて努力しているところであります。 一方、職業意識の希薄化などから、フリーターとなる者も増加していることから、生徒の個性、能力、適性等を踏まえた進路意識や望ましい職業観・勤労観の育成を通し、働くことへの意欲を持たせることが大切でありますので、在学期間全体を通して自己の適性や職業選択、将来の生活設計などを考えさせる進路指導に取り組むよう学校を指導しているところであります。 本県小中学校における教育用コンピューターの整備状況についてでありますが、国の平成12年度から17年度までの整備計画における最終目標は、1台当たりの児童生徒数が5.4人となっており、現在までの本県整備状況は、計画2年目の到達目標である12.1人に達している市町村が小学校で63.1%、中学校で94.6%であり、小学校の整備が著しくおくれております。 この整備の主体が市町村でありますことから、整備がおくれている市町村に対し、年次別整備計画の策定など、目標達成に向けての整備を指導してまいりたいと考えております。 また、県立教育センターでの研修を初め、これを補完する教育事務所に配置した7人の情報教育主事が行う研修を実施し、15年度末までにすべての教員がコンピューターやインターネットを活用した授業ができるようになる見込みであります。 次に、学校評議員の設置状況でございますが、省略させていただきまして、評議員の男女割合は県立高校では男性が75.8%、女性24.2%、県立特殊教育諸学校では男性79.2%、女性20.8%、市町村立小中学校では男性72.3%、女性27.7%となっております。 市町村立小中学校で設置が進まない理由につきましては、総合的な学習を支援するためのサポート委員会や学校後援会、PTA役員会など、学校外部の人による既存の組織が学校評議員の役割を果たしていると理解している市町村が多いためと考えております。今後は、こうした市町村に対して学校評議員制度が開かれた学校づくりを進めることや学校評価システムの確立のためにも重要な役割を果たしていることについて理解を促し、設置について強く指導してまいりたいと考えております。 次に、いじめや不登校、高校中退の減少目標の数値設定についてでありますが、これらの問題は社会の急激な変化とそれに伴う地域や家庭の教育力の低下などが背景にあって、その原因は一定、一律ではなく複雑であることから、あくまでも一人一人の児童生徒の心に寄り添った指導を重視して、いじめの根絶、不登校、高校中退の解消を目標として取り組みを展開してきたところであります。 これからもこうした考え方のもとで取り組みを一層強化してまいりますが、目標達成に努力した成果を各学校や市町村が共有していくための取り組みの一つとして、努力目標数値を設定することについては、今後検討してみたいと考えております。 以上です。   〔警察本部長加地隆治君登壇〕 ◎警察本部長(加地隆治君) 塚野議員の一般質問にお答えいたします。 まず、本県における暴力団抗争の現状についてでありますが、対立抗争事件は過去30年間で12件発生し、昭和61年の上越市における事件を最後に現在まで発生しておりません。 対立抗争事件に対する対策でありますが、対立抗争の根本的要因は、縄張り争いや勢力争い等によるものがほとんどでありますので、平素から暴力団の組織実態や対立要因の把握に努め、その兆候がある場合は先制的取り締まりを行うなどして、その未然防止のための措置を講じることといたしております。 また、抗争事件に発展したときは、現場検挙による早期の鎮圧に努め、一方で暴力団対策法に基づく事務所使用の制限を行うなどして、2次、3次の抗争事件防止の措置を講じ、最終的にはその組織の壊滅を図っていくこととしております。加えて、抗争事件から県民の安全を守るため、所要の警戒に万全を期することといたしております。 次に、県内におけるけん銃の取り締まり状況についてでありますが、昨年は暴力団関係者などから2丁のけん銃を押収しております。 県警察といたしましては、今後とも銃器問題を治安の根幹にかかわる重要課題の一つとしてとらえ、暴力団の組織管理に係る武器庫の摘発、密輸・密売ルートの解明・摘発等、水際対策の強化、違法銃器根絶のための広報啓発活動などについて、関係機関と連携し推進していく所存であります。 次に、高齢者の交通事故防止対策についてであります。本年の交通事故による死者数は、昨日現在16人と前年を14人下回っておりますが、このうち高齢者の死者数は10人で、全死者の62.5%と極めて高い割合を示しております。高齢者事故の形態につきましては、歩行中8人、自転車乗車中及び自動車運転中各1人となっております。 県警察といたしましては、最近の高齢者事故の実態を踏まえ、高齢者事故の防止を本年の重点の一つに掲げ、県・市町村を初めとする関係機関・団体と連携した各種講習会の開催や訪問指導等を通じた高齢者に対するきめ細かな交通安全教育の推進、一般ドライバーに対する高齢者保護意識の醸成を図るための広報啓発活動の推進、道路管理者と連携した高齢者等に優しい交通環境の整備、街頭における高齢者の保護誘導活動及び横断歩行者妨害等の交差点関連違反の取り締まり強化など、高齢者の交通事故防止対策に全力を挙げて取り組むことといたしております。 また、高齢運転者が第一当事者となる事故も多発傾向にあることから、運転免許更新時の高齢者講習の充実、指定自動車教習所等と連携したシルバードライビングスクールの開催など、高齢運転者対策についても推進していくことといたしております。 以上でございます。 ○副議長(西川勉君) 塚野弘君の質問は終わりました。 次に、風間直樹君の発言を許します。   〔風間直樹君登壇〕(拍手) ◆風間直樹君 4年間の総括ということで質問をさせていただきます。 まず、上越火力発電所の建設延期問題についてお尋ねをいたします。 昨年10月、東北電力、そして中部電力は、突然予定されておりましたこの火力発電所の建設延期を表明いたしました。平成3年にこの計画がスタートして以来、上越市、地元町内等、多数の協力を得て進行してきた計画の延期でありました。 上越市に確認をしましたところ、この火力発電所の建設の総工事費はおよそ1兆円、このうち約8%に当たる820億円が上越市内の建設業者の手にゆだねられたとのことであります。また、上越市への広く経済波及効果を計算した場合、およそ一千数百億円に上ると、このような推定がなされておりました。上越市に入ります固定資産税、あるいは地方交付税の合計分の減額としては40億円の減が見込まれるわけであります。 このように、上越市経済に与える影響が非常に大きいこの火力発電所の建設延期でありますが、県はこの経済的影響をどのように認識していらっしゃるか、まずお伺いをいたします。 また、今後この建設延期の問題に県として対応できることがあれば、それは具体的に何なのか、お伺いをいたします。 続いて、特殊教育諸学校等についてお尋ねをいたします。 昨年、障害児教育のための学校等の在り方に関する検討委員会が県において開催をされました。この提言の中におきまして、まず糸魚川圏域で養護学校の設置が望まれるとのこと、さらに西蒲原・西新潟地域において養護学校設置の検討を要する必要が付記されております。今申し上げました3地域において、今後地元の意向あるいはニーズを把握し、県としてどのような取り組みを進められるのか、お伺いをいたします。 さらに、この提言の中では、盲学校について再編整備を視野に入れ検討が必要であるとのことが提言なされております。私の地元上越市には、高田盲学校があります。現在、生徒数がわずか8名、それに対する職員数が45名、こうした状況の中で県ではこの高田盲学校に関し、どのような取り組みの方法を考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。 また、仮にこの盲学校が再編整備の対象となる場合、当然再編後も盲学校が上越市に残ることを市民は希望しておりますが、この点に関する御所見をお伺いいたします。 さらに、上越地方には現在、総合的な福祉施設がありません。こうしたことから、地元では再編後のこの盲学校の空き校舎などを有効に活用し、拠点施設など、総合的な福祉施設として整備したいという考えを持っているようであります。この点について、県のお考えをお尋ねをいたします。 続いて、北朝鮮有事の際の危機管理、そして拉致事件につき触れさせていただきたいと思います。問題の性質上、多少踏み込んだ表現をすることがあるかと思いますが、その点につきましてはお許しを頂きたいと存じます。 私が4年前にこの拉致問題解決への努力を多くの方々とともに始めたとき、その大きなきっかけとなりましたのは横田めぐみさんの御両親、蓮池薫さんの御両親とお会いしたことでありました。 先般、岡山県で幼い2人の姉妹が行方不明になる事件がありましたが、あのとき地元の消防、警察あるいは町内会の捜索が御承知のように二、三週間続いたわけであります。その後、こうした捜索が打ち切られた後に姉妹の遺体が発見されたわけであります。 実は、横田さん、あるいは蓮池さんの御家族も、当初それぞれの子供さんが行方不明になった直後、地元の消防、警察あるいは町内会の捜索が続き、それが終了した後、御家族は到底それであきらめることができず、それぞれお母さんが新潟市内の海岸線、あるいは柏崎市の海岸線を長いさおのような棒を持ち、子供の名前を叫びながら探して回ったとのことであります。私は、そのときの具体的な情景を教えていただき、大変胸を揺さぶられる思いがいたしました。この思いが私が拉致問題の解決にこれまで懸命に取り組んできたスタートとなったわけであります。 さて、昨年の小泉内閣総理大臣訪朝の後、北朝鮮が拉致を認め、それ以来、我が国の報道の中では多数のこの拉致、北朝鮮に関する報道がなされております。しかし、こうした多くの報道に埋没をせず、私ども政治に携わる者が今ここでしっかりと確認をしなければならないのは、私たち日本の政治にとり、外交上北朝鮮に対する上での目的は、まず拉致された全被害者の救出にあり、2点目に北朝鮮の我が国に対する軍事的な脅威から私どもの国を守るということ、このことであると思うのであります。私個人的には、こうした我が国の国益を守る上で、北朝鮮の現在の体制の転換、あるいは体制の崩壊を実現しなければならないと考えるものであります。 先般、知人であります評論家の金美鈴さんとこの件をめぐりお話しする機会を得ました。金さんは、御承知の方もいらっしゃるかと思いますが、早稲田大学に留学をし、そのまま当時の国民党独裁政権下にあった台湾の民主化を進めるために日本に亡命をし、この運動を進めてきた方であります。 当時、恐らく昭和30年代のことだと思いますが、台湾から多くの留学生が日本に来る、あるいは日本を経由し、アメリカに留学をする。そうしたときに金さんの御主人である周英明さんは、これらの友人に自分が編集している「台湾青年」という民主化推進のための機関誌を読んでほしいと渡したそうであります。そのとき、ある留学生の1人がそれを読むことを望みながらも、それを受け取ることを拒否した。なぜかといいますと、それを受け取り、読んだ後に捨てた場合に、日本国内にあっても、あるいは留学先のアメリカ国内にあっても、当時の台湾の国民党の捜査機関の手が及ぶことを恐れたからそうであります。「自分は、この雑誌をもらうことはできない。もらったならば、捨てるときには割りばしでこの冊子をつかんで捨てなければならない」、この一言が金美鈴さんの頭には強く今も残っているとのことでありました。 私は、5人の被害者が日本に帰国をした後、日本国内で一たん北朝鮮にこれらの人々を戻すべきかどうかという議論が出たことがあり、このときに日本人がいま一度北朝鮮の独裁体制の恐ろしさ、その本質というものを見きわめる必要があると考えたのであります。 拉致発生から25年になります。前回12月の県議会連合委員会におきまして、我が党の斎藤議員が石川県で起きました久米裕さんの拉致事件を取り上げられました。あのときに、斎藤議員が触れられましたように、この事件においては当時の石川県警が警察庁の長官賞を捜査への功労として受賞しています。しかし、この受賞は当時政府、警察庁内部でも極秘とされました。私は、なぜ当時の政府、警察庁内部でこれが極秘とされたのか、そこにこの拉致事件の実は我が国におけるやみの深さ、本質が潜んでいると考えるものであります。 警察庁は、恐らく当時の無線傍受の記録を今なお持っているのではないかと私は推測をしております。同時に、それらの報告を受けていたはずである当時の福田赳夫内閣、なぜこの福田内閣が拉致事件の発生を公にし、その2か月後に起きた横田めぐみさんの拉致事件、翌年に起きた蓮池さん、奥土さんの拉致事件を防ぐことができなかったのかと思いますと、じくじたる思いを禁じ得ないのであります。 こうしたことを裏づけるように、1988年には当時の梶山静六自治大臣が国会において、日本人の拉致事件は北朝鮮による疑いが極めて濃厚という答弁をしております。これらの経緯を踏まえ、私は以下の4点を考えるとき、我が国における拉致事件のやみ、それが30年近くにわたり解決されなかった本質に迫ることができるのではないかと思うのであります。以下、4点につき事実を述べさせていただきます。 まず、去る1990年の5月、当時の金丸信自民党副総裁を団長とする北朝鮮訪問団の実施が発表されました。同じ5月、大韓航空機爆破事件の容疑者であった金賢姫、この金賢姫に日本人の教師役として日本語を教えたとされる埼玉県在住であった田口八重子さん、李恩恵こと田口さんが拉致された事件、この実行犯宅と在日本朝鮮人総連合会への家宅捜索令状を警視庁は取り、その執行直前だったわけであります。この執行が実はストップをされた。同じ5月、在日本朝鮮人総連合会の元幹部が外国人登録法違反で、これも捜査をされる寸前でありました。これにもストップがかけられた。 そして、この年の10月に金丸氏は超党派で訪朝し、当時の北朝鮮の金日成主席との会談を終えて帰国をするわけであります。この訪朝では、兵庫県の有本さんの御両親が娘さんが北朝鮮に拉致された疑いが濃厚であるとのことで、娘さんから来た手紙を添え、金丸氏に交渉でこの件を取り上げるよう要望したものの、一切交渉では触れられなかったのであります。 この訪朝から時間を置いた今日、実はこのときに何が起こったのかが明白になりつつあります。 まず、皆様の御記憶を思い出していただきたいのでありますが、金丸氏の個人事務所に捜査が入ったとき、金丸事務所の金庫から出てきたものが一体何であったか。金の延べ棒であります。そして、核心はこの金塊に刻印がなかったという事実であります。御承知のように、世界じゅう刻印のない金の延べ棒が流通しているのは、唯一北朝鮮のみだそうであります。 その後、警察庁あるいは警視庁の関係者より、1990年5月の田口さんの捜査の執行直前のストップ、あるいは在日本朝鮮人総連合会の幹部、外国人登録法違反の捜査のストップ、これはすべて金丸氏からのものであったことが明らかになったのであります。 さて、昨年ある雑誌に代議士の小池百合子さんが寄稿をされています。細川政権当時、アメリカのクリントン政権は、日本政府に対し渡した北朝鮮に関する機密情報が政府内部から北朝鮮に流出しているとの疑念を深め、細川氏が訪米の際、クリントン大統領より、この点についての厳重な抗議と内閣におけるある処分を求められたとの記事が出ています。当時の官房長官が北朝鮮に対し機密情報を流していたとの事実、このことが書かれているのであります。一体このことが何を意味するのか。当時の官房長官は、御承知のように、今政治家としての職にはありません。その政党もございません。しかし、私どもはそこで起きたことに今目を向けなければならないのであります。 そして、4点目の事実、昨年、日本経済新聞の元記者である杉嶋氏が北朝鮮に旅行中、抑留逮捕され、2年間、現地で拘置されるという事件が起きました。これは、杉嶋氏が記者として北朝鮮を訪問する中で撮影したさまざまなビデオあるいは写真を帰国後、内閣調査室、あるいは日本の公安当局に協力を求められ、情報提供ということで協力をした、その内容に基づき北朝鮮側に拘留されたものであります。 昨年のある雑誌に、この杉嶋元記者の手記が載っているのでありますが、私がそれに目を通し驚愕を禁じ得なかったこととは、杉嶋氏が信頼をし、渡した内閣調査室と公安当局あての資料、ビデオ、写真等がすべて北朝鮮当局の手に渡っていたということであります。 以上の4点の事実を考える場合に、私は今我々政治家、そして国民が我が国で起きたこの拉致事件の真の核心の部分は何かを考える場合、それはすなわち北朝鮮の影響力が我が国国家中枢にまで浸透していたという事実にほかならないと思うのであります。 私は、こうしたことから、まず我が県における万景峰号の入港停止など、我が国の国益を著しく疎外する事件に際し、私ども政治家が全力で取り組まなければならないということ、さらに多くの北朝鮮工作員が日本に潜入をしながら逮捕もされず、再び出国をし、さらに入国をしてくる。その根源に工作員防止法、スパイ取締法の不在があるという事実、このことを直視をし、対応しなければならないと考えるのであります。 これは、私の一つの疑念でありますが、県当局が万景峰号の入港に関し、港湾法を子細に検討され、そしてそれが不可能だという結論を出していらっしゃる。しかし、この港湾法という法律以外に県当局の判断に影響を与える何らかの出来事がなかったのかどうか、私は今後もこの点を注意深く見詰めていきたいと思うのであります。 昨年6月、フィリピンのイスラム系原理主義テロ組織アブサヤフに拉致をされましたアメリカ人の宣教師夫妻2名、そしてフィリピン人1名、計3名が半年間にわたりアメリカ国軍の特殊訓練を受けたフィリピン軍の手による救出作戦に際し、残念ながら2人が死亡し、1人が救出をされたという事件がありました。 私の手元に在日アメリカ大使館のホームページから印刷をしましたものがあります。これは、この人質救出事件に際し、アメリカ政府がアメリカ国民、そして世界じゅうの各国民に対し、どのようなメッセージを送っているかという証左であります。 私は、国民がその国に税金を納め、みずからの生命の安全と財産の保持を国にゆだねている以上、150名以上の日本人が拉致されている我が国にあって、やはり国家がこの国民の救出にまず第一義的に当たることが不可欠だと考えるのであります。そして、そうした意味でアメリカにそうした精神があるということをいささかうらやましく思うのであります。  さて、お尋ねをいたします。 現在、北朝鮮はイラク攻撃前ということもありまして、アメリカに対し大変な挑発活動をしております。とりわけ核施設の再稼働等の動きは、我が国の安全保障に与える影響が極めて大きい。万が一北朝鮮の有事になった場合、我が県として、あるいは県警として、さらに政府としてどのような対応策、準備策を講じているのかが県民、国民の気にかかるところであります。 仮に有事の際、日本海側の海岸に多くの北朝鮮難民が流れ着いた場合、本県ではこの難民船の漂着にどのような対応をされるのか、また県警としてはどのような準備態勢を整え、対応をお考えになっているのか、お尋ねをいたします。 4年間、この拉致事件、そして北朝鮮問題につきましては、一貫して取り組みをさせていただきました。その根底には、朝鮮半島の動きが我が国の安全保障、あるいは日本国内の政治、政局に大きな影響を与えるという歴史的な経緯がございます。古くは日露戦争しかり、あるいは征韓論しかり、この朝鮮半島へどのような勢力が政治的なパワーを占めるかにより、我が国の将来には大きな影響が及ぶ。まさに戦後57年を経た今日、そのときが再び来つつあると私は考えるのであります。こうした認識に基づき、以上の北朝鮮有事関係のことをお尋ねをさせていただきたいと存じます。 続きまして、原子力発電所のシュラウドのひび割れに関しましてお尋ねをいたします。 昨年、東京電力株式会社によるひび割れの隠ぺい問題が発覚をいたしました。この隠ぺいは、到底許されることではございません。そのことを確認をした上で、この問題の本質を考えたいと思うのであります。 まず、この問題の調査に当たり、私がいささか驚いたことがありますが、このシュラウドのひび割れに対しましては、日本と他の国との認識に大きな差があることがわかりました。 シュラウドとは、御承知のように、原子炉内部において冷却水が戻ってきたとき、直接デリケートな燃料集合体に当たらないように炉心外周部に設置される障壁であります。当然ここには冷水が当たりますので、年がたつにつれ、運転をすると同時にひび割れが入っていくわけであります。これが欧米におけるひび割れの認識であります。このひび割れ、部品が機能的な要件を満たすことができなくなったという意味での欠陥かどうか、この定義をめぐり欧米ではひび割れへの対応が講じられるとのことであります。 欧米には、原子炉を設計、建設するときの基準、さらに原子炉の運転の後、原子炉がどのように傷んでいるか、それを監視する維持基準、この2つがあるわけであります。しかし、驚くべき事実は、我が国には昨年の事件が発生するまで、この後者の維持基準が存在せず、建設設計時の基準のみしかなかったということであります。この点が私どもがどのように考えればいいのかという本質に当たると私は思うのであります。 恐らくどのようなものであれ、使用から何年もの年月がたてば、そこに細かい傷がつく、あるいはその傷が多少の広がりを見せることはあり得ることだと思います。問題は、その傷の程度をどう評価し、それを安全性に反映し生かしていくことであります。日本がこの維持基準を持っていなかったということが、つまり原子力安全・保安院の責任というものが私は昨年の事件で大きく問われてしかるべきだと今改めて思うのであります。 その調査に政府は昨年10月の事件後、10年後でも新品の状態の維持を求め、その状態に変化があれば報告を求めていたこれまでの基準を改め、アメリカの機械学会が定めた維持基準相当のものを導入することを決定し、法改正をいたしました。 そこで、県はこのひび割れについて、今申し上げた意味で欠陥と考えているのかどうかをお尋ねいたします。 また、これらの事実から、各国の原子炉設計者・専門家は、問題となりました各原子力発電所の安全性に関し問題視をしていない専門家もいるやに聞いておりますが、県はこれらの安全性をどう評価、認識しているのか、お尋ねをしたいと思います。 最後に、景気対策についてお尋ねをいたします。 景気対策の3つの手段、財政政策、金融政策、そして為替政策、このうち財政・金融政策による回復策が行き詰まりを見せる中、今国の中央、政財界から為替政策、つまり円安の導入を求める声が強くなりつつあります。 知事は、この財政・経済の専門家でいらっしゃいます。常々財政運営に関する御所見には傾聴し、敬服をしている次第でありますが、まず昨年12月、塩川財務大臣がアメリカ政府に対し、1ドル150円から160円へのレートの移行を瀬踏みをいたしました。それを受け、去る2月13日、アメリカ財務省の次官がニューヨークでの講演でこれを容認する発言をしております。それを受け、前後する形で1月28日、当時の速水日本銀行総裁が参議院予算委員会で円安誘導の導入を厳しく批判をしております。さらに、それを受け、2月19日、同じくアメリカ財務省の次官が記者会見において、こうした日本銀行の姿勢をこれも強く批判をしております。 このように見てまいりますと、最近、日本銀行総裁が交代したわけでありますが、この交代劇の背景に、この円安誘導の導入策に関する水面下での激しい攻防が日米間にあったことがうかがえるわけであります。 もとよりこの円安政策を導入した場合、中国経済に与える影響、あるいはアメリカの国内経済に与える影響は非常に大きなものがあります。そうした意味で、日本経済の急速の回復は期待できるものの、一方で副作用も大きいこの政策に関し、知事はどのようにお考えになるか、御所見をお尋ねする次第であります。 最後に、お礼を一言申し述べたく存じます。 4年間、県議会議員として同僚・先輩議員の皆様とともに責任を果たすことができました。これもきょう傍聴席にお越しの私を支持してくださっている多くの皆様、そして先輩・同僚議員の皆様の御指導、さらには知事、執行部の皆様をはじめとする県職員の皆様方の御協力に基づくところであります。この場をおかりいたしまして深く感謝を申し上げるところでございます。本当にありがとうございました。 2度の挑戦の後、3度目で有権者から与えていただきましたこの県議会の議席を離れるにつきましては、いささか心残りも正直ございます。しかし、また所を変え、国家、地域のために寄与する決意でありますので、今後とも皆様には御指導を賜りますようお願いを申し上げ、一言のごあいさつを終わらせていただきます。 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、最後の風間議員の一般質問にお答えしたいと思います。 まず初めに、上越の共同火力発電所の建設延期ということでありますけれども、同発電所の建設は御指摘のように、上越地域の経済の活性化と地域の振興という観点から、大きな期待を寄せてきたものでありますけれども、遺憾ながら再三にわたる建設の延期ということになっておりまして、関連業界はもとよりでありますけれども、自治体における税収等が当面見込めなくなるというさまざまな影響が懸念されるところであり、私としてもこの問題について極めて残念に思っております。 計画延期の理由は、景気の低迷によって予定していた電力の需要が大幅に伸び率が低下してしまっているということにあるわけですけれども、私としましてはこうした事情、背景等についてしっかり地元に説明を行い、真摯な話し合いの中で今後の対応に対する相互理解が図られるべきというふうに考えまして、その旨双方に申し上げてきた次第でございます。 なお、県は直接的にそういう影響を受けないという形になっていますが、一方的に市・地元が受けるというのが今の問題でございます。 現在、地元と事業者によります話し合いが継続して行われており、時々そのことも報道されておりますけれども、県としては当面この状況を注視しながら、地元の意向を十分踏まえながら、必要があれば適切な対応を図ってまいりたいというふうに思っております。 次に、空き校舎等を活用した総合的な福祉施設の整備ということでありますが、上越地域におけます障害福祉関係施設につきましては、おおむね新潟県健康福祉計画に沿った整備がなされているものというふうに認識しておりますけれども、本年4月から施行されます支援費制度においては、障害者の地域生活を支えるために、知的障害者のデイサービスや通所授産施設等のサービス基盤の整備を図ることが重要であるというふうに考えておりますので、地域に根差しました多様な障害者福祉サービスを展開されるということは、大変時宜にかなった適切な取り組みであるというふうに考えます。したがいまして、空き校舎の利用につきましては、その際前向きに検討させていただきたいというふうに思います。 次に、北朝鮮有事の際の危機管理ということであります。その前に、現在の北朝鮮をめぐる情勢につきましては、極めて強い緊迫感、日に日にそれを増しながらおるわけであり、そうした強い緊迫感を持って見詰めているところであります。 まず、有事の危機管理ということにつきましては、多数の難民船が本県海岸等に漂着することが想定さされると。その場合の対応ということでありますけれども、この問題については基本的には国及び警察の対応ということになっていますけれども、具体的に県としての対応が必要となれば、その場合には可能な限りの対応をすべきというふうに基本的に考えています。 なお、現在この問題につきまして、国の内閣官房が事務局となって対応方針について検討を進めておりますので、それが明らかにされた段階で県としてとるべき対応策については、さらに検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、シュラウドのひび割れということですけれども、我が国におきましては昨年8月の不正事件発覚を契機に、現在9基の原子炉においてひび割れがあることが顕在化しておりますけれども、各原子炉で見つかっておりますひび割れが安全上問題があるのかどうか、ひびがあるからといって、御指摘のように欠陥ということではないわけであります。それが欠陥である状態に至るかどうか、あるいは至る危険性をどう読むのか、こういったことについて今まさに国による議論が行われておりますので、現段階として県としての評価を申し上げる状況にはないと思いますけれども、国における議論等が煮詰まってきました場合に、そうした解釈の根拠等を含めて、県としてのチェックをきちんとしていきたいというふうに思います。 それから、景気対策としての円安誘導、あるいは円安政策ということであります。為替政策という言葉がありますので、円安政策という言葉も実は使われるわけですけれども、今の我が国の経済状況を考えれば、円安によって輸出を拡大するということだけではなくて、輸入品の価格上昇によって国内のデフレを解消すると、ここに大きな期待を持って円安を望む声が大変強いわけであります。 本来の為替というのは、基本的には各国のファンダメンタルズを反映するものであります。そして、巨大な世界の為替マーケットは、本当にここ10年あるいは15年の間に猛烈巨大に拡大しています。そうした物すごく大きくなっている市場に対して、税金の投入ということを前提とした市場介入という形での為替政策で対抗して一定の方向にもっていくということは、マーケットの流れが相場観が別のときにもっていくということは、まず不可能と言わざるを得ません。 しかしながら、マーケットは常に相場が動くことによって、どちらに行けばもうかるかということを考えていますので、当局の意向によってどちらの方に動かそうとしているかということは、一時的な為替政策によって相場が動くことに対して相当の関心を持っています。したがって、口先介入とか、一時的に言われたような介入がそこにおいて効果を発揮するわけであります。 私としては、これまでの自分の経験でも一時的な円安誘導ということは図れるとは思います。しかし、それをマーケットの需給状況等、あるいは相場観の大きな流れの中で、それにさお差して維持していくということは、基本的には不可能でございます。 そしてまた、自国通貨を弱くするという円安誘導という政策を意図的にとるということは、世界から見れば、日本経済が信頼されていないという現状の中で危険がかなりあるわけであります。速水日銀総裁は「日本売り」という言葉を使われました。果たしてそこまで心配するかどうかは人によって違いますけれども、私としては、そもそも日本経済が信頼されていない中で、自国通貨を弱くするという政策を国として政府が支持してとるということは適切かということについては、疑問を呈さざるを得ないというふうに思います。 いずれにしましても、景気の低迷の大きな原因は、日本経済が非効率な体質、いわゆる大きな政府になり過ぎて非効率であるという部分、そしてまたそういったものを構造調整されずに民間需要の回復も図られていないと、いわゆる需給のバランスが崩れていると。そしてまた、世界的なデフレ要因の中で景気回復のためにとっている政策も税制改革あるいは規制緩和など、あらゆる方策を講じて民間需要の創出をしていくということは、今何よりも重要であります。こうした政策をとって日本経済がしっかりしていくということをしないで為替政策に頼るというのは、やはり王道ではないというふうに申し上げるしかないと思っております。 以上でございます。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) お答えいたします。 糸魚川圏域等における養護学校の整備についてでありますが、県教育委員会といたしましては、障害のある者とない者とがともに学ぶ機会を拡充すること、地域社会での生活基盤の確立に配慮することを基本方針とし、子供たちにとって必要な教育の場が選択できるよう全県的視野の中で特殊教育諸学校の整備を進めることとしております。 これらの地域については未設置圏域であり、既存の養護学校からも遠方にあることなどから、今後の地域の児童生徒の実態や通学上の問題、施設・設備の有無等について調査を進め、その上で今ほど申し上げた基本方針に沿って適切に対応してまいります。 次に、盲学校の再編整備についてでありますが、近年、医学や視覚補助具等の進歩により、盲学校に就学する児童生徒が大幅に減少しております。 高田盲学校は、これまで上越地域における視覚障害の専門的な教育機関としての役割を果たしてまいりましたが、10年前に比べ児童生徒数が3分の1となり、今後就学する児童生徒も極めて少ない見通しであることや在校生の進級時期等を考慮し、平成18年度を目途に小中学校を上越養護学校内に移転し、新潟盲学校の分校にするとともに、高等部については新潟盲学校へ統合する方向で現在検討を進めております。 以上です。   〔警察本部長加地隆治君登壇〕 ◎警察本部長(加地隆治君) 風間議員の一般質問にお答えいたします。 本県海岸に難民船が漂着した場合の県警察の対応についてでありますが、いわゆる半島有事の際の危機管理につきましては、御指摘の大量避難民の問題を含めまして、国全体で対応すべき重大な事案になると思われます。 したがいまして、その準備につきましても警察庁、管区警察局を初め、海上保安庁、入国管理局、自衛隊等と密接な連携を図りつつ、的確な対応をとれるよう対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(西川勉君) 風間直樹君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時52分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時12分 開議 ○議長(石井修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 沢野修君の発言を許します。   〔沢野修君登壇〕(拍手) ◆沢野修君 自由民主党の沢野修でございます。 本日最後の一般質問となります。お疲れのところ恐縮でありますが、しばしおつき合いをいただきたいと思っております。何人かの先輩議員の方々から多くの県政の課題を問いただしていただきましたので、多少重複するところがございますが、その点は寛容と友愛の精神でもって御了解をいただきたいと、このように考えているところであります。 さて、第75回記念選抜高校野球大会に21世紀枠で出場が決定した柏崎高校に対して、心から祝福をするところであります。創部103年目にして、初めて甲子園の土を踏まれるわけであります。 並びに、24年ぶりに祖国の土を踏んだ蓮池薫さん御夫婦初め、御家族の方々もさぞかし喜んでおられると推察するところであります。北朝鮮に残された御家族、拉致被害者の方々が元気で暮らしておられること、また一日も早く帰国がかなうことを願いつつ、野球部の皆さんの御健闘をお祈りする次第であります。 さて、北朝鮮による拉致問題についてでございますが、なかなか解決の進展が見られない中、知事におきましては三富議員の代表質問の答弁におきまして、県民世論の喚起に努められると、それによって解決に結びつける旨の発言をしておられますが、具体的にどのようにして県民世論の喚起に努めていかれるのか、お伺いいたします。 この問題については、今後の新潟県並びに日本をしょって立つ中学生、高校生の皆さんにも十分理解してもらう必要があると考えております。 去る2月3日、横田さん御夫婦が立川市の公立中学校で講演をなさいました。学校では、総合学習の一環として取り組まれたわけでありますが、生徒の皆さんは御夫婦のお話を真剣に聞き入り、家族で話し合いたい、何か手伝いたいなどという真剣な感想があったようであります。県内でもこのようにして、家族会の皆さんの考え方もあるとは存じますが、拉致被害者並びに関係者の方々から生の話を聞く機会を設け、拉致の現状について理解を深める取り組みが必要だと考えております。教育長の御所見をお伺いいたします。 また、先ほど風間直樹議員からもありましたけれども、核施設の再稼働などで緊迫する北朝鮮情勢の中で、現状認識を踏まえるために拉致を記載した教科書等を採択するなどして、日本と朝鮮半島の不幸な歴史的関係をもう少し、もう一歩突っ込んだ内容で中・高校生の皆さんに教育する必要があると考えておりますが、教育長のお考えをお聞きいたします。 次に、道州制について伺います。 平成の市町村合併論議が活発化するにつれて、都道府県の再編、合併、また道州制の論議が国会並びに当県議会、地方議会、経済団体等で盛んになっています。先ごろの我が党の上村政調会長初め、多くの質疑がございました。 道州制については、御案内のように戦前、昭和2年、州庁設置法案、昭和18年、地方行政審議会で地方総監府論等がありました。戦後でもさまざまな論議があり、特に昭和の合併が盛んなころ、昭和30年代初頭におきまして、市町村合併の次は都道府県の改革であるという風潮が起こり、昭和32年、地方制度調査会において実質的に道州制とも言える地方制が答申され、昭和30年代終わりには大都市周辺における都道府県の広域行政に対処することを目的として都道府県合併特例法案が時の政府で立案され、国会に提出されました。しかし、昭和41年に提出されましたが、いまだ機は熟さず、十分な審議が行えないまま継続審議となり、3年後、審議未了となり、廃案になった歴史があり、古くて新しい課題であります。 平成7年、地方分権推進委員会で道州制導入などの意見もあったところでありますが、とりあえず地方公共団体に十分な権限や財源を付与することを急ぐべきということで、当分、現行の都道府県、市町村の二層制で進むことになったところです。 現在、第2次地方制度調査会が平成13年11月に都道府県のあり方について、機能について、都道府県合併・道州制について、再編について、以上の観点の論点整理を行い、検討し、この3月に中間取りまとめを行うと聞いておるところであります。 また、全国経済同友会初め、多くの経済団体からも活発な道州制の提言があります。 また一方、国では昨年の2月19日、衆議院予算委員会で道州制、都道府県合併について、片山総務大臣は市町村合併の次は都道府県だと考えていると、総務省の中に学識経験者の研究会をつくっていると答弁をしております。 また、我が自民党も昨年12月に中間報告を出しております。道州制の導入により、約10兆円の財政削減効果があるという試算もあります。もちろん道州制につきましては、コスト削減だけではなく、国民に最適な行政サービスを提供することにより、豊かな生活を国民が享受することが目的であります。党では、タイムスケジュール的には首相の強力なリーダーシップのもとに早急に政府内に審議会を設け、議論を深めていき、合併特例法が失効する平成17年3月31日まで議論を重ね、国のあるべき姿、国家像を示し、平成24年度末を目途として道州制に移行すべきであるという提言を行っておるところであります。 2000年の4月、地方分権推進一括法が施行され、機関委任事務の廃止など国から地方、特に都道府県への権限移譲は大きく進んだわけですが、知事がいつも言われる税財源移譲がいまだ積み残されたままであります。小泉総理も三位一体の改革で、この6月ごろまで、明確にすると言っておられますが、先行き不透明でございます。国会の審議、地方分権改革推進会議、地方制度調査会等々により具体的な論議がされております。 しかし、知事が言われるように、これらの審議の行方を見守りつつ、全国知事会等で全国的に論議を進めていくことが必要だということは十分理解するところでございます。ただ、新潟県の将来を考えるとき、中央政府等における方向づけを待つだけでなく、まず県として、県知事としてみずから具体的な改革案を提起し、県民の理解を得、その目的に向かって努力すべきだろうと思っております。それが知事のリーダーシップと考えております。この基本的な考え方の中で質問をさせていただきます。 まず、今後の県のあるべき姿を検討するため、昨年6月、県庁内に若手職員を構成員とする、県のあり方研究チームを設置したと聞いております。現在研究中と聞いておりますが、どのような内容を研究し、その進捗状況及び取りまとめの時期はいつになるのか、また公表は考えておられるのか、まずお聞きいたします。 私は、国の役割は外交や防衛など、国全体の利害にかかわる必要最低限の分野に限るべきであり、ほかの権限とそれに伴う財源はすべて地方に移譲すべきと考えておりますが、国のあり方、役割について、知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 次に、知事は国に対して税財源の移譲について、従来から要望をしておられるところでありますが、現実には一向に進んでおりません。国は、景気が回復してからだとか、さまざまなことを言いながら実行に移してはおりません。もはや地方全体が団結して、国から権限を奪い取るぐらいの意気込みが必要ではないかと思っております。あわせて、地方行政制度の改革という具体的な取り組みがなければならないと考えております。 市町村合併が進めば、今の都道府県並みの権限を移譲しても、政令指定都市のように十分都市経営ができるというところが出てくるわけでありますので、府県の解体をし、新たなる地方行政制度をつくり上げることが今、求められているのではないかと思っております。 その意味で、例えばより広いエリアを持ち、国から一定の権限などを引き受けることのできる道州制への移行が税財源移譲を可能にする手段だと考えておりますが、この点について知事の御所見をお伺いいたします。 さて、県内の市町村合併につきましては、急速に進んでおります。2月20日現在で法定合併協議会が5か所、任意合併協議会が14か所、何らかの形で関係する市町村が111市町村中、103市町村でございます。この中で、ほとんどの過疎市町村が含まれております。住民を初め、過疎の市町村長につきましては、苦渋の決断で合併の方向を選択しようとしているところでもあります。 財政論から見ると、市町村は過去の国の地方財政計画に従って景気対策等をやってきたのであって、この財政破綻というのは、本来は国の政策がそうさせたわけであります。これにつきましては、国の責任が大部分あると考えています。でも反面、使った部分に関しましては、都道府県並びに市町村自身でございます。それにつきましては、市町村長とも十分な責任を感じているわけであります。その責任上、行財政改革をし、地方財政を少しでも好転させていく上での市町村合併に取り組んでいると考えているところであります。 新年度予算は、財政健全化と、また地域経済活性化を図るということで、二律背反する両にらみをした予算編成になったということであります。この点につきましては、厳しい財政状況の中で平成15年度、少しでも県民の皆様に明るい展望が持てるように、苦労しながら財政当局並びに知事が財政健全化債まで発行して予算組みされたことに対しましては、中山間地域を代表して大いに敬意を表する次第であります。 しかし、平成16年度予算編成はさらに厳しくなるものと推察いたします。知事答弁で、中期的には財政健全化債を発行せざるを得ないと見込まれると述べておられますが、そこで市町村合併特別交付金制度についてお聞きいたします。この制度は、一括交付から実績に応じて交付するとしたところでありますが、今後合併が本格化する平成16年度、17年度につきましては、約400億円近いお金が必要と聞いておりますが、ここ数年の厳しい財政状況の中で、この交付金が減額されることなく確実に交付されるのか、似たような質問もありましたが、過疎市町村におきましては死活問題であります。改めて知事の決意をお伺いするところであります。 また、他県の例を出して恐縮でございますが、石川県では合併前の協議会ができた段階で、1町村当たり2億5,000万円を上限に支給する制度がございます。ただし、合併しなかった場合は、利子をつけて返還してもらうということでありますが、県の支援は市町村数の多い道府県でも異例の好条件と報道されておりますが、現場では、過疎市町村では合併の方向が出た段階で交付決定があれば、なおこの制度は使いやすいと考えられております。本県においても、財政力が脆弱な市町村を考慮し、協議会ができた段階、または市町村議会におきまして、合併の採決がなされた段階での交付を検討すべきと考えておりますが、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、組織・機構改革について伺います。 今年度から地域機関につきましては、佐渡地域振興局及び地域振興事務所、地区振興事務所等を設置するなど、県民起点の考え方のもとに、県民により密着した行政を進めるため、部局横断的な組織改正を行って約1年を経過しようとしております。県民の皆様の反応は大変いいように思われますが、この組織改正の成果について知事はどう評価しておられるか、伺います。 今後、計画どおりに進めていくには、まだまださまざまな調整の必要な部分がありますが、県民の立場から見れば県行政は一つであります。縦割り行政から横断的・一体的な行政システムをさらに進めるべきと考えておりますが、地域機関の総合行政化をどのような考え方でいつごろをめどに進めていくのか、お伺いいたします。 今後、市町村合併が進んだ場合、それに応じて地域機関の役割と所管区域も変わってくるものと考えられますが、知事はこの点につきまして、地域機関のあり方をどのように考えておられるか、お伺いいたします。 また今後、地域機関が部局横断的な組織になっていくにもかかわらず、本庁が縦割りの状態であり、地域機関と本庁の連携が複雑化するおそれがございます。よりスムーズな行政運営をしていくためには、本庁での部局の統廃合も視野に入れた組織体制の改革について知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 この項の最後に、市町村合併の推進とともに県行政も変わらざるを得ないところであります。本庁はよりスリム化し、県民に身近な地域機関に、常々県が国に要望しているように、いち早く地域機関に財源と権限を付与することを要望いたします。 次に、21世紀の県行政創造運動についてでございます。 運動も第2ステージの初年度を終わろうとしています。仕組みづくりから進化・定着へ、創造運動の県庁全体への定着がねらいとのことですが、ここでは重点テーマの県民サービス向上運動の発展的全庁展開についてお伺いするところであります。 県民に直接行政サービスを提供する窓口については、県民の利便性や満足度の向上を図る視点から、サービスの提供方法を見直し、県民ニーズの高い窓口時間延長等について、検討・改善を行うということになっております。 さて一方、民間の営利企業では、リストラをしながら、顧客満足度の徹底を図りながら利潤の追求をしております。例えば、おわかりのようにコンビニでは24時間、365日営業、百貨店でさえ年間4日しか休みません。スーパーでは年じゅう無休、営業時間は店舗によって違いますが、午前零時まで営業を行っている店舗もございます。 一方、市町村の段階では、全国で一番先進的な群馬県太田市では、3月1日、あしたから平日に来庁できない市民のために土日開庁し、市民サービスの向上を図るとしています。その場合、職員の増員や時間外手当の支給はなしで行うとしているところであります。 そこで、県民サービス向上で窓口の時間延長等で万代島に移転する旅券センターについて伺いますが、従来から一歩進んで、日曜日、窓口を開設するということにつきましては評価すべきと考えております。しかし、旅券センターには年間、平成14年の実績で5万2,860人の方々の発給件数がございます。これだけの人たちが万代島に集まってくるわけであります。コンベンションの誘致予定客数が59万人と聞いておりますが、そのうちの1割もの方々が旅券センターに来るわけであります。県民サービスの向上と万代島とのにぎわい等も含めて考えれば、土曜日も窓口の開設が必要だと考えられますが、窓口開設に当たっての課題と実現可能性についてお伺いいたします。 勤労者や学生の皆さんには、週休2日制が定着してきたところであります。免許センターについてお伺いするところであります。運転免許試験以外、現在、免許センターでは月曜から金曜日まで、日曜日は午前8時半から午後4時まで窓口を開設し、平成14年度実績では優良運転者講習9万7,392人、一般運転者講習3万2,407人、違反運転者講習2万6,012人、初回運転者講習7,217人、記載事項変更届3,188人、運転免許証再交付8,370人、国外運転免許1,433人、合計17万6,019人の方が、利用していると言ったらおかしいですが、来ておられます。 反面、運転免許試験実施は月曜日から金曜日だけでございます。昨年の受験者は8万59人でございます。免許のない方々が免許センターに行って免許試験を受けるとなると、約1日がかりでございます。勤労者や学生は、仕事や学業を休んで受験しなければなりません。普通の警察署は365日、いつでも対応してくれているわけであります。なぜ県警本部の管轄下にある免許センターの窓口が365日開設していないのか、不思議でなりません。 免許センターにおいても、学生、勤労者の利便性を考慮しながら、日曜日のみでなくて、土曜日も窓口を開設すべきと考えておりますが、土曜の窓口の開設に当たっては、ウイークデーを振りかえ休日にするなどしてやる手段もあるわけでありますので、いろいろ考えながら、開設に当たっての課題と実現可能性について、県警本部長にお伺いするところであります。 また、運転免許試験につきましても、土曜日、日曜日が実施できないのか、あわせてお伺いいたします。 次に、県立図書館の開館時間の問題であります。 県民の文化と教養の醸成、学力向上に寄与する県立図書館であります。この開館時間にも少し疑問のあるところであります。現在、休日は、年末年始の休日、毎週月曜日、第3木曜日、開館時間は月曜日から金曜日までは午前9時半から午後7時まで、土日は午前9時半から午後5時までであります。民間企業と比較すると酷でありますので、新潟大学の図書館の例を申し上げますと、基本的には休日なし、月曜日から金曜日までは午前9時から午後10時まで、土日は午前10時から午後5時まで図書館はあいております。県民サービスを考えるときに、逆に国の機関の方がより国民サービスに力を入れているということが言えるのでないでしょうか。これでは、県民起点の考え方が笑われるわけであります。勤労者、学生などの利用者の利便を考慮して時間延長ができないかどうか、お伺いいたします。 次に、県民の安全確保についてであります。 複雑・多様化する犯罪、一向に減らない交通事故、それに加えて最近の外国人犯罪、また北朝鮮拉致問題、原子力発電所等の警備等、今日的課題も増加し、県民の生命の安全、財産の保持に警察官の役割は重要で崇高なものであります。その意味合いでも、財政危機といえども警察官の増員は大いにすべきと考えております。 そこで、今年度、平成14年度に100名、平成15年度にさらに80名増員するとのことでございますが、それぞれどういう目的で、具体的にどのようなところに配置されるのか、まず伺います。 次に、過疎地域の駐在所の件でございます。 過疎地域内には、駐在所数が2月26日現在で85か所あるそうであります。最近5か年間で9か所の駐在所が統廃合されてなくなったと聞いておるところであります。過疎地域の駐在所のあり方については、駐在所があることによって、地域の安全と犯罪の抑止に重要な役割を果たしているところであります。人口、また効率という観点だけでなく、県民の生命の安全という観点をよく考えていただきたいと考えております。特に駐在所の統廃合に当たっては、地元住民や関係市町村の意見交換を十分行い、道路整備の状況など、さまざまな要件を十分検討した上で進めていくべきだと考えておりますが、御見解をお伺いするところであります。 過疎地域では、駐在所の統廃合によって、いざというときの対応のおくれが懸念されるところであります。今回増員された警察官を中山間地域の駐在所に配置するなどして対応を強化するお考えはあるかどうか、お伺いいたします。 中山間地域の体験交流の推進についてでございます。 県は、いきいきとした中山間地域づくり、緑の山里・いきいき夢プラン戦略を着実に推進し、体験交流型観光を推進するため、さまざまな施策を講じておりますが、過疎地域内での体験交流を進めていく上でネックになっている点がございます。ホームステイ、農家民宿を行う上で、旅館業法、消防法、道路運送法、旅行業法、食品衛生法等、多くの規制がございます。この国・県の規制どおりに行おうとすれば、中山間地では農家民泊はやっていけません。 体験教育と称して、現在、農家民泊は受け入れているというところでありますが、今後、体験交流人口を増加させていくためにも規制の緩和をし、堂々と都会の人々を受け入れられるような法整備が必要でございます。幸い、今回は構造改革特区の関連として、農家民泊にかかわる旅館業法等の全国的規制緩和の措置がなされると聞いておりますが、どのような内容なのか、お伺いいたします。 次に、これらの規制緩和によりまして、グリーン・ツーリズムなどの体験交流推進及び中山間地域の活性化を図る上でどのような効果が想定されるのか、伺います。また、今後どのような取り組みを進めるのか、お伺いいたします。 以上の問題の解決が早く図られ、県民の皆様が安全で安心して、明るい展望を持ちながら生活されるよう念願して質問を終わります。大変ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、沢野議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、北朝鮮の拉致問題でありますが、県民世論を喚起するための具体策はどうかということであります。これまでも県職員による募金あるいはブルーリボンの着用等を初めとして、県庁施設内に拉致問題解明の横断幕を設置し、インターネットの県のホームページにも同様の掲出をするなど、県民の拉致問題についての関心を高めていただくように努力をしてきたところでございます。 今後はこれらに加え、県民だより等の県の広報媒体を活用した呼びかけ、あるいはポスターの作成・配布等についても検討して、さらなる世論の喚起に努めてまいりたいというふうに思います。 次に、道州制についてお答えしたいと思います。 まず、お尋ねの若手職員による県のあるべき姿に関する研究でありますけれども、本年度、有志の若手職員を募り、調査研究チーム設置要綱に基づく研究チームといたしまして、県のあり方研究チームを設置しており、これまでの自主的な研究の成果を3月末までに報告書としてまとめる予定となっております。 また、研究内容等につきましては、市町村合併の進展により県の役割・機能がどのように変容するか、そしてそうした研究を初めとして、将来想定されます県の役割・機能の中で、現在の都道府県の行政区域を超える、より広域的な行政課題の処理に着目し、それにふさわしい行政体制について考え方を整理しているところであり、報告書では今後の県のあるべき基本的な方向性を示すことになっております。 研究報告書は、県としての公式見解とはなりませんけれども、まとまり次第、若手職員からの問題提起として公表し、職員を初め、各方面からこの問題について考えてもらう契機としていきたいというふうに考えておりますほかに、この後庁内で行います県のあり方についての提言のための検討等に当たりましても、これを大いに活用していきたいというふうに思っております。 次に、国の役割ですけれども、第1次分権改革の成果として、平成12年4月に施行されました新しい地方自治法において、国は、国際社会における国家としての存立にかかわる事務等、本来果たすべき役割を重点的に担うという基本的な役割分担が明確に規定されております。これは、地方分権を推進し、国と地方の新しい関係を確立するために、国と地方公共団体の役割分担の原則を新たに規定したものであり、私としてもこの規定は妥当だというふうに思っております。 しかし、現実の事務・権限の配分は、全くこの考え方にのっとっておりません。私は、今後の県のあるべき姿を検討する際には、何よりもまず国の役割をこの原則に照らしてきちんと整理して、地方への大幅な権限の移譲の具体化について、そしてその具体化に向けての道筋をつけていくことが最も基本となるものというふうに考えております。 次に、県の担うべき役割でありますが、先ほどもお答えしたとおり、現状では国と地方の役割分担の適正化が進んでおらないわけで、あるべき姿とはまだほど遠い状況にございます。 また、県と市町村の役割分担につきましても、これまで住民に最も身近な事務・権限はできるだけ市町村が行うべきという考え方のもとに、県独自の権限移譲を行ってきたところでありますけれども、市町村合併の進展、そして市町村の行財政能力の向上に合わせまして、さらに権限の移譲を行い、県はより一層広域的、専門的な役割を担っていくべきというふうに考えております。 現在、政府の第27次地方制度調査会におきまして、ことしの秋の答申を目途に、都道府県のあり方等について審議が進められておりますので、代表質問等でもお答えしたとおり、本県としても今後の県のあり方についての考え方を整理して、積極的に問題提起を行い、議論を深めてまいりたいと思いますし、その際、他の県との連携についても検討してまいりたいというふうに思います。 次に、税財源の移譲の実現のために、道州制への移行も一つの手段ではないかということでありますけれども、国から地方への税財源の移譲は、現在の国と地方の関係におきましても、地方の果たすべき役割と地方の税収規模に構造的な乖離がありますことから、地方財政制度改革の中で最優先に検討されるべき課題であるというふうに考えます。 また、今後の県のあるべき姿を検討する際にも、自治の拡大、自立分権型の地方行財政システムへの転換という視点から、そのあるべき姿を定め、それにふさわしい税財源のあり方は当然検討していかなければならない課題でございます。 御指摘の道州制につきましては、論者により、そのイメージにはかなり違いがあるというふうに思いますけれども、今後の行政区域や行政体制について、道州制がふさわしいかも含め、本県としての考え方を整理していきたいというふうに考えております。 次に、市町村合併特別交付金制度についてお答えします。 まず、厳しい財政状況下で交付金が確実に交付されるのかというお尋ねでございますが、県の負担は相当大きくなることは予想されますので、私としては大変肩に重みを感じる次第でありますけれども、事業の実施に合わせて交付していくという、この制度の見直しも先般行ったところでありますし、引き続きこのルールで実施してまいりたいと考えております。 次に、合併前における市町村合併特別交付金の交付についてでございますが、合併に係る財政支援として、合併へのスムーズな移行のために、合併施行までに必要となる経費については特別交付税措置がなされております。また、まちづくりのための経費については、合併重点支援地域に対し合併推進事業として交付税措置のある地方債の発行が認められております。 これらのことから、市町村合併特別交付金につきましては、合併後の新しいまちづくりの支援という観点から、市町村建設計画に掲げられた具体の事業を対象として交付することとしているものでありますので、今年度、市町村が活用しやすいよう対象期間の延長等の制度改正を行ったところでございます。 次に、組織・機構改革についてお答えしたいと思います。 初めに、今年度に実施した組織・機構改革の成果に関して、私の評価はどうかということでございますけれども、各分野の業務を調整し、総合的に実施する地域振興局あるいは地域振興事務所等の設置は、地域に地方分権時代に向けた新しい動き、取り組みを巻き起こすきっかけになったのではないかなというふうに考えております。 具体的には、地域振興事務所等が主体となって地域振興計画の策定、そしてそれに関連する地域振興予算の取りまとめ等を行いましたけれども、その過程で各地域機関とか、あるいは地元との連携調整を図り、これまで不十分でありました部門横断的な取り組みとか、職員間の連携協力が進んだというふうに思います。 そしてまた、職員の意識や取り組みも、相互の業務に関心を持ちながら、互いに連携協力して地域と積極的にかかわっていこうというふうに姿勢としても変化が起こってきているということを感じております。 そしてまた、これから地域振興計画が実施段階に入るわけでありますので、その実施段階に入るに当たりまして、地域振興事務所等が計画推進の中心的な役割を担いまして、今後さらに地域からの施策形成とか企画立案機能の強化につながっていくことを期待しているわけであります。 こういったことを挙げますと、地域の視点で企画、調整、実施する機能を持った地域機関は、地域振興等の拠点としてうまくスタートしたのではないかなというふうに考えている次第であります。これらのことから、私としては、今回の組織改革に期待した一定の成果が得られたというふうに評価をしております。 また、地域機関の総合行政化の考え方ですけれども、現在、佐渡におきまして地域振興局という一体化の組織によって、佐渡以外の地域における地域振興事務所を中心とした各事務所間の横断的な調整によって、地域における総合行政に取り組んでいるところですけれども、基本的には佐渡以外の地域につきましても、できるだけ早く地域振興局体制に移行することが必要であるというふうに考えております。 地域振興局体制への移行に際しましては、各地域の市町村合併の動向や合併後の市町村と県との役割、所管区域の整合等々、さまざまな要素を踏まえて検討を進める必要がございますので、今後これらの動きを見定めながら、今申し上げた要素を検討いたしまして、できるだけ早期に移行できますよう取り組んでまいる所存でございます。 次に、市町村合併の進展と地域機関のあり方でございますけれども、合併によって市になったり、新たに中核市や政令指定都市等が誕生することが想定されますので、これらの市への事務所の移管に伴い、健康福祉(環境)事務所や土木事務所を中心として、県の地域機関の役割が変わってまいるわけであります。また、合併後の市町村境界に合わせて、所管区域の見直しも必要になるというふうに考えます。 なお、将来にさらなる合併の進展等により県の事務が市町村に大幅に移譲されるという場合には、地域機関もより高度専門的な役割に特化するとともに、所管区域をさらに広域化していくということも検討する必要があるかもしれないというふうに考えております。 次に、地域機関との関連における本庁の改革でございますけれども、平成13年度の本庁の組織機構改革により、政策調整のため総合政策部を設置し、あわせて地域のさまざまな課題を各部局と調整する仕組みを整えたところでございます。また、平成15年度からは、地域振興計画を実現するための地域活性化推進事業を総合政策部に一括計上して、地域からの施策形成に連動した事業展開を可能にするなど、総合政策部が調整機能を発揮いたしまして、本庁各部局と地域機関の連携を図ることとしております。 しかしながら、国との関連で動かざるを得ないことの多い本庁につきましては、国の縦割りや地方分権の進まない現状の中で、組織として不十分な対応となっているわけであり、今後の重要な課題でございますけれども、当面は平成13年度の時点で継続検討とした課題の実行について、まず検討することとし、あわせて13年度の改革の評価や市町村合併の進展に伴う県の業務の変化等を勘案いたしまして、今後の本庁改革の議論を深めてまいりたいというふうに考えております。 次に、中山間地域の体験交流の推進についてお答えしたいと思います。 旅館業法の規制緩和によります効果と県の取り組みでありますけれども、体験型交流へのニーズが高まっている中で、農家等が取り組む体験民宿の客室の延床面積要件が緩和されることで、新たな設備投資の少ない民宿開設が可能となりまして、宿泊による生活体験を含めたさまざまな体験交流の場が提供できるということ、そして業として継続的な就業の場の確保が図られることなど、地域の活性化の効果を期待しているところでございます。 こうした観点から、県といたしましては、本年1月に関係部局や地域の関係者によりますワーキングチームを設置いたしまして、政令改正に伴う県としての対応や衛生措置の確保、体験民宿の活用方法等関連事項について、部局横断的な検討を行っているところでございまして、今回の規制緩和措置を契機に、より一層の中山間地域における体験交流の推進について努力してまいりたいというふうに思います。 以上であります。   〔総合政策部長西埜孝樹君登壇〕 ◎総合政策部長(西埜孝樹君) 私の方から2点、お答えしたいと思います。 まず、旅券センターにおける土曜日の窓口開設についてでありますが、県庁旅券センターは、県民サービス向上の観点から、この4月28日に新潟県パスポートセンターと名称を改め、朱鷺メッセに移転し、5月からパスポートの日曜交付を行うこととしております。 日曜日の窓口開設に引き続いての土曜日の対応につきましては、責任ある発給体制を確保するための増員、施設の管理・警備体制の見直しや外務省側の体制などの課題があると考えております。 いずれにいたしましても、県民の利便性の向上につきましては、重要なことでありますので、今後は日曜日の来庁者の状況や窓口の開設時間に対する県民ニーズなどを踏まえ、土曜日の窓口開設も含め、県民サービスの向上について、引き続き検討してまいりたいと考えております。 次に、構造改革特区の関連としての旅館業法の規制緩和の内容についてでありますが、まず農家等が行う体験民宿の営業区分は、これまで国の指導が不明確であり、旅館に準じた扱いをしてきたところでありますが、より基準の緩い簡易宿所で可能とする判断が示されたところであります。 また、現行では簡易宿所については、客室延床面積基準が33平方メートル以上と定められており、これに見合った洗面所やトイレなどの設置が必要でありましたが、このたびの規制緩和措置により、農家等が行う体験民宿については、この面積要件の最低基準が適用されないことになり、経費負担の少ない小規模なものでも可能となるものであります。 以上でございます。   〔教育長板屋越麟一君登壇〕 ◎教育長(板屋越麟一君) お答えいたします。 まず、拉致問題に対し、中学生、高校生の理解を深める取り組みについてでありますが、中学校の社会科や高等学校の公民科では、国家の役割や国家主権、基本的人権などについての学習を行っており、その中で今日的な課題の1つとして拉致問題に触れ、国家の主要な役割が国民の生命や安全を守ることなどであることや、すべての国家の主権が相互に尊重されなければならないことを理解させることが、こうした問題についての理解を深めることにもつながるものと考えております。 次に、日本と朝鮮半島との歴史的な関係の教育についてでありますが、中学校の社会科や高等学校の地理歴史科では、日本と朝鮮半島が古代以来、大陸文化の伝来や人々の相互交流を通じて密接な関係を続けてきたこと、また、近代の一時期において、日本が朝鮮半島を植民地支配したこと、さらに現代における日本と朝鮮半島との政治的、経済的な関係についても詳しく取り扱っているところであります。日本国民と朝鮮半島に暮らす人々との相互理解をさらに深めるとともに、国際社会を主体的に生きる日本人としての資質を養うためには、今後も日本と朝鮮半島を初めとする世界の諸地域との歴史的な関係については、きちんと教育していく必要があると考えております。 次に、県立図書館の開館時間の延長についてでありますが、現在、県立図書館は、先ほど質問の中で示された開館時間、運営方式のとおりでございまして、平日は午前9時30分から午後7時まで、土曜・日曜日は午前9時30分から午後5時まで開館し、月曜日及び祝日や年末年始等を休館日として運営しているところでございます。 こうした中で、ライフスタイルの変化などにより、祝日開館や開館時間の延長などの意見や要望が図書館利用者や県民の皆さんから寄せられておりますので、今後、こうしたことを含めて、図書館サービスのあり方について総合的に見直す必要があると考えており、これらについて調査、検討してみたいと思っております。 以上です。   〔警察本部長加地隆治君登壇〕 ◎警察本部長(加地隆治君) 沢野議員の一般質問にお答えいたします。 まず、土曜窓口の開設についてでありますが、新潟運転免許センターにおきましては、運転免許更新者の負担軽減を図るため、昭和57年10月から日曜窓口を開設いたしております。さらに、土曜窓口を開設するためには、運転免許センター職員等の人的体制を整備する必要があること、警察庁の運転免許関係電算システムは土曜日は運用されていないことなどの課題があり、現状では土曜窓口の開設は難しいというふうに考えております。 なお、昨年の道路交通法の改正により、免許更新期間が誕生日の前後2カ月に延長されたこと、運転免許の有効期間が原則3年から5年に延長されたことなど、更新者の負担軽減が図られているところでございます。 次に、運転免許試験の土曜日・日曜日の実施についてでありますが、現状では運転免許センター職員等の人的体制の整備、とりわけ専門的知識を要する技能試験官の確保が困難であること、日曜日には学科試験会場をも更新時講習に使用せざるを得ない実態であることなどから、実施は困難であるというふうに考えております。 次に、警察官増員の目的及びその配置先についてでありますが、このたびの増員は、現下の厳しい治安情勢を踏まえ、県民のための警察の視点に立った執行力の高い、力強い警察を実現するために行われるものであります。 平成14年度の警察官増員100名の主な配置先でございますが、県民から特に要望の強い空き交番の解消及びパトロール強化を図るための交番機能強化対策に増員のおおむね半数に当たる46名、ストーカー対策に5名、犯罪被害者対策に6名、来日外国人組織犯罪捜査強化対策や不法滞在者対策に10名、留置管理対策に13名を充てる予定であります。 なお、本定例会において御審議をいただいております平成15年度の警察官増員80名の配置先につきましても、お認めいただいた場合には、平成14年度の増員とほぼ同様の部門に配置しようというふうに考えております。 次に、駐在所の統廃合を含む整備の基本的な考え方、今後の方針についてでありますが、県警察といたしましては、主として老朽化施設の建てかえ時期に合わせ、その管轄区域における治安情勢の推移、地域社会の変化、業務負担の状況、地域住民の要望意見等を踏まえ、その地域の実情を総合的に判断した上で、交番・駐在所の整備、統合を検討しているところでございます。 今後とも地域全体の治安体制を考慮しながら、地域住民の皆様の御要望や御意見をお聞きし、その御理解を得た上で適正な配置に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、今回の増員された警察官の中山間地域の駐在所への配置についてでありますが、平成14年度の警察官増員100名につきましては、うち46名を各警察署の地域警察部門に配置する考えであり、その配置先は事件・事故の発生状況や業務負担状況等を考慮の上、交番及びパトカー勤務員を中心とした体制の強化を考えております。 御懸念の中山間地域における事案発生時の対応につきましては、本署パトカーによる重点的な警ら・警戒、隣接交番や駐在所との連携強化などにより早期臨場を図るなどして、治安の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(石井修君) 沢野修君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(石井修君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(石井修君) お諮りいたします。 次回は、3月3日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(石井修君) 異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明3月1日及び3月2日は休日のため本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(石井修君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △散会午後4時7分...