新潟県議会 > 1996-09-17 >
09月17日-一般質問-02号

  • 渋滞解消(/)
ツイート シェア
  1. 新潟県議会 1996-09-17
    09月17日-一般質問-02号


    取得元: 新潟県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    平成 8年  9月定例会 本会議平成8年9月17日(火曜日)  議事日程 第2号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(相川平松君、近藤正道君、長津光三郎君、池田昭一君、市川政広君、高橋      誠一君)   ――――――――☆――――――――出席議員(61名)       尾身 孝昭 君  清野 正男 君  中原 八一 君  柄沢 正三 君       中野  洸 君  佐藤 与一 君  小川 和雄 君  小野  忍 君       西川  進 君  木浦 正幸 君  山崎  晄 君  村松 二郎 君       小野 峯生 君  目黒 正文 君  帆苅 謙治 君  三林 碩郎 君       斎藤  勲 君  清田 三吉 君  上村 憲司 君  長津光三郎 君       天井  貞 君  渡辺 惇夫 君  佐藤 元彦 君  種村 芳正 君       西川  勉 君  石井  修 君  東山 英機 君  増子 宏一 君       梁取  隆 君  高橋  正 君  水倉 庄市 君  三富 佳一 君       相川 平松 君  星野伊佐夫 君  馬場潤一郎 君  嵐  嘉明 君       目黒 武尚 君  轡田 勝弥 君  高山  巌 君  布施 康正 君       桝口 敏行 君  小泉 仲之 君  米山  昇 君  小山 芳元 君       池田 昭一 君  中条 敏巳 君  近藤 正道 君  五十嵐 基 君       倉島和四蔵 君  小川 義男 君  中川 良一 君  佐藤 信幸 君       近藤 貞夫 君  高橋 誠一 君  市川 政広 君  柳  定男 君       中川 秀平 君  福島  富 君  志田 邦男 君  武田 貞彦 君       青木太一郎 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者  知事          平山 征夫 君  副知事         小川 和雄 君  副知事         川村 仁弘 君  出納長         本間栄三郎 君  総務部長        長野謙之進 君  企画調整部長      西藤 公司 君  環境生活部長      貴船 育英 君  福祉保健部長      稲葉  博 君  商工労働部長      新島 良夫 君  農林水産部長      堀江 昭雄 君  農地部長        戸上 訓正 君  土木部長        今岡 亮司 君  港湾空港局長      歌代 淳夫 君  病院局長        真島 福一 君  企業局長        池  政男 君  教育長         平野 清明 君  人事委員会事務局長   岡村 光郎 君  警察本部長       中長 昌一 君  地方労働委員会事務局長 当摩  誠 君  監査委員事務局長    青木  彰 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(星野伊佐夫君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(星野伊佐夫君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 通告順により発言を許します。 まず、相川平松君の発言を許します。   〔相川平松君登壇〕(拍手) ◆相川平松君 私は、自由民主党を代表いたしまして、県政の諸問題について質問をさせていただきます。 まず最初に、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。 知事の選挙まで、あと半月を残すのみとなりました。去る8月19日に、知事は、「21世紀に向けての私の政策骨子」を発表され、その中で、「めざそう、新・新潟価値づくり」をキャッチフレーズとした新たなる決意を示されました。「新・新潟価値づくり」といっても、県民にはどういうことなのかわかりにくいと思います。知事は、具体的にどのような考えを持って「新・新潟価値づくり」を推進されるおつもりなのか、明快にお答えいただきたいと思います。 また、重点政策として5項目を挙げられておりますが、いずれをとっても21世紀に向けて重大な課題であり、その実現のために多くのプロジェクトが組み込まれておることと思いますが、その中でも特に知事が力を入れて推進されるプロジェクトはどれなのか、お伺いいたします。 さて、知事は、県政推進の基本姿勢として3本柱を挙げておられます。まず、「県民に開かれた県政」を挙げておられる。その中でも、「多くの県民の御意見を反映する県民参加型の県政を推進する」とあります。県民参加と言えば、先ごろ行われた巻町の住民投票は、その内容については疑問を残すところもありますが、最も直接的な意味では県民参加型であります。 結果は、原子力発電の今日の日本における重要性と必要性が住民に理解されず、我が党としては非常に残念に思っているところであります。住民投票を求める動きの背景の中には、現在の政治機構やオール与党化した議会では、住民の意思が政治に十二分に反映されにくいという批判や、有権者の政治不信、政治離れがあり、住民の自治への関心が高まるという面でそれなりの意義があるという声と、一方では、社会が複雑・高齢化する中で、最大多数の利益を図るという意思決定をするには、それ相応の知識と識見が必要であり、代表民主主義が理にかなっているという声もあります。 また、投票の対象については、首相の諮問機関である地方制度調査会でも、住民の自治意識を向上させるための拡充を検討すべきであるとしているものの、投票の対象は、住民がみずからの意思だけで決定できる事項に限定するべきだとしています。 私は、地方分権だからといっても、エネルギーや国防などの国策については、国が責任を持って処理すべきものである。原発や基地問題は、ごみ焼却場のように、その地域の問題として片づけられるものと次元が異なり、住民投票に適さないものと考えます。住民投票のあり方について、間接民主制を基本とする現行の法体系の中で、こうした住民投票をどう位置づけ、対象とすべきかについては、知事のお考えをお聞きするとともに、このたびの巻町の住民投票をどう評価しておられるのか、知事のお考えを改めてお伺いするものであります。 さて、原子力発電は、環境保護の面から見ても、特に地球温暖化では2000年までに二酸化炭素は1990年レベルに抑制すると国際的に公約していることから、最も適しているものでありますが、住民投票をきっかけに、その建設が非常に難しくなると思います。21世紀に向け、日本が世界に経済立国として生き残るための重要なエネルギー供給計画は、その巻町住民の投票で大きく影響を受けざるを得ない。しかも、その代替エネルギーの見当さえつかない状況にもなりかねないものであります。原発推進を表明されている知事でありますから、当然同じお考えのことと思いますが、いかがな御所存か、お伺いいたします。 また、知事の政策骨子のどこを見ても、原発のことは書いてありません。反対派の中には、原発推進の知事は要らないとまで言っていますが、この際、知事は、原発の必要性について、知事の考えをはっきり述べ、県民の審判を求めるべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。地方分権が叫ばれる今日、単なる行政マンにとどまらず、政治家という顔を持たなければ務まらない知事でありますから、絶対に必要と思われますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、6月議会において、我が党の石井議員が代表質問にお伺いいたしました食糧費やカラ出張等の不適正支出についての調査の件であります。 先ごろ、平成6年度分の調査結果が発表され、8,000万円の不適正支出があったとのことであります。まことに残念な限りでございます。クリーンにして効率的な県政を基本姿勢に取り入れられた知事として、この調査結果をどのように受けとめておられるのか。また、最近各県では、食糧費における相手方の公開を行うところが相次いでおります。本当に必要な場合は、堂々と説明できる会合であるならば、この際本県も相手方を公開すべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 さて、その内容については、県の事業執行上必要なものに充てられたと聞いておりますが、理由はともあれ、不適正な執行である以上、早急に何らかの改善策に取り組む必要があると思います。また、情報公開を求められる市民団体では、独自の調査と大きな開きがある、みずからの違法行為をみずから調べるという点で客観性が疑われるという声もあり、さらに情報公開を求めていくとしていますが、知事は、みずから平成7年度分についても引き続き実態の解明をするとのことですが、監査制度のあり方や責任問題に対してどうお考えか、お伺いいたします。過去の過ちを正し、県民から信頼を回復することは、並大抵でないと考えております。知事のこの問題に取り組む姿勢と今後の具体的な対応策について、あわせてお伺いいたします。 次に、財政事情に関連してお伺いいたします。 自治省がまとめた来年度予算概算要求額を見ると、総額では前年度比27.1%増でありますが、地方自治体に配分されておるものは3.8%減と、4年続きのマイナス要求とのことであります。 また、新聞報道によれば、本年度普通交付税配分額は、本県配分額は2,664億6,000万円であり、前年度比1.8%の伸び率、全国平均では4.9%を下回っており、ここ数年来の傾向でもあります。このようにして厳しい財政事情が続き、今後もまた予想されるのでありますが、まだまだインフラ整備の必要な本県にとっては厳しい状況であると言えましょう。そこで、今後の財源確保の見通しと対応について、知事にお伺いいたします。 また、来年4月から、税制改革関連法に基づいて、消費税の5%引き上げが予定されております。3年にわたって先行して行われてきた特別減税措置も受けており、消費税の引き上げは当然のことでありますが、単純に見ても、2%の財源が必要となるわけであります。新たに設立された地方消費税の交付もありますが、その財源確保についての見通しと、あわせて歳出への影響と対応についてお伺いいたします。 次に、観光産業の振興の観点からお伺いいたします。 県は、このたび新潟県観光基本計画、いわゆる「うるおいの新潟観光プラン」を策定されましたが、現行計画では、副題が「観光収入の倍増を目指して」となっており、本年度の目標を見るに、観光入り込み客数が9,000万人、観光収入6,000億とされております。しかるに、今回の計画では、このような具体的な数字が示されないのでありますが、それなりの理由はあると思いますが、その趣旨を含めて、今後の本県観光の目指す方向と、そのための施策を明らかにしていただきたいと思います。 さらに、バブル崩壊後の景気の回復感はあるものの好況感までには至らず、当然旅行需要に影響すると見られるものと思いますが、そこで、現在の観光基本計画の最終年度に当たって、計画の目標達成の見込みをお伺いし、あわせて他県、特に福島、長野などの隣接各県との比較と、本県の特徴や傾向をお伺いいたします。 次に、佐渡観光についてお伺いいたします。 佐渡は新潟県を代表する観光地であり、産業のほとんどが観光に依存していると言っても過言でないと思われますが、観光客入り込み数を見るに、平成3年以降毎年減少傾向にあり、本年度も入り込み客数の減少傾向が見られるようであります。佐渡観光の衰退は、わが新潟県観光全体に与えるイメージにも大きく影響するものと憂慮すべきことであります。そこで、佐渡汽船の突然の値上げも影響していると思われますが、佐渡観光客の落ち込みの原因をどのように分析しておられるのか、またその対策についてお聞かせください。 さて、高速交通体系の整備に伴い、観光客の動向にも大きく変化が見られます。本県においては、本年11月磐越自動車道津川インターまでの供用開始、さらには来年度の全面開通等によって、一層充実した交通体系の整備が図られることとなりますが、それは観光の振興に大きく寄与するものであると同時に、他方、隣接各県との時間的距離の縮小により、単なる通過県として位置づけられるおそれがありますが、このことは、隣接各県にも同じく言えることで、観光客は県境に関係なく、広域にわたって行動するものであり、それを受け入れる側も、県の境界を越えた広域的な観光ルートの設定や、各県と一体となった誘客宣伝など、さまざまな対応が必要とされていると思います。知事は、今後どのような観点で観光客誘致に対応されていくおつもりか、お伺いいたします。 観光振興に関連して、最後に株式会社新潟ふるさと村についてお伺いいたします。 33億円の借入金と4億6,000万円の累積赤字を抱えたふるさと村も、再建後早くも3年目に入るわけですが、当時多くの論議を重ね、大きな決断のもとに断行した活性化策が功を奏し始めたようで、最近は、ふるさと村の活性化が感じられるようになってきましたと思います。県が直接に設置し、県における観光と物産の振興拠点施設としての使命を果たさなければならないふるさと村であります。そこで、株式会社新潟ふるさと村の経営状況と今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、万代島の再開発に関連してお伺いいたします。 先ごろ、県と民間中核企業グループの会社との間で基本協定の締結が行われ、知事はマスタープランを発表されました。それでようやく万代島再開発事業が本格的に始動するわけであります。そこで、基本協定の概要をお伺いするとともに、報道では概算事業費約600億円、うち民間事業費が250億とのことでありますが、残りの公共事業費をどう捻出されるおつもりか、知事にお伺いいたします。 また、再開発に当たって一番問題なのは交通アクセスであります。現在、万代島ヘは国道113号からの道路と信濃川沿いの道路だけであり、新交通システム等新たなアクセス計画はないのか、また新潟駅、新潟空港、バスターミナル等の全体のアクセスとしてのどのような計画をお持ちなのか、あわせてお伺いいたします。万代島地区は埋立地でもあることから、施設建設に当たっては、耐震設計等には細心の注意を払うことと思いますが、防災に関する整備方針としてどのような対応をされるおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。 次に、農業問題についてお伺いいたします。 昨年施行された新食糧法のもとでの初めての収穫が、県内各地で今や真っ盛りに行われているところであります。本県の生産調整状況は、県全体では100%とのことでありますが、報道によれば、生産調整達成が図られないと国等の補助事業が採択されないおそれがあるため、青刈りをして未達成農家への配分面積を肩がわりしている農家に独自に補償を行い、生産調整の完全実施の窮余策としている市町村も見受けられるようであります。また逆に、目標面積92.3%の達成率にすぎないところがあり、青刈りの時期も過ぎてしまい、国や県の補助事業が採択されないのではないかと心配しているとの報道もあります。そこで、県内各市町村の生産調整への取り組み状況をお伺いするとともに、補助事業に関して、達成市町村から優先的に採択していくと仄聞しておりますが、あわせてその対応についてお伺いいたします。 また、生産調整、いわゆる減反に協力した農家としなかった農家との間に当然不公平感が生じ、また市町村にとっても、国や県の補助事業が採択されないという問題もあり、県が直接関与する問題ではないと思われますが、来年度以降も引き続き大きな問題となって影響するものと思われますが、このことに対しどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。 さて、民間調査や北陸農政局の8月現在の作況指数が発表され、本県は今のところ佐渡の「やや不良」を除けば、「平年並み」を確保しそうであります。全国状況を見ても「平年並み」であり、もう既に関係者の間では3年続けての豊作になり、ミニマム・アクセス米の受け入れもあることから、米が余ることによって米価の下落を心配しているとの報道も見られます。 このような状況にあって、本県では、コシヒカリという強力な武器があるわけですが、全農家がコシヒカリばかりをつくっているわけでもなく、当然他銘柄米もあるわけで、今後の対策として、うまい米の産地新潟というイメージの浸透をより一層強力に推進する必要があると思いますが、県としてはどのような方針で今後臨まれるのか、お伺いいたします。 次に、関連でガット・ウルグアイ・ラウンド対策費についてお伺いいたします。 8月27日付の日本経済新聞の1面に、「農業予算未消化17% 47都道府県で9300億円」と大きく報道されており、特に米どころ東北、北陸の未消化が大きく、次年度繰越額が本県も北海道に続いて2番目、583億6,300万円と報道されております。他県では受益者負担があることや、地元調整、事務手続のおくれなどのためと報道されておりますが、いろいろな原因があるものと考えられます。そこで、本県の状況と、今後一層の効果的な事業執行を図るための対策についてお伺いいたします。 次に、水産業の振興に関してお伺いいたします。 現在、日本の水産資源は総じて低い水準にあり、再生産が可能な資源であるという特色もフルに生かしながら、永続的に利用していくための漁業管理制度の確立を図らなければなりません。そのために、漁場環境の保全や、漁業者みずからが主体となって資源の合理的利用を図る資源管理型漁業の推進・定着化と、広域的な展開や人為的手法によって資源の増大を図り、つくり育てる漁業の実践を拡大しなければならない状況であると思います。 さらに、年々漁業就業者の減少と高齢化が進行し、漁業の健全なる発展への影響や、漁業を基幹産業とする地域の活力の低下が懸念される状況もあります。若者の漁業への定着化を図るためにも、漁業基盤等の整備や海洋性レクリエーション等の漁業以外の事業との連携も必要であり、漁村の活性化を図り、魅力ある産業として漁業づくりを推進する必要があると思います。 そこで、まず、現在県が進めている資源管理型漁業の推進・定着化と栽培漁業の拡大を強力に推進することが私は必要と考えるのでありますが、県は今後どのように対応していくおつもりなのか、お伺いいたします。また、水産業振興の根幹となる漁港の整備状況はどの程度進んでおるのか、その基本目標と課題等をあわせてお伺いいたします。 次に、今世間を震撼させているO-157に関連してお伺いいたします。 御存じのようにO-157による食中毒が、集団、個人を問わず発生し、いまだにその感染経路は、牛のレバ刺し及びおかかサラダ以外は解明されておらず、大阪堺市の場合は、カイワレ大根ではないかと言われ、製品の出荷ストップという状況に陥り、全国の食卓からカイワレが一斉になくなるという大騒動になりました。しかし、再調査を行っても、カイワレはもとより、関連施設等からもO-157菌が確認されず、製造、流通の両面で特定できない状況であります。 農林水産省では、カイワレ等の水耕栽培に衛生管理方式を来年度にも導入し、安全対策事業に取り組むとのことであります。また、これに先駆けて厚生省では、10月から食肉処理に米国式衛生管理を導入し、新しい管理基準を設けるとのことであります。このようなO-157対策について、当然必要なことでありますが、急なことでもあり、特に食肉センターでは、その対策に大騒ぎであるということであります。このほかにも、生食野菜の販売が不振となり、生産調整のために多くの商品が破棄されているとも聞いております。県内では、野菜と食肉に関する状況と対応はどうなのか、お伺いいたします。 次に、学校給食に関連してお伺いいたします。 県は、8月16日に市町村給食担当者を招集して、学校給食におけるO-157対策を指示されたとのことでありますが、この中でも給食緊急点検について、結果的には全体としてどのような課題があったのか、この改善策についてどのように指導されているのか、お伺いいたします。 また、市町村における対策の万全についてでありますが、例えば給食のサンプル保存用冷凍庫に関しても、その設置が間に合わないというところもあるやに聞いておりますが、このことは文部省も弾力的に運用を認めているようであります。そこで全市町村の設置状況と、調理員等への衛生管理の徹底など、市町村間の状況をあわせてお伺いいたします。 現在の学校給食は、各学校の調理する自校方式と、地域の学校の給食を一括して共同調理場で調理するセンター調理方式があります。今回の大阪堺市の事例が、センター方式では多くの被害を起こしやすいとの指摘もあるところでありますが、調理場の方式について、県の考え方についてお伺いいたします。 また、給食メニューで生野菜を当分の間加熱するとしておりますが、子供たちの将来を考えると、生野菜嫌いと不信感の懸念も考えられ、栄養バランスとあわせ、本県の農生産品の消費拡大という観点からの心配も考えると、この点について、これからの給食指導においてどのように配慮されていくおつもりなのか、お伺いいたします。 O-157の患者は、幸いにも本県においては、まだ大人2名の発病者数であり、症状も軽いようでありますが、一般的には不安情報が先行し、いじめ問題も起こる可能性も高いところから、保健所や市町村等の連携によるO-157に関する情報収集や予防対策を初め、被害者等の拡大を防ぐためあらゆる広報手段を活用して、県民への情報提供と啓発が必要と考えられますが、県としては、食中毒に対する対策の強化もあわせ、どのような総合的な予防対策を立てておられるのか、お伺いいたします。 また、関連して、上越地区におけるカニによる大規模な集団食中毒も起きており、食中毒に対する対策を強化すべきと考えますが、どのような対策をとられるおつもりなのか、お伺いいたします。 最後に、精神薄弱養護学校高等部についてお伺いいたします。 昨年12月定例会において、我が党の高橋政調会長の質問に対して、知事は、本県の精神薄弱養護学校高等部への進学率は全国に比較して低位であることなどから、高等部教育の目的を社会参加・自立を目指すことに改め、対象者の拡大を図ってまいりたいと答弁され、さらに教育長は、普通学級のほかに、新たに重複学級を設置することを表明されました。そこで、まず基本構想改定に合わせ、整備計画はどのようになっており、いつから実施されるのか、その基本方針についてお伺いいたします。 また、既に広島県では実施されている訪問学級について、将来本県においても実施について検討するお考えがありますかお伺いするとともに、特に広い地域からの生徒が集まるような場所は、寄宿舎の整備やスクールバスの運行等の対応も必要と思われますが、あわせてお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 相川議員の御質問にお答えいたします。 最初に、私がさきに発表いたしました政策骨子についてでありますが、私は県民の皆様に間近に迫りました21世紀に向かって「新・新潟価値づくり」を呼びかけました。それは、次の2つの考えからでございます。 まず第1に、新しい時代には、人々の新しい価値観が求められるということであります。それは、言いかえれば、20世紀の物質的な豊かさへの挑戦の時代から、21世紀には本当の豊かさを実現する価値観に発展していかなければならないと考えております。 第2には、それを県政において見れば、東京一極集中の時代の価値観から、地方分権すなわち地域がみずからの価値を大切にし、みずからが考えて地域を創造していく自立した価値観へ変わっていく必要があり、新潟は新潟の自然や風土、人情がはぐくんできた大切な価値を新潟からさらに発展させていくべきであると考えております。そして、そのことの基本には、ふるさとを愛する心があります。新潟が好きだから、新潟をもっとすばらしくしたい。そんな気持ちから、県民の皆様とともに21世紀へのかけ橋をかけてまいりたいということでございます。 私は、こうした考えから、新潟県が誇るさまざまな資源を新たな目で見直し、これまでの財産にさらに新たな価値を付加していくということ、新潟から発信する人間らしさ、自然らしさ、そして豊かさをつくり上げていくことを「新・新潟価値づくり」と呼ばせていただきました。私はこの理念に基づき、重点政策5項目にわたって「新・新潟価値」をつくり上げていくことをお約束し、このことを訴え、広く推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、重点政策を推進していく上で、特に力を入れるプロジェクトは何かというお尋ねでございますが、私は21世紀に向かっての今後の県政のさまざまな課題のうち、重点的に取り組むべきものとして5項目取り上げました。これらは、相互に関連し、新潟の地域価値を高めていくものであることは当然のことでございますが、あえて分類いたしますれば、このうち「笑顔あふれる福祉社会づくり」と「のびやかな子供が育つ人づくり」、この2つの項目はいわば基本科目とも言うべきもので、必ず取り組まなければならない項目と考えております。 一方、「産業づくりと雇用の場づくり」「文化が光り環境を大切にする地域づくり」「日本海大交流時代づくり」は、いわば県勢の発展、県民生活の向上のための私が選んだ戦略科目として取り上げたものでございまして、こうした中で特に力を入れる個別のプロジェクトは何かということにあえてお答え申し上げれば、高齢社会に対応した福祉計画の推進、いじめ・登校拒否対策はいずれも喫緊の課題でございますし、テクノタンク構想やアグロタンク構想の推進等による本県産業の競争力の強化と多様な雇用の場づくり、日本海大交流時代の拠点にふさわしいインフラの充実などのほか、これまで手がけてきております万代島開発や総合スタジアム、歴史民俗博物館など、スポーツ・文化施設の整備などの主要プロジェクトの着実な前進と、「里創プラン」を中心といたします地域づくりの支援の推進等を考えておるところでございます。 次に、現在の法体系の中での住民投票の位置づけについてでありますが、住民投票制度は、代表民主制という基本的ルールの中に、特定の問題に限って、直接民主制とも言える現行制度にはないルールを取り入れようとするものであるというふうに考えております。住民投票については、その対象についてどうするか、国の権能に属する事項を対象とする場合には、その法的取り扱いをどうするかといった問題、さらには、代表民主制を基本とした地方自治制度のもとでの議会や、長の本来の機能と責任との関係などの幅広い観点から、きちんと検討される必要があるというふうに考えております。 また、今回の巻町の住民投票の評価につきましては、本来こうした住民投票そのものについての取り扱いが国において定められ、それに基づいて行われることが望ましいわけですが、その意味では、現状法律に根拠を持たないため、法的には拘束力等の新たな効果は生じないものというふうに考えておるところでございます。 次に、我が国のエネルギー政策についてでありますが、御指摘のように、エネルギー資源の乏しい我が国が経済立国として生き残るためには、エネルギーを安定的に確保することは重要な政策の1つであると考えますし、今後とも安定した国民生活を確保するためにも、増大する電力需要に対応していく必要があり、それには水力、火力、原子力、そして新しいエネルギーなど多様な電源を確保していく必要があると考えております。とりわけ原子力につきましては、既に発電電力量の3分の1を占めておりまして、CO2対策、安定確保、コスト等種々の面から見ても、当面原子力にある程度依存せざるを得ないと考えております。 しかしながら、「もんじゅ」の事故に対する世論や巻町の住民投票の結果などから見まして、国民の間で原子力に対して不信感、不安感が広がっておりますことは、今後の我が国のエネルギー政策を進めていく上での大きな課題になっているというふうに認識しております。 このため、私としましては、原子力に関する幅広い国民的合意形成のための施策の充実を図ることが必要であると考えておりますので、国との連携を図りながら、原子力発電の必要性、安全性について、県民の理解が一層深まるよう広報等に努めてまいりたいと考えております。 次に、原発の必要性を明確に述べ、県民の判断を求めるべきとの御意見でありますが、私といたしましては、これまでいろいろな場で原子力発電の必要性を県民に訴えてきたところであり、今後とも原発立地を推進していく基本方針に変わりはなく、機会をとらえて原子力発電の必要性について県民に訴えてまいりたいと考えております。 次に、旅費や食糧費に関する調査結果についての私の受けとめ方ということでありますが、これまでも機会をとらえて厳正な取り扱いを呼びかけてきたにもかかわらず、こうした結果が出ましたことに対して極めて残念なことであり、また、まことに遺憾なことでありまして、こうした事実については重く受けとめております。改めて衷心より議員各位並びに県民の皆様に深くおわび申し上げたいと思います。そして、こうしたことによって県民の県政に対する信頼を損ねたことにつきましては、私自身の責任の重さを痛切に感じております。また、職員全員もみずからの問題として、率直に反省しなければならないと考えております。 なお、食糧費の相手方を公開すべきとのことでございますが、さきに県が食糧費支出の相手方を非公開とした事案につきまして、現在県の公文書公開審査会の審議が行われている段階でございます。したがいまして、現時点でこの問題についての私の考えを申し上げるのはいかがかとは思いますけれども、この問題の発生以来、私は県政の諸課題について、場合によっては、会食をともにしながら意見交換や情報交換することが真に必要なケースもあると申し上げてきたところですが、そうした会合については、その客観的妥当性を高めるためにも、相手方を公開していくこととしたいと考えており、公開の時期や公開対象の会合の範囲などについて検討し、なるべく早い段階で結論を出したいと考えております。 いずれにいたしましても、私は知事就任以来、公正かつクリーンな県民参加型の県政を目指してきたところでありますが、この上は、こうした問題の再発防止のために万全の対策を講じ、私はもとより全職員が一丸となって、県行政に対する議員各位並びに県民の皆様の信頼回復に向けて精いっぱい取り組んでまいりたいと覚悟を新たにしているところであります。 次に、監査制度のあり方や責任問題についてでありますが、まず監査制度につきましては、地方自治法に詳細に定められているところでありまして、現状はそれによって運営されることになっております。現行制度と異なる仕組みを設けることは、基本的には困難であります。 また一方、現行の監査制度をめぐっては、さまざまな議論が行われており、特に国の諮問機関である地方制度調査会において、外部監査制度の導入などの検討も進められておりますので、今後の検討状況の推移を見きわめていきたいと考えております。 また、今回の調査結果についての責任問題でありますが、今回の問題の最も大きな原因が公務員としての公金意識の欠如にあると考えますので、組織の代表である私の責任が最も重いことは当然でありますが、管理監督の立場にある職員につきましても、何らかの責任を問う必要があるというふうに考えております。今回、平成6年度分の支出の調査結果が明らかになり、これを1つの区切りにして問責すべきという御意見もあることは承知しておりますが、私としましては、引き続き7年度分の支出についても調査するよう指示したところでありますので、その調査結果を踏まえた上で、全体としての責任を明らかにする考えでおります。 次に、旅費や食糧費の問題に関連して、県民の信頼回復に向けた取り組み姿勢と具体的な対応策でありますが、県政への信頼回復につきましては、まず、返還すべき不適正な支出についての速やかな返還、また、このような事態を招いたことの私を初めとする管理者等の責任の明確化、そして何よりも管理者の率先垂範による全職場での規律の保持、徹底、さらには抜本的な再発防止策の確立とその実行などについて、早急に対応しなければならないと考えております。 また、今後の具体的対応策でありますが、今回の問題は、公費支出に関する厳正な取り扱いの認識が欠如していたこと、制度に沿った適正な事務手続を軽視していたこと、事務費等の予算措置が実態に即したものでなかったことなどが原因と考えられますので、8月30日の調査結果の公表の中で、当面の対策として13項目、中長期的対策といたしまして3項目の再発防止策を取りまとめたところでございます。 私としましては、最も基本となります職員の規律保持、意識改革の徹底、予算執行手続等の遵守を急がなければならないと考えまして、各部局長に対し、既に知事名の訓令をもって指示したところであります。また、各所属長に対しましても、細部にわたる留意点を別途通知しますとともに、全職員による再発防止に向けた職場での真剣な討議を行わせるなど、全庁的な取り組みに着手したところであります。 また、7年度調査の実施とあわせまして、実態に即した予算措置のための改善、旅費事務のシステムの改善、会計実地検査の強化などの具体策について、職場での討議の成果も踏まえながら、早期実施に向けた集中的な検討を行うため、近く総務部長を中心とする体制を整備することとしております。 次に、今後の財源確保の見通しと対応についてでございますが、御指摘のとおり、来年度の地方交付税につきましては、自治省の概算要求は交付額ベースで対前年度3.8%の減額要求であり、本県の円滑な財政運営にとりましても、非常に厳しいものになると認識しております。このため、県といたしましては、全国知事会等を通じまして、引き続き交付税の総額確保について国に強く要請していくとともに、県としても地方公共団体が来年度予算を支障なく編成できるように、国において万全の地方財政対策を講じるよう働きかけていきたいと考えております。 なお、中長期的な財源見通しにつきましては、税財政制度等の改正や経済構造の変化等変動要因が多いこともありまして、正確な見通しを立てることは、正直申し上げまして大変難しいところであります。 しかし、県の自主財源の6割近くを占める県税の大きな部分を占める法人関係税は活発な企業活動によるものであることから、今後とも企業誘致やテクノタンク構想の推進など、産業構造の高度化、高付加価値化等を図り、中長期的観点からの税源の涵養に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。 次に、地方消費税の創設に伴う税収の見通しでございますが、国の試算では、平年度ベースで総額約2兆4,500億円が見込まれており、そのうち本県全体の税収について仮に試算してみますと、約450億円ほどが見込まれるところであります。この額は、住民税恒久減税や、消費譲与税廃止に伴い見込まれる税収減よりも19億円程度多いものでありまして、県全体としては、税収確保の面における問題はないものと考えております。 また、消費税導入に伴う歳出の影響につきましては、8年度当初予算をベースに試算しますと約120億円程度の影響があると試算されますが、税率改定に伴う経費増については、国において交付税の基準財政需要額に算入する等所要の措置が講じられるものと考えておりまして、今後の財政運営に大きな支障を生ずることはないものと考えております。 次に、「うるおいの新潟観光プラン」についてでございますが、現在最終調整の段階にあります。観光の振興は、観光関連事業者の主体的な活動に負うところが大きいため、県といたしましては、目標値を定めるのではなく、今後の本県観光産業の振興、観光レクリエーション需要の吸収のために取り組むべき方向を定め、行政の指針とするとともに、県民や観光関連事業者の自主的な活動に資することを期待して、本プランの策定作業を行ってきたところでございます。 今後の本県観光の目指す方向としては、自然が豊か、食べ物がおいしい、そして人情味のあるサービスという新潟の観光イメージの確立、高速交通体系のさらなる整備を生かした県内の複数観光地間や、隣県との間における広域的な連携による誘客力の向上等、観光の質をさらに向上・充実させることを主たる目標に、各種施策の展開によりまして、市町村や関係業界等の取り組みを支援することに努めていく必要があるというふうに考えております。 次に、観光振興基本計画の目標達成についてでありますが、平成8年度の観光客数9,000万人、観光収入6,000億円の目標に対しまして、平成7年度では、観光客数8,000万人で目標の約90%になっております。観光収入の実績につきましてはその把握が大変難しく、現在のところ平成7年度分の数値は把握できておりませんが、近年の景気の低迷により、国民の間でいわゆる「安近短」、安く、近く、短期間の旅行を求める傾向が強まっており、現計画の目標への到達は難しいものというふうに思っております。 また、本県観光の特徴でありますが、本県の場合、県内客と県外客の比率はおおむね6対4であるのに対しまして、長野県では3対7、福島県では5対5となっておりまして、本県では県外客の比率が相対的に両県に比べまして低くなっております。このことから、今後は県外客誘致のため、関東圏での誘客宣伝とか、本県の観光情報発信に努めていく必要があるというふうに考えております。 なお、本県は海水浴やスキーといった季節性の高い観光が主体であることに対しまして、長野県はリゾート性の高い山岳・高原型にすぐれ、福島県にありましては自然景観や明治維新にまつわる史跡等が高い評価を受けているというふうに考えております。今後は、これらの点も踏まえつつ、本県観光の通年化と多様化に向けた取り組みを強化していく必要があるというふうに考えております。 次に、佐渡観光客の落ち込みについてでありますが、これは景気停滞の影響のほか、従来の団体型、名所旧跡めぐり型の観光が一巡したことや、時間、費用の面での国内観光地間競争の激化、そして海外旅行との競合などが原因ではないかというふうに考えております。 県といたしましては、恵まれた自然や文化を生かした自然探訪や陶芸、釣りなどの参加型の特色のある観光素材の企画開発や、地元の受け入れ体制における問題点などを市町村や観光関係事業者と十分に議論し、地域と連携して新たな観光需要の掘り起こしや、観光地としての魅力づくり、よりすぐれた魅力を持った最近の佐渡情報を地元から発信するということなどによりまして、いわゆるリピーターの確保に努めていきたいというふうに考えております。 次に、高速交通体系の整備に伴う対応ということでありますが、これまでの交通ネットワークに加えまして、今後磐越自動車道、上信越自動車道、北越北線が開通するなど、観光客の流れに大きな変化がもたらされるものと予想されます。こうした状況に対応するため、市町村や関係業者等をメンバーとする各地域の広域観光協議会がそれぞれネットワークを組んで行う、広域的な観点からの観光資源の活用、あるいはイベント等の誘客宣伝活動等に対しまして、県としても引き続き支援に努めてまいりたいと考えております。また、県としましては、これら協議会と一体となって首都圏などからの誘客に有効な企画商品の開発や、あるいは情報発信に関する取り組みを行ってまいる所存でございます。 なお、現在福島県との間で、両県民の観光交流や、東北、北関東の市場に向けての誘客宣伝の共同実施などについて協議を行っているところでございますが、さらに上信越自動車道の開通により時間距離が短縮されます関西、中京方面に対しましては、近いうちに長野県と誘客宣伝の共同実施に関する協議を行いたいというふうに考えております。 次に、株式会社新潟ふるさと村の経営状況と今後の見通しについてでございますが、施設の改善や誘客宣伝活動、各種イベントの充実実施、特産品品ぞろえの充実などの改善策を実施してまいりました結果、ボトムの平成4年度の約37万人に対しまして、平成7年度の入村者数は約157万人と急回復しておりまして、つれまして直営店の売上高も増加しております。これに伴いまして、収支も大幅に改善が図られ、平成7年度の決算では、経常損失は平成6年度の7,825万円が1,359万円まで縮小したところでございます。なお、平成8年度におきましても、入り込み客数及び売上高とも増加傾向にありまして、黒字転換を目指して収支の改善にさらに努力しているところでございます。 次に、万代島再開発についてでありますが、県で策定いたしました万代島再開発事業マスタープランを基本といたしまして、先般9月9日に民間事業者と基本協定を締結したところであります。この基本協定でありますが、万代島の先導地区約13.8ヘクタールにおきまして、道路、緑地等の基盤施設と国際交流センター及び見本市展示場の公共施設については県が、また、業務施設、商業施設及びホテルの民間参画施設については民間事業者が、それぞれ責任を持って整備を図っていくこと、また、今後の施設整備のスケジュールなどを確認したものであります。 また、公共事業費の確保につきましては、港湾改修事業、港湾環境整備事業及び港湾利用高度化促進事業等の国庫補助事業を積極的に導入するほか、港湾緑地一体整備促進事業等の優良起債事業の活用等も含めまして、効率的な整備に努めてまいりたいと考えております。 次に、万代島再開発地区への交通アクセスについてでございますが、新交通システムは、採算性に大きな課題がありまして、既に市街地が形成されている再開発地区の周辺に新交通システムなどの交通手段を計画することは極めて難しいものと考えております。県としましては、道路を中心とするアクセスの向上に向けて、今後とも関係機関と協議検討を進めていく所存であります。 また、新潟駅、新潟空港、バスターミナル等を結ぶ新潟市の広域的な幹線道路網の整備については、本年6月に関係行政機関で設立いたしました新潟東部地域道路網計画検討委員会において、今後検討を進めることとしておるところでございます。 次に、万代島の防災に関する整備方針でありますが、新潟県地域防災計画におきましては、港湾は重要な防災拠点として位置づけております。新潟市地域防災計画においても、新潟市内に災害が起きた際の応急対策支援及び生活復旧支援の基地として万代島が位置づけられる方向で、検討がなされるものと考えているところでございます。 これを踏まえまして、万代島地区の整備方針としましては、建築物を初め、岸壁などの構造物の耐震化はもとより、道路動線確保のための液状化対策の実施、まちとしての機能を維持していくための水、電気、通信等のライフラインの確保、津波対策としての人工地盤の整備、さらには延焼防止対策としてのオープンスペースの確保など、再開発地区全体の防災に関する所要の対応を考えているところでございます。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、県内市町村の生産調整への取り組み状況についてでありますが、一部市町村において達成が困難視されておりますものの、生産者の理解と関係機関・団体の懸命な努力によりまして、現段階においてほとんどの市町村で目標を達成し、県全体といたしましても何とか100%に達するものと見込まれております。 また、国や県の補助事業の対応につきましては、水田営農と関連した補助事業を実施するに当たり、転作作物の栽培を含む効率的な水田営農に積極的に取り組んでいる市町村に優先して配慮するという基本的な考え方に基づき、目標達成が見込まれる市町村から順次認定等を行っているところでございます。 次に、今後の生産調整の進め方についてでありますが、新食糧法下での米の生産調整は需要に応じた生産を行い、価格の安定を図るという観点から、生産者の全員がみずからの課題として主体的に取り組むことが基本的な枠組みとされております。このため、今後とも引き続き生産調整の必要性について理解を求めるほか、本年度の生産調整の推進に難渋した地域における課題等を踏まえ、望ましい転作営農の推進や、とも補償制度の積極的な活用の方策等について分析・検討を加えながら、引き続き生産者団体と一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、「うまい米の産地・新潟」というイメージの浸透についてでございますが、新食糧法の施行による米流通の多様化とともに、産地間競争が一層激化している状況の中で、新潟米全体が全国の消費者から信頼され、高品質・良食味米としてのイメージをさらに浸透させていくためには、高品質・良食味米の安定生産の促進を図るための技術面や生産基盤の整備の面等での指導などに努めますとともに、新潟米のブランド確立に向けた支援、PR活動の強化にも努めてまいる必要があるというふうに考えております。このため、生産者・農業団体と一体となって、日本一うまい新潟米推進運動を効果的に展開していくよう努力してまいりたいと考えております。 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンド対策に係る農業予算の執行についてでございますが、平成7年度の予算額2,511億円のうち、平成8年度への繰り越しは金額で583億円、比率で23.2%になっており、このうち、農業農村整備事業の繰越額が481億円と大部分を占めております。この主な原因は、昨年7月から8月にかけての集中豪雨に伴い、災害復旧業務への早急な対応が必要であったことでございます。このため、ことしの4月、農地管理課に総合調整室を設け、農業農村整備事業の総合的な調整など、事業の効率的かつ効果的な執行に努めているところでございまして、上半期の発注率は未契約繰り越し予算を含めまして90%となる見込みでございます。 今後とも農業農村整備事業につきましては、業務執行上の改善や農林水産部との一層の連携強化を図りながら、事業の効果的な執行に努めてまいりたいと考えております。 次に、資源管理型漁業の定着と栽培漁業の拡大の推進についてでありますが、現在県では漁業者の協力を得まして、ヒラメ、マダイ及びホッコクアカエビ漁業におきます網目の拡大や、休漁日の設定など資源管理型漁業の定着に取り組んでおるところでございます。その結果、これらの漁獲量が増大するなど効果があらわれてきているところでありまして、今後とも資源管理型漁業の推進・定着に努めてまいります。 栽培漁業の推進につきましては、現在クルマエビ、アワビの種苗放流を初め、ヒラメ、マガレイの放流効果調査などに取り組んできております。今後は関係市町村や漁業者等と協力しながら、漁業者の要望の強いヒラメ種苗の大量生産・放流のため、その体制づくり等について検討してまいりたいと思います。 また、漁港の整備状況につきましては、平成6年度から6カ年計画で、第9次漁港整備長期計画に沿った漁港整備に取り組んでいるところでありまして、3年目の今年度末の進捗率では、事業費ベースで54%と見込まれているところでございます。整備は、安全で使いやすい漁港の整備と、快適で活力のある漁港漁村の整備を基本目標として進めておりますが、特に本県では、中核となる漁港の重点整備をいかに図っていくか、未供用の漁港の早期供用開始をいかに図っていくかなどが課題として挙げられておりますので、これらの解決に向け、今後とも整備の促進に努めてまいります。 次に、病原性大腸菌O-157の予防対策についてでありますが、5月下旬に県外で本菌による集団食中毒が発生したため、例年7月16日より実施しております「夏期食品一斉指導月間」の日程を6月7日からに早めて実施いたしまして、食品関係施設への監視・指導の強化を図ってきたところでございます。特に、学校等の給食施設につきましては、緊急に給食指導者を対象とした講習会や、O-157予防を重点に置いた監視・指導を行うなど、特別な対策を展開してきたところでございます。 また、県民への情報提供と啓発といたしまして、7月下旬から新聞、テレビ等で広報を行うとともに、家庭でできる具体的な予防方法を示したリーフレットを80万部作成し、8月12日から県内の全世帯に配布したところでございます。さらに、O-157に関する相談に応ずるため、保健所に健康相談窓口を設け、無料検便を実施するとともに、県庁にも休日ホットラインを設置し、県民の不安解消に鋭意努めてまいりました。 また、上越地区におきます大型の食中毒が発生したことから、8月18日に「食中毒発生警報」を発令いたしまして、食品関係営業者に対し注意を喚起したところでございます。 なお、例年8月下旬から9月にかけては食中毒が多発する傾向にございますことから、食中毒対策強化の一環として、県独自に「コスモス食品衛生月間」を設定いたしまして、食中毒予防への取り組みを行っておるところでございます。 今後とも食品衛生の確保を図り、県民の不安を解消するため、万全の体制をとってまいりたいと考えております。 以上でございます。   〔農林水産部長堀江昭雄君登壇〕 ◎農林水産部長(堀江昭雄君) O-157対策についてお答えをいたします。 まず、野菜の状況についてでありますが、厚生省がカイワレ大根が感染源として否定できないと発表してから、県内においても、市場等からの出荷自粛の要請により廃棄などの直接的な影響を受けるとともに、卸売市場のデータでは、一部の生鮮野菜において取り扱い量や価格に影響が出ております。 一方、食肉につきましては、一部に売り上げの減少が見られるとの指摘があるものの、O-157に関連したマイナスの影響は必ずしも見られていないものと考えられるところであります。 こうした状況の中で、県といたしましては、「JAグループ新潟O-157対策会議」と連携し、生産・流通段階での衛生管理の徹底を図るとともに、自主検査を通じて安全性をPRするなど、消費者の信頼の維持・回復に努めているところであります。 また、影響を受けた野菜生産者への支援につきましては、経営資金などの円滑な融通並びに制度資金の既貸付金の償還猶予などの条件緩和について、融資機関に対し指導したところであります。 以上でございます。   〔教育長平野清明君登壇〕 ◎教育長(平野清明君) 学校給食における緊急点検結果についてでありますが、9月上旬に取りまとめた結果、調理室内において調理区域とそれ以外の作業に係る区域が処理過程ごとに区分されていない、調理用機器・器具も処理過程ごとに区分されていない、さらに学校給食委員会などの衛生管理組織が整備されていないなどの課題が見られたところであります。また、その改善指導についてでありますが、点検結果を踏まえ、早急に改善計画を策定し、所要の改善を図るよう市町村教育委員会等を指導しているところであります。 次に、市町村におけるサンプル保存用冷凍庫の設置状況についてでありますが、公立小中学校におきましては、2学期の給食開始までに全調理場569カ所のうち76%に当たる435カ所に設置したところであります。なお、未設置の調理場におきましても、既に納入業者に発注されておりますので、近々設置されるものと考えております。また、調理員への衛生管理指導等についてでありますが、すべての市町村が調理員の打ち合わせ会議等を開催し、給食開始前の夏季緊急点検及びその後の日常点検の実施方法や作業施設・調理器具の衛生管理のあり方などについて指導の徹底を図ったところであります。 次に、いわゆる共同調理場方式に対する県の考え方についてでありますが、単独校調理場方式とするか、共同調理場方式とするかは、設置者の市町村が地域の実情等を総合的に判断して決定すべきことと考えておりますが、いずれの方式をとるにしても、安全性の確保が図られることが当然最優先であります。 次に、生野菜加熱処理に係る給食指導についてでありますが、O-157食中毒の原因食品及び感染ルートが解明されていない現在、抵抗力の弱い児童生徒を対象としている学校給食では、安全の確保に万全を期すため、当分の間、生野菜は加熱処理することとしております。 子供の生野菜嫌い等への配慮につきましては、学校給食指導等において、生野菜は人間の体にとって大切な働きをするビタミンや食物繊維を摂取する上で重要な食品であることを、今後とも学年の発達段階に応じて指導してまいります。 次に、精神薄弱養護学校高等部の整備計画についてでありますが、すべての県立養護学校の本校に普通学級と重複障害学級を設けるとともに、体力面で遠距離通学に不安を伴う重複障害の生徒のために、分校3校にも重複障害学級を設置することとしております。これにより、全体として、普通学級、重複障害学級の全学年合わせて、現在の2倍に当たる60学級を整備してまいりたいと考えております。 また、実施時期については、現有施設の転用等によって学級設置が可能な学校については平成9年度にも、また用地取得、校舎増築が必要な学校については、順次条件が整った段階で生徒を募集したいと考えております。 次に、高等部の訪問学級についてでありますが、養護学校高等部における訪問教育の実施については、最近中央教育審議会答申において、検討することが必要であると指摘されたばかりの段階であり、全国では1県にしか開設していないところでありますので、今後国の動向を見守ってまいりたいと考えております。 また、寄宿舎についてでありますが、通学も大事な教育内容と考えておりますので、通学制を基本とし、距離等から通学が困難な者に対しては、寄宿舎を設けているところでありますが、現在のところ、利用状況等から見て、現有の寄宿舎で対応が可能と考えております。 なお、スクールバスにつきましては、最寄り駅から学校までの距離や、既存公共交通機関での通学の便、冬期間等の徒歩通学の危険性等を勘案して、県立精神薄弱養護学校では、現在月ケ岡、小出の2校で運行しておりますが、現在のところ、他の学校については新たに運行する必要はないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(星野伊佐夫君) 相川平松君の質問は終わりました。 次に、近藤正道君の発言を許します。   〔近藤正道君登壇〕(拍手) ◆近藤正道君 私は、社会民主県民連合を代表して、当面する県政の諸課題について質問をいたします。 初めに、平山知事の4年間の御奮闘に心から敬意を表します。御苦労さまでした。任期最後の定例議会でさまざまな感慨がおありと思いますが、私たちは、知事のクリーンで、一党一派に偏しない県民党的スタンスを評価しつつ、個々の政策展開では是々非々の立場に立ち、監視と提案の関係を目指してこの間努力してまいりました。今議会でも県民のために批判すべきは厳しく批判するの立場で望みたいと思っております。そうしたスタンスで、まず最初に、知事の政治姿勢についてお尋ねをいたします。 知事は、先ごろ知事選に向けて、「めざそう、新・新潟価値づくり」、「私の政策骨子」を発表されました。その基本姿勢の冒頭に、開かれた県政、県民参加型の県政の推進を掲げておられます。時代の潮流は地方分権、住民の参加、そして自己決定にあります。知事は、県政に関する住民参加の促進についてこの4年間をどのように評価し、今後どのようなことを具体的に考えておられるのか、まずお示しをいただきたいと思います。 住民参加の促進については、さまざまな切り口がありますが、その1つとして、既に幾つかの自治体で実施され、県レベルでも沖縄県、そして先ごろ宮城県で導入が決定した公的オンブズマン制度について、本県でも導入を検討すべき時期と考えますが、いかがでしょうか。 地方分権の推進のためには、住民自治の充実が必要であり、住民の行政への直接参加の機会を拡大する方策として、第24次の地方制度調査会が検討の必要を認めた住民投票の制度があります。既に全国で7つの自治体で条例化され、今後もますますふえ続ける傾向にあります。最近では、本県の巻町、沖縄県で実施されました。私たちは、代表民主制を補完し、県民の県政への直接参加を保障するために、本県でも県民投票条例の創設を求めたいと考えております。政党レベルでも国民投票制度の検討が始まっております。知事は、この住民投票の制度をどのように受けとめておられるか、所見をお伺いいたします。 東京都では、東京都地方分権推進検討委員会答申の中で、都においても検討する必要ありとして、先ごろ学識経験者によって報告書が作成されました。本県でも、制定に向け研究・検討すべき時期と考えますが、いかがでしょうか。 次に、財政に関してお尋ねをいたします。 この国の将来を考えたとき、そら恐ろしくなるほどの巨額な債務が積み重なり、国と地方を圧迫しております。今後一層厳しい財政運営を強いられることになるわけでございます。そうした中で、事業費補正の起債への追い出しなどで、本年度の本県の普通交付税の伸びが全国平均を下回りました。優良債による単独事業への支援策に加え、このような事業費補正の起債への振りかえは、交付税総額が拡充されなければ、結局、将来の一般財源の先食いを加速させるだけであることが、一層明白になっております。 自治体の中には、単独事業の消化に息切れが出ているところが続出しております。そうした厳しい財政事情の中で、これまでのように公共事業に大きく依存し、県単公共をふやし続けていていいのだろうか、疑問の声が上がっています。限られた財源の中で公共事業、県単公共を伸ばし、そして借金をふやしていく従前の方式をこのまま踏襲するのではなく、平山カラーを鮮明にし、これからは福祉や生活関連など、優しさによりシフトした予算配分を目指すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、消費税についてお伺いをいたします。 知事は、前定例会において、5%引き上げやむなしの判断を示されました。私たちは、前定例会で上程をした引き上げ反対決議案の中で申し上げたように、行財政改革や消費税の逆進性など、その欠陥是正の確かな道筋が示されていない現状のもとでは、5%への引き上げは容認できないのであります。今県民の間には、5%引き上げに反対する声が広がっています。そこで、まず5%引き上げによる県・市町村財政に与える影響はどうか、お尋ねをいたします。 5%引き上げを決めた改正法附則には、行財政改革の推進状況や社会保障費の財源確保などを総合的に勘案して税率を検討することとなっておりましたが、この検討項目は十分に検討され、国民に説明されたとお考えでしょうか。そして5%引き上げに県民の理解は得られているとお考えでしょうか。知事の所見をお尋ねをいたします。 次に、先ごろ公表された平成6年度の旅費・食糧費の調査結果についてお尋ねをいたします。 不適正な支出はないと議会で言い続けた末の7,000万円余の不正支出の公表であり、監査結果を了承した議会の立場といたしましても、極めて遺憾であります。しかも、調査の結果に対し、マスコミも含め、氷山の一角、不自然な点が多い、信用できない、つまり正しい調査ではないとの厳しい批判が寄せられております。 県は、こうした批判的な世論、指摘をどのように受けとめておられるのでしょうか。それぞれ本庁では課長補佐、出先では次長が責任者として調査を実施したとのことでありますが、裏づけ資料の公表など公正な調査が行われたことを示す資料は一切明らかにされておりません。この際、内部調査にとどまるのではなく、部外の公正な第三者を調査に参加させ、公正、厳正な調査を行うべきであります。そうでなければ、県民の納得と信頼は得られないと思いますが、いかがでしょうか。 知事は、平成7年度の調査を本年12月を目途に行うと記者会見で発表されましたが、すべての調査終了と返還すべきお金の処理や責任の所在を明らかにする時期はいつになるのか、そのめどについてお尋ねをいたします。県民の納税者意識、県庁の機構と組織に対する不信感は高まっています。内部の者だけの調査でなく、公正な第三者のチェックを経て、県民の県庁に対する疑惑を払拭すべきだと考えます。 次に、官官接待についてお尋ねをいたします。 昨年の9月定例会でこの問題が議論となり、1年が経過をいたしました。とりわけ昨年12月に見直し案が示されてから、官官接待は激減していると仄聞しております。そこで、昨年12月以降、官官接待減少の実態はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。 従前、県は、県の施策を十分に理解してもらう、率直な意見交換のためにこの接待は必要であると、その意義を強調しておられました。官官接待が激減したことによって十分な意見交換ができず、この間県にどのような不都合なことがあったのかをお聞かせいただきたいと思います。 最近、仙台地裁、そして東京地裁で相次いで接待の相手方名を公開すべきとの判決が出されました。いずれも本県の情報公開条例と同じ構造を持った条例についての判断であり、仙台地裁については確定をしたのであります。こうした判例の流れを背景に、既に7都道県が相手方名の公表に踏み切っております。県は、審査会の答申を踏まえての姿勢を崩しておりませんが、知事自身は公開の考えをお持ちのようであります。この際、知事の政治決断をもって、今後のことについては、相手方名公表に踏み切るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 いずれにしても、政府は最近改めて官官接待自粛の通達を出しました。相手方名公表は避けられない状況になっております。また、そこまでされてなお接待を受ける人もいないと思いますので、この際私たちがかねて申し上げているように、官官接待の原則廃止を打ち出すべきであります。平山県政は、官官接待などしなくても、職員の英知をもって他との意思疎通ができ、県政の進展が可能である、このことをぜひこの際、県民にアピールすべきではないでしょうか。 こうした公金の不正使用に目を光らせているのが監査制度ですが、このたびはそのお目付役が監査のやり玉に上がっております。すなわち、さきに監査委員が監査の対象とされたり、今回は、監査委員会事務局のカラ出張の事実が明らかとなりました。まさに県の監査システムへの信頼が失墜したと言われても仕方がありません。そこで、こうした不祥事が明らかとなったときだからこそ、かねてなれ合いの可能性を指摘されてきた県庁OBによる監査委員選任の廃止や外部監査の導入など、監査体制の強化に向けた改善を実施すべきではないでしょうか。 今後、地方分権が進めば、行政の住民に対する信頼性、透明性は、これまで以上に強く求められてまいります。知事は、「私の政策骨子」の中で、県予算執行の健全性・透明性を高めたいと決意を述べられておられますが、今こそその内容が具体的に問われているのではないでしょうか。 2番目に、巻原発住民投票など原発関連について質問をいたします。 8月4日の巻町住民投票は、全国注視の中で実施され、投票率88.3%、原発反対票が61%という結果となりました。巻町民一人一人の意思が集約され、巻町の民意は明確に「原発ノー」と出されたのであります。脱原発、そして巻原発建設反対を訴え続けた私たちにとりまして、住民投票の結果は、民意を無視して進められてきた我が国の原発行政に大転換を迫るものであり、地方分権の推進にとっても画期的な意義を持つ、文字どおり歴史的快挙であると受けとめております。したがって、この住民投票の結果は、最大限の重みを持って受けとめられるべきと思いますが、知事は住民投票のこの結果と評価についてどのようにお考えなのか、所見を伺いたいと思います。 住民投票の結果を受けて、笹口町長は、町有地は売らない、町有地を売らなければ原発建設は不可能との決意と認識を示し、その後、国と東北電力に対し、その旨の申し入れを行いました。予定地の中心部に位置する町有地の取得がなければ、原発建設ができないことは論議の余地のない厳然たる事実であります。建設計画の見通しが極めて困難となった今、巻原発計画の実現可能性についてどのような見通しをお持ちか、お伺いをいたします。 知事は、この間繰り返し住民投票の結果尊重を言ってこられました。結果の尊重は、国に対し、単に住民の理解が得られていないと報告するだけではないと思います。結果の尊重とは、知事が原発ノーの巻町の民意を重く受けとめ、また建設が不可能となったこの厳然たる事実を真摯に受けとめて、地元の理解と協力を得るめどが立たなくなったのだから、知事の建設同意を撤回することではないかと思います。 具体的に言えば、国・東北電力に対しては、計画の白紙撤回を求めることであり、とりわけ東北電力に対しては、十数年にわたりたなざらしの状態にある原子炉設置許可申請の取り下げを強く働きかけるべきではないでしょうか。国と地域、自治体の意向が相反したとき、第一義的に県は地域・自治体の側に立つべきではないでしょうか。巻町の判断・民意を尊重し、国・東北電力に対し、巻町への原発立地は困難であり、建設計画は断念されたいと毅然と物申すべきだと思います。知事の所見をお伺いをいたします。 そして、仮に国・東北電力がもろもろの事情から今直ちに計画断念を表明できないとしても、巻町が条例に基づき、町民多数の意思を尊重して、原発のないまちづくりという道を選択したのでありますから、少なくとも県としては今後は原発推進のためのPR活動はやめるべきではないでしょうか。また、巻町への圧力、巻町の自治への介入と誤解されるような態様の県の推進・PR活動、言うところの理解を求める活動は慎むべきだと考えます。いかがでしょうか。 いずれにしても、巻町は住民投票の結果、原発と共存しない町、原発交付金、補助金など外部の資金に頼らないまちづくりに向け歩き出しました。仄聞すれば、近く巻町は役場内の電源立地対策課を廃止し、全国原子力発電所所在市町村協議会などからも離脱するとのことであります。原発問題を離れれば、こうした巻町と巻町民の選択は、地域づくりの観点でとらえた場合、他力依存でなく、自力内発的な手法であります。知事の進める地域資源に依拠し、みずから考え、みずから行う、自主的、主体的な地域づくりであって、分権型の社会づくりとも合致しているのではないでしょうか。知事が公約で述べられております「新・新潟価値づくり」の考え方とも合致しているのではないでしょうか。 今、県が行うことは、巻町と巻町民が27年間にわたる原発をめぐる混乱にピリオドを打つために行った住民投票の結果を尊重し、原発なきまちづくりという町の選択を理解し、これを尊重することではないでしょうか。県の施策についての理解を求めるに急な余り、いやしくも不利益な扱いや圧力などと誤解を受けるようなことをやっては絶対になりません。たとえ原発に関し、県の考えと違いがあったとしても、まちづくりについて、今後巻町から要請があれば、積極的に助言・協力の手を差し伸べるべきであります。この点について、戦後の民主主義の中で育った知事の所見をお伺いをいたします。 この項の最後に、柏崎原発6号機に関してお尋ねをいたします。 世界最初、国内の最大出力のABWR型原発は、100%出力試運転1カ月目の8月24日、炉水内の放射能の濃度が通常の500倍に達したため手動停止いたしました。燃料棒の破損が原因と言われておりますが、試運転中の燃料棒破損は余り例がなく、試運転中の2度の故障、原子炉停止は前代未聞であります。私たちは、これがABWR炉の構造に特有の事故でないかと懸念をしております。東京電力の言い分をうのみにするのではなく、県の厳重なる調査、点検によって、原因が不明確なままでの再起動を許さない、毅然とした対応を求めるわけでございます。 また、今回は、原子炉の停止を決めて初めて東京電力から県への連絡がありましたが、これでは遅過ぎます。停止の2日前から明らかに異常の予兆がありました。ですから、予兆があらわれた時点で県に直ちに通報するよう安全協定を見直すか、それが当面困難であるとするならば、浜岡原発でも前例があるように、事実上通報する体制を確立するよう東京電力と協議すべきと考えますが、いかがでしょうか。 3点目の質問は福祉対策であります。 知事は、「やさしさと活力に満ちたニューにいがた」をスローガンに掲げ、4年間頑張ってこられました。しかし、知事の努力にもかかわらず、政策展開の上で、知事の言う「やさしさ」が十分な目鼻立ちを持って私たちの前に示されたかと言えば、厳しい指摘をせざるを得ないのであります。この4年間の県の予算構成にさしたる変化はなく、また経済企画庁の「豊かさ指標」のうち、福祉・保健・医療の分野を示す「癒す」については、知事には御意見もおありのようでありますが、全国的に見てなお低いレベルにあることは厳然たる事実であります。私は、「やさしさ」の今後のさらなる前進を強く求めながら、やさしさのうち福祉の充実について、知事自身この4年間をどのように評価をし、今後の課題をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 次に、公的介護保険の実現が間近いと思いますが、その場合気になることがあります。それは、県内の各福祉圏域間で高齢者福祉施設整備の達成率に、著しい格差があるということであります。特養、ショートステイ、デイサービスセンターの整備率等については、達成率90%以上のところと30%ないし40%以下にとどまっているところとがあります。公的介護保険導入の際には、これは住民に対するサービスの格差となってあらわれるわけであります。県はこの格差をどう受けとめ、どのように是正を図っていかれるのでしょうか。とにかく、新社会福祉計画が進める整備目標値全体の前倒し実施、中でも進捗状況がおくれている分野の促進について、県として、今後どのように取り組んでいかれるのか、決意を含めお尋ねをいたします。 4点目は、久し振りに同和対策について質問いたします。 同対審答申がなされてことしで30年が経過いたしました。そして、来春には、国の同和対策事業実施の法的根拠となってきた地対財特法の適用期限が切れようという事態を迎えております。神林村の差別行政糾弾裁判が確定してから8年が経過し、人権問題としての本県の同和問題、改めて本県の状況がどのようになっているのかが問われております。まず県は、法の期限切れを目前にして、この間法失効後のその先、つまり新法制定に向けた国に対する働きかけをどのように行ってきたか。そして、同和教育を含む、本県の同和行政全般に対する基本方針をどのように考えていたのかについてお尋ねをいたします。 その上で、県は、本県における部落差別の現状をどのように把握しているのでしょうか。いわゆる地区指定を受けているところ以外にも、私が承知している範囲でも3つの町村で、同和地区の存在を認めておりますが、3年前に全国的に実施した実態調査と、その際県が単独事業として同時に実施した実態調査のその後の分析結果は、いつになったら明らかにされるのでしょうか。 おくれていると言われている本県の同和行政の水準を引き上げるため、他県以上の積極的な取り組みの必要が求められているところでありますが、平成4年9月、県が取りまとめた今後の同和対策に関する大綱案は、県内の部落差別の現実を正しく反映していないとして、民間の推進団体等より厳しく批判をされてまいりました。県は、この指摘を認め、大綱案を見直すことを約束したと聞いておりますが、もしそうであるとするならば、速やかに大綱案を見直し、県としての誠意を示すべきではないかと考えます。大綱案見直しの時期、手順、その方向を示していただきたいと思います。 5点目は、イヌワシの保護対策についての質問であります。 食物連鎖の頂点に立ち、生物多様性、生態系の健全性判断の象徴として猛禽類、とりわけ本県ではイヌワシの保護に対する認識が高まっております。こうした中、先ごろ環境庁が希少鳥類保護指針マニュアルを作成し、公表いたしました。私も読んでみましたが、まず指針の位置づけと、これによって本県のイヌワシ等、希少鳥類保護のスタンスにどんな変化が生ずるのでしょうか。そして、この指針は、現在イヌワシ保護とのかかわりで注目されている奥只見大鳥発電所の増設計画、及び湯之谷の揚水発電所計画に適用されるのでしょうか、お尋ねをいたします。 開発と自然保護をめぐり、トラブルが相次ぐ中、法律ではないとしても、イヌワシ等絶滅の危機が指摘されている希少鳥類保護のための具体的指針が示された意義は極めて大きいと思っております。指針では、参考例ではありますけれども、イヌワシの営巣の中心域が営巣地域から約2キロとされたり、イヌワシの営巣高度利用域の範囲内では、原則として環境の改変は許されないとされております。奥只見の場合、巣からわずか300メートルの地点で、環境改変の最たるものと言うべき発破工事が行われるなど、この間随分むちゃなことが行われてまいりました。指針によって、イヌワシの保護要件、対策が十分確保されなければ、開発計画の変更、規模縮小、そして中止もあり得ると理解してよいのでしょうか。 御承知のとおり、イヌワシは法的にはトキと同じ位置にあります。県は絶滅の危機に瀕しているイヌワシの保護策について、指針等を参考に、事業者に対し検討項目を具体的に示し、科学的論拠に耐え得る厳格な環境影響評価を行うよう厳しく求めるべきと思います。事業者に対する県の今後の指導方針を伺います。 奥只見ダム周辺のイヌワシについては、既に2年連続して繁殖に失敗しており、その原因に関する新潟・福島両県の合同調査の内容の妥当性について、県と保護団体等との間で議論が続いておりますが、どうもわきで見ておりまして、県の対応は閉鎖的であり、構え過ぎの感を深くいたすわけでございます。イヌワシがトキの二の舞にならないように、県が持っている情報は可能な限り公開をする。その上で、もっとオープンの論議を保障すべきと考えますが、知事の所見をお伺いをいたします。 最後に、教育問題について質問をいたします。 この間、教育長は、本県教育の最大の課題はいじめ・不登校問題であると言ってまいりました。ところで、知事は「私の政策骨子」の中で、いじめ・登校拒否対策の積極的推進を掲げられております。結構なことだと評価いたしますが、知事は、本県がいじめ・不登校の発生率において全国トップレベルにあるという現実をどのように受けとめておられるのでしょうか、そしてその解消のために、当面何に最も力を入れるべきとお考えでしょうか。本来ならば、これは教育長にお尋ねをすることなのでありますが、知事選を目前に控えた今、従前の教育長答弁に拘束されず、知事御自身のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、教育長に2つお尋ねをいたします。 最近、いわゆる閥の問題が何度か定例会で議論になりました。教師の親睦研修団体を学閥・閥と評価しているわけでありますが、問題なのは、これが存在することによって、教師間のあつれきや意思疎通の阻害要因となり、そのことがいじめ・不登校発生の要因の1つになっているとの指摘がなされていることであります。事実とすれば、看過できない問題でありますが、教育長はこの点についてどのような所見をお持ちか、お尋ねをいたします。 また、教育長は、前定例会におきまして、同一校に長年にわたり同じ親睦団体の校長が配置されていくことは改めていく旨答弁をされました。閥が公教育に介入するなどということは絶対にあってはなりません。 そこで、教員人事の公正さを担保し、本県教育が閥によって支配されているとの指摘を受けないためにも、この際教員の人事異動に直接携わる県教育委員会の管理主事などは、言うところの閥から離脱するよう、県教育委員会として指導することが必要と思いますが、教育長の所見をお伺い申し上げまして、私の代表質問を終わります。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 近藤議員の御質問にお答えいたします。 初めに、この4年間の県政に対する住民参加の促進についての評価と、今後の具体的な考え方ということでございますが、私は、知事に就任して以来、県政は県民のためのものであるという基本的な考えのもとに、これまでも県の行政情報の公開やテレビ、新聞、広報誌などを活用した広報活動とともに、県民との直接対話を初め、県政モニターあるいは知事へのたよりなどの広聴活動にも力を入れてまいりました。これらの活動を通じまして、広く県民の声を県政に反映させる県政への住民参加が促進されたものというふうに考えております。今後とも多くの県民の意見が施策に反映できますよう、的確な情報提供に努めますとともに、「さわやかトーク」を中心とした県民との対話事業などの広報広聴活動につきましても、より積極的に展開してまいりたいというふうに考えております。 また、オンブズマン制度の導入についての検討をしてみてはどうかということでございますが、宮城県では11月より苦情救済を主な目的としてこの制度を導入するというふうに聞いております。このような動きは、行政への住民参加の1つの試みと認識しておりますけれども、現行制度上、同様の機能を有すると考えられます各種広聴活動、監査委員制度、住民監査請求制度、直接請求制度などとの整合性について問題が残るのではないかというふうにも考えられることから、当面は、広報広聴機能を初めとする各種の事業や制度の適正な運用を図りながら、県民に開かれた県政を進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、住民投票に係る所見についてでございますが、地域が抱えるさまざまな課題を、そこに住む人々が直接投票という形で直接的な意思の表示をしたということにつきましては、住民投票条例を定める動きが注目されておるわけでございます。こうした動きは、住民の政治や行政への参加意欲あるいは幅広い意見を的確に吸い上げて、政策や施策に反映させていくといった観点から見て、現在のシステムが十分であるかという問題を提起しているとも考えられます。 その意味では、住民投票は行政への住民参加の機会を拡大するといった点では、一定の意義があるというふうに思いますが、単に議会制民主主義が住民から遠い存在になったから住民投票を行うというのではなくて、現在国の地方制度調査会専門小委員会においてそのあり方が検討されておりますけれども、住民投票と代表制民主主義との関係、法的意義などが十分議論され、全体として有効なシステムが確立されるための見直しの中で検討される必要があるというふうに考えております。 次に、県としての住民投票条例の制定に向けた研究ということでございますが、住民投票条例は、これまでも申し上げているとおり、現行の地方自治制度にはないルールを取り入れようとするものでありますが、この問題につきましては、基本的にはただいま述べましたように、国として全体のシステムの見直しの観点で、その法的な位置づけをどうするか、どういうものを対象事項にするかなど、時間をかけて検討していく必要があるものと考えておりまして、地方制度調査会等での検討を注視しているところであります。現時点におきましては、県として住民投票条例の制定に向け研究・検討する考えは、そういう意味ではございません。 次に、事業間の予算配分についてでありますが、御案内のように、県単公共事業による社会基盤の整備は、本県の産業のみならず、県民の暮らし全体を支える上で不可欠なものでありまして、なおインフラ整備に対する県民のニーズが強いという状況のもとでは、その着実な整備に努める必要は引き続きあるというふうに考えております。特に本県の県土は広大で、他県に比べ道路・河川・海岸等の延長が長いため、どうしても道路網の整備や治山治水など県土の保全などに係る事業が多くなることはやむを得ないところでありまして、また、こうした事業は、いわゆるソフト事業に比べ、どうしても金額的にも大きなものとならざるを得ないところがございます。 しかしながら一方、御指摘のように本県の高齢化の進展の度合いは、全国の状況に比べて早くなっているわけでありますし、いじめ・不登校対策などの緊急に対応しなければならない課題も多く有していることにかんがみまして、やさしさにあふれた県土づくりといった観点に立って、福祉や医療、教育などに関連する施策等につきましても、厳しい財政事情にはありますけれども、一層の工夫を行いながら、これまで以上に予算上配慮していく必要があるというふうに考えております。 次に、消費税率の改正に関するお尋ねでございますが、県が物品購入等に伴い支払うことになる消費税額につきましては、8年度当初予算をベースに試算しますと、県で約120億円、市町村で約79億円の影響があるというふうに試算されますが、税率改定に伴う経費増につきましては、国において交付税の基準財政需要額に算入する等の所要の措置が講じられるものと考えております。 歳入につきましては、既に先行実施されております住民税の恒久減税や消費譲与税の廃止に伴う減収と地方消費税の創設に伴う増収の差し引きによりまして、県分につきましては約41億円の増収、市町村分では約22億円の減収が見込まれ、県全体といたしましては19億円程度の増収が見込まれるところでありますが、消費税率の変更とあわせまして、国の消費税収入のうち交付税として交付される分が24%から29.5%に引き上げられることとされており、それらの地方財政対策が講じられることによりまして、市町村の減収見込み額などがカバーされ、実質的に財政運営に支障が生じないよう所要の措置がなされるものと考えられますので、県、市町村とも今後の財政運営に大きな支障が生ずることはないというふうに考えております。 次に、税制改革関連法の検討項目についてどう考えるかということですが、平成6年11月の税制改革関連法の成立以来、予算の編成過程や税制調査会などの場で2年間にわたりまして議論が重ねられ、税制調査会が、5%の消費税率は既に先行実施されている所得税、個人住民税の恒久減税とおおむね見合うものであること、そしてまた、高齢化の進展等に伴い、社会保障の費用の増加が確実に見込まれることなどから、消費税率の引き上げが必要であるとの意見を取りまとめ、これを受けまして6月25日に閣議決定されたものであります。消費税率の引き上げはその意味でもやむを得ないというふうに考えております。なお、消費税率の引き上げに当たりましては、国におきまして、その必要性等について、十分に国民への説明がなされることが肝要であるというふうに考えております。 次に、平成6年度の旅費・食糧費に関する調査結果に対し、公表以来各方面から寄せられております御意見についてでございますが、私としては謙虚に受けとめていかなければならないものと考えております。 このたびの調査は、これまでに県の幾つかの所属における旅費・食糧費の執行に不適正な事例が発見されたことや、他県においてもこのような事例が相次いで指摘されたことから、県民の信頼を得るためには、一日も早く実態を調査し、仮に不適切なものがあれば、みずからの責任で自主的に是正し、再度発生させないための抜本的な対策を早期に確立する必要があると考え、全庁的な調査に踏み切ったものでございます。 調査を行うに当たりましては、膨大な件数であり、かつ限られた時間の中ではございましたが、部局長に対し厳正な調査を行うよう指示したところであり、各部局とも現時点での精いっぱいの調査が行われたものと考えております。 次に、第三者を加えた調査を行うべきとのことについてでございますが、私としましては、このたびの調査に当たりましては、まず、職員一人一人が自分たちの職場の重大な問題であることを自覚し、苦しくともみずからその原因を調査究明し、みずからの責任で改めていかなければ本当の解決にはならないと考え、厳正な自主調査を指示したものでございます。 調査の方法といたしましても、旅費については1件ごとに関係書類間の厳密なチェックを行うほか、不自然と考えられるものについては、特に重点的に調査を行うよう、また食糧費についても関係書類間の厳密なチェックに加え、決議書に記載された内容どおりの会合等が事実行われたかどうか等についての調査を行うよう指示したところでありまして、改めて第三者を加えた調査を行うことは考えておらないところであります。 次に、調査終了時期等についてでございますが、平成6年度の調査の結果、きわめて残念な事実が判明しましたので、この事実を厳しく受けとめ、過日部局長に対し平成7年度の調査を指示したところでございます。平成7年度分の調査につきましては、来年度の予算編成の時期と重なり、大変厳しい日程ではございますが、12月中には取りまとめるよう指示したところでございます。 また、返還すべきものの処理や責任の所在を明らかにする時期のめどにつきましては、現在進めております平成7年度の調査の結果を踏まえ、全体として判断したいと考えておりまして、7年度分の調査後できるだけ早い時期に行いたいというふうに考えております。 次に、いわゆる官官接待についてでありますが、平成6年度と平成7年度との比較で申し上げますと、件数では平成6年度2,585件、平成7年度1,969件、金額では平成6年度1億3,168万円、平成7年度7,143万円となっておりまして、金額では約45%の減少となっております。 次に、会合の減少により不都合がなかったかどうかというお尋ねでございますが、中央官庁との関係が事務的なものとなりまして、意見交換あるいは情報の収集・発信等の機会が持ちづらくなったこともありまして、国の施策の動向あるいは他県の先進的な取り組み等についての情報が得にくくなっているとか、あるいは事業、施策についての提案や議論の場が減ったため、県が計画しているプロジェクトとか事業の内容が相手方に十分伝わっているかどうか、やや懸念されているところでございます。 次に、会合の相手方の公開と官官接待の廃止についてでございますが、先ほど相川議員にお答えしましたように、県政の諸課題について、意見交換や情報交換を行う会合が真に必要なケースもありますので、その会合の客観的妥当性を高めるためにも、相手方を公開していくこととしたいと考えておりまして、公開の時期や範囲などについて急ぎ検討したいと考えております。 なお、いわゆる官官接待の廃止を打ち出すべきとのことでございますが、今ほど申し上げましたように会食をともにしながら意見を交換することが真に必要なケースもあると考えておりますので、昨年12月に定めた基準に基づき、その厳正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、監査体制の改善についてでございますが、これにつきましても先ほど相川議員にお答えしたとおり、監査委員の組織及び職務権限等につきましては、地方自治法で詳細に定められておるわけで、現行の法制度のもとにおきまして県独自の判断で改革できる余地は少ないものと認識しております。御指摘の外部監査制度の導入につきましては、国の地方制度調査会において検討を進めていると聞いておりますので、そうした検討の動きにつきまして十分注意を払ってまいりたいと考えております。 また、委員の選任につきまして、県職員OBは委員に選任すべきではないとの御意見でありますけれども、私としましては、委員の選任に当たり、特に県職員OBに限定して考えているわけではありませんので、今後とも最適任者を幅広い人材の中から求めてまいりたいと思っておりますし、監査方法の見直しや、それに伴う事務局体制などは監査委員の権限に属しておりますので、監査委員の考えを踏まえまして必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。 次に、巻町の住民投票の結果と評価についてでありますが、反対票が過半数を占め、住民の理解が得られなかったことにつきましては、私としましては残念なことというふうに考えております。また、投票結果自体は法的拘束力はないわけでありますけれども、住民意思の1つのあらわれでありますので、江崎資源エネルギー庁長官に対しまして、結果を伝えるとともに、巻原発計画を推進していくためには、住民理解を得るための国の一層の努力が必要であるということを申し上げたところであります。 次に、巻原発計画の実現可能性についてでございますが、東北電力による炉心予定地にある町有地の取得が必要であるわけですから、町有地を取得できない以上、計画が進まないのではないかという御指摘については、そうした面がないとは言えない、そういうふうに考えております。 しかしながら、巻原子力発電所第1号機計画につきましては、国の要対策重要電源計画として位置づけられ、電源開発基本計画にも組み入れられているわけでありますし、また国及び事業者は、今後とも地元の理解が得られるよう取り組んでいく意向でありますことから、私といたしましても、引き続き国と連携を図りながら、住民の理解が得られるようPR活動等に努めていくこととしておるところでございます。 次に、地元自治体の立場に立って、国・東北電力に対し、巻原発計画の白紙撤回を求めるべきとの御意見でございますが、今ほどお答えしましたように、私といたしましては、増大するエネルギー需要に対応していくためにも、国のエネルギー政策が推進される必要があると考えておりまして、引き続き国と連携を図りながら、住民の理解が得られるよう努めていくこととしておりまして、国及び事業者に計画の撤回を求めていく考えはございません。 また、原子炉設置許可申請書の取り下げを働きかけるべきとの御意見でございますが、安全審査が中断している許可申請書の取り扱いにつきましては、基本的には、国及び事業者が判断すべき事柄であるというふうに考えております。 次に、原発推進のためのPR活動は中止すべきとの御意見でありますが、今ほどもお答えしましたように、私といたしましては、国のエネルギー政策が推進される必要があると考えておりますので、引き続き原子力発電の必要性、安全性について住民の理解が得られますようPR活動に努めていくこととしております。 次に、地方自治への介入と誤解されるような推進・PR活動は慎むべきとの御意見でございますが、県ではこれまでも原子力発電の必要性、安全性について住民の理解が得られるよう国と一体となりまして広報活動を実施してきたところでありまして、御指摘のような誤解を招くような活動はしたことはないというふうに考えておりますし、また言うまでもなく、今後ともそのような活動を行うことは考えておらないわけであります。 次に、まちづくりへの支援についてでございますが、言うまでもなく、どのようなまちづくりを行っていくかということについては、各市町村が自主的に判断していくものでありまして、現在県内各市町村におきまして、地域の資源、特性を生かしたまちづくりが自主的に展開されているところでございます。県といたしましても、こうした取り組みに対し、これまでもさまざまな施策を通じて支援をしてきたところでございます。今後とも地域の活性を図るため、各市町村のまちづくりに対しまして積極的に助言、協力をしていくことは当然だというふうに考えております。 次に、先月24日に発生いたしました柏崎刈羽原発6号機の手動停止の件についてでありますが、原子炉水中の沃素濃度などの測定値が上昇したため、燃料からの微少の漏えいの可能性が考えられるということから、原子炉を停止し燃料集合体の漏えい検査を実施しているものであります。県としましては、原子炉が停止した後及び漏えい検査実施中に状況確認を行いまして、周辺環境への影響がないことなどを確認いたしますとともに、徹底した原因の究明を行うよう要請したところでございます。 また、今回の6号機のトラブルにつきまして、県への通報連絡がもっと早くなされるべきではないかという御意見でございますが、安全協定では、原子炉の運転に支障を及ぼす故障があったときなどにおいては、直ちに連絡がなされることとなっておりますけれども、今回のケースのように燃料の漏えいの可能性があることから、原子炉を停止し検査を行うと判断した場合には、その判断を行った時点で連絡通報事項として処理されることとなりますことから、このたびの通報連絡に問題があったということにはならないところでございます。 しかしながら、原子炉の運転に支障を及ぼすと思われる故障の予兆があった場合につきましても、その通報のあり方などにつきまして、今後柏崎市、刈羽村とも協議し、検討してまいりたいと考えております。 次に、福祉の充実ということについてでございますが、21世紀の本格的な少子・高齢社会に対応するため、平成6年度末に従来の社会福祉計画を見直し、例えば特別養護老人ホームやデイサービスセンター等の整備の目標を上方修正し、施設サービス及び在宅サービスそれぞれの充実を図ることとするなど、新たな目標設定を行い、それを新社会福祉計画としてまとめますとともに、それに基づく施策推進に努めてきたところでありまして、年々予算面におきましても、その比率を上昇させてきたところでございます。その結果、全体としては、目標に向かって着実な進捗が図られているものと考えております。 今後とも急速に進展する少子化、高齢化への的確な対応を図り、家族、地域、そして社会全体が助け合い、支え合う福祉社会の実現に向けて、施策の充実に鋭意努めてまいりたいと考えております。 次に、高齢者福祉施設整備の圏域間の格差についてでございますが、県といたしましても、格差が存在することは十分認識しておりまして、急速に進展する高齢化に対処するためには、それぞれの圏域で県の新社会福祉計画で目指している施設整備の水準に到達するよう、県や関係機関等が一層努力していく必要があるというふうに考えております。 現在、県では、高齢者の保健・福祉両面の施策の総合的な展開を図るために、県内を13圏域に分け、それぞれの圏域ごとに地域介護、看護システム推進会議を設置し、各圏域それぞれの課題等について検討していくとともに、市町村に対しては不足している施設の整備促進を必要に応じて働きかけているところでありまして、今後とも県内各地における施策の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、計画推進に当たっての県の取り組みについてでありますが、今ほど申し上げました新社会福祉計画の着実な推進を基本として、進捗率の面で課題がある分野につきましては、その要因を分析しながら、市町村等に対して取り組みを促すとともに、必要に応じて支援策を講じていくなどにより、計画目標の達成に向けて努力してまいりたいと考えております。 次に、同和行政推進の基本方針についてでありますが、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、平成9年3月31日限りでその効力を失うことから、その後の同和対策の基本的なあり方につきましては、本年7月26日に「同和問題の早期解決に向けた今後の方策について」が閣議決定されたところでございます。 県といたしましては、同和問題の早期解決に当たっては、国における制度面での対応がまず肝要であるとの認識のもと、全日本同和対策協議会の一員として、地方財政の負担の軽減を図るための必要かつ十分な行財政的措置を含め、同和問題の早期解決のための制度の整備等について、国に対して働きかけを行ってきたところであります。 今後県といたしましては、7月26日の閣議決定を受けて今後示される各省庁の具体的方針などを十分踏まえながら、今なお残されている心理的差別や、環境整備などの問題の解決に向け取り組んでまいりたいと考えております。また、教育施策につきましても、憲法及び教育基本法の精神と同和対策審議会答申の趣旨を踏まえつつ、新潟県同和教育基本方針に基づき、人権教育の重要な柱として同和教育の推進を図ることに努めてまいりたいと考えております。 次に、部落差別の現状認識と実態調査等についてでありますが、県内におきましては、生活環境等についてはある程度改善が進んでおりますけれども、今なおさまざまな差別事象が発生している現状にあり、心理的差別の解消に向けまして、啓発、教育など取り組むべき課題が多く残されているものと考えております。なお、実態調査の分析等につきましては、今後その取り扱い等について検討してまいりたいと考えております。 次に、「今後の同和対策に関する大綱」についてでありますが、県といたしましては、本年7月26日の閣議決定を受けて今後示される予定の各省庁の対応方針や、国において現在策定中の「人権教育のための国連10年」の国内行動計画の内容等を踏まえつつ、関係機関等とも連携しながら必要な見直しを進めるよう努力してまいりたいと考えております。 次に、環境庁の希少鳥類保護指針についてでありますが、8月に公表された猛禽類保護の進め方は、猛禽類の保護の現状と保護対策の基本的方向を示したものでありますが、イヌワシ等の生息地周辺に各種の開発行為等が及ぶおそれがある場合の指導指針としても位置づけられるものであると認識しております。この指針の内容については、これまで本県が環境庁から受けてきた指導内容と基本的には変わりはありませんので、これまでの県のイヌワシ等希少鳥類保護についてのスタンスを特に変更するものではないと考えております。 次に、この指針の適用についてでありますが、この指針は、環境影響評価が行われる前の段階においても、また環境影響評価が終了した後の自然公園法等の関係法令上の審査を行う段階におきましても、開発業者等に対して指導等を行う必要がある場合には、この指針を踏まえた対応がなされるものと考えております。 したがいまして、環境影響評価が終了していない湯之谷揚水発電所計画につきましても、また環境影響評価の終了している奥只見大鳥発電所増設計画につきましても、今後この指針に沿った対応を行うことになるというふうに考えております。 次に、イヌワシの生息地と営巣地からの距離についてでございますが、指針におきましては、「イヌワシが営巣期において頻繁に利用する区域は、おおむね半径2キロメートル程度の範囲であるが、周辺の地形、植生、人為環境などは一律ではなく、単に巣からの距離により決まるものではない」とされております。すなわち、この指針の趣旨は、実際の適用に当たっては、距離だけを単一尺度とせず、あくまで現地調査や専門家の意見などを踏まえて総合的に判断することが必要であるというものでありまして、したがいまして、距離だけを判断基準として計画の変更等の措置をとるべきではないというふうに考えております。 次に、指針を踏まえての事業者に対する指導方針についてでありますが、今後県といたしましては、指針に基づく指導はもちろんのこと、個々の具体的ケースに当たりましては、広く専門家の意見も踏まえながら、客観的、科学的な環境影響評価等が行われるよう事業者を指導してまいりたいと考えております。 次に、自然保護団体等に対する県の対応についてでございますが、県といたしましては、これまで福島県と協議しながら、イヌワシの繁殖失敗の原因について科学的な観点から調査を行ってきたところでありまして、その結果について公表するなど、情報については可能な限り関係者に提供してきたところでございます。今後とも、自然保護団体等からの意見につきましては、これまで同様十分に拝聴し、できるだけ必要な情報は公開いたしますとともに、誠意を持って対応してまいりたいと考えております。 次に、いじめ・登校拒否についてでありますが、この問題は現代の学校、家庭、社会におけるさまざまな要因が絡み合った大変難しい問題ではありますが、本県における発生率が御指摘のように全国的に比べて高いと言われていることにつきましては、本県の将来を支える子供の成長にかかわる問題であるだけに、大変大きな問題であり、緊急の課題として受けとめておるところでございます。 県としましては、これまでいじめや登校拒否を解消するためできるだけの対応をとってきたところでありまして、全国に先駆けましてカウンセラーの学校への派遣などの相談体制を充実する、あるいは家庭、学校、地域の一体となった体制づくりなど、県民ぐるみの取り組みにも力を入れてきたところでございます。 私といたしましては、当面は学校、家庭、地域が連携し合って問題の解決に当たるためのより効果的な体制づくりとか、カウンセラー等の相談体制のさらなる充実等に引き続き努力していくことが必要と考えておりますが、基本的には、今後21世紀の新潟県を担う子供たちが生き生きと育っていく環境づくりのためには、正しい価値判断のできる人間尊重の教育や、もう少しゆとりのある個性重視の教育への転換が必要ではないのかなというふうに考えている次第であります。 以上であります。   〔教育長平野清明君登壇〕 ◎教育長(平野清明君) 親睦団体の存在が、いじめ・不登校発生の要因の1つになっているとの指摘についてでありますが、教職員に対しては、いじめ・登校拒否は緊急に解決しなければならない何よりも重要な課題であると、事あるごとに指導を徹底しており、各学校では校長のリーダーシップのもとに、全職員が一致協力して取り組んでいるところであります。学校においては、いやしくも教員同士が出身校によって対立したり、教師間の意思の疎通を欠いたりすることはないと考えておりますので、親睦団体の存在がいじめや不登校の発生の要因になっているとは考えておりません。 次に、県教育委員会の管理主事等は、親睦団体から離脱するよう県教育委員会として指導できないかとのことについてでありますが、親睦団体は、参加者の自主的な行動によって行われているものであり、またそのような団体への加入についても、基本的には個人の判断によるものであり、県教育委員会として指導することは考えておりません。しかし、人事行政に直接携わる管理主事等は、その職務の性格等にかんがみ、みずからの姿勢を示す意味から、管理主事等に就任する場合には、自主的に親睦団体の所属をやめることも一つの方法であると考えております。 以上です。   〔近藤正道君登壇〕 ◆近藤正道君 確認の点も含めまして、4点再質問をさせていただきたいと思います。 最初に、食糧費、官官接待の相手方公表の問題でありますが、知事は従前この問題については、公文書の審査会の答申を待って行いたい、こういう答弁をされておったわけでございますが、ただいまの答弁によりまして、今後の事柄につきましては、審査会の答弁を待つことなく、自主的に県として氏名を公表する、そういうふうに方針を改めたというふうに理解をしていいのかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。 2点目でございますが、巻原発町有地の売却をしないという巻町長の方針を受けての、巻原発建設の今後の可能性の問題でございますが、知事は当面難しくなったような認識を示しながら、同時に、これからも建設の理解を求める行動をやっていく、こういうふうにおっしゃりながら、何か今後さらに建設可能性が開けてくるかのごときニュアンスの発言もされているようでございますが、知事は住民投票の結果を受けて、巻原発は事実上凍結状態に入った、こういうふうな認識を幾つかの場でされておられます。 この知事の、巻原発は凍結状態に入ったという認識は、事実上、巻原発建設は当面の間、少なくとも今の町長さんがいる間はもう難しい、不可能になったという認識を示されたものだというふうに私は思っておるわけでございますが、やはり売らなければ、土地が取得できなければ原発はできない。これは、法律的にも事実的にも厳然たる事実でございますので、やはりこういう厳然たる事実をきちんと真摯に受けとめて、巻原発の建設可能性が当面ないということを、むしろ県民の前に明確にすべきではないか、こういうふうに考えます。重ねて御認識をお尋ねをいたしたいと思います。 3つ目に、話が前後いたしましたけれども、平成6年度の旅費・食糧費の調査の件でございますが、知事が内部調査で一生懸命努力をしてきたんだ、まずみずから正すべきだというお話は、それなりに理解をできるわけでございますが、なぜ第三者を参加させた客観的な調査ができないのか、そのことの積極的な理由にはならないのではないか。他の府県では、第三者を入れた調査を現にやっているところがある。他でやりながらなぜ新潟県ではできないのか。第三者を入れた調査ができない積極的な理由について知事の見解をお尋ねをしたい、こういうふうに思っております。 4番目にイヌワシの問題でございますが、先ほど距離の話を盛んにされておりましたけれども、指針によれば、イヌワシの営巣中心域が営巣地から約2キロだというふうになっておりますが、同時に高度利用域、イヌワシが日常的にいる範囲内では原則として環境を変えることはしてはならないのだということを指針の中では明確に言っているわけでございます。距離がすべてではないということは私も承知しておりますが、原則としてイヌワシの高度利用域の中では環境の改廃はできない。もし、環境の改廃という事態に開発がなるとするならば、開発の変更だとか、あるいは縮小だとか、場合によっては中止もやってもらわなければならないのだということが指針の中にうたわれております。 したがいまして、この指針を当てはめますと、場合によっては2つのダム建設が、計画変更だとかあるいは縮小とか、あるいは計画の中止ということもあり得るということが一般論として言えるのではないか。これは、そうなるかならないかは、すべて今後の事業者の対応いかんでございますが、そういう一般的な可能性があるのかどうなのか、私は質問で聞いておるわけでございますが、この答弁がございませんので、ひとつこの点についての明確な御答弁をいただきたいというふうに思います。 以上でございます。   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 近藤議員の再質問にお答えいたします。 まず、最初の相手方の公表の件につきましては、審査会の答申を待ってということだったけれども、先ほどの答弁では、それを待つことなく公表することに踏み切るのかということでございますが、私は知事としては本来審査会で審議中でありますので、審査会という性格を考えれば、それを尊重してそれを待って、それを受けた上で、こちらがその答申の結果を踏まえながら考えていくのが筋ではないかというふうに考えてきたところでございますが、最近の各県の状況、それからいろんな御意見を承っておりますと、審査会では一応過去のものをやっておりますので、原則的に今後のものについては、一応そこで分けて踏み切るということにしてもいいのではないかというふうに考えまして、今後の扱い、これからの分については相手先の公表に踏み切っていくということにしたものでございます。その意味においては、近藤議員の御質問について言えば、答申を待つことなく踏み切っていく方向で検討したいということになるかと思います。 それから、巻原発の件については、事実上凍結ではないかということを何度も申し上げたわけではなくて、記者会見で事実上そうなるのではないかという御質問に対してお答えしたわけでありますけれども、町有地について現町長が売らないということであれば、事実上凍結ではないかということについてどうかと言われれば、そうだろうということを言わざるを得ないわけでありますので、そのことについてはそのとおりだと思います。 しかしながら、そのことをもって可能性が今後一切なくなるというふうには私は解釈すべきではなくて、今後とも国・事業者が実現に向けてさらに住民に理解を求めていくことでありますので、その中で今後県もPR活動等に協力しながら住民理解を得られ、町有地の売却ということが改めて検討され、可能性が出てくることがあるだろうと思います。そういう意味で、現時点においては、可能性は非常に困難な状況にあるということについてはそのとおりだと思いますけれども、なくなったということではないというふうに思っています。 それから、みずからの努力で調査するだけではなくて、なぜ第三者を入れた調査をやらないのか、その理屈がないではないかということでございますが、ほかの県において調査が結果的に大変不十分で何度も指摘され、第三者による客観的調査を入れて、その調査内容についての客観性を証明するといいましょうか、そういう形になっているところもあることは十分承知しております。 私としては、あくまでやはり現時点において、この調査をみずからやりながら、みずから苦しくとも正す、そしてそのことが今後の本当の意味での改善につながっていくことを原則にするのが正しいだろう。組織の改善のあり方としては、まずそのことはやらなければいかぬというふうに思っております。その意味において、食糧費の、あるいは旅費の調査については、7年度分についても自主調査、しかしながら厳正に行うようにということを繰り返しお願いしているところでございます。 イヌワシの問題については、計画中止はあり得るかどうかということがポイントの御質問かもしれませんが、先ほど解釈の問題についての考え方を述べたわけでございますので、そのことをもってこの両方の計画について、距離の話以外ももちろんあるわけでありますが、2つのダムの扱いがどうなるかについては、今後そういう中で、あくまでイヌワシの問題を専門家の意見を聞きながら諸条件を検討していく中で判断されるということでありますので、それ以上のことについてはちょっとお答えしかねるというふうに思います。 ○議長(星野伊佐夫君) 近藤正道君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時21分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時22分 開議 ○副議長(水倉庄市君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、長津光三郎君の発言を許します。   〔長津光三郎君登壇〕(拍手) ◆長津光三郎君 自民党の長津でございますが、よろしくお願いをいたします。 まず、平山知事にお伺いいたします。巻原発は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。まず、このことをお尋ねいたしたいと思います。 昨年来、県議会で巻原発の建設について幾多の質問がなされ、それに対して、知事は、県民の安全と環境の保全が図られ、地元の理解と協力が得られることを前提に、国のエネルギー政策に協力し、原発の立地を推進する、この答弁を基本方針として繰り返してこられました。したがって、巻原発は、知事の基本方針である、県民の安全と環境の保全が図られることとした前段に限ってみれば、条件を満たしているとの考えであるのでしょうか、ないのでしょうか。つまり、安全なのか危険なのか、知事に現在の認識を伺います。 単刀直入な尋ね方でありますが、御承知のとおり、全国の注目の中で巻町では、原発立地について賛否を問う住民投票が実施されました。巻町3万町民が、巻原発は安全なのか危険なのか、単刀直入にその認識を問われ判断を迫られたのが、8月4日の住民投票でありました。個々の住民にあっては、さまざまな思いを持ちながらも、二者択一方式の中で自分の意思を示さざるを得なかったのであります。 25年余りにもわたり、国のエネルギー政策という重要課題だと触れ込まれ、県政でも、もちろん巻町にあってはなおのこと、揺れに揺れてきた原点がこの安全なのか危険なのかということなのでありました。住民投票そのものは、あくまでも住民の意識の傾向をはかるためであって、安全か危険かを決定できるものではないことはもちろんであるが、一応投票結果は示されました。こうした背景を踏まえて、知事の認識を確認させていただきたいと思います。 しかしながら、8月4日の住民投票の結果は、反対票が有効投票数の60%強を占めたことからすれば、知事の基本方針とする地元の理解と協力については地元に拒まれたことになるわけですが、地元が理解と協力を拒んだ要因や理由についてはどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 投票結果を経て、記者会見で、今後にあって再び原発建設計画が推進される条件として、国、事業者の今後の取り組みと、それによって巻町民の対応が変わるか変わらないかであるとした、知事のコメントが報道されました。知事のコメントの範囲で判断する限り、今後のことは国と事業者任せということで、県としては完全に引いてしまったかの印象を強くいたすところでございますが、その点県としては、推進の方向で努力を続けることになるのか、続けるとすればどのような内容になるのか、あるいは推進に対して努力はしないとするならば、その理由は何であるか、以上の点をお尋ねいたします。 次に、平成8年1月23日、平山知事は、佐藤福島県知事、栗田福井県知事の3県知事で、国に対して「今後の原子力政策の進め方についての提言」をされました。提言の意図するところや基本認識については評価すべきものと考えます。原子力開発、エネルギー政策については、現状の民間事業者による事業展開や、今のような国のかかわり方では、安全性の認識や最終責任の所在などで、国民の信頼が得られるだけの広い意味での十分な担保として受け入れられていない感じを払拭できません。これは、私が現地そのものである巻町に生まれて住んで暮らしながら、巻原発に関する展開のさまざまな場面に遭遇してきた結果としてのストレートな実感であります。 現在、新潟県でも、産業廃棄物対策としての処分場の確保の面でも行き詰まりつつあります。地域住民が安全性や環境保全面で民間業者任せのあり方には理解を示さなくなったことも大きな理由であります。そこで、少しでも地域住民に安全性や環境保全に対しての信頼を高めるためにも、担保として公共関与を導入せざるを得なかった事実があります。 原発は、国策であっても、実際の建設や運営、安全管理や、さらに問題の発生した場合の一義的責任も、利潤を追求する目的の民間事業者であり、国はあくまでもワンクッション設けた位置での行政の範囲のかかわり方ということにならざるを得ないと思います。同じ電力会社であっても、各社個々に対する国民の評価にも大きなばらつきがあることも事実であります。原発の性格の特異性を考慮すれば、すべて民間事業者任せに等しい形では、到底国民や、とりわけ立地地域住民の理解と信頼を得ることについては限界に達しつつある、そんな感じがいたします。 日本の将来のエネルギー事情を考えれば、原発に相当率を依存せざるを得ないのであれば、原発推進は当然のことであります。そのために、問題の責任を国も重く負担する具体的な体制の構築が必要であり、結果的に原発問題が立地地域固有の問題にとどまらず、国民的合意形成へ前進していくことになると思います。必ずしも適切な表現ではないかもしれませんが、公共関与的な性格の手段を講じるなどで、行き詰まりつつあるエネルギー政策を打開していくべきだと考えますが、この点を国に強く求めていく考えがないか、お尋ねをいたします。 加えて、3県の国に対する提言の中に、「原子力委員会に国民や地域の意見を十分反映させることのできる権威ある体制を整備すること」とした記述がありますが、具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。あるいは私が今主張いたしたことと多少なりとも共通した含みがあるのかないのかについてもお伺いいたします。 知事は、幾つかの条件は付しているものの、基本的には巻原発推進の立場をとっております。私ももちろん安全性の確保を大前提として原発推進の立場に立ってまいりました。その理由を端的に言えば、原発はエネルギー政策としての国策であるから、国策を重視するためということではありません。あくまでも立地地域の振興や発展のためであり、同時に県政の発展に貢献するため。この考えが、私が推進の立場をとってきた最大の理由であり、根拠であります。巻町で原発推進の立場をとってきた人たちの大多数も同様でありました。その点、知事の推進の理由と根拠は、「将来の我が国全体のエネルギー事情を考慮すれば必要不可欠なものであり、国のエネルギー政策に協力していくことを県の基本方針とする」。この答弁を判で押したかのように一貫して通してこられました。あくまでも国への協力のためという推進根拠の域から踏み出していないのであります。 せいぜい他の事柄を説明する都合上、多少地域振興に触れざるを得ないとした程度しか見受けられません。平山知事は新潟県の知事であり、新潟県民の生活、県経済の発展向上につながる施策を積極的に進めることが知事の大きな責務とすれば、「国策に協力すること」もさることながら、「立地地域、すなわち新潟県の発展向上のため」としたところの理由と根拠を、積極的に明確に打ち出すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。 次に、巻町の住民投票を振り返ってみたいと思います。 去る8月22日、自由民主党の本部で政調会関係の会議が開かれ、東北電力の八島社長と資源エネルギー庁の江崎長官が出席されました。その席で住民投票の結果の総括がなされ、それぞれの賛成票の敗因分析内容が公表されました。ところが、公表されたお二人の分析内容には重大な点が欠落しておりました。百も承知の上であえて挙げなかったのかどうかは定かでありませんが、本当は見過ごしてはいけない事柄であります。 それは、住民投票で投じられた票で、その投票行動としては、原発という単独争点についての賛否という、純粋な基本論にのっとっての選択だけではなく、巻町という一地域の極めて固有の政治事情に巻き込まれた中で、原発とは全く異質な投票行動による投票が大量にあったという点であります。つまり、原発が地域の政争の具にされてしまった点が指摘されております。 このことは、推進の立場の側、とりわけ当事者である事業者にあっては、地域の政治に対するかかわり方を振り返り、今後の課題として重視すべきことであります。結果に対する総括で、以上の点を分析した結果で、賛成票の敗因の大きな1つとして率直に示すべきであります。示さなければ、注目をしてきた全国民に、結果について誤解を与えたまま終わることになります。さらに、今後のエネルギー政策の展開にも少なからぬ影響を及ぼすことが懸念されるところであります。 全国初の住民投票と注目される中で、住民投票積極論の主張の1つとして、選挙の場合は、必ずしも単独の争点をめぐって投票がなされないが、住民投票の場合は、純粋に単独の争点に絞って結果が得られる点を高く評価したいとした期待感を示しておりますが、今回の巻町の住民投票に見る限り、結局は純粋に原発の賛否に絞った意思表示とはほど遠い、全く別の政治的要因が大きく介入してしまった事実結果であり、単独争点に関して純粋な判断が期待された巻町の住民投票という大々的な実験は、その意味では成功しなかったと言わざるを得ないことになります。知事の御感想をお伺いいたします。 また、法的拘束力を持たない住民投票は、結果について多様な面で整理が困難であることも露呈するところとなり、結果や対応については数多くの戸惑いが生じております。巻町の政治情勢は長年安定性を欠いてきました。現在も極めて流動的な状態にあります。したがって、いつ政治的変化が生じても当たり前といった状況下にあります。今回の住民投票の経過における投票行動や結果を率直に分析してみれば、政治的な変化は住民投票の賛否の数値に当然大きな影響を及ぼすことは明確であります。 そのことを危惧する余りの警戒心から、住民投票の結果を、世代交代が行われるまで、町長がかわろうが、議会が改選されようが、絶対尊重しなければならないなどとした奇妙な裁断がなされました。巻町にとっては、ある種の極限状況下で迫られた住民投票であったとも言えます。その結果を、このように偏った私的な都合に合わせた解釈で、勝手に半恒久的に町民に押しつける手法に、大きな疑問が投げかけられてもおります。 事ごとにテンポの速まった現代社会にあって、町民一人一人の意思や、社会に対するニーズが健全で自由な変化や進歩を遂げていくことは当たり前のことであると同時に、最大限尊重されるべき個々の権利であるはずであります。その基本的人権をも大きく阻害し、町民を無視することは、民主主義に逆行することでありますが、そんなことはお構いなしに一方的な言動が飛び出してみたり、あるいは投票結果について、反対票は客観性においては賛成票を20%程度上回ったことは事実でありますが、これは単なる多数票でしかないのに、町民の総意などとすりかえるような偏った方向への意図的な誘導をねらうなど、次々と残念な事実が続いております。結局は、この条例は、みずからを律する機能が備わっていない未成熟な条例であり、実にあいまいでやっかいな後遺症をどんどん悪化させているのが事実となっております。そうしたさまざまな問題の予兆を感じますが、平山知事の巻町の住民投票の各般にわたっての御所見をお伺いいたします。 次に、市町村合併についてお伺いいたします。 我が国の市町村合併では、いわゆる明治の大合併と昭和の大合併という沿革を経て今日に至り、現在では東京一極集中を原因とする問題を解決し、国土の均衡ある発展を図らなければならない状況にあることから、第24次地方制度調査会の審議を経てなされた答申にのっとり、市町村合併の特例に関する法律が有効期限を平成17年3月まで延長することや、住民発議制度の創設など、幾つかの改正内容の措置を盛り込み、平成7年4月1日から施行されました。 そこで、今なぜ合併なのかという今日的な意義でありますが、広域的な地域を単位としながら拡大した地域の振興を整備することが必要であり、そのために圏域の中心となる都市の牽引力を高め、国土の均衡ある発展を図ることが大切であり、また、市町村の区域を越えた行政需要が増大している今日に、市町村の境界の存在によって生じる障害を取り除き、増大する広域行政需要にこたえなければならない。 さらに、価値観の多様化により、地域事情に沿った独自の地域経営が求められる傾向が強くなったり、あるいは国際化や情報化、さらに社会福祉サービスの充実強化など、課題がますます大きくなるのに加え、地方分権の推進で、権限や事務が市町村に移譲される。そうした中で、自主的に主体的な地域づくりを進めていくためには、どうしても市町村の行政、財政の基盤を強化することが根本的課題となっております。 調査会の答申では、昭和の大合併後の人口の都市集中と急激な過疎の進行によって、大都市圏における面積の狭い市では、都市機能や広域調整機能が不十分となり、一方、地方圏における人口の自然減と高齢社会への対応についての危惧を指摘しているが、市町村の合併の基本認識としては、市町村の行財政基盤の強化、豊かな高齢社会を迎えるための社会福祉など、住民に身近な行政サービスの充実を図るための有効で適切な方策であるとしながらも、住民の側からの自主的な合併への取り組みを促し、重く見ております。そこで、まず今日にあっての市町村合併について、知事の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、実際合併を進める上での認識として、答申では、地方主導であることや、関係市町村や住民の意向を尊重すべきことを示した上で、合併の意義や手続、その効果などで、市町村に十分な情報を提供して議論の基盤をつくるべきことを国や都道府県に求めております。また、都道府県に対して、地域全体の発展や住民生活の水準の確保という観点から、関係市町村の合意形成のために積極的に指導、調整等を行っていくべきとして、重要な役割を求めております。さらに、都道府県は、市町村の合併に際して、将来のまちづくり等に関しても適切な助言を行うなど、必要な支援についても支援を指摘するなど、都道府県に対して重要な役割を果たすべきことを強調しております。 このように改正施行された合併特例法では、合併推進に向けて、都道府県に対して幾つか重要な役割を求めておりますが、本県の合併推進への意気込みと担うべき役割についての取り組みはどのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。 合併の今日的な意義の大きい中で、市、町、村の構成比では、全国平均に比較して新潟県では、市の数値で約2.7%、町の数値で約11.6%と全国平均を下回っている反面、村の数値で約14.3%と全国平均を上回っております。これは、やはり合併の立ちおくれの傾向を示すものと見れるのではないでしょうか。そこで、まず、合併促進に向けての県下全体の機運と見通しはどのようになっておりますか、また、事実上協議が持たれ、進行過程にある件数や進行の段階についてもお尋ねをいたしたいと思います。 次に、広域市町村圏について幾つか質問をいたします。 まず、広域市町村圏設置の根拠でありますが、設置については、根拠となる法律があって進められているのか、あるいは自治法上の一部事務組合や協議会の制度を活用して、広域行政機構の組織を設置するということなのかどうか、お尋ねをいたします。 また、広域市町村圏では、計画課題を交通体系の整備や広域共同利用施設の整備など比較的具体的に分野を絞って取り組んでいるようでありますが、広い意味での趣旨や目的としては、市町村合併と同じ根っことも言えるのかと思うが、市町村合併との関連性や、あるいはまたその整理の仕方はどのように考えればよいのでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。 県では、平成4年7月に見直しの考え方を示し、以後県と市町村、関係市町村長の間で、合意形成に向けての問題点など、検討を行ってきたとしているが、県の平成4年7月に行った見直しでは、新潟県を幾つの圏域にするのか、現在幾つの圏域で市町村の合意が形成されたのか、その他の圏域については、合意の形成の見通しはどうなのか、またいつごろまでに県下全域の合意形成を完了させる計画でいるのか、さらに全体的に遅々としているように感じられるが、その理由はどういうことなのでしょうか。 いま1点、合併については、改正特例法で住民の自発性、自主性に基づく住民合意を尊重することとされているが、広域市町村圏施策については、行政の主導性が強く、ことに広域市町村圏の区割りについての線引きの関係では、県行政の押しつけ感が強いとの意見もあるが、その点の御説明をお願いいたしたいと思います。 次に、災害対策についてお伺いいたします。 阪神大震災を受けて、全国的に各級の自治体で防災計画の見直しが進められてきました。そうした中で、大規模災害発生時の自治体間での応援体制が改めてクローズアップされております。そこで、新潟県の相互応援協定の締結状況と、その趣旨や骨子についてお尋ねをいたします。また、県下市町村レベルにおける広域応援協定の締結状況についてもお聞かせいただきたいと思います。 次に、8月末、県警察と社団法人県警備業協会との間で「大規模災害時における各種情報の通報に関する協定」が調印されたとのことであります。そこで、まず締結された通報連絡協定の趣旨と骨子の概略についてお尋ねをいたします。 阪神大震災は多くの教訓を残しました。緊急物資の搬入や、応援援助隊や、支援物資受け入れなどの緊急交通路の確保、パニック状態下での交通誘導や避難誘導、これらが極めて重要であるにもかかわらず、大規模災害における警察は人命救助や警戒活動業務が優先し、また警察官の絶対数が不足することから、被害がさらに拡大するとの懸念が強いことから、何らかの手段で補完をする必要性が強く指摘されてもまいりました。その点を重く取り上げた東京都や北海道では、既に通報連絡にとどまらず、予算措置をした上での支援協定を締結し、備えを強化しております。 新潟県は、新潟大震災を初め、水害や土砂崩れ、雪崩などに恒常的に苦しむ災害県でもあります。そこで、災害時の緊急交通路の確保や避難誘導業務、防犯パトロール等の活動を中心とした防災体制の強化のために、予算措置を含めた支援協定を締結しておく必要を強く感じますが、前向きの取り組みをお願いいたしたいと思います。知事の御答弁をお願いいたします。 次に、北海道・豊浜トンネルの大事故が発生し、悲惨で最悪の結末を見たときに、トンネル通行中のラジオの受信ができなくなることが非常に不安になりました。そこで、県管理道路のトンネル内におけるラジオ再放送設備の設置状況と今後の取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。 最後に、大海原55日間ひとりぼっち、太平洋1万キロ、ヨットによる最年少単独横断記録を達成した白根市の中学3年生高橋素晴君の快挙に心から最高の賛辞を贈り、私の質問を終わりたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 長津議員の御質問にお答えいたします。 最初に、巻原子力発電所の安全性についてでありますが、現在安全審査が中断されているところでありまして、今後再開されることになりますれば、最新の知見などをもとに審査がなされ、安全性は十分確保されるものと考えております。なお、巻原子力発電所を含め、我が国の原子力発電所におきましては、多重防護、十分余裕を持たせた安全設計、きめ細かい品質管理、運転管理及び国による厳格な安全規制等により、安全性、信頼性は十分確保されているものと考えております。 次に、投票結果の要因や理由についてでありますけれども、改めて県として分析しているわけでは必ずしもありませんが、「もんじゅ」の事故とその対応への不信もありまして、原子力発電への安全性に対する住民の不安感が募ったことが最も大きいと思いますし、放射性廃棄物の処分方法が不透明なことなども要因として挙げられると考えております。 次に、巻原発の推進についての県の取り組みということでありますけれども、原発の建設に当たりましては、第一義的には国と事業者の責任において進められるべき問題と考えますけれども、巻原子力発電所1号機計画につきましては、国の要対策重要電源計画として位置づけられ、電源開発基本計画にも組み入れられているということ、そして国及び事業者は今後とも地元の理解が得られるよう取り組んでいく意向ということでありますことから、県といたしましても、引き続き国と連携を図りながら住民の理解が得られるよう、広報活動に努めてまいりたいと考えておりまして、その意向につきましては、御指摘のエネルギー庁長官との会談でも伝えたところでございます。 次に、原発の推進に当たりまして、国に責任を果たすようさらに求めるべきではないかということでございますが、御指摘のように、原発の立地を進める上では、最大の論点であります安全性につきましては、一義的に国が責任を負っているわけでございまして、国の一貫した責任のある体制と対応がなければ、国民や地域住民の理解を得ることは困難であるというふうに考えておりまして、県としましても、従来から原子力発電関係団体協議会を通じまして、国に対して、安全確保や地域振興、防災対策等関連するあらゆる課題につきまして、国みずからが責任のある対応を図るよう要望してきたところでございますが、「もんじゅ」の事故発生等を契機に、さらにこの点を強く訴える必要があると考え、3県知事提言を行ったところでございます。今後とも、必要に応じまして、いろいろな場において国には強く働きかけてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 次に、原発の推進理由といたしまして、積極的に地域や県の発展を押し出すべきではないかということでございますが、私が国のエネルギー政策に協力していくこととしておりますのは、まず第1に、増大するエネルギー需要にきちんと対応していくことが、安定した国民、さらには県民生活の確保の上からも必要であるというふうに考えているからでありますが、具体的な箇所における立地につきましては、立地地域にとりましては地域振興ということは大変重要なポイントではございますが、現行の電源三法交付金制度等の地域振興策を前面に出して住民等の理解を得るということはなかなか困難であると考えておりまして、原発の立地を進めるに当たりましては、まず原子力発電の必要性、そして安全性について十分な理解を得ることが大切であるというふうに考えておるところであります。 しかしながら、御指摘のように、原発の立地は地域の振興にとりましても大きく寄与するものと認識しておりますので、この点についての広報にも留意しつつ、国に対しましても地域振興策のさらなる充実等について要望してまいりたいと考えております。 次に、巻町の住民投票について、原発の賛否以外の要因によっても投票されたのではないかという御意見でございますけれども、巻町の住民投票は巻町において行われたものでございますので、私といたしましては、御指摘のような内容につきましてお答えする立場にはないものというふうに考えておりますけれども、先ほどお答えしましたような要因が重なり、反対の方が多くなったのではないかなというふうには考えているところでございます。 次に、住民投票結果についての認識でございますが、住民意思の1つのあらわれであるというふうに考えておりますけれども、投票結果自体はあくまで法的拘束力を持たないというふうに解されているところでありまして、その前提で取り扱われるべきであるというふうに考えている次第であります。 次に、市町村合併の促進ということでございますが、市町村が日常生活圏の拡大に伴う広域的な行政需要にこたえ、さらに今後の地方分権の進展、そして少子・高齢化、国際化、情報化といった社会的課題にも的確に対応していくためには、市町村の行財政能力を大幅に強化する必要があるというふうに考えております。このため、複合的一部事務組合とか、ふるさと市町村圏、広域連合等、それぞれの地域に適した多様な広域行政を進めることなども有効な手段ではございますが、自主的な市町村合併に取り組むことはより効果的な方策であろうというふうに考えております。県といたしましては、市町村の自主的な合併に向けての取り組みについて積極的に支援することとし、一般の機運醸成に向けて、さまざまな促進策を講じているところでございます。 次に、災害対策の強化を図るため、県警と県警備業協会との間の通報協定を支援協定にまで高めるべきではないかということでございますが、大規模災害発生時におきましては、人命の安全の確保、被害の拡大防止、災害応急対策のために、迅速に緊急輸送路を確保することは極めて重要でございます。このため、災害発生時におきましては、日ごろから訓練を受け、交通誘導等に当たっている警備員の支援を受けることは有意味なことであり、今後御指摘の点を含め、災害対策のための諸施策についてさらに検討してまいりたいと考えております。 以上であります。   〔総務部長長野謙之進君登壇〕 ◎総務部長(長野謙之進君) 私の方からは、市町村合併、広域市町村圏についてお尋ねがございましたので、お答えいたします。 初めに、合併推進についての県の役割、それに取り組み状況でございますが、昨年改正されました市町村合併特例法では、県は市町村の合併に関する助言や情報の提供などを行うとともに、市町村の求めに応じてあっせん、仲介など必要な調整を行うことというふうにされております。そこで、県としましては、合併に関するシンポジウムの開催、パンフレットの配布など、市町村や地域住民の間に合併についての機運が醸成されるよう、これまでも情報の提供、啓発活動に努めてきているところでございますけれども、今後ともこうした取り組みをさらに充実していきたい、このように考えております。 次に、県内の合併に向けての動き、機運ということでございますけれども、現在、御案内のように、新潟市と黒埼町との間で合併に向けた具体的な取り組みがなされており、昨年の2月に設置されました合併問題協議会の場で、合併後の行政制度等を中心に、今現在協議を重ねているというところでございます。このほか、三条市と燕市を中心といたします県央の地域におきまして合併に向けた動きは見られますけれども、それでまた徐々に運動も広がりを見せつつあるとは言えるわけでございますが、可能性云々というふうに今現在申し上げる段階には至っていないというふうに聞いております。 このほかに、県下全体について見ますと、幾つかの地域でこの合併問題は話題になっておりますけれども、いずれも行政側と地域住民の間、あるいはそういったところでそれぞれ、平たく申し上げれば大きな温度差があるというような状況でございまして、現状では各地で機運が高まっているというふうには言いがたいところでございます。今後は、現在実施いたしております合併や広域行政に関します県民の意識調査、これは5,000人ほどを対象に今進めているところでございますが、この県民の意識調査の結果も踏まえて、今後における効果的な機運醸成の方策といったものを検討していきたい、このように考えております。 次いで、広域市町村圏の話でございますが、この広域市町村圏は、住民の日常生活圏の広域化に対応するため、都市と周辺の農山漁村を一体として広域的に行政を進めるということを目的といたしまして設定されているものでございますけれども、法律上の根拠はなく、昭和45年の自治省の通達に基づいて行っているというものでございます。 圏域内の行政の全分野につきまして、一体的に整備するための広域市町村圏計画の策定や、その計画に基づく事業実施の連絡調整といったことを行うために、地方自治法に基づく一部事務組合または協議会がそれぞれの圏域の行政機構として設置されているところでございます。 次に、広域市町村圏と市町村合併の話でございますが、広域市町村圏は今ほど申し上げましたように、市町村の枠を越えまして、広域的に行政を進めることを目的として設定されているものでありまして、一方、市町村合併の方は、今日的に申し上げれば、地方分権の推進あるいは住民ニーズの多様化に対応できるよう、行財政基盤を充実するといった観点などから行われるのが一般的でございまして、市町村の統合がなされるかどうかの違いはございますけれども、いずれも広域的な行政課題に対応する有効な方策であるというふうに考えております。 今後ますます増大すると見られます広域的な行政課題に対しまして、それぞれの市町村が広域市町村圏としてのまとまりの中で、力を合わせて取り組むなり、あるいは合併という形をとって取り組むか、いずれの取り組みがなされるにいたしましても、県としましては、できる限りの支援を行っていきたい、このように考えております。 次に、広域市町村圏域の見直しでございますが、本県では、当初12の広域圏が設定されておりましたが、平成3年からの見直しの結果、現在は14圏域となっております。この見直し作業の過程で、各広域圏の現状あるいは住民の日常生活圏の状況、さらには市町村の御意向などを踏まえまして、多角的な検討がなされたところでございまして、平成3年に始めましたこの一連の見直しは、平成6年にはひとまず完了を見ているところでございます。しかし、今後さらに広域圏におきます新たな社会経済活動の変化といったものが顕著になったような場合には、必要に応じて圏域の見直しも当然検討する必要があろう、このように考えております。 次に、広域市町村圏の区域割に関し、県の押しつけ感が強いということでございますけれども、圏域の設定に当たりましては、関係市町村と十分に協議し、あくまでも関係市町村の合意のもとで決定をしているというところでございます。 私の方からは以上でございます。   〔土木部長今岡亮司君登壇〕
    ◎土木部長(今岡亮司君) 災害対策についてのうち、県管理道路のトンネル内におけるラジオ再放送設備の設置状況についてでございますが、現在まず国道におけるトンネルについて整備を進めており、平成7年度末現在で、延長2キロメートル以上の4カ所はすべて設置済みとなり、平成8年度においては、2キロメートル以下のトンネルのうち1カ所について整備を行う計画としております。今後とも、道路利用者への情報提供、交通の安全、利便性の向上を図るため、トンネルの長さ及び交通量を考慮しながら、順次整備に努めてまいります。   〔環境生活部長貴船育英君登壇〕 ◎環境生活部長(貴船育英君) 災害時における広域応援協定の締結状況についてでありますが、昨年度中に、北海道東北ブロックの8道県による広域応援協定のほかに、個別に、群馬、長野、富山の隣接県及び石川県との間に相互応援協定を締結したところであります。さらに、本年7月に、全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定が締結され、全国的な応援体制も整ったところであります。 これらの協定は、大規模な災害が発生し、被災都道府県が単独で対応することが困難な場合の応援を、迅速かつ円滑に実施することを趣旨とするものでありまして、具体的には、情報の収集、提供や食料、飲料水、生活必需品等の物資の提供、あっせん、そして救助及び応急復旧に必要な医療職、技術職等の職員の派遣、さらには、車両、ヘリコプター等の派遣などの人的、物的支援を都道府県間で相互に行うことを主な内容としております。 次に、市町村レベルの協定についてでありますが、新潟、長岡、上越などの各都市を中心に、県内の8地域において広域的な集団協定が締結されているほか、個別市町村間でも3件の協定があります。また、県外の市町村との間においても、友好関係にある市町村等を中心に、複数あるいは1対1の協定が合わせて28件結ばれておりまして、これまでのところ、93の市町村が何らかの相互応援体制を整えているところであります。 県といたしましては、災害時の迅速な対応のため、広域応援体制の整備は有効な措置であると考えておりますので、広域の応援体制整備について引き続き指導していきたいと考えております。 以上でございます。   〔警察本部長中長昌一君登壇〕 ◎警察本部長(中長昌一君) 県警察と県警備業協会との通報連絡協定の締結についてお答えいたします。 まず、その趣旨でありますが、地震、台風、水害等の大規模災害が発生した場合、迅速に被害状況を把握し、的確な対策を推進する必要があり、そのため、警察や消防機関等により把握した被害状況のほか、県警察と県警備業協会が相互に協力し、警備業者または警備員が認知した各種被害状況を迅速に警察へ通報するシステムを確立し、地域の安全確保を図ろうとするものであります。 また、協定の骨子でありますが、県警察は県警備業協会に通報要請を行い、それを受けて、同協会は、加盟の警備業者、警備員から、災害に伴う死者、負傷者、行方不明者等の人的被害、また、家屋の倒壊や学校、病院、トンネル、橋等公共施設の物的被害、さらには火災の発生やライフラインの被害状況などの情報を受け、それを取りまとめて県警察に通報するものということになっております。 以上であります。 ○副議長(水倉庄市君) 長津光三郎君の質問は終わりました。 次に、池田昭一君の発言を許します。   〔池田昭一君登壇〕(拍手) ◆池田昭一君 では、一般質問をいたします。 初めに県財政についてでありますが、関連して、地方財政計画についても質問いたします。 96年度地方財政計画は、歳入歳出規模85兆2,800億円。特徴的なものとしては、財政計画の段階で5兆7,500億円の財源不足を生じたこと、地方債残高が昨年度123兆7,000億円から本年度136兆4,000億円、12兆7,000億円の増、増加率10.3%になったことなどであります。 財源不足については、昨年度6兆9,500億円に次いで、本年度も5兆7,500億円という巨額な財源不足を生じていることであります。財源不足の補てん措置として、地方交付税の増額3兆7,200億円。内訳は、国と地方それぞれ1兆8,600億円を負担する、残りの2兆300億円については財源対策債の発行で措置するでありますから、地方は3兆8,900億円の借金をするわけであります。 交付税財源について言えば、本年度当初見込みでは、所得税19兆3,380億円、法人税13兆5,480億円、酒税2兆1,110億円、この32%、11兆1,990億円が地方交付税財源、国は残りの23兆7,980億円で、財源の7割を握って放さないのであります。 先日の日経報道で、国の96年度一般会計予算の補助金件数は2,223件、総額18兆7,000億円、政府は96年度予算で85件を廃止、3,020億円を節減したというが、新設分も77件、補助金も前年比3.4%ふえていると報道をしているのであります。補助金の行政事務は膨大な労力で、新聞報道では、ある自治体は、都市計画事業で政府機関に言われて、紙1万枚を出したそうですが、だれが読みますか。権力をかさに着てと言わなければなりません。補助金は一般財源化すべきであります。 脇道へそれましたが、恒常的な財源不足を解消するため、国に対して、地方税源を充実するため、地方交付税率の見直しを求めることが必要と考えておりますが、知事の所見を伺いたいのであります。 県財政についてであります。96年度歳入歳出1兆2,741億円、伸び率6.6%であります。歳入について言えば、県税、地方譲与税、地方交付税である一般財源は前年比99%、県債は25.7%増であります。 県債についてであります。県債総額1,973億円、25.7%増で、地方財政計画の14.7%を大幅に上回っているのであります。地方債依存度も13.1%から15.5%であります。その結果、96年度末現債高見込額は1兆2,282億円、94年度現債高8,805億円に比較して3,477億円増、率にして実に39,5%という借金残高が急増しているのであります。 これには、昨年度の水害対策、経済対策の積み残し分の県債450億円があるとしても、94年度現債高に比較して40%増の地方債残高は異常ではないのですか。繰越予算として消化できないものは、94年度659億円、95年度1,680億円、日本全体が借金漬けとはいえ、もっとぜい肉を落とした予算編成をしなければならないのではないですか。さきの新聞報道で、政府は来年1月、法的拘束力を持った財政構造改革法案を国会に提出とあります。平山知事に、94年度比3,477億円増、増加率39.5%という地方債残高についての見解をお伺いいたします。 公債費負担比率であります。これは15%を超えると警戒ライン、20%を超えると危機ラインと言われています。本県の公債費負担比率は、90年度12.5%、91年度12%、92年度14%、93年度13.1%、94年度15%であります。96年版地方財政白書の94年度決算における都道府県の公債費負担比率は、5%以上10%未満が8団体、10%以上15%未満が24団体、15%以上20%未満は15団体で、新潟県は上位15団体に入っているのであります。ついでに言えば、20%以上という都道府県はないのでありますが、市町村では381団体が20%を超えており、いかに市町村財政は火の車かということがわかるのであります。 質問いたします。財政課の公債費負担比率調べでは、95年度は決算が確定していないのでわかりません、96年度以降については推計していないのでわかりませんという回答であります。こんなことでいいのですか。国では財政の中期展望をやっているではないですか。市町村も、後年度の公債費比率を推計しているではないですか。当年度のことも後年度のことも推計しないで、何を指針にして地方債計画を立てているのですか。 この話をすると、市町村関係者は信じられないと。そうでしょう。市町村の地方債計画は、県の指導で初めて認められるのでありますから、これでは県はめくらめっぽうで行財政をやっていると言っても言い過ぎではありません。健全財政を進めるには、中長期的な財政計画を立てるべきであると思いますが、知事の所見を伺いたいのであります。 国の地方債許可方針について申し上げておきます。これについてはいろいろと議論のあるところでありますが、これによると、都道府県及び指定都市にあっては自治大臣が配分を決定する、市町村については、国から都道府県に配分し、知事がそれを市町村に配分するという仕組みになっているわけであります。県は、許可するに当たっては、市町村の財務内容を分析するでしょう。後年度の公債費比率についてもであります。この場合、県がみずからの公債費負担比率の検討もしないで、市町村の財務内容に容喙することはできないのではないかということを申し上げておきたいのであります。 次に、新潟朝鮮初中級学校への助成についてであります。 朝鮮学校を支援する新潟県民の会の第3年度方針の文脈は、36年間の植民地支配と内なる差別に対する反省から、異国の地でありとあらゆる辛酸を体験された在日朝鮮人の民族的誇りや伝統を支援するものということであります。 1990年、金丸、田辺代表団が北朝鮮を訪問、金丸団長から、朝鮮人民に対する日本の過去の植民地支配に対して深く反省し、謝罪するという表明が初めてなされたのであります。 1910年、日韓併合後の植民地支配で朝鮮民族を最も傷つけたのは皇民化政策であります。朝鮮全土に神社を建て、神道を強要し、あるいは創氏改名の強制、教育による天皇制国家への忠誠と、朝鮮民族の文化的伝統と言語を否定してきたことであります。第2次大戦中の1939年から敗戦までの7年間に、徴用、徴兵で156万人が日本に動員され、そのうち女子挺身隊が20万、挺身隊のうち5万から7万人が従軍慰安婦として戦地に連行されたのであります。 敗戦時、日本在住の朝鮮人は236万人、150万人は帰国されたと言われ、今在住されている韓国籍、朝鮮籍の人々は約70万人。この方たちは、植民地支配で土地を奪われるなどして、大正から昭和の初期に来日した方々で、帰国しても生活の場がないわけであります。この在日朝鮮人の皆さんが、みずからの民族的伝統と言語を学校教育で保っていくという、その民族的矜持に敬意を表したいと思うのであります。 朝鮮学校に対する補助としては、96年度は、経常経費1人当たり1万5,000円、設備教材費として8,200円で、計2万3,200円であります。私立高校は総額45億5,000万円、1人当たり27万2,000円、余りに隔たりがあるのではないですか。県は、専修学校扱いだということでありますが、日朝の歴史的経過からして増額すべきではないですか。平山知事に所見を伺います。 巻原発についてであります。 原発は国策であるということが満遍なく言われました。私は、国策という言葉を聞くと、むらむらと反抗心が頭をもたげてくるのであります。三国一朗さんの「戦中用語集」という本で、昭和16年帝国国策遂行要領が発令され、千人針、隣組、国民労務手帳、学徒動員、学童疎開と、国民総動員の国策が発令されたとあります。私も昭和19年10月、13歳の少年でありましたが、軍需工場に動員、ろくなものも食わせず、昭和20年8月まで働かされましたから、国策というと、むらむらとするのであります。 新潟県の総発電量は664億キロワット、うち485億キロワット、70%は県外に送電しているわけであります。東北電力は、水力、火力で出力407万キロワット、東京電力は、水力、原子力で585万キロワット、原発6、7号機が稼働すると、850万キロワットの電気が首都圏に送電されるのであります。このほかに、山手線、中央線の首都大動脈を動かしているのは小千谷の信濃川発電所であります。 越後人は昔から、頼まれれば江戸へ米つきにと言ったものでありますが、今はその上に、低人口地帯ということで、原発まで押しつけてきているのであります。巻の住民投票の結果は、東京一極集権制という色合いに対し、「原発ノー」という回答をしたのであります。平山知事は、国、東北電力に、巻原発計画の撤回を申し入れるべきであります。知事の所見をお伺いいたします。 住民投票に法的拘束力はないと言われております。平山知事もそう言っていますが、県民の選挙による公選の知事がこういうことを言っていいのですか。地方自治法は、住民に条例制定権を認めています。直接請求には4種類あって、1、広い意味の条例請求で、巻町の原発是非の条例などであります。2、議員、長の解職請求。3、議会の解散請求。4、監査請求であります。巻町の条例請求は、請求代表者による署名集めから選挙管理委員会、首長と法令に基づいて請求され、昨年6月の町議会で成立したものであります。 条例は、原子力発電所の建設について町民の賛否を明らかにし、もって町行政の民主的かつ健全な運営を図ることとする。町長は、巻原発予定地の売却その他事務の執行に当たり、地方自治法の本旨に基づき、住民投票の過半数の意思を尊重しなければならないと定めております。ここで言う地方自治法の本旨というのは、住民固有の権利である条例制定権は尊厳なものであるということで、これを軽々に法的拘束力がないということは、地方自治法を踏みにじるものであります。平山知事に地方自治法と条例制定権についての認識を問いたいのであります。 96年版「知恵蔵」は、放射能汚染について次のように言っています。原発は大量の放射能を内蔵していて、運転時微量であるが放射能漏れを防ぐことはできない、長年月の間に魚介類や海草に蓄積され、生物濃縮となり、食物連鎖を通じて人間の体内に取り込まれる可能性がある、原発から放出される放射能は水中生物の体内に濃縮しやすいものが多い、こう言っているのであります。 要するに、原子炉を冷却する冷却水から、微量であるが放射能が漏れ出て日本海を汚染し、魚の体内に蓄積される。煙突からは、微量であるが死の灰が大気中に放出されて、田や畑を汚染する。それが食物連鎖を通じて人間の体内に取り込まれるということであります。食物連鎖は、昭和電工による水銀たれ流しによる新潟水俣病と同じプロセスであります。柏崎刈羽地域におけるがん発生率が高いのは、食物連鎖によるものではないですか。 県は東電に、柏崎原発の排気筒の放射線データを公表すべきであると申し入れているのでありますが、国は事実上断っているのであります。再度公表を申し入れるべきでありますが、所見をお伺いしたいのであります。 「新潟県21世紀産業ビジョン」についてであります。 ビジョンの役割として、1、21世紀初頭における本県産業の将来像と有望分野を提示し、企業活動の指針とする。2、将来像を実現するための施策と具体的な支援を提案することにより、本県産業の改革指針とする、であります。そうして、本県産業が進出する有望分野として、住宅関連、生活文化関連、環境・エネルギー関連、新製造技術関連の4分野、本県産業の振興と県民生活向上に必要とする分野として、情報通信関連、国際物流・流通関連、医療・福祉関連の3分野を挙げ、計画期間を2005年とするというものであります。 本県工業の現状分析として、世界経済は大競争時代に入っているが、本県では、事業所規模の中小零細性から、部品生産、賃加工の下請的企業が多く、生産性や付加価値額は全国低位にあるとしています。この分析は、テクノタンク構想の分析と同様であります。 96年版県勢の93年通産省工業統計表によりますと、新潟県工業は、製造品出荷額4兆9,143億円で22位でありますが、1人当たり出荷額は1,718万円で40位であります。寂しいですね。1位は神奈川3,796万円、全国平均は2,743万円であります。長野県について言えば、新潟は1980年まで製造品出荷額で上回っていたのですが、長野は93年には出荷額6兆3,000億円、1人当たり出荷額2,191万円。生産性の相違はもろに現金給与額に影響するわけで、新潟は1人当たり321万2,000円、長野は370万8,000円であります。長野は教育県と言われていますが、その蓄積がここに結実したのでありましょう。 新潟県工業は相対的に地盤沈下を続けているのですが、県幹部は一体今まで何を考えてきたのだろうか、だれか代表して答えていただきたいのであります。また、平山知事には、新潟県工業の現状をどう認識されているか、お伺いをいたしたいのであります。 前述したように、ビジョンでは、世界経済は大競争時代に入っているので、既存産業の競争力の強化を指摘し、テクノタンク構想は、製品の高付加価値化は企業の自主的努力によるものであるが、中小零細企業の多い本県では、独力で高付加価値化を果たすのは困難なので、高度な技術や情報に基づく強力な支援を行うことが有効な手段であるとしています。それには、高度技術や情報による支援体制を整備することが必須であり、技術職員の増員、教育機関の充実による人材育成であります。これが将来像を実現する具体的な施策であります。21世紀ビジョンをただの紙にしてはなりません。 技術職員の増員でありますが、知事部局技術職員調べによりますと、総務部50人、環境生活部70人、福祉保健部1,050人、農林水産部1,100人、農地部450人、土木部1,070人、港湾空港局60人、商工労働部170人、うち工業総研89人であります。新潟県工業を活性化するには、工業総研職員は他の部局に比較して少ないのではないですか。現場では、手不足でテクノタンク構想も推進できないと口説いております。 昨年も同様の質問をしたのでありますが、当時商工労働部長は、現体制で行くであります、東京の人ではわからぬのです。新潟県人は昔から、○○と言って引っ張らなければ前へ進まないという県民性があるのであります。平山知事にお伺いいたします。工業総研職員を増員すべきであります。 人材育成の教育機関として、高校、大学、高専、専修学校とあるわけでありますが、ここではテクノスクールの充実についてであります。三条テクノスクールは、県内拠点校と位置づけ、移転改築の調査費もついているのでありますが、今もって用地選定のめどすら立っていないのであります。県央地域には6,500の工業集積があるのでありますから、県工業活性化の人材育成に農林水産部の協力をお願いしたいのであります。用地選定はどうなっているか、お伺いいたします。 産業ビジョンで新たに進出すべき産業4分野のうち、住宅関連、生活文化関連は、三条・燕圏域で特化しているということを申し上げておきます。95年版県工業統計によりますと、事業所数6,445、県全体の34%、製造品出荷額8,867億円、バブル不況で92年から94年まで出荷額は減り続けてきましたが、94年で底を打ち、95年から反転攻勢に出ているということを申し上げておきます。三条市を例に挙げて恐縮でありますが、95年は出荷額5.8%増、付加価値額30.2%増であるということを申し上げておきたいのであります。 この三条・燕圏域では、不断に変化する市場ニーズをとらえ、新製品の研究開発等、住宅関連、生活文化関連の製品は、何万点、何十万点と勘定もできないほどの商品群が集積をしておりまして、地場産品の一大宝庫と言っても過言ではないのであります。第5次長期計画、テクノタンク構想に、本県工業の高度化からデザインセンターの構想があるわけでありますが、この地域に設置してこそ、その機能を完全に発揮し、県産品や技術の声望をあまねく全国に、否世界に広げることができると思うのであります。この点申し上げておきたいのであります。 産業ビジョンはまた国際物流についても触れております。国際物流についてはろくな知識もないのでありますが、質問をいたします。 東京を中心とする放射状の物流が形成されている現状において、国内物流にのみ焦点を当てた新潟の拠点性の強化は困難である。経済活動のグローバル化、製造業を中心とした国際分業や水平分業が進展し、国際物流がふえる中で、本県産業の物流面の優位性を確立する突破口として、輸出入拠点として港湾、空港の機能を強化し、国際物流の拠点性の強化を図ることが重要な課題になっているとしています。 輸出入の現況を見ますと、新潟港では、数量ベースで、94年輸出は18万7,000トン、輸入は1,206万トン、輸出に対し輸入は実に64倍という極端な輸入超過、かつ片荷状態になっているのであります。金額ベースで見ると、新潟管内の輸出453億円、輸入は2,008億円、これは新潟管内港だけでありますけれども、輸入は輸出に対して4.4倍という入超になっているのであります。 「にいがた県の輸出動向」という資料では、94年の本県の輸出は2,100億円でありますから、全体として輸出入のバランスはとれているわけであります。ただ、輸出の2,100億円のうち新潟港扱いが453億円、輸出全体の20%しかないわけで、あとは太平洋岸の港や空港から積み出されているという構造的問題があるわけであります。 産業ビジョンは、前述したように、国際物流の重要性が増し、本県の物流面の優位性を確立する突破口として、港湾、空港の機能強化を指摘しているのでありますが、極端な片荷状態を解消しなければ、国際物流の拠点港として機能しないわけで、ビジョンにこたえることは容易ならざることであります。片荷状態解消の対策、方法はないものか、お伺いいたします。あわせて、平山知事には、日本海大交流時代を提唱されているのでありますが、現状は「日本海波高し」と言わなければなりません。知事の所見を伺いたいのであります。 1995年貿易統計によりますと、我が国の輸出は41兆5,300億円、輸入は31兆5,400億円、新潟県管内港の輸出は453億円で0.1%、輸入は2,008億円で0.6%であります。輸入促進地域でありますから、これでもよいのかもしれませんけれども、主要な貿易港の輸出入を申し上げてみますと、横浜港、輸出7兆300億円、輸入2兆8,700億円、東京港、輸出4兆2,000億円、輸入3兆9,900億円、名古屋港、輸出5兆6,600億円、輸入2兆700億円、成田空港、輸出6兆1,000億円、輸入5兆8,400億円であります。また、成長を続けるNIES、ASEAN諸国及び中国の輸出入窓口とも見られる北九州の門司、戸畑、博多、福岡空港4港の輸出は1兆4,700億円、輸入1兆90億円であります。 環日本海圏について言えば、新潟県全体の輸出は2,100億円、韓国、北朝鮮、中国、ロシアへの輸出260億円で12%、新潟管内港への輸入は2,008億円、環日本海諸国からの輸入は500億円、25%であります。 ここで見たように、新潟港の国際物流拠点としての位置は、日本海側という地政学的位置によると言わなければなりません。しかしまた、この地政学的立場に立って、1989年のマルタにおける冷戦終結宣言後のアジア、日本海地域の交流を推進するのは、新潟県の歴史的役割であると言っても過言ではないのであります。ロシアは1991年から市場経済に移行、中国は93年に憲法を修正して、社会主義市場経済を憲法に明記しているわけで、両国の市場経済発展に新潟県が果たす役割は何か。大きなことでありますが、これなくして環日本海時代の到来はないわけであります。平山知事の所信を承りたいのであります。 最後に、北朝鮮も環日本海圏の国であります。北朝鮮については、核開発疑惑、2度の大水害など、もうひとつ情勢が伝わりにくいというもどかしさがあるのであります。しかし、日朝交流2,000年の歴史から見れば、いまだ国交回復がなされていないということは不正常であります。 平山知事は、日本海大交流時代を提唱されているのでありますから、日本海を平和な海にするため、北朝鮮を訪問していただきたい。このことを最後にお伺いして、質問を終わります。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、池田議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、地方財源の確保についてでございますけれども、本年度の地方財政における収支不足につきましては、所得税及び住民税減税の継続実施による減収分を除く通常収支においても、御指摘のように5兆7,500億円の財源不足が見込まれましたことから、御指摘の地方財政対策が講じられたものでございます。 このたびの対策におきましては、国の厳しい財政事情の中、交付税特別会計の借り入れについて、元金、利子のおおむね2分の1を国が負担するなどの措置は講じられたところでありますけれども、県といたしましては、地方財政の健全化の観点から、基本的には、交付税特別会計の借り入れ等の措置によることなく、地方税源の充実や地方交付税率の引き上げにより、地方財源の安定確保を図られるべきであるというふうに考えております。そのため、引き続き全国知事会や関係団体とも連携をとりながら、粘り強くその実現に向け働きかけてまいりたいと考えております。 次に、県債残高の状況についてでありますが、平成8年度当初予算ベースで、平成6年度末残高と比較いたしますと、御指摘のとおりの増加率となっております。これは、昨年夏に発生した水害に係る災害関連事業の大幅な増加もあるわけですが、基本的には、景気低迷の長期化に伴う税収等の伸び悩みなどから、県債の発行増を余儀なくされたことによるものでございます。 このように県債残高が急増しておりますが、この間、社会資本の整備はもとより、景気対策等の面から必要な対応であったというふうに考えておりまして、また、これまで県債の発行に当たりましては、極力後年度の元利償還に対して交付税措置がなされる起債の活用に努力してきておりまして、今後の元利償還金の約6割は交付税で措置されることとなっております。 しかしながら、県債発行残高の増加は、後年度の財政構造の硬直化を招くことも懸念されますので、今後一層事務事業の徹底した見直しに努め、また、事業の緊急度、優先度などを十分に吟味しながら、節度ある財政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、中長期的な財政計画の策定ということでありますが、将来にわたる健全な財政運営を維持していく上で、そうした計画が有用であることは理解しております。しかしながら、先ほど相川議員にもお答えしたわけですが、現実には、正確な中長期の財政計画を立てることは、そのベースとなるべき歳入面をとらえた場合、税財政制度等の改正や経済構造の変化等、変動要因が極めて多いこともありまして、将来の県税や地方交付税について、きちんとした見通しを立てることは大変難しいところでございます。 また、歳出面につきましても、大きくは、社会経済の変化や複雑多様化する行政需要、さらには災害等の突発的需要などを正確に予測することが難しいこともありまして、歳入歳出両面ともそれぞれに多くの不確定要因があるため、御指摘のような中長期的な正確な財政計画を立てることは難しいというのが実情でございます。 こうしたことから、県といたしましては、毎年度の予算編成におきまして、後年度における財政負担をできるだけ抑制するという考え方を基本にして、施策の優先度や緊急性などを十分に検討しながら、種々の財政指標をチェックし、予算編成を行ってきているところでございまして、今後とも、こうした考えに基づいて対応してまいりたいというふうに考えております。 次に、新潟朝鮮初中級学校への助成についてということでございますが、同校は学校教育法上各種学校として認可されており、いわゆる1条校として認可されおります私立の高等学校と同様の扱いをすることは、現行制度上困難であると考えております。しかし、県では、国際親善などの面を考慮いたしまして、同校につきまして、専修学校に準じ、経常費助成などの財政的支援を数年前から行っているところでございます。 なお、今後の増額等の対応につきましては、同校に対します県民の受けとめ方や他県の状況など見きわめながら、引き続き慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、巻町の住民投票の結果を踏まえ、巻原発計画の撤回を国、事業者に申し入れるべきという御意見でございますが、近藤議員にもお答えしましたように、住民投票の結果につきましては、資源エネルギー庁長官に直接お会いして、巻原子力発電所の建設は住民の理解が十分に得られておらず、建設の推進をしていくことは、国のさらに一層の努力が必要であるということを伝えたわけであります。 この巻原子力発電所1号機計画につきましては、国の要対策重要電源計画として位置づけられておりますし、電源開発基本計画にも組み入れられていること、国及び事業者は今後とも地元の理解が得られるよう取り組んでいく意向にありますことから、私としましても、引き続き国と連携をしながら、住民の理解が得られるよう努めていくべきであるというふうに考えておりますので、国、事業者に計画の撤回を求めることは考えていない次第であります。 次に、地方自治法と条例制定権についてございますが、地方自治法では、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、当該普通地方公共団体の処理する事務に関し、条例を制定することができるというふうに規定されておりまして、住民投票条例についても、現行の地方自治制度の基本的ルールであります代表民主制の基本的な仕組みに抵触しない限り制定は可能であるというふうに考えられております。しかしながら、その場合におきましても、住民投票の結果が、地方自治法で定められております長や議会の権限と責任を法的に拘束するものであってはならないというふうに解されておるところでございます。 次に、柏崎刈羽原発の排気筒のデータについてでありますが、県としましては、データが常時公開されますよう、原子力発電関係団体協議会を通じて、そしてまた県独自でも、国に対して要望してきているところでございます。しかしながら、国では、その必要性あるいはその有効性などを検討しているとのことで、いまだ実現には至っていないのが現状でございますが、県としましては、原子力発電所の情報公開を進めていくとの観点から、引き続き国に要請してまいりたいと考えております。 本県工業の1人当たり出荷額などが全国的に見て劣位あるいは低位にある原因についてでございますが、まず中小零細事業所の比率が大変高いということ、労働集約型あるいは下請型、さらには部品生産型の企業が多いことなどから、生産性や付加価値が低いことが挙げられるというふうに思います。また、そのほか、企業間の連携が弱い、あるいは研究開発体制や企画力、あるいは市場に対する販売力、マーケティング力、こういったものに多くの課題があることも一因として挙げられておりまして、これらのかなりが構造的要因とも言わなければいけないものだというふうに思います。 次に、本県工業の現状の認識はどうかということでありますが、今ほども申し上げましたように、構造的とも言える要因が多いわけでありまして、生産性及び付加価値とも全国的に見て低いレベルにとどまらざるを得ない状況にあるというふうに考えております。しかしながら、その一方では、近年の高速交通体系の完備に伴います企業立地の進展等から、徐々に産業構造の高度化も図られつつあり、そしてまた個別企業を見ても、大学研究機関や取引先企業等と連携しながら、自社の技術開発力、マーケティング力を強化している企業、あるいは新製品の開発、新分野への進出を模索するという企業も出てきております。 こうした状況から、県といたしましては、今後とも高付加価値型産業群の形成と企業製品の高付加価値化を図るため、新潟テクノタンク構想を積極的に推進し、本県工業構造の高度化をさらに進めてまいりたいというふうに考えております。 次に、工業技術総合研究所のマンパワー面での強化についてでありますが、県といたしましては、テクノタンク構想推進の方策として、戦略技術開発研究や共同研究におきまして、外部頭脳として、大学研究者や民間企業の特別研究員を積極的に導入しますとともに、大学院や民間企業への派遣研修を通じまして、研究職員の資質の向上に現在努めているところでございます。現在はこれらの方策を総合的に展開しているところですけれども、我が県の工業を取り巻く厳しい状況に対応し、高付加価値型産業群の形成等を図る観点から、工業技術総合研究所の果たす役割とその体制につきまして、さらに検討を続けてまいりたいというふうに考えております。 次に、三条テクノスクールの建設用地の選定ということでありますが、現在、教育施設としてふさわしい環境、交通アクセスなどを考慮して、複数の候補地の中から選定を急いでいるところでございまして、地元の御意向も十分お聞きしながら、できるだけ早く決定したいというふうに考えております。 次に、新潟港及び新潟空港の輸出入における片荷解消対策についてでございますが、特に新潟港における外貿コンテナ貨物の取り扱い状況を見ますと、御指摘のように大幅な輸入超過の状態になっております。 この原因につきましては、もともと我が国の貿易構造が加工輸出型であるため、金額ベースでは大幅な輸出超過になっているにもかかわらず、数量ベースで見ますと大幅な輸入超過となっておりまして、船等に積む場合には量になりますけれども、量で見ると1対10というふうな数字も言われているわけであります。正確な数字は量にした場合わかりませんけれども、数量ベースでは、今申し上げたように、大幅な輸入超過という形になっていますので、どうしても輸入の荷物に比べて輸出の荷物が全国的に少ないというのが、日本の貿易の特徴でございます。 それに加えまして、近年、企業の海外進出あるいは円高等によりまして、さらに製品輸入が増大するという傾向にありますので、こうした傾向が一層拍車されているという全国共通の要因がまずございます。 そのほか本県特有の貿易構造として、御指摘のように、輸入につきましてはアジア方面からの貨物が圧倒的に多くて、アジアとの定期航路が多い新潟港に入ってくるのに対しまして、輸出につきましては、アメリカ、ヨーロッパ向けの割合が比較的高いということもありまして、横浜港等から積み出されているため、県内で輸出製造されているにもかかわらず、新潟の港から出ていかないという構造にありまして、輸入超過がその分大きくなっているということが挙げられると思います。 いずれにいたしましても、国際物流の拠点として発展するためには、輸出入のバランスをとることは大変重要なことでありますので、今後とも、現在行っております、県内はもとより隣接県の荷主企業、首都圏の総合商社等に対する官民一体となったポートセールスをさらに積極的に行いながら、輸出貨物の集約化を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、新潟空港の取り扱い状況につきましては、輸出入の差は余り大きくなく、極端な片荷状態にはなっておりませんけれども、今後とも新規の航空路の開設等に努める中で、航空貨物全体の底上げを図り、バランスを図りながら、新潟空港の貨物空港としての活性化にも努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、ロシア、中国の市場経済活性化と本県の役割ということでありますが、対岸諸国における市場経済化の進展は、本県が日本海大交流時代の拠点としての地位を築き、県内産業の国際的な展開を着実に進める上で極めて重要なことでありますし、もっと大きく言えば、この地域全体の平和の貢献にもなるわけでございますので、極めて重要なポイントであるというふうに私も思っております。 これまでロシア極東地域、中国とは、経済ミッションの派遣、あるいは民間ベースの技術提携、企業進出など、積極的な経済交流活動を推進してきたところですけれども、今後とも、新潟・北東アジア経済会議の開催、環日本海経済研究所の活動、中国大連市への経済事務所の設置などをベースといたしまして、官民一体となった相互の経済交流の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。特に、ザルビノ港のフィージビリティースタディーのような、いわば地方版のODAの今後の可能性も含め、市場化等の進展に応じた適切な支援について、より幅広い観点から検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮への私の訪問についてどうかということでありますが、北朝鮮とは国交が正常化されていない現状の中で、当面公式的に訪問することは難しいのではないかというふうに考えております。 しかしながら、環日本海地域の交流の拡大を考えたとき、北朝鮮は重要な地域にありますし、本年の当県主催の北東アジア経済会議等への出席など、先方の環日本海経済圏構想への取り組みがここへ来て前向き化しておりますので、今後とも交流機会の確保に努めていきたいというふうに考えております。また、今後、こうした経済会議などを通じた相互交流を深めながら、状況変化にも適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○副議長(水倉庄市君) 池田昭一君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時56分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時15分 開議 ○議長(星野伊佐夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、市川政広君の発言を許します。   〔市川政広君登壇〕(拍手) ◆市川政広君 通告順に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず最初に、既に再選を目指して立候補を表明されている平山知事から、再選に向けての抱負、決意、それに就任1期目の実績、反省点などを伺いたいと存じます。 平山知事は先ごろ、「めざそう、新・新潟価値づくり 21世紀に向けての私の政策骨子」という表題がつけられた公約のパンフを作成して配布されました。この公約パンフを拝見しますと、平山知事は、「私の県政に対する基本的な考え方」「私の県政推進の基本姿勢」「私の県政施策の方針」といった大きな柱を立てて、まず総論的な抱負を述べられております。この中で平山知事は、「県民に開かれた県政」「公明正大な県政」「クリーンで効率的な県政」、この3つを県政推進の基本姿勢とするということを強調されております。 パンフでは、この後さらに具体的な重点政策5項目を掲げられておられます。この内容を見てみますと、「いじめ・登校拒否対策の積極的推進」「安心して暮らせる医療環境の充実」「道路、公園、下水道等の整備による生活環境の充実」といった身近な問題から、農業及び食品工業の競争力強化、産業構造の高度化を図るなどとする一連の産業振興策、国際的な各種研究機関の誘致、設置構想の推進といった雄大な政策が続き、さらにそれらに加えて、幾つもの一連の大型プロジェクトの推進が公約に掲げられています。 公約は多岐にわたっており、総花的といった傾向も見られます。都市、農漁村を網羅する県内各地域に住むあらゆる層の県民を対象とされているのであり、公約が総花的になることはある程度やむを得ないと思いますが、その点は別にいたしまして、気になる点が2、3ありますので、お尋ねしたいと思います。 来るべき21世紀に対応するためには、何といいましても、行政の抜本的な改革がぜひとも必要であります。行政改革、規制緩和、地方分権を大胆に推進しなければ、21世紀の世界に生きていけないと言われております。その中でも地方分権は重要課題であります。 そこで、まず最初に地方分権についてお尋ねいたします。 さきに発表された公約パンフの中で、県政に対する基本的な考えを述べられています。その中で地方分権の強力な推進を掲げています。地方分権の将来展望を明らかにし、その実現を国に強く働きかけるべきだと思いますが、知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。 次は、カラ出張問題であります。 最近、全国各地の地方自治体で、官官接待、食糧費や旅費、出張費などの不適切な支出、これらに関連しての情報開示のあり方などが問題になっています。本県でもカラ出張問題が明らかになり、先般、7,000万余に及ぶ適正を欠いた支出があったとの調査結果の概要が発表され、知事が県民に陳謝するというまことに遺憾な事態が起こりました。知事は公約パンフの中で、県民に開かれ、公明正大で、クリーンで効率的な県政を基本姿勢にすると約束されていますが、食糧費の適正執行、カラ出張の廃絶、職員の綱紀粛正は非常に重要な問題であります。これらの問題を知事はどう認識し、その対策をどのように行っていくのか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 今回の調査結果は、残念ながら、新聞報道では氷山の一角などと言われていますが、私は、今回の調査結果がさらに指摘をされ、県に対する県民の信頼がさらに失われることのないよう、より一層の厳正な対応を要請いたすところでございます。 さて、たくさん掲げられた公約を実現させるためには、財政面での裏づけがなければなりません。先ごろ、平成7年度県一般会計決算概況が明らかにされましたが、それによりますと、災害復旧費の大幅支出などで27億円の赤字となりました。このため、県の財政調整基金が取り崩されて、10年ぶりに100億円を割る事態となりました。長引く不況により、県税収入の伸びは見込めず、頼みの普通交付税も、本年度配分の伸び率は全国平均を下回っています。このように県財政は楽観できない状況にあると思うのでありますが、今後の見通しをお聞かせいただきたいと思います。 国の財政事情も悪化しております。政府は窮状から脱出しようと、来年4月から消費税を現行3%から5%に引き上げる決定をしていますが、私どもはこの増税案に反対の立場であります。消費税率2%アップは、物価を1.5%、経済成長率を0.7%も押し下げ、景気回復の足を引っ張る。国民に増税を強いる前に、まず政府みずからが行政改革実施などで歳出を大幅節減すべきである。年金、介護など高齢社会の福祉ビジョンを明確に示し、サービスとコストの関係を明らかにした上で、税率引き上げを提案すべきである。勤労者に著しく偏った現行税体系の歪みが是正されないままでの間接税、つまり消費税アップには納得できないなどが反対理由であります。平山知事は、この消費税アップについてどのようにお考えですか、お伺いいたします。 平山知事は4年前に経済界から知事に転身され、近く1期目の任期を終わるわけでありますが、経済界と政官界では仕組みや空気も異なり、御苦労されたことも多かったと思います。1期目の任期中に誇るべき実績がありましたら、また反省すべき点がありましたら、これらの点についてもお聞かせいただきたいと思います。 次に、エネルギー問題についてお伺いいたします。 8月4日に行われた住民投票では、残念ながら、巻原子力発電所建設については、過半数の賛成を得るには至らない結果となりました。今回の住民投票は、チェルノブイリ事故から10年目に当たったことや、「もんじゅ」の事故による原子力への逆風が吹き荒れる中で、しかも、原子力発電所建設の賛否だけを争点とする大変厳しい中で実施されました。 私は、原子力発電は、安全性の確保を大前提に、世界的なエネルギー情勢の中で、資源に乏しい我が国の将来の安定確保や、地球環境を守りながら人類が平和的に共存していくために、ぜひとも必要な電源である立場に立ち、これまで推進の立場をとってまいりましただけに、現時点で巻町民の方々より御理解を得られなかったことは、非常に残念でなりません。 これまでの間、世上では、国民的な課題であるエネルギー政策を地域住民の投票で決めるのはおかしいとか、あるいは、住民の意思を問う新たな形といった賛否両論が論じられていますが、その是非よりも、なぜこのような結果になったのか、私なりに論議をさせていただきたいと思います。 法的には、今回の住民投票の結果によって、原子力建設が差しとめられるようなことはあり得ないわけでありますが、町有地の売却を前提としている建設でありますので、立地が困難になったことは明らかであります。今回の町側の対応というのは、町側が一連の原子力建設のスケジュールの中で同意措置をとったことを覆すものであり、これを住民投票という別の論理で補強しているわけであります。 しかし、これを住民の意思と言われてしまうこと、また、法律、行政の手続に反する、あるいは間接民主制の原則に反すると言っても、始まらないわけでありますが、ここで指摘したいのは、国政に対する不信感や数々の官僚の不祥事、またこれを報道するマスコミの批判的な姿勢が相乗効果を生み、大きな流れとなったこと。さらに最近は、沖縄問題などに見られるように、中央と地方の問題が大きくクローズアップされているときでもあり、まさに原子力に対して理解を得るには逆風の中での対応をせざるを得なかったわけであります。 また、もう1つは、いわゆる迷惑施設は自分の裏庭には要らないの風潮であります。県内の廃棄物処理問題なども同様の傾向があると思います。全体としての必要性は認めながらも、厄介なものは自分たちで背負い込みたくないという考えもあるのではないでしょうか。 この是非は別といたしまして、今回の投票結果は、原子力建設には反対というより、原子力は必要だが、自分たちのところには来てもらいたくないという住民の方々が多くいたという観点からの分析もできると思います。このことは、7月23日に新聞報道されました電話による聞き取り調査の結果でも明らかであります。アンケート調査は、原発建設に賛成か反対かを尋ねたところ、賛成が33%、反対が52%でありました。一方、巻原発の計画とは別にして、日本でのこれからのエネルギー源として原子力推進の必要性を尋ねたところ、「必要」と答えた方が48%、「必要ない」が33%と、投票結果とは逆転している調査結果でありました。いわゆる総論は賛成であるが、各論になると反対であるということであります。 次に、海外における原子力関連の住民投票の実施例を考察してみますと、アメリカ、スイス、スウェーデン、カナダ、台湾などが行われていますが、これは国民投票と異なり、地方が反対した発電所や最終処分場に対し国が推進する措置をとった例としてスイス、台湾があり、エネルギー開発のような国民的課題における中央と地方の関係の難しさを象徴しています。 さて、今後の問題として、今後どのように対応していくべきか。ほかの立地点への影響も考え合わせると、次の点なども考慮すべきだと思います。 まず1点目は、今回国によって行われたコミュニティー単位のきめ細かな広報、理解活動を展開すべきであるということ、さらに、長期的課題としてエネルギー教育の充実を訴えていくことも必要であります。原子力先進国のフランスで日本ほど立地問題が顕在化しないのは、ナショナルセキュリティーに対する国民の理解があり、一人一人がエネルギー問題に関してみずからの問題として自覚していることが掲げられます。これは単にエネルギーだけの問題ではないかもしれませんが、我が国も、国全体の行方に関する問題に関して、教育の場で取り上げていくことが必要であると思います。 2点目は、法律、行政手続の明確化についてであります。 住民の方々の意見や世論の動向にはもちろん十二分な配慮、尊重はすべきと思いますが、この建設計画は、公表以来25年間にわたって進められてまいりました。この中で町議会は、建設同意の決議や早期着工に関する意見書の採択を行い、国や県に提出してまいりました。町長や県知事も同意してきたわけであります。これらはいずれも、住民代表である議会と首長が正規の手続のもとに行った自治体としての意思決定であったはずであります。さらに、国の電源開発基本計画に組み入れられ、計画が進められてきたことも事実であります。私は、このような中、本件のような事態が起こった場合、選挙で選ばれた議会や首長の機能と責任とは何か、間接民主制とは何か、考えさせられるものであります。 また、憲法94条を受けた地方自治法で、条例の内容は、その区域内における国の事務に属しないものと限定しています。原発問題は国のエネルギー政策にかかわる問題であるだけに、法的問題も含めて、手続上の明確化が必要であると思います。いずれにせよ、現時点では、巻町民の方々から理解を得られなかったわけでありますので、国及び事業者は、引き続きエネルギー、とりわけ原子力問題について理解活動を進めていく必要があると思います。 さらに県は、今後も国のエネルギー政策について協力し、地元の理解が得られるよう引き続き努力すると見解を述べられていますが、従来以上の対応をされるよう要請するところであります。 以上、幾つかの論議をさせていただきましたが、これらを踏まえ、次の点について県の見解をお伺いいたします。 1点目は、今回の巻の住民投票結果についてでありますが、知事はこの結果をどのように受けとめられたのか、まずお尋ねいたします。 また、知事は、この結果を受け、8月8日、国に対して結果の報告と申し入れを行ったわけでありますが、その内容と国の反応はどうだったのか、お聞かせいただきたいと思います。 さらに、県は、今後県民の原子力理解のための広報活動をどのように取り組まれていくのか、お聞かせいただきたいと思います。また、前段で指摘をさせていただきましたが、長期的な観点から、教育の場でエネルギー問題、とりわけ原子力問題を取り上げる必要があると思いますが、現在のその実態をお聞かせいただきたい。あわせて、今後エネルギーに関する教育の充実を図る必要があると思いますが、県の考え方をお伺いいたします。 2点目は、財政問題についてお伺いいたします。  新潟県民にとってより住みよい県とするために、県はさまざまな努力を行っていますが、県の規模の大きさに対して、県民所得、医療、各種スポーツ、教育、文化面などさまざまな指標の比較では、隣接県に比べ高い評価を得ていないのではないかと思います。これらの充実を図る諸施策の実施のために、もっと歳入の拡大を図る必要があります。特にその1つとして、電力などエネルギー供給県として歳入拡大を図り、より豊かな県を目指すべきだと思います。 以上の観点から、次の点についてお尋ねいたします。 電力などエネルギー関係事業からの税収や、国からの電源三法交付金による県への歳入はどの程度になっているのか、また、どのような事業に交付金を充当されてきたのか、主な事業名とその充当額はどのようになっているのか、あわせて今後の見通しについてもお伺いいたします。さらに、巻原発関連で、国への補助金申請を従来どおり行っていくのか、お尋ねいたします。 次は、資源エネルギー庁の平成9年度電源開発促進対策特別会計概算要求についてお伺いいたします。 先般、資源エネルギー庁は、平成9年度の概算要求を行いましたが、総予算額は2,236億円でありました。特に今年度、新たに原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金を創設いたしております。その趣旨を見ますと、電力の安定供給、環境問題への対応などの観点から、今後とも着実に原子力開発を推進し、2010年度において7,000万キロワットの設備出力目標を達成することが必要であること。しかしながら、原子力立地をめぐる情勢は一段と厳しく、今後とも地元の理解と協力を得、原子力開発を着実に推進していくためには、特に原子力発電施設などの立地に深く関与する原子力発電施設等所在市町村に対する長期的発展支援対策を強化することが必要となっています。 また、交付額は、年間100万キロワットに対し8,000万円とし、運転開始から終了まで継続的に交付されるものであります。さらに、交付対象事業は、企業導入、産業近代化事業、そして住民の福祉の向上を図るための福祉対策事業に交付措置されることになっています。従来の交付内容と比較し、より現実的であり、地域振興に大いに役立つ制度であると評価するところであります。 県は、この概算要求についてどのような評価をされているのか、特に今回新たに創設予定の交付金に対しどのような評価をされているのか、お伺いいたします。また、これらにより柏崎刈羽に交付される額と対象事業についても、具体的にお聞かせいただきたいと思います。 3点目は、まず最初に、我が国の長期エネルギー需給の推移と見通しについてお聞かせいただきたいと思います。そして、その中において、次の2点についてお伺いいたします。 1つは、我が国の長期エネルギーの需給の見通しの中における新エネルギーへの取り組みについてであります。最初に、新エネルギーへの取り組みにおける現状と課題、見通しについて、県内状況もあわせてお伺いいたします。 現在、新エネルギーとして期待されているのは、主に太陽光発電、風力発電、波力発電などが挙げられます。これら自然エネルギーは、資源が枯渇しない無尽蔵なクリーンエネルギーとして大いに期待が寄せられておりますが、1995年度の発電電力量の推定実績で見ますと、総発電量に占める新エネルギーの割合は0.1%にすぎません。これらは主要電源を補完する立場と位置づけられ、その開発が期待されていますが、自然任せの不安定な電源であるとともに、エネルギー密度が低いため、広い面積が必要であるなどの本質的な課題に加え、技術的な信頼性の確保やコスト低減などの課題が指摘されています。 以上のことから、自然エネルギーは出力が小さく、不安定であり、原子力発電や火力発電などの主要電源を代替することはできないと思いますが、これらについて県の見解をお尋ねいたします。 2つ目は、省エネ対策についてお伺いいたします。 政府の長期エネルギー需給見通しでは、2010年までのエネルギー消費量の増加を年平均1%に抑えることを掲げています。この目標達成に向け、各分野において努力しているにもかかわらず、94年度は3.8%の伸びとなりました。特に今年度はエアコン販売は好調で、過去最高を更新する800万台の販売が見込まれていること、さらに、エアコンやテレビなどあらゆる電化製品が、1家に1台から1人に1台に浸透する中で、数量の増加が省エネ効果を相殺していることが指摘されています。 このような中、経済企画庁は、7月、産業界に対して、さらに工場、事業所ごとにエネルギー消費量を1%ずつ減らすという新目標値を設定いたしました。しかし、民生部門、いわゆる一般家庭に対しては新たな目標値は設定できず、冷房温度を1度引き上げるだけで、高知県32万世帯の年間エネルギー消費量を節約できるとか、シャワー時間を1分間短縮すれば、東京ドーム190杯分のふろをわかせるといった試算を示して、省エネを呼びかけるにとどまっています。これは、一般家庭に対する省エネの難しさをあらわしているものと思います。県は、これら経済企画庁の通知を受け、県内における省エネ対策をどのように今後展開していくのか、県のこれまでの取り組み状況と今後の考え方についてお伺いいたします。 次は、全国的に猛威を振るっています病原性大腸菌O-157の問題であります。 新潟県内へも波及したものの、感染者数が最小限で済み、不幸中の幸いでありました。しかし、各方面に与えた影響ははかりがたいほど大きいものがありました。2学期が始まり、県内でも学校給食が再開されましたが、実施にこぎつけるまでには、関係者の皆様の御苦労は大変なものがあったとお聞きをいたしております。 厚生省の食品衛生調査会は、7月23日、O-157による食中毒防止のための緊急提言を行いました。この緊急提言に基づいて、県内各保健所は、保存食、つまり調理済み食品及び原材料を、食品ごとに50グラム以上を清潔な容器に密閉して入れ、マイナス20度C以下の状態で2週間以上保存すること、O-157菌による食中毒防止の観点から、原因食品及び感染ルートが解明されるまでの当分の間、加熱した食品を提供することが望ましいなどのことを骨子とした通知を、各学校や事業所向けなども含む共同給食施設に出しました。 保存食及び原材料の冷凍保存は、従来からも規定されていましたが、それが2週間以上に延長されることになり、既存の冷凍庫だけでは収容能力が不足することになったわけであります。県内各学校や共同給食施設の場合は、冷凍庫は間に合ったのでしょうか。間に合わなかったところでは、どのようにして対処したのでしょうか。県教育委員会にこのことについてお尋ねいたします。 また、各学校で生徒らがO-157などに感染した場合、出席停止、臨時休業などの措置がとられるわけでありますが、こうしたケースについて、県教育委員会はどのような方針で各市町村を指導したのか、お聞かせいただきたいと思います。 さらに、県教育委員会は、各市町村教育委員会に対し、8月16日に衛生管理の緊急点検の実施を要請しました。このような緊急点検は全国各都道府県で実施されましたが、その指導内容はまちまちだったようであります。新潟県の場合は、どのような方針、方法で行われたのか、点検した結果はどうであったのか、お聞かせいただきたいと思います。 ところで、堺市の集団中毒は学校給食が原因とされています。このため、一部では学校給食廃止論といった意見さえ出ておりますが、知事は学校給食はどうあるべきか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 堺市で患者が大量発生したのは、給食を合理化させるために、食材を大量に一括調達したのが原因の1つになっているとの見方が出ており、地元農家などから新鮮な野菜などを毎朝調達する小規模校などのやり方が改めて見直されています。そのやり方だと、コストが大量一括調達の場合よりかなりかさむというマイナス面がありますが、いささかなりとも地元農業振興に役立つというプラス面もあります。県教育委員会は、食材調達はどのような方法が望ましいと思われているのか、お聞かせいただきたいと思います。 O-157による食中毒不安で、県内の生鮮野菜産地も影響を受けています。厚生省に原因の可能性を指摘されたカイワレダイコンはもちろんのこと、トマト、サラダ菜なども出荷量や価格が低迷しています。食中毒不安で、県内の生鮮野菜産地はどのような影響を受けているのか。また、一般小売店やスーパーにおける生鮮食料品の売り上げ減少などによる県内食品販売業界が受けた経済的影響を把握していましたら、お聞かせいただきたいと思います。さらに、これらに対して、県はどのような対策、救済策を実施したのか、また計画しているものがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ところで、県農業法人協会は、先ごろ県に対して、消費者や市場関係者に安全PRを行うこと、学校給食から生野菜を除外しないこと、また、過度の加熱処理をしないよう指導することなど4点について要請しています。生野菜の加熱処理については、文部省と農林水産省との間で意見のずれがあるなど複雑な問題をはらんでおりますが、この問題についての農林水産部と教育委員会のそれぞれの考え方をお尋ねいたします。 O-157関連で最後の質問になりますが、県は、県民の健康確保のため、今回の病原性大腸菌O-157に関しどのような対策を講じたのか、また、今後、O-157対策を含め、どのようにして県民の健康を守っていくつもりか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、新潟市地域にかかわる諸問題についてお伺いいたします。 まず、新潟空港の施設拡充と周辺住民との話し合いの問題であります。 新潟空港は2,500メートル滑走路と新旅客ターミナルビルの完成、10時間から13時間への運用時間の延長と、規模、機能とも大幅に拡大、拡充されてまいりました。これにより、新潟空港は、環日本海時代の空の玄関口としての役割を十分果たせることになりました。函館線など国内定期航空路の増設、札幌線などの増便が実現し、また、ハワイを初めとする海外各地向けのチャーター便もことしの夏はたくさん発着し、大いににぎわいました。 新潟空港の規模拡大、機能充実、これに伴う利用率の向上は、新潟県民、新潟市民にとって喜ばしいことではありますが、空港機能の拡充による問題点もあります。運用時間の3時間延長は、空港周辺住民に騒音などで大きな影響をもたらしましたが、滑走路3,000メートル化が実現すれば、周辺住民の生活に与える影響はさらに深刻になります。 県は、昨年9月県会における私の質問に対し、行政、住民、学識者による共生懇話会を発足させることを約束されました。しかし、その共生懇話会は、1年たった現在、いまだに発足いたしておりません。発足がおくれている理由をまずお聞かせいただきたいと思います。 滑走路3,000メートル化計画について住民の了解が得られないことが、共生懇話会発足遅延の理由になっているとの見方も出ていますが、もしそのことが理由であれば、3,000メートル計画の問題は当面切り離しをして共生懇話会を発足させ、空港周辺のまちづくりを中心にした話し合いを進めるべきと思います。また、県は、松浜地区と中地区を一緒に考えているようでありますが、分離して懇話会を発足させるのも1つの方法ではないかと思います。これらの点についての県の考え方を伺います。 ところで、県は国に対して滑走路3,000メートル化の実現を働きかけ、第7次空港整備五箇年計画への組み入れを要望していますが、その実現への見通しをお聞かせいただきたい。また、上越新幹線の新潟空港乗り入れ計画実現の見通しについても、あわせてお聞かせいただきたいと思います。 次に、JR新潟駅周辺の整備と鉄道路線の連続立体交差化の問題であります。 この問題は、建設省、県、新潟市など5者によって、昭和63年、新潟駅周辺計画調査検討委員会が設置をされ、駅周辺整備のための検討が重ねられてまいりました。その結果、駅周辺の面的整備の促進を図るためには、新潟駅構内の在来線高架化がぜひとも必要であるとの結論となり、平成6年度には国家補助事業として建設省予算に調査費が計上され、それ以来、鋭意事業開始に向けての調査が進められてまいりました。 そこで、まず、平成6年度、7年度のこの2年間に行った調査の概要と結果について、具体的にお伺いいたします。また、調査事業最終年度に当たる今年度は、新潟県が5,400万円、新潟市が7,800万円の予算措置をしていますが、その内容についてもお聞かせいただきたいと思います。さらに、今年度で調査が終了すると聞いていますが、果たして来年度から事業着手ができるのか、今後の事業の進め方及び課題も含め、その見通しをお聞かせいただきたいと思います。 この事業の事業主体は、駅周辺整備事業が新潟市、連続立体交差化事業は新潟県となっておりますが、この事業完成により、新潟駅は県都の玄関口にふさわしいものとなります。また、駅周辺にある踏切も廃止されるので、交通の渋滞解消されるほか、鉄道路線で南北遮断されていた市街地が一体化されることになり、新潟市発展にも役立つものと期待されています。このような観点から、県の主導により一日も早く事業着手できますことを切望いたします。 次も、JR新潟駅周辺開発関連の問題であります。 政府は先ごろ、国鉄清算事業団を平成10年度末で解散させる方針を示しました。このため、同事業団は、旧国鉄の赤字を埋めるための用地売却に一層力を入れることになりますが、経済の低迷がここでも響いて、用地処分は余り順調には進んでいないようであります。 新潟県内にも未処分の旧国鉄用地がかなりありますが、その中でも注目されるのは、新潟駅南側3.8ヘクタールと万代口にある0.3ヘクタール、合わせて4.1ヘクタールの土地であります。この土地は、駅周辺整備と連続立体交差化事業を一体的に整備を進めるには欠かせない土地であります。県は、この事業団用地についてどのような考え方を持って対処するのか、お伺いいたします。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) それでは、市川議員の御質問にお答えいたします。 初めに地方分権についてでございますが、戦後50年が経過し、欧米先進国に経済的に追いつき、生活が豊かになるにつれて、人々の価値観や住民のニーズは多様化しており、効率的ではあっても画一的な従来の中央集権型行財政システムでは、これらの動きに対応できなくなり、地域の事柄は地域で考え、対応していくという地方分権型の行財政システムへと転換していかなければ、こうした地域の複雑多様な行政ニーズに適切に対応できなくなってきているというふうに考えております。したがいまして、21世紀に向けて活力ある豊かな地域社会をつくり上げ、住民福祉の向上を図るためには、地方主権とも言うべき真の地方自治を早急に確立することが必要であると考えております。 私といたしましては、年末から来春にかけて予定されている地方分権推進委員会による地方分権推進計画作成指針の勧告が、補助金や税財源問題等重要事項をも含め、真の地方自治が確立できるような内容となるよう強く期待しているところであります。今後とも、この勧告や地方分権推進計画の策定が速やかに行われ、かつ真の地方自治の確立をもたらす内容となるよう、全国知事会等とも連携しながら、国に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、食糧費の適正執行、カラ出張の廃絶、職員の綱紀粛正についての私の認識でありますが、相川議員にもお答えしたとおり、全庁調査の結果、旅費を他用途に支出していたものや、食糧費を本来使ってはならない目的に使用していた事例が判明したことは極めて遺憾であり、県行政に対する多くの皆様の信頼を損ねたことにつきまして、私自身、責任を痛感しているところであります。また、この問題につきましては、管理監督者を初め、職員全体がみずからの問題として率直に反省しなければならないと考えております。 こうした問題を再び起こさないための最も基本的なこととして、職員の規律保持と意識改革の徹底、予算執行手続等の遵守を何としても実行していかなくてはならないと考えており、その旨、各部局長、所属長に対し厳しく指示するとともに、問題解決に向けての全職員による職場での真剣な討議も指示したところでありまして、再発防止に向けた全庁的な取り組みを急いで行うこととしたところであります。また、具体的な再発防止策につきましては、職場での討議の成果も取り入れながら、近く整備する予定の総務部長を中心とした体制において集中的に検討し、早期に実施してまいりたいと考えております。 次に、県の今後の財政見通しについてでありますが、財政運営に当たっての基本姿勢としましては、健全財政を維持しつつ、長期総合計画の積極的な展開を図ることが必要と考えており、それぞれの事業の予算措置については、後年度の財政負担に留意しながら、各年度の予算編成を行っていくことが必要であるというふうに考えております。 今後の財政見通しにつきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、正確に予測することはなかなか困難でありますが、県財政の現状は、我が国経済の今後の成長見通しに加え、県債残高や基金残高等から見て一段と厳しいものがありますことから、今後の予算編成や事業実施に当たりましては、今まで以上に既存事業を見直し、スクラップ・アンド・ビルドを行う中で、財源を重点的に配分し、効果的かつ効率的に事業を実施してまいりますとともに、国に対して地方財政対策の充実等を働きかけるなど、財源の安定確保に最大限努力していきたいと考えております。 次に、消費税と地方消費税を合わせた税率が2%引き上げられることについてでございますけれども、この税率の引き上げは、活力ある豊かな福祉社会の実現を目指し、所得、消費、資産等のバランスのとれた税体系を構築するため、また、重税感の強い中堅所得階層の負担軽減を目的とした所得減税や地方税源の充実を図るために決定されたものというふうに承知いたしております。 既に所得税、個人住民税の恒久減税が先行実施されていること、高齢化の進展等に伴う社会保障費用の増加が確実に見込まれていること、国、地方を通じ財政状況が著しく悪化していること、そしてまた世代間の負担の公平性を確保するといった観点などを総合的に考え合わせますと、税率の引き上げはやむを得ないものと考えております。なお、消費税率の引き上げに当たりましては、国におきまして、その必要性等について十分国民に説明がなされることが肝要であると考えております。 次に、私の4年間の任期の中での実績と反省すべき点についてでございますが、私が前回の知事選で県民の皆様にお約束した公約の大半は、第5次長期総合計画の中に取り入れられ、その実現に向けて、現在鋭意取り組んでまいったところでございます。 個々の施策といたしましては、在宅及び施設福祉の充実や福祉のまちづくりなど、優しさに満ちた福祉社会づくりを推進するとともに、文化、スポーツの振興や都市公園の整備等を行い、そしてまた、21世紀の日本海大交流時代に向けた空港、港湾、高速道路等の拠点整備やテクノタンク構想による産業構造の高度化、競争力のある農業の確立に向けた基盤整備などについて力を傾注してきたところでございます。おかげさまで、これらの施策につきましては、県議会や県民の皆様の御支援、御協力もいただき、着実に軌道に乗りつつあるというふうに考えております。 しかし、そうした中にあって、本県は広大な県土を有していることもあり、中山間地等地域によりましては、交通ネットワークの整備や雇用の場の確保といった面で、なお今後の取り組みを待たなければならない状況も見受けられるところでございます。したがいまして、私といたしましては、今後とも広い県土のバランスのとれた発展のために、また県民各層のニーズにこたえていくために、県政の推進に全力を傾けてまいりたいと考えておるところでございます。 次に、巻町で行われた住民投票の結果をどう受けとめているかというお尋ねでございますが、これまで繰り返しお答えしておりますように、私といたしましては、県民の安全と環境の保全が図られ、地元の理解と協力が得られることを前提に、国のエネルギー政策に協力し、原発の立地を推進していくことを基本方針としておりますので、反対票が過半数を占め、住民の理解が得られなかったということについては、残念な結果であったというふうに考えております。 次に、8月8日、資源エネルギー庁長官と会談した内容についてでございますが、巻原発の建設については住民の理解が十分には得られておらず、建設を推進していくには、原子力発電の安全性の理解を求める努力が従来にも増して必要なこと、そしてまた、徹底した情報公開を進め、いろいろな情報をわかりやすく幅広く国民に伝えていくこと、さらに電源三法交付金制度について、原発立地自治体の恒久的な地域振興策に向けての制度の改善が望まれることなど、国の一層の努力が必要である旨伝えたところでございます。 また、国の反応ということについてでございますが、国では巻原発計画を引き続き推進していくこととしており、投票結果の要因を分析し、今後の広報活動や地域振興策に反映させていくとのことでございました。 次に、県民に原子力発電を理解してもらうための広報活動についてでございますが、県としましては、これまで巻原発計画とともに柏崎刈羽原発が立地されていることから、国の交付金、補助金を活用して、原子力発電の必要性、安全性について広く県民の理解が得られるよう、広報活動を行ってきたところでございます。 今後の取り組みにつきましては、国においては、国が前面に立った広報活動や消費地の住民へのエネルギーに関する問題意識の喚起など、原子力に関する国民的合意形成の確保のための施策の充実を図ることとし、現在その内容等について検討中でありますので、県としましても、国のこうした対応方針を見ながら連携し、原子力発電の必要性、安全性について県民の理解が一層深まるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、資源エネルギー庁の平成9年度電源開発促進対策特別会計の概算要求についてでありますが、概算要求は、既設発電施設立地地域に対する長期的発展対策の抜本的強化や、原子力発電に関する国民的合意の形成、原子力発電等の安全性の確保の拡充などを内容としておりまして、これらは本県のこれまでの要望にも沿うものであり、評価しているところでございます。 また、新たに創設予定の原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金は、交付期間が運転開始から終了までとされていること、及び対象事業に施設の運営費やホームヘルパー事業等福祉対策事業が含まれていることなどから、電源地域の恒久的な振興対策の強化を要望してまいりました本県といたしましては、評価できるものと考えております。 なお、本交付金が要求どおり認められた場合には、企業導入、産業の近代化事業や福祉対策事業に対しまして、平成9年度は柏崎市に5億2,000万円程度、刈羽村に1億2,000万円程度がそれぞれ交付される予定というふうに聞いております。 次に、我が国の長期エネルギー需給の推移と見通しについてでありますが、2度にわたる石油危機を契機として、低い伸び率で推移してまいりましたエネルギー消費量が、昭和62年度以降、景気拡大と低水準のエネルギー価格を背景といたしまして、再び高い伸び率を示しました。 そして、ごく最近の動きを見ましても、景気後退等による産業部門の落ち込みから、全体の伸びは鈍化してはおりますが、民生部門、運輸部門では一貫して高い伸びを示しております。また、国の長期エネルギー需給見通しによれば、我が国のエネルギー需要は今後とも増大し、供給構造は、これまで同様、石油の割合が低下する分を天然ガスと原子力の増大が補う形で、より多元化するものというふうに見込んでいるところでございます。 次に、太陽光発電等いわゆる新エネルギーについてでございますが、国におきましては、新エネルギー導入大綱を策定し、新エネルギーの開発、導入に積極的に取り組んでいるところでありますが、導入には、技術的、経済的にまだまだ多くの制約要因がありまして、1次エネルギー供給に占める割合は、議員御指摘のように、現状では1%台というふうになっております。このため、国におきましては、平成12年度2%、平成22年度3%という目標達成に向けまして、引き続き最大限の努力をしていくこととしているところであります。 なお、県内におきましても、太陽光発電あるいは廃棄物発電、コージェネレーション、こういった新しいエネルギーの導入の取り組みは、種々行われておるところでございます。 いずれにいたしましても、新エネルギーは、現時点では原子力発電や火力発電等の主要電源に代替し得る供給量を確保することは全く困難であり、今後とも増大する電力需要に対応し、安定的な電力供給を確保するためには、原子力、火力、水力などによるバランスのとれた電力供給を行っていく必要があるというふうに考えております。 次に、省エネルギー対策の取り組みの現状と考え方についてでありますが、当県ではこれまでも、新潟県省資源県民運動推進会議を構成します県、経済団体、消費者団体等の各機関、団体が協力連携して、冷房温度の適正管理や公共輸送機関の利用の促進などの対策に取り組んできましたほか、各種の広報や講演会、シンポジウムの開催などPRに努めてきたところであります。 県といたしましては、省エネルギーは、エネルギー需給のバランスの確保や、近年特に問題となっております地球環境問題への対応策の観点からも、極めて重要であると考えておりますので、今後とも官民挙げて一層積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 次に、学校給食のあり方ということでございますが、学校給食はこれまでも児童生徒に栄養バランスのとれた食事を提供し、体位の向上に大きな役割を果たしますとともに、好き嫌いをなくし、バランスのとれた食事をとることの大切さを児童生徒に教えるなど直接的な意義がありますほかに、食事を通じまして、児童生徒同士あるいは教職員との心の触れ合いを深め、心豊かな人間性の育成に役立つという間接的な教育効果も上げているというふうに考えているところでございます。 このたびのO-157食中毒により、学校給食の安全性に対する信頼が揺らいだということは、まことに残念なことではありますが、これを機に学校給食の安全性に従来以上に配慮し、今後とも学校給食を実施していくべきものと考えているところでございます。 次に、今回のO-157に関連した県民の健康確保対策ということでありますが、O-157の発生が全国的に拡大してきたことから、発生予防に万全を期するため、食品の収去検査、あるいは学校給食用食材の検査、食品営業施設等に対する監視指導の強化など、早期から食品、給食等の安全確保対策に重点的に取り組み、あわせて、県民からの相談に応じるための休日ホットラインの開設や、全世帯向けリーフレットの作成、配布などの情報提供を行ってまいりました。また、8月6日に緊急保健所長会議を開催いたしまして、保健所の防疫体制の再点検を指示しますとともに、検査体制の充実を図ったところでございます。 さらに、県医師会や県病院協会との連携のもとに、治療体制の万全を期するため、医療機関に対しまして、厚生省作成の治療マニュアルを配布するとともに、休日、夜間における救急対応及び重症合併症であります溶血性尿毒症症候群の治療につきまして協力要請を行い、医療体制の確保に努めたところでございます。 今後とも、O-157を初めとする腸管出血性大腸菌感染症や食中毒に対する対策につきましては、これらの発生予防のため、食品等の安全衛生確保の徹底と県民の安全衛生意識の啓発に努めるなど、健康と安全の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。 次に、共生懇話会設置のおくれについてでございますが、関係地区の住民の方々により構成されております新潟空港周辺対策協議会に対しまして、設置を打診してまいりましたけれども、設置の合意に至っていないというのが現状でございます。今後、懇話会の設置につきまして、協議会に対して重ねて提案いたしますとともに、懇話会の構成、テーマ、開催時期等につきまして、関係者間で協議していくこととしたいと考えております。 また、共生懇話会と3,000メートル化との関係についてお尋ねがございましたが、共生懇話会は、新潟空港の3,000メートル化の周辺地域に及ぼす影響を踏まえて、空港と周辺地域との共存共栄を目指して、幅広い観点から空港周辺のまちづくりのあり方を議論していただく場にしたいというのが基本的考えでありますので、切り離すことは現在考えていないところでございます。 また、懇話会の構成につきましては、今後、対策協議会の皆様と相談しながら決めたいと考えておりますけれども、相互の意見、提言を理解し合うためにも、地区ごとに分離せずに、同一の場で議論していただくことが望ましいのではないかなというふうに思っております。 次に、新潟空港の滑走路3,000メートル化の見通しでございますけれども、第7次空港整備五箇年計画の中間答申におきましては、大都市圏の拠点空港整備に力点が置かれておりまして、新潟空港を含め地方空港の整備は、現時点におきましても厳しい状況にございます。 しかしながら、高速交通網に恵まれた新潟空港は、県内のみならず、北関東地域や南東北地域などの航空需要にもこたえ得る日本海側の拠点空港でありますし、環日本海経済圏の中核となる国際空港を目指しておりますことから、3,000メートル化の実現を官民一体となって国に強く働きかけているところでございます。 次に、新幹線の新潟空港乗り入れということでございますが、前年度に引き続き、採算性等の面についての調査を行っているところでございます。この問題につきましては、JR東日本や国の関係機関などとの協議、調整が必要でありまして、現状必ずしも順調に進む状況にはございませんけれども、今後とも、この構想の実現に向けまして、関係機関に対し、一層の理解と協力をいただけるよう粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。 次に、新潟駅連続立体交差事業の見通しということでございますが、国庫補助制度上、県が調査主体となり、平成6年度より進めてまいりましたこの連続立体交差事業調査につきましては、今年度で一応終了する見込みでございます。 今後連続立体交差事業を進めていくためには、新潟市におきまして検討されている土地区画整理事業、道路、駅前広場等の駅周辺地区の市街地整備に関する事業成立等が重要な要件であるというふうに考えておりますが、今後は、県、市、JR東日本等との間で協議が行われていく中で、総合的な事業の進め方等が検討されるものと考えられるところでありまして、事業の見通しが得られるのはなお時間を要するものというふうに考えております。 次に、新潟駅周辺の清算事業団用地についてでございますが、駅周辺のまちづくりは新潟市が中心となって調査を進めておりまして、その中で事業団用地の取得の可能性等についても検討を進めているというふうに聞いております。県といたしましては、当面その推移を見守りたいというふうに考えております。 以上であります。   〔総務部長長野謙之進君登壇〕 ◎総務部長(長野謙之進君) 電力を初めとしますエネルギー関係事業からの税収のお尋ねでございますが、県税収入につきまして、特にエネルギー関係事業分という集計は行っておりませんが、法人事業税のうち電気供給業及びガス供給業からの税収を見ますと、平成3年度から7年度までの5カ年では約750億円となっております。 また、本県では、法定外普通税として核燃料税を設けておりますが、同じく平成3年度から7年度までの5カ年の合計で約122億円となっております。 以上でございます。   〔土木部長今岡亮司君登壇〕 ◎土木部長(今岡亮司君) 新潟駅周辺整備と鉄道路線の連続立体交差化の調査内容等についてでありますが、まず平成6年度については、現有施設をそのまま高架化する検討を行いましたが、駅の規模が非常に大きく、列車の運行形態が複雑になっており、完成後の駅利用者の利便性、長期にわたる工事期間中の交通処理及び事業費等の課題があり、引き続いて調査をする必要があると判断いたしました。 平成7年度は、駅の規模の縮小や高架の高さについての検討を行ったほか、電車留置線の移設による運転計画の見直しや施工方法等を考慮することにより、比較的実現性が高いと考えられる案を複数得られたところであります。 平成8年度は、これまでの調査結果をもとに最適案と考えられるものを選定し、概略設計を実施することとし、現在作業中であります。 また、新潟市におきましては、引き続き土地区画整理事業、道路、駅前広場等の駅周辺地区の市街地整備に関する計画づくりを進めております。 以上でございます。   〔農林水産部長堀江昭雄君登壇〕 ◎農林水産部長(堀江昭雄君) O-157問題についてお答えいたします。 県内生鮮野菜産地への影響についてでありますが、一部の品目の産地においては、消費者の不安感による買い控えから、市場価格の低迷などの影響が出ております。特にカイワレ大根については、市場等からの出荷自粛の要請により、廃棄など直接的な影響を受けております。 県といたしましては、消費の回復を図るため、JAグループ新潟O-157対策会議と連携し、自主検査を通じて安全性のPRをするとともに、影響を受けた農業者に対する経営資金などの円滑な融通などについて、関係融資機関に指導をしたところであります。 次に、生野菜の加熱処理についての農林水産部の考え方についてでありますが、野菜は自主検査を通じて安全性が確認されており、生で食べる場合は、流水で十分な洗浄を行うことによって、感染は防止できるものと考えております。 今後とも、生産、流通段階での衛生管理の徹底と自主検査を通じて、新鮮で安全な野菜の供給が行われるよう指導等に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   〔商工労働部長新島良夫君登壇〕 ◎商工労働部長(新島良夫君) 巻原発関係の交付金、補助金についてでありますが、今ほども知事がお答えしましたように、巻原発計画だけでなく、柏崎刈羽原発が立地されていることから、国の交付金、補助金を活用し、原子力発電の必要性、安全性について県民の理解が得られるよう広報活動を行ってきたところであり、引き続き国と連携を図りながら、県民の理解が得られるよう努力してまいりたいと考えておりますので、従来どおり、広報・安全等対策交付金、重要電源等立地推進対策補助金を活用していくこととしております。 次に、O-157による県内食品販売業界への経済的影響についてでありますが、県が行った関係団体への調査や、日銀新潟支店による7月の量販店売上高調査などから、一部の生鮮食料品に売り上げ減少などの影響があるものの、総菜や乾物の売れ行きが好調であるなど、全体としては目立った影響は出ていないものと認識しております。 なお、県におきましては、従来から、伝染病の発生等により経営に支障が生じている中小企業などを対象とする融資制度を設けているところであり、今後とも必要に応じて適切に対応していきたいと考えております。 以上でございます。   〔企画調整部長西藤公司君登壇〕 ◎企画調整部長(西藤公司君) 電源三法交付金についてのお尋ねでございますが、昭和49年度から平成7年度までに本県に交付されました交付金、補助金は、関係市町村への交付も含めまして、総額で約1,331億円となっております。 その主な内容は、道路、産業振興施設、教育文化施設などの公共用施設の整備を図る電源立地促進対策交付金が約668億円、原子力発電所周辺地域の一般家庭、企業等に対する実質的な電気料金の割り引き措置を図る原子力発電施設等周辺地域交付金が約415億円、企業導入、産業近代化を図る電力移出県等交付金が約150億円などとなっております。 また、今後の見通しについてでございますが、電源立地促進対策交付金につきましては、平成8年度以降の総額で、柏崎刈羽原子力発電所分として約163億円、東新潟火力発電所分として約45億円の交付が予定されております。その他の交付金、補助金につきましては、当面、全体で毎年度90億円程度が交付されるものと考えております。 以上でございます。   〔教育長平野清明君登壇〕 ◎教育長(平野清明君) 教育問題についてお答えします。 教育の場でのエネルギー問題、原子力問題の取り扱いについてでございますが、これらの問題は、中学校の社会科、理科及び高等学校の地理歴史科、公民科、理科などの教科で指導しております。 中学校では、国民生活の向上を図るためには、原子力も含めてさまざまなエネルギーの有効な開発・利用が必要であること、また、これらさまざまなエネルギーは、それぞれ長所と短所を持っていることを理解させるよう指導しております。 高等学校では、中学校での指導を踏まえ、国民生活と環境の面から、食糧問題とともに原子力を含むエネルギー問題について取り上げ、エネルギー需給や地球的規模での環境保全の観点などから、さらに理解を深めさせるよう指導しております。 また、エネルギーに関する教育の充実についてでありますが、エネルギー問題は国民生活にとって大変重要な問題でありますので、生徒がエネルギー問題について、学習指導要領に基づいて、客観的かつ公正な物の見方、考え方や、科学的な物の見方、考え方を身につけることができるよう指導を充実させることは、大切なことであると考えております。 次に、各学校での給食施設における冷凍庫の確保の状況についてでありますが、県立定時制高等学校等も含め、全公立学校の調理場や共同調理場を合わせて582カ所のうち4分の3の435カ所に既に設置しており、未設置の調理場についても既に発注済みで、近々設置される予定になっております。 冷凍庫の設置が間に合わなかった調理場につきましては、速やかに納入業者に設置を働きかけるとともに、当面、現在使用している冷蔵庫等を活用して、保存食とその食材を保存しているところであります。 次に、生徒がO-157に感染した場合の出席停止などの市町村への指導についてでありますが、O-157につきましては、基本的には学校保健法に基づいて対応することになりますが、患者等の人権に十分配慮し、患者等の隔離は行わないなど、伝染病予防法が限定適用となったことを踏まえ、児童生徒が伝染病にかかったり、疑いのある場合でも、安易に出席停止や臨時休業の措置をとることなく、その症状を十分に見きわめ、学校医と十分に相談するなど、適切な対応をするよう指導したところであります。 次に、市町村に対する緊急点検の指導方針についてでありますが、2学期以降の学校給食における衛生管理を徹底し、食中毒の予防に万全を期することを基本として取り組んでいるところであります。 その方法については、文部省の指導に基づき、給食従業者の健康状態や給食施設、設備の清掃、消毒の状況、作業環境等について具体的な点検項目を示し、そのすべての項目について、学校長や共同調理場長の責任のもとで点検を行うという形で実施しております。 その点検結果でありますが、調理室内において、調理を行う区域と調理以外の作業を行う区域が明確に区分されていないために、衛生的な流れ作業が行われているとは必ずしも言えないケースが見られたことや、調理用設備が処理過程ごとに区分されていないことなどの課題が見られたところであり、必要な改善指導を行っていくこととしております。 次に、学校給食における食材調達の方法についてでありますが、大量一括購入とするか、学校ごとに単独購入とするかは、各市町村が、学校の規模や食材流通の実態等、地域の実情を総合的に判断して決定すべきことと考えております。いずれの方式をとるにしましても、食材の安全性の確保に十分な配慮が払われることが前提条件と考えております。 次に、生野菜の加熱処理についての教育委員会の考え方についてでありますが、生野菜の衛生管理等については、関係機関等により適切に対応しているものと思われますが、現在、残念ながら、O-157食中毒の原因食品及び感染ルートはいまだ解明されておりません。 学校給食が大人に比べ抵抗力の弱い児童生徒を対象に実施していることから、念を入れ、当面は、病原性大腸菌O-157が熱に弱いことを踏まえて、あくまでも安全で栄養のバランスがとれた給食を実施するためには、従来生で食べていた野菜も加熱処理することが必要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(星野伊佐夫君) 市川政広君の質問は終わりました。 次に、高橋誠一君の発言を許します。   〔高橋誠一君登壇〕(拍手) ◆高橋誠一君 初日最後の質問になりましたが、おつき合いをお願いいたしたいと思います。 いき連の立場で質問をさせていただきます。 初めに、食糧費の不適正支出についてでありますけれども、知事よりおわびの表明があったところでありますが、私ども、いきいき新潟をつくる県民連合としても、このようなことが起きたことは極めて遺憾であり、知事は95年度分も引き続き調査をするということでありますが、今後このようなことが絶対起きないよう、引き続きその原因の究明と対策を強く求めるものであります。 そこで、このことに関して、県の出先各機関の長は、地域の要請により各種会合に出席する機会が多々あり、長としての手当をもらっているとはいえ、個人に過度の負担がかからなければというふうに日ごろ思っていたところであります。県警におかれましても、出先の警察署長は、出先行政の長より地域の各種会合に出席を多く要請されていることでもありまして、同様、この機会に調査検討、そして必要に応じた改善を要請するものであります。 以上、食糧費に関しまして御意見を申し上げまして、通告によりまして順次質問をさせていただきます。 平山知事は、既にみずからの次の選挙に向け、政策を県民に発表し、来るべき21世紀は、20世紀の成長の世紀から新たに真の豊かさを目指す価値創造21世紀を目指す新潟県とし、内にあっては地方分権の早期実現を進め、「新・地方の時代」の実現、そして、これまで新潟県民がはぐくんできた新潟の宝物に新たな地域価値を創造し、「新・新潟価値づくり」を目指すとしております。 一方、外にあっては、日本海大交流時代の本格到来を見据えた諸施策を展開し、「やさしさと活力に満ちたニューにいがた」づくりに励んでいくとしております。 知事の21世紀に向けての「私の政策骨子」の基本的な考え方、基本姿勢、そして県政施策の方針の内容は、一貫して、県民一人一人、そして県内の地域それぞれの目線に立っての豊かな新潟県づくりであり、知事の呼びかけは、「めざそう、新・新潟価値づくり」であります。そして、一緒になって汗をかこう、一緒になって地域をつくっていこうという姿勢に、同時に提案に、私は共鳴するものであります。 さらに知事は、第5次新潟県長期総合計画、「日本海・関越ベルト地帯振興構想」の中へ新たに「新・新潟価値づくり」、すなわち、地域自立的創造型県土づくりの観点を取り入れることとしております。 その実現は、私なりに考えますと、県内112市町村の首長とそこに構成する議員が知事の考えに賛同し、その意図をしっかり認識し、自治体と住民の歯車がかみ合ったとき、知事の提案する地域自立的創造型県土づくりが「新・新潟価値づくり」として大きなうねりとなるであろうことを期待しながら、改めて、知事のこのことについての所見と、その推進の決意をお伺いをいたします。 次に、地元のことでありますが、私の地元加茂市の一角、6集落300戸足らずの農村、児童数90人と小さな加茂西小学校を中心とする地域コミュニティーの子供たちによるドッジボールチームが県大会で優勝いたしました。そして全国大会に出場いたしました。 8月20日、知事は忙しい日程を差し繰り、女子選手を交えるちびっこ選手の激励のために時間をつくっていただきました。わずか300戸足らずの農村集落にあっては、子供たちにとっても、親にとっても、オリンピックの選手1人出るよりも大きな出来事であると思いました。その子供たちがユニフォーム姿で知事室に入り、知事から激励の言葉をかけていただき、記念写真を撮らせていただいたことは、子供たちにとっては私の想像を超える大きな喜びでありました。 知事訪問後は、新・新潟空港の見学、完成したばかりの2,500メーター滑走路、新装オープンしたターミナルビルを有する新潟県の空の玄関、環日本海空の交流の拠点、生まれ変わった新潟空港を見学し、帰りは、知事に会った喜びと緊張からの解放と、帰りのバスの中は子供たちの笑いと話し声は絶えることなく、にぎやかそのものでありました。 全国大会は、善戦むなしく2勝3敗で、決勝に進出することはできませんでしたが、知事との記念写真と同時に、その経験は子供たちの心に焼きつき、真剣に応援をした親と地域は、今日教育の課題とされている学校との連携も当然緊密であり、地域の教育力にも大いに貢献し、子供たちは、よき伝統として将来地域活動を引き継ぎ、立派な成人、社会人に成長するものと確信するものであります。まさにこの地域は、学校、地域、家庭がともに手をとり合ったモデルであり、教育の分野における「新・新潟価値づくり」の1つと思うわけであります。 学童野球を含め、ほかにも幾つかこのような例があるようでありますが、私は改めて子供たちに面会の機会をつくってくれたことに感謝をしながら、21世紀の新潟県を担う人づくり、夢と希望を持つ若者、大きな可能性を秘めた子供たちを育てるという知事の考え方を生かす場として、さらに広く開かれた県政の継続発展をさせていただきたいことを要望しながら、このことについて、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、教育問題についてお伺いいたします。あえて教育問題を前の方に持ってこさせていただきました。知事の政策を見ますと、一番最初に、人づくりということで教育問題を掲げておりますので、今回はそういう観点で、最初の方に持ってこさせていただきました。 全国的にも、県内的にも、いじめ・登校拒否が教育の重要な課題とされております。文部大臣の諮問機関の第15期教育審議会、いわゆる中教審は、6月18日第1次答申案を発表、7月19日に奥田文部大臣に正式答申をいたしました。 内容は、今日のいじめ・登校拒否を克服するために、教育の基本方向は、家庭、地域での教育力の向上、変化の激しい社会の中で資質、能力を身につけ、自分で課題を見つけ、主体的に判断、行動し、問題を解決する力、すなわち生きる力を身につける。さらに、学校、家庭、地域社会で生きる力をはぐくみ、社会全体でゆとりを持たせるとしております。 さらに、学校のスリム化と学校5日制を導入し、ゆとりの確保と、学力評価は、知識の量だけではなく、生きる力を身につけるかどうかでとらえるとしております。さらに、国際化と教育、情報化と教育、環境教育、高校・大学教育の改革、中高一貫教育の導入など多岐にわたっておりますけれども、いずれにしても、早期に取り組み解決しなければならない課題と私は痛感する次第であります。 しかし、これからの作業、煮詰めは、教育課程審議会の見直しが中教審の諮問を受けて発足。発足してから中間答申を出すのは1年後だそうであります。さらに、その2年後に答申をし、その後さらに学習指導要領の編成に1年をかける。そしてさらに、その後、教科書編集、検定などで2年かけて、早くても2001年の5年後からの学校5日制の教育課程の実施となるというふうに伺っております。拙速は禁物と言えども、時代の変化がまさに激しく動く中、国、文部省の動きは極めて悠長としか言いようがありません。 5年が従来の10年のスパンとも言われてまいりました。情報化のテンポと機器の開発が1カ月か2カ月で変化する今日、学校現場で起きている現象をどう解決するのか先送りにされ、起きたことに対する責任の所在の議論は、時としてむなしさを感ぜざるを得ません。 私は、事の本質は、国の教育方針、学習指導要領が、学校では時数の消化、詰め込み的教育となり、今日の子供たちが学校嫌いになり、一方家庭では、親たちも仕事に追われ疲れ切り、子供との対話が不足になりがちになる。政治は不透明な政治状況が何年も続き、国民の間では政治不信が増大する今日であります。私は、このような状況を一日も早く解決する政治状況と政治勢力の実現を期待する1人であります。 しかし、私はそのことの実現を期待をしながらも、新潟県の教育現場においては、当面それぞれの立場で努力が必要とされておるわけであります。これまたそれぞれの努力が要請されておるわけでありまして、そこで最初に、県行政のすべてを預かる知事は、今日新潟県は全国の割合を超えて発生している登校拒否・いじめについての原因と対策について、どのようにお考えになっておるでありましょうか。同時にまた、知事は、21世紀に向け新潟県教育をどのように進めていかれるか、最初にお考えをお伺いをいたしたいと思います。 次に、登校拒否児童が平成7年は全国で8万人を超え、新潟県では2,418人と増加の一途をたどっております。県も、適応指導教室、カウンセラーの増員配置等努力をしているところでありますが、その努力は真剣にしながらも、現実に学校に足を運ぶことができない子供が存在することを考えるとき、憲法に、国民は、「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とありますが、国民の教育を受ける権利と同時に、保護者の教育を受けさせる義務を考えるとき、心の障害で普通教室や適応指導教室にも通えない子供たちが現実におるわけであります。安塚の自由学園のような教室を、県は一歩踏み込んだ検討と取り組みが必要と思うわけでありますが、障害児教育を初め多様な教育の場を提供するということからも、このことについての知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、高校教育についてお伺いをいたします。 新潟県の大学進学率は全国ワースト1から2位でありました。長年底辺を脱却しない状況でありましたが、その原因は、高校の先生の教え方、時数の問題との主張がありました。教育委員会では、その克服の手段として、進学率向上対策としての県単制度の拡充を進めてまいりましたが、私が思うには、それなりの効果はあったと思いますけれども、何はともあれ最大の貢献は、新潟県高等教育機関の収容率の向上だと考えます。 平成6年に新潟国際情報大学、新潟経営大学、長岡造形大学が開学し、その翌年平成7年には新潟工科大学の開学が大きく貢献したものと考える次第であります。もう2年後には、私は大学進学率は全国で40番目前後に行くものと考えているところであります。 そこで、今後の県内高等教育機関はこれでよいのだろうかと思うものであります。隣の福島県の県立情報関連理工学部の専門大学、会津大学が開学してから4年になりますけれども、この会津大学の設立に当たっては、土地は会津若松市が寄附、建物と設備は420億円で県、運営費は福島県が年間50億円拠出をするということであります。国立の医科大学以上に費用がかかっているとのことであります。 新潟県が民間に資金援助をしたことにより、今日の県内高等教育機関があることは、十分承知しておりますけれども、新潟県は4大学で約100億円、福島県は420億円。運営費は、先ほど言ったように、福島県は50億円で、新潟県はゼロであります。これを考えますと、投資の数字の余りの違いに、県として冷静な比較をしながら、私は改めて今後のことについて考えさせられた次第でございます。 さらに会津大学は、平成7年度にはマルチメディアセンターを設置し、臭覚、触覚、さらには味覚をマルチメディアでセンサーにて機能させる。そのための研究室をセンター内に設置し、民間との共同研究の場とする。また、設備としては、床加重ベクトルの測定装置を大規模に置き、床機能を分析・測定する場合は、映像を撮って立体復元し、映像からその力を測定、その効果を具体化するとのことであります。 例えば空手と合気道の要素を持つ総合的武道、少林寺拳法の小手返しというわざがあるそうでありますが、このわざを体得するには3年かかるとされております。しかし、この機械での解明によりまして、30分で確実に体得するということであります。その差は5万分の1であり、時間の効率化は、一般民間企業にとっては、差し引いたとしても、10倍であったとしても、5倍であったとしても、はかり知れないものがあると私は考えるわけであります。 福島県の会津大学への建物、設備への420億円の投資と年間運営費50億円は、大学進学率のさらなる向上はもとより、人材の育成と大学での産学官の共同研究は、円高、空洞化で悩む労働集約型産業を初め、あらゆる産業に大きな付加価値を与えることは明らかであります。 そこで、先ほど申し上げた、近年開学した県内4大学は、いずれも単科大学であります。昨今の大学間競争と、さらに専門知識を身につけるための大学志向を考えるとき、新潟県は、大学教育を国と私立にほとんど任せてきたことにかんがみ、人材の育成と高等教育機関が他県とさらにおくれていきはしないかと危惧するものであります。よって、知事は、2期目に向かって、学士課程を含め特徴ある支援策を考えるべきと思いますが、いかがでありましょうか、お考えをお伺いをしたいと思います。 次に、産業振興についてお伺いをいたします。 規制の緩和と国際化は、国際競争力が一層激化し、産業の国外シフトと国内の産業の空洞化は、技術革新、技術の高度化が一層要求され、企業間競争、地域間競争も一層激化しております。こういった中、ベンチャー企業に国、県が出資する新産業創造事業として新しい制度が創設され、企業の新分野に進出する支援など、チャレンジする企業、意欲のある企業を育成するなど支援策がとられていることは、まことに喜ばしい限りであります。 いずれにしても、先ほど、隣県福島県の会津大学の県の人材育成と、技術開発のために投資する意欲と実績について述べたところでありますけれども、私は、新潟県が産業の分野におきましても、おくれをとらないようにとの感を一層強めているところであります。 ことし6月、関山代議士の通産省を初め国の官僚を招聘した勉強会に出席をさせてもらいました。その中で、国は日本海大交流時代を施策として進めるけれども、新潟がその中心だと国は思っていないとの発言が印象的でありました。ということは、他県はもっと一生懸命で、もっと新潟県が一生懸命にやらなければだめだよという激励の言葉と私は思った次第であります。 知事はこの4年間、産業振興に意を尽くし、新潟テクノタンク構想を立て、施策の展開を図ってきたところでありますが、知事は2期目へ向けて科学技術大綱の策定を急ぐとしております。私は、知事の21世紀に向けた新潟県の産業振興にかける意欲がここにかけられていることと考え、以下4点について質問させていただきます。 最初に、知事のこの構想に対する考えを具体的にお聞かせいただきたいと思います。 第2番目に、先ほど申し上げたように、テクノタンク構想の施策を進めているところでありますが、その関連と整合はどうなるのでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。 第3番目に、通産省の支援を受けて今年度から出発をした、新潟・長野両県にまたがるスーパーテクノゾーン構想との位置づけと、今後の施策についてお伺いをさせていただきたいと思います。 第4番目に、信濃川テクノポリス構想が、現在、長岡市を中心として15市町村を対象としながら、施策が今日まで進められてきておりますけれども、私にとっては、その成果が余り見えてこないわけであります。そこで、知事のこのことについての評価と今後の施策展開について、お伺いをいたしたいと思います。 次に、県内産業の育成振興に力を注ぐことは重要なことでありますけれども、現在生産されている県内産品の活用も、各部局とも意を尽くし、この側面から県内産業の育成強化を図るべきと考えますが、いかがでありましょうか、考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、観光振興についてお伺いをいたします。 知事が就任後、ふるさと村の経営赤字、経営の再構築、再建についての問題に議論が集中いたしました。私も、県民の税金を使って再建ということもあり、失敗は許せないという立場で、厳しく議論に参加をさせていただきました。昨年度は、入り込み客最高192万人に達し、赤字も大幅に縮小、今年度黒字転換を目指すところまで経営の改善がされてきたとのことで、関係者の努力に心から敬意を表する次第であります。 そこで県は、平成2年に、「観光収入倍増を目指して」として、新潟県観光振興基本計画を立てました。それによると、平成8年度、最終年度でありますが、観光収入6,000億円、観光入り込み客9,000万人と目標を立てていたところであります。佐渡観光等、最近は客の減少で大変厳しいものがあると伺っております。観光の分野においても、景気の後退、地域間競争の激化、国際化の影響もあり、厳しいものがあると聞いておるところでありますが、計画の最終年度に当たりまして、現状と今後の計画の基本方向についてお聞きしながら、この項の質問とさせていただきます。 次に、福祉問題についてお伺いをいたします。 介護保険法の国会提出は、秋の臨時国会に持ち越されておりますけれども、介護保険の導入が決定すると、介護保険の理念と目標とすべき方向が、そのまま21世紀の高齢者福祉のあり方の基本方向が国から示されることになり、これまでの高齢者福祉サービスの見直しが必要になってくるものと私は考えるわけであります。 本県においても、今後の高齢者福祉の再構築については、在宅福祉を中心とした施策展開に当たって、施設のサポート機能のあり方を模索しなければならないと考えるわけであります。すなわち、従来の在宅福祉に対する反省や批判の中から、より充実した在宅福祉のあり方が求められております。在宅福祉は安上がり福祉との意見がありますが、私は、在宅福祉は、人権の尊重を基本としたノーマライゼーション理念の具体化と実践化であるとも思うわけであります。 介護保険は、応分の費用を負担して、質の高い福祉サービスを求めることが権利として保障されることになります。県行政におきましても、人権尊重を基本とした福祉のあるべき姿をしっかり理念として掲げ持つべきと私は考えるわけであります。このような観点で、介護保険導入の動向をしっかり見きわめ、地域レベルからの課題を探っていかなければならないと考えるわけであります。 そこで、幾つかの質問をさせていただきます。 1つは、特別養護老人ホーム待機者の具体的把握の問題と、その必要性についてであります。高齢者福祉サービスの種類は幾つかのメニューでありますが、福祉施設、保健医療施設の整合をより明確にすることも大切でありますし、在宅福祉を含めた対象者の需要と供給のバランスを見えるようにすることが肝要だというふうに思っております。 正確な需要を把握するには、また正確な福祉政策を立てるためにも、高齢者福祉のニーズの基本となる老人台帳の整備を急ぎ、保健・福祉・医療の一体的な推進、そして、在宅介護支援センター、老人訪問看護ステーションの一体的連携、そして各市町村のサービス調整チームの機能強化が求められております。 県もこの4月に、保健・福祉・医療の組織的一元化に向けて組織整備を行い、現在そこに向けて作業を進めているところでありますが、あわせて、これらの整備状況と進捗状況についてお伺いをさせていただきます。 次に、介護で求められているのは、地域の特性や住民の意向を反映したきめ細かなサービスの提供であります。住民に最も身近な市町村が運営の主体になることは明らかでありますけれども、高齢化の程度、負担能力、人材確保、財政力等において、市町村格差、県内の地域格差があることも事実であります。本県の状況から考えますと、個別の市町村では対応の難しい構造的な格差要因については、広域での調整を必要とされております。この4月の組織改革に伴い、出先保健所と地域福祉センターでの地域介護・看護システム推進会議を設置したところでありますが、その後の活動はどのようにされておりますでしょうか、お伺いをさせていただきます。 さらに、県内地域間格差のことでありますけれども、地域のニーズにこたえなければならない目標達成の努力と、在宅介護支援センター、訪問看護ステーション、ケアハウス、高齢者生活福祉センター等、全く目標に届かないものは需要がないのかどうか、制度の隘路があるのかどうか、運用で整備し、需要にこたえられるものがあるとするならば、早めに手を打ち、修正なり見直しも必要ではないかと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。 次に、介護保険導入で、高齢福祉サービスを権利として自由に受けることになるわけでありますけれども、その場合、介護保険の理念と、目指すべき方向と、需要にこたえる供給体制のことについてお伺いをいたします。 先ほど県内の目標に対する施設のアンバランスのことについて触れさせていただきましたが、国では、学校の空きスペースの活用や、保育園の空きスペースでのデイサービス等の活用を提案しております。地域的に必要と可能性があれば、県立病院の一部も、デイケア、ショートステイとして地域の活用に供し、福祉と医療が共存し、支え合うことも検討課題ではないかと私は考えるわけであります。介護保険の導入を見据えながら、また県内のニーズの把握、バランスも勘案し、21世紀の高齢社会に対応備えるべきと考えますけれども、知事の所見をお伺いいたします。 最後に、何人かの方が病原性大腸菌O-157のことについて質問いたしましたけれども、私の立場で若干質問させていただきます。 6,561人と病原性大腸菌O-157の大量発生感染者を出した大阪府堺市を初め、全国では感染患者数は、8月26日までの厚生省の取りまとめでは9,578人、うち入院中は316人、死者は11人となっているとのことであります。 O-157病原性大腸菌は、病原体の横綱格と言われているそうであります。O-157は、生きた菌が100個から1,000個くらいで経口感染をし、発病するとされ、感染力は赤痢菌並みで、症状は疫痢という病気に非常に類似し、突然起こる高熱、脳症状、循環障害を起こし、死亡率の高い病気と恐れられていると言われております。 さらに、O-157は感染力が強いだけではなく、生命力も他の細菌に比して胃酸に強く、コレラ菌は胃の中では1万分の1まで減少するそうでありますが、O-157は、10%までが腸にまで達して排便されづらくなり、腸内で細菌が増殖するときには出血性の下痢や腹痛のもとになって、ベロ毒素という強力な毒素を出し、腸内の傷口から血液に乗って体内をめぐり、赤血球を破壊し、肝機能を低下させ、尿毒症を発生させて、意識障害やけいれんを起こし、死に至ることもあるとされております。 国際化の波の中、国際化は、円高、企業の海外進出による産業の空洞化を引き起こしただけではなく、エイズやMRSAのような病原体が国内に侵入し、私たちの生活に警鐘を鳴らしているところであります。まさにO-157は、過去、アメリカ、イギリス、カナダでの発生例があるということから、国はもとより、行政と県民が一体となって取り組み、対策が必要と思うわけであります。 いよいよ2学期も9月2日から始まりました。県教育委員会も、O-157対策について、国の指導のもと、各学校にその対策、対応の徹底をしたようでありますが、各学校ともその対応に真剣に取り組まれているというふうに伺っております。以下、県及び教育委員会の対応と対策についてお伺いをいたしたいと思います。 議案説明についても説明があり、また、お2人の議員からもこのことについて質問があったわけでありますが、改めて最初に、県内のO-157の発生状況と対策についてお伺いいたしたいと思います。 第2に、全国的に外食産業を中心に経済的影響もあったと報じられておりますけれども、県内の状況はどうであったでありましょうか。 第3番目に、学校給食センター方式についてのあり方が課題とされておりますけれども、自校方式の見直し及び食材の購入経路、方式、管理等について、点検の必要はないのかお聞かせをいただき、O-157を初め食中毒に万全を期していただきたいことを要請し、以上で私の一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)   〔知事平山征夫君登壇〕 ◎知事(平山征夫君) 高橋議員の御質問にお答えいたします。 最初に、「新・新潟価値づくり」についてでありますが、相川議員にお答えしたとおり、私は、これは次の2つの考えから、県民の皆さんにこういうキャッチフレーズで呼びかけたところでございます。 まず第1に、新しい時代には、やはり人々の新しい価値観というのが求められるだろうということでありまして、それは20世紀の物質的豊かさへの挑戦という時代から、21世紀には、さらに本当の豊かさを実現する価値観に発展していかなければならないというふうに思っているわけであります。 そして第2番目には、それを県政という立場において見れば、東京一極集中の時代の価値観から地方分権、すなわち、地域がみずからの価値を大切にし、みずからが考えて地域を創造していくという自立した価値観へ変わっていく必要があるわけでありまして、新潟ということになれば、新潟は新潟の持っている自然、風土、人情がはぐくんできた、私は「越後の宝物」と言いましたけれども、そうした大切な価値を新潟からさらに発展させていくべきであるというふうに考えた次第であります。 そして、そうしたことの基本には、やはり、ふるさとを愛するという心があるだろうと思いますし、新潟が好きだ、新潟をもっとすばらしくしたい、そういう気持ちから、県民の皆さんと一緒に21世紀へのかけ橋をかけていきたいということであります。 私はこうした考えから、新潟県が誇るさまざまな資源を新たな目で見直し、これまでの財産にさらに新たな価値を付加していくということ、新潟から発信する人間らしさとか、自然らしさとか、そして豊かさをつくり上げていくことを「新・新潟価値づくり」という言葉で呼ばせていただきました。私は、県民の皆さんと一緒に21世紀へ力強い歩みを進めるため、この「新・新潟価値づくり」に向かって邁進したいという決意を新たにしているところでございます。 次に、開かれた県政の一環として、子供たちとも会う機会をつくったらどうかとのことでございますが、加茂西小学校のドッジボール、残念ながら決勝進出なりませんでしたけれども、大変健闘されたことに心から拍手を送りたいと思います。 申し上げるまでもなく、21世紀の新潟県を担うのは、夢や希望を持った若者たちでありますし、大きな可能性を秘めた子供たちであります。この子供たちが伸び伸びと健やかに育っていくということは、私だけではなくて、県民共通の願いであるというふうに思います。 このため、私といたしましては、伸びやかな子供が育つ人づくりを重点施策に掲げ、いじめ・登校拒否対策や、一人一人の個性を伸ばし、可能性を引き出す教育環境の充実などに努めてまいりたいというふうに考えておりまして、今後とも、機会があれば、極力子供たちに接するよう努めたいと思っております。 次に、登校拒否・いじめの原因についてでありますが、これらの問題の背景には、豊かな社会の中で都市化あるいは少子化、核家族化など、社会環境の急激な変化が生じており、社会全体として教育力が低下していることなどがあると思いますけれども、本県において特に発生率が高いという理由については、7月の初めにこの問題についての課題別懇談会を開いて、専門の方々からも直接意見を聞いたりしておりますけれども、なかなかその点はわからないのが今のところの実情でございます。 対策ということになりますけれども、これらの問題は、将来の社会を担う子供にかかわる重大な問題でありますので、私といたしましては、カウンセラーの学校派遣、あるいは電話相談などの相談体制の整備充実に努めますとともに、教育委員会では、心の教育フォーラムの開催とか、あるいは家庭、学校、地域の連携体制づくりなどに努めてまいっておりまして、学校だけでない、県民ぐるみでの問題解決に取り組む機運を醸成しているところでございます。 また、21世紀を生きる子供には、何といたしましても、たくましく生きる力をはぐくむことも重要でありますことから、今後は、たくましく、そして同時に相手の人格を尊重できる子供を育成するための施策の展開についても、一層力を注いでいきたいというふうに考えております。 次に、登校拒否児童生徒の支援についてでありますが、県といたしましても、これまでさまざまな取り組みをしてまいりましたけれども、なお登校拒否児童生徒がふえていることは大変深刻な問題でありまして、重大なことと受けとめ、今年度も引き続き適応指導教室等の取り組みを行っているところでございます。 御質問にありましたやすづか自由学園は、独自の理念に基づいて設立、運営されております私塾であり、まだ発足したばかりということでございますので、現時点で直ちに直接的な支援をすることは考えていないところでありますけれども、登校拒否問題に対する実験的試みとして、その成果等は注視してまいる所存でございます。県といたしましては、登校拒否児童生徒のために設置を進めております適応指導教室や訪問指導がかなり効果を上げておりますので、当面はこれらの事業の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、特徴ある高等教育機関の支援策についてでございますが、県では、平成2年6月の大学等高等教育の推進に関する懇談会の提言もありまして、これまで高等教育機関の整備拡充に努めてきたところでございまして、この結果、平成2年以降、新たに御指摘の大学に加えまして、平成3年4月の敬和学園大学、平成6年4月の新潟県立看護短期大学を含めますと5大学、県立の1短期大学の開学を見ておりまして、県内での大学等の整備は、このところ急ピッチに図られたというふうに考えております。 一方、大学等高等教育機関をめぐる情勢を見てみますと、平成4年度をピークに18歳人口が急減しておりますけれども、国際化、高齢化、情報化、あるいは産業の高度化、さらには生涯学習ニーズの高まりなど、高等教育機関に対する人々の期待も多様化しております。 こうした時代潮流や県民の意識変化などを踏まえ、今年度、地方の時代にふさわしい地域での人材の育成、みずからの育成ということも含め、高等教育機関の今後のあり方はどうあるべきか、このことに関しまして、有識者によります懇談会を設置していただき、長期的視点からの検討を今行っていただいているところでございます。 御指摘の会津大学の件は、全国的にも大変話題になっているところでございますが、県といたしましては、この懇談会から御提言いただくことの内容等も踏まえ、21世紀の本県の発展を担う有為な人材を育成し、地域の発展にも寄与する高等教育機関の整備のあり方について検討していきたいというふうに考えているところでございます。 次に、科学技術大綱の策定についてでございますが、「メガ・コンペティション」という言葉に代表されますように、地球規模での社会・経済条件が大幅な変化を遂げております時代、県内の地場産業、農業等の産業分野におきましても、今後大きな影響が及んでくることが予想されますため、メカトロニクス、バイオテクノロジー、新素材等の先端科学技術を応用した新たな展開を図ることによりまして、高付加価値型産業へのレベルアップを図り、21世紀において本県の中核となり得る産業を起こしていくことが喫緊の課題となっておりますので、こうした問題に対応しますとともに、雪利用とか医療・福祉機器など県民生活に関連した分野におきましても、先端技術の導入によりまして、経済の活性化、ひいては県民生活の向上にも寄与できる科学技術の振興の指針となるようなものを作成したいというふうに考えております。 また、その内容といたしましては、科学技術の振興のための人材育成の方法、研究機関のあり方、産学官の連携、交流のあり方など、さまざまな面における科学技術振興方策を盛り込んでいくべく検討しているところでございます。 そして次に、新潟テクノタンク構想と科学技術大綱との関係ということでございますけれども、科学技術大綱は、本県における科学技術の振興を総合的に推進するための理念、目標、施策などについて、部局横断的な視点から体系的に整備しようとするものでありまして、新潟テクノタンク構想等各分野での産業振興策に結びつく科学技術の振興策を包含する指針的なものとして策定することを考えているところであります。したがいまして、本大綱による科学技術の振興が、本県工業構造の高度化を推進しようとする新潟テクノタンク構想の実現のための、いわば基盤的役割を果たすものになるというふうに考えております。 次に、スーパーテクノゾーン構想との関係、位置づけ、そして今後の施策についてでございます。 科学技術大綱の策定に当たりましては、県域の枠を超えた連携とか交流は、科学技術の活性化のため、重要な方策の1つとして位置づけを行う必要があると考えておりまして、またそのことが、このスーパーテクノゾーン構想の実現にも寄与するものと考えております。県といたしましては、長野県との密接な連携のもと、今後とも、両県の産学官連携の推進に向けて努力してまいりたい、そんなふうに考えているものでございます。 次に、信濃川テクノポリスの評価と、今後の施策展開についてでありますが、県といたしましては、これまで指定地域内の15市町村及び財団法人信濃川テクノポリス開発機構との密接な連携のもと、積極的な事業を推進してきたところでございます。この結果、テクノポリス指定地域内の工業出荷額、あるいは工業付加価値額は、県平均を上回る伸びで推移しておりますし、他のテクノポリスとの比較におきましても、一定の成果を上げているものというふうに考えているところでございます。 県といたしましては、科学技術大綱の策定によりまして、信濃川テクノポリス構想を支える科学技術の振興をさらに図り、同時に、テクノポリス構想の今後の構想等についても検討をされているところでございますので、信濃川テクノポリス構想の一層の推進を今後とも図っていきたいというふうに考えております。 次に、県内産品の活用についてでございますが、地方自治体は、法令等により、物品の購入等について制度上さまざまな制約があるところでありますけれども、現行制度上可能な範囲で、県内産業の振興の観点から、できる限り県としても県内産品の活用を図っていきたいというふうに考えております。 なお、県内産品の販路拡大を図るために、東京ドームでの総合イベントを行うなど、県といたしましては、これまでも県内産品のPRと取引拡大の促進を図ってきているところでありますが、来年の春オープン予定の「首都圏情報発信拠点」の活用によりまして、さらに推進してまいりたいと考えております。 次に、観光振興基本計画についてでありますが、御指摘のような要因もございまして、旅行支出が抑制され、観光入り込み客や観光収入は伸び悩んでおりまして、8年度末の目標であります観光収入6,000億円、観光入り込み客9,000万人という目標の達成は難しいものと考えております。 また、新たな計画であります「うるおいの新潟観光プラン」では、豊かな自然、おいしい食べ物、人情味あふれるサービスという新潟の観光イメージの確立、さらなる高速交通網の整備を生かした県内の複数の観光地間や隣県との間における広域的な連携による誘客力の向上を図る等、新たな質の変化を起こしております時代に対応した観光の質のさらなる向上、充実を図るための各種の施策の展開に努めていくこととしておりまして、今後とも市町村や関係業界等の取り組みを支援するなど、本県の観光の振興に努めてまいりたいと考えております。 次に、高齢者福祉サービス供給の方法の多様化ということでございますが、本県でも、閉科になった水原高校の農業科の実習棟を、町が今年度の国庫補助事業でデイサービスセンターに改修中でありますほか、平成5年度から県単でリニューアル型デイサービスセンター整備事業を創設し、既存の木造建物の増改築によるデイサービスセンターの整備に対する助成を行ってきているところであります。また、今年度から県単で、いわゆる共助型のコミュニティデイホームモデル事業を13圏域で実施するなど、既存の建物の活用等による福祉サービスの提供等に対する支援に努めているところでございます。今後とも、住民の方々の利便や効率性も考慮しながら、さまざまな工夫を行いながら、高齢者福祉サービスの需要増加に多様な対応をしてまいりたいと考えております。 なお、県立病院につきましては、現在のところ、スペースにそうした余裕がないというのが実情でありますけれども、将来余裕が生じた場合には、医療と福祉の連携の観点から有効活用を図ることは検討課題であるというふうに考えております。 以上であります。   〔福祉保健部長稲葉博君登壇〕 ◎福祉保健部長(稲葉博君) 老人台帳等の整備についてでございますけれども、台帳整備済みの市町村は、平成7年の調査で90市町村でございます。割合にして80.4%という状況でございます。 在宅介護支援センターと老人訪問看護ステーションの整備数及び新社会福祉計画におきます目標の達成率につきましては、センターが91カ所で35%、ステーションが29カ所で22.3%となっております。 両施設の連携につきましては、在宅相談を受けるセンターと看護サービスを提供いたしますステーションが連携することにより、総合的な福祉保健サービスの提供が図られるよう指導してきておりまして、おおむね良好な状況になっているものと考えております。 また、各市町村において、福祉サービスと保健サービスの連携を図るために設けられております市町村高齢者サービス調整チームの機能強化につきましては、県内を13ブロックに分けて、各ブロックごとに、現在、地域介護・看護システム推進会議を設けておりまして、この会議を通じまして、各市町村の現状と今後の運営計画についての把握に努めますとともに、市町村ごとの課題や対応策等を明らかにしながら、各市町村のサービス調整チームの具体的な機能強化を支援していきたいと考えております。 次に、地域介護・看護システム推進会議の活動についてでございますけれども、福祉保健サービスの一義的な供給主体である市町村の機能強化支援と介護・看護を担う人材の育成を中心に、各地域において積極的に活動を展開しているところでございます。 具体的には、今ほど申し上げました市町村高齢者サービス調整チームの機能強化の支援に努めていますほか、高齢者介護を適切に行いますためのケアマネジメント研修、在宅介護を担うホームヘルパーの育成及びコミュニティデイホーム整備支援等を行っております。また、各市町村のサービス水準の向上や格差の是正を図りますために、市町村を個別に訪問し、必要な指導等を行っております。 次に、在宅介護支援センター、訪問看護ステーション等の整備のおくれについてでございますけれども、これらの施設は、現在の高齢社会の中でそれぞれが担うべき重要な役割があり、潜在的な需要は大きいものと考えております。しかし、制度が住民に十分知られていないこともございまして、そのニーズがはっきり顕在化していないため、市町村等も余り整備に積極的にならずにいるものと考えております。 そのため、今年度は、各市町村に対し、整備のおくれている施設の整備を個別に働きかける等、市町村の理解の促進に努めているところであります。今後とも、制度の周知を図ることや市町村の理解を得ることなどに努め、目標達成のため鋭意努力してまいる考えでございます。 次に、県内のO-157の発生状況でございますけれども、これまでに2人の事例がございましたが、幸いにしていずれも重篤に至らず、既に治癒しております。 発生予防のための対策につきましては、食品の収去検査や学校給食用食材の検査、食品営業施設等に対します監視・指導の強化など、早期から食品、給食等の安全確保対策に重点的に取り組み、あわせて、県民からの相談に応じますための休日ホットラインを開設するとともに、経口感染症でありますO-157の感染経路や、食中毒予防の3原則等をわかりやすく解説をいたしました全世帯向けリーフレットを作成、配布するなどの情報提供を行ってまいりました。また、8月6日に緊急保健所長会議を開催いたしまして、保健所防疫体制の再点検を指示いたしますとともに、検査体制の充実を図ったところであります。 さらに、県医師会や県病院協会との連携のもとに、医療機関に対しまして、厚生省作成の治療マニュアルを配布いたしまして、周知徹底を図るとともに、休日、夜間におきます救急対応及び重症合併症でございます溶血性尿毒症症候群の治療について協力要請を行い、医療体制の確保に努めたところでございます。今後とも、県民の健康と安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。 以上でございます。   〔商工労働部長新島良夫君登壇〕 ◎商工労働部長(新島良夫君) O-157による経済的影響についてでありますが、すし店、料理店などの団体からの報告、あるいは日銀新潟支店による7月の量販店売上高調査などからしまして、全体として特に目立った影響は出ていないものと認識しております。 なお、O-157の発生により経営に支障が生じている中小企業に対しましては、運転資金や設備資金について、既存の県制度融資による対応を検討していく考えであります。 以上であります。   〔教育長平野清明君登壇〕 ◎教育長(平野清明君) 学校におけるO-157食中毒の発生予防対策についてでありますが、まず学校給食においては、食材納入業者に対し衛生管理水準の維持向上に関する取り組みを改めて要請するとともに、給食施設においては、食材の納入時における品質、鮮度等の点検、給食従業者の健康状態の点検、調理器具の洗浄・消毒、食材の調理過程における加熱状況の確認などの日常的な点検を十分励行するよう喚起したなどを行っているところであります。また、児童生徒に対しては、手洗いの励行や、十分な休養、睡眠により体の抵抗力をつけることなど、生活上の衛生習慣の徹底を図っているところであります。 次に、学校給食のセンター方式から自校方式への見直しについてでありますが、センター方式とするか自校方式とするかは、設置者の市町村が地域の実情等を総合的に判断して決定すべきことと考えておりますが、いずれの方式をとるにしても、学校給食における安全性の確保は前提条件でありますので、その点については今後とも厳しく指導してまいります。 また、給食用食材の購入経路や購入方法についても、今後どのように対応していくかについては、基本的には各市町村において検討されるべきものと考えておりますが、学校給食が多くの児童生徒を対象としていることやO-157の問題もあり、食材の納入業者との売買契約の際に、衛生管理に関する事項等を盛り込むなどにより、食材の衛生管理に万全を期すよう指導しているところであります。 以上です。 ○議長(星野伊佐夫君) 高橋誠一君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(星野伊佐夫君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(星野伊佐夫君) お諮りいたします。 次会は、明9月18日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(星野伊佐夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(星野伊佐夫君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時16分散会...