昭和40年 12月
定例会 本
会議昭和40年12月13日(月曜日)
議事日程 第2号 午後1時 開議第1 請願第169号から第177号まで第2 陳情第208号から第216号まで第3 第152
号議案第4 県政に対する
一般質問 ――
―――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1 請願 第169号
公立学校における教職員の
宿日直廃止と
学校警備員配置に関する請願 第170号
山村農業振興に関する請願 第171号
労働金庫に対する
公金預託に関する請願 第172号
県立高田商業高等学校の
移転新築に関する請願 第173号 新栗ノ
木川改修工事に関する請願 第174号 校長、教員の
勤務年限延長等に関する請願 第175号
排水機場職員の
待遇改善に関する請願 第176号
高等学校における一
学級あたりの生徒減、教職員の定数増及び
教育費の
父母負担軽減に関する請願 第177号
私学振興助成費交付に関する請願 日程第2 陳情 第208号
PTA連絡協議会の活動に対する助成に関する陳情 第209号 教育の振興に関する陳情 第210号 教育の振興に関する陳情 第211号 教育の振興に関する陳情 第212号
県立加茂高等学校の
校舎建築促進に関する陳情 第213号
県立相川高等学校の
プール浄化装置設置に関する陳情 第214号
親松排水路計画に関する陳情 第215号
県立新津高等学校の
グランド拡張に関する陳情 第216号
県道島見浜豊栄線等の
改良工事促進に関する陳情 日程第3 第152
号議案 決算の認定について(昭和39年度
一般会計・
特別会計) 日程第4 県政に対する
一般質問(
高橋鋼吉君、高橋半
左エ門君) ――
――――――☆――――――――出席議員(57名) 岩野 良平 君 山崎 直榮 君 松澤 俊昭 君 子田 忠男 君 荒井 清治 君 阿部 助哉 君 志苫 裕 君 若槻 勉 君
丸山金太郎 君 後藤 清一 君 川崎 重吉 君 志田 保 君
鈴木吉治郎 君
木島喜兵衛 君 小林 寅次 君 加賀田二四夫君 吉川 芳男 君 高橋 鋼吉 君 松井 亨 君 高橋半
左エ門君 小山 俊弌 君
長谷川吉雄 君 中川 よう 君 高山 富三 君 高橋 十一 君 相場 一清 君 高鳥 修 君 鈴木 太吉 君 小野 清一 君 戸田 文司 君 小林 静夫 君
長谷川多喜男君 遠山 作助 君 稲家 重雄 君 旗野 進一 君
岩村時次郎 君 坂内 龍雄 君
外山勘兵衛 君 角屋 久次 君 鈴木 精一 君 渡邊 常世 君 平田 早苗 君 岡田 幸平 君 長谷川 信 君 石坂 三郎 君 佐藤 幸作 君
佐藤熊太郎 君 金子 政治 君 川室 道隆 君
田原與一郎 君 祢津 文雄 君 三浦 貞一 君 鈴木 源次 君 吉田 吉平 君 高橋 虎夫 君 太田 勇 君 内山 福雄 君(
海外旅行中)市橋 長助 君 ――
―――――――――――――――議員以外の
出席者 知事職務代理者副知事
野々山重治 君 副知事 君 健男 君
出納長 関川 信二 君
総務部長 斎藤 正夫 君
企画部長 佐藤 貞三 君
民生部長 山添 一郎 君
衛生部長 北野 博一 君
商工労働部長 佐藤 嘉一 君
農林部長 松平 孝 君
農地部長 村山 薫 君
土木部長 田所 文男 君
病院局長 井村 繁樹 君
企業局長 折戸祐市郎 君
教育長 松原 義一 君
警察本部長 小野澤知雄 君
人事委員会事務局長 佐藤 裕雄 君
地方労働委員会事務局長 片桐健三郎 君
教育委員長 大井 ヒデ 君 ――
――――――☆――――――――
△午後5時23分開議
○議長(
渡邊常世君) これより本日の会議を開きます。 ――
――――――☆――――――――
△日程第1 請願第169号から第177号まで
△日程第2 陳情第208号から第216号まで
○議長(
渡邊常世君) 日程第1、請願第169号から第177号まで、及び日程第2、陳情第208号から第216号までを一括して議題といたします。 おはかりいたします。請願第169号から第177号まで、及び陳情第208号から第216号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願、
陳情文書表のとおり各部門の
常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渡邊常世君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――
――――――☆――――――――
△日程第3 第152
号議案
○議長(
渡邊常世君) 日程第3、第152
号議案を議題といたします。
◆高鳥修君 ただいま議題となりました第152
号議案は、審査のため、
普通会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託することを望みます。 なお、委員の選任は議長の指名により行なわれんことを望みます。
○議長(
渡邊常世君) 高鳥君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渡邊常世君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。 おはかりいたします。
普通会計決算審査特別委員会の委員の定数は23名とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渡邊常世君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、委員の指名はお手元に配付いたしました
委員名簿のとおり指名いたします。 ――
―――――――――――――――
○議長(
渡邊常世君) これより
普通会計決算審査特別委員会の
委員長及び副
委員長互選のため暫時休憩いたします。 午後5時25分 休憩 ――
――――――☆―――――――― 午後5時26分 開議
○議長(
渡邊常世君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
普通会計決算審査特別委員会の
委員長に
鈴木精一君、同副
委員長鈴木吉治郎君がそれぞれ互選されました。御了承願います。 ――
――――――☆――――――――
△日程第4 県政に対する
一般質問
○議長(
渡邊常世君) 日程第4、県政に対する
一般質問を行ないます。通告順により発言を許します。 まず、
高橋鋼吉君の発言を許します。 〔
高橋鋼吉君登壇〕(拍手)
◆
高橋鋼吉君 冒頭に、
知事職務代理であります
野々山副知事に新
年度予算編成方針について御質問申し上げます。 去る11月の
新潟県知事選挙におきまして、県民の厳粛な審判が下り、
新潟県知事は、人格、手腕、抱負、
経綸ともにすぐれた
塚田十一郎氏が適任であるということになったのでございます。われわれは、この選挙にあらわれた県民の意思を尊重するとともに、批判については、えりを正して傾聴したと思うのであります。また
揣摩憶測に基づくいわゆるいわれなき非難、悪意の謀略による
個人攻撃は、逆に県民の反感を買うことを知ったのでございます。 ここで、
知事職務代理に、新知事の
明年度予算についての心がまえをお聞きしたいと思います。 およそ、知事の任務は、
選挙演説、
選挙公報に発表した公約を忠実に実施することにあります。新潟県の未来を築く
人づくり、幼稚園から大学と、
社会教育を含む
教育体系、教育の
機会均等、
体力づくりがその第1でございます。
総合開発による活気にあふれた魅力のある郷土の建設、均衡のとれた
経済基盤の整備がその第2でございます。第3に、一人も不幸に泣く人のいない
社会福祉の拡大、充実がそれであります。
ゆりかごから墓場まで、新潟県に生れてよかった、ここに生きる政治があると県民が喜び、ここに働きがいがあると喜び、不幸に泣く人々がいなくなる、これが政治の
倫理的目標であると同時に、政治の日々の実践であると信じます。
野々山副知事はどうお考えになりますか、御質問いたします。 次に、
重症心身障害児の対策について、私は選挙後の初県会におきまして、最近最も関心事となっております
重症心身障害児に対する対策について副知事にさらに質問をするものでございます。 12月7日の「日報」の紙上に、県は厚生省が来年度全国4カ所に建設を予定しておる
国立重症心身障害児収容施設の
県内誘致を目ざして同省と折衝を重ねておりましたが、初年度の誘致の期待はほとんど持てなくなったと報ぜられておりますが、みずからは何の罪も責任もないのに、
精神薄弱の上に
身体障害という、いわゆる二重障害という一生の重荷を負わされ、しかもみずからは訴える力も持たない運命の子供らに社会の理解とあたたかい対策を立てる必要があろうかと思うのであります。
心身障害児を病理的に分類いたしますと、おもなものは
脳性小児麻痺、精薄、てんかん、奇形、脳炎などで、重度となりますと、さらに言語、聴力、視力に障害を起こすほか、歩くこと、食べること、飲むこと、排せつすることさえ自力でできない。また知能指数から見ますと、75以下を魯鈍、50以下を痴愚、25以下を白痴と3つの段階に分れておるのでありますが、さらに重度となりますと、この尺度でも判定ができないものであります。 去る県会におきましては、滋賀県
びわこ学園収容施設に40年度予算として800万円を計上して、10名を収容せんとしておるのであります。この
びわこ学園は、90人の
収容施設を持っておりますが、この12月にさらに100名の
収容施設ができるので、県としては
明年度はさらに10名入園の予定を考えておるものであります。 この二重障害の子供らは、県下で722名であり、これは保健所で認めた者、
はまぐみ学園で認めた者、さらに
教育委員会で
義務教育を受けられないで就学を免除された者を合わせたものであります。 なお、県内には精薄、
身体不自由児、
心身障害児に該当する者が数万人あると言われており、乳幼児、少年15人に1人ともなると言われております。
精薄施設8カ所で370名、
身体不自由児施設1カ所で110名、なお、しかも直る見込みのない
重症児は入るところが全然ない状態であります。つまり
精薄施設、
身体不自由児施設にも適合しない
重症児は、全く行くところがなく、したがって、二重苦、三重苦の
心身障害の
重症児らは、県政の面で
社会福祉という
重点施策の柱にも取り上げられないで、私の行くところがないと新聞、
テレビ等にも報道されて、県民に強く訴えておるところであります。 そこで、
びわこ学園に入れてもらいたいと言って申し出ておるのが163名、残りの560名は家庭の都合または
新潟県内でできた場合お願いをしますという方々であります。 このときに、
国立重症心身障害児施設を誘致することができないと断念することははなはだ遺憾とするところであります。 いかなる計画であったのか、今後どのように運動を展開しようとするのか、明らかにしていただきたい。 知事は、去る日
記者会見で、
重症心身障害児対策について早急に立てる必要があると考えたので、
事務当局に調査を命じて、具体案はその結果を見て作成するが、少なくとも上、中、下越に1カ所ずつ施設を設置したいと言明して、しかも新大
教育学部付属小学校のしろはと学校を視察して、全く知らなかったわけではないが、これほど悲壮とは気がつかなかったと沈痛な面持ちで語られたのであります。 親が死んだら、そのあとはだれがこの子をと眠れぬ夜もあると語る親の目にも涙がころげ、ことばもとぎれがちで、医学からも、教育や
福祉施設からも見放された
重症児の
親たちは、いずれもわが子を残して死ねませんと、一秒でも長生きをして死にたい、万が一のときにはこの子を殺してから死にますと、それがため薬を身から放しませんと、肉親の愛情だけではどうにもならず、国や県のあたたかな援助がなければ、この子たちのしあわせは絶対にないのであります。 このように、二重、三重の
複合障害児の
親たちは、どの施設にも入れられないで苦んでおるのであります。 おかあさんとも呼ぶことができず、全盲、
全身麻痺、
言語障害の二重、三重の苦を負わされ、母がさじで流し込む流動食で生命を保っておる子を見る母は生きる望みを失い、
親子心中をはかろうとする気持ちも私どもはよくわかるのであります。 現在の精薄並びに
身体障害児施設は、いずれも軽度の
子供たちが対象になり、
社会復帰も可能な
子供たちのために力を入れておるわけであります。 そこで、
野々山副知事にお尋ねしたいのは、1、
国立重症心身障害児収容施設県内誘致に対し、いかなる計画を立てておったのか、今後の誘致に対し万全を期して再出発できるのかどうか、2、県立の
重症心身障害児の
収容施設を早急に設けて、落ちこぼれのないよう入園させるように努力していただきたいが、どうか、3、その
収容施設ができるまで
応急施設を設けたらどうか、4、どうしても施設に入れられない
重症児並びに
保護者に対し、適切な
居宅指導ができないものかどうか、5、県側に
重症心身障害児に対しての窓口が一本化していないため、手続がむずかしいとの批判があるが、どういうものか、6、
重症心身障害児の
保護者に対し、専門的な
指導研修などの機会を与えたらどうか、7、
重症心身障害児の終身の
保護施設を建設する対策を立てたらどうか、以上質問申し上げるのでありますが、
重症児の
親たちの切なる願いを聞き入れていただきたいと思うし、その
親たちがお互いに励まし合って立ち上がろうと努力している姿を見るとき、
県当局におきましても、この点についてともにこの際立ち上がっていただきたいのであります。 なお、昨日出版された「サンデー毎日」の12月12日号に記載されておる事柄は、題名は「恐るべき
母子血液型の
不適合」ということで、黄だんで生れた
赤ちやんが死か
脳性麻痺かとあり、その中には
RHマイナスで
母子血液型不適合が起こることはだれしもよく知られておるのでありますが、
O型ママは全体の3分の1にも達しており、
不適合血液型の組み合わせの夫婦から
不適合の赤ちゃんができても、必ずしもみんなが
重症黄だんになるわけではないのでありますけれども、非常にたくさんの
イエローベビーが死ぬか
脳性麻痺の後遺症に母も子も苦んでおるはずであると書いてあります。 これなどは、手おくれになる前に、たった2時間の
交換輸血手術で、抗体で破壊されつつある
赤ちやんの血を
O型血液で洗い流せば、100%助けることができるのであります。
県衛生部の
医務課としても、以上の
脳性小児麻痺児の
発生防止のために一生懸命検討しており、来年度当初
予算要求に
母子手帳に血液型を必ず記載できるよう
血液型検査委託料並びに
脳性小児麻痺児発生防止のために、
RH検査委託料を計上いたしたいと言っており、
妊婦貧血が
奇型児発生の原因であるというので、これの
検診講習会及び
精薄児発生の
原因防止のために、
フェニールケトン尿症検診講習会等の計画を企画し、また生れてから3週間から1年以内に
奇型児、
精薄児が起きやすいというので、認識していただくよう
新婚学級、
母親学級、
育児学級等に新潟県
婦人連盟を通じて義務づけて
講習会をやっていただくよう
補助金制度を検討しており、それら対策について
医務課の担当係としても懸命な努力を払っておるものでありますが、これの
財政審議にあたっては、知事並びに
財政当局におきましても、十分協力して、これが対策が推進できるよう念願するものでありますが、知事の考えはどうでありますか。 次に、私は、
仕出し屋の
料理飲食等消費税の点について君副知事にお伺いいたすものでありますが、昭和39年4月6日、自治省第30号、各
都道府県知事あて自治事務次官通達による
地方税法、同
法施行令及び同
法施行規則の改正についてによれば、
地方税負担の現状にかんがみ、
地方財政の実情を考慮しながら、負担の軽減及び
合理化等をはかるため、
地方税法、
地方税法施行令及び
地方税法施行規則の改正が行なわれ、その第4項として
料理店、
仕出し屋、
旅館等から供給を受けた
飲食物を、
料理店等外から供給を受けた飲食をする場合であっても、
当該飲食に課税しないときは著しく課税の均衝を欠くと認められた場合は、
当該飲食物を供給した
料理店、
仕出し屋、
旅館等所在の県は、条例の定めるところにより
料理飲食等消費税を課することができるものであるが、この規定は、あくまでも課税の均衡を維持する趣旨に出るものであることを強く打ち出してあるのであります。 しかも、改正前の昭和29年5月、発第109号、各
都道府県知事あて自治庁通達によっても、
課税客体は
料理店等における
遊興飲食及び宿泊の行為であるが、
具体的判定にあたっては左の諸点に留意すべきものであると言っており、第3項の(ロ)項には、
仕出し屋、
すし屋等から供給される
飲食物であっても、その
飲食物が家庭またはその延長と見るべき行く先などにおいて飲食されるものである場合には課税しないものとする、また(ハ)項には、
仕出し屋、
すし屋から供給される
飲食物が大衆の会合において消費される場合であっても、
冠婚葬祭、
記念祭典等、社会的な行事に用いられるものについては、著しい課税の不均衡を生じないものである限り課税しないものとすることが適当であると明文されているものであります。 現在、新潟市は、
仕出し1個500円以上に課税されており、課税額は、昭和38年度は80万円、昭和39年度は120万円でありますが、新潟県としては課税しなくとも著しい課税の不均衡などを生ずるわけはないはずであります。少なくとも
冠婚葬祭、
記念祭典等社会的な行事に用いられるものについては免除することが至当であると考えます。君副知事の意見を伺うものであります。 そこで、新潟県税務課の調査によれば、これから話をする
調査統計とは多少違っているとの話であるが、昭和39年8月20日、
全国水産物小売団体連合会で
料理飲食等消費税の
全国都道府県の調査をいたしたのでありますが、その各団体からの
回答状況を見るに、回答数は20団体であり、1、課税されているのが新潟県、徳島県、長野県等6団体、2、課税されていないのが京都、北海道、大阪、神奈川、兵庫、群馬、栃木県等13団体、3、一部課税が1団体であり、課税されている理由は、1、
仕出し業者として自由に申告しているのが島根県、2、県の財源として500円以上の
売り上げに対して課税しているのが長野県、3、飲食の場所を提供した場合のみ課税しているのが香川、愛知、福井県、4、
冠婚葬祭の
仕出し5,000円以上、
消費者に3,000円以上の料理をした場合、一括して組合が10万円納入しているのが石川県、以上の各県は現在
免税点引き上げで
目下努力中とのことであります。 また、課税されていない理由としては、京都、北海道、大阪、神奈川、兵庫、群馬、栃木県等は、1、
仕出し屋は
料理飲食店でなく、課税の対称としていない、2、高知県は
仕出しであっても、1,000円以上を対象とする、3、山形県は昭和28年度より課税されておらない、4、秋田県は課税していないが、
仕出し営業が多くなって、
売り上げの半分以上の場合のみ対象にいたしたい。 新潟県としては、少なくとも
冠婚葬祭、
記念祭典等社会的な行事に用いられるものについては課税しないほうがよろしいかと思うので、君副知事の見解を問うものであります。 次に、
歴史教育のあり方について、私は
高校教育の
歴史教育のあり方について
教育長に質問申し上げるものであります。
歴史教育、とりわけ
日本歴史についての
教育論は現在盛んであるが、この論議が始まると、戦闘的な感情に支配されてくることは事実であり、これは日本における歴史の特殊な立場と
歴史教育の重要性を物語っているものであります。 いまは、まことに
歴史ブームであり、歴史の本が飛ぶように売れていることは、歴史が日本の
現代人にことのほか深い関心を持って読まれるからであります。
平家物語、太平記、
戦国史等、また伝説にしろ、
歴史物語にしろ、読むことにより
いにしえをしのび、自分の現在の姿を悟ろうとすることにほかならぬのであります。 終戦当時、
日本人はだれしも歴史に絶望し、哲学に関心を持ち始めたものであった、つまり戦後日本の教育において、日本の歴史に対する考え方を根本から変えたものであったのであります。 もともと、
日本人は哲学に育てられた国民ではございません。したがって、一部の人にしかわからないような
西洋論理が国民の知識のもといとなるわけがないのであります。 だれしも考えられることは、
日本人は歴史によって育てられてきた国民であります。したがって、当然自然の
なりゆきとして歴史の時代がきたのであります。 日本の歴史は、文学や芸能から楽しんで人々にしみわたり、墓参りや祭礼の機会に敬虔な心持ちで思い起こされ、
国民そのもののもといとなってきたのであります。 たとえば、
チャンバラ映画だって、
日本人として昔と結びつき、何ものかを教えてくれるのであります。 このように、
日本人は歴史の中に根を張り、
歴史教育を振興することにより
日本人の真の姿を見出し、人格をつくろうとするものであります。 つまり、
歴史教育とは、国民が楽しんで覚え、過去をしのび、祖先を敬い、自分の真の姿を見出そうとすることであり、また文学や芸能や伝説で正しい事実が曲げられていることを、正確な知識を得るために、正しい事実を述べられた歴史が必要なのであります。 過去と現在の社会の構成の経過と変遷を把握することにより将来の日本の進み行く進路を知り、国民の苦楽と結びつき、純な姿に結びつき、若き青少年を育てるでありましょう。 科学は、どこまでも精緻なものであり、また苛責なきものであります。
歴史教育は、古人に対するいたわりと子供に
精神的影響を与え、
国民育成への確固たる信念を与えるものであって、事実を曲げた迷信の世界に導くことでなく、それが歴史の授業であり、歴史の教育であります。 いま、
高等学校の
日本史は、
日本史として独立しないで
社会科の一部に編入されており、本来独立の一教科であった歴史が
社会科の中で生き長らえている事実は、
日本現代史の歩みであって、事実歴史は、単に
現代人としていかに社会に適応していくか、また歴史からくみ出された思想をどう身につけていくか、まさに歴史は深奥的にして豊かで日本的なのであります。 私が本日伺いたい要旨は、
教育長として日本の歴史と教育の関連について、青少年の
健全育成上どのように考えておられるか、また日本の歴史を
高校教育課程においてどのような
指導方針で生徒を指導せんとするのか、また教員に対する
指導方針を伺いたいのであります。 新潟県にも
考古学的幾多の古墳があり、遺跡があります。よって、考古学を活用しての歴史の解明、解釈をどのように考えておられますか。 遺跡の発掘は、
文化財保存の目的を達成し、現地の調査結果を歴史の研究に堤供せんとするものであります。
原始社会は、学者によって推測され、構成されたものであります。それが直ちに歴史的事実ではなく、
いにしえより今日の
政治的社会への発展に至るまで、原始の形態より無理に解き明かす必要はなく、無理に解き明かそうとするならば、それは一推理論にすぎないのであります。 さて、それはさておきまして、このたびの
知事選挙は、長い
新潟県政史上に足跡をしっかりつけて、永遠に残るでありましょう。 ときにより、あるいは思い過ぎとも考えられ、あるいは真相を無理に曲げて考えているのではないかと思われるふしもあるのでありますが、全く混乱と動揺と複雑さを県民に与えたものであって、それらの冷静な解明が行なわれようとしている現段階において、単純な
道義的尺度を当てて
選挙史を
罪悪史としたり、反省など誤解させることは、
選挙史にとってプラスにはならないばかりではなく、ゆがんだ
自虐主義におちいるだけであると思うものの、つまらぬ紛争に明け暮れる県会を続けさせるようなことがあってはならないと思うので、歴史と道義の対決はなまやさしいものではないのでありますが、この際社会党諸先生方の政治家として本来の姿に早く立ち返ることができるよう強く反省を求めて降壇いたします。(拍手) 〔「反省を求めるのはだれだ、社会点が答弁をするのか、運営委員会を開け」と呼び、その他発言する者あり〕 〔
知事職務代理者野々山重治君登壇〕
◎
知事職務代理者(
野々山重治君)
高橋鋼吉議員の御質問にお答え申し上げます。 第1番目の新年度の予算編成方針についてでございますが、お話にございましたように、知事がこのたびの選挙でもって県民の皆さんに公約をいたしましたことは、要約いたしますと、次の3点に集約されるのではないかと思います。 すなわち、1つは、県土の
総合開発の推進、2は、活気にあふれ、魅力に富んだ郷土の建設、3は、一人の落後者もない明るい豊かな郷土の建設、この3つに要約されるのではないかと思うわけでございますが、
知事職務代理者の私といたしましても、この知事の選挙公約を体しまして、この3点を新年度の予算に具体的に反映させるように目下
事務当局に編成業務を命じている次第でございます。 新春、知事が健康を回復いたすのを待ちまして、国の大幅な財政政策の転換による
地方財政への波及度を慎重に検討しながら、塚田県政第2期の初年度に当たる
明年度予算から着実な具体施策の展開をはかってまいりたいと存ずる次第でございます。 次に、御質問の第2点は、
重症心身障害児対策についてでございますが、その御質問の順序でもってお答えを申し上げたいと思います。 まず、最初のお尋ねは、国立の
重症心身障害児収容施設の誘致運動についてでございますが、この問題につきましては、国といたしまして、従来厚生省の児童家庭局が中心に各方面で論ぜられておったわけでございますが、県といたしましても、この児童家庭局を中心にいたしまして、医務局その他各方面に陳情いたし、根気強く誘致運動を続けてまいったわけでございます。 その運動の結果、児童家庭局も、本県の熱意を高く評価していただきましたので、その段階におきましては、明るい見通しを持ち、それとともに、さらに実現をめざして、今月の初めに君副知事からも陳情に行ってもらったわけでございますが、国のこの国立療養施設の付設の方針が急に変わりまして、従来厚生省としては、担当局としては児童家庭局でもって独立の国立療養所を建てるという方針でありましたのが、従来ある国立療養所にこの施設を併設するという方針に変わりまして、国立療養所の運営をつかさどっております医務局が中心になりまして、こういうふうな方向でもって、いままでの独立の施設でなくて、従来ある国立療養所への併設という形でもってこの問題が処理されることになり、いまその方針のもとに各地の国立療養所の施設の意向等を聞きながら、これをきめつつある、こういうふうな状況になったわけでございます。 県といたしましては、いままでの独立の
収容施設という考え方で進めてまいりました運動が、今回こういうふうなことになりましたので、今後とも国が最終決定をするまでの間に、さらに強力にこういうふうな意味での施設を本県に考えてもらいたいということを働きかけていきたい、かように思っている次第でございます。 それと同時に、この国の施設の誘致と並行いたしまして、これで漏れる、あるいは最悪の場合に、国の施設の本県誘致ができなかった場合においても、県独自の施設を設置しなければならない、こういうふうに思いまして、目下これについての検討をいたしているという状況でございます。 お話のように、
重症心身障害児自身だけの問題ではなくて、その家族の苦しさを思いますと、この問題は真剣に考え、十分取り上げていかなければならぬことは御説のとおりでございますので、そういうふうな意味でもって真剣に検討してまいりたい、かように存じている次第でございます。 その次に、そういうふうな施設のほかに、応急措置についてはどういう考え方があるかというようなお尋ねでございますが、この問題につきましては、いろいろと問題点がございますので、目下各問題をとらえ、検討をいたしておりますが、その一つといたしまして、先ほどもお話のございましたように、いままでの法律の考え方自体は、施設に収容して保護する、こういうのが重点になっているわけでございますが、国におきましても、そういうふうな施設に入った者と自宅でもっておらなくてはならぬ者、この両者の差異のないようにするようなことを考えているようでございますが、まだ具体的なことは国としてもきまっておらないようでございますが、県といたしましては、今後の課題といたしまして、
居宅指導対策について十分研究をしていきたい、かように存ずる次第でございます。 次に、お尋ねは、この
重症心身障害児の対策についての窓口が一本化されていないじゃないか、こういうふうなお尋ねであったと思うわけでございますが、第一線の関係機関といたしましては、たとえば児童相談所でありますとか福祉事務所、保健所、
精神薄弱者更生相談所など、もよりの相談をすべき窓口を多くはいたしましたけれども、現状におきましては、各機関の横の連携が必ずしも十分であるとは考えられません。このために御迷惑をかけた点が多々あったかとも思いますが、今後十分注意していきたいと思う次第でございます。 なお、先般の県の社会児童福祉審議会の答申には、1カ所ですべての
重症心身障害児について相談手続のできるような総合判定センターを設置すべきだ、こういうふうな要望を受けておりますので、こういうふうな点につきましても、目下検討を進めている次第でございます。 それから、その次に御質問のございました、こうした者に対する指導者の養成の問題でございますが、この問題は非常に大切でございますが、何しろ
重症心身障害児に対する対策を施しますその対象者が非常に多いということと、現在専門的な指導者も少なくて、なかなか困難な問題が多いわけでございます。そういうふうな点につきまして、今後その方法について研究をしていきたいと存じている次第でございます。 次の7番目の問題につきましても、これはまことに御説のとおりでございますが、国においてもようやく研究に着手したような段階でございます。県としてもその必要は認めておりますが、なお社会児童両審議会にも県としては諮問を出しておりまして、その御答申をいただきまして、その御答申に基づきまして具体的に対策を進めていきたいと存じている次第でございます。 それから3番目の輸血血液の補給の問題でございますが、この問題については、お話のございましたように、ただいま衛生部でもってこれに対する施策をいろいろと考えております。その施策ができるだけ十分実現し得るように予算的にも措置してまいりたい、かように存じている次第でございます。 私に対する質問に対して、以上御答弁申し上げます。 〔副知事君 健男君登壇〕
◎副知事(君健男君) 料飲食税に関しての
高橋鋼吉議員の御質問にお答えいたします。
冠婚葬祭等に際しまして、自宅とかあるいは神社仏閣等において
仕出し屋から料理を取りまして行なうような場合、お話のように他府県におきまして免税の措置がとられているところもあるようでございますので、課税の均衡等も十分考慮の上検討いたしたいというふうに考えております。 以上お答え申し上げます。 〔
教育長松原義一君登壇〕
◎
教育長(松原義一君) 高橋議員の御質問にお答えいたします。 たいへんめんどうな問題でございますから、ごちゃごちゃ言うておりますと時間がかかりますから、要領よくやりたいと思います。(笑声) 第1に、
歴史教育というものについて、その基本的な理念と申しますか、それを申し上げたいと思います。 ある哲学者が言いましたように、(笑声)現実というものは、ただ宙に浮いたものではない、そこにはいつも過去のわれわれの祖先の精神の躍動の記録としての歴史というものが背後にある、そういうものと接しながら、その現実というものを理解し、それを踏んまえて、そこに未来への新しい創造が始まっていくと思うのであります。 そういうふうに未来、それから現実、過去というふうに、これはいつも一つの民族精神の躍動という角度からとらえていかなければいけないのではないか。 戦さに負けまして、戦後20年、
日本人は自分たちの誇るべき歴史と伝統というものを忘れまして、そうして特定のイデオロギーに立ちますところの史観にまどわされまして、そうして歪曲した歴史観というものが横行しておった。ところが先ほどお話がありましたように、だんだんと国民も自分たちの尊敬すべき過去の歴史というものに対して思いをめぐらしてきたと思うのであります。 そういうことが最近
歴史ブーム、歴史の本を出せば必ず売れるということになったのではなかろうか。 われわれの一つの体にいたしましても、脳というものを一つ取り上げても、大脳のそこにはわれわれの意識しない世界がある。それはわれわれ自身の五体の中に浸透している2,000年なり3,000年なり5,000年なりの民族の一つの精神というものが宿っている、そんなふうに私は一人の人間というものを理解したいのであります。 そういうことが、現在史学の方法論といたしましても、戦後始まりましたいわゆる科学的、客観的史学の方法論といいますか、あらゆるデータを並べて、そうして敗北主義者的な心理から病的に歴史的現実というものを見て、そうしてきわめて否定的に、何か憂うつにその現実をとらえていく、こういう考え方では国家なり国民なり、また世界の人類のしあわせというものは出てこない。いつもそこには暗黒があり、そして陰影がある。実にじめじめとしたそういう世の中しか考えられない。われわれは、発展的にやはり瞬間、瞬間に躍動していく一つの積極的な人間精神というものを考えていかなければならぬのではないか。 そこで、私どもは現在どういう
歴史教育をしているかということでありますが、最近における
歴史教育は、これは決して軽視されておりません。中学においても、御存じのように
社会科――
社会科というのは、民主主義的な社会を実現していきますための豊かなそういう情操なり感情あるいはしっかりとした一つの理念、民主主義的な理念、そういうものを与えるための素材として地理あるいは歴史、また政治、経済、社会、こういった5教科というものを総合的に教えていく、そうしていま申し上げましたような民族社会あるいは民族国家というものの発展を世界のほうに向かって推し進めていくというそういう考え方をしているわけであります。 したがいまして、そういう考え方でよき民主主義社会の形成ということで今日の中学の
社会科というものが設定されているのでありまして、だんだんと
日本史の授業時間もふえ、その内容も豊かになってまいったのであります。 それを受けて、
高等学校におきましては、御存じのように
日本史と世界史というものを3年間の教育課程の中に含めている。しかも最終の学年である3年において初めて
日本史を教えているわけであります。 この
高等学校における
日本史の教え方はどういうものかと申しますと、日本の歴史の発展というもので一番基本的な事項というものを系統的に子供に理解させていくということと、そうしてその時代、時代の流れを総合的に、しかもその時代の特徴的動向というようなものを正確に把握させていく、こういう考え方で祖国への愛情、また尊敬、そういうようなものを念としながら教えているわけであります。 そこで、最近におきまして、だんだんと開拓されてまいりました考古学的領域、特に埋蔵文化財の発掘とかあるいはわれわれの見失っておった過去の文化の姿とか、そういうようなものがいろいろな調査において浮かんでまいっているわけであります。今日では、こういった日本の歴史の流れの中における埋蔵文化財の把握のしかた、それぞれの時代においてこの埋蔵文化財というものを把握させていく、そうしてその時代の理解というものを埋蔵されておった文化からだんだんと教えていくという、いわゆる過去における祖先の残したものと現実のわれわれの精神というものの密着をはかるというところに埋蔵文化財を発掘していく意義があると思うのであります。 しかしながら、今後私どもは、単にそういうようなことではなく、過去におけるわれわれの祖先の生活実態というものはどういうものであったか、どんなに貧乏であったか、どんなに豊かであったか、また過去における階級構成というものがどういう状態であったか、そうして下層の人たちがどういう生産技術を持って、どんなに国内的生産力というものを高めておったかとか、そういうような方向にわれわれは古代史というものを追求していかなければならぬのではないか。そういうところに現在わが国の古代史学の研究にいそしんでいる学者の方向があると私は思っておるのであります。 いずれにいたしましても、今日欧米各国の
歴史教育を見ておりますと、
歴史教育を通して理性に裏づけられた静かなる愛国論を鼓吹する、そういう方向に向いているように思うのであります。 あまりにも感情的に愛国心を鼓吹するがゆえに、それがウルトラになる。ウルトラになりますと、ナチス的な失敗をわれわれは繰り返さなければならぬ。理性に裏づけられた静かな愛国心、そういうものを、われわれはいろいろなデータによって総合的に子供に認識させていく、祖国の尊敬されるべきゆえんというものをじゅんじゅんと教えていくというところに私は
歴史教育の使命があると思うのであります。 要らぬことをしゃべりますと、時間をとりますので、この辺で………。(笑声、拍手) ――
―――――――――――――――
○議長(
渡邊常世君) 次に、高橋半
左エ門君の発言を許します。 〔高橋半
左エ門君登壇〕(拍手)
◆高橋半
左エ門君 自由民主党を代表いたしまして、高橋半
左エ門が
知事職務代理者の
野々山副知事に対して質問をいたします。 通告してあるように、貿易と海外見本市について、もう一つは雪害対策について、この2点についてお伺いをいたします。 新潟県は、雪が多く降るから、したがって、水が豊富だ、ゆえにこの水を利用して発電所が多い。いわゆる電力県でございます。またこの水を利用して、山間地も平野も米が多くとれるから農業県である。これらがいままで新潟県の誇りであったわけでございます。 しかし、これだけでは所得の格差を是正することは望めないとして、これらを根幹として産業の花を咲かせ、豊かな所得を得ようとして努力していることは県民のよく承知しているところでございます。 さて、諸産業のうちでも外貨獲得こそ最も称賛され、かつまた奨励すべきものと考える次第です。 それで、私は昭和40年度県主催のバンコクの見本市に参加させていただきましたので、海外貿易の面で二、三所信を述べつつ質問をいたします。 新潟県の輸出の総額について、多少資料を参考にさせていただきます。 昭和35年の県の総輸出額は132億1,900万円でございます。主として洋食器、ステンレス器物、鋼材、機械類、金物工具類、ミシンの部品、化学製品、繊維、スキー、ラケット、クリスマス電球が主たる輸出品でございます。 この35年の132億1,900万円の構成比を100といたしますと、昭和36年は138億7,600万円、その35年に対する指数が105でございます。昭和37年、これは構成比が152にのぼっております。昭和38年においては、昭和35年に対する指数が193になっております。昭和39年に至りまして、驚くなかれ、347億1,500万円と総輸出は飛躍的に伸びまして、35年度に対する指数は263となっております。 このうち、85億9,000万円というのが化学製品でございます。83億4,200万円というのが洋食器になっております。また58億6,900万円というのが鋼材になっております。32億9,500万円というのが繊維になっております。 また、海外見本市の関係について、多少資料を申し上げます。 新潟県では、昭和37年にホンコンとバンコクで県主催の海外見本市をやっております。このとき、ホンコンでは2,974万3,000円という契約でございました。バンコクでは3,020万円という契約でございました。これに要しました総費用は405万円、そのうち県の負担は200万円になっております。 昭和38年におきましては、ホンコンとシドニーにおいて見本市をやっておりますが、このときの契約高は、ホンコンにおいて1億4,376万円、シデニーにおいて674万円、この総費用が460万円で、県費負担が230万円になっております。 39年度におきましては、トロント、サンフランシスコ、欧州、これらの国の海外見本市に参加いたしまして、83万5,000円の総費用を要し、県費負担は43万4,000円になっております。 〔議長退席、副議長着席〕 40年におきましては、バンコクで見本市をいたしまして、約2億円の契約高をいたし、240万円の総費用に対して県費負担は120万円になっております。 以上申し述べました資料によりますと、県の輸出は飛躍的に発展をいたしております。これは県と業者の努力のたまものである。しかしながら世界の情勢からいたしまして、また国際競争の激しい今日、このまま安閑としてはおられないと思うわけであります。日本と同じく東南アジアにも不況の風が吹きまくっているわけでございます。 さて、故池田前首相は、フランスにおいてトランジスターのセールスマンだと言われました。また椎名外相はパキスタンにおいて、パキスタンの外相に
日本人はエコノミック・アニマルだと言われた。また私どもがバンコク、シンガポール、ホンコンといろいろ市場調査をしてまいりましたところが、日本は経済奪略国である、こういう話もございました。 そのゆえかどうかは別といたしまして、東南アジア開発銀行がマニラにとられた。これは、これらのことをまことに裏書きしているやに思われるわけであります。それで、新潟県の海外見本市はどうあるべきか、これが問題になると思うわけであります。遠く海外へ出て見本市を開いた、売れました。もうかりました、成功しました、また売れなかった、損をしました、それではやめようじゃないかというようなことでは、これは行商人のふり売りにもひとしい。ゆえに海外見本市というものは、業者も県も、そこの国際情勢あるいは経済の状況、市場の調査等を身をもって体験し、そこの市場にマッチした製品をつくる、そうしてみずからは国際的なバイヤーとしての品格とマナーを身につけることが目的である、こういうふうに考えるわけであります。 以上のことから要約いたしまして、副知事に質問をいたしますが、昭和41年度の海外見本市はどこで開催いたしますか、この海外見本市の長期計画は一体どうなっているか、次に県主催の海外見本市の負担金はあまりに少ない、県主催であるからには全額県費負担であるべきだと思うが、この点についてはどうか、また海外の経済調査、市場調査をするには、まず県職員の養成が必要であると思う、これらの調査ができ、かつ輸出業者に市況を知らせ、また製品のアイデアについても指導できる国際的な人物を養成しなければならぬと思うが、この点についてお伺いをいたします。 次に、雪害対策についてお伺いをいたします。 明治維新において、薩長土肥が官軍となって、会津を中心とした東北越後が破れ去って賊軍となったわけであります。以来、この薩長土肥が天下を取って、歴代内閣の総理大臣は、ほとんど彼ら暖国の者がなっている。明治維新以来100年間、暖国政治が続き、東京以北の雪国は冷飯を食っておったことは、歴史と現実が示すとおりでございます。 「1年を3日で暮らすよい男」、こういう句がございます。これは、相撲取りのことでございます。はだかでとるから、あまり経費がかからない、こういうことを意味しているように思います。 ところが、今日ではせちがらくなりまして、相撲も6場所とっております。東京2回、名古屋1回、大阪2回、福岡1回です。 新潟県から大関豊山が出ております。新潟県の人は、豊山が負けると、晩しやくがうまくないと言う、また負けがかさむとお嫁さんでももらってやれば勝つだろう、こう言う人もあります。(笑声) ともかく、新潟にも6場所のうち1場所くらいは興行してもらいたいというのが県民ひとしくこいねがっているところだと思うわけであります。 ところが、銭こがない。銭こがないところには、相撲取りさえも来ない。東京以北は、はだかの相撲取りにさえきらわれてしまった。この銭こがない、所得格差がはなはだしいというのは、東京より西にすべての投資がなされ、この北の雪国は顧みられなかったということに要約できると思います。 また、1年が4月に始まって、翌年の3月に終わる、このため、公共事業の30%というものが、新潟県においては雪の中で仕事をしなければならぬことになっている。これらは1月に始まって、12月に終わるのが当然であるが、いまだに改められておらぬ。これらも暖国政治の遺物でございます。 新潟県におきましては、全国に先がけて雪害対策特別委員会をつくり、また県庁の窓口として雪害公害課も設けた。ここまではいいんですよ。(笑声)さて、われわれ特別委員会が上京して、政府に陳情する段になると、建設省、農林省、自治省、文部省、厚生省、大蔵省、経済企画庁、この各省をうろつかなければならない。大臣はめったに会ってくれません。次官も、局長も同様でございます。課長も補佐もときどき留守がちでございます。そうして秘書はいんぎん無礼な態度でわれわれをていよく帰す。雪国に地盤を持つ衆参の国会議員のだれが一体先頭に立って、このわれわれの悲願に対して努力をしてくれたでありましょうか。(「雪が降れば、あんたもうかるじゃないか」と呼ぶ者あり、笑声)一緒に上京、陳情して残念に思っているのは、おそらく私一人ではないと思うわけであります。 国は国としても、県も県だ。われわれ特別委員会で数々の要求を出している。そのうち、せめて重要事項くらいは、県単独事業として実行してもらいたいと思うわけであります。 市町村では、雪害の資料や経費の補助について何べん出してもだめだからというので、あきらめているところが多い。豪対法によりますと、国土の52%が豪雪地ということになっております。これではざる法にならざるを得ないではありませんか。 また、県においても、全県ひとしく雪害県である、こういうことでは、山間地の人たちは、いつも置いてきぼりを食ってしまうわけであります。 鉄道においても、1級地、2級地、3級地、4級地と区別しております。そうして1級地は20%増、2級地は15%増、3級地は10%増、4級地は5%増に区別をいたしております。 また、土木部の研究によると思われますが、私どもに配られました「冬季雪中工事費の増高要因」という本にも、A地区、B地区、C地区の区別がなされている。このA地区は、小千谷管内、六日町管内、十日町管内、安塚管内、高田管内、B地区は、村上管内、新発田管内、津川管内、三条管内、長岡管内、与板管内、柏崎管内、糸魚川管内、そうしてC地区が、新津管内、新潟管内、相川管内、こういうふうになっております。 これは、単に鉄道や土木部だけの級地決定ではなく、行政全般にわたる級地決定こそ急務だと思うわけでありますが、この級地を決定する意思があるかどうか、お伺いをいたします。 また、雪害公害課につきましては、職員の不足からか、十分の活動が望めないままになっておりますが、雪害課といたしましてもっと強化し、なお山村振興法に関する分もこの中に取り入れて、雪害課というものを完全に独立したものにしていくお気持ちはありませんか、お伺いをいたします。 また、これは
土木部長に伺ったほうがいいと思いますので、
土木部長から答弁を願いますが、この「冬季雪中工事費の増高要因」という本は、まことに時宜に適した研究であると思うが、これを建設省では一体どう評価をし、そうして公共事業についていかなる処置をしてくれることになっておりますか、お伺いをしたいと思うわけであります。 また、公共事業、県単事業におきまして、現場の除雪、また厚着等による作業能率の低下、採暖、雪中工事用器具の破損度、これらの増高につきまして、いつからいかなる処置をしていく気がございますか、御答弁をお願いいたしたいと思います。 終わり。(拍手) 〔
知事職務代理者野々山重治君登壇〕
◎
知事職務代理者(
野々山重治君) 高橋半
左エ門議員にお答え申し上げます。 1番目の海外見本市の問題でございますが、その御質問の第1点は、41年度この見本市はどこでやるのかという点でございますが、これは、ことし新潟市で御承知のように、極東物産展が開催されました。これに対応いたしまして、ハバロフスクの見本市へ参加すべく現在事務的に検討中でございます。 それから、見本市の開催についての長期的な見通しがあるかというお尋ねだったと思いますが、御承知のように、見本市は、いま御意見にもございましたように、定期的に開催してこそ初めて意義があるものでございますので、来年度の見本市、その後の見本市等につきましても、そういうような観点から慎重に検討していきたい、かように存ずる次第でございます。 次に、海外見本市に対する県費の負担額が少な過ぎるじゃないかという御意見につきましては、実情に合うように今後十分検討していきたい、かように存じている次第であります。 それから、最後に市場調査について、その調査員を養成するのをどういうふうにしているか、こういうような点でございますが、現在までは、御承知のようにジェトロに調査を委託いたしておりまして、これでやっておりますが、この方法を今後も続けていきたい、かように存じておりますが、御指摘のように、これについては専門的な職員を養成していかなくてはならぬ時期が早晩くるものと存じますので、そういうふうな意味で、海外市場の調査につきまして、できるだけ職員を深く研究させ、将来においては、これについている専門職員の資質を一そう向上していきたい、かように存じている次第でございます。 それから、2番目の御質問の級地区分のことでございますが、これは御承知のように国でもって定めることでございますので、これが定められますと、税金その他優遇措置が実施されますので、県といたしましては、国のほうと連絡をとりまして、このいわゆる豪雪地帯におけるところの級地区分の決定をできるだけ早く決定されるように事務的によく連絡し、要望いたしている次第でございます。 私からのお答えは以上でございます。 〔
土木部長田所文男君登壇〕
◎
土木部長(田所文男君) 雪中工事に対します経費の増額の問題で私からお答えを申し上げたいと存じます。 土木部におきまして、例のパンフレットのようなものを実はつくり上げたわけでございますけれども、それまでに至ります間の経緯につきまして若干申し上げたいと思いますが、私もかねてから雪の中で仕事をやらなければならない本県の事情といたしまして、こうした場合に、どうしても普通の歩がかりではできない、何とかしなければならないのではないかということを考えてはおったのでございます。ところが、それに対しまして、国のほうでいかなる補助措置をとってくれるかということが非常に気にかかりまして、建設省にお願いしてはおりましたけれども、なかなか思うような結果が得られなかったわけでございます。 38年の豪雪のときにおきましては、わずかばかりではございますけれども、国のほうで除雪費を見てくれたことがございます。ところが平年の雪の年におきましては、これがなかなか見てくれないというのが現実でございました。 そこで、これではいけないということで建設省にお願いするばかりではなくて、ひとつ県の自主性でそういう方向を出そうじゃないかということを、実はことしになりましてからようやく決意したのでございます。 実は、この決意をするまでに4年もかかっておりまして、まことに申しわけないというふうに考えておりますが、そういうことで研究を始めまして、まだあれが完全なものだとは思っておりませんけれども、一応の素案ができ、これをもちまして建設省にも働きかけまして、いろいろ相談をしてもらっております。 私は、こういうことに対しまして、建設省がもう少し消極的な態度ではなかろうかということを最初心配したのでございますけれども、そうではなくて、非常に積極的にこれを検討してくれまして、ときどき技術参事官を中心といたしまして係官が検討会をやっているようでございます。 そういうことで、新潟県が手をつけましたことを国のほうでも真剣に取り上げられた、近い将来におきまして、国のほうである一定の基準ができるであろうということを感じまして、非常にうれしく思っているわけでございます。 県としましては、国のほうでそういう基準をつくりますまで待っているわけにはまいりませんので、ある程度独断ではございますけれども、本年からこれを適用してまいりたいというふうに考えております。 その内容につきましては、大きく分けまして、2つでございますけれども、1つは工事現場の雪をのける除雪費の問題、それからもう一つは、着ぶくれ等によりまして作業能率が落ちる、これのための歩がかり増の問題でございます。これを一応ある程度の――これもいろいろ地区によりまして状況が違いますけれども、設計書に盛り込むためにはこれを簡単なものにしなければいけませんので、簡単な基準をつくりまして、その双方につきましてのある程度の経費増を本年から見込みたいというふうに考えております。 御質問の内容にありましたように、県下を3地区に分けまして、その地区にそれぞれ対応した除雪費なり歩がかり増なりを考えていくつもりでいるわけでございます。いずれ近く建設省でもこれを基準化してくれるものだというふうに考えております。 以上でございます。 ――
―――――――――――――――
○副議長(旗野進一君) これにて
一般質問は終了いたしました。 ――
――――――☆――――――――
○副議長(旗野進一君) おはかりいたします。 議案審査等のため、明12月14日から12月19日まで6日間本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(旗野進一君) 御異議なしと認めます。よって、明12月14日から12月19日まで6日間本会議を休会することに決しました。 ――
――――――☆――――――――
○副議長(旗野進一君) 本日の
議事日程は終了いたしました。 次会は12月20日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。
△午後6時40分散会...