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06月25日-一般質問-03号

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  1. 新潟県議会 1957-06-25
    06月25日-一般質問-03号


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    昭和32年  6月定例会 本会議昭和32年6月25日(火曜日)  議事日程 第3号    午後1時 開議 第1 県政に対する一般質問について   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 議員富樫又太郎君を懲罰特別委員会を設け、これに付するの動議(雲尾東岳君外15名提出) 日程第1 県政に対する一般質問について(市橋長助君、横内権之助君)   ―――――――――――――――――出席議員(61名)       雲尾 東岳 君  山岸 義司 君  柏原 正雄 君  二瓶田之助 君       佐藤 政治 君  横内權之助 君  川崎 重吉 君  小林 寅次 君       吉岡喜三郎 君  志田  保 君  木原 正雄 君  瀬下市太郎 君       小栗久一郎 君  鶴巻辰次郎 君  小林 藤吉 君  小林 富次 君       高橋 重雄 君  高橋 正治 君  廣神 伊藤 君  島田 久吉 君       大沼 鐵男 君  小野 清一 君  中川 潤治 君  高山 富三 君       後明五郎作 君  相場 一清 君  旗野 進一 君  高橋平治郎 君       小笠原九一 君  大竹竹三郎 君  小島寅治郎 君  中林三男三郎君       外山勘兵衛 君  戸田 文司 君  小林 源一 君  稻家 重雄 君       丸山直一郎 君  大竹 太郎 君  富樫又太郎 君  兒玉龍太郎 君       石塚 善治 君  石月 省吾 君  仲川 寅造 君  平田 早苗 君       渡邊 常世 君  水倉 新作 君  岡田 幸平 君  佐伯 利作 君       山崎 和雄 君  市川 俊雄 君  角屋 久次 君  田邊 武次 君       中沢 芳郎 君  高瀬喜與蔵 君  鈴木 太吉 君  村山吉五郎 君       吉田 吉平 君  近藤 祿郎 君  坂内 龍雄 君  小田長四郎 君       市橋 長助 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者  知事             北村 一男 君  副知事電気局長事務取扱    鈴木 武男 君  出納長            高浪 健蔵 君  総務部長           松島 五郎 君  農林部長           佐藤 辰雄 君  農地部長           橋本 義彦 君  商工労働部長         栗栖 幸男 君  土木部長           佐藤 信一 君  衛生部長民生部長兼病院局長 須川   君  教育長            柴田 美稲 君  人事委員会事務局長      松原 義一 君  警察本部長          中野 正幸 君  地方労働委員会事務局長    今井平三郎 君  公安委員           伊藤 文吉 君  監査委員           伊藤源次郎 君   ――――――――☆―――――――― △午後3時53分開議 ○議長(小笠原九一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆――――――――議員富樫又太郎君を懲罰特別委員会を設け、これに付するの動議 ○議長(小笠原九一君) 雲尾東岳君外15名より、成規の賛成を得て、富樫又太郎君を懲罰特別委員会を設けてこれに付するの動議が提出せられました。右の動議を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。小林寅次君。   〔小林寅次君登壇〕(拍手) ◆小林寅次君 昭和32年6月24日、雲尾東岳以下社会党議員クラブ全員によりまするところの懲罰動議の提出につきまして――本会議における富樫又太郎君の県政に対する一般質問中に、本議会の決議を無視する言辞があり、懲罰事犯に該当すると思料される。よつて同君懲罰処分を求める。右、地方自治法第135条第2項及び新潟県議会会議規則第154条により懲罰動議を提出するものであります。 新潟県議会におきましては、過ぐる昭和30年5月24日、本会議におきましてこういう決議をしております。   新潟飛行場拡張反対に関する決議 新潟飛行場第4次拡張計画はその地域七十余町歩に及び、これが接収される場合には関係者は耕地、山林、宅地の喪失により生活を脅かされるのみならず、工場誘致住宅建設、交通路の整備など都市計画に多大の支障をきたし、また爆音、航空亊故、風紀の紊乱による学園その他住民の不安はますます増大する。 よつて本県議会は、世論に鑑み、新潟飛行場第4次拡張計画に反対するものである。 右決議する。  昭和30年5月24日                  新 潟 県 議 会かく議決されておるのであります。 しかるに富樫議員の昨日の発言は、ことごとくこの決議に反するのであります。民間といわず、飛行場そのものに対するところの反対議決新潟県議会はしておるのであります。これを富樫議員そのものも満場一致、だれ一人の反対もなく議決されている。この飛行場によつて、今読みました新潟県議会の決議にあるように、耕地をとられ、その他いろいろの名目によつて、新潟飛行場というものが県民に及ぼす影響は甚大である、この上に立つてわれわれは議決したのである。富樫又太郎君の昨日の発言一句一句は、すべてこの昭和30年5月24日議決せるものに対して、全部これを否定している。(「そうでもないよ」と呼ぶ者あり)全部否定している。言うたことが全部否定しておる。 そこで問題は、具体的に言うならば、この飛行場拡張というものは、行政協定による新潟飛行場の拡張なんだ。アメリカの軍略であり、戦略による飛行場なんだ。これを富樫議員は、軍略と言い、戦略と言う者があるとするならば、宣伝にする――こうこうしかじかだとこれを否定している。そうすると、新潟県の飛行場拡張反対は、新潟県議会のみがしているのではない。新潟県議会も先ほど読みましたように議決されておるし、各市会におきましてもこれが議決されている。あるいは多くの婦人団体もこれを議決している。飛行場拡張反対の議決をしていることは、県議会のみならず、新潟県のあらゆる団体、数多い団体が、これを議決している。地方自治法において議決し、この反対は実に新潟県民の世論となつている。これに対して富樫議員は、無礼千万なことを新潟県議会に申しておる。こういうことを昨日言つておる。「いろいろと反対者がしばしば、しかも執拗に知事に質問している」と言つている。「執拗」とは何だ。かかる無礼な言葉を新潟県議会に投げつけて、これが懲罰にならなくて、何が懲罰になる。(「その通りだ」「無礼と言うのは懲罰だぞ」と呼び、その他発言する者あり)それから富樫議員はまたこういうことを言つている。「そこで、新潟飛行場が果して侵略用のものであるか、いわゆる軍略用のものであるかということにつきまして、もしも新潟飛行場軍略用侵略用のものであるとするならば、それは飛行場というものについての知識のない人の言うことであり、あるいは宣伝せんがためのものであると私は断言いたします。」(「その通り」)行政協定に基くアメリカ飛行場が拡張されるんだ。そこから飛び立つものはすべて軍略であり、戦略なんだ。(「その通り」)もしもアメリカも――アイゼンハワーも、ソ連も平和であるとするならば、アメリカが何を好んで日本の国に、しかもこの山ノ下の新潟飛行場を拡張しなければならないか。ここから飛び立つ飛行機というものは、すべて戦略を中心にし、軍略を中心にしたものだ、それに用いられている飛行場ではないか。現実なんだ。この現実を無視して、しかも、こういうことを言うている者が「宣伝」、こういう言葉で新潟県民を愚弄している。何と言おうか、もし私が他のところに演説をするとしたならば、富樫又太郎君はおそらく――日本の憲法が明治天皇の憲法のときであるならば、日本の国民は彼をスパイとののしるであろう。かかる言辞を、公然と新潟県議会において、昨日いけのうのうとやつている。彼らの企図するところは、意図するところは、アメリカ帝国主義と、アメリカ軍事活動と、アメリカアイゼンハワーの意図するところと無意識のうちに結託をして、新潟を原爆水爆の基地に置かんとする何ものでもないということを、富樫又太郎君に私は言わなければならない。その意味において、原水爆の被害から新潟県250万県民が免れなければならぬために、あらゆる地方自治団体、あるいは婦人団体新潟飛行場拡張に対して反対をしている。それを、飛行場を設置しなければ悔いを100年に残すがごとき――アメリカ原水爆を積んで飛び立つ飛行場を何で設置しなければならないという理由が成り立つか。(「平和のためだ」と呼ぶ者あり)原水爆を積んで飛び立つ飛行機が平和のためであるとするならば、これほどおそるべきところの議論はないのである。(「その通り」)従つて、平和のために、新潟県250万県民を原水爆の犠牲に置かないために、富樫又太郎君を懲罰に付することは、新潟県の平和愛好者の一致するところである。従つて本議会においては、富樫又太郎君を懲罰処分に付することに賛成あらんことをお願いする次第であります。(拍手) ○議長(小笠原九一君) 富樫又太郎君より一身上の弁明の申し出があります。これを許します。富樫又太郎君。   〔富樫又太郎君登壇〕(拍手) ◆富樫又太郎君 一身上の弁明を申し上げます。 結論から申し上げたいと思いますが、私は飛行場拡張反対の決議に対しましては、毛頭これを否定し、あるいは無視するものでないということを、まず申し上げておきたいのであります。 そこで、私申し上げたいことは、政治は水の流れのごとく常に動いておるものと考えております。そこで社会情勢の推移によつて、その適正なる運営をはかつて、これを県政に盛つて、いわゆる県勢の伸展をはかり、県民の福祉をはかるというのが私は政治だろうと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そこで、本飛行場問題が昭和30年の5月24日反対の決議をされました当時の情勢と、今日の情勢とでは、非常に違つておるのじやなかろうか、と申し上げますることは、かつては、いわゆる米軍基地の拡張であつたのであります。しかるに今日におきましては、この米軍基地が日本の自衛隊に返り、さらにこれが民間飛行場に戻されるというような情勢に相なつておるのであります。また、当時は日ソはまだ戦争状態にあつたのでありまするが、御承知の通りに日ソの平和条約は締結されております。さらに平和裏に日ソ貿易はまさに再開されんとしております。 かかる情勢におきまして、わが新潟市がさらに国際都市として進展せんとするときにおきまして、私はこの飛行場というものが、将来新潟県のあらゆる面におきましてプラスになるじやなかろうかという判断のもとに、この段階におけるところの知事のこの飛行場に対する心境を承わりたいというのが私の発言でありまして、決して決議を無視する意思はないということを申し上げて、弁明いたしたいと思います。 以上であります。(拍手) ○議長(小笠原九一君) 10分間休憩いたします。    午後4時5分休憩   ――――――――☆――――――――    午後4時35分開議 ○議長(小笠原九一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより懲罰動議の採決を行います。本動議の採決は無記名投票をもつて行います。立会人は先例により5人と定め、議長の指名により決したいと思います、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小笠原九一君) 御異議なしと認めます。よつて、議長は   佐 藤 政 治 君    高 山 富 三 君   大 竹 竹三郎 君    市 川 俊 雄 君   近 藤 祿 郎 君を指名いたします。 議場の閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕 ○議長(小笠原九一君) 投票用紙を配付いたさせます。   〔書記投票用紙を配付〕 ○議長(小笠原九一君) この投票は無記名投票であります。諸君のお手元に配付いたしました投票用紙に本動議に賛成の諸君は賛成、反対の諸君は反対と記入の上持参し、演壇において投票せられんことを望みます。 氏名の点呼を命じます。   〔書記氏名を点呼〕   〔各員投票〕 ○議長(小笠原九一君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。 投票箱閉鎖。 投票箱を開き、投票総数を計算いたさせます。立会人は御登壇願います。 議場の開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔書記投票を計算〕 ○議長(小笠原九一君) 投票人数54人、投票総数54票であります、投票人数と符合いたします。 これより投票を点検いたさせます。   〔書記投票を点検〕 ○議長(小笠原九一君) 投票を点検いたさせましたところ、総数と符合いたしませんので、議長においては立会人の意見を聞き、投票をいま一度行います。   〔「どうして合わないのだ」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小笠原九一君) 1票多いのです。   〔「そんなばかな話はない」「休憩せよ」「休憩々々」と呼び、その他発言する者あり〕 ○議長(小笠原九一君) 暫時休憩いたします。    午後4時45分休憩   ――――――――☆――――――――    午後6時1分開議 ○議長(小笠原九一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 さきに宣告の通り、懲罰動議の採決を再度の投票により行います。 立合人は先ほどの5人の方にお願いいたします。 議場の閉鎖を命じます。   〔議場閉鎖〕 ○議長(小笠原九一君) 投票用紙を配付いたさせます。   〔書設投票用紙を配付〕
    ○議長(小笠原九一君) この投票は無記名投票であります。諸君のお手元に配付いたしました投票用紙に本動議に賛成の諸君は賛成、反対の諸君は反対と御記入の上持参し、演壇において投票せられんことを望みます。 氏名の点呼を命じます。   〔書記氏名を点呼〕   〔各員投票〕 ○議長(小笠原九一君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。 投票箱閉鎖。 投票箱を開き、投票総数を計算いたさせます。 立合人は御登壇願います。 議場の開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔書記投票を計算〕 ○議長(小笠原九一君) 投票人数59人、投票総数59票であります。投票人数と符合いたします。 これより投票を点検いたさせます。   〔書記投票を点検〕 ○議長(小笠原九一君) 投票の結果を報告いたします。    賛成    16票    反対    37票    白票    6票 右の結果、雲尾東岳君外15名提出の懲罰動議は否決いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問について ○議長(小笠原九一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。通告順により発言を許します。市橋長助君。   〔市橋長助君登壇〕(拍手) ◆市橋長助君 当面せる県政の問題点につきまして、率直に当局にお伺いせんとするものであります。 第1に、本県に誇るところの有能なる試験研究機関と申しますると、やはり農事試験場であるのでございます。その系統機関19カ所ございまするが、本年度の予算のうち、研究費及び需用費の総額は2,189万6,702円でございまするが、一方県議の中の若干のお方は、工業試験所の予算は農事試験場に比して貧困であるという所見を持つている方もございますけれども、工業試験場7カ所の本年度の予算中、試験研究費及び需用費の総額は2,092万4,350円でございまして、農事試験場予算総額より約5%少いのでございます。さらに、これを本県統計課中小工業者総数1万2,408の経営者数に割り当てますと、工業試験場試験研究費は、1人当り約1,800円になるのでございます。一方農事試験場におきましては、農家総戸数と申しますると、21万2,162戸でございまして、1戸当りの試験研究費及び需用費の総額は103円に当るのでございます。さらに専業農民の人口数51万3,162人にこれを割り当てますると、実に農民1人当りの試験研究費需用費は4円27銭になるのでございます。一方、工業方面のいわゆる従業員数当りの状況を見ますると、従業員10万805人に対しまして、1人当りの同予算の金額は208円に該当するのでございます。それは先ほど申し上げましたごとく、専業農民1人当りの4円27銭と比較したならば、実に47倍の計数が物語つておりますように、決して農民に対して試験研究費が過重であり、商工中小企業に対して薄いということは理論的には成立しないのでございます。私は、かように相当の予算を持ちながら、何がゆえに工業試験場関係の性能が上らないかということを、われわれ議員としては追及する義務があると思います。 そもそも農業生産というものは、第1次生産でございまして、非常に原始的のものでございまするが、本県におけるところの工業生産というものは、第2次ないし第3次加工のいわゆる近代技術を要するものでございまして、各専門家の意見を聞きましても、新潟県の中小企業に指導費を投ずるとしたら、少くも10億の設備資金と、年間試験研究費その他の諸経費約1億を要さなかつたならば、今日におけるところの新潟県の中小企業の目的を達しないということは、各界の意見でございます。しかし本県のごとき貧困なる財政をもつては、かかるごときはとうてい望み得ない事実であるということは皆様御存じの通りであります。たとえばこれを静岡県の例に見ますると、静岡県の工業試験場は全国に冠たる総合試験場を持つことは皆様御存じの通りでございまするが、この試験場設備内容の一端に触れまして、一個の輸出木製品の例を見ますると、工作機械、金属、染色、木材乾燥一般にわたりまして総合研究の結果、ようやくあの幼稚なおもちや程度のものが外国輸出に耐えるのでございます。同試験場総務部長をして言わせたならば、僕の県の試験場をもつてしては、とても近代工業に打ち勝つことはできないということを申しているのでございます。 一たび翻つて見まして、各県におけるところの試験研究費を参考に見ますると、近代工業を誇る福岡県におきましては、工業試験場試験研究需用費は2,811万5,500円でございます。同じく兵庫県におきましては581万7,000円でございます。神奈川県は3,205万7,000円でございます。これらの工業県というものは、本県から比べまして、いずれも進歩せる近代科学の設備を持つ工場を持ちまして、その生産額も本県に数倍することは御存じの事実でございます。しかも、これらの試験場の近き将来における計画等を考えましても、本県試験研究費のうち、工業試験場関係費は、一部議員が唱えるような僅少のものではないのでございます。 そこで、私はここに知事さんにお伺いしなければならぬことは、年間試験研究費の2,000万円をこえる金額と、その他の諸経費年間合せて実に3,000万円に近い工業試験場試験研究費が投ぜられているけれども、果して現在の新潟県における中小企業にアツピールするだけの何ものを得ているかということについて、私たちは考えなければならぬと思うのでございます。たとえば栃尾の織物におきましても、その試験研究の大部分を三菱系統試験研究機関に依頼しているのでございまして、決して新潟県の中小企業に対するところの工業試験場にたより得ないということは、同業者のひとしく認める事実でございます。むしろ、私たちは現在のいわゆる応急処置といたしましては、長岡の新大の工学部に対して試験研究の委託費を供給しまして、現在における中小企業の現段階の行く道を開いてやることこそ、実に中小企業に対する親切の道であると思いますが、これらの問題について知事さんはどういうお考えを持つか、御所見を承わりたいと思うのでございます。しかし問題の根本は、決してこうした暫定処置によつて新潟県の中小企業が救われるものではございませんで、静岡県の試験場総務部長さんがおつしやつたがごとく、実に一県の力をもつての近代科学工業の指導なんということは、おこがましいことでございまして、数県連合いたしまして、北陸試験場を誘致しなければならぬと思うのでございます。この点につきまして、知事さん、今やわが貧困の財政をもつてしては何らなすところはないのでございまするがゆえに、近県と相待ちまして、新潟県に必要なる国立工業試験場を誘致することが、本県中小企業を救うところの当面の急務であると思うのでございますが、これらに対して知事さんの御所見を承わりたいと思うのでございます。 第2の問題は、自分の地元に関係あるような問題でございまするけれども、日米行政協定によりまして佐渡においての日米両軍の基地の輸送関係の本県におけるところの県道の被害状況の問題でございます。隣県の内灘に参りますると、ここは本県の道路課長さんの前任地だと私は考えているのでございますが、あの猛烈なる基地反対闘争の結果、漁港において1億円、県道において3億円、農地関係において5億円、計約9億円のいわゆる補償料というものをもらつているのであります。また、同じく能登半島の七尾の郊外にあるところの能登のレーダー基地におきましては、約3億円の県道その他の金を調達庁から受けておるのであります。しかるに、わが佐渡におけるところの先輩各位におきましては、この重要なる金北山にレーダー基地を設置するとき、この戦いに際しまして、県道舗装の好機を逸したということは、本県県民各位に対してはなはだ申しわけがないことでありまして、佐渡人の一人といたしまして、遺憾の意を表するものではございますけれども、現在におけるところの佐渡レーダー基地防衛道路・両津間の道は、11トン車というところの大型車両によりまして、いわゆる制限外の速度を出しまして、日本側の自動車は彼らの車が通るときはよけて通らなければならないという状況であります。ただ佐渡の道のよくなるときは、宮様、皇族がおいでになるときのみで、佐渡の道がその前後によくなるということは、新潟県民、観光においでになる方のひとしく知つている事実でございます。佐渡人は、御承知のごとく佐渡の道を宮様道と申しております。ということは、宮様のおいでになる前後だけ、宮様の観光に便益を供給するためによくなるのでございます。こういう悲惨の防衛道路・両津間の状況に対しまして、御当局におきましては、調達庁から金を取つて舗装をしていただくというところの熱心なる御尽力をしていただいておるのでございまするが、現実の姿から見ますると、この6月13日、参議院の建設委員各派代表であるところの3人の方がおいでになつた場合において、三重県あるいは滋賀県は、いずれも基地があるけれども、君たちのように、基地ができてしまつたあとから文句をつけて金を取つたという例はない。知事以下佐渡島民の努力というものは実に大したものだと申しているのであります。昨年度におきましては、知事様の御尽力によりまして700万、本年度におきましては、1,000万円の行政協定補償費を獲得したものでございますが、しかし、わずかのこの補償費でございましては、この赤字財政下において、これらの駐留軍によるところの被害を救う何らの力のないことは、皆様御存じの通りの事実でございます。そのとき各派代表参議院議員の方々によつて言われたことは、32年度以降は調達庁行政協定による補償予算は取る見込みがないから、むしろ本問題を建設省に移してはどうであるか、そのとき僕らは紹介議員たることはもちろん、その実現に努力してくれるということを申し立てているのでございます。 また、私たちは別の口といたしまして、最近米軍の北日本海方面司令部ノーウエツト中佐及び同参謀と、私及び佐渡の町村長の諸君が会見をしたのでございますが、その席上においてノーウエツト司令官は、今後もこの防衛道路・両津間の道の舗装その他には尽力は申し上げるが、しかしその前途は容易ならざるものがあるということを英文で申しているのでございます。また私自身も、今日に至るまで実に13回にわたる中央の折衝を試みたのでございまするが、その情報はいずれも悲観的でありまして、あと残せるところの2年間におきまして1億2,000万円の舗装費の獲得ということは非常に困難を感じているのでございます。あたかもこれを裏づけするがごとく、本月18日、全国におけるところの34のレーダー基地は、いずれも日本軍に引き渡される調印が日米間に行われているのでございます。かような状態でございまして、調達庁による防衛道路・両津間の舗装費の獲得の運動は、実に最悪の事態に飛び込んでいるのでございます。御当局におかれましては、今後なおわれわれ佐渡人と見解を異にいたしまして、調達庁より予算を獲得するところの自信がおありになるのでございましようか、この御見解を承わりたいと思うのでございます。 なお私たちのお願いし、また訴えなければならぬことは、駐留軍におきましては実に郊外40キロのいわゆる速度制限を突破したるところの60キロ以上ある速度をもちまして、防衛道路・両津間を飛び歩いているのでございます。これは警察本部長さんに一番お願いしなければならぬ問題でございまするが、われわれ日本人は、わずかの交通事故においても科料なりその他の処罰を受けておるのでございます。米軍であろうとも、レーダー基地以外においては日米平等の国内法に従わなければならないのにもかかわらず、何がゆえに米軍に対しては国内法の違反を認めておるかということについて、まず本部長さんの御所見を承わらなければならぬと思いますし、将来これらに対していかなる処置をおとりになるか、また現在米軍におけるところの被害に対していかなる救済策を行うかということについては、あわせて知事さんの御所見を承わりたいと思うのでございます。 さらに、この問題は知事さんに深く感謝はいたすものでございまするが、知事さんの政治力を信頼しまして、佐渡の町村長や佐渡の県会議員の諸君は、必ずやこの防衛道路・両津間の舗装は調達庁によつて実行されるということを確信し、島民の諸君に訴えたのでございまするけれども、今申し上げた通りに、内外の情勢は最悪の事態に飛び込んでいる場合におきまして、本年度におけるところの1,000万円の行政協定の局部改修費の若干、私の見るところでは約400万円の金は余剰するのではなかろうかと想像しているのでございますが、この400万に対して、佐渡の総合開発の協議会会長である羽茂の村長さんは、せめて僕らの顔を立てるために、この400万円だけでもよろしいが、防衛道路・両津間の舗装をして、われわれの顔を立てていただかなければならない――実にこの点は知事さんを初め土木部長さんその他の方々に、そのできるかできないかということにつきまして、ぜひお願いをしてみていただきたいということを羽茂村長は申しておるのでございますが、この点に対して可能の有無を――きようは土木部長さんは御都合でいないから、知事さんないし副知事さんから承わりたいと思うのでございます。 第3の私の問題は、副知事さんにお伺いしたいと思うのでございます。近来土木出張所関係の職員は、実に日曜もなく、年間働いているということは御存じのことであろうと思いまするが、しかるに、申しにくいことではございますけれども、4時になると、さつさつと退庁するところの職場関係の職員や、日曜を休める境遇にあるところの部の職員と、年間働いている職員とにおいて、超過勤務手当を平等に割り当てているということは、これらの現場職員のいわゆる心の点に対して悪い影響を与えるのではないかと思うのでございまするが、むしろ、これは仕事の実績を中心として割当を変更する御意思があるかないかということをお伺いしたいのでございます。 さらに、私をして言わしむるならば、本県の気象条件という悪条件を突破しなければならない場合におきまして、なぜ早期着工ができないか、また、なぜ工事の監督が十分にできないかということを申しましたなれば、土木部長さんは委員会におきまして、これは技術職員の不足が原因であるということを申しておるのでございます。これはわれわれも認める事実でございまするが、問題は、技術職員というものを十分に現場に配当する御意思があるかないかということを承わりたいのでございます。もし現在の状況におきまして、監督不十分で土木工事が不正であるとか、不正でないとかいう問題を惹起した場合におきましては、それらは弱い現場の土木職員がその責任を負わなければならないのでございますが、むしろ私をして言わせたならば、シナ流に申し上げたならば、かような十分の監督を実行し得ないところの状況に追い込めているものは、むしろ県の首脳部において人員配置の不適当から生まれたものであるということを申し上げなければならぬと思うのでございます。これは本県の土木行政上における重大なる問題でございまして、事務の最高責任者であるところの副知事さんから、はつきりした、いつまでにこの土木関係技術職員の充実をやるかということを承わりたいと思うのでございます。 最後にお伺いいたしたいことがございます。これは、私の研究不足の結果であるかもしれませんが、北村知事さんにお伺いしたいのでございます。知事さんは農林行政の権威者であることは御存じの通りであり、また事業界の苦労人でもございまするが、戦後における急速に進歩せるところの合成化学工業と、内外の政治経済情勢の変転は、好むと好まざるとを問わず、米の統制撤廃は時間的に不可避の問題であります。やがては安い外米の輸入となり、農村経済に大きな打撃を与えることは避くべからざる事実であります。その時期までに、土地改良によるところの借入金の償還の大部分をなし得た農民はよろしゆうございますけれども、そうでない農民は、重い土地改良の負債を背負わされる結果になるかと思うのでございます。ゆえに、私は土地改良に対する対策の変更を求めざる限りは、今後短期間に土地改良の起債の償還をする計画を実施するか、しからずんば大部分を自己の資力によりまして工事を執行し得るものを除いて、単に土地改良熱に浮かされて、自己の資力を省みざるところの土地改良は、深く警告すべきものではないかと思うのでございます。かつて明治、大正、昭和の初期にわたりまして、起債を唯一のたよりとしたところの土地改良事業の負債が、米の暴落によりまして、その起債元であるところの勧銀に対する負債の償還が困難となり、大地主や都市の資本家による借入金の肩がわりという形態によりまして、ついに農地が資本家の手に移つたという歴史を幾たびも見るのでございます。すでに本県下におきましても、土地改良負担金の償還に困つている農村が幾つもあるのでございます。また政府の借入金も閉ざされているというような土地改良区もあるのでございます。かくして、これら農民の行くところは、高利の民間資金の借り入れとなりまして、形態の変つた地主制度が生まれるおそれがあるのでございます。いな、現に貸金担保という親しい形態で地主制度が生まれているのでございます。私は知事さんに対しまして、政府の木材糖化を原料とするところの合成食糧の工業化の政策が、農村経済の将来にいかなる影響を及ぼすかということを勘案しまして、この土地改良に対する知事さんの指導方針を最後にお伺いいたしたいと思うのでございます。 疲れているでの、少し聞き取りにくいところがありましたけれども、お許し願いたいと思います。(拍手)   〔知事北村一男君登壇〕 ◎知事(北村一男君) 市橋議員が研さんを傾けられて工業試験場農事試験場の比較をなさいましたことは、私は非常に関心をもつて傾聴いたしました。しかし、ここに考えなければならぬことは、農業は単一の試験研究でございますし、工業というと、繊維あり、木工あり、金属あり、多種多様の研究でございますから、経費が接近しているというようなことは、これはやむを得ない現象であろうと思うのであります。しかし、この御研究は私初めて承わつたのでございますから、今後これを貴重な参考資料といたしたいと考えております。栃尾あたりで繊維の試験研究に、三菱系列の主体の試験研究を利用されて、県の試験場などは役に立たないようであるというお話でございますが、これは栃尾の人が利口だから、県の試験場より、設備の備わつておる大資本家の研究所を利用するのでありますから、けつこうなことである、こういうように考えております。しかし、さりとて県の繊維試験場は要らぬかというと、手つとり早くいろいろの試験をし、研究をしてもらうには、これは相当効果を上げています。でありますから、両々相待つて進むことがよろしい、かように考えております。 それから、こういうものは一つ総合研究するために、中央に県で総合試験場を設けたらいいんじやないか、こういう御説でございますけれども、これは県議会議員各位一人々々に対して、すなわち自分の御出身のところの試験場、たとえば市橋議員のところの水産試験場の分場をやめたらどうか、こう言つたつて、あなたは御賛成にならぬでしよう。でありますから、成りたつたのには相当の歴史的背景がありますから、簡単に持つてきて、県のまん中に試験研究機関を設けるなんということは、これは提案したつて、なかなか実現ができない。だから、こういうものを作るときは、よく研究して作らなければならぬのであつて、ただ散漫にこういうものを設けることは今後はやりません。今までは仕方がなかつた。私が就任前のことをお尋ねになつたつて、これはしようがないのであります。でありますから、そういうことはいいとは考えますが、実行がなかなか困難である、こういうふうに考えます。 それで一つ北陸ブロツクでも作つて、試験場を作つたらどうか、これはやがてそうなりましよう。道州制というものが、私がかねてから申しているように、台頭して参つておりますから、もしも北陸州とか、東北道というようなものができましたときは、いやでもおうでも、試験場というものは統制されて、りつぱなものができる。だから、これは市橋議員の先見であると私は考えております。 それから佐渡の防衛道路について御要望がございましたが、実は私はあした――これは市橋議員にも再三お話ししているのでありますが、日本の調達庁では弱過ぎるのであります。日本の調達庁では弱過ぎるから、私は日本人で日本の官庁を信用しないということではないけれども、この防衛道路の舗装に限つては、やはり極東空軍に折衝することが一番有効適切であると考えまして、今日まで折衝をいたして参つております。ところで、この7月1日に、あるいはまた延びるかどうかしれませんが、聞くところによれば、極東空軍はマニラに移駐するということを聞いておりますので、実はあすの朝私は――向うでは私が行くと大きな声を出すものだから、いやがるけれども、極東空軍に行つて、この問題の促進をはかりたい。問題の解決もせぬで、逃げ足早くマニラに行くことはけしからぬじやないか、こういうことを申し入れて、解決をはかりたいと考えております。だから、相手は調達庁でなくて、私の相手は極東空軍である、こういうふうに御承知願いたいのであります。 それから、1,000万円の残り400万円を舗装にしろという要求でございますが、私はこういうけちな考えを持つてない。1億5,000万円かかるなら、1億5,000万円かけて舗装したらいい。10キロを舗装すれば御満足になるのでしよう。でありますから、10キロの舗装を私はしたい。だから、400万円なんということは、今私は問題にいたしておりません。 それから、これは副知事が答えると思いますが、技術職員が足らぬから充足したらどうか。これは御説のように、かねてから私が考えておることでありますが、県には定数というものがございます。きのうも小田議員の御質問に対してお答え申し上げたように、ただいま各方面の技術員というものは不足しているのであります。事務職員が余つていると言うと、余りものに値なしみたいになりますから、私は余つているとは申しませんが、比較的多いということは申し上げてよろしかろうかと思うのであります。今後採用に当つては、事務職員の採用を押えて、技術職員をもつてかえていきたい、こういう方針でいることは、昨日答弁申し上げた通りでございます。今さしあたりどうかと仰せになつても、定数を動かすことはできませんから、この時期を待つていただきたい、こういうふうに考えております。 それから、米の統制撤廃は私は当分できない、また、してはならぬことである。おそらくは米の統制撤廃を主張する政党は私はないと思います。そんなことをすれば、選挙のとき農民の票が集まりませんから、こんなことは言えるものではございません。だから、東南アジアで米が幾らできようとも、それはよその国のことでありまして、わが日本においては統制撤廃はできない。また他日私が国会に席を持ちましたとしても、私は統制撤廃には反対いたします。でありますから、米の統制撤廃は、もう20年とか30年先を期限にして仰せになるならば、私は予測はできませんが、当分今やつている土地改良の融資は、御承知のように完成後15年間に大体地元負担金の8割を借りて返すことになつております。その返還を終るまでくらいの期間を限つて申し上げまするならば、私は米の統制撤廃というものはない、こういうふうに考えております。またやつてはならないことである。何となれば、戦時中から今日まで、米の統制で犠牲を払つたのは農民である。でありますから、少々食糧が潤沢になつてきたといつて、農民の好まない統制撤廃をするというような勇気のある政府はないと私は考えます。でありますから、私は市橋議員と見解を異にいたしまして、当分統制撤廃ということは考えなくともよろしいのじやないか。従いまして、今御心配になりました土地改良の自己負担の8割を借り入れた、これを返すために土地を売るようになる、あるいは高利を払うようになる、こういうような御心配はないと私は考えますから、土地改良熱に浮かされているおそれがあるから、警告をしてはどうかという仰せでございますけれども、今のところ警告の意思を持つておりません。それで、もし万一市橋議員の御心配になるような統制撤廃になつて、米価が暴落する――統制撤廃になれば、米が暴落するかどうかはわかりませんが、かりに米の値が下つて、金を返さないときは、これは社会党のお株をとつて申し上げるようで、はなはだどうかと思いますけれども、国家でそれくらいの金は補償しなければならぬ、こういうふうに考えておりますから、土地改良によつて農民が損をする、農民に迷惑がかかるというような政治はやつてはならぬし、また、しない、こういうふうに考えております。大正時代の例をお引きになりましたが、大正時代と今日は、社会情勢、政治情勢が異なつておりますから、私は御心配のようなことはない。しかし、これはいつも申すように、今転落した知事の立場で申し上げるのであつて、国会に関することですから、他日私が国会に席を置いた場合には、こんなことはさせない考えであります。こういうことに御了承願いたいと思います。   〔副知事鈴木武男君登壇〕 ◎副知事(鈴木武男君) 技術職員の不足の問題につきましては、ただいま知事から答弁されましたので、御了承をいただきたいと思います。その前にお尋ねのございました土木出張所その他の職員で、土曜、日曜日にも精励しておる者に対する超過勤務手当の問題でございますが、これにつきましては、昨年の秋だつたかと思いますけれども、いろいろ問題になりまして、でき得る限り実情に即するように配分をいたしたいということで検討をいたしまして、ある程度調整をいたしたのでございます。なお今後も、県庁のような総合行政をやつておりますると、事務の繁閑というものはどうしてもございますので、その実情に、そのときそのときに応じて、災害等が起きますれば、また特別に忙しいこともございますし、そういうような事情に応じて調整をはかつていきたいと存じております。ただ超過勤務手当は、予算総額において本俸の3%を計上しておつたかと記憶いたしておりますが、かように金額が少いのでございまして、十分な支給が出し得ない実情にあるかと思います。この点は財政との関係もございまして、新潟県におきましては幹部職員には――国家公務員については管理職手当が出ておるのでございますが、これも全然出していないという現状でございまするので、予算計上は、このパーセンテージで少いとは存じますけれども、財政の好転を待つて善処していきたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)   〔警察本部長中野正幸君登壇〕 ◎警察本部長(中野正幸君) 市橋議員の御質問にお答えを申し上げます。 佐渡におきまして米軍の11トン車が非常なスピード違反をしておる、日本人の車はよけて通るというお話でございます。これについて、実は私まだその報告を受けておりません。まことに残念でございます。市橋議員に伺いまして、さつそく調査させておる次第であります。さようなことがございましたら、御承知でございましようが、駐留軍の軍人軍属といえども、さような道路交通取締法その他の国内法規を守るべきことは、御指摘の通り行政協定にちやんと明文の存するところでありますし、その手続につきましても刑事特別法がちやんとできておりまして、別に米軍だから、認めているという意思は毛頭ございませんので、今後はレーダー基地の司令官等を通じて警告いたしましたり、現実に事故等がございましたときには、これにつきましては日本人の車と同様に取締りをいたしたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。   〔市橋長助君登壇〕 ◆市橋長助君 知事さんにお伺いいたしたいことは、米の統制撤廃の問題については私と見解の相違でございますが、現に木材の糖化、いわゆる合成食糧、これの本年度における国家予算が5,000万円計上されまして、熊本県に試験場が設置されるのでございますが、木材1反歩当りの合成食糧の能率は、水田の5倍に当る現況でございまして、たとい外米の輸入があるとないとにかかわらず、この近代化学におけるところの合成食糧というものは不可避の問題でありますが、この問題に対して、米価の将来に影響があるかないかということを、知事さんにいま一たびお伺いいたしたいと思うのでございます。 それから第2には、防衛道路・両津間は佐渡における最大の交通量がありまして、舗装の急務なることは、本県議会及び知事さんともに認める事実でございまするが、昨年、本年2カ年にわたるところのこの両津・相川間の地方主要道の舗装計画を見ますると、当然主点を置くべきこの地区に対して、舗装をなさずして、申し上げかねることでありまするが、人口12万のうち、わずかの収容力しかない地区のみにこれが専念させるということは、佐渡島民に非常に――何かこの地点に土木出張所があつたり、あるいはまた本年におきましては土木出張所の新庁舎を作つて寄付したり、あるいは土木出張所にその町の自動車をただで貸しておるというような事実がありまして、島民全体は、交通量の少い地点に対して舗装を繰り返し、全県民、知事さんともに認めるこの重要地点に対しては、調達庁から取る取るというかけ声のみであつてこれを舗装しないということは、いかなる理由であるか。また、かようなる不公正な――いわゆる現実の被害と利用度の見地から考えましても、この防衛道路・両津間に主力を置いて、本年度舗装工事計画を変更する意思があるかないかということを、知事さんにお伺いしたいのでございます。 それから第3に、副知事さんに再びお願いして、お聞きいたしたいことは、定員があるとは申すけれども、技術職員の定員不足の結果、土木工事が監督が十分にできないで、部下の手落ちがあつた場合、この部下に対していかなる責任処置をやるかということを、副知事さんに第3点としてお願いしたい次第でございます。   〔知事北村一男君登壇〕 ◎知事(北村一男君) 重ねて市橋議員にお答えいたします。 かつてイモ澱粉から人造米というのを作つたことがございます。国会においても、私は農林関係でありましたから、よく知つておりますが、すしを作つたりして、いろいろ宣伝して、農林省もかなり力こぶを入れた時代があるのでございますが、ついに日の目を見ないで終つてしまつた、こういう事実があるのでございます。今御指摘の木材糖化――木材は学理上から澱粉を糖化するということで、砂糖になるという試験研究は一応できているそうでありますが、これも輸入してきた砂糖と比較いたしまして、味はどうであるか、値段がどうであるかというような比較については、私は承知いたしておりません。えて珍しいものができると、世間では飛びつくものでありますが、これが直ちに食糧のかわりになる、木変じて米となるというようなことは、そうたやすくできるものではない、できたつて、けつこうでございますが、私はそう簡単にいくものではないと思う。やはり一番安くて、一番味わいがよくて、一番保存、貯蔵のきくものは、水稲からできる米である、こういうふうに私は考えております。木材で食糧を作る工業が起きるというのなら、これもまたけつこうである。どうせ日本の米の絶対量は足らぬのでございますから、国内の生産でまかない得れば、けつこうなことであると思いますが、私の見るところ、そう簡単には参らぬ。ことに今外貨の問題で、つまり輸入が多過ぎるということで、政府が引き締め政策をとつて、中小企業などにも影響を及ぼしている今日でありますから、せめて国内のもので輸入食糧を防遏できれば、日本にはそれだけプラスである、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから防衛道路につきましては、先ほど申し上げたように、あした私はアメリカの極東空軍の司令部に参りまして、折衝を重ねる考えであります。市橋議員は非常に悲観なすつておりますけれども、向うから手紙が来ておりますのを見ますと、私はあまり悲観をしておらぬ。楽観もしておらぬが、悲観もしておらぬ。やり方次第では、これはできないことはないのじやあるまいか。アメリカでも、私があまりやかましく言うものですから、できないなんということは言い出しかねているかもしれませんが、私にはほどよい返事をしております。あるいは私は人がよくてだまされているのかもしれませんが、だませば承知しません。ですから、あした行つてみないと、私はできるとも、できないとも、ここでお答え申すことができませんから、今調達庁に折衝しろとおつしやつたつて、にわかに方向を変更して調達庁というわけには参りません。私が帰つてくれば、またお打ち合せ申し上げますから、どうかそれまでお待ちを願いたいと思うのであります。   〔副知事鈴木武男君登壇〕 ◎副知事(鈴木武男君) 技術職員の不足の問題につきまして、定数がある関係で、直ちに十分な充足ができないという問題について、重ねての御質問でございますが、人数の少いという実情に対しましては、事業の面においていろいろと研究をいたしまして、でき得る限り少人数でこなし得るような措置を指導的にとつておるのでございます。たとえて申しまするならば、直営事業でやるのが望ましい工事でありましても、これを請負に回すといつたような方法で処置をいたしまして、少人数なるがために、特別の事故の起きないように考慮をいたしておる。同時にまた、職員の方におきましても、優秀な職員でありまするので、十分にこれだけの仕事はこなしてくれるものということで、特にこれがために格別の責任問題が起きるようなことはないというふうに考えておる次第でございます。   ――――――――――――――――― ○議長(小笠原九一君) 次に、横内権之助君の発言を許します。   〔横内権之助君登壇〕(拍手) ◆横内權之助君 時間がおそくなつたので、ごく簡単に結論だけ申し上げます。 まず第1に、知事さんにお聞きしたいことは、今新潟県において土地改良の事業は年間30億ないし40億に近い事業をやつている。このことは、さまざまな農民の要望があります。反当収入の増加もありますが、ことに考えておるのは、いかにして土地を高度に使うかという土地の高度利用、やがては、そのことによつて、農業の経営を根本から変えていくというのが、ほんとうの農村の念願であり、それによつて土地改良が行われておるものと考えます。そこで、米はなるほど増産の態勢に進んでおります。しかし、ここに考えるのは、今新潟県の農民はどうしても米一本では生活がうまくいかない、従つて、家畜をここに入れて、どういう方向に持つていつて、農村を建設するかということを、非常に考えておると思います。このことは、畜産行政の面において知事も考えておられますが、問題は、この畜産をほんとうにりつぱなものに持つていくには、どうしても飼料の問題が今の新潟県の農村に課されておるのであります。これが全部買い立ての飼料であつては、われわれ畜産行政は失敗に終ると思います。従つて、少くとも半分以上の飼料は、その土地からとらなければならぬと思います。また今の農村の多収穫の問題につきましても、これは乾土効果をねらつた土地改良をやつた結果、暗渠排水等をやつております。今の増収本位であれば、これはやがては略奪農法になつて、将来日本の農地というものは老朽化の速度が非常に早まつてくると思います。こうした関係から考えましても、どうしても畜産と並行していかなければ、新潟県の農業は決して進歩はしないと思うものであります。 そこで、今土地改良の事業は進んでおりますけれども、二毛作の点において、裏作の点においては、富山、石川より年々減つておるのが現状であります。これはどういうわけであるか、ここは知事に深く考えてもらいたいことであります。前にも申し上げました通りのような傾向から、この老朽化を押えるという問題と、畜産行政というものを入れた総合経営でなければ、今後の農村はりつぱにならぬという立場から考えまして、どうしても裏作というもの、麦、菜種また緑肥の問題、飼料の問題に関連した本田と裏作の総合的な施策がここに起きなければならぬと思います。この点につきましては私は常に考えております。土地改良を今後新潟県が当を得れば、施策があれば、少なくとも4月になつて4割や5割青くすることはでき得ると思うのであります。このことなくしては、ほんとうの今後の農村というものは、なかなか容易じやないかと思うものでありますが、知事はこうした点に対して、いかなる今後の所信があるかを承わりたいのであります。 それから漁村の問題であります。ことに北蒲原関係におきまして、なおさらそうでありますが、御案内の通り新潟の港から岩船の港の間は、あの長い間に漁港というものがほとんど一つもない。従つて、沿岸漁民が漁業の振興をはかろうと思つていながらも、ああいう小さい船では行けないので、どうしても5トン、10トンの船をもつて少し遠い海へ出なければならぬようになるのだと思うのでありますが、ここにしけの場合に入る漁港がないということにおいて、これもちゆうちよしている。私は漁村へ行きまして、協同組合を作つて、そうして、そうした一つの新しい政策の上にやつたらどうかということを言つたら、漁村の方々は、やはり港がなくては困るということを申されたことがあつたのですが、今の漁村は、そういう関係で、勢い農業の方向へ進んできております。しかし農業といいましても、御案内の通りのあの砂丘地帯でございます。北蒲は、新潟県の約2万町歩の砂丘のうち、5,000町歩になんなんとするような巨大な砂丘地帯を持つておるところであります。その巨大な砂丘地帯で、労力を費して百姓が経営をやつておるという現状であります。これも一つ知事の考えを承わりたいのですけれども、この砂丘地帯の試験の結果を見ましてもそうでありますが、どうしても水の問題が大事であります。水の問題が解決しなければこの砂丘地帯の開発は成り立たないと思うので、この砂丘地帯の開発の根本といたしまして、国営もしくは県営事業として畑地灌漑の基本計画を立てる必要ありやいなやということを承わりたいのであります。 次に山村問題であります。新潟県は全国において5位であるか、6位くらいの山があるのでありますが、ここで、この最も山の多い新潟県が、なぜ思うように山かせぎをしないかということは、やはり道路の問題であると私は考えております。ともすると、日本の道路政策は、消費道路を重点的にやつて、産業道路というものを等閑に付しているような観があるのであります。またドイツの土木行政の本をちよつと見ますと、消費都市の道路よりも、産業道路そのものに重点が置かれているということを考えますとき、日本のような国土の狭いところの産業の開発には、どうしてもこの道路がまず先決問題だと思います。これはひとり林業の開発ばかりでなく、今後山脈においては、あらゆる鉱山、鉱物があるのであります。金あり、銀あり、すべてのものがある。聞くところによれば、今越後山脈の中にもウランがあるのじやないかという声がぼつぼつ聞えております。こうしたことを考えるにつきましても、どうしても人の入れるようにしなければ、新しいところの開発は不可能であるという観点に立ちまして、東北の振興という国家の考えられていることを知事も考えられまして、越後山脈の横断道路の開発を考えてもらわなければならぬが、こういうことに対して知事はどんな御意見であるか、お聞かせ願いたいのであります。 それから機構改革の問題であります。これは土地改良の事務所の話でありますが、きのう小田議員さんから御質問があつて、知事さんは、今のところ、これでいいんだというお考えであつたと思いますが、このことにつきましては、知事さんもさまざまに考えておられると思います。県庁は中之島の事件から関連いたしまして、機構の改革をやつている。農地部長の制度を確立した。こういうことに対しては、まことにわれわれも感謝の念を持つておるのであります。こうしたことにつきましても、県の協会の役員の中において寄り寄りいかにすべきかということを考えているので、近いうちに知事さんとさまざまな御相談を申し上げたいと思いますから、このことに対しても、知事さんはいいことであるなら、お耳を貸していただきたいと思います。これはよろしくお願いします。 それから町村合併の問題でありますが、知事は、勧告をしたこの町村合併を今後このままでいくのであるか、またはどういう方向へ進むべきか、総理大臣に申請して勧告の要請をする意思があるかどうか。またこの問題に対して、町村合併というものは非常に微妙な影響があるので、まあ北蒲であれば、佐々木村のごとき、住民が非常に困つているところの現状をわれわれ考えまして、この勧告について今後の取扱いと知事の所信を承わりたいのであります。 それから、これはちよつと的はずれでありますけれども、知事さんは知事会議において全国第1位の折紙をつけられておるようでありますが、原爆の被害というものにつきまして、日本国民は非常に被害をこうむつておる。こういうところから考えまして、原爆によつてどれほどの被害があるかということは、これは調査をしなければならぬと思います。また、きようの夕刊におきましても、きれいな原爆ができるということを米国が考えられておるようでありますけれども、それはそれといたしましても、この原爆の被害調査というものについて、知事会議において知事さんは、イギリス、アメリカ、ソ連へ向つてこれを請求するような考えを発言してもらうことができるか、できないか、承わりたいのであります。 以上であります。(拍手) ○議長(小笠原九一君) 定数を欠くおそれがありますので、なるたけ御退席をお見合せ願います。   〔知事北村一男君登壇〕 ◎知事(北村一男君) お答え申し上げます。 大体横内議員の御質疑になつた有畜農業といい、裏作の問題といい、漁村の問題といい、私が常に説いておるところを御質問になりましたので、自問自答なすつた形があるのだが、自問の点について、また自答なすつた点については、私は大体同感でございます。有畜農家については、ただいま御出席の木原議員が畜産会あるいは畜連の会長をしておられますが、その前は私がしておつたのでありまして、まさに今横内議員の仰せになつたようなことを常に提唱しておりましたから、御質問ではあるが、御趣旨には私は賛成である、こういうふうに御解釈を願いたい。 裏作につきましても、なぜ一体新潟県は土地改良ができたあとに裏作をしないのであろうか。私も御案内かどうか知りませんが、大ていの土地改良に関係――関係といつても、私は銭は出しませんよ、銭は出しませんが、あつせんしたり、予算の獲得などについて御相談にあずかつてきている。そのとき必ず、土地改良ができたそのあとで、暗渠排水をなすつたら、裏作をしますかどうかと聞きくと、みんなするということでやられたのでありますが、できたところでも、なかなかやらぬのであります。解釈のしようによつては、農村の経済がやや豊かになつたから、裏作のごとき難儀な仕事はしないのだ、こういうような考えでないかとも疑つてみるのでありますが、さほど目立つてよくなつておらぬ。ほんとうにこれは土地の老朽化を防ぐ――今日アメリカで研究していますが、大体ミミズが少くなつておる。科学肥料を使うと、ミミズが少い。ミミズだけでも、その土地の地力を増す大した作用をしておるのでありますが、こういうものがいなくなつたことからでも、これを補うために、家畜の腹を通した肥料を、あるいは家畜の踏んだ敷きわらを田に還元するということは、必要なのでございますし、その意味において、今仰せになりました家畜の問題というものは、結局肥料の問題に帰着するのでございますから、レンゲ草とか、青刈りの麦とかを作りまして、自給肥料をなるべく多くするという方策を立てんければならぬ。それには裏作をおいて他にないのであります。これは県でも裏作の奨励措置をとりまして――ほんとうに春になるとこの新潟へ来る間などは、菜種で黄色くなつた時代も覚えておるのでございますが、近ごろちつとも作らない。ちつともとは、ちよつと極言でございますけれども、ほとんど作らない。こういうようなことは、まことに遺憾のことでございますから、これは仰せのように推進して参りたい、こういうふうに考えております。 それから漁村についての御心配は、ごもつともでございまして、いつも申す通り、漁業の進歩というものは、沿岸漁業から沖合い漁業、沖合い漁業から海洋漁業と、だんだん進んでいくのが漁業発展の歴史の示すところでございますので、船が大きくなれば漁港が要る。ところが、今御指摘の北蒲原から岩船にかけては、あまり魚がいないんじやありませんか。漁港らしいものがあつても、みなデツキがかわいています。だから、魚が揚らぬのじやないかと思います。魚がいないから、今度沖合いに出んければならぬという理由にもなりますけれども、魚が揚らない漁港というものは、実際申すと、作るにしても力こぶが入らないわけでございます。だから、これは一つ私にも――私だつて、御承知のように水産にはしろうとじやないのです、くろうとでありますから、私にも研究さしていただきたいと思うのであります、築磯その他の方法で、これはまた考えていなければならぬ。その沿岸漁民2万といわれておりますが、困つた零細漁民の救済ということが、今後残された――日本全国で60万といわれておりますし、新潟県で2万人といわれておりまする零細漁民の救済というものが、今後残された大きな問題である。その救済、と申しては失礼ですが、振興の対策として、砂丘地ということを御指摘になつたことは、私は非常に賢明な御見解であると思うのであります。 この砂丘地についても、また私の自慢話になりますけれども、砂丘地の農業を盛んにするのには、その前提といたしまして砂防林を作らなければならぬ。この砂防林を新潟県に相当に作つたのは、私が農林省の政務次官をしているときで、県あたりでは、どうもいやがつて、何十年たつたら大きなものになるかわからぬのに、今虚脱状態のときに、木を植えれなんと言つたつて、本気になれない、こう言つて、前の前の林務課長は本気にならぬのを、しりをたたいて、予算を取つて預けたのが、そもそも戦後の砂防林の初めでございます。それは横内議員が、あの沿岸、南浜からあの一帯をずつとお聞きになると、北村は恩人だと言うに相違ないと思います。それは私の自慢話ではないのです、事実問題なんです。だから、砂丘地の農業には私は異常の熱意を持つておるのであります。そこで、じや、どんなことをするかと申しますると、御指摘の通りに水の問題であります。砂地でも熱が高いですから、いい条件を備えているんだが、水がない。でありますから、水源のあるところには、ことしからスプリンクラーというものを県が3分の1補助いたしまして、あれ1台で1町歩灌水することができるというので、そういうのを奨励いたしております。今まではやつて、中途でやめました。これは水倉県会議員がよく御承知なんですが、角田浜あたりでは、途中でやめたところに県が補助金を出して、ここまでできたのをなぜやめるかといつて、これを完成して、あの辺の農業の振興に資したい、こういうような考え方でやつておりますし、御承知のようにスイカでも、タバコでも、果樹類でも非常によくできるのでございますから、そういう方向に向つて今後奨励措置をとつて参りたいと考えております。 それから、そのほか畑地灌漑も、同様にスプリンクラーのようなものを使いますれば、収穫が非常に上ることは御指摘の通りでありますから、これはやつていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから山の面積は、仰せのように全国6位でございます。山に道路をつけ――これまた私の自慢話になりますけれども、(笑声)知事になる前に、林道協会長をしておりましたから、山に道をつけることは一生懸命になつてしたのでありますし、またこれからも一生懸命になるのであります。およそ農と名のつくものの協会には、みな関係してきました。長になつたこともあるし、ただ理事というようなこともあるし、一通りのことはやつてきたのでありますから、この林道についても、乏しい予算の中から、ことしから単独県費をもつて林道をつける単県林道というものを始めましたようなわけで、ことしは農林省では、林道には県が金を持たなくても、地元と国でやるというのを、今度の県議会に提案して御審議を願つていますが、県でもできるだけの、農林省でつけなくたつていいという補助をつけて、林道の奨励をいたしておるような次第でございます。 鉱物もあるというので――私は鉱山は大好きでありますが、鉱山に道がなければ、鉱山でも山林でも、役に立ちませんことはよく承知しておりますけれども、ただしウランがありそうだということだけは、これは危険でございますから、あまりおはまりにならぬ方がよろしい。 それから新潟県の横断道路、太平洋と日本海を通ずる横断道路は、すでに東北開発の中に織り込みまして、元の平――新潟線なんといつたのを、小名浜まで延長いたしまして横断道路を作る。これは石月県会議員の地元を通つて――これは林道でありますが、県道といつても恥しくないような林道を、まず県境まで持つていつて、あとは福島県と協議しまして、三条から福島県へ抜ける線、それから小出―若松線の完成をはかりたい、こういうふうに着々手を打つて、山の開発とか、山村の開発に努力しておることを御了承願いたいのであります。 それから、原爆被害の調査につきまして御提案がございましたが、これはどうですかな、こういうようなことを言い立てましても、言い通せないならば――言えという仰せなら、大ていのことは言いますが、全国の知事の中で、こんなことを聞いてわかるのは、まあ被害のあつた長崎県知事と広島県知事と、それから私くらいのものじやないでしようか。(笑声)でありますから、言うても、果してわかりますか、これは疑問でありますが、この3県知事を糾合いたしまして、調査をするように政府に要請してみたいと思います。(拍手)   〔副知事鈴木武男君登壇〕 ◎副知事(鈴木武男君) 町村合併の今後の進め方についての御質問でございますが、先般も残つておりまするむずかしい合併に関する案件を、新市町村建設審議会委員にお集まり願いまして、いかが取り計らいましようかということで、御相談申し上げたのでございます。件数にして30件ほど、むずかしいのがあると記憶しておりますが、その中で十一、二件は勧告をいたしまして、3カ月を経過いたしております。そうしますと、次の住民投票などの手が打てるわけでございます。総理大臣の勧告を県が申請するのは、勧告から4カ月経過した後にするわけでございますが、そういう次の段階をなし得る状態になつてきておるものが十数件あるわけで、それをどうしたものでございましようかということで、御意見を伺つたのでございますけれども、県で実際によく見ておる者が検討をして意見を立ててみろということで、この次の審議会にそれをお諮りすることにいたしております。考え方といたしましては、今後その2つの方法、住民投票と総理勧告と2つの方法が残されておりますが、それをどういうふうにして行うか。これも行うことができると書いてあるのでございますので、それをやつたがいいか、やらぬがいいか、こういうような問題が残るのであります。しかし、ここで申し上げておきたいことは、町村合併の計画案というものは、すでに審議会でおきめ願つて、自治庁に相談をいたしまして決定されたものでありまするので、これはことしの3月31日までに確定をいたしておるのでありまして、ここに確定いたしておりまする関係上、これを変更するということはできないわけでございます。従つて、いかなる方法で持つていつたならば、案にあるようにやつていけるか、こういう観点から、研究をするということになるのでございます。しかし、それでもいかない場合もあると思いますが、それはそれといたしまして、考え方といたしましては、そういうふうな線で、いかなる措置をとるかということを検討していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。   ――――――――――――――――― ○議長(小笠原九一君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(小笠原九一君) お諮りいたします。明6月26日は常任委員会の議案審査のため、6月27日は議案調査のため、本会議を休会いたしたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小笠原九一君) 御異議なしと認めます。よつて、6月27日まで2日間本会議を休会することに決しました。 ○議長(小笠原九一君) 本日の議事日程は終了いたしました。次会は6月28日午後1時より開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後7時35分散会...