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02月27日-07号

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  1. 神奈川県議会 2023-02-27
    02月27日-07号


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    最終取得日: 2023-05-16
    令和 5年 第一回 定例会 △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029388-諸事項-出席議員等議事日程-》         令和5年第1回神奈川県議会定例会会議録第7号〇令和5年2月27日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共100名       出 席 議 員                       加   藤   ご   う                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       亀   井   たかつぐ                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       浦   道   健   一                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       佐 々 木   正   行                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       作   山   ゆうすけ                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         県土整備局長        大   島   伸   生         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和5年第1回神奈川県議会定例会議事日程第7号                            令和5年2月27日午後1時開議第1 定県第 45 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例   定県第 46 号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例第2 定県第 1 号議案 令和5年度神奈川一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川林業改善資金会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川水道事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川電気事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 23 号議案 神奈川県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例   定県第 24 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 25 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 26 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 27 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 28 号議案 神奈川県観光振興条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 神奈川県歯及び口腔(くう)の健康づくり推進条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 土採取規制条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 43 号議案 かながわ男女共同参画推進プランの変更について   定県第 44 号議案 包括外部監査契約の締結について第3 定県第 144号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第7号)   定県第 145号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 146号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 147号議案 同  年度神奈川公営競技収益配分金等管理会計補正予算(第1号)   定県第 148号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 149号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 150号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 151号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 152号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計補正予算(第1号)   定県第 153号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 154号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計補正予算(第2号)   定県第 155号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 156号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第2号)   定県第 157号議案 神奈川県子ども・子育て基金条例   定県第 158号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 159号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 160号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 161号議案 神奈川県手話言語条例の一部を改正する条例   定県第 162号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 163号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例   定県第 164号議案 神奈川県宅地造成等規制法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 165号議案 神奈川県道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 166号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 167号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第2工区)請負契約)   定県第 168号議案 工事請負契約の締結について(県営伊勢原峰岸団地公営住宅新築工事(1期-建築)請負契約)   定県第 169号議案 工事請負契約の締結について(県営綾瀬寺尾団地公営住宅新築工事(1期-建築-第1工区)請負契約)   定県第 170号議案 工事請負契約の締結について(横浜緑ケ丘高校体育館(柔剣道場)他新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 171号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 172号議案 訴訟の提起について   定県第 173号議案 和解について   定県第 174号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第8号)   定県第 175号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 176号議案 同  年度神奈川水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 177号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第3号)   定県第 178号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計補正予算(第2号)   定県第 179号議案 建設事業に対する市町負担金について第4 請願第49号 岸田政権の大軍拡に反対する国への意見書の提出を求める請願   請願第50号 神奈川県内図書館に抜本的改革を求める請願   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029389-諸事項-提案説明等-》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共100名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                                 政総第1790号                               令和5年2月27日 神奈川県議会議長 しきだ 博 昭 殿                         神奈川県知事 黒 岩 祐 治議案の提出について 開会中の令和5年第1回神奈川県議会定例会に提案する条例その他の案件を別冊のとおり提出します。   ───────────────────────────────────────請願第49号               井坂新哉議員 外4名紹介                 平和・民主・革新の日本をめざす神奈川の会                   代表世話人・事務局長 斉田道夫提出 岸田政権の大軍拡に反対する国への意見書の提出を求める請願   ───────────────────────────────────────外1件 請願文書表のとおり                            〔本会議録巻末113頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) この際、申し上げます。  北井宏昭議員から質問趣意書が提出されておりますので、執行機関に送付しますから、御了承を願います。                            〔本会議録巻末128頁参照〕  受理いたしました陳情書は、陳情文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、御了承を願います。  また、県内に住所を有しない陳情者から提出された陳情書は、その写しを配付してありますから、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第45号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例外1件を議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。                            〔本会議録巻末54頁参照〕  知事の説明を求めます。  黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ただいま提案しました条例の改正2件について、御説明申し上げます。  まず、認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例は、国が定める認定こども園の施設の設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、幼保連携型以外の認定こども園の職員資格に関する特例について、所要の改正を行うものです。  次に、幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例は、国が定める幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、感染症や非常災害発生時の業務継続計画の策定等について規定するなど、所要の改正を行うものです。  よろしく御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029390-質問・答弁-高橋栄一郎議員-一般質問①国際園芸博覧会に対する県の取組について②政令指定都市連続立体交差事業に対する県の支援について③市販薬オーバードーズ防止策の推進について④消防団の災害対応力の強化について⑤神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂について⑥地域医療の維持のための医師確保について⑦産科の遠隔医療について⑧県立保健福祉大学と横浜市立大学との連携強化について》 ○議長(しきだ博昭) 次に、ただいま説明のありました日程第1に日程第2及び日程第3を併せ、一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕(拍手) ◆高橋栄一郎議員 自民党の高橋栄一郎です。  自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問をしてまいります。  先輩並びに同僚議員の皆様方におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、国際園芸博覧会に対する県の取組についてです。  2027年国際園芸博覧会は、横浜市瀬谷区と旭区にまたがる旧上瀬谷通信施設において、「幸せを創る明日の風景」を博覧会のテーマに、花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会を創造することを目的として開催されます。  これまでに、国際園芸家協会の承認と博覧会国際事務局の認定を受け、園芸博覧会の最上位種別、A1クラスとして開催されることが決まっております。  A1クラスの園芸博覧会は、1990年、大阪で開催された国際花と緑の博覧会、いわゆる花の万博以来、国内では2回目の開催となります。  今回の博覧会開催に向け、2027年国際園芸博覧会協会が令和4年4月、特別措置法に基づき、博覧会の開催者となる法人として指定を受け、12月には国からの公益社団法人として認定もされております。2027年3月19日からの開催に向けた準備が進んでおります。  本年1月10日には、博覧会の概要及びその方針を示した基本計画が協会から発表され、今後は、この計画に基づいた具体的な事業内容などが明らかとなってくると思います。  この国際園芸博覧会は、国内にとどまらず、海外の多くの国からも参加が見込まれ、直近の協会の試算によれば、開催による全国への経済波及効果は7,300億円程度と想定される県内最大級のイベントであり、開催地となる本県にも国内外から多くの来場者が訪れ、県内各地を回遊することとなれば、横浜市以外での宿泊や観光などの関連消費が期待されることから、こうした経済波及効果を県内でより多く享受できるようにしていくためにも、開催まで残り1,500日を切った今こそ、県庁一丸となって積極的に取組を進めるべきだと考えます。  そこで、国際園芸博覧会の成功に向け、県も体制を強化し、博覧会協会や横浜市をはじめ県内市町村との連携を強めることが、県内への経済波及効果を高めることにつながると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、政令指定都市の連続立体交差事業に対する県の支援についてです。  都市部において、踏切による交通渋滞を解消し、交通の安全を図るためには、鉄道を高架化や地下化することによって、複数の踏切を一挙に除却する連続立体交差事業が非常に効果的であると思います。  〔資料提示〕  私の地元である保土ケ谷区では、平成30年に相鉄線の星川駅から天王町駅間の約1.9キロを高架化する連続立体交差事業が完成し、9か所の踏切が除却されました。  昨年3月には、この事業と同時に進めてきた星川駅前広場などの周辺整備も完了し、新しい町並みに生まれ変わりました。  また、昨年11月には、同じく相鉄線で西谷駅から二俣川駅間の約2.8キロを地下化する鶴ヶ峰駅付近連続立体交差事業が、令和15年度の完成を目指して着工されました。  この事業により、駅前の開かずの踏切を含む10か所の踏切の除却が予定されており、交通渋滞の解消や消防・救急活動の円滑化など、非常に大きな効果が期待されますが、同時に、総事業費約784億円を要する大規模な事業であるとも聞いております。  政令指定都市における連続立体交差事業は、事業主体の政令指定都市のほか、国、鉄道事業者の3者で事業費を負担するとされ、その負担割合は、国の、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する細目要綱を見ると、高架式の場合では、政令指定都市が約4割、国が約5割、鉄道事業者が約1割となっており、連続立体交差事業を実施する政令指定都市の負担は大変大きなものとなっております。  一方、連続立体交差事業の実施は、周辺地域の渋滞解消や交通の円滑化だけでなく、踏切事故による鉄道ダイヤの乱れがなくなり、電車の運行の定時性が確保されるといった効果もあります。  例えば、鶴ヶ峰駅付近連続立体交差事業の場合、東部方面線として相鉄線と既に相互直通運転を行っているJR線のほか、3月には相鉄・東急線の相互直通運転開始も予定されており、鉄道各社の相互乗り入れが進む中、電車の運行の定時性が確保されれば、横浜市民以外の鉄道利用者の方々にも広く便益が波及することから、県は、連続立体交差事業を実施する政令指定都市に対し、何かしらの支援が必要ではないかと考えます。  県では、幹線道路の整備を行う政令指定都市に対して補助を行っており、この制度を活用する方法もあるのではないかと考えます。  そこで、政令指定都市の連続立体交差事業に対する県の支援について、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、市販薬オーバードーズ防止策の推進についてです。  薬の過剰摂取を意味するオーバードーズは、もともとは覚醒剤などの違法薬物や睡眠薬などの処方薬について使われることが多かった言葉ですが、近年、市販薬をオーバードーズする若い世代が増加し、社会問題化しています。  〔資料提示〕  国立精神・神経医療研究センターなどが薬物依存の治療を受けている10代を対象に行った実態調査によると、市販薬オーバードーズは、2014年にゼロ件でしたが、2020年には、主たる薬物のおよそ半数を占めるまでに増加しているとのことです。  市販薬の過剰摂取をきっかけに、他の違法薬物の使用へと移行する可能性、傾向があることも指摘されており、その防止対策は大変重要であると考えます。  〔資料提示〕  市販薬オーバードーズを食い止めるため、国は、オーバードーズにつながるおそれがある市販薬の成分を指定して注意喚起を行っており、県でも、関係団体と連携し、こうした指定市販薬を一度に大量購入できないよう、薬局などの店頭で販売個数を制限するなど、指定市販薬が適正に販売されるよう取り組むとともに、用法・用量が正しく守られるよう啓発を行っていることは承知をしております。  しかし、生きづらさを感じ、深刻な悩みを抱える青少年が、その苦しみを和らげるために市販薬をオーバードーズするという背景があるとも言われており、長引くコロナ禍で、自粛疲れや閉塞感から来るストレスから、そういった青少年が増えているとも予測されております。  一方、合法だから大丈夫、友達に誘われて、他人に迷惑をかけるわけではないなどの誤った認識や興味本位から、市販薬オーバードーズに手を出してしまう青少年もいると言われており、実際に、デジタルネーティブ世代にとって身近なSNSでは、市販薬は合法だから悪いことではない、市販薬オーバードーズ試してみたらこんな感じと推奨するような記述も散見されます。  オーバードーズをした行為自体を叱ったり、責めたりするのでは根本的な解決にならず、周囲の大人が関心を示し、乱用の動機となっている悩みや問題に一緒に向き合うこと、相談や助言につなげることが、とても重要であると考えます。  そのためには、周囲の方々が正しい知識や対処方法を身につけることも重要となりますが、市販薬オーバードーズの問題は、青少年を取り巻く大人に十分認識されていないのではないかと危惧しています。  まずは、薬物乱用防止活動の地域ボランティアとなることが多い、保護司や青少年指導員などの方々に対し、市販薬オーバードーズに関する理解や正しい認識を広め、地域全体が問題を抱える青少年に気づき、適切な相談窓口につなげることができれば、有効な手だてとなると考えます。  そこで、青少年に対する市販薬のオーバードーズ防止策を推進していくため、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、消防団の災害対応力の強化についてです。  全国各地で大規模な災害が頻発しています。昨年8月の北陸から東北にかけての豪雨災害をはじめ、9月には、隣接する静岡県で豪雨による人的被害や大規模な停電、断水などが発生しました。  また、海外では、トルコ・シリアで発生した大地震による被害も深刻になってきており、多くの貴い命が失われています。  首都直下地震の切迫性などが懸念される中、大規模災害への備えは、本県にとって重要な課題だと考えます。  災害への備えは多岐にわたりますが、とりわけ、平時には災害予防活動、災害時には、消火や救助、住民の避難誘導など、住民に身近な立場で幅広い災害対応を担う消防団の役割は大きく、県民の安全・安心を確保する上で、その対応力強化が極めて重要だと思います。  一方で、消防団に関しては、様々な課題もあり、昨年度、県がまとめた地震防災戦略の中間検証では、地域での人材確保や、コロナ禍や働き方の変化などによる研修や訓練機会の確保が、困難になっていることなどが指摘されています。  〔資料提示〕  消防団員に占める被雇用者の割合の高まりや、女性団員の増加などの状況を踏まえると、消防団員が災害の現場で的確かつ効率的な活動を実施するためには、男女の区別なく、チェーンソーやエンジンカッターなど、災害救助活動に使用する資機材の取扱いや応急手当などについて基本的な知識や技術を習得し、十分に訓練しておくことが必要であると考えます。  消防団は、常備消防とともに市町村の機関であり、市町村によって災害のリスクは様々なため、消防団に期待する役割も異なる面があることは承知しておりますが、地域のニーズに応じ、装備の充実、研修や訓練機会の確保など、様々な観点から、消防団の体制強化を支援することは、広域自治体としての県の重要な役割だと考えます。  そこで、大規模災害に備え、消防団員に対する研修や訓練を充実し、救助用資機材の取扱いを含めた基本的な知識や技術の向上を図るなど、消防団の対応力強化に市町村と共に取り組む必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂についてです。  国は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、デジタル田園都市国家構想総合戦略を昨年12月に発表しました。この戦略は、2023年度から2027年度までの5か年の戦略であり、デジタルの力を活用して、地方の社会課題解決や魅力向上を図っていこうとするものです。  〔資料提示〕  国の戦略では、1、地方に仕事をつくる、2、人の流れをつくる、3、結婚・出産・子育ての希望をかなえる、4、魅力的な地域をつくるといった四つの類型に分け、それぞれの取組を推進していこうとするものであり、各地域においても、地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略を改訂することを求められており、我が会派の代表質問でも、県の総合戦略の改訂について質問したところ、少子化対策など、国の動向を見据えつつ、県の総合計画の策定と整合を図りながら改訂を進めていくとの答弁がありました。  昨年末に、本県のまち・ひと・しごと創生総合戦略の2021年度評価報告書が公表され、コロナ禍で実施できなかった取組がある一方で、アフターコロナを見据えたデジタル技術の活用など様々な工夫も示され、地方創生の推進に一定の成果を上げたものと受け止めております。  人口減少局面に入った本県において、少子化対策などの子育て支援策を充実していくことは、もちろん重要ですが、あわせて、国内外から神奈川への人の流れをつくっていく取組も大切だと思います。  新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを5類に変更する方針も示され、今後ますます社会経済活動が活発になっていくことが期待される中で、本県を訪れる国内外の方々に様々な地域の魅力を知ってもらうことは、交流から定住へとつなぐ大きなきっかけになると思います。  地域の様々な観光資源はもとより、文化やスポーツ関係のイベント、さらには、4年後に横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会、いわゆる花博などのビッグイベントの開催なども大きなチャンスではないかと思います。  そうしたことから、現在の戦略の改訂に当たっては、これまで以上に、市町村との連携はもとより、県庁内のクロスファンクションがとても重要になると考えます。  そこで、政策局長に伺います。  人口減少社会を迎える中で、住んでみたい、人を引きつける魅力ある神奈川を築いていくためには、まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂作業に全庁を挙げて取り組むことが重要と考えますが、今後どのように改訂作業を進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、地域医療の維持のための医師確保についてです。  国では、団塊の世代が75歳になる2025年に医療需要の最大化が見込まれておりますが、本県は、それ以降も医療需要がさらに増加する地域と推計されております。  また、令和6年4月より適用される時間外労働上限規制など、医師の働き方改革による影響もあり、地域医療を支える医師の確保は、ますます重要な課題になると考えます。  そうした中、本県では、地域医療に従事する医師を育成・確保するため、県内の医療機関で9年間就業することを条件に、神奈川県地域医療医師修学資金の貸付けを平成21年度から県内医科大学で開始し、一定の成果を上げてきたと承知しております。  しかし、医師は、人口が多く専門性の高い医療が提供できる都市部の医療機関には集まりやすいものの、地理的条件や交通アクセスの面で不利な地域では、医師の確保が難しい状況があると聞いております。  また、医師の働き方改革により、大学病院からそうした地域へ医師を派遣するには、これまで以上の難しい調整が必要になると懸念されますが、それでも地域医療を維持するため、大学病院では派遣を続けるよう努力していると聞いております。  医師が集まりにくい地域へ派遣される医師に対し、その功績や貢献を評価し、広く紹介していくことは、医師がこうした地域で働く上でのモチベーションを上げることにつながり、地域医療を支える医師の確保、医師の地域偏在の解消という課題に対し、一つの有効な解決策となるのではないでしょうか。  地理的条件が不利な地域の中核的な病院など、地域医療の重要な役割を担う医療機関に派遣された医師に対し、表彰するといった評価の仕方などもあると考えます。  そこで、地域医療の維持のため、医師確保について、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、産科の遠隔医療についてです。  昨年9月の定例会において、知事から、県立足柄上病院の産科を今年度末で小田原市立病院に集約させるとの答弁がありました。  二つの病院の距離はおよそ10キロ、車でも、電車でも、移動に30分はかかる位置関係です。少子化が加速する県西地域において、私自身も2人の子供を持つ父親として、少しでも住み慣れた地域で安心してお子さんを産み育てていただきたいと思っております。  しかし、近所に産科がないことにより、遠方まで健診を受けに行かなければならない妊婦の負担は大きく、そういった妊婦の利便性は確保されなければならないと考えます。  県西地域の町では、健診や出産時の産科医療機関へのタクシーの利用料金を助成する事業により、妊産婦の健診受診などの支援を行っているところがあることは承知をしております。  こうした取組も、妊産婦の利便性向上に有効であると考えますが、遠方に移動せず、自宅近くの医療機関で妊婦健診を受けられる環境をつくることも、妊婦の負担軽減につながると考えます。  他県では、ICTによる画像転送技術を活用し、離れた病院間で胎児モニタリング情報を送信して、共同で健診している事例もあると聞いており、こうしたICT技術の活用により、遠隔での妊婦健診を実施することができれば、自宅近くの医療機関で健診を受けられ、妊婦が遠方に出向く負担を減らし、利便性を向上させることができるとともに、妊娠後期、臨月まで安心して過ごし、出産を迎えることができると考えます。  そこで、妊婦の利便性を向上させるための遠隔での妊婦健診について、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  最後に、県立保健福祉大学と横浜市立大学との連携強化について質問をさせていただきます。  県立保健福祉大学はリハビリテーション学科や栄養学科など、横浜市立大学は医学科と看護学科において、保健医療人材を育成しており、いずれも地域医療に貢献する人材を育てる教育の場として大変重要な役割を果たしています。  保健福祉大学は横須賀市、横浜市立大学は横浜市金沢区と地理的に比較的近くに立地をしておりますが、これまで個別の事業での協力関係はあったものの、大学間での包括的な連携はなかったものと承知をしております。  〔資料提示〕  現在のコロナ禍において、多くの看護師等養成学校が病院などの医療現場での実習機会が縮小されており、保健福祉大学においても、病院などの実習施設への受入れ中止により、学生の実習を例年どおり行うことができなかった時期もあると聞いております。  こうした中、保健福祉大学と横浜市立大学が連携することで、保健福祉大学にとっては、医療従事者を目指す学生の医療現場での実習機会の確保ができ、横浜市立大学にとっては、保健福祉大学にしかない学科の教員が医療教育に参画することによって、幅広い知見を生かした教育を行うことができるようになり、両校にとって、さらなる教育の質の向上につながるものと考えます。  また、研究面でも、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区に指定されている殿町にある保健福祉大学川崎キャンパスと、横浜市立大学先端医科学研究センターや大学附属病院の連携が強まれば、研究に一層の広がりも期待できます。  保健福祉大学と横浜市立大学が幅広く連携し、相互に補完し合うことは、双方にとって教育及び研究面で大変意義があり、本県の公衆衛生の向上にも資すると考えます。  そこで、人材育成や教育研究における質の向上を図っていくため、今後、県立保健福祉大学と横浜市立大学との連携を強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 高橋議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、国際園芸博覧会に対する県の取組についてお尋ねがありました。  2027年国際園芸博覧会は、来場者数1,000万人以上が見込まれ、花卉園芸の振興をはじめ、観光や経済の活性化など、その効果は、県内に広く及ぶことが期待されます。  県は、開催地の県の立場から、国や横浜市、民間と連携し、博覧会協会に対して、会場建設費への補助を行うとともに、県職員も派遣しており、博覧会終了まで、これらの協力を行っていくこととしています。  こうした中、先月、協会の事務総長から直接私に、機運醸成への協力の依頼がありました。その際、話題になったのが、この博覧会が、いわゆる万国博覧会であることがあまり知られていないが、1都3県で初めて開催される万博であり、もっとアピールしていこうというものでありました。  GREEN×EXPO2027という略称が決まったこともあり、協会や横浜市とも連携し、PRを行うなど、機運醸成を図ってまいります。  また、県は、花卉園芸の振興だけでなく、観光消費をはじめ、広く県域の経済活性化につながるよう、全庁横断的な国際園芸博覧会検討会議において、来場者の県内への周遊を促すための魅力的な観光ルートの提案など、市町村とも連携し、効果的な取組を検討します。その上で、取組の内容に合わせ、必要な推進体制の在り方も考えていきます。  県は、協会や横浜市をはじめとした県内市町村等と連携し、引き続き、博覧会の開催に向けてしっかりと取り組んでまいります。  次に、政令指定都市の連続立体交差事業に対する県の支援についてお尋ねがありました。  連続立体交差事業は、道路と鉄道の交差部を立体化し、踏切による渋滞や事故を解消するとともに、鉄道で隔てられた市街地を一体化する事業です。  この事業は、国の要綱に基づき、事業主体である地元自治体と国、鉄道事業者の3者が事業費を負担しています。  こうした中、県は、平成23年度から、法人二税の超過課税を活用した政令市道路整備臨時補助金を設け、一定の要件を満たす道路の整備に対して補助を行ってきました。  この補助の対象事業として、道路整備の一環である連続立体交差事業についても、令和3年度の要綱改定に際し、政令指定都市の意見を伺った上で、超過課税適用期間である令和7年度までに、一定の整備効果が発揮される場合には対象としました。  一方、鶴ヶ峰駅付近連続立体交差事業は、長い区間にわたって鉄道を地下化する整備効果が大変大きい事業ですが、長期間にわたる工事であり、令和7年度までに供用が見込めないことから、現在の要綱では補助対象になりません。  そこで、こうした大規模な連続立体交差事業などの超過課税適用期間内に効果が発揮できない事業を、この補助制度の中で、どう扱っていくのかについて、今後、改めて、政令指定都市の事業の優先順位に関するお考えなどを伺った上で、議論を深めてまいります。  県は引き続き、この補助制度がより活用しやすいものとなるよう取り組んでまいります。  次に、市販薬オーバードーズ防止策の推進についてお尋ねがありました。  ここ数年、オーバードーズの中でも、市販薬の大量摂取が若年層の間で増加しており、違法薬物を使用するきっかけとなることから、その防止を図ることは大変重要です。  これまで県では、未成年者に対して、乱用のおそれがある市販薬を販売するに当たって、薬局やドラッグストアで適切に確認を行うよう、関係団体に要請してきました。  また、ツイッターで、市販薬の乱用に関するキーワードをつぶやいた方に相談窓口を案内してきました。  一方、本年4月から、乱用のおそれのある市販薬の範囲が拡大されるため、これまで以上に、販売に当たって未成年者に対する確認を徹底していく必要があります。  そこで、県では、市販薬の範囲が拡大される機会を捉え、改めて、薬局等での適正販売が徹底されるよう、関係団体に強く要請していきます。  また、市販薬の乱用の怖さを知らず、相談窓口に行き着かない若年層もいますので、周囲の大人が、早い段階で気づいて支援につなげることが重要です。  そこで、薬物乱用防止活動の地域ボランティアとなることが多い、保護司や青少年指導員等に対し、オーバードーズの現状や相談対応に関する講習会を開催したいと考えています。  こうしたことにより、若年層の市販薬のオーバードーズ防止策に、しっかりと取り組んでまいります。  次に、消防団の災害対応力の強化についてお尋ねがありました。  自らの地域は自らが守るとの強い使命感の下で、災害時に救助や消火等の活動を担う消防団の災害対応力を強化することは重要です。  そこで、県は、三つの視点から消防団の対応力強化に取り組みます。  第1は、訓練の強化です。  県では、県消防学校での教育訓練のほか、平成28年度には、全国初の女性団員だけでの実動訓練を実施するなど、訓練機会の充実に努めてきました。  平成30年には、消防学校に全国最大規模の消防訓練施設、かながわ版ディザスターシティを整備し、消防団員の訓練にも活用してきました。来年度は、施設の大幅な拡充を予定しており、整備後は、消防団の訓練での積極的な活用を強く働きかけ、団員の対応力の向上につなげたいと考えています。  取組の第2は、研修の強化です。  県ではこれまでも、県消防学校で団員教育や女性向けの特別研修等を実施してきました。しかし、平日には参加できない団員も少なくないことから、昨年度から、基礎的な消防団活動をいつでもどこでも学べるよう、オンライン教育のための動画の配信を行っています。  来年度は、かながわ版ディザスターシティも活用し、災害現場に即した、より実践的な救助技術や活動時の安全対策等を学べるよう、動画の充実を図るための予算を令和5年度当初予算案に計上しました。  取組の第3は、消防団の対応力強化に取り組む市町村への支援です。  消防団の詰所の環境改善や、消火や救助の資機材の充実、研修や訓練などに対して、市町村地域防災力強化事業費補助金で強力に支援していきます。  県は、こうした取組を通じて、地域防災力の要となる消防団の対応力強化を図ってまいります。  次に、地域医療の維持のための医師確保についてお尋ねがありました。  県内のどの地域であっても、安心して医療を受けられる体制づくりを進めることは大変重要です。  これまで県では、医学生に修学資金を貸し付け、一定期間、県内の医療機関に従事すれば貸付金の償還を免除する、いわゆる地域枠医師の仕組みを活用して、医師の確保に取り組んできました。  しかし、横浜や川崎などの都市部と比較して、県西部地域などの病院では、医師の確保が難しいといった地域偏在の課題が残っており、その解消のためには、地域枠医師のさらなる増員が必要と考えています。  また、こうした地域に派遣される医師に、やりがいを感じていただくことも重要です。そこで、本県の地域枠医師として、現在、県内4大学に20名の定員枠がありますが、令和5年度から、新たに都内の大学の枠を2名分確保したいと考えています。  また、こうした地域に、一定期間派遣された医師に対し、地域医療の維持に対する貢献を評価し、表彰するなど、医師がやりがいを感じるようなインセンティブとなる仕組みについても検討していきます。  こうしたことにより、県内のどの地域であっても、安心して医療を受けられる体制が整えられるよう、医師の確保に努めてまいります。  次に、産科の遠隔医療についてお尋ねがありました。  妊婦健診の際に、遠方の医療機関まで行くことは、妊婦にとって大きな負担となります。ICT機器の活用により、遠隔での妊婦健診が可能となれば、妊婦の負担軽減につながることが期待されます。  一方、妊婦健診では、利便性も大事ですが、何より、健診での見落としを防ぐことが重要です。現状、従来の対面での健診と比べ、遠隔の健診では得られる情報量が限られるため、重大な見落としにつながるおそれがあるとの専門家の御意見も頂いています。  また、慶應義塾大学病院では、コロナの感染拡大対策として、14回程度実施する妊婦健診の一部をビデオ通話で行っていますが、内容が問診のみである場合に限定しています。  このように、遠隔での妊婦健診を進めていくためには、まず健診を行う医師が、遠隔でも問題がないと判断していただく必要があります。  そこで、県としても、こうした遠隔での健診の実践例やICT技術の進展、国の動向を注視しながら、遠隔での妊婦健診の可能性について研究してまいります。  最後に、県立保健福祉大学と横浜市立大学との連携強化についてお尋ねがありました。  県内の保健医療人材の教育を担う両大学が連携を深めることにより、教育の質を高め、研究の発展を目指していくことは、県民生活の向上にもつながる有効な取組です。  これまで教育面では、保健福祉大学に横浜市大の教員を講師として招くなど、医療人材の育成における大学間の協力関係を築いてきました。  また、研究面においても、横浜市大の、メタバースを活用した若者の生きづらさ解消の研究にヘルスイノベーション研究科の教員が参画しています。  一方、少子化が進む中、大学には、より一層の教育の質の向上や研究力の強化が求められます。そのためには、それぞれが設置していない学部・学科の人材による相互補完を行っていくことも有効です。  そこで、横浜市大からは医学部の教員を、保健福祉大学からはリハビリテーション学科や栄養学科の教員を派遣するなど、両大学間の、より一層の連携強化を進めていくよう検討していきます。  こうしたことにより、両大学における教育技術の向上や、学生の実習受入れの拡大が期待されます。また、共同研究の推進により、専門的な知見の共有が図られ、研究のさらなる高度化にもつながると考えられます。  こうしたことにより、県内での保健医療人材の育成と保健医療分野の研究を発展させ、県民生活の向上につなげられるよう取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔政策局長(平田良徳)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 平田政策局長。 ◎政策局長(平田良徳) 政策局関係の御質問にお答えします。  神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂についてお尋ねがありました。  県は、平成27年度に神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、地方創生の取組を進めてきました。  令和2年3月に策定した現行の第2期総合戦略においては、コロナ禍で中止や延期を余儀なくされた事業もありましたが、オンラインでのイベント実施等、様々な工夫をしながら取り組んできたところです。  こうした中、国は昨年12月に、まち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、デジタル田園都市国家構想総合戦略を策定しました。  これを受け、本県としても、新たな地方創生の取組を速やかにスタートさせたいと考えており、まず、今年度中に、数値目標等の時点修正やデジタルを活用した取組を反映するための改訂を行います。  そして、来年度は、国の総合戦略や少子化対策の動向等を踏まえ、県の総合計画の策定やDXの推進との整合を十分図りながら、本格的な改訂作業を進めていきたいと考えています。  住んでみたい、人を引きつける魅力ある神奈川を築いていくためには、デジタル技術の活用も含め、産業、観光、子育て、まちづくり等、多岐にわたる分野の施策について部局横断的な議論と検討が必要です。  人口減少局面を迎えた中、地方創生の取組は、ますます重要となりますので、全庁を挙げて総合戦略の改訂を進めていきたいと考えています。  答弁は以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か再質問をさせていただきたいと思います。  まず、国際園芸博覧会に対する県の取組についてです。  この博覧会の成功に向け、県も知事を先頭に、しっかり積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  先月、1月に、実は県庁の代表番号に電話をし、国際園芸博覧会の担当部署をお願いしましたところ、国際文化観光局国際課につながりました。その次に電話したときは、環境農政局の農業振興課、こちらのほうにつながりました。これは大変残念に思ったんですけれども、こういったことがないようにするために、先ほど支援体制のお話が知事の答弁にもありましたけれども、専門の組織、部署というのを設置すべきだと考えておりますけれども、知事の見解を伺いたいというふうに思います。  2点目に、地域医療の維持のための医師確保について伺いたいと思います。  県西地域では、産科医の不足、診療科の偏在という課題もあります。第2期神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略においても、産科医の確保・育成に取り組むとありますので、積極的に産科医を確保・育成すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  最後に、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂についてです。  国は、この、まち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、デジタル田園都市国家構想総合戦略という名称に変更しました。県は、この総合戦略を改訂するに当たり、どのような名称にしていくのか、政策局長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  国際園芸博覧会に対応する組織についてのお尋ねでありました。  県では現在、博覧会に関する業務は環境農政局に担当を置いて行っていますが、さらに、環境農政局だけでなく、政策局や国際文化観光局、県土整備局をはじめとする全庁横断的な国際園芸博覧会検討会議を設置しています。  この全庁会議において、これまで博覧会協会からの情報を共有するなどしてきましたが、今後、協会から示される具体的な事業内容を踏まえ、こうした会議などで、県内に経済波及効果が広がるような取組と併せて、さらなる機運醸成に向けた取組も検討していきます。その上で、取組内容に合わせて、必要な推進体制を考えてまいります。  次に、産科医の確保についてお尋ねがありました。  安心して妊娠・出産ができる環境整備のため、産科医の確保は大変重要であります。  まず、産科を含めた地域枠の制度は、令和6年度までの時限とされていますけれども、7年度以降もこの制度が維持されるよう、国に対し要望していきます。  また、ここ2年は、コロナのため中止していましたが、産科医師志望者宿泊研修を再開したいと考えています。さらに、臨床研修段階でも、産科に特化したプログラムを引き続き設定していくべきと考えています。  こうしたことにより、産科医の確保にしっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔政策局長(平田良徳)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 平田政策局長。
    ◎政策局長(平田良徳) 神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂後の名称についてお尋ねがありました。  新たな地方創生の取組をスタートするに当たって、総合戦略の名称は、その内容を的確に表すものであるべきと考えます。  国が地方自治体向けに作成した地方版総合戦略の策定・効果検証のための手引きでは、総合戦略の名称について幾つか例示した上で、関係者による幅広い議論を踏まえ、地域の実情に応じて設定することが適切との見解を示しています。  そこで、各分野の有識者による神奈川県地方創生推進会議、そして、県議会から、総合戦略の内容に関する議論と併せて、名称についても御意見を頂きながら、名称を検討していきたいと考えています。  以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か要望させていただきたいと思います。  まず、国際園芸博覧会に対する県の取組についてです。  先ほど知事からも、県内を回遊する、そういったプランの策定等々お話がありました。  今後、例えば、平塚の花菜ガーデンですとか、大船のフラワーセンター、こういったところを博覧会のサテライト会場にする、もしくは、一緒に連携を取るなどして、花菜ガーデンに訪れた方が箱根に行く、もしくは、フラワーセンターから湘南や三浦半島などに行くなど、県内を回遊する仕組みというのをつくっていくのは、とても重要だというふうに思います。  博覧会協会や県内市町村との連携強化は、今後ますます重要になってきますので、ぜひ専門の部署というのをいち早く立ち上げていただきまして、この園芸博覧会の成功に向けて取り組んでいただきたいということを要望させていただきます。  次に、地域医療の維持のための医師確保についてです。  地域医療を担っていただく医師の中でも、特に、この産科医の確保・育成は急務だというふうに思っております。  本日の質問補助者の神倉議員も、秦野赤十字病院の分娩再開に、長年この議会でも取り組んできております。なかなか、まだ実現には至っておりませんが、この医師の働き方改革が進めば、数十人の医療人材が必要な分娩チーム、これをまた再編して編成して、分娩医療を再開する、これは大変、今まで以上に困難が予測されます。この分娩の灯は消すことがないように、一度消すと、なかなかもう一回その明かりをともすことは難しいというふうに思っております。  この産科医の確保・育成に対し、様々な取組を行っていることは、先ほど知事からも御答弁がありました。こういった取組は大変重要だと思いますけれども、そもそも、この産科医を目指す学生が増えなければ、このような取組の効果というものも十分に生かされないというふうに思います。ぜひ教育の場とも連携し、産科医を目指す中学生とか高校生を増やすような取組も併せて行っていただきたいと思います。  次に、産科の遠隔医療についてです。  母体と胎児、二つの命の安全を最優先しながらも、妊産婦の負担軽減に対する取組も必要だというふうに思います。今日のように穏やかな日ばかりではありません。雪の日や大雨の日に第1子や第2子の幼い子の手を引いて健診に行く、そんなようなケースもあると思います。妊産婦の負担軽減、そして、女性医師の職場復帰の視点からも、産科の遠隔診療に対し、ぜひ様々な観点から検討していただくことを要望いたします。  そして、産科医の確保・育成と遠隔診療などの取組と、これを合わせて妊産婦の負担を軽減し、子供を安心して住み慣れた地域で産むことができる環境を整えていただくことを要望させていただきます。  次に、市販薬オーバードーズ防止策の推進についてです。  薬は本来、人々が健康で明るく長生きするために使用されるべきものです。ところが、これから社会を担う若い世代が市販薬のオーバードーズにより、健康を損ない、薬の依存症などに苦しんでいる現状は、非常に残念なことです。  地域社会への啓発とともに、若い世代に医薬品の適正使用の大切さを継続して発信し、理解させ、そして、これらについて自分自身で考える機会を設けることも大切だと考えますので、教育現場での啓発なども積極的に行っていただくことを要望させていただきます。  そして、政令指定都市の連続立体交差事業に対する県の支援です。  鉄道の相互乗り入れが進み、利用者の利便性は大変向上しました。その一方で、例えば、横浜での事故が、遠く埼玉などでも遅延が生じるなど、影響も広範囲にわたります。  ぜひ、現在の制度をより使いやすいものにしていただくとともに、政令指定都市に対する新たな支援策、こういったものも検討していただきたいというふうに要望させていただきます。  最後に、間もなく私たちの任期も終わろうとしております。今期限りで御勇退される先輩、同僚議員の皆様方におかれましては、長年の県政発展に対する御尽力に改めて敬意を表します。誠に御苦労さまでした。  そして、私たちと知事は当選同期でありますので、ぜひ引き続き、県政の発展のために、この場で様々な議論を行っていきたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029391-質問・答弁-杉本透議員-一般質問①山梨県・静岡県・神奈川県の連携について②県西地域の諸課題について》   〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕(拍手) ◆杉本透議員 自民党神奈川県議団の杉本透でございます。  一般質問の時間を頂きましたので、自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、環境農政局長県土整備局長におかれましては、明快な御答弁を、また先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、山梨県・静岡県・神奈川県の連携についてです。  初めに、山梨・静岡・神奈川三県サミットの開催について伺います。  山梨・静岡・神奈川3県にまたがる富士箱根伊豆地域は、富士山、箱根、伊豆半島をはじめとする美しい自然や歴史・文化などの地域資源に恵まれており、首都圏や中部圏から近接する立地環境を生かし、国内外から多くの観光客が訪れる国内有数の国際観光地として発展をしてきました。  本県においても、国際的観光地の箱根や城下町の小田原など多数の観光地があり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けながらも、毎年多くの観光客が訪れています。  この地域では平成22年4月に、新東名高速道路が御殿場から西の区間で開通しており、残る新秦野インターチェンジと新御殿場インターチェンジとの間も、令和9年度の全線開通に向けて工事が進められているところであります。  また、リニア中央新幹線の整備など、本県と静岡、山梨を結ぶ交通基盤の整備も進展しつつあります。  私は、県西地域のさらなる活性化を図るためには、富士箱根伊豆を一つの圏域として、観光振興のみならず、防災対策や交通対策など広域的な行政課題を共有し、県境を超える山梨、静岡と連携して取り組むことが大変重要だと考えております。  このような認識の下、これまで、こうした政策課題を議論する場としてサミットが定期的に開催され、山梨、静岡、神奈川の知事が緊密な連携を取られているものと承知しており、大きな期待を持って、その進捗を注視していましたが、平成28年12月の開催を最後に、近年、サミットが開催されていないことが非常に残念です。  現在、観光分野など各分野において、3県の事務レベルでの連携が続いていることは承知しておりますが、ウィズコロナを見据え、これから増えるであろうインバウンド消費を取り込み、県西地域のさらなる活性化を図るためには、事務レベルだけの連携を進めるだけではなく、知事が一堂に会し、施策の進捗や方向性の確認をしていく機会を定期的に設けることが重要だと思います。  そこで、知事に伺います。  富士箱根伊豆地域の振興を図り、さらなる活性化を促すためにも、3県の知事が一堂に会する場が必要だと思いますが、山梨・静岡・神奈川三県サミットの開催について、どのように考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、防災分野における山梨県・静岡県・神奈川県の連携についてです。  県西地域では、その豊かな自然環境ゆえに、過去には幾多の自然災害に見舞われてきました。  昭和47年の山北町での豪雨による土砂災害では、死者・不明者9名の貴い命が失われています。  また、地震も繰り返し発生しており、ちょうど100年前の相模湾を震源とする関東大震災でも、小田原市、根府川駅で、崩れた土砂に列車ごと海に流されるといった痛ましく、甚大な被害が出たことは周知の事実であります。  こうした県西地域での自然災害の対策を考える上で大切なのが、地域のつながりが強い山梨、静岡との連携であり、中でも、特に連携体制が重要となるのは、3県に共通する富士山の噴火への対応であります。  富士山は、江戸時代の宝永の大噴火を最後に噴火していませんが、活火山とされており、宝永噴火の際には、県西地域では、降灰により、家屋の倒壊や農作物被害のほか、火山灰が流入した酒匂川では、度々の水害をもたらすなど、非常に甚大な被害を受けたとされています。  3県でまとめた最新のハザードマップによれば、再度、大噴火が起きれば、本県は、県西地域を中心に、火山灰はもとより、溶岩流の影響もあると想定されています。  富士山の噴火に関しては、影響する範囲が広く、避難体制一つを取っても、各県単独で検討するのではなく、3県を中心に広域的な対処を考えることが必要です。  また、処理方法を含め、対策を講じる上で様々な課題が山積する火山灰への対応や、火山活動に関する観測、火山現象に係る研究など、富士山火山対策という共通の課題を共有する3県が連携して取り組むことは欠かせません。  さらに、富士山の噴火にとどまらず、地震や風水害など大規模災害に見舞われた場合に、迅速な応援等で頼りになるのは隣接地域であることを考えると、県西地域において、自然災害から住民の安全・安心を確保する上では、山梨、静岡との連携は欠かせない視点であり、平時から3県の連携体制を確保しておくことは極めて重要です。  そこで、知事に伺います。  県西地域に大きな影響がある富士山火山対策をはじめ、防災対策を進める上で、隣接する山梨県、静岡県との連携を確保することが重要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、観光分野における山梨県・静岡県・神奈川県の連携について伺います。  富士箱根伊豆エリアは、数々の魅力を抱える一大観光地ですが、この広域エリアに存在する県外の観光資源の中でも、特に富士山は、国内外から人を引きつける観光資源であり、登山の対象としての富士山のみならず、遠くから眺めるその姿にも人気があります。  富士山の登山ルートは、4ルートありますが、このうち御殿場ルートは、神奈川方面からもアプローチしやすいルートとなっています。  また、富士山自体は県外に所在するものの、眺望の面では、芦ノ湖畔から箱根神社の赤い鳥居と湖面に浮かぶ遊覧船越しに仰ぎ見る富士山は非常に有名であり、例えば、富士山を切り口に山梨、静岡と連携した観光振興は、大きな可能性を秘めています。  このように、山梨、静岡といった隣接県と連携し、県境を越えた広域的なエリアとして諸課題に取り組むことは有効だと考えます。  本県の観光産業は、コロナ禍の影響により深刻なダメージを受けましたが、全国旅行支援等の観光需要喚起策の実施などにより、県内の観光地もにぎわいを取り戻しつつあります。  また、入国制限の大幅な緩和により、外国人観光客も少しずつ町なかでも見かけるようになってきたところです。  こうしたことから、本県としても、より一層、観光振興に力を入れていくべきと考えますが、その際には、本県単独の取組だけでなく、隣接する山梨や静岡と連携した取組も進めていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  本県にも観光客が戻りつつある中で、観光分野における隣接する山梨県、静岡県との連携について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、シカ対策における山梨県・静岡県・神奈川県等の連携について伺います。  神奈川県は、豊かな自然環境に恵まれている一方で、鹿などの野生動物の管理が大きな課題となっています。その中でも、ニホンジカは、適正に管理しなければ、増え過ぎることによる生態系への影響や農作物への被害など、県民生活に重大な影響を及ぼす存在となっています。  本県では、平成15年以来、4次にわたってニホンジカ管理計画の改定を繰り返しながら鹿の管理に取り組んできており、これまで管理捕獲や植生保護柵の設置など、対策を強化してきたと承知しております。  しかし、鹿の被害に直面している丹沢や箱根の山麓部の地域の人々の声を聞く限り、鹿は思ったように減っていないのではないかと感じられております。箱根山地など、むしろ鹿が増えてしまっている地域もあり、実効性ある対策が喫緊の課題となっています。  県は、第5次ニホンジカ管理計画を現在策定中で、4月から計画に基づく事業をスタートすることとしています。  昨年9月の県議会では、我が会派の代表質問に対し、知事から、鹿の管理について、これまでの取組に加え、箱根山地等では、国による植生保護柵の設置や、隣接県による捕獲などと連携した取組を関係機関と調整して進めていくとの答弁がありましたが、この連携という言葉が絵に描いた餅にならぬよう、実効性のある取組が求められています。  本年1月23日には、山梨・静岡・神奈川の3県議会議長の意見交換会において、神奈川県議会議長から山梨、静岡の県議会議長に、鳥獣被害対策は1県だけの取組ではなく、連携して実施すべきとの呼びかけを行い、これに対し、両県議会議長からも、連携が必要との意見が示されたところであります。  このように、箱根山地や丹沢西部における鹿対策を進めるためには、神奈川単独で取り組むのではなく、県境を接する山梨、静岡をはじめ、国有林を管理する林野庁などと具体的にどう連携していくかが大きな鍵となります。  そこで、環境農政局長に伺います。  令和5年4月からスタートする第5次ニホンジカ管理計画において、隣接する山梨県、静岡県とどのように連携して鹿対策に取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 杉本議員の御質問に順次お答えしてまいります。  山梨県・静岡県・神奈川県の連携について、何点かお尋ねがありました。  まず、山梨・静岡・神奈川三県サミットの開催についてです。  山梨・静岡・神奈川三県サミットは、3県の緊密な連携関係を構築していくため、平成18年に知事間の合意により創設され、平成28年まで10回にわたり、定期的に開催してきました。  このサミットでは、富士箱根伊豆地域における観光振興や防災対策など、3県共通の広域的な行政課題について幅広く意見交換を行い、解決に向けて取り組んできました。  例えば、海外向けプロモーションの強化などの観光PRや、富士山火山防災対策に関する合同訓練の実施などを進めてきたところです。  サミット自体は、第10回を節目として、以後、必要に応じて開催することとしましたが、3県の実務レベルでの協議は継続して行っており、現在も様々な施策を連携して展開しています。  また、山梨、静岡の両県知事とは、毎年、全国知事会議や関東地方知事会議を通じて意見交換を行うなど、行政が直面する様々な課題について認識を共有しています。  引き続き、個々の課題における実務レベルでの連携を進める中で、3県共通の重要な行政課題が生じた際にはサミット開催も検討したいと考えています。  次に、防災分野における山梨県・静岡県・神奈川県の連携についてです。  防災対策を進める上で、山梨県、静岡県との連携は重要であり、県は3県に共通する課題である富士山火山対策を軸に連携を深めてきました。  平成26年には、噴火の発生を想定し、3県の知事と防災担当大臣がテレビ会議で対応策を話し合う訓練や、降灰の影響から住民を遠方に避難させる実動訓練等を3県合同で実施しました。  現在は、3県で構成する富士山火山防災対策協議会で噴火時の避難に関わる課題の協議等を進めており、今後も、富士山火山避難基本計画の改定や火山現象に関わる研究等で連携を図っていきます。  また、令和3年7月には、本県の温泉地学研究所と山梨県の富士山科学研究所の間で、火山研究職員による研究交流や、噴火時の相互応援を行うための協定を締結しました。  静岡県とも、火山に関わる研究職員同士の情報共有を密に図っており、今後も、人材交流を通じた両県との顔の見える関係づくりに努めていきます。  加えて、災害発生時の相互応援も大切です。令和3年7月に静岡県熱海市で発生した土砂災害に際して、県は、全国で最大となる50隊、194名の緊急消防援助隊を即日、派遣しました。また、昨年9月の静岡県の水害では、隣接県として、いち早く連絡員を派遣し、被災者支援の応援の調整に当たりました。  県としては今後も、隣接する山梨県、静岡県との連携を重視し、富士山火山対策や自然災害発生時の応援体制の充実に、しっかりと取り組んでまいります。  次に、観光分野における山梨県・静岡県・神奈川県の連携についてです。  本県と山梨県及び静岡県は、世界遺産の富士山を囲むように観光コンテンツの豊富な富士箱根伊豆エリアで隣接しており、これまでも3県で連携したプロモーションに取り組んできました。  例えば、3県及び関係市町村・団体等で構成する富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会では、富士山を中心に、この地域の魅力を記事や動画で発信するほか、ガイドマップを作成して羽田空港に配架する等のPRを行ってきました。  また、地元の市町村や事業者等とも連携して、この地域のサイクリングマップや国道138号の沿線ガイドを作成してきたところです。  こうした中、コロナ禍を経て、昨今の観光需要喚起策の実施や水際対策の大幅緩和等により、観光客が戻りつつあることから、隣県と連携した取組を継続して進めていくことは非常に重要です。  そこで、引き続き、協議会を通じて3県で連携した観光プロモーションを展開するとともに、これまでの取組を生かし、3県を周遊するモデルコースを新たに作成し、観光情報ウェブサイトで発信します。  また、例えば、大河ドラマ「どうする家康」などの共通するテーマで連携したプロモーションを行うことで、広域周遊を促します。  県は、隣県と連携したプロモーションを通して、より多くの観光客を呼び込み、広域の周遊観光を促すことで地域経済の活性化につなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  シカ対策における山梨県・静岡県・神奈川県等の連携についてお尋ねがありました。  県では、丹沢山地の生物多様性の保全・再生と農林業被害の軽減を目指して、ニホンジカ管理計画を策定し、管理捕獲などの対策を進めてきました。  その結果、丹沢山地では生息密度が低下し、鹿に食べられることで衰退した森林の下草は、一部の地域で回復が見られます。しかし、丹沢山地全体で下草が回復するには至っておらず、また近年は、静岡県と接する箱根山地において鹿の個体数が増加し、下草の衰退や農作物への被害が広がってきています。  これまで隣接県とは、鹿の生息状況や対策について情報共有や意見交換を行ってきましたが、より踏み込んだ連携が必要となっています。  そこで、現在策定中の第5次ニホンジカ管理計画では、県境での取組を重点的な取組方向の一つに掲げ、隣接県との連携を強化します。  具体的には、静岡県と共に箱根山地における広域捕獲計画を策定し、両県で目標を設定して鹿の捕獲を進めていく方向で検討しています。  また、山梨県とも連携が図られるよう調整を行い、静岡・山梨との県境に広がる国有林で、林野庁が実施するわな捕獲にも技術協力していきます。  このように、県境においても隣接県や国と共に連携した事業を実施することで、より実効性のある鹿対策となるよう取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 それでは、1点、再質問をさせていただきます。  山梨・静岡・神奈川三県サミットの開催について、1点だけ再質問させていただきます。  山梨・静岡・神奈川三県サミットは平成18年に創設され、平成28年までに10回開催されたということですが、本県では、この三県サミットの成果をどのように受け止めているのか、お伺いをいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  このサミットでは、観光振興でありますとか、防災対策、3県共通の広域的な行政課題について解決に向けた方向性を議論してきました。  私が最初にこの会議に出たときに驚いたんですけれども、富士山の噴火を想定した議論をしていると、そのとき富士山の噴火というのは、なかなかそうすぐにはないんじゃないかなと思っていましたけれども、そういったことを議論して、そして実際に合同訓練まで実施しました。そのときに、富士山の噴火を想定するならば、箱根の山は大丈夫なのかという気がして、そして箱根の火山対策といったものも進めました。情報受伝達訓練が終わった直後に、箱根の噴火警戒レベルが上がったといったことがありまして、そのときに、迅速に対応できたといったことがありました。  これは元をただせば、この三県サミットの成果であったなというふうに考えるところであります。  今後こういった3県の共通の重要な行政課題が生じた場合には、またこの三県サミットの開催を働きかけていきたいと考えております。  答弁は以上です。  〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 それでは、何点か意見、要望を申し上げておきます。  まず、山梨・静岡・神奈川三県サミットの開催についてです。  県西地域のさらなる活性化を図るためには、観光、防災、環境など様々な分野に、富士箱根伊豆地域を中心として、隣接する山梨・静岡との連携が不可欠です。もちろん、現時点でも事務的な連携が進んでいることは承知しておりますが、やはり最後はトップ同士が顔を合わせ、施策の進捗や方向性を確認、決断する場が必要ではないかと思います。  そして、いざ重要な政策課題が生じた際には、3県が速やかに一堂に会して議論できるということが大事です。加えて、3県知事が一堂に会することで、そのメッセージ発信といった効果も大きいと思います。  そうしたサミット開催の効果も踏まえながら、重要な課題が生じた際には本県から両知事に開催を呼びかけるなどして、積極的にサミットを活用していただきますよう、お願い申し上げます。  次に、観光分野における山梨県・静岡県・神奈川県の連携についてです。  ウィズコロナに向けた社会経済活動が動き出す中で、県内周遊にとどまらず、隣県と連携して、より広域の周遊観光を促すことは、お互いのメリットにつながるものと考えています。  特に、山梨・静岡・神奈川の3県が接する富士箱根伊豆エリアは、観光資源の宝庫であり、このエリアの魅力の連携した発信にも積極的に取り組んでいただくよう要望します。  次に、シカ対策における山梨県・静岡県・神奈川県等との連携についてです。  鹿の適正な管理を継続して行っていくためには、県境を接する山梨・静岡だけでなく、国有林を管理する林野庁などとも連携した、面での取組が重要であると思います。また、同じ時期に対策に取り組むことで、さらなる実効性が高まると考えています。  今月の19日に、捕獲後の鹿の利活用を見据えた、松田町にジビエ処理加工施設が新たにオープンするなど、足柄上郡でも鹿対策に大きな期待を持って動いているところでありますので、ぜひとも、隣接する山梨・静岡だけでなく、国や県内の市町村が一体となって、鹿の適正な管理について検討していただくよう要望いたします。  〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 質問の第2は、県西地域の諸課題についてであります。  〔資料提示〕  まず、県西地域における人口減少対策について伺います。  県は、県内の他地域よりも早く人口減少が進み、高齢化率も高い県西地域について、平成26年3月に県西地域活性化プロジェクトを策定し、継続して活性化の取組を進めてきたと承知しています。  そうした中、コロナ禍をきっかけに拡大したテレワーク等を背景に、地方移住に注目が集まり、県西地域全体では、2021・2022年は、転入者数が転出者数を上回る転入超過となり、一定の改善が見られるものの、急速に進む少子高齢化を踏まえると、人口減少対策は、県西地域における最重要課題の一つであることに変わりはありません。  こうした課題を抱える県西地域について、改めて、その特徴を挙げるとすれば、都心から車で1時間程度で四季を感じられる自然に囲まれ、アウトドアを満喫でき、ゆとりある暮らしができる地域であります。  これらの特徴から、例えば、豊かな自然の中で伸び伸び子育てするために都心からの移住を考えている方々や、働き方の自由度が高く、二拠点居住を考えているような方々から、新たな生活の地として選ばれる可能性が十分にあると思います。  私は、人口減少対策は、基本的には市町が対応すべき問題であると考えており、実際に、昨年、山北町が若者・子育て世帯向けに整備した町営住宅は、年末までに25戸が満室になるなど、市町の取組は一定の成果を上げています。  また、空き家の増加は、県西地域の大きな課題の一つですが、空き家バンクの運営や、空き家を活用したお試し居住など、人口減少対策として空き家対策に力を入れて取り組む市町も増えています。  しかし、コロナ禍で進んだ東京から郊外へという動きには、揺り戻しが起きているとの指摘もあり、県西地域の定住人口の増加を図るためには、令和5年度に最終年度を迎える県西地域活性化プロジェクトのその先の展開における対応も含め、今後、一層の取組強化が求められることは間違いありません。  私は、県は広域自治体として市町をしっかり支援する必要があり、市町の取組の実効性を高めるため、市町と連携して人口減少対策に取り組むべきであると考えます。  そこで、知事に伺います。  県西地域における人口減少対策について、市町と連携して、どのような取組を行っているのか、また、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、流域下水道における下水汚泥の肥料化について伺います。  下水処理場では、家庭で生じるトイレからのし尿や、台所やお風呂場から使われた排水、工場など事業所からの排水を集め、処理しています。  現代社会では、し尿に対するマイナスイメージが定着していますが、かつては我が国においても、し尿を農作物の肥料として利用し、有価物として取引していた歴史があります。  処理場では、汚水を処理する過程において汚泥が発生しますが、この汚泥の中には、し尿などに由来して、農業等に有効な窒素やリンが豊富に含まれているにもかかわらず、現在では、全国的に見ても、汚泥全体の発生量に対する肥料利用の割合は1割程度にとどまっています。  こうした中、政府は、昨今の気候変動やウクライナ情勢の緊迫化など、食料安全保障をめぐる環境の変化を受け、主要な原料を海外からの輸入に依存している化学肥料を代替するものとして、国内資源である下水汚泥の肥料利用を拡大するよう、食料安定供給・農林水産基盤強化本部において方針が出されました。  肥料価格が高騰する中、汚泥の持つ豊富な栄養分を有効活用し、安定的な肥料の提供ができれば、農業者にとっても大きなメリットがあると考えます。  そのような中、県が管理する四つの処理場では汚泥の全量を焼却しており、発生した灰の運搬と処分に、1トン当たり約3万円のコストがかかっているとのことですが、全国的に見ると、農村部にある自治体では、汚泥を処理場内にて1トン当たり約1万円で肥料化し、さらに有価物として取引が行われる事例があると聞いています。  本県のような都市部での肥料化には様々な課題があると思いますが、こうした取組は、汚泥処分に係るコスト削減だけでなく、汚泥を焼却する量を減らすことで脱炭素の取組にもつながり、かつ、肥料として農業利用することで新たな資源循環を生み出す、まさにSDGsの推進に資する取組であり、現在、全量焼却している下水汚泥の一部でも肥料化し、まずは処理場近隣の農業者に利用してもらうなど、できることから始めていくことが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  流域下水道において、下水汚泥の肥料化に向けて、今後の取組の方向性について見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、大野山乳牛育成牧場廃止後の跡地等の管理について伺います。  県営大野山乳牛育成牧場は、山北町大野山の山頂付近で、県内の酪農家から子牛を預かり育成する事業を行ってきましたが、平成24年度に県が打ち出した神奈川県緊急財政対策に基づき、平成27年度末をもって、乳牛育成牧場機能を廃止することとなりました。  この間、平成27年度にかけて、県は、山北町、畜産関係団体及び地元土地所有者等と協議、調整を重ね、それを踏まえて、平成28年1月に山北町と、山頂部の利活用や牧場敷地の防災対策など、牧場機能廃止後の牧場用地や施設等の取扱いを確認し、合意しています。  このうち、山頂部のトイレや作業道などの県有施設の町への譲渡や、中腹にある県有畜産施設「まきば館」等の民間事業者への貸付け、防災工事の実施などの取組は、順次、実行してきたと承知しております。  一方、山裾から山頂に至る牧道については、森林組合が管理する林道や県営八丁神縄林道へとアクセスする唯一の道路であることから、牧道を町に譲渡するのではなく、県営林道として整備、管理することを確認し、県は、その方向で取り組んでいるものの、林道化するには様々な調整等に時間がかかるとも聞き及んでいます。  また、近年、自然災害の激甚化、頻発化が顕著になっていますが、山北町にはスコリア層と呼ばれる大変脆弱な地層が広がっており、平成22年の台風をはじめ、令和元年の東日本台風、令和3年の豪雨、そして昨年9月にも災害が発生するなど、立て続けに山地災害に見舞われています。  大野山もそのスコリア層に覆われているため、牧場機能廃止後も度々土砂崩れが発生しており、山裾の住民は大雨のたびに不安を感じています。  特に、山頂から南側の斜面に位置する県有地の跡地は急斜面であるため、その管理について、山地災害防止の観点を踏まえた対応が極めて重要であります。  そこで、環境農政局長に伺います。  大野山乳牛育成牧場の廃止に伴い、地元等と合意された、牧道の県営林道化と、牧場跡地内の県有地の管理について、今後どのように行っていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、酒匂川の堆積土砂対策について伺います。  足柄上地域を流れる酒匂川は、富士山の東側山麓を源とし、上流の静岡県までは鮎沢川と呼ばれ、途中、河内川や川音川などの支川を集め、相模湾に注ぐ、神奈川県内では最も大きな流域面積を有する二級河川です。  足柄平野では、古くは文命用水に代表される農業用水路が整備され、今も酒匂川の水は広大な農地を潤し、昭和53年の三保ダム完成以降は、水道や発電の用水として利用されるなど、神奈川県民の暮らしや産業活動を支えています。  一方、酒匂川の流域は、その約8割が箱根や丹沢などの山地や丘陵地で占められ、特に上流域は富士山の噴出物が多く、大雨で崩壊しやすい地質であることから、これまで幾度となく土砂が酒匂川に流出し、大規模な災害をもたらしてきました。  大きく遡ると、1707年の富士山の宝永噴火により、大量の火山灰が流域に降り注ぎ、その翌年には、大雨により酒匂川の堤防が決壊し、下流の村々が土砂で埋まったとの記録が残されています。  また、近年では、平成22年の台風9号の際には、丹沢湖上流で最大時間雨量147ミリメートルという記録的な降雨を観測し、上流の静岡県内では、山腹崩壊や土石流が発生したことにより、酒匂川に多量の土砂が流出しました。  このときは、中流から下流にかけて、河川内に土砂が堆積するとともに、長期にわたって水が濁り、アユ漁をはじめとする漁業や水道用水の取水に大きな影響を及ぼしました。  酒匂川においては、全国の主要な河川と比べても上流域が急勾配であることを考慮すると、今後も大雨に伴う土砂流入は避けられないと考えており、さらに、既に堆積している土砂を着実に撤去していかなければ、氾濫の危険性は高まっていくため、地域住民が安心して暮らせるよう、しっかりと対策を講じていくことが重要であると考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  酒匂川の堆積土砂対策について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県西地域の諸課題についてお尋ねがありました。  まず、県西地域における人口減少対策についてです。  初めに、これまでの取組についてです。  県は平成26年に、未病の改善をキーワードとして、市町と共に県西地域活性化プロジェクトを策定し、令和3年のプロジェクト改定後は、交流人口に加え、関係人口の創出や移住・定住の促進にも重点を置いて取組を進めています。  具体的には、テレワークの普及を背景にワーケーションが注目されていることから、地域交流を通じた関係人口創出につなげるため、各市町の特色ある資源を組み合わせた広域ワーケーションを推進しています。  また、今年度から、市町村が移住・定住に取り組む中で直面する課題に応じて、専門的な知識や経験を有する民間人材を派遣する取組を開始しており、例えば、松田町では、空き家の利活用に向けた官民連携の活動の立ち上げ支援を行っています。  次に、今後の取組についてです。  現行のプロジェクトは、来年度が最終年度となることから、今後、力を入れるべき活性化策を市町に伺ったところ、コロナを機に移住相談が格段に増えているので、引き続き移住・定住の取組が重要との声を多く頂きました。  そこで、来月には、市町や民間の関係団体が参加する県西地域活性化推進協議会を開催し、人口減少対策を含めた今後の活性化策について議論を深めていきます。  引き続き、移住・定住の促進をはじめ、市町が進める取組としっかり連携することで、地域一丸となって県西地域の人口減少対策に取り組んでいきたいと考えています。  次に、流域下水道における下水汚泥の肥料化についてです。  下水の処理過程で生じる汚泥には、農作物の生育に必要な栄養分が含まれており、輸入に依存する化学肥料の高騰を背景に、これに代わる資源として、昨今、下水汚泥の肥料化への期待が高まっています。  県の流域下水道では、現在、下水汚泥を全て焼却し、その灰を建設資材として再利用していますが、これを焼却せず、肥料として農地に還元することができれば、脱炭素や資源循環の観点からも有効です。  こうした中、国では、農林水産省と国土交通省が連携し、肥料化の促進に向けた検討を開始しています。  県でも、こうした動きを受け、肥料化の検討を始めましたが、肥料の使いやすさの向上や、安全性への懸念の払拭が必要といった課題が明らかになりました。  まず、使いやすさの向上については、化学肥料のように軽くて散布しやすい、農業現場で取扱いが容易な肥料として提供していくことが必要です。  次に、安全性への懸念の払拭については、汚泥肥料や、これを用いて育てた農作物の安全性を確認し、まずは、農業者に御理解いただくことが重要です。  そこで、県はまず、汚泥肥料を試作し、それを農業者等に御確認いただき、御意見を伺っていきたいと考えています。それを踏まえた汚泥肥料を用いて、実際に作物を栽培し、成分を分析して安全性の確認を行い、その検査結果を農業者等にお示しして、理解促進を図りたいと考えています。  県は、こうした取組を通じ、国の検討状況も踏まえ、下水汚泥の肥料化を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  大野山乳牛育成牧場廃止後の跡地等の管理についてお尋ねがありました。  県では、平成27年度末に牧場機能を廃止したことに伴い、地元である山北町との合意に基づき、観光利用として山頂トイレを町へ譲渡するなど、跡地等の整備を進め、現在は牧道の林道化と牧場跡地の県有地の防災工事に取り組んでいます。  まず、牧道の林道化については、これまで町や地権者と調整しながら、道路敷地の測量や、林道の規格に適合するよう改良箇所の調査等を進めてきました。こうした事前準備がおおむね完了し、来年度は、林道化の本工事に着手するための全体計画を策定し、令和6年度以降、工事を実施していく予定です。  次に、牧場跡地の県有地について、牧場廃止後に行ってきた崩壊地の防災工事は、今年度で完了予定ですが、牧草地のままでは今後も崩壊の可能性があるため、災害に強い森林化に取り組む必要があります。  森林化を予定している県有地は傾斜がきつく、脆弱な地層であること、山頂に近いため、強風を考慮する必要があることなど、困難な条件がそろっています。  そこで、来年度から、試験的に防風ネット等を設置しながら植栽を行うなど、最適な工法を探りながら、10年程度かけて慎重に進めていく予定です。  今後も、山北町や地域の方々の意見を丁寧に聞き、観光スポットとしても、より多くの方に楽しんでもらえるよう配慮しながら、牧道の林道化と県有地の森林化を着実に進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  酒匂川の堆積土砂対策についてお尋ねがありました。  酒匂川は、過去に何度も氾濫を繰り返していることから、洪水時に、より多くの水を流せるように、日頃から堆積土砂対策に取り組むことが大変重要です。  平成22年には、台風により大量の土砂が流域全体に堆積したため、上流の静岡県側、下流の本県側の双方で土砂撤去を進め、平成28年度までに、おおむね以前の状態に回復させました。  その後、令和元年東日本台風に伴い、再び大量の土砂が堆積したことから、水防災戦略の予算を活用し、堆積土砂撤去の取組を強化しています。  このように、豪雨のたびに大量の土砂が堆積する酒匂川では、土砂撤去のより効果的な推進と、上流部の山林における土砂流出対策の促進といった二つの観点で取り組んでいく必要があります。  そこで、今後の取組ですが、一つ目の効果的な土砂撤去については、空中から水面下の地形を計測できるレーザーを用いた測量手法を活用することで、河川に堆積した土砂の場所や量を正確に把握し、氾濫の危険性の高い箇所から優先的に撤去を進めます。  二つ目の上流域での土砂流出対策の促進ですが、静岡県を含む流域全体で対策を進めるため設置した流域治水協議会を活用して、下流域の堆積の実情を上流側にお伝えするとともに、土砂流出の抑制に森林整備等が果たす効果を共有し、今後の取組に生かしていきます。  こうした取組により、次期水防災戦略の予算を活用しながら、酒匂川の堆積土砂対策を進め、流域の皆様の安全・安心を確保してまいります。  答弁は以上です。  〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 それでは、1点、再質問をさせていただきます。  大野山乳牛育成牧場廃止後の跡地等の管理についてですが、県有地の森林化に取り組むというお話でありますけれども、森林化を予定している県有地には、どのような樹木を10年間の間に植えて森林化を図っていくのか、お伺いします。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 森林化に当たって、どのような木を植えるのか、お尋ねがありました。  森林化する場所は、地形・地質が悪く、強風にも考慮する必要があるため、そうした条件に強い種類の木を選定する必要があります。  そこで、来年度は、候補となるマメザクラやミツマタなど複数の種類の木を試験的に植えて、生育状況等の経過を見ながら、最適な木を選定していく予定です。  答弁は以上です。  〔杉本 透議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 杉本透君。  〔杉本 透議員登壇〕 ◆杉本透議員 それでは、何点か要望させていただきたいと思います。  最初に、県西地域における人口減少対策でございますけれども、人口減少対策の主体は、やっぱり市町だと思うんですね。県も市町がしっかり動けるような施策を展開し、県西地域に、まずは関係人口を増やし、それから定住が進んでいくような取組を積極的に進めていただきたいというふうに思います。  また、現在、国も空き家活用促進の取組が進められているものと思いますが、そういった取組の活用を集約しながら人口減少対策に力を入れていくよう、重ねて要望をさせていただきたいと思います。  次に、流域下水道における下水汚泥の肥料化についてです。  肥料の検討は、まだ始まったばかりの状況だと思います。いろいろな課題が考えられると思いますが、SDGsにつながる取組として非常に重要なものであり、国も積極的に進めていることからも、ぜひ県も主体的に検討を進めていただくよう要望します。  大野山乳牛育成牧場廃止後の跡地等の管理についてであります。  10年かけてマメザクラとかミツマタを植樹していくというお話でございますけれども、大野山の山頂というのは、富士山とか丹沢湖、相模湾を同時に眺めることのできる県内随一の眺望があり、毎年多くのハイカーが訪れている有数のハイキングスポットだというふうに認識しております。  牧場跡地内の県有施設を森林化するに当たっては、山北町及び地元の方々の意見を踏まえて、多くの人が楽しみにしているその眺望を損なわないように十分配慮していただきたいと思います。  それからもう一つ、森林化をするには、やはり時間がかかりますけれども、森林化したら、そこが有害鳥獣のすみかにならないように、お願いを申し上げたいというふうに思います。  酒匂川の堆積土砂でありますが、レーザーで測ることができる、大変すばらしいことだろうというふうに思いますけれども、下流域の堆積土砂が非常に多いわけです。神奈川県内広域水道企業団が管理している取水堰等も大変土砂がたまっております。その辺はしっかりと連携を取りながら、酒匂川全域でしっかり堆積土砂を取り除くことができる対策をお考えいただきたいと思います。  以上で、私の一般質問は終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時52分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029392-質問・答弁-松長泰幸議員-一般質問①湘南東部医療圏をはじめとした看護師の確保について②出産・育児支援の充実について③ワクチン接種の副反応の状況とワクチン接種の記録の延長について④新型コロナウイルス感染症に対応する経口薬の治験について⑤道の駅設置にかかる市町村への支援について⑥辻堂海浜公園の津波避難対策について⑦老朽化している学校施設の修繕について⑧県立高校の未利用プールについて》                   午後3時16分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共89名 ○議長(しきだ博昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 質問を続行いたします。  松長泰幸君。  〔松長泰幸議員登壇〕(拍手) ◆松長泰幸議員 藤沢市選出の松長泰幸でございます。  議長のお許しを頂きましたので、私は、県政会神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びに県土整備局長、教育長におかれましては、前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、最後でございます、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、湘南東部医療圏をはじめとした看護師の確保についてであります。  超高齢社会に直面している日本において、いわゆる2025年問題は、社会保障制度の構築や労働力不足など様々な分野において、近年注目を浴びています。そして、それは医療・看護業界に対しても大きな影響を与えると言われています。  厚生労働省の資料では、最大27万人の看護師不足が発生するとのことであり、神奈川県が国に報告した需給推計においても、約2万4,000人の看護師が足りていないとの推計になっています。  その神奈川県の中でも、人口10万人当たりの看護師数は、湘南東部や県央等の医療圏が低い数値となっていますので、こうした地域にある看護専門学校の役割は、これまで以上に重要となってきます。  本県では、看護職員の養成の充実を図るため、看護師等養成所の運営に毎年補助を行っていますが、看護師不足の医療圏の看護専門学校へは、もっとてこ入れを行う必要があるのではないかと考えます。  例えば、湘南東部医療圏の中の私の地元、藤沢市には、1学年定員50人の藤沢市立看護専門学校と、1学年定員40人の湘南看護専門学校があります。  藤沢市立看護専門学校の湘南東部医療圏への就業は80から90%ですが、湘南看護専門学校卒業生は、この数年、湘南東部医療圏への就業は95%を超え、地域の学生を地域で看護師として育てるというコンセプトに沿った形で展開できているため、今後も安定的に地元に看護師を輩出できる大切な養成所になっています。  この湘南東部医療圏の保健・医療・福祉の向上に貢献することを目的に設立された湘南看護専門学校は、県や2市1町、その他関係機関から支援を受け、学校運営を行ってきましたが、経営状況は年々厳しくなっているようであり、今後の存続が危ぶまれています。  もちろん人件費の削減や、さらなる効果的、効率的な学校運営に努めるよう自助努力も必要となってきますが、過去に見直しを行ってきた入学金や授業料の負担増は、受験生の減少につながることと思いますので、これ以上は行うべきではないと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  2025年問題を踏まえ、湘南東部医療圏をはじめとした県の看護師不足対策や、経営の厳しい看護専門学校への支援について、どのように考えているのか、知事の御見解をお伺いいたします。  質問の第2は、出産・育児支援の充実についてであります。  厚生労働省の発表によれば、我が国の令和4年度の出生者数は80万人を割るとのことで、県内のそれは6万人割れするのではないかと推測されています。  少子化によってもたらされる問題は、今さら申し上げるまでもないことですが、大げさではなく、少子化は、国の将来の消長を決する根本的で重大な問題であると考えます。  ピーター・ドラッカーは、高齢者人口の増加と若年人口の減少は、ローマ帝国崩壊以来のことで、次の国家・社会を左右する重大な意味を持つと言っております。  彼の言葉をまつまでもなく、人口は国力の基本であり、原動力であり、国の成長と衰退は、人口とりわけ若い世代人口にかかっていると言っても過言ではありません。  この点について、私を含めて社会全般が少子化問題に対する認識が楽観に過ぎていたのではないかというふうに思っております。  少子化の原因が結婚数の減少、結婚年齢の高齢化、既婚者の出生数の減少などにあることは明らかであります。こうした現象が顕著になってきた原因の一つは、情報化社会の成熟化に伴う、結婚に対する価値観の変化ということが指摘されておりますが、これに対する対策は極めて難しく、にわかに状況を変えることは望めないと言わざるを得ません。  しかし、この価値観を構成する主要な部分に、出産・育児に伴う経済的負担という問題が存在することを考えますと、対策は具体的にはっきりしますし、直ちに実行することも可能です。  すなわち出産や育児にかかる費用を軽減、あるいはゼロにすることであります。それによって、出産・育児による生活レベル、QOL─クオリティー・オブ・ライフの低下を防ぐことができ、価値観の変化が期待できるわけです。  そこで、国も異次元の少子化対策と称して、出産一時金の増額などの対策を打ち出し、県も小児医療助成制度を小学校6年生までに拡大するなどの諸策を講じております。  東京都知事も先日の記者会見で、18歳以下の子供1人当たり月額5,000円を支給すると発表しました。  これらはいずれも一歩の前進であり、評価するものでありますが、急進する少子化傾向を防ぐためには、あまりに不十分で、その効果は限定的であると思われます。  そこで、知事にお伺いいたします。  せめて出産に伴う費用の一切を公費負担にできれば、出産に伴う経済的負担感は、かなり軽減されると考えます。これについて、知事の御見解をお伺いいたします。  また、出産に対する経済的支援だけでなく、子育てを明るく前向きに捉えられ、子育てすることに誰もが喜びを感じられるよう、子ども・子育て施策のさらなる充実が必要と考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。  質問の第3は、ワクチン接種の副反応の状況とワクチン接種の記録の延長についてであります。  新型コロナウイルスの発生から3年が過ぎ、この間、ワクチンの開発も進み、mRNAワクチンという新しい仕組みのワクチンが短期間で開発され、世界中で多くの方へ接種されてきました。  そうした中、先日、国において、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日に現在の2類相当から5類へ引き下げることが報道され、県民の方々は、ようやく日常の生活を取り戻せると期待しているようであります。  しかし、実際には新型コロナウイルスがなくなるわけではなく、感染拡大の防止と社会経済活動を両立させるウィズコロナ時代の新しいライフスタイルを実践していくことになります。  そして、ワクチン接種については、今後も継続的に推奨されていく可能性があり、さらに繰り返し接種する方も増えていくものと想定されます。  こうした中、私が懸念しているのが、ワクチン接種後に生じる副反応であります。注射した部分の痛み、頭痛、発熱等の症状の大部分は、接種後数日以内に回復しますが、中には、ワクチンとの因果関係は分からないものの、長引く症状に悩まれる方もいると聞いています。  また、国の副反応疑い報告では、ワクチンと関係があるか、偶発的なものか、ほかの原因によるものかが分からないケースも含まれますが、ワクチン接種後に死亡した事例として、全国で1,900件ほど、本県でも100件ほどが報告されていると承知しています。  ワクチンの承認については、平時では、より慎重に臨床試験を重ねて実用化するものですが、今回の新型コロナのワクチンは、コロナで重症化や死亡者も多数生じた中で、言わば災害級の事態の収束を図る観点から、特例承認されての使用となりましたので、今後の副反応の動向などについて、より注視すべきと考えます。  もう一つ、気をつけなければならないのが抗体依存性感染増強、いわゆるADEであり、これはウイルスの感染やワクチンの接種によって体内にできた抗体が、ウイルスの感染や症状をむしろ促進してしまうものであります。  国では、現時点では、新型コロナワクチンを接種した方にADEが生じたという報告はないとのことですが、薬事承認審査の過程では、実用化後も引き続き情報収集していくことが求められています。  こうした中で重要なのは、ワクチン接種の記録の保存です。現在の予防接種法等を見ると、自治体は、接種を行ったときは、その記録を作成し、接種を行ったときから5年間保存しなければならないこととされています。  しかし、新型コロナのワクチンは、多くの臨床試験を経ずに特例承認されていることから、5年を超えてから何らか副反応が疑われる症状が生じるケースの可能性があるのではないかと考えます。  過去を振り返ると、スモン、薬害エイズHIV、C型肝炎など、いわゆる薬害訴訟による賠償請求は長期にわたります。そのことからも、5年で接種記録が消えてしまうと、数年後に万が一起こってしまった訴訟において、最も重要な証拠がなくなってしまいます。こうなってしまえば、県民が賠償請求による救済を受けられない事態となってしまうため、5年間の記録保持をもっと長期にわたって行う必要性があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナワクチン接種後の副反応について、接種記録の保存も含め、今後どのように対応していくのか、知事の御見解をお伺いいたします。  質問の第4は、新型コロナウイルス感染症に対応する経口薬の治験についてであります。  先ほども申し上げたとおり、国では新型コロナウイルスの感染症法上の分類を見直し、現在、2類相当であるところを、5月8日から5類にすることとしていますが、こうしたことからも、治療薬の存在は非常に重要であり、将来的には、一般の風邪薬のように、多くの経口薬が流通することが望まれます。  国内における新型コロナウイルス感染症の経口薬は、令和3年12月にメルク社のラゲブリオが承認され、令和4年2月にファイザー社のパキロビッドが薬事承認されたことに加え、令和4年11月に塩野義製薬株式会社が開発したゾコーバが承認されたところであります。  ゾコーバは、新型コロナウイルスに対応する国産の経口薬の第1号であり、本県でもその開発に協力し、県内の宿泊療養施設の一部において、効果や安全性を調べるための治験が行われたと承知しています。これは、これまでにない初めての試みであり、治験に御協力いただいた方々に改めて感謝申し上げます。  また、県ではほかにも、興和株式会社のイベルメクチンの治験にも協力したと承知しています。県が製薬会社の治験に協力したことは、コロナの感染拡大が繰り返される中で、多くの県民が待ち望んでいた国産の経口薬の開発に貢献したものであり、県民の皆様にも広くお知らせしていくべきと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルスに対応する経口薬の治験において、これまで県は、どのような協力をしてきたのでしょうか、また、治験を行った二つの経口薬、ゾコーバとイベルメクチンについては、どのような状況になっているのか、さらには、県が治験への協力をしたことについて県民に広く知らせていくべきと考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。  質問の第5は、道の駅設置にかかる市町村への支援についてであります。  道の駅は、その制度が創設されてから今年で30年目を迎えました。昨年の8月時点では全国に1,198駅が設置され、年間2億人以上の方々が訪れるなど、広く国民に受け入れられた人気の施設となっており、道の駅に行くことを目的として家族連れでドライブに行く方々も増えていると聞いています。  地元でしか買えない新鮮な野菜や果物、御当地ならではのスイーツなどは大変魅力的で、私自身、地方に出かけた際には、ついつい立ち寄り、買物をすることを楽しみにしているところであります。  また、昨年、私が訪れた人気のある群馬県の道の駅「川場田園プラザ」では、年間約200万人もの来場者があり、その売上高は約20億円に上ると報道されており、当初の想定を大幅に上回っているとのことであります。  県内でも、令和2年にオープンした南足柄市の足柄・金太郎のふるさとでは、来場者は想定を大きく上回り、地域に大きく貢献していると聞いています。  さらに、国土交通省では、インバウンド観光拠点を目指した道の駅の世界ブランド化や、あらゆる世代が利用できる地域センターとしての機能強化などを目指した新たなステージを展望しており、今後、道の駅は、ますます地域活性化の牽引役になると期待されます。  こうした中、新湘南バイパスの茅ヶ崎海岸インター付近では、現在、茅ケ崎市と県が新たな道の駅の整備を進めておりますが、私の地元、藤沢市でも、現在工事中の横浜湘南道路が開通すると、多くの方々が藤沢に訪れることから、こうした方々を温かくお迎えし、地域の活性化のさらなる起爆剤となる道の駅があればよいのではないかとの声も聞きます。  そういう観点から、横浜湘南道路の藤沢インターチェンジ周辺が道の駅の候補地の一つとして考えられますが、そこには様々な規制があり、土地利用も制限されています。  道の駅は、市町村が主体となって設置に向けた検討を行うものですが、仮に藤沢市が道の駅の構想を具現化しようと考えた場合、市だけでは、関係法令を遵守し、様々な手続や調整を適切に進めることが難しいため、県の支援や協力が必要ではないかと考えます。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  道の駅の設置を検討しようとする市町村に対し、県は、どのように支援を行っていくのか、県土整備局長の御見解をお伺いいたします。  質問の第6は、辻堂海浜公園の津波避難対策についてであります。  1923年の関東大震災から今年でちょうど100年。東海・関東地方には、いつ大地震が来てもおかしくないと言われて久しく、そこで心配されるのが津波災害です。  県立都市公園は県内に27か所ありますが、大地震等に伴って公園全域の浸水が想定されている公園が4か所あり、そのうち2か所が藤沢市内にある湘南海岸公園と辻堂海浜公園です。  このうち、辻堂海浜公園では、藤沢市が作成した津波ハザードマップによると、公園付近の海岸において、大地震に伴う最大津波の高さが8.8メートル、津波到達時間は8分であり、公園内の浸水深は最大で5メートル程度と推測されています。  本公園は、休祭日を中心に多くの利用者が訪れており、その数、何と昨年度は約120万人であります。この人数は、県立都市公園の中では、湘南海岸公園の利用者数である年間約180万人に次ぐ第2位となっています。特に週末のイベント開催時などは、多くの人が長時間にわたり滞在しています。  この辻堂海浜公園の利用者の中には、高齢者や小さな子供連れの家族、障害者など、避難に時間を要する方々もおり、そうした方々が大地震後の動転、混乱した状況下でも、できるだけ速やかに、安全な場所に避難できるような環境を整えることが重要な課題であると考えています。  また、例えば、公園内の交通展示館の上を津波避難施設として利用できるようにするなど、逃げ遅れた人が緊急的に避難できるような施設を増やしていくことも有効ではないかと考えています。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  県立辻堂海浜公園における津波避難対策に、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、県土整備局長の御見解をお伺いいたします。  質問の第7は、老朽化している学校施設の修繕についてであります。  本県には、高校、特別支援学校など約170校の県立学校があり、その多くは、昭和48年から63年にかけての高校百校新設計画、いわゆる百校計画により新設されたもので、施設の老朽化が進んでいます。  老朽化している県立高校の校舎や柔剣道場については、現在、新まなびや計画に基づき、計画的に老朽化対策を実施していることは承知していますが、計画の対象とならない施設についても、生徒の学校生活を考えれば、早急な修繕が望ましいものが多いのではないかと認識しています。  実際に、先日、私の母校でもあります県立鎌倉高校の保護者から、部室棟の老朽化がひどいという声が届きました。鎌倉高校といえば、最近、映画化もされましたが、以前から、海外でも人気のある「スラムダンク」というアニメ作品の舞台として、ファンの間で知られている学校でもあります。  相談の具体的な内容としては、雨漏りして生徒が困っているので、修繕や建て替えについて対応してもらえないのかというものでした。鎌倉高校以外でも、古くからある高校では、こうした老朽化した施設が多く、部室棟などを含め、雨漏りが生じたり、内装の傷みを我慢して使っているのではないかと想像できます。  このような施設の中で学校生活を送っていては、生徒の心も荒廃してしまわないか心配になります。できるだけ快適な学習環境で過ごしていただきたいものです。  また、他方では、県立高校改革により、今後、再編・統合が予定されていますが、統合により非活用となる学校では、いずれ校舎が使われなくなるので、こうした老朽化した施設であっても、何もしてくれないのではないかという心配の声が保護者から届いています。  非活用となる学校の生徒にとって、学校生活において不公平感が生じないように配慮する必要があると思います。  このように、老朽化が進行し、雨漏りや外壁落下等が発生する施設においては、営繕費を毎年確保して施設改修を行っていると承知していますが、適時適切に対応していただきたいと考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  老朽化が進行している学校関連の施設の整備について、学校現場の声をどのように反映し、施設整備を行っているのか、教育長の御見解をお伺いいたします。  質問の第8は、県立高校の未利用プールについてであります。  県立高校のプールは、昭和54年の文部科学省の学習指導要領の改訂によって、高校での水泳の授業は選択制になりました。県立高校では、全ての学校にプールが設置されているわけではありませんが、この選択制等によって、プールを利用していない学校は現時点で数十校あると聞いています。  こうして利用されなくなったプールを私も目にすることがありますが、時間の経過とともに老朽化し、景観的にもあまりよろしくないと思います。このプール用地も、学校施設として有効活用することを考えていかなくてはなりません。  プール用地は、さほど広くもないので、活用方法もそれなりに制限があるかと思いますが、それでも、テニスコートやフットサルコートなどを考えれば、いろいろな可能性があるかと思います。  とはいえ、プールの解体費用もかなりかかりますし、計画的に取り組んでいく必要があるかと考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  未利用のプールにおいては、それぞれの学校に合った活用方法をきちんと考えていく必要があると思いますが、教育長の御見解をお伺いいたします。  以上で、第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 松長議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、湘南東部医療圏をはじめとした看護師の確保についてお尋ねがありました。  超高齢社会が進展する中、本県の医療提供体制を支える看護師の確保と、その養成を担う看護師等養成所の安定的な運営は大変重要です。  県はこれまで、養成所を支援するため、施設の新築、改修等の費用に対する補助のほか、運営費に対する補助を行ってきました。  具体的には、運営費補助として、年間で1養成所当たり1,617万円に、学生1人につき1万5,500円を加えた額を補助しています。さらに、卒業生の県内就職率を高めるため、就業率が9割を超える養成所には補助を加算しており、例えば、湘南看護専門学校には合計で年1,957万円を補助しています。  こうした支援を講じたこともあり、県内の看護職員数は平成30年からの2年間で5,545人増え、その増加率は全国4位となっています。  しかし、県の人口10万人当たりの看護師数で見ると、いまだに全国45位にとどまっています。  そこで、県では、来年度策定する保健医療計画に、県内全体のほか、湘南東部医療圏をはじめとした二次医療圏ごとの看護師数の目標を設定し、関係団体と相談しながら、看護師の確保策を検討していきます。  また、少子化による受験者数の減少など、養成所の運営環境も一層厳しくなることが予想されます。そこで、各校の魅力を積極的に広報することにより、学生の募集への支援を行うとともに、引き続き養成所に対する運営費補助を継続していきたいと考えています。  こうしたことにより、県内における看護師確保に、しっかりと取り組んでまいります。  次に、出産・育児支援の充実についてお尋ねがありました。  まず、出産に伴う経費の公費負担についてです。  出産に伴う経済的負担の軽減は、少子化対策の一つとして有効と考えられます。  出産に係る主な費用としては、妊婦健診費用と出産時の分娩費用があります。このうち、妊婦健診費用については、市町村において、その経済的負担を軽減させるための補助を行っています。  しかし、妊婦健診の費用は、医療機関等によって異なっており、市町村が支援する補助額についても差が生じています。そこで、市町村における補助額見直しの参考となるよう、他団体の補助に関する詳細な情報を共有していきます。  また、分娩費用については、国において、令和5年4月から、出産育児一時金を1分娩当たり50万円に引き上げることを決定しました。しかし、本県の出産費用は、全国の平均費用よりも高いと言われています。  そこで、今回の出産育児一時金の引上げによる効果を注視するとともに、本県としての対応を検討してまいります。  なお、出産・子育て全般に使える経済的支援の費用として、出生児1人当たり10万円を令和4年第3回定例会でお認めいただいており、市町村が現金で給付する場合には、これを出産費用の一部として充てることも可能です。  次に、子ども・子育て施策のさらなる充実についてです。  希望する人が希望する人数の子供を持ち、子供が健やかに成長できる社会を実現させるためには、子育て支援の拡充が重要と認識しており、今定例会に神奈川県子ども・子育て基金設置の条例案を提案し、80億円の基金積立金を予算案に計上しています。  基金を活用した具体的な子育て支援策については、国の、次元の異なる少子化対策の動向を注視しつつ、市町村とも調整しながら、実効性のある施策を練り上げていきたいと考えています。  また、現在、私自身が子育て世代の県職員と直接意見交換を行っており、この中でも当事者の声を受け止め、保護者の負担軽減など、効果的な施策を検討していきたいと考えています。  県は、出産・育児支援に取り組み、全ての子供が幸福で健やかに成長でき、県民が安心して子供を産み育てることができる社会の実現に努めてまいります。  次に、ワクチン接種の副反応の状況とワクチン接種の記録の延長についてお尋ねがありました。  新型コロナワクチンは、重症化リスクの低減効果が認められる一方、副反応疑いも報告されていることから、正確な情報を県民の皆様にお伝えし、安心して接種していただく環境を整えることが重要です。  県では、令和3年3月から、ワクチン接種後の副反応に関する相談を24時間受け付けるコールセンターを設置し、幅広く相談に応じています。  また、かかりつけ医や地域の医療機関での対応が困難な場合は、県が協力を依頼した県内11の医療機関で、より専門的な相談に対応していただいています。  一方、副反応については、頭痛や手足のしびれなど、その長引く症状の原因がいまだ解明されていないため、治療法も確立されていません。現在、副反応に関しては、厚生労働省で、その原因や治療法に関する知見を収集していますので、その結果については、医療機関へ情報提供していきます。  あわせて、県民の皆様に対しても、副反応に関する最新情報を分かりやすくお伝えできるよう、県のホームページに掲載していくとともに、コールセンターにおける相談にも活用していきます。  また、新型コロナに対して開発されたワクチンは、新しいタイプのワクチンであるため、中長期にわたってその安全性や有効性を注視していくことが必要であると考えています。  そこで、県では、接種記録の保存期間の延長を検討するよう、国へ要望していきたいと考えています。  こうしたことにより、県民の皆様が安心してワクチンを接種できる環境を整えていけるよう取り組んでまいります。  最後に、新型コロナウイルス感染症に対応する経口薬の治験についてお尋ねがありました。  まず、治験に対する、これまでの県の協力についてです。  県では、新型コロナの経口薬を開発する製薬会社から依頼を受けて、令和3年9月から令和4年8月までの間、県の宿泊療養施設の一部で2社の治験実施に協力しました。  具体的には、県が宿泊療養者に治験の実施について案内し、治験を希望する方から製薬会社に連絡した上で、施設内での治験の実施を可能としました。  しかし、当初は、県の個人情報保護条例における取扱いにより、療養者の情報を直接、製薬会社に提供できないという制約がありました。そのため、治験希望者と製薬会社とのマッチングに日数を要し、発症後5日以内の方が対象という治験の条件に、間に合わない事例も多かったため、治験症例数が伸び悩んでいました。  そこで、県では、早期の治験が可能となるよう、情報公開・個人情報保護審議会の答申を得て、直接、療養者の情報を製薬会社へ提供し、製薬会社が療養者に意向を確認できるようにしました。  このような協力の結果、県の宿泊療養施設における治験参加者数は約200人となり、治験の実施に貢献できたものと考えています。  次に、県が治験に協力した二つの経口薬の状況についてです。  まず、興和株式会社のイベルメクチンについては、昨年9月に承認申請を断念したと承知しています。一方、塩野義製薬株式会社のゾコーバについては、昨年11月に緊急承認され、現在、都道府県が指定した医療機関と薬局に配分されています。  最後に、治験への協力に係る県の広報についてです。  これまでも県では、ホームページでコロナ経口薬の治験に協力していることは紹介してきました。今後、本県の新型コロナ対策の振り返りを行う中で、経口薬の緊急承認にも貢献した県の取組についても、広く県民の皆様に周知してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  道の駅設置にかかる市町村への支援についてお尋ねがありました。  道の駅は、道路利用者に休憩の場と、道路や観光の情報を提供し、地場産品等を販売する交流拠点であり、災害時には支援拠点にもなる、様々な機能を持った施設です。  この施設は、市町村が主体となって設置するもので、これまで県は、市町村に気軽に相談していただけるよう、道の駅相談窓口を設け、整備に当たり解決すべき課題に対し、アドバイスを行ってきました。  こうした取組により、直近では、南足柄市に道の駅「足柄・金太郎のふるさと」が完成し、また国道134号の茅ケ崎市柳島では、市が地域振興施設等を整備し、県が駐車場等を整備するという役割分担の下、現在、新たな道の駅の設置が進められています。  こうした中、県内の道の駅の成功例が増えたことから、設置を希望する市町が増加しているものの、直面する課題が多くあったため、検討が進まなかった事例も幾つかあります。  そこで、今後、道の駅相談窓口では、道の駅設置に際し、土地利用規制にどのように対応していくか、また、出入口の交通をどのように処理するかといった、必ず直面する課題について対応を強化します。  具体には、道の駅の早期実現に向けては、関係する土地利用規制が少なく、スムーズな出入りが確保できる箇所を選定することが望ましいことから、構想初期の予定地を選定する段階から、地元市町と丁寧に意見交換を行い、設置に向けた支援を行います。  また、道の駅を災害時の地域の支援拠点として、いかに有効に活用していくかといった点についても、それぞれの市町の防災計画なども伺いながら助言していきます。  県はこうした取組により、道の駅の設置を望む市町をしっかりと支援してまいります。  次に、辻堂海浜公園の津波避難対策についてお尋ねがありました。  辻堂海浜公園は、広々とした芝生広場や様々な乗り物に親しめる交通展示館等、多様な楽しみ方ができる公園として、多くの方に利用いただいています。  この公園は海岸に近く、大地震の際、津波の浸水が想定されていることから、これまで県は、藤沢市の津波避難計画を踏まえ、対策を進めてきました。  公園の近隣には津波避難ビルが複数あり、また、200メートル内陸側は津波が到達しない区域となっており、こうした安全な場所を案内する看板を園内に設置したほか、指定管理者等と連携し、避難訓練を実施しています。  また、逃げ遅れた方が緊急的に避難できるよう、想定される津波高さよりも高い位置にある園内の小高い丘の上に、広い避難スペースを確保しました。  一方、この公園の敷地は大変広く、また、地震発生から津波到達まで時間に余裕がないことから、初めて訪れた方や高齢者でも迷うことなく速やかに避難できるように、ルートが一目で分かるようお知らせする必要があります。  そこで、県では、公園利用者の津波被害ゼロを目指し、公園の出口や避難場所への進路が分かるよう、案内看板を充実させるほか、公園の園路には、避難の方向を矢印で示す路面標示等を新設します。  また、毎年実施する避難訓練の際、的確に誘導ができたかどうか、取組の効果を検証します。さらに、緊急的に避難できる施設の整備も逃げ遅れた方にとって有効であるため、今後、交通展示館等の老朽化対策の実施に合わせ、施設の屋上等を避難スペースとして整備できないか検討します。  県では、引き続き津波避難の取組を進め、辻堂海浜公園を多くの方々に安心して御利用いただけるよう努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  老朽化している学校施設の修繕についてお尋ねがありました。  本県の県立学校は、建築後40年以上経過している校舎などが6割を超えており、その老朽化が大きな課題となっています。  そのため、県教育委員会では現在、新まなびや計画に基づき、計画的な老朽化対策に全力を挙げて取り組んでいます。  一方、雨漏りなど緊急に対応する必要がある不具合が生じた場合には、生徒の学びに支障が生じないよう、速やかに修繕を行う必要があります。  こうした学校からの要望は、毎年、数百件程度寄せられており、限られた財源の中で効率的に対応するため、不具合の状況を技術職員等が見極め、優先順位をつけて対応しています。  また、再編・統合により非活用となる学校であっても、トイレの改修など、生徒が快適に過ごせるよう配慮する必要があります。  そこで、県教育委員会では来年度、新まなびや計画に基づく学校施設の再整備に約246億円を計上するほか、学校施設の修繕や備品の更新等の予算を約44億円増額して、教育環境の整備を加速したいと考えています。  県教育委員会としては、今後も学校現場の声をよく聞きながら、子供たちにとって安全で安心な教育環境となるよう、しっかりと施設整備に取り組んでまいります。  次に、県立高校の未利用プールについてお尋ねがありました。  現在、県立高校等140校のうち、104校にプールが設置されていますが、このうち、授業や部活動等で使っていない未利用プールは37校あります。将来にわたって利用の見込みがないプールは、本来であれば、速やかに撤去することが望ましいと考えています。  しかし、プールの解体撤去には多額の費用がかかることから、県教育委員会ではこれまで、学校施設の再整備等、プール解体後の跡地利用が明確になっている場合に、その撤去を行ってきました。  例えば、既存の武道場の耐震補強が技術的に難しかった大磯高校では、学校の意向を踏まえ、その再整備に当たって、未利用プールを撤去し、跡地に新しい武道場を建設しています。  県教育委員会では現在、安全で安心な教育環境を整備するため、新まなびや計画に基づき、学校施設の耐震・老朽化対策を最優先に、全力で取組を進めています。そのため当面は、それぞれの学校に合った再整備等を行っていく中で、学校現場の声として、未利用プールを解体撤去しなければ施設の配置に支障を来すなどの状況が生じた場合に、具体的な処分を検討してまいります。  答弁は以上です。  〔松長泰幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 松長泰幸君。  〔松長泰幸議員登壇〕 ◆松長泰幸議員 知事並びに県土整備局長、教育長、御答弁ありがとうございました。  時間内で、意見、要望を申し上げたいと思います。  まずは、湘南東部医療圏をはじめとした看護師の確保についてでありますが、今回は、地元の湘南看護専門学校を例に取り上げましたが、進展する少子化の中で、このような小さな規模の看護学校の運営は、今後ますます厳しくなっていくことと予測されます。  それゆえに、補助金・助成金等の特定財源のさらなる確保に向け、県として関係機関と連携を深めながら、運営費補助等のさらなる拡充を要望いたします。  次に、出産・育児支援の充実についてでありますが、出産にかかる神奈川県内の公的病院の平均費用は、室料差額等を除いて50万4,634円とのことでありますが、国がこの4月から出産育児一時金を42万円から50万円に増額するということなので、その差額が補助されれば、出産費用は全て公費負担となるわけであります。  こうしたことを発信できれば、少子化対策の一つのメッセージになり得ると思います。また、これぐらいの金額であれば、財政的にも県で出せない金額ではないと思いますので、出産費用の全額公費負担に向けて、引き続き御検討をお願い申し上げます。  次に、ワクチン接種の副反応の状況とワクチン接種の記録の延長についてでありますが、昨今マスコミでも、ワクチン接種の副反応について取り上げる事例が増えてきたように思います。  また、新型コロナ感染者のこれまでの波のピークが、どんどん高くなるのを見るにつけ、ADEのおそれがあるのではないかと心配してしまいます。県としても、引き続ききちんと注視していただければと思います。  また、新型コロナワクチンのワクチン接種記録については、幾つかの市では既に延長しているようでありますので、神奈川県内でも、最低10年は保管できるように、県内各自治体に指導していただくように要望を申し上げます。  次に、新型コロナウイルス感染症に対応する経口薬の治験についてでありますが、県ではゾコーバとイベルメクチンの治験の協力を行っていたわけでございます。  御答弁では、イベルメクチンについては、承認申請を取り下げたとのことでありましたが、効果があるとの情報も根強くあったので、少し意外な感じがいたしました。  こうした新薬の治験については、一定の危険も伴いますので、あまり積極的に協力を促すことはしづらいと思いますが、今後もし、またパンデミックが発生した際には、治験の協力体制を構築できるような準備も考えていただければと要望申し上げます。  次に、道の駅設置にかかる市町村への支援についてでありますが、冒頭申し上げたように、人口数千人の村にできた道の駅に、年間200万人もの来場者があるとのことであります。  ちなみに、地元、藤沢市の昨年の海水浴客数は、約130万人とのことでありますので、200万人という数字は、地域経済の活性化に対する貢献度は相当なものであると思います。  湘南エリアには、現在、茅ケ崎市に道の駅が建設予定でありますが、近い将来、藤沢市にも道の駅を建設してはどうかという意見も出てくるのではないかと予想されます。そういうときには、県としてもしっかりとサポートしていただくように要望を申し上げます。  次に、辻堂海浜公園の津波避難対策についてであります。  県立辻堂海浜公園のように、津波の浸水が想定される場所で大地震に遭遇したときは、まずは津波の影響を受けない区域へ避難するということが、命を守る上で何よりも重要であることは、私も理解しているところであります。  しかし、この公園は、地元の大規模イベントである辻の盆には、週末の2日間で3万人もの方々が訪れる場所であって、障害者も含め、誰もが安心して利用できるような配慮が必要であり、特に防災無線が聞こえない聴覚障害の方々には、特段の配慮が求められると思います。  先ほど県土整備局長より、公園施設の老朽化対策の実施に合わせ、緊急的に避難できる施設の整備を検討していくとの答弁を頂きましたが、より多くの方が安心して公園を利用していただくためにも、できるだけ早く本公園内、特に公園の北側入り口付近に津波避難施設を設置していただけるように要望をさせていただきます。  最後に、老朽化している学校施設の修繕についてでありますが、今回は、たまたま私の母校を紹介しましたが、古くからある高校は似たような状況であると想像できます。  また、鎌倉高校はスラムダンクの聖地と言われ、江ノ電の踏切と併せて、多くの観光客が訪れ、以前から無断で校内に立ち入ってくる人がいるので困るという声も届いています。  いまだに、それはゼロにはなっていないようでありますが、国民的な人気アニメの聖地にふさわしい環境を、生徒のためにはもちろんのこと、国内外に見せられるように要望させていただきます。  以上で、質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) 以上で質問並びに質疑を終わります。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230227-029393-諸事項-議案付託等-》 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  日程第1から日程第3までにつきましては、この程度で、議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録巻末133頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 次に、日程第4、請願第49号 岸田政権の大軍拡に反対する国への意見書の提出を求める請願外1件を議題といたします。  請願書の朗読は省略いたします。                            〔本会議録巻末113頁参照〕  お諮りいたします。  以上、請願2件につきましては、請願付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録巻末136頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  2月28日から3月14日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、3月15日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時9分 散会...