令和 4年 第三回 定例会
△《本会議録-令和4年第3回-20220912-029281-諸事項-出席議員等・
議事日程-》 令和4年第3回
神奈川県議会定例会会議録第2号〇令和4年9月12日 午後1時開議 ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共101名 出 席 議 員 大 村 悠 桝 晴 太 郎 永 田 磨 梨 奈 加 藤 ご う 永 田 て る じ 菅 原 あきひと 須 田 こうへい す と う 天 信 上 野 た つ や 石 田 和 子 田 村 ゆうすけ 松 長 泰 幸 山 口 美 津 夫 高 橋 延 幸 武 田 翔 田 中 信 次 川 崎 修 平 神 倉 寛 明 お ざ わ 良 央 た め や 義 隆 飯 野 まさたけ 望 月 聖 子 佐 々 木 ナ オ ミ 柳 瀬 吉 助 市 川 さ と し 佐 藤 けいすけ 大 山 奈 々 子 君 嶋 ち か 子 池 田 東 一 郎 石 川 巧 芥 川 薫 川 本 学 市 川 和 広 山 本 哲 綱 嶋 洋 一 新 堀 史 明 田 中 徳 一 郎 山 口 貴 裕 野 田 治 美 脇 礼 子 石 川 裕 憲 米 村 和 彦 小 林 大 介 京 島 け い こ 井 坂 新 哉 佐 々 木 ゆ み こ 楠 梨 恵 子 西 村 く に こ 谷 口 かずふみ 藤 代 ゆ う や 渡 辺 紀 之 原 聡 祐 高 橋 栄 一 郎 あ ら い 絹 世 柳 下 剛 細 谷 政 幸 河 本 文 雄 内 田 み ほ こ 中 村 武 人 古 賀 照 基 青 山 圭 一 斉 藤 た か み 赤 野 た か し さ と う 知 一 亀 井 たかつぐ 佐 々 木 正 行 渡 辺 ひ と し 小 野 寺 慎 一 郎 長 田 進 治 国 松 誠 杉 本 透 し き だ 博 昭 小 島 健 一 いそもと 桂 太 郎 梅 沢 裕 之 嶋 村 た だ し 桐 生 秀 昭 市 川 よ し 子 岸 部 都 く さ か 景 子 作 山 ゆうすけ 菅 原 直 敏 北 井 宏 昭 相 原 高 広 鈴 木 ひ で し 藤 井 深 介 森 正 明 土 井 りゅうすけ 杉 山 信 雄 小 川 久 仁 子 持 田 文 男 竹 内 英 明 浦 道 健 一 加 藤 元 弥 松 田 良 昭 牧 島 功 松 本 清 た き た 孝 徳 松 崎 淳 近 藤 大 輔 曽 我 部 久 美 子 欠 席 議 員 栄 居 学 堀 江 則 之 説明のための出席者 知事 黒 岩 祐 治 副知事 武 井 政 二 同 小 板 橋 聡 士 政策局長 平 田 良 徳 総務局長 筒 浦 浩 久 くらし安全防災局長 佐 川 範 久
国際文化観光局長兼
拉致問題担当局長 香 川 智 佳 子 福祉子どもみらい局長 橋 本 和 也
健康医療局長兼未病担当局長 山 田 健 司 産業労働局長 河 鍋 章 県土整備局長 大 島 伸 生 共生担当局長 川 名 勝 義
教育委員会教育長 花 田 忠 雄 同 教育局長 田 代 文 彦 同
県立高校改革担当局長 杉 山 正 行 警察本部長 林 学 同 総務部長 重 江 光 一 ─────────────────────────────────────── 議会局出席者 議会局長 浦 邊 哲 議会局副局長兼総務課長 高 瀨 正 明 同 議事課長 井 上 実 同 政策調査課長 大 河 原 邦 治 ─────────────────────────────────────── 令和4年第3回
神奈川県議会定例会議事日程第2号 令和4年9月12日午後1時開議第1 定県第 71 号議案 令和4年度神奈川県
一般会計補正予算(第2号) 定県第 72 号議案 同 年度神奈川県
水道事業会計補正予算(第1号) 定県第 73 号議案 神奈川県公報による公告の見直しに伴う関係条例の整理に関する条例 定県第 74 号議案 神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例 定県第 75 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非
営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例 定県第 76 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例 定県第 77 号議案 神奈川県みんなの
バリアフリー街づくり条例の一部を改正する条例 定県第 78 号議案 神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例 定県第 79 号議案
工事請負契約の締結について(
一級河川矢上川地下調節池トンネル本体Ⅰ期
工事請負契約) 定県第 80 号議案
特定事業契約の締結について(
県営上溝団地特定事業契約) 定県第 81 号議案
特定事業契約の締結について(県営追浜第一
団地特定事業契約) 定県第 82 号議案 指定管理者の指定について(伊勢原射撃場) 定県第 83 号議案 指定管理者の指定について(湘南港) 定県第 84 号議案 指定管理者の指定について(葉山港) 定県第 85 号議案 和解について 県報第2号 専決処分について承認を求めること(動産の取得について) 県報第3号 専決処分について承認を求めること(
損害賠償請求訴訟の判決に対する控訴について)第2 認第1号 令和3年度神奈川県
公営企業決算及び神奈川県
流域下水道事業決算の認定について ───────────────────────────────────────
△《本会議録-令和4年第3回-20220912-029282-質問・答弁-あらい絹世議員-
代表質問①県政課題に対する知事の基本姿勢について②今後の県政のあり方について③県民生活を守る取組について④子どもを取り巻く県政の重要課題について》 〔議会局長報告〕 出席議員 議長共100名
○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○議長(しきだ博昭) 審議を行います。 日程第1、定県第71号議案 令和4年度神奈川県
一般会計補正予算外16件及び日程第2、認第1号 令和3年度神奈川県
公営企業決算及び神奈川県
流域下水道事業決算の認定について、以上一括して議題といたします。 これより質問並びに質疑を行います。 質問の通告がありますので、順次発言を許します。 あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕(拍手)
◆あらい絹世議員 私は、
自由民主党神奈川県議団を代表し、通告に従い、順次質問いたします。 知事並びに教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、一言申し上げます。 先日お亡くなりになった
KDDI創設者の稲盛和夫氏の名言に「人生で一番大事なものというのは、一つは、どんな環境にあろうとも、真面目に一所懸命生きること。それともう一つは、人間は常に自分がよくなりたいという思いを本能として持っていますけれども、やはり利他の心、皆を幸せにしてあげたいということを強く自分に意識して、それを心の中に描いて生きていくことです」というものがあります。 私たちも、この二つの条件を満たすべく、議員として自己研さんに努めていきたいものです。 今年の夏は短い梅雨に始まり、猛暑で、各地において異常気象による災害も見られ、まさに気候変動を実感した年でありました。 また、その影響も含め、国際情勢、為替レートなどが不安定に揺れていることもあり、原油、食料をはじめとする物価高騰が県内生活に供給、需要両面に大きな影響を及ぼし始めています。 今後は、その対応に、我々は、引き続き利他の心を持って、真摯に取り組むことを誓い、質問に入ります。 〔資料提示〕 質問の第1は、県政課題に対する知事の基本姿勢についてであります。 初めに、税収見通しと今後の財政運営について伺います。 令和4年8月25日に内閣府が発表した月例経済報告では、景気は緩やかに持ち直しているとの基調判断が示されました。 景気の先行きについては、感染対策に万全を期し、
経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっていると懸念が示されたところであります。 また、物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等に十分注意する必要があるとも示されております。 こうした中、先日の知事提案説明によると、歳入面では、令和4年度は、海外経済の回復により、企業収益が好調であることなどから、現時点で県税と地方譲与税を合わせて、予算計上額から税交付金を差し引いた実質ベースで約600億円の増収を見込んでおり、また、令和5年度も、実質ベースで約580億円の増収が期待できるとのことでした。 一方、歳出面では、人件費や公債費の減が見込まれますが、介護・医療・児童関係費が増額となることにより、令和5年度の財源不足額は、おおむね350億円を見込んでいるとの説明がありました。 今後の財政運営に当たっては、新型コロナへの対応と併せて、
物価高騰等対策にしっかりと取り組むことで、
経済社会活動の正常化をさらに進めていくことが大切です。 そのためには、本県の財政運営の基盤である県税収入の動向を的確に把握して、財政運営を行っていく必要があると考えます。 そこで、知事に伺います。 令和4年度と5年度の県税収入について、どのように見込んだのか、また、今後どのように財政運営に取り組んでいくのか、併せて伺います。 〔資料提示〕 次に、9月補正予算の考え方について伺います。 6月
補正予算編成後から現在までの県内の状況を見渡しますと、食料品や電気代などの値上げは依然として続いており、物価高騰は、県民、事業者の皆様の生活、事業活動に影響を与え続けております。 特に、国が定める公定価格を基本として経営を行っている医療機関や福祉施設等は、物価高騰の影響を価格に転嫁することが困難なため、厳しい経営を強いられていると伺っております。 原油価格・
物価高騰対策については、令和4年第2回定例会本会議の我が会派の質問に対し、知事から、引き続き要望などを幅広く受け止め、今後、新たな行政需要が生じた場合には、スピード感を持って対応していく旨の答弁を頂いているところですが、現時点での経済社会状況に鑑みると、早急な対応が必要ではないかと考えます。 また、現在、国では、物価・賃金・
生活総合対策本部等において、輸入小麦価格の抑制対策や、ガソリン等の燃油料価格の負担軽減などに加え、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を展開するため、
地方創生臨時交付金の増額を検討していると承知しております。 本県における
物価高騰対応分の
地方創生臨時交付金の残額は、6月
補正予算編成後で約71億円と承知していますが、今回提出された補正予算案で活用した後の残額や、今後の国の追加交付分等を財源に、さらなる支援策を実施する必要があると考えます。 そこで、知事に伺います。 今回提出された補正予算案について、どのような考え方に基づいて編成しているのか、伺います。 また、
地方創生臨時交付金について、今後、追加交付があった場合、医療機関、福祉施設をはじめとする様々な事業者に対し、本県としてどのように対応する予定なのか、併せて見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、コロナ禍や物価高騰等の影響を受けている中小企業への支援について伺います。 中小企業庁が今年6月に発表した調査結果によれば、物価高騰等の影響を取引価格へ転嫁していくための発注側企業との価格協議について、約1割の事業者がリスクを恐れて協議を申し込まなかった、協議の申込みを行ったが、応じてもらえなかったなどといった理由で実施できておらず、また、直近6か月間のコスト上昇分のうち、約2割の事業者が全く価格転換を実現できていないと、十分な価格転嫁ができていない状況が今後も続いていくのではないかと懸念しております。 また、今般、
神奈川地方最低賃金審議会から出された答申では、本県の今年度の最低賃金額について、過去最大となる31円の引上げが示されました。収益が改善しない中での人件費の上昇は、企業経営にさらなる影響を与えかねない状況であります。 県はこれまで、
貨物運送事業者への
燃料価格高騰に対する補助や、
キャッシュレス決済時にポイントを還元することで消費を喚起する「かながわPay」第2弾などによって、中小企業の事業継続に対する支援を行ってきたことは承知しております。 しかし、新型コロナの拡大も第7波を数え、コロナ禍も長期化している中にあって、中小企業の苦境は、もはや限界点に達しており、企業努力だけではどうにもならない段階ではないかと危惧しております。 様々な相談に応じている支援機関や金融機関に集まる中小企業からの声をしっかりと吸い上げ、県として、いま一歩踏み込んだ支援が必要ではないかと考えております。 そこで、知事に伺います。 長期化するコロナ禍に加え、物価高騰等の影響も受けている県内中小企業を今後どのように支援していこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、
新型コロナウイルス感染症への今後の対応について伺います。 まず、質問に入る前に、一言申し上げます。 黒岩知事は、先月30日に出演したテレビ番組で、コロナを特別扱いすべきでない旨の発言をされたと承知しております。この発言は、誤解を招きかねないものであり、発信力の高い知事の発言は、県民の関心も高いことから、今後は慎重に発言されるよう申し上げます。 〔資料提示〕 国において、感染者の把握や対応に関し、法的位置づけを含め、見直し作業が進められ、8月下旬には、これまでの発生届に基づく全数把握を改めるとする方針が表明されました。 この変更の方向性については、現在の感染者の把握方法が医療機関や保健所の大きな事務負担となっていたことから、望ましいものであると思われました。 しかしながら、その後に国から示された具体策については、細部にわたって詰め切れておらず、課題が多いものとして、直ちに県としては乗れないものであると、県の
新型コロナウイルス感染症対策本部会議で決定し、国にも、さらなる見直しを求めていると承知しております。 また、このような国の動きに前後して、県の
感染症対策協議会においても、今後の感染者の把握や、保健所のサポートとともに、医療現場での対応に関し、日常的な
保健医療体制にどう戻していくかを議論していると承知しております。 県としても、現在の新型コロナの特性も踏まえて、今後も、
社会経済活動を止めず、医療の提供が必要な方に提供できる体制を確保していくためには、しっかりと議論を重ねた上で、日常的な
保健医療体制に戻していくことが重要と考えております。 そこで、知事に伺います。
新型コロナウイルス感染症に関する8月下旬に示された国の対応の変更方針に対し、県はどのように受け止め、今後、本県としてどのように対応していこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例の制定及び
県立障害者支援施設の方向性について伺います。 今定例会では、当事者目線の障害福祉を目指すという方向性を示し、実現するための普遍的な仕組みである神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例案が本定例会に提案されております。 これは、昨年11月30日の我が会派の代表質問に端を発したものであり、これまで毎定例会において議論を重ねてきたものであります。 その結果、この条例の目指す当事者目線の障害福祉の実現については、非常に高い理念を掲げた崇高なものとなっております。 一方で、その実現に向けては、非常にハードルが高いものだと危惧しております。その理念の実現に向けては、社会環境の整備をはじめとした実効性のある施策が伴わなければならず、それこそが、この条例の真価が問われるところであります。知事には、その決意を持って取り組んでいただきたいと考えております。 次に、
県立障害者支援施設については、これまで民間では対応が困難な障害者の受入れというセーフティーネットとしての役割を担ってきたと承知しております。 しかし、今年3月にまとめられた、当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書では、県立施設は通過型施設を目指して、地域生活移行を進めるとともに、県は、福祉に関する先進的な研究や人材育成を担っていくことが提言されました。 一方で、県立施設については、民間移譲も視野に入れた検討を行うべきという提言もされました。当事者目線の
障害福祉推進条例の制定を目指す本県としては、今こそ、県立施設が当事者目線の障害福祉を実践し、民間施設を牽引していく役割を担うことが必要だと考えております。 そこで、知事に伺います。 条例が制定された暁には、崇高な理念の実現に向けて、実効性のある取組をどのように推進していくのか、また、
県立障害者支援施設の今後の方向性については、どのように考えているのか、併せて見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) あらい議員の御質問に順次お答えしてまいります。 県政課題に対する私の基本姿勢について、何点かお尋ねがありました。 まず、税収見通しと今後の財政運営についてです。 初めに、令和4年度と5年度の税収見通しについてです。 4年度の税収は、主力の法人二税について、上場企業の4年3月期決算が海外経済の回復により最高益となったことから、180億円の増収が見込まれ、また、地方消費税についても、個人消費の持ち直しや、原材料高・円安に伴う輸入額の増加により、370億円の増収が見込まれます。 こうしたことから、県税及び地方譲与税から税交付金を除く実質ベースで、当初予算を約600億円を上回る過去最高の税収を見込んでいます。 また、5年度は、原材料コストの増加による企業への悪影響があるものの、コロナ禍からの
経済社会活動の正常化が進むことから、現段階で、4年度当初予算に対し、580億円程度の増収を見込んでいます。 次に、今後の財政運営についてです。 令和5年度当初予算は、これから編成作業を行っていきますが、現段階でおおむね350億円の財源不足が見込まれます。 また、県税収入については、現段階では増収を見込んでいますが、海外経済の不確実性や、物価上昇等による景気の下振れリスクもあり、先行きは不透明な状況です。そのため、令和4年度に見込んでいる税収増は、当面の財政需要に備えつつ、5年度の財政運営にも活用していきたいと考えています。 こうした対応により、脱炭素社会の実現や次世代育成、
物価高騰対策など様々な政策課題について、切れ目なく効果的な対策を講じてまいります。 次に、9月補正予算の考え方についてです。 光熱費やガソリン代等の価格高騰は依然として続いており、県民生活や県内経済への影響が長期化しています。こうしたことから、今回の補正予算案では、国の
地方創生臨時交付金などを活用して、6月補正予算で計上した
物価高騰対策を継続するとともに、生活困窮者対策も追加することとしました。 まず、
物価高騰対策として、畜産農家の飼料等に対する補助について、下半期分を追加で措置するとともに、一般公衆浴場の燃料費等に対する補助や、自家消費型の太陽光発電等の導入に対する補助を行います。 生活困窮者対策については、国の制度である生活福祉資金特例貸付の期間延長に必要な経費を措置するとともに、困難を抱える若者の巣立ちを応援するNPO団体への支援などに取り組みます。 こうした取組に加え、今後は、国が検討している
地方創生臨時交付金の増額交付を前提に、事業者に対する新たな支援策を検討していきます。 中でも、国が定める診療報酬等の公定価格を基本に経営している医療機関や福祉施設は、物価高騰の影響を価格に転嫁することが困難な状況にあり、早急な支援が必要です。 こうした問題は全国共通であり、本来、国が公定価格の改定等によって支援すべきであるため、全国知事会などを通じて、国に働きかけているところでありますが、その実現には一定の時間を要します。 そこで、今後、
地方創生臨時交付金の本県への増額規模が示され、財源が確保された場合には、医療機関や福祉施設をはじめとする事業者に対する新たな支援策を早急に取りまとめ、追加の補正予算を編成したいと考えています。 次に、コロナ禍や物価高騰等の影響を受けている中小企業への支援についてです。 今般の物価高騰等は、コロナ禍で落ち込んだ売上げの回復に向け、懸命に努力する県内中小企業の収益に大きな影響を与えています。 そのため、県は、全国知事会とも連携し、収益が減少した中小企業者に対する幅広な支援策の創設を国に要望するとともに、制度融資による資金繰り支援や、かながわPayによる消費喚起事業など様々な支援策を講じています。 しかし、7月以降、
新型コロナウイルス感染症が急拡大した上に、物価高騰も依然として続いており、いまだ先行きが見通せません。 こうした中、中小企業の支援ニーズは、価格交渉や新規顧客の開拓など、経営改善に係るものから、事業の見直しや撤退まで、多様化しつつあります。 そこで、これまでの取組と併せて、こうした多様化するニーズにきめ細かく対応できるよう支援策を強化し、パッケージ化していく必要があると考えています。 例えば、商工会・商工会議所等の支援機関では、今後、増加が見込まれる様々な相談に対応するため、人員などの体制を強化していただく必要があります。 また、制度融資を活用して、ビジネス転換や経営改善を金融面から強力に後押しして、中小企業の稼ぐ力を取り戻していくことも必要です。 さらに、倒産や廃業により、本県経済にとって貴重な人材や技術が失われないよう、第三者への事業承継を一層促進していくことも重要です。 県としては、こうした新たな取組をパッケージにして早期に展開することで、県内中小企業の事業継続を支援できるよう、検討を進めていきます。 次に、
新型コロナウイルス感染症への今後の対応についてです。 今後の新型コロナウイルス対策については、他の疾病と同様に、症状の重さに応じて必要な方に必要な医療を確実に届けていくことが重要です。そのため、多くの人は重症化しにくいことが分かったオミクロン株の特性に鑑みて、県は、全国知事会と共に、全ての患者情報を把握する全症例把握の見直しを国に求めてきました。 これを受け、国から、発生届の提出を高齢者等ハイリスク者に限定する方針が示されました。しかし、これを実現するシステムが現時点では整っていないことから、県としては、直ちにこの方針を受け入れることはせず、国に実際の運用方法の詳細を示すよう求めています。 一方で、県民の皆様の医療へのアクセスをしっかりと確保できるよう、日常的な
保健医療体制に戻していくための検討を着実に進めていく必要があります。 そこで、県では、発生届の対象を限定した後も、必要な方に、確実に保健医療サービスが提供できるよう、入院調整、健康観察の行政サービスや、医療提供の在り方についての議論を深めていきます。 例えば、7月に策定した感染対策指針に基づき、これまでコロナ対応を行っていなかった医療機関にも受入れをお願いしています。その上で、現在、保健所が行っている入院調整の機能について、コロナ以外の疾患も含めた患者の状態を把握し、より的確な入院判断ができる医療機関に、段階的に移行していくことを検討しています。 医療関係者や専門家の御意見を伺いながら検討を進め、新型コロナウイルスとの共存を前提とした持続可能な医療提供体制を築いてまいります。 次に、神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例の制定及び
県立障害者支援施設の方向性についてです。 この条例の議論が始まった昨年9月以降、私自身、障害当事者の皆様と様々な対話を重ねてきました。また、県議会や市町村、関係団体の皆様からも様々な御意見を頂いてまいりました。 そして今般、条例案を提案し、県議会の皆様の御審議をいただくこととなりましたが、条例は、制定すること自体が目的ではありません。条例を礎に、実効性のある取組を積み重ねることで、当事者目線の障害福祉を推進し、地域共生社会を実現することこそが大きな目的であり、目指す姿でもあります。 この目的を担保するため、本条例案では、障害者の地域生活移行に向けた施策や、障害者、御家族からの相談への対応、障害者の雇用促進など様々な施策を基本計画に定め、その実施状況を公表することを知事に義務づけています。 また、基本計画に定めた施策などを確実に実施するため、財政上の措置を講ずることを努力義務として規定しています。 このように、本条例案では、施策実施の裏づけとなる様々な規定を設けていますので、これを規範に、実効性のある取組をオール神奈川で展開し、当事者目線の障害福祉の推進と地域共生社会の実現に、全力で取り組んでいきたいと考えています。 次に、
県立障害者支援施設の方向性についてです。 まず、中井やまゆり園についてですが、県直営の施設でありながら、多くの虐待事案を起こしたことに対して、誠に申し訳なく、利用者、御家族をはじめとする関係者の皆様、そして、県民の皆様に改めておわび申し上げます。 今後、当事者目線の障害福祉を中井やまゆり園が率先して実践し、生まれ変わった姿をモデルとして示せるよう、園の再生に全力で取り組んでまいります。 県立施設については、将来展望検討委員会から、通過型施設としての地域生活移行の推進、先進的研究や人材育成といった役割を求められています。一つ一つの県立施設の現状や課題を踏まえ、障害当事者の方々から御意見を頂くとともに、県議会や関係団体の皆様と議論を重ねながら、今後の方向性について検討を進めてまいります。 答弁は以上です。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、2点ほど再質問させていただきます。 まず、
新型コロナウイルス感染症への今後の対応について再質問させていただきます。 今月26日に、国は、全国一律で、全数把握の見直しを適用すると聞いていますが、県は見直しに対応するのでしょうか。対応するのであれば、具体的に、どのように行うのか、伺います。 次に、神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例の制定及び
県立障害者支援施設の方向性について伺います。 これまで、条例制定に向けては、障害当事者の声に耳を傾けながら進めるよう意見をしてきたところでありますが、県は、どれくらいの当事者の方に、また関係団体の方の声を聴いてきたのか、伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 まず、コロナですけれども、患者数の把握のためのシステムは改修中でありまして、運用上の詳細についても確認中ではありますが、システムの改修が完了すれば、見直しに対応できるよう、着実に準備を進めていきます。 また、発生届が提出されない患者の登録についても、県がこれまで実施してきました自主療養届出制度のシステムの機能を転用し、円滑に陽性者の登録を行うこと、これを想定しております。 次に、当事者目線の
障害福祉推進条例に当たって、どのぐらいの当事者の声を聴いてきたのかということでありましたけれども、条例の議論が始まった昨年9月以降、私自身、知的障害者や視覚障害、難病の方といった様々な障害の皆様と直接、対話を重ねてきました。回数にして10回、時間に換算しますと延べ15時間に及びます。 また、県は、将来の障害福祉のあるべき姿を議論する当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会を昨年7月から11回開催し、3人の障害当事者の方が委員として参加しておられます。 この会議は毎回3時間ほど、熱い議論が繰り広げられてきましたが、私は11回全ての会議に、最初から最後までフル参加し、障害当事者をはじめ委員の皆様と議論を交わしてまいりました。 一方、県の担当者においては、約60の障害当事者団体や支援者団体と意見交換を行い、条例の内容に対する様々な御指摘や、個別の施策に対する御意見を頂いてきたところであります。 条例案を御議決いただいたとしても、その後も、障害当事者や支援者団体などの皆様と引き続き対話を重ねていきたいというふうに考えております。 答弁は以上です。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、何点か要望させていただきます。 まず、税収見通しと今後の財政運営についてでありますが、来年度の予算編成に向けて、現時点で350億円の財源不足を見込んでいるとのことでした。 県税の増収等もあって、財源不足額は昨年度から減少しているかと思いますが、新型コロナや物価高騰等への対応はもとより、県政の今後を見据え、近年頻発している自然災害や、インフラの老朽化にも備えていかなければなりません。 そのための財政調整基金の残高は、近年の税収増などにより、コロナ禍前の水準まで回復していると承知しておりますが、しかし、当面の経済情勢は、海外を中心に不透明な部分も多く、今後も増収傾向が続く保証はありません。 目の前の税収増に気を緩めることなく、様々な事象に県としてしっかりと対応できるよう、可能な限り、財政調整基金の積み増しにも努め、健全な財政運営を行っていただくよう要望いたします。 次に、9月補正予算の考え方についてであります。 医療機関、介護施設の物価高に伴う対策については、診療報酬に組み込むよう全国知事会から要望されているということでございましたが、我々も、国に対してしっかりと要望してまいりたいと思います。 また、先週9日の国の物価・賃金・生活総合対策本部で、
物価高騰対策の追加案が示されました。これによって、当面の間は、医療機関、福祉施設に対して支援を行うということでございますけれども、医療機関、福祉施設以外の様々な事業者に対しても、その要望を吸い上げて、神奈川県の実情に合った支援策を講じていくことを要望いたします。 また、国では、10月に経済対策が策定されるようでありますので、本県においても、切れ目のない支援を行うことを、併せて要望させていただきます。 次に、コロナ禍や物価高騰等の影響を受けている中小企業への支援についてであります。 国は、中小企業活性化パッケージNEXTを策定し、9月末でゼロゼロ融資の申込みを終了するとともに、事業再構築などの前向きな投資をさらに後押しすると発表がありました。 しかし、事業再構築の意向がない中小企業も多いことから、各業種、企業の置かれた状況への細かいフォローが必要となってきます。中小企業に寄り添い、相談や助言など様々なサポートをしている中小企業支援機関には、中小企業からの切実な声が日々届いており、現場ならではの豊富な経験や見識があるはずです。 パッケージを作成するという御答弁を頂きましたが、引き続き、中小企業支援機関と連携して、中小企業からの声を形にし、コロナ禍や物価高騰等の影響に苦しむ中小企業を、一社でも多く救えるよう、早急に実効性のある支援策の検討を進めるよう要望いたします。 次に、
新型コロナウイルス感染症への今後の対応についてであります。 質問の冒頭にも申し上げましたが、知事による、コロナを特別扱いすべきでない旨の発言は、医療体制が逼迫するので、コロナを特別扱いすべきでないというように捉えられかねません。 こうしている間にも、コロナウイルスは変異を繰り返し、治療薬の確立や普及も十分ではなく、さらには、後遺症に苦しむ多くの方がいる中にあって、その心情をおもんぱかり、発言には十分注意していただくよう申し述べます。 その上で、
社会経済活動を止めず、県民が不安を感じることのないよう、安心できる医療の提供体制を確保していただくよう要望いたします。 また、発生届の全数届出を見直すことになると、大多数の方が届出の対象外になると考えられます。こうした仕組みの変更点についての理解は、行政と県民の間には大きなずれが生じていると思います。 県民に丁寧に説明をして、そして、県民が取り残されたと感じないような、必要な人に適切な医療が届けられるよう、体制を整えていただくことを要望いたします。 そして、今月中頃からオミクロン株に対応したワクチン接種が始まると言われております。県民に安心を与えるためにも、ワクチン接種が遅滞なく行われるよう、県内市町村と連携を図り、現場の混乱が生じないよう要望いたします。 次に、神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例の制定及び
県立障害者支援施設の方向性について要望させていただきます。 当事者目線の
障害福祉推進条例の制定については、条例に掲げた崇高な目的に向かって実効性のあるものとするには、当事者はもとより、関係団体にもしっかりと意見を聴いていくべきと考えます。 先ほど、多くの意見を聴いたと御答弁されましたけれども、声なき声をどれほど聴いたのかは疑問であります。引き続き、関係団体等の意見をしっかりと聴くことを要望させていただきます。 また、先ほど知事から謝罪がございましたが、中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果報告書が取りまとめられ、虐待が疑われる事案が25件にも上りました。 報告書では、人権意識の大きな欠如が生じていると指摘されております。当事者目線の障害福祉を実践するのであれば、まずは、自らが襟を正し、行政目線からの県立施設を脱却し、民間施設を牽引する役割を担う県立施設となるよう要望いたします。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 質問の第2は、今後の県政のあり方についてであります。 〔資料提示〕 初めに、かながわグランドデザイン評価報告書2021を踏まえた今後の対応について伺います。 今年度は、かながわグランドデザイン第3期実施計画の最終年度であり、第2回定例会では、かながわグランドデザイン評価報告書2021及び第3期実施計画の点検に関する報告がありました。 評価報告書2021では、各プロジェクトの指標やKPIについて、昨年度までの実績が示されていますが、新型コロナの影響などから、当初想定していた施策を実施できず、目標達成が厳しい項目も散見されます。 新型コロナについては、第3期実施計画を策定した2019年時点では到底予見できるものではなく、また、新型コロナへの対応に取り組む中で、当初想定していた施策に取り組めなかったことは、一定の理解もしますが、こうした中にあっても、コロナ禍において工夫してきた点もあるかと思います。残された計画期間においては、できる限り県民が成果を実感できるよう取り組むべきと考えます。 あわせて、4年間の取組全体を振り返り、どのような成果があったのかなどについて、しっかりと検証することも大変重要だと考えます。 また、かながわグランドデザイン基本構想は、目標年次である2025年まで残り3年となっています。2012年に策定した基本構想は、今年で10年が経過しました。この間の国内外の社会環境は大きく変化しております。 最も大きな変化は、新型コロナの影響によるデジタル化の促進です。また、少子高齢化の進展、人口減少による中長期的な労働不足もあります。さらに、ロシアのウクライナ侵略などによるエネルギー価格や物価の高騰は、県民生活や企業の経営に大きな影響を与えています。 このように、大きな社会環境の変化が起きており、県政もこの影響からは免れない中、現行の基本構想について、このままでよいのか、検討が必要だと考えます。 そこで、知事に伺います。 実施計画の最終年度に当たり、今後どのように施策の総仕上げを行い、来年度以降の政策展開につなげていくのか、見解を伺います。 また、社会環境が大きく変化する中で、策定から10年が経過した基本構想の見直しを検討すべき時期に来ていると考えますが、併せて見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、ヘルスケア・ニューフロンティア政策について伺います。 県ではこれまで、超高齢社会を乗り越えるために、ヘルスケア・ニューフロンティア政策を推進し、健康寿命の延伸に向けて、最先端医療・最新技術の追求と、未病の改善の二つのアプローチで取り組んできたと承知しております。 ヘルスケア・ニューフロンティア政策については、2014年に県で新たな組織が設置され、既に8年が経過していますが、これまでにも我が会派では、その評価や課題について知事に尋ねてきたところであります。 県の取組のうち、最先端医療・最新技術の追求について、川崎市の殿町地区や藤沢市の湘南アイパークにおいて、ライフサイエンス分野の企業や研究機関等の集積が進み、一定の進展を見ることはできます。 一方で、未病の改善については、県民の健康増進に向けて、未病を見える化する指標の開発や未病産業の創出など、県が様々な取組を進めているものの、県民や市町村、企業への浸透は十分とは言えず、具体的な成果が見えてきません。 健康増進に関わる取組を浸透させ、成果を上げるためには、コンセプトの普及啓発だけではなく、健康診断の受診や日頃の運動など、実際の行動につながる実践的な取組の促進が重要となります。 県のヘルスケア・ニューフロンティア政策には、こうした視点で進めていくことが必要と考えております。 そして、新型コロナの影響で、県民の健康に対する意識が高まっている今がそのタイミングであり、地域の課題を丁寧に聞き取りながら、これまで以上に市町村と連携して、健康増進につながる具体的な取組に重点を置く必要があると考えます。 そこで、知事に伺います。
新型コロナウイルス感染症という社会環境の変化を踏まえ、健康寿命の延伸を掲げるヘルスケア・ニューフロンティア政策をどのように進めていこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の評価について伺います。 人口減少への対応は待ったなしであり、長期的な視点を持って、しっかりと対応策を講じていく必要があると考えております。 これまで県では、人口減少に歯止めをかけ、超高齢社会を乗り越えていくため、5年間の取組をまとめた神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、平成27年度から令和元年度を第1期、令和2年度から令和6年度までを第2期として取組を進めていると承知しております。 こうした大きな課題に対しては、県は、国の取組を踏まえ、市町村とも連携しながら、新たなニーズや課題に迅速に対応しながら、継続して着実に取組を推進していくことが求められております。 そのためには、コロナ禍においても、地方創生の取組の歩みを止めないよう、様々な立場の第三者が専門的知見に基づき評価を行い、その結果をしっかりと受け止め、それぞれの取組について、ウィズコロナ時代を踏まえた必要な改善を行うというPDCAサイクルをしっかりと回すことが重要であります。 また、県全体で地方創生の取組をより強力に進めるためには、県の総合計画である、かながわグランドデザインの点検とも連携して、評価結果を今後の施策にしっかりと反映することも必要と考えております。 そこで、知事に伺います。 人口減少にしっかり対応していくため、総合戦略の取組をどう評価し、今後の取組に生かしていくのか、また、総合戦略の評価をグランドデザインの点検にどのように生かしていくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、第8回線引き見直しに向けた取組について伺います。 本県は、高度経済成長期に人口が爆発的に増大し、市街地が急激に拡大してきました。こうしたことを背景に、昭和45年に初めて市街化区域と市街化調整区域を区分する、いわゆる都市計画の線引きを行い、それ以降、平成28年までに7回の見直しを行ってきました。 この取組により、本県では、右肩上がりの人口増加の中にあっても、まちが無秩序に広がることを抑え、道路や下水道などの都市基盤の整備を計画的に進め、県土の均衡ある発展に効果を上げてきたと承知しております。 こうした中、本県もいよいよ総人口のピークは過ぎたと言われており、これからは、まちづくりにおいても、本格化している少子高齢化の問題に向き合うとともに、空き地や空き家の増加への対応など、地域の活力を維持する取組が求められております。 また、近年は、自然災害が激甚化、頻発化しており、毎年、全国各地で被害が発生するなど、住民の命が頻繁に危険にさらされており、今後のまちづくりを進めるに当たっては、災害のリスクを減らす視点をしっかりと織り込んでいくことが必要であります。 県は昨年度、学識経験者で構成される第8回線引き見直しに向けた検討会を設置し、今年の3月に、検討会から提言を受け、今後、見直しの作業が本格化していくと承知しております。 見直し作業は、市町と調整しながら進めると思いますが、市町の中には、今後、人口が減少していく中でも、新たなまちづくりをしっかりと行い、地域の活性化を図りたいとの意向を持っているところも多いと聞きます。 県には、そうした市町の考え方や、まちづくりの意向にもしっかり耳を傾け、見直し作業を進めていくべきと考えます。 そこで、知事に伺います。 第8回線引き見直しに向けて、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、神奈川県立県民ホールのあり方の検討について伺います。 新型コロナの拡大の影響から、一昨年から昨年にかけては、施設の休館や入場者数の制限などにより、文化芸術団体やアーティストたちも活動の場を失い、思うような活動ができなかったのではないでしょうか。 イベント開催における制限等は緩和されており、文化芸術の再開、振興に向けて、世の中は大きく動き出しております。 文化芸術の活動を振興するに当たり、大事なのは、発表する場、そして、鑑賞する場となる施設であります。県は、県民ホール、KAAT神奈川芸術劇場、音楽堂などの文化施設を持っており、県民をはじめ多くの方々の利用に供しております。 その中で、中核となるのは県民ホールであります。オペラやバレエをはじめ、クラシック音楽からポピュラー音楽のコンサートまで行われている約2,500席の大ホール、パイプオルガンがある小ホール、さらに、五つの展示室から成るギャラリーなどがあり、まさに、県の文化芸術施策のフラッグシップとも言うべき施設であります。 しかし、昭和50年1月に開館し、今年で開館47年目を迎え、老朽化が進んでいると聞いております。設備の面でも、大ホール専用のエレベーター、エスカレーターは設置されておらず、3階席まで行くのに階段を使わなければならないなど、昨今のバリアフリーやユニバーサルデザインに沿った施設として、応え切れていないという懸念もあります。 また、人口減少や、オンラインを活用した文化芸術活動の増加といった社会環境の変化も見られます。 そうした中で、県が文化芸術の振興をさらに進めるために、文化芸術施策の中核である県民ホールを今後どのようにしていくのか、今の施設を前提とするのではなく、将来を見据え、様々な視点から幅広く検討していく必要があると考えております。 そこで、知事に伺います。 県民ホールの施設の現状を踏まえ、県として、今後の在り方について検討を始める時期ではないかと考えますが、見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 今後の県政のあり方について、何点かお尋ねがありました。 まず、かながわグランドデザイン評価報告書2021を踏まえた今後の対応についてです。 初めに、第3期実施計画の最終年度の取組と、来年度以降の政策展開についてです。 計画期間の大半がコロナ禍に見舞われていたことから、実施計画の取組について、縮減等の見直しを余儀なくされました。また、感染拡大防止の観点から、県主催のイベント等について、中止や延期をせざるを得ない状況もありました。 このため、エネルギーや自然環境に関するプロジェクトなど、KPIの進捗率が低い施策もありますが、オンラインの活用等、コロナとの共存の視点で様々な工夫を図っており、県民の皆様が成果を実感できるよう、政策の総仕上げに全力で取り組みます。 あわせて、グランドデザインの評価等を通じて、生活困窮者への対応や、脱炭素の実現などに関する様々な課題が明らかになってきましたので、今後、総合計画審議会からも御意見を伺い、来年度以降の政策展開につなげていきます。 次に、基本構想の見直しの検討についてです。 基本構想策定から10年が経過する中で、本県も人口減少局面に入り、自然災害の激甚化、デジタル化の加速など、社会環境が大きく変化しています。 また、
新型コロナウイルス感染症、国際紛争、原油・物価高騰など、当初、想定し得なかった事態も生じています。 こうしたことから、基本構想の見直しを検討すべき時期に来ていると考えますので、まずは、総合計画審議会におけるグランドデザインの点検の議論を通じて、中長期的な視点で、本県における社会環境の変化をしっかりと検証してまいります。 次に、ヘルスケア・ニューフロンティア政策についてです。 県ではこれまで、超高齢社会を乗り越えるために、ヘルスケア・ニューフロンティア政策を掲げ、県民の皆様の健康寿命の延伸や、新たな産業創出につながる取組を推進してきました。 そして、未病の改善と最先端医療・最新技術の追求を両輪とするこの政策により、健康の自分事化や行動変容の促進といった個人に直接働きかける工夫、再生・細胞医療の拠点形成や企業とのネットワーク構築などの実績を生み出してきました。 また、昨年の日経新聞の分析によれば、本県は、脳卒中で亡くなる方が少なく、多くの方が老衰で亡くなっている、目指すべきモデルとされており、県が進めてきた政策が一つの結果として表れたものと私は受け止めています。 一方で、未病の改善については、より多くの方々に政策の効果を実感していただくことが重要です。そのために、例えば、日常生活において、未病関連の商品やサービスが活用され、日々の行動改善につなげていくといったことが考えられ、こうした取組を推進するためには、住民に身近なサービスを行う市町村との連携が欠かせないと考えています。 また、コロナ禍では、健康が県民の皆様の大きな関心事となり、多くの方が御自身の健康観察に気を配るようになりました。こうした意識の変化は、未病改善に向けた行動を日常的に実践していただくきっかけとなる大変重要な機会だと認識しています。 そこで、今後は、コロナによる意識の変化も踏まえ、スマートフォンを使って未病の状態をチェックできる未病指標の活用や、約1,000者が登録する未病産業研究会と連携したフレイル対策など、生活に身近な課題にも一層取り組んでまいります。 こうした取組を通して、市町村の施策を後押しし、県民の皆様の未病改善につながる実践的な取組に重点を置きながら、ヘルスケア・ニューフロンティア政策を推進してまいります。 次に、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の評価についてです。 本県は、平成27年度に神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、将来の人口減少を見据え、社会増や自然増に向けた対策を進めてきました。 社会増については、人口減少が進む三浦半島地域や県西地域で、未病改善への取組などにより、地域活性化を図るプロジェクトや、移住に向けた取組を県と市町村が連携して進め、令和3年には両地域とも転入超過になりました。 一方で、自然増については、若い世代の子育ての希望をかなえられるよう、様々な取組を進めてきましたが、合計特殊出生率は、年々下がってきています。 こうした総合戦略の取組結果については、各分野の有識者による神奈川県地方創生推進会議から評価を頂き、取組の改善を行ってきました。 現在、取りまとめている令和3年度の評価では、オンラインイベントの開催など、新しい生活様式を取り入れた事業実施で一定の成果を上げたとの評価の一方で、特に少子化の進展に対し、子育てしやすい環境整備や社会意識の醸成など、育児の社会化を進めるべきとの意見を頂きました。 今後、こうした有識者の意見に加え、県議会から御意見を頂きながら、総合戦略の見直しを行っていきます。 次に、かながわグランドデザインの点検との連携についてお尋ねがありました。 総合戦略は、グランドデザインの個別計画に位置づけられており、その連携はとても重要です。そこで、総合戦略の評価の過程で明らかになった少子化などの人口減少の課題への対応は、現在行っているグランドデザインの点検に生かし、しっかりと整合を図ってまいります。 次に、第8回線引き見直しに向けた取組についてです。 都市計画の線引き見直しは、社会経済情勢の変化等に対応し、計画的に市街地整備を進め、良好な自然環境の保全を図るなど、持続可能で魅力ある県土づくりを実現するための重要な取組です。 県は、次回の第8回線引き見直しに向けて、学識者で構成する検討会を設置し、人口減少社会や激甚化、頻発化する自然災害への対応など、取り組むべき事項について提言を頂きました。 これを受け、人口減少社会への対応として、駅周辺や幹線道路沿いなどの利便性の高い地域に、住居や都市機能をコンパクトにまとめる集約型都市の構築を加速化させる方向で検討しています。 また、自然災害への対応としては、これまでのハード・ソフト対策に加え、災害リスクが高い区域では、新たな建物の建築を抑制する取組を進めます。 こうした都市づくりは、県土全体を俯瞰し、長期的視点に立ちながら、住民の意向をよく承知している市町の御理解を得て、進めていく必要があります。 そこで、今後、線引き見直しに係る県の基本的な考え方を、年内を目途に取りまとめますが、この基本的な考え方を市町に丁寧に御説明します。その上で、市町には、新しいまちづくりについての意向があることから、県としても、それぞれのお考えを入念に伺っていきます。 こうした取組を通じ、社会経済情勢の変化などに適切に対応した線引き見直しを行ってまいります。 次に、神奈川県立県民ホールのあり方の検討についてです。 県民ホールは、本県の文化芸術振興の中核拠点として、長年にわたり、様々な分野で幅広く利用されており、県民が文化芸術活動を行い、また、鑑賞するための施設として重要な役割を担っています。 しかし、開館から47年が過ぎ、これまでも施設や設備の修繕等を行ってきましたが、今年度、空調設備が故障するなど、施設全般に老朽化が進んでいます。 また、利用者アンケートにおいて、階段が多く、高齢者に不親切といった意見を頂くなど、バリアフリーへの対応について、現在の県民の期待には応えられていない面があります。 これらの課題に加え、デジタル技術を活用した演出の多様化への対応なども求められています。 こうしたことから、今後の在り方について幅広く検討する必要があると思います。 そこで、まずは、文化芸術に関わる各分野の専門家に、今後の文化芸術の中核拠点に求められる機能などについて、ヒアリングを実施します。 また、施設の整備や運営に当たっては、県費負担の抑制や効果的なサービスの提供に向け、民間の資金やノウハウをどのように活用できるか、事業者の意見も聴取していきます。 その上で、県民にとっての文化芸術拠点の在り方や機能などについて、幅広く検討を進めてまいります。 答弁は以上です。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、1点、再質問をさせていただきます。 神奈川県立県民ホールのあり方の検討について再質問させていただきます。 県民ホールは、本県の文化芸術振興の中核拠点として、長年にわたり、多くの県民の方に愛され、利用されております。 施設の在り方について幅広く検討するに当たっては、専門家の意見はもとより、県民の声を聴く必要があると考えます。 そこで、県民ホールの在り方の検討に当たり、県民の意見を把握することについて、改めて知事の考えを伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。 県立施設の在り方を検討するに当たって、県民の御意見、これは非常に重要なものであります。今後の検討に当たりましては、県民ホールの利用者や、広く県民を対象としてアンケート調査などを行いまして、県民の意見を伺います。その上で、よりよい県民ホールの在り方を幅広く検討してまいります。 答弁は以上です。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、何点か要望させていただきます。 まず、ヘルスケア・ニューフロンティア政策についてであります。 先ほど知事は、日経の調査で、神奈川県は老衰で亡くなる方が多いという御答弁もございましたが、それがこの政策の効果なのか、それとも県民の自助努力によるものなのか、効果の検証をしっかりと行うとともに、この施策を始めた当初の知事が目指すところが県民に伝わっているのか、しっかり検証するべきであります。 健康寿命の延伸は県民誰もが望むところでありますので、知事は、ヘルスケア・ニューフロンティアの軸を改めて確かめ、新型コロナという社会環境の変化をしっかりと捉え、柔軟に対応していくことを要望いたします。 次に、第8回線引き見直しに向けた取組についてであります。 第8回線引き見直しに向けた検討会においても、様々な議論があります。人口減少時代における初めての線引きであるという意識を持ち、近年、激甚化、頻発化する災害も踏まえ、防災・減災に係る施策と併せて、集約型都市構造の実現に向けた計画的な土地利用の誘導を図るべきと考えます。 また、その災害リスクを踏まえた居住と都市機能の集約・再編によって生じる市街化区域内の未利用地については、検討会でも議論があった逆線引きによる土地利用の最適化を行えるようにすべきという声にも耳を傾けるべきです。 また、国の統計調査を待たずとも、線引きの見直しをかけるといったように、従来どおりの期間を遵守して見直しをしていくことで本当によいのかという実情に合った見直し方法も含めて、いわゆる神奈川方式というものを検討していただくよう要望いたします。 次に、神奈川県立県民ホールのあり方の検討についてであります。 県民ホールを今後どのようにしていくのかは、人口減少が進む中、今の施設と同様のものを前提とするのではなく、建て替えが必要か否か、建て替える場合には、県立施設とすべきか、PPP、PFIなどの手段も視野に、関係団体や民間団体はもとより、利用される県民の意見をしっかりと聴き、様々な視点から幅広く検討していただくことを要望させていただきます。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 質問の第3は、県民生活を守る取組についてであります。 〔資料提示〕 初めに、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の成立に伴う県の対応について伺います。 生活困窮や家庭環境の破綻などにより、正常な生活を営むことが困難であるなど、保護、援助が必要で、かつ他法で支援できない女性への支援は、女性保護事業が担ってきました。 このような支援対象者のほとんどは、婦人保護施設等の設置根拠である売春防止法が当初想定していた売春とは関わりはないものの、同法が売春を行う女性を収容し、更生させることを目的としていたため、現在の女性を取り巻く様々な問題に対応できておりません。 また、同法は、昭和31年の制定から大きな改正がなされておらず、女性保護事業の実態にそぐわないため、抜本的な改正または新たな法整備が望まれていたところであります。 そうした状況の中、平成27年には、我が会派が提案した売春防止法の抜本的な改正又は新たな法整備を求める意見書を国に提出しました。こうした活動が実を結び、第208回国会に議員立法による「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が上程され、令和4年5月に公布されました。 国は、この法律のポイントを、女性をめぐる課題は生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複合化しており、コロナ禍によりこうした課題が顕在化し、孤独・孤立対策といった視点も含め、新たな女性支援強化が喫緊の課題であるとし、こうした中、困難な問題を抱える女性支援の根拠法を「売春をなすおそれのある女子の保護更生」を目的とする売春防止法から脱却させ、先駆的な女性支援を実践する「民間団体との協働」といった視点も取り入れた新たな支援の枠組みを構築することとしております。 新法の施行日は令和6年4月1日とされ、国の基本方針に即して、都道府県は基本計画を策定しなければならないとされています。 このほか、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設などの既存の仕組みについて、名称が変更され、その役割が改めて示されたほか、新たに民間団体との協働による支援が規定されたところです。 策定が義務づけられた県の基本計画のよりどころとなる国の方針は、いつ示されるのか分からない状況であると承知しています。しかし、令和6年の施行に向けて取組を着実に進めていくためには、国の方針を待たずとも、県として準備できることがあると思いますし、始める必要があると考えております。 そこで、知事に伺います。 新しい法律に対応した計画策定に向けて、県はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、防犯カメラ設置のための継続的な支援について伺います。 近年、犯罪件数は減少傾向にあるとはいえ、凶悪な事件や特殊詐欺など、卑劣な犯罪は後を絶たず、県民にとって、地域の防犯対策は極めて重要な課題であります。 犯罪を減らすためには、警察による取締りやパトロール等の活動の役割が大きいことは言うまでもありませんが、自主防犯活動団体による地道な巡回や声かけなどの地域における防犯活動も重要であります。 特に、各地で設置が進む防犯カメラは、当初はプライバシーの問題も言われておりましたが、県民の安全・安心を確保する上で極めて重要なツールになっていると考えております。 犯罪の検挙に防犯カメラの映像が決め手になったという報道を目にする機会も増えており、犯罪の抑止、特に防犯パトロールなどの人の目が届かない夜間や早朝の犯罪を抑止する上で、大きな効果が見込まれるのではないかと考えます。 特に、2年半にも及ぶコロナ禍で、町なかの人出が少なくなる状況の中で、治安対策における防犯カメラの重要性、必要性を実感した県民も少なくないのではないかと感じております。 地域における防犯対策上、欠かせない存在になりつつある防犯カメラについては、多くの市町村が県による補助事業の継続を期待しており、我が会派としても、繰り返し、その存続を求めてきたところであります。 そうした中、県が地域の期待に応え、補助制度の継続の方向性を打ち出したことは大いに評価するところであり、防犯カメラの設置がさらに進展するとともに、地域に欠かせないものとして定着し、地域の安全・安心の向上につながるよう、大いに期待するところであります。 そのためには、地域の防犯を一義的に担う市町村を通じて、地域のニーズを捉え、使い勝手のよい補助制度とすることが重要であります。 防犯カメラへの注目度が上がる中、設置ニーズが高まることに加え、県の補助事業開始から6年が経過し、機器が老朽化し、維持することが困難になっているという声を聞いております。 事業開始時点と現在では、防犯カメラのニーズは変わってきていることが想定され、県は、しっかりとそのニーズを把握し、新たな補助制度に反映する必要があると考えております。 そこで、知事に伺います。 令和5年度以降の補助制度の検討に当たっては、市町村がそれぞれの状況に応じて継続的に取り組めるよう、防犯カメラに関する県民や市町村のニーズを踏まえた実効性の高い制度にする必要があると考えますが、県は、どのように取り組むのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、市町村の地域防災力向上に向けた支援について伺います。 首都直下地震の発生が懸念され、また、毎年のように大規模な風水害が発生しており、本県にとって、防災対策は喫緊の重要課題であります。 中でも、現場の第一線で災害対応を担うのは市町村であり、県は、広域自治体としてその役割を支援することが大切な役割だと考えます。 県は、地震被害想定に基づく減災目標を達成するため、地震防災戦略を策定しており、昨年度、戦略期間の中間年における検証を行ったと承知しております。 その中で、地域の防災を担う消防団や自主防災組織の活動が、コロナ禍の影響もあり停滞していることや、高齢化の進展などで担い手が減っていることなどの実態があり、その活性化が課題になっていると指摘しております。 また、風水害対策の観点からも、地域の防災体制の充実は重要なポイントとなります。 8月の北陸から東北地方を襲った豪雨では、自治体の避難措置が遅れる中、自主防災組織のリーダーの判断で、自主的に地域全体で声をかけ合い、避難し、難を逃れたとの報道がありました。 地域における自助、共助を担う消防団や自主防災組織の活性化は、基本的には市町村の役割とされておりますが、担い手の育成や訓練など、市町村による地域防災の対応力強化の取組の促進は、県としても取り組むべき課題であると考えます。 県は、平成7年の阪神・淡路大震災以来、市町村の防災対策に対する財政支援に力を入れてきており、県は、市町村地域防災力強化事業費補助金として支援を継続していると承知しております。 市町村にとって、この制度は、防災対策を進める上で欠かせない支援となっており、その充実を求める意見が多いことも承知しております。 コロナ禍にあって、市町村が避難所における感染対策という新たな課題に直面したことから、令和3年度に新型コロナと自然災害との複合災害に備えた取組を行う市町村への支援として、2億円の拡充が行われております。 令和4年度も維持されていますが、新型コロナの終息は見通せず、感染した方の避難所での受入れなど、いまだ課題は多いと思います。 防災対策には、これで十分ということはなく、地域防災の向上や感染症対策など、新たな課題も尽きないところであります。 県は、これまでの支援の効果をしっかりと検証した上で、手を緩めることなく、厳しい財政状況の中にあっても、市町村地域防災力強化事業費補助金の総額を十分確保し、市町村の取組をしっかりと支援していく必要があると考えております。 そこで、知事に伺います。 本県でも、いつ起きるか分からない大規模災害に備え、現在の補助制度の継続を含め、市町村の防災対策の強化に取り組む必要があると考えますが、どのように取り組むのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、高齢者の詐欺被害の抑止に向けた取組について伺います。 県内の特殊詐欺被害については、令和2年、令和3年と2年連続で、認知件数、被害額ともに大幅に減少したと承知しております。これは、県警察をはじめ関係機関・団体が一体となったり、取組を強力に推進した成果であると承知しております。 他方で、本年の特殊詐欺情勢を見ると、7月末現在、特殊詐欺の認知件数、被害額は、令和3年の同時期と比較して大幅に増加しており、特に、オレオレ詐欺や還付金詐欺が顕著に増加傾向にあります。 また、令和3年度の県民ニーズ調査では、特殊詐欺に不安を感じる県民が5割近くを占めている現状に鑑みれば、本県の特殊詐欺を取り巻く情勢は極めて深刻であると言えます。 県警察においては、特殊詐欺対策を重要課題と位置づけた上で、県警察が総力を挙げて取り組んでいるほか、本年の特殊詐欺被害の増加に対しても、様々な対策を講じていると承知しております。 しかしながら、本県における特殊詐欺の発生は、全国レベルでも多く、県民が安心して暮らせる社会の実現のためには、特殊詐欺を撲滅する取組が必要であります。 これを確実に成し遂げていくためには、県警察による被害防止対策をさらに強化していくだけではなく、自治体や事業者、地域住民と連携した取組と併せて、若者を含めた県民総ぐるみで、特殊詐欺の撲滅に当たるといった機運を醸成していくことが重要であります。 我が会派としても、特殊詐欺は、県民の方々の貴重な財産を奪うだけでなく、被害者の心に大きな傷を残す卑劣極まりない犯罪であると考えており、特殊詐欺を撲滅するための協力は惜しまない所存であります。 そこで、警察本部長に伺います。 県警察では、現在の特殊詐欺の発生状況をどのように分析し、若者を含めた被害防止対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 県民生活を守る取組について、何点かお尋ねがありました。 まず、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の成立に伴う県の対応についてです。 女性をめぐる課題は、性暴力や性虐待、DVなど、多様化、複雑化しており、コロナ禍による生活困窮や自殺者の増加など、さらに深刻化しています。 こうした課題を抱える女性に対して、県ではこれまでも、自立に向けた支援を行ってきましたが、その根拠となる法律は売春防止法等でした。 こうした中で、今年5月、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が公布され、令和6年4月から施行されることになりました。 新たな法律では、社会生活を送る上で様々な困難を抱える女性を支援対象として位置づけ、支援対象者の意思を尊重した、早期からの切れ目ない支援を行うことが基本理念に掲げられています。 また、国の基本方針に基づく都道府県の基本計画の策定が義務づけられたほか、民間団体との協働による支援が規定されました。新法の施行に向けて、今後は、民間団体と公的機関が連携して、それぞれの強みを生かした公民協働による支援を行っていく必要があります。 また、基本計画の策定に向け、困難な問題を抱える女性の現状や、支援をめぐる課題の把握などに着手していく必要があると考えています。 そこで、県では、女性の自立支援を第一線で担う女性相談員や民間団体へのヒアリングを実施し、課題を整理するとともに、市町村や民間団体との連携強化について検討していきます。 また、引き続き、国からの情報収集を進め、基本計画へ盛り込む支援策の検討を進めていきます。 同法の成立に当たっては、神奈川県議会が地方議会として全国で初めて国へ要望したという経緯もあり、県としても、困難を抱える女性支援の充実を図り、一人でも多くの方に必要な支援をしっかりと届けてまいります。 次に、防犯カメラ設置のための継続的な支援についてです。 県では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、地域の防犯力を高めるため、平成28年度から、市町村の防犯カメラの設置への補助を進めてきました。 昨年度までの6年間で、補助台数は1,623台に及び、設置に取り組む市町村も、当初の3団体が27に増えるなど、着実に広がってきました。 設置した自治会等からは、犯罪の未然防止につながり、安心感が増した、地域の自主防犯意識の機運が高まったといった高い評価を頂いており、防犯カメラは、地域の防犯を担うツールとして重要性を増しています。 そこで、県では、市町村地域防災力強化事業費補助金のメニューに防犯カメラの設置を位置づけ、令和5年度以降も支援を継続する方向で、現在、市町村の意見も踏まえながら、制度の内容を検討しているところです。 市町村からは、補助に必要な予算を確保することや、リースにより設置する機器への補助、機器の更新や市町村自ら設置する機器への補助などを期待する意見も伺っています。 県としては、こうした意見も参考にしながら、市町村の取組の実効性を高めるよう、引き続き検討を進めてまいります。 次に、市町村の地域防災力向上に向けた支援についてです。 県は、阪神・淡路大震災の教訓を基に、平成8年に、市町村の防災対策に対する補助事業を制度化し、以来、東日本大震災などを経て、適宜、内容を見直しながら、現在に至るまで、強力な財政支援を継続してきました。 現在の市町村地域防災力強化事業費補助金は、地震防災戦略の初年度に当たる平成28年度に内容を一新してスタートし、津波対策などの戦略の重点施策や、コロナ禍での感染症対策など、市町村が直面する様々な課題に対応する取組を支援してきました。 昨年度までの6年間で、県から約64億円を補助し、これによる市町村の事業費は約350億円に及んでおり、市町村の防災力強化を着実に促進しています。 一方で、地域防災に関わる課題は尽きることはなく、県が本年3月に取りまとめた地震防災戦略の中間検証でも、様々な課題が明らかになっています。 例えば、高齢化の進展や就労環境の変化を背景に、消防団など地域防災の担い手が不足しており、団員の確保や活動の活性化が必要です。また、
新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、避難所の指定拡大や避難所における感染防止など、複合災害への対応も引き続き必要です。このほか、海に面した県の特性から、津波災害警戒区域の指定による津波避難対策も重要な課題です。 県としては、こうした様々な課題に、市町村が適切に対応できるよう、財政支援を継続するとともに、災害時の情報受伝達や迅速な応援体制整備など、市町村との連携を一層強化し、災害に強い神奈川の実現を目指してまいります。 私からの答弁は以上です。 〔警察本部長(林 学)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 林警察本部長。
◎警察本部長(林学) 高齢者の詐欺被害の抑止に向けた取組についてお答えいたします。 県内における特殊詐欺の被害状況は、暫定値ではありますが、令和4年7月末現在、認知件数は982件、被害額は約19億2,800万円となっており、前年の同じ時期に比べて、認知件数は271件、被害額は約6億9,600万円増加しております。 特に、息子や孫等をかたって現金をだまし取るオレオレ詐欺と、医療費や保険料の還付等に必要な手続を装って、ATMからお金を振り込ませてだまし取る還付金詐欺の被害が大きく増加しており、この二つの手口で特殊詐欺被害全体の約74%を占めております。 県警察では、このような現状を踏まえ、高齢者宅への戸別訪問やATM警戒の際に、より高齢者の心に響くよう、実際の特殊詐欺犯人と被害者が電話でやり取りした音声を聞いてもらい、特殊詐欺被害は、他人ごとではないという危機意識を持っていただくような注意喚起を行っております。 また、金融機関やコンビニエンスストア等に対して、職員や店員の方々による積極的な声かけをお願いしているほか、自宅の固定電話を留守番電話にすることや、自治体、家電販売店等と連携し、着信音が鳴る前に警告メッセージが流れる迷惑電話防止機能つき電話機の設置を推奨しております。 高齢者に対する注意喚起については、警察や事業者、関係機関・団体によるもののほか、子供や孫などの若い世代からの注意喚起も効果的であると考えております。 そこで、若い世代から、両親や祖父母の世代に対して注意喚起を行ってもらえるよう、大学生らによる被害防止のための啓発動画の作成や、SNS等を活用した情報発信などの活動を支援するなどしております。 さらに、県警察では、社会人等の若い世代の方々に対して、企業における防犯講話や、通勤時に目に留まる駅のデジタルサイネージ等を活用した広報啓発を実施するなど、若い世代と連携した被害防止対策につながる情報発信に取り組んでおります。 特殊詐欺対策については、今後も引き続き、県警察の最重要課題と位置づけ、高齢者に対する注意喚起とともに、学生や社会人などの幅広い世代に対して積極的な広報啓発に努めるなど、より効果的な被害防止対策を推進してまいります。 以上でございます。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、1点、再質問をさせていただきます。 市町村の地域防災力向上に向けた支援について再質問させていただきます。 市町村地域防災力強化事業費補助金は、市町村にとって重要な支援となっており、整備した施設や設備の維持管理、更新も対象にしてほしいとの意見も聞いております。補助の対象は、一定の枠を設けることは重要ですが、市町村のニーズの変化に対応する視点も重要だと考えますが、見解を伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 市町村地域防災力強化事業費補助金は、地域防災力の強化を行う市町村を支援することを目的としております。そのため補助の対象は新たな施設・設備の整備に加え、機能強化等に係る事業としておりまして、経常的な維持管理に係るものは対象外としています。 また、風水害対策や感染症との複合災害対策など、重要性や緊急性が高い課題については、市町村による取組の必要性や効果などを検討した上で、適宜、補助対象に加えてきました。 今後も、市町村のニーズや政策環境の変化を踏まえ、市町村の地域防災力強化の取組を支援してまいります。 答弁は以上です。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、何点か要望させていただきます。 まず、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の成立に伴う県の対応についてであります。 支援現場は長きにわたり、売春防止法に代わる新法を求めてきました。売春防止法の改正や新法成立により、更生や指導から支援に変わり、今後は、自治体の女性支援という意識改革こそが大事だと考えます。県庁内でしっかり連携できる体制をつくることを要望いたします。 また、新法では、都道府県は、民間団体と協働による支援を求められています。まずは、県内の民間団体の状況把握や、東京都が既に設置している関係団体との協議会設置などを行い、全国に先駆けて意見を提出した本県において、県基本計画が速やかに策定されるよう、準備を行うことを要望いたします。 次に、防犯カメラ設置のための継続的な支援及び市町村の地域防災力向上に向けた支援についてであります。 県民や市町村のニーズの高い防犯カメラ設置については、令和5年度以降、市町村地域防災力強化事業費補助金に反映することは確認できましたが、その補助事業に組み込まれることで、令和4年度と同額が計上されるのか、防犯カメラ設置に関する補助金が減ってしまうのではないかと市町村は危惧しています。ニーズが高いので、ぜひ令和5年度もニーズに合わせて、これまでと同等以上の対応を図っていただくよう要望いたします。 また、防犯カメラやデジタル式防災行政無線の維持・更新に関しても、市町村地域防災力強化事業費補助金を活用できることを望む市町村は多いです。先ほど御答弁では、新設、機能強化のみという御答弁も頂きましたが、ぜひ市町村の声に耳を傾け、令和5年度に向けて、市町村のニーズに合った制度設計を行うことを要望いたします。 次に、高齢者の詐欺被害の抑止に向けた取組についてであります。 県警察が組織を挙げて特殊詐欺対策に取り組んでいることは評価していますが、被害が増加傾向に転じた今こそ、手口の変化に即応した対策を講じて、さらなる被害の増加に歯止めをかけていかなければならないと考えております。 犯行グループは、今後も様々な手口で県民の財産を狙ってくることが予想されることから、ぜひ若い方を対象とした広報啓発に、若い方を含めて参加できるような機会を設けていただき、連携を強化しながら、各種対策を徹底していただくことを要望させていただきます。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 質問の第4は、子どもを取り巻く県政の重要課題についてであります。 〔資料提示〕 初めに、本県の子ども施策の今後について伺います。 厚生労働省が今年6月に公表した2021年の人口動態統計では、出生数が全国で約81万人と過去最少を更新し、合計特殊出生率も1.30と過去4番目に低い水準となり、これを受けて、複数のメディアが、少子化が加速していると報じております。 加えて、コロナ禍による経済や生活環境の変化を受けて、出産や結婚を控える動きも見られ、将来的にも、少子化に歯止めがかからないことが危惧されております。 さらに、長引くコロナ禍の影響で、児童虐待の増加や子供の貧困、子育て世帯の孤立など、子供を取り巻く環境は厳しさを増しております。 そのような中、国においては、今年6月、こども家庭庁の設置法とこども基本法が成立しました。 こども家庭庁は、これまで厚生労働省や内閣府などがそれぞれ所管していた、子供に関する幅広い施策分野を一元化する新たな司令塔とされております。 しかし、幼稚園、保育園、認定こども園の所管を統合する幼保一元化は見送られ、文部科学省の所管はそのまま残ることや、施策を支える財源についての議論が先送りにされていることなど、幾つかの課題が指摘されております。 来年4月に、こども家庭庁とこども基本法がスタートを切りますが、この体制・制度を子供たちにとって最善のものにしていくためには、国だけではなく、都道府県や市町村も、それぞれの役割の中で最善の策を講じていく必要があるのではないかと考えております。 歯止めのかからない少子化やコロナ禍の影響など、子供や子育て環境をめぐる多くの課題が表出している中で、本県においても、様々な声に耳を傾け、議論を尽くして、今後の子供施策を充実させていくべきと考えております。 そこで、知事に伺います。 今般、国において、子供に関する重要な法律が新たに成立し、来春には、こども家庭庁が設置されるという大きな流れを受け、本県は子供施策に、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、県立高校改革の推進について伺います。 県教育委員会では、平成28年に県立高校改革実施計画(全体)を策定し、生徒の学びと成長にとって何が必要かという視点を最優先するという基本的な考え方に立ち、全ての県立高校を対象に、県立高校改革に取り組んできました。 県立高校の受検の状況を見渡してみますと、定員割れをする高校も多く見られ、地域性もあるとは思いますが、今後は、学科等を含め、ニーズに合った学校づくりが求められるところであります。 昨今、少子化の進展により、生徒が減少傾向にある中、中学生の進路希望も多様化し、私立高校への進学のほか、自由度の高い学びが可能な広域通信制の高校に進学する生徒も増えるなど、高校に求める学びのニーズなどが変化してきております。 我が会派では、公教育の役割をしっかりと踏まえた上で、中学生の興味、関心に応え、また、高校卒業後の様々な進路に対応する多様な選択肢を用意することで、生徒をしっかりと受け止め、育てていける、魅力ある県立高校づくりをしていく必要があると考えております。 また、県立高校改革実施計画(全体)については、第2回定例会で一部改定素案が示されました。そこでは、計画はおおむね順調に進捗しており、昨今の社会状況等を踏まえ、基本的な考え方は変更せず、新型コロナ対策などで得られた経験なども受けて、個別の取組について見直すとのことでありました。 今定例会では、この全体計画の改定案が示されるとともに、少子化の進展に対応するための再編・統合の実施を含む具体的な取組を示したⅢ期計画案が報告されると承知しております。 この中で示される県立高校の再編・統合は、中学生の進路選択に大きな影響を与えるため、中学生とその保護者は大きな関心を持っていますので、安心して県立高校を選んでいただくことができるよう取り組んでいくべきと考えております。 そこで、教育長に伺います。 県立高校改革の中で、県立高校の魅力をより高めるため、どのように取り組んでいくのか、また、Ⅲ期計画で、県立高校の再編・統合について、どのように進めていくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 最後に、教員免許更新制廃止後の新たな教員研修の整備について伺います。 本年5月11日に、教育公務員特例法及び教員職員免許法の一部を改正する法律が成立し、この6月をもって教員免許更新制は廃止されました。 中央教育審議会の「令和の日本型学校教育を担う」教師の在り方特別部会の審議まとめでは、教員免許更新制について、教員免許更新制に起因する負担が教師や管理職等に生じていることや、教員免許更新制が教師の人材確保に不透明感をもたらしていることが課題とされていました。 あわせて、特別部会の審議まとめでは、今後、求められる教師の強みを伸ばすための学びは、一人一人の教師の個性に即した、言わば個別最適な学びであることが求められており、これまでの教員免許更新制とは方向性が異なり、現場の経験を重視したスタイルの学びがより重要になってきているということも課題とされていました。 そうしたことを踏まえ、国は、今回の法改正において、教員免許更新制を廃止するとともに、令和の日本型学校教育を担う教員の育成のため、教員一人一人に応じた個別最適な学びの実現に向け、教員ごとに研修等に関する記録を作成することや、校長等が教員に対し、資質の向上に関する指導・助言等を行うこととしたと承知しております。 こうした新たな研修制度は、教員免許更新制の廃止による質の低下を招くことなく、教員の資質向上を図る手だてになるとは考えられます。 一方で、新たな研修制度の導入により、これまで以上に教員が受講する研修が増えたり、校長等の管理職が教員の指導・助言にかかる時間が増えたりしないような取組も必要であります。 新たな研修制度の導入に当たっては、教員の資質向上を図りつつ、学校現場における多忙化の解消にも配慮したものにすべきと考えます。 そこで、教育長に伺います。 教員の働き方改革を踏まえ、新たな教員研修について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 子どもを取り巻く県政の重要課題についてお尋ねがありました。 本県の子ども施策の今後についてです。 県はこれまで、全ての子供が健やかに成長できる神奈川を目指して、様々な施策に取り組み、待機児童は過去最少を更新するなど、一定の成果を上げてきました。 一方で、国の調査によれば、子育てや教育にお金がかかり過ぎる、自分の仕事に差し支えるといった理由から、夫婦が理想とする子供の人数と、実際に生まれている人数には乖離があります。 こうした状況を打開し、子供施策のさらなる充実を図るには、子育てや教育にかかる経済的負担の軽減や、誰もがキャリア形成と出産・育児を両立できる働き方を可能にするなど、社会構造を大胆に変革していくことが必要です。 折しも国では、来年4月からのこども基本法の施行に合わせ、新たな組織として、こども家庭庁を設置し、体制強化を図ることとしています。国においても、ぜひこれを機会に、社会構造の変革にしっかりと取り組んでいただきたいと考えており、県としても、全国で統一した対応が必要な施策については、国への働きかけを強化してまいります。 一方、こども基本法では、地方公共団体の責務として、国や他の地方公共団体との連携を図りつつ、子供の状況に応じた施策の策定と実施を義務づけています。 そこで、県は、子供たちや保護者の声を伺うとともに、子育て支援の主体となる市町村と緊密な連携を図りながら、産み、育て、守るといった各ステージに応じた子供施策を総合的に検討していきます。 今後も、希望する人が希望する人数の子供を持ち、全ての子供が幸福で健やかに成長できる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 花田教育長。
◎教育長(花田忠雄) 教育関係についてお答えします。 県立高校改革の推進についてです。 県教育委員会では、平成28年に策定した県立高校改革実施計画に基づき、活力と魅力ある県立高校づくりに取り組んでいます。 具体的にはこれまで、国際バカロレア認定校や、豊かな表現力を育成する舞台芸術科、学び直しを支援するクリエイティブスクールなど、多様な学びの場を設けてきました。 令和6年度から9年度までを計画期間とするⅢ期計画においても、引き続き、魅力ある新校設置や学科改編を進めるとともに、コロナ禍で顕在化した様々な課題を抱える生徒に対する支援を充実させていきます。 また、Ⅲ期計画における再編・統合について、全体計画では、その規模を10校以上の減としています。 そうした中、近年の公立中学校卒業予定者数は、長期的には減少傾向にあるものの、当初の推計よりも、減少幅は小さくなっています。こうした状況を客観的に分析し、Ⅲ期計画では、再編・統合を段階的に実施したいと考えています。 そこで、まずは、令和9年度までに行う再編・統合を5組とする案を今定例会にお示しします。その後、中学校卒業予定者数の動向等を見極めた上で、改めて、計画期間中に、2回目の再編・統合の規模等を明らかにしていきます。あわせて、インクルーシブ教育実践推進校の拡大なども、段階的に取り組んでいきます。 県教育委員会では引き続き、魅力ある高校づくりに努めるとともに、進学を希望する中学生をしっかりと受け入れられるよう、社会状況を見据えながら、県立高校の再編・統合を進めてまいります。 次に、教員免許更新制廃止後の新たな教員研修の整備についてです。 県教育委員会ではこれまでも、教職員人材確保・育成計画に基づき、意欲と指導力のある教員の育成に向け、教職経験に応じた研修や専門研修等を実施してきました。 こうした中、本年7月に教員免許更新制が廃止され、来年4月からは、教員ごとの研修記録の作成や、校長等による指導・助言が義務づけられます。 これに関して、国が先月示したガイドラインでは、校長等が教員との対話に基づいて、研修の受講を奨励することや、必要な場合には、職務命令で研修を受講させることなど、これまで以上に研修が重視されています。 そこで、県教育委員会では教員を最適な研修に導くため、既存の面接の機会を活用しながら、教員としっかり対話するよう校長等に指導していきます。 また、オンライン研修を充実させるため、オンデマンドによる研修コンテンツを増やすなど、教員が授業の合間などを有効に活用して受講できる環境を整備します。 さらに、大学など様々な機関が行う研修を、希望する教員が受講できるようにするなど、一人一人の教員の最適な学びを支援します。 県教育委員会では、こうした取組を毎年度策定する教員研修計画に位置づけ、働き方改革にも配慮しながら、効率的、効果的な研修を通じて、教員の資質向上にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、1点、再質問をさせていただきます。 教員免許更新制廃止後の新たな教員研修の整備について再質問させていただきます。 教員の資質向上と負担軽減の双方の観点から、新たな教員研修を実現していくということで、資質向上は必要なことであります。 一方で、教育行政への信頼を失墜させる大きな原因である教職員による不祥事も依然続いている状況にあります。 そこで、改めて教育長に伺います。 教員の資質向上は、不祥事防止につながるものと考えますが、県教育委員会として、不祥事防止に向けて、どう取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 花田教育長。
◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えします。 県教育委員会では、教員の資質向上に向けた取組は、不祥事防止にもつながるものと考えております。 今後も、資質向上に向けた研修の充実を含め、不祥事の根絶に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。 以上でございます。 〔あらい絹世議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) あらい絹世君。 〔あらい絹世議員登壇〕
◆あらい絹世議員 それでは、何点か要望させていただきます。 教員免許更新制廃止後の新たな教員研修の整備について要望させていただきます。 教員免許更新制の廃止により、教員の質の低下を招くことのないよう、教員研修計画を策定することを要望いたします。 特に、教員の不祥事がなくならない中、教員として崇高な使命を意識して行動すれば、不祥事は防げるものと思っております。教員研修の中でも、教職員としての使命や誇り、また、自らの志について再確認できる機会となるよう、先ほど御答弁では、不祥事を根絶する強い覚悟を示していただきましたけれども、ぜひ具体的に不祥事を根絶するということを感じられるような教員研修を整備し、教員の質の向上に取り組むことを併せて要望させていただきます。 次に、県立高校改革の推進についてであります。 県立高校改革の推進に当たっては、中学生が高校教育に求める学びのニーズを的確に捉え、高校卒業後の様々な方向に対応できる多様な選択肢を用意することで、生徒をしっかりと受け止め、育てていく、魅力ある県立高校づくりを進めていただくことを要望いたします。 また、Ⅲ期計画における再編・統合については、段階的に行い、令和9年までに5組行っていくという御答弁もございましたが、中学生やその保護者の中には、進路への影響を考えて、不安に感じられている方もおります。そうした方々が安心して県立高校に進学してもらうことが大変重要だと考えております。 そのためには、コロナ禍における社会情勢の変化や、今後の生徒数の動向等を見定め、県立高校の定員をしっかりと確保した上で、再編・統合の実施について、柔軟に対応していただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 〔拍 手〕
○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。 休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。 よって、休憩いたします。 なお、再開は20分後といたします。 午後2時58分 休憩 ───────────── ◇ ─────────────
△《本会議録-令和4年第3回-20220912-029283-質問・答弁-青山圭一議員-代表質問①医療・福祉に関する諸課題について②安全・安心な社会の実現に向けた取組について③かながわの未来に向けた取組について》 午後3時20分 再開 〔議会局長報告〕 出席議員 副議長共88名
○副議長(曽我部久美子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○副議長(曽我部久美子) あらかじめ時間の延長をいたします。 ───────────────────────────────────────
○副議長(曽我部久美子) 質問を続行いたします。 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕(拍手)
◆青山圭一議員 立憲民主党・民権クラブの青山圭一です。 議長のお許しを頂きましたので、私は立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、提言を交えながら、質問をいたします。 それでは、早速質問に入ります。 〔資料提示〕 質問の第1は、医療・福祉に関する諸課題について、4点伺います。 初めに、当事者目線の
障害福祉推進条例についてです。 本定例会で提案された神奈川県当事者目線の
障害福祉推進条例案は、当事者目線の障害福祉を推進し、誰もが自分らしく暮らしていくことができる社会環境を整備していくための礎となり、その具体化に向けた理念、原則を明示する基本的な規範であると承知しています。 我が会派も、この条例案に大変注目しており、6月の代表質問でも、要望として、多くの県民としっかり意見交換を行い、実効性のある条例をつくってほしい旨、申し上げました。 今回、提示された条例案のうち、とりわけ障害者の社会参加を規定している第18条の、障害者の政策立案過程への参加は、福祉分野だけでなく、障害者の社会生活に関わる様々な分野への参加を方向づけした、大変重要な条文と認識しています。 障害当事者が、その人らしく暮らすことのできる社会を目指し、今後も、障害者権利条約の理念の下、条例の実現に向けて、しっかりと進めていくことを求めます。 そこで、知事に伺います。 条例の制定に向けた思いを改めて伺うとともに、政策立案過程の障害者の参加について、どのように推進していくのか、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、精神障がい者への支援策の推進についてです。 精神障害者への支援策として、バス運賃割引の導入と医療費の助成について伺います。 まずは、精神障害者へのバス運賃割引の導入についてです。 黒岩知事は、2019年2月18日、精神障害者を対象にしたバス運賃の割引について、2019年度からの、かながわ障がい者計画に割引の導入拡大を図ると明記した上で、事業者に対して、さらなる働きかけを行うことを明らかにしました。 精神障害者への交通運賃割引制度の適用は、2020年3月に神奈川県議会として、国に対し、各種交通事業者に対し、必要な措置を講ずるよう意見書を提出しました。 また、我が会派は2017年及び2019年に、繰り返しこの問題を議会で取り上げ、知事より、知事自らが神奈川県バス協会に出向き、精神障害者への運賃割引の導入を強く要請していくとの回答を頂きました。 しかし、残念ながら、いまだに実現に至っておりません。 県内における障害者へのバス運賃の割引については、身体障害者は1952年から、知的障害者は1981年から、それぞれ開始となり、現在は、本人と同伴者1名までが半額で乗車できると承知しています。 それにもかかわらず、精神障害者への割引は、いまだ一部の実施にとどまっています。 横浜市、川崎市を除く地域において、県内には20の事業者が路線バスを運行していますが、精神障害者に対する割引があるのは、横浜市、川崎市の公営交通と、他県にまたがる路線を運行している3社のみです。 関東近郊では、東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県において、割引が既に導入されています。 障害者の利便性の確保、社会福祉向上の観点からも、身体障害者や知的障害者と同様の措置が、精神障害者にもなされるべきと考えます。 次に、精神障害者への医療費の助成についてです。 重度障害者の医療費の自己負担分に市町村が助成する場合、県が一部を補助する重度障害者医療費助成制度があります。身体障害者手帳や、知的障害者を対象とした療育手帳については、2番目に障害の重い等級の手帳を持つ方までが医療費の助成対象となります。しかし、精神障害者保健福祉手帳2級の所持者は、対象外となっています。 医療費の助成は、ともすると、命に直結する課題となり、黒岩知事の、福祉先進県として神奈川モデルをつくっていきたいという発信を考えても、こうした問題こそ真っ先に対応すべき課題です。 精神障害者が利用できるサービスに格差が生じたままの状態は、障害者の当事者目線による福祉の実現に向けた条例制定を目指す本県の考えに沿うものではありません。 そこで、知事に伺います。 精神障害者へのバス運賃の割引の導入について、これまでどのような取組を行い、今後どう対処していくのか、また、重度障害者の医療費助成の拡大について、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、
新型コロナウイルス感染症により自宅療養者となった県民を支えるために本県の行うべき施策と運用についてです。 9月5日に開催された神奈川県
感染症対策協議会で、ハイリスクの方を除く多くの方の発生届の提出は、不要といった方向性が示されました。これにより、医療機関を受診せず、セルフチェックをする人が法律上における感染症の患者とみなされ、自主療養届出制度の拡大につながると考えられますが、一方で、セルフチェックによる療養が医療の逼迫を回避する手段として活用されるとのことです。 今後、セルフチェックにより、療養に入る方も多くなると見込まれ、患者の手元に確実に検査キットが届くよう環境を整える必要があります。 また、症状が急激に悪化する可能性もゼロではないため、緊急時に相談できる、県が運用するコロナ119というコールセンターに、自主療養者から必ずつながる体制をしっかりと構築することも重要です。 入院ができる医療資源を確保することや、自宅療養者の命を守るための施策の立案や、その確実な運用は、本県として最低限行うべきだと指摘をいたします。 そこで、知事に伺います。 コロナの自宅療養者となった県民が安心して療養いただけるよう、県は今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 〔資料提示〕 次に、
新型コロナウイルス感染症に係る今後の対応の県民への周知についてです。 本県における第7波の死者数は、これまで最多だった第6波を上回っており、安心はできない状況であるとも感じています。 こうした中、新型コロナウイルスにおける患者の全数把握の方式を改めると、8月下旬に国より方向性が示されました。 これにより、県民が不安を増長することは、あってはならないと考えますが、様々な報道から、感染症の位置づけの変更により、自己負担が増えるのではないかという不安の声が上がっていることを承知しております。
新型コロナウイルス感染症対策には、これまで多額の予算を計上しており、今後の対応の見直しに伴い、県民にどう影響が直接及ぶのか、また、これまでの生活や行動様式とどう変わっていくのか、論点を整理し、県民にしっかりと説明を行い、理解を得ていくことが重要です。 そこで、知事に伺います。
新型コロナウイルス感染症に係る今後の対応については、特に県民に深く関わる項目について、しっかりと周知していくことが必要だと考えますが、知事の所見を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 青山議員の御質問に順次お答えしてまいります。 医療・福祉に関する諸課題について、何点かお尋ねがありました。 まず、当事者目線の
障害福祉推進条例についてです。 私は、障害当事者との対話を重ねる中で、これまでの障害福祉の在り方を見直し、当事者目線の障害福祉に転換することの重要性を強く認識しました。そして、それを実現するための普遍的な規範として、今定例会に条例案を提案させていただきました。 障害者一人一人の声にしっかりと耳を傾けること、そして、支援者や周りの人が工夫しながら支援することが、障害者だけでなく、障害者に関わる人々の喜びにもつながります。その実践こそが当事者目線の障害福祉であり、本条例案は、これを着実に推進し、地域共生社会を実現するための大きな礎になるものと考えています。 こうした当事者目線の障害福祉を進めるためには、福祉だけでなく、医療、雇用・就労、教育、住宅など様々な分野の政策立案に、当事者自身が参加して意見を表明することが重要です。 そこで、私がトップを務める県の共生推進本部において、全庁横断的に、政策立案過程への障害者の参加を進めていきます。具体的には、県の審議会や会議などに参加していただき、当事者の目線から、様々な行政分野における御意見を伺い、それを可能な限り施策に反映していきたいと考えています。 こうした取組を通じ、障害当事者の社会参加を着実に進め、障害福祉の在り方が変わったと実感していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、精神障がい者への支援策の推進についてです。 まず、精神障害者へのバス運賃の割引の導入についてです。 県では毎年度、神奈川県バス協会を訪問して、割引導入の働きかけを行い、国に対しても、主要都道府県による要望活動を通じて、関係機関への働きかけを要請してきました。 しかし、バス事業者の経営環境が厳しい状況にあることなどを理由として、調整は非常に難航しています。 県では、バス事業者に、今後も粘り強く割引の導入を働きかけていくとともに、国にも、関係機関への働きかけを要請してまいります。 次に、重度障害者医療費助成制度の対象拡大についてです。 県は、市町村からの要望を踏まえ、重度障害者医療費助成制度の安定的な運営に向け、平成20年度から、年齢制限や自己負担金などを導入し、平成24年度には、精神障害1級を対象に加えました。 制度の見直しについては、実施主体である市町村の財政負担も生じることから、引き続き市町村と意見交換をしてまいります。 精神障害者は、毎月一定程度の医療費の負担がありながら、働きたくても就労には至っていない方が多いなど、厳しい現実を抱えていらっしゃいます。 私は、今月、精神障害の当事者の皆さんから直接意見を伺う機会がありますので、そうした場も通じて、精神障害者への支援について、改めて考えていきたいと思います。 次に、
新型コロナウイルス感染症により自宅療養者となった県民を支えるために本県の行うべき施策と運用についてです。 セルフチェックによる自主療養を速やかに行っていただくためには、抗原検査キットをいつでも容易に入手できることが重要です。 そこで、県では、検査キットをオンラインでも購入できるように、7月26日の全国知事会の場で後藤厚生労働大臣に提案したところ、これを受ける形で、先日、岸田首相がオンライン購入を可能とすることを表明しました。 また、自宅で安心して療養していただくためには、体調が悪化したときに相談できる体制を整えておくことも重要です。 第7波では、新規感染者数が第6波の2倍となる2万人近くにまで達し、体調が悪化した際の緊急連絡先であるコロナ119につながりにくい状況が生じました。 そこで、6月時点では45回線であった回線数を、8月末には95回線に拡大しました。その結果、現在の受電率は99%に達しています。また、人員も増強し、一般オペレーター95人のほか、専門的な相談に対応できる看護師も50人体制としました。 今後とも、県民の皆様が自宅でも安心して療養していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症に係る今後の対応の県民への周知についてです。 新型コロナウイルスへの対応の変更は、県民の皆様の安全・安心に深く関わるものであり、その周知をしっかり行うことが大変重要です。 新型コロナウイルスへの対応は、最終的には通常の医療の中で受け止められるべきと考えていますが、その過程としては、公費負担の在り方も含め、段階的に移行していくべきと考えています。 そのため、県では、新型コロナウイルスへの段階的な対応の変更について、公開の場である
感染症対策協議会で議論してきました。しかし、協議会は、公開の場で行っているものの、議論の状況そのものを動画で配信することはしていませんでした。 そこで今後は、協議会の議論の様子をインターネット中継し、配信することを検討します。 また、コロナ対応を変更する際には、県のホームページやLINEパーソナルサポートなどでも発信していきます。さらに、医療機関を受診された方に対するリーフレットによる周知についても検討していきます。 こうしたことにより、
新型コロナウイルス感染症に係る今後の対応を県民の皆様にしっかりと周知し、正しく理解していただけるよう取り組んでまいります。 答弁は以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 それでは、再質問させていただきます。 精神障がい者への支援策の推進についてであります。 精神障害者へのバス運賃の割引については、知事は2019年の本会議において、自らが神奈川県バス協会へ訪問し、協力を依頼すると述べられました。しかし、訪問して協力依頼をされていないと認識しています。 先ほど、毎年、県が団体に伺ってというふうに言われておりましたが、知事自身が先般、2019年には、そのような発言をされております。相手の事情もあるとは思いますが、近隣都県において実施がなされていないのが本県のみであることを踏まえ、当初どおり、先方と会談を持ってはいかがかと考えますが、見解をお伺いいたします。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 バス事業者の経営環境については、コロナ禍で乗客が大幅に減少しているところに、原油価格や物価の高騰が重なり、大変厳しい状況にある、このように承知をしております。 県では毎年度、バス協会を訪問して、精神障害者へのバス運賃の割引導入をお願いしておりますけれども、こうした状況下で、調整は大変難航しているわけであります。 こうした状況の中で、私自らが、今、要請に行っても、すぐに成果を上げることは難しいと思われますが、今後、バス事業者を取り巻く環境の変化を踏まえまして、効果的なタイミングを見計らって要請に行きたいと考えております。 答弁は以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 精神障がい者への支援策の推進についてです。 コロナ禍ということで、バス事業者の経営環境は厳しいということは、おっしゃるとおりだというふうに思います。 ただ、私どもが伺ったのは2017年であり、もう数年間たっているわけで、コロナは二、三年前というふうなことでもありますので、先ほど国のほうにも意見を申し上げていくというふうに言われましたので、やはり議場で、知事自らが行かれるというふうにおっしゃっておりますので、どこかのタイミングで、ぜひ強力に要請をしていただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、次に、当事者目線の
障害福祉推進条例について要望いたします。 平成28年9月の議会において、我が会派は、ともに生きる社会かながわ実現のために条例制定が必要であると述べ、このたびの
障害福祉推進条例をとても注視しています。 この制定を機に、障害当事者会議などを開催し、様々な政策分野で、障害者の思いを政策に反映させることを求めます。 次に、
新型コロナウイルス感染症に係る今後の対応の県民への周知についてです。 動画でこの会議の状況を配信するということであります。ぜひ、時期を見て、早い段階で取組をお願いしたいと思います。県民への分かりやすい説明を期待したいと思います。 以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 続いて、質問の第2として、安全・安心な社会の実現に向けた取組について、4点お伺いいたします。 〔資料提示〕 まず、神奈川県水防災戦略についてです。 令和元年に甚大な被害をもたらした台風被害から復旧・復興の取組に併せ、また、近年の台風などによる大規模な水害における課題や教訓を踏まえ、県は令和2年2月に、水害への対応力強化のための対策として、神奈川県水防災戦略を策定しました。 この戦略では、緊急に実施することで被害を最小化するハード対策など、三つの柱を掲げ、令和4年までの3か年の計画で取組を進めてきたと承知しています。 戦略における予算は、令和2年度が426億円、3年度が464億円、最終年度となる今年度が484億円で、総額1,374億円の規模となります。 今年度をもって水防災戦略は終了となりますが、昨今の台風や線状降水帯の発生による被害は待ったなしで、全国で続いている状況を考えますと、本戦略が僅かこの3年で終了となるのが妥当であるのかどうか、また、1,000億円以上の予算をかけたこの計画の成果など、検証が必要です。 その内容によっては、計画を続け、さらなる対策を講じていく必要も出てくる場合もあろうかと思います。 そこで、知事に伺います。 神奈川県水防災戦略のこれまでの取組と、今後、これまでと同様に、3年間の期間で計画をつくり、同規模の対策を行うことを検討しているのかどうか、知事の所見をお伺いいたします。 〔資料提示〕 次に、防災対策について、一つ目として、防災意識の普及啓発について伺います。 1923年に起きた関東大震災から、来年の2023年でちょうど100年になります。折しも、今月9月は防災月間であり、県内各地において防災訓練が実施されています。 〔資料提示〕 県民への防災意識の普及啓発を充実させる方策の一つとして、神奈川県総合防災センターの機能の充実と、活用の促進を図るべきと考えます。 総合防災センターの一部の施設においては、その機能などにおいてリニューアルが行われてきたものの、設備等の大部分は30年前の建設当時のままであり、災害発生に係る紹介ビデオ等の内容も古いと聞きます。 例えば、公衆電話から119番にかける既存のビデオ映像は、公衆電話の使い方を知らない世代にとっては、使い方を知る上で役立つかもしれませんが、そもそも町なかで公衆電話を見つけるのは、今では至難の業です。 災害に直面した際に役立つよう、現在の社会情勢に合わせた設備の変更や設置を適切に行い、ビデオ等の改訂も必要だと感じています。 より多くの方に、総合防災センターに来館していただき、実際に体験していただくことで、防災意識がさらに高まるよう、時代に合った体制づくりが必要だと考えています。 そこで、知事に伺います。 関東大震災から100年を機に、防災意識の啓発強化に、現在どのように取り組んでいるのか、また、防災意識の啓発を図る上で重要な総合防災センターの充実と活用促進が必要だと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、防災対策について、二つ目として、防災教育の推進について伺います。 先ほど神奈川県総合防災センターは、体験設備の劣化が進んでいると申し上げましたが、一方で敷地の規模も大きく、開放的な充実した施設であると言えます。 この施設は、防災教育ができる場所として、十分活用でき、防災に対する啓発や意識づけにつながると考えています。 そこで、教育長に伺います。 県立学校及び公立小中学校における防災教育に関して、どのように取り組んでいるのか、また、総合防災センターを活用することについて、どのように考えるのか、教育長の所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、高齢者等の安全対策についてです。 自然災害は全国各地で発生し、高齢者等を含む多くの方々が被災し、避難を余儀なくされる現状が続いています。 〔資料提示〕 2020年に九州地方を中心に発生した豪雨により、熊本県球磨村の特別養護老人ホームにおいて多くの犠牲者が出たことを受け、国は2021年度末までに、市町村の地域防災計画に定められた高齢者等の要配慮者が利用する施設において、避難確保計画を作成することを目標に掲げました。 1年後の2022年3月31日時点で、ようやくその達成率が全体の約82.8%になりました。 しかし、同時点における神奈川県の状況は、県内4,663か所ある施設のうち、計画が作成されていた施設は3,496か所しかなく、その割合は全国平均より低い74.9%という、8割に満たない、大変残念な結果でした。 自然災害はいつ起こるか分かりません。全国平均を下回るという本県の状況は、言うまでもなく、安全面における対策が万全とはとても言い難い状況です。 さらに、災害時に自ら避難することが難しい高齢者や障害者の個別避難計画では、2021年5月に施行された改正災害対策基本法により、市町村の努力義務となりましたが、22年1月1日時点で作成を終了した自治体が全国に1割も満たないとは、危機管理上、問題と言えます。 本県だけで見ても、個別避難計画が作成済みの市町村は僅か約3%で、一部作成済みは半数に満たない約45.5%、未作成が約51.5%であり、この計画の作成も急務です。 そこで、知事に伺います。 本県における市町村の地域防災計画に位置づけられている高齢者施設の避難確保計画や避難訓練のこれまでの取組状況と今後の取組について、また、個別避難計画の取組状況と今後の取組について、併せて知事の所見をお伺いいたします。 〔資料提示〕 次に、神奈川県迷惑行為防止条例の一部改正についてです。 まず、令和3年5月に、ストーカー規制法の一部改正により、相手の承諾なしにGPS機器等による位置情報の取得行為、同じく、承諾なしにGPS機器等を所持品等に取り付ける行為、相手方が現に所在する場所の付近における見張り等の行為、拒まれたにもかかわらず、文書を送付する行為、この4項目が新たに追加されました。 これにより、被害者の救済が高まり、犯罪抑止も期待されるところです。 ストーカー規制法を適用するには、困難な付きまとい等の行為もあることから、その部分を各都道府県は、それぞれの条例により規制しています。 〔資料提示〕 本県は、神奈川県迷惑行為防止条例によって、粗暴行為、卑わい行為、付きまとい等の行為の禁止を規定していると承知しています。 その迷惑行為防止条例第11条では、正当な理由のない嫌がらせや、いたずら等の目的による付きまとい等の行為を反復して行うことを取り締まっており、これにより、県民の皆様から寄せられる多様な被害相談にも適切に対応できると認識しています。 令和3年5月のストーカー規制法の一部改正を受けて、本県の迷惑行為防止条例においても、相手の承諾を得ずにGPS機器等による位置情報の取得行為への規制を追加するため、このたび検討が開始されました。 本年7月1日から31日までの1か月間、パブリック・コメントの実施を行い、県民の皆様より広く意見を募集されたと聞きます。提出された意見を踏まえた上で、被害者等の保護に向けた、真に必要な規制内容となることを期待します。 一方で、GPS機器等による位置情報の取得が必要な場合においては、当然のことながら、正当な理由の下で、適正かつ適切に運用されることが求められます。 現在、警視庁をはじめとする都府県では、改正ストーカー規制法に準じた条例の改正手続が進められていると聞いており、先行する自治体の取組も十分参考にしながら、条例改正案や改正した条例の運用基準を作成することは必須だと考えます。 そこで、警察本部長に伺います。 このたび、県警察が検討を始めた神奈川県迷惑行為防止条例の一部改正について、先般行われたパブリック・コメントの意見も踏まえ、どのように対応していくのか、警察本部長の所見を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 安全・安心な社会の実現に向けた取組について、何点かお尋ねがありました。 まず、神奈川県水防災戦略についてです。 県では、令和元年の台風で甚大な被害を受けたことを教訓に、ハード対策の前倒しや拡充、避難対策の充実など、風水害への備えを加速するための水防災戦略を策定し、今年度は最終の3か年目となります。 県では、この戦略の着実な推進を図るため、戦略に位置づけた事業について、前年度の実績と今後の実施予定を調査し、公表してきました。 これまで、遊水地の整備、河川改修、土砂災害防止施設の整備、港湾や漁港施設の機能強化、緑地の防災対策などのハード対策は、事業費ベースでも計画を上回る規模で、順調に取組が進められています。 また、令和元年の台風対応で課題となった市町村との情報受伝達についても、ダムの放流に関するLINE WORKSによる情報共有体制が確立したほか、県防災行政通信網の再整備も進んでおり、水防災戦略に基づく対策は着実に進展しています。 来年度以降の水防災戦略については、3か年の対策の検証や、近年の政策環境の変化への対応等の観点から、現在、見直しを検討しているところです。 具体的には、
新型コロナウイルス感染症の蔓延が全国的な課題となり、感染症と自然災害との複合災害への対応に、継続的に取り組む必要があります。 また、進展が著しいICTやAIなど新技術の活用や、風水害に対する市町村や消防の対応力強化、修正が繰り返し行われている防災気象情報に関する理解の促進や、適切な避難に関する啓発なども重要です。 県としては、こうした課題も踏まえ、期間の設定も含め、対策の充実を検討し、今年度中に次期戦略を取りまとめ、切れ目のない風水害対策を推進し、戦略が目標とする水害からの逃げ遅れゼロ、被害の軽減の達成を目指してまいります。 次に、防災対策についてお尋ねがありました。 まず、防災意識の普及啓発についてです。 相模湾を震源に、大正12年に発生した関東大震災では、本県は甚大な被害に見舞われ、現在も、震災遺構などの形で、その爪痕が随所に残されています。県民の皆様が、過去に実際に本県で発生した、この大震災の実態や教訓を正しく理解し、自分事として防災意識の向上につなげることは大変重要です。 県は、関東大震災から100周年の節目を防災意識の向上を図る絶好の機会と捉え、国や市町村とも連携し、県内に残された震災遺構などの資源を生かした効果的な取組について、しっかりと検討してまいります。 次に、総合防災センターの充実と活用促進についてです。 県では、県総合防災センターを自助、共助の推進拠点と位置づけ、防災情報・体験フロアの設備や機能の充実を図ってきました。 平成28年に震度7の揺れを2度記録した熊本地震の発生を受け、地震体験コーナーをリニューアルし、関東大震災などの地震の揺れをリアルな映像とともに再現し、疑似体験できるよう機能を強化しました。 また、避難所生活を体験できる設備を備えたフリースペースの整備や、平成30年の西日本豪雨の教訓を基に、CG映像を駆使した風水害のリアルな啓発映像を作成し、防災シアターで視聴できるようにするなど、施設の充実を図ってきました。 今後も、老朽化した設備の改善も含め、総合防災センターのさらなる充実に努めるとともに、教育機関や自治会などの団体の利用が進むよう、市町村への働きかけや広報の強化も図り、県民の皆様の防災意識の向上に活用してまいります。 次に、高齢者等の安全対策についてです。 水害や土砂災害が発生するおそれが高いとして、市町村の地域防災計画に位置づけられた高齢者施設は、避難確保計画を作成し、水害等を想定した避難訓練を実施して、これを市町村に報告することとなっています。 県では、県所管域の施設に対し、監査や実地指導の際に、計画作成の手引などを示しながら、計画の作成や訓練の実施を指導してきました。市町村に対しては、計画未作成の施設名簿を提供した上で、施設への助言・指導などを依頼し、また、県の取組を政令市や中核市にも情報提供をしてきました。 県内の状況ですが、市町村の地域防災計画に位置づけられている高齢者施設は1,867施設で、避難確保計画を作成しているのは、前年比19ポイント増の約76%に当たる1,419施設、訓練を実施しているのは、前年比11ポイント増の約41%に当たる759施設です。 取組が進んでいない施設は、施設の実情に応じた具体的な計画の作成方法が分からないといった課題があることから、今年度から新たに、施設職員に対し、防災対策の実践的な研修を実施し、全ての施設が計画を作成し、訓練を実施するよう取り組んでいきます。 次に、個別避難計画についてです。 この計画は、災害時に、特に配慮が必要な在宅の高齢者や障害者など一人一人について、避難先や支援者などを定めておくものであり、市町村が作成に努めることとされています。 県では、市町村を支援するため、庁内関係各課で連携し、計画作成の課題や好事例を市町村と共有してきましたが、いまだ半数近くの市町村が未着手であり、その取組は進んでいません。 市町村では、自治会等と協力しながら計画を作成していますが、配慮が必要な一人一人の状態を把握することは、専門的で難しいといった声が上がっています。 そこで、今後は、介護支援専門員などの福祉専門職にも関わってもらうことなど、市町村と共に検討し、計画の作成が進むよう支援していきます。 こうした取組により、災害に対する平時からの備えを充実させ、高齢者などが安全に安心して暮らすことができるように努めてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。
◎教育長(花田忠雄) 教育関係についてお答えします。 防災教育の推進についてです。 いざというときに自らの安全を確保する行動ができるよう、子供たちが防災に関する正しい知識を身につけることは、命を守る上で大変重要です。 そのため、県立高校では、学校周辺の危険箇所や避難場所等の情報を地図上で確認しながら、災害が発生した際の対策を考える図上訓練─DIGを中心に、防災教育に取り組んでいます。 また、小中高校等の教員を対象に毎年実施している防災教育研修では、地域と連携した防災訓練の事例や、防災教育に関する最新の情報をはじめ、総合防災センターの活用についても周知しています。 昨年度は、約90校の公立学校が総合防災センターを利用して、子供たちがリアルな疑似体験を通じて、災害の恐ろしさや対策を学んでいます。 県教育委員会では引き続き、様々な機会を捉えて、学校に対して、総合防災センターの利用を促していきます。 また、教員の防災教育研修の場として総合防災センターを活用し、教員自らが災害を疑似体験することで、より実践的な防災教育に生かせるよう、今後、関係局と調整していきます。 県教育委員会としては、こうした取組を通じて、子供たちが、いつ起きてもおかしくない災害に備えられるよう、各学校における防災教育を充実させてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔警察本部長(林 学)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 林警察本部長。
◎警察本部長(林学) 神奈川県迷惑行為防止条例の一部改正についてお答えいたします。 県内における付きまとい等に関する被害の相談件数は、近年、年間約1,000件前後と高止まりの傾向にあります。これらのうち、恋愛感情を充足させる等の目的以外で行われた行為に対しては、ストーカー行為等の規制等に関する法律の適用対象ではないことから、迷惑行為防止条例第11条を適用して取締りを行っているところであります。 付きまとい等に関する被害相談の中には、GPS機器を悪用して位置情報を取得される事案や、拒否したにもかかわらず、連続して手紙が送られてくる事案など、現行の条例では取り締まることができない行為も含まれるようになってきている実情にあります。 そこで、昨年改正されたストーカー行為等の規制等に関する法律と同様に、GPS機器等を利用した相手方の承諾を得ないで位置情報を取得する行為などを、迷惑行為防止条例でも規制することを検討することといたしました。 条例の改正に当たっては、広く県民の意見を求め、頂いた意見を踏まえながら検討を進めることで、被害者等を保護するために、真に必要な規制内容とするため、本年7月、条例改正に対するパブリック・コメントを実施した結果、137件の意見を頂きました。 意見の約9割は条例改正に賛同する趣旨のものであり、改正そのものに否定的な意見はありませんでしたが、改正内容を広く周知してほしい、認知症の高齢者にGPSを持たせることができるように、例外規定を設けてもらいたいといった条例の周知や適用に関する意見も寄せられました。 そこで、県警察といたしましては、相手の承諾なしに、GPS機器等の位置情報を取得する行為などの4項目を迷惑行為防止条例の第11条により、禁止される行為に追加する方針として、先行して条例改正作業を行っている他の都府県の例を参考としつつ、関係機関との調整を進めてまいりたいと考えております。 また、条例の改正に当たりましては、パブリック・コメントの実施結果を踏まえ、改正条文の解釈も含めて、県民の皆様に対する周知に努めてまいります。 以上でございます。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 それぞれお答えを頂きました。 それでは、何点か再質問をさせていただきます。 まず、神奈川県水防災戦略についてであります。 先ほど知事からの答弁では、一応、今年度中に計画期間も含めて検討と、こういうお答えだったと思います。 予算面のこともあろうかと思いますが、今まで3年間継続して取組をしてきて、一定程度の成果が出たというお答えもあったと思いますが、まだまだ継続して複数年の期間、戦略的にやっていかなければならないのではないかというふうに考えておりますが、計画期間については、複数年ということでの理解でよろしいのか、お伺いしたいと思います。 次に、高齢者等の安全対策についてです。 避難確保計画の取組が進んでいない施設が多く所在する市町村への働きかけは、どのように行っていくのか。また、個別避難計画については、市町村によって個別避難計画推進のための財政支援を求めています。県として、何らかの対応を図れないのか、お伺いいたします。 次に、防災教育の推進について、教育長にお伺いいたします。 先ほど教員の防災教育について、関係機関と調整を図り、進めていきたい旨のお話がございました。 まさに、先生方には、この防災センターをしっかりと活用していただいて、生徒の安全をしっかりと守っていただきたいというふうに考えております。 コロナ禍という状況もありますけれども、早急に計画を立てて、内容もしっかり詰めていただきたいと思いますけれども、防災関係には造詣の深い元くらし安全防災局長でもある教育長に所見をお伺いしたいと思います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 まずは、水防災戦略でありますが、現行の戦略は、3か年の計画期間で対策を実施しておりますが、これを踏まえまして、期間の設定も含めて次期戦略を検討し、今年度中に取りまとめたいと思っております。 続きまして、個別避難計画についてでありますけれども、高齢者施設の避難確保計画の作成状況については、市町村単位で見た場合にばらつきがありますが、防災部局と福祉部局が連携して対応している市町村では、施設の計画作成が進んでいると、こういった傾向があります。 こうした好事例、これを取組が進んでいない施設が多く所在する市町村に情報提供をしまして、施設の計画作成が進むよう働きかけてまいります。 次に、個別避難計画の作成につきましては、神奈川県市町村地域防災力強化事業費補助金の対象となっていることから、補助メニューについて、市町村に対し、引き続き周知してまいります。 答弁は以上です。 〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。
◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えいたします。 総合防災センターの体験コーナーなどを、教員自らが実体験するということは、防災教育に関して、より緊張感を持って、子供たちに災害の恐ろしさ、こういったものを教えられると考えています。 今年度の防災教育研修については、コロナ禍の折、オンラインということで既に計画をしてございますが、その中でも、実際に防災センターを体験してみたいという教員の方がいるようであれば、そういった方々をしっかりと総合防災センターに御案内をし、関係局と連携の上で、感染防止に注意しながら、体験コーナーを使っていただきたいと考えておりますので、早速、今年度の研修のメンバーにお声がけをさせていただきたいと考えております。 以上でございます。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 それぞれお答えを頂きました。 まず、水防災戦略については、期間も含めてということでございますので、今年度中にというお答えがありましたので、推移を見守ってまいりたいというふうに思います。 高齢者等の安全対策についてでありますが、好事例などを紹介して市町村への働きかけを進めていくということでありました。 いろいろと数値を見てみますと、非常に進んでいない市町村と進んでいる市町村があるわけでありまして、ぜひそうした進んでいないところについて、私の頂いている数値では、政令市さんがちょっと遅いというところもあるようですので、ぜひ、情報共有しながら進めていただきたいと思います。 それから次に、防災意識の普及啓発についてありますが、県の防災センターの老朽化した設備や、時代にそぐわない設備等の迅速な対応をお願いするとともに、防災意識の普及啓発に防災センターをぜひ活用していただくようお願いしたいと思います。 それから、防災教育についてでありますけれども、再答弁で、教育長から非常に力強い答弁を頂いたというふうに思います。 いろいろと調べてみますと、先生方、教員の方々が、私が受けた印象ではあまり防災センターを活用されていない。県の施設なので、特に県立高校の先生方、他県の先生方もこの神奈川の防災センターはすばらしいと言って見学に来ている方もいらっしゃるわけで、やっぱり自分の県の施設を県の先生が使わないという手はないと思いますので、しっかり研修にも位置づけていただいて、恒常的に使っていただくような、そういう取組を進めていただくことを要望させていただきたいと思います。 次に、神奈川県迷惑行為防止条例の一部改正についてでありますけれども、県警察には、GPS機器等の悪用により位置情報を取得された等の被害相談が寄せられていると分かり、今回の条例の一部改正は、県民の皆様の身近なところで起こる迷惑行為を規制するためにも必要であると確認ができました。 パブリック・コメントには137件もの意見が寄せられ、県民の関心が高いことも伺いました。 条例の改正に当たっては、関連機関と綿密な調整を行った上で、改正条例の条文や運用解釈を検討していただくとともに、改正後には、規制対象行為や除外行為について具体的な事例を示すなど、きめ細かく、かつ丁寧な広報を実施し、改正条例の周知を徹底していただくよう要望いたします。 以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 次に、質問の第3として、かながわの未来に向けた取組について、2点伺います。 〔資料提示〕 まず、今後の財政運営についてです。 日本銀行による7月の経済・物価情勢の展望レポートにおいて、わが国の景気は、資源価格上昇の影響などを受けつつも、持ち直している、海外経済は総じてみれば回復しているといった内容が示されました。 本県では、来年度予算に対し、350億円の収支不足が生じると発表があり、来年度の本県税収は、令和4年度当初予算に対し、一定程度、増収が見込まれるものの、交付税の減額に伴い、多額の収支不足が見込まれると聞いています。 〔資料提示〕 また、本県では、令和2年3月に、中期的な展望を持った財政運営を行うため、中期財政見通しを策定し、財政健全化に向けて継続的に取り組んできたことも承知しています。 その具体的な目標の一つに、令和5年度末までに県債残高を2兆円台にすることが掲げられています。長引く
新型コロナウイルス感染症による本県財政への影響もあることなどから、中期財政見通しや県債管理目標の見直しの可能性についても、県は言及しています。 こうした本県を取り巻く環境を的確に捉え、対応を適切に行っていくことが何よりも重要であると考えています。 そこで、知事に伺います。 本県の令和4年度、令和5年度の財政見通しと対応について、また、中期財政見通しの見直し、さらに、令和5年度末までに県債残高を2兆円台にする目標は、達成することが可能であるのかについて、知事の所見をお伺いいたします。 〔資料提示〕 次に、特別自治市構想についてです。 特別自治市構想は、現行の指定都市が道府県から実質的に独立し、道府県の権限、税財源を含めて、一元的に管理する特別自治市を法制度化しようとするものです。 指定都市は全国に20か所あり、特別自治市に対する考え方は都市ごとに温度差があり、報道によると、大阪市は反対の意向、神戸市は、県からの独立はまだ決めていない、新潟市は特別自治市を目指さないなど、指定都市の間でも、必ずしも足並みがそろっていないことが分かります。 指定都市を含む道府県側から反対の意向を示しているのが、神奈川県や埼玉県を含む5県で、指定都市と道府県双方においても意見の相違が生じており、慎重な議論を重ねていく必要があると考えています。 〔資料提示〕 そこで、我が会派はこれまでに、県として特別自治市構想に対する有識者会議等を設置すること、県内指定都市と率直に意見交換をすること、県民に対し県の考え方を周知することなどを求めてまいりました。 その結果、特別自治市構想に対する神奈川県の見解を県が取りまとめ、県内指定都市と協議を始めたことは、率直に申し上げて、評価をさせていただくところです。 この特別自治市構想がもたらす県民に与える影響がどのようなものであるのか、県民の目線に立った議論の機会を、県内指定都市及び市町村等と丁寧かつ真摯に持つことが重要だと考えています。 特に、財政面や医療面等における県民への影響も考えられ、おのずと課題も見えてきます。 議論の内容を受けて、神奈川県としてまとめた見解を、機会あるごとに県民に周知することも忘れてはなりません。 特別自治市構想を議論している他県と情報共有を図り、必要であれば、国へ意見書を出す提案をしたいと思います。 そこで、知事に伺います。 仮に、県から3指定都市が独立するとした場合の財政面での影響について、県有施設も含めて、どのように考えているのか、また、これまでコロナ対応など、指定都市の住民の方々を指定都市以外に搬送し、受入れをしてきた医療体制、災害対応、警察行政をどのように考えるのか、さらに、特別自治市構想を議論している県等と情報の共有を図るなど、他県と連携し、必要であれば、国に対し共同して意見の申入れをすることを提案しますが、どのようにお考えか、最後に、今後、県内指定都市及び市町村と、どのようなスケジュールでこの問題に向き合うのか、知事の所見をお伺いいたします。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) かながわの未来に向けた取組についてお尋ねがありました。 まず、本県の今後の財政運営についてです。 最初に、財政見通しと今後の対応についてです。 県税及び地方譲与税については、税交付金等を除く実質ベースで、令和4年度は、当初予算から約600億円の増収を、令和5年度は同じく4年度当初予算から約580億円の増収を見込んでいます。 また、令和5年度当初予算編成に向けては、現時点で約350億円の財源不足を見込んでいますが、4年度の税収増を活用することなどで、この財源不足を解消し、脱炭素社会の実現などの様々な喫緊の課題に対応していきたいと考えています。 次に、中期財政見通しの見直しと県債管理目標の現状についてです。 中期財政見通しでは、令和3年度の財源不足について550億円と見込んでいましたが、当初予算の編成作業が始まる令和2年9月時点の見込額は、コロナの影響により、1,100億円にまで拡大しました。 しかし、税収の持ち直しや、コロナ対策に係る国の財源措置により、令和3年度は財源を確保することができました。そして、その後の4年度の財源不足は850億円、5年度は350億円と順次縮小しており、中期財政見通しとの乖離は大きく改善しています。 こうしたことから、当面は現行の中期財政見通しを維持し、財政運営を行っていきたいと考えています。 また、令和5年度末に県債残高を2兆円台とする県債管理目標については、現時点における5年度末残高の見込みは約3兆1,000億円です。目標達成は依然として厳しい状況にありますが、県民生活に支障のない範囲で県債発行を抑制するとともに、臨時財政対策債の廃止・縮減を国に要望するなど、目標達成に向けて取り組んでまいります。 次に、特別自治市構想についてです。 まず、県有施設を含めた財政面での影響についてです。 県内3指定都市内の税源を全て移譲した場合、県では約680億円の財源不足が生じ、県内全域で現行水準の行政サービスは維持できなくなるおそれがあります。また、指定都市域内には、717施設、財産価格が約1兆465億円の県有施設があり、これらを移転や移管した場合は、住民の皆様に多額の負担が生じるものと考えます。 次に、医療体制、災害対応、警察行政についてです。 例えばコロナ禍において、令和4年8月までに、県は、指定都市から市域外へ6,800人を超える患者の入院・搬送調整を行いましたが、こうした全県的な取組に支障が生じるおそれがあります。 また、大規模災害時における人的・物的支援の広域調整が難しくなることや、警察の捜査において、組織の分割により、対応力が低下することなど、県の総合調整機能に支障が生じる懸念があります。 次に、他県等と連携した対応の検討についてです。 特別自治市構想については、国の第30次地方制度調査会で議論されましたが、平成25年6月の答申では、周辺自治体に対する県の行政サービスへの影響などの課題が指摘され、その後、議論は行われていません。 今後、改めて国による検討が行われる場合には、全国知事会や他県とも調整を図りながら、本県としての見解を主張していきたいと考えています。 最後に、県内指定都市・市町村との議論等のスケジュールについてです。 現時点では、今後の議論等について具体的なスケジュールは決まっていませんが、引き続き、住民目線で調整を進めてまいります。 答弁は以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 それでは、本県の今後の財政運営について再質問いたします。 来年度は350億円の収支不足が見込まれるとのことですが、これを踏まえ、どのように予算を編成していこうと検討しているのか。 また、来年度の当初予算は、県として、継続して取り組む事業とし、義務的経費などのいわゆる骨格予算を編成すると聞いております。その際、来年度に、新たに加える政策的経費は、全体のどのぐらいの割合を考えているのか、伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 令和5年度の財源不足額350億円は、4年度に見込んでいる税収増を活用するなどして、解消していきたいと考えています。 しかし、海外経済の不確実性や物価上昇等による景気の下振れリスクがあることから、今後も気を緩めることなく、さらなる歳入の確保と不断の事業見直しを継続し、様々な政策課題に対応してまいります。 また、令和5年度は知事選挙を予定しているため、当初予算は、義務的経費を中心とする骨格予算として編成する予定です。その場合の肉づけ予算の規模については、今後の税収動向を注視しつつ、当初予算編成の中で検討していくため、現時点で具体的に申し上げることはできませんが、県政ニーズを的確に把握し、しっかりと予算編成に臨んでいきたいと考えております。 答弁は以上です。 〔青山圭一議員発言の許可を求む〕
○副議長(曽我部久美子) 青山圭一さん。 〔青山圭一議員登壇〕
◆青山圭一議員 本県の今後の財政運営について、そして特別自治市構想について、それぞれお答えを頂きました。 本県の今後の財政運営について、要望を申し上げたいと思います。 来年度に、新たに加える政策経費について、明確な数値はいただけませんでしたが、今後、予算編成に伴いまして、いろいろと取組をしていくということではないかというふうに思います。 過去の例を見ますと、一般会計の約1%で、100億円ぐらいではないかというふうにも想定をいたしますが、今後の予算編成の動向に注視をしていきたいというふうに思います。 県民生活に必要な、継続的な取組が本当に多々ありますので、予算のめり張りをつけていただいて、しっかりと取組を進めていただきたいというふうに思います。 次に、県債残高についてでございますが、中期財政見通しに掲げた目標を達成する可能性もあるというような回答だったと思います。 令和5年度末までに3兆1,000億円になるという、この県債残高についての見込みが示されたところであります。 県税収入については、令和4年度当初予算で、先ほども御答弁がありましたが、約600億円、当初予算に比べて増収、そして5年度は約580億円ということでありますが、しかしながら、5年度の財源不足350億円ということで、引き続き厳しい状況、予断を許さない状況は変わらないということでございますので、適切な取組をお願いし、注視をしてまいりたいと思います。 特別自治市構想についてでございます。 様々お答えを頂きました。全ての県内指定都市が特別自治市に移行した場合の県有施設、1兆400億円ほどということ、そして、財源不足が680億円ということでありますので、非常に大きいダメージということであります。 また、市域外の医療面では、令和2年4月から令和4年8月までの指定都市から市域外の入院・搬送調整を県が行った件数、3市合計で約6,800名にもなるということであります。 こうした数字からも明らかなように、特別自治市構想による影響にどう対応していくのか、課題となります。適切な対応をお願いいたします。 以上で、私の代表質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 〔拍 手〕
○副議長(曽我部久美子) お諮りいたします。 本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。 よって、本日の質問はこれで終わります。 ───────────────────────────────────────
○副議長(曽我部久美子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 次回の会議は、明13日午後1時に開きます。 本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでございました。 午後4時36分 散会...