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12月06日-17号

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  1. 神奈川県議会 2021-12-06
    12月06日-17号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 3年 第三回 定例会 △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029142-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和3年第3回神奈川県議会定例会会議録第17号〇令和3年12月6日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共103名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       松   本       清                       し き だ   博   昭                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       作   山   ゆうすけ                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       堀   江   則   之       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     野   田   久   義         県土整備局長        大   島   伸   生         会計管理者兼会計局長    河   鍋       章         共生担当局長        安   井   由 美 子         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         山   本       仁         同  総務部長       木   原   信 一 郎   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          平   井   和   友         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和3年第3回神奈川県議会定例会議事日程第17号                            令和3年12月6日午前10時30分開議第1 定県第 144号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算(第20号)   定県第 145号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第1号)   定県第 146号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 147号議案 同  年度神奈川県電気事業会計補正予算(第1号)   定県第 148号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計補正予算(第1号)   定県第 149号議案 神奈川県営水道事業審議会の設置等に関する条例   定県第 150号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 151号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 152号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用範囲及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例   定県第 154号議案 神奈川県行政機関設置条例の一部を改正する条例   定県第 157号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 158号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 159号議案 神奈川県地球温暖化対策推進条例の一部を改正する条例   定県第 160号議案 三浦しらとり園条例の一部を改正する条例   定県第 161号議案 神奈川県立の障害者支援施設に関する条例の一部を改正する条例   定県第 162号議案 無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 163号議案 神奈川県奨学金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 164号議案 工事請負契約の締結について(神奈川県防災行政通信網再整備事業工事請負契約)   定県第 165号議案 工事請負契約の締結について(主要地方道藤沢座間厚木新設橋梁(上部工)工事請負契約)   定県第 166号議案 工事請負契約の締結について(県営万騎ケ原団地公営住宅新築工事(4期-建築)請負契約)   定県第 167号議案 工事請負契約の締結について(県営亀井野団地公営住宅新築工事(4期-建築-第1工区)請負契約)   定県第 168号議案 訴訟の提起について   定県第 169号議案 和解について   定県第 170号議案 当せん金付証票の発売について   定県第 171号議案 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所中期目標   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029143-質問・答弁-川崎修平議員-一般質問①若手県職員の活躍の場の創出について②クラウド型電子契約の導入について③高校のプログラミング教育必修化等に向けた教員の採用・育成について④デジタル技術を活用した災害対応について⑤消防団の充実強化について⑥国際園芸博覧会における今後の県の取組について⑦食品リサイクルの促進について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共58名 ○議長(小島健一) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 審議を行います。  日程第1、定県第144号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算外24件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕(拍手) ◆川崎修平議員 横浜市鶴見区選出の川崎修平です。  私は、自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問をさせていただきます。  知事並びに教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、若手県職員の活躍の場の創出について伺います。  平成31年4月、人手不足の解消や長時間労働による健康問題の是正等を目的に働き方改革関連法案の一部が施行されました。  本県においても、県の職員に対し、残業時間縮減に関する目標値を設けたほか、ICTの利活用、テレワークの推進等を行い、行政組織の総合力を高めるために様々な改革を推進してきたと承知いたしております。  このような時流を受け、民間企業においては、働き方改革の一環として、20代、30代の若手社員に活躍できる場を積極的に与え、仕事へのモチベーションを維持しながら成長を促す取組を始める企業が増えています。  例えば、大手保険会社では、年齢や在籍年数にかかわらず、誰でも課長職に立候補できるシステムを採用していたり、ある有名ゲームメーカーでは、若手社員を積極的に大規模プロジェクトに入れ、若いアイデアを次々と採用してヒットを飛ばしているなどの例もあります。  新型コロナウイルスの影響でテレワークが増える中、コミュニケーション能力や協調性、人脈形成、責任感が育みづらいことを考えると、若手が活躍できる機会を意図的に創出し、成長を促すことは、中長期的に見ても企業力の向上につながることは明白で、このような取組は今後ますます増えていくと思われます。  そして、それは地方自治体も例外ではありません。  〔資料提示〕  例えば、福井県では、勤務時間の20%以内までは担当外の業務にチャレンジできる制度や、部局横断でタスクフォースを編成し、特定の課題を3か月程度で解決する制度を設けたりするなど、若手職員が活躍できる場を積極的に創出しています。  また、大阪府堺市では、職員が昇任する際の最低年齢を見直し、課長級への昇任の目安を36歳以上、部長級は39歳以上、局長級42歳以上と10歳前後引き下げるなど、若い人の活躍の場を確保するとともに、人材流失を防ごうと取り組んでいるとのことでした。  もちろん、本県にも、入庁後早い段階から活躍していたり、現場を牽引している若手職員は大勢いますが、それでも民間企業と比べると、公務員はまだまだ年功序列な部分が多く、20代、30代の若い職員が責任あるプロジェクトのリーダー等に任命されるというような事例は少ないように思います。  組織・人事改革戦略では、多様な人材の活躍に向けた環境整備をアクションプランに位置づけておりますが、その中で若手職員の活躍には触れられてはいません。  しかし、若手職員に活躍できる場を提供し、能力をさらに引き出して組織全体の力を上げていく取組は、本県でも積極的に行っていくべきなのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  若手県職員のモチベーションを向上させ、活躍の場を創出していく取組を、本県でも進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、クラウド型電子契約の導入について伺います。  今年の9月1日、行政のデジタル化に加え、マイナンバーカードの普及、健康保険証の利用や運転免許証との統合など、国民の暮らしにおけるデジタル化との相乗効果により利便性の高いデジタル社会の構築を目的として、内閣にデジタル庁が設置されました。  デジタル化とは、デジタル技術によって今まで人間が行っていた業務などを効率化したり、新しい付加価値をつけた製品を生み出すことを指しています。  本県も、スマート県庁大作戦と銘打って、全国に先駆けてICTを活用した業務効率化に取り組み始め、その一環として、文書の電子化を進めてきたと承知しておりますが、令和3年1月の地方自治法施行規則の一部改正に伴い、地方自治体の電子契約に利用できる電子署名の種類が拡大しました。  この規則改正を踏まえ、これまで民間事業者と紙で交わしてきた契約事務を、電子データにしてインターネット上で行うクラウド型電子契約の実証実験を行う自治体が出てくるようになりました。  現在の紙による契約は、まず自治体と契約の相手方である事業者のいずれかが、契約書を2部作成し押印して、相手方に送ります。相手方も、2部とも押印し、このうち1部を返送して、お互い1部ずつ保管するという流れです。また、紙の契約書には、契約額に応じ、収入印紙を貼り付ける必要があり、これは事業者の負担となっています。  〔資料提示〕  クラウド型電子契約では、県が契約書の電子ファイルをクラウド上にアップロードすると、事業者はクラウド上で契約書の内容を確認し、そのまま契約が締結できる仕組みになっています。  この電子契約の最大のメリットは、契約書の郵送にかかる日数や費用が省け、印刷や製本、保管スペースが不要になることにあります。  また、テレワーク中にも、請求書や契約書などの印刷、押印といった紙の書類に対応するためだけに出社せざるを得なくなる、いわゆる押印出社がコロナ禍において社会的課題として注目されましたが、電子契約が可能となれば、その必要もなくなります。  もちろん、業務フローの変化やコスト、セキュリティー等の検証をする必要がありますし、ICTに不慣れな中小企業事業者への丁寧な対応も必要です。  しかし、今後は、紙でなく、電子契約がスタンダードになっていくことは確実と考えます。  そこで、知事に伺います。  スピーディーに物事を進めて仕事を効率化していくためにも、本県もこの電子契約を積極的に導入していくべきだと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、高校のプログラミング教育必修化等に向けた教員の採用・育成について伺います。  近年、デジタル技術やデジタル技術を活用したサービスは、想像をはるかに超えるスピードで進展しています。とりわけIoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどの新規技術の進化は、第4次産業革命とも呼ばれており、私たちはその恩恵を受けて、便利で豊かな日々を過ごせるようになりました。  そして、急速に進むデジタル化に対応するため、日本でも、令和2年度から、全ての小学校でプログラミング教育が必修化され、さらに、令和4年度からは、高校においても、全ての生徒がプログラミングを学ぶことになります。  〔資料提示〕  プログラミングとは、コンピューターに意図した動作をさせるためのプログラミング言語を用いて、アプリやゲームの制作、ロボットの開発・制御などを設計することをいい、生徒たちは、共通必履修科目となる情報Ⅰでプログラミングを学ぶことにより、知識や技能、思考力や論理的に考える力などを身につけることができます。  また、より高度な技術や発展的な学びを希望する生徒には、選択科目として、情報Ⅱの科目も新設されるなど、今後、情報の教科の充実が進むことになります。  一方、情報の教科の充実に当たっては、専門的に教えられる教員の不足や専門性の欠如といった課題が残されています。  文部科学省の調査では、情報の授業を受け持つ公立高校の教員約5,100名のうち約1,200名は、免許外の担任許可等を受けた教員が、他教科との掛け持ちで教えているとありました。これは、全国的には、情報の免許を保有している教員を積極的に採用してこなかったことが背景にあると考えられます。  また、これまで指導に当たってきた教員でさえ、プログラミングを教えることに不安を感じている人が少なくないとも聞いています。  新しい学習指導要領では、情報Ⅰにおいて、プログラミングのほかにも、ネットワークや情報セキュリティー、データベースの基礎などについて学習することが定められており、大学入試センターは、令和7年実施の大学入学共通テストから情報Ⅰを追加する方針を発表しています。つまり、今後、情報が高校における主要教科の一つになるわけで、県教育委員会としても、より質の高い授業を目指し、専門性の高い教員の採用や、研修などを通じた指導力の向上に努めていく必要があると考えます。  そこで、教育長に伺います。  高校における情報科目の充実を契機として、県教育委員会では、教員の専門性の向上にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、デジタル技術を活用した災害対応について伺います。  近年、台風や大雨、地震などの自然災害が頻発していることを踏まえ、本県でも、防災・災害対策を県民の暮らしと生命と財産を守るための最重要課題と位置づけて、様々な取組を行っていることは承知いたしております。  しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、車中泊避難の増加や、むやみに避難しないなど避難行動が多様化したり、避難所でのより徹底した感染症対策が必要になるなど、災害対応に携わる職員に求められる業務は、これまで以上に複雑化かつ増大しているところです。  こうした状況を踏まえ、私は、昨年9月の第3回定例会において、本県の災害対応力の向上のために、AIを積極的に導入することについて質問させていただき、知事から、大変前向きな御答弁を頂きました。  それから1年余りが経過しましたが、既に全国各地でデジタル技術を災害対応に活用する独自の取組が行われ始めています。  例えば、福島市では、災害情報を迅速に把握するために、既存の市のLINE公式アカウントに、新たに災害時通報機能を付加しています。この機能は、気象警報が発令されたり、災害対策本部を設置した際に開始され、市民の方々に写真などで被害の情報を投稿してもらうことが可能になるとともに、提供された情報は地図上に自動的にプロットされるとのことです。  また、住民の避難支援ということでは、福井県において、市町村が開設・運営する避難所ごとに設けたQRコードをスマートフォンで読み取ってもらい、体温、氏名、年齢、性別、健康状態などを入力してもらうことで、例えば、お年寄りが多い避難所には消化によい食事を用意する、女性が多い避難所には生理用品を届けるといった、避難所ごとに必要な支援が判断可能になるシステムの構築を、現在進めていると聞いています。  スマートフォンの普及が進み、デジタル技術が進展する中、いかに災害対応にデジタル技術を使用するかが、これからの防災力の維持・向上のための大きな鍵になると考えます。  そこで、知事に伺います。  本県でも、災害時の被害情報の迅速な把握や、住民の避難支援など、災害対応にデジタル技術を積極的に活用していくべきだと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、消防団の充実強化について伺います。  消防団は、消火活動のみならず、地震や風水害等多数の動員を必要とする大規模災害時の救助救出活動、避難誘導、災害防御活動など、地域防災の中核として非常に重要な役割を果たしています。  消防団員は、社会情勢の変化などにより、戦後一貫して減少しており、消防庁の消防団オフィシャルウェブサイトによると、全国では、昭和31年の183万222人から、令和2年には81万8,478人と約55%も減少しています。  一方で、消防団員は、サラリーマンなどの被雇用者化が進んでおり、昭和40年には26.5%であった比率が、令和2年には73.9%まで上昇しています。  こうした状況を踏まえると、消防団員を確保し、消防団員の充実強化を図るためには、企業経営者など、事業者の理解と協力を得ることが不可欠であります。  国では、平成18年度より、消防団活動に協力している事業所に対し、そのあかしとして表示証を交付する消防団協力事業所表示制度を実施していますが、事業者に具体的なインセンティブが働いていません。  一方、他県では、事業者の理解と協力を得るために、事業税軽減や入札参加に当たっての優遇措置などを行っているところがあると承知しています。  平成26年第1回定例会の我が会派の一般質問の中で、消防団活動に積極的に協力する企業に対するインセンティブが働く取組の推進について質問が行われ、知事から、全国的には、入札の優遇や減税、表彰などを行っている事例があり、こうした事例を参考に事業者にインセンティブが働く取組について検討するとの答弁がありました。  〔資料提示〕  県では、平成28年4月から、公益財団法人神奈川県消防協会との共同事業として、かながわ消防団応援の店登録制度を開始しましたが、この制度についても、消防団員や家族は登録している店舗で割引サービスなどを受けることができますが、登録店に対する費用補填等の補償は行われていません。  消防団員の減少の抑止策の一つとして、消防団に協力する事業所へのインセンティブの強化が考えられますが、現状では、本県では事業所へのインセンティブはありません。  そこで、知事に伺います。  本県においても、企業に対して直接的にインセンティブが働くような取組を検討すべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、国際園芸博覧会における今後の県の取組について伺います。  2027年に本県横浜市で開催される国際園芸博覧会について、先月15日、この博覧会の準備や開催運営を行う一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会が設立されました。  この国際園芸博覧会は、国際的な園芸文化の普及や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決等への貢献を目的に、2027年3月から約半年の期間、横浜市瀬谷区と旭区にまたがる旧上瀬谷通信施設において開催されるものです。  〔資料提示〕  万博に関する国際機関である博覧会国際事務局の認定を受けて開催され、花と緑をテーマにした国際園芸博覧会としては、最高位のA1クラスとなる開催を目指しており、これは、1990年に大阪で開催された国際花と緑の博覧会、いわゆる花の万博以来、国内では2回目の開催です。  現在の計画案によれば、国際色豊かな庭園や魅力的な植物による多様性に富んだ展示、花卉・園芸を中心とした産業の発展や、国際的なつながりの醸成を図る行催事が展開される国際的な大規模イベントと伺っております。  これだけのイベントが神奈川の地で開催されれば、花卉園芸の振興をはじめとした様々な効果が見込まれるものと考えます。  また、コロナ禍において、自然と触れ合うことの喜びや、人と人のつながりの大切さが再認識されている中、花・緑・農をシンボルとした国際園芸博覧会の開催は、持続可能な循環型社会へのメッセージの場として、大きな意義を持ち、県としても、国や横浜市、各関係団体と連携しながら、この博覧会の開催に向けた協力に、しっかりと取り組んでいく必要があると考えます。  この国際園芸博覧会における県の関わりについては、令和2年第1回県議会の一般質問において、知事から、博覧会協会の設立後、具体的な協力ができるよう準備を進めていくとの御答弁を頂きました。  そこで、知事に伺います。  2027年国際園芸博覧会協会が設立された今、国際園芸博覧会の開催に向けて、今後、県として、どのような協力を行っていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、食品リサイクルの促進について伺います。  現在、世界では、食料生産量の3分の1に当たる約13億トンもの食料が毎年廃棄されています。食品廃棄物は、食料資源の無駄を招くだけでなく、その処理に当たって温室効果ガスを発生させるなど、様々な問題につながっており、地域から対策を進めていく必要があります。  食品廃棄物は、まず発生抑制を図ることが重要でありますが、食品の売れ残りや食べ残し、または食品の製造工程において大量に発生してしまった食品廃棄物について、発生抑制と減量化により、最終的に処分される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再利用し、食品循環資源の再生利用等を促進することも重要であります。  国は、食品リサイクル法に基づき、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針を定め、再生利用等の実施率について、食品製造業、食品小売業、食品卸売業、外食産業という業種別に目標値を設定しています。  平成27年に公表された基本方針では、令和元年度までに業種全体で食品製造業は95%、食品卸売業は70%、食品小売業は55%、外食産業は50%という食品廃棄物の再生利用等実施率の目標値が設定されました。  しかし、最新の実績として公表されている平成30年度実績では、食品製造業、食品小売業は目標値を達成しているものの、食品卸売業、外食産業については、目標値が達成されておらず、特に外食産業については42%と目標値と乖離してしまっています。  こうした中、令和元年度に新たな基本方針が定められ、令和6年度までに食品製造業は95%、食品卸売業は75%、食品小売業は60%、外食産業は50%の再生利用等を図る目標値が設定されました。  〔資料提示〕  食品リサイクル法は、前年度の食品廃棄物等の発生量が100トン以上でないと定期報告の義務がなく、定期報告を行った上で、取組が著しく不十分であったとしても、必要な措置の勧告、公表、必要な措置の命令をすることしかできず、事業者が公表されるケースがまれであることや、コンプライアンス意識の低い事業者から見れば、直接的な罰則がないため、自ら推進するインセンティブや罰を感じずに、再生利用等に取り組まない事例も多いと伺っております。  また、外食産業はコストを重視する意識が強く、食品廃棄物を自治体が運営する焼却施設に搬入し、処分するほうが安価に済むため、処分料金の高い民間の運営する食品リサイクル施設で、コストをかけてまで再生利用等を行おうという事業者が少なくなっているとも伺っています。  こうした状況を踏まえ、SDGs未来都市である本県としても、持続可能な社会の実現に向けて、食品廃棄物の発生を抑制するとともに、やむを得ず発生した食品廃棄物についても、極力再生利用を進めることが一層重要になってくると考えます。  そこで、知事に伺います。  食品廃棄物のリサイクルを促進するため、県では、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 川崎議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、若手県職員の活躍の場の創出についてお尋ねがありました。  若手職員は、前例にとらわれない斬新な発想や意欲にあふれており、県民目線の政策を実行する原動力になると認識しています。  このため、私は、知事就任以来、様々な立場の若手職員から直接意見を聴く場を設けてきたほか、新たな課題に対応するプロジェクトチームを設置してきました。  例えば、平成30年に設置した働き方改革プロジェクトチームは、今では定着しているテレワークの拡大や、RPAの活用など、先進的な提言をまとめてくれました。  さらに、何よりも昨年来のコロナ禍にあって、多くの若手職員が、医療危機対策本部室など県民の命に関わる職場に入り、次々と新たな神奈川モデルを実行に移すコロナ対策で目覚ましい活躍を見せています。  こうした活躍が認められ、いわゆる知事表彰を受けた職員や、職員提案が採用された職員については、ボーナスの評価に反映できる仕組みを設けています。  今後、若手職員の発想や意見をさらに県政に取り入れていくためには、一定の役割を積極的に与え、組織を活性化することも重要です。  そこで、若手職員のうちから、グループリーダーを補佐する次席や数名のチームをまとめる班長として、マネジメントの一端を担うことができる次席・班長制度を4月に導入しました。これを積極的に活用するなどして、意欲ある職員が短期間での昇格につながる取組も進めていきます。  このように、若手職員が活躍できる場面や役割を積極的に与えていくことにより、様々な課題や困難に果敢に挑戦し、乗り越えていく組織をつくり上げ、いのち輝く神奈川の実現を図ってまいります。  次に、クラウド型電子契約の導入についてお尋ねがありました。  県では、業務効率化に向けて、これまでも電子申請の拡大や電子決裁の徹底などに取り組んできました。  そうした中にあっても、契約書については、県公金の収入や支出に直結するものであり、本物であること、つまり、真正性を確保する必要性が高いため、これまで紙の契約書に知事印等を押印する方式を継続してきました。  一方、今年1月に地方自治法施行規則が改正され、地方自治体においても、クラウド型電子契約を利用することが可能になったことから、茨城県など幾つかの自治体で電子契約を導入しています。  また、県内でも、相模原市や横須賀市などが実証実験を行うなど、電子契約導入に向けた動きが出始めています。  電子契約は、自治体、事業者の双方にとって、テレワーク対応や事務の効率化などに効果が見込めるため、本県においても導入する必要があると考えています。  導入に当たっては、知事印に代わる電子署名を行う権限や、公文書として真正性を損なわない形での電子契約データの保存方法などについて、しっかりと検討する必要があります。  また、契約の相手方となる事業者に広く参加していただくためには、分かりやすい仕組みにするとともに、十分なセキュリティー対策をする必要があります。  そこで、紙による正式な契約手続と並行して行う電子契約の実証実験について、庁内に説明会を行うなど準備を進めており、実施所属が決まり次第、開始します。  そして、実証実験の結果を踏まえて、事業者の皆様に十分な説明を行った上で、電子契約の導入を進めてまいります。  次に、デジタル技術を活用した災害対応についてお尋ねがありました。  県として、気候非常事態宣言を発出するなど、近年、災害がますます激甚化、大規模化する中で、進展が著しいAIやデジタル技術を災害対応に活用することは大変重要です。  県は、一昨年に、全国で初めてLINE WORKSを活用して、県と県内消防本部でいち早く被害情報を共有し、消防応援の初動対応を迅速化するKアラートの運用を開始しました。  本県に大きな被害をもたらした令和元年台風19号では、被災現場の映像をタブレット端末でリアルタイムに共有しながら、消防の応援調整を行うなど、実災害において既に効果を発揮しています。  また、今年度からは、住民がSNSで投稿した災害情報等をAIがその信憑性も含めて瞬時に判断、整理して、被害の様子などを表示するシステムを導入しました。  去る10月に首都圏を襲った震度5強の地震の際には、このシステムの映像を活用して、主要駅における滞留者の状況把握を行いました。  さらに、本年2月には、産官学で構成するAI防災協議会と連携して、AIが住民の避難行動などを支援する防災チャットボットの実証実験を、全国に先駆けて本県で実施しました。  現在、AI防災協議会は、その成果と課題を踏まえて、実装に向けたシステム開発を進めています。  こうした取組に加え、今定例会で提案している防災行政通信網の再整備では、専用のスマートフォンにより、現場から直接送られる被害映像などを関係機関で共有できるようにします。  これにより、災害対策本部長である私が、本部室から直接現場に指示できるようになるなど、これまで以上に迅速、的確な対応が可能となります。  県としては、こうした取組を通じて、今後も災害対応へのデジタル技術の活用を積極的に進め、災害対応力のさらなる向上を図ってまいります。  次に、消防団の充実強化についてお尋ねがありました。  消防団は、自らの地域は自らが守るという強い使命感を持って、災害時に消火や救助などに当たる地域防災の要ですが、近年、全国的に団員数の減少が続いており、その確保が喫緊の課題となっています。  県は、平成25年の消防団等充実強化法の施行を受け、消防団員の確保に向けて、企業への直接的なインセンティブも含め、庁内で対策を検討しました。  これを踏まえ、消防団の魅力を発信する、かながわ消防フェアや、利用料金の割引等を行う消防団応援の店の登録制度を新たに開始しました。  また、消防団活動に協力する事業所に、その旨の表示証を交付する制度を普及するため、事業者団体などへの働きかけを強化し、現在、その数は484事業所に広がっています。  さらに、平成28年度に市町村地域防災力強化事業費補助金を創設し、詰所や資機材の整備など、市町村が行う消防団の環境改善の取組に対し、補助率をかさ上げして、強力に支援してきました。  加えて、消防団員の確保を直接担う市町村も、女性や若者などの加入促進に取り組んだ結果、本県の団員数は、この間、ほぼ横ばいで推移しています。  一方、国は、全国的な消防団員の減少に対する強い危機感から、昨年12月に検討会を設置し、本県も都道府県を代表して参加する中で、団員の処遇改善や確保策について検討が進められました。  本年8月にまとめられた報告書では、消防団員の確保に向けては、何よりも、住民が消防団の役割や活動に意義を見出し、協力、参画しようと思える取組を進めることが重要としています。  県としては、国の検討結果も踏まえながら、消防団員の確保を担う市町村と連携して、どのような施策がより有効なのか、企業への直接的なインセンティブも含めて、引き続き検討を進めてまいります。  次に、国際園芸博覧会における今後の県の取組についてお尋ねがありました。  2027年の国際園芸博覧会は、国際的な園芸文化の普及や、花と緑のあふれる暮らしの実現のほか、SDGs達成に寄与することを目的として開催されるものです。  博覧会には、国内外から多くの関係者や観光客が訪れることが見込まれ、花卉園芸の振興のみならず、観光振興や経済の活性化など、その効果は横浜市域を越えて、広範囲に及ぶことが期待されます。  また、県では、いのち輝くということを目指して県政運営を行ってきましたが、これは、基本的には、SDGsの理念と一致するものです。  この博覧会の場で、自然と共生したライフスタイルの提示など、SDGs達成に向けた取組が世界に発信されることは、本県にとっても大きな意義があると考えています。  先月15日には、国や関係地方自治体、民間の協力の下、博覧会の準備と開催運営を行う一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会が設立され、私は協会の理事に就任しました。  今後、この博覧会協会が主体となって、開催に向けた準備が進められますが、具体的な展示内容の企画や博覧会会場の建設などの取組がいよいよ本格化します。  そこで、県としては、6月の閣議了解において、国、関係地方自治体、民間が負担するとされた博覧会会場の建設費について、開催地の県の立場から、一定の財政的な支援を行う方向で検討します。あわせて、博覧会の運営支援として、協会への人的な支援についても検討を行います。  県は、引き続き、博覧会の開催に向けて、国や横浜市などと連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、食品リサイクルの促進についてお尋ねがありました。  食品リサイクル法に基づく国の集計では、平成30年度に全国で約1,500万トンの食品廃棄物等が発生し、そのうち、本県は約115万トンとなっています。  県内で発生する食品廃棄物等のリサイクルの実態は、食品製造業は約9割ですが、食品小売業は約3割、外食産業は約2割にとどまっています。  これは、食品小売業や外食産業など、食品流通の川下に行くほど、廃棄される食品が少量で多品目となり、また、容器なども交ざるため、その分別に手間がかかることが要因と考えられます。  そこで、食品リサイクルを推進するためには、食品小売業や外食産業から排出される食品廃棄物の発生抑制を中心に対策を進める必要があります。  本県はこれまで、食品関連事業者を対象に、講習会やホームページなどで食品リサイクルの優良事例を紹介し、その推進を働きかけてきました。  また、食品残渣を肥料や飼料として有効に活用するための試験研究を農業技術センターや畜産技術センターで行うほか、食品廃棄物を廃棄する事業者等からの相談に応じ、飼料への加工や畜産農家での利用を促進しています。  今後は、これらの取組に加え、まだ食べられる食品をフードバンク団体に提供する取組をさらに促進していきます。  また、食品業界では、商慣習として、製造から賞味期限までの期間を3分割し、最初の3分の1の期間内に納品し、次の3分の1の期間が終わるまでに販売することとされています。この期限から外れた商品の多くは、賞味期限前に廃棄されてしまいます。  そこで、業界団体を通じて、こうした商慣習の見直しのほか、外食時に食べ切れなかった料理の持ち帰りを可能とするよう協力を求めていきます。  県は、こうした取組を通じ、持続可能な社会の実現に向け、食品リサイクルの促進にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  高校のプログラミング教育必修化等に向けた教員の採用・育成についてです。  県教育委員会ではこれまで、教科「情報」の免許を持った専門性のある教員を積極的に採用してきました。  こうした中、令和4年度から実施となる新しい学習指導要領では、高校における教科「情報」の指導内容が充実され、全ての生徒が履修する情報Ⅰと発展的な選択科目である情報Ⅱに整理されました。  令和4年度から授業を開始する情報Ⅰでは、全ての生徒がプログラミングなどを学ぶことになるため、生徒が興味を持って学習に取り組めるような指導方法等の工夫が必要です。  また、令和5年度から授業を開始する情報Ⅱでは、情報システムやビッグデータなどの高度な内容を扱うため、担当する教員には、より専門的な知識、技術が求められます。  こうしたことから、県教育委員会では、令和2年度から、県立総合教育センターにおいて、情報Ⅰを担当する予定の教員を対象とした研修を実施するなど、新しい学習指導要領への準備を行ってきました。  また、情報Ⅱについても、来年度、総合教育センターにおいて、高度な指導内容を扱う研修講座を開講します。  さらに、県内の公立・私立高校の教員が参加する神奈川県高等学校教科研究会情報部会と協力し、新しい学習指導要領に対応した授業の研究事例を、全ての情報の教員で共有できるようにしていきます。  県教育委員会では、引き続き、情報の免許を持つ教員の採用に努めるとともに、こうした研修等の取組により、教員の専門性の向上を図ってまいります。  以上でございます。  〔川崎修平議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕 ◆川崎修平議員 それでは、答弁を受けまして、1点、デジタル技術を活用した災害対応について、再質問させていただきます。  先ほどの知事の御答弁で、本県におけるデジタル技術の活用については理解いたしました。実際の災害に対応するためには、行政と住民との間のやり取りが主になると思いますけれども、これにとどまらず、民間団体とのやり取りも必要となります。  県は、指定地方公共機関の指定や各種団体との間で協定を締結しておりますけれども、言うまでもなく、実災害時には、こうした民間団体の協力が必要不可欠です。  そうしたことも踏まえると、デジタル技術を活用した災害対応として、民間団体との連携も重要な課題となるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  災害対応へのデジタル技術の活用に当たっては、民間団体との連携についても視野に入れて進めていくべきと考えますが、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県が現在進めております防災行政通信網の再整備では、県機関や国、市町村のほか、防災業務に重要な役割を果たしています電力、ガス、交通を担う民間団体などとも、リアルタイムで情報を共有する仕組みとしております。  このように、県では、民間団体との連携、これを視野に入れて検討を進めています。  答弁は以上です。  〔川崎修平議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 川崎修平君。  〔川崎修平議員登壇〕 ◆川崎修平議員 それでは、要望を申し上げたいと思います。  デジタル技術を活用した災害対応についてでありますけれども、先ほどの質問でも申し上げましたが、これからはデジタル技術が防災力の維持、向上のための大きな鍵となってまいります。  引き続き、AI防災協議会と連携を取りながら、早期に課題を解決し、実用化につなげることで、災害が起きた際に県や市町村、県民の皆様が早期に適切な災害対応が行われていると効果を実感できるようにしていただきたいとお願いいたします。  続いて、若手県職員の活躍の場の創出についてでありますが、神奈川県庁でも、若手職員によるプロジェクトチームが組まれるなど、活躍の場が多くつくられているということを確認することができました。  これからの時代、複雑で困難な県政の諸課題に迅速、適切に対応するためには、若手職員の柔軟な視点が不可欠でありますし、20代、30代の職員の能力をさらに引き出すための取組は、組織全体の力を上げていくことにもつながりますので、幹部職員の皆様には、若手職員の提案を積極的に受け入れる意識をしっかり持っていただき、引き続き若手職員が活躍できる場をつくっていただきますようお願いをいたします。  続いて、クラウド型電子契約の導入についてであります。  コロナ禍でも顕著になりましたが、県民は行政の仕事にスピード感、正確性を求めており、日々の業務をデジタル化することは、無駄の削減、進捗の把握などが可能となります。  クラウド型電子契約に関しましても、導入に向けた実証実験を開始するということでありましたけれども、せっかく導入しても事業者の皆様に使っていただけなければ、意味がありませんので、しっかりと検証をしていただき、使い勝手のよい仕組みとしていただくよう要望させていただきます。  続いて、高校のプログラミング教育必修化等に向けた教員の採用・育成についてでありますが、インターネットやAIの普及は、日本のみならず、国際的に見ても、今後ますます加速することが予想され、そんな時代のニーズに応えられる資質や能力を習得するという意味におきましても、プログラミング教育は極めて重要であると考えます。  教員がプログラミングを教える能力を持っていなければ、生徒に必要な能力を教えて、身につけてもらうことはできませんので、教員の研修にしっかりと取り組んでいただくようお願いをいたします。  続いて、国際園芸博覧会における今後の県の取組についてであります。  国際園芸博覧会は、今年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、2025年の大阪・関西万博に続く、日本で開催される世界規模の大きなイベントとなります。  県も、一定程度の財政支援や人的支援について検討を行うとのことでありましたので、博覧会の成功に向けて、県として協力できる部分は積極的に協力していただけるようお願いをいたします。  続いて、食品リサイクルについてであります。  法に基づく報告は国に対して行われており、県では実態の把握が難しく、県が業者に対して指導を行うこともできないことから、県としても排出業者に対して、自主的な取組を促すよう働きかけていくことが主な取組になるとのことでした。  食品ロス問題に関する認知度が高まってきている中、引き続き様々な機会を捉えて、事業者に対して、食品リサイクルの取組を周知していただくようお願いいたします。  最後に、消防団の充実強化についてであります。  県でも、消防団のPRや市町村に対する支援を行い、県内の消防団員確保に一定の成果が上がっているようでありますけれども、企業経営者からさらなる理解や賛同を得るためには、事業者に直接的なインセンティブを働かせる施策も必要であると考えます。  ぜひ前向きに検討していただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時22分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029144-質問・答弁-飯野まさたけ議員-一般質問①「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の改訂を踏まえた県の対応について②新型コロナウイルス感染症の後遺症に係る情報提供等について③ともに生きる社会かながわの実現に向けた取組について④公立小・中学校における発達障害等の児童・生徒に対する支援について⑤インクルーシブ防災の観点を踏まえた市町村支援について⑥コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援について⑦神奈川県警察交番等整備基本計画の取組について⑧鎌倉の海岸の防災対策について》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共59名 ○副議長(佐々木正行) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ───────────────────────────────────────
    ○副議長(佐々木正行) 質問を続行いたします。  飯野まさたけ君。  〔飯野まさたけ議員登壇〕(拍手) ◆飯野まさたけ議員 立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団、鎌倉市選出の飯野まさたけです。  議長のお許しを頂きましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事並びに共生担当局長、県土整備局長、教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の改訂を踏まえた県の対応についてです。  現在、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の拡大が懸念されております。  新型コロナウイルス感染症の感染経路については、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部が発行している診療の手引きの第5.3版では、飛沫感染が主体と考えられ、また、ウイルスを含む飛沫などが付着した場所からの接触感染もあると考えられるとされていました。  加えて、換気の悪い環境では、せきやくしゃみ等の症状がなくても、感染するリスクがあるとされていました。  〔資料提示〕  私はこれまでも、本年8月24日に東北大学大学院理学研究科の本堂毅さんほか38人の科学者が発表した、空気感染に主眼を置いた感染対策を充実させることを政府に求めた「最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明」や国内外の研究の成果などから、エアロゾル感染の危険性について、9月10日の防災警察常任委員会などにおいて言及してまいりました。  エアロゾル感染を防ぐためには、換気がとても重要になります。この点、千葉県松戸市では、ホームページに「感染予防には換気が重要!」というページを設け、「感染対策はマスク・手指消毒だけではありません!」という題で、住居での換気のポイントや店舗・施設での換気のポイントなどを紹介し、換気の重要性について啓発を行っております。  先月発行された診療の手引き第6.0版では、無症状病原体保有者を含む感染者から、せき、くしゃみ、会話などの際に排出されるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾルの吸入が主要感染経路と考えられると明記されました。  つまり、これまで主要感染経路とされていた飛沫に加え、飛沫よりさらに小さな水分を含んだ状態の粒子、いわゆるエアロゾルの吸入も感染経路として記載されたのです。  今回、このように診療の手引きが改訂されたため、感染経路に対する見解も変わったものと認識しております。  この冬には、第6波となる感染拡大も懸念されているため、今回の国の方針転換に対応して、換気の重要性などを、これまで以上に周知していくべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  第6波が懸念されるこの冬の感染防止対策として、県民はどのような対策を取るべきと考えるのか、また、県として、その取組をどのように周知していくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、新型コロナウイルス感染症の後遺症に係る情報提供等についてです。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大は急速に収まり、この1か月ほどは、本県の新規感染者は1桁から2桁台で推移していますが、次の第6波が来ることも予想されており、油断はできないと考えます。  〔資料提示〕  こうした中、感染から回復した後も、長期間、社会復帰後の生活に深刻な影響を及ぼすような後遺症に苦しむ方がおられることが分かってきて、このことが報道される機会も多くなってきたように感じます。  私の友人も本年4月に新型コロナウイルス感染症に罹患し、軽症でしたが、現在もめまいが頻繁に起き、新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しまれていると聞いております。  本県においても、病床が逼迫するほど多くの県民が感染した第5波の状況からすれば、後遺症の症状に悩む方は少なくないはずであり、今後も増えてくることが想定されます。  そこで、感染が落ち着いている今、後遺症についてしっかりと知っていただくとともに、相談体制等についても検討する必要があるのではないかと考えます。  例えば、医師会と連携して、かかりつけ医から後遺症外来のある医療機関につなげ、より専門的な治療が受けられるような取組が始まっている自治体もあると聞いており、本県においても参考にできることがあるのではないかと思います。  新型コロナウイルス感染症の後遺症については、国の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定した新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、本年2月12日に、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に関するいわゆる後遺症について、諸外国で報告もあることを踏まえ、調査・研究を進めると盛り込まれましたが、本年12月1日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)」の周知についてが、厚生労働省から都道府県などの衛生主管部(局)に発出されたことは承知しております。  しかしながら、症例を集めて周知するだけでは十分ではなく、本来、このような後遺症への対応については、国において知見を集め、対策を考え、十分な調査を行い、予算化した上で、十分な対策を都道府県などが取れるよう、国がしっかりと取り組み、その成果を地域に還元していくべきものだと考えます。  海外では、英国立衛生研究所が1,850ポンド、約30億円、米国立衛生研究所が11.5億ドル、約1,326億円を後遺症の研究プロジェクトに投じると発表した旨が報じられています。  しかしながら、現に不安を抱えている県民の方がいる以上、県としては、まずは後遺症について正しい情報を提供するとともに、しっかりとサポートしていくことが必要ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の後遺症については、県民に正しい情報を提供し、不安を抱える方に寄り添った対応を図るとともに、国に対して、後遺症について医科学的な研究を進め、成果を地域に還元するよう求めていくべきと考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、ともに生きる社会かながわの実現に向けた取組についてです。  県では、津久井やまゆり園事件の発生後、二度とこのような事件が繰り返されぬよう、県議会と共同で、ともに生きる社会かながわ憲章を策定し、ともに生きる社会かながわの実現を目指し、取り組んでいるところです。  ともに生きる社会の実現に向けては、今後もしっかりと憲章の理念を発信し、さらに多くの県民と、その理念を共有していかなければなりません。  また、地域では、少子・高齢化や人口減少、家族形態の変化などに伴う地域社会の脆弱化が進んでいる中、様々な課題が生じています。こうした地域課題の解消に向けては、住民やNPOといった地域の力を生かした取組が必要であり、そうした取組がともに生きる社会の実現につながっていくものと考えます。  一方、私の地元、鎌倉市では、誰もが安心して、自分らしく暮らすことのできる共生社会を目指し、平成31年3月25日に、鎌倉市共生社会の実現を目指す条例を制定し、平成31年4月1日から施行されました。  この条例では、日本国憲法第13条の規定を引用しながら、年齢、性別、性的指向や性自認、障害及び病気の有無、家族のかたち、職業、経済状況、国籍、文化的背景など様々な違いを持つ多様な人々が、尊重され、どのような立場になろうとも、自分らしくいることのできる共生社会を目指しています。  市では、この条例に基づき、農業就労体験を通じた社会参加のきっかけづくりや、地域課題からモノやサービスをつくり出す取組など、住民一人一人が主役になり、地域の力で課題解消を目指した取組が進められているところです。  しかし、地域の状況により、そうした取組が難しい市町村もあります。広域自治体である県としては、そのような市町村をサポ一トし、ともに生きる社会かながわの実現に向けた取組を進めていかなければならないと考えます。  そこで、共生担当局長に伺います。  県は、誰もが支え合い、受け入れ合うことができる共生社会づくりに向け、地域の力を生かすための具体的な取組をどのように進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、公立小・中学校における発達障害等の児童・生徒に対する支援についてです。  県教育委員会では、児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切に対応する支援教育の理念に基づき、全ての児童・生徒ができるだけ同じ場で共に学び、共に育つインクルーシブ教育を推進していると承知しております。  公立小中学校においてインクルーシブな学校づくりを進める上では、特別支援学級や通級による指導はもとより、通常の学級において、発達障害や、その可能性のある児童・生徒に対する支援の充実が欠かせないと考えます。  しかしながら、通常の学級に在籍する発達障害等の児童・生徒に対し、その特性に応じた適切な指導や支援が十分とは言えないという保護者の声や、教員が対応に苦慮し、疲弊しているといった話を聞くことがあります。  私は、令和元年の第3回定例会一般質問において、公立小中学校における発達障害及びその可能性のある児童・生徒に対する支援について質問し、その際、教育長からは、支援の充実に向け、県教育委員会として、全県指導主事会議において、全ての市町村教育委員会の指導主事と、誰もが共に学ぶために必要な支援の在り方について共有し、今後の学校への指導・助言に生かしていくといった旨の答弁を頂きました。  こうした取組は、日頃、児童・生徒に直接関わっている教員の資質向上につながるものです。  私は、公立小中学校において、先ほど述べたような状況を改善していくためには、特別支援学級や通級指導を受け持つ教員はもとより、通常の学級を受け持つ教員も含め、全ての教員の資質向上を図り、これまで以上に発達障害等への理解を深め、適切な指導法を身につけていくことが重要と考えます。  そこで、教育長に伺います。  発達障害等の児童・生徒に対する支援の充実に向けた教員の資質向上について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、インクルーシブ防災の観点を踏まえた市町村支援についてです。  近年、多くの高齢者や障害者の方々が自然災害の犠牲になっています。令和元年に関東地方等で記録的な豪雨となった令和元年東日本台風では、死者に占める65歳以上の割合は約65%、令和2年7月に九州地方等で発生した豪雨では、約79%にも上ると聞いております。  私は、災害対策を進める上では、災害時には老若男女、高齢者も障害者も誰一人取り残さない、安心して避難できるインクルーシブ防災の観点が大変重要であると考えます。  〔資料提示〕  これは、平成27年に宮城県仙台市で開催された第3回国連防災世界会議にて取り上げられた考え方ですが、折しも、国においても、近年頻発する自然災害をきっかけに、災害時における高齢者等の避難の在り方について議論が行われており、その議論の取りまとめ結果が、本年5月の災害対策基本法等の改正に反映されたと承知しております。  この改正では、逃げ遅れゼロを目指して避難情報の在り方が見直され、避難勧告と避難指示を避難指示に一本化するとともに、高齢者や障害者といった避難行動要支援者一人一人に対する個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされました。  また、内閣府令等の改正により、福祉避難所ごとに、あらかじめ受入れ対象者を特定し、本人とその家族のみが避難する施設であることを明示して指定する制度が創設されたこと、一般の避難所で過ごすことに困難を伴う障害者等の福祉避難所への直接の避難を促進していくこととなったことなど、市町村による福祉避難所の確保を一層促す内容となっております。  高齢者や障害者の避難に当たっては、それぞれの実情に合わせた実効性ある個別避難計画を作成することや、福祉避難所といった適切な避難場所を確保することは大変重要であり、今後は、高齢者や障害者等の避難が着実に行われることを期待いたしますが、一方で、事務を担う市町村では、対応に苦慮しているという話も聞いております。  災害対策基本法では、都道府県の責務として、市町村が処理する防災に関する事務を助け、かつ、その総合調整を行う責務を有すると規定しています。このことから、県は、今般の法改正に合わせ、より積極的に市町村を支援し、インクルーシブ防災を進めていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  災害対策基本法の改正を受け、市町村が行う個別避難計画の作成や福祉避難所の確保について、県は課題をどのように認識し、今後どのように支援していくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援についてです。  伝統的工芸品産業の振興については、昨年9月の本会議一般質問において、私より、コロナ禍において、さらに厳しくなっている伝統的工芸品産業の振興について、県はどのように取り組んでいくのかと伺い、知事からは、県内工業製品購入促進事業への登録の働きかけなどの需要喚起や、設備を自ら所有していない若手技術者向けの機器貸出しなどによる後継者育成支援、デザイナーなどの専門家を招いた講習会開催による魅力的な商品づくり支援などにより、伝統的工芸品産業の振興を進める旨のお答えを頂きました。  あれから約1年2か月が経過しました。現時点では、新型コロナウイルス感染症の状況は落ち着いているものの、国内外からの観光客の激減やイベントの中止などにより、伝統的工芸品の販売機会が奪われ、依然として多くの事業者の方が苦しんでいます。  〔資料提示〕  私が、特に懸念するのは、目に触れる機会の減少です。伝統的工芸品は、安価な大量生産品と異なり、実際に目で見て、あるいは手に触れていただくことで、価格に見合ったその価値を実感していただけるものであるため、いかにして目に触れる機会を増やしていくかが重要であると考えます。  伝統的工芸品産業は、需要の落ち込みや職人の高齢化、後継者不足といった慢性的な課題を抱えており、存続の危機にさらされている現状が続いております。  コロナ禍が長期化する中にあって、事業者も様々な工夫を重ねていることは承知していますが、事業者個々の取組には限界があります。  今、何らかの手だてを講じなければ、30年後、40年後には、伝統的工芸品は市場に流通しない、美術館や工芸品館でしか見られないものになってしまうのではないかと危惧しております。県としても、継続的に販路開拓を支援する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援について、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組むのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、神奈川県警察交番等整備基本計画の取組についてです。  現在、県警察が進めている神奈川県警察交番等整備基本計画では、交番等の適正配置による施設の統合及び建て替えを促進し、交番の警察官を複数人配置するとして、県内全体の交番を令和2年度から令和11年度までの間に70か所程度統合し、おおむね400か所にするとしています。  当該計画を進めるに際し、地元警察署と市役所、市議会議員等との説明・調整の中では、地域からハレーションが起きる可能性があるということを仄聞しております。そのようなことがあったため、改めて当該計画についてお伺いしたいと考えるに至りました。  〔資料提示〕  交番は、県民にとって、安全・安心のよりどころであり、交番の統合に当たっては、県民の深い理解と協力が必要であると認識しています。  受け持っている地区の事件・事故の発生状況や周辺の地域環境及び地域情勢、さらには施設の老朽化・狭隘度合い等を総合的に検討した上で、交番の統廃合を判断するとしており、交番を統合するとした計画は、変わりゆく時代に沿ったものであると理解するところです。  統合先の交番は、統合される交番が受け持っていた地区を含め、広いエリアの治安を担うことになるので、治安情勢や地理的状況に応じて適正に配置されていることはもちろんですが、統合に伴い、より県民の安心感を高めるための機能を備え、今後ますます多様化する警察事象に的確に対応できる交番が求められていると考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  神奈川県警察交番等整備基本計画の統廃合に関する地域での説明・調整の際に、地域からハレーションが起きる可能性がある状況等がある中で、県民の安全・安心を確保するために、どのような取組をしていくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、鎌倉の海岸の防災対策についてです。  相模湾沿岸は延長約150キロメートの海岸線を有しており、海水浴やサーフィンなどのマリンスポーツ、海岸沿いの散歩やジョギングなど、多くの人々が利用しています。  一方で、海岸近くには、多くの家屋や店舗が立ち並んでおり、一たび津波や高潮が発生すれば、大きな被害を受けるリスクがあります。  〔資料提示〕  私の地元、鎌倉市では、由比ガ浜に面した坂ノ下地区において、平成29年の台風第21号によって、高波が護岸を越え、複数のマンションで浸水被害が発生しました。また、令和元年東日本台風では、鎌倉市に高潮警報が発表され、沿岸部には避難勧告が出されました。  比較的頻度の高い高潮や津波に対しては、護岸等の海岸保全施設により守っていくことが重要であり、地元からは、護岸の高さが不足している坂ノ下地区の護岸のかさ上げを望む声が届いており、県として海岸保全施設を整備していくことが必要です。  一方、七里ガ浜地区では、砂浜の侵食が進んだことで、波の勢いを弱める効果が減少しており、台風に伴う高波の影響で、平成29年には、鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区の西田幾多郎博士記念歌碑付近で、海岸の護岸が崩落したほか、令和元年には、国道134号で歩道が崩壊するなどの被害が発生しました。  海岸の砂浜は、山間部で発生した土砂が河川によって海岸へと運ばれ、長い年月をかけて形成されてきましたが、近年、海に流れ出る土砂量が減少したことなどから砂浜の侵食が進んできており、各海岸で養浜など様々な侵食対策が進められていることは承知しております。  七里ガ浜地区でも、同じような被害が発生しないために、早期の砂浜の回復が必要であると考えます。  そこで、県土整備局長にお伺いします。  鎌倉海岸の坂ノ下地区における海岸保全施設の整備をどのように進めていくのか、また、七里ガ浜地区の砂浜の侵食対策をどのように進めていくのか、見解を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 飯野議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の改訂を踏まえた県の対応についてお尋ねがありました。  現在、新型コロナウイルス感染症の感染者は大幅に減少していますが、海外では、新たな変異株やブレークスルー感染が広がりつつあります。また、経済活動の再開などに伴い、今後、感染が再拡大するおそれも否定できません。  こうしたことから、県民の皆様には引き続き、マスク着用や手指の消毒、換気など、基本的な感染防止対策M・A・S・K─マスクを徹底していただきたいと考えています。  その中でも、特に感染防止対策としての換気の重要性が増しています。今般の厚生労働省の診療の手引きの改訂でも、飛沫よりもさらに小さな粒子であるエアロゾルが感染経路として追加されました。  また、現在の感染者の急激な減少は、秋になり、窓を開けるようになったことも一因であるとも言われており、窓を閉め切ることが多くなる冬場においても、しっかりとした換気が必要になります。  さらに、飛沫拡散防止のための遮蔽については、部屋の換気を妨げる形でビニールシート等を設置しないよう、注意が必要です。  そこで、換気の重要性や注意点をホームページ、LINEの新型コロナ対策パーソナルサポート、ツイッターなどを通じて、改めて周知していきます。  こうしたことにより、県民の皆様が、より有効な新型コロナウイルスの感染防止に努めていただけるよう取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症に係る情報提供等についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の後遺症は、回復後も長期間にわたり症状が続き、大変苦しい思いをする方がおられ、このことを知っていただくことは、感染防止の意識を高める上でも重要であると考えています。  この後遺症については、国が作成している診療の手引きでも、倦怠感や味覚障害等の様々な症状が報告されていますが、因果関係が医科学的に解明されておらず、その治療も対症療法にとどまっています。  先日、対話の広場において、後遺症で苦しんでいる方の生の声を伺い、相談できる医療機関や症状等の情報も限られていて、悩んでこられた状況がよく分かりました。  そこで、県では、まず新型コロナウイルス感染症の専用ダイヤルで、後遺症を含む相談を広く受け付けていることをさらに周知するとともに、診療が可能な医療機関につなぐ仕組みを検討しています。  また、ホームページやSNS等を活用して、後遺症と思われる症状等について、分かりやすく情報提供していきます。  さらに、このような全国的な課題である後遺症への対応については、本来、国がしっかりと対策や方針を示すべきであると考えています。そこで、その研究をスピード感を持って進め、成果を速やかに地域に還元するよう国に求めていきます。  こうした取組により、後遺症に関する県民の皆様の不安を少しでも和らげるとともに、後遺症に悩む方をしっかりとサポートしてまいります。  次に、インクルーシブ防災の観点を踏まえた市町村支援についてお尋ねがありました。  近年頻発する自然災害に備え、高齢者や障害者など災害時に特に配慮が必要な方々が適切かつ迅速に避難できるよう、市町村の体制整備を県として支援していくことは重要です。  これまで県では、市町村に向けて、災害時における要配慮者支援に関する指針を作成するなど、市町村が行う要配慮者一人一人の個別避難計画の作成や、福祉避難所の確保を支援してきました。  また、福祉や医療、防災などの関係各課で構成する福祉避難所市町村サポートチームにて、福祉避難所の設置、運営に関する課題や好事例を把握し、これを全市町村と共有してきました。  そうした中、本年5月に災害対策基本法等が改正され、個別避難計画の作成の位置づけや福祉避難所の受入れ対象者をあらかじめ特定できるようにするなど、市町村の取組強化が求められました。  県内市町村の個別避難計画の作成状況は、本年12月1日現在で、2自治体が完了し、15自治体が作成に着手中であり、16自治体が未着手となっています。  また、福祉避難所の指定状況については、法改正により、改めて指定する必要があることから、本年10月1日現在で2自治体にとどまっています。  個別避難計画の作成や福祉避難所の指定が進まない理由として、いずれも要配慮者ごとの支援ニーズに合った人材の確保が難しいことが市町村から挙げられています。  そこで、県では、地域の実情に合った個別避難計画の作成や、福祉避難所の指定が可能となるよう、市町村と積極的に意見交換を進めていきます。意見交換の場では、要配慮者支援の担い手として期待できる自治会や自主防災組織、介護支援専門員等の福祉専門職の参画が可能となるような、具体的な人材確保策を市町村と共に検討していきます。  災害時に誰も取り残さないインクルーシブ防災の推進に向け、より一層、市町村の支援に努めてまいります。  最後に、コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援についてお尋ねがありました。  伝統的工芸品は、地域で育まれた技術や文化を継承する貴重な産業資源ですが、日用品としての需要の減少や、コロナ禍による観光消費の落ち込みにより、事業者は厳しい経営環境にあります。  こうした状況に歯止めをかけるためには、伝統的工芸品の魅力を多くの方に知っていただき、新たな需要を掘り起こしていくことが重要であると考えています。  県はこれまで、伝統的工芸品の産地組合や、若手職人のグループによる百貨店等での展示即売会への出展を支援してきました。  また、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が募集を行った東京2020大会記念品プロジェクトに参加し、鎌倉彫の写真立てや箱根寄木細工の小物入れ、小田原漆器の茶筒を海外の大会関係者に贈呈し、PRを行いました。  今後、コロナとの共生を図る中で、国内外からの観光客が再び増加していくことが期待されますので、県に来訪する観光客に神奈川の伝統的工芸品の魅力をしっかりと伝えていくことが重要です。  そこで、神奈川の様々な伝統的工芸品をホテルや旅館で展示してもらう取組を広げていくことで、その魅力を観光客にアピールしていきます。  また、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」放映に合わせて行う観光プロモーションの中で、ドラマゆかりの地周辺のお勧めスポットとして、鎌倉彫資料館を取り上げるなど、伝統的工芸品の認知度の向上に取り組みます。  このような販路開拓支援を通じて、伝統的工芸品の認知度を高め、需要を喚起することで、工芸品産業の振興を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔共生担当局長(安井由美子)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 安井共生担当局長。 ◎共生担当局長(安井由美子) 共生関係の御質問にお答えします。  ともに生きる社会かながわの実現に向けた取組についてお尋ねがありました。  ともに生きる社会かながわを実現していくためには、それぞれの地域が、住民、NPO、市町村など、各主体の力を生かし、地域課題を解消していく仕組みが必要と考えています。  そこで、県では、交通不便地域における外出支援事業として、移動手段に困っている方々に対し、地域の力を生かした仕組みづくりを県内10地域で行っています。  各地域では、地域ボランティアをドライバーとして育成して確保するとともに、社会福祉法人から提供を受けた車両を活用するなど、地域の実情に応じた仕組みで外出支援の取組を行っています。  また、地域の支え合い事業として、孤立化する高齢者やひきこもりの中高年などが、幅広い年代の方との交流や地域活動を通じて生き生きと暮らしていける仕組みづくりにも、3地域で取り組んでいます。  現在、県がこうした取組をモデル事業として実施していますが、今後、地域が主体的かつ継続的に行っていくためには、自走化に向けたノウハウの蓄積が必要です。また、こうした取組を県内各地域へ広げていくことも重要であると考えています。  そこで、県では、モデル事業の実施主体であるNPOや市町村が参加する会議を開催し、自走化への課題解決に向けて、有識者からのアドバイスや意見交換を行い、ノウハウの蓄積を図っていきます。  また、地域の力を生かした取組の輪が県内各地域に広がっていくよう、市町村への周知や、ホームページ、SNSなどによる好事例の発信を行っていきます。  県では、ともに生きる社会かながわの実現に向けて、地域の力を生かした仕組みづくりにしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  鎌倉の海岸の防災対策についてお尋ねがありました。  相模湾沿岸は都市化が進み、多くの人口を抱えていることから、高潮や津波から県民の命や財産を守るとともに、将来にわたり県土を保全し、美しいなぎさを継承するため、砂浜を侵食から守っていくことが重要です。  そこで、県は、相模灘沿岸海岸保全基本計画に基づく護岸や堤防などの海岸保全施設の整備や、相模湾沿岸海岸侵食対策計画による砂浜の侵食対策に、住民等の御理解を得ながら取り組んでいます。  鎌倉海岸の坂ノ下地区については、津波や高潮の高さを想定して、護岸の整備を進めることになりますが、一方で、海の眺望がすばらしく、多くの観光客が訪れる場所であることから、景観への影響を考慮することが求められます。  そこで、昨年度実施した測量や地質調査を踏まえ、今年度、高さや形状といったおおむねの構造などをまとめた幾つかの設計案の作成に着手します。  その後、地域の皆様に、この案をお示ししながら、丁寧に御意見をお聴きして、護岸整備の実施に向け、合意形成を図っていきます。  次に、七里ガ浜地区の侵食対策についてです。  この地区については、養浜により侵食対策を行うこととなりますが、漁業や観光、マリンスポーツなどの様々な活動の場であるとともに、貴重な自然環境を有することから、関係する方々の理解を得ることが重要です。  これまで県は、多くの関係者に対し、様々な機会を通じて説明を重ねてきました。さらに、年内には、関係者が一堂に会する意見交換会の開催を予定しており、今後とも、こうした場などを活用し、引き続き養浜実施の御理解が得られるよう、合意形成に向け、調整を図っていきます。  県は引き続き、地元の御意見をよく伺い、鎌倉海岸の海岸保全施設の整備や養浜にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  公立小・中学校における発達障害等の児童・生徒に対する支援についてです。  本県の公立小中学校では、子供たち一人一人の教育的ニーズに適切に対応していく支援教育を学校教育の根幹に据え、発達障害を含め、子供たちが抱える様々な課題に応じた指導、支援の工夫に取り組んできました。  こうした学校の取組を支援するため、県教育委員会では、教員向けの指導資料を毎年度更新し、経験年数に応じた研修を通じて、教員の発達障害等への理解を深めています。  また、県立特別支援学校では、専門性を有する教員が地域の小中学校を訪問し、具体的な支援方法について助言を行うとともに、人事交流により、小中学校から教員を受け入れるなど、その資質の向上を図っています。  こうした中、県教育委員会では、本年10月、特別支援教育に関する最新の知見を有する国立特別支援教育総合研究所と連携・協力に関する協定を締結しました。  この研究所では、新たな知見に基づく発達障害等の児童・生徒への有効な支援方法について、小中学校の教員がオンラインで学ぶことのできる研修システム「学びラボ」を運営しています。  そこで、県教育委員会では、このオンライン研修について、締結した協定に基づき、県立総合教育センターや各教育事務所での活用はもとより、市町村教育委員会や各小中学校での積極的な活用を進めていきます。  こうした取組を通じて、今後も発達障害等の児童・生徒に対する支援の充実に向けた教員の資質向上を図ってまいります。  以上でございます。  〔警察本部長(山本 仁)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 山本警察本部長。 ◎警察本部長(山本仁) 神奈川県警察交番等整備基本計画の取組についてお答えします。  現在、多くの交番では、施設の老朽化や狭隘化の課題を抱えており、利用者にとって利用環境が良好とは言い難い状況にあります。  そこで、県警察では、神奈川県警察交番等整備基本計画に基づき、交番の統合とともに、建て替えを進めております。その結果、計画取組期間の初年度である昨年度は、12か所の交番を統合し、今年度は8か所の交番の統合を予定しているところです。  交番が統合された地域については、統合先の交番に2人以上の制服警察官を配置し、事件・事故等への対処能力を向上させることで、治安の維持に努めております。  さらに、昨年度、交番を統合した警察署に交番機能と機動力を備えたワゴン型の警察車両であるアクティブ交番を配備するなど、交番の統合によって地域住民の方々が抱く不安感の解消にも努めております。  一方、交番の統合を進める上で、住民の皆様の御理解と御協力を得ることは極めて重要です。  そこで、地域住民の皆様に向けて、集会などの場を活用し、交番統合の経緯や統合後の運用等について説明を行うとともに、広報紙や警察署のホームページにより周知を図るなどの対応を行っています。  また、地域の代表である町内会、自治会、商店会への個別の説明を行うなど、丁寧な対応を心がけております。  今後も、交番統合への不安感を払拭するため、地域の安全・安心の確保に努めるとともに、交番等整備基本計画について、県民の皆様への周知を図り、御理解と御協力が得られるよう丁寧な説明に努めてまいります。  以上でございます。  〔飯野まさたけ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 飯野まさたけ君。  〔飯野まさたけ議員登壇〕 ◆飯野まさたけ議員 知事並びに共生担当局長、県土整備局長、教育長、警察本部長から御答弁を頂きました。  1点、コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援について再質問させていただきます。  伝統的工芸品は、実際に見ていただくことで、その良さが伝わり、その価値も理解していただけるものと考えており、そのような機会を増やすことが重要です。  今後、国内外からの観光客が再び増加していくことが期待される中、宿泊施設で伝統的工芸品を目にしていただく機会を増やすというアプローチは、新しい顧客を獲得する手段として有効と考えます。  伝統的工芸品の魅力をホテルや旅館で観光客にアピールしていくために、具体的にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  ホテルや旅館での伝統的工芸品のPRについてですが、県内各地には国内外から訪れる観光客が利用する多くの宿泊施設があります。こうした宿泊施設で、神奈川の魅力的な伝統工芸品を展示することで、観光客にお土産や記念品として購入していただく機会をつくっていくことができると考えています。  そこで、今後、県が中心となって、生産者側と宿泊施設側をマッチングし、伝統的工芸品を展示することや、その場で販売することについて、両者に働きかけていきます。  答弁は以上です。  〔飯野まさたけ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 飯野まさたけ君。  〔飯野まさたけ議員登壇〕 ◆飯野まさたけ議員 それでは、時間の許す限り、順次要望を述べさせていただきます。  初めに、神奈川県警察交番等整備基本計画の取組について申しげます。  県警察の計画の目的は、交番等の計画的かつ適正な配置をすることによって、交番等における事件・事故等の対応力の向上を図り、県民の安全・安心を高めること、さらに交番を利用する方々の利便性を向上させることとしており、昨今の生活環境や治安情勢の変化を考慮すると、この計画の必要性は理解できます。  一方で、交番が統合されることにより、県民からは治安水準の低下を心配する声がありますので、例えば、具体的にはこの計画を進めるに当たって、どのように検討し取り組んできたのか、代替手段の検討状況など詳細に説明するなど、プロセスを分かりやすく、より丁寧に説明していただき、また、県警察がアクティブ交番や警ら活動をどのように取り組んで、治安水準の低下を招かないようにする取組を行うかどうかなど、できるだけ詳しく説明していただき、理解を得ながら取り組んでいただくことを要望します。  さらには、廃止交番等の使用しなくなった既存の公的施設を防犯拠点として改修し、自主防犯組織等の住民組織に提供し、廃止交番を防犯拠点として再生することにより、地域住民の犯罪への不安軽減に貢献している事例がありますので、このような事例を紹介しつつ、市町村と共に連携し、調整に取り組んでいただくことを要望します。  次に、コロナ禍における伝統的工芸品産業の販路開拓支援について申し上げます。  本県の伝統的工芸品は、鎌倉彫の起源は鎌倉時代に、小田原漆器は室町時代に、箱根寄木細工は江戸時代にあると言われており、それぞれ地域の技術や文化を反映した質の高いものとして、今日まで受け継がれた貴重なものであります。  伝統的工芸品産業が今後も継続的に発展していくためには、より多くの方にその良さを知っていただき、一人でも多くの方にファンになっていただく、その結果、購買に結びつき、ビジネスとして十分成り立っていくというサイクルを回していくことが重要であると考えます。  本県の貴重な産業資源を守るという観点からも、先ほどの御答弁にありました大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を活用するなど、あらゆる機会を捉えて、県内外のみならず、海外の方に対して周知や情報発信を行い、引き続きしっかりと支援していただくことを要望します。  次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症についての情報提供等について申し上げます。  私が今回の一般質問に際し調査した結果、全国の都道府県で新型コロナウイルス感染症の後遺症対策で最も積極的に取り組んでいるのは埼玉県であると認識しております。  埼玉県では、埼玉県医師会と連携し、新型コロナウイルスの後遺症診療を行う後遺症外来を県内七つの医療機関に設け、後遺症のケアに力を入れております。そして、後遺症外来を行う医療機関の症例を集め、医師会が取りまとめ、その症例集を他の医療機関に提供し、後遺症の診療ができる医療機関を広げる取組を行っています。  そのような先進的に取り組んでいる都道府県に職員を派遣し、ノウハウを学ぶなど、積極的に情報を取得するという取組を行うよう要望いたします。  また、LINEの新型コロナパーソナルサポートを使い、県内に新型コロナウイルス感染症に罹患された方々で、どれくらいの方が、後遺症の症状があるのか、どのような後遺症の症状があるのかなどの調査を行っていただくことを要望いたします。  以上をもちまして、私の一般質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029145-質問・答弁-小野寺慎一郎議員-一般質問①県の福祉分野における専門人材の確保と育成について②「こころの電話相談」の見直しについて③DV対応機関と連携した児童虐待対策について④豚熱対応で得た教訓の継承について⑤ロービジョン者のリハビリテーション支援について⑥視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向けた支援機器等の活用について⑦電動キックボードの安全対策について》   〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕(拍手) ◆小野寺慎一郎議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、公明党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきます。  知事並びに教育長、警察本部長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、県の福祉分野における専門人材の確保と育成について伺います。  長引くコロナ禍の中で、児童相談所など県の福祉現場においては、感染防止に最大限の注意を払いながら、様々な課題を抱える県民に支援の手を差し伸べるべく、日々事業運営に努力されていることと思います。  一方、そうした最前線の福祉を現場で担う福祉職については、その確保に苦労していることや、ベテラン職員と経験の浅い職員の二極化が進み、知識や技術の継承など、職員の育成に苦慮していることも承知しています。  一例を挙げると、児童相談所では、児童虐待対応件数の増加に伴い、児童福祉司や児童心理司の増員が図られてきましたが、さらなる採用が必要と聞いております。  9月の議会で知事が答弁されたように、経験の浅い児童福祉司等に対する研修を充実させることはもちろん重要ですが、即戦力となる経験者の採用にもしっかりと取り組んでいくべきであります。その際は、福祉職の採用が自治体間で争奪戦の様相を見せていることに鑑み、ぜひ攻めの採用を考えていただきたいと思います。  また、保健福祉事務所や精神保健福祉センターにおいては、コロナ禍で自殺や精神疾患の増加が危惧される中、神奈川県ギャンブル等依存症対策推進計画も動き出しており、福祉職に対しては、精神保健福祉分野の高度な専門性が求められています。少人数の組織では、OJTを通してベテランから若手へと知識や技術を承継していく余裕もなく、人員の補充も含めた体制強化が待ったなしの状況です。  さらに、総合療育相談センターにおいては、福祉と医療が連携しながら、診療や巡回リハビリテーション、療育訓練、身体障害者や知的障害者に関する総合的な相談や判定、短期入所事業など、実に幅広い支援を担っています。そこでは、医師や看護師、機能訓練指導員など多くの専門職との連携が必要であり、高度な専門性に裏づけられた調整能力を有する福祉職の育成が急務です。  このように、県民生活に直結する様々な福祉ニーズに対応し得る専門人材については、今後も確保と育成両面から拡充を図るべきであります。  そこで、知事に伺います。  福祉の最前線の現場で、直接県民に対する支援を担う福祉職をどのように確保していくのか、また、人材育成をどのように進めるのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、「こころの電話相談」の見直しについて伺います。  我が国では1990年代半ばから、不安定雇用の増加などによる現役世代の所得低下が進み、近年においても、子供や若者、女性の貧困が社会問題となっています。そこにこのたびのコロナ禍が追い打ちをかけ、多くの人が失業や休業、雇い止め等による経済面での困窮に苦しんでいます。  また、家族との不和、暴力、病気や仕事などの悩みも、コロナ禍による自粛生活やテレワークなど職場環境の変化なども手伝って深刻化しています。そうした中で、相談する相手がいない、居場所もないなど、孤立状態にある人が増えています。  いまだコロナの感染再拡大への不安は消えず、今後は高齢者だけでなく、中年層でも、セーフティーネットとしての家族の恩恵を受けられない単身世帯が、非婚化や離婚などで増加すると見られており、生活困窮や社会的孤立に悩み、不安を抱える人々の声に耳を傾ける相談窓口の存在は、ますます重要になると考えています。  〔資料提示〕  県では、心の悩みを抱えた方に対する相談窓口として、従来から、こころの電話相談を開設しています。これは、精神保健福祉センターが実施しており、精神保健福祉士等の専門の職員が、年間8,000件を超える相談に対応していると承知しています。  一方で、県民からは、なかなかこころの電話相談につながらないとの声を聞きます。県によると、使用している回線数は1回線または2回線で、昨年度、かかってきた件数に対してつながった件数、いわゆる接続率は1.6%と非常に低い状態にあるとのことでした。  この要因の一つとして、フリーダイヤルで運用していることが考えられます。福祉という視点で見れば、無料通話であることは大変重要です。反面、とにかく誰かと話しがしたいというリピーターからの相談が増え、長時間の電話になることで、深刻な悩みを抱える相談者の相談が受けられなくなるという事態にもなっています。  ちなみに、本県の相談窓口にもつながる国のこころの健康相談統一ダイヤルは、ナビダイヤルで運用され、通話料が発生します。  県では、LINEを活用し、電話相談以外の窓口も開設していることは承知していますが、やはり生の声で相談ができる電話相談のニーズは根強いものがあります。  現在、コロナ禍で、多くの人が深刻な悩みを抱え、相談のニーズが高まっている中、現状の接続率の低さを鑑みると、改めて、フリーダイヤルも含め、こころの電話相談の体制について検討する必要があるのではないかと思います。  加えて、人員や回線に限りがある中、一人でも多くの相談に対応するためには、県の相談窓口だけではなく、民間の相談窓口を活用するなど、負担の分散化を図ることを考えるべきではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  現在の接続率の状況を踏まえ、今後、こころの電話相談事業をどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第3は、DV対応機関と連携した児童虐待対策について伺います。  児童虐待については、質問の第1で触れたように、全国の児童相談所への相談件数が増加傾向にあり、東京都目黒区や千葉県野田市の事案など、虐待により子供が死亡する痛ましい事件も発生しています。  こうした事件の背景に、実はDVがあったということも珍しくなく、夫等からの心理的支配により、実の母親も虐待・暴行に加担し、子供を死に至らしめるというケースも増えてきました。  〔資料提示〕  DV被害者支援の中心的な機関である配偶者暴力相談支援センターに寄せられるDV等の相談件数は、平成26年度に全国で10万件を超え、高い水準のまま増加傾向で推移しており、令和元年度は約11万9,000件と過去最多となっています。  国が平成30年度に、全国の児童相談所と配偶者暴力相談支援センターの連携状況を調査した結果によると、児童虐待とDVでは、適用される法律が違うため、保護する対象や介入・対応に関する考え方が異なるなど、双方が重複している事案への対応の難しさが指摘されています。  DVが行われている状況下では、虐待に歯止めがかからず、エスカレートするなどして、子供が死に至るリスクが高まる懸念があり、児童虐待対応とDV対応との連携強化は死活的に重要です。  国は、令和2年4月に施行された改正児童虐待防止法において、女性相談所及び配偶者暴力相談支援センターの職員についても、児童虐待の早期発見に努めるものと規定するなど、児童相談所とDV対応を行う機関との連携・協力を明確に位置づけました。  一方、県では、配偶者暴力相談支援センターである女性相談所や、かなテラスにおいてDV被害者支援を行っておりますが、各市町村のDV対応担当部署の相談窓口も含め、県や市町村のDV対応機関と児童相談所がしっかりと連携し、児童虐待対応を強化していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  県や市町村のDV対応機関と児童相談所が連携した児童虐待対策について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、豚熱対応で得た教訓の継承について伺います。  平成30年9月に岐阜県内の農場で国内26年ぶりの発生を見た豚熱は、同じく岐阜県内で確認された野生イノシシの感染拡大と歩調を合わせるように、国内各地へと広がりました。  本県では、昨年5月に県内の野生イノシシに初めての感染が確認される前から、農場に野生イノシシの侵入防護柵を設置するとともに、ワクチン接種を徹底してきました。しかし、残念ながら、本年7月8日、相模原市内の農場で豚熱の感染が確認されました。  〔資料提示〕  豚熱が発生した農場では、飼育する4,000頭を超える豚を殺処分し、その死体を加熱して豚熱ウイルスを死滅させるレンダリング処理を実施しました。折しも梅雨明けと時期が重なり、猛暑と異臭の中、防護服を着用して24時間体制で迅速な防疫活動に従事された方々に対し、心から感謝するとともに敬意を表する次第です。  県職員についても、全庁的な動員体制がしかれました。動員先の現場では、心身ともに過酷な業務を遂行する中、想定外の事態が発生するなど、厳しい状況に置かれることが多々あったと職員の方々から伺っています。  今回、豚熱が発生した農場では、豚熱のワクチン接種を徹底していましたが、全国を見ると、ワクチンを接種している農場においても豚熱の発生が続いています。また、県内での野生イノシシの感染は相模川以西で拡大しており、今後いつ県内の農場で再び豚熱が発生するか、予断を許さない状況です。  このような状況にあって、今回、現場対応を行った職員の生身の声は、今後に役立つ貴重な情報であり、職員の実体験が時間の経過とともに忘れ去られるようなことがあってはならないと考えています。  豚熱の発生から5か月が経過しようとしていますが、現場で業務を担った職員の声を集め、その経験を今後の備えとして集約、継承していくことが重要です。  そこで、知事に伺います。  7月に県内の農場で発生した豚熱への対応を通じ、得られた教訓をどのように生かしていこうと考えているのか、御見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、ロービジョン者のリハビリテーション支援について伺います。  視覚障害の状態には、失明、弱視、ロービジョンなど、いろいろな表現があります。WHO─世界保健機関の基準では、両眼視で矯正視力が0.05未満か、視野が10度以内となる視野障害を失明とし、矯正視力が0.05以上0.3未満を弱視としています。  ここでいう弱視とは、失明はしていないものの視力が非常に低い状態を指し、子供のときに視力の正常な発達が阻害されたことに起因する医学的な弱視との混同を避けるため、最近ではロービジョンという言葉が用いられるようになっています。  ロービジョンの方々に対する補助具としては、ルーペや単眼鏡、拡大読書器などがあります。ルーペは近くのものを見ることにしか使えませんし、遠くを見るための単眼鏡は、倍率が高くなるほど視野は狭く、ピント合わせも難しくなります。拡大読書器は見たいものをビデオカメラで撮影し、モニターに映し出す器械です。拡大率が自由に変えられ、白黒を反転したり、コントラストを調整して見やすくすることもできますが、見たいものにピントを合わせたり、可動テーブルを動かしたりするには、練習や自分なりの工夫が必要です。  〔資料提示〕  そうした中で、近年、県内のベンチャー企業が開発した、細く弱いレーザービームを直接、網膜に照射することにより、視力に関係なく鮮明な映像を見ることができる機器は、ロービジョンの方々にとって、まさに希望の光になるのではないかと期待しています。  パソコンやスマートフォンの中にある画像を見ることができるアイウェア─眼鏡型の機器は、そこに専用のカメラを装着することにより、外の情報を網膜投影で見られるように進化しました。また、装着者ごとのフィッティングを必要としないルーペ型の製品も、県立平塚盲学校の先生方をはじめ、専門家の意見を取り入れ、試作機が完成しているところです。  このような最先端の機器を、必要としている方々に届けるためには、医師や視能訓練士の助言の下で体験してもらうことが欠かせません。その上で、有用性が認められれば、拡大読書器のように日常生活用具給付制度の対象となる可能性も出てきます。  神奈川リハビリテーション病院のロービジョンクリニックでは、七沢自立支援ホーム視覚部門と協力し、残された視機能をうまく使えるように、目的に合わせた補助具の選定や訓練、相談業務を行っていますので、体験施設として最適と考えます。  我が会派はこれまで、ロボットを活用したリハビリテーションを提案してまいりました。神奈川リハビリテーション病院には、かながわリハビリロボットクリニック、略称KRRCも設置され、筋電義手の処方・訓練にも取り組んでいただいています。  眼科リハビリテーションにおいても、それを行うロービジョンクリニックの存在を一層広く周知するとともに、最新技術を応用した機器の普及拠点となることを願っています。  そこで、知事に伺います。  神奈川リハビリテーション病院に最新の網膜投影技術を用いた機器を配備し、ロービジョンの方々のリハビリテーションを支援すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第6は、視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向けた支援機器等の活用について伺います。  本県の県立特別支援学校を見ると、全29校のうち、視覚障害教育部門を設置している学校は平塚盲学校と相模原中央支援学校の2校であり、そのうち平塚盲学校には、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師の国家試験の受験資格を取得することができる高等部専攻科も設置されており、幼児から中途障害等により視力が低下した大人までが在籍する学校であると承知しています。  これらの学校に在籍する児童・生徒等の障害の状態は様々であり、全く視力のない全盲の方や、明暗の識別だけが可能な方、眼鏡等をかけても視力が十分でない弱視─ロービジョンの方など、障害の程度はそれぞれ異なっているものと認識しています。  〔資料提示〕  デジタル化した映像情報を網膜に直接投影する方法は、このうち弱視─ロービジョンの児童・生徒等に有効ではないかと考えています。  視覚障害教育を研究する広島大学の氏間和仁准教授は、見たものの認知は、過去に見た経験からの推測によるため、弱視の子供たちにとって、目から情報を多く取り込む体験を積み重ねることができれば、視覚を活用する教育がより効果的に進められるでしょうと、視覚体験の重要性を語っています。  文字を拡大することで低下した視力を補うこれまでの支援具は、読書など連続した文書の認識には不都合な場合がありましたが、網膜投影技術を用いれば、カメラで撮影した文章や景色をそのままの見え方で認識することができます。その機能については、ルーペ型の新機種をつくる上で、貴重な意見、評価を寄せられた県立平塚盲学校の先生方もよく御承知のことと思います。  各学校には、一人一人の障害の程度に応じた指導を行うことが求められる中、支援のための教具や機器等に有力な選択肢が増えることは喜ばしく、積極的に活用していくことが大切であると考えます。  そこで、教育長に伺います。  県立特別支援学校における視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向け、学習支援のための教具や機器等の活用をどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第7は、電動キックボードの安全対策について伺います。  近年、電動キックボードをはじめとする低速・小型の新しいモビリティーがMaaS─モビリティ・アズ・ア・サービスの一端を担う存在として社会的関心を集め、その利用者も増加傾向にあります。  電動キックボードは、その出力により、多くが原動機付自転車に区分され、公道で走行するためには、運転免許やヘルメットの着用などが必要になるほか、ナンバープレートや方向指示器等の保安基準に適合する装置を備えなければなりません。  欧米などでは、運転免許不要でヘルメット装着も任意と、自転車に近い位置づけで、走る場所も自転車レーンが一般的なようですが、自転車の走行環境が貧弱な我が国では、原付バイクと同様に免許やヘルメット、ナンバー登録などを義務づけ、車道走行としたことは妥当なものと理解しています。  しかし、東京では、都心部などで違反行為が横行。報道によれば、今年になってから事故も急増し、11月までに重傷事故を含む16件の人身事故、44件の物損事故が起きています。  警視庁では、今月内に軽微な違反に対しても交通違反切符、いわゆる青切符を交付する運用を始めるそうです。今後、県内でも普及が進むに従い、違反や事故が増えれば、同様の対策が必要になると考えられます。  〔資料提示〕  こうした中、県内では観光地においてレンタル事業者による電動キックボードの貸出しが行われ、観光スポット間の移動に活用しているほか、産業競争力強化法に基づく特例措置に係る実証実験が、本県内では藤沢市内や横浜市の一部地区で実施されています。  この特例措置においては、電動キックボードが原付免許では運転できない小型特殊自動車として扱われ、ヘルメットの着用が任意とされています。  電動キックボードは原付であるという認識を広める必要がある一方で、別の交通ルールで実証実験を行っている区域があるという状況は、適切な周知がなければ混乱を招きかねません。  国では、電動キックボードをはじめとする新しいモビリティーに関する有識者検討会において、実証実験のデータを活用し、法整備に向けた検討を進めていると聞いています。社会を活性化させる可能性に満ちた新たな移動手段に期待する一方で、今後、交通ルールを守らない利用者の増加や重大事故の発生が危惧される中、その安全対策は喫緊の課題であると考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  県警察における電動キックボードの安全対策について、どのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 小野寺議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県の福祉分野における専門人材の確保と育成についてお尋ねがありました。  県の福祉現場では、精神や障害福祉など、それぞれの分野で事案が複雑困難化しており、第一線で対応する福祉職の役割はますます重要となっています。  また、児童虐待相談の増加に対応するため、児童福祉法が改正され、児童相談所の職員の大幅な増員が求められています。  これまで県では、採用予定数を単に増やすだけでなく、採用試験を年2回行うなど、工夫して人材確保に取り組んできました。  また、職務経験や知見を持った即戦力を確保するため、平成26年から任期付職員、平成30年から児童心理の有資格者、令和元年から福祉分野の経験者の採用を開始するなど、多様な人材の確保にも努めてきました。  人材育成については、OJTのほか、福祉職の人材育成指針に基づき、採用後10年程度の間に障害福祉施設や児童相談所等の複数の異なる分野を経験し、幅広い視野の習得や業務適性の見極めを行っています。その後、本人の希望を聴きながら、軸となる専門分野を決めてキャリアを積むなどの育成を行っています。  こうした中、福祉職の採用は、本県と同様に近隣自治体でも課題となっており、競争状態にあります。確保に当たっては、キャリアプランの充実等による神奈川らしい魅力づくりやその発信が必要です。  また、本県が進めている当事者目線の福祉を担える職員など、より高い専門性を有する人材の育成が急務となっています。  そこで、今後は、当事者目線の福祉を担う人材育成に向け、先駆的な取組を行っている民間施設等との交流や、当事者団体との連携など、より実践的な研修カリキュラムを整備していきます。  さらに、県立保健福祉大学など、教育機関と連携し、専門性を高める人材育成策を検討していきます。  あわせて、こうした神奈川らしいキャリアプランを構築していることを、県の福祉職の魅力として大学や専門学校等の養成機関に、積極的に発信し、本県の福祉職を希望していただけるよう取り組んでいきます。  引き続き、様々な人材確保策を行いつつ、神奈川らしい人材育成や、その魅力を発信して、着実に人材の確保と育成に努めてまいります。  次に、「こころの電話相談」の見直しについてお尋ねがありました。  現在、長引くコロナ禍で、多くの方が不安やストレスを抱えている状況にあります。そのため、心の悩みを抱える方に寄り添う相談事業の役割は、より重要性が増していると認識しています。  県ではこれまで、悩みを抱えた方が相談しやすい環境づくりに向け、取組を進めてきました。その一つが、こころの電話相談のフリーダイヤル化です。これは、平成23年に自殺をテーマとして開催した対話の広場における電話相談の通話料金が負担という御意見を踏まえて、通話料金を無料としたものです。  このフリーダイヤル化により、県民の皆様が通話料金の心配をせずに、安心して悩みを相談できるようになったと認識しています。  しかし、一方で、こころの電話相談は、接続率が低く、全ての相談に対応できていないことや、若年層には、電話での相談に抵抗を感じる方が多いという課題もあります。  そこで、昨年度は、これまでの電話相談に加え、LINEを活用した「いのちのほっとライン@かながわ」を開設し、より多くの人が相談窓口を利用できるよう、体制の充実を図りました。  また、新型コロナウイルス感染症の自宅・宿泊療養者や医療従事者等に向け、こころの相談窓口を新たに開設し、特定の窓口に相談が集中することなく、内容に応じた相談がしやすい体制づくりを行いました。  このように、相談窓口の拡充を図ってきましたが、コロナ禍で、心の悩みの相談を希望する方が増えている状況があり、これに十分対応できていないため、さらなる充実が必要であると認識しています。  そこで、今後、県では、NPO等民間相談機関などと連携し、悩みに応じた相談先を紹介するなど、県民の皆様がより相談しやすい環境づくりに努めていきます。  また、こころの電話相談の接続率については、全国的な課題でもあり、国や他の都道府県と意見交換を行って、その改善策について検討していきます。  こうした取組により、悩みを抱える県民の皆様が相談しやすい環境づくりを進め、誰一人取り残さない社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。  次に、DV対応機関と連携した児童虐待対策についてお尋ねがありました。  子供がいる家庭でDVが発生している場合、子供にも深刻な虐待が行われている可能性があり、このため、市町村のDV対応部署と県のDV対応機関である女性相談所やかなテラスが、児童相談所と連携して対応することが重要です。  県では、市町村の児童虐待防止ネットワークである要保護児童対策地域協議会に市町村のDV対応部署を加えるよう働きかけ、現在は、全ての市町村の協議会メンバーに入るなど、連携体制を整備してきました。  また、児童相談所や女性相談所と市町村のDV対応部署が、情報連絡会を通じて連携対応のフローチャートを作成するなど、顔の見える関係をつくり、お互いの機能や役割の理解を深めています。  さらに、昨年度から、女性相談所に児童虐待防止対応コーディネーターを配置し、児童相談所と連携しながら、DV被害者が同伴する子供の支援に取り組んでいます。  しかしながら、県に寄せられたDVと虐待が同時に起きている相談件数は、令和2年度には517件と過去最多となり、年々増加傾向にあることから、児童相談所とDV対応機関とのさらなる連携の強化が必要です。  そこで、連携対応力の向上を図れるよう、例えば夫の激しい暴力から避難してきた母子への対応など、切迫した状況を想定したリアリティーのある実践研修を合同で行っていきます。  また、連携して対応した好事例を事例集として作成し、関係機関で共有することにより、効果的な支援の充実を図っていきます。  さらに、女性相談所では、児童虐待防止対応コーディネーターが、親子の一時保護が終了した後に、子供が心理的なケアを受けられたり、転校先でスムーズに受け入れてもらえるよう、教育や医療などの関係機関と丁寧に調整を行っていきます。  今後も、県では、児童相談所とDV対応機関の連携を強化し、児童虐待対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、豚熱対応で得た教訓の継承についてお尋ねがありました。  7月に県内で発生した豚熱については、県職員のほか、地元相模原市や関係団体の職員も含め、延べ3,500人以上が従事し、無事、防疫活動を終了させることができました。  私も現場に行き、炎天下の中で慣れない作業に全力投球している状況を目の当たりにしました。こうした現場で作業に携わった職員や関係者の皆様の体験を教訓として継承し、今後の豚熱の発生に備えることが重要と考えています。  そこで、現場や県庁の本部など、各拠点で防疫活動に関わった職員から、対応の中で感じた課題や今後に向けた対策などについて意見を聴取しました。さらに、農林水産省や相模原市、建設業などの関係団体とも意見交換を行いました。  その結果、初動時には情報連絡体制が機能せず現場が混乱した、作業従事者の確保に苦労したなど、防疫体制に関する指摘や意見が寄せられました。  そこで、現場と本部の役割分担や指揮命令系統の明確化、情報共有の徹底など、全庁による防疫体制を再構築し、マニュアルにも反映しました。そして、その実効性を高めるため、豚熱の発生を想定した情報受伝達訓練を、県職員はもとより、建設業などの関係団体にも参加いただき、実施する予定です。  また、防疫措置に必要な用地の確保が難航するとともに、豚の死体を運搬する車両や処理に必要な焼却施設の確保といった課題も明らかとなりました。  そこで、市町村と連携し、必要な用地を事前に選定しておくとともに、廃棄物処理業及び輸送業など関係団体との防疫に関する協定の締結等、連携を強化していきます。  県としては、こうした取組を通じて、豚熱対応の教訓を市町村や関係団体とも共有することで、円滑かつ迅速な防疫措置の実施に生かしてまいります。  最後に、ロービジョン者のリハビリテーション支援についてお尋ねがありました。  神奈川リハビリテーション病院は、以前より、視覚に何らかの障害を有し、日常生活に不自由を来している患者さんを診察するロービジョン外来を設置しています。  この外来では、医療の提供を行うだけでなく、七沢自立支援ホームの視覚障害指導員の協力の下、拡大読書器など補助具による機能改善を目的とした様々なリハビリも行っています。  また、リハビリテーション事業団は、視覚に障害のある県民の皆様の相談窓口となっており、ロービジョンに関する情報提供や訓練施設の紹介も行っています。  議員御案内の機器は、微弱なレーザーを使用者の網膜に直接投影することで、視力やピントに依存しない鮮明な景色を見ることができるものです。  先日、神奈川リハビリテーション病院の医師や訓練士等が、この機器を実際に使用したところ、操作性や機能性に優れたものであることを実感したと語っていました。また、この機器の特徴である、網膜に直接レーザーを投影する技術は、既に医療機器として承認された製品にも採用されており、安全性も担保されています。  しかし、この機器は開発して間もなく、使用可能な時間が短い、個人で購入するには価格が高い、また、機器の認知度が低いなどの課題があります。  そこで、まず、神奈川リハビリテーション病院で、この機器を体験できるよう、その速やかな導入に向け、県と事業団で調整を進めます。  また、適応の可能性がある患者さんに対し、この機器を積極的に紹介していくとともに、毎年開催する福祉機器のフェスティバル等を活用し、周知に努めていきます。  県は、神奈川リハビリテーション病院において、ロービジョン外来でのリハビリを引き続き実施するとともに、こうした先進機器の情報発信など、その普及促進に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向けた支援機器等の活用についてです。  視覚障害のある児童・生徒等が自立して生活していくためには、まずは身の回りの具体的な物と、それを表す言葉とを自分の中で結びつけ、正しく言葉を理解し、使用する力を身につけることが必要です。  そのため、県立特別支援学校では、視覚障害のある児童・生徒等が自分の聴覚や触覚、活用できる視覚などを用いて、こうした力を身につける学習を行っています。  そして、こうした学習の際には、担当する教員が児童・生徒等一人一人の障害の状態や発達の段階を十分に考慮して、様々な教材・教具やパソコン等の情報機器などを活用して指導することが重要です。  そのため、視覚障害教育部門のある県立特別支援学校2校では、触って形を確認できる教材・教具や、文字の拡大ができるタブレット端末、点字入力が可能なパソコン等を活用し、指導に当たっています。  こうした中、議員御案内の機器は、文字や映像などが直接網膜に伝わることから、視力やピントに影響されることなく、はっきりと文字や映像を見ることができるものと伺っています。  今年度、平塚盲学校の教職員が実際に、この機器を使用したところ、児童・生徒等の学習面での活用という点で、肯定的な意見が多くあったと報告を受けています。  県教育委員会では、視覚障害のある児童・生徒等の学びの一層の充実を図っていくためには、新たに開発が進む様々な教材・教具や機器を積極的に活用していくことが重要と考えています。  こうした観点から、議員御案内の機器について、まずは学校で、実際の教育活動の中で試行的に活用し、児童・生徒等の学びへの効果等について検証したいと考えております。  以上でございます。  〔警察本部長(山本 仁)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 山本警察本部長。 ◎警察本部長(山本仁) 電動キックボードの安全対策についてお答えします。  議員御指摘のとおり、電動キックボードは、その利便性の高さから社会的関心が高まり、利用者は増加傾向にあります。  本年10月末現在、県内における電動キックボードが関係した交通事故の発生件数は1件、交通違反の検挙件数は、横断歩行者妨害など3件でありますが、今後増加することも懸念されます。  そこで、県警察では、安全対策として、県警察ホームページやチラシ等の活用により、電動キックボードは運転免許が必要であること、歩道通行が禁止されていることなど、交通ルールを浸透させるための広報啓発活動を行っています。  このほか、本年10月には、実証実験を行っている横浜みなとみらい地区におきまして、電動キックボードシェアリング事業者等と連携した交通安全講習会を実施しました。この講習会では、電動キックボードに関する交通ルールの周知を図ったほか、試乗会を実施し、利用者に対して交通安全指導を行ったところです。  県警察としましては、実証実験や、国で行われている新たなモビリティーに関する検討などの動向を踏まえながら、関係機関・団体と連携した交通安全講習会や広報啓発活動のほか、交通指導取締りも実施するなど、電動キックボードの安全対策に努めてまいります。  以上でございます。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 知事、教育長、警察本部長から御答弁を頂きました。  なかなか一筋縄ではいかない内容も含まれておりましたが、正面から受け止めていただいたものと思っております。ありがとうございました。  福祉分野における専門職の確保と育成についても、その一つでありますけれども、それにつきまして、知事に2点、再質問をさせていただきたいと思います。  福祉分野の専門職においては、その絶対数の不足に加えて、全般的に経験の浅い職員の比率が増えてきて、どのように知識や技術を継承するのかということが喫緊の課題となっているわけでありますけれども、精神保健福祉分野においては、高度な専門性が求められる上に、業務が著しく増加しているということがありまして、状況はかなり深刻だというふうに伺っています。  精神保健福祉分野に求められる職員の確保と育成、これをどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。  また、福祉分野における専門人材という点で、福祉の現場である総合療育相談センター、こちらで療育分野を担う看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など機能訓練指導員の方々の確保、育成が課題になっています。  障害のある子供の生育を助ける療育という分野、これがなかなか認知が深まらないということでありますが、その分野を目指してもらうために、県内の医療人材育成機関等に働きかける、障害児の看護や機能訓練に理解を深めてもらうということ、これが大変重要であるというふうに思っていますし、また、今、県が直接運営をしているこうした機関が少なくなっているということで、センターの外で経験を積むことが難しい、そうした看護師や機能訓練指導員のキャリア形成のためには、例えば県立病院等との連携を図ることが考えられるというふうに思うのですが、療育分野での看護師、そして機能訓練指導員をどのように確保、育成していこうとしているのか、御所見をお伺いしたいと思います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えしてまいります。  福祉分野の専門職の人材確保についてでありますが、まずは、精神保健分野の福祉職でありますけれども、県のジョブローテーションの中で、様々な分野を経験し、幅広い視野を身につけた上で、適性のある人材を配置しております。  また、専門性を高めることについては、職場でのOJTのほか、新たに医療機関や教育機関への派遣研修などを検討していきます。  御質問の精神保健分野をはじめ、県の福祉職については、様々な分野で、より高い専門性などが求められていますので、今後も、より効果的な人材の確保や育成に向けて、不断の努力を続けてまいりたいと思います。  また、総合療育相談センターでありますけれども、こちらは障害のあるお子さんお一人お一人の心身の健全な発達に向け、医療や機能訓練、相談支援などの療育を実施しています。  そこで、療育という分野の魅力や業務を分かりやすくPRしたパンフレット等を、改めて養成機関に配布するなどして、人材の確保に努めてまいります。  育成については、専門性を高めるため、新たに療育分野の他の医療機関等で、研修や交流を行うことを検討してまいります。  答弁は以上です。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 知事、御答弁ありがとうございました。  それでは、時間の許す限り、意見、要望を申し上げたいと思います。  県職員の募集においては「福祉職」として、一括の募集が行われているということもあって、先ほど申し上げた精神保健福祉分野での就職を目指す人が、この分野に特化して採用するほかの自治体に流れてしまうということがあるというふうに聞いています。あるいは福祉職全体で採用したときに、児童相談所の欠員などが深刻でありますから、そちらのほうに、どうしてもマンパワーを持っていかれるというようなこともあるというふうにも聞いています。  今申し上げたように、福祉職というのは、どの分野においても、今、人員は不足しているということは承知しているのですけれども、特に精神保健福祉分野については、保健福祉事務所など現場からの要望も大きいようですので、ぜひ精神保健福祉分野単独で採用することも、今後検討していただきたいというふうに思います。  また、総合療育相談センターの職員につきましては、採用がなかなか難しいということ、今、様々な療育という分野がなかなか理解されていないというようなこともあります。そして、先ほど申し上げたように、センター以外の場所でスキルを磨く機会がなかなか得られないという問題もあります。  神奈川リハビリテーション病院とか、あるいはこども医療センターとか、そうした専門の病院と交流できればというふうにも思うのですけれども、人事課から聞いたところによりますと、地方独立行政法人など公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律というのがあって、なかなか制度上難しいということもお聞きしましたので、こうした障壁を取り除くための御努力もお願いしたいと思います。  また、総合療育相談センターですが、限られたスタッフで、実に多くの業務を担っています。そのぎりぎりの状況は、まさに離島の診療所みたいな、そんな印象を受けています。その在り方などについては、また改めて議論をしたいというふうに思っていますけれども、機能の分散化など、機関として持続可能ならしめるための検討をお願いしておきます。  続いて、警察本部長に要望いたします。  これまで、電動キックボードについては、出力など性能確認が必要な輸入製品が多いということで、なかなか道路交通法上の車両の分離が分からなくて、取締りがしにくいということも言われていたようでありますけれども、報道によりますと、警視庁では、車両のデータベース化というのを進めているということです。ぜひ情報を共有して、取締り等に生かしていただければというふうに思っています。  また、今回の質問では、当初、低速・小型のモビリティーとして、ハンドル付電動車椅子、いわゆるシニアカーですね。それも含めてお尋ねしようと考えておりました。県警のホームページでは、シニアカー乗車上の注意というのを掲載されているわけですけれども、時速6キロメートル以下ということで、歩道走行が原則のシニアカーは歩行者扱いということで、指導や取締りが難しいという話を聞いています。  ただ、第11次神奈川県交通安全計画にも、「電動車いすを利用する高齢者に対しては、電動車いすの製造メーカーで組織される団体等と連携して、購入時等における安全利用に向けた指導・助言を徹底するとともに、継続的な交通安全教育の促進に努める」というふうにあるのですね。  ですけれども、安全教育を継続的に行うのはどこなんだろうか、くらし安全交通課なのか、それとも製品の安全に関わることなので消費生活課なのか、あるいは介護保険も使えるので高齢福祉課なのか、どこが主導するのか、よく分からないのですね。  高齢で体の不自由な人が利用することの多いシニアカーの事故というのは、死亡事故に直結するおそれが大変高いわけであります。踏切で脱輪して、それで周りに人がいなければ、どうなってしまうのか、側溝に片輪を落として、横転して下敷きになってしまったら、恐らくそこには悲惨な結果が待っているのではないかというふうに思うわけですけれども、これは高齢化の進展を受けて、今後、新製品が出てくる動きもございます。  ですから、ぜひ県警察において、関係部局を取りまとめていただいて、安全対策を主導していただければというふうに思っています。  以上、要望を申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(佐々木正行) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(佐々木正行) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時49分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029146-質問・答弁-大村悠議員-一般質問①県政の諸課題について②教育の充実について》                   午後3時13分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共59名 ○議長(小島健一) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 質問を続行いたします。  大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕(拍手) ◆大村悠議員 横浜市金沢区選出の大村悠です。  自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問させていただきます。  知事並びに教育長、警察本部長には、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  質問の第1は、県政の諸課題についてです。  〔資料提示〕  まず、起業家創出拠点「HATSU鎌倉」の今後の展開について伺います。  起業家の創出拠点「HATSU鎌倉」が、令和元年11月に開設されてから2年が経過します。この間、起業を志す多くの起業準備者が、地域課題の解決を考える中で、ビジネスの種を見つけたり、地元企業の協力を得て実証事業を進めるなど、HATSU鎌倉を舞台に活発な活動を展開してきました。  その結果、地域とのつながりを生かした事業を創出する、鎌倉発、神奈川発の起業家が次々に生まれています。  先日、私も実際にHATSU鎌倉を訪問して、起業家の方々と意見交換をさせていただきました。  そこでは、テクノロジーを活用した地域コミュニティーの活性化や障害者が生き生きと働ける仕事場づくりなど、ビジネスの力で地域課題の解決に取り組まれている生の声を聞き、大変感銘を受けました。そして、何より、起業家の方々が、御自身の取組について語るときの熱量ある様子が強く印象に残っています。  また、HATSU鎌倉は、地域に密着したスタッフが、起業家と地域とのつながりを重要視した運営をしており、ここで生まれた起業家は、成長しても、地域に根差した企業として、県内を拠点に活躍してくれるのではないか、そんなことも感じました。  こうした取組が県内で広がり、それぞれの地域で、その特性を生かした起業家創出、ベンチャー支援の取組が展開されることにより、起業の機運が醸成され、各地域発の事業や起業家が生まれていく、そんな流れができることを期待しています。  去る11月13日付の日本経済新聞に、新型コロナ後の新たな商機を捉えようと、地域で起業熱が高まっており、自治体の起業支援の充実が追い風となっているとして、東京都渋谷区などの取組事例が掲載されていました。  本県のHATSU鎌倉の取組も同様であり、こうした起業熱の高まりを逃さず、今後さらに起業支援の取組に力を入れていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  これまで2年間、HATSU鎌倉を運営する中で得たノウハウ等を生かし、今後どのように起業家創出の取組を展開していこうと考えているのか、見解を伺います。  次に、インバウンド再開に向けた取組について伺います。  〔資料提示〕  新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せる中、国では、Go To トラベルの再開に向けた議論が進められており、また、本県では、12月1日から、県民限定で県内旅行の割引を行う「かながわ県民割」が開始されるなど、国内観光については、引き続きの感染防止対策を講じながら、徐々に復活に向けた動きが出始めている状況です。  一方、海外からの観光客の受入れについては、国は、依然、慎重な姿勢を崩していません。  11月8日から、海外からのビジネス客や留学生、技能実習生については、有効なワクチン接種証明書を保持している場合に限り、入国後の隔離期間を短縮するなどの措置が始められたものの、新種の変異ウイルス「オミクロン株」が確認されたことを受け、11月30日から、こうした措置も停止されることになりました。  国内観光の復活の兆しが見えてきたとしても、やはり、外国人観光客の受入れが始まらないと、宿泊施設や観光施設の経営は厳しいままであるという県内の観光事業者も少なくなく、コロナ禍により、疲弊した観光産業にとって、外国人観光客の受入れに寄せる期待は大変大きいところです。  外国人観光客は、一般的に滞在日数が長く、滞在先における1人当たりの消費単価も国内観光客と比較し高額であるため、受入れに伴う経済効果は高くなっています。  インバウンドの本格的な再開の時期はいまだ見通せませんが、特に、消費単価の高い富裕層を取り込むための取組を、本県としても、今から進めておく必要があると考えます。  さらには、密を避けるため、団体旅行から個人旅行へのシフトが想定されるなど、コロナ禍での新たな旅行スタイルに対応した観光コンテンツの開発にも取り組んでいくことが重要であります。  そこで、知事に伺います。  観光産業の本格的な回復のために、インバウンド再開に向けて、今から準備を進めておく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題について伺います。  〔資料提示〕  民間シンクタンクの調査によると、認知症高齢者が所有する住宅は全国で約220万戸、全住宅の30戸に1戸に当たるとの推計結果がまとめられ、7月に公表されました。  今回の推計では、社会の高齢化に伴い、2040年には280万戸に増加するとしており、今後、大きな社会問題となることが指摘されています。  例えば、住宅の所有者が、認知症の進行により、介護施設等に入居した後、そのまま処分等の手続が取れずに、空き家になってしまうという問題があります。  昨年から今年にかけて、新型コロナウイルスの影響により、子供が、遠方に住む親に会えない間に、住宅の所有者である親の認知機能が低下して、意思確認ができなくなってしまったため、売却手続が中断するケースが出ているとのことです。  住宅を売却して、有料老人ホームなどに入居しようとしていた計画や、家族の人生設計にも影響が出ている状況です。  認知症高齢者の権利を守り、また、家族が困らないためにも、認知症になった場合に備え、事前に家族で話し合っておくことや、弁護士等の専門家に相談し、家族信託や任意後見制度を活用することなどを、専門家は呼びかけています。  私は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これまで潜在化していた認知症高齢者が所有する住宅について、財産管理上の問題が表面化、深刻化してきているものと、強い危機感を抱いています。  こうした問題を解決していくためには、福祉、住宅といった部局横断的な連携と協力が極めて重要であると認識しており、県民の財産を守っていく上でも、早急に対策を講じていくことが求められています。  そこで、知事に伺います。  認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、「ねんりんピックかながわ2022」の開催機運を高める取組について伺います。  〔資料提示〕  新型コロナウイルス感染症の影響により、1年延期となっていた、ねんりんピックかながわ2022が、いよいよ来年11月、県内各地で開催されます。  ねんりんピックかながわ2022には、全国から約1万人の選手等が来県され、軟式野球やラグビーフットボール、ゲートボール、囲碁など、様々なスポーツや文化種目の交流大会が開催されるほか、大会期間中は、高齢者だけではなく、幅広い世代の方が参加できる様々なイベントを開催する予定と聞いています。  大会の開催まで1年を切り、交流大会の競技規則や開会式・閉会式、各種イベントの概要を定めた開催要領の策定へ向けて取り組むなど、着々と準備が進んでいることと思います。  10月には、ねんりんピック応援大使の就任やオリジナルソング・ダンスの制作、カウントダウンボードの設置等、開催機運の盛り上げに関する取組が発表されましたが、これを契機として、今後どのような取組が進められていくのか期待をしているところであります。  しかしながら、シニアの国体とも言われるイベントにもかかわらず、知人や地元の方々に聞いても、ねんりんピックのことを知らない方も多く、ねんりんピックが来年この神奈川で開催されることや、その内容について、まずはしっかり周知していくことが必要と考えます。  約2年にわたるコロナ禍の中で、スポーツや文化活動をしたり、観たりする機会が減ってしまい、心身の健康への影響も心配されているところですが、このような状況下で開催されるねんりんピックかながわ2022は、大会の開催に向けて様々な手段で機運を盛り上げ、より多くの方に参加していただくことで、スポーツや文化活動の楽しさや、健康、福祉、社会参加、生きがいづくりの大切さを再認識してもらえる絶好の機会になるのではないかと考えております。  そこで、知事に伺います。  ねんりんピックかながわ2022の成功に向けては、より一層の県民への周知が必要と考えますが、今後どのように周知を図り、開催機運の盛り上げをしていこうと考えているのか、見解を伺います。  次に、警察署の浸水対策について伺います。  〔資料提示〕  県内にある54の警察署は、大規模災害発生時における災害活動拠点として、県民の生命、財産を守る大変重要な施設として位置づけられています。  それらの重要な施設に関して、県警察としては、平成7年1月に発生しました阪神・淡路大震災や、その後、平成23年3月に発生しました東日本大震災等の経緯を踏まえ、警察署庁舎の耐震化を計画的に推進し、耐震化に関しては、めどが立った旨の報告を受けており、一定の評価をするところです。  しかし、近年では、大地震とは別に、これまでに経験をしたことのない集中豪雨による水害や河川の氾濫等による浸水被害が毎年のように発生し、全国各地で甚大な被害に見舞われています。  本県においても、決して例外ではなく、令和元年の台風15号や台風19号により、県内において甚大な被害が発生しました。  本年2月の本会議一般質問では、それら台風被害など、近年の風水害を捉えて、県営住宅における洪水時の入居者安全対策に関して質問を行い、今後の取組等について確認をしたところです。  〔資料提示〕  そのような中、先月の新聞紙面で会計検査院の決算検査報告において、全国228もの警察施設の浸水対策に不備があり、会計検査院が警察庁に対して改善を求めたことが報じられていました。  事前に確認したところ、本県警察においても、九つの警察署が該当しているとのことでした。  災害活動の拠点となる警察署が、災害発生時に機能しなくなる可能性があるという状況は、極めて深刻な状態であり、県民を代表する立場として大変憂慮しております。  そこで、警察本部長に伺います。  大規模災害発生時に活動拠点となるべき警察署について、集中豪雨等に伴う浸水被害に対する施設的な対策の現状と今後の取組方針について、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 大村議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、起業家創出拠点「HATSU鎌倉」の今後の展開についてです。  HATSU鎌倉は、神奈川発の起業家を次々と生み出したいという強い思いで、令和元年11月に開設し、ちょうど2年が経過しました。  県は、これまでの取組を通じて、起業準備者が拠点に集い、地域の方々と関わりながら、それぞれのビジネスを磨いていくことが大変有効であるということが分かってきました。  リアルな拠点に起業準備者が集うことで、コミュニティーが形成され、互いに切磋琢磨していくとともに、気軽に専門家からの助言を得て、自らのビジネスプランを練り上げていくことができます。  また、ビジネスによる地域課題の解決を目指す起業準備者が地域に溶け込むことで、地元の理解や協力を得ながら、様々な実証事業を展開することが可能となります。  一方で、HATSU鎌倉のような地域密着型の拠点は、県内全域から起業準備者を集めることが難しいという側面もあります。  こうしたことから、今後、このような地域密着型の拠点を、県内の複数地域に設置していくことが望ましいと考えています。  現在、自治体や大学等が設置している県内の起業支援拠点は、横浜や川崎など県東部に偏っていることから、今後は、県央地域や県西地域での新たな拠点の設置に向けて、地元の市町村や企業等と検討を進めていきます。  そして、新たな拠点では、潜在的な起業関心層を掘り起こし、育てていくとともに、各拠点を結ぶネットワークを構築し、積極的に相互交流を促すことで、イノベーションを創出していきます。  こうした取組により、県内全域で起業家を創出し、県経済の持続的な発展につなげてまいります。  次に、インバウンド再開に向けた取組についてです。  現在、国では、新たな変異ウイルス「オミクロン株」の影響により、全ての国や地域を対象に、外国人の新規入国を原則停止としています。  こうしたことから、インバウンドの再開時期はいまだ不透明ですが、外国人観光客誘致のための準備にしっかりと取り組むことが重要であり、観光資源の発掘・磨き上げや観光客の受入れ環境の整備などの取組を着実に推進していきます。  まず、観光資源の発掘・磨き上げについては、インバウンド再開後、比較的早期の来訪が見込まれる海外の富裕層をターゲットとして、美術館や寺社の貸切りなど、上質で特別感のある観光資源の磨き上げを引き続き行います。  また、観光地での密を避ける分散型観光を推進するため、サイクリングや乗馬体験のような、早朝でも体験できる観光資源を発掘しています。  今後、こうした観光資源を周知するための動画を、国や鉄道会社等と連携して作成し、海外のウェブサイト等を通じて発信します。  次に、観光客の受入れ環境の整備については、観光客受入環境整備費補助金等を活用して、外国語表記による観光案内板の設置や、観光ウェブサイトの作成などを支援しています。  こうした取組に加えて、海外に設置した観光レップにおいて、現地での感染状況や訪日旅行の可能性などの情報を収集するとともに、県の観光情報を発信していきます。  県は、インバウンド再開後、多くの外国人観光客に訪問先として本県を選んでもらえるよう、今からしっかりと準備を進め、落ち込んだ観光産業の回復と県内経済の活性化につなげてまいります。  次に、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題についてです。  認知症高齢者は、2025年には65歳以上の5人に1人に達し、今後、認知機能の低下によって、所有する住宅を処分できない高齢者が出るなど、財産管理への影響が危惧されています。  このため、県では、判断能力が十分でない認知症の方などの財産を守るため、成年後見制度の活用促進について、パンフレット等により周知しています。  また、各市町村では、住宅などの財産管理に関する相談窓口を記載したパンフレット「認知症ケアパス」を作成しており、県はポータルサイトで各市町村のケアパスをまとめてお知らせしています。  さらに、空き家対策の面から、県や市町村の住宅、福祉の関係部局や不動産団体等から成る県居住支援協議会において、高齢者に住まいの利活用等を検討していただくための「わが家」の終活ノートを作成し、市町村の窓口などで配布しています。  コロナ禍の影響で、人と人との交流が制限される中、高齢者の認知機能の急激な低下が懸念されており、住宅の財産管理に支障が生じないよう、福祉や住宅分野が一層連携して対応することが必要です。  そこで、成年後見制度のパンフレットや「わが家」の終活ノートに、誰もが認知症になる可能性があることや、その前にどのような対策を取るべきかなど、より認知症に焦点を当てた記載を新たに盛り込み、高齢者やその御家族への周知を強化していきます。  また、県が行う市町村の住宅及び福祉の担当職員等を対象とする研修に、認知症の方の住宅の財産管理をテーマに加え、認知機能が低下する前に対策を講じておくことの重要性を伝え、早期の支援につなげていきます。  県は、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理を支援し、安心して暮らせるよう、住宅や福祉の関係部局が連携して、しっかりと取り組んでまいります。  次に、「ねんりんピックかながわ2022」の開催機運を高める取組についてです。  ねんりんピックは高齢者を中心としたスポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典であり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に続いて、本県で開催される大規模イベントです。  東京2020大会は、残念ながら無観客での開催となりましたが、アスリートたちの躍動する姿は、多くの感動とともに、スポーツへの関心を高めてくれました。  そうしたスポーツへの高まる機運をねんりんピックでしっかりと受け継ぎ、市町村、関係団体などと共に一気に盛り上げていきたいと考えています。  そこで、広く大会を知っていただくため、10月には、本県の観光親善大使の河村隆一さんに作詞・作曲していただいたオリジナルソングを、ラッキィ池田さんの振りつけによるダンスとともに発表しました。  このオリジナルソングについては、曲名を広く公募することとし、また、あわせて、大会入賞者等に授与するメダル等のデザインや、大会の運営を支えるボランティアの募集を現在行っています。  今後は、このオリジナルソングとダンスにより、大会の楽しさや本県の魅力を伝える大会PR動画を作成し、SNS等で発信していくほか、本県ゆかりの著名人をリーダーとした広報キャラバン隊が県内市町村のイベント等に参加するなど、市町村と連携した広報を行っていきます。  また、ねんりんピックの趣旨に賛同いただける企業等とも連携し、大会会場周辺の駅や商店会などをポスターやのぼり旗で装飾するなど、全県的な大会PRを展開していきます。  このような取組を通じ、大会の開催機運を大いに高め、全国各地から来県される皆様をお迎えするとともに、ねんりんピック期間中は、県内至るところでスポーツを楽しむ声や笑顔があふれる大会になるよう、県を挙げて準備を進めていきます。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(山本 仁)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山本警察本部長。 ◎警察本部長(山本仁) 警察署の浸水対策についてお答えします。  まず初めに、本年、会計検査院から警察庁に対して、警察施設の浸水対策に不備があるとの指摘がされました。その対象は、ハザードマップ上で浸水のおそれがある地域にあり、非常用の発電設備等を設置する全国228の警察施設となります。  具体的には、浸水対策は、警察署の建て替えなどの機会を捉えて、なされているものの、既存の施設について、効率的な実施計画が策定されていないというものでした。  これを受け、警察庁から全国警察に対し、風水害等の発生時における浸水リスクの調査と計画の速やかな策定について、指示がなされたところです。  本県で、この会計検査院の指摘に該当するのは、県内54警察署のうち、鶴見警察署等の9施設となります。  県警察ではこれまで、集中豪雨等による浸水被害を教訓として、庁舎の建て替えに合わせ、緑警察署等では、非常用の発電設備を上層階に設置するなどの対策を取ってきました。  また、沿岸部に位置する金沢警察署等では、津波や高潮による庁舎内への水の侵入を防ぐための止水板を設置するなどの対策を推進してきました。  今後は、警察庁からの指示を踏まえ、非常用の発電設備等の浸水リスクを調査するとともに、それぞれの設備に応じた実施計画を速やかに策定いたします。策定した計画を基に、災害に強い警察施設の整備に努め、県民の皆様の安全・安心を守る活動の拠点である警察署の機能維持に努めてまいります。  以上でございます。  〔大村 悠議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕 ◆大村悠議員 知事、警察本部長、御答弁を頂きまして、ありがとうございます。  それでは、1点、再質問をさせていただきます。  起業家創出拠点「HATSU鎌倉」の今後の展開についてです。  HATSU鎌倉のような拠点を、今後、県内の複数地域に設置していくため、地元の市町村や企業等と検討されていくとの御答弁がございました。  そこで、知事に伺います。  市町村や企業等と、どのように役割分担をしていくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  今後、県内の各地に拠点を設けていく際の役割分担についてですが、まず、市町村や地元の企業には、ハードとしての拠点の運営を担っていただくとともに、地域の支援者を集めていただきます。  また、県は、拠点における様々な支援プログラムの展開や、拠点間のネットワークづくり、これを担っていきたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔大村 悠議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕 ◆大村悠議員 それでは、意見、要望を申し述べます。  まず、起業家創出拠点「HATSU鎌倉」の今後の展開についてです。  県では、起業準備段階からベンチャー企業の育成、成長まで、ステージに応じた支援をしてきました。県内経済が大きなダメージを受ける中、ベンチャー企業の支援の取組は、神奈川の経済のエンジンを将来に向かって持続的に回していく上で、大変重要な施策だと考えています。  将来の成功ベンチャーの創出、また、Withコロナ時代の本県経済のロールモデルの創出に向けて、これまでの知見、ノウハウ等を生かして、しっかりと取り組んでいくよう求めます。  また、HATSU鎌倉で実際に採択された起業家の方と直接お話をしてきました。その方は、もともと大学で東京に出ていた方で、どういうきっかけでHATSU鎌倉に申請したのか聞いたところ、もともと起業を考えていて、そういった中で、行政でどういったメニュー、制度があるのか調べている中で、やはり地元に戻って貢献したい、役に立ちたいという気持ちで調べていたところ、HATSU鎌倉の存在を知って申請したとのことでした。  このように、現在は地元にいない方にとっても、こういった熱量だとか気持ちを持っているということが、大変重要だと考えていますので、今、HATSU鎌倉で、LINE等で魅力の発信をされていますけれども、同様に今後の取組についても、多くの方にしっかりと認知してもらえるような情報発信についても求めたいと思います。  次に、認知症高齢者が所有する住宅の財産管理上の問題についてです。  コロナによって、家族との面会の機会が減ったり、外出や体を動かす機会が減ったりと、状況は日々変わり、課題や背景も変化していきます。  県として、これまで住宅問題に対して、協議会等を設けて福祉分野と連携して、しっかりと取り組んできたことは承知していますけれども、やはり社会情勢や生活の状況が変わっている中で、都度、そういった課題にしっかりと向き合って、県としての施策も検証しながら、改善して施策につなげていくことを求めたいと思います。  また、こちらも地元の不動産関係の事業者の方に、実際にお話を聴いてきたところ、やはりこういった認知症高齢者に関する事案が増えているということでした。  高齢者や御家族への取組はもちろんのこと、また、そういった直接接している事業者の皆様ともしっかりと連携を図って、その中でしっかりと現状を把握して、相談等に対応していくなど、取り組んでいくことを求めたいと思います。  また、知事の答弁の中で、終活ノート等を活用しているというお話だったのですけれども、やはり終活ノートを使うには、市役所だったり区役所に対して、自分が動いて取り寄せなければいけないという状況の中で、私は、一定のハードルが出てしまっているのではないかということを感じます。  そういったことからも、より多くの方に活用してもらえるという視点を持って、引き続き、優しい形での施策を展開していくよう求めたいと思います。  次に、「ねんりんピックかながわ2022」の開催機運を高める取組についてです。  昨今は、コロナの新規陽性者数が減っており、感染状況が落ち着きを見せているとはいえ、感染症対策は引き続きしっかりと取り組むことが重要だと考えています。  特にねんりんピックについては、60歳以上の方が出場者となっていることからも、出場予定となっている方に対して、神奈川県として、しっかりと感染症対策を取っているということを発信していくことも、参加促進や機運向上に向けて重要なことだと考えています。参加される全ての方が安心して楽しむことができるよう、でき得る対策を検討していただきたいと思います。  また、大会の開催に当たっては、全国から県内様々な地域に出場者等が来県されることから、来てもらった方に周辺地域を観光してもらったり、また、大会前後に宿泊してもらったりなど、観光につなげていくための発信も重要だと考えています。  関係局間で連携をしっかり図って、一つのチャンスとして、観光の観点からも生かしていくことを求めたいと思います。  次に、警察署の浸水対策についてです。  災害時の活動拠点となる警察署は、県民の生命、財産を守るための警察活動を支える重要な基盤です。そのため、水害に耐えられる強靭な警察施設の整備は喫緊の課題と考えており、浸水等により警察の機能が停止することがないよう、効果的な対策を求めます。  〔大村 悠議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕 ◆大村悠議員 質問の第2は、教育の充実についてです。  〔資料提示〕  まず、専門学科における職業教育の推進について伺います。  専門学科の職業教育は、これまで産業現場を支える技術者などの職業人を育成するなど、我が国の産業経済の発展に大いに寄与してきました。また、その特性から、生徒の能力・適性等に応じつつ、人間教育の観点からも重要な役割を果たしています。  一方、技術革新の進展や職種の多様化等に伴い、スペシャリストとして求められる知識・技術の高度化・多様化が進んでいるため、生涯を通して専門的な技術の向上に努める必要性が一層高まっています。  本県の職業教育を主とする専門学科は、今までにも、各地域の産業を支える優秀な職業人を育成してきたと承知していますが、今後、さらに加速度的に変化する社会の最前線にある地域産業界の担い手として、これまで以上に産業界で必要な専門知識や技術を修得した専門的な人材を育成していく必要があると考えます。  〔資料提示〕  こうした中、国は、Society5.0時代における地域産業を支える職業人育成を進めるため、最先端の職業教育を行うスマート専門高校を実現することを目的に、専門高校におけるデジタル化に向けた産業教育装置の整備事業に取り組んでいると承知しています。  本県においても、令和2年度補正予算において、従前の実習設備をデジタル化に対応させるため、総額で22億円余りの予算が措置されています。こういった設備は、これまで専門学科に整備されていたものよりも、これからの時代に即した自動化、デジタル化されたものであり、授業の中で最新の設備に触れることができることにより、教育の質の向上が図られ、生徒たちが卒業後すぐに各分野で活躍できることが期待されます。  新たに導入されるデジタル化に対応した教育設備を、各学校において存分に活用して、産業界からの要請に応える人材育成を進めていただきたいと考えているところであります。  そこで、教育長に伺います。  技術革新などが進展する中、県立高校における職業教育を主とする専門学科において、将来のスペシャリストの育成に向けて、新たに導入される設備をどのように活用していくのか、見解を伺います。  次に、キャリア教育について伺います。  〔資料提示〕  我が国の産業や経済をめぐる情勢は、構造的な変化や雇用の多様化など、大きく変わりつつあります。将来、子供たちが自分の特徴や特性を生かし、幸せな人生を送っていくためには、学校教育において、知識や技能の習得にとどまらず、自ら考え、判断し、表現する力や、様々な課題や困難を前向きに受け止め、解決していく力を培っていくことが重要であり、そうした視点で、これまで取り組まれてきたキャリア教育をさらに充実・発展させていく必要があると考えています。  こうした中、新しい学習指導要領では、小学校、中学校、高等学校を通じて、教育活動全体を通してキャリア教育を推進するよう明記されました。  具体的には、児童・生徒が学習や生活の見通しを立てて、学んだことを振り返りながら、学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動を行うことと併せ、児童・生徒が活動を記録し、蓄積する教材、いわゆるキャリア・パスポートを活用することが示され、小学校の学習指導要領の全面実施に合わせ、全ての校種で令和2年度から導入されました。  このキャリア・パスポートは、児童・生徒が小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオであり、小中学校、高等学校を通じた子供たちのキャリア教育を展開する上で、大きな効果をもたらすツールになると考えています。  これまで県教育委員会では、キャリア教育に関する研修講座の実施や指導資料の作成、インターンシップ等の取組を推進してきたと承知していますが、キャリア・パスポートの活用等も含めて、より一層、キャリア教育の充実に期待しているところであります。  そこで、教育長に伺います。  小中学校、高等学校におけるキャリア教育の推進に関して、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 大村議員の御質問にお答えします。  専門学科における職業教育の推進についてです。  専門学科で行う職業教育は、生徒に専門分野の基礎的な知識・技術を習得させ、それを活用する能力や仕事に向かう意欲、態度等を養うことを目指しています。  こうした教育の基盤となる実習設備については、産業現場での専門的作業や業務に即した実践的な学びが可能となるよう、例えば、農業高校のトラクターや工業高校の旋盤など、古くなった設備を計画的に更新しています。  令和2年度2月補正予算では、専門学科を設置する21校に、デジタル化等に対応した実習設備を導入するための経費を措置し、順次その導入を図っています。  そこで、お尋ねの新たに導入される設備の活用についてです。  例えば農業高校では、作物の生育に合わせて温室内の水や肥料を自動で管理する機器やシステムを導入し、農作業の自動化やデータ分析について学ぶ、スマート農業の体験的な学習に活用していきます。  また、商業高校では、3Dプリンターを導入し、商品開発等の実習において、開発する製品のイメージをより精緻に表現した試作品を製作し、プレゼンテーションを行うなど、実際の企業活動を意識した学びに活用していきます。  県教育委員会では、こうした最新の設備による学びを提供することで、これからの産業現場に求められる実践力を身につけた人材の育成に努めてまいります。  次に、キャリア教育についてです。  児童・生徒の社会的自立に必要な資質、能力等を育成していくためには、各学校におけるキャリア教育が大変重要です。  現在、小中学校では仕事調べや専門家による職業講話、高等学校では職業体験など、発達段階に応じたキャリア教育に取り組んでいます。  こうした中、今後のキャリア教育の充実に当たっては、児童・生徒が長期間にわたり自身の成長を確認できる小・中・高等学校の12年間の連続性を持った取組が大切です。そのため、議員お話しのキャリア・パスポートの活用は有意義なものと考えています。  県教育委員会では、昨年度、キャリア・パスポートの意義や活用のポイントをまとめた教員向けの指導資料を作成し、全ての公立学校に配付しました。  現在、各学校では、この指導資料等に基づき、児童・生徒がキャリアに関する学習活動を通して考えたことや、将来の自分の姿などをキャリア・パスポートに記録する活動を進めています。  また、児童・生徒への継続的な指導のため、このキャリア・パスポートを小学校から中学校、高等学校へと各学校種を超えて引き継いでいます。  県教育委員会では、今後とも、こうしたキャリア・パスポートなどの取組をしっかりと進めていくとともに、各学校種ごとの実践事例等を広く収集し、全県指導主事会議等を通じて発信するなど、キャリア教育の充実に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。  〔大村 悠議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕 ◆大村悠議員 教育長より御答弁を頂きました。  それでは、1点、再質問をさせていただきます。  専門学科における職業教育の推進についてです。  新たに導入されるデジタル化に対応した設備が、企業など産業の現場で、実際にどのように扱われているのかということを知ることも、職業教育において必要なことだと考えています。  そこで、教育長に伺います。  このことについて、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  再質問は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 大村議員の再質問にお答えいたします。  議員お話しのとおり、新しい技術に対応できる職業人の育成のためには、産業現場の実態を知ることが大切だと考えております。  そのため、県立高校専門学科で進めている、企業等における長期の現場実習を行うデュアルシステムの取組を通じて、企業等で最新の設備がどのように使われているかを学び、今後の地域産業を担うことのできる専門的職業人の育成に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔大村 悠議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大村悠君。  〔大村 悠議員登壇〕 ◆大村悠議員 それでは、時間が許す限り、意見、要望を申し述べたいと思います。  まず、専門学科における職業教育の推進についてです。  令和2年度補正予算において、約22億円を予算計上し、本事業を進めたことは、神奈川県の教育にとって大きなことだと考えています。  導入されたデジタル機材を有効活用して、学びにつなげていくことが何よりも大事なことだと考えています。導入した学校での活用状況、また実態をしっかりと把握して、引き続きフォローしていくことを求めたいと思います。  また、そういった機材を扱う教員の皆さんが、しっかりと理解して活用していくことも重要だと考えています。実効性を高めるためにも、必要に応じて研修を実習したり、事業者と連携して有効的に活用していくことを求めます。  また、他県の状況を見ると、この事業を導入されていない県もあるということからも、これらを神奈川県の強みとして、中学校や中学生などに県立学校の魅力の一つとして発信していくことも重要なことだと考えています。  横須賀工業高等学校、また海洋科学高等学校では、令和4年度から学科改編がされるということなので、こういったことも一つの契機として発信していくことを求めたいと思います。  工業人材など、社会全体で人材不足となっている中で、教育はとても重要な役割を果たしていると考えています。商工会議所、商工会、また事業者などとも連携して、時にはキャリア教育を展開していくなど、導入にとどまることなく、取組を進めていくことを求めたいと思います。  次に、キャリア教育についてです。  キャリア教育は、ただ職業、仕事内容を学ぶだけではなく、それらを通じて社会に触れたり、自分自身の将来を考えるきっかけとなったりすることからも、キャリア教育を推進していくことはとても重要だと考えています。  また、それを学校現場だけではなく、地域や企業の皆様と一緒になって、地域ぐるみの教育にしていくことも欠かせないと考えています。  また、実際に学校に訪問して、現在のキャリア教育の取組についてお話を聞いてきました。その中で、取組の中で、1人の生徒は、学校での勉強はなかなか得意ではなかったという方がいらっしゃったそうなのですけれども、その生徒がインターンシップで会社の社長に気に入られて、そのまま就職につながった例もあったというお話を聞いて、子供たちの可能性を広げるためにも、キャリア教育は重要なことだと再認識しました。  一方で、プログラムのマンネリ化、また、職業講話やインターンシップなどの御協力いただく事業者の開拓、また、コロナ禍でなかなか十分に実施できていないなど、学校現場としての課題も聞いてきました。  引き続き、県教育委員会として、でき得るサポートをして、子供たちにとって有意義なキャリア教育を展開していくことを求めたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20211206-029147-質問・答弁-岸部都議員-一般質問①だれ一人取り残さない社会の実現にむけて②教育の質の担保について》   〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕(拍手) ◆岸部都議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、立憲民主党・民権クラブ県議団の一員として、通告に従い、意見、提言を交えながら、順次質問を行います。  知事、産業労働局長、県土整備局長、教育長におかれましては、明快な御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  県民、事業者の皆さんによる基本的な感染防止対策の徹底のおかげで、新型コロナウイルスの感染は、落ち着いた状況が続いています。2年に及ぶコロナ禍の影響で、女性や非正規雇用労働者の雇用への影響、生活の困窮、それらによる自殺や孤立などの報道が続いています。これまで以上に支援が必要になっている方々がいらっしゃいます。  県が進めるSDGsの取組には、県民の「いのち」を輝かせるために、医療だけでなく、環境、エネルギー、農業など、生活のすべてにわたって安全・安心を確保し、将来に向けて持続可能な形で維持していくため、総合的な施策を展開するとあります。  今回の質問に当たり、その、誰一人取り残さない社会の実現に向けて、支援が必要な人に届く支援の視点に立ち、質問いたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、だれ一人取り残さない社会の実現にむけてです。  まず、HPVワクチン接種の積極的な勧奨の再開について伺います。  HPVワクチンについては、子宮頸がんの原因の大部分がヒトパピローマウイルス─HPVで、そのHPVの感染を予防するHPVワクチンは、子宮頸がんの罹患を減らす効果があるとされ、2013年4月から予防接種法に基づく定期接種とされました。  接種後、持続的な疼痛や脱力、不随意運動や記憶障害等の副反応に悩まされているという訴えが相次いだこともあり、2013年6月に国は、このワクチンを無料で受けられる定期接種に残しながら、積極的な接種の勧奨とならないように求める文書を地方自治体に出しました。  一方で、対象者や保護者が接種を希望する場合には、接種することを周知するよう求めてもきています。  こうした状態が続いていたところ、今年10月になって、厚生労働省の専門部会がワクチンの積極的な勧奨の再開を了承し、11月下旬には、接種を控えていた対象者への勧奨を再開する通知が国から出されたと聞いています。  〔資料提示〕  しかし、いまだ副反応に悩まされている方々は多数いらっしゃいます。ワクチンと副反応の因果関係も明らかにはなっておりません。この間も、副反応の持続的な痛みや症状に苦しむ被害者からは、副反応の治療法の確立、適切な医療体制の整備を求める声が続いています。  このような状況で、HPVワクチンの積極的な接種を再開することは、対象とする方にワクチンの安全性について誤解させるおそれもあると考えており、予防接種の実施主体は市町村であるものの、県として、県民に正確な情報提供が求められると考えます。  そこで、知事に伺います。  県としても、効果とリスクの両面から正しい知識を広く周知し、HPVワクチンの接種対象となる皆さんが、接種について冷静に検討できる環境を整えていくべきと考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、DV等被害者のための民間シェルター等に対する支援についてです。  現在、コロナ禍において、全国的にDV被害の深刻化が懸念され、DV被害者の支援の重要性が改めて注目されています。  DV被害は、家庭内で発生するがゆえに潜在化しがちであり、長年にわたり被害が続くこともあります。また、被害者が経済的に自立していない場合などは、被害を受けていても、夫やパートナーの元を離れる決心がつかない被害者もいます。  〔資料提示〕  こうしたDV被害者が家庭内の暴力から逃れ、自立の道を進むためには、周囲の支援が欠かせません。中でも、民間団体が運営するシェルターは、自立への道を歩もうとする被害女性を直接支援する存在として必要不可欠なものです。  民間シェルターについては、2019年、内閣府のDV等の被害者のための民間シェルター等に対する支援の在り方に関する検討会において議論されました。民間シェルターはじめ支援団体の支援理念や支援手法は、DV防止法が制定される以前から長い年月を積み重ねてこられたものであり、DV被害その他の生きづらさや困難を抱える女性に対する支援における重要不可欠な社会資源であること、地域における重要性など、改めて確認されたところです。  一方、民間シェルターが抱える財政的、人的な課題や、行政との連携不足など、全国的に生じている様々な課題が明らかとなりました。数年後には、複数の民間シェルターの存続が困難になるといった厳しい現実も指摘されました。支援拡充の方向性等について一定の結論が出されたところです。  神奈川県では、1985年に、日本初の民間シェルター「ミカエラ寮」が設立されています。このミカエラ寮は、全国に先駆けて、いち早くDV被害者支援を実施してきましたが、残念ながら、今年3月末をもって閉館してしまいました。閉館した理由は様々あったのだと思いますが、さきの検討会で指摘のあった、財政的・人的課題などもあったのではないかと推察いたします。  DV被害者に対して、地域において、きめ細かく切れ目のない支援を行い、被害者の自立を支援するためには、民間シェルターをはじめとした支援団体の存在が欠かせません。  そこで、知事に伺います。  民間シェルターをはじめとした支援団体に対しては、県はどのような支援を行っていくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、コロナ禍における女性に対する職業訓練についてです。  本県においては、昨年12月から継続してきた特措法に基づく時短要請は10月24日に解除されていますが、コロナの感染拡大を阻止しながらの経済活動は一定の制約を受けざるを得ず、国内景気や雇用をめぐる環境は、今後も難しい状況が続いていくことが想定されます。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化して、雇用情勢に回復の兆しがいまだ見えない中、解雇や雇い止めによって、離職を余儀なくされた方々の雇用を確保し、生活の安定を図ることは喫緊の課題です。  〔資料提示〕  特に、このコロナ禍において、最も大きな影響を受けたと言われるのは飲食・サービス業や宿泊業などです。そこには、育児や介護などの事情により、正規雇用ではなく、パートや派遣など非正規雇用という働き方を選択せざるを得ない女性が多くいらっしゃいます。こうした女性たちの雇用の場に、一番大きなしわ寄せが生じていると考えられます。  総務省の労働力調査によれば、全国の失業期間が半年以上となる女性は、コロナ前の3か月間では20万人台で推移していましたが、今年の1月から3月は36万人、4月から6月は34万人、7月から9月は33万人と高止まりしており、女性の雇用環境の厳しさが数字にも表れています。  県に寄せられた女性からの労働相談においても、解雇、雇い止め、退職など労働契約の終了に関する内容が、2020年度では2,000件を超えて、全体に占める割合も増加しています。  こうした状況の中、離職を余儀なくされた女性が、自分の希望する職業に再就職するためには、職業訓練を受けて、新たな知識や技術を身につけることが有効な手段だと考えます。  そこで、産業労働局長に伺います。  県は、新型コロナウイルス感染症の影響により失業した女性に対する職業訓練について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、住宅確保要配慮者への居住支援の充実についてです。  高齢者などの住宅確保要配慮者は、全国的に増加傾向となっており、2015年の国勢調査によると、本県における状況は、高齢者世帯は約83万世帯、外国人世帯は約9万世帯、独り親世帯は約5万世帯等となっており、とりわけ高齢者の単身世帯が、今後大幅に増えていくことが見込まれています。  また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済活動の停滞が長期化し、雇用情勢の悪化が続く中、解雇や雇い止めにより、住宅から退去を余儀なくされる方が増えるなど、生活に困窮する世帯の増加が懸念されています。  こうした中、民間の賃貸住宅においては、住宅確保要配慮者が、住まい探しの際に、賃貸住宅の家主から入居を拒まれることが多い状況にあり、SDGsの基本理念である、誰一人取り残さない社会の実現に向けて、要配慮者の居住の安定を確保していくことは大変重要な課題となっています。  〔資料提示〕  これまで県では、2017年に改正された住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき、同年10月より、要配慮者の入居を拒まない民間の賃貸住宅、いわゆるセーフティネット住宅の登録を開始したと承知しています。そして、登録を開始してから約4年が経過するところですが、賃貸住宅の家主や不動産店等に対する制度の普及啓発や、大手不動産事業者への登録の働きかけなどにより、これまでに一定の成果を上げていると聞いています。  〔資料提示〕  今後、その成果を要配慮者の居住の安定につなげていくためには、登録されたセーフティネット住宅を活用し、要配慮者の住まい探しのサポートや生活支援など、居住支援の取組をより一層充実させていく必要があり、市町村や不動産団体、福祉団体といった関係団体が連携し、取り組んでいくことが求められます。  そのためには、市町村等が地域の実情に応じて、要配慮者お一人お一人に寄り添った居住支援を行っていけるよう、県として、しっかりと支えていくことが重要と考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  市町村等が行う住宅確保要配慮者への居住支援の充実に向け、県として、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 岸部議員の御質問に順次お答えしてまいります。  だれ一人取り残さない社会の実現にむけてお尋ねがありました。  まず、HPVワクチン接種の積極的な勧奨の再開についてです。  毎年、全国で1万人以上の女性が罹患し、約2,800人の方が亡くなる子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルスへの感染が大きな要因とされ、HPVワクチンは、その感染を防ぐ効果が高いとされています。  平成25年4月から、HPVワクチンの定期接種が開始されましたが、接種後に健康被害を訴える方が相次いだことから、国は積極的な接種の呼びかけを中止し、安全性と有効性の検討を重ねてきました。  その上で、安全性について、特段の懸念が確認されず、接種の有効性が副反応のリスクを明らかに上回るという有識者の判断を受け、国は来年4月から、接種の積極的勧奨を再開することとしました。  一方で、再開に当たっては、有識者から、引き続きワクチンの安全性評価を行っていくことや、情報提供を充実させていくことが求められています。  県では、こうした国の今後の対応について注意深く見守り、正確な情報を接種の主体である市町村に提供し、連携して取り組んでいきます。  さらに、ワクチンの効果と副反応について、対象者が理解し、接種をするか否かを判断することが何より大切ですので、この点をしっかりと周知していきます。  あわせて、子宮頸がんの早期発見には、定期的な検診を受けることが有効ですので、ワクチン接種の有無にかかわらず、2年に1回のがん検診の受診を勧奨していきます。  県は、今後も引き続き、国や市町村、医療機関等としっかりと連携し、HPVワクチン接種の対象者に対し、正確な情報を提供し、その接種について、自ら判断していただけるよう努めてまいります。  次に、DV等被害者のための民間シェルター等に対する支援についてです。  DV被害者の支援に当たっては、相談から自立支援まで、被害者の状況に応じた様々な取組が必要です。こうした幅広い支援を効果的に行うためには、行政による支援のみならず、民間シェルターをはじめとした支援団体による、きめ細やかで柔軟な支援が非常に重要です。  このため、県では、四つの民間シェルターに対して、一時保護業務の一部を委託するとともに、自主的な活動や運営に必要な経費の一部を補助するなど、活動を支えてきました。  さらに、昨年度からは、こうした団体が行う先進的な取組に対しても財政支援を行い、民間シェルターの幅広い取組を促進しています。  しかし、民間シェルターの運営には、継続的に維持経費がかかる一方、収入は保護件数に応じて大きく変動するなど、民間シェルターは財政的に不安定な状況にあります。  また、被害女性のための居場所やシェアハウスの設置など、新たな取組を実施する支援団体も出てきていますが、そうした団体についても、継続的に活動するための基盤はまだ弱い状況です。  そこで、県としては、民間シェルターをはじめとした支援団体の運営基盤を強化するため、財政的支援を継続していく必要があると考えています。  また、これまで国に要望してきた民間シェルターの安定的な運営のための財政的支援の強化についても、引き続き働きかけていきます。  さらに、より多くの支援団体と意見交換、情報交換を行い、現場の課題やニーズを把握し、DV被害者に対する支援のさらなる質の向上を図ってまいります。  今後も、支援団体との連携を一層強化し、被害者一人一人に寄り添った、きめ細かな支援に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(野田久義)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 野田産業労働局長。 ◎産業労働局長(野田久義) 産業労働局関係の御質問にお答えします。  コロナ禍における女性に対する職業訓練についてお尋ねがありました。  コロナ禍の影響により、県内で解雇・雇い止めとなる方は、昨年の2月から今年の11月末までの間で、累計5,300人を超える見込みであり、こうした方々の雇用を確保するための取組を積極的に講じていくことが大変重要です。  特に、コロナ禍で雇用者数が最も減少した業種は、宿泊・飲食サービス業であり、その中でも、女性の非正規雇用者が圧倒的に大きな影響を受けていることなどから、女性に対する就業支援が強く求められています。  コロナ禍において、失業した女性が安定した職に就くためには、職業訓練を受講し、就職に必要な専門的なスキルを身につけていただくことが有効です。  そこで、女性の就職先として希望が多い職種である介護技術や医療事務などのスキルを身につけていただくため、3か月程度の短期の職業訓練を民間教育機関に委託し実施することで、早期の再就職につなげています。  こうした訓練では、託児サービスを設けており、子育て中の女性が訓練を積極的に受講しやすいよう、配慮しています。  また、専門的なスキルを高め、正規雇用を目指す若い女性などに対しては、保育士や美容師、調理師などの国家資格が取得できる、1年から2年の長期の訓練コースを委託により実施しています。  さらに、県立の総合職業技術校においても、離職者向けに建築CADや給食調理など、様々な職業訓練を実施しており、これら全ての訓練には、コロナ離職者優先枠やひとり親家庭優先枠を設け、女性が職業訓練を受講しやすくしています。  今後とも、こうした取組を継続することで、コロナ禍において失業した一人でも多くの女性に職業訓練を受けていただき、安定した職業に就けるよう支援してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  住宅確保要配慮者への居住支援の充実についてお尋ねがありました。  高齢者や生活困窮者といった住宅確保要配慮者の居住の安定を確保することは、ともに生きる社会の実現のため、重要な課題であると認識しています。  県ではこれまで、要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録を進めてきました。  また、市町村の取組を先導するため、県や市町村、福祉団体等で構成する神奈川県居住支援協議会を設立し、要配慮者からの相談を受け、入居につなげる事業などに取り組んできました。  さらに、市町村レベルできめ細かい支援を行えるよう、地域の関係団体等による意見交換会を開催するなど、協議会の設置を希望する市町村の取組を支援してきました。  しかし、現在、協議会が設置された市町村は6市にとどまっており、要配慮者一人一人に対して支援を行うためには、各市町村において、住宅部局や福祉部局、地域の関係団体などが連携できるよう、協議会の設置をさらに推進していくことが必要です。  そこで、今後、県は協議会を設置していない市町村を個別に訪問し、関係団体と共に設置に向けた課題の洗い出しを行い、解決のための勉強会を行うなど、協議会の設立をこれまで以上に強く働きかけていきます。  また、生活圏などを考慮し、複数の自治体が協力して一つの協議会を設置することが効果的な場合には、県が調整役となり、近隣市町村の意向を伺いながら、広域連携による協議会の設立を促します。  県は、こうした取組を、今年度内に改定を予定している住生活基本計画に位置づけ、居住支援の充実を図ることで、住宅確保要配慮者が安心して生活できるよう取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 知事並びに産業労働局長、県土整備局長より御答弁頂きました。  2点、再質問いたします。  まず、HPVワクチン接種の積極的な勧奨の再開についてです。  前回、2013年の定期接種開始後、HPVワクチンの副作用が問題となった際には、県は国に先んじて、県民被害者に寄り添う対応を取られました。  そこで、国の積極的な勧奨が再開されても、前回と同様に、しっかりと県民に寄り添って対応していくという方針に変わりはないか、改めて知事の所見を伺います。  もう1点、住宅確保要配慮者への居住支援の充実についてです。  住宅の確保に配慮を要する方は、高齢者をはじめ、障害者や子育て世帯、外国人など様々です。  市町村が居住支援協議会の活動を進めるに当たり、高齢者に対しては、市町村ごとに、地域包括支援センターなどの支援体制やネットワークが既に構築されており、活動を進めやすい体制となっておりますが、障害者や独り親、外国人等に対しては、居住支援の体制等が充実している自治体は、限られていると感じています。  そのため、市町村が居住支援協議会を設立した後も、県として、その活動を支えていくべきと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  国によるHPVワクチン接種の積極的な勧奨が再開されても、県民に寄り添った対応をしていく方針に変わりはないかとのお尋ねでありました。  県では、このワクチンの副反応が問題となったとき、平成27年に緊急的支援として、健康被害について独自の支援制度を創設し、結果的には、国の対応を促すことになりました。  現在は、この国の救済制度が機能していますので、まずは、この制度による対応を見守りますが、県民の皆様に寄り添い、県民の皆様の命を守る取組にしっかりと対応していく方針には、何ら変わりはありません。  答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の再質問にお答えします。  市町村が協議会を運営する中で、障害者や独り親、外国人世帯への支援に際して、地域だけでは対応が難しい事例に直面することも想定されます。県居住支援協議会には、要配慮者の方々を支援する団体が幅広く参加していますので、県はこうした関係団体に協力を頂きながら、市町村の協議会を支援していきます。  答弁は以上です。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 再質問の御答弁を頂きました。  HPVワクチン接種については、ぜひ、今後も県民に寄り添った、命を守るということで、対応をお願いしたいと思います。  さて、科学的根拠による正しい知識と知りたい情報、知らせたくない情報はイコールでしょうか、別物ではないでしょうか。  スクリーンで紹介した厚労省のリーフレットには、2018年1月版の本人・保護者向けにあった記述で、「HPVワクチンは新しいワクチンのため、子宮頸がんそのものを予防する効果は、現段階ではいまだ証明されていません」という記述が、改訂版では削除されています。  また、協力医療機関で痛みや症状をいくら訴えても、心的症状として望む治療が受けられなかったり、救済機関での認定に長い期間を要したり、判定不能として給付が受けられないケースが多数あったりといった、これまでワクチン被害者から寄せられている声に応えられていない状況は改善されないまま、今に至っています。そうした声に応える施策が必要です。  いまだ積極的な勧奨の再開に懸念を持つ方は多くいらっしゃいます。ワクチン被害者からは、この再開に当たり、自分たちの声は聞こえていない、見捨てないでほしいと切なる声が上がっています。  副反応への治療の実態も含めて、県の広報に当たり、HPVには、女性の多くが一生に一度は感染するが、そのほとんどは自然に排除されること、ワクチンを打ってもがん検診が一番有効なこと、子宮頸がんは早期発見、早期治療で予後のよいがんであることなどなど、子宮頸がんと感染について、しっかりとした情報提供と一番の有効策であるがん検診率の向上の取組を求めます。  住宅確保要配慮者への支援については、関係団体と協力して、県としても、必要な支援を続けていただくとのことで、ぜひお願いしたいと思います。  住宅確保要配慮者の居住の安定のためには、登録住宅の用意だけではなく、居住支援が伴う必要があります。県として、住まいを確保することに困難な方々、公営住宅だけでは賄い切れない方々、また、住まいの多様性もあるので、ぜひそういった意味でも、市町村、あるいは広域でのという御答弁も頂きました。そうした居住支援協議会設立の取組のスピードアップを求めます。  それでは、その他の項目についても、意見、要望を申し上げます。  DV等被害者のための民間シェルター等に対する支援についてです。  支援の現場では、避難を求めてきた被害者の状況や緊急性への対応をより強化するとともに、一時保護終了後も心身の回復を図るまで、新たな支援、ステップハウスなど居住の支援、同伴児童を含めた福祉施策、同行支援、家事育児支援等を含む長中期的な支援など、被害者の視点に立った切れ目のない支援が必要とされています。  ほかの犯罪と比べて、なぜDV被害者は逃げ続けなければならないのでしょう。被害者が逃げ回り、逃げ続けるのではなく、これまでの生活空間における安全な暮らしを選択可能とする支援の在り方と、加害者更生プログラムなどの加害者対応の強化が必要です。  各地で任意で行われているプログラムの自治体との連携や、標準化など、国への働きかけを求めます。あわせて、民間シェルターへの、その安定的な活動を保障するための支援の充実を求めます。  次に、女性に対する職業訓練についてです。  2021年版の自殺対策白書では、2020年の男性の自殺者が若干ではありますが、減少だった一方で、女性の自殺者数は前年より15.4%も増え、過去5年と比較すると、働く女性の自殺が増えています。  厚生労働省は、新型コロナの感染拡大による労働環境の変化が、自殺者の増加につながる要因の一つと考えられるとしており、今後も、生活苦を理由とした自殺者が高水準で推移することが懸念されています。  労働環境の改善のための施策が今、求められています。就職につながる職業訓練は、本当に有効な取組だと考えます。コロナ禍であぶり出された女性就労の課題を踏まえて、県の労働相談、就労支援、職業訓練への在り方に女性の視点を入れ、取組を強化するよう求めます。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 質問の第2は、教育の質の担保についてです。  〔資料提示〕  まず、教員未配置の解消に向けたとりくみについて伺います。  社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難となってきている中、学校教育には、子供たち一人一人の興味や関心を生かした自主的、主体的な学習を促す、個に応じた指導が求められています。  このような指導を推進していくためには、指導を担う教員が適正に配置されていることが大前提であると考えます。  教員未配置とは、学校に配置されている教員の数が、正規教員、臨時的任用教員、非常勤講師を含めて、学校に配当されている教員定数を満たしていない問題です。この教員未配置の解消に向けた取組について伺ってまいります。  〔資料提示〕  学校現場では、学級担任の産育休や病気療養休業による年度当初からの正規教員の未配置に、臨時的任用教員を配置することで対応してきました。しかし、産育休、病休者の増加に加え、少子化を背景にした長期的な過員対策による計画的な欠員、採用控え等、臨時的任用の登録者の減少による臨時的任用教員も足りない状況が続いています。  臨時的任用職員が配置されず、時間が限られる非常勤講師をもって配置されることもあります。  慢性的に代替者探しに追われ、代替者が見つかるまで人的補充はなく、各学校の中で免許外教科担任制度や臨時免許、特別免許の活用での兼務、管理職が授業を行うなど、校内の現職教員で分担して担っている状況が続いており、多忙化が言われる学校現場において、さらなる負担となっています。  この未配置の状況は、年度当初だけではなく、年間を通じての問題であり、特に1月から年度末に深刻となっています。  1人1台の端末が配置されても、その授業を行う教員がいない状況は、教育の質を問う以前の大きな問題と考えます。  特に、小中学校においては、高等学校のような定数管理は行えず、児童・生徒の転出入など、義務教育標準法の定めによって教員数の増減に対応しなければならないなど、定数管理は非常に難しいと認識しています。  本県では、教員採用選考試験における様々な工夫・改善や、臨時的任用職員の登録者数の確保に努められ、年度当初の必要な配置はほぼできているものの、年度途中の産休や育休取得等に伴う代替の臨時的任用職員については、すぐに配置できない状況が一部で発生するなど、教員の確保は厳しい状況にあると承知しています。  〔資料提示〕  こうした状況は本県だけのことではなく、今年1月の中央教育審議会の答申の中でも、教員採用選考試験の倍率の低下や、教員不足の深刻化が課題として挙げられており、教員不足は全国的な問題として顕在化しているところです。  こうした状況を踏まえ、文部科学省では今年5月に、初めて全国で教員不足に関する実態調査を行ったところですが、残念ながら、この時点で結果や取りまとめは公表されておりません。しかし、国レベルで教員不足の問題に取り組む動きが見られるようになったことは、課題の解決に向けて一歩前進したものと考えています。  教員不足の要因については、大学生にとって教員免許取得に必要な教職課程履修のハードルが高く、民間企業など教員以外の業種に人材が流れていること、臨時的任用職員の登録者数が減少していること、さらには、退職後の教員の活用に当たって、教員免許更新の負担感により免許を更新しない方がいることなど、様々な複合的な要因が考えられます。  このうち、教員免許更新制については、中央教育審議会の部会において、発展的に解消すべきとする方向性が示されたところですが、この教員確保の問題は、教員免許更新制の見直しだけでは、解決は難しいのではないかと考えます。  教職課程の在り方などについては、国の制度が根幹となっており、県独自で制度の見直しや改善を行うことが難しいことは承知しておりますが、そのような中でも、必要な教員を確保するため、県としてできる、あらゆる手だてを講じていくべきであると考えます。  そこで、教育長に伺います。  教員確保に向けた課題をどのように認識し、県教育委員会として、教員の確保にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、在県外国人等特別募集の拡大に伴う支援策についてです。  2018年の国の、日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査では、本県の公立小中学校、高等学校、義務教育学校、中等教育学校及び特別支援学校における日本語指導が必要な外国籍の生徒の在籍数は4,453人であり、2014年度の同調査における在籍数3,228人と比較すると、4年間で約1.4倍の増加となっています。  2019年に、日本語教育の推進に関する法律が公布、施行され、翌2020年には、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針も閣議決定されています。  国内で初めて日本語教育に関する法律と推進指針ができ、法や指針を受けた日本語を母語としない児童・生徒への教育の充実、地方公共団体と教育委員会との連携など、今後の課題は多いと認識しています。  外国につながりのある生徒の高等学校における学びの機会の拡大に向けて、2018年の第2回定例会の一般質問で、私も取り上げたところであります。また、その後、今年2021年第1回定例会における我が会派の代表質問においても取り上げ、在県外国人等特別募集の対応について、教育長からは、志願資格の緩和や募集定員の拡大について、今年度に実施する入学者選抜から実施できるよう準備を進めるとの御答弁を頂いたところであります。  〔資料提示〕  その後、県立高校5校で新たに在県外国人等特別募集を実施することが公表されたと承知しております。県教育委員会が、外国につながりのある生徒の高等学校における学びの機会の拡大に取り組んでいることについて、評価しているところであります。  県教育委員会ではこれまで、外国につながりのある生徒が多く在籍する県立高校において、様々な支援を行ってきていると承知していますが、在県外国人等特別募集を実施する全ての学校で、こうした支援をしっかりと行っていただきたいと考えます。  そこで、教育長に伺います。  今年度に実施する入学者選抜から新たに在県外国人等特別募集を実施する学校において、特別募集により入学する生徒に対する支援をどのように行っていくのか、所見を伺います。  以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 岸部議員の御質問にお答えいたします。  教員未配置の解消に向けたとりくみについてです。  公立学校の教員の定数は、いわゆる標準法により定められています。県教育委員会では、教員の欠員が生じることがないよう、今後の児童・生徒数の増減や退職者数の見込み、年齢構成の平準化などを勘案し、毎年度、教員採用を行っています。  また、教員が病気により休職したり、育児等により休業する場合には、正規教員の代替として、臨時的任用教員を配置しています。  現在、必要な正規教員は確保できていますが、教員採用試験の志願倍率が低下傾向にあることから、中長期的に見て、優秀な人材の安定的な確保が課題と認識しています。  あわせて、大量退職、大量採用により世代交代が進む中、若手教員の育児休業等の取得が増加しており、代替の臨時的任用教員不足が顕在化していると受け止めています。  こうしたことから、県教育委員会では、正規教員の安定的な確保に向けて、採用のための大学説明会の参加対象を一、二年生にも拡大し、広く学生に対して、神奈川で教員になる魅力を伝えています。  また、県立総合教育センターで、高校生のための教職セミナーを開催し、昨年度は延べ500人を超える高校生が参加し、教職への理解を深めています。  こうした本県への教員志願者の裾野を広げる取組に加え、新たに全ての県立学校のホームページで、臨時的任用教員の採用のページを案内するなど、その確保を図っています。  今後とも、こうした様々な取組により、優秀な教員の確保に努めてまいります。  次に、在県外国人等特別募集の拡大に伴う支援策についてです。  県教育委員会では、平成7年度公立高等学校入学者選抜から、在県外国人等特別募集を県立神奈川総合高校でスタートし、順次、実施校を拡大してきました。  そして、令和4年度入学者選抜から、外国につながりのある生徒の学びの機会の拡大に向け、志願資格における入国後の在留期間を、これまでの3年以内から6年以内に緩和しました。あわせて、新たに5校を追加し、県立高校16校で特別募集を実施することとしています。  こうした特別募集により入学する外国につながりのある生徒が、高校生活を円滑に送るためには、言語や生活全般などに関する支援が必要です。そのため、県教育委員会では、外国籍生徒の支援事業を協働して行っているNPO団体から、日本語学習などの知識、経験を持つ専門家を多文化教育コーディネーターとして各高校に派遣しています。  この多文化教育コーディネーターは、生徒への日本語学習支援や教職員に対する研修会の実施、進路指導のための保護者面談での通訳の手配などをコーディネートすることで、学校における必要な支援につなげています。  今後、新たに特別募集を行う5校についても、多文化教育コーディネーターを派遣し、様々な支援策を展開していくほか、これまで取り組んできた各高校のノウハウなどを共有することにより、外国につながりのある生徒の校内支援体制をしっかりと構築してまいります。  以上でございます。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 教育長より御答弁頂きました。  教員未配置の解消について、1点、再質問します。  県では、様々、看護師であるとか、介護士であるとか、保育士であるとか、非常に人材不足、ほかの業種でも専門家が不足ということで、いろいろな施策を行ってきています。  潜在看護師の復職のために支援策を行ったように、教職から離れている教員免許所持者への働きかけを行う取組が必要ではないかと考えますが、所見を伺います。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 岸部議員の再質問にお答えいたします。  今年度から県立総合教育センターにおいて、教員免許保持者で教育現場から長く離れている方などに対して、最近の学校の様子や教員の業務について、改めて学んでいただくための、いわゆるペーパーティーチャー向けの研修講座を開催し、任用に結びつけています。  今後も、こうした取組を通じて、教員の確保に努めてまいります。  以上でございます。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 再質問にも御答弁頂きました。  免許所持者へも研修をしていただいているということですが、なかなか教員の人材確保は大変厳しいものがあります。先ほど例に挙げました他業種のことでも、人材不足で現場が回らない、担当の負担が過重になっている、ひいては利用者のサービスの低下につながるというのは、この間、様々、知事部局で対策を講じられてきた医師、看護師、介護士、保育士など専門職の方々と同様に、そうした施策、対策を講じることが必要ではないかと考えています。  大学での教員養成、教育実習、自治体での採用等々、それぞれの時期、在り方など、やはり見直すことが必要ではないかと思います。今後の国の動向をよく注視し、制度の見直しや改善に向け、国への働きかけを求めます。  また、今、あらゆる手だてをというふうに申し上げました。少しでも改善を進めるために、例えば大学生の活用をもっと進めるなどの案もあろうかと思います。  学校での教育実習生を積極的に受け入れ、県の教員としての育成の観点から、教育実習を充実させるために人材配置をしたり、実習後に短時間でも、そのまま非常勤として教育活動に携われるための施策、そうしたものも検討されてもよろしいのではないかと考えます。ぜひそうした前向きな施策と予算の確保を検討していただくよう求めます。  外国人特別枠の拡大に伴う支援策の拡大については、これまでの支援策、多文化教育コーディネーターをはじめ、新規拡大校についても、しっかりと措置していただくとの答弁がありました。法改正や国の調査を経て、県としても、外国につながる児童・生徒の支援の強化を図るべきではないかと考えているところです。  特別枠校においては、今年から県立川崎高校において行われているプレスクールや土曜日の学習支援については、学力面ならず、生活面、精神面においても効果を上げていると聞いています。特別募集を行う全ての学校と言わなくても、ブロックごとにでも拡大してほしいとの御要望も頂いています。ぜひ今後の拡大を求めるところであります。  特に、外国につながる生徒さんに関しましては、入管難民法の改正で、新たに高校を卒業すれば、申請によって週28時間を超えて幅広い職種に就くことができるようになったことを踏まえた就労・進路支援も重要です。  外国籍県民等を支援するNPO、民間との連携を含めて、中途退学を予防し、希望する進路の実現のための取組を求めます。  以上、意見、要望を申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明7日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後5時 散会...