令和 2年 第三回 定例会
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028777-諸事項-
出席議員等・
議事日程-》 令和2年第3回
神奈川県議会定例会会議録第14号〇令和2年12月4日 午前10時30分開議 ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共105名 出 席 議 員 大 村 悠 桝 晴 太 郎 永 田 磨 梨 奈 加 藤 ご う 永 田 て る じ 菅 原 あきひと 須 田 こうへい す と う 天 信 上 野 た つ や 石 田 和 子 松 長 泰 幸 山 口 美 津 夫 高 橋 延 幸 武 田 翔 田 村 ゆうすけ 田 中 信 次 川 崎 修 平 神 倉 寛 明 お ざ わ 良 央 た め や 義 隆 飯 野 まさたけ 望 月 聖 子 佐 々 木 ナ オ ミ 柳 瀬 吉 助 市 川 さ と し 佐 藤 圭 介 大 山 奈 々 子 君 嶋 ち か 子 池 田 東 一 郎 石 川 巧 芥 川 薫 川 本 学 市 川 和 広 山 本 哲 綱 嶋 洋 一 新 堀 史 明 田 中 徳 一 郎 山 口 貴 裕 野 田 治 美 脇 礼 子 米 村 和 彦 栄 居 学 小 林 大 介 京 島 け い こ 石 川 裕 憲 井 坂 新 哉 佐 々 木 ゆ み こ さ と う 知 一 楠 梨 恵 子 西 村 く に こ 谷 口 かずふみ 藤 代 ゆ う や 渡 辺 紀 之 原 聡 祐 高 橋 栄 一 郎 あ ら い 絹 世 柳 下 剛 細 谷 政 幸 河 本 文 雄 加 藤 元 弥 中 村 武 人 古 賀 照 基 斉 藤 た か み 赤 野 た か し 浦 道 健 一 青 山 圭 一 亀 井 たかつぐ 佐 々 木 正 行 渡 辺 ひ と し 小 野 寺 慎 一 郎 内 田 み ほ こ 国 松 誠 杉 本 透 し き だ 博 昭 小 島 健 一 いそもと 桂 太 郎 梅 沢 裕 之 嶋 村 た だ し 桐 生 秀 昭 市 川 よ し 子 岸 部 都 松 本 清 長 友 よしひろ 北 井 宏 昭 菅 原 直 敏 相 原 高 広 鈴 木 ひ で し 藤 井 深 介 森 正 明 土 井 りゅうすけ 杉 山 信 雄 小 川 久 仁 子 持 田 文 男 竹 内 英 明 作 山 ゆうすけ 長 田 進 治 松 田 良 昭 牧 島 功 堀 江 則 之 てらさき 雄 介 た き た 孝 徳 松 崎 淳 近 藤 大 輔 く さ か 景 子 曽 我 部 久 美 子 説明のための出席者 知事 黒 岩 祐 治 副知事 武 井 政 二 同 小 板 橋 聡 士 同 首 藤 健 治 政策局長 髙 澤 幸 夫 総務局長 和 泉 雅 幸
くらし安全防災局長 花 田 忠 雄
国際文化観光局長兼
拉致問題担当局長 香 川 智 佳 子
スポーツ局長 平 田 良 徳
環境農政局長 石 渡 美 枝 子
福祉子どもみらい局長 橋 本 和 也
健康医療局長 前 田 光 哉
産業労働局長兼
エネルギー担当局長 山 田 健 司
県土整備局長 上 前 行 男
教育委員会教育長 桐 谷 次 郎 同 教育局長 田 代 文 彦 ───────────────────────────────────────
議会局出席者 議会局長 谷 川 純 一 議会局副局長兼総務課長 霜 尾 克 彦 同 議事課長 小 野 関 浩 人 同
政策調査課長 大 河 原 邦 治 ─────────────────────────────────────── 令和2年第3回
神奈川県議会定例会議事日程第14号 令和2年12月4日午前10時30分開議第1 定県第 118号議案 令和2
年度神奈川県
一般会計補正予算(第8号) 定県第 119号議案 同
年度神奈川県
水源環境保全・
再生事業会計補正予算(第1号) 定県第 120号議案 同
年度神奈川県
水道事業会計補正予算(第1号) 定県第 121号議案 同
年度神奈川県
公営企業資金等運用事業会計補正予算(第1号) 定県第 122号議案 同
年度神奈川県
酒匂川総合開発事業会計補正予算(第1号) 定県第 123号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非
営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例 定県第 124号議案 神奈川県
固定資産評価審議会条例の一部を改正する条例 定県第 125号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例 定県第 126号議案 神奈川県
統計調査条例の一部を改正する条例 定県第 128号議案 神奈川県
行政機関設置条例の一部を改正する条例 定県第 131号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例 定県第 132号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例 定県第 133号議案 行政財産の用途又は目的を妨げない限度における使用に係る使用料に関する条例の一部を改正する条例 定県第 134号議案 神奈川県
漁港管理条例の一部を改正する条例 定県第 135号議案 神奈川県ふぐ取扱い及び販売条例の一部を改正する条例 定県第 136号議案 食品衛生法に基づく営業の
施設基準等に関する条例の一部を改正する条例 定県第 137号議案 神奈川県食の安全・安心の
確保推進条例の一部を改正する条例 定県第 138号議案 神奈川県
法定外公共用財産使用料徴収条例の一部を改正する条例 定県第 139号議案 神奈川県
都市公園条例の一部を改正する条例 定県第 140号議案 神奈川県
道路占用料徴収条例の一部を改正する条例 定県第 141号議案 神奈川県
流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例 定県第 142号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例 定県第 143号議案 神奈川県
海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例 定県第 144号議案 神奈川県砂防指定地の管理に関する条例の一部を改正する条例 定県第 145号議案
特定事業契約の変更について(
衛生研究所特定事業契約) 定県第 146号議案
指定管理者の指定の変更について(湘南港) 定県第 147号議案
指定管理者の指定の変更について(葉山港) 定県第 148号議案 和解について 定県第 149号議案 和解について 定県第 150号議案
当せん金付証票の発売について 定県第 151号議案
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所定款の変更について ───────────────────────────────────────
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028778-質問・答弁-
永田磨梨奈議員-
一般質問①市町村と連携した移住・定住の促進について②データに基づく観光施策の展開について③性的虐待にあった子どもへの支援について
④コロナ禍における妊産婦支援について⑤東京2020
大会記念物品等の保存について
⑥コロナ禍における高齢者施設での
認知機能低下を防ぐ取組について⑦「鎮魂のモニュメント」の整備について》 〔
議会局長報告〕 出席議員 議長共103名
○議長(
嶋村ただし) ただいまから、本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○議長(
嶋村ただし) 審議を行います。 日程第1、定県第118号議案 令和2
年度神奈川県
一般会計補正予算外30件を議題といたします。 これより質問並びに質疑を行います。 質問の通告がありますので、順次発言を許します。
永田磨梨奈君。 〔
永田磨梨奈議員登壇〕(拍手)
◆
永田磨梨奈議員 おはようございます。 自民党の
永田磨梨奈です。 私は
自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。 知事並びに
スポーツ局長、
福祉子どもみらい局長におかれましては、明解な御答弁をよろしくお願いいたします。先輩議員並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。 質問に入る前に、一言申し上げます。
新型コロナウイルスの感染が再び広がっています。 神奈川県においては、先日、感染急増を意味するステージⅢの目前である危機感を、県民、事業者の皆様と共有するため、ステージⅢ警戒宣言が発出されました。 そして、昨日、横浜市、川崎市にある酒類を提供している飲食店やカラオケ店への12月7日から17日までの間、営業時間の短縮を要請することが決定しました。 御理解、御協力を頂いている事業者の皆様、そして、県民の皆様の思いに応えるため、この難局を乗り越えるために、粉骨砕身、働かねばならないという思いを新たにしております。 お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、今このときにおいても、コロナと闘っている患者の皆様にお見舞いを申し上げます。 そして、最前線で働かれている
医療従事者の皆様に感謝と敬意を表し、質問に入らせていただきます。 〔資料提示〕 質問の第1は、市町村と連携した移住・定住の促進についてです。 今般のコロナ禍を受けた
テレワークの普及や、3密を避けようとする人々の意識の変化を背景に、総務省のまとめによりますと、今年4月から半年間の東京都の人口の動きは、転出が転入を5,000人余り上回る転出超過の傾向が続いており、転出先は神奈川県が最も多いおよそ4万4,000人となっており、本県は、こうした東京からの転出者の受皿の一つとなっています。 県が発表している市町村別の社会増減に関する調査結果によると、今年の4月から8月までの市町村の社会増減の状況は、昨年と比べ、特に、逗子から茅ケ崎までの海沿いの市町で、転入超過の傾向が顕著となっている一方で、相模川以西の多くの市町村においては、転入超過に係る傾向にそこまで大きな変化は見られないなど、地域や市町村によって、状況は異なっています。 転入超過の傾向が顕著な海沿いの市町については、いわゆる湘南エリアが持つブランド力が一つの要因となっていると考えられ、実際に、私の知り合いが、鎌倉の魅力に引かれ、鎌倉に住みたいという思いから、東京ではなく、鎌倉に移住して起業したという例も聞いております。 本県は、海以外にも、山や川などの自然、歴史や文化など、それぞれの地域ごとに魅力を有していると思います。 これまでも、県や市町村が協力して、移住・定住を推進するために様々な施策を展開していると承知しておりますが、先ほど申し上げたとおり、今はまさに本県にとってはチャンスの時とも言える一方で、何もしなければ、他県にこの需要を取られてしまうとも言えます。 今後、本県への移住・定住をさらに進めるためには、それぞれの地域が持つ特性を生かし、そこで暮らす魅力を、都心の住民に対してしっかり伝えていくことが重要であると考えます。 そうした取組を戦略的に行っていくことで、県内全域に人を呼び込むことができるのではないかと考えています。 その中で、県は、広域自治体として、それぞれの地域の特性に応じた市町村の取組を支援するとともに、都心へ発信するという役割を担うことが必要だと思います。 そこで、知事に伺います。 県は、市町村とどのように連携して、移住・定住の促進に取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第2は、データに基づく観光施策の展開についてです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、人と人との接触の回避や衛生意識の高まりなど、観光客の意識やトレンドが大きく変化しています。 感染症収束の見通しが立たない現状においては、当面、3密を回避するための旅の分散化や、遠出を控え、近場を旅するマイクロツーリズムの考え方が主流となっていくだろうと思われます。 また、
テレワークの増加に伴い、旅行と仕事がマッチングした
ワーケーションや、郊外への移住・定住などの動きも進んでいくであろうと考えられています。 これまで県は、東京五輪やビッグイベントの開催を契機に、国内外から多くの観光客を誘致するため、ツアーの企画・商品化や、
外国語観光情報サイト「Tokyo Day Trip」等を通じた神奈川の魅力の発信等に取り組んできました。 しかしながら、冒頭でも申したとおり、コロナの影響により、観光を取り巻く環境は、コロナ前とは大きく変化し、集中から分散の観光にフェーズが移ったと言われています。そして、この流れはコロナが収束した後も続いていくであろうと考えられています。 こうした状況に適切に対応し、効果的な観光施策を展開していくためには、これまでとは違う、新たな視点に立った施策が求められると思います。 そのためには、施策立案の基礎となる的確なデータの収集と分析が必要ではないでしょうか。 〔資料提示〕 県も、今年度、神奈川県
観光魅力創造協議会の下に、外部有識者で構成される検証分科会を設置し、データを活用して、これまでの県の観光の取組について検証を行ってきたことは承知しているところです。 しかしながら、観光は裾野が広く、宿泊や交通、飲食、
イベント等、多岐にわたるほか、コロナでスポットを浴びるようになった
ワーケーションや、移住・定住などとも密接に関係しています。 コロナ後を見据えた観光施策を検討するためには、こうした観光に関わり得る様々なデータに加え、市町村や民間等が持つデータとも連携していくことが必要ではないでしょうか。 また、社会のデジタル化が進むことで、SNSや
Wi-Fi等、多様な媒体を通じたデータ収集も可能となってきており、そうしたデータを効果的に組み合わせることで、初めて見えてくるものもあるだろうと思います。 そこで、知事に伺います。 コロナ後の観光施策を効果的に展開していくため、データをどのように活用していこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第3は、性的虐待にあった子どもへの支援についてです。
児童相談所への通告義務などを想定した
児童虐待防止法の施行から、11月20日で20年がたちました。 先日、厚生労働省から発表された令和元
年度児童虐待相談対応件数によると、全国の
児童相談所が対応した
児童虐待相談の件数は19万3,780件で、前年度より3万3,942件、21.1%増え、過去最多を更新しました。また、県の
児童相談所が対応した虐待件数も、7,349件と過去最多を更新しています。 児童虐待は、子供の心と体の成長に重大な影響を与えるものであり、子供に対する重大な権利侵害です。 虐待の内容により、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待、心理的虐待の四つに分類されていますが、その中でも、発見されにくいのが性的虐待であると言われています。 性的虐待には、様々なケースがあると聞いていますが、家庭の中で起こることや外傷などがないことから、外からはなかなか発見されずに、長期にわたって被害が続くこと、そして、その間にエスカレートすることも多いと言われています。 また、その影響は、食事や睡眠が十分に取れなくなることでの体調不良、
フラッシュバックや
リストカットなどの精神的不調、信頼する大人からの被害による極度の人間不信など、対人関係の不調といった、子供にとって生涯にわたる深刻なダメージを与える重篤な権利侵害であると言えます。 そのため、性的虐待の早期発見、早期対応はもちろんのこと、被害に遭った子供たちへのケアが何より重要です。 県では、
児童相談所などで、性的虐待に対応していますが、民間団体においても、子供のSOSを受け止め、支援に当たる多様な人材や受皿を確保し、活動されています。 〔資料提示〕 中には、性的虐待にかかわらず、虐待の被害を受けた子供が裁判などで話をする際に、専門的訓練を受けた犬を付き添わせることで、子供の安心感や負担軽減を図るといった先進的な取組もあります。 性的虐待を受けた子供たちの早期発見や支援のために、県は民間団体とも連携を強化していくことが重要であると考えます。 そこで、知事に伺います。 今後、県として、性的虐待により被害を受けた子供への支援について、民間団体との連携を含め、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第4は、コロナ禍における妊産婦支援についてです。 昨年9月の本会議における一般質問において、産後鬱について質問をしたところでありますが、その際、知事からは、今後も市町村と連携して妊産婦に寄り添った支援を丁寧に行うことで、産後鬱を防ぎ、安心して子供を産み育てられる環境をつくっていくとの答弁を頂いたところであります。 その後、県からの働きかけもあり、全市町村での子育て世代包括支援センターの設置については、見通しが立ったものと承知しておりますが、一方で、
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う産後鬱のリスクの高まりという新たな課題が出てきていると承知しております。 具体的には、里帰り出産ができなかったり、地方にいる親に来てもらえないなどの理由により、親のサポートが受けられないことや、母親教室の中止などの理由により、母親の孤立感が高まったことで、産後鬱のリスクが高まっていると言われており、私自身、地元鎌倉市で妊産婦支援の活動に取り組んでいる民間団体の方々からも、そうした声を耳にしているところです。 さらに、ある研究によると、
新型コロナウイルス感染症流行の影響により、産後鬱の可能性がある人が倍増するおそれがあるとのショッキングな報道もあり、これまで一貫して妊産婦支援の問題に取り組んできた私としては、非常に強い危機感を持っております。 〔資料提示〕 そうした中、県では、新型コロナ妊産婦電話相談窓口を設置し、妊産婦やその家族の不安に応える取組を行っており、この点については評価するところではありますが、実際にリスクの高い妊産婦を直接支援する役割を担っているのは市町村であることから、市町村に対する広域的、あるいは専門的な見地に立った県の支援は、コロナ禍において、ますますその重要性を増していると考えています。 そこで、知事に伺います。 コロナ禍においても、市町村がしっかりと妊産婦をサポートできるようにするため、県として、どのように支援していくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第5は、東京2020
大会記念物品等の保存についてです。 昨年、開催されたラグビーワールドカップ2019は、日本代表チームの活躍もあって、大変な盛り上がりを見せました。今でも、大会の成功と興奮を伝えるユニフォームやチケット等の記念品を目にする機会があると、改めて当時の感動がよみがえってきます。 オリンピック・パラリンピックにおいても、1964年の東京大会で使用された品々が県立歴史博物館で展示される等、当時を知る皆様はもちろん、来年の東京2020大会に向けて、多くの県民の皆様方の気持ちを大いに盛り上げていると考えます。 一方で、前回大会に関する品々は、どこに何が残っているのかは、正確には把握できない状態であるという話も聞いています。 まさに、先月から、聖火リレーのトーチの展示が新庁舎1階で始まったところでありますが、こうしたシンボリックな物品は、当然のことながら、きちんと保管することが求められると思います。 また、そのほかにも、県が独自に作成したポスターやパンフレットなどについても、県民の貴重な財産として、今から後世に残していくことを意識し、しっかりと保管することが必要だと考えます。 神奈川県においては、野球・ソフトボール、サッカー、自転車競技、セーリングが開催される予定となっており、これまでも様々な機運醸成のためのイベントなどが開催され、県民の注目も集まってきているところであったと思います。 〔資料提示〕 また、昨年の夏に開催されたパラリンピック1年前イベントでは、我が県にもゆかりの深い書家の金澤翔子さんによる揮毫も行われ、パラリンピックについての機運も高めていただくことにつながっています。 言うまでもなく、我が県では、これまで、ともに生きる社会かながわ憲章を掲げており、共生社会の実現を目指しているところであります。 東京2020大会を単なるスポーツの祭典というだけではなく、神奈川県独自のオリンピック・パラリンピック大会への切り口として、後世に伝えていくことが、県民にとってのレガシーになるのでないでしょうか。 そうして、例えば4年に1回のオリンピックイヤーには、それらを公開するなどして、この大会をいつまでも思い起こせるようにしていくことも考えられるのではないでしょうか。 そこで、
スポーツ局長に伺います。 東京2020大会への神奈川の関わりと感動を後世に伝えていくため、大会を記念する物品等をどのような形で保管し、残していくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第6は、コロナ禍における高齢者施設での
認知機能低下を防ぐ取組についてです。 現在、
新型コロナウイルス感染症の感染者数が増加し、第3波が到来したと言われています。 高齢者が
新型コロナウイルス感染症に感染すると重症化しやすいと言われており、高齢者施設においては、徹底した感染防止対策と、発生した際の感染拡大防止が非常に重要になります。 一方で、特別養護老人ホームなどの高齢者入所施設では、入所者と家族との面会や、散歩などの活動を制限せざるを得ない状況が長期化しており、入所されている高齢者の身体機能の低下や認知機能の低下などが懸念されるところです。 〔資料提示〕 新聞報道などによると、認知症で高齢者施設に入所している方の、およそ4割に認知機能の低下などの影響が出たとの調査結果もあります。そのため、認知機能などの低下を防ぐための取組を講じていく必要があると考えます。 また、入所系医療・介護施設、在宅認知症者が介護サービスを受けられなくなった場合、およそ7割の介護支援専門員が、家族が介護を行うことがあったと回答、そのため御家族のおよそ4割が仕事を休んだ、そのうち、およそ2割から3割の方々が、介護負担のため精神的・身体的な負担が増したとしている研究結果もあり、支援は待ったなしの状態であります。 そうした中で、高齢者施設においても、感染防止に努めながら入所者の機能低下を防ぐため、入所者同士の交流を図るレクリエーションを様々な工夫により行っていただいていると承知しております。 また、県が全国に先駆け、高齢者施設における面会ガイドラインを作成し、感染防止対策を徹底しながら、家族との交流を図るよう、神奈川県内の全施設へ取組を促していることは評価しているところであります。 しかしながら、コロナ禍において、施設入所者の認知機能など、心身の状態の低下を防ぐ様々な一層の対策を、県としても発信していく必要があると考えます。 また、多くの施設では、通常の介護業務に加え、感染症対策により職員の業務負担が増大して、非常に疲弊しているとも聞いており、入所者のケアに注力できるよう、業務負担の軽減のための取組も重要であります。 そこで、
福祉子どもみらい局長に伺います。 県は、コロナ禍における高齢者施設の入所者の
認知機能低下を防ぐために、どのように取り組むのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第7は、「鎮魂のモニュメント」の整備についてです。 平成28年7月26日、障害者はいなくなった方がいいといった間違った考えの基に、あの凄惨な事件は引き起こされ、あれから4年が過ぎました。 今年は、事件の裁判が終わり、被告の刑が確定した節目の年であります。 津久井やまゆり園では、再生に向け、新しい施設の整備が進んでおり、また、来年8月の開所に合わせて、事件で命を奪われた方々に対する鎮魂のモニュメントの整備も進んでいるところであると承知しております。 現在、モニュメントの作成に当たっては、9月に設計業務の委託業者が選定され、また、御遺族からは、設計に当たっての要請書が提出されたと伺っています。 現在、御遺族や施設の利用者、地域住居の皆様に意見を聴きながら、丁寧に対応していただいていると伺っていますが、今後も、御遺族からの要請をしっかりと受け止めるとともに、事件に様々な思いをお持ちの方々に配慮しながら進めていただきたいと思います。 また、鎮魂のモニュメントは、事件の犠牲者に対し、追悼の念を表するために大変大切なものであるとともに、あのような事件を二度と繰り返さないという思いを後世に引き継ぐ、共に生きる社会の実現に向けた、再生のシンボルとなるべきものと考えます。 モニュメントの整備を進めるに当たっては、今後、モニュメントをどのように生かしていくのかについても、具体的に考えていくことが必要であります。 そこで、
福祉子どもみらい局長に伺います。 鎮魂のモニュメントの現在の整備状況について伺います。また、モニュメントの完成後、モニュメントをどのように活用していくのか、併せて見解を伺います。 以上で、第1回目の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 永田議員の御質問に順次お答えしてまいります。 初めに、市町村と連携した移住・定住の促進についてお尋ねがありました。 本県では、
新型コロナウイルスの感染拡大や、それに伴う働き方の変化などを背景に、今年4月以降、東京都からの転入超過が続いています。 現在、移住先としては、湘南エリアが中心であり、こうした人の流れを三浦半島、県西地域など、人口減少が続いている地域にも誘導していくことが重要です。 県では、これまで、市町村と連携して、それぞれの移住支援策を発信するとともに、地域の魅力をアピールする動画配信等の取組を行ってきました。 今後、人口減少地域への移住をさらに促進していくには、こうした情報に加え、移住後の暮らしを具体的にイメージできるよう、例えば、生活しなければ見ることができない景観や、生活・趣味のサークル活動など、各市町村ならではの生の魅力を、移住を検討している方々に伝えていくことが大切です。 そのためには、県や市町村が、こうした生の魅力を熟知している先輩移住者や、地域でコミュニティ活動に携わる方の協力を得て、きめ細かい情報発信や、移住相談を行っていくことが効果的です。 実際に、三浦市では、先輩移住者等が移住支援を行う団体を設立し、市と連携して活動を進めることで、成果を上げています。 そこで、県は、こうした活動の横展開を図るため、市町村向けの研修会を開催し、移住を支援する人材や団体と連携することの有効性を共有していきます。 その上で、団体を立ち上げて、移住促進策の強化を目指す市町村に対しては、ちょこっと田舎・かながわライフ支援センターの移住相談員から、効果的な情報の発信や、移住希望者の目線に立った応対の方法等について助言を行うなど、積極的に支援します。 さらに、支援センターで県が主催する移住相談や移住セミナーにおいて、市町村と移住支援団体から、直接地域の生の魅力を伝えていくほか、県の移住促進ウェブサイトやSNSでも広く発信していきます。 このように、市町村と、より一層連携して、地域の魅力を掘り起こし、都心の住民にアピールしていくことで、本県への移住・定住をさらに促進してまいります。 次に、データに基づく観光施策の展開についてお尋ねがありました。 これまで県は、主要観光地における対面式のアンケート調査や、SNS調査などにより、データを収集し、今年度は検証分科会において分析を行いました。 その結果、昨年度実施した外国人観光客に対するアンケート調査によると、横浜、鎌倉は中国、台湾など、アジアからの訪問が多く、箱根は比較的、欧米からの訪問が多いという状況でした。 また、直近2年間のSNS調査によると、中国は鎌倉の明月院、台湾は箱根ロープウェイに関する投稿が多いなど、国や地域によって、訪問エリアや興味のあるコンテンツに違いがあることが分かりました。 一方で、検証分科会からは、エリアごとに効果的な取組を行うには、誰がどこを訪れたのかだけでなく、どのように移動し、実際にそこで何をしたのかなど、観光客の行動に着目して、データ等を収集、分析することが重要との意見を頂きました。 また、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外からの入国制限が続くとともに、国内でも自然体験やキャンプといった屋外アクティビティに人気が集まるなど、コロナ禍の影響による観光客の動向も把握する必要があります。 そこで、今後は、観光客の行動を、より詳細に把握するため、SNSの投稿内容を分析し、観光客の移動ルートを解明するとともに、観光施設の取組についても、定期的にヒアリングすることを考えています。 また、ウェブアンケート等、デジタルを活用した調査を実施し、コロナ禍で自由に旅行に行くことができない観光客のニーズを把握したいと考えています。 その上で、交通や宿泊事業者等で構成される神奈川県
観光魅力創造協議会の場を活用して、県が収集する
観光データのほか、地域や民間のデータの共有を図り、エリアごとの戦略を検討していきます。 県としては、多様なデータを効果的に組み合わせ、官民連携して取り組んでいくことで、コロナ後の観光振興を図ってまいります。 次に、性的虐待にあった子どもへの支援についてお尋ねがありました。 児童虐待は、子供の心と体を傷つける重大な人権侵害であり、決して許すことはできません。 特に、性的虐待は、虐待の中でも、その潜在性の高さや後遺症の重篤さから、魂の殺人とも言われており、このような虐待から子供を守るのは、私たち大人の責務です。 また、性的虐待は、家庭内で行われることが多く、発見されにくいため、被害が悪化の一途をたどる場合も多く、早期発見・早期対応の取組をさらに進めていく必要があります。 県では、性的虐待を発見した場合は、速やかに加害者から子供を切り離し、
児童相談所で保護します。その上で、性的虐待を受けた子供の心身の状態に応じたケアを行うため、児童心理司による心理治療はもとより、産婦人科や児童精神科など、医療機関とも連携して対応していきます。 また、被害の事実確認の際には、子供の精神的な負担の軽減を図るために、
児童相談所及び検察、警察の3機関が同時に聴き取りを行っています。 さらに、早期発見・早期対応に向けては、兆候を感じ取る機会が多い学校の教員などが適切に対応できるよう、性的虐待への対応をまとめたリーフレットを作成し、研修を実施してきました。 それでも、性的虐待を受けた子供は、トラウマに悩まされたり、ひきこもりになるなど、日常生活での支援が必要となる場合があります。 また、ケアが長期間にわたることから、大人になっても継続的な対応が必要となる場合など、
児童相談所だけでは対応が難しい事案があります。 そこで、県では、今年度からNPOとの協働事業を開始し、性的虐待を受けて精神的に不安定な子供を日常的に支援するため、NPOが登校や通院などに同行したり、いつでも子供の話に耳を傾け、心のよりどころとなるような寄り添った支援を行っていきます。 また、大人になってもケアが必要な方には、その支援の中心となる医療機関やNPOに対し、
児童相談所が情報共有を図り、切れ目のない支援ができるようにしていきます。 県では、NPOなど、民間団体と連携しながら、性的虐待を受けた子供への支援にしっかりと取り組んでまいります。 最後に、コロナ禍における妊産婦支援についてお尋ねがありました。 近年、家族の在り方が多様化し、地域とのつながりも希薄となる中で、身体的・精神的に不安定な産前産後の時期を、周囲の十分な助けを得られない状態で過ごす母親が多くなっています。 特に、今年は、
新型コロナウイルス感染症の影響で、出産後に両親の支援が得られなかったり、人と触れ合う機会の減少による孤立感に悩まされる母親が増えることが懸念されています。 とりわけ、産後鬱については、出産後の負担感や、孤立感が悪化の要因になると言われており、最悪の場合、自殺や児童虐待といった重大な事態を招くこともあることから、コロナ禍において、その防止は大変重要な課題であると認識しています。 こうした産後鬱を防止するためには、出産後の一定期間、育児不安を抱えるなど、リスクの高い方に対し、心身のケアや育児のサポートなどの支援をきめ細かく行うことが効果的です。 このため、国では、平成26年度から、退院直後の母子に対して、心身のケアや育児のサポート等を行う産後ケア事業の市町村補助を開始しており、さらに、母子保健法を改正し、来年4月から、この事業の実施を市町村の努力義務としました。 しかしながら、現在、産後ケア事業を実施する県内市町村は24にとどまっており、実施市町村の拡大が課題となっています。 そこで、県では、今後、全ての市町村で産後ケア事業が実施されるよう、その支援に取り組んでいきます。 具体的には、県の職員が産後ケア事業を実施していない市町村を直接訪問してヒアリングを行い、事業実施に当たっての課題を抽出した上で、他の市町村の優良事例なども参考にしながら、共に課題解決に向けた検討を進め、事業の実施につなげていきます。 また、産前から切れ目なく妊産婦を支援する市町村の専門職向けの研修についても、引き続き、市町村のニーズを踏まえながら、着実に実施していきます。 県は、こうした取組を進めることで、コロナ禍においても、全ての市町村で妊産婦への効果的な支援が行われるよう、しっかりと取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
スポーツ局長(平田良徳)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 平田
スポーツ局長。
◎
スポーツ局長(平田良徳) スポーツ局関係の御質問にお答えします。 東京2020
大会記念物品等の保存についてお尋ねがありました。 前回の1964年の東京大会の資料については、組織委員会との協議文書や記録集などは県立公文書館、大会関係者が着用したブレザーや記念メダルなどの物品は県立歴史博物館を中心に保存され、そのほか、選手のユニフォームや聖火リレートーチなど、一部は県立スポーツ会館などで展示しています。 このように、当時の資料や物品は、関係者の方々の尽力で様々な場所で大切に保存はされているものの、時がたつにつれ、保存場所や内容の情報が拡散し、収集が難しくなっている現状もあります。 来年の東京2020大会は、オリパラ史上、初めて延期された大会であり、世界がコロナを乗り越えたあかしとしての開催を目指す歴史的なイベントです。また、県内では、4競技が開催され、多くの国々が事前キャンプで訪れる本県にとって、オール神奈川で大会を迎え、成功させる大会でもあります。 こうした歴史的大会を県民の貴重な記憶として後世に引き継いでいくためには、準備段階から開催期間、大会後の振り返りに至る各段階で作成した物品等を、分かりやすい形で適切に保存していくことが重要です。 そのため、まず、大会の運営などに関わる重要な文書については、公文書館にしっかりと引き継いでいきます。また、聖火リレーのトーチやのぼり旗、機運醸成用パンフレットなどの物品等は、前回大会に関する展示を行うなど、高度な保存や収集、展示のノウハウを有する歴史博物館等に引き継いでいきます。 さらに、こうして保存した文書や物品等については、文書名、物品名、保存場所などの情報をリスト化し、スポーツ局において一元的にしっかりと管理していきます。 東京2020大会の事前イベントで揮毫いただいた金澤翔子さんの作品は、既に県立スポーツセンターに展示し、多くの利用者の皆様に御覧いただいています。 県としては、今後、大会関連物品等を適切に保存するとともに、時宜を捉えて県民の皆様の目に触れる機会を設けることで、共生社会の実現にも通じる大会の意義を後世にしっかり伝えてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
福祉子どもみらい局長(橋本和也)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 橋本
福祉子どもみらい局長。
◎
福祉子どもみらい局長(橋本和也)
福祉子どもみらい局関係の御質問にお答えします。 コロナ禍における高齢者施設での
認知機能低下を防ぐ取組について、お尋ねがありました。 高齢者施設では、家族との面会や外出などの制限が長期化していることから、入所者の認知機能の低下などが懸念されており、感染防止に配慮しながら、入所者の活動を工夫して取り組むことが重要です。 これまで県では、感染防止を図りながら、入所者と家族との交流の機会を確保できるよう、面会を行う際の留意点などの実例を盛り込んだ面会ガイドラインを作成して、施設に提供しました。 また、
認知機能低下を防ぐ取組として、昭和音楽大学と協働して、口を閉じてハミングして飛沫を防ぐなど、新しい生活様式を踏まえた音楽活動を企画・開発し、施設職員に向けた研修を実施しました。 今後は、こうした音楽活動の取組を広く普及するため、公開シンポジウムの開催、動画配信などを行います。 また、施設が感染防止に努めながら、入所者同士の交流行事やレクリエーションなどを行っている事例をまとめ、他の施設にお知らせしていきます。 あわせて、高齢者施設では、感染防止対策など、職員の業務負担が増大しており、入所者の
認知機能低下を防ぐ活動などに十分手が回らない現状もあります。 そこで、県では、施設職員の業務負担軽減のため、ロボットやICTの導入経費に対する補助を、当初予定よりも予算を拡充して対応しているほか、今後、効果的な導入事例などを紹介する公開セミナーをオンラインで開催していきます。 県は、こうした取組により、高齢者施設入所者の
認知機能低下を防ぐよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、「鎮魂のモニュメント」の整備について、お尋ねがありました。 まず、鎮魂のモニュメントの整備状況についてです。 現在、御遺族や施設の利用者、地域住民の皆様などから、モニュメントのデザイン案に対する御意見を伺いながら、設計を進めています。 御遺族からは、追悼する命が19人であることが分かるデザインにしてほしい、事件を繰り返させないという誓いの文章を表したいなどといった要請を頂いています。 県では、このような声を受け止め、19本のヤマユリの花を献花台に彫る、誓いの文章をモニュメントのそばに表示するなどの案を提示して調整を進めています。 また、県議会から御意見を頂いている、県産石材の活用についても検討を進めており、引き続き関係者の皆様から丁寧に御意見を伺いながら、来年1月にデザインを決定し、8月の施設開所に合わせて整備を進めていきます。 次に、モニュメントの活用方法についてです。 モニュメントは、事件で命を奪われた利用者への鎮魂、事件を風化させないための後世へのメッセージ、偏見や差別のない、共に生きる社会を目指す誓いを表すものです。 そこで、モニュメントのコンセプトを広く伝えるため、多くの方の目に触れやすい敷地の入り口に設置し、ともに生きる社会かながわ憲章の理念の普及や、県職員がその理念を学ぶ研修で活用したいと考えています。 さらに、津久井やまゆり園と近隣の皆様の交流や、子供たちの人権教育においても活用できるよう、地域の皆様の御意見を伺いながら、検討を進めていきます。 県では、津久井やまゆり園事件のような、大変痛ましい事件を二度と繰り返させないという断固とした決意の下、鎮魂のモニュメントを有効に活用しながら、ともに生きる社会かながわの実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 答弁は以上です。 〔
永田磨梨奈議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし)
永田磨梨奈君。 〔
永田磨梨奈議員登壇〕
◆
永田磨梨奈議員 知事並びに
スポーツ局長、そして
福祉子どもみらい局長におかれましては、大変御丁寧な御答弁を頂きました。ありがとうございました。 それでは、1点、再質問をさせていただきます。 市町村と連携した移住・定住の促進についてであります。 今、御答弁の中では、移住支援団体を立ち上げて、移住促進策の強化を目指す市町村を支援していくということでございましたが、これは具体的にどのように進めていくのか、お伺いさせていただきます。 再質問は以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 移住支援団体を立ち上げて移住促進策を強化するに当たりましては、ちょこっと田舎・かながわライフ支援センター、この移住相談員が、移住希望者と市町村を結びつける中で培ってきたノウハウとか、他県の相談員とのネットワークを生かしてまいります。 具体的には、相談員が他県における団体立ち上げの成功事例を収集しまして、団体のメンバー構成や運営方法などの情報を市町村等に提供してまいります。 また、現地を回って先輩移住者等と意見交換を行いながら、地域の魅力を掘り起こし、アピールの仕方などのアドバイスも行います。 このようにして、市町村と移住支援団体双方をサポートし、市町村の移住促進施策を後押ししていきたい、そのように考えております。 答弁は以上です。 〔
永田磨梨奈議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし)
永田磨梨奈君。 〔
永田磨梨奈議員登壇〕
◆
永田磨梨奈議員 ありがとうございました。 それでは、時間が許す限り、幾つか、意見、要望を申し上げたいと思います。 まずは、市町村と連携した移住・定住の促進についてでございます。
新型コロナウイルスをきっかけに、仕事のリモート化が進み、人々の働き方が大きく変化し、東京から近隣の県への移住に関心が高まる中、今、神奈川県に求められているのは、移住を促進するという抽象的な取組ではなく、先ほど来御答弁でも頂いておりますが、抱える事情や課題が異なる市町村に、広域的な立場で、より一歩進んで寄り添った、共に取組を進めていく姿勢だと考えています。 既に、ほかの都道府県では、このコロナ禍の中で、市町村と連携をして移住相談などの事業をオンラインで開催しているところもあり、その反響は非常に大きいと聞いています。 また、東京の会社に勤務しながらも、住居は地方に構え、完全リモートで仕事をする人、地方暮らしをしつつ、都市や地方の企業と関わる働き方を展開する人などが増えようとしていると言われるなど、暮らすことや働くことの境界線が人それぞれになってきたことを考えると、これまで以上に移住・定住政策の推進には、担当課だけではなく、様々な部署のコミットが必要不可欠になっているのではないでしょうか。 県にとって、あらゆる面において、現在、コロナ禍において、ピンチと言えます。しかしながら、この環境の中でも、一つでもチャンスに変えるために、ぜひとも、今後、一層の移住・定住促進の取り組みを、全庁一丸となって進めていただくことを要望させていただきます。 続きまして、データに基づく観光施策の展開についてです。 こちらも、質問でも触れましたが、このコロナを契機に、これまで少しずつ進んでいた集中型の観光から分散型の観光へのシフトが大きく加速したと言われています。 ここから先は観光立県としている神奈川にとっても、大きな意味では、他の都道府県と同じスタートラインに立っていると言っても過言ではないのかもしれません。 大きく概念が変わるとき、これまであったデータというのは、どのくらい有効活用ができるのでしょうか。しかしながら、その一方で、これまで以上にデータを分析し、活用することが求められる時代がやってまいります。 来年度はおよそ1,100億円の財源不足が見込まれています。これまで観光にまつわるデータはいささか、義務基準がないため、曖昧だったところもあったと思いますので、これを契機に、データの取捨選択から取り組んでいっていただくことを要望いたします。 次に、性的虐待にあった子どもへの支援についてであります。 質問の中で、専門的な訓練を受けた犬が、虐待を受けた子供に付き添う活動をされている団体の話に触れましたが、これはアメリカでは、コートハウス・ファシリティードッグとして、41州、253頭が活躍しており、犬が寄り添うことでの子供のストレス軽減などが研究で実証されているところであります。 また、ラポールの形成という、面接官や警察官などとの関係形成にもよい影響を出しているということです。 日本においては、NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐの付添犬認証委員会という組織において、その認証を行っていますが、神奈川県内においても、被害に遭った子供のうち、ほんの僅かにしか付き添うことはできておらず、その存在をはじめ、理解や制度が進んでいるとは言えない現状であります。 言わずもがな、これは犬が主役の取組ではありません。あくまで被害に遭った子供たちのケアの一環として、諸外国では効果が認められているケアの一つであります。 大人でも、被害と向き合うことは大変に厳しい状況であります。それが子供であれば、それは言うまでもありません。 先ほど、知事も御答弁の中で、NPO団体と連携し、きめ細やかな支援をしていくということに触れていただきましたが、やはり行政だけではケアし切れない部分が多々あるかと思います。そうした部分を共に取り組んでいくために、県として、ぜひともこういった運動にも支援をしていただくことを要望させていただきます。 次に、コロナ禍における妊産婦支援についてです。 先日、産後鬱が
新型コロナウイルスの影響で、以前の2倍以上に増えているおそれがあることが、研究者の調査結果で出たとされる報道を目にしました。 子育て関連アプリを提供する会社を通じて行ったものとされており、母親の心の状態を確認するため、イギリスで開発されたエジンバラ産後うつ病質問票を用いて、産前産後の女性を対象に、過去1週間の心理状態に関する10項目の質問を行ったということです。 報道の中では、回答が得られた出産後1年未満の母親2,132人のうち、産後鬱の可能性がある人はおよそ24%に上り、これまでWHO─世界保健機関の見解などを基に、10%ほどの母親が産後鬱を発症するとして注意を呼びかけていましたが、調査結果では、倍以上に増えているおそれがあることが明らかになったという大変衝撃的なものでありました。 産後鬱は、なかなか表面化しづらい事柄であります。人に伝えること、SOSを出すことも非常に難しいことであります。ぜひとも県におかれましては、今後も危機感を持って取り組んでいただきますよう要望させていただきます。 次に、「鎮魂のモニュメント」の整備について申し上げます。 これまでも被害に遭われた御家族の皆様、そして関係者の皆様方との話合いを積み重ねながら、現在の形に整えてきたことは承知しております。 1点、先ほど御答弁でも頂きましたが、モニュメントには、石を使って哀悼の意を表す場所があるかと思います。こちらは、神奈川県で起きた凄惨な事件をみんなで忘れずに共に進んでいくという気持ちを表すためにも、御紹介もありましたが、この神奈川県には、本小松石という立派な石がございます。そうした県産品も使っていただくことを、引き続き検討していただきますよう、要望させていただきます。 以上、申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○議長(
嶋村ただし) お諮りいたします。 休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
嶋村ただし) 御異議がないと認めます。 よって、休憩いたします。 なお、再開は午後1時といたします。 午前11時26分 休憩 ───────────── ◇ ─────────────
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028779-質問・答弁-佐々木ナオミ議員-一般質問①誰一人として取り残さないための取組について②県政の諸課題について》 午後1時 再開 〔
議会局長報告〕 出席議員 副議長共100名
○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕(拍手)
◆佐々木ナオミ議員 小田原市選出の佐々木ナオミです。 議長のお許しを頂きましたので、私は立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。 知事、教育長、
健康医療局長、
県土整備局長におかれましては、明快で前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。 〔資料提示〕 質問の第1は、誰一人として取り残さないための取組についてです。 初めに、ひきこもり支援について伺います。 ひきこもりに関して、8050問題などに象徴されるように、ひきこもりの長期化、また親の高齢化などにより、問題が深刻化しています。 また、ひきこもりが犯罪者予備軍であるかのような誤解を広げるマスコミの報道などが、さらに家族を追い詰めている現状があります。 このような現状で、ひきこもりの人を強制的に連れ出し、自立支援施設と称する施設に軟禁し、親から高額なお金をもらって運営をしている引き出し業者の問題が、近年、クローズアップされています。 本県内においても、元入所者が、施設を運営する一般社団法人に対し、本人の同意なく、または虚偽の説明によって、強制的及び暴力的に入所させられ、そこで人権侵害的な対応を受けたとして、集団で訴訟を起こすことが、新聞報道で大きく報じられました。 ひきこもりの問題の相談窓口として、県や政令市がひきこもり地域支援センターを設置し、ひきこもりの当事者やその家族の支援を行っていることは承知していますが、公的な相談窓口に相談できないまま、引き出し業者を利用する状況もあるのではないかと考えます。 また、相談窓口につながっても、特に長期化したひきこもりに関しては、早期の解決が難しいことから、深刻なひきこもりの問題に悩む御家族が、思い余って悪質な引き出し業者を頼ってしまう例もあると聞いています。 そのような事例をなくすためにも、ひきこもりに悩んでいる方やその御家族を相談窓口につなげるなど、相談者に寄り添った丁寧な対応が大切であると考えます。 そこで、知事に伺います。 県は、今後、ひきこもり支援にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、里親制度の普及啓発について伺います。 令和2年3月に策定した県の社会的養育推進計画では、家庭的養育優先の原則を前提に、代替養育を必要とする里親等への委託を進めること、そのためには、里親を増やすことや、包括的な里親養育を支援する体制を整えていくことが必要としています。 令和元年度末の県所管域の里親委託率は19%であり、里親登録数は240人となっています。 計画目標によると、4年後の令和6年度には、委託率24%、里親登録数は現在より40人増の280人、令和11年度には、委託率40%、里親登録数はさらに80人増の360人に増やす必要があるとしています。 しかし、地域によっては、現場の里親から、新たな里親の方がなかなか見つからない、また里親の皆さんが高齢化してきているなどの課題があり、目標どおりに増えていくのか、なかなか難しい状況であると聞いています。 また、コロナ禍で、全国の
児童相談所における
児童虐待相談の対応件数が、過去最多のペースで増加しているとの報道もあり、本県でも同様の状況であると認識しておりますが、一時保護所もいっぱいであったり、一時保護所を持たない
児童相談所もあり、緊急的な一時保護先として、里親への要請も高まっている中では、計画以上に里親登録数を増やしていく必要もあると考えます。 現状、県全体の里親の登録件数は増えているものの、
児童相談所管轄別に見ますと、ここ数年、横ばい状態の地域もあります。 計画の目標を達成するために、長期間の委託をお願いする里親を増やしていくことはもちろんのこと、緊急的な一時保護の要請にもタイムリーに応えられるよう、県所管の全ての地域において、里親登録数をさらに増やすため、里親制度の一層の普及啓発と、受託しやすい体制を整える必要があると考えます。 そこで、知事に伺います。 今後、里親登録数をさらに増やしていくため、里親制度の一層の普及啓発にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、公立小・中学校における外国につながりのある児童・生徒への支援について伺います。 県教育委員会の令和元年度公立小中学校における外国につながりのある児童・生徒の在籍状況調査の結果によると、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒数は約4,200名で、前回調査が行われた平成29年度の結果から、3年間で約640名増加しています。 また、国籍についても、平成29年度は75か国、令和元年度は79か国となっており、年々増加、多様化の傾向にあります。 こうした中、県教育委員会では、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒が5人以上在籍している、政令市を除く公立小中学校に対して、学習上・生活上の困難を克服するための日本語指導を行う国際教室の担当教員を1名加配しています。 さらに、県教育委員会では、国の補助事業を活用し、市町村教育委員会の取組の支援を行ったり、県教育委員会が作成した、外国につながりのある児童・生徒への指導・支援の手引きを令和2年7月に全面改訂し、市町村教育委員会や学校に周知したりするなど、取組を推進しています。 また、市町村教育委員会においては、日本語指導の協力者や通訳を活用するなど、支援の取組を進めていると承知しています。 外国籍及び外国につながりのある児童・生徒を含む全ての児童・生徒が、共に学び合えるよう支援していく、こうした取組が充実することは、多様な言語、文化、価値観を尊重し、共に生きる社会の実現を担う人材の育成という観点からも大変重要であると考えます。 一方で、市町村によって、外国につながりのある児童・生徒の在籍状況にばらつきがあり、例えば県央地区の外国籍児童・生徒数が1,650名であるのに対して、県西地区は150名と10分の1以下です。 こうした外国につながりのある児童・生徒が少ない地域では、支援のための人材や方策が十分に行き届いていません。 私の地元、小田原市では、市が単独予算で、外国語のできる日本語指導協力者に支援をお願いしていますが、予算的な制約や多言語に対応できる方がなかなか地域にいらっしゃらないことから、月に2回程度の指導回数になっており、学習支援の面からも、日本語教育指導の面からも、十分な対策が取れているとは言えません。 これでは、外国籍の児童・生徒が学びの保障がされず、教室の中で孤立していくことにつながってしまうのではと危惧しています。 こうした地域の市町村教育委員会に対しても、県教育委員会として、外国につながりのある児童・生徒を支援する取組を一層充実させ、地域間の取組に差が生じないようにする必要がありますが、義務教育については、教育の機会均等を図る趣旨から、国が責任を持って措置を講ずるべきであり、国際教室の担当教員の配置拡充について、県教育委員会として、国に要望していく必要があると考えます。 また、例えば、地域の中で、外国につながりのある児童・生徒の指導・支援の中核となる教員に対して、先進的な事例を周知し、それを地域内で普及していくなどの取組が大切ではないかと考えます。 そこで、教育長に伺います。 公立小中学校における外国につながりのある児童・生徒への支援について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 佐々木議員の御質問に順次お答えしてまいります。 誰一人として取り残さないための取組についてお尋ねがありました。 まず、ひきこもり支援についてです。 ひきこもりは、近年、長期化、複雑化しており、ひきこもり状態の方や御家族を、その状況に合った適切な支援につなげていくことが重要です。 県では、これまで、ひきこもり地域支援センターにおいて、電話等により、相談に応じてきたほか、市町村やNPOと連携して支援に取り組んできました。 相談の場面においては、相談者の悩みを丁寧に伺い、その方が抱える問題などに応じて、医療や福祉、就労等の支援機関を紹介しています。 また、長期間、ひきこもりの状態にある方など、より丁寧な支援が必要な方に対しては、自宅を訪問し、必要な支援につなげる取組も始めています。 しかしながら、ひきこもり状態の方や御家族は、社会から孤立する傾向があり、支援の情報が届きにくく、特にひきこもりが長期化した場合の相談は、容易に解決しないことから、寄り添った支援が重要です。 そこで、県では、県の相談窓口に加え、市町村の窓口についても、県のホームページで紹介するなど、支援情報の周知を強化しています。 また、身近な地域で寄り添った支援が進むよう、市町村主催の家族向け講演会に、ひきこもり経験者を講師として派遣するなど、御家族に対する支援を強化していきます。 さらに、地域で支援に当たる職員向けの研修などを実施し、人材育成に取り組むとともに、先進的な市町村の事例紹介なども行っていきます。 こうした取組を通じて、ひきこもり状態の方や御家族が必要な支援を受けられ、安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。 次に、里親制度の普及啓発についてです。 里親制度は、親の死亡や病気、虐待など、様々な事情により、家庭で生活できなくなった子供を里親の家庭に迎え入れ、温かい愛情と理解を持って育てていただき、子供の福祉を保障するものです。 県では、里親制度について、広く県民の方に知っていただくため、ホームページやSNSなど、様々な媒体で広報するとともに、地域のイベントなどの機会を活用して周知してきました。 また、里親の方々から、子供との出会いや、子供が成長する姿を見守る喜びなどの体験談を集めて、県のたより、ラジオ、自治体の広報紙などで発信し、里親制度の普及啓発に努めてきました。 こうした取組により、里親登録者数は、直近の5年間で36人増え、241人となりましたが、里親に関心を寄せる方からは、共働きでも務まるのか、長期間にわたって子供を預かる覚悟が持てないといった重責への負担感や、困ったときに相談や支援が受けられるのかといった不安の声も届いています。 今後も、担い手を確保していくためには、こうした不安を払拭し、より多くの方に安心して里親になっていただけるよう、きめ細かい周知を丁寧に行っていく必要があります。 そこで、県では、共働きの方や長期の養育に不安がある方には、週末だけ活動する3日里親など、比較的受け入れやすい制度について周知していきます。 また、受け入れた子供との関係などの悩みを気軽に相談できる里親相談員や、地域の里親会による交流活動など、里親が受けられる様々な支援についても、丁寧にお伝えしていきます。 今後も、里親制度について、普及啓発をしっかりと行い、一人でも多くの子供が家庭的な環境の中で、健やかに育つことができるよう、取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。
◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。 公立小・中学校における外国につながりのある児童・生徒への支援についてです。 これまで、県教育委員会では、日本語指導を必要とする外国籍児童・生徒が5名以上在籍する学校が設置する、いわゆる国際教室に担当教員を継続的に配置し、一人一人の状況に応じた支援を行ってきました。 また、県と市町村教育委員会の指導主事や教員で構成する国際教室担当者連絡協議会や、外国につながりのある児童・生徒支援に携わっている団体等との関係機関連絡会を開催するなど、支援のネットワークを構築し、多様なニーズに対応してきました。 こうした取組の結果、日本語指導や全ての児童・生徒が共に学び合える授業づくりといった支援が進みつつあります。 今後、外国につながりのある児童・生徒への支援を、より一層充実していくためには、支援を直接担う教員だけではなく、チームとして対応するなど、学校全体の取組としていくことが重要です。 そこで、県教育委員会では、各地域において、外国につながりのある児童・生徒支援の中核となる国際教室担当教員などを対象に、校内チーム支援の在り方や関係機関との連携等の内容を盛り込んだ研修を、新たに令和3年度から実施したいと考えています。 そして、受講した教員が講師となり、その内容を各学校や地域において、他の教員に伝達する研修を実施し、支援方策の普及を図っていきます。 こうした取組を地域ごとに行っていくことで、学校全体として、外国につながりのある児童・生徒の多様な背景を理解し、個のニーズに応じた組織的な支援を充実させることにつなげてまいります。 あわせて、日本語指導を必要とする児童・生徒に対する一層の支援を行うために、国際教室担当教員の定数の拡充を、引き続き、国に対して要望してまいります。 以上でございます。 〔佐々木ナオミ議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕
◆佐々木ナオミ議員 知事、教育長から御答弁を頂きました。 それでは、1点、再質問をさせていただきます。 ひきこもり支援についてです。 若者のひきこもりについては、支援に取り組むNPOも多いと思いますが、いわゆる8050問題と言われるような、中高年のひきこもりについては、長期化していることで、より支援が難しいと考えます。 そのため、県として、中高年のひきこもり支援に取り組んでいるNPOや家族の会など、関係団体と連携して、ひきこもりに悩んでいる方やその家族をしっかりと支えていくことが必要だと思いますが、今後どのように取り組むのか伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 ひきこもりについては、これまで若者の問題と考えられていたことから、中高年のひきこもりの支援に取り組むNPOの情報は、まだ少ないのが現状であります。 そこで、まずは、若者のひきこもり支援に実績のあるNPOなどから、中高年のひきこもり支援に取り組むNPOの情報を収集していきます。 収集した情報については、市町村や家族会などと共有し、相談する方の状況に合った支援ができるよう、努めてまいります。 答弁は以上です。 〔佐々木ナオミ議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕
◆佐々木ナオミ議員 知事から、再質問への答弁を頂きました。 それでは、要望させていただきます。 まず、ひきこもり支援についてです。 今回、小田原にあります県西部青少年サポート相談室を運営するNPOにお話を聞いてまいりました。 電話相談のほとんどは家族から、そして、具体的な対策の相談というよりは、御家族の不安な思いをお聞きすることが多く、1時間以上、それも同じ方から何度もということが多いそうです。 家族が、まずは思いを聞いてもらい、少し元気になる、また家族の会につながることで、苦しいのは自分だけではないということで、視野が広がるとのことです。 相談窓口が青少年センターにあることで、中高年のひきこもりの相談はできないと思ってしまう方がいるということも、家族会の方からお聞きしました。 本県での引き出し業者のトラブルがこれ以上起きないように、困っている方が確実に、安心して窓口に相談できる体制づくり、その先の、NPOや家族会、関係団体と連携しての息の長い支援の構築にしっかり取り組んでいただくよう、要望いたします。 次に、公立小・中学校における外国につながりのある児童・生徒への支援についてです。 教育長から大変前向きな御答弁を頂きました。 今回は、質問に触れていませんが、市町村が配置する日本語指導員等についても、全国都道府県教育長協議会等を通じて、国に要望していることは承知しています。県としても、国に対して拡充の要望を、引き続き行っていただきたいと思います。 以上で、質問の第1を終わります。 〔佐々木ナオミ議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕
◆佐々木ナオミ 議員 〔資料提示〕 質問の第2は、県政の諸課題について伺います。 初めに、小田原市立病院と県立足柄上病院の連携と協力に係る基本協定について伺います。 2025年を見据え、効率的で質の高い医療提供体制を構築することを目指す地域医療構想の実現に向けて、県内の各地域で議論を積み重ねていることは承知しています。 この地域の医療提供体制は、これまで小田原市立病院と足柄上病院の二つの公立病院が基幹病院となり、地域の医療機関とともに連携を図りながら、県内で最も広い面積の二次医療圏において、必要な医療を提供し続けてきた経緯があります。 しかし、人口が既に減少に転じ、高齢化も進展している現状があり、医療機関や
医療従事者などの医療資源も限られる中で、質の高い医療をどのように維持していくのかということが大きな課題となっています。 そうした中で、一昨年の9月下旬、厚生労働省は、全国1,455の公立・公的病院のうち、診療実績が乏しいなどと判断した424の病院について、再編・統合も含めて再検証を求めるとして、具体的な病院名を公表するという異例の対応を行いました。 幸いにして、県西地域では、公表の対象となった病院はありませんでしたが、病床過剰地域であることから、地域の住民や自治体、医療関係者には、医療機関の統廃合やダウンサイジングを求める動きとして、危機感を持って受け止められたと承知しています。 一方で、
新型コロナウイルス感染症への対応を経て、政策医療や不採算医療を担う公立病院が、県西地域の基幹病院として大きな役割を担っていることや、二つの公立病院の連携の重要性が改めて確認されました。 今回の、小田原市立病院と足柄上病院の連携と協力に係る基本協定については、小田原市立病院が病院の再整備を目指し、足柄上病院は、県の病院機構第三期中期目標を受け検討を進めている中で、2病院とその関係者が意見交換を重ね、連携の必要性を再認識したことで、締結に至ったと承知しています。 今後は、この協定を生かして、地域住民、地域の自治体、医療関係者が安心できる医療提供体制を構築していくことが重要であると考えます。 そこで、知事に伺います。 今後、県西地域において、将来にわたって、安全・安心で質の高い医療が受けられるようにしていくため、県として、協定を生かして、どのように取り組むか、所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、放牧養豚について伺います。 放牧養豚とは、屋外で、自然の恵みを受けながら、快適な環境下で豚を飼育することです。 放牧養豚のように、家畜を快適な環境の下で飼育する家畜福祉、いわゆるアニマルウェルフェアは、今や、EUをはじめ世界的な潮流となっています。 我が国でも、平成20年にアニマルウェルフェアの飼養管理指針を策定し、普及を進めていますが、畜産経営に浸透しているかと言えば、まだ十分とは言えない状況にあります。 県内においても、放牧養豚に取り組んでいるのは、県西地域の1農場のみであり、私も、その農場とは10年以上前から交流がありますけれども、まさしくアニマルウェルフェアを実践しており、この農場が出荷する豚肉の熱烈なファンも大変多くいます。 しかしながら、生産規模が小さいため、購入できる消費者が限られているのが現状です。 放牧養豚は、畜舎内で飼育する一般的な養豚経営のように大規模化することはできませんが、大消費地を身近に抱える本県のような都市農業地域においても、新たな養豚経営のスタイルとして、定着できる可能性があると考えています。 県内には、畜産関係の学科を設置している県立高校が2校ありますが、毎年、志願者も多く、在校生に占める女性の比率も高くなっていると伺っています。 こうした畜産を学び、意欲のある若い人たちの中から、放牧養豚に興味や関心を持ち、県内で新規就農する人が出てくれば、ストーリー性の高い新たなブランドポークが生まれることも期待できるのではないかと思います。 そのためには、県として、県内の取組事例をモデルに、本県に適した放牧養豚の飼養管理技術を確立し、将来、就農を目指す人たちを技術支援できるように備えておくことが必要ではないかと考えます。 そこで、知事に伺います。 これからの養豚の新たな可能性として、快適な環境下で家畜を飼育するアニマルウェルフェアを実践する放牧養豚について、今後どのように推進しようと考えているのか、所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、ペットの災害対策について伺います。 昨年の台風19号では、本県でも多くの県民が広域避難所へと避難をしましたが、ペットを飼っている世帯では、ペットを置いて避難することができず、ペットを連れて避難したが、避難所の入所を断られてしまい、車中泊をしたり、そもそも避難することを諦めてしまったなど、多くの混乱がありました。 台風19号の際に死亡に至ってしまった川崎市のマンションに住む男性も、ペットを4匹飼っていたことが、逃げ遅れた理由の一つではないかと報道されております。 大規模災害では、逃げ遅れを防ぐため、安心して広域避難所に避難していただく体制をつくることが求められますが、ペット同行避難ができないために生じる混乱は、二次災害や車中避難によるエコノミークラス症候群による健康被害を発生させることにもつながります。 平成25年、国は災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを策定、これを受け、避難所を運営する市町村の中には、地域防災計画にペット同行避難を位置づけたり、獣医師会との災害時の協定を結んだり、ペットの受入れの流れや収容の方法など、具体的なルールを定めたガイドラインなどを作成している自治体もあります。 私の地元の小田原市でも、避難所・避難場所におけるペットの受け入れガイドラインを作成しております。 しかし、県内のほとんどの市町村で地域防災計画に同行避難を位置づけてはいるものの、このようなマニュアルが作成されているのは3割もありません。ペット同行避難の重要性は高まっているものの、現場ではなかなか具体的な取組が進んでいないのが現状です。 平時から同行避難を想定して、飼い主には、ペットのしつけをしたり、ペットのために必要な物資の備蓄をしておくことや、ペットを飼育していない方、特にペットが苦手な方や動物アレルギーの方へは、同行避難への理解を深めてもらうために、ペット同行避難に関する周知を徹底する必要があります。 また、避難所での混乱が生じないように、避難所での受入れのガイドラインやマニュアル作成、獣医師会との協定、さらには避難訓練の実施により、受入体制の強化を行う必要があると考えます。 そこで、
健康医療局長に伺います。 飼い主とペットが共に災害を乗り越えるため、県として、ペットの災害対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 最後の質問は、小田原市を流れる森戸川の河川整備と災害復旧工事についてです。 私の地元、小田原市を流れる森戸川では、昨年の東日本台風により、第一森戸橋下流において、低く掘り込まれた河道の護岸が高さ約5メートル、延長約40メートルにわたり崩れるといった被害が発生しました。 その後、災害復旧工事が実施されておりますが、今年の長雨で工事日程が遅れたために、9月上旬に復旧工事箇所がさらに崩れてしまうという事態となりました。 県当局には、早急に対応していただき、地元住民は取りあえずの安心をしておりますが、そもそも、被災箇所周辺の護岸は、老朽化が進み、裏側が空洞になってしまっている箇所もあり、地域住民の不安は完全に拭えたとは言えません。 森戸川は、川に沿って多くの民家が建っており、護岸の破損が民家の被害に直結するおそれがあり、住民の安心・安全のためには、老朽化した護岸の適切な維持管理はもとより、河川整備に伴う施設の更新が、早期に行われることが望まれます。 県は、平成27年に策定した森戸川水系河川整備計画に基づき、河口から関口川合流点までの約1.4キロメートルの区間について、1時間に65ミリメートル規模の降雨に対応できるよう、おおむね30年間で改修工事を行うとしています。 このうち、今回の被災箇所を含む第一森戸橋までの区間については、令和16年度までに整備するとして、既に住民説明会も行ったと承知しています。 森戸川は、平成14年の台風21号などにより、浸水被害を受けていることから、地元では河川整備に対する期待も高く、浸水被害の軽減とともに、抜本的な老朽化対策ともなる河川整備を一刻も早く実施し、周辺住民の安全・安心を確保すべきと考えます。 また、住民説明会では、下流から順次整備を進めていくとの説明があったと聞いていますが、例えば、護岸の老朽化の状況を見て、危険度が高いと思われる箇所を優先して実施するなど、住民に寄り添った工夫も必要ではないでしょうか。 そこで、
県土整備局長に伺います。 県として、森戸川の河川整備について、今後どのように取り組んでいくのか、災害復旧工事の取組状況と併せて、見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題についてお尋ねがありました。 まず、小田原市立病院と県立足柄上病院の連携と協力に係る基本協定についてです。 人口減少と高齢化が進展している県西地域において、質の高い医療を維持するためには、地域の医療機関がそれぞれの強みを生かし、役割分担を明確にして、互いに連携を密にすることで、切れ目のない地域完結型の医療提供体制を構築する必要があります。 これまで、県西地域では、地域医療構想の達成に向けて、二つの公立病院を含めた地域の医療提供体制について、関係者が協議を重ねてきました。 そうした中で、今回の
新型コロナウイルス感染症への対応を経験することによって、二つの公立病院の果たす役割や連携の重要性を、県と地域の関係者が共に再認識したこともあり、このたび、協定を締結することとなりました。 今回の協定を基に、県、小田原市、県立病院機構の3者が協議を深め、地域の基幹病院である二つの公立病院が緊密に連携及び協力することで、将来にわたり、地域の皆様に安心していただける医療提供体制を構築したいと考えています。 また、公立2病院の機能等が明確になることで、地域の病院やかかりつけ医などの他の医療機関も、自らが担うべき役割について、これまで以上に検討しやすくなるため、今後、より一層、最適な地域完結型の医療提供体制の構築につながることが期待されます。 そこで、県としては、今回の協定を生かした上で、県西地区保健医療福祉推進会議等において、地域の関係市町や医療関係者の皆様の御意見を丁寧に伺いながら、県西地域の医療提供体制の構築について検討していきます。 こうした取組により、県西地域においても、今後も質の高い医療を安定的に提供できるよう、地域医療構想の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、放牧養豚についてです。 豚を屋外で飼育する放牧養豚は、飼育の手間や設備のコストが少なく、豚の行動特性である土掘りや泥浴びが自由にできるため、ストレスが少なく、病気になりにくい豚に育つメリットがあるとされています。 その一方、屋外で飼育する豚が野生イノシシと接触して、豚熱に感染するリスクが高くなるというデメリットがあります。 このため、放牧養豚を進めるに当たっては、まずは、メリットとデメリットを実際の農場を使って調査し、屋内飼育の養豚と比較検証していく必要があります。 そこで、県では、放牧養豚を実施している農場の協力を得て、本年10月から実証調査に取り組んでいます。 具体的には、農場外周への豚熱対策の防護柵の設置を10月中に完了しましたので、今後、センサーカメラ等を設置して、飼育方法や豚の行動特性、野生動物の接近状況等を2年程度かけて調査していきます。 これにより、豚が1日の中で、土掘りや泥浴びにかける時間や回数と健康状態との関係を分析し、防護柵の設置効果の検証と併せて、豚熱の感染リスクに対応した放牧養豚の飼育技術の確立を目指します。 こうして得られた実証調査の結果は、毎年度、調査報告書にまとめ、県内の養豚関係者をはじめ、畜産を学ぶ農業高校や大学などに広く情報提供していきます。 その上で、今後、調査結果を踏まえて、放牧養豚を目指す新規就農者がいれば、県畜産技術センターが技術的な相談に応じるなどの支援を行っていきます。 県としては、豚熱の感染リスクにしっかりと対応した放牧養豚の飼育技術の確立を目指すとともに、新規就農者に対する支援に取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
健康医療局長(前田光哉)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 前田
健康医療局長。
◎
健康医療局長(前田光哉) 健康医療局関係の御質問にお答えします。 ペットの災害対策についてお尋ねがありました。 ペットは家族の一員であるという意識が一般的になり、災害時におけるペットとの同行避難は、ペットが自宅に取り残されたり、また、飼い主とはぐれ、放浪し、人に危害を与えることを防ぐ観点からも、大変重要です。 県では、これまで、動物関連のイベントなどで、日頃から災害に備え、しつけの重要性やケージなどの持ち出し品のリストを記載したリーフレットの配布や、防災グッズの展示など、多くの方にペットの避難に関心を持っていただけるよう、努めてきました。 こうした取組もあり、災害時のペットの同行避難についての周知は進みつつありますが、避難所におけるペットのためのスペースの確保やルールづくりなど、受入体制の整備については、十分であるとは言えません。 そこで、県では、市町村と協力し、県民の皆様や行政職員を対象としたペットの災害対策セミナーを開催し、ペットの防災に関する知識向上や避難所運営についての情報共有を図ってきました。 今後も、引き続き、こうしたセミナーなどの実施により、県民の皆様へ普及啓発を行うほか、市町村が同行避難のルールをガイドラインなどで定め、避難所においてペットを原因としたトラブルを防ぎ、適切な運営ができるよう働きかけていきます。 また、地域の防災訓練などにおいて、市町村、県獣医師会等の関係団体と連携を図りながら、人とペットの同行避難訓練を実施していきます。 県では、こうした取組により、人とペットが安全に避難し、共に災害を乗り越えられるよう、ペットの災害対策を着実に進めてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 上前
県土整備局長。
◎
県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。 小田原市を流れる森戸川の河川整備と災害復旧工事についてお尋ねがありました。 まず、森戸川の護岸の災害復旧工事については、河川内の護岸のブロック積みの工事がおおむね完了しました。引き続き、地元の皆様に工事の進捗状況を丁寧に説明するなど、御理解を頂きながら、来年2月末の完成を目指します。 次に、森戸川沿川の安全を確保していくためには、抜本的な老朽化対策にもなる河川整備を推進していくことが重要であり、今年2月に策定した水防災戦略に位置づけ、できるだけ早期の整備に取り組んでいます。 具体には、整備が必要な延長約1.4キロメートルの約3割、河口からJR東海道本線上流の天神橋までの整備が完了しましたので、これに続く上流の区間の川幅を11メートルから18メートルに広げるため、土地所有者の御協力を得ながら、用地取得を進めています。 整備に当たっては、護岸の老朽化などの状況を踏まえ、地域の方々が安心できるよう、用地がまとまって確保できた箇所から工事を始めるなど、整備の工夫をします。 また、定期的なパトロールなどにより、河川の状況把握を行い、危険な箇所があれば、早急に補修するなど、適切な維持管理に努めます。 県は、今後も、引き続き、県民の安全・安心のため、県民目線に立って、森戸川の河川整備と災害復旧工事にしっかりと取り組んでまいります。 答弁は以上です。 〔佐々木ナオミ議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕
◆佐々木ナオミ議員 知事、
健康医療局長、
県土整備局長から、御答弁を頂きました。 それでは、2点、再質問させていただきます。 1点目は、小田原市立病院と県立足柄上病院の連携と協力に係る基本協定についてです。 昨日、県西地区保健医療福祉推進会議の場において、小田原市立病院と足柄上病院の機能と連携の方向性についてが示されました。 この中には、両病院が共に取り組むべきことや、小田原市立病院に機能集約する必要があるものなどが盛り込まれています。 今回のこの方向性に関して、特に、機能集約に関しては、地元への影響が大きいため、地域住民、また各自治体の関係者、地元医師会をはじめとした医療関係者との丁寧な合意形成が不可欠と考えます。 そこで、もっと丁寧に地元市町村などの意見を聴いていくべきと考えますが、どのようにして、いつまでに取りまとめていくのか、知事の所見を伺います。 次に、放牧養豚についてです。 放牧養豚を目指す新規就農者から飼養管理技術の習得について相談があった場合には、どのように支援していくのか、伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 県は、病院の機能や連携について、自治体や医療関係者から意見を伺うとともに、県と小田原市、県立病院機構との協定に基づき、2病院の機能分化や集約・連携など、地域医療構想の実現に向けた議論を進めています。 地域医療構想の実現は地域全体で取り組むものであるため、議論に当たっては、病院など、質の高い医療を提供する立場と、地元市町など、地域住民の安心を考える立場、この二つの立場の御意見をしっかり伺うことが重要であります。 そこで、2病院の機能や連携の方向性について、診療機能の具体的な内容やその進め方については、引き続き、地元市町や医療関係者からの御意見をきめ細かく丁寧に伺いながら調整し、今年度末をめどに取りまとめてまいります。 続いて、放牧養豚を目指す新規就農者への支援についてお尋ねがありました。 放牧養豚の技術を習得するためには、放牧養豚を実践している農場で、一定期間、研修することが効果的であります。 このため、県畜産技術センターが、豚熱対策を講じている放牧養豚の実践農場に研修受入れの可否を確認の上、新規就農者に紹介します。 そして、研修を修了し、放牧養豚を開始する際は、同センターが豚熱の感染防止対策や飼育技術を指導するなどして、支援してまいります。 答弁は以上です。 〔佐々木ナオミ議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐々木ナオミ君。 〔佐々木ナオミ議員登壇〕
◆佐々木ナオミ議員 知事、再質問においての御答弁ありがとうございました。 最後に、質問の第2について、要望を申し上げます。 小田原市立病院と県立足柄上病院の連携と協力に係る基本協定についてです。 新型コロナ感染症の医療対策である神奈川モデルによって、足柄上病院が重点医療機関となり、大きな役割を果たしました。 しかし、その背景には、足柄上病院の入院患者さんや通院していた方を受け入れた小田原市立病院、地元医師会をはじめとした医療関係者や、地元自治体の住民の皆さんの御理解があったことを忘れてはならないと思います。 私のところにも、車に乗れないお年寄りから、家から近い足柄上病院で通院ができなくなり、小田原の病院までどうやって通ったらいいのかといったお問合せが来ました。 登壇でも申し上げましたが、県西地域の医療は、県内でも最も広い面積に少ない医療資源という、現状でも大変厳しい状況があります。ただでさえ医療資源が少ない中で、効率化のために集約されてしまうと、逆に住民にとっては不便になったり、患者が集中して受診しにくくなったりすることも危惧されます。 今回の協定締結が、地域県民の声に寄り添い、安心して医療を受けられる体制につながるものになってほしいと切に思います。 今後の合意形成については、丁寧に取り組んでいただき、地元の皆さんが納得いく形での連携推進につなげていただくよう、要望いたします。 また、国としては、公立・公的医療機関等の再検証要請の期限を延期したところではありますが、今後も再編・統合やダウンサイジングを求めてくるものと考えます。 改めて、地域の状況や
新型コロナウイルス感染症への対応も踏まえ、県は広域的自治体として、質が高く持続可能な医療提供体制の構築に向けて、引き続き地域の目線に立って取り組み、国に対して、しっかりと意思表示をしていただくよう要望いたします。 次に、放牧養豚についてです。 今年4月に、放牧養豚を事実上禁止するという国の方針が出され、これに対し、全国の放牧養豚を営む生産者から、反対の声が上がりました。 これを受け、6月9日に行われた衆議院の農林水産委員会で、農林水産大臣は、改めてストレスフリーな豚をつくることの重要性を認め、しっかり野生イノシシの防除を行う、これに関しては国もしっかりと支援を行うということで、放牧養豚も含めた日本の養豚を守っていく、との答弁がありました。 このような流れを受けて、今回、質問に取り上げさせていただきました。 県西地域には養豚のみならず、養鶏や酪農でアニマルウェルフェアに取り組んでいる若い畜産農家がいます。 今回、知事から、放牧養豚に対し、前向きな御答弁を頂きました。ぜひしっかりと放牧養豚、そしてアニマルウェルフェアの推進に取り組んでいただくよう、要望いたします。 最後に、小田原市を流れる森戸川の河川整備と災害復旧工事についてです。 今回の復旧工事に関しては、やはり住民の説明の在り方に課題があったのではないかということを、改めて、私から御指摘をさせていただきたいと思います。 災害復旧工事の在り方に関しては、県として致し方なかったという認識だとは思いますが、やはり大事なのは、その都度の丁寧な県民に対する説明、そして信頼関係だと思います。 今後も、同じような事態が起こることもあるでしょう。その都度、県民目線で、丁寧な説明に取り組んでいただくよう、要望いたします。 また、森戸川の改修工事に関しては、県民目線に立った前向きな御答弁ありがとうございます。 県民の安心・安全に向けて、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔拍 手〕
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028780-質問・答弁-鈴木ひでし議員-一般質問①県民本位のホームページへの改善について②すべての申請届出手続きへのキャッシュレス決済の導入について③職員の国際機関等への派遣に係る新たな仕組みの構築について④新しい生活様式における「観る」「支える」スポーツの推進について⑤認知症の方本人による発信の支援について⑥被害予測に基づく避難対策について⑦ロボットの実装に向けた取組について⑧県立学校の管理職の育成について⑨今後の三ツ池公園の整備について》 〔副議長退席、議長着席〕 〔鈴木ひでし議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 鈴木ひでし君。 〔鈴木ひでし議員登壇〕(拍手)
◆鈴木ひでし議員 Build it Back Better─再建するなら、前よりよいものを。これは、米国ニューヨーク州のクオモ知事の言葉だと記憶しています。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、我が国、そして全世界が大きなダメージを受けています。幅広い様々な業種が、需要の急減により存続の瀬戸際に立たされ、Go To キャンペーンにより、一息つきかけたものの、ここのところの感染者の急増により、再度、先行きに暗雲がたち込めています。 この状況がいつまで続くのか、コロナ禍後はどのようになるのか、誰にも分かりません。ただ一つ言えることは、コロナ禍が収束しても、完全に元どおりの社会になることはないということです。 しかし、私の大好きな言葉に、冬は必ず春となるという言葉があります。厳しい冬も、やがて暖かな春となる。どんなに苦しい冬の日々が続いても、負けなければ、必ず春はやってくるとの言葉です。 本日は、さきに述べた三つのB、Build it Back Better、このコロナ禍から立ち直るとき、前より、よりよい社会にしていこうとの言葉を胸に、私が現場を歩いた体験を基に、Withコロナ、アフターコロナの社会をよりよいものにするため、具体的な提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。 知事、教育長、
県土整備局長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。 〔資料提示〕 質問の第1は、県民本位のホームページへの改善についてです。 緊急時に県民に必要な情報を提供することは、県の重要な役割です。
新型コロナウイルス感染症について、県は、ホームページに特設サイトを設けて、一元的に情報を提供しています。 県民、事業者、医療機関向けなど、対象者ごとに分類し、多くの情報をできるだけ分かりやすく伝えようとする努力は評価しているところです。 ただ、今の県のホームページには、多種多様なページが混在しています。県行政の幅広いジャンルの情報を掲載しなければならないので、仕方のない側面もありますが、それにしても、情報量が多過ぎます。 また、デザインや記載項目に統一性がありません。その上、黒岩知事がよく使う、要するに何が言いたいのかと言いたくなるようなページが少なくありませんし、中には、既に終了したイベントの案内ページがそのまま残っています。 行政として、様々な情報を発信することも大切ですが、相手に伝わらなければ意味がありません。ホームページの情報量がここまで膨大になると、県民の方は、求めている情報を探し当てられないのではないでしょうか。 〔資料提示〕 行政の論理ではなく、見る人の立場で、分かりやすく情報を整理し、求める情報を見つけやすく改善することが必要です。
新型コロナウイルス感染症は、冬になり、より一層の注意が必要です。 昨日、営業時間の短縮要請がありましたが、事業者の方は、どんな支援策があるのか、手続はどうしたらいいのかといった情報を求めて、県のホームページを見るでしょう。ただ、現在の県のホームページでは、必要な情報に速やかにたどり着けるとは思えません。 今回の
新型コロナウイルス感染症や台風、地震などの緊急時には、県民が、命や生活に関わる情報に、円滑にアクセスできることが求められます。 〔資料提示〕 それを実現するためには、現在のホームページとは別に、県民向けの支援情報を提供し、あわせて、オンラインで申請手続ができるサイトを設ける必要があるのではないでしょうか。 そこで、知事に伺います。 県のホームページについて、掲載する情報を厳選した上で、県民の方が必要な情報を見つけやすくするように改善すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、現在のホームページとは別に、緊急時に県民に急を要する情報の提供等を行うホームページを設ける必要があると考えますが、併せて知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第2は、すべての申請届出手続きへのキャッシュレス決済の導入についてです。 我が国のデジタル化は、諸外国の後塵を拝しています。
新型コロナウイルスの感染拡大で課題として浮き彫りになりましたが、行政におけるデジタル化の遅れは、極めて深刻な状況にあります。 本県は、デジタル化の基盤整備のほか、押印の廃止や業務の見直しに取り組んでいますが、私は、行政手続のデジタル化とは、県民にとって、簡単で便利なものにするという県民目線の取組であると考えています。 経済開発協力機構─OECDも、より便利な行政サービスを住民に提供することが行政の手続のデジタル化の意義であると強調しているところです。 利用者の視線で、改めて県の行政手続を見て感じたのは、行政手続に合わせて支払う手数料がキャッシュレス決済に対応していないことが、オンライン化が進まず、利便性が高まらない一つの要因ではないかということです。 現在、電子申請届出システムでは、ペイジーを使うことにより、パソコンやスマートフォン、ATMから手数料を納付することができます。 〔資料提示〕 でも、全ての行政手続がこのシステムに対応しているわけではありません。 消費税率の引上げに伴い実施されたキャッシュレス消費還元事業により、県民の間で、スマートフォンを使った電子マネーやQRコード・バーコード決済の利用が進みました。 これを機に、県も、県民の利便性を高めるために、あらゆる行政手続において、キャッシュレスで決済できるようにすべきではないでしょうか。 そこで、知事に伺います。 県民の方が、迷うことなくデジタルを活用し、その恩恵を受けてもらうことで、Withコロナ時代における新たな日常を、DXにより実現していくためにも、全ての県への申請届出手続において、キャッシュレス決済を導入すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第3は、職員の国際機関等への派遣に係る新たな仕組みの構築についてです。 WHO─世界保健機関への県職員の派遣については、議会の場で、何度も、その目的や成果に対する質疑が行われてきました。 1億円以上の県費が投入されたにもかかわらず、派遣の成果について、いまだ県民の納得が得られるような説明がなされていません。 本件については、大きく二つの問題があると思います。 問題の一つ目は、派遣の目的や目指す成果が、当初から不明確であったことです。 2年前の決算特別委員会で、私は本件について質問しました。そのときの当局の答弁は、派遣した職員は、ヘルスケア推進に当たり、国際連携を担う職員として採用したものであり、派遣期間が終了した後は、県に戻り、WHOで得た知見、派遣時代に構築した人材ネットワークを最大限に活用して、県の施策に貢献していただくことで派遣しているというものでした。 つまり、当初の目的は、国際人材の養成、人材育成にあったということです。 しかしながら、せっかく派遣した職員は、県に戻ることなく、県を退職し、WHOに転職してしまいました。 このことについて、直近の決算特別委員会で質疑がありましたが、当局の答弁は、県に戻ってこなくても、県とWHOとの連携に貢献してくれればいいというものでした。 なぜ、派遣の目的が変わってしまったのでしょうか、一体、2年前の答弁は何だったのかと理解に苦しみます。 また、派遣期間も、当初は、平成28年12月から29年12月までの1年間だったのに、その後、延長が繰り返されました。1年の延長を2回、次は3か月、その次は5か月と、細切れに、合わせて4回も延長しています。なぜ、ころころと延長する必要があったのか、いまだに納得できる説明はありません。 加えて、県とWHOとの間では合意書が交わされていますが、職員との間では、どのような話になっていたのでしょうか。 県と違う組織で、県と違った形で働かせるのですから、職員に派遣に関する条件を提示していると思います。その中に、派遣目的として、派遣期間が終了した後は、県に戻り、県の施策に従事するといったことを記載しておけば、WHOの公募に手を挙げるようなことはなかったのではないでしょうか。 もう一つの問題は、派遣に係る制度が不十分であったことです。 〔資料提示〕 神奈川県には、職員を外国の大学に派遣する制度があります。外国の大学で学んだ最先端の知見、そこで構築されたネットワークを、県に戻った後に、県政に生かしてもらうための人材育成の制度です。 この制度の場合、職員の大学院等派遣研修費用の償還に関する条例が制定されており、派遣した職員が帰庁後5年以内に退職した場合は、県が支出した派遣費用を償還させることになっています。 県民の税金が使われていることを踏まえるとともに、優秀な人材の流出を防ぐ意味のある制度であると思います。 今回は国際機関への派遣でしたが、優秀な人材を失い、県は大きな損失を受けました。 本当に県に戻ってきてもらいたいのであれば、人材流出を防ぐためのルールを設けた上で、派遣すべきだったのではないでしょうか。 今後、医療や水道など、海外への技術支援や、国際会議の誘致などが増えていくと思います。最先端の知見や国際的な人的ネットワークを持つ県職員の育成を目的に、国際機関等へ派遣することを否定するものではありませんが、今回のような事態が繰り返されることがあってはなりません。 そこで、知事に伺います。 派遣費用は県民の血税であることを踏まえ、海外大学へ研修派遣した場合と同様の費用償還制度など、国際機関等に派遣された職員が、派遣先で得た知見やネットワークを、帰庁後、確実に神奈川県政に生かすことを担保するための仕組みを構築すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第4は、新しい生活様式における「観る」「支える」スポーツの推進についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響により、東京2020オリンピック・パラリンピックの延期はもとより、国民体育大会やインターハイなど、国内の主要なスポーツ大会が中止や延期を余儀なくされました。 日々努力を重ねてきたアスリート、特に、中学校や高等学校の最終学年にあったジュニア・アスリートが、最後の大会に参加する機会が断たれた無念は、察するに余りあります。 県は、さきの9月補正予算において、県内のプロスポーツチーム等が行う
新型コロナウイルス感染症対策に対する補助金を新たに設けました。しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、県内スポーツの継続的な推進を図るためには、さらなる取組が必要です。 先日、ボクシングの関係者から話を伺いました。屋内で行われるボクシングでは、3密対策などから集客数に制限が課されているそうです。興行として成り立たないので、大会や試合を開催できないとのことでした。 これは、ボクシングに限りません。主な収入源を、参加費や観客からの入場料に頼らざるを得ないスポーツは、観客に制限を設けなければならない状況では、大会等を開催することができず、その結果、アスリートの活動の場が制限されるという状況にあることは、想像に難くありません。 〔資料提示〕 そうした中、民間を中心にインターネットを活用したARやVRなどの最新技術を活用した新しいスポーツ観戦が確立されてきました。 さらには、応援する選手やすばらしいプレーに対して投げ銭をして、少額から手軽に応援や支援ができるアプリやウェブサイトも登場してきています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、新しい生活様式におけるスポーツの在り方が問われる中、スポーツを観る、あるいは支えるという視点から、こうした新しいスポーツ観戦や支援について積極的に発信し、広くスポーツ振興につなげていくべきではないでしょうか。 そこで、知事に伺います。 新しい生活様式における「観る」「支える」スポーツの推進について、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第5は、認知症の方本人による発信の支援についてです。 2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。私は、これまで、認知症の方やその御家族が、自分らしく、住み慣れた地域で安心して暮らしていける地域づくりの重要性を訴えてきました。 また、認知症の方を地域で見守る認知症サポーターやキャラバンメイトの養成の拡充、県独自の取組であるオレンジパートナーネットワークの構築など、数々の提案をし、実現してきたところです。 昨年6月に、国が策定した認知症施策推進大綱では、認知症になっても、希望を持って日常生活を過ごせる社会の実現を目指すことが掲げられています。 そして、地域で暮らす認知症の方が自らの言葉で語り、認知症になっても希望を持って自分らしく暮らしている姿を積極的に発信していく本人発信支援が、認知症施策の柱の一つに位置づけられました。 認知症の方が生き生きと活動している姿は、他の認知症の方に希望を与えます。また、認知症の方による発信は、認知症になると何もできなくなる、何も分からなくなるといった、画一的で否定的なイメージを払拭し、認知症への社会の理解を深めるためにも、非常に重要なことであります。 〔資料提示〕 国では、認知症の方本人からの発信の機会が増えるよう、本年1月に5人の認知症の方を、認知症に関する普及啓発を行う希望大使に任命しました。また、都道府県ごとに地域版希望大使を設置することを目標として掲げています。 本県でも、認知症の方本人による発信が行われていますが、まだまだ少ないです。本人からの発信の機会を増やし、認知症に対する理解を促進していくためには、認知症の方本人による活動を後押しする希望大使のような仕組みを導入すべきではないでしょうか。 ただ、その際には、本県の実情に合った方法を検討し、本県らしい名称にすべきだと思います。 そこで、知事に伺います。 認知症に対する理解を促進するために、認知症の方本人が発信する機会を増やし、県として支援する仕組みを導入すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第6は、被害予測に基づく避難対策についてです。 昨年の令和元年房総半島台風や東日本台風は、全国に甚大な被害をもたらしました。今年もまた、九州地方を中心に、令和2年7月豪雨が発生し、多くの貴い命が失われる事態となりました。 こうした大規模な風水害が発生するたびに、課題として取り上げられるのが避難の在り方です。 私の地元、横浜市鶴見区は、昔から暴れ川として有名な鶴見川が流れていることもあり、令和元年東日本台風の際には、2,800人を超える方が避難所に避難しました。幸い、避難所が定員を超過することはありませんでしたが、県内では、定員をオーバーした避難所もあったと伺っています。 〔資料提示〕 私はかねてより、県内で指定されている避難所が、避難が必要な住民の数に対して十分に確保されているのか懸念していますが、市町村の中には、避難所の収容人数を公表していないところもあります。 都市化が進み、人口が920万を超える本県において、全ての県民が避難できる避難所を確保しておくことは、現実的ではありません。 しかし、風水害については、ハザードマップに基づいて、避難の対象となる住民の数を、市町村があらかじめ把握することができるのではないでしょうか。 例えば、浸水が想定されるエリアの面積や行政区域面積等のデータを使って、私なりに試算してみたところ、ある地域では、避難すべき人数が約8万6,000人、避難所に入れる人数が約7万1,000人、つまり、約1万5,000人が避難所に入り切れないという結果となりました。 これは、面積割合を使った大まかな試算の例ですが、ハザードマップ等を活用することで、より詳細な数の把握ができるのではないかと考えます。 風水害が発生した際に避難すべき人の数と、供給できる避難所の数が明確になれば、避難所の不足が見込まれる場合に、広域避難や車中泊などの代替対策を検討する際の基本データにもなると思います。 そこで、知事に伺います。 避難対策は、基本的に市町村の役割ですが、市町村が風水害時において、避難所の需要と供給を見定め、目標を設定した上で、計画的に避難所を確保できるよう助言していくことも、広域的な調整を担う県としての役割だと考えますが、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第7は、ロボットの実装に向けた取組についてです。 本県は、全国で一、二を争うスピードで少子高齢化が進展し、生産年齢人口の減少による、介護の現場や、農業をはじめとする様々な産業での人手不足、急増する高齢者の生活支援、医療・介護の負担増など、様々な課題を抱えています。 こうした課題を解決するため、私は、平成21年に自立支援型ロボットスーツ、HALを例に挙げ、介護分野へのロボットの活用を提案したことを皮切りに、当時はマルチコプターとも呼ばれたドローンの点検、メンテナンスへの活用や、ロボットと暮らす、ロボットに支えられる新たなライフスタイルの実現など、ロボットが活躍する社会の実現、ロボット共生社会の実現を継続して訴え続けてきました。 これを受け、県当局も、平成25年度に、県央・湘南地域の10市2町による、さがみロボット産業特区を立ち上げ、介護施設や災害現場などでの実証実験等を通じ、リハビリ支援のロボットや、介護施設での体操やコミュニケーションを促すロボット、災害現場の情報を収集するドローンなどを実用化し、また、ロボット体験キャラバンや、藤沢市のロボテラスにあるロボット体験施設の運営など、ロボットの普及に向けた取組も進めてきたことについては、一定の評価をしています。 しかしながら、私たちが暮らすまちや、日常生活を見回したときに、こうした生活支援ロボットが活躍している姿をあまり見ることはありません。 神奈川だけでなく、東京のお台場や高輪ゲートウェイ駅など、様々な場所でスポット的にロボットの実証実験がなされているという報道はありますが、実際に、身近なところで実装されたという話は聞いたことがありません。 このように、確かにロボットの商品化は行われていますが、社会における実装は進んでいないのが実情です。 10年以上前から、ロボットの普及を訴え続けてきた私からすれば、この進捗の遅さは誠に残念でなりません。 産業労働局で事業を推進する以上、単なる商品化で満足するのではなく、それが実装され、ロボットの開発、製造に携わる県内企業が潤い、県民生活も便利になるというのが目指す姿であったはずです。 その意味で、今まさに、単にロボットの商品化に取り組む第1フェーズから、社会に実装し、それによって企業も潤う第2フェーズに向かうべきではないでしょうか。 〔資料提示〕 神戸市では、
新型コロナウイルス感染症の再拡大に備え、遠隔操作による検体採取ロボットシステムや、入院患者の病室サポートを行うロボットの実証実験を行っています。
新型コロナウイルスの感染者が急増し、第3波が到来したと言われる今こそ、医療や介護の現場はもちろん、私たちの日常生活においても、非接触、遠隔操作、自動化を進めることが必須となっています。 今まさに、必要とするところに、必要なロボットを実装する、そうした取組を強化していくことが求められていると痛感しています。 そこで、知事に伺います。 ロボットの実証実験などにとどまることなく、今こそ、ロボットの実装に向けた取組を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第8は、県立学校の管理職の育成についてです。 社会が多様化する中、県立学校は、子供たちを育む場としてだけではなく、地域の皆様ともお互いにパートナーとして連携、協働していく、地域の拠点としての役割も求められています。 そのため、校長には、地域や学校の状況、課題を的確に把握し、学校の教育ビジョンの下で、強いリーダーシップと高いマネジメント能力を発揮し、組織的、機動的に学校運営を行うことが強く求められています。 こうした、校長に必要な能力は、一朝一夕に身につくものではありません。総括教諭や教頭、副校長の段階から、一貫した人材育成の考え方に基づき、各種研修や日頃の職場訓練を通じて培われるものであると、かねてから指摘してきたところです。 〔資料提示〕 私は、本年、第1回定例会の一般質問において、県立学校における管理職の人材育成の考え方や、副校長から校長に登用する際に、校長として必要な能力を見極める客観的な評価手法の導入についてお尋ねしました。 教育長からは、マネジメント能力を持った校長を計画的に育成していくために、新たに管理職の育成に関する指針を、今年度中に策定したいと考えていること、また、校長昇任の選考を行う際には、マネジメント能力の有無を客観的に判定するための手法を活用することを検討していくと御答弁を頂いたところです。
新型コロナウイルスの感染拡大により、いじめや不登校、子供の貧困問題など、学校を取り巻く課題の拡大、深刻化が懸念されている中、児童・生徒の安全・安心な学校生活を確保しながら、学習の保障に万全を期すためには、強いリーダーシップと高いマネジメント能力を持つ管理職の人材育成の重要性が、従来にも増して高まっていると考えます。 そこで、教育長に伺います。 県立学校管理職の育成について、具体的にいつまでに、どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺います。 〔資料提示〕 質問の第9は、今後の三ツ池公園の整備についてです。
新型コロナウイルス感染症の流行により、我々の生活が一変しました。本県では、5月末の緊急事態宣言解除後も、県外観光地への移動や、大規模イベントの自粛など、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた対策が続けられました。現在も第3波が到来したと言われるなど、収束には程遠い状況です。 県立都市公園は、県民の憩いの場所です。屋外での散歩などは、生活の維持に必要なため、コロナ禍にあっても閉鎖されることもなく、多くの人に利用されています。 私の地元の三ツ池公園も地域の方に親しまれています。 日本のさくら名所100選に選定されているため、毎年開催されるさくら祭りには、県内外から多くの人が訪れます。しかしながら、今年は、コロナにより、花見における宴会自粛が呼びかけられました。 また、緊急事態宣言が発令された際には、屋内施設はもとより、野球場やテニスコートなど、屋外にある運動施設の利用が休止されるなど、様々な感染拡大防止の対策が講じられました。 〔資料提示〕 このように、コロナ禍にあっても、利用者の安全を確保した上で、公園の運営を続けたこともあり、三ツ池公園には、散策や運動、遊びを楽しむ方が多く訪れました。 また、
テレワークが推奨されていることもあってか、平日でも、子供を遊ばせながら仕事をしている方を見かけるようになりました。身近なオープンスペースとして、その重要性が改めて認識されるようになったと思います。
新型コロナウイルスの流行が長期化する中、県民一人一人の心と体の健康を保つ上で、また、都市の中の密が生じにくい空間として、広大なオープンスペースを持つ三ツ池公園の果たす役割は大きいと考えます。 そこで、
県土整備局長に伺います。 コロナ禍にあっても、安心して三ツ池公園を利用してもらうために、今後、三ツ池公園の整備にどのように取り組んでいくのか、
県土整備局長の所見を伺います。 これで、私の第1回目の質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。 〔拍 手〕 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 鈴木議員の御質問に順次お答えしてまいります。 初めに、県民本位のホームページへの改善についてお尋ねがありました。 まず、掲載する情報を厳選することについてです。 本県のホームページは5万8,000以上のページから構成されており、大変大きなサイトになっています。 そこで、平成28年に、キーワードによる検索窓をページの中心に設けたり、よく見られているページを一覧で表示する機能を導入するなど、利用者が必要な情報を探しやすくなるよう見直しをしました。 しかし、中には、県の内規に定める公開期間を超えて掲載されているページや、項目、記載方法が検索に適したものになっていないページがあり、必要な情報が見つけにくいことがあります。 そこで、まず、公開期間を超えているページは、国立国会図書館ウェブアーカイブでの保存に切り替えるなど、掲載情報を整理します。 また、必要な情報を見つけやすくするため、定型のフォームに入力すると、誰が作っても統一的な構成、デザインとなり、検索にも適したページが作成できるようなツールを導入していきたいと考えています。 さらには、ホームページの閲覧履歴等の傾向から、個々人に適した情報を推測し、表示する新たな仕組みの導入を検討していきます。 次に、緊急時の情報提供についてです。 災害発生時等の緊急時には、通信状況の悪化や停電が想定されます。 そこで、画像等、サイズが大きなファイルの掲載を一旦停止し、テキスト情報のみのページを直ちに立ち上げ、ホームページの閲覧をスムーズにします。 さらに、その情報をプッシュ型を含めた最適な方策で、個々の県民の皆様に届ける仕組みを検討していきたいと考えています。 ホームページは、県民の皆様と県をつなぐ、また、県が県民の皆様に直接訴えかけることができる大切なコミュニケーション窓口です。最新技術を取り入れながら、県のホームページを、今後も、ますます分かりやすく、使いやすいものに進化させてまいります。 次に、すべての申請届出手続きへのキャッシュレス決済の導入についてお尋ねがありました。 県では、平成17年度から、県民や事業者がパソコンやスマートフォンから申請・届出が行える電子申請システムを運用しており、行政手続や講座、イベントの申込みなど、年間約14万件の利用があります。 このシステムにおける申請・届出に伴う手数料や使用料の納付は、インターネットバンキングにより可能となっています。 現在、県では、
新型コロナウイルス感染症の影響により、人との接触や移動が制限される中、対面での業務を前提としない働き方を実現するため、県への申請・届出等の手続について、全てオンラインで完結できるよう取り組んでいます。 そこで、手数料や使用料の納付についても、こうした行政手続の全面オンライン化に合わせて、インターネットバンキングだけでなく、クレジットカードやスマートフォンアプリによるキャッシュレス決済を導入していきたいと考えています。 その一環として、まずは、クレジットカードで手数料や使用料が納付できるよう、今年度中の稼働を目指します。 さらに、スマートフォンアプリによるキャッシュレス決済についても、順次拡大していきます。 こうした取組を早急に推し進めて、手数料や使用料の納付を伴う全ての申請・届出手続にキャッシュレス決済を導入し、県民の利便性の向上を図ってまいります。 次に、職員の国際機関等への派遣に係る新たな仕組みの構築についてお尋ねがありました。 社会・経済のグローバル化が加速する中で、県では、神奈川の魅力を世界に発信し、海外企業の誘致や県内企業の海外展開支援を進めるとともに、国際機関等との連携により、県の施策の充実を図るため、戦略的に職員の海外派遣を進めてきました。 海外に職員を派遣することは、現地のスタッフと共に事業を企画立案し、実施するなど、即戦力として現地で活躍することに加えて、海外ならではの貴重な経験を積むことができ、職員の育成にも大きな効果があります。 国際機関等へは、業務として派遣しており、学費を支給する海外の大学への修学と異なり、費用の償還を求めることは困難ですが、職員が海外で培ったコミュニケーション能力や、先進的な知見、人的ネットワークを確実に県政に生かしていく仕組みを整えることは、重要であると考えています。 そこで、今後、派遣される職員に、派遣の目的や派遣後に期待される役割をしっかりと認識させた上で、派遣の成果を、県の政策形成に生かせるような仕組みを検討していきます。 具体的には、派遣に関する要領を新たに策定し、派遣する前に、海外派遣のミッションを職員に明示すること、派遣職員が帰国後の県政への貢献に関する計画書を作成、提出し、帰国後の担当業務イメージまで、しっかり共有することなどを明確に定めます。 さらに、派遣中においても、成果の把握や派遣後のキャリア希望の確認等について、要領に規定し、来年度からルール化することで、派遣職員の知見やネットワークを確実に県政に生かせるよう取り組みます。 こうした取組により、海外派遣を経験した職員が、他の職員たちを巻き込んで、アグレッシブに働き、よりよい県民サービスを還元することで、新しい神奈川の時代を切り開いてまいります。 次に、新しい生活様式における「観る」「支える」スポーツの推進についてお尋ねがありました。 コロナ禍において、スポーツを直接、観ることに制限がかかる中、インターネット配信などによるリモート観戦が一気に拡大しつつあります。 こうした観戦スタイルは、場所や時間を選ぶことなく、安心してスポーツに親しむことができ、ウェブを通じ、ひいきのチームに寄附をする、いわゆる投げ銭機能も付加できるなど、スポーツを観る、支える楽しみ方を大きく広げる可能性を持っています。 もちろん、会場でプレーの迫力にじかに触れる魅力もスポーツの醍醐味です。そのため、Withコロナ時代における新たな生活様式においては、会場での観戦と、ネット配信を通じたリモート観戦を、柔軟に使い分ける観戦スタイルを定着させていくことが重要です。 まず、会場での観戦ですが、先般、県を含む共同提案により、横浜スタジアムでイベントの人数制限緩和に向けた技術実証を行いました。 今後、結果を政府の分科会に報告し、安心してスポーツ観戦を楽しめる開催ガイドラインの策定につなげていきます。 一方、リモート観戦では、取り上げられることが少ないアマチュアやパラスポーツ等での活用も、県で後押しする必要があると考えています。 そこで、今後、県立スポーツセンターにおいて、スポーツ団体やイベント主催者、IT企業等と連携し、魅力的なコンテンツや投げ銭機能を持つ配信方法などのノウハウを共有することで、その活用を促していきます。 あわせて、各団体が配信する競技中継をスポーツセンターのサイトに集約し、気軽に様々なスポーツを楽しむことができるプラットフォームの構築や、スポーツセンターで開催する試合を簡単に配信できる環境整備の可能性についても研究していきます。 県では、こうした様々な取組を進め、新しい生活様式の中において、安心してスポーツを観る、支えることができる環境づくりに努めてまいります。 次に、認知症の方本人による発信の支援についてお尋ねがありました。 認知症の当事者本人が、自分らしく暮らす姿を自らの言葉で積極的に発信していくことは、認知症や認知症の方に対する理解を深めるために、大変重要です。 これまで県では、県民向けのシンポジウムを開催して、認知症の方本人に、自らの体験を話していただくなど、認知症に対する理解の促進に取り組んできました。 また、認知症の方同士が困っていることや、必要な支援について話し合う、本人ミーティングを実施してきました。 しかし、発信の場はまだ十分とは言えず、より多くの県民の皆様に認知症について理解していただくため、さらなる取組が必要です。 そこで、県では、認知症の方本人が思いを直接伝え、認知症に関する普及啓発を行う希望大使を、今年度中に創設します。 本県のこれまでの取組も生かした神奈川らしい大使とするため、大使の役割や具体的な活動内容について、現在、本人や家族、支援者等から御意見を伺っています。 その中で、認知症の本人一人一人に合った、その人らしい活動を発信できるようにしてほしいといった御意見を頂きました。 そこで、本県の大使は、講演等での普及啓発に限らず、介護現場で働いたり、趣味を楽しむなど、認知症の方が生き生きと輝いている姿を、動画などで発信していきたいと考えています。 また、大使の名称は、これまで県が独自に取り組んできたオレンジパートナーや、オレンジパートナーネットワークなどにちなみ、(仮称)かながわオレンジ大使といった親しみやすいものにしたいと考えています。 認知症の方御本人の協力を頂きながら、認知症に対する県民の理解を深め、認知症と共に生きる神奈川を目指して取り組んでまいります。 次に、被害予測に基づく避難対策についてお尋ねがありました。 県内には、風水害が備えて、学校や公民館などの公共施設を中心に、現在、約1,300か所の指定避難所と、約2,600か所の指定緊急避難場所があります。 しかし、都市化が進み、人口密度が高い地域などでは、被災の状況によって、既存の避難所だけでは、避難者を十分に受け入れられない可能性があります。 また、
新型コロナウイルスの感染防止のため、避難所が密にならないよう、収容人数を縮小しなければならない必要も生じています。 こうした状況を踏まえ、市町村が、今後、さらに避難所確保に取り組むに当たって、ハザードマップなどを参考に、風水害が発生したときに見込まれる避難者の数を推計し、確保すべき避難所の目標を設定することは、大変有効と考えています。 県では、市町村の避難所確保の取組を支援するため、災害発生時に市町村の求めに応じて、避難所指定の有無にかかわらず、県立施設をできる限り提供することにしています。 また、本年7月には、神奈川県旅館ホテル生活衛生同業組合と協定を締結し、市町村が旅館やホテルを避難所として確保できる仕組みをつくりました。 こうした県の支援を活用しても、なお地域の避難所に入れない人数を市町村が把握できれば、近隣市町村等への広域避難や車中避難など、他の手段による避難対策の検討が、より具体的に進むと考えています。 そこで、県は、今後、被害予測に基づいた計画的な避難所の確保に向けて、ハザードマップを活用した避難者数の推計方法などを、市町村と国、県で構成する広域避難研究会で検討してまいります。 最後に、ロボットの実装に向けた取組についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、非接触、自動化を実現するロボットへの注目が高まり、特に、医療機関などでは、その積極的な実装が期待されています。 これまで県は、さがみロボット産業特区において、実証実験や体験機会の提供に取り組んできました。 しかし、実証実験は、ユーザーから御意見を頂き、改良を重ねて商品化することが目的であり、そのまま実装につなげるという発想がありませんでした。 また、体験機会の提供は、多くの方にロボットを体験していただくことが主な目的ですが、実際に利用してみると、無線環境が十分に整っていない、段差があるなどの問題があり、実装には至りませんでした。 そこで、今後、ロボットの実装に意欲的な施設を公募、選定し、実用段階のロボットをマッチングするとともに、職員に対する研修や実装のための環境整備を支援したいと考えています。 具体的には、ロボットの選定から、導入に必要となる施設整備や業務プロセスの見直し、使用方法の習得まで、一貫して施設に寄り添い、支援することを検討いたします。 そして、施設の種類に応じた最適な機種や実装のためのノウハウをモデル化し、類似施設への横展開を図ることにより、単なるロボットの商品化にとどまらず、企業に利益をもたらすロボットの産業化を後押ししていきたいと考えています。 こうした取組により、ロボットの社会実装を進め、県内ロボット関連産業の活性化を図ってまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 上前
県土整備局長。
◎
県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。 今後の三ツ池公園の整備についてお尋ねがありました。 県立都市公園は、身近なオープンスペースとして、運動不足やストレスの解消のために、多くの方に利用されており、コロナ禍にあっても、安心して利用できることが必要です。 横浜の市街地にある三ツ池公園では、ソーシャルディスタンスの確保や、遊具に触れる際の手洗いや消毒などを促す看板を、園内各地の見やすい場所に設置しました。また、運動施設の利用者に、係員が体調の確認を行うなどの取組も行っています。 こうした中、コロナ禍において、子供を遊ばせながら、公園のベンチで仕事をしたり、緑豊かな場所で持参した椅子に座って、ゆったりとした時間を過ごすチェアリングなど、公園での新しい過ごし方を楽しむ方も見られるようになりました。 そこで、県は、こうした新たなニーズに応えるため、広い空間で、気軽にパソコンなどを開くことができるように、テーブルを増やしたり、気分転換にストレッチができるベンチの配置などを進めていきます。 また、公園がすいている時間や、利用者が少ない場所を選んで過ごせるよう、混雑する時間帯や場所などの情報をホームページなどで発信できないか、
指定管理者と検討しています。 県は、コロナ禍にあっても、三ツ池公園を、より安心して利用していただけるよう、
指定管理者などと連携し、感染防止対策を図りながら、多様化する利用者のニーズに丁寧に対応してまいります。 私からの答弁は以上です。 〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 桐谷教育長。
◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。 県立学校の管理職の育成についてです。 急速な情報化の進展など、社会が激しく変化する中、県立学校の運営を担う管理職には、学校が直面する様々な課題に的確かつ迅速に対応することが、より一層求められています。 一方で、管理職候補となる40代から50代前半までの教員が少ない状況から、これまで以上に、管理職の人材育成を計画的に行っていく必要があります。 そのため、現在、これまでの取組を踏まえ、仮称ですが、かながわ学校管理職育成指針の策定を進めており、今定例会中に、その素案をお示しした上で、今年度中に取りまとめる予定です。 この指針には、学校の管理職に求められる、目指すべき管理職像を示すとともに、校長や副校長などの職位に応じて、求められるレベルを指標化すること、また、管理職になる前の段階から、育成のための研修や職場訓練などを体系的に実施することなどを盛り込んでいきます。 さらに、県立学校における校長昇任に際しては、学校現場で起こる様々な課題について、トップリーダーとして、組織を動かし、事案に適切に対処できる人材かどうかを見極めることが大切です。 そのため、民間企業で活用されている、具体的な場面を想定した演習により、マネジメント能力を客観的に判定する手法を取り入れた、県立学校校長選考アセスメントを令和3年度から導入したいと考えています。 こうした取組により、県立学校の校長をはじめとした管理職の計画的かつ一貫した育成を行い、将来にわたり、県民の皆様から信頼される学校づくりを進めてまいります。 答弁は以上でございます。 〔鈴木ひでし議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 鈴木ひでし君。 〔鈴木ひでし議員登壇〕
◆鈴木ひでし議員 知事、教育長、
県土整備局長、御答弁ありがとうございました。 私は、今回、現場を半年間ぐらい、コロナ禍を歩かせていただいたことを、率直に県のほうにぶつけたつもりです。 その中で、1点、再質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、知事からのロボットの実装化について、産業化に向けて、私が聞きたい言葉だったので、私もうれしく思います。 私もロボットを提唱してきた一人として、先ほど、実装の先となるところを公募されるというような御答弁だったかと思いますが、実際に
新型コロナウイルスの感染症が拡大している中では、抗ウイルス対策が大事だと思います。 そういう意味で、ロボットの実装に当たって、抗ウイルス対策をどう支援していくのか、これについて、御答弁を頂きたいと思います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 県では、企業が開発した抗ウイルス製品の性能評価へのニーズ、これに応えるため、県立産業技術総合研究所殿町支所で、
新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性能の評価を行えるよう、この9月から施設整備に着手し、今月中に完成する予定であります。
新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性能を評価するサービス、これは本物の
新型コロナウイルスを使ってやるわけでありますけれども、これは工業系の公設試験研究機関としては、全国初の取組になります。 ロボットの実装に当たっては、こうした新たなサービスとも連携して、ロボットの素材の評価など、抗ウイルス対策、これもしっかりと支援してまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 〔鈴木ひでし議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 鈴木ひでし君。 〔鈴木ひでし議員登壇〕
◆鈴木ひでし議員 知事、御答弁ありがとうございました。 私は、ロボット大県と言われた神奈川として、一歩も二歩も進むよう祈念申し上げるところでございます。 まだ、時間が少しありますので、要望をさせていただければと存じます。 第1点は、知事より、ホームページについて、種々、細かく御答弁を頂きました。 私が期待したいことは、特に災害時においてプッシュ型、自分が望んでいなくても、ちゃんと情報が届いてきますというプッシュ型、また、私がお願い申し上げました、整理させていただいたときには、傾向性に基づいて、それなりの検索ができるリコメンド型という、Amazonなどが使っているものだと思いますが、これに取り組んでくださるということなので、私自身も大変に期待したいと思います。 ただ、知事、私が何でこの質問にこだわったのかと言いますと、さきに県が出していただきました休業の協力金、これについて、現場に行って、私も何人もパソコンで入力させていただいたのです。最初どこにあるのか、分からない。あったとしても、フォームとか、いろいろなことが、どのようにしたらいいのか分からない。私は、よく今回の協力金についても、支給が遅れたというお話もあって、産業労働局がすごく言われていましたけれども、私はもう一つの大きな理由は、産業労働局だけではないと思います。こういうホームページにアクセスしても、アクセスが何層にもなって、やっているうちに、やっていられないという思いが、現実に、私もパソコンでやってみて思ったので、これをお願いいたしました。 ただ、大変に高度なプッシュ型、またリコメンド型はお金もかかると思いますし、期間もかかると思うので、どうぞ知事、予算については、前向きにひとつ取り組んでいただくことをよろしくお願い申し上げたいと思います。 二つ目には、職員の国際機関等への派遣について、しっかり要領を作ってくださるということで、私は期待したいと思います。 これからますます、知事の言われるとおり、全世界に行って、こういう狭い日本よりも、いろいろな知識を世界から学ぶということが大変大事なことだと私は思いますので、その点におきましても、しっかりとした要領で、またこのようなことがないように、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 また、私自身がすごくこだわったことに、教育長、本当にありがとうございました。前向きにアセスメントと、また管理職に向けての指針をしっかり作ってくださる。 私は常任委員会でも申し上げましたけれども、いろいろないじめや、この前も、ある管理職が言葉にしたくないぐらいの恥ずかしい行為があった。その都度、教育委員会が謝罪をする。 しかし、現場というのは、本当のすばらしい、また人事から、また学校内の管理を全権を担っているのは校長先生なんですよ。校長先生が、問題ある発言かもしれませんけれども、どうしてそういうことが起こったのかというようなことを、メディア等々で、きちっと語らない限り、私はこういう問題は解決しないのかなと思ったりしたりもするのです。 そういう中で、より管理職の方々が、本当にこれを目指していくのだという指針を、私は、多分全国で初になるのではないかと思うのですけれども、作ってくださるということで、私は期待をしておきます。 先生という、物すごく社会の中でも地位が高い方々に対するマネジメントですから、校長先生の実力、また御苦労はいかほどかと思うわけです。ゆえに、逆に教育委員会のほうから、そういうきちっとした指針というようなものを出しておく、また、民間が使っているようなアセスメントを使っていただく、これによって、大きく流れは変わるのではないかと思った次第でございます。 どうぞまた、教育長におかれましては、完成を心待ちにしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 いずれにしましても、また関係の当局の局長、本当にありがとうございました。いろいろと御協力を頂きまして、何とか前向きな答弁を頂戴することができました。最後に、御礼を申し上げまして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○議長(
嶋村ただし) お諮りいたします。 休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
嶋村ただし) 御異議がないと認めます。 よって、休憩いたします。 なお、再開は20分後といたします。 午後2時55分 休憩 ───────────── ◇ ─────────────
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028781-質問・答弁-佐藤圭介議員-一般質問①県民の安全・安心を守る取組について②地域資源を活かす取組について》 午後3時16分 再開 〔
議会局長報告〕 出席議員 副議長共92名
○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○副議長(いそもと桂太郎) あらかじめ時間の延長をいたします。 ───────────────────────────────────────
○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。 佐藤圭介君。 〔佐藤圭介議員登壇〕(拍手)
◆佐藤圭介議員 かながわ県民・民主フォーラムの佐藤圭介です。 私は、昨年9月に一般質問をさせていただきました。その後、台風15号、19号をはじめ、年明けからの
新型コロナウイルス感染症による社会・経済の混乱があり、社会の大きな変容がありました。 地元でも、昨年の被災復旧がいまだ続くとともに、コロナ禍に戸惑い、多くの問題を抱えながら、その中で、コロナに対応する新しい動きに、住民、行政、中小企業者、そして、医療・福祉の従事者、様々な方が地域を守る取組を行っています。 その中で、足を運び、伺った声を基に、未来へつながる提言を交え、質問をしていきます。 知事、
スポーツ局長、
環境農政局長、
県土整備局長、並びに教育局長におかれましては、明解な御答弁をよろしくお願いいたします。また、しばらくの間、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、御清聴をお願いいたします。 〔資料提示〕 質問の第1は、県民の安全・安心を守る取組について、3点伺います。 初めに、かながわ
水源環境保全・再生施策の取組について伺います。 平成19年度から、
水源環境保全税を活用し、取り組んできた、かながわ
水源環境保全・再生施策は、現在、第3期実行5か年計画の4年目となり、現行の計画が満了すると、かながわ
水源環境保全・再生施策大綱で定められた期間も、残すところ、あと5年となります。 そうした中、本年6月には、施策の点検・評価の役割を担う
水源環境保全・再生かながわ県民会議から、これまでの13年間の取組の成果と課題を検証し、最後の5年間の取組につなげるための施策の総合的な評価(中間評価)報告書が県に提出されました。 〔資料提示〕 その報告書によれば、全体として、おおむね順調に進められているとのことであり、私の地元でも、施策を評価する声や施策の継続についての要望も頂いております。 私自身も、山に入った際、水源林の手入れの様子などを見るにつけ、これまで取り組んできた森林整備や鹿対策は水源環境の再生にとって、途切れなく欠かすことができない施策であると実感しているところです。 一方、懸念される点として、昨年は台風15号と19号が立て続けに発生し、神奈川県内に、ここ数十年経験したことのない大規模な被害をもたらしました。 特に台風19号は、水源地域内の森林に猛威を振るい、倒木や土壌流出など、多数の被害が発生したことから、県民会議からの意見書においても、今後、想定される自然災害を踏まえ、林地保全対策を強化する必要があるとの御意見があったと承知しています。 現在、県では、令和4年度からの第4期実行5か年計画の策定準備が進められているとのことですが、県民の皆様に特別な税を御負担いただいて進めている
水源環境保全・再生施策の最後の5か年計画になることから、これまでの第1期から第3期までの進捗状況を踏まえ、取組の成果と課題を検証した上で、県民会議からの意見も受け止めて、残り5年間の計画を練り上げていくべきと考えます。 そこで、知事に伺います。
水源環境保全・再生施策のこれまでの取組により、どのような成果や課題があったのか、また、それを踏まえ、最後の5か年計画となる第4期計画では、どのように取り組もうと考えているのか、所見を伺います。 〔資料提示〕 次に、県が管理する登山道の復旧と今後の整備について伺います。 昨年の台風19号の影響により、丹沢山地も多くの被害を受け、登山道の崩落等により、現時点でも多くの封鎖箇所があります。 県としては、自然環境保全センターが中心になり、自然公園指導員や山岳団体、山小屋と連携し、登山道の状況把握に努め、復旧に当たろうとしていることは承知しています。 長期にわたって登山道の通行止めが複数あることは、ある山域から一方向で抜けてくるときに、登山道の封鎖を知らずに引き返したり、方向転換を迫られたり、山岳遭難につながるケースもあり、安全の管理上からも望ましくなく、また、山小屋の荷揚げ活動に影響が出たりしているとも聞いており、早期の復旧が望まれるところです。 〔資料提示〕 こうした早期の復旧が求められる中で、山小屋の関係者や登山者から、木道の設置が多過ぎるという意見も頂いています。 木道はステップが短く、足を置きにくいといったものや、滑るため木道を避けて歩くといったこともあります。 登山道のオーバーユースを防ぐため、木道の増加は、踏圧による植生の衰退、土壌流出を防ぐために一定の理解はいたしますが、木道といっても、人工物であり、劣化による撤去負担が生じたり、将来の財政負担等を考慮して、一律、木の階段にするのではなく、一定の基準を設けて設置することが望まれます。 丹沢では、三ノ塔などで、石の荷揚げを登山者に手伝ってもらうなどの歩荷と呼ばれる文化があり、例えば、この石を適切に使用した自然工法をもっと多く用いるなど、撤去負担が生じない工夫や、できるだけ人工物を用いずに、関係者が少しずつ補修できるような仕組みをつくっていくことも考えられると思います。 そこで、
環境農政局長に伺います。 県が管理する登山道について、登山者からの要望もある中、損壊箇所の復旧にどのように取り組んでいくのか、また、今後、登山道全体の整備にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、清川村と秦野市を結ぶ県道70号の災害復旧について伺います。 昨年10月に本県に甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風、いわゆる台風19号から1年余りが経過しました。 台風襲来直後から、建設業界の皆様や市町村、国、県の方々の迅速な対応により、県内各地の被災箇所では、復旧作業が着々と進んでいます。御尽力いただいている関係者の皆様に対し、改めて御礼を申し上げます。 〔資料提示〕 私の地元でも、清川村札掛地区で総雨量800ミリを超える記録的な大雨に見舞われるなど、河川や道路など多くの施設が被害を受けました。復旧作業が鋭意行われていることは承知していますが、県道70号の一部区間では、いまだ通行止めが続いています。 この県道70号では、被災直後には、道路に埋設されている清川村の導水管が破損し、数日の間、村内の多くの世帯で断水が生じました。また、道路沿いに建てられている電柱が倒れ、電線が寸断し、札掛地区の宿泊施設では長期間の停電が続くなど、地域の生活に大きな影響を与えることとなりました。 この道路は、地域の生活を支えるだけでなく、丹沢山系の登山のアクセスルートにもなり、また、観光資源となる宮ケ瀬ダムへのサイクリングルートや、シーズン中ににぎわうキャンプ場が沿道に位置するなど、重要な道路です。 私も数度現地を訪れ、災害発生直後から、復旧工事に日夜懸命に取り組んでいただいていることは承知しておりますが、いまだに開通しておらず、地域経済や防災にも大きな影響を与えており、地元から、早期の復旧を望む声があるのも事実です。 そこで、
県土整備局長に伺います。 清川村内の県道70号の災害復旧について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 質問の第2は、地域資源を活かす取組について、4点伺います。 初めに、宮ヶ瀬湖周辺地域の振興について伺います。 10月の本会議で、宮ケ瀬湖周辺施設の指定議案が議決され、宮ヶ瀬ダム周辺振興財団が令和3年度からの
指定管理者として、指定されたところです。 今回の
指定管理者の指定に当たり、所管常任委員会において、我が会派としても、外部評価委員会での選定過程や評価点などに関して、様々な点を確認させていただきました。 その議論の中で、宮ケ瀬湖周辺施設の来訪者の目標設定が低いことや、状況を変えていくための抜本的な取組が必要であることを指摘したところです。 〔資料提示〕 また、地元からは、湖面の利用を柔軟にしてほしい、自転車を使って、湖畔園地、鳥居原園地、ダムサイト・あいかわ公園という3拠点の周遊性を高めてほしいなど、具体的な要望も頂いています。 宮ケ瀬湖周辺地域において、
指定管理者である宮ヶ瀬ダム周辺振興財団は、大小合わせて年間で500から600のイベントが開催されていることは承知しています。様々なイベントで地域を盛り上げていただいていることと思います。 しかし、資金面や限られたスタッフのマンパワーといった面から、財団が独自で企画を行う取組には限界があります。目標の設定と実際の御努力がうまく結びついていないと感じています。次を見据えた取組が必要です。 そこで、宮ケ瀬湖周辺地域を活性化するために、民間団体主催のイベントをもっと誘致していくことも有効な手段と考えます。現在は、コロナ禍で
イベント等を積極的に誘致できない状況ではありますが、コロナの収束後を見据え、今はその準備期間と捉えることもできます。 民間の活力を利用し、もっと積極的に民間団体主催のイベントを誘致することで、
指定管理者である宮ヶ瀬ダム周辺振興財団の事業に加え、集客の実績を上げていくことが可能であると考えます。 そこで、知事に伺います。 宮ケ瀬湖周辺地域の集客を回復するためには、民間団体主催のイベントなど、民間と連携した取組が地域振興に有効と考えますが、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、社会教育施設等を活用した感染症の歴史等の周知について伺います。 本年は、世界的に流行している
新型コロナウイルスが、経済、生活など、あらゆる分野に大きな影響を与えています。
新型コロナウイルスの実態は、現在のところ、まだ不明なことも多く、社会に感染防止策が浸透することに時間がかかるものであり、感染症の恐怖に対しては、新聞をはじめとするメディア、保健所や病院、国・自治体からの情報が頼りで、今まで誰もが経験したことのない事態に混乱してしまうこともあると実感させられました。 100年前のスペイン風邪の流行時も、その混乱ぶりは今の状況を思わせるものであったようです。例えば、マスクの着用習慣はこのときから定着したとも言われております。 そのような中、多くの図書館、博物館などの社会教育施設などが果たす役割もあると考えられます。 県内を含め、コロナ禍で多くの社会教育施設などは、感染症対策による臨時閉館を余儀なくされましたが、数か月がたち、各地の社会教育施設等では、過去の感染症をひもとき、歴史を教訓として伝える試みもなされています。 例えば、秋田県立図書館や香川県立図書館では、
新型コロナウイルスなどの感染症に関する本を展示し、県民に対し情報提供を行っており、岩手県立博物館では、このコロナ禍において、歴史の中の今の情報・資料を提供してほしいと県民に呼びかけるなど、積極的に記録や資料収集を図っています。 また、千葉県文書館では、残された古文書、公文書等から、江戸時代以降の疫病と向き合った人々の足跡の一端をたどっており、滋賀県立公文書館でも、感染症との闘いの歴史を、公文書等から紹介しています。 さらに、県内では、寒川文書館では、「記録にみる流行病」と題した特別展を感染症拡大防止のため、ホームページのウェブ上で展示しており、来館することなく、感染症に関する情報を提供する取組を行っています。 このように、社会教育施設等でのこれまでの感染症に関する資料の収集と公開は、将来にまた起き得る感染症への対策の一助になると考えられます。 また、企画展などのタイムリーな情報の発信は、感染症や今後のコロナ対策の教訓も含め、社会行動や個人の感染防止策に有効であると考えられ、また、そのときの感染状況により、もし開館しての展示ができないような場合には、資料をデジタル化した上で、ウェブ上で公開することで、県民に対する周知につながるのではないでしょうか。 そこで、教育局長に伺います。 社会教育施設等を活用して、これまでの感染症の歴史等を県民に知ってもらう機会を設けるべきと考えますが、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、空き家の利活用について伺います。 コロナ禍において、住まい方や働き方にも変化が出てきていることを実感しています。 その中で、私の元にも、地元の外から多くの空き家の問合せを頂くなど、空き家の利活用のニーズが日々高まっていることを感じています。 〔資料提示〕 平成30年の住宅土地統計調査によると、神奈川県には、空き家が約48万戸あり、空き家率は10.8%、実に、約10軒に1軒が空き家となっており、人口が減少に転じつつある中で、今後も増加していくことが懸念されています。 こうした中、県内市町村では、平成27年度に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家対策法に基づき、空き家の適正管理に向けた取組が進められており、具体には、長期にわたって利用されていない空き家の調査や、空き家所有者の特定、所有者に対する助言・指導などが行われていると承知しています。 また、民間のまちづくり団体などにより、空き家を利活用する様々な取組が行われており、例えば、逗子市や葉山町では、空き家となった古民家をリノベーションして、地域のコミュニティスペースとして、また、リモートオフィスや宿泊施設、ギャラリーとして利活用している事例などが見受けられます。 空き家を地域の資源として積極的に活用していくことは、とても重要であると考えています。私の地元においても、古民家を利活用した取組が見られ、特に、活力が低下している地域では、地域コミュニティの拠点として、あるいは、地域ぐるみで、高齢者や子育て世帯を支える場として活用することも有効であると考えます。 しかし、県全体を見てみると、空き家の利活用が進んでいる地域がある一方で、取組が進んでいない地域もあり、かなりばらつきがあると感じています。 私の地元の愛川町でも、地域で空き家を活用したいという声は寄せられますが、なかなか実現に至らない状況です。 空き家の利活用の取組は、市町村が中心となって、自治会や地域のまちづくり団体などと幅広く連携して進めるものとは承知していますが、その取組の推進には、県による支援が大切であると考えています。 そこで、
県土整備局長に伺います。 空き家の利活用が進むよう、今後、県は、空き家対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 最後に、スポーツ選手のセカンドキャリア形成について伺います。 アスリートが、最高のパフォーマンスを発揮して活躍する姿は、人々に興奮や感動を与えてくれるとともに、子供たちに夢や希望を与え、スポーツをやりたいと思う次世代のアスリート育成にも大きく関わってくるものと考えます。 そうしたアスリートの発掘・育成については、県でも、今後、スポーツセンターで実施していくものと認識していますが、こうしたアスリートが競技を継続しながらキャリア形成を図ったり、また、引退後のセカンドキャリアについても、発掘・育成に加えて考えていくことは重要な視点であると思います。 新聞等のメディアによれば、東京オリパラの後に、多くの競技選手が引退することが想定されていると聞きます。また、コロナ禍の影響により、オリパラの延期もあり、志半ばで引退していくアスリートの報道などもありました。 また、最近の傾向としては、引退後、キャリアを経て、競技に復帰しているアスリートも見受けられ、特に女性アスリートでは、結婚、出産を経て、すぐに競技復帰する例も見られるようになるなど、アスリートを取り巻く状況も大きく変わっています。 一方、地域スポーツの現場では、地域の少子化や指導者不足が叫ばれる中で、若い、運動技能が高く、専門知識を持った選手や指導者の力を求めている面も見られますが、関係者の話では、スポーツ指導者の中には、活動機会がなく、せっかく取得した指導者資格を放棄してしまうといった事例もあると聞きます。 ほかにも、スポーツを通じた地域との関わり方には、様々な形があります。 技術や人間教育を担うスポーツ指導者はもちろんですが、イベント企画や、近年はSNSなどの活用を通じた独自の集客や、スポーツツーリズムと合わせたガイド、解説者、講演活動、クラブ・ジム運営など、様々な形態で、仕事として、また、ボランティア活動として取り組む例も数多くあります。 県では、これまで、神奈川県スポーツ協会や各種目競技団体などを通じ、競技者への様々な支援を行っていることは承知しています。また、JOCなどと連携したアスナビなどの就業支援も行っていると聞きます。 スポーツ選手として活躍した経験を地域の中で生かしてもらうために、セカンドキャリアに対する視点はとても大切だと思います。 そこで、
スポーツ局長に伺います。 県では、スポーツ選手のセカンドキャリア形成について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。 〔拍 手〕 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 佐藤議員の御質問に順次お答えしてまいります。 初めに、県民の安全・安心を守る取組についてお尋ねがありました。 かながわ
水源環境保全・再生施策の取組についてです。 まず、これまでの取組の成果と課題についてです。 これまで県では、良質な水を将来にわたって安定的に確保していくため、森林をはじめ、河川や地下水等も含めた水源地域一帯の保全・再生の取組を、10年以上の長期にわたって進めてきました。 その結果、間伐と併せて、鹿の管理捕獲や食害を防ぐ植生保護柵の設置など、鹿対策を強化したことで、下草が回復し、土壌の流出が抑えられるなど、取組の成果が着実に現れてきています。 このことは、有識者や公募委員等で構成する
水源環境保全・再生かながわ県民会議からも評価を頂いています。 一方、将来にわたり、森林の水源涵養機能を発揮していくには、継続した整備が必要であること、また、昨年の台風被害を教訓として、頻発化、激甚化する自然災害への対策を強化する必要があるといった課題が明らかになりました。 次に、第4期計画の取組についてです。 第4期実行5か年計画は、平成19年度から開始した
水源環境保全・再生施策大綱の最後の計画であり、20年間の取組の集大成となります。 また、大綱終了後に水源地域をどのように保全するかを検証し、将来につなげていく役割もあります。 そこで、第4期計画では、これまでの取組の成果と課題を踏まえ、森林や河川など、水源地域一帯の保全・再生に引き続き取り組んでいきます。 また、自然災害への対応として、水源地域の土壌保全対策を強化するほか、台風等で間伐材が流木となって流出しないよう、対策を講じていきます。 さらに、大綱終了後を見据えた取組についても、県民会議からの御意見を踏まえて検討していきます。 県では、こうした考え方を第4期計画骨子案にまとめ、県民の皆様や県議会、市町村等にお示しして広く御意見を頂きながら、計画を策定し、神奈川の豊かな水源環境を次の世代に引き継いでいけるよう、取り組んでまいります。 次に、地域資源を活かす取組についてお尋ねがありました。 宮ヶ瀬湖周辺地域の振興についてです。 宮ケ瀬湖周辺地域では、
指定管理者である宮ヶ瀬ダム周辺振興財団が、数千人を集める「みやがせフェスタ」や、民間団体との共催による24時間リレーマラソンなどのイベントを開催し、地域振興に取り組んでいます。 また、民間企業等の主催では、アウトドアや自転車に関連するイベントなどが、年間で数十件開催され、企業が持つノウハウや特徴を生かした魅力的なコンテンツが、来訪者を楽しませています。 県は、こうした民間企業等との連携が宮ケ瀬のにぎわいの創出には不可欠であると認識しており、企業に宮ケ瀬への興味を持ってもらえるよう、動画による魅力の発信等に努めてきました。 今後も、より多くのイベントを宮ケ瀬に呼び込むため、企業が企画の際に必要とする来訪者の特徴・ニーズや宮ケ瀬におけるイベントの開催例等を取りまとめ、ホームページなどで紹介していきます。 また、宮ケ瀬でのイベントの開催に当たっては、水源地域として、特に水質など、自然環境に与える影響の軽減を図ることや、河川関連の許可等の手続、地元関係者との丁寧な調整などが求められます。 そこで、民間企業等がイベントを実施する際には、財団があらかじめ企画内容の相談を受け、各種手続や調整が円滑に進むようアドバイスを行うなど、民間イベントの開催をサポートしていきます。 加えて、令和3年度からの次期指定管理では、財団自らも民間企業等と連携した魅力的なイベントを実施するなど、より積極的に集客促進に取り組んでいきます。 このように、県と財団がしっかりと連携し、宮ケ瀬の魅力を最大限に引き出せるイベントを増やすことで、地域のさらなる振興につなげてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 石渡
環境農政局長。
◎
環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の御質問にお答えします。 県が管理する登山道の復旧と今後の整備についてお尋ねがありました。 まず、登山道の復旧についてです。 昨年の台風第19号の記録的な豪雨により、丹沢大山の自然公園の登山道では、46路線中6路線の11か所で損壊被害が発生しました。このうち、東丹沢にある二ノ塔・三ノ塔区間の登山道など、4か所については、既に復旧が完了し、現在、2か所の復旧工事を進めています。 一方、残りの丹沢山・本谷川区間の登山道など、5か所については、登山道に至るまでの林道などの復旧工事が完了していないため、遅いところでは、来年度末まで登山道の復旧に着手できない状況です。 そこで、今後は、林道工事中であっても、重機による作業で通行できない区間の工事が終了し、登山道まで通行可能になれば、直ちに登山道工事に着手できるよう、林道事業者と調整して、早期復旧に努めます。 次に、登山道全体の整備についてです。 県では、多くの登山者により、植物が踏み荒らされたり、土壌が侵食されたりするのを防ぐため、木の階段や木道を設置しています。 しかし、主要な登山道は、初心者から熟練者まで、様々な登山者が利用しており、一部の方からは、階段の歩幅が合わず、歩きにくい、木道が滑りやすいなどの声が寄せられています。 また、木材ではなく、山にある石を階段に使うなど、自然環境に配慮すべきといった意見も伺っています。 県では、木道などの設置は、自然環境保全のための必要最小限としていますが、今後の登山道の整備に当たっては、現地に詳しいボランティア等とも連携して、自然石の利用や、できるだけ人工物を使わない工法の導入など、工夫改善していきます。 今後も、登山者の声も受け止めながら、登山道の早期復旧を目指すとともに、自然環境の保全と、登山者が安全で快適に利用できる登山道の整備に取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 上前
県土整備局長。
◎
県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問についてお答えします。 県道70号の災害復旧についてお尋ねがありました。 県道70号・秦野清川は、県の中央部にある大山の西側の山岳地帯を南北に貫き、地域生活や観光を支える全長約30キロメートルの道路です。 本路線は、昨年の台風19号の豪雨により、清川村内の約12キロメートルの区間において、土砂崩落や道路陥没が17か所で発生するなど、甚大な被害を受けました。 こうした中、今年5月、宮ケ瀬側の約5キロメートルの区間において、応急的な復旧工事が完了し、沿線にあるキャンプ場などへの通行が可能となりましたが、残りの区間は、今も南北方向に通り抜けができない状況です。 県では、再度の災害を防ぐため、応急的な復旧が完了した区間を含め、被災を受けた全ての区間で本格的な復旧工事を精力的に進めており、既に13か所で工事に着手しています。 残る4か所には、道路が流出した箇所に、新たに橋梁を架ける工事や、斜面が大きく崩落した箇所ののり面工事が含まれており、調査や設計に時間を要しましたが、現在、工事の発注に向けた準備を進めています。 復旧工事に当たっては、この路線が山あいの一本道で、途中からのアクセスができないことや、これから冬を迎え、積雪等の悪条件が重なることなど、様々な制約がある中、工事を進めていく必要があります。 そこで、県は、工事のふくそうを避け、少しでも工程が短縮できるよう、全ての施工業者が参加する工程調整会議を定期的に開催し、より一層、連携、協力を図ります。 今後とも、県は、県道70号が少しでも災害に強い路線となるよう、一日も早く復旧させるとともに、地域の皆様の安全・安心の確保や、観光の振興のため、しっかりと取り組んでまいります。 次に、空き家の利活用についてお尋ねがありました。 県内に空き家が増加する中、空き家を適正に管理し、利活用することが重要です。 これまで県は、空き家の利活用を担う市町村に対して、窓口を訪れる空き家の所有者に適切なアドバイスができるよう、県と市町村で構成する空き家対策の実務者会議の場で、利活用の先進事例などを紹介してきました。 また、所有者に対しても、空き家に関する制度などを分かりやすく説明する講習会を開催してきました。 こうした中、空き家の利活用が進んだ市町村がある一方、具体的な進め方が分からないなどの理由で、取組が進まない市町村もあります。 そこで、県は、空き家を地域の交流拠点として活用するため、空き家の所有者や地域住民等と共に、利活用に取り組むモデル事業を実施しました。 この事業を通して分かった住民目線の注意点を記録として残し、空き家の利活用の進め方に活用できるよう、現在、リーフレットに取りまとめています。 県は、市町村が所有者へのアドバイスを円滑に行えるよう、このリーフレットを基に勉強会を行い、希望がある場合には、専門のコーディネーターを派遣するなど、市町村の取組を底上げしていきます。 また、空き家の所有者に対しても、利活用に取り組むきっかけとなるよう、民間が開催する空き家対策のセミナーや相談会などに参加して、リーフレットを活用した啓発活動に努めます。 今後とも、県はこうした取組により、市町村などと連携し、空き家の利活用が進むよう丁寧に取り組んでまいります。 私からの答弁は以上です。 〔
スポーツ局長(平田良徳)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 平田
スポーツ局長。
◎
スポーツ局長(平田良徳) スポーツ局関係の御質問にお答えします。 スポーツ選手のセカンドキャリア形成についてお尋ねがありました。 スポーツ選手が安心して競技活動に力を注ぐことができるようにするためには、現役時代から、セカンドキャリアを見据えた取組を進めることが重要です。 そこで、県では、現役中の競技活動の支援に加え、引退後も、引き続きその能力を活用してもらえる企業とスポーツ選手をマッチングする、アスリートの支援のための企業説明会を、JOCや県スポーツ協会と連携して開催しています。 また、国では、こうしたセカンドキャリア支援を一歩進め、選手自身が、現役中に競技生活だけでなく、就業や起業、地域貢献などの社会活動を並行して行う大切さを認識し、実践するデュアルキャリアという考え方の普及啓発に努めています。 県としても、スポーツ協会と連携し、ジュニア世代をはじめ、一人でも多くの選手にデュアルキャリアの大切さを実感してもらうための研修機会の提供等に努めていきます。 一方、第一線を退いたスポーツ選手が、身近な地域のスポーツ指導者となって活動していただくことも、セカンドキャリアの在り方として、大変意義あることと考えています。 そこで、県では、指導者資格を有する選手を登録、紹介するスポーツリーダーバンクや、オリンピック経験者などをメンバーとする、かながわアスリートネットワークを設置し、地域のスポーツ教室やイベントへの紹介、派遣なども行ってきました。
新型コロナウイルス感染症拡大の中にあって、地域でのスポーツ活動の大切さはますます高まりつつあります。 県としては、今後、市町村等とも連携しながら、こうした仕組みを、より積極的にPRすることで、選手のキャリアの活用に役立てていきます。 県は、今後も、関係団体や市町村等と連携しながら、こうした取組を進め、スポーツ選手のセカンドキャリアの形成を後押ししてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔教育局長(田代文彦)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 田代教育局長。
◎教育局長(田代文彦) 教育関係についてお答えします。 社会教育施設等を活用した感染症の歴史等の周知についてです。 県立社会教育施設等では、県民の皆様の生涯学習を支援するため、収集、保存している資料等を活用して、社会の様々な出来事に関する展示等を行っています。 例えば、平成25年には、県立図書館において、東日本大震災等の震災に関連する資料展示として、「記録に見る関東大震災・東日本大震災」を県立公文書館と合同で開催しました。 今回のコロナ禍に際しても、これまでの感染症の歴史を振り返り、過去の状況をお知らせすることで、県民の皆様が、感染症に、より適切に対応していくきっかけにしていただきたいと考えています。 そこで、川崎図書館の情報誌では、大正7年頃に流行したインフルエンザの一つである、いわゆるスペイン風邪について記述した製薬会社や生命保険会社等の社史を紹介し、この6月からウェブで配信しています。 また、来年2月には、県立図書館と県立公文書館が合同で、感染症が流行したその時々の新聞記事等をデジタル化した資料や、関連する図書をウェブ上で展示する予定で、現在、その準備を進めています。 内容としては、明治35年頃から、県内で流行したペストや、大正時代のスペイン風邪に関する資料のほか、疫病退散を願って奉納した湯河原の鹿島踊に関する資料の紹介等も計画しています。 県教育委員会では、こうした社会教育施設等を活用した取組により、県民の皆様に感染症の歴史に関する情報をしっかりと伝え、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止につなげてまいります。 以上でございます。 〔佐藤圭介議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐藤圭介君。 〔佐藤圭介議員登壇〕
◆佐藤圭介議員 知事、
スポーツ局長、
環境農政局長、
県土整備局長、教育局長、御答弁ありがとうございました。 それでは、1点、かながわ
水源環境保全・再生施策の取組について、知事に再質問をいたしたいと思います。 知事からは、3期の計画における土壌流出対策や鹿対策、そして水源林の被害、そのようなところに言及を頂きまして、災害に対する役割の課題、そのようなところも言っていただきました。 これは、命を守る取組ということにもつながるのかと思っております。ぜひお願いしたいと思います。 また、一方で、これまでの施策の成果が十分に県民に伝わらなければ、施策に取り組んでいく意義は薄れてしまうのかと思いますが、第3期の計画を見ますと、県民フォーラムへの参加、市民事業への実績等は、途中ではありますが、落ちている傾向にあるのかと思っております。 そこで、
水源環境保全・再生施策のこれまでの成果を、さらに県民に周知していく必要があると考えますが、最後の5年となる第4期計画の中で、どのように広報を行っていこうと考えているのか、伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 第4期計画における広報について、お尋ねがありました。
水源環境保全・再生施策については、県民の皆様に特別な税を御負担いただいていることから、その取組の成果を周知していく必要があると考えています。 現在、コロナ禍にあって、イベント開催が難しい状況でありますが、県のたよりやホームページへの掲載のほか、県民会議や、関係団体と連携して、これまでの成果を分かりやすく見える化したデータや映像を作成し、ウェブ上で開催するイベントで周知するなど、様々な手法を活用して、広報に努めてまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 〔佐藤圭介議員発言の許可を求む〕
○副議長(いそもと桂太郎) 佐藤圭介君。 〔佐藤圭介議員登壇〕
◆佐藤圭介議員 ありがとうございました。 それでは、時間の許す限り、意見を申し上げてまいりたいと思います。 まず初めに、神奈川の
水源環境保全・再生施策の取組についてです。 最後の節目の4期の集大成として、重要な施策と思います。施策を進めていく中での施策の見直し、それが都度都度あったのかと思いますが、その施策の求められる役割は多岐に、先ほどの災害対策というところもありますけれども、柔軟に取り組んでいただきたいと思っております。 また、今、再質問でさせていただいた広報に関して、動画、映像などを使った取組ということですが、私も、水源環境の取組というのは、川だったり、山、そういうところに行かないと分からないようなところというのが非常にあると思っておりますが、県民が携わる機会というのを、もっとつくるべきなのかと思っております。 また、今、映像というお話もありましたが、私は、県民会議に、今年2月に出席をさせていただきましたが、これのネットでの配信なども非常にいいのかなというふうに思っております。 どちらにしましても、4期目の最後の集大成ということで、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。 続いて、県が管理する登山道の復旧、そして今後の整備について意見を申し上げます。 前向きな答弁は頂きました。林道の早期復旧に合わせて、できるだけ早く登山道を復旧するというようなお話でありました。また、ボランティアと相談して、木段、もしくは石を使った工法などを選んでいくというようなお話だったのかと思います。 そこは、本当にこの場所に木道が必要なのか、そういうところだと思いますし、この辺りの説明というところも必要だと感じております。ぜひ取組を続けていただきたいと思います。 続いて、県道70号線の災害復旧について申し上げます。 これは、先日、村にも伺いまして、お話を伺ったのですが、清川村、秦野市で大きな懸念になっているものであります。 環境農政局との調整などもいただいたと思いますが、引き続き、安全で早期の開通に向けて取り組んでいただくように申し上げたいと思います。 次に、社会教育施設等を活用した感染症の歴史等の周知についてです。 こちらも前向きな答弁、2月に企画展を開催ということで、御答弁頂きました。 このような取組は、社会教育施設の役割として、非常に大事だと思っておりますので、ぜひ引き続き、取組をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
△《本会議録-令和2年第3回-20201204-028782-質問・答弁-高橋栄一郎議員-一般質問①県民の安全・安心について②県政の諸課題について》 〔副議長退席、議長着席〕 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕(拍手)
◆高橋栄一郎議員 自民党の高橋栄一郎です。 自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきます。 本日最後の登壇となります。先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。 質問の第1は、県民の安全・安心について伺ってまいります。 初めに、横浜港のクルーズ船再開に向けた感染症対策について伺います。 本年2月、ダイヤモンド・プリンセス号で
新型コロナウイルス集団感染が発生しました。当時、世界有数の港である横浜港に巨大な豪華客船が停泊し、対応する映像は世界中に配信され、新型コロナとの闘いの象徴的な場所として印象づけられましたが、現在では、飛鳥Ⅱ、にっぽん丸など、国内ショートクルーズの運航が再開されております。 一方、日本は第3波の感染拡大状況下で、医療体制の確保など、春先と同様、もしくは、それ以上の臨戦態勢になっております。 感染拡大防止策を徹底するとともに、新型コロナとの闘いの象徴であった横浜港からのクルーズ船運航再開は、大変重要なメッセージであり、アフターコロナのインバウンド回復に向けても、適切な時期に正しい情報として、横浜港は安全な港だとPRすることは、非常に大きな効果があると考えます。 実際に、停泊中の飛鳥Ⅱや大さん橋を視察させていただきました。船内では、最高レベルと思える様々な感染予防策も施され、船内診療室には、スマートアンプを用いた検出機材も導入されておりました。 コロナが怖いから、クルーズ船には来てほしくないという声も一部ではあると聞いておりますが、来る側と迎える側、双方が安心できるようにするためにも、国内で唯一、乗客を乗せた状況で、
新型コロナウイルス集団感染の対応を経験した本県は、横浜市、港湾関係者、国の機関と連携し、緊急時対応計画の策定や感染症への対策を進め、クルーズ船運航の安全を担保することが大変重要だと考えます。 そこで、今回のクルーズ船運航再開に関し、
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している中、どのような対策を行ったのか、今後、関係機関とどのように連携していくのか、知事の見解を伺います。 次に、児童生徒等の生活圏における小児科医への情報提供について伺います。 これから、季節性インフルエンザの流行時期に入り、発熱患者の大量発生がまさにそこまで来ております。 新型コロナもインフルエンザも、重症化リスクが高いのは高齢者と言われ、発熱患者の診療コントロールが、神奈川モデルの医療体制につながるという考えであることは承知しております。 しかし、インフルエンザはもちろん、一般的な風邪、その他の原因において、すぐに発熱するのは、高齢者より、むしろ子供たちです。 子供が発熱した場合、一般的に小児科を受診しますが、産まれた直後から通っている小児かかりつけ医での診療では、子供の発熱は日常茶飯事であり、県の設置する発熱予約センターを介して受診するということは考えにくく、かかりつけ医は、家族内に発熱した成人がいるかなどに気を配り、注意しながら、多くの発熱児を診察しなくてはならないのが実情だと聞いております。 かく言う我が家も、先日、3歳の娘が熱を出し、かかりつけ医を受診しました。事前に電話連絡をし、同居家族の状態や周辺環境のコロナの発生状況などを伝え、その2時間後には診察していただくことができました。 同居家族は全員、PCR検査も覚悟していましたが、丁寧な診察の下、風邪症状と判明し、娘は、翌日には元気いっぱいに回復しておりました。 子供自身の免疫力や状態を見ながら重症化を防ぎ、子供と保護者に寄り添い、命を守ってくれているのは、かかりつけ小児科医であると改めて思いました。 小児科医が危惧するのは、患者が
新型コロナウイルスに感染している可能性があるのかどうかですが、小児の場合は、軽症、あるいは無症状であることも多く、インフルエンザ以上に、周囲の状況が分からないと、症状だけで判断することができないと言います。 今のところ、家族からの感染が多く、学校や保育園などでの感染は少ないと言われておりますが、周囲の状況として、家族以外のことは考えなくてよいというわけではありません。 例えば、地域の学校や幼稚園、保育園などで新型コロナの感染が起きたとき、情報が迅速に把握できれば、適切な感染防護策を講じ、発熱外来診療を行うことができますが、現在、そのような情報提供はなく、地域の小児科医は、無防備な状態で発熱患者を迎えております。 日本感染症学会は、外来の一般的な診察のみで、感染者と非感染者とを区別するのが困難な状況下、小児科の診察に当たっては、周囲の流行状況を確認することが大切と提言しております。 これは、子供たちは、成人に比べ、行動範囲が限られるので、家族や属している集団の感染状況の情報が、成人以上に役立つということですが、現在、それが全く利用できない状況です。 また、学校保健安全法で定める学校医の職務執行の準則では、感染症の予防に関し必要な指導及び助言を行い、予防処置に従事することとされておりますが、学校医ですら、学校での新型コロナの発生状況は知らされていないことも多いと聞いております。 児童・生徒などの生活圏における蔓延状況や、学校での発生状況など、有効な情報を地域の小児医療機関に速やかに提供することが重要と考えますが、そこで、地域での小児診療を正常に保ち、子供たちの安全・安心を担保するため、児童・生徒などの生活圏にある小児科医に対し、適切な情報を提供する必要があると考えますが、知事の見解を伺います。 次に、法医学現場におけるコロナ禍を踏まえた今後の対応について伺います。 法医学の実務では、犯罪性のある遺体の死因究明のために司法解剖が行われるほか、明らかな病死以外の遺体の死因究明や身元確認が必要な場合は、死因・身元調査法に基づく、いわゆる新法解剖などが行われております。 法医学は、死因や、その経緯を明らかにし、故人や遺族の権利を守るとともに、地域社会の安全、公共の福祉に寄与しております。 独り暮らしの高齢者が増える中、死因不明の遺体が異状死体として警察に届け出られるケースが増え、解剖を必要とするケースは、今後さらに増加していくものと考えられます。 また、社会の複雑化の影響を受け、解剖を通じた死因究明や身元確認のみならず、児童虐待やDVの被害者に対して行う生体鑑定によって、事件の捜査や再発防止に貢献するなど、法医学の分野が社会から期待される役割はますます大きくなってきております。 こうした実務の最前線に立つ法医学者は、死因が不明の遺体解剖で、ウイルスや細菌に感染するリスクも隣り合わせであり、感染防止対策を行った上で解剖に当たっていると聞いておりますが、
新型コロナウイルスなどの感染リスクも否定できません。 新型コロナ感染拡大の中、医療機関に対しては、個人防護具の提供や感染拡大防止等支援金の交付などの支援策がありますが、法医学の分野は医療機関でないことから、こうした支援策は届いておりません。 そこで、地域社会の安全や公共の福祉に寄与する法医学現場における、コロナ禍を踏まえた今後の対応について、どのように考えているのか、また、どのような対策を行うのか、知事の見解を伺います。 次に、トリアージについて伺います。 災害は、必ず起こります。一言で災害と言っても、自然災害、人為災害、特殊災害、それらが重なり合って発生する複合災害などがあります。 災害の種類により、発生しやすい疾患は異なりますが、どの災害にも共通するのは、同時に多数の死傷者が出るということです。このため、災害医療は1人の患者を対象とする平時の救急医療と異なり、多数の傷病者を対象とする集団医療が必要となります。 救急医療の一分野をなす災害医療の特徴の一つ、トリアージは、緊急度と重症度により、搬送や治療の優先度を決めることを指します。 今年3月、新型コロナ感染拡大が深刻化した海外の状況を伝える報道の中で、国や地域によっては、人工呼吸器の数に限りがあるため、高齢者の治療を断念せざるを得ないかもしれないといった報道を目にしました。 命を救う医師が、命の選択をせざるを得ない状況に慄然とするとともに、悲痛な表情でインタビューを受ける医師の姿に心が痛みました。 我が国では、オーバーシュートを回避でき、コロナ禍のトリアージを検討することはありませんでしたが、これをきっかけに、改めてトリアージについて考えさせられました。 トリアージは、災害という環境や条件の制約がある中で、医療のパフォーマンスを最大限に引き出すことで、避けられた災害死を極力減らすことが目的で、正確性と迅速性、この相反する二つを両立することが求められます。 小規模なトリアージ自体は日常的に行われていると聞きます。例えば、待合室に患者が大勢いる際に、来院した順番ではなく、症状の重い人から診察し、症状が軽い人には少し待ってもらうなどです。 その程度であれば、医師も患者も容認できる範囲ですが、さきの諸外国のコロナ対応のように、命に直結する場合は、様々な混乱が生じるものと思われます。 トリアージには平時の研修や訓練が必要不可欠ですが、判断の是非について、現状の法整備下では、免責や保護の規定がなく、実施者は不安を抱えながらトリアージに挑むことになります。 和解が成立し、判決には至りませんでしたが、実際に、東日本大震災で、石巻赤十字病院に搬送され、トリアージで軽症と判定された女性が、3日後に脱水症で死亡し、必要な対処を怠ったとして、遺族が病院を提訴した事例がありました。 過酷な災害現場で行うトリアージの判断が、司法の場で不適切と判断される可能性があれば、現場が萎縮しかねず、トリアージに携わる人が少なくなれば、救命率も下がってしまいます。 また、重大な決断を行わなければならない
医療従事者の心理的負担も懸念される中、県民に対し、トリアージの正しい理解促進も必要だと考えます。 そこで、
医療従事者が安心して適切にトリアージを行える体制整備が必要と考えますが、知事の見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 高橋議員の御質問に順次お答えしてまいります。 県民の安全・安心について、何点かお尋ねがありました。 まず、横浜港のクルーズ船来航によるインバウンド回復に向けた感染症対策についてです。 本年2月に、横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号での
新型コロナウイルスの集団感染は、県民の皆様にとどまらず、国内外に大きな衝撃を与えたものと思います。 その横浜港における感染防止対策に万全を期したクルーズ船受入れは、Withコロナ社会の中での社会経済活動復興の象徴ともなると考えています。 国内クルーズ船の運行再開に当たっては、国のガイドラインに基づき、港湾管理者である横浜市が、国、県、市の関係機関で構成した協議会を設置しており、本県からも、委員として職員が参画しています。 この協議会において、運航会社側の船内での感染防止対策や、感染者発生時には、医療提供体制「神奈川モデル」により、患者を受け入れることなどについて議論が行われ、これまで、国内クルーズ船2隻の寄港受入を合意しました。 あわせて、県は、議論の中で、緊急時の連携の必要性などを助言したほか、訓練シナリオの作成にも携わり、こうした取組を通じて、運行再開に至りました。 また、この協議会は、国内クルーズ船の寄港に際して開催されるだけではなく、随時連絡を取り合い、情報共有を図る組織となっています。 今後の国内クルーズ船の受入れに当たっては、県全体の感染状況も十分に踏まえた上で、その可否について、関係機関と慎重に検討し、県民の皆様に不安を感じさせることがないよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、児童生徒等の生活圏における小児科医への情報提供についてです。 子供は大人と違い、自覚症状をうまく伝えられなかったり、体調の変化を察知しにくいため、保護者が気づいたときには高熱を出しており、予約せずに近隣の小児科を受診する可能性は否めません。 そのため、
医療従事者に対して、地域の感染症の発生情報を提供し、感染防止対策を講じていただくことは重要であると認識しています。 一方、感染者個人の情報については、感染症法の前文においても、患者等の人権の尊重がうたわれており、その取扱いには十分配慮する必要があります。 また、感染リスクの高い業務は小児科医だけではないことを考えると、小児科医も含めた
医療従事者のみに感染者の発生情報を提供すべきかどうかについては、慎重に検討する必要があります。 さらに、報道機関や市町村からは、地域における感染症の蔓延防止を講じる観点から、感染者の詳細な情報の提供を求める声があるなど、情報提供の在り方について、様々な御意見があります。 そこで、県では、こうした様々な御意見や課題を踏まえ、今後の情報提供の在り方を検討する検討会を立ち上げることとし、現在、その準備を進めています。 この検討会では、有識者の意見を踏まえて、患者情報の公表基準のほか、市町村や医療機関を含めた特定対象者への情報提供の要否についても議論し、今後の県の取組につなげていきます。 新型コロナの感染情報については、人権や個人情報の保護に十分に配慮しながら、感染拡大防止の観点から、周知が必要な情報については適切に提供できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 次に、法医学現場におけるコロナ禍を踏まえた今後の対応についてです。 本県は、全国平均を上回るスピードで高齢化が進展しており、多死社会を見据え、御遺体の検案や解剖といった死因究明体制を整備することは大変重要です。 死因究明の主要な担い手である法医学者に期待される役割が、今後ますます広がる中で、県内の法医学者は不足しているとも言われており、犯罪の見逃し防止の観点からも、負担の軽減などの支援を行う必要があります。 現在、県内では、異状死体として、警察に届出が行われるケースのうち、
新型コロナウイルスの感染が疑わしい御遺体については、病院や保健所により、PCR検査が行われており、感染の有無を確認できる体制となっております。 しかし、法医学の現場では、検案や解剖を行う際に、感染予防策を徹底する必要があるものの、支援策が受けられないため、何らかの支援を求める声があることも承知しています。 これまで県では、神奈川県死因究明等推進協議会を設置し、法医学に関わる県内6大学をはじめ、医療関係者、県警本部、海上保安庁などにも参加いただき、県内の死因究明の課題や対策を協議してきました。 今後は、検案や解剖の現場における感染予防策など、
新型コロナウイルス感染症の流行下における死因究明の課題についても、この協議会等を活用して検討し、必要に応じて、その対策を国に要望していきます。 こうした取組により、コロナ禍にあっても、法医学が地域社会の安全や公共の福祉に寄与していただけるよう、関係者と連携して対応してまいります。 次に、トリアージについてです。 災害発生時に、医療資源の制約が多い中で、傷病者の緊急度と重症度に応じて搬送や治療の優先順位を決めるトリアージは、一人でも多くの傷病者の命を守るためには必要な行為であると考えています。 このトリアージの運用に当たっては、多数の傷病者の症状を、迅速かつ正確に判定するために設けられた基準に基づいて行われますが、主に、外傷を見て判断されることから、通常、個々の医師等による判定に差が生じることは少ないと考えています。 一方、内臓の損傷など、即時の判定が困難な傷病の場合には、処置の遅れにより、容体が急変することもあり、こうした場合は、判定した医師等が責任を問われるリスクがあります。 そこで、平時から、国や県等が実施する災害派遣医療研修の中で、実技も含めた研修を行うほか、医療機関においても自主的に訓練を実施し、適切なトリアージの運用に向けた取組を進めています。 しかしながら、トリアージの際に、故意や重過失がなかったとしても、結果的に救命できなかった場合の免責など、医師等のリスクに対処する制度は整備されていません。 災害現場へのDMAT派遣を要請する立場である私としても、救命に携わる関係者が訴訟などのリスクを恐れ、萎縮することのないよう、法的な保護制度が必要と考えています。 県としては、引き続きトリアージの適切な運用に向けた取組を進めるとともに、災害時に
医療従事者が安心してトリアージを行える体制整備に向けて、国に働きかけてまいります。 答弁は以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 それでは、再質問させていただきたいと思います。 横浜港のクルーズ船再開に向けた感染症対策についてです。 今回のクルーズ船の再開は、横浜港に関係する方々が徹底した感染拡大防止対策を実施した成果だと思います。 将来、外国クルーズ船が就航できるようになった場合に向け、横浜港が安心して船旅が楽しめる環境にあることを、訪れる側、そして、迎える側の双方に対し発信していくことが、本県インバウンドの回復に向けて重要と考えております。 今後、国内外の情報発信に対して、どのように行っていくのか、知事の見解を伺います。 また、長崎市に停泊中のクルーズ船でも、
新型コロナウイルスの集団感染が発生した事例があります。 その際には、埠頭にコンテナ型ホテルが設置され、活用されたと聞いております。集団感染が発生した際に、医療機関の負担を軽減するためにも、医療用コンテナやコンテナ型ホテルの活用も有効だと思いますが、知事の見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、横浜港に寄港や発着する外国船クルーズについては、いまだ運行再開の見通しが立たない状況が続いています。 外国船クルーズの誘致は、観光客の寄港地での買物や周遊観光等、地域にとって高い経済効果が見込まれると考えています。 そこで、県は、感染状況を見極めながら、地元横浜市や国とも連携し、海外の船会社等に対して、横浜港の安全・安心の取組を発信するなど、将来のインバウンド回復に向けた準備をしっかりと進めてまいります。 それから、コンテナ型ホテルという御提案がありましたけれども、これについては、研究をさせていただきたいと思っております。 答弁は以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か要望させていただきます。 外国クルーズ船の寄港ですけれども、海外の会社では、既に検討が始まっているというような報道もありますので、ぜひそういったタイミングを踏まえながら、海外に対する情報発信を行っていただきたいと思います。 また、今、研究していただけるということでありましたけれども、医療用コンテナやコンテナ型ホテル、こういったものを用いることは、既存の医療機関の負担を軽減することにもつながると思います。 また、大さん橋ではコンテナの実装実験というものが行われたというふうに承知しておりますが、今後、医療用コンテナなどの活用、そして、現在は医療用コンテナの調達に関する制度というものも、まだ構築されていない状況でありますので、そういった制度の構築なども、今後、検討していただくことを要望させていただきます。 次に、小児科医に対する情報提供についてです。 平常時の診察とは異なり、コロナ禍の診療という観点から、いかに個人情報に気を配りながら、大切な情報を必要なところに届けるかということが大変重要になろうかというふうに思います。 クラスターになったら発表するという実態もありますが、クラスターかどうかよりも、小児科においては、氏名や生年月日などの個人を特定するための情報が必要なのではなく、地域の感染や発生状況などが求められております。 地域の医療崩壊を避けるためにも、子供たちの命を守る最前線で闘っている小児科医には、適切な情報提供があってしかるべきかと考えます。 小児科では、周囲の状況の情報が診療に不可欠であるからこそ、それを上手に伝える方法を考えていただきたい、このことを強く要望させていただきます。 トリアージに関してですが、地震や津波のときのトリアージは、医師会や大病院勤務医の間で既に教育も進み、標準化も進んでいると聞いております。 法的な整備の重要性ばかりが表に出やすく、現場では、県では、なかなかできることは少ないという声も聞かれておりますが、災害時において、トリアージに挑む側とトリアージを受ける側、双方にとって、安心できるようになってほしいと思っております。 トリアージと聞いて、障害者や高齢者は、自分たちがその枠から除外されるのではないかという不安にかき立てられるという話も聞きますが、例えば、住民も参加してトリアージの体験訓練を行うなど、正しい知識と情報を周知することによって、そういった不安の払拭にも役立つと思います。 医療は、病院が行うこと、住民は診てもらう立場という意識は、災害時においては、当てはまらないと、訓練を通じて理解することが、県民の防災・減災や自助・共助意識の醸成につながるものと考えます。 県には、法的整備の重要性を国に強く働きかけていただくと同時に、県民の命と暮らしを守る主体者となって、防災・減災の取組の中に、トリアージの正しい知識の普及も積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。 以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 質問の第2は、県政の諸課題について伺ってまいります。 初めに、子どもにやさしい病院づくりへの取組について伺います。 近年、医療の進歩により、従来は助からなかった症状の子供たちも生存できるようになったことで、幼少期から長期間の入院を余儀なくされる子供たちも多いと聞いております。 患者が子供の場合、病院での検査や治療に対する不安は、大人が感じるよりもずっと大きいでしょうし、ましてや、家族から離れて入院する子供であれば、不安の大きさやその影響は、我々大人が想像する以上のものであると思います。 こども医療センターなど小児専門の病院では、小児に特化した適切な治療を提供することはもちろん、患者である子供たちの不安を和らげ、安心して検査や治療を受け、入院生活を送れるようすることや、家族など患者の周囲にいる人たちに対するケアも大切な役割であると思います。 ストレス対処能力が未熟な時期に、長期入院や生命の危機、痛み、恐怖を伴う処置を繰り返し経験し、学校で友達と学んだり、自然の中で遊ぶといった、小児期に必要な体験をする機会が失われている子供たちに対して、病院内でプラネタリウムの投影や、ゾウの形をしたMRIの設置など、病院に親しんでもらい、検査や治療、入院などへの不安を少しでも軽減しようとする取組も進められております。 また、一部の医療機関では、治療や検査などの医療行為を分かりやすく説明したり、精神的なケアを行う専門職である、チャイルド・ライフ・スペシャリストやホスピタル・プレイ・スペシャリストの配置も行われております。 私も、足を切断することになってしまった子供の患者さんが、チャイルド・ライフ・スペシャリストの精神的ケアにより、今後の生活について前向きに捉えられるようになり、パラアスリートを目指す気持ちになったという話を聞きました。 本県の小児専門病院であるこども医療センターは、全国に15しかない小児がん拠点病院に指定されるなど、高度で専門的な小児医療を提供する、全国でもトップクラスの実力を持つ病院であると認識しています。 患者である子供たちの不安に対しても、既に、院内で様々な取組をされていることも承知しておりますが、さらに工夫を重ね、この分野においても、トップを走る存在であってほしいと思います。 また、培ったノウハウを民間の病院に対し、積極的に広めていくことも大変重要と考えます。 そこで、今後、県立こども医療センターで、患者である子供たちが安心して検査や治療を受け、入院生活を送れるようにするため、どのように取り組んでいくのか、また、培ったノウハウを民間の病院などに対し、広めていくことが必要と考えますが、知事の見解を伺います。 次に、食育の推進における栄養教諭の役割について伺います。 近年、子供の食をめぐっては、発育・発達の重要な時期にありながら、偏食、朝食の欠食、肥満や食物アレルギーの増加、さらには思春期におけるやせの増加など、問題が複雑化、多様化、深刻化しており、生涯にわたる健康への影響が懸念されております。 食べることは生きることとも言われ、生涯にわたって続く基本的な営みです。 子供たちが食を通じ、様々なことを考え、生きる力を身につけていく食育の推進は、家庭だけでなく、教育現場にその期待が寄せられております。 こうした社会状況を背景に、平成17年度には、学校における食育の推進に中核的な役割を担う栄養教諭の制度が創設されました。県内の公立小中学校では、おおむね6校につき1名の栄養教諭が配置され、ネットワークを組み、学校における食育推進に取り組んでいるものと承知しております。 今年春の緊急事態宣言下には、自宅で家族と一緒に食事を取ることが増えた家庭がある一方、学校給食がなくなったことで、食生活が乱れてしまった家庭もあると言われており、コロナ禍において、子供の食習慣の格差が広がっているのではないかと考えております。 学校給食が再開されましたが、感染防止のため、子供たちが一緒に和気あいあいと食べる共食や、食事中のマナーや食に関する指導も難しくなっていると聞いております。 コロナ禍における学校だけの食育の取組は、これまで以上に工夫が求められ、新しい生活様式に即した衛生管理と食育の両立を進める上でも、栄養教諭の役割は大変重要だと思います。 食育は様々な教科と関連づけることができ、世界的な目標であるSDGsの17項目を見ても、半分近くにおいて、子供たちが問題意識を持つきっかけとして関われるポイントがあると考えます。 例えば、学校給食でも問題となっている食品ロスの取組についても、給食の喫食率を向上させ、食への意識教育を行える栄養教諭が担う役割は大きいと思います。 さらには、食育を通じ、子供たちの未病改善にも期待ができ、栄養教育のプロフェッショナルである栄養教諭を子供たちのより身近な存在として、積極的に活用していく必要があると考えます。 そこで、成長期の子供たちを対象とした食育の推進に当たり、栄養教諭が果たすべき役割について、どのように認識しているのか、知事の見解を伺います。 次に、農福連携の推進について伺います。 農福連携は、国において、令和元年6月、農福連携等推進ビジョンが取りまとめられ、農林水産省と厚生労働省など関係省庁が連携して取組を推進しております。 農家が、収穫などの農作業を障害福祉事業所に委託して、労働力の確保を行っている事例や、障害福祉事業所の職員と利用者が農作業を行い、収穫した農作物の直売所や加工所、レストランなどを運営している事例があると聞いております。 農福連携は、人手不足が深刻な農家にとっては、労働力を確保することができ、障害者は、作業を請け負うことで収入を得ることができ、農業と福祉の双方にメリットがあり、さらに推進すべきと考えます。 本県では、平成28年度から、農福連携の取組を周知するセミナーの開催、今年度からは、農家と障害福祉事業所などのマッチングを促すための取組を新たに開始したと承知しております。 しかし、セミナーは年に1回しか開催されておらず、農家や障害福祉事業所に対し、農福連携の取組を促すには不十分であり、県内での農福連携事業は、なかなか増加していないと感じております。 そこで、農福連携に取り組む農家や障害福祉事業所を増やし、農福連携の取組をさらに推進していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。 まず、子どもにやさしい病院づくりへの取組についてです。 病気になったお子さんが前向きな気持ちで検査や治療を受け、不安なく入院生活を送ることは、治療の効果を高め、成長や発達にもよい影響をもたらすものと考えます。 そこで、県立こども医療センターでは、検査時に使用する医療機器を海の生き物のイラストで装飾したり、お子さんが喜ぶ様々なイベントを実施するなど、不安を和らげる取組を進めています。 また、遊びを通じて治療を支援するホスピタル・プレイ・スペシャリストという専門資格を持つ保育士が、医療チームの一員として、入院中のお子さんに遊びを生かしたケアを行っています。 このほか、国内でも珍しい取組として、検査や手術を受ける際に付き添うファシリティードッグもお子さんの大きな支えになっています。 今後も、こうした取組も含め、お子さんが安心して検査や治療を受け、少しでも楽しく入院生活を過ごせるよう工夫を重ねていきます。 次に、ノウハウの普及についてです。 県立こども医療センターでは、昨年リニューアルしたNICUにおいて、お子さんや御家族がストレスなく過ごせるよう、時間帯に応じて照明を変えたり、川のせせらぎなどのBGMを流す取組を始めました。 現在、この取組が、御家族の支援や新生児の発達にどのような効果があるのかを検証しています。 今後、この検証結果も含めて、これまで実施してきた不安軽減に役立つノウハウを積極的に発信し、地域の医療機関への普及を目指していきます。 県立こども医療センターでは、引き続き、お子さんや御家族の気持ちに最大限寄り添いながら、子供に優しい病院づくりを進めてまいります。 次に、食育の推進における栄養教諭の役割についてです。 本県の食育は、神奈川県食育推進計画に基づき、県民一人一人が健康な体をつくり、豊かな心を育み、食への理解を深め、神奈川の食に親しむことを基本方針として、市町村や関係団体等との協働により、推進しています。 また、食育の推進に当たっては、特に成長期の子供たちにアプローチすることが効果的であることから、子供たちが多くの時間を過ごす学校を、計画上、家庭、地域と並ぶ重要なフィールドとしています。 そして、この計画では、学校において、学校給食の管理と食に関する指導を、一体的かつ効果的に行う栄養教諭を、学校における食育推進の中心的な役割を担う人材として位置づけました。 具体的には、給食の時間や社会科、家庭科等の授業における食育指導、肥満や偏食などの課題のある児童・生徒への個別指導のほか、地域の食文化への理解や、未病改善と食の在り方、生産者への感謝の気持ちなどを育むための取組を行うこととしています。 また、コロナ禍においては、家庭で過ごす時間が増えたことにより、学校での食育の取組を家庭で実践できるようにするための工夫が求められています。 これまでも、学校では、栄養教諭が中心となり、給食だよりやホームページを通じて、バランスの取れた食事の重要性などを、家庭向けに発信してきたと承知していますが、今後も引き続き、その専門性を発揮し、家庭での食育を支援することを期待しています。 このように、栄養教諭は、成長期の子供たちに対する食育を推進する上で、重要な役割を担う専門職であると認識しており、今後も、公立学校における食育を所管する教育委員会としっかりと連携しながら、神奈川の食育を着実に推進してまいります。 最後に、農福連携の推進についてです。 農福連携は、障害者にとって、就労機会の確保や自然と触れ合うことによる健康や情緒の安定など、メリットが多いと認識しています。 また、労働力不足に悩む農家等にとっても、働き手を確保できるメリットがあります。 県では、これまで、障害福祉事業所や、経営規模の大きい農家等に対し、農福連携セミナー・相談会を実施し、周知を図ってきました。 また、農家等から作業の委託希望があった場合は、県が障害福祉事業所とのマッチングを行い、作業現場の視察に県職員が同行するなど、きめ細やかな支援を行っています。 さらに、今年度から、障害福祉事業所と農家等の連携をコーディネートする人材を育成、派遣したり、農福連携の先進事例を視察するモデル事業を開始しました。 しかし、農福連携の取組がまだ十分に知られていないため、障害福祉事業所や農家等の双方に、メリットや支援策を周知していく必要があります。 そこで、オンラインによるセミナーを実施し、それを県のホームページで動画により配信します。 また、モデル事業で育成したコーディネーターが核となって、各地域で農福連携に関心を持つ事業者を拡大できるよう、県として支援していきます。 さらに、来年度からは、県農業法人協会と連携して、農家等を対象に、農福連携の実践者による講演など、内容を充実させた研修会を開催していきます。 こうした農福連携の推進により、障害者の就労機会の確保と農業の働き手確保といった課題解決を図り、地域共生社会の実現を目指してまいります。 答弁は以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か再質問させていただきます。 まずは、子どもにやさしい病院づくりについてです。 病気を診療し、治療するという医療の分野で、不安や痛み、モチベーションなどといった要素が注目されて、まだ歴史が浅いということは承知しておりますが、どのような状況であっても、子供たちにはそれぞれの未来があり、無限の可能性が広がっています。 iPS細胞を用いた再生医療の研究者である、横浜市立大学の武部貴則特別教授は、広告医学、ストリートメディカルを提唱し、その普及にも注力されており、小児医療の分野でも様々な取組を行っております。 本県でも、未病プロジェクトなどで、広告医学、これを活用しておりますが、こども医療センターでも、広告医療を活用すべきと考えます。 知事の見解を伺いたいと思います。 そして、農福連携ですが、国のほうでは、ノウフクJASというものがありまして、この場合の農福は、片仮名でノウフクというふうに表記しますが、こういった取組が進んでおります。そして、その対象は農業以外、水産業や畜産業、林業なども含まれております。 本県におきまして、農業以外のこういった分野での農福連携というのは、県内農林水産業の復興の一助にもつながるというふうに思いますが、こういった分野に対して、どのように農福連携を進めていくのか、伺いたいと思います。 また、障害者が生産に携わった商品を差別化、ブランド化する取組も、他県では進んでいるというふうに承知しております。 消費者に購入していただくことで、消費者の農福連携に関する関心を高め、付加価値を持たせることが、労働者の工賃の向上にもつながると考えますが、併せて知事の見解を伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。 まずは、こども医療センターにおける広告医学の導入についてであります。 広告医学と言いますと、横浜市大の武部先生が提唱されているものでありますけれども、思わず取り組みたくなるという、そういう仕掛けをつくって、それが結果的にいい効果になるといったことであります。 この県庁の中を使っても、未病改善のために、例えば歩く速度というのを意識するというようなことで、廊下に様々な自分のスピードを意識させるような仕掛けをつくったり、階段を上りたくなるような感じで、階段を上っていくと、だんだん景色が変わってくるような写真を掲げたり、こんなことを実験的にやっておりました。 子供の行動変容に結びつけるためには、こういった仕掛けというのは非常に有効だというふうに思っています。こういったものを積極的にこれから取り入れていきたいと考えております。 それから、農福連携について、幾つか御質問がありました。 農福連携による農産物のブランド化といったことについては、JAS法では、2019年3月から、片仮名で書いた「ノウフクJAS」という認証制度が始まっています。 障害者が生産に関わった農産物のブランド化を農家等が希望する場合は、そのノウフクJASの活用を働きかけるとともに、認証取得に向けた技術指導などの支援を行ってまいりたいと思います。 また、農福連携の取組の消費者への周知についてでありますけれども、これは農福連携によって生産された農産物であるといったことを表示して、それを見える化するといったことは効果的だというふうに考えております。 それによって、農福連携を実践する農家等に対しても、農産物への表示を促すとともに、チラシやポップ広告といったPR方法の指導、支援などを行ってまいりたいと考えております。 答弁は以上です。 私の答弁漏れかもしれませんので、もう一度、その部分の質問をお願いできますか。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 国のほうのノウフクJASということは、農業以外の水産業ですとか、畜産業、林業などにも対象が広がっているということですので、県内における農業以外の分野での農福連携の推進は、どのように取り組んでいくのかという質問をさせていただきました。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) この点については、局長から答えさせます。 〔
環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 石渡
環境農政局長。
◎
環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の再質問にお答えいたします。 農業以外での農福連携のノウフクJASの活用については、まだノウフクJAS自体が水産ですとか、畜産の分野に広がっておりませんので、局内で検討して、なるべく周知をしていきたいと考えております。 以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 今の質問は、ノウフクJASを活用するのではなくて、農業以外の水産業や畜産業、林業といった分野での農福連携にどういうふうに取り組んでいくのかということでありまして、ノウフクJASの活用ということは念頭にありませんので、もう一度答弁をお願いしたいと思います。 〔
環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 石渡
環境農政局長。
◎
環境農政局長(石渡美枝子) 再質問にお答えいたします。 農福連携について、水産業等の分野については、まだ十分周知をされておりませんので、まだこれから研究を重ねていきたいと思っております。 以上です。 〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕
○議長(
嶋村ただし) 高橋栄一郎君。 〔高橋栄一郎議員登壇〕
◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か要望させていただきたいと思います。 学校教諭の活用に関してですが、先ほど知事のほうから、栄養教諭の認識というものの答弁を頂きました。 県立保健福祉大学で、栄養教諭の一種免許というものを取得ができまして、卒業している卒業生も多くいらっしゃいます。しかし、卒業後、栄養教諭としての職を県外に求めているのが現状であるというふうに思います。 保健福祉大学で学んだ学生が、卒業後も、この神奈川県内で活躍できる環境を進めていただくことを要望させていただきます。 また、農福連携ですが、農業以外の農福連携も促進することが、県内農林水産業の活力向上の一助につながると思います。 ぜひ、地域の特色に合わせた農福連携の推進を進めていただきたいと要望させていただきまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 〔拍 手〕
○議長(
嶋村ただし) お諮りいたします。 本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
嶋村ただし) 御異議がないと認めます。 よって、本日の質問はこれで終わります。 ───────────────────────────────────────
○議長(
嶋村ただし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 次回の会議は、12月7日午後1時に開きます。 本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。 午後5時8分 散会...