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06月23日-10号

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  1. 神奈川県議会 2020-06-23
    06月23日-10号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 2年 第二回 定例会 △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028696-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和2年第2回神奈川県議会定例会会議録第10号〇令和2年6月23日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                          村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       松   本       清                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       作   山   ゆうすけ                       長   田   進   治                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       京   島   け い こ       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         理事            山   口   健 太 郎         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          和   泉   雅   幸         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長        前   田   光   哉         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         共生担当局長        安   井   由 美 子         未病担当局長        宮   坂   久 美 子         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦         同  教育監        岡   野       親   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          谷   川   純   一         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       小 野 関   浩   人         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和2年第2回神奈川県議会定例会議事日程第10号                            令和2年6月23日午後1時開議第1 定県第 87 号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算(第5号)   定県第 88 号議案 かながわ新型コロナウイルス感染症医療福祉応援基金条例   定県第 89 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例第2 定県第 55 号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算(第4号)   定県第 56 号議案 同  年度神奈川県県営住宅事業会計補正予算(第1号)   定県第 57 号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例   定県第 58 号議案 地方独立行政法人の役員等の損害賠償責任の一部免除に係る控除額を定める条例   定県第 59 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 60 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 61 号議案 神奈川県局設置条例の一部を改正する条例   定県第 62 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 63 号議案 神奈川県犯罪被害者等支援条例の一部を改正する条例   定県第 64 号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 65 号議案 神奈川県立の総合職業技術校に関する条例及び神奈川県立産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例   定県第 66 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 67 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 68 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 69 号議案 動産の取得について   定県第 70 号議案 動産の取得について   定県第 71 号議案 指定管理者の指定について(相模湖交流センター)   定県第 72 号議案 指定管理者の指定について(地球市民かながわプラザ)   定県第 73 号議案 指定管理者の指定について(県民ホール及び音楽堂)   定県第 74 号議案 指定管理者の指定について(神奈川近代文学館)   定県第 75 号議案 指定管理者の指定について(21世紀の森)   定県第 76 号議案 指定管理者の指定について(本港特別泊地及び本港環境整備施設)   定県第 77 号議案 指定管理者の指定について(宮川特別泊地、宮川一時停係泊特別泊地及び宮川環境整備施設)   定県第 78 号議案 指定管理者の指定について(ライトセンター)   定県第 79 号議案 指定管理者の指定について(聴覚障害者福祉センター)   定県第 80 号議案 指定管理者の指定について(足柄ふれあいの村)   定県第 81 号議案 指定管理者の指定について(愛川ふれあいの村)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定の変更について(三浦しらとり園)   定県第 83 号議案 指定管理者の指定の変更について(津久井やまゆり園)   定県第 84 号議案 東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議について   定県第 85 号議案 二町谷北公園等の管理に関する事務の委託について   定県第 86 号議案 訴訟の提起について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028697-諸事項-諸報告・追加議案の説明-》    〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共59名 ○副議長(いそもと桂太郎) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                                 政総第1212号                               令和2年6月23日 神奈川県議会議長 嶋 村 ただし 殿                         神奈川県知事 黒 岩 祐 治議案の提出について 開会中の令和2年第2回神奈川県議会定例会に提案する予算議案ほかを別冊のとおり提出します。   ───────────────────────────────────────                                  人委第47号                               令和2年6月17日 神奈川県議会議長 嶋 村 ただし 殿                   神奈川県人事委員会委員長 山 倉 健 嗣            条例案に対する意見について(回答) 令和2年6月11日付け神議第1190号により意見を求められました次の条例案については、異議ありません。                            〔本会議録巻末90頁参照〕   ───────────────────────────────────────                                  監第1091号                               令和2年6月19日 神奈川県議会議長 嶋 村 ただし 殿                       神奈川県監査委員 村 上 英 嗣                       同        太 田 眞 晴                       同        吉 川 知惠子                       同        梅 沢 裕 之                       同        小野寺 慎一郎            条例案に対する意見について(回答) 令和2年6月11日付け神議第1191号をもって、地方自治法第243条の2第2項及び地方独立行政法人法第19条の2第5項の規定に基づき照会があった、条例案に対する監査委員の意見は、下記のとおりです。                            〔本会議録巻末91頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) この際、申し上げます。  北井宏昭議員及び菅原直敏議員から質問趣意書が提出されておりますので、執行機関に送付しますから、御了承を願います。                            〔本会議録巻末86頁、88頁参照〕  受理いたしました陳情書は、陳情文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、御了承を願います。  県内に住所を有しない陳情者から提出された陳情書につきましては、その写しを配付してありますから、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、定県第87号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算外2件を議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。                            〔本会議録巻末35頁参照〕  知事の説明を求めます。  黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ただいま提案しました令和2年度補正予算案並びにその他の諸議案について、御説明申し上げます。  今回の補正予算案は、新型コロナウイルス感染症対策に係る国の第2次補正予算を踏まえ、医療提供体制の維持や県内経済の再開と回復に向けた支援など、早急に対応する必要があるものについて措置することとしました。  まず、医療、福祉サービスの提供体制の維持と感染拡大防止対策についてです。  新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制を維持するため、医療機関が行う病床の確保に対する空床確保料や感染拡大防止対策等に対する補助を行うとともに、市町村が実施する医療提供体制の整備等に対して補助します。  また、福祉サービスの提供体制を維持するため、福祉施設におけるマスク等の購入に対する補助のほか、介護サービスの継続や介護支援専門員の法定研修における感染拡大防止対策に要する経費の補助等を行います。  さらに、感染リスクと厳しい環境の下で業務に従事している医療従事者や介護・障害福祉施設の職員の方々に対し、慰労金を支給します。  このほか、海水浴場の開設中止に伴い、安全対策のための海岸パトロールの強化等を行います。  次に、県内経済の再開と回復に向けた支援についてです。  新型コロナウイルス感染症に対応するための資金に係る利子補給や、感染拡大防止対策等を行う中小企業者等に対する補助のほか、県内で製造される製品や農林水産物の需要喚起を図るとともに、県民限定の県内旅行費用の支援や文化芸術活動の再開支援等を行います。  また、新型コロナウイルス感染症の影響による失業者等の就業を促進するための相談会等や、就職氷河期世代向けの面接会を実施するとともに、障害者の就労の場を拡大するための特例子会社等の設立に対して補助します。  さらに、生活困窮者の増加に対応するため、生活福祉資金の特例貸付けを行う県社会福祉協議会に貸付原資等を補助するとともに、独り親世帯への給付金の支給を行います。  次に、学びの保障等についてです。  市町村立小中学校の最終学年の学びを保障するため、ティーム・ティーチングなどの実施に係る教員を追加配置するとともに、学習の不足等を支援するための学習指導員やスクール・サポート・スタッフを追加配置するほか、各学校における感染拡大防止対策等を実施します。  次に、かながわ新型コロナウイルス感染症医療福祉応援基金についてです。  新型コロナウイルス感染症対策の最前線で、様々な困難を抱えながら、医療、福祉、介護の業務に従事する方々を応援するための事業に必要な資金を積み立てる基金を設置し、これを活用した事業を実施します。  具体的には、感染症対応に関わる医療機関及び業務を継続する福祉施設に県産品を贈呈するほか、感染症患者に直接対応した医療・福祉・介護従事者に旅行補助券を贈呈します。  また、認知症カフェリモート開催を実施する団体や、新しい生活様式に対応した活動を行う子供食堂への支援等を行います。  次に、減額補正についてです。  知事等の特別職及び管理職手当受給者の令和2年6月期・12月期の期末手当・勤勉手当について減額措置を行うことに伴い、給与費を減額補正します。  また、県議会にも御協力いただき、県議会議員の皆様の令和2年6月期・12月期の期末手当の減額措置や、県政調査における国外調査等の自粛を御決定いただいたことに伴い、所要の経費を減額補正します。  これらの減額分は、県民の皆様からお預かりした御寄附と共に、かながわ新型コロナウイルス感染症医療福祉応援基金に積み立て、医療、福祉、介護の業務に従事する方々を応援するための事業に活用します。  このほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止等のため、今年度の開催を中止したイベントの経費等について減額補正し、その一部を今回の新型コロナウイルス感染症対策の財源に充当します。  なお、国の第2次補正予算において、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が増額されたことから、5月補正予算で計上した新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の財源を、財政調整基金から臨時交付金に振り替えることなどにより、財政調整基金の取崩しを一部中止し、今後の追加財政需要に備えることとします。  補正予算額は一般会計で、増額分として1,514億2,500余万円、減額分として21億4,500余万円、合計で1,492億7,900余万円の増額となっています。  財源につきましては、地方創生臨時交付金緊急包括支援交付金などの国庫支出金のほか、諸収入等を充当するとともに、財政調整基金からの繰入金等を減額し、収支の均衡を図っています。  次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正1件、全体で2件の御審議をお願いしています。  まず、条例の制定ですが、かながわ新型コロナウイルス感染症医療福祉応援基金条例は、先ほど御説明いたしました基金の設置、管理及び処分に関し、所要の定めをするものです。  次に、条例の改正ですが、市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例は、先ほど申し上げましたティーム・ティーチングなどの実施に伴い、教員の定数を増員するため、所要の改正を行うものです。  以上をもちまして、私の説明を終わります。  よろしく御審議の上、御議決くださいますようお願い申し上げます。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028698-質問・答弁-野田治美議員-一般質問①感染症対策における専門人材の確保・育成について②地域包括ケアを担う総合診療医について③SDGsを通じた地域活性化の促進について④持続可能な有機農業の推進について⑤食の魅力を生かした三浦半島地域の活性化について⑥子どもの貧困対策と居場所づくりについて⑦日地位協定の改定に向けた本県の取組について》 ○副議長(いそもと桂太郎) 次に、ただいま説明のありました日程第1に日程第2を併せ、一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  野田治美君。  〔野田治美議員登壇〕(拍手) ◆野田治美議員 横須賀市選出の野田治美です。  議長のお許しをいただきましたので、私は立憲民主党・民権クラブ県議団の一員として、通告に従い、順次質問いたします。  初めての一般質問となりますので、思いのたくさん詰まった質問となります。  知事、環境農政局長、福祉子どもみらい局長、健康医療局長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  新型コロナウイルス感染拡大は、県民の健康、生活のみならず、経済にも大きな痕跡を残しました。影響を受けた県民の皆様、また事業者の皆様には多くの不安と混乱があり、そして、今後予想される第2波、第3波への不安も大きい状況であります。  そうした不安を少しでも解消するために、県議会議員としてしっかりと活動してまいりたいと考えておりますが、一方で、このコロナ禍を受け、まずは、それぞれの地域が足元にある資源を見直し、その持てる力を十分に発揮すること、そして、誰一人取り残さない共生と循環の視点からの未来を描くことが重要だと考えます。  そうした視点から、持続可能な循環型社会の確立をテーマに質問いたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、感染症対策における専門人材の確保・育成についてです。  今回の新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、改めて感染症対策の重要性を認識しました。  感染症対策においては、感染症の治療を専門的に行うため、各都道府県に知事が指定する感染症指定医療機関があり、感染症の危険度に応じて、第一種と第二種に分かれています。  〔資料提示〕  本県には感染症指定医療機関が8か所ありますが、危険性が極めて高い感染症に対応する第一種は、東京が4か所、大阪が3か所あるのに対して、本県は1か所となっています。また、病床数に至っては、本県には74床ありますが、人口比にすると全国で最も少ないのが現状です。  こうした指定医療機関や病床の充実ももちろん重要ですが、設備だけ充実させるのではなく、感染症にしっかりと対応できる人材の確保が必要です。  全国的に感染症を専門とする人材は少ないと聞いており、日本感染症学会のホームページによると、現在、感染症の専門医として認定されている数は全国で1,560人、本県では99人であり、感染症指定医療機関ですら専任の感染症専門医が配置されていないところもあると聞きます。  また、感染症看護専門看護師など、専門の資格を持つ看護師の数も県内では8人と十分ではありません。  また、今回の新型コロナへの対応に際し、重点医療機関に指定された病院を視察したところ、感染症の専門人材がいないために、県内の感染症指定医療機関に相談し、アドバイスを受けたという話も聞きました。  我が国はSARSやMARSの流行時にも国内で大きな被害を受けることがなかったため、新型感染症に対応するのは、今回の新型コロナウイルスが初めての経験となった医療従事者は多いのではないでしょうか。  〔資料提示〕  そのため、医療現場においても、ゾーニングの設置や、防護服の正しい着脱の仕方、感染を防止するための注意点などを改めて指導する必要があったとも聞きます。  医療機関における院内感染やクラスターを防ぐとともに、今後様々な災害も想定される中、感染症対策を専門的に行える人材の確保・育成が必要です。  そこで、知事に伺います。  感染症対策を強化するため、専門的な知識や経験を有する人材の確保・育成を図る必要があると考えますが、どのように取り組むのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、地域包括ケアを担う総合診療医についてです。  急速なスピードで進む日本の高齢化、75歳を超えると、入院、介護、認知症が大きく増え、高齢になると一人で多くの疾患を抱えることも多く、私自身も両親などの介護を通した経験から、地域包括ケアの果たす役割は大きいと考え始めました。  こうした高齢化の様々な課題が上がっている中、その一例として、複数の医療機関から処方された、非常に多くの薬を飲むというポリファーマシーという多重服薬が懸念されています。これは患者の健康を害するだけではなく、医療費増加や認知症の悪化などの面でも大きな課題と捉え、また、私自身、自然療法推進派として、以前より大変気になっていました。  この課題の解決には、複数の医療機関においての薬剤情報共有による適正な処方が必要です。そして何より、特定の臓器や疾患に着目することなく、病気を幅広い視野で診るプライマリ・ケアを担う総合診療医は、今後の医療体制において必要と感じています。  その総合診療を担当している医師の多くが入会しているプライマリ・ケア学会は、2025年までに総合診療医10万人を目標としていますが、現在、全国でおよそ1万1,000人、本県では638人が在籍。本県の医師の中でも3.3%とまだまだ少なく、私が調べた範囲では、県内では67の医療機関しか総合診療科を開設していません。  新たな専門医制度においては、2018年に第19番目の専門の領域として盛り込まれたものの、現在の国の制度では標榜診療科として総合診療科と広告することはできないため、県民には認知度がまだまだ低い状況です。  今後、超高齢化社会を迎えるに当たり、地域包括ケアを担う総合診療医の確保は非常に重要です。県内の四つの大学医学部や総合病院などで、しっかりと養成していくべきと考えます。  そこで、健康医療局長に伺います。  地域包括ケアシステムを推進していく上で、総合診療医は大変重要な役割を果たすことになりますが、今後、県として、総合診療医の育成にどう取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、SDGsを通じた地域活性化の促進についてです。  本年第1回定例会においてSDGsの推進について伺い、地域活性化を促進するため、地域課題の解決に向けて、人と人、人と地域のつながりを生み出すSDGsつながりポイント事業において、地域課題の解決と活性化につなげていきたいとの答弁がありました。  私は、このSDGsつながりポイント事業は、身近な行動がSDGsの達成につながるという気づきや、行動の促進につながるモチベーション、さらに人と人のつながりを深め、地域の好循環をつくり出すツールとして有効ではないかと考えています。  〔資料提示〕  そのつながりポイント事業のベースは地域通貨であり、小説が映画にもなった「ネバーエンディング・ストーリー」や「モモ」で有名な作家ミヒャエル・エンデの思想を追った、1994年NHKスペシャル「エンデの遺言一根源からお金を問うこと」という番組でも話題となり、サービスや財の取引の清算手段として、政府や日本銀行などが発行する法定通貨以外に使われる地域通貨として、地域内での交流や地域経済の活性化などを目的に全国各地で取り組まれました。  実は私自身も20年前には都内で、さらに現在は地元で地域通貨に参加しています。  昨年度、SDGs未来都市である鎌倉市及び小田原市との実証事業においては、成果、課題の両面があったと思われます。その課題をどのように解決するのか、また、住民、店舗、企業等を巻き込んだ地域活性化につなげるためには、課題解決から継続していくことが重要と考えます。  そこで、知事に伺います。  県民のSDGsにつながる行動の促進と地域活性化の促進に向けて、どのように取り組むのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、持続可能な有機農業の推進についてです。  本県は2012年より、いのち輝く神奈川を基本目標に掲げてきました。その基本理念は命を起点として、持続可能な神奈川を実現することであり、国連が示すSDGsの理念にもつながるものと理解しています。  世界が目指す持続可能な社会の実現にも貢献できる有機農業については、2006年に有機農業の推進に関する法律が制定され、県では2009年に有機農業推進計画を策定しています。  その後、新たに2018年4月に計画を改定し、今後、5年間の有機農業の目指す方向、推進方策及び推進体制が定められました。  温暖化による猛暑、継承者の不在、農業人口の減少、高齢化による人手不足、農家の抱える問題は深刻です。  さらに、有機農法や自然農法に取り組む農家の方たちには、周辺の農家との栽培方法の違いや技術の習得、価格面から生じる需要など、運営、経営面からも様々な苦労が多く、県内の有機農業への新規就農者は、年間5名から10名程度と、まだまだ少ないのが現実です。  私自身、循環型社会を目指して、エコロジカル環境デザイン分野、パーマカルチャーという有機農法を学び、現在、仲間と畑も営んでおります。  〔資料提示〕  また、コロナ禍の中、家での食事の機会やベランダ菜園などを手がける人も増え、多くの方が命、免疫、食に対する意識を抱いたのではないかと思います。  さらに、各国は国内の食料安全保障を優先して輸出を規制しており、輸入食材の依存度が高い我が国においては、自給率の向上が重要課題であると考えます。  〔資料提示〕  有機農業は、化学的に合成した農薬や化学肥料を使用しないということが原則ですが、土作りや雑草の管理方法などで、有機、自然農、炭素循環農法、パーマカルチャーなど幾つか種類があり、それぞれが多様性や独自性があります。  県内の有機農業者を支援し、増加させるためには、有機農業を始める方からの相談への対応や、研修先の紹介、農地の調整、就農後の技術指導を丁寧に行うことが重要だと思います。  また、収穫物や農産物の販売戦略としては、オーガニックブランドによる差別化や、各地域のマルシェなどへの出店、小田原や平塚に続くオーガニックビジネスの実践拠点づくりなどは、持続可能な社会に向けた神奈川の有機農業の推進にとって、とても重要と考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  本県農業のさらなる振興のため、有機農業の推進についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、食の魅力を生かした三浦半島地域の活性化についてです。  私の地元である三浦半島は、豊かな自然に恵まれた1次産業の盛んな地域であり、都心から近い観光地でもあります。  県が地元市町と連携して策定した三浦半島魅力最大化プロジェクトにおいても、この地域の魅力の一つである食を通じた地域活性化の取組が進められています。  〔資料提示〕  その一環として、県では、三浦半島の形や環境、取れる食材などがイタリア半島に似ていることから、三浦半島はイタリア半島のキーワードの下、三浦半島の食の魅力の発信に取り組んでおり、昨年12月には初めて在日イタリア商工会議所と協力してイベントを開催したと承知しています。  多種多様な野菜が栽培され、東京湾と相模湾の海の恵みも豊かなことから、都内のレストランオーナーがわざわざ仕入れに来るほどですが、一般の方には必ずしも認知度が高くありません。  〔資料提示〕  三浦半島の地域ブランドを確立するためにも、まずはこの地域の食の魅力を広く知っていただくことが重要であり、三浦半島はイタリア半島をキーワードとしたPRは、そのきっかけとして有効であると考えます。  また、イタリアには、食文化を生かしたスローフードや農業ツーリズムなどの取組があることに倣い、三浦半島の食の魅力を農業や観光などと関連づけて発信することで、地域の付加価値を高め、人々の興味を喚起することも考えられます。  とはいえ、このたびの新型コロナウイルスの感染拡大は、地域経済に大変大きな影響を与えました。社会経済活動の再開は、感染の収束状況を見ながら、段階的に進めていくことになり、今後は現地に足を運んでいただく以外の方法でも三浦半島の食の魅力をしっかりと伝え、生産者や事業者の収益にもつなげられるような仕組みづくりが必要であると考えます。  私は、デザインからコンサルタントに加え、飲食店の経営など、様々な形で事業に関わってきた経験から、食の取組は人々に喜びや感動を与え、さらには地域経済の再生につながるものと確信しています。  今こそ、大きなポテンシャルを持つ三浦半島地域の食の魅力を一層高めていくことが、地域の活性化にとって重要な取組であると考えます。  そこで、知事に伺います。  三浦半島地域の活性化に向けて、今後どのように食の魅力を生かした取組を展開していくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、子どもの貧困対策と居場所づくりについてです。  全ての子供たちが夢や希望を持てる社会の実現のため、子供の貧困対策は極めて重要であり、とりわけ、生活困窮の割合の高い独り親家庭の支援として、保護者が就労している間、子供が安心して過ごせるような子供の居場所づくりが必要です。  これまでも独り親家庭の保護者からは、仕事で家を空けている間、経済的な負担の少ない子供の居場所を見つけることに大変苦労しているとの声を伺ってきました。  こうした子供の居場所については、困難を抱えている子供たちがその環境に応じて身を寄せ、人と交流し、場合によってはSOSを発信できる場所として、一つでも多く用意するなど、子供たちのプラットフォームを強化していくことが必要です。  〔資料提示〕  先日、コロナ禍にあっても、懸命に取組を続けている地元のボランティアによる子供食堂でお手伝いをする機会がありました。その子供食堂は、外出自粛による担い手不足や、感染防止対策の強化による物資の問題など、多くの困難に直面していました。  その一方で、お弁当を受け取りに来た子供たちは、大人と言葉を交わし、明るい笑顔を見せており、こうした姿を目の当たりにして、子供の居場所としての子供食堂の役割は大変大きく、その必要性を改めて強く感じたところです。  現在県内には子供の居場所として、市町村が実施する放課後児童クラブや放課後子供教室のほか、地域のボランティアやNPOによる自主的な活動として、無料または低価格の食事を提供する子供食堂や、無料で勉強を教える学習支援教室などが開設されています。  子供の居場所の設置や地域の活動への支援については、一義的には市町村が担っていることは承知しています。とはいえ、とりわけ放課後児童クラブの利用料は施設によって大きく異なり、市民から伺っているところによると、横須賀市や三浦市では月額2万円近い施設も多く、生活困窮世帯の利用は難しいのが現実です。  このコロナ禍において、地域の活動に困難が生じている今、県としても地域の活動を積極的に支援し、子供の居場所を支えていくべきと考えます。  そこで、福祉子どもみらい局長に伺います。  子供の居場所に関する地域の取組を支えていくために、県は今後どのような支援を行っていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、日地位協定の改定に向けた本県の取組についてです。  本県には12もの米軍基地が所在し、基地周辺に様々な影響を及ぼしています。  2006年、横須賀において米兵による女性の殺人事件が発生、妻を殺害された男性が現在も日両政府の責任を問い続けるなど、軍人などによる事件・事故に加え、航空機による騒音も収まらず、県民の安全・安心を日夜脅かしています。その解決は喫緊の課題でもあります。  〔資料提示〕  こうした基地問題の背景には、日地位協定の存在があります。  県は、知事が会長を務める渉外知事会を通じて地位協定の課題を指摘し、改定を求め続けていますが、地位協定は締結から60年以上、一度も改定されずに今日まで至っています。  この間、事件や事故など問題が生じるたびに、国は地位協定改定ではなく、運用改善により対応してきましたが、抜本的解決には至っていないのが実態であります。  さらに、新型コロナウイルス感染症の脅威によって、改めて突きつけられた問題があります。こうした感染症の防疫に関して、駐留する米軍と日本側の対応について、日地位協定には定めがないのです。  感染症に関する情報の公開にも課題があります。  2013年の日合意に基づき、衛生当局間の情報交換は行われています。しかし、側は本年3月、安全保障上の理由から、基地ごとの個別の発症情報は公表しない方針を示しました。国もその方針を尊重しており、国は側からの情報を非公表の扱いとし、感染者等の情報は公表されていません。  これを受け、渉外知事会では先月、米軍における新型コロナウイルス感染症に係る情報を積極的に公表するよう、政府に緊急要請を行いましたが、状況は改善されていません。  感染者情報に限らず、これまでも米軍基地の運用や訓練等の情報が基地周辺に知らされることはほとんどありませんでした。  日地位協定の下で、基地の実情がベールに包まれていることは大きな問題であり、地元住民の不安をあおっているのを私も肌で感じています。  新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、改めて明らかになった日地位協定の課題を踏まえ、改定に向けてしっかりと取り組んでいただきたいのです。  そこで、知事に伺います。  米軍基地における新型コロナウイルス感染者情報など、基地の実情が見えない現状をどのように認識しているのか、また、日地位協定の改定にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 野田議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、感染症対策における専門人材の確保・育成についてお尋ねがありました。  新型コロナ対応の長期化が予想される中、患者の治療やクラスターへの対応、医療施設における感染対策などを適切に行っていくには、感染症について高度な知識や経験を持つ人材の確保・育成が重要です。  一方、感染症専門医や専門看護師といった感染症分野の専門人材は全国的に人数が少なく、育成にも時間がかかることから、人材の確保・育成と併せて、より多くの医療従事者等に感染症対策の知識や経験を身につけていただくことが効果的と考えます。  国は今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、臨床研修医が診療所などで行う地域医療研修について、保健所における研修に置き換えることを認めました。  県としても、新型コロナ対応を含む保健所業務を経験してもらうよい機会と捉えており、臨床研修医からの希望に応じて積極的に受け入れていきます。  こうした取組により、感染症対策や公衆衛生業務に対する臨床研修医の理解、関心を深め、専門人材の育成につなげていきたいと考えています。  また、看護師の卒後教育を担う県立保健福祉大学実践教育センターでは、施設内の感染防止対策などを専門とする感染管理認定看護師の教育課程を設け、年間30人を対象として感染症の専門人材の育成に取り組んでいます。  感染管理認定看護師は、院内クラスター対策を行うために県が立ち上げたC-CATでも中心的な役割を担っており、個別の施設の状況に合わせた効果的な感染防止対策の指導や保健所職員への研修を行っています。  また、感染症の研修教材として使用できる動画やスライドを作成するなど、今後は各医療機関が行う感染症の研修について、企画等の支援を行っていきます。  県は引き続き、感染症分野の専門人材の確保・育成に努めるとともに、より多くの医療従事者が感染症対策についての知識や技術を身につけ、レベルアップを図れるよう関係機関等と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。  次に、SDGsを通じた地域活性化の促進についてお尋ねがありました。  本県では、SDGsの行動促進と地域活性化に向けて、SDGsつながりポイント事業に取り組んでいます。  この事業は住民の方々に地域の課題解決に向けた活動を通じて、身近にSDGsに気づいていただき、自分事化していただくことを狙いとしています。  具体的には、スマートフォンのアプリを活用して店舗や企業が直接住民に対して参加協力を呼びかけることができる、住民は自分が参加しやすい活動を選択でき、ポイントがたまる、地域の店舗等でポイントの利用が可能で、次の活動へのモチベーションになるなどの特徴があります。  昨年度は、まず鎌倉市と小田原市とそれぞれ連携して実証事業を行い、テイクアウト容器の持参、売れ残りのパンの購入、ビーチクリーンなど、SDGsにつながる様々な活動が合わせて50の店舗等、約1,500人の参加を得て実施されました。  参加者からは、つながりポイントを使って交流が生まれ、仲間が増えた、活動とSDGsのつながりに改めて気づいたなどの声が聞かれました。  このように地域の課題を解決して地域を盛り上げたいという共通の思いを持つ住民、店舗、企業のつながりが広がっています。  加えて、今回の新型コロナウイルス感染症で様々な課題が浮き彫りになる中で、地域で課題を乗り越える取組も生まれています。  県では、SDGsアクションで新型コロナウイルス感染症を乗り越えようという特設ページを設け、こうした取組を幅広く発信しています。  また、幾つかの市町村からは、つながりポイントに強い関心をいただいており、今年度からの新たな導入に向けて具体的な調整を行っています。  今後もこうした地域での取組や市町村と連携して、つながりポイントの一層の導入拡大を図り、SDGsの行動促進と地域活性化を後押ししていきます。  次に、食の魅力を生かした三浦半島地域の活性化についてお尋ねがありました。  自然豊かな三浦半島は三崎のマグロをはじめ、多彩な食材の宝庫であり、県は食の魅力を活用して地域の活性化を図る取組を進めてきました。  特に、三浦半島はイタリア半島プロジェクトでは、登録店舗制度の普及やイベントの開催を通じ、来訪者から多くの好意的な意見が寄せられ、地元の生産者等がこの地域の食の持つポテンシャルの高さを改めて認識したところです。  今後は三浦半島の食の知名度をさらに高め、地域外でも通用するブランドとして確立するとともに、主力産業である観光分野において食をきっかけとした来訪を増やし、地域全体で稼げる仕組みにしていくことが重要です。  そこで、県ではイタリア料理で使用する希少な食材を地元で生産し、提供できるという三浦半島の特性を在日イタリア商工会議所と連携して発信し、イタリアや食に関心を持つ消費者を中心に広くアピールすることで、地域の知名度向上を図っていきます。  また、今後設立予定のDMOが三浦半島の特色ある食材等を集め、オンラインで紹介、販売するサイトの開設準備も進めていますので、新しい生活様式の下でも有効なこのツールを活用し、県内外の方々に地域の魅力に触れていただけるよう、隠れた逸品の掘り起こし等を支援し、ブランド価値の向上を図ります。  さらに、こうした取組を将来の来訪につなげるため、自分で収穫した農作物を調理する料理体験ツアーなどの食に関する体験型観光について、生産者と観光事業者のマッチングを進めるなど、商品化を後押ししていきます。  こうした様々な取組を市町や民間と連携して積極的に展開することにより、三浦半島地域全体の稼ぐ力を向上させ、地域の活性化につなげてまいります。  最後に、日地位協定の改定に向けた本県の取組についてお尋ねがありました。  基地問題の重要課題の一つとして、米軍の運用など、基地の実情が見えず、基地周辺住民の方々の不安につながっているという問題があります。  例えば、新型コロナウイルス感染症に関し、日の衛生当局間で情報交換が行われていますが、感染状況や側の具体的な取組については、米軍の運用に影響を与えるおそれがあるとの理由から、国は公表していません。  そうした国の対応については、安全保障上の理由から一定程度理解しますが、一切の情報が非公表では基地周辺住民の方々に不安を与えます。  このため、私が会長を務める渉外知事会では、本年5月に基地における感染防止対策の強化に加え、国の責任において米軍基地における感染者情報を適切に公表するよう、国に緊急要請を実施しました。  今回、新型コロナウイルス感染症への対応を通じて、基地の実情が見えず、基地周辺住民の方々の不安につながる問題が改めて浮き彫りになりましたが、こうした背景には日地位協定の課題があると考えています。  現行の日地位協定の下では、基地の運用については側の裁量が大きくて、情報の公開は義務づけられていません。  これまでも渉外知事会において、日地位協定を改定し、基地使用の可視化を図り、基地周辺に配慮した適時適切な情報提供を求めてきましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえ、改めて国に働きかけていきます。  また、現行の日地位協定には検疫や保健衛生に関する規定がありません。こうした基地周辺住民の方々の安全に関わる分野について、日地位協定を改定し、国内法令を適用するよう引き続き国に求めていきます。  今後も基地に起因する様々な課題を抜本的に解決するため、渉外知事会の会長として日地位協定の改定に向け、全力で取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(前田光哉)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 前田健康医療局長。 ◎健康医療局長(前田光哉) 健康医療局関係の御質問についてお答えいたします。  地域包括ケアを担う総合診療医についてお尋ねがありました。  総合診療医は、特定の臓器や疾患に限定することなく、幅広い視野で患者を診察する役割を持っています。  また、医療・介護の両面から住民を支援する地域包括ケアシステムにおきましても、豊富な知識と経験により、慢性疾患や心理社会的な問題に継続的にケアを行う医師として重要な役割を果たしています。  今後、高齢化の進展に伴い、臓器や診療領域を超えた多様な問題を抱える患者の増加が見込まれるため、総合診療医の育成、確保が重要になります。  県ではこれまで、地域医療医師修学資金を受給している医学生などを対象に、総合診療医の役割や重要性に関する研修会を行うとともに、より多くの医師がその研修内容を理解できるようホームページで公開してきました。  また、今年度から修学資金の貸付けを受けた医師の勤務の対象となる診療科に総合診療科を追加して、総合診療医を増やす取組を開始し、その育成に努めています。  しかし、総合診療医はその必要な知識が広範囲にわたり、様々な領域の臨床症例の経験を積む必要があることから、研修期間も長期になり、総合診療医を目指す若い医師が少ないといった課題があります。  そこで、大学病院などにおいて、若い医師が経験豊富な総合診療医の指導を受けながら初診外来での実績を積むとともに、地域の医療機関を経験することで、総合診療医としての知識を習得し、その育成につなげていきます。  さらに、県医師会、県病院協会などと共に議論を重ね、病院で経験を積んだ医師がセカンドキャリアとして、地域医療や在宅医療を担う総合診療医への転換促進策を検討していきます。  今後ともこうした取組を通じ、総合診療医の育成、確保に努め、県民の皆様が安心して在宅医療を受けられる環境を整備してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 石渡環境農政局長。 ◎環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  持続可能な有機農業の推進についてお尋ねがありました。  有機農業は化学合成農薬、肥料を使用しないなど、環境への負荷をできる限り低減した生産方法で、消費者が求める安全で良質な農産物の供給に資するなど、本県農業の推進に有効であると考えています。  このため、県では平成30年4月に神奈川県有機農業推進計画を改定し、栽培技術の開発に取り組むとともに、有機農業者に対する技術指導を農業技術センターで、また有機農業を目指す方への情報提供、相談等の支援を、かながわ農業アカデミーで行っています。  これにより、現在、県内では約300名の方が有機農業に携わり、中には直売等で成功した方もおられます。  一方で、有機農業は化学合成農薬・肥料を使用しないため、病害虫の防除や除草に労力がかかること、また農産物の品質や収穫量にばらつきが出て、安定供給が難しいことなどの課題があります。  今後、有機農業を推進し、就農者を増やしていくためには、作業を省力化する技術の開発とともに、安定経営ができるよう、経費面や販路拡大への支援が必要です。  そこで、県では農業技術センターが民間企業等と共同で、さらなる栽培技術の開発に取り組んでいます。  例えば、栽培時に土を覆うマルチ資材に生分解性フィルムを使用する技術では、栽培終了後にフィルムを畑にすき込むと微生物の力で分解されるため、環境に優しく、片づけ作業が省力化できます。  また、農作物を振動させて害虫を寄せつけない技術では、害虫が揺れを嫌うため、化学合成農薬を使わずに栽培できるようになります。  今後はこれらの技術の実用化を目指すとともに、経営の安定化に向けて国の交付金を活用し、経費の負担を軽減していきます。  さらに、販路の拡大については、小売店や飲食店等との、かながわ農林水産品マッチング商談会への参加を呼びかけたり、新たに都内で開催される大規模な収穫祭イベントへの出展などを支援していきます。  県ではこうした取組により、持続可能な有機農業の推進を図り、本県農業を振興してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔福祉子どもみらい局長(橋本和也)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 橋本福祉子どもみらい局長。 ◎福祉子どもみらい局長(橋本和也) 福祉子どもみらい局関係の御質問にお答えします。  子どもの貧困対策と居場所づくりについてお尋ねがありました。  困難を抱える子供たちをはじめ、子供たちに家庭や学校以外に子供食堂や学習支援教室、あるいは放課後児童クラブといった子供の居場所があることは大変重要です。  県は市町村や経済団体などと共に子供たちを社会全体で支えることを目的に、かながわ子どものみらい応援団を平成29年に立ち上げました。  応援団では、身近な地域での活動がさらに進むよう、子供食堂などの運営方法を学ぶ人材育成セミナーや活動を支援する企業等との交流会を開催してきました。  子供食堂などは年々増加傾向にありますが、その多くは小規模なボランティア団体が運営しており、活動に必要な資金や人材などが不足していると聞いています。また、支援を希望する企業からも、どこに支援をしてよいか分からないという声が上がっています。  そこで、県では、かながわ子どものみらい応援団のホームページを充実し、子供食堂などの活動情報や企業等からの資金や物資の提供情報を集約して発信します。  さらに、個別に活動する運営団体のネットワークづくりを支援して、相互の情報の共有や人材のマッチングが進むよう活動の活性化を図っていきます。  また、子供食堂などの多くは新型コロナウイルス感染症の拡大以降、現在も活動休止や縮小に追い込まれており、活動の再開に向けた支援が必要です。  そこで、県では新しい生活様式を取り入れた運営方法の好事例などを運営団体に紹介していきます。  さらに、令和2年度6月補正予算案その2には、子供食堂の再開に向けて、かながわ新型コロナウイルス感染症医療福祉応援基金を活用した協力金を支給する事業を計上しています。  こうした取組を通じ、地域における子供の居場所づくりを県としてもしっかりと支援してまいります。  答弁は以上でございます。  〔野田治美議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 野田治美君。  〔野田治美議員登壇〕
    ◆野田治美議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、私から要望を申し上げます。  まず、感染症対策における専門人材の確保・育成についてです。  2003年のSARS、2009年のMERSやインフルエンザ、2019年新型コロナウイルス感染症など、新興ウイルス感染症は全世界に影響が及びました。  現在、県内の感染症専門医師や看護師は十分と言えません。最初から感染症専門の知見を学ぶことのできる感染症学部は聖マリアンナ医科大学のみであり、既に現場で働く方々にも研修を受けていただく必要があります。  また、感染症関連の資格を得ることで病院の診療報酬も向上し、病院経営にもよい影響があります。そのためには学部の増設を進めるとともに、研修を受ける際の支援制度をしっかり行うことを要望します。  次に、地域包括ケアを担う総合診療医についてです。  超高齢化社会と言われる中、地域包括ケアシステムを推進していく上では、担い手の確保や病診連携体制の構築など、様々な課題があります。また、かかりつけ医を持つことについては、県民へのさらなる周知も必要となります。  県は、かながわ未病改善宣言を発表し、社会のあらゆる主体が協力し合い、ライフステージに応じた未病改善の取組を展開するとしています。  県民誰もが幸せな老後を迎えられるように、身近で相談できる医療のプライマリ・ケアを担う総合診療医の育成とともに、安心して地域医療を受けられる地域包括ケア体制の整備にしっかり取り組んでいただくよう要望します。  次に、持続可能な有機農業の推進についてです。  今回のコロナ禍では、世界の食料貿易にも影響が出ました。  神奈川県の食料自給率は、カロリー、生産額ベースとも全国ワースト3位という水準です。加えて、農業従事者は、高齢化や後継者不足から減少が続いており、若い担い手をしっかり確保、育成していくことも重要です。  こうした中、付加価値も高く、若い人に人気のある有機農法の推進は、持続可能な農業に寄与し、SDGsの観点からも好ましいと考えます。  現在、県内では小田原と平塚がオーガニックビジネスの拠点となっていますが、ぜひとも三浦半島をてこ入れして取り組んでいただくよう要望いたします。  次に、食の魅力を生かした三浦半島地域の活性化についてです。  豊かな農産・畜産物に海産物の三浦半島、都内からも近く、他県から訪れる友人たちも、すばらしい環境に感動する者も多くおります。  地域に暮らすように食を楽しむ旅や、感染拡大防止と地域経済を両立する地域内観光の推進、新しい観光スタイルの構築、新しいビジネスモデルタウンなど、具体的に三浦半島の活性化へ向けての施策を進めていただくよう要望します。  次に、日地位協定の改定に向けた本県の取組についてです。  基地内の感染者情報に関しては、日本政府は米軍に情報公開を積極的に求めてよいはずです。実際に、今回のコロナ感染者情報の公表が不十分な状況では、横須賀基地で働く日本人従業員や地域住民からも不安の声が上がっており、このままでは安心・安全を担保できないと懸念するところです。  昨年、沖縄県への視察を通して、改めて日地位協定の改定の必要性を強く感じました。  現在の日地位協定の問題点を、県民が自分事として問題意識を抱くことができるよう取り組んでいただきますよう、要望します。  最後に、新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちの生活、国や企業の形は大きく変わろうとしています。  国連のグテーレス事務総長も4月30日、環境に優しい持続可能な経済復興に取り組むよう各国に訴えられています。  スウェーデンの環境活動家、グレタさんも、私たちは地球温暖化と新型コロナウイルスという二つの危機と同時に闘わなくてはならないとネットを通じて訴えています。  私自身、NGOなどにも所属し、長年環境問題にも関わってきましたが、21世紀になり、ますます厳しい環境と感じており、SDGs未来都市の本県としては、我々がウィズコロナで得た経験と知見を生かして、アフターコロナにおいて、今度こそ持続可能な経済活動をつくり上げていくべきと考えます。  循環型経済は、次の感染症拡大や異常気象からの複合的な被害のリスクを下げることにもつながると考えます。  そして何より、今までどおりの社会にただ回復するのではなく、人々にとっても、環境にとっても、より持続可能な経済復興を基本とし、私たち一人一人の行動と共に行政の果たす役割は大きく、未来へ向け、よりよい社会を目指す機会とするべきです。  以上をもちまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028699-質問・答弁-武田翔議員-一般質問①新型コロナウイルス感染症に係る諸課題について②県政の諸課題について》   〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆武田翔議員 私は自由民主党の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問させていただきます。  知事並びに首藤副知事、健康医療局長、教育長、教育監におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願い申し上げます。また、先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問に先立ち、一言申し上げます。  国内外のシンクタンク等が算出した予測によりますと、我が国の2020年度の実質GDP成長率は、おおむねマイナス5%台という深刻な状況となっています。あの苦しかった平成期の不況、リーマンショックが発生した2008年でさえ、我が国の実質GDP成長率はマイナス3.4%、翌年2009年はマイナス2.2%でありました。  マイナス5%というのは、歴史の教科書で習ったおよそ100年前、1929年に起きた世界大恐慌と同程度です。ただ、このマイナス5%というのは、あくまでも新型コロナウイルスが短期終息した場合です。長期にわたる場合の成長率は、マイナス10%を超えるという衝撃的な数値も出ています。  このような予測どおりにならないように、まず、新型コロナウイルスを抑え込む、これは県民の皆様一人一人の力が必要となります。  私の質問が少しでも県政の発展につながることを願いながら、質問に入らせていただきます。  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症に係る諸課題について伺います。  初めに、新型コロナウイルス感染状況下での未病改善・健康づくりについてです。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、本県は4月7日から5月25日までの約1か月半、政府の緊急事態宣言によって緊急事態措置を実施すべき区域となりました。  医療現場の最前線で献身的な対応をしてくださった医療従事者の皆様、また、休業や外出自粛等により感染防止に御協力いただいた県民の皆様等、全ての県民の一致団結した取組により緊急事態宣言は解除することができました。  しかしながら、第2波、第3波のおそれも指摘されており、感染拡大防止と社会経済活動を両立させるための新しい生活様式の模索はまだ始まったばかりであります。  こうした状況の中、感染予防のための外出自粛で運動不足になった、人と会話ができないので気がめいる、食生活も乱れがちになったなどの声が各所で聞かれます。  先日も会社員を対象とした調査で、今年1月よりも体重や体脂肪が増えた人が約60%に上ったとの報道もありました。この調査によると、外出自粛で1日の歩数が大幅に減り、国が推奨する1日当たり歩数8,000歩に達していない人が約80%に上り、専門家からは、運動不足の状態が続くと、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病を発症するおそれがあると指摘もなされています。  とりわけ、高齢者の中には、感染への不安から、自宅に閉じ籠もって外に出ないようにしているという方が多いと聞きます。外出が減って体を動かす機会が減ると、筋肉量が減ってしまうこともあり、フレイル、いわゆる虚弱化の加速が心配されます。  感染を予防するための取組はもちろん重要ですが、そのために健康状態の悪化を招くことのないよう、何らかの対策が必要であると考えます。  これまで本県では、未病改善や健康づくりのため、様々な取組を推進してきました。  新型コロナウイルス感染症との闘いが長期化し、不要不急の人との接触や外出を控える生活が求められる一方、心身の健康を保っていくためにも、今こそ未病改善や健康づくりを進めることが重要であり、必要不可欠であると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症との闘いが長期化すると見込まれている中、健康状態の悪化を招くことがないよう、未病改善や健康づくりにどう取り組むのか、見解を伺います。  次に、医療的ケア児の保護者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の子どもの預かり先について伺います。  本県における新型コロナウイルス感染症への対応については、患者の重症度別に医療機関の役割を明確にした神奈川モデルが構築されており、高く評価されるべきものであると考えます。  中でも、精神疾患を抱える方に対応するための精神科コロナ重点医療機関や、乳幼児を含む子供のコロナ患者にも適切に対応するための小児コロナ受入医療機関が設定されたことは、多様性の観点からも大きな意義を持つものであると考えます。  その一方で、920万人以上の人口を抱える本県では、様々な困難、事情を抱えた方が多くいらっしゃいます。報道などでは第2波の到来を懸念する声も上がっていることから、県として、さらに一歩踏み出した対応が必要だと感じています。  特に、在宅で人工呼吸器などの医療的ケアを必要とする児童については、保護者が常に寄り添い、ケアを行いながらの生活を余儀なくされていると聞きます。  保護者にとっては、子供本人が新型コロナウイルス感染症に感染しなくても、保護者が感染すれば、子供の日常生活を支えることができなくなってしまい、その恐怖は計り知れないものであります。  人工呼吸器をつけた子供を持つ保護者の中には、自粛によって外出もままならず、精神的な負担も大きい。そうした中で、自分が新型コロナウイルス感染症にかかってしまったらどうしようと不安でふさぎ込んでしまった方もいると聞きます。  また、新型コロナウイルス感染症ではありませんが、ある方が2週間入院することになったとき、子供を長期間預けられるところがなく、困り果てている、そのような話もありました。制度があっても、うまくマッチングしていない状況でした。  このようなケースもあることから、保護者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の預け先を県で整備するなど、県民の皆様の不安にきめ細かく寄り添った体制を構築する必要があると感じております。  そこで、健康医療局長に伺います。  医療的ケアが必要な子供を抱える保護者が、新型コロナウイルス感染症に感染した場合に備えて、その預け先を確保するなど、安心して療養できる環境を整備する必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、県立高校で学ぶ生徒の進路実現に向けた取組について伺います。  新型コロナウイルス感染症による国の緊急事態宣言に伴い、県立高校は前例のない長期間の臨時休業となりました。生徒が授業を受けられなかったことにより、学習量の確保や内容の定着が懸念されています。  この間、各学校においては、生徒の学習に遅れを生じさせないための課題等の家庭学習を課してきたと承知しておりますが、ICTの活用が進んでいる一部の私立高校と比べると、学習の進度に格差が生じてしまっていると考えます。  このようなことは、既に5月上旬から学校の教育活動を再開していた地域との間にも生じていると考えます。  さらに、学校の臨時休業で自由な時間ができたことにより、目標に向かって自己研さんを積み重ねる生徒がいる一方、目的を見いだせず、テレビやゲームなどの娯楽に誘惑され、無為の日々を送る生徒もいると聞きます。  コロナ時代に生きる生徒たちは、周囲との比較ができないことから相対的な学力の認識が難しく、学習意欲の差は今後ますます広がる傾向にあるのではと懸念します。  こうしたことから、6月16日の代表質問において、我が会派から、学校再開における通常登校への移行の段階や期間を見直してもよいのではないかと指摘をさせていただきました。  また、昨年来、民間の英語資格検定試験の活用や大学入学共通テストにおける記述式問題の導入の見送り、最近では9月入学・新学期制度の検討など、様々な新しい制度についての議論が繰り返され、加えて、今回の長期にわたる臨時休業によって、大きな不安やストレスを抱えながらの学校生活を余儀なくされているのではないかと危惧しております。  特に今年度は大学入学共通テストが初めて実施されることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で先行きが不透明な中での受験となります。大学受験を控えた県立高校3年生の多くは、他の都道府県の生徒と学力を競うことから、自身の学習の遅れに焦りを感じているのではないでしょうか。  そこで、教育長に伺います。  県立高校で学ぶ生徒、特に県立高校3年生の生徒たちが進路実現に向けて安心して学校生活に取り組んでいけるよう、県教育委員会として、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 武田議員の御質問に順次お答えします。  新型コロナウイルス感染症に係る諸課題についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染状況下での未病改善・健康づくりについてです。  新型コロナの長期化が見込まれる中、今後は新しい生活様式の下、感染対策を徹底しながら心身の健康を保つ必要があります。  そのため、日頃から心身をより健康な状態に近づけていく未病改善の取組が一層重要性を増していると考えます。  未病改善には食、運動、社会参加の三つの取組が重要ですが、新型コロナの感染下では、実施方法の工夫も必要です。  そこで、ホームページや県のたよりにバランスのよい食事や口の健康対策、室内でも体を動かす工夫、電話やメールを活用した交流など、外出を控えながら、今取り組んでいただきたい未病改善の取組をまとめて掲載しました。  このホームページには前年同時期と比較して約7倍、3万件以上のアクセスがあり、多くの県民の皆様に御活用いただいております。  また、人と人とが直接コミュニケーションを図る社会参加は、毎日を生き生きと過ごすために欠かせないことですが、新たな生活様式においては、特に工夫が必要です。  そこで、県では感染拡大を防ぎつつ、コミュニティ活動を楽しく進める上で注意すべきポイントを簡潔にまとめたリーフレットを作成し、県民の皆様の社会参加を支援していきます。  新型コロナを契機に県民の皆様の健康への関心が高まっており、食、運動、社会参加を柱とする未病改善の取組を実施方法の工夫をしながら、一層推進してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(前田光哉)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 前田健康医療局長。 ◎健康医療局長(前田光哉) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  医療的ケア児の保護者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の子どもの預かり先について、お尋ねがありました。  日常生活を営む上で、常時、医療的なケアを必要とする子供、いわゆる医療的ケア児への支援は、本県における重要な課題の一つであると認識しております。  特に人工呼吸器を装着した子供は、新型コロナに感染した場合、重症化しやすいおそれもあると言われており、保護者の不安は計り知れないものと考えます。  医療的ケア児の保護者が新型コロナに感染した場合、子供は濃厚接触者である可能性が高いことから、まずはPCR検査を実施し、陽性だった場合は小児コロナ受入医療機関に入院します。  小児コロナ受入医療機関は県内に30から40機関程度あり、県内7ブロックに設置している拠点医療機関と連携して、小児コロナ患者に適切に対応しています。  また、子供が陰性だった場合、感染者以外の保護者がいないなど、家庭の事情で子供が自宅で日常生活を過ごすことが困難になることも考えられます。  県では、保護者や介護者が新型コロナに感染した場合に、残される子供や高齢者を受け入れる施設を確保していますが、医療的ケア児については専用の受入体制が必要です。  そのため、かかりつけの医療機関などに相談の上、小児コロナ受入医療機関のネットワークを活用して医療型短期入所施設や小児コロナ受入医療機関など、医療的ケア児の状況に応じた適切な専用施設で受け入れていきます。  新型コロナ感染症における医療提供体制、神奈川モデルは、誰も取り残さないことを重要視しています。今後も第2波の到来に備えて、医療的ケア児やその保護者をはじめ、誰もが安心できるようなきめ細かな受入体制を整備してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校で学ぶ生徒の進路実現に向けた取組についてです。  県立高校では6月1日から校内における新型コロナウイルス感染症防止対策を取りながら、段階的に教育活動を再開しています。  大学進学を目指す生徒、特に受験を控えた3年生の中には、臨時休業が長く続いたことによる学習の進み具合や大学入学者選抜改革による入試の実施方法の変更など、先行きに不安を抱きながら、日々の学習に取り組んでいる生徒も多いと認識しています。  県教育委員会としては、まず生徒一人一人が安心して受験に臨めるよう、また多様な進路希望に応えられるよう、国や各大学の動きなど、進路に関わる正確な情報を学校を通じて迅速に提供していきます。  特に最終学年の生徒には、大切な進路決定に向けて、これからの時期をどう過ごすかが極めて重要な意味を持つことから、学校において丁寧な進路面談を実施し、生徒の不安を取り除くよう、進路担当者会議等を通じて各学校に徹底していきます。  加えて、放課後や長期休業期間中に補習を行うなど、学びを保障していきます。  そして、現在の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、県教育委員会が5月に作成した学校再開ガイドラインにおける通常登校の実施時期についても、前倒しを図っていきたいと考えています。  今後とも県教育委員会では、各学校が生徒一人一人に寄り添い、進路実現に向けて取り組めるようしっかりと支援してまいります。  以上でございます。  〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕 ◆武田翔議員 新型コロナウイルス感染状況下での未病改善・健康づくりについて、再質問させていただきます。  先ほど知事からの答弁で、未病改善・健康づくりには工夫をして、様々な情報発信をしていただけると、そういうお話がございました。  高齢者の方はフレイルになると、免疫力の低下により、新型コロナウイルス感染症に感染すると重症化するリスクがより高くなる可能性があると指摘する専門家もいます。  感染への不安から外出を控える高齢者が多くいる中、難しい点もあると思いますが、フレイルが悪化しないように、県として、フレイル等の未病改善にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  高齢者のフレイルを悪化させないためには、日常生活の中で体を動かすといったことが重要です。  県は、ホームページで新型コロナの長期化によるフレイルの危険を呼びかけるとともに、椅子に座ったままできるストレッチの動画を配信するなど、外出を控えている高齢者の健康維持を図る取組を行っています。  一方、インターネット等を利用しない高齢者のためには、取組の工夫も必要であります。  本県では、これまでも県民ボランティアのフレイルサポーターに御協力いただきまして、マンツーマンでフレイルチェックを行うなど、地域でフレイル対策を進めてきました。  今後は十分な感染防止策を取りながら、こうした対面の取組なども再開していくことで、高齢者のフレイル等の未病改善に取り組んでまいりたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕 ◆武田翔議員 要望を申し上げます。  医療的ケア児の保護者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の子供の預かり先についてですが、新型コロナウイルス感染症が社会に深刻な影響を及ぼす中、医療的ケア児とその家族の社会的孤立が深まっていると聞きます。  県内の保護者が感染した場合でも、預け先の体制は整っているので安心してくださいということをしっかりと周知していただき、制度があってもうまく運用ができない、そのようなことがないよう強く切望いたします。  次に、県立高校で学ぶ生徒の進路実現に向けた取組についてですが、通常登校への移行や期間を見直すとの御答弁もいただきました。  生徒はこの夏の過ごし方で、進学あるいは就職にかかわらず、今後の人生が変わってきます。教員は生徒一人一人に自分の人生のよい経験を熱く語りかけていただき、生徒のやる気、モチベーションを刺激していただき、誰もが達成感や充実感とともに卒業できるよう願っています。  〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕 ◆武田翔議員 質問の第2は、県政の諸課題について伺います。  初めに、津久井やまゆり園事件への追悼と鎮魂のモニュメントの整備についてです。  平成28年7月26日、津久井やまゆり園で発生したあの凄惨な事件から間もなく4年がたちます。  今年は事件の裁判が終わり、被告の刑が確定した重要な節目の年でもあります。  残念ながら、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、追悼式が中止となりました。その点は承知していますが、こうしたことが事件の風化につながらないよう、今後も障害者への差別や偏見をなくし、ともに生きる社会かながわの実現に向けて、より一層、取組を進めていくことが必要であると考えます。  そうした中、来年8月には新しい津久井やまゆり園が開所予定であり、そこには、津久井やまゆり園再生基本構想に基づき、事件で命を奪われた方々に対する鎮魂のモニュメントも整備されると聞いております。  あの凄惨な事件の犠牲者に対し、追悼の念を表するためのモニュメントを整備することが大変大切であることは言うまでもありません。  しかしながら、その整備に当たっては、御遺族や地域住民の皆さんなど、事件に対して様々な思いをお持ちの皆様への配慮をしっかりと行っていただきたいと思います。  また、このモニュメントは建てて終わりではなく、将来に向けてどのようにつないでいくかということが最も重要であり、例えば、追悼式と併せた、さらなる普及啓発なども進めていくべきと考えます。  障害者本人が勇気づけられる、糧になるといった再生のシンボルとなることが望まれるとともに、社会全体で皆が事件を忘れずに語り継いでいく、ともに生きる社会かながわを推進していく視点からの検討なども必要です。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度は津久井やまゆり園事件の追悼式を開催することができません。どのような気持ちで7月26日を迎えるのか、また、新しい津久井やまゆり園の鎮魂のモニュメントをどのように整備し、活用していくのか、併せて見解を伺います。  次に、ICTの活用を軸としたより機動的な「地域医療構想」の推進について伺います。  今般、一連の新型コロナウイルス感染症対策を通じて明らかになったことの一つに、地域医療構想の重要性が挙げられます。  これまでの地域医療構想は、言わばビフォアコロナにおいては、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4段階における医療機能ごとに、将来の医療需要、もしくは予測患者数を推計し、どれだけの病床数を確保できるかに注視するのが一般的でした。  一方で、今後の新型コロナウイルス感染症対策では、収束後の感染の再発生を想定したウィズコロナ、さらにその先を想定したアフターコロナの対策も求められます。平時と有事の使い分けができる、より機動的な地域医療構想の早期確立が必要不可欠と考えます。  今回の新型コロナウイルス感染症では、今年2月に県を挙げて取り組んだクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号の対応で得た経験を基に、ICT活用を主軸とした感染対策の神奈川モデルが一躍脚光を浴びました。  体温が高い人の数を即座に把握し、患者の早期特定プロセスを全国に先駆けて確立できた結果、県内の医療体制崩壊を防ぎ、オール神奈川の力を結集して収束に至ったことは大変すばらしいと感じています。  また、県民の皆様一人一人が確かな情報の収集に努め、そこから正しい情報を得て、感染予防に取り組んだからこそ、このような成果につながったものと改めて実感しております。  その一方で、一連の新型コロナウイルス感染症対策では、医療機関における採算の問題も明らかになりました。  感染症指定病院が赤字の不採算に陥り、感染症指定病院はもうからないからやらない、あるいはできないというようなことがないように報酬、本来の意味が示す、懸命の努力が報われる、そのための手当てが必要だと考えます。  今回の神奈川モデルが示したように、予測患者の流れを追いながら医療体制を整えるといった取組は、非常に大切だと思います。  私が連想したのは三重県伊勢市、伊勢神宮のすぐそばで100年以上の歴史を誇る、ある老舗の事例です。小さな食堂ながらも最先端のICTを導入し、AIを活用した来客予測システムを独自に開発され、90%という驚異的な予測的中率で生産性を飛躍的に向上させ、売上げを4倍に拡大したことが大きな注目を集めました。  地域医療構想においても、データ解析を指標にした、勘に頼らない改革が急務と考えます。  さらに、今回の教訓としては、クラスターが発生した病院の機能が一時失われ、手術やリハビリなど平時の医療行為に支障を来した事例も少なからずあったと聞きます。  このような場合には、大規模な病院のみならず、地域に根差した医院など、かかりつけ医が手術やリハビリをできるよう複数の医療機関の間で患者情報を共有して必要な医療が受けられるよう調整することが望まれます。  そこで、首藤副知事に伺います。  地域医療構想をより機動的なものにすべく、ICT活用を軸とした医療の提供を最適化していく取組の推進について、見解を伺います。  次に、非正規労働者の県職員への採用について伺います。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、景気の見通しが相当厳しくなっている中、民間企業ではパートタイム労働者や派遣社員が解雇や雇い止めになったとの報道もあります。  身分や待遇が不安定であるため、経済状況が悪化すると正規社員よりも先に解雇されるなどという厳しい現実があります。  リーマンショックのときは、10か月後に失業率がピークに達したとも言われています。  今から15年前、私もその一員でありますが、就職氷河期世代の人間が就職活動に明け暮れた時期には、報道等で派遣社員がもてはやされ、自由な働き方こそが格好いいという風潮もありました。  働く方々がそれぞれの実情に応じて、正規や非正規など、多様な働き方を選択できることは重要ですが、正規の職を望みながら今もなお非正規で働かざるを得ない方は、今も一定数いるのではないでしょうか。  ある女性の話を紹介しますが、派遣社員を続けてきたが、離婚して一人で子育てをすることになり、正規の職を探しても見つからず、大変困っているという切実なものでありました。  誰にも突然、ライフステージの変化が訪れる可能性があり、自分一人で家族を養っていかなければならなくなったとき、雇用が安定した正規の職を望むことは理解できます。  県では、今年度から新たに就職氷河期世代を対象とした採用試験を実施しており、また、民間企業等でフルタイム勤務の経験がある社会人を対象とした試験も実施していることは承知しています。  しかし、新型コロナウイルス感染症によって社会の在り方が根底から変わっていく中で、県において、やる気があり、アグレッシブな考えを持つ人材については、キャリアに関係なく能力本位で採用するなど、柔軟に対応すべきではないかと思います。  また、女性活躍の観点からも、例えば、パートタイムや派遣社員などの豊富な経験を重ねてきた女性を県職員に加えることは、とてもよいことだと考えます。  そこで、知事に伺います。  県政の活性化を図るためにも、パートタイム等の非正規労働者を県職員として積極的に採用していくべきではないかと考えますが、見解を伺います。  次に、公立小・中学校における子どもの個性を伸ばす教育について伺います。  経済産業省の有識者会議が昨年6月に取りまとめた「未来の教室」ビジョン第2次提言では、これからの教育が目指すべきことの一つとして、子供たち一人一人の個性や特徴、そして興味関心や学習の到達度も異なることを前提にして、各自にとって最適で自立的な学習機会を提供していくことが掲げられています。  そして、この点における課題の一つとして、いわゆるギフテッドの子供たちへの対応が取り上げられています。  ギフテッドとは、先天的に平均よりも顕著に高い能力を持っている特性を指します。こうした子供たちは、ある分野では驚異的な能力を示す一方で、興味のない分野には全く関心を示さないことがあるため、同年齢の子供たちに同じ内容を一斉に教えていく従来型の学校教育では、その特異な力を伸ばすことが難しいと言われています。  こうしたギフテッドなどの子供たちの力を伸ばそうとする試みとしては、例えば、東京都渋谷区が東京大学と協働で教育プログラムを開発し、活用している取組や、一人一人の能力の峰を伸ばすギフテッド教育をカリキュラムの柱の一つに掲げ、長野県において官民連携で活動を展開するNPO法人翔和学園の取組などがありますが、諸外国に比べると、我が国の取組はまだまだ充実には程遠いのが現状です。  我が国の学校教育、特に公立の小中学校における教育は、学習指導要領の下、9年間の中で子供たちが一定の学力や社会性を身につけるという点において、長年にわたり大きな成果を上げてきたと認識しています。  しかしながら、ギフテッドの子供たちへの対応をはじめ、様々な特性のある子供たちへの対応や、不登校への対応など、今の公立小中学校が多くの課題を抱えていることも事実です。  本県においては、不登校の子供たちの学校外における居場所として、多くのフリースクール等が一人一人の個性に応じた多様な学びを実践しており、県教育委員会ではフリースクール等と学校との連携を推進していると承知しています。  これからの公立小中学校は、従来の学校教育のよさを継承しつつも、フリースクール等の取組なども参考にしながら、一人一人の違いを認め、子供たちが自分の個性を伸ばしていく取組をさらに充実していくことが求められていると考えます。  そのためには、教員が子供一人一人の個性をよさとして積極的に認めていくような意識をしっかりと持つことが重要であると考えます。  そこで、学校現場で長く勤められた経験を持つ教育監に伺います。  公立小中学校において、教員が子供の個性を認め、伸ばしていくことの重要性について、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、津久井やまゆり園事件への追悼と鎮魂のモニュメントの整備についてです。  今年の追悼式は新型コロナウイルス感染症の影響により、中止せざるを得なくなりました。今年は裁判が終了した特別な年であり、追悼式が開催できないことは本当に残念でなりません。  追悼式は中止しますが、私は県議会議長、相模原市長、相模原市議会議長などと共に追悼の思いをメッセージとして発信したいと考えています。  また、7月26日当日は現地に献花に赴き、亡くなられた方の御霊へお祈りするとともに、ともに生きる社会かながわの実現に向けた決意を改めてお誓いいたします。  現在、津久井やまゆり園は再生に向け、新しい施設の整備が進んでいます。その整備に合わせて、鎮魂のモニュメントの整備も進めていきます。  整備に向けては、これまで御遺族や利用者の御家族、地域の方などの関係者から御意見を伺ってきました。そこからは、誰もが訪問しやすい場所がよい、献花に訪れた方にベンチを配置してほしいといった御意見や、「ともに生きる社会かながわ憲章」の趣旨を反映させるべき、事件を二度と起こしてはいけないという社会へのメッセージが重要であるなど、御意見をいただきました。  県はこうした御意見を踏まえ、モニュメントは事件で命を奪われた利用者への鎮魂、事件を風化させないための後世へのメッセージ、さらに差別や偏見のない社会を目指す誓いを表すものにしたいと考えています。  あわせて、モニュメントが「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及につながるよう、様々な場面で活用することを検討していきます。  津久井やまゆり園事件の凄惨な事件現場の光景は、今も強く私の目に焼きついています。このような事件が二度と繰り返されてはならないという断固とした決意の下、障害者への差別や偏見をなくし、ともに生きる社会かながわの実現に向け、県議会の皆さんと共に全力で取り組んでまいりたいと考えています。  次に、非正規労働者の県職員への採用についてです。  社会が急速に変化し、価値観も多様化する中で、新卒者に限らず、民間で様々な経験をしてきた優秀な人材を採用することは、県政の活性化の観点から大変重要です。  このため、平成26年度から社会人経験者採用試験を開始し、民間企業で一定年数のフルタイム勤務の経験がある方を一般事務職として採用しており、昨年度は21名を採用しました。  また、今年度は、正規雇用の機会に恵まれなかった就職氷河期世代の方を対象とした採用試験を初めて実施していますが、1,000名を超える方の応募がありました。  一方、これまではパートタイムなどの非正規労働者の方を対象として採用試験を実施したことはありません。しかし、本県の労働者の3分の1を占める非正規労働者の中には、様々な経験やスキルを県職員として発揮したい方もいらっしゃると思います。  また、結婚や出産を機に、非正規労働者となった女性が再び正規雇用される機会が増えれば女性活躍にもつながります。  そこで、社会人経験者採用試験の受験資格について、フルタイムの経験年数だけでなく、パートタイムでの経験年数も算入できるようにするなど、非正規労働者を正規採用する方法を検討しており、今年度の試験から取り入れたいと考えています。  こうした多様な経験やスキルを持つアグレッシブな人材を積極的に集めることにより、県民目線に立った県政を着実に進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔副知事(首藤健治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 首藤副知事。 ◎副知事(首藤健治) ICTの活用を軸としたより機動的な「地域医療構想」の推進について、お尋ねがありました。  地域医療構想では、病床機能の確保と連携体制の構築、在宅医療の充実、医療従事者の確保・育成の3点を取り組むべき課題として整理しており、そのためにはICTやデータ解析を活用することが期待されています。  例えば、医療機関同士でICTを活用して検査データなどの患者情報を共有すれば、急性期の病院からリハビリ専門の病院に転院する際などの入退院調整を円滑に行うことが可能となり、医療機関の役割分担と連携が進みます。  また、病院で撮影したCT、MRIなどの画像を離れた場所で診断するなど、遠隔医療を活用すれば、限られた医療人材を有効に活用でき、働き方改革につながることも期待できます。  そこで、県では、今年度から新たにICTを活用して関係機関で患者情報を共有する地域医療介護連携ネットワークの構築を進めるとともに、遠隔画像診断の体制づくりのモデル事業を行っています。  また、地域ごとの医療体制について、課題を明らかにするため、レセプトデータを活用して、患者が地域内で医療を受けることができているかなどの分析を毎年行っております。  今後とも医療関係団体や専門家の意見を丁寧に伺いながら、ICTやデータ解析を活用することにより、患者や医療従事者双方にとって大きな効果を生むようしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育監(岡野 親)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 岡野教育監。 ◎教育監(岡野親) 教育関係についてお答えします。  公立小・中学校における子どもの個性を伸ばす教育についてです。  これからの変化の激しい社会を生きていく子供たちに、自分のよさや可能性を認識し、自ら伸ばしていくとともに、お互いの個性を認め合い、協力して課題を解決する力を培っていくことが大切です。  こうした力の基礎を養う公立小中学校では、教員の子供への関わり方が重要です。子供たち一人一人の個性を教員が理解し、認めた上で子供たちに関わっていくことが求められます。  また、このような教員の関わり方は、不登校などの様々な課題を抱えた子供たちに適切に対応していくためにも欠かせないものです。  そのため、県教育委員会では毎年度、県内各地区で開催している新学習指導要領に関する説明会の場を活用して、子供たちへの望ましい関わり方等について、教員の理解を促してきました。  また、教育相談担当の教員を集めた研修会において、フリースクール等のスタッフを講師に招き、子供の興味やペースに寄り添いながら、それぞれの個性を伸ばすといったフリースクールならではの子供の関わり方について研修する機会を設けてきました。  こうした中、国の中央教育審議会では、現在、新しい時代の初等中等教育の在り方をテーマに、多様な子供の才能を存分に伸ばす学びの機会の提供や、そのためのICTの効果的な活用などの視点から議論がなされています。  県教育委員会ではこうした国の動きも注視しつつ、子供たちの個性を認め、それを伸ばすように関わっていくという意識が教員にさらに根づくよう、フリースクール等との連携や個に応じた学びを充実するためのICT活用の促進などに取り組んでいきます。  これからも子供たち一人一人の個性を認め、その力を生かし、伸ばしていくという使命感を私たち教員は胸に抱き、この神奈川の公教育に携わってまいります。  答弁は以上でございます。  〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕 ◆武田翔議員 ICTの活用を軸としたより機動的な地域医療構想の推進について、再質問をさせていただきます。  先ほど御答弁で、遠隔画像診断を行うなど、新しい取組を行うことをお話しいただきました。  医療機関でのICTの活用は、これまでレセプト、診療報酬明細の電子化や患者カルテの電子化といった形で進められてきました。しかし、施設ごとにベンダーや仕様が異なることなどから、オンラインでの施設間連携が十分に進んでいないことが大きな課題です。  これに対して、異なるプログラムの間で橋渡しを行う仕組み、いわゆるAPIを活用することで、異なるシステム間でデータを連携することが可能となります。  このような連携の仕組みを研究し、病院と診療所の連携や医師の診療などにデータを効果的に活用し、効率的に質の高い医療を提供していくことが重要だと考えますが、神奈川県として、医療におけるデータ連携の仕組みをどのように整えていくのか、再度、首藤副知事の見解を伺います。  〔副知事(首藤健治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 首藤副知事。 ◎副知事(首藤健治) 地域を超えて異なるネットワークが相互に連携できれば、例えば遠方で事故に遭った場合でも、過去の診療情報をスムーズに確認しながら治療を受けられるなど、効率的に医療の質を高めることが可能となり、医療従事者と患者の双方にメリットが期待できます。  そこで、県では、国が構築を目指している全国共通の情報連携基盤の動向を見据えながら、地域で患者情報を共有するネットワークを構築するために必要な事項等を定めるガイドラインを昨年策定しました。  さらに、医療情報のネットワークとマイME-BYOカルテなど、個人の健康管理のためのアプリを本人同意の下、連携させることによって、患者の健康医療情報の変遷が追え、医療の質を高めることが期待できます。また、未病改善に向けた行動変容も加速するといった相乗効果も期待できます。  こうした取組により、効率的、効果的な医療におけるデータ連携を推進してまいります。  以上です。  〔武田 翔議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 武田翔君。  〔武田 翔議員登壇〕 ◆武田翔議員 要望を申し上げます。  1点目は、津久井やまゆり園事件への追悼と鎮魂のモニュメントの整備についてです。  私たちの使命は、二度とこのような事件を繰り返してはならないということです。そして、障害者に対する差別や偏見を根絶していくことです。  鎮魂のモニュメントの設置に当たっては、この事件を風化させることなく、県と議会が共に定めた「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を普及するといった観点からも、大変重要な取組であると認識しています。引き続き、憲章の理念の普及、周知を強く要望いたします。  2点目は、非正規労働者の県職員への採用についてです。  先ほど知事からは、非常に前向きな御答弁をいただきました。  幾つになってもそれぞれの希望や事情の変化に沿って、全ての人が自分の働き方をデザインできる社会に向け、県職員の採用の在り方など、さらに検討を進めていただきたいと思います。  3点目は、ICTの活用を軸としたより機動的な地域医療構想の推進についてです。  大切なのは、安全なセキュリティーの下で県民の皆様のデータが集積され、自分のデータが県全体の役に立っていると成功体験を共有し、そして、ICT活用は非常に有効である、効果的であるという共通認識を持つことが大切です。  そして、次にシステマチックに異なる仕様のICTとICTをつないで、API連携することだと考えます。丁寧に理解を広げていただき、データを効果的に活用し、効率的に質の高い医療を提供していくことを期待いたします。  本県における新型コロナウイルス感染症の猛威は今も予断を許しませんが、徐々に収束の兆しを見せつつもあります。  その一方で、ウイルスは本来、乾燥した冬期の拡散が常であり、高温多湿の下では感染力が弱いと言われています。この夏にどこまで感染を抑え切れるかが、第2波を左右すると言えるかもしれません。ウイルス自体が進化によって耐性を獲得することも考慮した備えが必要になります。  再度申し上げますが、神奈川県が新型コロナウイルス感染症の脅威に打ちかつには、県民の皆様お一人お一人が感染症と闘い、予防していただくことしかありません。  県民の皆様に対する感謝と引き続きの御協力をお願い申し上げまして、以上で、私からの質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時   休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028700-質問・答弁-永田てるじ議員-一般質問①圏央道の整備について②茅ヶ崎市内における相模川水系の治水対策について③withコロナ時代のキャッシュレスの推進について④新型コロナウイルス感染症を契機とした押印の見直しについて⑤オンライン診療の推進について⑥新型コロナウイルスとの共存に向けたベンチャー企業の活用について⑦「新しい生活様式」におけるスポーツ活動の推進について⑧県立学校における感染症教育について》                   午後3時19分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共61名 ○議長(嶋村ただし) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 質問を続行いたします。  永田てるじ君。  〔永田てるじ議員登壇〕(拍手) ◆永田てるじ議員 茅ケ崎市選出の永田てるじです。  質問に入ります前に、少しお時間を頂き、申し上げます。  前問者からもありましたが、今般の新型コロナウイルスによりお亡くなりになりました方々、そして御家族、御遺族に心よりお悔やみを申し上げます。  また、先日お亡くなりになりました拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんに対しまして、衷心より哀悼の意を表します。  コロナへの対応、そして拉致問題、これは現在も継続中の問題であります。それを決して忘れることなく、神奈川県民の力を結集し、事に臨んでいきたいと考える次第です。  それでは、自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら、永田磨梨奈議員の補助をいただき、質問させていただきます。  知事並びにスポーツ局長県土整備局長、教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、圏央道の整備について伺います。  広域交通を担う自動車専用道路ネットワークは、県民生活や社会経済活動を支え、地域の活性化や観光振興に寄与する重要な社会基盤です。  本県では、平成27年のさがみ縦貫道路の全線開通により、南北方向の移動所要時間が短縮され、例えば、相模原から私の地元、茅ヶ崎までは半分程度となるとともに、周辺からの交通が転換し、並行する国道129号などの一般道路の渋滞が緩和され、生活道路に入り込んでいた通過交通も減少し、地域の安全性の向上が図られています。  沿線市町では工場などの企業立地が進み、新規求人数は平成22年と比較して約5割増加し、また、北関東から湘南地域への来訪者も増え、県内の入込観光客数は平成29年に2億人を突破するなど、道路整備による様々な効果が発揮され始めています。  本年3月には、新東名高速道路の伊勢原大山インターチェンジや、第三京浜道路と東名高速道路を連絡する横浜北西線が開通するなど、県内の自動車専用道路ネットワークの整備は着実に進んでいますが、より一層の生産性向上や観光振興による経済の好循環を図っていくためには、さらなる整備を図っていく必要があります。  特に圏央道の一部を構成し、現在、整備が進められている横浜湘南道路、高速横浜環状南線は、首都圏の道路交通の円滑化や物流の効率化を担うとともに、県内では横浜・三浦半島地域と湘南・県央地域のアクセス性を向上させ、所要時間の大幅な短縮が図られることなどから、早期整備に対する地元の期待は非常に大きいものがあります。  さらに、近年大型化する台風や、発生が危惧される大規模地震などの災害時においても、物資の輸送や早期の復旧活動を支える緊急輸送道路として機能し、県民の安全・安心の確保にも大きく貢献することが期待されています。  そこで、知事に伺います。  圏央道の残る区間となっている横浜湘南道路と高速横浜環状南線の整備の見通しはどのようになっているのか、また、県として整備促進に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、併せて見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、茅ケ崎市内における相模川水系の治水対策について伺います。  近年、全国各地で大規模な水害が多発しており、今後も気候変動による水害の激甚化、頻発化が懸念されております。  私の地元の茅ケ崎市においても、平成26年10月の台風18号で市内を流れる相模川の支川である小出川が氾濫し、茅ケ崎市と寒川町において、床上・床下を合わせて約80棟の家屋浸水や農地の浸水による被害が発生しております。  また、千の川についても、平成28年8月の台風9号の大雨により氾濫寸前にまで水面が上昇し、沿川住民の皆様が大変な恐怖を覚えたことがありました。このときは幸いにも氾濫は免れたものの、沿川には住宅群が接しており、仮に氾濫したとなれば、甚大な被害が発生したと推察されます。  また、昨年10月の令和元年東日本台風では、相模川の城山ダムの緊急放流により、相模川の水位が大きく上昇し、氾濫は免れたものの、茅ケ崎市を含む下流域の市町や住民に大きな不安を与えました。  こうしたことから、小出川や千の川、そして相模川の治水対策をより一層推進し、地元の住民の安心につなげていく必要があると考えます。  このため、小出川については、現在進めている護岸や遊水地の整備を着実に推進していくとともに、現在の河川の能力を最大に活用できるよう、川の流れを阻害する堆積土砂を撤去するなど、治水対策にしっかり取り組んでいく必要があります。  また、護岸の整備が完了している千の川についても堆積土砂の撤去などに取り組んでいくとともに、護岸の老朽化対策を含めた維持管理も必要となります。  〔資料提示〕  一方、相模川については、国が管理する茅ケ崎市域において、堤防が未整備の区間が多くあり、氾濫による浸水被害が懸念されるため、国による整備を促進させていく必要があります。  国が管理する区間については、対岸の平塚市側の堤防は、ほぼ整備済みであるのに対して、茅ケ崎市側の茅ケ崎市域に係る整備率は約60%であるのが現状であります。40%残っております。  相模川の堤防整備は地域住民の長年の悲願であります。この整備事業は国の事業であることは承知しておりますが、沿川住民は神奈川県民であります。県民の命と安全を守るために優先順位の高い事案として、茅ケ崎市としっかり連携し、国への働きかけを今まで以上に強めていただきたいと考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  小出川と千の川の治水対策と国による相模川の堤防整備の促進について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、withコロナ時代のキャッシュレスの推進について伺います。  新型コロナウイルス感染症については、今年に入り世界各地でその猛威を振るい、重症患者や死亡者が多数出るなどの大変痛ましい事態となっております。  我が国においても感染が広がり、政府は4月16日に全国を対象に緊急事態宣言を発し、不要不急の外出自粛や各種営業施設の休業を要請するとともに、本県においても外出自粛等の取組を行ってまいりました。  その結果、本県においても医療関係者等をはじめとした県民の不断の努力により、5月25日に緊急事態宣言が解除されたところです。  しかしながら、一旦、感染の抑え込みに成功しても、再び感染が拡大した事例も確認されております。  新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の状況分析・提言にあるように、我が国においても今後第2波が発生する可能性もあり、県民一人一人が日常生活の中で、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い等の新しい生活様式を実践することで、自身のみならず、大切な家族や友人、隣人の命を守ることにつながるものと考えます。  その点において、買物などの際に接触機会を低減するキャッシュレス決済は新しい生活様式として意義が高まるところであります。  国は、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%とする目標を掲げるとともに、店舗側及び消費者側双方の課題解消に資する取組の方向性などについてまとめたキャッシュレス・ビジョンを策定するなど、これまでキャッシュレスの普及、促進に向けた取組を進めております。  また、各ペイメント事業者においては、利用者拡大に向けて様々なキャンペーンなどを実施したことにより、現在、我が国におけるキャッシュレス化は着実に進展しております。  〔資料提示〕  本県においても平成30年11月、キャッシュレス都市KANAGAWA宣言を発出し、県自らも一部の公共料金や県税等の支払いにキャッシュレス決済を導入するなど、県庁の内外にかかわらずキャッシュレスを推進してきたことは承知しております。  しかし、こうした中、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、消費の著しい減退による販売や生産の落ち込みをもたらしており、また、今年6月末には、国が中小・小規模事業者への決済手数料の補助などを行うキャッシュレス消費者還元事業が終了することも相まって、今後、我が国におけるキャッシュレス化の流れが停滞してしまうことが危惧されております。  一方で、先ほども述べましたように、キャッシュレス決済は店舗等の支払い時における現金のやり取りがなく、日常生活におけるウイルスの感染リスクを低減させる効果も期待できるため、新しい生活様式の一つとして、現在その必要性はますます高まっていると考えられます。  県はこの新しい生活様式を普及させるためにも、これを一つのチャンスとして捉え、今後、新型コロナウイルス感染症が存在することを前提としたウィズコロナ時代を乗り越えていくために、キャッシュレスの推進に力を入れるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  ウィズコロナ時代におけるキャッシュレスの推進について、県は今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、新型コロナウイルス感染症を契機とした押印の見直しについて伺います。  国が作成した新しい生活様式の実践例においては、時差出勤やテレワーク、会議のオンライン化など、働き方の新しいスタイルが示されております。  しかしながら、そうした働き方の見直しが行われている中、民間企業においては、顧客との契約書などへの押印や社内における決裁などの押印のために、出社・出勤を余儀なくされ、テレワークが進みにくい現状も明らかになっております。  また、行政機関においては、県民が申請・届出を押印の上、書面で提出することが義務づけられているため、依然として役所に出向かざるを得ない状況があります。  こうした押印義務づけに伴う出社や出勤、対面での対応によって、新型コロナウイルス感染症の感染リスクにさらされることを防ぐため、国においても全般的に見直しが検討されており、私の地元選出の河野太郎防衛大臣も、防衛省が率先して押印の見直しに取り組む旨発言され、これに取り組んでいると承知しております。  また、東北大学では6月1日にオンライン事務化を宣言し、押印手続を削減しました。これにより業務効率化や職員のテレワークを推進することで、作業時間にして年間8万時間の削減を見込むとのことであります。  ほかにも、一部の民間企業などでは、押印をやめる方針を打ち出したとの報道もあることから、県においても押印の義務づけについて見直すべきではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  県において、新型コロナウイルス感染症を契機とした押印の見直しに向け、今後どのように取り組もうとしているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、オンライン診療の推進について伺います。  オンライン診療については、本年4月、新型コロナウイルス感染症が急激に拡大していた状況の中で、非常時の対応として、電話を含めたオンラインによる診療や服薬指導を希望する患者が活用できるよう、過去に医療機関を受診したことのない患者でも、初診からのオンライン診療が認められるなど、制度が大幅に緩和されました。  これにより、軽微な発熱などの症状があり、医師にかかりたいが、外出を控えるため、また、通院することにより院内感染するリスクを防止するため、通院をちゅうちょしている患者が、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を行いながら、医師の診療を受けることができるようになりました。  また、持病の治療薬を欲しい患者が、オンラインで持病の治療も継続することができるようになりました。  新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式が公表され、一人ひとりの基本的感染対策、日常生活を営む上での基本的生活様式、日常生活の各場面別の生活様式、働き方の新しいスタイルなどの実践例が示されたところです。  オンライン診療についても、医療機関に通院しなくても医師の適切な診療が受けられるのであれば、新しい生活様式の一つとして積極的に取り入れていくべきと考えます。  当然、画像や音声だけで確実な診療ができるのかといった課題があるのは承知しております。慎重に検討していかなければならないということも理解しておりますが、しかしながら、オンライン診療の有用性を考えると、新型コロナウイルス感染症が終息した後も、非常時の対応として一時的な措置として終わらせるのではなく、検討すべきところは検討した上で、継続していくべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症が終息した後も、オンライン診療を継続して推進する必要があると考えますが、その見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、新型コロナウイルスとの共存に向けたベンチャー企業の活用について伺います。  本県においては、特別措置法に基づく特定警戒都道府県指定が解除され、日常生活が少しずつですが、戻り始めています。  しかし一方で、言うまでもなく県内経済は大きなダメージを受けており、先週の19日に公表された日銀横浜支店による県内景気の概況においても、新型コロナウイルス感染症の影響から、一段と弱い動きとされるなど、その回復には長い時間を要することが見込まれております。  このように長期にわたる回復期が想定される中、感染拡大防止と経済活動を両立させ、また第2波、第3波の襲来に備えるため、国から新しい生活様式が示されるなど、新型コロナウイルスとの共存が求められております。  この新型コロナウイルスとの共存の実現に向け、新しい生活様式を社会に浸透させていくためには、従来にはない製品やサービスが必要であり、そのためには、スピード感を持って様々な社会課題をビジネスの視点で解決していくベンチャー企業の役割が重要であると考えます。  例えば、中国やアメリカなどではウィズコロナ社会を見据え、ベンチャー企業から新たなサービスが次々と生まれていると聞いております。  〔資料提示〕  県では、従来からベンチャー企業の創出と成長促進に取り組んでおり、特に昨年からは、鎌倉市内と横浜みなとみらい地区の2か所に拠点を設置し、起業家の創出やベンチャー企業の成長促進に向けた取組を加速していることを承知しております。  県経済を発展させていくためには、ベンチャー企業の成長促進は重要であり、ビジネス環境が大きく変わりつつある中でも、今後も着実に取り組んでいってほしいと考えますが、特に今は、県経済の発展と併せて、新型コロナウイルスと共存する社会の実現に向けても、ベンチャー企業の可能性を積極的に引き出していくことが必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  これから一定期間続くことが予想される新型コロナウイルスとの共存に向け、今後、ベンチャー企業の持つ力をどのように活用していこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、「新しい生活様式」におけるスポーツ活動の推進について伺います。  新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活にも大きな影響を与えました。緊急事態宣言以来、感染拡大を防止するために、不要不急の外出を自粛することが求められてきました。  その結果、屋内で過ごす時間が非常に長くなり、日常の運動量が減ることによる体力の低下、生活習慣病等の発症や生活機能の低下を来すリスクの高まりが懸念されております。  緊急事態宣言以降、多くのプロスポーツ選手やオリンピック選手などが、SNSなどを通じて自身のトレーニングの様子や、自宅でできる運動や遊びの紹介などを数多く発信し、多くの方の励みとなっている状況も見られます。  〔資料提示〕  これまで県でも、運動・スポーツの習慣化や未病改善などに資するため、運動の習慣化に関する取組として3033運動などに取り組んできましたが、今般のコロナ禍の中でこうした外出自粛を余儀なくされてきた方々に対して、運動不足を解消し、健康の保持増進やストレス発散に向け、運動・スポーツを安全に行ってもらうことはとても重要です。  こうした中、先般、緊急事態宣言が解除され、県としては段階的に店舗の営業や外出自粛などの制限を解除しておりますが、現状では新型コロナウイルス感染症が根絶されたわけではなく、今後も長期にわたり感染防止対策を講じつつ、日常生活を送ることが基本となります。  新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式では、日常生活の中で取り入れていきたい実践例として、一人ひとりの基本的感染症対策や日常生活の各場面別での生活様式などが示されておりますが、スポーツ活動の場面においてもこうした取組を実践していく必要があり、今後はウィズコロナの中でスポーツ活動をどのように行うのかが大きな課題になってくると考えます。  そこで、スポーツ局長に伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響下にあっては、トレーニングや試合などのスポーツ活動を行う場合にも様々な配慮が求められると考えますが、今後、新しい生活様式の中でどのようにスポーツ活動の推進に取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、県立学校における感染症教育について伺います。  厚生労働省は今季のインフルエンザの流行が終息したとして、週に1度行ってきた患者の発生状況の公表を4月10日で終了しておりますが、これは例年より1か月から2か月早い終了となっています。  その例年より早いインフルエンザの流行の終息の原因は、新型コロナウイルス感染症への対応で、多くの人々が感染防止対策を徹底したことが、結果としてインフルエンザ流行にも抑止効果があったと推察されるとの報道があったところです。  このように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ごうという機運が高まった結果、インフルエンザの流行も抑えられたと考えると、新しい生活様式が新型コロナウイルス感染症対策にとどまらず、例年発生するインフルエンザ、さらには将来発生する可能性のある新たなウイルスによる感染症の予防にもつながるものと考えます。  将来の県民の命や暮らしを守るため、新しい生活様式を子供のうちからしっかりと身につけていく必要があり、学校が再開された今、感染症教育を徹底していくことが改めて問われていると考えます。  そこで、教育長に伺います。  新型コロナウイルス感染症を契機として、新しい生活様式を踏まえた感染症教育について、今後、県立学校においてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 永田議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、圏央道の整備についてお尋ねがありました。  圏央道は東名高速道路や関越道など、都心から放射状に伸びる道路を環状方向に連絡する自動車専用道路です。  県内では、横浜湘南道路と高速横浜環状南線の整備が国や高速道路会社により、それぞれ進められています。  この2路線が完成すると、横浜・三浦半島地域と県央・湘南地域の連携が強化され、移動時間の短縮や交通混雑の緩和が図られるとともに、災害時の緊急輸送にも寄与します。  そこで、整備の見通しですが、横浜湘南道路では、現在トンネル掘削工事が進められており、開通見込みは令和6年度です。  また、高速横浜環状南線では、横浜湘南道路と接続する箇所における橋梁工事などが行われており、令和7年度の開通見込みです。  これまで県では、工事に係る関係機関調整など、円滑な事業実施に向けた協力を行うとともに、関係市町や経済団体とも連携し、様々な機会を捉えて、国等に対し、整備促進を働きかけてきました。  この2路線は、産業立地のさらなる促進や観光需要の喚起など、経済のエンジンを回す上で重要な社会基盤であり、両路線に対する地域や企業の期待は大変大きいものがあります。  県としては、つながるべき道路はつなげていくとの認識の下、横浜湘南道路と高速横浜環状南線が一日でも早い開通を迎えられるよう、今後も国等に強く働きかけるなど、整備促進にしっかりと取り組んでまいります。  次に、Withコロナ時代のキャッシュレスの推進についてお尋ねがありました。  キャッシュレス決済は現金に直接触れる機会を減らすことができるため、感染防止対策の観点から、ウィズコロナ時代にふさわしい支払い手段であり、今後さらに推進していく必要があります。  県では平成30年11月、キャッシュレス都市KANAGAWA宣言を行い、県有施設における駐車場利用料のキャッシュレス化や県のイベントを利用した普及活動等に取り組んできました。  また、今年度の4月補正予算において創設した中小企業・小規模企業再起促進事業費補助金では、キャッシュレス決済端末の導入経費も対象とし、中小企業等の感染防止対策の一環として支援しています。  今後、自動車税や個人事業税、不動産取得税の納付にこれまでのLINE Payに加えて、スマートフォンによる決済の中でも利用者数の多いPayPayを7月から導入する予定であり、キャッシュレス納税の一層の拡大を図っていきます。  また、商店街においてもキャッシュレスは感染防止や消費を促す有効な手段であることから、県内各地で説明会を開催し、商店街のキャッシュレス化を推進していきます。  さらに、現在、事業者の皆様に登録をお願いしている感染防止対策取組書では、感染リスク低減のため、キャッシュレス決済への対応を盛り込んでおり、新しい生活様式の下での一層の普及を図っています。  県としては、こうした様々な取組を通じてウィズコロナ時代の新しい生活様式としてキャッシュレスのさらなる推進に努めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症を契機とした押印の見直しについてお尋ねがありました。  県ではウィズコロナ時代の新しい生活様式に対応するため、今年5月に新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた県の基本方針を改定し、押印については廃止に向けて取り組むこととしました。  現在、県への提出文書のうち、許認可や補助金交付、金銭貸付けの申請など、申請者本人の確認を要する重要な文書については押印を求めています。これは、法律上、本人の押印があれば、その文書が本人が作成したものと推定されることから、本人であることを確認するための有効な手段として押印を求めているものです。  今後は許認可申請書の重要な文書であっても、電子署名や電子認証サービスなど、押印に代わる本人確認の方法を活用することで、順次押印を廃止していきます。  また、県に提出する申請書や届出書の中には、国の政令、省令などにより押印が義務づけられているものも数多くあります。現在、国でも押印や書面提出の制度などについて見直しが行われていますので、県としても、押印廃止を国に働きかけていきたいと考えています。  こうした対応により、できるだけ早い時期に押印を廃止し、全ての行政手続がオンライン化できるよう取り組んでいきます。  そして、県民の皆様がウィズコロナ時代の新たな生活様式を実践できる環境をしっかりと整備してまいります。  次に、オンライン診療の推進についてお尋ねがありました。  オンライン診療は自宅や遠隔地にいながら、かかりつけ医の診療を受けられるようにするものであり、通院による感染リスクの軽減や医療従事者の感染防止にも有効で、地域の医療を停滞させないためにも、その活用が期待されています。  今回、新型コロナウイルスの感染拡大時において、初診からのオンライン診療が時限的な措置として認められることになりましたが、これは私自らが主張し、全国知事会から国へ提言した結果などによるものです。  県では、オンライン診療に対応する医療機関の一覧を県のホームページに掲載するとともに、LINEを活用した新型コロナ対策パーソナルサポートの利用者に向けてもその情報を発信するなど、新型コロナ感染拡大期におけるオンライン診療の利用を促進してきました。  また、新型コロナにより宿泊療養施設に入所している方が安心して療養生活を送れるよう、基礎疾患による服薬が必要な場合にオンライン診療で薬剤が処方される体制を整えました。  昨年12月と本年5月で比較すると、オンライン診療の届出をする医療機関が約3倍に増えたというデータもあり、これも規制緩和の効果と考えられます。  今回の規制緩和は、新型コロナウイルス感染症が終息するまでの時限的な措置とされていますが、地域医療をしっかりと進める上でも、この流れを後退させてはならないと考えます。  そこで、終息した後にもオンライン診療が活用されるよう、新型コロナ担当の西村大臣に何度も訴えたところ、大臣からは、この流れを後戻りさせることなく、引き続き進めていきたい、また総理も強い問題意識を持ってくれていると明言されています。  このように現在の時限的な措置がしっかりと恒久化されるよう、引き続き機会を捉えて強く働きかけてまいります。  最後に、新型コロナウイルスとの共存に向けたベンチャー企業の活用についてお尋ねがありました。  ベンチャー企業は社会の様々な課題に対し、迅速な意思決定の下、スピード感を持って解決策を検討し、実行することが可能であることから、県では、その創出と成長促進に取り組んできました。  現在、私たちは、ウイルスは身近にあるという認識を持って新しい生活様式に取り組まなければならないという課題を抱えています。  この課題解決に向け、ベンチャーの持つ力を引き出すため、今月、ベンチャーや大企業の新規事業担当者を対象に、新しい生活様式のビジネスチャンスをテーマとしたオンラインセミナーを開催しました。  また、コンサルティングによりベンチャーの成長を支援する事業では、新しい生活様式の定着に向けたアイデアを持つベンチャー企業を募集したいと考えています。  しかし、経済が甚大なダメージを受けている現状では、ベンチャーの資金調達や連携する大企業を見つけることも困難になっており、募集してもコンサルティングだけではそのアイデアを事業化できない可能性があります。  そこで、感染症対策に資する優れたアイデアを提案したベンチャーに対しては、迅速に事業化できるよう、開発経費についても新たに支援を行いたいと考えています。  また、事業化に向け、大企業等との連携が必要な場合には、オンラインマッチング会により、連携の実現を支援していきます。  こうした取組により、ベンチャー企業の持つアイデアの事業化を後押しし、新型コロナウイルスと共存する社会の実現に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  茅ヶ崎市内における相模川水系の治水対策についてお尋ねがありました。  茅ケ崎市では、市の西側を南北方向に相模川が流れ、その河口付近では小出川が合流し、小出川中流部で市の中央部を流れる千の川が合流します。  小出川と千の川は、県が堤防や護岸の整備などの治水対策に取り組んでいます。  このうち、小出川は現在、護岸や遊水地の整備を重点的に進めており、護岸は下流から順次整備を進め、全体の約6割の整備が完了しています。遊水地は市内の行谷地区に整備するため、今年度は用地測量を進めるとともに詳細設計を行います。  千の川は、護岸などの整備が令和元年度に完了しています。  さらに、今年2月に策定した県の水防災戦略では、河川に堆積した土砂の撤去などを行うこととしており、今年度、小出川では下寺尾地区、千の川では茅ヶ崎地区で堆積土砂の撤去を行います。  今後も地域の方々からの要望に迅速に対応するため、定期的な河川パトロールにより、現地の状況把握に努め、危険性の高い箇所から堆積土砂の撤去や老朽化した護岸の補修などを実施していきます。  次に、国による相模川の堤防整備の促進についてです。  相模川は河口から神川橋までの6.6キロメートル区間を国が整備しています。国からは、今年度は茅ケ崎市側の馬入橋上流などにおいて、堤防整備を実施すると聞いていますが、引き続き地元市等と連携し、様々な機会を捉えて未整備区間のさらなる整備を国に強く働きかけていきます。  県は今後とも、こうした取組を通じて、茅ケ崎市内における相模川水系の治水対策にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(平田良徳)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 平田スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(平田良徳) スポーツ局関係の御質問にお答えします。  「新しい生活様式」におけるスポーツ活動の推進についてお尋ねがありました。  心身の健康を保持増進するため、日常生活の中で適度な運動やスポーツを行うことは大変重要です。  そこで、県はこれまでもステイホーム中の運動不足解消に向けて、自宅でできる運動等を動画で紹介するなどの取組を進めてきましたが、今後は感染防止に努めながら、スポーツのある日常を取り戻していくことが課題となっています。  厚生労働省が示す新しい生活様式では、感染防止には人との身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの三つが重要としており、スポーツを楽しむ際もこれらを意識した対応が必要です。  また、スポーツ庁は安全にスポーツをするポイントをまとめており、各競技団体もそれぞれの競技の特性に応じたガイドラインを作成しています。  長期化が予測される感染症との闘いに臨みながら、安心してスポーツを楽しむためには、こうした感染防止対策を県民の皆様に知っていただき、実践していただくことが何よりも重要です。  そこで、まず、市町村のスポーツ所管部局と連携して、広報活動などを通じて感染防止対策に関するPRを進めていきます。  また、地域の身近なスポーツコーディネーターであるスポーツ推進委員を対象に研修を実施し、その活動を通じて県民の皆様への普及を図ってもらうことを考えています。  さらに、県のホームページやSNSによる情報発信、スポーツセンターのスポーツ総合相談窓口などを通じ、新しい生活様式の中でのスポーツの楽しみ方を分かりやすく提案することで、こうした取組を後押ししていきます。  県は今後こうした取組で得られた課題を市町村等と共有し、より効果的な対策を検討していくなどの取組を進めることで、新しい生活様式に沿ったスポーツ活動の推進に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立学校における感染症教育についてです。  これまで県立学校では学習指導要領に基づき、インフルエンザなどの感染症の発生要因や予防方法等の感染症教育に取り組んできました。  こうした中、国において新型コロナウイルス感染症がいまだ不明な点が多い感染症であるとされていることから、私たちは長期間この新たな感染症と共に生きていかなければなりません。  今後は、県立学校で学ぶ生徒一人一人も国の示した新しい生活様式の下、主体的に感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ、学習活動を行っていく必要があります。  そのため、県立学校では現在、県教育委員会が作成した学校再開に向けたガイドラインに沿ってマスクの着用、手洗いの徹底などの基本的な感染症対策のほか、他者との距離の確保や小まめな換気などの三つの密を避けることなどを指導しています。  今後、県教育委員会では県立学校の児童・生徒が新しい生活様式に基づいた行動を実践できているか、教員が把握して指導に生かすためのチェックリストを作成していきます。  そして、このチェックリストを活用し、児童・生徒が新型コロナウイルスに対して生活の様々な場面でどのように行動すべきか、その注意点などをしっかり身につけてもらえるよう、各学校で取り組んでいきます。  こうした取組を通して、次代を担う児童・生徒が新しい生活様式に基づいた行動を将来にわたり実践していけるよう、授業はもとより、学校生活全体を通じて感染症教育に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔永田てるじ議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 永田てるじ君。  〔永田てるじ議員登壇〕 ◆永田てるじ議員 知事並びに県土整備局長スポーツ局長、教育長におかれましては、御答弁いただき、ありがとうございました。  それでは、二つ、再質問させていただきます。  まず、圏央道の整備について再質問させていただきます。  新湘南バイパスと接続する圏央道の全線開通には、まだ数年を要するとのことでありました。この新湘南バイパスは私の地元、茅ケ崎市を通過する道路ではありますが、この新湘南バイパスの現在の高架下の側道は都市計画道路藤沢大磯線になっております。現状、通過はできるものの、未整備区間があり、空地の存在する道路形状となっております。  そういった中で、茅ケ崎市は1人当たりの公園の面積が小さいということもあり、少年スポーツや成人スポーツの練習スペースや、また高齢者の遊戯スペースが不足しております。そういった状況下にありまして、このバイパス下の空地利用を望む声が従来から上がっております。しかし、暫定状態なので利用は難しいということで、実現には至っておりません。  また一方で、高架下は通過交通もあり、また、今申し上げたように、空地を含めた複雑な道路形状と相まって、度々事故が発生しております。地元の市民集会では、長年にわたり、これは20年、30年にわたってですが、安全対策を求める声が上がっております。  そういった声に対しまして、神奈川県によると横浜湘南道路が新湘南バイパスに接続した際は、この側道は全面整備がされ、一気に安全確保がされるということであり、お時間を下さいと住民に説明があり、今に至っております。  そういった中、仄聞したところによりますと、横浜湘南道路が新湘南バイパスに接続しても、側道整備はそのときの状況によるという話を耳にしました。もし仮にこれが事実であれば、地域の安全確保はいつになるか分からないということであり、それは長年の地域の思いを考えれば、とても受け入れ難いところであります。  こうした状況を住民に強いることなく、住民の不安を解消していくことが必要であります。  そこで、伺います。  地域の安全を確保する上で、横浜湘南道路と高速横浜環状南線の整備促進に合わせて、新湘南バイパスの高架下の危険箇所の対策にも取り組む必要があると思いますが、見解を伺います。  次に、ウィズコロナ時代のキャッシュレスの推進についてですが、ウィズコロナ時代に合わせ、キャッシュレスの取組を強化していくことは重要であります。  今後、キャッシュレス都市KANAGAWA宣言をバージョンアップしていく意味でも、県内のキャッシュレス決済比率を把握し、数値目標とすることも必要と考えますが、見解を伺います。  再質問は以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  第1問目に関しましては、内容が詳細にわたりますので、県土整備局長から答弁させます。  2番目の質問でありますが、ウィズコロナ時代、キャッシュレスの取組を推進していく上で、県内のキャッシュレス決済比率などの数値目標を設定するといったことは重要であると考えています。  しかしながら、現在、都道府県別のキャッシュレス決済比率のデータはないのであります。そのことから、県は国主導で設立されましたキャッシュレス推進協議会に対して早期に算出し、提供するよう要望しているところであります。  今後、データが明示され次第、県として積極的に利活用していきたいと考えています。  また、それまでの間におきましても、県のインターネットによるアンケート機能等を活用しながら、県内のキャッシュレス決済の動向の把握に努め、目標設定ができるよう検討してまいりたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 新湘南バイパスの高架下には県管理道路と茅ケ崎市が管理する道路があり、これらが交差する箇所などでは車両の接触事故も発生しています。  そこで、県は圏央道の整備促進とともに地域の安全に目を配り、茅ケ崎市や交通管理者と調整する場を設け、有効な対策の実施に向けてしっかりと検討してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔永田てるじ議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 永田てるじ君。  〔永田てるじ議員登壇〕 ◆永田てるじ議員 それでは、幾つか意見、要望を申し上げたいと思います。  まず、圏央道の整備についてですが、横浜湘南道路と高速横浜環状南線の整備促進に合わせて、新湘南バイパスの高架下側道の危険箇所の除去対策に取り組むという答弁をいただいたということで、再質問でも申し上げましたように、地域の従来からの願いは危険箇所の安全確保であります。  住民としては、その手法は全面整備であれ、また、その危険箇所の一部工事改良と交通規制の合わせ技であれ、構わないと思っております。むしろそこに空地利用がかなうならば、大金を投入しての全面整備よりも住民満足は高いとも言えます。  様々に御検討いただき、横浜湘南道路接続の際は、それに合わせて、御答弁いただきましたように新湘南バイパス高架下側道の危険箇所の対策に取り組まれますよう要望いたします。  次に、茅ケ崎市内における相模川水系の治水対策ですが、ただいま県土整備局長から、茅ケ崎市内における相模川水系の治水対策にしっかり取り組んでいくとの答弁をいただきました。  私の地元の茅ケ崎市は相模川の堤防が整備されていない区間が多いため、こうした区間で国による堤防整備が促進され、また過去に氾濫した小出川が整備されることは地元住民の悲願であります。  このような地元の声を酌んでいただき、住民の安全・安心のため、相模川の堤防整備の促進を茅ケ崎市としっかりと連携し、国に強く働きかけていくとともに、小出川、千の川の治水対策にもしっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。  以上、申し上げまして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 △《本会議録-令和2年第2回-20200623-028701-諸事項-議案付託-》 ○議長(嶋村ただし) 以上で質問並びに質疑を終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  日程第1及び日程第2につきましては、この程度で、議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録巻末92頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明24日から7月9日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、7月10日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時15分 散会...