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06月22日-09号

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  1. 神奈川県議会 2020-06-22
    06月22日-09号


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    令和 2年 第二回 定例会 △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028690-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和2年第2回神奈川県議会定例会会議録第9号〇令和2年6月22日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       松   本       清                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       作   山   ゆうすけ                       長   田   進   治                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       京   島   け い こ       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          和   泉   雅   幸         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長        前   田   光   哉         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         共生担当局長        安   井   由 美 子         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          谷   川   純   一         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       小 野 関   浩   人         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和2年第2回神奈川県議会定例会議事日程第9号                            令和2年6月22日午前10時30分開議第1 定県第 55 号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算(第4号)   定県第 56 号議案 同  年度神奈川県県営住宅事業会計補正予算(第1号)   定県第 57 号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例   定県第 58 号議案 地方独立行政法人の役員等の損害賠償責任の一部免除に係る控除額を定める条例   定県第 59 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 60 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 61 号議案 神奈川県局設置条例の一部を改正する条例   定県第 62 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 63 号議案 神奈川県犯罪被害者等支援条例の一部を改正する条例   定県第 64 号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 65 号議案 神奈川県立の総合職業技術校に関する条例及び神奈川県立産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例   定県第 66 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 67 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 68 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 69 号議案 動産の取得について   定県第 70 号議案 動産の取得について   定県第 71 号議案 指定管理者の指定について(相模湖交流センター)   定県第 72 号議案 指定管理者の指定について(地球市民かながわプラザ)   定県第 73 号議案 指定管理者の指定について(県民ホール及び音楽堂)   定県第 74 号議案 指定管理者の指定について(神奈川近代文学館)   定県第 75 号議案 指定管理者の指定について(21世紀の森)   定県第 76 号議案 指定管理者の指定について(本港特別泊地及び本港環境整備施設)   定県第 77 号議案 指定管理者の指定について(宮川特別泊地、宮川一時停係泊特別泊地及び宮川環境整備施設)   定県第 78 号議案 指定管理者の指定について(ライトセンター)   定県第 79 号議案 指定管理者の指定について(聴覚障害者福祉センター)   定県第 80 号議案 指定管理者の指定について(足柄ふれあいの村)   定県第 81 号議案 指定管理者の指定について(愛川ふれあいの村)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定の変更について(三浦しらとり園)   定県第 83 号議案 指定管理者の指定の変更について(津久井やまゆり園)   定県第 84 号議案 東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議について   定県第 85 号議案 二町谷北公園等の管理に関する事務の委託について   定県第 86 号議案 訴訟の提起について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028691-質問・答弁-高橋延幸議員-一般質問①新型コロナウイルス感染症に係る県の対応について②県政の諸課題について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共64名 ○議長(嶋村ただし) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 審議を行います。  日程第1、定県第55号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算外31件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕(拍手) ◆高橋延幸議員 おはようございます。  自民党の高橋延幸でございます。  議長のお許しをいただきましたので、自民党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従いまして、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事、環境農政局長県土整備局長、教育長におかれましては、明確で前向きな御答弁をいただけますようお願い申し上げます。また、先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴くださいますようお願い申し上げます。  質問に入ります前に、一言申し上げさせていただきます。  私の選挙区、足柄下郡は神奈川県の西部に位置し、世界に誇れる観光地、箱根を中心に真鶴、湯河原で構成され、年間2,000万人以上のお客様を迎える地域であります。  現在、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症の拡大により、他の観光地同様、瀕死の状態であります。  そのような中でも、川や小川では多くの蛍が舞い、私たちの心を和ませてくれるすばらしい季節が例年どおり訪れております。  議場にいらっしゃる関係各位の皆様、どうぞ行楽にお越しくださいますよう、心よりお願い申し上げまして、質問に入らせていただきます。  また、本日は瀬谷区選出、田村ゆうすけ議員に補助をお願いいたしましての質問となります。  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症に係る県の対応についてであります。  〔資料提示〕  まず、事業者の感染防止対策の促進に向けた取組についてお伺いいたします。  1か月半に及ぶ緊急事態宣言が終了し、4週間が経過しました。この間、県内の感染者の状況も落ち着きを見せており、これまでの県の対策は一定の効果があったものと考えます。  他県ナンバーが多く見受けられたゴールデンウイーク前半を重大な事態と受け止め、今は、神奈川に来ないでという外出自粛を求める知事の強烈なメッセージが出されました。これにより、懸念されていた箇所の交通渋滞はなくなり、人出も減少しました。改めて黒岩知事の発信力の強さを感じました。  県では政府の緊急事態宣言を受けて、県民への外出の自粛と、一定の業種に対する休業や営業時間短縮の要請を行いました。  しかし、業種ごとに出された休業要請に関しては、分かりにくい面があったと考えます。対象業種の大枠は示されたものの、事業者にとって、自らの施設が対象になるのか、判断しにくいといった声を多く耳にいたしました。  また、ホテルや旅館など宿泊事業者は、宴会場の使用禁止などに対する一部休業要請であり、宿泊客を受け入れることは休業要請の対象外であり、営業を継続してよい施設とされておりました。  一方で、県民には外出自粛、なるべく家庭にとどまることが求められており、宿泊事業者は営業を継続してよいのか、県民は観光地の宿泊施設に行ってよいのか、判断に迷う面があったことは否めず、なぜ営業をしているのか、休業をしないといけないのではないかなどの問合せの電話が宿泊施設に入ったと聞いております。  何軒かの宿泊事業者からは、営業を続けることに肩身の狭い思いをしたとの声も聞いており、認識不足による誤解のため、双方に不快な思いをさせてしまったのではないでしょうか。  こうした休業要請の措置は、特措法の枠組みの中で、東京都など近隣の都県と協調する形で行われたことは理解するところであり、自粛要請の呼びかけも、そのときの状況に応じて必要な情報発信がされたことは承知いたしておりますが、改めて情報発信や啓発の難しさを感じた次第であります。  今後はさきの休業要請の周知の在り方を踏まえ、より丁寧で分かりやすい対応が望まれるところであります。  これから県の対策は、第2波に備えた感染防止対策や医療体制の確保、地域経済の復活に向けた対策に重点が移っていくものと考えます。  これまでの県の対応を踏まえ、今後、特に留意すべき課題として取り上げたいのが事業者へのきめ細かな対策であります。  新型コロナウイルスと共存していくためには、個々の事業者が事業活動の中で、いかに感染防止対策を取り入れていけるのかが鍵となります。  〔資料提示〕  県は事業者の対策を応援するため、感染防止対策取組書などの仕組みを整備しており、大いに評価しております。  この仕組みの趣旨を積極的にPRするとともに、感染防止対策に対して事業者の理解と協力が得られるよう丁寧に説明を行い、取組の促進をするべきだと思います。  そこで、知事にお伺いいたします。  県は事業者の感染防止対策に、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように促進していくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、中小企業・小規模企業支援策の広報についてお伺いいたします。  政府による4月7日、緊急事態宣言を受けて、本県の休業要請は4月11日午前零時から5月27日午前零時まで続きました。  この間、県内中小企業・小規模企業の多くは、休業や営業時間の短縮によって売上げが減少し、人件費や家賃の支払いが困難になるなど、厳しい状況に陥っております。  こうした中、県では休業や夜間営業時間の短縮に協力いただいた中小企業等に対して協力金を交付することとし、第1弾は6月1日まで申請を受け付け、また、第2弾は6月8日から申請を受け付けていることは承知をいたしております。  ぜひ速やかな交付をお願いいたしますが、私が懸念しているのは、この協力金についての情報が県内の中小企業・小規模企業にしっかりと周知されているのかということであります。  高齢化率40%以上の足柄下郡の例を挙げれば、第1弾の協力金について、休業や夜間営業時間短縮の要請が個々の事業者に対して書面により通知されたわけではなかったため、そもそも自分が協力金の対象施設に該当するのか、また、いつからいつまで休業すれば協力金の対象となるのかといった情報が不明確で、途中で申請を諦めていた方も多く見受けられました。  さらには、パソコンやスマートフォンといったインターネットの利用はもとより、新聞やテレビを見る機会が少ない経営者には、まず、制度を知ることに高いハードルがあったのではないでしょうか。  私は仲間と一緒に国の特別給付金や持続化給付金、県の協力金の申請のサポートをボランティアで行っていますが、休業を行っているにもかかわらず、協力金の存在すら知らない経営者を散見しました。  協力金は、県の要請に応じ、休業等をしていただいた企業等に交付するものである以上、制度を知っている、知っていないという差によって不公平が生じることがないようにすべきであると考えます。  このように多くの中小企業・小規模企業が対象となる支援策は、情報格差による、いわゆる情報難民が生じることがないよう、個々の企業にしっかりと周知していくことが重要であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの中小企業・小規模企業支援策について、これまでにどのような広報を行い、今後どのような広報を行っていくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、精神科コロナ重点医療機関についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、県では様々な措置を実施しており、医療崩壊を防ぐため、現場起点の医療体制、神奈川モデルハイブリッド版の整備を進めていることは承知をいたしております。  新型コロナウイルスの感染症は、ふだんは健康な方でも感染すると急に重篤化する場合もあり、特定疾患を抱える患者は一般の医療機関では対応が難しい場合も多く、こうした方への対応が課題だと認識しております。  特に、精神科の措置入院患者など、重い精神疾患患者新型コロナウイルスに感染した場合、感染症だけを治療する医療機関では対応が難しいことが想定されます。  県では先般、精神疾患の症状が重く、かつ新型コロナウイルスに感染した方に適切な医療を提供する精神科コロナ重点医療機関の設置について公表し、運用されており、一定の評価をするところであります。  一方で、新型コロナウイルス感染症については、今後、第2波、第3波が来るのではないかと言われている中、さらなる体制整備が必要ではないかと思われます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、精神疾患患者新型コロナウイルスに感染した場合の医療体制の充実強化に向け、県として今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 高橋議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、新型コロナウイルス感染症に係る県の対応について、何点かお尋ねがありました。  まず、事業者の感染防止対策の促進に向けた取組についてです。  新型コロナウイルスの感染拡大の防止と社会経済活動の回復を両立させていくためには、事業者の方々が主体的に感染防止対策に取り組んでいただくことが大変重要であります。  そこで、県は感染防止対策等の経費を補助する制度を設けたほか、事業者が行う感染防止対策を見える化し、県民の皆様が安心して利用できるよう、感染防止対策取組書の仕組みを構築しました。  この仕組みを多くの事業者に活用いただくため、私自ら動画でのメッセージやテレビ、ラジオなどへの出演を通じて積極的にPRするほか、約74万人が登録しているLINEの新型コロナ対策パーソナルサポートを活用した周知も行いました。  また、職員が業界団体や各地域の商工団体に出向き、傘下の事業者へ働きかけをお願いするとともに、約100チームの県職員が日々主要駅周辺や商店街の店舗などを訪問して、取組書の普及促進を図ってきました。  そのほか、湯河原町では、取組書を掲示する事業者に感染防止対策に対する助成金を上乗せするなど、県の取組を後押ししていただく市町村も見られます。  こうした取組により、感染防止対策取組書を掲示する店は現在約1万5,000となりましたが、今後もさらにこれを広げていく必要があります。そのため、県は、県のたよりやポスター、SNSなど、あらゆる手段を通じて取組書の普及を継続していきます。  また、感染防止対策に対する県の補助金についても、希望する全ての事業者の方々にしっかりとした対策を講じていただけるよう、補助金の増額と対象業種の拡大を検討しています。  県としては、こうした取組を通じて、市町村とも連携して、今後も事業者の感染防止対策を促進し、ウィズコロナ時代の社会づくりを進めてまいります。  次に、中小企業・小規模企業支援策の広報についてです。  今回の協力金や補助金の広報については、県ホームページのトップバナーへの掲載やかなチャンTVによる情報発信を行っています。  また、国の持続化給付金などの支援策や県の協力金、補助金の内容を事業者目線に立って分かりやすくまとめて県のホームページに掲載しているほか、リーフレットとして商工会、商工会議所などを通じ、事業者に配付しています。  しかし、日頃、インターネットを利用せず、商工会、商工会議所等にも所属していない事業者から、県の支援策を知らなかったという声があり、こうした事業者にどう周知するかが課題であると認識しています。  そこで、今後は事業者が訪問する機会が多い県税事務所などの県機関や市町村の商工セクションなど、リーフレットの配架場所を増やしていきます。  また、事業者にとって、言わば経営のパートナーである金融機関に対して、営業ツールの一つとして活用していただくよう働きかけていきます。  さらに、全ての世代を対象に配布している県のたよりにも、事業者向け支援策を分かりやすく掲載するなど、紙媒体による広報も強化していきます。  今後とも、インターネットによる広報と紙媒体による広報にバランスよく取り組み、一社でも多くの中小企業・小規模企業に県の支援策が届くよう、効果的な広報を展開してまいります。  次に、精神科コロナ重点医療機関についてです。  精神疾患を有する方が新型コロナウイルスに感染した場合、感染症と精神疾患それぞれの重症度のバランスを見ながら、双方の専門医が連携して治療を行う必要があります。  しかしながら、両方の治療を行える設備や医療従事者を有している医療機関は少ないことから、受入病床の確保が課題となっています。  また、精神科病院においては、建物の構造上、院内のゾーニングが容易ではないなど、感染症への対応が困難な場合が多く、クラスターの発生につながるおそれがあることから、感染症対策の徹底も課題であると認識しています。  そこで、県では、県立精神医療センターの精神科医等と湘南鎌倉総合病院の内科専門医等が連携して治療を行うため、精神科コロナ重点医療機関として県立精神医療センターと新型インフルエンザ等特別措置法に基づく臨時の医療施設を指定し、治療に当たっています。  また、院内クラスターが懸念される場合などに、神奈川コロナクラスター対策チーム-C-CATを派遣し、院内ゾーニングをはじめとした感染症対応の指導をするなど、感染症の拡大を防止する取組も進めてきました。  今後、県では第2波、第3波に備え、地域における精神科と内科の治療の連携や、患者や擬似症の方の受入病床の確保を進めるとともに、感染症の知識や対応の研修を実施するなど、精神科病院における感染症対策の充実に取り組んでいきます。  こうした取組を通じ、精神疾患をお持ちの方も適切な新型コロナウイルス感染症の治療を受けることができるよう、医療提供体制の充実を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、御答弁ありがとうございました。  1点、再質問させていただきます。  精神科コロナ重点医療機関についてです。  精神疾患を有し、かつ新型コロナウイルスに感染した方や疑似症の方については、医療機関としても対応が難しく、受入れに当たっての課題も多いと思われます。  今後、知事自らも医療機関に協力を呼びかける必要があると考えますが、知事の見解をお伺いたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県では全国に先駆けて精神科コロナ重点医療機関を設置したところでありますけれども、擬似症の方の受入れをはじめ、今後も医療提供体制をさらに強化する必要があります。  また、国も本県の取組を参考に、全国都道府県等に精神科における新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制を整えるよう通知を発出したところであります。  今後もあらゆる機会を捉えまして、私からも精神科コロナ重点医療機関等の重要性を丁寧に説明し、こうした取組への協力を医療機関に対して呼びかけ、精神疾患をお持ちの方の新型コロナウイルス感染症の医療提供体制をしっかりと整えてまいりたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、御答弁ありがとうございました。  それでは、要望させていただきます。  事業者の感染防止対策の促進に向けた取組についてです。  緊急事態宣言を踏まえた外出自粛や休業要請により、大打撃を受けた県内の観光産業は、宿泊業のみならず、飲食業や小売業なども含め、裾野が広い産業であります。地域雇用を維持し、経済を活性化するためには、落ち込んだ観光需要を一刻も早く回復する必要があります。  県が促進する感染防止対策取組書などをしっかりと各施設に協力してもらうことはもちろんですが、各施設の独自の取組も様々なされた上で、公的な力強いバックアップが求められております。  私も昨日、私の営業所を登録させていただきました。こんな形で数が多く増えていけばいいなというふうに思います。  国では、Go To キャンペーンと称する大規模な施策を実施するとしていますが、県としても、観光需要を喚起するための取組を推進することを要望いたします。  その際、地域の状況は一様ではないことから、市町村や関係団体としっかりと連携し、それぞれの地域の観光振興につながる施策を展開していただきますよう、併せて要望いたします。  次に、中小企業・小規模企業支援策の広報についてです。  知事が昨年、選挙の際におっしゃっていた地域コミュニティの、こちらに重きを置いた活用、広がりが、どの広報が今回なされたのか。それを考えたときに、私は残念ながら地域コミュニティが機能していなかったのかなと思います。  それは、個々の事業者が、誰からどのような要請を受けたのかなどということが伝わっておらず、いわゆる情報難民の方が多く見受けられました。  広報については、例えば、今回の感染防止対策取組書のようなフォーマットを県で作成し、これを各自治体や商工会議所、商工会などにプリントをしていただき、飲食店組合や関係組合に回覧していただくなどの方法が必要と考えます。  先ほど知事の答弁にもありましたが、ぜひ前向きな形で広報を進めていただきたいと思います。  第2波、第3波が予想されるならば、今から準備しておくべきと考えます。ぜひお考えいただきたいと思います。  また、休業要請等に協力いただいた施設以外の中小企業・小規模企業への配慮についてですが、協力金の対象とならず、支援の手が差し伸べられていない企業が多く存在しております。  協力金は、そもそも一定期間休業しなければ対象とならないため、売上げが大きく落ち込んでいるにもかかわらず、支援の手が差し伸べられておらず、事業継続が困難な企業も多くあります。  特に、観光産業では様々な業種に影響が及んでおります。卸売が主な事業者は、お得意先が休業要請により休業すれば、売上げがなくなります。ほかにも、間接的にコロナ問題により、売上げが落ちている企業は多く存在しております。しかし、休業しなければ協力金はもらえません。  こうした中小企業・小規模企業が希望を見いだせるような支援策をぜひとも講じていただきますよう要望いたします。  次に、精神科コロナ重点医療機関についてです。  知事自ら、ぜひ輪を広げていただけるように私からも要望させていただきたいと思います。  以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 質問の第2は、県政の諸課題について、4点お伺いいたします。  〔資料提示〕  まず、豚熱対策についてお伺いいたします。  平成30年9月、岐阜県で国内26年ぶりに発生した豚熱は、その後、関東地方や沖縄県にまで発生が拡大し、これまでに国内97農場で16万5,000頭を超える豚が処分されています。  豚熱は、豚やイノシシに感染する病気でありますが、人には感染せず、仮に感染した豚の肉を食べても人体への影響はないとのことです。  その一方、豚やイノシシに対しては強い感染力があり、養豚場の豚一頭でも感染すれば、その農場の全ての豚を処分しなければならず、養豚農家には大きな打撃となります。  隣接する静岡県や山梨県では、昨年10月に野生イノシシへの感染が確認され、神奈川県でも野生イノシシへの感染の危険が迫っておりました。  こうした中、本県では、豚への感染拡大に備え、豚へのワクチン接種が可能となるよう、早い段階から国に要望しており、我が会派としても、生産者団体や自由民主党県内選出国会議員と連携し、国に直接要望してまいりました。  〔資料提示〕  度重なる要望の結果、昨年12月20日に本県のワクチン接種が認められ、年末年始、県内の全ての養豚場へのワクチンの初回一斉接種を終了することができました。  おかげさまで、去る5月11日に県内で初めて野生イノシシへの豚熱感染が確認されるまでに対策を講じることができました。現在まで県内養豚場での感染は確認されておらず、生産者からもこれで安心して経営に専念できるとの声を頂いております。適切な対応であったと評価いたしております。  しかしながら、今回、県内で野生イノシシへの感染が確認されたことから、今後も感染事例が増加し、いずれ養豚場周辺でも確認される可能性を考えれば、ワクチン接種をしているからといって対策は万全ではなく、例えば、1回では抗体ができない豚もまれにいるなど、養豚場での発生リスクは依然としてあるという危機感を持ちながら豚熱対策を継続していかなければなりません。  本県では昨年度、ワクチン接種のほかに、養豚農家に対し、野生イノシシ侵入防止柵を設置するなど、先手を打った対策を講じてきましたが、県内養豚場での豚熱感染を阻止するためには、さらなる対応が必要と考えます。  そこで、知事にお伺いたします。  本県の養豚業を守るため、これまでの豚熱対策を踏まえ、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、広域農道小田原湯河原線の早期開通に向けた取組についてお伺いいたします。  県では、県西地域の活性化にも資する農業振興策として、農産物の流通の効率化や観光農業の展開を図るため、広域農道小田原湯河原線の整備を平成8年度から進めております。  しかし、整備開始から20年以上が経過した今でも、一部区間の部分開通にとどまり、いまだ全線開通には至っておりません。  私は、広域農道は農業振興の面だけでなく、災害対策や地域経済の活性化にも寄与する重要な役割があると考えております。  最近の災害を例に取ると、平成30年7月の台風第12号、いわゆる逆走台風では、海沿いの国道135号線が越波により通行不能となり、救急車も足止めされたことは記憶に新しく、また、昨年も台風第15号、第19号が相次いで襲来し、またもや国道135号線が通行止めになるなどの被害をもたらしました。  地元住民にとって、近年、自然災害が激甚化し、海沿いの国道が通行不能になる事態が繰り返されるたび、緊急輸送道路や国道の迂回路として、地域や集落の孤立を防ぐ役割を果たす広域農道の開通への期待は高まるばかりでございます。  また、観光面では、昨年11月、小田原漁港に交流促進の拠点施設として、TOTOCO小田原がオープンし、大変なにぎわいを見せ、週末や行楽シーズンは伊豆方面へのアクセスの増加と相まって国道135号で交通渋滞が発生しますが、こうした際にも、広域農道を整備し、道路ネットワークを充実させれば、渋滞が緩和され、人的交流が促進し、地域経済の活性化が図られると考えます。  〔資料提示〕  このように広域農道小田原湯河原線への期待は非常に大きいわけですが、整備が思うようにはかどらない理由は、急峻な地形による整備の難しさや、用地取得の難航など様々な事情があるということは理解いたしておりますが、工事を着実に進め、一日も早く全線開通させて、地元をはじめ多くの人々にその利便性を実感してもらいたいと考えます。  そこで、環境農政局長にお伺いいたします。  広域農道小田原湯河原線の早期の全線開通に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、環境農政局長の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、令和元年東日本台風に伴う箱根町の復旧等についてお伺いいたします。  昨年10月の令和元年東日本台風では、箱根町で降り始めから総雨量が1,001.5ミリを記録するなど未曾有の豪雨に見舞われました。  アメダス箱根観測所における日雨量922.5ミリは、気象庁が統計を取り始めてから全国の観測所で第1位の降雨であったことは承知のとおりであります。  この豪雨により、箱根町では国道138号が被災するなど、主要な道路が通行止めとなり住民の生活に大きな影響を及ぼしたほか、箱根登山鉄道も大きな被害を受け、長期間の運休を余儀なくされ、箱根の観光に大きな打撃を与えました。  こうした中、県では緊急輸送路である国道138号について、災害協定を結んでいる地元の建設業者と共に被災直後から昼夜を問わず復旧を進め、昨年末、12月27日に通行止めを解除し、交通を確保することができました。  おかげさまで、年末年始に渋滞で混乱することもなく、そして、多くの方が楽しみにしていた箱根駅伝も無事開催することができました。  また、箱根登山鉄道の復旧については、県は小涌谷駅東側に架かる蛇骨陸橋付近で発生した大規模崩落について、斜面の治山事業などを精力的に進め、7月下旬の運行再開に向けて箱根登山鉄道と調整を図りながら取り組んでおります。  このように県の迅速かつ的確な対応について、地元選出議員といたしまして深く感謝する次第でございます。誠にありがとうございました。  〔資料提示〕  しかしながら、箱根町における被害は広範囲に甚大であり、被災した早川の砂防堰堤については、8か月経過した今でもいまだ復旧されていないなど、依然、様々な爪痕がそこかしこに残っております。  また、施設被害以外でも、例えば、大量の土砂が流れ込んだ早川では、土砂が堆積し、河床が高くなってしまったり、早川に流れ込んだ巨石により流水が妨げられたりしているため、再び大雨に見舞われた場合に早川が氾濫するのではないか、また、再び道路ののり面が崩れるのではないかといった不安を地元の住民は感じています。  このため、県は管理施設の災害復旧を早急に進めることはもとより、早川に堆積した土砂や巨石の撤去や国道138号の斜面の対策を着実に進めるなど、住民が抱える不安を解消していく必要があると考えます。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  箱根町における道路や河川の災害復旧の状況と、今後の災害対策の取組について、県土整備局長の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の最後は、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室(仮称)についてお伺いいたします。  県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に取り組む中にあっても、特別支援学校の整備について、新まなびや計画に位置づけられた新校等の整備を進めています。  この中で、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室については、特別支援学校の過大規模化の解消とともに、通学する児童・生徒及び保護者の通学負担の軽減などの地域的課題解消のため、開設に向けた整備を進めていることは承知いたしております。  この分教室は、旧湯河原中学校の跡地に新たに児童・生徒数30人規模を想定した2階建て校舎を整備する計画であり、地元自治体の湯河原町、真鶴町をはじめ、地元の保護者や児童・生徒も大いに期待しているところであります。  平成30年第2回定例会の一般質問において、私から質問させていただいた際に、教育長からは令和3年4月の開設を目指し、取り組んでいくとの御答弁をいただきました。  私としては、早期の開設はもとより、児童・生徒にとって最適な教育を行うために必要な環境の整備をしていただきたいと考えております。  例えば、給食を実施するに当たっての配慮食やアレルギー食への対応、通学時におけるスクールバスの車椅子スペースの確保といった点はもちろん、整備予定地に隣接する地域作業場たんぽぽとの連携など、地域に根差した、児童・生徒が安心して通える特別支援学校になっていくことを願っております。  現在、新型コロナウイルス感染症の影響などによる社会情勢の変化の中、工事の進捗状況が気になるところであります。  そこで、教育長にお伺いいたします。  小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室の開設に当たって、教育に必要な環境整備や地域との連携について、また、開設に向けたスケジュールについて、教育長の御見解をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題についてお尋ねがありました。  豚熱対策についてです。  県内の豚へのワクチン接種については、昨年10月、私が内閣官房長官に直接訴え、また、県議会からも国に強く要望いただいた結果、実現し、年末年始返上で県内の豚5万2,699頭への一斉接種を完了いたしました。  これにより、先月、県内で初めて野生イノシシの豚熱感染が確認された際に、豚にはワクチン接種を済ませている安心感から、県内の養豚農家に混乱はありませんでした。  しかしながら、ワクチン一斉接種後に生まれた子豚は、母乳による免疫が切れる離乳後は感染のおそれがあります。また、今後、感染した野生イノシシのウイルスが野鳥などを介して豚舎に入ることも想定されますので、さらなる感染防止対策が必要です。  そこで、県では離乳後の子豚には切れ目なくワクチン接種するとともに、初回接種を終えた親豚にも、夏頃に補強接種を行い、豚の免疫レベルを維持します。  また、野生イノシシ対策では、ワクチン入りの餌を今回感染が確認された区域に多く散布するとともに、猟友会の協力により、捕獲した野生イノシシの豚熱感染検査を継続し、ウイルスの拡散防止を強化します。  さらに、養豚農家への支援として、豚舎への野鳥の侵入を防止する防鳥ネットの設置や、養豚場に出入りする車両への消毒設備の整備のための予算案を今定例会に提案しており、養豚場の衛生管理を強化していきたいと考えています。  県としては、今後も気を緩めることなく、神奈川の養豚業を守り抜く覚悟で豚熱対策に全力で取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(石渡美枝子)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石渡環境農政局長。 ◎環境農政局長(石渡美枝子) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  広域農道小田原湯河原線の早期開通に向けた取組についてお尋ねがありました。  広域農道小田原湯河原線については、近年頻発する台風により海沿いの国道135号が通行止めになったことなどから、災害時の緊急輸送路や迂回路として早期の完成を望む声を多くいただいています。  これまで着実に整備を進めてきた結果、昨年度までに全線の66%に当たる約11.1キロメートルで工事が完了し、そのうち約6.4キロメートルで部分的に開通できました。  しかし、工事区間の中に急傾斜地で大型の重機が使用できない箇所や、約4メートルの巨大な岩が出現し、工事が進められない箇所、土地境界が未確定で用地取得が難航している箇所などがあり、全線開通には至っていないのが現状です。  そこで、県では本年2月に策定した神奈川県水防災戦略に広域農道小田原湯河原線を位置づけ、早期に着手できる箇所から優先的に整備することとしました。  これにより、国道135号が高潮などで通行止めとなった場合に代替道路がない小田原市石橋から根府川交差点までの区間について、令和4年度末の先行開通を目指し、集中的に工事を進めていきます。  また、用地取得が難航している箇所についても、地権者の理解が得られるよう粘り強く交渉を続けていきます。  今後も、地元の方々に農業振興や災害時の輸送路として広域農道小田原湯河原線の利便性を実感していただけるよう、優先整備箇所の開通と早期の全線開通を目指してしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕
    ○議長(嶋村ただし) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  令和元年東日本台風に伴う箱根町の復旧等についてお尋ねがありました。  箱根町では、記録的な豪雨により、自然斜面が大規模に崩落し、国道138号が被災するなど、道路や河川、砂防の施設に甚大な被害が発生しました。  県は被災後、早期に住民生活の不便を解消するよう、災害協定を結んでいる地元建設業者の協力を得て、直ちに復旧工事に着手し、年をまたぐことなく箱根地域の幹線道路である国道1号の小涌谷や国道138号の仙石原の通行を確保しました。  また、再度被災するおそれのある早川の護岸の損傷箇所などにおいては、被害の拡大を防止するため、迅速に復旧工事を行い、地域住民の安全を確保しました。  現在、早川の砂防堰堤などについても、復旧工事の準備を進めており、全ての施設が早期に復旧できるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  次に、今後の災害対策の取組についてです。  県は近年の台風などによる大規模な水害を踏まえ、今年2月、水防災戦略を定め、災害対策を計画的、重点的に進めることとしました。  箱根町では、国道138号の宮城野など、緊急輸送道路沿いの土砂崩落対策施設等の整備を実施します。また、土砂堆積が進む早川の仙石原などの区間については、堆積土砂の撤去等を重点的に実施します。  県は今後とも水防災戦略に基づき、箱根町の道路、河川などの災害対策にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室についてです。  県教育委員会では、湯河原・真鶴地域から小田原養護学校に通学する児童・生徒の通学負担の軽減等を目的に、仮称ですが、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室の整備を進めています。  整備に当たっては、子供たち一人一人の特性に応じた給食を提供できるよう、自校で調理し、配慮食やアレルギー等への対応を行うほか、車椅子での乗車が可能な分教室専用のスクールバスを配置し、校外活動にも活用するなど、児童・生徒が安心して学校生活を送れるよう環境を整えていきます。  また、湯河原町、真鶴町の小中学校との学校行事での交流や地域の福祉作業所などと日々の作業学習などにおいて連携を図っていきます。  あわせて、県立特別支援学校が持つ専門的技能を地域で発揮していくため、二つの町の教育委員会と連携し、保護者の教育相談や小中学校の教員の研修会も予定しています。  次に、開設に向けたスケジュールについてです。  分教室の建築工事については、令和元年11月に着工し、3年2月末の完了を目指して進めてきました。しかし、本年2月のくい打ち工事において、地中に、大きな石の塊が想定以上に多かったことや、新型コロナウイルス感染症予防対策による現場作業時間の短縮等のため、現在、2か月程度の工事の遅れが生じています。  そのため、現時点では当初予定していた令和3年4月の開設は難しくなったと考えています。  開設時期については、今後の工事の進捗状況を見ながら判断することになりますが、県教育委員会としては令和3年度中の早い時期の開設を目指し、工程管理などにしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、環境農政局長県土整備局長、教育長、御答弁ありがとうございます。  1点、再質問させていただきます。  小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室についてであります。  開設時期については、今後の工事の進捗状況を見ながら判断とのことですが、そういたしますと、分教室が開設するまでの期間、湯河原・真鶴地域の児童・生徒はどのようになるのか、教育長の御見解をお伺いいたします。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 高橋議員の再質問にお答えいたします。  分教室が開設されるまでの期間については、生徒、保護者の御理解をいただいた上で、小田原養護学校の本校に、これまでと同様に通学していただくことになります。  その際には、スクールバスの運行や給食の提供など、安全・安心な学校生活を送れるよう、しっかりと支援してまいります。  以上でございます。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 教育長、御答弁ありがとうございました。  時間もまだございますので、時間の許される範囲で要望させていただきたいと思います。  まず、豚熱対策について、知事から、引き続き力強い対策、途切れることがない対策ということをいただきました。ぜひ神奈川県の養豚業を守っていただくことを私からもお願いしたいと思います。  次に、広域農道小田原湯河原線の早期開通に向けた取組についてであります。  石渡環境農政局長から、いろいろと御説明いただきましたとおり、本当に急峻で、交渉が難しい場所であったり、隣の土地との境が分からないとか、いろいろな状況があろうかと思います。  こうした難しいことがたくさんあると思いますが、開通が遅れることがないよう、引き続きの御尽力を賜りますことを私からも要望させていただきたいと思います。  次に、令和元年東日本台風に伴う箱根町の復旧等についてです。  今後の災害対策について、水防災戦略に基づいてしっかりと取り組んでいただけるということでございました。  県土整備局長からは、仙石原のことが主に出たのですが、仙石原もそうなんですけれども、やはり一番ひどかった宮城野、そして早川の一番下の湯本のところの堆積土砂、あるいは巨石に関しては非常に地域の方からも心配の声がたくさん出ております。  ぜひその辺も踏まえて御尽力賜りたいこと、そして今回の令和元年東日本台風という大きな災害を経験したことを契機としまして、これまで以上に現地の状況を確認し、地域の声にも耳を傾けながら、対策の必要性の高いところから順次取り組んでいただきますよう要望させていただきます。  次に、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室についてです。  湯河原・真鶴方面分教室の整備については、地元の地域からの長年にわたる悲願であり、小規模ではありますが、大いに期待を寄せているところであります。  湯河原・真鶴在住の児童・生徒のために必要な環境整備にしっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。  そして、スクールバスで湯河原から小田原まで通う期間がなるべく短くなるように、ぜひ開設の期間が短縮されますようによろしくお願いしたいと存じます。  実は湯河原にある万葉荘という旅館は、昔、神奈川県の持ち物でございました。湯河原には今、神奈川県の公的な施設がなくなりました。万葉荘は神奈川県の所有から湯河原町に移りました。地元では、県との距離があるとの声を多く耳にいたしております。  この養護学校、湯河原・真鶴方面分教室ができることは非常に意味が深いものと考えます。神奈川県の施設が湯河原にできるということは、地元の大変喜ばしい声でもあることを一言申し伝えさせていただきたいと存じます。  さて、6月19日に県境をまたぐ移動制限が解除となりました。第1波が収まり、新しい日常、新しい生活様式を始めるに当たり、私たちは戸惑いながらも準備に入っております。  今日があるのも約半年間、最前線で闘っていただきました医療関係者をはじめとする行政関係者、インフラや生活必需のために日々支えていただきました全ての方々に心から感謝と敬意を表したいと思います。  そして、私も引き続き感染防止対策に取り組むことをお誓い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時22分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028692-質問・答弁-岸部都議員-一般質問①新型コロナウイルスに係る雇用をめぐる問題の解決に向けて②コロナ禍における保育所への支援について③「新しい生活様式」の下における熱中症対策について④新型コロナウイルス感染症を踏まえた県庁の働き方改革と女性活躍推進について⑤コロナ禍におけるDV被害者への支援について⑥コロナ禍における専門学科の実習への影響について⑦コロナ禍における教員の確保について⑧学校における一年単位の変形労働時間制の導入について》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共60名 ○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。  岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕(拍手) ◆岸部都議員 議長のお許しをいただきましたので、私は立憲民主党・民権クラブ県議団の一員として、通告に従い、意見、提言を交えながら順次質問を行います。  知事、教育長、共生担当局長、教育局長におかれましては、明快な御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルスに係る雇用をめぐる問題の解決に向けてです。  2019年の平均完全失業率は2.4%でしたが、直近3月に2.5%、4月には2.6%と上昇、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めに遭った人、今後、その可能性のある人が急増しています。  厚生労働省の集計では、そうした方々が5月だけで約1万3,000人も増加し、5月29日の時点で1万7,000人弱となっています。  休業した飲食店などが、業績の悪化と先行きの不安から再開を断念し、従業員を解雇するケースの報道も少なくありません。  神奈川県の労働基準監督署やハローワークに対する新型コロナウイルスの影響による解雇や雇い止めに関する労働相談件数は、2月は9件だったものが、4月は342件に増加、神奈川労働局では、雇用調整助成金に関する問合せが2月の71件から、3月は2,973件、4月は9,055件と大きく増加しているとも伝えられています。  〔資料提示〕  県の労働相談でも、5月29日に発表した令和元年度の神奈川県の労働相談の概況によれば、かながわ労働センターに寄せられた新型コロナウイルス感染症に関する労働相談は、2月の12件から3月は127件と急増しており、緊急事態宣言が発令された4月以降、こうした傾向は加速しています。  現在は緊急事態宣言は解除されていますが、コロナの感染拡大を防止しながらの経済活動は一定の制約を受けざるを得ず、国内景気や雇用をめぐる環境は、今後も厳しい状況が続いていくことが想定されます。  国の第2次補正予算では、雇用調整助成金について、上限日額を8,330円から1万5,000円まで引き上げるとともに、6月末までとされていた緊急対応期間を9月まで延長するなど、雇用の維持に関する支援が盛り込まれたところです。  こうした中、休業や雇用の維持など、雇用をめぐる問題の解決に向けて、労働相談に求められる役割が大きくなっていくと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症による経済の停滞、景気の悪化が懸念される中、企業の雇用維持に関する支援や、労働者の労働相談の充実を図る必要があると考えますが、今後、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、コロナ禍における保育所への支援についてです。  新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を受け、県は県民の皆様に外出自粛を求める一方で、医療や介護、食料品の流通等の社会生活を維持する上で必要な施設に対し、事業の継続を求めてきました。  保育所に対しても、医療従事者をはじめとする社会生活の維持に必要な事業に従事する方、いわゆるエッセンシャルワーカーの子供たちを預かり、社会の根幹を支える施設として、事業の継続が要請されました。  今回、緊急事態宣言が出されていた状況においても、社会生活が維持されてきたのは、エッセンシャルワーカーの皆さんの責任感や努力のたまものであります。そうした方々がそれぞれの業務に専念できたのは、保護者の子供を預かり、縁の下で支え続けた保育士の皆さんがいたからだということを忘れてはならないと思います。  〔資料提示〕  こうした中、6月12日に可決された国の第2次補正予算において、医療や介護の従事者に対する慰労金の支給が盛り込まれましたが、大変残念なことに、この慰労金の対象に保育所の保育士は含まれておりません。  保育所では、ソーシャルディスタンスやマスクの重要性を理解できない年齢の子供も多く、子供同士や子供と保育士との触れ合いを禁止できないことから、いわゆる3密を避けることが困難な環境にあります。  そうした状況の中、子供に感染させてはいけないというプレッシャーや、自分自身が感染するかもしれないという恐怖と闘いながら保育を継続してきた保育士の皆さんに対しては、医療に従事する方々に対するのと同じように、分断することなく感謝の気持ちを表すべきではないでしょうか。  県はこれまで、保育士確保のため、処遇改善や県独自の地域限定保育士試験の実施などに取り組んできています。今回の新型コロナウイルスに対する保育士の取組に感謝を表すことができなければ、保育に対するやりがいが失われ、新たに保育士を志す若者も減ってしまうのではないかと懸念しています。  保育所に対して業務の継続を要請してきた立場からも、県として、頑張ってきた保育士の皆さんの努力に報いるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  コロナ禍における保育所への支援の一つとして、慰労金の支給について、県としても国に積極的に働きかけていくべきと思いますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、「新しい生活様式」の下における熱中症対策についてです。  近年、熱中症による健康被害が多く発生しており、県でも昨年は5月から9月にかけて約3,500人の方が熱中症により救急搬送されています。  また、先月気象庁が発表した関東甲信地方の3か月予報によると、今年の夏の気温は平年並みか、平年より高くなることが予想されるとのことであり、今年も熱中症になってしまう方々が多くなることが懸念されます。  こうした状況に加え、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための新しい生活様式が推奨されているところです。この提言の中では、外出時や屋内の会話の際のマスクの着用、さらには、三つの密を避けるための換気の励行など、これまでの熱中症予防対策との両立が難しいように思われる項目が含まれています。そのため、感染症対策を意識するあまり、熱中症のリスクを高めてしまうことが懸念されます。  さらに、引き続き不要不急の外出の自粛が求められる中、特に熱中症の被害に遭いやすい熱中症弱者とも言われる高齢者の方々が屋内で過ごすことが増え、これまでのようにお互いに声をかけ合って注意を促す、見守りをするというようなことも難しくなるのではないかと考えられます。  こうしたことから、今年の夏は例年以上に多数の熱中症患者が発生する可能性があると考えられますが、多くの熱中症患者が医療機関に搬送される事態となると、新型コロナウイルス感染症の治療に懸命に取り組む医療現場を圧迫することとなり、最悪の場合、これまで県が医療崩壊を防ぐために先手を打って取り組んできた神奈川モデルを崩壊させることにもなりかねません。  〔資料提示〕  こうした事態を未然に防ぐためには、県民お一人お一人が新型コロナウイルスに感染しないように行動していただくことと併せ、熱中症にならないように自ら取り組んでいただく必要があります。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための新しい生活様式の下における熱中症対策の普及啓発について、県としてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた県庁の働き方改革と女性活躍推進についてです。  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県ではテレワークや時差出勤などの取組をより一層推進してきたと聞いています。  〔資料提示〕  テレワークは、通勤時間を家族と過ごす時間や自己啓発に充てることができ、仕事への意識や長時間労働を見直すきっかけとなることから、県の働き方改革取組方針にも位置づけられています。  一方で、県では次世代育成支援・女性活躍推進に関する職員行動計画の下に、様々な取組を進めています。  〔資料提示〕  この計画では、男性の育児休業等の取得率の目標を13%としており、平成30年度の知事部局の実績は、目標を上回る14.8%となっています。  計画策定に当たって実施したアンケートでは、育児休業等を利用したくても、職場に迷惑をかけることが気になるとの声があったとのことです。今回、テレワークが拡大し、交代制勤務などにより、組織的に協力して仕事を進める意識が生まれ、職場の風土に新たな変化が生まれたことを受け、今後はさらに男性職員が子育てのためにテレワークや育児休業等を取得しやすい環境にしていくことで、誰もが働きやすい職場づくりにつながると思います。  ちょうど、計画は来年度から改定になることから、これまでの取組結果を分析するとともに、様々な観点から検討し、働きやすい職場の実現につなげる必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  より多くの男性職員が子育てに参加できる環境をつくり、女性活躍を一層進めていくため、計画の改定に向けて幅広く職員アンケートを行うなど、職場環境の実態や職員の意向等を確認するべきと考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、コロナ禍におけるDV被害者への支援についてです。  4月に発表された国連女性機関-UN Womenのムランボ=ヌクカ事務局長の声明では、世界的に過去12か月で2億4,300万人の女性と女児がDVの対象になっています。今回、90か国で約40億人がコロナから身を守るために自宅待機となっており、女性に対する暴力という隠れたパンデミックが増加しており、各国に対策と支援を提言しています。  国内でも、緊急事態宣言による外出自粛や休業などで、生活不安、ストレスによりDVの増加や深刻化の懸念が高まっていることが報道されています。  4月に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は速報値で1万3,272件、前年同月より約3割増加しています。  内閣府が新たに設けた相談窓口、DV相談プラスは電話やメール、チャットの相談が24時間対応でき、5月19日までの30日間の相談は計約4,400件でした。そこには、経済的に不安になり、夫がいら立つことが多くなり、暴力を振るわれている、在宅勤務が増え、テレワーク中は家の外に出されてしまうなどの声が寄せられています。  県内では県警の速報値によると、今年4月のDV事案の相談件数は前年同月比で14件減の585件となっており、統計上増加傾向は見られないと伺いました。  しかしながら、長く外出自粛が続き、家族が一緒にいる時間が長くなり、常に配偶者等がそばにいる状況では、相談機関に赴いたり、電話したりといった相談がしづらく、件数には表れてこなくても、目に見えないDVが発生していることが懸念されます。  〔資料提示〕  DV被害者の支援に当たっては、県では暴力の未然防止や相談体制の充実、一時保護体制の整備といった取組をさらに進めていることは承知しています。  今、緊急事態宣言は解除されましたが、今後も引き続きテレワークの実施など新しい生活様式を送ることで、引き続き在宅時間が長くなることなどから、DV被害が増えると予想されます。  また、同じ家庭内の問題として、DVと児童虐待は密接な関係があり、児童虐待の相談の一番多いケースは心理的虐待で、そこには多くの家庭内での暴力や罵声を面前で見る、聞く、そういうことが挙げられております。児童虐待の未然防止のためにも、コロナ禍のDV対策に取り組むことは必要です。  そこで、共生担当局長に伺います。  現在のコロナ禍におけるDV被害者への支援について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、コロナ禍における専門学科の実習への影響についてです。  コロナ禍における学びの保障について、先行する質問の中でも既に取り上げられてきています。私からは専門学科の実習への影響について伺います。  県立高校では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、5月末まで臨時休業をしてきています。そのため、各校ではICTを活用した課題の配付やオンラインによる学習など、家庭学習をサポートする様々な取組を行ってきたと承知しています。  しかし、そうした中、専門学科の高校においては大変重要な学びである実学を踏まえた実習は、家庭では行うことが難しく、そうした学びが滞ってしまうことが懸念されます。  〔資料提示〕  海洋高校では乗船実習、遠洋航海の実習がありますが、狭い船内の実習のため延期されています。今後の季節や台風の影響など、実習の実施が心配されます。  農業科の栽培に関する実習では、作物により種まきの時期が決まっており、種まきができなかった場合は、その後の実習に大きな影響が及びます。  また、各専門学科で行われている資格取得につながる学びでは、資格のために必要なカリキュラムや授業時間がありますが、臨時休業により、このままでは資格取得の要件を満たさないことが懸念されます。  資格を取得することは、生徒の卒業後の進路にも大きな影響を与えるものであり、資格取得を目指して入学した生徒が安心して教育活動に取り組めるよう、学びを保障することが必要です。  そこで、教育長に伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校を臨時休業したことにより、実学を踏まえた実習などへの影響が懸念されますが、専門学科で学ぶ高校生に対する支援について、どのように考えているのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、コロナ禍における教員の確保についてです。  本県においても、学校における教育活動が段階的に再開されています。コロナ対策で業務が急増しており、早急な対策が求められる中、特に小中学校の最終学年の学びの保障を確保していくことは、喫緊の課題です。  臨時休業中の学習の不足を取り戻し、限られた期間の中で教育活動を十分に展開していくためには、教員を増やすといった人的な体制の強化が必要です。  〔資料提示〕  国においても、先日可決された第2次補正予算では、子供たちを誰一人取り残すことなく、最大限に学びを保障するため、幅広い人材を活用することを前提とした教員の追加配置を行うための予算が計上されました。  本県においても、先日、教育長から市町村立学校における学びの保障について、国の第2次補正予算を踏まえ、人的体制の強化に向けて、必要な対応を図るとの認識が示されました。学校現場にとって元気の出る朗報だと思います。  しかし、全国的に教員の大量退職、大量採用が見込まれる中、各自治体間の人材の獲得競争が激しくなり、教員の人材確保が困難な状況にあることに加え、私は、かねてから心配し取り上げてきていますが、教育現場では育児休業等を取得する教員も増えてきて、代替教員の確保が難しくなってきており、慢性的に教員不足、人材確保が課題になっています。  学びの保障、充実を進めていくためにも、教員がいない、足りない、人材確保が難しい、この事実にしっかり向き合った議論を進めるべきと考えます。  そこで、年度途中における緊急的な人的体制の強化に向けて、県教育委員会ではどのように教員を確保していこうと考えているのか、教育長の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の最後は、学校における一年単位の変形労働時間制の導入についてです。  国は教員の働き方改革の一環として、いわゆる給特法を改正、県では関係条例を改正し、4月に県立学校の教育職員の業務量の管理に関する規則を制定し、働き方改革を実現する上で大変重要な取組である長時間労働の是正に向けて、今年度から上限規制がされ、時間外勤務の削減に向けて取り組まれているところです。  〔資料提示〕  この給特法の改正はもう一つ、勤務時間を年単位で調整する1年単位の変形労働時間制があり、地方公共団体の判断により導入を可能とするもので、改正時には令和3年4月1日から施行することとなっています。  変形労働時間制は、労働時間を月単位・年単位で調整することで、繁忙期等により勤務時間が増加しても時間外勤務としての取扱いを不要とする労働時間制度で、1年以内を平均して1週当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件として、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度です。制度の導入に当たっては、恒常的な時間外勤務がないことが前提条件とされています。  特に学校への導入に当たって、1週間や1か月の期間でなく、1年という長い期間で振り替えることには、健康管理の上からも問題があることが指摘されています。  県が行った勤務時間調査からは、恒常的に学校現場が長時間の時間外勤務を行っていることが明らかで、この間の給特法をめぐる議論の中でも県教育委員会は慎重に検討する立場を取られています。  県内では3月から、コロナ対策として学校の臨時休業が実施され、この6月から段階的に学校が再開されたところであり、この間、突然の一斉休校の対応から始まり、学校現場は、通常とは全く異なる対応が求められています。  この休校中、地元の学校の前を通った際には子供たちがいないにもかかわらず、夜になっても校舎の明かりがついていました。学校現場では、これまで休業中の対応、再開に向けた準備、また、現在は再開後の対応に追われています。  今後の学習の計画の見直しはもちろん、未履修単元の複数年での履修を含め、教育課程の大幅な見直しが並行して行われています。今まで以上に多忙を極めているのが現状です。  学習の遅れを取り戻すべく、夏季休業期間の短縮も発表されています。教職員は夏休みを取ることも難しく、ましてこのような状況で時間外勤務の縮減が図られるのか懸念があります。また、学習の保障として、複数年での学びも提唱されており、来年度以降の学校体制についてもこれまでと違う対応が考えられます。  もとより、恒常的な長時間勤務が解消されずに、土日授業の振り替えさえ取れていない学校現場で、1年単位の変形にすることで長時間勤務をそのまま認めてしまう変形労働制は学校に有用性があるのか、疑問視しています。  国の法改正がなされたとはいえ、地方公共団体の判断によるとされています。今後の導入はもとより、このコロナ禍の中で、法律の施行日である令和3年4月の制度導入については凍結すべきと考えます。  そこで、教育委員会として、このコロナ禍のさなかに1年単位の変形労働時間制の導入についてどのように考えているのか、教育局長の見解を伺います。  以上です。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 岸部議員の御質問に順次お答えします。  初めに、新型コロナウイルスに係る雇用をめぐる問題の解決に向けてお尋ねがありました。  本年4月、5月に神奈川労働センターへ寄せられた労働相談は、昨年同時期の約1.7倍となる約2,400件で、その半数以上の1,236件が新型コロナウイルス関係の相談となっています。  このうち労働者からの相談内容は、休業に関するものが半数近くを占めており、また、5月以降は解雇、雇い止めに関する相談が増加しています。  こうした状況を受け、県は企業に雇用を維持していただくため、申請手続が分かりにくいと言われる雇用調整助成金に関する個別相談会を実施し、100社を超える企業を支援してきました。  また、労働相談については、新型コロナウイルス関係の実際の相談事例を類型化して分かりやすくまとめ、ホームページに掲載して問題の解決に必要な知識や情報の周知を図っています。  今後はダメージを受けた経済の影響が徐々に雇用面にも広がり、厳しさを増していくものと想定されることから、雇用の維持や労働相談に関する取組をさらに強化していく必要があります。  そこで、7月以降も雇用調整助成金に関する相談会を実施し、また、街頭労働相談会におけるキャリアカウンセラーを増員するため、予算の増額をしたいと考えています。  また、従来は相談後に神奈川労働局で改めて申請することが必要でしたが、ワンストップで手続できるよう、相談会の場で直接申請書を受理する方式に改め、利便性の向上を図ります。  さらに、神奈川労働センターに、新たに専用相談ダイヤルを設置した上で広く周知し、相談しやすい体制を整えるとともに、事例集の内容をより充実させていきます。  こうした取組により、新型コロナウイルスに係る雇用をめぐる問題の解決に向けて、企業と労働者をしっかりと支援してまいります。  次に、コロナ禍における保育所への支援についてお尋ねがありました。  県では新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下において、医療、介護、食料品の流通といった社会生活の維持に必要な事業に従事するエッセンシャルワーカーの皆様に事業活動の継続をお願いしてきました。  子供との密着が避けられない保育所は、エッセンシャルワーカーの活動を支えるため、常に感染リスクへの不安を抱えながらも開所し続けていただいており、心から敬意を表します。  県ではこの間、保育所の事業継続を支援するため、市町村を通じて感染防止対策のアドバイスや、実際に感染者が発生した施設で対応した方法などの情報提供を行ってきました。  また、マスクや手指消毒用のエタノールなど、感染拡大防止に必要な資材の調達、配付にも取り組んできました。  こうした中、議員御指摘の慰労金については、国の第2次補正予算において、介護や障害者施設の職員が対象となる一方、保育士は対象になっていません。私は保育士も介護職員と同様に感染防止に苦労して事業の継続を行ってきたことから、この慰労金は保育士も対象にすべきと考えています。  そこで、県では今年度実施する国への提案において、保育所や放課後児童クラブ等を対象として、介護・障害分野と同等の慰労金を支給するよう国に強く働きかけていきます。  また、県としても、コロナ禍において尽力いただいた保育士の皆様に感謝の気持ちを届けるための取組を検討するなど、引き続き保育所への支援を行ってまいります。  次に、「新しい生活様式」の下における熱中症対策についてお尋ねがありました。  例年、熱中症で亡くなる方は多く、猛暑だった平成30年度には、県内で100人以上の方が犠牲となっています。  このように熱中症は、県民の命に関わる重大な脅威ではありますが、一人一人が日頃から暑さを避け、小まめに水分を取るなどの対策を取ることで、未然に防ぐことができます。  このため、これまで県では熱中症対策について民間企業と連携してポスターを作成したり、ラジオ放送で広く呼びかけるなど、様々な媒体を活用して普及啓発に取り組んできました。  しかし、今年は通常の年とは異なり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための対策と、熱中症対策等を両立させるという新たな課題に取り組まなければなりません。  そこで、県では、現在約74万人の方が登録されているLINE公式アカウント新型コロナ対策パーソナルサポートを活用した積極的な広報を行います。  具体的には、気温が高い日など、熱中症のリスクが高いタイミングを捉えて、人との距離が取れる場合にはマスクを外したり、換気をしながら冷房温度を調整するなど、新しい生活様式の下で求められる熱中症対策の情報を効果的に、ダイレクトにお届けいたします。  また、こうした情報を県ホームページの新型コロナウイルス感染症特設サイトにも掲載するほか、熱中症になりやすいとされる高齢者の方が利用する施設などにも広く周知することで、より多くの県民の皆様の理解の促進を図ります。  県はこのように県民の皆様に新しい生活様式の下での熱中症に関する正しい知識を発信し、適時適切な行動を促すことで、新型コロナウイルス感染症と熱中症の両方から身を守っていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。  最後に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた県庁の働き方改革と女性活躍推進についてお尋ねがありました。  県では働き方改革の取組として、テレワークや拡大時差出勤を導入してワーク・ライフ・バランスが実現できる職場環境を整備してきました。  新型コロナウイルスの感染が広がり始めてからは、テレワークを毎日可能とするルール改正を行ったほか、テレワークによる交代制勤務を認めるなど、前例のない取組を実行しています。  その結果、4月からの1か月半で、常勤職員の約7割がテレワークを実施し、約6割の所属が交代制勤務を取り入れました。  テレワークを行った男性職員からは、通勤時間がなくなったことにより、子供の宿題を教える時間ができた、家事を積極的に分担したという声もあります。  このように、テレワークは男性職員が家事や育児に関心を深め、実践することにもつながるため、女性活躍推進にも寄与すると考えられます。  そのため、今回のテレワークの成果と課題を分析して一層の定着を図り、男性職員が子育てに関わる時間を増やすことにより、現行の女性活躍計画に掲げる育児休業取得率の向上にもつなげていきたいと考えています。  また、来年4月の計画改定に向けては、広くワーク・ライフ・バランスを実現できる環境をつくるという観点から、子育て中の職員だけでなく、全ての職員を対象にアンケートを実施し、具体的な取組や目標などを検討してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔共生担当局長(安井由美子)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 安井共生担当局長。 ◎共生担当局長(安井由美子) 共生関係の御質問にお答えします。  コロナ禍におけるDV被害者への支援についてお尋ねがありました。  配偶者や交際相手からの暴力、いわゆるDVは重大な人権侵害であり、犯罪行為です。  県ではDV対策として、DVの未然防止のため、啓発冊子の作成、配布を行うとともに、電話相談やSNSを活用した相談など、DVに悩む被害者の支援を行っています。  さらに、コロナ禍における在宅ワークや外出自粛などにより、常にパートナーがそばにいて電話での相談が難しい被害者のために、SNSによる相談受付を5月より週2日から4日に拡大しました。  そうした中で、5月の1日当たりの平均相談件数は12.6件と、4月の7.3件から増加しており、今後も在宅ワークが推進される中で、家庭内でのストレスの増大によるDV発生の高まりが懸念されます。  そこで、県では企業と連携し、パートナーへの高圧的な暴言や生活費を渡さないといったDVの分かりやすい事例を示しながら、企業内で従業員向けの普及啓発を行っていただく取組を進めていきます。  また、コロナ禍の中、オンラインショッピングが増加していることに着目して、企業に御協力いただき、商品と一緒にDV相談窓口の案内を送付する取組を新たに始めます。  さらに、県のたよりや約74万人の方が登録している新型コロナ対策パーソナルサポートといった県の様々なツールを活用し、引き続き広く県民の皆様にDV相談窓口などの周知をしていきます。  県では、コロナ禍における新しい生活様式を見据えながら、DVに悩む被害者支援にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  コロナ禍における専門学科の実習への影響についてです。  農業、工業等の職業教育を主とする専門学科高校は、学習指導要領において、原則として総授業時数の2分の1以上の実験・実習を行うこととされており、職業人として必要な力の育成に向けた実習等に重点を置き、教育活動を展開しています。  そのため、臨時休業中には学校再開後に行う授業に備えて実習のポイントに関する動画等の教材を作成し、オンラインを活用した学習により、生徒の理解を促すよう取り組んできました。  例えば、農業科では、教職員が種まきを行い、作物の成長の様子をホームページで配信するなど、臨時休業中も生徒の学びを止めない工夫をすることで、学校再開後の実習につなげています。  また、専門学科高校には将来の就業を見据え、資格取得を目指して入学する生徒も多くいます。  しかし、今回の臨時休業により、国家資格取得のために一定の実習時間が義務づけられている、例えば水産科における航海実習や福祉科における介護実習は、再開後の限られた期間の中で、その機会を確保することが難しくなっていました。  県教育委員会では、早い段階から他県の教育委員会と共に、こうした状況を改善するよう国に求めてきましたが、先月には国から実習の一部を授業で代替することを可能とするといった資格取得の要件を緩和する旨の通知がありました。  そこで、現在、各学校では生徒が資格を取得できるよう、カリキュラムの見直しを行うとともに、実習先の確保や調整を鋭意進めています。  県教育委員会では今後とも、専門学科高校における実践的、体験的な学びを保障するとともに、資格取得に向けて生徒が安心して取り組めるよう支援してまいります。  次に、コロナ禍における教員の確保についてです。  本県において新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、学校の臨時休業が3か月間の長期に及んだことから、小中学校における児童・生徒の学びの保障にしっかりと対応していくことが必要です。  こうしたことから、県教育委員会では、4月補正予算で臨時休業に伴う補充授業等を行う非常勤講師や学習指導員を措置してきました。  今後は、特に学習の不足を年度内に解消しなければならない小学校6年生と中学校3年生について、チームティーチングや習熟度別指導などのきめ細かな指導を行う人的体制の強化を図りたいと考えています。  その際、今回の人的体制の強化は緊急的な対応であり、正規の教員を任用することでは間に合わないため、臨時的任用教員を活用することを想定しています。  しかし、出産休暇や育児休業を取得する若手教員の代替に、既に多くの臨時的任用教員を学校に配置していることから、こうした免許資格職である教員の確保は厳しい状況にあります。  そこで、県教育委員会では、教育経験が豊富な退職教員に臨時的任用教員になることを積極的に呼びかけていきます。  また、退職し、教員免許状の期限が切れている方に臨時免許状を付与するなど、あらゆる手段を講じて臨時的任用教員を確保してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔教育局長(田代文彦)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 田代教育局長。 ◎教育局長(田代文彦) 学校における一年単位の変形労働時間制の導入についてです。  学校における働き方改革を推進するため、国は昨年12月に1年単位の変形労働時間制の教員への適用を可能にする、いわゆる給特法の改正を行いました。  県教育委員会では昨年10月に、時間外勤務の上限の遵守や学校閉庁日の設定などを盛り込んだ神奈川の教員の働き方改革に関する指針を策定し、この指針に基づき、教員の長時間勤務の改善をはじめとした働き方改革を進めています。  一方、国では1年単位の変形労働時間制の導入に当たっての要件等を示すとしていましたが、いまだ示されていません。  そうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、全ての県立学校を3か月間臨時休業とした後、6月1日から教育活動を再開しました。  学校現場では、臨時休業中の学習の補充や児童・生徒の健康管理など、多様な課題に取り組んでいます。  教員の働き方改革は、今後も取り組んでいかなければならない重要な課題です。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波も懸念される中、こうした事態が今後の教員の働き方そのものにどのような影響を与えるのか、現時点では想定が難しい状況です。  こうしたことから、1年単位の変形労働時間制について県教育委員会では、今後新型コロナウイルス感染症の対応への見通しがある程度立てられる段階で国が示す制度導入の要件も見定めながら、市町村教育委員会等の意見をお聴きし、検討してまいります。  以上でございます。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 御答弁いただきました。前向きな御答弁ありがとうございます。  それでは、2点、再質問いたします。  まず、雇用をめぐる問題の解決に向けてですが、県として7月以降も個別相談会を実施、ワンストップでの申請も受け付けていただけるようにすること、また、相談専用ダイヤルの新設もしていただけるということで、大変前向きな御答弁をいただきました。  雇用調整助成金に関する個別相談会や新たに設置する相談専用ダイヤルは、今後も必要に応じて拡充させていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。  もう1点は、県庁の働き方改革と女性活躍推進についてです。  職員アンケートを行うとの御答弁をいただきました。  アンケートを行うに当たっては、女性活躍の推進に対する県の姿勢を示した上で取り組むべきと考えます。どのような姿勢で取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  雇用調整助成金に関する相談会は、煩雑と言われている助成金の申請手続について、中小企業を支援するもので、雇用の維持を図っていく観点から大変重要な取組であると考えています。  また、新型コロナウイルスに関する労働相談専用ダイヤルの設置は、解雇や雇い止め等について相談しやすい体制をつくることで、労働者の雇用を守るためには有効な取組であると考えています。  今後はこれらの取組に対するニーズを踏まえた上で、拡充も含め、適切な対応を検討してまいります。  次に、女性活躍の推進に対する県の姿勢を示した上で、アンケートを行うべきではないかという御質問でありました。  女性職員が生き生きと活躍できる職場というものは、男性職員も生き生きと活躍できる職場であると考えております。そのため、制度の面でも意識の面でも、女性が活躍できる職場環境をしっかりつくり上げる姿勢で臨んでいきたいと考えています。  例えば、職員アンケートのほか、子育て中の職員により構成するプロジェクトチームをつくり、実体験も聴きながら職員の生の声を計画に反映していきたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔岸部 都議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 岸部都君。  〔岸部 都議員登壇〕 ◆岸部都議員 再質問にも御答弁いただきました。前向きな御答弁いただき、ありがとうございます。  まず、雇用の維持に向けてですが、手続が煩雑で大変難しいと言われている申請をしやすくするための個別相談会、また労働者が解雇や雇い止めに関する相談をしやすい体制をつくる相談ダイヤルについて、拡充も含めて取り組んでいくという御答弁をいただきました。  どちらも雇用を守るという観点で本当に重要な取組だと思います。今後もニーズを踏まえて、そして何より柔軟な対応で雇用を守る政策の推進をしていただくことをお願いいたします。  次に、女性活躍推進計画の検討に当たって、アンケートのほかにプロジェクトチームをつくって生の声を聴いていただけるということで、大変前向きな取組を伺いました。  働き方改革を進めるためにはワーク・ライフ・バランスの実現や、性的役割分業の見直しや解決が必要です。共働き世帯が増加する中で、家庭責任を夫婦で分かち合う意識を醸成し、職場や社会全体での性別役割分担の意識の変革につながる機会となるよう、県としても県民や企業に範を示す意味からも、今回のアンケートから現場の声を拾い、プロジェクトチームで専門に取り組み、実効ある次世代育成支援・女性活躍推進計画にしていただきたいと思います。  県職員が働きやすく、働きがいのある環境で働くことは、質の高い県民サービスを提供するために重要なことであります。職員の生の声を基に、よりよい職場づくりにつなげるよう求めます。  そのほか時間の許す範囲で意見、要望を述べさせていただきます。  まず、保育所です。  知事からも、慰労金に対して、国に強く働きかけていただくというお言葉を頂きました。  国段階では、この2次補正の審議の中で、慰労金の対象から外された児童施設、保育施設等については衛生対策など体制整備として各所50万円の補助金が出るようになったと聞いています。とはいえ、今回の趣旨であるコロナ禍の中、最前線で社会生活を支えてくださったエッセンシャルワーカーの皆さんの責任感や努力へ、敬意と感謝を示す慰労金から分断されるのは大変残念なことです。  県としてもコロナ基金を創設し、新型コロナウイルス感染症対策のために医療・福祉・介護の現場で働く方々や、そうした方々を支えるボランティア団体などを支援する取組を進めているところです。  寄附金を活用して実施していく具体的な事業については、医療や福祉の現場に関わる方々や関係団体、市町村等からの御提案もいただきながら実施していくことになっていますが、児童施設や学童、保育施設もまた、この医療や福祉の現場に携わる中に含まれると考えます。基金の事業の中に、ぜひ児童施設、保育施設も含めることを求めます。  次に、DVについてです。  DV被害者への相談体制、支援体制の拡充が重要なことはもちろんです。熱中症のところでも、県のLINEの新型コロナ対策パーソナルサポートの活用という言葉が言われましたが、今回、DV-児童虐待の観点からも、広報に差し挟んでいただいたところ、DVライン相談の友達登録が4月の907件から、5月は1,379件に一気に増えたと伺っています。今回、74万人近くある県の新型コロナ対策パーソナルサポートは最新の情報を素早くお伝えし、相談機関につなげる広報としてすばらしい実績を上げています。  このツールを潜在化して見えない分野で困っている方々、つながってほしいのにつながらない方々をしかるべき支援につなげるために、今後も機を捉え、広く早く伝える工夫、活用として使っていただきたいと思います。県としても最前線で支援を継続する相談、緊急保護などの機関、団体への継続した支援を求めます。  次に、教員確保についてです。  教員を含めた人的体制の強化について、教育長から力強い御答弁をいただきました。  学校の再開や新型コロナウイルス感染症対策などで、日々の業務に追われている現場の教員にとって、負担が軽減されることにもなる支援だと受け止めています。  とりわけ臨時的任用教員の確保については、このコロナウイルス感染症が拡大する以前から、その確保が課題となっており、心配してきておりました。教育長から臨時的任用教員の確保に向けて、あらゆる手段を使って取り組んでいただけるという御答弁をいただきまして、安心したところです。  学校再開後の児童・生徒の安全・安心と豊かな学びを保障していくことが最優先であります。しかし、それに合わせた教員確保が必要だと思いますので、早期実現をお願いいたします。  最後に、変形労働時間制について申し上げます。  学校の長時間勤務是正のために打ち出された変形労働時間制でありますが、ただ現在と異なる労働時間制を導入するだけでは、何ら問題解決にならない可能性が高いと言えます。  まずは、基本に立ち戻り、教員の労働時間を長時間化させている要因を洗い出し、積極的な業務改善を求めることで、既存の労働形態の中で、どこまで労働時間を短縮させることができるのかを検討していくことが先決です。先に定めた学校の長時間勤務の是正、上限規制の遵守を達成してからの議論にするべきと重ねて申し上げます。  時間が参りました。以上で、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028693-質問・答弁-西村くにこ議員-一般質問①かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等について②就職氷河期世代の支援について③新型コロナウイルス感染症に関連した依存症対策について④「新しい生活様式」における認知症施策の推進について⑤新型コロナウイルス感染症の検査の拡充について⑥介護サービス事業者の新型コロナウイルス感染症対策について⑦県立高校における就職支援の取組について》   〔西村くにこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 西村くにこ君。  〔西村くにこ議員登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆西村くにこ議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、質問させていただきます。  知事並びに福祉子どもみらい局長、健康医療局長、教育長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問に先立ち、一言申し上げます。  日本の新型コロナウイルス対策は初期の水際対策に始まり、その後はいわゆる集団感染を封じ込めるクラスター対策を軸として行われてきました。  今後、検証が必要なのは言うまでもありませんが、欧米に比べ、日本が感染者数を抑えることができているのも、現場の御尽力によるところが大きいと思います。医療従事者の皆様に心から感謝を申し上げます。  また、国民、県民の皆様の外出自粛の御理解、御協力も大きな要因になっていることは間違いありません。  さて、新型コロナウイルスパンデミックでは、各国政府も様々な形で国民を隔離する、いわゆるロックダウンの政策を取りました。感染症対策としては当然な選択ではありますが、世界中の人々が突然、日常生活から切り離され、孤立感を味わう人類史上初めての事態が起きたわけです。  本来であれば、人類が共通のウイルスという敵と対峙し、団結して闘わなければならないのですが、不安や孤立からか、対立や差別といった分断の力が世界各地で働いているように見られることが残念でなりません。  黒岩知事はコミュニティ再生を掲げ、本県における様々な課題の解決の糸口として、人々が集い、支え合うコミュニティに光を当てようとされていました。しかし、今後は新しい生活様式の中にあって、新しいコミュニティの在り方を模索しなければなりません。  そして、この新しいコミュニティが孤立する人に手を差し伸べ、誰一人取り残さない社会の礎となることを期待して質問に入ります。  〔資料提示〕  まず、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等について伺います。  平成29年8月、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター-かならいんが開設し、孤立しがちな被害者に寄り添いながら、医療をはじめとする支援につなぐ仕組みを構築したことは、大きな前進であったと言えるでしょう。  しかしながら、立ち上げから3年近くがたち、新たな課題も見えてまいりました。  言うまでもなく、性犯罪・性暴力は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する悪質、卑劣な行為であり、被害者は身体だけでなく精神的にも長期にわたり苦しめられ、その被害の深刻さから魂の殺人とも形容されています。  許されざる犯罪でありながら、被害者が被害を届け出ないことにより顕在化しない事案が多い犯罪でもあります。  平成31年に法務省が行った、いわゆる暗数調査の結果においては、実に8割もの人が捜査機関に被害の届出を行っていません。被害が潜在化すれば、社会において厳正な対処ができなくなるのみならず、被害の継続化、深刻化も懸念されます。  こうした状況を改善するため、努力や取組がなされてはいるものの、被害者の届出に対する精神的なハードルは、またまだ高いと言わざるを得ません。  そもそも、被害直後の混乱の中で、被害届の提出を決断することは難しく、その心情は十分に理解できます。しかし、その一方で、時間経過とともに証拠が消失されてしまう可能性は高くなります。  かならいんでは、被害後間もない時期に、緊急に必要な産婦人科医療を被害者に提供しています。  もし、この段階で医療従事者による証拠の採取や、それに引き続く保管の仕組みができれば、後に被害者が落ち着きを取り戻してから、捜査機関への被害届や証拠の提出が可能となり、被害者の迷いや苦しみが大きく軽減されるのではないでしょうか。  新型コロナウイルス感染症対策が最優先される現在、医療機関を交えた新たな取組の検討が難しいことは理解しています。しかし、状況が改善したときに、この証拠採取と保管に向けた取組が進むよう、今できることから行っていただきたいと願うばかりです。  卑劣な性犯罪から一人でも多くの被害者を救済し、被害を防止していくためには、被害者への適切な対応とともに、潜在化防止などを含めた性犯罪への厳正な対処を進めるための効果的な施策を、明確な方針のもとに強力に推進し、本県として性犯罪・性暴力を許さない姿勢をはっきりと示すことが肝要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター-かならいんにおける証拠採取等について、どのように考えているのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、就職氷河期世代の支援について伺います。  バブル崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った、いわゆる就職氷河期世代の方の中には、当時希望する就職ができず、30歳代半ばから40歳代半ばになった現在も不安定な仕事に就いていたり、無業の状態にあるなど、様々な課題に直面している方がいらっしゃいます。  平成28年12月6日、私は第3回定例会一般質問で、就職氷河期世代の正規雇用に向けた取組について質問させていただきました。その結果、キャリアカウンセリングの実施や企業との面接会の年齢要件の引上げを行っていただきました。  国においては昨年6月、いわゆる骨太の方針において、全ての世代の人々が希望に応じて、意欲、能力を生かして活躍できる環境整備を進める中で、今後3年間、集中的な支援に取り組む方針が打ち出されました。  その後、12月には、就職氷河期世代支援に関する行動計画2019が関係府省会議で決定され、この4月から3年間で30万人の正社員転換を目指し、官民が連携して取り組む支援プログラムが始まっています。  このように、言わば国を挙げて取り組み、社会全体で就職氷河期世代の後押しを始めようとした矢先、新型コロナウイルス感染症の問題が大きく立ちはだかることとなりました。  就職氷河期世代の採用予定に関して、この4月から5月上旬にかけて共同通信社が主要企業111社を対象として行ったアンケートでは、回答した102社のうちの9割弱に当たる90社が、就職氷河期世代の採用予定はないと回答したとの報道がありました。  確かに、新型コロナウイルスによる経済へのダメージは大きく、さらに、感染拡大の第2波がいつ来るのかという不安もある中、企業には感染拡大防止と経済活動の両立という大きな課題がのしかかっています。  こうした先行きが全く不透明な現在の状況下において、企業側に就職氷河期世代への支援の広がりが見られないことも、理解できないわけではありません。  しかしながら、その就職時期がたまたまバブル崩壊後の厳しい経済状況にあったがゆえに、個々人の意思等によらず、未就職、不安定就労等を余儀なくされたこの不遇の世代に対する支援は、我が国の将来に関わる重要な課題であると考えます。  そこで、知事に伺います。  就職氷河期世代に対する支援については、新型コロナウイルスが大きな影を落としている現在の状況にあっても、支援の手を緩めることなく取り組んでいくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、新型コロナウイルス感染症に関連した依存症対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、緊急事態宣言が発令され、本県においてもステイホームが実施されました。  テレワークや休校等で在宅時間が長くなる中、生活の変化に伴う不安や自粛のストレスから、インターネットゲームに費やす時間が伸びたり、アルコール摂取量が増えたという話を耳にします。  WHO-世界保健機関は3月20日の段階で、新型コロナウイルス感染拡大状況における依存のリスクについての注意喚起文書を発出しています。この中では、ストレスや孤立による向精神薬やアルコール摂取のリスクを注意喚起するとともに、自粛生活の中でのゲーム障害の危険性についても警告しています。  我が国ではこれまでも、東日本大震災などの災害やリーマンショック後に依存症患者数の増加傾向が見られており、コロナ禍の影響も今後、顕在化されてくるのではないかと危惧しています。  そもそも依存症とは、アルコール、薬物、ギャンブル、インターネットゲームなど、特定の物質使用や行為を繰り返すことで、それが身体的、精神的になくてはならない状態になり、自分ではコントロールができなくなった結果、自身を傷つけるばかりか、周囲を巻き込むなど、社会活動が困難になる問題を指します。  依存対象は様々で、アルコールや薬物などの物質、ギャンブルやインターネットゲームなどの行為、異性やDVなどの人間関係などに分類されますが、依存の種類が違っても共通する点があります。  一つには、その物質、あるいは行為が脳に何らかの快感をもたらすこと、二つ目には、同時にストレスや心の痛み、むなしさや寂しさ、不安などを緩和する自己治療の側面があること、三つ目に、習慣化し、より強い刺激を求め、問題が起きているのにやめられないなど、エスカレートとコントロール喪失が出現すること。  しかし、大事なのは、依存症が病気であり、回復が可能だという認識です。ただし、自己流では解決が難しく、専門家の知見や支援団体によるサポートが必要になります。  つまり、民間支援団体等の活動は、依存症になった方の社会復帰を支えるためには不可欠と言えるのですが、緊急事態宣言以降、施設の利用ができず、自助グループの会合や治療プログラムが実施できなくなっており、回復から逆戻りしかねない状況にあるとの声を伺いました。  依存症対策は、新型コロナウイルス感染症関連の対策の一環としても、しっかりと取り組んでいかなければなりません。  そこで、知事に伺います。  今後、本県の依存症対策として、普及啓発や患者の回復支援をどのように進めていくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、「新しい生活様式」における認知症施策の推進について伺います。  2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測される中、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごすことができる社会を目指し、昨年6月に認知症施策推進大綱が策定されました。  これまで我が会派は、認知症の方やその御家族が、自分らしく、できるだけ長く住み慣れた地域で暮らしていける地域づくりの重要性を訴え、認知症サポーターやキャラバンメイトの養成や拡充、医療機関や介護の関係機関などに理解してもらいながら対応していただくための情報共通ルール、よりそいノートなど、具体的な施策を提唱してまいりました。  平成28年第2回定例会で、我が会派の鈴木ひでし議員が提案した県独自の認知症の人と家族を支えるマークは、当初のピンバッジだけでなく、手作りグッズとしても広がりを見せ、オレンジパートナーの皆さんの地域での活躍を後押ししていると伺っています。  現在、新型コロナウイルス感染を防止するため、外出の機会が減ることによって、認知症の進行や生活を支える御家族の負担増などが懸念されており、認知症の方や御家族が安心して暮らし続けるためには、身近で支え合い、助け合う地域づくりがますます重要となってまいります。  しかし、感染防止のため、認知症サポーターの養成研修が実施できないなど、地域で認知症の方やその御家族を見守り、支える方々を増やしていくことができない状況にあることを危惧しています。  そうした中、国の令和2年度第2次補正予算には、新型コロナウイルス感染症に係る様々な支援策とともに、認知症サポーター養成研修のオンライン化の実施が盛り込まれました。  新しい生活様式の普及が求められる中にあって、本県としても、ICTも活用しながら、認知症の方や御家族を支える地域づくりをさらに推し進めていく必要があります。  そこで、知事に伺います。  このコロナ禍において、認知症の方や御家族を地域で支えていくため、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、新型コロナウイルス感染症の検査の拡充について伺います。  6月16日、厚生労働省は3都府県で計7,950人を対象に実施した新型コロナウイルス抗体検査の結果を発表しました。抗体陽性率は東京都で0.10%、大阪府で0.17%、宮城県では0.03%でした。  欧米では10%前後の抗体陽性率が報告されている地域もあることを踏まえると、人口の99%に感染歴がないという結果は、水面下での感染も含め、予想以上に感染が広がっていなかったということを示唆します。  この背景として、日本のマスクをつける習慣や衛生意識、クラスターを抑え込む戦略などが感染抑止に功を奏したのではないかとの声もありますが、これらの因子だけではこれほどの差を証明することは難しく、今後は綿密な評価、研究がなされなければなりません。  一方、99%の人が抗体を保有していないということは、第2波の到来時には、第1波と同様か、それ以上に感染が拡大することも懸念され、十分な備えが必要です。  新型コロナウイルス感染症第1波においては、保健所の皆様には激務が続き、御苦労をされたものと思います。  しかし、一方で、私のもとには県民の皆様から、PCR検査が受けられない、熱があるが、かかりつけ医に受診を断られた、保健所では病院を紹介してくれないといった御相談が相次ぎました。  当時は今よりも情報が十分ではなく、不安に駆られた方が多くおいでだったこともあるでしょうが、第2波への備えという意味では、医療機関の発熱外来の充足と速やかな検査の実施は進めなければなりません。  〔資料提示〕  5月13日に新型コロナウイルス特異蛋白を迅速に検出する抗原検査が承認され、保険適用になりました。キットを用いた検査で、検体採取から約30分で結果の判定が可能です。  当初、陰性の場合はPCRによる再検査が必要とされていましたが、その後の研究で、発症2日から9日の患者においては、PCR検査との結果が一致する率が高いことが判明し、厚労省は6月16日、発熱などの症状が出て2日から9日間であれば、抗原検査だけで診断を確定できると発表しました。  これにより、迅速な対応が必要となる救急患者等への活用が期待できるところです。  現時点で新型コロナウイルスの季節性については明らかになってはいませんが、仮に秋冬に活発になりやすい感染症であれば、第2波はインフルエンザの時期に重なることも想定され、今後は新型コロナウイルス感染症の重症化防止に向けて、医療機関で抗原検査をどのように実施し、活用していくかが課題となると考えます。  そこで、健康医療局長に伺います。  新型コロナウイルス感染症において、できるだけ早期に適切な治療が開始できるよう、抗原検査等の新たな検査法を積極的に活用すべきと考えますが、健康医療局長の御所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、介護サービス事業者の新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言中、介護に係る様々な立場の方々からの声を伺いました。  例えば、自宅で御家族を介護されている方からは、自分が感染して入院した場合は家族はどうなるのかという不安の声、また、介護サービスの利用者の方からは、経済的に厳しくなり、利用料の支払いに困っているというお話を伺いました。  そして、ある介護従事者の方は、緊急事態宣言下でも自分が働く通所介護サービス事業所は全く変わらず営業しており、感染防止に必要な物資や知識が十分でない中で、マスクや手洗いができない高齢者と密着して介護せざるを得ない場合もあり、感染の不安を感じながら仕事をしていると訴えてこられました。  私も声を伺って、通所介護サービス事業所に対して休業要請や利用者のガイドラインはないのか厚生労働省に確認しましたが、認知症の進行を防ぐためにも業務の継続を依頼しているとの回答でした。  神奈川県としても、高齢者施設等は利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものとして、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の発表中から現在まで、感染防止対策を徹底した上で事業の継続をお願いしていることは承知しています。  しかし、高齢者は感染すると重症化するリスクが高いと言われており、現場の緊張感は大変大きいものがあります。とりわけ、通所介護サービスは、毎日施設に外部から利用者が出入りするため、特別養護老人ホーム等の入所施設に比べ、ウイルスが外から持ち込まれるリスクが高く、厳しい状況にあると認識しています。  各介護サービス事業所には、これまで取り組んだことのないような徹底した感染防止対策に手間がかかっており、それもまた著しい負担になっています。  このような現場で御苦労されている方からは、自らの感染リスクに不安を抱きながらも、使命感を持って高齢者の皆さんの安心・安全な暮らしのために働いていると伺っており、県として、介護現場への支援をさらに充実させることが必要であると考えます。  そこで、福祉子どもみらい局長に伺います。  感染拡大防止に取り組みながら事業を継続する介護サービス事業者に対し、県としてどのように支援していくのか、福祉子どもみらい局長の御所見を伺います。  〔資料提示〕  最後に、県立高校における就職支援の取組について伺います。  高校生の就職は、大学生の就職活動とは異なり、学校推薦による就職が一般的です。こういった制度は生徒が内定を得やすい上、就職活動に長い期間を費やす必要がなく、在学中は学業に専念することができるというメリットがあります。  一方で、生徒は企業、職場を十分知らないまま就職をするという傾向は否めません。また、募集で使われる求人票では、待遇や勤務地などの条件面ではない、例えば企業の社風、企業文化などの理解は困難です。  厚生労働省がまとめた新規学卒就職者の離職状況によると、新規高卒就職者の3年以内の離職率は39から40%程度を推移しており、実に2.5人に1人が早期に離職していることになります。  その理由として、仕事内容や職場の社風などの事前情報が少ないまま就職先を決定した高校生が、ミスマッチを起こしているとの指摘があります。  2022年4月からは成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳以上の生徒は民法の規定する親権者による就業の許可を受けなくても、自己決定において職業を選択することができるようになります。  生徒に自らの意思と責任で職種や就職先の情報を入手し、選択できる力を育成するためには、これまで以上に高等学校におけるキャリア教育の充実を図ることが重要になってまいります。  また、例年なら、夏季休業期間中に企業見学や会社説明会が開催されますが、今夏は授業時間を確保するために、県立高校の夏季休業の短縮等が予定されており、より一層、事前の情報収集が困難になるのではと懸念しています。  一方、社会経済に目を向けると、コロナ禍で多くの事業者が経済的に打撃を受けており、このことは高等学校で学ぶ生徒の職業選択に今後大きな影響を与えるのではと危惧しています。  求人数の減少や生徒の就職活動期間への影響など、今後どのようになっていくか不透明な状況にあり、商工会議所連合会や経済団体等に対して、高校卒業予定者の採用枠の維持や就職選考の実施への配慮等について働きかけることが必要であると考えます。  そこで、教育長に伺います。  成年年齢の引下げや新型コロナウイルス感染症などにより、就職を希望する高校生を取り巻く状況に大きな変化が生じていることを踏まえて、県教育委員会として、今後どのように高校生の就職支援に取り組んでいくのか、教育長の御所見を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 西村議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等についてお尋ねがありました。  県は平成29年に、かならいんを開設し、性犯罪等の被害者からの相談を24時間体制で受け、被害者に寄り添いながら医療機関での受診やカウンセリングなど、ワンストップの支援を行っています。  かならいんに相談してくる性犯罪等の被害者は、心身に大きなダメージを受けており、また恥ずかしさなどから警察に届け出ることをためらう傾向にあります。  その結果、被害直後にしか取れない性犯罪の証拠を採取する機会を逸してしまい、被害者に不利な状況が生じてしまう懸念があります。  これを防ぐには、被害者が後に被害届を出す意向を示した場合に備え、支援の初期段階であらかじめ証拠を採取し、保管しておく仕組みを構築することが重要です。  そのためには、夜間や休日でも証拠採取ができる病院の体制や専用の保管場所の確保、さらにはこれらを実施する医療従事者の育成などが必要となり、医療機関の全面的な協力が不可欠です。  そこで、県は産科婦人科医会の協力を得て、本年3月に証拠採取等を含めた被害者のワンストップ支援に意欲のある医療機関の募集を行い、複数の医療機関から検討に前向きな回答をいただきました。  これを踏まえ、具体的な調整に入ろうとしていた矢先に新型コロナウイルス感染症の問題が発生しました。医療機関は現在もその対応に追われており、証拠採取等に関する検討は中断を余儀なくされています。  県としては、当面、医療機関に新型コロナウイルス感染症への対応を最優先としていただきながら、状況の落ち着きなどを見据えて、かならいんにおける証拠採取等の実現に向け、検討を再開してまいります。  次に、就職氷河期世代の支援についてお尋ねがありました。  不安定な就労や無業の状態にある就職氷河期世代の方は、現在の生活が苦しい、厳しいだけでなく、老後の生活不安も懸念されるため、正規雇用など、本人が希望する就労に向けた支援が重要です。  このため、県は今年度から総合職業技術校に就職氷河期世代の募集優先枠を新設するとともに、大型自動車運転免許の取得により、早期の就職を目指す職業訓練を新たに始めました。  また、かながわ若者就職支援センターでは、この世代を対象に正規雇用化に向け、コミュニケーション力やビジネスマナーを身につけるためのグループワークを始めます。  さらに、就職氷河期世代の方を対象とした県職員採用選考も実施しています。  しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、ダメージを受けた経済状況を背景に企業の採用意欲はそがれており、好調を維持し続けてきた雇用環境は一転して厳しいものとなっています。  こうした中で、就職氷河期世代の就労を促進するためには、これまでの取組に加え、より一層の支援が必要です。  そこで、神奈川労働局、政令市、経済団体等と共に構築するプラットフォームを通じて、民間企業に対し、就職氷河期世代の方を積極的に採用するよう働きかけていきます。  また、県独自の取組として、就職氷河期世代の方を採用するメリットを企業に周知、求人意欲を喚起した上で、合同就職面接会を実施して企業とのマッチングを行うことを検討しています。  こうした取組により、就職氷河期世代の就労を促進し、この世代が将来への希望を持ちながら社会で活躍できるよう、しっかりと支援してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症に関連した依存症対策についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛等により、アルコール摂取量やゲーム、インターネットの利用時間が増え、今後、これが習慣化することによる依存症の方の増加が懸念されることから、今後ますます依存症対策が重要になると認識しています。  依存症はアルコールやゲーム等、特定の物質や行為を過剰に摂取、または行うことで、脳の回路が変化し、自分の意思でコントロールすることが困難になり、やめたくてもやめられなくなる病気です。  また、依存症は誰でもなる可能性があり、さらに本人が気づきにくい病気であることから、早期発見や治療につなげるために、誰もが依存症とはどういう病気か知っておくことが大切です。  そこで、県ではこれまで、リーフレットや依存症ポータルサイトによる情報提供を行ってきましたが、今後は動画を活用した広報や自身の依存度を確認できるチェックシートによる気づきの機会の提供など、より多くの方が依存症を理解できるよう普及啓発を進めていきます。  また、依存によらない生活を維持するためには、専門医療機関の治療に加え、自助グループ等、民間支援団体とつながることで患者同士が交流し、悩みを分かち合い、支え合いながら回復を目指すことも重要です。  しかしながら、こうした団体は小規模で、草の根的な活動をしているところが多いため、広く知られていないという課題もあります。  そこで、県では今後、民間支援団体の活動状況を調査し、専門家の御意見も伺いながら、医療機関や相談機関等、関係機関との連携の在り方や必要な支援について検討を進め、体制整備に努めていきます。  こうした普及啓発や民間支援団体との連携体制の構築などにより、発症防止から回復までの切れ目ない支援を行い、依存症対策にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、「新しい生活様式」における認知症施策の推進についてです。  認知症の方や御家族が安心して暮らすためには、地域で見守り、支える取組が大切です。  これまで県は市町村と連携し、認知症の方を見守る認知症サポーターや専門的研修を受けて支援活動を行うオレンジパートナーを養成してきました。  また、昨年度は支援者や行政などの関係者が連携するオレンジパートナーネットワークを構築し、活動の促進を図りました。  しかし、現在、感染防止のため、認知症サポーター養成講座や認知症カフェなど、地域の活動は休止しており、オレンジパートナーネットワークによる連携も十分に機能していない状況です。  このため、今後はICTの活用など、新しい生活様式に対応した取組を進め、認知症の方や御家族を支えることが必要です。  そこで、県では、国が認知症サポーター養成講座のオンライン化の仕組みを示したことから、これを活用し、認知症サポーターの一層の養成に取り組みます。  また、これまで連絡会議などを開催してきたオレンジパートナーネットワークについて、今後はSNSを活用したウェブ上でのやり取りも取り入れ、最新の活動情報や感染防止に配慮した活動の工夫などをテーマに意見交換を行います。  さらに、認知症の方や御家族がタブレット端末等を活用して認知症カフェに自宅から参加できる仕組みを検討し、認知症カフェの活動を支援していきます。  県ではICTを活用した新たな取組を推進し、新しい生活様式にも対応しつつ、認知症の方や御家族が安心して暮らすことができる地域づくりを目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(前田光哉)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 前田健康医療局長。 ◎健康医療局長(前田光哉) 健康医療局関係の御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の検査の拡充についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の重症化によるリスクを防ぐためには、速やかに検査を行い、感染の有無を確認した上で治療方針を決定することが重要です。  新型コロナの検査法につきましては、一般的にPCR検査が用いられておりますが、検査結果が出るまでに少なくとも4から6時間かかるという課題があります。  このため、県では検査の迅速化に向け、スマートアンプを利用した迅速検出法を改良し、検査時間をさらに短縮できるアタッシュケース型の検査機器の実証実験を開始したところです。  一方、抗原検査はPCR検査より感度は劣りますが、専用のキットに鼻咽頭などから採取した検体をつけ、判定する手法でございます。  5月中旬に新たに保険適用となり、30分程度で感染の有無を判定できるなど、迅速性の点でメリットがあります。  抗原検査で陰性となった場合にはPCRによる再検査が必要でしたが、先日、症状発生後2日から9日目以内の者については、抗原検査で陰性となった場合、再検査を必須としないこととなりました。  このため、抗原検査を利用することで、より迅速で簡便な方法で確定診断が可能となりました。  今後、抗原検査は新型コロナに感染した患者の治療方針の速やかな決定や救急搬送された患者への使用など、様々な場面での活用が期待されます。  また、新たに抗原検査においても鼻咽頭による検査のほか、唾液による検査も保険適用されることになりました。  この唾液による検査は検体採取時の感染リスクを低く抑えることができますので、検査体制をさらに拡充することが可能となります。  今後、県ではPCR検査に加え、抗原検査などの新しい技術や手法も積極的に取り入れ、検査体制の充実を図り、新型コロナウイルス感染症の第2波に的確に対応してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔福祉子どもみらい局長(橋本和也)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 橋本福祉子どもみらい局長。 ◎福祉子どもみらい局長(橋本和也) 福祉子どもみらい局関係の御質問にお答えします。  介護サービス事業者の新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねがありました。  介護現場は業務の特性上、密着した対応が避けられず、感染リスクが高い職場であると認識しています。  このため、介護サービス事業者には感染防止対策の徹底にこれまでにない手間や労力がかかっており、その負担を軽減し、支援することが必要です。  県ではこれまで、国が示す感染防止対策などを分かりやすくまとめ、対応のポイントを周知してきました。また、不足するマスクや消毒用アルコールなどの衛生用品を一括購入して、順次配付してきました。  今後は不足している衛生用品については、国の優先供給ルートを活用するだけでなく、県内で衛生用品を扱う事業者を県独自で開拓し、介護事業者にきめ細かく配付していきます。  また、感染リスクの不安を抱える事業所に対して、感染防止対策を身につける研修会を県内各地で開催するほか、研修動画を配信していきます。  さらに、外部からの利用者が集まり、感染リスクが高いと言われている通所事業所がその感染リスクを軽減するために、訪問によるサービスに切り替えた場合に必要な経費を補助していきます。  なお、国の第2次補正予算に介護サービスに従事する職員に対しての慰労金の支給が盛り込まれ、その実施主体は都道府県とされていますので、情報収集の上、速やかに対応していきます。  今後とも、介護サービス事業者が感染防止対策を講じた上で、サービスの継続ができるようしっかりと支援してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校における就職支援の取組についてです。  今後、成年年齢引下げに伴い、生徒が自らの意思と責任で就職先を決定できるようになることから、学校教育の中で、より一層主体的に職業選択をする力を育んでいく必要があります。  このため、県教育委員会では、企業等と連携したインターンシップや神奈川県専修学校各種学校協会が主催する、様々な職業体験ができる仕事のまなび場事業の活用などを通じて、生徒の社会人、職業人としての自立を促していきます。  また、今年度は新型コロナウイルス感染症に起因し、社会経済に大きな変化がもたらされており、高校生の進路決定への影響が懸念されています。  こうした中、就職選考については、国の通知により、選考開始時期が例年の9月16日から1か月後ろ倒しとなり、生徒の就職準備期間は確保されましたが、今後、高校卒業者の求人数が減少することも危惧されています。  このような事態に対し、各学校では再開後早い段階から生徒の希望を聞き取るなど、進路相談を行ってきました。  県教育委員会としては、今後も各学校に対して、きめ細かな就職情報の収集や相談を行うよう指導していきます。  あわせて、この6月中に県商工会議所連合会など、県内11の経済団体等に対し、生徒の就職の機会を確保し、安心して就職試験に臨めるよう、雇用促進に関する要請を行ってまいります。  こうした取組により、高校生の就職環境が大きく変わりつつある中にあっても、生徒一人一人に寄り添った就職支援を行い、その進路実現を図ってまいります。  以上でございます。  〔西村くにこ議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 西村くにこ君。  〔西村くにこ議員登壇〕 ◆西村くにこ議員 御答弁いただきました。ありがとうございます。  残された時間で、意見、要望を申し上げていきたいと思います。  まず、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター-かならいんにおける証拠採取等についてですが、昨年度、私は防災警察常任委員会に所属させていただいて、年間を通じて、この性犯罪ということを取り扱ってまいりました。  かならいんももちろんなのですが、神奈川県警察においても、時には様々な関連を駆使して検挙をするのだという熱い熱意、これは1年間お話を伺ってきたのですが、そんな中で、皆さんも御承知だと思いますけれども、平成29年6月、110年ぶりに性犯罪に関する刑法の改正案、これがまず提出され、同年7月に施行されました。  とても画期的なことではあったけれども、そもそものところから考えると、まだまだ改正が必要なのではないかなというのを質疑の中では実感していたところです。  法の改正については今後国に委ね、刑法改正の議論を活発化していただきたい、充実を図っていただきたいというふうに思いますが、この1年間の様々な流れの中で一つ答えが出そうだぞというときに、この新型コロナウイルス感染症でありました。  ただ、3月のアンケートの結果というのがありましたけれども、幾つかの医療機関が手を挙げてくださったということは、これはとても重要なポイントだというふうに思います。  やはり性暴力被害に遭った人の医療的ケアというものは、専門的な知識と技術を持つトレーニングされた人たちがチームを組んで当たるのがベストだというふうに思います。  また、被害による心身のケアに当たって、その後のダメージをできる限り少なくする、もっと言えば、医療現場での2次加害、要するに無神経な言動とか、被害者をさらに傷つけるようなことがないようにするためにも、人材の育成であったり、しっかりとしたガイドラインの成立だったり、そして、この証拠というものを採取し、保管をするというのがしっかり固まったものでなければいけないのだろう。もちろん、かならいんと警察との連携というのは十分に必要ですけれども、証拠として十分な証明力、証拠能力があるかどうかということになると、今後、警察とも連携を取って、今の間にいろいろな情報を入手しながら、このコロナの問題が落ち着いたときには前向きな取組をやっていこうと、手を挙げてくださった医療機関の皆様方と御一緒にこの問題を進めていっていただけますようお願い申し上げたいと思います。  いずれにしても、2018年、刑法が改正され、性犯罪の処罰化が強化されましたけれども、今も法の専門家、あるいは女性、多くの方が声を上げて、まだまだこの見直しが必要だ、そして性犯罪の卑劣な現状を訴えているさなかでありますが、卑劣な犯罪を決して許さない姿勢を本県としても強く打ち出していただきたいというふうに思います。  それから、認知症ですが、あえて認知症の人と家族を支えるバッジの話をしたのは、バッジ自体にも意味がある、マーク自体にも意味があるのですが、これは学生さんが考えてくださったのですよね。  そもそも認知症の皆さんを支えるグループの方々自体も高齢化をしていまして、今、オンラインとおっしゃいました、いろいろな手だてで支援をしていただけるのでしょうが、オンラインとかICTというのが苦手な方々も多くいらっしゃると思います。そこにどれだけ若い力を入れていくかというのが一つポイントになるというふうに実感しておりますので、その工夫もお願いいたします。  また、同じく新型コロナウイルス感染症に関連して、県立高校の就職、これも大変大きな問題になってまいりますが、力強い御答弁をいただきました。まだまだ社会は不安定な中にありますが、声を上げていただいて、経済団体にも頭を下げていただけるというふうに受け止めました。  どうぞ高校生の大きな支援を、応援をしていただけますようお願いし、この後の質疑に関しては所管委員会に譲ることとしたいと思います。  ありがとうございました。 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時48分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028694-質問・答弁-長友よしひろ議員-一般質問①新型コロナウイルス感染症対策について②かながわの未来を考える取組みについて》                   午後3時10分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共65名 ○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。  長友よしひろ君。  〔長友よしひろ議員登壇〕(拍手) ◆長友よしひろ議員 かながわ県民・民主フォーラムの長友よしひろです。  未曾有の国難とも言えるこの状況下、本会議における発言の機会をいただきました。  この間、県民の多くの皆さん方から様々な声を伺いました。代表質問での議論、それを補うとともに深掘りをし、そしてこれまで多くの議員が述べられたことを踏まえて、誠心誠意質問したいと思います。  なお、発言の中、新型コロナウイルス感染症対策についてを略してコロナ対策と述べる場面や、あるいは内容上、片仮名の言葉が多く出てくることになるかと思いますが、どうぞあらかじめ御理解いただきたいと思います。  それでは、知事並びに県土整備局長におかれましては、明快かつ前向きな答弁をいただきますようお願い申し上げます。  〔資料提示〕  最初の質問は、新型コロナウイルス感染症対策について、5点聞きます。  初めに、県民の実態把握の必要性についてです。  新型コロナウイルス感染症が県内で拡大する中、本県におきましても令和2年度当初予算編成後、3度にわたる補正予算を編成し、県内への対策を講じてきました。  県民の御協力、知事をはじめとする県庁一丸となっての取組が行われてきましたことに、改めてこの場を借りて敬意を表したいと思います。  今後は6月12日の国の第2次補正予算成立を受けて、行き届いていない対策、上乗せをしなければいけない支援策を講じることになりますが、さらに第2波も想定しながら順次追加する準備も同時に必要です。  一方で、これまでの公的支援策は、政府が実施するものや県並びに県内自治体が実施するものなど、県民や事業者の実情に合わせて制度化されてきたと思われますが、県民から聞こえてくる声は概して規模が小さく、手続などが分かりにくい、必要なときに届かない。すなわち、足らない、複雑、遅いと言え、生活などへ必要としている支援や検査などを求めている対応とその実態では、乖離があると思われている方が少なくはありません。  加えて、公的支援策の情報を得ている手段としては、県ホームページなどのインターネットを通した周知が増えているとはいえ、まだまだ新聞やテレビなどのマスメディアから得ている方々が多くいられる現状もあります。  地域や年代などにより差異があると想像はできますが、先ほどの質問でもありましたが、情報弱者や手続の煩雑感から未手続の方々への対応が必要であります。  言うまでもなく、困っている県民に対する支援策だからです。これらがどのような状況になっているのか、どのような結果になっているのか。すなわち困っている状況の把握、支援が行き届いているか、求めている対応に十分応えることができているのか、このような様々なコロナ対策の実施状況と県民の実態把握は、今後の対応を図る上で必要不可欠です。直ちに県内市町村とも連携して、意見集約や調査、アンケートを実施するべきと考えます。  そこで、知事に質問です。  今後も県民に対して必要な支援や対応が行き渡るために、まずはこれまでの支援策や対応策の検証と県民の実態を把握することが必須と考えます。どのように対応するのか伺います。  〔資料提示〕  次に、実態に伴う財源確保についてです。  地方自治体による住民や事業所に対する支援策は財源確保が課題です。そこで、代表質問でも財源捻出について具体的な提案をいたしました。  国から地方へは、補助金や交付金など様々な事業項目による財政支援がある中、地域の実情に見合った独自性や柔軟な対応を早期に図る上では、地方創生臨時交付金の活用が大きな比重を占めています。  この交付金を原資とした各自治体のコロナにおける緊急経済対策で用いられている対象事業の第1次実施計画は、全国では雇用の維持と事業の継続に予算の約7割が占められています。また、本県では92%にも及んでいる、そのほとんどが事業継続に困っている事業者への支援であります。  事業者への資金繰り対策などはそれ以前に計上している点も含め、このことは国の直接的な支援策とは別に、あるいはその上乗せとして、地方の現場、本県の住民が最も困窮し、求めている支援策の実態を表していると言えます。  一方で、地方独自の新たな財源確保は、現行制度上、直接的な地方債発行ができないことなどから、極めて限定的であると言え、各自治体とも困難な対応に迫られています。  〔資料提示〕  知事の、ない袖は振れぬ発言も、このことからと受け止めます。  結果、地方独自の支援策は財政調整基金残高などにより、自治体間に格差が出ました。本県と東京都の休業要請に対する協力金などは、最大で5倍の差があることは顕著な例示と言えます。ちなみに、同交付金の交付状況は東京都よりも本県が多いにもかかわらずです。  このことからも、同交付金の増額を国に対して強力に求める必要があります。  国の2次補正で総額3兆円に増額されましたが、果たして全国の地方自治体が求めている住民への支援策が行き届く配分になるのか、本県が必要とする額が交付されるのか、不安を抱きます。  政府は第2次補正予算予備費10兆円のうち、財政演説で、地方自治体向けの医療・介護等の交付金など、医療提供体制等の強化に2兆円程度と地方への支援強化の見込みを述べていますが、これは医療などの分野に限定される包括交付金です。他の予備費からの増額対応を求めることが必要なのではないでしょうか。  そこで、知事に質問です。  本県への地方創生臨時交付金について、交付額第1次についてどのように受け止めているのか、また、全国知事会では同交付金の飛躍的増額を求めていましたが、第2次補正予算をどのように考えるのか、そして、それを受け止めて今後はどのように取り組むのかを伺います。  〔資料提示〕  次に、実態に伴う特措法への対応についてです。  コロナに対する特措法による休業要請が解除され、ようやくまちには人の往来が出始め、少しずつにぎわいを取り戻しつつあります。  その中で、新しい生活様式により、今までとは違う様々な配慮や対策が求められています。  一方で、改めてこれまでの経緯を踏まえ、特措法による対応を考えてみますと、幾つもの点で実情に伴っていないこと、すなわち法の不備と言える点が浮き彫りになりました。  最大は、権限と財源です。  事業者の休業要請や解除が知事の権限とある一方、総合調整権を国が有していることから、事実上その知事の権限は国の影響を受けることになります。その上で、休業要請は事業者への補償が直結するにもかかわらず、同法には補償規定が存在していません。  そのことから、休業要請に対しては地方創生臨時交付金を原資とする対応にせざるを得ない厳しい状況があったわけです。  しかも、当初、国はこの点にも難色を示していました。結果、知事をはじめ、多くの知事から疑問の声と強い要請を受けて、国は対応を変更した次第です。  また、知事は解除後における戦略として神奈川ビジョンを示し、感染爆発の兆しがあれば警戒アラートを発動して注意喚起を行うとしています。しかしながら、警戒アラートには法的根拠が存在しないため、実行力への懸念を払拭することはできない実態もあります。  そのような中でも、県では今回、特措法に基づく対応だけにとどまらず、医療体制を中心とした神奈川モデルを整備し、始動させました。県内の実態を捉え、その後を見据えた柔軟でいち早い対策を講じたと言え、県民の命を守り、県民への安心を届けることにつながる取組と言え、高く評価することを申し添えておきます。  〔資料提示〕  そこで、知事に質問です。  現在、いまだ収束には至っていませんが、これら今回の取組を通し、今後に向けた備えを同時に図る必要があります。これまでの経緯を踏まえ、法の不備と言える知事権限や財源の在り方について、実態に伴う是正を国に求めるべきと考えます。見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、「かながわコロナ医療・福祉等応援基金(仮称)」創設についてです。  「第一線で新型コロナウイルス感染症に対応してくださっている医療従事者や福祉の現場の方々をはじめ、暮らしに不可欠な仕事をされているエッセンシャルワーカーの皆様に心より感謝申し上げます。」今定例会における知事の提案説明にありました。  県民の総意とも言えます。会派としても、御尽力いただいた関係者に対し、衷心より感謝を申し上げたいと思います。  さて、5月12日の記者発表によりますと、新型コロナウイルス感染症対策の影響を受けて困難を抱えている医療・福祉・介護の現場従事者や、それを支えるボランティア団体などを支援するため、寄附金を募集し、支援の原資とするため、この基金を設置しますとあります。  〔資料提示〕  この応援基金は5月15日から募集が始まり、既に多くの支援をいただいております。6月12日現在では1,300件、3億円を超えているとのことです。  このことからも、県民や企業、団体の皆様の関心度は高く、多くの善意が趣旨に賛同していることを表していると言えます。よって、その思いに応えるためには、さらに広く周知する取組が求められていると同時に、原資を有効活用した支援策を講じることが肝要です。  知事は記者発表資料で、基金を用いて実施する具体的な事業については、医療や福祉の現場に携わる方々や、関係団体・市町村等からの提案も得ながら実施と述べています。  そして、6月12日の知事提案説明では、今後、同基金に係る議案は本定例会に提案するとも述べています。  どうやら、明日の提案になる見込みのようでありますが、言うまでもなく、基金は条例の定めるところに設けることができるものであることから、特定の目的や処分に関する必要事項を明確にすることが必要不可欠です。  加えて、県民からの寄附が原資の根幹をなすことから、公平性及び透明性を確保するための視点は一層重要度が増すことになります。  そこで、知事に質問です。  これまで寄附の使途についての提案をどのように集め、どのような提案があったのか、また、その結果を踏まえ、どのような事業を具体的に実施していくのか、併せて伺います。  〔資料提示〕  次に、県が発注する事業の着実な実施についてです。  国の第2次補正予算では、予備費10兆円を除くと事業者向けの資金繰り対応強化策は11兆6,390億円と全体の半分以上を占めます。このことは、いかに多くの中小・小規模事業者が引き続き苦しい状況下にあるかが表れていると思います。  実際、さきに述べたとおり、県が既に実施している中小・小規模事業者に向けたコロナ対策の支援制度や融資事業も予算の大きな割合を占めていることからも、県としても今後さらなる支援拡充が必要となることが予想されます。  そのようなことから、様々な対策を講じるためには多額の財源が必要です。そこで、確保策について、代表質問やさきの質問で提案したわけです。  一方で、多くの財政出動を必要とする様々な支援策を講じることは、結果として、既存の事業や計画的に進めてきた事業にしわ寄せがいくことになり、財政難、歳入難から事業の見直しなどの影響を受けるとの懸念があります。  本来は、そうならないための下支えであり、財政出動であるのですが、県財政の大きな影響は免れない状況です。  それを踏まえ、別の角度に視点を移すと、県は県内事業者に対し、数多く事業を発注する立場でもあります。登録されている県内事業者から今後の事業の見直しか、継続かの動向を注視しているという声を受けます。  無論、県事業は主に受益者である県民のために実施されるものでありますが、結果的に県発注の事業を継続し、県内事業者に仕事を受注、確保していただくことは、コロナにより、より苦しい状況下にある県内中小・小規模事業者に対する重要な視点であると考えます。  予算は結果として、歳入に伴い歳出を合わせるものですが、事業を継続する意思を早い段階から発信することは、県民や事業者の不安を少なからず払拭するメッセージにつながるのではないでしょうか。  特に、県有施設や県内インフラなどの公共事業は、台風19号対応のとき、討論でも申し上げましたが、一定の時間を要し、計画的に実施していることから、着実な事業推進が求められます。  〔資料提示〕  そして、これらの事業者は言うまでもなく、県の主に土木事務所などの各関係機関と災害協定を結び、震災、台風、降雪などの災害対応で大きな役割を担っていただいていることを忘れてはいけません。  そこで、建設関連を所管し、土木事務所などを統括する県土整備局長に質問です。  県内施設や県内インフラなどの公共事業の工事について、今後も着実に実施するべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、かながわの未来を考える取組みについて、2点伺います。  最初に、海外に向けた県の取組みの発信についてです。  本県は、これまで多くの外国人の誘客に力を入れたことや、昨年のラグビーワールドカップなどの結果、延べ294万人の宿泊者を得ることになりました。このことは、県内への大きな経済効果を得るだけでなく、文化面での交流による多文化共生への意識の醸成など、様々な面で県政発展における重要な位置づけとなっています。  しかしながら、日本政府観光局-JNTOによると、本年4月の訪日外国人客数は2,900人となり、対前年同月比99.9%減となっていると発表がありました。また、単月ではJNTOで統計を取り始めた1964年、昭和39年以降、過去最少とのことです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの国において海外渡航制限や外出禁止等の措置が取られていること、また、日本においても検疫強化、ビザの無効化等の措置対象国が拡大されたことなどが要因と言えます。  観光客の誘致について、代表質問の答弁では、県内旅行にスポットを当てて、観光振興に取り組んでいくとのことでありましたが、世界ではいまだにコロナが拡大している地域もあり、収束の見通しの立たない状況下です。訪日外国人の回復は当面とても見通すことができないのではないでしょうか。  このことは誰もが十分理解していますが、この動向は県内の関係事業者、県内経済において死活問題であることは言うまでもありません。  そこで、先々を見据え、まずは本県における感染症対策の状況などをいち早く正確に、かつ継続して発信すること、県民向け、国内向けだけではなくて、海外に向けて発信することが、収束後より始まる、その先のいつかにつながると考えます。  つまり、本県のコロナに対するしっかりとした取組が外国の方々への安心感の醸成につながり、結果として将来の誘客に向けた大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。よって、現段階から外国への発信を積極的に行うべきです。  〔資料提示〕  そのためには、神奈川県海外駐在員事務所はもちろんのこと、本県への観光客誘致のためのセールスを現地で行うために設置した神奈川県観光レップ、外国語観光情報ウェブサイト、SNSなど、県として取り組んでいる海外向けの実施媒体を通した発信や海外で活躍される、かながわ地球市民メッセンジャー、あるいは、かながわ国際ファンクラブに参加されている方々を通した発信などが可能であると考えられます。  そこで、知事に質問です。  これまで培った海外との関係とつながるあらゆる媒体を通して、本県のコロナ対策の状況などをいち早く正確に、継続して、発信するべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  最後に、新しい神奈川の創造「ニュー・ノーマル」についてです。  県では5月25日、国が示した新型コロナウイルス感染症対策基本的対処方針を踏まえ、神奈川県対処方針を示し、県民に対し、新しい生活様式への行動変容を促す啓発を始めました。  行動変容、つまり、人が行動を変える場合、一般的に、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期の五つのステージを通ると言われています。その意味では、本県は意識の上では既に準備期から実行期へ移りつつあると考えられます。  〔資料提示〕  このことはアフターコロナ、ウィズコロナの言葉が表すとおり、この間経験したリモート化、オンライン化などが一層進むことを表し、これらに対応する今までとは違う新しい日常、新常態、つまりニュー・ノーマルの社会が既に始まりつつあることを示しています。コロナ禍は我々がかつて経験したことがない変化をもたらすことになります。  そして、ニュー・ノーマルにどう対応していくかが大きな課題であり、地方自治体も直ちにそれらを見据えた準備と変革を図らなければなりません。求められるのは、デジタル社会に対応した行政であり、テクノロジーを活用した社会課題解決を取り入れることであり、新しいコミュニティ形成の在り方であると考えます。  既に本県でも未来創生課を設置するなど、施策を進める方向性が一緒だったことから、これらの取組を一部始めていると認識はしています。  〔資料提示〕  そこで、知事に伺います。  地方や首都圏近郊へのコロナ疎開との言葉が表すとおり、都心部から地方への回帰が進むことが予想されます。新しい生活様式によるコミュニティについては、必要な素材、支え合う仕組み、新しい価値など、市町村や民間連携により醸成を図ることが肝要です。これらも踏まえ、コロナ禍により訪れるニュー・ノーマル社会について、本県としてどのように受け止め、創造しようと考えているのか伺います。  以上、第1回目の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 長友議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策について何点かお尋ねがありました。  まず、県民の実態把握の必要性についてです。  県政の推進に当たっては、県民、事業者の皆様のニーズをしっかりと把握し、社会環境の変化に柔軟に対応していくことが重要です。  とりわけ、未曾有の事態である新型コロナウイルス感染症対策に当たっては、日々刻々と状況が変化する中で、機動的かつ柔軟な対応が必要とされるため、県ではきめ細やかに県民、事業者の皆様の声をすくい上げ、施策に反映させるよう心がけてきました。  具体的には、新型コロナウイルス感染症専用ダイヤルを設け、日々寄せられる意見を丁寧に聴き、市町村にも意見を求めるとともに、個々の事業においても現場の声を踏まえながら、施策の改善に取り組んでいます。  例えば、中小企業・小規模企業に対する資金繰り支援では、手続の煩雑さをなくすため、実質無利子融資の申込みにおいて、ワンストップ手続を開始して迅速に対応できるよう取り組んでいます。  また、中小企業・小規模企業向けの再起促進補助制度では、ナイトクラブやパチンコ店などが対象外となっていたことから、事業者からの要望も踏まえ、対象業種の拡大を検討しているところです。  今後とも、新型コロナウイルス感染症への対応に当たり、県民、事業者の皆様の声をしっかりと聴くとともに、県民へのニーズ調査も積極的に行い、対策の検証と改善を図り、効果的な施策を推進してまいります。  次に、実態に伴う財源確保についてです。  まず、本県への地方創生臨時交付金の交付額についての受け止めです。  臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける地域経済や住民の生活を支援することを目的に創設されたものであり、国の第1次補正予算では総額で1兆円が措置されました。  その配分については、各自治体の人口や感染状況に加え、財政力も勘案して算定することとされたため、本県への交付額は154億円と、人口や感染者数に比して少ない額となりました。  県はこれまでの補正予算において、県民の皆様の雇用と事業と生活を守り抜くための様々な対策を行ってきましたが、この臨時交付金では必要な財源を賄うことができず、やむを得ず、財政調整基金を取り崩して対応したところです。  このように、地方の財政需要に対して第1次補正予算の1兆円では不足が生じたことから、県では全国知事会とも連携し、大幅な増額を国に強く働きかけてきました。  そうした取組の成果もあり、さきに成立した国の第2次補正予算では、臨時交付金が2兆円増額され、総額で3兆円となりました。  また、医療提供体制の整備等に活用できる包括支援交付金についても、第1次補正の1,490億円から2兆2,000億円へと大幅に増額されたほか、全額に国費を充てられるようになったため、地方負担分を臨時交付金で充当する必要がなくなりました。  臨時交付金の本県への交付額はまだ明らかになっていませんが、以上、申し上げた点を踏まえますと、地方の財政需要に対し、一定の配慮がなされたものと受け止めています。  次に、今後の取組についてです。  今後は持続可能な医療提供体制を維持しながら、社会経済活動を段階的に引き上げていく必要があります。  そこで、追加交付される臨時交付金を有効に活用し、ビジネスモデルの転換に取り組む事業者への支援や県民限定で県内旅行の費用の支援を行うほか、新しい生活様式の定着と新たな社会経済モデルへの転換などを進めたいと考えています。  あわせて、包括支援交付金も活用し、重点医療機関に対する空床確保料の補助などにもしっかりと取り組みたいと考えています。  今後とも、これらの交付金の活用により、感染拡大防止と社会経済活動の両立ができるよう全力で取り組むとともに、必要に応じ、交付金の追加措置を国に求めてまいります。  次に、実態に伴う特措法への対応についてです。  私は新型コロナウイルス感染症のような国難とも言える非常事態にあっては、その対応の指揮系統はシンプルで一元的であるべきであり、本来は国の指揮の下で地方自治体が統一的に対応することが望ましいと考えています。  一方、現行の特措法では、外出自粛や休業要請などの緊急事態措置は知事が行うこととされています。私は特措法に基づき、これまで新型コロナへの対応に懸命に当たってきた中で、様々な課題を実感しています。  まず、国と都道府県の権限や役割が不明確であります。新型コロナの対応に当たり、国の方針に従うべきか、それとも独自に判断すべきか、私を含めて全国の知事が対応に苦慮したと思います。  例えば、休業要請の解除に当たって、都道府県がそれぞれ独自に段階を設けるなど、対応が分かれました。  事業者の目線に立てば、国が一定の方針を明確に示し、統一的な対応を図るほうが分かりやすかったのではないかと考えています。  また、休業要請には法的な強制力がなく、補償もありません。そのため、緊急事態宣言が延長された際には要請に応じようともしない事業者が多く見られるなど、実効性という点で課題もありました。  さらに、いわゆる協力金についても、都道府県の財政力の違いから給付の水準に格差が生じました。  加えて、特措法では知事に県全域の総合調整を担う役割がある一方、感染症法では県と保健所設置市は同格とされるなど、法律上の整合が図られていないために、情報が共有しにくいといった課題もあります。  こうした様々な課題について、私は全国知事会や担当大臣との意見交換の場で、これまで何度も指摘し、その改善を要請してきました。  県としては、新型コロナの第2波や未知の感染症の発生などに備えるためにも、より実効性のある措置が可能となるよう、引き続き全国知事会等と連携して、実態に伴った改善を国に強力に求めていきます。  次に、「かながわコロナ医療・福祉等応援基金(仮称)」創設についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療、福祉の現場で職務に従事される方々は、自らや家族への感染の危険にさらされながらも、その使命感から県民の皆様の命を守る最前線で闘っています。  寄附を通じて、そうした方々への支援を行いたいとの声を多くの皆様からいただき、その思いに応えるため、かながわコロナ医療・福祉等応援基金の名称で5月15日から寄附の募集を開始し、この1か月で3億円を超える温かい寄附をいただきました。  また、議員の皆様の期末手当の減額措置や県政調査の自粛に伴う所要経費の減額分につきましても、この基金に積み立てさせていただきたいと考えています。  基金を活用する事業の検討に当たっては、現場をよく知っている関係団体の生の声や市町村、県民の皆様からの御提案を伺うとともに、学識経験者からの意見も参考にしました。  そうしたところ、多くの方々から、医療従事者はもちろん、保育や介護分野を含む福祉従事者に直接感謝を込めて届けてほしいという声や、福祉サービスなどが継続できるよう支援をしてほしいといった意見をいただきました。  さらに、学識経験者からは、慰労金というより、感謝の気持ちを伝えるべき、光の当たりにくい分野にこそ、補助や感謝の気持ちを届けるべきという助言をいただきました。  これらを踏まえ、活用事業としては、医療、福祉の現場で働く方々に感謝のメッセージとともに県産品等を届ける事業や、高齢者や子供たちの生活をサポートする福祉ボランティア団体等への支援を検討しています。  こうした事業を通じて、現場の方々が誇りを持って業務に当たり、そして円滑な医療、福祉の提供体制が維持されるような好循環を、県民や議会の皆様と一体となってつくり上げていきたいと考えています。  次に、かながわの未来を考える取組みについてお尋ねがありました。  まず、海外に向けた県の取組みの発信についてです。  県では観光振興計画に掲げた目標である観光消費額総額を高めるため、観光資源の発掘・磨き上げや周遊ツアーの企画・商品化等により、外国人観光客の誘致に取り組んできました。  しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外からの入国が制限されていることから、本県では外国人観光客向けのプロモーションを休止し、海外現地事務所を通じて訪日旅行に対するニーズなどの情報収集を中心とした取組を行っています。  それによると、本県がターゲットとしている中国、台湾、ベトナムなどでは、海外渡航の制限が解除された場合、感染防止対策に取り組んでいる国や地域を選んで旅行したいとのニーズが確認されました。  県では、県内の宿泊事業者や交通事業者、関係団体で構成される神奈川県観光魅力創造協議会を通じて、各事業者が行う感染防止対策への補助の周知や、感染防止対策取組書の登録への働きかけを行うなど、観光客の受入れに向けた環境づくりを進めています。  ウィズコロナ時代に、外国人観光客に本県を旅行先として選んでいただくためには、こうした県内の感染防止対策の取組を、今の段階から外国人観光客にも分かりやすく発信していくことが重要です。  現在、県は外国語観光情報ウェブサイト-Tokyo Day Tripを通じて、新型コロナウイルス感染症に関する最新の情報を発信していますが、加えて、観光に携わる民間事業者や観光協会等、感染防止対策に取り組む地域の姿を取りまとめて発信していきたいと考えています。  また、外国人目線で地域における感染防止対策の取組を発信するため、外国人による取材記事を新たに県のSNSへ掲載するとともに、かなファンクラブのネットワークを活用するなど、より幅広い層に向けて拡散していきます。  県ではこうした取組により、感染防止対策に関する正確な情報を発信することで、入国制限が緩和された際には、外国人観光客に安心して本県を訪れていただけるよう取り組んでまいります。  最後に、新しい神奈川の創造「ニュー・ノーマル」についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、人々の働き方や生活に大きな影響を与えており、その中でも人の移動を伴わないテレワークは、コミュニティ形成の在り方などに変化を及ぼすと考えています。  テレワークは一般的に自宅で行うため、そのメリットとして、これまで通勤に要していた時間を有効に活用できたり、地域にいる時間が長くなることで様々な活動に参加することができるといったことが挙げられます。  一方で、生み出された時間を活用して地域活動に参加する際の地元住民との関わり方や活動する際の感染防止対策など、新しい生活様式を実践していく上でも様々な課題があります。  こうした中、地域の方々や市町村から外出自粛期間が明けたとき、感染リスクを抑えて活動するにはどうすればよいのかといった声をいただきました。  そこで、緊急事態宣言解除後、リーフレット、感染リスクを抑えながらコミュニティを楽しむコツを作成し、市町村や関係団体等に情報提供しました。  また、昨年度作成した、かながわコミュニティ再生・活性化事例集では、LINEを活用した地域情報の配信など、誰もが参加しやすい非接触型のコミュニケーションツールも紹介しており、引き続き普及に努めていきます。  さらに、3密を回避したオンラインによるスマホ教室など、モデル事業の協力事業者を現在募集しています。  今後も市町村と連携しながら、新しい生活様式における地域活動での課題を把握するとともに、テクノロジーを活用した解決策に取り組むことで、ウィズコロナ時代における未来社会の創造を進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問についてお答えします。  県が発注する事業の着実な実施についてお尋ねがありました。  県営住宅などの県有施設や道路、河川などの公共インフラを着実に整備することは、県民の安全・安心の確保はもちろんのこと、社会経済の発展にも大変重要です。  また、公共事業を計画的に実施することは、災害時の迅速な復旧活動に尽力いただく地元の建設業者の対応力を確保する上でも大変重要なことだと認識しています。  これまでも地元の中小企業をはじめとした建設業者には、災害応急工事に関する県との業務協定に基づき、地震、風水害などにより被害があれば、復旧工事を行うなど、大切な役割を担っていただいています。  特に昨年の東日本台風においては、この協定に基づき、県内各地域の建設業者が迅速に対応していただいたことにより、被害を最小限に食い止めることができました。  この災害を踏まえ、近年、頻発化、激甚化している風水害に備えるため、今年2月に水防災戦略を策定しました。  県は道路等の都市基盤の整備に加えて、こうした災害に強いまちづくりの取組も計画的に実施しています。  県としては、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む中、厳しい財政状況ではありますが、県民の命を守るため、必要な公共事業などについては、今後も着実な執行に努めてまいります。  答弁は以上です。  〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 長友よしひろ君。  〔長友よしひろ議員登壇〕 ◆長友よしひろ議員 とても前向きな答弁を知事、県土整備局長からいただけたと受け止めています。御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。  その上で、答弁を受けた再質問を含めて、意見を述べていきたいと思います。  まず、今日もそうでしたが、多くの議員がさらなる支援策の拡充を求めていることは事実であります。これらは、県民の実態を表していると言えます。我々議員は恐らく最も多くの県民の声を聴いているのではないでしょうか。  私自身も2,000件を超えるアンケートを実施したり、あるいはいろいろな媒体を通しての御意見を伺うなども取り組んできました。先ほど申し上げたのは、それらを要約した意見であります。  実態を伴う対策を行うためにも、早期の調査は必須です。さきの答弁では、ニーズ調査を積極的に行うというふうにいただいたと思います。  この点、再質問ですが、時期や手法について、どういったことを想定されるか、質問したいと思います。  我々は危機だからこそ、安心感が必要であり、あらゆる手法、財源を投入して県民の困っている声なき声に対応するべきと主張してきました。これがまさに政治の役割だと認識しているからです。  本来、私は財政規律を重視する見解を多く述べてきたわけでありますが、今はあらゆる財源を、もっと言うならば、財政調整基金ももっと取り崩して、直ちに対応すべきことがあるのではないかというふうに考えています。  平成28年、国の財政制度審議会で地方自治体の財政調整基金残高が増えている状況を捉えて、必要な額を超える財源保障が行われてきた可能性があると地方財政計画への見直しを反映させる必要性がこのとき示されました。いわゆる埋蔵金の話です。そのときも述べたのですけれども、これはとんでもない話でありまして、本県をはじめとする地方自治体のそれぞれの努力の結果、財政調整基金というものの残高を増やしてきた、結果、このような時期、こういう事態になったから、これらが有効的に機能的に役割を果たしているのだということを、改めて国に対しては申し上げなければいけないのではないでしょうか。  ぜひこの点、知事とも見解を共有していると思っています。今後もそういった取組を続けていただきたいと思います。  なお、必要に応じて交付金の追加を求めるということでありますが、これから補正予算が出てきます。本当にそれで県民に行き届くのかということを、ぜひ直ちに検証していただきたいと思います。  そして、それが少しでも足らないのではないかと思ったならば、述べたように、財政調整基金の取崩しだけでなく、国に対する追加の財源をしっかりと求めていただきたいということを申し添えたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の対応は刻一刻と変化していきますから、まずは現場の意見をしっかり聴くといったこと、その上で施策に反映するということは非常に大事なことだと考えております。  社会経済対策の次のステップとしての政策展開を考える必要がありますから、この夏から秋にかけて、県のインターネットアンケート機能を活用して、県民へのニーズ調査を実施できるように検討してまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔長友よしひろ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 長友よしひろ君。  〔長友よしひろ議員登壇〕 ◆長友よしひろ議員 答弁を受けまして、通告の範囲内で時間の限り、意見を述べたいと思います。  具体的な内容を示していただきまして、ありがとうございます。インターネットを通じてということですけれども、そのほかの取組もぜひ考えていただきたいと思います。先ほどの議論の中でも、紙の媒体というのがより届きやすいのだという御意見もありました。こういったこともぜひ踏まえていただきたいということを申し上げます。  それと、基金について、これは誠意を持った諫言というふうにも受け止めていただければと思うのですが、述べたいと思います。  非常に重要ないい事業だという前提ですけれども、既に様々な事業、様々な資料では案がもう抜けているのですね。基金とうたわれているのです。言うまでもなく、定例会が開会しているときに、これらについての明確な説明を、残念ながら、知事から、あるいは担当から議会の場面で受けていない状況があります。既成事実を積み上げているのではないかというふうにも受け止めることができるのではないでしょうか。  記者発表で基金造成を目指すとある以上、ここで述べている基金は一般用語ではなく、地方自治法上の基金でありますから、これは条例です。条例というのは、議会が最後、議決するものです。  基金積立て、提案に至るまでの在り方について疑問を感じています。議会は追認機関ではありません。可及的速やかに対応をすべき事案であっても、丁寧な説明が議会に対して必要なのではないでしょうか。すなわちそれは県民に対する説明であります。このことをぜひ受け止めていただきたいと思います。  最後に、新しい日常、ニュー・ノーマルについてです。  コロナ疎開と新しい生活様式、ニュー・ノーマルは、私はコンパクトシティと根本的に変わるものではないかというふうに考えています。キャッシュレスの進捗や実質的なベーシックインカムなどが始まっています。国では、ニュー・ノーマルに向けた知的財産、知財戦略、さらにはその先を見据えたムーンショット型研究開発制度など、新たな時代へ向かっています。  他県では、アフターコロナを見据えたニュー・ノーマル社会に向けた戦略を策定しています。どうぞ県でも取り組んでいるナッジなども踏まえた上で、その辺も検証していただきたいと思います。  最後に、地域のことは地域で決める地域主権改革に向けた地方分権一括法が施行されて本年で20年です。歩みは果たしてどうでしょうか。私はまだまだ足らないと思います。  実態に伴うしっかりとした地方分権を勝ち取っていただくように、これからも県として取り組んでいただきたいと思いますし、国ではそういう方針を持ってほしいと思っています。立場は変われど、今後もこの地域主権改革に向けて互いに取り組んでいきたいと思います。  以上で、一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 △《本会議録-令和2年第2回-20200622-028695-質問・答弁-石川巧議員-一般質問①新型コロナウイルス感染症に係る重要課題について②SDGs推進の取組について③三浦半島地域の重要課題について》   〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆石川巧議員 三浦市選出の石川巧でございます。  自民党県議団の一員として、神倉寛明議員サポートの下、通告に従い、提言を交えながら質問させていただきます。  質問に入る前に、一言申し上げます。  北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんのお父様、横田滋様が6月5日、めぐみさんと再会かなわず御逝去されました。心から哀悼の誠を捧げるとともに、改めて北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川県議会有志の会一員として、一日も早く拉致被害者全員奪還がかなうよう、尽力してまいる所存であります。  誰一人取り残さない政策の実現が喫緊の課題であるという認識の下、黒岩知事並びに上前県土整備局長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願い申し上げます。  また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、本日最後の質問であります。しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症に係る重要課題についてであります。  まず、新型コロナウイルス感染症下における地域医療体制について伺います。  初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に御冥福をお祈りするとともに、感染患者の皆様、御家族の皆様に心からお見舞いを申し上げます。  また、今なお、医療・福祉、そして社会インフラの最前線で日夜御尽力をいただいております方々に敬意と感謝の意を表します。  今、戦後最大の危機、新型コロナウイルス感染症が全世界を襲っています。国内の感染状況は、一旦は落ち着いていますが、予断を許さない状況です。  感染の拡大を防ぎつつ、社会経済活動を行っていくには、新しい生活様式を県民自らが実践していくことだけでなく、身近な地域で必要なときに必要な診察や検査が受けられる医療提供体制が確保されることが重要です。  例えば、息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある場合は、すぐに帰国者・接触者相談センターへ相談することになっていますが、比較的症状が軽い場合は、相談をためらう人も多いのではないかと思います。  そうしたときに、まずは地域のかかりつけ医やクリニックを受診したいと思っても、医療機関によっては、院内感染のリスクを減らすため、発熱した患者の受入れを一時的に休止しているところもあると聞きます。  幸いにも、私の地元では三浦市立病院が確立した発熱外来を設置し、危機管理への対応が求められる公立病院としての役割をしっかりと果たしています。  それに加え、発熱者のオンライン診療を行っている医療機関もあり、地域として、発熱した患者の受入体制が整っていますが、地域によっては、そうした体制が十分ではないところもあると危惧されます。  今後、長期にわたって新型コロナとの共存が想定される中、重症者や中等症患者などの受入体制をしっかりと確保することはもちろん重要ですが、まずは地域の身近な医療機関で、発熱した患者を適切に受け入れ、そこから必要な検査が受けられる体制を整備する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナの第2波に備えて、2次医療圏ごとに地域の身近な医療機関に発熱外来や検査センターを設置するなど、県民が安心して医療を受けられる地域医療体制を整備すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、新型コロナウイルス感染症の影響に対する県内農畜水産業者への支援について伺います。  新型コロナの拡大は、農畜水産業にも大きな影響を及ぼしています。  全国的には、入国制限に伴うインバウンド需要の大幅な落ち込みや休業要請、外出自粛により外食需要の減少が加速し、牛肉や魚などの市場価格は下落しており、また学校給食の休止により、生乳の需要も影響を受けています。  さらに、卒業式などの学校行事をはじめとした各種イベントの自粛により、花卉の需要も大きな影響を受けています。  県内では、例えば、イチゴ狩り農園では相次ぐ団体予約客のキャンセルにより、ゴールデンウイークを待たずに営業を終了せざるを得なかったと聞きます。  また、農協が運営する大型直売施設では、三つの密を防ぐため、自主的な営業時間の短縮や、ゴールデンウイーク中は休業した施設もあるなど、販売機会の減少により、農業者の収入にも影響が出ています。  さらに、水産関係では、ヒラメやマグロ、イセエビなどの飲食店、旅館等向けの高級魚の市場価格の下落が激しく、水産業者の収入にも影響が出るなど、県内農畜水産業に様々な影響が及んでいます。  国は緊急経済対策として4月30日に成立した補正予算において、農畜水産業の支援では、生産者の資金繰り対策として融資の実質無利子化・無担保化をはじめ、収入が半減した事業者向けの持続化給付金について、農業法人や個人の農畜水産業者も対象とするなどの措置を講じており、さらに今月12日に成立した第2次補正予算では、生産者へのさらなる支援が追加されました。  本県の農畜水産業は、県民生活に不可欠な生鮮食品を提供し、自然環境や地域文化を保全する多面的機能を持つ重要な産業であります。  感染拡大を予防するための新しい生活様式が始まり、生産者も消費者も行動変容が求められる中で、生産現場への新型コロナによるこれまでの影響を軽減するとともに、今後の農畜水産物の安定生産と需要の拡大、販売促進につなげていく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  県内農畜水産業者に対し、新型コロナの影響を踏まえ、今後どのように支援していくのか、知事の見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 石川議員の御質問に順次お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症に係る重要課題についてお尋ねがありました。  まず、新型コロナウイルス感染症下における地域医療体制についてです。  県では新型コロナウイルスの感染爆発による医療崩壊を防ぎ、何としても県民の皆様の命を守るという強い思いで神奈川モデルを構築してきました。  これまで、市町村や地域の関係機関等と連携し、先手先手で取り組み、重症、中等症の患者に対応する病床数を十分確保するとともに、小児・周産期の患者や透析治療を受けている方などが感染した場合の医療提供体制も整えました。  こうした体制がしっかりと機能するためには、感染を早期に発見することと、各地域で関係者の役割分担を明らかにして連携を進めることが重要です。  感染の早期発見のためには、地域で検査が受けられる体制の整備が重要であり、県では帰国者・接触者外来に加えて、地域の医師会や市町村と連携してPCR検査場の設置を進め、これまで24か所を整備しました。  この検査場には、かかりつけ医が発熱患者の検査を依頼することも可能であり、必要な検査を速やかに受けていただける体制が各地域で整いました。  また、二次医療圏ごとに関係者の役割分担をより明確にするため、医療関係者、県及び市町村による会議を開催し、今後の第2波に備えて発熱患者の受入体制を協議しています。  こうした取組によって、身近な地域で必要なときに安心して医療が受けられるとともに、重症、中等症など専門的な医療が必要となった場合でも、適切な医療が円滑に受けられるようオール神奈川で取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響に対する県内農畜水産業者への支援についてです。  外出自粛による家庭での消費拡大により、野菜や魚などの県内農畜水産物の販売はおおむね好調でした。  一方で、洋ランなどの花はイベントの中止により、需要が減少し、マグロなどの高級魚も高級牛肉も飲食店の営業自粛により販売できない厳しい状況が続いていました。  このため、県では、資金繰りが苦しい生産者を農業技術センターなどの普及指導員が戸別訪問し、国の融資や持続化給付金の活用を働きかけるとともに、販売先を市場から直売へ転換するなどの助言を行いました。  また、これまでの融資については償還を猶予し、乳業団体から牛乳の無償提供の申出があった際には病院や福祉施設への橋渡しも行いました。  今後は安定した生産、販売が継続できるよう、マグロや牛肉などの需要喚起をはじめ、次の作付に向けた準備や新しい生活様式に対応したインターネット販売などへの支援を進める必要があります。  そこで、県では県内の学校に食育教材と併せてマグロや牛肉を給食の食材として無償提供し、子供たちに県産品への理解を深める食育を行いながら、在庫の減少や需要喚起につなげていきたいと考えています。  また、野菜や花などの次の作付に向け、普及指導員が栽培技術や販売方法を巡回指導するとともに、JAと連携して、苗や肥料、農業機械などの導入を支援します。  さらに、非接触型販売への転換としてインターネット販売を促進するため、国の補助事業を活用して、事業計画の策定や機器整備等を後押しします。  県としては、県内農畜水産業者が新型コロナウイルスの影響を克服し、今後も安定的、持続的に発展できるよう、しっかりと支援してまいります。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 知事、前向きな御答弁をいただきまして、誠にありがとうございました。  2点、再質問させていただきたいと思います。  1点目は、地域医療体制についてであります。  今、知事おっしゃるとおり、二次医療圏ごとの役割分担、これは非常に大事でありまして、その中でも私がここで話したいのは、やはり公立・公的病院であります。  昨年、国は再編統合を含む再検証が必要な公立・公的医療機関を公表し、そのリストには県内で10の病院が名指しされ、地域住民に大きな不安を与えました。  加藤厚生労働大臣は今月5日の記者会見で、これから地域の医療構想を考えていくときにも、感染症に対する対応をどうしていくのかということも当然取り込みながら議論をしていく必要があるとの考えを示しました。  今回、感染症対策が新たな視点として注目が集まっている中で、三浦市立病院などの県内の公立病院は、神奈川モデルにおいても大きな役割を担っていると承知しています。  そこで、知事に伺います。  今般の感染症対策を通じて得られた知見や地域の経験などを、公立・公的医療機関の対応方針の再検証を含む地域の医療提供体制の検討にどのように生かしていくのか、見解を伺います。  2点目は、県内農畜水産業者への支援についてであります。  知事からは、生産者に対してインターネット販売ですとか、給食の食材提供等の前向きな答弁をいただきました。  しかし一方で、加工や流通業者といった農畜水産業の周辺の業種というものは、平時から支援が十分ではないと事業者から言われています。休業要請による飲食店の不振などから、4月の三崎漁港での冷凍マグロの取扱いは、取引量が昨年の半分に、価格は4分の3まで下落するという危機的な状況です。飲食店に卸すはずだった大量のマグロが行き場を失い在庫となっていると聞きました。  三崎漁港周辺にはマグロ関係の加工・流通業者も多く、また、それを基にした三崎漁港の経済圏がございます。事業者からは経営が厳しいとの声を多くいただいており、早急に支援することが必要です。  そこで、知事に伺います。  加工・流通業者に対する支援については、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  公立・公的医療機関に期待される機能の一つとして、不採算部門、特殊部門に関わる医療の提供が挙げられます。今回の神奈川モデルにおきましても、公的・公立医療機関が重点医療機関の多くを占めるなど、重要な役割を果たしています。  本県では、昨年の厚生労働省の要請に基づきまして、公的・公立医療機関の役割等について各地域地域医療構想調整会議などで検証を行ったところであります。  地域の医療機関の役割分担と連携については、不断の見直しが必要でありまして、今般の新型コロナウイルス感染症対策において、公立・公的医療機関が大きな役割を果たしたことも踏まえまして、今後、危機管理の視点も含む地域の医療提供体制の在り方について、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。  次に、加工・流通業者に対する支援についてでありますが、国の補助事業や給付金、無利子・無担保融資など、様々な支援制度が講じられております。  県では本年4月に水産課内にワンストップ相談窓口を設置しましたので、加工・流通業者の方々が気軽に相談し、これら支援制度を有効に活用できるよう丁寧な対応に努めていきたいと思っております。  また、コロナ終息後を見据えたマグロなどの新たな加工品の開発や、輸出を含めた販路拡大についても支援してまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 今、再質問においての答弁をいただきました。  それでは、2点要望させていただきます。  まず、地域医療体制についてであります。  今般の新型コロナによって、感染症対応における公立・公的病院の存在が改めて地域医療にとって必要不可欠であることが分かりました。いつ起こるか分からない災害や感染症拡大に備えて、先ほど知事おっしゃったように、危機管理の視点から地域医療体制の整備と公立・公的病院の危機管理対応力の強化を求めさせていただきます。  次に、県内農畜水産業者への支援についての要望です。  知事から、今、加工・流通業者に対してもワンストップの窓口を新たに設置していただいたり、マグロの加工や輸出についても取り組んでいただけるという話を伺っております。  本当にこの近日の厳しさというのはスピード感が求められる状況であります。新型コロナというものが、中国をはじめ世界のサプライチェーンを分断し、食品供給にも影響が出ています。改めて、食の安全保障が問われている状況の中、神奈川の農畜水産業者を守らなければなりません。  今答弁いただいた中のメニューというのは全て国の予算でございますが、私はぜひ県単独の支援が必要なのではないかと強く思っております。  例えば、高知県では、県独自の取組として、今月15日から、食べて!遊んで!高知家応援プロジェクトと銘打って、2億5,000万円を投じて地産地消の大盤振る舞いで、また知事がCMに出演する等、県内での需要喚起に取り組んでいます。ぜひ知事も先頭に立って地産地消のPRをしていただきたいと思います。  このコロナ禍を乗り切るため、県内経済を循環させる地産地消をより一層推進し、これまで以上に現場の声を聴き、効果的な支援をすることを強く要望申し上げ、質問の第1を終わります。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧 議員  〔資料提示〕  質問の第2は、SDGs推進の取組について伺います。  まず初めに、2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けた取組について伺います。  国際エネルギー機関によれば、新型コロナによる社会経済活動の制限に伴い、2020年の世界全体における二酸化炭素排出量は、前年比で8%減少すると予測されており、コロナは地球温暖化の面でも大きな影響を与えています。  世界では温暖化対策として、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ、いわゆる脱炭素社会を目指す流れが主流ですが、今後、社会経済活動を再開させていくに当たり、コロナ禍で大きく削減された二酸化炭素排出量をこのまま増加させずに、いかに脱炭素社会に近づけていけるかが重要になると認識しています。  そうした中、我が国は、2050年までに80%の温室効果ガスの削減に取り組み、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指すとしていますが、2050年脱炭素社会の実現を表明するまでには至っていません。  一方、国に先駆けて神奈川県が昨年11月、2050年脱炭素社会の実現を目指すことを表明したのをはじめ、今月17日までに国内で脱炭素を表明した自治体の数は100を超えたということが小泉進次郎環境大臣から発表されました。  私の地元、三浦市でも先月「ゼロカーボンシティみうら」宣言を行い、宮川公園内に風力発電施設を再設置するなど、温暖化対策の取組を推進しているところです。  しかし、県内で2050年脱炭素社会を表明しているのは6市町にとどまっており、脱炭素の流れはまだ市町村レベルに広く普及しているとは言えない状況です。  昨年の台風による甚大な被害、今年の記録的な暖冬のように、温暖化などの気候変動の影響は既に現れており、その対策は待ったなしであります。  2050年脱炭素社会の実現を表明した本県としては、自ら率先した取組を進めるとともに、市町村と連携しながら、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  県は2050年脱炭素社会の実現に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、テクノロジーを活用した障がい者の社会参加の推進についてです。  私は昨年、分身ロボットOrihimeを開発するオリィ研究所を訪問し、分身ロボットや視線を使って意思を伝達する装置Orihime eyeなどの最新機器を実際に体験し、テクノロジーの発展に大いに感銘を受けました。  この体験から、障害者にとってICTなどのテクノロジーは、自立生活、在宅就業、生活・就労のための情報収集等、社会参加の可能性を広げるものであると強く感じ、昨年6月の一般質問で、障害者のICT利活用への取組について質問させていただきました。  知事からは、重度障害者が自宅にいながら遠隔操作によりロボットを動かすような新たなテクノロジーを活用し、ともに生きる社会をさらに推進していくとの答弁をいただいたところであります。  その後、県ではOriHimeを活用し、ALS患者である髙野元さんを共生社会アドバイザーに委嘱したり、知事との対話の広場においてOriHimeを活用したりするなど、新たなテクノロジーの活用の取組が進んだと認識しております。  また、我が会派は、聴覚障害者がスマートフォンやタブレットを活用して、オペレーターの手話や通訳を介して、お店や病院など相手先とリアルタイムで会話ができる電話リレーサービスを国の制度とするよう強く提案をしてきましたが、ついに6月5日、国会において電話リレーサービス法案が成立し、実施の運びとなったところです。  こうした制度により、聴覚障害者がより安心して生活を送ることができるものと期待しています。  また、コロナ禍において、医療機関を受診する際に感染リスクがあるため手話通訳者の方に同行をお願いしにくいという話を伺い、診察の場面においても最新テクノロジーを活用したコミュニケーション支援が有効なのではないかと考えます。  障害者の生活を支える様々な機器の開発が進む時代の中で、どんなに重い障害があっても、テクノロジーを活用することで障害者のコミュニケーションが円滑になり、社会参加がさらに可能になると期待されます。  そこで、知事に伺います。  障害者の社会参加がさらに進むよう、テクノロジーの活用に今後どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) SDGs推進の取組についてお尋ねがありました。  まず、2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けた取組についてです。  県では、地球温暖化対策計画で2030年度に温室効果ガスを2013年度比で27%削減する目標を掲げ、住宅等の省エネルギー対策や太陽光発電設備への支援など、再生可能エネルギーの導入に取り組んできました。  しかし、県内の家庭や企業から排出される二酸化炭素の量は近年横ばいの状況です。また、今後は在宅勤務など、新しい生活様式の普及により、家庭での電力消費やプラごみ等が増え、家庭からの二酸化炭素排出量の増加も考えられます。  このため、脱炭素社会の実現に向けては、新しい生活様式の定着を見据えた将来の姿を県民の皆様や企業等と共有しながら、省エネ対策やプラごみ削減、再エネ利用等を一層進めていく必要があります。  そこで、県では一人一人の主体的な行動を促すため、省エネやプラごみ削減をテーマに、県民や企業等を対象としたセミナーやフォーラムを市町村と連携して開催することも考えています。  また、県自らの取組として、2050年までに全ての県有施設で再エネの100%利用を目指すとともに、県内の市町村や企業等にも再エネの利用を働きかけていきます。  さらに、省エネ等による排出抑制に加え、脱炭素社会の実現に不可欠な二酸化炭素の再利用など、技術革新の早期実現を国に求め、県でも企業や研究機関の技術開発を支援し、成果の普及に取り組みます。  このように2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けて、県が牽引役となり、県民意識を醸成しながら、市町村や企業等と連携し、取組を進めてまいります。  次に、テクノロジーを活用した障がい者の社会参加の推進についてです。  障害者の生活の場を広げ、社会参加を促進するためには、ICTの活用や普及によるコミュニケーション支援は大変有効です。  県では企業等と連携して、障害者のコミュニケーションを支援する最新のICT機器の情報を収集し、使用方法に関する相談やホームページでの紹介など、利用のサポートをしています。  また、分身ロボットOriHimeを開発した株式会社オリィ研究所と3月に連携協定を締結し、県自らも新たな社会参加や就労の支援を進めています。  具体には、OriHimeを県庁の執務室に設置し、障害者が遠隔操作で来庁者の受付案内業務を行うモデル事業の実施に向けて調整しています。  また、聴覚障害者が新型コロナウイルス感染の疑いで医療機関を受診する際、手話通訳者への感染を防止するため、県はスマートフォン等を活用して手話通訳者とつながる遠隔手話通訳サービスを導入しました。今後、入院時にも利用できるよう検討を進めます。  さらに、聴覚障害者の新たなコミュニケーション手段である電話リレーサービスも、今月法律が成立しましたので、今後、国の動向を注視し、利用拡大に向け、普及啓発に取り組みます。  このように県ではICT機器の利活用と普及を進め、障害者のコミュニケーション支援と社会参加を促進し、ともに生きる社会かながわの実現を目指してまいります。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。  1点だけ要望させていただきます。  去年も要望させていただいたのですが、テクノロジーを活用した障害者の社会参加の推進についてで、県の共生社会アドバイザーである髙野元さんから、去年いただいたメッセージというのは、ぜひ神奈川に分身ロボットカフェを設置してほしい、そんな思いがありました。  これは今、ロボットによる接客で感染リスクも下げますし、まさに分身ロボットが接客をするということが、ともに生きる社会かながわの発信につながると感じます。  ぜひ神奈川が他に先駆けて分身ロボットカフェの設置を前向きに検討するよう要望して、質問の第2を終わります。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧 議員  〔資料提示〕  質問の第3は、三浦半島地域の重要課題についてです。  初めに、水産業の成長産業化について伺います。  私の地元、三浦市は、国内に僅か13か所しかない水産業振興のために特に重要とされる特定第3種漁港に指定された三崎漁港を擁しています。  この三崎漁港を拠点として、世界中の海でマグロを漁獲する遠洋漁業、伊豆諸島や四国沖を漁場にサバやキンメダイを漁獲する沖合漁業、そして、アワビ、サザエ、イセエビ漁や定置網漁などの沿岸漁業が行われ、三崎漁港を拠点とする水産業は、地元振興にとどまらず、首都圏における水産業の発展にも大きく貢献してきました。  しかしながら、いずれの漁業も乱獲や漁場環境の悪化、台風などの自然災害によって、近年、漁獲量が大きく減少しており、先日、農林水産省が発表した生産統計によると、令和元年の本県の漁業生産量は3万3,700トンと、最盛期の昭和60年代初頭と比べ、6割も減少しています。  これまで県では漁獲量の減少を食い止めるため、サザエ、ヒラメ、トラフグなどの稚魚を放流する栽培漁業や、相模湾に来遊するマグロを滞留させる浮き魚礁の整備など、水産資源を増やす取組を行うとともに、クロマグロの漁獲量の制限、キンメダイ、タチウオの休漁など、水産資源管理の取組なども行い、成果を出してきたところであります。  さらに、これらの取組に加え、今年度新たに大規模外洋養殖推進費を当初予算に計上し、相模湾の三崎沖への大規模外洋養殖施設の誘致に向けた検討を始めることも承知しています。  本県では、これまで魚類の養殖はほとんど行われていませんでしたが、この事業が成功すれば、天然資源に依存することなく水産資源を安定的に確保できるようになるので、持続可能な水産業への構造転換が図られ、本県水産業の成長産業化が見込まれます。  そして、養殖から加工、販売までを地元で担うことができれば、地元経済の発展や地域の活性化にもつながるのではないかと大いに期待しています。  そこで、知事に伺います。  本県水産業の成長産業化を図るため、新たな試みである大規模外洋養殖事業にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、三浦半島における移住・定住の促進についてです。  現在、本県は全体としては人口が増加しているものの、三浦半島地域や県西地域では1990年代以降人口減少が進んでおり、県も様々な取組を進めてきていますが、人口減少に歯止めがかかっていない状態です。  こうした課題に対応するため、三浦半島地域においては、この3月に三浦半島魅力最大化プロジェクトを改定し、関係人口の創出を通じた移住・定住の促進などを含む新たな活性化策をスタートしたところであると承知しています。  このプロジェクトでは、都心へ容易に行き来できる距離にあるにもかかわらず、自然豊かで、ゆったりとした余暇を過ごすことができるような環境があり、市町や民間が中心となって、シェアオフィスの設置やテレワークによる柔軟な働き方を促進する取組が行われています。  地元三浦市でも移住政策に積極的に取り組み、民間においてはトライアルステイや移住相談等様々な取組が進められているところです。  そうした中、新型コロナ対策としてテレワークを導入する動きが一気に広がり、多くの企業や人々がそのメリットを実感したこともあり、テレワークやサテライトオフィス、ワーケーションを導入する企業が拡大し、今後はコロナ時代の新たな日常の働き方として定着していくと見込まれます。  今後、こうした働き方の変化は、都心から暮らしやすい地域への移住や、都会と田舎に生活拠点を持つ2拠点生活へのシフトといった暮らし方の変化にもつながり、これまでの東京一極集中から、地方への分散という人の流れが大きくなるものと考えます。  新型コロナの感染拡大をきっかけにして、働き方や暮らし方の見直しが進む結果、都心への通勤圏にありながら、海や山などの豊かな自然を享受できる三浦半島地域の魅力が、改めて人々から注目を集めると考えます。  そこで、知事に伺います。  三浦半島地域の活性化を図るためには、新型コロナウイルス感染拡大を受けた社会の変化を捉え、この地域の魅力を生かした移住・定住の促進に取り組むことが重要と考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、三浦縦貫道路Ⅱ期区間の整備について伺います。  三浦半島地域では各地で慢性的な交通渋滞が発生していることから、県はこれまでもかながわのみちづくり計画に基づき、幹線道路ネットワークを形成するため、必要な路線の整備を推進していると承知しています。  こうした中、県は現在、三浦縦貫道路Ⅱ期北側区間の整備を進めており、この道路が完成することで、三浦半島の南北方向の骨格となる道路が形成されるとともに、三浦市と横浜横須賀道路とのアクセスが強化され、広域的な交通の利便性が向上すると考えます。  三浦市では豊かな自然を背景とした農業や漁業が盛んであり、この道路が開通することで、これら生鮮食品を首都圏へ供給するための運送時間が短縮されるなど、地域産業の活性化に大きく貢献します。  また、三浦半島は観光地として、県内のみならず首都圏から多くの方々が訪れており、この開通によって、さらに観光需要が高まることが期待されます。  このように、産業や観光など地域経済の活性化に大きく寄与することに加え、災害対応力の強化につながることから、この道路の完成は地元三浦市民の長年の悲願でありました。  この道路は平成16年度に事業に着手し、用地の取得や調査、工事を進めていましたが、埋蔵文化財調査に時間を要したことや、昨年度の台風などの影響により工事に遅れが生じてしまいました。  しかし、新型コロナによる影響で三浦半島地域の観光や経済は大きな打撃を受けており、都道府県をまたぐ移動自粛が解除された現在、今後の観光や地域経済の発展を下支えするためにも、三浦縦貫道路Ⅱ期北側区間を一日も早く開通することが求められています。  そこで、県土整備局長に伺います。  三浦縦貫道路Ⅱ期北側区間について、これまでの取組状況と今後の開通の見通しについて伺います。  〔資料提示〕  最後に、地籍調査の促進について伺います。  地籍調査を促進することは土地の権利関係が明確になり、土地取引の円滑化や公共工事の効率化に寄与するだけでなく、災害が発生した場合には境界を正確に復元できることから、迅速な復旧活動に大きな効果が期待できます。  しかしながら、平成30年度末の全国の地籍調査の進捗状況によると、本県の進捗率は僅か14%であり、全国平均の52%と比べると著しく低い数値になっています。  首都直下地震や南海トラフ地震など大規模地震発生の切迫性が指摘され、本県でも大きな被害が想定されている中、その後の復旧・復興に寄与する地籍調査は大変重要であります。  私の地元、三浦市は三方を海に囲まれ、まさに津波被害が懸念される場所であり、関心を寄せているところです。  実施主体である市町村の人員体制や財政状況は大変厳しい状況でありますが、地籍調査の重要性に鑑み、一層の促進を図るべきと考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  今後、県として地籍調査の促進にどのように取り組んでいくのか伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 三浦半島地域の重要課題についてお尋ねがありました。  まず、水産業の成長産業化についてです。  本県の水産業は天然の魚を取る漁業が主であり、養殖業はワカメ、ノリなどの海藻類が中心であるため、全体の生産量に占める割合は5%未満と僅かです。  一方、全国では養殖業の占める割合は20%であり、世界では近年大幅に増加し、50%を超えています。  天然資源に依存する漁業の生産量は減少する中、安定的な生産量を確保できる養殖業を拡大し、漁業の構造転換を図ることは、本県水産業の成長産業化を目指す上で大変重要です。  しかしながら、現状では、東京湾は大型船舶の航行が多いため、漁場の確保が難しく、相模湾は外洋に面しているため、養殖に適した波の穏やかな場所がなく、従来の方法で養殖を行うのは難しい状況です。  そうした中、近年、ノルウェーでは、自然条件の厳しい北海において、海底油田掘削用に海上に設置する巨大施設の建設技術を応用して大規模な養殖施設が設置され、サーモンなどの養殖が実用化しています。  そこで、県ではこの施設に着目し、我が国初となる大規模外洋養殖の相模湾沖での実用化に向け、今年度新たに漁業関係者、大手水産会社、大学、三浦市や金融機関等で構成する協議会を設置します。  この協議会では、養殖する魚の種類、技術的な問題や採算性、他の漁業との調整など、実用化や事業誘致に向けた様々な課題を検討していきます。  さらに、地域の活性化につながるよう、養殖した魚の加工、流通、販売の各段階に地元事業者等が参画し、付加価値を生み出すバリューチェーンの構築についても検討していきます。  この取組はまだ緒に就いたばかりですが、我が国初となる大規模外洋養殖を本県で実用化できるよう協議、検討を進め、本県水産業の成長産業化を図ってまいります。  次に、三浦半島における移住・定住の促進についてです。  本県では都市の便利さと海、山、川などの自然の魅力を併せ持つという強みを前面に押し出し、ちょこっと田舎・オシャレなかながわライフをキーワードに移住・定住を呼びかけてきました。  特に三浦半島は都心に毎日通勤するライフスタイルからの脱却、転換を目指し、地元自治体が民間と連携してテレワーク施設の開設や普及啓発など、新たなワークスタイルの定着に積極的に取り組んでいる地域です。  こうした中、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、今後、過密な都心を避けて自然豊かな場所で働きたい、暮らしたいと考える人が増えると見込まれますので、これまでの取組を一層加速させることが重要です。  そこで、県ではサテライトオフィスの設置等を市町と連携して企業に働きかけ、新たなワークスタイルに適した環境整備を促進するとともに、地域で起業を目指す方を対象としたワークショップを開催し、働く場の創出を図ります。  また、休暇を楽しみながら働くワーケーションは、企業の関心が高く、関係人口の創出にもつながりますので、新たにワーケーション自治体協議会に参加し、全国の先進事例や企業ニーズを把握するとともに、ワーケーションに取り組む企業に積極的にアプローチし、三浦半島への誘致に取り組みます。  県ではウィズコロナという新しい時代に的確に対応するため、市町と連携しながら三浦半島で働き、暮らす魅力を最大限に引き出し、多くの人を呼び込むことで移住・定住につなげ、地域の活性化を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(上前行男)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 上前県土整備局長。 ◎県土整備局長(上前行男) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  まず、三浦縦貫道路Ⅱ期区間の整備についてです。  三浦縦貫道路は横浜横須賀道路の衣笠インターチェンジから、三浦半島南部の三浦市を結ぶ幹線道路です。  この道路は、海岸沿いの国道134号の渋滞緩和や災害時における対応力の強化だけでなく、三浦半島地域の多様な魅力の最大化にも寄与します。  これまでの取組状況ですが、横浜横須賀道路から国道134号の横須賀市林までをⅠ期区間とし、平成12年に有料道路として開通しました。これに続くⅡ期区間は三浦市道14号線までを先行整備区間と位置づけ、平成16年度から整備に取り組んできました。  特にこの区間は良好な農業地帯を通過するので、工事に当たっては、農業に携わる方々に最大限の御協力をいただきながら進めてきました。  しかし、昨年の度重なる台風などの影響で大規模な掘削工事が計画どおりに進まず、完成時期に遅れが生じ、県としてはこれ以上、工程が遅れないよう、複数の施工業者が円滑かつ安全に工事ができるように綿密な調整を重ねてきました。  こうした取組の結果、現在、舗装工事など仕上げの段階に来ており、順調に進めば今年の8月10日頃には開通できる見込みです。  県は引き続き完成に向けた工事を着実に進めるとともに、今後とも三浦半島地域の発展のため、幹線道路の整備にしっかりと取り組んでまいります。  次に、地籍調査の促進についてです。  地籍調査は、国土調査法に基づき、市町村が主体となり、土地の境界や面積等を一筆ごとに調査するもので、あらかじめこの調査を実施しておけば、公共事業の効率化などが図られます。  また、大規模災害が発生した際にも、土地の境界の復元が容易なため、公共施設などの早期復旧や復興にも寄与する大変重要な調査であると認識しています。  このため県は、津波による浸水被害が想定されている相模湾沿岸の市街地を緊急重点地域として位置づけ、優先的に調査を進めています。  しかし、都市化が進んでいる本県では、土地が細かく分かれていて、筆数も多く、土地の権利関係も複雑なことから、調査に多くの時間と費用を要するため、進捗率が低いのが実情です。  そこで、市街地での調査を効率的に進めるため、道路等の公共物と民有地の境界を優先して調査する官民境界等先行調査を積極的に活用するよう、市町村へ働きかけています。  また、令和2年3月に国土調査法が改正され、土地所有者の探索に固定資産課税台帳等の情報が利用できるようになり、調査の一層の迅速化が期待されます。  こうした取組に加え、県は県内全ての市町村で構成する神奈川県国土調査推進協議会の場を通じて、国の取組に関する情報提供や担当職員への実務研修の開催など、市町村に対する技術的支援を積極的に行っていきます。  県は今後とも市町村と連携を図りながら、地籍調査が効率的かつ着実に促進されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 1点、移住・定住の促進について再質問させていただきます。  知事からは、前向きに取り組むお話をいただいております。実際、移住・定住の施策を推進するに当たっては、データをしっかり分析して課題解決につなげていく必要があると思います。  本来であれば、徳島県のように移住者数というものをしっかり数えて、それを具体的な目標とすべきですけれども、今のところ、全国的な公式統計というものがありません。私はもっと移住者について情報収集を進めるべきだと考えます。  そこで、今後、移住・定住施策を展開するに当たり、アンケートを行うなど、様々な機会を捉え、移住者の生の声を集める必要があると考えますが、知事の見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  移住・定住を促進するに当たっては、移住者の生の声を聴いて、きっかけや決め手となった理由を把握するといったことは大変重要であると考えております。  そこで、県が設置します、ちょこっと田舎・かながわライフ支援センターでの相談を経て移住した方にヒアリングするほか、市町村と連携して転入手続窓口でアンケートを行うなど、移住者の声をより広く集めて今後の施策に生かしていきたい、そのように考えております。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 最後、時間の許す限り、要望を申し上げたいと思います。  1点目は、移住・定住の促進についてです。  昨日、内閣府が発表した調査によると、東京23区に住む若者の4人に1人が地方への移住の関心があるという前向きなデータがあります。今こそ、移住・定住施策を神奈川県として進めるチャンスだと思っております。  三浦市でも、民間が非常に積極的に取り組んでいるところもありますので、ぜひ県として頑張っている市町村ですとか、民間の取組を支援することで、より一層移住・定住施策を推進することを要望させていただきます。  次は、三浦縦貫道路Ⅱ期区間の整備についてです。  県土整備局長から具体的に8月10日という数字が出てきました。三浦縦貫道路は、渋滞緩和はもちろんのこと、地域経済の活性化や観光、さらには災害時の緊急輸送道路としても極めて重要な道路であり、今回の前向きな答弁は本当にありがたいことであります。  順調に進めば8月10日に開通されるだろうという答弁をいただきましたので、ぜひ開通に向けて、安全対策をしっかりと行っていただくとともに、この道路を県民に広く知っていただくよう、取り組むことを要望します。  最後に、地籍調査の促進についてであります。  答弁いただいたとおり、新しく国土調査法の改正によって、調査の迅速化が期待されるところであります。こうした情報を市町村に周知するなど、県は今後とも市町村としっかり連携しながら、一層調査を促進していただくよう要望します。  今、感染症拡大、そして環境問題といった身近な問題が、実は世界共通の問題であるということが増えています。今こそ、先ほど知事が言ったとおり、私たち一人一人の主体的行動が求められております。  ここ神奈川から新たな社会経済をつくり上げ、新型コロナに打ちかつことを祈念し、私の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明23日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後5時2分 散会...