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06月17日-07号

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  1. 神奈川県議会 2020-06-17
    06月17日-07号


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    最終取得日: 2023-05-16
    令和 2年 第二回 定例会 △《本会議録-令和2年第2回-20200617-028683-諸事項-出席議員等議事日程-》         令和2年第2回神奈川県議会定例会会議録第7号〇令和2年6月17日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       松   本       清                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       作   山   ゆうすけ                       長   田   進   治                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       京   島   け い こ       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         理事            山   口   健 太 郎         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          和   泉   雅   幸         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長        前   田   光   哉         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   進   藤   和   澄         マグカル担当局長      鈴   木   真 由 美         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          谷   川   純   一         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       小 野 関   浩   人         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和2年第2回神奈川県議会定例会議事日程第7号                            令和2年6月17日午後1時開議第1 定県第 55 号議案 令和2年度神奈川一般会計補正予算(第4号)   定県第 56 号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計補正予算(第1号)   定県第 57 号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例   定県第 58 号議案 地方独立行政法人の役員等の損害賠償責任の一部免除に係る控除額を定める条例   定県第 59 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 60 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 61 号議案 神奈川県局設置条例の一部を改正する条例   定県第 62 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 63 号議案 神奈川県犯罪被害者等支援条例の一部を改正する条例   定県第 64 号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 65 号議案 神奈川県立総合職業技術校に関する条例及び神奈川県立産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例   定県第 66 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 67 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 68 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 69 号議案 動産の取得について   定県第 70 号議案 動産の取得について   定県第 71 号議案 指定管理者の指定について(相模湖交流センター)   定県第 72 号議案 指定管理者の指定について(地球市民かながわプラザ)   定県第 73 号議案 指定管理者の指定について(県民ホール及び音楽堂)   定県第 74 号議案 指定管理者の指定について(神奈川近代文学館)   定県第 75 号議案 指定管理者の指定について(21世紀の森)   定県第 76 号議案 指定管理者の指定について(本港特別泊地及び本港環境整備施設)   定県第 77 号議案 指定管理者の指定について(宮川特別泊地、宮川一時停係泊特別泊地及び宮川環境整備施設)   定県第 78 号議案 指定管理者の指定について(ライトセンター)   定県第 79 号議案 指定管理者の指定について(聴覚障害者福祉センター)   定県第 80 号議案 指定管理者の指定について(足柄ふれあいの村)   定県第 81 号議案 指定管理者の指定について(愛川ふれあいの村)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定の変更について(三浦しらとり園)   定県第 83 号議案 指定管理者の指定の変更について(津久井やまゆり園)   定県第 84 号議案 東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議について   定県第 85 号議案 二町谷北公園等の管理に関する事務の委託について   定県第 86 号議案 訴訟の提起について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200617-028684-質問・答弁-小野寺慎一郎議員-代表質問①デジタルトランスフォーメーション[DX]の推進について②テレワーク常態化に向けたICT環境の整備について③新型コロナ禍を克服するためのSDGsの推進について④ヘルスケアニューフロンティア政策の効果について⑤神奈川モデルが効果的に機能するための制度の改善について⑥新型コロナウイルス感染症の影響による生活困窮者対策について⑦県税収入が大幅な減収となった場合の財政運営について⑧新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた文化芸術への支援について⑨種苗法改正案による影響を踏まえた新品種の開発・普及について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共62名 ○議長(嶋村ただし) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 審議を行います。  日程第1、定県第55号議案 令和2年度神奈川一般会計補正予算外31件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕(拍手) ◆小野寺慎一郎議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党神奈川県議会議員団を代表して、通告に従い、順次質問をいたします。  知事には、ぜひ明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚の皆様にはしばらくの間、御清聴賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  質問に入ります前に、まず、このたびの新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、今も不安の中で治療を続けておられる方々に心からお見舞い申し上げます。  また、医療現場の方々や、緊急事態宣言下においても私たちの暮らしを支えるために働いてくださってきた方々、そして、この感染症の影響で苦しい生活を強いられている多くの県民のため、昼夜を分かたず奮闘されている黒岩知事をはじめ県職員の皆様に心から敬意を表します。  新型コロナウイルス感染症の拡大によって私たちの社会は大きく、そして深く傷つきました。それは、経済活動の停滞による生活の困窮のみならず、教育や文化、医療など、あらゆる分野に及び、社会の分断を引き起こす要因ともなっています。  今後も感染のリスクがゼロになることは考えにくく、コロナ以前の状態を回復することは不可能とも言われています。しかし、このまま縮小、衰退した社会に甘んじるわけにはいきません。人類史に輝くイタリア・ルネサンスが14世紀のヨーロッパにおいて人口の3分の1が失われたペストの大流行という悲劇を乗り越えての、まさに蘇生であり、再生であったように、私たちは以前にも増してよい社会を築いていく努力をしていかなければならないのだと思います。  そのキーワードとして、よりよい復興、創造的復興と意訳されることもありますが、ビルド・バック・ベターという言葉がよく聞かれるようになりました。我が国では1995年に阪神・淡路大震災に際して兵庫県が提唱した概念であり、その後、東日本大震災や熊本地震でも提唱されました。  私たちがよりよい社会を築くためには、どのような変革が求められていくのか。そのためのもう一つのキーワードデジタルトランスフォーメーション-DXであると考えています。そこで、今回の質問は、ビルド・バック・ベターを実現するためのDXの推進を軸に行ってまいりたいと思います。  質問の第1は、ただいま申し上げたデジタルトランスフォーメーションの推進について伺います。  デジタルトランスフォーメーションはDXと略されます。DTではなくDXなのはTransを「X」と略すことが一般的な英語圏の表記に準じているためです。  DXを簡単に言うと、データやデジタル技術を駆使することにより、社会のあらゆる事象に変革をもたらすこととなります。  神奈川県が今後、データや技術の活用を軸に、既存の枠組みを超えた県民サービス事業モデルを生み出すことや、新たな価値観を基に業務のプロセスを再構築することにより、生産性の向上やコスト削減、職員の働き方改革を実現するためには、このDXが不可欠です。  コンピュータやネットワークの中には、分野ごとに構築された個別のサイバー空間が存在します。その一つ一つがそれぞれの壁を取り払って切れ目なくつながり、部分最適から全体最適を実現したときに、既存の価値観や枠組みを覆す圧倒的かつ革新的なイノベーションがもたらされます。それがいわゆるDXという概念です。  DXで最も重要なのは、データであります。県は、これまでICTを活用して行政の効率化や県民の利便性の向上を図ってきたと承知していますが、業務ごとに部分最適のために構築されてきたシステムが老朽化、複雑化、ブラックボックス化しているとデータの連携や活用が難しくなります。  また、県にはシステム化されていない業務もまだまだあることから、こうした業務にICTを適用して、業務データデジタル化を進めていくことがDXへの第一歩となります。  一方、DXは進化したデジタル技術を駆使することが、その推進にとって必須ですが、技術が進化しさえすれば実現するというものではありません。最新のデジタル技術を活用するという手段はもとより、どのような課題を解決したいのかという目的がむしろ重要なのです。  県に置き換えれば、それぞれの局や部や課の解決すべき課題を発見し、その解決の方途として適切なデジタル技術を組み合わせること、さらには他の部局や行政組織、民間企業等と情報を共有し合い、相互に作用し合うことにより新たなイノベーションを起こしていくこと。このような、言わば掛け算による相乗作用の積がまさしくDXであり、これを遂行していくためには、ITと県庁業務の両方に精通した人材も必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  かながわICT・データ利活用推進計画は、どのように本県のDX推進につながっていくのでしょうか。また、県として、今後、データやデジタル技術を駆使して革新的なイノベーションをもたらすDXを強力に推進していくことが必要と考えますが、併せて知事の見解を伺います。  質問の第2は、テレワーク常態化に向けたICT環境の整備について伺います。  新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、本県でもテレワークを実施し、これまでおよそ7割の職員が参加したと伺っております。今後、ある程度、感染症の拡大が収束を見た後も徹底したテレワークを実施していけば、デジタルトランスフォーメーション-DXの実現につながるという視点から質問したいと思います。  テレワークを常態化させるためには、幾つかの重要なポイントがあると専門家が指摘しています。一つは、労働時間だけではなく、幅広く仕事の成果を見ていけるような人事評価制度ができていること。二つ目は、自宅などからセキュアなルートで社内システムに入れて、決済業務やワークフロー業務を処理できること。三つ目は、クラウドなどに社員が共有するストレージシステムがあって、業務に必要な書類などがデジタル化されていること。四つ目に、ウェブ会議システム随時ミーティングができること。  逆に、これらの業務改革が伴わない中でのテレワークは、労働者の負担が増すだけであり、持続可能なシステムとは言えません。リアルワークと同等か、それ以上に仕事を回すことができないテレワークは、自宅待機とさして変わりはなく、長期化すればするほど、組織の継続リスクが大きくなり、メリットも感じられないため、いつの間にか以前の慣れたやり方に戻ってしまいます。  DXの実現につながるテレワークは、どこで仕事をしようが、デジタルの強みを生かしたコラボレーションが生まれ、これまでにない業務やサービスの提供によって、新たな価値が創造される働き方です。そのためには、日々進化するICT技術をフレキシブルに取り入れるとともに、さらなるモバイル環境の整備が不可欠です。  最近では、テレワークをさらに進めたワーケーションという言葉も聞かれるようになりました。ワーク-仕事バケーション-休暇を組み合わせた造語で、休暇を楽しみながら短時間の就労をICTなどを活用して行う働き方です。働く人にとっても、それを受け入れる自治体等にとってもメリットが大きいことから、本県でもデジタル技術を柔軟に活用し、積極的に進めるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  DX推進の一環として、今後、デジタル技術を柔軟に活用し、より一層有効なテレワーク環境を整えることによって、テレワークを常態化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  質問の第3は、新型コロナ禍を克服するためのSDGsの推進について伺います。  新型コロナウイルスの感染拡大は、SDGsがうたう持続可能な世界をつくる上で大きな脅威となっています。アジア太平洋地域では、特にジェンダー平等や環境分野におけるSDGsの推進が停滞しているとの話も伺いました。  我が国の中でも、今はSDGsどころではないという声があると聞き、SDGsを建前でしか捉えていないことに、とても残念な思いがいたしました。  今、このようなときだからこそ、建前としてのSDGsから脱却しなくてはいけないのではないか。特に神奈川県は、県の総合計画である、かながわグランドデザインをSDGsの17の目標、169のターゲットに基づいて策定しています。  このたびの新型コロナの影響を踏まえて、一定の収束を見た後に、見直しも考えるということですが、その際、事業の縮小や後退を迫られる場面もあるかと思います。しかし、SDGsが目標を下方修正することはありません。見直しに当たっては、改めてSDGsに基づいた検討を行うよう求めておきます。  また、SDGsにおいても、データを駆使して社会的課題を解決するデジタルトランスフォーメーション-DXの取組が始まっています。  総合商社の三菱商事は、デジタルでサプライチェーンを再構築。まずは食品流通分野のDXから取り組み、年間1兆円とも言われる食品ロスの削減を図るとのことです。  また、東京電力は社内にDXプロジェクト推進室を新設。首都圏約2,800万の顧客の電気の使い方を分析、水道など異業種とも連携し、在宅率をほぼリアルタイムに把握し、店舗の営業や物流の効率化につなげるとしています。  新型コロナウイルスは今後、アフリカなど発展途上地域への蔓延拡大が懸念されており、経済格差が命の格差にも直結しかねないことを危惧しています。県として、こうした地域に対し貢献、協力できることを考えていくべきであります。  多くの県民や企業の皆様が、新型コロナ禍がもたらした困難と闘っている中、SDGsが可能とするあらゆる社会の変革を指し示していくことが、SDGsのより深い理解と自分事化を促すと考えています。  そこで、知事に伺います。  ウィズコロナ時代にあって、持続可能な新しい社会を築くために、どのようにSDGsの達成に向けた行動を呼びかけ、後押ししようと考えているのか、知事の見解を伺います。  質問の第4は、ヘルスケアニューフロンティア政策の効果について伺います。  本県では、かながわグランドデザインの重点戦略としてヘルスケアニューフロンティア政策を掲げ、未病産業の創出や最先端医療の実用化など、様々な取組を進めてきたと承知しています。  しかし、最先端を追いかける政策は、どこまで行っても終わりがなく、目標に対する到達度の評価を難しくしていることも事実です。  今回の危機的な状況の中で考えるのは、県がこれまでに取り組んできたヘルスケアニューフロンティア政策が、新型コロナ禍への対策にどのように役立っているのかということです。  世界の国々や機関と幾つもの覚書を交わし、人的な交流も活発に行ってきました。公衆衛生学を基盤に、次世代のヘルスケア・医療のイノベーターを育成するヘルスイノベーションスクールも設置しました。  私は、そうした事業の過程において、多くの知見や技術が蓄積されているのではないかと考えています。さらには、こうした分野にこそ、先ほどから申し上げているデジタルトランスフォーメーション-DXが有効です。  また、県では未病センターなど、未病改善の取組を推進する拠点を数多く整備してきました。  今、感染症と、それがもたらす生活上の様々な不安から、心と体に変調を来している人が増えているようです。また、外出を自粛していることなどから、ロコモティブシンドロームの進行を心配する声も上がっています。  そうした健康不安に対し、これまで県がME-BYO BRANDに認定した商品・サービスや、整備を進めてきた拠点を活用すべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  県では県民の命を守るという観点から、ヘルスケアニューフロンティア政策を進めてきましたが、これまでの取組が今回の新型コロナウイルス感染症対策にどのように生かされてきたのか、また、今後どのように役立たせていくのか、知事の見解を伺います。  質問の第5は、神奈川モデルが効果的に機能するための制度の改善について伺います。  本県では、1月に国内初の感染者が確認されて以降、クルーズ船の集団感染への対応など、長期にわたり新型コロナウイルス感染症との闘いが続いています。  この間、最前線で治療に当たっている医療従事者の皆様をはじめ、様々な分野で社会生活を支えてくださっている方々に、改めて感謝を申し上げたいと思います。  さて、新型コロナに限らず、あらゆる対策において、その成否を決めるのは情報であると考えています。正確かつ十分な情報がなければ、対策は手探りとなり、真に有効な手を打つことはできません。  新型コロナ感染症に関する情報については、特に初期の段階では、県内全体の感染者の発生状況すら、なかなか把握できないという状況にありました。これは、いわゆる感染症法において、県内に政令指定都市を含め六つある保健所設置市が県と同等の権限を有するため、県に情報を集中させることが難しかったことによるものと聞いております。  また、今回の感染拡大への対応では、新型インフルエンザ等対策特別措置法、いわゆる特措法が初めて適用されましたが、こちらの法律では、都道府県知事に対し、休業要請や臨時の医療施設の設置など、広域的な対策を行うための大きな権限が委ねられています。  通常の感染症であれば、保健所設置市が地域の状況に応じて対応するほうが効果的かつ効率的と考えますが、今回のような世界的規模の未知の感染症に対しては、県がよりリーダーシップを発揮し、広域的に対応できる仕組みが必要です。  感染症法と特措法のはざまに生じる問題などについては、まずは国において検討すべきことではありますが、県としても医療提供体制、神奈川モデルがより効果的に機能するよう、現場の諸課題を踏まえ、様々な角度から評価や提言を行うべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  今回の新型コロナウイルス感染症対策で明らかとなった既存の法制度や枠組み等の諸課題を県としてどのように受け止め、今後、医療提供体制、神奈川モデルによる感染症対策を、より効果的なものとするため、どのように対応していくのか、知事の見解を伺います。  質問の第6は、新型コロナウイルス感染症の影響による生活困窮者対策について伺います。  新型コロナの感染拡大は、生命と健康への脅威となるだけでなく、社会活動の停止による莫大な経済的損失をもたらしています。我が会派では、こうした経済の低迷の影響を最も受けやすい独り親家庭や非正規労働者、外国籍県民などを中心に声を聴いてまいりましたが、失業や収入の激減による貧困の拡大は性別、家族構成、年齢等にかかわらず、急速に進んでいるものと認識しています。  平成20年に起きたリーマンショックでは、多くの派遣労働者が職を失い、住まいもなく路頭に迷う人が続出しましたが、今回の新型コロナが県民、国民に与える影響はそのときの比ではないと警鐘を鳴らす識者もおり、事実、生活保護の相談や申請は急増しています。  また、生活に困窮する県民の中には、誰にも助けを求められず、自ら命を絶つ人も出てくるのではないかと大変危惧しているところです。  かつて、子供の貧困が県政の重要課題になったときに、我が会派は、その対策を総合的に進めるために関係部局が連携して取り組むべきであると提案し、県は各部局の幹部職員による横断的な組織をつくりました。その後、司令塔としての担当局長を置き、それが現在の福祉子どもみらい局に発展したものと認識しています。  今回の新型コロナ感染症による県民生活の危機に対しても、県として雇用、福祉、医療、教育など、あらゆる分野が連携して、困難に直面する県民にしっかりと向き合い、必要な支援を行うセーフティーネットの構築が不可欠であります。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響により生活に困窮する県民の命を守り、暮らしを支えるために全庁横断的な体制をつくるなど、総合的に生活困窮者対策や自殺対策を推進していくべきと思いますが、知事の見解を伺います。  質問の第7は、県税収入が大幅な減収となった場合の財政運営について伺います。  5月末に公表された内閣府の月例経済報告によると、景気は新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にあるということです。  また、内閣府と財務省が今月11日に発表した4月から6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数はマイナス47.6となり、これはリーマンショック時に次ぐ過去2番目の低水準です。  一方、中堅企業全産業ではマイナス54.1、中小企業全産業ではマイナス61.1となり、それぞれ過去最低を記録しました。  今後、地方法人二税が大きく落ち込むことは確実で、さらに、今では県税収入のおよそ3分の1を占める地方消費税の減収も避けられません。加えて、国の緊急経済対策による税の特例的な軽減や猶予が及ぼす影響もあります。  我が会派は3月の予算委員会においても、新型コロナウイルス感染症の影響が今後の税収に大きな影響を与えることを指摘してきましたが、その懸念は現実のものとなりつつあります。  新型コロナウイルスの感染拡大の影響による自治体の資金繰りを支援するため、総務省が地方債の運用を弾力化するとの報道がありました。  道府県や政令指定都市などは共同で市場から資金を調達する仕組みがあります。従来の10年債、5年債に加え、返済期間の短い1年債を認めるとともに、総務省への同意協議の手続を弾力化するなど、需要に応じた機動的な資金調達を後押しするとのことです。  3月の予算委員会で県は、今後、県税収入が大幅に減少しても、経済回復と県民生活に関わる事業を最優先で実行するために、県債の活用もちゅうちょしないと答弁しましたが、その具体策を知りたいところです。  本県では令和元年度に、米中の貿易摩擦の影響などから県税の減収が実績ベースで約390億円まで拡大し、2年ぶりに減収補填債を発行したことは記憶に新しいところですが、今回の新型コロナウイルスのダメージは比較にならないほど大きく、そして長期にわたるおそれがあります。  そこで、知事に伺います。  県税収入が大幅な減収となった場合に、今後どのような財政運営を行っていくのか、知事の見解を伺います。  質問の第8は、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた文化芸術への支援について伺います。  今年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に合わせて、数多くの文化プログラムが花開き、実を結ぶ年となるはずでした。  しかし、予測もしていなかった新型コロナウイルス感染症の拡大により、県内各地で展開されるはずだった多くの文化芸術関連のイベントや公演などが中止、または延期を余儀なくされています。その結果、多くのアーティストとその周辺で仕事をしている人々は、活動の場を奪われただけではなく、収入の道をも絶たれ、その困窮の状況は想像に難くありません。  しかし、こうした緊急事態のさなかにおいて、文化芸術の分野は、ともすれば不要不急のレッテルを貼られて、支援が後回しにされてしまいがちになります。このままではアーティスト等の経済的困窮が、彼らのその分野からの離職を促してしまい、社会から文化芸術が消えゆく流れにつながってしまうおそれがあるのではないかと危惧しています。  こういうときだからこそ、憔悴した人々の気持ちを癒やしたり、励ましたりできる文化芸術の力が必要なのです。  ドイツのグリュッタース文化大臣の「文化はうまくいっている時代にのみ許されるぜいたく品ではない」という言葉のとおりだと思います。  また、当面は劇場やホールなどにおいても、密を避けるために入場人数に制限をかけざるを得ない状態が続きます。本県が特に力を入れている演劇や音楽などの舞台芸術にとっては、採算が取れない事態も予想され、興業を断念するケースも出てくるのではないかと懸念しているところです。これは自主事業にも貸館事業にも共通する問題であり、何らかの対策が必要です。  本県では、知事が就任以来、文化芸術の魅力で人を引きつけるマグネット・カルチャー、いわゆるマグカルを掲げ、これまで様々な分野の文化芸術の振興に尽くしてきたことは承知しています。こういう状況下にあって、文化芸術が衰退しないよう取り組んでほしいと切に願っています。  そこで、知事に伺います。  アーティストや文化芸術団体が置かれた現状に鑑み、県として、どのように文化芸術を支援していくのか、知事の見解を伺います。  質問の最後は、新型コロナ問題から離れ、種苗法改正案による影響を踏まえた新品種の開発・普及について伺います。  今国会に提出された法案の一つに、種苗法の改正があります。  種苗とは、文字どおり植物の種や苗のことですが、米や野菜、果樹などの新品種は、国や都道府県、民間企業などがそれぞれ手間と費用をかけて開発しており、開発者の権利を育成者権として保護するため、品種登録制度としてルールを定めたのが種苗法です。  しかし、日本が誇る品種の海外流出が後を絶たないという実態があります。例えば、国が開発したブドウのシャインマスカットや山形県が開発したサクランボの紅秀峰などの優良品種が海外に流出し、他国で増産された後に第三国へ輸出、さらには産地化されるといった事態が発生しました。  現行法では、合法的に取得した種苗に対しては育成者権が及ばないため、海外にも容易に持ち出せてしまうことによって起こる問題です。  こうした事態を踏まえ、登録品種の海外流出の防止と育成者の権利を守るため、海外への輸出禁止や、生産者が収穫物から種や苗を取る自家増殖に対し、育成者の許諾を必要とするよう見直したのが今回の改正案のポイントです。  対象はあくまで登録品種で、主要作物の9割前後を占める一般品種は、これまでどおり原則自由に自家増殖できます。  しかし、この改正案については、一部の生産者等から、代々自家採種してきた在来品種をグローバル種子企業に品種登録されてしまうのではないか、許諾料がつり上げられて農家の負担が大きくなるのではないか、などといった不安の声が上がっています。  実際は種や苗の価格に占める許諾料の割合はごく僅かで、外資の参入もこの20年間ほとんどありませんし、外資も許諾料をつり上げて生産者が他の品種に逃げるようなことはしないのではないかと見られています。  ちなみに、この改正案については十分な審議時間が確保できないため、今国会での成立は見送られました。  本県の新品種の開発については、県農業技術センターにおいて古くから取り組んでおり、さわやかな香りの柑橘-湘南ゴールドや、生でも調理してもおいしいトマト-湘南ポモロンなどを開発し、実際に県内で生産され、販売されています。  このような取組については、神奈川農業の持続的な発展や地産地消を推進していくためにも、継続していく必要があると考えておりますが、種苗法が改正された場合、そうした新品種の開発や県内の生産者にどのような影響があるのか、心配しているところです。  そこで、知事に伺います。  種苗法改正案による県内生産者への影響を踏まえ、今後、新品種の開発・普及にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 小野寺議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進についてお尋ねがありました。  まず、かながわICT・データ利活用推進計画と本県のDX推進についてです。  県が昨年7月に策定した、かながわICT・データ利活用推進計画では、県民の安全安心や利便性の向上を図る、くらしの情報化と、行政内部の業務全般の効率化を図る行政の情報化という二つの側面から、ICTとデータの積極的な利活用に取り組むこととしています。  くらしの情報化では、健康・医療・介護・観光など、様々な分野においてICTや多様なデータの利活用を進め、県民ニーズに対応した行政サービスの実現とともに、民間事業者が提供するサービスについても支援していきます。  また、行政の情報化では、RPAやAIなどの新たなICTを積極的に利活用して、生産性の向上や経費の削減、働きやすい環境の整備を推進していきます。  こうした取組を着実に進めることで、本県のDX推進につなげていきたいと考えています。  次に、県のDXの推進についてです。  県では、全庁的な視点でICTの利活用やICT環境の最適化を統括するCIO-情報統括責任者と、ビッグデータを含む多様なデータの利活用を統括するCDO-データ統括責任者を設置しています。そして、私を本部長とするICT・データ利活用推進本部の下で、CIOとCDOが連携しながら、全庁横断的にICTとデータの利活用に取り組んでいます。  こうした体制の下、民間企業ともしっかりと連携し、新たなテクノロジーを取り入れながら、本県のDXを推進してまいります。  次に、テレワーク常態化に向けたICT環境の整備についてお尋ねがありました。  職員がテレワークを円滑に行えるICT環境を整備することは、行政事務のさらなる効率化と働き方改革を実現する上で大変重要であると考えています。  県は平成30年度から、働く場所を選ばないワークスタイルを実現するため、持ち運び可能なモバイルパソコンの配備やビデオ会議などを行えるコミュニケーションアプリの導入を行ってきました。  このような取組を進めていたことで、改めて特別な準備をしなくても、新型コロナウイルス感染拡大防止としてテレワークを実施することができました。  今後は、より一層有効なテレワーク環境を実現する必要がありますが、そのためには幾つかの課題もあります。  例えば、業務を委託している企業など、外部の方との打合せは、それぞれのネットワーク環境が独自のものであることから、職員が自宅で行うことができません。また、個人情報を管理するシステムのセキュリティー上の制約から、モバイル環境で利用できない業務システムもあります。  そこで、こうした課題を解決するための技術的な検討を行い、対面での業務を前提としない新たな生活様式にも対応できる環境を整備していきます。  さらに、今後、休暇を楽しみながら働くワーケーションを含めた職員の新たな働き方についても検討を進めていきたいと考えています。  次に、新型コロナ禍を克服するためのSDGsの推進についてお尋ねがありました。  ウィズコロナの時代に当たっては、感染拡大防止と社会経済活動の復興をどのように両立させて、持続可能な社会をつくっていくかが重要であり、これはSDGsが目指す社会と重なります。  今回の緊急事態では、外出自粛による影響が社会的な問題となりましたが、SDGsの自分事化を通じて、こうした課題を解決していくことが必要です。  そこで、県では、SDGsアクションで新型コロナウイルス感染症を乗り越えよう、という特設ホームページを設け、新たにデリバリーに取り組む飲食店の応援や、オンラインによる子供の居場所づくりなどの活動を広く紹介しました。これに対して、4万件を超えるアクセスとともに、掲載が励みになった、自分の地域でも取り組んでみようといった声を多くいただきました。  一方、世界に目を向けると、国連では、パンデミックが続く中、今こそまさに誰一人取り残さないという約束を果たすべき緊急事態として、SDGs達成に向けて直ちに行動を起こすべきと強く訴えています。  そこで、県では、国連開発計画-UNDPと連携し、来年3月に開催予定のSDGsアクションフェスティバルにおいて、AI、ビッグデータなども活用したイノベーションによる新たな社会経済モデルを議論するとともに、SDGsの具体的な行動の促進を強く呼びかけていきたいと考えています。  そのため、県では、国、自治体、経済団体、市民団体、有識者の協力を得て、アクションフェスティバルの推進母体となるジャパンSDGsアクション推進協議会を今月立ち上げました。  この協議会は、アクションフェスティバルにつながるSDGsの機運醸成と行動に向けたプロモーション活動を国民的運動として官民連携で展開していきます。  今後は、この協議会を積極的に活用し、より多くの県民、企業の方々にSDGsにつながる行動を呼びかけ、後押しするなど、ウィズコロナ時代における持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。  次に、ヘルスケアニューフロンティア政策の効果についてお尋ねがありました。  県では、今回の新型コロナウイルス感染症対策にも、ヘルスケアニューフロンティア政策のこれまでの取組を生かしています。  まず、特区制度の下、革新的医薬品の開発等を促進する中で、国際展開を支援してきた抗インフルエンザ薬、アビガンについて、人道的使用や治験の早期開始を国に要望したところ、観察研究や臨床試験が始まりました。  また、本県が理化学研究所と共同開発したスマートアンプ法による迅速検出法はウイルスの検出時間の大幅な短縮を実現したものです。現在、さらなる改良を加え、検査時間を一層短縮でき、持ち運び可能なアタッシュケース型の機器の実証試験を開始しており、今後、医療機関や福祉施設等の現場で活用していきたいと考えています。  さらに、おととしの9月にLINE株式会社と結んだ包括協定に基づき、ME-BYO onlineを開設し、LINEの活用に先鞭をつけたことが、今回、県とLINEが新型コロナ対策パーソナルサポートを構築し、全国展開することにつながりました。  今後、新型コロナ対策パーソナルサポートの一層の普及を図ることによって、個人がデータを活用して主体的に感染リスクを避けるための行動を促していきたいと考えています。  また、未病など、ヘルスケア分野で活躍できる人材がますます重要になりますので、ヘルスイノベーションスクールにおいて、感染症対策を含む公衆衛生における高度専門人材の育成とともに、学術的な研究を進めていきます。  一方、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛などにより、心身の不調を訴える人が増えることも懸念されています。  今年3月に、マイME-BYOカルテに実装した未病指標は、声から心の状態を知ることができるME-BYO BRAND第1号のMIMOSYSの技術も搭載しており、未病センターなども通じて普及を図り、県民の皆様の心身の健康管理に活用していただきます。  このように、ヘルスケア・ニューフロンティアの先進的な取組は感染症対策にも成果を上げてきたところであります。今後も、これまでに得た治験やアカデミア等との協力関係を感染症対策に役立ててまいります。  次に、神奈川モデルが効果的に機能するための制度の改善についてお尋ねがありました。  感染症対策については、感染症法上、保健所設置市には都道府県と同等の権限が付与されています。  一方、新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症については、既存の対策を超える広域的な対応が必要となることから、今回初めて、新型インフルエンザ等対策特別措置法が適用されました。  この特措法においては、知事に県内全体の総合調整を行う権限が集約されており、保健所設置市に県と同等の権限のある感染症法との整合について課題があると認識しています。  感染症法では、保健所設置市における感染症の発生状況や積極的疫学調査の結果等については、設置市が国に直接報告し、また患者の搬送や入院調整なども行うこととされています。  一方、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、従来の医療提供体制では対応できなくなることが想定されたため、クルーズ船での経験から、県内全域を対象とする搬送や入院調整を行う医療提供体制、神奈川モデルを構築しました。  このモデルを効果的に運用するためには、感染者情報の集約が不可欠であることから、保健所設置市にも協力を要請するとともに、国に対して都道府県に情報を集約できる仕組みの構築を強く求めてきました。  国は、県や市町村、保健所などの関係機関が必要な情報をリアルタイムで共有できる新たな情報システムを構築しましたが、システム的に問題が多く、まだ機能していません。  そこで、国が自ら感染症法の課題を検証した上で、都道府県が広域的な感染症対策を迅速に行えるよう、保健所設置市の感染者情報を集約するなどの法改正を求めていきます。  また、県としても、今回のコロナ対策をしっかりと検証し、神奈川モデルが着実に機能できるように、県内の保健所設置市と連携して取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響による生活困窮者対策についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う休業要請、外出自粛要請の影響によって、突然仕事を失ったり、収入が大幅に減少するなど、県民の皆様が大きな困難に直面していることを、私は重く受け止めています。  県は、休業や失業等により、収入が減少し、生活の見通しが立たなくなった方に、一時的な生活資金の貸付けや、家賃の負担が困難になった方に住居確保給付金を支給してきました。  また、暮らしや住まいの維持、仕事の相談などが必要な県民の皆様に対して、生活支援総合相談窓口を開設するなど、県民生活への支援も行ってきました。  緊急事態宣言は解除されましたが、経済のエンジンが回り始めるには、まだ時間が必要です。また、給付金や生活保護などの申請も増加傾向にあり、生活困窮者対策はさらなる強化が必要です。  こうした状況の中、生活困窮から脱却することが見通せず、生きる希望を失い、自ら命を絶ってしまう人が出てくるようなことは何としても避けなければなりません。  そこで、県では、福祉、医療、雇用、住まいなど、関係部局が連携し、生活にお困りの方を総合的に支援していくため、新たに、(仮称)県民生活支援庁内連絡会議を設置し、支援の体制強化を図っていきます。  この会議を通じて、県民の皆様の命を守り、安心して生活を送ることができるよう全庁挙げて全力で取り組んでまいります。  次に、県税収入が大幅な減収となった場合の財政運営についてお尋ねがありました。  今年度の県税収入については、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の減少や消費活動の落ち込みから、主力の法人二税や地方消費税で減収が見込まれるため、当初予算に対して大幅な減収になるものと考えています。  こうした厳しい状況下での財政運営として、まずは国の第2次補正予算で措置された交付金を最大限活用するとともに、イベントや事業の中止等による不用額を減額し、財源を確保したいと考えています。  あわせて、地方交付税の増額確保についても、引き続き国に強く働きかけていきます。  また、税収減への対応として、法人二税が当初の見通しよりも減収となった場合、それを補うために、減収補填債の発行が認められていますので、今後の税収動向を見極めながら、その発行を判断していきたいと考えています。  なお、減収補填債は厳しい財政状況により、全国的に大量に発行される可能性があります。市場の需要を上回る大量発行は金利上昇を招きかねないことから、発行する場合は、時期を分散して平準化が図られるよう計画的な発行に努めてまいります。  一方、県税収入の3分の1を占める地方消費税については、減収補填債の発行が認められておらず、今後の財政運営に大きな支障が生じるおそれがありますので、地方消費税を減収補填債の発行対象とするよう、全国知事会とも連携し、国に働きかけを行っています。  こうした様々な取組を通じて、県税収入が大幅に減収になった場合においても、県民生活を守り、県内経済の回復に適切に対応できるよう、しっかりと財政運営を行ってまいります。  次に、新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた文化芸術への支援についてお尋ねがありました。  感染拡大防止のため、特に3月以降、文化芸術関係の公演や関連イベントなどが軒並み中止、延期となりました。アーティストや文化芸術活動団体の方々にとっては、活動の場や収入が絶たれ、非常に厳しい状況にあると認識しており、私も心を痛めています。  こうした状況を少しでも打開するため、国の交付金や感染拡大防止のために中止した県主催イベントの予算を活用し、文化芸術活動を支援する方策を来年3月までの間、三つのステップで展開していきたいと考えています。  一つ目のステップは、文化芸術発信の場の提供です。  今月1日から開始したバーチャル開放区では、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様を文化芸術の力によって応援するため、文化芸術の全ての分野での動画を募集しています。  これにより、アーティストにはインターネット上で音楽などの活動の場を提供するとともに、優秀作品には総額で100万円の賞金も贈呈します。  二つ目のステップは、感染防止対策に対応した新しい文化芸術活動への支援です。  劇場などにおいては感染防止対策を行わなければならないため、場合によっては再開が困難となることも予測されます。そこで、文化芸術活動団体が感染防止対策を図りつつ、新しい生活様式の下で行うイベントの実施や作品の制作、発表に対する補助制度をつくることで、文化芸術活動の再開を後押ししていきたいと考えています。  支援方策の三つ目のステップでは、一つ目、二つ目のステップでこれまでにない発想や表現、手段により、新しい生活様式に対応して行われた団体の取組を県主催事業にも積極的に取り入れるほか、様々な団体に働きかけるなど、普及を図っていきます。  県は、神奈川の文化芸術の灯を消さないという強い気持ちを胸に、こうした様々な支援方策を通じて文化芸術活動の再開に向けた後押しをしっかりと進めてまいります。  最後に、種苗法改正案による影響を踏まえた新品種の開発・普及についてお尋ねがありました。  種苗法は、米や野菜、果樹等の新品種の開発者の権利を保護するため、品種登録制度などを定めた法律で、現在、改正案の審議が次期国会に先送りされている状況です。  今回の改正案は、国内の優良品種が海外に流出し、他国で増産されるなど、国内の農林水産業の発展に支障が生じていることから提案されたものです。  改正案の特徴は、まず新品種の開発者が品種登録の際に、輸出国や栽培地域を指定し、その他の地域の流通を規制できるようにしたことです。また、生産者が収穫物から種や苗木を取り、翌年の栽培に用いる自家増殖は、これまで原則自由に行えましたが、種や苗木の品種の開発者の権利を保護するため、許諾制に変更したところであります。  これらの規制はブドウのシャインマスカットや米のつや姫など、登録品種に限定され、巨峰やコシヒカリなど、農作物の大半を占める登録品種以外の品種は規制の対象外となっています。  しかし、一部の生産者等から登録品種以外も自家増殖が一律禁止されるのではないかといった声も上がっていることから、生産者の不安を払拭する必要があります。  そこで、県では国に対し、自家増殖の一律禁止ではないことなど、改正案の内容を周知徹底するよう求めていきます。  また、法改正により、許諾制が採用されると、県農業技術センターが新品種を開発し、登録すれば、生産者が自家増殖する際に開発者である県の許諾が必要になります。こうした場合、開発者が栽培地域を指定できるメリットを生かし、県内生産者に優先的に許諾を与えるとともに、新品種の栽培方法を指導するなど、県内生産者を支援していきます。  県としては、種苗法改正案に係る国の動向を注視しながら、神奈川の特色ある品種の開発、登録と普及に取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 御答弁ありがとうございました。  知事の御答弁を受けて、2点、再質問させていただきます。  1点目は、DXの推進についてです。  知事御自身、そして、CIO-CIOというのは武井副知事と伺っております。あるいはCDO-これは首藤副知事と伺っておりますが、このお三方の下で本県のDXを推進していくということでございました。  私が気になっておりますのは、一般的にDXというと、クラウドの活用が前提となっています。一方で、県が取り扱うデータというのは県民の重要情報が多く含まれておりますので、情報セキュリティー対策も極めて重要だと考えています。そうしたことを踏まえた上で、DXをどのように推進していこうと考えているのか、知事のお考えを伺いたいと思います。  2点目は、ヘルスケアニューフロンティア政策の効果に関してお伺いいたします。  知事の御答弁の中で、新型コロナ対策パーソナルサポートの一層の普及を図るというふうにありました。現在の登録者数は70万人とも伺っておりますけれども、私のスマホにも県から時々、体調に関するお伺いが届きます。発熱があるか、強いだるさや息苦しさがあるか、解熱剤を服用しているかなど、極めてシンプルな問いでありますけれども、それに答えていくと、そのときの状況に合ったアドバイスが得られるという、そういう仕組みになっています。  最近では、お店やイベントに感染した人と同じ時間帯にいた場合にお知らせが来るというサービスも始まっているわけですけれども、まさにこれは一人一人に向けた情報サービスと言えると思うのですが、一方で、パーソナルサポート、これを行うことによって、かなりの情報が県に入ってくる、県が得られるのだと思います。  このパーソナルサポートを行うことによって、県側はどのようなことが分かって、そしてそれをどのように活用しているのか、その点についてもお伺いさせていただきます。  以上、2点です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  まずは、DXのセキュリティーの問題であります。  県はこれまでも情報セキュリティー対策に力を注いできましたけれども、DXを推進するに当たっても、こういったセキュリティー対策をしっかりと講じていきたいと考えております。  例えば、個人の特定を防ぐための匿名化でありますとか、データを安全にやり取りするための通信経路の確保、こういった情報セキュリティー対策にしっかりと取り組んでDXを推進してまいりたい、そのように考えております。  次に、LINEを活用したパーソナルサポートで一体何が分かるのかといったことであります。  LINEを活用した新型コロナ対策パーソナルサポート、これは年齢や体調、発熱の有無などを入力いただくことで、一人一人の状況に合わせた適切なサポートをその後までフォローしながらやっていきます。  入力されたデータを分析することで、発熱傾向を把握できることから、県は再警戒のモニタリング指標として活用したいと考えております。  これはちょうど3月の連休のときに、ちょっと人が外に出たといったことで、その後、発熱傾向が高くなったということがこのパーソナルサポートで分かりました。それから1週間後に実際の感染者数が増えたといったことがあって、このパーソナルサポートのデータをしっかり見ることによって、先行的な指標として活用できるといったことを確認したところであります。  それとともに、パーソナルサポートではその方のお住まいの郵便番号を入れるわけですね。そうすると、地域別にどういうことが起きているのかといったことも、これからだんだん明らかに分析できるといったことでありまして、様々な活用法がこれから広がってくると考えております。  答弁は以上です。  〔小野寺慎一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 小野寺慎一郎君。  〔小野寺慎一郎議員登壇〕 ◆小野寺慎一郎議員 ありがとうございました。  それでは、意見、要望を何点か申し上げたいと思います。  今回初めてデジタルトランスフォーメーションということについて、様々やり取りをさせていただきました。  県のICT・データ利活用推進計画には、所属ごとの課題をICTを使って解決する目標が掲げられています。それをしっかり遂行していくということはもちろん大切なことでありますけれども、DXというのは、それぞれの一つ一つのサイバー空間が切れ目なくつながって実現するというものであります。それをつなぐ上で、先ほどもちょっとシステムがうまく合わないというような話もありましたけれども、旧来のシステムが障害となる、そういったことも言われています。  今後、セキュリティーという課題もしっかりと見据えながら、最良のシステムをこの神奈川県においてつくり上げていっていただきたいということを要望いたします。  また、ICTの活用ということでは、今回のコロナウイルス感染症で台湾のIT担当大臣、これは台湾史上最年少で入閣した天才プログラマーと言われていますけれども、その人が先手先手の対策を講じて世界的に注目されたわけです。あるいは、東京都ではヤフーの社長から転じた副知事が、その指揮の下に強力にDXを推進しているということがあります。  本県の場合は、そうしたいわゆるカリスマに頼らず、県のトップスリー-知事、副知事のトップスリーがDXの推進役を務めるということであります。  DXのD-これはデジタルでいいのですが、Dというのももちろん大切なわけですけれども、Xですね-トランスフォーメーション、何をどのように変えていくかということが重要なのだと言われています。  県全体の業務に精通したトップスリーとICT部門がしっかりと連携して、神奈川ならではのDXを実現していただきたいということを要望させていただきます。  ヘルスケア・ニューフロンティアについても、再質問させていただきました。  今後、ヘルスケア・ニューフロンティアの政策によって、県民の健康増進を図っていくためには、私はICTとデータを駆使していくということが必要だと感じています。  ぜひヘルスケア・ニューフロンティアの部門においても、DXの実現を念頭に置いて諸施策を遂行していっていただきたいということを要望させていただきます。  また、未曾有の大貧困時代というのがやってくるかもしれないというこの不安の中で、部局横断的な体制をつくっていただけるということで、大変期待しています。  現在のような状況下で、県民の皆さんの困難な状況というのも多様化、複雑化しているのではないかと思います。どこのドアから入っていっても、しっかりとしたセーフティーネットが働くように、ワンストップ、そしてオンラインで適切な支援につなげるということも考えていただきたいと思っています。  先ほど言及がなかったのですけれども、子供の貧困対策のときに、各部局から幹部の方が集まって組織横断的な、そういう連携体制をつくっていただいたのですけれども、そこに大切なのは、司令塔となるポジションだと思っていますので、今後そういった方の設置ということ、そういったポジションの設置ということも考えていただければと思っています。  そして、種苗法改正についても御答弁いただきました。  芸能人のツイートでも話題になりました。これは私はもちろん賛否両論あっていいというふうに思っています。ただ、その議論の中には、既に廃止された種子法と混同しているような、そういった論調も見受けられたり、あるいはそもそも種というのは農民のものであって、民間企業や研究機関の知的所有権の拡大に重きを置く農業政策というのはおかしいのだという、ちょっと飛躍した主張も見受けられるところでありました。また、そういう主張を一部の政治家の方が拡散しているということもありました。  それが、私は誤解を招く一つの要因になっているのではないかと思っています。もちろん十分な説明をこれまで行ってこなかった国、農林水産省に大きな責任があると私は思っておりますけれども、県としても、県内農業の振興という観点から、農業者に対し、正確かつ丁寧な説明をお願いできればというふうに思っています。  そのほか、様々、御答弁いただきました。子細にわたりましては、それぞれ常任委員会で詰めさせていただければと思っております。  以上で、私の質問を終了いたします。  ありがとうございました。 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時5分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200617-028685-質問・答弁-石川裕憲議員-代表質問①「新型コロナウイルスとの共存」これからのかながわについて②かながわの未来を考える取組みについて》                   午後2時25分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共63名 ○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。  石川裕憲君。  〔石川裕憲議員登壇〕(拍手) ◆石川裕憲議員 かながわ県民・民主フォーラムの石川裕憲です。  私はかながわ県民・民主フォーラム県議団を代表し、通告に従い、順次質問いたします。  知事、教育長におかれましては、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  冒頭、質問に入ります前に、一言申し上げます。  新型コロナウイルス感染症で亡くなられた皆様の御冥福と、御遺族に対して心からのお悔やみを申し上げます。また、現時点で闘病中の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  そして、今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた県民生活を守るために最前線で活躍をいただいた医療従事者の方をはじめとする、私たちのライフラインを維持するために不可欠な仕事をされている多くの皆様に心より感謝を申し上げ、質問に入らせていただきます。  質問の第1、「新型コロナウイルスとの共存」これからのかながわについて、7点伺います。  〔資料提示〕  初めに、今後の財政運営について伺います。  本県では、これまで、国の緊急経済対策も踏まえ、4月補正予算などにより、医療崩壊を防ぎ、適切な医療を提供できる体制を整えるとともに、雇用と事業と生活を守り抜く取組を進めてきました。  国は新型コロナウイルス感染拡大防止と感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援するため、1兆円の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を創設しました。この交付金の使途は、感染拡大防止策、医療提供体制の整備、地域経済、住民生活の支援などの事業に使途を定められ、実施計画を策定する地方公共団体へ交付するとしています。  この交付に関して、第1次の実施計画の提出期限が5月29日までとなっており、県も実施計画を提出したと承知しています。  今後も、我が会派としては、新型コロナウイルス感染症対策について、できる限り、国の交付金を活用していくべきと考えており、対象となる事業については、しっかりと実施計画に盛り込むべきであると考えています。  また、徹底した外出自粛要請などに取り組んできた結果、5月25日には緊急事態宣言が、同27日には休業要請が解除され、適切な感染症防止対策を踏まえつつ、徐々に経済活動が再開しています。しかし、経済活動の再開は、一定程度の感染リスクを伴うものであり、今後の取組については、医療提供体制の維持とのバランスを保ちながら、適宜適切に進めていく必要があると考えます。  当局においては、現在、こうした課題に対応するため、国の2次補正を踏まえ、6月補正予算を編成中であり、今定例会中に追加提案することは承知していますが、今後、経済活動が本格化していく過程では、追加の財政需要が見込まれるのは確実であると考えます。  〔資料提示〕  まずは国の交付金の活用が一番であり、その上で、緊急事態には財政調整基金の取崩しもやむを得ないと考えます。しかし、今後の財政運営においては、追加の財政需要にも的確に対応できるよう、さらなる歳入の確保について、県債管理基金などの財政調整基金以外の基金の活用や、過去に行った企業庁からの借入れ、毎年度構造的に発生している決算剰余金の活用など、様々な選択肢を用意しておく必要があるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  実施計画を提出した臨時交付金の対象事業は、どのような考えによるものなのか、また、今後はあらゆる手段により歳入を確保し、財政運営を行う必要があると考えますが、併せて知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、緊急事態宣言解除後の神奈川ビジョンについて伺います。  先月20日、知事は、緊急事態宣言解除後の神奈川ビジョンを発表されました。その中で、ウィズコロナの新たな社会経済ビジョンの取るべき戦略として、医療体制の維持、医療・福祉担い手の保護、高齢者・障がい者などの保護、新たな社会経済モデルへの転換を挙げられています。この戦略によって、感染者数を極限まで抑え、感染対策を意識した経済活動を再開し、新たな社会経済モデルへの転換を行うとされています。  〔資料提示〕  6月に入り、緊急事態宣言解除後の医療提供体制について、今後、アラートがなかった場合の稼働・確保病床数やアラート発生後の2週間で稼働病床を引き上げるなどの新型コロナウイルス感染拡大防止に対応しつつ、通常医療の再開に向けた体制が発表されました。今後の医療体制をしっかりと準備することはとても重要であると考えます。  しかし、第1波とされる今回の新型コロナウイルス感染症拡大の状況下の中で、風邪のような症状や発熱が4日以上続いたり、強いだるさや息苦しさがあるにもかかわらず、保健所になかなか電話がつながらない、帰国者・接触者相談センターに電話がつながっても、しばらく様子を見るように言われたといった初期症状段階の対応に対する切実な訴えも多く聞かれ、初期症状段階の体制の脆弱性が浮き彫りになりました。  今後、医療体制を通常に戻していく中で、仮に第2波が発生し、新型コロナウイルスの感染が疑われる、または不安であるといった場合、帰国者・接触者電話相談センターや県内各保健所が第1波と同じ状況にならないよう体制整備の強化が必要と考えます。  〔資料提示〕  また、今後、軽症者を受け入れていただいているアパホテルとの契約が8月末で切れることにより、2,200室の受入れホテルがなくなることになります。軽症・無症状者と診断された場合、9月以降、湘南国際村センター以外に軽症者用の宿泊施設をどのくらい維持されるのかなど、第2波に備えた入り口部分の整備強化が必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  緊急事態宣言解除後の神奈川ビジョンについて、新型コロナウイルス感染の第1波を踏まえ、第2波、第3波に備え、帰国者・接触者電話相談センターや保健所の体制強化など、軽症者・無症状者の受入れを含む新型コロナウイルス感染初期段階の体制整備が必要と考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県の医療体制について伺います。  かながわグランドデザインには主に三つの医療に関する個別計画、指針があり、神奈川県保健医療計画、神奈川県医療のグランドデザイン、神奈川県新型インフルエンザ等対策行動計画が記されています。  今回の新型コロナウイルス感染拡大防止対策については、感染拡大を抑えて、流行の最盛期を遅らせ、医療体制の整備やワクチン製造のための時間を確保することや、不要不急の外出の自粛要請、施設の使用制限等の要請など、新型インフルエンザ等対策行動計画に記されている事案が施策として行われています。  この計画には、国の全人口の25%が新型インフルエンザに罹患した場合の神奈川県内の患者数の試算も記されています。その中で、医療機関を受診する患者数は約92万から177万人とされ、そのうち、中等度、重度等で入院する患者数は合わせて最大で約17万8,000人、死者数は約5万7,000人とされています。  今回の新型コロナウイルスでは、6月12日現在、県内の累計陽性者数は1,402人、死亡者数は90人となっていますが、今後の第2波に備えて準備を進めていかなくてはなりません。  また、今回、新型コロナウイルス感染症対策においては、この行動計画を超えるスピードで事案が発生し、その対応を進める中で、患者を重症、中等症、無症状・軽症に分け、中等症患者を集中的に受け入れる重点医療機関を設定して、この患者数の規模を目安にフェーズを定めて医療体制を構築する神奈川モデルという施策が進められました。  〔資料提示〕  また、LINEを使ったサポートサービスや、新たにC-CATも設置し、保健所からの依頼を受け、ゾーニングなどの感染症指導を行うなど、今まであった県の計画を超えた様々な対策も進んでいます。  そこで、知事に伺います。  県では、新型インフルエンザ等対策行動計画が策定されていた中で、この行動計画が新型コロナウイルス感染症対策にどのように活用されたのか、また、神奈川モデルを含めた、この行動計画を超えた対応について、今後、しっかりと検証を行った上で、新型インフルエンザ等対策行動計画にとどまらず、県の医療に関する計画に盛り込むべきと考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、市町村と連携した避難対策の強化について伺います。  本年2月、我が会派の京島議員の一般質問において、市町村と連携した避難対策の強化について質問を行い、知事からは、避難したものの避難所に入れなかった方がいたなどの課題を受け、市町村が行う新たな避難所指定を増やしていく取組に対して協力していく、また、市町村の要請に応じて県立施設への避難者受入れについても柔軟に対応していく、との答弁がありました。  6月9日、県では、自然災害発生時に懸念されている新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営に係る考え方を整理した避難所運営ガイドライン及び避難所マニュアル策定指針を作成し、県内市町村へ配付されたと承知しています。  しかし、改定されたガイドラインの内容を確認すると、避難所レイアウトの例として発熱者専用の階段やトイレの確保、それとは別に濃厚接触者専用階段やトイレの確保、そして、それぞれの独立した動線を確保することや、その確保が難しい場合には時間的分離、消毒等の工夫をした上で兼用することもあり得るとあります。  また、避難所マニュアル策定指針については、避難所の収容人員を考慮し、あらかじめ指定した指定避難所以外の避難所を開設するなど、ホテルや旅館等の活用を含めた多くの避難所開設を検討することなどが記されています。  前回、避難したものの避難所に入れなかった方がいたなどの課題があった上に、さらに感染症対策を行う必要があるわけです。これから来る台風シーズンや自然災害を考えると、避難所設置拡大は急務であります。  〔資料提示〕  避難所開設、設置については市町村の事業であることは承知しています。しかし、新型コロナウイルスに対するワクチンや薬といった医療が整っていない状況の間においては、市町村からの県立・県有施設利用の意向を待つのではなく、県から使用可能な施設を市町村に対して示し、積極的な連携や支援をすべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症対策と災害から県民の生活を守るため、市町村の避難所設置拡大に向け、県立施設の活用やホテル・旅館の利用など、県として積極的な支援が必要と考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、県内中小企業・小規模企業支援について伺います。  県は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴い、県内中小企業・小規模企業支援策において、特別融資等を受ける際の信用保証料に対する補助や、休業要請先に対する協力金の交付などを行っています。  新型コロナウイルス感染症の拡大防止協力金の第1弾は、例年であれば繁忙期のゴールデンウイークを含む4月24日から5月6日の間、県の休業要請に応じて休業した事業者や夜間営業時間の短縮を行った事業者に交付されるものです。  当初、申請から二、三週間で交付を行うとしていたものの、6月16日現在、約4万2,000件の申請に対して、支払い確定件数は約1万7,000件となっています。私の地元の個人事業主の方々からも、まだ振り込まれていない、書類に不備があったのかも分からないといった声を多く頂戴しています。  この点について、知事は会見で、提出書類の9割に不備があり、申請者への確認作業に追われ、時間がかかっている、遅くとも6月末までには交付したいと述べられています。  既に、2月ぐらいから客数の落ち込みにより経営に大きく影響を受けてきた中、県の要請によって休業等をしていただいた事業者の厳しい状況を考えれば、この協力金は一刻も早く支払うべきものです。  しかし、申請処理は業務委託をし、その仕様書を確認すると、業務実施日は土曜、日曜、祝日を除くとされています。すなわち、4月27日から受付を開始したものの、ゴールデンウイークを挟んだこともあり、5月10日までの2週間のうち、稼働していた日数は僅か6日間です。  申請申込対象件数が8万件もある中、二、三週間で支給をする予定の下、県庁職員と合わせて200名体制で処理に当たったとしていますが、実質6日間でどのくらい交付できるという認識であったのでしょうか。交付の遅れは、書類の不備以前に受付開始当初の業務体制にも問題があったのではないかと指摘しておきます。  6月8日から、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の第2弾の申請が始まっています。第1弾の協力金の支払いが大幅に遅れている中で、約12万事業所が対象となる第2弾の支払いも遅れるようであれば、協力をいただいた県内事業者の不信感が高まり、今後、第2波、3波があった場合、なかなか休業の協力が進まないおそれがあると考えます。第2弾については、ぜひ第1弾の申請にひもづけるなどを行い、早急な支払いを進めるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金第1弾の協力金交付の遅れについて、どのように捉えているのか、また、6月8日に申請の始まった第2弾について、交付の遅れが生じないよう、どのように取り組んでいるのか伺います。  〔資料提示〕  次に、神奈川県観光振興計画について伺います。  県は、東京2020オリンピック・パラリンピック開催や、その後の観光をめぐる環境変化に対して、総合的かつ計画的に観光施策を推進するために、観光推進計画を2019年3月に改定しています。  この計画の中で、観光客1人当たりの平均観光消費単価を高め、2021年には観光消費額総額を1兆3,000億円とすることが目標とされています。  その施策として、外国人観光客誘致事業には、これまでの3年間で約7億円が使われました。今年度もこの事業の中で、MICE対策事業費や訪日教育旅行や富裕層誘致促進事業費など2億円以上もの予算が計上されています。  この事業内容としては、例えば観光消費につながるコンテンツとして、地域の特性を生かし、MICEを呼び込むためのユニークベニューをはじめ、宿泊客を呼び込むナイトタイムエコノミーなど、神奈川県観光魅力創造協議会等を通じて取組を促進するとしています。  〔資料提示〕  しかし、新型コロナウイルス感染症で状況が一変し、海外からの入込観光客数の大幅な減少、今後の回復にも時間がかかると見込まれることを踏まえると、まずは県民による県内の観光促進、そして国内観光客誘致といった形で、2019年3月に位置づけられたこの事業の計画の見直しが早急に必要と考えます。  また、この観光振興計画の中には、神奈川県のアンテナショップ-かながわ屋で、県産品の情報発信や消費者ニーズを把握し、多様な関係者と連携して魅力を発信するとしています。横浜そごうの売場を活用して店舗中心に魅力の発信を行うとともに、SNS等を活用した店舗のイベント情報等の発信を行っていることは承知しています。  観光関連産業は裾野が広いと言われ、宿泊業や観光地のレストラン、お土産等を販売する小売業、ホテル・旅館等に魚や野菜などの特産物を納入するといった農水産業にも新型コロナウイルスの大きな影響が出ています。  今回の旅行などの自粛による厳しい状況を何とか乗り越えようとSNSなどを活用し、県内でも小田原の和菓子店や干物などを販売する水産業の方、湯河原のミカン農家の方はミカンジュースなど、全国に向けて販売につなげている事例があります。  観光地での消費が厳しい状況の中で、かながわ屋というブランドを生かし、ネット販売を通して全国に神奈川の県産品を届けることによって、さらなる神奈川の魅力発信や消費拡大にもつながると考えます。  そこで、知事に伺います。  この新型コロナウイルス感染症の事態を踏まえ、計画において今年度予定していた事業をどのように見直すのか、また、早急に観光振興計画の見直しを検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、令和3年度公立高等学校の入学者の募集及び選抜について、教育長に伺います。  新型コロナウイルス感染リスクにあらかじめ備えるため、2月27日より県内公立学校が長期休業となりました。その後、緊急事態宣言が発出され、臨時休業は5月31日まで続き、6月1日から順次、学校が再開されています。  〔資料提示〕  この学校の臨時休業期間中であった4月30日、県教育委員会では令和3年度の神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜の主な日程を発表しました。  今後の新型コロナウイルス感染症の状況によって、各要綱の内容見直しを行う場合があるとしていますが、この入学者の募集及び選抜日程を、県内中学校が一斉休業の中、また、報道等で学校の9月入学の検討がささやかれる中、そして、多くの生徒やその保護者が授業の遅れを心配する中で発表したタイミングには、いささか疑問があります。  文部科学省は先月13日、新型コロナウイルス感染症のために多くの中学校等で臨時休業が実施されていることを踏まえて、令和3年度高校入学者選抜等の実施において配慮するよう都道府県教育委員会などに通知を行い、出題範囲や内容、その方法についてなど、適切な工夫を講ずるよう求めています。いち早く受検を控えた生徒やその保護者に受検日程を知らせたのであれば、追って、この配慮についてもお知らせすべきであったと考えます。  また、例年であれば高校選びのために幾つかの学校説明会があります。今年は、全県の高校を対象とした6月の全公立展は中止となったため、全公立展で来場者向けに配付している高校ガイドブックを、7月頃に県内国公立中学校等に在籍する3年生の生徒全員に届くよう、各中学校宛てに送る見込みとされています。  また、毎年8月に県内各地域で行われる公私合同説明・相談会も中止となっています。現役の中学3年生やその保護者の方々からは、説明会はいつぐらいから開かれるのか、県立、私立ともに説明会などのお知らせがないので学校選びに困るといった不安の声を伺っています。  進学する高校選びが例年より遅れ、また、難しい状況が予測されます。しかし、県教育委員会からは、受検を控える生徒、保護者に対して学校説明会の今後の見通しはいまだ示されていません。  そこで、教育長に伺います。  令和3年度の公立学校の入学者の募集及び選抜について、状況によって要綱の見直しを行うとしていますが、具体的にどのような状況になった場合に要綱見直しを行うのか、その上で、全公立展、公私合同説明・相談会が中止となり、受検生と保護者が学校を選ぶ機会、情報を得る機会が少なくなることを危惧しています。今後の広報活動をどのように進めていくのか伺います。  質問の第2は、かながわの未来を考える取組みについてです。  〔資料提示〕  まず、県単独補助事業における補助基準の格差是正について伺います。  私は昨年の6月、一般質問において、県単独補助金における指定都市とその他の市町村との間で補助率等の取扱いについて格差が設けられている小児医療費助成とひとり親家庭等医療費助成の二つの事業費補助金を例に挙げ、質問を行いました。  その際、知事からは、平成13年度に県と政令市を含めた市町村の代表から成る検討組織を立ち上げ、協議を行った結果、県の補助制度の対象年齢を一部引き上げる一方で、政令市の補助率を4分の1、その他の市町村の補助率を原則3分の1に下げることで合意したとの答弁がありました。  この知事答弁が、昨年7月の川崎市議会令和元年第3回定例会で取り上げられ、質問に対し、川崎市財政局長からは、小児医療費助成制度の見直しに関して、平成14年7月に県と県内市町村が協議した中で、指定都市に対しては今後調整を図るとされ、川崎市とは同年の8月に協議が行われた。この協議の中で、県から指定都市への補助率については2分の1から4分の1に引き下げるとの説明があったが、川崎市は、指定都市という理由をもって補助率に格差を設けることは強引過ぎ、納得できるものではない旨の意見を述べたと答弁されています。  重ねて、同年10月に県で行われた担当者会議の資料の中で、一方的に指定都市の補助率は4分の1として、他の市町村との格差を設けられることが示され、平成15年度から実施されたとの答弁がなされています。  川崎市はこの格差について承服できないとして、平成14年から18年もの間、県の予算編成に対して、毎年、要請が続いています。  また、川崎市長からも、個人県民税、法人事業税、地方消費税などの県税に対しても大きな貢献を果たしている。こうした中で指定都市という理由をもって補助率に格差が設けられている状況は不合理であり、県内での租税負担の公平性が損なわれている。同じ神奈川県民である川崎市民が到底納得できるものではないと答弁がなされています。  この県単独補助事業における小児医療費助成、ひとり親家庭等医療費助成、重度障害者医療費給付、外国籍県民高齢者・障害者等福祉給付金助成の四つの事業補助金の補助基準の格差是正については、横浜市、相模原市からも同様の要請が毎年繰り返されています。  そこで、知事に伺います。  指定都市とその他の市町村とで補助率の取扱いに格差が設けられ、平成14年から18年もの間、川崎市から要望が上げられ続けている4事業の県単独補助事業における補助基準の格差是正について、県の、合意したとの見解と指定都市の認識にずれがあると考えます。この認識のずれを解消するために、まずは協議の場を持つべきと考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  最後に、地域公共交通の確保への支援について伺います。  私は以前、平成29年9月の一般質問において、高齢化や商店街の衰退、交通機関の廃止などにより日常の買物が困難になっている方々、いわゆる買物弱者に対する質問を行い、知事からは、今後、買物弱者に関する実態を調査した上で事例集を改訂していく、さらに、実態調査によって得られたデータを基に、広域的な観点から県としての対応を検討し、市町村の取組についても支援していきたいと考えている、と答弁がありました。この買物弱者については、地域公共交通確保の面からも支援が必要と考えます。  平成14年の改正道路運送法の規制緩和により、バスやタクシー事業について、新規事業者の参入、利用者ニーズに応じた運賃、サービスの多様化が進んだものの、交通事業者の意思のみで路線廃止が可能となり、地域の生活を支えるバス路線の廃止が進みました。  〔資料提示〕  その後、平成18年に自家用有償旅客運送の登録制度の創設、平成19年、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、いわゆる地域公共交通活性化再生法の施行が行われました。  私は、以前、福岡県小郡市で行われている自治会バスの取組を視察させていただきました。この自治会バスは平成21年9月に地域の民間路線バスが廃止になったことを受け、地域の力で住民の買物や通院など日常生活の交通手段を確保しようと、平成23年4月から現在も運行されています。この自治会バスは、自家用白ナンバーで運行を行っている点が他のコミュニティ交通と大きく違う点です。  このように改正道路運送法の規制緩和により、行政や地域の取組により上手にコミュニティ交通を運営している地域がある反面、地域の方がコミュニティ交通を要望しても実施に至らない地域もあり、大きな課題となっていると考えます。  県では国に対し、少子・高齢化、人口減少社会が到来する中で、高齢者や障害者などあらゆる人が自由に移動でき、コミュニティの活性化が図られる社会を移動面から実現するため、地域や民間事業者が行う取組についての支援を平成27年から要望しています。  〔資料提示〕  人口減少が本格化し、高齢者による運転問題や免許証返納を進める中で、地域公共交通の役割は一層高まっていますが、運転手などの担い手不足や、路線バスを維持するための公的負担の増加など、本県の地域公共交通をめぐる環境はますます厳しくなっていると考えます。  地域公共交通の取組は市町村が主体となって行うものと認識していますが、こうした状況を踏まえると、これまでにない発想で地域のあらゆる輸送手段を活用し、迅速に取り組んでいかなければならないと考えます。  そこで、知事に伺います。  地域公共交通の確保や維持に取り組む市町村に対して、県としてどのように支援していくのか、所見を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
    ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 石川議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、「新型コロナウイルスとの共存」これからのかながわについて、何点かお尋ねがありました。  まず、今後の財政運営についてです。  1点目は、臨時交付金の対象事業についてです。  臨時交付金は、感染の影響を受ける地域経済や住民の生活を支援することを目的に創設されたものです。そこで、県では、県民の皆様の雇用と事業と生活を守り抜くための様々な対策の財源として、この交付金を活用する実施計画を国に提出しました。  具体的には、休業要請等により影響を受ける事業者への協力金や内定取消者等の緊急雇用、学校の臨時休業等に伴う補充授業の実施など、県独自の取組に活用しています。  次に、歳入の確保についてです。  感染防止対策と社会経済活動の回復に向けた取組など、追加の財政需要に対応するためには、地方交付税の増額確保や国の交付金の有効活用に加え、県自らの取組として事業費の削減など、様々な財源確保対策を行っていく必要があります。  そこで、まずは前年度からの繰越金の活用や不急のイベントや事業の中止等に伴う減額により、財源を確保していきます。  また、税収動向など、今後の財政状況を見極めていく必要がありますが、税収減への対応として、減収補填債の発行や財政調整基金の取崩しも、緊急事態にはやむを得ないものと考えています。  さらに、こうした取組を行った上で、なお財源が不足する場合の対策として、過去に行った企業庁からの借入れや財政調整基金以外の基金の活用も念頭に置いておく必要があると考えています。  このように県としてできる限りの財源確保に取り組むことで、新型コロナ対策に迅速かつ的確に対応できる財政運営を目指してまいります。  次に、緊急事態宣言解除後の神奈川ビジョンについてです。  県は緊急事態宣言の解除を見据え、新たな社会経済モデルを示す神奈川ビジョンを策定するとともに、再度の感染拡大に備え、県民の皆様の不安軽減を図るために、今後の病床確保の目安などの医療提供体制の考え方について、お示ししました。  感染防止と社会経済活動の段階的な再開を両立させるためには、感染者を早期に発見し、症状に応じた適切な医療を迅速に受けられる体制を維持することが必要です。  特に、次の感染の波を抑えるには、検査体制を充実させ、疑いのある方をできるだけ早く適切な医療機関につなげるとともに、陽性が判明した場合には、濃厚接触者を確実に特定し、感染の拡大を抑えるなど、初期段階の対応が重要となります。  そこで、県は、帰国者・接触者相談センターの電話の回線数や相談員数を大幅に増やすなどの対策を講じました。  また、濃厚接触者の調査など、最前線で感染症対策を行っている保健所についても、地元自治体からの保健師の派遣や非常勤看護師の雇用など、体制の強化を図りました。  今後、第2波が発生した場合、帰国者・接触者相談センターや保健所の必要な体制を整え、県民の皆様からの相談などに対応するとともに、スマートアンプ法などの新しい技術や手法を取り入れ、検査体制の充実を図っていきます。  次に、軽症・無症状者の宿泊療養については、現在、湘南国際村センターやアパホテルなどを利用していますが、感染者数が減少している状況を踏まえ、アパホテルについては8月末をもって終了し、受入れ規模を縮小する方針です。  なお、9月以降は湘南国際村センターなどはそのまま継続したいと考えています。さらに、感染が拡大した場合に備え、幾つかの施設から一定規模の部屋を確保していると回答をいただいています。  次に、医療体制についてです。  新型インフルエンザ等対策行動計画は、特別措置法に基づき、病原性が高く、蔓延のおそれのある新型インフルエンザ等が発生した場合に備え、基本的な方針や具体的な対策などを定めたものです。  国の行動計画では、都道府県が計画を作成する際の基準となるべき事項が定められており、本県の行動計画も国の計画に添った内容となっています。  3月に特措法が改正されたことにより、新型コロナウイルス感染症が都道府県の行動計画の対象として位置づけられました。  行動計画には、感染の各段階に応じた具体的な対策が示されており、例えばコールセンターや帰国者・接触者外来等については、県の行動計画に基づき設置するなど、今回の新型コロナ対策にも活用しました。  一方で、現行の計画はワクチン接種による予防や治療薬の備蓄などといった新型インフルエンザに特有の対策を前提としており、検査体制などについては、具体的な内容が定められていないという課題があります。  また、神奈川モデルによる医療提供体制の整備やLINEによる新型コロナ対策パーソナルサポートをはじめとするデータを活用した感染症対策など、本県の新たな取組についても、その効果や課題を検証した上で、行動計画に盛り込む必要があると考えています。  そこで、新型コロナウイルス感染症に対する様々な取組を今後の感染症対策に生かせるよう、しっかりと検証し、できる限り速やかに新型インフルエンザ等対策行動計画などの各種計画に適切に反映してまいります。  次に、市町村と連携した避難対策の強化についてです。  大規模災害が発生した際、市町村が設置する避難所に多くの住民が避難することで、密になりやすくなり、新型コロナウイルスの感染が広がるおそれがあります。そのため、避難所の設置拡大に向けた取組は大変重要です。  そこで、県は先週、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営の考え方を取りまとめ、市町村の避難所対策をこれまで以上に支援することにしました。  この取りまとめに当たっては、全ての市町村を対象に、避難所指定されていない県立施設を避難所として活用することについて意向調査を実施しています。その結果、9市町から県立学校や総合防災センターなど、40の県立施設について、避難所として活用したいとの回答がありました。  また、避難所指定がなされるまでの間も、緊急時に施設を柔軟に活用できるようにしてほしいとの意見もいただきました。  県は現在、関係市町と避難所指定に向けた調整を進めていますが、本格的な出水期を控え、避難所に指定されていない県立施設についても、いざというときに臨機応変に開放できるよう、施設管理者等との迅速な連絡体制を整えていきます。  さらに、避難所の設置拡大に当たっては、公共施設以外にホテルや旅館などを活用することも重要です。国は避難所としての活用に前向きな宿泊施設リストを示しており、その確保に対する財政措置も用意しています。  そこで、県はこうした情報を市町村に提供し、避難場所としての積極的な活用を促しています。  県としては、こうした取組を通じて、引き続き市町村における避難所の設置拡大を支援し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた自然災害への対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、県内中小企業・小規模企業支援についてです。  まず、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金第1弾の交付の遅れについてです。  協力金第1弾では申請書類の簡素化に努めましたが、例えば提出書類に偽りがないことに対する誓約漏れや振込先口座の名義人等が確認できないなど、書類の不備が約9割と想定以上に多く、その確認、修正に時間を要しています。  こうしたことから、5月末の時点では、交付済みとなったものが申請件数の約1割にとどまり、交付を心待ちにしていた皆様には大変申し訳なく思っています。  この状況を改善するため、当初170名でスタートした委託事業者のスタッフを増員するとともに、県職員を投入し、最大450名へと体制を大幅に強化しました。  その結果、約4万2,000件の申請に対して、昨日までに約2万3,000件が処理済みとなっており、審査中の申請についても今月中には交付できるものと考えています。  次に、協力金第2弾の取組についてです。  まず、誓約漏れについては、第1弾の申請書で記載欄が目立たなかったため、第2弾では確実に記載していただけるよう、申請書とは別様式にしました。また、振込先口座については、通帳の名義人等が確認できる部分のコピーを添付するよう、申請書にはっきりと表記するなど、様々な工夫をしています。これに加え、審査体制も第2弾では当初から230名の体制で審査を行っています。  その結果、6月8日の申請開始から1週間余りで申請件数約1万6,700件に対して、約3,600件を交付しており、第1弾よりも速いペースで処理が進んでいます。  今後も必要に応じて、さらなる増員や休日の審査実施など、体制の強化を図り、不備がなければ申請を受けてから2週間程度で交付したいと考えています。  申請の締切りは7月14日ですが、不備がある申請を含め、8月中には交付を完了できるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。  次に、神奈川県観光振興計画についてです。  まず、今年度予定していた事業の見直しについてです。  県では観光振興計画に掲げた目標である観光消費額総額を高めるため、観光資源の発掘・磨き上げや周遊ツアーの企画・商品化等により、消費単価の高い外国人観光客の誘致に取り組んできました。  しかしながら、現在は海外からの入国が制限されていることから、海外現地事務所を通じた情報収集や将来を見据えた受入れ環境整備等を中心に事業を行うこととし、外国人観光客向けのプロモーションは中止または延期しています。  一方で、こうした状況にある今だからこそ、県内旅行にスポットを当てた観光振興を行いたいと考えています。  そこで、県民の皆様に地元の観光地の魅力を再発見していただくためのプロモーションや安心して旅行を楽しんでいただくためのリーフレットの作成などに取り組んでいきます。  次に、観光振興計画の見直しについてです。  現在の観光振興計画は平成31年3月に改定したものであり、計画期間は令和元年度から3年度までの3年間としています。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画における指標や取組目標の達成に影響が生じる可能性がありますが、再び感染拡大が起こるおそれもあり、現時点では影響の全体像を把握することはできません。  また、今後、国が実施する大規模な観光需要喚起策、Go To キャンペーンが及ぼす影響も注視する必要があります。  加えて、ウィズコロナ時代の新しい観光の在り方について、中長期的な視点に立って検討を行う必要があることから、直ちに計画を改定するのではなく、令和3年度中の改定を目指したいと考えています。  県としては、今後とも観光事業者や観光客の皆様のニーズをしっかりと把握し、関係団体や地元市町村と連携しながら、さらなる観光振興に取り組んでまいります。  次に、かながわの未来を考える取組みについてお尋ねがありました。  まず、県単独補助事業における補助基準の格差是正についてです。  県では、県単独補助事業の補助率については、様々な経過を経て定めています。例えば議員御指摘の4事業の一つである小児医療費助成事業は、制度創設当初の補助率は全市町村2分の1でしたが、その後、退院する子供の補助対象年齢を市町村からの要望に応え、1歳未満から3歳未満に拡大し、その一方で、県の補助率は政令市4分の1、その他市町村3分の1としました。このように、現行の補助率は政令市との協議の上で設定したものであります。  また、県と政令市は福祉に関する分野について同等の権限を有していること、県として必要と考える行政サービスを財政規模の小さい市町村へも提供できるよう、財源を再配分していく必要があることなどから、現行の補助率を維持していくことが重要と考えています。  こうしたことから、政令市との補助基準の格差是正に向けた協議の場を改めて設置することは考えていませんが、毎年度の予算調整などの機会を捉え、各市とは意見交換を行っていきます。  なお、これらの県単独補助事業は全国で広く実施されており、自治体間で基準を競争するものではなく、本来、国の社会保障制度の中に位置づけるものであると考えております。  子育て世帯等が安心して医療を受けられるために、全国一律の制度とするよう、国に要望しているところでありますので、今後とも粘り強く働きかけてまいります。  最後に、地域公共交通の確保への支援についてです。  本県では、人口減少や少子・高齢化の進展に伴い、バスなどの利用者が減少することで、交通事業者の経営悪化、さらには運転者不足が深刻化するなど、地域公共交通の安定的な確保や維持をめぐる環境は厳しい状況にあります。  県はこれまでも、国や市町村、バス協会などで構成する神奈川県地域交通研究会などの場を活用して、路線バスが撤退した地域における乗合タクシーなど、新たな交通手段の導入に向けて取り組んできました。  これにより、路線バスに代わる新たな交通手段が定着した地域がある一方で、導入に向けた実証実験を行ったものの、事業の採算性の確保が難しく、実現しなかった地域もあります。  こうした中、国はこの6月に、地域公共交通活性化再生法を改正し、地域の交通手段を確保するため、様々な民間の輸送サービスを活用できるようにしました。例えば、スクールバスや企業用の送迎バスは、これまで利用者が限定されていましたが、この規制の緩和により、一般の方も有料で利用することができるようになります。  このような新たな民間の輸送サービスを活用するには、市町村が具体の取組を盛り込んだ地域公共交通計画を策定する必要があります。  そこで、県は神奈川県地域交通研究会において、国の法改正と、これに伴う具体の取組事例を紹介するなど、市町村の計画策定に当たり、より幅広い検討ができるよう、技術的な支援を行っていきます。  県は市町村に対する支援を通して地域公共交通の安定的な確保や維持を図りつつ、あらゆる人が自由に移動でき、コミュニティの活性化が図れる社会を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  令和3年度公立高等学校の入学者の募集及び選抜についてです。  公立高等学校の入学者の募集等要綱については、公私立高等学校設置者会議での県私立中高協会並びに横浜市、川崎市及び横須賀市の各教育委員会との入学者選抜の日程に関する協議を経て、例年どおりの時期に公表することが中学校3年生や保護者の不安解消につながると考え、4月30日に公表しました。  その中で、今後、県内の感染状況によっては要綱を見直すことを記載しています。要綱の見直しについて、県教育委員会では、本県の感染状況が悪化し、再度の臨時休業が長期間行われるなど、当初予定していた期日等で検査を実施することが難しいと考えられる場合を想定しています。  次に、今後の広報活動についてです。  公私協調事業である全公立展と公私合同説明・相談会は中止となりましたが、中学校3年生や保護者の学校選びのための情報提供には、しっかりと取り組んでいく必要があります。  そこで、今年度は、これまで全公立展などへの来場者にのみ配付していた県内の公私立高校を紹介している高校ガイドブックを、7月に県内国公立中学校の3年生全員に配付します。  そして、この冊子の中に各公立高校のホームページの二次元コードを掲載し、県立高校については、現在9月以降に予定している各校の学校説明会の日程等をホームページから入手することができるようにします。  また、県内公立高校の教育活動の特色を網羅的に紹介する、輝けきみの明日という有償頒布している冊子の内容を、今年度は県のホームページに掲載し、情報収集の機会を提供していきます。  こうした様々な取組により、広報活動を充実し、これまでと同様に中学校3年生の適切な進路選択が図られるよう取り組んでまいります。  答弁は以上でございます。  〔石川裕憲議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 石川裕憲君。  〔石川裕憲議員登壇〕 ◆石川裕憲議員 知事、教育長からの答弁を受けまして、再質問を2点させていただきたいと思います。  まず1点は、県単独補助金について再質問させていただきます。  今、知事の御答弁で、協議はしないけれども、意見交換は行っていく、こういう御答弁でありました。また、情報交換をしていく、そういうようなお話であったと思いますけれども、この意見交換は何のためにやっていくのか、これを伺いたいと思います。  2点目は、令和3年度の公立高等学校入学者募集及び選抜についてです。  新型コロナウイルス感染症対策を行いつつ、学校のほうで説明会を開催するというのは、今の学校の現場の状況を考えると、多少負担になる点もあるというふうに考えています。  また、県のホームページに、輝けきみの明日、厚い冊子のものが見られるようにするというふうに御答弁をいただきましたけれども、各高校のホームページを見られるようにするということもおっしゃっていただきました。  今、県立高校においてはICTの推進を積極的に進めています。また、教育委員会のネットワークシステムで、各高校のホームページのシステムが、あと数校残っていますけれども、統一された基準のものになるというふうに伺っています。  であれば、動画を各学校のホームページにアップすることによって、書面では生徒・保護者が分かりづらいような、そういうようなものが、例えば学校の校舎の中の雰囲気とか、制服はどうなっているのかとか、よく生徒の方が気にするジャージはどうなのかとか、そういうことをアップしてみたり、そして部活動とか、学校のそれぞれの特色を受検生やその保護者に対してもより分かりやすく伝えることができると思いますけれども、こういう動画を使うということについて、県教育長の所見を伺いたいと思います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県単独補助金についての御質問でありました。  先ほども御説明申し上げましたように、現行の補助率というのは、県と政令市との協議の上で設定したものであります。また、政令市は福祉に関する分野について、県と同等の権限を有していることから、県としても必要と考える行政サービスを財政規模の小さい市町村へも提供できるよう、財源を再配分していく必要があることなどから、現行の補助率を維持していくことが重要であるということでありまして、何のためにその意見交換をしているのかといったことでありますが、毎年、市長が私のところにやってこられて、予算についての要望をされます。その中で、こういった問題に触れられることがあります。その中で、今言ったことを御理解いただけるようにしっかりと御説明を申し上げた、そのための意見交換の場といったことであります。  答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 石川議員の再質問にお答えいたします。  私は、学校説明会は県立高校にとっては重要な場だというふうに認識しております。  また、お話しいただきました動画の配信、これは本当に有効な手だてだと考えております。そこで、今、かなチャンTVを活用いたしまして、各学校のホームページから学校紹介の動画を見ることができるよう準備を進めております。  今後も県教育委員会として、学校の広報活動を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔石川裕憲議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 石川裕憲君。  〔石川裕憲議員登壇〕 ◆石川裕憲議員 知事、そして教育長から御答弁をいただきました。  教育長には前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  また、知事からは、厳しいと言いますか、川崎市の議会のほうで、またこの答弁が議論されるかとは思われますけれども、ぜひ協議のところを、私は事務方のところに認識のずれがあるということをお伝えしたいわけです。この認識のずれを、今、知事がおっしゃったようなことを事務方のレベルでしっかりと協議をしていく、こういうことが私は大事だと思っていますので、その点を要望させていただきたいと思います。  限られた時間ですので、少し要望を申し上げさせていただきますけれども、観光支援について、本日の新聞で、今年の夏休みの箱根の宿泊予約が前年の3割程度となっているという報道があります。  様々な施策を考えられているというふうに思いますけれども、ぜひ夏休みの繁忙期に間に合うような支援を強く求めておきたいと思います。  そしてまた、財政運営についてです。  私たちは具体的な提案をさせていただきました。私たちは今、緊急事態の状況だというふうに認識しています。ですから、あらゆる手段を使って歳入確保に努めていただきたいと思います。  私たちは、当面の間、新型コロナウイルスとの共存をしていかなければなりません。本日、様々質問させていただきましたけれども、今後、常任委員会等でさらに議論を深めてまいりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。 ○副議長(いそもと桂太郎) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時29分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200617-028686-質問・答弁-楠梨恵子議員-代表質問①新型コロナウイルス感染症拡大による県内医療機関の経営悪化状況とそれに対する支援について②県の施設の再開に向けた取組について③今夏、海水浴場を開設しない海岸の安全確保対策と県内外への広報について④城山ダム洪水調節機能の強化と新型コロナウイルス感染症の拡大も踏まえた今後の課題について⑤外国人労働者の支援について⑥市町村立小・中学校における教育活動の再開に伴う不登校対策について》                   午後3時50分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共62名 ○議長(嶋村ただし) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 質問を続行いたします。  楠梨恵子君。  〔楠 梨恵子議員登壇〕(拍手) ◆楠梨恵子議員 議長のお許しをいただきましたので、私は県政会神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事、教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問に入ります前に、一言申し上げます。  新型コロナウイルス感染症に罹患し、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げます。  世界的流行を引き起こしている新型コロナウイルスは、政府による緊急事態宣言の解除後も第2波の到来に対する懸念がいまだ絶えず、不安な日々を過ごされている県民の方々が多くいらっしゃいます。こうした不安を少しでも払拭できるよう、思いを込めて質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症拡大による県内医療機関の経営悪化状況とそれに対する支援についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大への防止対策については、本県はダイヤモンド・プリンセス号へのまさに手探り的な対応に始まりましたが、そこで得られた知見を十分に生かした神奈川モデル・ハイブリッド版による、患者のトリアージと病態別の受入体制を全国に先駆けて整えることにより、東京という感染の蔓延地域の隣に位置しながらも、爆発的な感染拡大、いわゆるオーバーシュートと医療崩壊の防止に大きな成果を上げてきたものと考えます。  本県医療関係者や県当局の担当職員各位の昼夜を問わない献身的な御尽力には、改めて深く感謝申し上げます。  しかし、私たちは最近、気になる報道を耳にするようになりました。新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている重点医療機関などでは、患者の減少や手術数の減少などで経営が悪化しており、この先、医療従事者の賞与の削減や人員整理を実施する施設が出てくるだろうというような報道です。  実際、日本医師会、日本病院協会などの団体は、去る5月1日に加藤厚生労働大臣に対し、新型コロナウイルス感染症における診療体制に関する要望書を提出し、4月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、関係医療機関では外来・入院ともに大幅に患者数が減少していることなどを踏まえ、医療機関が経営破綻を起こさぬよう対策を求めております。  また、全日本病院協会などの病院関係団体が6月5日に公表した新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査追加報告によりますと、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた全国の病院の8割が赤字経営になっているという状況も報告されております。  この1週間ほどの状況では、本県の新型コロナウイルス感染症の感染者数は比較的落ち着いた動きとなっておりますが、いつまた第2波、第3波に襲われるか、決して予断を許すことはできません。  〔資料提示〕  県内医療機関の医療関係者や県当局の担当職員各位が築き上げた神奈川モデル・ハイブリッド版の今後の持続性を担保するには、県内医療機関の経営を揺るぎないものにしていくことが必要不可欠であります。県内医療機関の経営悪化が事実なら、早急に対策を講じる必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大による県立病院をはじめ県内医療機関の経営悪化の状況をどのように把握しておられるのか、お伺いいたします。また、経営が悪化している医療機関があるとすれば、今後、県としてどのような支援に取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第2は、県の施設の再開に向けた取組について、2点お伺いいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大以来、県では2月26日付で新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた県の基本方針を策定し、これまで感染症の拡大防止に取り組んできたと承知しております。  また、本県では、感染の拡大防止と社会経済活動の維持の両立を図るため、緊急事態宣言が解除された5月25日に国が示した基本的対処方針を踏まえ、神奈川県対処方針を改定するとともに、同対処方針に定める県機関における取組として県の基本方針も改定を行ってきました。  〔資料提示〕  そこで、まず、今後の県文化施設の再開に向けた取組についてお伺いいたします。  今回改定を行った神奈川県対処方針では、まん延防止対策の中で、4月11日から劇場等に対して行ってきた休業要請については、感染拡大防止対策を講じることを前提に解除することとしております。  また、イベントの自粛要請についても、屋内100人以下、屋外200人以下の小規模イベントを解除し、中規模以上のイベントの自粛要請の解除については、その後の感染状況などを踏まえ、総合的に判断するとしております。  一方、県機関における取組として定めた県の基本方針では、県民利用施設について、施設管理者は、類似する業態の団体が作成した業種別ガイドライン等に基づく感染防止対策を実施するなどした上で、順次運営を再開するとしております。  こうした中、神奈川県民ホールやKAAT-神奈川芸術劇場、県立音楽堂などの文化施設は現在も臨時休館となっており、自主公演のほか貸館事業も休止している状況にあります。  こうした県の文化施設は、指定管理者による管理運営の下、音楽や演劇、舞踊など文化芸術の創造と振興に関する事業を幅広く行うことで、県民に対する鑑賞の機会や参加の機会を提供するなど、心豊かな県民生活を支える重要な役割を担っており、感染防止対策を適切に講じた上で、一刻も早い再開を期待しております。  これまでの国や県の支援策を見てみますと、休業協力金等の経済的な支援メニューの必要性が強調されており、私自身も様々、御要望をいただいているところではありますが、緊急事態宣言が解除された今後については、心豊かな活力のある地域を実現するために、県の文化施設を通じた県民の文化芸術活動の再開にも徐々に力を入れていくべきであると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症に係る国の緊急事態宣言が解除された今、現在、臨時休館となっている県民ホールやKAAT-神奈川芸術劇場、県立音楽堂など県文化施設の再開に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、県立スポーツ施設の利用再開に向けた取組についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた県の基本方針では、県内の感染状況に伴い、順次改定され、スポーツ施設に関しても、まずは、密閉、密集、密接の3密の状況が懸念される屋内施設が利用休止となり、続いて感染拡大防止や外出自粛の観点から、屋外施設についても利用休止となりました。  さらに、4月7日には、本県が国の緊急事態宣言の対象区域に指定されたことを受け、県立スポーツ施設の利用休止も8月末まで期間が延長され、これまで県民が日常的にスポーツを行ってきた施設が長期にわたって利用できない状況が生じたことは、県民の運動・スポーツ活動を低下させる結果となり、健康で明るく豊かな県民生活の実現に対しても大きなダメージとなりました。  〔資料提示〕  また、こうした県立スポーツ施設の中にあって、平成28年から約4年の歳月を経て、今年4月からのリニューアルオープンを予定していた県立スポーツセンターの供用開始も延期され、新たなスポーツセンターのオープンを楽しみにされていた多くの皆さんも大変残念な思いをされていることと推察いたします。  こうした中、5月25日に国の緊急事態宣言が解除されたことを受け、新たに改定された県の基本方針では、県立スポーツ施設も他の施設同様、感染症予防対策を講じた上で順次利用を再開するとされました。  引き続き、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いなど、新型コロナウイルスは身近にあるという意識を持ちながら再開された県民生活の中で、県立スポーツ施設についても、既に6月2日に伊勢原射撃場が利用再開されたものと承知しておりますが、他の施設についても、利用再開の時期を当初の予定から早める準備を行っているとのことで、県民の皆さんもスポーツ施設の利用再開を心待ちにしているものと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  県立スポーツセンターをはじめ、現在、利用休止となっている県立スポーツ施設の利用再開に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第3は、今夏、海水浴場を開設しない海岸の安全確保対策と県内外への広報についてお伺いいたします。  この夏は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、県内の海水浴場は全て開設を見送ることになったと承知しております。全国屈指の人気を誇る江の島を擁する藤沢市や、日本で最初の海水浴場として知られる大磯海岸の大磯町をはじめ、相模湾沿岸の関係市町は、ここまで広域的な中止は過去に例がないと評される異例の夏を迎えることとなりました。  しかし、海水浴場を開設しない海岸であっても、海岸の自由使用の原則があり、海岸への立入りを禁止することはできず、たくさんの人々が海岸に訪れることは容易に想像できます。  そうした中では、海の無秩序化が懸念されるところであり、バーベキューや花火などのごみの放置や、海水浴客とサーファーの接触といった事故を未然に防いでいく海岸の安全確保対策が重要となります。  本県として、相模湾沿岸市町と連携し、海岸利用のルールを策定する、海岸に遊泳を自粛するよう呼びかける注意看板を立てるなどの対策を講じていただけることは承知しており、我が会派としても一定の評価はさせていただくところです。  しかし、海岸に来て、ごみを放置する、あるいは水難の事故に巻き込まれるのは、大多数が沿岸の市町にとっては域外の住民であります。海水浴場を開設しないにもかかわらず、域外の住民が引き起こす様々なトラブルに当該自治体の人員や予算が割かれるのは、地元住民にとっては到底納得のいくものではなく、感染症対策としての海水浴場の開設中止が本末転倒の結末を招くことになります。  そして、既に神奈川県内各地の海岸に来てしまった大勢の海水浴目当ての行楽客に、現場の看板等で遊泳の自粛や海岸利用のルールを訴えても、なかなか実効性は上がらないばかりか、法的根拠のない指導と分かれば、無用のトラブルも生じかねません。様々なクレームに現場で日夜指導に当たる市町等の職員は、精神的にも大きな負担になるものと思います。  こうした新型コロナウイルス感染症対策としての海水浴場開設中止から生ずる無用の混乱を予防的に解決するには、まずもって、海水浴場を開設しない海岸には、海水浴客が来訪しないようにすることが大切であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  この夏は、神奈川県内の海岸には海水浴目的での来訪は控えていただくよう、横浜市や川崎市など県内自治体並びに東京都、埼玉県など近隣自治体とも連携し、県内外に十分な広報を行い、力強いメッセージを発するべきと考えますが、安全確保対策と併せて知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第4は、城山ダム洪水調節機能の強化と新型コロナウイルス感染症の拡大も踏まえた今後の課題についてお伺いいたします。  昨年10月の台風19号による城山ダム緊急放流が相模川流域自治体の住民に多大な不安を与えたことは記憶に新しく、我が会派としても累次の本会議討論で、城山ダムの操作規則等の見直しや、近隣自治体との連絡体制の確立についてお願いしてまいりました。  国では、一昨年7月の豪雨で、西日本各地において甚大な被害が発生したことに鑑み、一昨年12月に国土交通省の検討会が、異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能と情報の充実に向けて、という提言を取りまとめておりましたが、昨年10月の台風災害も踏まえて、同じく国土交通省が今年4月に、既存のダムに関する事前放流ガイドラインを策定しております。  また、今年5月には国土交通省の検討会から、ダムの洪水調節に関する検討とりまとめ(案)も発表され、今後、各地の国管理のダムにおいては洪水調節機能の強化へ向けた様々な見直しが行われていくものと承知しております。  一方、本県においては、こうした国の動きと歩調を合わせる形で、去る5月26日に、城山ダムに関する新たな情報共有の仕組みと洪水調節機能の強化についてを発表したところであり、その内容については我が会派としても一定の評価をさせていただいております。  〔資料提示〕  しかし、昨年10月の台風19号による城山ダムの緊急放流は、懸命なダム操作に加え、幸いにして相模川の氾濫につながらなかった大きな理由は二つあり、一つは相模湾が干潮であったこと、そしてもう一つは、国の宮ケ瀬ダムが緊急放流に至らず持ちこたえたことであると聞いております。  今回の城山ダムの運用の見直しは、相模湾が満潮のときでも相模川の氾濫を防げるのか、また宮ケ瀬ダムにおいては、今後、先ほど申し上げた国の方針の下に豪雨時の事前放流の拡大など運用の見直しも行われることとなり、宮ケ瀬ダムの放流量が拡大した場合の対応も必要となります。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大を想定した対策も急務であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  今回の城山ダムの運用見直しによって、仮に昨年の台風19号による城山ダムの緊急放流と相模湾の満潮が重なった場合、相模川の氾濫は防げるようになったのか、お伺いいたします。また、宮ケ瀬ダムの運用とは、今後どのように連携するのか、お伺いいたします。さらに、新型コロナウイルス感染症に城山ダム関係者が罹患した場合の対策はどのようになっているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第5は、外国人労働者の支援についてお伺いいたします。  私は昨年6月の第2回定例会の代表質問において、我が国の労働力不足に対応するため、昨年4月に新たな在留資格である特定技能が創設されたことを踏まえ、外国人労働者の受入れに向けた県の取組について質問し、知事からは、外国人が働きやすい職場づくりに関するセミナーの開催など、様々な取組に関する御答弁をいただきました。  この特定技能により、我が国に在留する外国人の数は、政府の公表によれば、制度開始から1年が経過した今年の3月末現在、送り出し国の準備が整わないなどの事情により、約4,000人にとどまっており、政府が想定した人数を大きく下回っております。  それに加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、日本国内や主な送り出し国であるベトナム、フィリピンを含めて、特定技能に係る全ての試験が中止となりました。日本国内の試験は、6月から再開された介護分野を皮切りに順次再開される見通しとのことですが、海外では再開のめどが立っていない国もあると聞いております。  一方、技能実習などの在留資格により、既に国内で就労している外国人労働者は、令和元年10月末現在、約165万人に及んでおり、工場などの製造業、コンビニ、外食、小売りといったサービス業などの一端を支えていただいております。  こうした中、外国人スタッフも加盟する三重県内の労働組合で、3月以降、相談件数が前年同期の6倍から7倍に急増し、そのうち8割から9割が外国人労働者の雇い止めに関する相談だったとの報道がありました。  日本語能力や労働者保護の制度の理解が十分ではなく、真っ先に解雇されてしまった外国人労働者は帰国することもままならず、また、日本にとどまっても先行きは見通せないという困難な状況に直面しています。  今後、このように新型コロナウイルス感染症の影響により職を失い、就労や生活に大きな困難を抱える外国人労働者が急増することを大変に危惧しております。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響で、日本で暮らす外国人労働者の雇用環境に深刻な影響が生じることが懸念される中、外国人労働者及びその方たちを雇用している企業の支援にどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第6は、市町村立小・中学校における教育活動の再開に伴う不登校対策についてお伺いいたします。  文部科学省の調査結果では、平成30年度国公私立小中学校における不登校の児童・生徒数は全国で約16万5,000人となり、6年連続で増加という状況が続いております。  この調査において、不登校となった要因として挙げられた項目を見てみますと、本人に係る要因については、登校の意思があっても、不安を覚えて登校できないなどの不安傾向が33.3%、また、学校・家庭に係る要因については、家庭環境の変化や親子関係をめぐる問題などの家庭に係る状況が37.6%と、他の要因に比べ、大きな割合を占めております。  こうした傾向は、本県の市町村立小中学校においても同様であり、県教育委員会では不登校を大きな課題と捉え、その改善に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用などに取り組んでいると承知しております。  そうした中、今回、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、本県の市町村立小中学校は全て3月から5月の長期にわたる臨時休業となりました。これにより、多くの児童・生徒が一日のほとんどの時間を自宅等で過ごす生活を続けることとなりました。  3か月もの間、学校が休業になるといった経験は、子供たちにとって初めての経験です。これまでにないウイルスの感染への不安や、新たな生活の始まりへの緊張といった中で、子供たちが抱える様々なストレスや保護者の不安などは、私たちの想像を超えるものではないかと推察いたします。  また、保護者の就業状況によっては、減収などによる家庭環境の急激な変化が児童・生徒の心や生活に影響が及ぶケースについても懸念されるところです。  実際、横浜市の中学校で生徒指導を行っている教員の方からお話を伺いました。横浜市では休業中、教育相談や面談、教育相談用紙の配付などを行い、何らかの形で子供たちの声をキャッチする取組を行った結果、現在、学校の再開から2週間ほどたちますが、不登校ぎりぎりで、今までは休んだり来られたりしていた子が、分散登校で人数も少ないからか、みんな登校できているとのことでした。しかし、全員登校になった場合にどうなるのかといった、次なる課題があることもおっしゃっておりました。  各学校においては、教職員による対応や支援が基本となることは認識しておりますが、こうした子供たちが抱える心理面での課題に対しては、心理的ケアの専門家であるスクールカウンセラーの、家庭環境の課題に対しては、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーのより一層の活用が有効ではないかと考えます。  さらに、不登校の児童・生徒の支援については、特に学校の休業明け、教育活動が再開された早い時期における手だてが大切ではないかと考えます。加えて、新たな不登校を生まないためには、子供が学校を休み始めた早い段階での支援も重要であると考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  教育活動の再開に伴う市町村立小中学校の不登校対策について、県教育委員会としてどのように支援していくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  以上で、第1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 楠議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、新型コロナウイルス感染症拡大による県内医療機関の経営悪化状況とそれに対する支援についてお尋ねがありました。  神奈川モデルにおける重点医療機関などの新型コロナ患者を受け入れる医療機関では、病床や医療従事者を集約化するとともに、外来や救急の受入れを制限しています。そのため、いち早く重点医療機関に指定され、新型コロナ患者の受入体制を整備してきた県立足柄上病院では、年間医療収益が約53億円のところ、現在の状況が継続した場合、約30億円の減収が見込まれる事態となっています。  また、その他の医療機関も急を要しない入院や手術の抑制、延期や感染を恐れた患者の受診控えにより、患者数が減少しています。  こうした状況は県内全域に及んでおり、県病院協会の調査によると、新型コロナ患者を受け入れる医療機関の4月の医療収入が昨年と比べ、平均で約15%減少し、受け入れていない医療機関も平均で約10%減少しているとの結果が出ており、経営が非常に深刻な状況であると認識しています。  そこで、私自ら、全国知事会などの場において、機会あるごとに医療機関の現在の経営状況を説明し、国による財政支援を訴え続けてきました。  こうした取組の成果もあり、国の2次補正予算において、重点医療機関などにおける空床補償の大幅な増額、その他医療機関を含めた感染防止対策に係る補助制度、医療従事者等への慰労金など、医療の分野において1兆6,000億円に上る予算が成立しました。  また、この補正予算には、医療機関の資金繰り対策として、診療報酬等の概算前払い制度や融資制度の拡充も含まれています。  県としても、経営悪化に苦しむ医療機関をしっかりと支援するため、国補正予算の成立を受け、補正予算の計上を検討しています。  あわせて、医療機関の受診者の減少に伴う経営悪化に対する支援については、まだ不十分なところもありますので、引き続き関係団体とも連携し、機会あるごとに国に対し支援を要望していきます。  こうした取組により、県内の医療機関の経営をしっかり支援し、地域の医療提供体制を守ってまいります。  次に、県の施設の再開に向けた取組についてお尋ねがありました。  まず、今後の県文化施設の再開に向けた取組についてです。  県はこれまでの緊急事態宣言等を踏まえ、県民ホール、KAAT-神奈川芸術劇場、音楽堂などの県立文化施設の指定管理者に対して、施設の使用停止等の要請を行い、4月から臨時休館となっています。  文化芸術はゆとりと潤いを実感できる心豊かな県民生活に欠かせないものです。私はこれまで、文化芸術の魅力によって人を引きつけるマグネットカルチャーの取組を推進してきましたが、県文化施設における県民の鑑賞機会やアーティストの発表機会が損なわれている状況に、大変心が痛む思いであります。  現在、各施設では緊急事態宣言の解除を受け、再開に向けて3密の状態が発生しやすい劇場等の特性を踏まえながら、感染防止のための入念な準備を進めています。  まず、県が指定管理者に作成を依頼した各施設のガイドラインでは、上演開始前、上演中、休憩時間及び上演終了後の対応や、感染者が発生した際の対応など、あらゆる場面を想定した対策を盛り込みます。  あわせて、各施設では、ガイドラインの適切な運用に向けた職員への教育、資機材の整備を行うとともに、施設を利用する事業者など、様々な関係者と公演開始に向け個別に調整を行っています。こうした準備が整った施設から順次再開していきます。  現時点では、かながわアートホールは6月20日から、また、KAAT-神奈川芸術劇場は劇団四季の公演開始日である7月14日から再開する予定です。  県は、県文化施設の再開に当たっては、指定管理者と協力して感染防止を万全に行うことで、施設職員、公演関係者、そして何よりも来場される県民の皆様が安心して文化芸術に触れることができるよう全力で取り組んでまいります。  次に、県立スポーツ施設の利用再開に向けた取組についてです。  スポーツはその特性上、激しい呼吸や大声の発声、発汗などを伴いますし、多くの場合、プレー中のマスクの着用は困難です。そのため、新型コロナウイルス感染防止という観点から、スポーツ施設は他の県民利用施設よりも徹底した対策が必要です。  そこで、国は本年5月、現時点での感染予防対策に関する知見に基づいた社会体育施設の再開に向けた感染拡大予防ガイドラインを策定しました。  ガイドラインでは、施設管理者に対し、受付時の体調確認や手指消毒など、一般的な対策のほか、汗等で汚れた床の清掃、スポーツ用具の小まめな消毒などの対応を求めています。  また、利用者にも、走るときは前後一直線にならない、タオルは共用しないといった対応を示しています。  一方、卓球やバドミントンは密閉した屋内でのプレーが不可欠であり、柔道やレスリングは相手と密着することが避けられないなど、スポーツの競技スタイルは様々です。  そこで、日本スポーツ協会等は各競技の中央団体に対し、競技の特性に応じたガイドラインを作成するように求めており、既に公表されている水泳では、練習中、プールの中で1メートルの距離を取る、密集しないよう両サイドからスタートするといった対策が示されています。  施設の利用再開に際しては、これらのガイドラインの遵守を施設管理者や利用者に徹底していきます。そして、各施設に、感染防止対策取組書・LINEコロナお知らせシステムの二次元コードを掲示することで、安心して利用できる施設であることを伝えます。  伊勢原射撃場については、こうした対応を施した上で、既に6月2日から利用を再開しており、今後、他のスポーツ施設でも同様の取組を進めながら、7月以降、順次利用を再開していきます。  県としては、今後とも、県民の皆様が安全に安心してスポーツ施設を利用できるようしっかりと対応してまいります。  次に、この夏、海水浴場を開設しない海岸の安全確保対策と県内外への広報についてお尋ねがありました。  神奈川の大きな魅力の一つである県内の海水浴場には、毎年県内外から多くの方が訪れ、大変なにぎわいを見せており、夏の風物詩となっています。  しかし、今年の夏は新型コロナウイルス感染症の影響によって、県内全ての海水浴場が開設されないことから、例年であれば、市町等の開設者が担う安全対策が実施されません。  そこで、県は、それぞれの海岸に遊泳自粛をお願いする注意喚起看板を多数設置し、海に来られる皆様に海水浴場が開設されていないことをしっかりと認識していただきます。また、警備員などによる海岸パトロールを強化し、密集、密接を避けることを呼びかけながら、遊泳自粛などを促していきます。  一方、海水浴場が開かれないため、十分な安全対策が取られておらず、遊泳自粛をお願いしているということを、皆様が海に来られる前にお知らせすることも大変重要です。  そこで、県ではこうしたことをホームページの最も目立つトップページに掲載するとともに、かなチャンTVなどのあらゆる媒体を活用します。さらに、LINEを活用した新型コロナ対策パーソナルサポートからも積極的に発信します。  また、水難事故に注意が必要な子供たちやその保護者に対して、市町村や県の教育委員会を通じ、海で泳がないよう、お知らせします。  県外から神奈川の海に来られる皆様に対しては、東京都など、近隣の自治体と連携した広報について調整を進めるとともに、主要な鉄道駅には遊泳自粛を周知するポスターを掲示してもらうことなどを検討しています。  私自身も、今年は海水浴場が開設されず、十分な安全が確保されないため、遊泳目的の来訪を控えていただくよう、様々な機会を捉えて県内外に強く発信していきます。  そして、この夏を乗り越え、来年には神奈川の海のにぎわいが取り戻せるように、安全確保対策と県内外の広報にしっかりと取り組んでまいります。  次に、城山ダム洪水調節機能の強化と新型コロナウイルス感染症の拡大も踏まえた今後の課題についてお尋ねがありました。  城山ダムでは、令和元年東日本台風の豪雨により、運用開始以来初めて緊急放流を実施しましたが、市町への情報伝達に遅れが生じるなどの課題が明らかになりました。  県はこれまで、流域の市町とともにこの課題の検証等を進め、新たにLINE WORKSを機軸としたダムの情報伝達に係る情報共有の仕組みを構築しました。  また、大雨が予測される場合、これまでより早めに放流量を増加させるなど、ダムの操作を見直すことを、先日の定例記者会見で私から提案、発表いたしました。  今回、新たに見直した操作では、令和元年東日本台風と同じ降雨であれば、緊急放流を回避することができ、相模湾の満潮が重なった場合でも氾濫しないと想定しています。  次に、国が管理する宮ケ瀬ダムとの連携についてです。  宮ケ瀬ダムが放流する中津川は相模川と合流するため、従来から互いに放流連絡を行っていましたが、今回構築したLINE WORKSなど、新たな情報共有の仕組みを活用し、より一層連携していきます。  また、今回の城山ダムのように宮ケ瀬ダムでも操作方法の見直しが行われるときには、国と十分に調整していきます。  最後に、新型コロナウイルス感染症に城山ダム関係者が罹患した場合の対策についてです。  城山ダム管理事務所では、職員に感染者が発生した場合、速やかに事務所内の消毒を行うとともに、ダムの操作ができる交代要員をあらかじめ複数確保するなど、業務の継続に支障を来さないような体制を整えています。  県としては、大規模水害の頻発化、激甚化が懸念される中、こうした取組により、今後も引き続き県民の生命、財産をしっかりと守ってまいります。  最後に、外国人労働者の支援についてお尋ねがありました。  本県では近年、外国人労働者が急激に増えており、令和元年10月末現在、9万人を超える方が約1万6,000か所の事業所で働いています。こうした外国人労働者の方に県内で生き生きと働いていただくためには、雇用上のトラブルの解決を支援するとともに、企業に職場環境を整備していただくことが重要です。  このため、県では外国人労働相談を実施するとともに、外国人の方が働きやすい職場づくりに関するセミナーを開催してきました。  現在のところ、県内では新型コロナウイルスの影響による外国人労働者の大量解雇の情報は確認されていません。しかし、国内の一部の地域では、新型コロナウイルスの影響で多くの外国人の方が職を失っているとの報道もあり、本県としても実態を把握し、それに対する支援策を講じる必要があります。  そこで、実態調査を行うとともに、調査の結果、雇い止め等が確認された場合、職を失った外国人の方と外国人労働者を活用したい企業との面接会を実施し、雇用のマッチングを行ってまいりたいと考えております。  また、県内企業が新型コロナウイルスの影響による経済の停滞を乗り越え、持続的に発展していくためには、より多くの外国人労働者の方に本県で働くことを選んでいただけるよう、さらに受入環境を整備していくことが重要です。  そこで、外国人労働者を採用して企業の成長につなげている好事例などをまとめ、セミナーで活用するとともに、広く県内企業に配付することも検討します。  こうした取組により、新型コロナウイルスの影響を受ける外国人労働者の方とその雇用を進めたい企業をしっかりと支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  市町村立小・中学校における教育活動の再開に伴う不登校対策についてです。  県教育委員会ではこれまで、不登校はどの子にも起こり得るという認識の下、不登校についての基本的な考え方や対応する際の配慮事項等をリーフレットにまとめ、全ての小中学校の教職員に周知してきました。  これまで経験したことがない長期にわたる今回の臨時休業は、子供たちの心に多くの影響を与えていると認識しています。  こうしたことから、県教育委員会ではこの5月に作成した教育活動の再開に向けたガイドラインにおいて、再開後に学校が子供たちの変化に気づき、対応する際の支援のポイントや不登校の未然防止の大切さなどについて改めて周知してきました。  そして、教育活動再開後1か月間は心の専門家であるスクールカウンセラーと福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカー全員の勤務日を増やし、学校の相談体制を強化しています。  あわせて、子供たちの状況を見守りながら学習を支援する学習指導員の配置を図ってきました。  しかしながら、今後、通常登校に移行していく中では、子供たちの心身に様々なストレス反応が現れ、それが不登校につながっていくことも想定されます。そのため、県教育委員会では、担任の教員とともに、子供たち一人一人の状況を引き続ききめ細かく把握できるよう、学習指導員などを継続的に配置していきたいと考えています。  また、全てのスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーから子供たちが抱えている課題や、それに対する効果的な取組事例を収集します。そして、スーパーバイザー等による助言を加え、事例集として取りまとめ、市町村教育委員会を通じて各学校へ配付、共有していきます。  こうした取組により、市町村立小中学校の不登校対策を支援してまいります。  答弁は以上でございます。  〔楠 梨恵子議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 楠梨恵子君。  〔楠 梨恵子議員登壇〕 ◆楠梨恵子議員 知事、教育長より御答弁をいただきました。  大変御丁寧に前向きな御答弁を頂戴いたしましたので、数点要望のみさせていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染症拡大による県内医療機関の経営悪化状況とそれに対する支援についてでございます。  神奈川県の医療機関の経営状況は、全国平均よりもさらに悪化している状況ということを聞いております。これは神奈川モデル・ハイブリッド版の今後の持続可能性を考えると、大変大きな問題であると考えます。  本日、知事から御答弁がありました支援策などをさらに詰めていただき、現在編成中の6月補正予算に十分な対策を盛り込んでいただいて、県内医療機関に速やかに支援の手が差し伸べられますよう、格別の御尽力をいただきますよう要望させていただきます。  続きまして、県の施設の再開に向けた取組についてです。  様々、具体的な事例も挙げていただきまして、ありがとうございます。  文化施設の再開もスポーツ施設の再開も、健康で明るく豊かな生活の実現のためには大変重要であると思います。  緊急事態宣言が解除されても、自己防衛のため自粛生活を送っている方々は多くいらっしゃいます。経済を回していくことは、最重要課題であることは認識しておりますが、心の部分で考えますと、これまで文化・スポーツ活動に生きがいを見いだしてきた方々は一刻も早い再開を願っております。  感染症対策などの安全に配慮し、県民の皆さんが安心して日常を取り戻せるよう、引き続き施設の利用再開に向けた準備を進めていただきますよう要望いたします。  続きまして、海水浴場を開設しない海岸の安全確保対策と県内外の広報についてです。  海水浴場の問題については、安全確保対策やごみ対策、また昨日は先行会派からトイレの問題提起もありました。  対策を講じれば講じるほど、海水浴をしても大丈夫な海水浴場ではない海岸ができるという自己矛盾に陥ります。  ただ、今日、知事から県内外の広報について、具体的な御答弁もたくさんいただきました。引き続き関係市町と対策を詰めていただくとともに、6月補正予算にも必要な経費を盛り込んでいただき、海水浴目的では神奈川県の海岸には来ないでいただきたいというメッセージを十分に県内外に発信していただきますよう、重ねて要望させていただきます。  最後に、城山ダム洪水調節機能の強化と新型コロナウイルス感染症の拡大も踏まえた今後の課題についてです。  城山ダムの問題については、今回のダム操作規則などの見直しで、昨年10月の台風クラスの豪雨に相模湾の満潮が重なっても大丈夫だと、また新型コロナウイルス感染症も乗り越えられるということが確認でき、相模川流域の県民の皆様は安堵されたことと思います。  しかし、宮ケ瀬ダムとの連携については、今後の課題もあると受け止めました。国土交通省とも早急に協議を進めていただき、県民の皆様の安全・安心のため、さらに御尽力をいただきますよう要望させていただきまして、私の代表質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明18日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時43分 散会...