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06月16日-06号

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  1. 神奈川県議会 2020-06-16
    06月16日-06号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 2年 第二回 定例会 △《本会議録-令和2年第2回-20200616-028680-諸事項-出席議員等議事日程-》         令和2年第2回神奈川県議会定例会会議録第6号〇令和2年6月16日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共103名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       松   本       清                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       作   山   ゆうすけ                       長   田   進   治                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       京   島   け い こ                       小   川   久 仁 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          和   泉   雅   幸         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長        前   田   光   哉         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   進   藤   和   澄         共生担当局長        安   井   由 美 子         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         大   賀   眞   一         同  総務部長       和   智       勉   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          谷   川   純   一         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       小 野 関   浩   人         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和2年第2回神奈川県議会定例会議事日程第6号                            令和2年6月16日午後1時開議第1 定県第 55 号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算(第4号)   定県第 56 号議案 同  年度神奈川県県営住宅事業会計補正予算(第1号)   定県第 57 号議案 知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例   定県第 58 号議案 地方独立行政法人の役員等の損害賠償責任の一部免除に係る控除額を定める条例   定県第 59 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 60 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 61 号議案 神奈川県局設置条例の一部を改正する条例   定県第 62 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 63 号議案 神奈川県犯罪被害者等支援条例の一部を改正する条例   定県第 64 号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 65 号議案 神奈川県立総合職業技術校に関する条例及び神奈川県立産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例   定県第 66 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 67 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 68 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 69 号議案 動産の取得について   定県第 70 号議案 動産の取得について   定県第 71 号議案 指定管理者の指定について(相模湖交流センター)   定県第 72 号議案 指定管理者の指定について(地球市民かながわプラザ)   定県第 73 号議案 指定管理者の指定について(県民ホール及び音楽堂)   定県第 74 号議案 指定管理者の指定について(神奈川近代文学館)   定県第 75 号議案 指定管理者の指定について(21世紀の森)   定県第 76 号議案 指定管理者の指定について(本港特別泊地及び本港環境整備施設)   定県第 77 号議案 指定管理者の指定について(宮川特別泊地、宮川一時停係泊特別泊地及び宮川環境整備施設)   定県第 78 号議案 指定管理者の指定について(ライトセンター)   定県第 79 号議案 指定管理者の指定について(聴覚障害者福祉センター)   定県第 80 号議案 指定管理者の指定について(足柄ふれあいの村)   定県第 81 号議案 指定管理者の指定について(愛川ふれあいの村)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定の変更について(三浦しらとり園)   定県第 83 号議案 指定管理者の指定の変更について(津久井やまゆり園)   定県第 84 号議案 東京都が管理する道路を神奈川県川崎市の区域に設置することに関する協議について   定県第 85 号議案 二町谷北公園等の管理に関する事務の委託について   定県第 86 号議案 訴訟の提起について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200616-028681-質問・答弁-細谷政幸議員-代表質問①新型コロナウイルス感染症対策に係る重要課題について②新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組について③社会経済対策について④県民の安全・安心を守る取組について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共61名 ○議長(嶋村ただし) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(嶋村ただし) 審議を行います。  日程第1、定県第55号議案 令和2年度神奈川県一般会計補正予算外31件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕(拍手) ◆細谷政幸議員 自由民主党神奈川県議団の細谷政幸です。  私は自由民主党神奈川県議団を代表し、通告に従い、順次質問いたします。  知事並びに教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問に入る前に、一言申し上げます。  去る6月5日、拉致被害者、横田めぐみさんのお父様である横田滋さんがお亡くなりになりました。心より御冥福をお祈りいたします。  平成9年、北朝鮮による日本人拉致問題が国会やマスコミで取り上げられ、横田めぐみという名前が初めて公になりました。  当時、せっかく娘の居場所が分かったのに、名前を出せば殺されるかもしれない、普通の親ならそう考えるのは当然のことです。実はこのとき、早紀江さんや弟の拓也さん、哲也さんは実名の公開に反対していたそうですが、滋さんはその反対を押し切って娘の名を世に出したのです。  この滋さんの決断があったからこそ、その後の家族会結成や救出活動の全国への広がりがあったと言えますし、金正日が拉致を認めることにつながったのであります。  しかし、結果として、私たちは、滋さんをめぐみさんに会わせてあげることができませんでした。これは、私たち政治家のこれまでの不作為とメディアの責任が大きいのではないでしょうか。  私たちは、いま一度、政党・会派を超えて拉致問題解決に向けて団結し、滋さんの決断の重さを受け継いでいかなければならないと思います。  それでは、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症対策に係る重要課題についてであります。  初めに、休業要請の解除の考え方について伺います。  本県はダイヤモンド・プリンセス号が着岸したということもあり、早い時期からコロナと向き合い続け、その経験を踏まえ、新型コロナウイルスに対応可能な医療体制を整備してきたものと承知しております。  〔資料提示〕  一方で、新型コロナウイルスの猛威により、多くの方が犠牲になられています。報道によれば、全国ではこれまでに900人以上の方がお亡くなりになり、県内においても6月15日現在で91名もの方がお亡くなりになられたとのことです。  心ならずも今回の新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方に対しまして、心より哀悼の意を表します。  緊急事態宣言解除から3週間余りが経過いたしました。新型コロナウイルス感染症との闘いは長期戦になるとも言われており、今後の第2波、第3波に備え、県がこれまで実施してきた緊急事態措置を検証していくことが大切であります。  特に休業要請の解除の考え方については、整理が必要だと考えます。  〔資料提示〕  4月7日に緊急事態宣言が首都圏を含む7都府県に出されたことを受け、県は速やかに緊急事態措置に係る実施方針を定め、県民への外出自粛を要請しました。  その際、施設の休業要請については、外出自粛の効果やクラスター感染の発生状況を見極めて判断するとのことでしたが、その後、4月10日に東京都が施設の休業要請を行うことを表明すると、県は実施方針を変更し、東京都に合わせる形で施設の休業要請を打ち出すこととなりました。  外出自粛に加え、外出を誘引する施設の休業要請は、人と人の接触機会を減らす観点から効果的であり、また、東京都と神奈川県、さらに埼玉県、千葉県を含めた首都圏は、生活圏や経済圏が一体であることから、各都県の対応が異なることによる人の流れを防ぐ観点からも、東京都と対応を合わせた意義はあったと考えております。  緊急事態宣言の解除に向けても、知事は首都圏の一体性を国に訴えるなど、首都圏、特に東京都と歩調を合わせることが、県の一貫したスタンスだと受け止めていたところであります。  しかしながら、5月25日に緊急事態宣言が解除された際、休業要請については、東京都が業種ごとに段階的に解除を進める方針を打ち出したのに対し、本県は全ての業種を一斉に解除するなど、対応が分かれることとなりました。  このような東京都と異なる本県の対応については、理解を示す意見がある一方で、全ての業種の休業要請を一斉に解除することを懸念する声もあったところであり、県はその考えを明確にし、説明をする必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いします。  県はこれまで、東京都との一体性を強調してきましたが、休業要請の解除について、どのような考えから、県独自に全業種一律解除としたのか、見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、かながわグランドデザインの見直しについて伺います。  かながわグランドデザインは、県政運営の指針となる重要な計画であります。  昨年7月には第3期実施計画が策定されましたが、県議会においては、昨年度、かながわグランドデザイン調査特別委員会を設置し、1年をかけ、各プロジェクトの目標や取組について丁寧に議論を行ってきました。  特別委員会において、我が会派から、常に費用対効果、自治体の守備範囲といったことに照らし合わせながら施策展開を行うこと、また、今後の経済情勢や県行政の影響などの要因によって見直しの必要性が生じれば、計画に位置づけられた施策事業であっても、議会と議論を重ねながら、よりよい県民生活のために優先順位を見直すべきものであり、その際には県民に対し、丁寧に説明責任を果たしていくべきと考える旨、要望しているところであります。  こうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための外出自粛や店舗の休業などにより、消費は大きく落ち込み、事業活動も停滞するなど、県内経済は活力を失いかけています。  それに伴い、失業や雇い止めが増えるなど雇用環境も悪化し、また、感染のリスクを避けるための、いわゆる3密回避の対応のため、高齢者や障害者などの福祉サービス、子供たちの教育、文化、スポーツなど、県民生活の様々な場面に課題が顕在化してきています。  こうした社会状況は、第3期実施計画を策定した際の状況と大きく乖離しており、今後、収束後も見据えた社会経済対策を進めるに当たっては、新たな社会状況を前提に進めざるを得ないのではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、社会経済対策を進めるに当たり、かながわグランドデザイン実施計画について、社会状況の変化を踏まえた見直しを検討すべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、本県財政への影響について、3点伺います。  1点目は、今年度の税収見通しと6月補正予算の考え方についてであります。  県はこれまで、新型コロナウイルス感染症に係る緊急総合対策として538億円の補正予算措置を講じたほか、緊急事態宣言の延長を踏まえ、事業活動に影響を受けている事業者の皆様へのさらなる支援を行うため、125億円の補正予算措置を講じるなど、必要な対策を速やかに実施してきました。  5月25日に緊急事態宣言が解除されたことに伴い、同27日に休業要請を解除しましたが、景気は、当面、厳しい状況が続くと見込まれています。  こうした状況を鑑みると、令和2年度の県税収入は大幅な減収となるのではないかと懸念しております。  県税収入は本県の歳入の6割以上を占めており、本県の財政運営に大きな影響を与えるものであり、今後の動向を的確に把握していく必要があると考えます。  その一方、緊急事態宣言は解除されたものの、気を緩めれば、第2波、第3波のおそれもあり、本県では、医療体制の強化や事業者の支援など喫緊の課題が山積している状況にあります。  こうした中、県では現在、国の第2次補正予算を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策に係る6月補正予算について編成中であると承知していますが、県として、県民の皆様が安心して活動を再開できる仕組みをつくっていくことが何よりも重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  今年度の税収見通しについて、どのように考えているのか、また、今後、追加提案を予定している6月補正予算の考え方について、併せて見解を伺います。  〔資料提示〕  2点目は、新型コロナウイルス感染症対策に係る財政運営についてであります。  景気は極めて厳しい状況にある中、早期に経済の回復を目指すためには、事業費の財源を確保するとともに、その事業を着実に推進していくことが不可欠であると考えます。  これまでの対策では、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、不足する分は財政調整基金を取り崩すなどして財源を確保するとともに、事業実施についても全庁一丸の体制で対応してきたと承知しています。  さらに、今後、追加の経済対策などに注力していくためには、盤石な執行体制の下、国からの臨時交付金の追加交付に加え、県独自の取組としても、延期や中止になった事業のほか、今後予定している事業の在り方を含めた当初予算の組替えにより、財源を確保していく必要があると考えております。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症対策に係る財政運営について、どのように考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  3点目は、法人二税の超過課税の考え方についてであります。  新型コロナウイルス感染症は地域経済に大きな影響をもたらしております。とりわけ大都市圏に位置する本県は、特定警戒都道府県に指定されるなど、他の地域と比べても、感染症拡大による経済への影響が相当な規模に及んでいるものと思われます。  そうした中、5月の総務政策常任委員会において、超過課税の延長に当たり、その活用目的として、新型コロナウイルス感染症拡大に係る経済対策の推進を新たに追加する旨の報告を受けたところであります。  本県における超過課税は、大都市圏特有の財政需要に対応するため、これまでも活用してきたものですが、甚大な影響を受けている本県経済の回復に向けて超過課税を活用することは、時宜にかなったものであると考えます。  しかし、超過課税は法人企業に対して特別な税負担を求めるものであり、感染拡大の影響による外出自粛や休業要請などに伴い、多くの法人企業が大変厳しい経営状況下に置かれている中にあって、超過課税の延長は、これまで以上に法人企業にとって大きな負担となるものであります。  それゆえ、超過課税の延長に当たっては、法人企業に対して、漫然と負担を求めるのではなく、超過課税の必要性や活用目的の意義について丁寧に説明をし、しっかりと理解を得ていくことが必要不可欠であると考えます。  そこで、知事に伺います。  新たに追加された活用目的の趣旨を含め、超過課税の延長について、どのように考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、学びの保障について、2点伺います。  1点目は、県立高校における学びの保障についてです。  2月27日に内閣総理大臣より、全国一斉に学校の臨時休業が要請されて以来、本県においても長期にわたって臨時休業となりました。  ようやく学校活動が再開しましたが、これまで生徒が授業を受けられていないことによる学びの不足、学力の低下が心配されております。  特に、本県は5月14日以降も緊急事態宣言の対象地域となったことにより、既に学校が再開された地域に比べ、学びの保障がより一層懸念されているところであります。  学校が再開されるまでの間、県立高校に通う生徒は、家庭での課題学習に取り組んできたと承知していますが、教師と生徒の間で対面でやり取りをしたり、生徒同士が学び合ったりといった、これまで学校で行われてきた学習ができていないことによる課題もあったのではないかと考えます。  〔資料提示〕  そのため、現在、学校と家庭で学ぶ生徒との間をつなぐオンライン学習がこれまで以上に注目されており、教師が作成した動画をオンラインで配信したり、教師が生徒の質問に直接回答したりする取組がしばしば報じられています。  県教育委員会においても、県立高校に通う全ての生徒に対してオンライン学習を可能にするために、家庭の通信環境を整備するための支援を行ったと承知しております。  県立学校の教育活動の再開については、本県は首都圏の他の都県と比べ、極めて慎重に段階を踏んだ再開の仕方を示しており、それ自体は子供たちの安全を第一に考えた慎重な姿勢の表れとして評価しますが、通常登校の移行が遅くなることに対しては、学習保障の面から生徒、保護者等から懸念も一方ではあり、今後の感染状況等を見極めて、通常登校への移行の段階や期間も見直してもよいのではないかと考えます。  また、このような状況においては、引き続き、学びの保障のために様々な学習機会の提供が必要と考えます。  そこで、教育長に伺います。  今後の教育活動においても、その重要性が増すと思われるオンライン学習を含めて、県立高校における学びの保障について、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、教育長の見解を伺います。  〔資料提示〕  2点目は、市町村立学校における学びの保障についてです。  小中学校における学びの保障を確保していくことも喫緊の課題であります。  臨時休業期間中の学習の不足を取り戻し、教育活動を十分に展開していくためには、指導計画やカリキュラムの見直しによる工夫も、もちろん必要ですが、限られた時間の中でよりきめ細かい指導を行うためには、教職員を増やすといった人的な体制の整備も必要と考えます。  国においても、学校の段階的再開に伴う人的体制の整備を支援するために、教員や学習指導員を増やすための予算が計上されたと承知しています。  そこで、教育長に伺います。  県域の市町村立学校の児童・生徒等の学びの保障のため、こうした教員などの人的体制の整備について、どのように考えているのか、教育長の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、全国大会中止に伴う代替大会について伺います。  子供たちにとって高校生活の中で大きな意味を持つ部活動については、6月1日から段階的に学校の教育活動が再開される中、現段階では活動を自粛している状態が続いていますが、学校再開ガイドラインによると、6月末より活動日数や活動時間、活動内容などの条件が設定された上で、徐々に再開されるものと承知しています。  部活動は、同じ趣味を持つ仲間と自主的・自発的な活動を通して、共に活動したり、時には切磋琢磨したりすることで、協調性や責任感、連帯感を養うとともに、友情を深めるなど、人間形成に役立つ教育的意義の高い活動であると考えています。  しかしながら、この新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、春休み中に行われる予定であった全国高等学校野球選抜大会や、夏に開催予定であった全国高等学校総合体育大会、全国高等学校野球選手権大会や全日本吹奏楽コンクールなどの全国大会が次々と中止となり、それに伴い都道府県で行われる地方大会も中止となっています。  こうした中、県高野連からは、中止となった地方大会の代替大会の開催に向け準備を進めると、先日、発表があったところであります。  また、8月に高知県で予定されていた全国高等学校総合文化祭については、ウェブ開催の方向で検討されています。  部活動に励む多くの高校生が目標とする大会が中止となったことは大変残念なことであり、日々、一生懸命に部活動に励んできた子供たち、特に今年、公式戦を一度も経験せず引退することとなる3年生に対しては、その思いに寄り添った対応を願うといった声も出ています。  一方で、全国的にも新型コロナウイルス感染症がまだ収束しているとは言えない中、子供たちの健康を最優先に大会は控えるべきとの声があるのも事実であります。  そこで、教育長に伺います。  全国大会やそれに伴う地方大会等が中止となったことに伴う代替大会は、県高野連、県高体連、県高文連などの関係団体が主催することは承知しておりますが、代替大会について、教育長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 細谷議員の御質問に順次お答えしてまいります。  新型コロナウイルス感染症対策に係る重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、休業要請の解除の考え方についてです。  去る4月7日、本県を含む7都府県に初めて緊急事態宣言が出された際、東京都はいち早く遊興施設などに休業要請することを表明しました。  そこで、私は県民の生活圏が東京と一体であることや、休業要請の内容に差があると都内から人が流れ込み、感染拡大につながるおそれがあることから、東京都と歩調を合わせる必要があると判断し、同様の休業要請を行いました。  この要請にほとんどの事業者が応じていただきましたが、緊急事態宣言が延長された5月7日以降は経営上の理由などから、休業要請に全く応じようともしない事業者も多く見られるようになりました。  しかし、現場に目を向けてみると、これらの事業者の中にはアルコール消毒を徹底したり、座席の間隔を十分に確保するなど、感染防止対策をしっかり行っている店もあり、同じ業種であっても、感染防止対策の対応は様々であることが分かりました。  こうした現場の実態を踏まえ、私は5月25日における緊急事態宣言の解除に当たり、個々の事業者が感染防止対策の徹底を図ることを前提に、業種を問わず、一律に休業要請を解除する判断をしました。  あわせて、事業者それぞれの感染防止対策の取組を見える化し、利用者が安心して店を選択できるよう、感染防止対策取組書の仕組みをつくりました。  結果として、休業要請の解除の考え方は東京都と異なりましたが、都県域をまたぐ移動を控える呼びかけも行ったことで、都内から人が流れ込むといった問題は生じていません。  県としては、感染防止対策への補助などを通じ、事業者を支援するとともに、県民の皆様に安心、信頼して事業者を選択いただける流れをつくり上げ、コロナウイルスの存在を前提とした持続可能な社会、ウィズコロナ時代の社会づくりを進めてまいります。  次に、かながわグランドデザインの見直しについてです。  昨年7月、かながわグランドデザイン第3期実施計画を策定し、その後、かながわグランドデザイン調査特別委員会など、県議会での御議論もいただきながら、計画事業の推進を図ってきました。  4年計画の1年目を終え、KPIの進捗状況等を見ると、おおむね順調に進捗しましたが、年度末には事業の一部に新型コロナウイルス感染症拡大の影響も見られました。  その後、新型コロナウイルス感染症がさらに拡大し、実施計画策定時と社会状況が大きく異なってきたことから、計画の見直しも必要になっているとは思います。  しかし、現在、第2波、第3波に備えた医療提供体制の維持だけでなく、企業の事業継続、雇用の維持、県民生活への支援など、社会経済対策にも日々、全庁挙げて取り組んでおり、立ち止まるいとまもありません。  しかも、現時点では新型コロナウイルス感染症の脅威が果たしてどのくらいの期間続くのか、また、県民生活にどのような影響を与えるのか、全体が見えない状況です。  計画の見直しについては、ある程度、感染症が終息し、その先の見通しが立てられる段階で政策分野ごとの影響度などを精査し、総合計画審議会の意見なども聴きながら検討してまいります。  次に、本県財政への影響について、お尋ねがありました。  まず、今年度の税収見通しと6月補正予算の考え方についてです。  初めに、今年度の税収見通しについてです。  新型コロナウイルス感染症の影響により景気は急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にあります。  具体的には、令和2年3月期の企業収益は前年比マイナス31%と、当初予算編成時点での予想を大きく下回る減益決算となり、その後も厳しい経営環境が続くものと見込まれています。  また、消費活動についても、総務省の家計調査によれば、消費の落ち込みが3月にマイナス6%に拡大し、4月にはマイナス11.1%と過去最大となりました。  こうしたことから、今年度の県税収入は主力の法人二税や地方消費税について減収が見込まれるため、当初予算に対して大幅な減収になるものと考えています。  次に、6月補正予算の考え方についてです。  これまで県では医療崩壊を防ぐため、医療提供体制、神奈川モデルを構築するとともに、県民の皆様の雇用と事業と生活を守り抜くための様々な取組を実施してきました。  今後は、県民の皆様が安心して日常生活を取り戻せるよう、持続可能な医療提供体制をしっかりと確保しながら、社会経済活動を段階的に引き上げていく必要があります。  そこで、現在編成中の6月補正予算では、国の第2次補正予算を踏まえ、重点医療機関に対する空床確保料の補助や医療従事者への支援などを検討しています。  また、県内経済を段階的に回復させるため、感染防止対策やビジネスモデルの転換に取り組む事業者への支援を引き続き行います。  さらに、現在、国外や県外からの観光客は期待できないことから、それに頼らない観光施策の推進や、県内生産物の需要喚起などにも取り組んでいきたいと考えています。  今後、県税収入の大幅な減収が見込まれる中にあっても、国からの交付金も有効に活用しながら、追加の補正予算を早急に取りまとめ、ウィズコロナという新たなステージに向けてしっかりと取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策に係る財政運営についてです。  今年度の県税収入は景気の急速な悪化に伴い、当初予算に対して大幅な減収が見込まれますが、こうした中にあっても、医療提供体制の維持や県内経済の着実な回復など、新型コロナウイルス感染症対策には的確に対応していかなければなりません。  そこで、まずは、国の第2次補正予算で大幅に増額された臨時交付金や包括交付金をしっかりと確保し、最大限活用していきます。  また、県自らの取組として、事業費を削減し、財源を確保していくことも大変重要です。そのため、現在編成中の6月補正予算において、東京2020大会関連やベトナムフェスタ等のイベントの延期、中止に伴う不用額などを減額し、新型コロナ対策へ組み替えたいと考えています。  さらに、今後の税収動向によっては、財政運営が一層厳しくなることも想定されますので、事業費等のさらなる削減についても改めて検討していきます。  こうした取組により、確保した財源を活用し、新型コロナ対策に全力で取り組んでまいります。  次に、法人二税の超過課税の考え方についてです。  新型コロナウイルス感染症によって県内経済は大きな影響を受けており、その回復に向けた対策を強力に推し進めることは、県が取り組むべき喫緊かつ重要な行政課題です。  そのため、超過課税の延長に当たっては、従来の災害に強い県土づくりの推進や、幹線道路の整備に加え、新たな活用目的として、感染症拡大の影響に係る経済対策の推進を追加したいと考えています。  具体的には、中小企業の経営基盤の強化や観光産業の振興など、地域経済を活性化するための施策やビジネスモデル転換への支援など、柔軟な経済構造を構築するための施策に活用し、県内経済の回復とその後の持続的な成長につなげていきます。  超過課税は特別な税負担をお願いするものでありますので、その実施に当たっては、必要性や活用目的を法人の皆様に御理解いただくことが重要です。そこで、今後新たな活用目的を含め、超過課税の必要性について法人の皆様に丁寧な説明を行い、御意見に真摯に耳を傾けながら、十分な理解が得られるよう対応してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校における学びの保障についてです。  県立高校では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、5月31日まで臨時休業としてきました。  この間、各校においては、生徒に1週間ごとの学習指導計画を示し、各科目のプリントなどの課題を課すことや、ICTを活用した学習などを行い、家庭における学びの充実を図ってきました。  しかし、本来、この期間に学習すべき内容の全てを家庭学習で学べたとは言えない状況にあり、今後さらに学びの保障に取り組んでいく必要があります。  現在、各校は県教育委員会が作成したガイドラインに沿って1クラスを20名程度とし、週2日から3日の登校日を設ける分散登校を行っており、学校における対面授業と家庭学習を併用し、生徒の学習活動を進めています。  県教育委員会では、こうした中、全ての県立高校生がオンライン学習に取り組めるよう、通信環境を整備してきました。今後はICTを活用し、生徒が学習したいときに視聴できるオンデマンド型で授業動画を配信するなど、登校しない日の家庭学習の一層の充実に取り組んでいきます。  加えて、夏休みの短縮、放課後の補習、土曜日を活用した授業などを行うことにより、生徒が今年度学ぶべき内容に不足が生じないよう、各校で学習指導計画を工夫し、実践していきます。  また、国において、新型コロナウイルス感染症はいまだ不明な点が多い感染症であるとされていることから、感染症対策と学習活動を両立させていくためには、県内の感染状況等を見極めながら対応していくことが必要です。  そのため、ガイドラインでは、分散登校などの期間について、状況の推移により変更することがある旨、記載しています。  今後、通常登校への移行時期などについても、必要に応じ適宜検討を判断するなど、生徒の学びの保障のため、その時々の状況に応じた取組をしっかりと進めてまいります。  次に、市町村立学校における学びの保障についてです。  今後、社会全体が長期にわたり、新型コロナウイルスと共に生きていかなければならないという中で、次世代を担う子供たちの安全・安心と学習活動を両立させていくことが求められています。  県教育委員会では5月22日に、市町村立学校の教育活動の再開に向け、必要となる配慮や工夫、取組モデル等を盛り込んだガイドラインを取りまとめました。各学校においては、現在このガイドラインを参考に分散登校や短縮授業を実施しています。  こうした中、臨時休業による学習の不足に対して、児童・生徒の学びの保障の観点から、しっかりと対応していくことが必要です。  そこで、各学校においては、学習指導計画を見直すとともに、その実施のための人的体制の強化が重要となることから、県教育委員会では4月補正予算で臨時休業に伴う補充授業等を行う非常勤講師や学習指導員等を措置してきました。  特に最終学年である小学校6年生と中学校3年生については、他の学年と異なり、次年度に未指導分の授業を行うことが困難であるため、学習の不足を今年度内に解消する必要があります。  そのため、今後、これらの学年について、チームティーチングや習熟度別指導などのきめ細かな指導が行える体制を充実したいと考えています。  県教育委員会では、こうした人的体制の強化に向けて、国の第2次補正予算を踏まえ、各市町村教育委員会と連携し、地域の実情を見据えた上で、必要な対応を図ってまいります。  次に、全国大会中止に伴う代替大会についてです。  県教育委員会では、6月1日から県立学校の教育活動を再開しており、今後、部活動についても生徒の健康面などを考慮し、活動日数や時間、対外試合など、段階的に再開していくこととしています。  こうした中、全国大会やそれにつながる地方大会が中止になったことで、特に高校3年生は最後の公式大会等への参加がかなわない状況となり、大変残念な思いをしているとの声が届いています。  私としては、生徒の安全・安心の確保とともに、そうした3年生の思いを重く受け止めています。そのため、学校再開ガイドラインで校外での活動を行わないとしている期間に、大会を主催する関係団体が生徒の安全・安心を確保する対策を取った上で代替大会を開催したいという意向がある場合は、特例的に対外試合に生徒が参加できるようにしたいと考えています。  こうした考え方を県高等学校体育連盟、文化連盟及び野球連盟の3団体にお知らせしたところ、野球連盟では代替大会の開催に向けた準備を進めるとしたところです。また、他の2団体も大会開催の可否等について検討しているとお聞きしています。  今後、関係団体から開催に向けた御相談をいただければ、よくお話を伺い、生徒の安全・安心の確保に万全を期していただくとともに、3年生の思いを受け止めた大会として実現できるよう県教育委員会として協力してまいります。  以上でございます。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 それでは、県立高校における学びの保障に関連して再質問させていただきます。  通常登校が再開されるようになった後、オンラインを活用した学習について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 細谷議員の再質問にお答えいたします。  県立高校における通常登校後のオンラインの活用については、臨時休業前に各校で行ってきた対面授業での活用に加え、今後は家庭における学びの充実に向け、学習課題や授業動画の配信などに引き続き取り組んでいきます。  また、懸念される新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波があった場合には、こうしたオンライン学習を活用することで、家庭での生徒の学びをしっかりと確保してまいります。  以上でございます。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 私は、教育活動の課題、子供たちの学びを保障していくことは大変重要な課題だと思っております。まだ新型コロナウイルスの終息に向けては予断を許さない状況ではありますが、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは、何点か要望させていただきます。  まず、休業要請の解除の考え方についてであります。  県が事業者の感染防止対策を促進し、県民が対策を行っている施設を利用する流れをつくることは、大変意義があるものと思います。しかし、こうした取組が機能するためには、事業者や県民の方々がそのような流れを理解し、共有することが必要不可欠であります。そのため、県の取組を広く周知していくことが大変重要でありますので、しっかりと取り組んでいただくよう要望いたします。  また、現在、時短営業として、飲食店などの営業を10時までという要請をしていますが、報道によれば、知事は今週中にも次のステップに移行するとの考えを示されたとのことです。  感染者数を見れば、本県は大分収束しているように思います。本県がここまで来られたのは、県民や事業者の方々がつらい思いをされながらも外出自粛や店舗の休業に取り組まれた結果だと思っております。  知事としては、これから専門家の意見を聴いた上で総合的に判断されるということであろうと承知はしておりますが、県民の方々に、これまでの努力の結果を早く届けられるように、また、私どもとしても一日も早く日常生活に戻っていただきたいという思いも込めまして、今週中にも示されます御判断に期待したいと思います。  次に、財政運営に関してですが、収束を見据えた経済対策など今後の対策については、当初予算の組替えなどにより事業費をしっかりと確保するとともに、事業を確実に執行していくことが重要であります。  感染の状況や県民の生活や経済の情勢なども見極めながら、県民が元気になる対策、希望が持てる対策を取りまとめるよう要望いたします。  また、遅滞なく効率的に対策を執行できる体制を構築し、着実に実施されるよう要望いたします。  そして、法人二税の超過課税の考え方についてでありますが、現下の厳しい経済状況下において、超過課税の延長は法人企業にとって大きな負担になるものであります。超過課税の延長に当たっては、法人企業に対して、超過課税の必要性や活用目的の意義を丁寧に説明するとともに、法人企業の御意見を真摯に受け止めながら、しっかりと理解を得て進めるよう要望いたします。  最後に、全国大会中止に伴う代替大会についてであります。  県高野連からは、地方大会の代替大会の開催に当たっての準備を進めるとの発表がありましたが、今後、野球だけでなく、その他のスポーツや文化の関係団体から代替大会の開催について相談があった場合には、安全対策に万全を期すための助言とともに、子供たちの熱い思いにぜひ応えられるよう、県教育委員会としても、しっかりと協力をしていただくよう要望いたします。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸 議員  〔資料提示〕  質問の第2は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組についてであります。  初めに、医療提供体制の確保について伺います。  本県は新型コロナウイルス感染症の拡大による医療崩壊を防ぐため、ダイヤモンド・プリンセス号の経験を基に、医療提供体制、神奈川モデルを構築し、新型コロナに対応可能な医療体制を整備してきました。  一方、海外の例に見られるように、感染の第2波も懸念されており、引き続き医療提供体制を維持することはもとより、これまでの取組を検証し、必要に応じて充実強化を図るなど、万全の準備を進めておく必要があります。  医療機関や福祉施設での院内感染やクラスター感染がこれまで多数発生している本県においては、感染者を早期に発見し、または、疑わしい症状の人がすぐに検査を受けられるような検査体制の拡充が必須となりますが、その充実に向けては、スマートアンプ法を利用して本県が理化学研究所と共同開発した迅速検出法の積極的活用や、抗原検査などの新たな手法も取り入れながら進めてほしいと考えます。  また、医療提供体制、神奈川モデルについても、感染の段階の変化に応じて修正するなど、段階に応じてしっかりと機能させなければいけません。  新型コロナウイルス感染症の治療に集中的に対応することにより、通常の診療や検診、救急受入れなどに影響が出ている地域もあり、医療機関の経営に対する影響など、地域の医療が守られるかといった懸念もあります。  本県としては、県民が安心して日常の生活を送れるように、地域で必要な医療がしっかりと提供される体制の確保に取り組むべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、検査体制の充実を図るとともに、神奈川モデルにおける医療提供体制を機能させながら、地域で必要な医療を適切に提供していくため、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、医療機関や医療従事者への支援について伺います。  本県では、1月に国内初となる感染者が報告されて以来、長期間にわたり新型コロナウイルス感染症との闘いが続いています。  この間、最前線で治療に当たられている医療従事者の皆様に深く感謝申し上げるとともに、心から敬意を表します。  医療現場は感染のリスクと隣り合わせであります。本県では医療機関や福祉施設での院内感染やクラスター感染が多数発生していますが、県内で発生しているクラスター感染の約6割が医療機関で発生しているとの報道もありました。  医師や看護師などの医療従事者の方は、常にこうした緊張を強いられながら24時間体制で診療を続けており、こうした方々を県全体で支援していくことが重要と考えます。  〔資料提示〕  県では、医療機関等のクラスター感染に専門的に対応するチーム-C-CATを立ち上げて対応していると承知しておりますが、院内感染を防ぐためには、まず、マスクや防護服などの医療物資の確保が不可欠であると考えます。  医療現場からは、こうした物資がまだ十分には提供されていないと伺っていますが、医療従事者の方に安心して働いていただくためには、十分な感染防止対策が講じられることはもとより、その前提として、医療現場のニーズを的確に把握し、必要な医療物資が迅速に提供される体制が必要と考えます。  また、医療従事者の中には、家族への感染リスクを考えて自宅に帰らず、自費でホテルに宿泊する方もいらっしゃると伺っています。こうした方々の経済面、健康面、精神面への影響が懸念される中、県としても、スピード感を持って医療従事者への支援に取り組むべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  最前線で新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関や医療従事者を県全体で支えるため、感染防止に必要な防護服などの医療物資の提供にどのように取り組んでいくのか、また、宿泊費の補助など、医療従事者への支援にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、介護サービス提供体制の崩壊を防ぐための取組について伺います。  高齢者が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが高いと聞いており、海外では介護施設の高齢者が多数亡くなっていることからも、介護施設においてはクラスター感染の発生を防ぐことはもとより、発生した際の感染拡大防止が非常に重要であると考えます。  介護は高齢者に密着して行われるものであり、一度感染が発生してしまうと、多くの職員が濃厚接触者となってしまいます。  濃厚接触の疑いにより自宅療養を余儀なくされれば、利用者をケアする職員が不足し、介護サービスの質の低下や、事業所自体の休業につながってしまう、いわゆる介護崩壊を生じさせることが懸念されます。  特に特別養護老人ホームなどの入所施設には、介護度の高い方が多く入所されているため、サービスが滞ることは、入所者の命の危機に直結します。  また、デイサービスなど通所や訪問系のサービスは、地域で生活する高齢者を支える重要な基盤であり、休業によるサービスの中断は、高齢者本人の生活はもとより、家族が介護のために離職せざるを得なくなるなど、家族の生活にも大きな打撃となってしまいます。  〔資料提示〕  県はこれまで、マスクや消毒用アルコールといった衛生用品の供給等、介護施設の感染防止対策に取り組んできたことは承知していますが、高齢者やその御家族が安心して暮らし続けることができるよう、さらなる取組が必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  感染の第2波に備え、介護サービスの提供体制の崩壊を防ぐために、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、外国籍県民への情報提供について伺います。  政府は、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の実施に関する重要事項の一つとして、国民、在留外国人、外国人旅行者及び外国政府への適切かつ迅速な情報提供を行い、国内での蔓延防止と風評対策につなげることとしています。  さらに、地方公共団体には、政府と緊密な情報連携により、様々な手段により、住民に対して地域の感染状況に応じたメッセージや注意喚起を行うことが求められています。  感染拡大防止のためには、外国籍県民を含む全ての人に正確な情報を届け、それらの情報を基に適切な予防対策を実施することが極めて重要です。  国の統計によると、令和元年6月末現在、全国には282万人の在留外国人がいますが、そのうちの8.1%に当たる約22万8,000人の外国人の方々が本県に暮らしており、本県は全国で4番目に在留外国人が多い県となっています。  外国籍県民の定住化が進み、今後も外国籍県民の増加が見込まれる中、日本語を母語としない人も安心して暮らせる環境づくりは重要であり、本県では多文化共生社会の実現に向けて、様々な取組を全国に先駆けて取り組んできたことは承知しております。  また、日本語を理解することが難しい外国籍県民の方々にとって、特に地震や火災などの緊急時の対応に係る情報や、今回の新型コロナウイルス感染症に関する情報は積極的に多言語で情報提供する必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、外国籍県民への新型コロナウイルス感染症に関する情報提供について、どのように取り組んでいるのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組について、何点かお尋ねがありました。  まず、医療提供体制の確保についてです。  県では、感染爆発による医療崩壊を防ぎ、何としても県民の命を守るという強い思いで、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制、神奈川モデルを構築し、感染症対策に取り組んできました。  神奈川モデルの下、重点医療機関を設置し、十分な病床を確保するとともに、取組をさらに進化させ、感染の早期発見、封じ込めに必要となる地域外来検査センターを地元医師会などに県内23か所に設置していただき、検査のキャパシティの拡大に努めてきました。  現在、検査の迅速化に向けてスマートアンプ法を改良し、処理時間をさらに短縮できるアタッシュケース型の検査機器の開発を進めており、院内感染やクラスター発生時に現場での活用が期待されています。  今後は、こうした新しい技術や手法を検査目的や場所に応じて効果的に組み合わせながら、検査体制の充実に取り組んでいきます。  また、医療提供体制については、医療機関の協力により、現在、重点医療機関318床を含む813床を新型コロナ患者がすぐに入院できる状態で確保しており、感染拡大時には約2,200床の病床を提供いただく確約を得ています。  一方で、これまで医療機関に対しては、急を要しない入院、手術等の抑制、延期をお願いしており、今後は地域医療を崩壊させないために、地域の日常医療とコロナ警戒体制のバランスを取り、それらを両立させる体制が必要となります。  そこで、県医師会、県病院協会等と連携し、地域の日常の医療を再開するために徐々に通常の医療提供体制に戻すとともに、感染の第2波に備え、神奈川警戒アラート発動から2週間以内に1,000以上の病床を確保できる体制を構築していきます。  こうした取組により、神奈川モデルを着実に推進し、新型コロナウイルス感染症の第2波にしっかりと備えてまいります。  次に、医療機関や医療従事者への支援についてです。  初めに、医療物資の提供については、感染のリスクと隣り合わせの医療従事者が安心して勤務するためには、医療用のマスクやガウンなどの物資が不可欠ですが、感染が拡大している時期にそれらの供給が不足している状況にありました。  そこで、県では全国に先駆けて、医療機関の在庫状況を直接モニタリングする仕組みを立ち上げ、必要な物資を迅速に提供できる体制を整備し、可能な限り物資の提供に努めてきました。  現在、医療物資の流通は改善しつつありますが、診療所等では、まだ物資が不足しているとの声がありますので、今後も医療現場のニーズを丁寧にお聞きし、必要な物資が行き渡るよう、国や関係団体と連携しながら取り組んでいきます。  次に、医療従事者への支援についてですが、私はこれまで全国知事会などを通じ、国に対して強く要望してきました。こうした結果、診療報酬への反映や医療従事者への慰労金の支給などが実現しました。  また、感染者を受け入れている医療機関の従事者への宿泊支援については、民間事業者と連携して、横浜・川崎市内で無料宿泊できるホテルの部屋を提供するなどの取組を行っています。  今後は、より多くの医療従事者に御利用いただけるよう、宿泊費の補助等についても実施していきたいと考えています。  さらに、医療・福祉・介護の現場で働く方や、そうした方を支えるボランティア団体などを応援するため、かながわコロナ医療・福祉等応援基金を立ち上げ、県民や議会の皆様と一体となって感謝と応援の気持ちを伝えていきます。  こうした取組により、医療従事者の方々が安心して仕事に専念していただけるよう、県としてしっかりと支援してまいります。  次に、介護サービス提供体制の崩壊を防ぐための取組についてです。  介護現場は業務の特性上、密着した対応が避けられず、感染リスクが高い職場であり、介護現場の皆さんが感染防止に細心の注意を払いながら、日々懸命に業務を行っていただいていることに心から敬意を表します。  介護現場で感染が発生した場合には、感染拡大を速やかに防ぎながら、利用者が必要な介護サービスを受けられるよう体制を整える必要があります。  そこで、県では、感染が発生した施設に神奈川コロナクラスター対策チーム、いわゆるC-CATを派遣して、ゾーニングの指導など、感染拡大防止の支援を行います。  また、施設の職員が感染するなどして職員が不足した場合に備え、応援職員を派遣する仕組みもつくりました。  さらに、在宅で介護を受けている高齢者の家族が感染して入院した場合、取り残された高齢者を緊急に受け入れる専用のケア付き宿泊療養施設を整えました。  今後は、介護施設等で感染者が一人でも発生した場合に、直ちに医療機関の検査チームが施設に出向いて、濃厚接触者にPCR検査を行う訪問型PCR検査を新たに実施し、介護現場の感染拡大を防いでいきます。  こうした全国でも類を見ない取組を進めることにより、今後想定される新型コロナウイルス感染症の第2波に備え、介護サービス提供体制をしっかりと守ってまいります。  次に、外国籍県民への情報提供についてです。  かつてない感染症拡大という事態の中で、生活習慣の違いや言葉の壁がある外国籍県民の方々は、様々な不安をより強く感じていることと思います。  そこで、県では、感染防止対策や生活、経済活動への支援など、県民の皆様が言語の違いにかかわらず、同じ情報を得られるよう、国の情報も含めて、多言語での情報提供を行っています。  具体的には、県のホームページの特設サイトに関連情報を7言語で掲載しているほか、かなファンクラブのネットワークや、かながわ国際交流財団のフェイスブック等も活用して、多言語での情報の周知に努めています。  こうした多言語での情報提供のほか、病院や学校など、生活に密接なことや、外国籍県民特有の出入国管理に関することなどについては、個別対応が必要となりますので、相談窓口の充実も行っています。  具体的には、11言語での相談が可能な多言語支援センターかながわにおいて、感染症拡大の影響による相談件数の増加に対応して、人員体制等を強化しました。  さらに、帰国者・接触者相談センターや新型コロナウイルス感染症専用ダイヤルでは、通訳オペレーターを介した3者間通話により、多言語での相談に応じる仕組みを設けました。  県としては、こうした困難なときこそ、誰一人取り残さない、ともに生きる、多文化共生社会神奈川の実現に向けて、外国籍県民の方々へのきめ細かな支援にしっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕
    ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 医療提供体制の確保について、1点、再質問させていただきます。  緊急事態宣言が解除され、これからは新型コロナウイルス感染症とどう共存し、経済活動や教育活動をどのように再開していくかという問題に取り組んでいかなければなりません。  県民が安心して日常生活を取り戻していくためには、医療提供体制を確保することが大前提であろうと思います。  知事はこれまで、様々な取組をスピード感を持って進めてこられました。それは評価いたしますが、本県の感染症指定医療機関については、人口に対して病床数が大変少ないと思っております。  そこで、今後、新たな感染症の発生にも備えるため、感染症指定医療機関、病床数を増やしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県は現在、感染症指定医療機関として8か所の病院を指定し、74床の感染症病床を確保しています。これまでの感染症対応では、この病床数で十分に対応することが可能でありました。  一方、今回の新型コロナウイルスのような通常の規模を超えた感染症では、特定の感染症病床だけでなく、より多くの医療機関で患者を受け入れる必要があります。  今回、神奈川モデルでは、医療機関ごとに柔軟に役割を設定し、症状に応じて最適な医療を提供する新たな感染症医療のモデルが提示できたと考えています。  今後はこうした経緯や対応結果を改めて検証し、適切な感染症指定医療機関の数や病床数の確保に向けて検討してまいります。  答弁は以上です。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 医療提供体制の確保に向けて、しっかりと取り組んでいただくよう、ぜひともお願いいたします。  また、新型コロナウイルス感染症の対応により、病院の経営状況が悪化しているということが既に問題となっています。  県民の方々が安心して暮らしを取り戻せるよう、医療提供体制を整備することはもちろんですが、そのためには、病院関係者の方々も安心して医療を提供していけるという問題も解決していかなくてはならないと思います。引き続き、県として、しっかりと取り組んでいただきますよう要望いたします。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸 議員  〔資料提示〕  質問の第3は、社会経済対策についてであります。  初めに、「withコロナ時代」の社会経済のあり方について伺います。  現在、個人消費は、外食、宿泊、娯楽・レジャーなどを中心に急速な減少が続いており、企業活動においても、海外とのサプライチェーン寸断の影響により生産活動の停止や資金繰りの悪化などの影響が出ています。  また、経済的な側面だけでなく、外出自粛や家庭の経済的困窮に起因するDVや児童虐待の増加、学校の臨時休業に伴う学習の遅れなど、社会の幅広い分野での問題も指摘されています。  今後は、新型コロナウイルス感染症により発生した諸課題を解決しながら、経済のエンジンを回し、傷んだ経済を本格的な回復軌道に乗せていかなくてはなりませんが、その際には、厳しい状況の下で、いかにビジネスを中長期的に継続していくかというSDGsが掲げる持続可能性が重要になってくると考えます。  しかし、緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルス感染症は社会から消え去ったわけではありません。  有効なワクチンが実用化される時期もはっきりしていない中にあっては、新型コロナウイルス感染症への対応は長期化を覚悟しなくてはならず、いわゆるウィズコロナという新たな時代が到来したと言えます。  そのため、今後、新型コロナウイルス感染症との共存を前提に新しい生活様式を定着させるとともに、規制緩和やテクノロジーの活用によって新たな社会経済モデルへ転換していくことが重要と考えます。  そこで、知事に伺います。  ウィズコロナという新たな時代を見据え、今後どのように社会経済対策に取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、緊急事態宣言解除後の中小企業・小規模企業に対する支援について伺います。  県は、休業や夜間営業時間の短縮に協力いただいた中小企業等に対して協力金を交付する神奈川県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の制度を創設し、4月24日から第1弾の申請受付を開始しました。  しかし、提出書類の不備などの理由により、協力金の事業者への交付がなかなか進んでいないと伺っています。  あらゆる経済活動が停止するという未曾有の事態にあって、初めてとなる制度を僅かな期間で設計、準備した県当局の苦労は十分理解しますが、家賃や人件費等の固定費が重荷となり、日々の資金繰りに苦慮している経営者に対しては、何より迅速な給付が求められております。  現在、第2弾の協力金の申請を受け付けていますが、第1弾の課題を踏まえて、スピード感あふれる対応をぜひともお願いしたいと思います。  さて、緊急事態宣言が解除され、本県は5月27日より休業要請を緩和したところであり、県では、事業活動再開に当たって、再び新型コロナウイルス感染症が拡大しないように感染防止対策を徹底していただくため、業種別のチェックリストの作成や感染防止対策取組書の発行などにより、感染防止対策に取り組む事業者を後押ししていると承知しています。  県内中小企業・小規模企業にとって、事業活動再開は喜ばしいことではありますが、客足が戻るのか、再び感染が拡大しないかといった不安を抱えながらの営業再開であります。  また、資金繰りが大変厳しい状況の中、感染症拡大を防止するための対策を講じながらの営業が求められており、中小企業等の経営が安定するには長い期間を要するものと考えます。  国では様々な経済対策を打ち出しているところですが、県においても、中小企業等が再起に希望を見いだせるような支援策を、迅速かつ適切に実施していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルス感染症の影響が続き、経済の停滞が長期化することが見込まれる中、中小企業・小規模企業が事業を継続できるように、県としてどのように支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、失業者の対策について伺います。  緊急事態宣言で経済活動に急ブレーキがかかった4月、有効求人倍率と完全失業率は共に悪化が進み、5月以降、さらに経済、雇用への打撃が加速しているのではないかと感じています。  神奈川労働局が発表した労働市場速報によれば、4月の有効求人倍率は1.03倍と、3月から0.04ポイント下降しました。  特に宿泊業や飲食サービス業をはじめとして、多くの産業で採用意欲がそがれており、新規求人数は、昨年の4月に比べ、36.2%という大きなマイナスとなっています。  また、総務省が発表した4月の完全失業率は2.6%と、3月に比べ、0.1ポイント上昇しました。  完全失業者は全国で約6万人増加し、この時点で仕事を休んでいる休業者は597万人と、リーマンショック直後の153万人の約4倍、過去最多を記録したとの報道もあります。  企業の倒産件数も増えており、東京商工リサーチによると、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた5月の全国の企業倒産は83件で、3月の4倍近くの件数となりました。  業種では宿泊業や飲食業、アパレル関連が多く、上場企業の倒産や老舗飲食店の閉鎖といった報道もありました。  さらに、国内外の人やモノの移動の回復には時間がかかるため、この先、貿易減等を背景として、製造業において雇用調整圧力が高まることも想定されます。  国の第2次補正予算では、雇用調整助成金の上限額の引上げのほか、休業手当を受け取れない人が直接ハローワークに申請して受け取れる給付金の新設など、追加の雇用対策が盛り込まれていますが、職を失った方が職を取り戻していただける取組も必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の影響により、今後、職を失う方や休業を余儀なくされる方が増加していくことも懸念される中、県として、そうした方たちの雇用の確保にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 社会経済対策について、何点かお尋ねがありました。  まず、「withコロナ時代」の社会経済のあり方についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、傷ついた社会経済を回復させていくために、医療体制の維持と経済活動の活性化を両立させることが必要ですが、今回のコロナとの闘いの中で、そのためのヒントがありました。  例えば、情報通信技術を使ったテレワークにより、働き方改革が一気に進んだほか、オンライン診療やキャッシュレス決済など、新しい生活様式も進展しました。  新たな感染拡大に備え、こうしたテクノロジーの活用により、イノベーションを起こし、課題解決を進めながら社会経済活動を維持、発展していくことがウィズコロナ時代に取るべき戦略だと考えています。  本県ではこれまで三つの特区において規制緩和を活用し、最先端医療やロボットなどの成長産業の創出、育成に取り組むとともに、Society5.0の実現を通じた未来社会の創造にも挑戦してきました。  今後はこれまで積み上げてきた、こうした経験や実績を生かし、現場のニーズを踏まえ、企業やアカデミア等とも連携しながら、ウィズコロナ時代にふさわしい新しい生活様式の定着と新たな社会経済モデルへの転換を進めてまいります。  次に、緊急事態宣言解除後の中小企業・小規模企業に対する支援についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、幅広い業種、事業者に多大な影響が生じています。  そこで、県では、厳しい状況にある中小企業等の事業継続を支援するため、休業や営業時間の短縮を行っていただいた事業者に第1弾、第2弾の協力金を交付しています。  また、国の補助金を活用し、消毒液、マスクの購入やビニールカーテン、換気設備の導入等の感染防止対策に係る経費やデリバリーやテイクアウトなど、非対面ビジネスモデルの導入に係る経費を対象とした補助制度を今年度に入り、創設しました。  この補助制度については現在申請受付中ですが、約1,200件の想定に対して5,000件を超える相談をいただいており、予算が不足することが想定されます。  また、最近国内でクラスターが発生している、いわゆる夜の街で営業する事業者の中には、この補助制度の対象となっていない業種がありますが、感染拡大防止を強化するためには、こうした業種にもしっかりと対策を講じていただく必要があります。  そこで、希望する全ての中小企業等の皆様に感染防止対策を講じていただけるよう、補助金の増額と対象業種の拡大について検討しています。  このように事業者の感染防止対策や新たな事業展開を後押しすることにより、県内の中小企業・小規模企業が事業をしっかりと継続できるよう、全力で取り組んでまいります。  次に、失業者の対策についてです。  新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国の経済が受けたダメージは大きく、いまだに多くの労働者が休業を余儀なくされており、また、今後倒産や廃業に伴い、失業者が増加するおそれもあります。  そうした状況を踏まえ、これまで県では中小企業の雇用を下支えするため、雇用調整助成金に関する個別相談会の開催や、営業を継続するためのデリバリーやテイクアウトサービスへの転換に対する支援を行ってきました。  また、経済情勢の悪化に伴い、採用内定が取り消された方や雇い止めにより職を失った方、約100名を県の非常勤職員として緊急雇用してきました。  しかし、緊急事態宣言が解除された現在でも、日本全体でリーマンショック時の約4倍に相当する多くの休業者がおり、収入の減少に苦しんでいると言われています。  また、今のところ、神奈川労働局に大量解雇等の情報は寄せられておりませんが、失業者の発生は経済活動の低下から遅れて生じる傾向があります。そのため、現在休業している労働者や今後生じる失業者に対する支援策を準備しておくことが必要です。  そこで、今後、休業者が、人手が不足している企業で期間限定で働き、休業中も収入を得ることができる仕組みづくりを検討していきます。  また、職を失った方と人手が不足している企業の面接会を実施するなど、失業者が新たな職を得る機会の創出に取り組みます。  さらに、官民一体となって新規雇用を生み出していくため、リーマンショック時のように、緊急雇用創出基金を創設する事業の実施を全国知事会を通じて国に要望していきます。  このような取組を通じ、新型コロナウイルスの感染拡大により、職を失った方などへの雇用の確保に全力で取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 第1弾の協力金について、速やかな交付に向けて体制を強化しているということでありますが、藤沢市や茅ケ崎市、大和市、南足柄市など、県の協力金の交付を前提とした上乗せを行う自治体もあり、県から協力金をもらえないと申請ができないので困っているという経営者の声も聞いております。  こうした事業者に寄り添うためにも、今月末までと言わず、できるだけ速やかな交付をお願いしたいと思います。  そこで、1点、再質問させていただきますが、第2弾の協力金については6月8日から申請を受け付けているところであります。第1弾で生じた課題を踏まえ、交付のスピードアップに向けた工夫をしているのではないかと思いますが、第2弾の協力金の交付について、進捗状況がどうなっているのか伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  第1弾の協力金につきましては、申請書における契約事項への記載欄が目立たず、チェック漏れが大変多かったため、第2弾では確実に記載していただけるよう、申請書とは別様式にするなど、きめ細かな工夫を行いました。  その結果、昨日現在で申請件数約1万5,200件に対して、約2,600件の支払いが確定しており、第1弾よりも速いペースで処理が進んでいます。  今後も必要に応じて職員等を増員し、処理体制を強化するなど、早期交付に向けて全力で取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 第2弾の協力金についても、ぜひ速やかな交付をお願いいたします。  県は、第1弾、第2弾の協力金や補助金、新たな制度融資の創設などにより、苦境にある中小企業・小規模企業の支援に全力で取り組んでいることは承知していますが、今後発生が懸念される感染症の第2波、第3波や、取引先の倒産や休廃業などにより影響を受ける企業も出てくると予想されていますので、こうした企業に対しても、例えば、国が令和2年度第2次補正予算において増額した地方創生臨時交付金を活用するなど、県の支援策を充実して、県内中小企業・小規模企業の経営状況が回復できるよう、しっかり支援していただくよう要望いたします。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸 議員  〔資料提示〕  質問の第4は、県民の安全・安心を守る取組についてであります。  初めに、複合災害における避難所対策について伺います。  近年、毎年のように大規模な自然災害が各地で頻発しており、特に昨年10月の東日本台風では広範囲に特別警報が発表される事態となり、本県も甚大な被害を受けたことは記憶に新しいところであります。  この台風への対応については、引き続き検証を重ね、風水害対策を充実させていく必要があると考えます。また、いつ起きてもおかしくない首都直下地震や南海トラフ地震への備えも喫緊の課題であり、しっかりと備えておく必要があります。  県はこうした自然災害の発生に備えて、地震防災戦略や水防災戦略を策定し、様々な取組を進めていることは承知していますが、今、県民が特に不安に感じているのが、今後の避難所の在り方であります。  これまでも避難所の確保や避難生活の環境整備などの課題が指摘されてきましたが、さらに、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため、3密を避けてソーシャルディスタンスを保ちながら避難所を設置、運営していかなければならないという新たな課題に直面しています。  これからは、新型コロナウイルス感染症対策と、地震や風水害などの自然災害に同時並行で対応することが当たり前の社会となってきます。言わば複合災害を前提とした新たな避難所対策に取り組んでいかなければならないと考えます。  例えば、感染症対策の最も基本的な対策として手洗いがありますが、もし避難所が断水になった場合の対策もあらかじめ考えておくことが必要です。  避難所対策を一義的に行うのは市町村であることは承知していますが、これまで経験したことのない複合災害に対応するためには、県は広域自治体としてのリーダーシップを発揮して市町村を牽引していくことが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  これから本格的な出水期を迎える中、新型コロナウイルス感染症と自然災害の複合災害を前提とした避難所対策に、県として、今後どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、海水浴場の開設及び海岸の安全対策等について伺います。  毎年、県内の海水浴場には多くの海水浴客が訪れ、大変なにぎわいを見せています。また、海水浴客は、海水浴場内の海の家にとどまらず、周辺の飲食店や土産物店にも立ち寄るなど、海水浴場を開設することは地域経済にも大きく貢献しています。  県では、3密を防ぎ、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ取組を徹底して行うという趣旨で、海水浴場等における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策ガイドラインを策定しました。  しかし、海の家の営業者からは対策が厳し過ぎるといった意見があり、結果として、今年の夏の神奈川の25ある海水浴場は、全て開設されないことになりました。  〔資料提示〕  海水浴場が開設されず、また海水浴の自粛を発信しても、夏になれば、県内外から多くの方が訪れることは避けられないと考えられ、それに伴い様々な問題が発生すると思います。  例えば、安全面の問題です。海水浴場を開設しないことで、監視員等が配置されないことになり、人命救助などの安全面での不安が残ります。  また、これまで海水浴場に適用されていた条例や組合のルールも適用されなくなることによる治安の問題や、さらに、ごみの放置や公衆トイレの過密化といった公衆衛生の問題への懸念もあります。  こうしたことから、ガイドラインを策定した県は、海水浴場の開設についての考え方を示すとともに、海水浴場が開設されなかった場合の取組についても明らかにすべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症が終息していない中での海水浴場の開設について、どのように考えているのか、また、海水浴場が開設されない海岸における安全対策等について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、公立高等学校入学者選抜について伺います。  全国一斉に学校の臨時休業が要請されて以来、県内の中学校等においても、3月から春季休業を挟んだ5月末までのおよそ3か月にわたり臨時休業が実施されてきました。  緊急事態宣言が解除され、6月から学校の教育活動が段階的に再開されましたが、入学者選抜を控える中学3年生や、その保護者の多くは、授業が行われなかった期間が長く続いたことから、学習の遅れや地域ごとの違いに大きな不安を抱いているものと考えます。  本来、公立高等学校の入学者選抜は、中学校で学び、身につけた学力を基に総合的に選抜するものであり、学校や地域によって子供たちの学びに違いがないように取り組んでもらうことが必要だと思いますが、このような状況にあっては、子供たちの学びの状況を踏まえ、公平・公正な入学者選抜が行われることが必要だと考えます。  文部科学省からは、地域における中学校等の学習状況等について、都道府県教育委員会や市区町村教育委員会、私立学校等の関係団体及び中学校等の間で適宜情報共有を図り、適切な検討を行う中で、令和3年度高等学校入学者選抜等における出題範囲や内容、出題方法等について、必要に応じた適切な工夫を講じるよう通知が出ていると承知していますが、これまでにない事態であることを踏まえ、受検を希望する者一人一人が安心して受検に臨めるよう、誰一人として不利益を被ることがないように措置を講じることが重要と考えます。  そこで、教育長にお伺いします。  こうした状況を踏まえ、来春の令和3年度、本県の公立高等学校入学者選抜について、どのように考えているのか、教育長の見解を伺います。  〔資料提示〕  最後に、新型コロナウイルス感染症に関連した犯罪への対策について伺います。  政府は新型コロナウイルス感染症の拡大が国民生活に及ぼす影響を軽減するため、緊急経済対策として、家計への支援のための特別定額給付金をはじめ、県民や事業者に対し、様々な補助金、給付金の制度を設けており、県や市町村でも同様に各種経済対策に取り組んでいるところであります。  このような経済対策に便乗して特別定額給付金をだましの名目とする特殊詐欺などの犯罪の発生が懸念されます。  報道等によれば、県内においても、自治体の職員等をかたって給付金受給手続のためと称して、口座番号や暗証番号等を聞き出そうとするだましの電話や、個人情報等をだまし取る目的と思われる自治体等の偽サイトの存在が確認されているところであります。  〔資料提示〕  新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、不安や不満を抱えながらも全ての県民が一致団結して新しい生活様式にのっとった各種対策に取り組まなければならない中、こうした状況に乗じ、困窮している方々を狙い撃ちにする悪質卑劣な犯罪は許し難いものであり、県警察による取締りの徹底はもとより、県、市町村をはじめとする関係機関・団体と連携し、被害に遭わないための広報啓発活動にも、より積極的に取り組むべきと考えます。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  県内における新型コロナウイルス感染症に関連した特殊詐欺事件の発生状況と、こうした犯罪への対策にどのように取り組んでいるのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県民の安全・安心を守る取組についてお尋ねがありました。  まず、複合災害における避難所対策についてです。  地震や風水害などの災害が発生した際に、市町村が行う避難所運営において、今後、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すことが重要になります。  そこで、県は先週、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営に係る考え方を取りまとめ、主に三つの観点から市町村の避難所対策を支援することとしました。  まず1点目は、避難所のさらなる確保です。  県は市町村の求めに応じ、引き続き県立施設の避難所指定に積極的に協力するほか、避難所に指定されていない県立施設についても、緊急時に活用できる仕組みを構築します。  2点目は、避難所の感染防止対策です。  国はしっかりとゾーニングしたレイアウトを示していますが、避難所の多くを占める学校や公民館などは直前まで利用されており、市町村が万全な準備を行うことが難しいという課題があります。  そこで、初期対応として、避難所入り口での検温や手指消毒の徹底、マスクやフェースシールドの配布など、感染防止を図れるよう最低限必要な対策を示しました。  また、県がNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワークと協定を締結している間仕切りシステムを活用して、感染防止とともにプライバシーの確保を図ることなども示しています。  3点目は、自宅で療養している新型コロナウイルス陽性患者の避難です。  風水害で被害のおそれがある自宅療養者を、市町村と連携して事前に県の宿泊療養施設に搬送、避難させる仕組みを構築しました。  県としては、こうした取組を通じ、新型コロナウイルス感染症と自然災害の複合災害に市町村とともにしっかりと備えてまいります。  次に、海水浴場の開設及び海岸の安全対策等についてです。  今年の海水浴場の開設に当たっては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底していただく必要があります。  そこで、県は海の家の完全予約制等を盛り込んだ県独自のガイドラインを策定し、これを基に海水浴場開設者に開設可否の判断をしていただいたところ、結果として、県内全ての海水浴場が開設されないこととなりました。  海水浴場の関係者の皆様が感染拡大防止の視点から大変重い決断をされたものと受け止めています。  次に、海岸における安全対策等についてです。  今年は海水浴場が開設されないことから、例年であれば市町等の開設者が担う安全対策等が実施されません。そこで、このことを皆様にしっかりと認識していただくことが必要です。  県は、例年と同様の安全対策等が確保されていないことを広く県内外に発信するとともに、遊泳自粛を促す看板をできるだけ多くの目に触れるよう、それぞれの海岸に多数設置します。  また、砂浜での飲酒を控えることや、ごみの放置を禁止することなどの自主ルールを地元市町とともに策定し、広く周知するとともに、ルールを明示した看板を同様に設置します。  そして、警備員などによる海岸パトロールを強化し、海に来られる皆様に密集、密接を避けることを呼びかけながら、遊泳自粛や自主ルールの遵守を促すとともに、水上バイクやサーファーとの接触を防ぐための声かけも行っていきます。  さらに、万一の事故に備え、公益財団法人日本ライフセービング協会と海岸における水難事故防止に向けた包括的な協定を締結します。これに基づき、事故防止に向けた知識の普及啓発や情報発信に連携して取り組むほか、海岸のパトロールにライフセーバーに加わっていただくことも考えています。  加えて、人が多く集まる海岸では、ドローンを活用した監視、救命活動を行うなど、神奈川ならではの安全対策も検討しているところです。  県としては、引き続き地元市町と十分に連携しながら、この夏の海岸における安全対策等にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  公立高等学校入学者選抜についてです。  本県の公立中学校では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、5月31日まで臨時休業を実施し、その間、家庭学習用の課題を生徒に課すなど、学習支援に取り組んできました。  しかし、約3か月にわたり、学校での授業が行われなかったことから、特に高校受検を控えた中学校3年生やその保護者には、中学校で本来学ぶべき内容を受検のときまでに全て学習できるのかといった不安を抱いている方もいらっしゃると認識しています。  県教育委員会としては、臨時休業が実施された中でも中学生が安心して高校受検に臨めるよう、今年度の学力検査については、3年生が受検までの間に中学校で学んできた内容からのみ出題することとします。  そのためには、公立中学校長会等を通じた中学校における学びの計画や一定の進捗状況の把握が必要です。既に公立中学校長会との話合いを始めていますが、今後も引き続き情報をいただきながら、県立高校と同じ学力検査を行う市立高校の設置者である横浜市、川崎市及び横須賀市の各教育委員会と調整を進めるなど、公正で公平な入学者選抜に向け、準備してまいります。  特に学力検査の出題については、中学校の学習状況を踏まえ、学習指導要領に記載された内容の中から範囲を限定して実施したいと考えています。そして、7月当初までには各教科の出題範囲をお示ししてまいります。  答弁は以上でございます。  〔警察本部長(大賀眞一)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 大賀警察本部長。 ◎警察本部長(大賀眞一) 新型コロナウイルス感染症に関連した犯罪への対策についてお答えいたします。  令和2年5月末現在の県内における特殊詐欺の認知件数及び被害総額は、いずれも暫定値でありますけれども、781件、約12億3,300万円で、前年同期と比べますと認知件数は315件の減少、被害総額は約8億4,700万円の減少となっております。  なお、新型コロナウイルス感染症に関連した特殊詐欺につきましては、2月に初めて県内で相談があったことにより確認をされまして、5月末までに7件の被害を認知しております。また、前兆電話等も含めますと50件を把握しておるところでございます。  具体的には、コロナウイルスの関係で助成金が出るが、キャッシュカードの交換が必要だなどと、うそを言って、キャッシュカードをだまし取る手口などが確認されているところでございます。  この手口は、これまで確認されているキャッシュカードをだまし取る手口に酷似しておりまして、社会情勢を反映したキーワードを織り交ぜることで、だましの文言に信憑性を持たせているものと考えられます。  県警察では、こうした新型コロナウイルス感染症に関連した犯罪に関する情報収集と取締りを徹底するとともに、県民の皆様が被害に遭わないための広報啓発活動に取り組んでおります。  具体的には、このような特殊詐欺の手口の周知を図るため、動画を作成いたしまして、県警察ホームページやツイッター、ユーチューブ等に掲載しているほか、民間事業者の協力をいただき、テレビコマーシャルを制作し、放映するなどしております。  あわせて、自治体、金融機関をはじめとする関係機関・団体が構築している情報網も活用させていただきながら、被害に遭わないための注意点をより早く、多くの方に知っていただけるよう広報啓発に取り組んでおります。  県警察では、新型コロナウイルス感染症に対する県民の皆様の不安感等に付け込んだ特殊詐欺などの犯罪の被害防止に努めるとともに、こうした事犯に対する取締りを徹底し、抑止と検挙の両面で対策を強化してまいります。  以上でございます。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 それでは、海水浴場の開設及び海岸の安全対策に関連して再質問させていただきます。  海水浴場が開設されない海岸における安全対策については、ある程度理解させていただきました。  公衆衛生の問題のうち、特にトイレの問題を懸念しております。例年は、海水浴場の開設者が設置するトイレが多数あります。多くの方が訪れても海岸の公衆衛生が保たれていましたが、今年はどのようになってしまうのか、大変心配しているところであります。  そこで、知事、この問題について、どのように考えているのか、見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  今年の夏は海水浴場が開設されないため、トイレは設置されず、公衆衛生の面で大きな課題がある、そういう認識を私も持っております。  現在、海水浴場が開設されないことに伴う様々な課題について、それぞれの海岸の事情を考慮しながら、地元市町とともに検討を進めております。その中で、このトイレの問題についてもしっかりと対応してまいりたい、そのように考えております。  私からの答弁は以上です。  〔細谷政幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(嶋村ただし) 細谷政幸君。  〔細谷政幸議員登壇〕 ◆細谷政幸議員 それでは、要望いたします。  まず、海水浴場の関係について、4点要望いたします。  今年の夏、本県で初めて海水浴場が開設されないことは大変残念に思います。  ガイドラインに対しては、砂浜に一定間隔の目印を置くとか、海の家を開くならば完全予約制でなど、現場目線を欠いているといった声が多く、開設側からすれば、厳しい基準を突きつけられ、暗に開設しないでくれと言われているのも同然であり、5月27日に休業要請を緩和した他の業種に比べても、極端に厳しい基準であると言わざるを得ません。  県としてガイドラインを示した以上、県の責任でやらなければならないという強い意識を持って、海岸の安全対策、治安対策などに取り組んでいただくよう要望いたします。  2点目は、事業者に対する支援についてであります。  海の家では夏の2か月間の売上げが1年分の収入に相当するとのことで、事業者からは、持続化給付金の支給を受けても到底足り得るものではないという不安の声を伺っております。  こうした特殊な事情も踏まえ、支援金を支給することについても、ぜひ要望したいと思います。  3点目は、県所管外の海岸への対応についてであります。  神奈川県には25の海岸がありますが、横浜の海の公園や横須賀の猿島、茅ケ崎のサザンビーチちがさきなど五つの海岸を除く20の海岸について、本県が海岸管理者となっています。  県は、こうした所管外である海岸については対応しないという立場を取っていますが、神奈川の海岸の一体的な安全管理についても、しっかりと考えていってほしいと思います。  4点目は、海岸における統一的なルールづくりについてであります。  県と市町で連携して海岸の自主ルールを決めていくとのことでありますが、海岸ごとにルールにばらつきがあると、ルールが緩い海岸に人が密集することも懸念されますので、ぜひとも県が主導的な役割を担って統一的なルールを策定していただくようお願いいたします。  避難所対策についてでありますが、これから本格的な出水期を迎えますので、新型コロナウイルス感染症と自然災害の複合災害を前提とした避難所対策として、避難の在り方についても十分留意していく必要があります。  県民一人一人が、平時からハザードマップ等を確認し、危険でない地域の場合は自宅での避難、また高層マンションなどの場合は垂直避難、そして、ホテルや旅館等の積極的な活用も含め、可能な限り多くの避難方法を検討して備えていく必要があると思います。  一方で、避難所に来ない人がいることをしっかり把握しておかないと、その人が安全な場所に避難していることを知らずに、捜索活動を行った人が被害に遭ってしまうという事態が発生してしまう可能性があります。  今後は避難場所を増やす取組に併せて、市町村が行う安否確認の方法についても、県がリーダーシップを発揮して支援を強化していくよう求めます。  また、昨年の台風にも見られるように、近年、全国各地でこれまでの想定を超えた豪雨などにより、河川の氾濫や崖崩れによる大規模水害が発生しており、県には、応急、復旧において迅速な対応が求められます。  特に、感染防止のためには欠かせない手洗いやうがいに必要な生活用水の確保は、最重要事項であります。県の関係各局が連携して、速やかに生活用水を確保できる体制を構築するよう求めます。  今後は、想定を超えた災害から県民を守るため、災害対策についてはこれまで以上に取組を強化し、災害に強い神奈川を実践していくよう要望いたします。  最後に、新型コロナウイルス感染症に関連した犯罪への対策についてであります。  特殊詐欺の犯行グループは、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済対策や県民の不安などに便乗した手口での犯行を敢行していることが確認できました。  今後も、社会情勢の変化に応じて様々な口実で県民の貴重な財産をだまし取る特殊詐欺の発生が懸念されるところであります。  県警察にあっては、引き続き、関係機関、団体と連携した広報啓発活動等、被害防止のための対策を強化するとともに、悪質な犯罪の取締りにも積極的に取り組み、特殊詐欺撲滅に向けて尽力するよう要望いたします。  以上で、私からの代表質問を終わらせていただきますが、今後、常任委員会が開催されますので、ぜひそういった場でさらに踏み込んで議論をお願いし、代表質問を終わらせていただきます。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(嶋村ただし) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(嶋村ただし) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時5分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第2回-20200616-028682-質問・答弁-中村武人議員-代表質問①新型コロナウイルス感染症に関する諸課題について②グランドデザインと神奈川県の戦略について③行政の効率化と歳出の削減について④県政の重要課題について》                   午後3時25分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共59名 ○副議長(いそもと桂太郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 質問を続行いたします。  中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕(拍手) ◆中村武人議員 横浜市神奈川区選出の中村武人です。  議長のお許しをいただきましたので、私は立憲民主党・民権クラブ県議団を代表し、通告に従い、順次質問させていただきます。  知事、教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問に先立ち、一言申し上げます。  国難と言われる新型コロナウイルス感染症の拡大。深い傷を負った多くの県民がいることを想像すると、我が会派としても責任感を持って事態に当たらなければなりません。  職員の皆様におかれましても、県民に寄り添いながら、日々業務を行っていることと思います。そんな皆様を応援させていただくと同時に、私たちは県民の皆様の立場に立ち、時として厳しい意見を皆様に申し上げていかなければなりません。そのように考えております。  本日はそのような思いを持ち、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症に関する諸課題について、8点お伺いさせていただきます。  まず、持続可能な財政運営についてです。  県はこれまで、新型コロナウイルス感染症について、感染拡大を収束させるため、適切な医療を提供できる体制を整えてきました。また、施設の休業要請等に伴い、影響を受ける事業者の活動を支えるための取組などを、4月、5月の補正予算措置等により進めてきました。  我が会派としても、様々な状況の変化に応じた速やかな対応を求めてきたところであり、当局が機動的に対応してきたことは、今後の検証の結果にもよりますが、現段階では大変な御努力をしていることと理解しております。  また、財政問題については、これまでも会派として継続的に取り上げてきました。今回の新型コロナウイルス感染症対策を財源の面から見ると、緊急経済対策により国が創設した交付金を最大限に活用しているものの、不足する分は財政調整基金を取り崩して対応している状況であります。  〔資料提示〕  不測の事態に備えた県の貯金である財政調整基金は、厳しい財政運営の中で積み立ててきた結果、約600億円までになりました。しかし、令和2年度当初予算において財源不足を解消するために約130億円を取り崩し、さらに新型コロナ対策の補正予算で約170億円、合計で約300億円を取り崩すなど、僅か1年で半分になってしまいました。  さらに、今後、税収減が見込まれる中で、来年度の当初予算編成においても財政調整基金を取り崩す可能性が高いのではないかと考えており、現下の状況はまさに綱渡りの財政運営と言わざるを得ません。我が会派として大きな危機感を持っていることを改めて表明しておきます。  新型コロナ対策に即応するためには、財政調整基金の取崩しもやむを得ないことだと理解はいたします。しかし、先日の総務政策常任委員会において我が会派から質疑を行ったところでありますが、改めてこの場で知事に申し上げますと、イベント等の不急の事業を組み替えること、さらには、平時においては必要な事業でも、有事においては不要になる事業もあるのではないか、そのような厳しい視点を持って、一度可決された予算を見直し、財政健全化に取り組む必要があるということです。  そこで、知事に伺います。  現在の財政調整基金の残高について、どのように認識しているのか、また、まずは財政調整基金に頼ることなく、持続可能な財政運営を行うべきと考えますが、併せて知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の2点目は、新型コロナウイルス感染症に係る対応の事後検証についてです。  これまで新型コロナウイルスの対応については、県庁各課が刻一刻と状況が変化していく中で、その都度対応してきたことは承知しております。  現在も新型コロナウイルス感染症に対応するため、様々な施策を打ち出している最中であり、会派としてしっかりと後押しをする必要があると感じています。  しかし、あらゆる施策は事後検証を行うことで、その施策をよりよいものにする必要があります。  新型コロナウイルス感染症に関しても、このことは例外ではありません。いまだに収束を迎えられず、長期的な対応が求められることが予想されるからこそ、必要に応じて事後検証を行っていかなければなりません。  例えば、これまでの対応として、県の初期対応は適切であったのかどうか、医療崩壊を防ぐための神奈川モデルは適切であったのかどうか、事業者への協力金は適切に県民に行き渡ったのかどうか、神奈川県の経済基盤を守る補助金の効果はどうであったのか、必要に応じて検証を行うことは重要だと考えます。  〔資料提示〕  さらに言えば、3月26日に発表があった、コロナファイターズの件です。コロナファイターズのステッカーの前でガッツポーズする知事の姿に、多くの県民は驚きを持って反応しました。4月7日に、知事は、コロナファイターズを積極的には使用しないことを表明しました。私は、これは事実上の撤回であると考えています。もちろん、この事実上の撤回は、知事が謙虚に県民の思いに耳を傾けた結果であり、その意味において、この場でこれ以上は申し上げません。  しかし、問題はこれで終わっていません。このような僅か12日間で事実上の撤回をせざるを得なかった政策に対して、時の副知事は何をしていたのか、行政の矜持を持って身を挺して反対したのか、そういったことの検証も私は重要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症への対応が長期化することが予想される中、必要に応じて、その都度事後検証することにより、県民にとって有益な施策を打ち出していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の3点目は、新型コロナウイルス感染症の第2波に備えた対応についてです。  5月25日に、緊急事態宣言がおよそ1か月半ぶりに解除されました。  この間、県民や事業者の皆様におかれましては、外出や営業の自粛など、感染拡大を防止するための様々な取組に御理解、御協力をいただきました。また、医療機関や福祉施設等の従事者の皆様には、感染の危険と隣り合わせの中、今なお最前線の現場で献身的に御尽力いただいており、心から敬意を表します。  〔資料提示〕  緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスがなくなったわけではありません。諸外国をはじめ、国内でも北海道や北九州の例に見られるように、感染の第2波がいつ起こるのか、県民は大きな不安を抱えております。  一日も早く日常生活を再開したいと願う一方、特に重症化のリスクの高い高齢者の方々の中には、感染のリスクを恐れて、なかなか活動を再開できない方もいらっしゃるとお聞きします。  日常生活や社会活動を再開する上で、感染を防止するには、具体的にどういった点に気をつけて、どのように過ごすべきなのか、戸惑う県民も多いのではないかと考えます。  ワクチン等が開発されていないなど、当面、新型コロナウイルスと共存せざるを得ない今後の社会において、感染の第2波を阻止し、安心して日々の暮らしを送るためには何が必要なのか、全ての県民に分かりやすく明確な形で県からしっかりとメッセージを発信すべきだと考えます。  また、第2波を起こさないための県の取組、万一起きてしまった場合の県の対処方法などを県民に示すことで、その不安を解消することも重要です。  そこで、知事に伺います。  緊急事態宣言解除後の新たな生活において、感染の第2波を防ぎながら、安心して日常生活を再開してもらうため、県民に対してどのようなメッセージを発信していくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の4点目は、新型コロナウイルス感染症に対応する広域的な医療連携についてです。  新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、医療提供体制をしっかりと確保し、医療崩壊を防ぐことが重要です。  〔資料提示〕  本県では、患者の症状に応じた医療の資源配分を行う神奈川モデルを構築しました。全国的に感染が拡大し、地域によっては病床が逼迫するところも出る中、本県では患者の受入れに支障を来すことなく対応できたことは胸をなで下ろす思いです。  一方、感染者が急増した4月に政府が緊急事態宣言を出す中で、埼玉県においては、医療機関への入院待機中に自宅で療養されていた患者の容態が急変し、亡くなられたという不幸なケースもありました。  今回の感染の第1波においては、本県の医療提供体制は何とか危機に陥ることなく機能しましたが、今後の第2波がどういった形でやってくるのか予測は大変難しい状況です。そのため、いざというときには近隣の都県が協力して対応できるよう、県をまたいだ病床確保や搬送体制の確立、そして、人材や物資などの医療資源を相互に融通できるような仕組みを整備すべきだと考えます。  また、こうした広域的な医療連携の必要性は、県内においても同様であります。本県では、医療機関などで大規模な院内感染が複数発生しています。今後も、一つの地域で大規模なクラスターの発生や患者が急増した場合に備え、県が主導して、二次医療圏を越えて速やかに患者の搬送や医療物資の提供ができる体制整備を進めていかなければなりません。  そこで、知事に伺います。  感染の第2波に備えて、病床や医療資源の融通など、県内外における広域的な医療連携を進めることが重要であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の5点目は、公立小・中学校における学びの保障についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大を防止し、子供たちの安全・安心を守るために、県内全ての市町村立小中学校は、3月初めから5月末にかけて臨時休業となりました。  この休業中、各小中学校では、子供たちが自宅などで過ごす際の学習課題の提供に加え、家庭訪問や電話連絡等による一人一人の学習への取組状況の把握など、教職員が学習支援に懸命の努力をしてきたと承知しています。  しかしながら、臨時休業が3か月に及び、その間、学校で授業が行われなかったことは、子供たちが学習を進める上で大きな影響があったのではないかと考えます。あわせて、学校では夏休みの短縮などの指導計画の変更や、授業以外での補習など、教職員にとって、ますます負担が大きくなることも懸念されます。  〔資料提示〕  6月から教育活動が再開されるに当たり、県教育委員会では、公立小中学校、県立高等学校、県立特別支援学校向けにガイドラインを作成しました。  公立の各小中学校で教育活動が再開される中、各学校においては、子供たちの学ぶ機会を保障していくため、県のガイドラインを参考にし、児童・生徒が家庭等で行ってきた学習の状況の把握や、それに基づく一人一人の状況に応じた補習等の学習支援を行っているとお聞きします。  そして、県教育委員会としては、学校におけるそうした学習指導の取組の支援に加え、新型コロナウイルス感染症防止のための消毒作業や環境整備などの新たな業務に取り組んでいる教職員の負担増への配慮が必要です。  そこで、教育長に伺います。  公立小中学校における児童・生徒の学びの保障について、県教育委員会として、どのように支援していくのか、教育長の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の6点目は、介護現場の感染防止対策への支援についてです。  介護現場の方々はその業務の特性から三つの密を避けることが困難な中、感染リスクの不安を抱えながら高齢者の生活を支え続けています。現場を見るにつけ、関係者の方々に感謝の思いを強くする次第であります。  これまで県内の介護現場では感染拡大が一定程度抑えられており、これは介護に従事する皆様方の努力のたまものと思っております。  本県では、去る5月25日に緊急事態宣言が解除されたところでありますが、引き続き感染防止のための取組を行う必要があります。  新型コロナウイルス感染症対策の神奈川県対処方針でも、感染防止対策の促進が求められており、重症化のリスクが高い高齢者をケアする介護サービス事業所では、特に感染防止策を徹底することは大変重要です。  県では、介護サービス事業所の新型コロナウイルス感染拡大防止対策を支援するため、4月補正予算でマスクや消毒用アルコールを施設に配付するなど、様々な支援に取り組んでおります。  しかしながら、介護現場では、現状でも衛生用品が不足しているという声が聞こえてきています。このようにせっかくの本県の取組が伝わっていない現場もあります。  また、介護従事者は医療職と違って感染症についての知識は十分でない場合もあります。不安を抱きながら従事している介護従事者に感染防止に必要な情報を提供するなど、さらなる支援が必要であります。  そこで、知事に伺います。  今後、新型コロナウイルス感染症に対する介護現場の不安を解消し、安心して高齢者の生活を支えていくため、県として感染防止対策の支援にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の7点目は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所の確保についてです。  我が国では、毎年7月から10月にかけて多くの台風が接近して、全国各地に大雨や洪水、暴風、高潮などの災害をもたらします。  台風や前線による大雨によって、崖崩れや川の氾濫が多く発生し、住民はあらかじめ安全な場所へできるだけ早く避難する必要があります。  今年も間もなく本格的な台風シーズンが来ますが、これまでとは異なり、新型コロナウイルス感染症が発生していることを踏まえた避難所対策も考えておかねばなりません。  〔資料提示〕  市町村が避難所を開設し、避難勧告や避難指示を発出すると、多くの住民が避難所に向かうことになります。しかし、多くの住民が押し寄せると、限られたスペースの避難所に多くの人が集まることから、新型コロナウイルスによる感染の拡大が懸念されます。  避難所の1人当たりのスペースは、一般的に2平方メートル前後で計算されている場合が多いと聞きます。しかし、感染症対策のための新しい生活様式に従って、人との間隔を2メートル空けて避難スペースを確保しようとすると、避難所に入れる人数は、これまでより半減してしまうということになります。  言うまでもなく、緊急時に3密になるから避難所に入れないという事態は、県民の命を守るため、絶対に避けなければなりません。  県地域防災計画の資料として公表されている避難所の一覧を見ると、学校や公民館などの公共施設が多く、県立施設も避難所として市町村から指定されている例があります。県立施設などのさらなる活用を図ることで、避難所を増やすことは可能ではないでしょうか。  また、観光立県である本県には、平成30年度には延べ約1,800万人もの観光客が宿泊した実績があります。公共施設だけでなく、旅館やホテルなどの民間の宿泊施設の活用により、避難所の数を増やすことも検討すべき課題であります。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症を踏まえ、さらなる避難所の確保に向け、市町村支援を強化する必要があると考えますが、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の8点目は、新型コロナウイルス禍におけるこころのケアについてです。  新型コロナウイルス感染症は、健康や経済だけでなく、日常生活にもこれまでと異なる大きな影響をもたらしています。  例えば、先日、タレントの方が新型コロナウイルスによりお亡くなりになられました。しかしながら、そのタレントの御遺族の方が入院後に面会もできず、遺骨になった後でなければ会えなかったという報道がありました。  〔資料提示〕  御家族や大切な方を失うことは非常につらいことであります。このように新型コロナウイルス感染症という特殊な状況のため、別れも思うようにできなかったことは、御遺族にとってやりきれない思いであったと想像します。  また、新型コロナウイルス感染症に関しては、これまでも感染症への不安や感染拡大防止のための長期の外出自粛、休業等により、多くの方が多大なストレスを抱えている状況にあります。  加えて、今後、新型コロナウイルスと共存しながら新たな生活様式を実践していくことについての不安もあることから、心の健康状態が悪化し、自殺につながってしまうケースがあることも懸念されます。  我が会派では、かねてより心のケアを含む自殺対策の重要性について主張してまいりました。神奈川県における自殺死亡率は減少傾向にあり、これまでの自殺対策に関する取組については、本県は結果を出していると言えます。  現在、新型コロナウイルス感染症による社会的・経済的影響を受け、県民のストレスは非常に大きくなっておりますが、これまでも自殺対策に取り組んできた神奈川県だからこそ、心の傷を負った方に寄り添った対応が求められていると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス禍における心のケアについて、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 中村議員の御質問に順次お答えしてまいります。  新型コロナウイルス感染症に関する諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、持続可能な財政運営についてです。  初めに、財政調整基金の残高についての認識です。  都道府県は標準財政規模の5%を超える赤字に陥ると財政再生団体となりますので、本県では、この標準財政規模の5%に相当する650億円を目安として財政調整基金の積立てを行ってきました。  こうした中、今年度は新型コロナウイルス感染症対策に迅速に対応するため、2度の補正予算を通じて財政調整基金を取り崩してきた結果、年度末の残高見込みは319億円となっています。この金額は積立ての目安である650億円の半分以下の水準であるため、本県の財政運営にとって大変厳しい状況にあると認識しています。  次に、持続可能な財政運営についてです。  新型コロナウイルスに対しては、県民の皆様の命を守るため、医療提供体制を確保するとともに、雇用と事業と生活を守り抜くことが重要です。  そこで、事態を早期に収束させるため、まずは国の補正予算で措置された交付金を最大限活用するとともに、イベントや事業の中止等による不用額を減額することにより、財源を確保し、新型コロナ対策に取り組んでいきます。  それでもなお財源が不足する場合は、財政調整基金に頼らない財政運営を念頭に置きつつも、必要に応じて基金を取り崩して、この緊急事態を乗り越えていかなければならないと考えています。  また、今回のコロナ対策では、事業者への協力金の支給額に差が生じるなど、地方自治体間の財政力格差が改めて浮き彫りとなりました。こうした財政力格差の是正を含め、地方の仕事量に見合った財源がしっかりと確保できるよう、引き続き地方税財政制度の見直しを国に強く働きかけていきます。  このようにあらゆる取組を通じ、様々な政策課題に的確に対応できる持続可能な財政運営を目指してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症に係る対応の事後検証についてです。  新型コロナウイルス感染症への対応は、県としてこれまで経験したことがない未曾有の事態であり、様々な対策を速やかに講じるとともに、刻一刻と変化する状況に応じ、検証を図りながら、施策の改善に努めてきました。  2月のクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号の経験から、中等症患者を集中的に受け入れる重点医療機関の整備を柱とした医療提供体制、神奈川モデルの構想が生まれました。  さらに、妊婦や新生児、透析患者など、様々な事情をお持ちの方々が適切な医療やケアを受けられるよう神奈川モデルを検証し、取組を進化させ、医療提供体制の充実を図っています。  そうした中、最前線で奮闘されている医療従事者の皆様やその御家族がいわれのない差別や偏見を受けているとの声が多くあったことから、そうした方々を応援し、感謝したいという趣旨でコロナファイターズの取組を始めました。  その名称について賛否様々な御意見があったことから、積極的には使っていませんが、医療従事者の皆様への風評被害等の問題をいち早く提起し、全国的な啓発活動につながったという意味で一定の効果はあったと考えています。  このほか、特定の業種で行っていた休業要請に関しては、同じ業種でも感染防止対策に差がある実態を踏まえ、緊急事態宣言の解除に当たり、個々の事業者が感染防止対策の徹底を図ることを前提に一律に解除することとしました。  また、補助金については、予算上の想定約1,200件に対し、5,000件を超える相談をいただいており、この補助金によって中小企業の感染防止対策が着実に進むことが期待されます。  新型コロナ対策は現在も進行中ですが、引き続き状況の変化に応じ、常に対策の検証と改善に努め、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症の第2波に備えた対応についてです。  緊急事態宣言が解除され、約3週間がたちましたが、今後は感染防止対策をしっかりと行って感染の波を抑えながら、社会経済活動を段階的に引き上げていくことが重要です。  私は緊急事態宣言の解除に当たり、引き続きマスクの着用や手洗いの徹底、三つの密を避ける、感染防止対策がなされていない場所には行かないなど、いわゆる新しい生活様式である基本的な感染防止対策を継続していただきたいと呼びかけました。  また、県は緊急事態宣言後の感染拡大防止と社会経済活動の両立を見据え、新たな社会経済モデルを示した神奈川ビジョンを策定しました。  具体的には、感染の第2波を早期に検知し、外出の自粛の要請などを行うための神奈川警戒アラートを発動する基準を定めて、それぞれのデータを毎日県のホームページで発信し、県民の皆様へ感染防止に向けた注意喚起に努めています。  また、県では、経済活動を進める上で、事業者の感染防止対策を見える化し、多くの方に伝えられる感染防止対策取組書や、施設利用者に対し、感染者が発生した際に注意喚起するLINEコロナお知らせシステムの運用を開始しました。  県内でこうした取組が拡大、定着することにより、感染防止を図りながら、社会経済活動の両立が実現できるものと考えており、県庁が一丸となって県民や事業者の皆様に取組の周知と利用を呼びかけています。  県はあらゆる機会を通じて、新しい生活様式により、感染防止対策や神奈川ビジョンに基づく取組を県民の皆様に分かりやすく発信することにより、感染拡大の防止と社会経済活動を両立させてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症に対応する広域的な医療連携についてです。  県はダイヤモンド・プリンセス号の経験を踏まえ、地域との連携協力の下、医療崩壊を防ぐための現場起点の医療提供体制、神奈川モデルを整備してきました。  神奈川モデルは県内全域を医療機関の役割分担や広域搬送、物資の融通など、二次医療圏を超える広域的な体制を構築することを目指しています。そのため、看護師等の人材や防護具などの医療資源の配備、二次医療圏を超えた病床調整などを効果的に行えるコーディネーターを県の対策本部に配置し、広域的に連携できる体制を整備しました。  このように最悪の事態を想定して準備した結果、第1波には十分対応できましたが、今後は日常の医療提供体制に戻しつつ、再度の感染拡大に備える必要があります。  そこで、感染拡大の兆候が見え、神奈川警戒アラートを発動した場合は、2週間以内に一度縮小した新型コロナ用の稼働病床を再び拡大することとしています。  そうした体制移行をスムーズに行うには、二次医療圏を超えた協力体制がさらに重要になるため、引き続き市町村や地域の医療機関等とこれまで以上に緊密に連携を図っていきます。  また、県域を超える連携については、全国知事会などを通じた医療資材の調整を行ってきましたが、病床の調整はこれまでのところ、その必要性に迫られる状況には至りませんでした。  しかしながら、今後、感染の状況によっては、県域を超える病床の調整が必要な場合も想定されますので、県としては、これまでの神奈川モデルによる医療提供体制などをしっかりと検証した上で、近隣都県との連携の内容や方法等について検討してまいります。  次に、介護現場の感染防止対策への支援についてです。  介護現場は業務の特性上、密着した対応が避けられず、感染リスクが高い職場であることから、感染防止対策を十分講じることが重要です。  県ではこれまで、国が示す感染防止対策や県内のクラスター事例などを分かりやすくまとめ、対応のポイントを介護事業所にお知らせしています。また、マスクや消毒用アルコール等、衛生用品の不足状況を市町村と連携して把握し、県が一括購入して順次配付しています。  しかし、手袋やガウンなど、まだ十分に需要に追いついていない衛生用品もあり、また小規模の事業所などからは、感染リスクの不安を訴える声が寄せられています。  今後は不足している衛生用品については、国の優先供給ルートを活用するだけでなく、県内で衛生用品等を扱う事業者を県独自で開拓し、介護事業所にきめ細かく配付していきます。  また、感染リスクの不安を抱える介護事業所に対しては、感染防止の実践的な対策を身につける研修会を県内各地で開催するほか、研修動画を配信し、正しい知識を基に対応できるよう支援します。  今後とも、介護現場の不安を解消できるよう感染防止対策の徹底にしっかりと取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所の確保についてです。  大規模災害が発生した際に、多くの住民が避難することで密になりやすい避難所では、新型コロナウイルス感染症が蔓延するおそれがあります。そのため、避難所において感染症対策を講じることに加えて、これまで以上に避難所を確保するなど、できるだけ密にならない取組が重要です。  そのため、県は先週、新たに新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所運営の考え方を取りまとめ、公表しました。  その中では、市町村が県立施設を避難所に指定する意向がある場合に、県は積極的に協力することや、避難所指定されていない県立施設を緊急時に活用できる仕組みをつくるなどの考えを示しています。  また、ホテルや旅館等を避難所として活用することを積極的に働きかけるなど、市町村の避難所確保の取組を支援していきます。  さらに、避難所以外の場所への避難について、住民に啓発することも重要です。そのため、日頃から住民がハザードマップなどで自宅等の災害リスクを把握し、必ずしも避難する必要がない場合は自宅にとどまることや、あらかじめ安全な場所にある親戚や知人宅への避難を考えることなどを市町村とともに周知していきます。  県としては、こうした取組を通じて、市町村と連携しながら避難対策の強化を図り、災害時に避難所への避難を真に必要とする方が安心してちゅうちょなく避難できるようしっかりと備えてまいります。  次に、新型コロナウイルス禍におけるこころのケアについてです。  現在、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化の影響により、多くの方が感染への不安、休業や雇い止めといった経済的な不安や外出制限によるストレスなどを感じていると認識しています。  不安やストレスを抱え込んで適切に解消されないと、最悪の場合は自殺に至ってしまうことも心配されるため、今まさに心のケアの取組をしっかりと行うことが重要です。  県ではこれまで、こころの電話相談で県民の心のケアに対応してきましたが、4月下旬からはLINEを活用した、いのちのほっとライン@かながわを開始し、電話相談にハードルを感じる方により相談しやすい環境づくりに努めています。  また、5月下旬からは、新型コロナ感染症により自宅や宿泊施設で療養されている方や、医療機関や社会福祉施設等で従事されている方向けに専用相談を開始するなど、相談体制の拡充も図っています。  さらに、これらの相談窓口について、LINEの新型コロナ対策パーソナルサポート等も活用して県民の皆様へ積極的に周知し、心のケアにつなげていきます。  このように新型コロナウイルス禍においても、県民の方に寄り添った心のケアを行うことにより、不安やストレスの解消を行い、誰もが自殺に追い込まれることがないよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  公立小・中学校における学びの保障についてです。  教育活動を再開した学校では、今後の地域の感染状況や児童・生徒の学習状況等に応じて、学習指導計画を見直しながら、教育活動の質の維持、向上を図っていくことが必要です。  そのためには、学校がまず、児童・生徒一人一人のこれまでの家庭における学習や心身の状況を丁寧に把握することが重要です。また、指導に当たっては学習の遅れを早く取り戻そうと急ぐあまり、知識や技能の習得のみに偏ることなく、児童・生徒の主体的に学習に取り組む意欲を育んでいくことが大切です。  県教育委員会では、こうした考え方や取組モデルをこの5月に策定したガイドラインに盛り込み、市町村教育委員会や学校に示しています。  また、教職員の負担を考慮し、4月補正予算で学級担任の補助を行う学習指導員等を措置するなど、小中学校の取組を支援してきました。  現在、各学校では県のガイドラインを参考にしながら、様々な工夫を行い、学習指導計画の見直しや児童・生徒一人一人の状況に応じた補習等の学習指導に取り組んでいます。  今後、感染症対策を行いながら、児童・生徒の資質、能力をバランスよく育んでいく授業をさらに進めていくためには、まずは各学校の工夫を凝らした授業実践を全県で共有していくことが求められています。  そのため、県教育委員会では市町村教育委員会と連携し、オンライン会議のシステムを活用して、指導主事がコーディネーター役となり、現場の教員同士が自分の学校にいながら各学校の効果的な実践を共有し、研究協議が行える新たな機会を設けてまいります。  また、国の2次補正予算を踏まえつつ、人的体制の充実についても必要な対応を図るなど、引き続き小中学校における児童・生徒の学びの保障について支援してまいります。  答弁は以上でございます。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事、教育長より御答弁いただきました。  2点、再質問させていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染症に係る対応の事後検証についてです。  県はこれまで、新型インフル特措法に基づき様々な対応を行ってきており、その検証も必要だと思います。もちろん細かいことはこれから様々検証しなければならないと思いますが、今の段階で知事が特措法に関しては、どのような問題があると考えているのか、その御認識をお伺いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症に対応する広域的な医療連携についてです。  医療物資については、生産の大部分を海外の企業などが担っていることから、大量のロットでないと発注できないなど、小規模の医療機関が困っている実例があると聞いています。  今後の感染拡大に備えて、地域の医療提供体制を守るため、特にそうした医療物資の確保については、県内の市域をまたいで県が調整して確保することで、医療従事者の支援を行うべきだと考えますが、知事の考えを伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  特措法に関しては幾つかの問題点があると思っております。具体的には特措法上、知事は県の区域における総合調整を行う役割がありますけれども、感染症法では知事と保健所設置市は同格であり、法律上の整合が図られていないといったことが挙げられます。  また、国と都道府県の役割が不明確でありまして、都道府県知事の権限で行う休業要請・指示に対して、損失補償の規定がないといったことも課題だと考えております。  こうした点につきましては、これまでも全国知事会などを通じて国に要望してきたところでありまして、今後も機会を捉えて、改善に向けて意見を伝えてまいりたい、そのように考えております。  続いて、医療物資についてでありますけれども、医療物資については、基本的に国が運営する医療機関のモニタリングシステムの情報を基にしまして、国や県が各医療機関の在庫状況や必要数を把握して提供する、こういった仕組みで対応しております。  国のモニタリングシステムの対象とならない診療所やクリニックなどの小規模な医療機関については、県が関係団体等を通じてニーズを把握し、必要な医療物資が行き渡るよう取り組んでいます。  県は引き続き、こうした物資提供の仕組みを円滑に運営するとともに、物資の不足により治療に支障を来す医療機関がないよう、きめ細かい現場のニーズの把握とタイムリーな物資提供に努めてまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、意見を申し上げます。  まず、持続可能な財政運営についてです。  知事からは、持続可能な財政運営を目指すという答弁がありました。今後、新型コロナウイルス感染症による経済への影響が税収という形で現れてきます。それに伴い、県債管理目標や中期財政見通しなどの大幅な修正も予想されます。その場合においても、持続可能な財政運営という視点を忘れずに対応していただくよう意見を申し上げます。  次に、新型コロナウイルス感染症に対する事後検証についてです。  知事からは、コロナファイターズに関して、一定の効果があったという答弁がありました。そうであるならば、ぜひ積極的に使うべきではないでしょうか。  もっとも、このステッカーをどのような思いで知事が作ったかということをお聞きしました。その思いというのは正しいと思いますので、もう少しうまくやっていただけなかったかどうか、このことを意見として申し上げておきます。  次に、新型コロナウイルス感染症の第2波への対応についてです。  県民の不安を解消するためには、単に施策を準備しているだけでなく、何を行っているのか県民に伝える必要があります。当面の間、新型コロナウイルスと共存せざるを得ない状況においては、県が必要に応じて県民にメッセージを発していく必要がありますので、その対応をよろしくお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症に対応する広域的な医療連携についてです。  新型コロナウイルス感染症で、本県において、ある分野で十分な医療資源があれば、他の都道府県に提供することは、翻って本県が何か医療資源が不足したときに、その資源を提供していただける資格を持つことになることを意味すると思っております。  このような循環を日本全国、神奈川県内、そして世界各国に広げるよう知事が活動するように意見をいたします。  また、再質問させていただいた医療従事者の支援。感染リスクのある中で医療に従事する人に対する県のさらなる支援の充実を行うよう意見を申し上げます。  次に、公立小・中学校における学びの保障についてです。  新型コロナウイルス感染症により、前例のない事態が学校現場に降りかかっています。その犠牲になってしまうのは弱い立場の子供たちです。また、その子供たちを支える立場にある学校の先生方も大きな負担が生じていることも想像できるところです。  県としては、子供たちに不利益が生じないよう、政策の総動員を行うこと、また、子供を支える学校の先生にも寄り添った対応を行っていただくことを要望いたします。  次に、介護現場の感染防止対策についてです。  私の地元である横浜市神奈川区を自転車で走っていたときのことです。ある介護施設の前を通りました。感染リスクの不安を抱えながら高齢者の生活を支え続けている人たちを目の当たりにする機会がありました。その方々は業務上、3密を避けることはできません。それでも、職務を全うする姿、その行為に笑顔で応える御高齢の方、改めて敬意を表します。今後もこうした現場に行政の対応が届くようお願い申し上げます。  次に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難所の確保についてです。  県内の一例でありますが、多摩川河川敷の氾濫が心配されたとき、避難勧告がなされました。しかし、洪水での避難対象者11万人に対し、用意できた避難所の収容人数は僅か3万3,000人に過ぎませんでした。早急に県が対応するよう意見いたします。  また、本来避難所に来ないほうが安全な県民までも避難所に来てしまうという問題も発生しています。県が正確な情報発信を行うことを求めます。  次に、新型コロナウイルス禍におけるこころのケアについてです。  新型コロナウイルスの感染でお亡くなりになった方、そして、その御遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げます。  新型コロナウイルス感染症にかかってしまった被害者である県民が理不尽な差別を被るとしたら、その県民に寄り添った施策の展開を行う必要があります。死者の名誉、御遺族の名誉、新型コロナウイルス感染症に関わった人々に寄り添った施策を県が行うことを求めます。  以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人 議員  〔資料提示〕  質問の第2は、グランドデザインと神奈川県の戦略について、4点お伺いさせていただきます。  まず、ヘイトスピーチ対策についてです。  神奈川の戦略4の、ともに生きる社会かながわの実現のために、ヘイトスピーチ対策は重要です。  我が会派としては、ヘイトスピーチの解消について、一昨年の第2回定例会、本会議代表質問で取り上げて以降、具体的な対策について、知事の見解を求めてきました。  〔資料提示〕  また、ヘイトスピーチを解消するための実効性のある取組として、ヘイトスピーチを規制する条例の制定や公の施設の利用制限を可能とするガイドラインの策定などについて提案してまいりました。  こうした中、令和2年第1回定例会、本会議代表質問において、知事からは、ヘイトスピーチ対策について、条例の策定を含め、実効性のある具体的な取組を検討していくとの答弁がありました。  一方で、コロナ禍の今、国は5月25日に、本県に対する緊急事態措置を解除しましたが、県においては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた業務を行っていかなくてはならない状況であることは十分承知しております。しかし、同時に、それを理由に県民に必要な施策推進が滞ってはならないことは指摘しておきます。  その意味において条例の制定も含めたヘイトスピーチ対策は、現状においてもしっかりと前に進めていただかなければなりません。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症対策が急務という状況もある中、ヘイトスピーチの解消に向けて、条例制定など実効性のある取組の検討について、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の2点目は、感染症対策を含む最先端医療・最新技術の今後の取組についてです。  神奈川の戦略1である、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進にとって、感染症対策を含む最先端医療・最新技術は重要です。  世界中へ感染が広がっている新型コロナウイルスは、国内でも4月7日に緊急事態宣言を発令し、同16日に全都道府県に地域を拡大し対応してきました。  そうした中、医療機関での院内感染や福祉施設等でのクラスターの発生など、高齢化社会を支えるインフラそのものが大きな危険にさらされており、あらゆる英知を結集して、この問題に対応していかなければなりません。  本県では、ヘルスケア・ニューフロンティア政策において、未病の改善と最先端医療・最新技術の追求の二つの大きな柱で高齢化社会を乗り越えることを目的に、ヘルスケアの分野から新たな社会システムを構築していこうとしております。  〔資料提示〕  特に最先端医療・最新技術としては、ライフイノベーションセンターを平成28年に川崎市殿町に整備し、がんや心臓病、アルツハイマー病等の治療薬などの研究開発を進める企業の支援のほか、県として再生・細胞医療の技術開発のプロジェクトなど、様々な取組を進めていると承知しております。  しかしながら、こうした社会問題の解決に資する技術開発は一朝一夕にできるものではなく、今回の新型コロナウイルスに対して、理化学研究所と県衛生研究所が共同で開発したスマートアンプ法を利用した迅速検出法にしても、平成28年から県が支援してきたものと伺っています。  今後、高齢化社会を迎える中で、その必要性に応じて、最先端医療・最新技術を追求し続けていく必要があります。  そこで、知事に伺います。  本県が、ヘルスケア・ニューフロンティア政策で推進している最先端医療・最新技術について、新型コロナウイルス感染症対策を含め、社会的課題の解決に向け、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の3点目は、神奈川の海でもある東京湾の魅力向上についてです。  かながわグランドデザイン、プロジェクト8農林水産の分野にとって、神奈川県の海でもある東京湾の魅力向上は重要です。  東京湾で漁獲される海の幸は、古くから江戸前の食材として知られております。  横浜市漁業協同組合は、東京湾で取れる新鮮な魚介類を購入し、味わうことができる漁港として人気を博しており、また、私の地元、神奈川区の子安の浜で水揚げされるアナゴやマコガレイは市場の評価が高く、令和になった現在も漁業が盛んに営まれています。この横浜をはじめ、東京湾は新鮮な海の幸の取れる魅力ある海であると言えます。  〔資料提示〕  しかしながら、今、神奈川の海でもある東京湾ではシャコやマコガレイなどの水産資源が大きく減少しています。その原因は、生き物が生きていけないほど、海水中の酸素の濃度が低くなってしまう貧酸素水塊という現象が発生しているためと聞いています。  この問題は漁業者の方々の努力だけで解決できる問題ではなく、県の対応が重要になります。残念ながら、現状はいまだシャコやマコガレイの漁獲量の減少に歯止めがかけられず、漁獲量を回復させるには至っておりません。  こうしたことから、県水産技術センターでは、平成28年度から、貧酸素水塊による影響を緩和し、水産資源の回復を図るための研究調査に取り組んでいることは承知しています。  このような取組を着実に進め、一日も早く魚介類のすみやすい豊かな海を取り戻すことが、神奈川の海でもある東京湾の漁業を振興し、ひいては地域の活性化にもつながると考えます。  そこで、知事に伺います。  神奈川の海でもある東京湾の魅力向上を目指し、水産資源を回復し、漁業の再生を図るため、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の4点目は、今後の観光施策の展開についてです。  かながわグランドデザイン、プロジェクト7は観光となっています。  新型コロナウイルスの感染の拡大を受け、政府は不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたぐ移動の自粛を促しました。  本県では、知事が「その外出はいのちよりも大事なものですか」と訴える外出自粛に関する緊急メッセージを発しました。  こうした取組は感染拡大の防止には大きな効果がありましたが、一方で、ゴールデンウイーク中に外出の自粛が行われたことから、観光産業は極めて深刻な打撃を受けたのではないでしょうか。  横浜や鎌倉など日帰り客が多い観光地への影響も大きかったですが、箱根では多くのホテルや旅館が休業しました。いつもは観光客で混雑する箱根湯本駅前が静まり返っていた光景からも、観光を支える宿泊業や運輸業、飲食業などに広く影響を及ぼしていることがうかがわれます。  〔資料提示〕  観光庁の宿泊旅行統計調査によると、4月の全国の延べ宿泊者数は、前年同月と比較してマイナス76.8%と大幅な減少となっており、5月の実績はさらに落ち込むことが見込まれます。また、日本政府観光局の調査によると、4月の訪日外国人数は、僅か2,900人にとどまり、前年同月比で99.9%減少しました。  この事態を鑑みて、今、知事がやるべきことは、神奈川県の観光業をしっかりと支えていくというメッセージの発信です。  一方で、緊急事態宣言の解除後も海外からの入国制限は継続されており、また、国内では一部の地域でクラスターが発生するなど、第2波、第3波の到来も危惧されています。そんな中で、国内・国外から広く本県に観光客を誘致することに慎重であるべきという視点も必要です。  そこで、知事に伺います。  落ち込んだ観光需要の回復が急務である一方、新型コロナウイルスの感染リスクが継続していくことが見込まれる中で、県としてどのように観光施策を展開していくのか、知事の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) グランドデザインと神奈川県の戦略について、何点かお尋ねがありました。  まず、ヘイトスピーチ対策についてです。  ヘイトスピーチは決して許されるものではありません。  県ではこれまで、多くの県民の皆さんに、ヘイトスピーチは許さないというメッセージを発信してきました。また、インターネット上での差別的な書込みをチェックするモニタリングの実施や弁護士相談窓口の開設など、啓発と併せてヘイトスピーチの被害に対する支援に取り組んでいます。  ヘイトスピーチ対策については、条例の制定を含め、より実効性のある具体的な取組に向けて、有識者や関係団体へのヒアリングなどの準備を進めています。有識者等からは、憲法上、表現の自由という大原則がある中で、どのように対応すべきかという極めて難しい課題についても意見を伺っていきます。  また、国ではインターネットでの誹謗中傷の防止に向けた法改正の動きがあり、こうした状況を注視しつつ、ヘイトスピーチ対策の検討を進めていきます。  私はヘイトスピーチを決して許しません。今後もヘイトスピーチで苦しんでいる方に寄り添いながら、しっかりと取り組んでまいります。  次に、感染症対策を含む最先端医療・最新技術の今後の取組についてです。  現在、県では超高齢社会を乗り越える最先端医療・最新技術として、インスリンを自動制御で投与する人工膵臓の開発や、がん治療等に伴う脱毛対策のための大量再生毛髪技術の開発と事業化を進めています。  また、横浜港を擁し、羽田空港に隣接する本県では、外来感染症対策として、平成28年度から県衛生研究所が理化学研究所とスマートアンプ法を利用したウイルス等の検出法について共同研究を進めてきました。  こうした中、今年2月、理化学研究所に新型コロナウイルス感染症に適応した検出法を県と共同で研究開発するよう要請した結果、スマートアンプ法による新たな迅速検出法を驚くほどの短期間で開発することができ、3月末には保険適用の対象にまでなりました。  今後、流行の第2波も予想される中、感染拡大を抑止するためには、こうした迅速検出法の活用を進めるとともに、今以上に短時間で検査できる体制を確立する必要があります。  そこで、県では、このスマートアンプ法を利用した迅速検出法を改良し、持ち運び可能なアタッシュケース型の機器の実証試験を開始しています。この機器は、検体を採取したその場で検査結果の判定までできるものです。  この機器が導入されれば、検査時間が大幅に短縮されるだけではなく、医療機関やクラスターが発生した施設等、現場での検査が可能となるなど、検査体制のさらなる充実が期待できます。  最先端医療・最新技術はその整備が社会に貢献できるまで時間がかかりますが、県としては、今後も社会的な課題解決につながる優れた技術の研究開発の支援などにしっかりと取り組んでまいります。  次に、神奈川の海でもある東京湾の魅力向上についてです。  減少が続く東京湾の漁獲量のうち、特に海底にすむシャコなどは30年前の10%以下に減少しています。これは水質悪化により発生したプランクトンの死骸が海底にたまり、それをバクテリアが分解する際に酸素を消費することで、海中の酸素が極端に少なくなる貧酸素水塊が原因の一つとされています。  県では、貧酸素水塊を避けて漁ができるよう、発生位置の情報提供や貧酸素の影響を受けにくいトラフグ等の栽培漁業の取組とともに、水産技術センターにおいて影響緩和の調査研究を行いました。  その結果、この春、東京湾の海流や酸素濃度などの海洋環境をコンピューターで再現するシミュレーションモデルを開発しましたので、これを活用すれば、効果的な対策の実現につながることが期待できます。  そこで、今後はこのモデルを活用して、酸素の少ない海底で魚が避難できる山状の地形や水質浄化機能を持つ干潟など、様々なケースをコンピューターで再現し、貧酸素の影響を緩和させる方法を検討していきます。  そして、この方法を国の東京湾再生推進会議に提案し、会議の構成員である東京湾沿岸の自治体や国の研究機関と連携して事業化を目指します。  こうした新たな取組により、貧酸素水塊対策を積極的に進め、水産資源の回復による漁業の再生と地域の活性化につなげ、神奈川の海でもある東京湾の魅力向上を図ってまいります。  次に、今後の観光施策の展開についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、深刻な状況に直面している観光産業をしっかりと支えるためには、即効性のある観光振興に取り組む必要があります。  現在は国外や県外から観光客を積極的に誘致できる状況にはありませんが、見方を変えれば、県民の皆様が地元の魅力を再発見する絶好の機会でもあります。  そこで、まずは県民の皆様による県内旅行にスポットを当てて、観光振興に取り組んでいきます。  具体的には、県民限定で県内旅行の費用を支援する仕組みを速やかに導入したいと考えています。また、1,000通りのツアーを活用して、これまであまり知られていなかった観光地をPRすることで、県内各地の活性化や観光資源の磨き上げにつなげます。  さらに、観光の安全・安心を確保するため、事業者の皆様が行う感染防止対策への補助や感染防止対策取組書の登録への働きかけを引き続き行います。  また、観光客の皆様に新しい生活様式に合った観光マナーで安全に旅行を楽しんでいただくため、県独自のリーフレットを作成、配布します。  加えて、今後のウィズコロナ時代を見据えた新しい観光の在り方について、関係団体や市町村等と連携しながら検討し、早期に方向性を示したいと考えています。  県としては、こうした取組により、安全・安心を確保しながら、神奈川の魅力をさらに磨き上げ、今後の観光需要の回復に向け、観光振興を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事より御答弁いただきました。  それでは、知事に意見を申し上げます。  まずは、ヘイトスピーチ対策についてです。  知事からは、ヘイトスピーチは許さないという熱い思いを語っていただきました。ぜひともその思いを条例制定という形で、様々な課題があるとは承知しますが、できるだけ早い形で実現するよう、意見を申し上げます。  このヘイトスピーチに関して、私は心配している点があります。立法行為は複数の機能を果たしますが、その一つに社会的意思表示の機能があります。神奈川県がヘイトスピーチを規制する条例を制定していないということは、ヘイトスピーチに対して立法的意思表示をしていないことになります。すなわち、ヘイトスピーチを規制する条例を制定しないがゆえに、期せずしてへイトスピーチを認めているのではないかという知事の思いとは真逆な立法意思を表明したと受け止められかねないという危惧です。  答弁で知事もヘイトスピーチを許さないと言っているわけですから、素早い対応を求めます。  次に、感染症対策を含む最先端医療・最新技術の今後の取組についてです。  かながわグランドデザインに記載されているヘルスケア・ニューフロンティアの中に、感染症対策という言葉が入っていません。もちろん、記載がなくてもやっているということになると思いますが、今回の事態を受けて、感染症対策を明確にヘルスケア・ニューフロンティアのコア事業に位置づけ、グランドデザインを読んでもそのことが分かるようになるよう意見を申し上げます。  次に、神奈川の海でもある東京湾の魅力向上についてです。  漁業は世界的に見ると成長産業ですが、日本ではそうはなっていません。日本でも成長産業とするためには、海洋資源の回復は必須の条件です。本県がそのための施策を前に進めていることは理解しました。しかし、海洋資源が回復して、それにより地域が活性化するのが最終的な目的です。目的達成まで粘り強く取り組んでいただきたいことを申し上げておきます。  次に、新型コロナウイルス禍における観光施策についてです。  神奈川県の観光業をしっかりと守っていくということを認識させていただきました。もちろん、再び感染症が拡大しないために、綱渡りでの対応になるとは思います。しかし、このような時期にこそ必要な準備や対策を行っておくことは重要です。  現在出ている民間の調査を見てみると、様々な提言が出ています。そして、神奈川県の観光業にとって今から約1年半が重要な時期だと理解できます。このような提言を参考にし、神奈川県の観光に携わる人を守るよう求めます。  以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人 議員  〔資料提示〕  質問の第3は、行政の効率化と歳出の削減について、3点お伺いいたします。  まずは、業務見直し及び組織再編についてです。  県では平成30年4月1日に、複雑・多様化する県政課題や県民ニーズに的確に対応し、効果的かつ効率的に施策事業を推進するため、新たに国際文化観光局、福祉子どもみらい局、健康医療局を設置するとともに、県民局を廃止するなどの組織再編を行いました。  当時、我が会派は、人を引きつける魅力ある神奈川づくりを効果的かつ一体的に進める必要な組織体制を整備するという趣旨に賛同しました。その際、国際文化観光局の設置に期待を示す一方、産業労働局から観光部門が移管されることで、経済のエンジンを回す推進力の低下を招かないかなどの懸念も表明させていただきました。  私自身この議場におきまして、組織再編という重要な施策の評価は、3年から5年たった後に検証されるべきであり、いざそのときを迎えたときに、県民にしっかりとその成果を示すことができるよう施策を推進していただきたいと知事に申し上げました。  その組織再編から、来年4月でちょうど3年が経過します。  そこで、今後どのような検証が必要かという点も含め、そろそろ議論をスタートすべきタイミングであると考えます。  一方で、県は現在、新型コロナウイルス感染症に対応するため、急を要しない業務の中止や見直しを行いながら業務運営をしているものと承知しています。新型コロナウイルスと共存せざるを得ない今後の社会の新しい生活様式が提唱されている中、まさにこのタイミングで県の業務の在り方も大きく変わっていくものと考えられます。  私は、業務と組織は表裏一体であり、業務の変化に合わせて組織の在り方も変わっていくと考えています。今、業務の在り方が変化していく中にあって、今後を展望したとき、これまでの組織再編がうまくいったのかどうかについても、改めて振り返って検証することも必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルスと共存せざるを得ない今後の社会に向け、県の業務の在り方を今後どのように見直していくのか、また、業務の見直しに際しては、これまでの組織再編に関する検証を行った上で、今後の組織の在り方を展望すべきだと考えますが、併せて知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の2点目は、効率的・効果的な広報についてです。  本県の広報は、行政改革大綱のアクションプランに位置づけられている神奈川県広報戦略において、県民が知りたいこと、県として知らせたいことを柱とし、これらが確実に伝わることを意識しながら、より効率的かつ効果的に伝える戦略的広報を展開していくこととしております。  限られた予算、人材の中で戦略的な広報を展開するためには、まさに効果的・効率的な実施が求められますが、そのためには費用対効果をしっかりと意識する必要があります。  〔資料提示〕  効果的な広報という意味においては、今回の新型コロナウイルス感染症に関する情報発信に当たって、知事は緊急事態宣言後、毎日のように県民に動画でメッセージを発信してきました。  知事が直接に県民に語りかけることは大切であり、県民に迅速かつ正確な情報を届けるためのツールとして、動画は非常に有効であると考えます。今後は様々な広報手段を組み合わせることによって、効果的な広報を行っていただきたいと思います。  一方、効率的広報という意味でも、かなチャンTVでは当初と比較すると、大分変化してきたと伺っています。より多くの経営コストを投入すれば、その分成果が出ることは当然です。あらゆるコストを加味し、そのコストに見合った成果を出すことを求めます。  そこで、知事に伺います。  今回の新型コロナウイルス感染症における情報発信を踏まえ、今後、より効率的・効果的な広報を展開していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の3点目は、行政手続のオンライン化の推進についてです。  本県が、かながわICT・データ利活用推進計画を策定したことは承知しています。  〔資料提示〕  計画では、知事及びCIO-情報統括責任者、並びにCDO-データ統括責任者のリーダーシップの下に、ICTとデータの利活用を推進することで、県民のくらしの利便性の向上、経費節減に取り組むこととなっています。  計画には令和元年から4年まで様々な取組のスケジュールがありますが、現在の新型コロナウイルス感染症による事態を考えると、早急に取り組まなければならない課題もあります。  その課題とは、行政手続のオンライン化の推進です。  行政手続のオンライン化については、昨年12月に施行されたデジタル手続法で、国の行政手続はオンライン化を原則とし、地方公共団体の行政手続はオンライン化に努力することとされ、計画でも、令和2年度までにオンライン化の推進に向けた方針を整理するというスケジュールになっています。  しかし、既に現状、新型コロナウイルスにより、人と接触することなく行政手続ができるようにするという必要性が出てきたことは言うまでもありません。  これまで県もオンライン化の促進に取り組んできたことは承知していますが、オンライン化の手続数は横ばいの状況です。  システム的な課題、制度的な課題などあると思いますが、行政手続のオンライン化は手段でなく目的になったという認識を持って課題解決に当たるべきです。  つまり、現状制度の下でオンライン化できるか考えるのではなく、業務改善を行うことでオンライン化できる手続も多くあると考えますので、何をオンライン化するかをいま一度ゼロベースで検討する必要があります。そして、そのことがオンライン化の手続の数を増やすことに資すると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染防止という新たな観点を踏まえて、行政手続のオンライン化の推進を前倒しで進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 行政の効率化と歳出の削減について、何点かお尋ねがありました。  まず、業務見直し及び組織再編についてです。  県はこれまでも感染拡大の防止のため、人と人との接触機会を減らすよう、原則として全ての職員がテレワークや時差出勤を実施するなど、様々な取組を行ってきました。  今後も通勤や対面での業務を前提としない勤務とするため、電子化やオンライン化の推進など、業務の在り方を見直そうとしています。  例えば、県民の皆様が直接来庁せず、県職員も在宅でその処理ができるよう、新規の申請、届出業務を原則電子申請とすることや、会議のオンライン化をより一層進めていきます。  あわせて、これまでの集客型のイベントや人を呼び寄せるにぎわいの創出なども実施方法を工夫していきます。  次に、今後の組織の展望についてですが、業務の変化に合わせた見直しとともに、今回の新型コロナ対策の経験を生かした見直しについても、検討したいと考えています。  例えば、新型コロナウイルスの第2波に備え、現在の健康危機管理体制を見直すことや、ウィズコロナ時代の前向きな変化を政策に生かせる体制を整備することなどが考えられます。今後、こうした視点を踏まえて必要な見直しを図ってまいります。  次に、効率的・効果的な広報についてです。  私は知事就任当初から伝わる広報にこだわり、様々な広報媒体の特性を生かしながら、適時的確な情報提供に努めてきました。  特に大きな災害や事件、事故など、危機的な事象が発生した際には、発信力の強い動画を活用し、私から直接県民の皆様に迅速かつ的確にメッセージをお伝えするようにしています。  新型コロナウイルス感染症については、毎日、かなチャンTVでメッセージ動画を配信し、その件数は40件で総視聴回数は約75万回、最高で6万3,000回、平均でも1万8,000回の視聴回数を超えています。  この、かなチャンTVは職員が動画の撮影から配信まで行っていますが、今年から撮影をビデオカメラからスマートフォンに切り替えるなどして、大幅に作業時間を短縮し、効率化を図りました。  また、医療提供体制、神奈川モデルなど、県の取組を精力的に発信するため、数多くのテレビ番組に積極的に出演してきました。  県の調査では、8割を超える県民の方がテレビから新型コロナに関する情報を得ていると回答しており、特別な費用をかけずに効果的な広報ができていると実感しています。  さらに、70万人を超える登録者を持つLINEのパーソナルサポートは、情報を瞬時に、かつダイレクトに伝えられることから、大変有効なツールとなっています。  これらの成果を踏まえ、今後も県ホームページや県のたよりに加え、動画やテレビ、SNSなど、様々な広報媒体を戦略的に活用し、より効率的・効果的に伝わる広報を展開してまいります。  次に、行政手続のオンライン化の推進についてです。  県は、インターネットから県民や事業者が申請、届出が行える電子申請システムを平成17年度から県内市町村と共同で運営してきました。  また、昨年7月に策定した、かながわICT・データ利活用推進計画に基づき、オンライン化の推進に努めてきた結果、現在では100の行政手続を電子化しているほか、講座、イベント等の申込みもできるようになっています。  今後は新型コロナウイルス感染症防止の観点から、対面での業務を前提としない新たな生活様式に基づく働き方が求められており、オンライン化を一層強力に進めていく必要があります。  そこで、まずは申請や届出を必要とする新規の業務については、原則として全てオンライン化を導入していきます。また、既存の業務のうち添付書類などの理由から窓口や郵送で手続を行っている業務についても、添付書類の簡素化など、業務プロセスを抜本的に見直すことで、オンライン化を推進していきます。  こうした取組により、できるだけ早い時期に全ての行政手続がオンライン化できるよう、全力で対応してまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事より御答弁をいただきました。  それでは、意見を申し上げます。  まず、業務見直し及び組織再編についてです。  県としてどのように業務の見直しを行い、組織を再編していくのかは、そのこと自体が大きな戦略になってきます。  本日、様々な業務見直し、及び再編に必要な視点が知事から御答弁あったと思います。これは議論のスタートになると思いますので、会派としても様々な意見を言っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、効率的・効果的広報についてです。  事業が効率的か否かを考えるときに、費用対効果の考え方は大切です。そして、この費用対効果の中で、費用における人件費は大きなウエートを占めます。  かつて私は、かなチャンTVの費用対効果を調べるため、制作に関わる人件費を調べようとしました。最初、担当課に問い合わせると、分からないと返答がありました。ならば、自分で調べようと思い、かなチャンTVに関わる仕事見える化シートの提出を求めました。仕事見える化シートを確認すれば、人件費の算出はできます。しかし、残念ながら、この仕事見える化シートは、ないという回答でした。  スマート県庁大作戦アクションプランには、「仕事の見える化」を推進することにより、職員一人ひとりが自分自身の業務の進め方、時間の使い方を把握し、業務効率の向上のために行動できる。また、見える化の結果が所属内で共有され、時間内に勤務を終えるために必要な改善を行うことができる、との記載があります。紙ベースではこのようなすばらしいプランがあり、応援しているところでありますが、残念ながら、一部ではそうなっていない現状があります。  事業にどれだけの人件費がかかっているのかを把握することは、業務効率を向上するために必要なことです。このような課題があることを、知事にはこの場で申しておきます。  次に、行政手続のオンライン化についてです。  知事から、この施策を前に進めているとの御答弁がありました。行政手続のオンライン化に求められることは結果であると思います。ぜひとも結果にコミットして施策を前に進めることを求めます。  以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人 議員  〔資料提示〕  質問の第4は、県政の重要課題について、4点お伺いいたします。  まず、生活困窮者の就労支援についてです。  働くことへの不安や心身の不調、家族の問題など、様々な困難によって生活に困窮されている方がいます。その方々に対する支援については、関係機関との連携が重要であり、とりわけ就労に向けた支援は、働く場である民間事業所の協力と連携が欠かせません。  〔資料提示〕  生活困窮者の就労支援は、市域はその市が、町村域は県が実施者となって、就労に向けた研修や職場体験を行う就労準備支援事業を行っています。また、就労経験を積んでいく必要がある方には、民間の事業所の力を借りて見守りや支援を行う就労訓練事業に取り組むこととなっています。  しかし、県内の自治体の中には、こうした事業に着手できていないところもあり、平成29年第3回定例会で、各自治体における生活困窮者への就労支援をさらに進めていくために、県が県内各市や事業所、関係機関との連携を進めていくべきであると提案しました。  その際、知事からは、就労準備支援事業については、実施する市を増やすため、就労支援を行うことができるボランタリー団体を把握し、既に事業を実施している自治体の実施方法などとともに、市に情報提供していくという答弁がありました。  また、就労訓練事業については、就労経験の場を提供する認定就労訓練事業所の拡大に向けて事業者への働きかけを行っていくことなど、前向きな答弁をいただきました。  その後、県がこれらの課題に真摯に取り組んでいることは承知していますが、次のステップとして就労に向けた訓練や経験の場に、より多くの方々に足を運んでいただくことができるような後押しも必要だと考えます。  現在、新型コロナウイルス感染症のため、雇用情勢は急速に厳しいものとなっており、就労支援を進めることはなかなか難しい状況にあります。しかし、こういう時であっても、県が生活困窮者の就労支援の裾野を広げることで基盤づくりを進め、その基盤を、支援を受ける方々に活用していただけるようにすべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  本県の生活困窮者に対する就労準備支援事業や就労訓練事業の実施状況を踏まえ、今後、生活困窮者の就労支援をどのように充実していくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の2点目は、企業のテレワーク導入支援についてです。  テレワークについては、従来から、企業にとっての人材確保につながることや、働き手にとってワーク・ライフ・バランスの確保につながるといったメリットが指摘されています。  〔資料提示〕  平成30年の総務省の通信利用動向調査によれば、全国の企業におけるテレワークの導入率は年々増加し、19.1%となっておりますが、アメリカの85.0%、イギリスの38.2%と言われる数字に比べれば、まだまだ低い状況にあります。  しかし、7都府県に緊急事態宣言が発令された直後の4月10日から12日に民間研究所が実施したテレワークに関する緊急調査によれば、正社員におけるテレワーク実施率は27.9%という結果であり、同研究所が3月に実施した調査結果の13.2%と比較して、テレワークの普及が急速に進んでいる状況がうかがえます。  一方、この調査における企業規模別の数字を見ると、従業員1万人以上の企業の実施率が43.0%であるのに対し、100人以上1,000人未満の企業では25.5%、10人以上100人未満では16.6%と、企業規模による差が生じております。  大企業に比べて中小企業へのテレワーク導入が難しいことは以前から指摘されていますが、今回のコロナ禍においても、やはり差が如実に現れているものと思います。  また、この調査では、テレワークができない理由として最も多かったのは、テレワークで行える業務ではないという回答ですが、続いて、テレワーク制度が整備されていない、テレワークのためのICT環境が整備されていないことが挙げられています。  本県では、これまでも中小企業へのテレワーク導入促進を課題と位置づけ、様々な取組を進めてきたとは承知しておりますが、今回のコロナ禍を契機とし、より一層、取組を加速する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症で懸念される第2波への備えも含め、今後、中小企業におけるテレワーク導入を具体的にどのように支援していくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の3点目は、かながわ国際施策推進指針に基づく取組についてです。  県はこれまで、先進的な多文化共生施策を実施してきました。  今回の新型コロナウイルス感染症に関しても、SDGsに掲げられている、誰一人取り残さないの中に外国籍県民も含まれ、県が対応を行っていることは承知しております。  人の往来という意味では一時的にストップしている今だからこそ、改めて本県の国際施策の在り方を考えるべき時期だと考えます。  思えば、近年における我が国の外国人の受入れに関しては、労働者の問題で言えば、たくさんの外国人を受け入れるという国際的には逆張りと言える状態でありました。  しかし、一部の出来事であると信じたいのですが、新聞報道やシンクタンクのレポートによると、外国人にとって住みにくい日本の現実も見えてきます。  例えば、2019年5月18日の日本経済新聞の記事によれば、労働災害で死傷した外国人の数は7年連続で増加しています。同じく11月22日に出されたニッセイ基礎研究所のレポートでは、外国人労働者に対する差別やいじめ、パワハラの存在、悪質なブローカーによる搾取の問題が今後の課題として取り上げられています。  このような報道に接したときに私が思い出すのが、清国留学生取締規則事件です。清国留学生取締規則事件とは、この事件の過程まで含めれば、誰が悪いのか一概には言えませんが、少なくとも日本に大きな希望を持ってやってきた中国人が日本で様々な差別を受けて、挙げ句の果て国同士の都合上、取締りを受けることとなり、結果、後々まで反日家として活動していく契機となった事件です。  近年、世界におけるプレゼンスが低下しているとはいえ、まだまだ希望を持ち、日本にやってくる外国人はたくさんいます。そのような方々を失望させることのないよう、神奈川県も必要な施策に取り組む必要があります。  〔資料提示〕  さて、本県は、かながわ国際施策推進指針第4版が平成29年3月にできました。その中で、多文化共生社会の実現とグローバル戦略の展開を目指して、五つの基本目標と16の施策の方向性を前に進めていると承知しています。  しかし、この分野の状況の変化は大変早く、2019年4月の入管法や同年6月に成立した日本語教育推進法による本県への影響、及びあるべき対応の模索など、県としても絶えず状況の変化に応じて機敏に対応していかねばならないと感じます。  そこで、知事に伺います。  かながわ国際施策推進指針に基づき、本県の多文化共生の地域社会づくりを進めていくに当たり、現状をどのように認識しているのか、また、今後どのように進めていこうと考えているのか、併せて知事の所見をお伺いします。  〔資料提示〕  質問の4点目は、交通死亡事故抑止対策についてです。  本県においては、第10次神奈川県交通安全計画において、年間の24時間死者数を150人以下とするという目標を掲げ、交通死亡事故抑止に取り組んでいます。しかし、本年は交通死亡事故が多発し、残念ながら1月7日から4月22日までの107日間、交通事故死亡者数全国ワーストワンが続いていました。  〔資料提示〕  もっとも、全国の10万人当たりの交通事故死亡者数で比較すると、本県は毎年、東京に次いで2番目、もしくは3番目に少ない県であることから、県警察の交通安全への取組は効果を上げているものとは認識しております。  現在はワーストワンから脱却していると承知していますが、悲惨な交通死亡事故から県民を守るために、交通指導取締りなどの現場で汗を流されている警察官の力は大きいのではないでしょうか。  現場の警察官は、時として違反者への対応に苦慮する場面もあります。今では新型コロナウイルスへの感染リスクもあります。そんな中で、前年以上に交通指導取締りの成果を上げていることは、大変評価ができることです。  一方、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う緊急事態宣言が解除され、社会経済活動が再開されたことで多くの人の動きが活発化しており、交通量の増加に伴って交通事故が多発することが予想されます。  また、学校が再開されることで、児童や生徒が交通事故の被害に遭うことが危惧されることから、県警察の対応が求められます。  そこで、警察本部長に伺います。  今後も引き続き感染防止に十分配意した社会生活が必要とされている中で、従来どおりの活動が困難な部分もあると考えますが、交通死亡事故抑止に向けたこれまでの取組と今後の取組について、警察本部長の所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、生活困窮者の就労支援についてです。  生活困窮者の就労支援は、自立に向けて生活習慣の形成や社会参加能力の向上など、一人一人の実情に応じて行うことが重要です。  これまで県では、就労に向けた職場体験等を行う就労準備支援事業や民間の認定就労訓練事業所の拡大に向け、ボランタリー団体や各市とのネットワークを形成して積極的な支援を行ってきました。  その結果、県と市の20の自治体が実施主体となる就労準備支援事業は平成29年度の8自治体から17自治体に増加し、認定就労訓練事業所も平成29年度の91か所から121か所に増加しています。  今後、事業の拡大に向けては、就労準備支援事業の未実施の市から、事業のノウハウに乏しく、単独での実施が困難との意見があるため、県では事業化のためのノウハウの提供や複数自治体による共同実施を投げかけていきます。  また、これまで福祉施設が中心であった認定就労訓練事業所については、様々なニーズに対応することが必要との意見があり、今後は仕事の幅を広げるために、製造業や小売業などにも事業所となっていただけるよう働きかけていきます。  県はこうした取組を通じて、生活困窮者一人一人にふさわしい就労支援の充実に取り組んでまいります。  次に、企業のテレワーク導入支援についてです。  新型コロナウイルスの第2波が懸念される中、テレワークの導入拡大を図ることは大変重要です。  県は新型コロナウイルスの感染拡大以前から、働き方改革を進めるため、体験セミナーの開催や導入ガイドの作成などにより、中小企業のテレワーク導入を支援してきました。  また、本年4月以降、国の新型コロナウイルス対策の特例助成金を活用し、テレワーク導入を図る中小企業を支援するため、新たにウェブによる個別相談会を実施してきました。  しかし、国の助成金ではモバイルパソコンなどは助成対象外となっており、必ずしも中小企業のニーズに応えるものとはなっていませんでした。また、この特例助成金は5月末で交付申請の受付が終了しています。  さらに、導入費用の助成だけでなく、どうすればテレワークを導入できるのか、助言を求めたい中小企業を支援することも必要です。  そこで、現在、モバイルパソコン等の購入費用も助成対象とした、中小企業が活用しやすい県独自の補助制度の新設を検討しています。  また、テレワーク導入に向け、助言を求める中小企業に対しては、個別に専門家を派遣し、コンサルティングを行います。  こうした取組により、新しい生活様式に添った働き方の定着に向け、テレワークの導入が加速するようしっかりと支援してまいります。  次に、かながわ国際施策推進指針に基づく取組についてです。  まず、多文化共生の地域社会づくりについての現状認識についてです。  本県では、かながわ国際施策推進指針に基づき、医療通訳や留学生支援のかなファンクラブなど、他の自治体に先駆けた多文化共生施策に取り組んできました。  そうした中、平成30年の入管難民法の改正に伴い、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策が作成され、日本語教育推進法も施行されるなど、国の施策も充実が図られてきました。  一方、本年に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、全世界的に人の移動や経済活動が大幅に抑制されるなど、本県の多文化共生施策を取り巻く環境は大きく変化しており、新たな施策展開も必要だと考えています。  次に、多文化共生施策の今後の方向性についてです。  今回、感染症の拡大という非常事態の中で外国籍県民が地域で安心して暮らしていくためには、異文化への相互理解の促進のほか、言葉の壁という課題への対応が重要であると改めて認識しました。  そのため、まずは市町村や関係機関等と連携し、日本語教育の新たな体制づくりを進めていきます。  県では外国籍県民を取り巻く環境の変化を踏まえ、かながわ国際施策推進指針の改定も含め、新たな施策の方向性についてしっかり検討し、多文化共生社会神奈川の実現に向けて取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(大賀眞一)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 大賀警察本部長。 ◎警察本部長(大賀眞一) 交通死亡事故抑止対策についてお答えいたします。  本年5月末現在で県内において交通事故により亡くなられた方は61人で、全国ワースト2位となっております。主な特徴としましては、二輪車乗車中の方、または歩行者が亡くなられるという事故が多発しておりまして、それぞれが交通事故死者数全体の約4割を占めております。特に亡くなられた歩行者のうち、その約8割が高齢者となっております。  これまで県警察では、交通死亡事故抑止対策として、二輪車事故と高齢者を中心とした歩行者事故の防止を重点に交通指導取締りと情報発信を実施してまいりました。  交通指導取締りについては、新型コロナウイルス感染症対策に十分配意しながら、主要幹線道路における二輪車の違反や横断歩行者妨害などの違反を重点に取り組んでおります。  また、情報発信については、人と接触しての交通安全教育の実施が困難な状況となったため、代替措置として人同士が接触しない方法による広報啓発活動に取り組んでおります。  具体的には、二輪運転者と歩行者双方に対する交通安全を啓発するため、交差点の危険性が理解できる動画などを作成しまして、県警ツイッターやユーチューブへ掲載しているほか、民間事業者の協力をいただき、バスの車内広報やテレビ放映をしております。  緊急事態宣言解除後は、交通安全リスタート神奈川と銘打ち、社会経済活動の再開による交通総量の増加を見据えた交通安全情報の発信や学校再開に伴う通学児童の保護活動等を実施いたしました。  児童の保護活動の具体例として、教員から生徒への効果的な交通安全教育が実施できるよう学校への教材の配付を行ったほか、事業所等に対し、通勤時等の交通事故防止を呼びかけました。  今後の取組としましては、7月11日から20日までの、夏の交通事故防止運動において、交通指導取締りを強化するほか、二輪車事故を防止するため、二輪運転者に対して、速度を控えた運転、四輪の運転者に対して、二輪車は遠くに見えるのだ、こういったそういう二輪車の特性等を周知してまいります。  また、歩行者事故を防止するため、運転者に対しては、横断歩道は歩行者優先であるということ、また歩行者に対してはルールを守った正しい横断を啓発し、交通死亡事故抑止に努めてまいります。  以上でございます。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事、警察本部長より御答弁いただきました。  それでは、1点、再質問させていただきます。  かながわ国際施策推進指針に基づく取組についてです。  知事の答弁でも触れられた日本語教育の件です。  日本語教育推進法は、かながわ国際施策推進指針にも大きな影響を与えるのではないかと考えます。  これまで日本語学校という存在が日本語教育で大きな役割を果たしてきました。しかし、知事御存じのとおり、これまで長い間、日本語学校の位置づけが曖昧のままでした。ここに来てやっとその役割と存在意義が国でも認められて、日本語教育の推進に関する法律という形で結実したと思っております。  実際に日本語学校を経由して大学や専門学校に進学する外国籍の方は大きな割合を占めます。また、地域の日本語ということで、商売ベースではなく、日本語教育が必要な人に教育を行っている学校もあるとお聞きします。  神奈川県もこのような日本語学校と連携していくことは、本県の多文化共生に資すると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県では、本年3月、かながわの地域日本語教育の施策の方向性を策定いたしましたけれども、その取りまとめにおきましては、日本語学校も含めた様々な関係団体からの御意見を反映いたしました。  今後とも、県では多文化共生の地域社会づくりの推進に当たり、日本語学校を含む様々な教育機関と連携して取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 御答弁ありがとうございました。  それでは、意見を申し上げます。  まず、生活困窮者の就労支援についてです。  どんなに努力しても、大きな社会のうねりの中で生活困窮に陥ってしまう方々が存在します。そんな方々に手を差し伸べる社会を実現すること、そして、そんな社会を守るために国家がある、ゆえに国家を愛することには意義がある。先進民主主義国家の基本的な理路です。この国に生まれてよかった、この国に関われてよかった、そう思える社会基盤を地方自治体としてもつくっていかねばなりません。この分野において、知事が積極的な対応を行うことを求めます。  次に、企業のテレワーク導入についてです。  これまで通勤時間が、全ての都道府県で神奈川県が一番長いというデータがありました。神奈川県が企業のテレワーク導入によって、通勤時間が大幅に削減できるという数字を示すことができれば、大変すばらしいことであると思っております。ぜひそうなるよう知事の積極的な取組を期待させていただきます。  次に、かながわ国際施策推進指針の見直しについてです。  多文化共生とは何か。それを知りたければ、ぜひ神奈川県に来てください、そう言える神奈川県になることを求めます。  最後に、交通死亡事故抑止対策についてです。  現場の警察官は大変な思いをして職務遂行を行っています。その現場の人の汗を感じて施策展開を行わなければなりません。現場にいる人をしっかりとサポートすることによって、安心・安全な神奈川をつくっていただけるよう意見を申し上げます。  以上をもちまして、代表質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(いそもと桂太郎) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(いそもと桂太郎) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(いそもと桂太郎) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明17日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後5時24分 散会...