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02月17日-02号

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  1. 神奈川県議会 2020-02-17
    02月17日-02号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 2年 第一回 定例会 △《本会議録-令和2年第1回-20200217-028606-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和2年第1回神奈川県議会定例会会議録第2号〇令和2年2月17日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   圭   介                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       石   川   裕   憲                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       作   山   ゆうすけ                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       た き た   孝   徳                       国   松       誠                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       松   本       清                       てらさき    雄   介                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       く さ か   景   子                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       永   田   て る じ       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           中   島   正   信         同             浅   羽   義   里         同             首   藤   健   治         理事            山   口   健 太 郎         同             玉   木   真   人         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          小 板 橋   聡   士         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      河   合   宏   一         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        石   渡   美 枝 子         福祉子どもみらい局長    香   川   智 佳 子         健康医療局長兼未病担当局長 市   川   喜 久 江         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     山   田   健   司         県土整備局長        上   前   行   男         会計管理者兼会計局長    小   野       淳         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   金   井   信   高         労務担当局長        大 久 保   雅   一         マグカル担当局長兼         広報戦略担当局長      木   口   真   治         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   中   和   久         同  県立高校改革担当局長 清   水       周         警察本部長         大   賀   眞   一         警察本部総務部長      和   智       勉         人事委員会事務局長     川   合       充         監査事務局長        小   島       泰         労働委員会事務局長     出   口   満   美         公営企業管理者企業庁長   大   竹   准   一         企業庁企業局長       長 谷 川   幹   男   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          和   泉   雅   幸         議会局副局長兼総務課長   谷   川   純   一         同  議事課長       霜   尾   克   彦         同  政策調査課長     田   中   一   朗   ───────────────────────────────────────           令和2年第1回神奈川県議会定例会議事日程第2号                            令和2年2月17日午後1時開議第1 定県第 1 号議案 令和2年度神奈川一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川林業改善資金会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県営住宅事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川水道事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川電気事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 23 号議案 神奈川県気候変動対策基金条例   定県第 24 号議案 神奈川県県営住宅事業基金条例   定県第 25 号議案 魚介類行商等に関する条例を廃止する等の条例   定県第 26 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 27 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 28 号議案 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 神奈川県生活環境の保全等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 神奈川県立宮ケ瀬集団施設地区及び鳥居原園地条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 神奈川県子ども・子育て支援推進条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 神奈川県立の障害者支援施設に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 小規模水道及び小規模受水槽水道における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県立かながわ労働プラザ条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 43 号議案 神奈川県及び東京都の境界にわたる相模原市と町田市の境界変更について   定県第 44 号議案 境界変更に伴う財産処分に関する協議について   定県第 45 号議案 包括外部監査契約の締結について   定県第 46 号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期計画の認可について第2 定県第 148号議案 令和元年度神奈川一般会計補正予算(第7号)   定県第 149号議案 同  年度神奈川市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 150号議案 同  年度神奈川公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 151号議案 同  年度神奈川地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 152号議案 同  年度神奈川災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 153号議案 同  年度神奈川恩賜記念林業振興資金会計補正予算(第1号)   定県第 154号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 155号議案 同  年度神奈川介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 156号議案 同  年度神奈川国民健康保険事業会計補正予算(第1号)   定県第 157号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 158号議案 同  年度神奈川中小企業資金会計補正予算(第2号)   定県第 159号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 160号議案 同  年度神奈川県営住宅管理事業会計補正予算(第2号)   定県第 161号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第2号)   定県第 162号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 163号議案 知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 164号議案 県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 165号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例   定県第 166号議案 学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 167号議案 任期付研究員の採用等に関する条例及び任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 168号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 169号議案 神奈川県高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 170号議案 神奈川県が管理する県道の構造の技術的基準及び県道に設ける道路標識の寸法を定める条例の一部を改正する条例   定県第 171号議案 神奈川県警察運転免許センターにおける運転練習及び運転適性検査の手数料の徴収に関する条例の一部を改正する条例   定県第 172号議案 工事請負契約の締結について(緑警察署新築工事(建築)請負契約)   定県第 173号議案 特定事業契約の変更について(体育センター等特定事業契約)   定県第 174号議案 特定事業契約の変更について(自動車運転免許試験場整備等事業特定事業契約)   定県第 175号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 176号議案 訴訟の提起について   定県第 177号議案 令和元年度神奈川一般会計補正予算(第8号)   定県第 178号議案 建設事業に対する市町負担金について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和2年第1回-20200217-028607-質問・答弁-しきだ博昭議員-代表質問①知事の政治姿勢について②ともに生きる社会かながわの実現について③県民の安全・安心を守る取組について④県政の重要課題について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共102名 ○議長(梅沢裕之) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(梅沢裕之) 審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 令和2年度神奈川一般会計予算外45件及び日程第2、定県第148号議案 令和元年度神奈川一般会計補正予算外30件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕(拍手) ◆しきだ博昭議員 私は自民党県議団を代表し、通告に従い、順次質問いたします。  冒頭、質問に入る前に一言申し上げます。  自民党県議団は、昭和31年、1956年2月20日に結成され、間もなく64年が経過しようとしています。私は、この歴史の重みをかみしめつつ、今、この場に立っています。  現在、我が会派は過去最多タイとなる50名の議員を擁し、県内各地から有権者の負託を受けた議員一人一人が多彩な民意を県政に反映すべく、一丸となって県政課題の解決に努力を重ねています。  トム・ソーヤーの冒険の著者マーク・トウェインは、人生にとって大切な日が2日ある。その1日は自分が生まれた日、もう1日は自分が生まれた意味を知った日との言葉を残しています。  間もなく2月20日、自民党県議団結成の日、すなわち誕生日を迎えようとする今、改めて、県議団が生まれた意味をかみしめるとともに、この変化の時代にあって様々な困難を克服し、山積する課題を解決し、幾多の問題を解消していくために、一人一人の議員が当事者意識と緊張感を持ち、常に政策を磨き、それを実行していくために、引き続き自らの努力に拍車をかけ、最善を尽くす決意を改めてここに明らかにし、質問に入ります。  知事、警察本部長、企業庁長におかれましては、明快な御答弁を、議員の皆様には、しばらくの間、御清聴くださいますようよろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、知事の政治姿勢についてであります。  〔資料提示〕  初めに、津久井やまゆり園の再生について伺います。  この問題を知事の政治姿勢の項目で質問しなければならないことを、とても残念に思います。また、悲しさすら覚えます。  私たちは津久井やまゆり園事件という凄惨な事件を乗り越え、ともに生きる社会かながわの実現を目指し、入所者の方々や御家族に寄り添い、再生に向けた歩みを進めてきました。  この間、利用者と御家族への配慮を最優先に、設置者である県、指定管理者であるかながわ共同会が全国初の試みとして意思決定支援を行ってきました。  また、それと並行し、入所者や御家族の意向を尊重しつつ、基本構想を策定し、その実施に向けた取組を進めてまいりました。この中に示されているのは、共同会を令和6年度まで引き続き指定管理者として調整するとしています。  しかしながら、知事は昨年12月5日の本会議において、何の前触れもなく、指定管理期間の短縮と公募により選定するとの方針変更を唐突に打ち出し、入所者や御家族、さらには、今この瞬間も献身的に支援に当たっている職員に大きな衝撃と計り知れない不安と動揺を与え、混乱を生じさせており、知事の責任は極めて重いと指摘せざるを得ません。  知事が方針変更の理由に挙げた愛名やまゆり園元園長の卑劣極まりない犯行は決して許されるものではなく、共同会には改めて猛省と再発防止の徹底を強く求めるものであります。  しかしながら、この問題は、法的にも、また、県と共同会との間で交わした基本協定に照らしても、津久井やまゆり園の指定管理の問題に直結するものではなく、この点については、共同会が知事に提出した質問書に対し、明解な回答はありませんでした。  また、同じく方針変更の理由として挙げた、裁判が始まると、共同会にとってよくない情報がどんどん出てくると発言した点についても、年明け早々に設置した検証委員会でさえ、共同会の現在の支援を評価しているにもかかわらず、殊さら過去の問題を強調し、問題視している状況は異様であり、マスコミからも、どんどんよくない情報が出てくるのではなく、知事が出しているんじゃないですかと指摘されるありさまです。  知事からの回答に対し、全く質問に答えておらず、協議に応じる状況にないとし、共同会は協議に応じない構えを一層明確にしています。  設置者であり、事件の当事者でもある知事自らが、一方の当事者である共同会を意図的におとしめ、印象操作しているのではないかとの指摘もあるなど、事態は深刻であると言わざるを得ません。  今日まさに植松被告に対する論告求刑公判が行われていますが、12月5日の知事の発言、検証委員会の設置とその進め方、一連の対応は、裁判員裁判で行われる裁判に少なからず影響を与えかねないと専門家の間からも懸念が示されております。  我々は常に入所者や御家族に寄り添いつつ、議論を重ねてきました。このたび、厚生常任委員会として、改めて入所者の皆様の生の声を受け止めるため、アンケート調査を実施いたしました。  その結果は、7割を超える方々が共同会による支援に満足し、そして大半の方々が、引き続き共同会による指定管理を望んでいるというものであります。  知事、Nothing about us without usという言葉を御存じでしょうか。これは障害者権利条約の制定に奔走した障害当事者の方々の合い言葉で、私たちのことを私たち抜きに決めないでという当事者参加の原則を掲げたキャッチフレーズであり、私、そして我が会派が最も大切にしている言葉の一つです。  知事、今、知事が行っていることは、この原則に照らし、当事者の理解を得られるものでしょうか、改めて、強く再考を求めます。  一方で、先日、県直営の障害者支援施設である中井やまゆり園において発生した虐待事案についての報告もありました。今こそ神奈川の福祉の在り方が問われているときだと思います。  神奈川の福祉を再構築し、ともに生きる社会を実現していくために、今、必要なことは、いたずらに不安をあおり、動揺を与え、混乱と分断をもたらすことではありません。  これまで神奈川の福祉の礎を築き、一定の役割を果たしてきた共同会の知見と蓄積されたノウハウ、さらには多くの人材を生かし、神奈川の福祉全体の底上げと一層の向上にオール神奈川で取り組んでいくことではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  今回の唐突な発言が園の利用者、その御家族、県の職員に不安と動揺を与えたことは間違いありません。そのことに対する知事の受け止めを伺います。  また、園の利用者にとって何が大切なのかをいま一度考える必要があります。津久井やまゆり園の再生に向けて、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、本県の財政問題について、2点、伺います。  〔資料提示〕  1点目は、県税収入の見込みと当初予算編成の考え方についてです。  令和2年度当初予算は、昨年9月の時点で前年度の600億円を上回る700億円の財源不足が見込まれ、さらに、元年度の県税収入が実質ベースで300億円規模の減収となることが見込まれる厳しい状況からのスタートとなりました。  その後、元年度の県税の減収は実質ベースで約390億円まで拡大し、施策・事業の見直しや歳入確保の取組だけでは、これら2か年の財源不足は解消できず、2年ぶりに減収補填債を発行するとともに、3年ぶりに財政調整基金を取り崩すことで、ようやく収支を均衡させる非常に厳しい予算編成となりました。  しかし、こうした厳しい財政状況の下にあっても、風水害対策や安全で安心なまちづくり、子ども・子育てへの支援など、県民生活に配慮すべき施策を着実に推進していくことは大変重要なことと考えます。  そこで、知事に伺います。  令和2年度の県税収入について、歳入面だけを見れば、前年度に比べて増収となるものの、税交付金等を含めた実質ベースでは前年度を128億円下回る見通しとなっていますが、どのように見込んだのか伺います。  また、こうした税収動向も踏まえ、2年度当初予算をどのような考え方で編成したのか、見解を伺います。  2点目は、グリーンボンドについてです。  〔資料提示〕  県債の発行に当たっては、その規模や活用目的だけでなく、発行方法についてもできる限り工夫をする必要があると考えます。  例えば、近年、民間の債券市場では、環境問題等に対する投資家の理解が進み、環境、社会、ガバナンスに対する投資、いわゆるESG投資が大幅に増えています。この傾向は世界的なものであり、ESG投資は今後も成長が見込まれる分野です。  中でも、環境問題や気候変動に使われるグリーンボンドの発行額は、民間部門を中心に、2014年から2019年にかけて世界では11倍、日本では20倍の成長を見せており、2019年の世界全体での発行額は約24兆円となっています。  多くの投資家の参加が期待できる状況ではありますが、地方債においては、東京都がグリーンボンドを平成29年度から発行しているのみと承知しています。  一方、去る2月7日、知事は気候非常事態宣言を行い、水防災戦略をはじめとした今後の具体的な取組を示されました。  昨年の台風15号や19号に象徴される気候変動問題に対するこれらの取組は、ESG投資の中でもグリーンボンドの対象となり、とりわけ環境分野に関心が高い多くの投資家の参加が期待できます。  本県としても、こうした投資の分野に参入し、気候変動対策に活用するための債券を発行することで、より多くの投資家に県債を購入していただけるのではないでしょうか。何より、こうした県債の発行は、気候変動問題に対する県の取組を発信する上で大変重要なものと考えます。  そこで、知事に伺います。  本県も気候非常事態を宣言したこの機会に、グリーンボンドを発行することについて、見解を伺います。  次に、会計年度任用職員制度の導入について伺います。  〔資料提示〕  地方公務員の臨時・非常勤職員については、これまで現行の地方公務員法、地方自治法の規定が必ずしも詳細に規定されていないことから、例えば、任用面では一般的な事務の非常勤職員を地方公務員法の適用がない特別職の非常勤職員として任用するといった制度の趣旨に沿わない任用が行われるなど、地方公共団体によって取扱いがばらばらとなっている実態があったほか、処遇面でも、非常勤職員には期末手当が支給できないといった課題もありました。  こうした中、平成29年5月にこれらの法律が改正され、本年4月から会計年度任用職員制度が創設されることとなりました。  この法改正の目的は、地方公共団体における行政需要の多様化等に対応し、業務の能率的かつ適正な運営を推進するため、地方公務員の非常勤職員について、特別職及び臨時的任用の厳格化を図るとともに、一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用や給付に関する制度の明確化を図り、臨時・非常勤職員の制度的な基盤を構築するものであると承知しています。  とりわけ会計年度任用職員の処遇面については、同一労働同一賃金の観点から、新たに期末手当の支給が可能となるほか、総務省の作成した会計年度任用職員制度の導入マニュアルにおいて、常勤職員と同様に職務経験の年数に応じた昇給をすることや支給できる手当についても示されるなど、処遇改善につながるものと考えています。  しかしながら、全国を見ると、会計年度任用職員制度の導入に当たり、例えば、期末手当を支給するために毎月の給料を引き下げるといったことや、期末手当を支給しないようにするため、短時間の雇用を増やすといった本末転倒の取扱いをする自治体が出てくるのではないかといったことを懸念する報道もあります。  そこで、知事に伺います。  非常勤職員の処遇改善は、本人のモチベーションだけでなく、人材確保の面からも大きな効果があり、ひいては県民サービスの向上にもつながるものと考えますが、会計年度任用職員制度導入に当たっての予算の増を含めた基本的な考え方について、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) しきだ議員の御質問に順次お答えしてまいります。  私の政治姿勢について、何点かお尋ねがありました。  まず、津久井やまゆり園の再生についてです。  津久井やまゆり園の再生は利用者の安心・安全な生活の場の確保とともに、利用者目線の支援を実現し、新しい福祉の在り方を示す県政の重要課題です。  昨年10月、現在の津久井やまゆり園の指定管理者であるかながわ共同会の元理事の不祥事をきっかけに、津久井やまゆり園の利用者支援を厳しく指摘する声が改めて私のもとに届くようになりました。  津久井やまゆり園の再生に当たり、こうした懸念を払拭し、確実に利用者の皆様に令和3年度中に新しい施設へ入居していただくため、私は指定管理者を公募で選定する方針に変更することを決断しました。  今回の私の決断により、御利用者や御家族、園の職員の皆様に不安を与えたことについては大変申し訳なく思っております。私の真意を御理解いただけるよう、今後とも丁寧に説明していきます  園の利用者支援については、昨年以来、私自身が行った御家族との対話の中で、満足しているという御意見を聞く一方、厳しい指摘も伺っています。  県は昨年11月から指定管理者制度に基づき、園に対し、立入調査を実施しました。また、1月からは津久井やまゆり園利用者支援検証委員会を設置し、委員から、虐待の疑いがある支援が行われていたのではないかという指摘を受けました。  県は、これまでのかながわ共同会における利用者支援の実情について、県の関わり方も含め、徹底して検証し、その結果と今後の対応について御利用者や御家族にも丁寧に説明していきます。  また、検証の結果をしっかり受け止めた上で、指定管理施設に対する県の指導の在り方についても見直していきます。  県としては、こうした取組を通じて利用者目線の支援が実現できるよう、津久井やまゆり園の再生に全力で取り組んでまいります。  次に、本県の財政問題についてお尋ねがありました。  まず、県税収入の見込みと当初予算編成の考え方についてです。  初めに、令和2年度の県税収入の見込みについてです。  主な税目のうち、法人二税は米中の貿易摩擦の影響から、製造業を中心に企業収益の回復が期待できず、元年度6月現計予算額と比べて300億円を超える減収を見込んでいます。  一方、地方消費税は令和元年10月の税率引上げの影響により、600億円の増収を見込んでおり、こうした県税収入と地方譲与税の合計では393億円の増収となります。  しかしながら、県税収入の中から市町村へ支出する税交付金が地方消費税の税率引上げや法人事業税交付金の施行に伴い大幅に増加することから、実質的な県税収入では元年度6月現計予算額を128億円下回る1兆920億円を見込んでいます。  次に、当初予算編成の考え方についてです。  令和2年度は厳しい財政状況にあっても、SDGs最先進県としてかながわグランドデザイン第3期実施計画に掲げる施策を着実に推進するとともに、県民生活に密着した取組を着実に推進するため、県財政調整基金の取崩しなど、必要な対応を図り、予算を編成しました。  具体には、かながわ気候非常事態宣言の取組を強力に推進するとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を最大限盛り上げ、そのレガシーを確実に次世代に継承します。  さらに、地域防犯力の強化や私立高校の授業料等の実質無償化の対象拡大、未病指標を活用した健康長寿の取組など、県民生活に密着した取組を着実に推進していきます。  私としては、これまで築き上げてきた政策をもう一段引き上げ、新たなステージを目指して挑戦していく予算を編成することができたと考えております。  次に、グリーンボンドについてです。  まず、ESG投資は近年大きな成長を見せています。特に環境問題の解決のために発行されるグリーンボンドは、日本においても民間部門を中心に2019年の発行額は7,000億円に迫る規模となっています。  多くの投資家の参加が期待できるESG投資ですが、発行に当たっては事前に外部評価機関の認証が必要になり、そのための費用や事務負担が発生します。また、地方自治体がグリーンボンドを発行する場合、地方財政法の規定により、その活用先は投資的経費となります。  今回、県が定めた水防災戦略を今後推進していくためには、県債を活用する必要があります。そして、水防災戦略に掲げた事業は環境問題への対応という側面も強いことから、グリーンボンドの充当先として適していると考えています。  また、グリーンボンドの発行は多くの投資家の参加が見込まれ、県債の安定発行につながること、他の発行団体との差別化を図れること、気候変動問題を投資家にPRすることで普及啓発効果を見込めること、SDGs最先進県としての神奈川の姿勢を示すことができることなど、複合的な効果が期待できます。  このように、県がグリーンボンドを発行することには多くのメリットが見込めますので、今後、発行に向けて準備を進めていきます。  次に、会計年度任用職員制度の導入についてです。  様々な行政分野において全国的に増加している臨時・非常勤職員の適正な任用、勤務条件を確保するため、地方公務員法及び地方自治法が改正され、会計年度任用職員制度が創設されました。  今回の制度改正は、正規職員と非正規職員の間の不合理な待遇差の是正を進める同一労働同一賃金の観点から、報酬水準については常勤職員の給与を基礎とするほか、新たに期末手当を支給することなど、非常勤職員の処遇改善につながる内容となっています。  本県においても、非常勤職員がこれまで以上に高い意欲を持って働けるよう、法改正の趣旨に沿った適切な運用を図ることが何より大切だと考えています。  本県では、期末手当については勤務日数や勤務時間が一定以上あり、常勤に近い勤務形態で仕事をしている場合には、常勤職員との均衡を図り、高いモチベーションを持って仕事を行ってもらうため、これまでも国に先駆け、報酬の一部として支給してきました。  一方、これまで報酬については年齢区分に応じて3年ごとに段階的に水準が上がるなどとしてきましたが、今後は常勤職員と同様に職務の経験年数に応じて毎年上がることとします。  また、県立高校の授業を担当する非常勤講師については、これまで期末手当を支給していませんでしたが、新たに支給対象とするなど、処遇改善を図ってまいります。  会計年度任用職員制度の導入により、約20億円の人件費の増加を見込んでおりますが、必要な人材を確保することができ、県民の皆様により質の高いサービスが提供できることになりますので、しっかりと対応してまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 ただいまの答弁に対して、再質問を行ってまいりたいと思いますが、財政問題、また臨時的任用職員等については前向きな答弁を頂いたと思っております。  まず、津久井やまゆり園の再生について再質問をしたいと思いますが、知事が最後に力強く津久井やまゆり園の再生に全力で取り組んでいくんだと、こういう固い決意を表明されましたが、我々議会もその考え方について、全力で取り組む姿勢については全く変わりがありません。  しかしながら、12月5日、まさにこの本会議の場で唐突に発言をしたことによる影響が極めて大きいということをこれまで指摘してまいりました。  共同会と指定管理者制度の下で、一方の当事者である共同会の理解を得られない中で、今こうした議論を進めようとしている、さらには、入所者の方々のそうした不安が増大している、増幅している。そうした環境の中でこれを推し進めていくことに対して、その進め方、タイミング、こういったものを指摘してきたということを、ぜひ改めて指摘しておきたいと思います。  再質問に移りますけれども、先日、入所者の御家族の方、・・・さんと知事が面会されました。私もあらい委員長と一緒にその場に同席をしながら、そのやり取りを聞かせていただきました。  そのときに、先ほどの質問でも触れましたけれども、我々厚生常任委員会の委員会としてアンケート調査をした。その利用者の方々の70%を超える方が共同会の支援に満足をしている、そのお話を・・・さんから知事に触れられた折に、知事は数の問題ではないと、こう切り捨てられました。  私はその場にいましたけれども、選挙で選ばれた知事が、民主主義の根幹に関わるこうした問題について、知事が、正当性をも否定するかのような発言をしたことについては大変驚くとともに、強い懸念を抱いたところであります。  この発言は、知事同様我々選挙で選ばれた県民代表である議会が、丁寧な手続を経て委員会の審査、審議を経て実施した調査であり、その結果を受け入れようとしないこうした姿勢については、我々議会に対しても極めて失礼な発言であったと、このことは指摘せざるを得ないと思っています。  また、何よりも我々が手続を経て進めた、そして行ったアンケート調査に真摯にお答えを頂いた全ての方々に対する冒涜にほかならないと厳しく断ぜざるを得ないというふうに思います。  この方針変更の表明の仕方、先ほど申し上げたその理由やタイミング、そしてその進め方について、いまだ明快な根拠を自ら示すことをすることなく、通常の手続を度外視し、自らの主張を押しつけようとしている、そうした知事から、こうした手続を経て実施した、そしてさらに真摯にお答えを頂いたアンケートについて、このような発言をされることは極めて不本意であると言わざるを得ません。  私は速やかにこの発言を撤回すべきだと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。これが1点目であります。  また、現在、検証委員会で様々検証されておりますけれども、津久井やまゆり園に絞っての検証であります。先日、県直営の障害者支援施設である中井やまゆり園において虐待事案が発生したことを考えると、検証の対象を県立の障害者支援施設全体に広げるなど、手法そのもの、検証委員会の在り方そのものも抜本的に見直していく必要があると思いますが、これについての知事の見解を伺いたいと思います。  そして、財政問題について、1点、再質問いたしますが、先ほどグリーンボンドの質問において、知事からは、力強く、今後発行を目指して調整していく旨の答弁がありました。  県として、気候変動問題に真剣に取り組む姿勢を積極的に内外にアピールしていくためにも、グリーンボンドはできるだけ早期に発行していくことが望ましいと思いますが、様々な制約もあるということも答弁の中で触れておられましたけれども、改めて確認いたしますが、グリーンボンドについて具体的にいつ頃発行する予定で調整をしているのか、現在の状況について、以上3点、再質問いたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  まず、津久井やまゆり園の私の発言が唐突であったと受け止められた、これは申し訳ないと思っております。ただ、その真意は先ほど申し上げましたけれども、令和3年に皆さんが引っ越しをするということを楽しみにされている、それに間に合わせるためには時間的余裕はなかったということでありました。  そして、その後、津久井やまゆり園に行って─今は芹が谷ですけれども─そこに行って、利用者の皆さん、御家族の皆さん、職員の皆さん、何度も行って、私自身が直接お話をさせていただいているということであります。  その中で、議会の皆さんで家族の皆さんにアンケート調査をされたことも承知しております。その中で、今の共同会の支援を継続してほしいという人が70%いらっしゃったといったこと、これも承知しております。これはしっかり受け止めたいと思っております。  ただ、その御家族の・・・さんが来られたときに、私は真摯な気持ちで向き合ったつもりであります。そのときに、同じことを言われました。70%以上の人が支援しているんだから、この共同会をそのまま続けてほしいといったこと、そのお気持ちは十分、私は受け止めたいと思っています。  ただ、虐待といった疑いが極めて濃厚だといった例が幾つかあるといったことを検証委員会が指摘しているわけであります。この虐待の疑いがあるといったことにおいては、被害者がいる、加害者もいる、その御家族もいる、その数が少ないからといって見過ごすことは私にはできない。そして共同会から、もう身体拘束等の虐待は過去のものですという話があった。しかし、検証委員会が調べたところ、過去のものではなかったということが明らかにされているわけであります。  今のままの共同会で、さらに引き続き県民の利用者の皆さんの大切な命をそのまま預けるわけには、私は県知事として認めるわけにいかない。ただし、共同会が猛省して、自分たちで自分たちの過去を見詰め直して、本当に生まれ変わるということであるならば、改めて公募に応じていただいて、生まれ変わった共同会としてぜひ支援を続けていただきたい、その可能性は我々は消してはいないということであります。私の真意を御理解いただけるまで徹底的にお話をしていきたい、そのように考えております。  そして、中井やまゆり園でも虐待事案が発生したといったことがありました。中井やまゆり園では、今回の事案発生後、園内の検証チームを立ち上げまして、複数の第三者の意見を伺いながら、原因究明及び再発防止策や利用者目線に立った支援の在り方の検討など、検証作業を進めているところであります。  現在、津久井やまゆり園利用者支援検証委員会では、津久井やまゆり園の支援について検証を行っております。今後、中井やまゆり園の検証チームの結果についても、この検証委員会の委員の意見を聴くことや、検証の対象を津久井やまゆり園以外の県立施設に広げていくことなども検討したいと考えているところであります。  この県立施設中井やまゆり園で起きた虐待事案については、心からおわびを申し上げたいと思います。  グリーンボンドの再質問でありました。  具体的な発行時期でありますけれども、外部評価機関から認証を取得するのに数か月かかると承知しています。そうした準備期間も考慮した上で、令和2年の年末までに発行したいと考えております。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 再答弁を受けて、再度確認したいと思いますが、私が1点目に質問いたしましたのは、70%の方という数字を示して・・・さんが発言された折に、数の問題ではないと、こういう否定的な話をしたということ、これは民主主義の根幹に関わる問題であり、我々議会の調査に対する、そうした指摘ということで問題だという指摘をさせていただきました。  その点について、撤回をする意思があるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問にお答えいたします。  数の問題ではない、これを選挙、民主主義と比較されていますけれども、それとは全然別の話だというふうに思います。  今回のアンケート調査、70%以上の方が共同会の支援を望んでいらっしゃる、その数字は重く受け止めたいと思いますけれども、しかし、数が多いから、少ないからといった問題では、今回の問題は違うと思います。虐待事案、これは私は大変重大な問題だと思っております。数が少ないから、いいじゃないかとは私は思いません。数の問題ではないといった発言を撤回する気持ちはありません。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 恐らくこの議論をしても平行線だろうと思いますが、我々は70%の方々の声、これをしっかり受け止めるということは当然、そして数字に表れない埋もれた声をしっかりとすくい上げていく、そうした思いに寄り添っていくということも当然であります。  我々議会としてこれまで様々議論を積み重ねてきた、そして知事は先ほど冒頭もお話しされましたけれども、令和3年に引っ越しをするには、ここで仕切り直しをしなければならない、こういう発言を再三再四されますけれども、これまでは令和6年度まではこれまでどおりの共同会で指定管理を調整する、この方針に変わりがなかったわけであります。通常どおりの手続で進めていけば、令和3年に引っ越しできない、そうした理由には当たらないわけでありまして、そこに当事者の共同会の協議に応じられない、そうした事情があり、またそうした説明が十分伝わっていないから、今協議にも応じられない実態がある。さらには、入所者の多くの方々が、一部意見があるにせよ、大半の方々が引き続きの共同会による支援を望んでいる、そうしたことも事実であります。  我々がやらなければならないのは、そうした様々な御意見を承りながら、また県としても共同会の指定管理の在り方のみならず、自らの中井やまゆり園の事件も含めて、しっかりと再検証し直して、オール神奈川で取り組んでいかなければならない。敵味方、あるいは分断を、あるいは混乱やそうした当惑を引き起こすのではなく、冷静にここはきちっと判断をしていく、議論していくことが求められていると思います。  このことを改めて指摘し、この質問を終わりたいと思います。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 質問の第2は、ともに生きる社会かながわの実現について伺います。  〔資料提示〕  まず初めに、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進について伺います。  2016年7月26日、相模原市にある県立障害者支援施設、津久井やまゆり園において19名もの貴い命が突如として奪われ、27名の方々が負傷するという痛ましい事件が発生しました。  この事件の背景には、元職員である容疑者の障害者に対する偏見や差別的思考があったと報じられています。  この事件に決して屈することなく、この悲しみを力に変え、障害者に対するいかなる差別や偏見も決して容認することなく、誰もがそのかけがえのない命と個性、そして人格が尊重される社会の実現に力を尽くしていく決意を内外に示していくため、我々議会は県と共同し、「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定いたしました。  まさに、この事件の裁判が行われている今、私たちは憲章の理念の普及に努めていくことの重要性を、改めて認識しなければなりません。  こうした中、昨年10月に公表された県民ニーズ調査によると、実に82%の県民が憲章を知らないと回答しています。この数字は、一昨年の調査や昨年の調査においてもほぼ同じ数字であったことを考えると、これまでの憲章の普及推進の取組を抜本的に見直し、検証していく必要があると考えます。  変化の時代にあって、停滞は、すなわち後退を意味します。同様に、津久井やまゆり園事件も、時の流れとともに風化が進んでいくことを憂慮しています。これまで以上に、我々はこの事件を深く胸に刻み、憲章の理念の普及に努めていかなければなりません。  「ともに生きる社会かながわ憲章」の題字は、幼少期に県立こども医療センターに通院され、また、事件の2年前に津久井やまゆり園を訪れ、書を揮毫し、入所者の皆さんと交流された経験のある、本県にゆかりの深い書家であり、本日、傍聴にお越しの金澤翔子さんに手がけていただきました。  改めて、私たちは憲章を定めた経緯を思い起こし、その原点に立ち返り、地道な努力を惜しむことなく、地に足の着いた施策展開に努めるとともに、その先頭に立って行動していく責任と使命を負っています。  冒頭御紹介した作家のマーク・トウェインは、このような言葉も残しています。優しさとは耳の聞こえない人でも聞くことができ、目の見えない人でも見ることのできる言葉である。  そこで、知事に伺います。  昨年10月に公表された県民ニーズ調査の結果をどのように受け止めているのか、また、憲章の普及推進に向けたこれまでの県の取組の検証と今後について伺います。  次に、手話の普及推進について伺います。  〔資料提示〕  神奈川県手話言語条例は、平成26年5月に神奈川県聴覚障害者連盟から5万人を超える署名を添えて手話言語条例の制定を求める陳情が県議会議長に提出されたのを契機に、有志議員により立ち上げた条例検討プロジェクトチームにおいて検討を重ねました。鳥取県に次いで、神奈川県は平成26年12月に議員提案としては全国で初めて制定しました。  その後、当事者団体、教育関係者、産業・労働団体、学識者等から構成される手話言語普及推進協議会の場で様々な意見を伺いながら手話推進計画を策定し、手話の普及に努めてきたと承知しています。  この条例も施行から今年の4月で5年が経過することとなり、この間、他の自治体においても条例が制定され、その数は今や27の道府県を含む約300もの自治体に及んでおり、それぞれの地域の特色が条例に反映されています。  こうした中、昨年11月に行った、ともに生きる社会かながわ推進特別委員会の調査では、神戸大学の河﨑佳子教授から、大阪府の乳幼児期手話言語獲得支援事業に関する講義を伺う機会がありました。  言語は乳幼児期に自然に習得されますが、手話については、保護者が使えない場合、自然習得が難しく、言語能力の発達にも支障を生ずる可能性があるとのことで、大阪府ではこうした課題認識から、手話の習得の機会の確保について条例や施策に盛り込んでいると伺いました。  この課題については、さきの県議会令和元年第3回定例会において、国に対し意見書を提出したところでありますが、本県としても取組を進めるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  神奈川県手話言語条例の見直しをどのように進めていくのか、また、聴覚障害の乳幼児の手話習得の課題に向けて、どのように取り組んでいくのか、併せて伺います。  次に、障がい者の就労の場の拡大について伺います。  〔資料提示〕  県では「ともに生きる社会かながわ憲章」を定め、障害者の社会参加に向けた取組を進めているところですが、そのためには働く意欲のある障害者の就労の場を拡大していく必要があります。  しかしながら、昨年12月に発表された本県の民間企業の雇用率は2.09%と、法定雇用率の2.2%には及ばず、また、全国平均の2.11%も下回っている状況です。  県では、県内企業における障害者雇用の促進に向け、取り組んでいることは承知していますが、働きたくても働く場のない障害者は依然として多い状況です。  そうした障害者の就労先の一つとなっているのが特例子会社です。  特例子会社とは、障害者を一定数以上雇用し、親会社などの業務のうち、障害者に適した業務を請け負う会社であり、障害者の特性に配慮した業務が確保されているほか、施設の改善や専任の指導員の配置等、障害者が安心して働き続けられる環境が整っています。  昨年、私が議会局を通じて全国の都道府県に対し、特例子会社に関する施策の調査を行ったところ、14の都道府県が特例子会社に直接出資して障害者を雇用する場をつくっているほか、10の府県が支援窓口の設置や助成金など、特例子会社の立地促進への支援を実施していました。  また、特例子会社の設置が困難な中小企業等については、事業協同組合等を活用し、障害者を雇用し、共同で事業を行う事業協同組合等算定特例という制度もあり、東京都では国家戦略特区を活用する新たな動きもあると聞いています。  一方、本県では特例子会社等に対する支援は何も行っていない状況です。県として、一人でも多くの障害者が就労する場をつくる意思があるならば、県内において特例子会社等の設立が進むよう、しっかりと支援策を講じていくべきです。  そこで、知事に伺います。  障害者一人一人が生き生きと働くことのできる場を拡大していくため、特例子会社の設立支援等も含め、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、神奈川県社会福祉センター(仮称)について伺います。  〔資料提示〕  神奈川の福祉は様々な福祉関係団体、当事者や家族の活動を大切にしてきた経過があり、団体の方々と連携しながら各種福祉施策を進めてきました。  現在の神奈川県社会福祉会館は、こうした団体の活動拠点となっている県の施設ですが、県社会福祉協議会では、施設の老朽化に伴い、これに代わる新たな活動拠点として神奈川県社会福祉センターの整備を2021年度に向けて進めているところです。  この社会福祉センターも福祉関係団体が活動する中心的な場所であり、関係団体がこれまでどおりの活動ができるよう整備されることが望まれます。  こうした状況の中で、新たな拠点となる社会福祉センターの賃借料など、具体的な調整が県社会福祉協議会において進められていると聞いていますが、ここで提示されている賃借料が現在の11倍となる団体もあるなど、不安の声が数多く寄せられています。  昨年の第3回定例会においては、現在の県社会福祉会館に入居している福祉関係団体から、神奈川県社会福祉センター(仮称)における社会福祉団体の賃借料について特段の配慮を求めることについての請願が提出され、採択されたところです。  県と福祉関係団体が、ともに生きる社会かながわを実現し、きめ細やかで幅広い福祉を安定的に県民に提供できるよう、新たに神奈川の福祉拠点となる社会福祉センターを整備するに当たり、県が福祉先進県を目指すためには、適切な支援を行い、入居予定の福祉関係団体の不安を解消すべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  新たに整備される社会福祉センターに入居を予定している福祉関係団体に対して、どのように支援していくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
    ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ともに生きる社会かながわの実現について、何点かお尋ねがありました。  まず、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進についてです。  初めに、県民ニーズ調査結果の受け止めについてです。  ともに生きる社会を実現するためには、憲章を県民の皆様に広く普及し、その理念を深く浸透させることが必要であり、これまで様々な取組を進めてきました。  今年度の県民ニーズ調査で憲章の認知度が15.7%にとどまる結果となったことは大変残念ですが、ここで歩みを止めずにしっかりと取り組んでいきます。  次に、憲章の普及推進に向けたこれまでの県の取組の検証と今後についてです。  これまで県は市町村等と連携し、ともに生きる社会かながわ推進週間での集中的広報、みんなあつまれや共生社会実現フォーラムの開催、県教育委員会と連携したいのちの授業、大学・企業と連携した講義や研修での憲章の普及を実施してきました。  さらに、従来の取組だけでは届きにくかった若年層を主な対象に、リスペクトでつながろうをコンセプトとする新たなロゴデザインや動画によるSNS等を活用した広報を展開しています。  これまでの取組により、イベント参加者の声などから一定の効果はあったと考えていますが、県民ニーズ調査の結果等から検証すると、年代により認知度にばらつきがあり、これまで以上にターゲットに応じた取組が必要であると考えています。  今後は、金澤翔子さんに揮毫いただきましたすばらしいともに生きるの題字や新ロゴデザインの活用等、様々な年代や興味、関心に応じたアプローチを行い、効果を検証しながら地道に粘り強く施策を展開していきます。  県としては、市町村や団体、教育、企業、大学と連携した取組や若年層向けの動画やSNSの活用に加え、特に来年度はオリンピック・パラリンピックの関連イベントと連携した発信を考えるなど、憲章のさらなる普及と理念の浸透に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、手話の普及推進についてです。  まず、神奈川県手話言語条例の見直しについてです。  手話は聾者の間で受け継がれ、その豊かな表現とともに独自の発展を遂げてきた大切な言語であり、ともに生きる社会を実現していくためにも大変重要です。  本県ではこうした手話に対する県民の理解を深め、広く普及していくため、手話言語条例を制定し、手話講習会や啓発イベントなど、様々な取組を進めてきました。  その後、他自治体でも多くの条例が制定され、中には手話を習得する機会の確保を条文に盛り込んだものなど、その内容は広がりを見せています。  そこで、手話言語条例の見直しに際しては、他自治体の例も参考とした上で、聾者をはじめ関係者の方から丁寧に御意見を伺いながら検討してまいります。  次に、聴覚障害の乳幼児の手話習得についてです。  聴覚障害の子供は、言語の習得にとって大切な乳幼児期に手話を使う人が周囲にいないことが多く、こうした場合には手話に触れる機会が乏しいため、その習得に大きな課題を抱えています。  そこで、県では令和2年度当初予算案に新たに聴覚障がい児等手話言語獲得支援事業費を計上し、この課題に向け取組を開始したいと考えています。  具体的には、聴覚障害の乳幼児が保護者と共に遊びを通して自然に手話を学ぶ交流会を実施します。この交流会のスタッフには手話を日常の言語とする聾者にも加わってもらい、子供たちの成長に向けたロールモデルとなっていただくことも期待しています。  県としては、聴覚障害の乳幼児がこうした取組を通じて言語として手話を早期に習得し、生き生きと暮らしていけるようしっかりと支援してまいります。  次に、障害者の就労の場の拡大についてです。  障害者の社会参加を進めるためには、障害者が持てる力を発揮し、安心して働くことができるよう、就労の場を増やしていくことが重要です。このため、県では個別訪問や出前講座などにより、企業の障害者雇用への理解を深め、雇用を促進してきました。  また、県自らも障害者を非常勤職員として雇用し、正規就労へつなげるチャレンジオフィスを開設するなど、就労の場の拡大に取り組んでいます。  しかしながら、県内企業における障害者の雇用率は依然として法定雇用率を下回っており、その雇用をさらに促進するためには、個々の企業の状況に応じたより一層の支援が必要です。  そこで、実際に企業を訪問して助言等を行っている障害者雇用促進センターの福祉職員を増員し、個々の企業の取組段階に応じたきめ細かい伴走型支援を充実します。  また、特例子会社等の制度は雇用の場の拡大に有効な手法ですが、その活用に当たっては子会社等の認定要件のハードルが高いことや、そこで担う仕事の切り出しが難しいなどの課題もあります。  そこで、特例子会社の設立支援については、他の自治体の取組等も参考にしながら、効果的な支援方策について調査研究していきます。  今後とも、障害者の就労の場の拡大に向け、しっかりと取り組んでまいります。  次に、神奈川県社会福祉センター(仮称)についてです。  現在、県社会福祉会館には複数の福祉関係団体が活動拠点として入居しており、県と連携して様々な分野で福祉施策の推進に取り組んでいます。  そのため、入居する福祉関係団体の活動を支援するために、県の普通財産である社会福祉会館の貸付けに当たっては、必要に応じて賃借料の減免を行っています。  一方、この社会福祉会館に代わる新たな拠点となる社会福祉センター(仮称)は、県社会福祉協議会によって整備が進められています。このセンターは、現在の入居団体が引き続き利用することを前提に、賃借料についてはできる限り負担が軽減されるよう、県社会福祉協議会が各団体と調整されたと承知しています。  しかし、新たな賃借料は現在の賃借料と比べると大幅な負担増になることから、団体からは不安の声が数多く上がっており、昨年の第3回定例会では県の財政支援を求める請願が提出され、採択されました。  そこで、新しいセンターがこれまで社会福祉会館の果たしてきた役割や機能を維持し、福祉関係団体の活動拠点として引き続き活用されるよう、入居団体の意向を丁寧に聴きながら、賃借料が過度な負担とならないために、財政支援を含め、どういった支援ができるのか検討していきます。  今後とも、ともに生きる社会かながわの実現に向けて、県民による福祉活動が一層盛り上がっていくように支援に取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 今の答弁を受けまして、1点、再質問させていただきたいと思いますが、ともに生きる社会かながわの実現についてでありますけれども、「ともに生きる社会かながわ憲章」、金澤翔子さんの題字、このチラシを我々は議長を先頭に桜木町の駅頭で配布したり、様々な活動も議会としても取り組んでまいりました。  もっともこの憲章は県と議会が協働して策定したものであり、悲しみを力に、そして共生社会の実現を我々の責務として掲げながら取り組んできたところであります。  県当局の今の取組を見ておりますと、そういった議会と協働して取り組んだ、制定した、策定した、そうしたところが希薄ではないか、そう感じざるを得ない点があります。  憲章の普及に当たって、今後、市町村、あるいは事業者等との連携ということは当然でありますけれども、我々議会とも連携を図って進めていく必要があると思いますが、この点について、改めて知事の見解をお伺いさせていただきたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  この憲章は津久井やまゆり園事件の悲しみを力に、ともに生きる社会の実現を目指して、まさに県議会の皆様と共に定めたものであります。  県と県議会は金澤翔子さんに揮毫していただきました「ともに生きる」、この力強い題字を活用したチラシやポスターを作成、配布するなど、それぞれ同じコンセプトの下に連携して普及活動を行ってまいりました。  私も事あるごとに、「ともに生きる社会かながわ憲章」を紹介するときに、その言葉に触れるたびに、これは県議会の皆様と共につくったものだといったことを必ず申し添えるようにしております。  今後も県は県議会の皆様の御意見をしっかりとお伺いしながら、連携して普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 我々もオール神奈川で「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進、そして何よりもその先にある共生社会の実現に力強く県と連携しながら取り組んでまいりたいと思います。  このたびの第2項目の質問については、ともに生きる社会の推進、さらには手話の普及推進について、特例子会社の問題について、社会福祉センターの入居、そうした負担軽減について、様々質問をさせていただきました。おおむね前向きな答弁を頂いたと思っております。  今後、常任委員会、あるいは予算委員会等でさらに議論を深めてまいりたいと思います。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 質問の第3は、県民の安全・安心を守る取組についてであります。  〔資料提示〕  まず、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  昨年12月、中国の武漢市で集団発生した新型コロナウイルス感染症は、感染者が4万人を超えるなど、世界的な規模で感染が拡大しています。  中国以外でも世界の27の国と地域で感染が確認され、亡くなられた方の数も日本人を含む1,383人となるなど、まさに未曾有の事態となっています。  本県では、去る1月16日に国内で初めての患者の感染が確認されました。現在、県や国などが感染拡大を防ぐため、水際対策や相談対応などに取り組んでいると認識しています。  改めて、昼夜を問わず対応に当たっている関係者の御尽力に敬意を表するとともに、引き続き万全の体制で臨んでほしいと思います。  また、今回、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号における集団発生という事態が生じました。この問題についても、事態の終息に向け、関係者が一丸となって対応に当たっていただきたいと思います。  東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、本県では今後、クルーズ船を含め、国内外からさらに多くの方が訪れると期待されます。インバウンドの推進は歓迎すべきことですが、同時に感染症のリスクも高まります。  感染症対策は、県民の命、健康に直結する基本的な施策であり、しっかりと取り組んでいく必要があります。  また、今回明らかになったように、感染症は経済や産業に及ぼす影響も大きく、あらゆる視点から総合的に対策を講じることも重要です。  国、都道府県、市町村、事業者などがそれぞれの立場で取り組む中、県はどのような役割を果たしていくのか、今回のことを契機に、改めて県の姿勢が問われています。  そして、何よりも、一刻も早くこの新型コロナウイルス感染症の終息に取り組んでいかなくてはなりません。  そこで、知事に伺います。  県民の命と健康を守るという観点から、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、令和元年台風被害を踏まえた風水害対策の強化について伺います。  〔資料提示〕  昨年は台風15号や19号による暴風や豪雨が東日本全体を襲い、本県も極めて深刻な被害を受けました。そして、9名もの貴い命が失われたことはまさに痛恨の極みであります。  異常気象が続く状況の中、こうした大規模水害が近い将来、必ず発生すると考え、備えを進めることが急務であります。  県内の市町村においても水害への備えについては緊急課題となっており、例えば、先月、二宮町議会から、洪水浸水想定区域の中で浸水の危険が高い箇所の河川整備について、知事に対して意見書が提出されたと承知しています。  本県では阪神・淡路や東日本大震災を踏まえ、地震防災戦略を定め、大規模地震への備えを進めてきたところですが、風水害に関しても同時に備えを進めることが必要であると考えます。  そうした観点から、昨年11月の本定例会の代表質問で、我が会派として県の風水害対策の考えを伺い、地震防災戦略と同様に何らかのプランを策定し、防災・減災対策を強化するよう求めたところであります。  そして、今般、令和2年度の当初予算案の中で県は水防災戦略を打ち出したところでありますが、何よりも重要なのはこの戦略を真に風水害対策の強化につなげることであります。  〔資料提示〕  昨年の台風被害では大規模な土砂災害が発生し、交通の断絶や停電、断水などで県民の生活に多大な支障が出ました。また、内水氾濫では都市部にも大きな影響が出たほか、災害情報の受伝達や住宅被害を受けた被災者支援など、多くの課題が浮き彫りとなりました。  まさに、昨年の台風は本県の災害対策に様々な教訓をもたらしたところであり、昨年の台風における災害対応の経験を今後の対策に生かしていく必要があると考えます。  また、水害対策は一過性ではなく、将来も見据えて取り組む必要があります。戦略での打ち出しが掛け声倒れになることがないよう、国の支援措置の活用も含め、裏づけとなる財源確保にも留意する必要があります。  さらに、関係機関と連携を図り、継続的に取り組むために、今回打ち出した戦略を本県の災害対策の根幹である地域防災計画にしっかりと位置づけることも重要な視点だと考えます。  そこで、知事に伺います。  昨年の台風を超えるような大規模な水害が必ず発生すると捉え、風水害対策の強化を図ることは本県に課された大きな課題であると考えますが、県は今般打ち出した水防災戦略に基づき、風水害対策にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、災害対応における海上交通の活用について伺います。  〔資料提示〕  昨年の台風19号では県内の一部の幹線道路が土砂で長期間にわたって塞がれ、県民の生活に大きな影響が出ました。  今回の災害は比較的局所的ではありましたが、今後、大規模な地震が発生した際などに、さらに広域で道路が寸断される事態となれば、県民生活への影響にとどまらず、人命の救助や被災者の救援に向かう応援部隊や支援物資が被災地に届かない、たどり着けないといった、人命に関わる状況が懸念されるところです。  こうした陸上交通が途絶えた場合の対応として、昨年2月の本会議で、私から、災害時のヘリコプターの円滑な運用について質問いたしました。  そこで、今回は陸上交通が寸断された場合のもう一つの有力な手段である災害時の海上交通の活用について伺います。  本県は相模湾、東京湾の二つの湾に面しており、災害時の陸上交通の代替手段として海上交通の活用にもっと目を向けるべきだと考えます。  海上交通に関しては、船舶は大量の物資や多くの人員を輸送することが可能であり、最近定着しつつあるプッシュ型で送られてくる大量の物資の輸送や、帰宅困難者の移動などにも有効だと思います。  また、大型の船舶であれば、ヘリコプターの離発着なども可能であり、様々な支援活動への活用が想定されるところであります。  一方で、こうした利便性の高い海上交通について、あらかじめその利用を想定して、利用する港湾を想定しておくことや、船舶を運行する公的な機関や民間事業者に依頼する手順も含め、災害時に連携が図れる関係づくりを平時から進め、海上から輸送した物資や人員を陸上で車両による輸送に円滑につなげる調整なども大切であります。  海上輸送は広域で展開するものであり、国や海上交通を担う関係機関と連携し、運用の体制を整えることは、広域的な自治体である県の役割ではないかと考えます。  毎年のように頻発する大規模水害に加え、本県では、さらに影響が深刻な南海トラフ地震や首都直下地震の発生も懸念されるところであり、災害で道路が寸断された場合の代替手段や陸上交通を補完する手段として、海上交通を活用する体制整備が必要です。  そこで、知事に伺います。  切迫性が指摘される首都直下地震などの大規模災害への備えとして、陸上での被災地へのアクセスが困難となる場合を想定し、海上交通を活用する体制を確保する必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  次に、アクティブ交番の効果的活用について伺います。  〔資料提示〕  県警察では、スマートフォンをはじめ通信機器の普及による通報手段の変化、交番等施設の老朽化や狭隘化に伴う計画的な建て替えの必要性、さらに交番への襲撃事件の発生など、治安情勢に鑑みた交番勤務員の複数化の必要性により、交番等の設置場所や配置人員の見直しが必要となったことから、昨年、交番や駐在所などを計画的かつ適正に配置するとともに、交番等における事件・事故等の対応力を向上させ、交番等を持続的に機能させていくことを目的とした神奈川県警察交番等整備基本計画を掲げました。  この計画では、今後10年間で県内の交番数を現在の470か所からおおむね400か所程度に統合していく方向性が示され、令和2年度はその初年度であり、現在、統合対象となる地域住民への説明を進めていると承知しています。  統合対象となった交番周辺の住民の方々からは、交番が統合された後の治安に変化が生じるのではないかといった不安の声が寄せられており、この計画を進める上で最も重要なことは、地域住民の方々が抱いている統合後の治安に対する不安をいかに解消していくのかということだと考えます。  県警察ではこうした地域住民の方々が抱いている不安に対応すべく、令和2年度からアクティブ交番を導入し、その機動力を生かし、これまでのように施設を拠点とした警察活動から、必要とされる場所に出向き、住民からの届出や相談が受理できるように、能動的な活動を展開していこうとしていると承知しています。  警察側から交番機能を必要としている地域に積極的に飛び込んでいき、コミュニケーションを図ることが、地域住民の不安解消に向けて大変重要な活動であると考えています。  こうしたことからも、このアクティブ交番を効果的に活用し、しっかり機能させることが整備計画の目的を達成させる重要な鍵になると感じています。  そこで、警察本部長に伺います。  交番統合後の治安対策として導入するアクティブ交番の効果的な活用について、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県民の安全・安心を守る取組について、何点かお尋ねがありました。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症では、2月13日に国内初の死亡例が県内で発生するとともに、国内で人から人へ感染が疑われる事例が確認されるなど、大きな転換点を迎えています。今後は水際対策だけでなく、国内で感染が拡大しても迅速な対応がとれるよう体制を整備することが重要です。  また、横浜港に停泊しているクルーズ船ではいまだ感染が拡大していますが、こうした事態は通常の感染症対策の枠を超えた規模のものであり、国が主導して全国の自治体と連携体制を取りながら取り組むべき課題と認識しています。  そこで、県では国に対し、全国知事会を通じて、クルーズ船での集団感染などの非常事態については、現行の枠組みにとらわれず、国がより一層のリーダーシップを発揮して主体的に対応することを要望しました。  あわせて、県民の皆様の命を守るため、検査体制や医療提供体制の強化に向け、これまでの規制にとらわれず、あらゆる手段を柔軟に取ることを求めていきます。  県としては国の緊急対応策などを注視しながら、引き続き実効性のある対策に取り組み、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と一日も早い終息に向けて、国や市、関係機関と連携してしっかりと取り組んでまいります。  次に、令和元年台風被害を踏まえた風水害対策の強化についてです。  近年、我が国では大規模な風水害が頻発しています。世界各地でも熱波や干ばつなど、気候変動の影響が見られ、気候はまさに非常事態に直面しています。  こうした中、昨年のような台風被害が今後いつ本県に発生してもおかしくないという強い危機意識の下、風水害対策にしっかりと取り組む必要があります。  そこで、県は水害からの逃げ遅れゼロや被害の軽減を目標に新たに水防災戦略を策定し、三つの視点から風水害対策を強力に進めていきます。  第1は、緊急に実施することで被害を最小化するハード対策です。  老朽化した護岸の補修や河川に堆積した土砂や樹木の撤去などを実施し、危険箇所の早急な解消を図ります。  第2は、中長期的な視点で取組を加速させるハード対策です。  遊水地や崖地の土砂災害防止施設の整備など、減災や強靱化の効果が早期に期待できる事業の前倒しを進めます。  第3は、災害対応力の充実強化に向けたソフト対策です。  市町村が行う風水害対策への財政支援を強化するほか、市町村との情報共有を充実させる取組を進めます。  この水防災戦略を着実に推進するため、県は令和4年度までの3か年の事業費を約1,370億円と見込み、このうち来年度当初予算案に約400億円を計上しました。また、令和5年度以降も必要な予算を確保していきたいと考えています。  県としては、年度内に修正を予定している地域防災計画に水防災戦略を位置づけ、風水害から県民の皆様の命を守ることを最重点に、全庁挙げて風水害対策に全力で取り組んでまいります。  次に、災害対応における海上交通の活用についてです。  大規模地震などによって陸上交通が寸断された際に、相模湾、東京湾に面する本県で海上交通を活用することは県民の皆様の命を守る上で重要な視点です。  そこで、県は現在、耐震性のある九つの港湾を物資受入れ港に指定するとともに、民間事業者と協定を締結して、災害時に船舶を活用した物資や人の輸送が円滑に行えるよう備えています。  また、海上自衛隊や海上保安庁、関東運輸局などを通じて船舶の手配ができるよう、日頃から連携体制を確保しています。  具体的には、例年実施している津波対策訓練では、民間の船舶が輸送してきた物資を自衛隊が車両に積み替え、被災地に輸送する訓練を行っています。また、ビッグレスキューでは、港湾が利用できない事態を想定し、在日米軍や海上自衛隊のホバークラフトで砂浜から上陸し、物資や人を輸送する訓練も実施しています。  さらに、船舶による支援物資の市町村への輸送を調整するため、県災害対策本部の司令塔を担う統制部に今年度から新たに市町村応援班を設けました。  県としてはこうした取組を通じて、いざというときに関係機関と連携しながら海上交通を活用できる体制の確保に、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(大賀眞一)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 大賀警察本部長。 ◎警察本部長(大賀眞一) アクティブ交番の効果的な活用についてお答えいたします。  アクティブ交番は神奈川県警察交番等整備基本計画を進める上で、交番の統合地区の治安情勢の維持・向上を図り、交番統合に伴う地域住民の方々が抱く不安を払拭し、安全・安心を確保するために導入するものです。  このアクティブ交番は、機動力を生かした活動が展開できる車両型の交番です。県警察では、令和2年度において、アクティブ交番12台を統合先の交番等に配備するための予算を計上しております。  アクティブ交番はワゴンタイプの車両で、パトカーと同様の塗色としており、交番として活動するための機能を備えているほか、緊急自動車に必要な装備も備えております。  アクティブ交番の具体的な活用としては、原則、統合先の交番に配置し、統合地区内の地域住民の方々が要望する場所をはじめ、ショッピングセンターや駅前等、多くの人が集まる施設へ定期的、計画的に巡回し、交番を開設して地域住民の方々からの届出や相談などに対応いたします。  また、事件や交通事故が多発する場所での駐留警戒や登下校時の子供の見守り活動に従事するほか、所管区内のパトロールを通じて犯罪の抑止や検挙、緊急事態発生時への対応に活用いたします。  さらに、予期せぬ自然災害等が発生した場合には、被災地域における警察活動の拠点としても活用を図りたいと考えております。  アクティブ交番は機動力を生かした能動的な活動により、地域住民の方々の身近で発生する事件・事故に迅速かつ柔軟に対応することができ、地域住民の方々の不安感の解消を図ることができるものと考えております。  今後はアクティブ交番を効果的に活用するなどして、この整備基本計画を着実に推進し、地域の安全・安心の確保にしっかりと取り組み、現在の治安情勢の維持・向上に努めてまいります。  以上でございます。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 県民の安全・安心を守る取組について質問いたしましたが、先ほどの答弁を踏まえて再質問を行いたいと思います。  まず、1点目の質問は、新型コロナウイルス感染症対策に関連してでありますが、この感染症によって、命と健康を守る、そのためにしっかりと国、県、関係機関が連携を取って取り組んでいくと、こういうお話がございましたが、一方で、県内への経済面、産業面への影響も極めて大きいと思います。  観光業や製造業など、県内産業への影響が既に生じている、そうした新聞報道もあります。県は、県内の中小企業に対する経営相談窓口を、先月早期に設置したということを承知しておりますけれども、経営、あるいは金融に関する相談を受け付けていること、それに加えて、今後、引き続き、企業に寄り添った適切な支援を行っていく必要があると思います。  まずは、そうした支援を行うに当たって、実態を把握することからスタートするべきと考えますけれども、現在の県内産業への影響、それを把握するための調査、こういったものについての県の考え方を、1点、質問させていただきます。  もう1点は、同じく、この感染症に関してでありますけれども、現在、県ではWHOに医師である県職員を派遣していると承知しています。これは平成28年から4年間で1億円を超える負担金を支出し、派遣しているものであります。  派遣先は高齢化部門であるということは承知しておりますけれども、こうしたWHOを含め、関係国際機関、あるいは国、市町村等とも連携を深めて、あらゆる手だてを講じ、あらゆる手段を講じて、県民の命と暮らし、健康を守っていく、このことが大事であると思います。  派遣している職員を通じてWHOの最新の情報等をしっかりと県が入手し、それを県民に還元していく、このことが大変重要だと思っておりますけれども、この考え方について、知事の見解を伺います。  2点、よろしくお願いします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症関連、2点お尋ねいただきました。  まず1点、経営相談窓口には中国人団体旅行客の宿泊キャンセル、製品・機械設備の中国からの輸入中止、中国武漢に帰省した従業員が日本に戻ってこられなくなったなど、様々な理由による売上げ減少が生じているとの相談が寄せられています。  こうした中、国では製造業や観光業を含めた経済への影響に対する調査を全国的に行っております。  そこで、こうした国の調査結果も参考にしつつ、経営相談窓口を設置している支援機関と連携して、県内産業への影響を把握していきたいと考えています。  次に、WHOに職員である医師を派遣している、この活用についてでありました。  WHOでは新型コロナウイルス感染症の状況について会見を開いたり、ホームページで情報提供するなど、世界に向けて刻々と情報発信をしております。  県としては、WHOが発信するこうした情報を適時に収集することはもちろんのこと、当該職員をはじめ、県が持つ様々なグローバルネットワークを活用して、専門的な知見からの解釈等、必要な情報が得られるよう努めてまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 再答弁を頂きました。  新型コロナウイルス感染症については、県民の不安も報道等を見聞きする、それにつけて日増しに増大しているのではないかと思います。正しい情報をしっかりと県民に届けていくこと、それは県の役割であり、また関係機関と連携しながら、終息に向けて取り組んでいくこと、このことを改めて強く求めておきたいと思います。  また、風水害対策等についても、同じく海上交通の活用についても、これも県民の命と暮らし、安全の確保に向けて大変重要な質問をさせていただき、知事の答弁を頂いたところでもあります。  同じく、こうした県民の命、暮らしを守る、そうした決意を互いに分かち合いながら、これからもしっかり議論を進めていきたいと思います。  我々の提案も含めて、しっかりと受け止め、関係機関との連携に当たっていただくことを要望しておきたいと思います。  アクティブ交番についても、来年度12台を導入し、地域に出向いて、交番相談の対応、さらには交番の統合後の不安の払拭に取り組んでいくと、こうした決意を本部長から頂きました。  治安の維持、そして、暮らしの安全・安心の守り神として、引き続き御尽力を頂くよう重ねて要望を申し上げて、この質問を終わります。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 質問の第4は、県政の重要課題についてであります。  〔資料提示〕  まず、東京2020大会セーリング競技開催に向けた取組について伺います。  2020年はオリンピック・パラリンピックイヤーであります。先日は新国立競技場がお披露目されるなど、2度目の東京オリンピックがいよいよ間近に迫っていることを実感する年明けとなりました。  そうした中、セーリング競技の開催に向けては、2015年に江の島開催が決定して以来、県では組織委員会や地元の方々との調整などを進めてきました。  我が会派としても、大会の成功に向けて様々な角度から議論を重ねてきたところです。これまで議論を行ってきた主な課題としては、まず、湘南港の艇の移動の問題がありました。この1月16日から江の島島外への移動が開始されたと聞いております。  今後、限られた期間の中で全ての艇の移動を完了し、会場の設営が円滑かつ確実になされなければなりません。  次に、漁業関係者との調整についてですが、オリンピック本大会におけるレース海面の使用に伴い、漁業活動が制限される期間等について、漁業関係者と組織委員会との間で今も話合いが続けられていると聞いています。県としても、しっかりと両者の間に立ち、漁業関係者の意向を伝え、調整を促していく必要があります。  そして、江の島周辺の交通対策ですが、組織委員会は大会期間を中心に江の島大橋などで交通規制を行うとのことです。また、江の島周辺の自動車交通量を削減するための対策についても、昨年のテストイベントを踏まえ、具体的な検討が進められていると聞いています。  しかしながら、交通規制に併せ、江の島島内の駐車場も利用が制限されてしまうことから、地元では観光客の減少が懸念され、その対策を求める声が上がっています。  さらに、最寄り駅から会場までは炎天下を長距離歩く必要があるため、暑さ対策も不可欠です。  今後はこうした課題に対応しながら個々の具体的な作業を進めていくこととなり、大会を成功に導くためには、まさにこれからが正念場であるとも言えます。  そこで、知事に伺います。  江の島でのセーリング競技開催に向け、湘南港の既存艇の移動や漁業関係者との調整、そして江の島周辺の交通対策について、現在の調整状況について伺います。あわせて、今後の取組に向けた決意について伺います。  次に、パラリンピック等を契機とした障がい者スポーツの推進について伺います。  〔資料提示〕  パラリンピックは県内での開催競技はないものの、開催が近づくにつれ、周囲からはオリンピックと同様に大会を楽しみにしているという声が聞こえてくるようになってきました。  ゴールボールの欠端瑛子選手や陸上競技の兎澤朋美選手など、神奈川ゆかりの選手の出場が続々と内定しており、今後も多くの神奈川ゆかりの選手の活躍を期待しています。  また、最近のメディアでの取上げなどを見ても、障害者スポーツへの関心を高め、理解を深める上で大変望ましい状況にあると感じています。  〔資料提示〕  そのような中、4月には本県における障害者スポーツの推進拠点にも位置づけられる県立スポーツセンターがオープンしますが、車椅子対応のスポーツアリーナや温水プールのほか、ユニバーサルデザインに配慮した宿泊棟が整備されると聞いており、パラリンピック開催の年にこうした障害者スポーツに取り組む環境が整うことは大変喜ばしいことと考えています。  さらに、現在、県内の障害者スポーツ関係団体が連携し、県内における障害者スポーツの中心となる協会の設立準備が進められていると伺っており、これを機に障害者が主体的にスポーツに取り組んでいく動きも活発化していくことと期待しています。  〔資料提示〕  一方、県議会においては、誰もがスポーツに親しめる環境づくりを進めるため、平成30年12月にユニバーサルスポーツ振興議員連盟を設立し、パラスポーツや聴覚障害者のデフスポーツ、誰もが気軽に楽しめる、ゆるスポーツなどの体験会を開催し、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて取り組んでまいりました。  このように、パラリンピックの開催をはじめとして、県立スポーツセンターの開設や障害者スポーツの団体の設立など、本県の障害者スポーツも新たな局面を迎えようとしています。  今後の障害者スポーツの推進に向けては、障害者だけのスポーツということではなく、子供も高齢者も、また、障害者も健常者も、誰もが一緒になって楽しめるユニバーサルスポーツという観点から積極的かつ効果的に推進を図っていただきたいと思います。  そこで、知事に伺います。  パラリンピックの開催等による機運の高まりを捉え、県として障害者スポーツの一層の推進を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、私立高等学校の学費補助の拡充について伺います。  〔資料提示〕  人口減少や少子・高齢化が進行する中にあっても、社会の活力を維持していくためには、一人一人の人材の質を高めるとともに、今後、子供たちが主体的に次の時代を切り開いていけるよう、良質で多様性のある教育環境を整備する必要があります。  近代私学発祥の地である本県には多くの私立高校があり、建学の精神に基づいた特色ある教育を行っている私立高校の存在意義は大きいと思います。  そこで、生徒それぞれが自らの個性に合った学校を選択し、能力を伸ばせるよう、私立高校の学費に対して補助することは重要です。  本県では、国の就学支援金制度に上乗せする形で私立高校の学費補助を行ってきました。特に授業料については、国に先駆けて平成30年度から、年収約590万円未満の世帯を対象に授業料の実質無償化を実現しており、評価しているところです。  国は家庭の教育費負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与することを目的として、来年度から就学支援金の上限額を39万6,000円に引き上げ、全国の年収約590万円未満世帯までの生徒を対象に授業料の実質無償化を行うこととしており、これを受けて、県は令和2年度当初予算案において学費補助金を拡充する案を示しました。  国の就学支援金の拡充と併せて、本県独自の学費補助の充実が図られることは、生徒の希望に基づく学校選択に資するものであり、評価できます。ただし、学費補助には所得制限や補助上限額があることから、全ての保護者の納得を得られるよう丁寧な説明が必要であると考えます。  また、県の財政状況が厳しい中で多額の財源を要するものであり、今回の補助制度の見直しの考え方については、保護者だけでなく、県民一人一人に十分理解していただくことも重要です。  そこで、知事に伺います。  令和2年度当初予算案において示された私立高等学校の学費補助の拡充案の考え方について、見解を伺います。  次に、児童虐待対策について伺います。  〔資料提示〕  児童福祉法は、全ての子供が児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切な養育や心身の健やかな成長・発達等を保障される権利を有すると規定しています。  児童の権利に関する条約が1989年に国連で採択されてから、30年が過ぎました。日本は1994年にこの条約を批准し、それから既に25年が経過しましたが、残念ながら子供に対する虐待のニュースは後を絶たず、千葉県野田市の事件では、心愛さんのSOSを受け止めることができなかったように、いまだに子供の権利が守られているとは言えない状況にあります。  我が会派では児童虐待対策を最重要課題と認識し、議会でも継続して取り上げてきたところです。  国は深刻な児童虐待が後を絶たない事態を受け、児童虐待防止対策をより一層強化するため、親権者によるしつけに際しての体罰の禁止や児童相談所の体制強化、関係機関間の連携強化などを、昨年、改めて法に規定したところであり、この改正法が本年4月に施行されます。  本県においても、県内の児童相談所が対応した虐待相談件数は平成30年度には1万7,000件を超えて過去最高となり、聞くところによると、今年度、県所管の児童相談所には、昨年度を上回る数の通告が寄せられているとのことです。  その背景には、社会的関心が高まり、地域からの通報が増えたことがあり、虐待の早期発見につながっているという一面もありますが、人知れず今この瞬間も苦しんでいる子供がまだいるのではないでしょうか。子供のSOSをしっかりと受け止め、解決に導いていかなければならないと強く感じています。  そうした中、県内では昨年、虐待などの被害に遭った子供にワンストップで様々な支援を提供することを目的として、NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐが設立されました。  私はこのような熱意を持った民間団体の活動に注目しており、昨年の第1回定例会の一般質問でも取り上げました。  被害に遭った子供たちは児童相談所や市町村に相談しにくい場合もあり、こうした民間団体との連携は、虐待を受けた子供やその家庭の支援には非常に有効と考えます。  県はこれまでも児童相談所の体制を強化し、市町村など関係機関と連携して、児童虐待の早期発見や迅速・的確な対応に取り組んできたものと承知しています。  しかし、全ての子供を虐待から守るためには、専門性を一層高めるなど、児童相談所の体制をさらに強化するとともに、民間団体等の力も借りながら支援の裾野を広げ、社会全体で児童虐待防止に取り組むことが重要と考えます。  そこで、知事に伺います。  児童虐待対策に今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  最後に、持続可能な水道づくりに向けた取組について伺います。  〔資料提示〕  日本の水道は1887年に神奈川県が横浜の地に最初の近代水道を整備して以来、130年にわたる歴史の中で、生活や経済活動に欠かせない社会資本として定着しています。  平成29年度末での日本の水道普及率は98.0%に達し、国民皆水道がほぼ実現されています。また、国中のどこでも蛇口から直接水が飲める国は日本を含めて世界に9か国しかなく、日本の水道は普及率のみならず、その水質のよさ、安全性も世界に誇る極めて高いレベルにあります。  この優れた日本の水道も、現在、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に直面し、大きな岐路に立たされています。  こうした課題に対応するため、昨年10月には水道の基盤強化を目的とする改正水道法が施行され、関係者の責務の明確化や広域連携の推進などについて、法制度上の措置が講じられたところです。  神奈川県営水道では、既に横浜市、川崎市、横須賀市の各水道事業者、神奈川県内広域水道企業団と共に、これまで水源の共同開発や企業団方式による水道用水の供給、施設の共同利用を行うなど、5事業者が先進的に広域連携を進めてきたと承知しています。  しかし、今後、厳しさを増す事業環境にあっても、将来にわたり安定給水を維持するためには、水道の基盤強化に向けたさらなる連携が必要です。  加えて、昨年の台風19号のように自然災害が激甚化していることを踏まえると、例えば浄水場といった基幹施設が被災することも想定され、そうした災害時のバックアップという観点からも、より一層の連携強化が重要と考えます。  こうした中、5事業者が一体となってこれからの時代にふさわしい水道システムの構築を進めていくために、昨年11月に有識者を交えた検討会を立ち上げたと承知しています。  県民の9割に給水している5事業者が、長期的な視点に立って持続可能な水道づくりに向け連携して取り組むことは重要な意義があり、大いに期待しているところです。  そこで、企業庁長に伺います。  水道事業を取り巻く厳しい経営環境を乗り越え、将来にわたり安定給水を維持していくために、今後、県内の5事業者がどのように連携を強化し、これからの時代にふさわしい持続可能な水道づくりを進めていくのか、企業庁長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の重要課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、東京2020大会セーリング競技開催に向けた取組についてです。  湘南港の既存艇の移動については、現在、湘南港利用者の皆様の御協力の下、県内外で確保した約20か所のマリーナ等への移動を進めています。移動は組織委員会による会場設営工事に併せて実施しており、5月中旬までには完了する見込みです。  次に、漁港関係者との調整状況についてですが、一昨年、昨年と開催されたテストイベントでは、大型定置網を避けてレースエリアを設定し、漁業者の皆様にはそのレースエリアの外で操業していただくなど、全面的な御協力の下で円滑な大会運営ができました。  本大会では、レースエリアやその周辺には厳しい安全対策を講じる必要があります。そこで、現在、県が間に立ち、漁業活動への影響や対応策等について組織委員会と漁業者の皆様との詰めの調整を実施しています。  最後に、江の島周辺の交通対策です。  県は会場周辺の交通渋滞緩和を図るため、公共交通機関の使用促進等を積極的に働きかけていきますが、こうした取組や江の島への交通規制が島内のにぎわいを損なわない工夫も大切です。  そこで、大会期間中、最寄り駅の利用者などを江の島に運ぶシャトルバスを運行し、島内への足を確保することを考えています。  また、組織委員会と連携して、徒歩で江の島を訪れる方々に日よけや給水器などを備えた休憩場所を提供するなどの暑さ対策を講じていくことも考えています。  このように大会開催に向けた県の取組は関係者の御協力もあり、順調に進んでいます。  県としては今後も気を緩めることなく、多くの皆様に感動を与えられるように組織委員会等と緊密に連携しながら、間近に迫った大会の開催準備に全力を注いでまいります。  次に、パラリンピック等を契機とした障害者スポーツの推進についてです。  県では、2015年1月、誰もが自分の運動機能に応じてスポーツをする、観る、支えるための取組を進めるかながわパラスポーツ推進宣言を発表し、東京2020パラリンピック競技大会の盛り上げを取組の柱の一つとして、その普及に努めてきました。  今では、そのパラスポーツという言葉もすっかり浸透するなど、宣言は障害者スポーツへの理解促進に大きく貢献したものと考えています。  いよいよ8月には東京2020パラリンピックを迎えます。県は大会を機に格段に高まる障害者スポーツへの理解や関心を、継続的な実践につなげていくための取組を一気に加速していきます。  具体には、この4月にリニューアルオープンする県立スポーツセンターを障害者スポーツの拠点として日常的なスポーツ活動の普及や競技力向上、アスリートの発掘、育成などに向けた様々なサービスを提供していきたいと思っています。  また、東京2020大会に向けて実施してきたパラアスリートの活動費用支援を4年後のパリ大会も視野に置きつつ継続することとし、対象についても冬季大会やデフリンピック競技種目に広げていくことを考えています。  さらに、この3月には競技団体等から成る県障害者スポーツ協会が設立されますので、今後は協会や市町村とも連携しながら、地域でのスポーツ活動の着実な拡大、定着を図っていきます。  こうした取組は、ともに生きる社会の実現にもつながるものです。県は東京2020大会で高まる機運をしっかり受け止め、障害者スポーツの推進に一層力を注いでまいります。  次に、私立高等学校の学費補助の拡充についてです。  県はこれまで、家庭の経済状況にかかわらず、より多くの生徒が自らの希望と適性に応じた学校選択をできるよう、私立高校に通う生徒への学費補助を行ってきました。  特に平成30年度からは、国に先駆け、年収約590万円未満世帯まで授業料の実質無償化を実施し、今年度は県の平均授業料である44万4,000円を上限に補助しています。  しかし、依然として公立と私立では保護者の経済的負担に開きがあり、保護者からは補助の拡大を求める声がありました。  そこで、来年度、学費補助をさらに拡充したいと考えています。  具体的には、中間所得層への対応として、県内の高校生がいる世帯の平均的な年収である約700万円まで授業料の実質無償化の対象を拡大したいと考えています。  あわせて、低所得者層への対応として、生活保護世帯及び住民税非課税世帯を対象に入学金を実質無償化する考えです。  私としては、今回の学費補助の拡充により、教育費負担の公私間格差が縮まることで、生徒の希望や適性に応じた学校選択の幅がより広がると考えています。  県としては、こうした取組により、神奈川の未来を担う子供たちのよりよい教育環境の実現を目指して、引き続き全力で取り組んでまいります。  最後に、児童虐待対策についてです。  児童虐待は子供の健やかな成長に深刻な影響を及ぼすものであり、決して許すことはできません。  これまで県では、虐待に迅速、的確に対応するため、児童福祉司を大幅に増員するなど、児童相談所の体制強化とともに、警察との虐待事案の全件共有やSNSを活用した相談しやすい体制づくりなどに取り組んできました。  しかし、依然として児童相談所への虐待通告は増え続けており、また、子供や家庭が抱える問題は一層複雑かつ困難になっています。  国はそうした背景を踏まえ、児童相談所の体制強化や児童の権利擁護などを改めて法に規定しました。  そこで、県では法改正の趣旨も踏まえ、来年度も児童福祉司を増員するとともに、子供の心理面のケアなどを行う児童心理司を増員したいと考えています。  また、現在配置している非常勤弁護士に加え、子供の権利擁護に精通した複数の弁護士と契約して、常時相談できる体制とする予定です。このことにより、例えば保護者と対立する場合や国籍や在留資格で問題のあるケースなど、複雑、困難な事案にも児童相談所が迅速、的確に対応できるようにしたいと考えています。  さらに、虐待を受けた子供へのケアに当たり、福祉や医療分野などの専門的知見を有する民間団体などとも連携した支援も検討します。  県としては、今後も子供たちが安心して生き生きと暮らせるよう、体制の強化や対応力の向上を図るとともに、市町村や学校、警察、民間団体などと連携して児童虐待防止の取組を着実に進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔企業庁長(大竹准一)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 大竹企業庁長。 ◎企業庁長(大竹准一) 企業庁関係の御質問についてお答えします。  持続可能な水道づくりに向けた取組についてです。  今後、人口減少や施設の老朽化が進む中で、将来にわたり安定的に水を供給していくためには、水道事業者が単独で対応するには限界があり、近隣の事業者との広域的な連携による基盤強化の取組が不可欠です。  こうした中、企業庁ではこれまで共同で水源開発などを行ってきた横浜市、川崎市、横須賀市、神奈川県内広域水道企業団と一体となって持続可能な水道づくりを進めていくための検討会を昨年11月に設置しました。  検討会では、水道や河川の有識者も交えて、将来を見据えた水道施設の共通化、広域化の在り方について議論を交わし、5事業者として目指す水道づくりの方向性について共通の認識を持つことができました。  具体的には、施設の維持管理の効率化や更新費用の削減を図るため、5事業者がそれぞれの立場を超えて、今後、施設の更新時期に合わせて浄水場の統廃合など、大胆なダウンサイジングを行い、5事業者全体で最適となるよう施設を再構築していきます。  また、災害時に浄水場が停止した場合でも迅速に他の浄水場から水を供給できるなど、バックアップ体制をより強固にするため、取水から浄水までの運用を5事業者が一体的に行っていく仕組みづくりを進めます。  さらに、河川の上流からの取水を増やし、より多くの水量をポンプを使わずに自然流下で送水すれば、エネルギー消費の削減や停電等災害リスクの低減などが図られるため、上流からの取水を優先した水道システムの構築を目指します。  今後、この方向性に沿って5事業者全体で最適となる施設の配置や整備の在り方について検討を進めるとともに、治水や河川環境などの観点からの議論も深めながら、これからの時代にふさわしい持続可能な水道の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 ただいまの答弁を受けまして、1点、再質問させていただきたいと思います。  開催が間近に迫った東京2020大会セーリング競技に向けた取組についてでありますけれども、先ほど知事のほうから、交通対策について答弁がございました。  オリンピック開催に伴う交通規制、組織委員会がそうしたことを考えているということでありますけれども、こうしたことに伴う駐車場の減少については、江の島の主要な産業が観光であるということを考えた場合、この影響が計り知れないと思います。  こうしたことから、我が会派としても、シャトルバスの運行を含めて、地元のそうした声を受けながら議会でも質問、提案をしてきたところでありますけれども、極めて関心の高いところだと思います。  県として、この点についてしっかり取り組んでいく必要があると思いますが、具体的に今後どのように進めていくのか、考え方を改めてお聞かせいただきたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  オリンピックの開催に伴う交通規制等への対策としてシャトルバスを運行するためには、昇降場所の確保やルートの設定などを検討していく必要があります。  今後、地元住民や藤沢市、バス事業者など、地元の方々と丁寧に調整しまして、地域生活への影響を踏まえながら、大会に係る円滑な輸送と観光の両立を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(梅沢裕之) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 残された時間、要望を申し上げたいと思います。  スポーツは人々に夢と希望、そして感動をもたらすものであります。東京2020大会セーリング競技開催、さらにはパラスポーツの振興を含め、夢と希望、そして感動を与えるため、そしてとりわけ2020大会においては、多くの方々をおもてなしする、そしてその準備に万全を期していただく、そのことを強く求めておきたいと思います。  そして、学費補助について、さらに児童虐待については、夢と未来の担い手である子供たちにとって極めて重要な問題提起をさせていただいたところであります。この点についても、しっかり取り組んでいくことを求めたいと思います。  最後に、企業庁長には、まさに命の源である水について質問させていただきました。  今後、5事業者が連携を深め、県民の命を守る、その源である水の安定供給に向けて御努力を頂くこと、この点を最後に要望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(梅沢裕之) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(梅沢裕之) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時1分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和2年第1回-20200217-028608-質問・答弁-斉藤たかみ議員-代表質問①神奈川の未来に向けた取組について②県民の安全・安心につながる取組について③県政の諸課題について》                   午後3時21分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共83名 ○副議長(渡辺ひとし) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(渡辺ひとし) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(渡辺ひとし) 質問を続行いたします。  斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕(拍手) ◆斉藤たかみ議員 立憲民主党の斉藤たかみでございます。  議長のお許しを頂きましたので、私は立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びに教育長、警察本部長におかれましては明快な御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問に入ります前に、一言申し上げます。  新型コロナウイルスが国内でも猛威を振るっており、これにより、県民の方がお亡くなりになられました。お亡くなりになられた方には心からお悔やみを申し上げますとともに、現在罹患されておられる方にはお見舞いを申し上げます。  また、県民の不安も高まっていることが考えられるため、その払拭に向け、県として感染症拡大防止策はもちろんのこと、さらなる国に対する対策強化の働きかけを行うなど、情勢の変化に応じた適切な対応を図っていただくよう求めた上で質問に入ります。  質問の第1は、神奈川の未来に向けた取組についてでございます。  〔資料提示〕  まず、今後の財政運営について伺います。  我が会派はこれまで、財政問題、とりわけ財政健全化について継続的に取り上げ、幾度となく知事と議論を行ってまいりました。  前回、11月の我が会派の代表質問においては、中期財政見通しの総括について質問し、県債残高の減少や直面する財源不足の解消といった具体的な成果について知事から御答弁があり、新たな中期財政見通しが今定例会の常任委員会で示されることとなりました。  しかしながら、令和2年度当初予算の編成過程を見てみますと、約700億円の財源不足からスタートし、その後、徹底した施策・事業の見直しや歳入の確保など、全庁を挙げた取組を行ったことに加え、減収補填債の発行等により、令和元年度中に確保した財源を活用したものの、それでもなお、財源不足を解消することができなかったため、最終的に財政調整基金を約130億円取り崩すことにより、ようやく収支を均衡させたものであり、まさにこれは綱渡りの財政運営と指摘せざるを得ません。  昨年、令和元年度当初予算を編成した際には、知事からは、財政調整基金の取崩しや減収補填債の発行に頼ることなく編成したものであり、財政健全化にも配慮したものという御説明がありましたが、それから1年が経過し、法人税収の大幅な減収が見られることなど、現在は状況が大きく変化しており、本県の財政健全化への道のりはこれまで以上に険しくなっているものと認識しております。  また、今後を見通すと、急速な高齢化などに伴い、介護・医療・児童関係費が確実に増加することが見込まれるだけでなく、昨年、本県に甚大な被害をもたらした台風15号、19号のような災害は、今後、毎年のように繰り返されることも懸念され、災害復旧などに大規模な財政出動が必要となることも想定されます。  厳しい財政状況にあっても、こうした県民の命を守る、あるいは暮らしを支える施策には最優先で取り組んでいく必要があり、これに対応し機動的な財政出動を行うためには、本県がこれまで取り組んできた財政健全化にも同時に取り組み、持続可能な財政運営を行っていかなければならないものと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  将来を見据えた今後の財政運営について、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、SDGsの推進について伺います。  SDGs未来都市とも言われている本県は、かながわSDGsパートナー制度やかながわプラごみゼロ宣言など、SDGsの推進に向けて様々な先進的な取組を進めていることは承知しております。  その中において、昨年はSDGs全国フォーラム2019を開催し、県内全33市町村を含む93の自治体の賛同を得て、地域活性化、民間ビジネスの力、次世代ジェンダーを三つの柱としたSDGs日本モデル宣言を発表いたしました。  この宣言の賛同自治体は200近くになるまで全国へと広がっており、こうした取組が国連から評価され、昨年7月には招聘を受け、知事がSDGsハイレベル政治フォーラムの主要イベントにおいて宣言を発信し、それが契機となり、UNDPとの連携趣意書の締結に至ったものと承知しております。  このように、本県が先導を切った宣言の理念の共有が、全国の自治体とともに、国、世界レベルでも進んでいるとも言え、これは神奈川モデルの好事例であると認識しております。  一方で、2015年にSDGsが国連で採択されてから5年が経過し、これからは2030年までSDGs行動の10年とも言われており、SDGs最先進県とも言われている本県としては、SDGsを自分ごととして捉えるというような理念の共有の段階は終え、まさに実践へと段階を上げていくことが必要なのではないかと考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  SDGs日本モデル宣言の実践に向けて、県として具体的にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、食品ロス削減推進計画の策定について伺います。  本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる食品ロスは、国の推計で国内で年間約643万トンも発生しております。  我が国では食料自給率が年々低下し、平成30年度には約37%となっており、食品ロスの削減は待ったなしの喫緊の課題であります。  食品ロスを削減するため、企業においても様々な取組が進められている一方で、その半数近くは家庭から発生しているものであり、それらはほとんどが燃えるごみとして市町村で回収され、焼却処理されているのが現状であります。  最近では、NPO法人等により、消費期限前で未開封の食品などを寄附として募るフードドライブの活動が進められており、我が会派としましても、昨年11月には横浜市金沢区にあります公益社団法人フードバンクかながわを視察し、お話を伺ってきたところであります。  家庭から発生する食品ロス全体から見れば、フードドライブに活用できるものは少ないとも思われますが、生活困窮者等への支援や食品ロス削減の啓発という観点からも、こうした民間主体の取組を行政としても積極的に支援していくことが求められております。  そうした中、昨年5月に食品ロス削減推進法が公布されたことを受け、県では食品ロス削減推進計画の策定に取り組んでいることは承知しており、これまでの県議会における知事答弁では、計画策定に当たり、県内の食品ロス量の推計や庁内の連携体制の構築などが表明されておりますが、今後策定される計画にいかに具体的な施策を盛り込んでいくかが重要となると考えております。  とりわけ、フードドライブやフードバンク活動は、家庭から提供される食品を集める仕組みと、集めた食品を必要としている生活困窮者等に届ける仕組みがかみ合わなければ食品ロスの有効活用につながらないため、様々な機会を捉えて、フードドライブ等への県民の関心を高めるよう普及啓発していくことも大切であります。  また、県においても、食品ロスの削減を担う環境農政局や生活困窮者等支援を担う福祉子どもみらい局、消費者教育を担うくらし安全防災局など、関係する県の組織が連携し、フードドライブ等を支援できるよう県の計画にしっかりと位置づける必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  家庭から発生する食品ロスを削減するため、県として、今後どのように食品ロス削減推進計画の策定に取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、中小企業・小規模企業の事業承継支援について伺います。  我が国企業の約99%を占める中小企業・小規模企業は、ものづくりや商品・サービスの提供などを通じて地域活性化や雇用の確保に貢献しており、地域経済を支える重要な存在であります。  しかしながら、中小企業庁が作成した資料によりますと、2025年における中小企業経営者約381万人のうち、70歳以上の経営者は約245万人となり、このうち約半数が後継者未定であると推計しており、これらの経営者が後継者不在のまま休廃業すると、それまでに約650万人の雇用と22兆円のGDPが失われる可能性があると試算されております。  本県では、中小企業・小規模企業の円滑な事業承継に向けて平成30年6月に神奈川県事業承継支援戦略を策定し、神奈川県事業承継ネットワークに参加する支援機関と連携し、それを促すための診断や、工程表であります承継計画の策定支援を推進してきたことは承知しております。  一方で、東京商工リサーチの調査結果によりますと、昨年1年間の首都圏の倒産件数は2,694件で、前年から約4%増え、2年ぶりに前年実績を上回ってしまいました。また、人手不足に関連する倒産が過去最多となり、そのうち約6割が後継者不在により事業承継が困難になったケースであり、後継者の確保がいかに難しいかという現状が浮かび上がったところであります。  我が会派は、これまで指摘・要望してきたとおり、中小企業・小規模企業の事業承継は最も大きな経営課題の一つであるという認識の下、特に事業承継支援に当たっては、それぞれの企業が置かれている状況をしっかりと把握し、経営者の思いも酌みながら、実情に合わせた最適な対策を立て、実行していくオーダーメード型の支援が必要であると考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  神奈川県事業承継支援戦略に掲げている平成30年度から3年間の目標の進捗状況や、これまでの取組の成果等を踏まえ、今後、事業承継支援にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いします。  〔資料提示〕  次に、津久井やまゆり園の再生について伺います。  平成28年7月に県立の障害者支援施設であります津久井やまゆり園において19人の貴い命が失われるという凄惨な事件が発生してから約3年半が経過いたしました。このような事件が二度と繰り返されぬよう、ともに生きる社会の実現を目指した県民総ぐるみの取組を進めていく上で、県が利用者本位の障害福祉行政を推進していくことが必要と考えております。  こうした中、津久井やまゆり園とその指定管理者について懸念を抱かざるを得ないような事態に至ったとのことで、昨年12月5日に知事から、津久井やまゆり園の再生後の指定管理者に関する方針を変更するとの発言がありました。  この方針変更において、県が利用者本位の障害福祉行政をどのように進めていくべきか、今後も真剣な議論が必要であり、そのためには、まず、これまでの津久井やまゆり園の利用者支援に関する懸念について事実を明らかし、支援の実情をしっかりと分析した上で議論を進めていくことが重要であります。  津久井やまゆり園の現場はどのような理念や方針、指導の下で支援に当たっていたのか、現場責任者はどのように運営していたのか、役員はどのようにマネジメントしていたのかなど、指定管理者は説明責任を果たすことも求められますし、また一方で、県としましては、施設の設置者として、これまで指定管理者に対してどのような指導等を行ってきたのか、その監督責任について県民に対して説明することも必要となってまいります。  また、先日、県直営の中井やまゆり園においては、職員による利用者への虐待が認定されましたが、この件について県は深く反省をするとともに、利用者本位の障害福祉行政に決意を持って取り組むことが必要であると考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  津久井やまゆり園の再生に向け、県として、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、本県の児童・生徒の体力向上について伺います。  小学生から高齢者まで国民の各年齢の体力や運動能力については、前回の東京オリンピックが開催された昭和39年以降、毎年調査されてきました。  特に近年は児童・生徒の体力の低下が進んできていることから、文部科学省はそのことを深刻な問題として捉え、平成20年度から新たに全国の小学5年生と中学2年生の全児童・生徒を対象とした全国体力・運動能力、運動習慣等調査を毎年実施することとしました。  そうした中、特に本県の児童・生徒の体力調査結果については、全国平均と比較すると、調査開始以来、低位な状況が続いてきたことから、県では平成27年度から、政令市を除いた県域を対象に、子供の体力・運動能力の向上、さらには、運動習慣の確立、生活習慣の改善に取り組んできたものと承知しております。  その結果として、昨年12月に発表された令和元年度の調査結果では、県域に限れば、中学2年男子において、調査を開始した平成20年度以来初めて全国平均を上回りましたが、一方で政令市を含む県全体では、本県の小学校5年生、中学校2年生の各男女全てにおいて全国平均値を下回るなど、依然として低位な状況が続いており、特に政令市においてはその傾向が顕著であると感じております。  このようなことから、県全体の児童・生徒の体力向上を図るという観点からすると、政令市を含めた県内全ての市町村と一層の連携を図り、体力向上に向けた取組をこれまで以上に進める必要があると考えております。  くしくも、本年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催年に当たり、本県においても、野球・ソフトボール競技をはじめ、サッカー、セーリング、自転車競技の四つの競技が開催されることとなっております。  本県の児童・生徒がこの世界最大のスポーツの祭典を間近で見て、その興味・関心も今まで以上に高まることが期待されることから、私どもとしましては、この東京2020大会をまたとないチャンスであると捉え、まさに今こそ、県及び県内全ての市町村が連携協力して、本県の児童・生徒の体力・運動能力の向上に向けて、全県的な取組を進めていく必要があると考えております。  そこで、教育長にお伺いいたします。  今年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を踏まえて、次年度以降、政令市を含め、どのような取組を進めていこうとお考えなのか、御所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 斉藤議員の御質問に順次お答えします。  神奈川の未来に向けた取組について、何点かお尋ねがありました。  まず、今後の財政運営についてです。  厳しい財政状況の下にあっても、県政が直面する諸課題、特に県民生活に深く関わる喫緊の課題に対しては確実に対応していく必要があります。  また、台風被害の発生や新型コロナウイルスの被害拡大など、年度当初には想定できなかった緊急事態に対しても、補正対応などにより、スピード感を持って対応する必要があります。  このような機動的な財政出動を行うためには、今後も財政健全化に取り組み、しっかりとした財政基盤を確立していくことが不可欠と考えています。  そこで、経済のエンジンを回す取組を進め、税収増につなげるとともに、県債の発行抑制等による義務的経費の縮減などに取り組んでいきます。  また、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMなども積極的に活用し、これまで以上にスクラップ・アンド・ビルドを徹底することにより、県として取り組むべき事業に限られた財源と人員を集中させていきます。  さらに、本県の厳しい財政状況が続く根本的な要因は、地方税財政制度そのものにありますので、地方交付税総額の確保や臨時財政対策債の廃止などを引き続き国に強く働きかけていきます。  今定例会の会期中にお示しする新たな中期財政見通しについても、こうした考え方をベースに見直し作業を進めており、今後継続的に取り組んでいくことで、様々な政策課題に対して迅速かつ的確に対応できる持続可能な財政運営を目指してまいります。  次に、SDGsの推進についてです。  昨年1月に発表したSDGs日本モデル宣言は、賛同自治体数が当初の93から現在200を超えています。また、昨年12月に発表された国のSDGs実施指針改定版及びSDGsアクションプラン2020に宣言が盛り込まれるなど、国内全体で広く宣言の理念が共有されています。  一方で、SDGsの目標年次である2030年まであと10年となり、今後は行動の10年として宣言の実践が重要となります。  そこで、宣言の三つの柱である地域活性化、民間ビジネスの力、次世代ジェンダーの実践に向けた取組を進めていきたいと考えています。  具体的には、まず、地域活性化を促進するため、地域課題の解決に向けて人と人、人と地域のつながりを生み出すSDGsつながりポイント事業に現在、鎌倉市、小田原市と連携して取り組んでいます。  今後はこの事業を導入する市町村の拡大を図り、多くの参加者を得て地域課題の解決と活性化につなげていきたいと考えています。  次に、民間ビジネスの力を最大限引き出すためには、SDGsに取り組む事業者と金融機関を結びつけ、資金面から応援することが重要となります。  そこで、金融機関と連携して神奈川版SDGs金融フレームワークを構築し、中小企業等のSDGsの取組に対する伴走型支援などに取り組んでいきたいと考えています。  三つ目の次世代ジェンダーについては、学生など、若年層や女性の視点からのSDGsの取組が重要となります。  そこで、高校生が自らの取組を発表するSDGs Questみらい甲子園や女性目線での取組を発信するフォーラム、SDGs フォー・ウィメンなどを通じて、SDGsの担い手の活躍を支援していきたいと考えています。  SDGs最先進県としてSDGs日本モデル宣言の実践に向けて、市町村、企業、県民の皆様と共に取り組み、SDGsの自分ごと化と行動を広げていきます。  次に、食品ロス削減推進計画の策定についてです。  これまで県では、食品ロスの削減に向け、動画の配信や消費者イベントでの呼びかけなど、様々な機会を捉えて啓発活動に取り組んできました。また、フードバンク活動についても、県の生活困窮者向け生活応援サイトや地域の子供支援活動に関する相談窓口の開設などにより、活動の輪が広がりつつあります。  一方で、県内の家庭から出る可燃ごみ年間140万トンのうち、県が実施した実態調査から推計すると、概算値ですが、食品ロス発生量は22万トン、さらに、その中で未開封の食品は約2割にも及んでいます。  食品ロスの削減には、未開封の食品をごみとして出さない取組はもとより、賞味期限前のものをフードドライブなどで有効活用するなど、県民一人一人の行動を変えていくことが重要です。  そこで、県が今後策定する食品ロス削減推進計画では、消費者への取組やフードバンク活動支援などを主な柱に位置づけたいと考えています。  具体策として、消費者向けには、手つかずのまま捨てられる食品や食べ残しを減らす工夫の紹介、フードバンク活動支援では、関係団体と連携した啓発や活動の促進などを盛り込んでいきます。  こうした取組は食品の有効活用による資源循環の側面だけでなく、消費者への意識啓発や生活困窮者支援の側面もありますので、庁内横断的な推進体制についても計画の柱に位置づけていきます。  県としては今後も、庁内はもとより、市町村や関係団体等とも連携しながら、食品ロス削減に向け、実効性ある計画の策定に着実に取り組んでまいります。  次に、中小企業・小規模企業の事業承継支援についてです。  県内の企業数の減少が続くと県経済の活力や多くの雇用が失われることから、円滑な事業承継の促進は喫緊の課題です。  県も参加する神奈川県事業承継ネットワークでは、これまで企業経営の未病チェックシートなどを活用しながら、承継に課題のある企業を掘り起こしたり、承継計画の策定支援を進めてきました。  取組開始から1年半経過した昨年11月末現在で、診断件数は3年間の目標2万2,000件に対し、約1万5,400件、計画策定支援件数は700件の目標に対し、既に約730件と着実に支援は進んでいます。  一方、事業承継を断念する要因として、金融機関からの融資に対し経営者個人が保証する経営者保証が高いハードルとなっていることが分かってきました。この経営者保証については、昨年12月に国から後継者の経営者保証を可能な限り解除していくという対応方針が示されました。  そこで、来年度からは事業承継ネットワークに金融機関との交渉を支援する専門家を新たに配置し、事業承継のタイミングでの経営者保証の解除を促進していきます。また、中小企業制度融資においても、経営者保証を不要とする新たなメニューを追加したいと考えています。  このような新たな制度を活用するとともに、引き続き個々の企業の課題に応じた支援を展開することにより、円滑な事業承継を進め、中小企業・小規模企業の持続的発展につなげてまいります。  次に、津久井やまゆり園の再生についてです。  昨年12月の本会議で私は、津久井やまゆり園の指定管理者を公募で選定する方針変更を表明しました。現在の指定管理者である、かながわ共同会の元理事による不祥事をきっかけに、これまでの津久井やまゆり園での利用者支援について厳しく指摘する声が改めて私に届くようになりました。  県としては、まず、津久井やまゆり園の支援の実態を正しく把握するため、昨年11月から指定管理者制度に基づき、園に対し、立入調査を実施しました。さらに、先月、津久井やまゆり園利用者支援検証委員会を設置し、第三者の専門家による利用者支援の検証を行っています。  その結果、園において利用者に対する虐待が疑われる事例が指摘されるとともに、県の指導監督などについても指摘されました。虐待は決して許されることではありません。かながわ共同会による利用者支援にこのような看過できない不適切な支援があったことに加え、県の指導も不十分であったものと責任を感じています。  そうした中、県が直接運営する中井やまゆり園でも虐待認定の事案が発生しました。この事案を重く受け止め、深くおわびいたします。  今後は私の方針変更の真意を、かながわ共同会に丁寧に説明し、指定期間の短縮について協議に応じていただきたいと考えています。  そして、かながわ共同会には虐待が疑われる事例に真摯に向き合い、自ら検証するとともに、責任を明確にして徹底的に利用者支援の在り方を改善してほしいと思います。その上で、利用者目線に立った具体的な取組を進め、公募に参加いただく時点では生まれ変わった、かながわ共同会になっていることを期待しています。  また、広く県民の皆様に県の考えを指定管理者を公募で選定するプロセスの中でしっかりとお示ししていきたいと考えています。  県としては、津久井やまゆり園の再生を通じて、利用者目線の障害福祉が実現できるようしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  本県の児童・生徒の体力向上についてです。  子供たちの心身の健全な発達のため、体力や運動能力を向上させていくことは大変重要です。県教育委員会では、平成27年度から子供の体力向上を目的に子ども☆キラキラプロジェクトを立ち上げ、政令市を除く県域の小中学校に指導主事を派遣し、児童・生徒や教員に体力テストの実施方法などを指導しています。  また、元保健体育科教員などを体力向上サポーターとして小学校へ配置し、教員に対して体育の授業のポイントを指導するなどの支援も行ってきました。  その結果、全国調査における小中学校の男女の合計34種目のうち、政令市を除いた県域で全国平均を上回った種目は平成29年に8種目でしたが、令和元年には14種目となり、これまでの取組が徐々に成果として現れてきていると受け止めています。  また、政令市においても、例えば小学校の休み時間を活用した体力向上に向けた独自の取組などを行っていますが、政令市を含めた県全体で見ると、全国平均を上回った種目が平成29年は4種目、令和元年は5種目という状況にあります。  こうしたことから、今後は県や政令市のこれまでの取組に加えて、県内の全ての学校が体力向上に向けた共通した取組を行っていくことが大切と認識しています。  そのため、今後、県教育委員会では政令市と連携しながら、具体的な取組として各学校が校内研修等で活用できるように体力向上や体力テストの指導のポイントを盛り込んだ指導者用DVDを年度内に作成していきます。そして、来年度には作成したDVDを政令市を含め、全県の小中学校に配付するとともに、全県指導主事会議等においてその活用を周知徹底するなど、神奈川の子供たちの体力向上に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事、教育長からそれぞれ御答弁を頂きました。  まず、1点、再質問させていただきます。  津久井やまゆり園の再生についてであります。  我が会派は、津久井やまゆり園の再生に向けては利用者本位の視点や事実関係の解明、さらには今後の県の関与、監督責任の在り方、これらが重要であると考えております。  先ほど津久井やまゆり園の再生に向けた取組を伺い、御答弁を頂きましたが、これらの取組を踏まえ、利用者本位の障害福祉行政をどのように実現していかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県としましてはモニタリングや検証委員会の検証結果、これを真摯に受け止めるとともに、御利用者の意思決定支援の取組で得た知見なども生かしまして、これまでの支援を利用者目線に立って徹底的に見直していきます。  そして、まずは県立施設において率先して取組を進め、当事者や関係者の御意見も十分に伺いながら、利用者本位の障害福祉行政、利用者目線の障害福祉行政の実現に向けて取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事から、再質問に対する御答弁を頂きました。  今後の障害福祉行政を担う上で非常に重要な発言であったと考えております。様々課題があるのは承知しておりますが、ぜひとも真摯な姿勢を持ってその解決に当たっていただき、利用者本位の障害福祉行政を推し進めていただくよう要望いたします。  それでは、その他の要望に移らせていただきます。  食品ロス削減推進計画の策定についてであります。  御答弁では、推定値とはいえ、県内の食品ロス量の数値が示されたところであります。これは初めて出てきた数値ではないでしょうか。これが元となって、県内の食品ロスの削減が図られていくものと考えております。  我が会派としましては、その具体的な方策の一つでありますフードドライブを推進していくことが重要と考えております。  私自身、他自治体のフードドライブの取組を視察させていただきましたが、大きな組織やネットワークを活用して取組を実施しているところもあれば、そこまで大がかりとは言えないものの、まずは隗より始めよという精神の下、庁内で職員を対象にフードドライブを実施しているところもありました。  本県においては、まずはこのフードドライブをしっかりと計画に位置づけて、まさに部局横断的に具体的な取組として推進し、持続可能な神奈川づくりに御尽力していただきますよう要望いたします。  次に、中小企業・小規模企業の事業承継支援についてであります。  県内においても約99%を占める中小企業・小規模企業が活性化することが、県内経済のエンジンを力強く回していくことにつながってまいります。  中小企業・小規模企業の事業承継の問題は喫緊の課題と考えておりますので、ぜひともその解決を図り、地域経済の活性化を図っていただきますよう要望いたします。  次に、本県の児童・生徒の体力向上についてであります。  子ども☆キラキラプロジェクトなど、県域での取組については評価をしている一方で、政令市を含めた順位が低位な状況にあることは残念であります。裏を返せば、政令市を含めた取組を県が先導して行っていくことが求められていると思います。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される本年はまたとないチャンスでありますので、今こそ県全体での子供の体力の向上に取り組んでいただきますよう要望いたします。  以上です。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 質問の第2は、県民の安全・安心につながる取組についてでございます。  〔資料提示〕  まず、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症では、横浜港に入港したクルーズ船で集団感染が発生し、日々感染者が増えているなど、まだまだ予断を許さない状況にあります。  先日、県が開設した新型コロナウイルス感染症専用ダイヤルにも、既に1,000件を超える相談や問合せが寄せられており、県民も大変心配していることと感じております。  刻々と状況が変わる、こういうときにこそ、知事がリーダーシップを発揮し、県民の不安を払拭することが求められ、そのための対応として、特に二つの点が重要であると考えております。  1点目は、情報提供の在り方についてであります。  適切な情報提供は県民に安心していただくために大変重要なことではありますが、一方で、感染症のようなセンシティブな情報の公開は慎重に行わないと、かえって不安を与えることにもなりかねないため、その点には十分注意して、適切な情報公開、情報提供を進めていっていただきたいと思います。  2点目は、指定感染症としての対応であります。  この新型コロナウイルス感染症は新たに国の指定感染症となりましたが、それにより、都道府県知事や保健所設置市の市長には、患者に対する強制的な入院措置や、仕事に就くことを制限する就業制限、関係者への追跡調査など、様々な措置を講ずる権限が与えられることとなりました。  今後はこうした権限をどのように適切に行使していくかが重要となり、県民の人権を尊重することが大前提である一方で、感染症対策は県民の命に直接関わることでありますので、権限の行使をためらうことは決して許されず、感染症の蔓延から県民を守るため、必要とあればちゅうちょすることなく、しっかりと対応を図っていくべきと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症について、適切な情報提供、情報公開を進めるとともに、指定感染症に対する必要な措置を講じるなど、県民の不安を払拭するためにどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、津波対策強化に向けた取組について伺います。  近年、毎年のように豪雨による災害が頻発しております。一昨年の西日本豪雨、昨年の台風15号や19号による災害など、豪雨による大規模災害が連続し、水害への対策が急がれ、本県も水防災戦略を打ち出したことは一定の評価をしておりますが、もう一つ忘れてならないのは津波への対策であります。  巨大な津波が東日本各地域の沿岸域を襲い、未曾有の大災害となった東日本大震災が発生してから間もなく9年が経過いたしますが、その衝撃的な映像は今も脳裏に焼きついて消えることはありません。  この東日本大震災の教訓を基に、国は想定外をなくすという観点から平成23年12月に津波防災地域づくりに関する法律を成立、施行させました。  それを受け、県では平成24年3月に津波浸水予測図を公表しましたが、その翌年の12月に内閣府より、相模トラフ沿いの最大クラスの地震など、最新の科学的知見が示されたことから、予測図を見直し、平成27年3月に津波浸水想定を設定いたしました。  〔資料提示〕  さらに、昨年3月には、市町の合意が得られた地域から段階的に津波災害警戒区域を指定する県の方針を策定し、12月には関東エリアで初めて、小田原市、真鶴町、湯河原町から成る小田原ブロックで警戒区域を指定したところであります。  津波対策の強化に向けて小田原ブロックが一歩踏み出す決断をしたことは大きく評価されるべきであり、ぜひとも具体的な成果を期待するところでありますが、一方、その他の沿岸市町にもこうした動きを広げていくことも重要と考えております。  警戒区域の指定に当たっては、地域の意向を十分に踏まえる必要があることは承知しておりますが、東京湾、相模湾に囲まれた本県としては、特に津波への備えは大変重要であり、早期に警戒区域の指定を進め、津波対策の強化に取り組む必要があると考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県において、津波災害警戒区域の指定拡大も含め、沿岸市町と連携して津波対策の強化に努める必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、土砂災害特別警戒区域の指定について伺います。  昨年の台風19号に伴う大雨では、関東や東北地方を中心に河川の氾濫や土砂災害などの豪雨災害が頻発し、本県においても大きな被害が発生し、私の地元、川崎市でも多くの家屋が浸水し、1名の方がお亡くなりになられました。  また、崖崩れや土石流などの土砂災害に目を向けてみると、県西部の山地部を中心に大きな被害が発生し、相模原市では土砂崩れにより、3名の方が亡くなられるなど、痛ましい被害に見舞われました。  さらに、先日、逗子市でも道路脇の斜面が突如崩壊し、1名の方が亡くなられる大変痛ましい事故も発生しております。  本県における昨年の土砂災害の発生件数は、過去10年で最多となる200件を超えており、改めて、県民の命を守る土砂災害対策の重要性を強く認識しているところであります。  そのような中、本県では崖崩れなどの土砂災害を未然に防ぐために、ハード対策として擁壁や砂防堰堤などの土砂災害防止施設の整備を進めており、私の地元の川崎市でも人家に近接した急傾斜地において、のり枠などの整備が進められております。  一方、県内には土砂災害の危険がある急傾斜地や渓流が多数あり、土砂災害防止施設の整備が完了するまでには多くの時間と費用を要することから、土砂災害に対するソフト対策として、危険箇所の周知や住民の適切な避難を促す土砂災害警戒区域等の指定に向けた取組も進められているものと承知しております。  今回の台風時においても、市町村の出す避難情報等により、多くの住民が避難しましたが、今後もこのような大型化した台風が来襲するおそれがあるため、住民の警戒避難を促すソフト対策の取組については、しっかりと進めていかなければならないと感じたところであります。  本県では、既に避難対策としての土砂災害警戒区域については県内全ての区域で指定が完了しておりますが、要配慮者利用施設の立地や建築物の構造規制等を行う土砂災害特別警戒区域については、川崎市多摩区など、一部の指定にとどまっております。  また、特別警戒区域については土地利用規制も厳しく、住民の理解を得ながら丁寧に進めていく必要がありますが、近年の気候変動の影響を踏まえると、大型化した台風が頻繁に来襲する可能性もあるため、早期に指定を進めていく必要があると考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県の土砂災害特別警戒区域の指定について、今後どのように進めていかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、ヘイトスピーチ対策について伺います。  県内では、依然として外国籍の人々に対する差別的な言動を伴うような街頭宣伝活動やインターネット上の書き込みがあると認識しております。  このようなヘイトスピーチの解消について、我が会派としましては、一昨年の第2回定例会本会議代表質問で取り上げて以降、具体的な対策の必要性について知事の見解を求めてまいりました。  ヘイトスピーチを解消するためには、広報啓発活動中心の取組や国への働きかけのみならず、実効性ある取組として、ヘイトスピーチを規制する条例の制定や公の施設の利用制限を可能とするガイドラインの策定などについても提案してきたところであります。  本県はこれまで、かながわ人権政策推進懇話会を4回開催し、有識者や各種団体の代表者などから、ヘイトスピーチ対策について、ヘイトスピーチの規制を伴う条例の制定や公の施設の利用制限を伴うガイドラインの策定を早急に行うべきというものや、表現の自由の観点から、規制や罰則には慎重であるべきといった様々な意見があったと承知しております。  そうした中、昨年6月の我が会派の代表質問において、知事からは、ヘイトスピーチ対策について、条例も含め、どのような取組が最も効果的なのか、しっかりと整理・分析し、総合的な視点で研究していくとの御答弁を頂いたところであります。  〔資料提示〕  県内では、川崎市において、全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科す川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例を昨年12月に制定しました。また、相模原市も条例制定に向けて、現在、市の人権施策審議会で審議されているものと承知しております。  県としてもこうした県内の状況を踏まえ、ヘイトスピーチ対策として、条例制定など実効性のある取組を進めていく必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  今後、ヘイトスピーチの解消に向けた具体的な取組をどのように進めていかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、特殊詐欺対策について伺います。  令和元年中の県内の刑法犯認知件数は4万1,780件であり、過去最悪であった平成14年中の約19万件と比較すると実に約3割以下にまで減少し、これは県警察が関係機関、団体と連携し、官民一体となった犯罪抑止対策に取り組んできた成果であり、評価するところであります。  このように犯罪全体の件数が減少している一方で、昨年の県内の特殊詐欺の認知件数については過去最多を更新してしまいました。  特殊詐欺に関しては、これまでも我が会派では、県警察や知事部局に対し、様々な観点から質疑を行うとともに、被害防止のための取組を一層強化するよう要望しており、特殊詐欺対策は県内の治安対策を進める上での最重要課題であると認識しております。  〔資料提示〕  特殊詐欺の被害を防止するためには、被害者の多くを占める高齢者はもちろんのこと、その家族や周囲の人など、より多くの方々が特殊詐欺に関心を持ち、自分たちの地域から特殊詐欺の被害を出さないという機運を盛り上げていくことが重要であり、そのためには、幅広い世代の県民が関心を持つことができるような広報啓発が必要と考えております。  特に最近では、ツイッターやフェイスブックといったSNSやユーチューブが広く普及しており、社会情勢の変化等に対応し、様々な手口が出現している特殊詐欺の被害防止のためには、こうした不特定多数が閲覧し、拡散力もあるSNS等を活用すれば、よりタイムリーかつ広範囲な広報啓発や情報発信が可能となるものと考えます。  これらの情報を広く拡散させるには、動画を活用するなどして、最新の犯罪情報を閲覧した人が知識や理解を得られる内容とすることが効果的であります。  また、より多くのユーザーが情報を拡散させるとともに、自らの親御さんや祖父母等に対して注意喚起してもらえるようになれば、地域の力で特殊詐欺の被害を防止するための有効な手段となり得ると考えます。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  県警察では、SNSを活用した被害防止対策をはじめ、今後、特殊詐欺対策にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、神奈川県警察交番等整備基本計画における交番の機能強化について伺います。  現在、県警察が進めている神奈川県警察交番等整備基本計画では、交番等の適正配置による施設の統合及び建て替えの促進を示し、交番の警察官を複数人配置することを前提として、県内全体の交番数を現在の470か所からおおむね400か所に統合することとしております。  交番は地域住民にとって安全・安心のよりどころであり、今後10年間で約70か所が統合されることから、交番の統合に当たっては、県民や統合される交番の周辺住民の深い理解と協力が必要であると認識しております。  計画では、統合される交番は、その交番が受け持っている地区の事件・事故の発生状況や周辺の地域環境及び地域情勢、さらには施設の老朽・狭隘度合い等を総合的に検討した上で判断するとしており、最近の治安情勢や社会環境の変化、さらには、施設の老朽化等の現状を考えますと、交番を統合するとした計画は変わりゆく時代に沿ったものと理解するところでもあります。  しかしながら、統合先の交番は、統合される交番が受け持っていた地区も含め、広いエリアの治安を担うことになりますので、治安情勢や地理的状況に応じて適正に配置されていることはもちろんですが、統合に伴い、より県民や地域住民の安心感を高めるための機能を備え、今後ますます多様化する警察事象に的確に対応できる交番が求められているものと考えます。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  交番等整備基本計画では、地域住民の安全・安心を確保するためにどのような対策を講じていくのか、御所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県民の安全・安心につながる取組について、何点かお尋ねがありました。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  新型コロナウイルス感染症では、国内初の死亡症例が県内で発生したほか、全国で感染が拡大するなど、大きな転換点を迎えており、今後は国内での感染拡大防止に向けた体制整備が必要です。  そうした中、県では県民の皆様に感染症の蔓延を防止するための正しい情報を提供するとともに、国に先駆けて専用ダイヤルを設置するなど、いち早く情報提供や相談対応を行ってきました。  また、感染症の蔓延を防ぐには必要な情報を適切に公表することが重要ですが、一方で、個人情報の保護等に最大限配慮することが必要です。今回の新型コロナウイルスは新しい感染症であることから、情報提供の範囲について統一的な基準が定められていません。  そこで、全国知事会を通じて、国民の不安解消に向け、情報の公開など、国から統一的な対応方針を提示していただきたいと要請しています。  私としても、状況が刻々と変わる中、県民の皆様の不安の解消と感染症の蔓延防止、個人情報の保護などのバランスを勘案しながら、適切な情報提供について検討していきます。  また、新型コロナウイルス感染症が指定感染症に定められたことにより、知事や保健所を設置する自治体の長には、感染者や疑いがある方の入院や就業制限などを措置できる権限が付与されました。こうした権限について、感染の拡大防止に向けて必要と判断した場合にはしっかりと対応していきます。  引き続き、県民の皆様に正確な情報を提供し、不安解消に努めるとともに、感染の拡大を防ぐため、国や市町村、関係機関と一体となって全力で取り組んでまいります。  次に、津波対策強化に向けた取組についてです。  海に面した本県にとって、一たび発生すれば多くの県民の皆様の命を脅かす津波への対策は重要な課題です。  そこで、県は津波防災地域づくりに関する法律に基づき、平成27年に最大クラスの津波を想定した津波浸水想定図を公表しました。その後、具体的な津波対策の促進につながる津波災害警戒区域の指定を行うことについて沿岸市町と協議を進め、その結果、区域指定を進める意向のある地域から順次段階的に進めていくことを合意しました。  こうした中、区域指定に前向きな意向を示した小田原市、真鶴町、湯河原町の1市2町について、住民説明会などの手続を経た上で、昨年12月に関東エリアで初めてとなる津波災害警戒区域に指定しました。  津波災害警戒区域に指定された市町は建築物への衝突による津波の水位の上昇、いわゆる津波のせき上げ高を考慮した津波ハザードマップの作成が義務づけられます。また、社会福祉施設や病院などの要配慮者利用施設の管理者は、避難確保計画を新たに策定する必要があります。  そこで、県は津波ハザードマップの作成に対する財政支援や津波に関する計画策定への助言などを通じて、1市2町における津波対策の取組を支援していきます。  県としては、1市2町における津波対策の成果を国や沿岸市町で構成する津波対策推進会議などで共有し、津波災害警戒区域のさらなる指定拡大を含め、津波対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。  次に、土砂災害特別警戒区域の指定についてです。  県では土砂災害から県民の命を守るため、擁壁の整備等のハード対策と併せ、ソフト対策として土砂災害警戒区域等の指定を進めています。  土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンについては、住民の皆様にお住まいの地域の危険度をお知らせし、迅速な避難を促すために指定するもので、平成28年度までに県内で対象となる約1万か所全ての指定が完了しました。  さらに、イエローゾーンのうち、特定の開発や建築物の構造を規制する土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンについては、基礎調査が終了した区域から順次指定を進めています。  基礎調査については今年度中に全ての調査の終了を目指してきましたが、昨年、台風の影響で一時期現地に入れなかったこともあり、進捗が遅れています。今後、頻発化、激甚化が懸念される土砂災害を見据えると、スピード感を持って区域指定を完了させる必要があるため、残る調査を早期に終了させます。  一方、区域指定については土地利用に厳しい制限が伴うことから、指定の趣旨や具体的な規制内容等について、住民の皆様により丁寧に説明する必要があります。  県としては市町村としっかりと連携し、指定に向けた説明会等を精力的に開催するなど、住民の皆様の御理解頂きながら作業を速やかに行い、おおむね令和2年度末までの指定完了を目指してまいります。  次に、ヘイトスピーチ対策です。  ヘイトスピーチは決して許されるものではありません。  県では今年度から新たにインターネットでの差別を抑制するため、差別的なキーワードを検索すると、「ヘイトスピーチ、許さない。」と表示される広告の実施や、差別的な書き込みをチェックするモニタリングを開始しています。  また、弁護士による相談窓口を開設し、ヘイトスピーチの被害に対する支援につながる取組も進めています。  さらに、昨年6月からは県内のヘイトスピーチの状況を確認するとともに、県内外の自治体のヘイトスピーチ対策や条例の策定状況を調査する等、効果的な取組についての研究を行ってきました。  研究内容については、昨年11月のかながわ人権政策推進懇話会で中間報告を行い、委員からは、本県は全国に先駆けて人権施策推進指針を策定した、これからも全国の模範となるべき、さらに取組を進めるためには条例制定といった積極的な取組が必要、他自治体でもヘイトスピーチ対策を含めた人権条例の制定が進んでいるなどの意見を頂いています。  こうした懇話会の意見も踏まえ、ヘイトスピーチ対策について、引き続き先行自治体における取組の効果等の研究をさらに行うとともに、条例の策定を含め、実効性のある具体的な取組を検討してまいります。  私はヘイトスピーチを決して許しません。今後もヘイトスピーチで苦しんでいる方に寄り添いながら、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(大賀眞一)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 大賀警察本部長。 ◎警察本部長(大賀眞一) 特殊詐欺対策についてお答えいたします。  令和元年中の県内の特殊詐欺の認知件数は、前年比16件増加の2,790件と過去最多を記録しており、深刻な状況が続いております。  特に昨年は被害者の隙を見てキャッシュカードをすり替えて窃取する手口が急増するなど、犯行グループはその手口を刻々と変化させております。  こうした状況を踏まえ、県警察では特殊詐欺の被害防止対策として、知事部局等と連携し、犯人からのだましの電話を直接受けることを防止する迷惑電話防止機能を有する機器の普及促進をはじめ、防犯指導や広報啓発に取り組んでおります。  被害を防止するための広報啓発に当たっては、高齢者に対する注意喚起のみならず、そのお子さん、孫など、幅広い世代に対する働きかけを強化する必要があります。  そこで、県警察ではツイッターやユーチューブといったSNSなど、あらゆる機会、媒体等を活用して、多発している手口に関するタイムリーな広報啓発活動を推進しております。  その結果、県内では金融機関をはじめとする関係事業者等の御協力により、多くの被害を阻止しており、このうち、地域住民等一般の方による被害の未然防止の件数がこの5年間で約3倍に増加していることから、こうした取組を一層強化していく必要があると認識しております。  今後の取組としましては、関係機関、団体と連携し、SNSでの動画をさらに効果的に活用して、幅広い世代に対して訴求力のある広報啓発に努めるなど、官民一体となった被害防止対策を積極的に推進してまいります。  こうした取組をはじめ、県警察では引き続き検挙と抑止の両面で組織の総力を挙げて特殊詐欺対策に取り組んでまいります。  次に、神奈川県警察交番等整備基本計画における交番の機能強化についてお答えいたします。  県警察では、この整備計画に基づいて交番勤務員の総数を減らすことなく、交番等を計画的かつ適正に整備して、警察官が1人で勤務している交番を集約し、複数勤務体制を確立することで、各種活動を充実させ、現場執行力を高めてまいります。  交番の統合を進めるに当たっては、事案発生時の早期現場臨場に備え、従来から実施しているパトカーの前進配置の拠点とする交番を見直しつつ、地域住民の方々の身近で発生する事件、事故等に迅速かつ的確な対応を図ってまいります。  さらに、交番統合後の治安対策として、機動力を生かした活動が展開できるアクティブ交番を配備し、交番統合に伴う地域住民の方々が抱く不安を払拭し、安全・安心を確保してまいります。  加えて、統合の対象とならない交番のうち、老朽化が進んでいるものについては、年間10か所程度ずつを目標として建て替えを促進し、持続可能な施設運営を行ってまいります。  交番等の建て替えに当たっては、地域住民の利便性やパトカーの配置を考慮した十分な駐車スペースを確保し、また必要に応じて女性警察官専用設備を整備するなど、多種多様な事案への対処能力の強化を図ってまいります。  交番等における警察官の複数勤務体制の確立や拠点となる交番へのパトカーの前進配置運用、さらには交番等の建て替えを促進することにより、地域の安全・安心のよりどころとしての交番等を持続的に機能させ、現在の治安情勢の維持、さらには向上に努めてまいります。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事、警察本部長からそれぞれ御答弁を頂きました。  まず、1点、再質問させていただきます。  新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  クルーズ船の感染発生以降、例えば元町中華街の来客数の減少や県庁の見学ツアーがキャンセルになったケースがあるなど、県民の不安が増していると強く感じておりまして、まさにこれは風評被害とも言えると考えております。  こういった被害を防止するためには、県民に対して正しい知識を発信していくことが今後さらに重要になると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えしてまいります。  新型コロナウイルス感染症はまだ解明されていない点も多くありますけれども、基本的にはインフルエンザと同様の対策を行うことが有効と言われております。  私は1月16日に県内で我が国初の感染事例が確認された際、自ら動画で、せきエチケットや手洗いなどの感染防止策を紹介するとともに、冷静な対応を取っていただくよう県民の皆様に動画で呼びかけました。  状況は日々動いておりますので、今後も状況に応じて、私自身が県民に必要な情報を発信していきたいと思っております。  県民の皆様には引き続き冷静な対応を取っていただくよう、県としても市町村や関係機関等と連携し、あらゆる機会を通じて適切な情報提供と正確な情報発信を行ってまいります。  県民や事業者の方など、一人一人に正しい知識と情報が行き渡るよう、しっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事から再質問に対する御答弁を頂きました。  ぜひとも正しい知識の発信をしていただきたいと思います。  このコロナウイルス感染症対策については、国の対策が後手に回っていたと指摘する声もあります。よって、さらなる国への検疫を含む対策強化の働きかけを行っていただきたいと思いますし、それと同時に適切な情報発信や人権に配慮しつつ、知事に与えられている権限の行使も状況によっては図っていただきたいと思います。  また、感染症専用ダイヤルを24時間化するなど、県民の不安の払拭に努めていただきますよう要望いたします。  それでは、他要望に移らせていただきます。  ヘイトスピーチ対策についてであります。  我が会派が一昨年6月の代表質問で取り上げて以降、今日まで東京都や大阪府がヘイトスピーチの解消に向けた条例を制定し、県内でも川崎市が刑事罰つきの条例を制定いたしました。  知事の先ほどの御答弁では、条例の策定も含め検討するという御答弁でありましたが、これまで県に対して実効性ある取組を進めてきた我が会派としては、一歩前進と捉えております。  最近では、川崎市では多文化交流施設や小中高校に対し、ヘイトクライムと呼ぶべき爆破予告が行われました。さらに、今年は東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を控えている中で、オリンピック憲章にあります様々な差別に反対する精神を本県から実践していくべきと考えます。  実際にヘイトスピーチによって恐怖を感じ、被害に遭われている方々がいるという現実をしっかりと受け止めて、ヘイトスピーチの解消にしっかりと御尽力していただきますよう要望いたします。  以上です。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 質問の第3は、県政の諸課題についてであります。  〔資料提示〕  まず、日米地位協定の改定に向けた本県の取組について伺います。  日米地位協定は1960年に締結され、今年で60年目を迎えましたが、この間、我が国に置かれている米軍基地に起因する様々な問題が発生してきました。相次ぐ航空機事故や航空機等の騒音による被害の発生、環境汚染、さらには、米軍人等による事故や犯罪の発生など、基地に起因する問題は広範多岐にわたり、こうした問題の背景には日米地位協定の課題があると指摘されております。  そのため、これまで我が会派では、基地問題を解決する上で日米地位協定の改定は必要不可欠であるという考えの下、県に対しては県議会での議論を通じてそれを強く国に働きかけるよう求めてきており、それを受け、これまでも、知事が会長を務める渉外知事会を通じ、要請を行ってきたことと認識しております。  平成30年6月、知事は日米地位協定の改定に関する我が会派の代表質問に対し、渉外知事会として直面している日米地位協定に関する課題を整理し、新たな要望として盛り込んでいく意向を示されました。  また、その後、渉外知事会として検討を重ね、同年7月に、新たに基地の安全管理の徹底や米軍の事件・事故の防止対策の強化などを盛り込んだ特別要望を実施したことと承知しており、こうした自治体の動きに対し、国は日米地位協定の改定ではなく、運用改善という形で対応してきました。  運用改善は、問題が生じたときに迅速に対応するという意味では評価すべき点もあると思いますが、言わば小手先の対応であって、基地問題の抜本的な解決にはつながらないのではと危惧するところであり、我が会派としましては、運用改善という対応では納得できるものではないと考えております。  最近に起きた事例としましては、県内の米軍基地で働く日本人従業員が米国人監督者からパワハラなどの人権侵害を受けていたとの報道がありましたが、この事例の背景にも、日米地位協定に基づく米軍の基地管理権が防衛省による実態解明を阻んできたことなどが要因にあったものと椎察されます。  このような事例を見るにつけても、やはり多くの基地問題の背景にある日米地位協定の改定は喫緊の課題であると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  基地問題の抜本的な解決には日米地位協定の改定が必要不可欠と考えますが、締結以来、一度も改定されていない現状をどのように認識しておられるのか、また、日米地位協定の改定に向け、渉外知事会の会長として、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、ギャンブル等依存症対策について伺います。  横浜市が昨年8月にIR導入を表明しましたが、カジノによるギャンブル等依存症や治安の悪化などについて、多くの市民が懸念していると認識しております。  例えば、横浜市が昨年12月に中区のIR市民説明会の参加者に対して実施したアンケート結果によると、IRのどのような部分に不安を感じるかという質問に対し、交通渋滞や公共交通の混雑、周辺地域の治安悪化、反社会的勢力の関与、横浜のイメージの悪化などとともに、依存症の増加が挙げられているところであります。  久里浜医療センターがギャンブル等依存症の実態を把握するため、成人1万人を対象に平成29年度に実施した全国調査によりますと、生涯でギャンブル等依存症が疑われる人は成人の3.6%、約320万人、過去1年以内にギャンブル等依存症が疑われる人は成人の0.8%、約70万人と推計されております。  また、県では平成30年3月に策定した神奈川県アルコール健康障害対策推進計画において、依存症に関する専門的な医療を提供する依存症専門医療機関を令和4年度までに10か所整備するとの目標を掲げ、現在、6か所を選定していると承知しております。  しかしながら、IRが導入され、カジノができた場合、専門医療機関の目標値が10か所では少な過ぎるのではないか、カジノができた場合にどの程度依存症患者が増えるのか、これに対して専門医療機関がどれだけ必要なのかなど、しっかりと見込みを出して対応していかなければならないと考えております。  知事はこれまで、横浜市のIR誘致について、基礎自治体である市の判断を後押しするとし、市と連携してギャンブル等依存症対策を進めていくと言及されておられますが、ギャンブル等依存症を治療する医療体制も不足しているような状況で依存症対策をしっかり行えるか、疑問を感じざるを得ません。  そこで、知事にお伺いいたします。  IRが導入され、依存症患者が増えるのではないかという懸念がある中、今後、ギャンブル等依存症対策にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、県外の私立高校に通う生徒への学費補助について伺います。  次世代を担う子供たちに質の高い教育を提供することは、いつの時代においても重要なことであります。そのためには、生徒が家庭の経済状況にかかわらず、自らの希望に基づいて高校を選択し、進学できるような環境整備を行うことが重要であります。  その意味において、今回、令和2年度当初予算案において示された授業料の実質無償化の対象を年収約700万円未満の世帯まで拡大するとともに、新たに住民税非課税世帯まで入学金の実質無償化を実施するという学費補助の拡充は大きな前進とも言える一方で、まだ解決しなければならない課題は残っているものと考えております。  それは県外私立高校に通う生徒への補助でありまして、我が会派は、教育の機会均等という観点から学費補助制度を県外私学に通う生徒にも拡大すべきであると一貫して主張してまいりましたが、その課題はいまだ解決されておりません。  今回拡充が予定されている学費補助についてもこれまでと同様、県外私立高校に通う生徒はその対象になっていないとのことであります。県境に住む生徒にとっては、県内の私立高校だけでなく、県外の私立高校も進学先の候補となり得ますが、仮に生徒が県外の私立高校を希望しても、家庭の状況により、その学校への進学を諦めるようなことがあれば、進路選択の幅を狭めてしまうことにもなりかねません。  また、本県の私学に通うか、県外の私学に通うかで学費負担に大きな差が生じている現状については、保護者が不公平感を感じ、県外通学者もぜひ学費補助制度の対象としてほしいとの声が私どもの会派に寄せられており、そうした声にもしっかりと県として耳を傾けるべきと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  県外の私立高校に通う生徒を学費補助の対象とすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、県庁における働き方改革について伺います。  人口減少社会を迎える中、県庁においては、限られた職員数で質の高い県民サービスを提供していくためには、職員一人一人が能力と意欲を十分に発揮して、心も体も健康に生き生きと働ける環境を整えることが大変重要であり、それが基となり、県民の笑顔につながっていくものと考えております。  そういった県民の笑顔につながる方策の一つとして、私はこれまで県議会において、幾度となく県民の心のケアや自殺防止対策等についても提言を行ってまいりましたが、それを受け、県では各年代に応じた様々な対策を講じ、自殺死亡率も全国で2番目に低くなるなど、目に見える成果が出ていることは高く評価するところであります。  しかしながら、一方で、県民の象徴、鏡ともなるべき県庁組織において、知事室や財政課に所属していた当時37歳の職員が、今から約3年前に長時間労働やパワハラに起因する鬱病を発症し、その貴い命を自ら絶ったとの報道があり、現在その遺族から県が訴訟を提起されていることは誠に残念であります。  亡くなった職員の貴い命を決して無駄にしないよう、今後も自殺対策は県庁組織においても重要であり、そのためにはしっかりとメンタルヘルス対策を行っていく必要があると考えております。  県では、昨年7月に策定した第2期職員健康経営計画の下、心の健康づくりに向けた取組を進めておりますが、それには未然防止、早期発見、再発予防の観点から総合的な対策を講じていくことが必要でありますし、また、メンタル不調を引き起こす最大の要因とも言える長時間労働の防止に向けて、全庁を挙げて働き方改革を進めていくことが不可欠であります。  〔資料提示〕  現在、知事をトップとする働き方改革推進本部のもと、時間外勤務について月80時間超の職員ゼロ等の具体的な数値目標を設定するなど、長時間労働の防止に取り組んでおられますが、既に今年度も月80時間を超えたケースが発生しているとも聞いており、さらに取組を徹底、前進させていく必要があると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  職員一人一人が能力、意欲を最大限発揮し、笑顔あふれる職場づくりを進めていくため、長時間労働の防止に向けた取組を一層徹底し、前進させるとともに、実効性あるメンタルヘルス対策を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  最後に、教員の働き方改革について伺います。  学校現場では近年の社会環境の変化に伴い、様々な課題が生じており、教員の長時間勤務の実態は極めて深刻な状況であることから、教員の働き方改革は喫緊の課題であります。  県教育委員会においては、昨年、持続可能な学校運営と神奈川の教育の質を高めるために勤務実態を改善し、教員がワーク・ライフ・バランスの実現を通じて自らの人間性や創造性を高めるとともに、子供たちと向き合う時間を確保し、効果的な教育活動を行うことを目的に神奈川の教員の働き方改革に関する指針を策定し、教員の働き方改革の取組を進めているものと承知しております。  教員の働き方改革を推進するためには、まずはその前提となる客観的な勤務時間の把握を行った上で、教員の負担軽減につながる取組を実施することが必要と考えております。  しかしながら、昨年、文科省が実施した令和元年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査において、自己申告も含め、何らかの方法により在校等時間を把握している市町村の割合が、本県は全国でも3番目に低くなっており、また、ICカードやタイムカード等による客観的な方法で在校等時間を把握している割合は、全国平均を下回る状況が明らかとなりました。  また、県立学校においてもまだ客観的な把握方法は導入されていない状況にあり、県全体として早急な取組が求められますし、これらが改善された上で、外部人材の配置など、教員の負担軽減のための取組の充実を推進していくことが重要であると考えております。  そこで、教育長にお伺いいたします。  文科省の調査結果を受けて、県内の県立学校及び市町村立学校の勤務時間の把握の現状についてどのように考えておられるのか、また、その上で、外部人材を活用した教員の働き方改革の取組について、具体的にどのように推し進めていかれるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、日米地位協定の改定に向けた本県の取組についてです。  日米地位協定は我が国を取り巻く安全保障環境や我が国の社会経済環境が大きく変化したにもかかわらず、締結されて以来60年間改定されていません。この間、以前から問題となってきた刑事裁判手続等の課題に加え、近年は基地の環境問題など新たな課題への対応も必要となってきました。  このため、私が会長を務める渉外知事会では日米地位協定に環境条項を盛り込むことを求めるなど、具体的な提案を繰り返し行い、その結果、数々の運用改善に加え、より拘束力の高い環境補足協定が平成27年に締結されました。  しかし、依然として日米地位協定の改定には至らず、基地問題の抜本的な解決のためには同協定の改定が不可欠であると認識しています。  そこで、渉外知事会において、私からの提案により、基地問題の課題を改めて検証し、要望内容を強化する取組を行い、平成30年度に基地への国内法の適用拡大等を求める特別要望を実施しました。  今年度はさらに特別要望を踏まえ、地位協定改定を求める重点要望の内容を従来の15項目から19項目に拡充し、国への要望並びに米国大使館との話合いを行いました。  今後も日米地位協定の課題を検証し、日米両国政府に理解を求めるため、取組を精力的に進めるなど、改定実現に向け、粘り強く日米両国政府への働きかけを続けてまいります。  次に、ギャンブル等依存症対策についてです。  ギャンブル等依存症はギャンブル行為にのめり込むことで、本人だけでなく、御家族の生活にも支障を生じさせ、多重債務や貧困など、様々な社会問題を引き起こす可能性がある病気です。  しかし、ギャンブルやアルコール等の依存症は適切な治療を行えば、そうしたものに頼らない生活を送ることが可能であるため、県では依存症に特化した専門的な治療を提供できる医療機関を専門医療機関として6か所選定するなど、医療提供体制の整備を進めてきました。  一方、依存症に対しては、治療だけでなく、依存症の疑いのある方からの相談や依存症からの回復支援など、それぞれの場面に応じた支援が大変重要です。  このため県ではかながわ依存症ポータルサイトを開設し、適切な支援につながるよう情報提供を行うとともに、県の精神保健福祉センターを相談拠点機関に選定し、相談支援体制の強化を図っています。  県では引き続き有識者などの御意見も伺いながら、依存症の方に必要な支援が確実に届くよう、関係機関との連携強化に取り組んでいきます。  また、現在実施しているギャンブル等依存症に関する実態調査等により、現状把握や課題の整理を行った上で、専門医療機関の追加選定など、医療提供体制の強化についても検討していきます。  こうしたことを来年度策定予定のギャンブル等依存症対策推進計画に盛り込み、相談、治療、社会復帰等切れ目ない支援を行うことで、ギャンブル等依存症対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、県外の私立高校に通う生徒への学費補助についてです。  子供たちが家庭の経済状況にかかわらず、希望する質の高い教育を受けることができる環境づくりは大変重要です。  そこで、本県では国の就学支援金に上乗せする形で、県内私立高校の生徒の入学金や授業料に対する本県独自の補助を行っています。この学費補助は、神奈川の子供たちが神奈川で学べてよかったと思える環境づくりと、あわせて県内私学の振興に努めるという観点から、県内の私立高校に通う県民を対象として実施しています。  近隣県における支援策の状況を見ても、埼玉県、千葉県、静岡県とも学費補助の対象を県内私立高校通学者に限っています。  一方、国の就学支援金は、通学先が県内か県外かを問わずに私立高校通学者を支給対象としています。今年の4月からは支給上限額が引き上げられる予定であり、年収約590万円未満世帯を対象に、全国の私立高校の平均授業料を勘案した水準である39万6,000円まで支給される見込みです。このことにより、県外への私立高校通学者についても保護者の経済的負担が軽減される予定です。  県としては、まずは神奈川の子供たちが神奈川で学べてよかったと思える環境づくりと県内私学の振興に努めることを基本とし、県外私学通学者への支援については、国や他自治体の動向を見ながら、将来の研究課題としたいと考えています。  最後に、県庁における働き方改革についてです。  長時間労働の是正とメンタルへルス対策は、働き方改革を実現する上で大変重要な取組です。  長時間労働の是正については、職場での朝夕ミーティングを通じて業務の組織的なマネジメントを徹底し、業務負担の平準化や職員の意識改革に取り組んできました。  その結果、職員の意識調査では、以前より早く帰りやすくなったと感じている職員の割合が3年前の29%から今年度は55%へと大きく増加するなど、県庁の組織風土は着実に改善されつつあります。  しかし、その一方で、6割近くの職員が業務が多忙で余裕がないと感じているなど、業務の増加や多様化にどう対応するかが大きな課題となっています。  そこで、来年度は知事部局の職員定数を99名増員し、業務量に見合った人員を配置するほか、業務そのものの抜本的な改善に向け、ICTの活用を含め、より踏み込んだ取組を行っていきます。  一方、メンタルへルス対策については、ストレスチェックや医師の面接指導など、様々な対策を講じてきましたが、メンタル面での不調が原因で休職する職員はここ数年横ばいで推移しており、改善には至っていないのが現状です。  今後は職員一人一人の状況をきめ細かく把握し、早めの対策を講じられるよう、職場でのコミュニケーションを活性化させ、職員の目線に立った組織運営を徹底していきます。  また、周囲の気づきによって最悪の事態を未然に防止するゲートキーパー研修を実施するなど、職員の命を守るための取組も強化していきます。  議員御指摘のように、我々は3年前に大切な仲間を失いました。こうした悲しい出来事を二度と起こしてはいけない、私はそうした強い決意を持って働き方改革の取組をさらに加速化させていきたいと考えています。  そして、県庁全体を笑いがあふれるような働きやすく、働きがいのある職場に変えていくことで、職員のワーク・ライフ・バランスの実現と質の高い県民サービスの提供につなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  教員の働き方改革についてです。  働き方改革を進める上で勤務時間の把握は必要不可欠なものであると認識しており、昨年策定した神奈川の教員の働き方改革に関する指針においても、教員の勤務時間の客観的な把握を行うことを掲げています。  そこで、県立学校においては、昨年度導入した教員の1人1台パソコンを活用し、勤務時間を把握するシステムを構築するため、今定例会に提案している来年度当初予算案に所要の経費を計上しています。  また、市町村立学校におけるICカードなどを活用した勤務時間の把握については、昨年7月の国の調査では13市町村で実施となっていましたが、今年1月時点では19市町村に増加しており、取組が進みつつあります。残りの市町村についても、令和2年度中を目途に実施するとしており、県教育委員会では先行市町村の勤務時間把握のシステムや機器等の情報提供を行うとともに、引き続きその早期導入を促してまいります。  あわせて、お尋ねの外部人材を活用した教員の働き方改革についてです。  学校における外部人材の活用は、教員の業務量の縮減と併せて、地域と共に歩むチームとしての学校の体制整備という観点からも大切と認識しています。  県教育委員会では、来年度当初予算案において、県立学校における業務アシスタントの継続配置や市町村立学校の教員の業務を補助するスクールサポートスタッフの新規配置、さらには中学校、高等学校における部活動指導員の配置拡充などを盛り込んでいます。  今後これら外部人材の効果的な学校への配置を工夫していくとともに、国の動向なども見据えながら、引き続き神奈川の教員の働き方改革に関する指針に基づいた取組をしっかりと進めてまいります。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事、教育長からそれぞれ御答弁を頂きました。  まず、1点、再質問させていただきます。  教員の働き方改革についてであります。  先ほど御答弁で業務アシスタントについても触れられておられました。全校配置の継続ということでありますが、学校によっては教員の多忙さにも差があると思います。また、アシスタントの立場になっても、あまり業務量が変わってしまうというのは望ましくはないと思っていますが、現在は各学校に一律に1名の配置を行っているとのことでありますけれども、業務アシスタントを効果的に配置するためには、柔軟な配置も考えてよいのではないかと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 再質問にお答えいたします。  業務アシスタントにつきましては、継続的な教員へのアンケート調査などにより、その効果を把握、検証する中で、各学校の実情を踏まえた配置の工夫をしていきたいと考えております。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(渡辺ひとし) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 教育長から再質問に対する御答弁を頂きました。  今後も柔軟かつ効果的なアシスタントの配置の在り方も視野に入れ、部活動指導員やスクールサポートスタッフの御答弁もありましたが、そういった外部の人材を効果的に活用していただいて、教員の働き方改革を推し進めていただきたいと思います。  また、その前段として、教員の勤務時間の把握は必要不可欠でありますので、ぜひともその点についても御尽力をしていただきますよう要望いたします。  それでは、その他要望を申し上げます。  県庁の働き方改革についてであります。  これまで私は知事に対し、この本会議場において、各世代に応じた自殺対策について提言をしてきており、目に見える成果が出ていることは高く評価しております。  また、知事は笑いという言葉を非常に大切にされておられます。県民を今よりさらに笑いあふれるようにすることも確かに大切ではありますが、県民が過去、様々なつらい要因で失ってしまった笑顔を取り戻すことは非常に重要という思いを知事には共感していただき、以前、私が提言したグリーフケアの普及にも取り組んでいることを併せて評価するところでありまして、知事は御自身のスローガンに掲げる命を誰よりも大切に考えている方であると私は今でも思っております。  しかしながら、約3年前にこの県庁組織において、当時37歳の職員が長時間労働やパワハラに起因する鬱病を発症し、その貴い命を自ら絶ったとの報道があり、訴訟を提起されていることは誠に残念でありまして、県庁職員はじめ多くの県民に衝撃を与えたものと認識しております。  私はこういった自殺対策や県民の心のケアに関する質疑を行う際には、実体験として私の一番の親友が鬱病により自殺した過去を話し、提言してきました。本県における自殺対策に成果が出ているのを見て、親友の死が無駄にはならなかったという思いでおりまして、残された私の心の支えとなっておりますし、遺族に対してその報告をすると、彼らは涙を流して喜んでくれます。  私の親友が亡くなったのも37歳、くしくも自殺した職員の方も37歳。決して亡くなった県庁職員の死を無駄にしてはならないという思いで、私はこの場に立っております。  亡くなった職員が亡くなる前に遺族に見せた苦しい状況を新聞報道ベースで目にしましたが、私自身、二人の子を持つ親であり、もし自分の子が同じ状況になったらと想像するだけで胸が苦しくなるし、知事におかれましても同じ思いであると考えます。  ぜひとも多くの県民の笑顔につなげられるよう、メンタルへルス対策を含む県庁における働き方改革もしっかりと取り組んでいただいて、真の県民の象徴、鏡となり得る県庁づくりに御尽力していただきますよう要望いたします。  次に、ギャンブル等依存症対策について要望いたします。  横浜市が昨年8月にIR導入を表明しましたが、カジノによるギャンブル等依存症や治安の悪化などについて、多くの市民が懸念していると認識しております。  IRが導入され、依存症患者が増えるのではないかという懸念がある中、しっかりとギャンブル等依存症対策に取り組んでいただきますよう要望いたします。  次に、県外の私立高校に通う生徒への学費補助についてであります。  県内私立高校に通う生徒への補助について、我が会派は教育の機会均等という観点から、学費補助制度を県外私学に通う生徒にも拡大すべきであると一貫、主張してまいりました。先ほど将来の研究課題という御答弁がありましたが、引き続きその点を考慮して、来年度以降、検討を進めていっていただくよう要望いたします。  以上で、私の代表質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(渡辺ひとし) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(渡辺ひとし) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(渡辺ひとし) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明18日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後5時16分 散会...