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12月07日-16号

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  1. 神奈川県議会 2017-12-07
    12月07日-16号


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    平成29年 第三回 定例会 △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028223-諸事項-出席議員等・議事日程-》         平成29年第3回神奈川県議会定例会会議録第16号〇平成29年12月7日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共103名       出 席 議 員                       古   賀   照   基                       綱   嶋   洋   一                       お ざ わ   良   央                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       米   村   和   彦                       中   村   武   人                       木 佐 木   忠   晶                       君   嶋   ち か 子                       佐 々 木   ゆ み こ                       高   橋   延   幸                       池   田   東 一 郎                       西   村   く に こ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       京   島   け い こ                       石   川   裕   憲                       い と う   康   宏                       斉   藤   た か み                       さ と う   知   一                       大   山   奈 々 子                       藤   井   克   彦                       楠       梨 恵 子                       飯   田       満                       谷   口   かずふみ                       亀   井   たかつぐ                       新   堀   史   明                       瀬   戸   良   雄                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       岸   部       都                       加   藤   な を 子                       井   坂   新   哉                       と う ま   明   男                       菅   原   直   敏                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       守   屋   てるひこ                       柳   下       剛                       八   木   大 二 郎                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       作   山   友   祐                       松   本       清                       てらさき    雄   介                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       馬   場   学   郎                       小 野 寺   慎 一 郎                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       近   藤   大   輔                       山   口   ゆ う 子                       日   下   景   子                       曽 我 部   久 美 子                       た き た   孝   徳                       中   村   省   司                       相   原   高   広                       藤   井   深   介                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       髙   橋       稔                       小   島   健   一                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       久 保 寺   邦   夫                       齋   藤   健   夫                       松   崎       淳                       大   村   博   信                       高   谷       清                       茅   野       誠                       はかりや    珠   江       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           中   島   正   信         同             浅   羽   義   里         同             首   藤   健   治         政策局長          大   竹   准   一         総務局長          中   村   正   樹         安全防災局長        河   原   知   德         県民局長兼拉致問題担当局長 河   合   宏   一         スポーツ局長        宮   越   雄   司         環境農政局長        藤   巻       均         保健福祉局長        武   井   政   二         産業労働局長        楯   岡   信   一         県土整備局長        鈴   木   祥   一         会計管理者兼会計局長    小   野       淳         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   山   口   健 太 郎         情報統括責任者       藁   科   至   德         労務担当局長        大 久 保   雅   一         子どもみらい担当局長    丸   山   尚   子         健康・未病担当局長     市   川   喜 久 江         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   良   一         同  県立高校改革担当局長 久   我       肇         警察本部長         斉   藤       実         警察本部総務部長      小   田   康   行         人事委員会事務局長     山   田       学         監査事務局長        小   宮   重   寿         労働委員会事務局長     田   中   維   彦         公営企業管理者企業庁長   二   見   研   一         企業庁企業局長       長 谷 川   幹   男   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          松   森       繁         議会局副局長兼総務課長   花   上   光   郎         同  議事課長       田   中       隆         同  政策調査課長     多   田   彰   吾   ───────────────────────────────────────           平成29年第3回神奈川県議会定例会議事日程第16号                           平成29年12月7日午前10時30分開議第1 定県第 86 号議案 平成29年度神奈川県一般会計補正予算(第4号)   定県第 87 号議案 同  年度神奈川県母子父子寡婦福祉資金会計補正予算(第1号)   定県第 88 号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学への職員の引継ぎに関する条例   定県第 89 号議案 国民健康保険法施行条例   定県第 90 号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学に係る重要な財産を定める条例   定県第 91 号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学の設立等に伴う関係条例の整理等に関する条例   定県第 92 号議案 神奈川県立藤野芸術の家条例を廃止する条例   定県第 93 号議案 国民健康保険法に基づく都道府県調整交付金の交付に関する条例を廃止する条例   定県第 94 号議案 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例を廃止する条例   定県第 95 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 96 号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用範囲及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例   定県第 97 号議案 神奈川県局設置条例の一部を改正する条例   定県第 98 号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 99 号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 100号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 101号議案 アメリカ合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の特例に関する条例及びアメリカ合衆国軍隊の構成員等の所有する自動車に対する自動車税の税率の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 102号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 103号議案 行政財産の用途又は目的を妨げない限度における使用に係る使用料に関する条例の一部を改正する条例   定県第 104号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 105号議案 神奈川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例   定県第 106号議案 県営土地改良事業分担金徴収条例の一部を改正する条例   定県第 107号議案 神奈川県漁港管理条例の一部を改正する条例   定県第 108号議案 神奈川県法定外公共用財産使用料徴収条例の一部を改正する条例   定県第 109号議案 神奈川県都市公園条例の一部を改正する条例   定県第 110号議案 神奈川県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例   定県第 111号議案 神奈川県流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例   定県第 112号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 113号議案 神奈川県海岸占用料等徴収条例の一部を改正する条例   定県第 114号議案 港湾の臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部を改正する条例   定県第 115号議案 神奈川県立のふれあいの村条例の一部を改正する条例   定県第 116号議案 神奈川県立図書館条例の一部を改正する条例   定県第 117号議案 工事請負契約の締結について(動物保護センター新築工事(建築)請負契約)   定県第 118号議案 工事請負契約の締結について(主要地方道横須賀三崎7号橋新設(上部工)工事請負契約)   定県第 119号議案 工事請負契約の締結について(一般県道上粕屋厚木第二東海自動車道接続区間新設橋梁(上部工)工事(その2)請負契約)   定県第 120号議案 工事請負契約の締結について(酒匂川流域下水道箱根小田原幹線2-2工区管渠築造工事請負契約)   定県第 121号議案 工事請負契約の締結について(県営亀井野団地公営住宅新築工事(3期-建築)請負契約)   定県第 122号議案 工事請負契約の締結について(茅ケ崎警察署新築工事(建築)請負契約)   定県第 123号議案 工事請負契約の変更について(厚木警察署新築工事(建築)請負契約)   定県第 124号議案 指定管理者の指定の変更について(湘南港)   定県第 125号議案 指定管理者の指定の変更について(葉山港)   定県第 126号議案 当せん金付証票の発売について   定県第 127号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構定款の変更について   定県第 128号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学中期目標   定県第 129号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学に承継させる権利を定めることについて   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028224-質問・答弁-川本学議員-一般質問①再犯防止対策の推進について②青少年センター機能の充実について③石油コンビナート地域の防災訓練の推進について④がけ崩れ対策について⑤商店街における外国人観光客の受入れの取組について⑥米政策改革への対応について⑦特別支援学校施設の整備について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共97名 ○議長(佐藤光) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 審議を行います。  日程第1、定県第86号議案 平成29年度神奈川県一般会計補正予算外43件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  川本学君。  〔川本 学議員登壇〕(拍手) ◆川本学議員 おはようございます。  自由民主党の川本学でございます。  私は自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びに環境農政局長産業労働局長県土整備局長、教育長におかれましては、明快かつ前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩議員並びに同僚議員の皆様におかれましては、いましばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、再犯防止対策の推進について伺います。  平成26年12月に犯罪対策閣僚会議で決定された宣言:犯罪に戻らない・戻さない~立ち直りをみんなで支える明るい社会へ~は、「社会においても、立ち直ろうとする者を受け入れ、その立ち直りに手を差し伸べなければ、彼らは孤立し、犯罪や非行を繰り返すという悪循環に陥る」とし、「ひとたび犯罪や非行をした者を社会から排除し、孤立させるのではなく、責任ある社会の一員として再び受け入れることが自然にできる社会環境を構築することが不可欠である」とうたっております。  こうした中で、議員立法で再犯の防止等の推進に関する法律、いわゆる再犯防止推進法が制定され、昨年12月14日に公布・施行されました。  我が国は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会までに世界一安全な国、日本をつくり上げるという大目標を掲げており、我が自由民主党においても、平成26年2月に再犯防止推進特命委員会を設立しました。  委員会では、刑務所出所者等の再犯防止のための方策を議論し、再犯防止推進法の制定につなげましたが、その委員長は、元本県議会議員であった田中和徳代議士が務めております。  一方、県内では、こうした状況に対処するため、神奈川県議会及び県内各市町村議会の保護司を務めている議員をメンバーとする、かながわ議員保護司懇話会が全国に先駆けて、昨年12月14日に設立されました。図らずも、この日は再犯防止推進法が公布・施行された日であり、本県の更生保護にとってはまことに記念すべき日となりました。  私は、今年9月に法務省を表敬訪問し、上川陽子法務大臣に本県の懇話会について説明を行いました。その際、大臣からは、神奈川県のような懇話会が全国に広まっていくことを期待しているとの言葉をいただいたところであります。  国の統計によると、各方面の努力が実り、平成28年の一般刑法犯の認知件数は99万6,000件と、ピークであった平成14年時の285万件から14年連続で減少し、戦後初めて100万件を下回りました。刑法犯の検挙者数も、平成16年をピークに減少しております。  一方で、再犯者率は上昇を続けており、平成28年では検挙人員の48.7%を占め、また、国内で起こる全犯罪の約60%が再犯者によるものです。  とりわけ、満期出所者、また、高齢者や仕事のない人の再犯率が高く、刑務所出所時に適当な帰住先がなかった人の半数以上が1年未満に罪を犯しており、こうした人たちが再び罪を犯さないようにするためには、刑務所出所前から出所後まで切れ目のない支援が重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  罪を犯した人がそれを繰り返さないようにするための再犯防止対策について、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後の方向性について、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、青少年センター機能の充実について伺います。  先月、全国の高校生が熱いダンスパフォーマンスを繰り広げる第3回全国高等学校日本大通りストリートダンスバトルが、県庁前特設ステージを会場にして開催されました。当日は、全国の高校生たちが、ヒップホップダンスを初めとするストリートダンスエンターテインメント性や技術などで競い、本県代表の海老名高校のチームが見事3位に入賞したところであります。  また、この夏のブラジルのリオで開催された第58回国際数学オリンピックブラジル大会では、参加した111の国と地域の615名の生徒の中から、本県出身の高校生が金メダルを獲得しています。  さらに、県内の青少年の活動を見ると、先月、相模原市内で青少年のためのロボフェスタ2017が開催され、多くの高校生がブース出展し、日ごろの活動を披露しました。科学のすばらしさを体験してもらうよい機会として、3,000名を超える来場者があったと承知しています。  こうした青少年の活躍をしっかり応援していくことは、私たち大人の務めであると考えます。  一方で、青少年が抱える問題は、ひきこもり、ニート、いじめなど、多様化・深刻化しており、青少年が健やかに育ち、社会の中で自立できるよう、青少年を取り巻く環境への対応にも、粘り強く取り組まなくてはならないと考えます。  こうしたことから、本県の青少年施策の拠点として、未来を切り開く青少年の健全育成を図るとともに、困難を抱える青少年の自立を支援する青少年センターの役割は、これまでにも増して重要なものとなっています。  青少年センターは、平成17年のリニューアル後、青少年の体験学習を推進する人材の育成、ひきこもりや不登校などへの対応、科学体験活動の促進支援、舞台芸術活動への支援という四つの機能により、青少年の健全育成と自立支援の視点に立った取り組みを展開しております。  これらの取り組みは、当然のことながら、青少年を取り巻く社会環境の変化に対応し、青少年が必要としている支援を的確に捉えて展開していく必要があり、施設や人材、関係機関とのネットワークなど、神奈川県内のさまざまな資源を最大限に活用しながら、より一層効果的に事業を展開していくことが重要であります。  そこで、知事に伺います。  青少年施策の拠点である青少年センターの役割は、今まで以上に重要性を増していると考えますが、その機能を今後どのように充実していくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、石油コンビナート地域の防災訓練の推進について伺います。  京浜臨海部の石油コンビナートは、国内でも歴史のあるコンビナートとして、全国でも最大規模の石油や化学製品の供給拠点となっております。  東日本大震災の際には、本県の石油コンビナートでは、幸いなことに大きな被害は発生しませんでしたが、千葉の石油コンビナートでは、LPガスのタンクが爆発し、近隣の約3万6,000世帯に一時避難勧告が出されるなど、大きな被害をもたらしたことは、今もなお多くの方の記憶に残っております。  この東日本大震災の事故を踏まえ、県では昨年3月に、「石油コンビナート等防災計画」を修正し、企業の設備などの防災対策の充実、地元市が策定する避難計画の見直しなどを計画に位置づけたと承知しております。  私の地元である川崎市は、この県の計画を踏まえ、石油コンビナート地域でタンクの爆発など大規模な災害が発生した場合、どの地域の住民に域外避難や屋内退避を指示、勧告するかを示した川崎市臨海部防災対策計画の見直しを行い、本年11月に公表しました。  川崎市の計画では、例えば、扇町地区のLPガスが爆発するおそれがある場合、域外避難者は約3,500名、屋内避難者は7,500名と、その被害が影響するエリアを明確にしております。  私は、国内の他の石油コンビナートで、ここまで具体的に避難計画を明確にしたものはないと聞いております。  県では、石油コンビナート地域での災害を想定し、迅速な初動対応を目的とした図上訓練を実施していると伺っておりますが、今後は市の避難計画と連携することで、より地域の防災力は高まると考えます。  そこで、知事に伺います。  石油コンビナート地域のある市や他の行政機関、企業と連携した防災訓練について、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、がけ崩れ対策について伺います。  本年7月、福岡県朝倉市付近で梅雨前線に伴う線状降水帯が発生し、同じ場所で長時間、猛烈な雨が降り続き、大きな災害が起きました。国土交通省によると、307件もの土砂災害が発生し、20名のとうとい命が犠牲となりました。  また、本年10月23日の台風21号では、私の地元、川崎市内でも崖崩れが発生し、幸い人的被害はなかったものの、大雨警報などの気象情報や土砂災害警戒情報に関するメールが私の携帯電話にも頻繁に届き、台風による災害発生の緊迫感がこれまで以上に増して、警戒避難の必要性を改めて認識しました。  以前お聞きしていた、川崎市内で平成元年の台風12号により、高津区蟹ヶ谷で発生した崖崩れで一家3名、救出中の消防署員3名、計6名のとうとい命が犠牲となった大規模な崖崩れ災害があったことを思い出し、改めて崖崩れ対策の重要性を感じました。  本県には崖地が多く、私の地元でも、矢上川沿いを初めとして、多くの崖地が存在しています。全国各地で台風やゲリラ豪雨などにより、土砂災害が頻繁に発生していることから、大雨が降るたびに、近隣に住む住民の方々は、崖崩れによる災害が発生しないか、心配している状況であります。  県では、崖崩れから住民などの命、身体を守るため、ハード対策として急傾斜地崩壊防止施設の整備を進めていますが、昭和43年度に川崎市内において、県内では初めて事業に着手して以来、約50年を経過している中で、対策が必要な箇所はいまだ多く残っており、今後もより一層推進していく必要があると考えます。  また、ハード対策においては多くの費用と長い時間が必要なことから、減災のためのソフト対策も推進していく必要があると考えます。  県では、土砂災害のおそれがある区域として、土砂災害警戒区域などの指定を進めておりますが、平成28年度末には、全県で土砂災害警戒区域の指定が完了し、これをもとに、市町村は土砂災害ハザードマップの作成、配付を進めていると聞いています。  これらの取り組みは警戒避難体制の強化につながるものであり、大いに評価しているところであります。  こうした中、県では、特に危険性が高い区域において、土地の利用規制などを行う土砂災害特別警戒区域の指定のための基礎調査を始めており、この区域の早期の指定も重要であると考えています。  そこで、県土整備局長に伺います。  崖崩れによる被害を防ぐため、ハード・ソフト対策について、今後どのように取り組んでいくのか、県土整備局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、商店街における外国人観光客の受入れの取組についてであります。  本県を訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、今後もラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、さらなる増加が期待されています。  最近では、外国人観光客も観光地や景色を楽しむばかりでなく、日常の日本の生活を体験するようなことも興味を持たれるなど、目的が多様化しております。  そのようなコンテンツの一つとして、商店街が挙げられます。観光地を訪れた際、帰りがけに小さな店が軒を連ねる商店街を歩きながら、食べ物や小物を買い求める、あるいは、和菓子づくりを体験するなど、外国人観光客にとって興味深く映るのではないかと思います。  県内の商店街においては、消費者ニーズの多様化、経営者の高齢化などにより、元気のない商店街がふえている中、外国人観光客を呼び込むことは、活性化につなげるチャンスであると考えます。  より多くの外国人観光客に商店街を訪れていただくためには、商店街の魅力を磨き上げるとともに、外国人観光客の方々が訪れやすい環境をつくっていく必要があると考えます。  県内の商店街の中には、既にこのような取り組みを進めているところがあります。例えば、南足柄市では、江戸時代から伝わる山車を展示するとともに、同時代から伝わる踊りを披露する祭りを実施して、外国人観光客を含め、広く集客に結びつける取り組みを進めていると聞いています。  また、私の地元、川崎市中原区にあるモトスミ・ブレーメン通り商店街においては、商店街のホームページにスマートフォン対応用の英語版のページを作成しています。現在、商店街を紹介する冊子を英語で作成中であり、今後、ドイツ語や中国語など、他の言語でも作成する予定とのことであります。  他にも、小田原の商店街では、観光地である箱根に近いことを生かして、外国人観光客の方々に対応するための外国表記のガイドブックを作成するなどの取り組みを進めていると聞いています。  このように、外国人観光客の方々を引きつけるためには、商店街みずからの魅力を磨き上げるとともに、商店街の方々と外国人観光客の方々との意思の疎通が図れるよう、外国人観光客の方々のニーズに合わせて、外国語表記のホームページや案内図など、多言語での情報提供などの対応が効果的であると考えます。こうした対応により、商店街の方々のおもてなしの心が外国人観光客の方々に伝わると考えています。  そこで、産業労働局長に伺います。  商店街の活性化に向けて、外国人観光客を受け入れるため、商店街みずからの魅力を磨き上げるとともに、外国人観光客との意思の疎通を図るための対応に取り組む商店街を支援していくことが重要と考えますが、産業労働局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、米政策改革への対応についてであります。  米については、おおよそ半世紀続いた、いわゆる減反政策が今年度で終わることになります。  振り返りますと、戦後の食糧増産の方針を受け、米の増産が行われてきましたが、国民1人当たり年間消費量は昭和37年の118キロをピークに、最近ではその半分以下の55キロまでに減少しています。  こうして生じた生産量と消費量のアンバランスを解消するため、国は毎年、都道府県ごとの生産目標を示し、米価を維持する政策が継続されてきました。  この政策は、国、都道府県、市町村という行政機関を中心として運用されてきましたが、平成25年12月に安倍総理をトップとした農林水産業・地域の活力創造本部で決定された農林水産業・地域の活力創造プランでは、30年産をめどに、「行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政・生産者団体・現場が一体となって取り組む」こととされています。  いわゆる米政策改革であり、この方針に基づき、例年、この時期に都道府県ごとの次の年の米の生産目標が配分されてきたものが、今年度から全国ベースの需給見通しのみの公表となっています。  国では、需給見通しに加え、価格や取引の動向など、きめ細かい情報提供を行うとしていますが、地域や生産者段階では、どのように対応すべきか、困惑しているともお聞きします。  本県の農業生産の現場に目を向けますと、相模川や酒匂川流域などでは、まとまりのある水田地帯があります。また、川崎でも見られますが、点在している水田でも1枚1枚熱心に生産されており、田園や里山の景観は農の原風景とも言えます。  県内で生産される米は限られた量ではありますが、学校給食にも提供されていると聞いています。生産者には、県内の水田をしっかり活用し、ニーズに対応した米をできる限り生産してもらいたいと思います。  一方、全国的な米の需要量の減少に対応して、米の価格水準を維持するためには、今後も一定の需給調整は必要であると考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  減反政策の廃止という米政策の大きな転換期に当たり、県民ニーズに応じた米を安定的に供給するため、生産者が安心して生産を継続できるよう、どのように対応していくのか、環境農政局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、特別支援学校施設の整備について伺います。  平成28年度から「県立学校施設再整備計画」、いわゆる「新まなびや計画」がスタートしました。それまでの「まなびや計画」は、社会教育施設も含む県立の教育施設全般が対象でありましたが、新まなびや計画は、その対象を県立学校とし、前計画で重点的に取り組んできた学校の耐震対策に加え、老朽化対策、トイレの環境整備、そして、特別支援学校の施設整備を柱の一つとしたものであります。  ところで、私の地元には県立中原養護学校があります。中原養護学校は昭和49年に川崎市の中央、通称井田山と呼ばれる台地に設置され、県立の特別支援学校28校の中では7番目に古く、長い歴史を持った学校の一つであります。  設立当初は肢体不自由教育部門だけでしたが、現在は知的障害教育部門も併置し、既に私も何度か学校の様子を拝見させていただいておりますが、そこでは、学校の教育目標である自立と社会参加を目指し、160人を超える小・中・高等部の児童・生徒たちが生き生きと学んでおります。  そこで感じることですが、中原養護学校においても、ほとんどの校舎が築40年以上になり、屋根などの箇所における老朽化が進んでいること、また、規模は小さくとも耐震化が必要であるとのことであります。児童・生徒にはできるだけ早く、安全で快適な教育環境のもと、伸び伸びと学んでいただきたいと思います。  県教育委員会では、県民の特別支援教育へのニーズに応えるため、おおよそこの10年間に4校を新築し、今後も横浜市青葉区に横浜北部方面校を設置することとし、平成32年4月の開校に向けて準備を進められております。  そこで、教育長に伺います。  特別支援学校の施設整備を柱の一つと位置づけた新まなびや計画において、設立年度の古い県立の特別支援学校における老朽化対策、耐震化対策について、どのように取り組んでいこうとしているのか、教育長の見解を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 川本議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、再犯防止対策の推進についてお尋ねがありました。  再犯を防止するためには、一人一人に応じたきめ細かな支援とともに、罪を犯した人を受け入れ、支える地域社会づくりが重要です。そこで、県は、国の支援を受けて就職した刑務所出所者などの職場定着を支援するため、職場訪問などにより、本人や事業主に対して助言を行っています。  また、私が委員長を務めている社会を明るくする運動神奈川県推進委員会では、犯罪の防止と立ち直りへの理解を深める作文コンテストや、街頭啓発キャンペーンを県内各地で展開しています。  さらに、県が設置する地域生活定着支援センターでは、福祉の支援が必要な刑務所出所者に対して、受け入れ施設を確保したり、福祉サービスの利用につなげる支援を行っているところです。  こうしたさまざまな取り組みを通じて、罪を犯した人を受け入れる環境や協力の輪は徐々に広がりつつありますが、依然として受け入れ施設の確保は難しい状況です。  そこで、今年からの新たな取り組みとして、社会福祉施設の関係者を対象とした刑務所見学会を実施し、受け入れ先の理解促進を図っているところです。  また、今後は刑務所や保護観察所、検察庁のほか、民間団体を含めた再犯防止に関する意見交換の場を設け、関係者間のネットワークをより一層強化していきたいと考えています。  さらに、地域生活定着支援センターの体制を充実することで、福祉の支援が必要な方に対し、一人一人に合わせたきめ細かな支援を行っていきます。  県では、再犯の防止等の推進に関する法律に基づき、来年度に再犯防止推進計画を策定する予定です。  今後は、こうしたさまざまな取り組みを計画に位置づけ、総合的かつ計画的に推進することで、罪を犯した人が立ち直り、地域社会の一員として、ともに生き、支え合う社会づくりを進めてまいります。  次に、青少年センター機能の充実についてお尋ねがありました。  青少年センターは、昭和37年の開設以来、時代の変遷に合わせて青少年の成長と自立を支援し、開館55周年を迎えた今日まで、青少年施策の推進拠点としての役割を担ってきました。  具体的には、科学を身近に感じてもらう講座やすぐれた舞台の鑑賞の場の提供、体験学習を推進する人材の育成を行うほか、NPOと連携して、ひきこもりなど、さまざまな悩みを抱える若者の相談に応じています。  私は、以前、青少年センターを視察した際に、かつてプラネタリウムや科学体験博物館を備えていたころの話なども聞き、こうした青少年を育成する施策を今の時代に合わせて充実させ、青少年にとって、より有意義で魅力的なものにしていきたいと強く思いました。  そこで、科学分野については、本県にはロボット産業特区や川崎の殿町地区などに最先端の科学を担う企業が集積していますので、こうした県内のさまざまな企業や研究機関の協力を求め、青少年が先端科学を直接体験できる機会をつくっていきたいと考えています。  また、舞台芸術は鑑賞するだけでなく、実際に演じ、舞台をつくり上げる過程によって、若者の意欲や達成感を醸成していくことができますので、青少年が舞台芸術活動により一層参加しやすくなるような工夫をしながら、学校演劇の殿堂としての機能をさらに深化させます。  一方、ひきこもりなど、課題を抱える青少年への支援や、青少年指導者の育成においても、新たな手法や課題にチャレンジしていくことが必要です。  そこで、それぞれの機能を効果的に連携させて、例えば青少年指導者育成への演劇手法の活用、ひきこもりの青少年を対象にした演劇ワークショップの開催などに取り組むほか、ネット依存など、青少年が直面する最近の課題への対応も検討します。  こうした新たな取り組みにより、青少年センターに求められる役割を充実、発展させ、青少年を取り巻く社会環境の変化に的確に対応し、神奈川の若者をしっかりと支援してまいります。  最後に、石油コンビナート地域の防災訓練の推進についてお尋ねがありました。  本県の石油コンビナートは、我が国の経済活動を支える全国有数の規模を持つ一方で、住居地域や幹線道路、鉄道などに近接しています。そのため、日ごろから災害の発生に備え、防災訓練を積み重ねていくことは大変重要です。  石油コンビナート地域では、これまでも事業所みずからが自営消防隊による放水訓練や従業員の避難訓練などに取り組むほか、県や地元市、海上保安庁などが加わり、合同防災訓練を実施してきました。  こうした中、東日本大震災で起こった千葉県の石油コンビナート地域での大規模な災害を教訓に、県は昨年3月、「石油コンビナート等防災計画」を修正し、防災訓練の充実を位置づけました。  これを受け、県では複数の箇所で同時に原油タンク火災等が発生したという想定のもとで、地元市や警察、消防、事業所と連携して、情報の共有や広域応援などの初動対応を確認する図上訓練を本年度から新たに始めたところであります。  一方、川崎市はこの11月に川崎市臨海部防災対策計画を見直し、石油コンビナート地域で大規模な災害が発生した際の近隣住民の避難計画を定めました。  この避難計画と県の初動対応訓練を組み合わせることで、より実践的な訓練になることが期待できます。そこで、県は、市の避難計画の要素も取り入れた図上訓練の実現に向けて、今後、市と調整していきます。  県としては、こうした訓練の充実を通じて、地元市や事業所と連携を深めながら、石油コンビナート地域の防災対策を引き続き着実に進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 県土整備局関係のご質問にお答えします。  崖崩れ対策についてお尋ねがありました。  県では、崖崩れから人命を守るため、ハード・ソフトの両面から対策を進めています。  まず、ハード対策についてですが、県内には擁壁等の施設整備を必要とする急傾斜地が約2,500カ所あり、整備率は約5割となっています。今後も被害を受けるおそれのある住宅が多い箇所や過去の災害、福祉施設の有無等を考慮した優先度の高い箇所から着実に整備を進めます。  こうしたハード対策は、厳しい財政状況の中、完成までにまだ相当の期間が必要となるため、避難対策など、ソフト対策を充実させることが重要です。  そこで、県では、崖崩れのおそれのある場合に、住民等に避難を促す土砂災害警戒区域の指定を平成28年度までに完了させました。これを受け、市町村では、避難場所等を記載した土砂災害ハザードマップの作成を進めています。  さらに、崖崩れにより建築物に損壊が生じ、住民に著しい被害が生じるおそれのある土砂災害特別警戒区域の指定に向けて、平成31年度までに必要な調査の完了を目指します。  特別警戒区域内で住宅等を建築する場合には、より安全な構造が求められるなど、新たな規制がかかるため、こうした内容を地権者等に丁寧に説明し、順次、区域指定を進めていきます。  今後、県はハード対策を着実に進めるため、さまざまな機会を捉え、崖崩れ対策の重要性を強く国に訴え、十分な予算の確保に努めるとともに、ソフト対策の充実強化を図り、市町村と連携しながら、県民の安全の確保に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(楯岡信一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 楯岡産業労働局長。 ◎産業労働局長(楯岡信一) 産業労働局関係のご質問にお答えします。  商店街における外国人観光客の受け入れの取り組みについてお尋ねがありました。  ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて商店街に外国人観光客を取り込むことは、商店街の活性化につながる効果的な取り組みです。  外国人観光客を引きつけるためには、外国人の方々が興味を持つ歴史、文化などに関連した商店街の資源を発掘し、効果的に活用するなど、商店街の魅力を磨き上げていくことが重要です。  そのため、県は海外からの留学生に商店街での買い物や和菓子づくりなどを体験してもらい、外国人の目線での意見をいただく事業を実施しています。  商店街がこうした意見を参考にして外国人向けの商店街観光ツアーなどを実施する場合に、商店街魅力アップ事業費補助金をより積極的に活用いただけるよう、今後、制度の拡充を検討します。  また、商店街を訪れた外国人の方々が快適に買い物や体験ができるよう、意思疎通を図るためのさまざまな対応が不可欠です。そこで、県は、インバウンドに力を入れている市町村と協力して、外国語での情報提供の有効性や手法を紹介する商店街向けのセミナーを開催しています。  加えて、日常会話や買い物などが指を指して案内できる外国人観光客へのおもてなしサポートブックを英語、中国語及び韓国・朝鮮語で作成し、商店街に配付し、活用いただいています。  今後は、今年度から県が提供している24時間対応の多言語電話通訳サービスを商店街でも有効に活用いただくよう周知を強化し、外国人観光客の受け入れ対応のさらなる充実を図っていきます。  こうした取り組みを通じて、外国人観光客の受け入れに取り組む商店街に対して、地元市町村や関係団体と連携を密にして、しっかりと支援し、商店街の活性化につなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 環境農政局関係のご質問にお答えいたします。  米政策改革への対応についてお尋ねがありました。  米の生産調整については、これまでは国が本県分の生産量を配分し、県は生産者団体の要望を聞きながら、さらに各市町村に生産量を配分することで調整を図ってきました。  しかしながら、今般の国の制度改正により、来年に作付する米から、都道府県別の生産量は示さず、それぞれの地域で全国の需要動向を踏まえ、適切な生産量を判断することとされました。  県内の米の生産量は昨年度は約1万5,000トンで、これは約25万人分に相当する量であり、ほぼ全量が県内で消費されています。  多くの県民の需要に応じるために米を増産したいところですが、価格水準を維持していくには、全国の需要動向を注視しながら、今後も生産量を調整していく必要があると考えています。  そこで、県と農協等で構成する神奈川県農業再生協議会で、市町村の意見も伺いながら対応を検討してきました。その結果、これまでの市町村別の生産量の配分にかわる地域別の生産の目安を協議会が農協や市町村等に示すことにしました。  また、米の生産は県民ニーズに応じた優良な品種を栽培することが重要であり、県では、味や食感がすぐれているか、県内の気候や土壌に合っているかなどを考慮し、奨励品種を選定しています。  平成26年度に奨励品種に選定した新品種はるみは、昨年度、全国の食味評価で県産米として初めて最も高い特Aを獲得し、人気が高まっていますので、技術指導を強化して普及拡大を図っていきます。  県としましては、こうした取り組みを農協や市町村等で連携して推進することで、農家が安心して米の生産を継続できるよう支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  特別支援学校施設の整備についてです。  特別支援学校では、児童・生徒の安全確保はもとより、健康管理の面などからも学習環境を整えていく必要がありますので、県教育委員会では、これまで建物の耐震対策や空調機の設置、トイレの洋式化などに取り組んできました。  しかし、県立特別支援学校の約25%は建築後40年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいる状態です。このため、平成28年度からスタートした「新まなびや計画」において、新設とあわせて既存の特別支援学校の老朽化対策を進めていくこととしました。  既に平成28、29年度に屋上防水などの大規模な老朽化対策工事を瀬谷養護学校など、7校において実施しています。あわせて、中原養護学校など、耐震対策が必要な9校については、できるだけ早い時期に工事が完了するよう、今年度から設計などに取り組んでいます。  そして、抜本的な老朽化、長寿命化対策が必要な校舎などについては、耐震対策とあわせて工事を行うなど、効率的な施設整備を進めてまいります。  また、トイレの環境整備については、新まなびや計画の第2期、平成35年度までに全ての校舎棟の整備を完了させる予定です。  今後も、県立特別支援学校の老朽化対策や耐震化などに着実に取り組み、障害のある児童・生徒が安全で快適に学べる学習環境の整備を進めてまいります。  答弁は以上でございます。  〔川本 学議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 川本学君。  〔川本 学議員登壇〕 ◆川本学議員 知事、環境農政局長産業労働局長県土整備局長、教育長におかれましては、ご答弁いただき、ありがとうございました。  1点、再質問をさせていただきます。  特別支援学校施設の整備についてであります。  特別支援学校においては、衣服の着脱が難しかったり、あるいは体温調節が難しかったり、感覚が過敏であったりと、さまざまな面から支援が必要な児童・生徒が在籍しております。私としては、学習・生活環境の確保が特に大事であると思います。  そのような観点から、特にトイレの環境整備についてお伺いします。  特別支援学校においては、トイレは日常生活の活動や動作を学ぶ教育の場でもあります。そのような意味で、トイレの老朽化対策や環境改善を行う際には、明るさ、便器数、スペースの広さなどについても配慮していただきたいという現場の切実な要望であります。  そこで、教育長に伺います。  特別支援学校の場合は、個々の学校の事情に合わせたきめ細やかな対応をお願いしたいのですが、教育長の見解を伺います。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 川本議員の再質問にお答えいたします。  特別支援学校のトイレについては、学校現場からも、生徒増に対応するため、便器の数をふやしてほしい、あるいはもっと明るくきれいにしてほしいなどの要望をいただいております。  今後、こうした学校の話を丁寧に聞きながら、「新まなびや計画」の早い段階で工事に努めるなど、各校それぞれの実情に応じたトイレ環境の整備に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔川本 学議員発言の許可を求む〕
    ○議長(佐藤光) 川本学君。  〔川本 学議員登壇〕 ◆川本学議員 再答弁いただき、ありがとうございました。  それでは、最後に意見・要望を申し上げます。  まず、再犯防止対策の推進についてであります。  知事から丁寧に答弁いただき、ありがとうございました。  国、県、その他の関係機関と地域がしっかり連携して、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支える仕組みが充実していくと期待感を持つことができたと私は思います。  こうした取り組みが地域に根づき、犯罪をした人が住まいと仕事を得ることができれば、更生への意思は確たるものとなり、再犯者率を低下させることができると信じています。私としては、二度と罪を犯させない再犯防止推進立県かながわを目指す気概を持って、県に再犯防止の取り組みを進めてもらうことを要望します。  次に、米政策改革への対応についてであります。  全国ベースでの米価安定にも配慮し、県産米の需要動向も見据えた県内各産地の生産を誘導していく上では、これまで国からの配分を受け、市町村ごとの配分を行ってきた県の助言・指導が引き続き必要と考えます。  今後も、関係団体や市町村と連携しながら、積極的にかかわるとともに、売り出し中の新品種はるみなどのブランド化を進め、神奈川の米の評価を高めることを要望します。  次に、石油コンビナート地域の防災訓練の推進についてであります。  これについては、知事から、市とも調整しながら、関係機関と一体となって、訓練の充実を検討していくという前向きなご答弁をいただきました。  具体的な訓練内容については、今後、調整されていくと思いますが、想定し得る厳しい条件を設定し、訓練を実施することは、万一の場合に備える意味から意義あることだと承知しております。  今後も、コンビナート地域の防災力が向上するよう、関係機関と一体となり、訓練のさらなる充実に努めてもらうことを要望させていただきます。  次に、商店街における外国人観光客の受け入れの取り組みについてであります。  引き続き商店街がみずからの魅力を磨き上げるとともに、外国人観光客への接客の不安を取り除き、外国人観光客と容易に意思疎通を図れるよう、県としてしっかりと支援し、商店街振興につなげていくことを要望します。  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(佐藤光) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤光) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時22分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028225-質問・答弁-中村武人議員-一般質問①行政の歳出削減と効率化に向けた取組について②県政の諸課題について》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共95名 ○議長(佐藤光) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 質問を続行いたします。  中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕(拍手) ◆中村武人議員 横浜市神奈川区選出の中村武人です。  議長のお許しをいただきましたので、私はかながわ民進党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  知事、政策局長、環境農政局長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  質問の第1は、行政の歳出削減と効率化に向けた取組について、4点お伺いいたします。  まずは、人口減少・超高齢社会に備えた県の長期財政見通しについて伺います。  知事は本年度の予算編成において、攻めの予算という言葉を使いました。高齢化に伴う歳出の拡大、格差是正のための児童に対する各種手当、経済のエンジンを回す施策、さまざまな課題に対して必要な事業の財源不足を補うため、あらゆる手段で財源を確保するという姿勢は一定の理解をさせていただきます。  しかし、私は、これから先も永遠に攻めの予算を続けることは不可能であると考えています。そう考える理由は、平成28年3月に作成した「神奈川県人口ビジョン」にあります。  〔資料提示〕  この人口ビジョンによると、平成29年11月現在推計で916万4,373人の本県の人口は、2040年に858万2,000人にまで減少すると予想されています。また、同年、高齢化率も34.2%に達し、県民の3人に1人を高齢者が占めるという意味で、大きなターニングポイントとなる年であると理解できます。  私は、このような人口減少時代、そして超高齢化時代が到来したときに、攻めだけでなく、適正な予算規模で財政運営をしなければならないという問題意識を持っています。そのためには、県民のために何をするのかだけでなく、反対に何をしないのかも重要になってきます。無駄をなくす、行政効率を上げる、それだけでなく、歳入に合った予算編成、すなわち歳出の削減にこだわらなければなりません。  予算編成時における歳出削減を考えたときに、一つ一つの施策を精査することはもちろん大切ですが、人口減少・超高齢時代を迎えたときに本県の財政がどのようになっているのか、長期かつマクロな視点が重要になります。  現在、県では中期財政見通しを作成し、平成32年度までの推計を出していると承知しています。見通しによると、平成32年度の財源不足はマイナス1,300億円となっており、単年ごとに一喜一憂できないことが理解できます。しかし、平成32年度までという期間では、肝心の人口減少社会・超高齢社会を迎えたときの財政を認識することはできません。  また、税収等の設定において、内閣府が作成した中・長期の経済財政に関する試算をベースとしており、今後、国全体の財政の動きを考えると、少し楽観的な設定になっているという問題点も感じます。  私は、2040年を迎えたときに県の財政はどうなっているのかを認識した上で、人口減少社会・超高齢化社会に伴う歳入の課題への対応、サービス需要の変化に伴う歳出のあり方、不断の行政改革による無駄の削減、新たな技術に対応した行政効率の追求など、さまざまな課題を今から考えて、一年一年の財政はどうあるべきか判断する必要があると考えています。  そこで、知事に伺います。  今後も神奈川県の財政が持続可能であるためにも、2040年までといった長期的な財政見通しを策定していくべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、都道府県官民データ活用推進計画について伺います。  神奈川県の歳出削減のためには、限られた予算の中で行政効率を上げて、コスト削減をすることは大変重要な取り組みです。また、同じ予算で、今まで以上に住民サービスの向上を目指して行政運営を行うことも大切な取り組みと考えます。  そのような中、ICTの活用は、コスト削減の側面はもちろんのこと、国民の利便性向上など新たな価値を生み出す側面があり、昨今のIT技術の飛躍的な進歩により、ICTが業務のさらなる効率化や職員の生産性の向上に大きな役割を果たすことがますます期待されています。  こうした状況を背景に、昨年の12月、官民データ活用推進基本法が公布・施行され、国では、今年の5月に世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画を策定し、観光や農林水産などのさまざまな分野における電子化やデータ活用を積極的に推進する方針を打ち出したと承知しております。  この法律に基づき、官と民が保有するデータを相互につなげて活用することで、事務負担の軽減、地域課題の解決、住民及び事業者の利便性の向上が図られ、全ての県民が真に豊かさを実感できる社会の実現が期待されています。そして、この取り組みは国だけでなく、国と地方公共団体等が一体となって取り組む必要があることから、都道府県についても、当該区域における計画を策定することが法律で義務づけられております。  本県では、このような国の動きに先駆け、平成26年3月に「電子化全開宣言行動計画」を策定し、ICTを活用して「かながわグランドデザイン」の取り組みを加速する計画として、観光・農業などの各分野のICT化施策を推進するとともに、県が率先してICT化を進め、仕事のやり方を徹底的に見直すことで、大胆な経費削減に取り組んでいるとのことです。  しかし、この行動計画を改めて見たところ、実際に行うべき行動についての記述はありますが、施策の進捗に関する指標がなく、具体的な達成度や成果を確認することができません。また、専門用語も多く含まれていることから、必ずしも県民にわかりやすく伝えられていないのではないかと感じています。  本来であれば、ICTを活用した効果は具体的な数字で示す必要があります。例えば、電子化全開宣言行動計画にはスマート神奈川という項目があり、さまざまな施策と取り組みに係る予算が記載されていますので、その予算に対してどれだけ行政効率が向上したのか、経費削減が実現したのかについて、数字で県民に示さなければなりません。  今後、基本法に基づき、県でも都道府県官民データ活用推進計画を策定することになりますが、かながわグランドデザインの取り組みをより一層加速するためにも、都道府県官民データ活用推進計画に位置づける各分野の取り組みが、ICTやデータの活用により効果的に展開される姿を、また行政効率がどれだけ向上したかを、県民にわかりやすい手法で見える化することが重要であると考えます。  そこで、政策局長に伺います。  国の計画と行動計画を踏まえ、都道府県官民データ活用推進計画をどのような形で策定し、達成度の見える化を図っていくのか、その方針についてお伺いいたします。  次に、神奈川県農業公社の経営安定化について伺います。  今年の6月9日に閣議決定された未来投資戦略2017における地域経済好循環システムの構築の中で、攻めの農林水産業の展開という項目があります。その中には、コストの抑制と商品力の強化が示されており、具体的な施策として、農地中間管理機構の機能強化が取り上げられております。  本県においては、この事業を担う農地中間管理機構として神奈川県農業公社が指定されており、県内の農地集積を促進するため、農地の借り受け、貸し付けを推進する事業を行っていると承知しています。  このような重要な施策を推進する農業公社の経営の安定化は不可欠であり、県は、第三セクター等法人の経営改善を図り、施策を効率的に推進することを目的に、法人の指導、調整を行っております。農業公社も県の指導のもと経営改善目標を設定し、経営の安定化に努めていますが、そのためには効率のよい事業の取り組みが重要であり、施策の費用対効果をしっかりと認識する必要があります。  しかし、残念ながら、農業公社が公表している決算報告書によれば、公社の経営は悪化しており、その経営改善におけるさまざまな取り組みの目標は示されていますが、事業費に見合う実績の効果指標は示されていないようであります。  例えば、先ほど述べた農業公社の中核的事業である農地中間管理事業については、経営改善目標の取組実績として借り受け面積が記載されています。平成26年の実績は、3.2ヘクタール、平成27年度は16ヘクタール、平成28年度は20.7ヘクタールと確かに借り受け面積は上昇しています。しかし、これだけでは、成果当たりのコスト概念がないため、本当に事業がうまくいっているかどうか、判断することはできません。  〔資料提示〕  実際、これらのコストがどうなっているか調べてみると、平成26年にかかった人件費、委託費を含めた農地中間管理事業費の補助金の金額は377万9,000円、平成27年度は1,958万396円、平成28年度は2,954万8,084円となっています。より多くの経営資源を投入すれば、その分、賃借面積が上がるというのはある意味当然です。  そこで、1ヘクタール当たりのコストを計算してみたところ、平成26年度は118万938円、平成27年度は122万3,775円、平成28年度は142万7,444円となっています。残念ながら、効率性の観点からすると、平成26年度から28年度にかけては悪くなっていると指摘することができます。  言うまでもなく、賃借面積当たりの費用が上がるということは効率性が下がっていることになり、無駄が発生している可能性があります。経営の安定化のためには、こうした無駄を改善する必要があります。反対に、賃借面積が増加し、賃借面積当たりにかかったコストが下がっているとすれば、事業に投入した資金が効率よく使われたと言うことができます。  成果当たりのコスト概念を導入することで、業務の進め方が正しいのか確認することができ、それに基づいた業務改善を行うことができます。結果、農地中間管理事業が円滑に実施されることになり、農業公社の経営の安定化につながると考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  県として農業公社の経営安定化に向けて、どのように取り組んでいくのか、ご見解をお伺いいたします。  次に、医療費適正化に向けたデータヘルス計画の推進について伺います。  歳出の削減を考えたときに、高齢化に伴い増加している医療費に目を向ける必要があります。  〔資料提示〕  厚生労働省が3年に1度公表する都道府県別医療費によると、神奈川県の県民医療費は平成23年度と平成26年度で比較すると、2兆3,859億円から2兆5,989億円とふえており、伸び率は8.9%と、全国平均の5.8%を超える伸び率になっています。  もっとも、県民の命と健康を守るために必要な医療費を削減することは本末転倒でありますし、平成27年度の国民医療費において、本県の1人当たりの都道府県民医療費は、埼玉県、千葉県に次いで全国で3番目に低い県となっており、他の都道府県に比べて医療費の適正化が相対的にうまくいっていると承知はしております。  しかし、本県の県民医療費は、これまで一貫して国民医療費の伸び率を上回って推移し、今後も全国を上回る勢いで高齢化が進むと推計される中で、医療費適正化のために不断の努力が必要であることに変わりはありません。  最初に結論から申し上げますと、本県がさらなる医療費の適正化を進めるためには、データヘルス計画を推進することが有効であると考えております。  データヘルス計画とは、各保険者が健康診断などのデータを活用して、保健事業をPDCAサイクルで効果的・効率的に実施するために、作成が求められている計画であります。  経済財政運営と改革の基本方針2017においても、全ての団塊の世代が後期高齢者となる2025年度を見据え、データヘルス等を通じて、国民の生活の質を向上させるとともに、世界に冠たる国民皆保険等を維持し、これを次世代に引き渡すことを目指すと示されているように、保険者によるデータヘルスの推進は、医療費適正化を通じて国民皆保険を維持していくために重要な取り組みであると考えます。  県内各市町村が運営する国民健康保険においてデータヘルス計画を策定する必要がありますし、平成30年には都道府県も保険者に加わり、市町村国保の財政運営の責任主体となることも考えると、その取り組みに対して、県として支援を行うことは大変重要な取り組みであると考えております。  医療費の伸び率の適正化を図る「神奈川県医療費適正化計画」は平成30年に改定される予定となっておりますが、私はその改定にデータヘルス計画を位置づける必要があると考えます。また、市町村との会議を通じてデータヘルス計画の支援を強化すべきとも考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  市町村が行うデータヘルス計画の策定に向けて、県はこれまでどのような支援を行ってきたのか、また、今後どのような支援を行っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 中村議員のご質問に順次お答えしてまいります。  行政の歳出削減と効率化に向けた取り組みについて、何点かお尋ねがありました。  まず、人口減少・超高齢社会に備えた県の長期財政見通しについてです。  本県では、これまでも中期的な展望のもとで財政運営に当たるため、複数年にわたる財政見通しを策定し、県として取り組むべき財源確保対策の方向などを示してきました。直近では、平成28年3月に32年度までの5年間の収支を推計し、中期財政見通しを策定しました。  本県は、財政需要に比して不十分な歳入や、義務的経費の比率が高いことによる硬直化した歳出といった課題を抱えていますが、いまだ根本的な解決には至っておらず、大変厳しい財政状況が続いています。  特に、今後の人口減少と高齢化の急速な進展に伴い、介護・医療・児童関係費が大幅に増加するとともに、老朽化した公共施設の更新に多額の費用が必要となります。加えて、県民生活に深くかかわる喫緊の課題に対しても、しっかりと対応していく必要があることから、今まで以上に厳しい財政運営を迫られることになります。  私は、将来にわたり、適切な県民サービスを提供していくためにも、中・長期的な展望を持って財政運営を行うことが大変重要と考えております。  しかし、国において、地方税財政制度や社会保障制度が毎年のように変更されることから、地方自治体が20年といった長期にわたる税収動向や介護・医療・児童関係費などの歳出経費を的確に推計することは事実上、困難です。このため、過去に策定した財政見通しでも2年から5年の期間を設定し、推計してきたところです。  今後、新たな財政見通しを策定する際には、国における地方税財政制度改革の動向などを踏まえ、適切な期間を設定し、推計してまいります。  次に、医療費適正化に向けたデータヘルス計画の推進についてです。  データヘルス計画は、市町村が特定健診等のデータを活用して、生活習慣病の重症化防止などの保健事業を効果的に行うための計画です。  データヘルス計画に盛り込む保健事業としては、特定健診の受診率向上のための働きかけや、生活習慣病のリスクが判明した方に医療機関への受診を勧めたり、保健指導を行う取り組みなどがあります。こうした取り組みにより、住民の主体的な健康管理を促進するとともに、早期に医療機関を受診することで、医療費を適正化する効果が期待できます。  県は、これまで神奈川県国民健康保険団体連合会と連携して、計画策定のポイントやデータの活用方法についての研修会を開催するなど、市町村のデータヘルス計画の策定を支援してきました。その結果、今年度までに県内27の市町村がデータヘルス計画を策定しましたが、策定が未了の市町村もあります。  このような中、平成30年からの国民健康保険制度改革においては、市町村の医療費適正化や未病改善の取り組みに応じて、国や県から交付金が交付される仕組みが設けられています。  そこで、県は今年度改定予定の「神奈川県医療費適正化計画」にデータヘルス計画を位置づけた上で、引き続き市町村に対する支援をきめ細かく行っていきます。  こうした対応により、全ての市町村でデータヘルス計画が策定され、県内全域でデータを活用した効果的な保健事業の実施と医療費の適正化が進むよう取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔政策局長(大竹准一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 大竹政策局長。 ◎政策局長(大竹准一) 政策局関係のご質問にお答えいたします。  都道府県官民データ活用推進計画についてお尋ねがありました。  県では、平成26年に「電子化全開宣言行動計画」を策定し、公衆無線LANの設置など、ICTを活用した県民生活の利便性の向上や、タブレット端末の導入など、県庁の電子化による業務の見直し、経費削減に取り組んできました。  また、行動計画にはオープンデータの推進も盛り込み、市町村との連携により、AED設置施設や災害時の避難場所、公園に関するデータなどの民間活用を積極的に進めてきました。  この行動計画は、平成30年度に最終年度を迎えることから、現在、次期情報化計画の策定に向けた検討を進めているところです。  一方で、昨年12月に施行された官民データ活用推進基本法に基づき、地方の特性や実情を踏まえた県の官民データ活用推進計画を策定することが求められています。  基本法では、官民データの利活用推進のための基本的施策として、行政手続の電子化やオープンデータの推進、情報システムの見直しなどが位置づけられており、これらは県が行動計画で進めてきた内容と重なっています。  そこで、県では、官民データ活用推進計画と次期情報化計画を一体的な計画として策定していきたいと考えています。  そして、計画策定に当たっては、定量的に達成度合いがはかれる施策に関して、できるだけ具体的な数値目標を設定して、進捗を客観的な視点で評価し、見直す、PDCAサイクルによる進行管理を行えるようにします。また、計画の内容が県民の皆様から見てわかりやすい表現となるよう努めていきます。  今後、全庁的な検討体制のもとで、県が進めるさまざまな施策との整合性を図りながら、行政の電子化やオープンデータのさらなる推進により、行政の一層の効率化や県民サービスの向上を目指す計画を策定してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 環境農政局関係のご質問にお答えいたします。  神奈川県農業公社の経営安定化について、お尋ねがありました。  農業公社は高齢化して農作業が困難となっている農家等から、営農意欲の高い農家等への農地集積を促進するため、農地の貸借を行う農地中間管理事業と農地の売買を行う事業を実施しています。  また、昨年度までの3年間の事業の実績は、農地中間管理事業は貸借面積が年々増加していますが、目標とする面積には届いておらず、農地売買事業は売買面積が年々減少しています。  そうした中で、農業公社の経営状況は3年連続で経常収支が赤字となっており、二つの事業の収支を改善していく必要があると考えています。  そのためには、農地中間管理事業については、農家等との交渉に要する人件費などの経費は、国と県の補助金で賄われる仕組みとなっていますので、コスト意識を高めて、より多くの成果を上げることが求められます。  また、農地売買事業については、事業費を農地の売買による手数料で賄うことになっていますので、積極的に売買面積を拡大し、手数料収入をふやして収益を確保していくことが重要です。  さらに、県内の農地の需給状況は需要が供給を大きく上回っていますので、今後、農地集積を促進していくには、農地を供給する貸し手や売り手として期待される農家を掘り起こしていく必要があります。  そこで、農業公社が市町村やJA等と連携し、農地の貸し手や売り手として期待される農家の情報を把握して、個別に働きかけができるように体制の強化を図るための支援を検討していきます。  また、体制の強化を図る際には、議員からご指摘がありましたように貸借面積当たりのコストや売買面積当たりのコストが低下しているのか、毎年度確認して必要な業務改善を指導していきます。  県としましては、こうした取り組みを通じて、県内の農地集積を促進する中核的な役割を担っている農業公社の経営安定化を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事並びに政策局長、環境農政局長、ご答弁いただきました。  1点、医療費適正化に向けたデータヘルス計画の推進について、再質問させていただきます。  県がデータヘルス計画の策定に対して、市町村を支援していることは理解させていただきました。しかし、私は、策定の支援をして、それで終わりということではなく、策定後も市町村の取り組みに対して支援することが大切だと考えていますが、県としてどのような支援を行うのか、知事のご見解をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  データヘルス計画は、策定後の支援も大変重要と私は考えております。そこで、県は神奈川県国民健康保険団体連合会と連携しまして、計画に基づく市町村の保健事業の円滑な実施や実施後の事業評価の方法について、保健医療の専門家も交えて助言を行う場を設けるなど、計画策定後もきめ細かい支援を行ってまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 それでは、何点か要望を申し上げます。  最初に、都道府県官民データ活用推進計画について要望させていただきます。  成果の見える化に対して、具体的な指標を取り入れて見える化を図るというようなご答弁があったと思います。その具体的な取り組みを選ぶ際に、まず、問題点があると思うのです、地域の課題とか。ぜひその課題を解決するために何が必要かという観点を考えていただいて、それに対する具体的な指標作成をお願いします。課題解決に結びつかないような遠い設定をしたとしても、それは余り意味がありませんので、指標を達成することによって、その地域の問題、あるいは県庁の問題が解決できるというような流れになるのが目的であると思いますので、そういった課題設定の取り組みをよろしくお願いいたします。  今後、神奈川県官民データ活用推進計画の策定に当たっては、適切な具体的な指標の設定を改めてお願い申し上げます。  次に、神奈川県農業公社の経営安定化について要望させていただきます。  コストの意識を持つということでご答弁いただきました。本当に正しいと思います。やはり目的が正しく、また、その目標に達していないからといって、それだけでどんどん予算を拡大していくというのは、とても危険だと思いますので、今回、局長からこういう答弁をいただきましたので、しっかりと経営の安定化に努めていただき、今後も農業公社の安定的な事業の運営に取り組んでいただきたいと思います。  それと、長期財政計画について、知事からご答弁をいただきました。  私は、2040年という期間までが重要かなと思います。ただ、知事からいろいろ答弁を伺いまして、そういった課題があると認識しております。適切な期間を設定して必要に応じてやるということでございましたので、その際は知事も臨機応変に財政の運営に取り組んでいただけたらと思います。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 次に、県政の諸課題について、2点伺います。  まずは、生活困窮者の就労支援について伺います。  私は、以前、ひきこもりの就労支援について質問させていただきました。その際、ひきこもりの人たちの地域での活躍の場として企業に注目し、企業に対してひきこもりをめぐる現状等を理解してもらう必要があると述べました。知事からは、地域の企業や商店街などへの理解を促進し、ひきこもりの若者への支援につなげるという答弁をしていただきました。大変心強い答弁であり、知事の意気込みを感じた次第ではあります。  しかし、企業への理解促進の働きかけは問題解決の第一歩にすぎません。ひきこもりの段階から就職活動、一般就労に至る過程において、さまざまな就労支援をしていくことが次の重要な取り組みであると考えております。  こうした取り組みとしては、生活困窮者自立支援制度の就労準備支援事業や就労訓練事業などの支援策があることは承知しています。しかし、残念ながら、神奈川県においては余りこの制度が活用できていません。  〔資料提示〕  就労準備支援事業の県内自治体の実施割合は、全国の44%を下回る40%であり、任意事業であるため、都道府県ごとにばらつきはありますが、まだまだ本県内の取り組みは十分と言えない状況です。  就労訓練事業も制度的な課題があり、全国的に低い認定状況になっています。県内では平成29年3月31日現在で県が認定した事業所は5カ所、横浜市が33カ所、相模原市が16カ所で合計54カ所となっており、今後、全県展開となるためには、本県の頑張りが必要であることが理解できます。  私は、就労準備支援事業や就労訓練事業について、国が先進例として取り上げた大阪府に赴き、大阪府や他の自治体での取り組みなどを伺ってまいりました。お話を伺い理解できたことは、成功の秘訣は市町村連携と広域支援、事業所への直接支援ということです。  大阪府では、府が中心になって管内自治体に働きかけ、同一の民間事業者に共同して就労準備支援事業などを委託し、参加自治体に対し、就労体験先の手配、求職活動に必要な能力の形成など、直接に支援を行っています。また、認定就労訓練事業所の担当者と自治体職員との意見交換会、市町村連絡会議の開催など、市町村と連携し、事業の推進に取り組んでいるとのことでした。  私は、神奈川県においてもこのような成功事例を参考にし、ひきこもりの方々だけでなく、生活困窮者の就労に向けた訓練の場を全県挙げて開拓すべきだと考えます。  そこで、知事に伺います。  本県におけるひきこもりの人も含めた生活困窮者に対する就労準備支援事業や就労訓練事業について、県内の現状をどのように捉えているのか、また、こうした取り組みを、県内各市と連携して充実させていくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。  最後に、留学生の就職支援について伺います。  私は、私自身が行った最初の一般質問において、本県の国際施策に対して、海外の優秀な若者を本県に呼び込む入り口から出口までのトータルな施策を検討すべきと主張し、特に入り口の段階での積極的な留学生呼び込み施策を進めるよう、知事に提案をさせていただきました。  また、2回目の一般質問においては、外国籍県民の子育て支援、かながわ国際ファンクラブの活性化など、本県に在籍する外国籍の方の支援を通して、本県のさらなる魅力を高めることを提案させていただきました。  私の提案に対しては、いずれも前向きな答弁であり、国際施策に対して先進的に取り組んできた本県の伝統を改めて感じさせていただいた次第であります。  国際施策のうち、出口の部分に関しては、留学生に対してさまざまな選択肢があることが望ましいことは当然でありますが、海外の優秀な人材が本県で学んだ後も本県で就業を希望し、それが実現できれば、就業による県内定住者の増加、県内経済の国際展開の支援、企業による地域経済活性化といったさまざまな、そして重要な効果を発揮するものと期待ができます。  このことは国の側でも明確に認識しており、日本再興戦略2016の中で、外国人留学生、海外学生の本邦企業への就職支援強化を打ち出し、外国人留学生の日本国内での就職率を5割に向上させることを目指しているところであります。  しかし、残念ながら、独立行政法人日本学生支援機構の平成27年度外国人留学生進路状況調査によれば、全国平均において大学卒業後の日本国内での就職率は39.7%、専修学校の卒業後の日本国内就職率は25.9%となっています。  〔資料提示〕  また、本県が実施した平成29年度神奈川県内大学等在籍留学生調査の結果でも、本県の留学生の大学卒業後の日本国内での就職率は33.5%、専修学校の卒業後の日本国内就職率は26.6%となっており、就職率は5割に遠く及ばない状況になっています。  単に留学生が日本国内企業への就職を希望していないのなら、これは仕方がないとも言えますが、同じく独立行政法人日本学生支援機構の平成27年度私費外国人留学生生活実態調査によれば、大学在籍の留学生の69.9%、専修学校在籍の74.8%の人が日本において就職を希望していることを考えると、現状は大変寂しい状況にあると理解ができます。  このような状況の中で、文部科学省は、大学が地域の自治体や産業界と連携し、国内・日系企業の就職に重要なスキルである日本語能力、日本での企業文化等キャリア教育、中・長期インターンシップを一体として学ぶ環境を創設する取り組みを支援する留学生就職促進プログラムという事業の公募を行い、横浜国立大学・横浜市立大学が共同で応募し、提案が採択されたと聞いております。  本県の大学の提案が採用されたことは、本県へ就職する留学生をふやす絶好のチャンスであります。言うまでもなく、本県には大企業から中小企業まで魅力あふれる企業が多数存在しますが、大学が個々にインターンシップ先を開拓するだけでなく、県が一括してやったほうが効果的な取り組みもあると考えます。  したがって、今回、県内の大学から出された提案を生かすためにも、本県がインターンシップ企業の開拓について積極的な取り組みを行うべきであると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  海外の優秀な若者を本県に呼び込む入り口から出口までのトータルな施策の中で、出口の段階において多くの留学生に県内企業に就職してもらうための施策が必要と考えますが、留学生の就職について、ご所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題についてお尋ねがありました。  まず、生活困窮者の就労支援についてです。  就労準備支援事業は、生活リズムや対人関係に課題がある方に、居場所や就労体験の提供を通じて基本的な生活習慣を身につけてもらうことを目的とする事業で、県内で実施している自治体は県を含め、8自治体と、いまだ少ない状況にあります。これは、支援ができる地域のボランタリー団体の把握が難しく、事業化しづらい状況があることが要因と認識しています。  また、就労訓練事業は、就労が困難な方に就労時間等に配慮した就労の場を提供するものです。現在、県が事業所を認定していますが、この事業は社会福祉法人等の社会貢献事業とされ、手続が煩雑なことや、財政的な支援がないなどの課題があり、認定事業所がふえない状況にあります。  これらの課題を踏まえ、国に制度の改善を働きかけているところですが、県としても、県内の就労支援の充実に向け、市町村と連携した取り組みを充実させていくことが必要であると認識しております。  就労準備支援事業の充実に向けては、県内のボランタリー団体を把握するなど、事業の実施に向けて必要な情報を市町村に提供していきたいと考えています。具体的には、今年度から、かながわボランタリー活動推進基金21を活用した協働事業として、生活困窮者支援を行う団体の開拓調査を行い、それにより得られた情報をポータルサイトで公表していきます。  こうした取り組みに加え、既に就労準備支援事業を実施している県内自治体の状況を参考にしながら、事業の実施方法の検討を行うなど、未実施の自治体に対する支援も継続してまいります。  また、就労訓練事業所の拡大は、支援対象者の身近な地域での就労支援の充実につながることから、地元の社会福祉法人や民間事業所とかかわりの深い市の協力を得ながら、事業者への働きかけを強化していきます。  今後とも、県内自治体と連携し、生活困窮者に対する就労支援事業の推進にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、留学生の就職支援についてです。  現在、県内の大学等には1万2,000人以上の留学生が在籍し、年々増加する傾向にあります。一方、本県では、少子化の進行、高齢化の加速に伴う労働力人口の減少などにより、今後、産業を支える人材を確保していくことが求められます。  そうした中、優秀な留学生には卒業後に県内で就職することが期待されますが、実際には就職に結びつくのは少数にとどまっているのが現状です。  そこで、留学生の採用に意欲がある中小企業等を対象に、留学生の就職の現状や受け入れのメリット等をテーマとしたセミナーを開催するとともに、県が設置するKANAFAN STATIONでも留学生の就職に関する情報提供や相談を行っています。  また、アジアへの海外展開のために留学生を採用しようとしている県内企業と、留学生による合同会社説明会も開催しています。  さらに、今年度から、教育機関、企業、経済団体、行政などでかながわ留学生支援コンソーシアムを立ち上げ、今後の留学生の就職支援等について意見交換や議論を行っています。  また、就職支援の中でもインターンシップは非常に貴重な機会であり、県では横浜国立大学等が実施する留学生就職促進プログラムと連携し、コンソーシアム会員の経済団体等を通じて積極的に企業への働きかけを行います。  さらに、留学生支援に意欲のある県内の複数の大学等を拠点として、周辺校の留学生も対象に出張相談を行うなど、就職支援を強化充実していきます。  将来、県経済の担い手として期待される優秀な留学生が県内企業に就職して活躍することは、本県経済の活性化に大変重要であり、今後も受け入れから就職まで、留学生の支援に積極的に取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔中村武人議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 中村武人君。  〔中村武人議員登壇〕 ◆中村武人議員 知事より答弁いただきました。  最後に、時間も余っておりますので、要望を述べさせていただきたいと思います。  生活困窮者の就労支援についての、まずは要望いたします。  これは知事ご存じのとおり、生活困窮者自立支援制度の問題点は、国のほうでも大分認識しているようで、来年の平成30年度には厚生労働省が改正法案の提出を予定しているとのことです。  その中の論点整理として行われている社会保障審議会の中では、この生活困窮者自立支援及び生活保護部会というところで議論されているのですけれども、いろいろな論点というのは既にそこで提示されております。その中に具体的に都道府県として、こんなことをやったほうがいいのではないかということも議論されております。  もちろん実際にどのような法改正になるかは、今後も注視しなければなりませんが、知事もおっしゃられたように、法改正を待たずともやれることはあり、実際、結果を出している都道府県もあります。  今回、知事の答弁にもあったような、さまざまな形で就労現場を開拓していくこと、また、ホームページで情報を共有するということは、国の動きに先んじて知事が行った新しい取り組みと理解しました。こうした新たな取り組みには、知事のリーダーシップは不可欠だと考えますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。  そして、留学生支援についてなんですが、神奈川県が魅力あってこそ、いろいろな優秀な留学生が入り口の段階から出口の段階まで来てくれるものと思っております。こういった国際政策においては、知事のリーダーシップ、これまた必要だと思っておりますので、ぜひとも今後とも神奈川県の魅力を高めて優秀な外国人の留学生を本県に呼び込んでいただけるよう、知事のリーダーシップを改めて要望させていただきます。  少し早いのですが、これで私の質問を終わりたいと思います。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028226-質問・答弁-西村くにこ議員-一般質問①女性の視点を活かした防災対策について②イクボス宣言後の取組について③多頭飼育崩壊に対応するための条例整備について④骨髄移植の推進について⑤ICTを活用した神奈川県総合リハビリテーションセンターの機能強化について⑥今後の県立の図書館におけるデジタル情報への取組について⑦「夜間中学」の設置に向けた取組について⑧殿町地区[キングスカイフロント]への交番設置について》   〔西村くにこ議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 西村くにこ君。  〔西村くにこ議員登壇〕(拍手)  〔議長退席、副議長着席〕 ◆西村くにこ議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、質問をいたします。  知事並びに教育長、そして警察本部長におかれましては、明快かつ前向きなご答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  私の最初の質問は、女性の視点を活かした防災対策についてです。  平成23年10月、東日本大震災における課題を明らかにするため、我が党の女性議員で全国の市町村を対象とした調査を実施し、その結果、地域防災計画の内容や避難所運営などに女性の視点が余り反映されていない実態が浮き彫りになりました。  当時は、本県でも防災会議の委員は全員男性であり、県内には女性が入団できない消防団が存在しました。私はこのことを深く受けとめ、一般質問で2度にわたり取り上げましたが、知事からは、防災会議の委員に知事枠を活用して女性を登用していくことや、消防団などに女性の参加を促進するとの前向きな答弁をいただいたところです。  〔資料提示〕  しかしながら、その後も、毎年のように大規模災害が発生しており、昨年4月の熊本地震では、東日本大震災を教訓として女性の視点を防災に生かす取り組みがなされていたにもかかわらず、現実には、避難所生活における問題が山積していることが明らかとなりました。  国の報告書によれば、避難所は過密な状態が続き、高齢者や女性、子育て世帯への配慮に課題があったとされています。一方で、女性警察官などが避難所を訪問し、対応に当たったことで、女性を含めた被災者のニーズの把握が円滑に進んだとも報告されており、防災活動を担う女性の育成も重要だと感じたところです。  先月、仙台市で世界防災フォーラムが開催され、被災地発の防災論議が展開されました。トーク×トーク女性たちのリーダーシップというセッションでは、女性が平時から防災やまちづくりにかかわり、意思決定にも参画する必要性が確認をされたところです。  本県でも、防災会議の委員や消防団員、地域活動に参加されている方々など、さまざまな立場の女性による(仮称)女性防災会議が開催されれば、より具体的な女性の視点を吸い上げることができるのではないでしょうか。  また、東京都では、女性の視点からみる防災人材の育成検討会議を4月に立ち上げ、防災活動を担う女性の人材を育成するカリキュラムの検討を始めました。  本県においても、実践を盛り込んだ女性防災リーダーの育成を進めるべきと考えます。例えば、完成後のディザスターシティで女性のための訓練が実施できれば、自助の観点を持ちつつ実践的な経験が培えると考えています。  改善はされてきているとはいえ、女性の視点を生かした防災対策は、ここまでやれば十分というものではありません。これまで各地で起こった大規模災害の教訓を生かし、防災対策への女性の視点の反映や、地域の防災の担い手としての女性の育成などに、なお一層取り組むことが必要です。  そこで、知事に伺います。  本県が大規模災害に見舞われた場合に備え、女性の視点を生かした防災対策の充実が必要だと考えますが、県としてどのように取り組んでいこうとしているのか、ご所見を伺います。  次に、イクボス宣言後の取組について伺います。  昨年2月、知事を初めとする幹部職員がかながわ一斉イクボス宣言を行ったことには驚きました。というのも、育児に参加する男性、イクメンを応援する上司、イクボスの推進については、同年の第1回定例会において提言すべく、準備を進めていたからです。  男性の育児休業の取得促進に向けては、管理職の意識改革を促すとともに、職場環境を整備することが重要で、知事も同じお考えをお持ちだと知りました。  私の質問に対し、知事からは、宣言の精神を県庁全体に浸透させていくため、職員向け研修を実施するとともに、柔軟な働き方を選択できるよう、テレワークの試行等にも取り組むとの答弁をいただきました。  そして、本年5月からは、育児や介護にかかわる職員を対象とするテレワークが全庁で導入されるなど、家庭と仕事の両立支援に向けた取り組みを進めていると承知しておりますが、こうした取り組みをさらに有効に機能させるためには、職員の意識改革が最も重要であり、そのためには一過性ではなく、継続的な取り組みが必要で、繰り返し啓発することで、男性もごく自然に気兼ねなく育児休業等を取得できるような職場の雰囲気をつくっていくことが欠かせないと考えています。  株式会社日立製作所では、ワーク・ライフ・バランスの取り組みについて革新的な施策を実施されており、男性従業員の育児参加についても配偶者出産休暇を早くから設けています。注目すべきは、これらの取り組みの推進に当たって、社長みずからが定期的にイントラネットで社員に呼びかけるなど、トップが社員全員の意識を醸成する努力をしているという点です。  そこで、知事に伺います。  イクボス宣言からもうすぐ2年となる中で、取り組みを一過性のものとすることのないよう、例えば、イクボスデーやイクメンデーを設定して、知事から定期的にメッセージを発信するなど、男性の育児休業の取得促進に向けた取り組みをより一層進める必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。  次に、多頭飼育崩壊に対応するための条例整備について伺います。  平成28年度も県動物保護センターに収容された犬との殺処分がゼロとなり、犬は4年間、は3年間継続されています。殺処分ゼロの達成・継続は、ボランティアの懸命な譲渡活動によるところが大きいのですが、ボランティアは常に限界に近い状況で活動しており、今後も殺処分ゼロを継続していくためには、動物保護センターに収容される犬やの数を減らす、いわゆる入り口対策を強化していかなければなりません。  この入り口対策については、昨年の第3回定例会の一般質問で取り上げ、飼い主のいない対策について、ガイドラインの制定などご答弁をいただきました。  しかしながら、ガイドライン制定を目前にして、適切な繁殖制限等をせずに犬やを飼育し、手に負えない頭数までふえてしまう状態、いわゆる多頭飼育崩壊が県内でも発生しています。  昨年は大和市内で80頭近いの事例がありましたが、つい最近も鎌倉市内で25頭の、茅ヶ崎市内で30頭の犬の飼育放棄がありました。県動物保護センターの収容能力を超えてしまい、独自で譲渡会を開催するなど、大変なご苦労をされたと伺っています。  特に、茅ヶ崎市保健所が開催した譲渡会については、悪天候の中の緊急譲渡会ということで、さまざまな声が寄せられていると承知しておりますが、4月に保健所が設置されたばかりで、経験も少ないであろう市職員の方々が、休みを返上して譲渡会を催し、地元獣医師の先生方にもご協力いただいたことに対して、非難ではなく、評価こそすべきであり、非難されるべきは多頭飼育を崩壊させた飼い主のほうであることを忘れてはなりません。  多頭飼育崩壊の予防のためには、まず、飼育状況を把握する必要がありますが、我が会派では、今年の第1回定例会において、多頭飼育を届け出制にする条例の整備を要望したところです。  そこで、知事に伺います。  殺処分ゼロを継続するためには、条例整備も見据えた入り口対策としての多頭飼育崩壊の予防策が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。  次に、骨髄移植の推進について伺います。  このテーマについては、過去にも2回取り上げました。  〔資料提示〕  まずは、ドナー登録者の数をふやすということで、骨髄ドナー登録説明員の養成や県内大学でのドナー登録会の開催などを展開していただき、私も登録説明員の一人として活動しております。  骨髄移植においては、患者とドナーとの白血球の─HLAがなるべく一致する必要がありますが、一致した場合でも、ドナーが提供を決意する際には、幾つかの課題があります。  その一つとして、ドナー提供にかかる時間の問題が挙げられます。ドナーから骨髄液を採取する際には、全身麻酔を施し腸骨に太い注射針を刺して採取します。また最近では、事前にドナーに白血球がふえる薬剤を投与し、成分献血の要領で造血幹細胞を取り出す方法も普及してきました。  しかし、どちらの場合も事前の検査や入院でおおむね8日間程度要することから、ドナーに提供の意思があっても、仕事を休めずに断念せざるを得ないことがあり、私も、実際、ドナー登録の説明をしている中で、仕事を休めない、休むと収入に響くといった声を多々伺っています。  確かに仕事を休むことが収入の減少に直結する自営業や非正規雇用の方、アルバイトで生活を支えている学生などがドナーになる場合は、大きな壁となるでしょう。この対応策として、既に全国318の自治体では、ドナーに対し骨髄提供のために要した日数に応じた助成制度が導入されており、実施自治体を補助する取り組みも11都府県で行われています。  本県では、今年3月に、助成制度の創設と実施を求める請願を県議会が採択したところであり、制度実施に向けて検討を進めるなど、骨髄移植が進むよう環境を整えていかなければなりません。  一方、ドナーが見つかり骨髄移植ができた場合も、患者はその後の後遺症や晩期合併症などの不安にさらされており、移植後の患者をフォローアップしていく体制が必要です。  〔資料提示〕  こうしたフォローアップのためのツールとして、各地の造血幹細胞移植推進拠点病院がそれぞれに患者手帳をつくっておりましたが、移植医療関係者の訴えを受け、我が党が国で提言し、リードする形で、このほど全国共通の造血細胞移植患者手帳が作成されました。この手帳は12月1日から、拠点病院を通じて患者へ配付されているということです。県としても、例えば、この手帳が多くの患者に行き渡るよう配付に協力するなど、移植患者のフォローアップにも取り組んでいくべきだと考えます。  そこで、知事に伺います。  骨髄移植の推進に関して、県として、骨髄ドナーへの助成を含め、骨髄移植が進む環境づくりにどのように取り組んでいくのか、また、造血細胞移植患者手帳の普及など、移植患者のフォローアップにどのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。  次に、ICTを活用した神奈川県総合リハビリテーションセンターの機能強化について伺います。  〔資料提示〕  昭和48年の開設以来、国内のリハビリを牽引してきた神奈川県総合リハビリテーションセンター、その再整備も大詰めを迎え、今月からは新病院棟が稼働を始めました。これからはこの建物にふさわしい、いえ、それ以上の内容の充実が求められます。そのためには、神奈川県総合リハビリテーションセンターが持つ財産をフルに活用しなければなりません。  リハセンターの財産の一つ目は、リハビリ工学に基づき開発された福祉機器です。  11月3日の病院棟開棟式では、冬季パラリンピックで活躍するチェアスキーなど、リハセンターが取り組んできた福祉機器の数々が展示されており、目をみはるものがありました。後日、より詳しく調べようとしましたが、残念ながらリハセンターのホームページからは、せっかく開発された福祉機器にたどり着くことはできませんでした。病院の再整備を機に、このような取り組みをもっと県民にアピールし、福祉機器の普及につなげていくべきではないかと感じました。  二つ目の財産は、人財を活用したチーム医療です。  医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の多職種の人財によるチーム医療のもとに、地域と連携しながら、リハビリを提供していくことは、高度化するリハビリニーズに応えることにつながります。そして、その充実のためにはICTの導入による情報化の推進が不可欠です。患者の治療内容やリハビリの成果といったカルテ情報を一元的に管理し、タイムリーに情報を共有できるような基盤を整備することで、センター内の連携をより一層進めるとともに、将来的には地域の医療機関や福祉施設、在宅医療とも連携したリハビリの提供が可能となります。  三つ目の財産は、技術です。  しかし、その技術も個人にとどまらず、承継・普及させていかなければなりません。ここでも、ICTを活用することが考えられます。例えば、セラピストが実施しているリハビリ訓練の技術を、画像や動作分析データなども活用してデータ化・数値化し、それを蓄積し検証していくことで、より体系的で効率的な技術の承継や人材育成につなげていくことができるのではないでしょうか。  このように、リハセンターがICTを積極的に導入し、情報の共有化や人材育成に取り組むことにより、県民に対して、地域のさまざまな社会資源と連携した切れ目のないリハビリを提供でき、さらには地域のリハビリ人材の底上げにもつながることが期待できます。  そこで、知事に伺います。  新病院のオープンを契機に、福祉機器を初め、新たなリハセンターの取り組みをどのように広報していくのか、また、リハセンターの拠点機能の充実に向けて、ICTの活用による情報化や人材育成にどのように取り組むのか、知事の見解を伺います。  次に、今後の県立の図書館におけるデジタル情報への取組について伺います。  情報化の進展やタブレット端末の普及とともに、電子書籍の活用が広がっています。県内では、昨年開館した大和市立図書館で導入されていますが、今後は、他の市町村立図書館でも電子書籍の活用が進むのではないかと思われます。  一方で、県立の図書館は、市町村立の図書館とはその役割が異なり、専門的な図書・資料を収集・提供していることから、デジタル情報への対応も違いがあってしかるべきだと考えます。  まず、県立川崎図書館についてです。  〔資料提示〕  先ごろ累計入館者1,000万人を達成し、川崎市民のみならず多くの県民に利用されてきた同図書館は、高津区のKSPに移転し、来年5月には新たな地で業務を開始します。この新たな川崎図書館は、ものづくり技術を支える機能に特化した図書館として整備されると聞いていますが、ものづくり技術のかなめとなる産業技術に関する情報は、今後、紙媒体からデジタル化されたものが中心となることが想定されます。そこで、川崎図書館では、こうしたデジタル情報をいかに提供していくかが課題であると考えます。  一方、横浜市西区の県立図書館では、新棟の建設を初め、我が国のモダニズム建築の代表的な建物として評価されている現本館を魅せる図書館として改修するなど、県立図書館全体の再整備が計画されています。  県立図書館には、18世紀に翻訳された「解体新書」の初版本や、県民の暮らしや歩みを伝える16ミリフィルムなどの貴重な図書・資料が多数ありますので、魅せる図書館の整備に当たっては、これらの資料を有効に活用していくことが重要であると考えます。  そのためには、現在所蔵している紙の資料やフィルムなどをデジタル化し、より多くの方が手軽に、繰り返しアクセスできるようにすることが必要です。  紙の資料は、デジタル化することにより、オリジナルの原本を直接使用する必要が少なくなるため、損傷のおそれが減るとともに、経年劣化への対応としても、資料の内容を後世に確実に伝えていくことが期待できます。  また、フィルムは保存が難しく、基盤材が加水分解を起こすと、もとに戻すことはできません。しかし、その前にデジタル化すれば、歴史的資料を残せるだけでなく、本来の作品以上にクリアな映像になる技術も開発されていると聞いています。  そこで、教育長に伺います。  産業技術の分野などでますます増加するデジタル情報の提供や、県立の図書館が所蔵する貴重な図書・資料のより一層の活用及び資料保存の観点から、デジタル化の促進に積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、デジタル情報に対する今後の県立の図書館における取り組みについて、教育長のご所見を伺います。  次に、これまでもたびたび取り上げてまいりました中学校夜間学級、いわゆる夜間中学について伺います。  県教育委員会では、全国に先駆けて、平成28年度から県内の全ての市町村教育委員会とともに中学校夜間学級等連絡協議会を設置し、今年度は中学校夜間学級の設置に関する検討協議会を新たに立ち上げ、夜間中学の設置について研究協議を行っていることは承知しております。  また、本年4月には、神奈川・横浜の夜間中学を考える会が主催する夜間中学のドキュメンタリー映画「こんばんは」の上映会を県庁大会議場で開催するなど、積極的な啓発活動にも取り組んでおり、県内の幾つかの市教育委員会や市議会議員も参加をして、一応の理解を広げることもできました。  一方、国においては、平成28年12月に公布された義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律に基づき、平成29年4月に文部科学省が基本方針を策定しました。  この基本方針では、全ての都道府県に少なくとも1校の夜間学級を設置することや、不登校となっている中学生を夜間中学で受け入れることも可能であることが改めて示されました。  今後の夜間中学は、従来の義務教育未修了の方に加え、不登校等により義務教育を十分に受けられなかった方、虐待や無戸籍等の複雑な家庭の事情等により未就学の期間があった方、日本での義務教育を十分に受けられていない外国籍等の方、不登校の中学生など、さまざまな背景を持つ方々にとっての多様な学びの場となり、その重要性がますます高まっています。  過日、報道にあったように、埼玉県川口市では、県が支援して31年度に夜間中学が開校することが決定し、千葉県松戸市でも、県内2校目となる夜間中学が開設されます。  本県は、いち早く協議会を立ち上げながらも、いまだ具体的な設置の計画や構想が見えていない状況です。引き続き県教育委員会が主導し、今後、県民ニーズを的確に把握するとともに、これまでの枠組みの想定に縛られず、例えば国の手引にあるように、県立の中等教育学校での設置を検討するとか、市町村立の場合は、他の自治体からの受け入れについての費用負担の課題などをクリアにする役目を県が担うなど、設置に向けた次のステップへ踏み出すべきと考えます。  そこで、教育長に伺います。  夜間中学の設置に関する最近の取組状況と今後どのように取り組んでいくのか、教育長のご所見を伺います。  私の最後の質問は、殿町地区(キングスカイフロント)への交番設置についてです。  私の地元、川崎区は今、大きく変貌しています。  〔資料提示〕  中でも、羽田空港に臨む殿町地区は、平成23年3月にキングスカイフロントと命名され、同年12月、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区、平成26年5月には東京圏国家戦略特区に指定されました。  既に数多くの研究機関が進出しておりますが、先月訪れたときには、国立医薬品食品衛生研究所や慶應義塾大学殿町タウンキャンパスも稼働を始めていました。今やキングスカイフロントは世界最高水準のライフサイエンスの研究開発とリサーチコンプレックスの中心拠点であり、新産業と人財を創出する重要なエリアに位置づけられています。  さらに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までには、同地区と羽田空港を結ぶ連絡道路が整備されます。9月30日、その起工式に私も参加しました。工事現場から対岸を望むと、羽田空港の国際線ターミナルが目の前にあります。完成の暁には、世界的な研究者や政府関係者が同連絡道路を渡ってキングスカイフロントを目指すのみならず、多くの訪日客も本県に向かうゲートとして利用すると考えられ、大きな期待を抱くとともに、治安情勢の変化を懸念しました。  実は以前から、この殿町地区には交番新設を望む声があり、私も、国家的プロジェクトの拠点であり、新たな交通網の要衝となること、また、昼夜を問わず、多くの女性研究者が活躍している点などから、平成27年度の予算委員会で交番の設置について早急に検討されるよう要望いたしましたが、交番を新設する場合には、限られた予算及び人員で、交番としての機能を最大限に発揮するため、スクラップ・アンド・ビルドという原則があり、治安情勢に応じた警察力の適正・合理的な配分に配意しつつ、その地区の犯罪及び交通事故等の発生状況、面積、人口等の地域実態、道路や鉄道の整備状況等、総合的に判断して、警戒上、最も効果的な場所に交番を配置していると伺いました。  殿町地区─キングスカイフロントは、今後、より一層多くの人が行き交う地域となることから、交通事故防止や防犯の観点、そして、国際的な拠点であることを考慮した対応が必要と考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  今後の殿町地区における諸事情を踏まえ、交番の新設について県警察の対応について伺います。  以上で、私の1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 西村議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、女性の視点を生かした防災対策について、お尋ねがありました。  東日本大震災や熊本地震の教訓から、事前の備え、避難所運営、被災者支援などの災害対策全般に女性の視点を反映することは、大変重要です。そこで、県では、防災対策の重要事項を決定する防災会議に女性の積極的な登用を進めてきました。その結果、23年には一人もいなかった女性委員は、現在、12名まで増加しました。今後も、さらに女性委員の登用に努めていきます。  また、地域とのかかわりが深い女性は、災害時の共助の大切な担い手です。県では、これまでも市町村と連携し、女性消防団員の加入促進に努めてきました。今年度新たに、女性消防職員が消防の魅力をみずから語る消防女子トークも実施したところです。こうした取り組みの結果、本県の女性消防団員は、この5年間で400人以上増加しています。  また、消防学校では、昨年11月に全国初となる女性消防団員を対象とした訓練を実施しました。今後は、現在整備中の神奈川版ディザスターシティも活用し、女性消防団員の一層の能力向上に努めていきます。  このほか、女性の防災リーダーの育成を強化するため、今年度から総合防災センターで女性向けの防災講座を新たに実施します。  さらに、現在、県では、避難所運営マニュアル作成指針の改定を進めており、女性有識者から助言をいただきながら、要配慮者への対応や生活環境の向上など、避難所運営の充実にも取り組んでいきます。  こうした取り組みを通じて、女性の視点を生かした防災対策の一層の充実に努めてまいります。  次に、イクボス宣言後の取り組みについてお尋ねがありました。  今後の少子・高齢化の進展を見据えると、性別にかかわらず、育児や介護など、家庭生活と仕事とを両立させながら働ける環境を整えることが重要です。  そこで、平成28年2月、私や副知事、局長等がイクボス宣言を行い、職員が子育て等をしながら活躍できる職場の実現に向けて、積極的に取り組むことを宣言しました。  しかしながら、男性職員に限ってみると、比較的短期なものも含め、育児休業等取得率は例年1桁台で推移しており、まだまだ子育てへの参加は進んでいない状況です。  イクボス宣言を浸透させ、男性職員も育児休業を取得しやすい職場の雰囲気へ変えていくためには、まずは職場の上司がその必要性や意義をしっかりと理解して取り組むことが重要です。  そこで、部長級以上の職員や新任管理職を対象とした研修のテーマにイクボスを取り入れるなど、幹部職員の意識改革に取り組んでいます。  また、宣言を行った各局長のもと、さまざまな取り組みが進められています。例えば総務局では、各職員が休暇を取得する日をあらかじめ設定する家庭の日の取り組みを平成28年度から始めており、現在、働き方改革の中で全庁共通の取り組みへと発展しています。  また、他の局でも、子供が生まれた男性職員に対して、局長からお祝いメールを送信し、積極的な育児参加を呼びかけたり、局専用ポータルサイトに子育て支援情報コーナーを設定し、局長メッセージを発信するなど、工夫した取り組みが進められています。  こうした取り組みについては、一過性のものとすることなく、継続的に取り組んでいくことが重要です。そこで、引き続き職員研修を実施するとともに、職員向けグループウエアにイクボスポータルを開設し、子育てや介護に関する各種制度、各局の工夫した取り組みやよい事例などを共有していきます。  さらに、ご提案のイクボス・イクメンデーを設定し、私や幹部職員が定期的にメッセージを発信することについても、実施に向けて検討してまいります。  今後とも、男性の育児休業等の取得促進に向けて積極的に取り組んでまいります。  次に、多頭飼育崩壊に対応するための条例整備についてお尋ねがありました。  動物保護センターに引き取られる犬やは、動物愛護意識の普及啓発などにより、平成18年度以降の10年間で、犬は369頭から66頭に、は571頭から43頭に大きく減少してきました。  こうした中、平成28年度は5件の多頭飼育崩壊が発生し、の引き取り数が平成27年度に比べ119頭も増加しました。また、今年度も一度に20頭を超えるが収容された事例が発生しています。  多頭飼育を行う中では、しばしば飼い主の管理不足により、犬やの健康状態が悪化したり、騒音や悪臭など、近隣の生活環境に影響が生じる場合があります。また、適正に飼っている場合であっても、飼い主の死亡などにより、飼っていた動物の行き場がなくなるケースもあります。  現在、県では、多頭飼育崩壊を防ぐため、近隣住民やボランティアから多頭飼育に関する情報があった場合には、保健福祉事務所などが調査・指導を行っています。  しかし、把握した時点では既に崩壊状態になっていることも多く、できるだけ早期に多頭飼育の情報を把握することが必要です。  そこで、今後は早期に情報を把握し、適正な管理について指導できるよう、「神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例」に犬やの多頭飼育に関する届け出義務を規定する方向で調整を進めていきたいと考えています。  あわせて、市町村や動物愛護ボランティア、県獣医師会など、関係機関・団体と幅広い情報を共有し、しっかりとした連携体制を構築することで、多頭飼育崩壊に対応してまいります。  次に、骨髄移植の推進についてお尋ねがありました。  骨髄移植で一人でも多くの命を救うためには、ドナー登録者をふやすとともに、骨髄移植が進む環境づくりと移植患者のフォローアップが重要です。  そこで、県では、登録者をふやすために、大学等でのドナー登録会の開催や、登録を促す説明員の養成に取り組んでおり、今年度の新規登録者数は昨年度の約1,200人を上回る見込みとなっています。また、ドナーへの助成制度も有効な方策であり、国に対して、助成制度導入を働きかけてきましたが、残念ながら、いまだ実現に至っていません。  そうした中、今年3月、助成制度の創設実施を求める請願が県議会で採択されたことを受け、県では、今年度、先行自治体の実施状況について調査を行いました。既に助成制度を導入している自治体は11都府県ありますが、いずれも市町村との共同事業として助成制度を実施しています。  県内の市町村では、横須賀市が今年度から助成を始めていますが、導入に慎重な市町村も多くあります。引き続き、市町村と調整を進め、今後、希望する市町村とともに、助成制度の実現に向けて検討してまいります。  一方、骨髄移植患者は治療によって健康への影響が生じる可能性があることから、長期にわたる健康管理とともに、健康面を含む生活全般の不安や悩みへの対応が必要です。そこで、県は、国が作成し、移植患者の健康管理に有効な造血細胞移植患者手帳について、医療機関での活用や患者の利用が進むよう、県医師会などを通じて普及を図っていきます。  今後とも、骨髄移植が進む環境づくりを進めるとともに、移植患者が安心して生活できるよう支援してまいります。  最後に、ICTを活用した神奈川県総合リハビリテーションセンターの機能強化についてお尋ねがありました。  まず、広報についてです。  リハセンターは、パラリンピックで多くの選手が使用しているチェアスキーを初め、先進的な福祉機器を開発しています。また、12月にオープンした新病院は、さまざまなリハビリを連携して実施できるようハード面を充実させており、今後は高度・専門的なリハビリ拠点として、ロボットを活用したリハビリや先進的な福祉機器の普及をさらに進めていきます。  福祉機器については、これまで展示会など、関係者向けの広報が中心でしたが、今後はより広く伝えるため、福祉機器の動画をホームページに掲載するなど、広報を充実させていきます。  また、リハセンターの新たな機能については、12月号の県のたよりで大きく取り上げたところであり、今後とも、テレビやラジオなど、さまざまな媒体を活用し、積極的なPRを行ってまいります。  次に、ICTの活用についてです。  リハセンターの拠点機能の充実には、関係機関との連携強化や専門職の育成において、ICTの活用が不可欠です。連携強化に関しては、電子カルテの導入により、リハビリにかかわる多くの職種が個々の患者情報を同時に共有し、効率的なリハビリの提供が可能になるなどの効果が期待できます。  一方、電子カルテには、システム運用に合わせた業務の見直しや多額な導入費用を要するという課題もありますので、そうした点も含め、導入について検討してまいります。  また、人材育成においては、専門職のリハビリ技術とその技術を用いてリハビリを行った効果との関連性を解析し、これをICTを活用して、動画などの教材として開発していきます。この取り組みは、全国にも例がない先駆的なものでありますので、企業と連携しながら、解析手法などを研究し、専門職の資質の向上を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  今後の県立の図書館におけるデジタル情報への取り組みについてです。  デジタル情報は大規模な収蔵場所を必要とせず、また、インターネットの活用等により、公開性や即時性などのメリットがありますので、県立の図書館においても、さまざまな形での活用が考えられます。  現在、川崎図書館では、これらのメリットを生かして、企業や研究者等の活動を支援するため、最新の技術情報等を提供している電子ジャーナルなどを導入しています。  今後、科学技術系の論文等の大半はデジタル情報での発信へと移行していくものと想定されています。そこで、県教育委員会では、ものづくり技術を支援していく新しい川崎図書館でこうした情報を企業等のユーザーに効果的に活用していただくために、どのような対応が可能か、検討を進めてまいります。  また、県立図書館では、本県の行政資料や神奈川ゆかりの歴史資料等をデジタルアーカイブとしてインターネットで公開していますが、現時点で一部にすぎません。こうした資料とあわせて、県立図書館が所蔵する貴重な16ミリフィルム等の保存、活用方策をデジタル化という視点も含め、現在進めている再整備の中でしっかりと検討していきます。  そして、県立の図書館が将来にわたって担うべき専門性の高い資料の保存と継承という観点を踏まえ、今後の情報化の進展を見据えつつ、デジタル情報の活用に取り組んでまいります。  次に、夜間中学の設置に向けた取り組みについてです。  県教育委員会では、本年5月に16の市町教育委員会とともに、中学校夜間学級の設置に関する検討協議会を設立し、これまで施設面や教職員等の配置、教育課程のあり方等に関して検討協議を進めてきました。  今後、こうした取り組みをさらに進めていくためには、夜間中学について、どの地域でどの程度のニーズがあるかをしっかりと把握することが必要です。そこで、県教育委員会では、今月下旬から来月にかけて、市町村教育委員会とともに、夜間中学の設置ニーズや希望する学習内容等についてのアンケート調査を行うこととしました。  この調査は、既に夜間中学を設置している横浜市、川崎市を除く31市町村の公民館や図書館などの公共施設、関係機関にアンケート用紙1万2,000枚を配架し、郵便やファクスで回収することとしています。  また、県ホームページに掲載し、メールでの回答も可能とするなど、幅広く県民の皆さんの意向を集約していきたいと考えています。  あわせて、夜間中学の関係団体やフリースクール、かながわ国際交流財団などにもご協力をいただき、不登校生徒や外国籍の方のニーズも把握していきます。  県教育委員会では、このアンケート調査により把握した具体のニーズを踏まえ、市町村教育委員会とともに、夜間中学の設置が望まれる地域等について検討を重ねてまいります。  答弁は以上でございます。  〔警察本部長(斉藤 実)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 斉藤警察本部長。 ◎警察本部長(斉藤実) 殿町地区への交番設置についてお答えをいたします。  地域の方々の安全と安心のよりどころとして重要な役割を果たす交番につきましては、犯罪及び交通事故の発生状況、行政区、面積、人口等の地域実態、都市の形態、道路・鉄道の整備状況等を総合的に勘案の上、県内全般の警察力の均衡に配慮しながら配置をしているところであります。  また、交番の設置に際しては、将来予想される多種多様な犯罪や事案に備えるほか、女性警察官の配置を念頭に置いた女性警察官専用休憩室やトイレなどの整備が必要であると考えております。  殿町地区につきましては、企業誘致など、開発計画が進められており、地域情勢が変化をし、人口や事件・事故の増加等が予想されることから、同地区へ交番を設置する必要があると考えております。  殿町地区への交番設置につきましては、地域の方々からもご要望・ご意見をいただいておりまして、現在、隣接地区で運用している浮島橋交番の移転も含めて、総合的に検討を加えながら、関係部局と鋭意調整中でございますので、引き続きご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。  以上でございます。  〔西村くにこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 西村くにこ君。  〔西村くにこ議員登壇〕 ◆西村くにこ議員 知事、教育長、そして警察本部長、ご答弁いただきました。  全て、私が楽天的なのか、前向きなご答弁であったというふうにうれしく受けとめさせていただいております。  1点、再質問。今お答えになれるかどうかわかりませんけれども、イクボスデーも検討したいというふうに言っていただけたと思うんですが、いつごろぐらいにこの動きが見えてくるのか、あるいは例えば月1日、この日をイクボスデーにするんだとか、こういう構想があるものであれば、お答えいただけますでしょうか。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  男性職員も育児休業を取得しやすい職場の雰囲気をつくっていく上で、幹部職員から定期的にメッセージを発信するということは大変重要であると考えております。そこで、職員一人一人にイクボスの精神が伝わるよう、イクボスデー、イクメンデーというものも設定したいと前向きに考えたいと思っておりますけれども、それが毎月19日がいいのか、年に1回の1月9日がいいのか、そのあたりも総合的に含めながら検討していって、本年度中の実施に向けて検討してまいります。  答弁は以上です。  〔西村くにこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 西村くにこ君。  〔西村くにこ議員登壇〕 ◆西村くにこ議員 知事、ご答弁ありがとうございます。  ただ、継続的というのは、年に1回のことを言うのではないというふうに私は理解しておりますので、前向きにお考えいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。  さて、前向きにご答弁をいただいた中で要望させていただきたいと思います。  骨髄移植の推進について、希望する市町村とともに検討を図っていくと、横須賀市が既に神奈川県内ではスタートされておりますので、具体的にまずは横須賀市と連携をとっていただくというのも一つの手であろうかなと思います。  11の都府県がスタートをしているというふうに私も質問の中で申し上げましたが、実は企業に対してサポートをしている島根県、あるいは民間の団体が県内のドナーに給付金を与えている徳島県という前例もあって、47都道府県のうち13の都府県で何かしらのこういうサポートシステムがあるのだということを、改めてつけ加えさせていただきます。  また、神奈川リハビリテーションセンターにおける前向きなICTの活用、これも大いに期待させていただきたいと思います。単なる映像だけではなくて、触覚であるとか、力点であるとか、こういうものをデータ化することによって、技術を継承していく、これは全国初の取り組みであろうかと思います。神奈川だからこそ、ヘルスケア・ニューフロンティアの感覚に基づいて、しっかりとエビデンスを蓄積していただけますようお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○副議長(小野寺慎一郎) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(小野寺慎一郎) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時41分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028227-質問・答弁-池田東一郎議員-一般質問①来年度の国民健康保険制度改正に向けた保険者としての県の取組について②障害者優先調達推進法に基づく県の調達促進について③県認証のオリンピック文化事業について④西湘バイパスの早急な復旧へ向けた県の取組について⑤明治150年へ向けた県の取組について⑥県営住宅ストック総合活用計画の改訂について⑦県保有株式配当率向上のための取組について⑧県職員課長クラスの給与引き上げについて》                   午後3時6分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共83名 ○副議長(小野寺慎一郎) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(小野寺慎一郎) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(小野寺慎一郎) 質問を続行いたします。  池田東一郎君。  〔池田東一郎議員登壇〕(拍手) ◆池田東一郎議員 皆様、お疲れさまです。  県政会の池田東一郎です。  私は県政会神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、知事に質問させていただきます。  先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、温かく見守ってくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。  では、早速、質問に入ります。  まず、質問の第1は、来年度の国民健康保険制度改正に向けた保険者としての県の取組について伺います。  一昨年の通常国会で国民健康保険法が改正され、現在、市町村単位で運営されている国民健康保険が、来年4月から、県も保険者に加わり、都道府県単位で運営されることになりました。今定例会には関連する議案も提案されています。  この制度改正の目的は、国保運営の中心的な役割を都道府県が担うことにより、赤字拡大を続ける市町村国保の財政を安定化させようというところにありますが、そのためには医療費の適正化が非常に重要です。  医療費の適正化には、病気の早期発見・早期治療が一番の対策であって、病気の早期発見・早期治療には、県民の皆様に特定健診などの健康診断やがん検診を受けていただくのが一番大切です。  そのため、今回制度改正では保険者努力支援制度が創設され、市町村の行う特定健診やがん検診の受診率向上の取り組みを促す対策もとられています。しかし、それだけではだめでしょうというのが私の問題意識です。  私は、毎年恒例の秋の行事として、出前県政報告会というのを、大磯・二宮町内の町内会ごとに開催しております。3年目の今年もこの出前県政報告会、8月後半から11月までの土日、大磯・二宮町内計35カ所で開催し、530人の方々が参加されました。35カ所で530人ですので、1カ所当たり十数人という膝詰めの県政報告会です。  毎年、メインテーマを決めていまして、今年は国民健康保険制度が変わりますということで開催しました。  その反応はというと、地元の皆様は、制度改正があるということはよくご存じでしたが、制度改正により保険料がどうなるかというところに関心がいきがちで、制度改正の柱の一つである医療費適正化、これには病気の早期発見・早期治療、市町村の特定健診やがん検診を受けていただくのが大切というところには、まだ結びついていないという感じがしています。  また、制度改正の内容や意義について、もっと広報してほしいというご要望も多数寄せられています。制度を変えても、県民の皆様がその意義を理解し、行動していただかなくては、制度改正の目的は達成されません。  そこで、知事に伺います。  来年度からの国民健康保険制度改正に当たり、医療費適正化対策として大きな役割を果たす特定健診やがん検診の受診率向上に、新たに保険者となる県としてどう取り組んでいきますか。例えば、制度改正の意義や特定健診・がん検診などの重要性を県のたよりで特集する考えはありませんか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第2は、障害者優先調達推進法に基づく県の調達促進について伺います。  昨年7月に県立津久井やまゆり園で非常に痛ましい事件が起き、本県議会では「ともに生きる社会かながわ憲章」を採択し、一昨日は、桜木町駅前で憲章のチラシ配りをさせていただきました。皆様、大変お疲れさまでございました。  ただ、ともに生きる社会は、理念を広めるのも大切ですが、さらに実質的に重要なのは、障害者の自立を促進する、一定の所得を保障していくことであり、地方自治体にはその先頭に立つことが求められています。  障害者優先調達推進法という法律があります。この法律は、障害者就労施設等の製品やサービスを都道府県や市町村が積極的に購入・調達し、障害者の自立を促進することを求めるものです。  そして、この障害者優先調達推進法は、都道府県に対しては、毎年の調達目標を定めて、障害者就労施設等からの製品やサービスの調達に積極的に取り組むことを義務づけています。  本県は、この法律に基づき、平成27年度と28年度は、各年度1億3,000万円を随意契約で障害者就労施設等からの製品やサービスの調達を行うという調達目標を立てていました。  しかし、平成27年度の調達額は県庁全体で1億465万円、平成28年度は1億1,356万円と、目標を2年連続で下回っています。  この問題、私は既に厚生常任委員会でもお願いしていますが、事態の改善のため、知事にぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思います。  12月3日から9日は障害者週間でもあります。  そこで、知事に伺います。  障害者優先調達推進法に基づき、本県は平成27年度、28年度に県が行う随意契約の調達目標額を1億3,000万円と定めましたが、2年連続でこの目標を下回りました。調達実績が振るわない原因をどう考えますか、また、今後、障害者の自立を図り、ともに生きる社会かながわを名実ともに前進させるため、目標達成に向けてどのように取り組みますか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第3は、県認証のオリンピック文化事業について伺います。  私ごとになりますが、12月3日、私は地元、二宮町で初めてオペラの舞台を踏みました。「聖なる夜の物語」というキリスト生誕劇の創作オペラ、世界初演の舞台です。声が大きいからということで、少々、アリアも歌わせていただきました。  このオペラは神奈川県の後援をいただきましたので、マグカルです。出演してみて、マグカルの楽しさと人を引きつける力を再認識しました。黒岩知事、マグカルっていいですね。  さて、その文化事業ですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、本県では、神奈川文化プログラム認証制度を始めます。この文化プログラムですが、地域の文化的な取り組みを進めて、東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げていくという目的で準備されましたが、今のところ、県の文化プログラムでは、オリンピック・パラリンピックのオの字もパの字も使えません。なぜでしょうか。それは、この文化プログラムが計画された当初は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が認証する東京2020応援プログラム等の文化事業と連携して進める予定だったのですが、オリ・パラ組織委員会の認証のハードルが高いなどの理由で、県独自に進めることにしたためです。  しかし、オリンピック・パラリンピックを応援する文化事業でありながら、それを名乗れない、ロゴマークも使えないというのは、かなりちぐはぐ感があります。何とかしたほうがよいと思います。  そこで、知事に伺います。  文化プログラムは県が認証する事業として進めると伺いますが、このままでは県民はオリンピック関連の事業であることを認識できないのではないでしょうか。県内外の皆様が、県が認証した文化プログラムがオリンピックを応援する事業であることを実感し、より積極的に参加できるよう、個別事業内容のPRにオリンピック応援プログラムのロゴや文言を使えるよう、国などに働きかけていく考えはありませんか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第4は、西湘バイパスの早急な復旧へ向けた県の取組について伺います。  西湘バイパスは、私の地元、大磯町東町を起点に小田原市風祭までの約21キロを結ぶ高速道路です。この西湘バイパスが、去る10月23日、台風21号による高波高潮で、大磯西インターチェンジ付近の下り線、ちょうど大磯プリンスホテルの前ですが、約400メートルが被災しました。これにより、西湘バイパスは、現在、片側2車線を使った対面通行を約1.3キロにわたって設定し、車両の往来を確保しつつ、コンクリート擁壁を修復する工事を国土交通省が行っています。  ただ、片側2車線の対面通行ですから、西湘バイパスは一日中渋滞が続いており、西湘バイパスの渋滞は、並行する国道1号の渋滞にもつながり、大磯・二宮の地元町民の皆様の日常生活にも深刻な影響を与えています。  そこで、問題は、この西湘バイパスの復旧工事と片側対面通行、いつまで続くのかということです。私のほうで国土交通省に問い合わせましたら、いつまで続くかわからないと言うのです。  ちなみに、西湘バイパスは、平成19年9月にも台風9号による大きな被害を受けていますが、このときは片側対面通行が7カ月間続き、復旧工事そのものは終了まで4年もかかりました。  2020年には江の島でオリンピック、その前年にはプレ大会も予定されています。国の仕事だからと静観することなく、一日も早く西湘バイパスを完全復旧していただき、湘南方面の交通状況を正常化することに、県としても全力で取り組んでいただきたいと思います。  そこで、知事に伺います。  台風21号による西湘バイパスの損傷を復旧するには、どのくらいの時間がかかると認識していますか、また、オリンピック開催に支障のないよう、西湘バイパスの台風被害を一日も早く復旧するため、国に働きかけていく考えはありませんか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第5は、明治150年へ向けた県の取組について伺います。  私の地元、大磯町では、今年4月に県立大磯城山公園に再建された旧吉田茂邸、11月末までに8万人以上の入場者があったとのことです。そして、来年1月13日土曜日、国指定の無形重要民俗文化財、大磯左義長が盛大に開催されますが、今回は、県がこの左義長を海上から見るクルージングツアーを企画してくださいました。県当局各位のご尽力には厚く御礼申し上げます。  さて、その大磯関連で、11月21日、政府は重要な閣議決定を行いました。それは、私の地元、大磯町にございます伊藤博文邸でありました滄浪閣、そして大隈重信邸、さらには、昭和の初めに日銀総裁や大蔵大臣を歴任した池田成彬邸を含む地域に、明治150年関連施策の一環として、国が明治記念大磯邸園(仮称)を設置する。さらには、平成30年10月を目途に、一部の建物を含む区域の公開を目指すというものです。この閣議決定により、あと1年弱で、私の地元、大磯町に国が設置する公園がオープンするということになります。これは大変喜ばしく、関係各位のご尽力には敬意を表します。  しかし、私は、明治150年で国が公園をつくっただけで終わらせてはいけないと思います。明治記念大磯邸園がオープンするのを契機に、県全体が盛り上がるような方向性は考えられないか、それが私の問題意識です。  去る11月13日です。私は、全国都道府県議会議長会主催の都道府県議会議員研究交流大会に出席させていただきました。この研究交流大会、私は広域観光振興のあり方というテーマの分科会に入り、勉強させていただきました。この観光振興の分科会では、鹿児島県議会議員の方からのプレゼンが目を引きました。  来年は明治維新から150年、NHKの大河ドラマは、西郷隆盛の生涯をつづった「西郷どん」です。だから、鹿児島県では、かごしま明治維新博をやるそうです。博とついておりますが、このかごしま明治維新博は、一つの会場で博覧会を行うのではなく、鹿児島県内のいろいろなところで、明治維新に関連づけたさまざまなイベントをやられるそうです。大変貴重な情報だと思いました。  では、我が神奈川県はどうか。明治150年で明治記念大磯邸園ができるのはよいですが、明治150年で県が何をやるか、今のところ何も聞こえてきません。全く新しい事業をやるのは、今からでは大ごとですが、今まで着手している事業の切り口を変えてPRしていくだけでも十分ではないかと思います。幸い、本県には邸園文化圏再生構想があるし、現在進行している1,000本ツアーもあります。  そこで、知事に伺います。  明治記念大磯邸園を国が整備することは大いに歓迎いたしますが、県は明治150年に向けてどのような取り組みを行いますか。例えば、大磯邸園整備の誘客等の効果が県全体に波及するよう、邸園文化圏再生構想と1,000本ツアーを組み合わせ、明治150年事業として盛り上げていく考えはありませんか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第6は、県営住宅ストック総合活用計画の改訂について伺います。  私が県営住宅について、この場で質問させていただくのは2回目です。私の地元、二宮町にあります県営二宮住宅の建てかえがいつ始まるのか、建てかえが決まってから10年以上たちますが、一向に見えてこないからです。地元の皆様は、今後のまちづくりの構想にこの県営住宅をどのように位置づけたらよいのか、大変困惑しています。困っています。  また、県営住宅の建てかえが進まないから何とかしてほしいというご質問は、ほかの議員各位からも、たびたびこの本会議場で出されています。県営住宅の建てかえが進まないのは、財源が手当てできないことが大きいと思います。  そこで、地元の方からのご提案をご紹介します。県営二宮住宅は、テラス住宅で2階建てです。5階建てぐらいに建てかえれば、土地の半分くらいは要らなくなります。余った土地は売却して、その売却益を建てかえの費用に充てたら、建てかえが進むでしょうというものです。  こうした中、県営住宅の建てかえに関する基本的な方針をまとめた「神奈川県県営住宅ストック総合活用計画」が来年度改定されると伺います。計画の改定が、二宮を含め、県営住宅の建てかえが促進されるものとしていただきたいと思います。  そこで、知事に伺います。  県営二宮住宅など、県内各所の県営住宅の建てかえが遅々として進まず、所在地の自治体や住民は困惑しています。県営住宅ストック総合活用計画を改定すると伺いますが、どのように改定するのですか。また、単に古い順に建てかえるのではなく、例えば、敷地の一部を売却することにより、建てかえの財源が確保できる住宅は速やかに着手するなど、個別県営住宅の状況に応じた建てかえが進むよう配慮する考えはありませんか、知事のご所見を伺います。  次に、質問の第7は、県保有株式配当率向上のための取組について伺います。  本県は、昨年度末、額面で216億7,900万9,450円の株式会社株券を保有しています。例えば、株式会社テレビ神奈川、横浜エフエム放送株式会社、横浜新都市センター株式会社など全部で24銘柄です。  この保有株式に対する配当金額は、平成27年度は8,821万3,450円、額面に対する配当率は0.4%、平成28年度の配当金額は1億4,559万2,800円、額面に対する配当率は0.7%です。  一般的には、配当が株価の2%ぐらいある株を買うのがよい株式投資だと言われます。しかし、本県の保有する株式は、額面の0.4%だの0.7%といった配当金しか生んでいません。額面200億円の株式を保有する本県では、最低でもその2%、4億円ぐらいの配当があってもよいのではと考えます。  もちろん、県は単純に投資目的でさまざまの会社の株券を保有するのではなく、一定の政策目的があって株式を保有しています。しかし、政策目的であろうが投資目的であろうが、株券は株券です。株主なら株主議決権をしかるべく行使して、企業価値や株式価値の向上を図り、配当金を多くもらえるよう努力するべきです。  この点、財務省は、昨年5月に、政府保有株式に係る株主議決権行使等の方針を策定し、各省に企業価値や株式価値の向上の観点を踏まえて議決権を行使するよう指示をしています。  私は、昨年の決算特別委員会でこの問題を取り上げ、本県でも保有株式の議決権行使のあり方を見直したらどうかと提案させていただきました。その結果、今年3月末、本県では、第三セクター等指導調整指針を改正し、県保有株式の議決権行使に当たっては、株式が貴重な県有財産であることに鑑み、企業価値及び株式価値の向上の観点を踏まえて行使することとされました。  私の決算特別委員会における指摘を踏まえて、早速対応していただいたことには敬意を表しますが、その後の状況もしっかりフォローしたいと思います。  そこで、知事に伺います。  今年3月末に第三セクター等指導調整指針を改定し、県保有株式の議決権行使に当たっては、株式が貴重な県有財産であることに鑑み、企業価値及び株式価値の向上等の観点も踏まえて行使することとされたことは評価しますが、この指針に沿って、今年度はどのように株主として行動しましたか、また、今後はどのように対応していく考えですか、知事のご所見を伺います。  次に質問の第8、最後の質問は、県職員課長クラスの給与引き上げについて伺います。  県職員各位の人件費のあり方に関する問題提起です。  今年度の本県職員と国家公務員の平均給料月額について、年齢別、職務別に県のご担当で調べていただきました。今年度のラスパイレス指数で見ますと、本県は103です。しかし、このラスパイレス指数は人件費の総額の係数ですから、全ての年齢、職務で本県職員が国家公務員より給与が高いかというと、決してそうではありません。  結論から申し上げますと、本県職員の給与は、採用から課長の手前のGL─グループリーダーまでは、一貫して、国家公務員の同じ年齢、同じクラスの方より1万円前後月給が高くなっています。しかし、これが課長クラスになると劇的に逆転し、本県課長クラスは、国の課長クラスに比べて10万円以上月給が安くなるのです。  横浜市職員の給与体系も調べていただいていますが、国と同じような給与体系です。横浜市は、本県GLの年齢になると課長になり、役職手当がつき、本県GLより8万円以上月給が高くなり、その後は本県より月給はどんどん高くなります。要するに、本県は職員全体で見ると、国や横浜市よりラスパイレス指数が高いのですが、組織の中枢を担う課長クラス以上の職員の給与は、国や横浜市より大きく見劣りをしているのです。  本県職員は、課長への昇格希望者が減っていると言われています。その原因は、この給与体系にもあるのではないでしょうか。行政職員はプロ集団であり、仕事や責任の内容に応じた報酬を保障することが組織の士気と効率性を担保するものと考えます。  ちなみに、私は、昨年、この問題を決算特別委員会で取り上げましたが、そのときの総務局長のご答弁は、管理職の給与が低いとは思っておりませんという頼もしいお言葉でした。  そこで、知事に伺います。  県庁組織の士気と効率性を向上させるには、課長クラスの給与引き上げが必要と思われますが、課長クラスの給与引き上げについてどう考えますか、知事のご所見を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終了します。  知事におかれましては明快なご答弁を期待します。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 池田議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、来年度の国民健康保険制度改正に向けた保険者としての県の取り組みについてお尋ねがありました。  特定健診・がん検診は生活習慣病やがんなどの早期発見・早期治療につながるものであり、その受診率の向上は健康寿命の延伸や医療費の適正化を図る上で大変有効であると考えています。  そこで、県は市町村における特定健診やがん検診の受診率向上の取り組みを支援するため、市町村が相互に課題や情報を共有し、よい取組事例を他の市町村でも実施できるよう、情報交換会や研修会を開催しています。  さらに、県と県内の医療保険者などで構成する神奈川県保険者協議会において、ポスターを作成し、県内の医療機関に配付して掲示を依頼するなど、特定健診やがん検診受診の啓発活動を行っています。  こうした中、来年度からは、国民健康保険制度の改正により、県も保険者となり、財政運営の責任主体となります。新たな制度では、市町村の医療費適正化や未病改善の取り組みに応じて、国や県から交付金が交付される仕組みが設けられていますので、県として、今まで以上に市町村を支援していく必要があると考えています。  今後は、こうした制度改正の趣旨とともに、特定健診・がん検診の重要性について、県のたよりを初め、さまざまな媒体を活用して積極的な広報を行い、受診率の向上を図り、医療費の適正化に努めてまいります。  次に、障害者優先調達推進法に基づく県の調達促進についてお尋ねがありました。  国や地方自治体が障害者就労施設から率先して調達を行う優先調達の取り組みは、障害者の社会参加と自立を支援する上で大変重要であり、積極的に進めていく必要があります。  県では、毎年度目標額を定めて優先調達に努めていますが、平成27年度と28年度は目標を達成することができませんでした。平成28年度に優先調達を行った県庁の所属の数は152所属で、前年度よりも33所属ふえましたが、割合としては全所属の34%にとどまっています。  このように目標達成に至らなかったのは、優先調達の対象となる障害者就労施設や品目が各所属や調達事務を行う職員に十分伝わり切っていないことが大きな要因と認識しています。  そこで、今年度は優先調達を行った具体的な事例や会計上のルールなどを記載した庁内向けのチラシを新たに作成しました。  また、県では、公共団体や民間企業が障害者就労施設から調達を行う際に、取り扱い先のあっせんを行う共同受注窓口を設置していますので、この窓口の活用を呼びかけるチラシも作成し、庁内各所属への周知を図っています。  さらに、今後は、優先調達が広く見込める品目を選定し、これらの品目については、特別な理由がない限り、優先調達を行うことを原則とする調達推奨品目の制度を導入する予定です。これに加え、調達事務を行う職員が物品購入などの契約を行う際に、優先調達を検討したか否かを確認する仕組みもあわせて検討していきます。  こうした取り組みを通じ、障害者就労施設の受注の拡大を図り、障害者の社会参加と自立を支援してまいります。  次に、県認証のオリンピック文化事業についてお尋ねがありました。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、各自治体や文化芸術関係団体などが行う文化イベントについて、申請に基づき大会組織委員会が文化プログラムとして認証することにより、オリパラ参画プログラムのロゴや文言が使用できます。  このプログラムでは、大会スポンサー以外の企業が参画する事業は認証されないため、地域に根差した地元企業が協賛した場合は認証が受けられず、オリパラ参画プログラムのロゴは使用できません。  今後、2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会と世界が注目するビッグイベントが開催されます。県ではこの機会を捉えて、神奈川を訪れる外国人をおもてなしし、また、さらに多くの外国人の方に神奈川に訪れていただけるよう、訪日外国人の方にもアピールできるインパクトのある文化イベントを実施していきます。  こうした取り組みを一層推進するため、市町村や文化芸術関係団体と連携し、2020年までに県内で実施される文化イベント等を神奈川文化プログラムとして認証するとともに、外国人向けの広報を集中的に行っていきたいと考えています。  県が文化イベント等を認証することで、自動的にオリパラ参画プログラムのロゴを使用できるようにすることは、相当困難と思われますが、何か工夫できないか、組織委員会に相談してまいります。  次に、西湘バイパスの早急な復旧へ向けた県の取り組みについてお尋ねがありました。  今年10月の台風21号の影響により、江の島の港湾施設など、県内では主に沿岸部において被害が発生しました。  西湘バイパスにおいても、この台風による高波の影響により、大磯西インターチェンジ付近の約400メートルの区間において、道路を保護するコンクリート擁壁が崩れるなどの被害がありました。  このため、この区間を管理する国では、被害の拡大を防止するため、直ちに緊急的な工事を行い、現在は本格復旧に向けて被災箇所を含む約1.3キロメートルの区間で4車線の道路を2車線に規制し、工事を実施しています。  復旧期間については、現在、国が工程を精査しており、まだ見通しは示されていませんが、早期復旧に向けて精力的に工事を進めていくと聞いています。  西湘バイパスは国道1号のバイパスとして、湘南地域と西湘地域を結ぶ幹線道路であり、経済活動や県民の生活を支える重要な路線です。また、東京オリンピック・セーリング競技大会が江の島で開催され、多くの人が訪れることが予想されることから、早期復旧を望む地元からの声があることも承知しています。  県としても、一日も早い復旧に向けて、国への働きかけはもちろんのこと、資材の提供や作業ヤードの確保など、国と緊密に連携を図りながら、積極的に取り組んでまいります。  次に、明治150年へ向けた県の取り組みについてお尋ねがありました。  明治期は、我が国にとって立憲政治の確立・発展、技術革新と産業の振興、教育の充実等が図られ、近代化の基礎が築かれた重要な時期です。特に、全国の近代化の先駆けとなった神奈川には、こうした明治期の文化、建築物や当時活躍した人物にまつわる貴重な資料などが数多く残されています。  そこで、県では、当時の社会状況や本県発展の歴史等を改めて多くの方々に知っていただけるよう、明治150年の節目に当たる平成30年度を中心にさまざまな取り組みを進めていきます。  具体的には、先般閣議決定された(仮称)明治記念大磯邸園の整備と一部区域の公開に国などと連携して取り組みます。さらに、生麦事件、横浜開港など、明治維新の舞台となった神奈川の歴史観光を推進するため、シンポジウムやキャンペーン等を企画します。  また、県教育委員会では、県立図書館や金沢文庫、歴史博物館などに収蔵された明治期の歴史的資料や美術作品などを活用した特別展の開催などを検討しています。  そして、こうした取り組みの相乗効果を高めるために、県では明治期の神奈川を紹介するホームページを新たに開設し、国の機関や市町村なども含めた取り組みを総合的に発信していく予定です。  また、大磯地域においては、これまでも新たな観光の核づくり事業として、地域の取り組みに対し、県として支援してきました。今後は、この成果も生かしながら、1,000本ツアーの中で邸園文化圏再生構想のもと、保全・活用に取り組んでいる各地域の邸宅や文明開化の遺構などをめぐる広域的なツアーの企画・商品化を進めます。  このように明治150年を機に、多くの方々が明治期の本県に関心を持ち、足を運んでいただけるよう、幅広い取り組みを進めてまいります。  次に、「県営住宅ストック総合活用計画」の改定についてお尋ねがありました。  まず、どのように改定するかについてです。  この計画は、今後の県営住宅の供給に関する基本方針と推進すべき政策を定めた10カ年計画で、今年度策定から5年目を迎えます。この間、民間賃貸住宅の空き家問題や、住宅困窮者の多様化、事業進捗のおくれが生じていることなどから、平成30年度に計画を改定することとしました。  改定に当たっては、三つの観点から検討しています。  1点目は、住宅セーフティーネットの観点から、今後も増加する高齢者や低額所得者などについて、県営住宅としてどのように役割を果たしていくのか、2点目は、コミュニティー活動の活性化の観点から、空き施設の活用や高齢者の健康づくりなど、健康団地の取り組みを団地の特性に合わせ、どう進めていくのか、3点目は、住宅供給の観点から、建てかえや長寿命化などをどう進めるのか、これらについて、外部有識者で構成される住宅政策懇話会や、福祉など関係団体などのご意見も伺いながら検討を進めます。  次に、建てかえ事業についてです。  県営住宅の約半数は昭和40年代に建設したもので、今後、建てかえの目安となる建築後50年を迎える団地が大幅に増加します。そこで、団地ごとに交通の利便性や土地利用規制など、立地特性を調査した上で、建物の高層化によって生じる余剰地の売却やPFI方式を初めとする民間活力の導入など、厳しい財政状況を踏まえ、最も効率的・効果的な整備手法を検討します。  さらに、地元市町のまちづくりにも配慮しながら、個々の団地について、建てかえの優先度などを整理していきます。  こうした検討を反映し、ストック総合活用計画が実効性のある計画となるようしっかりと取り組んでまいります。  次に、県保有株式配当率向上のための取り組みについてお尋ねがありました。  県が株式を保有する目的は、産業振興や都市基盤整備など、幅広い分野において、株式会社形態の第三セクターを通じて県民サービスの提供を図ることであります。  このため、議決権の行使に当たっては、まずは法人が出資目的に沿った役割を果たし、県民サービスの向上につながっているかといった観点を第一に考えています。  しかしながら、県の保有する株式は貴重な財産であることや、厳しい県財政の中、少しでも多く配当金を受けられるよう努めることも重要であると考えています。そのためには、法人の経営基盤の強化、つまり企業価値の向上が欠かせないものと認識しています。  そこで、第三セクターに対して、必要な指導を行う際の基本的事項を定めている第三セクター等指導調整指針を改正しました。  具体的には、議決権を行使する際の留意事項として、企業価値及び株式価値の向上等の観点を踏まえることを明確にしました。今年度の具体的な議決権行使の状況を確認したところ、各所管局では、指針の趣旨を踏まえつつも、個々の第三セクターの経営状況はさまざまであることから、その対応には濃淡があることがわかりました。  そこで、改めて指針の趣旨を周知し、今回の各所管局の対応について情報交換し、共有することで、今後の対応に生かすこととしました。  今後とも、議決権行使が企業価値や株式価値の向上につながるよう努めてまいります。  最後に、県職員課長クラスの給与引き上げについてお尋ねがありました。  職員の給与につきましては、地方公務員法により、国家公務員、他の地方公共団体の職員及び民間従業員の給与を考慮して定めなければならないとされています。  そのため、毎年、人事委員会から管理職手当を含め、役職や責任に応じた給与水準が勧告されており、課長クラスの給与水準も適切だと考えています。  私としては、基本的に人事委員会勧告を尊重する立場にあり、勧告に基づくことなく、管理職のみの給与水準を上げることは難しいと考えています。  なお、議員から、課長への昇格を希望する職員が減っているというお話がありました。2年前に全職員に対して行った人事制度に関するアンケートでは、管理職を希望しない理由の上位に、私生活との両立が難しいことや、管理職の仕事に魅力ややりがいを感じないことが挙げられています。  管理職になる年代には、子育てと介護のダブルケアの問題に直面する職員が多いと思います。こうしたことからも、現在、働き方改革で推進しているテレワークやイクボスなどの取り組みを進めることで、全ての職員が仕事と家庭を両立しながら働き続けられる職場環境をつくりたいと考えています。  また、私は日ごろから、幹部職員から、課長の仕事が一番おもしろかったとか、やりがいがあったという声を多く聞いています。幹部職員にはそうした経験を部下に伝えることで、管理職を目指すような職員を一人でも多く育ててもらいたいと考えています。  私としては、このようなワーク・ライフ・バランスの実現ややりがいを感じる組織づくりを進め、必要な管理職を登用してまいります。  答弁は以上です。  〔池田東一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 池田東一郎君。  〔池田東一郎議員登壇〕 ◆池田東一郎議員 知事、ご答弁、大変ありがとうございました。  ジャストミートのご答弁が多かったように思います。よかったと思います。  ただ、少し私のほうで理解が深まらないというか、もう1回確認したいなというところがございましたので、再質問を幾つかさせていただきたいと思います。  まず、来年度の国民健康保険制度改正に向けた保険者としての県の取り組みということで、私からは、県のたよりで特集する、それぐらいの意気込みでやっていただけないかということをご質問させていただきました。  未病ということも絡めていただいても結構だと思いますが、県のたよりで、ぜひ大々的にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それから、もう一つ、明治150年へ向けた県の取り組みについて伺いました。大変踏み込んだすばらしいお話をいただいたことには感謝しますが、これから実際にいろいろと事業を展開されるに当たっては、ぜひその地域地域の住民の方とも連携して、そして県民の皆様の力を十分活用していくということでやっていただければと思うんです。県がこんなイベントをやりますからよろしくという官製イベント、それを積み重ねても、なかなか盛り上がっていかないと思います。地域の県民の皆様の力を十分に活用していただくということを、あわせてお願いしたいのですが、この辺のご見解をいただきたいと思います。  それから、「県営住宅ストック総合活用計画」の改定については、これははっきり申し上げて、実効性のあるものとなるように取り組んでいくということをおっしゃいましたが、これで県営住宅の建てかえは進んでいくのかどうか、しっかりとご確認いただきたいと思っています。  以上、再質問をお願いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  県のたよりを使って、特定健診・がん検診の重要性について広報に努めるということ等々は、先ほど答弁の中で申し上げたと思いますけれども、特定健診やがん検診の受診率向上に向けて、県のたよりも活用して広報に努めてまいります。  次に、明治150年に関するイベントを住民と連携し合うべきではないか。もちろん住民の皆さんのご理解がなければ、せっかくのこういった機会を生かすことはできませんので、しっかりと連携してまいりたいと考えております。  次に、県営住宅の建てかえを進めることについてでありますけれども、住宅に関する計画につきましては、広範かつ専門的な見地から検討を行うため、有識者で構成される住宅政策懇話会のご意見を伺った上で、県が責任を持って策定してまいります。  各団地の建てかえの優先度などにつきましては、団地ごとの立地特性を調査した上で、余剰地の売却や民間活力の導入など、最も効率的・効果的な整備手法を検討いたしまして、地元市町のまちづくりにも配慮しながら、県がしっかりと整備してまいります。  答弁は以上です。  〔池田東一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 池田東一郎君。  〔池田東一郎議員登壇〕 ◆池田東一郎議員 再質問のご答弁ありがとうございました。  私が再質問させていただいたのは、国民健康保険制度改正に向けて、県のたよりを活用ではなくて、特集してくださいということなんです。県のたよりの隅っこのほうに小さく載せるのではなくて、第1面に知事が検診を受けているみたいな写真も載せていただいて、みんなで受けましょうというぐらいの意気込みのある特集を組んでいただきたいという質問をさせていただいたので、再々質問をさせていただきたいと思います。  それから、「県営住宅ストック総合活用計画」については、これは要するに今の建てかえが進むように考えていただけるのかどうかというのを、一言ではっきりと明確にしていただければということでお願いしたので、もう1回、再々質問ということでご答弁をお願いしたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、改めてお答えいたします。  県のたよりで特集するかどうかということでありますが、特集も含めて検討したいと思っております。  それから、建てかえが進むのかどうかということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、さまざまな団地がたくさんありますので、優先順位などを整理しながら、進めるべきところは進めていくということであります。  答弁は以上です。  〔池田東一郎議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 池田東一郎君。  〔池田東一郎議員登壇〕 ◆池田東一郎議員 ご答弁ありがとうございました。  それでは、要望のほう、少しやらせていただきたいと思います。  障害者優先調達推進法に基づく県の調達促進について、これからチラシをつくったり、周知を図っていただいて、仕組みも検討するということで、ご答弁ありましたけれども、このチェックをする仕組みが大事だと私は考えております。チラシを配っていただくのもいいですが、その効果をしっかりと検証する仕組みをつくっていただきたいと思っております。  それから、西湘バイパスにつきましては、頑張って取り組んでいただくようですけれども、地元の皆さんは大変この渋滞に困っておりますので、くれぐれも一生懸命頑張っていただきたいと思います。  それから、県保有株式配当率向上のための取り組みですが、今年度は余り積極的な行動は株主としてできなかったというようなお話でございますので、株主としてしっかりと議決権行使をしていくということは、県庁の組織の中に経営理念というか、経営感覚を植えつけていくということにもつながると思いますので、しっかりと対応をしていただきたいと思います。  それから、職員の課長クラスの給与の問題でございますが、知事からいろいろと思いのお披瀝がございました。私が質問させていただいたのは、真剣にお考えいただきたい、このままでは県民に負担がいっては困るという観点でございますので、ぜひよろしくご対応をお願いしたいと思います。  それでは、時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。  大変ありがとうございました。 △《本会議録-平成29年第3回-20171207-028228-質問・答弁-石川巧議員-一般質問①安心して出産できる環境の確保と県民理解の促進について②食を活かした未病改善について③企業の「デザイン力」を高めるための支援について④三崎漁港におけるマグロを中心とした水産業の振興について⑤三浦野菜の産地活性化について⑥街路樹の安全管理と景観形成について⑦地域・家庭・学校が連携・協働する活動の推進について》   〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○副議長(小野寺慎一郎) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ◆石川巧議員 三浦市選出の石川巧でございます。  自由民主党神奈川県議会議員団の一員としまして、神倉議員のサポートのもと、通告に従い、提言を交えながら質問をさせていただきます。  知事並びに環境農政局長県土整備局長、教育長におかれましては、明快なご答弁をお願い申し上げます。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、本日最後の質問でございますので、最後までご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、安心して出産できる環境の確保と県民理解の促進について伺います。  私の地元、三浦市では市内唯一の分娩施設であった産婦人科が、今年9月に分娩を休止いたしました。地元からは不安の声が上がっています。  産科健診や外来は続けているものの、もともと分娩施設が少ない横須賀三浦地域で、分娩環境がより厳しくなった状況であり、県民が安心して出産できる医療面での環境づくりは喫緊の課題であると認識しております。  我が国全体が人口減少社会に転じた今、神奈川県の人口は増加しているものの、少子化は依然として進行しています。  県が実施した産科医療及び分娩に関する調査によると、今年度の県内での分娩の取扱見込み件数は約6万3,000件で、前年度に比べ、約500件の減少が見込まれています。分娩を取り扱う施設も県内で147施設と、ここ数年は横ばいか、やや減少傾向にあります。  〔資料提示〕  市町村単位で見ますと、分娩を取り扱う施設が一つもない市町村があり、平成28年度時点では、南足柄市、中井町、大井町、山北町、箱根町、真鶴町、大磯町、愛川町、清川村、葉山町の10市町村で分娩できる施設がないという状況になっております。  また、晩婚化や出産年齢の高齢化などから、低出生体重児など、いわゆるハイリスクの分娩がふえております。安心して出産できる環境を確保するには、ハイリスクな出産への対応も含め、各施設が少子化の中でも分娩を継続していけるよう、県もしっかり支援を行っていく必要があると考えます。  また、産科や新生児の医師不足や、医師の過酷な勤務環境など、分娩環境の維持に向けてさまざまな課題があり、これらも踏まえて多面的に取り組んでいく必要があります。  さらに、分娩を取り扱う医療機関に関しては、県民からは、昔は近くに産科が幾つもあったのに、今はなくなった、分娩に関する病院や診療所がどこにあるのかわからないといった声も聞いております。  こうした不安の声に応え、県民の安心感を高めるためにも、分娩施設を利用する方々やその家族に対して、現在の地域ごとの産科・分娩施設の状況や、今後の方向性などをより一層わかりやすく周知していくことが重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  少子化が進む中、安心して産み育てられる神奈川の環境づくりに向けて、県は分娩環境の維持・確保により一層取り組むとともに、分娩を初めとする周産期医療の県民理解の促進に向け、その状況をわかりやすく周知していくべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、食を活かした未病改善について伺います。  未病を改善する取り組みとして、ベジタブル・ファーストを提案したいと思います。健康寿命日本一を目指すためには、健康格差をなくし、大きな割合を占めている無関心層に対する取り組みが重要です。  食事のときに、まず野菜から食べ始めるベジタブル・ファースト、この取り組みは、野菜の食物繊維が糖の吸収を緩やかにすることから、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。また、野菜を食べる習慣がつく上、野菜をかむときの刺激で満腹感が増すので、摂取カロリーを減らすことにもつながるということで、ベジタブル・ファーストについての医学論文が複数出されており、医療界でも注目されていると聞いております。  このベジタブル・ファーストに着目した政策が各地で実践されており、例えば東京都足立区ではあだちベジタベライフ-そうだ、野菜を食べよう-という取り組みの中で、食前にミニサラダを提供している飲食店などをベジタベライフ協力店として登録し、推進しております。  政策を実施してからわずか4年で、1人当たりの野菜摂取量を年間で5キロ増加させるという目に見える結果も出始めており、当然、足立区内の野菜流通量も増加し、経済効果も上がっていると言います。  この取り組みは、医師会や民間団体との連携、そして多くの企業の協賛を得ながら、具体的成果を残したことで、全国的に知られるようになりました。  健康のために野菜を摂取することの必要性の認識は広く浸透している一方で、野菜の摂取量はまだまだ不足していると指摘されており、意識はあるものの、十分な摂取には至っていないのが現状です。  神奈川県民の野菜摂取量も不足しており、国や県の食育推進計画が目標として掲げている1人1日当たり350グラムに対し、最近の県民健康・栄養調査では、県民の野菜摂取量は273グラムとなっております。  ちなみに、このグラフには入れておりませんけれども、長野県の男性の野菜摂取量、これは352グラムということで、目標数値を上回っております。  神奈川県では、食、運動、社会参加の三つの柱により、未病を改善する取り組みを進めており、県民の食の改善を重要な施策の一つとして位置づけ、推進しているものと承知しておりますが、このような現状を踏まえますと、取り組みをより一層充実させる必要があると考えております。  そこで、知事に伺います。  糖尿病など生活習慣病の予防や改善につながる県民の食生活の改善に、これまでどのように取り組み、今後どのように取り組みを進めていくのか、また、県民の野菜摂取量が不足している現状を踏まえ、わかりやすいベジタブル・ファーストの取り組みなど、野菜摂取をふやすために、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、企業の「デザイン力」を高めるための支援について伺います。  ものづくり大国である我が国では、機能などですぐれた製品を次々生み出してきました。しかしながら、すぐに他国の企業がこれに追随し、販売価格の下落を招くなど、せっかく製品を開発しても、製品の品質や機能のみでは国際競争において優位性を確保できない状況に直面しています。日本のほうが技術でまさっているのに、近年は、デザインの力で海外企業の製品が席巻しているようで、危機感を持っております。  物が売れるためには、製品の品質や機能とあわせて、製品開発の段階から、お客様の求めているものは何なのか、デザイン性も含めて考え、活用する、いわゆるデザイン思考の考え方が求められています。  県内では、事業所のうち、実に約99%が中小企業であり、ものづくり企業の割合が高いのが特徴です。本県の中小企業は、地域の活性化や雇用の確保、県民生活の向上に重要な役割を果たしているとともに、地域から経済のエンジンを回すための基盤でもあります。  しかし、中小企業は、大企業のようにデザイン専門の従業員を雇用する余裕はありません。デザイン会社に委託できる企業もありますが、委託する資金的余裕もなく、みずからデザインを考えざるを得ないのが実態と聞きますし、いまだにデザインは機能が完成した後のおまけといった意識も根強くあります。  一方、海外に目を向けますと、例えば、アメリカのアップル社では、ベンチャー時代から、企業理念に裏打ちされた製品の強みや技術、ブランドイメージをデザインにより表現し、iPhoneなど製品価値を高めて、市場拡大に結びつけることに成功しています。  また、IBMでは、ほかの職種の採用を絞り込む中で、デザイナーについては、1,000人以上の大規模採用を行い、企業戦略としてデザインを重視する姿勢を明確に打ち出しています。  〔資料提示〕  愛媛県今治市の今治タオルは、1990年代以降、外国産の安い製品に取ってかわられ、生産量が激減し、衰退の一途をたどっていました。そんな危機感から、製品のブランディングを確立させるため、グラフィックデザイナー佐藤可士和氏を起用し、今治タオルのロゴをつくり、製品のデザインを刷新しました。今治タオルの奇跡と言われる地方創生の成功事例は、デザインの力で実現したものなのです。地域に育まれてきた資源・商品を再発見する、そのきっかけとなるのもデザインであります。  こうした状況を踏まえ、経済産業省においても、今年7月、産業競争力とデザインを考える研究会を立ち上げ、デザインによる我が国企業の競争力強化に向けた課題を整理するとともに、その対応策の研究を開始したところであります。  中小企業は、こうしたデザイン思考の流れにしっかりと対応していかなければなりません。県としても、中小企業が、デザインについて製品化に至るまで総合的な支援を行い、企業の力を高めていくことが喫緊の課題であると考えます。  そこで、知事に伺います。  本県においても、企業からのデザインに関する相談を初め、県内中小企業のデザイン力を高めるための支援が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、三崎漁港におけるマグロを中心とした水産業の振興について伺います。  三浦市の三崎漁港は、遠洋マグロ漁業の基地として発展してきました。現在でも、三崎のマグロに引きつけられ、多くの観光客が訪れており、マグロを中心とした水産業は、観光面にも影響を及ぼす基幹産業となっております。三崎にとって、マグロはなくてはならない重要な地域のブランドであります。  しかし、三崎を取り巻くマグロを中心とした水産業は、非常に厳しい状況が続いています。遠洋で漁獲される冷凍マグロは、近年、資源管理の強化などにより、漁獲量が減少しており、さらに、大規模な冷蔵庫施設が整っている静岡県の清水港などに運ばれるケースが増加しているため、三崎漁港におけるマグロの水揚げは低迷しています。  三崎のマグロの強みは、刺身や寿司などに使われるメバチという種類のマグロを主に扱っておりますが、その品質に定評があり、三崎で水揚げ入札されたマグロは三崎マグロとして全国に名が知られており、さらに、最近では、アメリカ西海岸や東南アジアに輸出を開始して、三崎マグロブランドは世界へと発信されています。  しかし、このまま取扱量が減少していけば、ブランド力の低下を招くことから、マグロを中心とした三崎の水産業の先行きを危惧しているところであり、マグロ船の誘致など、マグロをいかに集めるかということは、大きな課題の一つであると考えております。  このような中、現在、三崎漁港では、三浦市が全国で初となる高度衛生管理の冷凍マグロ専用魚市場の整備を進めているところです。この魚市場が完成すると、冷凍マグロのさらなる品質の向上によって、産地間の競争力がアップすると期待されます。来年3月完成予定でございます。  一方、新たな魚市場が有効に機能し、活用していくためには、それを取り巻く取りつけ道路や駐車場など漁港施設の整備や、マグロの取扱量をいかにふやしていくかといった、ハード・ソフト両面の取り組みが不可欠です。  そのため三浦市では、行政や商工会議所、水産・経済関係団体、企業らがオール三浦で団結し、魅力ある漁港づくりを推進し、ポートセールスを積極的に展開することで、水揚げ高の増加、三崎魚市場の活性化につなげ、市内はおろか、広く県内経済振興に寄与させようと取り組んでおります。  そこで、知事に伺います。  三崎漁港におけるマグロを中心とした水産業の振興について、県としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、三浦野菜の産地活性化について伺います。  三浦半島は、海洋性と言われる温暖な気候に恵まれ、大根、キャベツを中心とした全国有数の野菜産地であります。この時期、東京湾や相模湾、富士山を背景に広がる広大な畑は、神奈川を象徴する風景の一つであります。  特に大根については、三浦市は冬の大根産地として市町村別で日本一の生産量となっております。大根は、主に11月から3月にかけ、おおよそ500万ケース、大型トラックで約5,600台の量が、関東を中心に、北海道から関西方面まで出荷されております。  また、冬から春にかけて生産されるキャベツも全国有数の大産地であり、首都圏の台所を支えております。今のように大産地になったことは、地域の気候や肥沃な土壌に恵まれた地の利を生かし、生産者が一丸となって、継続して生産拡大、品質向上など懸命に取り組んできたことによるものであります。  地域の農業経営を見ますと、若手も多く、積極的に規模拡大を進めている生産者や、直売など販路の多様化を進め、加工品の開発に取り組む生産者もいらっしゃいます。  こういった個々の経営の特色を生かした取り組みも重要と考えますが、やはり販路については、大産地ならではの強みを生かした市場への出荷が基盤となっております。  市場出荷の状況を見ますと、大根については価格の低迷が続き、かつてはキロ当たり100円以上という年もあったのですが、近年は70円から80円という年が多く、特に年内の11月・12月に出荷する荷が厳しいと聞いております。また、キャベツについても価格の変動が大きいようであります。  こうした市場価格の低迷や変動は、その年の天候や他産地からの状況などに影響を受け、やむを得ない面はありますが、生産者からは、このような状況では経営は安定しないとの声が多く聞かれます。  三浦半島が野菜産地として継続的に発展していくためには、生産者の経営が安定する収入の確保が重要であり、このことは地域経済の発展にもつながると考えています。  そこで、環境農政局長に伺います。  大根、キャベツを中心に営まれる三浦野菜の産地活性化のために、県としてどのように支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、街路樹の安全管理と景観形成について伺います。  三浦半島では、観光が主力産業の一つとなっており、この地域の資源を十分に活用することが必要です。  平成27年度には、三浦半島魅力最大化プロジェクトが、県と三浦半島の4市1町が連携して策定されました。城ヶ島・三崎地域では、新たな観光の核づくりが進むなど、さまざまな取り組みが開始され、地域の期待も大きくなっております。  三浦半島には、人を引きつける魅力的な資源がたくさんあります。毎年2月から3月にかけて開催される三浦海岸桜まつりは、三浦海岸駅から小松ヶ池公園を結ぶ道路の沿道にある河津桜が咲き誇り、ライトアップや地元特産品の販売が行われ、期間中約30万人の人が訪れます。  来年は2月5日からの開催となります。地域一体のまちづくりで満開となった河津桜をぜひ三浦海岸に見に来ていただきたいと思います。  この三浦海岸桜まつりのように、道路の街路樹は、適切な管理を行えば、多くの人々を引きつける良好な景観をつくり出す素材になると考えております。  しかし、その一方で、一たび牙をむくと、例えば、平成26年に川崎市内の商業施設で発生したケヤキの枝の落木による人身事故のように、安全を脅かすものになりかねません。  〔資料提示〕  このため、落木や倒木などに伴う事故の未然防止にしっかり取り組むことはもちろんのこと、美しい樹形や町並みを形成し、かつ、潤いや安らぎの効果がより発揮される、いわゆる樹冠の最大化を目指して、専門の技術者である街路樹剪定士を活用することなどにより、街路樹の剪定に取り組むことが必要であると考えます。  さらに、こうした取り組みで創出された美しい街路樹や並木を利用して、人々を呼び込むような取り組みも必要になると考えます。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を通して、多くの外国人観光客が神奈川を訪れることが期待されますので、魅力的な街路樹でたくさんのお客様をお迎えしたいものであります。  そこで、県土整備局長に伺います。  県が管理する道路の街路樹について、安全管理はどのように取り組んでいるのか、また、美しい景観を形成し、人々を地域に呼び込む観点から、どのような取り組みを進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  最後の質問は、地域・家庭・学校が連携・協働する活動の推進について伺います。  子供たちを取り巻く環境は、急激な少子・高齢化の進展、グローバル化や情報通信技術の進展などに伴い、複雑・多様化しており、いじめ、不登校、貧困など、さまざまな課題があります。  文部科学省の家庭教育の総合的推進に関する調査によれば、父母の41.4%が子育てに悩みや不安があると回答しています。また、厚生労働省の母親を対象とした子育て支援策等に関する調査によれば、12年前の調査と比較すると、地域に子供を叱ってくれる人がいるという回答が46.6%から20.2%に、子供を預けられる人がいるという回答が57.1%から27.8%に減少しています。  こうしたことは、子育てに悩む多くの保護者が、地域における人間関係の希薄化により、孤立化している様子を示していると認識しています。  県内の各地域では、こうした状況に対応していくため、学校での取り組みに加え、地域住民や企業、NPOなどの幅広い支援を得て、地域・家庭・学校が連携しながらさまざまな取り組みを進めていると聞いております。  私の地元、三浦市では、家庭教育を支援する取り組みである、はっぴー子育て応援団という活動が、平成23年から行われております。県内では唯一、このはっぴー子育て応援団だけが文科省の家庭教育支援チームの登録を受けております。  この活動は、元小学校校長や幼稚園長、保育士等が参加し、職域を越え、それぞれの経験を生かしながら子育て支援に向けたさまざまな活動に取り組んでいます。地域のさまざまな機関や団体から協力を得て、オーストラリアが発祥の前向き子育て講座ポジティブ・ペアレンティング・プログラム、略してトリプルを実施するなど、先進的な家庭教育支援を実践しております。  子供たちの抱えるさまざまな課題に対応しながら、健全な育成を図っていくためにも、この三浦市の取り組みのように、地域や保護者などの参画を得て、地域全体で子供たちの成長を支える活動の重要性が、今後ますます増していくものと考えます。  そこで、教育長に伺います。  県では、地域・家庭・学校が連携・協働する活動を、今後どのように推進していこうとしているのか、見解を伺います。  以上で、1回目の質問を終わります。  皆様、ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 石川議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、安心して出産できる環境の確保と県民理解の促進についてお尋ねがありました。  分娩環境の確保は、誰もが安心して産み育てられる地域社会を築いていく上で、大変重要であると考えています。  一方、分娩をめぐる状況では、産科医師が全国的に不足する中、出産の高齢化に伴い増加している、いわゆるハイリスク分娩への対応や、医師の過酷な勤務環境への配慮など、多くの課題があります。  そこで、県では、こうした課題に対応するため、県内の医療機関や産科医師の団体などと連携して、分娩施設の拠点化と地域連携の強化に取り組んでいます。これは、限られた医療資源を有効に活用して、安心できる分娩環境を確保するため、ハイリスクの分娩と通常の分娩を扱う施設の役割分担を明確化し、産科医師を拠点施設に集約化しつつ、妊婦健診などを行う地域の診療所や病院との連携を進めていくものです。  特に、緊急時については、既に本県独自の神奈川県周産期救急医療システムを構築しており、県内を六つのブロックに分け、基幹病院、中核病院、協力病院を指定し、妊産婦の救急搬送などに対応しています。  例えば、三浦市内において、分娩時の予期できない急変などが発生した場合は、同じ横須賀三浦地域の周産期母子医療センターが対応することになります。また、通常分娩などの平常時にどのような地域連携を進めていくかについては、医療機関や専門家で構成する周産期医療協議会において、地域の状況を共有しながら検討を進めているところです。  こうした取り組みとともに、県内の医療機関で勤務する産科医師を確保することも大変重要です。  県では、分娩にかかわる医師を中・長期的に確保するため、県内の4医科大学に地域枠を設定するとともに、修学資金の貸し付けを行っています。これにより、現在、産科を希望する6名を含む21名の医師が県内医療機関で勤務しているところであり、引き続きこの制度を活用して産科医師の確保に努めてまいります。  次に、県民理解の促進については、妊娠された方やご家族に安心していただけるよう、地域の医療機関の情報はもちろん、分娩施設の拠点化や地域連携など、県の取り組みについても、わかりやすく伝えていくことが重要と考えています。  今後、県内の医療関係者とも情報共有の上、県のホームページの内容を工夫し、よりわかりやすい内容を発信するとともに、市町村にも協力を呼びかけ、県民の皆様への周知に取り組んでまいります。  次に、食を生かした未病改善についてお尋ねがありました。  まず、県民の食生活の改善への取り組みについてです。  食は、健康の維持増進を図るための源であり、未病改善の取り組みを進める上で、大変重要なものと考えています。これまで、県では、大学や事業者、関係団体等と連携し、親子が食についてともに考える食育フェスタを開催するなど、食による未病改善に積極的に取り組んできました。  しかしながら、塩分のとり過ぎや若い世代の朝食の欠食率の増加、中高年のメタボ問題など、県民の食生活の改善には依然として多くの課題があります。  そこで、現在策定中の新たな「食育推進計画」では、栄養バランスに配慮した正しい食習慣をつけることを基本方針の第1に掲げています。この方針に基づき、例えば高校生向けの未病学習教材の中で食育を取り上げ、若い世代に栄養バランスのとれた食生活の大切さをみずから考えてもらうなど、主体的な食生活の改善が図られるよう、さまざまな取り組みを行ってまいります。  次に、野菜摂取をふやすための取り組みについてです。  野菜の適正摂取は、糖尿病やがんなどの生活習慣病対策につながることから、成人1日当たりの適正摂取量は350グラムが目安となっていますが、実際の摂取量は目標の8割程度にとどまっており、大きな課題となっています。  そこで、今後は、野菜の摂取量の増加に向けて、地域の食生活改善推進団体連絡協議会などと連携し、四季の県内産の野菜を使った料理講習会の開催や、企業と連携した野菜摂取の普及啓発に一層努めてまいります。  また、議員ご指摘の、野菜から先にとることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑えるベジタブル・ファーストについても、県が進めるかながわ方式保健指導や地域での食生活改善講座などを通じて、その実践を県民に広めていきたいと考えています。  次に、企業のデザイン力を高めるための支援についてお尋ねがありました。  売れる商品づくりを行うに当たり、デザインは商品の品質や機能と一体の関係にある大変重要な要素です。しかし、中小企業の中には、デザインの重要性に関する理解が十分進んでおらず、デザイン性の高い商品づくりの実践的なノウハウが不足しているところもあります。  そのため、県は、県立産技総研と連携して、中小企業に対し、デザインの重要性についての普及啓発と、実践的な力を向上させるための支援の両面から取り組みを行っています。  まず、普及啓発についてです。  中小企業のデザイン力を高めるには、デザインと機能を一体のものとして検討するデザイン思考の考え方を理解してもらうことが大切です。そこで、産技総研において、事業化に向けたデザインの重要性を啓発するデザインフォーラムや、中小企業でデザインに携わる方が日ごろの悩みや疑問点などを語り合えるデザインカフェを開催し、中小企業に対し、デザイン思考の考え方の浸透を図っています。  今後は、県内のデザイン専門機関と連携し、セミナーを開催するなど、取り組みを強化していきます。  次に、実践的なデザイン力を向上させるための支援についてです。  産技総研では、デザイン相談窓口を設け、売れる商品づくりに向けたアドバイスを行うとともに、製品の完成度を高めるため、開発の初期段階からデザイン案を提案するなど、個々の企業に合った支援を行っています。  支援に当たっては、企業自身がデザインに関し、課題意識を持ち、みずから考える機会を設けるなど、実践的なデザイン力が高まっていくよう工夫をしているところです。  今後は、産技総研に整備した最新の3Dプリンターやデザインソフトを活用し、企業みずからがデザイン支援を通じ、身につけたノウハウを生かして、試作や評価を行うことで、さらなるデザイン力の向上を図っていきます。  こうした取り組みにより、デザイン思考による商品づくりを支援し、中小企業のデザイン力を高め、競争力強化につなげてまいります。  最後に、三崎漁港におけるマグロを中心とした水産業の振興についてお尋ねがありました。  三崎漁港は、遠洋マグロ漁業の基地として発展し、最盛期の昭和40年ごろには、大型の遠洋マグロ漁船100隻以上が本拠地としていました。その後、資源保護のための漁獲規制などにより、日本の遠洋マグロ漁獲量が減少する中で、三崎漁港の魚市場におけるここ20年間の冷凍マグロの取り扱い量は、平成9年の約3万9,000トンから、平成28年には約1万4,000トンへ、6割減少しています。  今後、魚市場の取扱量を増加させていくには、三崎の魚市場に出荷するメリットを打ち出して、ほかの漁港に水揚げしている漁船などを誘致していくことが重要と考えています。  そのため、三浦市は、マグロのさらなる品質向上を図るため、高度衛生管理のマグロ専用魚市場の整備を進めています。また、県としても漁港管理者として、新たな魚市場の整備に合わせて、大型のマグロ漁船が停泊する岸壁の耐震性を高める工事を実施しています。さらに、魚市場に出入りするトラックが利用しやすいよう、今後、三浦市などと調整しながら、漁港道路や駐車場などを整備していきます。  こうした漁港整備に加えて、三崎のマグロのブランド力をさらに高めるため、販路の拡大や需要の創出を図る取り組みを支援していくことも重要です。  そこで、県の水産技術センターと地元企業が連携し、オリーブオイルとハーブで調理したマグロのコンフィを昨年の7月に商品化したところ、JALのショッピングサイトに採用されるなど、好評を得ております。今後も、このような消費者ニーズに応じた加工品開発を積極的に支援していきます。  また、京浜急行が販売しているみさきまぐろきっぷを使って、昨年は15万人を超える観光客が三崎を訪れ、マグロ料理などを楽しんでいます。このまぐろきっぷで利用できるレンタサイクルは、県が進めている城ヶ島・三崎地域の観光の核づくり事業で整備を支援しており、今後もさまざまな企業と連携して、観光客の誘致を加速していきます。  県は、こうした取り組みを推進することにより、三崎のマグロを中心とした水産業の振興を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 環境農政局関係のご質問にお答えします。  三浦野菜の産地活性化についてお尋ねがありました。  気候が温暖な三浦半島で主に栽培されている大根の県内生産量は全国第6位、またキャベツは第5位であり、特に三浦市は一大産地となっています。  一方、近年は、野菜の消費量の減少などを背景に、大根やキャベツの価格が低迷しています。そのため、今後も全国的な産地として発展していくには、ほかの産地に負けない高品質で消費者ニーズに合ったものを安定的に供給していく必要があります。  そこで、神奈川県農業技術センターでは、大根は形や大きさがそろい、収穫まで割れにくいこと、キャベツは葉の巻きぐあいがよく、病気に強いなどの特性を重視し、毎年、推奨する品種を選定して、栽培技術の指導などを行っています。  また、生産者の安定的な収入を確保していくには、大根やキャベツの生産量を抑制して、消費者のニーズが高まっている野菜に作付を変えていくことも重要です。  そこで、地元の農協や市と協議し、大根やキャベツの出荷時期である冬から春にかけて、まとまった需要のある野菜として、ブロッコリーやレタス、小カブの導入を進めています。  その際に、農業技術センターが三浦半島の気候や土壌に合った品種を選定して栽培方法を研究し、普及を図った結果、それらの3品目の作付面積は平成26年度の2.3ヘクタールから、昨年度は5.6ヘクタールに増加しています。  今後は、平成30年度までに作付面積を21ヘクタールに拡大することを目標としており、新たに生産を始める農家をふやすため、作付前の土づくりや病害虫の防除などについて講習会を行っております。  こうした取り組みを農協や市と連携して推進することにより、三浦野菜の産地活性化を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 県土整備局関係のご質問についてお答えします。  街路樹の安全管理と景観形成についてお尋ねがありました。  街路樹は都市の中の貴重な緑として、町並みに季節感や潤いを与え、まちの景観の向上や大気の浄化など、多様な機能があります。一方で、街路樹が倒れると、県民に直接被害を及ぼすことや、交通障害を引き起こすこともあり、適正に管理していく必要があります。  そこで、県では、日常パトロールにより、早期の異常発見に努めています。また、平成26年の川崎の事故を受け、高さ5メートル以上の街路樹約1万5,000本については、大きな事故につながるおそれがありますので、樹木の健康状態を把握するため、平成27年度から、順次、専門的な知識を有する樹木医による診断調査も実施しています。  こうしたパトロールや診断調査により、枯れた木などを発見した場合には、速やかに伐採するなど、事故の未然防止に努めています。  次に、美しい景観を形成するには、町並みに調和した整った街路樹をつくり出していくことが重要です。そこで、県では、市街地の中心部など、景観への配慮が必要な地域の街路樹の剪定に当たっては、樹木の特性をよく知り、その美しさを最大限に引き出すことができる街路樹剪定士を活用しています。  こうした地域にお住まいの方々からは、木の形が美しく整えられ、景観がよくなったという意見も寄せられており、順次、街路樹剪定士の活用地区の拡大を図り、良好な景観形成に努めているところです。  今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据え、人々を呼び込む観点から、こうした美しい景観を県のホームページやSNSなどで積極的に紹介することにより、街路樹からもまちの魅力を発信します。  県としては、引き続き街路樹の安全確保や良好な景観形成に努めながら、地域の活性化につながる取り組みもしっかりと進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  地域・家庭・学校が連携・協働する活動の推進についてです。  現在、多くの市町村では、登下校の見守りや校内の環境整備など、地域の方々によるさまざまな学校支援活動が行われています。しかし、こうした活動への参加は、保護者や住民の方の一部にとどまっているケースが多く、また、地域から学校に対しての一方通行となっているのが実情です。このため、今後、地域全体で子供たちの学びや成長を継続的に支えていくためには、家庭を含めた地域と学校が相互に連携・協働する仕組みを構築していくことが必要です。  こうした中、本年4月に改正社会教育法が施行され、国から、学校を核に地域全体で子供たちの成長を支えるための地域学校協働活動の取り組みのあり方が示されました。  地域学校協働活動は、各学校に総合調整の役割を担うコーディネーター等を配置することで、地域が学校を支援し、学校が地域に貢献する活動を組織的・継続的に実施するものです。県内では、現在、小田原市等3市がこの取り組みを進めています。  今後、県教育委員会では、こうした先進的な取組事例を市町村主管課長会議などを通じて紹介し、その拡大を図っていきます。  また、地域での活動に携わる方々を対象に、学校との連携手法にかかわる研修会を開催するなど、市町村の取り組みを支援してまいります。  あわせて、小中学校等で地域学校協働活動に取り組んでいる市町村において、これらの活動と地域の県立高校が連携・協働する新たな仕組みも検討してまいります。  答弁は以上でございます。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 知事並びに環境農政局長県土整備局長、教育長におかれましては、丁寧な答弁をいただき、まことにありがとうございました。  それでは、三浦野菜の産地活性化について、1点、再質問させていただきます。  三浦野菜の産地活性化に向けて、将来、需要が見込まれるブロッコリーですとか、レタスといった作物への転換の促進ですとか、品種の選定などに取り組まれていることは理解しました。  こうした取り組みも非常に大切であり、積極的に推進していただきたいと思っておりますけれども、しかしながら、三浦野菜産地の活性化を図るためには、先ほど答弁いただいたような取り組みと並行しまして、全国的なブランドとなっている、今の大根、キャベツ、これのさらなる販売促進に取り組むことも重要であると考えております。  そこで、三浦野菜の代表格であります大根、キャベツのさらなる販売促進に向けて、どのような支援を行っていくのか伺います。  〔環境農政局長(藤巻 均)発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 藤巻環境農政局長。 ◎環境農政局長(藤巻均) 再質問にお答えいたします。  三浦の大根とキャベツはかながわブランドに登録されていますので、まずは、県内での販売促進に向けまして、スーパーマーケット等と連携して、かながわブランドフェアを開催する際に、産地直送による新鮮さをポップなどでアピールしていきます。  また、全国も視野に入れまして、大根については、新たな需要を創出するため、浅漬けたくわんといった加工品の開発支援を行っており、キャベツについては、近年、需要が伸びている飲食店などの業務用として出荷するための食品加工業者とのマッチングなども行っております。  今後も、こうした高付加価値化や販路開拓の取り組みを支援することにより、販売促進に努めてまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔石川 巧議員発言の許可を求む〕 ○議長(佐藤光) 石川巧君。  〔石川 巧議員登壇〕 ◆石川巧議員 再答弁、まことにありがとうございました。  それでは、最後に何点か要望させていただきます。  まずは、安心して出産できる環境の確保と県民理解の促進についてであります。  答弁いただきましたように、産科医の不足ですとか、過酷な勤務環境、そしてハイリスク分娩といった出産環境の変化によりまして、いわゆる拠点化ですとか、医師の集約化が必要であるということは認識しました。しかし、今回、三浦市の分娩休止を受けまして、県民の皆様がそのことに関して、まだまだ認識というか、周知が足りないのではないかと感じました。  県民の皆様の不安解消のためには、分娩施設へのアクセスですとか、健診と分娩の分担といった現在の出産環境について、より一層周知徹底していただきたいと思っております。  安心して産み育てられる神奈川に向けて、妊婦の方の負担や不安を少しでも減らせるよう、県として、環境整備や県民理解促進に向けて取り組みをより一層推進することを要望いたします。  次に、食を生かした未病改善についてであります。  ベジタブル・ファーストの提案をさせていただいたのですけれども、本当にこれはわかりやすくて、効果的な結果が出ると信じております。  先ほど、知事から食育と連動させるという話もありましたが、農産物の地産地消という観点で言えば、例えば、これは三浦産の野菜を売り込むための三浦野菜ファーストと銘打つことで、健康増進だけではなくて、県産品野菜の消費増加も期待ができます。これはまさに、知事の提唱してきた医食農同源でありまして、地元野菜を育む農を取り込んだ健康政策として、ぜひ三浦野菜ファーストを推進いただくことを提唱いたします。  続きまして、企業のデザイン力を高めるための支援についてであります。  石川県では、昭和59年から、大阪、愛知に次いで、デザインセンターを設立しまして、県民のデザイン意識の高揚と産業界のデザイン導入促進に向けて、総合的な支援をしてまいりました。  一方、神奈川県というのは、まだまだ中小企業支援策として、積極的にデザイン支援ですとか、デザイナー育成をするという観点というのは少なかったのではないかと思っております。  デザインの地産地消という観点では、県の事業で、ぜひ地元の広告会社ですとか、デザイナーを活用することで、地元のデザインを育成していただきたいと思いますし、改めてデザインの力を認識して、企業のデザイン支援はもちろん、県内デザイナーの育成ですとか、人材育成に取り組むことで、デザインの地産地消、神奈川らしいデザインを推進していただきたいと思います。  次に、三崎漁港におけるマグロを中心とした水産業の振興についてであります。  どうしても三崎漁港というと、三浦市だけの問題と捉えられがちなんですけれども、この三崎漁港、全国には13カ所しかない県内唯一の特定第三種漁港であります。これは水産業の振興上、特に重要と国の政令で位置づけられております。県内はもちろん、首都圏の大消費地に対して、マグロや鮮魚を供給する重要な役割を担っております。  今、静岡県との競争が本当に厳しい状況でありまして、三浦市や商工会議所から県に対して、強い切実な要望があると思っております。ぜひかながわブランドである三崎マグロを守るために、オール神奈川で、漁船の誘致、漁港整備、ポートセールスを積極的に展開させて、県水産業の発展に積極的に取り組むことを要望いたします。  次に、街路樹の安全管理と景観形成についてであります。  ご答弁いただいたとおり、街路樹剪定士等を使うことで、ぜひ魅力的な街路樹を神奈川県内に広げていただきたいと思います。  三浦海岸桜まつりは、地元商店街の方々が閑散期の2月ににぎわいをもたらそうと、一本一本地道に桜を植えることででき上がったまちづくりの物語であります。確かに、街路樹によって地域が活性しました。  東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、ぜひ魅力的な街路樹でたくさんのお客様をお迎えできるよう、樹冠の最大化された美しい街路樹の整備を要望いたします。  最後に、地域・家庭・学校が連携・協働する活動の推進についてであります。  国のほうでは、平成18年、教育基本法を改正しまして、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と明記しました。熊本県のくまもと家庭教育支援条例を初め、既に8都道府県、5市町村で家庭教育を推進しております。  ぜひ、子供の未来のために市町村による家庭教育支援初め、地域全体で子供たちの成長を支える活動に対して、県として積極的に支援することをお願い申し上げ、以上で、私の質問を終わりにさせていただきます。  ご清聴まことにありがとうございました。 ○議長(佐藤光) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤光) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(佐藤光) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明8日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後4時56分 散会...