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2023-03-08 令和5年予算特別委員会(第3号)(速報版) 本文
2023-03-08 令和5年予算特別委員会(第3号)(速報版) 名簿・議事日程

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  1. 東京都議会 2023-03-08
    2023-03-08 令和5年予算特別委員会(第3号)(速報版) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時開議 ◯小宮委員長 ただいまから予算特別委員会を開会します。  初めに、委員外議員の発言の申出について申し上げます。  上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、本日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。  この際、本件に対し発言の申出がありますので、これを許します。 ◯尾崎委員 日本共産党を代表し、委員外議員の発言の申出について意見を述べます。  我が党はかねてより、議員の発言の機会はひとしく保障されるべきであると主張してきました。  都議会では、予算の審査が予算特別委員会と各常任委員会に分割付託されていて、予算特別委員会に委員を出していない会派は、自分が所属する常任委員会に分割付託された部分しか予算審議することができません。少数会派には予算全体の審議に対する発言の機会が保障されていないということになります。  都民に選挙で選ばれ、都民の願いを前に進めるために、来年度の予算の審査について、会議規則に沿って発言を申し出るのは当然のことです。  よって、上田令子議員委員外議員の発言の申出は認めるべきだと考えます。  以上です。 ◯小宮委員長 発言は終わりました。  本件は、起立により採決いたします。  上田令子議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯小宮委員長 起立少数と認めます。よって、上田令子議員の発言は許可しないことに決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯小宮委員長 これより付託議案の審査を行います。  第一号議案から第二十八号議案まで及び第百十号議案を一括して議題といたします。  昨日に引き続き総括質疑を行います。
     川松真一朗委員の発言を許します。 ◯川松委員 私からは、都民の皆様、都内事業者の皆様はじめ、多くの方に納税をしていただいている。そして、集まってきた税金は一体誰のためのものであるのか。小池知事のためでもなく、都庁舎のためでもなく、納税されたお一人お一人のものだと、そういう認識の下に、今日は様々な項目について質問をしてまいります。  また、時間に限りがございますので、答弁していただきたい局長の方、早く出てきていただいて、そして関係のない答弁はやめていただくようにお願いをして、始めてまいります。  昨日の我が党、菅野政調会長の質疑に続きまして、まず、減税について伺ってまいります。  コロナとの闘い、これは次のステージに向けて動き出しているわけですが、一月の消費者物価上昇率は四十一年ぶりの高水準となるなど、目の前の都民の皆様の暮らしは依然として厳しい状況が続いています。  先般の本会議代表質問におきまして、三宅幹事長から、また、そして昨日の菅野政調会長からも、減税という手法によって支援を行うことは、迅速かつ効果的な経済活性化の手法の一つなんだということを重ねて指摘いたしました。  令和四年度の最終補正予算案の審議に当たっても、増えた税収や余った予算などを基金にためるだけでいいのか、今苦しい状況にある方に手を差し伸べるという選択肢についても比較検討するべきではなかったのかということを先般の財政委員会で私は申し上げました。  新年度予算の編成に当たっても、中長期的視点を持つことや、将来世代のことを考えることは当然必要です。しかし、忘れてはいけないのは、目の前の厳しい状況で疲弊されている都民の皆様への支援策が十分なのかどうかということです。  これまで我が会派は、一つの方策として減税について提言しているわけですけれども、こうした観点からまず確認いたします。  仮に、私たちが提言をしている個人都民税二〇%減税を行った場合、令和五年度当初予算ベースで影響額は幾らになるのか、また、都税収入における割合はどれほどになるのかを伺います。 ◯小池主税局長 令和五年度当初予算における都税収入は約六・二兆円であり、そのうち個人都民税所得割及び均等割の税収は約九千七百億円となっております。  仮に個人都民税二〇%の減税を行った場合、約千九百億円の減収が発生いたします。都税収入に占める割合は三・一%であります。 ◯川松委員 令和五年度の都税収入はおよそ六・二兆円ということで、減税による影響額というのは、都税収入全体だとおよそ三%ということです。影響額であるおよそ千九百億円という金額の響きは、とても大きな金額になりますけれども、都財政の規模からすると、そこまで大きなウエートを占める金額ではなくて、減税に必要な財源を捻出することは不可能ではないように思います。  そこで、昨日の質問と重複する部分もあるのですけれども、一度お聞きしますが、財源は確保できると仮定した上で、現下の状況を踏まえ、一時的でもいいんですよ、私たちがいっているのは、恒久的じゃなくて時限的ということで個人都民税二〇%減税を提言していますけれども、これはできないのか、主税局長に改めて伺います。 ◯小池主税局長 個人都民税は、住民が地域社会の費用を広く負担するという考え方から設けられているものであります。都民生活の支援として個人都民税を減税することについては、高額所得者ほど減税額が大きくなる一方で、非課税となる所得が一定以下の方に対しては減税の効果が及ばないなど、税の公平性の観点から課題があるものと認識しております。  また、個人都民税は、地方税法に基づき、区市町村が区市町村民税と併せて課税、徴収しており、個人都民税の減税を実施する場合には、都内全ての区市町村において税務システムの改修が必要になるという課題もあると考えております。 ◯川松委員 私は、できるかできないかを聞いたんですよ。税制やシステム上の課題をるる述べられているようなことを、私、聞いているわけじゃないんですね。  ですから、今聞いていることだと、課題はお答えになっているわけですから、個人都民税の減税はできないという答弁ではない。つまり、できるわけなんです。  また、住民税の減税は非課税の方に効果が及ばないということもお話しされていますけれども、減税というものを単体で考えるとそうなるんです。減税と非課税世帯への支援をパッケージにするという視点になれば、今いった課題も乗り越えられると思います。  できない理由を列挙するのではなくて、課題がある中でも、知恵を絞ってどうすれば進めることができるか、これが小池知事が目指している都政の姿なんじゃないですか。  次、減税した場合の都財政への影響についても確認しておきますが、先ほどの減税の影響額について、令和四年度最終補正予算で基金へ積み増しを行った額に占める割合、加えて、令和五年度予算における基金全体の残高及び財政調整基金の残高に占める割合を伺います。 ◯吉村財務局長 令和四年度最終補正予算では、三つのシティ実現に向けた基金に三千七百七十四億円の積み増しを行いました。  また、令和五年度末時点において、基金全体の残高見込みは一兆六千九百三十五億円であり、このうち財政調整基金の残高見込みは五千六百三十八億円でございます。  お話にありました千九百億円という影響額につきまして、四年度最終補正予算での積み増し額に占める割合は五〇%、五年度末基金残高に占める割合は一一%、財政調整基金の残高に占める割合は三四%でございます。 ◯川松委員 ありがとうございます。基金残高に占める割合は一一%程度だけれども、財政調整基金の残高に占める割合は三四%に上る。減税によって財政調整基金が千九百億円も減ってしまうと、財務局としては心細いんだということは理解できます。  しかし、私が注目したいのは、令和四年度の最終補正予算で、都は、使途の限定されている基金に四千億円も積み立てて貯金をしたんですよ。つまりこれ、令和四年度余ったお金を四千億円貯金したんですね。仮にこの一部を財政調整基金に積んでおけば、財政対応力を十分に維持したまま、減税の原資を確保することはできたんじゃないんですか。  常々申し上げておりますが、恒久的に減税を行うべきだということを私たちは主張しているんじゃないんです。苦しい生活、経営にあえぐ都民の皆さん、少なくとも今の経済が元に戻るまでの時限でも、一度チャレンジしてみてはどうですかという提案をし続けてきているんです。  これまでのやり取りでは、都が真剣に、こういった都民の皆さんの現状を感じて、このことに向き合っているとは思えませんけれども、冒頭いったように、納めていただいた税金は納税者のものだという感覚であるならば、余ったお金は納税者の方に還元するような方策をやっぱり考えてほしいです。  一度集めた税金は自分たちのものだ、都庁のものだという、この前例踏襲の役所的な発想から抜けられないままであったら、この未曽有の困難をどうやって乗り越えていくんですか。  令和五年度も、四年度に実際に起こったように、税収が上振れする、あるいは歳出精査によって財源が確保できる可能性十分にあります。こうした際に、これまでのように、ためる、将来に向けてためるの一択ではなくて、今、目の前の困っている都民の皆さんにお返しするという発想を持っていただきたいと考えます。  昨日の我が会派の菅野政調会長の質疑において、将来を見据えても都財政は一定の財政対応力を維持できているという認識、示されていたじゃないですか。  そこで、令和五年度予算を編成した今、先ほどお聞きした影響額を踏まえて、減税に対応可能な財政状況だと私は思いますけれども、いかがでしょうか。 ◯吉村財務局長 都の歳入の大宗を占めます都税収入は、令和二年度に前年度比四千億円の減収となるなど、景気の動向に左右されやすい不安定な構造でございます。また、都は、地方交付税の不交付団体であることから、他の自治体以上に自立的な財政運営が求められております。  世界的な金融引締めに伴う影響、物価上昇等による経済の下振れリスクなど、景気の先行きを見通すことが困難な中、将来に向けて強固な財政基盤を堅持していくことが重要であり、都財政にとって、年額一千九百億円の減収による影響は非常に大きいものと認識してございます。  また、そもそも減税により、都債の発行に際し、国からの制約がかかることになり、財政運営上の制限を受けることになるほか、減税の効果が及ばない低所得者が生じるという課題があるものと認識してございます。 ◯川松委員 最後の部分に関しては、パッケージという方策もあるよというお話をしたばっかりでこの答弁はちょっと残念ですね。  結局、今の話というのは、将来への備えが重要だという話なんですよ。私たちがいっているのは将来じゃなくて、今、目の前なんですよ。五年後、十年後の前に、あしたのこと、都民の皆さんのことを考えてくださいということをいっているんです。  今もなお、コロナ禍に加えて、物価高騰やエネルギー価格の高騰で追い打ちをかけられているんですよ、都民の皆さん。そういった方々を支えることよりも、財源の確保と財政基盤の維持の方が重要というニュアンスの財務局長の答弁。財務局長の頭の中に都民の皆さんの姿が少しでもあれば、もっと違う答弁になるんじゃないんですか。  昨日の菅野政調会長の質疑の中で小池知事は、財源の確保に向けて、マイナスシーリングや施策の終了など、あらゆる手だてを講じたと答弁されていました。今お話しした都債の発行だってマイナスシーリングしているということは、都債の発行を抑制できるじゃないですか。  改めて聞きますけれども、令和五年度予算編成においてマイナスシーリングを設定した考え方と、その取組による縮減額について伺います。 ◯吉村財務局長 限られた財源の中、積極的な施策展開を推進していくためには、予算要求の段階におきましても、無駄をなくす取組を一層強化する観点から、各局における主体的な見直しを促すことが重要でございます。  そこで、令和五年度予算編成では、事業実績が目標を大きく下回るものや、執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しが必要な事業につきまして、各局と調整し、原則としてマイナス一〇%のシーリングを設定することで、施策の新陳代謝を促すこととしており、この取組による縮減額は約百億円となってございます。 ◯川松委員 今おっしゃったような見直しを図る取組は確かに重要です。ただ、一方、知事が唐突に表明をされたお子さん方への五千円給付事業は、当然のことではありますが、お子さんがおられない方々には恩恵はないにもかかわらず、千二百六十一億円という金額が令和五年度予算に盛り込まれ、単年度で終わる予定の事業ではないというように聞こえてきます。  継続して行う予定の事業に一千億円以上の金額を充てることができるにもかかわらず、私たちがいっているコロナ禍、あるいはエネルギー価格高騰など、時限的に、もしくは単発の措置でも構わないので対応してほしいという都民の声にどうして応えられないのでしょうか。  余った税金は自分たちのものではなくて、都民の皆様のもの、納税者の皆さんのものだという視点に立ち、思い切った取組を検討していくことが重要だと考えます。  減税という手だては一つの手法であって、これと同様の効果を伴う施策を様々な形で講じていくことは可能だと思います。全ての都民が実感できる大胆な支援策について知恵を出し合いながら、具体的な検討を進めていただきたいと思うわけですが、改めて念を押しておきますけれども、今の東京都では減税することはできます。可能だということを何度も確認してきましたし、今日も確認いたしました。そして、財源もあります。ということは、小池知事の決断一つです。  〇一八サポートも、太陽光パネルの義務化も、知事の独断でやったわけですから、納めた税金は都庁職員のものではなくて都民のものだ、納税者一人一人の顔を思い浮かべて、まさに都民ファーストの精神で減税の決断を求めさせていただき、次の質問に移ります。  次は、技術職員の確保という視点で何点かお聞きします。  東京の都市強靱化など、次世代のまちづくりという観点で技術職員が必要な事業は今後も増加していくであろうということはいうまでもありません。平成十年代など、過去において職員定数を削減した時期もありました。  近年、ICT職などの確保に力を入れていることが目立っていますが、都市生活の基盤となるインフラを支える専門職、こちらも重要です。今後、各種施策を進めるに当たって、定数は、十年前対比で、土木職は二百十人、率では約一五%の増、建築職は九十人、率では一九%の増となっています。  そこで、近年の技術職員採用動向について、申込者数や倍率の推移を伺います。 ◯初宿人事委員会事務局長 人事委員会では、例年春に採用予定者数が最も多く、大学卒業程度の能力実証として、I類B一般方式の採用試験を実施しております。  この試験の土木区分の申込者数は、十年前の平成二十五年度が六百四十三人、直近の令和四年度は三百十一人です。また、最終合格者数に対する受験者数の倍率は、平成二十五年度が二・八倍、令和四年度は一・五倍となっております。  この間、申込者数、倍率ともに減少、低下しており、建築、機械、電気の区分についてもおおむね同様の傾向となっております。 ◯川松委員 つまり職員採用に関しては、なかなか応募者が確保しにくい現状認識ということを今伺ったわけですね。  国や民間企業に負けないように人材を確保していくためには、様々な取組が必要だと誰もが考えると思いますけれども、今申込者が減っているという答弁がありましたが、様々な方に志望してもらえるように、まずは試験制度の見直しが必要だと思いますが、認識を伺います。 ◯初宿人事委員会事務局長 今月、採用試験の主軸でありますI類B採用試験の見直しについて公表したところであり、来年度から速やかに実施いたします。  具体的には、事務職である行政区分のほか、土木、建築、機械、電気の区分の合格者は、合格後三年間、自らの意思で採用年度を柔軟に選択できるようにいたします。このことにより、採用試験合格後に、大学院を修了してから入都するなど、受験者の多様なキャリア選択が可能となります。  さらに、土木、建築、機械、電気の区分で、春の試験とは別に、九年ぶりに秋にも試験を実施いたします。こうした取組を通じて、志望者のチャレンジ意欲を喚起するとともに、受験機会を拡大し、技術職の受験者の増加を図ってまいります。 ◯川松委員 年間を通じて、既に数多くの試験を実施している人事委員会でも、採用試験の主軸となる試験で新たな取組に着手しているということが分かりました。  一方で、現代の人材獲得競争が激しい中で、未来の東京について必要な人材の確保が大切になります。折しもニュースで伝えられるように、民間企業では賃上げの動きも活発化しています。都庁職員の給与は、人事委員会勧告に基づいて給与が決まるというのは大前提ですが、原理原則を突っ張るだけでは、専門人材の確保というのはかなり難しくなるのは目に見えていますよね。  都市強靱化は、安全・安心な東京を構築すること、ひいては都民の皆様の命と財産を守るためにあるんだと。この政策は柱になっているわけです。この仕事に従事していく方々が、いや、公務員は割に合わないなといって民間に流れていけば、まさに未来の東京の公益性というのは損なわれることになるわけです。  聞くところによると、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会に出向していた職員が、民間に魅力を感じ、離職したというケースも一定数あると伺っています。  私、コロナの流行のときにも大分繰り返し主張してきましたけれども、結局、現場でハードな職に当たっていたとしても、公務員だからという理由で、現場の皆さんの負担増に対して特別な手当を打つことができませんでしたよね。結果、保健所の保健師さんたち、看護師の皆さんの離職も増えているというふうに耳に入ってきます。  そういう前例や原則にとらわれることなく、働きやすい職場づくり、選ばれる職場づくりが今の都庁に求められていると考えますけれども、見解を伺います。 ◯野間総務局長 都はこれまでも、時差勤務やフレックスタイム制の導入、テレワークの活用など、時間や場所にとらわれない柔軟で多様な働き方を推進してまいりました。  また、ライフ・ワーク・バランスを支援する制度を整備するとともに、全管理職がイクボス宣言を行い、職員が生活と仕事を両立できる職場づくりを進めてございます。  さらに、男性職員の育業を促進するため、一月以上の育業等を勧奨してございます。  引き続き、働き方改革を進め、魅力ある職場環境を整備してまいります。 ◯川松委員 今、都庁の職場環境の改善、働きやすい職場づくりに向けた取組を確認しましたが、いわゆるZ世代といわれる今の学生たちには、安定、終身雇用、首にならないなど、一昔前の公務員のイメージは響かないんじゃないかと思うんですよね。  学生はよく企業を研究し、就職先を選択しています。企業の情報や実態も、SNSなどあらゆる情報源を通じて、昔と比べて格段に手に入りやすくなりました。  そうした学生が都庁に目を向け、都庁を志してくれるよう、試験制度や処遇の見直し、職場環境、働きがいなどあらゆる面から体制を抜本的に見直して、民間との人材獲得競争に負けない都庁へと生まれ変わっていくことが必要だと考えます。  今後、今の歩みをより一層加速させ、様々な観点から制度や職場環境を見直し、学生などに選ばれる都庁に生まれ変わっていくべきと考えますが、認識を伺います。 ◯野間総務局長 都が多くの志ある技術人材から選ばれるためには、人事制度の見直しや、職員の働き方改革などの様々な取組に加え、自らの成長を実感できる魅力ある都庁を実現することが重要でございます。  そのためには、業務を通じた職員の技術力向上、育成や、民間企業等との人事交流、海外研修など、職員が成長し続ける環境を充実させていくことが不可欠でございます。  加えまして、こうした都庁の魅力を採用市場に発信するとともに、人事委員会と連携し、民間企業志望者や転職者もチャレンジしやすい採用の仕組みを構築してまいります。 ◯川松委員 当面の対応について伺いましたが、民間企業では国境を越えた人材獲得が進む中、中長期の対応を考える上で、海外の取組も参考にすべきであると考えていましたら、この質問の調整をしていたら、総務局も人事委員会も僕に何もいってこなかったけれども、人事委員会の事務局長が最近ニューヨーク市を訪問されていたというふうに聞いています。  だから、そこの人事制度等の調査研究も聞きますよ。この後聞きますけれども、その前に、まずは今月から新卒採用の広報活動が解禁となった民間企業での採用手法について、人事委員会事務局長の見解を伺います。 ◯初宿人事委員会事務局長 人材獲得競争が激化しておりますけれども、そういった中、民間企業では、採用予定者の大学生、それから大学院生に対しまして、職層別やスカウト型など、多様な採用手法で人材確保に動いていると認識をしております。  従来は、総合職として一括して採用し、その後に配属先を決めるという方法が一般的でございました。お話の、今月から始まりました民間企業での新規採用職員採用におけます広報活動では、例えば経理、財務といいました職層別採用が増えてきているとの印象を持っております。  これは、キャリア教育の浸透などを背景といたしまして、大学院生や大学生の配属先へのこだわりが強くなってきていることに対応し、入社後のキャリア形成がしやすいことを強調した採用活動の一つであるというふうに認識をしております。 ◯川松委員 ありがとうございます。ということで、ニューヨークには人事委員会と総務局、都市整備局の職員も行かれたということであります。  このまさに人事制度等の調査研究を行ったことについて、またコロナ対策も含めて、このニューヨーク市に皆さん方が訪問されて、一体何を得て、そして今後に生かしていくのかということを、通告にありませんでしたけれども、お聞きします。 ◯初宿人事委員会事務局長 まずは一言、今年度予算として海外出張の貴重な経験を積ませていただきましたことを、都議会をはじめといたします都民の皆様に心から感謝を申し上げます。  ご質問ですが、この経験で得ましたのは、まず、私、都の人事制度で、職務専念義務免除として認められております献血。実は私自身、日米通算で百八回目となります献血を入国した翌日の土曜日に姉妹友好都市ニューヨーク市で行いました。そこで医師、看護師の業務範囲が日本と異なることを体験いたしました。  そして、ニューヨーク市役所でのヒアリングでございましたけれども、人材の流動性が高く、同じポストで長期間勤めるということはまれでありまして、職員は自身の興味や能力に合わせて、民間企業も含めました新たなポジションに随時応募していくというようなキャリアアップ、キャリアのステップアップですね、これを図っていることを知りました。  特に今回質問の対象になっております専門職、特に技術職につきましては、専門的な知識が必要であるということを反映いたしまして、給料が高く、そして専門職であることが魅力となっていることも知りました。  なお、都人事委員会では、先ほど答弁しましたけれども、受験者の多様なキャリア形成が可能となる採用年度の柔軟化、そして一部の試験区分での秋試験の実施といたしました試験制度の見直しを行いまして、都庁の職員採用試験の魅力向上に努めております。 ◯川松委員 せっかくそうやって海外で学んできたことがあるんだったら、事前のときからいろいろと教えてもらえれば、もっと質問の組立ても変わったと思いますけれども、そういったことも含めて、都民に必要な行政サービスが確実に行き渡るように、優秀な人材を着実に採用できるよう、不断の見直しを期待しまして、次の質問に移ります。  自殺対策です。  昨年の児童生徒の自殺者数が五百十二人と過去最多となりまして、文部科学省は二月二十八日、児童生徒の不安や悩みの早期発見など、自殺予防の取組を求めるということになったわけですね、教育委員会の皆さん方には。  具体的には、長期休業明けの時期に自殺が増加するのではないかということでございまして、アンケートや教育相談など、学校現場、頑張ってくださいということです。  私は、いわゆる相談する相手がなかなかいないという方に対しては、一人一台端末を持って、SNSなどを活用して、相談環境の中で整備をして、早期発見して、解決に導くということで提案をしてきたわけですけれども、教育委員会の中の学校では、全てが、配られたタブレットなど端末はSNS禁止になっていなくて、SNSを使ってもいいという学校があるわけですね。これは全国的に見ても極めてすばらしい取組なんです。  ですから、これがほかの学校にもどんどん広がって、SNSで気軽に相談ができる、我々からすれば、早く見つけられる体制をもっと強化していただきたいということを教育委員会にまず要望します。  その上で、子供の自殺の要因として家庭問題が挙げられることが多いわけですが、従来だと民生委員や児童委員、こうした方々が相談に乗ってきたわけですが、高齢化が進んで担い手不足が指摘されています。  こうなってくると、現代に即したつながりの在り方が必要なんじゃないかと思いますけれども、見解を伺います。 ◯西山福祉保健局長 自殺の背景は、様々な要因が複雑に絡み合っていることから、地域や学校などで、困難を抱える方の周囲の人々がゲートキーパーとして悩みに気づき、声をかけ、必要な支援につなぐことが重要でございます。  このため、都はこれまで、ホームページやSNSなどによる普及啓発に加えまして、職場でゲートキーパーの養成研修に活用できる動画などを作成してまいりました。  さらに今年度は、自殺リスクの高い方と接する機会の多い医師や薬剤師等を対象に、ゲートキーパー養成研修を開始いたしました。  来年度は、スキルアップに向けた研修も新たに実施するほか、より多くの方が受講できるよう、オンデマンドでの配信も実施をいたします。
    ◯川松委員 助けを求めようとしていない、助けを求める選択肢すら思い浮かばない子供たちを早期に発見して支援につなぐということで、今のお話だとか、様々な取組が必要だと思いますけれども、今後のことも含めて、こういった見解、どうなのかお伺いします。 ◯西山福祉保健局長 都は、悩みを抱える方を早期に適切な支援につなげるため、インターネットの検索連動型広告を用いて相談窓口を案内する取組を実施してございます。  今年度は、昨今の社会情勢の変化等により、自殺リスクの高まりが懸念されることから、検索連動型広告の効果的な運用に向けた調査研究を実施しております。  今後、親との関係や、市販薬への依存などの悩みを抱える子供たちに効果的に訴求できるキーワードや、相談行動を促すための広告文などに関する報告書を取りまとめ、区市町村や民間団体にも提供するなど、関係機関と連携して子供たちを守る取組を進めてまいります。 ◯川松委員 ありがとうございます。特に三月、今月は本当に自殺対策ということでは大変に重要な時期であるというふうにいわれていますから、福祉保健局も、教育庁の皆さん、関係各機関、この点について緊張感を持って取り組んでいただきたいということを要望します。  次に、若年被害女性等支援事業について伺ってまいります。  まず初めに、この事業については、住民監査請求が平成二十八年八月一日以来六年ぶりに受理をされたことで、都民のみならず、全国的に注目が集まってきました。  その中で先般、二月二十二日の都議会本会議一般質問におきまして、我が党の浜中都議が小池知事にこの事業等の認識を伺いましたけれども、知事は質問をスルーし、お答えになりませんでした。しかし、先週、三月三日の定例記者会見では、同様の内容の記者からの質問に対して、国からの委託事業ですと、まるで人ごとかのような答弁をされたわけです。  都民全体の奉仕者であり、その意思を代表する性質を持つ存在の議員の、しかも本会議場における質問はスルーしたけれども、記者の質問には答えるという姿勢には、私だけではなくて、多くの方が憤りを感じられたということをまず申し上げます。  その上で、そもそも知事が答えた、これは国からの委託事業ですというのは、発言として間違いだと思うんですね。実施主体が東京都ですので、記者会見で語られた内容は間違いだと思いますけれども、これ、黒沼副知事、私の認識で合っていますよね。これ、国からの委託事業ですか。 ◯黒沼副知事 本事業は、東京都が事業主体となって、国の補助に基づいて実施する事業というふうに認識しております。 ◯川松委員 ということは、あの知事の会見での発言というのは間違いであったということです。これは国の実施要領にも、東京都の実施要領にも、実施主体は都道府県であり、そして東京都というふうに書いてあるので、ここまで住民監査請求も通って、みんなが注目されているのに、福祉保健局はどうやって知事に説明してきたのか、そのことからしても疑問が浮かぶわけですよ。  かつ、この勧告。監査の勧告というのは、一般的には法的拘束力とか強制力は有していないといいますけれども、勧告を受けた相手方というのは、これを尊重しなければならない義務があるわけですが、局としてはこの勧告をどうやって受け止めたんですか。 ◯西山福祉保健局長 令和四年十二月二十八日に監査委員から通知された若年被害女性等支援事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすることなどの勧告につきまして、真摯に受け止め、局として調査をしたものでございます。 ◯川松委員 真摯に受け止めて調査をした結果、対象団体の人件費が新たに一千三百万かかっていたことが判明したわけですけれども、それを事業対象経費から外したんですよね、福祉保健局。なぜ外したんですか。 ◯西山福祉保健局長 調査において、社会保険料等の案分比率を算出するため、全ての賃金台帳及び振込履歴を確認したところ、都事業に従事している職員の給与は二千二百四十七万九千円でございましたが、そのうち、都事業の経費を管理している台帳に記載されていたのは八百八十万四千円でございました。  団体としては、残りの千三百六十七万四千円については都事業の範囲外と整理していたとして、事業対象経費から除外したものでございます。 ◯川松委員 じゃあ、都事業と団体側の自主事業というのは、やっていることは別なんですか。 ◯西山福祉保健局長 都事業として委託をしている範囲につきましては、都の事業でございます。自主事業というのもやってございますが、そこは明確に分けて行うように私どもとしては指導してございます。 ◯川松委員 まず、その認識が監査委員会の勧告の読み間違いをしていると思います。  監査委員会がいったのは、東京都が委託契約をするに当たっての仕様書に書かれている中身を作業をするに当たって、団体は幾ら使ったんですか、それを出してくださいというのが監査主文の(1)に入っていた、本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を出してくださいということですよね。  今回だったら、契約額が二千六百万円ですと。二千六百万円の内側か外側かを見ているんじゃないんです。内側でもかかった経費なんです。二千六百万から上に行ったとしても、かかった経費なんです。  本来だったら、福祉保健局は全て丸々出さなきゃいけなかったんじゃないんですか。どうしてそういうふうに局長は思わなかったんですかね。 ◯西山福祉保健局長 この事業に関しましては、二千六百万円を上限として委託契約を結んでございます。その中で、今回、監査事務局からは、監査事務局で調査した二千九百万円について調査をするようにということがございまして、二千九百万円を調査したところ、領収書等々全部一つ一つチェックをしたところ、それが二千七百万円でございました。  したがいまして、都としては、委託の上限額である二千六百万円を額として確定したものでございます。 ◯川松委員 だから、そこが違いますということをいっているんですね。  じゃあ、聞きます。今回の二千六百万の中に、例えば備品とかも入っていましたよね。自主事業で行われている事業については、公金が注入されている備品は使っていないんですか。こっちが公金です、こっちは自主事業ですといっていたら、この公金の部分の備品を使っていたらおかしくなりますよね、今の局長の説明だったら。 ◯西山福祉保健局長 まず、備品の購入費については、計上している部分もありますけれども、基本的に公費で買いました備品については、都といたしましては、自主事業では使わないように指導してございます。 ◯川松委員 使わないように指示をしているんじゃなくて、今回の再調査の中でそこまでチェックされたんですかと聞いています。教えてください。 ◯西山福祉保健局長 今回は、監査の依頼によりまして、領収書ですとか台帳等について、会計上の支出についてチェックをしてございます。 ◯川松委員 監査がいったのは、本件契約に係る本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすることです。今の話では客観的に検証できないじゃないですか。やっぱりおかしいと思いますよ。再調査として成立していないと思います。  ここをもう一度、福祉保健局として真摯に向き合って、監査勧告は一回だけで、再調査の再調査はないからとこういうことを出してきたんじゃないかというふうに疑念を抱かれちゃいますから、もう一度局として改めて向き合った方がいいと思いますよ。  一方で、今後、この間の本会議の質問の中でも突然、福祉保健局は、これは委託事業から補助事業に変えますという話になりましたが、補助事業に変えるに当たって、国と協議しているという話がありましたけれども、いつから国と協議して、どんなことを協議しているんですか。 ◯西山福祉保健局長 この事業は、事業開始から五年が経過をいたしまして、公的機関と団体の連携体制も成熟をし、若年女性への支援に取り組む団体も増加しております。  今後、事業効果を高めるため、より多くの団体が規模にかかわらず活用できるスキームが必要となってきたことから、令和六年度の新法施行に合わせまして、補助事業化に向け検討することとしておりましたが、今回の住民監査請求における監査からの意見なども踏まえまして、事業の見直しを図る観点からも、早期に補助事業へ移行することといたしました。  本年一月、国に対して要綱改正の申入れを行ったところ、二月に、国から令和五年度に補助事業として実施できるよう要綱改正するとの回答がありましたので、補助事業とすることとしたものでございます。 ◯川松委員 その要綱改正は行われたんですか。 ◯西山福祉保健局長 現在、国において要綱改正の手続を進めているということで伺っております。 ◯川松委員 今、局長に課長がそのようにお話をされたと思いますが、昨日の加藤厚労大臣の閣議後会見においては、現行要綱下での補助事業は可能という発言がありました。  現状の厚労省要綱、子発〇三二九第九号ですけれども、実施主体は、都道府県、指定都市、中核市及び一般市とする。なお、委託等とすることができると。皆さんがよく使う等。この中で補助ができるということになっていますが、一体厚労省と何を調整する必要があって、どんな協議を行ったのか。今食い違っていますけれども。 ◯西山福祉保健局長 令和五年度の児童虐待・DV対策等総合支援事業費の交付要綱において、若年女性等の支援事業について間接補助も交付対象となるというふうに改正が進められているところでございます。 ◯川松委員 かみ合っていないんですけど、加藤大臣は現状でも補助にできますよということをいっています。  また、昨日の閣議後会見で、国は、そもそもこの事業を五〇%負担しているわけですが、今回再調査の結果、今いったように、本来だったら監査の委員会の勧告も、我々も、委託の仕様に関わっている事業に幾らかかっているかだから、千三百万を抜くんじゃなくて、全部入れた上で、これが仕様に係る委託事業ですよと。その中の案分がどうなんだ、どうですか。だから、これは二千六百万とか、二千七百万とか、二千九百万で切るんじゃなくて、出てきた数字を全部出して、本来だったら再調査報告を福祉保健局はしなきゃいけなかったんだけれども、閣議後会見でこういわれましたよ。  費用案分が適切になされておらず、過大に事業経費として計上されていたものがあったという認識を示して、何と、補助金適正化法の趣旨を踏まえた対応が必要か検討すると大臣が発言をしています。  この法律の第十二条は、補助事業者等は、各省各庁の長の定めるところにより、補助事業等の遂行の状況に関し、各省各庁の長に報告しなければならないとありますが、東京都は監査勧告を受けた再調査結果について、厚生労働省に報告をされたんでしょうか。あるいは今後報告する予定はあるんでしょうか。 ◯西山福祉保健局長 まず、今回の調査の結果についてでございますが、台帳に記載されている二千九百五万七千円のうち、本事業の実施に必要な経費の実績額は二千七百十三万一千円と特定をいたしましたが、この中には事業として不適切なものは認められませんでした。  事業経費として認められない経費が百九十二万六千円ありましたが、そのうち百六十七万四千円は、管理台帳の誤記や、領収書の宛名が個人名であるなど、会計処理上の誤りでございました。これ以外は領収書の一部の提示がなされなかったため、不適切かどうか確認はできませんでした。  勧告では、本事業として不適切と認められるものがある場合や、委託料の過払いが認められる場合には、過去の事業年度においても精査を行うということで、返還請求等の適切な措置を講じることとされているものでございます。この情報につきましては、厚生労働省の方にも情報提供してございます。 ◯川松委員 この委託の金額をめぐってということに関しては、もう一度また厚生委員会でやっていただきたいと思います。  さらに、この契約を見ていったときに気になるのは、公法上の契約に類する契約というフレーズを使って、前年度に受託をしていた四団体がそのまま自動的に受託し、かつ受託金額も大幅にアップする、これが不透明なんですよ。  改めて、公法上の契約に類する契約は一体どんな契約なんでしょうか。 ◯西山福祉保健局長 本事業のそうした位置づけにつきましては、国の定める基準に基づいて、全国一律の内容で契約することを求められていることから、地方自治法に基づき処理するものとして行っているものでございます。  なお、随意契約につきましては、本事業では、アウトリーチ支援で声かけをした方や、居場所を利用していた方などに対して、本人の状況に応じて、自立に向け、継続して支援を行うこととしておりまして、この四団体は、外部有識者を入れた受託事業者評価委員会において、団体の強み、特徴を生かして支援を行っているか、行政の各支援機関等と連携協力しながら実施しているかなどの観点から、令和三年度の状況を審議し、適格と判断されたことから、随意契約としたものでございます。 ◯川松委員 これは随意契約なんでしょうか。確かにおっしゃるように、地方自治法が定める契約の相手方の選定については、入札による競争だったり、競り売り、そして随意契約というものがありますね。  でも、事業者選定のプロセス、今いわれた評価委員会というのは、これ、いわゆる随意契約で、ほかの局の皆さんも随意契約をやられると思いますけれども、ふだん出てくる随契の選定委員会要領と当てはめると、ちょっと違うんじゃないかと思うんですね。  皆さん方が公法上の契約と類する契約という謎のルールを使って、どんどんどんどん自動的に契約しちゃうから、ずっとこの間検証してきました。  福祉保健局の会計の方に、一体これはどうなのと大分前に聞きましたけど、今日まで回答がなかったから、私、聞いているんですが、随意契約というのは、例えば決裁文書にちゃんと随意契約の文言が入っている。今回入っていません。随意契約の手続に必要な随契の理由書や見積経過書の添付、ほかの随意契約は東京都庁内でもあるけれども、皆さん方がやられた契約には添付されていません。  そして、今お話しされた評価委員会というのは、要領を見ても分かりますけれども、実施中の事業評価が目的であって、次年度業務の適格性を評価するものではないんです。  ですから、今いっているこの契約に評価委員会が適格だからと、それで今度随契の要領を満たしているんですというならば、明らかに評価委員会の評価を目的外使用しているといわざるを得ません。間違っていますか。 ◯西山福祉保健局長 繰り返しのご答弁になりますけれども、外部有識者を入れた受託事業評価委員会において、三年度の履行状況等を審議し、適格と判断をされたことでございます。  また、あわせまして、四年度は、対象者との関係性の定着度など、事業の継続性を考慮して、令和三年度に委託した四団体に継続して委託したものでございます。 ◯川松委員 繰り返しになっても、福祉保健局の正当性というのは全然誰も理解できないですよ。地方自治法に基づかれた随意契約であるならば、随意契約の手続プロセスをちゃんと踏まなきゃいけないじゃないですか。評価委員会、あるいはほかの局だって、皆さん、随意契約の場合、そうやって手続を踏んでいますよね。  前年度の事業評価を見て、この団体はちゃんとしているから来年もオーケーですよ、随意契約で。そして、金額もアップしますよ。これが成立しちゃったら何でもオーケーになっちゃいますよ。福祉保健局は、ほかの契約も含めて、全部こういう独自のルール設定でやってきたんですか。ほかの契約にもこういったものはあるんですか。 ◯西山福祉保健局長 本事業では、アウトリーチ支援で声かけした方や、居場所を利用していた方などに対して、本人の状況に応じて、自立に向け、継続して支援を行う、こういう事業でございます。そうした特性から、外部有識者を入れた受託事業者評価委員会も設置いたしまして、判断をしてまいりました。 ◯川松委員 武市副知事、今のようなプロセスで随意契約を結ぶことを東京都はよしとしているんですか。明らかに随意契約のプロセスとして、前年度の契約でちゃんとやってくれたから、事業継続だから。それでも、ほかの局、皆さん随意契約の手続を踏んでいますよね。  今の福祉保健局のやり方はオーケーとしているんですか、副知事。 ◯武市副知事 申し訳ございません。私、個別の詳細な状況まできちんと把握しておりませんので、この場で正しい、正しくないを判断できる状況にございません。申し訳ございません。 ◯川松委員 では、この地方自治法百六十七条の二で定める契約については、財政委員会でも改めて聞かせていただきます。  今度、予算が、例えば令和三年度は二千六百万円なんだけれども、四千五百万円に増額するんですね。これを例えば資料104号、私の要求した104号を見ていただきたいんですが、これは予算の検討経過というふうなタイトルです。  私が要求したのは、令和三年度の実績を踏まえて、令和四年度予算づけをした根拠となる資料一式。これは議事録だとか、メモだとか、メールだとか含めて、一式というのを求めてきたんですけど、出てきた資料は、これまでの流れで、これが資料なんですか。これが増額した根拠なんですか。福祉保健局内、少子社会対策部内、育成支援課内、局、部、課いずれでも議論してこなかったんですか。これは議会に出された資料ですからね。 ◯西山福祉保健局長 まず、本事業が令和四年度に倍増された状況でございますけれども、本事業は、令和四年度の国の概算要求におきまして、相談者の増加や困難ケースの増加などの実態がある中で、職員の研修機会確保のための代替職員雇い上げ費用、居場所における生活支援員の増員や警備体制の確保などの経費が増額をされました。  これを踏まえまして、都といたしましても、相談対応の質の向上や、より安全・安心な居場所の提供に向けて、事業を取り巻く状況を勘案し、所要の経費を措置したものでございます。  その過程で、局内では、令和四年度の予算については、令和二年度と三年度の第一・四半期の実績や、受託団体からヒアリングした事業の現状と課題、国の概算要求の増額等を踏まえまして検討いたしました事業を所管する部内で検討の上、局内で検討を経て、予算編成過程の中で財務局へ説明を行い、予算措置が認められたものでございます。 ◯川松委員 それ、僕は局内とかの議事録とか記録を出してくださいということですが、予算を増額する、二千六百万円からおよそ四千五百万円、大きな金額ですよね。増額するに当たって、局内、部内、課内の会議で議事録、私はメモの類いでもいいとお願いしましたけれども、それさえも残っていない。口頭の世間話みたいなので決めちゃったんですか。 ◯西山福祉保健局長 繰り返しのご答弁になりますけれども、令和二年度と三年度の第一・四半期の実績ですとか、受託団体からのヒアリング、事業の現状、国の概算要求の増額等を踏まえまして、部内、局内、各過程で検討を経て、財務局へ説明を行ったものでございます。 ◯川松委員 公法上の契約に類する契約ということで、福祉保健局独自のルールで団体を選び、そして金額に関しては、議事録もない、メモもない。ということは、僕らからすると正式な会議とは思えませんけれども、皆さん方の内輪の話で予算の増額も決めたというふうにいわざるを得ません。  次に、資料107号、私が要求した部分の107号ですが、受託している四団体の主な活動地域の特徴を示していただきました。ここに出ているのは、新宿、渋谷、秋葉原ということになりますが、私が求めたのは、そういった地域にどんな危険があるのかという点で特徴を聞いたのですが、出てきたのは、一つがAVや性風俗のスカウト、一つが繁華街の路上客引きとなっていますが、明らかに新宿歌舞伎町と秋葉原ではまちの様子は違いますよね。  だとすると、同じ若年被害女性を支援するという事業だけれども、アプローチの仕方、支援の方法は違うと思うんです。  さらにいえば、受託されている四団体それぞれが得意、不得意があると思うんですけれども、例えば、さっきからずっとおっしゃっているアウトリーチということですけれども、この事業の柱となっているわけですが、ある団体の令和三年の実施状況報告書を見ると、学校、関係機関へ六十一か所、六千三百七十三枚リーフレットを送付となっています。つまり、リーフレットを配ったことがアウトリーチになっているんですね。  ほかの団体の報告書を見ると、夜間の巡回バスを出して、声がけした人数三千三百五十三名というふうに記載されていました。当然、そのアウトリーチの先には相談支援というものもありますけれども、学校やそれぞれの機関に送付をする、リーフレットを配ります、六千枚配りましたから六千人にアウトリーチしましたという報告と、夜間、巡回バスを出して直接声がけをした三千人で、同じような指標で議論をされて、同じように予算がついていく過程というのは、やっぱりこれ、都民の皆さんからしたら理解できないと思います。  明らかに取組がばらばらなのに、明確なKPI設定がなされていない。でも、委託料は皆同じ。この違和感。本当にこんなアバウトな感じで、局長、いいんですか。 ◯西山福祉保健局長 本事業では、支援対象者の状況や団体の活動方法、活動場所が様々なことから、各団体はそれぞれの強みを生かしながら実施をしてございます。  この事業の本来目的である困難な問題を抱えた若年女性の自立支援につなげる、こういった観点から、アウトリーチ支援、居場所での支援、自立支援を一体的に行うよう、仕様書で規定をしてございます。  また、本事業における各団体の履行状況につきましては、四半期ごとに相談件数、居場所の提供人数や事業実績額などを、事業実施状況報告書により確認をしてございます。 ◯川松委員 例えば、今いったように、いろんな課題がありますよと。当然それは契約の在り方もそうだし、団体の選び方もそうだし、今いった団体の中身もそうなんですが、例えば委託から補助に変える。契約の在り方を委託から補助に変えるということを突然、本会議場で局長が述べられて、その論を福祉保健局は押し出そうとしていますが、私は、契約の在り方以前に、そういった事業の中身をチェックする、お金がどういうふうに使われているのか管理するという福祉保健局側が変わらなければ、委託から補助に変わったところで、そこに出てくる登場人物は同じだから変わらないと思います。  委託はあくまでも東京都が主体となっています。東京都が主体で、本来は東京都がやるべきものなんだけれどもお願いしますという事業です。でも補助に変わったら、相手方が主体で、東京都がサポートするということになりますけれども、局長、改めて福祉保健局内の仕事の在り方、チェックの仕方を先に見直した方がいいと思いますけれども、見解を伺います。 ◯西山福祉保健局長 本事業は、繰り返しのご答弁になりますけれども、アウトリーチ支援、居場所での支援、自立支援を一体的に実施することを要件としてございますが、事業効果を一層高めるためには、より多くの団体が規模にかかわらず活用できるスキームが必要となってまいりました。  このため、都が一律の枠組みを示す事業ではなく、補助事業として、各団体の活動を一定の基準に基づき支援することを検討しておりまして、六年の新法施行に合わせまして制度構築する予定でございましたが、早期に見直しを図るために、国と協議の上、令和五年度に補助事業とすることとしたものでございます。  なお、補助事業化に当たりましては、全ての団体の事業実績等について、改めて精査を行っていくものでございます。 ◯川松委員 繰り返しになりますがといっていますが、私の質問は繰り返していませんからね。違う質問をしていますよ。  大体、監査勧告に、そもそも一人一回当たりの上限金額を設けるなど、委託料の使途について合理的な基準を設けること、また、宿泊については、その人数や目的、宿泊数などを報告させることとあったのに、これはすっ飛ばして、新たに補助事業にしますといっていることがおかしいんじゃないんですかと。  こちらの勧告に関してはどうやって受け止めているんですか。真摯に受け止めて調査したけど、真摯に受け止めて事業内容を変えるということはないんですか。 ◯西山福祉保健局長 勧告につきましては真摯に受け止め、調査をしたものでございます。また、こうした勧告も踏まえまして、来年度、補助事業化にすることとしたものでございます。 ◯川松委員 若年被害女性を支援するということを私は反対しているのではなくて、公金を使ってそういう支援事業をやるんだったら、しっかりと管理をされている、透明性を担保するということなんですよ。  じゃあ、今いっているように、予算案計上の関連事業費についてですが、今回の再調査の結果を受けて、補助事業化を決定するまで、補助事業者の公募等、具体的な執行は行わないという理解でよいでしょうか。 ◯西山福祉保健局長 来年度につきましては、現在、補助要綱等の設定の準備をしているところでございます。 ◯川松委員 さっき、補助事業にすれば、より幅広い団体にもお願いできるんじゃないか、それはありだと思いますよ。地域も特定せず、多くの皆さん方で、いろんな人たちがアウトリーチする支援があるんだったら、それを最初から取り入れればよかったと私は思うんですよ。  だけど、特定の四団体がいて、去年ちゃんとやってくれたから今年もやってもらいましょうみたいな決め方をしてきた。このプロセスは、局長、補助になったとしても改めてほしいです。もっと透明性を持って団体選考してもらいたいと思いますけれども、それは答えられないですか。 ◯西山福祉保健局長 本事業は、公的機関と民間団体の密接な連携によりまして、委員もおっしゃられました困難を抱えた若年女性の自立を支援する重要な取組でございます。  事業開始から五年が経過し、官民の連携体制も成熟し、支援に取り組む団体も増加していることから、規模にかかわらず、様々な団体のノウハウを活用できるよう、国と協議の上、来年度、補助事業化をいたします。
     補助事業化に当たりましては、事業を開始した平成三十年度から令和二年度までの全ての団体の事業実績等について改めて検証し、それを踏まえ、事業の公益性、信頼性を担保できるよう、対象事業者の要件や補助対象経費、補助基準額等を厳格に設定いたします。  新たな制度の創設に向けまして、着実に準備を進めてまいります。 ◯川松委員 補助事業者の相手側の透明性を求めているんじゃないんですよ。福祉保健局の透明性を求めているんです。  おかしいじゃないですか。随意契約の、しっかりとした地方自治法に定められたいろんな手続があって、ほかの局がやっていることを福祉保健局はやっていない。予算の増額を決めるための公的な記録がない。だけど、団体、去年やったからいいです、金額も上げちゃいますって、こんなことを繰り返ししていたら、補助事業にして相手方の透明性を担保したところで、またいろんな人たちから文句いわれますよ。  自分を律するということは福祉保健局は考えていないんですか。 ◯西山福祉保健局長 法律、規則に基づいて事業を実施するのは当然のことと考えてございます。引き続き、真摯に事業を進めてまいりたいと思います。 ◯川松委員 今、法律、規則という話が出ましたから、これは次の各委員会でも、法律、規則を調査させていただきます。  では、今まで、今日議論してきた、明らかに福祉保健局はおかしな動きがありますよ。局内の動き、国との協議、知事への説明、これ、ずさんとしかいいようがない体制が浮き彫りになったわけですが、次年度の事業については、これまでの局内の体制、常識、前例など、全てを見直して、受託団体のことも含めて、ゼロベースで事業の在り方、事業者選定を行っていただきたいと考えますが、局長の決意を教えてください。 ◯西山福祉保健局長 まず、補助事業化に当たりましては、事業の公益性、信頼性を担保できるように、対象者の要件や補助対象経費、補助金額を厳格に設定をし、補助申請があった事業者については、補助要綱に照らしながら、個別に判断をしてまいりたいと思います。 ◯川松委員 時間ももうなくなってきましたけれども、改めていいますが、税金は納めていただいた皆さんのものだという意識を持って、その納めていただいた皆さん方が納得される使い方を、しっかりとプロセスを踏んで、当然意見が分かれるところはありますよ。でも、それは民主主義の場でこうやって議会で議論をして、表に出して、そのプロセスが正しいか見るわけですけれども、どう考えたって福祉保健局のプロセスは誰にも理解されないと思います。  独自のルールで契約を結んでいる。独自のルールで増額も決めちゃっている。そして、監査勧告までも独自のルールで読み解いて、私たちはこう考えましたから、私たちが考えた結果で再調査報告しました。これはおかしいと思います。  監査委員会がいった勧告に対しての必要な措置を知事が出したわけですけれども、そのままじゃなくてもいい、逐条解説は書いてあります。だけど、この幅があったら、これくらいしか必要な措置をしていないんですよ。やっぱり勧告に対しての全部の幅を持って必要な措置をすることによって、この事業は透明性が担保される。そして、そのことによって、委託から補助に変わったとしても、信頼される福祉保健局になるのかと思います。  もう一度、局内で、皆さん方がやってきたこと、今年度だけじゃなくて、過年度分も含めて、自分たちが正しかったのか、このプロセスは正しいのかということを議論していただいて、次年度の事業に取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◯小宮委員長 川松真一朗委員の発言は終わりました。      ────────── ◯小宮委員長 藤井あきら理事の発言を許します。    〔委員長退席、菅原副委員長着席〕 ◯藤井(あ)委員 都民ファーストの会、デジタル都議、スタートアップ議員の藤井あきらでございます。  さて、私たちはこれまで、世界的な気候変動の問題を解決するクライメートテックについて提案を重ねてまいりました。  なぜ今、グリーンテック、クライメートテックが重要なのか。改めていうまでもございませんが、気候変動対策、これは待ったなしの状況であります。大気中の温室効果ガスが少しでも増えれば、気温は上がり続けてしまいます。つまり、ゼロを達成しなければならないわけであります。  東京都は、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現を目指しております。そのためには、産業革命以来、二百五十年以上かけてつくられてきた炭素由来の社会の基盤を抜本的につくり変える必要があります。それをたった三十年間で達成しなければなりません。  温室効果ガスを発生するものは、今後、規制や価格が上がることで使えなくなると考えられます。電気に限らず、例えば、お肉、牛乳、鉄やコンクリートなど、こういったものの多くが温室効果ガスを排出しておりまして、それらを代替するものが必要になります。既存の全ての産業が脱炭素に置き換えられていくということは、大きなビジネスチャンスを秘めているものでありまして、ここにスタートアップの力が欠かせません。  EVのテスラの規模の会社がグリーンの領域から八社から十社程度出てくるという話であったり、また、次の千社のユニコーンはグリーンビジネスから出てくるだろうと予想されております。  グリーン分野で時価総額一兆円の規模の会社が複数出てくるということでありまして、東京都のスタートアップ戦略が目指すグローバルで活躍するユニコーンはこの分野から生まれるということであります。  実際に、先日開催された都の初のグローバルスタートアップイベントであるCity-Tech.Tokyoでも、クライメートテック関連のスタートアップが数多く出展しておりました。  二〇五〇年ゼロエミッション東京実現に向けて、クライメートテック等のスタートアップをはじめとした新技術の活用が必須ですが、City-Tech.Tokyoで気候変動対策を進めるスタートアップを多く見ました小池知事の所見を伺います。 ◯小池知事 二〇五〇年のゼロエミッションの実現に向けまして、未来を変える新たな技術を生み出すスタートアップは欠かすことのできない重要な鍵、キープレーヤーだといえます。  先日行いましたCity-Tech.Tokyoでは、スタートアップと投資家、大企業などの交流が活発に行われました。ピッチコンテスト、City-Tech Challengeにおきましては、世界中のスタートアップがクライメートテックをはじめとする様々な新技術を披露いたしました。  このイベントを通じまして、様々な方々と語り合う中で、既成概念にとらわれないで、世界に視野を広げ、失敗を恐れず挑戦することが重要だということを改めて意を強くしたところでございます。  スタートアップを育てて、それを原動力として、課題の克服に向けた挑戦を続けることによって、持続可能な都市東京を実現してまいります。 ◯藤井(あ)委員 スタートアップを育て、東京から気候変動に立ち向かう、小池知事の力強い決意を示していただきました。ぜひ東京をアジアのクライメートテックのハブ都市にしていただきたいと要望させていただきます。  二〇五〇年ゼロエミッションの実現まで残された期間は三十年しかありませんので、今やるしかありません。  クライメートテック等の気候変動対策のスタートアップに関連したイベントを都として開催すべきと考えますが、そこで宮坂副知事の見解をお伺いします。 ◯宮坂副知事 City-Tech.Tokyoでは、クライメートテックに挑む多くのスタートアップが熱いプレゼンテーションで技術を競い合いました。これを実装につなげ、気候危機を克服する流れをつくりたいという思いを一層強くしました。  都は、新たにグリーン分野等のスタートアップ支援事業で五社を選定し、集中的に支援するとともに、その成果発表イベントを通じて、世界で活躍するグリーン分野のスタートアップが次々と生まれる機運を醸成してまいります。  さらに来年五月には、ベイエリアで国際イベントを開催し、クライメートテックなど先端技術による持続可能な未来の都市モデルを世界に発信していきたいと考えています。 ◯藤井(あ)委員 再来年度に当たる来年の五月といわず、四月以降の来年度にも、環境局、産業労働局、スタートアップ局、これが連携をして、ぜひ、千人規模のクライメートテックに関するカンファレンスを開くなど、ご検討いただきたいと思います。  なぜここまでいうかといいますと、例えばですけど、風力発電、これ、日本がかなり力を入れていたものなんですが、今、主にヨーロッパの会社がそのタービン等をつくっておりまして、大体製造の六〇%ぐらい、そしてメンテナンスにも費用がかかりますので、常にお金が外に出ていってしまう、外国に出ていってしまうという状況になっております。  また、一方で、グリーン分野はEUが中心でしたが、今、アメリカも、かなり、この一年、二年で力を入れてきておりまして、まさに今、投資をしていくしかないと考えております。  クライメートテックは日本の技術の優位性を生かせる分野でもあって、世界的に日本がイニシアチブを取れる可能性がある数少ない分野だと思っております。グローバルな課題をビジネスで解決していければ、強力な輸出産業にもなる可能性があると考えております。ここで遅れるわけにはいきません。  私たちの会派ではこれまで、DXを中心に雇用を生み出す東京版ニューディールを提案してまいりましたが、そこに加えて、GXの分野においても人材育成や産業創出、スタートアップ支援を合わせた東京版グリーンニューディールの提案をしております。  東京版グリーンニューディールとして企業による設備投資を後押しするとともに、二〇二〇年大会における調達のように、都が率先してグリーンな製品を購入することで技術開発を促進していくことや、民間にもグリーンな製品を購入する動きを広げ、需要創出を促していくことが必要と考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 東京がカーボンニュートラルを実現するため、最新の技術を駆使したGX、グリーントランスフォーメーションを加速して、これを経済の成長に結びつけ、大都市としての存在感を示す取組は不可欠であります。  これからの東京にイノベーションをもたらす様々な企業の力を結集し、再生可能エネルギーの利用を伸ばす新たな技術開発を力強く後押しをしてまいります。  日々の経済活動で環境負荷を減らす取組を徹底するよう働きかけ、様々な企業から脱炭素の製品を数多く生み出し、その普及を図って、ゼロエミッションを目指す経営の実現につなげてまいります。  環境配慮の技術で傑出した力を持つスタートアップを見いだして、その製品やサービスを優先して導入するグリーン調達に結びつけます都の取組を充実してまいります。  民間企業には、HTTに向けた協議会なども活用して、サプライチェーンの脱炭素化を働きかけてまいります。  これらを総合的に展開をして、GXと産業の発展を効果的に実現し、東京の持続的な成長に結びつけてまいります。 ◯藤井(あ)委員 クライメートテックなどのスタートアップ、また、新たなイノベーションを後押しするために、繰り返しになるんですが、東京都のグリーン公共調達の宣言をぜひしていただきたいと思います。  さらに、COP26で、アメリカ政府と世界経済フォーラムを中心として、民間の投資を呼び込むためにファースト・ムーバーズ・コアリションというものをつくっておりまして、脱炭素の技術を優先的に採用する都内企業を、グリーン調達企業宣言、東京のグリーン調達企業宣言というものを創設して、グリーン調達の企業連合を結成すべきと要望をさせていただきます。  ここで関連をしまして、育児休業時のリスキリングの支援について伺います。  育児休業中の約八割が、育児などにより仕事から一時的に離れることで、自身の仕事上のキャリアに不安を感じているとの調査や、また、約四割の方が、育児休業中にスキルアップの勉強をしたいという調査がございます。  特にコロナ禍では、先ほど来申し上げておりますDXやGXをはじめ大きな環境変化がありまして、都は、育児休業から安心して復職するためにスキルアップしたいとの声に応えていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 育業により職場を離れる場合、仕事で使うスキルやノウハウなどの変化から取り残されることに不安を持つ方もおります。  都は来年度より、そうした方の希望に応じ、DXやGXに係る知識などに関し、時間を有効に活用して習得し、復職後に力を発揮することができるよう、その経費を負担する企業に対し、上限百万円で最大三分の二の助成を行います。  これによりまして、育業をしやすい職場環境づくりを推進いたします。 ◯藤井(あ)委員 続いて、再生可能エネルギーの徹底活用について伺います。  二〇三〇年のカーボンハーフに向けては、太陽光発電をはじめとした再エネ技術やZEV等、既存の技術を徹底的に使い倒す必要があります。その中で、水素についても重要であります。  エネルギーの大消費地である東京でも、都内での地熱利用のさらなる調査、浮体式洋上風力発電の検討など、グリーン水素の生産を強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 脱炭素社会の実現には、グリーン水素の供給体制を整えるとともに、それを生み出す再エネの種類を増やすということが重要であります。  グリーン水素をつくる、例えば山梨県との協定がございまして、それに基づき、その技術力を都有地での生産に結びつけてまいります。民間が工場敷地で水素を生産して、製造ラインを動かす電力などに使う取組も支援をしてまいります。  また、先月には、パイプラインを含めました水素供給ネットワークの構築に向けまして、グリーン水素ラウンドテーブルを開催いたしました。民間の知見を集めて、自治体間の協力の道筋をつけたところでございます。今後、海外の都市などとも会議を開いて議論を深めてまいりたい。  さらに、太陽光のほか、風力や地熱など、グリーン水素をつくり出す再エネの力を効果的に活用してまいります。  島しょ部につきましては、風力発電や地熱利用の可能性を持ち、その将来の展望をしっかりと見極めていきたいと考えております。  こうした取組によってグリーン水素の普及拡大を加速し、ゼロエミッション東京の実現を図ってまいります。 ◯藤井(あ)委員 先日のCity-Tech.Tokyoで、ピッチコンテストで最優秀賞だった京都フュージョニアリングさんは核融合のスタートアップでありまして、こうした新しい分野にも着目をして、スタートアップの力も借りながら、新しいエネルギーの社会実装というものを進めていただきたいと思います。  一方で、一点だけ注意点なんですが、グリーン分野のスタートアップ、これもまだまだ、今まさにできているところでありまして、技術が確立していないであったりとか、場合によっては詐欺のような会社もあるようでありまして、そういったところの目利きというのは非常に重要であります。  例えば、投資に関わるベンチャーキャピタル等からしっかりと意見を聴取するであったり、なぜ投資をしなかったのか、したのか、こういったことをしっかりと聞きながら進めていくことをお願いしたいと思います。  また、大企業はいろんな技術を持っていますので、進めていますが、やはり社会実装まで進まず、実証実験で終わってしまうケースが多いとも聞いておりますので、社会実装を促すように、しっかりと働きかけていただきたいと思います。  続きまして、都庁の脱炭素というものも着実に進めていく必要があります。都庁の中では下水道局が全体の約三五%のCO2等の排出をしているということでありまして、その対策が急務であります。  下水道局は、現在、アースプラン二〇二三の案を準備していますが、二〇五〇年の脱炭素に向けてスタートアップの力を活用すべきですが、見解を伺います。 ◯奥山下水道局長 下水道局では、脱炭素化に向けた対策をさらに推進するため、今月、アースプラン二〇二三を策定いたします。  二〇五〇年ゼロエミッションに向けましては、焼却廃熱を最大限活用して発電し、他の設備へも電力を供給できるエネルギー供給型焼却炉やAIを活用した送風量制御技術などの先進技術の開発を進めておりますが、今後さらなる革新的技術の導入が必要でございます。  そのため、ペロブスカイト太陽電池やバイオマス由来のCO2を回収して利用、貯留するネガティブエミッション技術などの新たな技術や、スタートアップの技術も含め、革新的な技術を活用し、二〇五〇年ゼロエミッションに向けまして温室効果ガス排出量の削減を推進してまいります。 ◯藤井(あ)委員 巨大な装置であります下水道、ゼロエミッションに向けて、非常に大変なご苦労も多いと思います。そして、まだ確立していない技術もしっかりと、ネガティブエミッションの技術のようなものを積極的に検証していく必要があると思います。  そういった中で、大きいこともあって難しいかもしれないんですが、ぜひスタートアップも巻き込んで、その解決に向けて取り組んでいただきますように要望させていただきます。  都の新しいスタートアップ戦略、この実現には、国内外から投資を呼び込む、増やしていく必要があります。  これまで、シリコンバレーがスタートアップといえば注目を集めていましたが、ヨーロッパでもこの十年ほど、世界的にユニークなスタートアップ、ユニコーン企業などがどんどんと生まれておりますが、その要因の一つが、政府によるマッチングファンドだといわれております。  スタートアップの発展のため、個人やベンチャーキャピタルが投資する金額に同額を上乗せするマッチングファンドをつくり、さらにクライメートテックなどの特定の分野には、ベンチャーキャピタル等が最終的に都の投資分を買い戻すことができる仕組みなど、魅力的な投資環境づくりを行うべきですが、都の見解を伺います。 ◯吉村政策企画局スタートアップ戦略担当局長 クライメートテックや防災、福祉など、民間だけでは取り組みにくい課題に対しては、行政の資金を呼び水とすることで、民間の積極的な投資やサポートにつなげることが期待できます。  このため、都が来年度創設する大学発スタートアップ等促進ファンドでは、都と民間が共同で出資するファンドが様々な大学のベンチャーキャピタルファンドなどに投資する方式により、より多くの資金を呼び込み、都内に集積する大学や研究機関の数多くの研究の種を起業に結びつけてまいります。  こうした都とベンチャーキャピタルとの協働により投資の環境を整え、スタートアップの挑戦を応援してまいります。 ◯藤井(あ)委員 より強力に民間の投資を促すためのマッチングファンド、こういったものもぜひご検討をお願いしたいと思います。  先ほどのCity-Tech Challengeで最優秀賞となったのが核融合炉の開発でありまして、これは大学での研究を基にしておりましてディープテックといわれる領域になります。  この分野の育成、育てていくためには、研究者にビジネスをしてもらう、起業してもらうのではなくて、やはりビジネス系の人材と研究とのマッチングというのが非常に重要になっております。  起業家を直接大学に雇い入れる慶應大学のアントレプレナー・イン・レジデンス、EIRと呼ばれますが、このような取組が有効でありまして、例えば、スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム等を通じて、都としても支援をしていくべきですが、見解を求めます。 ◯吉村政策企画局スタートアップ戦略担当局長 知の拠点である大学の集積を生かし、様々な連携の下、スタートアップの創出につなげることが効果的であり、都は来年度、大学が持つ優れた研究シーズを掘り起こし、事業化に向けた幅広い支援を行う新たな取組を開始いたします。  技術の実証や知的財産権の取得に要する経費など、事業化に向けた活動経費を幅広く支援いたします。これに加えて、事業計画のブラッシュアップや、事業パートナーなどのビジネス人材とのマッチングを行うなど、経営面からのサポートを充実してまいります。  民間支援機関やベンチャーキャピタルなど幅広い関係者と連携した取組により、大学発スタートアップの育成を進めてまいります。 ◯藤井(あ)委員 ありがとうございます。今ご答弁は、大学が、自分たちが起業家を雇うなどをすることのところを支援していくというご答弁でありました。  この領域では、ビジネス人材を直接的に大学や研究室に送る、マッチングさせるような事業というものも考えていただきたいと思いますし、また長期的には、ビジネス系の人材が技術をしっかりと学ぶリカレント教育というものも必要になると思いますので、そういうところもご検討いただければと思います。  続きまして、SusHi Tech Tokyoについてお伺いをいたします。  先日のCity-Tech.Tokyoのイベント、私も参加をいたしましたが、SusHi Tech Tokyoのブースというのがありまして、かなりインパクトがあるものでありました。東京のスタートアップに世界の注目を集めるツールになると大きな期待を持ったものであります。  私もこれまで何度も提案をしてまいりました、東京発のスタートアップをまとめるワンブランドでの戦略にも一致するものだと考えております。  今後、東京発のスタートアップも巻き込みつつ、海外でのテックイベント等に積極的に展開していくべきと考えますが、今後の展開を知事に伺います。 ◯小池知事 都市課題の解決に向けまして、アイデアやテクノロジーで持続可能な新しい価値を生み出すのがSusHi Tech Tokyoであります。この旗印の下、開催いたしましたCity-Tech.Tokyoは、日本最大級のグローバルイベントとなりました。  SusHi Tech Tokyoのブースにおきましては、今ご指摘いただきましたように、のれんをくぐると、江戸から続く英知や、また、空飛ぶ車など最先端の技術の展示など、世界の人々を引きつけて、東京の魅力を発信する大きなアイコンになったと考えております。  東京のプレゼンスの向上に向けましては、こうした成果をさらに発展させて世界へ浸透させていく、そのことが重要です。  このSusHi Tech Tokyoの下、スタートアップと共に海外へ打って出るなど、あらゆる人々と交わる中で新たな価値を創造して、東京の成長へとつなげてまいります。 ◯藤井(あ)委員 ありがとうございます。しっかり進めていただきたいです。
     海外のスタートアップのイベントというのは大体毎年、開催時期と場所というのが決まっておりまして、例えば一月だったらラスベガスのCES、二月は、ちょうど同じ時期にやっていましたけど、バルセロナのモバイルワールドコングレス、今、MWCといいますが、であったり、三月はサウス・バイ・サウスウエスト、六月はパリのビバテック、これは都庁の皆さんも見に行ったということでありますが、こういうものを開催していますので、ぜひ東京のスタートアップを引き連れて、あのSusHi Tech Tokyoのブースを出せば、何だ、あれはと、外国の皆さんも間違いなく話題になって、東京のスタートアップ、こんなことをやっているのかと注目していただけると思いますので、ぜひそういったことも考えていただきたいと思います。  また、次回、City-Tech.Tokyoは、来年五月に臨海部で実施するということでありまして、これはご提案なんですけれども、いっそ、イベントの名前もSusHi Tech Tokyoにされてもいいんじゃないかというふうに思いました。ぜひご検討いただければと思います。  続きまして、話が全く変わりまして、宗教二世への支援について質問させていただきます。  私たちは、宗教二世当事者から話を聞かせていただきまして、先般の代表質問では、宗教的虐待のQ&A、厚生労働省が出しました、こちらをホームページに掲載して、そのホームページにアクセスできるよう、案内カードを通じて周知するとの答弁をいただきました。必要な取組とこちらは評価をしております。  一方で、子供自身が虐待と認識をしていないと、その案内カードだけでは、そこから先につながらないのではないかと心配をするところであります。実際、虐待相談のうち、子供本人からの相談は全体の約一%程度だと聞いております。  親の宗教信仰も含め、子供本人が家族との関わりで悩み、傷ついている場合に、何が虐待に該当するのか気づくことができるよう、児童虐待に係る情報が直接子供に届くような周知をさらに工夫すべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯西山福祉保健局長 都は、十一月の児童虐待防止推進月間を中心に、児童相談所と子供家庭支援センターとが連携して啓発グッズを街頭で配布するなど、広く都民に対して普及啓発を実施してございます。  児童虐待を防止するには、子供自身が虐待について理解し、相談、支援先へ連絡できるようにすることも重要であることから、今後、虐待に該当する事例等を分かりやすく記載した啓発ツールを作成し、学校で子供たちに直接配布するなど、児童虐待防止の取組をさらに進めてまいります。 ◯藤井(あ)委員 前向きなご答弁、ありがとうございます。宗教的なものも含めて、一目で虐待の中身が分かるようなイラストや、例えば四こま漫画など、分かりやすく子供たちに届けていただきたいと要望させていただきます。  続いて、がん対策等についてお伺いいたします。  先日、地元町田市の方々が中心となっている、がんの治療中や診断を受けたママが集まる、がんママカフェに参加をさせていただきました。がん患者、家族は、大きな不安を抱えながら治療方法や生活、仕事のことなど様々な問題に直面をしております。  カフェで様々な意見をいただきまして、やはりがんの治療等に当たるときに、様々なところに情報が散在していてどこを見ていいのか分からない、また、基礎自治体の役所など相談に行っても、縦割りで、あっちの窓口で説明して、次はこっちの窓口で同じことを説明したりしてということで、たらい回しになってしまうというようなこともあって、疲弊してしまうという声がございました。  がんや治療に関する不安や疑問に的確に対応して、正しい情報を一元的に提供し、一元的に相談できる体制の確保が必要と考えますが、都の取組について伺います。 ◯西山福祉保健局長 都は、がん患者とその家族の療養上の悩みの解決や、都民のがんに対する正しい理解の促進に役立つよう、がんに関する情報を集約し、東京都がんポータルサイトで一元的に提供しています。  また、がん診療連携拠点病院等に設置されているがん相談支援センターで、治療をはじめ療養生活や就学、就労、利用可能な支援制度など、患者や家族の様々な相談に対応しております。  今後、がんポータルサイトで治療と仕事の両立など患者の関心が高い情報をより分かりやすく提供するとともに、がん相談支援センターが一層活用されるよう、さらなる周知に取り組んでまいります。 ◯藤井(あ)委員 東京都のこのポータルサイトは、実際、がんママカフェの皆さんに聞いてみたんですが、知らなかったという声や、たどり着くことがなかなか難しいよという声をいただきました。また、一部の相談支援センターには電話がつながりにくいという声もいただいております。また、加えて、存在自体を知らない、病院独自の患者サポートセンターとの違いが分からない等の声もいただきましたので、さらなる周知をお願いしたいと思います。  がん患者の方は体力も落ちてきているところから、相談のための窓口に出向くことがつらいという声もいただいております。  新型コロナウイルス感染症が進んだ中で、オンラインの活用が進んできておりまして、相談支援についても活用すべきと考えますが、取組状況について伺います。また、そのことが当事者に伝わるように周知していくべきですが、併せて見解を伺います。 ◯西山福祉保健局長 がん患者は、免疫状態が低下している可能性があることから、感染症にかかりやすく、重症化リスクも高いといわれております。  がん診療連携拠点病院等では、新型コロナウイルス等の感染リスクを避けるため、オンライン相談の取組が進められており、都は、必要な設備整備を支援するとともに、相談員に対し、具体的な相談場面を想定した実践的な研修を実施しております。  今後、がんポータルサイトにおいてオンライン相談についての情報を提供するなど、がん患者とその家族に対する相談支援がより充実するよう取り組んでまいります。 ◯藤井(あ)委員 ありがとうございます。相談体制をしっかりとお願いしたいと思います。  あと、やはり声を聞いていて思ったのは、例えば治療していても保育園に入れないという声だったりとか、生活を支えるというところが非常に重要だと思いました。生活支援の強化というのは必要であると考えています。  その多くは、多分、区市町村が持っていると思いますので、そういった区市町村と連携した生活支援の強化を、今後のがん対策推進計画の改定の中で、ぜひ当事者の声も聞きながら検討していっていただきたいと要望させていただきます。  続きまして、LGBT等の施策について伺います。  昨年十一月に始まりましたパートナーシップ宣誓制度を契機として、都のLGBT施策や差別解消のための取組を東京レインボープライド、TRP等へブース出展して啓発すべきと考えますが、宣誓制度の実績と併せて見解を伺います。 ◯野間総務局長 性的マイノリティー当事者の方々が自分らしく生き生きと生活していけますよう、当事者の方々に寄り添いながら、多様な性に関する都民の理解促進を図ることは重要でございます。  都はこれまで、啓発冊子の作成やオンラインセミナーの実施など、都民向けの啓発等において当事者支援団体と連携をしてまいりました。  今後は、当事者支援団体が主催するイベントの機会も活用し、パートナーシップ宣誓制度や相談窓口の周知を図るなど、効果的な広報の在り方について検討してまいります。  なお、パートナーシップ宣誓制度の受理証明書の交付件数は、二月末時点で六百六件となってございます。 ◯藤井(あ)委員 東京レインボープライドへの出展、前向きなご答弁をいただきましてありがとうございます。ぜひしっかり検討してください。  私も、去年、このレインボープライドで開始前の宣誓制度の紹介をして回りましたが、やはり大きな反響をいただきました。ぜひ当事者の皆さんに都の制度や差別解消の取組を伝えていただきたいと思います。  また、将来的には、ぜひ、小池知事のレインボープライドへの参加も期待をしているところであります。  また、交付件数ですが、我が会派の龍円都議が十二月の一般質問で確認したときは、たしか四百件程度だったと思うんですが、今回二百件さらに増えているということで、多分これ、これまで大阪が四百件で最大だったと思いますので、一気にそれも超えているという状況でありまして、それだけこの宣誓制度を熱望している人たちがいるんだということだと改めて確認をさせていただきました。  続きまして、デジタル関連について伺わせていただきます。  最近話題のチャットGPTをはじめとする生成系AI、ジェネレーティブAIを活用した様々なサービスというのが世界中で相次いで公開されておりまして、大きな注目を集めています。  生成系AIの一つである対話型AIは、人の問いかけに対して数秒程度で回答を得ることができるものでありまして、私も試してみました。例えば、私も小池知事についてちょっと聞いてみたんですけれども、都議を務めた後、都知事になられたとか、ちょっと間違った情報も入っていて、扱いは少し気をつけなきゃいけないなと思っているところなんですが、それを調べた数週間前とまた答えが変わったりとかしていて、やはり進化をすごくしていますので、ぜひこれは活用するべきだなというふうに思っております。  この対話型AIをはじめとする生成系AI、都民の生活の質の向上や、職員の業務効率化につながると考えておりますが、一方で、リスクもありまして、まずは職員で徹底して試してみて、アイデアソンを実施するなどして、新たな活用方法を検討すべきだと考えますが、都におけるこの生成系AIの活用について、宮坂副知事の見解を伺います。 ◯宮坂副知事 生成系AIは、世界的IT企業などを中心に急ピッチで開発が進められています。  私も先日、生成系AIの一つである対話型AIを使ってみましたが、複雑な質問に迅速に自然な文章で回答する機能に驚きました。  現時点では、質問によっては正確性や客観性が欠けるといった課題もありますが、学習を重ねることで精度が上がっていくと見込まれています。インターネットの世界での検索サービス、SNSに続く三度目の転換点となる、大いなる可能性を感じました。  都政でも、先進的な企業の知見を得ながら、職員の勉強会やアイデアソンなど、活用に向けた検討を進め、チャットボットなどの都民サービスや、情報の検索、文章の要約などの業務効率化など、幅広い分野で実践をしてまいります。 ◯藤井(あ)委員 例えばですけれども、論点の整理にすごく使いやすいなと思ったので、こういった都議会の審議、質問の際にも、例えば論点整理として使って、実際、職員の皆さんが整理するであったりとか、そういったこともできるんじゃないかなと思っております。ぜひ皆さん、徹底的に使っていただいて、どんなことができるか、その可能性をぜひ広げていっていただきたいと思います。  続きまして、GovTech東京に関連して伺います。  発達障害を抱える方々の中には、独創性や高い集中力など特性を生かして企業で働く方も増えておりまして、障害者の活躍促進に向けた取組が活発化をしております。  GovTech東京は、DXを推進する組織として、就労に困難を抱える発達障害の方などが、デジタルならではの業務で活躍できることを社会に発信していくようにすべきと考えますが、見解を伺います。 ◯久我デジタルサービス局長 GovTech東京は、東京全体のDXを進めるため、斬新でイノベーティブなサービスを生み出す新たなプラットフォームを目指すものであり、その実現には、人材の多様性、ダイバーシティが重要な要素となります。  例えば、高い集中力や正確性に強みを持つ発達障害の方がプロジェクトに加わり、多様な人材がそれぞれ能力を発揮することで、品質の高いサービスにつながることが期待できます。  オープンデータ化に向けたデータ整備やプログラムのチェックをはじめとして、GovTech東京の業務でのトライアル実践を積み重ね、効果的な運用ノウハウを蓄積するとともに、社会に発信してまいります。 ◯藤井(あ)委員 ぜひGovTech東京で、デジタル分野における障害を抱える方の働き方の事例やケースをつくって、広く発信をしていくことで、埋もれてしまっている人材を掘り起こしていただきたいと要望させていただきます。  私はこれまで、都に対して、障害当事者を含むアクセシビリティーのチームをつくって、都のデジタルサービスを改善するということを提案してまいりました。  デジタルサービスの開発に障害当事者の視点を取り入れるなど、GovTech東京としてアクセシビリティーを意識した取組を展開していくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯久我デジタルサービス局長 障害の有無や年齢などにかかわらず、都民の誰もが使いやすいデジタルサービスを提供することが重要であることから、GovTech東京では、都庁各局のサービスが、見やすさ、使い勝手のよさなど、アクセシビリティーに配慮したものとなるよう、UI・UXデザイナーなどの専門人材が技術的なサポートを行います。  また、障害当事者がシビックユーザーテスターとして開発プロセスに参画する仕組みを検討し、各局や区市町村に利用してもらうことなどにより、誰もがデジタルの恩恵を受けることのできる社会の実現に貢献してまいります。 ◯藤井(あ)委員 障害当事者をシビックユーザーテスターとするということでありまして、それ自体は非常に評価をするものであります。  一方で、ぜひ、要件に合う方、採用できる方がいれば、直接の雇用も進めていただきたいと要望させていただきます。  続いて、つながる東京について伺います。  都は、つながる東京の実現の中で、一つのアカウントで世界中どこでも安全にフリーWi-Fiを利用できるオープンローミングの活用を検討しています。  オープンローミングWi-Fiを、都有施設だけでなく、整備が遅れている区市町村の施設において、通信環境を調査した上で支援するとともに、民間施設を含めて展開させていくべきと考えますが、今後の取組をお伺いします。 ◯久我デジタルサービス局長 国際規格であるオープンローミングWi-Fiは、セキュリティが高く、一度登録すれば、導入済みの全ての施設で再度の登録なしに使えるなど、都民や旅行者の利便性が大きく向上いたします。  このため、都は、オープンローミングWi-Fiを広く公共施設等に導入することを、有識者等が参画する協議会で検討しております。  来年度は、先行して災害時の拠点となる都立学校など約三百三十か所を対象に整備を進めてまいります。  また、区市町村のニーズを踏まえた技術支援を行うとともに、民間事業者ともオープンローミングのメリットなどの共有を図ってまいります。 ◯藤井(あ)委員 ありがとうございます。ぜひ民間事業者を入れたオープンローミング推進のための会議体をつくるなど、取組をお願いいたします。  続きまして、地元の町田市に学校のWi-Fiの状況を確認いたしましたところ、市内の学校では、GIGAスクールの対応等で普通教室に関してはWi-Fiの環境は整い、一人一台環境で学ぶことができているが、特別教室や体育館、こういったところはWi-Fi整備が進んでいないということであります。  特別教室や体育館は災害時の避難先にもなっておりまして、Wi-Fi整備というのは災害時にも有用なものとなりますので重要です。  先ほどのオープンローミングの視点も踏まえて、防災の観点からも、小中学校の特別教室や体育館をはじめ区市町村の避難所でWi-Fi整備を進めるべきと考えますが、取組を伺います。 ◯野間総務局長 都はこれまで、関係各局が連携し、避難所に指定されている都有施設へのWi-Fi整備を積極的に進め、その設置拡大を図ってまいりました。  こうした取組に加えまして、来年度から、公立小中学校の特別教室や体育館、公民館など、地域の実情に応じて指定される避難先に、オープンローミング等に対応したWi-Fiを整備する区市町村に対し、その費用の一部を補助する事業を新たに実施いたします。 ◯藤井(あ)委員 小中学校の特別教室でも利用可能であるということでありまして、前向きなご答弁をありがとうございます。  我々の会派のデジタル推進PTで、こういったつながる東京、公民館などもしっかりと整備してくれといったことが、一歩一歩、実現しているということを確認させていただきました。  世界では、イーロン・マスクさんが設立をしたスペースXの衛星通信サービス、スターリンクというものが普及をしつつありまして、皆さんも、ウクライナでの戦争の際に、ロシアによって地上の通信インフラが破壊されたウクライナで、スターリンクによって通信が可能になったという事例を聞いたかもしれません。  日本でも、災害時に地上の通信インフラが深刻な被害を受ける可能性が懸念されておりまして、検討すべきと考えます。  新たな通信サービスを利用して、災害時において通信を維持するための仕組みとして活用を検討すべきですが、見解を伺います。 ◯野間総務局長 災害時に区市町村や防災機関等との通信を維持するため、都は、震度七程度の地震にも耐えられる独自の防災行政無線を整備しており、さらに、バックアップとして静止軌道衛星による通信も利用してございます。  来年度は、これらに加え、低軌道衛星による通信を活用いたします。この通信方法は、大容量のデータ伝送が可能であるほか、通話遅延も少なく、場所を選ばず機動的に通信機器を設置できるなどのメリットがございます。  災害時における有効な活用方法を検証するため、総合防災訓練など各種訓練において、高画質の画像や動画の送受信を行うなど、通信の安定性や安全性等を確認してまいります。 ◯藤井(あ)委員 新たに検証するということでありまして、こういったことが実現できれば、例えば災害が起きたときに、トラックに機器を積んで持っていけば、避難所でインターネットが使えるなどできるかと思いますので、しっかりと検討いただきたいと思います。  また、この新たな衛星通信に関しては、今後、国内の企業もかなり力を入れていますので、併せて検証をお願いいたします。  続いて、ちょっと順番を変えまして、カーボンニュートラルの実現に向けて、サプライチェーンの中で重要な役割を担う中小企業のGXについて伺います。  昨日、我が会派の代表質問で、知事から、都内の中小企業の排出量取引に対する新たな支援について答弁がありましたが、具体的な取組内容について伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は来年度より、中小企業等が削減したCO2排出量を、市場システムを通じ取引ができるよう、後押しを開始いたします。  具体的には、中小企業が、国内の排出量取引、J-クレジット制度の市場に提供するクレジットをつくるため、CO2の削減の計画策定からその実施に関し専門家が助言を行います。  また、排出削減に役立つ設備導入に必要となる経費の五分の四に助成を実施いたします。  さらに、中小企業が市場からクレジットを調達する場合には、その費用の二分の一に助成を行うとともに、一定の成果を上げた際、金融機関からの低利融資を可能とする仕組みも設けることといたします。 ◯藤井(あ)委員 続いて、国際金融都市東京の実現のために質問をさせていただきます。  新興の資産運用業者、いわゆるEMの育成というのは極めて重要でありまして、日本ではなかなか進んでいない現状があります。  都は、EMPというプログラムを進めているところであります。  このエマージング・マネジャー、EMの成長には、都の官民ファンドの運営事業者にEMが参加できるようにすべきと考えますが、こうした点も含め、EMの成長機会をつくっていくためにどのように取り組んでいくのか伺います。 ◯児玉政策企画局国際金融都市戦略担当局長 新興資産運用業者の成長には、創業初期の段階において、いかに運用資金を獲得できるかが鍵となります。  創エネ・蓄エネ推進ファンドをはじめ、来年度のファンド運営事業者の募集に当たっては、新興資産運用業者の育成という視点を加味して取り組んでいきます。  また、海外機関投資家とのマッチング機会を創出する事業では、今年度、実際に運用資金の獲得につながった成功事例が生まれています。  フィンシティー・トーキョーと連携し、機関投資家からの認知度の向上や、運用資金の獲得に向けた新たな取組にも今後挑戦していくことで、新興資産運用業者のさらなる成長機会の創出に取り組んでまいります。 ◯藤井(あ)委員 ぜひ、都がこのEMの育成に本気であることを国内外に示してほしいと思っておりまして、できることを総動員してください。  今のファンドのご答弁に加えて、また、EM育成のためのファンドをつくることも検討いただきたいと思います。  国際金融都市東京の観点では、外国企業誘致も重要です。金融系外国企業誘致については、量でなく質の高い企業を誘致していくべきと、これまで一般質問でも扱ってまいりました。  また、City-Tech.Tokyoと連携した有望な海外スタートアップを誘致するなどもご提案をさせていただいております。  第四次産業革命関連の外国企業誘致についても質を担保し、確実に都内進出を実現していくことが重要と考えますが、今後どう対応していくのか、都の見解を求めます。 ◯児玉政策企画局国際金融都市戦略担当局長 これまでは、第四次産業革命関連分野の誘致対象企業の選定に当たり、技術、サービスの先進性や都内での実装の可能性、あるいは都内企業との協業の意思の有無といった視点を重視してきました。
     来年度は、これらの視点に加えて、東京への進出の実現性を高める観点から、従業員数や資金調達ラウンドにおける成長ステージ、累計調達額等を考慮して、総合的に判断することといたしました。  さらに、こうした外国企業の東京での確実な拠点の設立に向け、ビジネスコンシェルジュ東京の機能を再編し、伴走型の支援を強化するとともに、専門家への相談費用、人材採用経費、オフィス初期費用の補助を新たに創設することといたしております。 ◯菅原副委員長 藤井あきら理事の発言は終わりました。(拍手)      ────────── ◯菅原副委員長 斉藤やすひろ委員の発言を許します。    〔菅原副委員長退席、高倉副委員長着席〕 ◯斉藤委員 初めに、東京都の生物多様性戦略について質問をします。  このコロナ禍の中の二年間で世界を見ますと、もう一つのCOPといわれるCOP15が開催されておりました。二〇二一年、中国の昆明市で、そして、昨年暮れにはカナダのモントリオールで開催されたこの国際会議、生物多様性を議論する締約国会議ですが、日本も当然参加しております。  ここで大事なことが決まりました。生物多様性が回復軌道に乗ること、保全だけでなく回復軌道に乗せること、そして、各国が力を合わせて、陸や海の国内の三〇%の保全を、保護を行うというサーティー・バイ・サーティーという国際合意がなされました。  これを受けまして、国も、次期国家戦略を間もなく、この三月中に発表する予定でございますが、続いて、東京都も、東京都の生物多様性地域戦略を改定すると仄聞しています。  この戦略に当たりましては、SDGsのときと同様に、啓発と機運醸成が極めて重要でございまして、私は、この生物多様性の保全、回復の鍵を握るのは都民お一人お一人、そして、企業や全ての方々を巻き込んでの危機の共有と実践行動だと思います。  私は、地元の目黒区で、生物多様性に配慮したまちづくりを目黒区が掲げておりますけれども、我が党が推進してできました江戸のみどり復活事業、こういった補助金を活用しながら、小学生や地元住民の参加型の様々な活動をしております。  私も、その一つ、区立の菅刈公園というところで行われておりますNPO法人菅刈ネット21、私も会員でございますが、一緒になって、生物多様性の環境学習をしたり、樹林調査を子供たちとしたり、そういう地道な活動をしてまいりました。  他方、生物多様性の保全、回復は、経済活動と密接に関わってきます。そして資源循環の取組とも関わっておりまして、環境団体やボランティアの方々だけでなく、企業など経済のあらゆる担い手と共に、気候変動の問題と一緒に取り組むべき重要課題であります。  先月、G-NETS及びCity-Tech.Tokyoが開催されまして、環境が重要なテーマになったと伺っております。  人類の持続可能性の鍵を握っているのは都市である。そこで、気候変動問題と並ぶこの重要課題に当たっても、東京都がリーダーシップを発揮していくべきと思っております。持続可能な社会の創出に向けての知事の決意をお伺いします。 ◯小池知事 「未来の東京」戦略が目指す持続可能で生物多様性に富んだ都市をつくるためには、今を生きる私たち、我々が共通の課題認識の下で行動を起こさなければなりません。  昨年末のCOP15では、二〇三〇年までに生物多様性を回復軌道に乗せるため、ビジネス分野での取組強化が盛り込まれるなど、多様な主体による行動の加速が今後の鍵を握っていると、ご指摘のとおりであります。  先日開催いたしましたG-NETSやCity-Tech.Tokyoでは、各国の都市やスタートアップなどが参加しまして、生物多様性を含む環境分野の知見と技術の交流など、東京から新たな価値を世界へと発信をいたしました。  こうした国内外の動向も注視しながら、新たに策定をいたします生物多様性地域戦略を踏まえて、都民、NPO、企業、大学等、多様な主体と連携して、生物多様性の保全と回復などの取組を進め、持続可能な社会を実現してまいります。 ◯斉藤委員 環境先進都市の知事といたしまして、ぜひ力強いリーダーシップを発揮いただきたいと思います。  この東京都生物多様性戦略の策定におきましては、今、都民と共に中小企業の取組が特に重要になると考えます。これらの企業は、生物多様性の恵みを商品やサービスなどとして広く提供し、私たちの暮らしを支えてくれています。  企業活動において、原材料の調達などのサプライチェーンの中で、生物多様性への配慮は重要です。こうした取組に加え、例えば飲料水メーカーが採水地となる山林を保全し、地下水を涵養する取組は、同時に土砂災害の防止にもつながっていくわけです。  このような自然の機能を活用した社会的課題解決に寄与する取組であるネーチャーベースドソリューションズ、いわゆるNbSの視点も、生物多様性に配慮した企業の活動として重要であるとともに、そうした企業活動を消費者である都民が知ることで、生物多様性に配慮したエシカルな商品選択などの行動につながっていくと考えます。  そこで、こうしたNbSの取組について、多くの企業が実践できるよう促すべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯栗岡環境局長 企業によるいわゆるNbSの取組を推進するためには、その意義や重要性を企業が理解し、実践できるよう、都は、啓発や機運醸成を行っていくことが重要でございます。  現在策定中の地域戦略では、緑地における雨水浸透や植物の蒸散作用など、自然が有する多面的な機能を、防災や暑さ対策など、様々な社会的課題の解決に活用するNbSの取組を広めていく必要があるとしてございます。  そのため、来年度新たに、NbSを実践している企業の取組事例をホームページ等で紹介するとともに、実践企業が参加する普及啓発イベントを開催してまいります。  この中で、取組のきっかけや内容とその効果などを幅広く収集、発信し、企業の機運醸成と都民の意識向上を図ってまいります。  こうした取組によりまして、NbSを実践する企業の裾野を広げ、自然と共生する社会を目指してまいります。 ◯斉藤委員 NbSという言葉は難しいですが、要するにグリーンインフラとか、そういう大きな話以外にも賢く消費をすることで、そうした生物多様性に対する配慮ができるということであります。  中小企業はどうでしょうか。中小企業の経営者は、現場の日々の仕事を回す人材だけでなくて、今は金融機関を相手にSDGs融資ですとか、デジタルですとか、脱炭素ですとか、様々な新しい言葉に閉口している方も多くおられます。J-クレジット、大変これも理解が大切です。  こうしたデジタルや脱炭素など、ESG投資の潮流を踏まえた中長期の課題に対応できる人材の確保、これを競って今求めている企業があります。  私は、創業から約八十年にわたり続いてきた中小企業の経営者が、こうした時代に後継者がいない、社内で育てる時間はなかった、今さら社外から確保したいけれども、ノウハウも資金力もないというふうに嘆いているお声、これ、相手は信用金庫の支店長に話している話でしたが、そうした姿を見てまいりました。  都議会公明党はこれまで、この孤独ともいえる経営者の右腕となる、経営者の支援の視点から、人材確保の仕組みづくりを繰り返し都に求めてまいりました。  昨年の第三回定例会での我が党の質問に対して、都は、支援を検討すると明言し、そして、来年度、その予算案にデジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーションの時代を担う専門・中核人材戦略センター事業として一億二千万円を計上したことを評価します。  都は、企業からの相談を待つだけでなくて、担当者が企業に出向いていって、そしてその悩みを聞き、経営面のサポートができる機関とも連携しながら、この人材のマッチングから定着まで着実に支援をしていくべきであります。新しい専門・中核人材戦略センターの具体的な仕組みを伺いたいと思います。 ◯坂本産業労働局長 中小企業が新たな事業展開や社内の体制整備の中心となる人材確保を図ることは、経営上の重要な課題でございます。  こうした中核人材の確保を目指す中小企業からの相談に応じ、都は、採用の方法やその計画づくりに関し、窓口等で様々な助言を行ってまいりました。  来年度は、金融機関や経済団体などと協力し、専門家が中小企業に出向き、中核人材の必要性を説明した上で、そのマッチングから定着までを一貫してサポートいたします。  また、採用に当たり民間の人材紹介のサービスを利用する場合等に必要な経費に対しまして、最大三分の二の助成を行います。  さらに、大企業などで力を培った人材とその採用を図る中小企業との交流会なども開催いたします。  これによりまして、中小企業の中核人材の確保を後押ししてまいります。 ◯斉藤委員 環境の話から急に産業労働局の局長の話ということで、えっ、どうしてと思ったかもしれませんが、時代はこういうことでありまして、この中小企業の経営者の側に立って、そうしたことが分かる人材を、力のある人材をマッチングさせる、それを東京都はぜひとも推進していただきたい。  雇用就業部と、そして商工部が一体となって、金融機関などは、商工部の方が顔が見える関係があるかと思いますが、しっかりとこういった事業を推進して、企業を応援していただきたいと思うわけでございます。  続きまして、防災関係でございます。  近年、毎年のように記録的な大雨に見舞われる中、全国で多くの甚大な水害が発生しています。  私の地元目黒区を流れる目黒川は、今でこそ桜の名所、間もなく桜まつりが久しぶりに開催されますが、こうした目黒川、過去を遡れば、幾度となく浸水被害が発生してきた暴れ川でございました。大きな被害をもたらした話を住民の方々から伺っております。  平成に入りまして、平成十四年に荏原調節池が完成してからは、幸い、川からの溢水は発生しておりませんけれども、近年の豪雨の状況を踏まえますと、水害対策は喫緊の課題でございます。  都においては、TOKYO強靱化プロジェクトを策定いたしまして、激甚化する風水害から都民を守るため、河川整備をさらに推進することとしています。  こうした背景を踏まえ、今年度事業化した新たな目黒川流域調節池につきましても、着実に進めていくことが重要であります。  この調節池は、環状七号線の地下広域調節池と接続をして整備するものと聞いています。環七のこの地下調節池は、白子川、石神井川、神田川の各流域にまたがっていて、調節池の容量を相互に融通することで、時間百ミリの局地的短時間豪雨にも効果を発揮するというふうに聞いております。  この効果の大きい環七の地下広域調節池と目黒川流域の調節池とを連結することで、治水上の安全性がさらに高まるものと期待をしております。  そこで、目黒川流域調節池につきまして、環七の地下広域調節池と連結することによる効果及び令和五年度の取組について伺います。 ◯中島東京都技監 仮称目黒川流域調節池は、年超過確率二十分の一規模の降雨に対応するため整備するものでございまして、河川整備計画に位置づけた上流三支川の調節池をトンネル式で一体的に整備する貯留量約四十七万立米の施設でございます。  本調節池は、環状七号線地下広域調節池と連結することで、総容量約百九十万立米の施設として機能いたします。これにより、調節池容量の相互融通機能が目黒川流域まで拡充され、より広範囲の豪雨への対応も可能となります。  令和五年度は、引き続き、将来の地下河川化も見据え、立て坑の構造や工法の比較検討などを進めますとともに、関係機関との協議などを実施してまいります。  こうした取組により、豪雨に対する安全性を高めてまいります。 ◯斉藤委員 この白子川、石神井川、神田川、そして目黒川の四つの流域にまたがっている、安全度が向上することが分かり、大いに期待する、評価をするものでございます。  都は現在、気候変動を踏まえた河川施設のあり方検討委員会において、地下河川を含めた新たな整備手法の検討を進めていると聞いております。  私としては、この環状七号線地下広域調節池や目黒川流域調節池がつながって、洪水を東京湾まで導いて海に出していく、この地下河川がいよいよ動き出すんだなと、大いに期待をしているものでございます。都民の生命、安全・安心を確保するため、ぜひとも実現をしていただきたいと思います。  続きまして、マンション防災について質問したいと思います。  TOKYO強靱化プロジェクトでは、マンション住民には、地域避難所への避難抑制、そして、在宅避難が継続と明記されております。在宅避難が可能となるようなマンション住民の防災意識の向上と総備蓄の促進が課題となるわけであります。  これまで総務局は、東京防災セミナー、こういったものを企画実施してまいりましたが、都内マンション数は、平成二十九年度のデータでは約五万棟もある中で、このセミナーの参加枠は三百四十件にすぎない。今後、都は、セミナーの内容を見直し、さらに質を上げることで、受講者を増やしていくことが必要と考えますが、都の見解を伺います。 ◯野間総務局長 都はこれまで、東京防災学習セミナーや東京防災ホリデーセミナーの中で、マンション防災のコースを設け、マニュアル作成や備蓄の必要性などについての講義を実施してまいりました。  今年度公表した新たな被害想定では、長期間エレベーターが停止したり、トイレが使えなくなるなど、マンションにおける様々な防災上の課題が示されました。  このため、来年度は、マンション防災について、従来のセミナーの内容を充実させ、マンションに精通した専門講師を派遣するとともに、最新の情報も取り入れながら、より質の高い講義を実施してまいります。 ◯斉藤委員 この防災セミナー、自治会や町会の方々などにももちろん呼びかけておられますが、オーナーズマンションの場合は管理組合が非常に重要だと思います。まずはこの組合の方々が積極的に受講していくことが重要。  そして、できれば全体を一つにまとめるんじゃなくて、コースがあるのは分かっているんですが、マンションに特化した、そういったセミナーをこの四月から、もう待ったなしで開始していただきたいと要望しておきたいと思います。  日常的にマンション管理組合や管理会社及び不動産業界と顔が見える関係なのは一体誰なんでしょうか。総務局総合防災部には限界があります。私は住宅政策本部であると考えております。  そこで、マンション防災を徹底するためには、平時からマンション施策を展開している住宅政策本部の取組を、総務局総合防災部や関連団体と連携しながら一層強化するべきであると思いますが、都の見解を求めます。 ◯山口住宅政策本部長 都は、分譲マンションの適正管理や円滑な再生の促進を通じまして、良質なマンションストックの形成を図ってまいりました。  来年度は、耐震化の取組の強化に加えまして、倒壊の危険性が高いピロティー階の改修等の後押しや、管理組合の防災力向上等を支援する事業を開始するほか、名称を変更した東京とどまるマンションの普及などに積極的に取り組んでまいります。  関係局や区市町村、マンション管理に関わる団体等と緊密に連携しながら、災害時における安全な居住の持続に向けて着実に施策を展開してまいります。 ◯斉藤委員 東京とどまるマンション、すばらしい施策の再構築だと思いますが、これは代表質問でも質問させていただきました。  災害時はトイレの問題が大変であります。  都は、簡易トイレなどの備蓄支援だけでなく、例えば、排水管の被害状況の把握方法、これは簡易でもとにかく使えるか使えないかを即断しなきゃいけません。あるいは排水管の早期復旧はどうしたらいいんでしょうか。工事事業者との連携はどうしたらいいんでしょうか。こうした在り方の対処方法なども整理して、ぜひガイドラインをつくるべきと提案をしておきたいと思います。  次に、住まいの問題では、空き家対策について質問したいと思うんですが、都内の世帯数は二〇四〇年を境に減少していきます。  現在、既に六十五歳以上であって、高齢者単身世帯が住む戸建てとマンションの持ち家のことを空き家予備軍というふうに呼んでおります。今後ますますその増加が懸念されます。  東京都は、東京における空き家施策実施方針を公表したところですが、この空き家予備軍、二つの老いです。住んでいる方と建物の二つの老いが同時に進行していく。所有者の高齢化については、住まいの終活ともいえる、相続、売却、賃貸、いろんな悩みがありますが、こういうことに関しまして、所有者や相続される方が抱える課題への対応が重要でございます。  都は、ワンストップ相談事業を実施しておりますが、専門家の派遣なども行っております。評判もいいです。感謝の声もあります。その一方で、やはり相談実績を見ますと、まだまだ十分とはいえない数字です。相談窓口があっても、都民に伝わって、それが活用されなければ、ないのと同じ。  そこで、この事業を都民にもっと知ってもらい、さらに活用していただくよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯山口住宅政策本部長 これまで都は、民間事業者が行う空き家ワンストップ相談窓口への支援を通じまして、相談対応を強化してまいりました。  空き家問題の解決のためには、相談対応の実効性を一層高めていくことが不可欠でございまして、来年度は、旧耐震基準の建物や地域活性化施設としての利活用など、より困難度の高い相談の解決に対する民間事業者へのインセンティブを拡充いたします。  また、税務部門と連携しまして、本年六月に送付予定の固定資産税等の納税通知書に、新たに空き家の利活用に関するチラシを同封して啓発を図るとともに、ワンストップ相談窓口の活用を促すことによりまして、相談窓口のさらなる利用促進を図ってまいります。 ◯斉藤委員 主税局と連携しながら納税者の方に固定資産税──これ活用がしっかりしていないと税が上がっていくという今法案が国会でも用意されているようでございます、三月三日に閣議決定、ニュースになっておりました。そういった情報をどうやって届けるかということの一つのアイデアですばらしいと思います。  目黒区の場合は、特定空き家のように全く放置されている空き家というのは本当にないです。大体、相続の関係ですとか、リフォームを希望する方が多い地域でございます。  適切なリフォームを行うことで、住まいの健康寿命というか、長く住み続けられる家にしていくことも重要であるわけですが、このリフォームに関しましては、目黒区では独自のリフォーム補助金、助成金をつくっております。これを拡充してほしいという声がある一方で、東京のリフォームに関するというか、耐震化、省エネ化、バリアフリー化など様々な支援事業があるんですが、書類が多くて、申請手続も分からないし、また、事業者の選び方が分からない、だまされたらどうしよう、そういった声があるわけです。  そこで、都民が安心して住宅リフォームに取り組めるよう、普及啓発を強化するべきであると思いますが、都の見解を求めます。 ◯山口住宅政策本部長 都はこれまで、都民が安心して住宅リフォームを行えるよう、ガイドブック等により普及啓発を行ってまいりました。  今般、リフォームの促進に向けまして、計画から工事等の流れに沿って、補助金や相談窓口などの情報を分かりやすく紹介する内容に全面改定いたしました。  今後、区市町村や東京都省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームの会員団体等と連携しまして、都民への普及啓発に取り組みます。  あわせまして、リフォーム後の戸建て住宅をモデルハウスとして公開する取組におきまして、都民の主要な居住形態であるマンション等も対象に加えるなど、リフォームの効果を体感できる場を広く提供してまいります。 ◯斉藤委員 この愛着のあるおうち、こうした住まいに世代を超えて住み続けていくということはとても大切なことなんですが、多くのケースは既に家族はほかのところに住まいがあって、相続人であるんですけど、そこには今さら住めないという方もおられます。  その場合には、当然売却をしたい、流通に流したいというニーズが生じるわけですが、なかなか日本というのは、新築に対しまして既存住宅の流通がなかなか難しい、広まっていません。  そこで、都として、売りに出したいという物件があった場合に、既存住宅の流通促進に向けた取組を強化するべきであると思いますが、最後にこれ、空き家関係で聞きたいと思います。 ◯山口住宅政策本部長 既存住宅の流通促進に向けましては、建物状況調査や既存住宅売買瑕疵保険、住宅履歴情報の三つの仕組みの活用とともに、既存住宅の価値の適正な評価が重要でございます。  都はこれまで、既存住宅の売買に当たって参考となるポイントをまとめた東京既存住宅ガイドブックなどによる普及啓発を進めるとともに、国に対して、既存住宅流通の活性化に向けた提案要求を行ってまいりました。  来年度は、民間事業者によります既存住宅を良質な住宅に改修して適正な評価の下で販売する取組や、建物状況調査等の三つの仕組みに関する普及啓発の取組に対する支援を開始しまして、都民が既存住宅を安心して売買できる市場環境の整備を図ってまいります。 ◯斉藤委員 しっかりこの空き家の未然防止に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
     続きまして、自由が丘のまちづくりについて質問したいと思います。  自由が丘、皆さんどのようなイメージを持たれるでしょうか。これは日本最大級の商店街がもちろん広がっているんですが、古くは文化村といって、多くの作家、青い山脈などの石坂洋次郎さん、陽のあたる坂道という名作がありますが、昭和の初期から、非常に地域の方々が愛し、そして愛されてきた自由が丘、そのまちが今、まち全体が古くなっている。  建物の老朽化、車歩道は非常に未分離であり、なかなか人と車が共生できない。商業施設の活力維持も課題です。そうした中で、待っていられないということで、民間再開発が先行して進み始めています。  まちの声を聞きますと、歩行者が安心して歩きやすい環境にしてほしい、商店街を南北に分断する踏切を改善してほしい、除却してほしいというか、立体化してほしい、はしご車など緊急車両が通れない非常に桁の低い架道橋というものが電車のところにありますけれども、これを改善してほしいなどの声が多く寄せられております。  こうした民間の動きや声を受けまして、地元目黒区は、緑豊かな、ウオーカブルなまちづくりに向けた自由が丘未来ビジョンというものを策定、発表いたしました。  そして、周辺の道路や鉄道といった都市基盤と一体となることを目指して、まちづくりと一体的に取り組むことを目指しまして、自由が丘駅周辺地区都市基盤整備構想(案)というものを発表したところであります。今、議会でもそれが議論されていると思います。  私は、この駅周辺の課題を総合的に解決するためには、都市基盤の整備を含め一体的に取り組むことが必要で、特に東急大井町線と東横線の二線に乗り入れがあり、さらに、まちの更新には鉄道立体化について積極的に取り組んでいく必要があると考えています。  自由が丘駅周辺については、ウオーカブルなまちづくりを進めるためにも、鉄道立体化が望ましい姿だと考えますが、まず、自由が丘駅周辺地区都市基盤整備構想の策定に当たりまして、これまで東京都が行ってきた支援を確認したいと思います。 ◯福田都市整備局長 東急大井町線、東横線の自由が丘駅付近は、都の踏切対策基本方針において鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられております。  鉄道立体化は、地域におけるまちづくりと大きく連動することから、地元区が主体となり、地域の将来像やまちづくり方針等について検討する必要がございます。  また、本区間は、未整備の都市計画道路と三か所で交差しており、道路整備計画との整合も、まちづくりと併せて地元区が検討していく必要がございます。  都は、地元の目黒区が都市基盤整備構想案の策定に向け、令和三年度から実施してきた検討に対し、国と共に助言を行い、技術的な支援を実施してまいりました。 ◯斉藤委員 目黒区がつくった構想ですが、国と東京都が技術的な支援をしてきたということでございます。東京都もしっかり入っているということです。  実は、この自由が丘駅周辺は、平成十六年度に策定された東京都の踏切対策基本方針の中には、鉄道立体化の検討対象区間に選ばれています。選ばれていますが、策定から十五年が経過しているわけですね。  ウオーカブルなまちづくりや都市基盤強化を推進する国の動向も含めまして、踏切を取り巻く環境は、この十五年間、十六年間の間に大きく変わっているというふうに思います。  そこで、この踏切対策についての来年度の都の検討内容を伺いたいと思います。 ◯福田都市整備局長 都は、踏切対策基本方針策定後も鉄道事業者等と連携し、踏切対策を進めてまいりましたが、都内には千五十か所程度の踏切が存在し、交通渋滞やまちの分断などの課題が残されております。  基本方針策定後十五年以上が経過し、各踏切の状況や取り巻く環境は変化していると考えられます。  来年度、都は、基本方針における重点踏切を対象に現地調査を行い、これまでの対策実績や、踏切問題の改善状況を把握し、方針の検証を行います。 ◯斉藤委員 何のために調査するかというと検証を行って、分析をされて、新しい方向にまた踏み出していくことを期待したいです。  人中心のまちづくりが重視される時代になりました。自由が丘が目指すべきウオーカブルなまちづくりを考える上で、商店街の中心にある踏切除去によりまして、商店街の分断を解消するメリットなど、自由が丘駅周辺における鉄道立体化の必要性は、より一層高まっていると思います。  東急大井町線と東横線の鉄道立体化につきましては、私の地元目黒区の悲願であります。隣接する世田谷区の悲願でもあります。地域の声やまちづくりの機運上昇の機会を捉え、早期事業化をするべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。 ◯福田都市整備局長 都内の鉄道立体化については、これまでも、地元自治体による沿線まちづくりの検討状況や交差道路の整備計画の具体化などを十分に踏まえ、事業化等に取り組んでまいりました。  本区間は、東急大井町線と東横線の三つの駅を含み、目黒区と世田谷区にまたがる区間のため、両区が歩調を合わせて沿線まちづくり等に取り組むことが必要でございます。  来年度、両区は連携し、大井町線、東横線の開かずの踏切解消に向け、まずは調査などを実施すると聞いております。  都は、地元区が行うまちづくりや道路整備計画の具体化等の取組を引き続き支援し、適切に対応してまいります。 ◯斉藤委員 適切に対応というのは、やるというふうに私には聞こえるんです。ぜひとも早期に事業化を望みたいと思います。  東急は新空港線、蒲蒲線もございます。空港に乗り入れていく路線がある。そして、三月十八日には相鉄線と東急が相互乗り入れいたしまして、東横線から新幹線の新横浜に行けるようになる。こういった大きな変化が今起こっているわけでございます。  国際立地競争力の強化、大田区も力を入れています。そうした観点からも、また、国も注目しているこの自由が丘駅周辺の再構築、改めて鉄道立体化の早期事業化を強く要望して、次の質問に移りたいと思います。  次は、いよいよ始まりますワールド・ベースボール・クラシックでございます。  私は、日本代表の優勝を心から応援していきたいと思います。そして、今年の秋はどうでしょう。ワールドカップ・フランス大会二〇二三が開催される年です。ラグビーのワールドカップ、秋には必ず盛り上がっていく、盛り上げていく、そういう決意でございます。  二〇一九年の日本の大会を契機に、都内各地のラグビースクールへ入会される方が大変に増えております。私の地元目黒も協会が発足し、スクールの活動を開始しております。  小学生のミニラグビー唯一の全国大会は、ヒーローズカップというのもございますが、そこのお手伝いもしております。  二〇一九年大会では、世田谷区ラグビースクールが優勝し、二〇二一年大会では、江東ラグビースクールが全国大会で優勝し、小池知事にも表敬訪問させていただいております。ありがとうございます。  今年の関東地区大会は、私の地元駒沢オリンピック公園での開催が決定しておりまして、主催者一同、大変喜んでいるところでございます。  しかしながら、なかなか競技をする場所、練習する場所もなく苦しんでいる中で、レガシーとして、ぜひともラグビーの公式戦ができる新たな球技場建設を求める声が、二〇一九年前後からずっと寄せられてまいりました。  そこでまず、これまでの進捗状況を伺いたいと思います。 ◯中島東京都技監 都は、代々木公園など三公園の球技場について、天候による影響を受けにくい人工芝を導入するとともに、ラグビーやサッカーの公式試合の基準に適合するよう、改修や新規整備を進めております。  昨年十一月には、代々木公園の球技場の改修が完了し、高井戸公園では、今年の夏頃の供用開始を目途に、新施設の整備を行っているところでございます。  また、現在改修を進めております府中の森公園につきましては、令和六年度に供用を開始する予定でございます。  引き続き、多くの都民がスポーツに親しめる公園づくりに取り組んでまいります。 ◯斉藤委員 他の競技もあります。ラグビー専用とはなかなかいえませんが、サッカーとともにどんどん造っていただきたいと思います。  二〇一九年のワールドカップ東京の開催に当たっては、都が被災地の少年少女ラガーたちを東京にお招きして、都内のラグビースクールの代表と交流会を実施いたしました。  また、ワールドカップの翌年の二〇二〇年からは、我が党の提案を受けて、TOKYO RUGBY MONTH、少年少女への育成、そして普及啓発など、そういったことを目的とした事業を実施いたしまして、東京のラグビーの機運の醸成の大きな力になったと確信しております。  来年度は、こうしたレガシーを引き継ぎまして、今年のワールドカップ・フランス大会をきっかけに新たに少年少女がラグビーに親しめる機会を提供するとともに、被災地交流、三・一一を忘れてはなりません、二〇一九年ワールドカップの舞台として世界に復興をアピールする場ともなった岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムで、ぜひ実施することを提案いたしますが、都の見解を伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 レガシーを継承し、東京のラグビー機運を高める取組は重要でございます。  都は今年度、TOKYO RUGBY MONTHにおいて初めて、女子を対象とした交流体験イベントを代々木公園で行ったほか、東京のリーグワンチームによるプレシーズンマッチを駒沢オリンピック公園に一万人の観客を集めて実施をいたしました。  来年度は、体験会等を継続するとともに、ワールドカップ・フランス大会のパブリックビューイングを実施し、機運のさらなる醸成を図ります。  さらに、被災地との交流事業につきましては、岩手県での実施を計画しておりまして、被災地との絆がより強固なものとなるよう取り組んでまいります。 ◯斉藤委員 ぜひ岩手県と交流をいたしまして、防災教育なども含めて、大いに友情を温めていただきたいと思うわけです。  昨年十二月の代々木公園の女子のイベントに私も参加をさせていただいたんですが、原宿駅近くで、とても私も日頃は行かないエリアでございましたけれども、参加した少女たちは大変に楽しそうでした。  ぜひとも地の利も生かしまして、今後は、神奈川、埼玉、千葉などのガールズの、女子のチームとの交流イベントなども提案しておきたいと思います。東京協会と連携しながら行っていただきたいと思います。  続きまして、学校への新聞複数配備についての話をしたいと思います。  実は、民主主義の教育におきまして、新聞というものはとても重要だということで、軽減税率の対象にもなったわけですが、国は、主権者教育に新聞が果たす役割と重要性を認識して、学習指導要領にその重要性を明記するとともに、平成二十四年度から学校図書館図書整備等五か年計画で、地方財政措置を講じているところなんです。  それぞれ小学校二紙、中学校三紙、高校五紙と目標も決まっていまして、配備費用として百九十億円を地方交付税交付金として財政措置をしています。  また、東京都二十三区内では、新聞販売店で構成されております東京都の新聞販売協同組合では、小中学校への無償の譲渡を行っているところなんです。  こうした状況の中で、都は、今年度実施した子供読書活動推進に関する調査におきまして、都内の公立学校での新聞の配備状況を調査しておりまして、新聞の配備率は小学校六〇%、中学校が七三・九%、高校が一〇〇%と、比較すると小中学校がまだ低いわけでございます。  そのため、今後、都内の小中学校での新聞配備の充実を図るべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。 ◯浜教育長 都教育委員会では今年度、国の学校図書館図書整備等五か年計画を踏まえ、都内公立小中学校における学校図書館等への新聞の配備状況と併せ、その活用状況を調査いたしました。  各学校では、国語、社会、総合的な学習の時間における調べ学習等での活用を図るとともに、新聞記事と関連図書を並べて展示し、児童生徒の興味、関心を喚起するなど、今回の調査により様々な新聞の活用事例が集められました。  今後は、国の計画と併せ、これらの活用事例について各学校に周知し、新聞配備の促進が図られるよう、区市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。 ◯斉藤委員 ぜひ寄附に頼らない形で、東京都下の地方交付税の交付金の及ばない小中学校につきましては、各地域と協力して配備を推進していただきたいと思うわけでございます。  残りの時間、ぜひ目黒の都道についてお話をしたいと思うんです。  まず、補助二六号線、これは骨格幹線道路でございまして、目黒通りと駒沢通りを南北に結ぶ新設道路です。電柱の地中化や広域道路ネットワークの形成など、様々な効果が期待されるんですが、これはもう始まってから十六年目を迎える年であります。  本区間の開通は、目黒区民の悲願でありまして、一刻も早い完成に向け取組を加速させるべきですが、この補助第二六号線の現在の状況と来年度の取組について伺いたいと思います。 ◯中島東京都技監 現在、目黒通りから駒沢通りまでの七百六十メートルの区間で事業中でございまして、令和五年一月末時点の用地取得率は約九九%となっております。  このうち、駒沢通りから油面通りまでの約四百六十メートルの区間では、事業効果の早期発現のため、昨年六月に歩道部分を先行的に開放いたしました。  また、目黒通りから油面通りまでの区間では、今年度、排水管設置工事を実施しており、来年度は、電線共同溝設置工事や街路築造工事などを進めることとしております。  引き続き、地元の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。 ◯斉藤委員 時間が参りました。特定整備路線として、補助四六号線というものもあります。これは災害対応のための道ですが、地域の方々には大変に協力いただいています。信号機、横断歩道などの設置も含めまして、ぜひご協力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ◯高倉副委員長 斉藤やすひろ委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。    午後三時三十四分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時五十分開議 ◯小宮委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  白石たみお委員の発言を許します。 ◯白石委員 質問に先立ち、浜教育長に一言申し上げます。  こども基本条例に基づき、英語スピーキングテストに対する中学生の声を聞くよう求めた昨日の我が党の質問に、浜教育長は、子供の声につきましては聞き取り方について条例に定められているわけではないと答弁いたしました。都議会が全会派の共同提案で成立させたこども基本条例の趣旨を全く理解していない発言です。条例の意義を軽んじ、冒涜する重大な発言であり、許されません。謝罪と撤回を厳しく求めます。  質問に入ります。  新型コロナウイルスは、オミクロン株の出現以降、重症化率は低下しているものの、その感染力は季節性インフルエンザよりはるかに高く、第八波では過去最高の死亡者数となりました。コロナ禍は、日本と東京における医療提供体制の脆弱さを浮き彫りにいたしました。  医療現場は本当に深刻です。ある民間医療機関で働く看護師は、次のように述べます。この三年間、外食も職員同士の交流も、家族との関わりも制限されてきた。心身ともに限界。それでも、馬車馬のように二〇〇%で働いて必死で医療を守ってきた。看護師の仕事は、命を救う絶対に必要な仕事。でも、ハイリスクだけ背負って、使命感だけではやっていけない。認知症や障害者など、人手のかかるコロナ患者や不採算医療を受け入れてくれる都立病院は、絶対に必要、都立病院は民間医療機関の頼るべき存在だと。  ところが、小池知事は、都立病院を、都民の多くが反対する中で昨年七月に独法化を強行いたしました。  知事に改めて伺います。都立、公社病院を独法化した理由と目的、何でしょうか。 ◯小池知事 医療環境が大きく変わる中にありましても、安定的かつ柔軟な医療人材の確保、機動的な運営によりまして、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供する役割、これを将来にわたり果たすことと考えております。 ◯白石委員 知事は、行政的医療を将来にわたって提供するための独法化だと、このようにいってきました。さらに、職員が働きやすくなり、人も柔軟に確保できるともいってきました。ですから、これまでの答弁や説明に重い責任、負っております。  独法化を中止してほしいという署名は、延べ四十万人を超えました。にもかかわらず独法化したわけですから、知事の説明どおりに病院が運営をされているか、本日、検証していきたいと思います。  知事は、コロナ対応のための独法化とも知事いわれました。パネル、今日、ご用意いたしました。パネルご覧ください。多摩総合医療センターの感染症内科といえば、患者の治療をはじめ院内の感染防止対策の心臓部となります。そのホームページを見ると、感染症内科のスタッフ紹介が準備中となっております。こちらです。なぜ、感染症内科スタッフ紹介が準備中となっているのでしょうか。 ◯西山福祉保健局長 これに関しましては、この感染症科の医師が、四年七月から他の病院に転職いたしまして、本年二月には非常勤医師を確保しておりまして、六月には常勤医師二名の体制となる予定でございます。  なお、先ほど、感染症内科に関しましては、病院の心臓部という委員のお話がございましたけれども、多摩総合病院における感染症内科の中心業務は院内感染対策や職員の感染症教育等でございまして、コロナの診療に関しましては、多摩総では総合診療科や循環器内科、内科系の各診療科、救命センター、ICU等など、病院全体でコロナ対応をしてございます。 ◯白石委員 六月に採用予定ということですね。六月って遅過ぎるんですよ、今、三月ですから。どこが迅速、柔軟だと。しかもですよ、荏原病院も重点医療である感染症内科の常勤医師が欠員です。募集中なんです。胸張っていうべき話なんかじゃないんですよ。  それでは、いつから準備中なのかお答えいただきたいと思います。 ◯西山福祉保健局長 ホームページを開設いたしました令和四年七月からでございます。先ほど申し上げましたとおり、本年二月に非常勤医師を確保しておりまして、六月には常勤医師二名の体制となる予定でございます。  今後もしっかりと対応してまいります。 ◯白石委員 独法化した七月一日からです。独法化した日から、今、八か月、一年ずっと感染症内科の常勤医師がいないということになりますね。  感染症内科の概要では、令和四年七月一日付職員の異動に伴い、診療内容、特色の情報については確認中とされております。どのような立場の職員がどこに異動されたのか、異動とは何なのか、端的、明快にお答えください。 ◯西山福祉保健局長 多摩総合医療センターの医長が、ほかの医療機関に異動する旨をお知らせしたものでございます。  なお、繰り返しになりますけれども、本年二月には非常勤医師を確保しており、六月には常勤医師二名を確保する予定でございます。 ◯白石委員 つまり、皆さん、独法化した七月一日に、感染症の専門医である常勤医師が退職をしたと、その穴埋めが八か月間できず、ホームページにスタッフを紹介することができないということです。後ろめたいから、そういう長々長々答弁に立つと。
     今日、パネル用意いたしました。お手元の資料見ていただきたい。二〇二一年二月に発行した都立病院だより特別号では、多摩総の前院長は、独法化後は、感染症の専門医や看護師など必要なスタッフを柔軟に確保することで、より強固な医療提供体制を構築することができますと、大々的に独法のメリットとして東京都は宣伝をしてきたんですね。柔軟に確保できるどころか、独法化したその日から一年近くも感染症内科の常勤医師がいないということなんです。  知事、独法化したその日からこれまで感染症の常勤専門医が不在で、一年近くも穴埋めができなかったと、ご存じだったのかと、知事が感染症医療提供体制強化をするための独法化なんだといった話、全然違うじゃないかと。知事いかがでしょうか。(西山福祉保健局長発言を求む)知事ですよ、知事。 ◯西山福祉保健局長 まず、繰り返しのご答弁になりますけれども、多摩総合医療センターの感染症内科の中心業務は、院内感染対策や職員の感染症教育でございまして、コロナ対応につきましては、病院全体で対応をしてございます。  また、都立病院のコロナ対応につきましては、重症、中等症患者や新型コロナによる症状が軽くても重い基礎疾患のある方、認知症など介護度の高い方、妊婦、小児、障害のある方、透析患者等、マンパワーを要する患者を積極的に受け入れているところでございます。 ◯白石委員 私、知事に聞いたんです。質問にちゃんと答えていただきたいと。質問しないことは答弁しなくていいんですよ。独法化前はばら色に描いて、実際は説明してきた責任、全く果たされていない、そう思うんですね。これだけじゃないんです。聞いていただきたい。  多摩総合医療センターのERでは、二十四時間三百六十五日、様々な症状の救急患者を受け入れ、重症化や急変のリスクがある場合は、すぐに入院できるよう夜間救急専用のER病棟、設置しております。これ大変優れた仕組みなんですね。十床のER病棟には経験豊富な看護師が配置され、救命救急センターの医師がすぐ駆けつけることができ、手厚い体制を取っております。職員からは、患者にとっても看護師にとっても最も安全なERだと評価をされております。ほかの民間病院では難しい行政的医療であり、多摩地域の最後の命のとりでです。さらに、このER病棟があることで、ほかの一般の病棟が夜間の緊急入院を受けなくて済むため、看護師の負担軽減にも大きく貢献しております。  ところが、ところがなんです。多摩総合医療センターの経営陣は、今年一月に突然ER病棟を休止すると職員に発表いたしました。初めは閉鎖といっていたんですね。行政的医療である救急医療を支えるER病棟を休止しようと検討したのはなぜか。理由を具体的に、端的にご説明いただきたい。 ◯西山福祉保健局長 まず、ER病棟でございますが、ER病棟は、入院が必要な救急患者を一晩受け入れるための病棟でございまして、看護師の配置体制につきましては、通常の病棟の三名、四名より、二名ということで薄くなってございます。  そこで、多摩総合医療センターでは、夜間救急体制の強化を目的に、緊急入院患者の受入れを、現在二名の夜勤体制となっているER病棟から、四名の夜勤体制へと手厚い配置とする病棟に変更することを検討し、救急患者の円滑な受入れはもとより、医療安全の一層の向上や職員の負担軽減が図られることを目指したものでございます。 ◯白石委員 皆さん、今の答弁、看護体制の強化だと、夜間の安全性を高めるんだと、さらには職員の負担も軽減する、こんな提案だったという答弁でした。ばら色ですね。もし本当にそうなら、職員の皆さんも絶対賛成すると思うんですね。多摩総の職員の皆さん、賛成されましたか。 ◯西山福祉保健局長 職員団体には、誠実に交渉を行うなど適切に対応してございます。 ◯白石委員 私は、多摩総の皆さん、賛成されたかどうかを聞いているんです。どうですか。 ◯西山福祉保健局長 職員団体とは、誠実に交渉を行うなど適切に対応をしております。 ◯白石委員 いえないんですよ。後ろめたいんでしょうね。  提案されてから直ちに、多摩総の労働組合が緊急で取り組んだアンケート調査を紹介いたします。見ていただきたい。  調査結果の一部、パネルにいたしました。ちょっと見えにくいかもしれませんが、見ていただきたい。知事や委員の皆さんには、お手元に配布をいたしましたので参照してください。  調査項目のER病棟閉鎖についての賛否では、ER病棟閉鎖の影響を受ける一般病棟の看護師二百五十六名中二百五十五名、二百五十六名中二百五十五名ですよ、ER病棟の閉鎖に反対で、ほぼ全て反対です。一〇〇%と書いてありますね。さらに、夜間緊急入院を受け入れたらミスや事故などのインシデントを起こす可能性があるとしたのは、八割を超えております。これのどこが医療安全の一層の向上になるんですか。  職員の負担軽減も目的だとおっしゃられました。先ほどのアンケート結果見ますと、夜間緊急入院を受け入れることで考えられることとはということで、一般病棟、休憩が取れないが七割を超えております。さらに、食事が取れないは、およそ五割。休憩が取れず食事も取れなくなることのどこが負担軽減になるんですか。労働強化じゃないですか。全くでたらめな答弁していると。  安全性の向上とか職員の負担軽減などといっているのは、東京都と独法の経営陣ぐらいですよ。現場の声に耳を傾けず、今の実情も理解しようとしない。断じて許されない。本当、許されない答弁だと。笑いごとじゃないんですよ。本当、許されないんです。厳しく指摘したい。このER病棟の廃止は行政的医療の後退だと、現場いっているんですよ。  知事は、行政的医療を将来にわたり提供するといってきました。それが、一年もたたずに約束を破るんですか。知事、今までの説明と違うんじゃないですか。お答えください。いや、知事ですよ。知事に聞いています。 ◯西山福祉保健局長 ER病棟に関しましては、先ほども申し上げましたけれども、夜間の救急患者を一時的に受け入れる二名体制の病棟でございます。そこの人員を、本来である病棟に配置することによって、病棟の体制は四名体制とすることができます。そこの多くの病棟で救急患者を受け入れるということになりますので、病院総体としての救急患者を受け入れる体制は強化となります。救急医療の後退というご指摘は当たらないと思います。 ◯白石委員 いや、ちょっと驚きの答弁ですよ。ER病棟は一時的だと、一日だけなんだと、だから別になくしても大丈夫なんだと、そんな答弁でしたよ。行政的医療である救急医療を支えているのがER病棟なんですよ。現場の皆さんみんないっていますよ。それを廃止しようとしたんですから、紛れもない行政的医療の後退じゃないですか。(発言する者あり)こじつけなんていっていますよね、自民党から。違うんですよ、現場のことを見ようともしない、ひどい答弁だと。  ぜひ聞いていただきたい。どれだけ危険性が高まり、職員への負担が増加する提案だったのか、アンケート調査で寄せられた声、紹介いたします。  救命科、産婦人科、外科と状態が変化しやすい方がたくさんいるので、緊急入院を取ることは大きなミスや指示の間違いなど大きな事故を起こし得る。  次の方、入院中の患者のナースコール対応が遅くなる。緊急入院患者は急変のおそれも高い。人員が必要、新人を含む一般病棟で受けるのは非常に危険。  次の方、夜間も受け入れられるようであれば退職をする。今でさえ食事する時間が取れない日が続いている。仮眠も取れなくなる。  別の方、大げさでなく数分まとめて休むことすらできず、十六時間どころか超勤含めて二十時間休憩が取れず、休みを一切取らず、命に関わる業務を行う怖さが分かりますか。私たちは、人として休むという権利すら与えられないのでしょうか。今現在は、事故を起こさず何とか回せているのは、私たちが自分たちを犠牲にして患者を守っているということが分からないのかと。  ほかにも紹介し切れないほど切実な声、出されています。しかも考えていただきたいのは、これはもう三年近く、都のコロナ医療の中心となって多くの患者を受け入れてきた病院の職員の声だということなんです。  このER病棟の休止は、患者と看護師の命を守る戦いとして、職員が一丸となって猛反対し、短期間で白紙撤回せざるを得なくなりました。なぜ、そのような提案となったのか。患者の安全性や職員の負担軽減が本当の理由ではないことは、これまでの質疑で明らかだと思います。  ではなぜなのか。私たちは、経営陣が職員に説明した資料、入手いたしました。パネルご覧いただきたい。これ表題に、看護職員夜間配置加算取得と書いてあります。局長いいですか、書いてあります。  パネル、もう一枚、次、ご覧ください。ここには、ER病棟、二人夜勤体制を解消と書いてあります。赤線引っ張りました。  伺います。ER病棟の解消は、看護職員夜間配置加算を取得することが目的だったんじゃないんですか。 ◯西山福祉保健局長 先ほどから答弁を申し上げておりますように、ERからの看護師の転換に関しましては、救急医療体制の強化を目的として行ったものでございます。 ◯白石委員 強化にならないと、負担も増える、危険性も増える、みんないっているじゃないですか。  今しっかりと答えなかった。これ看護職員の夜間配置加算を取得するためが目的だったんじゃないかと、私、今いいました。いいにくいんでしょうね。病院側の資料で明らかなんです。  看護職員夜間配置加算とはどういうものか、まず皆さんにお伝えいたします。  夜間の看護師を手厚くして、より患者の安全も職員の負担も減らす。これが加算の目的です。そもそも、もし仮にこの目的に合った形で加算を取ろうとするのであればいいことだと思います。しかしそうじゃなかったんです。  次のパネルご覧いただきたい。こちらのパネル、何書いてあるか。この加算を取るための条件が書かれております。そこには、全ての病棟に三人以上夜勤体制が必要と、赤線引っ張りました。書いてあります。全ての病棟で三人以上にしないと加算が取れないんですね。これが、看護師の看護職員夜間配置加算であると書いてあります。  そこで伺います。夜勤体制が三人以上じゃない病棟はER病棟以外ありますか。 ◯西山福祉保健局長 ER病棟の一つでございます。ただし、先ほど来申し上げているように、これは救急医療体制の強化が目的でありまして、病院全体の看護の夜勤体制を三名以上の手厚い体制として、患者に対する医療安全の向上や質が高まる、そういうことを目的にしているものでございます。 ◯白石委員 ちゃんと答弁していただきたいと、ER病棟だけでしょうと。それ以外三人以上なんですから、資料で、私、持っていますよ。ER病棟だけでしょう、二人夜勤なのは。つまり加算の条件は当てはまらないのは、ER病棟だけなんですよ。これ解消する必要があったと。  では、どうやって解消するか。先ほどいいました。夜間の看護師配置を手厚くするという加算の趣旨からすれば、看護師を増やし、ER病棟の夜勤体制を三人以上にすれば加算取れるんですよ。こう考えるのは当然じゃないですか。皆さんだって多分そうだと思いますよ。  ところが、独法の経営陣が考えたのは、人を増やさず加算だけを取ろうと、ER病棟をなくそうと提案したんです。そうするとどうなるか。これまで説明してきたように、加算の本来の趣旨とは正反対、患者の安全性を低下し、職員の負担は増える。それでいて収入だけはもらえると、増えると。よくこんなことが考えついたものだと思いますよ。私だったら考えませんよ、こんなこと。絶対増やしますよ。これこそが、私たちが指摘してきた行政的医療を後退させ、経営効率を最優先にする独法化の本質なんです。  多摩総で働く看護師さんたちから、ぜひ知事に伝えてほしいと声が出されたので、知事、ぜひ聞いていただきたい。  救急医療をはじめとした行政的医療を絶対に後退させないでほしい、独法化するときの約束を守ってほしい、病院側は今回白紙撤回したけれども、このような提案を今後二度としないとは絶対いっていないんだ、だから、知事から二度とこのようなことはするなと機構本部に指示を出していただきたいと、切実に訴えておりました。  知事、この重い発言を受け止めて、多分知らなかったと思うんです、知事も。機構本部に指示を出していただきたい。二度とこういうことはやるんじゃないと、知事いかがですか。知事ですよ、知事。 ◯西山福祉保健局長 再三申し上げているとおり、これは多摩総合病院の救急医療体制を強化するとの取組でございます。  また、なお、新たな都立病院では、柔軟な勤務形態や勤務時間の設定等を導入しており、地方公務員時代の関係法令にとらわれることなく、職員一人一人のライフスタイルに合わせた働き方を可能なものとしております。  例えば、職員から要望の高かった育児に限定しない短時間勤務の常勤職員や、地域と医療人材を共有するための四日勤務の常勤職員を制度化したほか、仕事と育児の両立を支援する保育料助成制度、これも創設をいたしました。  職員のライフ・ワーク・バランスの向上をさらに目指しております。 ◯白石委員 本当に、聞いている人たち、強化にならないことだと誰だって分かるじゃないですか。そうでしょう。それを強化だ、強化だ、強化だといい張ると、本当とんでもないと思いますね。  知事、なぜ答弁できないのかということなんですよ。行政的医療を守るためといって独法化を推し進めたんですから、自分がいってきた答弁の責任ぐらいきちんと果たしていただきたい。それができないんだったら、都立直営に戻すのは当たり前なんじゃないんですか。  コロナの感染の波ごとに医療の崩壊の危機に陥り、医療を必要とする都民や患者などに必要な医療が提供できない状況となっております。今こそ、都立病院の役割を発揮するときです。独法化した病院を直営に戻し、拡充していくことを強く求めたいと思います。  質問進めます。  東京でこそ、医療提供体制を抜本的に強化する必要があると思うんですね。それは知事もそうだと思います。民間病院で働く看護師の声を初めに紹介いたしました。プライベートも家族の時間も制限されながらも、必死で医療を守ってきました。  こうした医療従事者の役割や重要性について、知事はどういう認識を持っていますか、お答えください。 ◯小池知事 都は、三年を超える長きにわたって、医療従事者、都民の皆様、事業者の皆様、それぞれの方々のご協力を賜りながら、新型コロナ対策を進めてまいりました。  感染防止対策にご協力いただいてきた都民、事業者の皆様、エッセンシャルワーカーに、それから薬局の皆さんに、医療現場の最前線でいらした方全ての方々に、心から感謝したいと思います。 ◯白石委員 知事、医療従事者の皆さんにも感謝をしていただきたいと。知事、感謝するんであれば、今こそ東京が本気になって看護師不足を解消し、医療現場の負担を減らすことが必要だというふうに思います。  知事、独法ではちょっとあまり立たなかったんですけれども、心の中では多分受け止めてくれたんだと私は思っておりますよ。だから、今日、提案したいと思うんですね。看護師を増やす必要があると。だって、これだけみんな病院では悲鳴が上がるぐらい看護師不足いっているんですから。  都内で働く看護師の人数、全国から見てどうなっているか調べました。二〇二〇年度の衛生行政報告例では、東京都における人口十万人当たりの働く看護師数は、何と全国で四十三番目になっています。少ないんですね。  コロナの流行で急に大変になったんじゃないと、もともと医療現場は人手不足で、ぎりぎりの体制で医療活動を行ってきたと、そこにコロナが加わったと、一層深刻。  政府アドバイザリーボードの専門家は、今後も、今の医療体制のままでは、感染が拡大したとき、コロナ医療と一般医療の両立は極めて難しくなると懸念しております。こういうときだからこそ、都が本気になって、看護師不足を解消して、医療現場の負担を減らす思い切った取組が求められていると思うんです。  私、もう一つ調べました。都立看護専門学校は、都内に七か所設置されております。この一学年の定員数は六百人。総定員数、何と千八百人です。年間の授業料は約二十七万円となっております。この看護専門学校からの二〇二一年度の歳入額は、受験料、入学金、授業料合わせて五億円、知事、五億円弱で看学の無償化できるんですね。  同じく、看護学科のある都立大学の授業料は年間約五十二万円、二〇二四年度から九百十万円未満の世帯は実質無償化となります。つまり、授業料が低かった看護学校の方が高くなると、逆転現象が起こるんですね。独法化した都立大で無償化ができて、直営の都立看学で踏み出せないはずがないと思うんです。定員を増やして、完全無償化は知事の決断でできるんです。都民の命を守るという、都政の中心課題に本気で取り組むことを強く強く求めて、質問を終わります。(拍手) ◯小宮委員長 白石たみお委員の発言は終わりました。      ────────── ◯小宮委員長 渋谷のぶゆき委員の発言を許します。 ◯渋谷委員 まず、立川広域防災基地について伺います。  立川駅の北方にあります、この立川広域防災基地は、第二次世界大戦後、在日米軍が使用していた旧日本陸軍航空隊の立川飛行場跡地に整備された拠点であり、国の災害対策本部予備施設のほか、陸上自衛隊の駐屯地、警視庁や東京消防庁の方面本部などの防災機能が集積しており、都の施設としても、立川地域防災センターや多摩広域防災倉庫などが整備されております。  国は、この拠点を、南関東地域に広域的な災害が発生し、首都機能に甚大な被害が生じた場合を想定した総合的な防災基地として位置づけています。  そこでまず、都の防災対策における立川地域防災センター及び多摩広域防災倉庫の役割や位置づけについてを伺います。 ◯野間総務局長 立川地域防災センターは、発災時には、多摩地域の防災活動の拠点となる施設であり、国や自治体等との情報連絡や、東京都防災センターのバックアップ機能を有しております。  また、隣接する多摩広域防災倉庫とともに、災害用の備蓄物資を保管する機能に加え、発災時に国や民間事業者等から届く支援物資を受け入れ、区市町村へ輸送する広域輸送基地としての役割を担っております。 ◯渋谷委員 両施設が、都の防災において重要な役割を担っていることを確認しました。しかし、どちらの施設も都の組織が常駐しておらず、平時は人もまばらであり、十分活用されていないのではないかという声も聞きます。  そこで、これらの施設を平時においても訓練などにより有効に活用すべきと考えますが、現在の取組状況を伺います。 ◯野間総務局長 立川地域防災センターに隣接する災害対策住宅の職員は、発災時に立川地域防災センター及び多摩広域防災倉庫に参集することとなってございます。  このため、住宅の職員を対象に初動対応訓練を定期的に行い、発災時にその機能を迅速に発揮できる体制の構築を図っております。  さらに、多摩広域防災倉庫では、物流事業者と連携した物資の受入れや、輸送に係る実動訓練や図上訓練を行っております。 ◯渋谷委員 災害時を見据えて訓練等を重ねることは重要ですが、平時の防災拠点としても、例えば立川地域防災センターを多摩市町村の防災対策の支援拠点と位置づけるなど、ぜひ有効活用を検討していただくよう求めます。  災害時を見据えたオペレーションの具体化も重要です。都では、立川地域防災センターに隣接する災害対策住宅に職員を配置し、夜間、休日の発災時に防災センターを速やかに立ち上げる体制を確保していると聞きます。立川地域防災センターは、いざというときに都の現地対策本部が置かれるなど、防災上極めて重要な施設です。  そこで、立川地域防災センターが、平日の日中においても速やかに機能を発揮できる体制を整備すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯野間総務局長 立川地域防災センターの機能を早期に発揮するため、その運営要員を確保してございます。  このため、住宅に入居している各局の職員が不在となる平日の日中においても速やかに本センターを立ち上げられるよう、総合防災部の職員を継続して派遣し、毎日、初動対応訓練を実施するなど、発災時の体制強化を図ってございます。 ◯渋谷委員 立川地域防災センターについては、その防災機能強化に向け、常設の防災センター機能を備えるよう求めて、次の質問に参ります。  立川広域防災基地の大きな問題が、アクセスに弱点を抱えているということです。この立川広域防災基地にアクセスする道路が立川三・一・三四号線です。この道路は極めて重要な道路であるにもかかわらず、いまだ事業化に至っておらず、長年の課題となっております。防災基地の南側で鉄道と交差しておりまして、鉄道の高架化など何らかの対策を取る必要があり、計画が進まない状況です。  かつて、我が会派の代表質問に対し、立川三・一・三四号線の整備については、事業化に向けて検討を進めるとの答弁がありました。長年、事業推進を求めてきた本路線について、都が、今回、会議体を設置するとのことでした。  そこで、会議体設置に至った経緯と、今後の検討内容についてを伺います。 ◯中島東京都技監 立川三・一・三四号線は、これまで地元市等からの事業化に向けた要望を踏まえまして、道路構造や周辺道路との接続方法などについて検討してまいりました。  都は、TOKYO強靱化プロジェクトの策定を機に、事業化に向けた検討をさらに進めるため、立川広域防災基地へのアクセス強化に資する本路線をリーディング事業に位置づけ、関係者との協議を進めました。  その結果、課題解決に向け、関係者が一堂に会して協議することに理解が得られたことから、来年度、新たに会議体を設置することといたしました。  都市計画では本路線は平面構造となっておりまして、今後、鉄道との立体交差構造や事業手法などについて検討を進めてまいります。 ◯渋谷委員 立川三・一・三四号線については、トンネルではなく平面が基本になること、鉄道の立体交差などについて会議体を設置して検討を一段進めることが分かりました。  立川広域防災基地へのアクセス強化のためには、ただいま答弁のあった区間の整備だけでなく、新奥多摩街道の南側から先に計画されている仮称富士見四ツ谷橋の整備が必要です。この橋は、多摩川を渡り、南多摩と北多摩を結ぶ極めて重要な橋梁です。仮称富士見四ツ谷橋の今後の整備について伺います。 ◯中島東京都技監 仮称富士見四ツ谷橋は、多摩川をまたいで日野市と立川市を結び、南多摩と北多摩の地域間連携を強化する重要な橋梁でございまして、第四次事業化計画に位置づけられております。  立川三・一・三四号線の整備に合わせまして、本橋梁を新設することで、立川広域防災基地と南多摩地域が直結され、広域的な防災性が大きく向上いたします。本橋梁は、多摩川の護岸をまたいだ構造となり、橋梁の前後区間で沿道敷地との高低差が生じることから、航空測量の成果を基に、来年度は地形的な条件を踏まえた道路の構造などについて検討いたします。  今後とも交通の円滑化や防災機能の向上に寄与する橋梁の整備を着実に推進してまいります。 ◯渋谷委員 立川広域防災基地の重要度を考えますと、今後は、こちらの日野バス停付近に中央自動車道のスマートインターチェンジをつくり、高速道路網と接続することの検討も必要なのではないかと考えます。  都の今後の取組を求めて、次の質問に移ります。  道路は、都市の骨格を形成し、防災機能の強化にも寄与する極めて重要な都市基盤施設です。都内の都市計画道路の整備状況は、令和三年三月末現在で、区部は完成率六六%、多摩地域は六二・二%となっており、やや多摩地域が低い状況です。
     そこで、多摩地域における都市計画道路の現在の取組状況についてを伺います。 ◯中島東京都技監 これまで都は、都市計画道路を計画的、効率的に整備するため事業化計画を策定し、地元市等と連携して道路整備を推進してきております。  令和三年三月末現在、多摩地域の都市計画道路は、都市高速道路や自動車専用道路を除くと千四百二十七キロメートルございまして、このうち八百八十九キロメートルが完成し、百四十キロメートルが事業中でございます。これら事業中区間が整備されますと、完成率は約七二%となる見込みでございます。 ◯渋谷委員 多摩地域の都市計画道路の完成率を高めるには、時間がかかる用地取得のスピードアップを図っていくことが重要です。用地取得に携わる人員は限られていると考えますが、地元市と連携するなど、いろいろ創意工夫を凝らしながら用地取得を進める必要があります。  そこで、多摩地域の道路事業の用地取得を促進させるために、どのような取組を行っているのか伺います。 ◯中島東京都技監 多摩地域においては、今年度、約百六十か所で道路事業の用地取得に取り組んでおりまして、その促進を図るため様々な取組を行っております。  具体的には、事業効果の早期発現を図るため、課題解決に向けた方策を明確にし、計画的な用地取得と進行管理を徹底しております。  さらに、困難案件については、本庁の専門チームにより集中的に取り組みますとともに、任意での契約が困難な場合は、土地収用制度も活用しているところでございます。  また、道路整備保全公社の活用を図るほか、地元市とは用地取得の委託や担当職員の受入れなどによりまして、密接に連携しております。  引き続き、こうした取組により、多摩地域の用地取得を積極的に推進してまいります。 ◯渋谷委員 多摩地域の道路整備を推進するためには、都道だけでなく、市町村道の整備も推進することが重要です。  これまでも我が会派は、都道や国道に比べ整備が遅れている市町村道への新設や改良費の補助とともに、橋梁やトンネル等の老朽化対策への補助金拡充を求めてまいりました。多摩地域のさらなる発展のために、財政の厳しい市町村に対して、市町村道の整備や維持管理に継続的な支援を行うことが重要です。  そこで、市町村道の整備、老朽化対策等を支援する市町村土木補助について、都の取組を伺います。 ◯中島東京都技監 都は、市町村に対し、道路整備に係る施工上の技術的支援を行いますとともに、市町村道の新設及び橋梁等の老朽化対策に対し、市町村土木補助による財政的支援を実施しております。  このうち、橋梁や道路施設の点検に係る補助につきましては、令和四年度までの時限措置として行ってまいりましたが、市町村からの要望も受け、来年度以降は時限措置を撤廃して実施していきます。  こうした取組により、今後とも市町村道の整備や道路施設の老朽化対策を支援してまいります。 ◯渋谷委員 市町村道の整備等への支援については分かりました。  多摩地域のさらなる発展に向けては、道路整備を推進し、その効果を最大限発揮することが重要です。  そこで、多摩地域の道路整備に対する都の考えを伺います。 ◯中島東京都技監 多摩地域は、四百万人が暮らし、緑豊かで活力と魅力にあふれる地域であり、さらなる発展を図るためには、日々の生活を支え、交通、物流機能の強化や、地域の防災性向上等に寄与する道路の整備が極めて重要でございます。  例えば、多摩南北主要五路線の一つである調布保谷線では、甲州街道から埼玉県境までがつながり、所要時間の約三割短縮や沿道開発の促進など、継続的に広域的な効果をもたらしております。  道路整備は一朝一夕に進むものではございませんが、一たび完成すると、都道や国道、市町村道が一体となって、絶大な効果を永続的に発揮いたします。  今後とも、多摩地域の持続的な成長の礎となり、都民の安全を守る道路整備に積極的に取り組んでまいります。 ◯渋谷委員 多摩の道路整備に関する都の引き続きの取組に期待し、次の質問に移ります。  史跡玉川上水について伺います。  玉川上水は、江戸時代初期に完成した延長約四十三キロメートルに及ぶ導水路であり、その開渠部分が国の史跡に指定された貴重な文化遺産です。私の地元である東久留米市と清瀬市には、その玉川上水から分水している野火止用水が流れており、緑豊かな自然の色彩を味わわせてくれています。  玉川上水の水路沿いにも、都民にとって身近で快適な水と緑の空間が形づくられています。  水道局では、玉川上水を適切に保存し、管理するため、平成二十一年度に史跡玉川上水整備活用計画を策定しています。この計画の期間は十年間でしたが、整備を継続する必要から、当面延長していると聞いています。  水道局としても、十年以上にわたって様々な取組を行ってきたことと思いますが、水路やのり面の多くは自然を残した素掘りであり、この間、その形状や樹木の状況などが大きく変化しています。  そこで、今後も貴重な文化遺産である玉川上水を適切に保存していくためには、これからの整備の進め方について改めて検討していくことが必要と考えますが、見解を伺います。 ◯古谷水道局長 史跡玉川上水を良好な状態で次世代に引き継ぐため、水道局では、特に保全が必要な中流部を対象として、史跡玉川上水整備活用計画を策定し、水路やのり面の保全、名勝小金井桜の保存、復活などの取組を進めております。  具体的には、のり面の補強工事、水路や樹木の適正な管理などを実施してまいりましたが、ケヤキ等の巨木化が進むとともに、近年、勢力の強い台風による倒木被害の増加、寄生虫により樹木が枯れるナラ枯れなど、新たな課題が発生しております。  このため、これまでの取組を検証するとともに、来年度は専門家の知見も活用しながら、史跡玉川上水のより適切な管理方法について、具体的に検討を進めてまいります。 ◯渋谷委員 江戸東京の発展を支えた史跡玉川上水を適切に保全して、次の世代に受け継いでいくことは、我々の責務と考えます。ただいま、玉川上水の保全管理について具体的な検討をしていくという答弁がありましたが、この際、その検討結果を反映させて、史跡玉川上水整備活用計画の改定に着手していただくよう求めて、次の質問に参ります。  島しょ地域の観光について伺います。  東京の島しょ地域は、豊かな自然と独自の文化を持ち、観光地としてさらに発展する可能性を秘めたエリアです。島の重要な産業の一つである観光をさらに盛り上げていくことは、島の経済活性化のために極めて重要な取組です。  この点において、海外では、富裕層の人々がスーパーヨットとも呼ばれるクルーザーで様々な観光地を訪問していますが、こうした船舶が東京の島にも寄港できるようになれば、富裕層による観光や飲食、土産物の購入など大きな経済効果が期待できます。  都は、島しょ地域へのスーパーヨットの寄港が可能となるよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯矢岡港湾局長 海外の富裕層が利用します、いわゆるスーパーヨットの島しょ地域への寄港を実現させることは、島の経済の活性化に資するとともに、世界へ東京の島の魅力を広く発信することにもつながるため、重要であると認識しております。  このため、都は来年度、世界のスーパーヨットの主な寄港先や所有者等に関する調査を進め、運航状況の把握に努めてまいります。また、スーパーヨットの寄港先として人気がある地中海の離島などに職員を派遣し、マリーナ等の施設に関する調査を実施した上で、島しょ地域でスーパーヨット受け入れるに当たって必要となる港湾施設や受入れ体制等について検討を行います。  今後、これらの検討結果を踏まえ、地元町村や観光関係者と連携して、島の観光PRを行うなどの取組も進めつつ、スーパーヨットの寄港実現を目指してまいります。 ◯渋谷委員 島しょ地域へスーパーヨットの寄港が可能になれば、大きな経済効果が見込め、観光の起爆剤となります。ぜひ取組を推進するよう求めて、次の質問に移ります。  大江戸線の延伸について伺います。  東京の緻密な鉄道ネットワークは、我が国の成長を牽引する経済活動を支える基盤であり、機能強化を図ることが極めて重要です。  都においても、複数の路線について調整が整ったものから順次事業に着手することとしており、この中に大江戸線の延伸も含まれています。  かねてより我が会派は、様々な機会を捉え、延伸の早期実現を強く求めてまいりましたが、このような中、先日、大江戸線延伸に関する庁内検討組織を立ち上げるとの方針が示されたところであります。  そこで、その狙いや今後どのように検討を進めていくのか、鉄道行政全般を所管し、この組織のトップとなる武市副知事に伺います。 ◯武市副知事 大江戸線の大泉学園町までの延伸につきましては、国の答申において、区部北西部と都心部とのアクセス利便性の向上に資するとの意義が示されております。  一方、鉄道事業として成り立つためには収支採算性の確保について十分に見定める必要があり、今年度、交通局では、将来の旅客需要について調査を実施しております。  来年度は、まずは事業化に当たっての課題を明確にしていくため、さらなる調査を基に、関係局から成る検討組織において検討を行ってまいります。課題を明らかにした後、その解決の方向性などについて引き続き検討してまいります。  練馬区とも一層連携を図り、協議、調整を重ねながら鋭意検討を深めてまいります。 ◯渋谷委員 大江戸線延伸の早期実現を求めまして、次の質問に移ります。  公立小中学校は、子供たちの学習の場であるとともに、災害時には避難所にもなる地域の重要な拠点です。そのため、子供たちの安全確保を図るとともに、避難所としての機能を果たすことができるよう、まずは早急に耐震対策を行う必要があると考えます。  都ではこれまで、学校施設の耐震対策への支援を実施してきていると聞いていますが、学校施設の耐震対策の現状と今後の取組について伺います。 ◯浜教育長 都内公立小中学校の躯体の耐震化についてはほぼ完了しており、体育館のつり天井や照明などの耐震対策の実施率は九七・九%、その他普通教室等の窓ガラスや照明などについては七八・九%でございます。  都教育委員会は引き続き、各学校における耐震対策の早期の完了を目指し、区市町村を支援してまいります。 ◯渋谷委員 災害時に学校が避難所となった場合は、多様な地域住民が利用することになるため、誰もが使いやすい設備を備える必要があります。しかし、学校施設の多くは第二次ベビーブーム前後に建設され、その老朽化が問題になっており、特に学校のトイレについてはまだ和式のトイレも残され、家庭のトイレとの違いも大きく、子供たちを含め多くの人々から利用しづらいと聞きます。  都は平成二十九年度から、防災機能強化のため学校のトイレ整備に対する支援を行っていますが、都内の公立小中学校におけるトイレ洋式化の現状についてを伺います。 ◯浜教育長 都教育委員会は、公立小中学校のトイレ洋式化率を令和四年度末までに八〇%以上とすることを目標に、平成二十九年度から区市町村に対し支援を行っております。  事業を開始した平成二十九年四月一日時点で五七・二%であったトイレ洋式化率は、令和四年四月一日時点で七七・七%となっております。 ◯渋谷委員 一方、国は、国土強靱化のための五か年加速化対策において、小中学校のトイレ洋式化を令和七年度までに行うよう求めています。  都は、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。 ◯浜教育長 近年の気象災害の激甚化等を背景に、避難所として活用される公立小中学校は、年齢や障害の有無等にかかわらず、誰もが安全・安心かつ快適に利用することができるよう、トイレ洋式化などの整備が急がれます。  そのため、都教育委員会は、各学校におけるトイレの洋式化をはじめとした防災機能の強化に向け、区市町村の取組を支援してまいります。 ◯渋谷委員 都の取組を令和七年度まで継続し、トイレ洋式化を完了するように求めまして、次の質問に参ります。  中小企業の新製品の開発への支援について伺います。  高い技術力を持つ中小企業の力を生かし、東京が抱える社会的な課題の解決につながる製品の開発を後押しすることは有意義なことと考えます。  例えば、少子化対策に注目が集まる中、中小企業が様々な素材を応用できる高い技術を生かし、子供の行動特性や不測の事態などに配慮した安全性の高い製品の開発を行うことなどが考えられます。  しかし、中小企業の中には、自社の技術を子供の安全や安心に生かす知識が不足しているなどの理由から、取組が困難な場合も多いと聞いています。  そこで、中小企業が子供の安全や安心を支える製品を開発できるよう支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は来年度、子供の安全・安心の確保に向けた中小企業による商品開発と販路開拓への支援を開始いたします。  具体的には、中小企業に子供向けの製品の安全性を高めるノウハウを提供するセミナーの開催や専門家の派遣を行います。また、そうした専門家の助言に基づき製品開発を行う場合の経費の三分の二に上限一千五百万円まで助成を実施いたします。さらに、開発した商品の販路開拓に必要な経費に関し、その二分の一を三百五十万円まで支援いたします。  これらによりまして、子供の安全と安心を確保した中小企業の製品の普及を後押しいたします。 ◯渋谷委員 都の今後の取組に期待をいたします。  コロナ禍による事業活動の停滞や多くの就職面接会が中止となった影響により、障害者の新規就職件数は大きく落ち込みました。昨年度は一定程度上昇しましたが、コロナ禍前には回復していない状況です。また、昨年十二月に国が発表した都内の民間企業の障害者雇用率は二・一四%となっており、着実に上昇しているものの、まだまだ十分とはいえない状況です。今後、法定雇用率は二・七%まで引き上げられることとされており、東京都としても取組の強化が必要です。  そこで、都は、就労希望のある障害者が一人でも多く企業に就職できるよう、マッチング機会の拡大に取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 障害者の方が、その適性や能力に応じ活躍できるよう、就職の支援を行うことは重要でございます。  このため、都は、就職を目指す障害者と企業とのマッチングに向け、ハローワークと連携し、今年一月、大規模な就職面接会を実施いたしました。これには約二百社の企業が参加し、会場では、特別支援学校の生徒が職業教育で習得した技能を実演するほか、優れた職場環境づくりのモデル事例の紹介などを行ったところでございます。  来年度は、こうした取組を多摩地域においても実施し、障害者の就職支援の充実を図ります。  これらによりまして、障害者の雇用を促進してまいります。 ◯渋谷委員 就業機会の拡大と併せて重要なのが職場定着支援です。これまで障害者を雇用したことのない企業にとっては、障害者を採用したものの、共に働くためのノウハウがなく、定着が難しいケースもあります。東京都も様々な支援を用意し、障害者の就労をサポートしていますが、企業は日々の業務に追われ余裕がなく、そういった支援があるということを知らない企業もまだまだあると思います。  そこで、都は、障害者を採用した企業が利用できる行政の支援を伝え、活用を促すことにより、障害者の職場定着の取組を一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 障害者が就職した職場で働き続け、力を発揮することができるよう、その定着の支援を行うことは重要でございます。  このため、都は、障害者の働き方と職場環境づくりの両面に詳しい七十七名の専門家を東京ジョブコーチとして会社に派遣をしております。これによりまして、職場の実情に応じた障害者の適切な受入れを後押しするほか、現場に出向き、仕事を円滑に行えるようサポートを実施しているところです。  来年度は、こうした仕組みの活用を広げるため、会社を訪問してサポート内容などを紹介する二名の推進員を新たに設置いたします。  こうした取組によりまして、障害者の職場定着を支援いたします。 ◯渋谷委員 企業が障害者雇用を増やしていく上では、障害者が担うことのできる仕事の幅を広げていくことが重要です。デジタル化やペーパーレス化の進展によって、障害者が現在担っている業務が、今後減少していってしまうのではないかとの懸念があります。  一方で、コロナ禍において発生した除菌作業や資料の電子化に伴う資料のPDF化作業など、時代のニーズに応じて新たに生まれている業務も多数あります。  また、発達障害者の方が高い集中力や分析力を活用してIT業界で活躍しているような事例もあります。今後、一層障害者雇用が拡大していくことを見据え、障害者の業務を開拓し、事例の展開を図るとともに、新たな可能性を追求すべきと考えます。  そこで、都は、障害者の担う業務を開拓し、横展開を図るとともに、活躍の幅を広げる取組を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 障害者の中には、高い集中力と分析力を持つ方がおり、そうした特性などを生かし、IT企業等での就職を推進することは重要でございます。  このため、都は来年度、発達障害の方を雇用し、その定着を図ったIT企業の先進事例をウェブ等により幅広く紹介いたします。また、そうした障害を持つ方が中小企業五社でそれぞれ働く機会を設け、これにより採用や職場定着の知識やノウハウを確保し、その内容の発信を行います。  また、デジタル化の進展により、障害者の仕事に変化が生ずることが見込まれます。こうした新たな状況に適切に対応した業務の事例を取りまとめ、企業に提供いたします。  これらによりまして、障害者の就労を後押ししてまいります。 ◯渋谷委員 デジタル化の進展のほか、コロナ禍なども相まって社会環境は目まぐるしく変化しており、企業のニーズもそれに応じて変わってきています。今後も、障害者がそれぞれの特性を踏まえて活躍できるよう、都の一層の取組に期待いたします。  今後のまちづくりにおいては、誰もが暮らしやすいまちに向けて、バリアフリーのまちづくりが必要です。まちの中には、いまだに様々なバリアがあります。こうしたバリアを取り除いていくため、区市町村でバリアフリーマスタープランと基本構想を作成することになっていますが、まだ作成していない市区町村もあると伺います。市区町村の作成状況についてを伺います。 ◯福田都市整備局長 移動等円滑化の促進に関する方針、いわゆるマスタープランやバリアフリー基本構想は、バリアフリー法において市区町村が作成するよう努めるものとされております。  マスタープランは、市区町村が駅とその周辺地区などにおいて、面的、一体的なバリアフリー化の方針を示すものでございます。基本構想は、同様の地区において、公共交通機関や建築物等のバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するために、具体的な事業計画として策定するものでございます。  令和五年二月末時点における策定状況は、マスタープランが三市三区の二十七地区、基本構想が十市二十一区の九十八地区で策定済みとなっております。 ◯渋谷委員 都内の自治体、特に多摩地域の市町村では、いまだ作成に至っていない自治体も多いことが分かりました。バリアフリーのまちづくりを推進するためには、計画策定が不可欠と考えます。策定が進まないことには、人材がいない、財政的に厳しいなど様々な事情があるようです。
     都としても、計画策定の促進に向けて、都内の自治体への支援に取り組んでいただきたいと考えますが、都の見解を伺います。 ◯福田都市整備局長 まち全体のバリアフリー化を進めるには、市区町村がマスタープランや基本構想を策定し、関係者が連携して取り組むことが重要でございます。  都は、これらの計画の策定を促すため、地元自治体へ策定経費を補助するとともに、地元自治体が設置する協議会に参画し、技術的支援を行っております。  加えて、今年度は、庁内で連携し、様々な支援策を手引として取りまとめるほか、計画策定時の基礎データとなる生活関連施設の地理情報を提供いたします。さらに、来年度から、計画の更新に対しても補助を開始いたします。  都はこうした取組の強化により、まちの面的なバリアフリー化を促進してまいります。 ◯渋谷委員 現在、仮称多摩のまちづくり戦略の策定に向けて検討が始まっていると聞きます。  多摩地域のまちづくり計画としては、平成十年に多摩の心(しん)育成・整備計画が策定され、平成二十一年には多摩の拠点整備基本計画が策定されました。  こうした計画の中で多摩の拠点づくりが進んできましたが、今後の駅周辺などの拠点づくりについては、多摩のまちづくり戦略においてどのように進める考えか伺います。 ◯福田都市整備局長 これまで都は、多摩地域の発展に向けて、豊かな自然や多くの大学、研究機関の集積などを生かし、にぎわいや活力に満ちた拠点の形成に努めてまいりました。  令和三年に都市計画区域マスタープランを改定し、駅周辺において中核的な拠点や地域の拠点を位置づけることで、都市機能の集積を図り、成長と成熟が両立した多摩の実現に向け取り組んでおります。  今後、多摩のまちづくり戦略においてもこれらについて多摩地域を牽引する拠点として位置づけていきまして、駅周辺などで魅力やポテンシャルを生かして特色ある拠点づくりを進める地元自治体の取組を支援してまいります。 ◯渋谷委員 我が国の人口減少が進む中、多摩地域は、今後人口減少が予測されており、想定によると、人口は二〇二五年をピークに二〇四〇年には多摩地域は三百九十一万人まで減少する予想であり、人口減少問題は様々な分野に大きな影響を与える重大な問題です。  今後の多摩のまちづくりにおいては、この人口減少問題に正面から向き合う必要があります。あわせて、少子高齢化、DXの進展など社会の変化に着目し、ハードとソフトが調和した持続的に発展するまちづくりを目指していくべきと考えます。  時代の変化に対応した、仮称多摩のまちづくり戦略策定についての都の見解を伺います。 ◯福田都市整備局長 人口減少が見込まれる中、新しい働き方、暮らし方の浸透など、時代の変化に対応し、多様化する課題を解決するためには、地域のまちづくりに関わる様々な主体と連携を図ることが重要でございます。  そのため、インフラ整備などハード面の取組に加え、公民学が連携してまちづくりを促進する仕組みとしてプラットフォームを都が新たに構築し、計画から実施、運営段階まで継続的にまちづくりを支える仕組みを確保し、ソフト面からも、地元自治体の取組を支援してまいります。  これらを含め、今月中に多摩のまちづくり戦略の基本的な考え方を示した後、年内に成案を取りまとめ、魅力あふれる多摩地域の実現に向け、取り組んでまいります。 ◯渋谷委員 次に、多摩東京移管百三十周年について伺います。  明治二十六年に多摩が東京府に移管されてから、多摩地域では、節目ごとに多摩の一体感を高める取組が行われてきました。  百周年においては、TAMAらいふ21が開催され、移管百二十周年には、多摩国体に合わせて多摩フェスティバルが開催されましたが、それぞれの開催の成果について伺います。 ◯野間総務局長 平成五年の多摩東京移管百周年記念事業、TAMAらいふ21では、多彩な事業が多摩全域で繰り広げられました。本事業を通じて、市民のネットワークが多数誕生し、また、地域の振興を考えるプログラムなど、市町村が一体となって取り組み、市町村連携の契機となりました。  平成二十五年の百二十周年の際には、多摩の魅力発信プロジェクトを立ち上げ、スポーツ祭東京二〇一三と連携し、多摩フェスティバルを開催するとともに、多様な媒体による多摩の魅力発信事業を開始いたしました。本プロジェクトでは、現在に至るまで、多摩の多様な魅力を発信し続けてございます。 ◯渋谷委員 多摩東京移管百周年、百二十周年における取組を通じて、多摩地域の魅力が発信され、成果が引き継がれていることが分かりました。  百三十周年である本年は、多摩地域の一体感を高めるとともに、多摩地域外の人にも多摩をPRし、多摩のさらなる発展に向けた取組を行う好機であると考えます。  多摩東京移管百三十周年記念行事の開催が予定されていますが、どのような取組を行うのかを伺います。 ◯野間総務局長 多摩東京移管百三十周年となる節目の年であるこの機を捉えまして、地域住民が多摩の魅力を再発見するとともに、より多くの人が多摩地域の魅力に触れ、多摩への好感を高めるイベントを開催いたします。  多摩の全市町村のブースを設けまして、地域それぞれの魅力をPRするとともに、多摩産食材を使った飲食提供やデジタル技術も活用した親子等で多摩の魅力を楽しめる体験など、百三十周年記念にふさわしいプログラムを実施いたします。  市町村と緊密に連携して、多摩全域を盛り上げる機運を醸成し、多摩振興を一層推進してまいります。 ◯小宮委員長 渋谷のぶゆき委員の発言は終わりました。(拍手)      ────────── ◯小宮委員長 西崎つばさ委員の発言を許します。    〔委員長退席、菅野副委員長着席〕 ◯西崎委員 初めに、TOKYO強靱化プロジェクトについて伺います。  地震や風水害をはじめ、様々な施策をレベルアップしているということは評価すると、我が会派の代表質問でも述べたところでございますが、一方で、違和感があるのが、五つの危機の一つとされている感染症対策です。コロナの脅威や教訓を踏まえるということの重要性そのものは理解をいたしますが、強靱化プロジェクトに含める必要性があるんでしょうか。感染症にも強いまちをつくる、感染症にもと、最初からついでに感すら出ているわけです。  ここでいう感染症は、コロナに限ったものではないですよね。すると、示されているように、二十年先の二〇四〇年代まで、密を避け、安心して集える空間に価値が置かれているとも限らないわけです。感染症には、直接接触による感染経路もあれば、水や食品など媒介物による経路もあります。  じゃあ、どういう対策が出ているのかと中を見ていくと、KK線の再生、キッチンカーによるにぎわいの創出、公園の整備などなどですね、あ、なるほどとはならないわけですよ。  ほかにも、感染症に強いまちをつくるとして様々な事業が挙げられていますけれども、なぜこれらがプロジェクト内に位置づけられたのか、その考え方について伺います。 ◯中村政策企画局長 都はこれまでも、大規模な風水害や首都直下地震などの様々な災害への備えを着実に講じてまいりました。  しかしながら、この間の、大規模災害にも匹敵する、むしろはるかに超える新型コロナの感染拡大は、全世界で六百八十万人を超える方の命を奪うなど、社会経済活動に甚大な影響を及ぼしました。一方で、人々の意識や行動にも大きな変化をもたらしております。  こうしたことから、都市の強靱性を高めるためには、今後も新たに発生が見込まれます感染症への対応力の向上が不可欠な要素となっております。  このため、密を避け、安心して集えるとともに、感染リスクを心配せず、快適に移動できる都市の実現に向け、ゆとりある都市空間や様々な交通手段、多様な働き方、住まい方など、感染症にも強いまちをつくることを、本プロジェクトの対策の柱として位置づけたものでございます。 ◯西崎委員 コロナの教訓を踏まえることは大事だとも、私も申し上げております。それぞれの事業のそもそもの必要性まで否定をするつもりはございません。ただ、やはり感染症を強靱化プロジェクトの一部に据えても、説得力がどうしても欠けると思うんです。現時点では、まだコロナのインパクトが大きいですけれども、これが五月に五類に移行して、一年後、二年後、十年後、これ、しっくりくるのかというと、少し疑問があります。  じゃあ、もう一つ伺いますけれども、今回、リーディング事業として、船を活用した交通手段の多様化が挙げられています。これも感染症対策としては、相当唐突感があります。  さらに、これは、どういう内容なのかと説明するために、強靱化プロジェクトの本編に、舟運イメージとして記載されているのが、こちらの写真です。これ、写真間違ったわけじゃないですよね。これがどう対策になるのかというのはちょっと分からないですし、もっというと、日本のコロナ初期に最も問題となったのがあのクルーズ船だったことを思うと、これ、皮肉にもほどがあるんじゃないかと思うわけです。  そこで、船を活用した交通手段の多様化が感染症にも強いまちにどう寄与するのか、見解を伺います。 ◯中村政策企画局長 本プロジェクトでは、感染症にも強いまちに向けて、二〇四〇年代に目指す姿として、ゆとりある都市空間や様々な交通手段、多様な働き方、住まい方の実現などを掲げてございます。写真ご紹介いただきましたけど、船や自転車などを活用した交通手段の多様化やオフピーク通勤の促進等は、混雑を避け、安心できる距離を保って移動できるなど、今後も都市にとっての脅威でございます感染リスクの低減に寄与することから、本プロジェクトに位置づけたものでございます。 ◯西崎委員 オープンエアじゃないかみたいな声、聞こえましたけど、先ほどの写真を見せられて、本当に感染リスクを心配せず移動できる環境整備につながるか、どうしても疑問があります。しつこいようですけれども、私は、舟運の推進自体は否定しません。ほかにも、プロジェクト内にある住宅団地の再生も、既存ビルのリノベーションも、外堀の水質改善も、それぞれの事業そのものを否定しているわけじゃないんですよ。ただ、このTOKYO強靱化プロジェクトに感染症を位置づけて進めていくには無理があるんじゃないですかということを指摘したいんです。  この際、感染症にも強いまちをつくるとして挙げられている事業については、もう切り離して、個々に施策の必要性を検討した上で実施すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村政策企画局長 都市の強靱性を高めるためには、感染症への対応力の向上が不可欠な要素となっております。そのため、密を避け、安心して集える空間や感染リスクを心配せず移動できる環境の整備が重要でございます。  こうした観点から、道路空間の活用や公園、水辺の整備によるゆとりある公共空間の創出、自転車や船による交通手段の多様化などの施策を本プロジェクトで強化し、共通の目標に向けて、一体的、総合的に展開することで、実効性を高め、感染症にも強いまちを実現していく、こういう考え方でございます。 ◯西崎委員 もうこれ以上はやめますけれども、個々に適切な取組を適切な規模で進めていただくよう、改めて求めておきたいと思います。  次に、さきの委員会から質問がありました育業中スキルアップ支援事業について伺います。  まだ記憶に新しいと思いますけれども、国会におきましては、育休中のリスキリングを支援するという岸田総理の発言に批判が殺到し、大炎上する事態となりました。  この背景には、育休中にそんな余裕はない、育児の大変さが分かっていないという声に加えて、家事や育児などの無償労働が軽視されているんじゃないかということや、育休から職場にただ戻ってくる、それだけじゃ迷惑であるという、そういう誤ったメッセージを発信しかねないという指摘がございます。  今回、構図としては同じような事業が計上されているわけでありますけれども、この育業中スキルアップ支援事業の目的や考え方について伺います。 ◯坂本産業労働局長 育業により職場を離れる場合、仕事で使うスキルやノウハウなどの変化から取り残されることに不安を持つ方もおります。  都は、来年度より、そうした方の希望に応じ、仕事に関わる知識などに関し、時間を有効に活用して習得できるよう、その経費を負担する企業に対し、支援を行います。 ◯西崎委員 希望に応じてということではありますけれども、育業中の人々にプレッシャーをかけるような事業になってはいけないし、そうした社会の雰囲気に加担することも避けなければならないと思います。確かに不安を持つ方っていうのはいると思います、育業中に。でも、やっぱり変えなきゃいけないのは、その不安を生み出す社会の方だと思います。  知事は所信表明で、子育ての経験は、仕事をはじめ様々な場面で大きな糧となるはずですと発言をされています。私も、今、三人の子育て中ですし、全く同意をいたします。誤解を恐れず申し上げれば、育業自体が一種のリスキリングではないかと思います。だからこそ、知事の認識と本事業が矛盾しないのか、懸念をするものです。  そこで、育業とリスキリングの兼ね合いについて知事の見解を伺います。 ◯小池知事 育業によりまして職場を離れる場合には、仕事で使うスキルやノウハウなどの変化から取り残されるという不安を持つ方もいらっしゃるのも事実だと思います。また、一方で、自らのスキルアップなどに挑戦したいとの希望を持つ方もいらっしゃる。時間を有効に活用して、育児もし、そして、仕事の力も高めるという希望を持つ方に後押しを進めるというものでございます。  思うんですけれども、この育業のときの話は、女性の話だとみんな思っていないでしょうか。男性も育業を取るんですよ、その間にスキルアップをするんですよ、そして、子育てをするんですよということを後押しをしていきましょうという社会をつくる、これが私たちのメッセージです。 ◯西崎委員 知事からメッセージを受けました。繰り返しになりますが、育業自体がすばらしいことなんだということ、これ、全く私、同意いたしますので、これを進めるということに、私は全く否定をするものではないです。むしろ推進をしたいと思いますので、この事業を推進していくに当たって、社会の誤解や変なプレッシャーにつながることのないよう、改めて求めておきたいと思います。  次に、少し都区財調に触れてまいります。  新年度に向けた都区財調協議が座礁状態にありまして、これはいろいろな要因があるわけですが、前提として、都と区の児童相談所のすみ分けをきちんと確認しておく必要があると思います。  そこで伺います。特別区が児童相談所を設置する場合、区立児童相談所と東京都の役割はどのように整理をされているのか、都との関係も含めて伺います。 ◯西山福祉保健局長 特別区が、児童福祉法等に基づく児童相談所設置市として政令で指定を受けた場合は、法令に定める児童相談所業務等を実施することとなります。  都は、児童相談所の設置を予定する区の設置計画を確認するとともに、区職員を研修として受け入れ、人材育成を支援しています。  また、児童相談所の開設後は、広域的観点から、一時保護所や児童養護施設等を都区で相互に利用するほか、区の児童相談所が担当する家庭を、都の児童相談センターの医師や児童心理司等が専門的観点から支援しています。 ◯西崎委員 連携や支援も行っていますけれども、設置区においては、いわゆる移管十六事務を含めて、基本的には区が業務をしているということですよね。明らかに役割は整理をされていると考えます。しかしながら、今回の財調協議において、都は、事務配分または役割分担の大幅な変更には当たらないとしています。  そこで改めて、配分割合の変更に対する都の見解を伺います。 ◯野間総務局長 都区財政調整におけます配分割合を変更する際の原則は二つございます。一つは、平成十二年に都区で合意した都区制度改革実施大綱に定める都と特別区の事務配分または役割分担に大幅な変更があった場合でございます。もう一つは、地方自治法施行令に規定されております、特別区の財源に、年度を超えて引き続き著しい過不足が生じる場合でございます。  今年度の協議では、この財調制度上の二つの原則に基づき検討した結果、配分割合の変更には当たらないものでございます。 ◯西崎委員 配分割合の変更について都区間で合意しているのは、平成十二年の大綱のみだと思います。確かに、地方自治法施行令第二百十条の十四にも規定はありますけれども、これらを合わせて二つの原則であるという主張の根拠、これ、盤石ではないと思います。現に特別区側は、それぞれ独立した変更事由であるという姿勢を貫いています。  私も、先行三区の児童相談所、全て訪問して話を伺ってまいりましたが、既に児相を設置した区では、これまでの都児相よりもさらに身近な自治体として児童相談業務が順調に進められています。平成二十八年に児童福祉法等が改正された際の法の趣旨を実現するという観点を踏まえても、都には財調協議により真摯に対応していただくことを求めておきます。  ここからは、少子化対策について伺います。  三十年前から指摘をされている問題、そして、我々もかねてから重要性、緊急性を訴えてきた問題ですが、都が率先をして踏み込んだ対策を打ち出したということは、まずは前向きに受け止めたいと思います。  一方で、現状の把握、そして、方向性の検証、そして、政策の効果の測定については、きちんと準備しておく必要があると考えます。  まず初めに、合計特殊出生率が全国最低の一・〇八という現状に対する認識と原因についての見解を伺います。 ◯山下子供政策連携室長 少子化は想定を上回るペースで進行しておりまして、全国最低の合計特殊出生率である都の状況は、とりわけ深刻であります。  少子化の要因は、未婚化、晩婚化、高い子育て費用、仕事と育児の両立の困難さ、雇用の不安定化など多岐にわたっておりまして、多面的な対策が必要であると認識しております。 ◯西崎委員 合計特殊出生率、ここからはちょっと略してTFRと呼ばせていただきますけれども、これが全国最低である状況は深刻であるという見解をいただきました。確かに、人々が望む人数の子供を産み育てられないという現状は、改めていかなければならないと私も強く思います。  一方で、果たして東京都の少子化対策が全国最低で、日本で最も子供を産み育てづらい自治体なのかというと、それは注意して見る必要があると思います。  少子化の要因は多岐にわたっているというお答えでありましたけれども、ここでは、都のTFRが低い水準となる原因として、人口移動が見落とされがちなんではないかという指摘をしたいと思います。  改めてTFRの算出方法を確認いたしますが、十五歳から四十九歳の年齢ごとに、女性の人口を分母、出生数を分子として得られた数字、つまり、出生率を足し上げていくものです。  世間では、八十万人を切ったという分子となる出生数の低下が問題視されておりますけれども、実は東京都の出生数は三十年間ほとんど減っていません。一方で、分母となる十五歳から四十九歳の女性人口、これは三十年増加しています。  単純化するためにパネルを用意いたしました。皆様のお手元の資料と同じものでございます。ある年齢の出生率について、上の例一のように、女性人口が四万人で出生数が四千人だと、出生率は〇・一ということです。ここに、人口一万人が流入したとします、この下の例二の部分でありますけれども、女性人口五万人で、出生数四千人、変わらない場合は〇・〇八、これ人口増だけで低下をするという、こういう図式があります。じゃあ、四万人から五万人、率にして二五%増の人口移動なんて、そんなの起こるわけないでしょうと思われるかもしれませんが、例えば、昨年一月の東京都の女性人口を見ると、二十二歳は約六万八千二百人、二十三歳は約八万一千五百人になっておりまして、二〇%近くの差が実際にあるんです。ここに流入してきた人々の多くは、仕事のため、働くために東京にやってきていると思われ、直ちに出産するというケースは非常に少ないと考えられます。  今年に入って、東京都が再び転入超過という報道がありましたけれども、コロナ禍においても、女性に限れば、一貫して転入超過が続いています。専門家の指摘は、バブル崩壊後、二十七年で九十万人以上、その大半が二十代前半の未婚女性というような指摘もされておりまして、こうした中で、TFRが、東京都の少子化の現状を正しく示してきたのか、これ、慎重に考える必要があると思います。  そこで、人口移動がTFR、合計特殊出生率にもたらす影響について見解を伺います。 ◯山下子供政策連携室長 合計特殊出生率を計算する際に、分母に当たりますのは十五歳から四十九歳の女性の数でございます。  令和三年の我が国の女性一千人当たりの年間出生数は、二十歳から二十四歳で二十・八、二十五歳から二十九歳で七十二・二、三十歳から三十四歳で九十六・二、三十五歳から三十九歳で五十五・五でございます。  同じく令和三年、同じ年の都の女性の人口移動でございますけれども、年間出生数が、先ほど申しましたとおり、比較的少ない二十歳から二十四歳で、約二万七千人の転入超過であります一方、年間出生数が比較的多い二十五歳から三十九歳では約七千人の転出超過となっております。  こうした状況を踏まえますと、人口移動が、都の合計特殊出生率に、その数字に影響を及ぼしている可能性はあるというふうに考えてございます。 ◯西崎委員 数字も幾つか挙げて試算をしていただきましたけれども、人口移動がTFRに影響している可能性があるという認識を示していただいたことは、非常に重要であると思います。誤解のないように申し上げますが、TFRが低くても大丈夫といっているわけではありません。ただ、数字の特性に鑑みて、全国最低であることを直ちに悲観すべきものなのかは冷静に考えなければならないということを申し上げています。  さて、一方で、少子化の度合いを測るための別の指標として、完結出生児数があります。厚生労働省の定義では、結婚持続期間十五年から十九年の夫婦の平均出生子供数、つまり、結婚した夫婦の最終的な子供の平均を示しています。  そこで、東京都の完結出生児数の推移について伺います。 ◯山下子供政策連携室長 完結出生児数は、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査におきまして、九つの地域ブロックに分けて集計されております。都は、その東京圏の中に含まれております。  この東京圏の完結出生児数の推移でございますが、平成二十二年は一・八二、平成二十七年は一・七六、令和三年は一・六七となっております。 ◯西崎委員 私も厚生労働省に問い合せたり、いろいろ調べたんですが、今のお答えにあったように、東京都だけの統計というのは取られておらず、分からないんですよ。つまり、都内の完結出生児数、夫婦当たりの子供の数が低下しているかというのは分からないんです。先ほどいった合計特殊出生率、これも、その数字の特性に注意しなければならないという、これが現状です。  じゃあ、やっぱりそもそも結婚する夫婦が減っているんだろうと、そういう声もあるかと思いますし、今回の予算案には、是非はさておき、結婚に向けた支援や機運醸成の事業が盛り込まれておりますけれども、これも数字をちゃんと見る必要があると思います。
     確かに、東京都の生涯未婚率、これ、全国見ても高いわけですが、都内の婚姻数は、コロナで激減した直近を除くと三十年間でほぼ横ばいですよ。母数が増えているんでしょうというかもしれませんが、婚姻率、これ、三十年間全国トップの座を守り続けていますよ。このあたりの数字をきちんと理解しておかなければならないと思います。  こうしたことを踏まえ、これから少子化対策を加速していくに当たっては、例えば、先ほどの完結出生児数について東京都の状況を独自に調査するなど、少子化対策の効果について、より測定しやすいデータを継続的に捕捉し、PDCAサイクルを回していくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯山下子供政策連携室長 施策の検証を行い、その結果を踏まえてバージョンアップを図ることは重要でございます。  都は、都民へのアンケートなど調査を行うとともに、幅広い分野の専門家から、長期的な視点も踏まえた分析をいただき、検証を行う仕組みの導入を検討してまいります。 ◯西崎委員 昨日も同じような見解を示されておりましたけれども、ぜひ具体的な手法を検討していただきたいと思います。  次に、子供の事故予防について伺います。  子供の安全に関する消費者や事業者などのプラットフォーム、Safe Kidsが二月十六日にスタートをいたしました。私も説明会に参加させていただきまして、非常に取組に期待をしております。  一方で、あくまでプラットフォームができた段階にすぎませんので、今後、より多くの消費者や事業者の参加を促すなど、これからの取組が重要と考えますが、今後の展開について伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 都は、子供の事故を減らすため、消費者が製品の安全性に関する情報を気軽に投稿し、事業者がその情報を生かすなどの交流型プラットフォーム、Safe Kidsを民間団体と共同して構築し、先月運用を開始しました。  多くの消費者、事業者の参加を得るため、SNS等による広報や子育て関連サイトでの紹介、製品安全に関心の高い事業者に対する働きかけなどを行っております。  今後、製品の安全性を体験できるモニターの募集やアクセス解析等を通じまして、活発な情報交流を促進してまいります。 ◯西崎委員 プラットフォームという特性上、多くの方が参加することで、より効果が上がると思いますので、ぜひ、鋭意取り組んでいただきたいと思います。  このSafe Kidsで、製品の安全に関する情報が共有されていくと、事業者が改善を求められるということも多々出てくるかと思います。そこで、都としても、そうした子供の安全に向けた製品の改善や開発を行う事業者への支援が必要だと思いますけれども、これ、さきの委員からも質問がありましたので、ここで一点だけ付け加えさせていただきますと、注意しなければならないのは、おもちゃとか遊具、ベビーベッド、子供服とか、そうしたいわゆる子供向けの製品の安全を図るというのは当たり前ですけれども、それだけじゃなくて、机とか、椅子とか、ドアとか、家にある家電とか、食器とかあらゆる製品、商品の開発において、子供の安全への意識づけをしていくということは非常に重要であると思いますので、併せて力を入れていくようにお願いをしたいと思います。  続けて、セーフティーレビュー事業について伺います。  これまで、子供の事故はなかなか減ってこなかったというわけですけれども、不幸にも発生してしまった事例をストック、分析して、科学的、客観的に対策を講じていくという取組がようやく始まろうとしています。この事業において肝となるのは、事故情報をデータベースとして一元管理するということでありますが、その対象を広げようと思うと、相当幅広いと思います。  そこで、どういった範囲から、どのように情報を収集していくのか伺います。 ◯山下子供政策連携室長 子供の事故は、年齢や発達段階により大きく異なり、事故種別も変わることから、予防策を検討する上で、幅広い事故情報の収集、共有が必要でございます。  しかし、現状では、製品事故や学校などでの事故、日常生活における事故など、様々な子供の事故情報データが個別に存在しております。  このため、都は来年度から、個別の事故情報を集約いたしまして、データの一元管理に向け、子供の事故情報データベースの構築を開始いたします。  収集すべきデータの範囲や収集の具体的な方法につきましては、有識者の意見を踏まえて、関係機関と連携しながら進めてまいります。 ◯西崎委員 細かな手法は今後ということでありますが、かなり幅広い対象を念頭に置いているということを伺えました。ぜひ貪欲に取り組んでいただきたいと思います。  あわせて、ヒヤリ・ハットの重要性を指摘させていただきたいと思います。  ヒヤリ・ハットは、たまたま損害がなかっただけで、実際によくないことが起こってしまったものであり、事故と同じ類いであると考えるべきだと思います。  ヒヤリ・ハットについては、生活文化スポーツ局の事業でも、テーマを設定して調査を行いレポートをまとめておりまして、これも重要な啓発資料となっておりますけれども、ここでは少し別の角度から申し上げたいんですが、せっかく事故情報をデータベースで一元管理する取組を進めていくのであれば、様々な現場で発生したヒヤリ・ハットについても、極力、事故情報と同じように事例を集めていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯山下子供政策連携室長 都では来年度、エビデンスベースの事故予防策の構築に向けまして、ヒヤリ・ハット事例から重大事故まで様々な事故情報を収集し、分析、検証してまいります。  収集の対象となります事故情報は、統計的な基礎データだけではなくて、具体的な事故事例も想定しておりまして、専門家や関係機関の意見を踏まえ、検討してまいります。 ◯西崎委員 すばらしいと思います。詳細は今後ということですけれども、ヒヤリ・ハット事例まで対象として検討しているということは、課題の本質に迫る取組になるのでないかと期待をするものでございます。  さらに踏み込んでお聞きをします。子供の事故で見逃せないのが学校における事故です。先ほど対象については、学校等の事故も触れていただいておりましたけれども、都立の学校であれば比較的把握しやすいものの、都内には、多数の区市町村立の小中学校、そして私立の学校が存在をいたします。  一例として挙げますけれども、今から十五年前、二〇〇八年に杉並区の小学校で、六年生の児童が屋上の天窓から転落して亡くなるという大変痛ましい事故が発生をいたしました。当時、その後の調査で、実は同様の事故が全国で多数発生していたということが分かりまして、文部科学省から通達まで出されましたけれども、その二年後には、今度、鹿児島県で同じ転落事故が発生しています。どちらも、ほかの事故の教訓が生かされなかったということです。  繰り返しになりますが、セーフティ・レビュー事業では、多くの情報を収集して再発防止に努めることが重要です。都の直接の監督が及ばない区市町村立学校や私立学校での事故情報もきちんと把握し、データベース化すべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。 ◯山下子供政策連携室長 来年度、都が構築を開始する子供の事故情報データベースは、学校での事故情報も含め、幅広い子供の事故情報を集約していくこととしておりまして、今後、子供の事故情報を保有する関係局や関係機関等と具体的な連携体制につきまして検討してまいります。 ◯西崎委員 学校の事故情報も含めて、今後、具体的な連携体制を敷いていただけるものと受け止めました。防げる事故を確実に防ぐために、ぜひ徹底をしていただきたいと思います。  個人的な話で恐縮ですけれども、私、NPOが主催する子ども安全管理士という資格の講座を一年ほど受けておりまして、本当に偶然なんですけれども、今朝、認定をいただけるとのメールをいただきました。別にこれ何に使えるという資格ではなくて、子供のリスクマネジメントの知識と技術を学んで、それを周囲に広げて子供の安全を守っていこうという趣旨のものです。私にとりまして、それぐらい思い入れのある分野であって、今日も質問させていただいているということです。  ふだん、あまりこういう質問しないんですけれども、最後にお聞きをしたいと思います。  昨年の加速に向けた論点整理から、今回のこども未来アクションにかけて検討されてきた子供の事故予防に向けた施策、これ、多くの専門家や有識者、そして、今日はこの委員会室にもいらっしゃいますけれども、議員連盟の全国の同志たちからも高い注目を集め、期待をされています。  こうした思いを持って、都の取組を見ている人々や子育てに関わる事業者や現場の方々、そしてまた、保護者の方々、そして何よりも、未来を担う子供たちに向けて、子供の事故予防に対する知事の決意、ぜひお聞かせいただけませんでしょうか。 ◯小池知事 子供は、様々な挑戦を通じて、成功や失敗を繰り返しながら成長していきます。成長、発達、それぞれの段階に応じて、子供たちが思い切りチャレンジができる安全な環境を創出していくことが何より重要でございます。  エビデンスベースの事故予防策をつくり上げ、子供に優しい安全な社会を実現してまいります。 ◯西崎委員 ありがとうございます。私も引き続き子供の成長を応援する政策を追い求めていくということを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ◯菅野副委員長 西崎つばさ委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。    午後五時三十六分休憩      ━━━━━━━━━━    午後六時十分開議 ◯菅原副委員長 休憩に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  白戸太朗委員の発言を許します。 ◯白戸委員 先週開催されました、スタートアップ支援のイベント、City Tech.Tokyoに行ってまいりました。  会場の雰囲気や運営などが国際イベントにふさわしいものになっていました。何より、イベントの公用語が全て英語で、会場では日本語より英語でのコミュニケーションのシーンが非常に多いように感じました。日本の中の東京で活動するのではなくて、世界の中の東京として世界に向けて発信し、世界から人、情報、資金を集められる都市を目指していくべきであるのを再認識いたしました。  そう、グローバル教育とは、英語教育だけのことではなく、世界の中で日本人としてのアイデンティティーと広い視野を持ち、多文化の方々と適切なコミュニケーションを図っていける人材の育成であります。  もちろん、その入り口に語学の獲得があり、さきの議会での我が会派の代表質問にも、小中高学校の英語教育に関し、年代にふさわしい取組を進めていく姿勢を示していただいたように、語学の習得から、それを使って何をするかということに中心が移ってまいります。  そんな一環として、本年度、都教育委員会は、海外でなければ得られない様々な体験の機会を創出することなどを目的として、都立高校生を初めてUAEやパリに派遣し、研修を行いました。  こうした実績を踏まえ、令和七年度までの三か年で千人以上の高校生を世界各国に派遣するということですが、来年度の都教委の取組について伺います。 ◯浜教育長 来年度、都教育委員会は、都立学校の生徒の海外派遣先を、これまで実績のある北米、オセアニアなど英語圏はもとより、中東、東南アジアなど様々な国や地域に広げ、国際的な視野から多様な価値観を持つ人々と協働して、よりよい社会を築いていく力の育成に向けた取組の充実を図ってまいります。  多くの都立学校生徒が海外において現地の高校生と互いの国の文化を紹介し合ったり、世界が抱える共通の課題解決に取り組む最先端の施設を視察したりする機会を通して、世界の一員としての自覚を高められるようにしてまいります。 ◯白戸委員 単に言葉の問題ではなく、文化や慣習の違いなども理解しながらコミュニケーションしていく難しさと面白さを体感することは大変重要で、どんどんと海外での壁にぶつかっていただきたいと思います。  さらに注目すべきは、今年度、都立高校の生徒とろう学校の生徒が一緒にパリを訪問して学んできたと聞きました。  事前学習では、聴覚障害のある生徒が高校生に手話を教えたり、パリでは現地の高校生と多様なコミュニケーションにより、互いの文化について紹介し合ったということです。こうした機会は、障害のあるなしに関わらず、お互いを理解しながら、共に理解し、支え合う社会をつくっていく大きな一歩であり、それが海外に赴く場面でも実現できたことは極めて意義があり、すばらしい取組であると高く評価いたします。  今後、ろう学校の生徒のみならず、他の特別支援学校の生徒についても、都立高校の生徒と一緒に海外で学ぶ機会を持てるようにしていくことが大切と考えますが、都教委の見解を伺います。 ◯浜教育長 都教育委員会は、パリへの派遣を来年度も継続して実施することとしており、派遣に当たっては、都立高校生やろう学校の生徒に加え、新たに盲学校の生徒を参加対象とするなど、人数の拡大を図ってまいります。  また、そのほかの国や地域との交流においても、都立高校生と特別支援学校の生徒が共に参加する機会を設けるなど、障害の有無を超えて共生社会の実現に貢献しようとする意識や態度を育む取組を充実させてまいります。 ◯白戸委員 共通のハードル、共通の目標に向けて、こうやって多様な生徒たちが共に取り組むことは、相互理解のためにも大変有効な取組であったと思われます。ぜひこのような派遣の形を今後も継続いただきたいと思います。  共生社会の推進に当たっては、聴覚障害の方々が活躍する二〇二五年のデフリンピックは絶好の機会と考えます。大会開催に向けて、ろう学校の教育を一層充実させるとともに、大会を契機とした共生社会の実現に向けて、広く聴覚障害理解に関する教育を推進していくことが重要と考えますが、取組を伺います。 ◯浜教育長 都教育委員会は来年度、ろう学校へデフアスリートや国際手話通訳等を招聘し、生徒のパリへの派遣等と併せてデフリンピックに向けた教育を充実させます。  また、広く障害理解を促す教育を推進するため、ろう学校の児童生徒の意見を取り入れながら、聴覚障害理解に関する映像教材を作成いたします。作成した映像教材は小学校、中学校、高等学校などでの活用を促し、デフリンピック開催を契機とした共生社会の実現に向けて取組を推進してまいります。 ◯白戸委員 パラリンピック同様、このデフリンピック開催により、これまで意識しなかった社会課題が見えてきます。そんな課題に光を当てて取り組んでいくことに開催意義というのがあると考えております。  また、我が会派では、テクノロジーの力でバリアを超えていく社会の実現を目指して、インクルーシブテクノロジーとして、障害のある方の暮らしを支えるデジタルやテクノロジーの導入をあらゆる分野で検討するように、特にデフリンピック大会開催を好機として加速するように対応を求めてまいりました。  障害の有無に関係なく、特性を生かして取り組むことができるフィールドとして、eスポーツに着目する動きも出ています。  そこで、障害の程度の様々な要因により思うように運動ができない方に特性に合わせたデバイスを用意することで、eスポーツなどを通じて障害の有無に関わらず楽しみ、活躍し、交流する機会を創出するべきと考えますが、見解を伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 外出が困難ではあるものの、体を動かす意欲のある障害者がスポーツに参加する機会があることは重要でございます。  都は今年度初めて、障害のある方が遠隔操作ロボットにより、福祉施設等にいながら競技への参加や試合を観戦するなど活動する機会を提供いたしました。  来年度はこの取組を拡充するほか、新たにeパラスポーツ事業を開始いたします。具体的には、障害者自身が操作できるよう、個々の状態に合わせて加工した機器を福祉施設等に提供するとともに、障害のある方とない方との交流戦を実施いたします。  今後とも、最新の技術も活用し、障害の有無に関わらず誰もがスポーツを競い、楽しめる環境を整備してまいります。 ◯白戸委員 テクノロジーというのは、健常者の生活の利便性を高めるというのはもちろんですが、障害を補うこともできます。ぜひ、このような取組を加速して、インクルーシブな社会を推進していただきたいと考えます。  昨年、我が会派からの提案で、コロナ禍で活動の制限された子供たちに体験活動をしてもらおうという場をつくろうという目的で開始されました子供を笑顔にするプロジェクト、これは千七百十七校という多くの学校で開催され、多くの子供たちに笑顔が届けられたのではないかと思います。  また、明日から始まるWBCの試合を、都内百十五校、約一万一千人の児童生徒が観戦し、試合前セレモニーにも参加させていただけるということで、私が児童になりたいぐらいです。ご協力をいただいている関係者の皆さんに感謝するとともに、この事業を進めて本当によかったと感じております。  このように、前向きなお話は多々聞いているものの、都が予算をかけて行った事業なので、その振り返りをきちんとしておくことも重要です。  我が会派は、令和四年第四定例議会の代表質問においても、このプロジェクトの総括についてお尋ねし、プログラムの選択理由や期待する効果を順次アンケートによって集約、外部有識者の知見も活用しながらプロジェクトを総括していくということを聞きました。  年度末までまだ体験活動が実施されている最中でございますが、現時点でどういった傾向や専門家からの見解があったのか伺います。 ◯浜教育長 体験内容については、芸術文化、アスリートとの交流に続いて、協働して課題解決、他者理解、共生などの体験を選択する学校が多くありました。  学校アンケートでは、子供たちに笑顔で前向きになってもらう。集団活動が制約された中でコミュニケーション力やチームワークを育む、この機会にふだんはできない体験をさせ、視野や関心を広げるなどの狙いを持って実施したとの回答がありました。  専門家からは、子供の発育における体験活動の重要性、家庭環境による体験格差と学校の体験活動の意義、学校だけでは難しい本物に触れる体験がもたらす効果、集団活動の重要性などについてコメントをいただいております。 ◯白戸委員 オンライン上ではなくリアルな世界での体験、これは非常に大切で、どれも価値のある時間だったと思います。中でもコミュニケーションやチームビルディングなどは、まさにコロナ禍の教育現場でできていなかったことであり、貴重な機会になったのではないでしょうか。  それでは、今年度の実績や総括を踏まえ、令和五年度は体験事業をどのように展開していくのか伺います。 ◯浜教育長 社会経済活動が日常を取り戻していく中で、様々な家庭環境にある子供たちに学校が多様な体験の機会を提供することが重要であり、令和五年度においても、全ての公立学校、私立学校を対象とした体験事業を実施してまいります。  体験内容については、今年度の総括を踏まえ、来年度は、協働して課題解決に取り組む体験や、他者理解、共生社会に資する体験、科学、技術に触れる体験を充実させることとし、積極性、協調性、コミュニケーション力など子供たちの豊かな心の育成につながるよう取り組んでまいります。 ◯白戸委員 学校が提供するからこそできる体験とは、やはり集団生活の中でどのように考えて行動するかということがあると思います。  このように、能動的に関わるようなプログラムを中心に行っていくことは、今の子供たちにとって非常に大切な教育であると考えます。ぜひ来年度も子供たちに、リアルで自主的に関与し、心揺さぶられるような体験をさせてあげてください。  生徒の教育の充実を考える際に、現在の教員の超過勤務は深刻で、早急に状況の改善を図っていかなければいけない、教員の成り手がさらに減少してしまうということが懸念されています。  改善の一環として、部活動の地域連携、地域移行が挙げられており、日本全国でその取組が来年度よりいよいよ始まるところです。  先日の我が会派の代表質問に、都教委は、来年度より区市町村における部活動の中核を担う総括コーディネーターや、スポーツ、文化芸能団体、外部人材との調整を行うコーディネーターの配置を支援していくという答弁がございました。  教員は多忙で、外部人材を探す時間も、そしてそのコネクションにも乏しい場合があることから、このような人材が入ってくれることは部活の地域連携、地域移行に向けて非常に明るい話題で、重要な役割を果たすのではないかと考えます。  この、区市町村における総括コーディネーターやコーディネーターの配置を促進していくために、来年度、都教委はどのように取り組んでいくのか伺います。 ◯浜教育長 都教育委員会は、本年度末に策定する推進計画の中に、区市町村に配置する総括コーディネーターや中学校に配置するコーディネーターの具体的な役割などを示すとともに、来年度はコーディネーター等の経費の一部を区市町村に対し補助するなど、部活動の地域連携や地域移行が円滑に行われるよう支援してまいります。 ◯白戸委員 適切な人を探し出して適切に配置していく。これまで前例が少ない事業だけに、この作業に特化した人材が入ってもらえるというのは、学校としても非常にありがたいと思います。  が、一方で、外部の指導者が子供たちを指導するようになってくると、指導者の質の担保、これが大きな課題になってくると思います。私の地元でも、これに関しては様々な声を聞いております。学校側にも、どのように外部の指導者を活用し、学校との連携を図っていくのか、これもまだ手探りな状態であることも確かです。  そんな観点からしますと、このコーディネーターの活用方法、これは非常に重要で、来年度、都立中学校において試行的に行う部活動の地域連携、地域移行に向けた取組の中で、コーディネーターなどの有効な活用方法について検証していくべきだと考えますが、取組を伺います。 ◯浜教育長 来年度、部活動について、人材確保のノウハウを持つ政策連携団体である東京学校支援機構TEPROが総括コーディネーター等の業務を担い、都教育委員会として、都立中学校の一部の部活動の地域連携や地域移行を検証する実証事業を行ってまいります。  また、これらの事例を区市町村にも周知することにより、都内公立学校全体の取組を後押ししてまいります。
    ◯白戸委員 事例が少ないからといって進めなければ何も進みません。だからこそ、このような実証実験をしっかりと進めていくこと、大切だと思います。そして、この実証実験の中で、当該の子供たちからの声もしっかり聞くことが大切です。  部活は外部に移行しても、子供たちの教育の一環であることは変わりません。結果を追い求め過ぎて勝利至上主義になったり、肝腎の学校生活に悪影響を与えるものにならぬよう、しっかりと配慮いただけるようお願いします。  そして来年度、都教委は中学校だけでなく、高校においても、部活動の地域連携、地域移行の導入を試みていくと聞いておりますけれども、取組を伺います。 ◯浜教育長 来年度、都教育委員会は、都立高校六校の一部の部活動における休日等の運営を民間事業者に委託するなど、専門性の高い指導者から技術指導を受けられるようにするとともに、教員の負担軽減を図ってまいります。  こうした取組の成果を踏まえ、今後都立高校における部活動の在り方について幅広く検討してまいります。 ◯白戸委員 これは実にすばらしい取組だと思います。高校の部活動においては、生徒の要望のレベルと指導者の技術、技能、そして方向性を合わせることが非常に重要なんですが、なかなかうまくマッチングできてないというのが多いようです。ぜひ、高校にこそこの地域連携、地域移行は進めるべきだと考えます。  ただ、先生によっては非常に熱意を持ってこの部活指導されている方もいらっしゃいます。私自身も、そんな先生に出会えたことで人生に大きな影響を与えていただきました。そうした部活動に前向きに取り組みたい先生たちの思いもしっかりと酌み取りながら進めていただきたいと思います。  続きまして、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの競技大会会場となった海の森水上競技場は、都心から車で僅か二十分程度の距離にありながら、ゲートブリッジを目の前にして海に囲まれ、豊かな緑と広い空を満喫できるすばらしい空間であります。  しかも、この東西の締切り堤において、外洋からは遮断されて広大な、静穏なこの水面がつくり出されることに加えて、観客席、宿泊施設、食堂、合宿所、こういったものを有するなど、水上スポーツの聖地となり得る施設ではあります。  しかし一方、メディアなどでは年間一・六億円程度の赤字が見込まれるという、負の施設であるという批判もありますが、私は何度も現場に行き、あの広い空を見ると、この施設の可能性をひしひしと感じるところではあります。  そもそも、行政が造る施設は、採算性だけが望まれているのではなく、社会性も大切です。都民の使用頻度、健康への寄与、教育への貢献、都市プロモーション、災害時の使用、シビックプライドの醸成など、様々なものが求められるのも忘れてはいけないと思います。  その観点で考えると、この二〇二〇大会では無観客で開催されたこともあり、都民の皆様にはせっかくの施設をあまり身近には感じられておらず、利用にもまだまだハードルがあり、誰もが利用しやすい施設とはいいにくいかもしれません。今後、多くの方々に使ってもらう施設とすることはこれ必須であります。  昨年の再開業以降、既に競技団体の大会や音楽イベントが開催されており、メディアの報道などでも知られているところでありますが、実際に使用しているのはまだまだ一部に限られており、その原因の一つに、ボートやカヌーを初めとした水上スポーツの練習などでも個人で利用できるというのがほとんど知られていない、あまり知られていないと。そして、個人利用の案内も不十分であると考えます。  また、個人利用促進を考えるならば、もう少しこのライフスタイルに合わせた利用の方法の検討も必要なのではないかと考えます。この個人利用の促進に向けて、どのように今後取り組んでいくのか伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 海の森水上競技場のさらなる活用に向けましては、競技大会やイベントなどの団体利用に加えまして、練習や宿泊など、個人の利用を促進していくことが重要でございます。  都は指定管理者と連携し、施設の持つ雄大な景観や水上競技の様子の動画を作成して、魅力を発信いたします。あわせて、水上スポーツの競技団体等のネットワークを活用しながら、積極的に案内をすることで社会人や学生などに個人での利用を呼びかけてまいります。  また、利用可能時間につきましては、今後、夜間照明設備を整備するとともに、ニーズに応じて柔軟な運営を行うことにより、個人でも利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。 ◯白戸委員 週末がイベントなどで予約が取りにくいというのは理解できるんですが、平日は、広い水面があるんです。できる限り多くの方が使えるような配慮も必要です。  また、今は実は九時から十七時という時間帯なんですけれども、これでは一般の社会人は使える人、もうかなり限定されます。早朝、夕方、こういったところを開放することによって、より多くの人が使いやすくなると思います。  そして、開放の時間もそうです。予約の仕方もそうです。使い方もそうです。まだまだ工夫の余地があると思います。と同時に、それを知ってもらう努力もぜひよろしくお願いします。二キロです。二キロの直線にわたるフラットな広い水面、多くの水上スポーツにとって魅力的な場所であり、競技の強化の観点もそうですが、複数の競技が同時に利用することも可能だと考えます。  私自身、昨年こちらで開催されましたアクアスロン大会に参加しまして、泳いで、走って、体をもってこの施設の活用の可能性、感じてまいりました。また、ライフセービングなどの競技団体からも、練習会場として非常に興味があるという話も聞いております。  海の森水上競技場の持つ強みを生かして、二〇二〇大会で実施されたボートやカヌーだけじゃなくて、様々な水上スポーツでの利用を促進し、有効活用を図ることによって、このレガシーとしての真価が発揮されると考えますが、どのような取組をしていくのか伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 海の森水上競技場では、今年度、ボートやカヌーだけではなく、トライアスロン、ドラゴンボートなどの利用実績もありまして、来年度も大会等での利用が見込まれております。  都は、指定管理者と連携して、海の森水上競技場を利用する競技団体と意見交換を行う懇談会等を開催しておりまして、新たに利用の意向がある団体にも参加をいただく予定でございます。  今後はさらに、ホームページやSNSにより幅広く水上スポーツを行う団体向けに情報発信をするとともに、積極的に営業活動も行うなど、大会や練習利用の活用促進に向けて取り組んでまいります。 ◯白戸委員 海の森水上競技場は、多くの水上スポーツが利用できる可能性豊かな水域であり、幅広いスポーツに開放し、まさに水上のスポーツパークとして、水上スポーツの裾野拡大、都民の健康に資する施設にしていただきたいと思います。  さて、この海の森の水上競技場のもう一つの魅力は、実は水面だけじゃなくて、水面に沿って、約十三ヘクタールに及ぶ広大な陸域なんですね。大会後の改修工事では、イベント広場、そして芝生広場が整備されるとは聞いておりますが、この水上競技場、水面ばかりじゃなくて、この広いオープンスペースをいかに生かすのか、もう少し検討すべきじゃないかと思います。  音楽系の大規模なイベントなどは検討されているというのは聞いておりますけれども、それ以外にも、大都会の中の自然を感じられる貴重な空間、可能性はあるのではないかと。今後、陸域での幅広い活用について、どのような取組を進めていくのか伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 海の森水上競技場では、TOKYOスポーツレガシービジョンに基づきまして、昨年の一部再開業以降、スポーツ利用のほか、音楽ライブやロケ地利用など、ユニークベニューとしても活用を進めております。  来年度以降、広大な陸域のある施設特性を生かしまして、キャンプ、バーベキューをはじめ、集客力のある大規模フェスティバルの開催、海の森公園と連携した野外コンサートやライトアップ等ナイトタイムイベントの誘致など、魅力的な事業を検討しております。  また、外部有識者等から成る専門委員会を設置し、さらなる活用方法について検討を進めており、様々なアイデアの早期実現に向けて取り組んでまいります。 ◯白戸委員 キャンプ、バーベキュー、いいですね。楽しみです。  水面を競技などで利用している場合であっても、この利用調整によっては、陸域を活用した別イベントなども可能であると考えております。水上スポーツだけでなくて、この施設の特性を最大限に活用して、様々な目的で都民の皆様が楽しめるにぎわいのある施設にしていくことこそ、冒頭に述べました施設の社会性を高めるということにつながると思います。ぜひ大きく門戸を開き、都民に愛される施設にしていただきたい、このように考えます。  続いて、そのお隣、海の森公園について伺います。  現在も整備が進められておりますけれども、ちょうど先週末にプレオープンベントが開催されまして、私も参加させていただきました。当日はすばらしい天候で、広い空の下、地元の小学生による吹奏楽の演奏に加えまして、移動動物園とかアウトドアクッキングなど数多くのプログラムが実施されまして、本当に気持ちのいい、活気あふれる、心地のよい時間でした。  都心の近くにありながら広大な草原を有する貴重な公園であり、また、先ほどから議論させていただいております水上競技場も隣接していることから、スポーツに関するイベントの実施にすごく適した場所であると、改めて感じたところでございます。  そこで、海の森公園において、都民の健康増進につながるスポーツイベントを積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。 ◯矢岡港湾局長 現在整備を進めている海の森公園は、都内でも有数の広大な空間を有しており、その特性を生かして、来園者の健康増進につながる取組を進めることは重要でございます。  このため、都は、親子参加による鬼ごっこイベントを実施するとともに、現在開催中のプレオープンイベントにおいても、青空ヨガや子供たちも安心して楽しめるドッチビーを行うなど、来園者の健康増進につながるスポーツプログラムの実施を推進してきたところでございます。  今後も、海の森公園の特性を生かし、来園者が気軽に参加できるスポーツプログラムを実施するとともに、水上競技場と連携したスポーツイベントの開催等にも取り組んでまいります。 ◯白戸委員 ふだん都会に生活しているからこそ、空の広さ、広いスペース、魅力的でございます。ぜひ公園の特徴を生かした活用、よろしくお願いします。  公園には様々な目的がありまして、その一つにスポーツとの親和性を高めることがあります。そして、従来の公園に少しの工夫を加えることでその利便性が増し、利用促進につながります。例えば駒沢公園のように、走路を明確にし、距離表示を入れるだけでランナーの数が増えました。  その観点で考えますと、都立公園の中でも、工夫次第でさらに活性化し、都民に愛される公園にできるところもあるのではないでしょうか。  例えば小金井公園、これは広く緑に恵まれており、ランナーたちにも有名な公園でございます。ただ、地元ランナーなどからは、距離表示があったり、ランニングコースとして整備してもらうともっと走りやすいのになというような声もいただいております。公園の景観を変えることなく、安価な予算でスポーツ環境を整える工夫をさらにしていくべきと考えますが、見解を求めます。 ◯中島東京都技監 小金井公園は、日頃から気軽に運動ができる場として地域に親しまれており、多くの方がランニングを楽しんでいます。ランナーの利便性向上を図るため、このたび、初心者用のサイクリングコースを活用することといたしました。  具体的には、自転車利用に支障の少ない早朝と夕方にランナー優先の利用時間帯を新たに設け、併せてコースの路面にランナー用の距離表示を行います。  来年度の実施に向け準備を進めておりまして、今後も公園の状況に応じて施設利用の工夫を図るなど、利用者のニーズに対応してまいります。 ◯白戸委員 大きな施設を造るというだけではなくて、あるものを上手に工夫して利便性が向上し、その公園の価値が高まることもあります。公園に求められる様々な要素を検討しながらより有効な公園利用を進めていくことは、都民からさらに使われ愛されるという公園の社会性を高めていくわけで、今後も引き続き取り組んでいただきたいと思います。  続いて、葛西臨海公園の水族園について伺います。  まず、葛西臨海水族園の新施設については、その施設の目的を考えますと、これは当然のことなんですが、自然との共存をコンセプトで行うことになっています。環境への配慮はもとより、既存施設を生かしながら、公園全体と調和した施設となるようになっています。  まず、既存施設とのつながりを含めて、この新施設にどのように取り組んでいるのか伺います。 ◯中島東京都技監 新施設は、既存施設の老朽化等に対応するため新たに整備するものでございまして、自然との共存をコンセプトに、隣接する芝生広場を中心に既存施設と連携しながら建設することとしております。  整備に当たりましては、正門から既存施設のガラスドームが展望できる配置とし、新旧施設の間には、移植された樹木を配した共生の杜エリアを設け、自然豊かな環境の中で回遊できるようにいたします。  こうした新施設の整備を通じまして、葛西臨海公園の魅力の向上を図ってまいります。 ◯白戸委員 環境へも配慮し、公園全体の魅力を高める事業が進められているということです。  しかしながら、昨今この葛西臨海水族園の新施設整備に当たっては、SNSなどを中心に様々な情報が飛び交っております。その中には、千四百本の樹木を伐採するとか、太陽光パネルを設置するために樹木を伐採するというそんな情報も出回っております。  もしこれが事実であれば、当初のコンセプトから随分異なるものでありまして、計画の変更を強く求めるところであります。自然のすばらしさを伝えるべき施設が自然を損なうようではこれ本末転倒でございます。加護できるところではありません。  そこで確認しますが、この情報について都の取組、見解を伺います。 ◯中島東京都技監 葛西臨海水族園の新施設の整備に当たりましては、芝生広場を中心に建設し、樹木への影響に配慮することとしております。  整備に当たり支障となる樹木については、可能な限り、伐採ではなく共生の杜エリアなどへ移植するよう、現在、新施設の設計を進めているところでございます。  また、太陽光パネルについては、環境負荷低減を目的に新施設の屋上を有効活用して設置するものでして、都有施設においても率先的に取り組むという都の設置方針にも沿ったものでございます。 ◯白戸委員 なるほど。まずは、新施設は芝生広場を中心に計画しているということ、どうしても計画にかかってしまう樹木は移植を前提に進めて、その移植場所の選定も進んでいるということ、また、太陽光パネルはあくまでも建物の上、建物の屋根にしか設置されず、木々には影響ないということが確認できました。若干、SNS上に誤った情報が出ているということも分かりました。  ただ、この整備事業は、都民にとっても非常に関心の高いものであります。だからこそ、様々な意見や注目も集まっているわけで、都は、この新施設の魅力や事業の進捗に関する正確な情報を、丁寧に、積極的に情報発信していただきたいと思います。  さて、いよいよ自転車に入りたいと思います。  自転車推進が都市計画に重要で、当然の流れであることは、世界の潮流を知る方ならいうまでもないでしょう。先日は、アムステルダムの中央駅の地下に一万一千台の駐輪場がオープンし、私はその施設の規模と美しさに驚かされました。  ロンドンでは先週、市内の車の交通量を自転車が上回ったという報告がありました。一九九〇年以降、自動車の数は六四%減少しましたけれども、自転車の数は、何と三八六%増加しているそうです。パリでは、多くの市内幹線ルートにおいて、車線の半分を自転車走行空間に変更するという大胆な施策が行われております。  また、この季節、今日はちょっと暖かいですけれども、この季節、道路がいてつく寒さのフィンランド、デンマークなどでは、車道よりも先に自転車道の除雪が進められるそうです。  いずれにしても、車中心の社会といえる日本から見ると驚くような話なんですけれども、環境問題はもちろん、今後の都市交通を考えた場合、その移動距離や目的に合わせてモビリティーを選択し、車の全体量をコントロールしていくというのは世界の当然の流れです。  そんな中で、小池知事を筆頭に、この東京都の自転車施策も大きく進み出しています。二〇二一年度末で、自転車通行空間として整備された延長も都内で約三百七十キロになり、自転車から見る景色も随分と変わってまいりました。  三十年ほど前には、日本の道路において自転車の存在は認知されていなかったので、どこも走るところがなくて、逆にいうと、だからどこを走ってもいいんじゃないかという、そんな状況だった。ところが、今は走るべきところが示され、そのルールをしっかりと理解して走るという、ステージが変わってきたなというのを感じるところです。  そんな都の自転車推進の象徴としまして、GRAND CYCLE TOKYOが昨年誕生いたしました。そのプロジェクト第一弾として、昨年十一月にレインボーライドが臨海部で開催されました。これまでは自転車が走ったことないレインボーブリッジ、そして臨海部のトンネルなどを走るイベントは、参加者はもちろんですけれども、レインボーブリッジ封鎖をキーワードに多くの都民が話題にしたのは記憶に新しいところです。  そこでまず、このプロジェクトの今年度の実施状況、伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 昨年十一月に、GRAND CYCLE TOKYOプロジェクトの第一弾といたしまして、自転車ライドイベント、レインボーライドを臨海部で実施いたしました。当日は、約二千人がレインボーブリッジ上を自転車で駆け抜け、その様子が多くのメディアに取り上げられました。  また、開催後に実施したアンケートでは、参加者の九割近くから、自転車の魅力を実感できた、次回も参加したいとの回答をいただいております。来年度も参加者の満足度をさらに高めるべく、準備を進めてまいります。 ◯白戸委員 レインボーライドは私も走らせていただき、初めてレインボーブリッジを堪能させていただきました。当日は残念ながら冷たい雨でしたが、参加者は早朝からお台場に集まり、楽しそうに走っていたのが印象的でした。  また、仕事柄、規制のコントロールなどどうしても細かく見てしまうんですけれども、今回は、前例のない許認可に関係者の尋常ではない努力を感じるシーン、もう幾度もありまして、関係者の皆様には本当に感謝でしかありません。  参加の皆さんにもお話を聞かせていただきました。僕が予想していた以上に喜びの声が多くて、本当に寒かったんですけれども、これだけみんな喜ぶのかという感じでした。アンケートで九割以上の方が前向きなコメントであったというのも納得いたします。これで、逆に雨が降っていなかったらどうなってしまうのかと、逆に今後の期待に胸が膨らみながら、ちょっと心配にもなってしまいます。  また、今回印象的だったのは、参加者の多くが、いわゆるママチャリであったりシェアバイクであったりと、サイクルスポーツをふだんから愛好している方ではなくて、どちらかというとふだんは移動手段として自転車を使っているような人が楽しんでくれたことに大きな意味があったと考えます。  このように、今回のレインボーライドで改めて自転車の魅力や価値、さらに、東京の新たな魅力が都民に伝わったことは間違いありません。そこで、このGRAND CYCLE TOKYOプロジェクトを今後も発展、拡大していくべきと考えますが、来年度における具体的な取組について伺います。 ◯横山生活文化スポーツ局長 令和五年度は、GRAND CYCLE TOKYOプロジェクトを発展、拡大させます。  まず、臨海部のレインボーライドにつきましては、来年度も十一月二十三日に開催をいたします。  さらに、多摩地域において、東京二〇二〇大会のレガシーコースを活用した本格的な自転車ロードレースを十二月三日に開催する予定でございます。  また、ロードレースの開催に合わせまして、ハンドサイクル等の試乗会、交通ルールを学ぶ安全教室などを開催し、自転車の魅力に触れる機会を提供いたします。  こうした取組を通じまして、自転車の活用促進、東京の魅力発信を図ってまいります。 ◯白戸委員 今後、引き続き開催していくということで、自転車の魅力だけではなくて、さらに東京の魅力をしっかりと発信していただきたいと思います。  さらに、多摩地域の二〇二〇大会レガシーにおいては、サイクルロードレースは、もう、これ大変貴重で、これをさらに盛り上げるような今回の企画は、多摩地域の皆様にとっても、自転車ファンの皆様にとっても、非常にすばらしい試みだと考えます。  ただ、非常に交通量が多い、少なくない地域でこういった競技を行うというのは簡単ではありません。これは本当に難しいことだと思います。それだけに、関係者の皆様には、地域の理解を得ながら丁寧に進めていただくようお願いします。  また、このような機会を捉えて、自転車を乗る方に交通ルールやマナーの理解促進を図ることも大切です。自転車は、車と違って免許制度がありません。だからこそ、ルールの周知が難しいのも現状でありまして、このような機会を捉えていくことは非常に重要です。ぜひイベントと併せて、しっかりと進めていただきたいと思います。  また、自転車に乗る方だけではなくて、同じく道路を共有するドライバーの方々にも、自転車との道路のシェアについて理解を深める機会を増やしていただきたい。駐車車両や幅寄せなど、道路上で車の動きに怖い思いをしているサイクリストは少なくありません。しっかりと認知を深めてもらうことで、ハードだけではなくてソフト面における車道の交通安全対策など、警視庁をはじめとした横断的な取組、要望しておきます。  さて、自転車は都民にとって身近な移動手段であり、環境にも優しく、交通渋滞対策にも有効です。さらに健康にもよいことから、この活用の取組には大きな可能性があるとは考えます。  そうした意味で、GRAND CYCLE TOKYOプロジェクトの可能性は大きく、その役割も重要になってくると考えますが、今後どのように発展させていくのか、知事の見解、伺います。 ◯小池知事 GRAND CYCLE TOKYOでは、昨年実施いたしましたレインボーライドとともに、来年度新たに、国内では希少な市街地での自転車ロードレースを多摩地域で開催をいたします。これらに加え、都内の自治体と連携しましたスポーツサイクルスクールや、子供自転車教室などを年間を通じて実施をいたします。  さらに、民間団体などが主催するイベントにもGRAND CYCLE TOKYOの名称を積極的に活用してもらいまして、サイクルスポーツのムーブメントを都内全域で広げてまいります。  環境に優しく、健康にもいい自転車をさらに身近に感じてもらえますよう、これらの取組を積極的に展開をして、自転車への関心、注目度を高めてまいります。そして、誰もが正しく安全に自転車を活用できる社会の実現を目指してまいります。 ◯白戸委員 イベントを開催するだけではなく、これを機に多面的な魅力発信と安全啓発を行っていくことは大切です。  自転車の安全といいますと、道路交通法の改正により、四月一日から始まる新しいヘルメット着用の努力義務。まあ私も競技中とかトレーニング中に何度か転倒しまして、ヘルメットが割れたことがありますので、このヘルメットの重要性、非常にというよりも痛いほど体で理解しておりますが、このヘルメット着用の努力義務、東京都としてどのように対応していくのか伺います。 ◯小西生活文化スポーツ局生活安全担当局長 都では、国に先駆けまして、条例において全世代のヘルメット着用について努力義務を規定し、警視庁や区市町村等と連携しながら、その必要性を周知するなど啓発に努めてまいりました。  今後、改正道路交通法の施行を踏まえ、改めて都内の全ての高校にリーフレットを配布し、自転車通学時の着用について広く呼びかけていくなど、啓発の強化に取り組んでまいります。  また、GRAND CYCLE TOKYOプロジェクト等のイベントの機会を捉えまして、ヘルメット着用について積極的に発信してまいります。 ◯白戸委員 ぜひ、高校生だけではなくて大人にもしっかりと啓発をしていただきたいと思います。
     日本の自転車保有台数は約八千万台ということで、世界で三番目といわれています。さらに、都内においても移動距離が五キロ未満であれば最も早く効率的な移動手段といわれていまして、モビリティーとしての可能性、計り知れません。が、残念ながら、その活用や安全対策はまだまだこれからやるべきことが少なくありません。都がイベントや教室を開催し、その認知拡大やルールへの理解はもちろんですが、自転車という文化に対する社会的な理解を深めていけるよう進めていただけるようお願い申し上げます。  以上です。(拍手) ◯菅原副委員長 白戸太朗委員の発言は終わりました。      ────────── ◯菅原副委員長 慶野信一委員の発言を許します。    〔菅原副委員長退席、高倉副委員長着席〕 ◯慶野委員 一昨年になりますけれども、我が党で、青年、学生を対象に独自の政策アンケートを行いました。その際に最も多かった要望、困難な状況、これが奨学金の返済に対する要望でございました。私は、党の青年局長として、当事者の学生と共に、当時、大変多忙だった小池知事にお時間いただきまして、緊急の要望をさせていただきました。しっかり耳を傾けていただいて、学生に寄り添っていただいたことをこの場をお借りして御礼いたします。  その後、私の一般質問や会派の代表質問におきまして、中小企業が若手人材確保に悩んでいるということと、学生、新卒の若者が奨学金の返済に困っている、こういう状況をマッチングさせていくべきと、こういう要望を代表質問、一般質問で重ねて求めてまいりました。  そして、昨日、まつば委員の質疑で確認したように、奨学金の返還支援事業が今、東京都で行われているわけでございます。  そして、二番目に要望が多かったのが、若者の家賃に対する支援が欲しいという家賃補助の要望でありました。これも私は、一般質問や我が会派の代表質問を通して、公明党として重ねて求めてまいりました。そして、今定例会の代表質問におきましては、産業労働局長から家賃補助をしていく旨の答弁を得たところであります。  そこで、この家賃補助、中小企業に就職する若者に対する家賃補助の、その事業内容を確認させていただきます。 ◯坂本産業労働局長 中小企業が若手の人材を採用し、その定着を図るため、従業員の生活面での満足度を高める取組を計画的に進めることができるよう、都は、新たなサポートを実施いたします。  この支援の中で、会社が若手の社員のために住宅を新たに借り上げる場合の経費について、その二分の一を年間二百万円を上限に助成いたします。 ◯慶野委員 知事の深いご理解と産業労働局の推進力、本当に感謝いたします。  若手の社員が就職に至っても、定着をしない、離職をしないように、こうしたサポートも必要になってまいります。  食のサポートを行っている福利厚生、これは満足度が高い。さらに、健康経営に取り組んでいる中小企業は離職率が低いというデータもあります。そうした観点から、食と健康、これについてもサポートしていくべきと考えますが、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 中小企業による若手人材の確保等に向けた支援では、従業員に栄養バランスのよい食事を提供する場合や、健康の維持や向上に結びつくサービスを提供する取組を新たに行う場合、それぞれ年間五十万円を上限に、二分の一の助成を実施いたします。  また、これらを社員のための住宅の借り上げと併せ全て行い、総合的なサポートを進める場合、年間三百万円まで助成をいたします。 ◯慶野委員 食と健康で五十万、五十万、家賃に二百万、合計三百万やっていっていただけるということで、これは若者、奨学金を抱えていたり、東京で働いていく、家を持って働いていく、こうしたことに困難を抱えている若者にとっては、もう本当に助かる東京都の新たな施策になっていくことと思います。  こうした政策を実行していく上でも、これが短期間、単年度で終わってしまっては元も子もありません。こうした事業が、企業におけるサポートを、一過性ではなくて継続して取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 中小企業が若手の従業員の定着を図る上で、その生活面の満足度を高める取組を継続して行うことは重要でございます。  都の支援では、会社への助成を三年にわたり行うことができるほか、専門家を派遣し、若手の社員の定着につながる一定の期間の取組となる計画づくりに向け、助言を行います。 ◯慶野委員 昨日の奨学金の事業でも、フリップを使いながら説明させてもらいましたけれども、こうした事業、どんなにいい事業があってもなかなか使ってもらえない、もしくはそれが実効性がなかなかついてこないということで、人数がまだまだ少ない状況ということもありました。  今回のこの家賃補助事業も、多くの企業に手を挙げていただいて、そしてそれを多くの学生が、こういう制度を使っている中小企業に就職したいというふうに促していくことが大事になってまいります。  今、専門人材を使っていくというお話ありましたけれども、会社に人材が定着していくためのこの事業、企業の取組内容を細かく確認し、助言していくためには、人事や労務の制度づくりに精通した社会保険労務士等を活用して、この制度を使うための申請書づくりから、また、アドバイスから、全てにわたるサポートをしていくべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 都の支援では、若手の社員が少なく、その採用を効果的に進める必要のある中小企業に対しまして、社員が安心で快適な生活を送る環境をつくる取組を後押しいたします。  このため、仕事と生活の両立を進めるための様々な知識を持つ社会保険労務士などの専門家を会社に派遣し、福利厚生の充実に向けた計画づくりに関し、助言を行います。 ◯慶野委員 ありがとうございます。  今回確認したこの事業と、また、昨日の奨学金の返還事業、質問はいたしませんけれども、併用が可能ということで確認をさせていただきました。広く各企業が用いていけるように、また、若手人材が確保されて定着していけるように、この事業の実効性をますます高めていっていただきたいと思います。  次に、障害者施策について質問させていただきます。  私は、数年前、一般質問で、ある方からの相談を基に障害者手帳のカード化を求めてまいりました。障害の種類によっては、必要なページを開いて、必要な行政サービスを受けるときにそれを提示するのが困難だと、また、長期間保持することで汚れたり破れたりしてしまう、こうした声がありました。  さらに、愛の手帳などは、都道府県によって名称も違う、形も違う。コンサートで入場の身分証明のために見せたところ、これは何のカードだか手帳だか分からないと、アルバイトの検札の方からはそれが認識がされていなくて、コンサートに入ることができなかったと、こういう声をいただいて、カード化を私は求めてまいりました。  しかし、これは厚生労働省の省令によって紙のタイプでの発行が決まっておりましたので、我が党の国会議員と連携を取りながら、令和二年四月に省令改正を国の方で行っていただいた上で、そして、私は都議会で、一般質問の中で速やかにカード化をと求めて、令和二年十月に、東京都ではカード型の発行が開始されました。  まず、確認ですけれども、カードで発行が可能になってから選択できるようになったわけですが、障害者手帳の発行の実績と、それに対するカードを選択した割合を教えてください。 ◯西山福祉保健局長 都は、これまで紙の形式のみであった障害者手帳について、国の省令改正を踏まえ、令和二年十月からカード形式の手帳を希望に応じて選択できるようにいたしました。  昨年四月から十二月までの手帳の交付実績と、そのうちカード形式を選択した割合ですが、身体障害者手帳が二万四千七百七十六件で約六八%、愛の手帳が六千五百四件で約七四%、精神障害者保健福祉手帳が六万六千九百七十六件で約四六%となっております。 ◯慶野委員 身体障害が約七割、愛の手帳は七割以上、そして、精神障害保健福祉手帳が約四六%ということでした。  いずれにいたしましても、カードが選択可能になったことで七割を超える方々が基本的にはカードで求めてきたということですが、精神障害保健福祉手帳は、他の手帳に比べてカード形式を選ばなかった方がやや多い、カードを選んだ方がやや少ないというのかな、そういう状況でありましたけれども、この精神障害保健福祉手帳は、ほかにも課題が見受けられます。  こういうご相談がありました。精神障害手帳というのは、法令で二年ごとの更新が定められておりますけれども、三か月前から更新手続ができる。精神障害を患っている方ですから、三か月前から更新手続にきちっと行くとは限りません。そして、手続をしてから早くても約二か月、遅いときには三か月半かかるといわれております。三か月前から更新が可能になっても、期限切れぎりぎりに手続をすると、出来上がるまでに三か月も空白ができてしまうと。精神障害の方が、三か月間、身分を証明するものがなくて行政サービスも受けられないというようなことがあって困っていますと、そういう相談がありました。  この精神障害手帳、二年に一回の更新に、基本的には区市町村も都も更新のお知らせをしておりません。更新の申請が遅くならないように、三か月前から更新準備ができるように、空白期間が生じないように、行政手続などで不利益が生じないように、周知の方法が重要だと考えますけれども、見解を求めます。 ◯西山福祉保健局長 精神障害者保健福祉手帳の有効期限は、法令等により二年間と定められており、有効期限の三か月前から更新手続が行える旨を手帳に記載するとともに、都のホームページで周知をしてございます。  また、更新手続の案内や有効期限に関する注意喚起のチラシを作成し、手続を行う区市町村の窓口などで配布をしてございます。 ◯慶野委員 駄目なんですよ。ホームページで知らせていますとか、手帳そのものに書いてあります、ある意味では責任を果たしているといえるかもしれませんけれども、例えば運転免許証、三年とか、ゴールド免許で期間が長いとかあったにしても、基本的に更新の日は誕生日であって、三年後の誕生日と決まっていたって、我々なかなかそんなこと意識していません。警視庁さんから更新のはがきが来て、ああ、そろそろ更新だと気づくわけです、我々健常者でさえ。  それを、精神障害で日常の生活でさえ困難を抱えている方々が、カードに書いてあるでしょうと。そんなことで不利益を生じるようなことがあってはなりません。  民間の事業であっても、例えば宅急便なんかは、お届け先の住所、電話番号が携帯電話になっていると、私も知りませんでしたが、携帯にLINEで、今日お届けしますとチャリンと入ってきます。もしくは金融機関で、お支払いの期日ですよってなると、スマートフォン、携帯にショートメールでそういう連絡が来ます。携帯電話の番号で登録していると自動的に通知がされるようになっております。  いろいろな状況あるでしょうから、希望する方だけでも、住所も連絡先も分かっているわけですから、こうしたショートメール、SMSといわれるようなものを活用して、三か月前に、更新の時期が近づいていますと知らせられるような仕組みづくりをしていただきたいということを求めておきます。  さらに、この障害者手帳のカード化に当たりまして、私が先ほど申し上げたとおり、精神も含めて、身体と愛の手帳と、どこに行っても障害者手帳だと分かるように、同じ形で、同じデザインで、統一のフォーマットで発行すべきということを本会議で求めて、東京都はそのとおりに実行してくださいました。  しかし、なかなか、見本で見せてもらったり、紙で、こういうものになりますというものでお知らせはいただいたんですが、当事者の方に、障害者手帳カードを見せてという機会はなかったので、確認が遅れておりましたけれども、ある方から相談をいただきました。  手帳の発行に際してカラーで写真を撮って、その写真を提出したにもかかわらず、発行されてきた障害者手帳は白黒だったということなんです。これは、カラーだからいいとか白黒だから駄目とか、そんな話をしているんじゃありません。  国で出しているマイナンバーカードとか運転免許証も含めて、様々行政機関が出しているカード、とっくの昔にカラーで出てきています。何で障害者だけ、カラーで提出した写真が白黒で出てくるような、そういう対応をしているのか。東京都が障害者差別をしていると疑われてもおかしくないような状況だと思います。  速やかにカラーで発行する準備を進めるべきと思いますけれども、見解を求めます。 ◯西山福祉保健局長 障害者手帳は長期にわたって使用するため、国は、耐久性や偽造防止を求めており、都は、早期にカード化を図るため、耐久性等が確実である白黒のレーザー印刷により発行することといたしました。  今後、耐久性等の観点から、カラー印刷が可能であることなどをさらに確認の上、検討を進め、来年度には、カラー写真によるカードの発行ができるよう取り組んでまいります。 ◯慶野委員 一言付け加えようと思いましたけれども、カラーで発行していくというご答弁でしたので、同僚議員のやじだけで済まさせていただきたいと思います。  次に、地元の話題になりますけれども、荒川区には古くから、昔は汚水処理場、今は水再生センターといっていますけれども、荒川区にある三河島水再生センターは、我が国で最初の近代下水道施設であります。これは運用開始から百年以上が経過して、国の重要文化財にも指定されております。  三河島水再生センターは老朽化が進んでおり、施設の再構築が必要とされておりますが、止めることのできないインフラです。そうした中で、三河島水再生センターの再構築計画についてお尋ねいたします。 ◯奥山下水道局長 下水道局では、下水道施設の老朽化対策と併せて、耐震性や維持管理性の向上などを図るため、再構築を計画的に推進しております。  このうち、水再生センターの再構築では、工事期間中の水処理能力などが不足することから、先行して代替施設を整備しております。  ご質問の三河島水再生センターにおきましては、近接する東尾久浄化センターに水処理施設を先行的に整備し、三河島水再生センターに流入している下水の一部を処理することで、再構築を進めてまいります。  今後は、荒川区との協議などを行い、令和七年度までに東尾久浄化センターの水処理施設の整備に着手いたします。 ◯慶野委員 近くにある土地を使って、東尾久の浄化センターを先に、先行で整備をして、ここの運用を開始してから三河島を整備し始めるということでした。  三河島の現在の水再生センター、広大な土地のその上は覆蓋化されて公園となっております。荒川自然公園といって、自然豊かな公園にした上で、さらには運動場、野球場、テニスコートといった、池があったり、多くの区民に親しまれた上で、さらには、高いところにありますから、高くなっていますから、施設の上に、上部に設置してあるので、避難所としても準備がされております。  東尾久の新たな浄化センターも、その設備が完成した後には覆蓋化して、上部を公園として利用していくべきと思いますけれども、見解を求めます。 ◯中島東京都技監 隅田川沿いに位置する尾久の原公園は、区部東部の水と緑のネットワークを形成する拠点であるとともに、避難場所として防災上も重要な都立公園でございます。  これまで、草地広場など子供の遊び場や、トンボ池やデッキ等の自然観察の場のほか、防災機能の向上を図るため、非常用照明や防災トイレなどを整備してまいりました。  隣接する東尾久浄化センターの水処理施設は覆蓋化される予定でございまして、完成後、その上部を公園として整備してまいります。 ◯慶野委員 浄化センターを整備、覆蓋化して公園にする。  その公園にするときは、隣の都立尾久の原公園とその背中に流れている隅田川、今ここスーパー堤防になっておりますから、スーパー堤防の高さまで盛土をして台地を造って、命を守る丘にしてもらいたいというふうに思います。見解を求めます。 ◯中島東京都技監 本公園の拡張整備に当たりましては、水処理施設の上部に公園整備のための盛土を行うこととなっておりまして、その際に、地盤面がスーパー堤防の高さとなるようにしていきます。  今後、地元区や下水道局と連携を図りながら、都民に親しまれる公園づくりに取り組んでまいります。 ◯慶野委員 ありがとうございます。  時間のかかるハード整備でありますけれども、この覆蓋化される面積、七ヘクタールと聞いております。七百メートル四方にもわたるような面積になりますから、ここは荒川区、地元の荒川区とも協議をしながら、ただの都立公園が広がりましたで終わらないような、荒川区が求める使用方法もしっかり検討に組み込んでいただきたいと思います。  次に、災害時の物流について確認をさせていただきます。  平時から各家庭における備蓄を促し、自宅に安全にとどまれる方にはとどまっていただく必要があります。在宅避難をする上で必要となる物資の備蓄を都民に促すため、都が備蓄ナビなどの取組を進めていることは承知をしております。  しかし、激甚災害の場合は、備蓄での対応と並行して、行政による物資の調達、提供が必要となってまいります。  被災者が必要とする物資を確実に避難所等へ輸送するために、実効性のある体制を確保していくべきと考えます。見解を求めます。 ◯野間総務局長 都は、発災時、国や他道府県からの支援物資を受け入れ、区市町村の地域内輸送拠点等まで輸送することになります。  必要とされる物資を供給するため、昨年度から、全国レベルで物資の輸送や調達を支援するシステムを導入し、区市町村のニーズと支援物資を効率的に需給調整できる仕組みを確保いたしました。  また、今年度は、このシステムを活用し、多摩広域防災拠点において、物流事業者と連携し、物資の受入れや払出しについての実動訓練を実施いたしました。  今後は、訓練を通じて浮き彫りになった課題を踏まえ、マニュアルの改善等を図ることにより、オペレーションの実効性を一層高めてまいります。 ◯慶野委員 避難所までの輸送を確保していく方策、今述べていただきましたが、今日はこの先を言及したいと思うんですが、とどまる避難、在宅の避難、こうしたことを新たに東京都が進めていくに当たっては、あえてとどまる方が多く出てくるのと同時に、とどまることしかできない、避難所まで物資を取りに行くこともできない、こうした方も出てくることが想定されます。  様々な連携の中で、避難所まで物資が届きました、自衛隊が来ました、水が届きました。だけど、タワマンの上の方にいる方や、ご高齢の方、障害のある方、こうした方々にも支援物資を届けていくような、まさにラストマイル、これを東京都は検討していかなければいけないと思います。  今日は、一つ提案をさせていただきたいんですが、小池知事が求めてきた新しい生活様式、今回のコロナ禍で、様々な新しい生活様式といえるものが生まれてきたと思いますけども、今日取り上げさせていただきたいのは、フードデリバリーサービス、多くの方が自宅にいなければならない、とどまらなきゃいけない。それから、飲食店がお客さんが来なくて困っている。こうしたことをマッチングさせたのが、スマートフォン一個あれば、欲しいお店に注文をして、すぐに届けていただけるというフードデリバリーサービス。  これは今まで、しばらく前からありましたけれども、まだまだ私たちの生活になじみがなかったので、コロナ禍になった直後は、多くの方が、それこそ自転車のルール、マナー、こうしたことで後ろ向きな報道をされることも多々ございましたが、最近は完全に社会インフラ化してきたといっても過言ではないと思います。そうした後ろ向きな報道も、見ることはかなり減ってきたという印象を私は持っておりますけれども、こうしたフードデリバリー、社会インフラというからには、スマートフォンで、私はここにいます、これが欲しいといえば、それが家まで届いてくる、最後のラストマイルに活用する方法というのはないのだろうかということで、フードデリバリー業界の最大手の会社と懇談をしてみました。  現在、全国に配達パートナーは十万人以上いるそうです。東京都内だけで六万人を超えるパートナーがいる。そして二十代、三十代の方が多くて、全国平均で、ぽちっとスマホで注文した瞬間から二十九分で全ての配達が完了している。  二〇二一年末に社内で独自のアンケートをしたそうです。配達パートナー一万三千人の回答の結果によると、多かった二つは何かというと、社会的地位の低さ、世間からいろいろいわれてきてしまったということ、それと社会貢献がしたいと。この二つが何と、フードデリバリーに従事する方々、本業にしている方もそうだし、ギグワークの方もそうかもしれません。何でこんなに一生懸命やっているのに、一部のマナーを守らない仲間のために悪いいわれ方をしてしまった。議会でも、都議会でもそういう発言も見受けられました。そうした中、配達パートナーは、社会的地位と社会貢献をしたい、こういう声がありました。  そこで、避難所に届いた物資が、各ご家庭、とどまっている方々に確実に届くために、東京で六万人、全国で十万人といるこの配達パートナー、道路が復旧してきた、自転車や歩きで動けるようになってきた。そういうときには、被災者対応を行う区市町村や様々な関係機関と連携しながら、物資輸送手段として今後検討すべきと考えますが、見解を求めます。 ◯野間総務局長 災害時には、広域輸送基地から地域内輸送拠点等に物資を輸送する東京都と、地域内輸送拠点等から被災者への物資の提供を行う区市町村が相互に連携しながら支援を行うこととなってございます。  このため、都は、物資輸送に関する区市町村との連絡会を開催し、地域内輸送拠点の運営や物流事業者との連携方法等について意見交換等を行ってまいりました。  区市町村にとっては、発災時に在宅避難を行う被災者等に対する物資の提供方法が重要な課題となるため、引き続き都が開催するこの連絡会において、被災者への物資支援の在り方について、幅広く議論を重ねてまいります。 ◯慶野委員 今、大変重要な新しい見解を示していただきました。  発災時に在宅避難を行う被災者等に対する物資の提供方法が課題であると、総務局長が明確におっしゃいました。これを今後検討していくという状況に入っていくと思います。  さらに、自転車や歩きでの配達だけにとどまらずに、昨年の十月には新たに法改正がされまして、自転車よりも輸送力、スピードもある軽自動車の貨物輸送、これは商用車とか商用バンでなければ、商業用のナンバー、黒ナンバーが取れなかったわけですけれども、法改正がされました。乗用車の軽自動車、乗用軽自動車で営業用のナンバーが取れるように十月に法改正されて、年内二か月だけで二千台を超える登録があったそうであります。こうした一般の方々の力を有効活用していけるように、今後検討を重ねていただきたいと思います。  駆け足で、次に参ります。  次に、環境についてであります。  国に先駆けて実施したディーゼル車規制、さらに工場へのばい煙規制など、大気環境改善に東京都は率先して取り組んでまいりました。さらに、昨年九月に策定した東京都環境基本計画において、都民の関心も高い微小粒子状物質、いわゆるPM二・五について従来よりも厳しい目標を掲げるなど、大気環境の改善に向けて取り組んでいるところであります。  空に壁はありません。大気汚染物質は、都県境を越えて東京に到達する、もしくは逆もあり得ます。都単独での取組には限界があると思います。大気環境改善に向けて、九都県市や関東近県など周辺自治体と連携を深めていくとともに、都民や事業者の関心を高めていく取組を進める必要があると考えますが、見解を求めます。 ◯栗岡環境局長 大気環境のさらなる改善に向けては、周辺自治体や都民、事業者など多様な主体と連携、協働し、共に取組を進めていくことが重要でございます。そのため、都は、周辺自治体とともに大気汚染物質の削減対策を検討する連絡会を設け、汚染物質の移動状況の把握や発生源の特定に取り組むなど、広域的な対策を推進してございます。  また、大気環境改善に関する都民、事業者の機運醸成に向けてクリアスカイ事業を展開しており、来年度は新たに、子供や若年層向けに、大気環境改善に資する身近な取組などを分かりやすく説明した動画等を作成するなど、事業内容を拡充して実施してまいります。  今後、新たな取組も着実に実施しながら、大気環境のさらなる向上を図ってまいります。
    ◯慶野委員 ありがとうございました。  次に、東京湾の水質についてですが、汚濁の原因の八割は生活排水由来だと聞いております。水環境の改善には、都民自らが主体的に取り組んでいくことが必要であります。  今年度公表された第九次東京湾水質総量削減計画に示したとおり、都民の行動を変えていくために促していっていただきたいと思います。  一問飛ばします。  次に、海の環境保全、水質改善、大気の改善、東京都はしっかり取り組んでまいりました。そして、目に見える大きさのごみについては、港湾局さん一生懸命、毎日毎日ごみを拾って、船によって集めていただいております。取っていただいております。浮遊するごみの清掃は行われておりますが、清掃作業では対応が厳しいのが、発生した時点で既に細かく、微細になっているプラスチック、一次マイクロプラスチックです。ビニール袋やビニールのストローといったものは二次マイクロプラスチック。海洋に出て、紫外線とか風雨によって次第に小さくなっていくものに対して、発生した瞬間から微粒子になってしまっている。これは防ぎようがありません。  世界の海に流出するマイクロプラスチックは、国際自然保護連合の推計によると、発生した時点で五ミリ以下の一次マイクロ、これは年間百五十万トンであるという推計が出ております。そして、この百五十万トンのうち、二八%が自動車のタイヤの粉じんであるということなんですね。  今日ここで私が提案したいのは、車はエンジン性能の向上、内燃機の燃焼効率の向上、もしくは水素や電気、こうしたことによって、排出されるガスそのものは抑制されてまいりました。世界の先進国を筆頭に、法規制もされております。  ところが、一切の法規制もないのがタイヤ、回収率ゼロなのがタイヤ。新品時には溝が大体八ミリはあるものが、走っていくうちに、知らず知らずに徐々に減っていって、残り一・六ミリになるとスリップサインというものがあって、交換の目安になります。六・四ミリ減っていく間、タイヤのかすがぼろぼろこぼれているのを見たことがある人はおりません。走りながら本当に小さく空に舞いながら、もしくは道路に落ちてきて、雨と一緒に川に、海に流れていく。一次マイクロプラスチックは回収不可能だし、出てしまったら、全部それが海洋汚染になる。魚等がそれを食べてしまえば、行く行くは私たちの体内にそれが入っていくということになってまいります。  こうした中、法規制もない、回収方法もないという状況ですが、タイヤと併せてブレーキ、これも高速で回転するブレーキローター、鉄のローターに、ブレーキパットがばあっとやって、中にはアスベストも入っているようなものもあります。鉄粉、粉じんが飛び散ります。これも回収はゼロです。  こうしたものが、年間、海洋にあるマイクロプラスチック百五十万トンのうち二八%を占めているという、こういう状況にあって、タイヤをはじめとした排出ガス以外から発生する粉じんの削減への取組を、都も開始する必要があると考えますけれども、見解を求めます。 ◯栗岡環境局長 都内では、ディーゼル車規制等により、自動車排出ガス由来のPMは大きく減少したものの、タイヤやブレーキなど排出ガス以外から発生する粉じんにつきましては、ZEVの普及が進んでも、引き続き発生するものと考えられます。  安全運転や燃費向上を目的に、加速、減速の抑制等を行うエコドライブは、タイヤやブレーキ等の摩耗低減にもつながります。都は、九都県市と連携し、効果や具体的なポイントを記載したホームページやチラシ等により、幅広くエコドライブの普及啓発を行っております。  EUにおきましては、排出ガス以外から発生する粉じんについて、規制に向けた動きがあることは承知してございます。国においても、ブレーキ粉じんの調査方法の検討が行われてございます。今後、都は、業界関係者等から知見を収集、蓄積してまいります。 ◯慶野委員 法規制もないし、回収方法もまだ見当たらない。そうした中で、都は、業界関係者から知見を今後は収集、蓄積していくという大事な答弁でありました。  空を守り、水を守り、そして土壌も守っていく。環境問題というのは、全てが相互に関連しております。こうした、今日、問題提起させていただいた課題を含めまして、幅広い環境課題にしっかりと今後取り組んで、持続可能な都市東京をつくっていくための知事の見解を求めます。 ◯小池知事 東京の持続的な成長と、より良質な都市の環境の確保のためには、エネルギーの脱炭素化はもとより、新たな課題を含む幅広い分野におけるさらなる施策の深化が必要でございます。  都は、昨年九月に環境基本計画を改定しまして、PM二・五の二〇三〇年目標を強化するなど、都民、事業者の共感を得ながら、各分野の環境課題の包括的な解決を図る施策を展開いたしております。  東京が五十年、百年先も豊かさにあふれる持続可能な都市であり続けるため、都民、事業者等との連携、協働を一層強化いたしまして、あらゆる施策を総動員してまいります。 ◯慶野委員 ありがとうございました。ぜひ、知事が先頭に立って、美しい東京都をしっかりと守っていただきたいというふうに思います。  次に、東京港の交通混雑についてであります。  国際貨物の九九%は、港を利用する船での輸送であります。コンテナ輸送をする業界にとりまして、この東京港の大渋滞、大混雑は積年の課題となっております。確認のために、東京港のコンテナふ頭で混雑が発生する原因は何だとお考えでしょうか。 ◯矢岡港湾局長 首都圏の生活と産業を支える東京港では、近年、貨物処理能力を大幅に超える量のコンテナ貨物を取り扱う状態が続いており、その結果、コンテナターミナルでの貨物の引渡し作業に時間がかかっている状況にあります。  加えて、荷主はトラック事業者に対して、コンテナターミナルから引き取った貨物を朝一番に納品するよう指示する傾向があるため、納品前日の午後、特に夕方にコンテナ車両がターミナルへ集中しております。  こうしたことがコンテナターミナル周辺で交通混雑が発生する主な原因であると認識しております。 ◯慶野委員 夕方に翌日分を取りに来たその大渋滞、私も十二月末に現地を視察してまいりました。事業者さんと共に並んでみました。四時間並びました。こうしたことが年間何度も起きているという状況であります。  今、混雑の原因は、時間が集中するということと、貨物処理能力をそもそも超えているという、この二つがあるということです。これに対してターミナル運営事業者はどのような対応を行っているでしょうか。 ◯矢岡港湾局長 通常、コンテナターミナルの現場では、コンテナ貨物について船への揚げ積みとトラックへの受渡しを同時並行で行っております。  一方、世界の主要港を結ぶコンテナ船は、国外の港での混雑や台風等の影響で運航スケジュールが大幅に乱れることがあり、その結果、コンテナ船の東京港への寄港が異常に集中することがございます。  こうした場合、グローバルなサプライチェーンの維持、回復に向けて、ターミナル運営事業者は、船への貨物の揚げ積みを優先して対応しております。  このため、運営事業者は臨時の作業体制を確保するなど、できる限りの対応をしているものの、トラックへの受渡しに要する時間が通常より長くなると聞いております。 ◯慶野委員 不確定要素が多いということと、処理能力以上のコンテナ貨物を取り扱っているということです。原因が分かっているならば、ターミナルの整備を行って、さらに既存のふ頭の再整備も進めていくべきと思います。見解を求めます。 ◯矢岡港湾局長 増加するコンテナ貨物取扱量に適切に対応するためには、新規ふ頭の整備等を進め、港湾機能の抜本的な強化を図ることが必要でございます。  このため、都は、中央防波堤外側地区において、平成二十九年にY1ターミナルを、令和二年にY2ターミナルをそれぞれ新たに供用開始したところであり、来年度はY3ターミナルの整備を進めてまいります。  また、増加するアジア貨物の取扱拠点である青海コンテナふ頭においては、一ターミナル当たりのヤード面積の拡張や、効率的な荷役機械への更新など、ターミナル営業を続けながら再編整備を進め、貨物処理能力の強化を図ってまいります。 ◯慶野委員 駆け足ですみません。今年度からは、国が開発したシステムを使って予約制をしております。九つのターミナルのうち、現在二つで予約制にしております。この予約を拡大してください。見解を求めます。 ◯矢岡港湾局長 東京港のふ頭周辺の交通混雑を解消するためには、ゲート前待機時間の削減に効果のあるコンテナ搬出入予約制の取組を拡大していくことが重要でございます。  一方で、東京港には一日に約一万台のトラックが来場しており、予約制の導入により現場のオペレーションに多大な影響が生じる可能性があることから、専門的な知見の下、効果検証と改善を図りながら慎重に対応していく必要がございます。  このため、都は、来年度から新たに、専門家による相談体制を整えるなど、予約制を導入しようとする事業者を強力に後押しすることで、実施ターミナル数を二か所から五か所へ拡大することを目指します。  今後も都は、東京港が首都圏を支える国際物流拠点としての役割を果たしていけるよう、取組を進めてまいります。 ◯高倉副委員長 慶野信一委員の発言は終わりました。(拍手)      ────────── ◯高倉副委員長 清水とし子委員の発言を許します。    〔高倉副委員長退席、菅野副委員長着席〕 ◯清水(と)委員 認可保育園の指導検査について質問をいたします。  今、子供の健やかな育ちが最も大切にされるべき場所である保育園で、子供への虐待や不適切な保育が発覚したとの報道が相次いでいます。  虐待や不適切な保育の背景には、慢性的な保育士不足などの問題があり、保育士の配置基準や処遇の改善など、保育の質を守り、向上させるための施策の拡充が求められています。  そして、どの保育施設でも子供の健やかな成長を保障する保育が提供されるよう、指導監督していくのが東京都の役割で、大変重要になっています。  初めに、知事にお伺いします。  保育施設での虐待が相次いでいます。子供の人権に配慮した保育、虐待の防止などの取組を進めることが一層重要なものとなっていると考えますが、知事の見解をお伺いします。 ◯西山福祉保健局長 子供に対する体罰や言葉の暴力は、決してあってはならないものでございます。  都は、保育施設で虐待の通報があった場合は、保育の実施主体である区市町村と連携し、必要な調査、指導等を実施しております。 ◯清水(と)委員 今、児童虐待は焦眉の課題ですし、保育施設での児童虐待については、監督する行政の責任も問われています。ですから、今、知事の見解をお伺いしたのですけれども、それを示されなかったことは残念です。  昨年、日野市は、市内の認可保育園である吹上多摩平保育園で、職員による園児への虐待行為、その他の児童の心身に有害な影響を与える行為があったと認定をし、繰り返し保育園と法人に指導、勧告したにもかかわらず、改善が不十分だったため、昨年の十二月十六日にその旨を公表しました。そして、今年二月、警視庁は、当該の保育士を園児への傷害容疑で逮捕いたしました。  日野市が認定した事実は四点です。  一点目は、いうことを聞かないとして、園児の全身を締めつける行為、園児をたたくなどの暴力行為。二点目は、園児をどなりつけるなどの威圧的な言動、園児の心を傷つける発言。三点目は、女児を膝の上に乗せて抱き締める行為など、女児に対する過剰、不当な身体接触行為。四点目は、園児を懲罰と称して部屋に置き去りにし、保育を行わないなど、園児を放置する行為。  この保育士による虐待は、国が児童虐待と定義をしている身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト、四類型全てに該当する極めて重大なものです。  日野市によると、当該保育園の園長兼理事長は、この虐待の事実を認めず、当該保育士の児童に対する有害行為を知りながら、当該保育士に対する指導、教育、処分等の措置も適切に講じず、組織的な再発防止も行っていませんでした。さらに、日野市の立入調査への妨害行為まで行っています。  報道によると、虐待を行っていたと日野市が認定し、警視庁が逮捕した保育士は、理事長兼園長の息子だということです。それだけに、今回の事案は、日野市も、東京都も、より踏み込んだ対応が求められていることは明らかです。  日野市は、二〇二二年一月十七日以降、当該保育園に対して調査、指導を始めています。  都は、当該保育園で保育士による虐待の疑いがあるという情報をいつ把握されましたか。 ◯西山福祉保健局長 都は昨年四月、日野市から、子ども・子育て支援法等に基づき当該保育施設に指導検査等を実施しているとの情報提供を受け、市に対し指導内容を助言するなど、必要な支援を行ってまいりました。 ◯清水(と)委員 助言による支援ということで、都として直接、指導検査は、すぐには行わなかった、そういうことではないですか。  なぜ、都は速やかに特別指導検査、特別立入調査を実施しなかったんでしょうか。 ◯西山福祉保健局長 都は、市から情報提供を受けた昨年四月以降、指導内容への助言や意見交換を行うなど、市と連携して対応しております。  市は昨年五月に、当該保育施設に指導結果を通知し、必要な指導を重ねて行い、改善報告を求めましたが、虐待等の事実関係を認めず報告が不十分であったため、同年七月に改善勧告を行いました。  その後、改善が図られなかったことから、都は特別指導検査を実施したものです。 ◯清水(と)委員 特別指導検査に着手して以降、都は、吹上多摩平保育園の虐待事案についてどのような調査を行い、何が分かりましたか。また、指導や勧告は行いましたか。 ◯西山福祉保健局長 都は現在、当該保育所に対し特別指導検査を実施しており、関係者への調査や書類の確認などを進めているところでございます。 ◯清水(と)委員 現在調査中ということですので、事実確認もまだできていない。当然、事実確認に基づいて出す指導も勧告もしていない、そういう段階だということだと思います。  パネルを見てください。これは、日野市と東京都の動きを時系列に並べたものです。  日野市によると、実は一昨年の十一月に、この保育園に実地検査に入るに当たって、都に一緒に入ってほしい、そういう相談をしたということです。しかし、このとき、都は動きませんでした。  都は、区市町村が行う指導検査に対する技術的援助を行う、そういう役割を担っていますから、一昨年十一月の段階、市から依頼があったときに一緒に動くべきでした。  そうでないとしても、遅くとも、先ほど答弁のあった市から報告を受けた四月には特別指導検査に着手しなければなりませんでした。  お手元に配布していますのが、都の二〇二二年度の指導検査の実施方針の一部、配布しています。東京都自身がつくった文書です。  下線を引いた部分ですが、虐待等不適切なサービスの提供の疑いがある場合には、速やかに特別指導検査または特別立入調査を実施するとあります。この基本方針に従えば、少なくとも、四月に日野市から虐待が確認されたとの報告を受けた段階で、速やかに特別指導検査に入るべきだったのではありませんか。答弁を求めます。 ◯西山福祉保健局長 都は昨年四月、日野市から、子ども・子育て支援法等に基づき当該保育施設に指導検査等を実施しているとの情報提供を受けました。  その後、東京都といたしましては、市に対して指導内容を助言するなど、必要な支援を行ってまいりました。指導内容を助言するなど、助言や意見交換を行うなど、市と連携して対応をしてまいりました。  市は、昨年五月に当該保育施設に対し指導結果を通知し、必要な指導を重ねて行い、改善報告を求めましたが、虐待等の事実関係を認めず報告が不十分であったため、同年七月に改善勧告を行い、その後、改善が図られなかったことから、都としては特別指導検査を実施したものでございます。 ◯清水(と)委員 なぜ、直ちに特別指導検査に入らなかったというふうにお聞きしたんですが、市と連携してきたとか、いろいろなことをおっしゃいました。  しかし、疑いがあったら、速やかに特別指導検査に入るというのは東京都の実施方針です。自らつくられた方針ではないですか。それに沿った対応をしていないということは明らかだというふうに思います。  虐待は子供の心を傷つけ、その傷を癒やすことは容易ではありません。  初めは虐待ではなく、少し気になりつつも見過ごされてしまうような不適切な保育であっても、それが繰り返されていくうちに問題が深刻化し、虐待につながっていくということもあり得るために、早い段階で改善を促し、虐待を未然に防止する、これが重要です。  しかし、東京都は、虐待の報告を受けてもなお、速やかに特別指導検査をしませんでした。  最初に都が特別指導検査に入ったのは九月。しかも、このときは、必要な文書の提出を拒否され、実際には何も調査は進まなかったんです。  次に特別指導検査に入ったのは、その三か月後の十二月です。ここから実質的な調査を始めたので、先ほどご答弁にあったように、いまだに調査中で、それを踏まえて行う、出すことができる文書指導も、勧告も行っていない、こういう段階におられるわけです。  吹上多摩平保育園の児童虐待事案について、都として事実認定を急ぐべきですが、今後の見通しを教えてください。 ◯西山福祉保健局長 この事案に関しましては、市から四月に報告を受けて以降、市と都で連携し、意見交換を行いながら、まず、市の方でいろいろな手続を進めながら、九月に私どもが入りました。その後も、市とは当然いろいろ連携をしながら対応をしてございます。  そして、現在は、関係者への調査や書類の確認などを進めているところでございます。 ◯清水(と)委員 東京都の実施方針には、区市町村から報告を受けていれば入らなくていいというふうなことは書いていないんです。疑いがあった段階で、事実として確認されていなくても、疑いがあった段階で速やかに特別指導検査に入る。東京都が書いているんですよ。ぜひそれを守っていただきたいというふうに思います。  それと、十二月に調査が、実質的な調査が始まっても、いまだに調査の結果が出ないということは、こういう調査というのは、とっても慎重に進めなければいけない、丁寧に進めなければいけないから時間がかかるということだと思います。だったらなおさら、昨年の四月の段階で東京都は検査に入るべきだったというふうに思います。  今後、速やかに事実の確認を行って、必要な指導、改善を図って、当該保育園で一日も早く人権に配慮した保育が行われるよう、都の指導、援助を強く求めます。  こうした重大事案に対して速やかに検査ができるようにするためにも、検査体制の拡充、これが緊急に求められています。  東京都の指導検査について、対象となる施設数、実施した施設数とその割合、常勤職員など職員の体制についてお伺いします。 ◯西山福祉保健局長 まず、これ、繰り返し申し上げますけれども、東京都は保育施設で虐待の通報があった場合は、保育の実施主体である区市町村と連携をして、必要な調査、指導を実施してございます。本件におきましても、東京都と市は連携して対応をしてございます。  保育施設に対する指導検査は、常勤職員二十名など二十五名体制で実施をしておりまして、緊急時などは応援体制を組んで対応をしています。  保育施設に対する指導検査の実績は、コロナ禍前の令和元年度は、対象の四千八百四十三施設のうち六百五十施設に実施し、その割合は一三・六%であり、令和二年度及び三年度は、新型コロナウイルス感染症の保育現場への感染拡大を防止するため、規模を縮小して実施しております。  直近の令和三年度は、対象の四千四百四十七施設のうち二百五十四施設に実施し、その割合は五・七%となっております。  また、連携している区市町村が実施している指導検査と合わせますと、令和三年度の割合は二九%となってございます。 ◯清水(と)委員 繰り返しますけれども、区市町村と連携していれば、都は、特別指導検査に入らなくていいというのは、どこにも書いていないんです。しっかりその文字どおりにきちっと見ていただきたい。速やかにとわざわざ書いているわけですから。  児童福祉法施行令は、都道府県知事に、一年に一回以上、実地検査をすることを義務づけています。認可外保育施設も通知で原則年一回、立入調査を行うとされています。
     しかし、今ご答弁のあった常勤職員二十名で、四千四百四十七件の対象施設に年一回入るというのは無理です。その上、虐待などが疑われるときに速やかに特別指導検査も入るというのは、どう考えても不可能です。  こちらは認可保育施設と、そこに入った実地検査の割合の推移です。認可保育園の数は、二〇一五年から一・四倍に増えていますが、実地検査の数は減少しています。コロナ前に限っても、増えてはいません。保育施設が増えたら、それに見合うように監査体制を増やすのは当然のことではないでしょうか。  コロナ前の二〇一九年の東京近県の実地検査の実施率、神奈川県は六四・四%、千葉県五六・九%、埼玉は少し低くなりますが、それでも二六・三%、東京は八・二%です。文字どおり一桁違う、異常な低さです。全国的にもこんなに低いところはありません。  都の監査体制の抜本的拡充をすべきと考えますが、いかがですか。 ◯西山福祉保健局長 都は、保育施設に対し、区市町村とも連携し、効果的な指導検査を実施しており、さらに、認可外保育施設に対しては、年一回巡回指導チームによる指導を行ってございます。  また、虐待などの不適切な保育の通報があった場合は、区市町村と連携して速やかに対応しています。  現在、デジタル技術を活用した検査手法なども導入をしておりまして、引き続き、効果的、効率的な指導検査を行ってまいります。 ◯清水(と)委員 繰り返していいますが、区市町村の指導検査や認可外施設に対する巡回指導、これをやったからといって東京都の指導検査はやらなくていいと、法律にも条例にもどこにも書いていないんです。行政というのは法に基づいて施策を進めるものではないんでしょうか。自分に都合のよい法解釈をして、さもやっているように見せる、こういうごまかしというのは厳に慎まなければいけない、そういうふうに思います。  保育施設での虐待や不適切な保育が相次いでいる中で、東京の保育の質を確保する、その役割を果たすのが保育施設への指導検査であり、その重要性は一層増しています。児童福祉法施行令は、年に一回以上の実地検査をさせることを都知事に義務づけています。それを確実に行える体制をつくるのは、都知事の責任です。指導検査体制の抜本的な拡充を求めて、次の質問に移ります。  都内どこに住んでいても、必要な施策、環境が享受できるということが必要ですし、ましてや、命や教育環境に関わる問題で必要な施策が取り組めない、こんなことはあってはなりません。たとえ財政力の弱い自治体でも、それができるように支援することが東京都の役割です。保健所と学校体育館のエアコンの問題を通して、多摩格差の是正について質問いたします。  昨年十月、知事と日野市長の懇談の際、大坪市長は、保健所が設置されている自治体とそうでない自治体では取組に大きな差が生じております。医療提供体制を含めた取組は、いかに地域に応じた動きを工夫できるかにかかっており、そうしたことが市民の命を守ることに直結いたしますと述べ、保健所の新設や職員の増員を含め、抜本的な見直しを検討することを求めています。  知事は、こうした声をどのように受け止めますか。 ◯小池知事 都の保健所に関しまして様々なご意見があることは承知をいたしております。  多摩地域の都保健所は、二次保健医療圏におけます広域的、専門的、技術的拠点といたしまして、地域の感染症対策の重要な役割を担っております。  なお、現在、都保健所のあり方検討会におきましては、その在り方を検討いたしております。 ◯清水(と)委員 市長会の来年度要望書でも、保健所の新設や職員の増員も含めた抜本的な見直しを求めています。医療関係者などからも、各市に一か所、保健所または保健相談所があったかつてのようにすべきというご意見をいただいています。  現在、あり方検討会において検討が進められているということですけれども、医療関係者、自治体、都民、関係団体の皆さんの声をしっかりと聞きながら検証を進め、今後の在り方を検討していただくよう求めます。  感染症対策を踏まえた都保健所のあり方検討会では、自治体の担当者から、保健所が手いっぱいになってしまい、精神保健や難病保健などが手薄になったのは大変痛手だったという声や、専門家から、保健所の機能が感染症に全振りされてしまって、精神保健など、本来重要だが手が回らなくなった部分が出ていたというところが非常に重要、感染症以外の部分を含めた議論が必要、精神保健の最低限のところは残しておくことが重要、こうした指摘があります。  そこでお伺いします。  多摩地域の保健所の精神保健訪問指導の数は、コロナの前後でどのように変化していますか。 ◯西山福祉保健局長 多摩地域の都保健所の精神保健福祉訪問指導件数は、令和元年度は四千三百四十三件、令和三年度は新型コロナウイルス感染症の緊急事態措置が二回実施された影響もあり、二千二百四十五件となっております。  なお、コロナ禍における保健所の精神保健福祉訪問については、感染状況や対面での指導に対する相談者の意向も踏まえながら、心身の状況など緊急性等を勘案して行っております。  また、市町村が関わっている相談者には、市町村と連携して対応するなど、必要な支援を行ってございます。 ◯清水(と)委員 減ったのは訪問指導だけではありません。南多摩保健所では、精神疾患を持つ人が地域で生活が継続できるよう、地域ネットワークづくりの一環として行っていた関係機関職員を対象とした講演会も、障害者施設や肝炎ウイルス患者さんなどへの検診も実施できない、こういう事態が起きていました。  二〇一八年、東京都は障害者差別解消条例を制定し、社会全体で障害者への理解を深め、差別をなくす取組を進めています。  精神障害者が地域で暮らせるような環境整備が強く求められており、精神保健を担う保健所の役割は大変重要ですが、都の認識をお伺いします。 ◯西山福祉保健局長 都保健所は、地域保健の広域的、専門的、技術的拠点として、精神保健福祉に関する専門的な相談に対応するとともに、市町村や医療機関等と連携の下、精神障害者の地域移行等を目的としたネットワークづくりを行うなどの役割を担ってございます。 ◯清水(と)委員 市町村や医療機関などとの連携の下、精神障害者の地域移行を目的としたネットワークづくりを行う役割を果たしているというふうなことでしたけれども、裏を返せば、一般的な相談は保健所の役割ではない、こういう認識なのではないでしょうか。  しかし、安心して地域で暮らしていけるようにするためには、そうした考え方を改めて、やっぱり保健所の相談支援の抜本的拡充が必要です。  先日、精神障害者の家族会の方々にお話を伺いました。  精神障害の方が状態が悪くなって、自傷他害、徘回に至るのは、夜間が多いそうです。  自宅に戻ったら殺される、こういって出ていった娘を迎えに行ったけれども、夜遅くまで説得しても頑として帰宅を拒まれて、どうしていいか分からず、警察を呼んでホテルに泊まった、しかし、娘はホテルを抜け出し、午前三時半に保護されて、措置入院となったなど、深刻な事例がたくさんありました。  助けてほしくても相談できるところがない、駆けつけてくれる、それは警察だけ、呼べば措置入院になる、保健所や医療機関が来てくれたら、違う道もあるんじゃないか、そういう親御さんの思い、ぜひ想像してみてください。  二十四時間三百六十五日対応してほしい、保健所に来てほしい、この声は切実です。  保健所の精神障害者に対する相談支援体制を強化すべきではありませんか。 ◯西山福祉保健局長 都保健所は、市町村等と連携しながら、精神障害者やその家族に対し、電話や来所、訪問等による精神保健福祉相談を実施しておりまして、精神保健福祉センターでも、各種の相談に応じてございます。 ◯清水(と)委員 実際には、それでは平日昼間しか対応する場所がないわけです。皆さんが求めている、いつでも、誰でも、どんなときでも力になれる、そういう体制をぜひつくっていただきたい。そのこと自身が家族の皆さん、障害当事者の皆さんの安心につながります。  日野の保健所の復活をはじめとする保健所の増設と感染拡大にあっても本来業務ができる、きちんとした体制、抜本的に強化することを求めます。  次に、学校体育館のエアコンの設置についてお伺いします。  学校体育館のエアコン設置の状況について、区部と多摩地域の状況についてお伺いします。 ◯浜教育長 都内公立小中学校の体育館等の空調設置率は、令和四年九月一日時点で、区部が九一・六%、多摩地域が六六・一%でございます。  なお、公立小中学校の施設整備の経費は、原則として設置者である区市町村が負担することとされております。  都教育委員会では、体育館等の空調設置について、児童生徒の安全な教育環境等の確保が早期に行われるよう、平成三十年度から令和五年度まで、計画的に支援を実施しております。 ◯清水(と)委員 体育館のエアコン設置は、区部では九一・六%、九割超えていますが、多摩地域では六六・一%、本当に格差があるということは明らかではないでしょうか。数にすれば二百四十五校にも上っています。  体育館のエアコン設置は、都補助の割合が多くて、これがなくなったら財政が厳しい自治体ではますます設置が進まなくなる、そういうおそれがあります。  また、公共施設の省エネを進めていく上で、規模も大きく数も多い学校施設の整備、それは効果もとりわけ多く、重要です。  都の体育館のエアコンへの補助を三分の二に補助率を戻すこと、来年度以降も継続していくことを求めます。  今回取り上げた保健所と学校体育館、エアコンの問題で、区部と多摩地域に格差があることは明確です。  一九七五年に都は三多摩格差八課題を掲げ、解消に取り組んできましたが、石原都政の下、二〇〇〇年にはおおむね解消されたとされました。しかし、格差は厳然として残っており、二〇一六年都知事選挙で小池都知事も多摩格差ゼロを公約に掲げ、当選されました。その後もこれを取り下げたという表明はありませんから、多摩格差を解消していくという認識は変わっていないものと思います。  しかも、この保健所、義務教育は、さっきの三多摩格差八課題の中にまだ入っているものなんです。解消どころか、明確な格差が今もなお残っているということです。しかも、どちらも命に関わる問題です。地域の事情だからと片づけることは許されません。  いまだに残されている多摩格差についてきちんと検証し、解消していただくこと、そして、保健所の増設と体制の抜本強化、学校体育館へのエアコンの補助の継続と補助率引上げを求めて、私の質問を終わります。(拍手)    〔菅野副委員長退席、委員長着席〕 ◯小宮委員長 清水とし子委員の発言は終わりました。  以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。  なお、明日は午前十一時から理事会を議会運営委員会室で、また、午後一時から委員会を本委員会室で開会しますので、よろしくお願いいたします。  これをもちまして本日の委員会を閉会します。    午後八時六分散会...