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2022-03-07 令和4年予算特別委員会(第2号) 本文

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  1. 東京都議会 2022-03-07
    2022-03-07 令和4年予算特別委員会(第2号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午前十一時開議 ◯三宅委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  これより付託議案の審査を行います。  第一号議案から第二十九号議案までを一括して議題といたします。  本案について、理事者の説明を求めます。 ◯武市副知事 令和四年度予算案のご審議をお願いするに当たりまして、その大綱をご説明申し上げます。  令和四年度予算案は、都政に課せられた使命を確実に果たし、次なるステージへと力強く歩みを進めることで、希望ある未来を切り開いていく予算と位置づけまして、第一に、危機管理の強化、第二に、社会のグリーン化など世界の潮流を捉えたサステーナブルリカバリーの実現、第三に、あらゆる面で段差のない共生社会の形成、この三点を軸に、デジタルの力も活用して積極的に施策を展開することで、三つのシティの実現につなげてまいります。  当初予算の規模は、一般会計、特別会計及び公営企業会計の二十九会計を合わせました総額で十五兆三千九百三十九億円としております。  まず、一般会計について申し上げます。  歳入歳出の総額は七兆八千十億円で、前年度に比べ五・一%の増となっております。  次に、歳入の概要でございますが、都税収入は、前年度に比べ一一・六%増の五兆六千三百八億円としております。  次に、歳出の概要でございますが、主なものを申し上げますと、総務費につきましては、二千三百四十八億円を計上し、世界経済を牽引する都市の実現に向け、仮称ソーシャルインパクト投資ファンドを創設し、社会的課題の解決を図る企業を支援するなど、国際金融都市の実現に向けて取り組んでまいります。  また、スマート東京の実現に向け、都内全域の地形データを防災対策等に活用する点群データ取得事業など、都民のQOLの飛躍的な向上につなげる取組を進めてまいります。  生活文化スポーツ費につきましては、五百九十二億円を計上し、東京二〇二〇大会のレガシーを生かした施設活用や仮称東京二〇二〇大会一周年記念事業など、スポーツや文化に親しむ様々な機会を創出してまいります。  都市整備費につきましては、一千二百六十二億円を計上し、木造住宅密集地域の不燃化や建築物の耐震化などを着実に進めてまいります。  環境費につきましては、一千百八十四億円を計上し、ゼロエミッション東京の実現に向け、水素ステーション設備等導入促進事業や、災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業など、あらゆる分野での脱炭素化を強力に推し進めてまいります。  福祉保健費につきましては、一兆六千九百八十九億円を計上し、感染症に強い都市に向け、医療機関の空床確保料の補助や自宅療養の適切な実施に向けた支援、ワクチンの集団接種事業の経費を計上するなど、時期を逸することなく必要な対策を進めてまいります。  また、子供に優しい社会の実現に向け、結婚、妊娠、出産から子育てまでの切れ目のない支援のほか、認証保育所における小学生の受入れやベビーシッター利用支援事業など、いわゆる小一の壁の打破に向け、子供の居場所づくりを進めてまいります。  さらに、人が輝く、誰もが生き生きと活躍できる共生社会の実現に向け、高齢者の健康づくりに資するスマートウォッチ等デジタル機器活用事業など、世界に誇る長寿社会の実現に向けた取組を進めてまいります。  産業労働費につきましては、五千六百九十五億円を計上し、中小企業、地域産業等の支援に向け、中小企業のデジタルツール導入支援など、企業の稼ぐ力を向上させる取組をさらに強化してまいります。また、世界を引きつける魅力にあふれた都市の実現に向け、国際会議誘致・開催支援事業など、MICE誘致に取り組んでまいります。
     土木費につきましては、五千八百五十五億円を計上し、災害の脅威から都民を守る都市づくりを実現するため、中小河川や新たな調節池の整備など、気候変動により激甚化する台風、豪雨への備えを進めてまいります。  また、無電柱化の推進では、都道などの取組に加え、島しょ地域の特性を踏まえた島内完全無電柱化に取り組んでまいります。  教育費につきましては、八千七百六十四億円を計上し、新しい時代を切り開く人材の育成に向け、都立、私立にかかわらず高校段階における一人一台端末の整備に向けた支援や、デジタルサポーターの全校配置など、教育現場におけるデジタルの活用を一層支援してまいります。  また、誰もが優しさを感じられるまちづくりに向け、不登校児童生徒支援など、様々な悩みに対するサポート体制を強化してまいります。  以上が歳出の概要でございます。  令和四年度予算案では、これまでご説明したように、積極的な施策展開を図ると同時に、将来の財政需要も見据え、健全な財政基盤の堅持に向けた取組を行いました。具体的には、成果指標を設定し、事業ユニット単位で評価する政策評価と、一つ一つの事業を評価する事業評価を一体的に実施することで、施策の新陳代謝を一層強化いたしました。こうした取組などを通じて一千百十七億円の財源確保につなげております。  また、基金につきましては、三つのシティ実現に向けて、令和四年度は、五千二百七十億円を取り崩して積極的に活用いたします。さらに、都債につきましては、税収増を活用し、発行額を前年度と比べ四九・九%減の二千九百四十六億円とする一方で、ESG債の発行により、ESG投資のさらなる促進と、金融分野からのSDGs実現を後押ししてまいります。  以上が一般会計の概要でございます。  次に、特別会計でございますが、地方消費税清算会計や公債費会計に加えまして、令和四年度から新たに設置される地方独立行政法人東京都立病院機構貸付等事業会計など十七会計で、歳出総額は五兆八千三百八十二億円としております。  次に、公営企業会計でございますが、十一会計で、支出総額は一兆七千五百四十七億円としております。  その主なものとして、まず高速電車事業会計につきましては、二千五百二億円を計上し、ホームドアの整備や地下鉄のバリアフリー化の推進などに取り組んでまいります。  水道事業会計につきましては、五千二百六十七億円を計上し、浄水施設や送配水施設などの整備を進めてまいります。  下水道事業会計につきましては、七千二百五十五億円を計上し、区部及び流域下水道の建設並びに改良などを進めてまいります。  以上、令和四年度当初予算案の概要についてご説明申し上げました。よろしくご審議をお願い申し上げます。 ◯三宅委員長 説明は終わりました。  次に、資料要求について申し上げます。  ただいま議題となっております議案について、お手元配布のとおり資料要求がありました。  朗読は省略いたします。      ─────────────    〔「令和四年予算特別委員会資料要求について」は本号末尾に掲載〕      ───────────── ◯三宅委員長 お諮りいたします。  本件は、いずれも委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯三宅委員長 異議なしと認めます。理事者においては速やかにご提出願います。  この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後一時の予定です。    午前十一時七分休憩      ━━━━━━━━━━    午後一時開議 ◯三宅委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  この際、委員外議員の発言の申出について申し上げます。  漢人あきこ議員及び上田令子議員から、会議規則第六十三条の規定により、三月九日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。  この際、本件に対し発言の申出がありますので、これを許します。 ◯原委員 日本共産党都議団を代表し、委員外議員発言の申出について意見を述べます。  会議規則第六十三条は、委員会は、審査または調査中の事件について必要があると認めるときは、委員でない議員に対し、その出席を求めて説明または意見を聞くことができる、委員でない議員からの発言の申出があったときもまた同様とすると定めています。  この委員外議員の発言は、常任委員会については全ての議員がいずれかに所属しており、所属する常任委員会以外でも委員外議員の質問が自由に行えるということになれば、現在のルールが成り立たなくなってしまいますから、限定的に運用せざるを得ません。しかし、当初予算の審議は、議会、議員にとって特別に重要なものです。一人会派、無所属会派を含めて、全ての会派が予算審議に参加し、発言できるようにすべきです。  都議会では、予算の審査が予算特別委員会と各常任委員会に分割付託されるルールになっていますから、予算特別委員会に委員を出していない会派は、自分が所属している常任委員会に分割付託された部分しか予算審議をすることができません。少数会派には予算全体の審査に発言の機会がないということであり、都民に選挙で選ばれ、都民の願いを前に進めるために、来年度の予算を審査するために発言を求めるのは当然のことです。  したがって、予算特別委員会の委員以外の漢人あきこ議員と上田令子議員から提出された委員外議員発言の申出は、会議規則どおり認めるべきです。ぜひ一歩踏み出そうではありませんか。  また今後、予算特別委員会の構成そのものを、一人会派、無所属会派を含めて、全会派が参加できるように検討することを提案して、発言といたします。 ◯三宅委員長 発言は終わりました。  本件は、起立により採決いたします。  漢人あきこ議員及び上田令子議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯三宅委員長 起立少数と認めます。よって、漢人あきこ議員及び上田令子議員の発言は許可しないことに決定しました。      ━━━━━━━━━━ ◯三宅委員長 次に、委員会の要求資料について申し上げます。  先ほど委員会として要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  これより総括質疑を行います。  この際、一言申し上げます。  質疑に当たりましては、さきにご決定をいただいております委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審議が行われますよう、ご協力をお願いいたします。  なお、持ち時間につきましては、電光表示盤に残り時間を表示いたします。さらに、振鈴で五分前に一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。  この際、委員の皆様に申し上げます。  質疑に際しましては、持ち時間の範囲内で答弁まで行えるようご協力をお願いいたします。  次に、理事者に申し上げます。  答弁に際しましては、委員の質疑時間も限られておりますので、短時間で明快に答弁を行い、また、マスクの着脱をされる場合には、速やかに行っていただけますようお願いいたします。  なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。  次に、傍聴人の方々に申し上げます。  傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。  傍聴人は可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力を願います。  これより順次発言を許します。  松田康将委員の発言を許します。 ◯松田委員 先般逝去された石原慎太郎元東京都知事は、東京から国を動かすをキャッチフレーズに、時には国や経済界とも対決を辞さない力強い姿勢で渡り合いました。バブル崩壊後の財政危機にあえぐ都政から脱却をし、今日の都政の礎を築いたのは、まさに石原元知事の優れた経営手腕とリーダーシップにほかなりません。  二月二十四日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、国際秩序の根幹を揺るがすものであります。また、武力による一方的な現状変更は、国際法や国連憲章の重大な、かつ深刻な違反であります。  このことから、三月三日、東京都議会は、ウクライナからのロシア軍の即時撤退と速やかな平和の実現を求め、全会派一致で決議を行いました。  コロナ禍が二年を超え、ウクライナ危機によって日本経済や国民生活に重大な影響も危惧される中、小池知事におかれましては、この国難というべき都政の危機に当たり、首都東京のリーダーとして、都民の暮らしと都内事業者の経済活動を守り、子供たちの未来を共につくることをお願いをして、質問に入ります。  東京は、かつてない複合的な危機に直面をしております。首都東京を守る知事として、都民の命と暮らしを守るため、あらゆる危機への備えを万全にするべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 危機管理の要諦、私はいつも、備えよ常にの精神で、平時から有事を想定した対策を講じることだと、かねてより述べてまいりました。これまで経験したことのない危機から都民の命と暮らしを守り抜く、そのためには、例えば最新のDXや先端技術も活用しながら、あらゆる事象に対して、ハード、ソフト両面からの危機管理対策を強化していかなければなりません。  都におきましては、現在、ご存じのように、新型コロナウイルスという見えない敵に対して、医療提供体制の整備、そしてワクチン接種の促進など、様々な対策を講じてまいりました。現在もそうであります。また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴います経済への影響などに備えた支援を直ちに措置をいたしたところでございます。  さらに、いつ起きてもおかしくないのが首都直下地震等でございますが、これらにつきましては最新の知見を反映した新たな被害想定の策定を進めるとともに、豪雨災害やテロ対策などを含めました都市の強靱化に向けたプロジェクトを立ち上げて、強力に推進をしてまいります。  今後とも、万全の備えを固めて、首都東京のまち、そしてそこに暮らす人々を守ってまいります。 ◯松田委員 知事はよく光のスピードで邁進するとおっしゃいます。今回のウクライナ危機に関しても、光のスピードで柔軟に、かつ機動的に取り組まれることをお願いして、次の質問に参ります。  次に、ウクライナ危機に関する支援についてお伺いをいたします。  ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から十日余りが経過をし、現地の被害はさらに増しています。ロシアからの攻撃を避けるため、ウクライナからの国外退避者は、既に百五十万人を超えております。  二回目の停戦協議で人道回廊の設置が合意をされましたが、これは停戦に直結する動きではなく、市民の退避後にさらなる攻撃を仕掛けるとの見方もあり、今後さらに避難民が増加するおそれもあります。  こうした中、岸田総理は、国際機関と連携をして人道支援に一億ドルを拠出するとともに、ウクライナからポーランドなど第三国に避難をされた方々の我が国への受入れを表明をされました。  そこで、都として、一刻も早く国と連携をしてウクライナ難民受入れに向けた準備を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 ご指摘がありましたように、ロシアの軍事侵攻によって、多くの罪のないウクライナ国民が住み慣れた土地を追われる中で、国際社会が一丸となって人道支援を講じていくことは重要であります。  これまで日本政府は、世界各地におけます人道危機に対しまして、状況に応じて緊急物資や食料の配布、保健、医療、衛生、教育などの支援を実施してきておりまして、今回のこのウクライナ危機におきましては、住居や生活等に係る支援が必要になると考えられております。  こうしたことから、避難民受入れなどの人道支援につきまして、都として早急に対応する必要があり、国に対しましては、明確に方針を打ち出すように緊急要望もいたしております。  今後、ウクライナへの人道支援につきましては、国から都に対して要請があれば速やかに対応してまいります。 ◯松田委員 東京都には平和の日条例というものがあります。もうすぐ東京大空襲で大きな被害を受けた三月十日を迎えます。  平和国家日本の首都として、国際秩序の形成と恒久平和の実現に貢献する責務の下、ウクライナ難民の受入れなど、人道支援を積極的に行うべきと考えます。  こうした動きは、既に愛媛県や群馬県大泉町など、首長の決断で迅速に動き始めている自治体があります。避難民にとって一日というのはどれほど長いものか。  東京都も、例えば都内公営住宅の活用など、速やかな準備を進めるお考えはありますでしょうか。知事にお伺いいたします。 ◯小池知事 今、人道支援の動きが国内でも広がっております。  先ほど、国に対しましても緊急要望をし、また、国からの要望がございましたら、それに迅速に対応するように備えてまいりたいと思います。 ◯松田委員 今、公営住宅、都では都営住宅ですとか、区市町村に依頼をすると、いろんな手段があると思いますが、都営住宅をこの難民受入れ、ほかの区市町村、また県、表明しているところがあります。こちらを活用するご予定、お考えはありますでしょうか。 ◯小池知事 どういう形が最も有効なのか、それに対しましては精査をしていきたいと考えます。 ◯松田委員 私、冒頭、光のスピードでお願いしますと申し上げました。ぜひ他自治体を率先して引っ張っていく首都東京の知事として、早い決断と人道支援をお願いいたします。  続いて、具体的な中小企業事業者への支援について質問をさせていただきます。  ロシアによるウクライナへの侵攻は、原油などエネルギー価格の高騰や様々な原材料価格の高騰などの形で、遠く離れた東京へも影響を及ぼしつつあります。  特にものづくりに関わる中小事業者からは、燃料費、材料費の高騰や調達の不透明感から、経営の次の展開に見通しが立たないという声も上がっており、特に中小零細企業は厳しい経営環境に立たされております。また、農家や漁業者にとっても、燃料となる原油の価格の値上がりは経営に直結するものであります。  原油高の長期化も予想される中、製造業をはじめとした中小零細事業者や農林水産業に対してどのように支援を展開していくのか、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 現在のウクライナ情勢、日々刻々と事態は変化をしている中でございますが、この情勢が続きますと、資源の安定供給への懸念が広がって、例えば原油ですと、米国の指標になりますWTI、これが一バレル百三十ドルを超えるなど、様々な価格の一層の高騰も危惧されているところでございます。  こうした状況、東京の産業に及ぼす影響を抑えていく、そのために中小企業や農林水産の事業者などへの支援を金融と経営の両面から速やかに進めていく必要がございます。  中小企業の経営の命綱となります資金繰りでありますが、これを下支えするということから、新たな融資メニューを創設するところであります。  また、エネルギー利用の大きいものづくり産業ですが、電力などの固定的なコストを引き下げられるように、専門家による助言、また、設備の導入への助成を行って、経営の効率化を後押ししてまいります。  さらに、農林水産業でありますが、コストの上昇による経営への影響を低減する支援も行ってまいります。事業者向けに貸付制度を新たにスタートするほか、漁業者の使う燃料費、畜産農家が買い入れる飼料、飼料費でありますが、それらの負担を抑える支援など、きめ細かなサポートを展開いたしてまいります。  これからも都内経済への影響の長期化なども見据えまして、スピード感を持って、機動的、弾力的に対応してまいります。
    ◯松田委員 金融と経営、両面から支援していくというご答弁をいただきました。  それでは、個別に伺ってまいりたいと思います。  まず、金融支援についてでありますが、原油や原材料価格が高騰する中、都内の中小企業や農林漁業者の当面の事業継続を支えていくには資金面での支援が欠かせませんが、具体的にどのような支援を行っていくのか、その内容を伺います。 ◯坂本産業労働局長 今回のウクライナ情勢により、原油等のエネルギーに加え、資材や穀物の価格の高騰など、事業者の経営に様々な影響が生じることが懸念されております。  このため、都は、こうした状況の下、経営に影響の出る中小企業に向けて、新たな制度融資メニューを創設いたします。低利で融資を行い、その信用保証料について、小規模事業者では四分の三、その他の事業者では三分の二の補助を行うことといたします。  また、燃料や飼料等の価格高騰により経費負担が増加する農林漁業者などの資金繰りを支援するため、無利子で融資を行う新たな制度を開始いたします。  これらにより、様々な事業者を金融面から下支えしてまいります。 ◯松田委員 ただいま信用保証料への補助、無利子融資というご答弁いただきました。  先ほど知事も、機動的、弾力的ということですので、この長期化などの状況にも応じて、ぜひ拡充も検討していただければと思います。  次に、製造業における原油価格高騰の対策について伺います。  製造業においては、原油価格高騰は燃料コストに加えてプラスチック製品などの原料代の上昇にもつながって、現在の厳しい状況に加えて、より経営が悪化することが懸念をされます。  東京都は、ものづくり企業に対して、緊急対策を行うことを公表いたしましたが、今後、こうした状況が長期化することも見据えた支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 製造業種の中小企業は、原油をエネルギーとして利用するほか、原材料にも使うなど、他の業種よりもその価格高騰の影響を受けやすい状況がございます。  このため、都は、電力などの固定的なコストを減らす設備等の導入を後押しする緊急的な支援を開始いたします。  具体的には、今月から中小企業診断士を企業の現場に派遣し、設備の導入やコスト改善に向けたアドバイスを行います。  また、こうした助言に基づいて高効率の空調設備やLED照明機器などを導入する際に必要となる経費について、その五分の四を、三百万円を上限に助成いたします。  今後、厳しい経営環境が続くことも見据え、中小企業における事業継続をきめ細かくサポートしてまいります。 ◯松田委員 空調設備やLED照明などの導入経費を助成することによって、間接的に事業者を支援していくというご答弁をいただきました。  状況は刻々とまた変わっていきますので、臨機応変な対応を産業労働局にもお願いをいたします。  次に、漁業、畜産業への支援を伺います。  ロシアやウクライナは、原油や天然ガスなどのエネルギーに加えて、飼料の原料となるトウモロコシや大麦、小麦の主要な生産地であります。こうした資源の安定供給に関する懸念も出ております。  こうした価格高騰は、漁業における船舶の燃料や家畜の飼料の調達コスト増加につながっていき、東京の漁業、そして畜産業にも影響を及ぼすことが考えられます。  今後さらなる価格の高騰も予想される中、都内の漁業者や畜産農家が安心して経営を行っていけるよう支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は、燃油や飼料等の価格上昇の影響を受ける漁業者や畜産農家に対し、その負担を減らすための支援を行います。  漁業において、現在、燃油価格が一定の基準を超えて上昇した場合に補填を行う国の積立金制度がございまして、これに漁業者が支払う積立金の三分の二に助成を実施することとし、その支援内容をPRして利用を促進してまいります。  また、飼料を買い入れる畜産農家についても同様の仕組みの国の積立金制度がございまして、都は、積立金の三分の二に助成を行う予定としており、制度の周知等を進めてまいります。  こうした取組によりまして、漁業者や畜産農家の下支えを着実に行ってまいります。 ◯松田委員 今、様々なご支援、様々なメニューを局長からいただきましたが、知事、これは十分だとお考えでしょうか。  知事もご認識のとおり、未曽有の国難にあります。今日伺った答弁は、これまでの経済支援の焼き直しのように見えるのは私だけでしょうか。  いうまでもなく、首都東京は日本経済のエンジンであります。東京が他道府県を牽引していく役割を果たしていくべきであります。引き続き、メニューの拡充についても検討をお願いして、次の質問に移ります。  次に、サイバーセキュリティについて伺います。  現在、ウクライナの侵攻では、様々な形でサイバー攻撃も活発化をしております。先日は、トヨタの関連会社が攻撃を受け、工場が止まるなどの状況も発生をしております。  コロナ禍によって、中小企業においてもDX化が進んできておりますが、デジタル化を進めることでサイバー攻撃の標的にもなりやすく、取引先の情報流出などのリスクも高まります。このため、セキュリティ対策が必要となりますが、経営体力に限界がある中小企業にとっては、自力で対策を講じることは難しい状況であります。  都は、こうした状況を踏まえ、中小企業におけるサイバーセキュリティ対策を支援する取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 今回のウクライナ情勢の中で、サイバー攻撃に対するセキュリティ強化の重要性が一層明確となったところでございます。東京の中小企業におきましても、その対応力を高めることは不可欠となっております。このため、被害の未然防止に向け、ウェブサイト等を通じて注意喚起を行ってまいります。  都は来年度、中小企業のサイバーセキュリティ対策の向上に向けた仕組みづくりに支援を開始いたします。具体的には、対策の中心となる社員を育成できるよう、専門的な知識やノウハウを提供するセミナーを開催いたします。  また、社内で対策を実施するための体制づくりなどを実践的に学ぶワークショップを開催するとともに、その企業に四回まで専門家が出向き、相談や助言を行います。  今後、サイバーセキュリティ対策の充実について、スピード感を持って機動的かつ弾力的に対応してまいります。 ◯松田委員 オリンピック・パラリンピック二〇二〇大会のときにも多くのサイバー攻撃があったと伺っております。また、平和に対して、都民、国民の意識が希薄になってしまっている感も否めません。  危機管理について、もう少しお伺いをしていきたいと思います。  首都直下地震など、現在は何が起こるか分からない状況であります。新宿都庁にある東京都防災センターが機能不全に陥った場合の対応も想定しておく必要があります。  国は、平成十五年に、緊急災害対策本部の設置場所として、まず首相官邸、二番目に内閣府、そして三番目に防衛省としております。しかし、これらの施設が甚大な被害を受けた場合は、立川広域防災基地内に政府の災害対策本部が設置をされるとしております。  立川地域防災センターは、国が整備をした立川広域防災基地内にあり、情報収集、連絡調整、物資などの備蓄、輸送など、重要な機能を有しております。  そこで、首都東京の危機管理を担う知事として、重要な役割を担う立川地域防災センターをどう捉えているのか、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 立川地域防災センターでございますが、発災時には、多摩地域の防災活動の拠点となる施設であり、また、国、そして市町村等との情報連絡、そして、隣接する多摩広域防災倉庫とともに、救援物資の備蓄や輸送などの機能に加えまして、東京都防災センターのバックアップ機能を有しているところでございます。  令和元年、東日本台風が起こりました。その際も、このセンターを拠点としまして、多摩の全市町村へ都の職員をリエゾンとして派遣をいたしました。奥多摩町の孤立地域がそのときも出てきたわけでございますけれども、ここは自衛隊と連携しまして、物資の輸送なども行ったところでございます。  ご指摘のように、近年の激甚化する、また頻発化する風水害、そしていつ起こるとも知れない首都直下地震など、これらに備えていく。そのために関係機関がしっかり連携して活動できますようにオープンフロア化などの大規模改修を進めているところです。  また、様々な災害事象を想定しまして、実践的な訓練の実施や、また発災時のオペレーションの精度を高めていくということは重要です。  ハード、ソフト両面からの機能強化を図ることによって、多摩地域はもとよりでございますが、東京全体の災害対応力の向上につなげてまいります。 ◯松田委員 今ご答弁ありましたとおり、立川では、東京都防災センターのバックアップ機能を有しているというご答弁をいただきました。  この発災時にしっかりと機能するセンターとなるように、ハード面の整備はもとより、訓練などのオペレーションなどの向上を含め、さらなる機能強化へ向けて取り組んでいただきたいと思います。  そのような重大な役割を担う立川防災センターに近接をして、都は、国や他の道府県からの支援物資を受け入れるための拠点として、立川にある多摩広域防災倉庫を令和二年三月から運用をしております。  首都直下地震発生時には、都内に甚大な被害が発生し、膨大な物資需要が発生することが想定をされております。各区市町村の避難所への必要な物資を遅滞なく供給する上で、多摩広域防災倉庫の果たすべき役割は大きいと考えます。  平成二十八年、熊本地震がありましたが、当時、現地の物資拠点の周辺にトラックが滞留をして物資供給が停滞をしたり、広域輸送基地自体が被災をする、このような事態が発生をしました。都内においても同様の事態が発生しないとも限りません。  そこで、様々な事態も想定をして、多摩広域防災倉庫を中心とした、災害時の円滑な物資供給体制を構築すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯村松総務局長 都は、首都直下地震等に備えて、物資供給拠点の機能向上を図っているところでございます。  多摩広域防災倉庫についても、物資輸送車両が滞留することがないよう、先月、周辺に立地する企業と車両の待機場所を確保するための協定を締結いたしました。  また、この倉庫が被災した場合にも備えて、大手物流事業者が保有する施設を都の広域輸送基地として活用できる体制を確保しております。  今後は、新たに、倉庫周辺の道路混雑や施設損壊への対応など、大規模災害発生時の様々な状況も想定した訓練を事業者と連携して実施することで、災害時の物資供給体制の充実強化を図ってまいります。 ◯松田委員 これからも、民間の事業者とよく連携をして、発災時に備えて一層の強化を図っていただきたいと思います。  それでは、予算委員会でありますので、予算についての質問に移りたいと思います。  今年度の一般会計に関しましては、予算規模は七兆八千億円、過去最大となりました。少子高齢化をはじめとして、コロナ禍、ウクライナ危機、様々な要因があって、見通しが厳しい中、東京都は、支出の面、こちらを見直して、また収入を増やす、両方の取組を進めていかなければなりません。  まず、都財政の見直しの面から、財務局長にお伺いをいたします。  今回の予算編成において、見直しや無駄の削減に向けて具体的にどのように取り組んでいるのか伺います。 ◯吉村財務局長 令和四年度予算編成では、成果重視の視点から施策全体の見直しを図るべく、新たに政策評価と事業評価を一体的に実施し、より効果的な新規事業の構築につなげるなど、施策の新陳代謝を一層強化いたしました。  具体的には、一つ一つの事業の検証を行う事業評価においては、例えば統一体力テストの結果の分析等にデジタルツールを導入し実務を効率化するほか、現場の意見も踏まえまして、警察官の制服支給を合理化し経費縮減を図るなど、合計で千百十六件の見直し、再構築を行い、千百十七億円の財源確保につなげております。  また、最終補正予算におきましても、予算の執行過程で無駄をなくす取組を徹底するため総点検を行い、現時点で執行しないことが明らかな事項など、約二千三百億円の歳出を精査するなど、財政の対応力の強化に努めたところでございます。 ◯松田委員 見直しを行ってきたということであります。  一方、税収の方がどうなったかを次に伺いたいんですが、ウクライナ危機が長引くことになれば、さらなる原油高を含めて、日本経済への影響も懸念されます。  今回、令和四年度都税収入は増収と見込んでおりますが、こうした状況を踏まえて、令和五年度以降、税収の中長期の見通しをどのように考えているのか、お伺いをいたします。 ◯砥出主税局長 我が国の景気の先行きにつきましては、社会経済活動を継続していく中で、景気の持ち直しが期待されるものの、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向など、下振れリスクも指摘されております。  また、今後、ウクライナ情勢の悪化が長期化した場合、原油だけでなく、小麦などの穀物やアルミニウムをはじめとする金属等の安定的な供給が懸念されており、コスト上昇によって、令和四年度の企業収益が低下する可能性もございます。  こうしたことから、令和四年度の企業業績の影響を受ける令和五年度以降の都税収入の中長期的な見通しにつきましては、楽観できないものと認識しております。 ◯松田委員 中長期的な見通しは、楽観できないというご答弁でありました。  ただいま財務局長に都財政の見直しを伺い、そして税収の見通しを主税局長にお伺いをいたしました。今ご答弁あったとおり、増収だからといって安穏としていいわけではありません。今回の危機をはじめとして、いつ何どき何が起こるか分からない状況であります。  さらに、これから東京都は、風水害、震災対策で少なくとも十年間で二兆円の支出があると見込まれており、さらに高度経済成長期に多く整備をされた都有施設の維持更新費用、これが今後三十年間で約三兆円かかるといわれております。  また、少子化、そして高齢化、人口減少、こういった中で、社会保障費も今後三十年見通したときに約十四兆円がかかってくるといわれております。将来を見据えて、危機感を持って、東京都の責任者として、知事には取り組んでいただきたいと思います。  そして、知事には、この事業の峻別、そして無駄をなくすという取組、今後どのように進めてまいるのか、お伺いをいたします。 ◯小池知事 東京の経済、これを再生、回復させる、そして今、世界の都市間で熾烈な競争がございます。それに勝ち抜くというためには、まず時代の大きな潮流を捉える、それから、今、大きなテーマは、グリーン、デジタルとなっております。持続的な成長につながる分野に時機を逸することなく、ここは大胆に投資をしていくという必要もあるかと考えております。  こうした考えの下、今ご審議いただいております令和四年度の予算ですが、脱炭素化、そしてDXの推進に重点的に財源を振り向けたところでございます。  また、都内の経済を支える中小企業の稼ぐ力の向上、国際金融都市の実現など、成長戦略の強化にも積極的に取り組んでおります。  一方で、財源が限られているわけでございまして、見直すべき事業についてはしっかりと見直す、このことが不可欠です。  そのために、歳出の精査はもとより、評価制度をさらに進化させてまいります。そして、無駄をなくすと同時に、施策の新陳代謝につながりますので、それを一層強化いたしました。  これからも、東京の成長と成熟の両立に向けまして、ここは戦略的かつ重点的な施策の展開を図るとともに、社会変化を踏まえた不断の見直しを徹底するなど、常に申し上げてまいりました。めり、そして張り、これの利いた持続可能な財政運営を行ってまいります。 ◯松田委員 今年度はグリーン、デジタルに力を入れて無駄を排していく、こういったご答弁でありました。無駄を排していくのは当然のことであります。これからも取り組んでいただきたいと思います。  一方で、今回のコロナ禍、ウクライナ危機を受けて、都民の生活を守るためにも使うべきところにはしっかりと使っていく、このことも併せて申し述べさせていただきます。  また、無駄を削減する一方で、東京都の税収自体を上げていく取組もやっていかなければなりません。そのためには、コロナ禍で停滞をしてしまっている海外からの資本を呼び込む、また、東京に来たい、そういった企業も増やしていかなければなりません。  先ほど知事のご答弁にもありましたが、成長戦略、これを描くには、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備する、そのために設けている国家戦略特区制度など様々な施策を組み合わせて、それぞれが連動していくことが重要であると考えます。こうした展開に向けて、都のご意見を伺います。 ◯児玉政策企画局国際金融都市戦略担当局長 都は、特区制度を活用したビジネス環境の整備を促進しており、MICEやインキュベーション施設などを伴う多様な都市再生プロジェクトを推進し、国際競争力の強化を図っております。  こうしたビジネス環境を活用し、外国企業の積極的な誘致を推進しており、来年度は、デジタル化の進展などの状況変化を踏まえた、戦略的な広報展開を図ります。  また、スタートアップの創出、成長に取り組む東京コンソーシアムの機能を強化するため情報プラットフォームを構築するほか、大学等を主体とした様々な取組とも緊密に連携を図ります。  例えば、都市再生プロジェクトでは、これまでに提案した案件の合計で約二十一兆円の経済波及効果が見込まれると試算されています。  引き続き、これらの取組を通じて、東京の成長戦略として稼ぐ力の向上に努めてまいります。 ◯松田委員 今、非常に大きなお話をさせていただきましたが、東京都にある企業の九九%が中小企業になります。この中小企業が自ら稼ぐ力、これをバックアップするのが、東京都の役割であると思います。  コロナ禍から東京の経済を回復させていくには、この中小企業を元気にする、とりわけDX、先ほど知事もおっしゃいました、力を入れていく、この推進が必要であります。各管理業務などをデジタル化することで生産性も向上いたします。  しかし、限られた資金で成長に向けた一歩が踏み出せない場合も多いと聞いております。  我が会派においては、代表質問において、実態を踏まえたきめ細やかな支援を行うべきと質疑を行いました。デジタル化に資するソフトウエア導入の助成など開始しますよという答弁をいただいております。  そこで、改めて、中小企業のDXに向けてどのような支援を行っていくのか、詳細を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都はこれまで、中小企業が生産性を高めるために、専門家から助言を受け、最先端のデジタル技術を導入する場合に、その経費について最大三分の二まで、三百万円を上限に助成をしてまいりました。  来年度は、コロナ禍において中小企業がDXに取り組む必要性やデジタル機器などの活用ニーズが高まってきていることから、支援規模を大幅に拡充いたします。
     また、社内の業務運営の効率化に向けて様々な事務のデジタル化に必要となる経費への支援を開始いたします。  具体的には、会計処理等の事務手続をデジタル化するソフトウエアの購入などについて、百万円を上限に小規模事業者などに最大三分の二の助成を行います。  こうした取組を通じまして、中小企業におけるDX化を後押しすることで、生産性の向上につなげてまいります。 ◯松田委員 今、坂本局長から具体的なご答弁をいただきました。  特に、デジタル化するソフトウエアの購入に百万円上限で三分の二、こういった細やかな支援というのは非常に重要であります。  この中小企業のDX化に向けては、都が個々の企業の実態を踏まえた、きめ細かい支援をしていくという、今お話でありました。  しかしながら、東京の経済は、地域ごとに異なる多様な産業の集積に支えられております。個々の企業に対する支援だけではなくて、地域や産業の集積に注目したデジタル化の支援を行うことによって、より大きな成果が期待をできます。  かねてから我が党が申し上げております、区市町村との連携が非常に重要であると申し上げておりますが、この区市町村による地域の産業特性を踏まえたデジタル化の取組を後押しするべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都内の各地域で、中小企業がデジタル化を進め生産性や競争力を高めることができるよう、地域の実情に詳しい区市町村を通じて支援を行うことは効果的でございます。  これまで都は、区市町村が地域の特性を踏まえて産業振興の計画をつくり、様々な施策を実行する場合に必要な経費について支援を行ってまいりました。  来年度は、地域の抱える課題をAIやIoTなどのデジタル技術を用いて解決を図る中小企業の取組等について支援を行う地元の自治体を三十選び、サポートを行います。  具体的には、各自治体の支援経費に対し、都が三分の二の補助率で最大四千万円の助成を行います。  これによりまして、区市町村を通じて中小企業のデジタル化を効果的に進め、地域産業の活性化を図ってまいります。 ◯松田委員 今、具体的に区市町村の支援ということで、三分の二の最大四千万、三十自治体というご答弁をいただきました。これ、もっともっと力を、初年度ですので、まずここから、そして、もっともっと力を入れていただきたいと要望いたします。  この区市町村と連携して、デジタルを後押しする、そして、デジタル化で中小企業を活性化させる、その意味では、都は、二〇二〇大会の需要を広く波及させるために、組織委員会などの発注情報をサイト上で提供するビジネスチャンス・ナビ、これを立ち上げて運営してまいりました。我が党はこれまでも、一層の取組拡大を求めております。オンラインで情報を発信しマッチングする取組は、コロナ禍でも非常に有効であります。  来年度は予算規模も拡充されておりますが、ビジネスチャンス・ナビ、本来の目的である商談の成立件数の増加に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 東京二〇二〇大会の開催に向けつくり上げたビジネスチャンス・ナビには、これまで約三万九千社が登録をしております。(「少ない」と呼ぶ者あり)登録をした企業は、このナビを使い様々な発注案件を調べ、オンラインによる商談を行うことができ、都はこうした取組を通じて受注機会の拡大を後押ししてまいりました。  来年度は、商談後の契約をオンラインによって行う機能を設けることといたします。これによりまして、発注案件を調べて商談を行い契約を結ぶ、一連の全ての過程をシステム上で進めることができる仕組みをつくり上げてまいります。  また、新たに民間の営業体制を活用して、受注と発注のニーズを掘り起こし、これをビジネスチャンス・ナビを通じ商談成立に結びつける後押しを行います。  こうした取組によりまして、中小企業の販路開拓を着実に支援をしてまいります。 ◯松田委員 来年度からは、このビジネスチャンス・ナビによって契約まで行く一連の流れをつくるというご答弁がありました。ただ、今ご答弁していただいたときに、これまで三万九千社が登録、少ないという声も上がりました。これ、どうして少ないのかというと、やはり視点が欠けているところがあるのではないかと思います。  都の発注に関しても、この公共調達に関しても、積極的に登録を目指していくべきであります。拡大のためにはこういった視点が必要であることを要望して、次の質問に移ります。  次に、オープンデータの取組についてお伺いをいたします。  平成二十七年第四回定例会におきまして、私は、公共データが官民問わず利用され、住民の利便性向上や新産業の創出が図られていくためには、都が保有するデータを極力利用されやすい形で増やしていくべきと指摘をさせていただきました。そして、その上で、オープンデータの取組をどのように進めていくのかと質問をしました。  その際、データの利活用の基盤づくりをはじめとしたオープンデータ化を推進していくと当時の中西総務局長からいただきました。先日、総務局に伺ったところ、質問当時わずか二十三ファイルであったそうでありますが、そこから、総務局内でも年間二千八百ほどファイルを増やしていったということでありました。  そして、その後、新たにデジタルサービス局を都は立ち上げられました。全庁的にDX化を進める中、オープンデータの活用の重要性はますます高まっております。データを活用して、新たなサービスを創出できる環境を構築していくことが重要であると考えますが、小池知事の見解を伺います。 ◯小池知事 オープンデータを活用した行政課題の解決、そして民間の新サービスの創出に向けまして、都では現在、防災、また、まちづくりなど、計約五万件の行政データを公開しております。  来年度はより一層の利活用を進めると、そのためにラウンドテーブルでの民間事業者の意見やシビックテックの声などを踏まえまして、ニーズの高いデータの公開を進めるとともに、オープンデータカタログサイトのアクセス性の向上など改善を続けてまいります。  また、オープンデータ・ハッカソンについてでありますけれども、サービスの実装に向けた支援件数の拡充を図りますほか、海外に向けた情報発信などを強化するということで広く参加者を募りまして、多様なサービスの創出につなげてまいります。  こうした取組を通じまして、官民協働でデータの利活用を一層推進し、まさにこれがオープンデータですけれども、都民のニーズやライフスタイルに合ったサービスが提供される豊かな社会の実現を目指してまいります。 ◯松田委員 ご答弁いただきました。今、約五万件をオープンデータ化し、豊かな社会の形成に向けて取り組んでいるというご答弁でございましたが、あれから七年たって、ここまで進んできたことに改めて御礼を申し上げます。  さて、私の地元の板橋区では、区議会議員の方が率先をして板橋区のオープンデータを活用して、小学校ごとの人口動態や地域の医療機関、保育園などをマップに落とし込む、こんな取組も行っております。板橋区のデータだけでも、これだけのことができますが、区市町村よりもさらに多くのデータを有する東京都が、区市町村でも推進をしているオープンデータの取組に対して、都としてのノウハウの提供、イニシアチブを取ってほしいとも伺っております。また、いろんなデータの、エクセルだったり、ファイルの違いとかもあります。こういったことを都が牽引をして引っ張っていただきたいと思っております。  そこで、区市町村のデータ利活用をさらに促進するためには、都が区市町村との連携、そして民間事業者に対して、データ整備に向けた支援をしていくべきだと考えます。これまでの取組と、今後どのようにさらに進めていくのかを伺います。 ◯寺崎デジタルサービス局長 都は、これまでのデータ利活用の取組で得られた知見を自治体や民間事業者へ展開していくこととしております。  今年度、全区市町村を対象に行った調査では、オープンデータ化への加工の手順が分からないなどの多くの声が寄せられました。こうした課題の解決に向け、都では現在、利活用しやすいデータへの変換ツールの利用方法等をまとめたマニュアルの作成を進めております。  来年度は、区市町村との協議会等で、本マニュアルの普及啓発を進めますとともに、新たに民間事業者が保有するデータについても、都のデータ整備のノウハウを広く共有する取組を開始いたします。  これらの取組によりまして、ニーズの高いデータを官民相互で利活用しやすい環境を整え、多様なサービス創出につなげてまいります。 ◯松田委員 来年度からは、今まで区市町村と連携していたのを、民間事業者のデータについてもノウハウを共有していくというご答弁でありました。先ほど、知事が、まさにこの官民一緒になって共同でやっていくのがオープンデータだというふうにおっしゃいました。ぜひ、その取組をこれからもさらに一層進めていっていただきたいと思います。  このオープンデータについて様々な取組がなされてきたことを今確認しましたが、これをさらに多くの分野で活用していくことは非常に重要であります。  その一つが観光産業であります。今コロナ禍で観光業界、非常に痛手を受けております。例えば、この観光事業者が活用しやすいデータを提供して、その利用を促すということは重要であります。  こうした観光産業におけるオープンデータの活用について、これまでの取組、そして、今後さらにどうしていくのかを伺います。 ◯坂本産業労働局長 都はこれまで、外国人旅行者の訪問した場所や消費額などの統計データについて、観光事業者等が利用できるようにオープンデータの形で提供をしてまいりました。  来年度は、事業者が必要な情報を速やかに検索し、表示された内容を容易に分析できるよう、グラフや表を用いたダッシュボードのサイトを新たに構築いたします。  また、今年度、スタートアップと協力して新宿区内の観光スポットなどを掲載したデジタルマップを作成したところでございます。このマップの閲覧状況を基に、年度内には旅行者の関心等をオープンデータとして公表いたします。  さらに、来年度はセミナーを開催し、これらのオープンデータをマーケティング等に活用する方法を紹介いたします。  こうした取組によりまして、観光事業者の新たなサービス展開を後押ししてまいります。 ◯松田委員 オープンデータの利活用ということで、これからバックアップをしていただくということでありましたが、コロナ禍でなかなかデータが、観光ですので集まらないということもあると思いますが、苦しんでおられる観光業界、側面から少しでも力になれるよう、これからもよろしくお願いを申し上げます。  次に、知的財産の保護について伺います。  この件に関しては、本会議をはじめ、私いろいろな機会、この都議会で取り上げさせていただいてまいりました。革新的な技術やアイデアを持っているスタートアップ企業、これが事業拡大を目指すには、他社との差別化を図って、大学や大企業とのオープンイノベーションに取り組む必要があり、その取組を実行するには、知財の活用戦略を定めて、経営の一部に取り入れた事業経営を行うことが重要であります。  都は、中小企業の知的財産活用のための東京戦略、この改定を約十九年ぶりに進めておりますが、その中ではスタートアップ企業に対する知的財産支援を強化するとしておりますが、具体的にどうしていくのか伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は、優れた技術等を持つスタートアップの事業展開を後押しするため、知的財産の計画を改定し、重点的な支援を開始いたします。  具体的には、知的財産の保護や活用を図る上で必要な法律上の知識を提供するセミナーを開催するとともに、特許の実務経験を持つ民間OBを活用し、取引を行う際の注意点に関し助言を行います。  また、弁理士や中小企業診断士等がチームをつくり、知的財産の活用を取り入れた経営戦略の策定をサポートいたします。  さらに、新技術を開発し特許化する取組にアドバイスを行うとともに、それらの取組に必要な経費の半分を一千五百万円まで助成いたします。  こうした取組によりまして、スタートアップの成長を支援し、その競争力の強化につなげてまいります。 ◯松田委員 スタートアップ企業というのは、なかなか知財というところまで思いが及ばない、そして、そこにお金をかけられないところがありますので、ぜひ東京都の力、産業労働局、これからも知財に関して、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  ここまで財政のところから、ずっと中小企業支援まで聞いてまいりました。これからも厳しい状況が続きますので、ぜひとも東京都一丸となって、守り立てていただきますようお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。  三月四日、蔓延防止等重点措置の二回目の延長が決定をされ、飲食店への時短要請など、これまでと同様の措置が継続をされることになりました。  今回の決定に関しては、感染状況を踏まえるとやむを得ないという声がある一方、光が見えない、一体いつまで時短を強いるのか、本当に夜のまちで感染が広がっているのかという事業者の皆様からの悲痛な声も多く寄せられております。  こうした行動制限を継続する都としては、都民、そして事業者に対して、今回の重点措置の延長に至った考え方を丁寧に説明をして理解をしていただくことが重要であります。  そこで、まず今回の重点措置の決定に当たって、都はどのように考え、そして国とどのような調整を行ったのか伺います。 ◯村松総務局長 都は、一月二十一日から飲食店への営業時間短縮要請などの重点措置を実施しまして、都民、事業者と一体となって、感染防止対策等に取り組んでまいりました。夜間滞留人口は措置開始前よりも減少しまして、新規陽性数は下降傾向にあるなど、一定の効果は現れてまいりましたが、高齢者を中心に入院患者や重症患者は高い水準で推移しており、医療提供体制は依然として厳しい状況にございます。  このため、新規陽性者数の一層の抑制を図り、医療提供体制の負荷を軽減する必要があると判断しまして、国に対して、近隣三県とも共同で重点措置の延長を要請いたしました。  また、飲食店の時短要請については、感染リスクの高い夜間滞留人口の抑制に効果があることなどから、継続することで国と調整を行い、専門家の意見を踏まえて決定したものでございます。 ◯松田委員 国とも調整をした上での重点措置の内容を決めたというご答弁でありました。  都はこれまでも、国に対して再三、オミクロン株の特性を踏まえた方針を明確化するように求めてきたと主張しておりますが、結局、国の方針は変わらず、現在も、これまでと同じように、飲食店の時短要請を継続しており、事業者は疲弊をしております。こうした状況にあるのは、都の要望が結実していないことが一因ともいえるのではないでしょうか。  また、要望事項の具現化を真に実現をしようとするのであれば、措置決定の数日前に要請文を送るだけでなくて──今回は三月四日に決定でしたが、都が要請したのは三月の二日でありました──例えば国の幹部とのパイプをつくって計画的に交渉を進めておくなど、調整や要望の手法を見直すべきではないでしょうか。ぜひ、小池知事にはリーダーシップを発揮して、要請事項の実現に向けて、今後、より戦略的に取り組んでいただくことを強く要望いたします。  その上で、こうして重点措置が延長されることになって、飲食店の皆様方には引き続きご負担をおかけすることになりますが、感染は止める、社会は止めないと、施政方針演説でも知事は明言されたのですから、漫然と行動制限を行うのではなく、どうしたら営業を続けることができるのかを真剣に考えていただきたいと思います。  今後は、社会経済活動の継続を重視した対応を検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 コロナとの闘いでございます。何より重要なのは都民の命と暮らしを守ること。今、ご質問の中にもありましたが、都はずっと、感染を止める、社会は止めないというその方針を掲げまして、先手先手に対策を講じてきたところであります。  都民の命を守るとともに、日々の暮らしを継続していくということから、大規模な会場を順次開設するなどワクチンについて追加接種の加速化に取り組んでいるのは、ご存じのとおりであります。  さらに、社会経済活動の停滞を招かないように、事業者に対してはBCPの策定やまた点検、テレワークの推進を働きかけるとともに、これらに対する新たな支援策を構築して、実施をしてまいったところであります。  漫然と行動規制をしているわけでありません。お話の飲食店では、現在、国において、ワクチンと検査を活用した新たな緩和策も検討されておると聞いております。都として、事業者の現場の実態に即した実効性のある仕組みとなるように、都から現場の声も含めて要請をしているところであります。これからも、感染防止対策と社会経済活動の両立に向け、全力で取り組んでまいります。 ◯松田委員 漫然と継続しているわけではないということでありましたが、もっと積極的に、都が率先して、私は取り組んでいただきたいと思っております。  今、BCP策定、テレワークとありましたが、飲食店でテレワークというのはどうやって行うのでしょうか。こういった間接的な支援ではなくて、我々に届いている飲食店の方からの、また、その他の事業者の方からの声も非常に切実であります。  例えば飲食店では、協力金をもらっているからいいというのはなくて、お店を継続しているからこそできる、しかし、一回止めてしまうと、なかなかそれを続けることが難しいという声も伺っております。  さらに、先ほども申し上げましたが、飲食店以外でも非常に厳しい業者がたくさんあります。先ほどの旅行業者もその一例であります。国を待たずして、都の独自の支援も検討すべきであります。都に対しては、国の方針策定や変更を待つだけではなくて、より積極的にアクションを起こして、現状を打開していく取組が期待をされております。社会経済活動の継続に向けて、都としてより主体的に行動することを強く要望して、次の質問に移ります。  先ほど、知事もワクチン追加接種、非常に重要というお話がありましたが、高齢者施設の入所者への追加接種について伺います。  都内の感染者数の状況は減少傾向にはありますが、依然一万人前後を推移しております。予断を許さない状況であります。こうした状況にあって、高齢者施設でのクラスターが今も発生をしています。もともと糖尿病や心疾患などの基礎疾患を有している高齢者がオミクロン株に感染すると重症化をし、病院への入院を余儀なくされるなど、医療体制のさらなる逼迫が懸念をされます。  また、施設内で感染が発生をすると、職員の就業制限によって、その後の施設運営も困難となってしまいます。そうした意味からも、一般の高齢者への追加接種を推奨、推進することはもとより、高齢者施設に入所されている方への早期接種は非常に重要であります。  先日の我が会派からの代表質問で、都は、高齢者施設の入所者に対して、ワクチンバスによる接種を今後増強するとの答弁がありました。  また、オミクロン株に感染をすると重症化リスクが高くなるのは、施設に入所している障害のある方も同様であります。  そこで、重症化リスクの高い高齢者施設や障害者施設の入所者への追加接種について、都としてどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、都内に約三千か所ある高齢者施設等の入所者への追加接種が早期に完了いたしますよう、区市町村に重ねて要請するとともに、施設の入所者等への接種状況をきめ細かく把握いたしまして、接種の前倒しを働きかけております。  また、高齢者施設や障害者施設の入所者等への接種を進めるため、ワクチンバスを来週から五チームに拡充し、延べ約百カ所の施設で接種する予定であり、高齢者施設につきましては、三月中旬には約九割の施設で追加接種が完了する見込みでございます。  さらに、先月末には移動が困難な高齢者や障害者の方が、車両に乗車したまま接種可能な会場を開設しておりまして、こうした取組を通じて接種をさらに加速してまいります。 ◯松田委員 三月中旬には、今、九割の高齢者施設で接種を終えるということでありました。  よく知事は、ワクチン接種と経口薬、これがやはり大事だということをおっしゃっております。次に、経口薬についてお伺いをさせていただきたいと思います。  現在、高齢や基礎疾患などの重症リスクを有する軽症者向けの複数の経口薬が実用化されていると聞いております。この経口薬、口から飲むやつですね、患者の負担が少なく、自宅で服用できるから有用であり、必要な患者が速やかに入手できる体制が重要であります。経口薬の現状と都の取組を伺います。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 経口薬は、国が所有をいたしまして、事前に登録した医療機関や薬局に配分をしております。都は、経口薬ラゲブリオにつきまして、東京都医師会等と連携し、三月三日時点で登録済みの医療機関約三千四百カ所、発注実績のある薬局約二千百か所を確保するとともに、先月承認されましたパキロビッドパックにつきましても、医療機関等に登録を働きかけております。  これらは供給量が限られ、在庫できる数が制限されるなどの課題がございまして、国に対しまして、確実な供給と流通体制の改善を求めております。  また、こうした輸入薬に頼らず、国産経口薬が早期に提供されますよう、治験協力の拡充などに取り組んでおります。 ◯松田委員 主に国の事業であるので、国のというご答弁が主ではありました。しっかりと、これ、都としても要望して進めていっていただきたいと思います。  次に、ポストコロナを見据えて、対応をちょっと伺いたいと思います。  これまで新型コロナの感染症の、振り返ると、医療機関でのクラスター発生は、その病院だけではなくて、その周辺の病院が診療を肩代わりする、このことによって医療システム全体に影響を及ぼしていく。特に中小病院、小さな病院では、クラスターが発生すると病院の機能停止につながりやすくなってしまい、地域医療に大きな負荷がかかって、医療が逼迫する要因となってしまいます。  その背景としては、中小病院の多くは感染対策の人的資源や経験に乏しい。また、対策が後手に回ってしまう。このような課題があります。このポストコロナの時代においても、そこも見据えて、感染症に対する中小病院や地域の対応能力の底上げ、この感染症対策に重要であると考えますが、都としての取組を伺います。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、東京iCDCに、医師や看護師などで構成をいたします感染対策支援チームを設置いたしまして、このチームが保健所と連携をいたしまして、新型コロナのクラスターが発生した医療機関等に、感染管理に関する指導助言等を行っております。  来年度は、大学研究者からの事業提案を受けまして、人的資源に限りのございます中小病院でのクラスター発生事例に着目をいたしまして、東京医科歯科大学と連携して、感染拡大要因の分析や効果的な対策等の検討を行ってまいります。  また、こうした分析等を踏まえまして、中小病院や保健所などを対象に、教育コンテンツの開発や講習会の実施など、地域における感染症への対応能力向上を図ってまいります。 ◯松田委員 具体的に、来年度からは医科歯科大学と連携をして、この人的支援もバックアップをしていくというご答弁でありました。このコロナの対策、本当に大事であります。どうかこれからも、福祉保健局の皆様だけではなくて、都庁全体として取り組んでいただきたいと思います。
     次に、オリンピック・パラリンピックのレガシーについて質問をしてまいりたいと思います。  まず、都立スポーツ施設の活用について伺います。  先般の代表質問におきまして、我が会派から、二〇二〇大会を契機に整備拡充されるスポーツ施設を活用して、積極的にスポーツ施策を展開していくように求めました。新規恒久施設の開業、既存施設の機能強化に加えて、今後はさらに、大会のレガシーを生かして、アーバンスポーツやパラスポーツの施設も誕生します。こうした様々な施設が都民に末永く親しまれ、愛されるものとなっていくためには、スポーツの利用だけにとどめておくのではなくて、レジャーなどの利用にも、様々な都民の利用ニーズに応えていくことが必要であります。  そのために、具体的に都はどのような取組をしていくのか伺います。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 四月以降、順次再開業を迎える各施設では、既に数多くの主要なスポーツ大会の開催が予定されているほか、各施設の特性を生かした多様な活用を進めてまいります。  例えば、海の森水上競技場では、広大な陸域を利用した音楽イベントやキャンプイベント、東京湾の雄大な景観を生かしたロケ地などのユニークベニューとしての活用を検討しております。  また、カヌー・スラロームセンターでは、国内唯一の人工スラロームコースを生かした激流でのラフティングや、静水面での水上遊具等によるレジャー体験の機会を提供してまいります。  今後とも、幅広い活用方策の検討を進め、スポーツ体験や健康づくりに加え、レジャーやエンターテインメントでの活用など、多様な価値を都民の皆様に提供できるよう取り組んでまいります。 ◯松田委員 都がスポーツ施設を整備することは、都民一人一人が健康で豊かに暮らせる東京を実現するための未来への投資であります。単に収支だけを問題にするべきではなく、様々な競技大会を観戦する機会を提供して、トップアスリートの熱戦に触れていただくとともに、幅広く施設を活用して、より多くの都民に使ってもらえるよう取り組んでいただければと思います。  次に、東京大会で整備をした施設の見学会についてお伺いをいたします。  新たに整備をした新規恒久施設をより多くの都民に知ってもらって、利用していただくためには、施設見学などの機会を設けることが効果的であります。  東京大会のときには、子供たちがアサガオを育てて、選手や関係者をお迎えいたしました。SNSでは多くの選手から感謝の気持ちが発信をされ、世界中で話題になりましたが、そうした東京の将来を担う子供たちにも競技会場に足を運んでいただきたい、見てもらいたいと思っています。  我が会派がかねてから主張してきた、東京大会の一周年記念行事の実施に合わせて、施設に足を運んでもらい、様々な体験をしていただくことが重要と考えますが、見解を伺います。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 多くの都民の皆様に施設に親しみを持っていただくためには、実際に施設を見て体験していただくことが有効であると考えております。新規恒久施設は順次再開業を迎えますが、再開業に合わせ、施設見学会や競技体験会等の実施を予定しております。  また、大会から一周年の時期には、大会の舞台となった新規恒久施設でも様々なイベントを行い、大会に協力した子供たちをはじめ多くの都民の皆様に参加いただきたいと考えております。  さらに、大会施設を巡るレガシーツアーも検討しており、これらの機会に施設を訪れ、体験していただくことによりまして、新規恒久施設が大会のレガシーとして都民に愛され、親しまれるものとなるよう取り組んでまいります。 ◯松田委員 新規恒久施設は大きなポテンシャルを持っております。実際に見て体験する機会を提供することで、都民に愛される施設になるように取り組んでいただきたいと思います。  ちなみに、大会を彩ったアサガオの種は、先日のオリ・パラ特別委員会でもご答弁いただきましたが、次の開催地であるパリに送られたということであります。東京からパリに、アスリートを思う子供たちの気持ちはしっかり届けられたことと思います。  ところで、大会一周年の時期は、いろんなイベントを行うということでありますが、その名称が、単に一周年記念行事ではなくて、この大会一周年を記念してメモリアルイベントですとか、アニバーサリーイベント、こうしたいろんなネーミングを、新たなネーミングを考えていただければと思います。  また、次のフランス大会につながるという意味でも、フランス語、知事もいろんな言語堪能だと思いますので、すばらしいネーミングをご検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、子供たちの施設の見学について、知事、いいですか。──いいですね。観戦について伺います。  東京二〇二〇大会では、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえて、多くの子供たちに予定をされていた学校連携観戦が、オリンピックでは中止になり、パラリンピックでは一部の希望する学校の子供たちの参加となりました。  大会から一周年という機会を生かして、子供たちにも、施設の見学、そして競技の観戦をしてもらうべきと考えますが、都の取組について伺います。 ◯藤田教育長 東京二〇二〇大会施設の訪問やアスリートの活躍を目の当たりにすることは、子供たちにとって貴重な体験となります。  都教育委員会では、来年度、都内公立、私立の全ての小中学校、高等学校、特別支援学校を対象に、友達と共に心を動かされる体験や思い出に残る様々な機会を創出し、子供たちの豊かな感性を育む取組を実施いたします。この取組を進めるに当たりまして、より多くの子供たちが参加できるよう、実施に係る経費を都が負担をいたします。今後、具体的なプログラムを作成するに当たりましては、関係する団体等の協力を得ながら、スポーツ観戦などを含め、多様なプログラムとなるよう取り組んでまいります。 ◯松田委員 ありがとうございます。  今のご答弁の中で、実施に係る経費ということでありましたが、これは、現地まで行く交通費、バス代ですとか、また、そこでかかる会場費ですとか、そういった費用も含むということで、教育長、よろしいですか。  ご答弁お願いします。 ◯藤田教育長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、実施に係る経費を都が負担するということでございますので、交通費等々、チケット代等々についても負担することになると存じております。 ◯松田委員 ありがとうございます。  本当にコロナ禍で、子供たちは修学旅行や林間学校なども、この二年間止まってしまっているところが数多くあります。施設見学のご答弁、教育長からいただきましたが、なかなか学校現場からは、安全を最優先というところから、子供たちの大切な学びの場であり、そして思い出づくりの場が失われてしまっていることは否めません。  こうした学校行事を感染症対策に気をつけながら、来年度できる限り行っていただくことをお願いいたします。  次に、パラスポーツについて伺います。  昨日も、北京のパラ大会、冬季パラでは、村岡桃佳選手が二つ目の金メダルを獲得するなど、非常に盛り上がりを見せております。  東京都は、この一月に、スポーツレガシービジョンの中で、パラスポーツの今後の取組として、幅広いパラスポーツの普及と人材育成、きっかけを提供、そして場所の確保、この三つを掲げられております。  現在、二〇二〇大会を契機に進められたこの取組を通じて、都民のパラスポーツの関心の高まり、そして障害のある方のパラスポーツ環境の充実など、多くのレガシーが芽生えております。  このレガシーを社会にしっかりと根づかせていくためには、都が積極的に取り組むことはもちろんでありますが、多様な主体とともに推進することが重要であります。  とりわけ区市町村による取組が不可欠であります。大会後、障害のある方からは、身近な場所でもっとスポーツを楽しめる機会が欲しいという声も届いておりますし、また、そのような場に誰でも参加できるようになれば、交流の促進や相互理解にもつながります。  身近な地域でのパラスポーツの取組が着実に進むよう、区市町村への支援を充実させることが重要であると考えますが、都に伺います。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 都はこれまで、区市町村におけるパラスポーツの取組を進めるため、施設のバリアフリー工事やパラスポーツの普及啓発事業、障害のある方向けの教室や大会などに係る経費について、二分の一の補助等を実施してまいりました。  障害のある方のニーズにきめ細かく対応するためには、日常生活を支える福祉、医療等の分野とスポーツとの連携が重要でございます。そのため、来年度は、さらにこうした関係者が協働して行う事業について、経費の三分の二を補助し、福祉施設等での障害の状況に応じたスポーツ活動の定着につなげてまいります。  また、地域の実情に応じて助言を行うアドバイザーを派遣いたします。  今後とも、地域におけるパラスポーツの取組が定着、発展するよう、区市町村と連携して取り組んでまいります。 ◯松田委員 区市町村への支援、二分の一から三分の二へとご答弁でありました。  区市町村が、それぞれの地域にある資源や人材をつないで、また、福祉や医療の現場の声も踏まえてパラスポーツ事業に取り組んでいくということは、とても効果的であると思います。都としても、区市町村における様々な分野間の連携を促しながら、積極的に支援を続けていただきたいと思います。  ここまでの質疑で、大会を契機に整備をされた施設の活用、パラスポーツの進展に向けて今後様々な取組を行っていくということを確認させていただきました。  我が会派では、大会のレガシーとして、国際大会の招致を求めてまいりましたが、その際にも、こうした新規恒久施設の活用やパラスポーツの振興といった視点が重要であります。加えて、東京大会が無観客開催となってしまったことを考えますと、東京で開催される国際大会をより多くの都民に実際に見ていただくことが必要です。  これらの視点も踏まえて、国際大会の支援を進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、東京二〇二〇大会を契機に、東京で数多くの国際スポーツ大会が開催され、東京のスポーツ振興や都市のプレゼンスの一層の向上が図られるよう、令和二年度から、国際大会の誘致、開催を支援する事業を開始いたしました。  具体的には、大会の計画策定費など誘致活動に係る経費や、競技会場の借り上げ、設営など大会開催に係る経費を支援するほか、PRなどに協力しております。  支援大会の選定に当たりましては、参加国数や観客数といった大会の規模などに加え、今後は、新規恒久施設をはじめとした都有施設の活用や、健常者スポーツとパラスポーツの連携、子供を含めた都民の観戦機会の確保などの取組も重視してまいります。  こうした観点も踏まえ、国際大会の誘致、開催を推進し、東京二〇二〇大会のレガシーを継承、発展させてまいります。 ◯松田委員 コロナ後には、再び多くの国際大会が開催されることが期待をされます。その際は、東京二〇二〇大会の競技施設を有効に活用するとともに、多くの都民が、オリンピック、そしてパラリンピック含めて、トップアスリートの活躍に触れられる場をつくっていただきたいと思います。  次に、選手の競技力向上について伺いたいと思います。  様々な国際大会の先には、次のオリンピック・パラリンピック、パリの二〇二四年大会が待っております。東京大会は今終わったばかりでありますが、選手の方々は、既に二〇二四年に向けて準備を進められております。  東京大会のレガシーとして、東京ゆかりのアスリートの競技力向上にも力を入れるべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 アスリートの活躍は、子供たちに夢を与え、都民のスポーツへの興味や関心を高めることから、競技力向上に取り組むことは重要でございます。  都はこれまで、競技団体等と協力し、ジュニア層の発掘、育成や、強化選手の合同練習会への支援など、東京のアスリートの強化を実施してまいりました。  今後は、大会に向けて構築してきた取組をレガシーとして生かしながら、競技団体がニーズに応じて支援内容を選択できるようにするなど、より戦略的に東京のアスリートの競技力向上を図ってまいります。  あわせて、競技人口の拡大にも取り組み、スポーツの裾野拡大を図ってまいります。  これらを通じて、ジュニアからトップまで総合的に施策を推進し、東京のアスリートの競技力を高めてまいります。 ◯松田委員 ありがとうございます。  オリンピック・パラリンピックは、終わったからといって規模を縮小していくのではなくて、競技人口の拡大、スポーツの裾野拡大、こんなことに努めていくというご答弁でありました。ぜひ引き続き取り組んでいただきたいと思います。  アスリートが国際大会で活躍をして、その先のパリの二〇二四年大会を目指していくためには、そこにつながる国内の選考大会も重要であります。ぜひこちらへの支援も、今後ご検討をお願いいたします。国際大会の誘致と併せて、積極的に国内大会、全国大会の開催を進めることで、アスリートの競技力向上や都民のスポーツ振興を一層進めていただきたいとお願いを申し上げます。  さて、東京二〇二〇大会では、日本人選手が金メダルを獲得して、君が代が流れる中、日の丸が上がるシーンに我々は感動をいたしました。また、先月行われた冬季五輪において、スピードスケートで金メダルを獲得した高木美帆選手は、君が代を聴けるっていうのは感慨深いもの、込み上げてくるものがあったと語り、目に涙を浮かべながら君が代を口ずさんでいる姿は印象的でありました。  子供たちにとって最大のスポーツイベントである運動会、体育祭、近年コロナ禍で今中止となっているところが多いですが、ここで、近年国旗掲揚を行っている学校が、私は少ないように感じております。我々が子供の頃は、運動会の冒頭で、国歌とともに国旗が掲揚されておりました。早くコロナが明けて、まず、運動会を普通の形でできることが一番でありますが、コロナ禍前でも、国旗掲揚を省略している学校が多く見受けられました。  国旗掲揚に、運動会に関しては、学習指導要領では、各学校が実施することの意義を踏まえて判断するのが適当であるとされておりますが、このオリンピック・パラリンピックの感動も踏まえ、知事は、運動会において、国歌とともに国旗を掲揚することの意義についてどうお考えでしょうか。 ◯小池知事 今、運動会について、国旗掲揚、国歌の斉唱、お尋ねがございました。  ご質問の中にもございましたけれども、これらの取扱いというのは、各学校で判断されるということにはなっております。  児童生徒の皆さん、いろんな機会を通じて、国旗・国歌に対する理解を深めていただきたいと、このように私は考えております。 ◯松田委員 以前、五年前、ここでも国旗・国歌については、少し質問をさせていただいて、そのとき、都立大学や都立看護学校では、学習指導要領外であるが、望んでいきたいとご答弁をいただきましたが、今回は学校ごとの判断というのは知事のお考えでございますね。知事としての、私はお考えをちょっとお伺いしたんですが。 ◯小池知事 お答えさせていただいたのは、都立としてどれぐらい進められるかということで、それらについては、今、国旗・国歌、それぞれが行われているというように理解しております。 ◯松田委員 ありがとうございます。  次に、工業高校への技術支援についてお伺いをいたします。  昨年十二月、東京ビッグサイトにおいて、技能五輪大会と障害者技能競技大会が、これ、通称アビリンピックといいますが、同時に開催をされました。様々な種目において、高度な技で競う姿はすばらしいものでありました。  技能五輪は、原則二十三歳以下の若手技能者がその技能レベルを競う大会でありますが、全国有数の大企業の社員の中で一緒に参加をしている各都道府県からの高校生の活躍が随所に見受けられ、特に、現職の工業高校の生徒が上位入賞を果たされました。  こうした生徒たちの活躍は、多くの若者に新たな意欲、モチベーションとともに好影響を与え、工業高校の魅力向上にもつながるものと考えます。  まず、教育長にお伺いしますが、高度IT社会において、東京の成長を支えるために、都立工業高校の生徒のものづくりの意欲、技術を一層向上していくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯藤田教育長 技術革新が急速に進む中、次代を担う高度なものづくり技術者の育成が求められております。  都教育委員会は、都立工業高校生が、最先端技術に関する理解を深めるため、顔認証システムに用いられるAIの仕組み等を学習する取組を行っております。  また、生徒がものづくりの奥深さを実感し、意欲を喚起するため、技能五輪全国大会出場者や木材加工の熟練技術者等との交流の機会を設けているところでございます。  今後、社会の変化に対応できる技術人材を育成していくため、全ての工業高校における課題研究の授業等において、民間企業による協力を得て、次世代自動車の開発プロジェクトに携わるなど、生徒が実社会との結びつきを実感しながら、より意欲や探求心を高める活動の充実を図ってまいります。 ◯松田委員 工業高校における人材育成の強化とともに、現在も深刻な人手不足となっている中小ものづくり企業における人材の確保も非常に重要であります。  東京は、城東地区や城南地区を中心に、生活雑貨や工業部品などを製造する中小のものづくり企業が数多く存在しており、これらの企業では、長年にわたって人材の確保が経営上の大きな課題となっております。  都はこれまでも、ものづくり企業の人材確保に向けて、機械や電気などの職業訓練の充実を図り、技能人材を育成するとともに、業界団体と連携した取組を行うなど、様々な支援策を講じてまいりました。しかしながら、人材不足の状況はいまだ改善せず、厳しさを増しています。  一方で、東京には、工業高校などを卒業した若者はもとより、ものづくりに興味を持ちながらも、職場のイメージがつかめない、そして就職に踏み出せない、そういった方もいらっしゃいます。  そこで、東京都がものづくり企業に対して、こうした若者などの必要な人材を幅広く確保できるよう支援をしていくべきでありますが、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 都は来年度、ものづくり企業が集積する城東と城南のエリアの経済団体やハローワーク、工業高校などと連携し、次世代の人材確保をサポートする新たな取組を開始いたします。  具体的には、工業高校等を卒業し、技能を有する人材やものづくりに関心を持つ若者など百名に対して、派遣就労により製造業等の現場を約一か月間体験できる機会を提供いたします。派遣期間中の賃金を都が負担することによりまして、多くのものづくり企業の受入れを後押しいたします。  また、そうした受入先の企業が、若者などを正社員として採用した後、技能の向上を図る研修等を実施した場合には、最大六十万円の助成を行います。  これらの支援によりまして、ものづくり企業の人材確保に向けた取組を促進してまいります。 ◯松田委員 一方、アビリンピックでありますが、全国障害者技能競技大会、こちらにおいては、障害の程度が比較的重い生徒が通う都立知的障害特別支援学校高等部普通科の生徒が、ビルクリーニング種目で金賞を受賞するなど、各学校の職業教育の成果が着実に上がってきていると思います。  障害のある生徒の可能性を引き出し、卒業後の就労につなげていくためには、普通科における職業教育のさらなる充実が不可欠であると思いますが、都教委の取組について伺います。 ◯藤田教育長 知的障害特別支援学校の高等部普通科においてはこれまで、就労先となる業界団体等の協力により、校内での実習や企業でのインターンシップを実施し、実践的な知識や技能などの習得を図ってまいりました。また、都教育委員会は、清掃技能などの検定を独自に実施し、学習意欲や技能の向上を支援してまいりました。  今後は、生徒の様々な進路希望の実現を図るため、インターンシップ先となる新たな職域の開拓を進めるとともに、各学校において、こうした様々な就労先で求められる力を習得できるよう、実習内容を充実してまいります。 ◯松田委員 特別支援学校における職業教育のさらなる充実、本当にお願いをいたします。  それと同時に、今度は雇う側、企業における雇用機会の拡大も進めていかなければなりません。  都内の障害者の就職件数は、近年順調に増加をしてきているところではありますが、昨年度は、コロナ禍の影響で、就職面接会などの多くの支援が中止になったことによって、平成二十一年度以来、十一年ぶりの減少となっております。  このまま障害者雇用が停滞することがないよう、来年度は、感染症の終息も見据えつつ、支援に一層力を入れていく必要があります。  このために、障害者一人一人の希望や実情に寄り添った就職支援を行うとともに、雇用機会の拡大に向けた取組を強化して、障害者雇用を促進していくべきと考えますが、見解を伺います。
    ◯坂本産業労働局長 障害者が、その能力を発揮して働き続けられるよう、都は来年度、相談体制の充実や企業とのマッチングの強化に取り組んでまいります。  具体的には、障害者の雇用に詳しい相談員や精神保健福祉士等の専門家を配置したサポート窓口を新たに開設し、きめ細かな対応を行います。また、マッチング機会の充実を図るため、ハローワークと連携し、約二百社の企業が参加する大規模な就職面接会を新たに開催いたします。面接会の会場では、特別支援学校の生徒が職業教育で習得した技能の実演や優れた職場環境づくりのモデル事例の紹介を行うことにより、障害者就労に対する企業の理解を促し、雇用の拡大と職場定着につなげてまいります。  こうした取組を通じまして、障害者雇用を着実に後押しをしてまいります。 ◯松田委員 来年度は二百社の、これはハローワークと連携して大規模な就職面接会を開催ということで、本当に、これは日本最大級ということでありますので、ぜひよろしくお願いします。  ただ一方で、先日も報道にありましたが、東京都の障害者雇用率が十七年連続全国最下位。これは東京の特性もあると思います。大企業が多い、そして特例子会社という制度を利用して軽度の障害者の方を雇っていくことによって、中小企業としては、なかなかその雇用率を達成するのが難しいというところがあります。  冒頭も、九九%が東京都は中小企業と申し上げましたが、その特性を考えた支援も、また今後検討していっていただければと思います。  次に、子供たちの通学路の安全についてお伺いをさせていただきたいと思います。  昨年の六月、千葉県の八街市において、下校中の児童にトラックが衝突をして五人が死傷する痛ましい事故が発生をいたしました。国からの通知を受けて、実施対象とされた区市町村立小学校において、学校、道路管理者、警察、この三者が合同点検を実施して、三月四日にその結果が公表をされたところであります。  そこで、都における合同点検の結果とそれを踏まえた都教育委員会の取組について伺います。 ◯藤田教育長 日々学校で学ぶ子供たちのため、通学路における安全・安心の確保に万全を期する必要がございます。  今回の合同点検により、都内四千四百九十七か所で事故防止対策が必要とされたところでございます。そのうち、区市町村教育委員会及び学校が対応する千九百三十六か所につきましては、通学路の変更や安全な登下校を学ぶ授業の実施、ボランティアによる見守り活動の強化等を進めております。  都教育委員会は、こうした取組をさらに推進するため、各学校における交通安全等の指導教員を対象とした研修を行うとともに、地域の人々による子供の見守り活動に係る経費の補助を行っているところでございます。  今後も関係機関と連携し、より一層の安全・安心の確保に取り組んでまいります。 ◯松田委員 都教委としては、東京都全体で四千四百九十七か所中、市区町村及び学校が対策をするのが千九百三十六か所、主に対策としては、通学路の変更などといったソフト面の対応ですということでありました。  では、次に、道路管理者として対応が必要な箇所数、そして具体的な対策について、建設局長に伺います。 ◯中島建設局長 合同点検の結果、道路管理者として対策が必要な箇所は、国道や区市町村道も含め千九百七十八か所、このうち都道では百十か所となっております。  都道につきましては、点検後、順次路側帯のカラー舗装化等の対策を進めているところでございまして、今年度中に約九十か所を完了させ、残る箇所も来年度速やかに対策を実施してまいります。  区市町村道においても対策が進められておりまして、都として技術的助言や市町村土木補助などを通じて支援してまいります。  今後とも、関係機関と連携し、通学路等の安全・安心の確保に積極的に取り組んでまいります。 ◯松田委員 建設局では、百十か所中九十か所カラー舗装化を進めていますと。で、今年度中に八割強が終わるというようなご答弁をいただきました。  今、教育庁、そして建設局、ご答弁いただいたんですが、残る警視庁に関しては、本日、警視総監が出席をされておりませんので、事前に資料をいただきました。警視庁が対応する箇所は、四千四百九十七か所中で千九十二か所ということで、昨年末までに、このうち四百八十二か所、約半分で横断歩道の新設、また、道路標示の整備などを行ったと伺っております。  ここで近隣県のデータを見ますと、埼玉県の対応必要箇所が四千五百八十一、神奈川県が五千百四十一、千葉県が四千四十四、人口比でいうと、この東京の四千四百九十七というのは、対策が進んでいたともいえることができます。  しかし、子供たちの安心・安全、今、キックボードとかいろんな対策が新たに必要になっているところもあります。今後も、教育庁、建設局、そして警視庁、連携をして、もちろん保護者と一緒になって子供の通学路の安全対策に取り組んでいただければと思います。  子供たちが活動する場所は、通学路だけではありません。そして、小学生、中学生だけでもありません。未就学児の安全も大切なことであります。  次に、通学路以外のところの取組について伺っていきたいと思います。  交通事故に限らず、子供たちが被害者となる犯罪というのは、後を絶っていません。これまで都は、区市町村と連携をして、地域の防犯活動の推進、防犯カメラ、こういった設置をはじめとした防犯環境の整備を進めてきました。安心・安全なまちをつくってまいりました。  この結果として、都内の犯罪認知件数は毎年減少し続けるなど、大きな成果を上げているものの、子供たちが被害者となる強制わいせつなど、犯罪認知件数は横ばい傾向にあります。社会的弱者である子供の安全・安心の確保に、より一層重点的に取り組む必要があります。  地域において、子供が学校以外の場所でも、安全に、そして安心して暮らしていくために、今後どのような防犯対策を取っていくのか、見解を伺います。 ◯小西都民安全推進本部長 都内の刑法犯認知件数は減少傾向にあるものの、小学生以下が被害者となる犯罪の件数はおおむね横ばいであり、子供の安全・安心に重点的に取り組む必要がございます。  都はこれまで、区市町村による通学路等への防犯カメラの設置を促進するとともに、町会、自治会、事業者等、地域の様々な主体による防犯活動を支援してまいりました。  来年度は、子供に対する犯罪が特に放課後時間帯に多い状況を踏まえ、新たに、塾や公園に向かう経路等に区市町村が設置する防犯カメラへの補助制度を創設いたします。  また、保護者の方の防犯意識をより一層高めるため、新たに商業施設等の事業者と連携し、店舗等において、子供の防犯対策に関する普及啓発事業を開始いたします。  今後も、区市町村や事業者等と連携し、社会全体で子供の安全・安心を守る取組を一層推進してまいります。 ◯松田委員 今、新たに区市町村に補助をして、防犯カメラ、今度、通学路以外、塾や公園、子供たちは活動するのはいろんなところがありますので、そういったところも力を入れていくというご答弁でありました。  今、三局、警視庁を入れると四局になりますが、各局が連携をしてやっていくことが、子供たちの安心・安全につながります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、オリンピック・パラリンピックレガシーを踏まえて、文化振興という点から、アート市場の活性化についてお伺いをいたします。  日本のアーティストは世界からの評価も高く、東京から優れた作品を創造する、このことは、東京の都市の魅力を高めることにもつながってまいります。  一方、美術品市場に目を向けると、日本は、世界全体の約三%、非常に小規模であるために、拡大の余地があると考えます。  東京都は文化戦略を示されましたが、この中でも、アート市場の拡大について触れられております。アーティストが、作品の収益で新たな作品を生み出せるようなサイクルを回し、アート市場を活性化させるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 日本では昔から、床の間に掛け軸をかけたり、世界的にも有名な盆栽という芸術文化があります。それを日常の暮らしの中に取り込んできて楽しんできたという歴史があります。  こうした歴史を踏まえまして、今回策定する文化戦略の中において、新たに「アートのある生活」プロジェクトを掲げておりまして、今も東京で生み出されているアート作品を身近に置いて親しむと、飾って親しむということができるように、誰もが気軽に手に入れられる機会の創出に取り組んでまいるというものです。  豊かな感性を持つアーティストがつくり出す作品を所有するということは、日常の生活に新鮮な喜びをもたらすだけではありません。アーティストにとりましても、その創作活動の支えになったり、また、次の作品制作へのモチベーションにつながっていって、これがまさに最大の支援ともなるわけであります。  魅力ある作品が、多くの人々に購入されて、親しまれるということで、新たな創造につながる好循環をつくっていく。東京の芸術文化の振興や、また、ひいては市場の拡大につながっていくということが、それがすなわち都市の成長に寄与することにもなるという、そういう考えであります。 ◯松田委員 今、コロナ禍で、外国からなかなか人が来られない、今、知事から盆栽のお話あったんですけれども、私も日本盆栽協会の国風展ですとか、あと、日本皐月協会の錦秋展などに伺うと、上野公園、また、東京都美術館で行われているんですが、外国の方、コロナ禍前は、来られると、ビューティフル、ワンダフル、本当にその一言に尽きるということをおっしゃっていました。日本の本当の文化をこれから発信するためにも、取組、ぜひ強化をしていただきたいと思います。  アート市場拡大、この取組を文化戦略で実行していくということを今確認しましたが、都民にとっては、アート作品の購入というのは、いまだ敷居が高いと思われがちであります。東京都現代美術館では、作品を書籍の形で手頃な値段で販売をするアートブックフェアという取組が始まっております。  今後、さらに、アーティストの作品を気軽に購入できるような環境を拡大していくべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯武市生活文化局長 都民が気軽に作品を購入する場として、東京都現代美術館で開催したアートブックフェアは、コロナ禍前には、四日間で、若手アーティスト中心に約三百組が参加し、三万五千人以上が来場するなど、多くの方々に作品をアピールする機会となりました。  今年度は、アーティストがアトリエで制作した作品をその場で購入できるイベントなど、作品購入のきっかけとなる民間事業への助成も開始したところでございます。  さらに、来年度は、ふだん敷居の高い都内のギャラリーをバスで周遊し、ギャラリストとの交流や作品の選び方を学びながら体験できるアートイベントを実施いたします。  こうした多様な取組を積み重ねながら、若い層や初めてアート作品を購入する層など、購入者の裾野を広げまして、アーティストの作品流通を活性化してまいります。 ◯松田委員 ありがとうございます。  今ご答弁いただいたようなイベントを通じて、アート作品の購入の裾野が広がる、ひいてはアート市場が活性化されることが重要であります。  アーティストにとって、作品購入は収益が強化されるだけではなくて、作品の価値向上をもたらすという側面もあります。  東京都現代美術館では、新進気鋭の作家を含めて多くの現代アートの作品を収蔵しております。アート作品を美術館が収蔵するということは、アーティストの評価にもつながり、それが積み重なることで、日本の現代アートの底上げにもつながってまいります。  今後も、海外で活躍できる可能性を秘めているアーティストを発掘し、良質なコレクションを形成していってもらいたいと思います。  海外で活躍できるアーティストの発掘も重要でありますが、一方で、地域に目を向けると、都内には、数多くの魅力的な芸術文化団体があります。このような団体の活動を支援していくことも、東京の芸術文化を振興していく観点から重要であります。  先日の第一回定例会代表質問において、我が党の質問に対して、都は、新たな助成を開始し、まち中を舞台として展開をされる事業や、伝統芸能や祭りなどの地域の文化資源を活用した事業などを重点的に支援する、こういう答弁がありましたが、新たな助成では、具体的にはどのような文化事業への支援を想定しているのか伺います。 ◯武市生活文化局長 新たな助成では、より多くの芸術文化団体等の活動が後押しできますよう、複数の団体が企画、実施に関わることを要件といたしまして、波及効果の高い比較的大規模なイベント等への支援を行う予定でございます。  具体的には、おはやしや神楽などの無形文化財の保存会が地元の町会等と協力して開催する地域の文化イベントですとか、複数の芸術文化団体が実行委員会を組織してまち中で開催するフェスティバルやアートプロジェクトなどを想定しております。 ◯松田委員 コロナによって、いろんな地域活動、芸術活動、文化活動が止まってしまっています。このコロナ後、ウイズコロナになるのかもしれませんが、それを見据えて、ぜひ積極的に支援をしていっていただきたいと思います。  地域の伝統文化というのは、本当に大切なものであります。そういったところも、今ほとんど、多分皆様方も行かれると、役員だけで催事を行うところもあれば、なかなか地域に開放できない。ぜひ、このコロナ後を見据えて取り組んでいただきたいと思っております。  このお祭りや文化、イベントというのは、多くの人を地域に呼び込むことができます。そして、宿泊や飲食、買物などの消費も生まれてきます。このために、観光振興という、こういった観点からも、東京の多様な文化を効果的に生かして、旅行者誘致につなげていくこと、このことは重要であります。  こうした観点から、都は今年度から、日本文化を活用した観光振興について取り組んでいただいておりますが、観光施策での文化活用について、来年度どのように取り組んでいくのか伺います。 ◯坂本産業労働局長 東京の観光振興に向け、地域の身近な文化を活用し、旅行者誘致に結びつけることは重要でございます。  このため、都は、各地の観光協会などが文化芸術団体と連携し、伝統芸能や現代アートなどを活用した観光イベントを行う場合に、その経費の二分の一を最大一千万円まで助成をしております。  来年度は、新たに小中高生が地域の文化などを学ぶモニターツアーを実施いたします。区部、多摩及び島しょ地域から、それぞれ一つのエリアを選び、地元と連携し、文化体験等のツアーを最大九件行います。さらに、これらにより得られた成果を基にマニュアルを作成し、各地域での取組につなげてまいります。  こうした施策によりまして、文化を生かした観光振興を着実に進めてまいります。 ◯松田委員 今、コロナ後の文化活動、そして観光に向けて、この地域活動を活性化するという観点で、生活文化局、そして産業労働局にそれぞれお伺いをしました。  コロナ禍前は、いろんな助成金を利用して、町会、自治会が実施をする盆踊りや餅つき大会、地域の子供の絵画や書道などの展覧会、作品展、行われたり、おはやしなどの無形文化財の保存会が主催をする公演など、様々な地域で多様な活動が行われてまいりました。  しかし、残念ながら、コロナ禍で、多くの地域の文化イベントが中止、延期を余儀なくされています。毎年のお祭りが行われないことで、楽しみにしている子供たちやお年寄りなどが本当に残念な思いで、直前に中止になっちゃったよという光景を何度も目の当たりにしております。  都は、文化や観光など、コロナ後を見据えて、また、ウイズコロナの中で、それぞれの目的や特性に応じて効果的な支援を行って、人々を元気づけ、地域を盛り上げていくべきであります。  そこで、東京都各局で行っている地域振興の取組をさらに拡充をしていくべきと考えますが、小池知事の見解を伺います。 ◯小池知事 都内各地を舞台に展開されております伝統芸能、そしてお祭りなどの行事、イベントというのは、これまでも歴史の中で育まれた貴重な文化といえます。そして、それを次の世代へ継承するという役割を果たすだけではありません。地域に観光客を呼び込む、お祭りでおみこしを担いでいる人、時々外国人を見かけたりするわけですけれども、参加する住民同士の絆も深めるのは当然ですけれども、様々な面で地域振興に大きく貢献もいたしております。  都ではこれまで、文化振興、観光振興、そして地域コミュニティの活性化など、様々な観点から、多様な人々や団体による地域での取組を後押ししてきたのはご存じのとおりであります。  今後も、都民に身近な区市町村と緊密に連携を図って、地域の実情やニーズを踏まえ、目的や対象に合わせたきめの細やかな助成などで、地域振興につながる多様な取組を支援していきたい、このように考えております。 ◯松田委員 ありがとうございます。  今、おみこしのお話もありました。このおみこしも担げなくなってから、もう二年たとうとしております。盆踊りも本当に地域、地域で行われておりました。そういった行事、知事も参加をされていたと思いますが、ぜひ復活をして、そして、地域振興に東京都としてより一層の支援をしていただくことを心よりお願いをいたします。  続いて、高校生の医療費助成についてお伺いいたします。  再来年の令和五年度から、都が実施をするとする高校生の医療費助成について、来年度予算案には、区市町村のシステム改修費として七億円が急遽計上をされておりました。これについて、本来、区市町村が実施主体であるにもかかわらず、区市町村との事前の調整が全くなかったことから、各区市町村からは、苦情や今後の制度、財源についての問合せが相次いでおりました。  都議会自民党としては、そうした状況を受け、都として制度や財源に責任を持つべきと、過日の代表質問で訴えたところ、都は、義務教育就学児の医療費助成を参考にしながら、今後、区市町村と意見交換して整理すると答弁をされましたが、区においては、一〇〇%区の財源で行っている義務教育就学児の制度を参考にするとなると、明らかに区の予算や財源に関わってまいります。  来年度予算案に計上されているシステム改修経費七億円を審議するためには、高校生医療費助成の制度やこの財源をどうするのか、都の責任の下ではっきりと示すことが大前提と考えます。見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は、令和五年四月に高校生相当年齢を対象とする高校生等医療費助成制度を開始することを目指し、来年度予算案に計上している区市町村のシステム改修経費を十分の十で補助することとしており、先週、制度についての基本的な枠組みを示しました。  具体的には、年齢的に接続する義務教育就学児の医療費助成を参考に、都と区市町村の負担は二分の一とし、所得制限や一部自己負担の仕組みを導入する考えであります。  ただし、全ての区市町村で早期に実施されるよう、令和五年度からの三年間、都の負担を十分の十として区市町村を支援することとしております。  今後、事業の実施主体である区市町村との意見交換等で、区市町村のシステム改修経費の内容など、実施に当たっての具体的な課題も含め、丁寧に調整を進めてまいります。 ◯松田委員 次に、中央卸売市場について質問します。  これまで都は、十次にわたり、卸売市場法に基づく整備計画を策定し、順次市場の整備を進めてまいりましたが、その後、流通環境の変化等を踏まえて、平成三十年の卸売市場法の改正によって、法律に基づく整備計画という仕組みは廃止をされました。  しかし、都民生活を支える中央卸売市場が、将来にわたってしっかりとその役割を果たしていくためには、都が長期的な視点から計画的に市場運営に取り組み、着実に実行して改善を図っていくことが不可欠だと考えます。  豊洲市場移転の際は、知事とこの場でいろいろ議論をさせていただきましたが、都内十一か所に整備をされてきた市場は、それぞれ規模や立地が異なるなどの特色を持っており、今後、都が市場運営の土台になる市場施設の整備を進めていく際には、こうした特色を生かして整備を行っていくことが重要であります。  今般、都は、中央卸売市場の経営計画案を策定しました。その中で、市場施設の計画的な維持更新を掲げておられます。それぞれの市場が特色を生かして、老朽化した施設の維持更新はもとより、各施設の機能強化につながる、この整備を進めることが重要と考えますが、見解を伺います。 ◯河内中央卸売市場長 中央卸売市場は、都民の消費生活を支える基本的なインフラであり、その機能を将来にわたって維持し、強化していくことが重要でございます。  このため、経営計画案では、まず、施設規模や築年数等に応じて、各市場を類型化した上で、施設の劣化度等を踏まえ、計画的な維持更新を行っていくことといたしました。  加えて、流通環境の変化に対応するため、各市場の立地や品ぞろえなどの特徴を生かして、相互に補完することにより、都内における生鮮品等の供給体制を最適化できるよう、各市場の機能強化に向けた整備を行うこととしております。  こうした取組を通じまして、中央卸売市場が、今後も都民に対する円滑で安定的な生鮮品等の供給を確保する役割を着実に果たしてまいります。 ◯松田委員 今ご答弁いただきました経営計画案の実行に当たっては、それぞれの強みを生かして、施設整備をしっかりと進めていただくようお願いをいたします。  先月の末、二月二十八日、ちょうど一週間前、板橋市場は、開場から五十周年を迎えました。板橋市場は、道路交通の利便性の高い流通業務団地に立地をしております。区部北西部の生鮮品の流通の拠点としてポテンシャルを多く秘めております。  一方で、施設の老朽化が進んでおり、施設の建て替えを含めて着実に進めていく必要があります。経営計画案では、板橋市場について、施設の再整備を視野に入れて、物流拠点として機能強化を図る、こう書かれておりますが、板橋市場の機能強化に向けた今後の具体的な取組について伺います。 ◯河内中央卸売市場長 板橋市場は、首都高や外環道などへのアクセスに恵まれ、区部北西部における道路ネットワークの要衝に位置しており、その立地の優位性等を生かし、産地からの集荷や他市場との連携など、広域的な物流拠点としての機能を発揮することが重要でございます。  このため、こうした機能の強化に向けて、今月中に業界と都による検討会を立ち上げ、板橋市場の稼ぐ力の強化に資するビジネスモデルとそれを支える施設整備の方向性について、具体的な検討に着手いたします。  今後、産地や実需者からのより一層の支持が得られる市場となるよう、板橋市場の機能強化に向けて取り組んでまいります。
    ◯松田委員 今月中に、業界と都による検討会を立ち上げるとのご答弁でありました。まずは、当事者間同士、そして、市場当局さんと、将来を見据えて検討して、ある段階からは、ぜひ、地元の町会の方や、すぐ近くに新河岸の工業団地がありますので、こういった方々も一緒になって、高島平の方にも愛される地域の拠点として整備をされるように取り組んでいただきたいと思います。  このコロナ禍によって消費が落ち込む中にあっても、板橋市場、業界の皆さんは、感染防止対策を徹底して、市場流通を止めないように、懸命に事業継続に当たってきていただいております。こうした真摯な努力を続けている板橋市場の業界の皆さんが、未来に向けて希望を持ちながら、日々の業務を安心して続けていかれるようなしっかりとした将来像を取りまとめていただくようお願いをいたします。  次に、東京港の物流機能強化についてお伺いします。  東京港は、日本一のコンテナ貨物取扱数を誇る国際貿易拠点であります。海と陸をつなぐ物流の結節点としての重要な役割を担っていますが、季節や時間帯によって、ふ頭周辺で交通混雑が発生していることが長年の課題となっております。昨年、我が会派でも視察をさせていただきました。  都は、一部の港湾でも導入が進みつつあるデジタル技術などを東京都においても積極的に活用して、コンテナターミナルの運営をより一層効率化させることで、スムーズな港湾物流を実現させるべきと考えます。今後の取組について伺います。 ◯古谷港湾局長 取扱貨物量が今後も増加することが予想されております東京港において、円滑な港湾物流を実現させるためには、デジタル技術を積極的に活用して、コンテナターミナルでの貨物の搬出入作業を効率化させることも重要でございます。  このため、都は来年度より、荷主やトラック事業者等が利用する物流の情報プラットフォームとターミナルの運営システムとをデータ連携させる取組を公募により選定して進め、トラックへの貨物引渡し等に関する手続の簡素化や時間短縮を図ってまいります。  また、ターミナルの荷役機械の遠隔操作化を進め、貨物の搬出入作業の効率化、短時間化につなげてまいります。  今後とも、都は、港湾物流に関係する事業者と緊密に連携しつつ、ふ頭への最先端技術等の導入を進めることで、交通混雑を緩和し、港湾物流の一層の円滑化を推進してまいります。 ◯松田委員 首都圏四千万人を支える東京港の役割、これからさらに重要になってまいります。さらなる効率化、また、簡素化、このことによって、物流の円滑化に努めていただくよう、お願いを申し上げます。  次に、再生可能エネルギー導入に向けた支援策についてお伺いをいたします。  先日の本会議において、環境施策に関して様々な議論がされました。今回、知事が環境とデジタルに力を入れているということもありまして、非常に環境に多く予算を配分されております。  私は、再生可能エネルギー導入拡大に向けた事業者支援という立場から質問をさせていただきます。  近年の気候危機の一層の深刻化によって、環境に対する民間事業者の意識は非常に高まっております。事業活動で使用する電力の一〇〇%再エネ化を目指すRE一〇〇宣言企業は年々増加をしております。  ゼロエミッション東京の実現に向けて、東京都は、こうした機運の高まりを捉えて、事業者に再生可能エネルギーの導入を積極的に支援していくことが重要であります。  都は、事業者の再エネ設備設置に対する取組意欲などを踏まえながら、支援策を展開すべきと考えますが、令和四年度はどのような取組をするのかお伺いいたします。 ◯栗岡環境局長 都は、事業者の再生可能エネルギーの自家消費を促すため、令和二年度から開始した地産地消型再エネ増強プロジェクトにつきまして、今年度は、年度途中に予算額に達したことから、十二月に三億円の補正予算を編成いたしました。  今年度開始した都外に再エネ設備を新設し、再エネ電力の大量導入を進める事業者向け支援につきましては、事業者から多数の問合せとともに、導入地域への貢献策等に関する調整も進めていると聞いてございまして、取組意欲の高さがうかがえるところでございます。  こうした事業者のニーズの高まりを受け、来年度はこれらの事業につきまして、太陽光発電設備の規模に換算して、今年度の約六千キロワットから約一万六千キロワット相当、予算額約二十二億円まで支援を拡充し、事業者の取組を加速させ、二〇三〇年カーボンハーフを目指してまいります。 ◯松田委員 今ご答弁いただきました今年度のお取組、途中で予算がなくなったので、今年は積み増しして、来年度はさらに拡充していく、一般的な家庭の設置をされている太陽光発電、一世帯を五キロワットと仮定すると、今年度が千二百世帯、来年度は三千二百世帯という拡充になるということであります。  これまでも都内の再エネ設置支援、同時に導入する蓄電池も補助対象としております。このレジリエンスの向上に資するものであります。また、都外への再エネ設備の導入支援については、導入する地域への貢献策を補助条件とする、このことは、昨年の予算特別委員会で、我が会派からの要望を踏まえ、実現をされたものであります。  都には、事業者が地元自治体と緊密なコミュニケーションを図りながら進めていくことを、引き続き誘導していただきたいと思います。  来年度の民間事業者への支援も、こうした点を踏まえながら、積極的に展開するように要望して、次の質問に移ります。  続いて、障害者支援でありますが、障害者が住宅で長く暮らしていく中で、いずれ直面すると考えられるのが、障害の重度化、そして、自身や介護者の高齢化であります。自身の障害の状態が急に変化した場合、また、介護者が急に病気になった場合、いざというときに相談に乗ってくれる場所、緊急の受入れを行ってくれる場所、いわば最後のとりでとして身近な地域に存在をするということは、障害者及びその家族にとって大変心強いものであります。  地域で生活をする障害者やその家族の状況の変化や緊急事態にも対応し、障害者が地域で生活を継続できるよう、地域生活を支える拠点機能が身近な地域に整備をされることが重要と考えます。  都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は、障害者が地域での生活を継続できるよう、相談や緊急時の受入れ、一人暮らし体験などの機能を備えた地域生活支援拠点を令和五年度末までに、各区市町村に少なくとも一つ以上整備することを目標としております。  拠点を整備いたしました区市町村は、令和元年度末の十一から、令和二年度末には二十一となっております。さらに取組を進めるため、来年度からは緊急時受入れ等の機能を担う待機入所施設に有資格の支援員を配置するなど、体制の整備に取り組む区市町村を支援してまいります。 ◯松田委員 今ご答弁いただきましたが、障害者が地域で安心して過ごせるよう、我が会派では、二年前、地域生活支援拠点の整備の重要性を指摘させていただきましたが、このたびその整備促進に向けて、都として、さらに力を入れるということ、ぜひよろしくお願いいたします。しっかり進めていただきたいと思います。  本定例会には、令和四年七月の都立、公社病院の独法化に向けて、中長期の目標のほか、関連議案が提出をされております。我が党は、民間病院との差別化を図りつつ、各病院が提供する医療の特徴を際立たせて機能強化すること、地域医療の充実に貢献していくことが都民の期待する都立病院の独法化と主張してまいりました。  独法化後、行政的医療をはじめとした都立病院の医療がどうなっていくのか、都民の一番の関心があるところだと思いますので、改めて確認をしてまいりたいと思います。  この機能強化ということは非常に重要なことで、行政的医療の充実は欠かせません。独法化すると経営効率が優先となって行政的医療が縮小するというような主張もありますが、これまでの議会での議論で、知事は、行政的医療の充実強化とそのための経費は確実に措置すると何度も答弁をされてきました。  独法化後は、機動的、安定的な人材確保など、柔軟な運営ができるメリットを生かして、行政的医療をはじめとして、都民の求める医療を充実強化できるものだと思っております。今までの医療強化の継続だけではなく、各病院の特徴を明確にしながら、しっかりと充実をして、都民の期待に応えていただきたいと思います。  こうした中、島しょ地域では医療資源が少ないことから、島民の方々は、独法化によって島しょ医療が充実することに期待をしているという声が我が党に届いております。特に、広尾病院で治療を受ける島民は、がん患者が多いと聞いております。退院後の療養生活を安心して送れるということは、島民の大きな関心事となっております。  独法化のメリットを生かして、島しょ地域に対する支援の強化充実を図っていくべきでありますが、都の見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 都民の誰もが、住み慣れた地域で安心して療養生活を送ることができる環境整備に都立病院が貢献していくことは重要でございます。このため、独法化後は、そのメリットを生かし、民間とも柔軟に人事交流できる制度の構築やDXの活用により、島しょ地域に対する技術支援を行ってまいります。  具体的には、島しょの診療所や訪問看護ステーションに看護師を一定期間派遣し、同行訪問等により、在宅療養等に必要なケア技術に関する指導助言を行うこと、また、ICTを活用して、退院した患者の診療情報を診療所等との間で共有し、ウェブカンファレンスを通じてリハビリや投薬に関する助言を行うなど、退院後の安全・安心な療養生活を支援してまいります。さらに、島しょ医療機関との間で5Gを活用した遠隔医療を推進するなど、島しょ医療の一層の充実に貢献をしてまいります。 ◯松田委員 広尾病院の機能充実だけではなくて、島しょ地域における地域包括ケアシステムの構築に向けても、ぜひ率先して貢献していっていただきたいと思います。  また、高齢化の進展に伴って、都内でも脳血管疾患や心疾患患者の増加が見込まれております。退院後の療養生活を見据えると、治療後の継続的な急性期リハビリテーションの提供が重要とされています。  そこで、こうした課題に対しても、独法化のメリットを生かして着実に対応すべきですが、都の見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 脳血管疾患や心疾患については、患者のADLの維持や後遺症を軽減するため、発症初期から退院まで切れ目のない治療が重要で、早期退院を求める患者のニーズも高まってございます。  このため、独法化のメリットを生かし、柔軟な勤務制度等を構築することにより、人員体制を強化し、急性期リハビリテーションの一層の充実を図ってまいります。  具体的には、豊島病院では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を増員し、急性期における集中的かつ専門的なリハビリテーションを休日にも切れ目なく実施することとしており、患者の早期の機能回復やQOLの向上を図ってまいります。 ◯松田委員 私の地元の板橋にある豊島病院でも、独法化によって人員を増強して、急性期リハビリの充実を図っていくというご答弁をいただきました。  各病院の強みをさらに伸ばして、医療を充実強化させることができるのが独法化であり、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、都立、公社病院の担う医療の中でも、行政的医療の最たるものとして感染症医療があります。  独法化後も、都立病院は独法化のメリットを生かして、現下のコロナ禍のような緊急事態に率先して取り組む必要があり、今回の中期目標において、災害時の緊急事態への対応が明記されたことを評価いたします。  今回のコロナ対応では、どの病院でも、対応できる人材の確保など体制整備には苦労していると聞いております。コロナのような有事の際に機動的に対応するためには、平時からの人材育成が重要であります。  独法化後はそのメリットを生かして、職員のモチベーションを向上させながら、緊急時に備えていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 今回のコロナ対応を踏まえますと、全ての都立病院で、日頃から感染症の専門的知識を有し、即戦力となる看護師等を多数確保していくことが重要でございます。  このため、独法化後は、法人全体の取組として、感染症対応力向上のプログラムを策定し、訓練を受けた看護師等を計画的に確保してまいります。プログラムを修了した看護師等に対しては、独法化のメリットを生かした新たな手当を継続的に支給することを検討しており、職員のモチベーションを維持向上しながら、新たな都立病院の感染症対応力をさらに強化してまいります。  また、緊急時には、育成した人材を十四病院のスケールメリットを生かしながら、機動的に集約し、戦略的に配置することで、効果的な医療を展開してまいります。 ◯松田委員 コロナへのさらなる対応ですとか、いつ起こるか分からないこの新たな感染症に備えるためにも、独法化のメリットを生かして、対応力を強化していってもらいたいと思います。  次に、水道局に伺います。  東京水道の歴史は、徳川家康が小石川の水を引いたところから始まります。  都は、明治三十一年の近代水道創設以来、百二十年間、都民生活と首都東京の都市活動を支えるライフラインとして、水道施設の整備、拡張を繰り返してまいりました。  大正十三年に整備をされた境浄水場や、高度経済成長期、昭和三十五年に給水を開始した東村山浄水場は、今でも現役の浄水場として都の水道の一翼を担っています。  将来にわたって安定給水を保つためには、こうした施設の維持管理が必要であります。特に、水道施設の根幹をなす浄水場で、一たび大規模事故が発生すれば、都民生活への影響は甚大であります。高度成長期に多く造られた浄水場の更新、これから始まってまいりますが、今までにない大規模な事業になります。給水に影響を与えることのないよう、着実かつ計画的に進めていくことが必要であります。  そこで、どのように浄水場を更新していくのか、また、令和四年度の取組について伺います。 ◯浜水道局長 浄水場の更新は、工事期間中においても安定給水を確保するため、浄水場の機能の大幅な低下を避けながら進めていくことが必要でございます。  このため、更新に着手する前に、大規模浄水場の更新時に低下する施設能力相当の代替浄水場を整備いたします。  水道局では、二〇三〇年代から東村山浄水場の更新に着手する予定でありまして、代替浄水場として境浄水場を再構築するとともに、青梅市内に新たに浄水場を整備することとしております。  令和四年度は、境浄水場においては、一部施設の運用を継続しながら、既存施設の撤去工事を実施いたします。  また、新たな浄水場の整備に向けては、水処理実験により、最適な浄水処理方法を検討いたします。  こうした取組を着実に進め、強靱で持続可能な水道システムを構築し、将来にわたり安定給水を確保してまいります。 ◯松田委員 ありがとうございました。質問を終わります。(拍手) ◯三宅委員長 松田康将委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。    午後三時二十五分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時四十六分開議 ◯福島副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  後藤なみ理事の発言を許します。 ◯後藤委員 質疑に先立ち、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に対し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。  また、今なお療養中の方々におかれましては、一日も早いご回復をご祈念申し上げるとともに、医療従事者をはじめ、エッセンシャルワーカーの皆様には心から敬意を表するものです。  世界各国による軍事行動回避の呼びかけもむなしく、ロシアによるウクライナへの侵攻が現実のものとなりました。民間人や原発施設への攻撃も続いており、国際法違反の観点からも、人道支援の観点からも、断じて許されるものではありません。こうした事態に強い抗議の決意を込めて、本日この議場にいる都民ファーストの会の全ての議員がこのウクライナの国旗のバッジを胸につけて、参加をしております。  改めて、ロシアのウクライナ侵攻に対し強く抗議するとともに、ウクライナの人々の安全を守るため、国に対し人道的な対応を求めてまいります。  さて、新型コロナウイルス感染症との闘いも二年以上が経過し、都はこの間、都民、事業者を守るため、全国に先駆けて感染拡大防止協力金を創設し、そして医療体制の強化など、都度必要な対策を切れ目なく講じてきました。今なお続くコロナ禍、さらにはウクライナ情勢の影響による原油高等への対応など、不測の事態に対応するのはもちろんのこと、世界の金融投資残高の四分の一を占めるまでに急拡大をしているESG投資の流れなど、世界の潮流も踏まえ、「未来の東京」戦略ビジョンに掲げる政策を進めていくに当たって、いま一度、この都財政の現在地を確認する必要があると考えます。  そこで、改めて、令和四年度予算編成を終えた現時点での都の財政環境に対する認識を知事に伺いたいと思います。 ◯小池知事 まず、足元の税収でございますが、回復をしておりますものの、感染症による影響に加えまして、ご指摘の緊迫する国際情勢による経済活動への悪影響など、我が国の景気は様々な下振れリスクがあります。よって、今後の税収動向は楽観できない状況にあると認識しております。  一方で、コロナ対策や原油高対策はもとより、激甚化する自然災害への備え、そして熾烈な世界の都市間競争に勝ち抜くための成長戦略の展開など、現下の都政は様々な課題も抱えております。  そのため、令和四年度予算においては、今後の財政環境の変化にも対応し得るように、財政調整基金など、基金全体で約一兆円の残高を確保する。それとともに、今ございましたESG債ですね、こちらの発行規模を維持しながら都債の発行を抑制するなど、将来に向けた財政対応力を強化してまいります。  また、限られた財源で都政の諸課題に的確に対応するために、評価制度のブラッシュアップを行いまして、施策の新陳代謝にも積極的に取り組んでいるところです。 ◯後藤委員 今、知事のご答弁に都債の発行というお話がございました。この都債というのは、都財政を表す分かりやすい指標の一つだと思います。  時に都債は借金としても例えられておりますが、この都債の都の依存度を見てみますと、都は三・八%ということで、国の三四・三%、そして地方の八・四%という数字に比較しても、著しく低いというのが現状でございます。とはいえ、都民の立場に立てば、こうしたことをなかなか自分事として実感が湧きづらいというのが正直なところではないでしょうか。  小池知事就任以来、この都債とどのように向き合い、そして堅実な財政運営につなげ、今後どのような活用を図っていくのか伺います。  また、都債残高を、都民に分かりやすい、都民一人当たりの借金にいい換えると、現在はどのような状況なのか伺います。 ◯吉村財務局長 元来、都は、景気変動の影響を受けやすい不安定な財政構造にあることから、財源の年度間調整を図るため、都債や基金を戦略的に活用していくことも重要でございます。  こうしたことから、都債については、都税収入の急減やコロナ対策などの突発的な財政需要が発生した際には、必要な施策を確実に実施していくため、財源として積極的な活用を図ってまいりました。  一方、都税収入が好調な際には、財政環境の変化に備えて、発行抑制などにより、都債の残高を減少させているところでございます。  こうした取組によりまして、都民一人当たりの都債残高は、平成二十八年度の約四十万円から、令和四年度末見込みでは約三十六万円へと着実に減少させるなど、都民の将来負担の軽減を図っております。今後も将来に向けた発行余力を培いながら、財源として活用してまいります。 ◯後藤委員 都民の将来負担は年々減少しているというご答弁がございましたが、将来を見据えた財政運営を行うに当たっては、施策の新陳代謝というのも重要な要素となります。  振り返ってみれば、小池知事就任時に、各事業に終期が設定されるなど、事業評価もバージョンアップが図られ、積極的な施策展開を支える大きな役割を果たしてきたというふうに認識をしております。  政策評価との一体的実施というさらなる変化を遂げる事業評価について、施策の新陳代謝や財源確保といった観点から、どのような実績を上げてきたのか。そしてまた、令和四年度予算においてはどのような役割を果たしているのかについて伺います。 ◯吉村財務局長 事業評価は、自己改革強化の取組として、平成二十九年度予算から全ての事業に終期を設定し、評価時期をルール化するなど、終期の到来した事業の事後検証を徹底する仕組みを導入しております。その後、エビデンスベースによる評価など、新たな評価手法を取り入れたほか、政策評価との一体的実施により、成果重視の評価を実現するなど、改善を重ねております。  こうした取組によりまして、終期設定以降の六年間で、約五千八百億円の財源確保につなげているところでございます。  令和四年度予算では、DXによる業務効率化やQOSの向上の視点も踏まえ、事後検証を徹底したことなどにより、一千百十六件の見直し、再構築を行うとともに、五百六十八件の新規事業を構築するなど、施策の新陳代謝の強化を図っております。 ◯後藤委員 六年間で五千八百億円もの財源確保の一方で、五百件を超える新事業を構築されたということで、まさに小池知事が掲げる備えよ常にの精神が、この小池都政の財政運営にもしっかりと生きているということが確認できました。  その一方で、コロナ禍にウクライナ情勢と、最近の都政は不測の事態に立て続けに見舞われています。こうした中でも、都民、事業者を確実に守るため、着実な施策展開を支えられるかどうか、今まさに小池都政の財政運営の真価が問われている、そんな場面ではないでしょうか。
     ウクライナ情勢による原油高等への対応も含め、都政を着実に前進させる財政運営をどのように行っていくか、知事に強い決意を伺います。 ◯小池知事 新たな変異株の発生、そしてウクライナ情勢の急変など、状況は刻一刻と変化しております。財政環境の先行きも楽観視できる状況にはございません。加えまして、都には社会資本ストックの維持更新、増加する社会保障関係経費など、将来にわたって財政需要の増加が見込まれております。  こうした中にありましても、都民の負託に的確に応える、そのためには原油高対策を含めまして、喫緊の課題に対し、情勢の変化に応じて迅速に対処をする。それとともに、中長期を見据えて東京の未来を切り開くべく、都政の新たなステージへと力強く歩みを進めていかなければなりません。  こうした考えの下で、今後の財政運営に当たっては、施策の展開を支える強固な財政基盤を確保しながら、ワイズスペンディングの視点から各施策や事業を検証する、無駄をなくす、実効性を高めていく、その不断の努力を徹底していくことが必要でございます。  そのため、中長期的な財政需要も見据えながら基金や都債など、将来に向けた財政対応力の一層の強化を図るとともに、評価制度を駆使して、創意工夫を凝らすこと、そして施策の新陳代謝を促進してまいります。  いかなる財政環境の中にあっても、都に課せられた使命を確実に果たしていく、そうした決意を持って戦略的な財政運営を行ってまいります。 ◯後藤委員 いかなる財政環境でも、課せられた期待を果たしていくとの強いご答弁がありましたが、今回のウクライナ危機は、原油や小麦などの原材料価格のさらなる高騰や海外取引の停滞を招いており、都民や都内事業者への負担は日に日に重くなっていくというおそれがあります。  こうしたコスト高は、広く様々な事業者にも及びつつありまして、民間調査機関の分析によれば、実に約六割もの企業が今後の事業活動にマイナスの影響が生じているとしています。  このような困難な状況の中、ウクライナ危機から都内の様々な事業者を支えるため、知事がリーダーシップを発揮し、速やかに対策を講じていくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 ご指摘のように、今回のウクライナ情勢、これが経済に及ぼす影響というのは、私はもうプーチン・ショックともいうべき深刻な状況だと考えます。米国の原油の基準価格になるのがWTI、ウエスト・テキサス・インターミディエートというのがあるんですが、一バレル百三十ドルを超えるなどの原油高、そして小麦などの穀物価格の上昇への対応が必要な東京の事業者に対しまして、金融と経営の両面からの支援を迅速に展開する必要がございます。  このため、中小企業の経営の命綱となるのが資金繰りですが、その資金繰りを支える新たな融資メニューを創設いたします。農林水産の事業を円滑に進めていくために必要な新たな貸付けの仕組みも開始をいたします。  また、幅広く様々な業種の中小企業が原油の価格高騰を踏まえまして、省エネ対策を通じたコスト削減に効果的に取り組むことができるように、専門家の助言、また機器の導入への助成を行いまして、経営の効率化に向けたサポートを行ってまいります。  さらに、農家が栽培で行う肥料の経費負担を抑えるために、その効果的な使い方を助言をする、畜産農家が買い入れる飼料のコストを軽減できるよう支援を行うなど、きめ細かなサポートを開始いたします。  今後も、都内経済への影響の長期化なども見据えまして、さらなる対策について、スピード感を持って全力で対応してまいります。 ◯後藤委員 今まさに、このウクライナ危機に関しては、プーチン・ショックという形で表現をされておりました。そして、中小企業対策についてもしっかりと行っていくというご答弁がございましたので、少しこの中小企業への支援について掘り下げてお聞きをしてまいりたいというふうに思います。  ウクライナ情勢の変化で、原油価格の高騰の影響によるエネルギーコストの上昇は、様々な業種の中小企業の経営を圧迫していくものと想定されます。こうした企業の中には、コロナ禍で大きな影響を受けている小売業や卸売業なども含まれています。  こうした状況を踏まえ、都内中小企業に対して、コスト削減により経営改善を促すような支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 原油価格等の高騰により、エネルギーコストの上昇が見込まれる中、都は、中小企業の省エネによる取組を通じた経営改善を後押しする緊急的な対策を実施いたします。具体的には、今月から省エネ対策のアドバイザーや経営の専門家を企業の現場に派遣し、光熱水費等の削減に役立つ機器の導入や経営改善の助言を行います。  また、こうした助言に基づいて、高効率の冷凍冷蔵庫やエネルギーの使用量をリアルタイムで把握できる機器などの導入に必要となる経費について、その二分の一を、百万円を上限に助成をいたします。  こうした取組によりまして、厳しい経営環境にある中小企業の事業継続をきめ細かくサポートしてまいります。 ◯後藤委員 今のご答弁では、省エネ性能の高い機器について補助を新設するということで、ぜひ速やかな周知、そして事業の執行をお願いいたします。  次に、ウクライナ危機に関する農業支援について伺います。  都内では、現在一万人近くの農家が農業を営み、新鮮で安全・安心な農産物を都民に提供しています。こうした農家にとって、肥料は生産活動の基本ともいえる重要な農業資材です。  一方で、ロシアは化学肥料の原料の主要な産地とも聞いておりまして、この原料の供給が滞ることで肥料の価格が高騰し、そして農業者の経営を圧迫するということが懸念をされております。  都は、こうした状況を踏まえ、肥料の価格高騰の影響を受ける農業者の負担を軽減するための支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 今回のウクライナ情勢により、様々な資源の供給への懸念が生じ、それを原料とする化学肥料の価格が一層高くなる可能性もございます。このため、都は農家への影響を軽減するため、肥料の購入量を減らすことでコストの増加を抑える支援を行います。  具体的には、農業者に対し、民間の力を活用して農地の土壌に含まれる各種の養分の量を把握する診断を無料で実施いたします。さらに、この診断結果に基づき、生産現場を熟知した普及指導員が、土壌に適した肥料の種類や作物に合った使用量などについてきめ細かく助言を行います。  こうした取組を通じまして、農業者の経営の安定化を後押ししてまいります。 ◯後藤委員 肥料の省エネ対策ともいえる診断事業をスタートされるというご答弁がございました。また、先ほどお話にありましたような原油価格等の高騰は、都民の雇用や生活にも大きな影響を及ぼしかねません。  事業が深刻なダメージを受け、雇用の維持も難しくなる事業者が出てくることも想定される一方で、食料品や光熱水費などが上昇し、家計への負担が増すことも考えられます。  こうした中で、雇用と生活、この両面から対策をしっかりと講じておくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 ご指摘のように、今回のウクライナ危機におきましては、事業コストの増加による経営の悪化や、また物価の上昇などを通じて都民の雇用、そして生活にも大きな影響が生じることが想定されております。  このため、都は、就職特別相談窓口を開設しまして、離職を余儀なくされた方々に対して、早期の再就職に向けたサポートを実施してまいります。また、生活に困っておられる方の相談を広く受け付けるために、緊急生活相談窓口を設置しまして、適切な支援につなげてまいります。  今後も、経済や雇用への影響などを注視しながら、必要な対策を機動的に講じてまいります。 ◯後藤委員 今のご答弁では、就職特別相談窓口、そして緊急生活相談窓口、この二つの相談窓口が設置される、このようなご答弁でございました。各種相談窓口の新設においては、ぜひとも区市町村とも連携をしていただきまして、一人でも多くの方を支える体制整備をよろしくお願いをいたします。  また、ウクライナ情勢が緊迫する中、現在、世界中で企業や組織のサーバーダウン、仮想通貨の価格急落など、各所で混乱が生じているところであります。  特に、我が国の首都である東京がサイバー攻撃の標的になれば、指令機能の麻痺が懸念されます。加えて、都は新型コロナウイルス感染症の対応でも、多くの患者を受け入れる都立病院や交通システムをつかさどる警視庁、そして交通局などの社会的インフラに関わる部局も抱えており、これまで以上に都のセキュリティ対策の強化に向けた取組が重要だと考えます。  ウクライナ情勢を受けて、都としてサイバーセキュリティに関する対策をさらに厳重に進めることが重要だと考えますが、どのように進めていくのか、課題認識と併せて宮坂副知事に伺います。 ◯宮坂副知事 都では、私をトップとした東京都CSIRTを設置し、各局と連携して、インシデント発生時にも迅速に対応に当たる体制を整備しております。  今般のウクライナ情勢を踏まえた対応としては、国からの注意喚起を受け、都におきましても、サイバーセキュリティ対策について最大限の警戒態勢をしいております。  具体的には、国や警視庁等を通じ最新の情報を収集するとともに、全職員に対し、サイバー攻撃に関する注意喚起を繰り返し行うなど、インシデント防止を徹底しております。  また、区市町村と共同で運営する自治体情報セキュリティクラウドにつきましても、不測の事態に備え、委託事業者も含め、即応体制を整備するなど監視体制を強化しております。  サイバーセキュリティ対策には終わりがなく、複雑化するサイバー攻撃に対応できるよう、常に最新の技術を持って脅威に対応していかなければなりません。来年度には、新たに職員の対応能力向上に資する研修を実施するとともに、国や各局、区市町村と一層緊密に連携し、セキュリティ対策の強化に向け、不断の取組を行ってまいります。 ◯後藤委員 厳重な体制をしいていくということでございました。サイバー攻撃は、常に新しい技術との戦いであります。ぜひとも、民間での経験が非常に豊富な宮坂副知事を先頭に、ぜひ陣頭指揮を執って対応に当たっていただきたいというふうに思います。  加えて、都内企業におけるサイバーセキュリティ体制の強化も重要です。先日、トヨタ自動車は、国内全十四工場の稼働を三月一日に停止すると発表しており、日本政府の制裁措置に対するロシアの報復の可能性も指摘をされています。  都内中小企業に向けて注意喚起を行うとともに、サイバーセキュリティの向上を支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 今回のウクライナ情勢の中で、サイバー攻撃に対するセキュリティ強化の重要性が一層明確となったところでございます。東京の中小企業におきましても十分な注意を払い、対応を進めていくことは重要でございます。  このため、都は、多くの中小企業が被害を未然に防ぐことのできるよう、中小企業振興公社の事業を利用した企業向けのダイレクトメールや、都の専門ウェブサイトにより注意喚起を行ってまいります。また、国による対応窓口との連携強化を図り、よりきめ細かい相談等のサポートを行います。  さらに、都は来年度から、中小企業が社内にサイバーセキュリティ対策の体制をつくる取組を支援することとしておりまして、この開始時期の前倒しを図ります。  今後、サイバーセキュリティ対策の充実について、スピード感を持ち、機動的かつ弾力的に対応をしてまいります。 ◯後藤委員 注意喚起を行うというご答弁がございました。都内の中小企業者等などは、なかなかホームページを小まめに見ているわけではなかったりすると思います。ぜひともきめ細かに情報の周知をお願いしたいというふうに思います。  今回のウクライナ侵攻も含めた感染症や災害、そして気候変動など、不測の事態から都民の命や暮らしを守り抜くとともに、サステーナブルリカバリーやデジタルによる構造改革を実現し、将来にわたる東京の成長を確実なものにしていくためにも、この予算に掲げた政策を速やかに実行へと移し、効果を都民の皆様にいち早くお届けしていくことこそ、真の意味で、都民のための都政、都民ファーストの施策となるのではないでしょうか。  そこで、従来の発想から転換を図り、事業執行についても工夫を凝らすことで、都政のさらなるスピード化を図ることが必要と考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 都政を取り巻く状況が刻一刻と変化をいたしております。その中、東京が世界の都市間競争で生き残っていく、そのためには施策の効果を速やかに発現させて、都民、事業者の皆様に一日も早く、その成果を還元することが必要であります。  そのために、従来の年度単位の思考や実証実験の繰り返しから脱却をして、事業執行の迅速化を図らなければなりません。こうした考えの下、既存の計画を前倒しして実行するなど、スピード感を持って施策を進めるよう指示をして、来年度予算を編成いたしました。  具体的には、債務負担行為を活用しながら年度単位にとらわれないで、調査から工事までの期間を短縮して、早期の事業完了につなげていくということです。また、事業者等への補助につきましても準備を前倒しし、募集開始の迅速化を図ってまいります。  こうした取組を徹底して、都政のQOS、クオリティー・オブ・サービス、これをスピード面からも向上させていくということで、東京大改革を一段と加速してまいります。 ◯後藤委員 まさに今、ウクライナ情勢や新型コロナ対策など、刻一刻と変化をする状況だからこそ、タイムリーな事業執行が求められていると思います。ぜひ、どうぞよろしくお願いいたします。  そして、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により減少に転じていた都税収入は、令和元年以来の過去最大規模となる五兆六千三百八億円を見込んでいます。企業収益が改善傾向にあること、雇用就業対策が堅調に推移しているというふうに聞いていますが、多くの都民の実感とは乖離していることもあり、中身を見ていく必要があると考えます。  例えば、飲食、観光などのサービス業が減少している中でも伸びている業種、そして雇用環境が悪化している分野や職種がある一方で、人手が不足をしているという分野や職種もあり、コロナ禍を通じて、業種や職種等によって差が開いているというのが現状だと思います。  そこで、今後の都の財政状況において、都税収入の見通しをより詳細に見ていくことは重要ですが、コロナ禍の影響が長期化する中で、来年度予算案が令和元年度決算に次ぐ過去最大規模の五兆六千三百八億円となることの要因や、令和五年度以降の都税収入の見通しについて見解を伺います。 ◯砥出主税局長 令和四年度の都税収入の増加は、税収の約三割を占める法人二税の増が大きな要因となっており、これはデジタル需要や海外経済回復による需要の増加を背景に、IT関連産業や製造業等で業績が改善しているためでございます。  また、景気の先行きにつきましては、ウイズコロナの下で景気が持ち直していくことが期待されるものの、感染症による影響や供給面での制約、原材料価格の動向、国際情勢の緊張などによる下振れリスクが指摘されております。  令和五年度以降の都税収入につきましては、こうした景気動向に加え、国の税制改正等の動向も踏まえる必要があり、慎重に見極めていくべきものと認識しております。 ◯後藤委員 令和四年度の都税収入は増加をしているものの、長引くコロナ禍が経済に与える影響は甚大であると思います。  令和五年度以降の都税収入は、依然として予断を許さない状況であり、今後の景気動向や国の税制改正の動向を注視しながら、引き続き健全な財政運営に努めていただくことを要望しておきます。  次に、都の税制面について伺いたいと思います。  我が会派はかねてより、税制面からもサステーナブルシフトを後押しすべきと訴えており、令和三年第二定例会における代表質問において、小池知事から脱炭素社会の実現に向けた税制を検討する旨の答弁を得ています。  さらに、我が会派では、ゼロエミッション東京の実現に向けて、住宅をはじめとする建築物における対応が非常に重要であることを、本会議や住宅政策審議会などを通じて提案をしてまいりました。  今般、都が太陽光パネル付きゼロエミ住宅の導入促進のため、都独自の新たな減税となる不動産取得税の減免措置を取るとしたことを高く評価したいと思います。  一方、都内では、周囲に建築物がある場合など、特に太陽光発電設備の設置が合理的でない場合もあることが想定されることから、減免制度において適切な対応が必要だと考えますが、見解を伺います。 ◯砥出主税局長 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、住宅の脱炭素化を推し進めていくためには、補助や規制に加え、税制の活用も有効な手段の一つでございます。  このため、今回、太陽光発電設備の設置を通じた再生可能エネルギーの利用促進と、東京ゼロエミ住宅の普及を税制面から支援することとし、来年度から一定の要件を満たす新築の東京ゼロエミ住宅について、不動産取得税を最大で全額減免することといたしました。  制度の検討に当たりましては、東京の地域特性により日照条件が悪い場合があることなどを考慮いたしまして、断熱、省エネ性能が一定の水準以上にある住宅につきましては、太陽光発電設備を設置していない場合であっても、五割減免することとしたものでございます。 ◯後藤委員 太陽光発電設備を設置しない場合でも、断熱、省エネ性能が一定の水準以上にある住宅については、五割減免するとの対応を評価したいと思います。  今後も、公平性には十分配慮しつつ、ゼロエミッションを実現するために、ぜひとも強力な施策の展開を進めていただきたいというふうに思います。  次に、介護離職ゼロに向けた介護職員向け宿舎借り上げ支援事業の拡充について質問をいたします。  小池知事は就任以来、東京都から待機児童という言葉をなくすとの強い決意で様々な施策を実行し、令和三年度の待機児童は千名を切るなど、大きな実績を上げています。  ぜひ、保育の待機児童ゼロ実現の先には、介護離職ゼロに向けても大きく政策を進めていただきたいと思います。  介護離職ゼロに向けては、介護する人を支える介護従事職の支援強化も重要な課題です。こちらのパネルにありますように、東京都における介護業界の状況を見ると、深刻な人手不足の状況にあります。令和二年度の有効求人倍率は、全産業がこちら一・八倍というものに対しまして、介護職は六・一倍ということで、非常に困難な採用状況であることがうかがえます。  特に、東京は地価等が高く、平均賃金も、こちらご覧いただきますと、大きな乖離が、全産業平均年収と比較すると二百万円近くの差が生じているということもございまして、非常に人材確保に苦労しているというのが現状でございます。  二〇二五年には、三万一千人もの介護人材が不足をすることが見込まれており、超高齢化社会を迎える日本、そして東京において、介護人材の確保というのは喫緊の課題でございます。  特に、我が会派は、これまで都が実施してきた介護職員の宿舎借り上げ支援について、要件の厳しさや介護の現場で働く職員の待遇改善が必要だと考えまして、その大幅な拡充を昨年末の会派予算要望の最重点項目の一つとして強く訴えてまいりました。  そこで、かねてより目指してきた都の介護離職ゼロの実現に向けた知事の認識と、今後の都の介護人材対策における取組について、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 今後ますます高齢化が進展する中で、介護と仕事の両立というのは多くの都民が直面する課題であります。  介護離職のない社会を実現して、誰もが自分らしく輝ける社会をつくっていきたい、こう考えております。この強い思いから、昨年公表いたしました「未来の東京」戦略では、介護離職という言葉そのものが死語になっているということを、二〇四〇年代の目指す姿に掲げております。  その実現のためには、介護サービス基盤の整備に加えまして、サービス提供を担う人材の確保によって、介護を社会全体で支える取組が重要となってまいります。  都は、職場の体験や資格取得支援のほか、奨学金返済相当額の支給や宿舎の借り上げなどを行う事業者への支援など、様々な施策を展開いたしております。  また、国に対しまして繰り返し提案要求してまいりました介護報酬でありますけれども、今般、国において介護職員の賃金を月額で九千円引き上げるという処遇改善が図られたところであります。  来年度は、これまでの施策をさらに一層進化させまして、宿舎の借り上げの対象を福祉避難所の指定を受けた介護施設等に加えまして、区市町村と災害時協力協定を締結した事業所や、その他の在宅サービス事業所等にも拡大をいたします。  さらに、他の業界から未経験者の介護分野への入職や定着を促進するため、インターンシップから就業先のマッチング、そして定着まで一貫した支援を開始するほか、地域の実情に応じた区市町村の再就業の促進などの取組への支援も拡充をしてまいります。  こうした介護離職ゼロを目指す施策を着実に実施する、それとともに社会参加や健康の増進を図って、誰もが安心して暮らせる長寿社会を実現してまいりたいと考えています。 ◯後藤委員 今、知事からも介護離職が死語になっている世界をつくりたいという強いご答弁がありました。さらに、この宿舎借り上げ支援事業につきましても、拡充していくというご答弁がございましたので、さらに伺ってまいりたいと思うんですが、これまで小池知事は、待機児童対策についても、既に人の支援に光を当てて全ての保育士が利用できる家賃支援制度を創設いたしました。  一方で、介護職の宿舎借り上げ支援制度については、従来は、特に人材確保が難しい在宅系の介護事業者などが対象外となっておりまして、東京都における介護業界の人材確保という面からいえば、保育業界で活用されている宿舎借り上げ支援制度のように、多くの介護職が本制度を利用できるよう、幅広い事業者を対象にすべきであると考えています。  そこで、対象拡大が図られた介護職員宿舎借り上げ支援事業において、より多くの事業所で活用できるように取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 介護職員宿舎借り上げ支援事業について、都は来年度から、人材の確保、定着を一層図るため、訪問介護や通所介護など在宅サービス事業所等にも拡大をいたします。その上で、区市町村と災害時の協力協定を締結した事業所には、福祉避難所の指定を受けた場合と同様に補助率は八分の七といたします。  今後、事業所に拡充のポイントを分かりやすく周知するとともに、区市町村には説明会の開催や参考例の紹介などによりまして、協定の締結を働きかけ、より多くの事業所で活用されるよう取り組んでまいります。 ◯後藤委員 これまで対象となっていなかった訪問介護など、多くの職種も対象にしていただいたということは、介護現場においては本当に重要な画期的なご答弁だと思います。  これによりまして、最大で約七万円程度の住宅補助、暮らしの底上げにもつながるわけで、大変に期待をしたいというふうに思います。  そして、重ねて申し上げますが、この制度は全ての介護従事者が利用できる制度であってほしいと思っております。例えば福祉用具専門相談員は、日本介護クラフトユニオンの調査によれば、介護従事者全体平均に比べて四万円弱給与が低いというふうにいわれております。
     こうした処遇の低さが、業務への不満や離職につながっているという現状もございまして、ぜひ、こうした多くの職種に光を当てて、介護従事者がぜひ仕事に誇りを持てる、そんな環境整備を強くお願いしたいというふうに思います。  また、人材確保の部分で深刻な課題を抱えているのは障害者福祉事業者も同様であります。  本制度の拡充に当たっては、障害者福祉事業者にも対象拡充すべきと考えますが、都としての取組について伺います。 ◯中村福祉保健局長 障害者福祉サービス等職員宿舎借り上げ支援事業につきましても、先ほどの介護施設等と同様に、都は来年度から、人材の確保、定着を、一層促進を図るため、支援の対象を区市町村と災害時の安否確認等の協定を締結した事業者や、その他訪問系の障害福祉サービス事業所等にも拡大し、より多くの事業所で活用できるようにいたします。 ◯後藤委員 障害福祉サービスへも対象拡大ということで、ぜひ周知をいただきたいというふうに思います。  次に、子育て支援について質問をいたします。  先月、愛知でゼロ歳から五歳の子供三人を死亡させたとして、母親が逮捕されるという痛ましい事件が発生しました。当時、専業主婦の母親が育児ノイローゼで無理心中を図ったとされており、改めてワンオペ育児の孤独な子育てが世の中にクローズアップをされました。  コロナ禍の中、特に子育てに孤独を感じているのが在宅子育て家庭です。  共働き世帯などでは、保育所や勤務先など複数の社会との接点があります。しかし、在宅子育て家庭では、コロナ禍の中、孤独な出産、そして孤独な育児に加えて、つながりの場となる児童館なども制限をしていることが多く、精神的な負担から鬱や虐待につながるリスクもあるとされています。  さきの事件も決して特殊なケースではなく、二十四時間ほとんど子供と離れることができず、社会ともつながっていない状況では、協力者がいなければ、いとも簡単に精神的に追い詰められてしまうのが現状ではないでしょうか。  特に、在宅子育て家庭では、専業主婦だから家事や育児を一人で行うのは当たり前という風潮もあり、周囲に助けを求めることを諦めたり、恥ずかしいと思ったりする人も少なくありません。仕事の有無にかかわらず、育児は一人で行うものでなく、家族、そして社会全体で行っていくものであると考えます。  社会全体で孤独な育児をサポートしていく、そんな仕組みが必要です。  サポートの仕組みとして真っ先に想起されるのが、フィンランド発祥で、一家庭ごとに一人の保健師が継続してその家庭を担当し、妊娠から出産、子育てに関するあらゆる相談にワンストップで対応することができるネウボラがあります。  東京都は、妊娠、出産期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うため、とうきょうママパパ応援事業において保健師による面談事業を実施していますが、面談は出産前と一歳バースデーということで限定的ということもあり、ぜひとも継続して保護者に寄り添っていく、そんなサポーターの制度が必要だと考えます。  ネウボラのように、妊娠期から就学までを継続して寄り添い、子育て家庭を支援すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度、地域において妊娠期から就学前までの子育て家庭に寄り添い、様々な支援をコーディネートする人材を養成するため、とうきょう子育て応援パートナー事業を開始いたします。  具体的には、有識者や区市町村職員等で構成する検討ワーキングを設置いたしまして、この人材の位置づけや求められるスキル、支援に必要なアセスメント基準や支援プランの作成方法などについて検討いたします。  この検討結果を踏まえまして、養成プログラムを取りまとめ、保護者との関係性を構築するための面接技術や妊産婦を支える視点などを習得するための研修に活用し、区市町村の人材育成を支援してまいります。 ◯後藤委員 今のご答弁では、様々な支援をコーディネートする人材をまず養成していくということ、そして、これからその人材に求められるスキルや支援プランの作成などについても検討していくというご答弁がございまして、ぜひこのフィンランドのネウボラなども参考にしながら、多くの子育て家庭に寄り添っていただける、そんなサポーターの制度にしていただきたいと思います。  さきの在宅子育て家庭に挙げられるような孤独な育児を支えるために、保育園の在り方も変化をしていかなければならないのではないでしょうか。  特に、制度開設以来、大都市の保育ニーズに対応してきた認証保育所制度は、東京都の待機児童解消によって大きな転換点を迎えています。  今後は、保育園を単に子供を預かる、そういった施設から、地域の親子の福祉拠点として、どんな親子でも通える保育園にすることで、孤独な育児に悩む在宅子育て家庭も社会とつながれる、そんな拠点にしていくべきだと考えます。  認証保育所においては、例えば保育所に通所していない児童を週二回程度預かるなどして、保育認定を受けていない児童も対象としているこの特徴を生かして、未就園児の受入れなどにぜひ積極的に取り組めるようにすべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。 ◯中村福祉保健局長 認証保育所は、保護者と事業所の直接契約により、利用者本位のサービスを積極的に提供し、都民の様々な保育ニーズに対応しております。  都は来年度から、テレワークやパートタイムなど、保護者の就労形態の多様化や在宅子育て家庭のニーズにも柔軟に対応できるよう、運営費補助の対象となる利用時間をこれまでの一月当たり百二十時間以上から四十八時間以上に見直します。  こうした取組によりまして、認証保育所がその特徴を生かして利用者のニーズに的確に対応できるよう、今後とも区市町村と連携しながら支援してまいります。 ◯後藤委員 百二十時間以上から四十八時間以上に運営費補助の対象を大幅見直しということで、これまで以上に在宅子育て家庭の支援につながるのではないかなと思って期待をしております。  ぜひ今後も利用者の声に耳を傾けていただきまして、柔軟な制度の構築を求めたいと思います。  また、コロナ禍の孤独な育児は児童虐待の要因につながることもあります。  コロナ禍による在宅増もあって、児童虐待件数は増加傾向にあります。  そんな中、保護者対応の難しさなど、児童相談所の業務の厳しさがしばしば報道されるようになりました。  都の福祉職の応募状況を見てみますと、十年前の平成二十四年度は採用予定者数五名に対して九十三名ものお申込みがあったということですが、直近の令和三年度を見てみますと、採用予定者数三十人に対して申込みは八十名程度にとどまっているということで、児童相談所で働くことをためらう若者が多くなっているのではないでしょうか。  処遇の改善や育成、強化、そして児相業務のDX化など、児童相談所の人材確保、育成、定着について、より効果的な取組が必要と考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 増え続けます児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、意欲ある人材を継続的に確保することは重要であります。  都は今年度から、専任チームを設置し、採用活動を積極的に展開するほか、若手職員向けに職員住宅を借り上げるなど、人材確保に向けた取組を強化しております。  来年度は、トレーニングセンターを開設し、保護者等との面接スキル向上のためのロールプレーイングやゼミ形式の事例検討など、実践的な研修を実施いたします。  また、AIを活用して、電話での相談内容をリアルタイムでテキスト化するシステムを導入し、記録作成の負担を軽減するとともに、指導役の職員がその内容を閲覧し、その場で助言するなど、人材育成にも生かしてまいります。 ◯後藤委員 様々ご答弁がありましたが、DXの推進はもちろんのこと、重要なのは、この児相で、今まさに前線で戦っていただいている職員の皆様が何に困っているか、それを吸収し改善につなげていくことが一番の採用にもつながっていくというふうに考えます。  ぜひ、現場の意見を聞きながら、実効性の高い施策展開を求めたいと思います。  また、社会全体で孤独な育児をサポートするためには家事育児支援も重要です。  令和三年度に都が実施した調査では、男女の家事、育児関連時間の差は五時間二十分へと拡大し、コロナ禍において在宅時間が延び、家事総量が増加する中で、むしろ男女間の家事、育児の負担の差が深刻化しているという結果になりました。  そうした中で、我が会派では、男性の家事、育児時間を延ばすための取組に加えて、かねてより家事の効率化を実現するスマート家電の導入や家事代行サービス活用などの家事育児時間の合理化、いわゆる家庭のDXを促す施策を設けるように求めてきました。  我が会派の提案により、今年度初めて実現した出産応援事業、赤ちゃんファーストにおいても、子供一人当たり十万円相当の支援を行う中で、選択肢の中にスマート家電、いわゆるデジタル家電が導入されたのは重要な一歩であり、数多くの感謝の声が我が会派にも届いているところであります。  さらに、産後ケア支援の一つである家事育児サポーターの派遣についても、コロナ禍における感染対策の観点から、家に人を呼ぶのではなくて、スマート家電の力で家事負担を軽減することが極めて重要であると我が会派は支援の強化を強く訴えてまいりました。  都は令和二年度から、一歳を迎える子供を育てる家庭を対象に育児パッケージを配布する区市町村を応援していますが、まずはこの実績について伺います。  また、区市町村からは二歳前後も対象にしてほしいという要望もあると聞いているため、併せて見解について伺いたいと思います。 ◯中村福祉保健局長 都は、とうきょうママパパ応援事業のメニューでありますバースデーサポートにおいて、区市町村が健康診査など、行政が関わる機会が少ない一歳前後の子供がいる家庭を対象に育児パッケージを配布する取組を支援しております。  区市町村は、この取組を通じまして、子育て支援等の情報提供や家庭状況の把握などをしておりまして、昨年度は十四自治体が実施し、今年度は二十七自治体が交付申請をしております。  本事業を実施する中では、健診の間隔が長くなる二歳前後も対象にしてほしいという意見もあることから、より多くの自治体で取り組めるよう、来年度からは一歳前後または二歳前後のいずれかで実施できることといたします。 ◯後藤委員 育児パッケージの配布対象の要件を緩和していただくということで、二歳前後でも可能とすることについて評価をしたいと思います。  一方で、育児パッケージの配布以外にも、継続的に母子の状態を把握する機会を設けるべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度から、区市町村が子育て家庭の状況を把握する機会を増やすため、バースデーサポートの取組を拡充いたします。  具体的には、区市町村が一歳前後または二歳前後の子供を育てる家庭を対象に、親同士の交流会や専門職による相談の場の提供などを行う場合にも支援いたします。  この交流会等の案内時に、対象となる全家庭に対して育児に関するアンケートを実施することとしておりまして、これにより支援が必要な家庭を把握してまいります。 ◯後藤委員 来年度は、二歳前後の子供を育てる家庭を対象に交流会を実施するということで、まずこの実態把握の機会が増えたことについて評価をしたいと思いますし、先ほどご答弁にもありましたこのネウボラの仕組みのとうきょう子育て応援パートナー事業、これも継続的に母子や家庭全体をサポートする相談事業でもございます。  こういった重層的な取組を併せて行っていくことで、ぜひともこの取組の強化を行っていただきたいと思います。また、多くの自治体にも手を挙げていただけるように、ぜひともこの事業を継続的に働きかけをよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、ヤングケアラー支援について質問をいたします。  国の調査によると、中学二年生の五・七%、全日制高校生の四・一%の子供がヤングケアラーに該当するといわれています。  ヤングケアラーは、当事者となる子供自身や家族の間で問題として認識されにくいという困難さがあります。本来、中学生から高校生の世代は自身の個性や可能性を十分に伸ばす時期であり、人に投資する東京都としてもヤングケアラーの問題に向き合うことは重要です。  私たちの会派は、二〇二〇年三月の第一回定例会厚生委員会で、私、ヤングケアラーの問題をいち早く取り上げさせていただきましたが、その後も繰り返し提案を続けてまいりました。  都は来年度、ヤングケアラーの支援に踏み出すとのことですが、そこでまず、ヤングケアラーにはどのようなニーズがあるのか伺いたいと思います。 ◯中村福祉保健局長 国が令和二年度に実施いたしました調査では、家族の世話をしている中高生の約六割が周囲に相談したことがないと回答している一方で、学校や大人に求める支援については、話を聞いてほしい、進路や就職など将来の相談に乗ってほしいなどの回答がありました。  家族の世話の具体的な内容につきましては、食事の準備など家事の割合が最も高くなっておりまして、勉強する時間や自由な時間が取れないなどの影響が指摘されております。  また、都が今年度ヒアリングした元ヤングケアラーからは、ケアラー同士が話せる場や家事などを代替してくれる支援が必要との意見をいただいております。 ◯後藤委員 今のご答弁では、ヤングケアラーの当事者の方々から、相談できる場や家事支援のニーズがあるということが分かりました。  そこで、こうしたヤングケアラーのニーズを踏まえ、今後都として相談の場や家事支援など、社会的な支えを構築すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度、有識者や区市町村、介護や医療の関係機関等で構成する検討委員会を設置し、ヤングケアラーを把握するポイント、各機関の役割、連携方法、相談窓口の周知方法などを盛り込んだマニュアルを作成いたします。  また、家庭や進学等の悩みを元ヤングケアラーに相談できるピアサポートや経験を共有することができるオンラインサロンなどを行う民間団体を支援し、ヤングケアラーが気軽に相談できる環境を整備してまいります。  さらに、学習や部活動、友人との交流など子供らしい時間が持てるよう、民間団体が家事支援ヘルパーの派遣等を行う場合にも支援することとしておりまして、こうした取組により、ヤングケアラーを様々な面から支援してまいります。 ◯後藤委員 今回、都としてヤングケアラーの問題に向き合い始めたことは大変重要だと考えますし、来年度から始まる支援策を通じて当事者の声をより一層受け止め、支援策のさらなる改善につなげていただきたいと思います。  また、ヤングケアラーの皆さん、こうした方々は、支援が必要である対象と同時に情報の弱者でもあります。こうした様々な制度が困難を抱えるヤングケアラーの方々にしっかりと届くように、情報の伝達、ぜひとも行っていただきたいというふうに思います。  次は、チャイルド・デス・レビューについて質問をいたします。  都内では、毎年五百名にも上る十八歳以下の子供たちが命を落としており、近年は小中高生の自死が増加しているなど、対策が急務です。  自殺予防はもとより、不慮の事故など子供の死は予防できるものも多く、子供の死亡を予防するために、死亡検証制度であるチャイルド・デス・レビューというもので、事故や虐待を含む全ての子供の死亡事例について調査、そして検証し、再発を予防する取組、これが厚生労働省のモデル事業として、二〇二〇年度から七府県で既に実施をされているところであります。  先般、チャイルド・デス・レビューの取組を求めた我が会派の提案を踏まえて、都においても検討会議が設置をされました。  今後、未来を担う子供たちの命を守るため、都においてもチャイルド・デス・レビューの取組を加速すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 お話にもありましたが、国は、チャイルド・デス・レビューの制度化に向けた検討材料とするため、モデル事業を実施しておりまして、七府県が令和二年度から取り組んでおります。  モデル事業の実施方法は、医療機関との共同実施や大学病院への委託等の取組体制、参画している機関、情報共有の方法などが様々であることから、都は来年度、その状況や実施上の課題等を独自に調査をいたします。  それらも参考に、都内の医療機関や保健所、警察など関係機関と意見交換しながら、検証の取組体制、検証に関わる機関、対象の選定方法、収集する情報の範囲や入手、管理の方法など、都におけるチャイルド・デス・レビューの実施手法について検討してまいります。 ◯後藤委員 今後、チャイルド・デス・レビューの取組を進めるに当たっては、特に調査段階で関係者の方々の心情に十分配慮しつつ、未来を担う子供たちの命を守るために、都としても力を尽くしていただくことを求めます。  次に、高校生等への医療費助成について質問をいたします。  コロナ禍にあっては、先生や友達と話す機会も減り、子供たちのストレスも高まっています。  今後、様々な影響も懸念されており、こうした中、都は来年度、我が会派が提案した東京ユースヘルスケア推進事業を開始し、高校生などが思春期特有の悩みなどを相談できる体制づくりに着手するとしたことは高く評価をしたいと思います。  また、再来年度からの高校生などへの医療費助成開始に向けても、市区町村等が円滑に事業を開始できるよう、来年度、準備経費の補助を行うほか、区市町村に対する財政面での支援方針も明らかになったところであります。  特に、子供たちは高校生になる頃から一人での受診へと移行していきますので、治療の機会を通じて、日常的に運動することの重要性や心と体の関係など、現場の医師から新たな気づきを得ることも重要ではないでしょうか。  そこで、都として高校生等への医療費助成を実施するのであれば、思春期特有の健康上の悩みなどに答える東京ユースヘルスケア推進事業などの新たな取組に資すことも期待をされます。  今後、高校生などへの医療費助成事業をどのように進めていくのか、都の見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 コロナ禍が青年期世代の心身に大きな影響を及ぼしており、生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期に、自身の健康をコントロールし、改善できるような取組は重要であります。  このため、都は、来年度予算案に、高校生相当年齢を対象とする医療費助成制度の実施主体である区市町村等の準備経費を計上するとともに、基本的な枠組みを示したところであります。  具体的には、都と区市町村の負担を二分の一とし、所得制限や一部負担の仕組みを導入する考えでございます。ただし、早期の制度開始に向けまして、令和五年度からの三年間は都の負担を十分の十といたします。  今後、区市町村と具体的な課題等について調整することとしておりまして、都が実施する若者の健康上の悩みに対する支援にも生かされるよう取り組んでまいります。 ◯後藤委員 本事業は、区市町村との連携が欠かせない事業です。  十分の十補助期間が三年間という答弁がありましたけれども、こうしたことで二の足を踏む自治体も想定されるということで、ぜひしっかりと協議していただいた上で、持続可能な制度となるように切に要望したいというふうに思います。  次に、子供を笑顔にするプロジェクトについて伺います。  コロナ禍の影響で運動会や修学旅行などの学校行事が中止になり、友達との楽しい思い出となるはずの貴重な機会が失われました。また、外出自粛期間においては、狭い室内で家族が密集して過ごすことになり、外に出ることもままならない子供たちは大きなストレスを抱えています。  子供たちの心身の健康や健全な成長のため、ふだんとは異なる体験をする機会を補うことが重要ではないでしょうか。  そこで、都内全ての学校の児童生徒を対象に、自然体験活動やスポーツ観戦、そして芸術鑑賞などの多様な体験活動の機会をつくり、できるだけ多くの児童生徒が参加できるよう取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯藤田教育長 コロナ禍にあって、子供たちは友達との関わりや学校行事等に様々な制約のある中で学校生活を送っております。  こうした子供たちのため、都教育委員会は、都内公立、私立の全ての学校を対象として、自然体験活動や校内での演奏会など、友達と共に心を動かされる体験や思い出に残る様々な機会を創出し、子供たちの豊かな感性を育んでまいります。  より多くの子供たちが参加できますよう、実施に係る経費を都が負担いたしますとともに、現在、事業実施の準備として区市町村教育委員会等と連携し、スポーツ、芸術等の希望する分野や実施時期などを把握するため意向調査を行っており、その結果を踏まえ様々な団体と連携し、具体的なプログラムを作成してまいります。
    ◯後藤委員 子供たちの行動が大きく制限され、そして子供たちもストレスを抱える中、こうした事業を通じて子供たちの機会を後押ししていく取組は非常に重要だというふうに考えます。  ぜひ、しっかりと現場の声を聞いていただきまして、実効性の高い施策となるようにお願いをしたいというふうに思います。  次に、子供の学びの確保に向けての取組について伺います。  第六波では子供への感染も拡大しており、感染や不安感から学校を休まざるを得ない子供や、そして学級閉鎖も相次いでいるところであります。  そこで、感染拡大の中でも学びを継続するために、改めて都内の全学校におけるオンライン教育の体制整備を後押しすべきと考えますが、見解を伺います。 ◯藤田教育長 厳しい感染の状況が継続する中においても、オンラインによる学習を推進し子供たちの学びを確保するため、都教育委員会は、デジタルを活用した教材の作成やオンライン授業等の技術的なサポート等を行う支援員の配置経費を補助しております。  さらに、今般のオミクロン株による感染状況を踏まえ、支援員の配置に係る対象経費の拡大や支援期間の延長等の補助要件を緩和し、追加配置が可能となるよう支援しているところでございます。また、学校において、すぐに授業で活用できる学習コンテンツを学校に提供しております。  あわせて、学校に対し、分散登校とオンラインを組み合わせたハイブリッド授業等の取組例も紹介し、オンラインの活用を促しております。 ◯後藤委員 今、様々なご答弁がございました。デジタルの活用をより一層働きかけていくということで、ぜひともお願いをしたいというふうに思います。  さて、公立小中学校においては既に一人一台端末が実現し、こうした教育のデジタル化を教育の質の向上に実際につなげていく、そういった段階になっています。  これまで都では、端末の接続や利用をサポートするICT支援員というものを全校に配置できるように区市町村を支援してきましたが、今後は教育の質の向上や感染症なども踏まえて、端末を利用した家庭学習等、より高度な利活用を促進するためのサポートも必要だと考えます。  区市町村の小中学校において、今後も教育のデジタル化をサポートする支援員の全校配置を継続するとともに、より高度なノウハウを持った支援員を配置し、デジタルを活用した教育の質の向上を目指して取り組んでいくべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯藤田教育長 都教育委員会はこれまで、小中学校に対し、一人一台端末の円滑な導入、定着を図るための支援員の配置経費を補助してまいりました。  今後は、学校の授業の中でデジタルをより実践的に利活用していく必要がございます。  このため、支援員の役割は、デジタルに関する専門性に基づく授業計画の作成支援や授業の進度に応じた教材作成の提案等に変わっていくことになります。  こうしたことから、区市町村教育委員会に対し支援員の役割や活用例を具体的に提示するとともに、来年度、新たに各校一人のデジタル利活用支援員の配置経費を補助し、その活用を促してまいります。 ◯後藤委員 ただいまのご答弁では、各校一人のデジタル利活用支援員の補助を行うというご答弁がございまして、大きな前進だと思います。各校に一人デジタル利活用支援員が配置されるとなれば、各学校のデジタル化も大きく進むと期待をしています。  ぜひ、各校の好事例などを通じて、積極的に働きかけていただくようにお願いをしたいというふうに思います。  次に、DX人材育成における東京都公立大学法人の活用について質問します。  DX推進による社会の構造改革を成功させるためには、大学、各種学校等においても、デジタル人材の育成の取組を加速すべきです。新学習指導要領により、都立高校をはじめとした各高校では、来年度から始まる必修の情報Iに加え、その翌年からはシステム構築など情報を使って価値を生み出す側の人材になるための情報IIというのが始まります。  そして令和七年度には、そうした子供たちが大学に入学をしてくるということになりまして、こうした高度な情報教育を受けた人材の能力やスキルを大学においてさらに高め、世に送り出していくことが重要だと考えます。  そこで、都立大学において、予算措置も含め、大胆に環境整備を進め、先進的な情報教育を提供する教育機関へと進化させていくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。  また、将来のデジタル人材を目指して、情報IIの履修を選択するような意欲や能力のある学生を都立大学が率先して確保していくべきと考えますが、併せて見解を伺います。 ◯小池知事 まず、スマート東京を実現するということも大きな東京大改革の一つです。その先端のデジタルテクノロジーを使いこなして、イノベーションをつくり出すことのできる人材を育成していくことは急務であります。このため、都は、都立大学におきまして、デジタル教育環境の充実を図ってまいります。  来年度から、ビッグデータの分析などデータサイエンスを学ぶ副専攻を新設いたします。  また、日野キャンパスにおきましては、デジタル関連の教育研究資源を集約した新拠点の整備を進めまして、令和五年度の運用開始に合わせて、民間との連携、交流の強化など、新たな取組を展開してまいります。  さらには、情報IIを履修した高校生が大学に入学する、令和七年度になるわけですが、そこを見据えまして、より高度な専門性やスキルの獲得を目指す意欲ある人材を確保するための取組にも着手してまいります。  試験科目など選抜方法の見直しであるとか、入学後のカリキュラムのレベルアップのほか、都立高校などの生徒を受け入れる新たな高校、大学連携の取組も具体化してまいります。  未来の高度なデジタル社会を牽引する有為な人材の育成に向けました都立大学の取組を都としても積極的に支援していきます。 ◯後藤委員 今のご答弁では、データサイエンスを学ぶ副専攻を新設するなど、大学での情報教育の充実に加えて、高校で情報IIを履修するなど意欲のある生徒を受け入れるための選抜方法を検討するということで表明をしていただきました。国内の情報教育の牽引につながる大変重要な答弁であると思っておりまして、高く評価し、そして、着実な事業の推進を求めたいと思います。  次に、私立専修学校への支援について伺います。  さきの都議会本会議における我が会派の代表質問でも取り上げましたが、私たちは、かねてより、東京で学びたい、働きたいという人々の多様なニーズに応えていける私立専修学校への支援の強化を訴えてまいりました。  とりわけ、実務に関する知識や技能に直結した職業訓練を行う職業実践専門課程への支援は、未来の東京を支える質の高い専門人材の育成にもつながる重要な取組であると考えます。  都は平成三十年度より、この職業実践専門課程に対する補助を実施しておりまして、来年度は、私たちの予算要望にも応え、補助の拡充を行うとのことですが、その内容について具体的に伺いたいと思います。 ◯武市生活文化局長 国は、企業等と連携したより実践的な職業教育に取り組む専修学校に対し、職業実践専門課程の認定を行っております。  都は、この認定を促進し、職業教育の質の向上を図るため、平成三十年度から独自に補助を実施しております。  補助の効果もあり、都における認定校や認定課程の数が年々増加していることから、来年度は、職業教育のさらなる充実や教育環境の向上に向けまして、生徒一人当たり単価を四千円から五千円に引き上げ、規模の拡大と合わせ、補助の拡充を図っております。 ◯後藤委員 今のご答弁では、単価四千円から五千円に引き上げるとのご答弁がありまして、大きな前進だと思います。引き続き、質の高い専門人材の育成を期待して、次の質問に参ります。  次に、女性活躍の推進について伺います。  明日三月八日は国際女性デーでございます。小池知事は、明日に先立ちまして、持続可能な明日に向け、ジェンダー平等を実現することはますます重要な意味を持つと発言をされています。持続可能な開発目標SDGsにおいても、ジェンダー平等の実現が示され、各国で取組が加速されています。  しかし、日本は、世界最低レベルのジェンダーギャップ指数にも表れているとおり、世界から大きく後れを取っているのが現状です。前東京オリ・パラ組織委員会会長森喜朗氏の、女性は競争意識が強い、話が長いといった蔑視発言は大きな批判を浴びましたが、日本には、様々な無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスというものが存在をしています。  例えば、育児は女性が行うもの、そして、管理職は男性がなるものなど職場に関するものもあれば、女の子のランドセルは赤であるべきなど学校などにおける無意識の思い込みが存在をしています。  性別によって、生き方や役割が制限されるのは合理的な考えではありません。これまで明らかになっていない事態を把握し、都としても対策を講じるべきだと考えます。  都では、これまでも意識改革に取り組んできていますが、女性活躍がなかなか進まない原因にまで踏み込んだ新たな取組が必要と考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 女性の活躍は様々な取組によって進んできておりますけれども、諸外国と比較しますと絶望的な後れを取っています。  その要因の一つが働き方であり、暮らし方の根底にある、保育園のお迎えは母親が行うものなど、無意識の思い込みがあると考えられます。  今回、計画を改定しまして、この無意識の思い込みへの重層的なアプローチを新たに行ってまいります。  来年度は、働く場や家庭など、日常のあらゆる場面に潜む無意識の思い込みに自ら気づいていただくきっかけづくりとして、エピソードをまず募集いたします。そして、それをSNSなどで広く発信する。  また、無意識の思い込みですが、幼少期からの周囲の影響を受けて形成されやすい。さっきのランドセルの例などもそうかと思いますが、そこで、自治体初となる教育機関と連携した実態調査を行いまして、子供に接する大人だけではありません、子供自身への啓発を行うなど、大人、子供の両面から働きかけてまいります。  都民と共に、無意識の思い込みに対する認知、そして関心を高め、気づくこと、決めつけないことの大切さを提唱して、社会全体の新しい常識、新常識として定着させてまいります。 ◯後藤委員 知事からも、現在の女性活躍については絶望的な状況にあるとの認識の上で、しっかりと対策を講じていくとの答弁がありました。ぜひとも、実態調査から見えてきたものをしっかりと分析していただきまして、今後は、都教委などともぜひ連携していただきながら、学校現場での教育指導等にもつなげていただくようにお願いをしたいというふうに思います。  さて、コロナ禍において、男性と比べて女性の就業者数が大きく減少するなど、男性と女性の就業環境の差が顕在化しました。また、テレワークなど家庭で過ごす時間が増え、家事、育児時間の総量が増加する中、家事、育児時間の男女差が拡大したということはゆゆしき事態だと考えます。  昨年の第四定例会の我が会派の代表質問に対して、生活文化局では、総合評価方式により入札を行う契約において、女性活躍や男性の育児休業取得促進などを推進している企業に対してインセンティブを設ける旨の答弁がありました。こうした取組を都全体で実施すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯吉村財務局長 現在、都では、総合評価方式において、えるぼし認定や女性活躍推進大賞受賞の実績に対して加点を行っております。  男女平等参画審議会において、本年一月に示された答申では、女性活躍推進法における一般事業主行動計画策定、公表等の義務を果たしている事業者を公共調達の際に優遇し、事業者の取組を促すことが必要との考えが示されました。  答申を踏まえまして、女性活躍の一層の促進に向けまして、これまでの総合評価方式における取組を速やかに拡充し、事業者における女性活躍や男性の育児休業取得促進等の取組を公共調達を通じてしっかりと後押ししてまいります。 ◯後藤委員 新たなインセンティブを設ける、その制度のご答弁が様々ございました。ぜひ積極的に前に進めていただきまして、企業における女性活躍の推進に向けてもしっかりと取組を進めていただきたいというふうに思います。  女性活躍に向けては、男性の家庭進出も重要です。日本の育児休業取得率は、女性が九割を超える高い水準を保っているのに対して、男性は、上昇傾向にあるものの、たった一割程度にとどまっている、そんな状況となっておりまして、大きな課題となっているのが現状であります。  都は、「未来の東京」戦略において、二〇三〇年に男性の育児休業取得率を九〇%、一〇%から九〇%と大きく目標を掲げておりまして、取得率向上に向けた取組を強化していく必要があると感じます。  今後、男性の育児休業取得率を向上させるために、特に企業と連携した取組を実施するとともに、育児休業取得に積極的な企業を都としても応援すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は、男性の育児休業の取得を促進するため、その休業中に代わりとなる社員を確保するなどの企業の取組に奨励金を支給しておりまして、来年度はこの規模を四百件から七百五十件に拡充いたします。  また、男性の育児休業の促進に積極的な企業を幅広くPRする制度を創設いたします。この制度では、育休の取得で高い実績を上げた企業に登録マークを提供し、その活用により、働きやすい企業としてのイメージを効果的に発信し、人材確保につなげる仕組みといたします。  こうした取組によりまして、男性の育児休業の取得を促進してまいります。 ◯後藤委員 奨励金の規模の拡充、そして男性育児の促進に積極的な企業のPRをしていくということで、ぜひとも、こうした企業の取組をしっかりとPRしていただきまして、取組を加速していただきたいと思います。  次に、雇用対策について伺ってまいります。  長引くコロナ禍により、雇用情勢の回復も後れを取っています。特に、コロナ禍で大きなダメージを受けている飲食業や宿泊業界で非正規雇用として働いている方々は、解雇や雇い止め、そしてシフト勤務の減少などにより、大変厳しい状況に置かれています。そして、非正規雇用の多くが女性であることから、その影響はより強く女性に表れています。  一方で、IT等の情報分野や介護サービス分野などでは人手不足が続くなど、コロナ禍の雇用環境は、業種によって、さっきも述べましたが、大きく異なっているのが現状であります。  都は今年度、我が会派の提案を踏まえ、二万人を超える雇用支援を行う東京版ニューディールを実施しておりまして、一定の成果を上げていると認識をしています。現在のコロナ禍における雇用環境を踏まえ、離職を余儀なくされた方々が人材ニーズの高い業種で新たな職に就けるよう、効果的な支援を実施することが求められていると思います。  今年度実施をしている東京版ニューディールの成果も踏まえ、雇用対策をより一層強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 感染症の影響が長期化しておりまして、非正規で働いていた多くの方々、離職を余儀なくされております。こうした方の再就職支援に当たりましては、成長が見込まれるIT産業や人手不足が続く介護分野などへの人材シフトを促進する視点が重要です。  こうした視点に立って、都は今年度、東京版ニューディールを展開いたしております。ITなど採用意欲の高い分野において、職業訓練やマッチング支援などを着実に進めておりまして、一月末までに約二万一千人の就職のサポートを行っております。  来年度につきましては、こうした取組を促進するため、デジタル分野の職業訓練を大幅に拡充をし、介護分野においては専門的な人材を育成してまいります。また、女性向けのオンライン訓練を開始して、経理や医療事務など安定的な就労につながる資格の取得に向けました支援を強化いたします。  さらに、ITや介護の業界団体と連携しまして、マッチングの機会を増やすなど人材シフトにつながる雇用対策を加速させてまいります。 ◯後藤委員 今の知事のご答弁では、さらにこの東京版ニューディールの政策を拡充していくとの答弁がございました。ぜひデジタル分野の裾野を広げていただきまして、特に、このコロナ禍で困難を抱える女性たち、こうしたところにも寄り添った支援をお願いしたいというふうに思います。  次に、テレワークの導入について質問をしたいと思います。  テレワークは、感染拡大防止と事業活動の両立に極めて有効であることに加え、ライフ・ワーク・バランスを実現するなど、働き方改革を促進する重要なツールであります。  テレワークの実施率が約六割に達している中で、さらなる普及啓発を図るためには、導入が困難とされている業種の企業に対しての支援が重要です。ぜひともきめ細かな支援が必要と考えますが、都の見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は来年度、テレワークの実施が十分に進んでいない業種の企業に対しまして、伴走型の支援を開始いたします。  具体的には、三百社の中小企業等に対して専門家を派遣し、テレワークで実施できる業務の洗い出しなどを助言いたします。また、社外からリモートで事務処理のできるソフト等を購入する経費について、最大で二百五十万円、二分の一の助成などを行います。 ◯後藤委員 今のご答弁では、最大で二百五十万円、二分の一の事務処理ソフトの購入助成などを行うというご答弁がございました。ぜひとも、この事業の推進に当たっては、なかなか導入が困難である、その理由が非常に重要だと思っておりますので、丁寧に意見を聴取していただきまして、支援策につなげていただくことを要望したいというふうに思います。  次に、デジタルを活用した商店街の活性化について質問します。  地域住民の消費生活を支える商店街は、少子高齢化の進展など、時代の変化とともに、住民生活を幅広く支える存在へと変化をしています。一方で、大型店の出店やネット販売等による消費スタイルの多様化に加え、デジタル化への対応が求められる中、商店街活動の担い手不足もあるなど、多くの課題に直面しています。  商店街が地域のインフラとしての役割を保っていくためには、地域のほかの団体と連携し、時代の変化を捉えて柔軟に対応するとともに、商店街が自らの活動を振り返り、次の取組へつなげていくことも重要だと考えます。  商店街がデジタル技術の活用をはじめ、時代の変化に対応した新たな取組を進められるよう後押しすべきと考えますが、見解を伺います。──知事の見解を伺います。 ◯小池知事 商店街についてですが、ご指摘のように、住民の買物の場であるとともに、人々が交流する地域コミュニティの中心として、日々の暮らしの中に安全や安心を生み出す重要な役割を果たしています。  社会や経済の状況が急速に変化する中で、商店街が地域の様々な団体と連携しながら、IT技術の発展など時代の流れに対応した取組を着実に進め、その活性化を図るということは重要です。  このため、感染症の拡大防止に商店街を挙げて積極的に取り組む場合であったり、新しい技術を取り入れたデジタルスタンプラリーなどのイベントを開催する取組への支援を強化してまいります。  また、イベントなどによる集客の成果を踏まえて、次の取組に着実につなげていけるように、人流データなどの活用を後押ししてまいります。  こうした取組によって、様々な変化に柔軟に対応しながら、より質の高い戦略的な取組を進める商店街を支援してまいります。 ◯後藤委員 今の知事のご答弁では、商店街の役割自体も日々変わっていると、地域コミュニティとしての中心にあるというご答弁がありました。一方で、商店街の皆様から話を聞いていると、やはりなかなか、デジタル化への対応というところで、データなどをどのように扱ったらいいか分からない、そういった課題もお聞きをしております。  今回、この人流データなどの活用を後押しするということで、ぜひとも、このデータの活用などをしっかりと取組の後押しをしていただきまして、商店街振興の活性化に向けて取組を加速していただきたいと思います。  次に、労働者協同組合について伺います。  働く人たちが資金を出し合って、経営に携わる労働者協同組合に法人格を認めるという法案が国会において全会一致で成立し、新たな働き方が実現しようというふうになっております。  協同労働とは、事業主に雇用される雇用形態とは異なりまして、労働者が自ら出資をすることで、対等な立場で事業に従事すること、それによって、多様な働き方を促進できるものと大きく期待をされています。  本法案は、二〇二〇年十二月に成立をしておりまして、二年以内に施行となっております。既に、徳島県では労働者協同組合の設立に向けた相談窓口が設置されたり、埼玉県でも自治体向けの説明会を通じた普及啓発が行われるなど、対応が順次進んでおります。  今後、都におきましても、新たに誕生する働き方となる労働者協同組合について、都民への制度普及啓発や設立の相談など、積極的に支援を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 労働者協同組合ですが、介護、子育てなど、地域の様々なニーズに応じた事業を展開し、多様な就労機会を創出することが期待されています。  こうした組合を地域課題を解決する担い手として位置づけまして、区市町村とも連携し、その活動の促進を図ることが重要です。  このため、都は、組合の設立を検討する方々や団体に対しまして、説明の場を設けるとともに、相談窓口を開設します。また、専用のウェブサイトを開設しまして、活動事例等を発信することに加え、ワークショップを開催するなど多様な働き方の一つとして、都民に幅広く紹介をいたします。  さらに、この組合と連携をし、地域の課題を解決できるよう、庁内に制度内容等を周知しまして共有を図るとともに、区市町村に対するガイダンスを実施いたします。
     こうした取組によって、労働者協同組合の誕生を後押しし、地域社会にしっかりと根づかせてまいります。 ◯後藤委員 ありがとうございます。  今のご答弁では、相談窓口の設置や周知徹底など、多くの制度が前進をすることになりまして、高く評価をしたいと思います。  今回、この労働者協同組合という制度は、まだ新しい制度ということもあり、この周知啓発というのが大きな課題です。まずは一人でも多くの都民にこの協同労働という新しい働き方を知っていただく取組の強化について、ぜひお願いをしたいと思います。  また、労働者協同組合が地域にしっかりと根づいていくためには、地域課題を解決する新たな担い手として、地元の区市町村はもとより、地域活動に取り組む町会や自治会、NPOなどとも手を携えていくことが重要ではないでしょうか。  そこで、労働者協同組合が地域における多様な主体と連携して活動が進むよう取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺います。 ◯武市生活文化局長 労働者協同組合法によりますと、この団体は、多様な就労機会の創出、地域の需要に応じた事業を実施することで、持続可能で活力ある地域社会の実現に資するものとされております。  都は、町会、自治会など、地域の団体が主体的に活躍できるような様々な取組を区市町村と協力して展開し、地域コミュニティの活性化を図っているところでございます。  労働者協同組合につきましても、その目的とするところは共通でございまして、組合の活動情報を区市町村と共有するなどして、様々な連携の形を検討してまいります。 ◯後藤委員 法施行はこれからということで、今後、地域の様々な団体との新しい化学反応、こうしたものに期待をしたいというふうに思っております。ぜひとも今後は、地域のあらゆる団体と連携し、地域活性の一助となる取組に、ぜひとも後押しをしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。  次に、漫画、アニメなどのメディア芸術支援について伺います。  漫画、アニメといったメディア芸術は、クールジャパンの代表的なコンテンツであるとともに、東京の芸術文化を支えています。いまだ新型コロナウイルス感染症の猛威が続く中、コミックマーケットなどのイベントの中止や延期が続き、イベントを楽しみにしているファンや作家等は厳しい状況に置かれています。  さきの第一定例会、我が会派の代表質問において、我が会派は、様々な芸術文化団体等の要望や地域の実情を踏まえた新たな政策を展開していくべきと提案をし、それに対して都からは、芸術文化団体等とのネットワークを通じて得られた意見や提案等を今後の施策展開に生かしていくとの答弁を得ています。  都は、アートにエールを!東京プロジェクトにおいて、文化活動を行うアーティストの支援を行ってきておりましたが、東京の芸術文化を支える漫画、アニメのイベントにおいても助成対象とすべきです。  東京の芸術文化である漫画、アニメのイベントについては、支援の手を差し伸べるべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯武市生活文化局長 都はこれまでも、様々な助成制度により、漫画やアニメなどのメディア芸術を含む幅広いジャンルの芸術文化活動を支援してまいりました。  来年度は、多くの文化団体やアーティスト等が参加できる文化プロジェクトへの助成を新たに開始することとしておりまして、この助成においても、漫画やアニメ等のメディア芸術を対象といたします。  このような取組を通じて、芸術文化を楽しむマインドの回復と、多様な芸術文化活動のさらなる活性化を図ってまいります。 ◯後藤委員 今回、文化プロジェクトの助成も、漫画、アニメが対象となるということで、当事者の皆様、関係者の皆様にとっては大きな前進であるというふうに思います。  重ねて申し上げますが、漫画、アニメは世界に誇る日本の文化でもあります。しっかりと東京都としても、支援の強化をお願いして、次の質問に参ります。  次に、デジタルミュージアムについて伺います。  都は来年度予算に一億円を計上し、東京の自然情報に関して、デジタルで発信する事業を立ち上げるとのことです。  東京の自然は、二千メートル級の亜高山帯から伊豆・小笠原諸島など固有種を有する島しょ部、ラムサール条約登録湿地など、多様で豊かな自然に恵まれていますが、気候変動による影響で、日々刻々とその姿を変えています。  我が会派はこれまで、東京の豊かな自然情報を収集、保存、分析、発信する戦略的な拠点として自然史博物館を設置し、ゼロエミッションや自然環境保全に関する都民の意識を喚起して、都民と共に東京の自然を守っていくべきだと提案をしてきました。今回の予算は、その第一歩として極めて重要なものであり、高く評価をしたいと思います。  一方、世界に目を向ければ、今年はパリ協定の生物多様性版ともいえるCOP15が開催される予定もあり、これを受けて東京もまた、生物多様性地域戦略を策定することになっています。  そこで、自然環境デジタルミュージアム構想については、生物多様性地域戦略の中で戦略的な役割を果たす重要事業として位置づけるとともに、デジタルの力も最大限生かして、これまでにない自然史博物館の姿を描くことができるよう取り組むべきだと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 東京には里山の美しい原風景など、様々な自然、多様な自然が広がっておりまして、それがもたらす生物多様性の恵みなど、東京に残された豊かな自然環境を身近に感じられることが自然を守る共感を育むことにつながってまいります。  都民や企業などの関心と共感、行動につながる効果的な取組を推進することを目指しまして、東京の魅力的な自然環境を最新のデジタル技術を駆使して発信する自然環境デジタルミュージアム構想の検討を開始いたします。  構想の検討に当たりましては、情報発信に加えて、自然環境情報の収集、保管、蓄積、保全に関わる都民や企業の活動支援など、生物多様性保全に必要な機能を幅広に検討してまいります。  とりわけ来年度につきましては、デジタル技術を活用した自然情報のコンテンツを作成しまして、先行して発信をいたします。  今後、人々が集い学べる都独自の自然環境デジタルミュージアム構想を新たな生物多様性地域戦略に位置づけまして、都民の共感を得ながら、豊かな自然があふれて、生き物と共生する都市を目指してまいります。 ◯後藤委員 今、知事からも大変前向きなご答弁がございました。ぜひ有識者や民間の力も活用して、新しい時代にふさわしい自然史博物館を描いていただきたいと思います。  次に、マンション防災の表彰制度について伺います。  都内において三十年以内にマグニチュード七以上の地震が来る可能性は七〇%以上といわれている中、マンションにおける防災力向上の取組も重要なテーマとなっています。  都内は特にマンション居住者の割合が高く、分譲マンションだけ見ても、都内の約四世帯のうち一世帯がマンションに居住をしています。  しかし、多くのマンションでは住民同士の交流の機会が少なく、発災時の備えについての意識向上や居住者連携などに課題があります。  これまでの町会、自治会などの地縁を前提とした対策に加えて、マンション防災においては共助の支えとなる対策が必要不可欠です。  横浜市では、よこはま防災力向上マンションという認証制度を活用して、ソフトの取組強化だけでなく、発災時におけるマンション内の共助の取組を促す仕組みもスタートしています。  都では現在、東京都LCP住宅という形で建物の防災性能とソフトの取組を評価する取組というものがございますけれども、二〇一二年の制度創設以来、なかなか実績が振るわないということもございまして、抜本的な制度の改善というものが急務であると思います。  例えば、このLCP住宅という名称が、なかなか都民にとっては分かりにくいということもございまして、例えばネーミングに防災というものを入れて、東京防災力向上マンションにするなど、分かりやすいネーミングに変更することや、管理組合法人などへのさらなる周知、さらには、登録におけるインセンティブなども設けるなど、対策を講じるべきだと考えます。  東京都LCP住宅においては、制度周知を一層進め、マンションの共助の取組を促進すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯榎本住宅政策本部長 地震災害時などにマンションで居住を継続するためには、居住者がハード、ソフトの両面にわたり共助に取り組むことが重要でございます。  これまで都は、マンション管理ガイドブックで管理組合等に対し広く防災対策を促すとともに、エレベーター等の非常用電源確保や防災訓練などを行うマンションを東京都LCP住宅として登録、公表してまいりました。  来年度は、非常用電源設備に太陽光発電や蓄電池等を活用した優良な事例等を調査いたしまして、そのノウハウや効果を広く発信するなど、LCP住宅のPRを強化いたします。  こうした取組に加えまして、都民に伝わりやすい名称の付与や民間の知見も踏まえた制度改善を検討するほか、マンション管理業団体等への周知を積極的に行いまして、LCP住宅の登録を促進し、共助の取組を後押ししてまいります。 ◯後藤委員 今のご答弁では、名称の変更なども含めて、大胆な制度のアップデートも検討いただけるとのご答弁がございましたので、ぜひこうした議論を踏まえて、政策の実効性を上げていただく施策を進めていただきたいというふうにお願いをしておきます。  次に、隅田川における照明の設置について伺います。  かつて水の都と呼ばれた江戸東京の歴史の中で、隅田川をはじめとする河川は、文化や経済、生活の中心でありました。現在においても河川は都市の中の貴重なオープンスペースであり、改正された河川敷地占用許可準則を適用したオープンカフェも開業されるなど、新たなにぎわいが生まれつつあります。  特に照明施設については、隅田川下流で設置が進められている一方で、隅田川上流でも防災船着場付近や沿川の公園区域となっているスーパー堤防等では、照明が設置されている箇所もありますが、それ以外の箇所がなかなか暗いということで、夜間に水辺に近づきにくいという状況になっており、河川管理施設としても照明を計画的に設置していくことが重要だと考えます。  私の地元足立区でも、千住曙町から小台、新田地域というところまで隅田川がずっと流れておりまして、河川のにぎわい創出や治安対策という意味でも、隅田川上流への早期設置を求める声が上がっているのが現状であります。  そこで、今後は設置を進めている白鬚橋より下流の隅田川下流部に引き続き、その上流部においても照明の設置の検討を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯中島建設局長 都は、隅田川においてスーパー堤防やテラス整備を進め、水辺に親しみやすい環境を整えますとともに、夜の水辺に彩りを添え、人々が水辺に集い散策できるよう、テラスへの夜間照明の設置に取り組んでおります。  具体的には、隅田川下流部のうち約九・六キロメートルの区間で設置を進めておりまして、今年度は言問橋下流左岸など約〇・八キロメートルで工事を実施しており、令和四年度は新大橋上流左岸など約〇・三キロメートルで工事を実施いたします。これにより対象延長の約九割が完成する見込みでございます。  残る区間の整備に取り組みますとともに、今後は照明施設の設置による効果等を検証しながら、上流部への設置についても検討してまいります。 ◯後藤委員 上流部の設置についても検討していくというご答弁がございまして、大変喜ばしいことであると思います。さらなるにぎわいの創出に期待しつつ、早期の整備に向けて議論をぜひ進めていただくようにお願いをしたいというふうに思います。  次に、日暮里・舎人ライナーの事故対策について質問をいたします。  昨年十月に発生した千葉県北西部地震において、足立区で震度五強を観測し、日暮里・舎人ライナーでは車両の脱輪事故が発生しました。十分な検証を行い、今後の対策につなげていくことが不可欠であります。  事故の詳細な報告については、現在国の調査中という認識をしておりますが、今後いつ起こるか分からない大災害に備え、今できる対策は速やかに講じていくべきだと考えます。日暮里・舎人ライナーの震災対策を今後どのように進めていくのか、見解を伺います。 ◯内藤交通局長 現在、国の運輸安全委員会により日暮里・舎人ライナーの脱輪原因等に関する調査、分析が行われておりますが、交通局といたしましても被災状況の検証を進め、局独自に取り得る対策を速やかに講じることといたしました。  具体的には、緊急地震速報を受信した際、これまでは指令所の職員が手動で列車停止の操作を行ってまいりましたが、自動停止機能を追加することで、より迅速な列車の減速、停止を可能とするものとし、今月三日から運用を開始したところでございます。  また、今回の事案では、先頭の車両が分岐部にございます段差に落ち込みましたことから、段差を解消するための部材を設置いたしまして、万一脱輪した際の衝撃を緩和することとしております。  この工事につきましては、国の認可を得ました上で、令和四年度中の完了を予定しており、引き続き、運輸安全委員会の調査にも協力しながら、お客様の安全確保に努めてまいります。 ◯後藤委員 自動停止機能や段差の解消など、速やかに対策を講じていくとの答弁がございました。今後も災害は待ったなしといわれる中で、都民の命を守るためには、今できる対策を今後も速やかに講じていただくことをお願い申し上げまして、次の質問に参ります。  次に、デジタルツインの活用について伺います。  デジタルツインは、まちづくりへの活用や防災のほか、少子高齢化、人口減少、交通渋滞などの都の抱える課題をサイバー空間で分析、シミュレーションすることによって、都庁各局の最適かつスピーディーな意思決定、そして政策立案の実現へとつなげるものです。  これまで都は、東京都における「都市のデジタルツイン」社会実装に向けた検討会を設置するとともに、デジタルツインを実体験することで、都民理解の向上を目指す3Dビューアーを構築してきました。  今後は、各局及び民間事業者が活用できる共通基盤データとして、地形や建物の形状などを点の集まりとして三次元の空間上に表現できる、いわゆる点群データというものを取得し整備するなど、デジタルツインの活用により、都政課題の解決につなげるべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯寺崎デジタルサービス局長 デジタルツインの実現に向け、都はこれまで、河川や都営バスの運行状況などをリアルタイムで表示する3Dビューアーを構築するとともに、年度内に運用ルール等を定めたロードマップを策定することとしております。  来年度は、デジタルツインの高度化を図るため、新たに地形などを三次元で表現するために必要な点群データの取得、整備を都内全域で進め、都や区市町村の防災対応力向上のためのデジタルツインを活用した水害シミュレーションの構築や山岳道路の斜面点検、土石流に対する安全対策など、各局事業での活用を進めてまいります。  こうした取組によりまして、施策の質とスピードの向上につなげ、都政課題の解決を図ってまいります。 ◯後藤委員 ありがとうございます。  今回の点群データのように、デジタルツイン内のデータが増えるほど、多くのシミュレーションが可能になるということで、一層の相乗効果が期待できます。ぜひ着実に取り組んでいただくことを要望いたします。  次に、中小企業のゼロエミッション実現に向けた支援について伺います。  東京都は、二〇五〇年までに世界のCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現を目指すため、二〇一九年十二月にゼロエミッション東京戦略を策定、公表いたしました。  そうした中、中小企業もゼロエミッションに向けて取り組むことで、光熱費、燃料費削減などの効果が見込めるだけでなく、新事業分野開拓による売上げの拡大や金融機関からの融資獲得などのメリットも期待ができます。  そこで、都内の中小企業のゼロエミッション実現に向けて、経営力や技術力を高め、資金もしっかりと確保できるよう、都として支援すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 東京の中小企業がゼロエミッションに向けた事業を立ち上げ、力を発揮することで、東京の産業は持続可能な力強い発展を実現することができます。ましてや、今、ウクライナでのこの状況があるわけでございますので、ゼロエミッションというのは単に経済だけでなくて、さらに──経済と、そして環境と、両方の課題になっているわけです。  都として、中小企業が脱炭素化を進める事業を伸ばすロードマップをつくって、その内容を確実に実現できるように、複数年にわたって専門家が伴走して支援をするというものです。  また、中小企業が優れた技術力を転用して、環境への負荷が少ない製品を開発することで、新たなマーケットを生み出す取組を強力に支援をしてまいります。  さらに、脱炭素化に役立つ革新的な技術やサービスを開発するベンチャー企業を後押しするファンドを民間とともにつくり上げまして、資金の提供と併せて経営面からのサポートも行ってまいります。  これらの取組によってグリーンイノベーションを創出し、東京におけるゼロエミッションと経済成長の両立を図ってまいります。 ◯後藤委員 今、知事からは、中小企業のゼロエミッション実現に向けての様々な決意と取組についてご答弁がございました。  中小企業のゼロエミッション実現に向けては、特に自動車の非ガソリン化などゼロエミッションが進む中で、モビリティー関係企業などに対して、それらに対応した技術的、資金的な支援を行うなど、新しい事業への転換に向けたサポートを検討すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は、中小企業が自動車などモビリティー関連の産業分野で脱炭素化に役立つ技術を使い、事業の発展を実現できるよう支援を進めてまいります。  具体的には、来年度より産業技術研究センターにおきまして、ガソリン自動車等の部品をつくる中小企業が事業転換を進められるよう、セミナーなどにより、EV等に係る情報提供を行います。  また、同センターの体制を充実し、中小企業がゼロエミッション化に向けて開発する製品の品質を評価いたします。  さらに、中小企業振興公社を通じ、エンジン部品の製造技術を生かし、環境に配慮した製品開発で必要となる経費の三分の二を、一千五百万円を上限に助成いたします。  これらによりまして、中小企業のゼロエミッション化の取組と持続可能な発展を後押ししてまいります。 ◯後藤委員 ありがとうございました。  これまでの質疑では、グリーン、デジタル、そしてダイバーシティなど、様々な質疑をしてまいりました。  私たち都民ファーストの会東京都議団は、三十一名の議員が心を一つに合わせ、どんな小さな課題にも光を当て、真の都民の利益の代弁者になる、東京の魅力を磨き上げ、日本全体を牽引していく、東京大改革から日本大改革を実現していくために、これからも全力を尽くすことをお誓い申し上げ、質疑を終わります。(拍手) ◯福島副委員長 後藤なみ理事の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。    午後五時四十六分休憩      ━━━━━━━━━━    午後六時五分開議 ◯小磯(善)副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  高倉良生理事の発言を許します。 ◯高倉委員 このたびのロシアによるウクライナへの軍事侵攻は断じて許してはならない暴挙であり、断固抗議するとともに、ロシアは速やかに攻撃をやめ、即時撤退するよう強く求めるものであります。国と国との問題は、軍事力ではなく、どこまでも粘り強い対話によって解決していくべきと考えます。
     今回の軍事侵攻では、子供を含む多数の市民が命を落としており、プーチン大統領は核兵器の使用につながる意思さえ示しています。さらに、原発への攻撃も行っております。絶対に許してはなりません。  今後、私たちは、国際社会と力を合わせ、ウクライナ国民や在留者のためにしっかりと支援をしていくことが必要と考えます。  小池知事がいち早く都庁舎をウクライナ国旗のカラーでライトアップするなど、支援のメッセージを発出していることに敬意を表します。ウクライナ危機に対し、都はあらゆる角度から支援を考えるべきと思います。  ウクライナから国外に避難した人は百五十万人を超えております。既に日本政府は受入れを進める方針を示しておりますが、受入れに当たっては、住宅や食料、衣服、日用品の支援、子供の教育への配慮など、きめ細かな支援が必要と思います。  そこでまず、都として、避難してくる方々に対し、都営住宅等を提供すべきと考えます。このことについては、ウクライナに対して都が具体策を持って支援すると発信をしていくことが、どれほどウクライナの人々の心を支え、励ましとなることかと私は思います。都営住宅等の提供というメッセージ、また、具体策の発信ということの持つ意味は非常に大きいというふうに思います。  知事のご所見をお伺いします。 ◯小池知事 今回のロシアによる力で現状を変えようとする一方的なウクライナへの侵攻、決して許されるものではありません。  また、国際社会、民主主義への挑戦であるという観点からいたしましても、国際社会の連帯が重要であって、都もその一員として揺るぎない対応が求められております。  ウクライナ情勢の悪化に伴って、避難民受入れなどの人道的な支援について、明確な方針を打ち出すよう国に対し、緊急要望も行っております。  ウクライナから避難を余儀なくされた方々を受け入れようとする国の姿勢につきましては賛同するものでございまして、また、都としてどういう形が最も有効か精査をしております。  国から都営住宅等の提供について要請があった場合には、国と連携しまして、都としてウクライナの方々を支援してまいります。 ◯高倉委員 ウクライナ侵攻によりまして、原油だけでなく、他のエネルギー価格の高騰も懸念されております。さらには、穀物価格の上昇、経済制裁に伴う海外取引への影響など様々な課題が顕在化しつつあります。  こうした経済情勢の悪化は、新型コロナにより長期にわたり影響を受けている都内の中小零細企業にとって、経営の存続すら危ぶまれる状況になりかねません。  都内事業者が厳しい経営環境を乗り越えていくためにも、都として、中小企業にとって血液とも呼べる資金繰りを強化するとともに、経営面からのサポートを強化すべきと考えますけれども、知事のご所見をお伺いします。 ◯小池知事 ロシアのウクライナ侵攻によって資源の安定供給への懸念が広がっております。  原油につきましては、米国の指標でありますWTIが一バレル百三十ドルを超えるなど、様々な価格のさらなる上昇が危惧をされます。  また、コロナ禍で懸命に努力を続けてきた都内中小企業の経営環境に一層の厳しさが加わるということから、金融と経営の両面から迅速に支援策を展開する必要がございます。  このため、中小企業の経営の命綱である資金繰りを支える新たな融資メニューを創設する。この融資制度によって、低廉なコストで資金を調達して、売上げなどに影響が出る中でも事業が継続できるように後押しをしてまいります。  また、幅広く様々な業種の中小企業が省エネ対策を通じたコストの削減に効果的に取り組み、経営力を高めるための専門家の助言や、機器の導入への助成を行ってまいります。  さらに、ロシアの会社との取引が困難となった中小企業が販売や仕入れの新たなルートをつくることができるように、助言やマッチング支援を行ってまいります。  今後も、都内経済への影響の長期化なども見据えまして、切れ目のない支援を、スピード感を持って、全力で進めてまいります。 ◯高倉委員 企業を取り巻く環境が悪化する際には、資金繰り支援の強化が重要であります。コロナ禍の影響に加えまして、ウクライナ危機による原油高騰などによる経済への影響は、都内の中小事業者にとって二重の打撃となります。  コロナ禍では、都議会公明党の要望を受け実施された緊急融資が多くの事業継続につながりまして、取組を高く評価しているところであります。  現在の経済情勢を踏まえると、大胆な金融支援策を迅速に講ずるということが必要と考えますけれども、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 今回のウクライナ情勢によりまして、原油や穀物などの価格の高騰のほか、ロシアの企業との取引停止など、事業者の経営に様々な影響が生じることが懸念されるところでございます。  このため、都は、こうした状況の下、売上げに影響の出る中小企業の資金繰りを支援するため、制度融資に新たなメニューを創設いたします。  このメニューでは、一億円を限度額として低利融資を行うとともに、借入れの際に必要となる信用保証料について、小規模事業者に対しては四分の三、その他の事業者には三分の二の補助を行います。  現在、早急に支援を始めることができるよう、三月中旬からの受付開始を目途に準備を進めているところでございます。 ◯高倉委員 今、答弁で、新たな制度融資のメニューについては、三月の中旬から受付を開始するというような答弁がありました。ぜひ迅速にお願いしたいと思います。  昨年一年間の東京税関管内のロシアとの輸出入額は三千億円に上っておりまして、都内の中小企業には少なからずロシア企業との取引があると考えられます。  ロシアの金融機関が国際的な決済システムから排除されることで、取引先への送金などの決済が困難となるなど、今後、ロシアの企業との取引を行う都内中小企業に及ぼす影響が懸念をされます。  都は、こうした状況を踏まえ、都内中小企業が新たな販売先や仕入先を確保できるよう支援すべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 都は、ロシアの企業との決済の停止などにより、販売や仕入れが困難となる中小企業に対して緊急的な対策を実施いたします。  具体的には、今月から海外取引や貿易実務の専門家による特別相談を開始し、新たな取引先を探すために必要な相談や手続等についてアドバイスを行います。  また、外国のビジネス事情に精通した民間人材を活用し、海外の新たな販売や仕入れのルートをつくるためのマッチングや、越境ECへの出品の支援を通じて取引先の開拓につなげてまいります。  こうした取組によりまして、ロシアの企業との取引が困難となった中小企業に対して、適切にサポートを行ってまいります。 ◯高倉委員 次いで、都民の城改修事業について質問をいたします。  都民の城改修基本計画における改修工事費は百三十六億円となっておりますが、この金額は、新築当時の初期工事費を基に、建築費指数によりまして単価の変動の影響を補正した上で、令和二年時点で想定される改修範囲や見積金額を用いて積算しております。  新型コロナ感染症の拡大により、都民の城の設計等、改修工事は二年間延期となりまして、現在、原材料の調達が困難な状況で価格も高騰しています。  そこで、令和二年度に積算された百三十六億の費用をそのまま同額で令和四年度に計上した場合に、設計、改修工事費は賄えるのか、財務局の見解を伺います。 ◯吉村財務局長 仮称都民の城改修基本計画でお示しいたしました約百三十六億円につきましては、その後の基本設計、実施設計において精査することとしており、昨年十月に完了いたしました基本設計において、概算工事費は約百三十四億円と試算されております。  なお、現在、仮称都民の城は、酸素・医療提供ステーションとして活用していることなどから、実施設計の予算を計上しておりません。 ◯高倉委員 当初、都民の城の改修工事の完了は令和四年度で、令和五年度から供用開始をするとしておりましたが、さきに述べましたように二年間延びて、このままいくと、供用開始は令和七年度からになります。  この場所は現在、新型コロナ酸素・医療提供ステーションになっておりまして、供用開始はさらに延びると考えられます。  他方、都はこの場所を、旧青山病院の跡地や国連大学の用地、そして渋谷区の用地とともに、四つの敷地を一体的に活用していくことを目指すとしておりまして、昨年十二月に神宮前五丁目地区まちづくりの方向性を検討する有識者会議を立ち上げました。  この有識者会議の検討スケジュールによりますと、第五回目の開催の令和四年四月中には、まちづくりの大きな方向性を提言するとなっています。そして、都は、四つの敷地の一体的活用を令和十一年をターゲットとして調整を行うとしております。  しかも、先ほど財務局長の答弁がありましたけれども、財務局も令和四年度において実施設計の予算を計上していないということであります。  したがいまして、都民の城を仮に令和七年度に供用を開始するとしても、解体期間を考慮しますと、都民が利用できる期間は正味三年間であります。  この三年間のために、都民の税金百三十六億円、場合によってはさらに増えるというふうにも思いますが、それを投入していくことは、まさに税金の無駄遣いであり、改修工事はやめるべきと考えますが、財務局の見解を求めます。 ◯吉村財務局長 仮称都民の城につきましては、改修基本計画の中で、令和十一年をターゲットとして、周辺都有地とともに一体的に活用していくことを目指し、それまでの期間の活用を想定しておりました。  しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症への対応の中で、当初想定されていなかった酸素・医療提供ステーションとして建物を利用していることなどから、改修基本計画の策定時点より改修スケジュールが大幅に遅れております。  仮称都民の城につきましては、現在設置している神宮前五丁目地区まちづくりに向けた有識者会議でも議論されておりまして、都としては、この有識者会議で出される提言を受け、今後の対応を検討してまいります。 ◯高倉委員 今、答弁にもありましたけれども、有識者会議の提言で、令和十一年をターゲットとして神宮前五丁目の四つの敷地を再開発していくのであれば、二、三年しか利用できない都民の城の改修工事は税金の無駄遣いになるのでやめるべきであるということを申し上げておきます。  次に、民間知見を生かした5Gの通信基盤の整備についてお伺いします。  令和四年度予算の施策展開の視点としまして、都は、サステーナブルリカバリーで世界をリードする東京へ進化させていくことが重要であるとしまして、その一つとして、社会の隅々までデジタル化を浸透させていくとしています。  その社会基盤の整備として、都は、デジタルハイウエー構想を掲げております。  都議会公明党は、一昨年の第四回定例会の代表質問で、多摩地域に5Gの通信アンテナが設置されていないことを取り上げまして、都は、5Gネットワークは多摩地域においても重要であると述べた上で、都有施設や政策連携団体の施設を積極的に開放し、さらには、都区市町村IT推進協議会を通して市町村の取組を促すとお答えになりました。  しかし、二〇二二年一月現在、一部の通信キャリアが多摩地域に5Gの通信アンテナを設置しておりますが、その通信キャリアでさえ、西多摩地域には通信アンテナを設置しておりません。また、一部通信キャリアでは、区部のサテライト地域にも5Gの通信アンテナが設置されておりません。これでは、デジタルハイウエー構想ではなく、デジタル山手線構想になってしまいます。  デジタルハイウエー構想も、基盤が整備されていなければ、絵に描いた餅になります。通信キャリアは民間だから難しいといわれるかもしれませんけれども、民間から来た宮坂副知事だからこそ、今までの知見を活用して整備をしていくことができるというふうに思います。宮坂副知事の見解を求めます。 ◯宮坂副知事 私が就任以来取り組んでいるスマート東京の実現に向けて、その前提となるのが5GやWi-Fi、光回線などの通信基盤の構築です。  そのため、特に5Gネットワークの早期構築については、通信事業者のトップとのサミットなど様々な機会を捉え、直接要請してまいりました。  また、都自らも多摩地域の約六千五百件を含む一万五千件以上の都有アセットをアンテナ基地局の候補地として公開しており、約百件が既に稼働、さらに約三百件について稼働に向けた調整を行っております。  今後、基地局設置に関わる技術的支援の規模を拡充するなど、さらなるスピードアップを図ってまいります。  来年度はさらに、都内の隅々まで高速インターネットが安定的につながる環境の構築を目指し、新たに西多摩地域などの通信困難地域における実測調査を本格化し、通信事業者へ整備拡充を具体的に働きかけてまいります。  今後、こうした取組を私が先頭に立って、通信事業者とビジョンを共有し、総合的かつスピード感を持って展開することで、いつでも、誰でも、どこでもつながる東京を実現してまいります。 ◯高倉委員 都は、また、令和四年度予算でデジタル関連経費を前年度より五百九十六億円増やし、二千三百三十四億円計上しております。ただ、デジタル化の成果物は目に見えないものが多いというのが特徴であります。また、失敗をしても一般の人には分かりづらいというのも特徴であります。ただ、失敗をすれば、多額の税金が消えていってしまうわけであります。  そこで、財務局は、デジタル化の予算の成果をどういう形で検証をしていくのか、財務局長の見解を求めます。 ◯吉村財務局長 令和四年度予算編成では、政策評価と事業評価を一体的に実施し、評価制度をさらにブラッシュアップいたしました。  具体的には、成果指標を設定し、外部有識者の意見も踏まえながら、課題や実績等の検証を行い、さらなる施策の見直しなどへつなげました。また、新たにホームページ上で検索しやすく、視覚的にも分かりやすい形で評価結果を公表しております。  こうした評価制度を一層有効に活用することで、デジタル化に関する予算も含めまして、より成果重視の視点から評価を行い、施策の実効性、効率性の向上を図ってまいります。 ◯高倉委員 ただいまの答弁で、成果指標を設定し、外部識者の意見も踏まえながら、課題や実績等の検証を行っているというふうにありました。  しかしながら、この検証は、しょせん内輪での検証というものであります。デジタル化は、サステーナブルな東京を実現させていく重要な政策であります。都は、監査委員監査のほかに包括外部監査を導入しているように、専門家による第三者の目で、デジタル化につきましては、システム監査など第三者のチェックを行う制度を構築していくべきであります。財務局長の見解を求めます。 ◯吉村財務局長 都はこれまで、デジタル化に関しまして、都外部の専門的知見を生かしつつ検証をしております。  具体的には、各局の予算要求の際に、デジタルサービス局が、民間の知見も活用し、情報システムについて、技術的な見地から経費の適正性や費用対効果の妥当性等のチェックを行うとともに、財務局では、評価制度の一環として第三者の視点も踏まえた検証を行うなど、予算編成に反映しております。  また、監査委員監査において、行政監査の一環として、専門家からの支援なども活用してシステム監査を実施いたしました。  こうした取組も踏まえまして、デジタル化に関する評価に当たって、第三者の意見を反映する仕組みの充実につきまして、関係局と連携して検討してまいります。 ◯高倉委員 ぜひしっかり検討をしていただきたいというふうに思います。  次に、新型コロナ対策についてお伺いをしたいと思います。  現在の感染の拡大、第六波であります。連日の新規感染者数は、過去五回の波とは比べものにならないほど大規模なものであります。  病床の使用率は現在五〇%を切るという状況になっております。一方で、入院調整本部による入院の措置状況を見ますと、今回の第六波における必要な医療体制の、そうした、いわば特徴が表れているというふうに私は思っております。  調整本部の方には、毎日、医療機関からの空きベッド情報、それから保健所からの入院要請が届きます。それに対して入院調整を行っているわけでありますが、この二月の状況を見ますと、入院決定者は大体百人前後なんです。それに対しまして、ずっと減ってきてはいるんですけれども、この二月の状況は三百人から五百人という入院未決定者が出ているわけであります。  この入院の未決定者のかなりの割合は高齢者になっているというふうに思いますけれども、こうした状況についてどうご認識されているのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は入院調整本部を設置いたしまして、保健所からの要請に応じて、患者の重症度や療養の状況等を踏まえまして、優先度を考慮しながら、受入先となる医療機関を調整しております。  三月二日の状況では、保健所から二百九十六人分の依頼がございまして、このうち入院決定が百十六人、依頼の取下げが五十人、その日に決定に至らなかった方が百三十人でございます。  この百三十人の方は、施設で介護を受けている方を含めまして、七十代以上が八二%を占めておりまして、翌日以降に入院調整などを行っております。  なお、施設に入所されている患者は、自らの生活環境をできる限り変えずに療養できることも大変重要でございまして、都は高齢者施設への往診などの取組を進めているところでございます。 ◯高倉委員 今、答弁で、決定に至らなかった人が、三月の二日ですけれども、百三十人であるというお話がありました。  しかし、私が先ほど申し上げたように、例えば二月の九日は、決定に至らなかった人は五百人以上、それから二月の十六日は四百人以上、それから二月の二十三日は三百人以上と、かなりの数に上っております。先ほど申し上げたようにだんだん少なくはなってきているんですけれども、これは入院数を見ますとあんまり変わっていなくて、保健所からの依頼件数が減ってきているというような状況によるものというふうに思います。  こうした現状、状況を見ますと介護が必要な高齢の感染者を医療機関で受け入れることが難しいというような状況が続いているというふうに思います。  今回の第六波では、高齢者施設においてかなりのクラスターが発生をしております。介護が必要な高齢の感染者の方々への医療提供体制の逼迫といったことが大きな課題になってきているのではないかというふうに思います。  介護が必要なために入院が難しいというのであれば、高齢者の介護、医療に対応できる臨時の医療施設のような形に、例えば高齢者施設をしていく、こういったことも必要なんじゃないかなと思います。すなわち、クラスターが発生をした高齢者施設については、酸素吸入器などの設備や治療薬、医療人材を集中的に投入するなどの、そういった取組を強化すべきというふうに思います。  都は既に着手もされているというふうには思いますけれども、クラスターが発生をした高齢者施設に対する医療支援を強力に進めていくということが重要であると思いますけれども、都の取組について見解を求めます。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 今般のオミクロン株の流行におきまして、五名以上の陽性者が発生した高齢者施設は二百五十を超えているなど、施設内の感染が広がっております。  そのため、都は、広域的に往診等を行う医療機関と連携し、これまでに延べ七十三の施設に往診等を実施いたしました。  また、先月から、特別養護老人ホーム等への地区医師会の医療支援チームによる往診等を開始いたしまして、延べ七施設に実施するとともに、往診での中和抗体薬の投与や酸素濃縮装置の貸出しなどの取組を行っております。  あわせて、高齢者施設での追加接種を重点的に進めておりまして、三月中旬には約九割の施設で完了する見込みでございます。 ◯高倉委員 先ほど入院調整本部の状況について申し上げましたけれども、これは、受入れ可能なベッドがあるにもかかわらず、介護が必要な高齢者が数多く受け入れられていないというようなことが顕著にあらわれているわけなんですね。  昨年の第五波では、四十代あるいは五十代の感染者への対応といったことが課題になりましたけれども、今回はとりわけ、介護が必要な高齢者の医療機関の受入れといったことが、大きな課題というふうになって表面化してきているわけであります。今回の感染の特徴を踏まえるならば、介護も必要な医療施設を増強していくということが重要になってくると思います。  一昨年、私ども都議会公明党は、このコロナ禍においてコロナ専用病院の開設を求めまして、都は二つの専用病院を開設したほか、都立病院の幾つかを事実上のコロナ専用病院というふうにもして運用したわけであります。  今回の感染状況への対応を考えるならば、介護を必要とする高齢者の医療支援型の施設といったようなものを増強すべきというふうに考えますけれども、見解を求めます。
    ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 現在、都では、重症化リスクの高い高齢者の感染拡大に適切に対応するため、先般、荒川区内の病院跡地を活用いたしまして、高齢者等医療支援型施設を開設いたしまして、国や運営を担う医療法人と連携いたしまして、理学療法士や管理栄養士を配置するなど、高齢者が安心して療養できる環境を整備いたしました。  現在、運用している五十床の九割以上が稼働をしておりまして、医療人材の確保に引き続き努め、人工透析患者の受入れ病床も含め、順次拡大をしてまいります。  また、多数の陽性者が発生した高齢者施設への往診や救急隊からの受入れなどに柔軟に対応することで、高齢者等医療支援型施設の機能を強化してまいります。 ◯高倉委員 今ご答弁をいただきましたけれども、今回の、私がちょっと指摘を申し上げたことと、それから都としての取組ということは極めて重要なことだというふうに思います。  とりわけ、今回の第六波で非常に顕著にあらわれてきているということであるというふうに思います。やはり一回一回のそういう感染の波のそのときの対応、こうしたことを踏まえながら、今後やはり準備も含めて、戦略的にこの対応を考えていくということが重要であるというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。  それから、二月七日の知事への緊急要望におきまして、発熱等の症状があった人の診察、検査が可能な医療機関名を全て公表するように要望いたしました。  今回の感染第六波におきまして、新規感染者が連日一万人を超えている状況の中で、発熱等の症状があった方につきましては、やはりまず知りたいと思うのは、身近で診察、検査が受けられる医療機関の情報であります。  都民に対し、より分かりやすく情報提供できるように工夫すべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は昨年九月、公表に同意いたしました診療・検査医療機関のリストをホームページで公表し、十月にはこれらの医療機関情報をマップ化して掲載をいたしました。  今般の感染急拡大に伴い、公表した一部の医療機関に患者が集中したため、本年二月二十五日から全ての診療・検査医療機関の情報を公表いたしました。  公表に当たりましては、かかりつけ患者のみ対応する医療機関もあるため、その旨を明示するなどの工夫をいたしまして、現在、四千二百二十八機関を掲載しております。  また、絞り込み検索機能の充実やスマートフォン用画面の新設などを行い、マップの操作性向上を図ってまいります。 ◯高倉委員 新型コロナ禍における経済対策について、二点、質問させていただきたいと思います。  この長引くコロナ禍におきまして、中小企業は依然厳しい環境に置かれておりまして、さらに支援が必要であるというふうに思います。  都は、我が党からの提唱を受けまして、中小企業が感染症対策に必要な換気設備やアクリル板などを助成する事業を実施をしております。この助成金を活用した中小企業からは、換気対策や三密回避に大変役立っているというふうな声も私どもは聞いております。  都は、この三月末まで本事業の申請を行うこととしておりますが、厳しい状況にある中小企業をサポートしていくために、四月以降もこの助成金を延長して実施をしていくべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 都は、感染拡大防止と経済社会活動の両立を図るため、業界ごとのガイドラインに沿って、中小企業が換気設備の導入や消毒液の購入などを行う場合、必要となる経費に助成を行ってきたところでございます。  今年の一月からは、本事業を既に活用した企業も再度の利用を可能とするほか、消耗品の購入助成について、複数の会社のグループだけではなく、一社でも申請できるよう見直しを行いました。また、コロナ対策リーダーを配置する店舗への助成額の引上げも加え、三月末まで申請を受け付けております。  現在までに二万四千件を超える取組を支援してございまして、今後、感染状況の推移を踏まえながら、中小企業が厳しい経営環境に対応できるよう、事業の進め方を検討してまいります。 ◯高倉委員 それから、感染防止協力金のことでございます。これはさらなる改善が必要であると思います。  例えば、支給不可の審査結果が出るまでに数か月を要した上で、店舗内の客席配置が不十分であったために支給対象外とされた事例がありました。申請後、都から早めに適切な事実確認や情報提供があれば、申請者は地元の保健所等に届出を行い、道路占用や営業許可の取り直しの手続を行いまして、少なくともその時点から支給対象となっていたというふうに想定される事例であります。  実際に、そうした段取りを経て協力金の対象になった事業者があるわけでありまして、この申請者は数か月後に支給対象外の結果通知を受けたために、数か月間を遡って申請をし直すことがかなわなかったわけであります。  こうした事例を踏まえれば、審査のスピードアップと事実確認の迅速化に取り組むことが必要と考えますが、見解を求めます。 ◯坂本産業労働局長 都は、協力金に係る審査を円滑に進めることができるよう、民間の力を活用し、最大で約二千三百名が書類等のチェックを行う体制を構築し、対応を行ってまいりました。  審査に当たりましては、業務を受託した事業者が担当者に研修を行い、制度やチェックのポイントについての十分な理解の下、実務を迅速に行うこととしております。  今後は、申請者が協力金の支給対象となることの確認や、それを証明する書類の提出依頼に係る電話連絡などを専門に行う人員を柔軟に増やすことにより、事業者への連絡に要する期間の短縮を図ってまいります。  こうした工夫を積み重ねることで、審査の円滑化を図り、申請者からの要望に応えてまいります。 ◯高倉委員 次に、高校三年生世代までの医療費無償化について質問をいたします。  都議会公明党が提案をしてまいりました医療費の無償化について、小池都知事は、さきの都議会公明党の代表質問への答弁で、令和五年四月の開始を目指して、区市町村の準備経費等を来年度予算に計上した、今後、子供の医療費助成の実施主体である区市町村と丁寧に意見交換等を実施をしていくというふうに述べられました。このことを高く評価するものであります。  その際、区市町村の支援スキームについて提案をさせていただきましたが、その後、令和五年度から三年間、都が十分の十で区市町村を支援することを表明されました。  今後、全ての区市町村で早期に実施することができるよう取組を進めるべきですが、福祉保健局長の答弁を求めます。 ◯中村福祉保健局長 高校生相当年齢を対象といたします高校生等医療費助成制度につきましては、事業の実施主体であります区市町村から早期に都の考え方を示すべきとのご意見もありまして、先週、都として基本的な枠組みを示しました。  具体的には、年齢的に接続する義務教育就学児の医療費助成を参考に、都と区市町村の負担は二分の一とし、所得制限や一部負担の仕組みも導入する考えでございます。ただし、全ての区市町村で早期に実施されるよう、令和五年度からの三年間、都の負担を十分の十として区市町村を支援することとしております。  今後、この基本的な枠組みにつきまして、区市町村長の会議等で説明いたしますとともに、区市町村のシステム改修経費の内容など、実施に当たりましての具体的な課題も含め、区市町村と意見交換を行うなど、丁寧に調整を進めてまいります。 ◯高倉委員 次いで、受験生チャレンジ支援貸付事業についてお伺いをしたいと思います。  さきの本定例会の我が党の代表質問では、本事業の対象者が大きく拡大されることを踏まえて知事に答弁を求めましたが、令和四年度予算で区市町村への事務経費補助の増額を図る旨の答弁がありました。  本事業の貸付実績数は、中学三年生と高校三年生の合計で、平成二十六年、二十七年と一万人を超えたのをピークとしまして、その後、若干ずつ下がり始め、令和二年度は七千六百四十六人と減少する傾向にございます。  その原因には様々な要因があるものと思われますけれども、事業の対象となる学年の生徒は毎年異なることから、毎年新たに十分な周知を図る必要があるわけであります。  この事業では、区市町村の職員の方々に窓口対応をしていただいております。今回、対象者数で約五倍もの拡大を図ることになりますが、区市町村の職員の方々には、今まで以上に意欲的に周知に取り組んでいただけるようにすることが大事なポイントでございます。  本事業に係る区市町村の事務事業経費への補助は、福祉保健局からの区市町村に向けた包括補助に含められております。しかし、令和四年度には一挙に五倍もの対象拡大を図ることになります。  したがいまして、この際、包括補助ではなく、別枠での区市町村への事務経費補助とすべきというふうに考えます。補助の拡大の中身と併せて、福祉保健局長の見解を求めます。 ◯中村福祉保健局長 来年度、受験生チャレンジ支援貸付事業の収入要件の見直しに伴いまして、申請の大幅な増加が見込まれるため、受付窓口となる区市町村の負担も大きくなることが想定されております。  そのため、都では、区市町村の窓口経費に対する補助につきまして、体制整備に係る基礎基準額を引き上げるとともに、貸付件数に応じた加算区分を見直すことにより、補助内容を拡充いたします。  あわせて、これまでの包括補助から単独の補助事業とすることといたしまして、必要な経費を確保いたします。 ◯高倉委員 次いで、医療的ケア児の通学費の支援についてお伺いします。  都議会公明党は、医療的ケア児専用通学車両の運行開始から拡充まで一貫して推進をしてまいりました。  都立肢体不自由特別支援学校では、医療的ケア児の専用通学車両を運行しておりますが、入学後に乗車できるまで、保護者が付き添って通学することが求められているわけであります。  医療的ケア児の保護者からは、乗車できるようになるまでの間、学校への付添いに必要となる費用につきまして、負担軽減を求める要望を私どもは受けてまいりました。  我が党は、令和三年第四回定例会におきまして、保護者が負担している福祉タクシーを利用した際の通学費について支援を求めましたところ、通学費の支援を検討するという考え方が明らかにされております。  今後の取組について見解を求めます。 ◯藤田教育長 現在、医療的ケアの内容などについて、保護者から学校への引継ぎが完了するまでの間は、保護者の付添いによる通学をお願いしているところでございます。  来年度からは、専用通学車両に乗車できるようになるまでの間、福祉タクシー等を利用した場合につきましても通学費の支援対象とすることで、医療的ケア児の通学手段の適切な確保と保護者負担の軽減を図ってまいります。 ◯高倉委員 次いで、ケアリーバーについて質問させていただきます。  虐待や貧困などで保護をされまして、児童養護施設や里親家庭で暮らす子供や若者が、施設などを離れて、いわゆるケアリーバーとして自立へのスタートした後に、孤立や困窮に陥るケースが少なくありません。  国が保護年齢の上限十八歳の措置を撤廃しまして、個別の判断で支援が継続できるよう進める中で、都は、施設職員などがケアリーバーのサポートができるように、そして安定した生活を送れるように、令和四年度より家賃支援を行うとしたことを評価いたします。  しかし、様々に心配なところがあります。この家賃支援事業は、施設退所後一年間の支援施策となっておりますが、都が行った実態アンケート調査の結果、施設退所後の就業継続期間が一年未満だったというケースは四三%、一年から三年未満が四五%となっております。これは、約九割の方が施設退所後三年未満に不安定な生活に陥ったであろうということを示しているわけであります。  また、アンケートに答えてくれた人は約二割という状況でありまして、実態はもっと深刻な可能性があります。そのため、支援期間が一年ということであれば、四割の方々への支援となりますが、三年の期間に延ばせば、九割のケアリーバーの自立支援のセーフティーネットとなるわけであります。  都は、家賃補助の期間を一年ではなく三年に延長していくことを前提に、この政策をスタートすべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度から、施設退所者等へのアフターケアを強化するため、十八歳で措置解除となった方にアパート等を借り上げる施設等に必要な経費を支援することとしておりまして、なるべく早期に自立を図るため、支援対象期間を一年としております。  事業の実施に当たりまして、ケアリーバーが自立後に離職するなど困難な状況に陥った場合に対応できるよう、今後の状況も踏まえながら、柔軟な運用を検討してまいります。 ◯高倉委員 ただいま答弁で、柔軟な運用というお答えがありました。補助の期間をしっかり延ばしていくというような意味での柔軟な運用という答弁というふうに受け止めさせていただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。  次いで、医療施策についてですが、重粒子線の治療についてお伺いしたいと思います。  都議会公明党は、昨年の定例会におきまして、都立病院への重粒子線治療の導入を重ねて求めてまいりました。  重粒子線治療は、二人に一人ががんになる時代に、患者の体への負担を極力減らし、仕事と治療の両立が可能になる治療であります。  しかしながら、都内にはまだ施設がないために、都立病院での導入が必要であるというふうに考えているわけであります。  ただ、重粒子線治療は保険適用が限られるといったことが課題であったわけであります。  そうした中で、今年四月の診療報酬改定では、四年ぶりに重粒子線治療を含む粒子線治療の保険適用の対象となる疾患の範囲が拡大をされましたけれども、具体的内容について明らかにしていただきたいと思います。 ◯西山病院経営本部長 令和四年度診療報酬改定に向けた先進医療の保険導入等の議論を経まして、重粒子線治療の保険適用の対象となる疾患には、新たに手術による根治的な治療法が困難な肝細胞がん、肝内胆管がん、局所進行性膵がん、局所大腸がん、局所進行性子宮頸部腺がんの五つの疾患が加えられました。  保険が適用されることにより、高額療養費制度の利用も可能となるため、患者の経済的負担が大きく軽減されることに加えまして、患者の治療の選択肢が広がると認識してございます。 ◯高倉委員 今、答弁で、保険適用になった五つのがんの紹介がありました。さっと答弁されましたので、なかなか分からないと思います。ちょっとこちらにしてみました。(パネルを示す)下の青いのが、すみません、見えなくて申し訳ないんですが、これが従来の保険の適用、上の赤い五つが今回新たに保険の適用になったというようなことでございまして、かなり保険適用が広がったのではないかというふうに思います。これによって、これまで治療を諦めざるを得なかったといった患者の皆さんにとりましては、大変な朗報ではないかなと思います。  さきの定例会で、知事は、我が党の代表質問に対しまして、重粒子線治療の事業採算性等の検証を含め、最新のがん対策について検討していくとされました。  これを踏まえて、令和四年度予算案に、都立病院における最先端がん治療の方向性に関する調査費三千万円が計上されています。本年七月に設立される方向になっている東京都立病院機構に対し、都から交付するということであるというふうに思いますが、来年度、具体的にどのように検討を進めていくのでしょうか。  本調査は、東京都立病院機構で検討するスキームとなっておりますが、都のがん対策推進計画等との整合性を図る必要もありまして、都がしっかりと関与していくことも必要である点を指摘しておきたいと思います。  また、重粒子線治療は、採算性だけではなく、体を傷つけない、すなわち低侵襲というふうに呼びますけれども、働きながら治療ができるといったようなことで、患者の体への負担の軽減という面もあります。  最先端がん治療の方向性を検討する際には、こうした側面も十分に検討すべきと考えますけれども、併せて都の見解を求めます。 ◯西山病院経営本部長 独法化後の東京都立病院機構に継承される調査検討に当たり、重粒子線治療につきましては、他府県の状況や診療報酬改定等を踏まえた患者数の推計、必要な施設規模等を考慮して採算性の検証を行うとともに、専門人材の必要数、施設の立地等についても検討してまいります。  さらに、がん治療における手術療法、薬物療法、放射線療法の三つの療法及び現在研究中の最先端がん治療について、低侵襲性や生存率の低い疾患への対応などの観点からも検証してまいります。  こうした検証に取り組むことで、患者の視点に立ちながら、最先端がん治療の方向性を検討してまいります。 ◯高倉委員 先ほどパネルで紹介しましたけれども、今回新たに保険適用となった中での、その中の膵臓がんです。これは他の疾患に比べまして、極端に生存率が低いということでも知られております。こうした難治性のがんに対しまして、保険診療として重粒子線治療を利用できるようになったことは極めて重要であるというふうに思います。  今、答弁がありましたこの調査を通じて、重粒子線治療の導入に向け、着実に検討を進めることを強く要望しておきたいと思います。  次に、救急医療、災害医療について質問させていただきたいと思います。  私は、災害時も含めた医療支援、これは救急医療、災害医療もそうですけれども、これについては、陸上からだけではなくて、空や海からの支援が大変重要であるというふうに考えてまいりました。  都議会公明党は、令和元年第四回定例会で、ドクターヘリの導入を提案してまいりました。既に東京都には、東京型ドクターヘリというのがあるのは承知をしておりますけれども、これは今全国に展開をされているドクターヘリのことでありまして、小型で短時間の離陸など機動性が高いヘリであります。しかも、この同様のヘリを近隣県は導入しておりまして、いざというときの相互協力といったことも可能であります。  今、このドクターヘリは、残すところあと東京と、それから香川だったでしょうか、二つになっておりまして、いよいよ東京都もドクターヘリの運航が目前に迫ってきているわけであります。  まず、ドクターヘリの運航開始に当たりまして、知事のご決意をお伺いしたいと思います。 ◯小池知事 重篤な患者に一刻も早く適切な医療を提供できる救急医療体制を構築することが重要であります。  このため、都は、短時間での離陸など機動力が高い小型ヘリを活用しましたドクターヘリを導入しまして、救急医療の効率的な提供を実現することといたしまして、今年の三月三十一日からの運航の開始となります。  今後とも、近隣県と連携を図りながら、都民の安全・安心の確保に向けまして、救急医療体制の機能強化に取り組んでまいります。 ◯高倉委員 いよいよこの三月三十一日から運航が開始をされるわけであります。既にテスト飛行等も行われておりまして、都民の安全・安心がより一層確保されるものというふうに期待をしております。  そこで、東京都が、このドクターヘリ導入に取り組んできたことなど、ドクターヘリの概要について答弁をお願いしたいと思います。 ◯中村福祉保健局長 ドクターヘリは、医師がヘリコプターに搭乗して速やかに患者の元に行き、現場や機内で必要な治療を行いながら医療機関に搬送するものであります。  都は、ドクターヘリの基地病院に杏林大学医学部附属病院を選定するほか、協力病院に東京医科大学八王子医療センターと都立多摩総合医療センターを選定し、医師、看護師が常駐して迅速に出動できるよう、多摩航空センターに発信基地を整備いたしました。  また、救急車と合流し、患者を引き継ぐランデブーポイントを九十九か所確保いたしまして、現在、様々な場面を想定した訓練を重ねております。  今後とも、ドクターヘリの有用性が高まるよう、基地病院、運航会社、自衛隊、消防機関などとの連携を密にして取り組んでまいります。 ◯高倉委員 今、患者を引き継ぐランデブーポイントについては九十九か所確保しているということでありまして、大きな効果、役割を果たしていただけるのではないかというふうに期待をいたします。  次いで、先ほど空と海と申し上げましたけれども、海の方のお話をちょっとさせていただきたいと思います。海からの医療支援ということになります。  私は、国会にある議員連盟、議連がありまして、そこに協力をする形で、日本に病院船を導入する取組といったことを後押しさせていただいております。これまで東京都も協力をしていただきまして、東京港で民間船や自衛隊の護衛艦を使いまして、実証実験がこれまで二度行われてきております。  また、その議連の招きで東京港に寄港しましたアメリカの海軍の、米海軍の病院船「マーシー」といったものも東京港に寄港しておりまして、私も艦内を見学させていただきました。国においては、もう今既に法整備も進められているところでございます。  そうした動きの一環としまして、東京二〇二〇大会が開催をされました際に、東京ベイエリアにおきまして、陸上での救急搬送が困難となった場合に対応するために、救急艇を使用して、会場近辺から救急医療機関を結ぶ傷病者の搬送活動が、医師と救急救命士同乗で実施をされました。  この取組は、東京消防庁と協定を締結しました民間団体であります公益社団法人モバイル・ホスピタル・インターナショナルと、日本救急医学会の諸大学の関係者が行った救急艇の社会実験でありまして、実施前の昨年第一回定例会での都議会公明党の本会議質問に対しまして、消防総監は、傷病者の搬送体制の多様化を図る上で大変有効であると答弁をされております。
     そして、昨年の取組に対して、消防総監からは、同団体の取組に対して感謝状も贈られているわけであります。  コロナ禍の緊急事態宣言で、オリンピック・パラリンピックのときは無観客となりましたので、搬送実績はありませんでしたけれども、こうした初めての取組となりまして、今後の救急艇の実装といったことに大きな期待も寄せられているわけであります。  多様な救急搬送手段として、このような取組を東京消防庁は今後も積極的に進めていくべきと考えますけれども、消防総監の見解を求めます。 ◯清水消防総監 災害等により多数の傷病者が発生し、救急車が不足する場合や、陸路が寸断された場合に迅速に医療機関へ搬送するためには、搬送体制の多様化が重要でございます。  このため、東京消防庁では、東京二〇二〇大会開催期間中の災害に備え、医師等の医療従事者が同乗する民間船舶を有する団体と初めて協定を締結し、傷病者の搬送体制を強化いたしました。  開催期間中、搬送実績はありませんでしたが、事前訓練等を通じて、民間船舶による搬送について課題も見えたものの、価値のある知見を得ることができました。  今後も、震災等の大規模災害の発生に備え、民間団体や関係各機関と連携するなど、傷病者の搬送体制の充実強化に努めてまいります。 ◯高倉委員 医療施策のことでもう一点、国民健康保険についてお伺いしたいと思います。  都が昨年十一月に示した仮係数に基づく令和四年度の納付金算定結果では、一人当たり保険料の伸びが、前年度と比較しまして九・四%の増とされまして、我が党は令和三年第四回定例会において、都民の保険料負担を軽減するための対策を早急に検討すべきと求めました。  また、私ども公明党の竹谷とし子参議院議員が厚生労働委員会に所属をしておりまして、竹谷とし子議員は都議会公明党と連携をしまして、今回の保険料の負担軽減について、国への働きかけもしてきたところであります。  今年二月の都の国保の協議会におきまして公表されました確定係数での算定結果では、一人当たり保険料の伸びは前年度比六・二%となりまして、仮係数と比較をして約三%伸びが抑えられましたが、令和三年第四回定例会での質疑も踏まえ、確定係数における算定をどう行ったのか、見解をお伺いします。 ◯中村福祉保健局長 国民健康保険制度では、都道府県は、一人当たり医療費の伸び等を推計し、保険給付の必要総額から国や都の公費を差し引いて区市町村の納付金総額等を算出することとされております。  都が先月公表した確定係数の算定では、昨年十一月の仮算定から一人当たり医療費の推計を直近の実績を踏まえて補正し、給付費総額を算出しております。  また、診療報酬改定分としてマイナス〇・九四%を反映したほか、国からは、一人当たり介護納付金と後期高齢者支援金が減額になることが示されております。  こうしたことなどから、仮算定から納付金総額は約八十三億円減少し、一人当たり保険料額は、前年度比六・二%の伸びとなったものでございます。 ◯高倉委員 医療費が急激に増加しますと翌年度の保険料が上昇しまして、加入者の負担も大きくなるほか、国保財政の不安定要因にもなります。  都の財政安定化基金には、新たに納付金の急激な上昇を抑える財政調整の機能が付加されることになりました。今後、区市町村と協議をしまして、有効に活用されるよう要望をいたしておきます。  次に、環境の施策についてお伺いしたいと思います。  二〇三〇年のカーボンハーフの達成に向けましては、都庁率先の行動が重要でありまして、「未来の東京」戦略では、都有施設のゼロエミッション化が明記をされておりまして、意欲的な取組と評価をいたしております。  省エネや再エネの進展は、人類共通ともいえる大事な基本方針でありますけれども、その一方で、何事にも総論賛成、各論反対といった壁が付きまとうわけであります。  都有施設のゼロエミッション化でも、実際に建造物の発注が行われる際には、必要な経費や手間暇などが敬遠されまして、せっかく民間から有益な省エネ提案があっても実現に結びつかないといったおそれがあるわけであります。  設備設計を担う事業者団体からは、ある自治体の例としまして、新たな省エネの取組について、その財源として国の補助金の活用を提案してみましたが、補助金申請すら試みられることなく、経費が膨らむからといってスルーをされてしまい、省エネの取組も実現しなかったといった嘆きの声も聞かれたわけであります。  カーボンハーフという高い目標を掲げる小池知事の下、まずは都庁が一丸となって、強い意志を持って、率先して取り組むマインドへの転換を図る必要があります。  既存施設を含め、都有施設の再エネ、省エネ化を徹底的に進めるべきと考えますけれども、知事のご決意をお伺いします。 ◯小池知事 二〇三〇年カーボンハーフを実現するためには、多くのエネルギーを消費する都自身が、隗より始めよの意識の下で、温室効果ガス削減などの取組を一層強化していくことは重要です。  このため、都は、昨年三月に策定いたしましたゼロエミッション都庁行動計画におきまして、再エネ電気の利用促進や省エネ、再エネ設備等の率先導入を掲げております。  また、今般、太陽光発電設備の設置目標の大幅な引上げ、そして、とちょう電力プランのさらなる対象拡大を図るなど、都有施設のゼロエミッション化を推し進めております。  タイム・ツー・アクトと申し上げております。都庁自身、今こそ行動を加速させるとき、強い危機感を持って、全庁を挙げて脱炭素行動を進めて、都民、企業、行政等あらゆる主体の取組を牽引してまいります。 ◯高倉委員 今、知事から、都有施設のゼロエミッション化に向けましての力強い答弁がありました。  そこで、具体論になります。「未来の東京」戦略にもあるとおり、都有施設の新築や改築に際しての省エネや再エネの取組の基本形は、財務局が定める省エネ・再エネ東京仕様を基に立案をされます。  カーボンハーフというのは大変高い目標でありまして、現状の省エネ技術を単に集めて駆使するだけでは、カーボンの三割減ぐらいが精いっぱいではというふうに危惧する専門家の声もあります。今までにないレベルに挑戦するには、それに見合う省エネ・再エネ東京仕様のバージョンアップを急ぎ、その徹底した励行を図るべきと考えます。  民間企業からは、かつて省エネ・再エネ東京仕様に記載のある取組を都のある部門に提案をしたところ、そんな予算は組んでいない、そこまでやる必要はないと軽く一蹴されてしまったという話もお伺いをいたしました。  そこで、都有施設のゼロエミッションビル化を達成するため、まずは、導入すべき高いレベルを標準仕様としまして、新たな省エネ・再エネ東京仕様を早期に定めるべきと考えます。その際、民間の最新の再エネ、省エネ技術提案を積極的に取り入れるべきと考えます。  加えて、新たな省エネ・再エネ東京仕様の実現に向け、都庁各局が意欲的に取り組める財源対策も講じるべきと思います。  以上を踏まえ、省エネ・再エネ東京仕様を改定する狙いを各局に強く徹底すべきと考えますけれども、併せて見解をお伺いします。 ◯吉村財務局長 都有施設の新築、改築等の際には、標準的に導入する技術を定めました省エネ・再エネ東京仕様を適用し、再生可能エネルギーの利用や省エネルギー化に取り組んでまいりました。  ゼロエミッションビル達成のためには、さらなる環境負荷低減を図る必要があることから、東京仕様を見直し、より省エネ化が見込める新たな技術などを反映するとともに、策定中の主要施設十か年維持更新計画においても環境対策に係る費用を見込んでまいります。  改定した東京仕様の活用を各局へ徹底し、一層の省エネルギー化と多様な再生可能エネルギーの利用の推進を図り、都有施設のゼロエミッションビル化に取り組んでまいります。 ◯高倉委員 次いで、燃料電池バスの導入拡大について質問いたします。  燃料電池車両の導入は、都内CO2排出量の約二割を占める運輸部門の脱炭素化にも大きく貢献できることから、都として特に力を入れていくべきと考えます。  軽量で省スペースな水素タンクを積む燃料電池車両は、輸送量を確保しやすいために、大型で長距離を走行する車両に適しておりまして、既に都内で九十三台が走行しております。  しかし、約一億円という高額な車両価格に加えまして、コロナ禍の影響による乗客の減少でバス事業者の経営状況が悪化をしまして、新たな燃料電池バスの導入が難しい状況であります。  都は、来年度予算案で燃料電池バス導入補助の予算を大幅に拡充しておりますが、他の水素関連の補助では、必ずしも執行率が十分とはいえない事業もあることから、都は、燃料電池バスのさらなる導入拡大に向け、これまで以上に事業者の意欲を高める工夫を講じていくべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯栗岡環境局長 都はこれまで、バス事業者に対し導入費用を軽減する支援を行ってまいりましたが、車両価格が高いことや営業所の周囲に水素ステーションがないことなどの課題もあり、さらなる導入を逡巡する事業者も多うございます。  このため、都は来年度新たに、バス事業者等が五年で五台以上の導入計画を提出する場合や、営業所等に水素ステーションを整備する場合、国と合わせて約八千万円の従来の補助に、都単独で最大二千万円を上乗せし、バス導入経費の自己負担分をおおむねゼロにしてまいります。  また、バス対応水素ステーションの整備促進のため、補助上限額を引き上げ、自己負担をなくすことで事業者の導入意欲をさらに高めてまいります。  こうした施策を一気に推し進め、燃料電池バスの大幅な導入を図り、運輸部門の脱炭素化を進めてまいります。 ◯高倉委員 それでは、次に、今年創設をされる方向になっております同性パートナーシップ制度──同性というよりは、今回はパートナーシップ制度ということで、さらに少し広い制度になるというふうに思います。これについてお伺いしたいと思います。  性的マイノリティーの当事者の方々から強い要望が寄せられてきた同性パートナーシップ制度につきまして、都議会公明党は繰り返し創設を訴えまして、昨年第二回定例会では、私や同僚議員が紹介議員となった制度導入を求める請願が全会一致で趣旨採択されております。  令和四年度に制度を創設するとしまして、都はこのほど素案を示しました。その素案策定に当たりまして、性的マイノリティー当事者の思いをどう制度に込め、制度構築によって目指す都市の姿をどうされるのか、知事のご所見をお伺いしたいと思います。 ◯小池知事 インクルーシブシティ東京の実現に向けまして、性的マイノリティーの方々が自分らしく暮らせる環境づくりにつながるように、素案の策定に当たりましては、様々な観点からの検討を行いました。  まず、対象者でありますが、近隣県からの通勤、通学者が多いこともございまして、そういう東京の実態を踏まえて、都民のみならず、在勤、在学の方も対象としたところであります。  また、意図せず性自認や性的指向を知られてしまう、いわゆるアウティングへの対策に万全を期すということから、当事者のデジタル環境が整っていない場合などを除きまして、手続をオンラインで完結する仕組みを全国で初めて導入をいたします。  加えまして、証明書発行後もメール等によりまして、都の施策に関する情報提供を行うとともに、生活上の困り事を伺うなど、つながりを持ち続けられる制度といたします。  現在実施しているパブリックコメントなどを踏まえまして、今年の秋の運用開始に向けて制度を構築し、誰もが自分らしく生きられる共生社会の実現を目指してまいります。 ◯高倉委員 そこで、この同性パートナーシップ制度の導入に合わせて取り組んでいただきたいという課題についてお伺いしていきたいというふうに思います。  ちょっとこのパネルをご覧いただきたいと思います。これは、都の職員の方々の福利厚生の、そういった待遇の今の状況でございます。  これを見ていただくと分かりますように、同性パートナーの方については介護休暇のみ、これは二〇二一年の一月だったかと思いますが、同居家族のみ対象になったということで、これは三角にしてありますけれども、一歩前進が見られたわけですが、まだまだこれからなんですね。  私は、東京都の条例、規則、例規集を調べてみました。その中に、本文中に配偶者という文言があるものが一体どれぐらいあるのかというふうに調べてみましたところ、百八十本以上あります。まあもちろん、それが全て何らかの改善が求められるというものではないかもしれませんけれども。  このパートナーシップ制度を導入した際に、今回の素案でも、民間の事業者に対して、やはり様々な呼びかけをする内容を盛り込まれておりましたけれども、その前提となるのは、やはり隗より始めよで、東京都自らがしっかり取り組んでいくということが必要であると思います。  そこでまず、この制度創設に向けて、都庁自らが取り組んでいく取組としまして、同性パートナー職員の処遇について改善を図るべきと思いますけれども、見解を伺います。 ◯村松総務局長 都職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できますよう、職場環境を整備することは重要でございます。  そのため、都は、パートナー関係にある性的マイノリティーの職員に対する福利厚生制度等の適用に関しまして、国や他団体の状況等を注視しつつ、根拠となる法令との整合性について整理を進めてまいりました。  今後、今回策定いたしました東京都パートナーシップ宣誓制度の素案も踏まえ、地方公務員法に基づく国や他団体との均衡の原則や、福利厚生制度の目的、趣旨を考慮しつつ、受理証明書の活用を含め、具体的な見直しを検討してまいります。 ◯高倉委員 今、具体的な見直しを検討するというご答弁がありました。しっかりお願いしたいと思います。  先ほど例規集の百八十本以上に配偶者という文言があると申し上げましたけれども、その多くは、こうした、職員の方に関わる、そうした規定になっておりますので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。  もう一つ、これは東京都職員のことではありませんけれども、都が実施をしている都民サービスにつながる様々な事業、これについても一つ一つ、やはりこのパートナーシップ制度の創設に合わせて改善を検討していくということが必要だと思いますけれども、これについての見解を求めます。 ◯村松総務局長 パートナーシップ宣誓制度の目的の一つでございます性的マイノリティー当事者の困り事の軽減など、暮らしやすい環境づくりにつなげるためには、都の行政サービスにおいて受理証明書の活用を図っていくことが必要でございます。  このため、当事者からのニーズが高い、住宅や医療等の分野をはじめとした行政サービスについて、国の法令により対象者が規定されているもの等を除き、幅広く証明書が活用できるよう検討しているところでございます。  これまで各局とは、それぞれの所管事業における受理証明書の活用や実施に当たっての課題整理など、検討を進めております。  今後も引き続き、各局と精力的に調整を図ってまいります。 ◯高倉委員 これはぜひ、都の事業をしっかり調べて検討していただきたいと思います。各局にそれぞれまたがっているものもあるかと思います。ちょっと局の方に聞いてみたいというふうにも思ったんですけれども、ちょっと今日は時間がありませんので。  先ほど答弁で住宅のことがございました。私どもも、特にこの都営住宅の入居について改善を図っていくべきということを申し上げてまいりましたけれども、このことについてだけ答弁を今日、求めておきたいと思います。 ◯榎本住宅政策本部長 パートナーシップ宣誓制度導入の趣旨を踏まえまして、都営住宅への入居に当たりましても受理証明書が活用できるようにすることが必要でございます。  このため、都は現在、同様の制度を導入している他の自治体における公営住宅への入居資格の確認方法等について調査を行っております。  今後、こうした調査の結果やパートナーシップ宣誓制度構築の検討状況を踏まえまして、関係局と連携を図りながら、パートナー関係にある性的マイノリティーの方々が証明書を活用して、都営住宅への入居が可能となるよう、管理制度等における取扱いについて検討を進めてまいります。 ◯高倉委員 このパートナーシップ制度について、最後に、今日、都庁職員のことをお聞きしましたけれども、都庁グループであります政策連携団体の職員についても、私は改善を図っていくべきであるというふうに考えます。  このことについて答弁を求めたいと思います。 ◯村松総務局長 都庁グループの一員でございます政策連携団体におきましても、多様な性に関する職員の理解を促進し、性的マイノリティーの当事者を含めた職員一人一人の人権が尊重されることが重要でございます。  このため、都は政策連携団体に対して、パートナーシップ宣誓制度の意義等について十分な周知を行い、職員の意識向上を図るとともに、都における福利厚生制度の見直しの状況も踏まえながら、団体の制度整備を促してまいります。 ◯高倉委員 今、ずっと聞いてまいりましたけれども、それぞれしっかり検討していくということでありますので、制度創設に合わせて改善が図られるようによろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、スポーツのことについてお伺いをしたいと思います。  東京二〇二〇大会のレガシーという観点で、パラアスリートの競技力向上と被災地支援の取組といったことについてお伺いしたいと思います。  東京二〇二〇パラリンピックには、東京ゆかりの選手が六十二名出場しまして、多数のメダルを獲得しました。これは選手たちが目標に向かって諦めずに、たゆまぬ努力を重ねてきたことの証左にほかなりません。  大会の成果が実感される今、それを今後のパラスポーツの振興につなげていくためにも、東京ゆかりの選手が世界の舞台で活躍し続けることが重要であります。  そのためには、大会の開催を契機に、アスリートの国内外の大会参加に伴う費用をしっかりと支援していくべきであります。  パラアスリートの大会参加には、同行スタッフや競技アシスタントの費用がかかります。こうした費用の支援を都で実施していただきたいと思いますけれども、見解を求めます。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 東京二〇二〇大会後も、一層パラスポーツを盛り上げていくためには、世界を目指すアスリートの活躍を支援していくことは重要でございます。  都はこれまで、国際大会への出場が期待される東京ゆかりの選手に対して、競技用具等の購入、修繕費に加え、海外遠征費等、選手の競技力向上に資する活動に対して支援を実施してまいりました。  来年度はこれに加えまして、パラスポーツにおいて必要不可欠なガイドランナーや競技アシスタントなど、選手を支えるスタッフに対しても、国内外の大会参加等に伴う経費を支援してまいります。  こうした取組を通じて、国際大会で活躍する東京ゆかりの選手の競技力向上を後押ししてまいります。 ◯高倉委員 来年度から、視覚障害のある選手をゴールまで誘導するガイドランナー等、選手を支えるスタッフに対しても経費を支援するということでありました。  大会後もパラスポーツを一層普及させていくためには、アスリートを支えるスタッフの支援も重要であります。こうしたスタッフの方の活動にも光を当てて、パラスポーツを多くの方に知っていただく取組を推進するよう要望しておきたいと思います。  次いで、スポーツを通じた被災地支援についてでございます。  東日本大震災から十年の節目となる昨年開催された東京二〇二〇大会では、支援をいただいた世界中の方々に感謝の気持ちを伝える絶好の機会になりました。  また、東京二〇二〇大会成功に向け、都と被災県が手を携えて行ってきた多くの取組は、都民と被災県民の絆を生みました。  都議会公明党は、開催前にも毎年、そして大会後の昨年の第四回定例会代表質問においても、改めて被災地に寄り添いながら被災地支援を推進していくことの重要性を指摘し続けてきました。  復興オリンピック・パラリンピックのレガシーを着実に残していくためにも、今後、スポーツを通じた被災地支援を継続していくべきと考えますけれども、見解をお伺いします。 ◯延與オリンピック・パラリンピック準備局長 都は、東日本大震災直後から、スポーツの持つ力で被災地の復興を後押ししてまいりました。  具体的には、被災地の子供たちを東京に招待し、東京の子供たちと交流試合を行うスポーツ交流事業や、東京マラソン十キロの部への被災県高校生の招待など、様々な事業を実施してまいりました。
     来年度からは、被災県と連携し、復興の進む東北をフィールドに、都民と被災県の方々が現地でスポーツ交流をする事業を展開してまいります。  また、大会一周年の機会を捉えて実施する記念事業に被災地の子供たちを招待し、大会の感動や記憶を共有することなどによりまして、今後とも、都と被災地との交流を一層深め、その絆を未来に継承してまいります。 ◯高倉委員 復興オリンピック・パラリンピックという一つの節目を迎えましたが、東北を舞台にした取組や一周年記念事業などを通じて、これまで育んできた都民と被災地の方々との絆をより確かなものにしていただきたいと思います。  今後とも、そして、被災地に寄り添いながら、スポーツを通じた被災地支援事業を推進されることを強く求めます。  次に、動物施策についてお伺いしたいと思います。  我が家には、二十歳になる保護猫が一匹おりまして、今日も朝、元気にしておりました。  都議会公明党は、犬や猫など動物の命を守るために、保護機能つきの動物愛護センターを整備するよう求めてまいりました。  都は、令和四年度予算案に、新たなセンター整備に向けて専門的な検討を進める経費を盛り込みました。  新たなセンターを早期に実現をすべきであり、また、けがや病気の動物たちを保護するためには、シェルター機能のついた施設を実現する必要がございます。センター整備の実現に向けた取組について見解を求めます。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、人と動物との調和の取れた共生社会を実現するため、普及啓発や動物譲渡の取組などを進めておりまして、動物愛護相談センターは、その中核を担う施設でございます。  センターの整備に当たりましては、必要な機能の確保や利便性、業務の効率性などを勘案するほか、より親しみやすく、身近なものとして、動物愛護の取組を都民と共に推進するための施設とすることが重要でございます。  来年度は、ボランティアや獣医学の専門家等で構成する委員会を新たに設置いたしまして、施設像や機能を具体的に検討することとしておりまして、検討結果は、センターを動物との共生を推進する拠点として整備するために活用してまいります。 ◯高倉委員 ぜひ早急に推進をしていただきたいと思います。  動物保護の取組の中で、動物への虐待を防いでいくことは命を大切にする取組として重要であります。  しかし、動物は生き物というよりも、物として扱われているために、所有権が保護の壁になっております。  動物への直接の虐待は許されるものではなく、根絶していかなければなりませんけれども、結果として虐待となっているようなケースについても、持ち主の所有権が壁になって適切な対応が取れない場合がございます。  動物の緊急一時保護、所有権の一時的な停止を可能とするような取組が必要ではないかと考えておりまして、そのためには、私は条例による対応も検討していくべきというふうに思います。  動物の不適正な飼育、虐待を早期に解決するための取組について見解を求めます。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 現在、不適正な飼養管理が行われている動物を自治体が保護できる法の規定がなく、飼い主が所有権を放棄する必要があるため、都は昨年五月、九都県市首脳会議を通じまして、必要な法整備を行うことを国に要望いたしました。  また、不適正な飼養に関する情報を最初に探知することが多い区市町村にリーフレットを配布し、早期発見への協力を依頼するとともに、解決が困難な事例について情報交換をしております。  今後、動物の不適正な飼養を早期に解決できるよう、区市町村と共に事例を検証し、関係機関の円滑な情報共有について検討してまいります。 ◯高倉委員 動物への虐待、あるいは病気やけがをした動物を一時的にでも保護するには、保護施設、シェルターが必要でありまして、動物の医療、獣医療との連携というのは不可欠であります。  昨年、都議会公明党は、都内の日本獣医生命科学大学を訪問いたしまして、シェルターメディシンという専門的な獣医療や法獣医学の重要性を認識してまいりました。  この大学には、動物医療センターという非常に立派なものがありました。先ほど重粒子線のお話をしましたけど、ここは動物の重粒子線の治療装置があったんです。驚きました。  また、使っていない校舎で動物保護をするための、そういう準備を既にしておりました。大学ですから、しかも獣医系の大学ですから、学生さんもたくさんいて、ふだんから動物もたくさんいて、動物がここに来るということについては、そんなに抵抗感がないとおっしゃっていまして、こういうところとしっかり連携をしていくということは、動物の命を大切にしていく上でも、私はとても重要ではないかなと思うんです。  今後、東京都としまして、動物施策を進めていくに当たって、このシェルターメディシンの考え方を積極的に取り入れていくということが重要であるというふうに思います。  また、法獣医学では、例えば警察から届けられる動物の遺体の状況を見て、虐待の有無などを判断して、そのデータを集めていく、積み重ねていくことによって、今後どういうふうに虐待防止に取り組んでいったらいいか、こういったこともまた明らかになってくるわけであります。  様々な面で大きなメリットがあるというふうに思いますが、都の動物施策に、こうした獣医学の専門分野の十分な取り入れを図っていくべきと考えますけれども、見解を求めます。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 引取り収容した動物の飼養管理に当たりましては、動物福祉を考慮する必要があることから、動物愛護相談センターでは、獣医系大学の専門家にご助言いただき、適切な健康管理や問題行動への対応などを行っております。  また、大学から講師の派遣を受け、災害時における動物の救護等についてのシンポジウムを開催しております。  今後とも、獣医学の専門家と連携し、その知見を踏まえながら動物愛護施策を推進してまいります。 ◯高倉委員 今日は、様々な角度から、令和四年度予算案の内容をはじめ、都政の課題について質問をさせていただきました。前向きなご答弁も数多くいただいたところでありまして、ぜひとも積極的に取り組んでいただきまして、都政を前へ進めていただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。(拍手) ◯小磯(善)副委員長 高倉良生理事の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。    午後七時三十四分休憩      ━━━━━━━━━━    午後八時十分開議 ◯宇田川副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  白石たみお委員の発言を許します。 ◯白石委員 日本共産党都議団を代表いたしまして、ロシアによる国際法違反のウクライナ侵略と核兵器による威嚇に対し、厳しく抗議をいたします。  それでは、質問に入ります。  まず、羽田新ルートについてです。  羽田新ルートが本格運用されてから、間もなく二年が経過をいたします。羽田新ルート直下の住民は、騒音や落下物の危険性など、日常から影響を受けております。  コロナの影響で、以前と比較して羽田発着便は、国際線では七割減、国内線も二割の減便となっております。しかし、羽田新ルートの影響によって、例えば江戸川区では、航空機騒音の発生回数は何と二万回を超えました。運用前から二・六倍へと急増しております。驚くべき状況になっています。  実際に、地元品川区をはじめ、羽田新ルート直下の方からは、例えば、朝、飛行機の騒音に起こされて精神的に参ってしまう、うるさくて窓が開けられないなど、日常の穏やかな生活が脅かされているという声が幾つも寄せられております。大変深刻な事態です。  まず初めに伺います。  知事は、羽田新飛行ルートについて、都民の理解や合意を得られていると考えているのか。切実なこの声をどのように受け止めているのか伺います。 ◯小池知事 新飛行経路についてのお尋ねでございます。  新飛行経路につきましては、都民の皆様などから、騒音、安全対策の実施など、様々なご意見があるということは承知をいたしております。  そして、お尋ねの新飛行経路の決定に責任を持つ国が、関係自治体などからのご意見などを受け止めて丁寧に対応するということを前提に、地元の理解を得られたものだと判断した、そのように理解をいたしております。 ◯白石委員 いや、知事ね、国がどう理解しているか、私、聞いたんじゃないんです。知事が、この都民の意見や声やこの実態をどういうふうに受け止めているのか、理解を得られているのかという質問をしました。もう本当に他人事のようにいわれます。  そもそも羽田新ルートが住民の理解も合意も得ずに開始されたのは、知事と東京都が国に対して、羽田新ルートを予定どおり進めてくださいと要望し、お墨つきを与えたことが原因なんです。理解を得られたというのは、とんでもない話だと思います。  渋谷区議会を見れば分かります。渋谷区議会の意見書では、固定化回避の検討会では現在の滑走路の運用を前提としており、これでは住民生活環境は改善しないことを厳しく指摘をしております。そして、羽田新ルートの運用停止、いいですか、運用停止を国に求めています。自民党の中からも、せめてコロナでの減便中は新ルートの飛行はやめるべきだという声が出されているんですね。  現在も七つの区議会で、羽田新ルート一時凍結を求める陳情が提出をされております。よほど理解も、納得も得られていないということは明らかだと思います。  環境基本法には、人の健康の保護、生活環境を保全する上で維持されることが望ましいとする環境基準が定められております。知事もよくご存じだと思いますね。  そこで伺います。羽田空港周辺の航空機騒音による被害を防止するため、対象地域を定めるのは一体誰なのか。また、環境基準が守られているかの監督責任の所在はどこにあるか伺いたいと思います。 ◯栗岡環境局長 航空機騒音の環境基準を適用させる地域は、環境基本法に基づき知事が指定することとされております。  また、その環境基準の適合状況を確認するための騒音調査や、必要に応じた改善要請は都が行ってございます。 ◯白石委員 知事が航空機騒音の適用地域を決めるということを確認しました。  では、続いて伺いたいと思います。  現在、航空機騒音の環境基準が適用される地域というのはどこなのか。また、指定地域外は、航空機騒音の環境基準は適用されるかどうか伺います。 ◯栗岡環境局長 羽田空港周辺における現在の指定地域は、航空機騒音の環境基準を適用させる地域として、都の告示で定められてございまして、その地域は、大田区、品川区及び港区の一部でございます。この指定地域外では、航空機騒音に係る国の環境基準は適用されません。  なお、都は現在、新飛行経路の本格運用を受けまして、現在の指定地域の見直しの是非を検討するため、令和二年度から専門家による検討会を立ち上げ、具体的な調査に着手してございます。  今後、航空機需要の回復状況等を見極めながら、指定地域の見直し等検討を進めてまいります。 ◯白石委員 聞かれたことだけぜひ答えていただきたい。  今、驚きました。羽田新ルートで都心上空をこれだけ飛んでいるのに、環境基準は都内のごく一部しか指定されていない。大田区、品川区、港区の一部だと。  先ほど紹介した江戸川区も二・六倍になっている、二万回も超えていると、そういう中で、この江戸川区も含めて他の地域は圧倒的に不適用になっていると。  環境基準の不適用というのは一体どういうことか。都民の健康の保護や生活環境を保全する基準がないと現時点ではいえますね。どんなに飛行機がうるさくても、騒音調査や国への改善要請をする責任を都は負わないと実質的になってしまいます。  知事は国の責任ばかり強調しますが、そもそもこれね、知事が指定できると。自らできるんですよ。だったら、知事がすぐにでも羽田新ルートの直下の自治体も含めて、まず指定をするということが本来あるべき姿だというふうに私は思います。  そこに何ら壁はないと。だって、住民に規制がされるんじゃないんですから。騒音に対して規制がかかるんですから、すぐにでも指定すべきだと。検討会を今二回やっているから、これから考えていくじゃないんですよ。すぐにでもやるべきだというふうに思います。  そもそも、騒音だけの問題じゃないんです。落下物の問題、羽田新ルートを使う限り、落下物の危険性を取り除くことはできません。  二月中旬には、成田空港で六十キロの部品が落下する事故がありました。重量一キロ以上の部品の欠落は、報告されているだけで二〇一八年度が八個、一九年度が三個、二〇年度が八個です。都心上空を飛び続ける限り、いつ重大な事故が起こってもおかしくない。命が犠牲になってからじゃ遅いんです。  都民の理解を得られず、騒音や落下物のリスクを回避する方法は、羽田新ルートの運用をやめる以外にないということを改めて強調したいというふうに思います。  そして、次の質問に移りたいと思います。  続きまして、新型コロナ対策についてです。  救急搬送が困難な事例はいまだ第五波を大きく上回り、医療現場は危機的な状況となっております。コロナ病床は七千床確保したとされていますが、看護師が陽性になるなど出勤できず、マンパワーが足りず、入院が受けられません。一般病床もコロナ病床への転換で著しく不足し、救急車を受けることができないという状況です。  先日、ER病棟で勤務している医師からお話を伺いました。ぜひ聞いていただきたい。何とか救える命を救いたいと思っても常に満床で本当に厳しい、転院先も全く見つからないため、重症なほど初期対応もちゅうちょする、毎日が綱渡りだと話されておりました。重症の救急患者を断らざるを得ないときは、もう諦めるしかない、この思いは言葉にもならないと話されておりました。  その医師は最後に、医療の逼迫なんかじゃないと、今は医療の崩壊といった方が正確な表現だと訴えておりました。それだけ医療現場というのは非常に厳しい状況になっていると思います。  そこで伺いたいと思います。都内の新型コロナ感染者は、一月以降だけで六十万人を超え、一日当たりの新規陽性者は高い水準が続いています。引き続き危機的状況だと思いますが、知事の認識を伺いたいと思います。 ◯小池知事 現在の新規陽性者数は減少傾向にございますが、モニタリング会議の専門家からは、入院患者、そして重症患者数は高い値での推移というふうに指摘をいただいております。  感染の減少傾向を何としても確かなものにする、そのためにも、引き続き緊張感も持ちながらコロナ対策に取り組んでまいります。 ◯白石委員 減少傾向だというふうにいわれました。むしろ新規陽性者は高止まりというふうな状況もあります。今後どうなっていくか分からないと。本当に極めて慎重に、そして、しっかりと受け止めていかなければならないというふうに思います。  入院患者や重症者数が高い値で推移しているということは、医療現場の状況が極めて深刻だということなんですね。しかも再拡大の危険も指摘されており、対策の強化というのが急務になっております。  第六波では、症状のある人や濃厚接触者でも検査が受けられない、結果が出るのが遅れるという事態が広く生まれました。  六十代の方、発熱し、都のホームページにある診療・検査医療機関に電話したけれども、休み明けまで検査の予約はいっぱいという理由で六か所で断られました。休み明けにかかりつけ医に相談しましたが、それでも断られ、八か所目でようやくPCR検査を受けることができたという実態です。  検査がすぐに受けられなければ、治療が遅れるだけでなく、周囲にウイルスを広げ、一層感染が拡大をいたします。  検査が追いついていないということは、数字にもはっきりと表れております。例えば、陽性率はピーク時で約四〇%となり、直近でも三四%と極めて高い陽性率となっています。  そこでお聞きしたいと思いますが、モニタリング会議で陽性率は何のために出しているのか伺います。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 モニタリング会議では、PCR検査、抗原検査の陽性率は、検査体制の指標としてモニタリングしているとコメントされております。  なお、都は行政検査及び独自検査合わせて一日当たり約十万件の検査処理能力を有しているほか、PCR等検査無料化事業など、必要な検査を受けられる体制について確保しております。 ◯白石委員 まあ、やっているといいますけれども、つまり、陽性率が高ければ検査が不足をしていて、検査体制の強化が必要なことを示していると。これは当たり前のことです。だって陽性率が直近でも三四%なんですから。  モニタリング項目の確認をした際の都のコロナ対策本部会議で、大曲医師は陽性率についてどういったか。一%や二%で低いうちはいいんだと、医療にアクセスできない状況になると、これが上がってくる、数字の増減というのは非常に重要と話されています。  そもそも、今の東京都の検査体制整備計画は昨年十一月十七日に定めたもので、オミクロン株は想定されておりません。必要な検査が受けられない事態をなくすためにも、オミクロン株の特性も踏まえて、検査体制を強化することは不可欠だと、このように考えますけれども、いかがでしょうか。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 現在の検査体制整備計画は、第五波の最大新規陽性者数やインフルエンザの同時流行を想定して見込んだ検査需要に対応できるよう、検査体制の整備を図ったものでございまして、令和三年十一月十七日に改定をしたものでございます。  なお、その時点では、オミクロン株の発生は確認されておりませんでしたが、計画改定後にオミクロン株の発生に伴う感染拡大に応じまして、集中的検査の対象施設の拡大、あるいは濃厚接触者への検査キットの配布、あるいは診療・検査医療機関の公表など、必要な取組を行い、検査体制をさらに強化しております。 ◯白石委員 今やっていることをいわれましたけれども、でもね、数字は明らかなんです。これだけ陽性率が高いということは、検査が不足しているんです。  必要な検査はやっているかのようなことを今おっしゃられました。これもやっている、あれもやっている、それは大事です。だけれども、じゃあ実際、陽性率どうかといったら、非常に高い状況。検査が受けられないという実態が、やはり先ほども紹介しましたが、実際に生まれているんです。こういう実態を見なければ、しっかりと見なければ、本当に対策が打てない、手遅れになってしまうと、もう厳しく指摘したいと思います。  ある診療・検査医療機関では、二月に入り様々な業務が追いつかなくなり、PCRなどの検査はかかりつけの患者に制限をいたしました。職員は断腸の思いで、発熱外来を縮小せざるを得なかったと、このように話されております。
     都の最大の検査能力、先ほど局長いいました、一日十万件自体、オミクロン株を想定したら足りないし、その一日十万件の検査すらできていないのが実態なんです。診療・検査医療機関への財政的、人的支援を行うよう、強く求めたいと思います。  重症者や死亡者を増やさないためにも、対策の強化が急がれるのは高齢者施設です。都内でコロナ患者の往診を行っている医師も、施設内の高齢者やデイサービス利用者の感染も続いており、予断を許さない状況だ、入院をお願いしても、残念ながらご逝去される方もいらっしゃると、このように切実に述べられております。  高齢者施設でのクラスターを抑えることは重要です。これをどう認識しているか伺いたいと思います。 ◯中村福祉保健局長 高齢者施設の入所者は、重症化リスクが高く、集団感染が発生した場合の影響が大きいですので、施設での感染防止対策の取組が重要でございます。  そのため、都では、マニュアルや動画、研修などを通じた施設での感染対策の周知徹底、職員を対象とした集中的検査を実施するするほか、個室化の改修などを支援しているところでございます。  また、大規模接種会場やワクチンバスで職員や入所者へのワクチンの追加接種を実施しておりまして、こうした様々な取組によって高齢者施設での感染防止に努めているところでございます。 ◯白石委員 様々必要な対策を取られていると思いますが、集中的検査の実施頻度はオミクロン株に対応したものになっておりません。  伺いますが、オミクロン株の潜伏期間、何日ですか。 ◯佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによりますと、オミクロン株の潜伏期は二日から三日程度とされております。 ◯白石委員 一週間、当然七日あります。オミクロン株の潜伏期間が二日から三日程度ということであれば、一週間に二回から三回、感染のサイクルを繰り返すことになります。この潜伏期間の短さがオミクロン株の感染の速さの大きな要因なんです。  国のコロナ対策分科会の尾身会長、三月四日の国会で何といったか。施設での検査は一週間に二回行うことが理想的だと述べられました。七日間に一回より二回の方がクラスターを早期に抑えやすいのは確かなことです。現在の集中的検査の頻度を上げるよう重ねて要望し、次の質問に移りたいと思います。  次に、都立、公社病院の地方独立行政法人化の問題について質問をいたします。  都民の命を守る最後のとりでとしての役割を果たし、コロナ対策でも全国で最も先進的、柔軟な対応を行っている都立病院を、小池知事は、全て東京都から切り離し、独立行政法人に担わせるとしております。あわせて、公社病院も丸ごと独法化されます。  しかも、小池知事は、コロナのこの第六波のさなか、都立病院条例の廃止などを提案して、今年の七月一日に独法化を強行する計画です。さらに、公営企業設置条例改正の提案理由に、病院事業を廃止する必要があると明記をされております。  病院事業について、条例には次のように書かれております。住民の需要に応じて近代的医療の給付を行うとともに公共医療活動を行う。独法化により、この部分が丸ごと削除をされ、都民が必要とする医療を都が直接給付する都立病院の事業が廃止をされるということです。  予算特別委員会に付託されている予算案、これ見ても、都立病院、公社病院の関係の予算は六月までしか計上がされておりません。  初めに、知事に伺いたいと思います。  都内の新型コロナ感染者、一月以降だけで六十万人を超えております。一日当たりの新規陽性者は高い水準が続き、医療体制は崩壊しております。なぜこんなときに都立、公社病院を独法化しなければならないのですか。知事、お答えいただきたい。 ◯小池知事 臨機応変な対応が求められます今回のコロナ対応を踏まえますと、感染状況に応じた対応や新たな感染症への備えなど、感染症医療提供体制のさらなる強化が急務でございます。  このため、早期の体制整備が必要であり、独法化の準備を進めるものであります。    〔発言する者あり〕 ◯白石委員 今、自民党席からそうだなんて話がありましたけれども、冗談じゃないと。コロナ感染症などに対応するため都立病院を独法化して、都の病院事業を廃止する、全く理解できません。  大体、コロナ対応で、独法化しなければ解決できない重大な不都合も、これまでに都は示すことできておりません。コロナ専用病床を確保した全国の約二千三百の医療機関の中で、コロナ病床確保数、いいですか、一位から十一位は全て都立、公社病院なんです。  これまでだって、ここにいる全ての会派が都立、公社病院のコロナ対応について高く評価しています。それにもかかわらず、コロナ対応を独法化の理由に使って、独法化を正当化するなど断じて許されない。厳しく指摘したいと思います。  今必要なのは、都の役割と責任を果たし、都立、公社病院を抜本的に充実強化することです。  知事は、本定例会に提出した都立病院条例を廃止する条例や病院事業を廃止する条例などの議案について、具体的にどういう検討がされたのか。今年一月五日に、知事執務室でこの問題の会議が開かれておりますが、知事はこの会議にどういう問題意識で臨んだのかお答えいただきたいと思います。 ◯小池知事 独法化の目的でございますが、行政的医療の安定的な提供などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。  今後も、感染状況に応じてさらなるコロナ対応が必要でございまして、新たな感染症にも備えていかなければならない。  また、超高齢社会が本格化する中で、医療環境の変化に迅速に対応できる体制を早期に整備する必要がございます。  このため、本年七月の法人設立に向けまして、中期目標をはじめとした関連の議案について本定例会に提出し、ご審議いただくことといたしたものでございます。 ◯白石委員 今、もっともらしいようなことをいいましたが、我が党、情報公開請求で会議の記録を入手いたしました。パネル、ご覧いただきたい。皆さんには資料、現在配布させていただいております。ぜひそれを見ていただきたいと思います。  これ記録を見ると、会議は十三時五十分から始まり、僅か十分で終了と。本部長が議案の説明をして、意見なしで了承ですよ。主な内容、何にも書いていないんです。  つまり、記録すべき議論が全くない、形だけの会議を僅か十分間開いただけで、まともに検討された形跡がないまま都議会に提出することを決めたんです。これ、ぜひ見ていただきたいと思います。  知事は、独法化の問題は終わったことにして、議論もする気がない、関心もない。だから施政方針で独法化の問題に一言も触れることがなかった。そういうことではないのかと本当に思います。  知事は、施政方針で独法化の問題について一言も触れませんでした。施政方針で触れなかった理由、知事に伺いたいと思います。  知事、よく聞いていただきたい。昨年第三回定例会で独法化の定款が議決されたことで、もう決まったことだから都民がどういおうと議論もしないし、説明もしないと、こういうことでしょうか。知事に認識を伺いたい。知事、いかがですか。 ◯野間政策企画局長 施政方針表明、所信表明、いずれも各定例会で発言する重みは変わりません。  施政方針等は、定例会の開会に当たって、都政の課題への対応や意思形成の状況を踏まえて、現時点で示すべき事柄などについて、知事、副知事などによる議を経て、政策企画局で取りまとめ、その内容について局に伝えております。様々な場面で、三定、一定、四定と表明してございます。 ◯白石委員 いや、質問を聞いていただきたいと。私は、この施政方針で独法化に触れなかった理由は、この定款が議決されたから、もう決まったことだからいいんだと、都民がどういおうとも議論もしないし、説明もしないと、こういうことなんじゃないんですかと。知事の姿勢を見ていればそう思うと。だから、否定するなら否定していただきたい。ちゃんと答えていただきたい。これ知事への質問です。  改めて伺います。  第三回定例会で独法化の定款が議決されたことで、もう決まったことだからいいと、都民がどういおうと議論もしないし説明もしないということですか。知事、ぜひお答えいただきたい。 ◯野間政策企画局長 新たな都立病院については、これまで所信表明、施政方針はじめ、本会議、常任委員会の場で説明を尽くしてございます。 ◯白石委員 いや、もう明らかですよ。何でこれが答えられないのかと。私ね、政策企画局長に施政方針のつくり方なんか聞いていないんですよ。よほど、本当に答えたくないんだなというのが、もう皆さん明らかだと思います。  病院経営本部にも相談しなかったと伺っております。こういうふうなことでこれまで進められてきたと。知事が施政方針を決めているんだから、知事が答弁するのは当たり前の責任だと。何でこれが答えられないのかと。本当、厳しく指摘したいと思います。  これまでも、都と都議会に三十万筆を超える請願などが出ております。現場からも、なぜコロナのさなかにやらなければならないのかなど、多くの疑問の声が上がっております。  定款が議決されたから、節目節目で議論をしてきたから、説明はもう十分なんだと、口が裂けてもいえるような状況ではありませんよ。  それでは、伺いたいと思います。  都民の理解と合意は得られていると考えているのでしょうか。いかがですか。 ◯宇田川副委員長 どなたですか。 ◯西山病院経営本部長 独法化に関しましては、これまで、独法化の意義や目的について、広報誌やホームページなど様々な広報媒体を活用して広報に取り組んでまいりました。  独法化の目的は、超高齢社会の本格化など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療の安定的な提供等の役割を将来にわたって果たし続けていくことでございます。  東京都立病院機構の設立に当たりましては、議会の議決を経て定款を定める必要があり、昨年第三回定例会では、新法人の定款を議決いただきました。  こうしたことも踏まえまして、今後とも、都民をはじめ様々な関係者の理解が進むよう、丁寧に説明してまいります。 ◯白石委員 もうね、都民の理解と合意は得られたんですかと、どう考えているんですかと聞きました。だけれども、正面から答えられないと。今聞いていれば、定款が議決されたから、だから、もう説明は十分なんだと、このようにも聞けるような答弁となっています。今明らかなのは、口が裂けても、都民の理解と合意が得られたなんていえないということなんですよ。  丁寧に説明すると繰り返しいっておりますが、施政方針で一言も触れない。質問で、だったら丁寧に説明すればいいじゃないですか。でも、全然知事も立たない。こういう知事の姿勢は、あまりにも私、無責任だと、このように厳しく指摘したいと思います。  さらに質問を進めたいと思います。  知事は、独法化の目的は、行政的医療の提供などの役割を将来にわたって果たすことと繰り返し説明されていますね。では、率直に知事、いいですか、知事ですよ、率直に知事に質問したい。知事は、独法化後、将来にわたって病院の統廃合はしないと、このようにいえますか。知事、いかがでしょうか。知事、どうぞ。 ◯西山病院経営本部長 独立行政法人制度は、法令上、都や議会が関与することができ、行政的医療の安定的な提供を効率的、効果的に行うことができる経営形態でございまして、さきの第三回定例会において議決をいただきまして、本定例会で中期目標をはじめとした関連議案をご審議いただき、独法化の準備を着実に進めているところでございます。 ◯白石委員 いや、本部長ね、質問を聞いていただきたいと。  もう一回聞きますよ。独法化後、将来にわたって病院の統廃合はないといえるんですかという質問です。どうぞ──じゃあ本部長でいいですよ。 ◯西山病院経営本部長 独立行政法人制度は、法令上、都や議会が関与することができ、行政的医療の安定的な提供を効率的、効果的に行うことができる経営形態でございまして、議会の議決をいただき、本定例会では中期目標をはじめとした関連議案をご審議いただいているところでございます。  引き続き、新法人の設立に向けて着実に準備を進めてまいります。 ◯白石委員 皆さんね、本当に分かると思います。将来にわたって統廃合はないんですかといったら、全く違う答弁しかできない。ないといい切れないんです。本当に驚きです。  知事は、行政的医療の提供を将来にわたって果たすために独法化だと繰り返しています。けれども、こういうふうに核心に迫った質問をすると、だんまりを決め込む。そして、本部長は全く意味不明な答弁を繰り返す。  これ、私、臆測でいっているんじゃないんです。私の主観でいっているんじゃないんです。パネルをご覧いただきたい。先月に開かれた独立行政法人評価委員会の都立病院分科会で、評価委員から次のような発言がありました。病床機能の見直しとか、急性期病床などの適正化とか、再編統合とか避けられないと思う、こういっているんです。独法化する前から統廃合は避けられないと評価委員が明言しているんです。私の臆測じゃないんです。  知事、いいですか。知事自身が任命した評価委員です。この発言、知事は知っておりましたか。いかがですか。 ◯西山病院経営本部長 独法化の準備につきましては、適宜知事に報告、相談しながら進めているところでございます。 ◯白石委員 本部長、今、適宜報告しているといいました。じゃあ今の評価委員のこの発言は報告されましたか。いかがですか。 ◯西山病院経営本部長 独法化の件につきましては、適宜知事に報告しながら進めてございます。 ◯白石委員 いやね、本当に質疑にならない。正面から答えないと。評価委員は、統廃合は避けられないという発言をしているんですよ。それについて、じゃあ本部長は知っているけれども、報告したのかどうなのかと質問したら、一切答弁ができないと。本当に、事実をしっかりと明らかにしなければ、質疑なんかできないんですよ。丁寧な説明をしていくと、独法化についてしていくと、あれだけ繰り返していたのに、この場での質問は全く答えられない。とんでもない。  それにとどまらない。この方だけじゃない。これも知事が任命した評価委員ですが、昨年十一月に開かれた、第一回独立行政法人評価委員会の都立病院分科会で、公務員の看護師は新陳代謝がない、長く働いて、年を取っても辞めない、人件費の制約をつけるのかと述べております。  知事、いいですか。新陳代謝がないと。年を取っても辞めないと。つまり、短期間で次々と辞めてもらいたいということじゃないんですか。この発言、知事がご自身で任命したこの評価委員の発言、知事の受け止め、いかがですか。 ◯宇田川副委員長 どなたでしょうか。 ◯西山病院経営本部長 独立行政法人に移行する際には、法人法の定めによりまして、都立病院の職員は別に辞令が発せない限り、法人設立の日におきまして、法人へ身分移行することとなります。 ◯白石委員 いや、本当に質疑にならない。重大なことですよ、これ。    〔発言する者多し〕 ◯宇田川副委員長 少しご静粛に願います。 ◯白石委員 統廃合は避けられないと、こういう発言があったり、ほかの評価委員からは、新陳代謝がないと、年を取っても辞めないんだと、こういう議論がこの評価委員会で、都立病院の分科会でやられているんですよ。それについて正面から質問に答えることもできないと。本当にこの実態、本当に皆さんに見ていただきたいと。どこが丁寧な説明だと。  それだけじゃないんです。まだあります。都立病院の独法化の先導役となってきた都立病院経営委員会の部会では、看護師の平均勤続年数が都立墨東病院は十五・四年、独立行政法人のある病院は六・一年と説明があり、墨東病院に対して、今度は都立病院経営委員会の委員、何といったか。かなり居心地がいいんでしょうねと。やゆする驚くべき発言ですよ。  皆さん、いいですか。独法化というのは、職員が経験を積むことを評価せず、人件費を抑える、そういう制度なんです。(発言する者あり)今ね、そんなことないといわれました。ぜひこれ見ていただきたいと。  実際、独法化後に給与体系を見直した法人の例。見ると、働き続けても給与は上がらないようにするのが一般的なんです。独法化によって、ぜひ(発言する者あり)いやいや、委員の皆さんにも知っていただきたいと思うんです。独法化によって働きやすい、安心して働ける職場環境というこの宣伝、表向きの話なんですよ。いっていることと議論がされていること、全く違うんです。  評価委員会や都立病院経営委員会でのこうした発言は、私、本当にとんでもないと、このように思いますが、独法の法律との関係では、独法化の本来の狙いをよく理解されていて、忠実な発言を評価委員の委員、都立病院経営委員会の委員はいっているんです。つまり、これが独法化の本質なんです。  ところが、知事も、病院経営本部長も、東京都も、それを覆い隠して、独法化すればばら色になるようなことを宣伝しているんです。それは本来の独法法の趣旨を覆い隠すための宣伝なんです。都民を欺くものです。このようなやり方で独法化を強行する。断じて許されないと強くいいたいと思います。  独法化の検討が加速したのは、病院経営本部が設置した、先ほども出てきました都立病院経営委員会が二〇一八年一月に出した提言です。これ皆さん知っていると思います。  それでは、独法化の検討を提言した経営委員会の位置づけについて、総務局長、伺いたいと思います。総務局長は、附属機関等設置運営要綱の取扱いについてという通知を出しておりますが、経営委員会はこの通知のどこに適用されますか。 ◯村松総務局長 都立病院経営委員会は、お話の総務局長通知、附属機関等設置運営要綱の取扱いについて、この通知のことだと思いますが、この外部の専門的知識を導入する目的で設置される専門家会議に該当するものと認識しております。 ◯白石委員 つまり、経営委員会は、地方自治法で定める附属機関ではないという、今答弁です。  取扱い通知は地方自治法に定める附属機関とその他を明確に区別するよう求めているんですね。都立病院経営委員会は、懇談会等に含まれる専門家会議に当たるとご答弁でしたね、今、総務局長。  パネルと資料、皆さん、資料もお配りをしていますので、見ていただきたいと思います。この通知には、附属機関でない場合は、意見の表明または意見交換の場であるとしていて、十分に留意することを具体的に定めております。簡単にいえば、附属機関じゃない機関というのは、十分に留意しなきゃいけないことがあるんだよと総務局長の通知で書かれております。具体的に定められております。  (2)、委員の意見の取りまとめについては、個々の委員の意見表明の形を取り、機関意思の表明と紛らわしい諮問、答申の形を取らないことと定めておりますね。  総務局長に伺います。  この留意事項は、地方自治法との関係で極めて重要なものだと思いますが、総務局長、見解を伺いたいと思います。 ◯村松総務局長 附属機関と専門家会議、この違いも含めてご説明をさせていただきますが、審議会等の附属機関は、法令の定めによりまして、執行機関からの諮問に対して、答申などの合議制機関として機関意思を表明する、こうなっております。  専門家会議は、行政運営に必要な意見聴取、情報や政策等に関する助言を求めるため、出席者の意見の表明や意見交換を行うものでございます。  総務局長通知では、専門家会議の意見の取りまとめを諮問、答申として実施しないように求めているものでございまして、座長が議論の過程で意見の調整を行うことは妨げておりません。都立病院経営委員会の報告も、意見の表明と認識しております。 ◯白石委員 いや、総務局長、ちょっと驚くべき発言です。今、いろいろ説明しましたが、経営委員会は意見表明であって──いや、ちょっとね、本当に驚きです。  地方自治法の附属機関の規定は、一部の専門家などによる恣意的な行政への介入を防ぐための重要なものなんだと。地方自治法は、附属機関は条例で設置しなければならないと、このように明記されているんですね。何で区別をしなければいけないかといったら、一部の専門家などによる恣意的な行政への介入を防ぐための重要なものなんだと、地方自治法で書かれております。  附属機関ではない専門家会議、つまり経営委員会、機関意思の表明と紛らわしいことをしたら、自治法違反になると、こういう裁判の判例は幾つも確定をしております。  だから、今日、パネルに示した取扱い通知の規定が必要だし、極めて重要であると。総務局長、いいですか、総務局長。極めて重要だというふうに思います。このパネルを見ていただきたい。  そして、二〇一九年第四回定例会で我が党の代表質問に、当時の病院経営本部長がどう答弁したか。パネル、総務局長、見ていただきたい。都立病院経営委員会からの提言は、十二人の委員で構成する合議体の結論として、平成三十年一月に報告を受けたものでございます、こう答弁されております。
     総務局長、伺います。合議体の結論として報告を受けたというのは、意見表明や意見交換とは明らかに違う。取扱い通知に明確に違反しているんじゃないんですか。 ◯村松総務局長 先ほども申し上げましたけれども、座長が議論の過程で意見の調整を行うことまでは妨げておりません。専門家会議の運営の中で、座長が様々な専門家の意見を調整したものと考えております。  したがいまして、先ほども申し上げましたが、都立病院経営委員会の報告も意見の表明と認識しているところでございます。    〔発言する者あり〕 ◯宇田川副委員長 ご静粛に願います。 ◯白石委員 経営委員会が出したこの提言、およそ個々の委員の表明、意見表明などではないと、誰が見たって分かりますよ、そんなの。取りまとめられているんですから。  病院経営本部長が合議体の結論と。いいですか、合議体の結論といっているように、機関意思の表明そのものなんですよ。これを総務局長は、あろうことか意見表明なんだと。いや、びっくりな発言ですよ。地方自治法を本当に理解されているんですか。  これね、取扱い通知違反であり、疑う余地のない地方自治法違反なんです。これ知事ね、明らかな地方自治法違反です。このまま見過ごすわけにいかないんじゃないですか。知事、いかがでしょうか。 ◯西山病院経営本部長 総務局長からもお話ございますように、まず、委員会の報告につきましては、座長が議論の過程で意見の調整を行うことも妨げないという中で報告をしたものでございます。  また、独法化の方針そのものは、都として検討を重ねた上で、議会の議論を踏まえ、都としてビジョンとして令和二年に策定したものでございます。  それから、先ほど来、委員、独法化というのは給与の引下げですとかおっしゃっておりますけれども、人事給与面においては、これまで議会でも何度もお話ししておりますとおり、職員の専門知識や働きがい、働きやすい給与水準を持つというもの。  それから、評価委員会の議論をるるお話しされましたけれども(発言する者あり)評価委員の議論を経て、本日ご議論いただいております中期目標には、病院の民営化、統廃合というようなことは一切入ってございません。失礼しました。    〔発言する者あり〕 ◯白石委員 いや、そのとおりといわれました、自民党席から。びっくりです。これ、地方自治法違反なんです。私は何人もの弁護士に意見を聞きました。  今、本部長ね、この質問をしたら途中でいきなり本部長が出てきて、言い訳のようなことをつらつらつらつらつらつら長く答弁しました。質疑は時間限られているんですよ。質問したことには答えないで、都合が悪くなったら言い訳をどんどんいう。本当に許されないと私は思いますよ。  何人もの弁護士の意見を聞きましたが、皆さん明らかな自治法違反だと。判例も確定しているといわれていました。住民訴訟になったら、東京都はまず間違いなく敗訴すると述べております。ところが総務局長は、これ認めなかった。本当に驚きです。  都立、公社病院の独立行政法人化はこのように、その出発点から地方自治法違反のやり方で進められてきたんです。出発点から間違っている。成り立たないものなんだと。  こういう問題がありながら、今定例会に出されている都立病院条例の廃止条例など独法化の議案は、やはり全て撤回して、白紙に戻すべきだと厳しく指摘したいと思います。  先ほどもいいましたが、地方自治法の附属機関の規定は、一部の専門家などによる恣意的な行政への介入を防ぐための重要なものなんです。独法化の検討を提言した都立病院経営委員会の実態を、さらに明らかにしていきたいと思います。  経営委員会の意見に基づき、先ほど本部長もいわれましたが、東京都は二〇一八年度、都立病院の経営形態の在り方について八千万円をかけて委託調査を行いました。このような調査で八千万円かけるのは珍しいことだと思います。  伺いますが、この委託調査を受注した業者、どこですか。 ◯西山病院経営本部長 トーマツでございます。 ◯白石委員 もうちょっとはっきりいっていただきたい。監査法人トーマツです。監査法人トーマツが委託調査をしたということです。  それでは、当時の都立病院経営委員会の委員に監査法人トーマツの関係者はいらっしゃいましたか。 ◯西山病院経営本部長 一名おりました。 ◯白石委員 いたんですね。監査法人トーマツは、都立病院経営委員会の当時の委員だったんです。今答弁ありました。  経営委員会では、独立行政法人という経営形態が一番ふさわしいと発言していたのも、この監査法人トーマツの委員です。  トーマツのホームページ、皆さん帰ったら見ていただきたい。独法化支援業務の経験やノウハウを生かして、公立病院などの法人化を推進する仕事をしていると大々的にアピールもされております。そして、独法化する手引の本まで販売しているんですね。さらにトーマツは、独法化した病院などの監査を幾つも仕事として行っております。  つまり、皆さんいいですか。独法化を推進しているトーマツの関係者を病院経営本部が経営委員会の委員として選び、その経営委員会が独法化すべきといった。挙げ句の果てに、それを受けた委託調査をトーマツが八千万円で受託をすると。この調査結果、これを根拠に東京都は独法がふさわしいといいました。これ一連見れば、本当にこれ、びっくりしますよ。これ指摘したこともあります、私は。  都は、いかにも第三者的な……(西山病院経営本部長発言を求む)質問をしておりません、聞いてください。都は、いかにも第三者的な立場から提言を受けて進めたようにいうんですね。だけど実際は、誰がどう見たって、公平性や中立性などないじゃないですか。  先ほど明らかにしたように、経営委員会が出した提言というのは自治法違反だと。しかし、そんなことはお構いなしで、独法化ありきでずっと進められてきたと。これ絶対許されない。しかも、その経営委員会に独法化をした病院とかそこの監査の仕事をしているトーマツが入っていて、そして都立病院経営委員会が、独法化が一番望ましいんだと提言をして、それを受けて調査をしましょうと東京都はいいました。その東京都が委託調査先を選んだのがトーマツなんです。そして独法化が決まると。私は、本当にこういう一連の流れを見ていても、この独法化、本当に今こそ止めなければいけないと改めていいます。  独法化したら医療がどのように変わってしまうのか。患者への影響について質問を進めたいと思います。  独法化した滋賀県の大津市民病院では、十四名もの医師が理事長によるパワハラがあったと訴えて退職の意向を示す重大な事態になっております。外科の業績が低下していることから、病院側がチームの交代を提案したことが引き金になったとのことです。既に外科、消化器外科、乳腺外科の手術を前提とした患者の受入れは見合わせているとホームページに明記されております。  この大津市民病院の実態について、都として調査を行っていますか。 ◯西山病院経営本部長 この場で他団体のことを論ずることは適切でないと考えます。どのような形態にありましても、業務運営を適切に行い、職員がそれを遵守して、業務を進めることは重要だと考えております。  それから、先ほどトーマツの件をおっしゃっていましたけれども、これは競争入札により適正な手続を経て、契約を行ってございます。 ◯白石委員 いや、他のことだから調べなくていいんだと、そんなわけないじゃないですか。これから独法化しようというふうにいっている東京都が、実際全国を見てこういうことがあると、十四名もの医師が理事長によるパワハラで退職の意向を示すと、その背景には外科の業績が低下していると、採算性がここで持ち出されているんですよ。そういうことに一切目を向けない、他のことだから関係ないんだと、そんなはずないじゃないですか。  都として調査を、私ね、本当にこういうところでも行わないこの姿勢。この問題というのは、昨年から問題になっていたにもかかわらず、病院から市への報告がなく、市は最近まで事態を把握していなかったということなんです。そして市は、人事権もなく、医師確保のための取組は法人にやってもらうことといっているそうなんですね。  大津市民病院は、二〇一九年にも産婦人科医の退職によって分娩を中止するという事態になりましたが、当時の市長は記者会見で何といったか。独法化したから法人が決めることと他人事のような対応だったんです。  これは大津市だけの特別な問題じゃないんです。地方独立行政法人というのは、そもそも自治体や議会の関与を縮小するという考えでつくられた制度なんです。当時の国務大臣が明確に答弁しています。だから、問題が起きたときに自治体が対応するのが難しいんです。他の法人でもこのような問題が相次いでおります。明らかな独法化のデメリットです。  伺いたいと思います。独法化にデメリットはないんですか。 ◯西山病院経営本部長 都が先行独法ではあります健康長寿の実績評価におきましては、平成二十一年度設立以来、おおむね着実な業務の進捗状況にあると評価を受けております。  長寿医療センターでは、独法のメリットを活用して医療等を充実させると認識しておりまして、この独立行政法人に制度上のデメリットはないと認識しております。 ◯白石委員 まあ驚きですよ。こういう事例がいっぱい相次いでいるのに、独法化のデメリットはございませんと。独法化すればばら色になるんだと、何でもうまくいくんだと、こういうふうに描いて、これまで都民も議会も現場の職員にも説明してきたと。許されないと思いますよ。  独法化の本旨、先ほどいいました。例えばベテランの人たちに対して、随分居心地がいいんでしょうねと。早くどんどんどんどん入れ替えていくような、こんな発言がどんどん飛び交っているという、本当に許されないと。  大津市民病院の問題もそうですけれども、結果、一番しわ寄せが行くのは地域の住民や患者なんです。つまり、医療の質の後退となるんです。  患者負担の問題も重大です。ご家族がALSで、都立神経病院に長年お世話になっている方は、差額ベッドへの影響を大変心配されています。他の患者さんやご家族と話していても、まず出てくるのは差額ベッド代の心配だというんですね。  難病で神経病院にお世話になっている方は、完治はしないので一生お世話になり続けるわけですと。様々な理由で入院をする、そのときの負担が増えたらどうなるかと。  東京都健康長寿医療センターは、直営のセンターは独法化後に建て替えると全病床の約二五%になる百四十一床に差額ベッドが大幅に増やされました。健康長寿医療センター、独法前は差額ベッドは一体幾つありましたか。 ◯西山病院経営本部長 今、手元に数字を持ち合わせておりませんけれども、健康長寿医療センターでは、平成二十五年度に新設した際に、患者の療養環境の向上のニーズを踏まえて、有料個室を設定したと聞いております。  なお、医師が医療上必要であると判断した場合には、個室を使用する場合にも料金は徴収をしてございません。 ◯白石委員 健康長寿医療センターはなかったんですよ。徴収していなかったんですよ。差額ベッドはゼロでした。ところが独法化後、先ほどもいいました、建て替えると全病床の約二五%になる百四十一床が差額ベッドで大幅に増やされたということです。  一方、都立病院では、差額ベッドの割合を二割以内としており、実際は、おおむね一割前後だという状況です。独法化した健康長寿では、都立病院ではあり得ない割合まで差額ベッドを増やしたと。これが事実なんです。以上、これ指摘したいと思います。  次に進みます。  ここで、改めて都民の皆さんから寄せられた声を紹介したいと思います。知事も、そして病院経営本部の皆さんも、東京都も、ここにいる委員の皆さんにも、ぜひとも聞いていただきたいと思います。  障害者団体の皆さんからは、都立病院条例の廃止条例案の提出を中止してほしいと要望書を出されておりますね。都はこれまで、都立、公社病院では他の医療機関では対応困難な障害のある感染症患者を受け入れていると明言をしていたのに、独法化されたら行政的医療が確実に継続される保証はない。いても立ってもいられずに要望書を出したと、このように話しております。  ほかの方。ご家族が都立病院でがんの治療を受けられた方からは、このようなメールが届きました。都立駒込病院では専門性の高い治療を受けることができました。都立病院では医療費の負担が軽減されています。高齢者にとっても、その介護をする家族にとっても、医療費負担は切実な問題です。病気になった患者が医療費負担によって命の選択を迫られるようなことはあってはならない。独法化は断固として反対ですと書かれていました。  次の方、元自衛官の方。島民の方々の救急搬送は、広尾病院に飛行艇で入ることからも、とても重要な病院です。絶対独法化してはいけません。ちゃんと現場を見てほしいです。このような電話もいただきました。  知事ね、こういう都民からの声、どのように受け止めますか。知事、都民の声です。(西山病院経営本部長発言を求む)知事に聞いています。こういう声をどう受け止めるのですかと知事に聞いています。受け止め、知事の受け止めを聞きます。(西山病院経営本部長発言を求む)いかがですか。都民の声ですよ。 ◯西山病院経営本部長 独法化に関して様々な意見があることは承知しておりますが、独法化は議会の議決も経て進めているものでございます。  また、独法化の目的は、超高齢化社会の本格化など、医療課題が深刻化していく中でも、行政的医療を安定的に提供するための独法化でございます。  また、アンケート等においても、医療機能の充実を求める都民の声も多く届いてございます。 ◯白石委員 先ほどから質問で、横で都民ファーストからやじがいっぱい飛んでくるんですよ。こういう都民の声をしっかりと正面から受け止めない、そして、それを答えることも、答弁することもできない、こういう知事の姿勢、本当に明らかになりました。  今がどういうときなのか、医療の現場で何が起こっているのか、知事に真剣に実態を見ていただきたいと思います。  都内二十六か所にある救命救急センターのうち、第六波では、広尾病院を含めて少なくとも八か所で救急医療の制限がかけられてきました。そこで起きている実態は極めて深刻です。  例えば八十代の男性、顔面蒼白で意識がもうろうとして、うなっているところを妻が発見し、救急車を呼んだ。脳出血のおそれがあり、一分でも早く救急搬送しなければならないが、二十以上の病院から受入れを断られ、治療まで二時間かかった。  八十代女性が、部屋のベッドで血を吐いており、呼びかけに反応がなく、救急車を呼んだ。通常であれば十五分ぐらいで出発するが、この方は救急車が到着してから出発するまでに五十分もかかった。  一刻を争う患者が必要な医療を受けられずに、命の危機となるケースが現在相次いでいるんです。今、命の危機なんです。独法化なんかやっている場合じゃない。  一方で病院側。都立病院は東京都の宝です。公立であることにその意義があります。私はかつて、都立病院で医師として働いていました。その間にはSIRSもありました。ホームレスの患者さんも毎日搬送されてきました。常に損得ではなく、必要な医療を必要な人に差別することなく提供できる、そんな都立病院が好きでした。都立病院で働いた経験は、今も私の誇りです。このように訴えています。  皆さんに訴えたいと思います。この質疑をして、今日の質疑で深刻な医療の後退へとつながる独法化の本質が明らかとなりました。  都立、公社病院の独法化は、少なくともコロナ危機の中でやることではありません。今こそ東京都が直接責任を持って、都立、公社病院を守り、強化することを強く呼びかけて、質問を終わりたいと思います。(拍手) ◯宇田川副委員長 白石たみお委員の発言は終わりました。      ───────────── ◯宇田川副委員長 中村ひろし理事の発言を許します。    〔宇田川副委員長退席、委員長着席〕 ◯中村委員 それでは、立憲民主党を代表して質問いたします。  初めに、知事の政治姿勢について伺います。  先日の中途議決の討論でも申し上げましたが、ロシアによるウクライナへの武力攻撃、侵略行為は断じて容認できるものではありません。ロシアに対しては、引き続き、即時攻撃の停止、部隊の早期停止を強く訴えていきたいと思います。  一方で、今、改めて意識せざるを得ないのは平和の大切さです。この間、私たちは、二〇二一年一月の核兵器禁止条約発効に合わせた核廃絶の取組をはじめ、東京大空襲を知らない都民が増える中にあって、三月十日の平和の日記念式典だけではない日常的な平和への取組、平和祈念館の整備や平和全般に関する担当部署の設置などを提案してきました。  東京都庁をウクライナカラーでライトアップして連帯の意思を示すだけではなく、常日頃から平和の意義を確認し、平和の意識の高揚を図るために取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 まず、我が国におけます今日の平和、そして繁栄、これらは先人たちのたゆまぬ努力の上に築かれてきたものでございます。これを次の世代にしっかりとつないでいかなければならない。  今回のロシアの行為、おっしゃるように決して許されるものではございません。私たちは改めて、一方で国際情勢の厳しさも目の当たりにしているところであります。  引き続き、首都東京の知事として、都民の命、そして生活を守るために取り組んでまいります。 ◯中村委員 今起きている局面に対する対応も大事ですし、都民の皆さんの平和の意識の醸成も必要かと思っています。引き続き、平和祈念館の整備については求めたいというふうに思います。  次に、予算編成について伺います。  四年度予算案の施策展開の視点では、年齢や性別、障害の有無などにかかわらず誰もが輝くことのできる、あらゆるバリアが取り除かれた段差のない共生社会をつくるためとして、段差という言葉を使っています。この段差という言葉は、格差とは違うのでしょうか。  四年度予算案では、段差のない共生社会という中で、コロナ禍が長期化し、人とのつながりの減少、非正規雇用を中心とした離職の増加など、深刻な影響が及んでおり、困難を抱える方の状況に応じた支援体制の構築が求められると触れているように、いわゆる格差を包含しているものと考えますが、この格差の解消に向け、どのような考え方で予算編成に臨んだのか、見解を伺います。 ◯小池知事 令和四年度予算では、誰もが輝くことができる段差のない共生社会の形成を施策展開の柱の一つに位置づけまして、様々な対策を盛り込んでいるところでございます。  具体的に申し上げますと、例えば、離職した方への職業訓練の実施など雇用対策を充実させましたほか、コロナ禍で孤独や孤立が長引いて悩みを抱えておられる方々への総合的な対策を図るなど、困難を抱えた方への支援体制を構築いたしております。  これらの施策などの実行を通じて、不安を抱える方々に支援が行き届く社会を実現してまいります。 ◯中村委員 来年度予算は過去最高の金額ということなんですが、厳しい状況にある方々、たくさんいらっしゃいます。引き続き、格差の解消、段差の解消に取り組んでいただきたいと思います。  今回の予算編成過程での政策評価、事業評価の取組で、施策全体の方向性を評価して設けられた成果指標は、分かりやすく、事業全体としての方向性を位置づけるものとしてよかったのではないかと評価するものです。  もちろん課題も多々あります。例えば、私でしたら、MICE誘致などではなく、子供の貧困率ゼロ、児童の虐待死ゼロ、路上生活者ゼロなどを成果指標として、その達成のために政策評価を行っていたんだと思います。  そこで、なぜこの九つの事業ユニットを設定したのか、また、事業ユニットを設定する際に外部の目は活用したのか、併せて見解を伺います。 ◯吉村財務局長 政策評価の対象となる事業ユニットは、各施策の成果や進捗状況等を踏まえ、さらに踏み込んだ見直しが必要と考えられるものや、関連する計画が改定時期にあるものなどにつきまして、財務局と事業所管局とで見直しの必要性などの課題認識を共有しながら評価対象として設定しております。  その上で、各事業ユニットにおける課題の分析や見直しの方向性について、各施策分野の専門家の方々などに意見を伺い、それらの意見を踏まえ、評価を行っているところでございます。 ◯中村委員 本会議の代表質問でも、私たちは、都政運営に当たっては、都民の暮らしと人に着目し、貧困や格差などの将来不安の解消に向けて取り組んでいくべきだと申し上げてきました。  貯蓄が十分ではないなどと経済的な不満を訴える都民の満足度を向上させるためには、何をすべきなのか、かみ砕き、成果指標として定め、その達成のために取り組んでいくことが重要であると考えます。  もちろん、知事が掲げた二〇三〇年のカーボンハーフや知事選で掲げていた電柱ゼロを除いた七つのゼロなども成果指標にしてもよいとは思います。  そこで、今後の成果指標を掲げるに当たっての基本的な考え方について見解を伺います。
    ◯吉村財務局長 政策評価における成果指標は、定量的なアウトカム指標として、各事業ユニットが目指すべき目標値であり、その達成状況等を踏まえ、より成果重視の視点から、事業ユニット全体の方向性や個々の事業を評価しております。  例えば、パラスポーツの推進に関しては、まず、障害のある都民の方のスポーツ実施率を五〇%に設定するといった具体的な指標を設けております。  その上で、目標の達成状況や個々の事業による成果等を分析し、施策全体の方向性の評価を行い、身近な場所で運動を続けられる環境づくりの推進など、新規事業の構築や既存事業の見直しにつなげております。  こうした指標の分析、評価を通じて、引き続き、都政の課題解決に資する施策の構築に取り組んでまいります。 ◯中村委員 ここのところ、小池知事の目玉予算は執行率が上がらないものも多いように感じます。  もちろん、求められるのは執行率ではなく成果ですが、掛け声倒れになることのないよう、PDCAなどを通じて確実に成果が上がるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 ◯吉村財務局長 これまでも都は、予算の編成に当たりまして、事業の実績や執行率だけでなく、社会的要請や事業の必要性など、様々な角度から分析と検証を行い、必要な予算を計上しております。  令和四年度予算におきましても、政策評価と事業評価を一体的に実施したほか、事業評価についても、DXによる業務効率化などの視点も踏まえながら、着実に見直しを図り、施策の実効性、効率性の向上につなげております。  引き続き、成果重視の視点から見直しを行い、実効性と効率性の高い事業の構築と、迅速かつ着実な執行に取り組んでまいります。 ◯中村委員 成果を上げるためには、ある程度、執行率も上がらなければなりませんから、予算をつける段階でしっかりと調査をし、検討し、準備を進めていただく中で成果を上げていただきたいというふうに思っています。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  第六波によるオミクロン株を主体とした感染拡大を受けた二月十四日から三月六日までの蔓延防止等重点措置期間が、本日から三月二十一日まで延長となりました。  知事から都民に向けて要請が出されていますが、この間、知事からの発信は鳴りを潜め、何がどうなれば解除になるのか、これ以上どうすれば感染が減るのか、都民にとって分かりにくい延長となりました。  知事から都民向けの要請は、不要不急の外出自粛、夜八時または九時以降みだりに飲食店に出入りしないとなっていますが、果たして今のまま漫然と延ばすだけで、これ以上の蔓延を防止し、この長いトンネルの向こうに光が見えるのか、懐疑的な雰囲気が漂っています。  蔓延防止期間の延長は、これを最後とし、でき得れば前倒して終了できるくらいに感染終息に向けた取組を推進しなければなりません。  そこで、今回の蔓延防止期間において、都民に最もお願いしたいこと、知事自身の言葉で分かりやすく訴えていただきたいと思いますが、見解を伺います。 ◯小池知事 これまで、感染防止対策など多大なご協力、ご尽力をいただいている都民の皆様、事業者の皆様に改めてこの場で感謝を申し上げたいと思います。もちろんのこと、医療従事者の方々には本当にご尽力いただいておりますこと、改めて感謝いたします。  新規陽性者数は下降傾向になるなど、重点措置の効果は着実に現れておりますが、医療提供体制については依然として厳しい状況にあるということであります。  今が一番大事な時期だと先日のぶら下がり会見の中でも申し上げたことでございます。  そこで、都民の皆様には、油断せずに自分や家族、大切な人を守るという思いを持って基本的な対策を徹底して行動していただきたい旨もお伝えをしております。  また、ゲームチェンジャーとなりますのがワクチンの接種でございますけれども、こちらについてもぜひご検討をお願いしたいと思います。  都としても、国や近隣の三県とも連携を図りながら、ここで感染を抑え込むんだと総力を挙げて対策を講じてまいります。 ◯中村委員 二週間延長したということは、二週間で終わらせるということだと思いますので、ぜひともここでしっかりと都民に向けてのメッセージも出していただきたいと思っています。  特に、せんだって代表質問の中で解除の基準はどうかと求めたんですけれども、それは国のことだということで明言されなかったんですが、やはり今、飲食店等を含めて、一体先がどうなるのかという不安があるところだと思っています。やはり現場を持つ都として、しっかりとその辺りを考えていただければと思っています。  次に、保健所について伺います。  もちろん、今、コロナに関して最前線で保健所の皆さんが懸命に取り組まれていることには心から敬意を表します。  この四年度予算案では、都保健所の感染症対策に関する業務の在り方検討経費が計上されています。  私は、昨年の第一回定例会の代表質問で、コロナの第四波を考えると、大幅増員やデジタル化、外部化可能な業務の委託など保健所体制の抜本的強化に知事が陣頭に立って取り組むべきだと主張してきました。  人員体制の強化という観点からは、現場からの応援要請を待つのではなく、震災時のように、あらかじめ都庁から現場に駆けつける体制を決めておく、即応体制として直ちに発動できるよう、新型感染症に際しての人員計画をつくるべきだと考えます。  既に都内には、図書館や博物館を休館にし、保健所体制を強化するというBCPを発動している自治体もあります。  また、今回のコロナを教訓にするのであれば、保健所と市町村との情報共有、連携強化は欠かせません。  都保健所の感染症対策に関する業務の在り方の検討について、こうした視点も考慮すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都はこれまでも、都保健所における応援職員の配置や会計年度任用職員等の活用、業務の委託化などの体制強化や負担軽減に取り組み、感染状況に応じた体制を確保してまいりました。  現在実施しております都保健所の感染症対策業務に関する調査、分析を踏まえ、都保健所の感染症対応の在り方を検討することとしております。 ◯中村委員 ぜひ早急に検討していただきたいと思うんですが、特に今、やはり保健所に関しては統廃合の影響が出てきているんだと思います。  保健所の所管人口は、地域保健法に基づく指針によると、都道府県が設置する保健所の所管区域は二次医療圏に一つを設置することが原則で、二次医療圏の人口が平均的な二次医療圏の人口を著しく超える場合には、地域の特性を踏まえて複数の保健所を設置できることを考慮すると指針に定めています。  全国の二次医療圏の平均人口は約三十七万九千人で、多摩府中保健所の所管人口は約百七万人で、これは、平均的な二次医療圏の人口を著しく超え、指針に当たるということは昨年十月の我が会派の五十嵐えり議員の一般質問でも指摘をしました。  そこで、私は、多摩地域の二次医療圏において、都が複数の保健所を設置することなどについても積極的に検討すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 住民に身近な保健サービスは市町村が、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づき、都保健所は、二次保健医療圏に一か所設置しておりまして、広域的、専門的、技術的拠点として、地域の感染症対策の重要な役割を担っているところであります。  なお、今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大から終息に至るまでの都保健所の取組を検証した上で、改めてその在り方を検討していくこととしております。 ◯中村委員 保健所の対象人口が多ければ、人もそれなりには配置はしていると思うんですけれども、やはり一つの保健所の所長が、例えば多摩府中保健所でいえば六市の市長とやり取りしていれば、なかなか大変なところもあると思っています。  東京都が実際、二十三区と町田、八王子を除いたら、多摩と島しょで約三百万の人口を都が所管しているわけでしょうけれども、そのうちの三分の一を多摩府中保健所一か所で見ていることにもなります。まだまだこれから感染症がどうなるか分かりませんので、この保健所の取組についての検証ということをしっかりやっていただいて、私は早急な対応の見直しをしていただきたいということを求めたいと思います。  次に、都立、公社病院の独立行政法人化について伺います。  本会議の代表質問で、都立、公社病院で働く職員への説明状況を質問したのに対し、都は、本年七月が近づく中、職員からの質問も増加するなど、勤務条件に関する職員の関心も高まってきたとの認識を示すとともに、本年一月からは、多忙な職員向けに制度のポイントを短時間で解説した音声つき資料の公開や、全都立病院の希望者を対象としたオンラインでの個別相談会などを実施してきたと答弁しています。  しかし、聞けば、個別相談会で対応した人数は二百人ほどでしかなく、職員四千人に対しては少ないようにも感じます。  そこで伺いますが、個別相談会ではどのような意見が多かったのか、職員の納得は得られているのか、今後とも、より一層丁寧な説明が必要であると考えますが、併せて見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 本年一月から実施した個別相談会は、これまで説明してきた新法人の人事給与制度案の理解をより深めてもらうよう開催したものでございまして、質問や意見を有する職員や、職場の代表として相談する職員などが参加しました。  移行後の給与や退職手当の取扱いや勤務制度に関する質問などがございました。一つ一つの相談に対し、職員の個々の状況に応じ丁寧に説明することで、それぞれ相談者の理解、納得は得られたものと認識してございます。  今回、相談会に参加していない職員も含め、より多くの職員が新法人の制度理解を深め、疑問や不安を解消し、働きやすさや働きがいを感じられるよう、今後も一層丁寧な説明を行ってまいります。 ◯中村委員 また、本会議の代表質問で、現場の医療人材、スタッフと経営側とのコミュニケーションを密にすべきだと主張したのに対して、都は、独法化後も病院幹部が院内各部門に出向いて職員と意見交換を行うとともに、職員満足度調査を実施するなど、職員の意見や要望を把握し、迅速に勤務環境の改善につなげるなど、現場の声を病院運営に反映するとの答弁がありました。  そこで、私は、例えば最低月に一回は病院幹部が院内各部門に出向いて職員と意見交換を行うことを明確にするなど、職員とのコミュニケーションをこれまで以上に取るべきと考えますが、見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 日頃から病院幹部と職員がコミュニケーションを取りながら、現場の声を病院運営に反映させていくことは重要でございます。  このため、独法化後も院長をはじめとした病院幹部が、毎月定期的に各病棟をはじめ院内各部門に出向き、職場の状況を確認しながら職員から意見を聞くなど、職員との意見交換を積極的に図ってまいります。  こうした取組によりまして、患者ニーズや職場環境等に関する意見、要望をきめ細かく把握し、迅速に改善につなげるなど、患者サービスの向上や勤務環境の整備を一層図ってまいります。 ◯中村委員 さらに、代表質問で、私たちは行政的医療の提供などに必要な費用は、これまでと同様、東京都が将来にわたり負担すべきと主張してきました。これに対して、小池知事からは、独法化後も行政的医療に必要な経費は、これまでと同様に都が確実に財源を措置すると答弁がありました。  その上で、私たちが反対した地方独立行政法人東京都立病院機構定款では、その第一条で、同法人は行政的医療の安定的かつ継続的な提供をはじめ、高度専門的医療などの提供及び地域医療の充実への貢献に向けた取組を推進することを目的にする旨記載しています。  しかし、私は定款で定める行政的医療の安定的かつ継続的な提供だけでなく、独法化によって行政的医療をより一層、充実強化していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的な医療の提供というのは、東京のセーフティーネットである都立病院の使命でございます。  都立病院は、超高齢社会の本格化や医療の高度化など、医療環境が大きく変わっていく中でも、こうした役割を確実に果たしていく必要がある。  このため、医療人材を安定的かつ機動的に確保することができる独法化のメリットを生かしまして、その時々の医療ニーズに的確に対応することで、行政的医療をさらに充実強化していくという考えであります。 ◯中村委員 行政的医療の充実強化は、今後、感染症対策をはじめ様々な分野で取り組まれることを期待したいと思います。  特に精神科医療に関しては、都立病院がセンター的役割を果たし、他の民間病院の底上げにも貢献できるよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯西山病院経営本部長 精神科領域においても、病院完結型の医療から地域全体で治し支える医療への転換が進んでおり、患者、家族が地域で安心して療養生活を続けていくための環境整備が求められてございます。  このため、都の精神科医療の拠点である松沢病院において、独法化のメリットを生かし、医師や看護師を地域の医療機関や訪問看護ステーションへ一定期間派遣して、病状や生活習慣などに関する指導助言を行うとともに、地域の医療従事者に対する専門研修を実施し、地域医療を支える専門人材の育成に貢献してまいります。 ◯中村委員 次に、災害対策の中でも噴火災害対策について伺います。  二〇二一年に富士山ハザードマップが十七年ぶりに改定され、火山被害がより速く、より広範囲にわたることが明らかにされました。  先日のトンガでの火山噴火も記憶に新しいところですが、噴石や火砕流だけでなく、火山灰が広範囲に降ることで、首都圏でも被害は甚大になるものと予測されております。  首都圏での降灰の評価は変更されていませんが、富士山の火山灰がどこまで飛ぶかを予想したハザードマップでは、首都圏には二から十センチメートルほど降り積もると予測されています。都への影響について伺います。 ◯村松総務局長 富士山の噴火の降灰が及ぼす影響について、国は、中央防災会議のワーキンググループにおいて、令和二年四月に報告書を取りまとめております。  この報告書によりますと、富士山の噴火に伴う降灰によって、都内でも鉄道の運行停止、停電や通信障害、上水道の原水の水質悪化、下水管路の閉塞、住民の健康被害などが発生する可能性があるとされております。 ◯中村委員 今年は都内でも何度か積雪がありました。雪ならば解けてなくなりますが、そうではない火山灰が二センチから十センチも積もるというのは大変なことです。  アイスランドの火山噴火で長期間、ヨーロッパ各地の空港が閉鎖となりました。火山の噴火では、長期にわたって社会経済活動が大きな制約を受けます。私たちの生活も直撃し、首都機能が麻痺をするものと考えられます。  そこで、課題となるのが迅速な灰の除去ですが、住宅地や幹線道路に積もるのは四億立米以上の火山灰であり、東日本大震災の瓦礫の十倍以上とされます。除去には長い時間がかかりますし、火山灰は燃やせないため、撤去場所の確保、処理は都内だけでは不可能と考えられます。誰が、いつ、どこへ運んで処分するのか、火山灰の除去、処分について早急に具体化しなければなりません。  また、富士山には緻密な火山観測網が展開されており、大噴火の前兆を捉えることができる可能性が高いといわれています。富士山噴火の危険性が高まった際に、いかに被害を最小限に抑えることができるか、避難計画をあらかじめ立てておくなど備えを万全にしていくことが必須と考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 富士山は、一七〇七年の宝永噴火を最後にしまして、これまで約三百年間噴火していないという歴史がございます。  しかし、一たび噴火いたしますれば、降灰に伴う健康被害、停電、通信障害など、社会経済活動への影響が広域にわたって生じることが想定される。  そこで、都は、地域防災計画で富士山の噴火を想定して、各防災機関の役割を定めているとともに、国に対しましては、ほかの県にまたがる大量の火山灰の処分方法などについて、指針の策定を求めてきたところであります。  国は、中央防災会議のワーキンググループの報告書を受けまして、関係省庁で構成する検討会を立ち上げて、現在、具体的な対策について議論を進めております。  今後、国の動向等を踏まえまして、都として必要な対策を検討してまいります。 ◯中村委員 なかなかこれだけの大量の火山灰が降ると、都だけというところでは難しいので、国の動向を当然見ていくことになると思いますけれども、本当にこういった災害はいつ起こるか分かりません。  間もなく三・一一から大分、十一年になるわけですけれども、本当によもやと思っている想定外のことが起こるということになります。火山の噴火も、私も何年か前に初めて議会で質問されたときにはまさかと思っていたんですが、本当に何が起こるか分からないご時世だと思っています。  ぜひとも、こういったことも今起きてもおかしくないというつもりで、国の方の動向を見ながらということなんですが、ぜひ国とも協議しながら、迅速な対応をしていただくよう求めたいと思います。  次に、経済、雇用対策について伺います。  コロナ感染対策の蔓延防止など重点措置延長の影響を受けて、首都圏の飲食店の約八割が現在の業況を悪いと答えています。  製造業では、原材料価格や物流費の上昇で、約七割が本業に影響があると述べています。  サービス業にとっても厳しい環境が続き、国の事業復活支援金の条件緩和を求める声があります。  新型コロナ感染の長期化でダメージを受けている内需型企業が、今回のロシアによるウクライナ侵攻を受け、輸入原燃材料価格の上昇や円安などでさらなる影響を受けているため、都においても資金調達手段を含めた事業継続対策を求めるものです。見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は、原油の価格の高騰などにより、売上げに影響の出る中小企業の資金繰りを支援するため、制度融資に新たなメニューを創設いたします。  また、製造業種の中小企業の固定的なコスト削減や、幅広い業種の会社の省エネなどの取組に対して、専門家による助言や設備等の導入への助成を行います。  これらによりまして、中小企業の事業継続を後押ししてまいります。 ◯中村委員 国際情勢による資源価格の高騰が長引く予測もありますので、事業継続策をお願いしたいと思います。  一方、コロナ禍が男女平等参画を妨げる状況を生じさせています。二〇二一年度、都の調査によると、女性の家事、育児関連時間が二十分増して、男性との差は五時間二十分になっています。  また、男性の育休取得率は一二%、業種によっては五日未満で、この点でも改善の必要があります。  女性が能力を発揮できるための男性や企業の意識改革の推進が必要ですが、都の見解を伺います。 ◯武市生活文化局長 男性の家事、育児参画を進め、女性が能力を発揮できる環境を整備するためには、社会全体の意識を変えることが必要でございます。  このため、都は、子育て中の夫婦、企業経営者、マネジメント層など、あらゆる都民に向けたサイトにおきまして、夫婦で楽しく家事、育児を実践する工夫や、男性の育児休業取得促進に関する企業の先進事例等を発信しております。  また、家事、育児の分担を考えるきっかけとなるようなシンポジウムも開催しているところでございます。  来年度は、プロスポーツチーム等と連携いたしまして発信力を高め、より幅広い世代の都民に訴えかけるなど、さらなる意識改革に取り組んでまいります。 ◯中村委員 二〇二〇年からのコロナ感染の影響で、テレワークが一気に広まりました。実施率は六二・七%、中長期的にはこの働き方が広がることは確実です。  一方で、テレワークが進んでいない対面サービス業種は感染症対策の中心で、行政からの休業、時短要請などによって働きにくくなっています。
     これらのサービス業の人々でテレワークが可能な部署、業務によってはテレワークを進めることも可能です。  コロナ禍でのテレワーク推進の一方で、課題があるため、それらの検証と導入が難しい業種への支援が必要だと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は来年度、テレワークの実施が十分に進んでいない業種の企業に対して、伴走型の支援を開始いたします。  具体的には、三百社の中小企業等に対して専門家を派遣し、テレワークで実施できる業務の洗い出しなどを助言いたします。  また、社外からリモートで事務処理のできるソフト等を購入する経費について助成を行います。  こうした支援によりまして、テレワークの一層の普及を図ってまいります。 ◯中村委員 二〇二〇年の雇用者に占める非正規労働者の割合は、男性二二・一%、女性五四・四%と、解雇などによりそれぞれ減少に転じ、コロナ禍にあって非正規労働者の雇用調整弁としての不安定な環境が現れました。  また、希望退職を募った上場企業も、二〇二〇年は九十三社、二〇二一年も八十四社と高水準で推移し、正規労働者を減らす企業も増えています。  昨年四月、都は、コロナ禍による解雇や雇い止めを余儀なくされた人々への支援として、東京版ニューディール政策、雇用創出・安定化支援事業など、二万人の雇用創出の取組を始めました。  コロナ禍における都の雇用対策の取組効果について見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 都は今年度、雇用対策である東京版ニューディールにおきまして、職業訓練や派遣就労を通じたマッチング支援などの取組を行っております。  一月末までに約二万一千人の就職のサポートを実施しており、着実に支援を進めているところでございます。 ◯中村委員 今年度のこの支援は、目標には届いてはいますが、今年一月の連合東京における労働相談の状況を伺いましたが、解雇、退職強要などの雇用や退職関係の相談が全体の三割近くとなり、派遣や契約社員からの無期雇用転換前の雇い止めの相談も行われているとのことでした。  相談担当者からは、現在は雇用調整助成金によって雇用維持が行われている、その後はどうなるのかとの話がありました。国では、六月末までの雇用調整助成金の特例延長を検討しています。  コロナ禍が長期化する中での雇用状況についての認識と、今後の雇用対策の充実の必要性について、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 感染症の影響が長期化いたしております。そして、非正規で働いていた多くの方々が離職も余儀なくされているという状況でございます。  そうした方の再就職の支援に当たりましては、成長が見込まれるIT産業等への人材シフトを促進する視点が重要です。  このため、都は、東京版ニューディールに加えまして、来年度は、デジタル分野の職業訓練を拡充するほか、IT分野でのマッチングの機会を増やしてまいります。  これらの取組によって、人材シフトにつながる雇用対策を充実してまいります。 ◯中村委員 冒頭も格差や段差の話もしたんですけれども、大きな企業の業績がよくなってきて税収が上がっているということなんですけれども、やはり働く人にとっては不安定な状況が続いています。  やはり、生活の基本は雇用にあるわけですから、その雇用が安定することが必要かと思っています。特に経済の回復に向けてという意味合いもありますが、雇用の改善、維持をしていくために、さらなる支援の強化を求めたいというふうに思います。  そういった点では、次に、困難を抱える人への支援について伺いたいと思います。  予算案では、私たちがこれまで求めてきた受験生チャレンジ支援貸付制度の対象の拡大などで、予算額も十一億円から五十七億円と大きく増えました。  私たちが生活保護世帯の一・一倍であった収入要件の拡大を求めたのは、二〇一〇年三月二日の代表質問でしたので、ようやくの感もありますが、これを生活保護世帯の一・五倍までに拡大したことは前向きに捉えています。  引き続き、対象の拡大をはじめ、利用者が申請しやすい工夫などを期待するものですが、四年度予算の考え方について伺います。 ◯中村福祉保健局長 コロナ禍にあっても、より多くの子供たちが目指す道に挑戦できるよう、区市町村における就学援助事業の実施状況を参考に、来年度、受験生チャレンジ支援貸付事業の世帯収入要件を緩和して対象を拡大いたします。  こうした取組に必要な貸付原資や区市町村等への支援に係る経費を令和四年度予算案に計上しておりまして、区市町村等と連携し、広く事業の周知を図ることといたしております。 ◯中村委員 収入要件の緩和は評価するものの、十分とはいえません。そもそも私たちは、私立学校も含めて教育の無償化を訴えていましたし、今答弁のあった受験生チャレンジ支援貸付制度や児童手当をはじめとする各種手当についても、所得制限を設けることなく、全ての子供が例外なく給付やサービスを受けられるようにすべきと考えます。  そして、その財源は負担能力のある方に適切に負担をお願いすることで、社会全体で子育てを支えていくべきだと考えています。  今後、全庁横断的に取り組んでいく子供政策においては、段差や格差を設けることなく、子供一人一人に光を当てていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 子供は東京の未来を担うかけがえのない存在でございます。全ての子供が、将来への希望を持って、健やかに育っていく環境を社会全体でつくり上げていかなければなりません。  そのため、「未来の東京」戦略のversion upでは、子供が抱える様々な困難に寄り添って、誰一人取り残さないという視点から、子供へのサポートを強化してまいります。  低所得者への教育費などの支援に加えまして、いじめや不登校、虐待など困難を抱える子供に対して、一人一人に寄り添いながら政策の垣根を超えた支援を重層的に展開をしてまいります。  全庁を挙げて子供に係る諸課題に対応して、子供が光輝ける未来の東京を実現してまいります。 ◯中村委員 四月から新しい子供に関する部署もできることでございますので、ぜひ子供に関する施策のより一層の強化をお願いしたいと思っています。  さて、この子供政策に関して、高校生への医療費助成について伺います。  小池知事は、三月三日のモニタリング会議終了後の記者へのぶら下がりで、全ての区市町村で早期に実施されるように、令和五年度からの三年間、都の負担十分の十で区市町村を支援すると述べました。  予算審議の最中で、多くの会派から代表質問で質問が出たにもかかわらず、その質問には真摯に答えようとしなかったことは、議会軽視も甚だしいと考えます。  知事は、二月二十二日の都議会本会議では、今後、子供の医療費助成の実施主体である区市町村と丁寧に意見交換等を実施していく予定であると答弁していました。  なぜ先週公表したのでしょうか。二月二十二日の答弁以降、具体的にどのように意見交換をしてきたのか、また、市区町村から具体的にどのような意見が出たのか、併せて見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は、令和四年度予算案を発表した後、区市町村長等との会議において、予算案の内容や今後の進め方について説明いたしました。そうしたところ、事業の実施主体である区市町村から早期に都の考え方を示すべきとの意見もあり、先週、都として基本的な枠組みをお示しいたしました。 ◯中村委員 市区町村とも丁寧に意見交換してほしいということではあるんですけれども、議会で質問しています。ちょうど代表質問でも本当に質問したばかりだったわけですから、その後、私たちもこれを聞いたのが、報道で見たわけですから、知らせていただいてもよかったのではないかと思っています。  どういう意図で、このモニタリング会議終了後の記者へのぶら下がりで発表したのか意図は分かりませんが、今後、引き続き議会への丁寧な説明を、対応を求めたいと思います。  そして、私たちは代表質問で、市町村からは財政力の違いなどによるサービス格差を指摘する声もあるとして、納得感のある公平な制度設計が求められると主張してきました。所得制限を設けながらも、十分の十で市区町村を支援することでサービス格差は解消するのか、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都では、子育てを支援する福祉施策の一環として、区市町村が実施する子供の医療費助成事業に対し、一定の基準の下で補助することとしております。 ◯中村委員 次の質問に移ります。  物事を光のスピードで進めることは困難ですが、人に光を当てることは可能です。とりわけ光がなかなか当たりにくい路上生活者について、この間、私たちは、都の目標である二〇二四年度末を少しでも前倒しをし、自立の意思を持つ全てのホームレスの方が地域生活に移行すべく取り組むとともに、夜間に調査を行い、より正確な実態を把握すべきだと主張してきました。  そこで、都の取組及び夜間調査の実施について、改めて見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は、ホームレスの方の就労、自立と地域生活への移行を促進するため、特別区と共同で自立支援センターを設置し、緊急一時保護から職業紹介までの一貫した支援を行っております。  また、路上生活期間が長期化し、高齢等により就労が困難な方に対しては、巡回相談を行い、生活保護の受給等による安定した居宅生活ができるよう支援しております。  夜間の実態につきましては、これまでも巡回相談等において把握してきておりますが、今年度実施している国からの委託事業である生活実態の聞き取り調査結果と併せて概数を公表してまいります。 ◯中村委員 これ、質問したのは、ずっと私も夜間の調査はしないと実態が分からないのではないかということをいっていました。都の方では、国の基準があるので、昼にずっと調査をするということだったので、本当に実態を表せているのかというところは不安はありました。  今回、ようやく国の聞き取り調査に併せて夜間での調査もするということで、まあ、まだ集計中ということなので、今後、概数ではありますけれども、数値も公表されてくると思っています。ぜひ支援の強化をお願いしたいと思います。  特に私自身も、年末年始の炊き出しなども状況を見させていただきましたが、やはりコロナ禍、厳しい状況にある路上生活の方が本当に大勢いらっしゃるんだと思っています。  恐らくこれまでの昼の数字よりも夜の数字の方が多いのではないかと、推測ではありますけれども、数字が出てくると思いますので、今後そういった正確な実態把握をしていただいて、その上での適切な支援の方をお願いしたいというふうに思っています。  そういったことも含めて、コロナ禍での長期失業者は再就職をますます難しくしています。  総務省が行った労働力調査によれば、働く意欲はあるのに仕事が見つからない完全失業者は、去年は月の平均で百九十三万人と前の年より二万人増え、また、完全失業者のうちの長期失業者の割合は三四・二%で前の年より六・五ポイント高くなりました。  長期失業者に対する再就職支援に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 ◯坂本産業労働局長 長期にわたり失業が続く方の再就職に向けては、コロナ禍でも採用意欲の高い企業とのマッチングを支援することが効果的でございます。  このため、都は、ITや介護などの業界の求人を重点的に開拓して、派遣就労を通じて業務スキルを身につける機会を提供し、派遣先での正社員就職ができるようサポートをしているところでございます。  来年度も引き続き、こうした取組によりまして、再就職の支援を進めてまいります。 ◯中村委員 長期の失業者は増えていますので、ぜひとも積極的な対応をお願いします。  コロナ禍では、ひきこもりが増加し、八〇五〇問題も深刻化したといわれています。私は、昨年十二月の代表質問でも、このひきこもり問題を取り上げ、市区町村での相談窓口設置支援などを求めてきました。都からは前向きな答弁があったと認識していますが、やはり当事者や、その家族を直接支援するのは人であり、現場の支援員や相談員です。  そこで、改めて、全ての市区町村での相談窓口の設置促進をはじめ、相談支援する人のスキル向上を図るなど、ひきこもり対策を拡充すべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は昨年、ひきこもりに係る身近な地域での支援体制の充実に向け、都と区市町村による支援推進会議を設置し、区市町村における相談窓口の設置を推進しております。  また、相談対応力の向上を図るため、区市町村等の職員を対象とした研修を実施するとともに、支援方法等を掲載したリーフレットを作成、配布しておりまして、来年度は民生児童委員向けに研修を実施してまいります。 ◯中村委員 ひきこもりの問題も、なかなか実態が分かりづらいところもあって、今までも国の調査の中で、多分割合で都はこのくらいじゃないかという推測だったと思います。これから市区町村全部に窓口が置かれていくようになれば、より身近なところで状況も把握できるようになってくると思っていますので、ぜひそれに合わせた対応の強化ということをお願いしたいと思います。  さて、困難を抱える人への支援として、私は、四十代、五十代の独身男性に着目しています。  また、幸福度を国別、男女別に見た別の調査では、先進国や発展途上国を含むほとんどの国は、女性の方が男性より幸福度が低い一方で、日本は逆に男性の方が幸福度が低いそうです。  さらに、四十代、五十代未婚男性の幸福度の低さは際立っているという別の調査もありました。痛い、苦しい、お金がないなどと声を出して助けを求めない分、支援の手が届きにくくなっているのではないでしょうか。  例えば、自殺についても、厚労省が発表している令和二年中における自殺の状況によれば、男性の自殺者数は女性の二倍です。国内の男女別、年齢階級別の自殺者で二千人を超えているのは、四十代、五十代の男性だけです。  四十代、五十代男性の自殺の原因、動機は何なのか、また、この世代の自殺防止対策を推進していくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 四十代、五十代男性の自殺の原因、動機の最多は健康問題でございますが、そのほかにも、自殺の背景には経済問題など様々な要因が複雑に絡まっております。  このため、都は、関係機関や区市町村等から成る自殺総合対策東京会議を設置し、幅広く施策を推進しております。  また、相談行動を起こしづらいとされる男性を含め、悩みを抱える方を早期に適切な窓口につなぐため、相談窓口の一覧を掲載したリーフレットの作成、配布、ホームページ等での情報提供、インターネットを活用した検索連動広告などを実施しております。 ◯中村委員 いろんな要因もあったりしますので、いろんなところにこういった窓口とか相談できるものとか、チラシがあったりとか、どこかでこういった相談につながるようにしていただければと思います。  今、自殺ということで答弁をいただきましたが、ぜひ四十代、五十代の未婚男性が抱えている課題に光を当てて、低い幸福度という段差解消にも取り組んでいただきたいと要望いたします。  また、私は、昨年の第四回定例会で、孤独、孤立担当部門を設置するなどして、孤独や孤立への対策を行う必要があると述べてきました。  女性や子供やひとり親などは、それぞれの担当部署があっての取組ですが、今申し上げたような四十代、五十代の男性、身寄りのない人など、都庁に担当部署がない人たちには行政からの光が当たりません。  そこで、私は改めて、都においても孤独、孤立担当部門を設置するなどして、孤独や孤立への対策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 社会環境の変化やコロナ禍の影響により、あらゆる世代の人が孤独、孤立の状態に陥りやすい状況にあります。  都では、ひきこもりの方や、その家族に対する相談支援の拡充や動画を活用した自殺防止対策に係る広報など、様々な取組を強化してきております。  引き続き、各局が連携し、様々な不安や困難を抱える方の状況に応じたきめ細かな支援を実施してまいります。 ◯中村委員 せんだって代表質問したときも申し上げたと思うんですが、イギリスでも担当大臣がいたり、日本でも今、国の方でも担当大臣を置かれてもいます。なかなか今、地域の中で孤立、孤独をしているご高齢の方の方が平均寿命が短いのではないかというようなデータもあるようですから、ぜひこういったところも積極的に取り組んでいただきたいと思っています。  今後、福祉保健局には、新しく企画部も新設されるなど組織の改正もあるようですが、ぜひとも全庁的な取組を要望したいと思っています。  次に、高齢者施策について伺います。  団塊の世代が後期高齢者の年齢に達するいわゆる二〇二五年問題への対応は急務です。都は、高齢化により社会保障関連経費が対前年度比で毎年三百億円ずつ増え、今後、三十年間で累計約十四兆円増加するとしていますが、医療費をはじめ、社会保障費の抑制は容易ではありません。  医療費などの費用面だけでなく、高齢者がいつまでも健やかに生活していけるよう、健康増進や介護予防などに積極的に取り組んでいく必要があります。  この間、都は、三つのCとして、Children、Choju、Communityといって、Chojuを重点の一つとする考えを述べていましたが、コロナの対応もあってか、四年度予算では新たな踏み込みが見られません。  来るべく高齢社会に向けてどのように対応していくのか、知事の見解を伺います。 ◯小池知事 都は、「未来の東京」戦略におきまして、Choju、これを戦略の核の一つに据えまして、人生百年時代でも、誰もが幾つになっても元気に活躍する、心豊かに暮らせる社会の実現を目指しまして、介護サービス基盤の整備や人材確保、高齢者の社会参加の促進など、様々な施策を展開いたしております。  さらに、来年度からは、高齢者にスマートウオッチなどを装着いただいて、健康状態を可視化できる取組を開始し、高齢者の健康の維持増進につなげてまいります。  また、介護人材の確保に向けましては、インターンシップから就業先のマッチング、その後の定着までの一貫した支援を開始いたします。  今後とも、世界に誇る長寿社会の実現に向けまして、高齢者施策を積極的に展開してまいります。 ◯中村委員 私もかねがね都議会の中で、やはり都政の最大の課題の一つが高齢者の課題だという話をしていました。ぜひ世界に誇れる長寿社会になっていただけるよう、取組を重点的に進めていただきたいというふうに思っています。特にコロナ禍において、なかなかこの辺りが目立たなくなってきてしまったんですが、さらに施策に重点的に取り組んでいただきたいと思っています。  さて、この高齢者の問題の中で、先ほど孤独や孤立の対策を聞きましたが、その重点はやはり高齢者であると考えます。  今やスマートフォンの普及によって、私たちは世界中の人たちと簡単につながることが可能となりましたが、一方で、身近な地域や空間でのつながりは、かえって希薄になったと感じます。  スマートフォンを操作して歩いてる人は周りを気にする気配もありません。昔は挨拶していた近所の人も、こちらに気づかず通り過ぎます。同じ場所や空間にいながらも、目を合わすことさえしないのです。私は、こうしたことの積み重ねが人々、とりわけ高齢者を孤立させる一因になっているのではないかと考えます。  そこで、私は、高齢者の孤立、孤独対策の一つとして、高齢者に対する声かけ運動、挨拶運動を提案するものですが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 区市町村では、地域の高齢者の状況を把握し、相談や支援につなげるため、地域包括支援センターを拠点とする見守り体制を構築しております。
     都は、センターと連携して、独居高齢者への訪問などを行う高齢者見守り相談窓口の設置や、見守りサポーターの養成、自治会等による見守り活動に取り組む区市町村を支援しております。  また、老人クラブの訪問活動等を支援するほか、民生委員による訪問、声かけなども実施されており、こうした取組を通じ、高齢者の孤独、孤立防止に努めてまいります。 ◯中村委員 見守りということになると、見ているだけということになってしまいがちです。いろんな関係をつくっていくということだと思うんですが、積極的な挨拶や声かけというのも、簡単なようでなかなかできていないところもあります。  いろんな地域の中に積極的に参加されていらっしゃる方はいいんですけれども、そうでない方も多くいらっしゃる中で、積極的にこういった高齢者の孤立、孤独対策について進めていただきたいというふうに思います。  さて、高齢者の孤立、孤独の防止という観点から、地域における居場所づくりが重要です。  令和二年度予算では、都営住宅の集会所などを活用した東京みんなでサロンを打ち出し、私も当時、都市整備委員会などで質問してきました。しかし、その後、コロナ禍もあって、食事などを楽しみながら交流を深めるという事業は難しくなったと危惧するものです。  そこで、改めて、都営住宅における東京みんなでサロンの現在の進捗と四年度予算案での対応について見解を伺います。 ◯榎本住宅政策本部長 都営住宅の集会所等を活用し、様々な人々の交流の場として地域の居場所づくりを進めることは重要でございます。  今年度、区市等と連携しまして、東京みんなでサロンを五か所で先行実施し、高齢者のフレイル予防教室や子供の居場所づくりなど、多様なニーズ等が明らかとなりました。  今後、都では、この成果を踏まえまして、区市町やNPO等の地域の様々な主体と連携し、多彩なプログラムを通して参加者が交流できる事業を本格化いたします。  来年度は、東京みんなでサロンを二十か所程度で実施しまして、居場所の創出を図ってまいります。 ◯中村委員 少しコロナでスタートが遅れた感はあるんですが、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  特に、なかなか都営住宅にお住まいの方も、その周りの地域の方と交流がない場合もあったり、逆にその地域の中に集まる場所がなかったりするときに、都営住宅の集会所は非常にいい場所だったりするんですけれども、自治会によってはなかなか貸せないとかというところもあったりします。  都がこういった施策をやることで、きっかけによって、都営住宅の方とその近隣の方とうまく融合するようにしていただいて、よりよい居場所ができるようにしていただければと思います。  さて、高齢者の孤立化対策での居場所づくりというのは重要ですが、それを支える地域のコミュニティが重層的であればあるほど、緊急時など、いざというときにはより機能を発揮するものと考えます。  地域による世代間交流は、いわれて久しい課題でしたが、この間、小池知事が進めてきたテレワークによって、子育て世代など、働く人が地域にいる時間が増えています。  四年度予算案では、町会、自治会活動の推進に向けて、新規事業も見られ、これら取組を通じて、テレワークなどによって地域で過ごす時間が増えた人たちを地域コミュニティにつなげていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◯武市生活文化局長 町会、自治会は、高齢化に伴う役員の減少や新規居住者の未加入といった課題を抱えており、新たな担い手を確保していく必要がございます。  来年度、新たに実施する防災対策普及啓発事業助成では、住民の防災意識を高めるため、町会、自治会が地域の防災情報を掲載した啓発チラシ等を配布します。  さらに、区市町村と連携して、町会、自治会における導入を支援する地域交流アプリでも魅力的なイベント情報を発信します。  こうした取組を通じまして、地域で過ごす時間が増えた働く世代を含め、これまで町会、自治会活動に参加してこなかった方々にも町会、自治会の活動に気づいていただき、理解や加入促進につなげてまいります。 ◯中村委員 地域コミュニティの活性化について、町会、自治会は、大変役割は重要です。市区町村の役割になるところもあると思うんですが、都も連携して取り組んでいただければと思っています。  特に、やはりテレワークになってから、コロナになってから、今まで地域で見なかった方々が意外と地域にいたりとか、ずっと家でお仕事をしていてもということがあって、外に出られているんですけれども、その方々もまた行き場がないというところもあります。  ある意味で、こういった新しい地域コミュニティをつくっていくチャンスの時期でもありますから、積極的にそういった方々が地域で活動できる場所ができればと思っています。  ただ、もちろん町会、自治会の側でもイベントの情報を発信していくといっても、そもそもイベントがなければ発信するものはないでしょうから、そういったイベントが企画できるようなところも市区町村と連携しながら、町会、自治会の活動も活性化させていただければというふうに思っています。  また、私の地元の三鷹市では、高齢者社会活動マッチング推進事業として、専門的な知識や経験を地域で発揮したい高齢者と、サポートを必要とする個人や団体とを結びつけるため、IT等を活用してマッチングし、高齢者の社会活動への参加を進めています。地域には、まだまだ地域のために役立ちたい、人のために役立ちたいと思っている高齢者が多くいます。  そこで、私は、市区町村の区域を超えて、都域においても、やりたいことをマッチングするなどして、高齢者の社会参加を積極的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度から、高齢者が意欲や関心等に応じて社会参加できる環境づくりに向け、高齢者等に社会参加に関する情報提供や紹介等を行う相談窓口の設置や、活動等の場になる地域資源の掘り起こしに取り組む区市町村への支援を開始いたします。  あわせて、有識者や区市町村等からも意見を聞きながら、高齢者等の意欲や希望に応じた幅広い分野における社会参加のきっかけづくり、マッチングを広域的に支援するための施策を検討し、実施してまいります。 ◯中村委員 高齢者といっても、孤立、孤独ばかりではなくて、元気な高齢者もむしろ大勢いらっしゃるかと思っています。その高齢者の方々が元気でずっといていただくためにも、そういった方々が活動する場をつくるというのは大事なことだと思っていますし、IT等の活用で新たなこういった取組もできるようになってきましたので、積極的にこういった事業を行っていただきたいというふうに思っています。  さて、高齢者施策の最後の質問ですが、介護離職ゼロについて伺います。  昨年の「未来の東京」戦略には、二〇四〇年代までには介護離職という言葉が死語になっているという記述がありましたが、バージョンアップされた今年の「未来の東京」戦略には、介護離職という言葉が見当たりません。介護離職ゼロは知事の選挙公約にもあった七つのゼロの一つです。  そこで、介護離職ゼロに向けて、知事の認識と取組について見解を伺います。 ◯小池知事 介護離職ゼロへ向けての質問でございました。超高齢社会が進展する中で、介護と仕事の両立というのは多くの都民が直面する課題であります。  また、働き盛りで業務の中核を担う社員の方が介護によって離職を余儀なくされるということは、企業経営にとりましても大きな問題になっているわけです。  昨年公表いたしました「未来の東京」戦略で、二〇四〇年代のビジョンとして、介護離職が死語になっているという、これを目指す姿に掲げておりまして、既に介護サービスの基盤や介護と仕事の両立に向けました職場環境の整備などの取組を進めております。  今般公表した政策のバージョンアップでございますが、さらなる取組の推進を図ってまいります。例えば、さきにも申し上げましたけれども、職員宿舎の借り上げ支援、民間ノウハウを活用した入職や定着の支援などなど、介護人材の確保対策を強化いたしてまいります。  また、加えまして、テレワークの推進など、両立に取り組む企業への支援を充実しまして、誰もが安心して暮らせる長寿社会を実現してまいります。 ◯中村委員 介護で厳しい状況にある方は大勢いらっしゃいますので、介護離職ゼロということには期待していた方も多かったんだろうと思っています。  職場環境の整備と、また介護人材の確保とか、いろんな側面から取り組んでいかなければいけないと思っているんですが、特に今、介護の中で、老老介護とまではいかないまでも、比較的中高年の方で、これから会社等で活躍する方や収入が増えていくという方々が、高齢者の介護のために離職をして、親の年金等で生活をしていくということになると、介護されている方が亡くなると、今度その介護してきた人の生活が、そこから再就職が大変厳しいという状況になってしまいます。  できれば、やはり仕事と介護が両立できるようにしていかなければならないと思っていますので、大変いろいろ課題は多いと思うんですが、介護離職ゼロというのは、私は本当に大変重要な施策だと思っていますので、ぜひ積極的に都としても取り組んでいただければというふうに思っています。  次に、交通弱者対策についての質問に移りたいと思っています。  まず、ホームドア設置の促進についてです。  ホームドアは多くの場合、後から付け足すものであり、構造上の制約が生じることは否めません。また、近年進んでいる相互乗り入れで車両のドア位置が異なるなど、物理的制約が多いのも事実です。工事も大規模になるため、進捗にも時間がかかっています。  しかし、あらゆる都民が安心して外出でき、電車との接触事故などのない東京を実現するためには、ホームドアの設置をスピードアップする必要があります。  そのため、私たちは利用者十万人以上やオリンピック会場最寄り駅といった条件のほかにも、ホームの狭さや混雑度、転落事故の危険性、ベビーカーや高齢者、障害者などの利用数も加味して、ホームドア設置の整備助成対象を拡大するべきと提案しました。  その結果、都は、優先整備の考え方をまとめ、利用者十万人未満の駅にも補助対象を拡大して設置を促進してきました。  新たな補助対象による整備の実績とスピードアップに向けての今後の取組について伺います。 ◯上野東京都技監 ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠でございます。  都は、令和元年に取りまとめた優先整備の考え方も踏まえ、事業者に整備計画の策定を求めるとともに、令和二年度から利用者十万人未満の駅へ補助対象駅を拡大しており、今年度まで十二駅が補助対象となっております。  狭隘なホームでの設置スペースの確保など、技術的な課題に対応するため、来年度、事業者との検討会における技術的な方策を取りまとめてまいります。  その検討状況も踏まえながら、さらなる整備対象駅の追加など、整備計画の見直しにつきまして、事業者と個別に調整を行ってまいります。  こうした取組を通じて、ホームドアのより一層の推進を働きかけてまいります。 ◯中村委員 私は、連続立体交差化などで駅を新しくする際に、ホームドアの設置も併せて進むことを期待しておりましたが、新しい駅にホームドアが設置されないこともあります。様々事情があるとは思いますが、私は一日も早くホームドア設置をしていただき、一人でも命を失う方がいないようになってほしいと考えています。  ホームドアが設置されるまでの間にも、命を落とす方のないようにするための対策として、転落を感知して電車を非常停止させる仕組みといった代替措置に対しても導入を支援し、転落による事故などを一つでも減らすようにすべきと考えますが、見解を伺います。 ◯上野東京都技監 鉄道事業者は、ホームからの転落防止効果の高い対策といたしまして、都の支援も得てホームドアの設置を進めておりますが、物理的な制約などがあることから、当面の策といたしまして、駅構内カメラの映像をリアルタイムに解析し、ホームからの転落などを自動検知するシステムを運用している駅もございます。  都は、事業者による視覚障害者等の転落防止に関する取組を後押しするためにも、今年度の都民からの事業提案を受け、さらに便利で安全に利用できるよう、令和四年度に鉄道事業者と連携いたしまして、スマホアプリや先進技術を活用した案内誘導などに取り組んでまいります。 ◯中村委員 技術革新によって転落をいち早く検知して電車を止める仕組みも導入されているとのことですから、これを進めていただきたいと思います。  私は、中でも視覚障害のある方がホームから転落された事故の報に接するたびに心を痛め、都にも度々要請してきました。ぜひホームドア設置のスピードアップ、そして、設置までの間に命を守るための措置に対しても、都としての積極的な支援をお願いしたいと思います。  特に鉄道事業者によって考え方も違うところもあるとは聞きますけれども、ホーム上で物すごい勢いで特急電車等通過していくと、私も怖い思いもするところもありますし、いろいろやはり立場の弱い方、障害のある方、本当に不安だと思います。ぜひ都としても、より一層、これからも積極的に働きかけをしていただきたいと思います。  さて、次に、コミュニティバスについて質問します。  多摩地域の広域拠点を走るコミュニティバスは、例えば小児病院の最寄りバス停名を掲示案内したり、市役所前には平日の開庁時間のみ停車するなど、地域に根差した運行を行っているところもあります。  コミュニティバスは、地域の希望が高く環境負荷の低い移動手段である一方で、黒字運営になりにくく、コロナ禍で乗客が減ったことで、運営が一段と厳しくなっているとも聞きます。  誰もが移動しやすい都民の足、コミュニティバスへの支援をさらに取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯上野東京都技監 コミュニティバスは、既存の路線バスや鉄道などでは補えない交通需要に対応する地域の公共交通でございまして、地域ごとのニーズを踏まえ、区市町村が交通事業者などの関係者と連携し、主体的に運行しております。  都はこれまで、区市町村に対しまして、コミュニティバス導入に当たっての車両購入や運行経費などへ支援を行ってきております。  利用ニーズの変化に的確に対応し、利便性向上を図るとともに、持続可能な移動サービスを提供するため、既存路線の見直しや環境性能に優れた車両の導入につきましても、支援の対象として追加してまいります。 ◯中村委員 なかなかコミュニティバスの性格上、黒字になりにくいところはあります。黒字であれば民間がやっているというところもありますし、そういった問題もあるんですけれども、どうしても市区町村の業務だということにはなるんですが、都として積極的に支援していかないと、初期投資のところはお金を出すんですが、自治体としてはずっと運行経費も負担し続けることになってしまいますので、何らかこういったものが、これからますます高齢化が進んでいって必要性が高まっていくのであれば、支援の枠組みというのも広げることもあってもいいのではないかというふうには思っています。  いずれにしても、こういった、ますます高齢化が進む中でのコミュニティバスの導入に当たって、市区町村への支援をさらにしていただきますよう要請したいと思います。  さて、次に、自転車の通行についても質問していきたいと思っています。  私の地元の三鷹市は、自転車活用推進重点地区となっておりまして、推進をさらに期待するものです。  長期に道路整備が行われる中で、歩行者と自転車がともに行き交う通行帯があります。メインの通路と脇道とが交差する箇所では、車椅子やベビーカーが通るたびに、ガタンと音を立てる場面も見受けられます。この段差は自転車にも同様な差し障りがあります。  そこで、歩車道の段差をなくし、安全でスムーズな歩行空間の創出にさらに取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。 ◯中島建設局長 歩行者の通行動線上における歩道と車道との段差につきましては、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアルにおいて、車椅子利用者の利便と視覚障害者の安全な通行の双方を考慮し、二センチメートルが標準となっております。  一方で、区市町村が利用者の意見を踏まえて定めた場合には、より段差の小さい構造の縁石についても採用できるとされております。  例えば、江戸川区は段差のない構造を標準としており、都も同区内の都道では溝を入れた縁石を使用することで段差をなくしております。来年度は、環状七号線における無電柱化事業等に合わせて整備いたします。  今後も、区市町村からの要望があった際には都道への適用について検討するなど、安全で快適に利用できる歩行空間の創出に取り組んでまいります。 ◯中村委員 なかなか視覚障害者の方が一番大変だということで、そこに合わせられてということなんですけれども、車椅子の方、ベビーカーを押す方もいろいろ大変な状況もあるかと思っています。全ての方にとって安全になってくれればいいと思うので、何とかうまくこういったところを調整していただいて、誰にも通行しやすいようにしていただければと思っています。  さて、自転車なんですが、以前は歩道をよく走っていたんですけれども、原則どおりということで、最近は車道にということになっていますが、ただ、自転車は歩道ではなく車道に安全な走行空間を整備することが必要であって、自転車通行空間の創出に取り組むべきですが、見解を伺います。 ◯中島建設局長 昨年五月に策定いたしました東京都自転車通行空間整備推進計画では、自転車レーンなど車道を活用した形態を基本としつつ、車道での整備が困難な場合においては、暫定形態として歩道を活用し、早期に連続した自転車通行空間の整備を進めることとしております。  来年度は、井ノ頭通りなどで自転車レーン等の整備を予定しておりまして、今後とも誰もが安全で安心して利用できる自転車通行空間の整備を推進してまいります。 ◯中村委員 交通において一番立場の弱い歩行者を守るために、自転車が原則どおり車道ということになったんですが、そのときに道路の構造を何も変えていないと、結局、自動車に比べればさらに自転車は弱いわけなんですが、本当にそういう意味では車道を走っていると大変怖い思いもしています。  ただ、一方では、車は車の方で自転車が車道を走っていると大変危ないところもあって、なかなか幅の拡幅が難しい中で、歩行者と自転車と自動車をどううまくやるかというのは大変難しいところがあると思っています。  できれば必要なところは拡幅していただきたいと思うんですが、歩道の在り方等の見直しとか、レーンを造るとかしながら、やはり守るべき順番としては、歩行者がいて、次は自転車、自動車だと思いますから、今の構造のままということでは大変危ない思いをすることもありますので、ぜひこういったところも、国の方で道路構造令で決まっているところもあるかもしれませんけれども、ぜひ検討していただければ、また、箇所箇所によって違うところもあると思っていますので、見ていただいて、安全な運行ができるようにしていただきたいと思っています。  さて、このテーマの最後に、知事にバリアフリーのまちづくりについて伺います。  バリアフリーというと、どうしても駅エレベーター設置や駅周辺の段差をなくすといったことがイメージされがちです。しかし、ワンルート確保が進んできた現在、車椅子がゆえに大回りして電車にアプローチするのではなく、ツールート目に対する要望も強くなっています。  また、タクシー乗り場は、多くが駅前ロータリー等の外れにあり、子供連れや疾患、障害のある方、大きな荷物を持った方などが利用するのに、なぜあんなに遠くにあるのかという都民の声も多く出ます。  ここまで伺ってきたように、自宅から目的地に行って帰るまで、一貫して移動のバリアがなくなり、安全・安心にならなければ、一人一人にとってのバリアフリーは実現しません。  知事の考えるバリアフリーのまちづくりへの取組について見解を伺います。 ◯小池知事 東京二〇二〇大会を機に進展したまちのバリアフリーを加速いたしまして、都市のレガシーとして発展をさせていく。道路の段差解消、勾配の改善、主要駅でのホームドアやエレベーター設置などの取組に加えまして、令和四年度は地理情報システムを活用した整備状況の見える化を推進するなど、区市町村と連携を深めながら、さらなる面的拡大を図ってまいります。  まちの段差を取り払い、誰もが移動しやすい環境を整備し、ユニバーサルデザインのまちづくりを都内全域で展開してまいります。 ◯中村委員 ぜひ、誰にとっても移動しやすいまちづくりについて、しっかり取り組んでいただければと思っています。  さて、次に、多摩地域での児童相談所の増設について伺います。  昨年十二月の代表質問で、私は、現在多摩地域の児童相談所が抱える課題を解決する意味でも、新たな都立児童相談所を設置するなどの適正配置が必要だと訴えてきました。  都立児童相談所の設置に当たっては、人口や地域性はもとより、面積が広範囲になり過ぎないこと、すなわち区域内に目が行き届き、効率的に業務が遂行できるよう、交通事情も勘案するなど、新設も含めて適正な配置を実現すべきと考えます。  四年度予算案及び今後の取組について見解を伺います。 ◯中村福祉保健局長 国は昨年七月、児童相談所の設置基準を政令等で新たに設定しておりまして、管轄人口が百万人を超える児童相談所は、新設等による管轄区域の見直しが求められております。  都は来年度、練馬区に設置する児童相談所の設計に着手するほか、多摩地域での新たな児童相談所の設置に向けて、施設規模や設置場所、設置形態等に関する調査を実施いたします。  こうした取組などによりまして、法令等を踏まえ、児童相談所の管轄区域の見直しを図ってまいります。 ◯中村委員 国の基準でおおむね五十万というので、その五十万の解釈が二十万から百万ということだそうなので、もちろん最大で百万超えると見直さなきゃいけないということなんですが、標準的には五十万ということなわけでしょうから、私はもう少し身近なところに設置ができればというふうに思っています。
     とりわけ二十三区の方が、これから順次、大半が区の方に移管されるとなると、東京都の方が担当するのは主に多摩地域になっていくと思っています。  保健所とはまた種類が違うとは思うんですが、そのことで大くくりになってしまって、またこういった相談の窓口と距離が遠くなるというのは少し困るんではないかというのを何となく保健所を見て感じてしまうところもあるわけですから、児童相談所についても、これからまだまだ児童虐待は増えていきますので、体制を強化していくという意味でも、ぜひ地元の自治体との意見交換等も丁寧にしていただいて、より身近なところに設置ができるようにしていただければというふうに思っています。  さて、児童相談所の増設もさることながら、何より重要なことは児童虐待を起こさせない、児童虐待という状況に陥る前の取組です。  そのためには、未受診妊婦をはじめ、被虐待の経験のある親など、ハイリスク家庭の把握や適切な支援はもとより、日常的に子供と家庭の接点を持ち、寄り添うことが可能な基礎的自治体の人への支援、おせっかいなくらいの支援が欠かせません。  都は来年度、妊娠期から就学前にかけての子供と家庭を支援するため、とうきょう子育て応援パートナー事業を創設するとしていますが、その取組について伺います。 ◯中村福祉保健局長 都は来年度、子育て家庭に寄り添い、様々な支援をコーディネートする人材を養成するため、とうきょう子育て応援パートナー事業を開始いたします。  具体的には、有識者や区市町村職員等で構成する検討ワーキングを設置し、この人材の位置づけや求められるスキル、支援プランの作成方法などについて検討いたします。  この検討結果を踏まえ、養成プログラムを取りまとめて研修に活用し、区市町村の人材育成を支援してまいります。 ◯三宅委員長 中村ひろし理事の発言は終わりました。  以上で、本日予定しておりました質疑は全て終了いたしました。  なお、明日は午後一時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後十時三十九分散会          令和4年 予算特別委員会資料要求について                           小 松 大 祐 君(自 民)  1 東京都工業用水道事業の廃止に伴う上水道への切り替えの状況 ────────────────────────────────────────                           曽 根 はじめ 君(共 産)  1 小池知事の海外出張の状況  2 都の附属機関の一覧及び附属機関に類するものの一覧(各局別)  3 都職員新規採用者の男女比率の推移(過去10年)  4 一人当たり都内総生産(名目)及び一人当たり国内総生産(名目)の推移(平成19年度から令和3年度まで)  5 一人当たり都内総生産(名目)の世界主要都市との比較  6 局長級等退職者の再就職状況(令和3年度)  7 各局別・任命権者別職員定数の推移(過去5年間)  8 職員定数及び退職者数の推移(平成14年度から令和3年度まで)  9 都職員の長時間労働、産業医面接対象者数(局別人数、令和3年度)  10 都職員の精神疾患による30日以上病気休暇数(過去5年間)  11 都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況(局別、団体別)  12 政策連携団体の職員数と都財政支出の推移(過去5年間)  13 指定管理者制度の導入状況  14 都区財政調整における算定方法の見直し等の一覧と影響額(平成29年度から令和4年度まで)  15 防災タイムラインを作成している都内区市町村一覧  16 消防団員の費用弁償の額と平均出動回数(23区・多摩地区別)  17 各局における大学との連携事業・連携協定の一覧  18 歳出予算性質別の推移(一般会計当初予算、過去10年間)  19 性質別歳出の推移(普通会計決算、過去20年間)  20 目的別普通建設事業費の推移(普通会計決算、過去3年間)  21 財政指標の推移(普通会計決算、過去20年間)  22 中小企業受注実績(過去10年間)  23 低入札価格調査実績(過去5年間)  24 都債発行額の推移(一般会計、昭和60年度以降)  25 都債発行額及び都債現在高の推移(普通会計、昭和60年度以降)  26 都債償還額及び減債基金残高の推移(一般会計、令和元年度から9年度まで)  27 今後の都債償還の予定(一般会計、普通会計別)  28 公債費の推移(一般会計)  29 各種基金の年度別推移(平成29年度から令和4年度まで)  30 用地会計による用地取得の年度別推移(平成28年度から令和4年度まで)  31 都有施設への太陽光パネル等の設置状況及び設置が可能な施設の現況  32 税制改正に伴う法人都民税及び法人事業税の影響額(平成19年度以降)  33 都税収入の推移(平成19年度以降)  34 資本金区分別法人数(利益法人数、欠損法人数)及び法人事業税額、法人事業税の税率の推移(決算額、標準税率、制限税率及び超過税率、昭和49年度以降)  35 法人事業税の収入額の推移(平成19年度以降)  36 法人都民税の税率(昭和49年度以降)及び収入額(平成19年度以降)の推移  37 固定資産税・都市計画税の各種軽減制度と影響額  38 課税標準額段階別納税義務者数(区市町村民税所得割)及び均等割のみを納める納税義務者数の推移(過去10年間)  39 知事附属機関(審議会等)の各委員数、女性委員数及び女性委員の任用率  40 私立学校経常費補助、各割単価の推移  41 私立小中学校・高等学校(全日制)一学級あたりの生徒数及び学級規模別学校数・学級数  42 私立学校経常費補助予算額の推移  43 公立学校の経常費と私立学校の経常費補助額の推移(学校種ごと、園児・児童・生徒一人当たりの額、過去5年分)  44 私立特別支援学校等経常費補助金交付園数及び園児数(区市町村別)  45 私立幼稚園特別支援教育事業費補助金交付園数及び園児数(区市町村別)  46 私立幼稚園の保育料及び入園金への助成制度の実施状況(区市町村別)  47 公衆浴場数の推移(区市町村別、過去20年間)  48 平和関連事業(戦争犠牲者追悼、被爆者援護を含む)の事業費  49 東京都平和の日記念行事企画検討委員会の委員数、開催方法(対面、書面、オンライン等)、開催回数(事業開始以降の各年度)  50 「アートにエールを!東京プロジェクト」応募数、補助件数、補助額(令和2~3年度)  51 アーツカウンシル東京の東京芸術文化創造発信助成の補助実績(過去5年分)  52 東京都が支援するスポーツの世界大会の開催状況(都が支出した金額を含む、平成22年度以降)  53 東京都の補助で整備された区市町村の体育施設などの数  54 オリンピック共同実施事業の都負担の内訳(年度別)  55 東京2020大会を契機に取り組む事業(大会関連経費)(局別・項目別一覧)  56 東京メトロからの株式配当の推移  57 首都高速道路(株)等への出資金、貸付金及びその償還額(過去20年間)  58 都心3区、都心5区、23区の業務床面積の推移(平成12年以降)  59 高さ100メートル以上の大規模ビルの建設状況(平成26年度以降)  60 事務所・店舗などの床面積の推移(区部・多摩地域別)(平成13年以降)  61 建築物(おおむね60メートル超21階以上、おおむね100メートル超33階以上、おおむね180メートル超60階以上)の棟数の推移(平成15年度以降)  62 環状第7号線内側の主な開発計画と推定就業人口、推定自動車交通量  63 都心3区・都心10区、周辺区のマンション立地状況(平成11年度以降の推移)  64 東京外かく環状道路、首都高速中央環状線の概算事業費、残事業費及び進捗状況(都内区間)  65 特定整備路線の予算・決算額の推移(路線別、事業開始以来)  66 市街地再開発事業助成の推移(過去10年間)  67 都が施工する再開発事業の地区別状況  68 都が施工する土地区画整理事業の地区別状況  69 都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の推移  70 都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の件数、延べ面積  71 防災都市づくり推進計画に定める整備地域内の延焼遮断帯となる道路の整備状況  72 木造住宅及びマンションに対する耐震改修助成の実績(件数、額、過去10年間)  73 都市公園等の一人当たり面積の比較(国内大都市)  74 都市計画公園・緑地の推移(過去10年間)  75 横田基地の軍民共用化にかかわる経過と支出  76 横田基地、硫黄島、厚木基地における空母艦載機による着陸訓練の実施状況の推移(過去10年間)  77 東京都に存する米軍基地に係る航空機事故の状況(過去10年間)  78 横田基地の施設整備について事項と発注額(過去5年)  79 区部及び多摩地域都市計画道路事業化計画の現況  80 私鉄駅、地下鉄駅別可動式ホーム柵等の設置駅数及び設置計画のある駅数  81 横田基地周辺における騒音発生回数の推移(過去20年分)
     82 都内各米軍基地に駐留する全ての部隊名、その任務  83 羽田新ルート騒音測定結果  84 公共住宅の供給実績  85 都営住宅の建設計画と実績(新規建替別・過去20年間)  86 都営住宅の管理戸数及び募集停止戸数  87 都営住宅の応募状況  88 都営住宅使用料一般減免の状況  89 都内区市町村が実施している家賃助成制度の状況  90 都営住宅用地を活用した民間事業  91 都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績  92 居住支援法人への補助実績(過去5年)  93 風力発電、地熱発電、小水力発電、バイオマス発電、太陽光発電、太陽熱利用の普及状況  94 都関連施設における風力発電、太陽光発電、太陽熱利用、水力発電、バイオマス発電の導入状況  95 キャップ&トレード制度の対象となる事業所における、年間CO2排出量上位50社及び平米あたり平均排出量の推移(過去5年分)  96 各再生可能エネルギーに関わる設置補助制度と実績額の推移(過去5年分)  97 EV、PHV、燃料電池車別のZEV導入に関わる補助制度と実績の推移(過去5年分)  98 水素の利活用にかかる事業ごとの決算額の実績(過去5年分)  99 保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移(1999年度以降) 100 生活保護受給世帯及び児童養護施設退所者等の大学等進学率の推移(過去5年間) 101 区部、多摩、島しょにおける「一人暮らしの者」の検案数の推移(過去10年間) 102 保育所等利用待機児童数調査(2021年4月・10月)における申し込み児童数及び認可保育所等利用児童数 103 認可保育所及び公立保育所の施設数、定員の推移(1965年度以降) 104 都が認可した認可保育所の園庭設置率の推移(過去5年) 105 認可保育所等の施設数、定員及び入所児童数の推移(過去5年間) 106 福祉手当及び医療費助成等の予算と決算の推移(10年分) 107 シルバーパス発行数の推移(区市町村別、費用負担別発行数と発行割合過去5年間) 108 道府県・政令指定都市における高齢者への交通助成制度の実施状況 109 道府県・政令指定都市における高齢者医療費助成制度の実施状況 110 道府県・政令指定都市における高齢者の介護に着目した手当の実施状況 111 都内保育士の平均経験年数及び平均賃金(公立・私立別) 112 都内公立保育士(地方公務員)の新規採用人数の推移(区市町村別、過去10年) 113 認可保育所における医療的ケア児及び障害児の受入れ人数の推移(公私別、過去10年) 114 政令指定都市及び特別区における国民健康保険料(税)の均等割額(平成11、15、20、25、30年度、令和3年度分) 115 政令指定都市における一人当たりの国民健康保険料(税)及び限度額(過去3年間) 116 特定入所者介護サービス費等(補足給付)受給者数及び件数 (食費・居住(滞在)費、区市町村別) 117 生計困難者に対する介護保険サービス利用者負担額軽減制度事業の区市町村別利用者数及び事業の実施状況 118 道府県・政令指定都市及び都内区市町村における介護保険料、利用料軽減の実施状況 119 特別養護老人ホームの施設数、定員数、待機者・入所希望者数の推移(過去5年間) 120 認知症高齢者グループホームの利用者負担の状況及び施設数、定員数 121 認知症高齢者グループホームの施設数・定員数及び整備予算額・決算額の推移(平成12年度以降) 122 福祉施設設置に係る借地権一時金・借地料補助の実績の推移 123 福祉施設設置に係る都有地、国有地貸付けの実績 124 大気汚染に係る医療費助成制度における認定患者数と人口比の推移(平成12年度以降) 125 区部、多摩、島しょにおける検案数のうち栄養失調による死亡者数の推移(過去10年間) 126 都内各福祉事務所における現業員一人当たりの被保護世帯数 127 路上生活者対策施設の定員及び入所者数等の推移(過去3年間) 128 区市町村における障害者総合支援法に係る利用者負担独自軽減策の実施状況 129 重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業の区市町村別利用者数及び利用時間数(令和2年度) 130 都内区市町村の乳幼児、小中学生、中学卒業後の子どもへの医療費助成の実施状況 131 婦人相談員の人数(常勤・非常勤・会計年度任用別) 132 児童福祉司1人当たりの相談件数の推移(過去10年間) 133 ひとり親世帯臨時特別給付金、新型コロナウイルス感染症緊急対策に係るひとり親家庭支援事業及び東京都出産応援事業の都の予算額、決算額及びその内事務費の額 134 警視庁が把握した都内で自宅等で亡くなった新型コロナウイルス感染症患者人数(死因・感染が判明した時期(生前・死後)・月別、令和2年3月以降) 135 各保健所の職種別職員定数と現員の推移(3年分) 136 地方独立行政法人東京都立病院機構第1期中期計画(案)収支計画(令和4年7月~令和8年度)の年度別の額とその内訳 137 都立・公社病院の新型コロナ患者受け入れ数(総数、入院調整本部を通じての入院数とそのうち知的障害者、自閉症者、精神疾患患者、認知症患者、透析患者、妊婦の人数) 138 都立病院及び公社病院における職種別の採用者数、退職者数の推移(5年分) 139 都立病院及び公社病院における職種別の今年度のこれまでの退職者数と今後の退職者数の見込み 140 都における独立行政法人担当職員の人数・体制 141 独立行政法人の標準運営交付金の推移(法人設置以来) 142 中小企業制度融資の目標と実績の推移(過去10年間) 143 都内製造業の推移(2000年以降) 144 親会社が海外にある都内企業数の推移及び全国比(過去10年間) 145 都内小規模小売店の推移(平成17年以降) 146 都の商店街振興施策の利用状況 147 中小企業振興対策審議会の予算額、決算額、開催回数、テーマ(過去30年) 148 過去10年間の雇用情勢 149 都内若年者の失業率、平均賃金 150 若者雇用対策の実績の推移(過去5年間) 151 都における雇用形態別の有業者数、平均賃金、求人及び就職状況 152 都立職業能力開発校の応募状況と職業紹介実績、就職率(過去5年間) 153 MICE関連予算の内容・予算額の推移(過去10年) 154 中央卸売市場における市場別業者別数の推移(過去10年間) 155 中央卸売市場における取引方法別割合及び取扱金額の推移(過去10年間) 156 直轄事業負担金の推移 157 都市型水害の状況 158 都立の都市公園整備の推移(過去10年間、区部・多摩別) 159 骨格幹線・地域幹線道路の事業化前の調査費計上路線(令和4年度分) 160 臨海関係第三セクターに係る金融機関業態別融資残高の推移(過去5年間、企業別) 161 臨海副都心開発における諸会計間及び第三セクターの相互関係並びに事業費(令和4年度予算) 162 臨海副都心開発における諸会計間及び第三セクターの相互関係並びに事業費(昭和63年度から令和4年度まで累計) 163 臨海副都心開発関連予算・決算の推移 164 臨海副都心における土地の長期貸付及び売却等の推移(過去5年間) 165 臨海副都心における進出事業者からの地代収入一覧 166 政令指定都市との上下水道料金比較及び料金減免の実施状況 167 上下水道料金の減免実績の推移(過去10年間) 168 水道料金滞納状況及び給水停止件数の推移(過去10年間) 169 上下水道の施設、管路の耐震化状況 170 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水道料金・下水道料金の支払い猶予の件数(2021年3月から直近まで月別) 171 公立小中学校の35人学級実現に必要な学級数、教員数及び経費 172 都内小中学校の給食費及び給食食材費補助の状況(設置主体別) 173 東京都公立小・中学校児童・生徒の就学援助受給者の推移 174 就学援助費目の設定状況(都内区市町村別) 175 公立学校教育費における公費負担と私費負担の推移(過去3年間) 176 小中学校での学校図書館司書の配置状況 177 都立高校における司書の正規配置、会計年度職員による配置、及び民間委託している学校数の推移 178 都立図書館、区市町村立図書館の資料購入費の推移(過去10年間) 179 都道府県立図書館の資料購入費(総額と一人当たり)(直近) 180 都内小・中学校及び都立高校、特別支援学校における図書購入費の推移(過去10年間) 181 東京都教育委員会における障害者雇用の実績と雇用率の推移
    182 中学校長会調査における通信制高校志望者数及び通信制高校進学者数の推移(10年間) 183 都立学校において、クラウドサービスを利用している学校の推移 184 英語スピーキングテスト(プレテスト)の予算、決算、参加学校数、参加人数、会場数(会場の種類ごと)、スタッフ数(事業開始以降の各年度) 185 主な消防力現有数の年度別推移(過去5年間) 186 特別区消防団分団本部施設(80平米未満の規模も含む)の現況(過去5年間) 187 公営3局(交通、水道、下水道)それぞれの障害者雇用数と障害者雇用率(過去5年) 188 都営地下鉄での痴漢・盗撮被害の相談(訴え)件数(路線毎に直近まで) 189 消防庁の定数と実数の推移(過去10年) 190 救急隊員の実数と救急隊数の推移(過去10年) 191 都における医師の職員数(各局別) ────────────────────────────────────────                           中 村 ひろし 君(立 憲)  1 令和2年度私立学校経常費補助交付額学校別一覧  2 私立学校経常費補助各割単価の推移(過去10年間)  3 令和3年度私立学校経常費補助各割単価及び特別補助単価  4 私立高等学校(全日制)学年別生徒数・学級数の推移(過去10年間)  5 私立中学・高等学校(全日制)の学則定員・実員の推移(過去10年間)  6 私立高等学校(全日制)一学級当たり生徒数及び学級規模別学校数・学級数  7 私立高等学校(全日制)居住地別・学年別生徒数  8 私立学校経常費補助予算額の推移(過去10年間)  9 私立高等学校の平均授業料及び平均授業料以下の高等学校における平均授業料の推移(過去5年)  10 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の供給計画と整備状況及び補助件数...