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2017-02-28 平成29年第1回定例会(第2号) 本文

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  1. 東京都議会 2017-02-28
    2017-02-28 平成29年第1回定例会(第2号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時開議 ◯議長(川井しげお君) これより本日の会議を開きます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) 次に、日程の追加について申し上げます。  常任委員の所属変更の件及びオリンピックパラリンピック等推進対策特別委員の辞任の件を本日の日程に追加いたします。 ◯六十七番(河野ゆうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。  本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議されることを望みます。 ◯議長(川井しげお君) お諮りをいたします。  ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一及び第二を先議することに決定をいたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) 追加日程第一、常任委員の所属変更の件を議題といたします。  栗林のり子さんより、都市整備委員から経済・港湾委員へ常任委員の所属変更の申し出がありました。  お諮りをいたします。  本件は、申し出のとおり委員会の所属を変更することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり委員会の所属を変更することに決定をいたしました。
         ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) 追加日程第二、オリンピックパラリンピック等推進対策特別委員の辞任の件を議題といたします。  オリンピックパラリンピック等推進対策特別委員谷村孝彦君より、同委員を辞任したい旨の申し出がありました。  お諮りをいたします。  本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、申し出のとおり辞任を許可することに決定をいたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) ただいまの特別委員の辞任に伴い、同委員の欠員を補充する必要が生じましたので、オリンピックパラリンピック等推進対策特別委員の選任の件を本日の日程に追加し、追加日程第三として直ちに選任を行います。  本件は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、八十三番鈴木貫太郎君を指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、議長の指名のとおり選任することに決定をいたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(川井しげお君) これより質問に入ります。  百十三番高木けい君。    〔百十三番高木けい君登壇〕 ◯百十三番(高木けい君) 平成二十九年第一回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。  ここ数年、世界も我が国も政治の急激な変化の中に置かれています。中東の不安定化と大量の移民問題が一つのきっかけとなって、ヨーロッパもアメリカもますます内向き志向を強めております。  大手銀行系シンクタンクは、そうした国際社会の中で唯一の政治的希望は、我が国の政権が長期的に安定していることと分析しております。  ことし、我が国は、安定政権のもとで、デフレ脱却やアベノミクスの着実な前進に向け、どのように飛躍を遂げられるのかが問われており、東京も例外ではありません。東京都政にかかわる私たちは、混沌とする時代の周辺環境の変化に機敏に対応していくことが求められます。  ダーウィンの進化論にあるように、生き残るのは強いものでも賢いものでもなく、変化に対応できるものであり、変わらないためには変わることが必要であるともいわれます。私たちは、変化に流されるのではなく、みずから積極的に改革していくことこそ重要であります。  都政もそうあらねばならず、保守政党である私たち自由民主党は、我が国の歴史と伝統の中に秩序ある進歩を求める、この保守の基本理念のもと、ことしも都政の着実な前進と不断の改革に邁進していくことをまずお約束申し上げたいと思います。  さて、東京都議会は、今定例会開会日の去る二月二十二日、議員報酬の二〇%削減、政務活動費の月額十万円の減額、実費を含めた費用弁償の全廃等、議会改革案の新年度からの施行を全会一致で可決し、新たなスタートを切りました。  私たちは、多くの課題を抱える都政の推進は、都民の信頼なくしては果たせないとの考え方から、議員みずからの待遇を引き下げ、今後の都政改革の実を上げる決意の象徴として、議員報酬等の削減を決めました。  一方で、このことが議員と議会の単なる自己満足に終わってはならないと考えます。つまり、議員報酬二〇%削減、政務活動費の月額十万円の減額、実費を含めた費用弁償の全廃などの歳出削減の努力が、直接的、間接的に都民生活、都民福祉の向上に結びつかなければなりません。  都民生活、都民福祉の向上とは、政策の充実によって都民ニーズを実現していくことにほかなりませんが、例えば、少子化、高齢化対策における保育や介護基盤の拡充などは、喫緊の課題として新年度予算で既に着実に取り組まれております。  そこで、私たち東京都議会自由民主党は、直接都民生活、都民福祉の向上につながる新たな政策シリーズを準備し、本日はその第一弾として、個人都民税の一〇%減税を知事に提案いたしたいと思います。  都の個人都民税収入額は、ここ数年、単年度で約八千八百億円。したがって、一〇%減税で年間約八百八十億円の減税となります。  議員報酬等の削減だけでなく、知事も給与を削減しており、さらに新年度予算編成に当たっては、七百二十億円もの歳出削減が行われていますので、その成果を直接都民に還元することは、まさに改革の成果を直接都民に体感していただき、結果として都民生活、都民福祉の向上につなげることができると考えます。  さらに、平成三十一年度からは消費税が一〇%に引き上げられ、三十三年度からの平年度化を見据えれば、地方消費税は都において、平成二十九年度見込みと比較しておよそ二千億円の増収と試算され、加えて都は、今後、知事が示した実行プランにおいて、東京のGDPを百二十兆円に引き上げる目標を持っていますから、都税収入はさらに増加することになります。  東京都は全国でも数少ない不交付団体であり、不断の歳出削減の努力も続ければ、強固で持続可能な財政基盤を堅持しつつ、個人都民税の一〇%減税は確実に実現可能な目標と考えます。  また、減税は消費拡大の呼び水ともなり、GDP百二十兆円に向けての後押しになるだけでなく、デフレマインドの払拭にも寄与します。  知事の示した東京大改革は、議会と知事が一体となって努力した歳出削減の成果が、直接都民に実感され体感される政策として、つまり、政治の努力の成果が直接都民に還元されるものであってほしいと私は思います。まさにそれが東京大改革の基本理念であるべきと考えます。個人都民税の一〇%減税について、知事の所見を伺います。  続いて、本定例会に提出された来年度予算の前提となる、二〇二〇年に向けた実行プランについてお伺いいたします。  四年前の都議選で、我が党は、東京を世界で一番の都市にすることを約束し、都民の皆様から厚い信任をいただきました。この約束を実現するため、我が党は、政策推進総本部を立ち上げ、議員全員による議論、研究を重ね、これまで三度にわたり知事への政策提言を行い、我が党の提言を踏まえた東京都長期ビジョンが策定されました。  あわせて、三百四十八項目に及ぶ重要政策について継続的な進行管理を行い、政策の達成度を精査し、執行機関をただしてまいりました。  昨年十二月に小池知事が公表した都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランは、この東京都長期ビジョンの方向性を継承しつつ、その取り組みを進化、加速させるものとして、これまで我が党が提言してきた政策のほとんどが反映されております。  今後、このプラン実現に向け、私たちも知事とともにしっかりと責任を果たしてまいります。  そこで、今後、実行プランにおけるさまざまな取り組みを迅速かつ着実に推進していくためには、プラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAサイクルを確実に機動させ、適切な進行管理を行っていくことが欠かせないと考えますが、実行プランを具体的にどのように推進していくのか、知事の所見を伺います。  例えば、実行プランの中で、先ほども取り上げた東京のGDPを百二十兆円に引き上げる成長戦略について、知事はどのような具体策をお考えでしょうか。  国は昨年、日本再興戦略二〇一六で、二〇二〇年を目途に名目GDP六百兆円を目指すことを表明いたしました。現在、国のGDPは約五百兆円ですから、二〇%増の目標であります。一方、都のGDPは現在約九十五兆円。したがって、百二十兆円とは約二五%増を目指すことになります。国が六百兆円を目指すに当たって、都の牽引力は不可欠であり、地方創生と相まってぜひ達成してほしい目標であります。  そこでまず、知事は、いつまでにGDP百二十兆円の達成を目指しているのか、目標年次をお伺いいたします。  経済の規模が大きくなればなるほど、成長率が小さくなるのは理の当然であり、国も都もこれだけの大きな経済力を持つに至った現在、その規模を拡大していくのは容易なことではありません。ましてや、二〇二五年をピークに、都も人口減少社会に入るといわれております。GDPとは付加価値の合計であり、簡単にいえば粗利の合計であります。  それを国は二〇%、都は二五%ふやす目標ですから、容易なことでないのは誰の目にも明らかであります。それでも国は日本再興戦略二〇一六をつくり、政策の内容を明らかにしておりますが、都においては、いまだ体系としてのそうした基本戦略が見当たりません。  そこで知事は、その目標に向かって、現在どのような施策体系を考えているのか、お伺いいたします。  また、新年度予算編成において、GDP百二十兆円に向けての取り組みは、どの施策にどのように反映されたのか、お伺いいたします。  都は、GDP百二十兆円に向けた基本戦略を早急につくるべきと考えます。見解を伺います。  実行プランに関連して、知事が所信表明で言及された二〇二〇改革プランについてもお伺いいたします。  都が現在の強固な財政基盤をつくり上げることができたのは、石原都政時代に、都議会とともに途切れることなく行財政改革にしっかり取り組んできたからにほかなりません。行財政改革は、自治体にとっては常に念頭に置かなければならない課題であり、新年度から新たに改革プランをつくることは時宜にかなったことと考えます。  私の知る限り、明治維新で東京府ができて以来の首都東京において、最も大胆に行財政改革を行ったのは、第四代東京府知事由利公正であると思います。青山やすし元副知事の書かれた「痛恨の江戸東京史」によれば、由利は明治四年七月、廃藩置県の十日後に東京府知事に就任し、新政府の首都東京はこのままでよいのかと内務卿大久保利通に迫り、大久保の許可を得て、当時東京府庁にいた九百人余りの官吏を三百人弱に減らしたといわれております。  民間にとって役所の許認可などの意思決定の速度は、時として死活問題であることを見抜いていた由利の考えは、極めて明快で、役人の数が多過ぎるから意思決定が遅いのだ、減らせば早く決まるというものでありました。  由利は市民からの訴えについて、午前中に出されたものはその日の午後のうちに処理することを原則とし、やむを得ない場合でも、三日以内に結論を出すことを決め、府庁に代書人を二人常駐させ、無料で書類作成をさせるなど、市民サービスの向上も図り、さらに、官吏には、事務処理のスピードを上げさせるため、その日に処理すべき仕事が終わったら、時間前でも役所を退出してよいことにしたとのことであります。先日始まったプレミアムフライデーの先駆けのような考え方だったのかもしれません。  由利の着眼点のユニークさは、官吏を減らすことに主眼を置いたことではなく、市民サービスの向上とは、意思決定のスピードを上げることと考えたことにあります。  行財政改革は、ともすると職員定数を減らすことに終始しがちですが、都政は事務系、技術系を問わず、適正な職員の数をもって、都民に高い行政対応能力で貢献することが第一でなければなりません。  明治初期と現在の政治行政の環境は違いますが、これは政治行政機構の変わらぬテーマであり、都政の先達としての由利の業績は、私たちに改革への勇気と新しい発想を与えてくれる可能性があります。これから知事が行おうとしている二〇二〇改革プランの策定にも参考になるかもしれません。  そこで、知事のイメージする行財政改革のプランはどのようなものなのか、また、そのプランの実効性を担保するための手法と組織はどのようなものなのか、お伺いいたします。  続いて、知事の財政運営及び平成二十九年度予算案の全体像について伺います。  先般発表された平成二十九年度予算案は、一般会計、特別会計、公営企業会計ともにマイナス予算となりましたが、全体としては、我が党の要望を多数取り入れ、充実した予算編成になったと評価しています。  予算は、政策の裏づけであり、知事の方針を体現するものです。私たちが平成二十九年度予算案を充実した予算編成と評価している理由は、例えば、平成十九年度から私たち都議会自民党の提案によってつくられた地域の底力再生事業の有効性をご理解いただき、二十九年度からは、地域の底力発展事業として予算額も二五%増額していただいたこと、また、当初予算を待たずに、二十八年度最終補正予算案において、市町村総合交付金を十億円増額していただき、ついに五百億円台まで引き上げていただいたことなど、私たちのかねてからの主張を的確に取り入れていただいたことによります。  各分野におけるそうした項目は枚挙にいとまがなく、個別の予算項目については予算特別委員会でしっかりと議論したいと思いますが、二元代表制における知事と議会の制度的な役割分担が、新年度予算では十分に機能し、結果が反映されたと思っております。  知事が目指す都民ファーストと、私たち都議会自民党が自負する都民の与党の意味合いに、私はそれほど違いがあるとは思えないと一貫して申し上げてまいりましたが、二十九年度予算案の中身は、まさに都政の大義である都民の幸せを実現するという目標において、その基本となる方向性に違いがないことを証明しました。  そうした目標の実現には、強固で持続可能な財政基盤が必要であります。二〇二〇年のオリンピックパラリンピック東京大会の成功と、その先を見据え、健全な財政運営に努めながら、東京が直面する課題解決に迅速に取り組むため、知事は、平成二十九年度予算編成にどのような思いを込めたのか、また、知事が最も重視した点は何か、お伺いいたします。  続いて、豊洲市場について伺います。  昨年の第三回定例会で、私は豊洲市場の安全性に関して、主に用地と建屋の二点について質問いたしました。  用地の安全性については、環境局長から、豊洲市場用地の土壌につきましては、特定有害物質による汚染の把握や健康被害の防止に関する措置を定めた土壌汚染対策法上の対策が的確に実施されているものと考えておりますとの答弁をいただき、建屋の安全性については、都市整備局長から、建築基準法に基づき審査し、ダブルチェックの観点から、都のみならず、構造計算の適合性判定を行う第三者機関においても、耐震性を含め構造上の安全性を確認してございますとの答弁をいただきました。  つまり、用地も建屋もそれぞれ法律上の安全性について要件を満たしているとのことでありました。しかしその後、用地については、九回目の地下水モニタリングにおいて環境基準値を大幅に上回る数値が出たことから再度疑惑の目が向けられ、土壌汚染対策工事の効果すら疑われる事態となりました。  これは都民に正確な情報が伝わっていないからだと感じております。つまり、正確な情報とは、第一に、専門家会議の平田座長が何度も言及されているように、用地の地下と地上は切り離して考えるべきということであります。  そして第二は、九回目のモニタリング調査の結果は採水方法が適切でなかったことによる可能性があるということであります。  モニタリングについては、予算執行上の事情があったにせよ、九回目の一度だけのために調査会社を変えることのリスクを市場当局はどのように考えていたのでしょうか、答弁を求めます。  モニタリングについては、これまでの八回と、九回目の数値ができるだけ正確に比較されることが望ましいのは誰の目にも明らかであります。つまり、調査会社を突然変えたりせず、採水から分析までの一連の作業を同じ会社が同じ手順で行うことが望ましいはずであります。にもかかわらず、調査会社を希望制指名競争入札で募集し、競争入札ですから、当然最低金額で応札した業者に業務を委託することになりました。  市場当局は、この手法で調査分析の品質は担保されると考えていたのでしょうか。聞くところによると、結果として落札率はかなり低いものであったといわれています。  そこでまず、この入札案件の予定価格と落札金額、落札率の公開を求めます。お答えください。  物品扱いの入札ですから、最低制限価格もなく、最低金額を提示したものが落札者となり、この結果が生まれました。改正品確法がつくられ、こうした事態を未然に防止することが昨今の公共調達においては強く求められているにもかかわらず、なぜこうしたリスクに対する防御策を考えることができなかったのでしょうか。  契約の方法には一般競争入札や総合評価方式、随意契約などを含め、地方自治法に定められたさまざまな形態があります。この大切な業務を委託するに当たって、低入札のリスクが放置されたのはなぜなのか。これは市場当局のみならず、全庁的な課題と思います。  一部に、公共調達は安ければ安いほどよいという考え方があるようですが、低入札には大きなリスクが伴うことをこの経験から学ぶべきと思います。知事の所見を伺います。  建屋についても、市場当局には猛省を求めたいことがあります。先ほど申し上げたとおり、第三回定例会で私は建屋の安全性について質問いたしました。その後、市場PTでも建屋の安全性が数次にわたって議論され、設計を担当した日建設計を交えての検討会は、ネット上の映像でも広く公開されております。  建屋の構造を初めとする安全性については、視聴者からの写真をもとに、柱が曲がっていると根拠なくセンセーショナルに報道したテレビ局があったように、マスコミ報道の誤解や曲解も含めて、市場当局は都民に正確な情報を提供すべき課題であったと考えます。  正確な情報提供も昨年の第三回定例会で私が市場当局に要望し、そのとおり努力するとの答弁をいただきました。にもかかわらず、建屋の最終的な安全性にお墨つきを与えた、建築基準法第七条第五項に規定されている建築物及びその敷地が建築基準関連規定に適合していることを証する文書である検査済み証が、昨年十二月二十八日に交付されていたことを都は一切発表いたしませんでした。  こうした大事なことが大事なこととして認識されていないところに、市場当局のみならず、都側の緊張感のなさが見てとれます。民間であれば、建築物を発注した施主及び請け負った業者にとって、検査済み証の発行を受けることは大きな喜び事であり、慶事であります。それは、公的機関がお墨つきを与え、晴れてその建築物の使用を許可されることだからであります。  これだけ話題になった案件であったにもかかわらず、検査済み証が発行されたことがなぜ公表されなかったのか、また知事は、検査済み証が発行されたことを知っていたのか、あるいはいつ知ったのか、お伺いいたします。  また、検査済み証が発行されたということは、豊洲市場の全街区について、当然のことですが、昨年十二月二十八日をもって建屋の安全性は公的に担保されたと考えますが、知事の所見を伺います。  豊洲市場にかかわる諸問題について、去る二月二十二日、いわゆる百条委員会が都議会の総意として設置されました。  築地市場の狭隘化、老朽化に伴い、市場移転は喫緊の課題といわれてから既に三十年がたち、この間、多くの関係者による努力が続けられてきたにもかかわらず、結果としていまだ移転に対する明確な道筋が見えてまいりません。私たちは、この問題は、今までの検討の結果、築地か豊洲かという二者択一であり、第三の道はないと考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか、見解を伺います。  土地取得の過程や土壌汚染対策工事の有効性、また、その結果における安全性などを検証する上で、百条委員会の中で必要な参考人や証人をお招きしてお話を聞くことは大事なことですが、一方で私たちは、築地と豊洲の両市場の適正性も調査、検討しなければならないと考えます。例えば、今や世界基準となっているHACCPに現在の築地の市場施設が対応することは可能なのでしょうか、お伺いいたします。  今後しっかり議論を進めていきたいと思いますが、この議論の中には、豊洲市場の基本的インフラである地下水管理システムの問題もあります。  建設工事の最終盤に地下水の強制排水をとめたことにより、地下ピット内に大量の地下水が湧出する事故がありました。雨の多い時期でもあり、一時はかなりの水位になりましたが、現在は地下水管理システムの稼働と強制排水で、地下ピット内は当初の予定どおりドライな空間に戻ったと聞いております。  専門家会議の指摘により、地下ピット内はドライな空間を保ち続けること及び換気装置をつけることにより、衛生環境を向上させることが求められていましたが、現在の地下ピット内の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  昨年私は豊洲市場を視察した際、現地で地下水管理システムの説明を聞き、この目で設備を確認してまいりました。市場用地は街区ごとに遮水壁で囲い、底面は不透水層の壁によって囲われているという、いわゆる観賞魚用のアクリル水槽の上に建屋が立っているような構造を想像すると、雨が降ればそこに水がたまるのですから、地下水位の適切な管理は市場の基本的かつ基幹的インフラであることがわかります。  そうした大切な仕組みであれば、定期的なメンテナンスは必須であろうと思いますし、水槽の上に建屋があり、したがって気象条件によって地下水の水位が日々変わる市場用地の特性、あるいは万が一の故障などのリスクを考えると、地下水管理システムは、今の水準でよしとするのではなく、もう一つ別のシステムをつくるなど、万全の体制に増強されるべきと考えます。見解を求めます。  市場問題の最後に、今定例会には二十九年度補正予算案として、移転延期に伴う補償費用が五十億円提案されています。一部マスコミでは、移転補償費は約百億円とも報道されましたが、五十億円の根拠をまずお示しいただきたいと思います。その上で、移転延期に伴う補償費を現時点で幾らぐらいと考えているのか、見解を伺います。  次に、都市づくりのグランドデザインについて伺います。  昨年公表された民間の研究機関による世界の都市ランキングにおいて、東京は一昨年の第四位から第三位へと、一歩前進する結果となりました。  我が党はかねてより、東京を世界で一番の都市にすることを主軸に置き、さまざまな政策を進めてきました。その成果が確実に出始めていると感じております。  この流れを継続し、二〇二〇年東京大会をステップに、経済活力を中心とする都市力のさらなる向上を図っていかなくてはなりません。  そして、東京の旺盛な経済活動をしっかりと受けとめることができる都市をつくることこそ、そのことこそがまさに東京の都市づくりのグランドデザインに求められる大きな役割の一つであると思います。  加えて、私はこれまでもさまざまな機会を捉えて訴えてきましたが、都市づくりは構想から実現まで時間がかかることから、長期的な視点を持ち、取り組みを進めることが非常に重要であります。  例えば、この都庁のある新宿副都心では、淀橋浄水場の移転が構想されてから新宿副都心整備計画の策定を経て、都庁舎の竣工までおよそ六十年を要しております。また、インフラ整備についても同様に、平成二十七年に三環状道路で初めての全線開通となった中央環状線は、完成まで約五十年の歳月を要していることからも、いかに時間がかかるものであるかがうかがえます。  このような視点を踏まえ、長期的な観点から、まず都市の弱点を克服し、その上で将来を見据えた成熟都市にふさわしい都市づくりを進めていくべきであると考えます。そのためには、まず不足する空港の容量、アクセス強化への対応や、拠点間の連携強化や利便性の向上に資する道路、鉄道の整備など、都市の骨格となるインフラを整えることについて、先を見据えた大きな方向性を示すことが非常に重要になります。  また、先般の都市計画審議会の答申では、都心、副都心という業務機能の受け皿の育成の視点から脱却し、個性的な拠点の魅力を向上させることや、これまでセンター・コアとしてきたエリアを、高密な地下鉄ネットワークの展開を踏まえ、環七まで広げることなども示されました。  これは、それぞれの個性のある地域が、努力によって社会、あるいは東京に貢献していくために切磋琢磨し、新たな価値をつくり出してほしいという大事なメッセージであると受けとめております。
     このことは、東京がこれから成熟都市としてさらに発展していくに当たり、ビジネス機能はもとより、歴史や文化など、それぞれの地域が持つ個性を尊重しながら、周辺区や多摩も含めた東京全体の底上げにもつながる大変重要な視点でもあります。これから先、人口規模の縮小やさらなるグローバル化の進展など、国内外の社会経済情勢の大きな変化が予測される中、将来を見据えた骨太の都市づくりの考え方を明確に示し、一歩一歩その実現に取り組んでいくことが、東京を世界で一番の都市にすることにつながる最良の策であると考えます。  都では、都市計画審議会の答申を踏まえ、新たな都市づくりの計画となる、都市づくりのグランドデザインの検討を進めていますが、二〇四〇年代に向けて東京はどのような都市を目指し、その実現にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  次に、都市づくりのグランドデザインに関連して、都市計画道路について伺います。  去る二月二十六日、圏央道の茨城県内区間が開通しました。来年度には外環道の千葉県区間が開通する予定と聞いております。  いよいよ首都圏三環状道路も総仕上げの時期に差しかかっています。首都東京の潜在力を最大限生かすためには、三環状道路などと都市計画道路が一体として機能しなければなりません。  十年後には関東大震災からの復興を目指した大東京都市計画道路網の決定から百年、都市づくりのグランドデザインが見据える二〇四〇年代には、戦災復興都市計画の決定から百年と、大きな節目を迎えます。長期的な都市づくりを考えている今だからこそ、壊滅的な状況からよみがえった東京の繁栄を盤石なものとするため、必要な路線の整備を加速するとともに、整備方針に位置づけられていない残る都市計画道路についても腰を据えて考え、広域的なネットワークの形成を前提に、しっかりとした根拠に基づいて、見直すべきものは柔軟に計画を変更していくことが重要であります。こうした残る都市計画道路の今後のあり方について伺います。  次に、重要な拠点としての新宿のまちづくりについて伺います。  現在、大手町や虎ノ門地区、渋谷駅周辺などでは都市開発が盛んに行われ、国際ビジネス拠点としての整備が進んでいます。  一方で、訪日外国人の約四割が訪れ、一日に約三百五十万人が利用する世界一のターミナル駅である新宿については、バスターミナルや自由通路の整備が進んでいますが、駅周辺の建物や都市基盤の老朽化が進み、都市としての魅力や競争力の低下が懸念されております。東京を世界で一番の都市にしていくためには、都庁のお膝元でもある新宿の再編整備は欠かせませんが、所見を伺います。  二月二十六日に、知事がスターターとなり開催された東京マラソン二〇一七は、外国人六千二百五十八人を含む、総勢三万五千八百二十四人のランナーが参加し、盛大に開催されました。十一回目となる今回の大会は、コースが大幅に変わり、高速レースが期待される中、日本で初めて二時間三分台の記録が出る結果となりました。フィニッシュが東京駅前、行幸通りとなった新しい東京マラソンは、その記録とともに、世界に美しい、クオリティーの高い都市東京の姿を発信しました。  同時に開催された車椅子レースも多くの方々に勇気と感動を与え、まさにスポーツの力を実感した大会でありました。  さて、二〇二〇年の大会開催まで残すところ、あと三年余りとなりました。これからは関係者が一丸となって東京大会をかち取った喜びと責任の重みをいま一度胸に刻み、総力を挙げて大会準備を加速させていく重要な時期であります。  大会を成功させ、大会後へ引き継ぐレガシーを構築していくことは、都がリーダーシップを発揮し、国、組織委員会を初め、関係機関と一層の連携を図りながら、これまで以上にスピード感を持って開催準備に取り組む必要があります。  競技会場等の着実な整備はもとより、円滑な大会運営や都民、国民のさらなる機運の醸成など、大会開催に向けた具体的な取り組みを明らかにし、推進していくべきですが、知事の見解を伺います。  東京大会を成功させるには、都内区市町村と連携し、東京全体で取り組む努力が必要であり、都は各地域で機運醸成に資する事業やスポーツ施設整備を支援するため、区市町村への補助制度を創設しました。  この補助制度では、事前キャンプ誘致に資する施設の改修は対象となっているものの、練習会場やラグビーワールドカップのキャンプ地などが対象外となっており、補助メニューの充実を望む声が多く寄せられていると聞いております。  都内区市町村の連携協力を得て大会運営を円滑に進めるとともに、キャンプ地となることで地域住民の開催機運を盛り上げたいという地域の要望にも応えていくなど、実効性のある具体的な支援策を着実に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。  東京大会に向けて、都の世論調査においても、障害者スポーツへの関心は高まっております。障害者スポーツの普及啓発を進め、障害のある方がスポーツを楽しめる場を拡大するなど、さまざまな取り組みを重層的に展開し、東京における障害者スポーツの振興を図っていくことこそ、二〇二〇年東京パラリンピックのレガシーとなるものです。  パラリンピックの準備と障害者スポーツの振興を着実に進めていくことは、東京大会を成功へ導く一層の推進力となります。大会の成功、そして障害者スポーツのさらなる振興に向けて、各種振興策をどのように進めていくのか、知事の所見を伺います。  スポーツ推進計画と障害者スポーツ振興計画について伺います。  国は、スポーツ基本計画を改定予定であり、都も新たな計画を策定していく必要があります。  都は、昨年第四回定例会において、新たな推進計画を策定することを表明しましたが、子供から大人まで、障害のある人もない人も、誰もがともに楽しみ、競い、夢や感動を与えるスポーツの価値を踏まえた計画とすべきと考えます。  特に、世界に例のない超高齢社会を迎える東京においては、スポーツの力により都市に活力を与えるという視点も重要であります。そして何より、現場でスポーツを支えている人々の意見をよく伺いながら、実効性のある計画を策定していくことが大事であると考えます。  都は、二〇二〇年のさらに先を見据えたスポーツ都市東京の実現に向けて、新たなスポーツ推進計画を策定していくべきと考えますが、見解を伺います。  次に、ゴルフ競技場の件で伺います。  平成二十四年当時、立候補ファイルに記載する会場の選定においては、都が日本ゴルフ協会に選定を依頼し、霞ヶ関カンツリー倶楽部に決定したと聞いております。現在、同倶楽部の会員制度が議論になり、倶楽部内でも検討していただいていると聞いております。  都は、多くの方が納得し、選手がプレーしやすい競技会場を用意するため、現在の議論の動向を踏まえつつ、若洲を含めた都内ゴルフ場での開催の可能性等、さまざまな角度から検討を進めておくことも必要であると考えますが、見解を伺います。  二〇一九年に開催されるラグビーワールドカップは、全国十二の会場で、まさにオールジャパンで全国一丸となって行う大会です。開会式と開幕戦が開催される東京スタジアムは、この大会のスタートとなる会場であり、選手が最高のコンディションでプレーできる競技環境を確保し、世界中に映像発信される試合にふさわしい会場でなければなりません。  また、会場を満員にするためには、観客の皆さんが快適に観戦できるよう、スムーズな交通アクセス、ファンゾーンの設置など、万全の準備が必要であります。  一方で、ことし一月に公表された都民世論調査では、二〇一九年にラグビーワールドカップが日本で開催されることを知らない方が四五%に上るとの結果でありました。大会の認知度向上、機運醸成は急務と考えます。大会まで残すところ二年七カ月を切った今、大会開催に向けた準備を着実に進めるとともに、開催機運をどのように高めていくのか、知事の見解を伺います。  都は、平成二十八年度から、二〇二〇年東京大会に向けた機運醸成のため、東京文化プログラム助成を開始しており、この取り組みは、オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典にとどまらない一大文化イベントでもあるとする、我が党の政策提言を踏まえたものであり、我が党も全力で推進してまいります。  一方、東京における文化活動は、伝統芸能から先端技術を活用したアートまで、その分野は非常に多彩であり、また、担い手の方々もプロからアマチュアまで多様であり、この懐の深さ、広さが東京の文化活動の大きな魅力になっております。  そこで、今後、東京の文化プログラムを一層盛り上げ、大会の成功につなげていくには、多くの都民がさまざまな形で参加できるよう、文化プログラム助成事業を幅広く展開していくことが重要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。  大会の成功はもとより、世界で一番の都市を目指す上で、まちに潤いをもたらす緑の役割は重要であります。  都はこれまで、都市公園の整備や街路樹の倍増、校庭芝生化等により、平成二十七年度までの九年間で約七百五ヘクタールの緑を創出してきました。しかし、これまでの取り組みには見せ方の工夫が不足しており、その一つとして、花で見せるという要素が足りなかったのではないかと考えています。  美しい花で彩られた都市空間は、都市の品格向上につながるものであり、二〇二〇年に向けて、国内外からの来訪者をおもてなしするという観点からも、まち中を花と緑で彩る取り組みが大切であります。  今後、花と緑あふれる都市東京を目指し、民間事業者、区市町村、都民など、さまざまな主体と連携した取り組みを推進していくべきと考えますが、見解を伺います。  二〇二〇年大会を契機に、東京の魅力を世界に発信していく上で、舟運の活性化を図り、水辺の魅力を引き出していくことも重要です。  舟運の活性化に当たっては、舟運の認知度、知名度の向上とともに、航路の拡充や船着き場の利便性向上を図る必要があります。  都は、昨年五月には舟運活性化パートナーを選定し、九月から十二月にかけて運航に関する社会実験を実施いたしました。今後、舟運を活性化し、水の都東京を復活させるためには、引き続きこうした取り組みを続けていくことが必要です。  都は、舟運の活性化に向けた平成二十八年度の取り組みの成果を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  世界中から人々が集まる東京大会は、若い世代にもさまざまな交流を行うことができる絶好の機会であり、我が国の精神伝統や重層的で多様な文化を伝える好機でもあります。  この大会は、日本人としてのアイデンティティーを再認識する場でもあり、子供たちにとっては、古来より日本人が育んできた寛容の心や他者を思いやる精神、いわゆる大和心を改めて認識していく貴重な学びの場となります。このような資質をしっかり子供たちに意識させ、根づかせていくためには、オリンピック・パラリンピック教育の中でもボランティアマインドの醸成と障害者理解を深める教育の推進が極めて有効と考えます。  こうした取り組みは、二〇二〇年東京大会以降も教育活動の中にしっかりと位置づけ、次世代の子供たちにも身につけさせるべきものであり、今大会のレガシーとすべきであると考えますが、都の見解を伺います。  続いて、安全で安心な東京の実現に向けた取り組みについて伺います。  都はこれまでも水害対策を積極的に進めていますが、全国では方々で数十年に一度といわれる豪雨により、甚大な被害が発生していることも事実であります。都は、大規模水害の発生に備え、想定外の災害も想定し、効果的な避難体制を確立していくことが不可欠であります。  低地帯である区部東部が水害に見舞われると、浸水被害は極めて広範囲に及び、想定される浸水エリアには約二百五十万人の住民が居住していることから、生命、財産そして都市機能全体に甚大な被害を及ぼすおそれがあります。  このような広範囲に及ぶ浸水被害が発生した際に、膨大な規模となる住民避難をいかに迅速かつ的確に行えるのか、大きな課題であります。都は大規模水害対策にどのように取り組んでいくのか伺います。  集中豪雨等による水害から都民の生命と財産を守り、災害に強いまちづくりを実現するためには、都はこれまでも時間五十ミリ降雨に対応する護岸や調節池等の整備により、治水安全度の向上を図ってきました。  近年、降雨が激甚化し、これまでの整備水準を超える降雨による浸水被害が生じていることから、都は平成二十四年に方針を改定し、中小河川の目標整備水準を、区部で時間最大七十五ミリ、多摩部で六十五ミリ降雨に引き上げました。現在、時間五十ミリ降雨に対応する護岸や調節池の整備に加え、新たな目標整備水準に対応する調節池等の整備を進めており、引き続き必要な対策を着実に推進していくことが重要です。今後の中小河川整備について伺います。  東京大会が開催される七月下旬から九月上旬は、局地的な集中豪雨や台風などによる浸水被害が懸念される季節でもあり、大会の安全な運営という観点からも降雨対策としての下水道整備が重要です。  下水道局においては、これまで区部全域で時間五十ミリ降雨対策を進めるとともに、浸水被害の影響が大きい大規模地下街や、甚大な被害が発生している市街地では、整備水準を中小河川同様に時間七十五ミリ対応へレベルアップしています。  東京大会を控え、これからの三年間は、安全・安心の確保に向けた取り組みをさらに加速させていく重要な時期であり、浸水対策をさらに強化していくべきと考えます。今後の下水道における時間七十五ミリ降雨対策について伺います。  首都直下地震など大災害が発生したときに、負傷者の搬送や物資輸送などの応急対応を確実に行うには、各拠点を結ぶ多様なルート確保が必要不可欠であります。  首都直下地震等の発生時に、区部東部は液状化などが発生し、陸路による救出救助活動が困難になることも想定されます。また、沿岸部には周囲を運河に囲まれ、橋梁やトンネルで結ばれた埋立地も多数存在しています。  このため、緊急輸送ルート確保の基本方針に基づき、各主体の役割分担のもと、航行可能な船舶の掌握、情報連絡体制の構築、防災船着き場の運用など、水上ルートを有効活用する仕組みづくりの具体化は急務であると考えます。  首都直下地震等の大規模災害時における水上ルートを確保するための都の対応及び今後の取り組みについて伺います。  災害発生後のインフラの早期復旧も重要な課題です。水道事業の早期復旧に関して過去の災害を教訓に、公益社団法人日本水道協会による相互応援の枠組みが日本各地に存在しています。  昨年の熊本地震の際も、都水道局はこの枠組みによる要請に基づき、本震の翌日には部長級を隊長とする第一次隊を派遣いたしました。第一次隊が熊本市内に入ったところ、現場では支援要請や支援活動に関する指揮命令系統は適切に機能しておらず、都の隊長が熊本市と応援部隊との実質的なコーディネーター役を担当したと聞いています。首都直下地震の切迫性が指摘される中、東京が全国の応援を受ける際に、東京都のみでは対応が困難になることも想定されます。  そこで、災害発生時の水道の早期復旧に向けて、円滑な受援体制の強化が重要であると考えますが、見解を伺います。  災害時に備え、消防団員の入団を促進し、消防団の組織力等を充実強化していくことは重要であります。しかし、消防活動を支えている消防団員は減少傾向にあり、特別区においては、一万六千人の定員に対して、平成二十二年の一万五千九十四人をピークに、平成二十八年四月現在、一万三千八百六十五人となっており、その充足率は八六・七%にとどまっております。  東京消防庁では、これまでも団員確保に向けてさまざまな取り組みを展開されていますが、首都直下地震の発生が危惧される中、消防団の充実強化は喫緊の課題であります。  消防団への入団は、地域の活動に参加し、地域に貢献するといった社会的な意義があることから、幅広い層の地域防災の担い手を確保するとともに、特に地域の若者や女性に対して入団を働きかけていくべきと考えます。  今後、消防団員の増加に向けた取り組みを組織的に幅広く展開していくべきであると考えますが、東京消防庁の見解を伺います。  都は、都内の木密地域の不燃化に取り組んでおり、平成二十四年から木密不燃化十年プロジェクトを開始し、延焼遮断帯を形成する特定整備路線の整備や、区とともに市街地の不燃化に向けた不燃化特区を展開してきました。  昨年三月には防災都市づくり推進計画を改定するなど、木密地域の不燃化を一層進めるため、避難や救援活動を円滑にする防災生活道路の拡幅や沿道の不燃化建てかえに対する支援を開始しています。今後も、木密地域の不燃化に向け、取り組みを強化していかなければならないと考えます。  そこで、さらなる不燃化の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。  特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化促進も急務であります。  都は、平成二十三年三月、耐震化推進条例を制定し、耐震診断の義務づけ、耐震改修費の最大九割助成等、耐震化を推進してきました。昨年四月からは設計助成上限額の引き上げ、改修計画作成の支援など、所有者への支援を拡充しています。  こうした取り組みの結果、昨年十二月時点では、耐震診断が行われた建築物の割合は九六%になったと聞いています。  この診断の成果を耐震改修等の実施につなげていくためには、現在個別訪問による働きかけを実施中とのことですが、今後、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の促進に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。  東京の安全・安心を守っていくには、サイバーセキュリティー対策も不可欠です。警視庁は、昨年四月、サイバーセキュリティー対策の司令塔として、各分野の課題を部門横断的に推進する、副総監を本部長とするサイバーセキュリティ本部を設置しました。そしてサイバーセキュリティ戦略を策定し、情報収集と共有化、人材育成の強化、官民連携の強化に取り組むことで、サイバー空間の脅威への対処能力の強化と社会全体のサイバーセキュリティー意識の向上を図るとしております。  その一方で、現在、サイバー空間の脅威に対処するための関連部署が複数設置され、各部署が分散しているため、課題も発生していると聞いています。  二〇二〇年の東京大会の成功と、一層深刻化するサイバー空間の脅威に的確に対処するため、警視庁はサイバー関連部署を集約すると聞いていますが、サイバー関連部署集約施設を整備する意義について、警視庁の見解を伺います。  インターネットやスマートフォン等の普及に伴い、性的画像を送らされてしまう、いわゆる自画撮り被害が多発しています。ネット上に流出した画像回収は事実上極めて困難で、被害に遭った青少年が不登校になったり将来の夢を諦めたりするなど、深刻な状況にあります。  これまで東京都は、ネット利用による被害防止に向けて各種施策を展開していますが、自画撮り被害は一対一のメールで完結するため、未然防止が困難であると聞いています。  都がこの問題に対して、今回、二月二十一日の東京都青少年問題協議会に諮問し、全国で初めて条例化に取り組むことは評価できますが、自画撮り被害の実態、つまり、ネット上に流出した画像を回収する手だてはほとんどないに等しいという状況の中、実効性のある対策をどのように進めていくのか、また、条例化でどのような効果が期待できるのか、お伺いいたします。  都は、二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、平成二十八年度から平成三十一年度までの四年間で七万人分の保育サービスを整備する目標を掲げています。  保育サービスを拡充するためには、施設整備を進めるとともに、保育を担う保育人材の確保、定着を図ることが重要です。そのためには、保育士等の処遇を確実かつ早急に改善することが急務となっています。  国は、保育士の処遇改善を行うため、平成二十九年度より、全職員に月額六千円程度、技能、経験を積んだ職員に月額四万円程度の上乗せをするとしていますが、特に保育士不足が深刻な都においては、さらなる施策の充実が求められています。  そこで、保育人材の確保、定着に向けての都の取り組みについて伺います。  都は、高齢化の進展に伴う施設サービス需要の増加を見据え、平成三十七年度末までに特別養護老人ホームの定員を六万人分確保する目標を設定しましたが、建築価格の高騰により、施設整備にかかる事業者の費用負担が増大するとともに、地価の高い区部においては、特に施設用地の確保が困難となっております。  これまでも、都は、施設整備の補助単価の増額や建築価格の高騰に対する加算など、都独自の支援策を実施し、特別養護老人ホーム等の整備を促進してきましたが、さらなる高齢化社会を迎え、今後、特別養護老人ホーム等の着実な整備を進めるためには、促進策の一層の充実が必須であると考えます。都の見解を伺います。  近年、医療技術の進歩等により、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃瘻等を使用した医療的ケアが必要な障害児、いわゆる医療的ケア児が増加しています。厚生労働省の調査報告では、このような十九歳以下の医療的ケア児が、全国で約一万七千人と推計されています。  昨年六月に施行された改正児童福祉法では、医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、各自治体において、医療、福祉等の連携促進に努めることと規定しており、法改正の趣旨を踏まえ、医療的ケア児が地域で安心して暮らせる環境の整備が必要となっています。  そこで、医療的ケアが必要な障害児への支援にどのように取り組んでいくのか、また、家族の負担軽減に向けてどのように支援していくのか、都の見解を伺います。  次に、周産期医療についてですが、人口動態等の統計では、都における出生数は長期的には減少傾向にありますが、低出生体重児は増加傾向にあり、母体救命のための搬送は、平成二十一年度の五十一件に対し、平成二十五年度は百十件と倍増しております。  その一方で、都内の医療施設については、産科、産婦人科が大幅に減少し、母体救命に対応できる施設も限られているなど、体制の一層の強化が必要であります。  都においては、昨年度には新棟の整備が完了した墨東病院が、高度救命救急センターの指定を受けるなど、救命救急医療体制を強化しています。ハイリスク妊産婦や低出生体重児が増加している現状に鑑み、区東部地域の総合周産期母子医療センターである墨東病院において、ハイリスク妊産婦への対応をさらに強化していく必要があると考えます。  そこで、都立墨東病院における周産期医療への取り組みについて伺います。  次に、動物愛護相談センターの機能強化について伺います。  昨年九月、我が党の動物愛護政策研究会は、都の動物愛護管理施策の中核を担う施設である動物愛護相談センターを視察いたしました。世田谷区の本所は築四十年、多摩支所及び城南島出張所は築三十年を経過し、いずれも建物が老朽化しております。また、狂犬病予防法に基づく犬の捕獲抑留から、収容動物の譲渡促進等へと、その役割も変化しております。  このような状況を踏まえ、都は、センター本所の移転改築に向けた経費を平成二十九年度予算に計上し、先般、基本構想の骨子を作成し、パブリックコメントを実施したと聞いています。  そこで、センター本所の機能強化に向けた整備の考え方と、今後の整備スケジュールなどについて、知事に伺います。  東京は、人口が平成三十七年をピークに減少に転じる見込みであり、少子高齢化の急速な進行やライフスタイルの多様化など、住生活を取り巻く環境が大きく変化していくことが予想されています。  都は、平成二十三年度に住宅マスタープランを策定し、各種住宅施策を実施していますが、平成二十六年七月、知事は住宅政策審議会に対して、住宅政策の新たな展開を諮問し、平成二十八年十一月、住宅政策審議会が、豊かな住生活の実現と持続に向けてを答申しました。  本年二月、都は、計画期間を平成二十八年度から三十七年度とする東京都住宅マスタープランを公表し、パブリックコメントを実施したところですが、東京の住宅政策の羅針盤ともなる新しい住宅マスタープランと、プランに基づく今後の取り組みについて伺います。  少子高齢化や防災などの課題解決には、自助、公助に加え、共助社会の実現が重要であり、共助の両輪であるボランティアの活動推進と町会、自治会の活性化は不可欠であります。  都は、地域コミュニティの中核をなす町会、自治会に対して、地域の底力再生事業助成等による支援を実施してきましたが、活動の担い手不足が深刻化しており、一層の活性化が必要です。  具体的には、二〇二〇年東京大会の機運醸成を初め、町会、自治会活動の活性化に向けた助成事業をさらに充実するとともに、地域活動支援アドバイザー派遣事業など、人手不足に悩む町会、自治会の実態を踏まえ、それぞれの課題にきめ細かく対応する支援が重要です。
     東京都は、地域における共助社会づくりに大きく貢献する町会、自治会に対して、今後どのように支援の充実を図っていくのか伺います。  無電柱化は、災害時の電柱倒壊による道路の閉塞を防ぐなど、防災、減災とともに、美しい都市景観の形成を図る上で重要な事業であります。  私たち都議会自民党は、前回都議選の際に、東京から電柱をなくしますとの公約を掲げ、それを受けて都は、平成二十六年に無電柱化推進計画を定め、無電柱化に取り組んでおります。今後、無電柱化をさらに進めていくには、都道はもちろん、生活道路のような道幅の狭い区市町村道の無電柱化が欠かせません。道幅が狭く、十分な用地が確保できない道路で無電柱化を進めていくには、技術開発の状況を踏まえつつ、地域の実態に即した仕組みを検討していくことが必要であります。  昨年の第四回定例会において、無電柱化を推進するため、知事は条例案を検討するとの発言がありましたが、これは、無電柱化を推進してきた我が党の政策と軌を一にするものであります。  東京の無電柱化を加速させるための新たな計画を策定すべきと考えますが、今後、無電柱化をどのように進めていくのか、知事の所見を伺います。  都内には、いまだ千を超える踏切が残されており、そのうち約二百五十カ所があかずの踏切で交通渋滞や事故の原因となるなど、経済活動や都民の暮らしの支障となるほか、震災時には救急活動などの妨げになるおそれもあります。  都は、六路線八カ所で連続立体交差事業を実施していますが、今年度末には、京浜急行本線・空港線京急蒲田駅付近、京成押上線押上駅から八広駅間、西武池袋線石神井公園駅付近の三カ所が完了いたします。  連続立体交差事業が完了した京成押上線では、明治通りの踏切による渋滞解消だけでなく、京成曳舟駅周辺の商業床面積が約五十倍に増加し、にぎわい創出などの効果も得られています。  今後、スムーズで安全な道路交通を実現していくには、あかずの踏切を抜本的に解決する連続立体交差事業の推進が欠かせないと考えますが、見解を伺います。  東京の人口の三分の一、面積では半分を占める多摩地域は、多くの企業や大学、研究機関が集積する一方で、高尾山を初めとする観光資源など多様な魅力を有しており、東京の発展を推進していく上で欠かせない地域であります。  都はこれまで、多摩南北主要五路線並びに多摩東西主要四路線の整備に取り組んできましたが、多摩地域の一層の発展を図るには、多摩地域の利便性のさらなる向上や災害時の物流、交通機能の確保が重要であります。  今後、多摩地区の渋滞を解消し、人や物の流れを円滑にし、災害時にも都民が安全・安心して暮らせる防災性の高いまちとするには、多摩地域の骨格幹線道路の整備が不可欠であると考えます。都の見解を伺います。  駅のホームからの転落事故が依然として後を絶たず、国は、ハード、ソフトの両面から転落防止にかかわる総合的な安全対策を検討し、昨年末に中間取りまとめを公表いたしました。地下鉄のホームドアに関しては、利用者十万人以上の駅について、原則平成三十二年までに整備することとしていますが、全ての駅にホームドアが整備されるまでには、さらに時間が必要です。  都営地下鉄においても、ホームドア整備に積極的に取り組むとともに、全ての駅にホームドアが整備されるまでの間は、転落防止に向けたソフト面での安全対策を強化していくことが重要です。今後の安全対策の取り組みについて伺います。  事故が発生した場合の被害者救済について伺います。  都内には、都が管理する空港が七つあり、離島航空路や防災等の拠点として重要な役割を果たしています。  平成二十七年七月二十六日、調布飛行場を離陸した航空機が直後に住宅地に墜落するという事故が発生しました。平成二十八年第四回定例会での、事故原因が不明で、加害者が特定されず損害賠償など救済が進んでいない、新たな救済策を打ち出すべきとの我が党の質問に対して、被害者が迅速に救済されるよう、具体的な方針を検討するとの答弁がありました。  しかし、事故後一年半たった現在も、被害者への補償はいまだ行われていないのが現状であります。  航空機事故は、原因の究明に時間がかかり、被害者が長期間救済されない事態が起こります。都は、都民の安全・安心を守るため、都営空港を離着陸する航空機に事故が発生した場合の新たな救済制度を整備すべきと考えますが、見解を伺います。  都内事業所の九九%を占める中小企業は、東京の産業活動の担い手であり、都が掲げる都内GDP百二十兆円を達成するため、その稼ぐ力を向上させることが不可欠です。  都はこれまでも、医療や環境などの成長産業分野における技術開発支援や、付加価値の高いものづくりに必要な設備導入への支援などにより、都内中小企業の収益力引き上げを図ってきました。  中小企業のさらなる成長のためには、生産性を向上させる設備の導入や、新たな商品やサービスを生み出す可能性を秘めた、物のインターネット、IoTの活用などを一層強力に促していくことが重要です。  都内経済を持続的成長に導くために、都は、中小企業の稼ぐ力を強化する政策展開をさらに進めていくべきと考えますが、見解を伺います。  都内GDPの引き上げを図るためには、新たな発想を持った企業家が新ビジネスを生み出していくこともまた重要です。  都はこれまでも、創業希望者へのセミナーや創業の場の提供、事業計画策定への先輩起業家による支援など、さまざまな施策により、起業を志す方をふやす裾野拡大に取り組んできました。今後さらなる起業を促していくには、柔軟な発想を持つ若者や、男性の半分にとどまっている女性の起業への支援を強化する必要があります。  また、ビジネスのグローバル化に伴い、すぐれたビジネスモデルを武器に、国境を越えて活躍するベンチャー企業を育てていくことも重要であります。  開業率一〇%台の達成を目指すべく、こうした多様な企業家の輩出と、その成長に向けた支援の一層の充実を図るべきと考えますが、所見を伺います。  二〇一二年には五百五十六万人であった訪都外国人旅行者数が、二〇一五年には一千百八十九万人と倍増し、観光客の消費する額も四千四百億円から一兆一千百億円と大幅に増加しております。  都は、こうした訪都外国人旅行者の急増や消費額の拡大など、観光をめぐる環境の変化に対応し、戦略的に観光産業振興を進めていくため、ことし一月、新たに、PRIME観光都市・東京、観光産業振興実行プラン二〇一七を策定しました。  このプランでは、二〇二〇年までの目標として、訪都外国人旅行者数二千五百万人、外国人リピーター数一千五百万人、そして、訪都外国人消費額二兆七千億円など、意欲的で具体的な目標を明示しています。こうした戦略的な観光産業振興を着実に推進していくには、都内全域における観光産業を活性化していくという視点が必要です。  今後は、都内の観光関連の中小事業者の声を聞いて連携しつつ、区部に加え多摩や島しょ、とりわけ観光面でのポテンシャルの高い島しょエリアへの誘致に力を入れて、施策を展開していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。  都内におよそ二千五百ある商店街は、地域を支える大切な基盤であります。少子高齢化などにより、地域が抱える課題が多様化する中、商店街は今、地域コミュニティやまちづくりにおいても中心的な役割を果たすことが期待されています。  そして、商店街がこうした地域のニーズや課題を掌握し、その解決やまちの活性化に取り組むことが、商店街の持続的な発展にもつながっていくと考えます。  時代や環境の変化を読み取り、みずから知恵を絞り、創意工夫して新しい取り組みに挑戦していく、意欲ある商店街への支援の充実、拡大が求められています。見解を伺います。  都市農地は、新鮮で安全・安心な農産物の生産はもとより、災害時の防災空間の確保や良好な生活環境の保全など、さまざまな機能を発揮し、都民の暮らしに大きく貢献しております。  しかし一方で、高額な相続税負担により、市街化区域内農地は毎年約百ヘクタールが減少し、生産緑地も高額な価格や維持管理費の後年度負担などの理由で区市による買い取りが進まず、毎年約五十ヘクタールが宅地化しております。  国は、昨年五月、都市農業振興基本計画を策定し、区市による生産緑地の買い取り支援策を検討中ですが、まだ時間がかかる見込みであると聞いています。  これまで都は、農家の収益力向上や担い手の確保、育成を通じ、農家の事業継承や都市農地の多面的機能を発揮させる取り組みへの支援により、農地の保全に取り組んできましたが、これ以上の都市農地の減少に歯どめをかけるため、一歩踏み込んだ農地保全施策を展開していくべきと考えます。見解を伺います。  なお、先般、閣議決定された生産緑地法の改正についても今後の動向を注視し、都として万全の対応に努めていただくよう、あわせて要望しておきます。  東京を世界で一番の都市にするため、誰もが活躍できる社会づくりに全力で取り組む必要があります。その観点から、難病患者、がん患者の就業支援について伺います。  昨年十二月には、がん対策基本法が改正され、がん患者の雇用の継続等に配慮することが事業主の責務に位置づけられるなど、今後、がん患者や難病患者の方々の就業、そして雇用継続への支援の充実が求められています。  都はこれまで、障害者の雇用促進に向けた施策の一環として、難病患者等の就業を支援してきました。今後、難病患者、がん患者の方々の疾患の特性を踏まえた職場環境整備など、具体的な支援を進めることが必要です。  そこで、企業が難病患者やがん患者の採用や就業継続に踏み出せるよう、支援制度を構築すべきと考えますが、所見を伺います。  東京が世界で一番の環境先進都市として発展を遂げるためには、天然資源の採取に伴う環境負荷を最小化し、持続可能な資源利用を進めることが重要です。高度成長期に建設された膨大な量のインフラが更新期を迎え、大量に発生するコンクリート塊の有効活用が、今後の都市更新の進捗を左右しかねない喫緊の課題であります。  今後、建造物の解体時に発生するコンクリート塊を原材料とした再生砕石の利用拡大を推進していく必要がありますが、これまで再生砕石の主な活用先であった道路路盤材としての需要は、長期的に減少傾向にあります。  そうした中、民間では、再生砕石について、品質に関する公的な基準がないことを補うため、独自の品質基準策定などの取り組みを行っております。  こうした民間の取り組みも踏まえ、都も再生砕石の利用拡大の支援を講じるべきと考えます。資源循環や3R促進の観点からも、再生砕石の利用拡大に向けた取り組みが重要と考えますが、所見を伺います。  東京の大気環境は大幅に改善してきておりますが、PM二・五と光化学オキシダントの環境基準達成は、いまだ大きな課題となっています。  基準達成には、PM二・五や光化学オキシダントの原因物質の一つといわれる揮発性有機化合物、VOCの排出を着実に削減することが重要です。原因物質であるVOCは、幅広い分野で活用され、都内事業者の多くは中小企業であることから、個々の取り組みには限界があり、排出削減の取り組みが十分浸透していないのが実情であります。VOC排出削減に向けて、関係業界の使用実態に応じた効果的な対策を検討し、個々の事業者にその取り組みを広げていくことが重要と考えます。  そこで、民間事業者と連携した揮発性有機化合物、VOC対策の推進について、所見を伺います。  多摩地域には、豊かな自然、商業施設や住宅地、企業や大学、さらには農地が広がるエリアなどがあり、多様性に富み、豊かな潜在力を持った地域です。  一方で、人口減少や少子高齢化、大規模工場の撤退や大学の都心回帰、そして、区部に比べ道路や公共交通網の整備が進まず、交通不便地域が存在するなど、課題も山積しており、今後、厳しい環境下に置かれることも予想されます。  我が党はこれまで、都と一体となり、新たな多摩のビジョン行動戦略に基づき、多摩地域の振興を推進してきましたが、昨年の第一回定例会での我が党の質問に対し、本年を目途に、新たな振興策を取りまとめる旨の答弁がなされました。  今後、多摩の振興プランを検討していくに当たり、幅広く関係者の意見を聞き、地域の実情を踏まえた実効あるものにしていく必要があると考えますが、どのような視点で検討を進めているのか、現在の検討状況とあわせて伺います。  国内にある百十の活火山のうち約二割の二十一の活火山を抱える、東京の島しょ部の火山災害対策は都政の重要な課題の一つであります。  二十一の活火山のうち、噴火の可能性が高いとして気象庁が常時観測している火山は七つあり、特に火山活動が活発な大島及び三宅島では、過去にたびたび火山災害が発生しており、島外避難も経験しております。  一昨年十二月、改正活動火山対策特別措置法が施行されたことに伴い、昨年四月、伊豆諸島の火山ごとに火山防災協議会を設置し、協議を行っていると聞いております。  都は、次の噴火に備える時期にあるといわれている大島、三宅島を初め、島しょ地域の火山対策に積極的に取り組むべきと考えます。都の取り組みについてお伺いいたします。  代表質問の結びに当たり、一言申し上げます。  私は、本定例会の冒頭に議決した今回の議会改革案の検討を機に、この間、地方自治の本旨や議員としてのあるべき姿に日々悩み、日々考えてまいりました。そして行き着いたのは、福島県二本松城址に置かれている戒石銘の有名な十六文字でありました。「爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺」、「爾の俸 爾の禄は民の膏 民の脂なり 下民は虐げ易きも 上天は欺き難し」。  この言葉の大意は、二本松市のホームページによりますと、お前がお上からいただく俸祿、給与は、民の汗と民の脂の結晶である、下々の民は虐げやすいけれども、神をあざむくことはできないとのことであります。政治、行政にかかわる全ての者が戒めにしなければならない十六文字の言葉であると感じました。  私たち東京都議会自由民主党は、議会改革案が百二十六名全員の提案による全会一致で成立した今、改めてこの十六文字を心に刻み、都政に邁進していくことをお約束申し上げたいと思います。  二〇二〇年、平成三十二年東京オリンピック・パラリンピックを通過点として、東京を世界で一番の都市にするため、私たちはこれからも不断の、そして全力で努力していくことを再度お誓い申し上げ、再質問を留保し、質問を終わります。(拍手)    〔傍聴席にて発言する者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご静粛にお願いします。    〔知事小池百合子君登壇〕 ◯知事(小池百合子君) 高木けい議員の代表質問にお答えいたします。  まず冒頭、個人住民税のうち、区市町村民税を除きます都民税の減税についてのご提案、そしてご質問がございました。  平成二十九年度予算案では、ご指摘のとおり、事業評価の取り組みを一層強化するなど、無駄なコストは厳しく削減をし、約七百二十億円の財源確保へとつなげてまいりました。  こうして捻出した財源も活用して、待機児童解消に向けた取り組みに係る予算額を前年度比四百三億円の増とするなど、必要な政策には思い切った予算措置を講じておりまして、まさに改革の成果を大義ある政策という形で、都民の皆様方に還元していると考えております。  歳出削減の成果を個人都民税の減税という形で都民の皆様方に還元するということは、すなわち、高額所得者ほど減税額が大きくなります。そして、個人都民税が課されない方々に対しては効果が及ばないなどの指摘が、従来よりあることはご承知のことと存じます。税の公平性の観点から課題があるものと認識をしております。  また、都市と地方との税収格差が問題視される中で、都が独自に都民税の減税策を講じることによりまして、東京の富裕論を背景とした財源調整の動きに拍車をかけることにもなりかねないなど、これまで御党がご指摘になってこられたようなさまざまな課題がございまして、慎重に、そして戦略的に対応すべきものと考えております。  次に、二〇二〇年に向けた実行プランの推進についてのご質問でございます。  実行プランは、私の知事としての最初の総合計画でございます。都民ファーストの都政への具体的な道筋、未来への航路となるものでございます。  新しい東京を都民とともにつくっていきたい、その熱い思いから、このプランでは都議会の皆様からのご提言を初め、広く都民からご意見をいただきながら策定をしたものであります。  政策は、実行し、都民に届いてこそ花開くものでございます。  そこで、まずは実行プランで掲げたさまざまな政策を速やかに実行に移すために、平成二十九年度予算案に確実に反映させております。  また、実行プランでは、各政策を着実に推進するため、PDCAサイクルをしっかりと回していく仕組みを策定段階から強く意識して組み込んでまいりました。そして、可能な限り数値化した約五百の政策目標を設定するとともに、各政策の年度別の進行を明瞭化した四年間の工程表を作成しております。  これらに基づきまして、事業の進捗や成果を客観的に把握、検証して、その結果を都民と共有することで、都民のニーズを踏まえながらさらなる事業展開を行ってまいります。  実行プランを道しるべに、まさしく都民ファーストの都政を推し進め、二〇二〇年東京大会の成功とその先の東京の明るい未来に向けまして、都民の皆様の共感とともに力強く歩んでまいりたいと考えております。  次に、GDP百二十兆円の挑戦についてのご質問がございました。  二〇二〇年東京大会の成功を、東京ひいては日本全体が飛躍を遂げる絶好の機会と捉えまして、日本の成長のエンジンである東京が先頭に立ってさまざまな政策を展開し、二〇二〇年以降の持続可能な成長につなげていくことが重要と考えております。  そこで、二〇二〇年に向けた実行プランでは、東京の成長戦略の方向性を提示して、その中で、成長戦略が目指す姿として、都内GDP百二十兆円などの四つの東京の挑戦を掲げております。  この東京の挑戦は、目標年次などを示します個別の政策目標とは異なりまして、都のみならず、都民や民間事業者、国など、東京にかかわるさまざまな主体が力を合わせて、相互に連携をして取り組みを進めたその先に開かれる展望として掲げたものでございます。  東京大会後の二〇二〇年以降も新たな富を生み続ける成長を目指すため、東京が積極果敢に挑戦していくことによりまして、我が国GDPの約二割を占める東京から強い経済をつくり上げて、日本全体の発展につなげてまいります。  また、GDP百二十兆円に向けた都の取り組みについてのご質問がございました。  東京の成長戦略の実現に向けまして、実行プランでは具体的な戦略として、ファイナンス・金融、イノベーション・革新、ライズ・強みを伸ばす、サクセス・誰もが活躍、テクノロジー・最先端技術、この五つの頭文字をとりまして、FIRST戦略として提示をしております。  この戦略の推進におきまして大切なことは、都がなすべき政策をスピード感を持って実行していくことでございます。  そこで、国際金融都市の実現や特区制度の徹底活用など、海外から資金や企業を東京に呼び込む政策に積極的に取り組むとともに、観光の有力産業化や中小企業振興、人材の育成など、東京の成長の基盤を固めて、東京が持つ力を伸ばしていく政策を具体的に示しまして、平成二十九年度予算案にも的確に反映させたところでございます。  実行プランで示しました成長戦略の方向性のもと、さまざまな政策を強力に推し進めていくとともに、今後の具体的な進捗や国内外の社会経済情勢も踏まえながら、政策のさらなる進化、充実を図ってまいります。  二〇二〇年改革プランについてでありますが、内外ともに困難な状況に直面をし、未来が不確実さを増している今こそ、旧来の発想から抜け出して、なすべきことをなすことで、希望あふれる東京の未来を切り開くことができると存じます。  このため、知事就任後直ちに、情報公開、内部統制、自律改革のこの三つのテーマを初めとした都政改革に取り組み、職員の改革マインドを根づかせてまいりました。  今後はこうした取り組みを一歩進めまして、従来の延長線を超えた新たな発想を常に生み出すために、自律改革を重ねて、都政の手法と体質を変えていくことが必要でございます。  そこで、四月から、仮称でございますが、二〇二〇改革プランの策定作業を始めまして、業務の効率化や官民の適切な役割分担、監理団体の戦略的活用、執行体制の見直しなどに取り組んでいく予定でございます。  あわせまして、各局の主要事業の見える化を図りまして、予算、人員の適正化や政策の妥当性の検証など、総合的な見直しを推進することによりまして、自律改革の取り組みを現場改善のレベルから経営戦略改革のレベルへと高め、めり張りのきいた都政へと改革してまいります。  このように、情報公開を基軸にしつつ、都民ファーストや賢い支出の観点から、私が本部長を務めます都政改革本部で議論をしながら、都政の改革を推し進めてまいります。  次に、平成二十九年度予算案についてのご質問がございました。  都民ファーストの観点から、真に有効な投資をしっかり行う一方で、無駄なコストは厳しく削減、めり張りのついた予算とすることを最も重視いたしまして、知事として初めての予算編成に取り組んでまいりました。  具体的には、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティー、この三つのシティーの実現に向けまして、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げる事業を一〇〇%予算化するとともに、待機児童解消に向けました取り組みに係る予算額を前年度比四百三億円の増とするなど、必要な政策には思い切った予算措置を講じております。  この結果、過去最高となります三百八十二件の新規事業を立ち上げるなど、明るい東京の未来をつくるための投資を積極的に行いました。
     一方で、全ての事業に終期を設定をいたしまして、終期が到来したものにつきましては事業評価を行うなど、マネジメント機能の強化を図り、約七百二十億円の財源確保へとつなげましたほか、中長期的な視点から、基金残高を確保するとともに、将来世代の負担を考慮して都債発行額を抑制するなど、財政構造改革の一層の推進を図りました。  こうして編成した平成二十九年度の予算案は、実行プランのまさに実行力を支えるものでありまして、都民の皆様からの共感を推進力として、二〇二〇年大会の成功、五十年、百年先の夢あふれる東京の実現に向けまして、都政を強力に前へ進めてまいりたいと存じます。  公共調達についてのご質問がございました。  公共調達は、ただ単に安ければよいというものではなく、品質の確保に十分配慮する必要がございます。同時に、都民の貴重な税金を原資としていることから、透明性、競争性などへの対応も求められております。  入札契約制度が抱えます全ての課題に万全の対応をすることは難しいものがございますが、公共調達が真に都民の利益にかなうものとなるよう、検証そして見直しを進めてまいります。  豊洲市場の建築物についてのご質問でございます。  豊洲市場に整備された建築物につきましては、構造上の安全性が十分確保されていることを確認する、その必要があることから、市場問題プロジェクトチームにおきましてしっかりとご議論いただき、その検討結果を踏まえまして、建築基準法に基づく手続を進めるよう、市場当局に指示をしてまいりました。  同法に基づく完了検査等の手続につきましては、ことしの一月に市場当局から報告を受けております。そして、検査済み証の交付によりまして、建築基準法に基づく安全性が確認されたものと認識をしております。  なお、市場当局におきまして、ホームページで公表することとなっております。  築地市場の移転問題でございますが、この問題につきまして、昭和の時代から長きにわたりまして、ほかの市場への機能移転の検討、そして現在地での再整備、その後の豊洲市場移転への方針転換など、さまざまな曲折を経ながら、議論、検討がなされた経緯については承知をいたしております。  市場移転といった都民生活に大きな影響を及ぼす課題につきましては、市場業者はもとより、都民の理解と納得を得る必要があり、食の安全・安心の観点を含めまして、幅広い検討が求められております。  そのため、豊洲市場につきましては、専門家会議において、地下水モニタリング調査などを踏まえまして市場の安全性の検証を進めるとともに、市場問題プロジェクトチームにおいては、事業の継続性や築地市場の施設の現状など、さまざまな議論を行っております。  こうした専門家によります検証に加え、市場業者の方々や都民の皆様のご意見なども参考にしながら、総合的に検討して判断してまいります。  二〇二〇年大会開催準備の取り組みについてのご質問がございました。  大会がいよいよ三年後に迫った今、東京大会の成功とその先のレガシーを見据えまして、都民、国民のわくわく感を高めながら、開催都市として主体的に準備を加速してまいります。  大会を支えます九万人以上のボランティアにつきましては、昨年十二月に策定した戦略を踏まえまして、募集、育成などの具体的検討を進めて、平成二十九年度中には、ラグビーワールドカップ二〇一九に向けて、都市ボランティアの募集を先行的に開始をいたします。  輸送、セキュリティーなど、大会時の都市運営につきましては、都市機能を維持して、円滑な大会運営を支えます都市オペレーションセンター、輸送センターなどの検討を進めてまいります。開催都市として、万全の体制で世界からアスリートと観客を迎えるための取り組みを推進してまいります。  競技会場などにつきましては、引き続きコスト縮減に努める一方で、大会後の有効活用について十分検討を行いながら、必要な投資を行いまして、都民に長く愛されるレガシーとすべく、着実な整備を進めてまいります。  開催機運の醸成につきましては、フラッグツアーの全国各地への展開、平昌大会開催にあわせまして実施するライブサイト二〇一八、メダル製作において、家庭に眠っている、いわゆる都市鉱山を活用する取り組みなどによりまして、大会の成功の鍵となる都民、国民の皆様方との一体感を強めてまいります。  組織委員会、国、関係自治体などとも連携を密にいたしまして、これらの取り組みを推し進め、誰もがやってよかったと思える大会となるよう、開催都市の長として、開催準備に万全を期してまいります。  パラリンピックの成功と障害者スポーツの振興についてのご質問がございました。  障害者スポーツに対する機運が着実に高まりつつあるこの機を捉えまして、予算、組織体制を充実させて、パラリンピックへの準備と障害者スポーツの振興を一体的に取り組んで、相乗効果を生み出してまいりたいと考えております。  まず、パラリンピックの会場を満員にするためにも、障害者スポーツのファンサイトでありますチームビヨンドのメンバーを一層ふやしていくとともに、競技体験イベントなども活用して、観戦、応援を促進してまいります。  また、国際大会で活躍できる選手の発掘に加えまして、その育成にも取り組むほか、障害者スポーツに供する技術、製品の開発を進めて、アスリートの競技力向上も支援をしてまいります。  さらに、競技団体の基盤を強化するために、経理や広報などのスキルを持つ人材をボランティアとして活用してまいります。あわせて、企業や関係機関との連携、協働を一層進めることで、障害者スポーツを支える体制をより強固なものにしてまいります。  こうした取り組みによりまして、人々の心にいつまでも記憶される大会として、障害者スポーツを社会に根づかせ、パラリンピックのレガシーとしてまいります。  オリンピックゴルフ会場についてのご質問がございました。  会場の選定に当たりましては、IOC、そして国際競技団体、IFから示されました競技や運営に関するさまざまな条件を踏まえまして、多くの国際大会の知見を持つ日本ゴルフ協会が、若洲を含めて首都圏のゴルフ会場を総合的に検討された結果、霞ヶ関カンツリー倶楽部になったと伺っております。  現在、この会場は女性が正会員になれないことなどにつきまして、IOCから対応を求められていますが、関係者が連携して解決に向け取り組んでおられるということであり、その推移を見守りたいと存じます。  ラグビーワールドカップ二〇一九でございますが、平成二十九年度は、試合日程の発表など大会の全体像が明らかになって、より具体的な準備を行う、その段階に入ってまいります。そのため、六月のアイルランド代表とのテストマッチなども活用いたしまして、着実に準備をしてまいります。  会場となります東京スタジアムにつきましては、競技用照明の更新やバリアフリー化など、必要な設備などの対応について検討いたしますとともに、鉄道、シャトルバス、車両通行ルートなどの交通アクセス、ファンゾーンの開催場所の選定など、大会の運営につきましても準備を進めてまいります。  また、会場案内などのボランティア、多言語対応など、翌年開催の二〇二〇年大会と共通の課題につきましては一体のものとして、効果的に取り組んでまいります。  ラグビーの魅力を解説した冊子の都内全小学校への配布、公式サポーターズクラブの普及、車椅子ラグビー、七人制ラグビーとの連携などを通じまして、ファンを開拓してまいります。  今後、組織委員会、地元の市などと協力いたしまして、大会準備を加速させるとともに、他の開催都市とも連携をいたしまして、多くの都民、国民が一体感を持って大会を迎えられるように開催機運を高めてまいります。  動物愛護相談センターの整備についてのご質問がございました。  動物愛護相談センターは、現在、都内に三カ所ございます。東京都の動物愛護施策を進める拠点となっております。私は、センターが担っております動物の譲渡や普及啓発などの機能をもっと強化をして、新しい飼い主へのかけ橋となる施設にしたいと考えております。  こうした考えのもと、特に老朽化が進み、手狭となっておりますセンターの本所を移転、そして改築をいたしまして、都民が来所し、見学をしやすい環境のもとで、施設や設備の充実を図ることといたしております。  新たな施設におきましては、動物の健康やストレスに配慮いたしました飼養環境を整えるとともに、譲渡をさらに進めるために、ボランティア団体と連携をいたしまして、譲渡会などを行うことができるスペースを設けてまいります。  また、災害発生時には、動物救護活動の拠点といたしまして、被災動物の一時収容などにも対応ができますように、必要な機能や設備を備える考え方を持っております。  現在、動物愛護管理審議会、パブリックコメントでのご意見も踏まえながら、基本構想を策定いたしております。来年度は、新たなセンター本所の基本設計に着手する予定でございます。  無電柱化についてでございます。  東京の防災力を高めて、都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーを実現していくために、無電柱化は重要であります。  このため、無電柱化を推進するための条例案の策定、都道全線におけます電柱新設の原則禁止、先駆的に低コスト手法を導入する区市町村への財政支援の拡充などを二〇二〇年に向けた実行プランに盛り込んだところでございます。  また、昨年十二月に施行されました無電柱化の推進に関する法律に基づきまして、国の計画策定の動きも踏まえて、都内における無電柱化の基本方針、整備目標などを含めました新たな計画を策定いたしまして、区市町村と連携をいたしまして、総合的、計画的に無電柱化を推進してまいります。  無電柱化こそ、日本の新たな常識へ。私は東京の電柱をゼロにしたい、そのことを目指してまいります。  今後の観光振興の進め方についてのご質問もございました。  東京は、国際的な観光都市として多くの人々を引きつける魅力に富んだまちでございます。そして、世界で最も評価を受ける存在感がございます。こうした魅力を一層高めるために、東京のそれぞれの地域の持つ宝物に磨きをかけて、すぐれた観光の機会の提供に結びつけてまいります。  これからの観光振興につきましてまとめましたPRIME観光都市・東京では、その表題にふさわしく、東京が旅行者にとって最高の訪問先となることを目指しまして、新しい発想を盛り込んで、さまざまな施策を展開してまいります。  このプランにおきましては、これまでにない新たな目標を含めまして、高いレベルの到達点を目指しておりまして、そして、来訪者の多い区部のほか、緑にあふれて自然豊かな多摩、そして島しょの観光振興にも力を入れてまいります。  特に島しょは、個性ある宝物に恵まれた宝島でございます。これらを生かして、島同士が連携して来客を促し、その消費を喚起する新しい仕組みをつくる。また、島しょを船で周遊するツアーを婚活の場として活用することによりまして、観光振興に結びつけてまいります。  観光に関連する事業者に加えまして、各自治体や地域の団体などとしっかりと連携をいたしまして、観光振興を進めることによって、世界で最高のレベルの観光都市東京の発展を目指してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監、そして関係の局長から答弁とさせていただきます。    〔警視総監沖田芳樹君登壇〕 ◯警視総監(沖田芳樹君) サイバー関連部署集約施設の整備についてでありますが、情報通信技術が急速に発展する中、不正アクセスに起因した大規模な情報流出事案やインターネットバンキング不正送金事犯などのサイバー犯罪が多発し、また、標的型メール攻撃を初めとするサイバー攻撃も相次いで発生しております。海外においては、重要インフラの基幹システムを機能不全に陥れるサイバーテロも発生しているところであります。  こうした情勢のもと、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、サイバー空間の脅威への対処能力を強化するため、平成三十年四月からサイバー関連部署を一カ所に集約することにより、情報や資機材の共有化を促進し、初動捜査や高度解析など、捜査力の強化を図るというものであります。  今後とも、部門間連携を強化した上で、積極的な取り締まりや実態解明などの諸対策を推進してまいります。    〔教育長中井敬三君登壇〕 ◯教育長(中井敬三君) オリンピック・パラリンピック教育についてでございますが、他者への共感や主体的に社会に貢献しようとする態度を育むためには、体験活動等を重視した教育を、発達段階の早い時期から意図的、計画的に継続して実施していくことが重要でございます。  このため、都教育委員会は、今年度から全ての学校でオリンピック・パラリンピック教育を展開し、地域清掃や障害者スポーツ体験等により、ボランティアマインドを醸成し、障害者等の理解を深める取り組みを推進しております。  今後、新たにボランティア登録制度を開始するとともに、学校と障害者団体等との連携の場を拡充するなどして、児童生徒に互いを尊重する心と社会貢献の精神を培う教育を、大会後のレガシーとして確実に引き継ぎ、開催都市にふさわしい社会の実現を目指してまいります。    〔東京都技監邊見隆士君登壇〕 ◯東京都技監(邊見隆士君) 七点のご質問にお答えをいたします。  まず、都市づくりのグランドデザインについてでございます。  東京は、日本の活力をリードするとともに、都民が夢と希望を持ち、豊かな生活を実感できる都市として持続的に発展していかなくてはなりません。  そのためには、国際競争力を高める都市基盤の充実や、高度な都市機能が集積する拠点形成を進めてまいります。  あわせて、道路網がおおむね完成する時代を見据え、そのストック効果を生かした道路空間の再編や、人口減少社会においても利便性の高いコンパクトな拠点づくり、農地も含めた東京の緑の保全、活用など、これまでの延長線を超えた取り組みも進めてまいります。  本年五月ごろに素案を公表し、都民の意見を聞いた上で、八月ごろを目途にグランドデザインを取りまとめ、その実現に向け、積極的に取り組んでまいります。  次に、都市計画道路のあり方についてでございます。  都はこれまで、おおむね十年ごとに事業化計画を策定し、計画的かつ効率的に整備を推進してきております。  現在の第四次事業化計画に基づき事業を進めることで、今後、おおむね二十年で都市計画道路全体のネットワークの約八割が完成する一方で、残る計画は、完成までになお時間を要することになります。  この中には、計画幅員まで完成していないものの、既に必要な交通機能が確保されている路線や、沿道のまちづくりの状況に変化が想定される路線などがございます。  整備すべきものは整備し、見直すべきものは見直すとの基本的な考えに立って、これらの道路のあり方について、来年度から、地元区市町とともに検討を進め、平成三十年度を目途に基本方針を取りまとめる予定でございます。  次に、新宿駅周辺のまちづくりについてでございます。  東京が社会情勢の変化に的確に対応し、持続的に発展していくためには、国際ビジネス拠点である都心などに続いて、世界一の鉄道ターミナルである新宿駅周辺を再整備し、国際競争力の強化を図っていくことが必要でございます。  具体的には、かつて時代を先取りして整備した立体的な駅前広場を、将来に向けて誰もが使いやすい施設につくり変えてまいります。また、それにつながる歩行者優先の空間づくりによって、地域の回遊性を高めるとともに、駅周辺建物の更新などを通じて、観光、商業、業務など、多様な機能の充実強化を図ってまいります。  今後、区とともに、まちづくりの方向性を公表し、都民の意見を聞きながら、将来像を取りまとめ、魅力的な国際交流拠点の形成に積極的に取り組んでまいります。  次に、舟運の活性化についてでございます。  東京の舟運を活性化するためには、舟運事業者の取り組みを促進し、定期航路を拡充していくことが重要でございます。  このため、今年度は、九月から十二月まで、羽田から浅草に至るルートなど三つの航路で社会実験の実施をいたしました。その結果、船上からの景色などを評価する声がある一方で、乗船時間の長さや料金の設定などに課題があることを把握してございます。  来年度は、東京港の観光スポットを循環し、短い区間で乗りおりも可能な航路を設定するなど、より多くの方に利用していただけるよう工夫を加え、通年型の社会実験を実施いたします。  二〇二〇年東京大会、さらにその先に向けて、舟運が身近な観光交通手段として定着するよう取り組んでまいります。  次に、木密地域のさらなる不燃化の取り組みについてでございます。  都は、不燃化特区において、税の減免や老朽建築物の除却費の助成などに加えて、区が住民への働きかけを行う全戸訪問に支援を行っておりまして、今年度からは、複数回訪問して、建てかえプランの提示も行えるようにいたしました。  来年度からは、建てかえに際して借家人などの移転が円滑に進むよう、新たに引っ越し費用の支援を行うとともに、特区の指定区域を北区十条地区など三地区で拡大をいたします。  このような助成や誘導策に加えて、今年度から実施しております防災生活道路の整備についても対象路線を拡大し、整備にあわせて無電柱化も実施してまいります。燃えない、燃え広がらないまちを早期に実現するため、今後とも工夫を加えて、さらなる取り組みを推進してまいります。  次に、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化についてでございます。  都は耐震化を促進するため、改修費の最大九割を助成することに加え、今年度からは、改修計画の作成を支援するなど、所有者の取り組みを後押ししてまいりました。これまで沿道建築物の九六%で診断が行われ、このうち約半数で設計に至っておりまして、今後は、残り半数について、設計など次の段階につなげていくことが課題でございます。  このため、個別訪問によるローラー作戦を加速させた上で、新たな視点から賃貸ビルにおけるテナントの協力を引き出すなどの取り組みも行う必要がございます。  ことし一月、学識経験者などから成る検討委員会を設置し、実効性のある、さらなる促進策について検討を開始しておりまして、来年度末を目途に取りまとめを行ってまいります。  最後に、住宅マスタープランの策定についてでございます。  今月公表したマスタープランの案では、社会情勢の変化や人口の減少を見据え、都民の生涯にわたる豊かな住生活の実現とともに、まちの活力と住環境の向上と持続を目指すことを掲げてございます。  住まいや住生活の面では、例えば、子育て支援住宅の認定や公共住宅における子育て世帯の入居拡大、空き家を活用した高齢者の入居支援などに重点的に取り組んでまいります。地域や住環境の面では、良質な既存住宅の流通拡大に向けた環境づくり、マンションの適正管理の支援や建てかえによる再生などに取り組んでまいります。  今後、都民から寄せられた意見を踏まえて、年度内にマスタープランを策定し、区市町村や関係団体などと連携しながら、住宅政策を総合的に推進してまいります。    〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕 ◯中央卸売市場長(村松明典君) 六点の質問にお答えいたします。  まず、モニタリング調査についてでございますが、第一回から第八回までの調査につきましては、豊洲市場用地での工事等の進捗に合わせ、各街区の工事を受注した建設会社等と契約しておりました。第九回につきましては、各街区の主要な工事が完了していたため、契約の公平性、客観性を確保する観点から、競争入札で契約したところでございます。  調査会社が変わった場合におきましても、採水や分析方法等を定めた国のガイドラインに準拠するよう指導することで、調査結果の精度は担保されると考えておりましたが、第九回調査の状況を踏まえまして、調査精度の向上に取り組む必要がございます。  このため、現在実施しております再調査におきましては、専門家会議の管理のもと、不純物がまざりにくい方法での採水を行うほか、環境局の助言を得て、調査に当たり標準作業手順書の提出を仕様に定め、複数社での分析のクロスチェックを行うなど、調査精度の向上を図っているところでございます。  地下水モニタリング調査契約の予定価格等についてですが、都におきましては、契約事務規則等により、予定価格二百五十万円を超える工事請負契約を除き、予定価格は非公表としております。  このため、今回の地下水モニタリング調査契約につきましても、落札金額は三百二万四千円と既に公表しておりますが、予定価格と落札率は非公表としているところでございます。
     HACCP対応についてですが、HACCPは、食中毒や異物の混入などの危害をあらかじめ予測し、継続的に監視、記録することによって食品の安全性を確保する衛生管理手法であり、大規模な食品の製造や加工施設を中心にその導入が進められております。  開放型で温度管理等が難しい築地市場におけるHACCP対応は、異物混入や品温管理等について、よりきめ細かなプランの策定とその確実な実施が必要となります。こうしたことから、HACCPの導入は事業者にとって大きな困難を伴うものと考えております。  地下ピット内の状況についてでございますが、都は昨年十二月十三日から、専門家会議の指示を受けて、地下ピット内の強制排水を開始いたしました。現在、主要四棟の地下ピットのたまり水の水位は、ならしコンクリートより低下し、おおむね乾燥した状態にございます。  また、地下ピット内の環境管理において、換気の有効性が専門家会議で確認されていることから、今後、同会議の議論を踏まえ、必要な対応策を適切に講じてまいります。  地下水管理システムについてですが、このシステムは、約四十ヘクタールの豊洲市場用地において地下水位を一定の範囲で管理するとともに、くみ上げた地下水を必要に応じて浄化処理した上で排水するなど、地下水管理における重要な役割を担っております。  本システムの機能が十分に発揮されるよう、設備の稼働状況に応じ、揚水ポンプの洗浄や排水処理施設の定期的なメンテナンスなど、設備の適切な機能維持に取り組んでいるところでございます。  現在、システムの稼働状況等について専門家会議において検証していただいており、こうした専門的な知見も踏まえながら、地下水管理システムの機能強化の必要性について検討してまいります。  最後に、移転延期に伴う補償費についてでございますが、豊洲市場への移転延期に伴い、市場業者の方々に生じている具体的な損失に対しまして適切な補償を実施するため、事業者へのヒアリング調査を行った上で、対象項目などを盛り込んだ補償スキームを策定いたしました。  ヒアリング調査では、事業者が豊洲市場に導入した設備や築地市場での営業継続のために必要な修繕等の状況について把握いたしましたが、全ての事業者の損失額を詳細に見積もるまでには至っておりません。  このため、現時点の予算上の措置として五十億円を計上したものでございまして、今後、個別相談や専門家による審査会の開催など、補償手続を進め、その状況に応じて、必要な場合には追加の補正予算により対応することとしております。    〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕 ◯オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、大会成功に向けた区市町村支援についてでございます。  都では、区市町村における機運醸成や大会後の地域のレガシーにつながるソフト事業、施設整備双方に対して補助制度を設けております。  来年度予算では、区市町村からの強い要望に応え、二〇二〇年大会の開催に不可欠な練習会場や、ラグビーワールドカップのキャンプ地となる施設の改修に対する補助を新たに対象に加えまして、補助率につきましても拡充を図ることといたしました。  これにより、円滑な大会運営に向けて、地元自治体や関係者の一層の理解を得るとともに、大会開催に向けた盛り上がりや機運醸成にも弾みをつけてまいります。  引き続き、大会成功や大会を契機とした地域の一層の活性化に向け、区市町村の実情を踏まえました支援を積極的に進めてまいります。  次に、新たなスポーツ推進計画の策定についてでございます。  本格的な少子高齢社会を迎える東京が今後も活力を維持していくためには、年齢、性別や障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツに親しむことを通じて、健康で生き生きと活躍する社会を実現することが不可欠でございます。  そのためには、都民が体力や身体能力に応じ、身近な地域で障害者スポーツを含むさまざまなスポーツを行えるよう、機会や場の提供、支える人材の育成などの取り組みを、関係団体等と連携しながら一層進めていく必要がございます。  新計画は、現行のスポーツ推進計画と障害者スポーツ振興計画を一本化した上で、誰もがスポーツをする、見る、支えることを通じた健康増進や心のバリアフリー化、スポーツを核とした地域の活性化等を実現する総合的なものとなるよう、その策定に全力で取り組んでまいります。    〔生活文化局長中嶋正宏君登壇〕 ◯生活文化局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、東京文化プログラム助成の充実についてでございますが、文化プログラムを成功させるためには、伝統から革新まで多彩なメニューを展開するとともに、より多くの都民に参加していただくことが重要でございます。  都はこれまで、芸術家による作品発表や地域の郷土芸能などの取り組みを助成してまいりましたが、今年度、より多くの都民に鑑賞していただけるよう、東京文化プログラム助成を創設し、民間の大規模な文化事業への支援を行ってまいりました。  来年度は、この助成制度をさらに充実させ、プロジェクションマッピングのような日本の誇る先端技術を活用した作品制作なども支援し、東京発の独自コンテンツの創造につなげてまいります。  さらに、都民自身が文化プログラムの主役として参加できますよう、都内全域から子供たちを集めた音楽祭など、日常的な都民の文化活動にも助成対象を広げてまいります。  次に、町会、自治会への支援の充実についてでございますが、共助社会づくりを進めるには、地域の課題解決に尽力する町会、自治会の活性化が必要であり、これまでも都は、地域の底力再生事業助成による支援を行ってまいりました。  来年度は予算を大幅に増額しますとともに、本制度が定着してきたことを機に、その名称も再生から発展へと変更し、さらなる充実を図ることといたしております。  また、加入世帯数の減少や高齢化により活動の担い手の不足が課題となる町会、自治会の運営を手助けするため、ウエブ開発やイベント制作などの専門性を持つ企業の社員などをボランティアで長期に派遣する取り組みを開始いたします。  こうした支援を充実させることで、町会、自治会がより魅力的な事業を展開し、共助社会づくりに貢献できるよう、都として全力で取り組んでまいります。    〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕 ◯環境局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。  まず、まち中を花や緑で彩る取り組みについてでございますが、都市における花や緑は都民生活に癒やしと潤いをもたらし、来訪者のおもてなしにも資するものでございます。  このため、都は、これまでの都電荒川線の軌道敷緑化など、緑の創出に加え、都民や観光客等でにぎわう場所を重点に、まちを花で演出する花の都プロジェクトを開始いたします。  具体的には、区市町村が住民等と協働し、ハンギングバスケットなどを利用して花でまちを彩る取り組みに対し、都が財政支援を行うとともに、花の維持管理等について、専門機関から技術的助言を得られる体制を整えてまいります。  このプロジェクトを通じて、効果的な維持管理や展示方法等を検証するとともに、実際に花で彩られたまちを都民に見ていただくことで、地域による取り組みの輪を広げ、花と緑あふれる都市東京の実現を目指してまいります。  次に、再生砕石の利用拡大についてでございますが、インフラの更新に伴うコンクリート塊の発生増が見込まれる中、それを原料とする再生砕石の利用拡大は、円滑な都市更新を進める上で喫緊の課題でございます。  しかしながら、現在、再生砕石は、品質への不安感等から、道路路盤材以外の用途への利用拡大が進んでおりません。  そのため、都は来年度、事業者の定めた再生砕石の品質基準や施設の製造能力を行政として審査の上、認証する制度を新設し、埋め戻し材など新たな用途への利用拡大に向けた事業者の取り組みを支援してまいります。  今後とも、再生砕石を初めとするエコマテリアルの利用促進により、二〇二〇年に向けた実行プランに掲げた再生資材の利用促進など、資源効率の一層の向上を推進してまいります。  最後に、VOCの排出削減についてでございますが、大気環境の改善には、塗料や印刷インキ、クリーニング溶剤など、さまざまな製品に活用されているVOCを排出実態に応じて削減することが必要でございます。  都はこれまで、法令による規制やVOC対策ガイドの作成等により、個々の事業者の取り組みを支援してまいりましたが、来年度はこれに加えて、使用実態を踏まえた対策が業界全体に広がるよう、新たなモデル事業を実施いたします。  具体的には、VOCの回収装置の設置など、業界にそれぞれの特性に応じた対策を盛り込んだ自主行動計画の策定を促し、その計画に基づき、設備機器を導入する事業者に対し経費を補助するなどの支援を行ってまいります。  今後とも、関係業界と連携しながら、VOCの着実な削減に取り組んでまいります。    〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕 ◯総務局長(多羅尾光睦君) 四点のご質問にお答えいたします。  まず、大規模水害対策についてですが、区部東部には、ゼロメートル地帯を中心に、浸水が想定される区域に約二百三十万人が居住しており、災害時には関係機関が連携して対応することが不可欠でございます。  都は、国の大規模広域避難に関する検討部会や地元五区の協議会に参加し、浸水の深さ、継続する時間など被害状況に応じた域内、域外避難の優先度や自主避難も含めた適切な避難方法について検討しております。  また、長年、大規模水害の経験のない住民が、地域の水害リスクを正しく認識することも重要です。  そのため、都は今年度、区と連携して住民向けのワークショップを試行的に実施しており、来年度は地域を拡充いたします。  こうした取り組みを国や流域の自治体等と継続的に行い、大規模水害対策を推進してまいります。  次に、発災時における水上経路の確保についてですが、首都直下地震等の発生時に応急対策活動を迅速に実施するためには、陸路だけでなく、区部東部や東京沿岸部に多く存在する河川や運河などを水上経路として確保し、緊急輸送ルートの多重化を図ることが重要でございます。  このため、都では平成二十八年七月、国、関係局、地元区等による検討会を設置し、船舶や防災船着き場等の状況把握、関係者との情報連絡手段など、水上経路の運用上の課題を抽出しつつ、負傷者の搬送や支援物資の輸送など、事例検討を実施してまいりました。  今後、水上経路の活用方法を継続的に検討しながら、運用マニュアルを作成するとともに、図上演習や実地訓練を重ね、迅速な救出救助活動、物資輸送に必要な水上経路の運用体制の確保を図ってまいります。  次に、多摩振興についてですが、多摩地域は、豊かな自然を背景に、人口動向、土地利用、産業構造など、地域ごとにさまざまな特性を有しており、多摩の振興プランの策定の際には、こうした多様な地域の実情を十分に踏まえることが重要でございます。  このため、地域ごとの特性や課題を分析した上で、人口減少、少子高齢化の進展や東京二〇二〇大会開催など、社会情勢の動向を見据え、安全・安心で暮らしやすいまちづくり、道路交通ネットワークの充実強化、観光やものづくりなどの産業振興、自然環境の保全といった視点から、施策の方向性を検討しております。  また、市町村や学識経験者、民間事業者等から幅広く意見を聞いており、今後、こうしたご意見を踏まえて、さらに庁内検討を進め、ことしの八月を目途に策定してまいります。  最後に、島しょ地域の火山防災対策についてです。  都は、島しょ地域の火山防災対策として、気象庁と連携し火山活動の観測を行ってきたほか、大島、三宅島等における砂防施設の整備を実施してまいりました。  また、改正活動火山対策特別措置法により、警戒地域の指定を受けた、硫黄島を除く六火山について、昨年四月に島ごとの火山防災協議会を設置し、島しょ地域の実情を踏まえた避難計画の策定に向け協議を行っております。  次の噴火に備えるべき大島、三宅島については、過去の火山災害の経験や社会環境の変化を踏まえた、より実効性のある避難計画を来年度早期に策定いたします。そのほかの島についても、平成三十二年度までの避難計画の策定を目指し、専門家や関係機関と協議を進め、島しょ地域の火山防災対策を積極的に推進してまいります。    〔建設局長西倉鉄也君登壇〕 ◯建設局長(西倉鉄也君) 三点のご質問にお答えいたします。  初めに、中小河川の整備についてでございますが、激甚化する豪雨から都民の命と暮らしを守るには、河川整備を効率的、効果的に進めることが重要でございます。  このため、時間五十ミリまでの降雨は護岸整備を基本に、それを超える降雨には道路や公園等、用地取得の必要がない公共空間を活用した新たな調節池等で対処いたします。  具体的には、石神井川や空堀川など二十六河川で引き続き護岸を整備するとともに、新たな目標整備水準に対応する五調節池の工事を本格化いたします。  このうち、時間百ミリの局地的かつ短時間の豪雨にも効果を発揮する環七地下広域調節池につきましては、平成三十七年度の事業完了に向け、本定例会での議決を経まして、本体工事に着手いたします。  加えまして、谷沢川分水路につきまして、二十九年度の工事着手を目指し、都市計画の手続を進めるなど、治水対策に全力で取り組んでまいります。  次に、連続立体交差事業の推進についてでございますが、本事業は、道路整備の一環として実施しており、数多くの踏切を同時に除却することで、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化や防災性の向上にも資する極めて効果の高い事業でございます。  現在事業中の八カ所に加えまして、新たに四カ所で事業化に向けた準備を進めております。  このうち、JR埼京線十条駅付近は昨年十月に、京浜急行本線品川駅から北品川駅付近は本年一月に、都市計画等の説明会を開催いたしました。  さらに、東武東上線大山駅付近につきましては、鉄道と交差する補助第二十六号線が事業化されており、地元区によるまちづくりの取り組みも進んでいることから、国に対しまして着工準備に係る補助金を新たに要望し、事業化に向けて一歩踏み出すことといたしました。  人や物の流れがスムーズな都市を実現するため、今後とも必要な財源の確保に努め、本事業を一層推進してまいります。  最後に、多摩地域の幹線道路の整備についてでございますが、多摩地域のさらなる発展を図るためには、交通、物流機能の強化、災害時の迅速な救急救援活動を担う幹線道路ネットワークの充実が極めて重要でございます。  多摩南北主要五路線は、既に調布保谷線など三路線が開通しており、府中所沢鎌倉街道線では、本年三月にJR中央線をまたぐ約一・一キロメートルの区間を開通させますとともに、唯一、未着手区間の残る立川東大和線で環境影響評価手続を着実に進めてまいります。  多摩東西主要四路線は、東八道路でJR南武線との立体交差工事、新青梅街道で用地取得を進めてまいります。また、新五日市街道の福生市区間では、測量や設計を進めるなど、平成三十年度の事業化を目指してまいります。  引き続き、多摩地域の発展に資する骨格幹線道路ネットワークの整備に全力で取り組んでまいります。    〔下水道局長石原清次君登壇〕 ◯下水道局長(石原清次君) 下水道における時間七十五ミリ降雨対策についてでございますが、下水道局では、時間七十五ミリ降雨対策として、地下街対策九地区と市街地対策四地区を定めております。  地下街対策地区は、既に新宿駅地区や渋谷駅西口地区などで事業が完了しております。現在、残る五地区で事業中であり、そのうち三地区については、平成三十二年度までの完了を目指しております。  市街地対策地区は、平成二十九年度に目黒区八雲、世田谷区深沢地区で着手する予定であり、これにより全ての地区で着手となります。市街地対策地区については、二〇二〇年大会に向け、一部完成した施設を暫定的に稼働させるなどして、平成三十一年度までに効果を発揮させてまいります。  引き続き、全事業の一日も早い完了に向け、浸水対策を強力に推進してまいります。    〔水道局長醍醐勇司君登壇〕 ◯水道局長(醍醐勇司君) 災害時の受援体制の強化についてでありますが、首都直下地震等が発生し、水道施設に甚大な被害が生じた場合には、全国の水道事業体からの応援部隊と緊密に連携をした対応が不可欠であることから、受援体制の強化は極めて重要であるというふうに認識をしております。  都はこれまで、災害時における受援体制構築に向けた仙台市との覚書や、応援部隊を効率的に受け入れるための中継地に関する茨城県との覚書の締結のほか、受援マニュアルの整備や独自の訓練などを進めてまいりました。  今後は、覚書を結んだ三者で受け入れ施設や手順等の確認を行うほか、中部や関西などさまざまな方面からの応援部隊に備えた新たな中継地の選定など、これまで以上に受援の取り組みを充実させ、首都東京を支える基幹ライフラインとして、防災対応力の強化に万全を期してまいります。    〔消防総監高橋淳君登壇〕 ◯消防総監(高橋淳君) 特別区消防団員の入団促進についてでありますが、東京消防庁では、ポスターやリーフレット等に加え、電車の車体広告を活用するなど、募集広報を充実するとともに、若者や女性にも効果のある入団促進方策について委託調査を実施しております。  また、より一層魅力ある消防団とするため、来年度は、費用弁償の増額による処遇の改善、新たな消防団旗の整備や表彰制度の拡充による士気の高揚を図るほか、安全性を向上させた新型の防火帽を全消防団員に整備することを予定しております。  今後とも、委託調査の結果等を踏まえ、若者や女性も含めた多くの方々の入団を促進するとともに、活動を継続しやすい環境の整備を進めるなど、消防団員の確保に努めてまいります。    〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕 ◯青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) いわゆる自画撮り被害への対策についてですが、ネット上に流出した画像の回収は事実上困難であり、被害防止には画像を送らせないことが肝要でございます。  自画撮り画像を要求する働きかけは、通常、他者に成り済ます、執拗に行うなど、子供の判断能力の未熟さにつけ込む悪質な方法で行われますが、現行法制度では規制対象にならないケースが多く、被害は深刻な状況にあります。  そこで今回、青少年問題協議会で、こうした悪質な働きかけ行為自体を条例で規制することも含め、実態に即した効果的な未然防止策をご検討いただくものでございます。  また、学校関係者や警察等とも連携しつつ、このような働きかけに子供が安易に応じることのないよう、ネット利用の危険性に関する子供や保護者への普及啓発を強化するなど、実効性のある対策を推進してまいります。    〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕 ◯福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。  まず、保育人材の確保、定着に向けた取り組みについてでありますが、都はこれまで、保育人材の安定的な確保のため、キャリアアップ補助や宿舎借り上げ支援、コーディネーターによる就職相談や定着支援などを行ってまいりました。  来年度は、キャリアアップ補助の条件に財務情報の公表や非常勤職員の賃金改善などを加え、保育士等の給与をモデルケースで月額二万一千円、従来分と合わせて四万四千円相当引き上げられるよう、補助額を大幅に拡充をいたします。
     また、職場復帰する保育士が認可外の居宅訪問型保育サービスを利用する場合の利用料や、業務負担軽減に向けた保育所のICT化に必要な経費を補助する区市町村を新たに支援することとしておりまして、今後とも、保育の実施主体である区市町村と連携し、保育人材の確保、定着に積極的に取り組んでまいります。  次に、特別養護老人ホーム等の整備についてでありますが、都は、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、建築価格高騰に対応した加算に加え、今年度からは、高齢者人口に対する整備率に応じた補助単価の加算対象地域を拡大するなど、サービス基盤の整備を促進してまいりました。  来年度は、地域密着型サービスの定期借地権一時金の事業者負担の軽減や、みずから所有する土地を活用した施設整備を行う区市町村への支援を開始いたしますとともに、整備費の高騰加算を増額いたします。  また、地元の必要数を超えた特別養護老人ホームの整備に同意する区市町村が、福祉目的に活用できる基金造成のための交付金制度を創設いたします。  今後、平成三十年度からの第七期高齢者保健福祉計画を策定する予定でございまして、区市町村のニーズを踏まえながら、介護サービス基盤のさらなる整備を促進してまいります。  最後に、医療的ケア児やその家族への支援についてでありますが、医療的ケア児が地域で適切な支援を受けながら生活できるようにするためには、医療、保健、福祉の連携を強化し、在宅生活を支えるサービスを充実していく必要がございます。  このため、来年度は、地域で支援にかかわる関係機関の連絡会を設置するほか、人材の育成研修も充実いたします。  また、NICU等からの在宅移行に向けた外泊訓練等への支援を開始いたしますとともに、家族の負担を軽減するため、看護師が自宅を訪問してケア等を行う事業の対象を、医療的ケア児にも拡大をいたします。  さらに、障害児通所施設や保育所等での受け入れが進むよう、看護師配置を支援いたします。  来年度改定する障害福祉計画には、新たに障害児福祉計画を盛り込む予定であり、今後とも、医療的ケアが必要な障害児やその家族の支援に積極的に取り組んでまいります。    〔病院経営本部長内藤淳君登壇〕 ◯病院経営本部長(内藤淳君) 都立墨東病院における周産期医療についてでございますが、子供を安心して産み育てられる環境の整備は重要であり、都民の命と健康を守る都立病院におきましては、周産期医療をさらに充実させる必要があると認識しております。  このため、墨東病院では、ハイリスク分娩への対応力の強化に向け、母体胎児集中治療管理室の改修や、内科的治療と外科手術を同時に実施可能なハイブリッド手術室の整備などを進めております。  こうした中、今月開催されました東京都周産期医療協議会におきまして、これまでの実績や救命救急体制の強化が認められ、緊急に処置が必要な母体を必ず受け入れるスーパー総合周産期センターの指定を今年度内に受けることとなりました。  引き続き、墨東病院の周産期医療体制を充実させ、区東部エリアを初めとし、また都におきます母体救命体制の最後のとりでとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。    〔交通局長山手斉君登壇〕 ◯交通局長(山手斉君) 都営地下鉄のホーム上の安全対策についてでございますが、既に整備に着手しております新宿線では、平成三十一年秋までにホームドアを全駅に整備いたしますとともに、車椅子のお客様等が乗りおりしやすいよう、ホームの端のかさ上げを実施いたします。  残る浅草線では、大門駅と泉岳寺駅に加えまして、昨年度利用者が十万人以上になりました三田駅と、二〇二〇年東京大会開催時に多くの乗りかえのお客様が見込まれる新橋駅についても、大会までにホームドアを先行整備いたします。  さらに、車両の大規模改修を要しない新技術の実用化を図り、全駅への早期整備を目指してまいります。  また、駅員による視覚障害者の方への声かけ等の徹底を図るとともに、昨年十一月から警備員の配置を順次拡大しており、本年四月にはホームドア未設置の全駅に配置を完了いたします。  今後とも、ハード、ソフト両面から、ホーム上の安全対策の一層の充実に取り組んでまいります。    〔港湾局長斎藤真人君登壇〕 ◯港湾局長(斎藤真人君) 都営空港における航空機事故の被害者救済制度についてでございますが、航空機事故では、事故原因の究明に時間がかかり、その間、責任を負うべき加害者が特定されないため、被害者が長期間救済されないケースが起こり得ます。  そこで、都は、空港管理者として、都営空港を離着陸した航空機が都内で事故を起こした場合に、被害者を迅速に救済する制度を新たに整備いたします。  具体的には、被害者の速やかな生活再建のため、住宅の建てかえや補修等の資金を貸し付けるとともに、当座必要となる一時金を被害者へ交付する制度について検討しております。  こうした被害者救済策の構築や安全対策のさらなる強化により、安全・安心な空港運営に積極的に取り組んでまいります。    〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕 ◯産業労働局長(藤田裕司君) 五点のご質問にお答えいたします。  初めに、中小企業の成長に向けた支援についてでございますが、東京の産業が力強く成長していくためには、それを支える中小企業が積極的な投資とイノベーションの創出等により、事業を展開していくことが重要でございます。  こうした企業の競争力強化や成長分野への参入の取り組みに対する支援を強化していくため、都は、設備導入の支援対象を全業種に拡大いたしますとともに、成長分野におきましては、全事業者について、助成率三分の二を適用いたします。  また、IoTを活用した飛躍的な生産性向上や新たなビジネス展開を後押しするため、普及セミナーの開催や相談窓口の設置を行いますほか、都立産業技術研究センターにおいて、製品等に係る共同開発やスマート工場化の支援等を実施する新たな拠点の整備に着手いたします。  これらにより、中小企業の稼ぐ力の強化を促進してまいります。  次に、起業の促進についてでございますが、開業率を飛躍的に向上させるためには、起業の創出が期待される若者や女性への支援の強化が必要でございます。  このため、都は、先月開設をいたしましたTOKYO創業ステーションでの取り組みに加え、多様な層への支援策を展開いたします。若者を対象に、起業コンテスト応募者への育成機会の提供等を行いますとともに、女性の起業家向けには、先駆的な事例創出のための育成プログラムや海外派遣等を開始いたします。  また、グローバルな展開を図る起業家を輩出するため、国内外の投資家や大企業等との交流機会を提供いたします。さらに、ベンチャーファンドを創設いたしまして、起業初期段階における資金供給と経営支援を一体的に提供してまいります。  こうした取り組みにより、多様な起業家を数多く生み出し、その成長を促してまいります。  次に、商店街に対する支援についてでございますが、商店街が将来にわたり発展していくためには、商業活動の拠点としての魅力向上に加え、コミュニティの担い手として、地域社会に根づいていくことが重要でございます。  このため、都は来年度、商店街がそれぞれの顧客や地域の期待に応える取り組みを主体的に行えるよう、支援策の拡充を図ってまいります。  具体的には、商店街が行う市場調査等に助成するとともに、希望する分野の専門家を派遣し、課題解決や活性化に向けた計画策定等を支援いたします。  さらに、地域課題の解決に向けた空き店舗の活用や買い物弱者対策、商店街の国際化対応等への助成の充実を図ってまいります。また、町会等と連携した取り組みを行う商店街への支援を実施し、地域との結びつきをより強固なものとしてまいります。  これらによりまして、商店街のさらなる発展を強力に後押ししてまいります。  次に、都市農地の保全についてでございますが、農産物の生産基盤であるとともに、防災等の多面的機能を発揮する都市農地は、貴重な緑地空間の確保という観点からも、その保全を図ることが必要でございます。  しかしながら、現状におきましては、相続発生時に買い取り申し出がなされた生産緑地の多くが宅地化され、農地として利用されてございません。  このため、都では来年度、農地の保全が計画されている区域等において、相続による買い取り申し出のあった生産緑地一カ所を選定し、みずから買い取り、モデル農園を設置いたします。  この農園では、都がJA等と連携し、教育や福祉等の多面的機能の発揮と維持管理費の軽減を両立する運営を行い、その手法を区市に波及させることで、区市による生産緑地の買い取りを通じた農地としての継続利用を促し、都民の貴重な財産である都市農地の保全を図ってまいります。  最後に、難病患者やがん患者の方々の雇用に取り組む企業への支援についてでございますが、誰もが活躍できる社会の実現に向けましては、難病患者やがん患者の方々が安心して活躍できるよう、職場環境の整備を進めていくことが重要でございます。  このため、都は来年度から、難病やがんの発症等で休職した従業員が就業を継続できるよう、計画的な復職支援や職業生活と疾患管理の両立に配慮した勤務制度の導入を行う中小企業に対する助成制度を新たに構築し、取り組みを後押しいたします。  また、新たに難病患者やがん患者を雇い入れる企業に奨励金を支給することで、雇用の拡大を図ってまいります。  こうした企業への支援策により、難病患者やがん患者の方々が安心して活躍できる社会を目指してまいります。    〔百十三番高木けい君登壇〕 ◯百十三番(高木けい君) 大変多岐にわたる数多くの質問に、それぞれご丁寧にご答弁をいただいたものと思います。まだ今定例会は始まったばかりでございますので、議論が深まっていない課題もありますから、今後の予算特別委員会、あるいは各常任委員会、特別委員会においての議論において、その課題を一つずつ掘り下げてまいりたいと、このように思います。  そして、先ほど来の答弁の中で、私たちとしては、やはり答弁が物足りないといいますか、納得のできないこともございますので、再質問をさせていただきたいと思います。  豊洲市場問題について、三問、再質問いたします。  まず、地下水モニタリング調査契約の予定価格と落札率についてでありますが、非公表との答弁には、私は到底納得ができません。  既に世間では、低入札だとの指摘が相次いでおりますし、知事は、都政の透明化を第一に掲げ、自分たちに都合のよい情報だけを発信するのでは情報公開とはいえない、また、都民の判断に資する情報公開を進めると、さきの施政方針で表明をされているわけであります。  先ほどの市場長の答弁は、これに全く逆行するものといわざるを得ないと思います。  再度、知事にお伺いいたします。第九回の地下水モニタリング調査契約の予定価格、そして落札率をお答えいただきたいと思います。  次に、市場移転に関して、築地か豊洲かという二者択一なのか、あるいは第三の道があるのかという質問についてであります。  知事の答弁は、専門家による検証、市場業者の方々と都民の意見を参考に総合的に検証し判断するというものでしたが、残念ながら、これでは私の質問のお答えにはなっていないと思います。  確認をいたしますが、二者択一なのか第三の道があると考えているのか、どのような選択肢をお考えなのか、そのことだけでもお示しをいただけないでしょうか。知事に答弁を求めます。  最後に、移転延期に伴う補償費についてですが、全ての事業者の損失額を詳細に見積もるまでには至っていないとの答弁がありました。見積もりをしていないのに、とりあえず五十億円計上したというのは、自治体の予算制度を知る者にとっては、なかなかこれは理解しがたいものがありまして、そもそもこれでは予算制度が成り立たないと私は考えます。  きょうの時点で、必要な場合には追加の補正予算により対応すると明言されておりますから、移転補償費はさらに膨らむと理解をすべきなのでしょうか。その部分をぜひ知事にお答えいただきたいと思います。  以上で私の再質問を終わります。(拍手)    〔知事小池百合子君登壇〕 ◯知事(小池百合子君) 高木けい議員からの再質問、まことにありがとうございます。  予定価格、そして落札率の公開についてご質問がございました。  都政の透明化を進めることは重要であることを、私は再三再四、申し上げておりました。一方で、個人情報や契約に関する情報などは、一部には公表になじまないものが含まれていることも議員よくご承知のことだと思います。地下水のモニタリング調査契約の適正性は、仕様内容、そして履行確認を通じまして担保すべきものと考えております。  二つ目のご質問でございましたが、市場移転に関する第三の選択肢でございます。  現在、豊洲市場の安全・安心の検証に向けて、地下水モニタリングの再調査など、専門家会議において検証を進めていただいているところは既にご存じのことと存じます。さまざまな考え方があると思いますが、まずは、私は、こうした科学的な分析を十分に行っていくことが必要と考えているところでございます。  三つ目、移転延期に伴います補償費についてでございますが、昨年実施をいたしましたヒアリングの調査では、全ての事業者の状況を確認できておりません。よって、正確な損失額を把握するまでには至っていないということでございます。  このため、現時点での予算上の措置を講じたものでございまして、今後、個別のご相談、そして専門家によります審査会などの補償手続を進めまして、必要な場合には追加の補正予算によりまして対応していく、そのような考え方でございます。  ありがとうございました。 ◯議長(川井しげお君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。    午後三時三十六分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時五十五分開議 ◯副議長(小磯善彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  三十八番まつば多美子さん。    〔三十八番まつば多美子君登壇〕 ◯三十八番(まつば多美子君) 都議会公明党を代表して質問します。  小池知事は、施政方針表明で、東京大改革を進めると繰り返し訴えられました。都議会公明党は、都民が望む東京大改革とは、都民の幸福に直結する事業により多くの予算を充てるなど、納税者である都民の理解と賛同をより鮮明に得られる都政であるべきと考えます。そのためには、みずからのチェック機能を高めなくてはなりません。  都議会公明党は、豊洲市場問題などで都政や都議会への不信や疑問が高まる中、信頼回復に向け、議員一人一人が襟を正し、改革に挑もうという覚悟を示すため、身を切る改革を一貫して主張してまいりました。  今定例会初日の二十二日、都議会議員みずからの身を切る改革を断行するための条例が全会一致で可決されました。最終的に、公明党の案に全会派の賛同をいただいた内容は、一、議員報酬の二〇%削減、二、政務活動費を議員一人当たり十万円の減額、関係資料のインターネット上での全面公開、三、島部を除く費用弁償の廃止などです。  今後、身を切る改革にとどまらず、間断なく議会改革を進めていくべきだと考えます。  例えば、通年議会の導入を視野に入れて、都民を取り巻く状況の変化に議会が迅速かつ的確に対応できる体制を整えるため、議会の調査、提言能力は、今後、制度としてその機動力を高めていかなければなりません。  その意味では、予算執行へのチェックが重要であり、決算委員会への知事の出席も制度化すべきと考えるものであります。限りある予算の中で最大の効果を上げる効率性を追求し、都民からいささかでも疑念を持たれることがないよう、都政の刷新に全力で取り組んでまいります。  初めに、築地市場移転問題について質問します。  知事は、施政方針表明において、築地市場をみずから視察されたことを踏まえて、消費者である都民、国民、そして働く業者の皆様のために、市場の安全・安心を確実に守らなければならないと述べられました。我が党も全く同感であります。  また、知事は、安全が科学的、法律的な根拠に基づくものであり、安心は消費者の理解と納得によるものだとの見解を示されました。  二年間にわたり調査されたモニタリング調査の信頼性が揺らいでいる中、四社によるクロスチェックで再調査が行われています。その結果が三月中旬には明らかになるとのことですが、安全について知事は、さきの施政方針表明において、専門家会議と市場問題プロジェクトチームの議論を踏まえ、総合的に判断すると述べられました。  知事は、安心は消費者の理解と納得によるものとの考えを示されましたが、具体的にはどのような手法で判断していくのか、知事の見解を求めます。  また、知事は、市場の持続可能性についても言及されました。市場の今後の経営状況を考えた場合、当然、単年度の損益状況も重要でありますが、持続可能性を考えた場合、何よりもキャッシュ・フローを重視していくべきであります。  さきの市場問題プロジェクトチームの議論で都が提出した資料によると、十五年後の第十二次整備計画まではキャッシュ・フローは回るようになっています。ただ、その資料では、築地市場が豊洲市場の開場後に四千三百八十六億円で売却されることが前提となっています。築地市場においては、その土地の地歴から土壌汚染や水質汚染も心配されております。  そこで、この築地市場の売却価格が本当に妥当なのか、都の見解を求めます。  都議会公明党は、豊洲への市場移転をめぐるさまざまな問題について、都議会で十二年ぶりに設置された百条委員会において、都民目線から徹底した真相解明に取り組んでまいります。  さて、世界が注目する二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが三年後に迫る中で、これを成功に導く鍵を握っているのが東京都のかじ取りであることはいうまでもありません。関係機関が成功へ向けて心一つに進むために、必要な改革をリードする使命が東京都にはあります。  そこでまず、東京大会の開催経費、とりわけ知事も施政方針表明で触れられた負担のあり方について質問します。  先日、都外で開催する競技場の施設整備費が十一施設で四百三十七億四千万円になるとの試算が組織委員会から都や国、開催地の六道県に示されました。この大半を占める仮設施設の費用三百八十五億四千万円について、対象となる北海道、宮城、埼玉、神奈川、千葉、静岡の六道県が突然の負担に戸惑っています。  これらの費用について、知事は施政方針表明で、他の自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず、検討するよう事務方に指示したことを明らかにしました。
     一部の朝刊紙では、分担が決まっていない仮設経費の総額を二千億円と報じています。そのほか、整備費用にとどまらず、選手村からの輸送やセキュリティー費用などにも広がるといった報道や、一〇〇%東京都が負担するものと受けとめる旨の他県知事の見解も伝えています。  内容によっては、都民の負担は大幅にふえることが予想されます。知事のこれらの発言の真意について見解を求めます。  都がこれまで、施設整備や大会準備への財政支援を繰り返し国に対して求めてきたのは、当然のことであります。  安倍総理みずからが招致決定のためのプレゼンテーションを行ったほか、リオ大会の閉会式では、スーパーマリオブラザーズのマリオに扮して東京大会をアピールするほどの取り組みだったことを見れば、誰もが納得することです。  丸川担当大臣は、就任時の平成二十八年八月の訓示で、東京のオリンピックというだけでなく、日本のオリンピックという思いを持って臨んでいきたいと宣言しておりました。しかし、いざ国の財政支援の話題になると、その責任を負うべき丸川担当大臣は、平成二十三年十二月の閣議了解を盾にして、国の積極的な関与を避け続けています。  ところが、その閣議了解とは、そもそも民主党政権下で行われたものであり、政権交代してから平成二十七年十一月に遠藤前担当大臣のもとで確認されたオリ・パラ基本方針では、大会を契機として日本を再興、オールジャパンの魅力の発信、あるいは日本全体の祭典とするとうたっているのです。これらの発言の趣旨に沿い、国は、東京大会の成功に向けて総力を挙げるべきです。  ちなみに、二〇一二年のロンドン大会では、開催経費の負担割合は、国が約七割、開催都市のロンドン市は一割で、国が相当の負担をしております。  都は、今こそ世論を味方にして、政府が応分の財政負担をするよう求めるべきです。知事の見解を求めます。  次に、組織委員会へのガバナンス強化について質問します。  組織委員会の理事には、東京都から副知事とオリンピック・パラリンピック準備局長、さらに、都議会からも前職、現職二人の議長が就任されております。ただ、現状を見ますと、都の意向が組織委員会にどのように反映されてきたのか、いま一つ判然としない面があります。  そこで、これまでの経緯を踏まえ、もし都の意向が適切に組織委員会に反映されていないのであれば、新たな対策を練る必要があります。今後、組織委員会に対する都の関与を強化することを含め、知事の見解を求めます。  また、都議会公明党が昨年の第三回定例会でも指摘しましたが、組織委員会の事務所が入るビルの賃料は、平成二十七年度で四億七千六百万円、平成二十八年度では七億一千五百万円に上ると見込まれているとおり、もともと賃料が高い地域に事務所が設置されています。その額の大きさは、都民感情と全くかけ離れており、より賃料の相場が安い場所で設置するべきとの声も上がっています。  これでは、大会経費に対する組織委員会の負担額をふやすべきだと判断されても仕方がないでしょう。組織委員会が都や国にさらなる財政負担を求めるのなら、まず、みずから財政規律を正すべきであります。  そこで、組織委員会の詳細な収支について、都と都議会、あるいは国がチェックできる仕組みを早急に立ち上げるべきと考えます。知事の見解を求めます。  ところで、小池知事は今月十七日、フラッグツアーの一環で、東日本大震災で被災した岩手県沿岸部を訪れ、慰霊碑で献花するとともに、復興五輪を目指して同県幹部と会談されました。知事による被災県訪問は、福島、宮城両県に次ぎ三県目であり、有言実行の姿勢に敬意を表します。  そこでまず、被災各県を訪れた率直な感想と復興五輪に向けた決意について、改めて知事の見解を求めます。  公明党の一貫した主張を受け、都はこれまで、被災地の復興なくして五輪の成功なしと訴えるとともに、パラリンピックの成功なくして五輪の成功なしとのスローガンを掲げてきました。  ところが、残念なことに、さきの競技会場見直しの事前調査では、パラリンピック関連の競技団体へのヒアリングが行われず、有明アリーナで開催予定の車椅子バスケットボール競技のことが委員会配布資料で記載されていないなど、パラリンピックの視点が全く欠如していたことが我が党の指摘で明らかになっています。  今後、国や組織委員会との間で、経費負担や役割分担等をめぐり、より踏み込んだ協議が進むものと期待しますが、こうした協議や準備の中で、パラリンピック軽視という誤解を与えるような愚を二度と繰り返さないよう強く求めておきたいと思います。オリンピック・パラリンピック準備局長の見解を求めます。  関連して、オリンピック・パラリンピック教育におけるアスリート派遣事業、夢・未来プロジェクトについて質問します。  都議会公明党は、オリンピック・パラリンピックで活躍したアスリートの教育現場への派遣を繰り返し求めてまいりました。一流アスリートとの触れ合いは、次代を担う子供たちに限りない夢や希望、そして生きる勇気を与えており、かけがえのない貴重な体験となっています。  都教育委員会は、二〇二〇年東京大会を大きな契機として、本事業の実施校をさらに拡大し、都内全ての公立学校に機会を提供すべきです。見解を求めます。  都政改革の中で、まず取り上げたい課題は教育の改革です。教育は明るい未来を開く鍵であり、教育力の向上は社会全体の活力の向上につながります。  特に親の経済格差が子供に受け継がれる貧困の連鎖が社会問題化する中で、家計の状況によって行きたい学校に行けない、受けたい教育を受けられない状況はなくしていかなければなりません。また、これからの社会を支える人材を育てる観点からも、教育費の負担軽減は人への投資につながる重要な施策と考えます。  今回、知事は、平成二十九年度予算案に、年収七百六十万円未満の世帯を対象とする私立高校の授業料が実質無償化となる措置を盛り込みました。この英断を高く評価するものであります。  知事が都議会公明党の強い要望を受けとめて予算案に盛り込んだことは、知事査定を報じたマスコミの各報道でも明らかであります。  子供たち、親たちのニーズを満たす質、量ともに十分な子育て支援こそが日本を救うと主張する京都大学准教授の柴田悠氏は、今回の無償化について、親の経済状況にかかわらず、大学進学に必要な教育を受ける機会を保障するものとして、格差や社会の分断を回避する重要な取り組みと評価しています。  公明党の強い要請を受けて、私立高校の授業料無償化を決断された知事の所見を求めます。  一方、今回の無償化では、東京都認可の通信制高校が対象から外されております。都内に九校ありますが、通信制で頑張る高校生の保護者も支援すべきであります。所見を求めます。  また、私立高校授業料の無償化は、都民の反響が大きく、制度の詳しい内容に関して多くの問い合わせが寄せられています。  都は十分に情報提供する必要があると考えますが、実施内容やスケジュール、周知方法などについて、都の答弁を求めます。  また、実質無償化については、私立高校の関係者から、経常経費補助が削られるのではないかと懸念する声も出ているようでありますが、財源対策も含め、予算編成に当たっての都の基本的な考え方について見解を求めます。  加えて、実質無償化に便乗して授業料の引き上げが行われるようなことがあれば、事業の趣旨を損なうものと考えますが、そうした事態が発生しないための都の対応について見解を求めます。  あわせて、東京都育英資金の延滞利率について質問します。  東京都は、高校生に対しての貸与型奨学金として育英資金事業を実施しています。この奨学金は卒業後返済をしなければなりませんが、返済が滞った場合に違約金が徴収されています。徴収はやむを得ないとしても、違約金の延滞利率が年一四・六%と極めて高いものとなっています。  国や都が返済不要な給付型奨学金に歩み出している昨今の事情を考えれば、高過ぎるのではないでしょうか。早急に是正すべきと考えます。都の見解を求めます。  次に、セーフシティーの観点から、安全・安心の東京のまちづくりについて質問します。  まず、ホームドアの整備についてであります。  ことしに入ってからも、障害者などが駅ホームから転落する痛ましい事故が後を絶ちません。先月は、埼玉県内のJR京浜東北線蕨駅で、盲導犬を連れた視覚障害者の男性が転落し、進入してきた電車にはねられ亡くなるという事故が発生しました。  都は、ホームドア設置に取り組む鉄道事業者に対する支援として、平成二十六年度より、利用者数十万人以上の駅を対象に、補助を本格的に実施していますが、JRや私鉄各線の鉄道駅には、いまだにホームドア設置が進んでいません。視覚障害者や高齢者を初め、全ての人々が安心して鉄道を利用できるよう、ホームドアの整備を急ぐべきです。見解を求めます。  次いで、防犯カメラの整備についてであります。  東京が世界に誇る魅力の一つが、治安のよさです。増大化する訪日外国人旅行客への対応を含め、さらに都民の誰もが身近に治安のよさを実感できるよう、防犯カメラの整備を急ぐべきと考えます。  そこで、初めに、警視庁に質問します。  警視庁は、都内の街頭防犯カメラ設置促進に向け、都を初めとする自治体などに対し、現状どのような働きかけを展開しているのか、今後どのように働きかけていく方針であるのか、あわせて警視総監の見解を求めます。  関連して、ことし一月に、警視庁と足立区の連携により、足立区が設置している災害用定点カメラの映像を、警視庁本部でリアルタイムに見ることができるシステムを構築する旨の報道がありました。  このシステムの概要と活用方法、今後の方針について警視総監の見解を求めます。  昨年六月、目黒区立碑文谷公園内で発生した死体遺棄事件がきっかけとなり、区立公園への設置は検討され始めていますが、現状、都内の区立公園での設置率は数%にすぎません。  青少年・治安対策本部は、こうした対策の所管部局であります。積極的に支援の充実を図るべきであります。見解を求めます。  さらに、都立公園にも防犯カメラを設置するべきであります。都立公園は面積も広く、園内には公道に面していない暗がりが数多く存在します。防犯カメラの設置を早期に進めるべきと考えます。見解を求めます。  また、都営住宅でも防犯カメラの拡充が必要です。都市整備局は、既にエレベーター内に防犯カメラを整備していますが、今後は、民間集合住宅への模範を示すためにも、駐輪場やごみ置き場などの暗がりに整備を進めるべきです。見解を求めます。  昨年七月、相模原市の津久井やまゆり園では、痛ましい殺傷事件が発生しました。このような事件の再発を防ぐため、福祉施設にも防犯カメラの整備が進むよう積極的に支援すべきです。見解を求めます。  さて、間もなく東日本大震災の発災から六年になりますが、防災力の強化は不断の努力を傾けるべき最重要のテーマです。  そこでまず、女性の視点からの防災対策について質問します。  公明党は、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成二十三年八月に、党内に女性防災会議を立ち上げ、数多くの提言を行ってきました。中でも、災害時に女性特有のニーズに対応した体制づくりが必要であることから、災害対策基本法の改正を行うなど、地方防災会議への女性委員登用を進めてきました。  その結果、都においても、都議会公明党の提案で、平成二十五年、東京都防災会議条例の改正をきっかけとして、都の災害対策全般を話し合う東京都防災会議に、ようやく二人の女性委員が登用され、女性委員のいない都道府県がゼロになったわけであります。ただ、いまだ六十六人の委員のうち女性委員は二人だけというのが実情です。一層の拡充が必要と考えます。  さらに、昨年十二月六日、私は、都議会公明党の一員として、小池知事に政策提言を行い、都防災会議への女性委員の登用拡大や女性の目線から考える防災ブックの発刊を強力に求めたところであります。  これを受け、女性ならではのきめ細やかな目線で防災のノウハウをまとめる、女性視点の防災ブックの作成が来年度予算案に盛り込まれました。ここで改めて、女性の視点を生かした防災対策について、都政史上初の女性知事である小池知事の見解を求めます。  関連して、公明党の提案に基づき、視覚障害者らに配慮した音声コードや点字つきの防災ブックのほか、外国人向け英語版の防災ブック、さらには「東京防災」の大活字版も製作されます。一層きめ細やかな災害の備えが進むことを期待しております。  次に、震災対策について質問します。  都議会公明党は、木造住宅密集地域の不燃化はもとより、緊急輸送道路沿道の建物の耐震化に加え、それ以外の一般の分譲マンションの耐震化についても対策の強化を求めてきました。それは、マンションのような集合住宅には、同じ建物内に多くの人々が暮らしており、一たび地震によって倒壊するような事態が発生すれば、一度に多くの人命にも及ぶ被害が懸念されるからです。  阪神・淡路大震災では、約五千棟のマンションのうち、半数の約二千五百棟が被害に遭ったとの調査があります。一方、現在都内には、旧耐震基準のマンションが約一万二千棟も存在しています。  そこで都は、一般の分譲マンションの耐震化を促進、加速するため、マンション管理組合のニーズに沿った専門家派遣や耐震化助成などの支援策を拡充すべきと考えます。見解を求めます。  次いで、強風時における木密地域火災への対策について質問します。  知事も施政方針表明で言及されましたが、昨年十二月に糸魚川市で発生した大規模火災は、強風により火の粉が飛び、その焼損面積は、約四万平方メートルに及びました。  一方、都内の木密地域は依然として数多く、常時強い風が吹いているビル風地域や、風の通り道に木密地域が近接している可能性も否定できません。  そこで、この糸魚川市大規模火災の被害を急ぎ分析し、その教訓を踏まえ、東京の木密地域における強風時の火災対応のあり方に生かすべきと考えます。消防総監の見解を求めます。  東京都は現在、特区規制により、木密地域には準耐火、耐火建築物への建てかえを進める新たな防火規制区域の指定、整備を進めています。問題は、今回焼損した地域を含め、糸魚川市では準耐火建築物まで延焼してしまったのかどうかという点であります。それが皆被害を免れているのであれば、現行の取り組みにふぐあいはなく、ピッチを早めることだけが課題となります。そうではなく、焼損してしまったのであれば、抜本的に対策を立て直す必要が生じます。  都市整備局は、この点に関する検証に遅滞なく取り組むべきと考えます。都技監の見解を求めます。  次に、さまざまな人々が輝くダイバーシティーの観点から質問します。  まずは、働き方改革であります。  一口に働き方改革といっても、男性中心の労働慣行の見直し、長時間労働の改善、みずからに適した働き方を選べる多様化など、さまざまな課題があります。  中でも、長時間労働慣行の改善は喫緊の課題といわれています。しかし、いわゆる持ち帰り残業がふえてしまうような取り組みであっては、実質の労働時間は減らないのに、時間外手当だけが減ることになりかねません。  この点、イクボス宣言の拡充などを通じて、知事は今後どのようにして都庁内、そして広くは都民全体に長時間労働の改善を促していくのか、見解を求めます。  また、働き方の多様化を進めたとしても、結果的に短時間労働だけがふえ、ワーキングプア化が進むのであれば、本来の目的から逸脱してしまいます。この点、企業での就労を続けながら、在宅勤務やモバイルワークに取り組むテレワークは、現在の収入を減らさずに自分に合った働き方を選択できるものであり、介護や子育て、趣味趣向や社会貢献への対応などのゆとりにつながる可能性があります。  私が今月八日、同僚議員とともに視察したライフ・ワーク・バランスフェスタ東京二〇一七では、会場内にスカイプを活用して模擬テレワークを体験するブースが設けられており、私も体験しました。また、先行導入する企業関係者とも意見交換を行い、テレワークの導入が、優秀な人材の確保、労働意欲の向上、交通費の削減などのさまざまなメリットにつながっていると伺いました。  しかし一方で、テレワークとはいえ、仕事に専念できる環境が必要との指摘もありました。子育て中の世帯にあっては、通勤勤務と同じく保育の利用が前提となります。また、子育て中に限らず、家庭での職務専念は困難と感じる人が一定程度存在することになるのであれば、身近な場所で働けるサテライト型オフィスの整備が必要となってきます。  小池知事もまた、当日、模擬テレワークを体験されたと伺いました。  そこで、さまざまな課題を克服しながら、今後どう具体的にテレワークの普及を図るのか、そして、テレワークの推進を通じて、どのようなメリットを都民に提供されようとしているのか、知事の見解を求めます。  次いで、若者支援であります。  若者の持つ意欲や感性を引き出し、その情熱や力を首都東京の新たな活力、原動力として生かすための工夫が大切です。  核家族化が進むことによって、世代の異なる人々との交流が減っている中で、高校や大学を卒業すると急激に社会の荒波にさらされてしまい、仕事や人間関係、結婚などのさまざまな悩みに直面し、将来に不安を抱く若者が少なくありません。そうした現状を打開するためには、若者の不安や悩みを受けとめ、支えていくことが必要です。  都は、都議会公明党の要請に応え、平成二十一年度から東京都若者総合相談、若ナビを開設し、電話や電子メールによる相談に加え、カフェにおける対面相談を実施し、実績を上げております。  複雑化、深刻化している若者の課題を的確に捉え、早期の自立や問題解決につなげるためには、若者支援の強化が必要です。  都は今後、若ナビ相談事業を常設化するなど、さらに拡充していくべきと考えますが、見解を求めます。  次いで、ダイバーシティーの観点から、子供を安心して産み育てられるまちについて質問します。  一点目は、訪問型保育サービスの活用であります。  今後、待機児童の解消を図るためには、新たな発想でさまざまな保育サービスのメニューを整備する必要があります。都議会公明党にも、育児休業を終え職場復帰をしたい方から、特に年度途中は保育所の受け入れ枠が少ないとの声が寄せられております。  出産後に職場復帰する際は、特にゼロ歳から一歳児が多く、こうした受け皿を確保するためには、子ども・子育て支援新制度で制度化された訪問型保育サービスを活用していくことが有効と考えます。  都としても、ベビーシッターを初めとした訪問型の保育サービスの取り組みを積極的に進めていくべきと考えます。見解を求めます。  二点目は、保育士の処遇改善です。  かねてよりこの問題がクローズアップされ、実効的な処遇改善が急がれる中、保育サービスの充実と連動する課題として取り組んでいかなければなりません。  都は、独自にキャリアアップ補助を創設し、処遇改善に取り組んでおりますが、補助をさらに充実させる等、保育人材の確保を一層加速させて取り組むべきであります。見解を求めます。  三点目は、保育士の定着支援であります。  処遇改善で新たな保育人材を確保するとともに、現在働いている保育士が憂いなく働ける職場環境の整備も大切な取り組みであります。  都が実施した保育士実態調査による退職理由では、給料が安いとの理由とともに、妊娠、出産がほぼ同じウエートを占めています。産休、育休をとり、保育士として職場に復帰しようとしても、子供の預け先がなく、離職せざるを得ない状況もあります。  保育士の職場復帰を支援し、定着させていく支援策も積極的に取り組んでいく必要があります。都の見解を求めます。  四点目は、保育施設の整備における都有地の活用であります。  実行プランでは、福祉インフラ整備への活用が見込まれる候補地を平成三十六年度末までに三十ヘクタール以上提供するとしていますが、保育施設の整備において、その土地の確保に苦労している区市町村を一層支援していく取り組みが重要であります。  警視庁や東京消防庁などを含め、オール東京で活用可能な都有地に関する情報を区市町村に積極的に提供し、保育施設の整備に役立てていくべきであります。見解を求めます。  五点目は、学童クラブの充実であります。
     保育需要が増加している昨今、今後は、学童クラブのニーズもますます高まっていくと予測されます。  都では、都型学童クラブ事業を初め、学童クラブへの運営費補助、施設の改修、整備に係る経費を補助しておりますが、今後高まるニーズに対応していくためにも、学童クラブの計画的な整備を図るとともに、今、既に学童クラブの待機状態にある児童が過ごせる場を早急に確保する必要があります。見解を求めます。  子育て支援施設の整備に関連して、税の減免を用いた整備促進策について質問します。  都議会公明党は、昨年の第三回定例会本会議の代表質問において、他党に先駆け、保育施設の整備促進を図るための固定資産税等の軽減措置の拡充を求めたところであります。これを受け、主税局は、ことし一月二十五日、区部を対象に固定資産税と都市計画税の新たな減免措置を打ち出し、知事も施政方針演説で言及されました。  そこで、我が党が提案を行った際に指摘した定期借地権への減免の適用拡大を含め、その詳細について説明を求めます。  また、今回の施策は都内区部に限られています。税の課税、徴収主体に違いがあるとはいえ、多摩地域においても抱える課題は同じです。工夫して固定資産税と都市計画税の減免による保育所整備の支援策を導くべきです。見解を求めます。  次に、都議会公明党が一貫して推進し、実行プランで触れられた環境先進都市、スマートシティー構築に向けた政策について質問します。  二〇二〇年東京大会においては、仮設施設や設備、備品などが大量に使用され、一時的に利用された物品が大会終了後直ちに廃棄されるのでは非常にもったいないものと考えます。できる限りリユース、再使用して、スマートシティーをアピールすべきです。  一方、地域の高齢者からは、児童遊園やポケットパークなどに腰かけるベンチがあると助かるという声や、町会、自治会からは、イベントで使うため古くなったテントを更新したいが費用がないという声を多く聞きます。  そこで、例えば大会ロゴマークや使用会場名などが入ったベンチやテントなどの大会使用物品を、希望する都内区市町村や他県を通じて各地域で再使用できれば、長きにわたって環境に配慮した大会のレガシーの一つとして残っていくと考えます。  また、費用の面においても、再利用を前提とした長期的な視点や共通部品化によって、コスト削減も見込めると考えます。  そこで都は、組織委員会をサポートし、再使用を希望する区市町村との事前調整や、調達段階から使用後のことを踏まえた入札などが行えるよう、積極的にリユースに取り組んでいく仕組みづくりを行うべきと考えます。見解を求めます。  次に、食品ロス対策について質問します。  日本は、食料の大半を世界から輸入する一方で、年間約六百四十二万トンの食品ロスが発生しています。  公明党は、党を挙げて循環型社会の構築を一貫して推進してきました。平成十二年には、循環型社会形成推進基本法の制定で主導的な役割を果たし、ごみ処分量の大幅な減少に貢献したほか、再利用率も飛躍的に向上しました。また、関連法である食品リサイクル法制定も全力で取り組んできました。さらに、平成二十七年十二月、食品ロス削減推進プロジェクトチームを立ち上げ、政府に対して提言を繰り返し行ってまいりました。  都においても、昨年の第四回定例会で、普及啓発の取り組みが重要であると訴え、知事も積極的に取り組む考えを示されました。  都議会公明党の提案を受け、都は、賞味期限間近の防災備蓄食品を都民や福祉団体に提供する取り組みを実施するとともに、実行プランでは、二〇三〇年までに食品ロス半減という数値目標を掲げています。  今後は、大きな災害がなかったことを感謝しながら、備蓄食品の更新の際には、それを有効活用する仕組みが必要と考えます。今回の取り組みを第一歩に、食品ロスの削減を大きな運動として展開していくことが重要と考えます。環境局長の見解を求めます。  また、都立施設の帰宅困難者一時滞在施設の備蓄品についてですが、平成三十年の一月、二月が賞味期限となっています。その更新に当たっては、例えば子供や高齢者の皆様に食べていただいて、災害時に口に合うかどうか貴重な意見を聞き、意見を反映させて更新することや、防災意識の向上のためのPRに活用するなど、工夫して有効活用を図るべきです。総務局長の見解を求めます。  次に、家庭におけるLEDの普及について質問します。  平成二十八年三月に策定された東京都環境基本計画では、平成二十五年度の部門別エネルギー消費量について、平成十二年度比で見ると、産業、運輸、業務部門では減少しているものの、家庭部門のみ増加しており、家庭部門の省エネ対策が急務です。  都は、来年度予算案で、家庭の省エネ対策として、LED電球を普及させるため、家電店に白熱電球二個を持参すると、LED電球一個に無償交換する事業を盛り込んでいます。都民にわかりやすく、省エネ効果にもすぐれた事業だと高く評価します。  そこで都は、家庭の省エネ対策に関し、電球の交換の際に、家電製品の省エネモードの活用や節水も節電になることなど、参考事例を紹介するチラシをあわせ配布するなど、都民に対し、省エネ行動が広がるような取り組みをより一層進めるべきと提案します。知事の見解を求めます。  質問の最後に、東京大改革の骨格をなす行政改革の一環として、今回は監理団体のあり方について質問します。  東京都には、三十三の監理団体があります。都が出資等を行い、都の行政運営を支援、補完する団体で、都の政策との連動性が高く、その施策実施の現場を担う団体と位置づけられております。  しかし、現在、その事業検証は、監理団体みずからが設定した目標をみずからが採点し、都が評価するというものになっており、チェック体制も再検討が必要な状態といわざるを得ません。  平成二十八年度包括外部監査報告書でも、監理団体を活用して実施する業務を定期的に見直すとともに、監理団体が実施する事業または監理団体そのものの組織のあり方も再検討する必要があると警鐘を鳴らしております。監理団体改革に対する知事の見解を求めます。  平成十五年九月の地方自治法改正により、東京都でも指定管理者制度が導入されました。これは住民サービスの向上と行政効率化が目的で、民間でできるものは民間に託すという制度で、積極的に民間に公募を進めていくべきであります。  東京都指定管理者選定等に関する指針では、競い合いによる効果が十分発揮されない場合に特命契約を認めておりますが、これまでに、さまざまな理由を付して、現在その六割が監理団体への特命契約となっており、制度が形骸化しているといわざるを得ません。  また、監理団体と一定程度の特命契約を必要とするのであれば、公募される指定管理契約については、監理団体をその対象から一切除外するなど、指定管理者制度のあり方についても抜本的な見直しを図るべきであります。知事の見解を求めます。  こうした課題を抱える監理団体の現在の理事長、代表取締役の八割が、都の元副知事、教育長、都技監、局長、局長級理事等の都庁幹部OBで占められていることも指摘しておきたいと思います。  また、都から補助金が支出されている各種団体については、都から再就職した元職員が補助金獲得に大きな役割を担っているとの指摘もあります。  折しも、文科省の天下り問題が発覚し、都民、国民の関心を呼んでいるところであります。都の監理団体や各種団体においても、東京大改革の一環として、改めて都民の納得を得られるルールを確立すべきと考えます。知事の見解を求め、質問を終わります。(拍手)    〔知事小池百合子君登壇〕 ◯知事(小池百合子君) まつば多美子議員の代表質問にお答えさせていただきます。  まず、市場移転におけます消費者の安心についてのご質問がございました。  築地市場の移転問題は、食の安全・安心にかかわる課題でございます。そして、科学的、法律的な根拠に基づく安全と、消費者の理解と納得による安心なくして解決し得ないものと考えております。  消費者の安心を確保する上で必要なことは、都民一人一人が市場の状況について冷静に理解することができるように、正確な情報を適切にお届けすることでございます。  だからこそ私は、就任以来、一貫いたしまして、移転問題に関する情報の開示と情報発信に努めてきたところでございます。  具体的には、いわゆるノリ弁といわれた東京ガスとの交渉記録を積極的に開示するとともに、専門家会議や市場問題プロジェクトチームで進められているさまざまな議論、検証についても、インターネット中継やホームページを通じた情報発信に努めております。  こうした都民に対する情報公開を進めまして、そのご意見もご参考にさせていただき、総合的に判断してまいります。  オリンピック・パラリンピックに関してでございますが、他の自治体の仮設整備についてのご質問がございました。  二〇二〇年大会の準備を万全に行いまして、大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会、関係自治体が緊密に連携をして、それぞれがしっかりとその役割と責任を果たしていく必要がございます。  昨年末、私が提案をし、設置されました関係自治体との作業チームにおきましては、仮設施設に加えて、輸送、警備など、膨大な業務があることが明らかになりつつあります。  大会まであと三年に迫りました。作業チームを含めまして、さまざまな検討を加速させて、費用負担の協議も促進する必要がございます。  このため、今般、組織委員会が負担することになっている仮設施設の整備について、他の自治体が所有する施設を含めまして、都も負担することを排除せず、検討するように指示をしたところでございます。  協議に当たりましては、都、国、組織委員会、関係自治体がみんな、常にコストとレガシーを念頭に置いて、そしてまた、都としては、都民の皆様の負担をできる限り軽減をして、都民施策に影響を及ぼさないよう検討をしてまいります。  今後とも、都民の皆様に十分に説明をしてご理解をいただきながら、スピード感を持って確実に準備を進め、大会成功への道を築き上げていきたいと考えております。  そして同じく、国の費用負担についてのご質問がございました。  大会開催に向けましては、多様で、そして膨大な業務がございます。国は、当然担うべきセキュリティー対策などに尽力することはもちろん、会場が所在する自治体への支援など、果たすべき役割は極めて大きいものがあると考えます。  また、二〇二〇年大会は、世界に向けて、東京だけでなく、日本全体をアピールする絶好の機会でもございます。  国に対しましては、これまでオールジャパンでの取り組みを推進するために、平成二十三年十二月の閣議了解によります枠組みに固執することなく、財政面を含めた全面的な支援を行うように強く求めてきたところであります。  都は、開催都市としての責任を重く受けとめまして、役割を果たしてまいります。また国においても、しっかりその役割を果たされるように期待をしております。  そして、組織委員会への都の関与についてのご質問がございました。  組織委員会の理事は現在三十五名、うち都の執行機関から二名、都議会から二名が選任をされているほか、評議員六名のうち二名が都の職員でございます。  組織委員会の副会長が一名、そして評議員二名の合計三名は、東京都の副知事でございます。都の立場から意見を伝えて、重要な事項の決定に関与させているところでございます。  組織委員会には、役員だけでなく、要所要所に局長級を初めとする多くの職員を派遣いたしております。大会準備に主体的、積極的に取り組んでいるところでございます。  今後、理事会、評議員会などの場を通じまして、さらにしっかりと都の意向を組織委員会の運営に反映させてまいります。私も開催都市の長としての責任を積極的に果たして、大会準備を加速してまいります。  組織委員会へのチェックの仕組みについてのご質問がございました。  二〇二〇年大会の経費は、一兆六千億円から一兆八千億円と見込まれております。これを上限額として、さらにコストを縮減していくには、計画、予算、執行の各段階におきまして、強力なチェック体制を確立することが必要であります。  そのために、都、国、組織委員会の三者が常に緊密に連携をして、効率的な調達の実施や統一的に執行をチェックして、マネジメントできる体制を構築してまいります。  大会運営面での計画づくりから、仮設施設の整備などの具体的な業務執行に至るまで、しっかりと組織委員会に対しまして関与していくとともに、大会準備の各段階におきまして、丁寧に都民に対して説明を行ってまいります。──失礼(発言する者あり)風邪ではありません。  三者協議も含めまして、都が先頭に立ってガバナンスを強化し、関係者一丸となりまして、大会の成功に向け、準備を加速してまいります。  被災三県の訪問と復興五輪についてのご質問がございました。  昨年十一月に福島県、今月には宮城県、岩手県を訪れ、沿岸部を中心といたしまして復興状況をみずからの目で見るとともに、現地の方々からも直接お話を聞き、三県の知事とも意見交換をしてまいりました。  震災から六年がたとうとする中、被災地の方々の懸命な努力によって、復興は着実に進んではいるものの、いまだ途上であります。引き続き支援が必要であるということを肌で感じてまいりました。  また、各県を訪問いたしました際に開催したフラッグツアーイベントにおきましては、参加する子供たちの笑顔に触れることができました。東北の未来を担っていく世代に元気を届けエールを送ることが、復興オリンピック・パラリンピック実現に向けての大きな力になると確信をしたところであります。  二〇二〇年は、震災後十年目に当たります。引き続き被災地のニーズを踏まえまして、復興を後押しするとともに……。(発言する者あり)大丈夫です。東北の方々の元気になっていく姿を世界に広く発信していきたいと考えております。  今後とも、復興なくして大会の成功はないということを常に念頭に置きまして、二〇二〇年大会の成功に向けて全力で取り組んでまいります。  私立高等学校等特別奨学金の拡充についてのご質問でございます。  現在、私立高校等への就学に対しましては、保護者への一定の支援制度が設けられておりますものの、教育費の公私間格差は依然として大きいままでございます。  家庭の経済状況の格差が将来の希望を閉ざすことがあってはなりません。教育費の負担軽減は、人への投資につながります。重要な施策であるというご指摘は、全く同感でございます。  そこでこのたび、都内の高校生の約六割が私立に在学するという私立学校が公教育に果たす役割を踏まえまして、できるだけ多くの世帯の保護者の経済的負担を軽減することといたしました。  具体的には、現在、都の特別奨学金の支援対象となっております年収約七百六十万円未満の世帯に対しまして、国の奨学金支援と合わせまして、平均授業料額まで支援できるよう、特別奨学金の支給額を大幅に拡充いたします。  教育への投資はまさに未来への投資でございます。東京の未来を担う人に焦点を当てました支援を拡充し、誰もが個性と能力に応じて希望する教育を受けられる環境を整えてまいります。  女性の視点を生かした防災対策についてのご質問が続きました。  首都直下地震の発生が懸念されるここ東京におきましては、想定外の事態が起きても対応できるよう、大きなハード整備だけでなくて、被災者の目線に合わせた備えを行うことは極めて重要でございます。  そのためには、避難所での授乳や着がえの問題など、細やかな配慮の必要性に気づくことのできる、女性ならではの視点を生かしながら、よりきめ細かな災害対策を進めていかなければなりません。  私は、こうした課題をしっかりと受けとめまして、防災分野でも女性の力を存分に生かしていく所存でございます。  そこで、ご提案もいただいておりました、来年度、女性の視点からまとめました防災のノウハウや、液体ミルクの活用の話も盛り込みまして、誰もが自然体で、日ごろより災害の備えに取り組めますよう……(「地震だね」と呼ぶ者あり)落ち着きましょう。──また状況に応じまして対応させていただきます。  改めまして、来年度でございますが、ご提案もいただいておりました、女性の視点からまとめた防災のノウハウ、液体ミルクの活用の話も盛り込みまして、誰もが自然体で、日ごろから災害の備えに取り組めるよう、新たな防災ブックを作成いたします。  また、防災対策に女性の視点をより反映させるため、地域や企業などの防災活動の中核となる女性防災リーダーの育成を始めてまいります。  防災分野でも女性が活躍する取り組みを進めまして、安全、安心、元気なセーフシティーを実現してまいります。  また、ただいまの地震につきましては、情報が入り次第、皆様方にもお伝えしたいと考えております。  長時間労働の改善についてのご質問でございます。  誰もが活躍できる持続可能な社会を表現するためには、長時間労働は当たり前という認識を社会全体で改める必要がございます。  このため都庁では、隗より始めよとの認識のもと、職員が生活と仕事を両立できる職場づくりに向けまして、私を筆頭といたしまして、管理職全員、イクボス宣言を行ったところでございます。  さらに、毎日遅くとも二十時には退庁することを基本ルールといたします二十時完全退庁を突破口に、残業ゼロを目指しまして、職員の意識改革はもとより、仕事の進め方自体の改革にも取り組んでおります。  また、民間企業に対しましても、長時間労働の削減など働き方を見直す取り組みを力強く応援しております。今年度、働き方改革に取り組むと宣言する企業は、千社に達する見込みでありまして、今後、二〇二〇年度までに五千社を目指してまいります。  一人一人の力を一〇〇%引き出して、社会全体の生産性を高めていくため、民間企業も巻き込んだ働き方改革のムーブメントを先導してまいります。  テレワークの普及についてのご質問がありました。  ようやく日本でも働き方を見直す機運が生まれてきたと感じます。私は、テレワークの推進を働き方改革の起爆剤にしたいと考えております。  テレワークは、企業における生産性の向上、労働者のライフワークバランスの実現にも資するものでございます。近年では、テレワークを導入する企業は増加傾向にあるものの、その割合は二割に満ちておりません。  私も先日のライフ・ワーク・バランスフェスタでオンライン会議を体験し、離れていても円滑にコミュニケーションがとれることを実感したところでございます。こうしたテレワークの活用方法や企業、従業員にとってのメリットをわかりやすく伝えていくことが必要と感じております。  このため、来年度、国と連携をいたしまして、テレワーク推進センターを開設して情報提供や相談、さらには体験といったサービスをワンストップで提供いたしてまいります。  また、サテライトオフィスの利用など、さまざまな形態のモデル事業を通じまして、業種や企業規模に応じた活用策を検証して、事例を広く発信するとともに、企業への費用助成を行うことで、テレワークの導入を促進してまいります。  こうした取り組みによりまして、テレワークの普及を図り、東京から働き方改革を牽引してまいります。  スマートシティーについてのお尋ねがございました。  家庭におけます省エネ対策についてでございますが、家庭への省エネ対策を進めるに当たりましては、今の生活に少しの工夫を加えるだけで省エネ効果が得られることを都民にわかりやすく伝えて、行動を促すことが重要でございます。  このため、家庭の電力の約二割を消費している照明に着目いたしまして、来年度、都民に身近な地域家電店などと連携をして、白熱電球からLED電球への交換促進事業を行います。多くの家庭で実際に利用してもらいまして、LEDの普及の一層の推進を行います。
     交換に当たりましては、賢い節電方法などを記載いたしましたリーフレットなどを活用しながら、省エネアドバイスを行って、家庭におけるさらなる省エネ行動につなげてまいります。  また、あわせてPRイベントの実施とともにSNSの活用、動画の配信などによりまして、LEDのすぐれた点を発信するための戦略的な広報を考えております。  これらの広報活動については、私自身も積極的にかかわって、多くの都民の皆様に直接お訴えをしてまいります。  こうしたLED照明を広く浸透させる取り組みを手始めといたしまして、都民の省エネに対する意識改革を促して、東京から省エネムーブメントを起こしてまいりたいと存じます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。  監理団体の改革についてのご質問がございました。  私の目指す都政とは、セーフシティー、ダイバーシティー、そしてスマートシティーの三つのシティーの実現を通じて、都民一人一人が希望を持てる新しい東京をつくり上げることでございます。  都庁とともに、その実現に向けた重要な役割を担うのが、都政の現場を支える監理団体でございます。だからこそ、都庁の体質を変える都政改革と軌を一にした改革が監理団体にも求められるところでございます。  都はこれまでも、監理団体改革を行財政改革の大きな柱の一つに据えて、団体の統廃合を初め、役員退職金制度の廃止など、さまざまな改革に取り組んでまいりました。  また、私が知事に就任して以降も、都政改革本部におきまして監理団体の指導監督をテーマの一つに据えるとともに、改革の一丁目一番地である情報公開の推進、経営目標評価制度の見直し等の新たな改革に既に着手をいたしております。  今後、二〇二〇改革プランの策定作業をことしの四月から始めます。官民の適切な役割分担、監理団体の戦略的活用、執行体制の見直しなど、新たな行政改革に取り組んでいく予定でございまして、監理団体のあり方について必要な検証を進めて、都庁の改革とともに、新しい東京の実現を支える監理団体の改革を推進してまいります。  指定管理者制度についてもご質問がございました。  効率性や柔軟性にすぐれた民と公共性や安定性を有する官とがそれぞれの特徴を生かして知恵を持ち寄り都政を前進させることが、私が目指す新しい東京につながっていくと考えております。  この制度は、公の施設の管理運営において、民間の創意工夫を生かして住民サービスの向上と経費の節減を図ります仕組みの一つであると認識をしております。  都におきましては、平成十八年度にこの制度を導入して、これまで都民サービスの向上などに資するさまざまな運用改善に努める中で、政策連動性及び管理運営の特殊性が高い施設などに、都の施策実施の現場を担う監理団体も積極的に活用してきたところでございます。  一方で、制度導入から十年がたち、この制度を取り巻く社会経済環境は大きく変化しております。改めて検証を行った上で、改善すべきところは改善することが重要と考えます。  今後、新たな行政改革に取り組んでいく予定でございますが、この中で指定管理者制度につきましても、その運用のあり方につきまして、都民ファースト、賢い支出の観点から検証を進めてまいります。  監理団体などへの退職者の再就職についてのご質問でございます。  職員の再就職について、都民から公正な都政の運営が損なわれるといった疑念を持たれることがあってはなりません。  都はこれまでも、再就職情報を一元管理する都庁版人材バンクを独自に設置するとともに、昨年の四月には退職管理条例を施行し、外部の有識者で構成されます退職管理委員会を新たに設置、運用しながら、再就職のより一層の公正性、透明性の確保に努めてきたことは皆様ご存じのとおりでございます。  また、都は監理団体を都政の現場を支えるパートナーと捉え、団体運営のかなめとなる経営層に都退職者を推薦するなど、都のガバナンスを確保し効果的な事業展開を図ることにより、都政全体の執行力強化に努めてきましたが、今後新たに取り組んでいく行政改革において、各種団体も含めました幹部職員の再就職についても、監理団体のあり方とともに、都政改革と軌を一にして必要な検証を進めてまいります。  先ほど大変お聞き苦しい点がありましたことをおわび申し上げます。  また、その他の質問については、警視総監、教育長、東京都技監、関係局長からご答弁させていただきますが、今の地震についての何か情報は入っておりますので、それについてもお伝えをさせていただきます。  ありがとうございました。    〔警視総監沖田芳樹君登壇〕 ◯警視総監(沖田芳樹君) ご質問に先立ちまして、先ほどの地震に関しまして、若干ご報告をいたします。  これは、あくまでもニュース等のマスコミ報道でございますが、宮城南部と福島県浜通りで震度五弱ということでございます。東京につきましては、震度二でございまして、現地の方では津波のおそれは今のところないということでございます。  また、都内一一〇番等、警察に対する被害の申告は今のところないという状況でございます。  以上、ご報告いたします。  続きまして、ご質問でございますが、二点のご質問にお答えいたします。  まず、防犯カメラに関しての東京都を初めとする自治体などに対する働きかけについてですが、警視庁では東京都の関係部局に対して、町会等が設置する街頭防犯カメラの設置費用を補助する制度の拡充のほか、東京都が管理する場所への街頭防犯カメラの設置についても働きかけを行っているところでございます。  また、区市町村に対しては、管轄する警察署を通じて東京都に対するものと同様の働きかけをしているほか、街頭防犯カメラの設置を検討している町会、商店街等に対して、犯罪発生状況を踏まえた設置場所、適正な運用方法について助言をいたしております。  今後とも、東京都青少年・治安対策本部を初めとする関係部局等と連携し、自治体や地域の方々に対して設置促進に向け積極的な働きかけを行い、東京二〇二〇大会等、将来に向けた安全・安心社会の重要インフラの構築に努めてまいります。  次に、災害用定点カメラについてですが、システムの概要につきましては、テロ及び災害などの非常事態が発生した場合に、足立区から警視庁本部等に対し設置している災害用定点カメラのリアルタイム映像の提供を受けるものとなっております。  映像の活用方法といたしましては、これらの映像により早期に現場の状況を把握して迅速な救出救助を行うとともに、被害の拡大防止、住民の避難誘導などの活動を効果的に推進することに役立ててまいります。  今後とも、自治体を初め、民間事業者、地域住民等と緊密に連携し、官民一体となった、テロや災害に強いまちづくりを推進してまいります。    〔教育長中井敬三君登壇〕 ◯教育長(中井敬三君) オリンピック・パラリンピック教育における夢・未来プロジェクト事業についてでございますが、子供たちがオリンピアン等との交流を通じて、オリンピック・パラリンピックの感動や価値を直接学ぶとともに、夢に向かって努力したり、困難を克服する意識を高めることは、教育上大きな意義がございます。  このため、都教育委員会は、オリンピアン、パラリンピアン等を学校に派遣する本事業を昨年度から開始し、既に延べ三百三十二校で実施してまいりました。本事業は、学校のニーズも高く、区市町村等が独自に実施する類似事業は既に都を上回る規模になっており、大きな広がりを見せております。  今後、都教育委員会は、派遣規模を本年度の二百二十校から来年度は三百校に拡大するとともに、二〇二〇年までに区市町村等による派遣分も含めて、希望する都内全公立学校で実施できるよう取り組んでまいります。    〔東京都技監邊見隆士君登壇〕 ◯東京都技監(邊見隆士君) 四点のご質問にお答えをいたします。  まず、ホームドアの整備についてでございます。  利用者の安全性確保のため、ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。  このため、都としても、国や地元区市とともに、利用者十万人以上のJRや私鉄の駅を対象として補助を実施してございます。競技会場周辺駅については、利用者の規模によらず、都が区市の負担分も補助しており、来年度からは同様に空港アクセス駅にも対象を拡大いたします。  これにより鉄道各社とも取り組みを加速させておりまして、JRでは千駄ヶ谷や神田など二〇二〇年までとしていた二十駅について整備を前倒しすることを今月公表してございます。  二〇二〇年東京大会開催に向けて鉄道の安全性をさらに高めていくため、国や地元区市とも連携して、事業者の取り組みを積極的に支援してまいります。  次に、都営住宅への防犯カメラの設置についてでございます。  これまでエレベーター内については、構造上、他の共用部と比較して周辺からの見通しが確保できないため、都営住宅の居住者の安全・安心の観点から、都として防犯カメラの設置を行ってきてございます。  一方、駐輪場などの整備に当たっては、見通し確保に十分留意してきてございますが、申し出があった場合には、都は照明の増設などの協力を行った上で、自治会による防犯カメラの設置の承認をしてございます。  お話の防犯上の要請に基づくカメラの設置については、プライバシー保護や居住者の合意形成、経費負担などの課題を含め、対応について検討を行ってまいります。  次に、分譲マンションの耐震化の促進についてでございます。  都は、管理組合への個別訪問による普及啓発、アドバイザー派遣や耐震化助成を行う区市に対する財政支援などの取り組みを実施してございます。  これらを通じて、管理組合の課題は、居住者の高齢化や費用負担などにより合意形成が難しい、建てかえも検討したいなど多岐にわたることが明らかになってございます。  来年度からは、アドバイザー派遣について、管理組合が状況に応じた助言を受けられるよう、建築士に加えてマンション管理士や再開発プランナーなどを助成の対象とし、さらに補強設計について助成単価を約二倍に引き上げ、改修工事については、一戸当たりの助成限度額の撤廃をいたします。こうした取り組みによりまして、今後とも、マンションの耐震化を積極的に促進してまいります。  最後に、糸魚川市の大規模火災の検証についてでございます。  国は、被災直後に専門の研究員を現地に派遣して調査を行っておりまして、準耐火建築物の焼失の有無を含め、延焼拡大の要因などについて、現在、総合的に検証を進めてございます。  準耐火建築物とは、火災による熱に対して壁や柱などが一定時間耐える性能を持つ建築物でございます。  都は、平成十五年に全国に先駆けて、建築物をその規模によらず準耐火建築物以上とすることを義務づける新たな防火規制を導入し、不燃化特区の全域で指定し、準耐火建築物などへの建てかえを促進してございます。  今後、国の検証結果などを踏まえた上で必要に応じて対策を講じ、引き続き安全・安心な都市の実現に向けた取り組みを進めてまいります。    〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕 ◯中央卸売市場長(村松明典君) 築地市場跡地の売却価格についてでございますが、築地市場の土地のうち、環状二号線用地につきましては、一般会計への有償所管がえを予定しておりまして、既に対象用地の土地評価を行い、移管概算額を三百七十億円と算定しております。  このため、市場問題プロジェクトチームに示した市場会計の収支では、この移管概算額の平米当たりの単価を用いまして、当該用地以外の跡地処分収入額を四千三百八十六億円と試算いたしました。  また、試算に当たりましては、土地処分に際して一般的に考慮すべき土壌や埋蔵文化財の調査費用等も加味しておりまして、現時点で想定される処分収入額として示したものでございます。    〔オリンピック・パラリンピック準備局長塩見清仁君登壇〕 ◯オリンピック・パラリンピック準備局長(塩見清仁君) パラリンピックを見据えた大会準備についてでございます。  二〇二〇年大会の成功のためには、常にパラリンピックを念頭に置いて進めていくことが重要であります。  都は、パラリンピック競技大会イベントなどによる開催機運の醸成やアクセシビリティ・ガイドラインの策定など、大会時におけるハード、ソフト両面のバリアフリー化の推進に取り組んでおります。  今後、選手や観客の輸送、ボランティアの育成、標識、サインなど全ての準備が本格化する中、あらゆる分野でパラリンピックの視点を十分に取り入れてまいります。  このため、今般、パラリンピック担当の理事を新たに設置するとともに、四月からは予算や組織体制を充実させ、二〇二〇年大会の準備に全力で取り組んでまいります。    〔生活文化局長中嶋正宏君登壇〕 ◯生活文化局長(中嶋正宏君) 五点のご質問にお答えいたします。  まず、特別奨学金の通信制高校への適用についてでございますが、私立高校の通信制課程については、施設面や教諭の数などで全日制課程と設置基準が異なり、授業料が低額であることから、特別奨学金の対象としてはまいりませんでした。  そうした中、通信制課程は、不登校や進路変更を行った生徒が学び直す機会を提供することなど、近年、多様な学習ニーズに応える高校としての役割を果たしてきております。  一方で、通信制課程は、学ぶ環境や授業形態が多様であり、授業料につきましても、年額制や単位制など各学校や通うコースにより異なるほか、在籍する生徒の年齢や生活実態もさまざまでございます。  通信制高校への適用には、こうした状況に対応した制度設計を行う必要があり、今後、その詳細な実態をしっかりと調査してまいります。  次に、特別奨学金の今後のスケジュール等についてでございますが、今回の拡充が新年度から速やかに実施できますよう、都としては、対象者に対しまして迅速かつ十分な周知を行ってまいります。  具体的には、四月に入って直ちに全ての生徒、保護者に学校を通じてリーフレットを配布するとともに、都のホームページ等でも周知を行います。  個々の保護者への支給に当たりましては、これまでのスケジュールにのっとり、六月に学校を通じて詳細な手続方法をお知らせし、所得等の審査を行うため、六月末から当該年度の課税証明書を添えた申請書を受け付けます。その後、授業料額との調整などを経まして、十二月に保護者へ支給いたします。  次に、特別奨学金の拡充と経常費補助についてでございますが、私立学校に対する基幹的補助であります私立学校経常費補助は、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減及び学校経営の健全化を目的とするものでございます。  経常費補助は、原則として毎年度、公立学校の決算値をもとに標準的な運営費を算出した上、二分の一の補助率を乗じて算定するものであり、各学校運営の基盤の確保に大きな役割を果たしております。生徒が質の高い教育を受けるためには、教育環境の維持向上が重要であります。  都はこうした観点から、保護者への負担軽減策とあわせ、経常費補助の充実に努めてきており、平成二十九年度予算案においては、これまで同様の考え方で必要な額を計上しております。  次に、特別奨学金の拡充に伴う授業料への影響についてでございますが、私立学校の授業料などの学費は、各学校が自主的に決定するものでありますが、それを変更するに当たりましては、事前に知事への届け出が必要になっております。  学費の動向は保護者に大きな影響を及ぼすものであることから、その適正化が図られますよう、都としては、これまで値上げなどを予定している高校から事前に事情を聴取するとともに、毎年、学費の値上げ状況等の公表を行っております。  また、私立学校経常費補助の交付に当たりましては、その評価項目の一つに学費の項目を設け、授業料が一定額を超えた場合に、その超過額に応じて交付額を減じております。  今後とも、こうした取り組みを着実に行い、授業料の適正化を図ってまいります。  最後に、東京都育英資金の違約金についてでございますが、育英資金貸付事業におきましては、条例に基づき、借り受け者が奨学金の返還を遅滞した場合に違約金を徴収することとしております。  違約金の率は、平成十七年度に東京都分担金等に係る督促及び滞納処分並びに延滞金に関する条例など、公債権の延滞金に係る規定を参考に定めたものでございます。  育英資金の返還金は、新たな貸し付けの原資となるものであり、違約金は返還意識を一層高め、滞納発生の抑止効果があると考えます。  違約金の利率等につきましては、こうした意義を勘案しつつ、借り受け者の過度な負担感や社会経済状況の変化、国や他道府県の状況も考慮し、引き続き検討を行ってまいります。    〔青少年・治安対策本部長廣田耕一君登壇〕 ◯青少年・治安対策本部長(廣田耕一君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、区市町村立公園の防犯カメラの設置支援についてですが、都では、防犯カメラの設置を契機として、地域の見守り活動が活発に展開されることを目的に、町会、自治会等における防犯カメラの設置経費を補助し、都内にはこれまで、一万台を超える防犯カメラが設置されました。  他方、ご指摘の目黒区の碑文谷公園での遺体遺棄事件の発生等もあり、都民の身近な場所である公園における安全対策強化の要望が高まってきており、区市町村では公園の防犯カメラの設置検討が進められております。  そこで、都では二〇二〇年東京大会も見据え、このような区市町村の取り組みを加速するため、区市町村立公園の防犯カメラの設置に関し、公園内の見守り活動を条件とした新たな補助制度を来年度から開始することで、地域における安全・安心の体制をより一層強化していくこととしております。  次に、東京都若者総合相談、若ナビにおける相談事業の拡充についてですが、ひきこもりやニート、非行等、社会的自立に困難を有する若者の背景は複雑かつ深刻化し、これまで以上に若者への支援を充実していくことが求められております。  このため、都は来年度から、若ナビの相談機能を拡充した東京都若者総合相談センターを開設いたします。  新しいセンターでは、これまでの電話やメールによる相談に加え、夏からは新たに専門職を配置して来所相談を受け付け、これまで以上に若者やその家族の悩みをきめ細かく受けとめ、課題の解決に向けて取り組んでいくこととしております。  同センターは、若者が気軽に相談できる利便性の高い場所に設置することとしており、一人でも多くの若者が夢や希望を持って社会で活躍できるよう、自立に向けた支援を積極的に実施してまいります。    〔建設局長西倉鉄也君登壇〕 ◯建設局長(西倉鉄也君) 都立公園における防犯カメラの設置についてでございますが、多くの方々が訪れる公園におきまして、誰もが安心して安全に利用できる環境を整備することは重要でございます。
     これまで都立公園では、職員による園内の巡回、見通しを確保するための樹木の剪定や伐採、照明灯による明るさの確保、地元警察と連携した園内パトロールなどの防犯対策を行ってまいりました。  しかし、都立公園では、トイレの破損や落書き、火遊びなど、都民の不安につながるような事案が散見されております。  このため、これまでの対策の強化とともに、二〇二〇年東京大会の開催に向けて、さらに多くの来園者が見込まれることなどから、プライバシーに配慮し、地元警察と協議しながら、防犯カメラの設置について検討し、都立公園における安心・安全の確保に努めてまいります。    〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕 ◯福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。  まず、障害者施設等の安全確保についてでありますが、都はこれまで、事業者説明会や開設時の現地確認など、さまざまな機会を捉え、障害者施設等の安全確保について注意喚起を図ってまいりました。  また、今回の事件を受けまして、所管する全ての施設に対して、改めて緊急時の職員体制の整備、施設設備の点検、危機管理マニュアルの策定など、防犯等の安全管理を徹底するよう通知をいたしたところでございます。  来年度は、利用者の一層の安全確保を図るため、入所施設、通所施設、グループホーム、短期入所等における防犯カメラや警察等への非常通報装置、電子錠、防犯ガラスなど、防犯のための施設や設備の整備を支援いたします。  今後とも、利用者が安心してサービスの提供を受けられるよう、障害者施設等の安全確保に努めてまいります。  次に、居宅訪問型の保育サービスの活用についてでありますが、都は現在、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情を踏まえ、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育事業など、多様な保育サービスを拡充できるよう、さまざまな支援を行っております。  来年度は、障害や疾病等により集団保育が困難な場合や、ひとり親家庭で夜勤がある場合などのほか、やむを得ない事由により保育所等での保育を受けることが困難な場合にも、区市町村が認可する居宅訪問型の保育サービスを積極的に活用できるよう、保護者が負担している保育者の交通費への都独自の補助制度を開始いたします。  また、今年度から開始した認可外保育施設利用支援事業の対象に、居宅訪問型の保育サービスも加え、保護者の利用料負担軽減に取り組む区市町村も支援してまいります。  次に、保育人材の確保に向けた取り組みについてでありますが、都は保育士が専門性を高めながら、将来を見通し、やりがいを持って働くことができるよう、現在、キャリアパスの仕組みを導入する事業者を対象に処遇改善の取り組みへの支援を行っており、昨年度の実績では保育士一人当たり月額平均約二万三千円の改善が図られております。  来年度、国は、公定価格の充実や技能、経験を積んだ職員に四万円程度の追加的な処遇改善を行うこととしており、都は、財務情報の公表や非常勤職員の賃金改善等を行うことを条件に、モデルケースでさらに月額二万一千円引き上げられるよう、キャリアアップ補助を拡充いたします。  また、月額八万二千円まで補助している宿舎借り上げ支援についても、昨年十一月から全職員に拡大をしており、今後とも、さまざまな人材確保策を展開してまいります。  次に、保育士の職場復帰に向けた支援についてでありますが、保育士の確保、定着を図るためには、出産後も安心して働き続けることができるよう、保育サービスの提供など職場復帰を後押しすることが必要でございます。  そのため、都はこれまで、未就学児を持つ保育士に対する保育料の貸し付けや、育児休業などでブランクがある方などを対象とした研修の実施などにより、保育士の復職を支援してまいりました。  来年度からは、産休、育休明けの保育士の子供が保育所等に入所できず、認可外の居宅訪問型の保育サービスを利用する場合に利用料を補助する区市町村への支援を開始いたします。  また、保育士の子供が優先的に保育所等を利用できるよう、区市町村に積極的に働きかけてまいります。  最後に、学童クラブの整備についてでありますが、都は平成二十六年度から三十一年度末までに、学童クラブの登録児童数を一万二千人分ふやすことを目標に、施設の新設や改築、小学校の余裕教室など、既存施設を利用する場合の改修に係る経費の補助を行っております。  また、民家、アパート等の賃貸物件を活用する場合の賃借料補助を行いますとともに、今年度から、借地料や受け入れ児童数をふやすための移転費用も新たに対象としております。  来年度は、学童クラブを整備するまでの緊急対策として、児童館等に専任職員を配置し、学童クラブを希望しても利用できない児童や、夏休みなど長期休暇期間のみ利用する児童を受け入れる区市町村の取り組みを包括補助で支援することとしておりまして、今後とも学童クラブの整備を積極的に支援してまいります。    〔消防総監高橋淳君登壇〕 ◯消防総監(高橋淳君) 糸魚川市大規模火災を踏まえた対応についてでありますが、東京消防庁では、木造住宅密集地域において火災が発生した場合には、迅速に必要な消防部隊を集結させ、早期に消火する体制を整えております。  また、強風時には、さらに消防部隊を増強するとともに、飛び火に対する警戒活動等を効果的に実施することとしております。  今後とも、当庁も参加している国の検討会の動向等を踏まえるとともに、発生が危惧されている首都直下地震等に備えるため、大量放水資器材を初めとする各種装備の充実や消防隊員の教育訓練を徹底するなど、大規模火災への対応に万全を期してまいります。    〔財務局長武市敬君登壇〕 ◯財務局長(武市敬君) 都有地を活用した保育施設の整備についてのお尋ねでございます。  都は、都有地活用推進本部を設置し、警視庁や東京消防庁を含め、全庁的に都有地を洗い出し、今月、財務局の未利用地とあわせ、保育所等として活用可能性のある二百二十八件の都有地の情報を区市町村に提供いたしました。  今後も、各局等に強く働きかけ、新たに未利用地となる土地を含め、精力的に都有地を洗い出し、年四回程度、きめ細かく最新の情報を区市町村に提供するなど、待機児童解消に向け、都有地を活用した保育所等の整備推進に積極的に取り組んでまいります。    〔主税局長目黒克昭君登壇〕 ◯主税局長(目黒克昭君) 保育所等に係る固定資産税及び都市計画税の減免措置についてでありますが、この措置は、待機児童の解消に向け、民有地を活用した保育所等の整備促進を税制面から支援するため講じるものでございます。  対象となる土地の要件は、二十三区において、認可保育所、認証保育所など、一定の保育所等の用途に供されていること、保育所等の設置者に有料で貸し付けられていること、さらに、一定の期間内にご指摘の定期借地権を含め、当該土地に係る賃貸借契約を新たに締結し、かつその契約締結後に保育所等を新規開設することとなってございます。  これらの要件に該当した場合、土地の所有者の固定資産税等を五年度分、十割減免するものでございます。    〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕 ◯総務局長(多羅尾光睦君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、多摩地域における固定資産税等の軽減による保育所整備の支援策についてですが、本支援策をどう実施するかは、課税権を有する各市町村が独自に判断するものでございますが、これまで都は、市町村も含めた東京全域において待機児童解消が進むよう、軽減措置の導入について各市町村長に理解と協力を求めてまいりました。また、市町村の判断に資するよう、税務担当者向けに説明を行っておりました。  今後、必要に応じて特別区における取り扱いを定める要綱等の情報提供を行ってまいります。  あわせて、市町村における導入状況を踏まえるとともに、その課税自主権にも配慮しつつ、適切な財政補完に努めてまいります。  次に、都立施設の防災備蓄食品の有効活用についてですが、都立一時滞在施設では、来年度後半に備蓄食品の賞味期限を迎えます。発災時には、さまざまな人が帰宅困難者となることが想定されることから、更新を迎える備蓄食品を有効活用した試食機会を設けるなど、都民の多様なニーズの把握に生かしてまいります。  また、更新の機会を捉えて都民の防災意識の向上を図ることも重要です。今後、防災訓練や各種防災イベント等で配布し、家庭における食品備蓄の必要性や賞味期限に対する普及啓発を進め、都民の防災意識の向上につなげていきます。  都立施設における防災備蓄食品を有効に活用することで、防災施策の充実と食品ロスの削減を図ってまいります。    〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕 ◯環境局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。  まず、東京大会における3Rの推進についてでございますが、二〇二〇年大会は、持続可能な資源利用に向けた取り組みを世界に広く発信する機会でもあることから、大会の運営において3Rを推進し、大会で一時的に使用したスポーツ器具や設備等の有効利用を図っていくことが極めて重要でございます。  そのため、これまで国内外で開催された競技大会やイベント等における使用済み物品のリユースやリサイクルに関する取り組み状況について調査を行うとともに、その結果をもとに、使用済み物品を総合的に管理する仕組みの検討を始め、組織委員会の取り組みをサポートしてまいります。  大会で使用された物品を大切に長く活用するとともに、大会後もこの3R推進の仕組みそのものをレガシーとして社会に定着させてまいります。  次に、食品ロスの削減についてでございますが、都では、これまでも持続可能な資源利用に向けたモデル事業を実施し、消費者に食品ロスの問題を知ってもらう広報の展開などに取り組んでまいりました。  また、このたび賞味期限の迫った防災備蓄食品約六十七万食につきまして、都民や社会福祉団体等の協力を得て、先週末までに無駄にすることなく全ての配布を完了できたところでございます。  食品ロスに対する都民の関心は高まっており、今後は流通、小売段階における食品ロスの削減に向けて実態調査を行い、関係事業者等から成るステークホルダー会議を立ち上げ、新たな仕組みにつきまして検討してまいります。  こうした取り組みなどを通じて、二〇三〇年度までに食品ロス半減を達成する食品ロス削減東京方式の確立を目指してまいります。 ◯副議長(小磯善彦君) この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。    午後五時三十二分休憩      ━━━━━━━━━━    午後五時五十五分開議 ◯副議長(小磯善彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  百一番尾崎大介君。    〔百一番尾崎大介君登壇〕 ◯百一番(尾崎大介君) 私たちは、まず隗より始めよということで、議員報酬の三割削減を初め、費用弁償の廃止、政務活動費の削減と情報公開及び適正化などをこれまで主張してまいりました。  先日の本会議において、議員報酬二割削減など、議会改革関連条例が全会一致で可決、成立したことは一定の前進であると考えております。  しかし、これだけで十分だとは考えておりません。引き続き都議定数は現行の百二十七からの大幅な削減、政務活動費は忘年会や新年会など飲食を伴う支出を認めない使途制限など、都議会の改革に積極的に取り組んでいきたいと考えております。  また、都政のブラックボックスの象徴となっている豊洲市場移転問題について、私たちは、この間、再三真相究明のため百条委員会を設置すべきだと訴えてまいりました。先般、二月二十二日の本会議において、特別委員会の日程を生かした形での百条委員会の設置が決定をいたしました。  しかし、日程を先送りしたり、アリバイづくりの審議が続くようなことはあってはならず、私たちは、石原元知事の証人喚問など、徹底的にこの問題の真相究明に向けて取り組んでいく決意であります。  今の都議会で議会改革や豊洲問題の真相究明などへの取り組みが遅々として進まず、ここまで時間がかかるのは一体なぜなのでしょうか。こうした改革に徹底して抵抗する勢力が多数を占めている都議会は、まさに百鬼夜行の世界であるかのごとしであります。  私たちは、この都議会の現状を打破し、明るい日の光のもと正々堂々と議論を行い、スピード感を持って物事を決める、都民の負託に応える議会として再生をすべく、改革を阻んできた都議会自民党と闘い、都議会改革を進めるため全力で取り組むことをお誓い申し上げ、代表質問に入ります。  まず、知事の基本姿勢についてお伺いをいたします。  小池知事は、ご自身初の本格予算案を審議する定例会開会に際し、施政方針表明において、東京大改革で、これまでの延長線を超えた改革で都政の手法と体質を変える、これまでの組織、制度、政策の全てを見直すと宣言をされました。  我々東京改革議員団のDNAは、改革の推進と既得権打破であります。そして今、都民が求めているのは、改革を前へ進めること、そして全ての人があすへの希望を持てる東京にすること、すなわち格差の是正であると考えております。我々議会は、この都民の期待に応えなければなりません。  そこで、昨年末には、二〇二〇年に向けた実行プランを策定され、平成二十九年度予算編成をされた小池知事の東京大改革に向けた見解を伺います。  私は、繰り返し正規雇用の三分の一にも満たない非正規雇用労働者の収入、将来の格差にも直結をする子供の貧困と教育格差は、一刻も早く手だてを講じなければ取り返しのつかなくなる緊急課題であると述べ、国に先んじても将来に必要な投資を行い、実効性が高い施策を行うよう求めてまいりました。  また、長期ビジョンの策定に当たっては、都民の幸福度、満足度の世界一を目指していただきたい旨、求めてまいりました。そして実行プランの策定に当たっても、格差の解消なくして、二〇二〇年の先の夢も、明るい未来も描けない、努力が報われる東京にするためのプランとし、具体的な政策展開をと申し上げてまいりました。  これまでの知事は、私たちの再三の求めにもかかわらず、長期計画において、都民の生活がどうあるかという視点を政策の大きな柱に据えることはありませんでした。  しかし昨年末、策定をされたプランには、東京の挑戦として都民生活満足度を掲げ、教育格差の解消に向けて、私たちが提案をしてきた東京都版給付型奨学金という具体的な施策の実行など、現状の打破に向け布石を打つ内容となっていると理解をいたします。  実行プランにおいて掲げた都民の生活満足度を五四%から七〇%に高めるという挑戦に、知事がどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。  次に、行財政改革について伺います。  情報公開の推進には、いつ、誰が、どのように、何を決め、何をしたのか、情報が記録として残されることが極めて重要であり、このことを徹底しなくてはなりません。  私たちは、公の文書は、将来も含めた都民のものであるという原則をいま一度ルールとして明確化をするために、公文書管理条例の早期制定をこれまで求めてまいりました。  これまでの知事のもと、情報公開と公文書管理の徹底は実現をしてきませんでしたが、さきの定例会では、小池知事より、公文書管理条例の来年度早期の制定について極めて明快な答弁をいただき、公文書管理の適正化に向けて動き出しました。  私たちは、新しくつくる公文書管理条例については、外部有識者を入れて、後日の検証可能性の担保を主眼とした検討を行うべきと考えます。すなわち、決裁文書はもちろん意思決定をも対象とし、作成義務を課すことを提案いたします。  また、保存すべき文書が新しい条例の制定、施行前に廃棄されないよう、継続中の事業に関する文書の保存、重要案件の文書の終了後一定期間の保存、これらの徹底を知事として指示をしていただきたいと考えております。  豊洲問題では、移転はおろか建物の引き渡しすら済んでいない段階で決裁文書がないとされ、市場建設に係る打ち合わせ記録もないといえる信じられない実態が明らかになりました。  これらを踏まえ、豊洲のような問題が二度と起こらない都庁風土をつくり、改革の礎となるような公文書管理条例の制定に取り組むべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  私たちは、これまでも監理団体の契約情報の公開に取り組み、実現をするなど、行政改革に取り組んでまいりました。監理団体活用方針の見直しや随意契約の問題など、まだ残された課題がございます。  また知事は、既に四千八百全ての事業に原則として終期を設けることとされましたが、私たちがこれまで求めてきた徹底した無駄排除と綱紀粛正のため、繰り返し外部の目による評価の導入も必要と考えております。  例えば、事業評価や監理団体経営評価に外部の目を入れる、あるいは東京都版会計検査院として独立した調査活動を行うチームを設置するなど、有効な手法を検討すべきと考えております。  小池知事は、施政方針において、二〇二〇改革プラン(仮称)の策定に取り組むと表明をされ、これまで都庁の自律改革を促してきましたが、これからは経営戦略改革へとレベルを上げていくとされました。  時代に即した合理的かつ効率的な行政のあり方、業務のあり方を実現するためには、行政改革のプランが必要であり、目標や期限を明確にして取り組むべきであると申し上げてきましたが、平成十八年を最後に策定されておりませんでした。  二〇二〇年の先の未来を考えると、少子高齢化社会が現実となった今ほど、行政改革のプランが必要とされているときはないといっても過言ではありません。  行政改革のプラン策定に当たり、知事の見解を伺います。  知事は、豊洲市場の建設工事費の膨張などから、入札に関して問題意識を持たれ、都政改革本部においても自律改革に向けて取り組まれており、施政方針においても見直しを検討していると述べております。  都の入札案件では、不調の発生、一者入札、九九・九%の高落札率が多く見られます。このことは、入札の趣旨に鑑み、決して好ましくないことは確かであります。  私たちは、都の入札について、多くの企業が参加をし、活発な競争が行われる入札が、都民への説明責任を果たす上でよい入札であると主張し、民間工事が旺盛なときには公共工事に魅力がなくなるといわれる中でも、なぜ公共工事が選ばれないのかを認識し、対応策をとるよう求めてまいりました。また、入札参加企業における社会保険未加入問題などへの徹底した対応など、悪貨が良貨を駆逐することのないような取り組みも求めてまいりました。  公共工事の入札では、入札の競争性、公平性、透明性をより一層高めると同時に、工事等の品質担保はもちろん、環境負荷の低減や技能労働者等の労務環境をしっかり確保することも求められております。  昨今の東京都の契約案件の課題をどのように捉え、どのように入札制度の改革をしようとしているのか、知事の見解を伺います。  文部科学省による組織的な再就職あっせんが問題となっております。  人事課歴代OBが介在をし、同省の業務を多数受託している団体や民間企業から資金提供などを受け、再就職支援業務として組織的にあっせんをし、口裏合わせをしていたというあきれた実態が明らかになってきました。こうした事態を受け、国は、天下りが禁止された平成二十一年にさかのぼって実態を調査することとしております。  知事が施政方針でも述べたとおり、都は、東京都退職管理条例により、再就職情報を管理、人材情報の提供を行っておりますが、国のこうした事態を受け、この制度の目の届かないところで、不適切な天下りやあっせんがないかも含めた都としての検証で、都民の理解が得られるよう取り組むべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  次に、平成二十九年度予算案について伺います。  事業評価などにより、都政の無駄を排除することはもちろんですが、将来の成長に向けた戦略をしっかりと描き、必要な投資には十分な予算を振り向けなければなりません。
     私は、平成二十九年度予算要望において、小池知事に成長戦略に基づく新産業の育成や、環境エネルギー施策の充実、子育て、福祉の充実などに集中して予算を投じるなど、めり張りをつけていただくことを求めました。  予算案を見ますと、小池知事の三つのシティー、女性活躍など、特色のある内容となっております。中でもダイバーシティーは、私たちが東京都に対して求めてきた都市ランキングの指数にはあらわれない分野にも光を当て、さまざまな価値観、考え方の住民が暮らす大都市東京にふさわしい多様性のある施策を展開すること、意欲のある人に多様な教育と就労の機会を提供し、一人一人の可能性を広げること、そして東京を夢と活力にあふれる魅力的な都市にするとして、私たちが求めてきた内容と合致をしております。  具体策としては、東京都版の給付型奨学金を初め、非正規、貧困、教育、いずれについても新たな取り組みが盛り込まれており、最重点として知事に求めた待機児童対策には、過去最大の一千三百八十一億円を計上し、保育士確保のための給与改善策として、国事業へのさらなる上乗せを決断されたことを高く評価するものであります。  この予算を通じ、知事が掲げる新しい東京をどのように実現させようとしているのか、平成二十九年度予算案について見解を伺います。  知事は、今回の予算編成において、毎年二百億円と決まっており、毎年同じような項目となっていた復活予算を廃止し、各種団体の予算要望を直接聞き、さらに知事査定期間を倍増させました。提出された予算案を見る限り、復活予算の廃止による影響は見られず、市町村総合交付金の増額など、むしろ必要に応じ、適切に予算を配置し、措置されたものと感じております。  私たちも、例年各局の予算要求を前に、約百団体から、東京都予算に対する要望を聞いておりますが、いただいたご要望については全て回答をお届けしています。  このように、議会は議会として都民要望を聞き、調査検討し、予算への反映を求める。知事は知事として都民要望を聞き、議会と議論をし、総合的に判断して予算編成を行う。さらに予算案を第一回定例会で十分に審議をし、必要があれば決まった金額ではなく、内容に応じて修正するというのが本来の姿であります。  団体からの予算要望ヒアリングにより、どのような成果があったのか、知事の見解をお伺いいたします。  次に、多摩の活性化について伺います。  かつて、東京都の長期構想では、都内のエリアごとにビジョンが示されておりました。また近年では、多摩ビジョンが策定をされましたが、現状打破には至っていないというのが、私の率直な感想であります。  私たちは、予算特別委員会などの場で、里地里山の保全と活用、新規就農を希望する若者への支援や、グリーンケアへの取り組みを支援するなど、東京だからこそできる農業活性化や農業経営の改善を提案、水源林の涵養、フォレスターのような専門職としての林業の担い手の育成、木質バイオマス活用による林業の収益性向上策、また、森林や農地で退職者が利用できるクラインガルテンのような滞在型農園への支援など、数多くの提案を行い、東京都の取り組みが進んできた経緯もございます。  知事は、二〇二〇年の先を見据え、多摩の振興プラン(仮称)を策定すると表明をされました。その手法についても、フラッグツアーで真っ先に多摩地域を訪れた小池知事らしく、積極的に多摩地域に足を運び、地域の方々と意見交換を行うとされたことは、これまでになかったことであります。  多摩地域は、区部より早く人口が今後減少に転じ、高齢化の進展も早く、さらには、大規模工場の撤退など、状況は大きく変化をしております。  私たちもこの状況に的確に対応し、活気ある地域づくりに全力を挙げていきたいと考えておりますが、平成二十九年度予算において、知事は多摩の活性化に向けた狙いをどのように込めたのか、見解をお伺いいたします。  次に、豊洲市場移転問題について伺います。  百条委員会が設置されたことを踏まえ、私たちは、石原元知事に対して、移転の意思決定の経緯などを質問いたしますが、ここではその前提となる事実確認を含めて、幾つかお伺いをいたします。  石原元知事は、昨年十月二十五日の小池知事に対する回答の中で、一九九九年四月の知事就任以前から、都庁幹部や市場関係者の間で豊洲という場所を決めていた旨、記述をしております。また、豊洲という土地への移転は、既定路線のような話であり、そのことは当時の資料をお調べいただければわかるものと思いますとしております。  濱渦元副知事も、この間、マスコミなどに対しては、豊洲は青島時代に決定済みの案件だったと答えております。  そこで、当時の築地市場の整備に関する検討状況はどうだったのか。豊洲市場への意思決定をした当時の最高責任者とその時期について、確認を求めるものであります。  この間、一九九九年から中央卸売市場長を務められた大矢實氏も、マスコミの取材に応じ、私が移転を進言し、石原元知事が最終決定をした旨語っております。私たちも、決定したのは石原元知事だと考えております。  しかし、築地市場の現在地再整備は一九八六年一月十三日、当時の鈴木俊一都知事を筆頭とする東京都首脳部会議において決定をされた事項であります。紆余曲折がありながらも、決定をされた現在地再整備が何の庁内の手続もなく変えられ、最終的に大矢元市場長の一存で石原知事に提案するに至ったとは、到底思えるものではありません。青島都政下において、明らかに意思決定のシステムが変わっていたのではないかと思われます。  一九八六年、東京都首脳部会議において現在地再整備を決定するに至った経緯と内容について、確認を求めるものであります。  また、石原元知事に対しては、二〇一〇年十月二十二日に豊洲移転を決断したことの経緯についても確認をしたいと思っております。  二〇〇九年の都議会議員選挙で、当時の私たち民主党は、強引な移転に反対、現在地再整備について改めて検討するなどとしたマニフェストを掲げ、都議会第一会派となりました。その後、都議会において特別委員会が設置をされ、築地での現在地再整備案が作成されるまでに至りました。  当時私たちは、築地の現在地再整備案と豊洲案とを比較して、業界の意向調査を実施した上で、豊洲移転の可否を判断すべきと考えておりましたが、十月二十二日、石原知事が定例会見で、突然、豊洲移転を進めていくことを決断したと発言をし、あわせて、議会が決めかねるから決断をした旨、発言をいたしました。  これは、二〇一〇年度予算案に付された、知事は議会における検討結果を尊重するという当時の付帯決議を無視するものであり、私たちにとって到底容認できないものでありました。  一方、都議会においては、賛成派が、直前まで民主党会派に所属をしていた花輪ともふみ議員を引き抜き、翌年三月に迎えた本会議では、彼の裏切りによって予算案が一転、六十三対六十二の一票差で可決をしてしまいました。この世田谷区選出の花輪議員は、採決日当日、自民党の都議会議員二名を護衛役として、両サイドをかたく守られながら本会議場入りを果たしたことや、四月の世田谷区長選挙において、自民党の推薦を受けて立候補したことなどからも、その裏で政治工作があったとも報じられております。  一月十五日、小池知事は審議を見直す必要がある旨は話されたと聞いておりますが、都議会ではこのような経過があったことも認識をした上で、都政のうみを出し尽くすべきと考えております。  そこで、二〇一〇年十月二十二日の石原元知事の決断がなければ、当時想定をされていた豊洲市場の整備スケジュールはおくれたのか、見解を伺います。  私は、昨年の第三回定例会で、小池知事にパネルでお示しをした全面黒塗りの豊洲新市場用地購入に関する交渉記録が、知事の指示によって改めて開示をされました。東京ガスの土壌汚染対策費の負担七十八億円の合意に向けた交渉など、隠されていたやりとりの一部が明らかになりました。  明らかになった記録からは、二〇一〇年十月、豊洲の土地売却を望んでいなかった東京ガスに対して、石原知事から交渉を任された濱渦元副知事が、水面下での交渉を持ちかけ、都庁に東京ガスに損をさせない仕組みづくりを指示、それまで難航していた築地市場の豊洲移転に向けた具体的な開発や土壌汚染処理、費用負担、土地売買などを強引に決めていったことがわかります。  土地売買については、土壌汚染費用の分担額や瑕疵担保責任の解除など、東京都がなぜそこまで無理に買わなければならなかったのか、大きな疑問があります。  現在、国が大阪の国有地を学校法人に売却をした問題で、学校の建設用地が相場をはるかに下回る価格で国から学校側へ売られていたことが発覚をし、国会で追及をされております。豊洲の土地は、この問題とは真逆で、進んで高値で買い取った事例ではないかと考えます。  豊洲市場の土地をめぐる交渉や土地の最終価格などを検証し、都が進んで土地を買い取って、都民に損害を与えていなかったのかという点も含めて調べるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  次に、オリンピック・パラリンピックについて伺います。  私たちは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックについて、従前より最少の経費で最大の効果をと繰り返し申し上げ、大会後にさまざまなレガシーを残すよう取り組むべく、さまざまな提案を行ってまいりました。  そして、その実現のためには、皆がスクラムを組んで前進をしていくことが必要ですが、そもそも石原知事に大会招致を要請をした森組織委員会会長のさまざまな言動、行動などにより、その前進が大きく妨げられているものと考えております。  先週、小池知事が仮設施設の整備費の負担検討に言及をしましたが、この問題も、森会長が調整をすべき仕事であったと考えることから、その責任は極めて重く、みずから身を処すべきではないかと考えます。  その森会長が原因で大きな混乱を招いているのが、国の責任と費用負担の問題であります。  組織委員会は、大会の総経費が最高で約一兆八千億円になると発表をし、多くの都民、国民から厳しい目が注がれております。森会長は、費用について、都がやりたいといったんでしょと全面的な責任を求め、国も丸川大臣が、費用負担について、国という話は、東京都が理由と一緒に説明をと述べるなど、責任回避に腐心をしております。  しかし、東京二〇二〇年大会では、招致決定後に、成功に向けた閣議了解が行われておらず、衆参両院で万全な措置を求めるとする決議まで行ったわけですから、国は応分の負担をしてしかるべきであります。  一九六四年東京大会では、国と東京都のオリンピック関連諸事業の経費分担割合は常に同額、一つのものに対して、おのおの二分の一ずつ負担をする原則を打ち立て、大会を成功裏に終えました。  一九六四年東京大会と同様に、国が当然費用負担をすべきと考えますが、知事の見解を伺います。  大会のゴルフ会場、霞ヶ関カンツリー倶楽部は、女性が正会員になれない問題で、IOCから男女平等への改善を求められております。小池知事による大会会場としての違和感の指摘はもっともだと考えます。ゴルフ界の問題を提言する有識者会議からも、ゴルフ会場を都立若洲ゴルフリンクスに変更すべきだとの提言が発表をされました。  大会レガシーについて、霞ヶ関カンツリー倶楽部は、大会後に一般の都民、国民がレガシーコースとしてプレーをしたいと考えても、これは会員制のクラブであることから利用することができません。レガシーにこれはならないのではないかと考えます。  これに対して、若洲ゴルフリンクスは、東京都が所有をするパブリックコースであり、誰もがオリンピックコースでプレーをすることができます。昨年のリオ大会においても、会場として新たなパブリックコースが整備をされております。  気候については、霞ヶ関カンツリー倶楽部の至近地の夏期の平均気温は、国が運動は中止と注意を促す三十五・八七度であり、三十八度を超える日もあることから、熱中症の危険があり、アスリートや観客には苛酷過ぎる状況であります。これに対して、海風が吹く若洲ゴルフリンクスは、気温は四度ほど低い三十一・八八度になることがわかっております。  会場へのアクセスについて、霞ヶ関カンツリー倶楽部は、選手村から車で一・五時間かかり、関越道など高速道路に専用レーンを設けなければならず、多額の補償費が費やされます。これに対し若洲ゴルフリンクスは、選手村から六キロの距離で、東京駅や羽田空港から、車でわずか十五分の距離にあります。  会場決定経緯については、霞ヶ関カンツリー倶楽部に決定をした招致委員会の会議が独自に設けた基準は、国際ゴルフ連盟の基準とは大きく異なったもので、リオ五輪でも必要とされなかった三十六ホール以上を保有するコースとした点など、若洲ゴルフリンクスを外し、あえて霞ヶ関カンツリー倶楽部に選定をするために基準にしたことが推測をされるものであります。  開催経費については、霞ヶ関カンツリー倶楽部は、報道によると百六十二億四千万円、若洲ゴルフリンクスは、有識者会議の試算によると、二十億六千万円とされ、約八倍の驚くべき差額となることが示されました。  東京二〇二〇年大会のゴルフ会場は、さまざまな問題を抱えており、都外施設の費用についても、都が負担をしなければならなくなる可能性があることも考えれば、百四十億円の費用削減ともなる再検討が行われるべきと考えます。  知事におかれては、ぜひ若洲ゴルフリンクスを視察していただきたいと求めるものであります。さまざまな問題を指摘されているゴルフ会場、霞ヶ関カンツリー倶楽部を、若洲ゴルフリンクスを含め、見直すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  組織委員会においては、総経費の不断の見直しを行っていくことに加え、知事も施政方針で表明をされた共感や収益を生む取り組みを積極的に行うことが極めて重要と考えます。  加えて、組織委員会予算が五千億円の収支均衡となっていることに対し、都が残りの一兆三千億円を負担しなければならなくなることを想定すれば、組織委員会における一層の増収の取り組みを積極的に行っていくことが極めて重要だと考えております。  先日、小池知事が、東京の伝統工芸品の技法を生かした公式グッズ、風呂敷兼スカーフを紹介した取り組みは、大変よい宣伝効果があったと考えるものであります。そのため、多くの都民からは、公式ライセンス商品を購入したいという声が寄せられております。組織委員会としてさまざまな商品を販売して増収を図り、東京都として負担を限りなくゼロに近づける努力をするべきであります。  また、来年には大会マスコットが公表されるため、組織委員会において、国民から大いに共感を得る多くの商品を開発し、マーケティングを進めて、さらなる国内スポンサーシップの増加が図られることを強く求めるものであります。  さらに、特別委員会にて提言をしておりますが、都が収益をふやすこと、施設整備への寄附を広く募るべきと考えます。施設整備にあわせて記念碑を建立し、そこに寄附者の氏名を刻むことや、ネームプレートを施設の壁面に掲載をするなどの取り組みを検討すべきであります。  このような取り組みは、既に他自治体でも行われており、直近では、北九州スタジアムの整備で実施をされました。民間では、吹田サッカースタジアムでも、百億円を超える寄附を募ったところであります。都の新規恒久施設の整備においても、寄附への取り組みを行うべきと考えます。  小池知事発案の、不要な携帯電話などから東京二〇二〇大会の金メダルをつくるプロジェクトも、大会への参加意識の醸成に大変有効な取り組みであると考えます。  組織委員会や都においても増収を図るとともに、都民、国民の参加意識を高める相乗効果のある寄附や取り組みを、より積極的に行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、子供、子育て支援について伺います。  教育に対する国の公的支出は、世界的に低水準であり、教育投資をふやすことが求められております。私たちは、高校無償化など、親の経済力に左右されずに学べる環境をつくるために取り組んでおり、都には給付型奨学金の創設を求めてまいりました。  都立高校においては、保護者が資格試験や模擬試験、修学旅行の参加費など、多くの学校関係費を負担しております。こうした経費は、家庭の経済状況によっては払えずに、子供が学校行事や将来の夢を諦めざるを得ないこともあると聞いております。  小池知事によって給付型奨学金が創設をされることで、教育の格差是正が進むことを大いに評価いたします。  給付型奨学金など、子供の未来への教育投資をふやす事業を積極的に予算に盛り込んだ知事の思いをお伺いいたします。  私たちは、保育サービスの拡充を中心とした子育て支援の充実が、東京の課題である少子化や子供の貧困対策、労働政策、低成長の改善に効果があるため、都において、待機児童の解消など、目標達成に向けた取り組みを求めております。  都内で共働き世帯がふえ、保育施設の受け入れをふやしても待機児童が減らない、保が大変厳しい状況が続いております。  都は、二〇一七年度予算案で、過去最大の待機児童対策一千三百八十一億円を計上し、二〇一九年度末までに、七万人の保育サービスをふやす取り組みを掲げており、その取り組みを評価するものであります。  しかし今年度末、国は新たな待機児童の定義に関する検討結果を取りまとめる予定であり、今後、待機児童数に含まれる人数がふえることが予想されます。また、多様な働き方から、夜間保育や休日保育など、保育に対するニーズがふえるなど、都が広域的に取り組むべき課題が存在をいたします。  国の新たな定義など、潜在的な保育需要を踏まえ、多様な保育ニーズに応えるなど、待機児童ゼロの実現に向けて、さらに取り組むべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  新たな保育施設が整備をされ、保育士が必要となる一方で、毎年多くの保育士が離職をしており、平均勤務年数も、全産業の平均に比べて期間が短く、就職と定着に課題があります。都内の保育所長からは、保育士を募集してもなかなか集まらないとの声を聞いており、私たちは、都として、保育士の就職促進支援や職場定着支援、人材確保策を推進すべきと訴えてまいりました。  また、子育てなどで保育現場から離れた保育士の復職を促すには、専門職としてきちんと評価をし、それに見合った賃金とすることや、労働環境を改善することも不可欠であります。民間保育所で働く常勤保育士の賃金は改善をされているものの、非常勤保育士も含めて月額ベースで底上げする必要があり、株式会社が運営する保育所においては、さらなる待遇改善が求められております。  私たちは、子育て環境の整備と、保育士が安心して働き続けられるよう保育士のさらなる処遇改善を求めてまいりましたが、知事が保育士の家賃補助拡充に続き、新たに保育士等キャリアアップ補助を拡充することを大いに評価するものでございます。  知事が重点的に取り組む保育士確保、定着のさらなる取り組みについて見解をお伺いいたします。  保育士不足の要因の一つは、業務超過の労働環境であります。保育以外の事務や雑務、非常勤保育士の指導など、業務は年々ふえ、自宅への持ち帰り残業や長時間労働が常態化をしているとの声も聞かれます。都の実態調査でも、給与、賞与等の改善、職員数の増員に次いで、事務雑務の軽減の希望が多く出ております。手書きで作成をする保育記録や、クラス便りなどをデジタル化、ペーパーレス化して、保護者とスマートフォンやパソコンを通じてやりとりすることに変えるなど、保育士の負担を軽減すべきであります。  保育所のICT化など、保育士の業務負担を軽減する取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。  都内自治体では、地域で子育て家庭を応援する保育バウチャーを発行し、一時保育や家事援助などのサービスを利用しやすくしております。こうした施策は、地域のコミュニティビジネスやNPOなどの発展、事業拡大にも大いに寄与をしているものであります。  また、都は、特別区において保育施設として使われる借地を対象に、固定資産税などを全額免除する方針を発表いたしました。多摩の市町村においても、保育施設の用地確保策に取り組んでいることから、万全な支援を求めるものであります。  私たちは、乳幼児一人一人への支援が重要だと考えており、都において、ベビーシッター利用や、保育バウチャーなどに取り組み、子育てサービスの利用者支援を推進すべきと考えますが、見解を伺います。  私たちは、少子化対策として、子供を産み育てやすい環境の構築に向けて取り組んでまいりました。しかしながら、これらの施策とあわせて取り組むべき施策として、子供を産みたいと考えているにもかかわらず、なかなか子供を授かることができない夫婦に対する不妊治療への取り組みがございます。  私たちは、この不妊治療への都の支援を十年以上も前から訴えてまいりました。夫婦双方に体力的、精神的、経済的な負担がかかる不妊治療への支援にさらに取り組み、負担を軽減すべきと考えます。  高年齢での妊娠、出産は、さまざまなリスクが高まるとともに、不妊治療においても、出産に至る確率が低くなることが医学的に明らかになっております。特に三十歳代後半以降では、女性や子供への健康影響などのリスクは上昇をする傾向にあり、早期に検査や治療を受けることが望まれます。  そこで、不妊かもしれないと悩む夫婦に、早期に検査を受けることを促し、早期治療に着手をする環境を整備するために、不妊検査及び不妊治療に対して支援を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。  知事は施政方針の中で、島々を船舶で周遊する婚活ツアーなども後押しをすると述べておりました。しかし、官製婚活については、なかなか出会いがないのではなく、長時間労働で出会う時間がつくれない、あるいは、官製婚活に税金を使うのであれば、収入が安定するような施策に取り組んでほしいという意見があるのも事実であります。また官製では、退屈な婚活パーティーになりかねず、むしろ民業圧迫だという意見もございます。  私は、働き方改革は当然のこととして、東京には、さまざまな旅行業者やイベント企画会社があることも踏まえ、民間の事業を後押しする取り組みが必要であると考えております。また、小池知事のいう賢い支出という視点からは、少子化対策を兼ねつつも、あくまでも観光振興の一環として婚活ツアーを後押しすべきではと考えております。  施政方針で述べられた島々を船舶で周遊する婚活ツアーについて、小池知事の見解を伺います。  次に、問題を抱えた子供たちの支援について伺います。  まずは、児童虐待対策の推進です。  昨年度、都内で児童相談所が対応した虐待相談は九千九百件を超えました。この十年間で三倍にふえております。新聞を開けば、虐待事件が報じられない日がないほどで、悲惨な虐待事件の記事を読むのが、はばかられるほどであります。  来年度、東京都は、子供の命を守る児童福祉司や児童心理司をふやしますが、件数増に追いついてはいないため、引き続きの増員と専門性を高める取り組み、関係機関の連携強化を求めるものであります。  児童虐待により小さな命が失われる悲劇を防ぎ、負の連鎖を断ち切るために、児童虐待への取り組みを一層強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、子供の居場所であります。  子供の六人に一人は所得水準の低い家庭で暮らしております。厳しい状況に置かれている子供の食を満たし、意欲を引き出す支援などを行う、子供の居場所をふやす取り組みが行われております。  居場所には、一日二回の食事を提供しながら学習指導を行っている施設もあれば、月四回の夕食を提供する子供食堂など、子供たちを支える形態はさまざまであります。こうした支援を必要とする子供たちもまだまだおり、支援に意欲を持つ方もたくさんいらっしゃいます。子供の居場所をふやすためには、開設や運営をしやすくするような支援が必要であります。  子供食堂や学習支援、親への支援など、都内の全ての地域に子供の居場所づくりが進むよう支援をしていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。  次に、貧困対策です。  子供の貧困には多くの要因が絡み合っております。子供自身の障害、虐待、親の就労や借金問題、親もまた、貧しさや経験の乏しさの中で育った場合が多く、家庭の養育力が低い傾向にあるといわれております。貧困の連鎖を断ち切るためには、子供だけではなく、親や家族が抱える問題への法的対応なども含めた総合的対策が欠かせません。  他県では、自治体と弁護士が連携をして総合的な相談事業を行っており、東京都においても、各自治体に各支援をつなぐ人材を配置できるよう支援が必要であります。  子供たちが貧困の連鎖を背負うことのないよう、各自治体に人材配置の支援を行うなど、子供の貧困対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、環境施策について伺います。
     私たちは、東日本大震災を契機とした議員提案である省エネ条例の制定を初め、環境施策には特に力を入れ、精力的に視察、調査活動を重ね、政策提言を行ってまいりました。省エネルギー、再生可能エネルギーの推進については、二十八年四定の私たちの代表質問に対して、小池知事より、これまでの施策に新たな視点を加え、総合的な施策を展開していきたいとの答弁をいただきました。  二十九年度予算においては、エネルギーシフトを推進するための事業が計上されております。  私は、こうした知事の方針を率直に評価をするとともに、これまでの知事が、企業、事業者による取り組みに重点を置いて施策を構築していたことに対し、小池知事となって、新たに環境においても、都民とともに進める都民ムーブメントの創出にも力を入れていこうという意思を感じております。  都民ムーブメントの創出で象徴的な事業は、百万個のLED電球無償交換事業であります。単に電球をかえるだけで、消費電力は約五分の一になり、寿命は二十から四十倍に延びるため、大きな省エネ効果があります。  私は、交換だけにとどまらず、交換に訪れた都民に、省エネコンシェルジュなどが賢い省エネを働きかけ、家庭全体の省エネに発展をさせる取り組みにすることで、高い政策効果が得られるのではないかと考えます。  省エネルギー、再生可能エネルギーの導入推進、いずれをとっても都民の共感と協力なくしては前に進められないものであります。今後の環境施策の進め方について、知事の基本的見解を伺うものであります。  家庭における省エネのパッケージ対策として、新築住宅の省エネ基準適合や、既存住宅も含めた住宅の環境性能の向上に取り組みを進めなければなりません。  一方で、空き家問題が叫ばれる中、既存住宅の環境性能を高める取り組みを促すことは、環境施策だけにとどまらない副次的な効果をもたらすものだと考えております。  実行プランにおいて、都有施設のZEB化が掲げられていますが、住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウスが、今後標準的な新築になっていくといわれており、きちんとしたエコハウスの普及促進は大変重要な課題であります。  これまで私たちが提案をしてまいりました欧州で効果を上げている住宅エネルギーパスのように、住宅性能を上げる取り組みが、東京都版エコハウスの推奨や既存住宅の省エネ、断熱改修に係る事業として、今回予算案に計上をされました。社会インフラとしての住宅の環境性能を高め、環境性能の高い住宅を普及させる取り組みについて、見解を伺います。  最後に、一言申し上げますが、長いこの都議会の歴史の中で、今ほど都議会が全国的にも注目をされ、自浄能力が問われているときはないと思っております。  私たちは、今まで都議会で全力を尽くしてきたという思いもありますが、時代や都民のニーズには、まだ十分に応えられていない部分があったのかもしれません。いま一度、都民の皆さんの負託に応えられる議会として再生をすべく、東京の改革を前に進め、これから始まる百条委員会の審議における徹底した真相解明こそが、都政の信頼を回復する唯一の道であることを確信しております。全力を尽くすことを申し上げ、質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔知事小池百合子君登壇〕 ◯知事(小池百合子君) 尾崎大介議員の代表質問にお答えをいたします。私がお答えするのは十九問ございます。  まず、東京大改革についてのご質問がございました。  東京を今大きく改革しなければ、東京の持続可能性は失われる、これは私が知事選に出馬を決意したときからの変わらぬ思いでございます。今後の人口減少、不透明かつ不安定な国際情勢の中で激化する国際競争、こうした困難な状況におきましては、これまでの都政の手法と体質を変えなければ、東京をさらなる発展へと導くことはできない、そのような強い危機感を抱いているところでございます。  だからこそ、就任以来、全庁を挙げて情報公開、そして自律改革に取り組んできたわけでございますが、今後はさらにそのレベルを上げるとともに、二〇二〇改革プランの策定を進めて、業務の効率化や執行体制の見直しなどに取り組むなど、これまでの都政を包括的に見直すことが必要であります。  そして、二〇二〇年に向けた実行プランと平成二十九年度予算を両輪といたしまして、都民とともに大義と共感のある政策を着実に進めて、都民一人一人の希望にあふれた東京の明るい未来を築き上げていきたいと思います。  今、そして未来の都民への責任を果たすため、同じ志を持つ皆様と東京大改革に邁進してまいりたいと思います。  都民の生活満足度の向上についてのご質問がございました。  都民ファーストの視点から、大義ある政策を都民の共感を得ながら進め、三つのシティーを実現することで新しい東京をつくる、そのための具体的な道しるべとして、私はこの実行プランを策定したところであります。  新しい東京とは、誰もが安心して暮らし、希望と活力を持てる社会であり、その実現こそが、都民の皆様が感じておられる今後の生活への不安を取り除いて、生活満足度の向上につながるものと考えております。  そこで、実行プランにおきましては、生涯を通じた健康づくりや、高齢者が住みなれた地域で暮らせる体制づくり、また、教育機会の格差解消、女性の活躍推進、東京の持続的成長の創出などに取り組んで、多くの都民が心身ともに豊かで充実した暮らしを送り、自己実現を図ることができる、そんな社会づくりを進めてまいります。  こうしたさまざまな政策を着実に実行いたしまして、きょうよりもあす、あすよりもあさってがもっといい、誰もが希望を持って輝ける、そんな東京を実現してまいります。  公文書管理条例についてのご質問がございました。  適正な文書管理は、情報公開制度と相まって、都民の都政への参加を進めるとともに、行政が説明責任を果たす際の基盤となるものでございます。  豊洲市場における文書管理の問題を受けて、今後同様の事態が発生することがないように、まずは東京都文書管理規則を年度内に見直します。さらに、適正な文書管理を制度的に保障する条例案を次期定例会に提案することを目指しております。条例案の提案に当たりましては、外部有識者や都民の皆様の意見を十分聞きながら検討を進めてまいります。  このような取り組みを通じまして、公文書の適正な管理を進めて、都民とともに進める都政を着実に実現してまいります。  行政改革についてでございます。  都民の皆様とお約束した東京大改革を進め、新しい東京をつくり上げる、これが都知事といたしましての私に課せられた使命でございます。  このため、知事就任後、直ちに情報公開、内部統制、自律改革の三つのテーマを初めといたしました都政改革に取り組んで、職員の改革マインドを根づかせてまいりました。  今後は、こうした取り組みを一歩進めて、従来の延長線を超えた新たな発想を常に生み出すために改革を重ね、都政の手法と体質を変えていくことが必要でございます。  このため、四月から二〇二〇改革プラン、仮称でございますが、この策定作業を始めて、業務の効率化や官民の適切な役割分担、監理団体の戦略的活用などに取り組んでいく予定でございます。  あわせまして、自律改革の取り組みを、現場改善のレベルから主要な事業の見える化を図ることによりまして、経営戦略改革のレベルへと高めていくなど、新たな行政改革の取り組みを推し進めてまいります。  入札契約制度改革についてのお尋ねでございます。  公共調達は都民の貴重な税金を原資としております。そのためにも、透明性、競争性、品質の確保に万全を期す必要があるとともに、将来にわたりまして持続可能な調達としていくためにも、女性の登用を初め、中小企業の振興、環境への配慮などへの社会的要請にも応えていくものでなければいけません。  入札契約にはさまざまな方法があります。それぞれにメリット、デメリットがあり、全ての課題に万全の対応をすることは難しいですけれども、お話の一者入札で九九・九%の落札など、都民の疑念を生じさせることのないよう、予定価格の事前公表制や一者入札を防止する取り組みなどについて見直す必要があると認識をしております。  現在、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームにおきまして、年度内を目途に改革案をまとめることとしておりまして、その報告を受けて具体的な行動を起こしてまいります。  いずれにいたしましても、都の公共調達が真に都民の利益にかなうものなのか、ワイズスペンディング、つまり賢い支出や都民ファーストの視点に立って入札契約制度改革を進めてまいります。  職員の退職管理についてのご質問でございます。  職員の再就職につきましては、都民から公正な都政運営が損なわれるといった疑念を持たれることがあってはならないと考えております。  都はこれまでも、再就職情報を一元管理する都庁版人材バンクを独自に設置するとともに、昨年四月には退職管理条例を施行し、外部有識者で構成される退職管理委員会を新たに設置、運用しながら、再就職のより一層の公正性、透明性の確保に努めてきたのはご存じのとおりであります。  また、条例では、原則、再就職した全ての職員に対しまして、再就職情報の届け出を義務づけておりまして、特に管理職については、届け出を行わない場合などに罰則を科すことによって実効性を確保しております。  一方、ことしの四月から二〇二〇改革プランの策定作業を始めまして、官民の適切な役割分担、監理団体の戦略的活用など、新たな行政改革に取り組んでいく予定でございますが、幹部職員の再就職につきましても、今後こうした取り組みとあわせて、監理団体のあり方とともに必要な検証を進めてまいります。  平成二十九年度の予算案についてのご質問でございます。  私が知事として初めて編成した平成二十九年度予算案でございます。新しい東京の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算となっております。  具体的には、二〇二〇年に向けた実行プランの事業については一〇〇%予算化を図るとともに、男女や教育機会の格差とまちの段差を解消する施策を含め、過去最高となります三百八十二件の新規事業を立ち上げるなど、必要な施策には思い切った投資を積極的に行いました。  同時に、全ての事業に終期を設定をいたし、終期を迎えた事業につきましては事業評価を行うシステムを導入するなど、無駄の排除を徹底し、めり張りをきかせることで財政構造改革の一層の推進を図っております。  実行プランのまさしく実行力を支えているのが平成二十九年度予算案であり、都民の皆様の共感を推進力といたしまして、この予算案に盛り込んだ施策を着実に前へ進めていくことで、夢あふれる新しい東京の未来像を一つ一つ実現していきたいと考えております。  各種団体等からの予算要望ヒアリングの成果についてのお尋ねもございました。  予算とは、単にお金をつければよいというものではありません。都民の皆様の納得と共感を呼んで、現実の成果へとつながるものとしていかなければなりません。  そのためには、現場の生の声を幅広く伺うことが必要と考え、都議会各会派の皆様に加えまして、今回、新たに区市町村の代表や各種団体の皆様から直接ヒアリングを行いまして、それぞれが代表する都民の声を伺うことといたしたところでございます。  また、予算編成のプロセスを透明化をいたしまして、都政の見える化をさらに進めるために、これらのヒアリングは、インターネット中継などを通じまして、都民の皆様に公開をしてまいりました。  こうしたプロセスをしっかりと踏んで、現場の状況を踏まえて、議論や判断を行うことによって、東京の明るい将来に向けた大義ある政策を予算案に反映できたものと考えております。  続いて、多摩の活性化についてのご質問でございます。  多摩地域は、ご存じのように、東京の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁しております。そして、高い技術力を持つ中小企業や大学、研究機関が集積をしています。さらに、豊かな自然、地域の特産物を初めとして、きらりと光る宝物がたくさんあります。その発展は、活力ある東京に欠かすことができない存在でございます。  一方、多摩地域は、人口減少、少子高齢化の進展、大規模工場などの撤退、道路、交通ネットワークの整備など、それぞれの地域ごとに諸課題を抱えております。  そこで、来年度予算におきましては、市町村の課題などへの対応を支援する市町村総合交付金の増額を初めとして、地域を支える道路などの都市インフラ整備、多摩ものづくり創業の推進、仮称でございます東京観光情報センター多摩の整備など、地域の特性や課題を踏まえた効果的かつ重層的な取り組みを展開してまいります。  先般、全ての市町村の長の皆様から、直接、各自治体が抱える課題、そしてご要望を伺ったところであります。そこでいただいたご意見も踏まえまして、今後とも、積極的に現場に足を運んで、市町村と緊密に連携をしながら多摩地域の持続的な発展を図ってまいります。  豊洲市場の土地をめぐる経緯についてのお尋ねがございました。  豊洲市場につきましては、用地の選定や土地の購入契約などの経過が不透明といった指摘がなされてまいりました。食の安全・安心にかかわる豊洲市場の問題は、都民の理解と納得なくして解決することができない課題であり、用地の選定から購入に至るまでの事実関係、それにまつわる責任を曖昧にすることなく都民に明らかにする必要があると思います。  このため、まずは過去の東京ガスとの交渉記録を開示し、一連の交渉過程を、都民に対し、つまびらかにいたしたところであります。  また、豊洲市場用地の住民訴訟に対応する訴訟対応特別チームを編成をいたしまして、これまでの売買契約等を精査することといたしました。こうした取り組みによって、用地取得に関する経過や問題の所在が明確になるものと考えております。  都政の透明化を進めることは東京大改革の第一歩であります。今後とも、都民に対する情報公開は積極的に進めてまいる所存であります。  次に、二〇二〇年東京大会に関して、国の費用負担についてのお尋ねがございました。  二〇二〇年大会の準備を万全に行って、大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会、関係の自治体、それぞれが緊密に連携をして、しっかりとその役割と責任を果たしていく必要がございます。  大会の開催に向けましては、さまざまで多様で膨大な業務があります。国は、当然担うべきセキュリティー対策などに尽力することはもちろんですが、会場の所在する自治体への支援など、果たすべき役割は極めて大きいものがあります。  また、二〇二〇年大会は、世界に向けて、東京だけではなく、日本全体をアピールする絶好の機会でもございます。  国に対しましては、これまでオールジャパンでの取り組みを推進するため、平成二十三年十二月の閣議了解による枠組みに固執することなく、財政面を含めた全面的な支援を行うように強く求めてまいりました。  都は、開催都市としての責任を重く受けとめ、役割を果たしてまいります。また国においても、しっかりその役割を果たせるように期待をしております。  ゴルフ会場についてのご質問でございます。  会場の選定に当たりましては、IOC、IFから示された競技や運営に関するさまざまな条件を踏まえて、多くの国際大会の知見を持つ日本ゴルフ協会が、若洲を含め首都圏のゴルフ会場を総合的に検討した結果、霞ヶ関カンツリー倶楽部になったと聞いております。  現在、この会場は、女性が正会員になれないことについてIOCから対応を求められておりますが、関係者が連携をされて、解決に向け取り組んでおられる、その推移を見守ってまいりたいと思います。  また、若洲ゴルフリンクスにつきましては、大規模なコースの改造、多くの観客が安全に観戦できるスペースの確保、国際放送、関係者用の運営スペースの確保などなど、オリンピックの会場としては課題もあると、このように認識をしておりますけれども、いずれにしましても、都の大切な宝であることには変わりがないと考えております。  二〇二〇年大会の寄附などの取り組みについてのご質問でございます。  あと三年と迫りました二〇二〇年大会に向けまして、都民、国民の皆様との一体感を高めて、多くの皆様に大会を身近に感じていただけますよう、さまざまな取り組みを進めていくことが重要であります。  都市鉱山からのメダル製作のための携帯電話の回収、これは私が発案したわけではございませんが、PRはしております。風呂敷クロスなど公式商品のPR、販売などで、多くの方々から賛同をいただける、そんな大会に貢献していきたいと思っております。そういう都民の強い思いも実感しているところでございます。  オリンピック・パラリンピックの寄附金につきましては、現在、組織委員会において、創設に向けて寄附の仕組みを検討しております。  また、都の施設整備につきましても、他の自治体の事例なども踏まえまして、参加意識を高める方策を幅広く検討していくとともに、グリーンボンドなどの活用によって、多くの方々の協力が得られるように取り組んでまいります。  都民、国民の皆様の期待と志をしっかりと受けとめて、人々の心にいつまでも残る大会を実現してまいりたいと考えております。  教育についてのご質問でございます。  教育は、まさに未来への投資でございます。十年、百年先の希望あふれる東京の実現には、その担い手となります、人をつくる、そのための教育の充実が欠かせない要素でございます。そのためにも、全ての子供たちの将来の可能性を引き出して、一人一人の夢や希望を大切に育む環境を整える必要がございます。  こうした考えのもとに、家庭の経済状況が教育機会の格差につながることのないように、勉強合宿の費用や資格試験の受験料などの学習活動経費を支援する仕組みを取り入れるなど、都独自の給付型奨学金を創設することといたしました。  また、先般策定いたしました教育施策大綱では、奨学金の創設に加えて、生きる基盤となる基礎学力の徹底、生きた英語を学ぶ環境の充実など、今後取り組むべき施策の方向性を示しております。  今後、本大綱に基づいて、教育委員会と力を合わせて、未来を担う子供たちの学びたいという意識にしっかりと応えてまいります。  待機児童の解消に向けた取り組みについてのご質問でございます。  女性の活躍を後押しするためにも、東京に誰もが働きながら地域で安心して子育てができる環境を整えることは必要であります。  そのため、私は、待機児童問題を都政の最重要課題の一つとして位置づけ、昨年九月に発表いたしました待機児童解消に向けた緊急対策では、保育所の整備費、賃借料などへの補助を大幅に拡充いたしまして、民有地や都有地の活用を進めるための取り組みも強化したところでございます。  来年度は、さらに二十三区内で保育所用地を有償で貸し付ける場合、固定資産税、都市計画税を十割減免する税制の支援や、企業主導型保育施設の開設費用への支援、預かり保育を進める私立幼稚園への支援の拡充など、新たな取り組みを展開してまいります。  二〇二〇年に向けた実行プランでは、平成三十一年度末までに、保育サービスを七万人分拡充をして、待機児童を解消するという目標も掲げております。その達成に向けて、区市町村と連携しながら、効果的な施策を強力に推し進めてまいります。  保育士の確保、定着に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  保育士の確保、定着を図るためには、やりがいを持って長く続ける環境を整えることが必要であります。  そのために、都はこれまで、キャリアアップ補助、宿舎の借り上げ支援、就職から定着までの相談支援など、働きやすい職場環境づくりを支援してまいりました。  来年度は、さらに、国の処遇改善に加えまして、都独自にモデルケースとして保育士一人当たり月額二万一千円引き上げられますよう、キャリアアップ補助を大幅に拡充してまいります。  また、産休、育休明けに利用するベビーシッター代の補助、業務負担軽減に向けた保育所などのICT化への支援も開始してまいります。  保育サービスを一層整備するためには、保育士の確保がこれまで以上に重要となります。  今後とも、区市町村や保育現場の意見を踏まえながら、効果的な施策を進めてまいりたいと考えております。  島しょを活用した婚活ツアーについてでございます。  東京の観光面の魅力を一層高めるために、それぞれの地域の持つ宝物に磨きをかけて、すぐれた観光の機会の提供に結びつけることは大切であります。
     特に、東京の島々の観光の魅力はもっと多くの方々に知っていただきたい。島しょは個性のある宝島であり、さまざまな工夫で来客をふやす施策を展開できるものと信じております。  さて、島しょを船で周遊するツアー、それを主催する代理店を支援して、婚活の場として活用する、そして出会いの機会を提供するとともに、観光支援に結びつけていくというもので、都が婚活ツアーそのものを主催する官製ツアーは考えておりません。そしてまた、参加者は各自がその費用を負担するということで、都のお金が個人に使われるものでもありませんので、改めてここはご説明しておきたいと思います。  こうした新しい発想を持って施策をつくり上げて、島しょ全域への観光客の誘致を進めて、東京を世界で最高レベルの観光都市へと発展させてまいります。  児童虐待の防止についてのご質問であります。  児童虐待は、子供たちの心に深い傷を残すだけではなく、一人一人が持つ未来への無限の可能性を奪うものであります。人として決して許される行為ではございません。しかし、多くの関係者の懸命な努力にもかかわらず、痛ましい虐待事件が後を絶たないのも現実でございます。  こうした深刻化する児童虐待に対応するために、都はこれまで、児童福祉司や児童心理司の増員、専門課長の配置、虐待対策班の設置、一時保護所の定員拡充など、児童相談所の体制強化に取り組んでまいりました。  来年度は、児童福祉司、児童心理司を大幅に増員をいたしまして、一層の体制強化を図ってまいり、また、虐待の未然防止を図るために、巡回支援チームを設置する区市町村を支援してまいります。  児童虐待防止のためには、行政のみならず、民生児童委員、医療機関、学校など、地域が一体となって取り組んでいかなければなりません。  今後とも、児童相談所が中心となりまして、地域の関係機関の力を束ねながら児童虐待の防止に向けて取り組んでまいります。  省エネ対策の推進についてのご質問でございます。  今般、都民ファーストの視点に立って策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランにおきまして、世界をリードするスマートエネルギー都市の実現を目指して、省エネ対策、再生可能エネルギーの導入促進、水素社会の実現に向けた取り組みなど、地球温暖化対策を積極的に進めることを明らかにいたしました。  東京都はこれまでも、キャップ・アンド・トレード制度やソーラー屋根台帳による太陽光発電の導入の促進、水素ステーション整備への支援など、先進的な施策を進めてきたことはご存じのとおりであります。  今後は、これらの施策を着実に実施するとともに、これまで以上にエネルギー消費量の削減が必要な家庭部門において、白熱電球とLED電球の交換促進事業やエコハウスの普及推進などの事業を展開してまいります。  低炭素社会の模範となる都市の実現に向けまして、都民の省エネに対する意識改革につながる政策を、都民の皆様の共感を得ながら進めてまいりたいと思います。  その他のご質問につきましては、関係局長よりご答弁させていただきます。  ありがとうございました。    〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕 ◯中央卸売市場長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。  まず、築地市場の整備の検討状況についてですが、青島知事時代の平成七年、再整備工事の工期のおくれや整備費の増大、市場業者の営業活動への深刻な影響等の問題が顕在化する中、業界内で再整備や移転に関するさまざまな意見が出されるようになりました。  その後、再整備工事が中断し、平成八年に計画の見直しが決定され、平成九年から新たな再整備計画の策定に向け、業界との協議が進められましたが、施設規模や営業活動への影響、工事の長期化への懸念など、さまざまな問題が提起されました。  こうした中、平成十年に業界団体から、臨海部への移転可能性について調査検討の要望が提出されました。この要望に対しまして、都が業界団体の意思を再確認したところ、業界全体の意見が一致しなかったため、平成十一年二月から石原知事就任後の同年七月にかけて、改めて複数の再整備案について検討が進められましたが、工期や費用の問題に加え、完成後も基幹市場としての機能配備が不十分となることなどが明らかとなりまして、いずれの案も合意に至らなかったものでございます。  こうした状況のもとで、業界から早期移転検討に向けての要望書が提出され、同年十一月、都と業界との協議の場におきまして、現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべきと意見が集約されました。  その後、石原都政下におきまして、平成十三年十二月、第七次卸売市場整備計画によって、豊洲地区への移転が正式に決定したところでございます。  次に、過去の現在地再整備の決定経緯等についてですが、昭和四十七年、都内卸売市場の過密化により、第一次卸売市場整備計画において、築地、神田等の既設市場の機能分散化を図るため、大井埋立地に総合市場を建設することが盛り込まれました。  昭和五十六年、都は、築地市場について、大井市場への全面移転、一部機能分散、築地での再整備のいずれかで調整することといたしましたが、全面移転及び一部機能分散につきましては、業界調整等が難航し困難となりました。  こうしたことから、昭和六十一年一月、鈴木知事のもと、東京都首脳部会議におきまして、築地市場を基幹的市場としての機能を発揮するよう、現在地において再整備すること、再整備の実施時期、今後の進め方等を決定したところでございます。  最後に、平成二十二年の石原知事の決断についてですが、平成二十一年九月、都議会において、築地市場の移転再整備に関する特別委員会が設置され、翌年十月、同委員会において中間報告が取りまとめられました。  この報告を受けて、石原知事は、現在地再整備には、全てが順調に進んでも十数年かかるという問題が明らかであるにもかかわらず、議会としての結論が先送りされたとした上で、業界団体からの要望も踏まえまして、豊洲移転を決断した旨を記者会見で述べております。  なお、豊洲市場の整備スケジュールは、当時の業務の進捗状況によって変わり、また、平成二十二年以降、スケジュール自体が見直されていることから、この決断が当時のスケジュールへ与えた影響につきましては、現時点で判断いたしかねるところでございます。    〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕 ◯福祉保健局長(梶原洋君) 五点のご質問にお答えをいたします。  まず、保育士の業務負担の軽減についてでありますが、都は現在、保育士の業務負担を軽減するため、日誌の作成や翌日の準備などを行う保育補助者や、清掃や給食の配膳など、周辺業務を行う補助者を雇用する事業者を支援しております。  また、高齢者が保育所等で補助的業務を行えるよう、養成講座を開催する区市町村を支援しております。  来年度からは、保育日誌の作成や園児の出欠管理、保護者への連絡などの業務をICT化するための補助も実施するなど、保育士の業務負担の軽減に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。  次に、子育て家庭の支援についてでありますが、都はこれまで、子育て支援の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じ、創意工夫を凝らして実施する取り組みを、包括補助や子育て推進交付金により支援してまいりました。  また、今年度から、緊急対策として、保育所等の利用を希望する保護者にきめ細かく対応できるよう、情報提供や相談、助言などを行う保育コンシェルジュの増配置を支援するほか、認証保育所などを利用する保護者の負担軽減に取り組む区市町村を支援しており、来年度からは、負担軽減の対象を、認可外の居宅訪問型保育サービスにも拡大をしてまいります。  次に、不妊検査及び不妊治療への支援についてでありますが、都は現在、不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、保険適用とならない体外受精や顕微授精等の特定不妊治療費の一部を助成しており、新鮮胚移植や凍結胚移植につきましては、国基準に上乗せをして助成をしております。  また、不妊・不育ホットラインを設置し、不妊に悩んだ経験を持つカウンセラー等がさまざまな相談に応じ、治療に関する情報提供等も行っております。  来年度からは、早期に不妊治療に着手する環境を整備するため、妻が三十五歳未満の夫婦を対象に、不妊検査費及び薬物療法や人工授精等の一般不妊治療費に対する助成を、五万円を上限に開始いたします。  次に、子供の居場所づくりへの支援についてでありますが、現在、都内区市は、生活困窮者自立支援法に基づく子供の学習支援を行っており、都は今年度から、民間団体等と連携して子育て家庭の状況を把握し、必要な援助につなげるための支援員を配置し、学習支援に加え、食事の提供や親への養育支援を一体的に行う居場所づくりを支援しております。  来年度は、支援員が中心となった居場所と地域の子供食堂との連携や、学校給食がない夏休みなどに昼食等を提供する取り組みなどに対して支援を行ってまいります。  さらに、こうした活動を担う団体の立ち上げも支援することとしておりまして、子供の居場所づくりに取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。  最後に、子供の貧困対策についてでありますが、子供の貧困は親の貧困であり、貧困の連鎖を断ち切るためには、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援の四つを柱に、福祉、教育、就労など、さまざまな分野の関係機関が連携しながら、子供や家庭を支援していくことが必要でございます。  そのため、都は来年度から、専任職員を配置して、生活困窮世帯やひとり親家庭などを支援する区市町村の取り組みを支援いたします。  この事業では、専任職員が子育て家庭等の状況やニーズ等を把握するとともに、児童福祉関係者、母子保健関係者、教育委員会等とネットワークを構築し、それぞれの家庭を必要な支援につないでいくこととしております。    〔環境局長遠藤雅彦君登壇〕 ◯環境局長(遠藤雅彦君) 環境性能の高い住宅の普及についてでございますが、都内のエネルギー消費量の約三割を占め、さらなる省エネが必要な家庭部門においては、省エネ、再エネ機器の導入とともに、冷暖房に必要なエネルギーの削減につながる住宅の断熱性能の向上が重要でございます。  このため、来年度は、住宅の中でも特に熱が逃げやすい窓について、高断熱な窓等に改修した場合に、費用の一部を補助する事業を実施いたします。  また、エネファーム等の創エネ、省エネ機器や住宅の断熱性向上に関する技術を紹介したパンフレットを作成し、配布いたします。  こうした取り組みを通じて、環境性の高い住宅の普及を図ってまいります。      ────────── ◯副議長(小磯善彦君) 八十番畔上三和子さん。    〔八十番畔上三和子君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯八十番(畔上三和子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。  まず、築地市場の豊洲移転問題です。  我が党が豊洲市場の主な建物の下に盛り土がなく、地下空間になっていることを告発して以降、この問題は都政を揺るがす大問題になっています。  さらに、ことし一月に、第九回地下水モニタリング調査で、環境基準の七十九倍を超えるベンゼンなど、調査地点の三分の一、七十二カ所で基準値を超える有害物質が検出されたことで、なぜあのようなところに六千億円もかけて市場をつくったのかという都民の疑問と怒りの声が一段と高まっています。  ここには、石原元知事以来、三代の知事による都民不在、巨大開発優先の都政の闇が象徴的にあらわれています。この問題に都議会各派がどう対応してきたのか、そして知事と都議会がこの闇にどうメスを入れ、改革するのかが鋭く問われています。  我が党は一貫して、深刻な土壌汚染地である東京ガス豊洲工場跡地に築地市場を移転することは認められないという立場から、徹底した調査、追及によって問題点を洗い出し、反対の論陣を張ってきました。真相を解明するために、我が党が提案してきた百条委員会も、都民世論の高まりの中で、全会一致で設置されました。我が党は、築地市場の豊洲移転という都政の闇を晴らすために全力を尽くすものです。  まず、石原元知事、濱渦元副知事のもとで、水面下で行われた土地取得をめぐる問題です。  小池知事が、都と東京ガスの土地取得交渉記録の一部を開示したことで、濱渦元副知事が、石原元知事の命を受けて、東京ガスとの交渉に乗り出し、東京ガス株主へ損をさせないとして、水面下で進められた交渉の一端が浮かび上がってきました。しかし、その多くはまだ闇の中です。今後、都及び都議会が真相解明にどのように取り組んでいくのか、都民は注目しています。  知事は施政方針で、豊洲の用地購入の経過も明らかにすると述べました。重要なことです。今、都議会の百条委員会で究明に取りかかるところですが、知事は、今後どのように真相を解明していくのでしょうか。  東京ガスとの交渉経過を見ると、東京都が、東京ガスグループから土地を取得するために、譲歩に譲歩を重ねた経過がわかります。東京ガス豊洲工場跡地の売買契約で、東京都は、土壌汚染がないものとして土地の鑑定評価を行い、契約書には瑕疵担保責任の条項がありません。  そして、東京ガスが負担する土壌汚染処理費用は七十八億円にとどめ、それ以上の法的責任は負わせないことを最終決着とする協定書が交わされています。都民に対する背信行為だといって過言ではありません。  このため、その後新たに必要になった土壌汚染対策費は、上げて都の負担となり、本来都が負担する必要がない七百八十二億円もの公費を投入する結果になったのです。しかも、有害物質はいまだ地下に相当量残されています。豊洲新市場にこだわる限り、都の負担は、今後ともふえ続けることになります。  知事は、こうした土地鑑定や売買契約などについてどう考えますか。  東京ガスとの水面下の交渉の詳細はどういう内容であったのか、なぜこのような交渉結果になったのか、石原元知事を初め、濱渦元副知事、交渉相手の東京ガスなどから、真実をつぶさに聞き取る必要があります。私たちも頑張りますが、知事、いかがですか。  築地市場の豊洲移転をめぐる問題は、石原元知事のもとでの土地取得や土壌汚染対策、建設工事計画だけにとどまりません。それを引き継いだ猪瀬元都知事、舛添元都知事のもとでの土壌汚染調査と対策工事、建設工事にも多くの疑惑があります。  まず、豊洲新市場整備にかかわるこれまでの東京都のうそや情報隠しです。  例えば、東京都は、世界で類を見ない土壌汚染対策技術を駆使してやるから無害化できると公言し、あたかも環境基準の四万三千倍ものベンゼンによる汚染土が、基準値以下に改善できたかのような実験結果を都議会に報告しました。  ところが、我が党の追及で、実際は、環境基準の二・七倍の汚染土による実験で基準値以下に改善したにすぎなかったことが明らかになりました。  二〇一一年三月の東日本大震災のときには、豊洲新市場予定地は、液状化により百カ所以上で噴砂が起きました。汚染が拡散した可能性が高いにもかかわらず、都は、土壌の表面を眺めただけで、汚染状況の再調査もせず、安全だといい張りました。  土壌汚染から食の安全・安心を確保するための柱とされた盛り土、地下水位の管理、有害物質の除去については、都からは虚偽の報告がされ続けましたが、今では、どれも破綻状態が明らかになりました。すなわち、地下水からの有害物質の地上への上昇を抑えるため、敷地全面に盛り土をするとしていたにもかかわらず、主要建物下は盛り土をしませんでした。しかも、その事実を我が党が突きとめるまで隠し通し、虚偽の答弁を繰り返してきたのです。  地下水の上昇を海抜一・八メートル以下に抑え、食の安全・安心を確保するとした地下水管理システムも機能せず、強制排水せざるを得ない事態です。しかも、それでも雨が降れば上昇しており、本格稼働して四カ月以上たつにもかかわらず、いまだに平均二・五メートル以上あるのです。  都はこれまで、地下の環境基準を超える有害物質は全て除去したかのようにいってきました。しかし実際は、調査で見つかった有害物質だけ除去したにすぎなかったことを、第四回定例会で、小池知事が初めて認めました。  そして、本年一月十四日に公表された九回目の地下水モニタリング調査で、七十九倍のベンゼンなどが検出されたことにより、一回目から七回目までの測定値が全て基準値以下であったことの真偽にも、重大な疑念を持たれる事態になっています。  知事、石原元知事以来、三代にわたる知事のもとでの情報隠しと偽りの中で進められた豊洲新市場整備の経緯について、どのように認識されていますか。また今後、こうした情報隠しと虚偽説明の数々について、どのように対処されるのか、伺います。  土壌汚染対策や建設の契約をめぐる疑惑もあります。  土壌汚染対策費は五百八十六億円ですが、実績では八百六十億円に膨らみました。市場の売り場棟の建設費も膨らみました。主要三棟の落札額が一回目に入札不調となり、わずか一カ月後に入札公告した予定価格が何と当初の一・六倍にはね上がり、一千三十四億四千万円にもなったのです。都は、震災後の人手不足、材料費の高騰などを理由にしていますが、到底納得できません。  同時期に、都立武蔵野の森総合スポーツ施設も入札不調になり、再入札になりましたが、落札額は当初の額より三%ないし八%上昇したにすぎなかったのです。しかも、主要三棟の建設工事を落札した三つのゼネコンJVが、その後の豊洲市場整備工事の八割近く、二百億円以上を続けて受注していることも見逃せません。  それぞれ、何がどれだけふえたのか、その要因は何か、談合や利権の介在はなかったのかなどを明らかにすることは、公金執行者としての都の責務です。真相を厳しく調査していただきたいと思いますが、知事の答弁を求めます。  さらに、豊洲市場は開場すると、年間の収支は減価償却費を入れると毎年九十八億円もの赤字になるという試算が示され、市場事業の継続性や事業者負担の持続性についても、それを担保できない危険が大きいことがわかりました。これでは、市場も業者も破綻しかねません。  また、豊洲市場の整備見込み額は五千八百八十四億円ですが、今後、さらに利子負担やモニタリングの継続調査を初め、地下空間内の強制排水、土地汚染対策費など、経費の増額が見込まれます。さらに、水光熱費の増加も見込まれ、市場業者の不安を募らせています。  豊洲市場の安全・安心の確保とともに、市場と業者の持続可能性から見ても、築地市場の豊洲移転は、極めて困難な状況に至っています。こうした問題について、どのように考えていますか。  最近のマスコミ世論調査でも、豊洲移転に反対が四三%、賛成が二九%です。築地市場内の仲卸を中心としたおかみさんの会がつくられ、移転反対への賛同署名に取り組んでいますが、仲卸業者の過半数が移転反対を表明したとのことです。  市場関係者の多くの方々が、早期の決断を求めています。豊洲移転は、中止を含めて抜本的見直しへ踏み出すことが重要だと考えます。知事、いかがでしょうか。  知事は施政方針で、築地市場の豊洲移転について、都民のご意見も参考に、総合的に判断すると述べました。都民の意見をどのように聞いて判断するのでしょうか。  また、六千億円近い支出で建てたものをどうするのかが問われます。複雑な構造物ではない建物であるため、幅広い用途に使えます。適切な時期に、地元住民や市場業者などの意見を踏まえ、都民参加で検討を開始することが必要です。見解を伺います。  築地市場の必要な改修、補修を速やかに行うことも必要ですが、知事、いかがですか。  また、築地市場の現在地再整備のあり方について、さまざまな専門家が提案をしており、我が党は、何人もの専門家からヒアリングを行いました。  その一つが、ローリング方式による築地市場の現在地再整備です。九〇年代にも試みられましたが、今では建設技術も機材も大幅に改良されており、しかも築地市場の取扱量も変化しているため、工事用の種地確保も当時より容易とのことでした。  古い建物の耐震補強をリフォームと合わせて行うことを提唱されている建築家からは、築八十年で設計図も存在していない築地市場のような歴史的建物でも、個々の状況に合わせて再生するという工法で整備すれば、建てかえよりコストが抑えられるとの話を伺いました。既存ストックを活用する方法として注目を集め、全国各地で実績も重ねています。  また、人工地盤をつくって現在地再整備を進めるという工法についても、専門家から話を伺いました。  私たちは、どのような工法をとるにせよ、築地再整備は、費用の面でも工事期間の面でも十分可能だという確信を持つことができました。  都としても、築地市場の現在地での再整備について、調査検討に踏み出す時期に来ているのではないでしょうか。都民、専門家の英知を集めて、市場関係者の合意を得ながら検討を開始することが重要だと思いますが、知事の答弁を求めます。  先行きの見えない中、水産仲卸業者を初め市場関係者は、非常に厳しい状況に追い込まれています。市場関係者の移転延期に伴う損失補償は、十分かつ丁寧な相談体制の拡充も含めて、速やかに取り組まれることを求めておきます。  石原都政の矛盾が噴出しているのは、築地市場の豊洲移転問題だけではありません。  何がぜいたくかといえば、まず福祉という発言から始まった石原知事の福祉切り捨てによって、心身障害者福祉手当、心身障害者医療費助成などは、所得制限が強化され、六十五歳以上の新規認定がなくなりました。ひとり親家庭医療費助成なども、一部負担が導入され、暮らしに困難な条件を抱え、支援を必要とする方々の福祉が削られたのです。予算額わずか六十四万円の盲導犬の餌代補助まで、ばっさりと切り捨てられました。  こうした石原都政の政策からの転換なしに、知事が施政方針で述べた高齢者や障害者の暮らしをしっかり支える都政に切りかえることはできないと思いますが、知事の見解を伺います。
     とりわけ高齢者福祉の削減は厳しいものでした。高齢者は裕福だといって、寝たきり高齢者の老人福祉手当、老人医療費助成も廃止されました。特別養護老人ホームの土地購入費用の補助も人件費補助も廃止されました。  石原都政のもとで、高齢者福祉がどれほど切り捨てられたか、数字にもはっきりあらわれています。石原知事が就任した一九九九年度の東京都の高齢者一人当たりの老人福祉費は、四十七都道府県で一位でした。それが、二〇一四年度には三十位まで低下しています。この間、ほとんどの道府県がふやしている中で、東京都は何と三割以上も減らしたため、大後退したのです。今こそ、高齢者福祉に冷たく背を向けてきた石原都政の政策を切りかえる必要があります。  都内の高齢者が受け取っている国民年金の平均月額は、わずか五万三千七百円です。全都道府県の中で三十三位、全国平均額を下回っています。月三万円、四万円という国民年金で暮らしている高齢者は少なくありません。物価や家賃の高い東京で年金に頼って暮らす高齢者の生活は大変です。その年金額は切り下げが相次ぐ一方、介護の費用や介護保険料、医療費や国民健康保険料、後期高齢者医療の保険料の負担はふえ続け、介護施設は不足しています。  そして、下流老人、介護難民、老人漂流社会などが深刻な社会問題となっていることを知事はどう受けとめていますか。  昨年八月に実施された都民生活に関する世論調査で、都に対し、特に力を入れてほしいことは、高齢者対策が五四%で、前回よりも四ポイントふえ、最も高くなっています。知事は、この都民の願いをどう受けとめ、高齢者福祉の充実を進めるのでしょうか。  二〇一五年度の都の高齢者生活実態調査では、高齢者に対する必要な施策や支援の要望のトップが、特別養護老人ホームなどの施設の充実です。この実態調査の自由意見でも、年金で入れる安い老人ホームをたくさんつくってほしいなど、切実な声が多く書かれています。  都の高齢者保健福祉計画では、二〇一七年度末には、特養ホームを五万人分までふやす目標ですが、二月一日時点の到達は約四万四千七百人分にとどまっています。あと一年余で五千三百人分以上の増設が必要ですが、今のテンポでは年間二千人分程度です。このままでは整備目標は到底達成できません。  民有地購入への補助制度などをつくり、特養ホームなど、介護施設整備をスピードアップさせる必要があると考えます。目標達成のためにどのような取り組みを進めるのですか。  介護人材の不足も深刻です。専門性が評価されず、仕事がきつい割に給与が低いなどのために、人材が集まらないのです。都内の福祉施設介護職員の平均給与は、全職種平均に比べ月十三万円も低くなっています。  介護現場からは、給与が低く人手不足が日常化していて、一人夜勤などがふえ疲弊してやめていく、この悪循環を断ち切るために、職員の増員と賃金引き上げをしてほしいという声が広がっています。  知事、こうした介護現場の実態と切実な声をどう受けとめていますか。  都が現在行っているキャリアパス導入促進事業への補助は、現場の実態に合った仕組みではないため、二〇一五年度の執行率は、五・三%と極端に低く、十分な成果が上がっていません。すぐ効く、よく効く処遇改善が介護の現場でも緊急の課題なのです。  知事、都として、賃金の引き上げに結びつくような処遇改善策にぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、お答えください。  知事が二〇二〇年に向けた実行プランで、保育サービスの増設目標を、四年で七万人分まで引き上げたこと、二〇一七年度予算案で、保育士の処遇改善の費用が大幅に増額されたこと、そして保育園を建てるために、二十三区内で土地を貸し出す方に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置を創設したことなどは重要です。  しかし、ことしの保育園入園申請の一次申し込みの結果は深刻です。杉並区では、認可保育園に申し込んだ四千二百四十九人のうち千五百八十人が入れませんでした。江東区でも、区として昨年より五百五十九人分の認可保育園をふやしましたが、二千百二十三人も入れませんでした。都内各地で、本当に怒っている、ゼロ歳児のときも一歳児のときも二歳児のときも落ちた、さよなら私の自立という気持ちなどという切実な声が上がっています。  保護者は、我が子のために、安心して預けられる保育の質も求めています。日々目覚ましく育っていく子供の成長発達と安全・安心が保障される認可保育園の大幅増設で、量と質の抜本的拡充を求めているのです。  目標の早期達成を含めて、こうした切実な声に応える必要がありますが、見解を伺います。  そうした中で注目すべきは、緊急対策として公立保育園をこの間ふやしている北区です。公立保育園の保育士の求人には応募者が殺到しています。公立保育園を増設することは、保育士を確保し、待機児解消を進める最も効果的な方法の一つです。  ところが、公立保育園はふえるどころか、この十年間に百施設、四千人分以上も減ってしまいました。知事、もったいない話だとは思いませんか。  知事は、地域のさまざまな保育資源を活用して保育サービスを整備するとしています。さまざまな保育資源の一つとして、公立保育園を位置づけることが重要となっていると思いますが、知事、いかがですか。  公立保育園が減っている背景には、施設整備費への補助や運営費への補助が、国からも、都からも出ない問題があります。  待機児童対策が急務となっている中で、公立保育園の増設、建てかえに伴って定員増を行う場合の施設整備に都が補助を行うことを初め、区市町村が公立保育園を活用する取り組みを都が後押しする支援に踏み出すことを求めますが、お答えください。  都有地の貸し付けについては、現在、一平方メートル当たり三十四万円を超える部分は九割減額となっていますが、減額対象の地価の基準をもっと引き下げれば、新たに公表された活用可能な都有地についても一層活用しやすくなります。また、国有地、民有地を都が買い上げ、無償または低額で貸し出して、土地の確保を支援することなども求められています。ぜひ前に進めていただきたいと思いますが、お答えください。  二月十七日に行われた厚生委員会では、心身障害者医療費助成を精神障害者も対象にすることを求めて、精神障害者の家族会が提出した請願が全員一致で採択されました。  精神障害者の多くは収入が少なく、精神障害者と家族にとって、医療費の負担は大変重いものになっていることを知事はどう受けとめていますか。一日も早く請願事項が実施されるようにしていただきたいと思いますが、知事、いかがですか。  知事は施政方針で、OECD加盟国においては、多くの国々で教育に対する手厚い支援が行われている、教育への投資はまさに未来への投資だとおっしゃいました。  最近のOECDの調査では、日本は教育の私費負担が多いこと、小中学校の学級規模は加盟国の中でも最大規模の一つで、教員の勤務時間も最も長い国の一つだと指摘されています。知事は、この指摘をどう受けとめておられますか。  指摘された問題への手厚い支援が重要だとの立場から、三十五人学級について伺います。  日本では三十五人学級編制は小学校二年生まででとまっています。それは財務省がかたくなに少人数学級の推進を拒み続けているからです。  一方、文部科学省は、いじめや不登校の深刻化、貧困家庭の子供、日本語教育の必要な子供、発達障害など特別な配慮の必要な子供がふえ続けていると指摘し、生徒指導面などの課題が複雑化、多様化し、学級の秩序が確保できなくなる事態も生じるなど、四十人という学級規模では学級運営が困難になっていると見解を示しています。  知事は、文科省のこの見解をどう認識しているのでしょうか。  国が少人数学級を進めないもとで、山形県、福島県など十五県が独自に小中全学年での少人数学級を行っており、静岡県でも来年度から三十五人学級を完全実施します。ほかの府県でも独自の拡充が進められ、どこでも不登校の減少やいじめなどへの早期対応、子供の発言の場がふえるなどの効果が報告されています。  東京都は石原都政のもと、少人数学級の拡充に消極的でした。国の小学一、二年生に加え、二〇一三年度から中学一年生が三十五人学級になりましたが、それ以降は前進がありません。保護者や校長会、副校長会など学校関係者からは、繰り返し小中学校全学年に拡大してほしいと、強い要望が出されています。  知事の決断で東京都としても、三十五人学級を小学校三年生へ、さらには全学年へと広げていくことを求めますが、見解を求めます。  次に、高校生の学費負担軽減です。  日本共産党都議団はこれまで、繰り返し高校生の学費無償化、負担軽減を求めてまいりました。また昨年十月には、改めて給付型奨学金と学費負担軽減の拡充に向けた提案を行いました。  小池知事が都立高校生への都独自の給付型奨学金を創設し、私立高校生の授業料無償化の拡充を行ったことは大変重要であり、大きな一歩だと考えます。同時に今回の拡充策は、生活保護世帯の生徒には恩恵がなく、低所得世帯の生徒への支援の拡充もほんのわずかです。私立高校では授業料以外にも、施設費などとして、年額平均二十一万円も徴収されています。生活保護世帯であっても、この施設費や入学金は自己負担しなければなりません。  教育格差の解消のためには、さらなる取り組みの充実が求められると思いますが、知事の認識を伺います。  次に、防災対策についてです。  防災対策でも石原都政からの脱却が求められています。  かつて都は、地震は自然現象であるが、地震による災害は多くは人災であるとして、震災の予防対策に全力を尽くして、大きな公的支援で木造住宅密集地域対策や広域避難場所の整備などを進めてきました。  ところが、石原都政になり、震災対策は自助と共助の二つの理念が前面に押し出され、公助、すなわち都民に対する公的支援は後景に追いやられてしまいました。  最も危険といわれる木造住宅密集地域の安全化対策も、幹線道路で住宅密集地を囲んで延焼を防ぐということに中心が置かれてしまいました。我が党は、こうした防災対策のゆがみの是正を求めてきましたが、今その重要性がますます明らかになっています。  日本共産党都議団は、糸魚川市大火災の現地調査を行ってきました。飛び火は火元から百メートル以上離れた地点にも届き新たな火元となった、上から火が降ってきた、瓦屋根であってもすき間などに火の粉が入り燃えていった、耐火構造物であっても開口部の窓ガラスなどが熱や飛び火により破損し建物内部が全焼したなどの話は印象的でした。延焼遮断帯として幹線道路で住宅地を囲んでも、強風のもとでは、飛び火を防げないことが明らかになったのです。  また、阪神・淡路大震災では、体験された知事もご承知のように、その教訓は住宅の倒壊で亡くなった方が多数いたことです。  知事も住宅を含む建築物の耐震化というのは、まさしく命にかかわる喫緊の課題と述べたように、住宅の耐震化の促進が緊急課題です。住宅の耐震化、そして不燃化、難燃化を進めることこそ人命を守り、生活の場を守る緊急課題ではないでしょうか。知事の認識を伺います。  大都市を抱え、人口が多い府県の多くは、東京都のように助成の対象を一部の地域に限定せず、全地域を対象としています。  また、静岡県では、年間九百八十件、総額約三億四千万円、一件当たり三十四万二千円の助成をしています。兵庫県は、四百十八件、総額約二億四千万、一件当たりの助成額は五十七万三千円という取り組みが進んでいます。これに対し東京都は、年間三百二十三件、総額六千二百四十七万円、一件当たり十九万三千円にすぎないのです。  知事、ぜひ都の耐震助成制度の対象と助成内容の大幅な拡充を検討していただきたいのですが、答弁を求めます。  不燃化、難燃化対策を促進するとともに、窓の耐火ガラス化や軒先のすき間対策、屋内の耐火化などの支援をすべきだと考えますが、いかがですか。  糸魚川の大火災では、電柱や電線が障害になってはしご車が使えず、上からの消火活動ができなかったと無電柱化の必要性を訴えていました。このことからも、今、小池知事が進める無電柱化の取り組みも、住宅密集地域を重視して進めるべきではありませんか。  狭い道路でも通れるミニ消防車の配置を初めとした消防装備の充実、深井戸の設置なども重要ですが、いかがですか。  災害情報、避難指示情報は、的確に伝えられる手段の確保を、区市町村と協力して進めることも重要ですが、いかがですか。  次に、オリンピックパラリンピック東京大会についてです。  組織委員会は、昨年十二月二十一日、オリンピック・パラリンピックの費用を初めて発表しました。それによれば、全体費用が一兆六千億円から一兆八千億円となり、そのうち組織委員会の負担は五千億円ということです。残りは組織委員会以外の負担としています。これでは、都は、決まっている競技場整備費負担以外に七千億円から九千億円もの負担が強いられることになりかねません。  既に東京都は、都立競技場整備費や選手村の基盤整備費だけでなく、本来負担する必要のない国立競技場の整備費まで負担するなど、三千億円を超える負担になっています。  その上、都がこの大半を負担することになれば、都民施策が圧迫され、都民の五輪と都政への失望を広げかねません。知事はどのように考えておられますか。  私たちは、小池知事が公約で五輪費用の適正化、透明化を掲げたことを重視し、削減と透明化の提案を行いました。そして、知事が既に決定した都立三競技施設についても見直しの努力をし、制約された中でも四百億円削減したことを評価しました。  ところが、知事は施政方針で、都外の自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず検討するよう事務方に指示したと述べました。  私たちも他県の負担については避けることが重要だと思います。しかし、そもそも仮設施設の整備は組織委員会が負担すると約束してきたのです。私たちから見ても、組織委員会は、到底仮設施設整備へのみずからの責任を果たそうとしているとは思えません。今必要なことは、何よりも組織委員会にみずからの役割を自覚させ、責任を果たさせることだと思いますが、知事の所見を伺います。  知事が他県の仮設整備費負担の理由にした開催都市の責任論は、森組織委員会会長や政府が都に負担を押しつける理由として繰り返し強調した主張です。本来、国が全額負担すべき新国立競技場整備費まで都が負担させられたのもこの論理でした。しかし、公的支出の多くを開催都市が負担するということは、ロンドンやリオ五輪でもありませんでした。  ロンドン五輪では、英国政府が公的負担の六七%を負担し、ロンドン市は一〇%でした。六四年東京五輪では、施設整備でも、運営費でも、国も大きな負担を行いました。  国に対し、過去の閣議了解の枠組みを超えて負担するよう、ともに求めようではありませんか。知事、いかがですか。  リオ五輪では、民間の協力が大きな比重を占めました。東京の場合、スポンサー企業は日本経団連加盟企業の四%にすぎず、大企業や富裕層のより積極的な協力を求めたらいかがでしょうか。  六四年東京五輪では、寄附金つき記念切手の発行を初め六十億円近い寄附が寄せられ、運営費の三割が寄附金で賄われました。こうした経験を生かすことや大会関連グッズの販売など多様な取り組みで収入確保の努力を強化することも重要だと思いますが、知事、お答えください。  総費用の削減のために思い切った決断を行うことも重要です。今の計画では、まだ十二種目の競技場で客席数がIOC基準を超えています。これをIOC基準まで削減し仮設スタンド整備費を圧縮すること、仮設スタンドやテントなどの諸施設は最大限レンタルに徹すること、大会関係者のための二千五百台の運転手つき乗用車や十五万人分の無料公共交通パスなどの優遇策は可能な限り圧縮する、さらに、首都高の営業補償や大会で使う車両の提供などの点で、首都高や民間事業者に最大限の協力を求めることが重要だと思いますが、知事、いかがですか。  次に、経済政策、財政運営とインフラ整備の問題です。  安倍政権は、大企業の利益最優先の経済政策の一方で、社会保障削減や労働法制改悪を次々強行しています。非正規労働者はふえ続け、ついに労働者の四割を超えました。これでは、国内消費の六割を占める個人消費がますます冷え込み、景気が上向かないことは明らかです。  都民、国民の賃金や年金などの収入を安定的にふやして、個人消費を温める経済政策の重要性について、知事の認識を伺います。  都の社会保障関連予算は、今後二十三年間に累計九兆五千億円増加し、既存インフラの維持更新予算も累計三兆二千億円増加するとの試算が予算案の概要で示されました。都がその財源をどのように確保するのかが問われています。  知事、少子高齢化が進む中、社会保障関係予算の増大が見込まれ、既存インフラの老朽化対策も急がれるもとで、投資的経費の中でも、新規の大型開発や不要不急というべき事業を精査することが重要ではないでしょうか。  投資的経費の中でも莫大な財源を投じられているのが、外環道や骨格幹線道路、また、都市計画道路の中で最優先に事業化されている特定整備路線です。  知事が予算発表の際、十三年ぶりに投資的経費を減らしたと強調したことは重要です。投資的経費や都債発行を確実に抑えていく上で、一度立ちどまって、石原都政以来の幹線道路事業など大型開発にメスを入れ、適切に抑制していくことが避けて通れないと思いますが、知事、いかがですか。  外環道は、都内の三環状で最後の道路ですが、もし東名以南に延伸するとすれば、二兆円を大きく超える莫大な事業費の四分の一を都が負担することになりかねません。既に完成した中央環状高速道路などの渋滞解消効果を踏まえた外環道計画の見直しが求められますが、同時に是正すべきは、地上部道路、外環ノ2です。  外環道計画は、石原知事が国に働きかけて、四十年ぶりに凍結を解除して事業化を推し進めたものです。その際、石原知事は、沿道地域を視察し、住宅が密集して建ち並ぶ地上での道路整備は困難であるとして、地上の高架計画を地下トンネル道路に変更するから、もう迷惑をかけない、安心していただきたいと住民に約束していたのです。  しかし、都は、地下トンネルへの外環本線の変更に当たり、なくなるはずの地上部道路の計画を外環ノ2として推し進めました。地元住民や区市からは、約束が違うと厳しい批判が出されました。知事はこうした経過をどのように考えていますか。  最近の知事と市長の個別懇談で、武蔵野市長は、外環ノ2について、都の計画は住民の合意は得られていないこと、小池知事に現地を見てほしいことなどを話しました。知事は検討すると答えましたが、実現はいつごろになるのでしょうか。そして、外環ノ2計画を再検討していただきたいと思いますが、それぞれ知事の答弁を求めるものです。  特定整備路線の見直しも重要です。特定整備路線の予算額は、事業化して以降、三年間で百八十五億円から八百三十五億円へと急速にふやされました。しかし、実際の事業は、多くの住民の反対に遭って、執行率は極めて低い状況です。  それは、特定整備路線の大半が戦争直後に計画されたものの、長い年月据え置かれている中で、計画路線周辺のまち並みが成熟しており、都市計画道路の優先整備路線にも指定されていなかった路線が多いためです。  ところが、石原元知事は、こうした実情を無視して、東日本大震災を契機に延焼遮断帯の整備など防災を口実として、二十八路線を特定整備路線と位置づけて、二〇二〇年までに一気に完成させる計画を突然持ち出し、強引に進めてきたのです。住民にとっては寝耳に水の不意打ちであり、各所で住宅街が分断されたり、商店街が丸ごと存亡の危機に立たされています。  知事、ぜひこうした経過を精査し、特定整備路線の中でも住民の反対の強い路線については再検討していただきたいと思いますが、いかがですか。  品川区の特定整備路線、放射二号の沿道には、戦前から歴史ある星薬科大学があり、道路計画が薬科大学の命というべき薬草園を潰す計画であることから、正面から計画に反対し測量にも応じていません。地元住民は、知事に、道路計画の理不尽さを現地で確認してほしいと希望しています。  知事、ぜひ、この要望に応えていただきたいと思いますが、お答えください。  以上を踏まえて、小池知事が、石原知事以来の都民要望や地域の実情を無視した強引な道路計画の流れをそのまま引き継ぐのではなく、都民ファーストの立場から地元の声を聞き、その願いが理にかなったものであるなら、都の方針や手法も見直すよう強く求め、質問を終わります。(拍手)    〔知事小池百合子君登壇〕 ◯知事(小池百合子君) 畔上三和子議員の代表質問にお答えをさせていただきます。合計二十七問ございました。  東京ガスの土地の取得について、まず、お尋ねがございました。  豊洲市場用地の取得の経緯につきましては、用地の選定や土地の購入契約などの経過が不透明だといった指摘がなされてまいりました。豊洲市場の問題は、都民の理解と納得なくして解決できない。土地の取得に係る事実関係や、それにまつわる責任を都民に明らかにする必要があると私は考えております。  だからこそ、東京ガスとの交渉過程につきまして積極的に開示をして、都民に対し、つまびらかにしたところであります。  また、豊洲市場用地の住民訴訟に対応する訴訟対応特別チームを編成し、これまでの売買契約などを精査することといたしました。  これらの取り組みによりまして土地取得に関する経過、そして問題の所在が明らかになるものと期待をいたしております。  豊洲市場用地の土地鑑定などについてでありますが、豊洲市場用地の土地鑑定や売買契約におけます瑕疵担保責任の免責につきましては、住民訴訟上の争点になるなど、土地購入契約に対してさまざまな指摘がなされております。  こうした点について訴訟対応特別チームにおきまして、事実関係の解明、証拠の収集などを進めているところでございます。  東京ガスとの交渉経過につきましては先ほどご答弁したとおり、交渉記録について積極的に開示をして、都民に情報を明らかにしてまいりました。  議会におきましても調査特別委員会が設置され、都議会としての役目を果たす舞台は整ったものと存じております。今後の議論は多くの都民も注目をしているところでございます。私自身も注視していきたいと考えております。  豊洲市場の整備は、都民の食の安全・安心にかかわる問題でございます。正確な情報を都民一人一人に届ける必要があると考えます。私が移転の延期を決断いたしましたのも、これまでの都政において、この点が不足してきたからにほかなりません。  このため、盛り土がなく、地下空間が設置されていた問題についても、いつ、誰が、決定したのかを明らかにするとともに、関係者に対する処分を行うなど厳正に対処したところでございます。  また、地下水モニタリング結果を初め、豊洲市場の環境測定の結果につきましては、専門家会議におきまして、インターネット中継を行うことなどによりまして、全て都民に公開をしているのはご存じのとおりであります。  こうした取り組みを通じまして、都政の透明化を推し進めることで、職員の意識を改革し、緊張感を持った適正な都政運営を目指してまいります。  豊洲市場の整備費につきましては、人件費や資材価格の高騰があったとはいえ、その金額が当初の予定額から大きく増加しており、そのことも移転延期を決断した理由の一つでもございます。
     独立採算の市場会計といえどもワイズスペンディング、つまり賢い支出の観点が損なわれてはなりません。このため、都政改革本部におきまして、豊洲市場整備に係る費用の増大につきまして検証を進めるとともに、都民に疑念を持たれないように、今後の入札契約制度につきましても見直しを検討しているところでございます。  豊洲市場への移転の見直しにつきまして、市場の移転問題は安全・安心の確保最優先に考える必要がございます。現在、専門家会議では地下水モニタリングの再調査を実施しており、また、市場問題プロジェクトチームでは築地市場の施設の現状などについて議論されるなど、さまざまな観点から安全・安心の検証を進めているところでございます。こうした議論を踏まえる必要があると、私は考えております。  築地市場の移転問題は、都民の意見を十分に踏まえて判断する必要があり、そのためには、都民一人一人に正確な情報を適切に届けていくことが不可欠でございます。  私は就任以来、一貫いたしまして、移転問題に関する情報開示を徹底し、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおけます議論等につきましても、情報発信に努めてきたところでございます。  こうした客観的な情報に基づく都民のさまざまなご意見も参考にしながら、総合的に判断してまいります。  築地市場の再整備につきましては、過去にさまざまな課題に直面して断念した経緯がある一方で、新しい工法や手法による提案がなされていることも承知をいたしております。  現在、豊洲市場の安全性や築地市場の施設の状況などにつきまして、専門家に検証していただいているところであります。移転に関する問題につきましては、こうした議論を踏まえて判断すべきものと考えております。  今後の福祉施策の展開についてでございます。  我が国では世界に例を見ないスピードで少子高齢化が進んでおります。今後の福祉施策を進めるに当たりましては、こうした将来を見据え、都民ニーズに応える具体的な取り組みをきめ細かく、かつ迅速に実施していく必要がございます。  そのため、来年度予算では、全ての事業の総点検を実施いたしまして、無駄の排除を徹底した上で、過去最高の一兆二千億円を超える財源を福祉と保健の分野に充てております。  女性、男性、子供、高齢者、障害者、生き生きと活躍できる都市、それがダイバーシティーでございます。それが私が目指す東京でございます。  今後とも、高齢や障害者の暮らしをしっかりと支えるために、大都市東京の特性を踏まえましたさまざまな福祉施策を展開していく考えでございます。  高齢者施策につきまして、議員から、高齢者の生活実態について、さまざまなお話がございました。高齢者の暮らし向きがさまざまでございますけれども、低所得で暮らす方がいらっしゃることは私も十分認識をしております。私は、そうした高齢者の方々にとりましても、東京を安心して暮らせるまちにしていきたいと考えております。  そのため、二〇二〇年に向けた実行プランやその具体化を図る来年度予算案には、できる限り住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けた介護サービス基盤の整備や介護人材の確保、定着など、さまざまな施策を盛り込んだところでございます。  介護人材対策についてでありますが、昨年十一月には二カ所の介護施設を私自身、訪問いたしました。そして、現場で働く職員の方々とも意見交換を行ったところであります。今後、高齢化が進展をいたしまして、介護ニーズの増大が見込まれる中で、介護人材の確保、定着は大きな課題と確認をしたところであります。  そのため、来年度は、キャリアパスを導入する事業者の支援を強化して、介護職員の職責に応じた処遇の実現につなげてまいりたいと思います。  また、福祉現場への就労支援のためのシステムを新たに構築して、求職者や離職者の目線に立った情報を提供するなど、介護になじみのない方々も含めました人材の掘り起こしにも取り組んでまいります。  OECDの調査に対する受けとめ方ではございますが、子供たちがみずから人生を切り開き、社会的役割を果たす自立した人間となるためには、全ての子供が安心して学び、成長し続けられる、そのような環境を整備するとともに、一人一人に生きる礎となる確かな力を身につけさせることが重要であります。  そのため、家庭の経済状況によります教育機会の格差の解消を目指して、誰もが持てる力を伸ばせるように、都独自の給付型奨学金を創設、拡充するところであります。  また、子供たちの学習環境につきましては、小中学校では習熟度別指導の推進、高等学校では学び直しを支援するプログラムなど、基礎学力の確実な定着を図る取り組みを展開いたしております。  さらに、教職員の働く環境を整えていくという観点からは、教員の負担感の大きい部活動指導について、外部指導者などの活用を進めてまいりましたが、三月九日には、総合教育会議を開催いたしまして、子供たちの学びを支える学校力の強化に向けた議論も行ってまいります。  教育課題に対する文部科学省の見解につきましてのご質問、これは不登校やいじめ、特別支援教育への対応など、教育を取り巻く課題の複雑化、困難化の状況を指摘しているものと認識をいたしております。  こうした現状に対応するため、特に課題がある学年への学級規模の縮小を可能とする教員の追加配置に加えまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど多様な専門人材を活用しております。  また、子供たちの社会的な自立にはきめ細かな教育の推進が必要なことから、学力向上に力を入れる学校への教員の追加配置を新たに行います。  ことしの一月に策定いたしました東京都教育施策大綱には、こうした内容について盛り込んだところであります。  今後とも、教育委員会と力を合わせまして、子供たちの輝く未来を創造する教育の実現に取り組んでまいります。  教育格差の解消についてのご質問でございます。  将来を担う子供たちの希望ある未来のために、教育機会の格差の解消は重要な課題であります。  そこで、このたび私立高校等に在学する生徒の保護者の経済的負担を軽減するため、年収約七百六十万円未満の世帯に対しまして、国の就学支援金と合わせまして、平均授業料額まで支援できるよう、都の特別奨学金を大幅に拡充することといたしました。  低所得世帯につきましては、この特別奨学金に加えまして、現在、授業料以外の教育費の負担軽減として奨学給付金を支給しております。さらに、来年度より、所得にかかわらず、無利子の入学支度金貸付額を、現在の二十万円から都内私立高校入学金の平均額である二十五万円まで引き上げまして、その充実を図ります。  家庭の経済状況に左右されることなく、どのような環境にあっても、誰もが希望する教育を受けることができるよう、子供たちの学びたいというその気持ちにしっかりと応えてまいります。  住宅の耐震化、不燃化についてのご質問でございます。  首都直下地震の発生が懸念される東京におきましては、建築物の耐震化や市街地の不燃化はもとより喫緊の課題でございます。  このため、都は自助、共助に加えまして、公助の取り組みについても積極的に推進をしております。  まず、災害時に都民の生命線となります緊急輸送道路の沿道建築物につきましては、全国に先駆けて条例を制定して手厚い助成制度を設けるなど、耐震化を促進しております。  また、市街地の不燃化につきましては、不燃化特区の制度や特定整備路線などの取り組みによって、不燃化建てかえへの助成、税制優遇、延焼遮断帯の形成など、施策を総動員して進めております。  今後も、こうした取り組みを充実させながら、耐震化、不燃化を強力に推進してまいります。  耐震改修への助成につきましては、整備地域内での区の取り組みを後押しするために、今年度から支援内容を拡充して取り組みを加速しておりまして、整備地域外におきましても、国費を有効に活用し、耐震化を促進しております。  住宅の耐震化を実効あるものとするためには、都民一人一人がみずからの問題として認識し、備えていくことが何よりも重要であります。  このため、都はかねてから普及啓発の取り組みを進めておりまして、住宅の所有者にアドバイザー派遣などを行う区市町村の取り組みを支援しているところであります。  来年度からは、都内全域におきまして、戸建て住宅への全戸訪問を行う区市町村に対する支援を拡充してまいります。  これらの支援を通じまして、首都東京の防災性を高めて、都民が安心して生活できるセーフシティーの実現に取り組んでまいります。  二〇二〇年東京大会につきまして、競技場の整備費以外の経費について、お尋ねがございました。  二〇二〇年大会を成功に導くために、昨年の末、私が提案し、設置されました関係自治体との作業チームでは、仮設施設に加えまして、輸送、警備など膨大な業務があることが明らかになりつつあります。大会まであと三年と迫りました。作業チームを含め、さまざまな検討を加速させて、費用負担の協議も促進する必要がございます。  協議に当たりましては、開催都市としての責任を踏まえて、大会の成功に向けて万全を期すとともに、常にコストとレガシーを意識してまいります。  そのため、都としては、都民の皆様の負担をできる限り軽減し、都民施策に影響を及ぼさないよう財源も含めまして幅広く検討してまいります。  そして、大会経費とともに、大会の成功が東京にもたらす有形無形のレガシーを都民の皆様に十分説明して、納得していただけるよう取り組んでまいります。  組織委員会の役割と責任についてのお尋ねでございました。  二〇二〇年大会の準備を万全に行い、大会を成功に導くためには、都、国、組織委員会、関係自治体のそれぞれがしっかりとその役割と責任を果たしていく必要がございます。一兆六千億から一兆八千億円を上限額とする大会経費のコストをさらに縮減していくには、計画、予算、執行の各段階において強力なチェック体制を確立することが求められます。  そのため、都、国、組織委員会の三者が常に緊密に連携をして、効率的な調達の実施や統一的に執行をチェックし、マネジメントできる体制を構築していく必要があります。  大会運営面での計画づくりから仮設施設の整備などの具体的な業務執行に至るまで、組織委員会が大会の運営主体としての責任をしっかりと果たすよう都としても関与してまいります。  国の費用負担についてでございます。  大会開催に向けましては、多様で膨大な業務がございます。国は当然担うべきセキュリティー対策などに尽力することはもちろん、会場が所在する自治体への支援など、果たすべき役割は極めて大きいものがあります。  また、二〇二〇年大会は、世界に向けて、東京だけではなく、日本全体をアピールする絶好の機会ともなります。国に対し、これまで、オールジャパンでの取り組みを推進するため、平成二十三年十二月の閣議了解による枠組みに固執することなく、財政面を含めた全面的な支援を行うよう強く求めてまいりました。  都は、開催都市としての責任を重く受けとめ、役割を果たしてまいります。国においてもしっかりその役割を果たされるように期待をいたしております。  収入の確保を強化せよとの話でございました。  あと三年と迫りました二〇二〇年大会に向けまして、都民、国民の皆様との一体感を高めて、多くの皆様に大会を身近に感じていただけますよう、さまざまな取り組みを進めていくことは重要でございます。  都市鉱山からのメダル製作のための携帯電話などの回収や風呂敷クロスなど公式商品のPR、販売などでは、多くの方々からご賛同をいただいた。大会に貢献したいという都民の強い思いを実感したところでございます。  オリンピック・パラリンピックの寄附金につきましては、現在、組織委員会において、創設に向けて寄附の仕組みを検討しております。  このように、都民、国民の皆様の期待と志をしっかりと受けとめるとともに、スポンサーの獲得などにより、組織委員会がさらなる収入確保に努められるよう強く求めてまいります。  総費用の削減についてでございます。  既に、都が新たに整備する三施設において、整備費を約四百億円縮減をいたしました。  また、今般、検討を指示いたしました仮設施設の整備についても、例えば、大会後も全く使用しない仮設なのか、必要以上に高いスペックになってはいないかなど、内容や規模などの面からも精査する必要がございます。  常にコストとレガシーを念頭に置きながら、国、組織委員会、関係自治体、さらに民間も含めまして、関係者が一致協力して総費用の削減に努めてまいります。  次に、経済政策についてのお尋ねがございました。  賃金や年金がふえ、個人消費が活性化することが望ましいことは論をまちません。問題は、その結果を導くためにどのような政策を打っていくかでございます。  安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスにつきましては、日本経済の安定に成果を上げていると思いますが、一方で、持続的な社会保障制度や、あるべき労働法制の構築などにより、必要な負担も含めて将来の展望が明確になれば、先々に対する不安の解消や個人消費の上昇も期待されることでありましょう。  東京都といたしましては、日本の経済成長をリードする立場から、国家戦略特区による規制緩和や金融市場の活性化に向けた取り組みを進めているところであります。  さらに、経済の活力と成長をもたらすイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を生み出していくために、卓越した技術を持つ中小企業を多面的に支援してまいります。  加えて、個人消費の観点からは、ライフワークバランスを一層進めていくことが必要であります。会社一辺倒の、いわば働きづめの毎日ではなく、時間を上手に使って個々人が真に豊かな人生を追求できることが、個人消費の活性化にも寄与すると考えております。  財政運営につきましては、平成二十九年度の予算案で、事業評価の取り組みを一層強化して、施策の効率性や実効性を向上させながら、福祉や医療の充実、社会資本ストックの維持更新への対応など、必要な施策に的確に財源を振り向けたところでございます。  一方で、道路を初めとする都市インフラの整備は、都民の利便性や東京の国際競争力の向上などに必要不可欠な取り組みでありまして、見直すべきものは見直しを行った上で着実に進めていく必要がございます。  今後とも、将来世代の受益と負担のバランスにも十分に配慮しつつ、徹底的に無駄を排除するなど、めり張りをきかせながら、山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。  外環の地上部街路についてのお尋ねでございました。  広域的な高速道路である外環は、沿線地域の環境に与える影響を最小限にするため、地下化することによって整備を具体化した一方で、地上部には一般街路である外環ノ2の都市計画がございます。  外環ノ2について、さまざまな意見があることは承知をしており、これまで都は、沿線四区市の要望を踏まえて、地域住民の意見も広く聞きながら、整備のあり方などについて検討を進めてまいりました。  このうち練馬区間については、既に幅員を四十メートルから二十二メートルに変更しておりまして、ゆとりある歩道や自転車の走行空間、緑豊かな街路樹を確保した地域のための幹線道路として整備を進めてまいります。  外環ノ2の計画の再検討に関してのご質問でございますが、残る杉並、武蔵野、三鷹区間につきましては、これまでも地域住民との話し合いの会などを重ねてまいりました。昨年の三月に策定をいたしました都市計画道路の整備方針におきましても、計画内容を再検討することを位置づけておりまして、地元区市と連携して、地域のさまざまな意見も聞きつつ、そのあり方を検討してまいります。  なお、現地視察については、状況を踏まえて判断をさせていただきます。  特定整備路線についてでございますが、都は、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえまして、震災時に特に甚大な被害が想定されます木造住宅密集地域を燃え広がらない、燃えないまちとするために、平成二十四年に、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げたところであります。  燃え広がらないまちを実現する特定整備路線は、延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となって、都民の生命と財産を守る極めて重要な都市基盤であり、地元区の意見も聞いて選定したものでございます。  阪神・淡路大震災を経験した私にとりましては、木密地域の不燃化は、すなわち、都民の生活、命、財産を守るために一刻も早く取り組むべき課題だと確信をしております。  特定整備路線につきましては、さまざまな意見があることは承知をいたしておりますが、引き続き関係権利者の方々に丁寧にご説明をしながら、理解と協力を得つつ整備を推進して、燃え広がらないまちを実現してまいりたいと考えております。  特定整備路線であります放射第二号線に関してでございます。  お尋ねの大学から、平成二十七年の十月に陳情書が提出されていることは承知をしております。一方で、事業の必要性や協力依頼など、大学関係者への説明を重ねているとの報告も受けております。  今後とも、大学関係者を初め関係権利者一人一人へ丁寧に説明するなど、理解と協力を十分に得ながら取り組んでまいります。  また、現地での確認につきましては、状況を踏まえて判断をいたしたいと考えております。  なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。  ありがとうございました。    〔教育長中井敬三君登壇〕 ◯教育長(中井敬三君) 少人数学級の拡大についてでありますが、都教育委員会は、小一問題、中一ギャップの予防、解決のため、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年において、学級規模の縮小と少人数指導、チームティーチングの活用を各学校の実情に応じて選択できる柔軟な制度を導入しております。  今後の学級編制のあり方については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から国の責任が大きいと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。    〔東京都技監邊見隆士君登壇〕 ◯東京都技監(邊見隆士君) 窓の耐火ガラス化などの不燃化対策についてでございます。  都は、建築物の不燃化に関する規制として、防火地域の指定に加え、平成十五年に、全国に先駆けて東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制の制度を創設いたしました。  新たな防火規制区域では、建築物をその規模によらず、準耐火建築物以上とし、延焼のおそれのある部分の開口部を網入りガラスなどの防火戸に、外壁、屋根、軒裏などを一定時間の火災に耐え得る構造にすることを義務づけてございます。  現在、不燃化特区の全域で、防火地域、または新たな防火規制区域を指定し、あわせて手厚い建てかえ助成を活用することなどにより、建築物の不燃化を促進してございます。    〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕 ◯中央卸売市場長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。  まず、市場の持続可能性についてですが、事業の基盤となります市場会計は、これまで支出した豊洲市場の整備費はもとより、安全性確保のために必要となる経費や築地市場を運営するための改修費などを踏まえ、その健全性が確認されることが必要でございます。
     また、物流におけるさまざまな革新など、市場を取り巻く環境が大きく変化する中で、今後の市場のあり方そのものについて見通しを持つことも重要となっております。  市場の持続可能性につきましては、市場問題プロジェクトチームにおきまして、会計の健全性とあわせて、市場がどうあるべきか、将来を見据えた専門的な見地からの議論がなされているところでございます。  次に、豊洲市場の施設の用途についてでございますが、現在、豊洲市場の安全性等につきまして、専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて検証していただいております。したがいまして、市場以外の用途について検討する段階ではないと考えております。  最後に、築地市場の改修、補修についてでございます。  築地市場の多くの施設は老朽化しており、維持管理が重要と考えております。  このため、都は昨年十一月、築地市場内の都の施設の状況につきまして臨時の点検を実施し、緊急を要するものについては直ちに補修を行ったところでございます。  築地市場がその機能を維持できるよう、施設の劣化状況について監視を強化し、緊急度に応じて順次必要な対策を講じてまいります。    〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕 ◯福祉保健局長(梶原洋君) 六点のご質問にお答えをいたします。  まず、特別養護老人ホーム等の整備についてでありますが、都は現在、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域の整備費補助への加算、建築価格高騰に対応した加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。  来年度は、さらに整備を進めるため、整備費の高騰加算を増額するほか、地域密着型特別養護老人ホームなどの定期借地権一時金への補助や、区市町村の所有地を活用した施設整備への支援を行うとともに、地元の必要数を超えた特別養護老人ホームの整備に同意する区市町村への交付金制度を創設することとしております。  次に、介護職員の処遇改善についてでありますが、介護サービス事業は、サービス提供の対価として事業者に支払われる介護報酬等により、運営されることが基本でございます。  都は国に対し、事業者が介護人材の確保、定着を図り、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とするよう繰り返し提案要求しておりまして、国は来年度の報酬改定において、昇給と結びついたキャリアアップの仕組みの構築を要件に、月額一万円相当の処遇改善を予定しております。  都が実施しているキャリアパス導入促進事業は、介護職員の育成、定着を図るため、国のキャリア段位制度を活用して、キャリアパスの導入に取り組む事業者を支援するものであり、来年度からは補助期間を三年間から最大五年間延長するなど、充実を図ることとしております。  次に、保育サービスの拡充についてでありますが、都はこれまで、保育の実施主体である区市町村が地域の実情に応じて多様な保育サービスの拡充と質の向上を図ることができるよう、さまざまな支援を行ってまいりました。  また、昨年九月に策定した待機児童解消に向けた緊急対策では、施設整備費の高騰加算や、建物賃借料補助の創設、国有地や民有地の借地料補助の拡充のほか、都有地や民有地の活用を促進する取り組みを強化いたしました。  来年度はさらに、二十三区内で保育所用地を有償で貸し付ける場合に、固定資産税等を十割減免する税制支援や、企業主導型保育施設の開設費用への支援、預かり保育を進める私立幼稚園への支援を拡充し、区市町村と連携しながら、多様な保育サービスの拡充に取り組んでまいります。  次に、公立保育所の整備に対する支援についてでありますが、保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が地域の実情を踏まえながら、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、さまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。  公立保育所の運営費は平成十六年度に、整備費は平成十八年度に、区市町村に税源移譲されております。  次に、保育所整備のための土地確保への支援についてでありますが、都は現在、保育所の整備を促進するため、未利用の都有地を五〇%減額して運営事業者に貸し付けており、都内公示地価平均を超える部分につきましては、減額率を九〇%にまで拡大をしております。  また、国有地や民有地を活用する事業者に対しましては、土地の借り受けから経営が安定するまでの五年間、借地料の補助を行っており、昨年十月には緊急対策として、補助の上限額の引き上げや事業者の負担割合の軽減など補助内容を充実しております。  さらに、都有地に関する事業者等の照会窓口であるとうきょう保育ほうれんそうや、民有地等の掘り起こしを進める福祉インフラ民有地マッチング協議会を設置するなど、保育所整備に取り組む事業者を支援しております。  最後に、心身障害者医療費助成制度の精神障害者への拡大についてでありますが、現在、精神疾患のため、通院による継続的な治療を要する方に対しましては、法で定める自立支援医療制度により、精神通院医療に係る医療費を助成しており、都はさらに、区市町村民税非課税世帯の自己負担を全額無料とする独自の軽減策を実施しております。  制度の対象拡大につきましては、今後、議会でのご意見や請願の内容を踏まえながら、国の助成制度との整合性を初め、さまざまな観点から幅広く調査分析を行っていく必要があると認識しております。    〔建設局長西倉鉄也君登壇〕 ◯建設局長(西倉鉄也君) 無電柱化の取り組みについてでございますが、無電柱化は、都市防災機能の強化や、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保を図る上で重要でございます。  このため、都はこれまでも、第七期の無電柱化推進計画に基づきまして、センター・コア・エリア内はもとより、周辺区部や多摩地域の第一次緊急輸送道路を中心に事業を推進しております。  また、延焼遮断帯を形成する特定整備路線等の都市計画道路を整備する際には、同時に無電柱化を実施しております。  さらに、木造住宅密集地域内を初め、防災に寄与する路線につきましては、区市町村に対し、財政支援を行うなど、都道のみならず、区市町村道の無電柱化を促進しております。  引き続き、都市防災機能の強化等に向けまして、都内全域での無電柱化事業に積極的に取り組んでまいります。    〔消防総監高橋淳君登壇〕 ◯消防総監(高橋淳君) 道路狭隘地域におけるポンプ車の配置と消防水利の整備についてでありますが、東京消防庁では、普通ポンプ車に加えて、狭い道路も走行できる小型ポンプ車を百六十四台保有し、管内の特性に応じて効果的な活動ができるよう配置しております。  また、消防水利につきましては、防火水槽の設置を促進するとともに、消火用水が十分に確保できない地域については、地下水を活用した深井戸を設置するなど計画的に整備しております。  今後とも、地域の特性や危険性に応じて、消防車両や消防水利の充実に努めてまいります。    〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕 ◯総務局長(多羅尾光睦君) 災害時の情報伝達手段の確保についてですが、発災時に一人でも多くの都民等の生命を守るためには、避難情報などの災害情報を的確に提供し、情報不足による混乱や二次被害の防止を図ることが重要でございます。  地域防災計画では、区市町村が避難場所等の周知をするとともに、発災時には避難勧告等を発令し、防災行政無線や案内標識等を活用して、住民等の避難誘導等を行うこととしております。  都においても、避難場所等をホームページなどで周知するとともに、Lアラートを活用し、マスコミ各社を通じて避難勧告等の情報提供を迅速に行うなど、災害情報を広く発信してまいりました。  今後とも、こうした手段を通じ、区市町村と協力しながら、都民等に対する適切な情報伝達に努めてまいります。      ━━━━━━━━━━ ◯六十七番(河野ゆうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。  本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。 ◯議長(川井しげお君) お諮りいたします。  ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(川井しげお君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  明日は、午後一時より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後八時三十七分散会...