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  1. 東京都議会 1993-03-17
    1993-03-17 平成5年_予算特別委員会(第4号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯仁木委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  これより付託議案の審査を行います。  第一号議案から第三十三号議案までを一括して議題といたします。  昨日に引き続き総括質疑を行います。  近藤信好委員の発言を許します。 ◯近藤委員 まず、知事の基本的政治姿勢についてお伺いをしてまいりたいと思います。  信なくして国立たず、孔子の格言でございます。今や政治は、国民の信頼感、また期待感は、失墜の極限に達しているといっても過言ではありますまい。庶民が政治の主人公であるという原点を忘れたのではなかろうか。まことにざんきにたえない次第であります。  知事の政治家に対する現状の認識と所見について、率直にお答えを願いたいと思います。 ◯鈴木知事 近藤委員のご質問にお答えいたします。  政治に対する国民の信頼感を失わせるような事柄が相次いで起こっており、私もまことに遺憾なことと思っております。  お話のように、政治の原点は庶民が政治の主人公であることにあり、今後この原点に立って政治改革を実現し、政治倫理を確立していくことが必要であります。  私は、都政において、これまで清潔で公正な運営を基本姿勢として心がけてまいりましたが、今後ともさらに多くの都民の信頼が得られるよう一層努力してまいります。 ◯近藤委員 女性を代表する立場から、金平副知事のご感想をお伺いをしたいと思います。 ◯金平副知事 国民の政治に対する信頼を損なうようなことが相次いで起こっており、私も本当に残念なことだと思っております。  最近は、女性もいろいろな分野で活躍するようになっており、政治の改革についても真摯に関心を持って見詰めております。女性の立場からも、一日も早く政治改革を実現し、政治への信頼回復に努めていただきたい、そう心から願っております。 ◯近藤委員 次に、我が国経済は筆舌に映しがたい深刻な複合不況状態にあり、景気の動向は依然不透明であります。都内中小企業並びに零細企業のあしたを考えるときに、まことに胸の痛む思いであります。  東京の経済活力向上は、日本経済全体の牽引車ともなり、原動力であると考えるものであります。東京都は、不況脱却についていかなる施策をなしてきたか、お伺いをするものであります。 ◯齊藤財務局長 低迷します景気を早期に回復させることは、現下の緊急課題でございます。このため平成四年度におきましては、年度当初に公共事業の前倒し施行を決定し、その推進に全庁を挙げて取り組みますとともに、十月には、国の総合経済対策に対応しまして、五年ぶりに公共事業の追加等を内容とする景気対策のための補正予算を編成するなど、できる限りの対応をしてきたところでございます。  また、景気低迷により事業活動に多大な影響が生じております中小企業の経営の安定を図るため、本年度、三次にわたり中小企業緊急景気対策を行い、緊急融資の実施や制度融資の融資利率の引き下げなどの対策を講じてきたところでございます。
    ◯近藤委員 しかるに平成五年度の予算編成を眺めてみまするならば、一般会計において、前年度比三%のダウンになっております。景気浮揚対策について具体的に説明を求めるとともに、今後都はどのような方策を講じていくのか。 ◯齊藤財務局長 まず、平成五年度予算におきます景気対策の具体的な内容でございますが、平成五年度予算におきましては、財政環境が厳しい中にありまして、都としまして景気対策に積極的に取り組むため、普通会計の投資的経費単独分で、国の公共事業関係経費の伸びを上回ります五・三%の伸びを確保するとともに、社会資本の整備を推進するために設立いたしました第三セクターの投資的事業費を大幅に増額するなど、できる限りの対応を図ったところでございます。  さらに、中小企業対策につきましても、中小企業制度融資の融資目標額の増額やゼロ都債の拡充など、必要な対策を講じたところでございます。  次に、今後の対策についてでございます。  平成五年度予算の執行に当たりましては、公共事業の前倒しについて、実施に向け準備を進め、上半期契約目標率を前向きに設定するなど、予算の目的が確実に達成されるよう全力を挙げて取り組んでまいる考え方でございます。  また景気の状況、国の経済対策、中小企業の要望などを踏まえまして、これまでに講じてきました緊急景気対策の充実強化を図るなど、適切に対処してまいりたいと存じます。 ◯近藤委員 次に、副都心の概念と条件についてお聞かせ願いたいと思います。 ◯林企画審議室長 副都心の概念と条件でございますが、長期計画におきましては、副都心などの心しんとして育成する拠点は、交通の結節点にあって、大規模な未利用地の開発や再開発が見込まれ、将来の都市づくりに大きな可能性を持っている地域である。それは単なる業務機能の中心であるだけではなく、文化、情報、交通などが複合的に整備され、東京の活性を維持、発展できる職住近接のための拠点でなければならないとしてございます。 ◯近藤委員 まさに足立区北千住地域はその条件を満たしておると考えるが、その可能性について。 ◯岡本東京都技監 千住地区には、JR線、東武線、地下鉄などが交差する重要な交通結節点となっております北千住駅があり、平成十二年には常磐新線の導入も予定されております。  また当地区では、駅周辺の市街地再開発事業や大規模用地等を活用した再開発計画が進められるなど、千住地区は、東京北東部の拠点として発展の可能性の大きい地域であると認識しております。 ◯近藤委員 北千住地域は、東京北東部の副都心としてその役割を十二分に果たし得る地域として期待できる。第八番目の副都心として位置づけるべきと思うが、積極的なご答弁をお願いをいたします。 ◯鈴木知事 千住地区は、ご趣旨のように、東京北東部の拠点として発展の可能性を秘めた地域であると考えております。  今後、全都的立場から前向きに検討してまいります。 ◯近藤委員 次に、東京都が先般発表されました総合実施計画の四つの緊急プランについてご説明を願います。 ◯林企画審議室長 第三次長期計画におきましては、東京が直面する問題の解決に重点的かつ早急に取り組むために四つの緊急プランを掲げ、昨年策定いたしました93総合実施計画におきましても、引き続きこれらを積極的に進めていくこととしたところでございます。  住宅政策の総合的な展開といたしましては三十五万戸計画の推進を、リサイクル型都市づくりといたしましては環境を大切にする社会の形成を、交通政策の新たな推進におきましては快適で多元的な交通の実現を、さらに、地域福祉の基盤づくりにおきましては支え合う福祉社会の実現を、それぞれ目指したものでございます。 ◯近藤委員 交通網の整備は緊急プランの一つでもあります。特にこの際、常磐新線について、その経過と今後の見通しについてお伺いをいたします。 ◯岡本東京都技監 常磐新線の都内区間は、秋葉原を起点として足立区南花畑の都県境に至る約十三・三キロメートルでございます。このうち秋葉原から新浅草間につきましては、昨年秋より都市計画決定の手続に入っているところであり、平成五年度中にはこれを終え、その後工事に着手する予定でございます。新浅草から先、足立区南花畑までの区間約九・九キロメートルにつきましても、現在都市計画案の作成に向けて関係機関と調整中であり、可能な限り早期に都市計画決定の手続に入ることとしております。  平成十二年開業に向けて着実に事業を進めてまいります。 ◯近藤委員 既に駅が決定されております北千住、青井、六町地区のうち、とりわけ青井、六町地域の東京都の事業に対する取り組み姿勢について、具体的にお答えを願いたいと思います。 ◯石川建設局長 青井地区は、街路事業で常磐新線の導入空間となる補助一四〇号線を、延長九百四十五メートルにわたり昭和六十三年度から整備しています。平成四年度末までの執行予定額は約四十三億円で、規模で申しますと、用地取得率が約五五%、街路築造工事は約百八十メートルを施行中でございます。平成五年度には、約六億円の事業費をもって引き続き事業を進める予定でございます。  次に、六町地区では、常磐新線の新駅設置に合わせたまちづくりを土地区画整理事業により行うこととしています。平成三年八月には、まちづくり構想及び測量の説明会を開催し、これまで約二億円で測量などを実施しています。さらに、地権者の方々で構成されるまちづくり地区連絡会において、計画内容の検討を行っています。平成五年度には、約五千万円をもって事業化調査などを実施する予定でございます。  今後、地区事務所を設置し、地元地権者などの理解と協力を得て、常磐新線にかかわる事業を鋭意進めてまいります。 ◯近藤委員 次に舎人・日暮里線について、地域住民が早期開業を待望をしております。いまだに都市計画決定手続が開始されていない。このような現状で平成十一年の開業は可能か、その見通しについて説得ある答弁を願います。 ◯岡本東京都技監 日暮里・舎人線につきましては、現在、都市計画素案の作成に向けて、関係機関と協議、調整を行っているところでございます。平成五年度には都市計画素案を発表し、環境影響評価の手続に入る予定でありまして、これらの手続を進める中で、地元説明会等を通じて住民の理解と協力を得るよう努めてまいりたいと考えております。  その後、都市計画決定、事業認可等の手続を行い、平成十一年開業を目指して鋭意努力してまいります。 ◯近藤委員 なぜ速やかに都市計画決定ができないのですか。 ◯岡本東京都技監 この路線は、既成市街地の道路上に導入するところに特徴がありまして、限定された空間の中で、スリムでコンパクトな設計が求められるなど、これまでの例には見られない課題を抱えております。このため、都市計画決定に先立ちまして、国や地元区など関係機関と十分な調整を図った上で手続を進める必要があるものと考えております。 ◯近藤委員 地元住民は、いずこに駅が建設されるのか、強い関心を持っておるのであります。駅位置の発表はなぜできないのか、その理由について。 ◯岡本東京都技監 駅の位置は、周辺のまちづくりに大きなかかわりを持つことから、その決定に当たりましては、関係区等と十分協議、検討する必要があると考えております。具体的な駅位置につきましては、ルート、車両基地等とともに、都市計画で定める事項の一つでありまして、現在作成中の都市計画素案がまとまり次第発表する予定でございます。 ◯近藤委員 発表の年次について、いかがか。 ◯岡本東京都技監 具体的な駅位置につきましては、平成五年度中に発表したいと考えております。 ◯近藤委員 新交通の導入システムについて、都はいかに考えておられるか。 ◯岡本東京都技監 導入システムにつきましては、日暮里・舎人線計画委員会の報告を受け、都として地域特性、経済性、輸送力等の観点から比較検討を行った結果、ガイドウエー方式の標準型新交通システムとしたものでございます。 ◯近藤委員 その特徴についてご説明を願いたい。 ◯岡本東京都技監 このガイドウエー方式は、既成市街地でのスリムでコンパクトな設計が可能で、無人運転に対応でき、また輸送需要に見合った輸送能力を持つことなどに特徴がありまして、本路線に適しているものと考えております。 ◯近藤委員 事業推進に当たっては、十分なる予算確保が必要である。現在までの執行状況と平成五年度予算について、どうか。 ◯岡本東京都技監 日暮里・舎人線につきましては、これまで調査費等で約四億円を執行しており、平成五年度は約九億円を計上したところでございます。 ◯近藤委員 舎人・日暮里線について、知事の見解をお願いをいたします。 ◯鈴木知事 日暮里・舎人線は、交通不便地域の解消や沿線のまちづくりに大きく寄与する路線であり、その早期実現に向けて一層努力してまいります。 ◯近藤委員 次に、舎人公園の用地の取得状況及び今後の見通しについてお伺いをしたい。 ◯石川建設局長 舎人公園の用地取得につきましては、関係権利者及び地元足立区の協力を得ながら、鋭意努力しているところでございます。現在までに全体の約九三%、六十四ヘクタールを取得いたしました。今後とも、残りの用地買収に積極的に取り組み、平成七年度までに用地取得を完了するよう努めてまいります。 ◯近藤委員 その整備状況はどうなっているのか。 ◯石川建設局長 昭和六十一年に全域の事業認可を受け、基本計画に沿って順次整備に努めているところでございます。現在までに野球場、テニスコート広場、池などを整備し、計画面積の四六%、三十二ヘクタールを開園しています。今後とも、用地の取得状況に応じ、諸施設の整備に鋭意努めてまいります。 ◯近藤委員 かねてから提言してまいりました野球場の建設はできましたけれども、サッカー場並びに自然を楽しむ都民のキャンプ場の整備についてはどうか。 ◯石川建設局長 サッカー場は放射一一号線の西側に計画している競技場の中に、また、キャンプ場につきましては同一一号線の東側の芝生園地の中に、自然に親しみながらキャンプが楽しめる広場として整備することを予定しています。 ◯近藤委員 舎人公園の管理状況が極めて悪く、ごみや廃車の放置場所になっておる状態で、近隣の住民から大変な批判の的になっておる。都の管理体制はどうなっているんでしょうか。 ◯石川建設局長 東京都といたしましては、従来から、ごみの不法投棄防止のためフェンス及び警告板を設置するとともに、巡回警備を行うなどの対策を講じてきたところでございます。しかし、当公園は広大な区域の中に未買収区域や未整備区域が混在しているため、必ずしも管理が行き届かず、夜間に車を利用したごみなどの不法投棄が後を絶たず、苦慮しているところでございます。 ◯近藤委員 今後の強化対策についてお伺いをいたします。 ◯石川建設局長 今後は、巡回警備の一層の徹底やフェンスの増設など、対策の強化を図ってまいります。また、不法投棄の未然防止のため、PRに努め、区道につきましては地元区の、公園周辺のパトロール強化につきましては警察の協力を得て、東京都が主体となって管理に万全を期してまいります。 ◯近藤委員 次に、国土法の規定に基づく監視区域の指定についてお尋ねをいたします。  未曾有の不況に見舞われておるとともに株価と不動産価格の大幅下落、毎月の倒産件数は実に千件を下らない状況にあります。景気浮揚対策を最優先すべきです。  そこで私は、不動産取引の活性化を促し、資産デフレから脱却を図るべきと考える。まず、監視区域を指定したときの背景について。 ◯岡本東京都技監 昭和五十八年以来の地価高騰は、都心業務地に端を発したものでございます。すなわち、昭和五十八年七月一日の千代田区並びに中央区の基準地価格の対前年上昇率は一〇%を超えました。その後も引き続き上昇傾向を示し、昭和六十一年には都心三区における基準地地価は、対前年比千代田区約六七%、中央区約五八%、港区約五〇%という大幅な上昇を示しました。これらの地価高騰は順次、区部全域、多摩地域、さらには全国の大都市の既成市街地へと波及し、大きな社会問題となりまして、これが監視区域制度発足につながったものでございます。 ◯近藤委員 国土法の目的と監視区域制度の意義について。 ◯岡本東京都技監 国土利用計画法は、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、かつ、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、全国にわたり土地取引の規制に関する処置の強化が図られることを目的としております。監視区域制度は、この目的を達成するため、都道府県知事等が区域、期間及び一定規模の面積を定めて、土地取引の当事者に届け出義務を課し、土地取引の適正化を図ることとしたものでございます。 ◯近藤委員 いわゆるバブルの時代に、監視区域制度はどのような機能を果たしてこられたか。 ◯岡本東京都技監 監視区域を指定することによりまして、小規模土地取引についても規制することができることとなり、土地取引の適正化を進め、地価の上昇を抑制する上で大きな役割を果たしてきたものと考えております。 ◯近藤委員 現状の土地の下落を考えると、もはや監視区域制度はその役割を終わったのではなかろうか。いかがか。 ◯岡本東京都技監 現在のような地価の下降局面においても、高い指導率に見られますように、著しく不適正な価格による土地取引を是正する上での役割を果たしているものと考えております。 ◯近藤委員 総じて答弁は、適切に対処するといわれますけれども、適切に対処するという内容を具体的にちょっとお聞かせ願いたいんですが……。 ◯岡本東京都技監 国土庁の通達にいう、現下の地価動向や土地取引状況、金融情勢等の社会経済情勢、地域の実情等を十分に検討し、地価再上昇のおそれがあるかないかを判断して対処することでございます。 ◯近藤委員 国土庁の考え方は、国土法緩和の方向に傾いていると聞くが、いかがでしょうか。 ◯岡本東京都技監 国土庁の見解は、大都市圏を中心として地価が依然として高水準にあること、及び届け出価格に対し価格指導を行った割合、いわゆる指導率も高いことなどから、的確な運用が必要としながらも、この制度が恒久的な制度ではなく、機動的に運用すべきものであることにかんがみ、都道府県等と相談して弾力的に取り扱っていきたいとしております。 ◯近藤委員 改めて監視区域の緩和または解除について、基本的な考え方を知事に求めたいと思います。 ◯鈴木知事 監視区域の緩和または解除についてのお尋ねでありますが、近く公表される本年一月一日の地価公示価格や基準地価格、また東京都地価動向調査等の結果を踏まえて、国、区市町村等の関係機関と十分に協議するとともに、土地利用審査会の意見を聞くなどして検討してまいります。 ◯近藤委員 一歩前進したと考えておりますので、まことにありがとうございます。  次に、綾瀬川の浄化対策についてお伺いをいたします。  全国の一級河川の中におきまして、十二年間連続ワーストワンであります。東京都は、これまで水質汚濁対策に対し、いかなる施策を推進してきたか。 ◯竹尾環境保全局長 東京都では、綾瀬川の浄化のため、これまでに公共下水道の整備、工場、事業場に対する規制指導、汚泥のしゅんせつ等の対策を行ってまいりました。この結果、BOD、すなわち生物化学的酸素要求量で見た綾瀬川の水質は、足立区内の内匠橋では、測定を開始しました昭和四十六年度の八五ミリグラム・パー・リットルから、平成三年度には二一ミリグラム・パー・リットルと改善されてきております。しかしながら、いまだ環境基準は達成されていないので、より一層の対策の推進が必要でございます。 ◯近藤委員 綾瀬川の浄化対策について、今後どのような対策を推進していくのか。 ◯竹尾環境保全局長 綾瀬川は埼玉県から流入する河川でございますので、水質の浄化のためには、今後とも国や埼玉県と共同して対策を推進する必要がございます。このため、国、東京都、埼玉県及び綾瀬川流域の区市で構成いたします河川懇談会におきまして、綾瀬川水質浄化計画を策定し、平成十二年までに達成すべき水質浄化目標を定めたところでございます。今後は、この目標の達成を図るため、東京都を初め、国及び各自治体が計画的に公共下水道の整備、工場、事業場に対する規制指導、汚泥のしゅんせつ、河川の直接浄化、浄化用水の導水等各種の対策を推進していくこととしております。 ◯近藤委員 知事は、どのような決意を持ってこのワーストワン脱却を図ってまいる考えであるか、お伺いをいたします。 ◯鈴木知事 東京都といたしましては、綾瀬川の浄化のために、国、埼玉県及び綾瀬川流域の区市と協力して、各種対策を計画的に推進していく所存であります。これにより、綾瀬川水質浄化計画に定められた目標の達成に努力してまいります。 ◯近藤委員 河川にスーパー堤防を造成することも大変結構であります。しかしながら、都民を初めといたしまして、釣り人等は河川にシラウオがすめる環境をつくることを望んでおるわけでございます。かねて若洲海浜公園に本格的な海釣り施設の構想があったが、実現をしていない。その経緯と理由についてお伺いをいたします。 ◯藤中港湾局長 本格的な海釣り施設につきましては、かねてより釣りの愛好者や関係団体等から強い要望があり、昭和六十一年十二月、若洲海浜公園の基本計画の見直しの際、桟橋型式による施設を計画化したところでございます。この基本計画を受けまして、その実現化へ向けて関係方面との調整を行い、昭和六十三年度には基礎調査を完了いたしました。その後、第二東京湾岸道路の構想が浮上いたしまして、この構想との調整を図る必要が生じてまいりました。具体的には、この道路構想の位置や構造によりまして、海釣り施設としての立地条件等に大きな影響が考えられますことから、構想の成り行きを見きわめながら取り組むことといたしてまいりました。現在のところ、この道路構想の具体化がおくれている関係で、桟橋型式の海釣り施設につきましても、進展を見ていない状況にございます。 ◯近藤委員 既に、神奈川県、また千葉県などには、岸壁や護岸を活用し、海釣り施設ができ上がっておる。国際都市東京といわれながら、つり桟橋型式の本格的な海釣り施設が皆無ではないでしょうか。早急に検討して実現すべきと考えるが、東京都の見解についてお伺いをいたします。 ◯藤中港湾局長 ただいまお答え申し上げましたような経緯から、残念ながら現在のところ、桟橋型式の海釣り施設を整備するまでに至っておりません。今後、桟橋型式による本格的な海釣り施設につきましては、これまでの状況を踏まえ、改めて調査の上、その実現に向けて取り組んでまいりたいと存じております。  なお、当面、桟橋型式の施設にかわるものとして、若洲海浜公園に隣接する防波堤を活用いたしまして、安全対策を講じた上、海釣り施設として開放するよう早急に対応してまいりたいと存じております。 ◯近藤委員 健康都市東京の実現を目指して、食と農は、人間の健康保全の立場から極めて重要であります。有機農産物の徹底普及を図るため、積極的な施策を展開すべきと考えるが、関係局長のご答弁をお伺いをいたします。 ◯中嶋衛生局長 衛生局といたしましては、都民の健康を守るため、各種食品検査などを実施し、食品の安全の確保に努めております。有機農産物については、これまでの調査研究に加えまして、平成五年度に有機農産物と一般の市販野菜等との栄養成分比較などを実施する予定でございます。これらの調査等の結果を踏まえまして、有機農産物の普及に努めてまいりたいと存じます。 ◯谷口生活文化局長 生活文化局といたしましては、都民の関心の高い有機農産物の流通を促進するため、その流通システムを整備することが必要であると考えております。このため、生産、流通、消費にわたる総合的な調査研究をしていくほか、普及啓発事業を実施し、これらの成果や国の動向なども踏まえつつ、93東京都総合実施計画に基づきまして、施策を積極的に推進することとしております。平成五年度におきましては、新たに消費者ニーズ調査と小売店の意向等調査を実施いたしますとともに、有機農産物に対する共通認識を深めるため、本年度に引き続き有機農産物東京フォーラムを実施する予定でございます。 ◯井上労働経済局長 労働経済局といたしましては、有機農業を都市農業の振興を図るための重要な施策として位置づけ、その推進に取り組んできたところでございます。今後におきましては、東京都の特産野菜を対象に栽培指針を策定をするとともに、平成五年度には、堆肥製造モデルプラントを建設し、安全で品質が一定した優良な堆肥の製造に関する研究を進めるなど、有機農業の積極的な推進に努めてまいりたいと存じます。 ◯市川教育長 都教育委員会といたしましては、学校給食に有機農産物を使用することは、成長期にある児童生徒の健康づくりの観点からも有意義なことと考えております。現在、既に一部の区市におきまして、いろいろな工夫をして、かなりの学校で学校給食に有機農産物の導入を図ってまいっておりますが、さらにこれを幅広く導入していくためには、安定供給の確保など解決すべき課題もあると存じておりまして、現在、小中学校における導入の状況や問題点等について、調査を進めているところでございます。  平成五年度には、都及び区市町村教育委員会や学校関係者で構成する研究協議会におきまして、これらの調査結果などを参考に、都が学校給食用物資として推奨するに当たっての諸条件について十分検討してまいりたいと存じます。 ◯近藤委員 一歩進めて、公私が一体となって食生活改善のための研究を進める推進協議会を設置するとともに、先駆的に行っております民間団体等に対する助成等、弾力的な処置を講ずべきと思うが、知事の所見についてお伺いをいたします。 ◯鈴木知事 有機農産物につきましては、その品質、規格、表示、健康に対する効果などの課題があります。このため国は、有機農産物の表示にガイドラインを設定するとともに、日本農林規格の対象にする予定と聞いております。都としては、これまでに実施してまいりました有機農産物の普及のための施策の成果や、国の動向なども踏まえ、今後、ご提案の食生活改善推進協議会の設置及び事業の推進について検討してまいります。  また、ご提案の民間団体に対する助成については、今後の研究課題としてまいります。 ◯近藤委員 知事は、マイタウン東京構想の総仕上げのために四選を果たし、都民の先頭に立ち、身命を賭し、確かな二十一世紀が、名実ともに東京の年代たらしめるために最大限の努力をしております雄姿に対して、敬意を表する次第であります。しかし、今や地方自治制度の確立が叫ばれている今日、私は、国にいうべきはいい、正すべきは正し、都民の苦しみは自己の苦しみとして、都民の悩みは自己の悩みとして、これから都政の発展のために全力投球をすべきと思うが、知事、率直なご意見をお聞かせ願いたいと思います。 ◯鈴木知事 ただいまは、大変熱情のこもった鈴木の都政推進に対する期待を述べていただきまして、大変感激をいたしております。かねて申しておりますとおり、生涯現役の信念を持って、マイタウン東京の総仕上げにさらに努力をしてまいるつもりでございます。 ◯近藤委員 まことに結構な答弁をいただきまして、ありがとうございます。  大きい視野に立って、小さい現実を見逃さない、そんな眼で全力投球をしていただき、誤りなき都政の進展のために、さらに鈴木知事を先頭に活躍賜りますることを祈念を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) ◯仁木委員長 近藤信好委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯仁木委員長 石塚聡委員の発言を許します。 ◯石塚委員 最初に、都市間外交についてお伺いをいたします。  姉妹都市の締結において、都から相手都市に申し入れたケースと、相手側から都に申し出があったものとを分けるといたしますと、九都市はそれぞれどうなるでしょうか。 ◯谷口生活文化局長 姉妹・友好都市関係の結成につきましては、都市間の相互交流の積み重ねに基づくものや、世界大都市サミット会議への参加を契機とするものなど、さまざまな経緯によりまして、都市提携の合意に至ったものでございます。それぞれの過程で、どちらの都市が提携を申し入れたか、明確には区分しがたい面があります。 ◯石塚委員 では、姉妹都市との交流事業の内容は、これまでどのように行ってきておりますでしょうか。
    ◯谷口生活文化局長 姉妹・友好都市との交流事業につきましては、両都市の間で合意書を締結し、計画的に交流事業を推進しているところでございます。この合意書に定められる交流事業につきましては、その都度、相手都市の実情を考慮しながら、関係各局と調整を図るとともに、双方の都市間で十分協議をした上で、事業内容を決定しております。 ◯石塚委員 そこで、今局長が、相手都市の実情というふうにいわれましたけれども、相手の実情に応じて、国際都市東京らしく積極的な援助、支援事業にもっと力を入れるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◯谷口生活文化局長 姉妹・友好都市との交流に当たりましては、これまでも相手都市の実情に応じまして、都市経営のノーハウの提供や都市問題解決のための技術的な支援を行ってきております。また、人道上の見地から、モスクワ市に対する医療機器の緊急援助なども行ってきたところでございます。現在、国際政策懇談会で、都市間交流のあり方などをご審議いただいているところでございますので、ご提案の今後の援助、支援策につきましても、懇談会のご意見を踏まえて、十分検討してまいりたいと存じます。 ◯石塚委員 次に、定住化対策についてお伺いをいたします。  都心区では、小中学校に空き教室が多く存在しているわけであります。私は、学校と公共施設との併設を推進をしていく必要があると思いますけれども、この点についていかがお考えになりますでしょうか。 ◯市川教育長 現在、公共用地の取得が困難な状況のもとで、特に都心区におきまして、他の公共施設を併設した学校もございます。小中学校に社会教育施設や他の公共施設を併設することは、学校の設置者である各区市町村の施策にかかわることでございまして、また、調整すべき多くの課題もございます。都教育委員会といたしましては、今後とも、地域の実態や学習環境の維持向上に配慮し、国や区市町村教育委員会など関係機関と十分連絡をとり、検討してまいりたいと存じます。 ◯石塚委員 次に、区民会館、敬老館、社教館など既存の老朽化をした施設を建てかえる際に、区営住宅等の併設を促進させるよう都から区へ指導、援助を徹底すべきだと思いますけれども、この点についていかがお考えになりますでしょうか。 ◯中嶋住宅局長 都は、公営住宅や地域特別賃貸住宅など、区による公共賃貸住宅の供給の拡大に向け、これまでも建設費補助等を実施してまいりました。ご指摘の区の公共施設と住宅との併設につきましても、区に対する支援に努めてきたところでございます。今後とも、各区に対しまして、公共施設との合築に積極的に取り組み、公共住宅の供給の促進を図るよう働きかけてまいります。 ◯石塚委員 次に、最近、数々の新興宗教によって、さまざまな被害が続出しておりまして、社会問題にもなっておりますので、この点について、幾つか質問をいたします。  まず最初に、最近週刊誌等を拝見をいたしておりますと、愛の家族とか、あるいは統一教会、あるいは幸福の科学、オウム真理教、いわゆる新々宗教といわれておりますような団体が数々の社会問題を引き起こしてきているわけでありますけれども、このことはご存じでしょうか。 ◯大森総務局長 宗教法人に関しまして、マスコミ等でさまざまな報道がなされていることについては承知をいたしております。 ◯石塚委員 ここに、あなたの未来を予測するという、こういうチラシがあるんです。(チラシを示す)サイエントロジーというところの広告でありますけれども、これについて、どういう方法で勧誘をしているかということをご承知でしょうか。 ◯谷口生活文化局長 東京都消費者センターに寄せられました相談の中には、性格診断をしてくれるというのでアンケートに答えたら、性格的弱点を挙げて、高額な自己啓発講座の受講を強引に契約させられたといったような、精神修養講座に関する相談がございます。 ◯石塚委員 それでは、本覚寺派の視商法について、消費者センターには相談は寄せられておりますか。 ◯谷口生活文化局長 消費者センターにおける相談の中には、視により悩みを解消などと、少額の相談料を掲げた広告で人を集め、先祖に浮かばれない人がいるなどと不安にさせ、多額の祈祷料や供養料を強引に要求されたというものが寄せられております。  都の消費者センターには、このような相談が平成元年度ごろから増加してきております。 ◯石塚委員 多くの問題が浮き彫りになってきたと思います。  そこで質問いたしますけれども、全国の宗教法人の数は幾つあって、構成人員の総数は何人でしょうか。また、東京都ではどうでしょうか。 ◯大森総務局長 文化庁発行の平成三年版「宗教年鑑」によりますと、全国の宗教法人数は十八万三千九百七十法人となっておりまして、信者数は全国で約二億一千七百万人、そのうち東京都では約三千八百万人となっております。  また、東京都知事所轄の法人数は、平成四年三月三十一日現在で六千三百七十法人でございます。 ◯石塚委員 お答えをいただきましたけれども、日本の人口は何人でしょうか。東京都の人口は何人でしょうか。 ◯大森総務局長 全国の人口は約一億二千万人、東京都は千百八十万人程度だと存じますが、この信者数は、各宗教法人の公表しております数字を単純に合計をしたために、こういう数字になっておるわけでございます。 ◯石塚委員 お答えいただいたとおりだと思います。私は、日本には無神論者が多いというふうによく聞いておりましたけれども、どうも違うようでありまして、これは余りにも届け出がいいかげんだということが実証されたのではないかと思います。  そこで、宗教法人の認証についてお伺いいたしますけれども、認証に当たっての記載必要事項、それからその審査はいかなる方法で行われていますでしょうか。 ◯大森総務局長 宗教法人を設立するためには、規則の認証を受けようとする場合には、規則認証申請書、規則、代表役員等に関する書類等を所轄庁に提出をいたしまして、その認証を申請をする必要がございます。  所轄庁といたしましては、規則の認証の申請があった場合、申請書類に形式上の不備がなければ受理をいたしまして、三月以内に要件を備えているかどうかを審査し、要件を備えていると認めたときは、認証をすることになっております。 ◯石塚委員 それでは逆に、宗教法人を解散させるときの法律要件は何ですか。 ◯大森総務局長 裁判所は、宗教法人法第八十一条の規定に基づきまして、次の五つの事由の一つに該当する場合に、所轄庁、利害関係人もしくは検察官の請求により、または裁判所の職権で、その解散を命ずることができるような規定になっております。  その事由とは、一つは、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたとき、一つは、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと、または一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと、一つは、当該宗教法人が、礼拝の施設が滅失し、やむを得ない事由がないのにその滅失後二年以上にわたつてその施設を備えないこと、一つとして、一年以上にわたって代表役員及びその代務者を欠いていること、最後に、規則または合併の認証に関する認証書を交付した日から一年を経過している場合において、その認証の要件を欠いていることが判明したこと、でございます。 ◯石塚委員 では、実際に、これまで多くの社会問題を引き起こしてきた宗教法人に対して、所轄庁である都は、裁判所に解散命令を申し出たことがありますでしょうか。 ◯大森総務局長 所轄庁である東京都知事が、裁判所に対し解散命令の請求をしたことはございません。 ◯石塚委員 それでは、第八十一条にある利害関係人、あるいは検察官、これからの申し出は過去にありましたか。 ◯大森総務局長 解散命令は、裁判所に属する権限でございますので、所轄庁は知り得る立場にないわけでございますけれども、都知事所轄の法人について、利害関係人、検察官から裁判所に対し解散命令の請求があったということは、聞いておりません。 ◯石塚委員 角度を変えてお伺いしますけれども、都が認証した宗教法人の資産の把握、予算とか決算とか、こういうものを知る方法はありますでしょうか。 ◯大森総務局長 宗教法人法では、宗教法人がその所有する資産について、所轄庁に対して報告する義務がございませんので、所轄庁としては把握をいたしておりません。 ◯石塚委員 資産の把握ができなくて、認証手続は先ほどのように非常に簡単、それから解散も申し出ていない。だから、例えば統一教会などによる霊感商法などという、こういう詐欺事件が多発して、裁判の問題になっているのだと思うのです。  念のためにお伺いしたいのですけれども、霊感商法についてご存じでしょうか。 ◯谷口生活文化局長 いわゆる霊感商法といわれているものは、あなたの家系には先祖の悪霊が取りついているなどと、ことさらに不安をあおり、悪霊を払い、不幸を免れるためと称して、高額な印鑑、つぼ、多宝塔などを購入させるような商法であると理解しております。 ◯石塚委員 では、世界基督教統一神霊協会、これはいつ認証されましたか。 ◯大森総務局長 ご指摘の宗教法人は、昭和三十九年七月十五日に規則認証をいたしたものでございます。 ◯石塚委員 局長にお伺いしたいのですけれども、ビデオセンターとか自己啓発センターとか、青少年を巧妙にだまして、多くの問題を引き起こしているということもご存じでしょうか。 ◯谷口生活文化局長 東京都の消費者センターで受け付けた相談の中には、一定の会場でビデオを見せられたり、あるいはそこで講座の受講を勧められたりした上、高額な商品の契約をさせられたというものもございます。 ◯石塚委員 ですから、こういうことに困って、昨年の九月の二十八日、三鷹の市議会で意見書の採択がされているのですけれども、このことについてはご存じですか。 ◯谷口生活文化局長 三鷹市議会から都知事に対しまして、霊感商法など悪質な訪問販売による被害防止策の抜本強化を求める意見書が提出されまして、昨年十月一日に受理をしております。  この意見書は、悪質訪問販売に対する被害防止策を立てるとともに、国民への注意喚起のPRの強化を求めるものでございます。 ◯石塚委員 もう一点お伺いしますけれども、ことしの一月、日本基督教団の声明が出されているのですけれども、このこともご存じですか。 ◯大森総務局長 日本基督教団は、文部大臣所轄の法人でございます。声明があったことは、情報として承知をいたしております。 ◯石塚委員 それではさらにお伺いしますけれども、ことしの二月の二十一日、いわゆる統一教会の広告塔といわれております歌手の桜田淳子氏が、NHKの衛星第二に出演して、大変大きな問題になったということも、多分ご存じだと思います。  それから、今日マスコミを騒がせております山崎浩子さんの事件、これもご存じだと思いますけれども、念のためお伺いをいたします。 ◯谷口生活文化局長 桜田淳子さんのテレビ番組は見ておりませんが、お話の山崎浩子さんの件につきましては、新聞等により、報道されていることは承知しております。 ◯石塚委員 山崎浩子さんのことが騒がれておりますけれども、本来なら、信教の自由でありますから、とやかくいうのはおかしい、こういう議論になって当然だと思いますけれども、実際の世論は、実はそうなっていないというところに、大きな問題があるのではないかと思います。  それで、都の消費者センターに、霊感商法などによる被害が、この三年間どのくらい寄せられておりますか、被害総額をお伺いいたしたいと思います。 ◯谷口生活文化局長 東京都消費者センターが、平成二年四月から平成五年一月末までに受け付けました、いわゆる霊感商法といわれているものなどの相談は三百九十七件でございまして、増加ぎみでございます。  契約金額累計は二億五千万円余となっております。また、相談件数の多かった商品は、印鑑、数珠、仏像などでございました。 ◯石塚委員 非常に大きな被害で驚くばかりでありますけれども、都の消費者条例の第十九条の内容、これはどうなっているか、ご説明をいただきたいと思います。 ◯谷口生活文化局長 東京都消費生活条例第十九条におきましては、不適正な取引行為といたしまして、取引の際に必要な情報を消費者に十分知らせずに勧誘し、または契約させること、消費者の契約しようとする気持ちが不十分であるのに、強引に勧誘し、または契約させることなど、六つの類型を定めまして、これらの行為を禁止しております。  さらに、本条に基づきまして、規則で禁止行為を具体的に規定をいたしまして、これらの行為につきまして、同条例で調査、指導等を行うこととしているところでございます。 ◯石塚委員 ただいまのご説明によりますと、ここでいう不適正な取引行為として霊感商法を規則で定めていると、そう解釈してよろしいですね。 ◯谷口生活文化局長 不適正な取引行為を定める規則におきましては、消費者の不幸を予言し、消費者の健康または老後の不安を殊さらにあおる等、消費者を心理的に不安な状態に陥らせる言動等を用いて、契約の締結を勧誘し、または契約を締結させること等の行為を禁止しております。いわゆる霊感商法における不適正な取引行為につきましても、これらの規定に照らして対応することとしております。 ◯石塚委員 それでは確認ができましたので、結構だと思います。  そもそも霊感商法というのは、訪問販売法の第三条にも違反をしております。消費者保護の立場からも、今後の東京都の対応はいかがでしょうか。今までと違って、新たな対応があればお示しをいただきたいと思いますし、私などは、例えば街頭の電光掲示板などを利用して、こういう商法に対する注意喚起というものを、青少年に大いに促していくべきだというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。 ◯鈴木知事 都民の健全な消費生活を確保するためには、不適正な取引行為による消費者被害を未然に防止することが重要であると考えます。  これまでも、社会状況の変化に応じて施策の充実を図ってきたところであります。今後とも、消費者を保護するという基本的立場に立って、「かしこい消費者」など、既存の広報媒体だけでなく、お話の電光掲示板等の新たな手段を活用した情報提供を行い、都民の啓発に努めるとともに、適切に事業者の指導を行うなど、不適正な取引行為の防止に努めてまいります。 ◯石塚委員 あえて知事にもう一度お伺いをしたいと思いますけれども、今、統一教会の霊感商法というものは、青少年の中に蔓延して、多大な、物心両面の被害が出ているわけです。  こういう現状を踏まえまして、先ほど宗教法人法第八十一条の質問を私いたしましたけれども、今後、東京都として、解散命令も含めて厳しく対処していただきたいと思いますが、この点について再度お答えをいただきたいと思います。 ◯鈴木知事 宗教法人に宗教法人法上の違反があった場合には、所轄庁として、法に照らし、適正に対処してまいります。 ◯石塚委員 真の意味で、適正に対処をしていただきたいというふうに思っております。  以上で私の質問を終わります。(拍手) ◯仁木委員長 石塚聡委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯仁木委員長 石川芳昭委員の発言を許します。    〔委員長退席、西川副委員長着席〕 ◯石川委員 初めに、老人保健施設についてお尋ねいたします。  高齢者が住みなれた家庭や地域社会で安心して暮らしていくためには、老人保健施設の早急な整備が極めて重要であると考えます。  そこで、まず何点か質問いたします。  老人保健施設とは何か。また、どのような経過で創設されたのか、ご説明していただきたい。 ◯中嶋衛生局長 老人保健施設は、昭和六十一年の老人保健法の改正により創設されたものでありまして、その目的は、寝たきり等の状態にある要介護高齢者などを対象に、リハビリテーションや看護、介護等の医療ケアと、日常生活サービスを提供することによりまして、高齢者の自立を支援をし、病院などからの家庭復帰を目指すものでございます。  また、在宅の要介護高齢者などに対しましても、機能訓練や入浴サービス等を提供する施設でもございます。 ◯石川委員 施設開設の主体者はどのようになっていますか。 ◯中嶋衛生局長 老人保健施設を開設できます者は、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人、その他日本赤十字社など、厚生大臣が定めた者でございます。 ◯石川委員 今日まで、老人保健施設の設置数はどのくらいになっていますか。全国及び都の実態について明らかにしてください。 ◯中嶋衛生局長 老人保健施設の設置数は、平成五年一月三十一日現在で、全国では六百八十六カ所、五万七千百十六床でございます。このうち東京都は二カ所、二百床でございます。 ◯石川委員 都の設置状況は、全国に比べてかなりおくれていますが、今後の整備計画はどのようになっていますか、お伺いします。 ◯中嶋衛生局長 都は、第三次東京都長期計画におきまして、平成十二年度までに一万四千五百六十床を整備することといたしております。  平成四年度に施設整備費補助を大幅に増額したことなどによりまして、整備は現在着実に進んでおりまして、現在建設中のものは九カ所、七百二十八床でございます。 ◯石川委員 施設の開設者はどのような状況になっておりますか。 ◯中嶋衛生局長 平成五年一月三十一日現在の、全国の老人保健施設の開設者の状況は、医療法人が六九・二%、社会福祉法人が一七・六%、その他市町村、財団法人など一三・二%と相なっております。  東京都における開設済みの二カ所と整備中の九カ所の合計十一施設について申し上げますと、医療法人が六三・六%、七カ所でございます。社会福祉法人が一八・二%、二カ所でございます。その他、区、社団法人一八・二%、それぞれ一カ所ということでございます。 ◯石川委員 都の場合、今お話しのとおり、施設開設者は十一施設のうち七施設が医療法人になっていますが、その理由を明らかにしてください。 ◯中嶋衛生局長 ただいまご指摘のとおり、老人保健施設の開設者は医療法人が多いという状況にございます。  その理由は必ずしも明らかではございませんが、この施設が要介護高齢者などを病院から家庭復帰させるいわゆる中間施設であること、看護や介護の継続性が図られやすいことなどが考えられると思います。 ◯石川委員 施設整備を医療法人にゆだねることになると、施設の設置地域が偏在することにならないか、危惧いたします。  この施設は、施設の創設経過からしても、区市町村にバランスよく配置することがぜひ必要と考えます。そのため、都はどのような誘導策を講じようとしているのか、見解を伺います。 ◯中嶋衛生局長 老人保健施設は、病院と家庭とをつなぐいわゆる中間施設でございますため、地域と密着することが求められておりまして、地域的に偏在することのないよう、整備する必要があると考えております。  各区市町村は、現在、老人保健施設の整備も視野に入れまして、老人保健福祉計画を策定中でございますが、都としては、今後、これら区市町村と十分協議しながら、老人保健施設が偏在することのないよう、広域的な観点から調整してまいりたいと存じます。  また、ご指摘の誘導策につきましては、施設の設置状況の推移などを見ながら、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。 ◯石川委員 先般、我が党は都内の老人保健施設、シルバーライフ馬込を視察してまいりましたが、懸命に機能訓練に励むお年寄りの姿に、強い印象を覚えました。  しかしながら、施設の理事長の話によると、建設費などに多額の経費を要することから、その借入金の返済が経営を圧迫しており、安定した経営が確保しにくいとのことでありました。  老人保健施設の整備促進を図るためにも、継続的に安定した施設運営の確保が重要であります。  そこで、昨年四月、国の老人保健施設経営実態等調査があったと聞いていますが、その概要について伺います。
    ◯中嶋衛生局長 昨年四月、厚生省が発表いたしました平成二年度老人保健施設経営実態等調査の結果によりますと、一施設当たりの平均入所者数は七十三名でありまして、平均の施設事業収益は二億一千七百六十五万円、これに対応いたします費用は二億二百三十六万円で、収支差額は一千五百二十九万円の黒字ということになっています。しかし、借入金の支払い利息等を費用に加えました総収支差額で見ますと、四百九十六万円の赤字ということに相なっております。 ◯石川委員 都は独自に、平成三年度から一床当たり二百万円の施設整備費補助を開始したところでありますが、四年度からこれを四百万円に倍増するとともに、リハビリ機器等に対する備品補助を追加しています。この点については、我が党としても高く評価しているところであります。しかし、老人保健施設の安定的な経営の確保と整備促進を図るためには、その赤字の大部分を占める支払い利息に対し、利子補給を実施する必要があると思いますが、知事の所見を伺います。 ◯鈴木知事 老人保健施設の整備は、本格的な高齢社会の到来を間近に控えて、重要な課題であると認識しております。  都は、これまで施設整備費補助の増額など支援策の強化を図ってきたところでありますが、平成五年度からは新たに老人保健施設の安定的な運営を確保するため、その建設資金のうち、社会福祉・医療事業団からの融資にかかわる利子について、年一・五%を限度とした利子補給を行うことといたしております。 ◯石川委員 それでは、社会福祉・医療事業団からの平均融資額はどのぐらいになるのでしょうか。また、これら利子補給を実施した場合、どの程度経営の安定に資するものでしょうか。 ◯中嶋衛生局長 全国の例で申し上げたいと存じます。平成四年四月から平成五年一月までの間に、全国で、社会福祉・医療事業団から融資を受けました施設の一施設当たりの平均の借入額は約四億五千万円でございます。仮にこの平均借入額に年一・五%の利子補給を行いました場合、利子補給額は年額約七百万円となりまして、さきにご答弁申し上げました実態調査の赤字額四百九十六万円、これは解消されることになるという計算に相なります。 ◯石川委員 全国の老人保健施設は六百六十余施設となり、他県において着々と整備され、高齢者にとって力強い支えとなっております。翻って、東京都では、二施設二百床しか整備されていないという現状であります。東京においては、建設費や人件費等が他県に比べて高いなど、設置されにくい環境にあることは理解できますが、老人保健施設の整備促進を図るため、なお一層の財政支援等の充実を要望しておきます。  次に、養護学校卒業後の対策について伺います。  養護学校卒業後の進路として、生活実習所や福祉作業所の整備が重要な課題となっています。これらの通所施設に入所を希望する心身障害者は、今後ますます増加することが予測され、障害の状況も重度化、重複化してきています。こうした傾向は各区市町村に共通することでありますが、養護学校を三校も有する練馬区にとっては、とりわけ厳しい状況にあります。  もともと都立の養護学校は、用地取得等の関係から主に周辺区に設置され、そのため生活実習所に対するニーズも練馬区のような周辺区に集中しています。こうしたことから、練馬区では、入所希望者の増加に対する施設の増設、重度化に伴う職員の問題など、この財政面や職員定数上、さまざまな課題が生じているのが実態であります。  そこでまず、これら心身障害者通所施設の整備状況と今後の設置計画について伺います。 ◯檜垣福祉局長 心身障害者生活実習所や精神薄弱者通所更生施設などの心身障害者通所施設は、現在百二十八カ所設置されておりまして、定員は四千九百五十四名でございます。  また、第三次東京都長期計画におきましては、平成十二年度までに定員七千五百七十七人の整備を計画しているところでございます。 ◯石川委員 生活実習所の利用者の重度化が進む中で、都が定めた職員配置基準では処遇が困難なため、練馬区では重度加算という形で職員増を行っています。生活実習所の職員人件費等の運営費は、不十分ながら都区財調で措置されていますが、その建設に当たっての用地取得については、都からの援助がなされていないのが実情であります。  そこで、都は、広域的な見地から、生活実習所等の整備を促進するため、市町村や社会福祉法人に対して用地取得費について助成を行っているのか、伺います。 ◯檜垣福祉局長 養護学校卒後対策の一環といたしまして、心身障害者通所施設の設置促進を図るため、市町村及び社会福祉法人に対しましては、施設基準に適合する精神薄弱者通所更生施設等の建設用地取得費を助成しているところでございます。 ◯石川委員 特別区の財調措置については、標準区六カ所の運営費が算入されていますが、現在、建設費、用地取得費について算入されていません。施設の目標水準を拡充すべきと考えますが、所見を伺います。 ◯大森総務局長 特別区が行います事務事業の都区財政調整措置につきましては、特別区側の要望に基づきまして、都区協議の上、算入をしてきているところでございます。  生活実習所の目標水準を拡充せよということでございますが、特別区側からの要望がございましたならば、都区財政調整協議会におきまして協議をしてまいりたいと存じます。 ◯石川委員 次に、養護学校の卒業生の中には、重度重複の障害を持つため、生活実習所には通えない人もいます。このような重度重複の障害児の施設として、重症心身障害児通所施設がありますが、都における施設の現状と設置計画についてお伺いします。 ◯中嶋衛生局長 現在、重症心身障害児通所施設は、都立施設が二カ所、民間施設が六カ所、合計で八カ所でございます。その合計定員は、現在、百五十名でございます。  また、通所施設の設置計画につきましては、東京都第三次長期計画に基づき、平成十二年度までにさらに七カ所を増設いたしまして、合計で十五カ所とし、定員は三百名とする予定でございます。 ◯石川委員 練馬区の重症心身障害者は、杉並区に設置されている高円寺療育センター杉の実に通っていますが、この施設も近々定員を満たしてしまうと聞いています。そこで、養護学校が偏在している周辺区の実情を勘案して、練馬区に都立の重症心身障害児通所施設を設置すべきと思いますが、所見を伺います。 ◯中嶋衛生局長 練馬区にございます都立大泉養護学校の卒業生が主として通っております重症心身障害児通所施設、社団法人家庭生活研究会高円寺療育センター杉の実につきましては、当面、卒業生の状況や、練馬区及び周辺区の生活実習所等の受け入れ状況を勘案をしながら、必要に応じ、同センターと協議をしまして、定員の拡充に努めてまいりたいと存じます。  また、ご提案の、練馬区内の通所施設の設置につきましては、同センターの定員の充足状況等を考慮しながら、今後検討してまいりたいと存じます。 ◯石川委員 養護学校卒業生の進路を確保するため、心身障害者通所施設等の設置促進を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ◯鈴木知事 養護学校等を卒業した心身障害者が、地域社会の一員として充実した生活が送れるよう適切な進路を確保することは、重要な課題であると考えております。このため、都としては、これまでも障害を持つ方たちの雇用促進を図るとともに、心身障害者通所施設などの設置促進に努めてきたところであります。  今後とも、区市町村等と連携を図りながら、卒後対策の充実に努めてまいります。 ◯石川委員 次に、住宅問題に関連して、建てかえ事業が進まない、いわゆる都市計画一団地の住宅施設とは何か、伺います。 ◯岡本東京都技監 都市計画法によりますと、一団地の住宅施設とは、一ヘクタール以上の一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいうと定められております。  その目的は、良好な居住環境を有する住宅の集団的建設と、これに付随する公共、公益的施設の総合的な整備を図ろうとするものでございます。 ◯石川委員 一団地の住宅施設として都市計画決定されている団地で、練馬区等三区にあるいわゆる十三団地について、建てかえ時期が既に過ぎていますが、建てかえのおくれている理由は何でしょうか。 ◯中嶋住宅局長 ご指摘の十三団地は、すべて木造及び簡易耐火造の住宅で、建設後三十五年以上経過しており、建てかえ対象団地となってございます。  建てかえに当たりましては、都市計画の変更が必要でございますが、計画区域の全域を用地買収することができなかったため、未買収の民有地の取り扱い等の課題が残り、計画の変更が困難となったものでございます。このため、建てかえがおくれているものでございます。 ◯石川委員 この問題につきましては、昭和六十二年の当委員会でもただし、これまで七年が経過しております。現在までの調査、検討の状況を明らかにしてください。 ◯中嶋住宅局長 住宅局としては、昭和六十三年度に、地元区等の協力を得まして十三団地の調査を行い、これをもとに都市計画上の対応と建てかえについての基本方針案を策定いたしました。その後、関係機関と鋭意協議をしてまいりましたが、合意に至らず、調整に苦慮をしてきたところでございます。  現在、この基本方針案の内容をより具体的にするため、再度調査を行っているところでございます。 ◯石川委員 これらの一団地の中には、住宅局用地として更地あるいは新たに購入したものの、いつ住宅が建設されるか見通しが立たず、未利用のまま放置されているところもあります。住宅建設が叫ばれている今日、用地の適正、有効利用を図るためにも、現在実施中の調査、検討はいつごろまでに結論が見込めるのか、早急に結論を出していただきたい。 ◯中嶋住宅局長 再調査は、四年度事業として実施をしているものでございまして、できるだけ早期に調査結果をまとめ、地元区等関係機関と団地ごとに具体的な調整を行う考えでございます。 ◯石川委員 都市計画変更の結論を急いでいただきたい。  一方、老朽化している住宅に居住している人たちの日常生活は不便であり、居住環境も劣悪であります。このような状況の中で、住宅局は、居住者の希望があれば、仮移転させる考えはありますか。 ◯中嶋住宅局長 ご指摘のとおり、これらの住宅の多くは老朽化が著しく、早期の建てかえが必要であると認識をしております。既に一部の団地につきましては、居住者の移転を先行させておりますが、その他の団地につきましても、居住者の意向等を勘案いたしまして、他の建てかえ事業との関係も調整の上、移転用住宅が確保できる状況になれば、移転を検討いたしたいと思います。 ◯石川委員 次に、地下鉄十二号線の光が丘以西への延伸の導入道路の整備について伺います。  光が丘から大泉学園町までの間では、都市計画道路補助二三〇号線が地下鉄十二号線の導入路として予定されているが、今後この道路の整備の手法について伺います。 ◯石川建設局長 補助二三〇号線のうち、光が丘から大泉学園までの間の約三千二百メートルは、都市計画道路整備の第二次事業化計画に位置づけられております。この区間のうち、土支田・高松地区の約千百メートルにつきましては土地区画整理事業で、残る約二千百メートルにつきましては街路事業で整備することとしています。 ◯石川委員 区画整理事業と街路事業という整備手法の違いにより、この道路の整備がおくれることはありませんか。 ◯石川建設局長 この道路には地下鉄十二号線の導入が予定されていますので、早期整備の観点から、土地区画整理事業だけでなく、街路事業を組み合わせて整備することとしたものでございます。  両事業の執行に当たりましては、整備手法の違いから完成時期にずれが生じることのないよう努めてまいります。 ◯石川委員 街路事業の事業化の前提となる現況測量はいつ着手する予定ですか。 ◯石川建設局長 補助二三〇号線の街路事業は、土支田・高松地区の土地区画整理事業の認可を一刻も早く取り、それに合わせて認可を取得したいと考えています。したがいまして、街路事業の現況測量につきましては、土地区画整理事業の現況測量の進捗を踏まえて、できるだけ早期に着手できるよう努めてまいります。 ◯石川委員 地下鉄十二号線の光が丘以西への延伸は、区部北西部から都心部への公共交通ネットワークを強化するとともに、副都心の育成などにも寄与する極めて重要なものであります。地元の早期完成に対する要望はまことに強いものがあり、導入進路として期待されている本道路の整備が一刻も早く整備されることを願うものですが、早期整備に対する建設局長の考えを伺い、私の質問を終わります。 ◯石川建設局長 補助二三〇号線の早期整備に強い期待が寄せられていることは、十分認識しているところでございます。  今後、地元区とも連携をとりながら、関係者の理解と協力を得て、早期事業化に向けて努力してまいります。 ◯石川委員 どうもありがとうございました。(拍手) ◯西川副委員長 石川芳昭委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により、二十分間休憩いたします。    午後二時五十四分休憩      ━━━━━━━━━━    午後五時三十分開議 ◯仁木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  この際、委員長として申し上げます。  一昨日の日本共産党の木村委員の発言については、理事会で協議の結果、日本共産党を除く全会派の総意に基づいて、一部不穏当な部分があり、今後このようなことがないよう厳重に注意を申し上げます。 ◯木村(陽)委員 委員長、動議を提出します。 ◯仁木委員長 ただいま木村委員から動議が提出されましたが、木村委員に申し上げます。動議は簡潔に願います。 ◯木村(陽)委員 ただいま委員長より、私に対する注意を受けました。(「当たり前だ」と呼び、その他発言する者多し)自民党理事が要求したのは、私の発言にあった、国民政治協会が自民党の政治資金団体であるという部分のうち、「自民党の」という言葉を削除することであると聞いております。 ◯仁木委員長 動議の内容は簡潔に願います。 ◯木村(陽)委員 しかし、これは紛れもない事実であり、自民党も事実上削除要求を撤回したのであります。その時点で、不穏当云々の問題は存在しないことは明らかであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)にもかかわらず、委員長が、我が党を除く全会派の総意と称して、一方的に私の発言が不穏当であるかのように発言することは、議会における議員の言論の自由に対する侵害であり……    〔「そうだ」と呼び、その他発言する者多し〕 ◯仁木委員長 木村委員に申し上げます。動議は簡潔に願います。 ◯木村(陽)委員 言論の府である議会の自殺行為であります。  以上の理由から、私の弁明の機会を与える動議を提出いたします。 ◯仁木委員長 ただいまの動議は、起立により採決いたします。  動議に賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯仁木委員長 起立少数と認めます。よって、木村委員の動議は否決されました。      ━━━━━━━━━━ ◯仁木委員長 松本文明委員の発言を許します。    〔委員長退席、西川副委員長着席〕 ◯松本委員 大変長らくお待たせをいたしました。質問を始めさせていただきます。  まず初めに、公共事業に伴う用地買収についてお伺いをいたします。  公共事業に伴って立ち退かざるを得ない都民の皆様方は、申すまでもなく、みずから望んだわけではなくして、公共の福祉のために住みなれた町を離れなければならないわけであります。これらの方々に対する補償と生活再建施策は十二分になされなければならないと思うわけでございますが、お考えをお聞かせください。 ◯石川建設局長 公共事業の施行にかかわる関係権利者に対しましては、憲法に定める財産権の正当な補償の精神にのっとり、権利者の立場に立って補償を行っているところでございます。  また、これらの方々の生活再建を助成する各種の施策といたしまして、移転資金の貸し付け、代替地の提供、公営住宅の入居あっせんなどの手当てを講じています。  さらに、公共事業の対象者に対しましては、税法上の優遇措置も定められているところでございます。 ◯松本委員 財産の買収価格あるいはもろもろの補償価格はどのような法律、条例、規則に基づいて行われているのか、財務局長、わかりやすくご説明をいただきたい。 ◯齊藤財務局長 東京都の補償は、国の補償基準でございます、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱を参考にいたしまして制定いたしました、東京都の事業の施行に伴う損失補償基準によりまして、統一的に運用をしているところでございます。  具体的な補償金額の算定について申し上げます。例といたしまして、土地の場合をとって申し上げますが、正常な取引価格をもって補償するということにしております。この正常な取引価格といいますのは、近傍類地の取引価格や公示価格等を基準といたしまして、土地の価格に影響を与えます地形、道路状況、交通の便など、もろもろの要因を総合的に比較、考量した上で算定するということにしております。  さらに、その公平性と妥当性を確保いたしますために、東京都財産価格審議会の議を経て決定をするということで運用をしております。 ◯松本委員 建設局長、最近の不況、土地価格の下落が進む中で、買い取り請求が大変多いと聞いております。状況をご説明願います。 ◯石川建設局長 買い取り希望がどのくらい増加しているかにつきまして、数量的な把握はしていないわけでございますが、本年度上半期における用地取得の契約率が例年の約二倍であったことなどから考えますと、その中には、早期買収を希望された方がかなり含まれているのではないかと理解しています。 ◯松本委員 事業決定がなされた地域からの買い取り請求には速やかに応じなければならない、こういうことになっていると思いますが、そのとおりでしょうか。 ◯石川建設局長 事業化した地域からの買収の要望は、公共事業に協力しようというありがたいお申し出であると受けとめておりますので、可能な限りご要望におこたえしていきたいと考えております。 ◯松本委員 同じ時期に用地買収を希望した、隣接をするお隣同士の二軒のお宅で、契約時期がわずかに一年違っただけで、土地の買収価格が二割以上違う場合もあります。土地の価格が下がったんだというのが理由でありますが、都民の自分の都合ではなくて、都の都合で契約の時期が違った。  建設局長、こういうことでは用地買収に対する信頼が損なわれると思うのでありますが、どうでしょうか。 ◯石川建設局長 事業用地の買収価格は、さきに財務局長がご答弁申し上げましたように、正常な取引価格でございますが、その価格は、事業地の近くの地価の変動に合わせて毎年改定することになっております。  したがいまして、事業地周辺の地価の上昇あるいは下落に伴いまして、事業用地の買収価格も変動するものでございます。  また、完成までに何年もかかる事業の用地買収は、事業計画に基づいて実施しているところであり、予算上の制約などもございますので、すべてのご要望におこたえできかねる場合もあるわけでございます。  しかし、先ほどもお答え申し上げましたように、公共事業に協力し、貴重な財産である土地を都にお譲りくださるという都民の方々からのありがたいお申し出に対しましては、極力その意に沿うように努め、都民の都政に対する信頼にこたえていきたいと考えております。 ◯松本委員 建設局長に伺いますが、用地の買収価格あるいは補償額の算定に当たって、基準になる日、基準日は、事業決定がなされた日であるのか、あるいはまた違う日であるのか、教えていただきたい。 ◯石川建設局長 都市計画事業などの場合には、事業認定時の価格を基礎として算定しています。しかし、通常、事業期間が長期にわたるため、一年を経過するごとに価格の改定を行うこととされています。
     また、建物などの移転に関する補償額は、契約時を基準として算定しています。 ◯松本委員 毎年、価格の変動に合わせて用地の買収価格が変わるということであります。かつて、土地が大変な勢いで値上がりをしてた時代、いわゆるごねて契約調印が長引いた場合、毎年毎年、年数がたてばたつほど用地買収価格が上がる。これではごね得、こういわれてもいたし方がない、こう思うんですが、制度的に、土地が上がる状況の中では、そういうごね得現象というのはあった、こういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。 ◯石川建設局長 そのような傾向があるということで、今の制度が運用されているわけでございます。 ◯松本委員 あったのかなかったのか、今の答弁ではどうも釈然といたしませんけれども、土地が今、大変な勢いで下落をしております。そういう状況の中で、東京都の予算が追いつかないという中で、契約が二年、三年おくれてしまった場合、値段が下がる。そうしますと、同じ協力をしようという気持ち、それをお持ちの都民にとって、公平でない、そういう事態が生じるということも考えられますか。 ◯西川副委員長 建設局長は、発言の許可を求めてから発言してください。 ◯石川建設局長 環状六号線の用地につきましては、首都公団に委託してお願いをしているわけでございますが、最近の土地価格の…… ◯西川副委員長 局長、質問の趣旨に沿ってご答弁を。もう一度自席へお戻りになって検討してみてください。 ◯松本委員 ごね得とごね損の問題について、制度的に問題があると思っていらっしゃるかどうかということを質問しています。 ◯石川建設局長 下落傾向のときと値上がり傾向のときとどういう差があるか、こういうことでございます。値上がり傾向のときには、先ほどお話がございましたように、なるべく後から売った方がいいというような傾向があるので、今のような制度ができているわけでございます。値下がり傾向のときには、どちらかというと、逆の傾向になるわけでございます。  基本的には、公共事業で用地を提供される方は、代替地といいますか、新しい場所で生活再建をされるわけでございます。したがいまして、私どもが買った土地と同じ土地をまたどこかにお探しになる、こういうことでございますので、基本的には値上がり傾向のときも値下がり傾向のときも、買う土地と売る土地がどちらも上がったり下がったりするわけでございますので、平等だと、こういうのが法の建前だと、こういうことだと思います。 ◯松本委員 日本全国で同じ割合で土地が下がったり上がったりしているわけではない。今、局長がおっしゃったお話は、すぐ隣に引っ越す場合は同じ理論が成り立つと思うんですね。ところが、値上がりの高低差の少ない地域に引っ越す方々にとっては大変大きな不公平が生じる、こう思うわけでありまして、買い取り請求には速やかに応じる、こういう姿勢をこの際しっかり確認をしておきたい、こう思うんですが、ご答弁いただけますか、局長。 ◯石川建設局長 先ほども申し上げましたように、その土地に住んでいらっしゃる方々は、私どもの公共事業に協力していただける、こういうことで買い取りを要望されるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう方々のご要望を幾らかでも損傷することのないように努力していきたい、かように考えております。 ◯松本委員 環状六号線の拡幅事業、これは本来、都が行うべき事業でありますが、高速道路建設事業と重なるために首都高速道路公団が都にかわって行っております。買収を希望している方々に対して、予算がない、平成五年度予算は四年度に交渉した契約で手いっぱいです、皆さんの分は六年度、七年度以降に考えさせてください、こういった交渉が重ねられております。都民には新しい生活設計が立たない、まことに私は不親切きわまりない話だ、こう思うわけであります。  必要な事業には必要な予算をつけた、こういう知事並びに財務局長の説明をいただいたわけでありますが、建設局長、本当に現場でそういうふうになっているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。 ◯石川建設局長 お話のように、環状六号線の用地取得につきましては、首都高速道路公団に委託しているわけでございますが、委託に当たりましては、関係権利者の生活再建に十分留意するとともに、効率的な執行を図るよう指導しているところでございます。  また、最近の土地価格の変動などの要因によりまして、生活設計のため、早期買い取りを望む関係権利者が多くいられることも承知しております。これらの関係者の方々の生活再建に支障のないよう、私どもといたしましては国費等必要財源の確保に努めていきたい、かように考えております。 ◯松本委員 財務局長にお伺いをいたします。  国土法に基づく指導価格と公共事業に伴う土地の買収価格は、原則的には同じであるべきだ、こう思いますが、いかがでしょうか。 ◯齊藤財務局長 国土利用計画法に基づく指導価格は、民間の土地取引を必要以上に妨げるものであってはならないことから、相当な価格に照らし、著しく適正を欠かない上限の価格ということになっております。  これに対しまして、公共事業に伴う用地の買収は、正常な取引価格をもって行うこととなっております。  このため、両者の間には、制度上ある程度の開差が生じることもやむを得ないと考えておりますので、ご理解いただきたいと存じます。 ◯松本委員 財務局長、重ねて伺いますが、同じ時期に示された国土法の指導価格と、用地買収の算定価格の間に二割前後の開きがある場合があります。指導価格の方が高いのであります。どちらが適正価格なのか。この程度の開きは妥当だとお考えか、伺います。 ◯齊藤財務局長 先ほど申しましたように、公共用地の買収価格と国土利用計画法に基づきます指導価格とは、制度上の理由からある程度の開差が生じることはやむを得ないと考えております。しかしながら、両者は適切な均衡を保つことが必要でございます。  今後とも、区市町村を含めまして、関係部局との連絡を一層密にいたしまして、適切に対応してまいりたいと存じます。 ◯松本委員 建設局長にお伺いをいたします。  この指導価格による高い方の価格で用地買収はできませんか。 ◯石川建設局長 公共事業における用地の取得価格は、民間の土地売買に当たっての正常な取引価格をもって決定することになっております。  したがいまして、結果的にこの価格と国土利用計画法の指導価格との間に差が生じることもやむを得ないと考えられますので、ご理解をいただきたいと思います。 ◯松本委員 建設局長、重ねてお伺いをいたします。  公共事業にご協力を、進んでご協力をいただく都民の皆様方には、十二分な補償、こういったものがなきゃならぬ、この原点は同じであります。しかし、民間で許される取引価格が、公共事業に協力をする人よりも高いところで民間は行われている。公共事業に協力をするということは損をする、こういうような事態が発生をしてはならない、と私は思っているんです。制度を変えよう、こういうご意思はありませんか。 ◯石川建設局長 先ほど財務局長の方から国土利用計画の指導価格の説明がございましたように、やはり指導価格というのがすべての民間の価格ということではございませんで、そういう意味では、私どもは平均的な民間の価格をもって取引をさせていただく、こういうことで考えておりますので、先ほど申し上げましたように、私どもの正常な取引価格で用地買収に応じていただきたい、こういうことでお願いをしてまいりたい、かように考えております。 ◯松本委員 釈然といたしませんが、次に移ります。  都営住宅の管理運営について伺います。  住宅局長に伺うわけでございますが、入居希望者の何%の都民、都営住宅に住み続けることのできる世帯の何%の都民が、現在都営住宅に入居されているのか、それぞれについてお答えをいただきたい。 ◯中嶋住宅局長 まず、都営住宅の応募状況でございますが、平成四年十月の新築住宅募集におきましては、募集戸数が四百七十七戸で、三万四千八十三名の申し込みに対しまして一・四%。五月の空き家住宅の募集につきましては、募集戸数が四千十戸で、一万八千六百五十九名の申し込みに対しまして二一・五%でございます。  次に、公営住宅の明け渡し基準未満の収入の世帯が居住する借家総数は、直近の昭和六十三年の住宅統計調査によりますと、公団、公社、公営も含めまして、約百八十二万七千戸と推定されます。  これらの世帯がすべて公営住宅の入居資格を有するとは限りませんが、仮にこの戸数と対比いたしますと、昭和六十三年当時の明け渡し基準未満の収入の世帯が居住する都営住宅が二十二万八百戸ございますので、都営住宅の居住者は一二・一%を占めると推定されます。 ◯松本委員 都営住宅の建設コストを家賃で償還をするとすれば、家賃は幾らになりますか。現実の家賃は幾らになっているのか、あわせてお答えください。 ◯中嶋住宅局長 公営住宅の家賃につきましては、建設原価をもとに原価家賃を算出いたしまして、さらにこれから国庫補助金を差し引いた法定限度額の範囲内で定めることとされてございます。  都は、この法定限度額からさらに減額をいたしまして、都営住宅の入居者が実際に負担する家賃、いわゆる政策家賃を設定いたしてございます。  最近入居した昭和六十三年度建設の一種中層住宅では、原価家賃が平均十一万八千円であり、これに対しまして政策家賃は平均五万一千六百円でございます。  同様に、一種高層住宅では、原価家賃が平均十四万四百円であり、これに対しまして政策家賃は平均五万一千六百円でございます。 ◯松本委員 大変に限られた幸運な都民、有資格者のわずかに一二%の都民、この方々には家賃よりも高い、一月約九万円、年間百八万円もの家賃補助が税金から行われている、こういう勘定であります。生活保護受給世帯の住宅扶助は最高でも五万四千六百円であります。つり合いがとれない。都営住宅入居者よりも収入が低くて劣悪な住環境にある都民の税金も使われているのであります。都政の中でこれほど公平を欠いた施策はほかにない、こう思うのでありますが、住宅局長のご感想を求めます。 ◯中嶋住宅局長 都は、かねてから東京都住宅マスタープランに基づきまして、すべての都民が良好な住環境のもとでゆとりある住生活を送り得るようにすることを目標に、新しい視点に立った総合的な住宅政策を展開してまいりました。  住宅に困窮する低所得層を対象とする都営住宅に加えまして、中堅所得層を対象とする都民住宅、良質な民間賃貸住宅の供給を目指す優良民間賃貸住宅、高齢者、障害者等の住宅の確保に向けた各種施策など、多様な住宅施策を積極的に推進しているところでございます。  もとより、東京の住宅問題の解決は容易ではございませんが、ご指摘の都営住宅を含む住宅政策全般にわたりまして、社会的な公正の実現を目指し、引き続き最大の努力を傾けてまいりたいと思います。 ◯松本委員 都営住宅の建設の必要性については、私も認めるところであります。しかし、まずは現在の限られた住宅の管理運営が、公平、公正にして都民のご理解とご納得をいただけるものでなければならない、こう考えるわけでありますが、局長のご見解を賜ります。 ◯中嶋住宅局長 ただいまお答え申し上げましたとおり、都営住宅の管理に当たりましては、公正の確保が重要と考えており、常に努力をいたしているところでございます。  例えば、入居者の募集に際しましては、真に住宅に困窮する都民に的確に供給できるよう、ポイント制あるいは優遇抽せん制度を導入するなど、入居機会の公平の確保に十分配慮してございます。  また、収入基準を超えた入居者に対しましては、一種住宅の場合、収入に応じて一割から四割の割り増し賃料を付加しており、現在、割り増しを含めた最高家賃で八万二百二十円を徴収してございます。  さらに、一部の高額所得の入居者に対しましては、法に基づき明け渡しを求めるなど、訴訟を含めて厳正に対処しているところでございます。 ◯松本委員 住宅局長に重ねてお伺いをいたします。  本当に住宅に困っている人がいつでも入れるように、都民だれもが納得のいくように、募集方法を変えるべきと考えますが、どうでしょうか。収入に応じた家賃制度の導入、こういったお話もありましたけれども、どうなっているのか、あわせてご答弁をいただきます。 ◯中嶋住宅局長 都営住宅の募集方法は、原則として抽せん方式によってございますが、新築住宅については、より住宅に困窮している母子、老人、心身障害者世帯等に対しまして、一般世帯より当せん率の高くなる優遇抽せん方式を採用いたしてございます。平成三年度の新築募集では、これらの世帯が入居者世帯全体の約八割を占めてございます。  また、空き家住宅については、抽せん方式のほか、母子、老人、心身障害者、それから特に収入の低い世帯などを対象といたしまして、住宅困窮度の高い世帯から入居者を決定するポイント方式を実施しているところでございます。  今後とも、都営住宅が真に住宅に困窮する都民に的確に供給し得るよう、努力を重ねてまいる所存でございます。ご理解のほどをお願い申し上げます。 ◯松本委員 住宅政策の公平性を確保するためにも、家賃補助制度をそろそろスタートさせてもいいのではないか、こう考えるわけでありますが、知事のご所見を伺います。 ◯鈴木知事 都は、これまでも低所得者層を対象とする都営住宅の供給に加え、中堅所得層を対象とする借り上げ方式の都民住宅等における家賃対策助成や、高齢者等を対象とする住みかえ家賃助成事業、居住継続支援事業など、家賃負担の軽減を図る各種の施策を実施してきたところであります。  一部の区市が独自に実施しているファミリー世帯や高齢者等を対象とする家賃補助につきましても、かねてからその動向に注目してまいりましたが、一般的な家賃補助制度の導入については、市場家賃に及ぼす影響など検討を要する問題が多いと考えています。  今後とも、東京都住宅マスタープランに基づき、国が創設を予定している新しい公的賃貸住宅制度も活用しながら、低、中所得層の住居費負担の軽減を目指し、総合的な住宅政策を展開してまいります。 ◯松本委員 身寄りのない都民の葬儀、告別式、遺骨の管理等について伺います。  これらはどういう法律に基づいて行われているのか、福祉局長のわかりやすいご説明を求めます。 ◯檜垣福祉局長 幾つかのケースがございますが、まず、身寄りのないお年寄りなどが亡くなった場合で、隣人や知人などが葬儀を行う場合には、生活保護法に基づく葬祭扶助が適用されます。  次に、葬儀を行う方がいない場合には、墓地、埋葬等に関する法律に基づきまして、死亡地の区市町村長が葬儀を行うこととなります。  また、住所、居所もしくは氏名が明らかでない方が亡くなり、引き取る方がいないというような場合には、行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づきまして、遺体の所在地の区市町村が葬儀を行うこととなっております。 ◯松本委員 区市町村長は葬儀社任せというのが実態のようであります。一体どういうふうに行われているのか、もう少し具体的にご説明ください。 ◯檜垣福祉局長 区市町村長が身寄りのない方の葬祭を行った場合には、都が費用負担することとなっておりますが、その額は、生活保護法の葬祭扶助額、平成四年度十四万円以内を標準とするよう、区市町村に通知をしているところでございます。  葬祭費用を一般都民の葬祭と比較することは困難でございますけれども、読経料など一部を除きますと、区民が利用する区民葬儀とほぼ同様と考えております。 ◯松本委員 知事、この町に生まれ、都民として一生を終え、不幸にして身寄りのない方々に、私たちはもっと温かく、もっと敬意を払うべきだと思うのであります。送る制度の質の向上はもちろん、早急に都立霊園の中に埋葬場所を用意すべきです。そうでなければ、マイタウンなどとは到底いえない、こう思うのでありますが、ご見解を伺います。 ◯鈴木知事 東京都における墓地の確保は重要な課題の一つであり、不幸にして身寄りのない方々についても同様の問題があると認識しております。身寄りのない方々の墓地の確保に当たりましては、都立霊園内の納骨や老人共同墓地の利用等について区市町村と協議してまいりたい。  また、このような方々の墓地を整備するためには、合葬形式の集合墓地等も必要であると考えておりますが、受け入れ方式や管理形態など解決すべき課題もありますので、ご提案の趣旨を踏まえ、検討してまいります。 ◯松本委員 交通局長に一括してお伺いをいたします。  地下鉄十二号線放射部における工事の進捗状況、駐輪場の設置計画、合築ビルに出入り口をどういうふうに取りつけていくのか、駅の施設はどうなっているのか、駅名はいつどのようにして決定をするのか、答弁を求めて、私の質問を終わります。 ◯宮端交通局長 お答えいたします。  まず第一点の進捗状況でございますが、地下鉄十二号線放射部の新宿-練馬間におきましては、既に各工区においてそれぞれ工事に着手したところでございます。しかし、都市計画決定など、行政手続のおくれのほか、都市高速道路中央環状新宿線と競合する区間の三駅部におきまして、用地取得が難航している箇所もございまして、極めて厳しい状況にございますが、多くの都民の皆様の期待にこたえるためにも、所期の目標に向かって、一日も早く開業できるよう全力を傾注してまいります。  第二点の放置自転車の問題でございますが、地下鉄十二号線駅部の上部空間を利用して地下駐輪場を設置することにつきましては、平成三年九月から建設省が中心となりまして、都及び区等も加わりまして、地下鉄七号線・地下鉄十二号線関連駐車場等整備調整委員会におきまして、地下空間の広さや周辺の状況等を総合的に検討され、その結果、平成四年二月に地下駐輪場設置の検討対象駅といたしまして、放射部におきましては六駅が選定されたところでございます。  このうち、中野坂上駅、東中野駅につきましては、中野区におきまして、平成五年度に地下駐輪場設置のための都市計画決定の準備に着手すると聞いております。  また、検討対象とはなりませんでしたが、豊玉駅につきましては、同じく中野区におきまして、地上駐輪場の検討が進められております。  なお、検討対象となっております他の四駅につきましても、現在、各区において駐輪場設置の可能性についてそれぞれ検討がなされているところでございます。  次に、駅出入り口の合築ビルの問題でございますが、駅出入り口を合築ビルに設けることにつきましては、ただいまご指摘のとおり、地域の発展に寄与するとともに、交通局にとりましても、用地取得難の解消及び建設費の削減にもなりますため、積極的に取り組んでいるところでございます。  地下鉄十二号線放射部の新宿-練馬間につきましては、中野坂上駅におきまして、中野坂上中央一丁目西地区再開発組合と、また新宿、十二社、東中野、豊玉の各駅におきましても、地元関係者と協議を行っているところでございます。  次に、各地下鉄の駅の施設の状況でございますが、お客様に安全かつ快適に各駅をご利用いただけますよう、全駅での駅冷房や案内表示の充実等を行ってきたところでございます。特に、障害者や高齢者の方にも安心してご利用いただけますよう、各駅にエレベーター、エスカレーター、障害者用トイレ、二段手すり、点字ブロック、誘導チャイム、点字運賃表、点字券売機、車いす用公衆電話等をそれぞれ全駅に設置いたしました。  今後、開業予定の新宿-練馬間や環状部の各駅におきましても、同様の設備を設置いたします。  最後に、駅名についてでございますが、これまでも交通局が、駅の所在する地名、公共施設名、駅付近の著名な歴史的名称、地元区の意向等を総合的に勘案いたしまして、わかりやすく親しみやすいものとしてきたところでございます。  現在仮称となっております新宿─練馬間の新駅の駅名につきましても、この趣旨を踏まえまして、開業のおおむね一年ぐらい前に正式に決定したいと考えております。よろしくお願いします。 ◯松本委員 どうもありがとうございました。(拍手) ◯西川副委員長 松本文明委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により三十分間休憩いたします。    午後六時十一分休憩      ━━━━━━━━━━    午後六時四十五分開議 ◯植松副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  渡辺みづえ委員の発言を許します。 ◯渡辺(み)委員 政治倫理の確立について質問いたします。  国民の政治への不信をなくし、信頼を取り戻すためには、制度としての政治倫理を、住民に身近な自治体からつくり上げていくことが必要です。都議会議員及び知事等に関する条例をでき得る限り早く制定すべきと思いますが、知事の姿勢を伺います。 ◯鈴木知事 渡辺委員のご質問にお答えいたします。  政治倫理を確立し、政治に対する国民の信頼を回復することは、国、地方を通じた緊急の政治課題であると認識しております。  昨年暮れに制定されました政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律の趣旨を踏まえ、今後議会とも相談申し上げるとともに、広くご意見を伺いながら、できるだけ早い時期に結論を得るよう対処してまいります。 ◯渡辺(み)委員 政治倫理条例は、大阪の堺市を初め、既に二十三の自治体で制定されています。また、広島県を初め十六自治体で検討中と聞いています。堺市を初め、これらの条例にはどのような規定が設けられているのでしょうか。主なものをご紹介ください。 ◯大森総務局長 市や町で制定をされております政治倫理条例につきましては、団体によって規定内容には差がございます。昭和五十八年に制定をされました堺市の条例を例に主な事項を申し上げますと、議員及び市長は、毎年資産報告書を提出をし、市民の閲覧に供すること、倫理調査会を設置し、資産報告書を審査させること、市民は資産報告書に疑義があるときは、これを証する資料を添えて市長に調査を請求することができること、などでございます。
     なお、堺市以外の団体の例では、助役等も適用対象としたり、本人だけでなく、配偶者や扶養する子女の資産等も公開の対象とするなども見られるわけでございます。 ◯渡辺(み)委員 昨年成立しました政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律では、都議会議員や知事等についても資産公開を行うことになっていますが、この内容では不十分だというふうに思います。政治倫理条例を既に制定している自治体のような規定を設けましたり、対象を拡大しても、法律上は何らの問題はないと考えますが、いかがですか。 ◯大森総務局長 ご質問の法律では、都道府県等は、平成七年十二月三十一日までに、条例の定めるところにより、この法律の規定に基づく国会議員の資産等の公開の措置に準じて必要な措置を講ずるものとする、というふうに規定をしております。  したがいまして、法律の規定に準ずる措置は当然に講ずべきものと考えられますが、それ以外の措置につきましては、個人のプライバシーとの関係のほか、地方自治法など関連する法令との関係につきましても、十分検討することが必要と考えます。 ◯渡辺(み)委員 この問題は、政治家一人一人の自覚が基本になっていくと思います。六月の改選を前にしまして、私たち議員全員が資産の公開をし、目に見える形で政治倫理条例制定への都議会の姿勢と意気込みを示し、都民の理解を得るべきだというふうに思います。  それでは、男女平等施策についてお伺いします。  国連婦人の十年以降、都民女性の社会参加意識は大きく前進しました。一九九五年には、国連婦人二十年を記念した国際会議が北京で開催の予定でございます。これを機会に、都の男女平等、女性施策を一度洗い直す必要があると考えます。一九九〇年以降、都の女性施策について説明ください。 ◯谷口生活文化局長 最近三カ年の主な女性施策でございますが、平成二年度は、女性問題解決のための東京都行動計画を策定いたしますとともに、東京都男女平等推進会議を設置いたしました。また平成三年度は、東京都男女平等推進基金を設けましたほか、東京ウィメンズプラザ基本計画を策定いたしました。さらに、平成四年度には、財団法人東京女性財団を設立するなど、男女平等施策の推進を図ってきているところでございます。 ◯渡辺(み)委員 九三年度の女性施策関係の予算総額及びその都全体の予算に占めます割合をお尋ねします。 ◯谷口生活文化局長 女性問題解決のための東京都行動計画に関連いたします女性施策の平成五年度予算案の額は、一千八百五十六億円でございまして、一般会計総額に占める割合は、二・六五%でございます。 ◯渡辺(み)委員 予算執行に当たりまして、実のあるものとするためには、システムとしての全庁的な取り組みが必要となります。そのための仕組みは具体的にどういうふうになっておりますか。その内容まで含めてお尋ねいたします。 ◯谷口生活文化局長 平成三年三月、知事を委員長といたしまして、庁議メンバーを構成員といたします東京都男女平等推進会議を設置し、全庁的な調整を図りながら施策の総合的推進に努めております。  平成三年度は、平成三年度東京都行動計画実施細目及び行政用語としての「婦人」を「女性」に変更することなどを議題といたしました。平成四年度は、四回開催いたしまして、その議題は、東京女性白書92、東京ウィメンズプラザ基本計画、財団法人東京女性財団の設立及び平成四年度東京都行動計画実施細目でございました。 ◯渡辺(み)委員 推進会議ができましたことは一歩前進だと思いますが、率直にいいまして、形式的な協議機関にすぎないのではないかというふうにも感じます。実質的な施策の推進体制はどうなっていますか。 ◯谷口生活文化局長 実質的な推進体制といたしましては、関係部長から成る東京都男女平等推進会議幹事会を平成三年度に六回、平成四年度には四回開催しております。平成四年度は、東京女性白書92の作成、東京都行動計画実施細目の策定及び審議会等への女性委員の任用促進等について審議をしております。  また、女性白書作成に当たりまして、庁内検討委員会を二回、局内検討委員会を六回、分野別研究会を六回開催しております。さらに、女性委員任用促進のための打合会を二回開催しております。 ◯渡辺(み)委員 広範囲に及ぶ男女平等施策を考えると、将来は政策課題の異なる部分は別といたしましても、女性施策の執行体制をもっと強化をすべきだと思いますが、いかがですか。 ◯谷口生活文化局長 執行体制をさらに強化すべきではないかということでございます。ご提案のご趣旨につきましては、よくわかりますが、当面、施策の充実発展に全力を尽くしてまいりたいと存じております。 ◯渡辺(み)委員 都では全国初の女性副知事が誕生しました。推進会議の中に副知事を責任者とするプロジェクトを設置し、全庁的な課題の解決について検討を行う考えはございませんか。 ◯谷口生活文化局長 男女平等推進担当副知事は、男女平等推進会議の副委員長でございます。推進会議の中に副知事を責任者とするプロジェクトチームを設置し、全庁的な課題の解決についての検討を行うことは、課題によりましては有力な手法であると考えております。いずれにいたしましても、施策の総合的かつ計画的推進の実が上がる方策を、必要に応じて十分検討してまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 ウィメンズプラザは、大変おくれましたけれども、九五年度開設は間違いないでしょうか。 ◯谷口生活文化局長 東京ウィメンズプラザが設置される信託ビルの工事は、昨年十一月に着工いたしまして、その後工事は順調に進行していると伺っております。今後、平成七年度の開設に向けまして、万全を期してまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 女性財団が活躍を始めました。財団の目的と事業内容についてご説明ください。 ◯谷口生活文化局長 東京女性財団は、男女平等の社会的風土づくりを男女共同参加のもとに推進し、豊かで平和な男女平等社会の実現に寄与することを目的として設立したものでございます。  財団は、女性問題に関する研究事業、研修及び普及事業、活動支援及び交流事業、情報収集提供事業、女性にかかわる相談事業等を実施いたしますとともに、東京都女性情報センターの管理運営を受託しております。 ◯渡辺(み)委員 施策の執行に当たりまして、都と女性財団の連携及び役割分担はどのようになっていますか。また、財団の九三年度の特徴的な施策は何でしょうか。 ◯谷口生活文化局長 東京都と東京女性財団は、男女平等社会を目指し、おのおのの役割分担のもとに密接な連携を図り、充実した事業展開をしていくべきものと考えております。  東京都は、女性施策の総合的、計画的な推進を図ることといたしまして、女性関係施策に関する基本方針の策定、調査及び各局との総合調整並びに国、道府県との連絡、区市町村への支援等を行います。  財団は、民間の創意を生かし、男女平等の社会的風土づくり事業を効果的に展開することとし、研究、研修、普及及び活動支援事業などを実施するとともに、東京都女性情報センターの管理運営を都から受託しております。  平成五年度に財団は、東京女性財団賞、広告コンテストを引き続き実施いたしますとともに、自主活動、研究活動女性事業等を新たに実施することとしております。 ◯渡辺(み)委員 ウィメンズプラザへの都民女性の期待は大変大きいものがあります。財団事業の自主活動・研究活動助成への具体的な内容はどのようでしょう。 ◯谷口生活文化局長 自主活動・研究活動助成事業は、女性の地位向上及び女性問題解決に役立つ自主活動や研究を行っている団体等を対象に、その事業経費の一部を助成し、活動の活性化や交流の促進等を図るものでございます。 ◯渡辺(み)委員 女性の不安や悩みに対する相談は、女性問題の視点を持った、専門家の知識を持った相談員が必要だと思います。民間で、それらについて学習を始めている女性たちがいます。支援策はどうでしょう。 ◯谷口生活文化局長 東京女性財団で、平成五年度から自主活動女性事業を開始することとしております。その実施要綱等、細目につきましては、現在検討中でございますが、自主活動の中にお話しの相談に関する学習は含まれるものと考えております。 ◯渡辺(み)委員 女性が働くとき、パート労働が非常に多いのが実情です。この不況をもろにかぶっております。都ではパート女性の労働相談、職業紹介状況はどのように把握されておりますか。 ◯井上労働経済局長 最近、労政事務所ではパートタイム労働につきましての相談が増加をいたしております。例えば、予告なくパート全員が解雇をされた、あるいは経営不振で賃金を払ってもらえない、などを内容とする相談が目立っております。  また、平成四年に都内公共職業安定所におきまして取り扱いました女性パートタイムの職業紹介状況でございますが、景気の後退を反映いたしておりまして、新規求人数は八万三千九百四十一人でございまして、対前年比で一五・九%減少しております。一方、新規の求職者数は、五万六千八百八十八人でございまして、対前年比で二八・四%の大幅な増加となっております。  このような状況の中で、就職者数は一万三千二百七十七人でございまして、対前年比で二六・六%増加をいたしたものの、有効求人倍率は〇・九三ということになっておりまして、一倍を割っております。そういった意味で、女性パートタイム求職者を取り巻く雇用環境は厳しいものと、そのように認識をいたしております。 ◯渡辺(み)委員 働く女性の雇用の安定についてはどのように指導されていますか。また、国の動きはどうでしょうか。 ◯井上労働経済局長 都はこれまでも、パートタイム労働につきまして、労働相談や実務講習会、パートバンクの設置等の施策を実施してまいりました。  平成四年度には、労働審議会の答申を受けまして、新たにパート一一〇番の設置や、パートアドバイザーによる企業指導を行うなど、雇用の適正化に努めているところであります。  一方、国におきましては、パートタイム労働者の雇用管理の改善と福祉の増進などを目的といたします、いわゆるパート労働法案が今、国会に上程をされているところであります。  都といたしましては、法案の審議を見守るとともに、今後ともパートタイム労働対策の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◯渡辺(み)委員 最近の出生率の低下の原因の一つに、若い母親が子育てに不安感を持っていることが挙げられています。  子育てセンター事業の現状と今後の事業展開について所見を伺います。 ◯檜垣福祉局長 子育てセンター事業は、区市町村が保育所や児童館を活用いたしまして、子育てに関する相談や育児講座等の啓発活動を行うものでございます。  現在、四区市十七カ所で実施しておりますが、平成五年度には十三区市八十五カ所で実施が予定されております。  今後とも、実施主体であります区市町村と協議しながら事業の充実に努めてまいります。 ◯渡辺(み)委員 働きながら子育てをするためには、ゼロ歳児保育の充実、保育時間の延長等も必要と考えます。現状と進め方についてお伺いします。 ◯檜垣福祉局長 現在、都内の保育所一千五百九十四カ所のうち、ゼロ歳児を受け入れておりますのは一千二十四カ所でございます。  また、朝七時から夜七時までの延長保育を実施している保育所は百八十三カ所でございまして、年々増加をしております。  今後とも、実施主体であります区市町村と協議しながら、保育事業の充実に努めてまいります。 ◯渡辺(み)委員 母子保健分野から子育て支援をどう進めていくのか、お伺いします。 ◯中嶋衛生局長 近年、核家族化や都市化の進行、女性の社会進出など、母子を取り巻く社会環境は大きく変化をしておりまして、子育てに不安を持つ親が多くなっております。  このため都は、保健所において、母親学級や新生児訪問指導などの子育て支援策を実施しているところでございます。また、昨年十一月の東京都児童福祉審議会からの答申を受けまして、現在、乳児院を活用して、親の育児体験学習を実施しているところでございます。  今後、保健所で実施している母親学級を、父親や祖父母も参加しやすいようにするなど、この答申に盛り込まれております施策の具体化に努めまして、子育て支援策を充実してまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 教育の場におきます男女平等の環境づくりの必要性は、各方面から指摘されているところです。これを実現するためには何が一番大切だと考えますか。 ◯市川教育長 学校における男女平等の環境づくりを推進するには、教員が男女平等の重要性について十分認識し、性差別をしない教育を進めることが大切でございます。  都教育委員会はこれまで、人権尊重教育の一環として男女平等のあり方について教員の研修を行うとともに、男女平等教育推進委員会において、学習内容等を研究してきたところでございます。  今後とも、教員の男女平等に対する認識を深め、学校における男女平等の環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 各学校に男女平等推進のための教育担当といったような専門の教員を置くべきだと思います。ぜひ前向きの検討をお願いいたしたいと思います。  都の今後の男女平等教育への意気込みを伺いたいと思います。 ◯市川教育長 男女平等教育は、各学校において、校長を中心に全教職員が一体となって進めるべきものと考えております。  都教育委員会は、今後とも、男女両性の本質的平等の理念を児童生徒に理解させるとともに、男女平等観に立った人間形成を図るよう努めてまいります。  なお、ご提言の各学校に担当教諭を置くことにつきましては、男女平等教育推進委員会等で研究してまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 確認の意味で伺います。男女平等推進とうきょうプランの基本理念について伺いたいと思います。 ◯谷口生活文化局長 男女平等推進とうきょうプランでは、女性問題の解決に当たっての基本理念といたしまして、日本国憲法の保障している基本的人権の尊重と両性の本質的平等を掲げております。  これは、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約などの国際的人権保障の理念にも沿うものでございます。 ◯渡辺(み)委員 ウィメンズプラザの開設に当たりまして、同施設の入り口に、都の男女平等推進の基本理念を宣言のような形で掲げたら大変いいのではないかと思います。男女平等推進基本条例のような、都の男女平等推進のバックボーンとなるようなものがぜひとも必要だと思います。ウィメンズプラザの開設に合わせて前向きの判断を期待いたします。  男女平等社会の実現に取り組む知事のご決意を伺いたいと思います。 ◯鈴木知事 東京都は、二十一世紀に向け、男女平等社会の実現を目指して、平成三年三月、女性問題解決のための東京都行動計画を策定し、都が行う女性関係施策の基本方針と施策の体系を明らかにいたしました。  この計画に基づき、東京都男女平等推進会議を設置し、施策の総合的、計画的推進に努めてきておるところであります。  今後とも、男女平等社会を目指し、全庁を挙げて男女平等施策の総合的、体系的な推進により一層努めてまいります。  ご提案につきましては、今後の検討課題とさせていただきます。 ◯渡辺(み)委員 水質保全と合併処理浄化槽について伺います。  多摩地域の下水道普及率は何%で、今後七年後、二十一世紀の初めには何%になりますか。 ◯岡本東京都技監 多摩地域における平成三年度末の公共下水道普及率は約八〇%であり、平成十年代半ばまでに普及率一〇〇%の達成を図ることを目標にいたしております。 ◯渡辺(み)委員 平成十年代の半ばに普及率一〇〇%を目標にしているということですが、その目標の達成実現は大丈夫でしょうか。 ◯岡本東京都技監 平成十年代半ばまでの普及率一〇〇%達成は、第三次東京都長期計画でも位置づけられているところであり、今後とも目標達成に向けて、地元市町への支援に努めてまいります。 ◯渡辺(み)委員 現在、普及していない人口は何人で、世帯数は何世帯ですか。 ◯岡本東京都技監 平成三年度末における多摩地域の下水道未普及人口は約七十四万人であり、未普及世帯数は約二十九万世帯でございます。 ◯渡辺(み)委員 流域下水道についてはさまざまな問題が指摘されています。中でも、流域の水を集めてしまうため、中小河川の流量を枯渇させるということが環境問題として指摘されています。この点について環境保全局のお考えはいかがでしょうか。 ◯竹尾環境保全局長 中小河川の固有の水源は、流域に降った雨が地下に浸透し、わき出てくる湧水であると考えております。したがいまして、中小河川の流量の枯渇の原因は、基本的には、都市化の進展によりまして、雨水が地下に浸透しにくくなったことにあります。  このため、雨水浸透ますの設置などの地下水涵養対策を進め、湧水の保全等を図ることによりまして、中小河川の固有流量の維持、回復に努めてまいります。 ◯渡辺(み)委員 合併処理浄化槽やコミュニティプラントは中小河川に放流するわけですから、水質さえ確保できれば、河川流量は確保できると考えられます。浄化槽の水質はどうですか。 ◯竹尾環境保全局長 現在、都の補助の対象としている合併処理浄化槽は、放流水の水質がBOD、すなわち生物化学的酸素要求量で二〇ミリグラム・パー・リットル以下となる性能を有するものでございます。 ◯渡辺(み)委員 一般論として伺いますが、山間部の町村や地域で、公共下水道によらず、合併処理浄化槽やコミュニティプラントによって計画的に公共用水域の水質保全を行おうとする意向がある場合、無理に公共下水道を整備しなくてもよいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯岡本東京都技監 多摩地域の一部におきましては、地域の特性に応じ、公共下水道で整備すべき区域と、合併処理浄化槽など下水道類似施設で整備すべき区域を設定し、適切に汚水処理をすることが必要であると考えております。 ◯渡辺(み)委員 下水道が普及されていない地域がまだたくさんある中で、合併処理浄化槽の普及が促進される必要があると考えます。  生活排水対策重点地域を拡大していくべきではないでしょうか。現時点で七年後にも普及の見通しがない地域は重点地域に指定すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯竹尾環境保全局長 生活排水対策重点地域といたしまして、これまでに町田市の境川、鶴見川流域、及び秋川市、日の出町、五日市町、桧原村の秋川、平井川流域を指定いたしまして、合併処理浄化槽の普及促進を図ってきたところでございます。  今後とも、公共用水域の水質の汚濁を防止するために、生活排水対策を推進していくことが特に必要と認められる地域につきましては、関係市町村の意見も聞いた上で、指定を図ってまいります。 ◯渡辺(み)委員 合併処理浄化槽の補助単価の考え方、算定根拠は何でしょう。 ◯竹尾環境保全局長 合併処理浄化槽は、単独処理浄化槽と比較いたしまして設置費用が高額となりますので、補助単価は、単独処理浄化槽との差額を算定の上、設定したものでございます。 ◯渡辺(み)委員 単独浄化槽の価格はそんなに動いていないようですが、合併浄化槽の実勢価格は十万円から十五万円ほど上がってきている実態があります。市町村で補助単価を実勢単価にそろえようとする動きもあるようですが、都の対応はどうなりましょう。超過負担は避けるべきであると思いますが、いかがですか。 ◯竹尾環境保全局長 合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の設置費用の動向につきましては、現在私どもで調査を実施中でございます。  この結果、設置費用の差額が現在の補助単価と著しい開きがあるようでありましたら、補助対象市町村とも協議の上、対応方法を検討してまいります。 ◯渡辺(み)委員 次に、MRSAの院内感染がたびたび問題となっています。出現の背景はどうなっているか、伺います。 ◯中嶋衛生局長 MRSAとは、メチシリン等多くの抗生物質に耐性を持ちます、じょくそうとか肺炎の原因菌の一つであります黄色ブドウ球菌でございます。  MRSAは、メチシリンが使用開始されました翌年の一九六一年には既に報告をされております。その後次々に開発されました抗生物質に対しましても、その多用のため、耐性を持ったMRSAが出現をしまして、一九八〇年代に入ってから多くの医療機関で検出されるようになっております。
    ◯渡辺(み)委員 都はMRSAの実態をどう把握し、どう考えていますか。 ◯中嶋衛生局長 厚生省が特別研究事業として実施をし、昨年七月に発表いたしました医療機関における感染症対策の実態についての研究報告によりますと、全国の五百床以上の病院を対象に調査いたしました結果、八八%の病院にMRSAを含む院内感染症で治療が必要な症例があったとされております。  院内感染を防止するためには、予防対策の充実を図りますとともに、各医療機関において、感染者の早期発見、早期治療に努めることが重要であるというふうに考えております。 ◯渡辺(み)委員 予防対策が重要だということですが、都立病院ではMRSA院内感染予防対策をどのように進めておられますか。また、民間病院に対する指導もあわせて伺いたいと思います。 ◯中嶋衛生局長 まず、都立病院におけるMRSAの院内感染予防についてでございますが、この点につきましては、かねてから取り組んできたところでございますが、平成三年七月の厚生省からの通知を受けまして、改めて検討委員会を設置しまして、平成四年四月に都立病産院MRSA院内感染予防対策指針を作成し、これに基づきましてその対策を講じているところでございます。  具体的に申し上げますと、各病院で抗生物質の適正使用に努め、MRSAの発生を予防いたしますとともに、医療従事者に対し、手洗いの励行や汚染物の適正な処理など、日常の衛生管理を徹底させております。  また、MRSAの保菌者が判明した場合には、必要に応じて個室等を使用したり、専用の医療器具や予防衣を使用することなどの対策を講じております。  ただいま個室というふうに申し上げましたが、個室の使用につきましては、二月の一日だけの調査がございますが、これで総合病院で四十名という数字が出ております。もちろんこれは患者ということではなく、保菌者ということですが、そういった形で対策を講じております。  さらに、院内環境の面から、手術室やICU等高度な清浄度が求められる部門につきまして、空調設備の機能測定や室内の細菌検査を実施しまして、予防対策に万全を期しております。  今後とも、MRSAの院内感染予防対策を一層徹底してまいる所存でございます。  次に、民間病院の院内感染防止についてでございますが、従来より、日常の医療監視を通じて指導してきているところでございます。  平成三年七月には、都内の全病院に、厚生省研究班の院内感染症の現状と対策に関する研究報告要旨を送付いたしまして、院内感染対策委員会の設置など的確な対応ができる体制を確立するように指導をいたしました。  MRSAの院内感染問題の重要性にかんがみまして、昨年十二月、都内の全病院にこの厚生省研究班の報告要旨を再度送付をいたしまして、強く注意を喚起いたしております。また、本年二月と三月には、病院管理者や婦長を対象にMRSAに関する講習会を開催するなど、院内感染防止対策の充実を図ってきたところでございます。  今後もさらに指導の徹底に努めてまいります。 ◯渡辺(み)委員 さて、院内感染が問題となっているのは病院だけではありません。特別養護老人ホームなどにおける院内感染の予防対策もまた万全を期さなければなりません。体制づくりは病院以上に大変だと思います。  東京都の指導、支援を求めますが、いかがお考えでしょうか。 ◯檜垣福祉局長 都は、社会福祉施設につきましても、MRSAの感染を予防するため、平成五年度からすべての特別養護老人ホームに対しまして、新たに自動手指消毒器の設置経費を助成するとともに、感染症対策マニュアルを作成し、配布することとしております。  今後とも、都立病院等における対策も参考にしながら、感染の予防に万全を期してまいりたいと存じます。 ◯渡辺(み)委員 質問を終わります。ありがとうございました。 ◯植松副委員長 渡辺みづえ委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯植松副委員長 下村博文委員の発言を許します。 ◯下村委員 まず、行政改革についてお尋ねします。  後世の歴史の中で鈴木知事の行政改革は高く評価されるものと私は確信をしております。  昭和五十四年以来、確固たる行財政システムを確立されたことが、現在のバブル経済崩壊後のまれに見るほど困難な事態にある都財政の状況にあっても、弾力的な行財政運営を可能にしているわけであります。  しかし、この不況下の先行き不透明な経済情勢のもとでは、新たな行政改革がさらに求められていると思います。それは、いわゆるお役所仕事といわれる業務のより円滑なサービスアップであり、許認可の軽減、縮小であります。  私はこの観点に立って質問をいたします。  まず、これまで取り組んでこられた行政改革の基本的な考え方について知事にお尋ねいたします。 ◯鈴木知事 これまで取り組んでまいりました行政改革は、財政の適応能力の向上、執行体制の充実及び都民サービスの向上を目的として実施してきたものでございます。  行政改革は、常に初心に立ち返り、不断に実行すべきものであり、今後とも都民の期待にこたえられるような行財政システムの確立に努めてまいります。 ◯下村委員 昭和五十四年度から平成二年度までの十二年間の長期にわたり、第一次から第三次までの行政改革が順次実施されてきたわけでありますが、この間の行政改革の実績について、具体的な例を挙げて示していただきたいと思います。 ◯大森総務局長 昭和五十四年度から平成二年度までの三次にわたる行政改革では、組織機構の簡素化、職員定数の削減、給与の適正化、事務のOA化等を実施をしてきたところでございます。  具体的には、管理職ポスト四百二十九の削減、職員定数一万八千余人の削減、退職手当の引き下げ、特殊勤務手当の見直しなどを実施をしてまいりました。  一方、都民サービスの向上を図るため、七十五の都民利用施設で通年開館を実施をいたしまして、十四施設で利用時間の延長を行ったところでございます。 ◯下村委員 国においても、いわゆる土光臨調を受けて、行政改革が実施され、また、他の地方公共団体においても同様の取り組みが行われたと思いますが、都の行政改革と国や他の自治体の行政改革の実績を比較すると、どうでしょうか。 ◯大森総務局長 行政改革の内容は多岐にわたっておりまして、また、取り組みの期間も異なっていることから、単純な比較はできませんけれども、例えば職員数について例に挙げますと、現在把握しているところでは、国は、臨時行政調査会設置以来の行政改革におきまして、昭和五十七年度から平成二年度までの間に約三・六%の削減を行いました。また、都を除く道府県全体では、昭和五十九年度から平成三年度までに約〇・七%職員数が増加をいたしております。一方、東京都では、三次にわたる行政改革で、昭和五十四年度から平成二年度までの間に約八・四%削減したところでございます。 ◯下村委員 大変な実績を挙げていると思います。平成二年度、第三次行政改革終了後、それでは今日まで、どのような行政の改革を実施したか、お尋ねいたします。 ◯大森総務局長 行政改革は、不断に実施すべきものでございまして、平成三年四月以降も引き続き、組織、機構の簡素化、職員定数の抑制を図るとともに、事務処理方法の改善による都民サービスの向上に取り組んできたところでございます。平成三年四月以降の主な窓口サービスの改善例でございますが、押印の廃止につきましては、都営住宅使用の申し込み等、百四十事務について廃止を実施をいたしております。  次に、事務処理期間の短縮につきましては、計量器販売事業の登録等、百九十三事務で平均十九日を要していた事務処理を十二日に短縮いたしております。  また、都民利用施設の受け付け時間の拡大につきましては、スポーツ・レクリエーション施設の利用申し込みを午後七時まで延長するなど、五十六事務について改善を実施をしております。  さらに、申請方法の多様化につきましては、二百四十五の事務におきまして、郵送、電話、ファックス等によっても申し込めることといたしまして、都民が事業所などの窓口に直接行かなくても済むような改善をしたところでございます。 ◯下村委員 バブル経済が崩壊し、厳しい不況が続く中、特に中小企業からは、労働時間を短縮したくともそれどころではない、このような声を多く耳にします。  ところで、都においては、昨年七月から、既にいわゆる時短を実施していますが、こうした民間の厳しい状況の中で、都はどのような努力を払っているのか、考え方を示していただきたいと思います。 ◯大森総務局長 東京都では、昨年七月から完全週休二日制の導入を図りまして、勤務時間の短縮を実施をしているところでございます。実施に当たりましては、都民の新たな負担をもたらさないよう、人員増は行わない、経費増は行わない、行政サービスは低下させないことを前提にいたしまして、各職場において、執行方法の見直しや事務の効率化などの創意工夫を行って対応をしたところでございます。 ◯下村委員 不況下において民間企業では人員配置を見直して経営の効率化に努めていますが、都民から見ると、都の執行体制はまだアンバランスがあります。現状はどうなっているのか、また、改善の余地についてお尋ねします。 ◯大森総務局長 東京都におきまして、昭和五十四年度から平成五年度までの間に予算規模がおよそ二・五倍に増加しているにもかかわらず、個々の事業ごとの必要性や執行方法の改善など総合的観点から検討を行いまして、約二万一千人の定数削減を行っております。そのような継続的削減努力の中で執行体制の簡素化が進んでいるわけでございますが、新たな行政需要に対応するためにも、執行方法の工夫などによりまして人員配置の見直しをする必要はあると考えております。 ◯下村委員 適正な人員配置は企業経営の基本であります。  そこで、都における今後の人員配置に対する考え方についてお尋ねします。 ◯大森総務局長 職員定数につきましては、社会経済情勢の変化に的確に対応いたしまして、施策の効果的実現を図るため、これまでも不断の見直しを行い、その適正化に努めてきたところでございます。今後も、第三次長期計画事業及び93総合実施計画事業など都政の新たな展開に的確に対応した人員措置を行う一方、既定事業の執行方法の絶えざる見直しと、全庁的、横断的な調整を行いまして、総定数の抑制に努めてまいりたいと存じます。 ◯下村委員 現下の不況は長引くとの予測もあり、民間では企業の生き残りをかけて懸命にリストラを行っています。都においてもこれまで以上の努力が求められており、この際、都庁の組織、機構の全般的な整備を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ◯大森総務局長 都ではこれまで組織の簡素化、職員定数の縮減、権限移譲やOA化等による事務改善など執行体制の簡素、合理化を徹底するとともに、その充実、強化を図り、都民サービスの向上を着実に推進してきたところでございます。今後とも、都財政をめぐる厳しい環境や都民の行政ニーズの変化等を十分に踏まえまして、効率的な執行体制の確保に努めてまいりたいと存じます。 ◯下村委員 ところで、OA化を行うことは行政改革にとって有効な手段でありますが、そのOA化の目的について伺います。 ◯大森総務局長 OA化の推進は、一つには、都民の情報ニーズにこたえ、都民が必要とする情報を的確、迅速に提供することでございます。もう一つは、事務処理の改善を通じまして、行政の簡素効率化を推進することでございます。さらに、職員の能力を定型的作業から、より創造的な仕事に振り向け、組織の活性化を図ることを主な目的としております。 ◯下村委員 これまで多くのシステム開発を行ってきていますが、それによって都民サービスがどのように向上したか、また、その具体的効果はどのようなものか、お尋ねします。 ◯大森総務局長 OA化による都民サービスの向上といたしましては、内容の充実、迅速化及び手続の簡素化が挙げられます。例えば、保健医療情報システムにおきましては、従前に比べまして約十六倍に当たる一万八千八百件の医療機関情報を蓄積することができ、適切な診療機関案内が可能となりました。病院情報システムにおきましては、来院者の待ち時間がおおむね二分の一に短縮をされております。  また、建築確認バックアップシステムでは、審査日数の短縮及び電話照会の即時対応ができるようになったところです。  また、スポーツ・レクリエーション施設等の予約管理システムにおきましては、従来の施設へ直接またははがきによる申し込み方法に加えまして、電話、ファックス端末機器による申し込みが可能となりまして、手続の簡素化が図られたところでございます。 ◯下村委員 内部事務処理の効率化についての効果はいかがでしょうか。 ◯大森総務局長 内部事務処理の効率化につきましては、人員増の抑制、削減、時間外勤務の減少、事務処理の迅速化、精度の向上等が挙げられます。  人員の削減が図られた主なシステムといたしましては、税務情報総合オンラインシステムがございまして、稼働以来九百十八名の職員定数削減が可能となりました。  また、事務の迅速化、精度の向上が図られたシステムといたしましては、財務会計システムがございます。支出命令書や予算差し引きの自動化が可能となったところでございます。 ◯下村委員 行革にとってOA化は今後とも必要不可欠と思いますが、行政サービスの向上をさらに図っていくためにはどのようにしたらいいか、お伺いいたします。 ◯大森総務局長 OA化の推進は、都政を取り巻く環境の変化に柔軟に対応し、都民サービスの向上、行政の簡素効率化等、都政の課題を達成するために不可欠な手段と考えております。今後は、より一層効果の検証等に重点を置きまして、的確な見直しを継続的に実施することによりまして、着実なOA化の進展を図ってまいりたいと存じます。 ◯下村委員 次に、教育問題に移ります。  まず、業者テストについてでありますが、都教委の基本的な考え方について伺います。公立中学校においては、業者テストに一切かかわらないと考えてよいのでしょうか。 ◯市川教育長 業者テストの問題につきまして都教育委員会は、本年二月二十二日付の文部省通知、高等学校の入学者選抜についてと同様の認識に立っておりまして、公立中学校が業者テストの実施に一切かかわらないよう指導していく考えでございます。 ◯下村委員 公立中学校の校舎を業者に会場として提供することもないと理解してよろしいでしょうか。 ◯市川教育長 校舎を業者テストの会場に提供するかどうかの決定は、各区市町村教育委員会の権限に属することではございますが、業者に会場を提供することは、基本的には好ましいものではないと考えております。 ◯下村委員 業者が他の会場で実施するテスト結果を公立中学校側が業者に提供を求めることもないと理解してよろしいでしょうか。 ◯市川教育長 学校外で業者やまたは学習塾等が行う諸テストにつきましては、公立中学校が直接的にかかわりを持つものではございません。したがいまして、中学校側がそのテストの結果を業者等に提供を求めることはないと考えております。 ◯下村委員 文部省通知の内容を各学校には周知させるための措置を既にとられたでしょうか。 ◯市川教育長 都教育委員会は、二月二十二日付の文部省の通知を二月二十四日付で区市町村教育委員会教育長あてに通知をし、各学校に周知を図ったところでございます。 ◯下村委員 都教委がつくっている公立中学校進路問題検討委員会では、業者テスト廃止についての確認をしていますか。また、公私連絡協議会においても、私立高校に偏差値を提供しない、高校は受け取らないという確認をしていますか。 ◯市川教育長 公立中学校進路指導問題検討委員会においては、これまでの段階で、中学校は業者テストを行わないこととして協議が進められているところでございます。また、公私連絡協議会におきましても、この前提で協議が進められているところでございます。 ◯下村委員 公立中学校における今後の進路指導については、教員も、生徒、父母も心配しております。できるだけ学校、保護者にわかるよう、また早期に対応策を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯市川教育長 今後の進路指導の基本的なあり方については、現在、公立中学校進路指導問題検討委員会において検討を進めており、都教員委員会はその報告を待って、区市町村教育委員会を通じ、五月を目途に、できるだけ早く学校に通知するとともに、保護者の方々にも周知してまいりたいと存じます。 ◯下村委員 次に、高校中退について伺います。中途退学は増加の一途をたどっていますが、平成三年度において中途者数の多い上位五校の中途者数について伺います。 ◯市川教育長 平成三年度の都立高等学校における中途退学者の多い五校の課程と退学者数は、全日制普通科のA校百四十四人、B校百三十二人、C校百五人、全日制の工業科では、D校百二人、E校百一人となっております。 ◯下村委員 それらの学校の中退者数は過去においても多く、また、固定的なのかどうか、伺います。 ◯市川教育長 中途退学者の多い学校は、年によってある程度の変動はございますが、特にそのうちの数校につきましては固定的な傾向がございます。 ◯下村委員 特定校で中退者数が多くなる理由は、どのような理由でしょうか。 ◯市川教育長 中途退学者は、全日制高校では一般に二次募集をする学校に多いのが実情でございます。その理由といたしましては、生徒の入学の目的があいまいであったり、基礎学力が不十分であったり、集団生活に適応できないことなどがあると考えております。 ◯下村委員 過去において中退者数が多い学校であっても、学校の努力によって中退者数を減少させたという例があるかどうか。特に、コース制をとった学校では中退者数が減っていると予想できますが、実態はいかがでしょうか。 ◯市川教育長 生徒の入学時における適応指導や教育相談の充実を図るとともに、家庭との連携を密にするなどして、学校の努力によって中途退学者を減少させた例がございます。また、コース制を導入した学校におきましては、生徒が目的意識を持って学習し、意欲的に学校生活を送っているため、コース制を導入する前に比べまして中途退学者が著しく減少をいたしております。 ◯下村委員 新しいタイプの学校づくり等の施策が中退防止になると思いますが、いかがでしょうか。 ◯市川教育長 新しいタイプの高等学校等では、生徒の多様な特性や進路希望に応じられるよう、個性的で特色のある教育活動が行われており、生徒が意欲的に学校生活を送っております。ただいまコース制の例で申し上げましたように、このことが現に中途退学の防止につながっておりますし、今後もつながり得ると考えております。 ◯下村委員 次に、入学者選抜について伺います。単独選抜になりますと、生徒が特性等に応じて主体的に学校を選択できるようになる一方で、二次募集の方法等の工夫も必要となりますが、どのような方法で実施されるのか、伺います。 ◯市川教育長 平成六年度から改善し実施する都立高等学校の入学者選抜制度におきまして、その第二次募集については、応募に当たって第三志望校まで志願を認め、生徒の高校への進学希望をできるだけかなえることができるよう、検討してまいります。 ◯下村委員 各高校における学力検査と調査書の扱い、学力検査の教科数はどのようになりますか。 ◯市川教育長 入試制度の具体的な改善内容についてでございますが、学力検査と調査書の扱いについては、その割合を各高等学校において四対六、五対五、六対四のいずれかに定めることについて検討しているところでございます。また、学力検査の教科数につきましては、新しいタイプの学校やコースを置く学校など特色ある高等学校等におきましては、三教科から五教科の範囲で定めることを検討するなど、現在準備を進めているところでございます。 ◯下村委員 新しい調査書における記載事項や評価については、どのように変わりますか。 ◯市川教育長 平成六年度の入学者選抜から使用する新しい調査書につきましては、生徒の特性等を多面的にとらえ、生徒のすぐれているところを積極的に評価するため、従来の学習の記録だけではなく、生徒のみずから学ぶ意欲や表現力等を評価するように検討いたしております。また、校内活動に加えまして文化活動や社会活動等も評価できるよう、調査書の記載事項や評価の扱いについて検討を行っているところでございます。 ◯下村委員 かなり大胆に変わるわけですが、いつごろ中学校、高校等関係者に知らせますか。 ◯市川教育長 平成六年度の入学者選抜の実施につきましては、本年一月に公布をした東京都立高等学校の通学区域及び入学者の選抜方法に関する規則に基づきまして、お尋ねの実施内容や方法をまとめた実施要綱を本年の五月を目途に定め、中学校、高等学校等関係者に通知するなど、十分周知を図ってまいりたいと存じます。 ◯下村委員 この入試制度を変えることが、例えば中退者を減らすとか、あるいは、ひいては都立高校の活性化につながると期待ができると思いますが、いかがでしょうか。 ◯市川教育長 今回の入学者選抜制度改善の趣旨は、多様化した生徒への対応などを踏まえまして、これからの都立高等学校にふさわしい選抜方法の多様化、選抜尺度の多元化を図ることにございます。この改善によって生徒は、みずからの意思と希望に基づき主体的に学校を選択することができるようになるとともに、各学校は生徒の特性や進路等に応じて特色ある教育活動を積極的に推進できるようになり、お尋ねの都立高校の活性化や中退者の減少にもつなげたいと考えております。ぜひともつながるように努力をしたいと存じております。 ◯下村委員 ぜひ期待したいと思います。  次に、東上線の立体化について伺います。  東上線につきましては、板橋区内に三十八カ所もの踏切があり、長時間の踏切遮断による交通渋滞の発生は、住民の生活や経済活動に深刻な影響を与えております。このため鉄道の連続立体交差化は、都市交通の安全性の向上と円滑化を図り、一体的かつ健全なまちづくりを実現する上で、早急に取り組むべき課題の一つであります。  そこで、伺います。東京都における連続立体交差事業の実施状況はいかがでしょうか。
    ◯石川建設局長 東京都は、現在、西武池袋線の練馬駅付近など八カ所で連続立体交差事業を行っております。新規の箇所といたしましては、JR中央線の立川駅付近などの事業化を図る予定でございます。 ◯下村委員 そのJR中央線の場合、検討を始めてから国の事業採択までにどれくらいの期間を要しているか、伺います。 ◯石川建設局長 JR中央線につきましては、昭和五十年代前半から調査、検討を行っておりまして、国の事業採択までには十数年かかっております。 ◯下村委員 国が連続立体交差事業を採択するに当たっての基本的な考え方はどのようなものか、伺います。 ◯石川建設局長 新規事業採択に当たりましては、鉄道と幹線道路とが二カ所以上において交差していること、その交差する幹線道路の距離が三百五十メートル以上あり、同時に三カ所以上立体交差すること、それから二カ所以上の踏切を除却することなどの要件が必要とされています。さらに最近では、沿線のまちづくり計画や、交差する幹線道路の整備の状況などが採択上大きな判断基準とされています。  なお、国による事業採択は、一般に毎年、全国で三カ所程度であり、採択を得ることは大変難しい状況にございます。 ◯下村委員 ぜひ鈴木知事の手腕に期待をしたいと思います。  そこで、地元からの強い要望が出されている東上線の立体化について、都として具体的にどのように取り組まれているか、伺います。 ◯石川建設局長 東上線の立体化につきましては、平成二年度から現況調査及びこれに基づく立体化の必要性の検討などを行っております。 ◯下村委員 その必要性の検討とは、具体的にどのようなことでしょうか。 ◯石川建設局長 都内の東上線は約十一キロの鉄道延長があり、踏切状況、交差する道路の状況、まちづくりの状況などから、立体化の必要性について検討を行っているところでございます。さらに、立体化の構造形式や施工方法などの概略の検討も行っているところでございます。 ◯下村委員 JR中央線では、調査、検討から事業採択まで十数年要しているということであります。東上線ですと、平成二年からですと大変な年数がかかります。もっと早期に事業化を図る上で課題となるのはどのようなことか、伺います。 ◯石川建設局長 鉄道の立体化は、踏切での交通渋滞を解消するだけにとどまらず、地域のまちづくりに大きく寄与する事業とされています。このため、事業化に当たりましては、事業そのものの必要性及び緊急性とともに、沿線のまちづくりとの整合を図ることが重要な課題であると考えております。 ◯下村委員 必要性があるとは、答弁今いただいたと思います。それでは、その緊急性とは具体的にどのようなことでしょうか。 ◯石川建設局長 事業の緊急性は、踏切の遮断時間、交差する道路の交通量や渋滞状況、そのほか関連する事業などのさまざまな状況を勘案し、総合的に判断しているところでございます。 ◯下村委員 また、先ほどの答弁で、鉄道の立体化と沿線のまちづくりとが一体的に行われることが望ましいということでありますが、都は、今後、沿線のまちづくりについてどのようにかかわっていくのか、伺います。 ◯岡本東京都技監 都としましては、かねてより、地元板橋区に対して、沿線の上板橋駅南口や大山駅周辺における再開発調査等の指導、支援を行ってきており、上板橋駅南口につきましては昭和六十一年に、また大山駅周辺につきましては平成二年に、それぞれ都市再開発方針の再開発誘導地区に位置づけたところでございます。  今後とも、地元区と協力し、地域の特性を踏まえたまちづくりの推進に努めてまいりたいと存じます。 ◯下村委員 今ご指摘の大山駅周辺は再開発地域でございますけれども、特にここは補助二六号線の整備も予定されているところであります。この大山駅周辺の鉄道の立体化を促進するためにはどのようにすればよいのか、伺います。 ◯石川建設局長 大山駅周辺地域につきましては、地元板橋区が再開発の基本構想を策定するため、まちづくりの懇談会を実施しているところでございます。今後、この結果などを踏まえ、関係住民の理解と協力を得て、まちづくりを具体化することが鉄道の立体化を進める上で重要であると考えております。 ◯下村委員 まちづくりの具体化ということでありますが、鉄道立体化のために、そのまちづくりの状況を具体的にどのようにすればよいのか、伺います。 ◯石川建設局長 まちづくりは、一般的に長期間を要することが多いものでございます。このため、鉄道の立体化と並行して、まちづくりが進められる見通しが明確となっている状況が望ましいわけでございます。 ◯下村委員 先般、東上線の立体化については、板橋区民約七万四千人もの署名を集めた、早期実現を求める要請書が知事に直接提出されました。都はこれについてどのように評価しているのか、伺います。 ◯石川建設局長 東上線立体化につきまして、早期実現を求める区民の強い要望があることは十分認識しております。これらの区民の熱意が、事業の推進に当たりまして重要な課題であるまちづくりにも強く反映されることを期待しているところでございます。 ◯下村委員 東京の一極集中のプラス点は多々あると思いますが、マイナス点としてはやはり交通渋滞があるわけであります。特に、板橋区内における交通渋滞は、この東上線が主な要因であります。板橋区内三十八カ所ある踏切のうちに、朝夕の交通渋滞ラッシュのときには、多い駅では一時間のうちトータルで四十八分も踏切が閉まったままである。これを経済的なロスとして換算をすると、一千数百億にも上るというふうにいわれております。そういう意味では、東上線の立体化というのは東京都の責任として早期に実現をする、それが東京都の都市づくり、まちづくり、一極集中を是正するということにもつながると思います。  そういう意味で、ぜひ板橋においては、この東上線の立体化を積極的に進める東京都の姿勢を区民は注視しております。これに対する今後の見通しをお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。 ◯石川建設局長 東上線の立体化につきましては、沿線のまちづくりの進捗状況などを勘案し、緊急性の高い箇所から鉄道事業者などと協議を進め、さらに国など関係機関と調整を図り、その実現に向け努力してまいります。 ◯下村委員 終わります。(拍手) ◯植松副委員長 下村博文委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯植松副委員長 山本譲司委員の発言を許します。    〔植松副委員長退席、岡安副委員長着席〕 ◯山本委員 まず私は、TAMAらいふ21、その中でも特にVOICE93について伺います。  TAMAらいふ21は、昨年来、多くのプレイベントを三多摩各地で実施しておりまして、日増しに盛り上がりも見せているところです。そしてことしはいよいよ本番を迎え、七月三十一日、あと百三十六日後ですが、VOICE93が昭和記念公園内の約二十ヘクタールの土地を使いまして、百日間にわたって開かれます。しかし、VOICE93とは一体何なのか、どうもその実態がわからないといったような声もよく耳にします。  そこで伺います。VOICE93の意味は何でしょうか。 ◯大森総務局長 VOICE93は、多摩21くらしの祭典の愛称でございます。VOICEの意味につきましては、二十一世紀に向け、多摩三百六十五万都民の一人一人がみずからの考えを提案、発言する、まず声を出すことから始めようという意図に基づいているものでございます。 ◯山本委員 VOICE93の基本コンセプトというのはどういうものでしょうか。 ◯大森総務局長 VOICE93の基本コンセプトは、TAMAらいふ21のリサイクル型都市の形成など六つのテーマプログラム、自治のあり方や高齢社会への対応などを考える総括プログラム、市町村の地域企画プログラム、市民等の自主企画プログラム、いろいろございますが、それらを生活者の立場に立って、暮らしの視点から再構成をいたしまして、二十一世紀の多摩のライフスタイルを提案しようというものでございます。 ◯山本委員 VOICE93のこの計画ですが、いつごろから構想されて、そしてどのように具体化されてきたか、伺います。 ◯大森総務局長 VOICE93は、平成三年六月に策定をされました多摩東京移管百周年記念事業基本計画におきまして、多摩21くらしの祭典として構想されました。その後、平成四年四月にTAMAらいふ21協会によって策定をされましたTAMAらいふ21事業展開計画によって、事業内容の具体化が図られたところでございます。これによりまして、開催目的、開催時期、会場、目標入場者等が明らかになったわけでございます。  さらに平成四年九月には、事業規模、会場構成等の詳細計画が事務的に決定をされまして、この計画に基づいて、今日まで事業実施に向け鋭意努力をしてきたところでございます。 ◯山本委員 目標入場者数ですが、三百六十五万人となっていますが、この根拠についてお示しください。 ◯大森総務局長 多摩地域に住むすべての都民が一度は来場されることを願いまして、多摩三十二市町村の人口をもとに、三百六十五万人を目標として決めたものでございます。 ◯山本委員 これは十館のパビリオンというか、施設をつくるようなんですが、企業参加のための働きかけをどのように行ってきたのか。また、企業の参加状況はどうか。そして主な参加企業名を明らかにしていただきたいと思います。 ◯大森総務局長 TAMAらいふ21協会では、企業に対する説明会を平成四年の五月と十月に実施をいたしましたほか、VOICE93のテーマ館ごとの説明会を随時実施をしてきております。さらに、協会で個別に各企業を回りまして、企業協賛、参加を呼びかけ協力を求めてきたところでございます。  平成五年三月一日現在、企業等の参加状況は、パビリオンに出展あるいは協力する企業や団体として三十三、場内での営業に参加する企業が三十三でございまして、市町村など公的団体を含めますと、合計百四団体に上ります。  主な出展企業といたしましては、東京電力、東京ガス、NTT、日立製作所、日本電気、松下電器産業、富士電機、東芝、横河電機、富士通、伊勢丹、それに多摩都市モノレールなどでございます。 ◯山本委員 この景気低迷の中で、参加要請も大変だと思いますが、ところで、VOICE93の収支計画はどのようになっていますでしょうか。 ◯大森総務局長 VOICE93の事業規模は九十五億円を予定をいたしておりまして、収入の部につきましては、入場料収入を含めた協会負担金六十億円のほか、協賛金や駐車場収入等三十五億円を見込んでおります。  支出につきましては、会場設計、インフラ整備、会場建設等で五十三億円、会場運営十九億円、催事等十億円、広報宣伝費及び管理費で九億円、その他四億円でございます。 ◯山本委員 これ一枚千六百円ですよね。現時点での前売りの入場券、この発売状況及び今後の見込みについて伺います。 ◯大森総務局長 前売り券の発売状況でございますが、平成五年三月一日現在で、予約を含めまして約二十万枚でございます。四月末までに各パビリオンごとの催事とか企業出展等の全容が明らかになりますので、今後、これらを紹介した公式ガイドブックやリーフレットなどを作成をいたしますとともに、FMイベント放送などを通じまして、積極的に広範囲にわたる広報宣伝に努めまして、目標達成に向けて全力を挙げてまいりたいと存じます。 ◯山本委員 ところで、この施設なんですが、事業終了後、会場のこの施設の跡地利用はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。 ◯大森総務局長 VOICE93の施設は、リサイクルの観点及び経費の有効活用の面から、解体しやすいテント構造といたしまして、事業終了後は解体をすることといたしております。  会場跡地の利用につきましては、もともと国営昭和記念公園の整備予定地でございますことから、見晴らしが丘などの地形の特徴を生かしまして、建設省が一体の公園として整備をするというふうに聞いております。 ◯山本委員 去年の四月の段階での会場イメージと最終的な会場の詳細図、これを比べてみますと、今のパビリオンのテント構造など、全体的にかなり簡素化をされているようです。経済状況に応じた経費面での合理化が図られたと思うんですが、このことはフロンティアに当てはめても一考に値するのではないかという感想を申し述べまして、次に移りたいと思います。  VOICE93会場周辺の交通渋滞対策について伺います。  私は、昨年の一定の一般質問で、交通渋滞緩和のために、都道や市道など会場周辺道路の整備について申し上げましたが、この点についてどうなったか、まず伺います。 ◯大森総務局長 VOICE93の会場周辺道路の整備でございますが、昨年四月以降、関係局や立川市と調整をいたしまして、本年七月の開幕に間に合うよう精力的に工事を進めているところでございます。  現在、都道といたしまして、立川三・一・三四号線、いわゆる広路の四車線への拡幅整備及び五日市街道の砂川三番の交差点改良工事が着々と進行中でございます。立川市道でございます立川三・二・一六号線の拡幅整備及び市道中・一二九号線整備工事が立川市において施行中でございます。  また、西武線武蔵砂川駅から会場までの残堀川沿いの歩行者通路の整備につきましても、都において予定どおり進行中でございます。  これらの整備事業が完成した暁には、周辺道路の渋滞が緩和をされるものと考えております。 ◯山本委員 周辺道路が、ただいまの説明のようにたとえ整備をされても、立川駅前を初め、会場に至る道路は相当混雑が予想されるわけです。  私の調査によりますと、進入路の一つと予想されます立川通りの砂川九番交差点というところは、昼間の十二時間のうち五時間以上も渋滞する、都内の交通渋滞発生状況のワーストの上位に当たるわけで、現在でも交通渋滞の激しいところであります。  こうした状況を踏まえまして、祭典の開催期間中どのような対策を考えていくのか、伺います。 ◯大森総務局長 VOICE93の開催期間中は、休日等を中心にかなりの人出があると予測をいたしております。したがいまして、交通渋滞の抑制を図るため、TAMAらいふ21協会では、来場者に対しまして、自家用車での来場を避け、できる限り鉄道、バス等の公共交通機関を利用していただくよう、FMイベント放送などの活用によりまして周知徹底を行うことにいたしております。  また、最寄り駅から会場までシャトルバスを走らせまして、来場者の足の確保を図ることといたしております。 ◯山本委員 シャトルバスを走らせるということですが、どこのルートを考えており、何台ぐらい稼働させるのかを伺います。 ◯大森総務局長 VOICE93の会場までのシャトルバスにつきましては、三ルートを予定しております。一つはJR立川駅北口からのルート、もう一つはJR西立川駅から昭和記念公園内を走るルート、そして三つ目は、西武線の玉川上水駅からのルートでございます。  具体的な運行ルートは現在検討中でございますが、極力、渋滞への影響の少ないルートを考えていきたいと存じます。  また、シャトルバスの運行台数につきましては、現在、総台数を十四台といたしまして、各ルートの具体的運行台数については、人出の状況に応じて機動的に対応することといたしております。 ◯山本委員 このうち、玉川上水駅からのルート、ここは二車線なんですが、会場に向かって右折をすることになると思うんです。そうなるとますます渋滞が激しくなるわけなんですが、そこで、開催期間中だけでも、交通渋滞が予想される、例えば砂川七番交差点に右折専用レーンを設けるといった対策を行う必要があると思うんですが、どうでしょう。 ◯石川建設局長 砂川七番交差点のある芋窪街道は、現在モノレール導入道路として拡幅事業中でございます。ご指摘の右折レーンをここに設置することにつきましては、実施に向けて、モノレール支柱工事との工程調整を行うとともに、交通管理者とも協議してまいります。 ◯山本委員 この会場周辺の渋滞対策について、交通整理などの面で、地元警察署や関連事業者、この協力は要請していくわけでしょうか。 ◯大森総務局長 これまで、総合的な交通対策につきまして、TAMAらいふ21協会と警視庁を初め地元警察署などとの間で協議、調整を行ってきているところでございます。  協会におきましては、渋滞を避けるよう会場への案内表示をするとともに、渋滞の著しい交差点などには、誘導員を配置をいたしまして誘導をするほか、警察の協力を得ながら、円滑な交通の確保を図っていくことといたしております。 ◯山本委員 これは私からの提案でありますが、会場周辺に駐車場を設置すると当然渋滞を招く。そこで、例えば、これは長野県の善光寺の御開帳時、これは約五十日間ですね、これで約三百八十八万人の人出なんですが、ここでは、会場と離れた場所に駐車場を設置して、そこから会場までシャトルバスで運ぶ方法、つまりパーク・アンド・バスライドというのを行っているわけです。こういった方式は考えられませんでしょうか。 ◯大森総務局長 ご提案のパーク・アンド・バスライド方式は、長野県の善光寺で採用されまして、一定の効果を上げたというふうに聞いております。  VOICE93の会場でございます国営昭和記念公園は、JR中央線、青梅線、五日市線、南武線の結節点でございます立川駅や西立川駅、さらには西武線の玉川上水駅が最寄り駅となっておりまして、善光寺と異なりまして、公共交通機関に恵まれている地域にございます。  このため、これら恵まれた公共交通機関を最大限活用することが、渋滞対策面から最も効果的であると考えまして、協会におきましては、公共交通機関の利用のPRとともに、最寄り駅からシャトルバスを運行させることにしたものでございます。 ◯山本委員 次に、VOICE93の会場内で発生しますごみの処理対策について伺います。  計画によると、百日間で三百六十五万人の人出です。会場内で発生するごみも膨大なものになると思われます。この開催期間中に発生するごみはどのぐらいと見込んでいますか、まず伺います。 ◯大森総務局長 VOICE93の開催期間中に会場内で発生するごみの量は、他の博覧会等の例から、協会では、一日平均九・二トン程度と予測をしておりまして、百日間通算で九百二十トン程度を見込んでおります。 ◯山本委員 そのごみを、どのように処理する予定でしょうか。 ◯大森総務局長 VOICE93の会場設営や運営に当たりましては、ごみの出ない祭典を目指しまして、積極的に取り組んでいるところでございます。  協会では、会場内で発生するごみのうち、リサイクル可能なものにつきましては、会場全体をリサイクル実践の場として位置づけまして、入場者や出展者の協力を得まして、徹底したごみの資源化、減量化を図ることを基本に考えております。  また、資源化できないごみにつきましては、できるだけ会場内で焼却処理できるよう、鋭意検討を進めているところでございます。 ◯山本委員 今お話しのように、分別をするわけなんですが、この分別したごみをどのような方法でリサイクル資源化を図っていくのか、伺います。 ◯大森総務局長 協会では、会場内で発生したごみを十種類程度に分類できる回収箱を設置をいたしますとともに、指導員を置きまして、分別収集を徹底することにいたしております。  回収されました紙、缶、瓶等につきましては、資源回収業者を通じて再生、資源化するほか、トレーなどの石油製品につきましては、会場内で再生利用実験を行う方向で現在検討を進めております。  また、生ごみは会場内でコンポスト化をいたしまして有効利用を図るなど、可能な限り徹底した資源化を図ることといたしております。 ◯山本委員 今お話しのように、リサイクルを徹底的にやっていただきたいと思いますが、このごみ処理について、地元の立川市とはどのように話し合いをしているか、伺います。 ◯大森総務局長 ただいま申し上げましたとおり、会場内で発生するごみは徹底して分別を行いまして、可能な限り資源化、減量化を図ることを基本としておりますが、どうしても資源化できないごみの処理につきましては、立川市の協力を得て処理をする予定でございます。  現在、市の処理能力に対応できるよう、協会と市で、その具体的方法について協議をいたしているところでございます。 ◯山本委員 これまでの質問によりまして、私は、このVOICE93というのは従来の博覧会とは異なるものだ、こう理解しておりますが、二十一世紀のライフスタイルに合わせまして、行政とそして市民が主体的に参加をして展開させていく事業ではないかということで、この取り組みの成果を一過性に終わらせるのではなくて、今後、地元のまちづくりに寄与するようなイベントにしてほしいと思いますが、知事のご意見を伺います。 ◯鈴木知事 VOICE93は、二十一世紀のライフスタイルのあり方を求めて、多摩地域に住み、働き、学ぶ三百六十五万都民とともに、特別区、島しょ町村、隣接県のご協力により、百日間にわたって展開しようとするものであります。  この事業を契機に、会場周辺の道路等の整備が一段と促進されるほか、多摩都民みずからの都市づくりへの関心が高まることが期待されます。また、内外から、多摩地域が持つ魅力と可能性が改めて評価され、自立都市圏多摩の形成に向けて大きく発展することが期待されます。  したがって、今後の事業実施に当たりましては、一過性のイベントに終わらせることなく、二十一世紀に引き継がれるまちづくり運動として展開してまいりたい。 ◯山本委員 続きまして、多摩の交通問題に移ります。  多摩都市モノレールですね、この平成九年度開業に向けて事業を進める上で、現時点において幾つかの問題点があると思われます。それらについて伺います。
     立川基地跡地関連の土地区画整理事業におきます大規模地権者などとの協議の状況及び今後の事業の見通しはどうでしょうか。 ◯岡本東京都技監 立川基地跡地関連の土地区画整理事業は、多摩都市モノレール事業の推進及び地域のまちづくりを進める上で重要な事業であると考えております。  この事業の推進につきましては、大規模地権者の理解が得られつつありますので、今後、精力的に協議、調整を進め、早期事業化に向けて努力してまいります。 ◯山本委員 この多摩都市モノレールにより影響を受けますバス事業者から、余剰人員対策などの要望がなされていると聞いていますが、この問題についての都の考え方、取り組み方について伺います。 ◯岡本東京都技監 都は、バス事業に生ずる余剰人員等に対する措置につきまして、関係バス事業者と協定を結んでおります。現在、この協定の具体化のための方策を検討しているところでございます。  今後とも、協定に沿い、誠意を持ってこの問題に対応してまいりたいと考えております。 ◯山本委員 次に、中央線の連続立体化でありますが、国立─立川間の事業採択をされたことは高く評価をするわけであります。  そこで伺いますが、この事業の現状と今後の予定はどうなっていますでしょうか。 ◯岡本東京都技監 JR中央線三鷹─立川間の複々線立体化につきましては、平成五年度の西側区間の事業採択を得て、本年二月に、計画の概要に関する地元説明会を沿線各市で開催したところでございます。  現在は、都市計画案及び環境影響評価書案を作成中でありまして、今後、所定の手続を経て、早期に都市計画決定を行ってまいりたいと考えております。 ◯山本委員 この都市計画決定の手続を始めているということですが、以前より地元から要望のあった国立─立川間の新駅、仮称東立川駅なんですが、これはどういう扱いになりますでしょうか。 ◯岡本東京都技監 国立─立川間に新駅設置の要望があることは承知しております。新駅の設置につきましては、沿線関係市と鉄道事業者との間で、費用負担、用地確保等の協議をする必要がございます。  都といたしましては、今後、関係者間の協議の状況に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。 ◯山本委員 この間は区間距離も長くて、本当に昭和二十九年来の地元からの強い要望の新駅でありますので、都としても積極的に取り組んでいただきたい。本当に、やるんだったら、この機会を逃すことはないと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、都立短大について伺います。  立川短大と商科短大は、昭和四十四年、近い将来両短大を合併するとして以来、二十四年たった今も、二つの短大として存在しています。しかし、この両短大が都立短大として使命を十分に果たしている、これだったらともかく、必須科目が一年次と二年次で同一時間に設定されているため、一年次で単位を落としてしまうと卒業できないといった、学生の立場に立った配慮がない。または、研究費を使いながら微々たる成果にとどまっているのではないかとか、またさらに、受験生の激減など、曲がり角といわれながら危機感に乏しく、改革案がまとまらない教員たちといった言葉をしばしば耳にします。都民の信託にこたえるべき都立の短大として、大学みずからが改革をしていくことをこの際強く要望して、質問に移ります。  まず、二十四年間統合に至らなかった経緯を伺います。 ◯大森総務局長 商科短期大学と立川短期大学の統合の問題でございますが、昭和四十四年以降、新短期大学のあり方、統合の時期及び方法などについて検討を重ねてまいりましたが、短期大学側の意見がまとまりませんで、現在に至っているものでございます。  しかし、両短期大学の統合は、東京都長期計画で定められております東京都の基本方針であること、また、大学審議会の答申におきまして大学の個性化などが求められ、現在、国・公・私立大学におきましてさまざまな検討がなされていることなどから、両短期大学の統合を推進をすることといたしまして、昨年九月に、商科・立川短期大学統合検討委員会を設置いたしまして、現在、具体案づくりを進めているところでございます。 ◯山本委員 短大側の意見がまとまらなかったというのですが、これは教授会じゃないかと思うんですが、設置者である都とこの教授会の関係ですね、権限、機能について伺います。 ◯大森総務局長 東京都は、設置者といたしまして、短期大学設置、廃止の方針の決定、予算の編成や教職員の定数管理などを所管いたしております。  教授会は、学長とともに大学管理機関とされまして、大学の管理運営に関する重要事項は教授会が審議をすることとされております。具体的には、教員の採用及び昇任の選考、授業科目の編成、学内規程の制定、改廃、教育研究施設の運営や研究費の配分など、大学の運営に係るほとんどすべての分野に及ぶと解されております。 ◯山本委員 学内では、図書館の開館日が少ないですとか、閉館時間が早くて二部の学生は使えないといった不満も寄せられています。一方で、大学審議会の答申で、大学の自己改革というのが求められておりまして、これまでこの都立短大では、このような大きな流れですね、自己改革の流れ、また学生たちの不満にどのように対応してきたのか。  また、もう一点、短期大学が今後も都民の大学として存続していくためには、個々の改善に加えて、両大学が統合を契機として、学科の再編整備を初めとした抜本的改革を図る必要があると思いますが、統合についての基本的な考え方とスケジュールを伺いまして、私の質問を終わります。 ◯大森総務局長 これまで短期大学におきましては、一つの学科目について、数人の教員がそれぞれの分野から授業を行う総合科目を設置するなどカリキュラムの変更を行ったこと、もう一つは、専攻科の学生が学士の学位を取得できるように学位授与機構の認定を受けたことなど、対応を行ってまいりましたが、引き続き改善を進めていくという報告を受けております。  なお、その他の事項についても、大学管理機関が対応すべき問題でございまして、ご指摘の趣旨、内容につきましては、両短期大学の教授会にお伝えをしたいと思います。  次に、短期大学統合についての考え方とスケジュールでございますが、大学改革の要請に対応して教育研究を充実し、都民のニーズなどに的確にこたえていくことが、都立の短期大学に課せられた使命であると受けとめております。このため、ご指摘のように、学科の再編整備を行って両短期大学を統合し、その使命にこたえていきたいと考えております。  現在、商科・立川短期大学統合検討委員会におきまして、二十一世紀を展望した短期大学のあり方や、統合の時期及び方法などについて検討しております。本年夏ごろまでには報告がまとまるものと聞いております。この報告を受けました後、速やかに教育課程の編成などに着手をいたしまして、文部省の認可を得られ次第、二、三年以内に新短期大学として開設をしたいと考えております。 ◯山本委員 以上で終わります。(拍手) ◯岡安副委員長 山本譲司委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯岡安副委員長 大木田守委員の発言を許します。 ◯大木田委員 初めに、本年になって三つのビッグニュースがありますが、それについて伺いたいと思います。  一つは、皇太子殿下のご成婚であります。日程が六月九日となるようですけれども、現天皇陛下のご成婚のときは内閣官房副長官、今度は首都の知事として臨まれるわけでありますけれども、ご感想を伺います。 ◯鈴木知事 大木田委員のご質問にお答えいたします。  皇太子殿下のご婚約は、都民がひとしく待ち望んでいた大きな喜びであり、我が国の輝かしい未来を象徴するものであると考えております。 ◯大木田委員 二つ目は、貴・りえの破局でございます。破局の翌日が都民文化栄誉章の授章式となって話題を呼びましたけれども、知事はどんな感想をお持ちでしょうか。 ◯鈴木知事 お二人ともまだ若いので、今後ともそれぞれの場でさらに活躍されることを心から期待しております。 ◯大木田委員 三つ目は、いわゆる金丸逮捕でございます。全国に与えた衝撃は極めて大きく、政治不信は頂点に達しております。今回の金丸事件について知事はどのように受けとめているか、伺います。 ◯鈴木知事 政治に対する国民の信頼を失わせる出来事であり、私としても、まことに遺憾なことと思っております。 ◯大木田委員 腐敗政治の根絶と清潔な政治の実現は、議会制民主主義の根幹であります。こうした視点から見るとき、今回の金丸事件は、さまざまな問題を浮き彫りにしております。そこで、何点か伺います。  その一つは、明治維新、戦後の改革と大きな変革を遂げ今日まで来ましたが、今回の事件は、戦後四十八年、いわゆる戦後システムの制度疲労があらゆるところで起きており、もうどうにもならないところまで来ている、その象徴的な出来事ではないかと思います。  そこで、新しい制度、システムをつくらなければならない、今、第三の改革のときに入っていると思いますが、知事のご認識を伺います。 ◯鈴木知事 今、至るところで行き詰まりを見せている現行の中央集権的なシステムにかえて、地方分権を基礎とする新しいシステムを構築すべき時期に来ているというご趣旨には、私も同感であります。  今後とも、地方自治の原点に立った地方分権の実現に積極的に取り組んでまいりたい。 ◯大木田委員 第二は、政治と金の問題です。選挙制度の問題を含めて、今こそ抜本的な政治改革を行わなければならないときに来ている、こう思いますが、知事の認識を伺います。 ◯鈴木知事 抜本的な政治改革を実現することは、今や国民が強く望んでいる、避けて通ることのできない第一の緊急課題であると、私も認識いたしております。 ◯大木田委員 第三は、政治倫理を含め、公に立つ人の公私の区別、これは当然のことですが、この点について知事の所見を伺います。 ◯鈴木知事 私はこれまで、清潔で公正な都政の実現を基本姿勢の一つとしてまいりました。  私を含めすべての職員が、いやしくも都民の信頼を損なうことのないよう、みずからを戒めているところであります。社会的責任の重い公人であれば、一層公私の峻別が必要であると考えております。 ◯大木田委員 次に、焦点となっております臨海問題について伺います。  三月十七日から二十五日までに六事業者と契約すると答弁されておりますが、きょうは十七日でございます。何社と契約できましたか。 ◯藤中港湾局長 本日、台場G─1区画の日商岩井株式会社、台場F区画の株式会社フジサンケイグループ本社の両社と土地賃貸借契約を締結いたしました。 ◯大木田委員 契約が済みますと、進出企業者との間に、よりよいまちづくりのためのパートナーシップをつくっていくことになると思いますが、都と進出企業者の協力体制、今後どのように進めていくのか、伺います。 ◯藤中港湾局長 臨海副都心は、東京の新しい個性のあるまちづくり、多様な都市活動に対応した魅力ある快適なまちづくりを目指しております。それを実現するためには、ご指摘のとおり、都と進出企業とが互いにパートナーシップを発揮し、協力していくことが最も重要であると考えております。  契約締結後は、都と進出企業とが協力して、このようなまちづくりを推進していくための協議機関を設置し、臨海副都心が理想的なまちとなるよう、最大限の努力を払ってまいりたいと存じております。 ◯大木田委員 まちづくりを進めていくためには、景観の面でのまちづくりの重要性が指摘されております。都と進出企業とのパートナーシップとして、緑化、デザイン等、どのように調和のとれたまちづくりを進めていくか、都の推進について伺います。 ◯瀬田東京フロンティア推進本部長 臨海副都心の開発に当たりましては、ご指摘のとおり、二十一世紀の東京にふさわしい都市景観の形成が重要でございまして、現在、景観ガイドラインの策定に向けて調査しているところでございます。  ガイドラインの具体化に当たりましては、今後、まちづくりのための協議機関等を通じて十分協議し、調和のとれた美しいまちづくりを進めてまいりたいと存じます。 ◯大木田委員 快適で利便性に富んだまちをつくっていくためには、官公庁などのサービス機能の必要が指摘されておりますけれども、立地計画はどうなっていますでしょうか。 ◯藤中港湾局長 ご指摘のとおり、まちづくりには官公庁などのサービス機能は欠かせないものであり、臨海副都心地域におきましても、警察署、消防署、郵便局等の公共公益施設の用地を確保いたしております。  さらに、現在、青海地区に、多様な都市活動を支援することとなる、東京税関を初めとする、税務署、登記所など国の機関の合同庁舎の用地につきましても、協議、調整を行っているところでございます。 ◯大木田委員 東京フロンティアのパビリオンの出展に向け、今後あと半年を目安に各企業に働きかけていくとしておりますけれども、知事の具体的な行動を伺います。 ◯鈴木知事 企業パビリオンは東京フロンティアの開催にとって主要な施設であり、今後とも都と協会が一体となって、各企業に対して出展要請を行っていく考えであります。そのため私自身もあらゆる機会をとらえて、各企業への要請を積極的に行い、一社でも多くの企業に出展していただけるよう努力してまいる所存であります。 ◯大木田委員 次に、今社会問題となっております企業の採用取り消しについて伺います。  第一は、新規学卒者の採用内定取り消しの状況をどう把握しておりますか。 ◯井上労働経済局長 本年度は景気低迷の影響を受け、昨年度に比べ、採用内定取り消し件数が増加をいたしておりまして、都が把握をいたしております平成四年度における都内企業の採用内定取り消し状況は、二月末現在でございますが、十三社、百三十六名でございます。十三社中、八社が情報サービス業であり、また、百三十六名中、大卒者等は六十五名でございます。 ◯大木田委員 採用内定取り消しは、本人にはかり知れない打撃と失望を与えておりますけれども、こうしたことに対して、企業にはどのように対応してきておりますか。 ◯井上労働経済局長 採用内定取り消しが本人及び社会に大きな影響を与えることはご指摘のとおりでございます。このため、都といたしましては、これまでも採用内定取り消しを行おうとする企業に対しまして、速やかに事情聴取をするとともに、こうした事態の回避並びに改善等について、強く指導をしているところでございます。今後とも、関係機関と連携を図りながら、学生の立場に立ちまして、なお一層強力に企業指導を実施してまいりたいと考えております。 ◯大木田委員 採用内定取り消しを再発させないよう、企業名の公表も含め、今後の対応について伺います。 ◯井上労働経済局長 都といたしましては、これまでも適正な採用計画を立てるように企業を指導するとともに、採用内定取り消し企業につきましては、次年度の求人票にその事実を明記するなどの措置をとりまして、再発防止に努めてきているところであります。現在国におきましては、採用内定取り消しを行う企業に対しまして、公共職業安定所または学校の長に事前に通知をさせることとして、職業安定法施行規則の改正を中央職業安定審議会に諮問をしているところと聞いております。なお、企業名の公表につきましては、職業安定法上の規制がありますために、慎重に検討していると聞いております。  都といたしましても、これらの結果を踏まえまして、今後とも、再発防止のための企業指導をより一層徹底してまいりたいと考えております。 ◯大木田委員 都立大学を含め、短大、高専等、都の関係しているところで、今日まで採用の取り消しはありましたか。 ◯大塚都立大学事務局長 都立大学におきましては、現在までのところ、幸いにも企業からの採用内定の取り消しがあった旨の学生の申し出はございません。 ◯大森総務局長 都立科学技術大学で一名、都立商科短期大学で一名の採用内定取り消しがあったという報告を受けております。 ◯市川教育長 現在までのところ、都立高等専門学校におきましては、企業から採用内定の取り消しがあった旨の学生からの申し出はございませんが、都立高等学校におきましては二十名ございました。 ◯大木田委員 都立大学において、今後採用内定の取り消しが生じた場合、どのように学生に対して対応していきますか。 ◯大塚都立大学事務局長 都立大学では、先ほど申し上げましたとおり、採用内定の取り消しをされたという学生からの申し出はございませんけれども、仮に今後このような事態が生じました場合には、現在ではもう大学の卒業判定が終わっておりますので、留年することもできません、また、大学院の進学も試験が終わっておりますので、学内にとどまることもできないということになりますので、その当該学生の意向を十分踏まえながら、新たな就職先等をあっせんするなど、その進路につきまして適切に指導してまいりたいと存じております。 ◯大木田委員 都が平成五年度から実施する中途採用制度の目的は何か。  また、大変好評のようですけれども、概要を発表した後の反響はいかがか、伺います。 ◯岩井人事委員会事務局長 今回の経験者採用制度の導入は、都職員の年齢構成の是正を図るとともに、民間企業等におきます有用な職務経験を行政に生かし、都政の活性化を図ることを目的として実施するものでございます。  試験の概要を発表して以来、電話による照会が約二千件、パンフレットの請求が約千四百件寄せられております。都において初めての制度でありますので、その内容を十分理解していただくため、今月末には第一回目の説明会を開く予定でございます。 ◯大木田委員 次に、東京国際フォーラムについて伺います。  初めに、この施設の規模及び機能について、また、現在日本あるいは海外においてこのフォーラムに匹敵する規模、機能を持つ施設があるのか、伺います。 ◯谷口生活文化局長 東京国際フォーラムは、総合的な文化活動の拠点、総合的な情報の交流と創造の拠点、国際交流の拠点の三つの基本的機能を持つ総合的な文化情報施設でございます。延べ面積が約十四万四千四百平方メートルで、客席五千人のホールなど四つのホールを初め展示場、レセプション施設、三十三の会議室、情報提供施設のほか、レストラン等のサービス施設を備えております。ホールや会議場等個々の施設としては、日本国内において類似のものもございますが、それらの機能が一体的に結合した大規模な複合施設としては、国際フォーラムが日本では初めてではないかと考えられます。  なお、海外におきまして、国際フォーラムと比肩すべき施設といたしましては、ニューヨークのジャコブK・ジャビッツコンベンションセンター、パリのポンピドーセンター、ベルリンのICCベルリンなどがございます。 ◯大木田委員 フォーラムでは魅力的な自主事業や利用サービスを積極的に行う必要があると考えます。フォーラムの運営の難しさをどう認識し、どうこれに取り組んでいるか、伺います。 ◯谷口生活文化局長 国際フォーラムは新たな発想のもとに構想されました大規模な複合施設でございますので、これを有効に活用するためには、ご指摘のようにさまざまな課題があることは認識をしております。国際フォーラムの運営に当たりましては、都民に親しまれるような魅力的な自主事業の実施、利用時間等の弾力化など、利用者の立場に立った利用方法の確立、会議やイベント等の参加者への食事提供など、きめ細かなサービスの実施など、種々の方策を講じることが必要であると考えております。そのため、昨年十一月、関係各分野の専門家の参加を得まして、東京国際フォーラム開設準備委員会を設置いたしまして、運営の具体的方策について実務的な検討をいただいているところでございまして、これを踏まえまして、運営体制を確立してまいりたいと存じます。 ◯大木田委員 旧国鉄の例を思い出すまでもなく、責任のないところにサービス精神も意欲もわいてきません。運営組織に責任を持たせるために、運営の収支に対する責任あるいは民間のノーハウを進めていくべきと考えますが、この点はいかがですか。 ◯谷口生活文化局長 国際フォーラムにおいて、利用者本位の運営を実現していくためには、自主事業の実施や弾力的な利用方法の採用、利用者サービスの充実などの方策に加えまして、運営組織が事業者としての責任を十分に果たせる運営体制を確立することが必要であると考えております。ご指摘いただいた運営収支の問題や民間人材の活用などによる民間ノーハウの導入といった点は、このような運営体制確立のための重要なポイントであると考えておりまして、今後これらの点について、十分検討してまいりたいと存じます。 ◯大木田委員 このフォーラムは、一千六百億もの財源を投入してつくるわけでございます。この施設を東京が世界に誇る施設とするために、運営方法を含めて知事はどのような所見をお持ちですか。 ◯鈴木知事 東京国際フォーラムは、新都庁舎とともにシティ・ホール構想の実現を図るものであり、二十一世紀に向けた新しい文化活動の場を提供するものであると考えております。国際フォーラムを世界都市東京のシンボルとして、都民を初め世界の人々に親しまれる文化施設とするために、今後ご指摘の点も踏まえ、その運営に万全を期してまいります。 ◯大木田委員 次は、都電について二点伺います。  都電は周辺住民に大変親しまれ、最近は都電を使ってのイベントもふえています。北区の負担による、北区の都電というのをつくって運行してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◯宮端交通局長 ご提案の北区の負担によるいわゆるマイタウンカーとしての都電を運行することは、北区の住民と都電とをより強く結びつけるものと考えられます。したがいまして、今後北区を初め関係機関と協議を進め、意義あるものとして成功させることができますよう検討してまいります。 ◯大木田委員 私は、下町の人情を乗せて明治、大正、昭和、平成と走り続けてきたこの都電の、都電の碑というものを王子駅のところにつくってはどうかと考えていますが、いかがですか。 ◯宮端交通局長 都電は明治四十四年に市電として発足以来、八十有余年の歴史と伝統を持つ庶民の足としての公共交通機関でございます。ご指摘の都電の碑につきましては、古い歴史を持つ都電が一層多くの人々に親しまれ、愛されるようにするため、その内容、場所、時期等について十分検討してまいりたいと存じます。 ◯大木田委員 次に、北区にある政府機関移転に関連して伺います。  第一は、大蔵省の醸造試験所の移転計画の進捗状況、ともに、この跡地利用についてですけれども、敷地内に歴史的なれんが建物があります。これを北区の博物館づくりの構想として酒の博物館をつくってはどうかと考えますが、所見を伺います。 ◯岡本東京都技監 お尋ねの醸造試験所は、平成元年八月の国の機関等移転推進連絡会議におきまして、東広島市に移転することが決定され、現在、平成六年度の移転に向けて受け入れ地での施設建設が進められていると承知しております。
     次に、醸造試験所の移転後の跡地利用につきましては、平成二年度に北区で、北区政府機関地方移転問題調査を実施しておりますが、その中でご指摘のれんが建物の保存、活用を含めた利用計画の検討がなされております。都としましても、国の動向を見ながら、できるだけ地元区の意向が反映されるよう、今後関係機関とも協議し、適切に対処してまいります。 ◯大木田委員 次に、北区にある国立王子病院の総合計画の進捗状況、王子病院の移転後も何らかの形で医療機関を確保すべきであると、このように思っておりますけれども、二点伺います。 ◯中嶋衛生局長 国は、国立病院・療養所の再編成計画に基づきまして、国立王子病院と国立立川病院を立川広域防災基地内において統合し、東日本地域における広域災害医療の基幹施設として整備することといたしております。平成三年十二月、国はこの統合計画を国立新病院(立川)基本計画として発表し、今年度新病院の建設に着手したところでございます。今後、平成六年度までの三カ年で工事を実施し、七年度に開設予定と聞いております。  次に、統合後の国立王子病院の跡地利用につきましては、国において両病院を統合する平成七年度を目途に具体的な計画を検討中と聞いております。都といたしましては、北区とも十分連絡をとり、地域医療の確保に支障を来すことがないよう、再三国に要望してきたところでございます。今後とも、国の動向を見守りながら、地元の意向が十分反映されますように国に働きかけてまいりたいと存じます。 ◯大木田委員 次に、隅田川、荒川などのリバーフロントについて伺います。  北区では荒川、隅田川、新河岸川、石神井川の四つの河川の水際を活用し、地域住民の要望を取り入れた水辺空間の個性豊かな計画を立て、今それを進めております。特に、荒川緑地及び岩淵水門周辺は国の管理であり、北区と建設省が協定を結び、桜並木の植樹、イベント広場の整備等進めております。ここには農民の原点ともいうべき草刈りの碑というのもあります。これらの施設にあわせて、水上バスの発着場の整備を行い、レクリエーション機能と一体となるようすべきと思いますが、所見を伺います。 ◯石川建設局長 水上バスの発着場につきましては、東京の水辺を多くの都民に親しんでいただくため、その増設が望まれるところでございます。設置に当たりましては、河川管理上の条件のほか、利用者の利便性、運航計画など適切な配慮が必要でございます。ご指摘の箇所につきましては、これらのことを踏まえ、今後、地元区など関係機関と十分調整してまいります。 ◯大木田委員 隅田川筋の豊島五丁目地区や豊島八丁目地区のスーパー堤防の整備状況を伺います。 ◯石川建設局長 豊島五丁目団地に隣接いたしておりますスーパー堤防などの事業につきましては、一部工事に着手したところでございます。今後、この区域内に北区及び住宅・都市整備公団が計画しています東豊島公園再整備事業と豊島団地環境整備事業の進捗に合わせまして、堤防の盛り土や修景工事を行ってまいります。また、豊島八丁目の日本フェルト跡地に隣接した箇所につきましても、一部工事に着手したところであり、背後地の再開発事業に合わせまして、事業の進捗に努めてまいります。 ◯大木田委員 新河岸川沿岸では浮間一丁目二番地に広い土地があり、北区では北赤羽拠点として整備する構想を持っております。一方、国においてはスーパー堤防計画を持っておりますが、都は当該地についてどのような整備をしようと思っておりますか。 ◯石川建設局長 浮間一丁目の新河岸川背後の河川敷と公有地は、荒川河川敷にも接し、かつ交通至便な場所でもあります。その利用につきましては、潤いと安らぎのある良好な水辺環境の創出を初め住宅建設など、都の施策の実現を図るべく、今後地元区等関係機関と十分調整してまいります。 ◯大木田委員 次に、霊園行政について伺います。  今回霊園条例の全面改正案が提案されておりますけれども、全面改正をした理由及び主な改正点について伺います。 ◯石川建設局長 現在、墓地に対する需給の逼迫や要望の多様化など、霊園を取り巻く環境が大きく変化してきております。このため、多磨霊園に新形式の納骨を建設し、来年度から貸し付けを開始することに伴い、その使用などに関する事項を定める必要があることや、今日的な視点に立って、規定の整備を図る必要があることが主な改正の理由でございます。  また、主な改正点といたしましては、新しくできる長期収蔵施設を埋蔵施設と同様に扱うことから、公募に関する規定や長期の使用期間を設定したこと、また、霊園附属設備条例を廃止し、新霊園条例に一本化したことなどでございます。 ◯大木田委員 ところで、今後の納骨の建設計画と長期収蔵施設の基数、また、墓地供給のもう一つの手段である返還や無縁墓地の再貸し付けについて、現状と今後の展望について伺います。 ◯石川建設局長 今後、多磨霊園と同規模の納骨を小平霊園及び八柱霊園に計画しており、約一万基の長期収蔵施設を供給する予定でございます。また、返還墓地や無縁墓地の再貸し付けにつきましては、過去五年間における実績が年平均二百三十カ所となっており、今後も同規模で推移するものと思われます。 ◯大木田委員 霊園の公募での申込手続が、都庁へ何回も足を運び、受け付けで長時間待たされ、申込者は大変煩わしい感じをしておりますけれども、こうした現状を都営住宅のように、郵送による申し込みに改善できないか、見解を伺います。 ◯石川建設局長 霊園の申込方法につきましては、霊園条例の改正を機に、ご提案の趣旨を踏まえ、都民のサービス向上のため、郵送による申込方式を取り入れるなど、早急に改善に努めてまいります。 ◯大木田委員 以上で私の質問を終わります。  今、抜本的な政治改革、思い切った景気対策、東京主権の確立が大事だと思っています。  以上でございます。(拍手) ◯岡安副委員長 大木田守委員の発言は終わりました。  この際、議事の都合により五分間休憩いたします。    午後九時十五分休憩      ━━━━━━━━━━    午後九時二十四分開議 ◯仁木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  この際、理事者に申し上げます。  夜も大分更けてまいりましたので、答弁は簡潔にお願いをいたします。  渡辺康信委員の発言を許します。 ◯渡辺(康)委員 現在の深刻な不況の状況を見るとき、都の直接的な責任を問われる対策として、官公需の中小企業への発注率を抜本的に引き上げるべきであります。  以下、官公需問題に絞って質問をいたします。  都の官公需の中小企業発注率の最も高かった年はいつで、幾らか。最近の発注率は幾らですか。 ◯齊藤財務局長 中小企業の受注率が最も高かった年は昭和六十年度で、受注率は五六%であり、そのうち工事関係は五二・三%、物品関係は六五・七%であります。  また、平成三年度の中小企業受注率は五〇・四%であり、そのうち工事関係は四六%、物品関係は六二・四%でございます。 ◯渡辺(康)委員 主な他府県の中小企業の受注率はどうですか。 ◯齊藤財務局長 主な他府県に問い合わせたところ、平成三年度の中小企業の受注率は、千葉県が六六・八%、埼玉県が六五・三%、神奈川県が七二・三%、愛知県が六三・一%、京都府が七二・七%、大阪府が五二・一%、兵庫県が七六・六%とのことでございます。 ◯渡辺(康)委員 東京は最も低いわけであります。官公需発注率を引き上げる目標を持っていますか。 ◯齊藤財務局長 都の官公需の中には、高度の技術力や総合管理力を特に必要とするものもありまして、中小企業の受注率は、当該年度に発注されます工事の規模、内容、性質などにより、ある程度の変化を伴うものでございます。このような状況から、目標を設定することは困難であると考えております。 ◯渡辺(康)委員 大阪府は目標を持っていると聞いております。どのようなものか示してください。 ◯齊藤財務局長 大阪府に照会したところ、毎年度、中小企業受注率の目標値を設定しており、平成三年度における目標値は六五%、実績は五二・一%であると聞いております。 ◯渡辺(康)委員 大阪のようにやるべきではありませんか。なぜやらないんですか。 ◯齊藤財務局長 先ほども申し上げましたとおり、中小企業の受注率は、当該年度に発注される工事の規模、内容、性質などによりまして、ある程度の変化を伴うものでございます。したがいまして、目標値の設定は困難でございますが、今後とも中小企業の受注率向上に努めてまいります。 ◯渡辺(康)委員 東京の官公需発注率が低いのは、鈴木都政が大企業奉仕の大規模開発事業を加速させてきているからであります。大型開発のためにつくった第三セクターの発注率を含めると、さらに低いものになるわけであります。  臨海開発関係の五つの第三セクターの中小企業発注率はどうなっておるでしょうか。 ◯藤中港湾局長 臨海副都心開発関係第三セクター五社の、設立から平成四年十二月末までの工事契約総額に占める中小企業受注額は百九十九億九千八百万円、受注率は三・四%でございます。 ◯渡辺(康)委員 受注しているのは大企業だけでしょう。知事は、来年度予算における景気対策の目玉に、第三セクターの事業費を二四%ふやしたことを挙げております。臨海関係の第三セクターは何%ふえましたか。 ◯齊藤財務局長 東京臨海副都心建設株式会社、株式会社東京テレポートセンターなど、臨海副都心開発にかかわる五つの第三セクターにおきます投資的事業費の対前年度伸び率は、四四・三%でございます。 ◯渡辺(康)委員 これでは大企業のための景気対策ではありませんか。臨海副都心建設株式会社の発注工事の二一%を受注しているゼネコン大手五社の企業名、直近の売上高、経常利益の合計、平均額はどうなっているか示してください。 ◯岡本東京都技監 建設業界紙によりますと、大手ゼネコンとは清水建設、大成建設、鹿島建設、大林組及び竹中工務店の五社を指すといわれております。  民間の会社情報誌によりますと、平成三年十二月決算、または平成四年三月決算におけるこの五社の年間売上高の合計は約八兆七千八百八十億円で、一社当たりの平均は約一兆七千五百八十億円となっております。  同じく、民間の会社情報誌によりますと、竹中工務店を除く四社の経常利益の合計は約三千九百八十億円、一社当たりの平均は約九百九十億円であり、竹中工務店の純益は約三百五十億円となっております。 ◯渡辺(康)委員 こんなにもうけているところになぜ仕事をふやすのか。今、必要な景気対策というのは、直接中小企業に仕事を回すことであります。都民生活に密接な都の事業の中小企業発注率はどうなのか、福祉局、養育院、住宅局、それぞれ示してください。 ◯檜垣福祉局長 平成三年度におきます福祉局関係施設の工事契約金額では、中小企業への発注率は八七・四%でございます。 ◯川上養育院長 平成三年度の養育院の福祉関係施設に係る工事契約を金額で見ますと、中小企業への発注率は六三・六%でございます。 ◯中嶋住宅局長 平成三年度に住宅局が発注した建設工事の中小企業への比率は、発注金額の六五・七%でございます。  また、東京都住宅供給公社の中小企業発注分は、七一・七%でございます。 ◯渡辺(康)委員 来年度臨海副都心開発の基盤整備に充てる巨額の金は、これまでの実績では三・四%が中小企業発注に回るだけで、これを住宅建設や特養老人ホームなどの建設に回せば、六割から八割が中小企業の仕事になるのであります。かつてない不況に対応して、住宅建設、老朽化した施設の修繕、改築計画を前倒しするなど、中小企業へ即効性のある対策を進めるべきではありませんか。 ◯齊藤財務局長 平成五年度予算におきましては、低迷する景気を早期に回復させるため、財政環境が極めて厳しい中ではございますが、必要な投資的経費を適切に確保するなど、できる限りの対応を図ったところでございます。  予算の執行に当たりましては、厳しい環境の中にある中小企業を初めとする都内産業の活性化を図る見地から、住宅建設などを含めた公共事業の前倒しについて、実施に向け準備を進め、上半期契約目標率を前向きに設定するなど、都として景気対策に全力を挙げて取り組んでまいります。 ◯渡辺(康)委員 知事に聞きます。  知事、生活関連の公共工事を担っているのは中小企業であります。東京の公共投資のあり方を大企業中心の大規模開発中心から、住宅や福祉施設など生活関連事業を重点とするように転換すべきではないですか。 ◯鈴木知事 平成五年度予算においては、まれに見るほど困難な財政環境の中にあって、都民生活の向上を図るとともに、景気対策に積極的に取り組むため、住宅の建設や福祉施設の整備など、生活に密接に関連する事業については、可能な限り施策の推進に努めたところであります。今後ともこうした努力を継続し、都民生活の向上と景気の浮揚に努めてまいります。 ◯渡辺(康)委員 都政の抜本的な転換を求めて、次に移ります。  乳幼児医療費無料化が今回実現したことは、我が党の四たびにわたる条例提案以来の重ねての要求と都民の粘り強い運動が、都政を動かした貴重な前進であります。(「そんなことないよ」と呼び、その他発言する者あり)  しかし、知事の考え方で所得制限が持ち込まれたことは、制度を不十分なものにしております。そこで、伺います。  昨年、知事は乳幼児医療費助成を検討される趣旨として、どう答弁していましたでしょうか。 ◯檜垣福祉局長 昨年の第四回定例会におきまして、知事は、近年、出生率の低下など子供や家庭を取り巻く状況が大きく変化している中で、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりは極めて重要な課題と考えており、この環境づくりの一環として、乳幼児の医療費の助成策を講じることとする旨を答弁いたしました。 ◯渡辺(康)委員 その出生率低下の原因ですが、都の調査では上位に何が挙げられていますか。 ◯吉岡情報連絡室長 平成三年十一月に実施いたしました都市生活に関する世論調査では、最近女性が一生の間に産む子供の数が少なくなっているが、その原因は何だと思うかとの設問に対しまして、まず、子育てにお金がかかるからが六〇・四%、次いで、住宅事情がよくないからが五九・九%となっておりまして、この二項目が特に高い数値を示しております。 ◯渡辺(康)委員 教育費や住宅の負担が重いので、所得が数字の上で高くても、都内での子育ては大変なんです。都の案が出る前に実施を決めた区市町村で、所得制限のない自治体の数と割合を示してください。 ◯檜垣福祉局長 東京都の予算案の発表前に実施していましたのは八区六市でございまして、実施を議決しておりましたのは四区でございます。合わせて十二区六市のうち、所得制限のないのは八区四市で、その割合は六七%でございます。 ◯渡辺(康)委員 では、都の案の発表後、実施案をつくった区市町村のうち、所得制限のない自治体の数と割合はどうでしょうか。 ◯檜垣福祉局長 現在、乳幼児医療費助成事業の予算案を審議中の区市は十区八市でございますが、そのうち所得制限のないものは六区と聞いておりまして、その割合は三三%でございます。 ◯渡辺(康)委員 半分に減ったわけであります。しかも、財政負担の厳しい市町村の方は、これからやるところで所得制限なしはゼロでしょう。それまでは所得制限なしが大勢だったのに、知事の考え方が区市町村の制度を低めたんです。  その中で子供の増加に必死で取り組む千代田区は所得制限なしを選択しましたけれども、区の制度の内容、今後の拡充計画を紹介してください。 ◯檜垣福祉局長 千代田区の予算案では、四歳未満の乳幼児を対象とし、所得制限なしで、平成五年四月から実施を予定していると聞いております。  なお、千代田区で現在策定中の地域福祉計画案では、定住対策に資するなどのため、十カ年計画の事業目標といたしまして、六歳までを対象にするというように聞いております。 ◯渡辺(康)委員 対象児童数はどうか。また、都の制度で実施した場合は、何人になると区は見積もっておりますでしょうか。 ◯檜垣福祉局長 千代田区の予算案におきますと、四歳未満の乳幼児数を九百八十人と見込んでおります。  なお、同区では、都の補助対象を四歳未満児のおおむね一割程度と見込んでおります。 ◯渡辺(康)委員 人数では百人に満たないんです。都の所得制限でやったのでは、子供の増加対策には役に立たないと。都心区だけでなく練馬なども、都の制度では三分の一弱しか対象にならないと、所得制限なしを選択しているのであります。  財政負担の大変な市町村の方も要望は切実です。市長会から昨年どのような要望が出されておりますか。 ◯檜垣福祉局長 平成四年十一月に開催されました市長会におきましては、都の乳幼児医療費助成事業(案)につきましては、早期実施が必要であるとの観点から、基本的に了承することとし、補助率アップについては引き続き都に要望をしていくとともに、所得制限の撤廃についても状況を考慮しながら、検討の継続方を都に要望していくとされております。 ◯渡辺(康)委員 知事は、所得制限の廃止を決断すべきであります。また、補助率を引き上げるとともに、年齢についても、六歳未満、未就学児まで広げていくべきです。あわせて知事の答弁を求めます。 ◯鈴木知事 乳幼児医療費助成事業は、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりの一環として、三歳未満の乳幼児を育てている家庭で、一定の所得以内のものを対象として助成を行うものであります。  現在、平成六年一月の実施に向け、実施主体である区市町村など関係団体と協議しているところであり、事業の円滑な実施と定着にまず努めてまいります。 ◯渡辺(康)委員 我が党は、知事が制度の改善に踏み切るように、再び都民とともに運動を発展させる決意を述べて、次の質問に移ります。  お台場海浜公園であります。  お台場海浜公園への陸路からの出入り口の閉鎖が発表されまして、利用者から怒りの声が高まっているわけであります。公園の利用者数と四季を通じての利用状況はどうなっておりますか。 ◯藤中港湾局長 平成三年度の利用者数は、約四十六万人と推計いたしております。  四季を通じてウインドサーフィン、磯遊び、散策など季節に応じた利用がなされております。 ◯渡辺(康)委員 私どもが聞くところによると、七十万人ともいわれておるわけですが、広く都民に親しまれている公園であります。とりわけ都内でウインドサーフィンのできる唯一の場所であり、この公園への出入り口をふさぐことは、事実上の公園の閉鎖にも等しいわけであります。海上バスの利用ができるというが、料金は幾らか。セールボードの持ち込みは可能ですか。 ◯藤中港湾局長 海上バスの料金につきましては、日の出桟橋とお台場海浜公園間が四百円、船の科学館とお台場海浜公園間が二百六十円となっており、セールボードの持ち込みは可能でございます。持ち込み料金は運賃の半額と聞いております。 ◯渡辺(康)委員 セールボードの保管場所の増設はどうですか。 ◯藤中港湾局長 利用者がその都度持ち帰らなくても済むように、セールボードの保管庫の増設も検討してみたいと考えております。 ◯渡辺(康)委員 海上バスの運航時間はどうなっていますか。 ◯藤中港湾局長 日の出ふ頭発は午前十時から午後四時まで、お台場発は午前十一時から午後四時五十五分となっております。いずれも平日五便、日・祝祭日は九便となっております。 ◯渡辺(康)委員 このレインボーブリッジの遊歩道の利用ができるというけれども、無料にするんですか。また、あの橋をセールボードを持って歩けというんでしょうか。
    ◯藤中港湾局長 レインボーブリッジ遊歩道の利用につきましては、有料を予定いたしております。  また、セールボードの持ち込みにつきましては、アンカレジ内の通行及びエレベーター利用の際、他の利用者に迷惑を及ぼすおそれがございますので、認めない方向で検討いたしております。 ◯渡辺(康)委員 レインボーブリッジの利用時間はどうなっておりますか。 ◯藤中港湾局長 現在検討中でございますが、遊歩道の利用時間につきましては、四月から十月の期間が、午前九時から午後九時まで、十一月から三月までの期間は、午前十時から午後六時までと考えております。 ◯渡辺(康)委員 ウインドサーファーは、よい風が吹けば早朝にも台場に来て楽しんでいる。利用時間が制限されて、事実上、お金がなければ公園には行かれない。重大な変更ではありませんか。利用者との協議や説明会、一回もやっていない。どうなんでしょうか。 ◯藤中港湾局長 利用者のうち、問い合わせのございました方々につきましては、既に個別に説明を行ってきております。また、近日中にセールボード保管庫の利用者を中心に説明会を行う予定でございます。  なお、利用者に対し不便をかけることになりますので、「広報東京都」への掲載や現地に説明板を設置するなど、周知につきましては今後さらに徹底を図ってまいりたいと存じます。 ◯渡辺(康)委員 一回の説明も行わないまま一方的に閉鎖宣言をする、ひどい話であります。もともと臨海部の開発も、都民の憩いの場として潮風と緑の空間とすることを都民は求めてきました。今でも不足しているこうした貴重な水辺の公園を三年間も利用制限するのは許せません。公園を従来どおり利用できるように道をあけるべきです。 ◯藤中港湾局長 お台場海浜公園につきましては、全面的な再整備工事を実施しておりまして、陸上部分の利用制限が必要でございます。また、周辺の台場地区内では、共同溝、新交通システムなどの工事が行われ、さらにこれに引き続きまして、民間進出企業の建築工事も今後行われる予定でございます。したがいまして、利用者の安全確保を図るため、陸路からの入園を制限するものでございます。 ◯渡辺(康)委員 知事、今までどおり利用できるようにすべきだと思いますが、答弁を求めます。 ◯鈴木知事 ただいま港湾局長からご答弁申し上げたとおりでございます。 ◯渡辺(康)委員 知事のそういう話はないでしょう、ちゃんと知事に聞いているんだから。知事、年間七十万から七十五万人もの人でにぎわっているところであります。子供連れの人も多いんです。この公園に行くには、海上バスかレインボーブリッジの有料歩道だけであります。海上公園審議会にも諮らず、一方的に閉鎖に近い状態にするとは、だれが理解するでしょうか。破綻した臨海副都心開発をあくまでも強行するために、都民の要求を踏みにじってはばからない知事の姿勢は、断じて許せるものではありません。改めて臨海副都心開発の凍結を強く要求して、質問を終わります。(拍手) ◯仁木委員長 渡辺康信委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯仁木委員長 佐々木ひろゆき委員の発言を許します。 ◯佐々木委員 練馬区小学校長の出張問題について質問します。  練馬区で、定年退官直前の小学校長が、伊勢神宮参拝を名目に管外出張したことについて、都教委の見解と対処を伺いたいと思います。 ◯市川教育長 練馬区教育委員会の報告によりますと、この出張は、伊勢神宮参拝を目的としたものではなく、広く産業、歴史、文化、施設等の視察が目的であり、その中に伊勢神宮が含まれていたものでございます。  しかし、出張に先立って参加者の世話人が配った私的な案内文に、あたかも伊勢神宮参拝が目的の管外出張と誤解される表現が見られることなどがございまして、これは指導的立場にある校長の行為としてはまことに遺憾でございます。  都教育委員会といたしましては、区教育委員会に対し、出張の扱いについて十分注意するよう指導いたしますとともに、当該校長に対しても適切な指導をしてまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 しっかり指導していただきたいと思います。  次に、二十三区内の植物の天然記念物の育成、保存について質問いたします。  昭和五十二年と現在の指定状況、保存、育成策について、どのようになっているか。 ◯市川教育長 お尋ねの天然記念物の指定件数は、昭和五十二年は二十七件でございましたが、平成四年末では六十四件で、その内訳は、国指定四件、都指定十九件、区指定四十一件でございます。その内容は、樹木、叢林、植物群落などでございます。  次に、保存、育成策でございますが、都教育委員会では所有者等に対し、樹勢の衰えている樹木等の保護に要する経費を助成いたしております。  また、天然記念物の保存管理計画の策定を目指し、平成五年度から学識経験者等による現状調査を実施したいと存じております。 ◯佐々木委員 公園内天然記念物として、石神井公園三宝寺池の沼沢植物群落があります。群落の推移、水質など、現状と対策について、具体的にお答え願いたい。 ◯石川建設局長 三宝寺池の沼沢植物群落は天然記念物に指定され、昭和十年には、モウセンゴケ、ミズニラを初めとして四十五種の植物の生育が報告されています。現在でも、氷河期から生き残っているといわれている寒冷地性のミツガシワを初め約半数の種が生育し、武蔵野の原風景をとどめています。  しかしながら、水質の富栄養化、湧水の枯渇、大型水生植物の繁茂により、沼沢植物の生育環境が変化し、種の存続への影響が懸念されています。  この対応策といたしまして、平成二年度から水質改善の調査や貴重な植物の増殖などの実験を継続的に実施しています。これらの結果を踏まえ、今後とも植物の生育環境づくりに取り組んでまいります。 ◯佐々木委員 石神井公園の自然を守り育てようと、地域住民、市民がさまざまに活動しています。住民との協調をどのようにしていくのか、示していただきたい。 ◯石川建設局長 石神井公園の沼沢植物群落を中心とする武蔵野の自然は、周辺の市街化による生育環境の変化にもかかわらず守り育てられていることは、地域住民の方々の理解と協力とに負うところが大きいものと認識しています。  また、公園の調査や整備に当たりまして、地域住民の方々との意見交換、草取り、清掃などのボランティア活動は、単に自然を守り育てるばかりでなく、人と自然との共生の心をはぐくんでいくものと期待されます。  貴重な自然を次の世代に継承していくため、今後とも、地域住民の方々とともに自然の保護、育成に取り組んでまいります。 ◯佐々木委員 この際、市民農園、農業公園制度について質問をいたします。  生産緑地法の施行に伴い、緑を守り、土と農に親しむため、市民農園、農業公園という公的施設が重視されています。生産緑地の指定状況と市民農園の現状、都の基本的考え方と支援策についてお伺いいたします。 ◯井上労働経済局長 生産緑地法が改正され、都においては平成四年末に約四千ヘクタールの農地が生産緑地地区として指定をされ、市街化区域内農地に対する指定率でございますが、区部で三六%、市部で五五・三%、東京都平均では五一・四%となっております。  今後、農地の減少が危惧される中で、市民農園は緑地として都民の期待も高まっておりまして、練馬区のように市民農園整備計画を立てて保存を図っている自治体もございます。平成四年三月における区市町村の開設する市民農園は、十区十五市一町で三百二十三農園でございます。  市民農園は、都民が農作業を通じて土と親しみ、農業への理解を深めるとともに、農地を保全し都市に貴重な緑地空間を確保するという重要な役割を果たしております。  東京都といたしましては、昨年十二月に市民農園整備基本方針を定めたところでございますが、今後とも、市民農園や農業公園の支援策を検討し、その普及拡大に努めてまいります。 ◯佐々木委員 都営地下鉄十二号線、大泉学園延伸について質問いたします。  都営地下鉄大泉学園方面への延伸計画の計画年次、目標、基本設計とそれに伴う駅の数、設置場所、出入り口の位置決定と、地元住民の意向に対する対応についてお答え願います。 ◯宮端交通局長 地下鉄十二号線の光が丘から大泉学園町への延伸について、交通局では、昨年度の地質調査に引き続き、今年度は基本設計を実施しているところであり、今後、道路の整備状況に合わせて事業着手ができますよう、免許申請の準備をしているところでございます。  お尋ねの計画年次、目標等につきましては、都市計画決定の際、明らかにできるものと考えております。  次に、駅の数及び設置場所につきましては、基本設計において土支田・高松土地区画整理事業区域内、及び補助二三〇号線の第二次事業化計画の終点である補助一三五号道路との交差部周辺、並びにこの両駅の中間位置付近の三駅を検討しているところでございます。  また、出入り口につきましては、基本的に一駅二カ所とし、地域の状況、乗客の利便、技術的条件、用地の確保等を総合的に勘案し、あわせて、関係者や地元区とも協議をして決めてまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 次に、放射部、練馬─新宿間の建設状況はどうか、お答え願います。 ◯宮端交通局長 新宿─練馬間の建設状況についてでございますが、新宿、西新宿の両駅部につきましては、土どめ壁工事が終了し、掘削工事を行っており、ことしの夏にはシールドの掘進を予定しております。また、十二社駅部については、土どめ壁工事がほぼ終了し、南長崎、豊玉の二駅部については掘削工事を行っております。  しかし、中野坂上、東中野、中井の三駅部につきましては、現在、掘削工事に向けての諸工事を行っている状況でございます。 ◯佐々木委員 環状六号線関連の進捗状況が厳しいといわれている中で、西武新宿線中井駅との接続による部分開業が考えられますが、この点についてお答え願います。 ◯宮端交通局長 ご指摘の中井駅までの部分開業につきましては、西武新宿線との接続により地下鉄十二号線の利便性が向上する点からは、意義あるものと考えます。  しかしながら、現在の中井駅部周辺の進捗状況は、中野坂上、東中野の二駅と同様に、掘削工事に必要な用地取得が難航している箇所があり、中井駅だけを先行して部分開業することは困難な状況でございます。  交通局といたしましては、今後とも、首都高速道路公団等と協力いたしまして、環状六号線三駅部の用地取得に全力を傾注し、新宿─練馬間を一日も早く開業できるよう努めてまいる所存でございますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ◯佐々木委員 交通政策に関連して質問いたします。  第一に、物流対策について。  都市と物流を考えますと、都心部を中心とした面輸送、いわゆる宅配など商業、個別輸送問題であります。対策としてトラックパーキング、荷さばき場、ビル内物流導線と駐車場の設置であります。対策を伺います。 ◯岡本東京都技監 ご提案の荷さばき場やトラック用駐車場等の整備は、集配効率の向上や路上駐車問題の軽減に資する有効な対策と考えております。  都としましては、今後、貨物車の駐車特性に留意した荷さばき場等の施設整備の方策につきまして、国等関係機関と連携を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◯佐々木委員 幹線輸送は、原材料など主に大量輸送であります。NOx対策、輸送量の確保を考え、拠点間物流管路輸送が考えられますが、見解を伺います。 ◯岡本東京都技監 昨年八月に発表されました国の第十一次道路整備五カ年計画の案では、自動車交通に代替する新たな物流システムの開発研究を進めるとされております。  お尋ねの輸送システムにつきましては、今後の物流対策の一つの課題と考えておりまして、都としては、国の動向を見守りつつ、必要な研究を重ねてまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 交通量、NOx対策について質問いたします。  NOx対策に関連して、運輸労働者は、市場の休み、学校週休二日制の土曜日の全面運休に協力するといっております。都は、この提案に対応した交通量抑制策を進めるべきと考えますが、どうでありましょうか。 ◯竹尾環境保全局長 冬季の自動車交通量対策は、都の要請に対する事業者等の協力が都民に比べて低く、必ずしも十分な抑制効果が上がっていないのが現状でございます。  したがいまして、今後、ご提案の趣旨も踏まえまして、社会経済状況の変化に対応したより効果的な対策が実施できるよう、さらに研究を進めてまいります。 ◯佐々木委員 都のNOx対策について、国への協力要請はどのように行ってきたのか、お答え願います。 ◯竹尾環境保全局長 都は、窒素酸化物対策といたしまして、冬季の自動車交通量対策、低公害車普及促進など、可能な限りの対策を講じてきたところでございます。  しかしながら、自動車に対します窒素酸化物対策は、何と申しましても国の施策が基本でありますので、機会をとらえまして、自動車排出ガス規制の強化、効果的な自動車交通量の抑制対策の推進、低公害車の技術開発等につきまして、要望を行ってまいっております。 ◯佐々木委員 痛い痛勤から快適通勤へと要請が強まる中、旅客輸送力の増強策について質問いたします。  運政審答申計画の進捗状況はどうか。 ◯岡本東京都技監 昭和六十年七月の運輸政策審議会第七号答申の整備計画では、平成十二年度までに新設または複々線化することが適当な路線として、都内では地下鉄十二号線等十九路線が示されており、現在までに、部分開業を含めて、地下鉄七号線等十二路線が開業しております。 ◯佐々木委員 ラッシュ時の混雑率二五〇%以上、二三〇%以上、二〇〇%以上、一八〇%以上、一八〇%以下、線区数でお答え願います。 ◯岡本東京都技監 都市交通年報によりますと、平成二年度現在で東京における鉄道の主要営業路線は三十四路線あり、そのうち、最混雑一時間当たりの混雑率が二五〇%以上の区間を持つ路線は三路線、同様に二三〇%以上二五〇%未満の路線は三路線、二〇〇%以上二三〇%未満の路線は八路線、一八〇%以上二〇〇%未満の路線は十路線、そして一八〇%未満の路線は十路線でございます。 ◯佐々木委員 混雑率緩和のための施策について示していただきたい。 ◯岡本東京都技監 鉄道の混雑緩和対策としましては、新線建設や複々線化事業のほか、相互乗り入れ、車両の長編成化、スピードアップ、信号の合理化、運転間隔の短縮等の諸施策が挙げられます。 ◯佐々木委員 新線建設、複々線化、輸送力増強線区間の連絡通路、改善工事などの資金体制の支援策の現状と今後の対応について示していただきたい。 ◯岡本東京都技監 新線建設や複々線化等の鉄道整備に対する財政的支援策としましては、国と都による助成制度として、地下高速鉄道建設費補助や民鉄線利子補給制度、無利子貸付制度等がございます。  都はこれまでも、膨大な資金を必要とする大規模改良工事に対する補助制度の適用や、地下鉄建設の補助率の拡大等を国に対し要望してきたところでございますが、今後とも助成策の一層の充実を図るため、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。 ◯佐々木委員 外郭環状道路の大泉インターの開通に伴う交通渋滞対策について質問いたします。  外環大泉インター開通時期、交通量の予測、谷原交差点の交通量の変化と対策、及び主要な公共交通であるバス路線などの通過点となっている一三五号、放射七号の接点、北園交差点の渋滞対策の対応を示していただきたい。 ◯石川建設局長 まず、外郭環状線大泉インターチェンジの開通は、平成五年度中の予定と聞いています。  次に、交通量の予測についてでございますが、日本道路公団では、平成六年における外郭環状線の日交通量は四万七千台で、そのうち大泉インターチェンジを利用する交通量は一万二千台と予測しています。また、関越道の練馬インターチェンジを利用する日交通量は、関越道の交通量のうち三万五千台が外郭環状線に分担されることなどにより、二万二千台減少すると推計しています。  これらのことから谷原交差点の西側、関越道方面の日交通量は一割程度減少すると考えられますが、交通量の変化の方向性を考慮いたしますと、交差点の西側と南側、井荻方面とを結ぶ上りの右折、下りの左折の交通量が増加することが懸念されます。このため、谷原交差点における交通量の変化を考慮した対策について、今後、関係機関と協議、検討を進めてまいります。  最後に、渋滞対策についてでございますが、ご指摘の北園交差点は、練馬区北西部地域と西武池袋線大泉学園駅とを結ぶ多くのバス路線の通過点ともなっています。大泉インターチェンジ開通に伴い、この交差点で現状以上の渋滞が懸念されます。バスなどの交通の円滑化を図るための渋滞対策について、地元区及び公安委員会等の関係機関と連絡をとりながら対応してまいりたいと考えております。 ◯佐々木委員 次に、資源ごみ対策について質問いたします。  最終処分場確保、ごみ減量行動の重要施策として、資源収集計画がつくられました。この計画に至った経緯、平成五年度予算に対する要求額、新規計画の予算化がなされなかった理由を示していただきたい。 ◯植野清掃局長 資源ごみ収集を計画しましたのは平成三年でございまして、当時既に地球環境を保全する観点から、ごみ問題への適切な対応が国際的な課題となっておりました。一方、東京都におきましては、ごみの急増は深刻をきわめ、新海面処分場の供用が始まる予定の平成八年度には、可燃ごみの全量焼却を達成することが強く求められておりました。  こうした状況に対応するため、都はごみ減量化行動計画と清掃工場建設計画を策定し、その中で資源ごみ収集は、ごみ発生量の一七%削減する目標を二三%に引き上げるために、行政みずからが実施する減量施策として計画したものでございます。また、平成五年度拡大分の経費としましては、事業費約五十六億円を見積もったところでございます。  次に、資源ごみ収集の拡大を見送った理由についてでございますが、本年一月に特別区長会において、二十三区が全力を挙げてリサイクルに取り組むことが表明されました。この中で、都の資源ごみ収集により減量が予定されていた分につきましても、各区それぞれの実情に応じた方式で減量に取り組むこととされたところでございます。  都といたしましては、住民に身近な自治体である特別区が、これまで以上に主体的かつ積極的に減量、リサイクル事業に取り組むことを尊重いたしまして、モデル事業の拡大を見送ることとしたものでございます。 ◯佐々木委員 五年度の都心五区はどこの区か。二、五、七、九計画といわれる二十三区収集計画について、年次別に区名を示していただきたい。 ◯植野清掃局長 平成四年度の資源ごみ収集モデル事業は、住宅地域で実施いたしましたので、五年度の拡大分につきましては、都心区など業務地区を中心として五区を想定いたしました。  なお、具体的な区名につきましては、これは都区間で協議すべきものでございまして、拡大を見送った現段階では、公表は差し控えさせていただきたいと存じます。 ◯佐々木委員 二十三区が責任を持って資源ごみ収集をするということでありますが、平成五年度の都心五区の収集計画と該当五区の五年度計画を数量的に示していただきたい。 ◯植野清掃局長 平成五年度に都が拡大を計画した資源ごみ収集量は、十月から実施するといたしまして、紙類で約二万トン、瓶類で約六千トン、缶類で約四千トン、合計で約三万トンと見込んでおりました。また、今後の特別区が行うリサイクルにつきましては、先般、特別区長会が決定した平成五年度リサイクル事業の推進方針を踏まえまして、現在、特別区リサイクル担当部長会において検討している、このように伺っております。 ◯佐々木委員 二十三区全体に展開した場合の資源ごみ収集は、計画最終年三十万トンと聞いております。二十三区における実行計画はあるのか。また、どのようにして計画を立てようとしているのか。都の指導、連携体制も含めてお答え願いたい。 ◯植野清掃局長 ただいまお答え申し上げましたとおり、特別区が行うリサイクルにつきましては、現在、特別区リサイクル担当部長会が中心となって、各区の実情に応じて検討していると聞いております。都といたしましては、特別区のリサイクル事業に対して、情報やノーハウの提供等、側面からの支援を強化してまいる所存でございます。 ◯佐々木委員 モデル事業の拡大を見送った背景が、区長会の表明、担当部長会の検討では、減量計画の裏づけになりません。お答え願います。  また、ごみ発生量の削減を一七%から二三%に引き上げということでありますが、トン数にすると何トンか、お答え願いたい。 ◯植野清掃局長 特別区が行うリサイクルにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、現在、特別区リサイクル担当部長会で検討しているところでございますが、近々、私どもとも協議の場を持てるようになる、このように聞いております。都といたしましては、特別区とも十分協議いたしまして、必要な指導、支援を行ってまいりたいと存じます。
       〔佐々木委員「答えがまだ残っているよ」と呼ぶ〕 ◯植野清掃局長 資源ごみ収集が二十三区に展開されたとしまして、平年度化される平成八年度では、紙類で二十一万三千トン、瓶類で六万七千トン、缶類で四万八千トン、合計で三十二万トンの資源ごみが回収できるものと試算しておりました。 ◯佐々木委員 五区の名前が発表されないわけでありますけれども、東京都は五区を想定しているわけであります。想定された五区の平成五年度のリサイクル予算はどうなっているのか。削減計画は実行されるのか。お答え願いたい。 ◯植野清掃局長 先ほども申し上げましたとおり、個別の区名につきましては公表できませんので、ご指摘の五区のリサイクル予算というものにつきましても、申し上げることができません。 ◯佐々木委員 五十六億円を予算として要求したときには、想定された五区がはっきりしている。そこのごみの出される量もはっきりしている。その上に立って組み立てているはずであります。減量計画なくして予算要求をカットしたということは、東京都の理論的な背景のもとに予算編成を行っているという、これまでの予算編成のあり方とは考えられません。都が想定した五区を改めて示していただきたい。 ◯植野清掃局長 再三申し上げますけれども、この実施に当たっては特別区と協議するということになっております。そして見送った段階では、これを公表する意味もありませんので、これは公表は差し控えたいと存じます。 ◯佐々木委員 総務局長にお尋ねいたします。  区長会の協議内容を明らかにしていただきたい。 ◯大森総務局長 一月十四日、区長会がございました。後に区長会事務局から聞いたところによりますと、区長会におきましては、東京都のモデル事業の拡大について新聞報道等がございました。また昨年、モデル区でのいろいろな経験を踏まえまして、議論があったそうでございます。一つは、町会自治会の集団回収と都が直接行うモデル方式の二本立てでは、住民にとってわかりにくいということ、それから、リサイクルは住民に身近な区がきめ細かく行うことによりまして大きな成果が期待できる、区本来の役割になじむ事務であるということから、基本的にリサイクルは区がやるべきであるというような意見が出されまして、平成五年度リサイクル事業の推進方針等についてという題のものが決定をされたというふうに聞いております。 ◯佐々木委員 抽象的な答弁で、東京都がリサイクル都市東京を標榜し、そして当初計画を達成しようとしたその決意が、今の答弁では実行できないんじゃないですか。どうするんですか、答えていただきたい。 ◯植野清掃局長 特別区は、都の資源ごみ収集として計画した分も含めてリサイクルに取り組む、こういうふうに表明されております。都区が協力いたしまして、平成十二年度二三%削減目標を達成できますよう、私どもも努力してまいると同時に、支援に努めてまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 これらの答弁は不満であります。時間がないので先に進みますが、都条例はいつから施行されるのですか。 ◯植野清掃局長 本年四月一日でございます。 ◯佐々木委員 新条例の十二条はどのように書かれておりますか。 ◯植野清掃局長 十二条、再利用等による減量の項でございまして、「知事は、資源ごみの収集、廃棄物の処理施設での資源の回収等を行うとともに、物品の調達に当たっては、再生品を使用する等により、自ら再利用等による廃棄物の減量に努めなければならない。」。 ◯佐々木委員 知事は資源の回収などを行うとともにと書いてあるわけであります。知事はという意味はどういうことですか。 ◯植野清掃局長 文字どおり東京都ということでございます。 ◯佐々木委員 資源ごみの回収を区に任せる、これは今の条例と違うじゃないですか。知事はという文字を、区長はと読みかえることができるんですか。 ◯植野清掃局長 条例十二条に書いてある資源ごみ収集、これは区長はできません。しかし、今区で行おうとしている事業は、有価物の回収でございまして、都が行う資源ごみ収集、廃棄物の再利用を目的とした分別収集とは異なるわけでございます。 ◯佐々木委員 時間がありませんから次に進みますが、特別区の対応は民間に頼らざるを得ません。民間の資源ごみ回収能力はあるのですか。現在の回収能力と育成策を示していただきたい。 ◯植野清掃局長 特別区の執行体制、これにつきましては現在区側で検討しておる、このように聞いておりますが、都内における資源回収業につきましては、再生資源取扱業施設は約千施設ございます。また、施設を持たない収集人は約五百六十人いるという現状でございます。  資源回収業者に対する育成、支援につきましては、これまでも廃棄物処理手数料の減免措置を講ずるとともに、税制上の優遇措置について国に要望してきたところでございます。また、資源回収業者が業として成り立ち、経営基盤の強化が図れるよう、現在、育成、支援方策の調査を実施しているところでございます。この調査結果を踏まえまして、支援に努めてまいる所存でございます。 ◯佐々木委員 集団回収団体の回収支援策を回収業者に適用できませんか。 ◯植野清掃局長 資源回収業者への支援策につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、現在、資源回収業者の育成、支援方策の調査を実施しているところでございます。この調査結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 回収業者への用地支援策はありませんか。 ◯植野清掃局長 資源業者への用地支援策につきましては、共同ストックヤードなどの整備等が考えられるわけでございますが、これらにつきましても、先ほど申し上げました育成、支援方策の調査をしているところでございますので、この調査結果を踏まえて対応してまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 製造業、流通業者責任に対する対策として、デポジット条例などを検討すべきではないかと思いますが、お答え願います。 ◯植野清掃局長 デポジット制度につきましては、ごみの減量等の面から有効な制度であると考えております。このため、都は現在、その調査研究を行っているところでございます。また、この制度を効果的に実施するためには、広域的な取り組みが必要でございまして、国においても現在種々の検討が進められていると聞いております。こういったものを踏まえまして、国とも協議しながら、必要なことを国にも働きかけてまいりたいと、このように考えております。 ◯佐々木委員 回収業者を含めたリサイクル対策の協議体制をつくるべきでありますが、お答え願います。 ◯植野清掃局長 リサイクルを円滑に進めるために、回収業者を含めた関係者の協議体制が必要なことはご指摘のとおりでございます。このため都は、既に古紙について、製紙メーカー、問屋、回収業者、行政から成る古紙資源化関係者懇談会を設置いたしまして、対策を協議しているところでございます。今後、他の品目につきましても協議の場を順次拡大してまいりたいと存じます。 ◯佐々木委員 平成八年度、資源ごみ収集三十万トン体制の責任ある計画と決意を示していただきたい。 ◯植野清掃局長 資源ごみ収集につきましては、先ほども申し上げましたとおり、特別区長会が全力を挙げてリサイクルに取り組むと表明いたしましたので、この特別区の取り組みを期待いたしまして、モデル事業の拡大を見送ることとしたものであります。したがって、今後は特別区が資源回収を行い、都としてはリサイクル事業に対しノーハウの提供等指導、支援を強化してまいりたいと存じております。 ◯佐々木委員 都として、三十万トン収集体制の都の重要性を認識し、都が区、関係者と協力して資源回収に責任を持つべきであると考えます。知事の決意を伺います。 ◯鈴木知事 ごみの減量、リサイクルを促進することは、東京のごみ問題を解決するとともに、地球環境保全の観点からも極めて重要であると認識しております。東京のごみ量は昨今やや減少したとはいえ、依然高水準の厳しい状況にあります。したがって、都としては、引き続きごみ減量化行動計画を着実に推進していく決意であります。 ◯佐々木委員 資源ごみのモデル事業については、矛盾が明らかだろうと思います。今回の資源ごみモデル事業の拡大を見送ったことは、分権という大義名分のもとに、都の清掃資源ごみ事業に責任ある対応をしたと私は考えておりません。リサイクル都市東京を掲げ、社会経済システムを循環的な仕組みに変えるという理念から離れていると思います。新都条例施行に当たり、行政事務の実行に当たっては、条例を誠実に守っていただくことを要望し、私の質問を終了いたします。(拍手) ◯仁木委員長 佐々木ひろゆき委員の発言は終わりました。      ────────────── ◯仁木委員長 曽雌久義委員の発言を許します。 ◯曽雌委員 初めに、羽田空港沖合展開事業について伺います。  昨年末の本会議で第二期供用開始時期について質問した際、平成五年九月との答弁でしたが、その後正確に決まりましたか。 ◯岡本東京都技監 本年二月二十六日に開催されました第三十四回羽田空港移転問題協議会におきまして、運輸省は、西側ターミナル施設の供用開始予定日を平成五年九月二十七日と発表したところでございます。 ◯曽雌委員 第二期の供用開始に向け、公共交通機関の整備状況はどうなっていますか。 ◯岡本東京都技監 まず、東京モノレール羽田線につきましては、西側ターミナル施設の供用開始予定日に合わせて、このターミナル地下の羽田空港駅まで延伸される予定となっております。また、京浜急行空港線につきましては、東京モノレールとの接続駅であります羽田駅まで、本年四月一日に開業する予定でございます。 ◯曽雌委員 空港へのアクセスの改善を図る上で重要な課題であります、京浜急行蒲田駅付近連続立体交差事業の現状について伺います。 ◯石川建設局長 京浜急行蒲田駅付近の連続立体交差化につきましては、東京都といたしましてもその必要性を十分認識し、国に要望を重ねた結果、平成二年度に新規事業として採択されたところでございます。現在、事業化に向け、鉄道事業者並びに地元区など関係機関と調整中でございます。 ◯曽雌委員 いまだ事業化されない問題点は何ですか。 ◯石川建設局長 連続立体交差事業におきましては、道路との立体化と合わせ、まちづくり事業が極めて重要であります。とりわけ京浜急行蒲田駅付近では両事業の一体的整備が課題であり、まず大田区によるまちづくり計画の具体化が必要でございます。また、この事業では、鉄道の機能増強が予定されており、それに伴う費用負担の取り扱いが問題となっています。 ◯曽雌委員 京浜急行本線における連続立体交差事業に関して、今後の見通しと都の取り組みについて伺います。 ◯石川建設局長 事業化に当たりましては、地元大田区のまちづくりの具体化と鉄道事業者との費用負担に関する調整などが必要でございます。今後、これらの課題を解決するとともに、環境影響評価や都市計画決定の手続に入るなど、早期事業化に向け努力してまいります。 ◯曽雌委員 羽田沖埋立地の処分価格の国との交渉は、本年度末までには協議成立を図るとしていましたけれども、見通しはどうでしょうか。 ◯藤中港湾局長 羽田沖埋立地の処分価格につきましては、埋立地が昨年九月に竣功したことを踏まえまして、本年度末までに国との協議成立を図るべく努力をいたしてまいりました。しかしながら、羽田沖埋立地は、土地利用が空港としての利用に限定されていること、基盤整備がなされていない極めて広大な埋立地であること、使用に際しては、軟弱地盤対策として地盤改良が必要な土地であることなどの特殊性がございますので、処分価格を確定するには、なお若干時間を要する状況でございます。 ◯曽雌委員 検討している処分価格は時価ですね。 ◯藤中港湾局長 東京都埋立地開発規則によりますと、埋立地の処分に係る価格は、適正な時価により評定した額をもって定めることとされております。羽田沖埋立地につきましても、この規則に基づいて処分価格を決定することといたしております。 ◯曽雌委員 では、跡地の利用計画について伺います。  跡地の規模は、今まで二百ヘクタールといわれていましたが、現在はどのようになっていますか。 ◯岡本東京都技監 沖合展開後の空港外用地、いわゆる移転跡地の規模は国と協議して決めることとしておりますが、おおむね二百ヘクタール程度になるものと理解しております。 ◯曽雌委員 その跡地の取得について、従来から都は埋立地と一体的に解決をするとしてきました。埋立地処分の協議成立が間近となってきましたが、跡地についてはどのようになっておりますか。 ◯岡本東京都技監 西側ターミナル施設の供用開始に伴って移転する施設は、国内線のターミナル施設全部と整備施設の一部でございます。沖合展開事業の進展によりまして跡地利用が可能となるのは、なおしばらく時間を要する見込みでありますので、跡地につきましては、今後引き続き国と協議してまいりたいと考えております。 ◯曽雌委員 従来、地元大田区や都がそれぞれ跡地利用計画を策定してきましたけれども、今後は、都、国、大田区及び地元区代表等が一体となりまして利用計画を策定した方がよいのではないかと、このように考えますが、いかがでしょうか。 ◯岡本東京都技監 羽田空港移転跡地の利用計画を策定するに当たりましては、ご提案の趣旨も踏まえて、今後検討してまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 最後に、羽田空港に隣接する地区には大田区の羽田臨空タウン整備構想があり、土地利用計画の検討を進めています。区とも連携をとり、整合性ある跡地利用計画を策定されるよう要望いたします。  次に、交通を支えるとともに、防災や環境保全上重要な機能を果たしている道路の整備について伺います。  東京の道路率と都市計画決定延長及びこの道路の整備状況はどうなっていますか。 ◯岡本東京都技監 平成三年度末現在において、道路率は区部一四・九%、多摩五・一%でございます。また、都市計画道路の延長は、区部千七百五キロメートル、多摩千三百八十一キロメートルであり、完成率はそれぞれ五四%並びに三九%でございます。 ◯曽雌委員 計画決定だけされて、建築制限がかかり、困っている人がたくさんいます。区部道路の今後の整備スケジュールと前期事業化路線の選定理由について伺います。 ◯岡本東京都技監 都市計画道路の整備につきましては、第二次事業化計画におきまして、平成三年度からおおむね十年以内に優先的に着手または完成すべき路線として、前期事業化予定路線百七十九キロメートルを選定し、順次事業化を図っているところでございます。この選定に当たりましては、都市機能の確保や都市防災の強化などの基本目標を効率的に達成することを目指し、整備の緊急性等を勘案し定めたものでございます。 ◯曽雌委員 平成三年度以降の実績と、五年度予算措置を踏まえた今後の見込みについて伺います。 ◯石川建設局長 都市計画道路整備の前期事業化予定路線のうち、都施行街路事業につきましては、平成三年度に八カ所、四千六百四十メートルを、平成四年度に三カ所、千三百三十メートルを事業化しています。平成五年度以降につきましては、今後の財政状況を勘案しつつ、より一層の効果的、効率的な事業執行に努め、計画達成に向けて努力してまいります。 ◯曽雌委員 大田区の中心である大森と蒲田地区を結び、バス路線にもなっている補助二七号線の計画と現状について伺います。 ◯石川建設局長 大田区内の補助二七号線は、約四六%が完成しています。残る環状七号線から補助三六号線付近までの間延長約千八百六十メートルは、都市計画道路の第二次事業化計画に位置づけられています。このうち、補助三四号線から補助三六号線付近までの間約八百メートルにつきましては、昨年十一月に地元説明会を開催し、現在、現況測量を実施しているところでございます。 ◯曽雌委員 補助二七号線は、交通環境の改善や沿道の商店街の活性化等の観点から、一刻も早い拡幅整備が求められています。今後の事業見通しについて伺います。 ◯石川建設局長 現在、現況測量を実施中の箇所につきましては、平成五年度に用地測量を行い、その後、事業認可を取得して事業に着手していく予定でございます。この区間における事業の進捗状況を踏まえて、残りの区間につきましても順次事業化を図ってまいります。 ◯曽雌委員 次に、都市整備用地先行取得について伺います。  この制度の目的と、最近三年間の申込件数、面積と買収実績はどうなっていますか。 ◯岡本東京都技監 都市整備用地先行取得制度の目的は、安全な都市づくり、快適な生活環境の整備、良好な自然環境の保全等の施策を円滑に推進するため、工場等の跡地、道路、公園等の都市施設の用地及び保全緑地の区域内の土地を公募の上選定し、先行取得するものでございます。  また、本制度にかかわる売却申込件数及び延べ面積は、平成二年度は百件で四〇・九ヘクタール、平成三年度は百五十三件で四九・七ヘクタール、平成四年度は二百六十五件で六八・三ヘクタールでございます。  また、買収実績につきましては、平成二年度は五十四件で一三・三ヘクタール、平成三年度は七十一件で一九・四ヘクタール、そして平成四年度は約九十件で、約二十二ヘクタールを取得する見込みでございます。 ◯曽雌委員 バブルの崩壊とともに、都への申し込みが急増しています。私は、今こそ都市計画道路や公園等の整備を行うチャンスと思いますが、予算枠の推移を示していただきたい。 ◯岡本東京都技監 平成三年度の実績は三百十億円、平成四年度の実績見込み額は約三百九十億円であり、現在ご審議をいただいております平成五年度の予算枠は三百三十億円でございます。 ◯曽雌委員 五年度の申し込みを受けて後の選定方法とスケジュールを明らかにしてください。 ◯岡本東京都技監 買収候補地の選定につきましては、当該用地の都市計画上の意義、関係局の意向及び現地調査の結果などを踏まえ、関係局長等で構成する先行取得用地選定委員会におきまして総合的に判断し、取得すべき土地の優先度を定めているところでございます。  また、平成五年度の買収候補地の選定は、本年五月を目途に行う予定でございます。 ◯曽雌委員 私どものところへ相続問題にかかわる深刻な悩みの相談が多く持ち込まれています。相続問題が原因の申し込みはどのくらいありますか。 ◯岡本東京都技監 本年二月に受け付けを行った平成五年度の申込件数は三百三件でございます。このうち、売却理由に相続を挙げている件数の割合は、全体の約一五%でございます。 ◯曽雌委員 相続問題は大変に深刻なものがあり、位置等同じような応募の中では優先して買収してはどうかと、このように思いますが、見解を伺います。 ◯岡本東京都技監 買収候補地の選定を適切に行うために、これまでも申し込み受け付けに際して売却理由の確認等を行ってきたところでございます。今後とも、ご指摘の点も踏まえながら、都市整備用地の先行取得に当たりましては、より一層きめ細かな対応を図ってまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 また、道路等事業用地の買収により移転を余儀なくされる用地関係人の方々への配慮も必要でございます。生活再建施策の内容を伺います。 ◯石川建設局長 公共事業の施行に伴い移転を余儀なくされた関係権利者に対しまして、生活再建の自主的努力を側面から助成するため、移転資金の貸し付け、公営住居の入居あっせん、代替地の提供などの措置を講じています。 ◯曽雌委員 道路、公園等の事業用代替地の確保策、代替地の取得及び売り払い実績と、五年度の予定を規模と金額で示してください。 ◯石川建設局長 事業用代替地の取得につきましては、建設事務所などを通じて、関係権利者の意向に十分配慮しながら、適地を取得しているところでございます。また、土地バンクなど、都有地につきましても適切に活用しているところでございます。  次に、代替地の取得及び売り払いについてでございますが、平成四年度の取得は約一万五千五百平方メートル、百十五億円、売り払いは約六千六百平方メートル、八十二億円の見込みでございます。また、五年度の取得は約二万平方メートル、百二十億円、売り払いは約六千三百平方メートル、四十三億円を予定しています。 ◯曽雌委員 事業用代替地の四年度及び五年度末の保有状況はどうなっていますか。 ◯石川建設局長 平成四年度末の事業用代替地の保有状況は約十一万一千平方メートル、五年度末には約十二万五千平方メートルとなる予定です。 ◯曽雌委員 私は、道路、公園の用地取得に当たり、代替地の提供、そのための適地取得が用地関係人にとりましても、また、事業を円滑に進めるためにも重要な課題であると考えますが、今後の取り組みについて伺います。 ◯石川建設局長 関係権利者の生活再建にとって代替地の提供は極めて重要な課題であると認識しています。このため、今後とも関係権利者の希望に沿った代替地の取得に鋭意努めてまいります。 ◯曽雌委員 次に、東京の漁業振興について伺います。  島しょ地域では資源の減少により漁獲が低迷しています。一方、東京内湾や河川では、釣り、潮干狩りなど、都民の多様なレクリエーションの場としての重要性が再認識されるようになっています。こうした状況を踏まえまして、東京の水産業の現状とこれまでの水産業振興への取り組みについて伺います。 ◯井上労働経済局長 まず、現状でございますが、島しょ漁業につきましては、貝類などの沿岸漁業資源やトビウオなどの回遊魚の減少によりまして、漁業生産が低迷しており、平成三年の漁獲高は六千六百二十九トン、五十二億八千九百万円でございます。一方、内湾は、漁場の縮小など、漁業環境は厳しくなっておりますけれども、水質は改善されつつあり、平成三年の漁獲高は一千二十九トン、九億五千百万円でございます。また、河川など内水面は、都民にレクリエーションの場として利用されております。  このような現状を踏まえまして、水産業の振興を図るため、島しょにおきましては魚礁の設置や増殖場造成等の漁場の整備開発を進めるとともに、栽培漁業の育成などを推進しております。内湾におきましては、生物と環境のかかわりを把握する調査や、魚の生育と水質浄化に必要な藻類の繁殖試験などを行っております。内水面においては、魚の放流事業推進のための養殖基盤の整備などを行っているところでございます。 ◯曽雌委員 今日の水産業の課題は何ですか。
    ◯井上労働経済局長 課題でございますが、島しょにおきましては、二百海里体制の定着によります全国的な沿岸漁業の見直しを踏まえまして、今までのとる漁業から、つくり育てる漁業への転換を図り、資源管理型漁業を展開することが最も大きな課題でございます。  内湾や内水面におきましては、水域環境が変わろうとしている中で、魚介類が自然繁殖し得るような生物豊かな水辺環境を回復保全し、都民のレクリエーション需要などにこたえていくことが課題でございます。 ◯曽雌委員 新たな情勢変化を踏まえまして、それらの課題に今後、どう対応していくお考えですか。 ◯井上労働経済局長 情勢の変化に対応するためには、新たな視点に立ちまして、島しょ漁業の活性化を図るとともに、内湾や河川の親水機能を高めることが必要と考えます。このため、これまで実施をしてまいりました漁業振興策を充実するとともに、試験研究体制などを強化しまして、科学的データや都民ニーズを踏まえた新たな施策の展開を図ってまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 試験研究機関の調査研究体制は現在どうなっていますか。 ◯井上労働経済局長 水産関係の試験研究機関といたしましては、葛飾区水元に水産試験場の本場があり、各分場を統括し、広域的課題に対応しているところでございます。  奥多摩、大島、八丈島に分場があり、小笠原には水産センターが設置されており、それぞれの地域の課題に関する調査研究を実施いたしております。 ◯曽雌委員 現体制で資源管理型漁業や生物豊かな水辺環境づくり推進のための試験研究は可能ですか。 ◯井上労働経済局長 今後、資源管理型漁業などを推進していくためには、島しょ海域や内湾、内水面の広域的、組織的調査など、生物資源に関します科学的データの積み重ねに基づく試験研究が必要不可欠でございます。しかし、現状は本場の立地条件などから見まして、これらの新たな試験研究を実施していくことには制約が多い状況にございます。 ◯曽雌委員 試験研究機関の機能強化を図るべきだというように思いますが、いかがでしょうか。 ◯井上労働経済局長 試験研究機関の機能強化につきましては、昨年十月の農林漁業振興対策審議会の中間答申におきましても、海面を使った技術の高度化とともに、企画機能や他研究機関との調整機能、情報交換機能等の強化が必要であり、そのために試験研究体制を再編強化すべきと提言されております。今後、この答申の趣旨などを踏まえまして、機能強化を図ってまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 水産試験場の本場は、条件を満たしている内湾に面するところに移転すべきではないか、このように私は考えますが、所見を伺います。 ◯井上労働経済局長 東京の水産業の振興のためには、資源管理型漁業を推進するとともに、各種の都市施設の整備によりまして、海域環境が変わろうとしております東京内湾や内水面を生物豊かな水辺環境としていく必要がございます。このためには、ご提言のように、本場が内湾に面した地域に位置し、島しょと内湾を含めた広域的、総合的な試験研究機能を発揮することが望ましい方向と考えております。今後、関係各局とも十分協議をしながら、検討してまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 臨海開発にかかわる都市計画局、港湾局等の関係部局とも十分に協力をし合って、その実現方を要望いたす次第であります。  自然がもたらす恵みと資源を守り育て、自然との共生のもとに調和のとれた都市環境づくりや、二十一世紀の漁業といわれている資源管理型漁業を推進していくためには、水産試験場の機能強化がぜひとも必要と考えますが、知事のご所見を伺います。 ◯鈴木知事 ご指摘のとおり、調和のとれた都市環境づくりや資源管理型漁業を推進し、都民の期待にこたえていくためには、試験研究機能を強化していくことが必要であると存じます。今後、農林漁業振興対策審議会の答申等を踏まえ、長期的視点に立って、試験研究体制のあり方について検討してまいります。 ◯曽雌委員 次に、重症心身障害児対策について伺います。  重症心身障害児が、地域の中で家族とともに生活していけるよう、在宅サービスを充実していくことが重要と考えますが、知事のご所見を伺います。 ◯鈴木知事 在宅の重症心身障害児が生まれ育った地域の中で、家族とともに安心して充実した生活を送っていくためには、ご指摘のとおり、在宅サービスを充実することが重要と考えます。このため、全国に先駆け、都単独で訪問健康診査、訪問看護、通所事業を行ってまいりました。また、緊急入所事業などの在宅支援事業も実施しておるところでございます。今後とも、重症心身障害児に対する在宅サービスの充実に努めてまいります。 ◯曽雌委員 在宅重症心身障害児が家庭での介護が一時的に困難になった場合の対応策を伺います。 ◯中嶋衛生局長 家庭の事情等の理由によりまして、在宅の重症心身障害児の介護が一時的に困難となった場合、これに対応するために、都は、重症心身障害児施設等で受け入れ、医学的管理のもとに必要な介護等を行います緊急入所事業を実施いたしております。 ◯曽雌委員 緊急入所事業は、本人及び保護者にとって重要と考えますが、事業の実施施設と所在地を伺います。 ◯中嶋衛生局長 都内の緊急入所施設は、現在、九施設ございます。そのうち、区部には北区の都立北療育医療センター、豊島区の都立大塚病院、板橋区の社会福祉法人日本肢体不自由児協会心身障害児総合医療療育センターの三施設がございます。また、多摩地区には、東大和市の都立東大和療育センターなど六施設がございます。 ◯曽雌委員 平成六年度に開設を予定しています都立荏原病院におきましてぜひ緊急入所事業を実施すべきと考えますが、所見を伺います。 ◯中嶋衛生局長 荏原病院は平成六年度の開設に向けて工事を進めているところでございます。ご提案の荏原病院での緊急入所事業の実施につきましては、その事業の重要性や地域の状況等を十分考慮しつつ、検討してまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 次に、血液対策について伺います。  都の献血率は全国に比べてどうでしょうか。 ◯中嶋衛生局長 去る二月、厚生省は献血率と血液製剤の使用量を調査いたしまして、地域別の地図として発表いたしております。この調査によりますと、平成三年の一年間におきます献血率は、東京都は九・八%でありまして、全国の九・四%を若干上回っております。 ◯曽雌委員 最近、都内において輸血用血液の不足という状況はないのか、また、供給体制の整備はどうなっていますか。 ◯中嶋衛生局長 都におきます輸血用血液は、夏季及び冬季において採血量が少なくなりますけれども、この時期の一カ月間を献血推進強化月間といたしまして、普及啓発に努めることにより、年間を通じて順調に医療機関に供給されております。  次に、供給体制の整備についてでございますが、日本赤十字社八王子血液センターが老朽化、狭隘化していることから、立川市に移転整備する予定でございます。  また、献血ルームは、現在、十三カ所設置されておりますが、第三次東京都長期計画におきまして、平成十二年度までに合計二十一カ所とすることにしております。  都は、これら血液センターや献血ルームの整備に要する経費を補助し、血液の供給体制の整備を図っております。  今後とも、WHOの血液及び血液製剤に関する勧告を踏まえまして、血液事業の推進に努めてまいる所存でございます。 ◯曽雌委員 都民の善意に基づき提供された血液の適正な使用も重要と考えます。日本赤十字社東京支部長でもある知事のご所見を伺います。 ◯鈴木知事 ご指摘のように、都民の善意により提供されたとうとい血液は、適正に使用されなければならないと認識しております。  都の血液事業は、献血思想の普及、受け入れ供給機関の整備並びに適正使用の三つが柱であり、今後ともこれに基づきこれら事業の推進に努めてまいります。 ◯曽雌委員 血液事業は都民の生命と健康のために極めて重要ですので、今後とも一層施策を充実されるよう要望いたします。  ところで、JR新宿駅西口から都庁舎まで、いわゆる中央通り地下を知事はお歩きになったことがありますか。お歩きになっていれば、どんな感想、どんなことに気づかれましたか。 ◯鈴木知事 ワンデーストリートは歩いたことがございますが、中央通りは最近は歩いておりません。 ◯曽雌委員 では、路上生活者について伺います。  新宿駅周辺にはどれくらいの路上生活者がいますか。また、東京都全体ではどれくらいですか。 ◯檜垣福祉局長 大変に難しい問題でございまして、ご指摘の路上生活者の中には、常時野宿をしている者、あるいは何らかの事情があるときだけ野宿する者等がございます。また、場所も転々としているため、その数を正確に把握することは困難でございます。 ◯曽雌委員 聞くところによりますと、その数は約千三百人ともいわれています。あの人々がなぜ路上生活をしていると考えていますか。 ◯檜垣福祉局長 街頭相談を行っております関係区の福祉事務所の話によりますと、ふだんは簡易旅館や飯場などで生活をしておりまして、仕事につけない日だけ野宿をする者、仕事はしているけれども、旅館代を節約するために野宿をする者、何らかの理由でアパートを追われまして、次の住宅が確保できない者、アルコール症や精神障害などのため就労できない者など、さまざまなケースがあると聞いております。 ◯曽雌委員 それらの人に対し、都として仕事につけるような対策はとれないのですか。 ◯井上労働経済局長 公共職業安定所では、いわゆる路上生活者の方々についても、働く意思と能力があり、求職の申し込みをなされた場合につきましては、日雇いの仕事を含めまして仕事の紹介をすることができます。  今後、関係機関との連携のもとに、このような方々に対しまして、公共職業安定所の周知を図りながら、その利用促進に努めてまいりたいと考えます。 ◯曽雌委員 住宅に困窮し、野宿している人たちに対する対策はどうなっていますか。 ◯檜垣福祉局長 経済的な事情によりまして住宅に困窮している者に対しましては、生活保護法により住宅扶助が行われております。また、生活保護には該当しない場合でも、住宅に困っている方に対する福祉的な施策といたしまして、社会福祉事業法に基づく宿泊所が都内に二十八カ所設けられております。 ◯曽雌委員 アルコール症や精神病のために就労できない人に対する救済策はどうなっていますか。 ◯中嶋衛生局長 アルコール症や精神病のために就労できない人につきましては、医療機関において専門的な治療を受けることが必要でございます。都では、アルコール精神疾患専門病棟の整備を進めておりますほか、保健所や精神保健センターで、医師、保健婦により相談、指導等を行っているところでございます。 ◯檜垣福祉局長 アルコール症や精神病により就労できず、生活に困窮している方は、福祉事務所に生活保護の申請をいたしまして、必要な保護を受けることができます。  また、生活保護を受給している方に対しましては、福祉事務所が入院や自助グループへの参加指導等、専門的処遇につなげる努力をしているところでございます。 ◯曽雌委員 常時路上生活をしている人たちに対する救済策はどうなっていますか。 ◯檜垣福祉局長 生活に困窮している方が生活保護の申請をいたしますと、福祉事務所が要件の確認をした上で、生活保護を適用することになります。  また、繁華街など、路上生活者が多く集まる地域を管轄する区の福祉事務所では、年に数回、夜間街頭相談を実施しております。この街頭相談では、野宿している人々に声をかけて回りまして、必要とする人には、入院や施設の入所などの保護を行っているところでございます。 ◯曽雌委員 関係者の努力にもかかわらず、一向に改善されていません。  私は、二月二十六日午前零時過ぎ、中央通り地下を歩きながら、段ボールで囲いをつくり、就寝している路上生活者を数えてみましたらば、七十二人でした。最近では、昼間でも囲いを取り除くことなく、そのままという状況がふえています。こうした現状を道路管理者として建設局長はどう受けとめていますか。 ◯石川建設局長 道路管理者は、道路を常時良好な状態に保ち、交通に支障を及ぼさないように努めなければならないと考えています。  ご指摘の路上生活者の段ボールの囲いなどが歩行者の通行に支障が生ずる場合、地元区、地元警察署等と協力し、撤去を実施しています。  なお、今後とも通行に支障が生じないように、関係機関と協力の上、努力してまいります。 ◯曽雌委員 悪臭もひどい状況ですが、衛生上の問題はありませんか。 ◯石川建設局長 中央通り地下通路の臭気については、道路管理者として、日常の清掃により、その防止に努めているところでございます。衛生上の問題が生じないよう、今後とも、きめ細かい維持管理に努めてまいります。 ◯曽雌委員 路上生活者のこうした現状を知事はどう受けとめておられますか。 ◯鈴木知事 ご指摘の、いわゆる路上生活者の問題は、いろいろな側面を含んでおり、多面的な取り組みが必要であると認識しております。  これまで、地元区や関係機関と連携しつつ、福祉や道路管理などの面から対策を講じてきたところでありますが、今後もさらに連携を密にして、効果的な対応が図られるよう努めてまいります。 ◯曽雌委員 中央通り管理委員会とはどういう団体ですか。 ◯石川建設局長 中央通り管理委員会は、中央通り沿道の商店会及びビル関係者により組織された団体であり、中央通りの地下歩道の清掃美化に協力していただいています。 ◯曽雌委員 最近、この団体が中央通り地下通路に垂れ幕を掲げました。その内容をご承知ですか。 ◯石川建設局長 「歩きながらの喫煙はご遠慮下さい。吸い殻の投げ捨ては止めましょう」との掲示がなされていることは承知しています。 ◯曽雌委員 地下通路での喫煙について、東京都は職員にどのように指導していますか。 ◯大森総務局長 中央通り地下通路での喫煙の問題につきましては、新都庁舎移転の際に開催をされました庁内の会議におきまして、庁舎利用に関する他の一般的な注意事項とともに、その自粛を呼びかけたところでございます。  今後とも、職員に対して自粛を求めてまいりたいと存じます。 ◯曽雌委員 清掃はどのように行われていますか。 ◯石川建設局長 中央通り地下通路は、新宿駅ターミナルと都庁を結ぶ主要な通路となっており、多くの人が利用しています。これら利用者の快適な通行を確保するため、道路管理者として清掃作業を実施しています。  歩道の清掃につきましては、毎日の清掃と、月三回、洗剤を使用した自動洗浄機での水洗いを行っています。  さらに、沿道の団体である中央通り管理委員会と昭和五十九年に管理協定を結び、同団体による水洗い清掃を年十六回行っています。  そのほかに、壁面、柱、天井につきましても、定期的に洗剤を使用した清掃を行っています。  今後とも、良好な歩道環境を保持するよう努めてまいります。 ◯曽雌委員 ふるさと東京、世界都市東京のシンボルといわれている新都庁舎への道に、路上生活者はふえる、たばこの吸い殻が捨てられる、こうした状況に対し、都民のどんな声が届いていますか。 ◯石川建設局長 たばこの煙などによる異臭及び路上生活者による通行支障などの改善に関する要望がございました。 ◯曽雌委員 住所不定者の問題は、どこの国の大都市においても固有の問題として起きており、東京都においても、都市化が進む中で、近隣相互の扶助精神が希薄となり路上生活を送るようになった方、事業に失敗し、家族と別れた方など、さまざまな理由によりこのような生活を送っている方たちがいます。  したがって、解決の仕方もまた一人一人違うであろうと考えますが、人道上の問題、衛生上の問題、その町に住んでいる人々の思いなどを考えますと、決して放置してよい問題ではありません。  東京都は、区、市、住民の方々と協力をしながら、関連する各局と連携を図り、この問題の解決に向けて研究していただけるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ◯仁木委員長 曽雌久義委員の発言は終わりました。  以上をもちまして、付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯仁木委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。  部局別質疑は、当委員会設置要綱に定めるところにより、各常任委員会の調査をもってこれにかえることになっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。  各常任委員長に申し上げます。  部局別質疑に関する調査報告書は、三月二十三日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。  なお、来る三月二十五日及び三月二十六日に予定しております締めくくり総括質疑、討論など委員会の運営につきましては、理事会にご一任いただきたいと思います。ご了承願います。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後十一時二十五分散会...