• "建設省等関係機関"(/)
ツイート シェア
  1. 東京都議会 1991-09-25
    1991-09-25 平成元年度_各会計決算特別委員会(第21号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時八分開議 ◯清原委員長 ただいまから平成元年度各会計決算特別委員会を開会いたします。  初めに、委員の辞任及び選任についてご報告いたします。  議長から、九月二十一日付をもって高野委員の辞任を許可し、下村委員を選任したとの通知がありました。  次に、議席について申し上げます。  議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますので、ご了承をお願いいたします。  本日は、局別審査のうち、収用委員会事務局、都市計画局の順序で質疑を行います。  なお、本日は質疑終了までとし、意見開陳等は後日行います。よろしくご協力をお願いいたします。  これより決算の審査を行います。  平成元年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。  これより局別審査を行います。  収用委員会事務局関係に入ります。  初めに、先般の人事異動に伴い、収用委員会事務局長に大塚昶之助君が就任いたしました。  大塚昶之助君を紹介いたします。 ◯大塚収用委員会事務局長 ただいま委員長からご紹介を賜りました収用委員会事務局長の大塚昶之助でございます。もとより微力ではございますが、全力を尽くしまして職責を果たしていく所存でございます。委員長を初め、委員の諸先生方のご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。  甚だ簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。      ───────────── ◯清原委員長 収用委員会事務局関係については既に説明を聴取しております。  なお、資料要求はございませんので、直ちに質疑を行います。  発言を願います。
       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯清原委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  収用委員会事務局関係決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯清原委員長 ご異議なしと認め、収用委員会事務局関係決算に対する質疑は終了いたしました。  以上で収用委員会事務局関係を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯清原委員長 都市計画局関係に入ります。  都市計画局関係については既に説明を聴取しております。  その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯平野総務部長 去る六月十日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。  お手元配布の資料の一ページをお開き願います。秋留台地域の土地価格の推移でございます。  秋留台地域に係る二市二町の市街化調整区域の公示地八地点の公示価格につきまして、昭和六十年から平成三年までの推移を示してございます。  次に、二ページをお開き願います。多摩地域の市街化調整区域における土地取引件数及び面積の資料でございます。  多摩地域で、市街化調整区域を指定している十八市四町について、昭和六十三年から平成二年までの土地取引件数及び面積を載せてございます。表中の横棒線の欄は、土地取引実例がなかったものでございます。  次に、三ページをお開き願います。秋留台地域にかかわる関係市町の構想等につきまして整理いたしたものでございます。  秋留台地域にかかわる青梅市、秋川市、日の出町及び五日市町の長期構想等の名称、決定年月、期間及び主な関係構想、事業はこの資料のとおりでございます。青梅市の長淵丘陵地区、秋川市の菅生テクノヒルズ、日の出町の平井、川北地区及び五日市町の横沢入地区などの丘陵部の開発整備、また広域幹線道路を含む都市計画道路網の整備などが、関係市町の構想に位置づけられております。  次に、四ページをお開き願います。臨海副都心調査の内容でございます。  予算現額十六億四千九百三十九万五千円に対する支出済額は十億七千七十一万七千四十八円でございまして、その差の不用額が五億七千八百六十七万七千九百五十二円生じましたが、その内訳を調査ごとに明らかにしたものでございます。  その主なものは、(9)の臨海副都心開発に係る広域幹線道路及び大街区方式土地区画整理事業に関する調査でございます。不用額五億一千八百万余円となっておりますが、現地で実施する必要のある地質調査及び現況測量が、豊洲地区以外の晴海及び有明北地区におきまして地元の協力が得られず、未執行となったものでございます。  次に、五ページをお開き願います。利根川・荒川水系における東京都関係のダムの進捗状況でございます。  これらのダムのうち、渡良瀬遊水池総合開発は平成元年度、奈良俣ダムは平成二年度に完成をいたしました。この二つのダムの完成により、総貯水量が四億六千百六十三万立方メートルとなり、これまでの貯水量の約三〇%が新たにふえることにより、利水の安全度は大幅に向上いたしたものでございます。  次に、六ページをお開き願います。利根川・荒川水源地域対策基金事業費の実績表でございます。  平成元年度の対象は、利根川水系、八ッ場ダム、荒川水系、滝沢ダム、同浦山ダムであり、総事業費一億二千七百万余円のうち、都負担分の五千五十七万余円を支出いたしました。事業内容は、代替地取得等利子補給生活再建対策費助成調査費助成等でございます。  次に、七ページをお開き願います。都市計画公園・緑地総括表でございます。  これは、平成二年四月一日現在における公園緑地の都市計画決定された面積及び供用率並びに一人当たりの供用面積等を記載したものでございます。  次に、八ページをお開き願います。都市計画公園・緑地の計画決定の内訳でございます。  この表は、過去五年間における公園緑地の廃止及び追加の件数並びにその主な事例を記載したものでございます。  次に、九ページをお開き願います。京葉線旅客化の推移でございます。  主な項目についてご説明いたします。京葉線は当初貨物線として計画され、昭和四十年の六月に、川崎市から船橋市を経由し、木更津市までの区間について、運輸大臣から日本鉄道建設公団に基本計画の指示がなされており、同四十二年以降、日本鉄道建設公団が工事に着手しております。その後、新木場から千葉県の蘇我までについて旅客線として工事が進みましたが、東京都が事業化しようとしている新木場から大井埠頭間の工事が昭和五十七年十二月に中断されており、昭和六十二年四月の国鉄改革に伴い、この間の用地、施設等が日本国有鉄道清算事業団へ承継されました。  この新木場から大井埠頭間につきましては、昭和六十一年十一月の第二次東京都長期計画におきまして、東京都として延伸、旅客化を検討していくこととし、平成元年四月の臨海副都心開発事業化計画におきまして、事業化について協議、調整を図ることといたしました。また、平成二年十一午後一時八分開議月の第三次東京都長期計画におきましては、全線開業を平成十二年と位置づけております。平成三年二月には、鉄道事業法に基づく事業免許を発起人代表として東京都が申請をしており、同年三月には、東京臨海高速鉄道株式会社が設立され、この京葉貨物線旅客化延伸につきまして事業を行うこととしております。  次に、一〇ページをお開き願います。地下トンネル道路の安全対策についてでございます。  別添資料として、道路トンネル技術基準道路トンネル常用施設設置基準及びトンネル非常用施設設置基準のそれぞれ要約を掲載してございます。東京都及び首都高速道路公団は、これらの関係例規に基づきまして道路トンネルを設置しております。  なお、事業中の都市高速道路中央環状新宿線は都市内の長大トンネルとなることから、安全対策については特段の配慮が必要であると考えております。現在、首都高速道路公団におきまして、これらの関係例規に基づく基準をさらに強化した各種安全対策について検討を進めております。  次に、一四ページをお開き願います。都営・公社・公団の各団地駐車場の設置基準及びその経緯についてでございます。  この表は、住宅局、住宅供給公社、住宅・都市整備公団の資料に基づきまして作成したものでございますが、それぞれの住宅について、賃貸住宅、分譲住宅別に駐車場設置の基準及び基準制定の経緯をまとめたものでございます。  次に、一五ページをお開き願います。都内の路上駐車の状況についてでございます。  この表は、警視庁が、平成三年四月二十四日水曜日、午後二時から午後五時までの路上駐車の状況につきまして調査した資料に基づいて作成したものでございます。区部及び多摩地区とも、駐車台数は前年に比べ減少してはいるものの、その約八八%が違法駐車であるという状況になっております。  次に、一六ページをお開き願います。特定住宅出席委員二十七名市街地総合整備促進事業実施地区一覧でございます。  この事業は、大都市の既成市街地におきまして、都市機能の更新、居住環境の改善及び良好な住宅を推進するため、住宅等の建設及び公共施設の整備等を総合的に行うものでございます。東京都では、表にございますように、木場地区、大川端地区、芝浦・港南地区、恵比寿地区の四地区につきまして事業が実施されております。その内容は、表にあるとおりでございますが、住宅建設に合わせ、道路、公園等の関連公共施設整備を総合的に行っていくところに、この制度の特徴があるわけでございます。  次に、一七ページをお開き願います。防災生活圏モデル事業でございます。  都は、延焼遮断帯の整備とあわせ、居住環境の改善、防災意識の高いコミュニティの育成等により、安全で住みよい防災生活圏の形成を促進するため、四区三地区をモデル地区とし、区が行う防災まちづくりの事業に対して補助をしてまいりました。事業内容は、その表にありますように、ソフト、ハードにわたり、地区の特性に応じて多岐にわたっております。  次に、一八ページをお開き願います。都心三区における東京都駐車場条例対象建築物と、それに計画された駐車台数についてでございます。この表は、過去五年間にわたり、都及び区の確認分をまとめたものでございます。  次に、一九ページをお開き願います。建設業許可の許可件数、許可申請手数料の歳入決算額及び職員定数についてでございます。この表は、過去十年間につきましてまとめたものでございます。  以上をもちまして、簡単ではございますが、説明とさせていただきます。よろしくお願いします。 ◯清原委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、これより質疑を行います。  発言を願います。 ◯鈴木委員 資料要求に基づいて、多少質問をさせていただきたいと思いますが、五、六ページにわたっての質問になろうかと思います。  特に利根川水系の問題でございますけれども、先ほどの説明で、いよいよこれから八ッ場ダムが本格的になろうかと思うんです。元年度については、都からの基金の拠出もあったわけですが、二年度については該当事業はない、こういうことでございますけれども、八ッ場の現状について、もう少し細かくご説明いただければありがたいと思います。 ◯毛島建設残土水資源対策担当部長 利根川水系の八ッ場ダムでございますけれども、この事業は、治水と一都四県の利水の確保を目的に、建設省が実施する事業でございます。現在の状況でございますけれども、昭和五十五年に群馬県が生活再建案を地元に示しまして、地元関係者と協議を重ねた結果、包括的な合意が得られまして、これによりまして、建設省は昭和六十二年度から地形地質調査に入りまして、道路、鉄道のつけかえ、代替地等の地域整備の概略計画を示しまして、地元関係者と協議を重ねてきたところでございます。  このような事業の進展の中で、群馬県と建設省は、生活再建案地元提示後の社会情勢の変化、水辺空間の利用拡大、リゾート重点地区の指定など、これらの諸情勢を踏まえまして、平成二年、昨年でございますけれども、従来の再建計画を見直しまして、今後の地域整備と生活再建を基本とする地域居住計画を、地元と協議をしてまとめたところでございます。この地域居住計画につきましては、昨年十二月、水没地区全世帯に配布されたところでございます。現在、地域整備に係る事業の内容の具体化、生活再建等にさらに協議を進めるとともに、用地補償調査に入れるよう、建設省と群馬県が一体となって折衝を続けているという状況でございます。 ◯鈴木委員 今の答弁でもわかりましたけれども、もとより国の事業ですから、都としても、できるだけ積極的な要請行動といいますか、地元住民の理解を得るためのまたいろいろな政策もあろうかと思います。これからの水需要を考えますと、ダム建設に向かっては、どうしても都としても協力をしなきゃならぬと考えますので、この際、もう一度機会があれば、国に対しても強い要望をお願いしたいと思います。  また、霞ケ浦の導水ですね。その中で、平成五年度完成の目途でやっておりますけれども、特に那珂導水路のトンネルエ事については、状況がわかればこの際伺いたいと思います。    〔委員長退席、田村副委員長着席〕 ◯毛島建設残土水資源対策担当部長 八ッ場ダムにつきましては、地元群馬県、建設省と協力いたしまして、鋭意事業推進に努力してまいりたいと考えてございます。  次に、ご指摘のございました霞ヶ浦導水の事業でございますけれども、この事業は、河川法に基づきまして、流況調整河川を建設する事業でございまして、これも建設省が進めている事業でございます。ただいまご指摘のございました導水路のうち、那珂導水路トンネル工事でございますけれども、これにつきましては、茨城県の那珂川と霞ケ浦を結ぶものでございまして、この延長は約四十二キロほどございます。この中に、揚水、排水等のポンプ施設でございますけれども、三つの機場を設ける予定でございます。現在、そのうち二つにつきまして工事を進めているところでございます。  また、この那珂導水路につきましては、那珂川と桜川区間の四・五キロほど、通称水戸トンネルと申しておりますけれども、これにつきまして工事に着手したところでございます。  なお、もう一カ所残るところの機場につきましても、用地取得を予定しているところでございます。 ◯鈴木委員 広域導水という点からいって、那珂川の水は東京都にとっても大変貴重な水源になるわけであります。この点についても、予定がおくれないように、ひとつ積極的な働きかけをお願いしておきたいと思います。  それから荒川水系ですけれども、これは過去、東京都としては、水利権がなくて、いつも渇水時になると余剰水をもらうという、大変心細いような状況でありましたけれども、浦山、滝沢ダムを含めていよいよ建設工事が始まり、それぞれ七年、九年という目標で今建設を進めております。この際、浦山、滝沢両ダムについて、状況がわかれば、わかる範囲で結構ですからお聞かせいただきたいと思います。 ◯毛島建設残土水資源対策担当部長 ご指摘のございました荒川水系、浦山ダム、滝沢ダムにつきまして、現況をご説明させていただきます。両事業とも、治水、利水を目的といたしまして、水資源開発公団が事業を進めておりまして、現在進められているものでございます。  まず浦山ダムでございますが、進捗状況は、移転補償関係では、水没戸数五十戸のうち四十八戸が補償契約を締結いたしまして、そのうち四十二戸が既に移転を完了しているところでございます。ダム建設工事関係でございますが、平成二年度まで工事用道路、県道つけかえ道路の整備を進めまして、ダムサイト及び原石山の仮配水路トンネルエ事も完了し、平成二年三月にはダム本体工事を発注したところでございます。平成三年度はダム堤体の基礎掘削、骨材生産設備コンクリート生産設備等の製作、据えつけを行うなど、平成七年度完成に向けて鋭意工事を進めているところでございます。  次に、滝沢ダムでございますけれども、移転補償関係では、水没戸数百十二戸のうち九十四戸が補償契約を締結いたしまして、既に五十二戸が移転を完了しているところでございます。建設工事関係でございますが、平成二年度まで工事用道路、県道つけかえ道路の一部を完成させ、引き続き関連道路の工事の整備をしているところでございます。  この浦山ダム、滝沢ダムにつきましては、水源地域特別措置法によります地域整備事業も行っておりますけれども、これにつきましても、予定どおり順調に進捗しているところでございます。 ◯鈴木委員 今の説明を受けましたけれども、私が心配するのは、進捗率からいって、どうも浦山ダムの方がいささか懸念があるんです。特に都としても、渇水期になったときには、荒川水系はどうしても必要な水系でありますし、完成が急がれるわけでありますけれども、いわゆる予定完成年度のおくれはまずないと見てよろしいのかどうか、再度確認したいと思います。 ◯毛島建設残土水資源対策担当部長 この荒川水系の二つのダムでございますけれども、今ご指摘の浦山ダムにつきましては、既に本体工事を発注いたしまして、順調に推移しているところでございます。滝沢ダムにつきましては、現在のところ、まだダム本体工事を発注するに至りませんで、おくれぎみでございます。いずれにいたしましても、今ご指摘のように、荒川水系は東京都にとりましても非常に貴重な水源でございますので、今後、関係する水資源開発公団、それから埼玉県とも協力いたしまして、事業の推進に努めたいと考えてございます。 ◯鈴木委員 浦山の方は心配がない、予定どおりいけるということですね。問題なのは滝沢ダムということで、しかし、このダムも、地元では住民の皆さん方のご協力がなければできないということでありますので、今後も両ダムについて国に対しても強力に要請をして、何とか予定どおりダムが完成できるように、都としても大いにひとつ積極的な努力をしていただいて、東京都民の水を確保していただく、このことを要望して終わります。 ◯河村委員 私からは、都市計画道路に関係する問題でまずお聞きしたいと思うんですが、都市計画道路の第二次事業化計画が本年六月に決定されました。この今後の十年以内に入っていないところもまだ相当数あるわけでございますが、これは既にご承知のように、今から四十年前に計画された計画路線があるわけでございます。今、どれくらいこれが残っているのか。また、場所によっては、一応計画路線にはなっているものの、再検討する必要があるところもあるのではないかと思いますが、この再検討がいつごろされるのか、されないのか。  この点が第一点と、それから今申し上げましたように、今回の計画道路に入っていないところ、これは、今後何年間ぐらいの計画でされようとしているのか。  第三点目は、特に残されている計画路線上の都民の人たちは、いつできるのか、よくわからない。しかも、現行法におきましては、残された計画路線上での建築規制が行われているわけでございますが、この件についても、再検討をして緩和の方向でいきませんと、この首都東京におきましてはいろんな問題が派生しているわけでございますので、今後どう取り組んでいかれるのか、まず、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。 ◯木内施設計画部長 この六月に、区部の都市計画道路につきましては、これから十年間で整備しましょう、そういう路線を決定し、公表させてもらっているわけでございますが、ただいまのはそれに関連する質問でございまして、第一点でございますが、現在、区部にはどれだけの未整備路線が残っているかということでございます。  区部の都市計画道路でございますが、計画延長が千六百九十九キロメートルございまして、幹線延長が九百十五キロメートルでございます。したがいまして、残っております路線の延長でございますが、現在事業中の路線、百四十五キロほどございますが、それと合わせますと、約八百キロメートルほどになります。  二点目のご質問でございますが、再検討の箇所でございます。あるいはその再検討はいつごろするかという話でございますが、路線の再検討につきましては、前回、昭和五十六年に行っておりますけれども、その時点で再検討はいたしております。その中で必要な路線、あるいは変更し得る路線、そういう振り分けをいたしまして一応処理しているわけでございますが、中には部分的に構造等の検討をすべき路線も入っております。それらにつきましては、今後事業化する段階で検討し、見直しをいたす、そういう考え方になっております。ですから、一律な処理は考えておりません。  三点目でございますが、後期分の計画時期でございますけれども、約八百キロ近い路線が残っているわけでございます。それらにつきましては、今後、鋭意整備に当たるわけでございますけれども、先ほど決めました今後十カ年でやる路線を含めまして、全体を今後三十年間を目途に完成を図りましよう、そういう考え方でおります。したがいまして、平成三十二年目途に全線を整備いたしたいという決意で臨んでいるところでございます。  あと建築規制の問題でございますが、まだまだ大変路線が残っておりまして、しかも、残念ながら今回予定しております十カ年計画に入らない路線が多々ございます。それらにつきましては、また十年以上の建築制限がかかるわけでございますけれども、これは、地権者にとりましては大変重要な問題でございます。したがいまして、この計画をつくる段階で、そういう問題の処理は大変重要な課題と位置づけまして、現在、今年度中を目途でございますけれども、その規制のあり方、解除のあり方、その辺のところを研究いたしているところでございます。 ◯河村委員 今のお答えにありました今後の問題につきまして、重要な問題でございます建築の規制の緩和、これはいつごろ結論を出す予定でしょうか。 ◯木内施設計画部長 基本的な調査を今年度の調査として実施いたしております。何分建築規制につきましては法定事項でございまして、規制緩和を検討するわけでございますが、波及効果、マイナス効果と申しましょうか、そういう影響の大きい状況でございます。したがいまして、基礎的な調査を今年度行いまして、さらに関係方面との調整等を経て、なるべく早い時点に結論を出したいと考えております。 ◯河村委員 この問題につきましては、大変に影響もございますし、しかし、都民にとっては切実な問題でございます。したがって、一刻も早く結論を出し、そして都民の期待にこたえていただきたい、この点は要望しておきます。  次に、今年度六月の計画路線の事業化計画の中におきます具体的な問題でございますが、放射二五号線、補助九四号線の事業化の取り組み、また、完成までの事業化の状況、現況等についてはどのようになっているのか、お知らせ願いたいと思います。 ◯木内施設計画部長 放射二五号線でございますが、この路線は、新宿区新宿七丁目から文京区本郷二丁目までの四・七キロメートルほどの路線でございまして、現在完成しておりますのは約一・三キロメートル、二五%ほどでございます。これにつきましては、前期十カ年計画で、この一部でございますが、取り上げまして、鋭意整備を図るべき路線と位置づけいたしております。したがいまして、この路線につきましては、実は前回の前期計画にも入っておりまして、事業化すべく現地に入ったわけでございますけれども、その時点では一部関係権利者の方々の同意を得られなかったもので、不調になって、現在まで来ているわけでございます。その後、関係者間の話し合いがほぼ順調に進んでおりまして、今年度に用地測量を実施し、来年度に事業認可を取って、なるべく速いスピードで事業化を図ってまいりたいと考えているところでございます。  あと補助九四号線でございますけれども、これにつきましては、千代田区有楽町二丁目から文京区の千駄木三丁目までの六・六キロメートルの路線でございまして、現在四・八キロメートル、全体の七二%ほど完成いたしております。残った部分につきましても、事業化すべく取り組んでいるところでございまして、これも、そのうちの一部を今回の前期十カ年に事業化路線としてのせているところでございます。  この取り組みでございますけれども、この区間でございますが、本年度、平成三年度に不燃化促進事業の採択がなされましたものですから、この事業と同時に事業を実施することによって、大変なまちづくり効果が期待されるものでございますので、ちょっとおくれるわけでございますけれども、平成四年度に現況測量に入り、そして一連の手続をとって早期事業化を図っていく、そういう考え方で臨んでいるところでございます。 ◯河村委員 このような都市計画道路の事業化が相当箇所行われるわけでございますが、いずれの場所におきましても、まちづくり対策に大変効果がある事業でございます。しかし、またこの事業は大変年月がかかるわけでございまして、例えば文京区の放八は実に十八年間もかかってやっとでき上がったというような経緯もございます。この事業化の事業の促進につきましては、いろんな問題が派生してきまして、年月がかかるのは承知してございますけれども、ともあれ工期の短縮と、そして事業の執行につきましては最大限努力していただきまして、ぜひとも期間を短くしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次の点でございますが、都市計画局に関連する問題で、私も本会議で何回も取り上げました都の交通局大塚営業所用地の合築の問題、それにあわせて、大塚地区の地域開発の問題でございます。この問題については、既に今申し上げましたように、何回も質問しておりますが、現況と今後の取り組みについては、どのように都市計画では取り組んでいるのか、この点についてお願いいたします。 ◯長尾開発計画部長 交通局大塚自動車営業所を含みます大塚地区再開発についてでございますが、現在、都の住宅局、交通局と私ども都市計画局と、それから文京区で大塚地区再開発調整連絡会を設置して、再開発につきまして具体的な協議を進めているところでございます。地元権利者も再開発を進める意向でございまして、ことしの七月でございますが、茗荷谷駅前地区市街地再開発準備組合を設立いたしまして、具体的な事業に向けて、地元といたしまして検討を進めてきておるところでございます。準備組合には、交通局、住宅局がこの地区に地権者として土地を持っておりますので、東京都の両局がオブザーバーとして出席しております。また区では、この再開発の基本計画をまとめるべく、今年度中に基本計画作成を予定しております。  今後の対応でございますが、今月の未にも都と区の調整連絡会議を開きまして、それで基本計画について検討していくことといたしておりますし、都市計画局といたしましても、計画策定について全面的なバックアップを進めてまいりたいと考えています。 ◯河村委員 今お答えいただきまして、あらあらなことはわかったわけでございますが、この問題につきましても、もう十数年、約十年前からの取り組みでございますので、都市計画局の方も積極的に取り組んでいって、ぜひとも早期に実現できるよう特段のご努力をお願いいたしまして、質問を終わります。 ◯渡辺(康)委員 何点かお尋ねいたしますけれども、横沢入のことで少しお聞きいたします。  労働経済局の委託調査で、その報告によりますと、自然を生かした歴史と文化の森構想というものが出されたわけですけれども、労働経済局といたしましても、そういう方向で考えていきたいということでありました。これは都市計画局としてもご存じですよね。 ◯塚田開発企画担当部長 労働経済局が昭和六十二年に、森林の総合利用促進調査、都民の森シリーズ基本整備構想の策定を行ったということは承知しております。 ◯渡辺(康)委員 この歴史と文化のいわゆる都民の森ですけれども、この構想が今度の開発との絡みではどういうふうになるんでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 この労働経済局の調査でございますが、この中では、横沢入地区は、五日市町横沢地区といたしまして、十二の調査地の一つとして取り上げられていたわけでございます。それで、今回、私どもがまとめました調査でございますが、この中で、この計画と調整をとった上で開発をしようということで調査をまとめたわけでございます。この歴史と文化の森の計画につきましては、第三次長期計画でも位置づけがされておるわけでございます。それでございますので、五日市町でも、この計画につきましてかねてから検討が進められておりまして、その辺、総合的に計画を調整して今後の開発を進めようということで、今調整しているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 その調整の内容ですけれども、もう少し具体的にちょっと教えていただけますか。 ◯塚田開発企画担当部長 長期計画におきまして、都民の森林づくりの推進ということで四カ所取り上げられているわけでございますが、その一つとして、この横沢入地区が挙げてあるわけでございます。その歴史と文化の森構想ということでございまして、三十三ヘクタールにつきまして整備しようということになっております。それでございますので、この横沢入地区開発計画におきましては、この歴史と文化の森を含む区域につきまして、この計画、構想とも整合を図りながら進める、こういうことで、東京都の関係部局とも協議しつつ、計画の具体化に当たっていこうとしているわけでございます。 ◯渡辺(康)委員 三十三ヘクタールということですけれども、当初はこれはどれくらいの計画だったのか。そして、今度の開発計画というものがあって、三十三ヘクタールということで今話されたわけですが、これは当初はどれぐらいだったんですか。そして、今度、開発区域というのはどれぐらいの面積なのかということも、ちょっと数字でお示しいただきたいんです。 ◯塚田開発企画担当部長 労働経済局の行いました調査の中では、同地区の利用可能面積といたしましては、八十ヘクタールということになってございました。それで、この地区の開発区域といたしましては、約六十ヘクタール程度を対象として今調査をしているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 労経局では全体で八十ヘクタールぐらいを考えていた。そして、開発ということで六十ヘクタールととれば、実際には三十三ヘクタールということにはならないわけですよね。それで、私どもはいろいろ調査いたしましたけれども、あそこは歴史と文化の森ということで、百二十ヘクタールぐらい全体としてはあるということですね。そのうちの六十五ヘクタールを開発、こういうふうにいわれているのが地元のだれしものいい分です。数字がちょっと違うから指摘したんですが、そこで、歴史と文化の森というようなことが、今の都市計画局の話でも、当初八十ヘクタール。それが、いろいろ調整をして三十三ヘクタールを残す、あとは開発、こういうふうなことですけれども、それは労働経済局としても認めているということですか。 ◯塚田開発企画担当部長 第三次長期計画をまとめる時点で調整しているわけでございまして、十分承知していると思っております。
    ◯渡辺(康)委員 そうすると、この六十ヘクタールの開発計画というのは、そのまま開発許可というのが大体決まると理解していいですか。 ◯長尾開発計画部長 ただいまの横沢入でございますが、具体的にこれが開発の問題として私ども開発許可権者に申請があった場合につきましては、私どもといたしましては、その計画あるいは構想が、多摩地域の自立性の向上や良好な市街地の形成に役立つ計画であるとか、道路等の都市施設の整備が適切に図られるもの、あるいは良好な農地、自然環境の保全を損なうことのないものであるとか、さらに市町の基本構想や基本計画などに整合するものなどの要件に適合しないものは開発許可を行わないという考え方で、長期計画でも決めているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 いろいろお話がありましたけれども、今、JRが用地買収をして進めていますが、いわゆる都民の森構想というものが、今の話ですと実際には三十三ヘクタールということで、当初の構想そのものは壊されるというか、そういうことにもなりかねないわけです。この開発計画が許可されるということになれば、貴重なあそこの動植物、特にニホンサンショウウオ、あるいはムササビとか蛍とか、あるわけですが、これが全部死に追い込まれてしまう。全滅に近くなるというふうに考えられるんですけれども、その辺はどのようにお考えになっているんでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 この開発計画に当たりましては、さきに発表いたしました秋留台地区の整備計画調査報告書の中でも述べられているわけでございますが、緑地の保全につきましては、五〇%以上確保すると示唆されているわけでございます。また、保全地区とともに、開発区域におきましても、緑地の更新を図って、緑の整備をしようと述べられているわけでございまして、また、貴重な動植物──今ご指摘の動植物等でございますが、その生息状態、生息地などにつきましても、積極的に保全を図っていこうとしているところでございます。  今後、具体的な開発計画を詰めるに当たりまして、環境アセスメントの調査とか、その他万全の対策を立てなければならないと考えているわけでございます。このような趣旨を今後十分踏まえまして、開発が進められるように関係者ともども指導していきたいと考えているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 もう少しお聞きしますけれども、五日市の鉄道がありますね。そちら側から見た場合、田んぼがありまして、そして森がありますね、丘陵もあります。今度の開発というのは、その田んぼを埋めて、そして、その後ろの山の尾根から全部削り取るということを前提にしているわけですね。  そこで、緑地そのものを五割以上残すということなんだけれども、これは当初から五割残して削るんですか。それとも一たん全部尾根から内側を削って、そしてそこを宅地造成して、うちを建てた後でいろいろ植栽をさせるということで緑地というものを守ろうとしているのかどうなのか、その辺も聞かせていただけますか。    〔田村副委員長退席、委員長着席〕 ◯塚田開発企画担当部長 具体的な造成その他につきましては、今後詰めるわけでございますが、考え方といたしましては、良好な緑地であります尾根とか、周辺地域でございますとか、そういう地区につきましては積極的に保全を図っていきたいと考えているわけでございまして、現在の集落側から見て、緑の尾根はできる限り残していきたいと考えているわけでございます。  それから、先ほど五〇%以上緑地の保全をして確保するというふうにお答えしましたけれども、緑地の保全とあわせまして緑地の更新をしようとしているわけですが、それを含めまして、地区全体として五〇%以上の緑地を確保したいと考えているわけでございます。一部訂正いたします。 ◯渡辺(康)委員 集落から見た場合、今お話がありましたけれども、地元では六十五ヘクタール、今局の方の話では六十ヘクタール、開発区域がこういうことです。これは、山の尾根から傾斜を全部削り取るということが前提でないと、その面積にならないんです。これはいろいろ地元でもお聞きしてきたんです。そうしますと、その尾根からの沢、あるいは沢のところに湧水があります。ここに貴重な動植物というのは生息しているわけですね。したがって、集落から見た尾根が森に見えるようにということですけれども、それは開発ということになったら、全部山肌を一回あらわに出さないと開発できないんですよ、そういう内容なんですね。したがって、そこを削り取って、そして、これはどうなるかわかりませんけれども、その沢、湧水、そこに貴重な動植物がいるんだから、これが果たして生存できるかどうかという問題なんです。そういう点では、これを先ほど何らかの形で残していきたい、こういうふうな話ですけれども、どうやってこれを確保していくんですか、もう少し聞かせてください。 ◯塚田開発企画担当部長 開発の具体的な計画でございますが、どの地区をどういうふうに造成して、どういうふうに開発するというのは、今、町でも調査している段階でございまして、今後とも町と我々と都とよく協議しながら、詰めていきたいと考えておるところでございます。 ◯渡辺(康)委員 町と都と関係者ということですけれども、関係者というのはだれを含めるかということで、これは非常に重要な問題もあるわけです。あそこの地元の人たち、あそこの自然を守る、貴重な動植物を守るという人たちもいるんですから、その人たちも対象としての関係者なのかどうなのか。これは、ぜひとも関係者として話を進めてもらいたいと思いますけれども、いずれにしても、話し合っていくということなんだけれども、もう一回聞きます。  先ほど私がいいました、集落側から見て、尾根から全部内側を削り取るということですよ。そういうことをやって、その沢や湧水の中で、あるいは田んぼがあって、そこで生息している貴重な動植物が生き残れるか。生態系がこれは完全に変わるんですよね。しかも開発というのは、JRの構想というのは、あの田んぼはそのままじゃないんです。田んぼは埋めるんですよ。だから、山を半分、尾根から全部集落側を削り取って、田んぼを埋めて、そして、どうして沢や、あるいは湧水で生きている動植物が生き続けられるんですか。どうやって検討するんですか、はっきりと聞かせていただけませんか。 ◯塚田開発企画担当部長 先ほども申し述べましたように、具体的な開発の仕方につきましては、今後十分詰めていきたい。地元の意向も酌んだ上で、詰めていきたいと考えております。 ◯渡辺(康)委員 これ以上質問しても、それ以上の答弁は出てこないと思いますけれども、いずれにしても、ニホンサンショウウオとか、あるいはムササビとか、蛍とかいろいろあります。こういう貴重な動植物を何らかの形で保存していきたいというお話がありましたけれども、私はそれを本当に信じます。本当に残してください。本当に残すということになれば、あれは開発をやめなきゃならぬという問題なんです。私はそう思うんですね。  ですから、実際問題として、本当に残すというんだったら、一つは、あそこを東京都が公有地として全部買収して、それで自然を生かした形でのいわゆる活性化ということだって決して不可能なことではない。これは三年前に出た五日市の基本構想のその前の長期構想では、そういう内容で五日市は出したんですから、そういう点では、公有地として買収するという方向はどうでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 第三次長期計画でいろんな計画を決めて今進めているわけでございますが、この三次長期計画の中ではそのような計画はございません。 ◯渡辺(康)委員 計画がないからということでしょうけれども、いずれにしても、この貴重な動植物を残すという点で関係者と話し合うということですから、私は先ほど指摘したんですけれども、実際にはこれを死滅させることなくやるというんですね。それだけはきちんと私は聞いておきますから、聞いておくだけはね。だから、本当にあそこの自然を守って、いわゆる自然を活用しての活性化ということについては、強くこれは要望しておきたいと思います。  それから開発の問題ですけれども、これはJRだけが開発するということでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 この開発事業者につきましては、かねて町で検討された経緯がございまして、平成元年の暮れだったと思いますが、町議会の定例会におきまして、町長がJR東日本を開発事業者としたいという発言がございまして、それが了解されていると私どもは理解しているわけでございます。JR東日本が現在いろいろ用地買収等を進めていると聞いております。 ◯渡辺(康)委員 もう少しお答えいただきたいんですけれども、JRが開発を進めるということで聞いておりますという程度でいいんですか。あくまでも程度なんですか。もう一回聞かせてください。 ◯塚田開発企画担当部長 先ほどご説明したような経緯で、現在、JR東日本が買収等を進めているわけでございますが、今後、具体的な全体の開発につきましては、その開発手法、開発主体、その他基盤整備も含めますと、何といっても地元の町がまず検討しなくちゃならぬと考えているわけでございまして、東京都といたしましても、町と十分調整を図りながら、この開発が進むように考えていきたいというふうに考えております。 ◯渡辺(康)委員 町と一緒にということですけれども、実際問題として、五日市町の年間予算というのは約七十億少々ですから、そういう点では、この規模の開発といったら、なかなか大変だと思うんです。そういう点で、JRをパートナーに、こういうふうにお話があるわけですが、実際問題として東京都が相当なてこ入れをするというか、援助をするということなしに、この開発というのは私は進まないと思うんです。そういう点で、東京都の積極的な推進ということが一方であると思うんです。それは聞いても、なかなかそうだといわない。町が主体的になって動いているんだという話しか聞こえてこないんですけれども、それはそれとして、この開発の基盤整備は主としてどこがやるんでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 この開発に直接関係する道路とか下水道とか、そういう都市基盤につきましては、開発事業者がやるというふうになろうかと思います。 ◯渡辺(康)委員 そうすると、道路と上下水も開発者負担ということですか。もう少し聞かせてもらいたいんですけれども、いわゆる道路と上下水というのはわかりましたが、そのほかの施設についてはどうなんですか。 ◯塚田開発企画担当部長 具体的な事業計画が詰まりませんと、詳しいあれはわからないわけでございますが、どんな開発においても考えられるのは、先ほど申しましたように、道路と上下水道とか、あと公園の整備とかいうことでございます。 ◯渡辺(康)委員 いずれにしましても、JRは、人を呼び込んで、そして町の活性化を図るんだということをいっておるんですね。これは、町もそういう話みたいなことをいっているし、あるいはそのほかの人もいっているようなところもありますけれども、人を呼び込んで、いわゆる町の活性化を図る。JRはそれを受けて、そして、やるんだということで買収をしているわけです。  買収で、例えばご存じだと思いますが、農地、山林、いろいろ買っているわけですが、登記簿を見ますと、平米単価五万二、三千円ですね。五万二、三千円だから、実際、坪十五、六万、こういうことになるわけですけれども、この値段で買収して、あそこを宅地造成して、うちを建てて、そしてJRが売るということになったら幾らになりますか。そして、既にいろいろ構想が出て、いわれておりますけれども、高級住宅地となっているんですね。これは、いろんな人がおられますから、それが必ずしも正確ということはいえませんけれども、何せ何千万、七千万、八千万、こういうふうになるのではないかという話も聞かされておるわけです。本当にそういう点で、都民がまたそこを買えるのか、そういうところへ入れるのか、こういうことになるとそうならない。ここもまた問題点だと思うんです。いずれにしても、JRが買った値段というのは、坪十五万、こういうことですから、これが果たして開発して売り出したときに幾らになるのか。これからその状況を見ないとわかりませんけれども、そういう状況。  そういう点で、JRは自分で開発して、そこで莫大な利益を得るということになるわけでしょう。そして、開発者負担ということで、道路や上下水道というのは入れるとしても、そこに人口が集まってくれば、当然のこととして、そのほかにもろもろの公共施設というものが必要になってくる。こういうものは一体だれが負担するのかというものですよね。だから、実際問題として、人が集まれば、それは町の活性化になるという宣伝はありますけれども、しかし、そのツケというのはみんな町民に回ってくるわけでしょう。開発はJRが負担するかといったら、しないんだから、そういう点では問題が多過ぎるのではないかと思うわけです。そういう点で心配しているんです。そういうことに対しては、東京都はどのように感じておられるんでしょうか。 ◯塚田開発企画担当部長 いろんな公共施設及び関連の公益施設をどう整備していくかという問題でございますが、先ほどは道路、上下水道、公園等のお話をしたわけでございますが、そのほかにもいろんな公益施設があるわけでございます。それで、これを事業者にどう持たせるかという問題が当然、今後具体的な事業計画の中で出てくると考えるわけでございますが、それにつきましては、町の開発指導要綱等もあるわけでございますので、その辺に照らして検討されると考えております。 ◯渡辺(康)委員 いずれにいたしましても、これは東京都の一極集中のツケが都民に回るということと同じだと私は思っているんです。人口がどんどんふえる、そして、そこに活性化を図ろう、こういう内容から、結果的にはどういうことになるか。二十三区の内容を見ればわかるように、これは土地の高騰だ、住宅難だ、あるいは交通渋滞だ、ごみ問題だ、そして環境問題、いろいろ出てくるんです。当然それは五日市だって、いずれそういうことになるんです。  だから、私は先ほどもいいましたように、五日市というところは本当に自然の宝庫なんですから、そういう点では、緑を活用した活性化というのは、ほかの土地で十分考えられるはずだと思うんです。今からでも遅くないと思うんです。そういう点では、JRの開発ということを追認しないで、もっと今申し上げたような立場で検討をしてみる必要があるんじゃないかということで、これは強く要望しておきたいと思います。  今度はちょっと角度の違った問題ですけれども、鉄道のJR五日市線の問題で、複線化という問題がいろいろとささやかれておるんですが、この問題については何か具体的なことがわかりますでしょうか。 ◯木内施設計画部長 五日市線でございますが、現在、単線運転いたしておりまして、しかも、駅間の関係、折り返し時間帯等の関係がございまして、ピーク時におきましても一時間四本程度、そういう運行の状態でございます。地元からは、現在の運行ですと、朝夕のラッシュ時、混雑が大変激しい、そういうこともございまして、先ほどの資料、三ページにも載ってございますけれども、それぞれの関係市、秋川市、日の出町、そして五日市町でございますけれども、それぞれの市町が五日市線の改善を要請しているところでございます。私どもといたしましても、将来的にはこの路線の、複線を含めまして、何らかの改善は必要であろうという認識に立っているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 この五日市線の問題について、今お話があったとおり大変な混雑ということがあるわけです。五日市のさっきの開発は、そういうところではもうけようというのがあるんだけれども、こういう本当に利用者の利便を考えて、複線化ということを一日も早くやるというようなことについては、なかなか腰を上げないという問題もJRはあるわけですね。そういう点では、東京都が積極的にこの複線化の問題については、逆に要求していくということで臨んでいただきたいと思うんですけれども、何かいろいろと問題が出てくるんでしょうか。 ◯木内施設計画部長 東京都といたしましても、秋留台の開発は時代の趨勢でもございます。そういう意味で、この開発に伴いまして、その利用がふえることは事実でございます。そしてさらに、その地域に住む方々の生活の利便性を考えまして、今後、複線化を含めた取り組みにつきまして、関係者、JR東日本でございますけれども、働きかけはする必要があると思っております。  問題点でございますけれども、この事業、鉄道事業者そのものの仕事でございます。鉄道の複線化あるいは立体化等につきましては大変事業費がかさみまして、鉄道事業者は、よほどの需要がない限り、なかなか手をつけたがらないのが実情でございます。その辺のところが最大のネックであろうと思っているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 いずれにしましても、複線化の方向で努力をしていただくということで、これは強く要望しておきたいと思います。  最後の問題ですけれども、舎人新線の問題で、ひとつ簡単にお聞きいたします。  九九年開通ということになっているんですけれども、今後の着工までの手順がわかればお聞かせいただきたいんです。 ◯松本新線計画担当部長 日暮里舎人線につきまして、今後着工までの手順ということでございますけれども、現在同線につきましては、日暮里舎人線計画委員会というものが前年度につくられまして、ここで学識経験者、国、関係区等のメンバーを含みまして、同線のルート、駅の位置、駅の数等基本的な問題につきまして、全体の方向づけというものが前年度の未に行われております。また、今年度におきまして、建設省のインフラ補助の補助対象事業として採択されたという状況になっております。  現在、東京都といたしまして、本事業のさらなる具体化に向けて鋭意検討を行っておりまして、今後行うべき事柄といたしましては、まず事業主体をどこにするか決めることがございます。先ほど申しました日暮里舎人線計画委員会の報告におきましては、この事業主体の候補といたしまして、都が主体となってつくる第三セクター、もう一つ、東京都交通局というものが挙がっておりまして、これをどうするかということを早急に決めなくちゃいかぬということで、検討を進めておる次第でございます。  その後、ルート等につきましての詳細な具体化を行いまして、さらに、これは軌道法という法律に基づきます軌道事業になりますので、軌道事業の特許を取らなければならないということがございます。さらに、それに加えまして都市計画決定の手続、環境アセスメントの手続等の手続を済ませまして、その上で着工ということになると考えております。 ◯渡辺(康)委員 この都市計画決定ということになりますと、これはいつごろになるんでしょうか。 ◯松本新線計画担当部長 ただいま申し上げましたように、事業主体を決定し、さらに特許を取りということがございますので、なかなか確定的なこともこの場で申し上げにくいわけでございますけれども、現在の当方の目算といたしましては、平成四年度中には、何とか都市計画決定の手続に入りたいと考えておるところでございます。 ◯渡辺(康)委員 この舎人新線の総工費とインフラ部分については幾らぐらいか、そしてインフラ外が幾らぐらいか、それをお聞かせいただきたい。 ◯松本新線計画担当部長 舎人線の総工費でございますけれども、これは、さらに具体的な詰めによって変わってくる可能性はございますけれども、目下のところ、当方が想定しておりますところでは、インフラ部とインフラ外部合わせまして一千百七十億円程度を考えております。これは平成二年度価格でございます。これがインフラ部とインフラ外部に分かれるわけでございますけれども、それぞれ、インフラ部につきましては約六百三十億円程度、インフラ外部につきましては約五百四十億円程度を現在のところは見込んでおります。 ◯渡辺(康)委員 インフラが六百三十億、このインフラ部分というと、東京都の直接の事業になりますね。そして、インフラ外部ということで五百四十億ということなんですが、五百四十億のうち──今度は国の方でインフラに対して補助対象になったということもあるんですけれども、この外部について例えば都でやる場合に、幾らぐらい補助金とか、そういうものは出るんでしょうか。 ◯松本新線計画担当部長 インフラ外部について、東京都からどのくらいの補助等が出るかというご質問でございますけれども、本事業の資金調達方法とか、どういうふうにしたらば事業主体の収支採算がとれるようになっていくかとかは、まさしく今後その特許の手続に向けて詰めていく問題でございまして、現在のところ、東京都からのインフラ外部についての補助等について、どうする、こうするというふうな方針は立ててございません。 ◯渡辺(康)委員 三セクにするか、交通局独自の事業主体にするかという問題ですけれども、これは都市計画局あるいは交通局、こういうところでいろいろお話をされておるような話もお聞きしているんですが、年度末というか、今年度中ですか、何か事業主体を決定したいということですけれども、大体いつごろをめどにして取り組んでおられるんでしょうか。 ◯松本新線計画担当部長 理事ご指摘のとおり、現在都庁の中で、第三セクターとするか、それとも公営、すなわち東京都の交通局とするかというあたりにつきまして、いろいろな見地、例えば資金調達の可能性とか、公共性の確保とか、さらに効率性の確保とか、事業の弾力性、そのような非常に広い見地から検討を進めているところでございまして、目途といたしましては、今年度末を目途として、その事業主体を決定していきたいと考えて、現在努力をしているところでございます。 ◯渡辺(康)委員 この事業主体を決定するに当たって、東京都の財力をもってすれば、インフラ外部の五百四十億は東京都の財力で十分できると私は思うんです。第三セクターをつくるというまでもなく、交通局はみずから何かしたいという気持ちが積極的にあるようですから、そういう点では、ひとつこの五百四十億ということについての予算を東京都がつけるということでやっていただくことが必要だと思うんです。  特に私がいうのは、三セクをつくると、またどうだこうだといろいろな問題が出てきますので、そういう点では、足立だけじゃないですけれども、特に足立の舎人新線が設置されるようなところについては、本当に東京でも最も交通過疎地域といってもいいと思うんです、こういうところに一日でも早くつくってほしい。そういうためにも、三セクをつくってどうだこうだやるよりも、東京都がみずから東京都の財力を使ってやる。単年度でぽんと出せということじゃないんですから、そういう意味では私は、東京都の主体による、いわゆる交通局主体でこれを運営するということでやってほしいと思うんです。  そういう点では、都市計画がいろいろ影響力を発揮すればできないことはないという話も聞いているんです。ですから、そういう点では、最後にいたしますけれども、決意を伺いたいわけです。この事業主体がどこになるかというのは、都市計画局の姿勢にかかってくるといっても差し支えないというふうにいわれているんです。そういう点で、これはだれに聞いたらいいんですか。局長でいいかな。ぜひそういうことで取り組んでいただきたいということです。 ◯岡本都市計画局長 舎人新線の事業主体に関する問題でございます。現在のところ、先生ご指摘のように、第三セクターでやるという案と、交通局みずからがやるという案と両案併記になってございます。これをいろいろな観点から今年度中に検討して決めるわけでございますが、例えば三セクでやるメリットにつきましては、民間のノーハウを活用できるという問題、それから財政的にも、都営十二号線で経験しましたように、かなり大量の財源が短期間に確保できる、起債の枠に縛られないというようなメリットもございます。  また一方、交通局がやるメリットと申しますと、何と申しましても、都直轄の公営企業でございますので、沿線に都バスのネットワークもございますけれども、都バスと運営上あるいは経営上、円滑な調整が期待できるという面もございます。また、都営荒川線と交差しますので、その辺との円滑な連携もできるというメリットがございます。  そういういろいろなメリット、場合によってはデメリットもございますので、そういったことをこれから鋭意検討して決めるわけでございまして、要は、一日も早く事業を進めるように、こういう希望が地元に強いことは重々承知しております。そういうことを念頭に置きまして、ご意見を踏まえながら、今後慎重に検討したいと考えています。 ◯渡辺(康)委員 今の局長の答弁を聞いていますと、私は、都が直接事業主体になるということでメリットの方が大きい、そういうふうに受けとめました。ぜひひとつそういう点で、東京都は積極的なイニシアチブを発揮していただいて、一応目指しているところは一日九万人ということですから、また、そういう可能性もあるということですから、決して赤字路線ではないということもつけ加えさせていただいて、東京都の交通局の事業主体によるところの一日も早い事業化をお願いしたいということを強く要望して、終わります。 ◯谷口委員 私は、駐車場の資料をいただきましたので、幾つかお尋ねします。  今、東京都は、駐車場条例の改正作業を進めているということですけれども、具体的にどのような方針で、どのように進めているのか、教えてください。 ◯木内建築指導部長 駐車場条例の改正作業についてのお尋ねでございますが、駐車場条例の改正に当たりましては、駐車場法及び標準駐車場条例の改正を踏まえまして、円滑な都市交通の確保と都市の活性化を図るため、主として三つの点について考えております。  一点目は、適用地区の拡大についてでございます。現在、二十三区特別区と八王子、立川、武蔵野、三鷹の四市が適用地区となっているわけでございますけれども、その他の市においても駐車場条例の適用を考えておりまして、今後、関係市とも調整を行う予定でございます。  二点目は、附置義務が対象となっている建築物の規模でございますが、駐車場法等の趣旨を踏まえまして、その規模を引き下げることを検討しております。  三点目は、附置義務台数の算定基準についてでございますが、これも、昨年六月に建設省から出されました標準駐車場条例及び駐車場需要の実態調査を参考といたしまして、その強化を検討しているところでございます。 ◯谷口委員 最近の駐車場に対する需要だとか、車社会ということについて考えてみますと、人間がいれば必ず車がある。車はついてくるという実感を持つわけでございますけれども、それで、民間のマンションなんかでも、最近では一〇〇%の台数の駐車場を附置したマンションが出現する。それくらいやらないと、マンションも売れにくくなってきたという現実があるわけでございますね。  それで、車庫法が改正されて、また、駐車場の料金がどんどん高くなっている。これは、いわば需給バランスが崩れてきたということになろうかと思うんですけれども、そういったことで、車社会というものをどういうふうに認識しているのかということが非常に重要な問題だと私は思っているわけです。そして、車というのは一軒に一台という時代から、もう今では二台とか三台とか、そういうふうな家庭も出現しているわけで、駐車場の整備というものは、万能薬というのはないかもしれないんですけれども、何とかしなきゃいけないというのもまた一つの現実であると思っております。  そこで、駐車場の条例の改正によって、住居系の地域において集合住宅をつくる、これに対して車庫附置の義務を負わせる可能性があるのかどうか。もし現行法令の状況の中では駐車場の附置義務というのは困難だということになった場合に、今後、新たな条例化を検討してはどうかなというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。 ◯木内建築指導部長 駐車場条例の改正は、駐車場法に基づいて制定されることになっております。駐車場法及び駐車場法施行令では、集合住宅につきましては、商業系地域内に限って駐車場を附置することができる、こういうことになっております。したがいまして、東京都で定める駐車場条例によりまして、住居系地域において集合住宅に駐車場の附置を義務づけるということは、駐車場条例ではできないわけでございます。しかしながら、理事ご指摘のように、集合住宅への自動車車庫の附置というのは大変重要な課題だと認識しておりますので、建設省等関係機関とも協議しながら、鋭意検討中でございます。 ◯谷口委員 私が出していただきました資料でも明らかなように、公営住宅に対して車庫の設置基準というものが定められておりまして、これが時代とともに変わってきた。公社住宅なんかは、もう五〇%ということが書かれておりますけれども、しかし、それも厳密に足りないというのが現実でございまして、夜になれば、団地の周辺なんかは大変な違法駐車が後を絶たないわけでございます。車庫法が変わったから、そのうちなくなるんじゃないかという期待感もあるわけですが、現実にはそういうふうにはなかなかならないだろうと思います。  そこで、地域性もいろいろとあろうかと思うんですけれども、こういった現状に対して、公営住宅、民間の集合住宅等々ありますけれども、特に公的な集合住宅に対して整備をもっと促進をしなければいけないと思っておりまして、その点についてのお考えはいかがでございましょうか。 ◯木内建築指導部長 公団住宅等の公営住宅への車庫の附置についてということでございますが、資料にお示ししてありますように、それぞれ内部基準によって、一定規模の車庫設置を年々努力しているところでございます。まだ十分というわけにはまいりませんが、この辺も、私どもはこのたびの条例改正に当たりまして、関係部局と検討して、その数値の率を上げるということで検討してまいりたいと考えております。 ◯谷口委員 現実は、都営住宅に対する要望というのも大変需要が多いわけでございまして、より多くの人を住まわせたいというのが住宅局の考えでございます。しかし、現実には、先ほど申しましたように、そこに人間を入れれば車は勝手についてくるというふうな社会になっている。そういうふうなバランスの上で、これから駐車場はどれくらい整備をしなきゃいけないか。あるいは、ただ単に平面的な駐車場じゃなくて、駐車棟を整備するとか、そういうふうなことも総合的に考えていただかなければ、これは実現できないんじゃないか。要するに、バランスのとれた集合住宅を実現できないんじゃないかと思うわけです。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それから、民間の集合住宅をつくる場合に、車庫の敷地の前面の道路の幅員というのが規制されておりますね。これも、見通しをよくすればいいとか、いろいろの条件をつけてもう少し改正をしていかなければ、実際問題として駐車場対策というのは難しいんじゃないかというふうにも思うわけです。この点についてはどうですか。 ◯木内建築指導部長 ご案内のように、現在の東京都の建築安全条例におきましては、自動車車庫の敷地の前面道路幅員は原則として六メートル以上と規定されております。周囲の環境及び交通安全上の問題に配慮しながら、自動車車庫がつくりやすいように見直しを検討してまいりたいと考えております。 ◯谷口委員 駐車場問題というのは、議論しても、条例を改正していただいたり、いろいろのことを総合的にやっていただかなければなかなかうまくいかないわけでございますが、最後に局長にお尋ねします。警視庁に出していただきました調査によりましても、かなり取り締まりを一生懸命やっておるということになっているんですが、路上の習慣的な駐車というのは、少しは減少しているとはいうものの十九万台、大変な違法駐車の実態があるわけでございまして、抜本的な対策を考えなきゃいけない。  たまたまこの時期に、農地の宅地並み課税というふうな問題も出てまいりました。商業地区にはそんなに農地はございませんけれども、駐車場整備というものを積極的に推進をするのに、一つのいい条件ができてきたというふうにも考えております。また、もちろん中心部における整備というものも、本格的にもう一遍再検討する必要があると思うわけですけれども、とにかくこの駐車場対策というものに対して、総合的にどういうふうに考えているのか。また、どんなご決意でこれから臨まれるのか、ひとつお考えを伺っておきたいと思います。 ◯岡本都市計画局長 駐車場問題と申しますのは、先生ご指摘のように、近年大きな社会問題となっておりまして、緊急に対応すべき課題と認識しております。そこで、東京都としましても、ことしの五月に、東京都の駐車施設対策の基本方針というものを発表いたしました。そして現在は、引き続きまして、この基本方針を踏まえつつ、庁内に駐車場対策連絡会議を設置しまして、この場で総合的に取り組んでいるところでございます。  この駐車問題につきましては、ハード面、ソフト面のさまざまな方策を総合的に講じていく必要があると思っております。そしてまた、その基本的な考え方は規制と誘導であろうと思います。すなわち、車庫規制とか、あるいは違反駐車の取り締まり、こういったいわゆるむち、規制を行うと同時に駐車場も整備していかなければならない。その両面をあわせ、これからやっていかなければならないと思っております。  駐車場の整備につきましては、道路とか公園の地下を利用した公共駐車場の建設をこれから促進してまいります。また、民間等の駐車場整備に対しましては、国においても助成制度がございます。また都としましても、区とともに今年度、駐車場整備基金を創設しまして、三年間で一千億積もうということにしております。したがいまして、この基金の活用を図ってまいります。  さらに、建築物への駐車場の附置義務の強化、先ほど部長がお答えしたとおりでございますけれども、こういった附置義務の強化の中で、ご指摘の集合住宅の駐車場整備をどうしていくかという問題もあわせて検討していきたいと思っております。いずれにしましても、公共と民間との適正な役割分担のもとで、積極的に駐車場の整備を推進してまいりたいと考えております。 ◯森田委員 今、駐車場の問題が出ましたけれども、私は、車ではなくて、自転車の問題についてお伺いしたいと思います。  この自転車駐車場、いわゆる駐輪場については、主たる所管が生活文化局だということを伺っておりますけれども、今、状況は大分変わってきているんではないか。ある部分では、都市計画の中に入れてやっていかないことには解決できない状況になっているんじゃないかと思います。そういう状況の中で、都市計画局の方は、この駐輪場問題、あるいは放置自転車の問題についてどのように認識し、また取り組みをされているのか、まずお伺いしたいと思います。 ◯木内施設計画部長 自転車駐車場対策でございますけれども、ご指摘のように、現在市町村が主体になって進めておりますが、東京都におきましては、交通安全の観点から、市町村指導という意味で、生活文化局が所管局となっております。  この放置自転車の認識でございますが、特に駅前、あるいはデパート等の人の集まるところの前が、放置自転車によって大変汚されております。これは、都市美観からしても、あるいは安全対策からしても好ましいことではございません。そういう意味で、都としては先ほどの生活文化局が中心になりまして、市町村指導をしているわけでございます。  都市計画局の取り組みでございますが、都市計画につきましては、市町村が行います自転車駐車場にかかわる都市計画決定、あるいはこれを国庫補助事業を受けながら事業を実施するわけでございますが、その窓口等を担当いたしておりまして、社会的な要請を受けまして、自転車駐車場の整備促進を積極的に図るという観点から、関係市町村を指導、助言しているところでございます。 ◯森田委員 私のいただいた資料では、都市計画局も、都市計画自転車駐車場事業というものの窓口になり、市区町村への補助をやっている、こういう事業をやっているわけですね。したがって、今いわれたように、例えば私の住んでいる杉並区も一生懸命駐輪場はつくっているわけです。ところが、まずお金がかかる、場所がない、さまざまな問題があって、なかなか進まない状況にあることはご承知だと思います。  そういう面からすると、単に交通安全の立場からだけではなくて、まちづくりという観点から取り組んでいかないと、この問題はこれから解決できないんじゃないかなと思います。私の住んでいる例えば荻窪、高円寺、この地域は都内でもワーストファイブに入るような放置自転車が多い地域になっているわけですが、こういう地域であればあるほど場所がない。そういう面からすると、交通安全ではなくて、都市計画という観点からとらえていかないと、この問題は解決しないと思います。そういう面で、考え方を少し変えていくような方向にならないだろうかと思うんですが、どうでしょうか。 ◯木内施設計画部長 ご指摘のとおりでございまして、交通安全プラスまちづくり、これは先ほど申し上げたんですけれども、美観上の観点からしても、全く好ましいことではございません。そういうことから、積極的に側面援助を都市計画局が現在いたしているところでございます。しかし、都市計画局がもっと積極的にかかわるべきだろう、そういうお話でございますが、最近の事例といたしまして、東京都が実施しております街路事業、五日市街道でございますが、これは高円寺でございます。その事業を実施しているわけでございますが、その地下を利用して自転車駐輪場をつくりましょうということで、その取得した用地を提供いたしまして、事業者は区でございますけれども、これはまちづくりの観点でございますけれども、そこへも自転車駐車場をつくる、そういうことで進めております。  最近、各区市ともそういう機運が出てきておりまして、私どもも、事業主体は大きな仕切りの中で、これは区市町村にやっていただく必要があると思いますけれども、側面援助をさらに積極的に進める。例えば都道の下、あるいは公園の下等も積極的に利用してもらうような配慮を、我々のサイドで、都市計画の観点からも進めていきたいと思っているところでございます。 ◯森田委員 今いわれたように、五日市街道の地下、ここに地下駐輪場ができることは地元でも大変に喜んでおりますし、こういう面をさらに推進していただきたいと思います。聞くところによると、浜田山の公園の下にも駐輪場をつくると聞いておりますが、この計画はご存じでしょうか。 ◯木内施設計画部長 現在、杉並区が中心になりまして、東京都、建設省、関係者が集まりまして、その可能性等につきまして検討を進めているところでございます。 ◯森田委員 その新高円寺の五日市街道地下の事業を伺ったところでは、これは区の事業ですけれども、ほとんどが国と都の出費で、区にほとんど負担なくてできている状況なんですね。国庫補助が四五%、都費が一一%ですけれども、区が出している四四%というのは、ほとんど財調で担われている。こういう面では、区としてはこういう形になれば、すばらしくつくりやすいのではないかな。したがって、これからつくる駐輪場はできる限り都市計画決定をして──これは地元からなければできないんでしょうけれども、そういう形で、区の負担が少なくなるような形で駐輪場の整備を推進していただきたい。そういう方向をぜひ持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯木内施設計画部長 最近、自転車駐車場をつくるにしても、大変な事業費がかかります。現在、一台当たり二百万程度かかる。これは地下式の場合ですが、そういうふうにいわれております。したがいまして、なかなか本来の事業主体でございます区も動きづらいのは、大変な財政負担が伴う、そういうことであったかと思います。  制度が整理されまして、都市計画決定いたしますと、例えば国の補助、あるいは都市計画交付金、さらにはその残った部分を財政調整で補てんする。これは起債の充当でございますが、そういう制度ができまして、事実上区がみずから一般財源を支出するのはほとんどゼロ、そういう状況まで財政補てん制度が整理されております。したがいまして、こういう制度を積極的に活用し、私どもも都市計画決定という役割を担っているわけでございますが、そういうご援助を申し上げながら、積極的に本来事業者である区が自転車駐車場の整備促進に取り組んでほしいと期待しているところでございます。我々もさらに一層のご努力を申し上げたいと思っているところでございます。 ◯森田委員 ちょっと済みません、伺いたいんですが、既設の都道の下に駐輪場をつくる場合でも、都市計画決定はできるんですか。 ◯木内施設計画部長 ご指摘のとおり、できます。 ◯森田委員 これは要望ですが、今、荻窪地域が大変な放置自転車で埋まっているわけです。北側も南側も大変な数で、商店も事業がしにくくなっている状況ですから、車いすはもちろん、歩行者も歩けない状況になっているわけです。今地元からは、青梅街道の都道の下にぜひ駐輪場をつくりたい、また、つくってほしいという運動がすごく盛り上がっておりまして、聞くところによると、その状況を見に鈴木知事も近々行こうということになっているようでございます。したがいまして、これから地元からも要望が出てくると思いますけれども、ぜひ荻窪地域に地下駐輪場が、青梅街道の下にできれば最高だなと思っていますので、このことを要望いたしまして、質問を終わります。 ◯清原委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。    午後三時七分休憩
         ━━━━━━━━━━    午後三時二十四分開議 ◯清原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  発言を願います。 ◯池山委員 決算委員会ですから、決算の数字でお尋ねしたいんですけれども、決算説明書の三三ページに都市交通施設等助成費がありまして、この中に東京都交通局に対する補助金が百四十一億何がし出ているんですけれども、前年と比べると非常に多くなっているわけですが、この多くなった理由を聞かせていただきたいんです。 ◯木内施設計画部長 決算書によりますと、平成元年が他の年と比べまして、交通局に対します地下鉄補助が突出いたしているところがございます。その理由でございますけれども、地下鉄に対します補助につきましては、運輸省、大蔵省、自治省の三大臣の覚書によりまして、予算の補助として、地下鉄事業者に対しまして一定の補助をすることになっておりますが、それに対しまして、地方も同額つき合う、補助する、そういう制度がございます。  元年度が突出している理由でございますが、国の財政事情等がございまして、それ以前の年度におきましての本来の計算上の補助額が、財政上の理由によりまして補助できなかった経緯がございます。そういう財政調整がございまして、その財政調整の意味で、元年度において一定の額が上積みされた、補てんされた、そういう状況でございます。それが突出している理由になっております。 ◯池山委員 財政調整を元年まで受けた金額は大体どのぐらいになるのか。  それから、この補助は国が二分の一、東京都が二分の一。東京都は一体どうしたのか、この点、お聞かせいただきたい。 ◯木内施設計画部長 三大臣の覚書によりまして、一定の額を国が補助をいたす、その同額につきまして地方公共団体がおつき合いする、そういう制度でございます。そして、この元年の財政調整につきましても、国の措置に応じまして東京都もおつき合いをしているわけでございますが、そのときの国の考え方ですと、これまでに約百億円が財政調整されていた、それについてお返しする。そういうことで東京都も五十億ほど上積みいたしておりますし、それから、国の方もその分だけ財政調整をいたしておる、そういうことでございます。 ◯池山委員 これは、補助決定がされると、十年間について大体三%、その年度によって六%、四%とずっと出ている。これが、国の財政事情が悪化しているという事情で、本来四%支給されるところが、一%カットして三%しか来ない。補助決定は最初の年度にされているんですから、補助決定されたものを、途中から国の事情で補助金を削る、これは国の措置というのはけしからぬ措置である。しかも、これに東京都が右へ倣えをしたというのは理由にならないと思うんですけれども、この点はどうなんですか。 ◯木内施設計画部長 申しわけございません。財政調整額を先ほど百億円と申し上げましたけれども、数字が出ておりまして、過去五年間で四十五億ほどでございます。  なお、ただいまの質問でございますけれども、これはあくまでも国の予算制度による補助でございまして、あくまでも財政事情とにらみ合わせながら、その予算の範囲内で補助をいたす、そういう規定でございます。したがいまして、制度としては一定の率を毎年度補助する形にはなっておりますけれども、財政事情が伴わなければ、残念ながらカットがあり得るわけでございまして、それが予算補助の特質でございます。そういう意味で、後ほど補てんされたわけでございますけれども、途中途中におきまして減額されたこともやむを得ないだろうと思っております。  なお、東京都のつき合いでございますけれども、これもあくまでもその覚書の中で、国と同額を地方公共団体がつき合うという規定になっておりますので、それに従いまして、国と同額を東京都も補助いたしていた経緯がございます。 ◯池山委員 できる規定といいますけれども、例えば年度ごとに国との間で決まって、十年間でこれだけ払うという部分は、補助の交付決定がされるんですよ。これは、予算があるなしにかかわらず、交付決定されたものは支給すべきなんですよ。ところが、十年間のうち、財政事情が大変だからということで途中でカットをしてしまう。私は、こういうことは許されないことだろうというふうに思っています。  私、ひとつここで聞こうかと思うのは、これが実は地下鉄の、この間値上げになりましたけれども、不良債務の一つの原因になっているんですよ。そうすると、この間、起債のほかに一時借入金を市中銀行その他から借りなければならぬ。これを調べてみますと、一般会計や埋立会計から借りているんですけれども、これに対して利子を払っているんです。それでは、そういう部分で都市計画局を窓口として出している部分、今まで繰り延べにしていた部分は利子を払いましたか。今回、利子を払っているのか払っていないのか、聞かせてください。 ◯木内施設計画部長 先ほどの補正されました分でございますけれども、この内容分析は、残念ながらいたしておりません。恐らく制度上、利子は支払いしてないはずでございます。 ◯池山委員 これは、都市計画局にこういう質問をするのは酷なのかもわかりませんけれども、補助決定がされているものを、国の都合でカットをしてしまう。これに都市計画局を通じて出される部分も、この時点は東京都は財政的には非常に余裕のあった時期だけれども、右へ倣えしてカットをする。そして国が財政状況が回復したということで、平成元年、今までのカット分を支払います。そうしたら東京都も支払う。しかし、この間の支払いについては利子は一つも払っていない。  大体私どもの計算でいくと、この間、一般会計、いろんな形で不良債務になり、一時借り入れその他でやりますけれども、先日のあれでは約二十億の利子負担をしている。この利子負担、市中銀行よりは確かに少ないかもわかりませんけれども、交付金が来ないから一般会計や埋立会計から借りる。これについては利子を払う。これじゃ、都民に納得させるということができないと私は思いますよ。交付決定されているものについてカットしながら、同じ東京都が利子を取って交通局に金を貸す。  私はこの点について、利子の方は財務局の関係ですから、おたくの方にいっても意味はないと思うけれども、なぜ問題にするかというと、また国のカットが平成二年から始まっているんですよ。東京都は今度はカットしていませんけれども、少なくともそういう面では、国に対して、補助決定されている金額は支払わせる。同時に、この間の利子その他の問題については、当然負担すべきだというふうに考えるんですけれども、これは、局長、財務局その他で、この矛盾の問題について解決するためにどういうふうに努力していますか。 ◯岡本都市計画局長 地下鉄建設にかかわる補助制度の問題でございます。この制度につきましては、平成二年度に一部改正されましたけれども、昭和五十三年から続いておりまして、建設の翌年度から十年分割で、六、五、四、三、三というふうに補助がついてくるものでございます。先生のご指摘は、その途中におきまして、当然来るべき割合の額が来なかったということについてでございます。  これにつきましては、国の肩を持つわけじゃございませんが、総額としての予算枠、その範囲内で補助するという規定、それから、全国的に見ましても、札幌、仙台から福岡、北九州に至るまでいろんな公営企業がございまして、そこにどういうふうに割り振るか、各企業の経営状態のよしあしも関係あるわけでございます。そのようなことからしまして、一時期、相当財政事情が悪い時期がございまして、調整を受けてしまったということでございます。  こういった時期につきましては、都としても、国に強く当初予定された額を交付するようにという要望をしてきております。しかしながら、それが思うに任せなかったということでございます。  先生のご意見はよくわかりますので、また今後このようなことのないように、私ども十分庁内でも打ち合わせしますし、国に対しても要望してまいりたいと考えております。 ◯池山委員 私は、もうこれは質問じゃありません。国の財政事情云々といいますけれども、例えば十年間で平成元年までのやつは、初年度六、五、四、三、三、三、三、三、それで最後の九年と十年が二、二になっているわけで、例えば四年目を見ると三%を一%だけカットしてしまう。これが四年か五年続いているんですね。それが最後の平成元年に返されているわけですけれども、やはりそういう面での不足をして──既に交付決定をして、しかも地下鉄建設費の六割にもならない額ですから、この交付決定を中心として建設計画が組まれている、この金が来なければ、どこかで金を借りなければならぬ。しかし、国へ右へ倣えして東京都が金を払わなかった分を、一般会計から金を借りると、一般会計から利子を取られる、埋立会計から借りると利子を取られる。これで交通会計が大変な状況になったといっても、これは都民は納得しないですよ。東京都が出すべきものを出さないで、それで東京都に借りれば利子を取られるなどという……。だから私は、今後こういうことのないように、それからもう一つ、既に国からカットが始まっていますので、これは全額取るということで今後やはり努力をしていただきたい。これだけお願いして終わります。 ◯阿部委員 何点かご質問させていただきたいと思います。  初めに、過日、窓ガラスなどの落下物の実態調査が行われて、公表されたわけでありますけれども、この概要と、それから前回、昭和五十五年に調査をしているわけでありますけれども、その調査の時点との関係で、今回の調査の結果から見て、この間どういうふうな変化があったのか。その辺の、少し追跡をした上での問題も含めて、概要を説明していただきたいと思います。 ◯木内建築指導部長 窓ガラス等の落下物実態調査は昭和五十五年からやってきたわけでございますけれども、平成元年、二年度、これは昭和五十五年にやりました避難道路沿いを再調査いたしたわけでございます。  その結果でございますけれども、調査対象建築物一万五千四百七棟のうち、一部に落下のおそれのあるものは九百棟、五・八%でございました。そのうち、一部落下のおそれが大きいという危険度大というものでございますけれども、そういうものが百四十九棟で一%ということでございました。  建築年代別の内訳で申し上げますと、落下の危険度大というのは、やはり昭和二十五年以前の建築物につきまして、百十八棟のうち二十五棟ということで二一・二%、突出しているわけでございますけれども、これは経年変化と、古くなった事情ということ、あるいは施工法等が古い窓ガラス等につきましては、フィックスの様式がありましたので、そのような結果になったわけでございます。四十年以降の建築物について見ますと、一万三千九百四十四棟のうち六百七十六棟、四・八%ということで、最近のものについては率が低くなっているという状況でございます。  調査項目の項目別の内訳でございますけれども、一部落下のおそれがあるものというのを見ますと、千三百九十九項目のうちで、これは総数八万二千五百四十七項目に対しまして一・七%の比率でございます。そのうちタイル張りというのが最も多うございまして、四百六十八項目でございます。タイルというのは、張りまして五年、十年たちますと、接着部分につきまして経年的な劣化がございまして、こういう結果になっているわけでございます。それから、建築物からの突出物等が三百九十項目ございまして、二七・九%、建築物の突出部、これは、そで壁とかベランダとかというものでございますけれども、これが二百九十一項目で二〇・八%、このような順番になっております。  以上、概要についてご説明申し上げました。 ◯阿部委員 五十五年に調査をした時点と今日の時点においても、まだかなりの部分が、棟数こそ事実上減少してきておりますけれども、現実、危険物落下による危険というものが依然として解消されていないということが、この調査の結果、裏づけられていると思うわけなんです。特に階層別の問題で見ますと、三、四階が圧倒的に多いわけでありますけれども、超高層の場合、十階以上、一部に落下のおそれのあるものが五・四%、仮に四十四棟あるというような結果も出ているわけであります。  こうなってきますと、やはり大手の部分でもかなり危険が存在をしている。事が防災上の問題と、これにかかわる避難道路という点に絞って調査がされているということであるわけでありますけれども、一番危険が生ずる重要なところでこういう事態になっているということであれば、それ以外のところでもかなりの部分がまだ残されているんじゃないかなというふうにも類推されるわけでありますけれども、この点についてはどういうふうに推定をされているのか。 ◯木内建築指導部長 現在まで累計の調査棟数が八万棟を超えているわけでございまして、指定容積率四〇〇%以上の地域にある三階以上の建物につきましては、この調査の項目の中に入っておりますので、大体調査はしたというふうに理解しております。  ただ、それ以外のものについてどうするかということでございますけれども、落下物といいますか、建物の維持保全というのは、本来は所有者の責務でございまして、そういうことで、私ども、今後パンフレットを作成して、今回の対象にならないような建物につきましても、建て主の方々に維持保全について十分留意していただくようにPRしてまいりたいと考えております。これには区の広報等も利用させていただきまして、それからまた、改修に当たりましては、区でやっております建物の一部改修資金というようなものの活用もお願いいたしましてやっていく必要がある、このように考えております。 ◯阿部委員 落下物による被害というのが全部解消されれば一番いいわけでありますけれども、時々これに対する落下物による問題が新聞等にも報道される非常に重大な問題にもなっているわけであります。先ほどいわれましたように、タイル張りの問題が過日も都内であったわけですね。  今のお話によりますと、これらは、いわば個人の裁量でやるというようなことで、それなりの資金の貸し付けというようなことがあるわけでありますけれども、本来この種の問題については、助成というものはお考えになっていなかったわけですか。やはり促進をしていく、一年でも早くすべてなくしていくというのが、防災上、安全上からいっても大事な問題だと思うんです。  一般的にPRだけでは、財政力の関係、その企業のいろんな問題もあると思いますけれども、それらを促進していく促進剤として、これまで東京都として、これが進まない問題としてどういうふうにとらえておられたのか。単に持っている人の怠慢によってなのか、それとも財政力の問題なのか、いろいろあろうかと思いますけれども、この間にいろいろと調査の過程の中でお聞きになっていると思いますけれども、どういう状況になっておられるのか。 ◯木内建築指導部長 改修その他についての状況、あるいは今後どのようなことを考えているのかというお尋ねでございますけれども、今までやりました調査の中で、五十五年当初やりましたものにつきましては、改修率が九七・三%ということでございます。六十三年度のものにつきましても、四六・五%という改修実績でございまして、平成二年度は一・五%という、まだ始まったばかりでございますが、全体といたしまして、この十年間で改修されましたものが六九・四%と、七割弱あるわけでございます。  ですから、私どもの調査、今までやってきたPRは決して効果がなかったわけではないと考えているわけでございます。いずれにいたしましても、三割程度がまだ残っている。こういうことでございますので、委員ご指摘のように、融資その他のものにつきまして、今、各区で建築物の一部改修、ふろ場とか台所等改修という小口の修理についての資金が融資されている制度がございますので、それらの活用等も検討させていただきまして、ご協力いただけるところはしていただくようにお願いしていきたい、このように考えているわけでございます。 ◯阿部委員 一定の効果というか、成果が出ているということは今の数字でもわかるわけでありますけれども、私は、たとえ一%であろうと不安が残るということは、やはり行政の立場から、今、災害、防災が叫ばれている点から考えてみても、一〇〇%にならないと安全が確保されないということが、私はやっぱり行政としてとるべき姿勢だと思うわけですね。  そういう点で、今お話がありましたように、今後の課題として、やはり私は、バランスの関係とよく行政はいいますけれども、済んだところはともかくとしても、一日も早く促進していくという状況であれば、やはり一定の助成措置も考えながら促進していく、そういう前向きな姿勢、積極的な姿勢をとるべきではないだろうか、こういうふうに思うわけですね。  やはりこれらの問題について勧告されたものが実際問題どう進んでいるのかということを年ごとにきちっと把握しておかないと、何年か後ということになれば、これは結果としてまずい問題も起こり得る可能性もあるので、その辺、今後の課題としても十分ひとつフォローしていく、そういう姿勢を堅持していただきたいと思うわけでありますけれども、その点の姿勢をあわせてご答弁していただきたいと思います。 ◯木内建築指導部長 追跡調査といいますか、フォローでございますけれども、私ども、調査したものにつきましては、改修が終わったという報告が参りますまで、毎年はがきによりましてその結果の報告を求めるということをやっております。  それから、ご案内と思いますが、特殊建築物の定期報告制度というのがございまして、これは三年に一遍が一般的でございますけれども、大規模のものについては毎年あるわけでございます。その定期報告の調査項目に、外壁等の落下防止につきましても報告するようにという項目を設けまして、これもあわせてやっておるところでございますので、今後も引き続きそれらを充実してやっていきたい、このように考えております。 ◯阿部委員 ぜひひとつ助成問題も考えて、積極的に今後取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。  次は、都市公園の関係でお尋ねをしておきたいと思いますけれども、今、東京都、例えば二十三区を見た場合に、都市計画決定されている地域内の中に、大企業なり、あるいはまた官公庁、これらがこの地域の中に存在しているということで、現状どういうふうになっているのかおわかりでしたら、ちょっとご説明願いたいと思います。 ◯吉原地域計画部長 大規模公園の中に企業等の土地利用の現況がどうなっているかというご質問でございますけれども、例えば練馬区にございます石神丼公園、全体の都市計画決定した面積は四十一・一ヘクタールございますが、現在、日本銀行のグラウンド、あるいは住友銀行のグラウンドがございます。また、杉並区では高井戸公園、これは十八ヘクタールが都市計画決定されておりますけれども、NHKのグラウンド、本州製紙のグラウンド、あるいは大蔵省の久我山総合運動場というようなものがございます。そのほか、江東区の猿江公園、上井草公園、和田堀公園、そういうところでも、それぞれ大企業のグラウンド等が多数ございます。 ◯阿部委員 恐らく今幾つか出たところというのは、その辺の一部を指しているんだと思いますけれども、相当数都市公園として網がかけられている。早いのはもちろん戦前からありますけれども、戦後、昭和二十一年に旧内務省の関係で告示がされているというのが大部分だと思いますけれども、それから見ても四十五年たっているわけですね。  私はこの前、昨年の十二月の四定でも、大企業グラウンドの住民の利用度の問題について質問したこともあるわけなんですけれども、杉並一つとってみても、大企業、あるいは大蔵省、郵政省が持っているグラウンドだけとってみても、十一施設三十三ヘクタール。計画は、杉並は和田堀が五十四ヘクタール、今お話がありましたように高井戸が十八ヘクタールですから、合わせても七十幾つ、そのうちの約半分、三十三ヘクタールに近い膨大な大企業あるいは国が持っているグラウンドになっているんですね。  私はきょう特に問題にしたいのは、この公園用地の問題については、計画上、用地の確保ということについて鋭意努力されているわけであります。事の性格上、なかなか厳しいという状況は私どもも十分承知しているわけでありますけれども、企業なり国の場合については相手が一人ですから。住宅の場合には、相手が多数になってくるわけですから、それぞれそこに生活をしているという状況であれば、これはもう厳しい側面があります。そういう点で、着目する内容としても、大企業、例えば和田堀については、五十四ヘクタールについて、買っているのはわずかまだ半分なんですよ。買収面積は約半分、二十七ヘクタール近くです。残っているのが半分ということになってくれば、これは住民からしてみれば、一体どうなっているんだと。  私はここでお尋ねしたいんですけれども、これまで企業に対して、これらの計画決定されている地域での買収問題についてお話ししたことがありますか、交渉したことがあるんですか、その点についていかがでございましょうか。 ◯吉原地域計画部長 都市計画公園の買収につきまして、企業等に話をしたのかということでございますけれども、今あちこちで都市計画決定されている公園の整備につきましては、今のところ、任意といいますか、そういう形で買収をさせていただいておるところでございます。したがいまして、個別にどこどこを買収したいから応じてくれということでは、今のところ、交渉をしていないのではないかというように考えております。 ◯阿部委員 公園用地の買収の方式としては、事業決定がされたところはともかくとしても、大方事業決定が余りされていないという状況になれば、当然地権者からの積極的な買い入れの申し出がない限り、先行買収というのは余りやられていないというようなことは私も承知しているわけであります。  やはり公園面積を高める。きょうの資料をいただいた中でも、一人当たりを見たところでも、都全体を見ても、決して公園面積は多いわけじゃないんですね。やはり緑を保全していく、公園面積を、住民の側から見れば、三ないし五、あるいは十とか、いろいろあるわけですけれども、このままいくと、未来永劫に公園面積というのは拡大されないというようなことがあるわけですね。私は、誤解を招くといけないのでいいますけれども、住民追い出しというようなことで申し上げているんじゃないんです。そうじゃなくて、これだけの大きな公園面積を実際に買収しようとすれば、相手は限られたところなんだ。同時にまた、これが影響するというようなことは、企業にとってもそんなに社会活動上問題になるというようなことはないと思うんですね。すべてが残っているんですよね。  例えば、和田堀は今そういうふうに申しましたけれども、もう一つ、杉並には高井戸公園というのがあるんですよ。先ほどお話がありましたように十八ヘクタール。この中には今、三つ入っていましたね。これだけのところでも幾つあるかと申しますと、十ヘクタールあるんですよ。三つだけで十ヘクタールあるんです。つまり、十八のうち十ヘクタールですから、六割以上、この三者で持っているわけです。NHKを含めて、大蔵、本州製紙、これだけのものが依然として公園面積だということで公表はされているんです。考えてみますと、半世紀に近い年月をかけても、依然として都民の皆さんは指をくわえて、この公園を利用するということについても、このグラウンドを利用する点についても、極めて効率が悪い。ほとんど区民には開放されていないというような現状があるわけですね。  ですから、これが公園として位置づけられてくれば、当然のこととして、都民全体が有効活用ができるというようなことにもなろうかと考えるわけですけれども、今後これらの問題について、都としては公園面積を具体的に拡大していくというような点で、特に大企業との接点というのは積極的に進めていかなければいけないだろう。大体、大企業のグラウンドから、例えば杉並の場合には、神田川、善福寺川に流れる水というのは大変なものなんです。これらのところはいずれも、雨水抑制装置というのは極めて微弱なものしかセッティングされていないということで、大方流れちゃう。これがやはり公共施設ということになれば、当然のこととして地下浸透を考えられる、そういう問題もあろうかと思うわけであります。  この点についても、今後この雨水抑制との関係も含めて、この問題についての解決もしていかなければならぬと思いますけれども、きょうは、公園用地を確保していく、拡大していくということで、私は、和田堀公園の富士銀行、今いろいろと話題になっていますよ。そういう点では、ここを確保するということになれば、都民の皆さんはやったなという気になるんですよ。恐らく富士銀行だって、社会に対する多少のあれを考えなければならぬということになれば、まずメーンバンクの富士銀行の一・二ヘクタール、この点について、とりあえず都は交渉に入るという積極的な姿勢をお持ちになりますか。 ◯吉原地域計画部長 東京都は、西暦二〇〇〇年に現在の一人当たり四・二二平米という公園面積を六平米に拡大しようということで、鋭意公園を整備しているところでございます。  今のご指摘の和田堀公園内にある富士銀行のグラウンド、あるいはそのほかのものにも共通いたしますけれども、確かに計画決定してございますので、我々としては、一日も早く都市計画公園として、都市公園として整備されるべきだろうと考えております。しかしながら、やはりそこにも、企業のそれぞれの職員の厚生施設として、運動施設として整備をされております。雨水等も、緑地あるいは運動場でありますと相当地下に浸透するわけでございますけれども、そういうふうな形で、企業──別に富士銀行の側に立つわけではございませんけれども、職員の、あるいは職員団体との関係もあろうかと思います。しかし、先ほども申しましたように、都としては、二〇〇〇年までに六平米という目標もございますし、さらに拡大をしていくということが必要であろうと思っております。そういう企業からの申し入れがございますれば、先行取得などの制度を使いまして、積極的に対応していくということを考えております。  したがいまして、この富士銀行のグラウンドを買収するというのは、相手の都合もあろうかと思いますので、今の段階でそういう行動をとるというのは難しいのではないかと考えております。 ◯阿部委員 今、吉原部長から、相手から申し入れがあれば買収すると。今の姿勢からすれば、申し入れがなければ未来永劫にお買いにならないんです。そこが、これまで半世紀にわたって放置されてきた問題だろうと私は思うんですね。ですから、今あなたがおっしゃったように、二〇〇〇年までに一人当たり六平米を実現をしていくという、そういう状況から考えてみた場合に、今までの姿勢ではこれはできないと思いますよ。  そうなってくると、住民を無理に追い出す結果になっちゃうんですよ。無理なことをやれば、住んでいる生活権を奪っちゃうわけですね。無理なことをやらなくて済むというのは、企業なり、あるいは国が持っているそういうところを確保していくというのが一番確保しやすいんです。確かに福利厚生に使っている。そういう団体の意向もある。それは今後の利用の関係なんかでも大いに考えていくということで、私はこれはコンセンサスはできるというふうに思うわけなんです。  ですから、そういう点で、今の富士銀行だけにとどまらず、こういうふうな大企業が集中して利用している、中にはこの計画が決定されてから買収されているというようなところもあるわけですね。つまり、二十一年に決定されている。その後にこの地域を買収して、そこをこういう利用地として運用している、こういう経過も幾つかのところであるわけですね。そうなってくると、当然これは公園計画に入っているんだということで、これを買収した人も当然のことと、いつかはこれは公園用地としなければならぬだろうという、そういうものを持っているはずなんですよ。にもかかわらず、一般論として、相手側から買ってほしいということがあれば買いますなんだ、こういう姿勢だからこれは進まないんですよ。  むしろこちらから積極的に、都民から、あるいは区民からこういう要望が出ているんだ、公園面積もふやさなければならぬ、そういう至上命令も出ているんだということで、協力してくれんかと。こういう積極的な姿勢が、今やはり都に要望されているんだと思いますよ。その辺の転換をしないと、これは今後一世紀かかったってできるわけないんですよ。そういう点についての積極的な姿勢をお持ちにならなければいけないというふうに思うわけでありますけれども、部長、再度、答えられたら答えてくださいよ。同じことだったらだめですよ。 ◯吉原地域計画部長 先ほどは失礼しました。ちょっと言葉が足らなかったのでございますけれども、原則はそういう形で、相手方の申し出を待つといいますか、追い出すようなことじゃなくて、話し合いで買収していきたいということでございますけれども、当然のことながら、先生が今ご指摘のように、西暦二〇〇〇年の六平米、あるいはそれ以降につきましてもさらに拡大していくという立場から、適切な時期に事業認可を取りまして、積極的に買収していくということは当然考えておる次第でございます。ただ、その時期をいつかということは、今の段階では、喜士銀行のグラウンドその他につきましてまだ答える段階でないということでございますので、ご理解いただきたいと存じます。 ◯阿部委員 ぜひ大企業の買収については積極的に、早期に実現できるように、ひとつ前向きに取り組んでいただくよう、この点については強く要求しておきますよ。  次は、多摩の建築指導の問題でいろいろと昨今問題も出ておりますし、過日、請願も、建築紛争、あるいはまた一般建築、そういう点についての事務所の問題とか、職員の配置の問題とか、あるいは事務所そのものがあの広大な多摩地域に二つしかないということが請願が出されて、趣旨採択になったわけでありますけれども、これを受けて、東京都は、今後これらの問題についてどういうふうになさるお考えなのか。その辺の方向性を、当面の問題と、それから今後どういうふうにしていくのかということもあわせて、ちょっと所信をお聞かせ願いたいと思います。 ◯木内建築指導部長 第二回定例会におきまして、違法建築に対する監察制度の委任に関する陳情が趣旨採択されたわけでございますけれども、その後、私どもとしては次のような取り組みをしてきたわけでございます。  建築行政事務の一部を市町村に委任してほしいとの陳情が趣旨採択されましたことを踏まえまして、七月中旬に多摩の市長会事務局に参りまして、都議会における審議の内容及び最近の建築行政を取り巻く状況等を説明いたしました。市長会に対する移管交渉の再開のための具体策について意向打診を行ったわけでございますけれども、私どもの意向については理解を示しつつも、具体的な進展は見られなかったというのが状況でございます。  また、八月になりまして、一部の市に対しまして、まちづくりを進める上で、都市計画行政と建築行政が一体となって処理されることが、市民にとっても最も望ましい姿と考えられますので、建築行政の移管を受けるよう要望したわけでございますが、現在の段階では、確答を得るというにはまだ至っておらない状況でございます。  今後の展望というご質問でございますけれども、私どもは、建築行政を市が行うメリットを、これから各市にご説明してまいりたいと考えているわけでございますけれども、そのメリットは、各市が定めました土地利用計画をみずからの手で担保することができるということとともに、地区計画などの都市計画と一体の行政が進められまして、まちづくりに大いに役立つものというふうに私どもは考えているわけでございます。  さらに、各市の建築確認件数の六〇%から七〇%が個人住宅でございます。市の特性に応じたきめ細かな指導や相談が行えるので、住民サービスの向上にもつながるものと考えておりますので、これらのメリットを十分理解していただいて、各市がそれぞれ建築行政を受け入れる態勢をつくっていただきたい、このようにお願いしてまいりたいと考えているわけです。 ◯阿部委員 職員も対応するだけの人員配置ということがいろいろといわれていると思うんですけれども、これらも含めて、移管の問題は基本的な問題でもあるわけでありますけれども、当面の課題として、住民の建築指導に対するさまざまな不平不満、いろいろと出ているという点についての職員配置というものが、一つは解決しなければならない問題だろうと思うわけです。受け持ち件数を減らしていくというようなことも当然出てくると思いますけれども、これは職員にとっても大変な負担にもなってきているというふうになるわけですね。  ですから、事務所の数そのものが少ないということも一つあろうかと思いますけれども、それらも含めて、やり過ぎてはいけないと思います。しかし、あくまでもこういう点について住民が訴えた問題について、行政がこれに対する対応というものを速やかに、これが利便の対象になるということであれば、今後やはり積極的に考えていく必要があろうかと思いますけれども、この点については指摘だけにとどめておきたいと思います。  次に参ります。次は多摩の下水の関係、あるいは雨水の関係でございますけれども、今、多摩地域はどういうふうに進展をしているんでしょうか。まず概括をお示しください。 ◯木内施設計画部長 多摩地域の下水、雨水の進展状況ということでございます。さきに、六月でございますけれども、三多摩、区部合わせました下水道等の普及率を発表いたしておりますが、その状況から眺めてみますと、区部は九三%の下水道普及率、これは汚水ベースでございまして、人口普及で計算いたしております。そういう率でございますが、多摩については七八%、ややおくれている状況でございます。  特に三多摩を眺めてみますと、かなり事前に下水道事業を先行した市、あるいは財政事情、地理地形等の理由からスタートがおくれた地域、これがばらばらでございまして、非常に格差が出ております。都心に近い武蔵野、三鷹等につきましては、これは八市ございますけれども、既に一〇〇%の下水普及率になっているわけでございますが、都心から離れた地域、山岳等を持っている地域、あるいは財政事情等が必ずしも豊かでない地域、特に秋留台地域でございますけれども、秋川、日の出、五日市等につきましては、普及率が一〇%ちょっとという状況でございます。この辺が今後の雨水、下水対策の大きな課題であろうと思っているところでございます。 ◯阿部委員 今お話が出ましたので、私は、特に秋留台開発の地域に入っている、今おっしゃられた秋川、日の出、あるいは五日市──青梅の方は割合進んでいるようですけれども、いずれにしても、この三つの市町は極めて悪いということで、私はこの間、実はあちらに行ったときに見たんですけれども、家々からホースが出ているんでびっくりしたんです。これは何のためのホースなのかなと思ったら、実は秋留台の湧水が庭にわき出てくるんだということで、台風十八号の影響で大体このような状況が一週間かかる。しないと、湧水からの水害を免れるわけにいかなくなってくるらしいんですね。こういう経過を私自身が見ましたものですから、お尋ねしたら、そういうことだと。  今、木内部長からお話がありましたように、町の人がいうには、下水道、つまり汚水の関係が極めて悪い。それから雨水の、つまり、秋留台からの湧水を捕捉していく雨水の導水路がない。これはゼロだというわけですね。ことしはかなり水害が連続して起きているわけでありますけれども、今後も引き続いてこういうことがあり得る。先ほど渡辺委員が秋留台との関係の中でいろいろといわれておりますけれども、大開発が予定されているわけでありますけれども、この開発と関係して、下水道普及あるいは雨水道普及ということを考えているとすれば、それは大変なことだと思うわけですね。地元の人たちは、今でもすぐ解決してほしい。今一番重大な課題としては、もちろん大開発に対する問題もあるけれども、雨水対策としての導水路、あるいは汚水の下水道だ、こういうふうになっているんですね。  ですから、この問題としていわゆる流域下水道、この付近というのは一体どうなっているのか。それから、各市町村が財政力との関係の中でなかなかこれは難しいということであれば、都はどういうふうに対応するのか。これらも含めて、積極的にお金をかければできるわけです。金がないとはいえません、都はあるんですから。そういう点について、山岳地帯とか、あるいはこれらのところはやはり東京都が考えていくということで、二十三区だけが東京都じゃありませんから、そういう点でこれらの住民の環境を保全をしていく、守っていくという積極的な立場というのは大事な問題だと思いますので、こういう点についてどういうふうにお考えになっているのか、お願いしたいと思います。 ◯木内施設計画部長 ご説明申し上げましたように、秋留台地域、確かに雨水、汚水対策がおくれております。したがいまして、私どもは、人が住んでいる地域でございますので、一日も早い汚水対策、雨水対策の推進が必要である、そういう認識でおります。  この地域でございますけれども、現在、流域下水道──これは本来的には下水道事業は公共団体が、市区町村が実施するものでございますけれども、複数の団体が一緒になるというのでしょうか、複数の地域にかかわる下水につきましては東京都が事業を実施できるわけでございますが、その流域下水道事業を現在積極的に進めております。これは幹線管渠、それと処理場の整備でございますが、進めておるところでございまして、東京都も一市町に任せずに、積極的に乗り込んで事業を実施している、そういう状況でございます。  一方、本来事業を実施すべき市町でございますけれども、これらにつきましても、その状況を大変深刻に受けとめておりまして、東京都の補助を得ながら事業を実施しているわけでございますが、何分にも下水道事業は多くの事業費を要します。そういう意味で、関係市町からの要請といたしまして都費の増大等があるわけでございまして、私どももそういう面からも積極的に補助金額の引き上げ等の運動をいたしまして、側面から下水道事業の推進に支援をしていきたいと思っているところでございます。 ◯阿部委員 例えば秋川の場合を一つとってみても、わずか五億円の基金しかとっていないということになれば、これはもう大変なことだと思うわけですね。そういう点では、東京都の積極的な財政援助というのがなければできないということで、単に開発待ちというふうな状況であってはならないと思うわけでありますけれども、そういう点で、市の姿勢がそういうふうなことであってはまずいということが住民の願いだと思うわけです。雨がやんだにもかかわらず、ポンプで吸い上げている、水がどんどんポンプから出ているというような姿が見られるようではね。私どもが行ってそのまま見るというのは非常に残念な状況ですね。  あれだけの台地のところで水害が起きるということになれば、これはどうなんだということがありますので、一度見に行っていただいて、本当に調査してもらって、そして積極的な対応をしていくことが私は大事だと思います。この辺を申し上げておきますので、ぜひひとつそういう点で積極的に取り組んでいただきたいと思います。 ◯野村委員 では、私からは、きょういただきました資料の一〇ページからございます、地下トンネル道路の安全対策から伺いたいと思います。  一番新しいものというふうに考えますと、昭和六十一年ですか、この資料一三ページの別添資料2の右側の方にあります首都高速道路公団の方の、これが一番新しいものということになっておりますが、これまでも中央高速新宿線にかかわって、これは都市部を通る長大トンネルだと。それも、今のところは豊島部分を入れても十・何キロですが、これをまたさらに品川に延長しようという計画があるわけですから、それを加えれば二十キロにもなるという、地下の超長大トンネルだと思うんですね。  そういう意味で、この安全対策というのは特に今まで以上に考えなければならないんじゃないかというようなことで、今までも何回か質問させていただいております。そういう中で、前から首都高速道路公団やら、都市計画局の方でもでしょうか、地下トンネルの安全対策についていろいろと検討している、そういうご答弁をいただいているんですが、それがどこまでいったかということをご報告願いたいと思います。 ◯木内施設計画部長 中央環状新宿線、ご指摘のように、中央線でも約十キロ、さらに将来的には品川線と接続いたしまして、東京の大動脈、大変重要な路線でございますので、早期に建設したいわけでございますが、そういう計画は持っております。合わせまして約二十キロ程度の地下道のトンネルになると思います。  この安全性でございますけれども、現時点では、都市内のトンネルといたしましては、約二キロ程度のものが最大でございます。したがいまして、こういう規模の大きいトンネルに対する安全施設等の設置の問題でございますけれども、これについては例はないわけでございまして、現在、いろいろとトンネルの非常用施設の基準はございますが、それらの基準をさらに強化いたしまして、これからの時代に対応した安全対策を講じていきたい、そういうことで、各種の調査、検討を進めているところでございます。  まず、これは事業者でございます首都高速道路公団が実施しているわけでございますけれども、昭和六十二年と六十三年に、学識経験者を中心といたしまして、都市部長大トンネル防災対策検討委員会、そういうものを設けまして、二年間でいろいろと提言をいたしております。その提言等を受けまして、六十三年には、これは公団内部の事業部隊でございますけれども、都市内長大トンネル非常用施設の検討に関する委員会、そういう内部委員会をつくっておりまして、かなり具体的な検討を、先ほどの学識経験者を含めた検討委員会の報告を受けて整理をしているところでございます。  一方では、平成二年から、トンネル非常用施設に関する調査研究委員会、これも先ほどの六十二年に実施したもののさらに細部を詰めるための整理でございまして、学識経験者を入れているわけでございますが、そういうものを通じまして、具体的な長大トンネルの安全対策をどうすべきか、そういう点について現在検討を進めているところでございます。これは平成二年から平成四年でございまして、平成四年度中にはその成果を整理いたしたい、そういうところでございます。 ◯野村委員 随分前からいわれておりますけれども、ようやく去年から来年度にかけてということで、大変ゆっくりだなと思うんですね。新宿線の都市計画決定はもう既にされているという中で、安全対策は一番基本で、これは、それこそ新宿線の沿道に住む人の問題じゃなくて、できれば、とにかく都民全部がかかわる地下トンネルということになるわけですから。それからまた、新宿線に限らず、これから大気汚染をさらにひどくしないというので、地下トンネルということが構想されていく傾向にあるわけですけれども、そういう意味でも、こんなにぐずぐずしちゃしようがないじゃないかという気がいたします。  中身なんですけれども、例えば私も、ここの委員会でも、この間も建設局の決算の中で、四百メートルの間隔では、ちょうど真ん中で事故が起きたら、二百メートルだと。これで逃げおおせるわけはないというようなことも質問したところなんですが、内容的にはこれをもっと狭める、二百メートルにするとか、そういうようなことは全然出ていないんでしょうか。少しでも出ていることがございましたら、ご報告願いたいと思います。 ◯木内施設計画部長 ご提出してあります要求資料の一三ページでございますが、中ほどに避難誘導設備というのがございます。これは避難路でございますけれども、その右側、首都高速道路公団が現在持っております設置基準でございますが、それを読んでみますと、「非常口の設置間隔は原則として四百メートルとする。」そういう基準を持っております。これは現在の基準でございます。しかしながら、これらにつきましては、先生ご指摘がございましたけれども、学経を含めた検討委員会の中でもこの辺のところが議論になっておりまして、そして、さらに安全性を高める、そういう観点から、先ほど申し上げました公団内部でつくっております委員会、そちらの方へ検討を任せているわけでございます。  そちらの方での検討の状況でございますけれども、それにつきましては、現在、これも鋭意その作業をしているわけでございますが、一応、設置要領の案といたして考えているわけでございます。その辺のところでは、非常口の設置間隔は二百五十メートル程度を標準にいたしまして、最大でも四百メートルにしましょう、現在持っている基準は最大の場合ぐらいにとりましょう、そういうような姿勢を打ち出しているところでございます。  いずれにいたしましても、これにつきましては、今後これを積極的に現地に当てはめて具体化するわけでございますけれども、より安全という点を重点に、今後ともその数値の決定に向けましては研究、検討をしていくということになっております。 ◯野村委員 二百五十メートルということが出されているということでございますが、本当に今、トンネルの車両火災が──これはトンネルだけじゃないですが、トンネルは特にわっとこういうふうに広がるというのは本当に瞬間的なことで、そこで人命が助かるかどうかというのは、非常口まで到達できるかどうかというところにかかわっていると思うんですね。そういう意味で、二百五十メートルで、真ん真ん中で百二十五メートルの距離ですから、これは、まだ私はもっと近くすべきだという意見を持つところでありますけれども、四年度というのもあと一年半あるわけですが、四年度末にということじゃなくて、一日も早くこういう基準が、最も安全な基準が出されて、都民が納得できるというような、そういうものが出されることを期待したいと思います。
     それで、ちょっと思うんですが、随分長いことかかってアセスをやったり、計画の変更をしたりということでやってまいりました中央環状新宿線ですが、この計画で、地下の道路の中で二車線ですよね。いざというときに、救急車だとか、パトカーだとか、消防自動車とか、そういう車が入るゆとりというのは、この間ちょっと眺めていて、これであるのかなという気がいたしましたけれども、そこら辺はどう考えているんでしょうか。 ◯木内施設計画部長 地下道で火災等があった場合の救急車の通路でございますけれども、現在、この路線につきましては片側二車線で上下を分離という構造で考えております。当然ながらかなりの交通量があるわけでございますので、もしそういう状態で火災等事故が発生した場合でも、消防車、あるいは救急車等が通行できるよう、例えば路肩、あるいは側帯等があるわけでございますが、そういうものが十分に機能していけるような構造として今後考えていきたいと思っているところでございます。 ◯野村委員 今後考えていくということで、私も──都市計画の参考資料だそうですが、出されております道路の図を見ていますと、片側八メートルですよね。それでこ車線とるわけですから、今、非常に大型の幅の広い四角い車がありますよね、それがもし二台並んで走っているということにすれば、これは絶対にもう一台入れないなというふうに思うわけで、これはどうしても考え直さなければいけないなと。緊急車両が十分入っていけるということを頭に入れた設計が必要だというふうに申し上げておきたいと思います。  それとあわせて、こういうふうにアセスメントの書類の中にも、また都市計画の説明書の中にも、そこで、トンネルの中で、ある場所の例としてこういうふうに構造が書かれておりますね。そういうもので、これもみんな都市計画決定で動かせないんじゃないかというような、疑問というか、そういうふうに思っている住民の方が大勢いらっしゃるので、この際お願いをしたいのは、都市計画決定というものはここまでが決定の内容なんだということを、ちょっとお示しいただきたいと思います。 ◯木内施設計画部長 最初に、先ほどの幅員の件でございますが、先生、八メートルというご指摘でございました。車道部分は八メートルでございますが、その他路肩等の構造物が入ります。それはもちろん平面上のつくり方をいたしておりますので、緊急の場合はそこを車も通れるわけでございますが、そういうところを入れますと、九メートル四十五センチの設計を考えております。したがいまして、車両限界はたしか二メートル八十だったでしょうか、そのぐらいでございますので、十分に側方にも二台が重なっても余裕がある、そういうことでございます。  ただいまのご質問の都市計画決定の範囲でございますけれども、道路の場合を申し上げますと、決められております都市計画決定の内容は、まず道路の名称でございます、それと起終点、延長等でございまして、主な通過地も入っておりますが、こういうものでございます。  それから、特にご指摘は構造形式だと思いますけれども、構造形式につきまして都市計画決定いたしますのは、二五〇〇分の一の地図で見ました平面上の通し面と、それから、それが道路構造上、かさ上げ式であるとか、平面式であるとか、地下式であるとか、そういう表示のみでございます。そのほか、出入り口のランプはどこに設置するとか、そういったものもございますが、かなり縦断勾配、あるいは標準断面図、そういうものもパンフレット等につきましてはお示ししておりますが、これはあくまでも都市計画法上は参考図でございます。したがいまして、かなり融通性のある内容になっておるところでございます。決められておりますのは、そういうことで、かなり限定した表現ということでございます。 ◯野村委員 ありがとうございました。ということですと、参考に書かれてある構造の例というのは、変えることができるということになるわけですね。  それでは、問題のトンネル建設なんですけれども、シールドエ法でつくられるのが、ちょうど目黒の駒場の東大裏から大橋のインターチェンジができるというところの中ですね。ここは、東大の構内は別にしまして、そこから外れたら、もう完全な住宅地の真下を、上に学校があろうが、都営住宅があろうが、構わずその下を通っていく、こういう線がまさに都市計画決定されたわけですね。  特に住民の方が大変心配で、本当に考えれば夜も寝られないというぐらいの問題が、自分の住んでいる家の地下五メートルとか六メートルとか、そういうところを通る。シールドエ法で道路をつくる。トンネルをつくる。特にかたい岩盤のところなら問題はないんですが、駒場東大のところというのは高いところになっていますから、そこから途中に川があるわけですね。それで、非常に低いところで、昔から田んぼになっていたところで、今でも教育大の農学部の跡地に高校ができたり公園ができたりしておりますが、その中に、現在でも昔のケンネル田んぼというのが保存されているような、そういう地質のところなんですね。ですから、ちょっと掘ればすぐに濡れてくるし、井戸もたくさんのお宅にあって、大変いい水が、おいしい水が現在でも得られる、こういう地域なわけです。  ですから、まさに自分のうちのこの地下五メートルのところを、十四メートルもの大きなシールドトンネルが、それもそういうやわらかい、水をいっぱい含んだところを通り抜けていくということになれば、これは建設の途中でも、またでき上がった後でも、本当に自分のうちが大丈夫なのか、そういうことを心配するのは全く当然の話だと思うんですね。  それで、住民の方が、この間、建設局のときにもお示ししたんですが、私にこういうコピーを下さいまして、これは、土木学会の「トンネル標準示方書(シールド編)・同解説」というんですね。これをちゃんとコピーをして、こうなんですよということで、これほど心配しているんだというふうに下さるわけですね。  この間の文書質問でも質問をちょっといたしましたけれども、まともにお答えいただかないので、もう一度このところをきちっとご答弁いただきたいんですが、その中で一七ページ、一番心配なのはトンネルの土かぶりについてですね。そこにシールド工法ではいろいろと書いてあるわけですけれども、とにかく必要かつ十分な土かぶりをとらなければならない。必要な最少土かぶりは一般に一・〇Dないし一・五D──Dというのは掘削外径だといわれているが、これより小さい土かぶりで成功した例や、これより深くても陥没や噴発などの例があるので、実施に当たっては上記のことに留意し、必要に応じて適当な補助工法を考え、慎重に進めなければならない、大事なところを読めばこういうふうに書いてあるわけですね。  成功したところは、これは結構ですけれども、これより深くても陥没や噴発などの例が実際に今まであったわけですね。これで必要な最少土かぶりは、この住民の皆さんに限らず、一・〇Dとか一・五Dというのは、もう地域の方々もみんな知っていて、五メートルとか、一番浅いところは四メートル、これで本当に安全が保障されるのか、工事は大丈夫なのか。私も、考えてみたら、学校が真上にあるんですよね、中学校ですけれども。そこで六メートルとか五メートルのところを通して、いろんな適当な補助工法を考えたって、幾ら何だってひど過ぎるじゃないかというのは、これは本当に当然な話だと思いますが、どうですか。 ◯木内施設計画部長 今回、中央環状新宿線大橋付近にシールド工法を適用する理由でございますけれども、これは極力、上に生活する人たちの日常の生活に影響のない範囲で工法を定めよう、そういう観点からシールドエ法を用いたわけでございます。これによりますと、上の方々の生活を変えずに、そのまま事業ができるわけでございます。  それから、トンネルエ事標準示方書技術基準によります一般的なトンネルの土かぶりでございますけれども、これはまさしく直径の一倍なり一・五倍が望ましい、そういうふうにいわれております。この場合は、あくまでもそのシールド本体の特徴が生かせる通常の工法として実施する場合のことを触れております。しかしながら、先ほどのように、極力生活に関係ないような形で事業を実施したいという事業者の意思がございまして、シールド工法を適用するわけでございますけれども、その場合、当然ながら、ご心配のような、果たして安全かどうか、崩落はしないかどうか、そういう心配もあることは事実でございます。  そこで、現在事業者が考えておりますのは、そういう安全上、一番進歩しております工法がございます。密閉型シールド工法というわけでございますけれども、上に対する影響を極力少なく、崩落を防止しながら進められる工法でございますが、そういう工法を採用いたしますと同時に、あくまでもその趣旨が、上の方々の生活に支障がない形で進めるわけでございますので、かなり補助工法を用いる必要があろうと思っています。例えば別途補強するわけでございますけれども、別途補強を強力にいたしまして、当初の趣旨を生かす意味で、多少金はかかりますけれども、そういう形で安全は完全に守っていく、そういう姿勢で臨もうと思っているところでございます。 ◯野村委員 地上の住民の生活に影響を与えずに済むために地下シールド工法という、それはそれなりにそういうことを考えられたと思うんだけれども、幾ら補助工法を使っても、何しろ水分が非常に多い土質なわけですよね。そこで水が抜かれれば──下を掘るわけですから、水が抜かれるわけですから、そういうような水がどんどん漏れてしまうということの中で、圧密沈下ということは、これは専門家じゃなくても、あっちこっちで経験していると思うんですね。  私、この間の文書質問の中で、今までそういうシールドエ法を採用した事業で地盤沈下が報告された事例はないかということで伺いましたら、最大二十一ミリメートルの地盤沈下があったけれども、建物に影響を及ぼすものではなかったと。これは、トンネルの外径が七・二メートルで、土かぶりが九メートルだ。これも一・〇Dじゃなくて、もっとあるわけですね。一・二か三のDだけとっていても二十一ミリメートル、この大きさですよね。一ミリならそんなに建物に影響ないだろうと思うんですよ。  私の経験なんかでも、二十一ミリの沈下があれば、鉄筋なら別ですけれども、木造家屋の場合、影響が出るでしょう。出ていると思います。これは、この場合はそういう建物がなかったか、鉄筋の建物だったか、そういう堅牢なものが建っていたから影響がなかったのかもしれないけれども、二十一ミリだって心配だと、これを読んだ住民の方はいうわけですね。実際に目黒でもそういう地盤沈下がございまして、家にひびが入っているんですよね。というようなこともあります。  ですから、それが、この小さい外径で、土かぶりが九メートルあってもこうだ。そうしたら、十四メートルですよね。今までそんなに大きなシールド工法をやったことがありますか。まだ実際にやっていないんじゃないでしょうか。 ◯木内施設計画部長 現在、同様なシールドエ法といたしましては、東京湾の横断連絡道路がございますが、あれにつきましては、十四メートルほどの径のシールドを採用することになっております。それから、東京都が直接やっておりますものといたしましては、神田川調節池がございます。環状七号線の地下に調節池をつくろうというものでございますが、あれが十二・五メートルでございまして、ほぼそれに匹敵するような事業でございます。 ◯野村委員 両方とも、まだ工事が始まっていないんじゃないでしょうか。まだ実例はないんじゃないでしょうか。 ◯木内施設計画部長 設計等すべて整備されておりますが、現在シールド機械を作製中でございます。 ◯野村委員 まだ経験がないわけですよ。それで、今の環七の地下河川でも十二・五で、同じようなとおっしゃるけれども、一・五メートル広いわけですよ。それは、もうこれだから大丈夫だとか、そういうことだっていえないし、まだまだそれは実地に経験されていないことですよね。本当に私も考えてもぞっとするんですが、地下四メートル、五メートルの、自分の立っている地下にそういうものが通ると、それは建物に影響がある。  それから、将来、すぐそばに例えば第一中学校という学校がございますが、そのプールのところを道路が地下を通ります。そうすると、プールのそのすぐ隣、二十メートル離れていないところに建物があるわけですよ。それをこれから建てかえますというときに、どうなんでしょうか。そんなざぐざぐのところにくいを打つわけにいかないから、もっとうんと深くまで打たなければなりませんよね。  そういうことも不安の種でありますし、本当にどう考えても──私の文書質問の答弁に、十分な安全性が確保されるものと考えていると書いてある、考えているんじゃだめなんですよ。本当に命がかかっているんですからね。例えば一中の運動場の真ん中を通りますから、子供たちがそこで体育をするとか、遊ぶとか、そういうさなかにもし陥没が起きてごらんなさい。どういうことになりますか。というように、都営住宅もありますけれども、そういうことを考えても、本当に考えますなんていうようなことでは、もう絶対に実施をされては困るわけですよ。そうじゃないでしょうか。本当にそういうところをどういうふうに考えていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。 ◯木内施設計画部長 これからの事業でございますので、恐らく考えているという表現になったんだろうと思いますけれども、安全性につきましては、これはもう最大の条件でございます。そういう意味で、現在は特殊な土かぶりの状況でございますので、でき得る限りの補助工法を用いまして安全対策を施す、そういう姿勢で臨んでおるところでございます。 ◯野村委員 もうちょっと深いところを通らせるとか、そういうようなことも全く考えないで、大体その浅さというか、現状のままで計画は変更しないということでしょうか。 ◯木内施設計画部長 勾配につきましては、かなり前後の取りつけの問題がございまして、変更は難しいものでございます。したがいまして、安全対策を確保する上で、先ほども申し上げましたけれども、都市計画の決定の内容は、平面的な線形と、それから構造形式でございます。細かなシールドであるとか、あるいはオープンカットであるとか、そういう点までは触れておりません。したがいまして、その枠内で、さらに安全上不安が残るのなら、場合によっては構造変更も考えなければならぬだろうと思っております。  いずれにいたしましても、縦断の変更は難しいわけでございますので、最大の技術を駆使しまして安全を確保していく。さらに地元の方々の不安が残るのなら、場合によっては構造検討も考える、そういうふうに臨みたいと思っております。 ◯野村委員 それはそこまでにしておきますが、この道路建設に当たりまして、やはり沿道の人体に対する健康影響というのが非常に心配されているところでありますが、つい先日、八月の二十二日でしたか、衛生局の方から健康影響についての報告が出されました。  これは、目黒の区民にとっては、特に大橋の周辺に住んでいる人たちにとっては、まさに環状六号線と二四六と高速三号線の二階建てのその真下にある学校だけに、ここを学区域とする学校だけに、非常な関心を持ってその結果を見ていたわけですが、やはり想像したとおりに、それから前に衛生局が発表したとおりに、子供の肺の発達に明らかにこうした大気汚染の影響があらわれているという結果が、ご承知のとおり出たわけですね。こうした道路計画をしていらっしゃる局として、この衛生局の発表をどう受けとめられたか、局長さんのご所感を伺いたいと思います。 ◯木内施設計画部長 私からは、その調査の状況につきまして概略を申し上げたいと思います。 ◯野村委員 いえ、結構ですよ。時間がないし、本当に所感だけ。知らないわけないんだから。道路をつくる担当局として知らないなんて、そんなこといわせない。 ◯岡本都市計画局長 衛生局の調査でございます。東京都公害衛生対策専門委員会によりますと、複雑な大気汚染の実態と健康影響の関係の解明には、より詳細な調査と検討が必要であるとしつつも、本調査によって、大気汚染と健康影響の関連が再び示唆されたことから、東京都の大気汚染状況が一刻も早く改善されることを願い、特に実効ある自動車の排出ガス対策の充実強化を図るよう各方面に働きかけることを強く要望するという意見を具申しております。今回の調査及び東京都公害衛生対策専門委員会の評価を踏まえまして、自動車公害防止計画等に盛り込まれた各種施策を一層推進すべきだと考えております。  具体的に道路整備の上から申し上げますと、交通流の円滑化対策としまして、今後とも系統的かつ効果的に道路整備を進めまして、交通渋滞の解消、通過交通の排除等を図る必要がある。さらに幹線道路周辺の環境対策につきましては、これまでも路線及び地域の状況に応じまして環境施設帯の設置等の対策を講じるとともに、自動車専用道路につきましては、加えて掘り割り化、それから地下化等もこれに当たると思いますけれども、そういった構造上の検討もあわせて行う必要があるというふうに考えております。 ◯野村委員 ここは意見が真っ二つに割れるところでありまして、都市計画局の方は、道路をつくれば交通流がよくなって大気汚染は減るといわれますけれども、これはもうだれもが知っているように、道路ができれば、必ず自動車がふえて、たくさん走って、潜在交通量というか、車庫に眠っていたのが動き出して、必ずもとのようになる。そしてまた、それ以上にどんどんひどくなるというのは、これは私たちのもう既に常識だと思います。  そういう意味から、本当に今、例えば現在、環境影響評価が終わった段階でも、ここにインターチェンジをつくれば、つじつま合わせをして、何とか平成十二年には大丈夫だよとアセスメントには書いてあるけれども、今のその現場にある小学校の子供たちが、ほかの地域に比べて、板橋の子供に比べても、幹線道路に面している子供が二八%もいてなんていうのが書いてありますが、本当にそういう大気汚染に既に暴露されている子供たちで、それだけの影響を受けている。こういう現実を考えたら、私は、このインターチェンジというのは、本当に絶対につくってはならない。現状のままではですよ。現在の大気汚染のままで、騒音のままでつくらせてはならないというふうに決意をしているところであります。  とにかくその大橋の現状を改善するために、まず一つは、今ある道路の汚染を、子供たちの状況を──これから育っていく子供たちにも同じ目に遭わせるわけにはいきませんよね。だから、防音壁というけれども、かさ上げをして、例えば外に汚染空気が出ないように、上をこういうふうにつぼめたようにして、音は反射して中に入るとか、汚染もそのまま外には漏れないようにして、この中で──大和町で研究もして、まだ実用化されていないけれども、将来はこの道路の防音壁の中で汚染物質を吸収して、そしてそれを集めて下へでもおろして、浄化をして、そして大気に放出するというような、そういう研究が本当に急速に進められなければならないと思うんです。そのためにも、現在の例えば高速三号線は頭の上から汚染空気が降ってくるというような感じですが、かさ上げというのができないというようなことをよそで説明を受けておりますが、どういうことなんでしょうか。少ししかできない、二メートルまでしかできないというようなことを聞いております。 ◯木内施設計画部長 道路構造物につきましては、設計当時、設置の当初の段階で、外圧──いろんな外からかかる力を考慮いたしまして、それぞれの構造を、安全で、かつ経済的な形で設計されております。この高速三号線でございますけれども、鋼けたでございますが、ここは材料は鉄材を使いまして設計しているわけでございます。けれども、現在の構造ですと、必要以上の強度をかけますと、基準上好ましくないという状況にはございます。これは当然ながら、道路構造物はそうなわけでございますけれども、そういう意味で、恐らく担当の方は、そう余分な力をかけることは好ましくない、一般論でございますけれども、そういうふうに申し上げたのだろうと思います。  いずれにいたしましても、ご指摘のように、現在ある高速道路の安全対策、環境対策につきましては、先ほどの学童等の健康影響調査に見られるように、これは深刻な問題でございますので、やはり極力そういう現在ある道路の改善は図る必要があろうかと思います。そういう意味で、首都高速道路公団も各所におきまして、騒音対策、あるいは排気ガス対策、それぞれ既存の首都高速道路についても講じております。そういう意味で、この高速三号線につきましてもできるだけの工夫をいたしまして、地元の方々の健康が、そして安全が守れるような対策を研究していく必要があると思いますので、私ども、公団の方へそんな点を強く申し入れしておきたいと思っているところでございます。 ◯野村委員 公団にやれやれというだけじゃなくて、やっぱりこういう中で、都市計画局としても、どんどん道路をつくって、汚染をきれいにするんだなんて、そういうことをいっていないで、何とか現状を解決するために、研究を進めるとか、そういうことがもう必要だと思うんですよね。そのことを一つ申し上げておきます。  もう一つは脱硝装置の実用化なんですが、これはほかのところでも、環境保全局の方にも現在どの段階になっているかということを伺いましたが、大阪の第二阪奈トンネル、そこでは脱硝装置をつけるということを自治体との間で協定をして道路建設を進めている。進めているというか、まだこれはできていないわけですが、その協定というのはどういうふうになっていますか。 ◯木内施設計画部長 第二阪奈有料道路でございまして、大阪府と奈良県、両方が道路公社をつくりまして、両者が一体となって進めております道路でございます。両県の間にあります生駒山脈をトンネルで抜こう、そして国道のバイパスをつくろう、そういう道路でございます。これにつきましては、事業者が地元の方々といろいろと話し合っているわけでございますけれども、トンネルでございますので、換気塔ができます。その換気塔から排出されるガスの二酸化窒素の濃度につきましていろいろと問題になりまして、そして確認書、協定書等を取り交わしているところでございます。 ◯野村委員 その協定書なんですが、必ずNOxないしNO2を浄化すると、脱硝装置をつけるということで、もしつくる時点で、その開発が、実用化が間に合わなかった場合にはどうするというようなことはございますか。 ◯木内施設計画部長 地元の自治会連合会と、これは大阪府側の道路公社の理事長が結んでおります確認書がございます。ちょっと読み上げてみます。  大気汚染に関してのところだけ読んでみますと、換気塔の排気ガス対策でございますが、換気塔からの排出ガス浄化については、その除去技術が現在開発途上にあるが、今後とも研究を重ね、最新の技術的知見を取り入れた効率的な浄化装置を導入するものとする。その二項目に、道路公社側でございますが、道路公社は、大阪方換気塔の建設時において、浄化装置の研究の成果から八五%以上の浄化効率が確保できないときは、大阪方換気塔を中央付近へ移設するものとするということになっております。中央付近といいますのは、山岳部──山の方、上の方ですね。市街地の方から山の方へ持っていく、そういう確認書になっております。 ◯野村委員 東京で、例えば新宿線ではそういうような協定というのは今はないわけですけれども、この精神というのは、東京でも、新宿線建設でも十分おかりできるというか、そのまま使えるものだと思うんですね。そういうことも非常に重要なことであるということを、一言申し上げておきたいと思います。  新宿線について、初めから聞かせていただきましたけれども、私が今取り上げましたどれもが、地域の住民の心配であり、疑問であり、そして要求であります。いずれも現状では、特に新宿線の中でも大橋インターチェンジ建設は納得できないというのは、これはもう申し上げたとおりで、それこそ民有地を通るところは、私どもはそんなものでは判こは押せないというところまでのかたい決意でございます。駒場の地域の住区住民会議は、目黒区に対して要求書もつい先日出してあるところですけれども、本当に私の質問にも木で鼻をくくったといいますか、それから、説明会などでも大変不親切なご答弁で、それでおっしゃることは、皆さんのご理解と納得を得てこの道路をつくりたい、こういうふうにおっしゃるんですが、こういうような態度では、とても都民を、住民の皆さんを納得させることはできないと思うんですね。  私も先ほど申し上げたみたいに、本当にひどい、子供たちがこういう状況にさらされている場所に、新たにすごい大橋のインターチェンジをつくる計画ですし、子供たちが育つのは今なんですよね。今、待っていてください、あと三年後にきれいな空気の中で育ちなさいというわけにはいかないわけですから。毎年毎年、もう日々日々育っているわけですよ。そういうときにこういう影響を受けて、そしてそれは一生その子供に影響を与えるわけですから、そういうところまで本気で都民の命を考えた都市計画でなければならないということを強く申し上げて、終わります。 ◯清原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  都市計画局関係決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯清原委員長 異議なしと認め、都市計画局関係決算に対する質疑は終了いたしました。  以上で都市計画局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後五時九分散会...