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  1. 東京都議会 1951-09-04
    1951-09-04 昭和26年第4回定例会(第19号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後二時二十五分開議 ◯議長(菊池民一君) これより本日の会議を開きます。  この際先般新任されました局長の方々を御紹介申し上げます。主税局長細田義安君。    〔主税局長細田義安君登壇〕 ◯主税局長細田義安君) 不敏でありますが、よろしくお願いいたします。(拍手) ◯議長(菊池民一君) 港湾局長高橋登一君。御本人がまだ見えておりません。  次は人事委員会事務局長萩原辰郎君。    〔人事委員会事務局長萩原辰郎君登壇〕 ◯人事委員会事務局長萩原辰郎君) このたび人事委員会の方へ参りました萩原でございます。まつたく新しい仕事でございまして、私の從來の人事に対する経驗のごときはほとんど役に立たないような仕事であるように存じます。從いまして皆様方の御指導と御鞭撻を特にお願いいたす次第であります。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 昨日十四番山崎良一君の質問演説中、不穏当の箇所が数箇所ありますので、議長はこれを本人の同意に基き速記録より削除したいと考えて、とりあえす議長はこの箇所を指摘いたしまして本人の同意を求めました。削除するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないようでありますから、これを速記録より削除することにいたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 昨日に引続き質問を続行いたします。六十九番新井京太君。    〔六十九番新井京太君登壇〕 ◯六十九番(新井京太君) 私は住宅の問題と結核の対策につきまして、知事に御質問を申し上げる考えでおりましたところ、知事はやむを得ない用事で三時までみえられない。ほかの理事者の方々に聞くことは私としてはなはだおもしろくないのでありますが、もし知事が見えますまで待つておるということでありますと、権利を喪失してしまう。今回の質問演説は罷りならぬということでありますので、余儀なく副知事岡安氏にひとつ御答弁を煩わします。  今回の予算査定にあたりまして、何しろ日本有数の知事──自治行政の大家安井知事を筆頭といたしまして、まず六十九番の席から理事者の側を見ますと、實に一騎当千と申しましようか、市会、府会当時から、都会と、長い間の経驗と学識の持主金原財務局長並び中井予算課長が不眠不休で組立てました予算でありまして、私の方で見ておりますと、どこかに一点でも隙があつたら鳶口を立ててみよというような構えのように見えるのでありますがしかし私どもには承服できない点がありますので、ここに御質問を申し上げるのであります。私の考え方からいたしますと、今回のこの補正予算は巴燒の予算じやないか、巴燒というのはどういうのかと申しますと、一つの型がありまして、うどん粉とあんこを入れて、型通りに並べるというようなきらいがあるのじやなかろうか、もう少し緩急よろしきを得てもらいたい、私はこう考えるのであります。  そこで私は、住宅の問題につきましていささか所見を述べまして御質問申し上げるのでありますが、大体きのうも同僚の野口君、なお加藤君からいろいろ人口問題についてお話がありましたので、多くは申しませんけれども、大体住宅というものを考えますときには、まず人口のことを考えなければならない。そこで私がちようど十五、六歳の時でありますから、今を遡ります、五十年前、はなはだ古いことを申し上げるようでありますが、その時分に日本の人口は三千余万でありました。  われわれと同年配の議員諸公はよく御承知であると思いますが、われわれは小学校で三千余万と教えられておる。それが五十年後の今日八千五百万、ちようど十年に一千万ずつの増加をいたしておるのであります。これは級数的に言えないのでありますから、十年にかつきりきり一千万というわけではありませんけれども、とにもかくにも五十年に五千万の人口がふえておるのであります。そこで東京都のきわめて最近の、一兩年の増加率を見ますと、二十四年、二十五年、二十六年の五月、すなわち約二箇年半の間に、東京都で生れました子供、亡くなつた人を相殺いたしまして、二十五万の人口がふえております。なお轉入轉出を相殺いたしましてどのくらいふえておるかと申しますと、まず八十五万人ふえておる。これを総計いたしますと百十万千百八十四人という厖大な人口がふえておるのであります。そこで翻つて現下の日本の人口関係から大観して見ますと、農地法というものが布かれまして、農村においては二男、三男というものはこれは分家耕作を許しません。何といたしましても生活を求めますのは東京である。東京というところは身を落して働きさえすれば、靴磨きをしても食べて行かれる。パタ拾いをしても生きて行かれるというので、まず東京へ、また若者でありますならば、大志を抱きまして、新聞配達をいたしましても勉強ができる。まず文化の東京、あこがれの東京、一旗組ではありませんけれども、努力のいかんによりましては東京ではけつこうりつぱに成功できるというので、東京へ東京へと、ちようど水が低き湖沼に落ち込んで參りますように、東京の人口というものが増加をいたしておるのであります。高橋局長が向うはち卷で今度も三億何千万円の予算を頂戴して、東京港が完成したあかつきにおいては、東京都の殷賑というものは今日からこれを想像するに余りがあるのであります。こうなつて參りますと、何といたしましても東京へ東京へと流れて参ります人口は、これはいかなる力をもつていたしましても堰止めることはできません。日本がいいというので、ただいまも控室でお話を承りますと、青島方面から百万、二百万の金をかけて日本へ入つて來ようという、命がけで支那から日本に入ろうという者がある。その日本の國内において、農村では生活ができない。何といたしましても東京というので、東京に入つて参ります人口というものはいかなる力をもつても、人間が生きんがためでありますから、これを堰止めることはできません。そこで要するに、この勢いを参酌して政治を行つていかなければなりますまい。私はかつての都議会で申し上げたことがありますが、まず十年後の東京というものは、必ず一千万の人口になるということを私はここに予言をしておくのであります。十年ないし十五年の後には千万人になる。これはいかなる力をもつていたしましても防ぐことはできません。ですからこの東京の人口増加ということを大きな目安といたしまして、すべてのことを計画を立てなけれぽならないのではなかろうか。そこで人口即住宅ということになりますが、幸いにいたしまして戰災で家を燒かれない人々というものは、まことに住生活は仕合せでありますけれども、戰災をこうむりましたところの人々──よく私どもが学校で教えられたのに、衣食住と教えられておるけれども、今日ではそうではない、住食衣であります。まず住居の惱みというものは苦しんでみた人でなければ、おそらくわからないではなかろうかと思うのであります。まつたく今日では住食衣──住居というものは申し上げるまでもなく、今日一日働きまして、家に帰り、手足を伸ばして明日の活動の糧にいたします安息所でございますけれども、六疊の間に七人も八人も寢ておりまして、何の安息所になりましようか、爲政者はこういう点によく考えをいたさなければならないのではなかろうかと思うのであります。またうちの兄は嫁をもらわなければならぬ。娘は婿をとらなければならぬというのに、ただいま申しましたように、六疊の間に八人も九人も寢ておりしたのでは、嫁を迎えることも、婿をとることもできますまい。こういう関係から思想的に及ぼします影響というものは実に大きなものがあるということを忘れてはなりますまい。そればかりではありません。私が常に申し上げるところの結核の問題に対しまして、ただいま申しますように、六疊の間に七人も八人もすし詰めの生活をいたしておりますそのまつただ中に、結核患者が一人できたといたしましたならば、これはいかがいたしたものでありましようか。ほとんど一家を倒されるような結果が生ずることになると思うのであります。そこで昨日は都知事がえらい見得を切つたように、たいへん今年は都営の住宅を建てるということでありましたが、これは私は事務局で調べていただいたのでありますからどうかわかりませんが、とにかく去年都営は千七百いくら、二千戸はできておりません。自費の家が三万五千五百何がし、これを合計いたしましたところで三万七千何がしの家しかできておりません。一戸当り五人といたしましたところで、高々十八万か二十万の人間を住まわせるだけのものしかできておりません。一方には百十万もの人口がふえておる。一体どうしたものだろう。これは決して建築局長の責任ではありません。建築局長の方では予算をくれれば一挙に何百でも何千でも建てるりつぱな技倆の持主でありますが、金をくれない。ない袖は振れないからいたし方はないのだ。決して建築局長を責めるものではありませんが、どうかひとつ思いをここに及ぼしてもらいたい。少くとも政治をいたします上におきましては、要するにどの局がどうということはありません。しかしこの現在の状態を私が見ておりますると、満足な着物を着せてもらつた局というのは一つもありはいたしません。ゆきもたけも一つも合つてやしない。腕ならこんなに出て、すその方ならつんつるてん、ちようど寺小屋のよだれ繰りが出たようなかつこうで、どの局でも満足な予算という着物を着せてもらつてないのだから、ない袖は振れないということになるでございましよう。しかしそのうちで要するにこれこれは重要なものだから、これはこうしなけれぱならぬというところに政治の妙味かおるのではなかろうか。そこで私は最後に申し入れておきたいと思いまするのは、以上申し上げましたようにわが大東京都というものは特異性を持つておるのであります。はなはだしきに至りましては刑務所から出て来た釋放された人というものは、郷里へ帰つても大手を振つて歩けないから東京へ行く東京へ行けば兔囚保護事業というのがあつて、われわれに更生の途を授けてくれるけつこうなところがあるそうだというので、何と刑務所から出た人まどんどん東京へ東京へと押し寄せて來ておるのであります。以上申し上げましたようにこの東京都というものは特異性を持つておるのでありまするから、これは政府に向いまして相当にこの東京の特異性を強調しなければならない。幸いにわれわれの同僚といたしましても、代議士も何人も出ておりまするし、大臣も出ております。市会、府会、都会と要するに東京都というものに精通いたしておりまする代議士が何人もおるのであります。市会、府会、都会に籍を置かないでも、東京に住んでおります代議士でありまするならぱいかさま東京というところはこういうところかというので、特異性はよく存じ上げておるはずであります。從いまして東京選出の代議士と、もう少し東京都が密接なつながりを持つたらどんなものか。私は寡聞にいたしまして、かつてそういう催しを盛んに起したなどということは聞いておりません。どうかひとつ、これからは時々再々東京出身代議士諸公とともに、ひざを突き合せてこの東京のありのままの姿を訴えて、そうして交付金なりあるいは起債のわくを大きくするなり何なりして、東京の特異性を強調して、少くとももう少し政府の思いやりを差加えていただきたいということに、ひとつ理事者の方で一段の御配意を煩わしたいと思うのであります。
     次に私は結核の問題につきましてお尋ねをいたしたい。何がゆえに私が住宅と結核の問題をひつさげて立つたかと申しますると、先ほど申し上げましたように、四疊半や六疊の間に何人となくむごい生活をしているということが、要するにこの結核を傳播する根本をなしまするので、私は住宅の問題をともにひつさげて申し上げるのであります。結核対策について申し上げまするならば、まずわれわれ社会に出まして、少くとも物心がつきまして一体何を第一番に求めるか、何千万ものお金がいいのか、健康がいいのか、金殿玉楼に住みたいのか、何が一体ほしいのかといえば、ばかか氣違いでない限りは、まず第一番に健康の玉を拾い上げるということが当然過ぎるほど当然のことではないでしようか。昨日も加藤君からの御質問のときに、東京都の結核患者は二十五万と申しております。私も今日ここに私の推定から持つて来ましたのでは二十万はいる。先般ラジオでもつて十五万という。東京都の衛生局の方ではかたく見積つたら十万くらい、去年一万人死んだのだからその十倍で十万人、これはいずれも推定でございまして、別にこういうのを調べる機会もありませんから、確然としたことはわかりませんけれども、おそらく二十万は下らないのではなかろうか。そこでこの二十万の結核患者が一体今どういうことになつておるかと申しますると、國立、都立、委託その他で一万三千百五十四人が現在入院いたしておるのであります。そこでこの入院患者の医療費の負担の状況をつぶさに見てみますると、まず自分の経済で、いわゆる自費で入院をいたしておりまする者が九百三十九人、パーセンテージにいたしまして七%でございます。公費で入院いたしておりまする者が六千三百二十七人、これは四八%、健康保險で入院いたしておりまするのが五千八百八十八人、これは四五%となつておるのであります。この面から見てみますると、いかに庶民大衆により多い病氣であるかということをつぶさに知ることができるのであります。二宮尊徳先生の教えに、子孫の仕合せは祖先の健康にありと教えてありまするがお互いの生活上の状態を大別して申し上げて見ますると、まず上から見て、親のおかげで栄耀栄華に生活のできる人、次に自己の努力によりまして人一倍のりつぱな生活のできる人、いわゆる庶民大衆とでも申しましようか、一生懸命働きまして役所に勤めるなりあるいは会社、銀行、あるいは地下足袋を履いて働くなり、人様のお世話にならないでみずからの生活を立てて國家の生産増強にいそしんでおりまするところの人々、國家といたしましては実に重要なるこの庶民大衆に、一番結核が多いということを見落してはならぬと思うのであります。その次は一生懸命努力をいたしましても、悲しいかな病氣病難のために、最低生活の線から下に没落いたしました氣の毒な人々、まことに同情せざるを得ない人々がある。その次には懶怠放逸にいたしまして、仕事はきらい、怠け放題、いくら資本を注ぎ込んでやつてみたところで資本を頂戴すればそれだけふいにして明日はまたいくらかと言つて來るような手合、これは私は貧乏士族と申して、人間ならぱだにがたかつたようなものでございまするが、こういうのは一生涯民生委員の世話になつてこの世を旅立つよりいたし方がない。そこで政治の面から申しまするならば、ほんとうに困る者を救うところの救貧の政策、その次がすなわち防貧、この防貧の政策を忘れてはおそらく政治の價値はありますまい。庶民にその所を得しむるをもつて政治妙諦なりと、明治大帝はお教えになつておる。この点から観察いたしてみますると、すなわち最低生活の線から下へ落ちて來るところの人々はそのおおむねの人々が病氣病難のために、悲しいかな最低生活の線を営むことができないというので下へ落ちて來るのであります。これを支えなければならぬ。政治の力によつてこれを支えることをもつてこれを防貧の政策と私は思うのであります。それには何といたしましても、まず結核対策にもう少し心ある対策を講ずべきではなかろうかと思うのであります。今ぜひ何とかして入院させてほしいといつて衛生局に出願をいたしておりまする者、その願書積み上げて六千通、何と涙なくしてはいられないではないでしようか。われわれにいたしましても、皆様でもその通りだと思うが、必す何人か、どこかひとつ入院する方法はなかろうかと、お互いにせがまれておるのではなかろうか。私などは三人、五人ではございません。衛生局へお百度を踏みましても、どうもしようがない。先日などはせつかく三多摩の方まで走らして、ここなら大丈夫だろうというので衛生局から添書をもらつて行つたら、いつのことだかわからない。そのうちベッドがあいたら御通知申し上げるということである。でありますから患者の方から見ておりますると東京都にお願いしてみたところが、三月だか半年だがわからない。入院さしてやるから來いというときには、もうこの世にはおらぬという患者が少なくないのであります。こんなことで善政を布くなどということはおへそが茶を沸かすということになる。もしこれが患者であるといたしましたらどういたしますか。患者が大東京都に、昨日加藤君が言うように二十五万人もうめいているとしたらこれはどういたしますか。患者というけれども、患者よりもさらに恐るべき傳染性を持つているこの結核患者に対しまして、現状のままでよろしいでしようか。私は断々固として承服することができないのであります。昨年度に府中に療養所を建てて、ベッド二百床をまずこしらえようといつて、去年一年かかつてまだできない。この補正予算でお金をもらつて、これから完成して入れるという数がわずか二百、何といたしたものでございましよう。要するに私は百の空念佛よりも、まず療養所を建設いたしましてどうかベッド数をふやして入院さしてもらいたい。私どももあの江古田の療養所に何人となくお世話をして上げておりまするが何人も治つております。三人や五人ではございません。ずいぶん重いと思いました病人が何人も全快いたしておるのであります。病院へ行つて見ますると、一時から三時までは親がいようが、最愛な女房がいようが子がいようが会わせはいたしません。安靜時間といえばちやんとべッドの上で安靜させる。窓という窓は全部開け拂いまして外氣を入れる。なるほどこれならば助かるのではなかろうかと思えたのであります。ところが四疊半や六疊の間で自宅療養をするなどといつても、窓を開けておけぱろくなものはなくとも持つて行かれてしまうという騒ぎ、自宅治療をするというのは中産階級以上の家庭でなければ、絶対にできることではございません。なお私は衛生局長がおられますならぱ衛生局長にお尋ねいたしたいと思つたのでありまするが、今日では病院に入れつ放しに近いような姿であります。患者にしてみますれば藥も飲みたい、苦しいときには注射も打つてもらいたい。ところがパスとかいう藥を今度は飲ませるそうだが、そのほかにどこが痛い、ここが痛いといつて注射をする、その注射は政府も都もお金をくれない。本人に持ち合せがあれば注射も打つてもらえる。お医者さんだつてそう無制限に救済事業をやつているのではないから、患者の御意に召すように、やれ何の注射をしろ、かんの註射をしろと言われたところで、それはたまつたものではない。それのみならず、費用は三月間というものは下げてくださらない。費用はしかも國でやつている仕事を都でめんどうを見る。また都のやつている仕事で金を下げるのは三月、四月、税金の方は待つたなしで納めなければ、何でも差押えて行くというのだから、世の中にこんな矛盾した話はない。下渡し金のうちから相殺してもいいのではなかろうか。こういうことはひとつ大いに理事者の方で考慮をしてもらいたいと思うのであります。でありますからかれこれ論議論爭は要りません。百の空念佛よりも、まず療養所を建て増して、べッド数をふやして、そうして患者を收容することに努力していただきたい。ほかのことを言えばきりはありませんけれども、まず傳染を防ぐ、その家庭を助ける、幸い入院をしていけばあとの家族の者が手は省けて仕事もできる。その家庭を救う、病人を救う、いずれにしても患者を病院に入れるよりまずいたし方はありますまい。本來申しますれば五分の一というものはぜひ入院をさせたいと、私ども素人でも、考えるのでありまするが、何しろ二十万の五分の一といえぱ四万であります。四万の患者にべッドを一挙に與えるといたしますれば、八十億の経済がなければできはいたしません。そんな金があるわけではありません。私どもよくわかつております。金がないところにそんな無理なことを申し上げて見たところで、これはいわゆる野望満我と申しまして筋の立たぬりくつになりまするから、今四万のべッドをつくれなどとは申しませんが、せめて現在の倍とまでは申しません。まずとりあえず一万のべッドをつくるように、幸い都知事がお見えになりましたから都知事にお願いをいたしたい。どうすればいいのか、それではお前だつて何か考えがあるだろう、こういうことになりましよう。  要するに一万のべッドをしつらえます療養所を建設いたしまするには、一床二十万円として二十億の金がいるのであります。私は東京都民こぞつて安井都知事を首長にしなければならないというので当選をさせたゆえんのものは、安井さんならこのくらいのことはきつとやつてくれるというので非常な嘱望をもつて安井都知事というものができ上つておると思うのであります。そこで私ぽ都知事に折入つてお願い申し上げます。なお都知事の御共鳴を賜わりたいと思いますことは、いかがなものでございましようか。許されないことならば私は引込んでしまうんだが療養所建設共同募金というものを、都知事にまず先頭に立つてやつてもらいたい。年々歳々やつておりまする共同募金が八千五百万円、うまく行くと予定額を上まわるところの成績を上げておるのであります。そこで私のお願いは、都知事の任期中四年間にこれをやつてもらう。金は大してそう寄せるわけには行きますまいが、一億の金をかりに寄せたといたしますならば、都の経済は一億五千万円ですから、合せて二億五千万円、東京都で金ができたということになる。政府は半分補助するというのだから、この二億五千万円が五億になる。五億の金ができれば、これを四年間繰返すことによりまして、都知事の任期中に、ここに一万のべッドをつくることはさしてむずかしいことではない。どうかひとつ願わくばこれに御共鳴を賜わりたい。まず東京都民といたしまして、安井都知事の今回当選をして出られましたことに対しまして、いかばかりか喜んでおりますと同時に、非常な嘱望をいたしておるのでありまするから、どうかひとつそういうことにしていただきたい。ほんとうにこの場合重大な事業を完成していただいてこそ、初めて安井都政は、かかる善政を布いてくれた一大事績をここに残して、名知事とうたわれるのではなかろうかと私は思うのであります。私は二十万結核患者の叫びをここに代表いたしまして、どうか都知事の御賛意を賜わりたい。これを切願いたしまして私の質問を終りまするが、どうぞ温かい氣持をもつて、御答弁を賜わりたいと存じます。(拍手)    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君)途中から伺いましたので聞き漏らしておりまする点につきましては、他の番外より御説明申し上げるようにいたします。  だだいまの結核対策についての眞劍な御要請、まことにごもつとものことだと存じます。実は結核対策につきましては、過去四年ないし五年の間とつて参りました私の態度のうちでも、実は重要なものとしてとつて參つたつもりであります。いずれ結核の四年ないし五年にわたりまする状況変化につきましては、関係局長から申し上げることと存じますが、できます限りの努力をいたして参つておるつもりでありますが、御説の通り何と申しましても、非常な経費のかかりますことと、なお復興途上におきまして、幾多なさなければならぬ同様の緊切な事業がありまする関係上、御意に沿いませんところがたくさんあつたと思いますが、いろいろ御注意の点につきましては愼重に研究をいたし、できます限り御意思に沿うように努力いたしたいと存じます。    〔衛生局長小山武夫君登壇〕 ◯衛生局長小山武夫君) 途中から拜聽いたしましたので、あるいは聞き漏らしがあつたかとも存じまするが、もし間違いましたらあらためてお答え申し上げることにいたします。結核の事後の対策といたしまして、患者を隔離收容するということが、一番に行われなければならないことは、ただいま新井議員の御説の通りであります。從いまして局といたしましては、この点に非常な努力を拂つているのでございまするが、大体きわめて最近までは結核患者の死亡数の二倍半のべッドを用意することが理想とされていたのであります。そこで私どもといたしましてはいろいろの事情を勘案いたしまして、厚生省あたりとも慎重に協議の結果、大体二倍ということにいたしまして対策を講じて参つたのでございまするが、御承知のように近年に至りましてストレプトマイシンであるとか、パスといつたような画期的な驚異的な藥剤の発見によりましてわれわれが今まで常識的に考えておりましたこの数字に少し狂いが起つて参りました。從いまして先年來行つております結核対策につきましては、数字的にこれを変えて行かなければならないことになりました。しかしこれはなかなかむずかしい問題でございまして、はつきりした数字で申し上げることは、ちよつと今のところ困難な事情にございます。昭和二十五年度におきまして、東京都下の東京都立、官公私立、公益法人の結核病床をひつくるめますると。一万三千六百床という数字に相なつておるのであります。ところが現在なお隔離收容を要すべきいわゆる待機の患者というものが約四千人ございます。從つて少くとも最小限四千床がまだ不足しておる状態なのであります。そこで都といたしましては、五箇年計画といたしまして現在補正予算におきまして先ほどお話の二百床ならぴに清瀬の小兒結核保養所の五十床を加えまして、もしもこれを御承認いただきますれば六百六十床ということになりますが、今後五箇年のうちにこれを一千五百五十床にいたしまして、同時に都内の各方面の結核病床をふやすことに努力いたしまして、大体五箇年後にはこの待機している人を、全部收容し得るつもりでございます。これまでも予算の関係上、なかなか意にまかせないものがございましたが、ただいま新井議員から予算の獲得の上において、まことに名論を拜聽する機会を得ましたが、どうぞひとつ今後ますますわれわれの結核対策の事業に対しまして、一段の御鞭撻御協力をお願い申し上げたいと存じます。    〔副知事岡安彦三郎君登壇〕 ◯副知事(岡安彦三郎君) 先ほど新井さんから今回の予算編成につきましての御意見がございました。仰せのようにあるいは巴燒予算かもしれませんが、なかなかこの予算は数回にわたりましてこねてこねたあげくでき上つたものでございます。從いましてこの内容につきましては、各委員会におかれまして吟味していただきますが、相当実のある予算だということがおわかりいただけると思います。そこで先ほどの住宅問題でございますが、仰せのように戰前は東京都下には、たしか百五十五万戸あつたかと思いますが、戰災と疎開によりまして九十七万戸、約百万戸を喪失いたしました。從いまして現在、おそらく四十万ないし五十万戸の住宅が不足しております。かたがた終戰直後の三百三十万の人口が現在は御承知のように六百七十万という厖大な数になつておりますので、なかなかこの間題はおいそれと解決いたしません状況でございます。この点につきましては、都知事といたしましてあるいは政府におきましても、あるいは民間におきましても、それぞれ住宅建設をやつておりますが、仰せのようにうまく行つておりません。ただしかし、今回東京都で住宅関係だけに入れました費用は二十億でございます。今回各局の要求がございましたのが二百七十億でございますが、これを七十八億に縮少いたしました。かような困難な際におきましても、先般知事の施政方針の中にありましたように、大きな問題はできないながらも取り上げたつもりでございます。從いまして、住宅関係だけで二十億の大きなものを盛つております。むろんこれではまだ何十億か足りませんので、こういう点につきましては皆さんの御示唆によりまして、今後も大いに考えたいと存ずる次第でございます。  それからこの予算の編成にあたつて、單に都だけでなく、都の選出の代議士あるいは参議院方面の運動がいる。ごもつともでございます。実は理事者といたしましてもこういう点につきましては、政府方面にいつも協議会なりあるいは陳情をしております。たとえば起債の問題につきましても、また國庫補助金の問題、あるいは平衡交付金さらに首都建設の事業につきましてもそれぞれやつておりますが、なかなか思うように行きませんので、今回は都議会方面にも働きかけまして、皆さん方第一線に立つていただきまする方々の協議会等が数回持たれております。従つて理事者だけの考えでなく、都議会各位の御熱意によりまして、この点はだんだん好轉して行くのじやないか、こういうように考えております。どうか今後におきましても、政府あるいは國会方面との協議会、あるいは陳情等におきましては、理事者はもちろん皆さん方のお力添えを得まして、よりよい東京都政を遂行したいと存ずる次第であります。よろしくお願い申し上げます。 ◯議長(菊池民一君) 次は五番山口久太郎君。    〔五番山口久太郎君登壇〕 ◯五番(山口久太郎君) 今日最も複雑している都の事務を扱う上において、知事室から能率という本が出されております。まことにけつこうな本であつて、都の最高幹部の方がこれにいろいろ御意見を書かれておることは、皆さんごらんの通りでありまして、まことにけつこうであります。ところがただいまこの都議会開会についても、都知事は遅刻することを議長に届けておられる。そのほかの参與員は、質問者がここに立つても、二人か三人しか出席をしていない。これも私は一つの能率の欠点だと思う。大体が下の職員がやつていることを、最高の幹部が知らないことがたくさんある。こういうことについて何が惡いか。数年前にも私は述べたことがあるのでありますが、その当時の理事者はほとんどかわつております。大体都に出された都民からの大切なる書類、これをだれが先に見るか、もちろん名前は知事に宛ててある。その書類を局長、課長、係長、主任も知らず、一属官がこれを処理して、二月もたつてから、その局に聞きに行つてまだ係長も知らない、その係は二度も三度もその関係の家に行つてお茶を飮んでいる。はかばかしく行かないからこつちへ頼まれる。わしも関係のある役所、よく窓口という問題もちよいちよい出るようでありますが、とにかくその書類は、その局に関係のあるものは少なくも局長のそばには祕書官もついている。その祕書官が見て、局長がまず先に判を押す。下の方の判は二十も三十も押して來ないと局長の判を押さない。局長が一番先に押す。そうしてこういう仕事はどういうふうにやればいいということの判断は局長が與えていいんです。そのために局長がおられる。この事務というものを法律規程によつてのみ扱われるならば、最高理事者はいらない。吏員にまかせておけば法律と規程によつてちやんとやる。その都民の出された問題を、その法律規程を解釋して使うのは、いわゆる最高理事者の仕事なんです。かつて私が事務を扱つたときにこういうことがあつた。ふろ屋を届けて來た。そうするとそれはふろ屋を建てた本人でなくて大工さんである。その大工さんがふろ屋を届けて、その届けによつて抵当に入れて、そのあとにおいてでき上つてから御本人が届けて來た。そうすると一つ番地に一つふろ屋だから、受取ることができない。そこで建てた主人は非常に困つて、しかもこれを抵当に入れて初めて請負師にも残つておる金をやらなくてはならぬ、こういうのです。それを扱う税務課長の方ではどうしても規定の上からそれは受けられない、それはそうでしよう。一つ番地にふろ屋が二つ建つわけはない。今そのふろ屋は燒けたけれども、さらにふろ屋が建設されてある。それを私は責任を負つてあとのふろ屋を受けつけた。そうして前の請負師にこれを解決しなければ職権上取消すと言つた。請負師の方では二、三度にして遂にそれを承諾して、それから本人の方ではそれを届けて金を借りて残りの代金を拂つたから円満に解決がついた。こういうことはいわゆる最高理事者の規程解釋によつてなす仕事である。これから実例の二、三を挙げて申し上げますから、各局長は知事が答弁するからいいという考えを持たずによく聞いてもらいたい。今都内にたくさん問題のあるものは戰爭のために疎開その他によつて買收をしてある土地、これを今日都は拂下げを行う。これは当然元の地主、権利者に第一に賣渡す。こういうものについては私はそう都がたくさんの利益を得ないでもよかろうと思う。賣りたくて賣つたのではない。仕方なく買上げられた。どういうふうな利益を得ておるか。戰爭当時買上げの職務に当つた人もここに列席をされております。一例を挙げれば私の友人の台東区の地所を買いましたのが坪四百五十円、都の方で買上げるときが三百五十円、二年ばかりにそういう損をして賣らなくてはならぬ。こういうので私に相談に來た。まあ仕方がない、こういうときだから賣つたらよかろう、どうせここらは燒かれてしまうのだ、そう言つて賣らせた。それを戰爭後三年ばかりたつて買い戻したのが坪二万五千円、これも買い戻して損はいかない。しかし買い上げられなかつたその隣りの地主はそれだけの利益があるということです。それはもう済んだ問題だが、例に申し上げる。さらに今私の住んでいる荒川区の尾久町の土地で鈴木敬藏氏、その土地が買い上げられましたのが三万七千六百円、これを今買えと言われているのが五十六万四千円、五十六万四千円も今の値段としては高いとか安いとか私は申しません。これを三回にしてくれというのに、どうしても一遍に買い上げなければ、その扱う事務官はおれが首になつてしまう。それはどういうわけか。それから私がそこへ行つて話して、三度にしてやつたつていいじやないか。そうするとあの地主はこれを渡してやれば賣つてしまう。賣つたつていいじやないか。元の地主なんだ。賣りたくて賣つているんじやない。今の地主なんというものは皆金がなくなつてしまつて、これを拂い戻せば賣らなけれぱあと買うことができない。三度に買つてもあと二度ある。こういうことを主管局長は知つておるかどうか。これをお伺いいたします。  さらに文京区の土地で戰爭当時都が買つてあるものが都の名前になつていない。そのために建築をする会社で名前が変つていないからそれを買い取つて、後になつてこれは都で買つてある土地だということがわかつた。けれども元賣つた者はなかなか弁償できない。こういう土地はその人ばかりではなかろうと思う。文京区にその以外の土地にそういうものはあるかないか。これを主管の局長にお伺いします。  さらに私の区内で知事の名前で買い上げていまだにその金を拂わない。しかも二十一年に荒川区長春見氏から取りに來いという通知が出してあるが、それは死んでしまつた。せがれは兵隊に行つておつた。それで帰つて來た後にそういうことがわかつて取りに行つた。いまだにそれが解決つかない。しかもそれは苗字は違うが、事実は私の兄である。死んだ後においてその土地が登記されておるのであります。これも法律上においては疑いがあるのであります。これは私の兄のせがれが帰つて來て工場を始めてからでも四年たちます。まだ解決しない。これは言わなけれぼ実例としてわからないので、私のことでありまするが、一つの例として申し上げます。私が足立にわずかの土地を持つておる。五百四坪ぱかりのうちから、百七十五坪が國家の名前に変つておるのであります。これがどういうふうに処理されたものかと調べますと、まあ私のことだから、どこにいるかわからないのは無理はありません。しかし私は当時、東京都の所有する土地をその委員として農地法によつて処理し、しかも知事さんが委員長であるけれども知事さんは常に忙しい。私がほとんど三年にもわたつてその代理で処理して來たのであります。その私が行方不明者となつて、その土地が処理されておるのであります。今回の補正予算の財源につきましても、かなり御苦心をされて、長い間かかつてやられております。それはその通りです。とにかく今日都民の納める税金はほんとうに血を搾つて出す税金であります。この税金を使う上において少なくとも今度の補正予算中四十億近くは税関係の支出にまわつておるのであります。そうすればこれを節約し、按配するのは当然であります。こういうときにおきまして、今申しましたような土地処分の方法などもいま少しよく考えて、三度といつたら三度に割つてやつたら、今日過年度までにならなくても、とつくに去年のうちにも解決がついてしまう。それを一緒でなければおれが首になつてしまう、そう言つていまだに解決しない。しかもそれはいくつにもなつている。いくらでもわけられる。こういうことについて財源を得るにもよくそういう点を心得てもらいたい。  さらに今回の予算に出ている勝島に渡る橋梁の経費千九百万円、これは都が競馬のために相当利益を得るから、都が全部出してもいいかもしれません。しかし今日どうなつておるか。競馬会社をこしらえた当時、私も委員として関係をしておつたのでありますが、設備は会社がしてある。そうして都がその株を持つておる。土地は会社に賣つてある。それであるからこの経費は競馬専用のためである。これは予算の上から行きますれぼ当然会社がやつて都は利益があるのだからこれに補助を與うべき性質のものではないか。これについてお伺いをいたします。  それから都の廣告收入について、かなり廣告も大きな收入に上つております。これについていろいろ怪しいものもありまするが、官廳のものだからといつて、いわゆる電車も官廳のものでしようが、これに廣告を取らす。こういことについても、一例を挙げれぱ消防廳の関係になりますが、こういうものはよく都の係とその方の係と相談の結果、さしつかえないものはむしろつけておいてもいいじやないか。惡かつたら直させれぱいい。寄附であるからといつてあの台東区あたりについておる消火栓の印は、私らが見るとまつたく單に廣告にばかり見えて、消火栓の印には見えない。こういうのもありますけれどもそれはどうすることもできない。寄附で出してある。こう言うのです。  さらに今年のいわゆる臨時手當の予算においても、何億という税金を納めておる。ああいう場合に私は脱税しろというのではない。今言う通り血の出るような思いで都民が納めておる税金を五億くれるために七億取らなくてはならない。こういうことは年平均の予算とは違う。であるから何とか方法をもつて救い、その税等を國家に交渉してりつぱに免除できる問題ではなかろうか。どうも役人は人が言うことはいくらいい案であつても、これは自分の面目にかかわるというので、その案を採用しない例はたくさんある。先年私は安井知事さんが地方委員会をやつておられるときに、砂糖の消費税を設定し、それによつて四百億の税は樂に取れるということを申し上げた。その当時、現在のようにならない前において、酒一升が一円三十銭、今日千円になつておる。当時砂糖は二円五十銭、現在その砂糖に五百円くらいの税を課し、五百五十円くらいの値段になつても、決して高いものじやない。やみは千円する。それであるからこれを本年の政府契約に、一ピクル九千円にすれば四百億円上る、少くとも東京都は消費地として、その一割として四十億、そのうち二十億を地方にもらつたらよかろう、こういう案で安井さんに書面をもつて私は上げた、そうすると、消費税は法律にないからやれない、ところがそのやれない消費税の中で、酒一升五十円ずゝ來たじやないか。その一ピクル九千円という値段は、この頃新聞でごらんになつたかしれませんが、すでにそうなつておつた。ちようど九千円になると、それにはまつて來る。そのために、この間次官会議において、その値段にしないでちよつと安くしてある。あれを見てもはつきりしておる。農林省の某大官は、どうも委員会からあれをそのまま取入れれば、農林省の面目にかかわる。それが当時、私が知事さんから聞いたのは、進駐軍の好意をもつて輸入したものであるから、進駐軍に対して上げられない。農林省から聞けぼ、そういうことを言うておる。そういう関係のものです。さらに今回の税においても、見込み税が織り込まれてあると私は見るのであります。こういう税率の高いときにはできるだけ安くしてやつてもらいたい。  さらに都区問題については、なるべく言わないようにという御注意もありましたが、私はこの始まりからこれについては意見があるのであります。これについては過去四年間にわたつて、この運動始まつて以來知事さんは非常に心配されて、いろいろな工夫をして、各区と交渉をしております。しかしこれは、二、三年前に私が申しましたことと、今日一歩も進んでいない。大体この問題は何であるか、私に言わせれば今日この運動は区長擁護にすぎない。区会は問題じやない。これを区会議員の定員を減すとか、あるいは行政区にするということを高らかに言うから問題が起つておる。大体中央の区と同じように、貧乏区が同じ財源によつてやれるはすがない。かりに言えば、昨年の税金は幾らか、昨年都民から取上げた税金は二百億、その二百億のうち台東区と中央区と千代田区、港区、新宿区、文京区、この六区で百億上つておる。あと十七区が寄つて百億しか上つてないじやないか、こういうものがここに自治権を確立するというてもできつこはない。この運動の始まりは、とにかく各区長は都にいた人が多い都におればみなりつぱな局長にでもなれるような人である。これが区長になつて、いわゆる池の中の蛙である。泳ぎ場が少いからこういうことを考え出してやつておる。それであるからこれを解決するにはよく話し合つて、各区でも自分の利害を捨てて、すべからく都民は公平なる負担をせよ、こういうことで行けば、元の東京市制十二條の区のごとく、自治権は相当に持たせてやつて行かれる。ところが御承知の通り私らが併合された昭和七年には麹町区と下谷区、小石川区の税率は初めは平均しておつたのが、五割から違つてこうなつた。ここに併合問題が起きて円満に併合ができた。しかし十五区の区会は区民のために全部反対された。今日でも反対の決議はその通り残つておる。それは仕方がない。私らの貧乏な八十二箇町村が、十五区と身上を一緒にしようというのだから、これに反対することが区会議員の職務である。これが今日はどういうわけか、二十三区の区会が一緒になつて運動しておるから、私にはその理由がわからない。それであるからこれを調整いたして、いわゆる区費を土台にして、区で使う区費だけを区に任せるというような税率にして区に任す。そのほかは都で取上げて、すべからく都民が公平に使つて行く。いわゆる学事等においても、麹町の学校も練馬の学校も、同じような教育ができるようにしなければいかぬ。それが現在調べてみても、中央の方の子供が一人五百円かかれば、周辺の区の子供は一人に百五十円くらいしか使つておらない。こういうことでは公平なる教育ができようはずがない。ここをよく勘案して、理事者の方においても──どうも安井さんも選挙をやるためにどこの区にもうまくやつてやろうとしておるから、いつになつても解決しない。これをほんとうに都民のために、根本から改めた政策をもつて解決されんことを私は望んでおくのであります。その勇氣ありやいなや、これをもつて私の質問を終ります。(拍手)    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) ただいま山口さんの御質問の具休的な例をお示しになりました、その例示の點についてお答え申し上げます。  台東の疎開跡地並びに尾久の疎開跡地の東京都が買收いたしました價格と、賣戻しをいたしました價格が非常に開きがあつた、こういう事実を局長は知つておるかというお尋ねでありましたが、実は私といたしまして具体的にこれこれこれがこうであるということは存じておりません。ただ疎開跡地につきましても、あるいは他の雑種財産にいたしましても、買收をしたす場合あるいは賣却をいたす場合に、時價でやるということが実は原則でございまして、この原則に從いまして、処分をいたしておるような次第であります。  次に荒川区の土地の問題、この点は先ほど冒頭にお話がありました通り、はなはだ恐縮でありますが、この事実を私存じません。從いまして速急に調査いたしまして、できる限り早い機会に解決をいたしたいと考えております。  次に勝島の競馬場に参ります勝島橋の問題であります。もちろんあそこに橋がかかりまして、競馬場に參ります者の利用は非常に大きいのでありますが、もともとあれは港湾局の所管でありまして、地元民の方々さらに関係者が請願をいたしまして、それに基いて架設いたした橋でございまして、必ずしも競馬会社を益するという意味ではないと承知いたしております。以上私の所管についてお答えいたします。    〔経済局長田中唯重君登壇〕 ◯経済局長(田中唯重君) ただいまの御質問中、農地法の失効にあたりまして、土地の文書の送達が非常に誤つておつたということであります。私その案件につきましてはつまびらかにしておりませんが、農地法の失効のときは非常に混雑しており、そういうことがあり得たと思いますので、よく事情を調査いたしまして善処いたしたいと思います。    〔五番山口久太郎君登壇〕 ◯五番(山口久太郎君) 私はわからないことを答弁してもらおうというのじやない。事実を申し上げたのでありますが、いいかげんな答弁をされてもこれは処理に困るわけでありますから、時間の関係上また委員会においてよく伺うことにして、私の質問をこれで打切ります。 ◯議長(菊池民一君) ただいま百番岸寛司君より都の財政運営に関する緊急質問書が提出されました。発言の時期は議長においてとりきめたいと思つておりますが、これを許可して御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認めまして、さよう決定をいたします。七十七番岡田助雄君。    〔七十七番岡田助雄君登壇〕 ◯七十七番(岡田助雄君) 都区調整の問題に関しましては、昨日この議場におきまして矢田君より質問がございましたのに対しまして、知事より答弁があり、それによつて私どもいささか了承するところがあつたのでございます。私ただいまここに知事にお尋ねいたしますることは、それらの問題に重複しない程度において、今日私どもの間において重大な問題となつております、この問題について何とかお互いがほんとうの熱情を傾けて善処したい、こういう氣持の上から質問をいたしたいと思うのであります。從つて答弁もまたほんとうにこの問題を心から早く解決をつけたい、こういう氣持の上に立つてせられんことをお願いする次第であります。  御承知の通り都区の問題は地方自治法において二十三区が市の性格を原則的に持つておるのだ、しかし地方自治法以外のいろいろな單行法においてはこの地方自治法と矛盾するようないろいろなきめ方がせられておる関係からそこにお互い都と区の間において見解の相違が生れて参りまして、今日までいろいろごたごたを続けておるということは皆様御承知の通りであります。昭和二十二年以來あるいは二十四年、二十五年、二十六年と、毎年々々こういうた爭いをお互いに続けておるのでございますが、私どもそれぞれお互いの公共團体の間において、上部團体あるいは下部團体と申しますか、都と区の間において毎年々々こういう爭いの姿において都区の行政を行うことを遺憾に存じておる次第であります。どうかひとつこういうた問題については、こういう姿でなく、すつきりした形の上において早く何とか解決をつけたい。これは私ばかりではありません。皆様あるいは理事者も、区の方々も同様希望しておるのではないかと思うのでございます。私何も今日までの区側を責めるわけではありませんが、今日まで区の方々がいろいろな運動をやつて來ておられる。これに対しまして私どもどうかと思うような感じもするのでありますが、これに対しまして区の方では、それはお前たちの方が言うことを聞かないから、やむにやまれず署名運動をやり、数寄屋橋で演説をしたりビラを張つたりするのだ。これがすんなりと都の方がわれわれの要求を聞いてくれるならば、何を好んでこういう運動をするかと区側では言つておる。そういう話を聞くと、私どもこれに対して、なるほどそれもそうかなというような氣持にもならざるを得ない。ところが私は、これはお互いに考えていただきたいのでありますが、御承知のごとく今日民主主義の時代になりましてから、いろいろ政府に押しかけて法律の改廃の問題、賃上げ問題等の運動が行われておるのは事実であります。しかしそれはあくまで労働組合であるとか、あるいは、何かの業者團体がいろいろな自分たちに関係するような法規をつくつてもらいたいという、そういう部分を代表するところの團体が政府に迫つていろいろそういう運動をやつておることは私ども肯定できるのでございますけれども、お互いに部分團体ではございません。公共團体であります。この公共團体の間においてかくのごときありさまを呈することはいかがなものか、どうかひとつこの爭いを起す根本原因を、本年度限りあつさりと解決つけてもらいたいということを私はこの席上においてお願いいたしたいのでございます。私どもは今日たとえぱ地方公共團体の間におきまして、あるいはまた市町村と府縣の関係におきまして、多少のいざこざがあるのは当然──当然という言葉は妥当でないかもわかりませんが、そういう爭いのあることをよく承知いたしております。都道府縣と國との間におきましても、先般安井知事を初めとして全部の都道府縣の知事が集まりまして、あるいは起債の問題、あるいは平衡交付金等の問題について同じく國に対して談判というか、何とかしてくれという運動を起した事実を私どもよく知つております。市町村と都道府縣の間において同じくこういつた事柄があるであろうということも当然であります。しかしながら二十三区と都側においてはそういつた関係をすでに逸脱いたしまして、ビラをまき、ポスターを張り、数寄屋橋で叫んでそうして自治権擁護の運動を起す、こういつたありさまを見るに至つては、私どもきわめて遺憾であるということを重ねて皆樣方に申し上げたいのでございます。これらの事柄につきましては、私が今ここで申し上げるまでもございませんが、すでに地方行政調査委員会議におきまして、東京都と区のあり方につきましていろいろと御論議をされているということを承つておるのでございまするが、どういう解決になるのか私どもわかりませんけれども、ともあれ過去四年間続けて参りましたところのお互いの意見の相違とはいえ、こういう相爭う姿の上に立つて行政を行い、都政を行い、区政を行うということの根本原因を速やかに艾除していただきたいということを私どもここに希望する次第でございます。私がこの際知事に伺いたいことは、二十六年度の都区の財政調整の上におきまして、私は実は二十五年度に皆様方から推されまして都と区の協議会の委員の末席を汚したものでございまするが、二十六年度の財政調整におきまして、都側の方から私どもに対しましていろいろと事務事業に関する今日までの都と区の間における交渉の経過報告並びに財政関係、どういつた財政配分をするかといういろいろな経過報告書を私ども頂戴したのでございます。また三十日の全員協議会の席上におきまして、知事から詳細にわたりまして説明を伺つたのでございまするが、しかし都と区との間において、一歩この議場を外にいたしまするならば、お互いが相対立しているということは嚴然たる事実であります。都側に立つ者も区側に立つ者も、お互いそれぞれの立場をもつて、それぞれの主張をしていると考えるのでございまするが知事からいろいろな報告は伺いましたけれども、今日なお依然として都と区の間において相爭う姿が現実であると申し上げざるを得ない。そこで数字的にいろいろな報告を伺つたのでございまするが、事務事業の面におきましては授産所であるとか、公益質屋であるとか、あるいはまた保健所であるとか清掃であるとか、たしか去年AとBというような符号でわけまして、ここに詳しい書類がないからはつきり申し上げられませんが、十一か十二の事務事業を区の方に移管しようじやないかというようなことで中立委員の裁定できまつたのでございますが、その間にいろいろと進駐軍等の関係、あるいはまた法令のいろいろな措置等の関係から、速やかにそういうことはできなくて、そのまま今日に及んでいるという話を私どもよく承知しておるのでござにいます。また本年におきましてたとえば保健所の所長を区の職員に兼務させ、あるいは清掃出張所の所長を区の職員に兼務させまして、十分お互いに連絡をとらせて円滑に清掃行政あるいは保健所行政を営みたいというような報告も承つたのでございまするが、しかしそれでもなお区の方々が承知していないのは事実であります。財政の問題につきましては去年はたしか三十四億と思いましたが、区に差上げたのでございます。今年はそれに対しまして四十四億こちらの方で査定いたしまして区の一般財政の需要額として差上げたのでございまするが、そういう金額には目もくれないで今日自治権拡充の運動を統けている、これまた事実でございます。私はこの際知事に伺いたいのでございまするが、この四十四億と都側で査定いたしました数字は一体どういうような根拠によるかということを伺いたいのでございます。と申し上げますることは、実は今日お互い都と区の関係は親子の関係だと言うておるのです。去年の二十五年度の区の財政規模は、法令に基く義務経費はしばらく別といたしまして、自由財源的な性質を持つところの予算金額であります。これが一体どの程度に去年区に與えられたかということであります。私ども去年いろいろと査定いたしました。たとえば住民税の問題に関しましてはたしか七割五分に査定いたしまして、四十九億か五十億ばかり取れる予算に相なつておつたと思つております。ところがこれが年度末になつて参りますると非常に取れて増收になりまして、八三%に取れた。その間これらの増收は約六億あつたそうでございまするが、この六億は何も都に吸い上げられるのではなくて、そのまま区において適当に自由財源として処分されたと私ども了承しているのでございます。こういうようにいろいろと区においてはかなり去年自由財源的な性質を持つ財源があつたのでございまするが、この昨年度の財政規模に対して、今年はどの程度に査定して区側に差上げたかということを伺いたいのであります。私ども今日これは人と人との集まりでございまするから、親子の関係という言葉が許されるならば親子の関係とかりに申し上げましよう。去年区においてある程度の自由財源的な規模において相当の営みができたといたしまするならば、やはり今年もそれと同じ程度の自由財源的な規模を区側にやらなかつたならぱ、なかなかうまく解決がつかないのではないかと考えるのでございます。と申し上げますることは、人間というものは一旦なれて参りますると、なかなか去年の習慣を今年改めるということはできない。そういう人情の機微にもお互いに触れなくてはいかぬのでございまするが、もしもかりに去年区に與えましたところの自由財源的な財政規模が今年は去年よりも縮少されておるといたしますならば、なぜ縮少せざるを得ないかということを区側に詳しく説明して納得を求めたらよろしいと思う。そういうことをやつたかやらぬかということも伺いたい。もし都と区の財政が去年よりも都側に余裕ができまして、都側のみがひとり自由財源的な財源を独占いたしまして、区側に與えぬといたしまするならば、これは親子の関係である限り子供が怒るのはあたりまえであります。もし区側に対しまして去年よりもそういつた自由財源的な規模の財政を少なくするとするならば、数字を明らかにして、実はこういうわけで都側も麦飯を食わなくてはならぬから、お前のところもひとつ今年は銀飯を食うのは諦めてくれ、去年はそうであつたかもしれぬけれども我慢してくれ、こういつた人情の機微に触れたところの財政措置をしてこそ、初めて都と区の今日の問題が円満に片づぐのではないかと考えておるのでございます。そういつた関係におきまして四十四億の数字がはたしてどういう根據に立つて裁定されたか、こういう点につきまして伺いたいのでございまます。  次にこの議場の中で、お互い同僚の間に三多摩の方々がおられるので、申し上げにくいのでございまするけれども、ひとつ勘弁していただいて聞いていただきたい。と申し上げますることは、実は私ども昨年都区の財政調整の問題につきまして、総務、財務委員会におきまして東京都全体の財政規模をはつきり正眞正味つかまなくてはならぬという関係から、三多摩から一体いくら都費が上つて、いくら都費をつぎ込んでいるかということを調べたいと思いまして、財務当局に対し、いろいろと資料の要求を再三再四したのであります。すると都税として上つて來る分はわかるけれども、都費をいくらつぎ込んでいるかという問題につきましては、複雑な閧係があつてなかなかわからぬというようなことで、私どもとうとう資料が得られなかつたのでございます。私は何もこんなケチなことを申し上げたくありません。二十三区と都の間においてわずか五億か六億の金をわけ合うのにお互いに血の出るような議論をしている。    〔議長退席、副議長着席〕  そこで東京都は三多摩に対してどの程度やつているのか、一遍調べて見ようというようなことで資料を要求したのでございまするけれども、依然として理事者は最後まで私どもに資料を與えてくれなかつたのでございます。從つて私はこの擅上から、一体どれくらい税金が入つてどれくらいやつているかということをはつきり申し上げられません。これはひとつこの壇上から、そういう資料を出してもらいたいということをはつきり御請求申し上げたいのでございます。そのために、ただ私ども勘で、上つて來る都税よりもやつている方の金が多いのじやないかという氣がするのであります。そこで私どもは、二十三区の間においてそういう血の出るような爭いをしているのでございますから、どうかそういう面を考慮した財政処置を將來においてとつてもらいたいということを理事者に伺うのでございます。それに対しましてどういうお氣持かということを伺いたい。私は何も三多摩に対しまして二十三区中心主義というようなけちな氣持は持つておりません。端的に申し上げますると、二十三区は御承知の通り人口が五百七十万ございまして、お互いが狹いところにせり合つた生活をしているのでございまするが、三多摩のような山あり河ありというような場所はお互いに都会生活には必要なんであります。水道を初めいろいろな面で御厄介になつているのであります。私は端的に申し上げますると三多摩を東京の庭だと思つております。一軒の家でたとえてみても、家がありまして庭がある。部屋だけで庭のないお互いの個人生活はあり得ないように、早く言うならそういう感じを持つている。ところが今日までの東京都制は忌憚なく言わせていただきますると、どうも東京都の主人公が、安井さんという名前を申し上げてははなはだ惡いのでありまするが、本家の方が雨が漏り、壁が落ちているのに、庭いじりばかりが好きだというような感じを私ども受けておるのでございます。どうかひとつ、そういう点につきましては十分今後の行政の上に注意されまして、お互い二十三区が血の出るような爭いをしているときに、これからの都行政の上において、十分お考え願えるかどうかということをお尋ねいたしまして私の質問を終りたいと存じます。(拍手) ◯副議長(四宮久吉君) この際会議時間を延長いたしておきます。    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 岡田議員の御質問、大体二点だと存じます。第一は二十三区の財政規模をどういうふうに見たか、自由財源をどういうふうに見たかということが一つと、三多摩に対して必要以上の財政措置をしておるではないか、あるいは施設をしておるではないか、こういう二つの御意見のようでありますが、第一の点、ことに昨年、岡田議員はあの調整協議会の議員として出ていただいて、非常な御苦労をお願いしておりますので、その間の経過についてよく御了承でありまして、同時に私は岡田さんの都区の関係におけるお氣持とまさにその通りの氣持を持つておると言つてもいいと思う。昨日、一昨日申し上げた私の大体の説明は、ただいま岡田さんによつてさらに再確認されたような氣がいたすのであります。そこで問題は自由財源の問題であります。財政基準をどう見たかという問題につきましては、これはひとつ関係当局の方から御説明申し上げます。ただ私ははなはだ申訳なかつたのでありますが、御承知の通り昨年あの都区の調整をやりましたときに二、三箇月アメリカにおりましたので、当時どういうふうにやりましたかを詳細承知いたしておりません。從つて他の番外より御説明申し上げることが適当だと存じまするが、ただ一つ、ここで私の頭の中に描いておりまする自由財源となるであろうと考えまする数字ははつきりと自由財源の形において、昨年と同額の五億三千万円であつたと思いますが、これを出しております。そのほかに区の方におきましては昨年は競馬收入がおそらく五千万円前後ではなかつたろうかと存じまするが、本年は二億二、三千万円ないし二億五千万円となるのではなかろうかと考えます。従いまして昨年よりこの意味におきまして区は二億の余分の財源を持つと考えられます。それから例の旧法によるもの、あるいは過年度滞納によりますものが大体四億四千万円、昨年はこれが二億二千万円に組んでおつたのだと存じます。これは岡田さんの方がよく御存じだと思いますが、しかしこの点につきましても昨年の二億程度にとどめまして、あと二億余はこれを都の今回の財政措置に使つておりません。すなわち区の自由に使える金になつて來ると思います。それから二十五年度から二十六年度に区が繰越します純剰余が、大体三億数千万円あると承知しております。これは二十六年度に区が使うことのできる財源で、これをまず三億と見る。それから旧法及び過年度の滞納の整理によりまする收入、これは文字通りにはなかなか入りませんが、一應計算の上から見ますと二億でございます。それから競馬收入が大体二億、これを合せますと六億ないし七億、少なくとも五億の自由に使えるものが、この方面で何も手を着けずにあります。これに自由財源として昨年と同額の五億三千万円、事務当局といたしまましては、昨年は三億以上は出すことができないという主張であつたと聞いておりますが、中立委員その他の斡旋によりまして五億出せということで、五億出したのだと存じます。それは本年もそのままにいたしております。これを計算いたしますと、少なくとも十億ないし十一億円というものは、比較的自由の形において、区で使える実体的な余裕があると、私は考えておるのでありますが、しかしこれらの点につきましては、私の申し上げることが間違つてはいけませんから、事務当局からさらに御説明申し上げます。  第二番目の三多摩に偏重の行政をとるように思われるがという御懸念、これは三多摩においてどういうふうな施設を計上しておるか、二十三区関係のものでなしに、都でどういうふうなものを出しているかという分類を、事務当局が出しておらぬという御説でありますが、これは十分調べさせます。またお目にかけることができるだろうと思いますが、私がここで考えてみまして、それは非常に困難なことだと思います。かりに全然三郡というものがなくて、これがよその縣内にある、あるいは独立の縣であつたといたしますと、あの療養所は國の関係でありましようが、結核療養所にいたしましても、あるいはその他の病院施設ないしはあの武藏野にありまする自然公園施設こういうものも全部二十三区の中に、おそらくはつくらなければならぬだろうと思いますが、こういうものが実は形においては三多摩の方に出ております。と同時に、三多摩殊に北多摩のごとき、周辺の郡と申しまするものは、実は東京都二十三区の延長、二十三区の住宅地帶、將來はいわゆるこれが山の手区とか、住宅区にかわつて発展して行く過程にあります。從つてこういう所に要る道路、橋梁その他の施設にいたしましても、これは二十三区とたまたま区域を外にいたしておりましても、他の縣に施設をするような考え方ではなく、やはり二十三区の繁栄福祉これを一体的に協同援護す意味において、たまたま場所が都下にあるということになつて來るものがたくさんございます。それから水道にいたしましても、小河内に水道を持ち、村山に貯永池を持つて、あの水はもちろん二十三区の人の使う水でありますが、あのために三多摩の農地を、利用と申しますか、あの水道の用地に使つております。  いろいろの関係におきまして、その施設に伴いまする支出は相当ありますが、実ははつきりとこれは二十三区の関係、これは区外の関係ということを支出の財政面において、数字的に区分することは、かなり困難のように考えます。しかしまた明確にわかるものもあり得ると思いますので、その点につきましては、十分御参考に供するようにいたさせます。    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) ただいま岡田さんのお尋ねのうち、二十六年度の特別区の財政需要額をどう査定したかというお尋ねと、さらにただいま知事から大綱の御説明がありました二十六年度の特別区の自由財源はどうなつているか、この二点につきましてお答え申し上げたいと存じます。  財政需要額の査定でありまするが、これは先ほど岡田さんのお示しになりました四十四億六千九百万円余に対しまして、私どもといたしまして、從來からも申し上げておりました通り、今年の東京都の財政事情は、きわめて困難でありましたために、各局の二百七十億の要求を、二百億も切らなければならなかつたというような実情でありまして、この点は都と区との関係におきましても、やはり同じ意向であるのでありまして、私どもといたしましては特に特別区の財政需要額というものを、辛く査定するような考えは毛頭ありません。いろいろの情勢または区の要望等もありますので、むしろ私どもといたしますれぱ、東京都の本局の要求の査定に対しまするよりも、若干はあたたかい氣持を持つて査定をいたしておつたような次第でございます。從いましてこの四十四億六千九百万円余のうち、既定事業といたしまして三十二億一千四百五十万円余、さらにそのほかPTAの負担肩替りの意味で、財源措置をいたしましたのが昨年は約二億、そのうち東京都立学校の分がありますので、現実には一億七千万円余でありましたが、それを本年度は倍額にいたしまして、三億四千六百六十万円余、さらにまた道路、橋梁維持費、路面補修、在來下水、側溝改修、こういうようなものを引つくるめまして、三億を財政需要と見なければならない。さらにまた從來は交付金あるいは執行委任の形でやつておりました事業を、できるだけ税措置に振りかえるという意味から、一億四千八百九十万円余を税措置として向うへ渡したような形になつております。それにさらに前年通り自由財源を五億三千二百五十万円余、この総計が先ほど岡田さんのお話になりました四十四億六千九百万円余でありまして、この査定にあたりましては、既定事業につきましても、でき得る仕事はなるべく区に財源措置をして新し区の仕事としてやつてもらうという意味でPTA関係を初め、先ほど申しました土木費にいたしましても、少しはむりをしても税措置に置きかえて、区の方の財政権を一つでも拡げて行こうという配慮の上に、査定をいたしたような次第でございます。  そこで今度は自由財源の問題であります。これは先ほど知事から御説明がありましたのと、内容はほとんど同じでありまするが、もう一應繰返して申し上げますならば、大体昭和二十六年度の旧法による税收と、滯納繰越しの分とを自由財源として考えております数字は二億三千万円ばかりでございまして、さらにこれも先ほど知事から申しました競馬益金が二億二、三千万円、最少額に見積りましても二億円は確実であろうと考えている次第であります。さらにまた二十五年度から二十六年度への純剰余的な繰越が最少限度三億二、三千万円はあるものと、私どもは想定しているのであります。さらにこれは一應財政需要のうちに見ておりますが、自由財源といたしまして五億三千二百五十万円という金額がございます。それから積極的にこのたび自由財源として、数字の上には載つておりませんが、昨年度は一般職員、從つて区におきましては区の職員の年末給與は、昨年の協定に基きまして、財政措置をいたしまして、その区のわくの中で支給してもろうということでありましたが、今年はかりに私どもが年末給與を都廳職員に出しまする場合は、区の職員に対しまする年末手当の財源措置は、東京都が心配するという建前をとつておりますので、これもただいま確定した数字は申し上げられませんけれども、この数字を考えますれぱ、大体ただいま申し上げました数字の総合計は十四億ないし十五億に近いものになる、かように私どもは算定をいたしておる次第であります。    〔七十七番岡田助雄君登壇〕 ◯七十七番(岡田助雄君) あとの方も控えているので、簡單に結論だけを申し上げたい。要は一番急所と申しますか、勘どころと申しますか、去年区に対しまして、自由財源というものは、都の方からある程度までしか與えなかつたかもしれませんけれども、七五%に査定した住民税が八三%とれて、六億円の増收ということになり、これが区の自由財源になつている。これは都の方も十分御承知なのです。こういう事実が昨年あつたに対して、そういう事実を勘案しながら区の自由財源に対して、この財政措置をしたかどうかというのです。  それからもう一つ、さつき言うのを忘れたのでありますが、私実は主税局の渡邊総務課長から説明を聞きましたら、今度の住民税に対する二十六年度の都の査定というものは非常に辛い、平均九〇%以上になつている。こういうようなことに対しましても、区の方では不平だらだらなんです。私はここではこまかい問題を抜きにしまして、いずれ委員会でまた論議したいと思いますが、ともあれ一番勘どころといいますか、急所といいますか、昨年二十三区に対しまして、たとえていうならば浴衣三反、下駄三足買うだけの自由財源というものを與えた。ところが今年ははたしてそれだけの自由財源というものを與えているかどうか、もし與えられないとするならば、本家の方もこういうぐあいに貧乏なんだから、お前の方も浴衣は二反でがまんしろ、あるいは下駄二足でがまんしろというようなことを、区の方に話し合いをされたかどうかということです。ここで答弁を求めようとは言いません。これは委員会において、答弁していただきたいと存じます。  もう一つ安井さんに申し上げたい。実は安井さんがさつきこの席上でおつしやつたと同じような言葉で、昨年財務委員会や総務委員会で、うまく理事者から、安井さんが言われたと同じことを言われた。とうとう最後には資料を出してくれない。わからぬところがあるならあるでかまわぬ。そこは私どもの勘で判断するから、一應資料を出してくれと言つたが、とうとう出さずにしまつたから、私のひがみかもしれませんが、とにかくひがまざるをえないということを申した。  もう一つ、私は去年かおととし、大阪へ視察に行つたが、大阪市と府の関係におきまして、これはおかしいもので大阪市会議員は、市のことを一生懸命考えるし、大阪府会議員は大阪市のことよりも、ずつといなかの方に道路を敷いたり、橋を架けたり、いろいろのことをやつている。これはりくつじやない一つの事実でありります。東京府と東京市がありましたときにも、私先輩の某氏から伺つたことがありますが、それは岡田君、実はぼくらの時代にもそんなことがあつたよ、ということを聞いたのであります。東京府会議員というものは東京市のことは考えぬじやない、考えるだろうけれども、やはりさじかげんというものは、どうも府会議員だから、いなかの方に一さじか二さじよけい盛つたよということを、私は伺つております。今度は東京都なんです。殊に私ども申し述べたいことは二十三区は燒けている。燒けもせぬ、何でもない平年度においては、私ども財政收入の多く上る所から、多く上らぬ所に対して、相当の支出をするのは当然であると思う。二十三区の場合に、かりに中央からよけい税金が上りましても、周辺区によけい出すということは、これはあたりまえであります。それくらいの物の道理のわからぬ私ではないつもりであります。今日三多摩において、いろいろの施設が必要であるかもわかりませんが、燒けていないということ二十三区は燒けているということです。私はあべこべにお互い兄弟であるならば、親戚であるならば、火事見舞の一つももらいたいぐらいなんです。ところがあべこべに何かしらぬよけい出しているのじやないかなという感じがする。数字を出してくれないからわかりませんが、繰返してくどいように申し上げますが、二十三区の間においては、わずか五億か三億の金で、血の出るような喧嘩をしているという、この事実をどうか知事は、今後の都政の上において考えてもらいたい。再び答弁を求めません。これをお願いして、私の質問を終わる次第であります。 ◯副議長(四宮久吉君) 六十四番村上ヒデ君。    〔六十四番村上ヒデ君登壇〕 ◯六十四番(村上ヒデ君) 戰後の社会問題の大きなものの一つは、青少年の不良化の問題であると思います。この問題を防止いたしますためには、あらゆる機関が総力をあげまして、全力でやらなければならぬと思うのでございます。それゆえに、どこでやつてもけつこうな仕事のはずでございますが、実際は警視廳と社会教育部と民生局が三つ巴となつておるというような声をよく聞くのであります。実際戰後警視廳が少年を指導されまして、全都にわたりまして少年防犯にあたつて非常な働きをしておることは事実だと私も思うのであります。また女のお巡りさんたちの紙芝居などを拜見いたしますと、実にうまいものであります。指導的な態度でございますから、ひくつなところがなく、まことに見上げたものだと思うのであります。また機動班等を持つておる関係上いろいろ便宜な点もあつたのでありますが、また半面において、警察法のどこにも警察が文化指導をするという項目がないという声がこの頃至るところであげられておるのであります。最近港区では第三回の模範防犯地区に指定するというので、少年係の人々によりまして厖大な計画が立てられておるのでございます。各六箇所の警察署の前にアーチを建てたりあるいは警視廳の音樂隊を先頭にいたしまして、仮裝行列でスポーツセンターに乘り込んで、あそこで藝能大会をやるという厖大な計画を立てられておるのであります。これはまことにけつこうでありますが、予算はと申しましたところ、今までは昨年の残りの十六万円を使つていたけれども本年は六十万円の請求が全部削られて、一厘もないという返事をいただいたのであります。必要な予算であれば何で強く要求されないであろうか、これを削られるということには何らかの理由があると思うのでありますが、それにもかゝわらず、この催しを強行しなければならぬのはなぜでしようか、この後もこうした方向に進んで行かれますかどうか。特に防犯協会の育成費が百万円、今度の補正予算に組まれているのでございますが、防犯協会の活動につきましてもこうした文化指導の方面を指導されるのであるかどうか、その点につきまして一應お伺いいたしたいと思うのでございます。  それから防犯指導というような問題につきましては、教育廳の社会教育が全力を挙げなければならないと思うのでございますが、教育廳の活動についてまことに失礼な申し分ではございますけれども、何となく物足らないものがあるのでございます。予算を拜見いたしますと、まことにこまごまとしたものぱかりで、恒久的な大きな計画が何も見当らないのでございます。よくよく調査いたしますと、地についた地味な仕事をこつこつとやつていらつしやるようでございます。特に青少年問題につきましては、指導者養成というようなことに全力を挙げておられるということがうかがえるのでございますけれども、それだけでは事足らないと思うのでございます。世は挙げて宣傳時代でございます。何らかの積極的な御案はないものでございましようか。もう來年の四月には、また新しい卒業生が出ようとしているのでございますけれども、私どもの附近の高松中学の例にいたしましても、五クラスの中の二クラスだけが上級進学であつて、あとの三クラスは社会にほうり出される人たちであると聞いております。ところがこの人たちの中学校を出ましても、雜巾一つさすことができないというのが今日の教育なのでございます。勤労意欲の土台となるべき技術がすつかり忘れられているのでございます。由來、日本婦人の指先の器用だということは日本婦人の誇りの一つだつたのでございますけれども、そういう面について少しも考慮されていない。そういう足らざるところを補うために、社会教育の面におきましては、全力を挙げて努力されなければならんと思うのでございます。その機関として、公民館等を設けられるような御意思はないのでございましようか。学校を出た子供たちが、社会にただよりどころなくほうり出されるということは、まことに末恐ろしいことだと思うのでございます。また婦人指導等におきましても、私どもも大いに教育を受けたいと思うのでございますが、終戰以來六年の間いつでもいつでも指導者教育また会議の持ち方等でありましては、忙しいのだから御免をこうむろうということにならざるを得ないのでございます。もう少し積極的な方向に向つて、また指導者たちが活動のしやすいような方向に向つて、いろいろ恒久的な方策を立てられる御意思はないのでございましようか。末端の区の文化課等におきましても非常に困難をいたしております。CIEの映画等を拜借さしていただくのは結構でございますが、運搬費もなくて民生局の文化課長みずから映写機の運搬をしておるというような、まことに見かねる状態があるのでございます。機動班でも設けて、もつと指導者の活動を自由にするような方法をおとりになる御意思はないのでございましようか。  次は民生局について伺いたいのでございます。婦人子供のために施設をするというのは、都知事の選挙の際の御公約でございました。今回の補正予算を拜見いたしますと、葛飾の生活館の設立費と経営費というものが三百八十四万六千円組まれております。この苦しい都財政の中から無理算段をして、この贈物をして下さるお心遣いはまことにありがたいのでございますが、私どもはこれだけでは満足できないのでございます。この生活館を全区に及ぼされる御意思がおありでございましようかどうか、これも伺いたいことの一つでございます。私どもが皆さんから生活相談を受けますと、最も数の多いのは住宅と内職の問題でございます。住宅問題につきましては先ほどからしばしばお話がございましたから申し上げませんが、内職の問題につきましては私どももいろいろと心しておりますが、なかなか思うように参りません。ところでよくよく困つて授産所に行くと、民生委員の証明を持つて來いと言われる。民生委員の証明を持つて行くと、あなたの家は高等学校に行く生徒があるから困るというようなことを言われるというので、しぱしば私どもの所には苦情が持ち込まれているような状態でございます。都内二十七箇所の授産所のために、都の費用としては四千万円以上が組まれているのでございますが、これにあずかる人はわずか六千三百人では少々心細い氣がいたすのでございます。今日都の授産所において儲けてならないことは申すまでもないのでございますが、効率を上げて惡い道理はないのでございます。ことに授産所のごときは防貧政策の一つとして、授産にあずかりたいという意欲のある人をできるだけ多く扱うというところまで努力していただきたいのと同時に、また副業指導の一翼をも、ぜひ担つていただきたいということを考えるのでございます。所によりましては生活館に切りかえてもいいのではないかと思われる所もあるのでございますが、これを生活館に切りかえて、そうして授産をその一翼とされる御意思はないであろうか、これも伺いたいと思うのでございます。しかし各区にかりに生活館をお作り下さるといたしましたところで、近所の人や多少余裕のある人はそれを利用することができるのでございますけれども、ほんとうに苦しい、一日の生活に追われている人は、なかなかこれに浴することはできないのでございます。それゆえに民生局におきましては、機動班等を設けてその上に洗濯機でも何でも積んで、一般の生活指導に当られるような御計画はないのでございましようか。この点も伺いたいと思うのでございます。  住宅難の解決といたしまして、母子寮をもう少し増設していただきたいということも、希望の一つでございます。昨年の收容の残りが三百五十一人ございまして、本年はこの九月半ばに約百二十世帶の收容施設ができ上るということでございますけれども、これができましたところでまだまだ昨年の分が残るのでございます。今回の補正予算に百五世帶分が計上されているのでございますが、その実施にあたりましては、どうかできるだけ全力を注いで早くしていただきたい。それができ上りましても、なお昨年の申込みが收容し切れない現状でございます。そのほかに約千人に近い方があるというのでございますから、どうか母子政策の一つといたしまして、ここに掲げてあるだけでなく、もつともつと積極的に母子寮を建設していただきたい。およそ不良化の大きな原因の一つは家庭の貧困でございます。最も弱い立場にある母子政策を十分にされることによりまして、不良化は非常に少なくなつて來ると思うのでございます。また保育園につきましても、子供を連れて行つてもいつも満員で、なかなか私どもの番が來ない、もつとたくさん保育園を作つてもらいたいという声が相当挙げられているのでございます。今回も三箇所予定が立てられているようでございますが、保育園、母子寮等の費用等は、まことに些細なものでございますから何とかやりくりをしてこうした方面に、もつともつと努力していだだきたいと思うのでございます。  次は主税局と財務局でございます。私は素人でございますから間違つているかもしれませんけれども、間違つていたら御訂正を願いたいと存じます。予算書を拜見いたしますと、まことに腑に落ちないものが大分出て來るのでございます。議会経費の中の十三万七千五百円議員バツジ、財務局に同じく十三万五千円参與バツジ、同じく財務局に百三万八千三百円の局長渡米旅費、それから十四万円の過年度支出、警視廳に七十四万五千七百円の東京少年野球大会費というものがあるのでございますが、警視廳の野球大会費のごとき、これからなされるものと思つておりましたところが、それはすでに済んだのだというお答えだつたのでございます。それらにつきましては、もちろん五千万円の予備費の中から措置されているのでございましようけれども、あの予算書を拜見しただけでは、一体あの中にどれだけそういう措置をされたものがあるのか、全然わからないのでございます。それと同時に少年野球大会のごときは、万が一警察法の中に文化運動の面はないという意見が出ましたところで、すでに執行済みであればどうにもならないのでございまして、議員の審議権を侵されているように思うのでございますが、そういう面につきまして御答弁を願いたいと思うのでございます。  それから東京都は貧乏だ貧乏だということをよく聞くのでございますが、私ども初めて都政を覗きまして、まことに驚くことばかりなのでございます。もちろん能率部というものがおありになるのでありますから、ここにおきまして十分御研究をしておられることと思うのでありますけれども、能率部で御研究の結果、どれだけ具体的に節約ができたか、それをぜひ伺いたいものだと思うのでございます。  それから税につきましては、昨年の税の実收が七割一分となつておりますのに、今年は六割九分という計画になつております。能率部があつて特に税を取り上げるための研究をしておられ、また主税部が独立いたしましたにもかかわらず、昨年の徴收率よりはるかに下まわつておるということは、誠意が現われておりませんので、都民に対しても、これではまことに申訳がないような氣がいたすのでございますが、その点につきましてもぜひ伺いたいと存じます。  また入場税であるとか、あるいは遊興飮食税だとかいうものが、その利用した人々からは取つてある税だと思うのでございますが、それにもかかわらず多額の滯納があるということは、これは何ゆえでございましようか。その点も一つ御答弁を願いたいのでございます。  最後に惡税と思われるものにガス、水道税がございます。富める者、貧しい者を通じて、一様に取上げられている税で、一銭の滯納もないといつてもいい税でございます。この税がなかなかばかにならないもので、今年度は自然増加と値上げによる増加と約二億円見込まれているのでございますが、今度の補正予算には計上されていないわけでございますから、せめて罪滅ぼしにこの分だけでも、都知事の御公約の婦人施設生活指導あるいは防犯青少年指導等の費用にお使いいただく御意思はないかどうか、そのことを伺いたいと思うのでございます。警視総監がおいでにならないのは、まことに残念でございますが、警視廳の文化運動につきましては、少年第一課におきまして檢挙をいたしますれば、兒童福祉法のある今日といたしましては、当然予防に触れなければならぬし、それゆえに防犯を目的の少年第二課との微妙な関係があり、御苦心があり、それゆえに第二課の力が余るという部面もあるのではないかと思うのであります。今日総監がお留守でございましたら、追つてでも結構でございますが、都知事並びに関係各局長の御答弁をわずらわしたいと存じます。(拍手)    〔警視廳防犯部長渡邊健次郎君登壇〕 ◯警視廳防犯部長(渡邊健次郎君) 警硯総監がちよつと緊急な用事ができまして参つておりませんので、私代りまして主管部長としてお答え申し上げます。  御質問の第一点は警視廳と教育廳と民生局と、この三者が三ツ已になつて青少年の防犯補導の仕事をやつているじやないか、こういう御質問のように伺つたのであります。先ほどもお話がありましたように、青少年の戰後における不良化の原因が、終戰後におきまする社会環境の惡化、これに大きな影響を受けていることは事実でございます。從いましてこの環境の浄化ということが青少年の補導の面におきましては非常に重要な間題だろうと思うのであります。さような意味合におきまして、ただ警察だけが、あるいはまた教育廳だけが、あるいは民生局だけがこの仕事をいたしましても、十二分の完全な目的は達成できないのでありまして、この問題は先ほども御説がありましたように、あらゆる関係機関、あるいは社会全般が打つて一丸となつて、重大関心を持つてこれと取つ組んで行かなければならぬと、かようにわれわれは考えている次第であります。從いましてこの関係向きとの連絡につきましては、私ども常に苦心努力いたしまして、常に緊密な連絡をいたしておるつもりでございますが、実は具体的な間題といたしまして、一昨年内閣に中央青少年間題協議会というものが生れまして、関係機関が緊密な達絡をとつております。さらにまたその下部組織としまして、各府縣にも、また市区町村にもそれぞれこの問題の協議会がつくられておりまして、東京都におきましては一昨年十一月にこの組織を持ち、都知事が会長となられまして、われわれ関係機関すべてを網羅いたしまして緊密な連絡のもとに、この仕事をやつているような次第でございまして、今後一そうこの連絡につきましは努力いたしたいと思います。  第二点は警察法のどこを見ても警察が文化運動をやるということになつていないが、最近警察が相当文化面にまで手を伸ぼしているじやないか。たとえば現在港区で行つている防犯模範地区の問題を例として挙げられました。仰せのように警察法には犯罪の予防という字句はございますが、この防犯という問題は一体どこまでが防犯でどこまでが文化運動かの限界が非常にむずかしいのでありまして、ある場合には権限外の仕事にまで手を伸ばすこともあろうかと思うのであります。ただ現在行つております防犯模範地区の問題につきましては、先ほども申しましたように、結局この青少年の不良化防止のためにはあらゆる機関、あらゆるものがすべて一丸となつてこの重大な仕事をやらなくちやならんという建前から、模範地区を設定して、この運動を通じてあらゆる関係の方々に青少年の防犯の重要性を認識していただくというところに主なる重点がございます。できるだけ警察といたしましてもよけいな仕事は省いて、本來の仕事に努力いたしたいと存ずるのでありますが、どうかそういう意味合におきまして、多少限界のはつきりいたしませぬ点も御了承いただきたいのであります。  最後に防犯協会連合会の補助金を要請している、今後も防犯協会連合会に対して、今申されましたような文化指導の面まで警察は手を伸ばすのかどうか、こういう御質問のように伺つたのでありますが、防犯協会は御案内の通り、自主的な組織でありまして、どこまでも自主的な運動が展開されているのでございます。警察といたしましても犯罪の予防という見地から連絡を緊密にして、できるだけ協力いたしております。また防犯協会連合会が名前は防犯となつているけれども、自主的な組織であります関係上廣い意味の防犯と申しますか、ある程度文化の面にまで手を伸ばすことがあろうと思います。それはわれわれの方でこの程度で止めておけというわけにも参りません。しかしながらその面は今申しましたような意味合でありまして、警察としてはできるだけ廣い意味の防犯という見地から、協力は今後も続けて参りたい、かように考えております。    〔教育長川崎周一君登壇〕 ◯教育長(川崎周一君) 私どもにお尋ねの第一点は、公民館の設置方の推進の要がないか、こういうようなお話ですが、現在公民館は区部に四箇所、郡部に八箇所ございます。御案内のようにこういつた施設は、市町村あるいは区が主体となつて、施設するのが適切だというふうに考えておりますが、現在の数はきわめて不十分であると思います。数の上だけではありませんで、まだ運営も設置後日が残いので十分でないと考えておりますから、この点もなお十分努力いたしたいと考えております。  第二点は圍体の育成の問題につきまして、指導者の養成という点に重点を置いているが、もうそろそろそういつた問題は切上げて、公共的な施設の方へ方向を轉換したらという御説のように拜聽したのであります。この問題につきましては、私どもは青年学校と図書館の整備、こういつた問題でおこたえいたしたいと考えております。図書館は御案内のように戰後学校の問題が急であつたために、非常な手遅れになつておりましたが、だんだんとこれも手を着けて参つております。また新しい試みとしまして成人学校というものを、各学校の夜間のあいている施設を利用いたしまして、希望者の必要なる教科目をとらえまして、この開設を試みております。現在は試驗的な段階にあるわけでありますが、その成績は相当見るべきものがあるというふうに考えますので、この問題につきましては今回の補正予算にも、若干の追加要求をいたしておりますので、予算の確定と同時に、こういつた問題につきましても、一段の努力をいたしたいと、かように考えております。    〔民生局長磯村英一君登壇〕 ◯民生局長(磯村英一君) お答え申し上げます。第一の生活館を今後各区に及ぼすかという御質問でございますが御存じのように生活館の考え方は、社会問題を総合的に、かつ強力に解決をいたしまする施設としてのあり方でございます。從いましてこれは必ずしも区という問題の地域に限りません。今回特に御指摘のような地域を選びましたのも、東京都全休といたしまして、あの方面の地区の改善の必要を感じましたので、まずあそこを考えました。但し逐次その方面の改善に進みたいと考えております。  第二の内職斡旋の問題につきましては、知事におかれましても非常にこの点は強調されております。近く社会福祉機構の整備に伴い若干の民生官署の一部を利用いたしまして、從來の授産所の機能を拡充いたし、内職斡旋の機構にこれを利用いたしまして、ただいま御質問のような御期待に沿いたいと考えております。  次に生活指導を、機動的に施設をしたらどうかという御質問でございますが、この点はまことにごもつともな御意見でございまして、次に述べられました母子寮並びに保育園の施策と併せまして、次の機会におきましては、十分努力いたしまして、補正予算に盛りたいと考えております。    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) ただいまお尋ねのうちに、予算の議決の前にすでに執行しておつて、あとから追加予算として議決するのは、適当じやないじやないかというお話でありますが、仰せの通り議決前にすでに執行して、あとから議決を願うということは、本來の建前ではございません。ただその行事なりあるいは事案が、諸種の條件から一定の時日あるいは一定の時期にどうしても実行しなけれぱならぬというような事案が発生いたしまして、予算がなく、しかも議会を開会するいとまのない場合はやむをえず、実は御例示になつたような事案が、事前に実行せざるをえないような状況になるのでございますが、しかしこれはいずれもそれぞれの所管の局から、それぞれの常任委員会へ一應御了解を得て、実行しているかと考えているのであります。しかしいずれにいたしましても適当でないことでありますので、極力避けて参りたいと考えております。    〔主税局長細田義安君登壇〕 ◯主税局長細田義安君) 私の所管につきましてお答えいたします。收入歩合の点でありますが、現年度につきましては八〇%余を見ております。それから滯納の問題でありますが、昨日來貴重な御意見を拜聽いたしまして、一段と努力をして参りたいと考えておりますが、これは当面三〇%の予定でございます。  それから入場税、遊興飮食税についてのお話でございますが、ごもつともでございます。これが整理につきましては鋭意努力をいたしておりまして、もはや財源的にこれを取上げることができないというような惡質なものにつきましては告発をいたしまして、刑事処分に付しているような始末であります。それからなお電氣、ガス税の問題は、私どもは値上げは関係いたしませんが、それらをも考えまして、大体保留の財源が二十五億ほどございます。これはベースその他の刻下の状況を見まして、これに充てるような予定をしておりますことを御了承願います。 ◯副議長(四宮久吉君)八十八番石川右三郎君。    〔八十八番石川右三郎君登擅〕 ◯八十八番(石川右三郎君) 昨日同僚鏡議員から、都財政につきまして、ちよつと知事にお尋ねましたところが、知事は鏡さんの意見であるからというような答弁でありましたが、今後こういうようなことは各議員から私は多々あることと存じます。議員が、われわれはこういう意見であるが理事者はどう思うかという質問に対しては、知事なら知事、あるいは他の理事者において、必ず答弁すべき義務があると思う。これは都民に対する義務であるということを、一言私は御注意申し上げておきたい。  私がこれから質問いたしたいと存じまするのは、表題にありますごとくに行政整理の問題でありますが本議会の終了いたす頃か、あるいはその中途の頃におきまして、世界史上に稀なるところの今次戰爭の講和の調印が行われるであろうと思いますが、この講和後に來りまするわが國内における政治並びに経済におきましては、われわれ國民が未だ見ないところの重要なる制度の改革、あるいは経済上に大きな影響をもたらすであろうということは、私が申し上げるまでもないと思うのであります。この苦難のうちに立ちまするところのわれわれ都民も、國民の一部でありますので、これから免れることはできえない。これを覚悟いたしまして、すでにこの氣持を持ちまして中央におきましては、昨日論議されておりましたところのあの神戸委員会、または田中二郎東大教授を首班といたしますところの政令審議会において、あらゆる行政面あるいは税制面について、政府に対する勧告案を作成いたしまして、政府に勧告されておることは、一部新聞紙上にも記載されておりますので、各位においてはすでに御了承のことと存ずるのであります。かような際におきまして、わが東京都だけがこれらの機構の改正、あるいは政府に対する勧告案の外に孤立することは、これは当然許されないことでなければならないのであります。そこで振り返つて私考えまするのに、由來洋の東西を問わず、行政の簡素化ということは、國民ひとしく望むところであり、また行政の簡素化こそ行政のモットーでなけれぱならぬ、かように私は考えるのであります。もちろんわれわれが無政府主義者でない限りにおきましては、この行政の指導の面あるいは監督の面に、ある一つの基準というものがあるのは当然のことでありますけれども、その手続があるいは煩瑣であり、あるいは繁文褥礼に陷ることがあるといたしますならば、これより生じますところのわれわれ都民の費用あるいは時間の無駄というものは莫大なものであり、またその他の障害も多く生じて來るのでありますからして、われわれはこれに関しましては極力行政の簡素化をはからねばならぬと考えるのであります。しかしながら、これらの行政に対しまする障害を芟除いたしますることはなかなか容易ならぬことであり、あるいは行政の機構を改正する結果として余剰人員が生ずるならば、これが人員の整理ということに相なるかもしれませんが、この整理の対象となりまする機関、あるいはこの人々に対しましては、その立場からして非常に反対の意見もありましようし、あるいはこれに対しまして非常な犠牲を強いることになりますだけに、容易ならぬことであるということも、われわれは知つておるのであります。しかし今日行政整理ということは、都民の要望であり、國民の要望であるということも、これは何人も異論がなかろうと存ずるのであります。これをわが東京都の、昭和十八年すなわち東京都制実施当時の機構について考えてみますと、八局四十七課あつたのであります。その後地方自治法施行の昭和二十二年においては、教育局を加えましても八局一室、三部六十九課であります。それに警視廳を加えましてその職員数は、総計九万七千百二十九人であつたのであります。その後昭和二十四年三月には十局一部一室六十八課、三廳、その職員は一般が四万五千四百人、教育廳職員が三万三千五百人、警察、消防が二万五千六百七十一人を擁していたのであります。現在東京都におきまするところの機構を見ますと、十三局二部二室七十課、それになお三廳二課十五部というような厖大なるところの機構を有し、しかもそれに從事いたしますところの人員は、十二万三千二百四十七名もいるという、厖大なるところの一つの機構であるのであります。  そこで私は理事者にこの点について承りたいと思う。おそらく理事者は普通職員においては、少しも増加しておらぬというようなことを言うでありましよう。ただふえたのは消防警察、教育職員だけであると、おそらくかような答弁をなさるであろうと思いますけれども、今日は先ほど申し上げましたように、画期的なる改正を要求されるときでありまして、わが東京都も今日同様の命運にあるときに、ただ前年あるいは前々年、あるいは数年前ないし十年前の日本の最盛期におけるところの機構とか、あるいは吏員の数というものは、決して今日の日本の國情下においては基準にならぬと、私は考えている。敗戰の今日でありますから、以前三人でやつた仕事は二人でやらなければならぬ。東京都再建のために、東京都復興のためには、お互いにこの氣魄があつてこそ復興ができるのだと、われわれはかように考えているのであります。  そこで私はなお東京都の人件費と事業費との関係について、一應考えてみますと、昭和十一年の北支事変発生当時におきましては、人件費と事業費との比率は三一対六九であり、昭和二十二年度においては三四対六六であつたのであります。本年度、ことに今回提案されておりますところの補正算をながめますと、二十二年度と同様に三四対六六という比率であります。私は遠いことはさておきまして、昭和二十二年度と本年度とを考えてみたとき、二十二年度におきましては、これは統制経済の最も旺盛なときであつて、從つてこれはいわゆる官僚統制と俗称せられておりましたが、かような時代はもちろん、役人の数の最も多い時期であつたのであります。ところが現在におけるわが國及び東京都の経済事情を見ると、統制経済というものは、大半は撤廃されております。また一方今年度における事業費を見ると、一般會計におきまして四十五億九千万余円、また水道会計においても約七億六千万円というものが、本年度に繰延べられていることも、今の比率のうちに一應加えて考えなければならぬと思います。なおまた物價指数を考えてみますと、二十二年度と本年度との指数は、物件費の割高ということを考えますと、人件費が割高になつていることは、なおさらのことであります。もちろん人件費につきましては、私どもも一つの意見は持つております。實際の世の中の動きに從いまして、あるいは今日の生活給が、今後は能率給に移行するであろうとわれわれも見ております。やがては能率給で行かねばならぬことは私どもも考えておりますが、さような点が今日の給與制度ということにも、一應影響があることはもちろんであります。そこで大ざつぱに私どもが見ますと東京都における税收入は、大体役人の給料に充てられてしもうということでありまして、これは世間でもよく聞くことであります。またこれが都民の耳に一番入りいい言葉であるのであります。かように考えてみたときに、私どもは自治体である東京都は、一体いずこに行くかということを考えざるを得ないのであります。一体東京都は何によつて事業をして行くのかということも一應考えさせられるのであります。そこでかような際でありますから、私どもは今申し上げましたような幾多の煩鎖なる機構を、まず第一番に改正すべき要があるのではなかろうかと、かように私は考えます、これらの点につきまして、知事はいかなるお考えを持つておられるか伺いたい。  それからなお私どもが、この機構改正の一つの根拠になると思いますのは、たとえば東京都におきまするところの助長行政の面を見ますと、はたしてこれは役所でやらなければならないかどうかと思われるような幾多の事業があると思います。私どもはこういう事業は極力民間に移して、自主的に自営的にやらせて、ただこれに対して助長監督して行くという立場で行くことによつて、事務の簡素化もはかり、從つて役人の数が少数でも運行して行かれるところの一助にもなるであろう、かように考えるのであります。すなわち行政事務の簡素化のために、行政機構の改正をはかる意思があるかどうか、またただいま申し上げましたような事務事業というものは都区問題についてよく論議されました。この事務事業は東京都において区に委讓するのだというようなことよりも、もつと百尺竿頭一歩を進めて、この事業は民間團体にやらせる方が適しているのだというものもありましよう。しかもそれによつて、事務の簡素化と経費の節約がはかれるならばなおよいことではないか、かように考えまするがゆえに、これらについていかようなお考えがあるかということを承つてみたいのであります。  それから事務事業の簡素化のために、ひとつこれから派生すると申しますか、関連すると申しますか、私はひとり東京都とは申しませんが、今日各官廳を通じてのセクショナリズムの弊害であります。他人さまのことはさておきまして、今まで都におきまするところの各局の人事行政を見たときに、たとえば一つの例をとりますならぱ、何々局の総務課長あるいは何々課長に欠員を生じた時には、その局内の人でなければ、他の局からはこれが補充されないということが現實にあるのであります。局そのものがセクショナリズム的な観点に立ちまして、他の局を排他的にして來ているのがあります。一例をとりますならば、最近部から局に昇格されました主税を見ましても、その他港湾局を見ましても、その通りの人事であります。かような結果では決して円満な都政の運行ははかられないしまた一方これに從事いたしますところの吏員に不満を來さしめているのであります。これらは私どもをもつて言いますならば、東京都政のためには各局の吏員を総なでして、いわゆる全面的耕地整理をしたらどうか、すなわち適材を適所にやるということであります。今日一方東京都の人事を眺めてみた時に、二級官が廊下とんびをいたしております。あるいはこれからたくさんできるであろうところの一級官も、近き將來においては廊下とんびをするような結果になりはしないか。要するに人心を惓ましめるということは決して政治の、また行政の要諦ではなかろうと私は考えます。人をして明日の希望を持たせてこそ、明朗なる行政が行われ、明朗なる政治が行われるものであると、私どもは固く信じているのであります。これらに対しまして知事はいかなるお考えを持つておられるのか、また行政の機構につきまして、一つの事例でありますが、こういうようなことについて知事さんはどんなお考えを持つておられるのか。たとえば総務局からは地方公務員法に基いて人事というものが拔けて行つた。財務局から主税部というものが離れて行つた。あるいは知事室というようなもの、これが果して存置すべきものかどうか、われわれの考えをもつてするならば、再檢討を要するのではないかと思う。  かく観じて來ました時に、ここに幾多東京都の行政機構というものは改革の余地があるように思う。すなわち行政の簡素化のために、経費節減のために、都民の税負担の節減のためには、どうしてもこれは行うべき必要があろうとわれわれは考えております。從つてこれに随伴いたしまして、人員の整理もおのずからここに生じて來ます。あの中央における法令審議会の政府勧告案からみますと、中央において十八万いくら、地方において十九万いくらが整理の対象になるのだと新聞は報じております。また一方先ほど申し上げましたごとく講和後に來るべき日本國民の負担の重きことを考えた時に、決してわが東京都民だけがこの埒外にいることは許されない今日の現状を考えます時に、われわれは安井知事でなくてはできないところの一大勇猛心をもつて、この行政機構の改正をやつてもらいたい。過ぐる四月の選挙において、東京都民の絶対多数の信頼を受けた安井さんであります。われわれが安井知事に期待するのも、その点にあるのであります。どうぞ安井さんは東京都百年のために。一大勇猛心を揮つて、東京都の行政機構の改正を行つてもらいたい。これに対しまして安井さんにいかなるお考えがあるか、承りたいと存ずるのであります。(拍手)    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) ただいまの石川議員の御質問、と申しますか、鏡さんの昨日の御意見と大体同じようなお考えだと了承するのであります。実はその意見にも答弁をしないというお叱りを受けたのですが、私は答弁をしたのでありますけれども、うまくお聞取り願えなんだと思います。御意見はりつぱな御意見だと考えますので、その方向に向つて努力いたしたいと思います。御了承を願います。  それはそれといたしまして、ただいま機構簡素化の問題、事務事業の性格を検討して、東京都でやることを適当としないもの、もしくは民間でやる方がさらに適当なもの、ないしは各局にわたりまするその局限りの人事のセクショナリズム、これらについての改革の御意見並びに御質問に対しましては全幅の敬意を表して、そういう方針でやろうと思つております。ただ私少し考え方の違う点があるのであります。これはよく政府においてもそういうことを申しますが、私はその意見には同調できない。と申しますのは、戰爭前には省が五つあつたとか、六つあつたとか、しかもその時分の國民経済の力と今とは同じでない。にもかゝわらず今は省が十二になつたとか、十一になつたとか、あるいは局がなんぼに殖えているということをよく言うのですが、一体日本の行政組織において、省を少なくするというような考え方自身が果して行政の能率化の上においてよいのか惡いのか、これは大きな研究問題であろうと思います。私はアメリカを回つてみて特にそれを感じたのでありますが、何もアメリカまで行くには及ぱない、あのスキャップの組織をごらん願えばよく分るのであります。一つの課長の下に、あるいは一つの部長の下にわずか五人、三人しか課員がおらんでも、それは部長であり、課長である。日本は昔からの惡い癖で、一課をこしらえると、すぐそれに兵隊を三十人、四十人つけないと課ができないように考えている。これは非常に間違つた考え方なんで、行政の能率を上げるために責任の所在を多く分けて、その人にはつきり責任を持たせるような制度にするために、部とか課とかいうものをたくさんつくる。これは新しい行き方で、相当私は考えていい行き方だと考えております。どうも今までの日本の役人は数が多くないと課にならないのだとか、係にならないのだという考えをもつて、その機構の内容を考えるようですけれども、これは私は聞違つていはしないかと思う。そのポストの性質や、その仕事の性質が非常に重要なものであつて、その責任の所在を明確にしなければならぬというものがあれば、それを何でもかでも上の一つの局にまとめるということなくして、部長なり、局長なりそういうものをたくさんつくつて行くことは一向差支えないと考えます。もつとも、あまりたくさんつくり過ぎてアメリカにおいても今その弊害が現われているようです。あまりたくさん分化すると、狹いところの知識しか持たない。從つて行政の能率を上げるに不便なところがあります。しかしながら日本のように、局長が何でもかでも厖大な仕事の責任を持たなければならぬというような機構は、私は適当でないと思うので、同様な意味におきまして省を五つに減らせとか、六つに減らせとかいう考え方には、私は同調できないのであります。從つて東京都の今日持つておりまする部局なり、課の数は正直なところ私は多いとは思わない。もちろん皆さんの御研究により、御批判によつて、今後不要なものもできて來るとは存じますが、今の事務量の大きさから考えまして、おのおの責任の所在をもつと分化して行つて、そのかわりその部局については責任をもつて一切処置できるような行政機構に考えて行くことは、これは日本の古い制度の上の批判に立つて適当なことだと考えております。アメリカのごとく分化することが適当とは思いませんが、日本の昔こうだつたからという考え方には、私は同調できないのであります。  それから今一つは、なるほど日本の盛んな時代あるいは戰前の落ちついておつた時代にも、なお且つこれだけの部局だつたとよく言うのですが、その時分の行政量、政治量と、かりに衰えたりといえども、今日の新しい時代に移つてからの行政量、政策量というものは、昔の落ちついた、富める時代の量よりは、むしろ非常に複雑になつていると思います。それはわれわれ若い時分、戰爭前に役人をやつておりました時分の事務の内容なり事務の種類と今日かりに同じような立場におつたと假定してみます時に、事務の種類、事務の量というものは確かにふえております。ふえたにもかゝわらす、國が衰えたので──経済的、財政的に衰えているのでまことに困るのでありますがこれを端的に考えて、何でも簡單にするのだということでは、ほんとうにこの新しい時代に処する行政の態度、政治の態度として私は疑問だと思うので、この点については相当研究を要すると思います。しかしながら、戰爭後のあの混乱期を通して、今日までの官公吏の能率がはるかに落ちているということ、ほんとうにわれわれが若い時分にやつておりました時の勤務の態度に比べますと、何と申しましても落ちていることはお説の通りであります。これはあの混乱期を通していろいろな思想的な影響、または生活的な影響を受けてやむを得んのだろうと思いますがもう落ちついた今日、しかも講和會議も終つて自力で立ち上らなければならぬという場合に、若い國家の奉仕者がかような態度であつてならないことは、お説の通りであります。かりに三人でやるものなら二人でもやる、できなければ徹夜をしてもかまわん少々時間が過ぎたからといつてすぐ時間外勤務をよこせというようなことを言わないで、國家を愛する氣持でやつて行こうというくらいの氣組を若い人は持たなければならばならぬということも、またお説の通りであります。かような意味から行政の簡素化、行政機構の能率化を考えて行かなけれぱならぬと思いますが、その方向につきましては皆さんの方におかれましても、各黨ともに政調曾をお持ちになつておりますので御研究の上御鞭撻を願いたいと思います。私の方もきわめて坦懐な氣持をもつて皆さまの御注意を受け容れ、政府の指示する方向に從つて改善をはかつて行こう、こういう氣持には何ら吝かでないのであります。ただ私は今申しますように、政府が果してどういう考えを持つているのか、公けに伺つたこともありませんし、ただ新聞等に現われている程度でよく分りませんが、ただ昔われわれの若い時分にはこうであつたなどと、今代議士などをやつている連中は會うとよく言いますけれども、それは君らだめなんだ、今はこうなんだと言うと、なるほどそうだというような意見もあるのであります。こういう点につきましては、なお十分研究してやる方がいいのじやなかろうかという考えを私は持つております。  なお各局の人事のセクショナリズムにつきましては、最近特に仰せの通りであります。これは私もよく了承いたしておりますので、人心を一新する意味におきましても、十分考えなければならぬと思つております。その点は仰せのような方向でやつて行きたいと思います。  なお幸いの機會でありますから申し上げますが、一体終戰後の、あるいは東京都というものが生れて以來の東京都の職員の異動の状況といいますか、人の増減の状況がどういうふうになつているかということを、御参考までに申し上げてみたいと存じます。大体石川さんの仰せになつた通りでありますが、現在の東京都、私の手によつてあるいは、東京都の財政によつて給料の拂われておりまする小使、給仕全部の者を入れまして、直接東京都のいわゆる一般の事務員、あるいは区の職員とか都廳の職員について申しますと、五万一千二百人余りおります。それから警視総監の輩下におります者が二万七千、消防関係の職員が七千六百人、教育廳関係の教職員が三万八千人おります。大体こういうふうに分れているのでございますが、これを戰爭前都制を布いた時並びに終戰直後の変り方がどうかということを申し上げます。まず第一に都制を布いた時の都知事の下にありまする人の数は、現在の五万一千人に比べて五万四千人、大体二千五百ないし三千人今よりも多いのであります。それから警視廳関係におきましては現在の二万七千人に対して、当時二万一千人であります。これは大体六千人ばかり増員になつております。それから消防の方が七千六百人に対して六千百人これが千五百人くらいの増員になつております。教育廳関係職員は三万八千人に対して当時は二万二千人、これは一万六千人くらいふえております。これを終戰直後にどんなに減つたかと申しますと、五万一千人に対して三万五千六百人でありますから、約一万六千人終戰直後に比べて今日までにふえているわけであります。それから警視廳におきましては終戰直後が二万二千人、すなわち警視廳は終戰直後でも都になつた時よりなお千人多かつたのであります。それから消防の方は七千六百人に対して終戰直後が八千人、これも約三百人ばかり今日より多くなつております。それから教育廳関係におきましては、終戰直後の一万五千人が現在は三万八千人になつておりますから、二万三千人くらいの増になつております。そこで皆さんにお考え願いたいと思いますことは、現在知事の手元において、かりに行政整理あるいは退職の対象にできると考えるものが五万一千人あります。警視廳におきましては御承知の通りあの自治体警察の法律が出まするとき、東京は八十人に一人とか六十人に一人とかいう警察官の定員をあの規定のもとにきめられている。先般ようやく地方自治体の警察の定員は、地方自治体の都合によつて増減できるという警察法の改正ができました。從つて今後この人員は増減できることになりますが、今日までは全然これはいじれない数字であつたのであります。同時に教育廳関係の教職員の定員もそうであります。これも学校の子供のふえたことは当然でありますが、教育法によつて一教室について一・五とか一・七とかいう教員の定員がきまつておりまして、これを割当てますから、これもまたこのままの状況においては削減することができない。そこで手元の一万六千人の人間は、どういう事情でこれがふえたのかと申しますと、終戰後地方團体の関係について二百八の法令が出ておりまして、この二百八の法令によつて、地方都道府縣が義務づけられたものが大部分であります。全体では一万九千人くらいだと思いますが、そのうち一万六千というものが増員された。たとえぱ地方税法の改正によつて税務事務所を独立して從來は地方税は附加税関係や徴税委託でやつておりましたものを、自分の税務事務所でやらなけれぱならぬというので、何千人かの増員ができて來た。また保健所法とか、生活保護法とか、社会福祉事業法とか結核予防法が通つて、病院には病人看護について看護婦なんぼ、医者をなんぼ置け。あるいは環境衛生法によつて檢査を毎月定例的にどうやれというようなことがある。こういうような法律があつて、地方團体に義務づけられたものを施行するために、必然的にふえているものがそのほとんど全部だといつてさしつかえない。東京都自身が自分で仕事をやりたいからというので、人間をふやしているものは、ほとんどないと申し上げてもさしつかえないような状況であります。これは東京だけでなく、全日本の府縣を通じてでありますが、府縣財政においても、自分の府縣の財政がつらいのに、それだけのものを法令によつて義務づけられて参るのでありますから、自分の手元で自由に人間をふやそうということはどうしてもできないので配置轉換の方法でごまかしてやつているのが大部分であります。そこで私は今後の東京都の機構改革をいたし、行政の簡素化をいたすにあたつては、ます政府が、こういつた二百八も出した法令のうち、地方團休の人員の増あるいは経費の増を義務づけたものに対して再檢討する、これによつて一時停止するものは停止する。あるいは改変するものは改変する。これによつて、かりに地方である一つの事業なら事業をやめてもいいということになれば、それに関係しているものは当然廃止していいということになります。どうしても地方團体がこういうよけいな人間を養わなければならないように義務づけている法令、あるいは財政措置をつけておらぬ法令を改正するのでない限りは、地方團体だけで機構の改革とか、行政整理とかいつて、かりに從來のように天引きを二割しましようとも、三割しましようとも、法令で身動きのとれぬものを引去つてみますと、残つている人間はごくわずかな人間になる。今のままではかりに二割とろうと三割とろうと、大きなものにならないで、どうも手がつけられない。この法令に基いている人員が東京都の職員の大部分を占めているということが、東京都の一番大きな悩みであります。政府はそういう点に氣がついて、田中君のやつている政令諮問委員会ではまずそういう点からかえて行こうというので、いろいろ改正意見を出しているようであります。それにマッチしながら、東京都の改革案を考えて参りたいと思つております。御趣旨につきましては、まつたく同感でありますので、そういう方向に参りたいと存じます。 ◯八十八番(石川右三郎君) 自席から申し上げます。知事さんの御答弁は、それは意見だからと言われれば、もうそれきりであります。それから区のことは意見の相違になると思います。ただひとつこれは別個の問題ですが、今号外か何かで今日の共産党の幹部のことが出ておりますが、御発表のできる範囲で、ひとつこれをお話願いたいと思います。    〔警視総監田中榮一君登壇〕 ◯警視総監(田中榮一君) ただいま本朝行いました共産党幹部の檢挙のことにつきまして、私から報告してさしつかえない程度のことを、この議場を通じまして御報告申し上げたいと思います。共産党の幹部の中で、從來しばしぱ圏体等規正令の規定並びに政令第三百二十五号と申しまして、いわゆる占領政策を誹謗したり、また占領政策に反する行動をとつた者に対して、これを処罰する規定があるのでありますが、この規定の各該当事項にこれらの幹部の人々が、從来しばしば該当するおそれがあつたのでありますが、なかなか情報としてはそうしたことはわれわれキャッチできるのでありますが、有力なるかつこれを裏づけするところの現実の証拠が、なかなか得られなかつたのであります。特審局を初めといたしまして、警視廳ならびに全國の國家地方警察ならびに各自治体警察におきましても、それぞれ非常に努力苦心をいたしまして、これらの証拠物件の收集に努力いたしておつたのでありますがなかなかこれが入手できなかつたのであります。幸い過般あるところにおきましてきわめて有力なる、またきわめて確実にこれらの規定に違反すると認められる証拠物件を多数押收いたしたのであります。これに基きまして十分に、愼重に特審局におかれまして、調査研究をいたしました結果、これらの事柄が政令第三百二十五号の規定ならびに團体等規正令の規定に明瞭に違反するという事柄が確認されましたので、過般特審局長名をもちまして最高檢察廳に、これらの共産党の幹部の逮捕方の告発があつたのであります。これに基きまして、さらに最高檢察廳におかれましても、愼重調査研究の結果、逮捕することが至当であるという結論に達しましたので、これらの日本共産党の幹部の逮捕並ぴにこれらの人々の住宅及ぴ出入りする所及び日本共産党の本部及び東京都内並びに地方の地区委員会の事務所の捜査令状が発行されたのであります。これに基きまして特審局を中心にいたしまして、東京の警視廳、大阪の警硯廳を初め、全國の自治体警察並びに全國の特審局の出張所及び國家地方警察及び地方檢察廳等が全部一体となりまして、今暁六時を期しまして、これらの幹部並びにこれらの幹部の行動を立証すべき重要なる証拠書類の押收を開始いたしたのであります。ただいまのところ、どのくらいの逮捕令状が出たか、その員数等は今後の捜査の関係もございますので、ちよつと申し上げかねるのでありますが、ただいままでに逮捕されましたものは七名ございます。そのほか未逮捕に属する者は警視廳、國警並びに全國の自治体警察その他関係官廱が緊密なる連絡をとりまして、ただいま追及中でございます。これら七名のうち、一名は靜岡縣の磐田市において警視廳の捜査係員が出張、逮捕いたしております。それから一名は神奈川縣の藤澤市におきまして、これまた警視廳捜査班が出張いたしまして逮捕いたしております。なお一名は自宅に逮捕に向つたのでありますが、新潟縣に出張していることが判明いたしましたので、今朝ただちに新潟縣の國警並びに地元新潟市警に手配をいたしまして、本人が口頭弁論中であつたので、その弁論終了を待ちまして新潟市警の手によつて逮捕いたしまして、近く警視廳に送られて來るかと考えております。なお今後未逮捕の人々につきましては、全國の自治体警察並びに國警その他の関係署と十分に連絡をとりまして、できるだけ早い機会に、できるだけ多数の者を逮捕すべく最善の努力をいたしたいと考えておる次第であります。(拍手) ◯三十四番(梅津四郎君) ただいまの答弁に対しまして、戰備のための共産党彈圧であるという観点から、緊急質問をいたしたいと思います。 ◯副議長(四宮久吉君) ただいまの三十四番議員の聚急質問を許すか否かについて、御意見いかゞですか。 ◯六十七番(齋藤清亮君) 緊急質問は許さぬ方針で、議事を進行していただきたいと思います。
    ◯副議長(四宮久吉君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯副議長(四宮久吉君) それでは緊急質問は許しません。通常質問で質問をやつていただきます。──三十四番。    〔三十四番梅津四郎君登壇〕 ◯三十四番(梅津四郎君) 私は三十一日、知事が予算編成の大綱についての説明がありましたから、私はその点についてお伺いしたいと思います。なお本追加予算の大綱について質問するにあたつては、その内容について多少触れなけれぱなりませんが、これは有機的な関連あることからして当然であると思いますので、さほどの時間をとりませんので御了承を願いたいと存じます。  さて、今回の追加更正予算の中に、不当な経費が盛られており、勤労都民特に日雇い労務者を初めとして都職労学校の先生、未亡人、一般主婦たちの切実な願いが、まつたく無視蹂躙されておる。都労連の手取り一万二千円の要求も見送られ、日雇い労務者の二百四十円から三百五十円の食える賃金にしてくれというこの要求も、ほとんど実体予算の中には全然考慮されておらず、校舎建築質の五億八千万円のうち、一般財源からは一億一千万円しか充てられていない。これでは五百九十教室も建たず、二部授業の解消どころか、年間十万と言われている兒童数の自然増加をも收容し切れないのである。学童父兄の切望しているところの不足教室三千の増築は、当分見込みがない。その他困窮都民の要望である生活資金は、今年度は完全に打切られ、また保育所、母子寮設置など主婦、未亡人などの切なる願いも打切られ、せつかく國庫補助の内示のあつた保育所、母子寮すら引当て財源がないということで返上せざるを得ないことになつているのであります。このように福利厚生、教育事業の面に対しては極度の圧縮を加えながら、その半面首都復興の名のもとに道路、橋梁、港湾を含む土木費のために、十四億六千万円が追加計上されておる。もちろんわれわれといえども、これが日常都民の切望しておるところの道路や橋梁の補修復旧に充てられるならば賛成であるが、そのおもなるものは三多摩方面の軍事道路や橋梁、あるいはその大部分を接收されておる東京湾の拡充のための費用に充てられておる。また警察、消防に対しては優先的に八億八千万円の都税をつぎ込んでいる。そのうち治安強化の名目のもとに、ピストルの実包再製費三百七十万発、これが代金三千百五十八万円、予備隊・特別捜査内偵費、スパイ網と彈圧強化に五千万円以上計上し、なおこれ以外にも公安関係の補助費たとえば警察後援会、消防防犯協会等の彈圧機関の外廓團体や、ボス組織の育成のために援助資金四百九十万円が放出されようとしている。その他東京日日新聞に暴露された建築局の伏魔殿として四百三十万円の公金横領事件を起した建築協会と同類の住宅協会に対して、住宅政策の名のもとに、本年三月すでに一億円余を貸し付けてある上に、今回またもや都民の血税の中から一億五千万円をしかも無利子にひとしい三十五箇年間据置、それ以後十一箇年間に返済するという、ただくれてやる式の甘い條件で貸付けようとしていること、これでは一部ボス役員等の食いものにされ、三千万円の焦付きがあるといわれている生活協同組合に対しても、またもやそれを合理化するために貸付金が追加計上されている。その他再び議員の退職金、東京港振興宣傅費、御嶽スケート場の設置や知事お膝元の「お知らせ家庭版」「新しい東京」こうした撮影費等、都民の生活上今すぐ必要だと思われない無駄金三千四百万円余が計上されている。かかる冗費と、さきに述べた軍事的な意味の土木費、警察費を大幅に削り、これを勤労都民の切実に要求しているところの失業者、傷痍者の救済、保育所、母子寮の増設、教室の建築その他社会施設の拡充に振り向けるべきだと思うが、安井都知事はどういう見解を持つているか。  なお次に、以上の内容を持つ予算の編成の大綱についてであるが、吉田内閣は單独講和後軍事保障條約を結び、日本に期限なき駐兵を許し、軍事基地を提供し、日本を外國の隷属下におき、東條治下同様、警察政治と軍國主義の復活をはかり……… ◯副議長(四宮久吉君) 梅津君、質問の要旨に外れた質問は許されません。 ◯三十四番(梅津四郎君) (續) 一切の行政機構をより奴隷的植民地的なものに切り替えようとしている。そのために、いわゆる地方分権、地方自治の看板をおろして中央集権化が企らまれている。このためにこそ、政府は二千億に上る再軍備のための余裕金を持ちながら、地方自治体の要求する地方起債や、平衡交付金を極度に切り詰め、行政整理で人件費五百億を浮かしてこれをも再軍備費に充てようとしている。そのために各地方自治團体の財政の破綻はいよいよ深刻となり、わが東京都においても、今度の補正予算を組むのに丸二箇月以上もかかつたという有様になつている。また三鷹市ではすでに二億一千万の予算を組んだが、税收入は八千万円の見込しか立たず、渡邊市長自身もどうにもならないと途方にくれている有様である。また武藏野市でもまつたくこれと同様で、窮余の一策ワラをもつかむの譬え通り、市財政の一助にもと考えて先ごろ公営野球をやつたところ、入場者は予定の三分の一で、諸雜費を差引き二十五万円ほど儲かつたと思つたら、入場税百五十万円を取られ、あべこべに大穴をあけたという笑えぬナンセンスさえあるのである。都は昨二十五年度の平衡交付金として初め二十億円を政府に要求したが、その後それを四億に削り、結局一億八千万円しか交付されなかつた。今年も五億円を計上しながら、どうせもらえないといつて初めからこれは投げている。なお地方起債についても前年度六十七億円の要求に対して、その許可は約四割二分、二十八億円であり、本年度もすでに七十八億円の要求を出しているが、その半額も認可されるならぱ、めつけものだと言うておる。このような減額によるところの穴埋めと、滯納の徹底的な取立て、都税の水増し課税、授業料、使用料、手数料などの値上げ、また──これが問題だ──犯罪と植民地化の傾向をますます助成しているところの競馬、競輪のあぶく金、または区側との協定を無視して今年も十七億円を吸い上げようとしている。特に都税の滯税は前年度分だけでも八十八億円、それ以前のものを含めると二百八億円、その件数三百四十件に上り、これを取立てるために、今回臨時職員数百名を雇入れ、四千六百万円の滯納整理費を追加している。しかしこのような無理な取立ても、結局は零細業者に集中されるということは火を見るよりも明らかである。しかしこのような無理無休な取立てに対して業者の反撃と抵抗は日に日に高まり、同時にこれによる税務職員の動搖、不正の續出もいよいよ激しくなるであろう。その結果いくら徴税費を使つても、それと逆比例し、かえつて税金は取れなくなることは火を見るよりも明らかである。事務当局でさえ、年度末までに三十億くらい集まつたらいい方であると言つているのである。この際以上のような無理な課税による滯納の取立てを一切中止棒引し、大口脱税の徹底的摘発と取立ての強行を行うとともに、所得税一本の高度累進課税と、税制の民主的改革の断行に努力すべきである。また電氣、ガス、國鉄、船舶等独占企業に対するところの港湾、道路等の諸施設の使用料、手数料の大幅引上げを行うべきであつて、ただその上に地方起債、平衡交付金の増額、これは強く政府に要求すべきであると思う。かくてこそ都民の生活安定と眞の平和首都建設にもなり、ただいま問題になつているところの都区間の紛爭解決の途にもなると思うのである。こうした点について都知事はどのような見解を持つておられるか、はつきりとお答えを願いたい。私は村上ヒデさんのような艶つぽいところがなくて、非常にお気の毒ではあるが、どうかこの点について明確なる御答弁を願いたい。 ◯百二番(水越玄郷君) ただいまの梅津君の発言の中に色つぽいという言葉がありました。この議場内で色つぽいという言葉は適当でないと思います。從つて取消しを要求します。 ◯三十四番(梅津四郎君) 私は艶つぽいと言つた。艶つぽいという言葉は常識である。 ◯副議長(四宮久吉君) 調査の上不適当な箇所があれば取消します。    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 梅津君の御質問ですが、昨日も山崎君の御質問に対して言うた通りに、この前の議会時代のあの岩田君の時代から、いつでも機会があるごとにあの書付をきれいに書いて、そうして朗読をされる。なるほど何も知らぬ者には名文でいかにもほんとうらしく聞えるのです。しかしいやしくも知つておる議会の議員諸君だつたら、あの中の数字がどれくらい違つて、あれがどんな考え方で言うておるかということは御想像願えると思いますから、個々の問題については別の委員会で御答弁申し上げることにいたします。 ◯副議長(四宮久吉君) 八十四番富田直之君。    〔八十四番富田直之君登壇〕 ◯八十四番(富田直之君) たいへん御質問の方が多く、昨日から引續いての御質問でございますから、おそらく知事もお疲れであろうと思いますので、私は簡單に御質問申し上げたいと思います。しかしながら私の御質問申し上げたいと思うことは全都民が最も知りたいと考えている点だと思いますので、質問の言葉は簡單であつても、どうか御答弁は最も親切、丁寧に、全都民の納得するようにお願いいたしたいと思います。  通告に申し上げてあります通り、私が御質問申し上げたいと存ずることは、今回の補正予算の支出面に出ておりまする都議会議員のいわゆる退職慰労金の件であります。この退職慰労金については当時私は議席を有していなかつたので眞相を知りませんが、当時一都民として知つた範囲では本年三月、当初予算においてこの慰労金を計上されようとしたけれども、安井都知事はこれを取りやめたのである、そう私は承知いたしておりましたところ、今回この予算案に計上されているのを見ますと、何ら前と変りのない單價で計上されているように存じまするが、知事は前回の当初予算においてこれを取りやめられた当時のお心持と、現在の御心境との間における相違点を御説明願いたいと思うのであります。もう一点は、この慰労金は議員の慰労規程によつて計上されていると聞いておりますけれども、この金額の中には二年未満の方と二年以上四年未満の方と、四年以上六年未満の方との旧東京都制によるところの参事会員を兼ねられた方の分が加算されていると聞いておるのでございますが、現在の地方自治法によるところの東京都議会が、旧法による議員の方々の任期をこれに含めてもさしつかえないのかどうか、御説明を願いたいのであります。もう一点はこの内規を拜見いたしますると、二年未満、二年以上四年未満、四年以上六年未満等々と二年を限つて倍率が定められております。一應補次選挙で議席を得られる方もございましようし、途中で退職される方もございましようから、二年の期間を切ついることには私は異論はありませんけれども、議員の任期が一期四年と定まつている限りは四年で切つて、四年の任期を終つた人の倍率が六年未満の人と同じにならないで、別個になつている方が妥当だと考えるのでございますけれども、こういうような点を御斟酌あつて、しかる後にこの予算を提案していただきいたいと考えるのであります。都知事はただいまの質問に對してどうか親切な納得の行くような御説明を願いたいと存じますが、その結果によつて私は再ぴ質問をさしていただきたいと存じまするので、議長にしかるべくお取りはからいをお願いいたします。    〔副議長退席、議長着席〕    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) ちようど富田さんの御質間を承つて、私も何かの機会によく皆様に納得をしていただくようにお話を申し上げようと思つておつたときでありますので、この機会に私のこの問題についての考え方を申し上げて御参考に供したいと存じます。この前に出したときと今度出したときの氣持に何か変化があるかというお話ですが、何も変化はございません。これはこの前も同じ氣持で出したのであります。この前はむしろ私が出したのでありますが、議会の方におかれましてかえつてこれをすぐやることは、現在おられてそのうちに何人かやめられる人とか、まことに相済まぬ言い分ですが落選される人などがあるので、そういうのをお手盛りできめて行くという形になつてどうも忍びぬから、新しくできる議会においてこの予算を出すようにしたらよかろうという議会側の御意見でもあり、私もそれはそうした方がよかろうというので、今度出しておるのです。これだけのことであります。そこでそれじや一体退職金は何でお前出したのか、こういうことになりますと、少しくどくどしくなつて相済まぬのですが、問題が問題でありますからはつきり申し上げた方がよかろうと存じます。この退職金の問題は大方皆様も御存じだと存じますが、非常に古い沿革を持つておるものであります。東京市時代に、四十三年だつたと思いますが、四十三年に市会の決議をもつて、しかも東京市制の始まつたときまで、あれは二十二年でございましたか、それまで遡及をして退職金を出すという決議をいたしております。その時分にやはり四年間やつたらいくらとか、あるいは病氣で死んだらどうするとかいうような規定で当時四十三年の市会は退職金の決議をしておるのであります。しかもそれは遡及して市制始まつて以來の人に出そうということになつております。それがずつと慣習的に、その決議のもとに市制時代、都になるまで續いて來て、選挙ごとに出しておるのであります。それが今度は都制になりましたもので、──十八年に都制になつたのですが、あのときにも出しておる。それで終戰と同時に、二十二年だつと思いますが、新しい選挙で出て來られた。あのときにまた從來の市の決議を踏襲しようじやないか、市というものはなくなりましたが、そういうふうに議会の方と理事者との当時の相談合いであの予算を出した。そうして十八年に都政ができた時分に遡及して、ずつと継続して行こうということになつた。今も話があつたのでありますが、昔の参事会の時分とか、市会議員の時分に──都制をつくるとき、身分の関係としましては全部都の官吏になつても、都の吏員になつても、市の時分からの恩給でも、待遇でも引継ぐという当時の経過規定になつておる。從つてここにも市の時分の役人で途中から都の官吏とか公吏になつておる人もおりますが、こういう人方も、身分については恩給の関係でも退職金の関係でも引継いで一本になつておる。そういう関係で議員の退職金の問題でも市の時分の規程を踏襲して行こうということを決めて、あのときに予算も議決を願い、同時にその予算の趣旨に從つてあの規程をつくつて、事務当局が執行した、こういうことになつております。そこで退職金というものを出すのがいいとか惡いとかいう問題があるのでありますが、これは人の見方であります。四年間議員として都のために働いていただいた。この人が辞められたら、御苦労さまでしたという慰労金なり餞別なりを出すことは、普通の慣習で、どこでもやつておるではないかと思いますが、これは意見の相違であります。國会の方でも、國会法の中ではつきりと退職金を出すことができるという規定があります。從つて何も東京都だけが出すのではなくして、國自身この退職金というものを制度として認めておるのであります。從つてこれはわれわれ自分目身のお手盛じやないと思う。今度新しく出て來た方々が過去四年間やつてくれた人で辞められた方、席のなくなつた方に対して、慰労のために贈物をしようじやないかという考え方ほ、世間的な常識から考えても、そのこと自体はそう無理じやないと思う。  そこで次に出て來る問題は、額が多いじやないかという問題になるのでありますが、なるほど額が多いといえば多い。またこれでいいといえばいいとも言えますので、昔は多分三千円か二千円、ずつと前に市の時分に出した記憶がありますが、その時分の貨幣價値から考えますと、今日百倍にも千倍にも上つております。そういう考え方からしますと、またこの辺がつり合いかなとも思うのでありますが、いずれにいたしましても今の規定からいいますと、これは規定の通りに出しておるので、決して規定違反の出し方ではない。皆さんに相談して、今度はこういうふうにしようということがきまつて参りませんと、規定の通りに一應は当局として出さなければならぬのであります。そうすると、なるほど今日都民の苦しい税負担の中から、こういう多額のものを出すのはいかぬじやないか、これは出さぬ方がいいじやないかということは、まつたく一つの御意見だと思いますが、どういうものですか、私は一應出し、むしろ断るならばいただいた方で、せつかく御親切はありかたいけれども、こういう非常の際にはというので、都民としてはこれは辞退すべきだという声の出るのも一つの考え方だという氣がするのであります。今後の問題につきましては、皆様の御判断によつて、高ければ安くもし、惡けれぼ変えるということも考えられますが、今日まではそういつた慣習と、規定もありますし、一方國会法においても否定いたしておりませんので、また地方自治廳に行つて聞いてみましても、これは違法の措置ではない。たれか私を告発しておるという話でありますが、決して違法の措置ではないということになつたのであります。そういう氣持でやつております。    〔八十八番富田直之君登壇〕 ◯八十四番(富田直之君) たいへん御親初な御説明で大要わかつたのでありますが、ただいま知事のお話の通り、もらう方で辞退をするように声を上げた方がいいじやないかというお話でありますけれども、これはいつも、名誉職の時代から今日に至るまで議員の退職慰労金というものが問題になつて、そのために提案をされる理事者よりもこれを審議する議員がお手盛だというようなことを言われて、その品位を非常に低下されておるのであります。それがひいては議会が軽蔑をされるような状況になり、なお議会政治を否認するような輩の扇動の一つの原因をなしておることが多いのであります。そういう意味で、今知事さんのおつしやる通り、お辞めになりました私たちの先輩が、他の一般公務員と違つて、日曜もなければ祭日もなし、朝も晩も、二十四時間勤務のような状況で都民の福祉増進のためにお働きになられた。この先輩の方々に対してこういうことを申し上げることは恐縮でございますけれども、しかしながら今日の都の財政を考えたとき、必ずしも現在上程されておるような金額が妥当だとは考えられないのであります。一般職員の方と比較をいたしてみましても、議員の退職慰労金の方がはるかに多い。それも財政がゆたかならば都民全体の方々に納得していただけると思うけれども、この辺の、中央地区にお住いの方々には想像のつかないほど、私たちの区、周辺地区ではひどい下水であり、ひどい道路であり、ほんとうに板底のない素掘りの下水で、今日のごとき炎天下には下水の汚泥によつて臭氣芬々たる状況であります。それも百メーターか二百メーターの一部分を側溝でも入れていただけば、一應解決つくようなところでも、都の財源がないからと言うて私たちは都民の方々の了解を願つておる。そういう際に、かくのごとき案をそのまま私たちは承認するわけに行かないと思うのであります。なお御承知のように歳入面で、多分百三十七号議案であろうと思いますが、都立大学の授業料の値上げか上程されております。先般大学の学生が、この授業料をどうか値上げをしないでもらいたいということを菊池議長の手元まで要請文を出してあるそうでございますけれども、この値上げ増收分がわずか七十四万数千円でございます。慰労金の百分の九以下の金で学生諸君は來年の三月まで授業料の値上げの心配がなくて勉強ができるであろうということを考えたときに、われわれはどうしてもかくのごときものはもう一考していただきたいと考えるのであります。何も規定の上で出さなけれぱならないというわけではない。よくわれわれと相談をして規定をおつくり願つて、それでやつていただきたいということを考えるのであります。そういう意味でどうしても知事はこの慰労金を撤回していただきたいことを私はお願いいたしたいと思うのであります。 ◯議長(菊池民一君) 次に三十七番秋山定吉君。    〔三十七番秋山定吉君登壇〕 ◯三十七番(秋山定吉君) 私は都の所有しておるところの財産のあり方について安井都知事にお伺い申し上げたいのであります。今日都の所有いたしておるところの財産は財産表を調べたところによりますと八百四億といたしてありますが、私どもの裁定では、おそらく数千億になるのではなかろうかと承知をいたしておるのであります。その財産の一つ一つがみな都民の血税の蓄積であるということは、私がこの壇上から申し上げるまでもなく、都知事は御承知のことであろうと思うのであります。從つてその財産については知事は都民にこたえるだけの管理監督をして來たかどうか、知事の所見をお伺いいたしたいと思うのであります。  これが一点、第二点は今回の補正予算の中に、都財産管理状態を調査するために、二百九十九万三千円を調査費として計上いたされておるのでありますが、この調査に対しては過去の管理監督が不完全であつたから今回の補正予算を通して経費を計上してもらつて、そうして調査をするというような考え方をしてよいかどうか、この二点について御質問を申し上げ、御回答によつては再び立つて御質問を申し上げたいと思うのであります。    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 第一点の都有財産の管理に関する御質問でありますが、私自身は誠心誠意適正な管理をさせるつもりで努力をいたしたつもりであります。しかし終戰直後のいろいろな意味におきますあの混乱のとき、ことに関係の職員等の長く戰線に出ておつた者が帰つて來たりして、不なれであつたり、あるいは帳簿その他の疎開とか焼失等のため、思うように管理ができておりませんので、不手ぎわの点のありましたことは、私もまことに相済まぬと思つております。さような点については、だんだんと落ちついて参りますので、一層注意をいたしたいと思います。  次に、予算にその管理費が組んである点については他の番外からお答えいたします。    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) ただいま秋山さんのお尋ねの中の第二点の今回の補正予算に二百九十九万三千円の調査費が載つておるが、これは過去のすべてのものを適正に管理するための経費であるか、かようなお尋ねのようでありますが、これはお話の通りであります。先ほどお述べになりましたように、東京都の都有財産はほんとうに自分の私人のものと同じような考えで、徹底した管理をするのが当然であります。先ほど知事からもお話のありました通り、戰時並びに戰後を通じまして、その間普通経常事務がまつたく戰時的に切りかえられたために、かなり管理面に不備な点がありましたと同時に、また戰災等によりまして分散をいたしました調査簿その他の書類が焼失いたしましたような関係で、財産表の調製についても非常に困難をいたして参つたのでありますが、終戰後数次にわたりまして再評價あるいはできるだけの調査をいたして参つたのでありますが、私考えますのに、どうしてもこれはこのままでは相ならぬ。何とかしてこれを完全なものにし、徹底的にほんとうに都民の財産として管理しなければならぬという考えから、何とか完全に調査をし、適正な管理に切りかえて行かなければならぬという考え方から、その調査の方法等について研究を進めさせて參つたのであります。そこでようやく実は成案を得まして、すでに七月の初旬から御承知のようにただいまの都有財産は各局の事業用に供しまする財産は、各局の責任において管理する建前になつておりますので、全部の局にわたりましてこれを調べて、その管理の適不適を調査いたしまして、適当でないものがあれぱどうしても適当に直さなければならぬという建前で、各局の協力を得て、八月の末日までに全部の各局の都有財産を調査し、それを整理するようにという実は通牒を出したのでありまして、ちようどそれが八月末日までにほぼ完了をいたしまして若干部分は残つておるのでありますが、これはそれぞれ調査を完了いたしませんのにはそれ相当の理由があるのでそれにいたしましてもここ数日中には全部の調査が完了いたしまして、その完了いたしました調査を新しく今回東京都でつくりました東京都都有財産臨時調査規程によりまして副知事が室長になり、それぞれ委員並びに主幹、さらに各局に数名ずつの責任ある調査員をそれぞれすでに任命発令いたしまして、この人々によつて十分にこの調査に関連いたしまして、その管理の適否を檢討し、適正な管理に切りかえて行きたい。かような意味合いで、これに要する経費を二百九十九万数千円を今回の補正予算に計上いたしまして御議決を願う、こういう次第であります。    〔三十七番秋山定吉君登壇〕 ◯三十七番(秋山定吉君) ただいま安井都知事の誠意ある御答弁で──これは東京都に関しての問題でありますから、昨日山崎さんが小笠原のことを言つたときには、それは他のことであるという話があつたが、私の質問に対しては最も誠意あるお答えを伺つたので、私も満足はにいたしておるのでありますが、しかし私どもも議会人として、理事者と一体となつて都政を何とか都民にこたえるだけのものにしなくてはならないという熱意の結果、御質問を申し上げるのでありまするゆえに、誤解のないように明快なる御答弁を願いたいと思うのであります。今回提出されておるところの予算書を檢討いたしてもわかるように、各局ともにその予算が非常に削減されております。しかし各局ともに都民にこたえなければならないというので幾多苦心をしていることは私どももよくわかるのであります。この問題につきましては先ほど新井議員から特に力説をいたしたようであります。何とか議会と理事者が一体となつて、この行詰れる、乏しい財源の中から、都民にほんとうにおこたえするようなことにしなければならない。從つて私はその一例をとり上げて申し上げたいと思うのでありますが、御承知のごとく社会福祉事業というものが通過して、十月一日から都の直轄として各区に福祉事務所を設置しなければならないのであるが、その設置の費用があの予算面で見るところによりますと非常に少額の予算が組まれている。しかもそれが二十九箇所の事務所を設置する費用に充てられているのでありますが、聞くところによると二十九箇所ではないので、まだ東京都下にあるところの各市に対してやはり福祉事務所を設置する御意向があるやにも承つているのであります。私どもはこの事務所を経済の困難な、予算の少い場合において、これを何とか既存の区の建物を借りられるならばと、ほんとうに喜んで待つておつた。ところが最近都区調整問題で区側と都側の折合がつかないために、すでに区においてはかつての区長会の幹事会では福祉事務所の設置を区役所の中に持ち込まれることは非常に迷惑である。区の仕事と混同されるから何とか福祉事務所は他へ持つて行つてもらいたいというような意味合の決議文さえ都側は受けている状態であります。從つて私どもは、区では役所を貸さない、予算はない、どうしたらいいいかという考え方から、できるなら各所にある都の所有物件を使つた方がよいのではなかろうかと、こう考えた結果、自分のところのことを申し上げてはなはだ恐縮ではありまするけれども墨田区におけるところの建造物の中から以下御報告申し上げるようなものをつぶさに檢討を続けて参つたのであります。  所在地が墨田区の平川橋で旧市民館と申し、構造が鉄筋コンクリート二階建、百二十二坪四合四勺、地坪二百二十九坪五合三勺  同じく所在地が墨田区小梅町一ノ六、旧宿泊所であります。構造が鉄筋コンクート二階建、建坪二百七十一坪五合九勺、地坪二百十二坪三合二勺  同じく所在地墨田区業平橋一ノ二ノ二号、名称旧職業紹介所であります。構造が鉄筋コンクリート二階建、建坪四十八坪五合四勺、地坪五十坪九合一勺  同じく墨田区平川橋三ノ二、名称旧授産所であります。構造が鉄筋コンクリート二階建、建坪百七十八坪三合七勺、地坪二百十八坪四勺。  以上の四個の建物がここに浮んで來たのであります。これはしかし、だれがこの持主であるからどうというような、今の経緯を申し上げているのでは断じてないので、誤解をしないようにお聽取りを願いたいのでありますが、この建物の延坪総坪数が六百二十坪九合四勺、土地の総坪数が七百十坪八合、以上のような建物に対して私は理事者にこれからお伺いいたしたいのですが、何ゆえにかゝる土地建物が五箇年、昭和二十年十二月二十六日から今日に至るまで他に貸して、このうち賃貸の契約を取つているのが二箇所であります。二箇所はここに書類があります。この四つの建物に対して何ゆえに今日まで──先ほど財務局長が申されたのでありますが、いくらどさくさまぎれでも、自分の建物であつたならば必ずや一年に一ペんくらい請求に行つたのではないかと私は思う。然るに人のものだから、都民のものだからといつて、これを打つちやらかしたということは、私は断じて聞きのがしができないのであります。賃貸料の徴收をいたさず、そうして昨日も大島議員並びに先輩鏡両議員から都の財政が赤字であると、赤信号を立ててここで喋々と訴えているではありませんか。こういう際に何がゆえに取るべき賃貸料を取らないで、しかもここにありますように一箇年契約をうたいながら、五年後の今日に至るまで継続の申請書も取らないが、相手方に対して都の理事者は財産を無償でくれるというような考え方を持たしめたのではなかろうかと私は考えているのであります。今日あらゆる都民は生活に困窮している、にもかゝわらず忍びがたきを忍んで納めるところの血税が、ひとたび滯納するならば差押えはされる、競賣はされる、また勤労階級のごときは俸給をもらつた時、家へ持つて帰つて妻子に見せる前に、すでに俸給袋の中からあらゆる税金が差引かれている。こういうような迫つた世相の時に、何がゆえに都の財産を一部の人に提供しなければならないか、私は実に判断に苦しむのであります。都の所有財産をひとたび他に貸した場合にはちやんとこういうふうに條例が出ている。しかも財産の貸付期間中でも左の事項によつて契約を解除することができる。公用もしくは公益目的の用に供する必要が生じた場合、三箇月分以上貸付料が滯納した場合、無許可のまま借受物件を轉貸または権利を讓渡した時、右以外による都有財産條例または契約條件に違反した場合とあつて、こういう場合においては即時解除することができることになつているにもかかわらず今日まで五年八箇月に至る間、何の必要があつてこれを貸與しておつたのか。しかも相手方においてはこれを無償で貸しているのではない。一定の利潤を得て貸している。疊一疊七十円、造作一切は居住者の負担、他の人がかわつて入る場合は名義変更料として五千円から一万円を取立てる。また敷金まで取つている。さらにある建物においては他に轉貸して家賃として三千円も取つている。また戰災者收容の目的といいながらすでに工場に変更して使用しているではありませんか。これらの建物における五年八箇月の家賃を私どもがざつと集計いたしましても約三百万円になるのではなかろうかと考えているのであります。  このような事実がある時に理事者は今日になつて事あらためて予算を組んで、都議会にかけて議決をもつて調査をするということは、私はあまりにも都民に対して不親切ではなかつたかと考える。こういう点に対してまだ幾多の資料がありますので申し上げたいのでありますけれども、私は議会人として、しかも多数傍聽者がいる前においてお互い理事者と議員がここで自分の恥をさらすことは忍びないのであります。私も一應はそのことを考えておつたのでありますが、しかし涙を呑んで、どうしてもこの財産に対しては整理をしなければならない。その財産が驚くなかれ私どもの調べた数字によりますならば、二千七百万円に垂んとしている。その坪数を詳細に申し上げることもどうかと思いますけれども、あの鉄筋コンクリート建は今の時價で請負師に請負わせたならば、恐らく六万円から六万五千円でしよう。これは燒ビルだと言うでしようけれども、燒ビルとしてわれわれが一應評價した場合に、坪四万円と評價するならば二千四百八十三万六千円という巨額な金になるのであります。都の財政七百億から見たればわずかに二千四百八十三万円であるとするなれども、今もこの議場で富田君が何と言われたでしよう。八百万円のわずかな金でも、これは土木費に充ててくれよ、下水の金に充ててくれよ、議員の手当は一應蹴つてもよろしいというようなことを申しているではありませんか。また地坪について申し上げるならば三千五百万円に見積つても二百四十八万七千八百円になるのであります。私は何がゆえに三千五百万円と見積つたかというと、ごく最近東京都が、今まで江東橋の三中の中に東京都の税務の出張所をこしらえておつた。ところが狹くてできないというので、平川橋のきわの際に税務事務所を設置した。あの土地がいくらかというとごく最近、たしか三月と記憶いたしておりますが、あれが三千五百円で都に賣却したではありませんか。そのまん前の土地でありまするがゆえに、私は三千五百円と見積つた。しかもこれは交通局の局長さんもよくお聞きを願いたい。かつては業平橋のきわに青バスの車庫があつたことは御承知でありましよう。あすこの土地は六百坪に垂んとしている、東京都の借地であります。西尾という子爵が持つておつて、財産税が狒えないというので大藏省に物納した。大藏省へ物納したのを今の居住者が大藏省から買取つた。しかもその買取つた價格がわずか五十九万五千五百七十円五十銭であります。これが安いとか高いとか言うのではありません。しかしこれは当時鉄骨であります。また裏が川で周囲が空いておりましたから、まわりがトタン塀でありましたがゆえにこれは残つたのであります。燒残つたところを今度はある人が借りて、そこで材木を挽いておつた。その地坪の六百坪もつけて五十九万五千円に賣つた。坪当りが千八百五十円であります。地坪をつけて賣つたとするならばわずか一年か二年しか過ぎない今日、その前を東京都が今度税務事務所のために買つたのが三千五百円、わずかの期間に、自分の持つているものは安く賣つて、新たに買うものはそういう高いものを買う。先ほどもある議員から土地の問題について話が出たようでありますが、私はこういうことでほんとうに都民におこたえするだけの考え方のもとに都政を布いておいでになるのかどうかということを一應お伺いいたしたいのであります。と同時に先ほど申し上げましたこの四件の問題に対しては理事者はいかなる処置をおとりになり、將來都民にこたえるようなことができ得るかどうかということを加えて御質問申し上げて、私の質問を終りたいと考えております。    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) ただいま再度御質問になりました元民生局の営造物でありました四物件に関連いたしまして実情御調査の上御質問でございますが、この四つの物件につきましては一部はすでに雜種財産として財務局へ移管したものもございますし、また一部はまだ民生局の保管物件として存在しているような次第でありまして、この点につきましては先ほど私が申し上げましたように実はこういう点を徹底的に今回は調査をいたしまして、もちろん東京都有財産の管理の面といたしましても、さらに東京都の財政補助という両面からいたしまして、十分なる調査と適正なる処置を徹底的に緊急にいたしたい。件名的な調査は先ほど申しました通り、ここ数日中には全部完了いたしますので、あとの管理の適正の調査、また管理替管理の方法等につきましては遅くも十一月末までには全部完了いたすという予定で、先ほども申しました通り新しい調査規程のもとに、調査委員長さらに主管各局から五十数名に上る責任者たる委員をつくりまして、これによつて実際の現場につきさらに公簿等につきまして徹底的な調査をいたしまして、お話のように轉用すべきものは轉用し、処分すべきものは処分して、ほんとうに適正なる管理に移して行きたい。こういう意味でございますので、御了承を願います。 ◯議長(菊池民一君) 次に百七番糟谷磯平君。    〔百七番糟谷磯平君登壇〕 ◯百七番(糟谷磯平君) 時間がないのでごく簡單に二三の質問をいたします。  先ほどなぞのような質問をなさつておつたが、これについての一應釋明を申し上げて、理事者はこれに対して責任ある買取りの義務があると思うので御答弁を願いたいと思う。先ほど答弁のあつた建物のほかに明徳学校も使用しておつたのであります。これは石井局長がよく御存じだが二十年一月の次官決定で、戰災で困つているからこの建物の燒けたところへ收容したいという次官決定があつた。ひいて二十年の九月に、閣令で住宅緊急勅令というものを出した。そこで戰災者が非常に困るので、何とかしたいということを私に申し出られた。私は当時内務省にありました中央貸家組合の組合長をしておつたので、全國の都市に向つて、これを要求して初めは都と國、元は復興院でありましたが、その要請によつて全國に統制をとつてやつた。その資材その金額は閣議決定でも、次官決定でも、はつきりと政府が低利で融通するという決議をして、ちやんと通知をしている。東京都には貸家組合が六十近くありましたが、いかないので、二十七の組合が各自で、それぞれ政府の方針に基いて貸家を建てようとしたんです。ところが資金も六千万円復金から來るのが來ない。資材も來ない。やりかけた建物は途中でやめてしまつた。そうして復興院の住宅局長の言うのには、一旦引受けたものだから何とかしてくれというので、これを引受けることにして私は百八十八戸、一千三百余坪の木造瓦葺と鐵板葺の建物を、約一千九百万円ばかりの金を出して建てた。しかしまだ政府の方針の三百五十戸には足らないので、五棟の建物の轉用を都に申込んだ。焼けた都民に、軍は江東六区には三坪以上の建物を建ててはならないと指令した。本所には十六万九千人おつたのが、三月九日一夜にして八千人に減つたが、その中で五万数千人は焼けている。言問橋だけでも五千五百人の死体の山をなした。これらのものを整理させたが、その当時本所におりました名誉職は、はなはだ僭越ですが糟谷磯平と川道甚太郎しかいない。ほかはみな逃げてしまつた。最近おかしいことには焼けてしまつたはずの動産保險の洋服を着ている人がいる。これは動産保險がついておつたが逃げるとき持つて行つた。そうして今平氣で着ている。おかしなものです。まさか泥棒にはならぬけれども、火災保險で弁償したはずの洋服を平氣で着ている。(「本所にはおれがいたじやないか。」と呼ぶ者あり)  そこで政府の要請によつて、われわれがやつた建物が今の建物だから、これは当然都がわれわれに弁償する義務がある。なぜ義務があるかといえば、借家法の第二條にこう書いてある。当事者が賃貸契約の期間を定めて建物を貸した場合に、これを解除するには期限の六箇月ないし一箇年前に、期間の更新をすることを拒絶する通知をしろと書いてある。もし拒絶する通知をしなければ前契約と同一の契約で使用が許される。ところが五條にはこう書いてある。当事者の同意を得てつけた造作は、全部時價をもつて買取れという規定がある。私は東京都に向つて言いたいのは、東京都はこれらのものに対して時價で弁償する義務を持つている。これは東京都が当然拂うべきものだ。われわれの使用しているものは戰災の人を入れてあるものだ。これには金を出してある。都はこれを時價で彿う義務がある。法律には当事者の同意を得て建物に附加したる疊建具その他の造作は借家人は期間満了の場合において、その際における時價で賃貸人に対して、その造作の買取りを要求する権利があると書いてある。こうなれば今問題となつている建物は、当然都がこの中の造作を買い取つてやる義務がある。われわれは物好きにやつているものではない。都の代行をしている。もう一つ六條にはこう書いてある。五條の規定に違反する特約にして、借家人に不利益なるものは、これなきものと見なす。この一年の期限とは何だ。建物を修理するのに一年でできるか。この工期は復興院で許可を得たのは十二箇月だ。十二箇月といえば一年でしよう。一年かかつてつくつて一年したら壞れるようなら、莫大な金を國が補助する必要はない。四分の一を國で補助している。くどいようでありますが、壞すなら建物を造作する必要はない。だから一年未満の契約はしないという規定がある。第三條の二にこう書いてある。一年未満の期間の定めある賃貸は、これを期間なものきと見なすと、ちやんと法規に書いてある。この法規に書いてあることを当事者は履行する義務がある。この中には数百人の人が入つている。この解決は当然都がしなければならぬ。住居者は当然都が管理すべきものであり、都が当然整理して必要なら使うがいい。使うことに反対はしておりません。その次に三條の一には、都が使う以外にはこの建物はあけられない。こういうような建物だから……(「指名もしないのに、なぜ一身上の弁明を許すのだ。」と呼ぶ者あり)默つておれ。(「何の必要があつて弁明するのだ」と呼ぶ者あり)都が当然買うべきものだ。だから都が買うがいい。借家人は都が整理して出すがいい。私は都に懇請されてやつたということだけを考えてもらえばいいんです。  次に私の質問は、これは共産党のちようちん持ちをするわけではないが、生活協同組合は確実なものもありますが、大体において今営業をしていないものがある。中には協同組合の金を使つている人があります。使うのもいいが使い方が違う。組合で認めない金を四、五十万円使つている。こういう組合に金を貸してはだめです。個人がその協同組合の金を使つているが、これは個人に使わすべきものではない。その会派の名を言うとはつきりわかるが私は同情して言つてやらない。確かに使つているんだ。四十万や五十万の金が弁償できないような会派なら、ない方がいい。同僚が使い込んだら当然それを償つてやるような人情味がほしい。こういう生活協同組合なら三千万円の資金の融通は必要ない。但し確実な立派な組合もありますから、これに対する融資は当然やるべきだと思う。ところが三分で三千万円の金を貸してやつても、なおかつ商賣がもうからないで、赤字なんです。江戸川にある病院のごときは、百五十万円城南信用組合から借りている。生活協同組合で病院は建つたが、組合員の患者は一人もいない。こういうむりなことをやつている。先ほど都の財政がおかしいとかなんとか言うが、社会党の一部の党員です。今の交通局の裏の土地の五十万円の権利金を、五年も前から拂つていない。のみならずこれはわれわれの血の出るような金だ。戦災復興本部はこれは社会党の本部になつている。そこでその連中がわれわれの拂つた金を、使つていながらまだ拂わない。こういうものを一体協同組合にくつつけて金を借りるようなことをしてはならぬ。一般の者が燒けて困つても、政府に拂う金なんだ。その金を持つて行つて家を直した。本所に二つありますよ。日新学校と江東学校です。これは当然政府に拂うべき金を拂わないで、長屋を直している。それは社会党に席のある人だ。名前は言えば言えるが、言う必要はない。秋山君はよく御承知でしよう。当然拂うべき金を拂わないで、家を直して家賃を取つている人もあるんですよ。当然交通局に拂うべき金を拂わなんで威張つている人がある。だから深川のアパートをごらんになるとわかる。去年の十一月三日までは月十三円六十銭ですよ。こんな安い家賃に都会議員が入つている。代議士も入つているでしよう。今その建物は五年の月賦で割ると、一箇月六百円少し切れる。それを五年拂えば自分の物になる。金ができるわけでしよう。みなが五百円、六百円の家賃を拂つているのに、社会党の議員は十三円しか、去年の十一月までは拂つておらない。こんなうまい商賣は頬かぶりしたより、よほどうまい。これらのものをくつつけて生活協同組合の金を融通しようというから、われわれは反対している。だから戰災復興本部が拂うべき百二十万円の金を、東京都の資材課に拂つているかいないか。石井局長から御答弁を願います。またその建物については都が承諾して修理させた金が何百万円あることを承知しているかどうか。それからキテイ台風で隅田、江東区に毛布、衣料の切符、こういうたくさんの物品を交付しております。これが精算が十分についていない。この数を局長に氣の毒ですけれども、文書ではつきり何区に毛布何枚、衣料切符何枚、乾パンが何函、こういうものを出していただきたいことを要求します。  それから四十数万円の金を生活協同組合の委員が一人で使つておりますが、これもどこの組合だということを、書面で御報告を願いたい。これは協同組合の資金の決定を、われわれが議場ではつきりとする上において、そういう不当なものに対して金を貸せば回收がつかない。ことにこの三千万円の金というのは、東京都が一部補助をした金である。三分で城南信用組合に預金している。今度はどこへ預けるかわかりませんが、いつでもこの金は引上げできる金です。この預金はいつでも引上げられるが。もし引上げた場合には今のように個人がふところに入れたり、病院を建てても患者が來なければ回收ができない。そんなものに金を貸せば回收がつかない。これは回收の見通しのはつきりついた所だけに融通することが当然だと思う。先ほどから社会党の各位は血の出るような金だという。三千万円という金はわれわれはおそらく一生見ないで死ぬかもしれません。こういう莫大な金を、ただの二分や三分で税金も拂わない組合に貸して、もうけるならいいけれども、もうけもしないで食い込んでしまうのでは芋虫みたいなものだ。惨めなことだ。それじや税金を拂う商賣人は立つて行かない。三分の金を借りて商賣をしてもたらない。利息だけでも年に五、六百万円利益があるわけだ。だから全部に反対はしませんけれども、協同組合でも組合員何人と書いてあつても、実際いないのがある。行つて見れば家ばかりで品物は何もない。ただ、頭数だけ揃えて、金を借りる時の対象だけです。今書き出してある協同組合の数だけを見ると、東京の六分の一は組合員だ。そうしてあとは商賣では食つて行けない。営業税は拂えない、附加税は拂えない、商賣じや困る。これについて民生局長の答弁は二つです。ある組合で数十万円の金を横領しているものがある。これが一つ。キテイ台風によつて毛布や何かやつたが、一定の所にとまつてしまつて末端まで行つていない。これがどこで停滯したか、これの枚数を調べていただけば、どこで停滯したかということを申し上げます。これはここで御答弁を願うより文書の方がけつこうです。ただ石井局長に依頼して住宅を直したことと、百二十万円の物品配給の金が大藏省へ入つているかどうか、今の時價にすると三千万円だ、なぜかというと銅貨でよくわかる。銅貨は百円が十八貫ある。そういう金を百二十万円もふところへ入れてしまつて置くから、これはもうけたと言つても惡いことはなかろうと思う。だからこの金が返つて來たかどうか、はつきり御答弁を願いたい。 ◯議長(菊池民一君) 糟谷君、質問がちよつと廣い範囲なので聞き取れませんでしたが、全部文書で答えてよろしいんですか。 ◯百七番(糟谷磯平君) それからなお忘れたが、私が先ほど申し上げた建物に疑義があると惡いですから、都会の十五人の委員で、今申した建物が正当の事由があるかないか、一應十五人の委員をおつくり願つて、ついでに本所の江東という学校、日新という学校、それから交通局の裏の土地の五十万円の未拂い、あるいは戰災復興本部の百二十万円の未拂いを御調査を願うように、各位の御同意を得て調査委員をつくつていだたくことをお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 糟谷君の動議でありますから、正式の同意者をもつて、調査会の成立をしていただくようにいたしたいと思います。 ◯百十九番(川端文夫君) 議長、議事進行に関して………。 ◯議長(菊池民一君) 答弁があるかもしれませんから、ちよつとお待ちください。石井建築局長。    〔建築局長石井桂君登壇〕 ◯建築局長(石井桂君) 御指名でありますので、簡單に申し上げます。戰災復興本部は政府に支拂い代金が未納でございますので、鋭意督促中でございます。  それからただいま議題になりました轉用建物につきましては、昭和二十一年に政府の補助を得ておりますことを申し上げます。(「何百万円とはつきり言え」と呼ぶ者あり)金額ははつきり覚えておりませんから、この次までに調べて申し上げます。 ◯議長(菊池民一君) 百十九番川端文夫君。    〔百十九番川端文夫君登壇〕 ◯百十九番(川端文夫君) ただいまの糟谷君の発言中におきまして、戰災復興本部が都の契約の中に、未決定のものがあるという質問をされた中に、戰災復興本部がただちに社会党本部であるという発言をされたのであるが、この点を糟谷君がその発言通り確認されるかどうかということを、私は議事進行の名においてお尋ねしておきたいと考えるのであります。  もう一つは、糟谷君がただいま運営委員会において、すでに調査委員会をつくるということが、お互い各党に了解されておるにかかわらず、自分の提案動議であるがごとき扱いをされたことは、お互い運営上における道義的の扱い方に対してもとるのではないかということを、一言御警告を申し上げておきたい。  第一点に対して確認されるならば、私たちはその問題に対して速やかに調査いたしまして、その結果が間違つておられるならば、適当の処置をとることを、ここで断言いたしておきます。 ◯議長(菊池民一君) 百番岸寛司君から、先ほど緊急質問の通告がありましたから、これを許可いたします。    〔百番岸寛司君登壇〕 ◯百番(岸寛司君) 緊急質問をお許し願いまして恐縮に存じます。先ほど同僚秋山議員から大田区内にある建物に関しまして御指摘がございました。私もまだ調査していただく問題がございますので、この際皆様の御協力を得たいと存じて緊急質問を申し出たのでございます。  本所の錦糸町に元憲兵隊の錦糸町分遣所がございます。この憲兵隊の分遣所は戰後たしか大藏省の所管となり昭和二十一年に東京都の方に拂下げになつたように記憶しておるのでありますけれども、この土地が五百二十一坪、建物は五十戸になんなんとしておるそうであります。調査いたしまするとその持主はどなたか存じませんけれども、この点はあとで理事者の方から答弁をしていただきたいのでありますが、家賃の値上げ問題でゴタゴタしておるそうであります。私は都財政の関係からも考えまして、大藏省から都に渡されている土地がうやむやのうちに何人かの手に渡つているという事実に対しまして何年の何月何日にどういう手続きにおいて何人にどういう契約でお貸し願つているかということを理事者にお尋ねしたいのであります。先ほど秋山議員が質間しておりました通り、こういう問題があとからあとからいくつも出て來るということに対しましては、戰後六年にわたつて当局者の怠慢振りをわれわれは糺彈せねばならぬのであります。どうか今後、先ほどの答弁で了承はいたしまするけれども、さようなことのないように、まだまだ調べ上げればあとから出て來るようにも考えまするので、先ほどの金原局長の答弁の通り、徹底的に御調査を願いたいと同時に、さきに運営委員会が決定を見ましたところの秋山君の申された毎日新聞紙上に報道されておりまする問題とともに、本問題のいわゆる本所の錦糸町憲兵隊の分遣所跡地の問題に関しましても同じく特別調査会におきまして御調査を願いたいと考えるのであります。ただいま申しました通り理事者におきましては、ほかにもあることを承知しておりまするけれども、特に先ほど申しました通り錦糸町の憲兵隊分遣所跡地は何年何月何日に大藏省から都に渡り、そうして都はどういう契約で何人に貸しておるかということの御答弁を要求いたします。    〔財務局長金原進君登壇〕 ◯財務局長(金原進君) お答えいたします。錦糸町の元憲兵隊跡地の問題でありまするが、大藏省から建築局で拂下げを受けまして処置したように承知しておりまするが、ただいまのところ詳細な調査ができておりません。まことに恐縮でありまするが早速調査いたしましてお答えいたします。    〔百番岸寛司君登壇〕 ◯百番(岸寛司君) 金原財務局長の御答弁に対してははなはだ遺憾であります。この問題が今日調査されていないというに至つては、私どもは今日われわれに渡されておりますところの東京都の財産書というものは信用することはでき得ない、もし金原局長が知らぬとおつしやるならば、建築局という声が出ましたので建築局長の御答弁をお願いいたします。    〔建築局長石井桂君登壇〕 ◯建築局長(石井桂君) まことに申訳ございませんが、そのことは存じませんでして、岸さんもたびたびおいでになりますが、お話を承る機会もございませんでして、早速調査いたします。 ◯議長(菊池民一君) 以上をもつて質問は終りました。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第一を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第一 東京都監査委員選任の同意方について      ────────── 財予発第五三三号   昭和二十五年九月四日           東京都知事 安井誠一郎  東京都議会議長 菊池 民一殿    東京都監査委員選任の同意方について  地方自治法第百九十五條に基く監査委員を次の通り選任致したいから同法第百九十六條により都議会の同意方御取計らい願いたい。       記   学識経驗者  茅野 眞好     現住所  江戸川区西小松川一の二、四三九    生年月日  明治三十三年六月二十八日    (履歴省略)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本件は知事選任に同意せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第二を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第二 東京都副出納長選任の同意方について(財予発第五〇五号)
         ────────── 財予発第五〇五号   昭和二十六年八月三十一日           東京都知事 安井誠一郎  東京都議会議長 菊池 民一殿    東京都副出納長選任の同意方について  本都副出納長に下記のものを選任いたしたいので都議会の同意をお願する。        記     佐々木 高勳     明治三十九年四月二十五日生    (履歴省略)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本件は知事選任に同意せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第三を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第三 東京都副出納長選任の同意方について(財予発第五〇六号)      ────────── 財予発第五〇六号   昭和二十六年八月三十一日           東京都知事 安井誠一郎  東京都議会議長 菊池 民一殿    東京都副出納長選任の同意方について  本都副出納長に下記のものを選任いたしたいので都議会の同意をお願する。        記      元木 耕助      明治三十四年三月十五日生    (履歴省略)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本件は知事選任に同意せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第四を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第四 東京都副出納長選任の同意方について(財予発第五〇七号)      ────────── 財予発第五〇七号   昭和二十六年八月三十一日           東京都知事 安井誠一郎  東京都議会議長 菊池 民一殿    東京都副出納長選任の同意方について  本都副出納長に下記のものを選任いたしたいので都議会の同意をお願する。        記      野口 義宗      明治二十七年十一月二日生    (履歴省略)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本件は知事選任に同意せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第五を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第五 晴海ふ頭緊急整備に関する意見書      ────────── 一、晴海ふ頭緊急整備に関する意見書  右提出する   昭和二十六年八月三十一日    提出者     北島 義彦     友成 四郎     大森 一雄     小泉 武雄     山口久太郎     小野 孝行     林 哲之輔     荒木由太郎     佐々木千里     宇野 喜重     伊東 泰治     森   傳     吉峰 長利     山崎 良一     大門 義雄     田中 貞造     大澤梅次郎     吉田兼次郎     山内 吉雄     山崎七次郎     杉山 三七     橋本健太郎     小野 慶十     島崎 七郎     大島 久義     齋藤由五郎     中田 俊一     八木澤鶴吉     萬田 勇助     古谷  榮     森 敬之助     石原 永明     菊池 民一     梅津 四郎     大日向蔦次
        水戸 三郎     秋山 定吉     案田 八郎     鴨下 榮吉     中島 與吉     鈴木 傳一     實川  博     武中 武二     青木 保三     清水 長雄     野口 孝一     山口 虎夫     袴田 圓助     佐々木恒司     醍醐安之助     中澤  茂     長瀬健太郎     村田宇之吉     横田 秀隆     中塚榮次郎     内田 雄三     中村  正     本島百合子     板橋 英雄     唐松平兵衛     木崎 茂男     藤田 孝子     鈴木 佐内     村上 ヒデ     山田 孝雄     四宮 久吉     齋藤 清亮     斎藤 卯助     新井 京太     木多  誠     小口 政雄     五十嵐多喜藏     加藤 靖一     石井三四郎     建部  順     中西千代次     岡田 助雄     内田定五郎     中島喜三郎     守本 又雄     春日井秀雄     曾根 光造     原田  茂     富田 直之     中西 敏二     森田 茂作     上條  貢     石川右三郎     窪寺 傳吉     出口林次郎     神山 廉作     内田 道治     染野  愛     矢田 英夫     浦部 武夫     石島 參郎     高林勝太郎     渡邊 文政     北田 一郎     岸  寛司     山崎芳次郎     水越 玄郷     大久保重直     金子 二久     田中 宗正     鏡  省三     糟谷 磯平     高橋 清次     小山 省二     野口辰五郎     安藤章一郎     鈴木 義顯     田村福太郎     小山 貞雄     富澤  仁     中川喜久雄     長久保定雄     加藤千太郎     川端 文夫     高梨 二男  東京都議会議長 菊 池 民 一 殿      晴海ふ頭緊急整備に関する意見書  朝鮮動乱及びこれを契機とする國際情勢の変化に伴い、東京港における内外貨物輸送量は急激に増加しつゝあるにも拘わらず、これが輸送に欠くことのできない港湾荷役能力は、極端な不足を來たしておる現状である。 さきに都及び政府においては、接收港湾施設の解除方を連合軍当局に陳情してきたが、現下の國際情勢にあつては、解除方は不可能であるとの回答に接したのである。よつて政府においては、昭和二十六年三月二日「主要港湾荷役力の緊急増強について」の閣議決定により、東京港「晴海ふ頭」を見返資金の融通、その他適当な方法によつて建設されるとのことであるが、本件を本都としてはもとより、國家的に極めて重要にして且つ緊急事業であるから、可及的速やかに実施に移されるよう要望するものである。  右地方自治法第九十九條第二項の規定により意見書を提出する   昭和二十六年八月三十一日                東京都議会議長 菊池 民一  内閣総理大臣  ┐  大藏大臣    ├宛  運輸大臣    │  経済安定本部長官┘      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案は原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。
       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第六を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第六 失業対策事業に就労する労働者の賃金日額値上げ及び失業対策事業費予算増額に関する意見書      ────────── 一、失業対策事業に就労する労働者の賃金日額値上げ及び失業対策事業費予算増額に関する意見書  右提出する   昭和二十六年八月三十一日    提出者     北島 義彦     友成 四郎     大森 一雄     小泉 武雄     山口久太郎     小野 孝行     林 哲之輔     荒木由太郎     佐々木千里     宇野 喜重     伊東 泰治     森   傳     吉峰 長利     山崎 良一     大門 義雄     田中 貞造     大澤梅次郎     吉田兼次郎     山内 吉雄     山崎七次郎     杉山 三七     橋本健太郎     小野 慶十     島崎 七郎     大島 久義     齋藤由五郎     中田 俊一     八木澤鶴吉     萬田 勇助     古谷  榮     森 敬之助     石原 永明     菊池 民一     梅津 四郎     大日向蔦次     水戸 三郎     秋山 定吉     案田 八郎     鴨下 榮吉     中島 與吉     鈴木 傅一     實川  博     武中 武二     青木 保三     清水 長雄     野口 孝一     山口 虎夫     袴田 圓助     佐々木恒司     醍醐安之助     中澤  茂     長瀬健太郎     村田宇之吉     横田 秀隆     中塚榮次郎     内田 雄三     中村  正     本島百合子     板橋 英雄     唐松平兵衛     木崎 茂男     藤田 孝子     鈴木 佐内     村上 ヒデ     山田 孝雄     四宮 久吉     齋藤 清亮     斎藤 卯助     新井 京太     本多  誠     小口 正雄     五十嵐多喜藏     加藤 靖一     石井三四郎     建部  順     中西千代次     岡田 助雄     内田定五郎     中島喜三郎     守本 又雄     春日井秀雄     曾根 光造     原田  茂     富田 直之     中西 敏二     森田 茂作     上條  貢     石川右三郎     窪寺 傳吉
        出口林次郎     神山 廉作     内田 道治     染野  愛     矢田 英夫     浦部 武夫     石島 參郎     高林勝太郎     渡邊 文政     北田 一郎     岸  寛司     山崎芳次郎     水越 玄郷     大久保重直     金子 二久     田中 宗正     鏡  省三     糟谷 磯平     高橋 清次     小山 省二     野口辰五郎     安藤章一郎     鈴木 義顯     田村福太郎     小山 貞雄     富澤  仁     中川喜久雄     長久保定雄     加藤千太郎     川端 文夫     高梨 二男  東京都議会議長 菊池 民一殿    失業対策事業に就労する労働者の賃金日額値上げ及び失業対策事業費予算増額に関する意見書  東京都における失業対策事業に就労する日雇労働者の数は、約四万一千名を算し、朝鮮動乱を契機とする経済事情の変移に伴い、日常生活必需品を初めとする諸物價は、漸次高騰の一途をたどり、生計費は日一日と昂上し、その生活は益々困窮に向いつゝある。  即ち本都における現行賃金額は二百四十五円、平均稼動日数二十四日その月收五千八百八十円であつて平均扶養家族三人をかゝえては、生活を保持することは困難であるとともに、正常なる勤労意慾を減退せしめて、眞の失業対策事業の目的たる失業者の吸收によつて、生活の安定を図り、経済の興隆に寄與することは至難事である。 よつて、政府は失業対策事業予算の増額を図ると共に、現行賃金の値上と、完全就労による日雇労働者の最低生活が確保できるよう特段の考慮を拂われるよう切に要望致します。  右地方自治法第九十九條第二項の規定により、意見書を提出いたします。   昭和二十六年八月三十一日                東京都議会議長  菊池 民一  内閣総理大臣  ┐  労働大臣    ├宛  大藏大臣    │  経済安定本部長官┘      ────────── ◯六十番(斎藤卯助君) 本案は原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第七を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第七 小河内貯水池系水道建設事業財源確保に関する意見書      ────────── 一、小河内貯水池系水道建設事業財源確保に関する意見書  右提出する   昭和二十六年八月三十一日    提出者     北島 義彦     友成 四郎     大森 一雄     小泉 武雄     山口久太郎     小野 孝行     林 哲之輔     荒木由太郎     佐々木千里     宇野 喜重     伊東 泰治     森   傳     吉峰 長利     山崎 良一     大門 義雄     田中 貞造     大澤梅次郎     吉田兼次郎     山内 吉雄     山崎七次郎     杉山 三七     橋本健太郎     小野 慶十     島崎 七郎     大島 久義     齋藤由五郎     中田 俊一     八木澤鶴吉     萬田 勇助     古谷  榮     森 敬之助     石原 永明     菊池 民一     梅津 四郎     大日向蔦次     水戸 三郎     秋山 定吉     案田 八郎     鴨下 榮吉     中島 與吉     鈴木 傅一     實川  博
        武中 武二     青木 保三     清水 長雄     野口 孝一     山口 虎夫     袴田 圓助     佐々木恒司     醍醐安之助     中澤  茂     長瀬健太郎     村田宇之吉     横田 秀隆     中塚榮次郎     内田 雄三     中村  正     本島百合子     板橋 英雄     唐松平兵衛     木崎 茂男     藤田 孝子     鈴木 佐内     村上 ヒデ     山田 孝雄     四宮 久吉     齋藤 清亮     斎藤 卯助     新井 京太     木多  誠     小口 政雄     五十嵐多喜藏     加藤 靖一     石井三四郎     建部  順     中西千代次     岡田 助雄     内田定五郎     中島喜三郎     守本 又雄     春日井秀雄     曾根 光造     原田  茂     富田 直之     中西 敏二     森田 茂作     上條  貢     石川右三郎     窪寺 傳吉     出口林次郎     神山 廉作     内田 道治     染野  愛     矢田 英夫     浦部 武夫     石島 參郎     高林勝太郎     渡邊 文政     北田 一郎     岸  寛司     山崎芳次郎     水越 玄郷     大久保重直     金子 二久     田中 宗正     鏡  省三     糟谷 磯平     高橋 清次     小山 省二     野口辰五郎     安藤章一郎     鈴木 義顯     田村福太郎     小山 貞雄     富澤  仁     中川喜久雄     長久保定雄     加藤千太郎     川端 文夫     高梨 二男  東京都議会議長 菊池 民一殿    小河内貯水池系水道建設事業財源確保に関する意見書  小河内貯水池系水道建設事業は、戰前本都水道需給計画の拔本的施策として、増加給水量を一日四十二万五千立方米、人口一二二万人を給水可能とする規模を以て、昭和十三年に着工し、爾来鋭意工事を続行したのであるが、戰局の推移により中止のやむなきに至つたのである。  戰後においても、首都復興の進展に伴い人口は依然として逐年膨脹の一途を辿り、これに対應して本都水道の需給状況は日々急速な増加を來し、現有設備の給水能力では到底都民の需要を充し得ない状況で、更に將來の需給計画上、事業の継続は必要不可次のものとなり、昭和二十三年に工事を再開し、これが完成を期しているのであるが、事業財源たる起債は予定額の許可が得られず、工事の前途に大きな支障となつている。  しかも事業の遅延頓座を來たすにおいては、全都に亘り、給水上の重大危機を招來し、都民の保健、衛生上に及ぼす影響はもとより、防火面、生産面においても、甚大な障害となる虞れがあり延いては、都民生活安定の基盤を覆すと云つても過言ではないのである。  かくして、毎年本事業には、一部財源を窮迫せる水道経営勘定から、これを捻出充当して、工事の継続に努力を傾けて來たのであるが、昭和二十六年度以降、これが遂行には多額の事業資金を必要とする段階に立つているのである。  よつて、政府は本事業の特殊事情を考慮し、起債許可には、特に優先的取扱を講ぜられる外、公募公債による財源確保等の方途を認められるよう要望する次第である。  右地方自治法第九十九條第二項の規定により意見書を提出する。   昭和二十六年八月三十一日                東京都議会議長  菊池 民一  内閣総理大臣、大藏大臣、建設大臣 宛  経済安定本部長官、地方財政委員長      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案は原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第八を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第八 小河内貯水池系水道建設事業の促進に関する決議
         ────────── 一、小河内貯水池系水道建設事業の促進に関する決議  右提出する   昭和二十六年八月三十一日    提出者     北島 義彦     友成 四郎     大森 一雄     小泉 武雄     山口久太郎     小野 孝行     林 哲之輔     荒木由太郎     佐々木千里     宇野 喜重     伊東 泰治     森   傳     吉峰 長利     山崎 良一     大門 義雄     田中 貞造     大澤梅次郎     吉田兼次郎     山内 吉雄     山崎七次郎     杉山 三七     橋本健太郎     小野 慶十     島崎 七郎     大島 久義     齋藤由五郎     中田 俊一     八木澤鶴吉     萬田 勇助     古谷  榮     森 敬之助     石原 永明     菊池 民一     梅津 四郎     大日向蔦次     水戸 三郎     秋山 定吉     案田 八郎     鴨下 榮吉     中島 與吉     鈴木 傅一     實川  博     武中 武二     青木 保三     清水 長雄     野口 孝一     山口 虎夫     袴田 圓助     佐々木恒司     醍醐安之助     中澤  茂     長瀬健太郎     村田宇之吉     横田 秀隆     中塚榮次郎     内田 雄三     中村  正     本島百合子     板橋 英雄     唐松平兵衛     木崎 茂男     藤田 孝子     鈴木 佐内     村上 ヒデ     山田 孝雄     四宮 久吉     齋藤 清亮     斎藤 卯助     新井 京太     本多  誠     小口 政雄     五十嵐多喜藏     加藤 靖一     石井三四郎     建部  順     中西千代次     岡田 助雄     内田定五郎     中島喜三郎     守本 又雄     春日井秀雄     曾根 光造     原田  茂     富田 直之     中西 敏二     森田 茂作     上條  貢     石川右三郎     窪寺 傳吉     出口林次郎     神山 廉作     内田 道治     染野  愛     矢田 英夫     浦部 武夫
        石島 參郎     高林勝太郎     渡邊 文政     北田 一郎     岸  寛司     山崎芳次郎     水越 玄郷     大久保重直     金子 二久     田中 宗正     鏡  省三     糟谷 磯平     高橋 清次     小山 省二     野口辰五郎     安藤章一郎     鈴木 義顯     田村福太郎     小山 貞雄     富澤  仁     中川喜久雄     長久保定雄     加藤千太郎     川端 文夫     高梨 二男  東京都議会議長 菊池 民一殿    小河内貯水池系水道建設事業の促進に関する決議  小河内貯水池系水道建設事業は、戰後、首都復興の進展に伴い、逐年急速に膨脹する人口に対應して、昭和二十三年に工事を再開し、これが完成を期したのである。しかるに工事の進捗状況は都民の期待に反し、事業財源である起債が予定の許可を得られないため、事業の遂行に大きな支障を來たしている現況は、甚だ遺憾である。しかも一度本事業の遅延頓座を來たすならば、全都に亘り、給水上の重大危機を招來し、都民の保健衛生上に及ぼす影響はもとより防火面、生産面においても甚大な障害となるおそれがある。  よつて、執行機関は本事業の重要性に鑑み、その財源解決には、あらゆる手段を盡すなど前途の障害を克服して、これが完遂に万全を期すべきである。 右決議する。  昭和二十六年八月三十一日                東 京 都 議 会      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案は原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第九より第七十五まで一括議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第九 第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算外六十六議案    (第124号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算表省略)    (議案記載省略)      ────────── ◯議長(菊池民一君) 本案に関し執行機関の説明を求めます。岡安副知事。    〔副知事岡安彦三郎君登壇〕 ◯副知事(岡安彦三郎君) ただいま上程されました第百二十四号外六十六議案の大要につきまして御説明いたします。  まず第百二十四号議案及び第百九十号議案は一般会計の補正予算案でありまして、今回七十八億九千八百余万円を追加し、総額において四百八十億三千四百万円と相なつております。  御承知のように、本年度の当初予算におきましては、その編成当時において、いまだ國の地方税財政施策が未確定であつたため、本都財政の年間所要額を的確に測定することが困難であつたこと等のため、いわゆる骨格予算の編成を余儀なくされた次第でありましたが、その後前後四回にわたりまして、都市施設の復興都民生活の安定上緊要適切な事業、法令に基く義務費等につきまして、すでに七十二億七千八百余万円の新規経費を追加いたしておりますから、今回の積極的年間行政経費七十八億九千八百余万円を合算いたしますと、本年度の補正追加額は百五十一億七千七百余万円に達することと相なつたわけであります。  以下今回追加いたしまする七十八億九千八百余万円の事業内容につきまして、簡單に御説明申し上げます。  まず民生局関係におきましては、六億九千二十九万三千円となつておりまして、その内訳は、生活協同組合融資対策三千万円、生活保護費増額及び生活保護法関係行政事務費二億九千七百七十四万七千円、兒童福祉法に基く保護費増額一千九百七十八万五千円、社会福祉事務所の設置運営八千九十一万六千円、各種社会事業施設の建設整備二億三千八百九十九万七千円、身体障害者福祉法の施行、公益質屋事業資金市町村貸付二千二百七十四万八千円。  経済局関係としましては二億五千五百三万円で、その内訳は農産対策費三千二百六十万四千円、造林対策費二千百八十九万六千円、農業委員会費その他農林関係経費五千五百八十九万七千円、工業奨励館施設の拡充整備一千四百二十七万二千円、中央卸賣市場維持費及び施設復旧費五千九万一千円、中小商工業振興費その他商工関係経費七千十八万二千円、主要食糧配給、災害林道復旧費その他一千八万八千円。  建設局関係におきましては十億九千七百二十一万三千円、このうち道路、橋梁、側溝の維持、補修、改修、改築新設その他三億二千二百二十六万円、排水場及び高潮防禦施設費一億四千六百万円、中小河川改良、水路改修その他河川費一億七千七万一千円、都市計画費一億六百十二万七千円、公園緑地費二千九百七十七万八千円、灰燼処理費五千四百万円、復興区画整理費二億三千六百八十万八千円、市町村土木補助費、観光事業費、地下土木施設復旧費その他三千二百十六万九千円。  港湾局関係におきましては三億七千二十九万九千円、東京港整備並びに設備改修二億六千百一万八千円、神湊港及び島嶼港湾修築三千四百八十八万二千円、作業船建造、修理四千百九十五万五千円、橋梁修理、伊豆諸島定期航路補助その他三千二百四十四万四千円。  水道局関係におきましては三億四千九百万円、下水道拡張三億九百万円。下水道管渠移設四千万円。  衛生局関係におきましては二億五千二十二万七千円であります。赤痢対策五千六十四万五千円、各種保健衛生施設の建設整備一億六千三百七十六万八千円、結核対策、狂犬病対策その他三千五百八十一万四千円であります。  清掃事業部関係におきまして三億二千六十五万八千円が計上になつております。これはじん芥及び屎尿処理作業の拡充一億二千六百五十五万六千円、汚物運搬費の増九千七百四十七万二千円、水洗便所普及助成六千二百九十万八千円、事業用施設の整備その他三千三百七十二万二千円であります。  労働局関係におきましては十四億五千五百四十二万七千円を計上しております。失業対策事業費十二億九百十二万二千円、簡易失業対策事業費二億二千四百八十一万三千円、公共職業補導所施設整備、日傭労務者福利厚生事業その他二千百四十九万二千円であります。  建築局関係におきましては三億五千二百五十一万三千円でありまして、旧住宅営圍建物処分に伴う住宅建設二千五百二十四万五千円、民間轉用住宅返還に伴う住宅建設一千八十八万四千円、應急簡易住宅移築一千七百三十五万二千円、金融公庫融資住宅に対する補助貸付三千万円、住宅協会融資一億五百五十八万一千円、店舗併用住宅建設一億一千九百二十三万四千円、都営住宅営繕工事、緊急住宅調査その他四千四百二十一万七千円であります。  教育廳関係におきましては十億五千百五十六万一千円を計上いたしました。六三制整備五億八千二百三十八万円恩給改訂及び退職金の増六千九百五十七万四千円、夏季手当一億三千三百一万円、職員厚生費一千六百七万円、生徒増に基く中学校費及び高等学校費の増三千四百七十三万四千円、都区立学校校舎、校具、設備の復旧、建設、整備及び校地買收二億一千三百四十五万六千円、PTA経費の軽減二千六百六十七万三千円、結核予防法に基く教職員及ぴ兒童生徒の健康診断三千五百八十三万八千円、社会教育費、図書館費等の増三千七百九十二万六千円、実績に基く小学校費の減九千八百十万円。  警視廳関係におきましては六億三千三百八十二万八千円でありまして、昇給に伴う人件費の増六千四百七十三万一千円、恩給改訂及び退職金の増一億五千五百五十一万一千円、夏季手当八千九百八十七万三千円、職員厚生費三千八百万円、警邏手当八千四百九十六万九千円、廳舎建設、整備四千三百二十五万八千円、自動車及び通信施設整備二千四百四万円、警察事務蓮営費の強化二千二百万円、被服費一千六百十四万五千円、鑑識関係経費、交通指導訓練費、警備費諸費、一般需要費等の増九千五百三十万一千円。  消防廳関係におきまして二億九千三百三十万六千円、この内訳は昇給に件う人件費の増七千九百二十五万七千円恩給改訂及び退職金の増一千三百二十二万七千円、夏季手当二千四百四十二万二千円、職員厚生費一千五百五十万円、廳舎建設、整備三千七百四十四万五千円、消防装備充実四千八百六十万八千円、火災報知機整備二千四十二万五千円、貯水槽新設一千二百万円、消防事務運営費の強化一千万円、被服費、燃料費その他の増三千二百四十二万二千円であります。  総務局関係におきましては二億六千七百十四万五千円、昇給に伴う人件費の増一億円、恩給改訂及び退職金の増八千三百三十八万五千円、夏季手当八千五百八万円、職員厚生費二千八百九十二万二千円、區市町村一時貸付金七千八十四万円、区役所廳舎建設費補助二千二百八十万二千円、都立大学経費二千四百八十九万一千円、私立学校校舎戰災復旧費轉貸一億三百七十五万三千円、私立学校教育助成金六千六百六十八万円。退職都議会議員慰労金八百五十一万九千円、統計調査費、町村吏員恩給組合補助その他二千三百二十六万円、特別区財政交付金の減三億五千九十八万七千円であります。  なおこの際退職議員に対する慰労金につきまして、一言御説明申し上げます。この慰労金は「東京都議会議員慰労規程」に基き、議員が退職または死亡したとき、その功績の程度に應じ慰労金を贈與するものでありまして、この制度は明治四十三年以來「東京市名誉職員勤労表彰規程」により、また都制施行後は現行規程により実施されているものでありまして、國会議員の場合には退職金または弔慰金が、法律上認められている次第もありますので、今回右の規定に基きまして、先般の改選に際し退職した議員五十一名に対する所定の贈輿金として、八百五十一万八千五百円を計上した次第であります。  財務局関係におきましては三億二千百二十一万八千円を計上いたしました。その内訳は廳公舎の維持修繕管理二千七百七十八万円、通信施設整備三千二百九十万六千円、税務事務所建設四千万円、廳舎建設資金積立一億円、國有財産買收一億円、全農ビル買收、自動車購入その他二千五十三万二千円であります。  主税局関係におきましては一億四千六十一万一千円でありまして、都税の調査及び賦課に要する経費五千五百七十八万七千円、徴收事務費四千六百十九万一千円、過誤納下戻、納税宣傳その他三千八百六十三万三千円であります。  議会局関係一千百四十七万四千円。人事委員会関係三百四十六万八千円。知事室関係二千三百八十万三千円。渉外部関係八百五十万円。出納長室関係三百九万三千円。  以上を合算いたしまして総計七十八億九千八百六十六万七千円余の経費を増額いたしております。  しこうして、これが財源といたしましては、競馬事業益金收入七千九百万円、財産賣拂代金六千九百八十一万九千円、都債十五億二千百三十六万五千円、繰越金一億八百三十五万九千円、特別区納付金過年度收入一億七千六百四十九万五千円、財産收入、使用料及び手数料、國庫支出金、雜收入その他の事業に伴う特定收入二十六億六千五百六十一万五千円、合計四十六億二千六十五万三千円の收入を見込んだ次第でありますが、他面特別区納付金が五億五千八百八十二万一千円減收となり、差引特定財源としましては四十億六千百八十三万二千円の増收と相なりまするので、その不足額三十八億三千六百八十三万五千円は、これを都税に求めた次第であります。  第百二十五号議案は、交通事業会計追加予算案でありまして、トロリーバスの建設、軌道補修及び区画整理事業費の負担、恩給退隠料の増のため、四億一千七百十一万八千円余を計上し、これが財源として、乘車料、財産收入繰越金、都債を追加しております。  第百二十六号議案は、水道会計追加予算案でありまして、区画整理に伴う配水管移設工事、水洗便所改造工事、受託事業、恩給退隠料等の増に要する経費として一億四千八百八十一万一千円余を計上し、これらの財源は納付金雜收入、都債、國庫支出金、一般会計繰入金、運用金に求めております。  第百二十七号議案は、競馬事業会計追加予算案でありまして、競馬事業の実績に伴う諸経費の不足額三億四千百九十四万二千円余を追加するものでありまして、その財源を事業牧入と繰越金に求めておりますが、これに伴う事業益金の増七千九百万円は、一般会計へ繰入れることになつております。  第百二十八号議案は、質屋事業会計追加予算案でありまして、事業資金増額に伴う諸経費を追加するため、財源を事業收入と運用金に求め、八千三百四十四万円を計上しております。  第百二十九号議案は用品会計追加予算案でありまして、用品調達配給費、工場経営費、自動車運轉費を追加するため、財源を事業收入に求めて八百八十八万二千円余を計上いたしております。  次に、第百九十一号議案は、自轉車競技事業会計追加予算案でありまして、実績及び政府の方針に基く開催日数の延長に伴いまする諸経費十五億六千六百六十七万五千円余を追加するものでありまして、その財源は事業收入と繰越金から求めております。なおこのうちには、事業益金として一億四千八百万円の一般会計への繰入れを予定しております。  以上は予算議案についての大略でありますが、次の第百三十号議案から第百三十三号までの四議案は、右の予算案に伴う起債案であります。  第百三十四号議案は、廳舍建設基金條例案でありまして、本廳舍建設に当り建設資金積立金の制度を設けようとするものであり、第百三十六号議案は、本年度における都区財政調整に関する條例案でありまして、都と特別区及び特別区相互間の財源の調整をはかるため必要な規定を設けようとするものであり、第百三十七号議案及び第百四十号議案は、最近の経済情勢にかんがみ、都立大学及び高等学校通常課程の授業料を増額するための條例改正案であり、その他職員の分限、懲戒、寒冷地手当、夏季手当に関する條例案、各種委員等の報酬、費用弁償に関する條例案、法令の施行に基く條例案、予算案に関連する條例案、都区間の事務事業の調整に伴う條例案、工事請負契約その他の事件議案等となつております。  何とぞ十分御審議の上、御協賛の程お願いいたします。(拍手)      ────────── ◯議長(菊池民一君) 本案中、第百六十三、第百六十八、第百六十九号議案に対し、三十四番梅津四郎君より発言の通告があります。これを許可いたします。三十四番梅津四郎君。    〔三十四番梅津四郎君登壇〕 ◯三十四番(梅津四郎君) ただいま議長が言われました第百六十三号議案、第百六十八号並びに第百六十九号の両議案に対する関連した問題として、二つだけ申し上げておきたいと思います。  まず第一に、順序が第百六十三号が初めになつておりますが、それはあとまわしといたしまして、第百六十八号議案、住宅建設に対する貸付金貸付契約の締結について、第百六十九号議案、貸付金貸付契約の締結についての議決の一部改正、この両議案についての質問であるが、この両議案の貸付相手である財圍法人東京都住宅協会は、前副知事住田正一氏を理事長に、現副知事岡安氏を初め、現局長や議員の一部を評議員とした東京都の外郭圍体である。しかるに東京都は右協会に対し今回年二分の利子で、一億五百五十八万円の追加貸付を、三十五箇年間据置き以後十一箇年間の年賦償還の條件で、無償貸與しようとしておる。本案に対する裏づけ予算の説明書によると、契約目的たる建物の当初の事業は、四億六千二百四十万円、そのうち金融公庫貸付額は三億四千万円である。東京都はこれに対して、昨年度においそすでに千二百万円貸付けてある。本年三月の同時決議予算において、一億七百八十三万円の追加貸付を議決しておる。しかるに今回更正貸付として、一億五百五十八万円が追加貸付せられようとすれば、合せて二億二千三百四十二万円となり、東京都住宅貸付規則、これは昭和二十五年十月三十一日制定、第百七十四号によるのでありますが、その貸付規則によりますと、その内容に、公庫貸付額の十五分の二以内の貸付規程となつております。それを無視したところの、オーバー貸付であると思う。この点規則違反になると思うがどうか。  第二点は、同説明書の中には、当初予算と同時議決された一億七百八十万円の貸付金の行方が明らかにされていないし、前貸付金との関連がはつきり説明していないが、一体これはどうしたわけか。  第三点は、利子と償還方法についてである。都では税金をすぐに納められないで困つておる都民からさえ、年一割四分以上の率で延滯金を取つておる。都営の質屋は三割六分以下、また生業資金貸付、これは利子年九分、失業労働者へのたつた三千円の貸付金に対してすら、年三分六厘五毛の利子を取ろうとしておるのに、住宅協会に対しては、二億二千万円を三十五箇年間据置で、しかもその後十一箇年間年賦償還させるのに、失業者から取る利子よりも安い、たつた二分の低利という、こんなばかな話がどこにある。しかも協同組合に貸付けた三千万円が、ボス幹部の食いものにされ、焦げついておるという事実がはつきりしておるのに、性懲りもなく、無担保で貸付けるということがどこにあるか。過日建築協会に起つた例の四百三十万円の横領事件と同様、こうした建築局関係の外郭圍体に対する融資助成に対しては、全都民は疑惑の眼をもつて見ておる。こういう点からしても、少しのもやもやがあつてはなりません。以上三点のほか住宅協会の役員の陣容とその報酬、今日までの事業の進行状況、貸付金の貸出並びにその使用状況について、なおこうしたコンクリート住宅は、使用料その他の條件で、一般の労働者や安月給取はなかな借りられない。その点で、賃貸借條件もあわせて報告されたい。もし理事者が何ら不明朗の点がないと言い切れるならば、今日この場で以上の質問に対して具体的に説明してほしいと思う。  なお続いて第百六十三号議案、失業対策事業就労者に対する就職資金貸付條例についで質問したい。本案の説明によれば、日雇労務者が民間事業に就職した場合、そこでの收入あるまでの食いつなぎ資金として一人六千円以内、日歩一銭、年利に換算して三分六厘五毛の利子で、さきにお話を申し上げた通り六箇月の間に月賦返済になつておる。今回の追加更正予算の中に本議案の裏づけ予算として三百三十万円計上され、三千円貸付のもの月六十人、六千円貸付のもの月六十人、合せて一箇月百二十人分、六箇月で延七百二十人分合まれておる。ところが、現在東京都には失業労働者が、少なく見ても十四万、そのうち失業救済事業に登録された人だけでも、四万一千人か二千人ある。四万二千人と仮定しても、今回の失業対策事業予算には二百二十円から二百四十五円の日当で仕事にありつける者一日三万五千人、そうすると毎日七千人が仕事にありつけずに、あぶれることになる。しかも今後五箇月分の予算しか計上されておらず、年度末近くの二箇月間の空白期間というものは、まずこの四万二千、延八万四千人が失業救済事業からほうり出されることになる。こうした状態なのに、その半面追加更正予算の質問でも述べました通り──ただいまも申し上げた通り、住宅協会に対しては、この労働者に貸付けるところの利子よりも、一分六厘五毛も安く、しかも一億五百万円も貸出されようとしておる。貸付期間も労働者には六箇月、反対に住宅協会には三十五箇年間据置、その後十一箇年の年賦償還というばかげた條件である。それのみならず、日雇労働者への貸付條件としては、「公共職業安定所から整理票の交付を受けて、知事の定める一定期間を経過した者で、就職資金を必要とすると認められる者云々」こういうことになつておるのであります。この一定の期間ということがどの程度を表わしておるかはつきりしませんが、それは別として「就職資金を必要とする者」と、知事の一方的認定によつてきめられるところに問題がある。これはなぜか、もし知事が必要としないと認定すれば貸さないことになる。つまり知事の代理事務担当者の解釈いかんによつてどうにでもされる。今までの例から見ても、厚生事業としての生活保護、生業資金の貸付等が実際の場合どうであつたかというと、何だかんだとむずかしい言いがかりをつけられ、足を運ばせられたりして、解釈のわくを狭められ、貸さないようにしてきたのが常であり、顏によつての不公平な取扱いが平氣でされておる。その日暮しの二コ四生活、つまり日当二百四十円の職安労働者は、明日へのゆとりがない人たちである。だから何人にもこの食いつなぎ資金が必要なので、自分も初め本案を簡單に見たときには、ないよりはましであるという感じがした。しかし本案の裏づけとなる予算の額、貸付條件をこまかく檢討したところ、これはお伽話に出て來る猿蟹合戰の、あの目つぶしのための灰の中に隠された栗にひとしいものであるというように思わざるを得ないのである。つまり福利厚生事業の名のもとに、労働者に大きな期待を持たせ、そうして目つぶしをしてだんだん失業救済事業のわくから追い出して、民間軍事労務に就かせようとするねらいが奥底に隠されておる。かつてドイツのビスマルク宰相、またヒットラーも一方において労働階級を徹底的に彈圧しながら、片方においてはいかにも労働者を救済し、労働者の味方であるような社会政策をとつて、徹底的に労働者の分裂と懷柔をはかり、もつて國民の眼を欺いたものである。こうした陰險なやり方がファッショの一貫したやり方である。和製ファッショ吉田の労働政策もまたそれである。その一端をかつぐ林労働局長の欺瞞的労働行政の具体的自己暴露である。もし眞に労働者の福利厚生を心から願うならば、前の質問にも述べた通り、一切の軍事化のための警察彈圧予算や、その他の冗費を省き、一日七千人のあぶれをなくすために、食える賃金にしてくれという要求にこたえて、この方に予算をまわすように努力すべきである。七百二十人分の貸付などという噴飯的けちな予算は組めなかつたはずである。雀の涙ということもあるが、まつたくこれは蚤の涙である。こんなごまかし方をするところに本議案の本質がある。あぶれをなくすこと、精一ぱい働ける、食える賃金にするように、実体予算を組みかえるように努力した方が、日雇労働者に対しては眞の福利厚生になると思うが、これに対し理事者はどういうように考えておるか、これを伺いたいのであります。    〔建築局長石井桂君登壇〕 ◯建築局長(石井桂君) ただいま住宅協会の貸付金に関する第百六十八号並びに第百六十九号議案の貸付金の割合が、一般の住宅金融公庫の貸付の率よりも多いということであります。これは先般の議会で特別に議決されておりまして、適用がございませんので、どうぞ誤りのないように。………  それからなおどのくらいの鉄筋コンクリートが進んでおるかというお話でありましたが、六百六十六戸が現在工事中でございまして、旱いものは今月の中旬にでき上ります。おそいものはもう少し遅れると思います。それから今度取ります予算であとの六百六十戸をやります。  それから住宅協会はきわめてガラス張りでありまして、何ら御懸念はございません。なお副知事さんが理事長になつたときの月給のお話、これは初め三万円であつたのでありますが、経費を節約して今はいらないとおつしやつておりますが、お氣の毒ですから一万円差上げております。職員は全部二割引になつております。なおこの計画によりますと、先ほどのお話の通り、今度いただきます一億五百万円をもつて六百六十戸を完成し、他の七割五分を公庫から借ります。前の二十五年度の方は一億六千七百万円をもちまして六百六十六戸を完成し、今度は六百六十戸分の敷地を獲得いたします。合計で二億七千二百万円くらいになります。大体これでお答えしたつもりであります。    〔労働局長林武一君登壇〕 ◯労働局長(林武一君) 第百六十三号議案に対する御質問にお答えいたします。先ほどお話のありました人数金額等につきましては先ほど御質問の中にあつた通りであります。これを行いますに至りました理由については、御承知のように現在都内十七の職業安定所においては、四万一千余人、約四万二千人の整理票所有の登録労務者があるのであります。この労務者が適当な民間の事業等に就職いたします場合に、その間のいわゆる食いつなぎ資金の欠乏いたしますために、往々にして安定所紹介によります民間事業所あるいは工場、会社等への就職の機会を逸しますことが間々ございます関係から、都財政が非常に窮乏しておりますが、一應モデル・ケースといたしまして、一箇月間のいわゆる月給拂のところにおいては失業救済事業に働いておるよりも若干上まわつた六千円、それから月二回支拂──一日、十五日給料というところもありますので、そうしたところについては、三千円という構想に基いてこれを実施しようと存じておるのであります。なおいろいろとこまかい点御質問がありましたが、いずれそれらは労働委員会においてお答えしてもよろしいと存じます。ただ基本的に誤つた考え方が多数の方に傳えられることは迷惑と存じまするので、この機会に申し上げておきたいと存じますが、約四万二千の登録労務者のうち三万五千人は現在都單並びに國費補助によりますところの失業対策事業に就労しております。七千人のあぶれというようなことは絶対ございません。と申しますることは、民間事業が現在一日約五千人程度ございます。その他公共事業等が約千人、一日のあぶれは大体において三百人からここ数日間は四百人であります。もしかりにお話のように七千人のあぶれがあつたといたしますならば、たとえば本日の都議会に圧力をかけろということで参つております労務者はいずれも賃金をもらつて參つております。七千人の労務者が朝から押しかけております。この一例を見ましても、絶対そういうあぶれが出てない証差であろうと存じますので、さようひとつ御了解願いたいと存じます。    〔三十四番梅津四郎君「質問を保留してある、再質問をゆるせ」と呼ぶ〕 ◯議長(菊池民一君) 梅津君、先ほどあなたは質問は終りましたとおつしやつて降壇されました。ただいまの保留とどつちですか。 ◯三十四番(梅津四郎君) 質問を留保しておいた、再質問させてほしいが、ゆるされないなら委員会でする。 ◯議長(菊池民一君) 質疑は終りました。      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案はそれぞれ各部門にわかち、当該常任委員会に付託せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。
       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。委員会付託事項はただいま配布いたさせます。      ──────────  九月四日常任委員会付託事項 総務委員会 一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中     歳 出           第 二 款 都廳費             第 一 項 廳 費               第 一 目 職員給               第 二 目 諸手当               第 三 目 旅 費               第 五 目 需要費               第 九 目 退隠料               第 十 目 退職給與金               第十一 目 研修費               第十五 目 諸 費             第 二 項 職員厚生費             第 三 項 廳舎建設費               第 二 目 区役所廳舎建設補助費           第 七 款 学務費           第十六 款 統計費           第十七 款 選挙費           第十八 款 特別区財政交付金           第二十 款 諸支出金             第 一 項 監査委員費             第 二 項 國家地方警察東京都公安委員会費             第 三 項 地方振興費             第 四 項 政治資金規正費             第 七 項 圍体調査費             第十五 項 過年度支出                   (賠償及び償還金二八〇、〇〇〇円)             第 十八項 諸 費               第 一 目 能率増進対策費               第 二 目 報道費               第 八 目 ガス並に火藥類取締費               第 九 目 一時借入金諸費               第十二 目 募金許可事務費               第十三 目 檢察審査員候補者選定費               第十七 目 行政書士行政事務費               第十八 目 三多摩防犯協会連合会補助費               第十九 目 三多摩警察後援会補助費               第二十 目 三多摩消防後援会補助費               第二十一目 東京都消防協会補助費               第二十二目 三多摩交通安全協会連合会補助費               第二十三目 三原山噴火調査費               第二十四目 宗教法人認証事務費           第二十三款 人事委員会費 一、第百三十六号議案 昭和二十六年度における都区財政調整に関する條例 一、第百三十七号議案 東京都立大学の授業料等徴收條例の一部を改正する條例 一、第百三十八号議案 選挙長、開票管理者、投票管理者、選拳立会人等報酬及び費用弁償條例の一部を改正する條例 一、第百四十一号議案 東京都職員定数條例の一部を改正する條例 一、第百四十二号議案 職員の分限に関する條例 一、第百四十三号議案 職員の懲戒に関する條例 一、第百四十四号議案 東京都固定資産評價審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する條例 一、第百四十五号議案 職員の寒冷地手当に関する條例 一、第百四十六号議案 職員の夏季手当に関する條例 一、第百八十六号議案 地方自治法第九十六條第二項の規定よる議会の議決すべき事項に関する條例の一部を改正する條例 一、第百八十七号議案 東京都人事委員会の審査に出頭する証人等の費用弁償條例 一、第百九十号 議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加予算中     歳 出           第二十款 諸支出金            第十七項 渉外費 財務委員会 一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中     歳 入           第二 款 公営企業及び財産收入           第三 款 分担金及び負担金           第四 款 使用料及び手数料           第五 款 國庫支出金           第六 款 寄附金           第七 款 繰入金           第八 款 特別区納付金           第九 款 雜收入           第十一款 都 債           第十三款 繰越金     歳 出           第一 款 議会費           第二 款 都廳費             第一 項 廳 費              第 六 目 維持修繕費              第 八 目 自動車運轉費              第十四 目 通信施設整備費             第三 項 廳舎建設費              第 一 目 建設費           第二十款 諸支出金             第十一項 財産費             第十五項 過年度支出             (借料及損料  二万一千三百五円)             (委 託 料 十一万九千二百九十二円)             第十八項 諸 費              第二十五目 廃河川敷調査費              第二十六目 都有財産調査費 一、第二十七号議案  昭和二十六年度東京都竸馬事業歳入歳出追加予算 一、第百二十九号議案 昭和二十六年度東京都用品歳入歳出追加予算 一、第百三十号議案  東京都一般会計起債について 一、第百三十一号議案 東京都一般会計起債について 一、第百三十四号議案 東京都廳舍建設基金條例 一、第百四十七号議案 都有境内地、墓地及び特別区の管理する都有財産その他の処分に関する條例の一部を改正する條例 一、第百四十八号議案 建物買收について
    一、第百七十三号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一〇一(代々木山谷)工事請負契約 一、第百七十四号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五二〇二(角筈)工事請負契約 一、第百七十五号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一〇三(角筈)土事請負契約 一、第百七十六号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一〇五(幡ケ谷)工事請負契約 一、第百七十七号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一〇八(瀧野川)工事請負契約 一、第百七十八号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一一一(堀之内)工事請負契約 一、第百七十九号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一一二(幡ケ谷原町)工事請負契約 一、第百八十号議案  都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一一三(笹塚)工事請負契約 一、第百八十一号議案 都立大学理学部新築工事請負契約 一、第百八十二号議案 都立廣尾高等学校本館新築工事請負契約 一、第百八十三号議案 北十間堀予備発電所用二五〇KVAデイゼル発電機製作請負契約 一、第百八十四号議案 都立墨田病院増改修工事請負契約 一、第百八十五号議案 海員会館新築工事請負契約 一、第百九十号議案  昭和二十六年度東京都歳入歳出追加予算中     歳 入      全 部 一、第百九十一号議案 昭和二十六年度東京都自轉車競技事業歳入歳出追加予算 一、第百九十二号議案 都営鉄筋コンクリート造共同住宅建設第五一〇七(西巣鴨)工事請負契約 厚生委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第八款 民生事業費  一、第百二十八号議案 昭和二十六年度東京都質屋事業歳入歳出追加予算  一、第百五十一号議案 東京都福祉事務所設置に関する條例  一、第百五十二号議案 東京都ミシン使用條例の一部を改正する條例  一、第百五十三号議案 土地の寄附受領について 経済委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第十三 款 農林費            第十四 款 商工費            第十五 款 生活必需品需給対策費            第二十二款 災害復旧費  一、第百五十四号議案 東京都蚕業技術員免許條例  一、第百五十五号議案 東京都中小工業機械類の貸付譲渡條例  一、第百五十六号議案 東京都農業委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する條例  一、第百五十七号議案 東京都農業委員会の求めにより出頭する者の費用弁償に関する條例  一、第百五十八号議案 東京都有特許権及び実用新案権の管理條例  一、第百五十九号議案 東京都立芝浦屠場冷藏庫使用條例の一部を改正する條例 建設委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第五 款 土木費             第一 項 道路橋梁費             第二 項 河川費             第四 項 都市計画費             第五 項 公園緑地費             第六 項 霊園費             第七 項 観光事業費             第八 項 土木諸費             第九 項 復興区画整理費            第二十款 諸支出金             第十八項 諸 費              第十五目 露店整理費  一、第百六十四号議案 浅草公園廃止について 衛生委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第十一款 保健衛生費            第十二款 清掃事業費  一、第百六十号議案 東京都立精神病院使用條例の一部を改正する條例  一、第百六十一号議案 東京都乳兒院使用條例の一部を改正する條例  一、第百六十二号議案 東京都立診療所使用條例を廃止する條例 労働委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第十款 労働費  一、第百六十三号議案 東京都失業対策事業就労者就職資金貸付條例 主税委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 入            第一 款 都 税      歳 出            第二十款 諸支出金             第十三項 徴税費             第十四項 過誤納下戻  一、第百四十九号議案 東京都都税條例の一部を改正する條例  一、第百五十号議案 東京都納税貯蓄組合補助金交付條例 建築委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第九款 建築事業費  一、第百六十五号議案 昇降機安全條例の一部を改正する條例  一、第百六十六号議案 東京都建設業審議委員会の報酬及び費用弁償に関する條例の一部を改正する條例  一、第百六十七号議案 昭和二十六年東京都住宅調査條例  一、第百六十八号議案 住宅建設に対する貸付金貸付契約の締結について  一、第百六十九号議案 「貸付金貸付契約の締結について」の議決の一部改正について  一、第百七十号議案 東京都宅地分譲條例  一、第百七十一号議案 東京都営住宅使用條例 港湾委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第五款 土木費             第三項 港湾費  一、第百七十二号議案 豊洲石炭ふ頭委託契約書に基づく納付金について 交通委員会  一、第百二十五号議案 昭和二十六年度東京都交通事業歳入歳出追加予算  一、第百三十二号議案 東京都交通事業会計起債について 水道委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出
               第二十四款 下水道施設費  一、第百二十六号議案 昭和二十六年度東京都水道歳入歳出追加予算  一、第百三十三号議案 東京都水道会計起債について 警察委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第三款 警察費 消防委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第四款 消防費  一、第百三十五号議案 特別区の消防團員の定員、任免、給與、服務等に関する條例の一部を改正する條例 文教委員会  一、第百二十四号議案 昭和二十六年度東京都歳入歳出追加更正予算中      歳 出            第六款 教育費  一、第百三十九号議案 東京都教職員互助組合に関する條例  一、第百四十号 議案 東京都立学校の授業料等徴收條例の一部を改正する條例      ────────── ◯議長(菊池民一君)日程第七十六及び第七十七を一括議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第七十六 第百八十八号議案、砂町汚水処分場消化槽その二その三工場請負契約外一議案      ────────── 第百八十八号議案    砂町汚水処分場消化槽その二その三工事請負契約  右の議案を提出する。   昭和二十六年八月三十一日       提出者 東京都知事 安井誠一郎    砂町汚水処分場消化槽その二その三工事請負契約  砂町汚水処分場消化槽築造のため左記工事の請負契約を締結する。         記  一、契約の目的  砂町汚水処分場消化槽その二その三工事  一、契約の方法  指名競爭入札で落札者なきため随意契約  一、契約金額   金九千壱百五拾万円也  一、契約の相手方 東京都中央区銀座三の四の一            大成建設株式会社            取締役社長 藤田 武雄  一、工   期  契約有効の日から昭和二十七年三月三十一日まで  一、支出科目   昭和二十六年度、都歳出、一般会計、清掃事業費、施設費、屎尿浄化処分場建設費、工事請負費 (説 明)  昭和二十四年五月東京都條例第五十四号「議会の議決を経、叉は住民の投票に付すべき財産及び営造物並びに議会の議決を経べき契約に関する條例」の規定に基き、本案を提出いたします。  なお、本件請負者は、工事の性質によつて相当の経歴信用を有するものより選ぶ必要があるので指名競爭入札によりましたが、落札者がなきため随意契約を締結することといたしました。      ────────── 第百八十九号議案    砂町汚水処分場瓦斯溜工事請負契約  右の議案を提出する。   昭和二十六年八月三十一日       提出者 東京都知事 安井誠一郎    砂町汚水処分場瓦斯溜工事請負契約  砂町汚水処分場瓦斯溜築造のため左記工事の請負契約を締結する。         記  一、契約の目的  砂町汚水処分場瓦斯溜工事  一、契約の方法  指名競爭入札による契約  一、契約金額   金壱千壱百六拾八万円也  一、契約の相手方 東京都千代田区有樂町一の五            株式会社 石井鉄工所            取締役社長 石井 太吉  一、工   期  契約有効の日から昭和二十七年三月三十一日まで  一、支出科目   昭和二十六年度、都歳出、一般会計、清掃事業費、施設費、屎尿浄化処分場建設費、工事請負費 (説 明)  昭和二十四年五月東京都條例第五十四号「議会の議決を経、叉は住民の投票に付すべき財産及び営造物並びに議会の議決を経べき契約に関する條例」の規定に基き、本案を提出いたします。  なお、本件請負者は、工事の性質によつて相当の経歴信用を有するものより選ぶ必要があるので指名競爭入札により契約することといたしました。      ────────── ◯議長(菊池民一君)本案に関し執行機関の説明を求めます。岡安副知事。    〔副知事岡安彦三郎君登壇〕 ◯副知事(岡安彦三郎君) ただいま上程になりました第百八十八号及び第百八十九号議案について御説明申し上げます。  本案は、いずれも既定予算に基く砂町汚水処分場の消化糟及び瓦斯溜築造工事の請負契約締結に関する事件案でありまして、屎尿終末処分の円滑を期する関係上、至急着工いたしたいと存ずるものであります。何分よろしくお願いいたします。 ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案はいずれも原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) 本案中出席議員の三分の二以上の者の同意を要する案件がありますので起立によつて採決致します。ただいまの動議に御賛成の方の御起立を願います。    〔賛成者起立〕 ◯議長(菊池民一君) 起立三分の二以上と認めます。よつて本案はただいまの動議のごとく可決いたしました。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 日程第七十八を議題に供します。    〔安部議事部長朗読〕 一、日程第七十八 諮問案第四号 市道路線の認定について 諮問案第四号       市道路線の認定について 右の諮問案を提出する。   昭和二十六年八月三十一日       提出者 東京都知事 安井誠一郎    市道路線の認定について  道路法施行令第二條の規定により、次の道路を市道の路線として認定することの可否について諮問する。       記 一、北区瀧野川町、西ヶ原地内         別紙図面の通り 一、文京区眞砂町地内                〃 一、中野区打越町地内                〃 一、足立区小臺長、南宮城町地内           〃 一、葛飾区青戸町四丁目、本田木根川町地内      〃 一、目黒区駒場地内                 〃 一、台東区上野櫻木町地内              〃 一、港区麻布竹谷町地内               〃 一、千代田区有樂町二丁目地内            〃 一、澁谷区原宿三丁目地内              〃 一、澁谷区代々木本町地内              〃 一、北区浮間町地内                 〃    (図面省略)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 本案は知事の諮問通り、支障なき旨答申せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認めさように決定いたします。      ────────── ◯議長(菊池民一君) 先ほど選任せられました監査委員茅野眞好君を御紹介申し上げます。 〔監査委員茅野眞好君登壇〕 ◯監査委員(茅野眞好君) ただいま御紹介にあずかりました茅野眞好でございます。本日は再び皆様の御同意を得ましたことに対しまして衷心から厚く御礼の言葉を申し上げて私の挨拶に代えたいと存じます。どうもありがとうございました。(拍手) ◯議長(菊池民一君) 先ほど御紹介の際港湾局長高橋登一君が欠席でありましたので、あらためて御紹介申し上げます。    〔港湾局長高橋登一君登壇〕 ◯港湾局長(高橋登一君) 遅れて申訳ありません。よろしくお願いいたします。(拍手)      ────────── ◯六十八番(斎藤卯助君) 今次定例会の会期について動議を提出いたします。今回提案されております議案はいずれも重要かつ多数の案件で、今会期中に議了することが困難と思われますので、來る七日より五日間会期を延長せられんことを望みます。 ◯議長(菊池民一君) ただいまの動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(菊池民一君) 御異議ないと認めさように決定いたします。  明五日より委員会のため休会いたします。委員会は速やかに審査を終了の上、報告されるよう希望いたします。  なお本会議開会日は追つて御通知いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。    午後八時六分散会...