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令和2年9月定例会(第4日目) 本文

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  1. 千葉県議会 2020-09-04
    令和2年9月定例会(第4日目) 本文


    取得元: 千葉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-06
    令和2年9月招集  千葉県定例県議会会議録(第4号) 令和2年9月28日(月曜日)        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         議  事  日  程 議事日程(第4号)   令和2年9月28日(月曜日)午前10時開議 日程第1 議案第1号ないし議案第20号、報告第1号ないし報告第4号及び決算認定に対する質      疑並びに一般質問        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午前10時0分開議 ◯議長(山中 操君) これより本日の会議を開きます。        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         質疑並びに一般質問 ◯議長(山中 操君) 日程第1、議案第1号ないし第20号、報告第1号ないし第4号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。  順次発言を許します。通告順により鈴木衛君。     (鈴木衛君登壇、拍手) ◯鈴木 衛君 おはようございます。秋晴れのよい天気に恵まれました。市川市選出、自民党、鈴木衛でございます。昨年の改選後、2回目の一般質問の登壇の機会をいただき、自民党会派の皆さんに感謝を申し上げる次第であります。また、敬愛する山中議長のもと登壇をできて大変うれしく思います。
     まず冒頭に、終息を見ない新型コロナウイルス感染症で亡くなられた皆様に御冥福をお祈り申し上げますとともに、闘病されている方々に心よりお見舞い申し上げます。  また、昨年の台風への対応、1月になり新型コロナウイルスへの対応と、森田知事を初め職員の皆様には、献身的な御尽力をいただき心から敬意を表したいと思います。  9月は私の誕生日月であります。今まで9月の県議会の質問では誕生日プレゼントになるよう、よい答弁を求めてまいりました。今回も理事者の皆様には倍返しならぬ恩返しになるよう、期待どおりの御答弁をお願い申し上げたいと思います。私もこの世に生を受け、よわいを重ねてまいりました。本来であれば、枯淡の境地の年齢となりましたが、残念ながらこの境地には至っておりません。これからも枯淡の境地を求め、精進を重ねてまいりたいと思います。  さて、昨年秋に発生した台風に伴う記録的な大雨は県内に甚大な被害を及ぼしました。その被害から復旧・復興に県民総力で立ち向かっている中、中国武漢で発生した新型コロナウイルスは全世界に瞬く間に感染拡大し、混乱を招きました。このような中、来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックは予定どおりに開催されるのか、可否については、コロナ禍の状況次第であります。もう後がないと思われる東京オリパラの開催は政府にとっても至上命令であり、本県においても、競技開催県として懸念されているところであります。また、世界経済が疲弊している中、我が国の経済状況も深刻化しております。一方、発生国である中国では経済が上昇しているとは、まことに皮肉な現象であります。  姿の見えない敵、新型コロナウイルスと人類との闘いはいつ終わりが来るのでしょうか。江戸時代中期、中興の祖と言われた8代将軍徳川吉宗は、当時流行し、8万人もの死者を出した流行性感冒の感染症に対して拮抗できる医療改革をなし、克服したことが歴史に記されております。その後、天然痘の脅威を抑え、幕末の家定の時代には、アメリカ蒸気船によって持ち込まれたコレラの流行を当時禁止されていた蘭方医術の解禁をして、オランダ医師ヨハネス・ポンペや緒方洪庵の献身的な医療奉仕や、民をもって民を救うの精神を国民に普及をして克服をいたしました。このように、江戸時代のウイルスとの闘いの挑戦は、政治判断によるものであることが証明されております。  今、新型コロナウイルスに翻弄されている中、感染拡大を抑止するために、国や自治体は有効な感染防止対策や国民の感染予防への社会規範の維持、定着が求められているところであります。私たちは先人に学び、この難局を森田知事を先頭にオール千葉で以前の日常生活を取り戻すために、県民とともにワンチームでの取り組みが枢要であります。  それでは、通告に従いまして順次質問させていただきます。  最初に、北千葉道路について伺います。  江戸時代の千葉県は江戸の隣接県として機能を果たし、明治以降は東京の台所として、その役割を果たしてまいりました。このように、千葉県は古くから東京と密接不可分な関係を有しながら歴史を形づくってまいりました。昭和25年に首都建設法が施行され、その後、昭和31年に首都圏整備法が施行されました。首都の整備は、単に東京を対象とする施策では不可能であることから、対象を東京都周辺の広域にわたる総合的整備計画が必要となりました。首都圏整備法の範囲は都心から100キロメートルまでの地域で、東京のほか、千葉、茨城、埼玉、群馬、神奈川県などの周辺の県の全部、または一部の適用を受けることとなりました。これが従来の首都圏整備のあり方の歴史であると聞いております。  さて、半世紀50年の懸案でありました首都圏の交通体系整備を目的とした東京外かく環状道路の開通により、道路環境が著しく改善されました。また県内では、圏央道の整備など広域的な幹線道路ネットワークの整備が着実に進んでおります。県内全体にこの効果を波及させるアクセス道路についても、増額された道路予算で圏央道へアクセスする銚子連絡道路長生グリーンラインなどの整備を初め、地域に密着した道路整備についても推進されているところであります。圏央道は開通目標として令和6年度と示されており、県内のアクセス道路の整備についても、これにおくれることなく進めていく必要があります。  また、外環道の関連事業であります市川市から鎌ケ谷市間の未事業区間の道路建設の実現に向けて、自民党北千葉道路建設推進議員連盟は国の関係機関への要望活動を続けてまいりました。おかげさまで、千葉県では建設を前提に環境アセスメント等の手続が進められ、令和2年度中に完了するとなっております。そのほか、外環道と京葉道路とを相互に接続する京葉道路フルジャンクションの早期完成や凍結状態でありました湾岸地域における新たな道路ネットワークも、今後、国で速やかに計画段階評価の手続に着手されていることとなり、動き始めました。  これにより、広範囲にわたり慢性的に渋滞している湾岸道路の交通環境の改善が望めます。道路整備は、まさに地方創生と国土強靱化を実現していく上で必要不可欠な社会資本であります。現下の状況を鑑みれば、厳しい財政状況が見込まれておりますが、千葉県が今後の発展をしていくためには、社会情勢の変化に的確に対応しながら、多様な県民ニーズを踏まえた施策の展開をしていかなければなりません。  北千葉道路は広域的な幹線道路ネットワークとして重要な位置づけにあると思います。北千葉道路の国に事業化を求めている西側区間の市川市から船橋市間について、都市計画案と環境影響評価準備書の縦覧が令和2年2月4日から開始され、地域の住民説明会が開催されております。本件について、本年2月の定例県議会において自民党の代表質問の答弁では、令和2年度中に必要な手続を完了して速やかな事業化を図るよう取り組んでいくと、森田知事はこのように決意を述べられております。  そこで伺います。北千葉道路の西側区間の新規事業化に向けて、県はどのように取り組んでいくのか伺います。  次に、(仮称)押切橋について伺います。  これまで一般質問において数回にわたり、地域住民の切なる願いとして、県当局に質問をさせていただきました。葛南地域における都県橋では、江戸川及び旧江戸川にかかる限られた橋梁に交通が集中し、交通渋滞が発生していることは県当局も御認識しているところと思います。江戸川、旧江戸川の都県境区間では、市川橋から今井橋まで約8キロメートルにわたり一般道路の橋梁がない状況であります。当該地は首都圏の人口集中地区における直轄河川において、橋梁間隔が最長区間となっております。多摩川の神奈川県境区間における橋梁の平均間隔は約2.5キロメートルであります。このように比較すれば、整備のおくれは否めません。  前回の答弁では、東京都と道路橋梁整備調整会議の中で検討されている橋梁計画の具体化に向けて、東京都や市川市と協議を進めていくとのことでありました。東京都では、東京と千葉の都県境における橋梁の配置間隔が長いエリアにおいて、平常時における交通の円滑化、洪水など、災害時の広域避難や緊急物資輸送等防災機能向上を図る取り組みを推進しております。また、東京都の行政計画における位置づけについて、都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)平成28年度から令和7年度までに優先的に整備すべき路線として位置づけられました。平成30年に公表された令和4年度の事業化に向けた実行プランの政策目標に都県橋の橋梁整備が掲げられております。事業化に向けて早期の都市計画の手続について言うまでもなく、千葉県の政策判断にかかっております。  そこで伺います。(仮称)押切橋の進捗状況と今後の見通しはどうか。  次に、江戸川左岸流域下水道事業及び市川市単独公共下水道菅野処理区についてお伺いいたします。  一級河川江戸川は、利根川と野田市関宿地区で分流し、松戸市や市川市等を経て東京湾に流入しておりますが、この地域は首都東京に近いこともあって、早くから宅地開発等により都市化が進められました。これに伴い江戸川流域の水質汚濁が急速に進行し、貴重な水資源が奪われようとしておりました。  こうした中、広域的な水環境の保全が急務となったことから、江戸川左岸流域下水道は昭和48年3月に、当時流域内の6市1町の汚水を広域的に集め、最新の高度な汚水処理を行った後に東京湾に放流する事業として、都市計画決定及び認可を得て事業に着手いたしました。その後も本下水道事業には多くの課題がありましたが、地元の皆様の御理解や事業当局の粘り強い努力もあって、昭和56年4月には江戸川第二終末処理場が供用を開始いたしました。そして今般、江戸川第一終末処理場が令和2年度に第1期の供用を開始すると聞き及んでいるところであります。これから総合試運転等最終チェックを行い運転を開始されると思いますが、大規模の処理場のことゆえ供用開始までにも課題は多いことと推察いたします。  そこでお伺いいたします。江戸川第一終末処理場における令和2年度中の第1期の供用開始の見込みはどうか。  次に、市川市単独公共下水道菅野処理区についてお伺いいたします。  私の地元である市川市においては、中心市街地における都市の公共用水域の保全と環境対策のため、昭和47年4月に先進的に供用を開始しました単独公共下水道菅野処理区がございます。これまで市川市の都市水害や環境保全、または東京湾の水質向上等に大きな役割を果たしてまいりました。これは2年前の質問でも申し上げたことではございますが、半世紀近くの年月がたち、菅野下水処理場を初め関連施設の老朽化はかなり進んでいることもあり、市川市では流域下水道への早期編入をこれまで幾度となく要望しております。市川市汚水適正処理構想、平成28年3月の中でも事業開始から半世紀が経過し、菅野処理場の老朽化が深刻であり、今後も下水道のサービスを安定的に供給するためには、江戸川左岸流域下水道への編入が必要としております。また、市川市水と緑の部策定の「いちかわの下水道」の中でも、市の下水道中期ビジョンに基づき、千葉県と連携した編入手法の検討を行い、その編入目標年は令和7年度ごろと記載されております。  市川市の単独公共下水道菅野処理区を全て編入させるには、今回できる水処理第1系列も含めて数系列は必要と聞き及んでおります。今後、段階的に編入されることも視野に入れての検討も必要かと思われますが、今回の江戸川第一終末処理場の第1期の供用開始を踏まえ、また、市川市の単独公共下水道菅野処理区の大変厳しい現状を鑑みましてお伺いいたします。  菅野処理区の編入について、第2系列以降の整備を含め、どのような検討状況になっているのかお伺いいたします。  次に、歩車分離式信号について伺います。  本県の令和元年中における交通事故発生状況については、前年と比べ発生件数及び死者数ともに減少したものの、初めて交通事故死亡者数全国ワーストとなり、厳しい交通情勢となりました。県民の安全・安心を守るために、この状況から脱却を図らねばなりません。令和元年中の県内の交通死亡事故は167件、事故による死者は172人となりました。死亡事故の類型別では、車両対歩行者の事故が66件と最も多く、事故死者の状態別では歩行中が75人と最多で、75人のうち道路横断中が42人で、その7割は横断歩道以外の場所を横断して被害に遭っていると聞いております。  さて、県警では、横断中など歩行者が多数の被害を受けている実態の中で、ゼブラ・ストップ等を強力に推進するなどして、ドライバーに対する横断歩道上の歩行者保護意識の醸成を図るとともに、歩行者に対しても横断時に安全行動の実践を促すなど、広報啓発、交通安全教育等のほか、目視しにくい横断歩道の補修や改善など、安心して通行できる交通環境の整備が進められているところであります。  このように、県警では交通事故の類型で示されたとおり、車両対歩行者の事故抑止に重点を置くことが脱ワーストに有効であると考えられます。警察庁の資料によりますと、平成30年度末、歩車分離式信号は全国で約9,385基であり、全国の信号機約21万基に対し約4.5%程度であります。さらに、歩車分離式信号の整備については、平成14年1月から半年間、全国で100カ所、交差点を抽出してモデル運用を実施した結果、交通人身事故の発生件数が約4割減少し、そのうち、人対車両の事故は約7割減少と安全面での大きな効果が確認されました。また、警察署協議会等による地域住民の意見聴取では約7割以上が導入に賛成という結果を得たことから、全国で整備が進められているところであります。  そこで伺います。県内の歩車分離式信号について。  設置状況及び設置の優先順位はあるのか。  また、歩車分離式信号を整備したことにより、交通事故が減少した等の効果はどうか。2点お伺いいたします。  最後に、災害時に備えての広域避難計画について伺います。  昨年の台風19号によって、国管理が7河川、都道府県管理が67河川で河川堤防が決壊するなど東日本が甚大な被害を受けました。安倍前首相は昨年10月16日に開かれた参院予算委員会で、災害への対応はもはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命にかかわる事態を想定外と片づけるわけにはいかないと強調し、3カ年で事業費7兆円を投じる緊急対策後の予算確保を明言し、さらに国土強靱化を国家100年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げていきたいと決意を述べられております。また、赤羽国土交通大臣は、今回台風がもたらした記録的な大雨によって多くの堤防が決壊、越水に追い込まれた一方で、八ッ場ダムが計画を上回る貯留をしたことを受け、八ッ場ダムを含めた上流のダム群、渡良瀬遊水地での貯留が大きな要因だったと分析をしておりますと述べ、河川インフラが減災に一定の治水効果を発揮したとの認識を示されました。  国土交通省では、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を平成30年に設置し、降水量がどの程度増加するのかなどについて検討を進め、昨年10月には新たな治水対策へ転換するための検討をしっかり進め、河川整備の速度を加速化させることが必要であるなどの提言がまとめられております。市町村の要望の中にもありますが、利根川や江戸川等の大規模河川が氾濫した場合には、河川に隣接する多くの自治体が被災をし、数十万人を超える地域住民が広域避難を余儀なくされ、混乱が予想されることは火を見るよりも明らかであります。  国においては、広域避難計画を策定するに当たり、江東5区、墨田・江東・足立・葛飾・江戸川区をモデルに検討しております。千葉県においても大規模な災害が発生した場合、特に市川市、浦安市、船橋市などを対象とした広域避難計画を早急に策定する必要があると考えられます。災害のキーワードは最悪に備えよであります。  そこで伺います。千葉県が広域避難計画を策定するに当たり行っている大規模災害広域避難基礎調査の内容及びスケジュールはどうか。  以上、登壇しての1質にさせていただきます。御答弁いただき再質問させていただきます。ありがとうございました。(拍手) ◯議長(山中 操君) 鈴木衛君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) おはようございます。自民党の鈴木衛議員の御質問にお答えいたします。  まず、北千葉道路についてお答えいたします。  西側区間の取り組みについての御質問でございますが、北千葉道路の市川市から船橋市間については、今年度中に都市計画及び環境アセスメントの手続を完了するように進めているところでございます。また、8月に沿線の市や商工団体とともに北千葉道路建設促進大会を開催して、国による来年度の新規事業化などを決議し、今月、国に対し要望活動を行ったところでございます。今後は新たな期成同盟会を設立し、官民一体となって国により一層強く働きかけるなど、引き続き新規事業化に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、(仮称)押切橋についてお答えいたします。  進捗状況と今後の見通しについての御質問でございますが、葛南地域における都県境では、限られた橋梁に交通が集中し、交通混雑が発生していることから、(仮称)押切橋など新たな橋梁が必要であると認識しているところでございます。既に東京都や市川市と調整会議を行い、計画の具体化に向け検討を進めてきており、これまでにルートや構造等の概略の計画案を取りまとめたところでございます。今後は市川市の協力を得ながら、地元の皆様への説明会を行った上で、都市計画変更の手続を進めることといたしております。  私からは以上でございます。他の質問については担当部局長からお答えいたします。 ◯議長(山中 操君) 防災危機管理部長石渡敏温君。     (説明者石渡敏温君登壇) ◯説明者(石渡敏温君) 私からは大規模災害広域避難基礎調査についてお答えいたします。  高潮等による大規模な災害に際して、広域避難の課題となる避難手段の確保や避難誘導の方法等の検討資料とするため、市川市、浦安市、船橋市など、東京湾沿岸地域等を対象として大規模災害広域避難基礎調査を実施しています。この調査では、最大規模の台風による高潮浸水を想定し、区域外への避難者数や鉄道、自動車、徒歩等の移動手段で避難に要する時間などを算出することとしており、本年度末までに調査結果を取りまとめる予定です。また、本年度中に関係各市等と広域避難計画に関する協議の場を設けることを予定しており、この調査結果を活用して検討を進めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 都市整備局長保坂隆君。     (説明者保坂 隆君登壇) ◯説明者(保坂 隆君) 私からは江戸川左岸流域下水道関係の2問にお答えいたします。  初めに、江戸川第一終末処理場の第1期の供用開始についての御質問ですが、江戸川第一終末処理場の第1期区域については、平成18年度から用地買収に着手し、平成23年度から水処理第1系列などの施設の整備を進めてきました。このたび、供用開始に必要な施設の整備が完了したことから、江戸川第二終末処理場の処理水を用いて、ポンプなど一連の施設に負荷をかけ、作動状況を確認する総合試運転を始めております。令和3年1月からは実際の汚水を用いて処理水質が安定的に基準値を下回ることなどを確認した上で、3月には供用開始できるよう取り組んでまいります。  次に、菅野処理区の編入に関し、第2系列以降の整理も含めた検討状況についての御質問です。江戸川左岸流域下水道関連8市の下水道未普及人口はいまだ28万人に上ります。また、そのほかに市川市の菅野処理区など、一部の公共下水道を編入する計画もあることなどから、江戸川第一終末処理場は第9系列まで水処理施設を整備することとしています。多くの方が早期完成を待ち望んでいることから、県では、水処理第1系列に続き、第2系列以降の施設についても、一刻も早い整備が必要と考えており、今年度は第2系列の基礎くい工事に着手いたしました。それでもなお、施設の完成までに時間を要するため、市川市では未普及解消を先行し、菅野処理区は老朽化対策を実施することで、既存施設の活用を図っていくこととしていることから、県といたしましても、交付金の確保など国に働きかけていくことで支援してまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 警察本部長楠芳伸君。     (説明者楠 芳伸君登壇) ◯説明者(楠 芳伸君) 私からは歩車分離式信号についてお答えいたします。  まず、設置状況と設置に当たっての優先順位についての御質問でありますが、県警では、歩車分離式信号は、横断歩行者等の事故を防ぐために有効な信号制御方式と考えており、主に駅や学校の周辺などにおいて、令和元年度末現在で321交差点に整備し運用しております。歩行者専用の時間を設けることにより、歩行者の安全性が高まる半面、歩行者、車両、双方の待ち時間が増加したり、渋滞が悪化する可能性もあるため、交差点ごとにメリット、デメリットを検討し、必要性が高く、かつ、導入可能な箇所から整備を進めているところでございます。  次に、歩車分離式信号の整備による効果についての御質問でありますが、平成30年度中に歩車分離式信号を整備した18交差点のうち、信号機の新設や道路構造の変更等を除く10交差点において、前後1年間の交通事故発生状況を比較したところ、青信号で道路を横断していた歩行者等が被害となる事故の発生件数が合計10件から1件に減少しており、効果があらわれていると考えております。また、他の例でございますが、3年間で重傷事故3件を含む11件の歩行者等が関係する交通事故が発生していた柏市内の交差点では、平成29年度に歩車分離式信号を整備して以降、同様の事故の発生がなくなるなど、事故防止に顕著な効果があらわれた反面、渋滞が発生したなどの御意見も寄せられているところでございます。県警といたしましては、歩車分離式信号のメリット、デメリットを踏まえ、整備による効果と影響を総合的に検討しながら、引き続き導入可能な箇所に整備を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 鈴木衛君。 ◯鈴木 衛君 知事初め理事者の皆さん方には、それぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございました。再質問と要望をさせていただきます。  北千葉道路について要望いたします。  先般、7市で構成される北千葉道路建設促進期成同盟は森田知事に要望書を提出し、知事は一日も早く実現したいと言及されました。北千葉道路の外環道路とつながる西側、未事業区間の新規事業化について、今年度中に必要な手続を完了させるとのことですが、令和3年度以降、次のステップへ滞りなく、切れ目のないスケジュールで国による事業化が図られるように取り組んでいただきたいと思います。実現に向けて、使命感と気概を持って速やかに進めていただきますよう要望いたします。  (仮称)押切橋について再質問いたします。  大規模災害における広域避難を可能とする都県橋である(仮称)押切橋は、有効な橋梁として重要視されております。最近、線状降水帯の記録的な大雨の影響により、全国各地で河川の氾濫が多発しております。水害時における地域課題として、荒川や江戸川が決壊した場合、約300万人の都民の生活する東部低地帯では甚大な被害が予想されます。また、旧江戸川の堤防が決壊した場合でも、市川市や浦安市の河川側の低地帯でも大きな被害が想定されます。また、災害時には、東京から千葉県に向けての大量の帰宅困難者に支障が生じることが懸念されております。このことは東日本大震災発生時に既に経験しているところであります。千葉県から都内へは約71万人が通勤通学をしており、うち市川市、浦安市からは都内へは約15万人と言われております。そのため、都県境の限られた橋梁に人や車が集中し混乱が生じます。  令和2年第2回定例都議会の本会議において、自民党の代表質問の中で、(仮称)押切橋の整備計画の取り組みについて質疑がされました。東京都建設局長の答弁は、令和4年度の事業化に向けて道路設計を進めるとともに、スケジュール等の調整を行い、共同事業者の千葉県と連携しながら、不可欠である橋梁整備に着実に取り組むと決意が述べられました。私は積極的な東京都と千葉県の温度差を感じながら、千葉県の対応に違和感を覚えます。本件案は千葉県と東京都の信義的な問題もあるのではないでしょうか。  そこで、(仮称)押切橋の事業化に向けて千葉県の取り組み姿勢等、今後の具体的な進め方について伺います。  第一終末処理場と菅野処理区について先ほど御答弁をいただきました。第1系列の供用開始については、ほぼ順調のようでございますので、引き続き御努力のほどよろしくお願い申し上げます。また、第2系列以降の整備につきましても、前向きな御答弁をいただきありがとうございました。  そこで、菅野処理区について再質問させていただきます。平成30年9月議会での答弁、水処理第1系列の整備に合わせ、菅野処理区の汚水の一部でも部分的な編入をすることについて、市から相談があれば検討するとの答弁をいただきましたが、菅野処理区の編入については、いつごろを見込めるのかお伺いいたします。  歩車分離信号について要望いたします。  交通事故は、被害者、加害者、当事者家族にとって悲惨なものであります。本県の交通事故死亡者数全国ワーストからの脱却を図るため、歩車分離式信号は歩行者等の安全確保にはデータで示されたとおり有効であります。県民の命を守る、暮らしを守るため整備の推進を要望いたします。  災害時に備えて広域避難計画について要望させていただきます。  避難計画については県民の周知に時間が必要となります。大規模災害広域避難基礎調査の結果が出た場合、国の江東5区広域避難計画を参考に、関係市と協議をし、県民にも十分な周知をお願いしたい。  以上2回目です。 ◯議長(山中 操君) 県土整備部長河南正幸君。 ◯説明者(河南正幸君) 私からは(仮称)押切橋の事業化に向けての今後の具体的な進め方についてお答えいたします。  県としては、今年度、市川市と協力し、地元の皆様への説明会を行った上で、都市計画変更の手続に着手したいと考えており、東京都や市川市と連携し、早期に事業化が図れるよう積極的に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 都市整備局長保坂隆君。 ◯説明者(保坂 隆君) 私からは菅野処理区の編入に関しましてお答えいたします。  流域関連8市の未普及対策の進捗状況を踏まえ、できるだけ早期に菅野処理区を編入できるよう、江戸川第一終末処理場の整備推進に努めてまいります。
     以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 鈴木衛君。 ◯鈴木 衛君 押切橋について先ほども申し上げましたが、東京都は第四次事業化計画の中で、優先的に整備すべき案件として位置づけられ、また、令和4年度に向けた実行プランで事業化の政策強化として掲げられております。東京都建設局では、本事業に千葉県と調整をするとしていることからも、千葉県が東京都のスピード感と符号していない印象を受けます。(仮称)押切橋整備事業化は、今が正念場として心得て、積極的に取り組んでいただきますよう要望いたします。  下水道事業について、第一終末処理場の今後系列ごとの整備については、下水道のサービスを安定的に提供するためにも、どうぞこれまで以上に整備促進を図っていただきますようお願い申し上げます。そして、今後、上部利用として公園やスポーツ施設として整備するとのことでありますけれども、災害時、避難場所として活用できるよう御検討していただきたいと思います。また、菅野処理場は老朽化が進んでおりますので、一日も早く一部編入をしていただきますように要望いたします。  それぞれ御答弁をいただきありがとうございました。県は8月14日令和元年度一般会計決算見込みが発表され、3年ぶりに歳入歳出がともに減少、実質収支は70億円の黒字となり、16年連続で黒字を確保したとあります。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大で経済活動が停滞し、県税の減収などが見込まれ、大変厳しい状況となっております。そのような中、県は国に対して必要な財源確保を要望するとともに、既存事業の見直しにも取り組んでいくと発表されました。この見直しについて、事業によっては、国や自治体、県民との連携の中で、決して先送りしてはならない案件があります。私の今回の質問項目がなぜ今なのか御理解をいただきたいと切に願います。  私は常に原点をこの目で見詰め、日々移り行く環境の中で、今、千葉県に何が必要なのか、県民の皆さんが何を望んでいるのかを見きわめつつ、議会人として歩むべき方向を探求し、千葉県の発展を願い、県民の幸福を追求してまいる所存でございます。御答弁いただいた知事、理事者の皆様方には、倍返しならぬ恩返しの誕生日プレゼントをいただきましたことを心から感謝を申し上げます。  以上、終わります。ありがとうございました。 ◯議長(山中 操君) 次に、赤間正明君。     (赤間正明君登壇、拍手) ◯赤間正明君 公明党の赤間正明でございます。通告に従い質問させていただきます。  医療が崩壊すれば国民の命が守れません。患者を受け入れるという公益目的を果たしていることによって経営が厳しくなっているならば、予備費を使ってしっかり支援すべきです。  そこで最初に、コロナ対策。コロナ患者受け入れ病院への支援についてお伺いいたします。  今年度、第2次補正予算に盛り込まれた緊急包括支援金の活用についてですが、同交付金には医療分の枠があり、コロナ患者専用の病床を整備して、都道府県が重点医療機関と指定した病院に対し、空き病床の確保料として1床当たり1日最大約30万円が補助されます。コロナ患者を受け入れる病院の経営改善の対策です。しかし、事務手続の煩雑さ等の理由で都道府県によっては指定がおくれているという実態があります。感染は全国的に再拡大しており、病院の苦境は長期化することも予想されます。交付金の早期支給に努めていただきたい。  そこでお伺いいたします。千葉県におけるコロナ重点医療機関の指定状況はどうか。また、その他医療機関を含めたコロナ患者の受け入れや病床確保に係る交付金の支給状況はどうか。  次に、防災対策について。  水道事業についてお伺いいたします。  最初に、災害時も受け付け可能な体制についてです。現在の相談事業は、県企業局の出先機関である県水お客様センターが担っています。3年間の予算は約6億6,000万円。受け付け時間は平日、土曜日の昼間です。それ以外の平日夜間と土曜、日曜、祝日、年末年始は全て水道センターが担っています。私もコールセンターを視察させていただきましたが、なぜ厳格な警備体制が必要なのか違和感を拭えませんでした。なぜなら、実際の業務内容はその8割が、新しく水道を使用する、水道をとめるなどの単純な相談対応です。今やSNSや音声ガイダンスで十分対応可能です。そして、何より残念なのは、地震などの緊急時に具体的な問い合わせがあっても、的確な情報提供ができないことです。センターには、指導係として経験豊富なベテラン職員が常駐しておりますが、人材活用のあり方を抜本的に見直していただきたい。  今回私は、災害時、東日本大震災における県水お客様センターの具体的な対応について資料を請求いたしましたが、満足な回答はいただけませんでした。災害時、やっとコールセンターにつながっても、現場対応が必要なものは水道センター等の電話番号を紹介するだけ。しかも、電話転送ができません。水道センターは昭和49年に千葉県水道管工事協同組合の組合員出資のもと設立されました。夜間、休日を含め24時間、365日体制で当直者並びに実務者が常駐、地震や水道事故の際は実際に現場に行きます。ゆえに、現場の問い合わせに正確な情報を提供できるのです。災害や水道事故が頻発する今、条例改正などの手続を行い、平日昼間はベテラン職員を6カ所の水道センターに常駐させることで、24時間、365日、災害・緊急時にも対応できる総合受付窓口を創設すべきと考えます。  そこでお伺いいたします。県民からの問い合わせや災害や水道事故などの現場対応もできるようにコールセンター事業を見直し、昼間、県営水道職員を県内6カ所の水道センターに常駐させるべきと思うが、どうか。  次に、給水場の災害時応急給水体制についてお伺いいたします。  台風15号の教訓から、千葉県は台風19号において、市町村に対しプッシュ型でリエゾンを派遣、当然、県営水道においても断水に備え、給水場における給水体制をつくっていただいていると確信し、確認いたしました。しかし、回答は、給水要員は別の場所で待機していますとの残念な報告でした。結果的に断水はせず、最近になって、19号のときには別の職員が妙典給水場で断水した場合に備えていましたとの説明をいただきましたが、到底納得できません。台風など事前に予想可能な場合は、給水担当職員を現地に派遣していただきたい。  そこでお伺いいたします。台風、大雨などで事前に断水が予想される場合は、妙典給水場等の応急給水拠点にプッシュ型で人員を派遣し、確実に給水ができる体制を構築すべきと思うが、どうか。  次に、水道管路情報の電子提供についてお伺いいたします。  3・11東日本大震災、浦安の液状化現場において、泥まみれで作業をされた事業者の皆様から、水道管の管路情報をゼンリンの地図のコピーのような紙情報でいただいても、暗いときには見えず、ぬれて使えなくなってしまう。作業に必要な最低限度の情報でもいいので、iPad等の電子情報として提供していただきたい。そうすれば作業効率は全く違いますとの強い要望をいただいておりました。しかし、県営水道においても、プライバシー保護の観点から検討もしていただけませんでした。しかし、既に東京都水道局では、水道管管理図電子閲覧を開始。水道局に来庁することなく、水道管の布設状況を確認できます。千葉県においても、災害・緊急時の対応力強化のため、早期に管路情報の電子提供を可能とすべきです。  そこでお伺いいたします。緊急時において、県営水道の復旧作業に当たる事業者へは、水道管路情報の電子提供を可能とすべきと思うが、どうか。  次に、洪水対策についてお伺いいたします。  ちばぎん総合研究所の調査、千葉県における防災・減災に対する取り組みの現状と課題によれば、洪水ハザードマップを作成、公表している自治体の割合は94.6%に上るが、土砂災害ハザードマップは75.7%、内水ハザードマップはわずか41.7%にとどまっているとのことです。そのような中、新たな洪水対策として期待されているのが、ダムの活用と緊急浚渫推進事業債の活用です。  最初に、ダムの活用についてお伺いいたします。  豪雨や台風による洪水対策を強化するため、国は、発電や農業用水などに限って使われていた利水ダムも活用できるよう運用を見直しました。利水ダムは水力発電や農業用水確保などを目的とします。治水機能を持つ多目的ダムの約1.6倍の約900基が全国に設置されていますが、事前放流で水位を下げ、雨水などをためる洪水対策にはほぼ使われていませんでした。千葉県としても、特に収穫を終えた9月以降、本格的な台風シーズン、気候変動に備えるため、体制づくりを急ぐべきと思います。  そこでお伺いいたします。既存ダムの活用による洪水調節機能の強化に向け、県はどのように取り組んでいるのか。  次に、緊急浚渫推進事業債を活用した浸水被害対策についてお伺いいたします。  緊急浚渫推進事業債について、国は5年間で約4,900億円、今年度900億円を充当するとのことです。大規模な浸水被害対策として創設されたものであり、千葉県としても5年間でしゅんせつを実施、今年度約20億円を充当するとのことです。  そこでお伺いいたします。千葉県並びに市川市域における緊急浚渫推進事業債を活用した取り組みはどうか。  次に、避難所のトイレ対策についてです。  先日、私は災害関連死ゼロサミットにオンラインで参加いたしました。そして、避難所でいかにトイレが大切かを学びました。また現在、トイレは大変進化しており、持ち運びが便利で、1台で50人が簡単に利用できるポータブルトイレがあることも知りました。衛生的で、どの部屋でも使用可能です。このたび、新型コロナの感染症対策として分散避難が求められ、避難所においてトイレを分けるように国から通達が出ました。そこで、2次補正の感染症対応地方創生臨時交付金を活用したトイレ申請が可能となり、締め切り期限は9月末です。千葉県内では、鋸南町、南房総市、御宿町、富津市、茂原市、市原市、習志野市などで導入や検討が進んでいるようです。千葉県補助制度のさらなる利用拡大とあわせ、感染症対策の観点からも、市町村におけるポータブルトイレの備蓄を推進すべきと考えます。また、千葉県としても独自にポータブルトイレの備蓄積み増しをすべきではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。感染症対策や災害対策に対応したポータブルトイレ等の確保対策が重要な課題となっているが、千葉県の避難所トイレ対策の現状と今後の取り組みはどうか。  次に、千葉県の長期停電対策についてです。  昨年9月、公明党代表質問にて、東京電力との災害協定を締結すべき、市町村へプッシュ型でリエゾン、災害対策現地情報連絡員を派遣すべき、知事に専門的なアドバイスを行える防災危機管理参謀チームを配置すべきと提案、要望させていただきました。その後、県として、実現に向け取り組んでいただいたことを感謝いたします。しかし、長期停電対策に関しては、より一層の取り組みが必要です。千葉県としては、病院や高齢者施設、災害対策本部等、どの施設の電源確保が優先されるのか、また、この対策がどこまで進んでいるのかを明らかにすべきと考えます。  そこでお伺いいたします。災害による長期停電中の重要施設への電力確保に向けた県の取り組み状況はどうか。  次に、医療・福祉問題についてお伺いいたします。  最初に、ドクターヘリ事業についてでございます。  空飛ぶ救急車と言われるドクターヘリ、50キロ以内であれば15分以内にすぐれたドクターが救急災害現場に駆けつけます。千葉県は公明党の提案でドクターヘリ2機体制を構築、県内全てを15分でカバーできるドクターヘリ先進県です。ゆえにテレビや映画の舞台ともなっております。しかし、要請・出動件数の増加に伴い、運航経費と公的支援との間に乖離が生まれ、今後の安定的かつ持続的な運航に支障を来す事態になっております。国においては、令和2年度から緊急医療用のヘリコプターの運航等に関する経費の一部を普通交付税として財政支援強化を図りました。しかし、千葉県の予算は実質、消費税分が減額されているのです。  そこでお伺いいたします。消費税の増税に伴い、ドクターヘリの運航事業者の財政的な負担が増大した現状を踏まえ、適切な予算措置が必要と考えるが、どうか。  次に、健康ポイント事業についてお伺いいたします。  コロナ禍により外出の機会も減っており、健康づくりも難しい状況にあります。だからこそ余計、活力ある地域社会を実現するためには、高齢者等が健康で生き生きと活躍できる環境整備が重要です。公明党はシニア版チーパスカードを強く主張してまいりましたが、現在千葉県においては、高齢者等が市町村の健康ポイント事業のウオーキングや検診等に参加して一定のポイントを取得すると、協賛店で優待サービスを受けられるカードを獲得できる新しい事業の準備が進められているとのことです。  そこでお伺いいたします。健康ポイント事業の現在の準備状況はどうか。また、優待カードのデザインはどのようなものか。  また要望です。県内にお住まいの中学校修了までのお子さん、または、妊娠中の方がいる御家庭にお渡ししている子育て家庭優待カード、チーパスは、来年度からスマートフォンに取り込んで子育て情報アプリと一体で使えるようになりますが、対象を高校生まで拡大していただきますよう要望いたします。  次に、ワクチン接種について。  最初に、子供のワクチン接種のおくれについてお伺いいたします。  子供の定期予防接種には、肺炎球菌やB型肝炎、はしか、結核など13疾病に対するワクチンがあります。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これらの予防接種を控える動きがあります。自粛に加え、通院による新型コロナ感染への不安が背景にあるようです。しかし、適切な接種時期からおくれれば、それだけ子供が病気にかかるリスクも大きくなるのです。時期を逃した子供に対し、救済が必要です。  そこでお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症の影響により、子供の予防接種率の低下が危惧されるが、定期予防接種の接種状況及びそれに対する千葉県の取り組みはどうか。  次に、骨髄移植などによるワクチン再接種についてお伺いいたします。  小児がん等の治療のために骨髄移植等の造血幹細胞移植を行った場合、移植前に実施された定期予防接種により獲得した免疫が低下もしくは消失し、感染症にかかりやすくなります。そのため、移植後に定期接種として受けたワクチンの再接種が推奨されています。しかし、その費用は約20万円と高額であり、被接種者、保護者の全額自己負担となっております。既に県内市町村では、船橋市や市川市、柏市や松戸市など11市で助成しております。また、都道府県でも宮城県等がワクチン再接種費用を助成する市町村に対して、その経費の一部を補助しております。  そこでお伺いいたします。千葉県として、骨髄移植などにより抗体を失った子供たちのワクチン再接種の助成に取り組む市町村に対し、その補助を行うべきと思うが、どうか。  次に、児童虐待対策についてでございます。  県議団で児童相談所を視察させていただきました。その際の所長の言葉が胸に突き刺さりました。子供の立場からしてみれば、お母さんも加害者なのですと。子供がいる家庭において、配偶者等からの暴力が行われている状況、面前DVは子供への心理的虐待に該当し、将来にわたり大きな心理的ダメージをもたらします。しかし、配偶者暴力相談支援センターと児童相談所との連携強化については指針が示されているものの、現実には進んでおりません。  そこでお伺いいたします。児童虐待防止のため、千葉県として、児童相談所と配偶者暴力相談支援センターの連携を強化すべきと思うが、どうか。  次に、環境問題についてお伺いいたします。  産業廃棄物行政についてでございます。循環経済新聞の報道によると、灰系の不溶化の中間処理で実績を重ねてきた会社が、千葉県知事からことしの7月31日、産廃処分業と収集運搬業の許可の取り消し処分を受けたことで、8月3日、環境大臣に対して同処分の取り消しを求める審査請求と執行停止を求める申し立てをしたとのことです。当社は、この処分は他の都道府県でも例を見ない違法な根拠をもとにしているため、直ちに不服申し立てを行ったとの事実が一面で詳しく報道されております。  環境生活部に確認したところ、今回の処分のきっかけとなったのが、昨年、2019年7月、市民の方から田んぼの稲が枯れている、同社の資材置き場が原因ではないかとの指摘を受け、立入調査したところ、結果的に環境汚染は認められなかったが、その際の検査で初めて鉛の含有が高いことが判明したことから、今回の措置となったということです。しかし、千葉県は、5年前には路盤材について鉛の含有をチェックせず、産業廃棄物処分業等の許可を認めております。また、会社側に鉛の含有に関する分析資料、データを請求しておりません。千葉県の条例に基づいた処分なのか、それとも5年以内に国において、環境に関する新たな法律が制定されたのでしょうか、県民の皆様にわかりやすく説明すべきです。  そこでお伺いいたします。千葉県は道路の路盤材を提供しているリサイクル会社に対し、2020年7月31日に鉛の含有が150ミリグラム・パー・キログラムを超えていることをきっかけに、産廃処分業と収集運搬業の許可を取り消したが、どのような法的根拠に基づく処分なのか。  次に、教育問題についてお伺いいたします。  小学校における教員によるわいせつ・セクハラ対策についてでございます。  小中学校における教師による体罰、セクハラは、学校内だけで処理されるケースが多く、大阪府教育庁は、府立の中学生等約13万人を対象とし、教師によるわいせつ・セクハラ被害のアンケート調査を、学校を介さず直接回収する方法で行っております。また、千葉市は郵送方式を活用し、学校や担任を介さず相談を受ける取り組みをスタートいたしました。千葉県としては、高中学生に対しSNSを活用した相談事業を行っております。また、学校生活アンケートの記載事項を担任が直接見ないなどのルールも導入いたしました。  しかし、課題は小学生へのきめ細かい配慮です。千葉県の小学生に対する学校生活アンケートでは、96人の児童が教員からセクハラを受けていました。前回比プラス40人、71%増と事態は深刻ですが、これも氷山の一角の可能性があります。大阪府のように学校を介さず直接回収する、または千葉市のように郵送方式を可能とする等、千葉県としても実態把握のため改善を図るべきです。  そこでお伺いいたします。小学生を対象とした学校生活アンケート調査を学校を介さず直接回収する方法や郵送で受け付けるなどの改善を図るべきと考えるが、どうか。  次に、学校現場のゲーム依存対策についてお伺いいたします。  久里浜医療センターを視察した際、樋口先生は、ゲーム障害イコールオンラインゲーム依存、治療にはネットのない環境で入院治療が必要、優秀な子供が学校をやめるケースも多く、子供の将来を考えた早期の治療が必要であると語っておりました。現在、新型コロナのステイホームにより、深刻なオンラインゲーム依存に陥るケースが増加していると懸念されます。  そこでお伺いいたします。学校現場において、オンラインゲーム依存を含むゲーム障害が軽症のうちに医療機関などにつなげられるよう、教員に研修を行うことが必要と考えるが、どうか。  最後に、市川市の課題についてお伺いいたします。  最初に、木下街道の交通安全対策についてです。  先日、千葉県県警本部長、千葉県県土整備部長に対し、自治会長、PTA会長、14名による市川印西線、通称木下街道の安全対策強化に関する要望書を提出させていただきました。特に子供の通学路の安全確保のため、大型車取り締まりの実施や速度超過車両の取り締まりの強化、さらには標識や看板の設置等が求められます。  そこでお伺いいたします。子供たちを危険から守るため、市川印西線、通称木下街道の安全対策強化に関する地域の強い要望に対し、県警本部としてどのように取り組んでいくのか。  要望です。木下街道、若宮小学校前歩道橋の補修、点検等、老朽化対策を強く要望いたします。  最後に、江戸川放水路、遊船会社の桟橋問題についてです。  行徳橋から三番瀬にかけての江戸川放水路は、日本トップクラスのハゼ釣り名所として有名ですが、現地の遊船会社が今存続の危機を迎えております。江戸川河川事務所、国交省は、千葉県も参加している江戸川放水路水面等利用者協議会と協議を進め、存続のためには、個々の事業者が桟橋かけかえを条件とする方針を決定、その期限が今年度末となっているのです。関係者は事業の存続に全力で取り組んでおりますが、桟橋建設には億単位の費用がかかるため、このままでは継続困難です。ある遊船会社は環境教育として、小学校の子供たちを三番瀬まで毎年無料で招待する等、地域に大きく貢献しております。また、東京メトロ東西線では、妙典駅周辺の観光スポットとして遊船会社の映像が紹介されていました。  そこで要望させていただきます。市川市のハゼ釣り名所である江戸川放水路の桟橋かけかえ問題について、利用者協議会に参加している千葉県として、市川市、国土交通省と連携し、遊船会社の事業が継続できるように支援を要望いたします。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ◯議長(山中 操君) 赤間正明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 公明党の赤間正明議員の御質問にお答えいたします。  防災対策についてお答えいたします。  既存ダムの活用による洪水調節機能の強化についての御質問でございます。国は近年の豪雨災害を踏まえ、ダムの事前放流によるその下流域での洪水被害の防止、軽減を目的として、昨年12月に既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針を策定し、各都道府県に対し、その取り組みの促進について要請を行いました。県では、この要請に基づきまして、本年8月末までに貯水容量の大きいダムのある水系など、5水系13ダムについて、利水容量の一部を洪水調節に活用するため、ダム管理者や利水者と治水協定を締結したところでございます。既に亀山ダム、高滝ダムでは新たなルールにより運用を開始しており、今後、亀山ダムと一体的に運用している片倉ダムを除く10ダムについても、ダム管理者等との協議により運用ルールを策定してまいります。  電力確保に向けた県の取り組み状況についての御質問でございます。房総半島台風に関する検証報告書では、電源車の配備について施設の優先度が整理されていなかったことや電力会社への要請手順が確立していなかったこと等の課題が指摘されたところでございます。そこで県では、電力会社と協定を締結し、生命の危険に直結する医療施設や社会福祉施設などを優先すべき重要施設と位置づけ、さらに非常用発電機の稼働時間などの観点から、緊急度の高さにより4つのグループに区分したリストを作成し、電力会社と情報を共有することといたしました。また、電源車の配備に関する覚書を締結し、要請の手順や連絡先等を定めたところでございます。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。 ◯議長(山中 操君) 防災危機管理部長石渡敏温君。     (説明者石渡敏温君登壇) ◯説明者(石渡敏温君) 私からは防災対策の1問につきましてお答えいたします。  避難所におけるトイレ対策についての御質問ですが、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて改定した県の避難所運営の手引きでは、発熱やせきの症状がある者や濃厚接触者のための専用トイレを設置し、一般の避難者と分けることにしていることから、避難所では、従来より多くのトイレの確保が必要となります。県では、ポータブルトイレの整備を含め、避難所における感染症や保健衛生対策など避難環境の整備に係る経費について、地域防災力向上総合支援補助金により市町村を支援しているところです。また、災害発生時に市町村からのトイレに関する物資支援要請に対応するため、組み立て式簡易トイレを約2,400基、携帯トイレを約1万4,000個保有しており、引き続き備蓄の充実を図ってまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 健康福祉部長加瀬博夫君。
        (説明者加瀬博夫君登壇) ◯説明者(加瀬博夫君) 私からは医療・福祉問題についての1問につきましてお答えをいたします。  児童相談所と配偶者暴力相談支援センターの連携強化についての御質問ですが、DVと児童虐待は重複して発生することが多く、児童相談所と配偶者暴力相談支援センターとの連携強化は大変重要であると認識をしています。そのため、DVと児童虐待の知識を共有する研修会の開催やマニュアル作成等による人材育成に加えまして、本年度からはDV部門を健康福祉部児童家庭課の所掌といたしまして、センターのDV相談員による児童相談所への出張相談を実施するとともに、要保護児童対策地域協議会等へのセンター職員の参加を推進することなどによりまして、児童虐待の防止に努めているところでございます。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。     (説明者渡辺真俊君登壇) ◯説明者(渡辺真俊君) 私からは、コロナ対策についての1問と医療・福祉問題についての4問、計5問につきましてお答えをさせていただきます。  まず始めに、重点医療機関の指定状況や、その他医療機関を含めたコロナ患者の受け入れや病床確保に係る交付金の支給状況に関する御質問でございますけれども、新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関については、病棟単位で患者を受け入れる医療機関として、入院医療の中心的な役割を担う大変重要な機関となってございます。重点医療期間の指定については、フェーズに応じて行うこととしてございまして、病床数が最も多くなるフェーズ4において38カ所を指定しているところでございます。また、交付金の支給状況についてでございますが、重点医療機関やその他医療機関から9月25日現在で、入院患者受入協力金支給事業74件、病床確保支援事業49件の交付申請を受け付けており、順次支給を開始しているところです。  次に、ドクターヘリに係る運航経費の支援に関する御質問ですが、基地病院や運航事業者においては、消費税の増税や新型コロナウイルス感染症対策などにより経費が増加している一方で、ドクターヘリの運航経費に係る国の補助基準額は、こうした経費が十分に反映されていないと認識しています。県では、これまでも補助制度の見直しについて国に要望してまいりましたが、今後も、引き続き実態に即した必要経費が補助される制度となるよう国に強く要望してまいります。  次に、健康ポイント事業の準備状況等についての御質問ですが、本事業は、市町村と連携して実施するため、8月に説明会を開催し、市町村に対し参加を働きかけているところです。今後は10月から協賛店の募集を開始し、「県民だより」で周知するほか、専用ウエブサイトを開設し、事業者からの申し込みを受け付ける予定です。また、優待カードのデザインについてでございますけれども、県民一人一人が主体的、継続的に運動等の健康づくりに取り組んでいただくことを目指して、チーバくんが体操しているイラストを採用いたしました。  次に、新型コロナウイルス感染症の影響による子供への定期予防接種の接種状況等についての御質問でございますが、本年4月から7月までの子供への定期予防接種の接種率について調査したところ、平均接種率は32%で、前年同時期とほぼ同じ水準となってございます。県では、接種率が低下しないよう、これまで市町村等に対して予防接種を実施する医療機関などに十分な感染防止対策を確保するよう依頼したり、定期予防接種の対象者への適切な周知について依頼してきたところです。今後も市町村や関係団体とともに、被接種者や保護者が安心して予防接種を受けられるよう、周知の徹底を図ってまいります。  最後に、骨髄移植等によるワクチンの再接種が必要な方々への費用補助についての御質問でございますが、骨髄移植等により定期予防接種で得られた免疫が消失し、医師が必要と判断した方々には新たに免疫を付与するため、ワクチンの再接種をすることが望まれます。予防接種法では、再接種については公費負担の対象外で、接種費用は全額自己負担となることから、国の厚生科学審議会において支援のあり方が検討されているところです。県としては、国の検討状況を注視するとともに、市町村の助成状況や他県の状況等、さまざまな状況を勘案しながら支援方法について検討してまいります。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 環境生活部長冨塚昌子さん。     (説明者冨塚昌子君登壇) ◯説明者(冨塚昌子君) 私からは産業廃棄物処分業等の許可取り消し処分の法的根拠に関する御質問にお答えいたします。  当該処理業者が中間処理した処理後物は、鉛の土壌含有量基準を超過するなど、路盤材に要求される品質を満たしていないこと、堆積物が飛散するなどし、生活環境保全上の支障が生じていることなどから、県は、環境省が示した行政処分の指針に基づき総合的に判断し、産業廃棄物に該当すると認定しました。廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、産業廃棄物の処分等を他人に委託する場合には、同法に基づく許可を有している者に委託しなければならないとされています。当該事業者は、許可のない者に産業廃棄物である処理後物を引き渡しており、同法の委託基準違反に該当することから許可の取り消しを行ったものでございます。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは洪水対策についてのうち知事答弁を除く1問にお答えいたします。  緊急浚渫推進事業債を活用した取り組みについての御質問ですが、県では、河道内の土砂の堆積や竹木の繁茂が著しく、河川の氾濫による人家への影響が懸念される区間を有するなど、河川の流下能力の向上が必要な県内88河川で、緊急浚渫推進事業債を活用して事業を実施してまいります。市川地域では、大柏川ほか3河川や国分川調節池及び大柏川第一調節池において、現在、土砂堆積状況等の現況調査を行っており、その調査結果を踏まえ、順次しゅんせつ等の対策を実施してまいります。引き続き対策の進捗を図り、適切な治水機能の維持に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 企業局長岡本和貴君。     (説明者岡本和貴君登壇) ◯説明者(岡本和貴君) 私からは防災対策のうち水道事業についての3問にお答えします。  初めに、県民からの問い合わせや災害時の現場対応に関する御質問ですが、県水お客様センターは年間約35万件に及ぶ給水申し込みや水道料金の相談等の問い合わせ電話についてワンストップで対応し、漏水等現地調査が必要なものは、各水道事務所に取り次いで対応しております。また、水道センターには水道事業所が閉庁している夜間、休日の電話受け付け、漏水事故対応や修繕相談の業務を委託しており、24時間、365日対応できる体制を確保しております。一方、大規模災害時には多くの問い合わせが殺到するとともに、漏水や断水等の現場対応が必要な業務も多いため、県水お客様センター、水道事務所等に加え、委託先である水道センターの3者が総動員で対応する必要があります。そのため、災害時にもこの3者が効果的に連携し、県民対応業務が円滑にできるよう意見交換等を行うとともに、SNSを有効に活用した問い合わせ対応等についても検討してまいりたいと考えております。  次に、応急給水拠点へのプッシュ型人員派遣についての御質問ですが、県営水道では、気象庁の予報などにより、台風や大雨などの被害が予想される場合は、妙典給水場などの無人の給水場にもあらかじめ設備保全のための人員を派遣し、停電や故障が生じても速やかに対応し、断水を起こさないように備えております。こうした対応の中でも、なお応急給水が必要となったときは、派遣した人員が各浄・給水場に設置されている応急給水拠点を開設することとし、その後も交代要員を派遣して給水活動を継続していくこととしております。今後とも、このような取り組みにより、災害時にもお客様に確実に給水できる体制を構築してまいります。  次に、水道管路情報の電子提供を可能とすべきとの御質問ですが、県営水道では水道施設を適切に維持管理するため、水道管の位置や口径、水道メーターの場所などの管路情報を管理しており、緊急時の復旧に必要な管路情報を紙情報で事業者に貸与しております。管路情報には、個人情報や浄水場から給水場への配管ルートなど重要な情報があり、電子情報として提供する場合にはインターネットなどで拡散の可能性もあることから、提供データの内容や情報セキュリティー対策について、より慎重な対応が求められます。一方で、近隣の水道事業体では条件を定めて電子情報を提供している例もあるので、今後はこれらの事業体のセキュリティー対策等を調査し、電子情報の提供のあり方を検討してまいります。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇) ◯説明者(澤川和宏君) 私からは教育問題についてお答えいたします。  小学生を対象とした学校生活アンケート調査についての御質問ですが、このアンケートは、セクハラ及び体罰根絶のため県教育委員会が実施しており、児童が自宅で回答し保護者が確認する、必要に応じ封筒に入れて提出する、回収した担任はそのまま管理職に提出するなど、プライバシーに十分配慮しております。これにより児童の悩み等を把握した場合、校長の責任のもと、直ちに学校として対応できるものとなっております。また近年、直接郵送でアンケートを回収する自治体も幾つかありますが、児童が回答しやすい反面、回答によっては学校が特定できず具体的な対応につながらないこともあると承知しております。引き続き、他の自治体の先行事例について、メリット、デメリットの両面の情報収集に努めてまいります。  次に、ゲーム障害を医療機関などにつなげられるよう教員研修が必要との御質問ですが、ゲーム障害を含む精神疾患の予防と回復には、運動、食事、休養及び睡眠の調和のとれた生活を実践することが重要とされております。県教育委員会では、国作成の資料をもとに、教員にゲーム障害が疾病に該当すること及び家庭、専門医療機関と連携して対応することを周知するとともに、ゲーム等にのめり込むことによる悪影響について、児童生徒がみずから考えるよう指導することを求めてまいりました。さらに本年、新たに専門医療機関から講師を招き、公立学校の担当教員約1,200名を対象とした研修会を動画配信形式で行い、依存症の早期発見、早期対応の重要性について教員の理解を深めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 警察本部長楠芳伸君。     (説明者楠 芳伸君登壇) ◯説明者(楠 芳伸君) 私からは市川市の課題についてお答えいたします。  市川印西線の交通安全対策についての御質問ですが、主要地方道市川印西線、通称木下街道の鬼越2丁目交差点から北方十字路交差点までの区間については、周辺自治会や小学校の関係者から県警に対して、大型車両通行禁止時間帯における大型車両の通行や速度超過車両への取り締まりのほか、予告標識等の設置に関する御要望がなされております。御要望がなされた区間につきましては、一部が通学路に指定されていることから、児童の安全確保のため、通学時間帯における大型車両等の通行禁止違反や最高速度違反の取り締まりを実施しているところでございます。県警では、これらの違反に対する指導取り締まりを引き続き推進していくとともに、規制予告標識の増設や注意喚起看板の設置について、道路管理者と連携しつつ検討してまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 赤間正明君。 ◯赤間正明君 御答弁ありがとうございます。  特にオンラインゲーム依存について、1,200名の教員研修をオンラインで行うとのこと、大変画期的だと思います。私はこの問題をたびたび取り上げてまいりましたが、子供のゲーム障害はこれからの大きな課題です。ありがとうございます。  また、健康ポイント事業についてですが、健康優待カードのデザインにチーバくんのイラストを採用していただいたとのこと。公明党が要望し続けてきましたシニア版チーパスカードが大きく前進をいたしました。大変にありがとうございます。いよいよ10月から協賛店の募集が開始されるとのことで大変楽しみです。  それでは、2回目の要望及び再質問をさせていただきます。  最初に何点か要望いたします。  水道事業についての要望ですが、最初に、水道管路情報の電子提供についてでございますけれども、今まで全く検討がなされていませんでしたが、今回、初めて電子情報の提供のあり方を検討していくと大変前向きな御答弁をいただきました。東京都水道局が電子情報をスタートさせている今、災害に備え、早期の実現を要望いたします。  次に、緊急時にも対応できる24時間、365日の水道相談窓口の創設についてでございますが、コールセンターの単純な問い合わせは、ホームページやツイッターのポタリちゃんなど、SNSの活用で十分です。6億6,000万円のコールセンター事業の更新見送りを要望いたします。また、SNSの活用ですが、ポタリちゃんを知らない県民が大半です。まずは、SNS強化へ予算を充当していただきたい。さらに、限られたベテラン職員の人材活用の見直しを要望いたします。ぜひ昼間は6カ所の水道センターに行っていただき、あらゆる水道ライフラインの課題に対応できるプロとして、しっかり現場対応に当たっていただきたい。  次に、ワクチンについての要望です。  定期接種のおくれについての要望ですが、千葉県は実態調査を行っていただきました。答弁では、本年4月から7月までの子供への定期予防接種の平均接種率は32%で、前年度とほぼ同水準だということです。この背景には、市町村や県の関係者の皆様の頑張りがあったと思いますけれども、引き続き接種率の推移を見ながら、市町村等と連携して適切に対応していただくよう要望いたします。  次に、骨髄移植などによるワクチン再接種の要望です。  支援方法について検討していくと大変前向きな御答弁をいただきました。現在11市が接種費用の助成を行っていますが、ある自治体からは千葉県の支援があればとの切実な声が寄せられております。骨髄移植などによるワクチン再接種について、千葉県による市町村支援の早期実施を要望いたします。  それでは、再質問2点でございます。  最初に、環境問題についてでございますけれども、なぜ私がこの問題を取り上げたのか。実は、約10年前にこの会社の資材置き場の堆積物の粉じんを最初に指摘したのは私です。現地に行き、市民とともに会社に抗議いたしましたが、その際、千葉県環境部は立ち入りをしました。その後、行政指導により粉じん防止対策等が行われたのです。そのとき、千葉県が会社から鉛の含有の資料を入手し指導していたら、周りの環境も、そして会社の従業員も大きく傷つくことはなかったのです。本当に残念です。  そこでお伺いいたします。  千葉県は、なぜ長期間、鉛の含有について調査をしてこなかったのか。  また、他県でも当社の路盤材が使われているとのことですけれども、土壌汚染対策法に飛灰を固化した路盤材について、鉛の含有量が150ミリグラム・パー・キログラム以下とすべきという明確な規定があるのかどうかお伺いいたします。  次に、災害時に備えたポータブルトイレの備蓄推進についてです。  議長の許可を得て資料をお配りをいたしました。市川市の自治会に配られたコミュニティ助成事業の防災備品申請書類です。これは、宝くじの収益を主な財源とした事業で、一般財団法人自治総合センターが自主防災組織の備品等の整備に助成を行う事業であり、都道府県、市町村を通じて助成が行われます。問題は助成対象となるもののリストの中に、避難所に使用するものとして、トイレについてトイレテントしかありません。御答弁ではトイレの確保が必要であるとのことでしたが、千葉県の通知により、県内市町村から自治会長に配布される防災備品申請資料には、肝心のポータブルトイレは記載されていないのです。東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、北海道地震等、多くの被災地で活躍してきたポータブルトイレ、自動ラップ式トイレは、1台で約50人が使用可能で、どこでも設置可能です。県内全ての自治体のリストに加えていただきたい。災害関連死の防止にとって、トイレを我慢することのない環境をつくることは非常に重要です。  そこでお伺いいたします。自主防災組織に対するコミュニティ助成事業の対象リストの例示に、ポータブルトイレ、自動ラップ式トイレも加えていただくよう周知すべきと考えるが、どうか。  以上です。 ◯議長(山中 操君) 環境生活部長冨塚昌子さん。 ◯説明者(冨塚昌子君) 初めに、鉛の含有に関する調査についての御質問にお答えいたします。  県内では、平成26年ごろから汚泥等の処理後物を埋め立てた現場において、崩落、稲枯れ等の被害が発生したことから、適正な再生利用の確保を図るため、県では、平成28年9月に鉛の含有量基準などを盛り込んだ再生土に係る行政指導指針を策定いたしました。議員から当該事業者について御指摘のあった当時は、再生資材によるこのような問題が顕在化しておらず、粉じん対策の指導は行ったものの、鉛の含有を確認するには至りませんでした。  次に、土壌汚染対策法の基準に関する御質問ですが、土壌汚染対策法では、土壌に含まれる特定有害物質の含有量基準等を規定しており、御質問にありましたような再生資材を用いた路盤材について直接の規定はございません。一方で、再生資材である道路用鉄鋼スラグなどのJIS規格では、路盤材としての利用終了時の影響までも考慮して、土壌汚染対策法と同等の含有量基準が設定されており、御質問にございました再生資材につきましても、環境省の指針に照らしますと、路盤材としての利用用途に要求される品質を満足することが求められております。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 防災危機管理部長石渡敏温君。 ◯説明者(石渡敏温君) ポータブルトイレを助成対象リストに追加することについての御質問でございますが、県といたしましても、ポータブルトイレの有効性は認識しているところでございます。自治センターや市町村と調整の上、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 赤間正明君。 ◯赤間正明君 それでは、環境問題についてでございますけれども、御答弁では、千葉県は再生資材による問題が顕在化していなかったとの理由で長期間、鉛の含有について放置していたことになります。その間、会社は指摘を受けることもなく同じ製品をつくり続け、突然廃棄物と断定された形となっております。このようなことが繰り返されたら、千葉県の資源リサイクル事業者は完全に萎縮し、業界の健全な発展は見込めません。  そこで要望いたします。資源リサイクル業の発展のため、千葉県は適切な対応で健全な業者の育成、指導にしっかりと取り組んでいただきたい。  最後に質問させていただきます。ポータブルトイレの質問でございます。  感染症対策にすぐれたポータブルトイレは、今、感染症対策、作業効率アップ、使用者の尊厳等を考え、多くの病院で採用されています。災害時のトイレとして開発されてきたポータブルトイレ、自動ラップ式トイレですが、平時の医療機関での感染症対策に大変有効であるからです。特に感染症患者が使用した後、看護師がトイレを掃除する手間が要らないことや患者さんも負担に感じなくて済むことなど、使用者の負担軽減に大きな威力を発揮します。  そこでお伺いいたします。ポータブルトイレ、自動ラップ式トイレは、医療現場で効果的に活用されるべきと考えます。千葉県として、新型コロナウイルス感染症対策等に取り組む医療機関などに周知を行うとともに、購入費用の助成などを行うべきと考えるが、どうか。  以上で私の議会質問を終了させていただきます。 ◯議長(山中 操君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。
    ◯説明者(渡辺真俊君) ポータブルトイレの活用についての御質問でございますけれども、医療機関における感染症対策の1つとして、新型コロナウイルス感染症の入院患者と他の患者等が接触しないよう、ポータブルトイレ等を使用することが考えられます。医療機関から実際にポータブルトイレの活用の要望があった際には、感染拡大防止等支援事業を案内するなど対応をしてまいります。  以上です。 ◯議長(山中 操君) 暫時休憩いたします。         午前11時32分休憩        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午後1時0分開議 ◯副議長(木下敬二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により三沢智君。     (三沢 智君登壇、拍手) ◯三沢 智君 皆様こんにちは。自由民主党、館山市選出、三沢智です。今回登壇する機会をいただきました先輩及び同僚議員の皆様に心から御礼を申し上げます。  本日は、新後援会長の丸会長を初め、金丸市長後援会から関さん、商工会議所から上野専務理事、そして、里見まつりの伏姫役の鈴木笑里さん、そのほかきれいな面々も傍聴に見えていますが、今回もマスクをしていますので残念ながら顔がよく見えませんので、よろしくお願いします。  それでは、通告に従い質問させていただきます。  最初に、地域振興について質問します。  まず、さきの6月議会においても我が党から質問しました新たな過疎法の制定についてです。過疎地域自立促進特別措置法、通称過疎法は過疎地域の振興のために大変重要な法律であります。県内では、南房総地域を初めとする7市町において指定がなされ、過疎債の活用等により、道路等の社会基盤整備や小学校、こども園等、子供たちのための施設整備など、地域の活性化に向けたさまざまな事業に取り組んでおります。急速な人口減少や少子高齢化により非常に厳しい状況にある過疎地域にとって、これらの支援はなくてはならないものになっています。  しかしながら、その過疎法が今年度末に期限切れを迎えます。国の有識者会議においては、引き続き過疎対策が必要とされているとのことですが、現行の支援が継続されるか危惧しております。さまざまな問題を抱えながら、一生懸命地域の振興に取り組んでいる過疎地域の熱意や思いを国等に対してしっかりと伝え、検討の過程に反映してもらう必要があるのではないかと思います。  そこで質問します。新しい過疎法の制定に向けて、県はどのように取り組んでいるのか。  次に、我が地元、館山市と南房総市との定住自立圏構想についてです。  定住自立圏構想とは、中心となる市と近隣市町村が相互に連携、協力することにより、圏域全体の必要な生活機能等を確保するものであり、定住の受け皿を形成しようとするものです。館山市は、昨年この制度に基づく中心市宣言を行い、本年7月には南房総市との間で連携、協力に関する協定を結んだところです。館山市を含む南房総地域は、温暖な気候で、都心からアクセスもよく、花や緑や海等の豊富な地域資源も持ち合わせている大変魅力的な地域です。一方、過疎化が進むなど地域全体としては厳しい状況にあることも事実であり、環境対策や農水産業の振興、地域公共交通の確保など共通する課題も多く、地域における連携した取り組みが重要になっています。  そのため、大きな存在感を持つ両市の連携は、これらの課題を解決するための方策の1つとして、自主的かつ持続的な地域づくりはもとより、南房総地域、ひいては千葉県全体の振興に大きく寄与するものであると考えております。暮らしやすい環境や魅力的な観光資源という地域の特色も生かした広域的な連携がぜひとも進んでほしいと思うところであり、こうした将来的な地域全体の振興を見据えた連携の動きを大きく育てていくため、県にもぜひ応援をしてほしいと考えております。  そこで質問いたします。館山市、南房総市での定住自立圏構想の推進に関し、県としてどのように協力していくのか。  次に、新型コロナウイルス感染症への対応について質問します。  まず、新型コロナウイルス感染症の検査体制についてです。  新型コロナウイルス感染症に関しては、安房地域では患者数が比較的少ない状況となっていますが、今後、秋、冬を迎え、発熱患者等がふえることも想定され、万全の体制を確保していく必要があります。現在県内12カ所の地域の医師会等により、地域外来・検査センターが設置され、地域の診療所等に感染が疑われる患者から相談、受診があった場合には、地域外来・検査センターを紹介し、そこで診療や検査を受けられる体制になっています。このような中、私の地元である安房地域の医師会において、現在、地域外来・検査センターの設置が進んでいると聞いています。  そこで質問します。新型コロナウイルス感染症を疑う症状があった場合、どのように対処するのか。また、安房地域での地域外来・検査センターの運営状況はどうか。  次に、避難所の新型コロナウイルス感染症対策についてです。  昨年の一連の災害では、館山市を初め県内各地において甚大な被害が発生しました。あれから1年が経過し、台風シーズンを迎えておりますが、しっかりとした防災対策に取り組んでいく必要があります。さらに、ことしは新型コロナウイルス感染症の拡大により、避難所を取り巻く環境は大きくさま変わりしており、避難所運営に当たっては、感染防止対策に万全を期すことが求められているところです。まず重要なことは、密集を防ぐことであり、市町村においては、可能な限り多くの避難所の確保に取り組まれており、また、避難者同士が密接にならないよう、間仕切りや段ボールベッドなどを整備していくところでありますが、一つ一つの避難所においてこれらの対策を実施するためには、財政的に大きな負担が生じます。市町村で新たに整備が必要となった資機材について、県として支援していただきたいと考えています。  そこで質問します。避難所の新型コロナウイルス感染症対策として、市町村が行う資機材整備に対し、県はどのように支援を行っていくのか。  次に、中小企業支援についてです。  新型コロナウイルス感染症の影響により、中小企業、特に宿泊業などは大変厳しい状況に置かれているところです。このような状況下において、私の地元館山市では、たてやま元気商品券の発売、PayPayと連携したキャッシュレス決済ポイント還元キャンペーン、たてやまぶらり商店街めぐりスタンプラリーといったさまざまな創意工夫により、この苦境を乗り越えていこうと努力を重ねています。今回、県では、新しい生活様式に対応するための設備を導入する企業に対し補助するという事業を補正予算案として計上しています。我が党の代表質問での答弁にもあったとおり、今回の補助事業が中小企業の設備投資に対し後押しになればよいと考えます。この事業は、非対面型ビジネスモデルへの転換等を対象として創設された国のものづくり補助金の特別枠に、県において、さらに500万円を上乗せ助成するとのことですが、具体的にどういう取り組みが補助事業の対象となるのかわからない中小企業も多いと思われます。  そこで質問します。新しい生活様式に向けた設備投資補助事業について、具体的には、どのような取り組みが支援対象となるのか。  次に、千葉の農林水産物キャンペーンについてです。  新型コロナウイルスの感染拡大により、外食向けの牛肉、高級魚、メロンなどの消費が落ち込み、価格が下落していることが報告されています。外出自粛の解除後、飲食店は営業を再開したものの、客足が伸びず経営が厳しいとのニュースをよく耳にします。そのため、生産者も感染拡大前と同じレベルにいつ戻るのか、不安を感じていることと思います。このような中、県では、県産農林水産物の消費拡大を図るため、千葉の農林水産物キャンペーンを行うこととし、今議会に1億5,000万円の補正予算を計上しておりますが、頑張っている生産者を後押しするような支援策が必要だと思います。  そこで質問します。今回の千葉の農林水産物キャンペーンの内容はどのようなものか。  次に、海岸漂着物対策について質問します。  本県は三方を海に囲まれ、美しい海岸線など風光明媚な情景や豊かな自然環境に恵まれており、海岸は貴重な観光資源となっています。私の地元の館山湾も鏡のように波静かなことから鏡ケ浦と呼ばれ、日本の夕陽百選や関東の富士見百景などにも選ばれています。県では、海岸管理者として、平素から海岸に漂着するごみを回収しているところですが、それに加え、千葉県海岸漂着物対策地域計画に基づき、館山市を含む10市町の重点区域において、優先的に海岸漂着物等の回収、処理も行っています。  しかしながら、近年、台風被害が甚大化し、一たび台風に見舞われると、おびただしい量の流竹木やプラスチックごみが海岸を埋め尽くすなど、地元にとっては景観や観光業だけでなく、地域住民の生活にも深刻な影響を与える事態となっています。こうした中、国においても、令和元年までに海岸漂着物処理推進法と法を踏まえた基本方針を改正しました。これを受け、現在、県では重点区域の拡充も含め、千葉県海岸漂着物対策地域計画の改定を進めているとのことですが、海洋プラスチックごみを初めとする海岸漂着物対策は喫緊の課題です。  そこで質問します。千葉県海岸漂着物対策地域計画の改定作業について、その進捗状況はどうか。  次に、海岸竹ごみの処理についてです。  海岸漂着物に関しては、河川から海岸へ流れ着く竹木の処理が課題と考えております。また、竹木の処理に当たっては、何よりも上流部となる河川からの竹木への対策が重要と考えます。本県の海岸の場合、流竹木の漂着が多いのが特徴であり、館山市などの南房総地域では河川ののり面や、その上のほうは急な斜面で、たくさんの竹木が生い茂っていることが多い地形となっています。これら河川ののり面やその周辺の竹木については、大雨などの際に河川に倒れ落ちるなどして下流の海岸まで流れ着くことがありますし、周辺住民が切ったまま置きっ放しにした竹が河川に流れ込んでいくこともあります。  また、昨年秋の一連の台風、豪雨の際には、河川からのものと見られる大量の竹木が海岸に漂着し、その撤去に多大な労力を費やした海岸もあると聞いています。これらについては、海岸へ流れ着くたびに撤去するよりも、河川の流水確保という治水上の観点から見ても、まず、河川の上流部での適正な管理が重要ではないかと考えます。  そこで質問します。河川から海岸に流れ着く竹木について、河川管理上、どのように対応しているのか。  次に、館山・鴨川道路についてです。  現在、アクアラインの料金引き下げや首都圏中央連絡自動車道の整備進展も相まって、首都圏から気軽に南房総地域を訪れることができるようになっています。また、この3月には、館山自動車道が全線4車線化され、ボトルネックとなっている国道127号館山バイパス、館富トンネルを含む暫定2車線区間について、今年度に新規事業化されるなど、着実に道路ネットワークの強化が進められています。地域高規格道路である館山・鴨川道路は、館山自動車道や富津館山道路、さらには首都圏中央連絡自動車道といった本県の骨格となる道路の整備効果を十分に発揮させるとともに、南房総地域における半島性を解消し、アフターコロナ時代において観光振興、地域経済の活性化を図るためにも整備が必要です。現在、館山・鴨川道路については、地元市町も一緒になって地域の交通課題を検討していると聞いております。  そこで質問します。館山・鴨川道路の検討状況はどうか。  次に、館山港多目的桟橋の機能強化についてです。  昨年度の2度にわたる台風被害、今年度はコロナ禍と、館山市を初めとする南房総地域は観光を初め、さまざまな産業が大きな被害をこうむったところです。しかしながら、ようやく地域では再起に向けてさまざまな取り組みが始まっており、その中で館山港多目的桟橋の果たす役割は大きいものがあり、地元もその整備促進に非常に期待しているところです。また、コロナの影響前ではありますが、ことしも2月1日から3月22日の間、伊豆大島と館山港、東京港との間で高速ジェット船の季節運航が実施され、早春の観光イベントとして、県内外から多くの方々に館山、そして南房総においでいただき、にぎわいを見せたところです。  このように、館山港多目的桟橋は供用から10年が経過し、館山のみならず、南房総地域における海の玄関口として定着しており、この地域が復興を進める中で、観光・地域振興の起点として、今後のさらなる利用の拡大が期待されるところです。このため県には、桟橋がさらに多くの皆様に利用されるように、利便性と安全性を向上させる桟橋の機能強化に向けた整備の促進を要望してきたところです。  そこで質問します。館山港多目的桟橋の機能強化に向けた取り組み状況はどうか。  次に、不登校児童生徒の支援についてです。  本年は、新型コロナウイルス感染症の影響で学校の休業が長期にわたるなど、子供たちの生活にも影響が出てくるものと認識しております。このような中、友人関係がうまくできなかったり、学業のおくれを心配したりするなど、登校への不安を抱える子供たちも多くいるのではないかと考えます。不登校児童生徒に対する支援については、教育機会確保法の規定に基づき策定された基本方針では、不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮し、児童生徒の最善の利益を最優先に支援を行うことが重要であるとされています。  不登校児童生徒に問題があるという根強い偏見を払拭し、学校、家庭、社会が不登校児童生徒に寄り添い、共感的理解と受容の姿勢を持つことが児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要であり、周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸長につながり、さらには児童生徒の社会的自立につながると考えます。まさにさまざまな理由で不登校の状態になっている児童生徒を社会全体で支援していくことが、極めて重要ではないでしょうか。  そこで質問します。不登校児童生徒の現状と県教育委員会の取り組みはどうか。  我が子が不登校になったときに、親御さんは直面している子供にどう接していいのか、また、親としてどのように行動すればよいのかなど、さまざまな不安や悩みがあるのではないかと思います。  そこで質問します。不登校児童生徒の支援とあわせ、保護者を支える取り組みはどうか。  次に、障害のある生徒の就職についてです。  障害者雇用に関する企業や社会の理解が進んだため、全国的に雇用される数は年々増加していると聞いています。障害のある子を持つ親御さんは、我が子が学校を卒業後、安定した職を得て、地域の中で生き生きと生活していく姿を願っています。そのため、学校に対する期待も大きく、子供の進路について、学校と話し合いながら実習先を決めたり、子供に合う職種の会社を見つけたりしています。しかし、希望する企業への就職がかなわない場合は、子供の将来についてとても不安を感じることとなります。特別支援学校の役割は、障害のある子供たちの能力や可能性を最大限に伸ばし、自立や社会参加できるようにすることであり、それは子供たちにとって最適な進路を実現していくことにつながります。  そこで質問します。特別支援学校での就職の状況はどうか。  次に、信号機の停電対策についてです。  昨年の房総半島台風では、千葉県内、特に南房総地域を中心に2週間に及ぶ停電により、多くの信号機が滅灯したことが記憶に新しいことと思います。その間、警察官による交通整理や可搬式発動発電機の運搬、設置、給油などの教訓が得られたと聞いております。たとえ災害時であっても、信号機が正常に稼働することに対する県民の要請は強く、我が党が本年3月に知事に提出した将来の災害に備えた取り組みに関する申入書についても、信号機滅灯対策について、県警は信号機の停電対策として、十分な可搬式発動発電機の確保と有事における優先順位を含めた具体的かつ効果的な配置計画を策定しておくことと要請したところです。  そこで質問します。信号機の停電対策の進捗状況はどうか。  以上で1回目の質問といたします。知事を初め執行部の皆様には、明快で前向きな御答弁をよろしくお願いします。(拍手) ◯副議長(木下敬二君) 三沢智君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 自民党の三沢智議員の御質問にお答えします。  また、きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。  まず、地域振興についてお答えいたします。  新しい過疎法の制定に向けた県の取り組みに関する御質問でございます。新しい過疎法が地域の実態に応じた適切な制度となるよう、国等へ働きかけていくことは大変重要であると考えております。そのため、6月には県単独で、7月には全国知事会や過疎地域の全国組織を通じて国に要請を行ったほか、8月には県内関係市町と共同して、国及び関係国会議員に対し具体的に地域の状況を訴えるなどの取り組みをしてまいりました。今後も引き続き、現行過疎法の期限を見据え、県内関係市町とも緊密に連携しながら、あらゆる機会を通じて要望してまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてお答えいたします。  市町村が行う資機材整備に対する支援についての御質問でございます。新型コロナウイルス感染防止のため、避難所においては、間仕切りや段ボールベッドなど資機材が従来にも増して必要となります。県では、これらの資機材の整備については、避難環境を向上させる取り組みであることから、地域防災力向上総合支援補助金により市町村を支援することとしております。補助金の交付に当たっては、市町村から避難所運営の実情を把握する聞き取りを行うとともに、本年、災害に見舞われた他県の状況も踏まえるなど、市町村に寄り添い効果的な支援に努めてまいりたいと思っております。  私からは以上でございます。他の御質問につきましては担当部長からお答えいたします。 ◯副議長(木下敬二君) 総務部長石川徹君。     (説明者石川 徹君登壇) ◯説明者(石川 徹君) 私からは地域振興についてのうち、定住自立圏構想の推進に関する御質問にお答えいたします。  市町村がみずからの将来像を主体的に考え、その実現に向けたさまざまな分野における連携や協力を進めていくことは大変重要なことと認識しております。館山市及び南房総市においては、圏域の将来像や生活機能の確保、強化に向けた具体的な取り組み等を定める共生ビジョンの策定に取りかかったところであり、現在、連携する施策の具体化に向け、有識者会議の人選や協議項目の整理等を行っていると聞いております。県といたしましては、両市の主体的な検討の状況を踏まえ、必要に応じ先進事例の情報提供や県施策との整合の確認を行うなど、定住自立圏構想が円滑に進むよう取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。     (説明者渡辺真俊君登壇) ◯説明者(渡辺真俊君) 私からは新型コロナウイルス感染症への対応についての1問につきましてお答えさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症を疑う場合の受診方法と安房地域の地域外来・検査センターの運営状況についての御質問でございますが、発熱など、新型コロナウイルス感染症を疑う症状が生じた際、これまでは帰国者・接触者相談センターに相談の上、帰国者・接触者外来を受診するよう案内してまいりました。このような中、安房地域には9月30日に地区医師会の運営により、地域外来・検査センターが開設され、1週当たり3日、それぞれ3時間運営される予定となってございます。これにより、帰国者・接触者相談センターに相談しなくても、身近なかかりつけ医を受診し紹介を受けることで、地域外来・検査センターで検査ができるようになり、安房地域の検査体制の充実強化が図られるものと考えております。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 環境生活部長冨塚昌子さん。     (説明者冨塚昌子君登壇) ◯説明者(冨塚昌子君) 私からは海岸漂着物対策についての御質問のうち、千葉県海岸漂着物対策地域計画の改定作業の進捗についてお答えいたします。  当計画の見直しに当たり、県では市町村からの要望を受け、重点区域に5市町を追加するほか、法改正等を踏まえ、漂流ごみ等を処理の対象に加えることや、ペットボトル、レジ袋などの廃プラスチックの排出抑制に努めることなどを新たに改定案に盛り込んだところです。この改定案については、今月1日に開催した県、NPO、国、沿岸市町村の代表等で構成される千葉県海岸漂着物対策推進協議会において、おおむね御了解をいただきました。今後、パブリックコメントを経て、今年度中に計画を改定することとしており、引き続き関係機関等とも連携しながら、海岸漂着物対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 商工労働部長田中剛君。     (説明者田中 剛君登壇)
    ◯説明者(田中 剛君) 新型コロナウイルス感染症への対策についての1問にお答えします。  新しい生活様式に向けた設備投資補助事業についての御質問ですが、この事業は、中小企業による非対面型ビジネスモデルへの転換などの設備投資に対して、国が補助するものづくり補助金について、県が上乗せ助成を行うものです。これまでの国の補助事例としては、ホテルのフロント業務の自動化やウエブ面接ツールの導入、生産ラインのリモート化などがあります。県では、ワンストップ窓口を設置し、こうしたさまざまな事例を紹介するとともに、申請手続のアドバイスなどを行い、補助制度の活用を促してまいります。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは新型コロナウイルス感染症への対応のうち、千葉の農林水産物キャンペーンの内容についての御質問にお答えいたします。  県では、牛肉や水産物、イチゴ、花卉など、新型コロナウイルスの影響を受けた県産農林水産物の需要を喚起するため、千葉の農林水産物キャンペーンを実施することとしております。実施に当たっては、新型コロナウイルスの今後の感染状況を注視しながら、例えば観光分野と連携し、訪問客を対象としてプレゼントキャンペーンを行うなど、県産農林水産物の消費拡大に向けた取り組みについて現在検討を進めているところです。こうした取り組みとあわせて、ホームページやSNSなどを活用し、旬の県産農林水産物の紹介やお取り寄せ情報等を積極的に発信することなどにより広く購入を呼びかけ、需要の拡大に努めてまいります。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは海岸漂着物対策のうち1問、道路問題の1問、館山港多目的桟橋の機能強化の1問、計3問にお答えいたします。  初めに、河川から海岸に流れ着く竹木の河川管理上の対応についての御質問ですが、県が管理する河川において繁茂する竹木や堆積している流竹木については、出水期前の巡視や出水後のパトロール等により、治水上支障となる箇所を確認の上、撤去しております。加えて、今年度からは、昨年の災害を踏まえて創設された緊急浚渫推進事業債を活用し、計画的に撤去することとしており、今年度は竹木の撤去を前年度の27河川から、安房地域内の三原川など10河川を含む57河川にふやして実施しております。県としては、引き続き竹木の撤去を進めるとともに、巡視等の際には河川の民有地側の竹木の状況にも注意を向け、必要に応じ撤去を行うよう土地所有者へ依頼してまいります。  次に、館山・鴨川道路の検討状況についての御質問ですが、館山─鴨川間の道路では、市街地を中心に交通の集中による渋滞や速度低下が発生しており、観光振興や物流の効率化を図るためにも、その解消が必要であると考えております。現在、県及び地元市町などで構成する館山・鴨川間道路交通対策検討会において優先整備区間を検討するため、道路交通に関する課題の抽出や整理を進めているところです。県としては、引き続き地域が目指すまちづくりの将来像などを踏まえ、検討を深めてまいります。  次に、館山港多目的桟橋についての御質問ですが、館山港多目的桟橋は、平成22年の供用開始以来、にっぽん丸等の旅客船や伊豆大島との観光船に利用されており、より多様な船舶に利用されるよう小型専用桟橋の増設を行ってまいりました。こうした中、桟橋のさらなる利用増進に向け、桟橋を利用している企業等へのヒアリングを行ったところ、桟橋先端部において、バスが安全に転回、待機できるスペースの確保を求める声を多くいただいたところです。これを踏まえ、県では、桟橋利用者の安全性の向上と利用拡大を図るため、現在先端部の拡幅に向けた設計を進めているところであり、引き続き早期に完成できるよう取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇) ◯説明者(澤川和宏君) 私からは、まず、不登校児童生徒支援についてお答えいたします。  不登校児童生徒の現状と県教育委員会の取り組みについての御質問ですが、国の調査では、平成30年度の本県公立学校の不登校児童生徒数は、小学校で2,016人、中学校で5,100人、高等学校で2,655人となっており、小中学校は増加傾向、高等学校は横ばいの状況です。県教育委員会では県内の小中高、特別支援学校を対象に、リーダー育成研修等を開催し、不登校児童生徒の支援で核となる教員の育成に努めるとともに、全ての学校に配付した不登校児童生徒の支援資料集を活用し、校内研修を毎年実施するよう求めているところです。さらに、スクールカウンセラー等の配置の充実に努めるとともに、心理や福祉等の専門家から成る不登校児童生徒支援チームも昨年度106回学校等に派遣し、複雑化した事案の助言を行うなどの取り組みを進めております。  次に、不登校児童生徒の保護者を支える取り組みについての御質問ですが、保護者の中には、子供への接し方や子供の進路などに不安や悩みを抱えている方も多く、支援に当たっては、その気持ちを理解しながら、子供のことをともに考えていく姿勢が重要だと考えております。そのため、子どもと親のサポートセンターでは、電話や来所等による教育相談に加え、かつて子供が不登校であった保護者の方に相談できる情報交換会を県内14カ所で開催し、率直に思いを話せる場となるよう努めているところです。あわせて、全ての保護者に毎年リーフレットを配布し、相談機関等に関する情報をわかりやすく伝えていくことで、保護者が1人で悩みを抱え込むことのないよう引き続き取り組んでまいります。  最後に、特別支援学校での就職の状況についての御質問にお答えいたします。  特別支援学校では、生徒の社会的・職業的自立に向けて、個々の生徒の障害の状況や希望を踏まえ、さまざまな職業教育を行っております。例えば毎年、実際に企業で実習を行ったり、企業等の専門家から生徒が直接その職種に関する知識や技能、仕事に対する心構えを学んだりしております。また、就労支援コーディネーターに指名された教員が学校とハローワークや企業との橋渡しをして、職場開拓や障害者雇用の理解促進に取り組んでおります。これらの取り組みにより、令和元年度の高等部就職希望者の就職率は97.3%となっており、引き続き個々の生徒に応じた就職ができるよう、適切な進路指導に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 警察本部長楠芳伸君。     (説明者楠 芳伸君登壇) ◯説明者(楠 芳伸君) 私からは信号機の停電対策の推進状況についての御質問にお答えいたします。  県警では、昨年の房総半島台風等の経験を踏まえ、多くの信号機が長期にわたり滅灯した際に、緊急輸送道路等の安全と円滑を確保することができるようにするため、現在、自動起動式発動発電機が設置されている交差点以外の交差点について、警察官による交通整理や発動発電機により信号機能を回復すべき交差点の優先順位づけを行うなどの見直しを行ったほか、今年度当初予算で計上した可搬式発動発電機200台を各署に配備したところです。加えて、自動起動式発動発電機の整備計画の見直しについても、現在関係機関と調整を行っているところでございます。引き続き、災害発生時においても、限られた人材や装備、資機材を最大限に活用して、交通の安全と円滑の確保に努めてまいります。  私からは以上です。 ◯副議長(木下敬二君) 三沢智君。 ◯三沢 智君 知事を初め執行部の皆様には、丁寧な御答弁をいただきありがとうございました。それでは、再質問及び要望を述べさせていただきます。  初めに、不登校児童生徒の支援について再質問します。  保護者を対象とした相談窓口を設置し、周知に取り組んでいることは理解しました。保護者が抱えるさまざまな悩みを軽減していくために、まずはこのような相談窓口につなげることが大変重要と考えます。  そこで質問します。安房地区における不登校児童生徒の保護者の相談場所はどこにあるのか。また、どのように相談すればよいのか。  次に、障害のある生徒の就職についてです。  特別支援学校高等部の就職希望者は非常に高い就職率であると思います。御指導くださる先生方に感謝したいと思います。一方、地域によっては企業が少なく就職に結びつかなかったり、また、卒業後すぐに就職しないで、もう少し就職のために力をつけたいという場合もあります。  そこで質問します。卒業後すぐに就職しなかった生徒が、将来的に就職を目指すための進路はどのようなところがあるか。  以降は要望とさせていただきます。  初めに、地域振興についてです。  過疎法については、法律の期限が迫る中、要望できる期間も短くなってくると思います。大変重要な制度ですので、引き続きあらゆる機会を用いて要望活動を行っていただきたいと思います。  次に、定住自立圏構想については、市町村の取り組みに対し、国から特別交付税措置などの財政支援がありますが、これらを活用し、地域の特徴を生かした定住の受け皿づくりに取り組むことが、地域振興の大きな第一歩になると考えております。コロナとの共存が余儀なくされている現在、館山市、南房総市のような自然環境に恵まれた地域の自治体には、余暇を楽しみながら仕事をする、いわゆるワーケーション事業への積極的な取り組みも期待されていると思います。例えば、両市においても、空き公共施設の高校等を活用したこのような取り組みも考えられるのではないでしょうか。南房総地域の振興や発展のためにも、館山市、南房総市の定住自立圏構想が、ぜひうまく進んでもらいたいと思っております。ぜひ、県の協力をよろしくお願いします。  次に、海岸漂着物対策についてです。  昨年の災害では海岸漂着物が大量に発生し、県内各地から撤去について要望が出ていると思います。県の管理する河川と海岸ですので、県においては、まず重点区域の拡充を含めた計画の改定をしっかりと進めるとともに、引き続きプラスチックごみ等を含めた海岸漂着物の発生抑制や適切な処理に努めていただきたいと思います。その上で、国への予算要望を含め、予算の確保にも努めていただけるよう要望します。  また、館山市では、市、県と市民、消防団、建設協力会等を中心とした海岸のボランティア清掃活動を実施していますが、漂着物の撤去は追いつかない状況です。県としては、このような市町村やボランティア団体などを巻き込んだ取り組みを支援するなど、海岸の良好な景観及び環境の維持に、より積極的に取り組まれることを要望します。  次に、館山・鴨川道路についてです。  地元市町と検討会を通じ、しっかりと議論していただき、早期具体化にぜひともつなげていただけるよう要望します。また、半島性を解消し、房総半島の周遊性の向上を図るとともに、災害時における多重性、代替性の確保のため、地域高規格道路である鴨川・大原道路、茂原・一宮・大原道路の早期実現に向けて取り組んでいただけるよう要望します。  最後に、信号機の停電対策についてです。  滅灯対策を拡充したとのことであり、引き続き情勢に応じ計画を改定するなど、災害時の信号機滅灯対策を推進していただきたいと思います。整備や対応に当たっては、昨年の台風で大打撃を受けた南房総・安房地域の対策の強化もお願いします。県警本部と県当局で綿密に詰めながら対応していただきたいと思います。  以上で2回目とします。 ◯副議長(木下敬二君) 教育長澤川和宏君。 ◯説明者(澤川和宏君) 私からは再質問2問にお答えいたします。  まず、安房地区における不登校の相談機関についての御質問ですが、安房地区では、南房総教育事務所安房分室や各市の教育支援センターにおいて、電話や来所により保護者からの不登校に関する相談を受け付けているところです。また必要に応じ、医療や福祉等とも連携する必要があることから、関係機関の一覧をリーフレットにまとめて各家庭に配布し、周知に努めているところです。  次に、卒業後すぐに就職しない生徒の進路に関する御質問ですが、これらの生徒は就職に必要な知識及び能力の向上を目指す就労系障害福祉サービスを利用したり、障害者職業能力開発校等へ進学をしたりしております。その際、学校では、個々の生徒の学習内容や将来の希望についてしっかりと進路先へ引き継ぎをするとともに、随時、卒業生からの相談にも応じているところでございます。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 三沢智君。 ◯三沢 智君 御答弁ありがとうございました。  最後に、障害のある生徒の就職について要望いたします。  特別支援学校卒業後の就職を目指す生徒を支援する就労系障害福祉サービスの役割は重要なことから、事業所数の拡大を図るなどにより、卒業生の就労支援体制を充実していただくよう要望します。  そして、最後の最後ですが、海岸ごみについては本当に厳しい状態にあると思っています。三方を海に囲まれた千葉県、予算いろいろ等々、県にお願いすることはたくさんありますのでよろしくお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◯副議長(木下敬二君) 次に、平田悦子さん。     (平田悦子君登壇、拍手) ◯平田悦子君 皆さんこんにちは。千葉民主の会、平田悦子です。今議会で再び一般質問の機会をいただけましたこと、先輩議員や同僚議員の皆様に大変感謝いたします。  また、本日は、地元君津市より、私を日ごろから支えていただいている後援会長を初め、後援会の皆さん、君津市国際交流協会の岡部会長、日ごろより情報交換と連携をさせていただいております君津市議会より松本議員、富津市議会より渡辺議員、お忙しいところ傍聴にお越しいただきましてありがとうございます。  さて、昨年の房総半島台風から1年がたちました。台風の後、県民の皆さんは「がんばろう!千葉」を合い言葉に、以前のような生活を一日でも早く取り戻すため、復興に向け努力をしてこられました。2020年はよい年になりますように、そう願っていたやさきに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、例年と違う春、夏を過ごし、そしてもう秋になりました。私たちは新たな生活様式を取り入れながら生活し、それに合わせて千葉県もさまざまな施策を行っていますが、そのような状況下で生じてきた問題や県民の皆さんが疑問に思っていることの中から、今回は4つのテーマについて質問をさせていただきます。  1、教職員人員について。  学校現場では現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために行われた一斉休校による学習のおくれを取り戻すための授業進行、学校内の消毒、密を避けるための環境整備が行われ、教職員の皆さんへの負担が大変大きなものとなっています。そうした状況を鑑みて、教職員の負担を軽減するため、政府の第2次補正予算では、学校現場の人手をふやすよう人的支援が行われました。教員免許を必要とせず、学校の学習指導以外の業務を行うことができるスクールサポートスタッフについては、先週、立憲民主党の代表質問でも触れられました。ほかにも、小学6年生と中学3年生を中心に指導を行う加配教員及び学習サポーターも増員されました。  そこで伺います。国の2次補正により増員された加配教員及び学習サポーターの配置状況はどうか。  本県では、教員採用試験の倍率も下がる一方であり、学校現場においては教職員の不足が常に悩みの種であります。臨任講師も常に不足をしている状況であり、これまでも教育事務所や講師説明会等で求人活動をしてきていただいていることと思います。国としても、これまで以上に多くの方に教育現場での人手が必要となっていることを周知し、人員を募集するために、新しくサポーター人材バンクが開設されました。国を挙げての募集ということで、今まで学校とかかわりがなかった方々にも情報が届いているのではと考えます。  そこで伺います。国のサポーター人材バンクで本県に登録された方の採用状況はどうか。  次に、学習の補助、教員の業務の手助け以外にも、休校による児童生徒への精神的な影響、家庭環境の変化などもあるため、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの担う役割も大きくなっており、その人的配置にも予算措置が行われました。  そこで伺います。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの本年度の配置状況はどうか。  また、休校期間中に学校へ通えず友達に会えない、勉強が進まないことによる子供たちのストレスや、家庭の閉じられた空間で長時間過ごすことによる保護者のストレスが子供に与える影響が、徐々に出てきているのではないかと考えられます。  そこで伺います。新型コロナウイルス感染症に伴う休校を経て、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへの本年度の相談件数と相談内容はどうか。また、これらの相談状況は昨年度と比較してどうか。  ここまで述べてきたように、多くの大人が学校現場に入り、子供たちの学校生活を整えるために活動をしていますが、それぞれの職種の役割を明確にすることで、よりその専門性が生かされると考えます。似たような名称ではありますが、スクールカウンセラーは心の問題、心理面でのサポート、スクールソーシャルワーカーは社会福祉の観点からの環境改善に向けた支援を行います。しかし、学校や保護者にその違い、存在が浸透しておらず、まだうまく活用ができていないと聞いています。  そこで伺います。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの専門性を生かした活用について、保護者や教員への理解を深める必要があると考えるが、どうか。  次に、海の安全対策について質問します。  海に囲まれた千葉県にとって、夏の海水浴は観光の目玉となります。例年は県内外から100万人近くが海水浴に訪れ、マリンレジャーを楽しみ、それに伴い多くの宿泊施設、民宿や海の家、土産物屋や近隣の飲食店がにぎわいます。しかし、新型コロナウイルスの影響で、ことしの夏は県内の19市町村61カ所にある海水浴場の全てが不開設となりました。森田知事はオリンピックのサーフィン競技会場となっている一宮海岸を7月に視察されておりましたが、私も海岸清掃を兼ねて県内の海岸の様子を視察に伺いました。監視所がなく、ライフセーバーもいないといえども、海への立ち入りは自由のため、例年ほどの数ではないにしろ、浜や海岸の浅いところで海を楽しんでいる方々を見かけました。  本年の千葉県における夏季期間7月1日から8月31日までの水難事故発生数は29件、水難者は36人、うち亡くなられた方は9名であります。本日の千葉日報でも、まさにその記事が掲載されており、残念ながら、本県が全国最多と大きく書かれていましたが、先ほど三沢議員もおっしゃっていらっしゃいましたように、千葉は三方を海に囲まれ、他県よりは発生数も多くなってしまうのかもしれません。しかし、例年は海水浴場を開設しているが、本年は不開設となった海岸での死亡事故はゼロとお聞きしました。私も清掃を行いながら、遊泳を控えてほしいという看板やパトロールを行う行政の方々も見かけました。  そこで伺います。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本年不開設となった海水浴場に対し、どのような安全対策を行ったのか。  先ほど述べましたが、この夏の海での水難事故のうち、死亡事故の多くは、例年海水浴場が開設されない海岸で起こっています。8月中に起きた事故の例を挙げますと、8日に鴨川市の東条海岸で遊泳中に溺れて亡くなられた方が1名、また、翌9日に館山市の見物海岸で遊泳中に行方不明となり、沖合で発見されましたが亡くなられた方がいらっしゃいました。御冥福をお祈りいたします。こういった事故は、本年は例年開設される海水浴場で泳げないがために、従来から海水浴場として開設されてこなかった海岸で泳いでいたという可能性は否定できません。  そもそも、例年海水浴場ではない、つまり遊泳に適していない海岸であるとは思いますが、わかっていても、そこで泳いだり、釣りやサーフィンをしに訪れる人もいます。そういった海岸に対して、県としては通常からどのような安全対策を行っているのでしょうか。  そこで伺います。海水浴場以外の海岸について、海岸管理者としてどのような管理を行っているのか。  次に、コロナ禍における観光施策について質問いたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、最も打撃を受けた業種の1つが観光業であります。特に太平洋側の地域や南房総では、昨年の台風被害からやっと持ち直し、春、夏の観光シーズンで多くのお客さんを迎えようとしていたところで、その影響ははかり知れません。首都圏では感染者数は減少傾向にあるものの、完全に終息する様子はいまだうかがえず、政府が行うGo To キャンペーンについても賛否両論はありましたが、7月からGo To トラベルキャンペーンが始まりました。本県でも、国のキャンペーンにあわせる形で、県内の経済活性化のために「ちばと一緒に!」キャンペーンが行われることとなりました。その中でも観光にかかわるものとして、「ディスカバー千葉」宿泊者優待キャンペーン、みんなで元気に!千葉の「おもてなし」提供事業、サンキューちばフリー切符販売事業などが行われています。
     そして報道されていますように、10月1日からGo To トラベルの対象から除外されていた東京都内への旅行と都内に住んでいる人の旅行が加わることが予想され、ますます多くの方が首都圏から千葉に観光に訪れることになると思われます。感染拡大の防止と経済活動再開を両立させていくためにも、利用者と事業者の両方に、それぞれでのしっかりとした感染症予防や対策が求められます。  そこで伺います。コロナ禍において、感染症対策を踏まえた観光誘客に県としてどのように取り組んでいるのか。  先ほど紹介した本県独自の観光施策のうち、「ディスカバー千葉」宿泊者優待キャンペーンは、抽せんで当たると、本県にお住まいの方が県内の宿泊施設を利用する際に、1人当たり5,000円のキャッシュバックが受けられるというものです。全部で4回行われる抽せんのうち、もう既に1回目が終了し、当選者の手元にはチケットも届いているようですが、非常にお得な内容であるため、一人でも多くの県民の方にこの事業を利用していただきたいと考えます。  そこで伺います。「ディスカバー千葉」宿泊者優待事業について、当面の間、県民のみを対象にしたと聞いているが、対象者が絞られた中、応募者を増加させるため、どのような広報を行っているのか。  また、先ほども少し触れましたが、全部で4回抽せんが行われますが、その総額は10億円分、合計20万人泊分と聞いています。なるべく多くの方に利用していただくためには、抽せんではなく先着にするなど、ほかのやり方も考えられると思います。  そこで伺います。「ディスカバー千葉」宿泊者優待事業を抽せん方式とし、次回抽せんを自動エントリーとした理由は何か。  今回のキャンペーンでは、宿泊施設でのキャッシュバックということで、宿には確実に宿泊客の増加が見込めますが、宿泊施設だけでなく、観光に携わるさまざまな業種がコロナ禍の影響を受け苦しい状況にあります。対面を避けるために、前以上にインターネットでの予約が増加し、密を避けるための団体行動、バス旅行などが避けられ個人旅行がふえている今、旅行代理店やバス会社も非常に厳しい状況となっており、そういった業種の皆様からも悲痛な声が届いています。  そこで伺います。県内の中小旅行会社に対する支援の状況はどうか。  では最後に、国・県指定無形民俗文化財の伝承について質問をいたします。  文化庁の言葉を引用しますが、「民俗文化財とは衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民族技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋、その他の物件など人々が日常生活の中で生み出し、継承してきた有形・無形の伝承で人々の生活の推移を示すものである」そうです。身近な無形民俗文化財といえば、地域や神社などのお祭りがその1つと言えます。皆さんのお住まいの地域にも昔からのお祭りはあると思いますが、ことしはお祭り自体の中止や神事のみというところも多いのではないでしょうか。近年、田舎の地域では、毎年あるお祭りでも、おみこしを担ぐ若者がいない、足りない、ほかの地域からヘルプ人員に来てもらわなければ祭りが成り立たない、そんな状況に陥っています。普通のお祭りでもそういった状況でありますから、国・県指定の無形民俗文化財はどうでしょうか。  そこで、皆様のお手元に配らせていただきました、国・県指定無形民俗文化財の一覧表をごらんください。千葉県内には、56の県指定無形民俗文化財、6つの国指定重要無形民俗文化財があります。私の地元である君津市は、この表の10番、三島の棒術と羯鼓舞、14番、15番の鹿野山のはしご獅子舞、さんちょこ節があります。  では、2つめくっていただいて、写真の資料をごらんください。三島の棒術と羯鼓舞、これは本来は約1時間、笛の音に合わせて3体の獅子が太鼓をたたき踊り続けます。地道な練習なくしてはできないものであり、演技の習得は容易ではありませんが、この役は代々地域の子供が選ばれ演じてきました。実はこの棒術と羯鼓舞は、この資料左上の日付にありますように、毎年9月28日、本日が祭礼日であります。ありがとうございます。ぜひ皆さんにも実際にごらんいただきたいのですが、残念ながら、昨年は房総半島台風でこの地域も甚大な被害を受け中止、本年も新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができない、人が集まるなら祭礼での披露も難しいだろうということで、2年連続の中止となっています。  次に、めくっていただいて、もう1枚をごらんください。鹿野山はしご獅子舞は2人1組で獅子をかぶり、約10メートルもあるはしごに上り、その上で演技をするという全国でも珍しい非常に文化価値の高い舞であります。この舞が奉納される4月の鹿野山の花嫁祭り自体も、ことしは新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりました。ちなみに、この写真は全て私が撮影したものです。ほかの国・県指定無形民俗文化財も同じような状況のものがたくさんあるのではないでしょうか。  そこで伺います。まず、コロナ禍における本年度の公開状況はどうか。  無形民俗文化財に指定されると、伝承者及び伝承団体には指定時の状況を忠実に継承し、その価値を維持するとともに公開するなど、その保存、活用を図ることが求められます。そのためには、記録の作成や後継者の育成とともに、積極的に一般公開することも必要となります。では皆さん、この資料の一覧のほうにあります指定年月日をごらんください。多くのものが、昭和30年から60年ごろに指定をされています。もう五、六十年前です。先ほど述べましたように、五、六十年前の指定時の状況を忠実に継承するということは、とても大変なことです。  先日、実際に羯鼓舞の保存会の方々にお話を伺ったところ、この地域にはもう子供がいないそうです。コロナの影響がなかったとしても、実施できなかったのではないか、来年も難しいかなというふうにおっしゃっていました。はしご獅子舞も命綱をつけず、はしごのてっぺんで反り返る大技や腕の力だけではしごにつかまり足を上げる技など、演者には相当な練習の積み重ねと体力が必要とされています。昔から見て育った、おはやしの音を聞いて育った地元の人でも、その技の習得には2人組の変わらぬペアで約10年かかると言われています。しかし、この地域も後を継ぐ若者がもういません。現在の継承者に直接お話を伺ったところ、年齢も40代となり体力と集中力が必要とされる演技を行うのはもう厳しい、命の危険もあるということで、恐らくこの写真を撮らせていただいた昨年の演技が最後だろうとのことでした。こちらも、皆さんにごらんいただきたくとも、もう見られないかもしれません。  そこで2点目として伺います。伝承の状況などの確認はどのように行っているのか。  君津市にある無形民俗文化財はどれも小さな集落の伝統芸能であり、その地域は、先ほどからお伝えしているように、子供が、若者が、もうほとんどいません。少子高齢化の波を受け小学校は廃校、町場により近い学校に統合、保存会の皆さんも高齢化、笛が吹ける人、獅子で舞える人、それを教えられる人も数えられるほどしかいなくなりました。それでも、県指定無形民俗文化財として指定されていることに誇りを持ち、できるなら何とかして続けたい、後世に残したいという思いは持たれています。  そこで伺います。保存、継承していくために、県としてはどのように取り組んでいるのか。  以上で1回目の質問を終わります。2次質問は自席より行いますので、知事初め執行部の皆様には御答弁をよろしくお願いします。(拍手) ◯副議長(木下敬二君) 平田悦子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 千葉民主の会、平田悦子議員の御質問にお答えします。  きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。  まず、海の安全対策についてお答えいたします。  不開設となった海水浴場の安全対策についての御質問でございますが、県では、夏期海岸安全対策会議を開催し、市町村や警察、海上保安庁などの関係機関との連携を図り、不開設となった海水浴場について、安全対策の取り組みを強化することといたしました。具体的には、監視員が置かれていない海では、遊泳の危険性についてさまざまな広報媒体を活用し周知を図ったほか、来訪者への注意喚起する看板の設置や遊泳自粛及び感染症対策を呼びかけるパトロール等、さまざまな安全対策を講じたところでございます。  次に、感染症が収束しない中での観光施策についてお答えいたします。  感染症対策を踏まえた観光誘客についての御質問でございます。新型コロナウイルス感染症が収束していない中、誘客キャンペーンを実施するに当たっては、感染拡大防止に万全を期して進めていく必要があると考えております。そのため県では、近隣都県における感染状況を踏まえ、まずは県民を対象として宿泊優待事業などのキャンペーンを開始したところでございます。また、旅行者には新しい旅のエチケットの実践を、事業者には業種別ガイドライン等に沿った対応を求めており、キャンペーンに参画する宿泊施設に対しては現地で対策の実施状況を確認するなど、感染症対策の徹底に努めています。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部長からお答えいたします。 ◯副議長(木下敬二君) 商工労働部長田中剛君。     (説明者田中 剛君登壇) ◯説明者(田中 剛君) 観光施策についての御質問のうち、知事答弁以外の3問にお答えします。  初めに、宿泊優待事業の広報についての御質問ですが、県では、「県民だより」、県の観光情報誌、旅行会社のホームページやSNSを通じた情報発信に加え、地域の情報紙に応募はがきつきの案内を折り込むなど、県民の方々に対し積極的に広報を実施しております。その結果、これまでに約10万件の応募があり、9月末に実施する2回目の抽せんも、その倍率が既に7倍を超えているところです。今後も多くの方々に応募していただけるよう、SNSや旅行会社の会員向けメールなどを活用して旅行に関心のある方に直接情報発信するなど、効果的な広報に努めてまいります。  次に、宿泊優待事業の抽せんについての御質問ですが、「ディスカバー千葉」宿泊優待事業の実施に当たっては、ウエブによる応募のほか、インターネットを利用されない方がはがきでも応募できるよう、先着順ではなく抽せんにし、また、誘客効果が長期間に及ぶよう抽せんを4回に分けることとしました。さらに、県内観光に関心を持って応募していただいた方が当選に漏れた場合でも、1度の応募で再度の抽せんの機会が得られるよう、自動エントリー方式を取り入れているところです。  中小旅行会社に対する支援についての御質問ですが、県では、新型コロナウイルスにより大きな影響を受けている中小企業に対して、実質無利子、無担保の県制度融資や最大40万円を支給する中小企業再建支援金などにより、資金面の支援を行っているところです。また、観光誘致策として、国のGo To トラベル事業と連携して県独自のキャンペーンを実施しており、キャンペーンの当選者に対して県内旅行会社の利用を呼びかけています。さらに、県の公式観光物産サイトまるごとe!ちばにおいて、Go To トラベル事業を取り扱っている県内旅行会社を紹介することにより、広く県民に利用を促しています。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは海の安全対策についてのうち、知事答弁を除く1問にお答えいたします。  海水浴場以外の海岸の管理についての御質問ですが、海岸は誰もが自由に立ち入ることができる公共の空間であるため、県では、海水浴場の有無にかかわらず、堤防や護岸などの海岸保全施設等の巡視、点検を行っており、危険性があると判断した箇所については立入禁止等の措置をとるなど、利用者の安全確保に努めております。また、この夏は県内の全ての海水浴場が不開設となり、例年海水浴場が開設されていない海岸にも、より多くの人が訪れることが予想されたことから、これらの海岸のうち、特に必要と判断した箇所においても、警察や海上保安庁と連携してパトロールを実施いたしました。引き続き、海岸管理者として、巡視等により海岸の適正な管理に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇) ◯説明者(澤川和宏君) 私からは、まず、教職員人員についてお答えいたします。  国の2次補正による加配教員及び学習サポーターの配置状況についての御質問ですが、小中学校の最終学年を少人数編成するために必要な加配教員については、市町村から要望のあった20人を措置し、全て配置いたしました。また、きめ細かな指導を充実させるための学習サポーターについては、市町村から要望のあった880人及び県立学校に140人を配置する予定であり、9月18日時点で、市町村立学校に351人、県立学校に72人を配置したところです。今後も退職教員や県内大学への協力依頼などを継続し、市町村教育委員会とも連携しながら、早急な配置に努めてまいります。  次に、人材バンクからの採用状況についての御質問ですが、新型コロナウイルス感染症対策に伴い、学校の教育活動をサポートするために国が立ち上げた学校・子供応援サポーター人材バンクには、現在約1,200名の方が本県を第1志望として登録されておられます。この方々全員に対し、直接電話やメールで連絡したところ、9月18日時点で、臨時的任用講師として8人、スクール・サポート・スタッフとして33人、学習サポーターとして68人の応募があり採用に至っております。今後、未配置の多い学習サポーターを中心に、新たに人材バンクに登録された方や本県を第2希望、第3希望としておられる方にも積極的に情報提供を行うなど、引き続き人材確保に努めてまいります。  次に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの本年度の配置状況についての御質問ですが、本年度県教育委員会においては、スクールカウンセラーを小学校165校、中学校315校、高等学校85校、教育事務所等6カ所に延べ576人を配置しております。また、スクールソーシャルワーカーを小学校10校、中学校8校、高等学校21校、教育事務所5カ所に延べ44人を配置しております。  次に、スクールカウンセラー等への相談状況及び昨年度との比較についての御質問ですが、学校再開後の6月1日から7月22日までの約2カ月間、スクールカウンセラーへは通学への不安に起因する不登校や生活リズムの乱れに伴う心身の健康などについての相談が約2万3,000件、また、スクールソーシャルワーカーへは、家計の急変に伴う家庭環境への影響などについての相談が約3,500件寄せられております。1日当たりの相談件数で見ると、昨年度、1学期分に比べ、スクールカウンセラーへの相談が約1.3倍、スクールソーシャルワーカーへの相談が約1.9倍にふえております。また、相談に当たったスクールカウンセラー等からは、休校が長期に及んだことで、子供たちが自分の進路や今後の将来について不安を抱えているなどの指摘があり、これらの相談の割合が昨年度と比較して増加しております。  次に、スクールカウンセラー等の活用についての御質問ですが、児童生徒が抱える課題は多様化、複雑化しており、その支援には、教員とスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家が一丸となり、組織的に対応することが重要と考えております。そこで、県教育委員会では、担当職員が配置校を訪問し、教育相談担当教員や養護教諭を中心に、教職員とスクールカウンセラー等がケース会議を通じて意識を共有し、校長のリーダーシップのもと、チーム学校として児童生徒を支援するよう指導、助言しております。また本年5月には、全ての保護者にリーフレットを配付し、子供の様子が気になるときは、保護者の方からも直接スクールカウンセラー等に相談いただきたい旨を周知したところであり、引き続き教育相談の充実に努めてまいります。  次に、国・県指定無形民俗文化財の伝承についてお答えいたします。  国・県指定無形民俗文化財の本年度の公開状況についての御質問ですが、国及び県指定無形民俗文化財を後世へと伝えていくには、広く県民に公開し、その価値や魅力に直接触れていただくことが大変重要であり、県教育委員会として、当該文化財の保持団体に定期的に公開するようお願いしているところです。本年4月から8月までの公開状況を調査したところ、当初公開を予定していた27件のうち、中止が23件、規模を縮小して祭典のみを非公開で実施したものが4件となっており、いずれも新型コロナウイルスの感染防止を理由とするものとなっておりました。  次に、伝承の状況などの確認についての御質問ですが、本県には無形民俗文化財として、国指定が6件、県指定が56件あり、それを後世へと伝承していく役割を担う保持団体として63団体が指定されております。県教育委員会では、千葉県無形民俗文化財連絡協議会を通じ、1年置きに保持団体の状況や課題、要望などの聞き取りを行うとともに、定期的に千葉県文化財保護審議会委員による現地調査を行い、伝承の状況について確認をしております。これらによると、多くの保持団体では、少子高齢化や人口の都市部流出などにより伝承者不足が大きな課題となっており、引き続き保持団体の状況把握に努めるとともに、各団体や地域の実情に即した伝承方法等について助言を行ってまいります。  最後に、県としての取り組みについての御質問ですが、無形民俗文化財が地域社会において後世へと承継されるために、県として、その担い手である保持団体を支援するとともに、広く県民へ文化財の魅力を周知していくなどの役割があります。このため県教育委員会では、保持団体が行う用具の修理や記録作成などについて補助金を交付するとともに、専門的な立場からの助言を行っております。また、広く県民に知っていただくため、毎年、房総の郷土芸能やかずさの国凧あげフェスタなどのイベントを実施するとともに、今年度末を目途に、無形民俗文化財の映像記録をインターネット上で新たに公開する準備を進めているところです。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 平田悦子さん。 ◯平田悦子君 それでは、何点か再質問と要望をさせていただきます。  教職員人員についてですが、加配教員が希望していた人数、全て配置をできているという点に関しては非常によかったと思いますが、先ほど教育長もおっしゃいましたように、学習サポーターはまだまだ人数が足りていない状況です。せっかく予算措置がされていますから、どうにか人員を探していただきたいと思います。  スクールカウンセラーについては浸透してきておりますが、本県では全員にチラシもお配りいただいているとは思いますが、スクールソーシャルワーカーの認知度がまだ低いというふうに感じております。先生方も自分で抱え込まずに、そういった専門家を活用することで子供が助けられるだけでなく、先生方の多忙解消にもつながっていきます。ケース会議も行われているとのことですが、現在はスクールソーシャルワーカーの人数も少ないために、毎日同じ学校に出勤というわけにもいかず、先生方が相談をするタイミングが難しいのかもしれません。今後、スクールソーシャルワーカーの増員もしていただきたいと思いますし、スクールソーシャルワーカーの方々の中には、保護者や教員に役割を理解してもらおうと自分たちで資料をつくるなど、努力をしてくださっている方もいらっしゃいます。スクールソーシャルワーカーは保護者の面談や家庭訪問もできる、そのために、夜や土日に動いてくださっている方もいらっしゃいます。そういった特性に即した勤務形態を考えるなど、現場のスクールソーシャルワーカーの皆さんの声を細かく聞いて、その力を十分に発揮してもらえる環境づくりをしていただきたいと思います。  ここまでの話を総合して、学校現場には大人の数が足りていないということが皆さんにもおわかりいただけたと思います。解決のためには、県として、現在も学級編制基準の弾力的な運用をしていただいて、国に要望も出していただいてはおりますが、少人数学級を推進して正規の教員をふやしていく必要があると考えます。しかし、今、教員の志願者数が減り、教員採用試験の倍率も下がる一方です。少人数学級が実現されても、教員が足りない、質が確保されないといった問題に陥らないよう、教職員の魅力を伝えられるような取り組みも今後行っていっていただきたいと思います。  次に、コロナ禍における観光施策について。  中小旅行会社に対する支援ですが、ぜひ参考にしていただきたいのが静岡県でございます。静岡県では、幾つかある観光キャンペーンのうちの1つが、県民を対象に行う宿泊代金の割引サービスで、その申し込みは県内の旅行業者店舗でというのが条件でした。そうすれば中小旅行会社も収益が上がり、新たな顧客の開拓にもつながります。コロナの影響で地域の中小旅行会社にとって大きな収入源であった学校の修学旅行の中止や秋のバスツアーができないことは、本当に深刻だと聞いています。今のコロナ禍が終わってみたら、旅行代理店や大型バスの会社がなくなっていたなんてことにならないように、関係する業種の方々の声にも耳を傾けて、今後の施策に反映させていただきたいと思います。  「ディスカバー千葉」キャンペーンに関して、今回のやり方は、御答弁をいただいたように利用者にとってはいい点もありますが、総じて受け入れる施設にとっては、個人情報やチケットの確認、キャッシュバック対応など受け付け対応が複雑で、金銭の立てかえも発生するため、多くの手間というか負担となる部分も多いと感じます。  そこで伺います。質問です。「ディスカバー千葉」宿泊者優待キャンペーンの対象宿泊施設から、今回のやり方について意見は聞いているのか。今回のキャンペーンについて、施設や利用者からの意見を募り、今後の取り組みに生かしていくべきだと考えるが、どうか。  次に、国・県指定無形民俗文化財の伝承についてです。  新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度4月から8月までですが、ほとんどの無形民俗文化財の披露が行われなかったことがわかりました。ことしはやらない、そのたった1年と思うかもしれませんが、この1年がとても重要です。毎年続けていたものが1度でも中止になると、気持ちが切れてしまい、そのままできなくなってしまうところがたくさん出てくる可能性があります。状況調査も1年置きにしてくださっているとの答弁ではありましたが、では、伺います。  質問です。国・県指定無形民俗文化財の現地調査や記録保存はどのくらい行っているのでしょうか。  本県では、最近で言えば、2018年に印西市、武西の六座念仏の称念仏踊りが、翌年、2019年には野田市、三ツ堀のどろ祭が指定解除となっています。何年も前から休止をしていたのであれば、休止になる兆候があったのではないでしょうか。休止になっているところに、続けるための対応を考えず、見て見ぬふりをしてしまえば、あっという間に伝承は切れてしまいます。  そこで伺います。現在休止となっている国・県指定無形民俗文化財はどれぐらいあるのか。また、その理由は何か。  以上、2回目の質問とさせていただきます。 ◯副議長(木下敬二君) 商工労働部長田中剛君。 ◯説明者(田中 剛君) 宿泊優待キャンペーンの実施に当たっての宿泊施設等からの意見についての御質問ですが、県では、宿泊優待事業の実施に当たり、事前に各地域で説明を行い、観光協会、旅館組合等からの意見をお聞きした上で事業の詳細を決定したところでございます。今後も、宿泊施設や利用者からの問い合わせ窓口に寄せられた御意見を伺いながら事業を進めてまいります。  以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 教育長澤川和宏君。 ◯説明者(澤川和宏君) 私からは再質問2問にお答えいたします。  まず、無形民俗文化財の現地調査及び記録保存についての御質問ですが、県教育委員会では、1年置きに全ての保持団体への聞き取り調査を行い、その中で、今後の活動に相談のあった文化財を中心に、千葉県文化財保護審議会の専門委員を通じ、現地調査を毎年二、三件行っているところでございます。また、記録及び保存につきましては、直近に指定した1件を除く61件について、映像記録として保存しているところでございます。  次に、現在休止中の無形民俗文化財に関する御質問ですが、本年3月に地元市町村を通じて活動状況を調査したところ、後継者不足ということで活動を休止している県指定無形民俗文化財が3件ございました。  私からは以上でございます。 ◯副議長(木下敬二君) 平田悦子さん。 ◯平田悦子君 御答弁ありがとうございました。  観光のほうで、関係の旅行会社のほうにも意見を聞いている──宿泊施設にも意見を聞いているとのことなんですが、もし、また今後キャンペーンが続いたり、次の第2弾のようなものがあるとすれば、そういった聞いた意見をしっかりと生かして、続けていっていただきたいと思います。  最後に、国・県指定無形民俗文化財について要望をさせていただきます。  県指定であるのにもかかわらず、県からは、先ほどの答弁にあったように、お金は用具の修理や記録作成のためのものであり、活動資金や通常の活動に対する、そういった活動に使える補助金、お金がないという今の状態では、たとえ人手不足で誰かに手伝ってもらったり、何かお願いをするようなことがあっても、謝礼や交通費すら払う資金がありません。現状を解決するため何か新しいことをしたくても、保存会の人たちはできません。文化財によって状況は違いますので、保存会が続けていきたいのか、それとも人をほかの地域からでも募集するのか、資金が要るのか、どうしたいのかを聞き取りをすべきというふうに考えます。  文化というものは、一度消えてしまうと復活させるのはとても難しいことです。そのためにも、まずは2年に1度というふうにおっしゃっていましたが、全ての国・県指定無形民俗文化財に対し、みずからなかなか言ってこないところもあるかもしれませんので、しっかりとまた再調査を行って、継続が大変なところは、ぜひ現地に文化財の審議会の方も出向いていただいているとは思いますが、保存会の思いを直接聞いていただいて、そして地域の状況、子供が少ない、人が減っているというような地域の状況を見て、今後どうしていくべきか相談していただくことを要望します。  この件について深く調査していくと、地方の顕著な少子高齢化、地域コミュニティーの消失といった問題が見えてきました。無形民俗文化財は精神面での継承もあると思います。文化財は、そこに昔からの人が息づいていたあかしであります。それが消えてしまい、なかったことにならないように、今後とも保存とともに、県として地方活性化を……
    ◯副議長(木下敬二君) 申し合わせの時間が経過しましたので、簡明に願います。 ◯平田悦子君(続) はい。以上です。 ◯副議長(木下敬二君) 暫時休憩いたします。         午後2時33分休憩        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午後2時50分開議 ◯議長(山中 操君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により田中幸太郎君。     (田中幸太郎君登壇、拍手) ◯田中幸太郎君 自由民主党、市川市選出、田中幸太郎です。質問の機会をいただきました諸先輩、同僚の皆様方に感謝申し上げます。地元支援者、また事務所の学生部の皆さん、傍聴いただきありがとうございます。  千葉県、そして千葉県民にとって有益となる質問を心がけ準備してまいりました。知事及び執行部の皆様におかれましては、明瞭な答弁をよろしくお願いします。  1点目、運転免許センターについて質問します。  道路交通法第84条第1項では、自動車及び原動機付自転車を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならないと記されております。同法第92条の2では、交付を受けた免許は有効期間が定められており、優良運転者、違反運転者など、免許証の交付または更新を受けた者の区分によって、同法第101条の定めにより免許証の更新及び定期検査を行わなければならぬ制度です。統計によりますと、千葉県で運転免許証は約404万人が保有しております。便利で生活には欠かすことのできない自動車ですが、昨年、千葉県は交通事故死亡者数全国ワースト1位となっております。交通死亡事故のさらなる防止のため、県民の意識向上と安全運転に向けたさらなる啓蒙啓発運動に期待したいところです。  さて、今回は、運転免許行政を担う中枢の運転免許センターについてお尋ねいたします。  ことし6月、梅雨時の気温が上がり始めた日のことでした。幕張にあります千葉運転免許センターへ免許更新に訪れた友人からLINEで画像が送られてきました。運転免許更新に訪れた県民が炎天下、長時間、外で並び長蛇の列ができている写真でした。ふだんであれば施設内に入れるところですが、新型コロナウイルス感染症予防のため密を避けるためにできた行列と思われます。更新業務を4月16日から7月1日までの約2カ月半の間、中断となったことや、運転免許証の有効期限の延長措置を受けた方々も重なり、混雑がふえたと推察しますが、これからもしばらくはソーシャルディスタンスを確保した業務運営が求められることになると思われます。さらに、暑さだけではなく、ゲリラ豪雨、真冬といった悪天候への対応も求められます。質の高い品格ある運転免許行政を保ちながら、県民利便性も考慮に入れることが必要と考えます。  そこで伺います。  コロナ禍を踏まえた運転免許センターの現状認識はどうか。  また、県民利便性の高い運転免許センターの運営に向け、今後どのように取り組むのかお伺いいたします。  2点目、東京都と千葉県の境界線について伺います。  県境や市町村境などの境界線は、誰がいつどのようにして決めたのか。複雑に屈曲した境界線には、私たちが知らない謎が隠されていることが多くあります。千葉県にも幾つか境界線が定められていない箇所があります。今回はその1つ、東京都江戸川区と千葉県市川市との未確定の境界線について取り上げます。さかのぼること明治28年、法律第24号東京府埼玉県千葉県茨城県境界変更法によりますと、旧江戸川東側は千葉県、江戸川西側は東京府と、境界が川の中心線をもって確定していたようです。その後、江戸川の氾濫を防ぐために、大正5年から8年にかけて河川の直線化工事が行われ、江戸川放水路が築造されました。  これにより、旧江戸川の流れが大きく変わり、あるところでは川岸が侵食され、あるところでは中州が形成されたりして、法律で決めた境界の状況が大きく変わってしまったと伝えられております。その結果、従来の境界が不明となり今日に至っており、江戸川区と市川市との境界の主張に相違があり、了承が得られていない状況となっております。平成8年には、マスコミ取材の対応をきっかけとして、市川市と江戸川区で都県境打ち合わせ会を開催し、協議を行ってきましたが、具体的な解決策を見出すことはできませんでした。議場にお配りした資料のとおり、現在も境界線のない地図となっております。結果として、境界が定まっていない地域は、地元市川市では河原番外地と呼ばれている状況です。  そこで伺います。江戸川と旧江戸川の分岐点付近の境界線について、県はどのように考えているか御見解を求めます。  3点目、旧江戸川左岸、河原番外地の船だまりについてです。  この件も、さきの境界線が画定していない旧江戸川左岸、河原番外地にある船だまりについて質問いたします。  河原番外地境界付近に大きな船だまりが放置されています。船だまりには、お手元に配付させていただきました写真のとおり、20艇近くの船が沈んでおります。水の循環も滞っており、よくない水質状況です。近隣には居住地域もあり、管理のされていない場所は住民からの不安の声もあります。この場所は、きちんと整備すれば船の係留施設とすることも可能ですし、親水エリアとしても活用することができる場所です。  境界線が定まっていないところですので、東京都総務局行政部区政課に、旧江戸川の境界未定地域における船だまりの管理者はどなたか尋ねたところ、国管理部門と千葉県管理部門の境目となっている箇所であると回答をいただきました。次に、江戸川水閘門のあけ閉め業務を初め、河原番外地に事務所を構える国土交通省江戸川河川事務所出張所に、当該船だまりについて確認をしたところ、我々の管理区域ではないとの答えをいただきました。また、この船だまりの出入り口である河原水門の鍵は千葉県が管理していることも伺いました。  そこで伺います。旧江戸川左岸にある船だまりの管理状況はどうか。  4点目、質の高い教育を受けられる環境の整備について質問いたします。  この新型コロナウイルス感染症による前例のない状況の中で、子供たちの学びを確保するため、教職員の方々には感染症対策と教育活動の両立に心を砕き、日々、大変な御尽力をいただき、心より感謝申し上げます。  6月からほとんどの学校で教育活動が再開されていますが、感染拡大を防ぎながら、通常とは異なる形での学校運営が必要となっており、こうしたことが教職員の精神的な緊張や心身の過度な負担につながっていると言われています。このコロナ禍において、例年以上に多忙化している状況と、今後の教員の多忙解消する策として、教科担任制の導入が挙げられています。現在、多くの公立小学校では、各学級の担任教員が全ての教科を教える学級担任制がとられていますが、高学年の学習内容は専門性が高く、よりきめ細かい指導が必要であることから、中央教育審議会新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会において、小学校高学年の教科担任制を2022年度をめどに本格導入すべきとの声明が出されました。  今後、教科担任制の導入や専科教員が拡充されることで、新学習指導要領に含まれる小学校での外国語教育の充実化やプログラミング教育の必修化にも対応し、学校教育活動を充実化させることが可能です。また、教員は自身の専門教科の授業に専念でき、授業準備の効率化やこま数の軽減によって、教師の負担軽減も期待されています。  国は本年度、学校における働き方改革や複雑化、困難化する教育課題へ対応するため、教職員定数を3,726人改善し、その中で、義務教育9年間を見通した指導体制への支援として2,201人を加配しました。  そこで伺います。我が県の小学校において教科担任制の導入や専科教員の拡充は必要と考えるが進捗はどうか。また、人員の確保に当たっての課題はどうか、お教え願います。  次に、社会人経験のある人材の確保についてです。  新型コロナウイルス感染症で、より一層先行きが不透明となった不確実性の高い時代において、私たち一人一人、そして社会全体が、答えのない問いにどう立ち向かうのかが問われています。多様な人々と協働しながら、さまざまな社会的変化を乗り越え、持続可能な社会のつくり手となることができるよう、その資質、能力を育成していくことが求められています。幅広い経験を持ち、すぐれた知識、経験や技術を有する社会人が学校教育に参加することは、学校教育の多様化、活性化を図り、絶えず変化していく学校や社会ニーズに対応していく上で望ましく、また、人材確保により教員の多忙化、教育の質の低下の改善にも有効と考えます。  そこで、お伺いいたします。多様性ある教育環境に向けて、社会人経験のある人材の確保について進捗はどうか、お聞かせください。  5点目、県産農林水産物の販売促進について質問します。  新型コロナウイルス感染症拡大による飲食店の営業自粛やイベントの自粛の影響を受け、花卉やメロンのほか、牛肉やキンメダイなどの需要が減少し、価格が下落していることが報告されています。インバウンドを含めた外食・観光需要の減少により、団体の宴会予約のキャンセルなどの発生や、牛肉や高級果物、海産物、土産菓子などの販売が減少している状況です。  このコロナ禍において、3密の回避や感染流行時の移動は控えるなど、新しい生活様式が提唱されるようになりましたが、この中に、通販の利用も挙げられており、インターネット販売を活用することによって、県産農林水産物の販路拡大、消費拡大を図るべきだと考えます。裏づけとして、総務省家計消費状況調査結果によりますと、2020年7月分のネットショッピング支出額は、1年前と比べ名目15.1%の増加で、対前年名目増減率に寄与した主な項目は、食料が8.9%と最も高かったそうです。また、ネットショッピング利用世帯の割合は、3月ごろから上昇し、7月には50.6%となり、1年前に比べ7.5ポイント上昇しているとのことです。そのような結果からも、今後、ネットショッピング等のデジタルシフトに合わせた販売促進が必要とされているのではないでしょうか。  また、コロナ禍における販売促進の一環として、お隣、埼玉県では多様化する販路ニーズに対応できるよう、県産農産物生産者向けにネットショップの立ち上げや売り上げを伸ばすポイントなどのビジネス展開を学ぶ研修会を開催しているそうです。我が県においても、お取り寄せに関する情報の発信だけではなく、それぞれの生産者に向けてネット販売に関するサポートを行うことも、販路拡大への有効な取り組みとなるのではないでしょうか。  そこで伺います。コロナ禍において、県産農林水産物の販売促進にどのように取り組んでいるのか。  最後、6点目、スーパーヨットについて質問します。  今回は、新型コロナウイルスと共生した後、アフターコロナを願いつつ、次の経済対策としての提案質問をしたいと思います。  スーパーヨットとは、日本や諸外国において、富裕層が個人で所有していることが多い全長24メートル以上の大型クルーザーのことを指します。2018年におけるスーパーヨットの総数は約1万隻と言われております。現在国内においては、2014年から2017年までの計20回の寄港実績が確認されています。特に沖縄県への寄港実績は最も多く、2016年においては22日間の滞在で約2,500万円を消費したケースもあり、寄港地への経済効果ははかり知れません。主にアメリカやロシア、地中海の周辺国から寄港が多く、2018年には10隻寄港、2019年は20隻以上の寄港があり、ここ数年で市場規模が急速に拡大している状況です。特に、2021年へ延期となっております東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、東京ウォーターフロント協議会では、スーパーヨット受け入れ拡大に関する調整が進められている状況と伺っております。  千葉県は東京都心のすぐ隣、海に囲まれ地域資源もたくさんあり、魅力の多い地域です。ヨットはクルーが千葉まで運び、ヨットのオーナーとゲストは成田空港へプライベートジェットで来日して合流、日本の観光を楽しむといったインバウンド需要をかなえることも可能です。当然、停泊中の燃料や食料、宿泊代金など数千万円の地元に落ちる費用も見逃せません。まさしく、空の玄関とあわせて、海の玄関を開くことによる地域振興策も期待できると思われます。  そこで伺います。アフターコロナ地域振興策の1つとして、県内にスーパーヨットを受け入れる考えはどうか。  以上、6点の質問です。答弁よろしくお願いいたします。(拍手) ◯議長(山中 操君) 田中幸太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 自民党の田中幸太郎議員の御質問にお答えいたします。  きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。  江戸川と旧江戸川の分岐点付近の境界線についての御質問でございます。江戸川と旧江戸川の分岐点付近において、市川市と江戸川区の境界が未確定となっている地域があることは承知しております。地方自治法においては、都道府県は市町村を包括するとされており、その境界は市町村の境界の決定によって、おのずと定まることから、両市区の意向が重要と認識しております。今後、市から具体的な相談があれば、法令に基づく手続について助言を行う等、適切に対応をしてまいります。  次に、県産農林水産物の販売促進についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染流行時における県産農林水産物の販売促進についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症が流行する中において、県産農林水産物の販売促進を図っていくためには、市場流通を通じた量販店や小売店などの販路を維持しながら、消費者ニーズの変化に合わせて、密を避ける新しい生活様式に対応した販路の開拓を進めていくことが重要と考えております。このため県では、5月に販売対策に取り組む協議会を設置し、産地と連携してインターネット販売を行うほか、直売所におけるドライブスルー販売などを支援することといたしております。また、ホームページや「県民だより」等により、通信販売やテイクアウトなどに取り組む生産者や飲食店等々の情報を発信するとともに、直売所や通信販売の利用者にプレゼントが当たるフェアを開催するなど、より多くの方に県産農林水産物を購入していただけるよう取り組んでまいります。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部長からお答えいたします。 ◯議長(山中 操君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは船だまりの管理状況の1問、スーパーヨットの受け入れの1問、計2問にお答えいたします。  初めに、旧江戸川左岸にある船だまりの管理状況についての御質問ですが、旧江戸川左岸の船だまりにつきましては、現在の江戸川放水路が完成した後、旧江戸川の流れを西側に移す工事が実施された際に、もとの河道の一部を利用してつくられた形跡がございますが、設置された経緯は不明であり、また、現在まで管理者が決まっておりません。県としては、必要に応じ、国や市川市など関係機関と船だまりの管理について協議することとしております。  次に、スーパーヨットの受け入れについての御質問ですが、スーパーヨットは個人が所有する大型船舶であり、寄港地での滞在期間も長く、活発な消費活動が行われている事例もあると認識しております。一方で、主に外国船であるスーパーヨットを県内港湾で受け入れるに当たっては、税関、出入国管理、検疫、保安対策などを行える体制の構築が必要であるとともに、既存の施設利用者との調整なども課題でございます。県といたしましては、まずはスーパーヨットの寄港の動向や受け入れ条件などについて、先進事例等を研究してまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇) ◯説明者(澤川和宏君) 私からは質の高い教育を受けられる環境の整備についてお答えいたします。  まず、小学校における教科担任制についての御質問ですが、小学校における教科担任制については、専科教員が授業を担当したり、学級担任同士が一部の授業を交換したりするなど、学校の規模や教員の専門性などに応じ、さまざまな形で工夫して行われております。このうち、専科教員については、本年度、国の小学校専科加配が、昨年度の78人から104人増の182人へと拡充されており、主に英語、理科、音楽などを担当しております。また現在、国の中央教育審議会では、小学校高学年からの教科担任制のあり方や教職員の配置、教員免許状制度などについて検討を進めているところであり、県としても、引き続き審議の動向を注目してまいります。  次に、社会人経験のある人材の確保についての御質問ですが、県教育委員会では、豊かな社会性等を備えた教員の確保のため、平成26年度から民間企業等を経験した方を対象とした特別選考を実施しており、今年度は9名増の46名が受験したところです。このほか、社会人経験を有している方が一般選考で受験する場合もあり、今年度実施の採用選考では、受験者数が15名増の425名となっております。あわせて、毎年社会人向けの説明会を開催するほか、県教育委員会のホームページやPR動画において、社会人経験のある教員の声を積極的に盛り込むなど、引き続き人間性、社会性のある多様な人材の確保に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 警察本部長楠芳伸君。     (説明者楠 芳伸君登壇) ◯説明者(楠 芳伸君) 私からは運転免許センターについてお答えいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた運転免許センターの現状認識についての御質問でありますが、県内の運転免許保有者数は、令和元年末現在、約404万人であり、令和元年中は約83万人の方が運転免許の更新手続を行いました。更新者数の施設別内訳は、千葉運転免許センターが約49万人、流山運転免許センターが約18万人、警察署等が約17万人となっており、約8割の方が運転免許センターにおいて更新手続を行っております。このように、従来から運転免許センターに更新者が集中し、混雑する傾向にありましたが、本年は新型コロナウイルス感染症の影響により、約2カ月間運転免許の更新手続等を停止していたため、手続再開後は通常よりも多くの方が訪れ、さらに混雑しているほか、新型コロナウイルス感染防止対策として入館制限を実施しているため、来庁者の方に屋外でお待ちいただく時間が長くなっていると認識しております。  次に、今後の取り組みについての御質問ですが、県警では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴うこれらの現状を改善するため、整理誘導員の増強、屋外でお待ちいただく方のための大型テントの設置、県警ツイッターによる運転免許センターの混雑状況の情報発信などを行ってきたところであります。また、8月17日からは整理券の配布を開始したところであり、これにより屋外で列をつくってお待ちいただくといった状況はほぼ解消されたところでございます。一方、利用者から館内が混雑しているなどといった御意見が寄せられていることも踏まえまして、今後も他県の状況なども参考にしながら、さらなる県民の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 田中幸太郎君。 ◯田中幸太郎君 知事初め執行部の皆様、答弁ありがとうございました。順次、再質問、また要望をさせていただきたいと思います。  まず、運転免許センターについてであります。  誘導員を増員、テントをふやしたり、ツイッターで今何時がすいていますよ、8月17日から整理券を幕張のほうで行われたと。早急の改善も大変評価したいところであります。ただ、センター内が密、今、県民の皆さんからも、コロナ禍での対応が不安だという声を多く聞いているのも事実。御担当者も御理解されていることかと思います。  そこで、私はこの夏休み中、流山、幕張はもちろんのこと、1都3県、神奈川、埼玉、茨城の運転免許センターに視察に行って、現場担当者の方々と意見交換をしてまいりました。この場をおかりして、各免許センターで対応いただいた皆様にお礼申し上げます。  この視察を機に、私なりに気づいたことは大きく2点ありました。  1つ目は、千葉県は他県に比べて運転免許センターの混雑率が高い。更新作業時間がほかの免許センターより多くかかっていることがわかりました。その要因としては、センターが利用されている情報システムが古いということも感じた次第です。  もう1点、首都圏でやはり社会活動をされている方々の多いこの地域においては、免許の即日交付の需要が多くあると感じました。この千葉県においては、幕張、流山の2カ所でありますが、神奈川県は最新の免許センターのほか、主要警察署6カ所、埼玉県は免許センターほか、各警察署で対応可能、茨城県も免許センターほか、各警察署で対応可能といった状況でした。千葉県においても、即日交付できる場所を分散化させることも必要ではないでしょうか。  そこで伺います。更新自動受付端末などの最新システム導入や警察署などで即日交付についてはどのように考えているか、再質問いたします。  2つ目、東京都と千葉県の境界線についてであります。  境界を決める手順について、まずは基礎自治体同士の協議によって始まるということが確認できました。今後、境界が定められていないことで起き得る問題がないとは言い切れません。市から具体的な相談がありましたら、助言等、対応をお願いしたいと思います。要望です。  3点目、旧江戸川左岸、河原番外地の船だまりについてでございます。
     これも、境界線が定められていない箇所だからこそ、生まれた問題であると私は理解をしています。私は市議のころから、この船だまりの管理は千葉県だと思っておりましたが、今回の質問で、船だまりの管理者が不明、出入り口水門の鍵は千葉県が管理されているということがわかりました。何十年もの間、手つかず、管理のなされていない場所で事件、事故が起きなかったことが幸運だったと思うしかありません。管理者不明でした、いつかのタイミングで考えますではなく、関係機関と協議の場を開いていただき、ぜひ管理のあり方を決めていただきたいと強く要望いたします。  4点目、質の高い教育を受けられる環境の整備についてでございます。  まずは教科担任制、専科教員の拡充について。学校再開後──6月ですね──現場教員からこのようなお話を伺いました。現場では、年度末に向けて、体調不良、心のバランスが壊れて休んでしまう教員がふえるので、講師の先生が不足する状態が予想される。誰かが自分の業務をこなしながら補填をする、学級運営が滞るといった悪循環を防がなければならないというお話でした。教育現場として、教科担任、専科教員の拡充は、授業の充実、授業準備の時間短縮、授業内容の質が高まるなど、期待も多く寄せられております。2020年本格導入に向ける前に、準備態勢を整えていくことも大切ではないかと思っています。教員人員の確保とあわせて、教育環境の整備を要望いたします。  もう1点、社会人経験の人材の確保についてです。社会人向けの説明会の実施や動画配信、ツイッターなどの広報活動の効果もあり、志願者数も増加傾向にあるということを確認しました。コロナ対策を機に、新しい生活様式が求められている昨今、さまざまな仕事を経験した教員に出会えることは、多様な価値感を育む上で大きなメリットになるでしょうし、多様性ある教育環境現場はより求められていると確信しています。これからも有益な人材を集められるよう要望いたします。  一方、社会人経験ある人材イコール子供たちにとってよい先生とも言い切れないと思っています。子供という存在にかかわって、一定の責任を持ちながら物事を教えるという経験、スキルも大切だと思うからです。子供とかかわる経験の不足を補えるよう、今まで以上のカリキュラムの充実もあわせて要望いたします。  5点目、県産農林水産物の販売促進についてであります。  コロナ禍において、これまで、今までの販売支援とあわせて、インターネットを活用した販売促進支援は重要な視点であると同意をいただける答弁ありがとうございました。今後ともさまざまな取り組みを行いながら、農林水産物、加工品も含めて、販売促進支援に努めていただきたいと願っております。  今後の取り組みについて違う角度から再質問させてください。  フェアを開催した、ホームページに何人閲覧に来られたということも大切ですが、菅内閣肝いりで新設した平井デジタル改革担当大臣の言葉を借りるならば、単なるアウトプットではなくアウトカム、結果を重視するとの発言どおり、どれだけお取り寄せサイトの認知度が上がったか、売り上げにどれだけ貢献できたといった指標を持って取り組まれることが重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。通信販売等の情報発信の取り組みについて、認知度や販売実績などの指標により効果を検証すべきと思うが、どうか。再質問いたします。  6点目、スーパーヨットについてです。  富裕層、超富裕層を対象として業をされているマリン業界の方と意見交換をしました。世界のスーパーヨットは日本、特に東京へ来たいそうです。ですが、東京は船を受けるキャパがないため物理的に難しい。これは神奈川横浜も同様だということだそうです。東京都心に近く、世界の空の玄関、成田空港を持った千葉県として、海からの動線を生かし、インバウンド効果を見込めるスーパーヨット地域振興策は検討する価値があると思います。観光、食材、立地、たくさんの魅力を備える千葉県です。地域の経済活性化を認めるアフターコロナの戦略の1つとして検討いただきたいと要望いたします。  以上、再質問2点、よろしくお願いします。 ◯議長(山中 操君) 警察本部長楠芳伸君。 ◯説明者(楠 芳伸君) 私からは運転免許センターに関し、更新自動受付端末等の導入や警察署における運転免許証の即日交付についての御質問にお答えいたします。  更新自動受付端末等の導入や警察署における運転免許証の即日交付につきましては、更新手続に要する時間の短縮など、県民の皆様方の利便性向上に資するものと認識しております。他方で、特に警察署における運転免許証の即日交付につきましては、関連する機器の設置に加えまして、免許交付に従事する人員の確保、講習室や駐車場の整備など解決すべき課題があることから、今後、各地域における運転免許保有者数の推移や県民の皆様の意見、要望、他県の状況等について調査研究の上、これらの導入の可否について検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 農林水産部長穴澤幸男君。 ◯説明者(穴澤幸男君) 通信販売等の情報発信に関する指標についての御質問ですが、通信販売等に関する情報については、県のホームページ「教えてちばの恵み」で発信しており、現在は当該サイトの閲覧数を指標として取り組みの効果を検証しているところですが、さまざまな指標ではかることが重要であると考えています。引き続き、実施成果をより的確に評価できる指標の設定について検討してまいります。  以上でございます。 ◯議長(山中 操君) 田中幸太郎君。 ◯田中幸太郎君 警察本部長、再質問の趣旨にも御理解いただきありがとうございます。人員、場所、また、予算にかかわることですので、このコロナ禍を機に、早急の研究、検討を要望させていただきたいと思います。また、予算部局にも今の状況を御理解いただきたいと思っているところです。今後とも県民や現場職員にも負担の少ない新たな取り組みを期待いたします。  農林水産物の販売促進についてであります。  部長、答弁ありがとうございました。千葉県農林水産業振興計画に準じて進められていると思いますが、昨年の台風、コロナによって大きく事象が異なってきております。目標達成に向けて、柔軟な手法で取り組まれていただけるよう要望いたします。  以上、お時間を頂戴し、一般質問させていただきました。ありがとうございました。 ◯議長(山中 操君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。  あす29日は定刻より会議を開きます。  これにて散会いたします。         午後3時29分散会        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        本日の会議に付した事件 1.開  会 2.鈴木 衛君の質疑並びに一般質問 3.当局の応答 4.赤間正明君の質疑並びに一般質問 5.当局の応答 6.三沢 智君の質疑並びに一般質問 7.当局の応答 8.平田悦子君の質疑並びに一般質問 9.当局の応答 10.田中幸太郎の質疑並びに一般質問 11.当局の応答        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出 席 議 員   議   長  山中  操 君   副 議 長  木下 敬二 君   議   員  鈴木 和宏 君   平田 悦子 君   松崎 太洋 君          菊岡たづ子 君   宮川  太 君   田中幸太郎 君          宮坂 奈緒 君   伊藤  寛 君   鈴木ひろ子 君          高橋 秀典 君   木名瀬訓光 君   市原  淳 君          田沼 隆志 君   秋葉 就一 君   岩波 初美 君          仲村 秀明 君   鈴木 陽介 君   野田 剛彦 君          大崎 雄介 君   安藤じゅん子君   高橋 祐子 君          秋本 享志 君   川名 康介 君   小野崎正喜 君          伊豆倉雄太 君   森   岳 君   茂呂  剛 君          小路 正和 君   中村  実 君   伊藤とし子 君          川井 友則 君   水野 友貴 君   谷田川充丈 君          田村 耕作 君   横山 秀明 君   松戸 隆政 君          入江 晶子 君   守屋 貴子 君   大川 忠夫 君          三沢  智 君   石井 一美 君   岩井 泰憲 君          小池 正昭 君   関  政幸 君   中沢 裕隆 君          實川  隆 君   斉藤  守 君   山本 義一 君          鶴岡 宏祥 君   坂下しげき 君   プリティ長嶋君          秋林 貴史 君   阿部 俊昭 君   礒部 裕和 君          天野 行雄 君   網中  肇 君   高橋  浩 君          矢崎堅太郎 君   林  幹人 君   瀧田 敏幸 君          伊藤 昌弘 君   江野澤吉克 君   今井  勝 君          臼井 正一 君   信田 光保 君   鈴木  衛 君          武田 正光 君   佐野  彰 君   加藤 英雄 君          みわ 由美 君   藤井 弘之 君   赤間 正明 君          竹内 圭司 君   田中 信行 君   河野 俊紀 君          石橋 清孝 君   宇野  裕 君   本間  進 君          酒井 茂英 君   浜田 穂積 君   川名 寛章 君          河上  茂 君   伊藤 和男 君   小高 伸太 君          宍倉  登 君   阿部 紘一 君   吉本  充 君          阿井 伸也 君   鈴木 昌俊 君   西尾 憲一 君          小宮 清子 君        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 欠席議員          佐藤健二郎 君        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席説明者          知         事         森田 健作 君          副    知    事         高橋  渡 君          副    知    事         滝川 伸輔 君          総  務  部  長          石川  徹 君          総 合 企 画 部 長         鎌形 悦弘 君          防災危機管理部長            石渡 敏温 君          健 康 福 祉 部 長         加瀬 博夫 君          保健医療担当部長            渡辺 真俊 君          環 境 生 活 部 長         冨塚 昌子 君          オリンピック・パラリンピック推進局長  高橋 俊之 君          商 工 労 働 部 長         田中  剛 君          農 林 水 産 部 長         穴澤 幸男 君
             県 土 整 備 部 長         河南 正幸 君          都 市 整 備 局 長         保坂  隆 君          会 計 管 理 者           松尾 晴介 君          企  業  局  長          岡本 和貴 君          病  院  局  長          山崎晋一朗 君          教    育    長         澤川 和宏 君          警 察 本 部 長           楠  芳伸 君          人事委員会事務局長           清水 生也 君          代 表 監 査 委 員         中島 輝夫 君        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席事務局職員          事  務  局  長          宇井 隆浩          事 務 局 次 長           増田  等          議  事  課  長          鈴木 正雄          政 務 調 査 課 長         伊藤 正秀          議 事 課 副 課 長         粕谷  健          議  事  班  長          荻原 裕一          委 員 会 班 長           石塚 春美 Copyright (C) Chiba Prefecture Assembly Minutes, All rights reserved....