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令和2年6月定例会(第5日目) 本文

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  1. 千葉県議会 2020-06-05
    令和2年6月定例会(第5日目) 本文


    取得元: 千葉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-06
    令和2年6月招集  千葉県定例県議会会議録(第5号) 令和2年6月19日(金曜日)        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         議  事  日  程 議事日程(第5号)   令和2年6月19日(金曜日)午前10時開議 日程第1 議案第1号ないし議案第14号、報告第1号ないし報告第12号に対する質疑並びに一般      質問        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午前10時1分開議 ◯議長(阿井伸也君) これより本日の会議を開きます。        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         質疑並びに一般質問 ◯議長(阿井伸也君) 日程第1、議案第1号ないし第14号、報告第1号ないし第12号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。  順次発言を許します。通告順により小路正和君。     (小路正和君登壇、拍手) ◯小路正和君 皆さん、おはようございます。いすみ市選出、自由民主党、小路正和でございます。登壇の機会をいただきました会派の先輩並びに同僚議員の皆さんに感謝を申し上げます。
     コロナ禍で大変な世の中になっておりますけれども、一日も早く、このコロナ禍が収束して、もとの千葉県に戻ることを願いながら、きょうは盛りだくさんでありますので、早速質問に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。  初めに、長生グリーンラインについて伺います。  いすみ市及び外房地域はすばらしい農水産物や観光資源を擁しており、県内外から訪れる多くの観光客に楽しんでいただくためにも、いすみ市域の観光エリアとのアクセス道路の整備は非常に重要であると考えております。そうした中で、圏央道は残る大栄─横芝間についても、令和6年までの開通に向けた整備が進められております。この圏央道の整備効果を県内各地に広く波及させていくことが重要であり、長生グリーンラインの整備をそのように鋭意進めてくださっているところでございます。先月末には、圏央道茂原長南インターチェンジから長南町道までの区間が開通し、これまでは国道409号線からしかインターチェンジにアクセスできませんでしたが、長南町側の工業団地に近い道路、そして、いすみ方面にも近い道路にアクセスでき、便利になったと感じております。私としては、夷隅地域や外房地域の発展のためにも、長生グリーンラインを一日も早く茂原市三ケ谷の広域農道まで開通させる必要があると考えます。  そこで伺います。長生グリーンラインの事業中区間の進捗状況はどうか。  次に、外房線について伺います。  近年は、利用者数の減少を背景に列車の減便や運行区間の短縮などが行われており、私自身、こうした動きに対し大変気にかけてきたところであります。そうした中で、先月、JR東日本から、令和3年春ごろに外房線や内房線などへ新型車両を投入するとの公表がありました。新型車両それ自体はうれしいことかもしれませんが、一方で公表された資料を読みますと、新型車両の投入される区間は千葉駅から安房鴨川駅までの全区間ではなく、上総一ノ宮駅から先の区間に限られておりましたが、新型車両の投入後に外房線全体がどのようなダイヤで運行されるのかは示されていません。ワンマン運行可能な車両ということもあり、非常に危惧しているところでございます。外房線の利便性確保向上には、特急列車を含めた現在の運行本数の維持はもちろんのこと、千葉行き、東京行きなどの直通列車の確保、上総一ノ宮駅での乗り継ぎ改善等が必要であります。  議長にお許しをいただきまして、お手元に「JR外房線 朝・上り電車のダイヤの現状」を配付させていただきました。この表のピンクが京葉線、青いところが総武線快速でありますけれども、私が再三申し入れてきております朝の通勤時間帯の勝浦駅発6時8分、下のほうの京葉線通勤快速東京行きは、勝浦駅から東京駅まで乗りかえなしで行ける唯一の直通の快速なんです。これは都市部の方には全くわからないかもしれませんけれども、一宮から南は、これを逃すと通勤できないような状況なんです。ですから、通勤でも生命線、そして今後の地域活性化のためにも生命線となるのがこの快速なわけです。  しかしながら、この快速、上総一ノ宮駅で、この表をよく見ていただくとわかるんですけど、20分間停車するようになっております。つまり直通であるにもかかわらず、乗り継ぎ列車のほうが早く東京に到達するという現象が起きておるわけです。これも今まではなかなか難しかったんですけれども、上総一ノ宮駅より南が新型車両が投入されるということであれば、この表の一番下の各駅停車は6時34分大原駅発、6時52分上総一ノ宮着になっていますけども、わざわざこの各駅を走らせて、7時の上総一ノ宮発に乗りかえるという二重手間のような形になっているんです。ですから、これを交換して、恐らく勝浦駅を6時半ごろ発の京葉線直通快速にすれば2時間以内で東京に到達する。その上に6時44分、総武線快速上総一ノ宮駅が書いてありますけども、逆に新型車両を投入して各駅停車を6時44分に間に合わせてくれれば、これは大原も御宿も勝浦も通勤圏内になっていくというところでございます。細かい話で恐縮ですが、このような例がありますので、ぜひこのダイヤ改正を機に解消していただくように要望をお願いしたいと思います。  そこで伺います。新型車両投入後における外房線の運行本数維持及び乗り継ぎ改善等について、どのように取り組んでいくのか。  次に、南房総における鉄道を活用した観光振興について伺います。  九十九里、外房、南房総において、観光はとても重要ですが、昨年のたび重なる台風、復興をと思ったやさきのコロナ禍で、大きな観光需要の見込まれる春先、そしてゴールデンウイークでは、感染拡大防止のため不要不急の外出の自粛要請が行われた結果、ほとんどの観光施設が休止することになりました。このように、観光事業者の皆様を取り巻く状況は未曽有の危機と言えるものです。そして、鉄道は観光で利用する際にも、車を持っていない方、あるいは鉄道の旅情を楽しみたい方の主要な移動手段の1つとなることから、鉄道を活用した観光客誘致は非常に大切で切り札にもなり得ると考えております。  そこで伺います。  鉄道を活用した観光誘致について、県はどのように取り組んでいくのか。  次に、農業振興について2点伺います。  国では、本年3月に新たな食料・農業・農村基本計画を公表しました。今回の計画では、産業政策と地域政策を引き続き車の両輪として推進し、将来にわたって国民生活に不可欠な食料を安定的に供給し、食料自給率の向上と食料安全保障の確立を図ることが課題であるとしています。新たな基本計画は今後10年間の農政の指針であり、各種施策の基本となるものであります。県では農林水産業振興計画のもと、農業振興に取り組んでいますが、今後はこの基本計画を踏まえて各施策を推進すべきと考えます。  そこで伺います。国の新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえ、県はどのように取り組んでいくのか。  そして、基本計画が掲げる生産基盤の強化にはスマート農業の推進が不可欠であると考えております。農業を持続的に発展させていくためにはデータやロボット、ドローンなどを活用したスマート農業を実現し、省力化や生産性の向上、高品質な農産物の生産を図っていくことが必要と考えております。2月の定例県議会では、我が党の高橋秀典議員からも質問があり、農業者や関係団体からの意見や生産現場における実証結果などを踏まえ、本年中にもスマート農業を計画的、効率的に進めるための方針を策定するとの答弁をいただきました。  そこで伺います。スマート農業の推進に向けた方針の策定の取り組み状況はどうか。  次に、主要農作物の種子条例の制定について2点伺います。  2月定例議会にて、これも我が党の高橋秀典議員より質問があり、早期に条例として定めるよう強く要望をしていただいたところでありますが、迅速に条例案の概要をまとめ、パブリックコメントを実施していただいたことについて感謝申し上げます。県では、条例化を検討する上で県内農業団体等と意見交換を行ったと聞いております。  そこで伺います。県内農業団体等との意見交換ではどのような意見があったのか。  また、自民党種子条例プロジェクトチームにおいても早期の条例の制定が必要であるとの結論に至ったところであり、遅くとも来年作付するための種子注文が始まる秋までに条例化する必要があると考えます。  そこで伺います。主要農作物種子条例制定に向けた作業の状況はどうか。  次に、いすみ市内の農業生産基盤の整備について伺います。  私の地元いすみ市は、県内外から評価の高いブランド米、いすみ米を初め野菜、果樹など、多彩な農産物が生産されております。しかしながら、農業を取り巻く環境はとても厳しいものがあり、地域の担い手に今後とも安心して農業を続けてもらうためには、生産性を高め農家所得を向上させることが必要であると考えます。そして、このためには圃場整備など、生産基盤の整備事業の果たす役割が非常に大きく、これを着実に進めていくことが求められます。  そこで伺います。いすみ市内の農業生産基盤の整備について、現在の実施状況と今後の取り組みはどうか。  次に、野生鳥獣の被害防止対策について3点伺います。  有害鳥獣による県内の農作物被害は約4億円で、特にイノシシの被害が大きいわけですが、防護柵や箱わなの設置により、被害の拡大が一定程度抑えられている状況ではあります。こうした状況の中、県では平成30年度よりイノシシ棲み家撲滅特別対策事業を実施し、3年間に限って地域の刈り払いの取り組みを特別に支援することになっております。この事業は地域の取り組みを後押しし、意識を変えるよい契機になると思います。  そこで伺います。イノシシ棲み家撲滅特別対策事業の実績と効果はどうか。  また、個体数を減らす捕獲も重要で、イノシシは年間2万頭から3万頭、県内で捕獲されておりますが、実は多くはその場で埋められているわけです。私としては、もう少し加工して活用できないものかと思っています。近年、処理加工施設がふえてきているように思いますが、イノシシの処理頭数の実績はふえているのでしょうか。  そこで伺います。県内の処理加工施設におけるイノシシの処理頭数の推移はどうか。  県では、イノシシと鹿の肉を房総ジビエと銘打ち、飲食店でのフェアの開催などを行っていますが、そもそも家庭では余り調理されておらず、また、ジビエ料理を提供する飲食店もまだまだ少ないと感じています。  そこで伺います。房総ジビエの消費拡大に向けてどのように取り組んでいるのか。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  まず、高級魚の需要喚起について伺います。  私の地元夷隅地域は小型漁船による沿岸漁業が盛んであり、イセエビやマダコなど高級食材の宝庫であります。漁業者は大切な資源を守り、ふやすため、種苗放流や資源管理に取り組むとともに、漁獲物の付加価値を向上させるなど、ブランド化にも一生懸命取り組んでおるところであります。また、港の朝市やいさばや、あるいは港町周辺の飲食店も繁盛しており、これからも地域を盛り立てていこうとしておりました。  こうしたやさき、新型コロナウイルス感染症の拡大により状況は一転したわけでございます。新聞報道でもあったとおり、外食向け食材の需要が落ち込み、特に高値で取引されてきたイセエビ、マダイなどの単価がこれまでの半値近くまで下落するなど、漁業者を直撃しております。また、漁協直営食堂いさばやも休業を余儀なくされました。緊急事態宣言は解除されたものの、依然として高級魚の価格は低迷しており、漁業者は不安を抱えており、漁業者が希望を持てるよう、イセエビなど高級魚の需要喚起など考えられる対策を実施していくことが必要と考えております。  そこで伺います。価格が低下している高級魚の需要喚起について、県はどのように対応していくのか。  次に、中小企業再建支援金について伺います。  新型コロナウイルスの影響により、中小企業はかつてない苦境に置かれております。県では、当面の資金面に対する支援策として中小企業再建支援金制度を設けましたが、インターネットが使えない、申請書類の書き方がわからないなどの声が多く届くところであります。我が党の代表質問でも要望いたしましたし、各議員の方々の質問の中にもありました。この支援金を少しでも早く届けることが大変重要であり、こういうときこそ、商工会、あるいは商工会議所等の団体の力を効果的に活用し、連携しなければならないと思います。  そこで伺います。中小企業再建支援金について、県は商工団体とどのように連携しているのか。  次に、休業要請について伺います。  千葉県は5月25日に緊急事態宣言が解除されましたが、いわゆる休業要請に関しては、多くの店舗が要請に協力して休業した一方で、中には要請に従わず、営業を続けた店舗もありました。要請には罰則がなく、県としても対応に苦慮した面はあったと思いますが、協力した店舗は収入がなくなった中でも耐え抜いていたのであり、この不公平感は否めないわけであります。  そこで伺います。県では、休業要請に応じない店舗に対し、どのように対応したのか。  最後に、1点要望いたします。  医療機関に対する支援策について、我が党の代表質問の答弁では、患者1人当たり50万円の協力金の支給や病床に係る支援などを行うとのことでありました。しかし、私の地元のいすみ医療センターを初め各医療機関からは、残念ながら、今回の県の支援策だけでは十分とは言えないとの切実な声を聞いております。ぜひ今後、国の二次補正予算なども活用しながら、いすみ医療センターを初めとする新型コロナウイルス感染症対応病院、これ、きょうも新聞に載せていただきましたけれども、医療機関はいろいろな面でさまざまな工夫をして協力しているわけでございます。その医療機関に対するさらなる支援をしていただくよう、ここは要望をしておきます。  以上で私の1回目の質問を終わらせていただきます。知事初め執行部の皆様には明快かつ前向きな答弁をお願い申し上げ、終わりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。(拍手) ◯議長(阿井伸也君) 小路正和君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) おはようございます。自民党の小路正和議員の御質問にお答えいたします。  まず、南房総における鉄道を活用した観光振興についてお答えいたします。  鉄道を活用した観光誘致についての御質問でございますが、鉄道での旅行はスケジュールが立てやすく、また車窓からの景色を楽しむことができるなど、鉄道は観光客が地域の観光地をめぐる際の重要な交通手段でございます。県では、鉄道を利用した観光需要の掘り起こしのため、平成28年度から県内を自由に周遊できるフリー切符の企画を市町村、民間事業者と連携して実施するほか、鉄道を使った旅行商品の開発について旅行会社に働きかけを行ってまいりました。今後も国の観光キャンペーンに合わせて県の観光情報誌の特集記事を組み、鉄道旅行の魅力を掲載するなど、鉄道を活用した観光客誘致に取り組んでまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。  価格が低下している高級魚の需要喚起についての御質問でございます。感染拡大による外出自粛の影響などにより、全国的に高級魚を中心に需要の減少と価格の下落が生じており、本県においても、イセエビやマダイなどの単価が昨年と比べ3割から6割落ち込んでいるところでございます。このため県では、量販店に対し県産水産物の取り扱いの拡大を働きかけるとともに、県ホームページで漁協等のネット通販サイトを紹介するなど、家庭消費の拡大に取り組んでいるところでございます。さらに、今後は学校給食に県産水産物を提供するほか、緊急的に販売対策に取り組む協議会を活用し、新しい生活様式に対応した販売方法の改善や販路拡大などに取り組み、需要喚起を図ってまいります。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。 ◯議長(阿井伸也君) 総合企画部長鎌形悦弘君。     (説明者鎌形悦弘君登壇) ◯説明者(鎌形悦弘君) 私からは外房線に関する1問についてお答えいたします。  運行本数維持及び乗り継ぎ改善等に関する御質問でございますが、JRでは令和3年春ごろ、車内の快適性の向上やバリアフリー、ワンマン運転に対応した新型車両を外房線に投入する予定であり、これに合わせて、運行区間となる上総一ノ宮駅以南において新しいダイヤが編成されることが想定されます。県といたしましても、外房線の利便性の維持向上は大変重要と考えており、今後、こうした状況も踏まえながら、沿線市町村との意見調整を図りつつ、運行本数の維持や乗り継ぎの改善について、JRに対し、しっかりと働きかけを行ってまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 健康福祉部長加瀬博夫君。     (説明者加瀬博夫君登壇) ◯説明者(加瀬博夫君) 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての1問につきましてお答えをいたします。  休業要請に応じない店舗への対応に関する御質問ですが、休業要請の対象となる店舗が営業を継続しているという情報は市町村や県民の方々から寄せられたほか、県においても現地確認やホームページ等で把握に努めてまいりました。県では、そうした店舗に対し、必要に応じ、電話等により改めて状況を確認し、営業が継続されていた場合には文書の送付や現地の訪問などによりまして、要請の趣旨や必要性を丁寧に説明して理解が得られるよう努めてきたところでございます。その上で、なお応じていただけない場合には、さらなる休業の要請や指示等を行ったところでございます。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 商工労働部長田中剛君。     (説明者田中 剛君登壇) ◯説明者(田中 剛君) 新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、中小企業再建支援金に係る商工団体との連携についての御質問にお答えします。  中小企業にとって身近な支援機関であり、また、地域の中小企業の実情に精通している商工会や商工会議所に支援金の申請手続などをサポートしていただくことは、本事業の円滑な実施に資するものと考えています。そこで県では、県内61カ所の商工会、商工会議所に本支援金制度の周知、関係書類の配布、申請書作成の支援などで協力をいただいているところでございます。今後とも本支援金を初め、さまざまな支援策を中小企業の皆様に有効活用していただけるよう、商工会、商工会議所と連携を深めてまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは農業振興に関する2問、種子条例に関する2問、農業生産基盤の整備に関する1問、野生鳥獣の被害防止対策に関する3問の計8問にお答えいたします。  まず、国の新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえた県の取り組みについての御質問ですが、国の基本計画は今後10年間の農政の指針であり、新たな計画では、規模の大小にかかわらず、多様な農業者を支援することや大規模自然災害への備えを推進することなどが特徴となっております。県では千葉県農林水産業振興計画のもと、担い手の育成や力強い産地づくり、地域の特色を生かした農村の活性化に取り組んでいるところであり、今後は振興計画の進捗状況を評価しながら、国が掲げる新たな視点も踏まえ施策を推進してまいります。  次に、スマート農業の推進に向けた方針の策定についての御質問ですが、スマート農業は省力化や生産性の向上などに寄与することから、県では推進方針を策定することとし、農業者や農協等の関係団体のほか、有識者からも意見を伺いながら作業を進めているところです。推進方針には、一人でも多くの農業者がスマート農業を実践できるよう、実用化に向けた技術開発や導入効果等に関する情報の発信、先端技術を活用できる人材の育成などを盛り込むこととしております。今後はパブリックコメントにより広く意見を伺った上で、本年秋を目途に方針を策定することとしており、あわせて推進方針に基づいて実施する具体的な取り組みについても検討を進めてまいります。  次に、種子条例の制定に関する県内農業団体等からの意見についての御質問ですが、県では、令和2年3月に種子条例の必要性について検討するため、米の生産者団体流通関係団体などから幅広く意見を伺いました。その中では、県が将来にわたって種子生産事業に取り組むことを明確にし、農家が安心して生産に取り組めるようにすること、生産者の高齢化が進む中、法的担保がない種子生産では、将来への不安から担い手の確保が困難になるなど、条例化を期待する意見を多くいただいたところです。  次に、種子条例制定に向けた作業の状況はどうかとの御質問ですが、県では、農業関係団体などからの条例制定を求める意見を踏まえ、これまで種子対策要綱に基づいて行ってきた種子供給について、条例に基づき、県が責任を持って継続していくことが適当であると判断したところです。このため、条例案の概要やこれまでの経緯をまとめ、4月17日から1カ月間、パブリックコメントを実施し、116名から意見をいただきました。現在、パブリックコメントに寄せられた意見などを踏まえて条例案の検討を進めているところであり、できる限り早期の制定を目指してまいります。  次に、いすみ市内の農業生産基盤の整備について、現在の実施状況と今後の取り組みに関する御質問ですが、いすみ市内では、県営ほ場整備事業夷隅川I期地区を実施しているほか、新規の圃場整備地区として、団体営事業岩船地区が先月採択され、県営事業桑田地区についても、現在、採択手続を進めているところです。このうち、実施中の夷隅川I期地区においては、大区画化された圃場で担い手への農地の集積、集約が進むとともに畑作物の作付拡大が図られています。また、岩船地区及び桑田地区においても農地の集積、集約化を進め、生産性が向上するよう、円滑な事業の推進を図ってまいります。  次に、イノシシ棲み家撲滅特別対策事業の実績と効果に関する御質問ですが、県では、耕作放棄地等がイノシシのすみかとなっていることから、平成30年度より地域での刈り払い活動等に対する支援を行ってきたところです。実績としては、昨年度までの2年間で、被害の多い県南部地域を中心に20市町、延べ288ヘクタールの刈り払いが実施され、これに合わせてイノシシの生態や刈り払い方法を学ぶ県主催の研修会等も開催しました。実施した地区からは、イノシシの目撃情報が減少した、防護柵設置との相乗効果で農作物被害が軽減された等の声が寄せられており、事業実施を通じて定期的な刈り払いの必要性の周知が図られたものと考えております。  次に、県内の処理加工施設におけるイノシシの処理頭数に関する御質問ですが、県ではジビエ需要の高まりを受け、イノシシの処理頭数をふやすため、国の補助事業も活用しながら施設整備を進めており、稼働施設数は、平成27年度の4カ所から令和元年度までの5年間で7カ所にふえています。また、平成29年度には、捕獲したイノシシを処理加工施設に搬入する際に義務づけていた捕獲場所での市町村職員の立ち会いを廃止し、手続の簡略化を図ったところです。こうした取り組みにより、令和元年度に県内で食肉用に処理されたイノシシは969頭と、平成27年度の231頭から4倍以上に増加しております。  最後に、房総ジビエの消費拡大に向けた取り組みについての御質問ですが、県では、飲食店を対象としたジビエ料理のコンテストやフェアを開催するとともに、衛生管理や調理方法などに関する講習会を実施し、房総ジビエを提供する飲食店の拡充に取り組んでいるところです。また、家庭においても房総ジビエを食べていただけるよう、県のホームページやメディア等を活用してジビエの特徴や料理レシピ、肉や加工品を購入できる販売店などを紹介しています。本年度は飲食店等を対象とした処理加工施設の見学会を行うとともに、リーフレットやSNSを活用した情報発信なども行い、さらに房総ジビエが消費拡大するよう取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは長生グリーンラインについての1問にお答えいたします。  長生グリーンラインは、圏央道の整備効果を外房地域に広く波及させる上で大変重要な道路であり、現在、圏央道の茂原長南インターチェンジから広域農道までの6.5キロメートルの区間で整備を進めております。去る5月28日に茂原長南インターチェンジから長南町道利根里線までの1.5キロメートルを供用したところです。残る長南町道から広域農道までの5キロメートルについては、用地取得率が約7割となっており、現在、用地の取得を進めるとともに、用地が確保できている県道茂原大多喜線までの2.5キロメートルについて、令和5年度の供用を目指し、道路改良や橋梁等の工事を実施しているところです。引き続き地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら残る用地の取得を進め、早期に全線供用できるよう事業を推進してまいります。  私からは以上でございます。
    ◯議長(阿井伸也君) 小路正和君。 ◯小路正和君 知事及び執行部の皆様におかれましては、丁寧な御答弁ありがとうございました。  それでは、何点か要望、それと再質問をさせていただきます。  最初に、長生グリーンラインについて要望いたします。  今ありましたとおり、約一、二キロメートルの開通がありました。来年はオリンピックも開催予定であり、外房地域も期待が持てるわけですが、これは用地買収はほとんど終わっているということなので、早いところ県道大多喜線まで完成させていただいて、あわせて広域農道に向けた5キロも同時に用地買収、あるいは着工に向けて急いでいただきたいと思っています。その先には茂原・一宮・大原道路、鴨川・大原道路、あるいは館山・鴨川道路、いわゆる外房連絡道、外房グリーンラインがあるわけです。これに向けて、まずは広域農道まで一日も早くつなげていただきたい。これは本当、切に思いますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、外房線について要望いたします。  新型車両投入後の外房線の運行本数維持、これはもちろん特急の今のままでということも含めてですけども、あるいは乗り継ぎの改善について、県から前向きな力強い答弁いただきました。外房線の利便性の維持向上にとって、新型車両投入に合わせ実施される次回のダイヤ改正は、ある意味ターニングポイントという非常に大切なタイミングになると考えております。県としても、JRに対する働きかけをしっかりと行っていただくよう要望いたします。次にお話しする観光の面からも、しっかりJRに対して要望していただきたいというふうに思っております。  次に、南房総における鉄道を活用した観光振興について再質問させていただきます。  県では、誘客の際には鉄道を活用しており、これからもそのようにやっていただくということをお答えいただきました。新型コロナウイルスの影響で、早春の観光地は本当に閑散といたしましたし、夏には海水浴場をほとんど開設されない状況にもあると聞いております。このような中、県にはさまざまな千葉県の魅力をPRして観光客誘致に取り組んでいただきたいところですが、鉄道の魅力も有効な観光客誘致の手段であると、私としては考えております。  そこで伺います。南房総において、鉄道を活用した観光誘致にどのように取り組んでいくのでしょうか。  次に、主要農作物の種子条例の制定について要望いたします。  我が党にも農家の方々から、将来にわたって優良種子の配布を求める声や、種子生産事業が継続されることで後継者を確保し、採種業務を安定的に実施したいという多くの声が寄せられております。現行の要綱の中で実施している種子を安定供給する仕組みを恒久的なものとするため、早急に現在の種子要綱を条例化していただくことを要望いたします。執行部におかれましては、本県農家の皆さんの声に応えるため、ぜひ9月議会での条例制定を目指し頑張っていただきたいと思っております。  次に、農業生産基盤の整備について要望いたします。  いすみ市内で夷隅川、そして岩船、桑田と着々と進めていただいており、ありがとうございます。引き続き地元の農家や市と連携して、早期に事業効果が発現するよう、計画的な事業推進を要望いたします。  次に、野生鳥獣の被害防止対策について要望いたします。  こちらもいろいろと取り組んでいただき、ありがとうございます。しかしながら、捕獲頭数に対して処理加工頭数は、現状では約5%未満ということであります。せめて全体の1割ぐらいは活用していただきたいというふうに思っております。処理加工施設そのものの充実はもちろんですけど、運搬に必要な車両の整備に対する支援のみならず、捕獲した獲物をさばく人材の育成、こういったこともお願いをいたします。  また、消費拡大の面では、旅館や飲食店などで提供される房総ジビエ料理が観光目的の1つとなり、地域の活性化につながるよう、観光分野とも連携した取り組みをお願いいたします。  次に、新型ウイルス感染症対策について、漁業問題、再質問させていただきます。  高級魚の需要喚起について伺います。  いすみ東部漁協のひき縄研究会の皆さんがサワラのブランド化に取り組んでいますが、こうした地域の特色ある魚をブランド化し、PRしていくことが需要喚起を図る上で効果的であると考えています。  そこで伺います。地域の特色ある魚のブランド化による需要喚起について、県はどのように考えていますでしょうか。  次に、中小企業再建支援金について伺います。  県は、オンライン申請について手続の簡素化に努めているようですが、自署によるサインが必要な書類があり、自署するためにわざわざ印刷しなければならない、オンライン申請でなぜ自署を求める書類があるのか、こうしたような苦情をいただいており、自署がなければ手続が簡単になるのになという切実な声を聞きます。  そこで伺います。オンライン申請で自署が必要な書類があるが、自署をなくすことはできないのか。  以上、2回目の質問とさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。 ◯議長(阿井伸也君) 商工労働部長田中剛君。 ◯説明者(田中 剛君) 南房総において、鉄道を活用した観光誘致にどのように取り組んでいくのかという御質問でございます。これまで企画しましたフリー切符では、南房総地域での利用が最も多く、鉄道を活用した誘客が有効であると考えられることから、今後も海や花、新鮮な魚介類など、豊富な観光資源を生かし、鉄道を活用した観光の魅力を積極的にPRしてまいります。  次に、中小企業再建支援金をオンライン申請する場合に自署をなくすことができないのかという御質問でございます。提出書類のうち誓約書につきましては、申請書の記載内容全てに虚偽がない旨を申請者御本人が誓約するものであり、申請者本人の意思に基づいて制作された文書であることを確認する必要があることから、オンライン申請においても、御本人による署名をお願いしているところでございます。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 農林水産部長穴澤幸男君。 ◯説明者(穴澤幸男君) 水産物のブランド化による需要喚起についてお答えいたします。  ブランド化は消費拡大に有効な手段と考えております。このため千葉ブランド水産物の認定制度などを活用し、県産水産物の需要喚起を図ってまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 小路正和君。 ◯小路正和君 ありがとうございます。それでは、最後要望いたしますけども、最初に中小企業再建支援金です。誓約書であるから自署が必要だということでありますけども、国の持続化給付金もスマホで完結します。確かに国と県とは内容が違う、行政も違うかもしれません。ですけど、先日は印鑑もオンラインの場合は要らなくなりました。せっかくこうして不眠不休で職員も、例えばカスタマーで対応してくれているにもかかわらず、実際にオンラインでやった方にしてみると、スマホで完結できるオンラインにもかかわらず、一旦どこかでプリントして、それを写真に撮って送らなきゃいけないという、非常に大変な手間であるというふうに思います。ですから、国もそうですし、せっかくオンラインで踏み込んでやっていただいたんですから、今後のこともありますので、オンラインに関しては自署を省略できるようなことを検討していただければなというふうに切に思うわけでございます。  次に、高級魚の需要喚起について要望いたします。  魚の販売促進を進めていく上で、漁協直営食堂のいさばやが食べる場のみではなくて、地域の販売促進のターミナルとなるような施策で取り組んでいくことが大切であると考えます。また、漁業者はサワラのブランド化に取り組むとともに、サワラの回遊経路の解明のため、自主的に標識放流──これ、ひれにタグをつけて放流して調査するなど、頑張っていただいております。この間も新聞に取り上げていただきましたけど、外房沖で漂流したサワラが何と瀬戸内海、淡路島、小豆島、こちらで発見されたということです。つまり外房沖へ回遊している高級魚のサワラは産卵のために瀬戸内まで行って産卵して、そしてまた回遊してくる。これ、大きな発見なんですね。学術的にも発見ですし、資源管理、今後の漁業の発展にもつながることだというふうに思います。現在、いすみ東部漁協のひき縄研究会はこれを自主的に行っているわけでありまして、こうしたことに関しても県の注目と、そして指導、御支援をお願いしたいというふうに思っております。  最後に、観光についてです。  せっかく観光の担当の方がいろいろとつくっていただきました資料を、議長にお許しいただきまして3枚つけてあります。ごらんいただければと思うんですけれども、とにかく南房総、房総半島の──これ、房総だけじゃないと思いますけども、観光地は令和元年度の台風、そして今回のコロナ危機、それによるオリンピックの延期、海水浴場もほとんど閉鎖、房総半島の盛んなお祭りもほとんど中止、あるいは延期、開かれないわけで、外房、南房総の観光は壊滅的なダメージを受けておるわけであります。もっともっと観光事業者の皆さんに寄り添い、危機感を持って観光施策を進めていっていただきたいというふうに思います。国のほうもGo To キャンペーンということで大々的なキャンペーンを張っていくわけです。もう既にそれに先立って、感染が少し緩い都道府県では独自の観光政策を持って観光割引とかを始めております。観光立県千葉ですから、知事の英断でGo To キャンペーンに先立って、ぜひ観光施策、取り組んでいただきたいというふうに思っています。  そういう中で南房総は、先ほども言いましたけど、台風、あるいは、もともとの過疎、少子化等々で大変疲弊しているところで本当にダメージを受けております。この2枚目の「南房総の鉄道等魅力マップ」をごらんいただければと思うんですが、青い太い線は房総周遊鉄道の旅が実現できるかなと思います。今回、上総一ノ宮以南、そして木更津以南に新型車両が導入されるということで、この青い線は外房線、内房線、小湊鉄道、いすみ鉄道、これ、ぐるっと回っていただきたい。こういう集客キャンペーンをぜひお願いしたいなと思っています。久留里線もございます。  黄色は道路です。小さく道の駅等々も書いてあります。これは長生グリーンラインも開通間近ということで、ぜひ房総周遊の道路。  そして、赤い線は今注目されております自転車道です。これは太平洋岸自転車道、銚子から和歌山県まで続きます。房総半島をぐるっと一周して、東京湾フェリーで神奈川のほうに行く。こうした動線を、ぜひキャンペーンに取り組んでいただいて、3枚目のラブちばキャンペーン、あるいは何年も続けてやっていただいていますサンキューちばフリーパス、これ、1泊2日ですから、鉄道道路、自転車を使って宿泊される…… ◯議長(阿井伸也君) 申し合わせの時間が経過しましたので、簡明に願います。 ◯小路正和君(続) お願いいたします。  以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯議長(阿井伸也君) 次に、鈴木ひろ子君。     (鈴木ひろ子君登壇、拍手) ◯鈴木ひろ子君 おはようございます。自由民主党、船橋市選出の鈴木ひろ子でございます。今定例議会にて登壇の場を与えてくださいました会派の先輩方、そして同僚の皆様、心より感謝を申し上げたいと思います。  また、今回の感染拡大によりお亡くなりになられた皆様並びに御遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表しますとともに、最前線で闘っている医療従事者の皆様に心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。  本日は地元船橋より、足元の悪い中、船橋市漁業協同組合の滝口組合長、明治大学校友会の大村辰夫先輩、そして自由民主党千葉県連、前女性局長でございます大矢敏子市議会議員も傍聴にお越しくださっています。地元の大先輩の前で緊張しておりますが、早速質疑に入らせていただきたいと思います。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  先日、千葉県は地域防災計画の見直しを行い、昨年の台風15号の教訓を踏まえ、初動から最悪の事態を想定して行動することを基本理念に定めました。台風15号については、検証に当たった外部有識者から初動のおくれが指摘され、市町村に対する備蓄支援についても、地元自治体が取りに来れば渡せるという対応に切迫感が欠けていたという厳しい指摘を受けています。今回定められた基本理念は自然災害だけでなく、新型コロナウイルス感染症対策にも通じる危機管理の基本であると考えます。知事は今定例議会の冒頭で、新型コロナ感染症の第2波に備え、万全の体制を整えると述べられています。そのためには、県内初の感染者が出てから緊急事態宣言が解除されるまでの一連の県の対応を振り返り、教訓をどの程度生かせたのかを分析することが次の備えにつながると考え、その視点で質問をさせていただきます。  まず、北総育成園で発生した大規模クラスターについて伺います。  北総育成園は、船橋市が香取郡東庄町に設置した知的障害者入所施設であり、指定管理者である社会福祉法人が開所当初から長年にわたり運営をしています。3月28日に集団感染が確認され、入所者70人のうち54人、職員67人のうち40人が感染し、横浜港に停泊したダイヤモンドプリンセス号の集団感染を除くと、国内最大級の大規模クラスターとなりました。3月31日に県職員を本部長として、千葉県、船橋市、そして運営法人を中心とする支援対策本部が設置され、一丸となって支援。5月14日に本部を解散するまでの間、地元である東庄町長を初め町役場、町民の皆様、そして旭中央病院の関係者の皆様には多大な御協力をいただきましたことを、この場をおかりして心より感謝申し上げたいと思います。  この北総育成園の事例で特筆すべきは、対応が困難な問題が重層的に起きたという点です。利用者の治療については、知的障害の特性により環境の変化への対応が難しいことから、重症者以外は医療機関ではなく、施設内で治療、療養を行うことになりました。その一方で、感染していない入所者を感染させないために区分けをして対応。法人職員の大半が感染してしまった中で、生活介助については、設置者である船橋市が職員を派遣。現地に宿泊場所を確保して、市役所の職員がゴーグルと防護服を着て食事などの介助に当たりました。また、物資の不足も当初は大きな問題で、民間の法人内の備蓄では、これほどの大規模感染には対応できず、また、千葉県が派遣した医療従事者のガウン等の医療物資も不足し、船橋市の備蓄で対応いたしました。全国的な感染拡大では、備蓄がなければ、予算があっても物が手に入らないという想定外の事態も起こります。これが民間の社会福祉施設だったらどうしたのか。人的・物的支援のあり方や課題が浮き彫りになったと考えます。  そこで伺います。今後、民間の障害者施設で大規模クラスターが発生した場合、どう対応するのか伺います。  次に、情報提供のあり方について伺います。  緊急事態宣言が発令されてわずか1週間後の4月14日、新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望が千葉県市長会、千葉県町村会の連名で千葉県に提出されました。要望項目の最初に書かれていたのが県と市町村の情報共有・緊密な連携についてで、市町村の感染拡大防止につながる詳細な情報を積極的に提供すること、そして千葉県が調査中、あるいは実施予定と公表したものについては、調査後や実施後の情報について、詳細かつ早期に公表することなどが要望事項に挙がっています。確かに県の発表は、保健所設置市と比べて陽性患者の属性等の項目も少なく、調査中としたものについてのフォローアップもありません。所管に伺ったところ、情報発信については、特に遅いという認識はなく、情報の内容も十分かつ適正であり、個人情報の観点から今後も多くの情報を公開する予定はないとのことでした。  また、4月上旬に県内の空床が約130床あると報道された際、その空床がどの地域のものなのかが開示されず、陽性患者の受け入れ先の調整に苦慮し、医療崩壊を招きかねなかったことから、医療機関別の空病床数の随時開示や自治体別の医療資材等の在庫状況など、自治体が活用できる情報を提供するとともに、各自治体や医療機関が感染者等への対応に集中できるよう県の役割を果たしてほしいという切実な要望もありました。大切なことは、県内の感染者を一人でも少なく抑えることだと思います。そのためにも住民の声を直接受けている市町村の要望を反映し、十分な情報を速やかに提供する必要があるのではないでしょうか。  そこで伺います。感染者の情報について、県はどのような考え方に基づいて公表しているのか。また、市町村へはどのように情報提供をしているんでしょうか。  続いて、軽症者受け入れのための宿泊療養施設の確保について伺います。  船橋市では、4月の下旬には医療崩壊に対する危機感が一層高まり、医師会の全面的な協力のもと、症状に応じた患者の受け入れをルール化し、同月30日から、市内のホテルにおいて軽症者及び無症状感染者の宿泊療養を開始しました。保健所設置市である船橋市はホテルの確保も可能でしたが、県のスキームに入れてもらわなければ国の交付金の対象にならないことから県にお願いをさせていただきましたが、県の認識は、県内全域で考えれば受け入れは十分可能で足りているというものでした。ホテル確保については、入所される県民が入りやすいよう、また病院の負担軽減の観点からも、県下の感染者の分布を踏まえ、生活圏域や保健所の圏域を考慮して確保されるべきではないでしょうか。また、県が確保した成田のホテルでは、当初自宅からの軽症者、無症状感染者の受け入れはせず、病院からの転院のみを受け入れていたと伺い、運用についても疑問が残ります。  そこで伺います。軽症者等を受け入れる宿泊療養施設はどのように確保を進めたのか。また、当初自宅からの軽症者等を受け入れなかったのはなぜなのでしょうか。  続いて、障害者への支援について伺います。  先日行われた障害者支援団体のアンケートによりますと、新型コロナウイルス感染拡大で視覚・聴覚障害者の7割が買い物や健康管理など生活に不便を感じ、5割がコミュニケーションに不安を抱いているという調査結果が出ました。視覚障害者からは、盲導犬はあいているスペースに入っていく習性があるのでソーシャルディスタンスがとりづらい等の意見があり、また聴覚障害者の皆さんからは、ソーシャルディスタンスで筆談をお願いしづらい、相手の表情や口の動きで言葉を読み取るのにマスクで読み取れないなどの意見が出されています。経済状況や雇用、学習について不安を訴えた方も約54%に上り、障害者の方々が大きな不安を抱えていることが浮き彫りになりました。国が5月4日に公表した新しい生活様式の実践例では、一人一人の基本的感染対策や日常生活を営む上での基本的生活様式などが示されました。新しい生活様式のもとにおいても、障害者が安心して生活できる社会を実現することが大切であると、そのように思います。  そこで伺います。新しい生活様式のもと、障害者が生活に困らないよう、県としてどのように取り組んでいくんでしょうか。  続いて子供の福祉について、最初に児童相談所の強化に向けた取り組みについて伺います。  まずは冒頭に、市原市の虐待事件で亡くなられたお子様の御冥福をお祈り申し上げます。  本県では、平成29年12月に策定された千葉県子どもを虐待から守る基本計画が全面的に見直され、本年6月に発表されました。現在千葉県では、千葉市が市単独で児童相談所を既に保有しており、加えて私の地元であります船橋市並びに柏市も児童相談所設置の意向を示しています。中核市の児童相談所設置の例は全国でも3例しかありません。中でも、とりわけ人材の確保については各市が苦慮するところで、児童相談所に必要な児童福祉司や児童心理司、特に指導的役割を担うスーパーバイザーの確保など、専門的知識や経験値の高い人材の確保は非常に難しい状況にあります。平成31年には、中核市市長会から中核市における児童相談所の設置に関する緊急要請が国に出され、設置の後押しとなる十分な財政措置や専門的人材の育成、確保に係る支援の充実を求めています。  そこで伺います。船橋市が児童相談所を設置するに際し、県との連携や支援について、県はどのように考えているんでしょうか。また、人材確保への支援や連携についてはどうか伺います。  続いて、船橋市が児童相談所を設置した後の県との連携や支援、情報共有について伺います。  千葉県児童相談所の管轄区域の見直しについては、1カ所当たりの管轄人口が全国平均を大きく上回っている現状を改善するため、県の児童相談所を2カ所増設するということで、県社会福祉審議会から新たな管轄区域について答申が出されました。現在、児童相談所を設置している千葉市に加え、設置の意向を示している柏市、船橋市で児童相談所が設置されると、県内に4つの自治体が並立した形で、それぞれ独立した権限を持って児童相談所を運営するという、全国でも例のない状態になります。県全体で児童相談所の機能が充実することは大変喜ばしいことですが、懸念するのは行政間の縦割り意識や押しつけ合いです。子供の命にかかわる難しい業務を担う上で管区をまたがる問題も多く、また、県全体の虐待防止に対する取り組みを強化している中で、人口比率の高い3市のデータや情報を統一せずに進めることが果たして県全体の取り組みとして十分と言えるんでしょうか。  また、そのデータも、今回の新型コロナウイルスの際でもそうでしたが、そもそも同じ基準でとらなければ県のデータとして一元化することが難しくなります。県内で4自治体が並立の関係となれば、千葉市1市と連携するのとは状況が変わります。4自治体の連携や情報の共有の仕組みの構築は不可欠で、また、まとめ役という意味でも県の果たす役割は極めて重要であると考えます。  そこで伺います。船橋市が児童相談所を設置した後の県や児童相談所を設置する県内3自治体との連携や支援、また一括した情報の共有について、県はどのように考えているんでしょうか。  続いて、社会的養護の推進について伺います。  千葉県子どもを虐待から守る基本計画には里親制度の推進が明記されています。欧米では、国が養育費を負担し、個人で預かり養育してもらう里親制度が一般的ですが、一方の日本では、社会的養護の80%を施設に頼っており、社会的養護を養護施設に頼っているのは、先進国では日本だけです。2017年に三重県の児童養護施設で子供間の性被害が明るみに出たことをきっかけに、厚労省は初めて児童養護施設内での性被害について全国調査をしています。その問題の深刻さは受けとめていますが、依然として約80%の子供が施設で養育されているというこの現実は子どもの権利条約違反であり、日本は国連からも改善勧告を受けています。  そこで伺います。里親委託を推進するための課題は何だと考えるのか。また、県は推進に向け、今後どのように取り組んでいくんでしょうか。  続いてもう1問、社会的養護の推進について伺います。  社会的養護において大きな役割を担っている児童養護施設ですが、入所する子供の多くは、目撃を含めた暴力の反復や養育者の頻繁な交代による保護的養育の欠如等の影響で強いトラウマを抱え、あえて社会を試すように思いもよらない言動や問題行動を繰り返し、里親でうまくいかずに施設に戻ったり、あるいは里親や施設の職員からさらなる虐待を受ける被措置児童虐待も問題視されています。子供が親から、里親から、そして施設からと虐待されるという虐待の連鎖から抜けられなくなる事態は何としても避けなければなりません。  そこで伺います。里親という受け皿が十分でない現状において、児童養護施設における家庭的な養育環境の実現や専門性の向上に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか、伺います。  次に、国道14号船橋市宮本地先における歩道橋の移設について伺います。  これは船橋市でも平成8年から20年にわたり解決できないままになっている問題で、本日傍聴にお越しの大矢市議も、この問題に対し長年にわたり取り組んでおられます。国道14号に面している京成船橋競馬場駅の南口駅前には横断歩道がなく、船橋方面に200メートルほど進んだところの交差点に設置された歩道橋を利用しないと国道を渡ることができません。そのため、遠回りを避けて交通量の多い国道14号を乱横断する利用者が後を絶たず、事故が多発しています。しかも、その歩道橋にはエレベーターもスロープもなく、そもそも駅の南口にもエレベーターがないため、ベビーカーや車椅子の利用者は、反対側の北口からエレベーターで地上におり、4線路をまたぐ踏切を渡り、歩道橋よりさらに離れた横断歩道を2回渡らなければ、国道14号を横断することができません。また、そこは地元小学校の通学路にもなっており、4線路の幅員の狭い踏切をベビーカーや児童生徒が車をかすめながら横断して非常に危険です。船橋市としては一刻も早い移設を望んでいますが、エレベーターの維持管理費の負担の問題で長い間協議が続いていると聞いています。県からは、既設の歩道橋を船橋競馬場駅の近くに移設するとともに、エレベーターを併設する計画が示されたことから地元の期待も高まっており、その進捗が気になるところです。  そこで2問伺います。  国道14号船橋市宮本地先における歩道橋移設の進捗状況はどうか。  また2問目として、今回は移設ということで既存の歩道橋は撤去されるということですが、既存の歩道橋が移設された際、もとの場所に横断歩道を設置することについて、県警の考えはどうか伺います。  続いて、東京湾の漁業について伺います。  私の地元であります船橋市は東京湾に位置し、スズキやホンビノス貝など漁業も盛んに行われていますが、東京湾の海底には、過去の湾岸の埋め立てに用いられた土砂の採掘によってできた深掘部と言われる大きな穴があり、漁業者はそこをかわしながら操業しなくてはならず、急に深くなっているため、夏場には低酸素の海水がたまりやすく、魚や貝がいなくなるなどの影響が出ていると伺っています。  そこで県は、千葉港や東京港から発生する水底土砂を利用して、この深掘部を漁場として利用できるよう埋め戻しをしており、この埋め戻しでは、東京都から1立米1,000円の漁業協力金を受け、おおむね4分の1を千葉県が、残りは漁業振興基金や漁連が受け、千葉県はこれについて東京湾の漁業振興に使うものとしていますが、一般財源で受けています。  そこで2点伺います。
     まず、東京湾の深掘部の埋め戻しの状況はどうか。  そして2問目として、東京湾の漁業振興に関する漁協等の取り組みに対し、県はどのような支援をしているのか。  以上を第1問といたします。御答弁をよろしくお願いいたします。(拍手) ◯議長(阿井伸也君) 鈴木ひろ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 自民党の鈴木ひろ子議員の御質問にお答えします。  支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。  新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。  民間の障害者施設で大規模クラスターが発生した場合の対応についての御質問でございます。民間の障害者施設で集団感染が発生した場合、施設を運営する事業者だけで対応するのは困難であると考えております。そのため県では、クラスターが発生した施設において、さらなる感染拡大を防止するとともに施設機能を維持するため、医療従事者等を派遣することとしています。また、衛生用品についても、施設等におけるクラスター対策として、6月補正予算に防護資材の購入費用を計上したところであり、今後、国から配布される物資と合わせて、必要な施設に供給できるように努めてまいります。  新型コロナウイルス感染者情報の公表及び市町村への情報提供に関する御質問でございます。感染者に関する情報提供については、厚生労働省から基本方針が示されており、この中では、感染症による健康リスクが個人や社会に与える影響を最小限にするため、感染症の発症状況等に関する情報を積極的に公表する必要があるとされている一方で、個人情報の保護に留意しなければならないとされております。県では、この方針に基づき年代、居住地、発症日、主な行動歴などについて報道発表するとともに、県ホームページを通じて速やかに公表をしています。また、市町村に対しては、その都度、感染者に関する情報を提供するほか、週ごとの入院者数、退院者数などについても提供をしているところでございます。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。 ◯議長(阿井伸也君) 健康福祉部長加瀬博夫君。     (説明者加瀬博夫君登壇) ◯説明者(加瀬博夫君) 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての1問と子供の福祉についての4問、計5問につきましてお答えをいたします。  まず初めに、新しい生活様式における障害者の生活に対する県の取り組みについての御質問でございます。新しい生活様式の実践が求められる中で、例えば聴覚障害のある方にとっては、マスクで口元の動きが読み取れない、視覚障害のある方にとってはソーシャルディスタンスの確保が難しいなど、障害のある人は日常生活上のさまざまな不安や不便を感じていると認識をしております。このような不安等を解消するには、障害のある人への積極的な声かけや感染防止措置を講じた上での筆談による対応など、周りの方々による配慮が重要と考えます。県といたしましては、今後も店舗や事業所への戸別訪問、民間企業への講演などを通じまして適切な配慮を呼びかけるとともに、生活様式が変化し困っている方々の話をよく聞いて適切な支援方法等を検討してまいります。  次に、児童相談所における県との連携、支援等に関する御質問でございます。船橋市への児童相談所の設置は、身近な地域における子育て家庭への切れ目のない支援の実現につながるものと考えており、県としても設置に向け、積極的に協力していく必要があると認識をしております。このため船橋市からの要請により、平成27年度から今年度までに市職員13名を研修生として児童相談所に受け入れて人材育成の支援を行ってきたほか、児童相談所の設置に向けたスケジュールや人材確保等について定期的に意見交換を行っているところでございます。  次に、児童相談所設置後の県内3市との連携、支援等に関する御質問でございます。県全体で児童虐待の防止に全力で取り組む上でも、政令市や児童相談所の設置に向けた準備が進められている中核市との連携や支援は重要であると認識しております。このため児童相談所の設置後におきましても、全体のスキルアップを図るための合同研修の実施や所長会等の各種会議での情報交換、そのほか、虐待の動向などの統計データ等の情報共有等を引き続き行っていきたいと考えております。今後とも業務が円滑に進められるよう、政令市や中核市との連携を深め、県として必要な協力支援を行ってまいります。  次に、里親委託の推進に関する御質問でございます。里親委託につきましては、里親制度の社会的認知度が低く、新規委託可能な里親が少ないことや、虐待による心理的影響や発達障害などにより児童が抱える問題が複雑化し、委託が困難なケースがふえていることなどの課題がございます。千葉県子どもを虐待から守る基本計画では、令和11年度までに里親委託率を40%までに引き上げることを目標に定めたところであり、里親制度の広報啓発や養育技術の向上、里親の支援体制の充実により一層取り組む必要がございます。そのため、里親家庭への訪問による助言指導や各種研修の開催などの取り組みを進めるとともに、今年度の新たな取り組みといたしまして、里親制度を周知する県民向けの動画の作成や、里親担当の児童福祉司の児童相談所への配置による養育相談の充実に取り組むこととしております。  最後に、児童養護施設における家庭的な養育環境の実現と専門性の向上に関する御質問ですが、千葉県子どもを虐待から守る基本計画におきましては、児童養護施設にあっても、より家庭に近い養育環境を実現するため、施設の小規模化、地域分散化を進めることとしております。また、虐待などの不適切な養育によりトラウマなどの問題を抱える子供や、ケアニーズが高く、養育に高度な専門性が求められる子供の生活の場として、さらなる専門性の向上を図ることとしております。このため、施設の小規模化促進のための施設整備の補助金の確保、看護師配置への支援、各種研修による職員の人材育成等に引き続き取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。     (説明者渡辺真俊君登壇) ◯説明者(渡辺真俊君) 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての1問につきましてお答え申し上げます。  宿泊療養施設の確保及び自宅からの軽症者等の受け入れについての御質問ですけれども、県では、宿泊療養施設の確保に当たり、施設1棟を借り上げられること、一定規模の部屋数があること、支援する職員の安全確保のための区画管理がしやすいことなどを勘案し、県内の感染者の発生状況等も踏まえ、県内に6カ所の宿泊療養施設を確保いたしました。  なお、宿泊療養は入院治療を要する方々の病床を確保するための施策であることから、当初は入院後に症状が軽快し、入院治療を続ける必要がなくなった方々について、宿泊療養施設に移っていただくこととしていました。その後、軽症者等の方々について、宿泊療養を基本とするよう国の方針変更があったことを踏まえ、自宅から直接、宿泊療養施設への受け入れも行っています。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは東京湾の漁業に関する2問にお答えします。  東京湾の深掘部の埋め戻しについての御質問ですが、浦安市沖から千葉市沖にある深掘部は、周辺の海底地盤より著しく深くなっていることから漁業の操業に支障があり、また、夏季には水中の酸素が減少し、水産生物が生息しにくい環境となっています。県では、漁場としての機能改善を図るため水産関係団体と協議の上、県内港湾及び東京港のしゅんせつ工事から発生した良質な水底土砂による埋め戻しを行っております。これまで深掘部9カ所のうち5カ所の埋め戻しが完了しており、現在、浦安沖、幕張沖の2カ所で埋め戻しを実施しております。  次に、東京湾の漁業振興に関する漁協等への支援についての御質問ですが、東京湾では、ノリ養殖、貝類漁業のほか、まき網や小型底びき網漁業など多様な漁業が営まれていますが、近年、海水温の上昇など、環境の変化に伴い漁獲量が減少しており、厳しい状況が続いております。このため県では、ノリ養殖の収益力向上を図る共同加工施設の整備や貝類資源の回復に向けた干潟の保全活動のほか、漁業操業の支障となる海底障害物の除去など、漁協等が行う取り組みに対し支援しているところです。引き続き資源の維持増大や収益性の高い漁業経営の実現に向けた漁協等の取り組みに対し、地元市及び水産関係団体と連携しながら支援してまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは船橋競馬場駅前歩道橋設置についてのうち1問にお答えいたします。  国道14号における歩道橋の移設についての御質問ですが、国道14号の船橋市宮本地先においては、交通集中による渋滞が発生しているとともに船橋競馬場駅の利用者も多いことから、安全で円滑な交通と歩行者の安全を確保するため、670メートルの区間で交差点改良と歩道拡幅、横断歩道橋の移設を進めております。横断歩道橋につきましては、移設後、駅舎に直結させる計画としております。また、これに合わせてエレベーターの設置要望があることから、要望者である船橋市と協議を続けているところです。今後、鉄道事業者と調整を図り、横断歩道橋の設計を今年度完了させ、引き続き工事に着手する予定でございます。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 警察本部長早川治君。     (説明者早川 治君登壇) ◯説明者(早川 治君) 私からは船橋競馬場駅前歩道橋について、既存の歩道橋が移設された際、もとの場所に横断歩道を設置することについての御質問にお答えをいたします。  御指摘の歩道橋が設置されている交差点につきましては、国道14号習志野方面から国道357号方向へ左折する車両が大変多いことを踏まえまして、交差する道路の信号機の青表示と同時に、国道14号についても、左折のみ青表示とする信号運用を行っているところでありますが、現在、歩道橋が設置されている箇所に横断歩道を設けた場合は、このような運用は困難となります。したがいまして、御指摘の歩道橋が移設された際に、もとの設置箇所に横断歩道を設けることにつきましては、現在の信号運用を変更することにより渋滞の深刻化が予想され、また歩行者等の安全確保方策についても改めて考慮を要するなどの課題があり、その適否については慎重に検討する必要があると考えております。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 鈴木ひろ子君。 ◯鈴木ひろ子君 知事初め関係部局の皆様、御答弁ありがとうございました。何点か再質問と要望をさせていただきます。  まずは新型コロナウイルス感染症対策についてですが、最初に北総育成園の対応についてです。これについては、第2波に備えて、次は県にしっかりとしたリーダーシップをとっていただくためにも、現場での今回のそれぞれの動きを時系列で1本にまとめ、改善点を挙げておくなど、当事者意識を持って備えていただくことを要望したいと思います。  そして、情報提供については再質問をさせていただきます。  県の保健所では、既にデータの集計で、船橋保健所に発症届を出した男性が市川市民で、船橋市がそのデータを県に送ったところ、県の集計から漏れていたという情報管理の不手際が数件生じていたことが報道されています。感染拡大が続く地域を管轄する保健所は、住民からの問い合わせが殺到するほか、PCR検査の対応、自宅、また宿泊療養者の対応など、さまざまな業務に忙殺されており、船橋市では、延べ100人の職員を保健所に増員することで対応しました。  そこで伺います。保健所がない多くの市町村にとっては、保健所からの情報が頼りです。保健所の情報担当者など、増員体制で臨む必要があったのではないでしょうか。再質問として伺います。  続いて宿泊療養施設の確保についてですけれども、今後もあいたところをある意味ランダムに抑えるというやり方では、自宅療養者をふやす結果につながりかねません。また、患者がいるのにベットが空床という事態が進む可能性もございます。自宅療養は家族への感染リスクもあり、船橋市も市の医師会も宿泊療養を推奨していました。また、ホテル療養は過剰な空床をつくらない調整機能にもなります。  そこで伺います。自宅療養者に対して宿泊施設での療養を促すために、県はどのように対応したんでしょうか、伺います。  続いて障害者支援についてですが、要望させていただきます。企業などへの呼びかけとともに、障害者の皆様の話を聞きながら支援方法を検討していくという御答弁でありましたけれども、きめ細やかに取り組んでいただいているようですが、御答弁にあったように、当事者である障害者の皆さんへの支援に合わせてとても重要なのが、健常者の皆さんへの啓発であると思います。例えば盲導犬が習性上、すき間にどんどん入り込んでソーシャルディスタンスがとれなくなってしまうことも、多くの健常者が認識していれば、こちらから距離をとることなど、配慮を差し出すことが可能です。今後も引き続き当事者団体、関係団体だけでなく、広く社会へ周知をしていただくことを要望したいと思います。  続いて、社会的養護の推進について要望させていただきます。  今回の計画では、家庭的養育の推進についても重く受けとめられております。実現には難しい点がたくさん出てくると思いますが、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  また、日本で里親制度が進まない背景には、里親の支援体制が整っていないことが挙げられると考えます。非常に難しい子供と向き合うにもかかわらず、日本では里親自身に対するサポートがほとんどありません。また、虐待やネグレクトでさまざまな精神状態を抱えて入ってくる子供たちには専門的で精神的な治療的養育が必要で、厚労省は社会的養護について新しいビジョンを発表していますが、現状で里親をふやせば、逆に虐待をふやしてしまう可能性も考えられます。日本では子供の保護から家族の支援までを児童相談所が受け持ちますが、欧米では、施設は治療的養育をする場所で、家族の支援機関と子供の保護は切り離し、傷ついている子供たちに対し、専門的に対応できる仕組みを構築している例が多く見受けられます。保護される子供たちが安心し、自分らしく生活できる環境を整えるためには、児童相談所の機能強化とともに、社会的養護についても、より一層取り組んでいただくことを要望したいと思います。  続いて、船橋競馬場駅前歩道橋の移設について要望をさせていただきます。  この歩道橋については、渋滞の緩和の観点、通学路の危険の回避の観点からも重要な移設工事になります。T字型の交差点の改良を行いつつ、歩道橋とあわせて一体的な工事をしていただきたいと思いますが、この歩道橋が移設されたとしても、同時にエレベーターが設置されなければ、駅反対側のエレベーターを利用して大きく遠回りをしなければならないという現状は変わりません。渋滞の緩和だけでなく、大型マンションの乱立や駅前の保育園の新設、また、ららぽーと等の商業施設の拡大に伴う利用者の増加、さらに船橋競馬場のリニューアルが控えており、エレベーターの必要性の高さは、もはや言うまでもありません。まずは本年度中に設計を完了させ、早期に船橋市と協議を調えた上で、エレベーターについても同時に建設され、一刻も早く供用開始がかないますことを強く要望させていただきたいと思います。  続いて、東京湾の漁業について要望させていただきます。  東京都からの漁業協力金のうち、およそ半分が漁業振興基金に入っているということでありましたけれども、一般財団法人千葉県漁業振興基金は、県が約4割を出捐する公共的な団体であり、また県の指導対象団体であります。運営には公平性や透明性が求められるもので、基金についても、引き続き各地域の問題をきめ細やかに把握し、漁協等の取り組みに応じた支援をしていくよう県も協力し、指導していただくことを要望したいと思います。  また、千葉県は広く、その漁業の種類も豊富です。内房、外房、そして東京湾と、それぞれ抱える問題もニーズも違います。今回の質問では新型コロナウイルス感染症対策の質問の際にも申し上げましたが、県内の問題を県全体として捉えるだけでなく、エリアに分けて考える必要もあると思います。また、東京湾では青潮が大きな問題になっていますが、海は市町村で区切ることができないものです。だからこそ、やはり県のリーダーシップを発揮していただき、より一層の漁業振興を進めていただくことを要望したいと思います。  以上、再質問とさせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。 ◯議長(阿井伸也君) 健康福祉部長加瀬博夫君。 ◯説明者(加瀬博夫君) 保健所の情報担当者の増員に関する御質問でございますが、保健所につきましては、保健師等の臨時職員の増員や本庁等からの保健師、事務職員等の派遣に加えまして、保健所内の職員応援により、情報提供も含め、必要な機能を確保できるよう体制強化を図ってきたところでございます。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。 ◯説明者(渡辺真俊君) 自宅療養者に対し宿泊施設での療養を促すため、どのように対応したのかとの御質問でございますけれども、自宅療養者に対しては、管轄の保健所が療養者の毎日の健康状態を確認する中で宿泊療養の必要性を説明し、宿泊施設での療養を促してきたところです。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 鈴木ひろ子君。 ◯鈴木ひろ子君 ここまで新型コロナウイルス感染症対策についてさまざま御質問させていただきましたが、最後に要望をさせていただきたいと思います。  まず、情報の提供についてでありますけれども、今回の新型コロナウイルスはワクチンも治療薬も発展途上であり、治療法が確立しているこれまでの感染症とは全く状況が違うというふうに私は考えます。感染が拡大した市町村では、とにかく一刻も早く情報が欲しかった。それを、これまでのほかの感染症と同じように情報を公表して対応することが本当に適正と言えるんでしょうか。市町村の認識との乖離はないのか、よく吟味していただき、改めて迅速、詳細に応えるような体制整備を整えていただきたい。そこを要望させていただきたいと思います。  また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で国からの財政措置はあるにしても、県でも財政支出が大幅にふえ、財政状況はこれまで以上に厳しくなっています。自民党の代表質問で中沢議員もおっしゃっていましたが、まさにアクセルとブレーキで、今後は税収の減少、また、景気に関係なくふえる社会保障費にも目を配りながら財源確保に努めていただくとともに、歳出の抑制も図ることで持続可能な行政運営を進めていただくとともに、また、その一方で、まずはコロナ対策を県民の立場に立って、市町村の立場に立って、きちんと財政措置も含めて迅速かつ、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ◯議長(阿井伸也君) 暫時休憩いたします。         午前11時34分休憩        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午後1時0分開議 ◯副議長(今井 勝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により小高伸太君。     (小高伸太君登壇、拍手)
    ◯小高伸太君 皆さん、こんにちは。本日は千葉県商工会連合会、和泉会長、そして同志の皆様方の傍聴をいただき、まことにありがとうございます。  また、オンライン中継で応援している皆様、そして何よりも、この質問の機会を与えていただきました同志議員の皆様方に感謝を申し上げ、順次通告に従い、質問をさせていただきます。  初めに、移住、定住の促進についてお伺いします。  今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための取り組みとして、在宅勤務やサテライトオフィス勤務等の実施が進んでおります。民間の調査によれば、企業のテレワーク実施率は、ことし3月上旬の時点で17.6%であったものが、5月上旬には55.9%と大きく上昇しています。また、このような状況の中、就職情報会社による別の調査によれば、テレワークが浸透したことで若者の地方への転職希望者が増加したとの結果も出ており、テレワークの推進は感染症対策のみでなく、地方への移住促進という効果も期待できるところです。例えば都内の企業に週1日から2日出勤するという勤務形態であれば、県南部や北東部に自宅を構えたいという方がふえてくるのではないかと期待されます。勝浦市におきましても、廃校になった小学校を改修した勝浦テレワークセンターが平成29年度に開設されました。目の前が海という絶好のロケーションで仕事ができる環境にあることから、市内外から注目を浴びており、今後ますます活用していただけるものと考えます。新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまでになく社会、経済に多大な影響を与えましたが、新たな生活様式への流れも起こっており、今回のピンチをチャンスへと転換して進んでいかなければなりません。  そこでお伺いします。テレワーク普及の機会を捉えて、移住、定住の促進にどのように取り組んでいくのか。  夷隅郡を初めとする本県南部及び北東部は、温暖で過ごしやすい気候にあり、豊かな自然に囲まれ、多くの観光資源に恵まれておりますが、その一方において、地域における雇用の場が少ないなどのことから人口の減少が進んでおります。移住、定住を促進するためには、地域に生活の基盤となる雇用の場を創出していくことが大変重要な鍵となっております。県では、このような郡部の市町村と連携して、廃校となった小学校などの空き公共施設を活用した企業誘致を推進しているところです。空き公共施設は、ともすれば地域の活力低下の象徴となりかねませんが、こうした施設を地域活性化の拠点としてリノベーションし、活用を図ることは、人口減少が進む郡部において働く場所を創出し、移住・定住者や交流人口を増加させ、地域経済に活力を取り戻していく取り組みとして大変効果的であると考えます。  また、これを機に、3密の発生しやすい都市部に住み通勤するのではなく、テレワークを活用することで東京を離れ、自然豊かな地域で暮らすといった新しいライフスタイルが注目されつつあります。そんな今だからこそ、このようなトレンドを的確に捉え、企業誘致を進めていくことが大変重要と考えております。特に東京に隣接する本県においては、こうした新たなトレンドの受け皿として非常に優位性が高いのではないでしょうか。  そこでお伺いします。地域の雇用を創出するため、空き公共施設を活用した企業誘致が効果的と考えるが、これまでの実績はどうか。また、今後どのように取り組んでいくのか。  次に、商工・観光振興についてお伺いします。  勝浦市は東京から特急わかしおで90分。リアス式海岸の鵜原理想郷やかつうら海中公園、新鮮な海の幸など、さまざまな海の魅力にあふれています。また、市街地から少し車を走らせると豊かな里山が広がっており、山のレジャーも楽しむことができます。こうした魅力が人気で、県内外から多くの観光客が訪れます。ことしはコロナ禍を受け、例年、十数万人の人出があるかつうらビッグひな祭りが中止になりました。また、400有余年の歴史を誇り、市民の生活の支えはもとより、数多くの観光客が訪れる朝市も人出が大幅に減るなど、深刻な影響が出ております。本県観光全体がこうした状況になっており、県の調査によれば、4月の観光客の入り込み状況は、観光施設では県全体で対前年同月比89.3%の減少、宿泊施設では95.5%減となっております。  このように観光事業者の皆様は非常に厳しい状況にあり、一刻も早く誘客に取り組んでいく必要があります。緊急事態宣言が解除されたことにより、世の中の雰囲気は観光ができる方向に少しずつシフトしてきていると思います。国においては、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を公表しており、新型コロナウイルス収束後のV字回復フェーズにおいて、大幅に落ち込んだ消費を喚起することをうたっており、観光に関して言えば、官民一体型の消費喚起キャンペーン、Go To キャンペーンがその中心的な役割を担ってきます。県としては、この流れをしっかりと捉えることが重要であると考えています。  そこでお伺いします。国が実施するキャンペーンにより、つくり出される国内の人の流れをどのようにして県内に取り込んでいくつもりなのか。  次に、商工団体への支援について1点要望をいたします。  商工会、商工会議所などの商工団体は、日ごろから経営や金融、労務等の各種支援を行うなど、中小企業にとっての身近な相談機関、支援機関として重要な役割を担っています。特に近年は、従来の経営相談や指導に加えて、小規模事業者に寄り添い継続的な支援を行う、いわゆる伴走型の経営支援や事業承継支援、地域の商工業振興のためのイベント企画、運営など、求められる業務が多岐にわたっています。さらに、昨年の台風による被災中小企業支援や新型コロナウイルスに関する経営相談対応など、多くの業務が発生しており、特に商工会においては、このような業務を少人数でこなしているのが実情です。  そのような中、これらの支援や業務を推進、継続していくためには、商工団体の組織強化に向け、とりわけマンパワーを十分に確保することが大変重要であります。商工団体は、本県地域経済支援のかなめです。県におかれましても、中小企業支援を充実させるため、商工団体に対するより一層の支援を要望いたします。  次に、外房線の利用促進について伺います。  勝浦市を初めとした外房地域は、昨年秋の台風により、長期にわたる停電や断水、土砂崩れによる道路の分断などの影響を受け、今も大きな爪跡が残っています。ちょうどこの時期は秋の観光シーズンでもあり、地元の観光産業にとっても大打撃となりました。そして年が変わり、春の観光シーズンに向けて復興への歩みを始めていたやさき、今度は新型コロナウイルスの猛威に襲われました。先ほども触れましたが、特に4月の緊急事態宣言以降は、外出自粛要請によって、地域の観光施設や宿泊施設は閑古鳥が鳴く大変厳しい状況が続いています。今後は新たな生活様式も取り入れながら、しっかりと経済活動を再開していく必要がありますが、その火つけ役となるのが、私はやはり観光であると思います。  観光の振興を図っていく上では、人の流れをスムーズにする交通インフラが大変重要であり、JR外房線は、その大きな役割を担っています。近年では、JRにおいても、自分の自転車と一緒に乗り込み、降車先でサイクリングを楽しんで帰路につくことができる自転車愛好家向けの専用列車B.B.BASEの運行など、新しい観光の提案や利用促進に取り組んでいただいているところです。コロナ禍を乗り越えていくためにも、今後はこれまで以上に外房線をうまく活用しながら外房地域の観光振興につなげていくといった視点が重要であり、JRと地域との連携強化により、外房線の利用促進と地域活性化の好循環を生み出す取り組みを推進する必要があると思います。  そこで伺います。外房地域の活性化を図る観点から外房線の利用促進が重要と考えるが、県として、どのように取り組んでいくのか。  次に、道路問題についてお伺いします。  圏央道の東金─木更津間が平成25年に開通し、東京湾アクアラインを経由し、東京や神奈川方面からも、観光客が高速バスやマイカーで気軽に足を運んでくれるようになりました。夷隅地域における豊かな観光資源を生かした地域づくりの振興のためには、圏央道にアクセスする一般道路の整備が重要な課題となっております。  このような中、国道297号の松野バイパスについては、勝浦市松野から杉戸までの1.9キロメートルの区間が昨年3月に開通したところであり、一歩前進したと感じています。引き続き残る区間についても早急に整備を進めていただきたいと思います。  もう1つ重要な箇所として、横山バイパスが挙げられます。国道297号の大多喜町横山地先では、現道の線形が悪く、急勾配のいわゆる七曲りと呼ばれるカーブが連続する区間があります。この難所である区間を通過することなく、最短ルートをトンネルで結ぶ横山バイパスが計画されていますが、事業の進捗に長い時間がかかっています。このバイパスの整備は、地域の生活を支え、観光面や防災面においても大変重要な役割を担っているものであり、地元としては一日も早い完成を待ち望んでいるところです。  そこでお伺いします。国道297号横山バイパスの進捗状況はどうか。  次に、環境問題についてお伺いします。  千葉県の海岸は、日本有数の砂丘海岸である九十九里浜、岬や浜などが織りなす南房総の海岸など、変化に富んだ美しい海岸線に恵まれており、本県の重要な観光資源であるとともに、地域住民の憩いの場や多様な動植物の生息地であるなど、さまざまな役割を担っています。近年、海洋へのプラスチックごみの流出による環境汚染が注目されていますが、海にはプラスチックだけでなく、流木や瓶、缶など多種多様なごみが流れ出し、私たちの生活に深刻な影響を及ぼしております。  国連のSDGsにおいても、2025年までに海洋ごみなど、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減するとされております。また、国内外における海洋ごみ問題への関心の高まりを受け、平成30年に海岸漂着物処理推進法が改正されました。さらに7月1日から、海洋ごみに大量に含まれるプラスチックごみの排出削減に向けた取り組みの1つとして、レジ袋の有料化が開始されます。海岸漂着物については、海岸漂着物処理推進法により、県や市町村が対策を実施し、国がこれを支援することとされていますが、海の恵みを享受し、発展してきた千葉県にとって、きれいな海を守ることは大変重要であり、海岸漂着物等の問題は優先的に取り組む必要があると考えます。  そこでお伺いします。海岸漂着物処理推進法に基づき、県ではどのような取り組みを行っているのか。  昨年秋の台風、豪雨では、本県の特に内房地域の海岸に大量の流竹木などの漂着ごみが流れ着き、海岸の景観や自然環境、地元住民の経済活動に大きな影響を与えました。こうした同様の事例は、今後においても県内各地で起こることが心配されます。海岸の美化には、市町村や地域住民のボランティアグループの活動によるところも大きく、勝浦においては、例年、本格的な海水浴シーズンの前にクリーンキャンペーンin南房総という海岸美化活動が行われており、私も毎年この活動に参加しております。昨年度は、近隣から300名もの老若男女が参加されました。千葉のきれいな海岸を守るためには、海岸管理者の役割と地域住民による積極的な参加が重要であると考えます。  そこでお伺いします。海岸漂着ごみの処理について、海岸管理者としてどのように対応しているのか。また、地域住民等の海岸清掃活動への参加をどう促していくのか。  最後に、水産振興についてお伺いします。  勝浦地域は水産業が盛んな地域であり、季節ごとにさまざまな魚介類が水揚げされています。特に勝浦漁港は全国屈指のカツオの水揚げ港で、3月から6月にかけては、県内外からの一本釣り漁船や沿岸のひき縄漁船の水揚げでにぎわいます。春先に黒潮とともに北上するカツオをひき縄漁法で1尾ずつ釣り上げ、その日のうちに水揚げされるカツオは日戻りカツオとも呼ばれ、鮮度抜群、もちもちとした食感が特徴で人気があり、千葉ブランド水産物にも認定されています。外房地域では小型漁船漁業や磯根漁業も盛んで、外房つりきんめ鯛、外房イセエビ、外房あわびなど、千葉ブランド水産物に認定されているものも多く、全国に誇れる魅力ある水産物を消費者の皆さんに提供しております。  一方で地域の漁港を見てみますと、市場施設が老朽化しており、近年、漁業者の減少から水揚げ量も減少傾向で、浜の活力が低下しているように見受けられます。全国の流通拠点漁港では、衛生管理機能が強化された市場などの施設整備が進んでおります。こうした産地におくれをとることのないよう、勝浦地域に水揚げされる魅力ある水産物にふさわしい市場施設の整備を早急に進めていくことが重要であると考えます。本県の流通拠点漁港でもある勝浦漁港は、これまで係留施設、冷蔵庫や製氷施設が整備され、現在は臨港道路の整備も進められているところですが、流通拠点の本丸である市場は依然として古いままとなっております。今回、ようやく地元において市場整備の準備が整い、国の承認が得られたことから、新しい市場の整備が始まると聞いております。  そこで2点お伺いします。  1点目として、勝浦漁港の市場機能の強化に向けた取り組み状況はどうか。  2点目として、新しい市場はどのような機能を備えた施設となるのか。  以上で1回目の質問を終わります。当局の簡明なる答弁をお願いします。(拍手) ◯副議長(今井 勝君) 小高伸太君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 自民党の小高伸太議員の御質問にお答えします。  きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。  移住、定住の促進についてお答えいたします。  移住、定住の促進に関する御質問でございますが、本県においても、県南部、東部などの地域では人口減少が続いており、地域の活力を維持するためには移住、定住に向けた取り組みを進めることが重要であると考えております。新型コロナウイルス感染症への対策として、テレワークの実施が進む中、都市部に通勤しながら自然の中での子育てを望む方や、マリンスポーツを楽しみたい方などに本県を移住先として選んでいただけるよう積極的に取り組むことが必要であると考えております。このため県では、市町村と連携し、豊かな自然などの地域の魅力に加え、今後はテレワーク導入に係る支援制度やシェアオフィスなどの情報についても幅広く発信してまいります。  空き公共施設を活用した企業誘致についての御質問でございます。人口減少が進む地域において、廃校などの空き公共施設等に企業を呼び込むことは、地域経済活性化の観点から大変重要であると認識しているところでございます。県では、平成28年度から市町村と連携して空き公共施設等を活用した企業誘致に取り組んでおり、その結果、昨年度末までにIT系企業や製造業、観光業など28の企業が13市町村に進出し、300名を超える雇用が生まれました。今後、新しい生活様式に対応してテレワークなどを活用する企業が増加し、空き公共施設への立地ニーズが高まることが予想されることから、それぞれの企業のニーズに適した市町村とのマッチングを進めることで企業誘致を促進してまいりたいと思っております。  私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。 ◯副議長(今井 勝君) 副知事滝川伸輔君。     (説明者滝川伸輔君登壇) ◯説明者(滝川伸輔君) 私からは環境問題についての1問にお答えします。  海岸漂着物処理推進法に基づく県の取り組みについての御質問ですが、県では、海岸漂着物処理推進法に基づき海岸漂着物対策地域計画を策定し、10市町の重点区域において、流竹木やペットボトル、ビニール袋などの海岸漂着物等の回収処理を行っています。また、海外漂着物等の発生抑制のため、海岸地域に限らず、県内全ての市町村や小中学校等にリーフレットを配布しているほか、公共交通機関の車内広告を活用して、ごみの削減やポイ捨て防止などについて広く啓発しています。現在、市町村の要望等を踏まえ、重点区域の拡充を含めた地域計画の改定作業を進めているところであり、今後も引き続き関係機関等と連携して海岸漂着物対策に取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◯副議長(今井 勝君) 総合企画部長鎌形悦弘君。     (説明者鎌形悦弘君登壇) ◯説明者(鎌形悦弘君) 私からは外房線に関する1問についてお答えいたします。  利用促進に向けた県の取り組みについての御質問ですが、JR外房線は利用者数が年々減少傾向にありますが、生活交通としての役割はもとより、外房地域の観光振興を図る上でも欠くことのできない路線であるため、利用促進に向けた取り組みが大変重要であると認識しております。このため県では、千葉県JR線複線化等促進期成同盟の活動を通じて2次交通との連携や観光列車の運行、沿線の地域資源を活用した広域的な旅行商品の企画など、地域と連携した利用促進について、JRに対し働きかけを行っているところです。また、令和3年春ごろ、上総一ノ宮駅以南に新型車両が投入される予定であることから、これを契機とした新たな利用促進策についても、今後、JRや沿線市町村と連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 商工労働部長田中剛君。     (説明者田中 剛君登壇) ◯説明者(田中 剛君) 商工・観光振興についての御質問にお答えします。  県内への観光客誘致についての御質問ですが、国は新型コロナウイルスの収束後に、国内の人の流れと町のにぎわいを創出し、地域を再活性化するため、全国規模の需要喚起策としてGo To キャンペーン事業の実施を予定しています。新型コロナウイルスの影響により失われた観光需要を回復させるため、本県においても、国のキャンペーンを最大限活用することが重要であると考えています。今後は感染症の収束の状況を見きわめながら、国が実施するキャンペーンと連携して、全国の皆様に千葉県を訪れていただけるよう、県としてもプロモーションを積極的に展開し、誘客を図ってまいります。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは水産振興に関する2問にお答えします。  勝浦漁港の市場機能の強化に向けた取り組み状況についての御質問ですが、県内有数の水揚げ量を誇る勝浦漁港については集出荷機能を高めるため、荷さばきや鮮度保持を図る施設のほか、漁船の係留施設などの一体的な整備を推進しています。これまで冷凍・冷蔵施設や製氷・貯氷施設、大型船の係留施設などの整備を進めてきたところであり、本年度から4年間の計画で衛生管理を強化した市場を整備することとしています。本年度は市場南側の解体工事と基礎工事に着工することとしており、今後も計画どおり事業が進むよう取り組んでまいります。  次に、新しい市場はどのような機能を備えた施設になるのかとの御質問ですが、勝浦漁港では、水揚げ物の品質向上を図るため、衛生管理型の市場を整備するとともに運用面の改善に取り組むこととしております。具体的には品質の低下を防ぐため、日差しにより水揚げ物の温度が上がらないよう、可動式のひさしを設置するとともに、鳥や風雨を防止するための壁やシャッターで閉鎖された構造とします。また、効率的な作業を可能とするため、水揚げから搬出までの動線が交わらないよう水揚げ・荷さばきエリア、陳列・入札エリア、積み込み・搬出エリアを分離するなど、運用面での改善を図ることとしているところです。  私からは以上です。 ◯副議長(今井 勝君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは道路問題についての1問、環境問題についてのうち1問、計2問にお答えいたします。  初めに、国道297号横山バイパスについての御質問ですが、国道297号では、大多喜町横山地先から市原市米原地先までの2.7キロメートル区間において、横山バイパスを整備しております。これまでに大多喜町側の0.7キロメートルと市原市側の0.4キロメートルを供用するとともに、七曲りと呼ばれる急カーブが連続する現道の狭隘箇所について局所的な改良を行ってきました。現在、用地取得率は約6割となっており、今年度は残る用地の取得に向けて共有地の権利者調査を進めるとともに、境界が未確定となっている地権者との調整や用地交渉などに取り組むこととしております。引き続き市原市や大多喜町と連携し、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら事業を推進してまいります。  次に、海岸管理者による海岸漂着ごみの処理等についての御質問ですが、通常、海岸へ漂着した流木やごみについては、台風通過後などのパトロールや市町村、地域住民からの情報に基づき、海岸保全施設の管理や海岸の利用に支障がないよう、海岸管理者である県が回収処分を行っております。また、観光資源として地域振興等に活用される海岸においては、関係市町村やボランティア団体、サーファーなどの利用者が夏の観光シーズン前やごみゼロ運動等のイベント時にごみ拾いなどの海岸清掃活動を実施してくださっております。県としては、引き続き海岸漂着ごみの適切な処理に努め、また清掃道具の支給、貸し出しなどを行う河川海岸アダプトプログラムを活用して海岸清掃活動を支援するとともに、県ホームページでこの制度を周知するなど、より多くの方々に海岸清掃活動へ御参加いただけるよう努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 小高伸太君。 ◯小高伸太君 知事初め担当部局長の皆様、ありがとうございました。  それでは、最後に何点か要望させていただきます。  初めに、観光振興について要望します。  夏の房総の観光の目玉は、何といっても海水浴です。しかし、この夏は、多くの海水浴場が開設することができません。なぜなら、海の事故の防止や人命救助等に取り組むライフセーバーの多くが大学生であり、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、学業優先やレベル維持の困難さ等で諦めるしかなかったのです。海水浴場の安全・安心を守るためには、それぞれの市町村がライフセーバーを確保していく取り組みが求められます。今後は県として何らかの支援策を検討するよう要望します。  また、午前中の小路正和議員の要望にもございました。大きなダメージを受けている房総観光の復活について、群馬県など先進県の取り組みがありますけれども、県独自の力強い施策を要望いたします。  次に、道路問題について要望します。  横山バイパスについては、用地取得の難航により、事業着手から30年以上も経過しています。早期完成のために、まずは大きな力となる用地取得の9割の達成を目指し、早急に整備を進めていただくよう要望します。  最後に、水産振興について要望します。  勝浦漁港の市場の整備が今年度から行われ、完成後は衛生管理が強化されるとの答弁をいただきました。外房地域のすばらしい魚介類を高品質で全国に届けられる魅力ある市場となるよう、引き続き勝浦市とも連携して市場機能強化の取り組みを進めていただきたい。  また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、外食需要が大きく落ち込んだことから、特にキンメダイやイセエビなどの飲食店向けの高級魚の魚価が著しく低下しました。緊急事態宣言は解除されましたが、依然として価格は低迷しており、漁業者の収入が大幅に減少しております。つきましては、県産水産物の需要の拡大、販売促進について、これまで以上に取り組んでいただけるよう要望します。  以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◯副議長(今井 勝君) 次に、佐藤健二郎君。
        (佐藤健二郎君登壇、拍手) ◯佐藤健二郎君 皆様、改めましてこんにちは。習志野市選出、自民党、佐藤健二郎でございます。本定例県議会において、このように貴重な登壇の機会をいただけましたこと、先輩議員、同僚議員の皆様に、まずもって感謝を申し上げます。  そして、本日は地元習志野より、平素よりお支えをいただいております後援会の皆様がお越しくださいました。まことにありがとうございます。  まず冒頭に、今回の新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられました千葉県内45名の方々に謹んでお悔やみを申し上げます。  そしてまた、現在闘病中の方々にお見舞いを申し上げますとともに、今も最前線で闘ってくださっている医療従事者の皆様に感謝と敬意を表する次第でございます。一刻も早く病状が改善すること、ウイルス感染がこれ以上広まっていかないことを祈念いたしまして、それでは、通告に従い質問に入らせていただきます。  初めに、環境問題について伺います。  昨年秋に房総半島を襲った一連の災害は、私たち千葉県の持続可能性に大きなダメージを与えました。また、今回のコロナウイルス感染症も、もしかすると自然由来なのかもしれません。そして、いつ来るかわからない地震もあります。令和の新時代、自然とのつき合い方をさらにもう一歩踏み込んで考えるときが来ていると思います。近年の台風の強大化や集中豪雨の増加などの気候変動は地球温暖化が影響しているとも言われており、気象庁の報告書によりますと、この100年で銚子の年平均気温は約1.1度上昇し、さらに千葉市に至っては、50年で年平均気温が約2度も上昇しております。また、県内のアメダスデータでは、時間降水量が50ミリ以上となる豪雨の発生回数が増加傾向にあります。  自然災害発生自体に対する予防措置として、今、明確な基準があるのは温暖化防止、温室効果ガスの削減であります。2016年に発効されたパリ協定では、できる限り早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、今世紀後半には温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量のバランスをとることが目標として掲げられました。日本では、温室効果ガスの排出量を2030年度時点で2013年度比26%減とする削減目標案が正式に決定され、国連の気候変動枠組条約事務局に提出をいたしました。県では、平成28年に千葉県地球温暖化対策実行計画を策定し、2030年度に2013年度と比較して温室効果ガスを22%削減するという目標を定めて取り組んでおり、現在、それに沿った施策が行われていると思います。  また、地球温暖化の問題を考える上では、主要な温室効果ガスであるCO2の吸収源となっている森林が果たす役割も重要であります。森林には地球温暖化の防止の機能があるほか、土砂災害防止や水源涵養など、多面的な機能があります。これらの機能が将来にわたって持続的に発揮されるようにするためには、森林を育成し、健全な状態に保つ森林整備が不可欠であります。本県の森林は、今現在、県土面積の約3割と全国的にも大変低い割合でありますが、地球温暖化対策を進めるに当たっては、温室効果ガスの排出削減とあわせて森林整備に継続的に取り組んでいくことが重要であると考えます。  そこで2点伺います。  1点目として、地球温暖化対策について、目標達成に向けて県はどのように取り組んでいるのか。  2点目として、県では、地球温暖化対策に資する森林整備について、どのように取り組んでいるのか。  次に、高潮対策について伺います。  昨年の一連の台風・大雨災害では、気候変動の時代に突入したことを痛切に実感いたしました。大雨による洪水や台風による高潮など、生活を脅かすさまざまな災害に備えて、県は時代の変遷や自然との向き合い方を見詰めながら、着実に施設の整備を進めていくことが重要であると思います。人口や資産が集中する県北西部は東京湾に面しており、津波や高潮などの災害が臨海部に集中する工場群や商業施設などの社会経済活動に大打撃を与えることは容易に想像がつきます。  平成30年に関西に上陸した台風21号では、大阪湾における既往最大の潮位を記録更新し、関西国際空港が浸水したニュースは記憶に新しいところです。大阪湾では計画規模まで高潮対策を整備していたため、住民生活に致命的な被害はありませんでしたが、これを教訓とするならば、東京湾においても同様の高潮被害が発生しても、一定の水準で防護できる施設を整備しておくべきと考えます。私の地元習志野市の国道14号線以南の埋め立て当時の計画は、大正6年に発生した東京湾台風で計測した既往最大潮位をもとに埋め立てされております。それから100年以上が経過し、いまだにそれ以上の潮位は計測されておりませんが、気候変動を鑑みれば、さらなる堅強な防護施設が必要であると考えます。習志野市にある、いわゆる習志野3河川と呼ばれる高瀬川、谷津川、菊田川の河口には高潮水門を設置する予定があるにもかかわらず、いまだ整備がなされておりません。  ここで父のことを話すのは大変僭越でございますが、佐藤正己元県議も一番心配していた課題でございます。習志野3河川に水門を設置すべきとの思いから、たびたび議会で質問し、高潮対策の必要性を強く訴えておりました。  そこで伺います。昨年の災害や近年増大する自然災害の脅威に対し、習志野3河川を含む東京湾の河川高潮対策について、県は今後どのように対応していくのか。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  1点目は、衛生資材の備えについてです。  本日19日からは、県内全ての施設に対する休業要請が解除されたところですが、全国における感染は引き続き報告されており、再度の感染拡大に備えることが今非常に重要と言われております。医療機関で使用する衛生資材についても、第2波、第3波において再び不足することがないよう、国のみならず、県においても、比較的市場が安定している今から備えておくことが重要と考えます。そうした中、県は今回の補正予算案の中で医療機関向けの個人防護具や消毒用エタノールを購入するとしています。  そこで伺います。県は、医療機関向けのマスク等、個人防護具や消毒用エタノールの購入と配布の時期について、どのように考えているのか。  2点目は、医療機関の経営状況についてです。  新型コロナウイルス感染症については、多くの医療機関の皆さんがその使命に従い、献身的に対応しておられます。入院患者の治療に当たっている医療機関はもちろん、私の地元習志野市では、習志野市医師会がPCR検査センターを立ち上げるなど、地域のかかりつけ医の先生方も危険を顧みず、勇気を持って行動してくださっております。しかし、こうした取り組みも、各医療機関の経営が安定していなければできないことであります。  新聞報道等によりますと、感染症患者の入院を受け入れる医療機関では人員体制を整え、また院内感染防止対策を徹底するため、一部の診療機能を縮小するなどした結果、大幅に収益が減少している例が見られるとのことです。また、入院受け入れ医療機関以外であっても、患者さんの受診控えが起き、医療機関の経営に大きな影響が及んでいるとの声が聞こえてきます。習志野市周辺の基幹病院においても、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、4月から5月まで人間ドックを中止するなど、診療体制の一部変更を余儀なくされており、病院経営に多大な影響があったと伺っております。新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波に備えるためにも、財務的に疲弊した医療機関の状況把握、そして国の第2次補正予算も活用しながら支援策の充実を検討すべきではないでしょうか。  そこで伺います。感染症対策を初めとする地域の医療提供体制を確保するため、医療機関の経営状況を把握すべきと考えるが、どうか。  3点目は、新感染症に対する対策についてです。  新型コロナウイルス感染症については、3つの密を避け、マスクや手洗いなど予防策をとることが重要ですが、ワクチンや特効薬もまだ確立していないため、今後の感染拡大防止のための備えもしっかりと行っていかなければなりません。これまでの経過を見ると、将来において原因不明な新しい感染症が発生することも十分考えられます。特に日本の表玄関である成田空港を有する千葉県では、海外から病原体が持ち込まれる危険性が非常に高いと思います。新型コロナウイルス感染症の対策を経験した今だからこそ、こうした新感染症についてもしっかり対策を行うべきだと考えます。  そこで伺います。国際空港を有する県として、新感染症に対してどのような対策を行っているのか。  次に、中小企業に対する支援について伺います。  中小企業、とりわけ規模の小さな小規模企業は、経営者が多くの課題を1人で抱えながら事業を続けているケースが少なくありません。このような状況の中で新型コロナウイルスの影響に直面しており、その御苦労は想像に余りあるものと考えております。例えばこうした悩みを抱える企業の経営相談に関しては千葉県産業振興センター等が対応しているとのことですが、これらは拠点を千葉市に置くものです。現在、全県下で営業や事務などもこなしながら深刻な経営の悩みを抱える経営者がおりますが、相談の都度、千葉市まで出かけていくことにはおのずと限界が生じると言わざるを得ません。各地域において新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる経営者に寄り添った支援を機能させていくことが必要と考えます。  また、私の地元の小規模な事業者は、新型コロナウイルスの影響により、ほとんど来客がなくなり売り上げが激減するなど、本当に厳しい状況です。現在は新型コロナウイルスの感染状況は落ちついてきていますが、今までの販売手法でもとどおりに売り上げが戻るとは考えにくく、今後は3つの密を避けるなどの新しい生活様式への対応が必要となり、事業者にとって厳しい状況が続きます。インターネット販売を試みようとする動きもありますが、これまでノウハウのない事業者は何から始めてよいかわかりません。一から勉強しようと思っても、小規模事業の経営者は何から何まで自分で行うため忙しく、なかなか勉強会に通う時間すらありません。このように、何とか前進するため、歯を食いしばって取り組もうとしている小規模事業者の皆さんに対し、県はしっかりと支援すべきだと考えます。  そこで2点伺います。  1点目として、地域における中小企業の支援はどのように行われているのか。  2点目として、新型コロナウイルスの影響により販売手法の見直しが必要な事業者に対して、県はどのような支援を行うのか。  次に、県立高等学校におけるICT活用について伺います。  1点目は、ICT環境検証事業の成果と課題についてです。  我が党の代表質問にもありましたように、県教育委員会では、臨時休校中の児童生徒の家庭学習が充実するよう、さまざまな取り組みを進め、ICTを活用した学習についても積極的に推進しています。昨年度から高等学校普通教室用ICT環境検証事業が進められており、検証校である3校にはタブレット端末が各校1クラス分、40台程度導入され、授業での活用の研究が進められています。ICT教育の推進には、この3校の取り組みを全県的に広げていくことが大変重要です。そのためにも、検証校の成果と課題を県教育委員会においてしっかりと認識しておくことが必要不可欠であると考えます。  そこで伺います。昨年度から県立高等学校で行われているICT環境検証事業の進捗状況はどうか。  2点目は、臨時休校中のスマートフォンの活用についてです。  昨年度、県が実施した青少年のSNS利用に関する意識調査によれば、県内高校生のスマートフォンの所持率に関して、高校生全体の平均では、実に97.6%もの生徒が所持していることがわかりました。スマートフォンについては、SNS上でのトラブルから犯罪に巻き込まれる危険性や、ゲーム等に没頭する余り、生活リズムを乱すおそれなどが指摘されており、高校生の使用に当たっては、ルールに基づき正しい使い方をする必要があることは言うまでもありません。  その一方、新型コロナウイルス感染症による臨時休校中に家庭学習を進める上でのツールとして、またメールやSNSで悩みや心配事など、関係機関と相談する上でスマートフォンが活用されていたことも事実であります。もろ刃の剣とも言えるスマートフォンですが、これからの時代は正しい使い方を教えつつ、最大限の効果を上げることを考える必要もあるのではないでしょうか。  そこで伺います。臨時休校中、学校におけるスマートフォンの活用事例として、どのようなものがあったのか。また、今後どのように展開していくのか。  次に、特別支援教育の充実について伺います。  これからの特別支援教育では、障害のある子供たちの自立や社会参加に向けて、その能力や可能性を最大限に伸ばし、地域社会の一員として豊かに生きることができる教育が必要です。全国で少子化が進み、児童生徒数が減少しつつある反面、特別な支援を必要とする児童生徒数は増加する傾向にあります。令和元年5月1日の調査では、本県公立の特別支援学校で6,473人、小中学校の特別支援学級では1万1,011人の児童生徒が学んでいます。その背景には、特別支援教育に関する理解の浸透や、専門性に対する評価や期待の高まりなどがあるものと考えられています。一方、私の地元で話を聞くと、特別支援学校の教員や小中学校の特別支援学級の担任のなり手が不足しているという声も聞かれます。そのような中で特別支援教育を充実させていくためには、教員採用において、特別支援教育の専門性の高い教員を採用していくことが必要であると考えます。県教育委員会では、採用選考において、専門性の高い人材を採用するために特別支援教育枠での採用を行っております。  そこで伺います。教員採用選考における特別支援教育枠の志願者数の状況、推移はどうか。また、志願者数の増加に向けてどのように取り組んでいるのか。  最後に、都市計画道路について伺います。  1点目は、都市計画道路3・3・3号藤崎茜浜線についてです。  藤崎茜浜線は、習志野市の内陸部と臨海部を南北方向に結び、市の骨格をなす重要な幹線道路です。現在、市役所前通りと習志野警察署前通りとの間で事業が進められています。現地の状況を見ると、市役所前通り側との交差点部付近では既に道路ができ上がっており、また、京成線の脇では橋梁工事が行われています。さらに、今議会には藤崎茜浜線の整備に関連して、鉄道との交差部における跨線橋の工事について契約の締結案件が提出されているなど、事業は着々と進んできているものと思います。習志野市役所周辺はもとより、JR津田沼駅周辺における慢性的な交通渋滞の解消のためにも、藤崎茜浜線の一日も早い開通を期待しているところであります。  そこで伺います。都市計画道路3・3・3号藤崎茜浜線の進捗状況はどうか。  2点目は、都市計画道路3・3・15号美浜長作町線の渋滞対策についてです。  美浜長作町線は、幕張新都心や京葉道路武石インターチェンジと習志野市や八千代市を結ぶ幹線道路です。武石インターチェンジから習志野市境までは既に4車線化されていますが、その先の習志野市側は2車線となっているため、車線数が減少する箇所や長作交差点を中心に日常的に渋滞が発生しています。現在、県では美浜長作町線を4車線化する事業を進めていますが、この道路の慢性的な渋滞を解消するためにも一日も早い整備が必要と考えています。また、地域住民や通過する方々からも、私のところには同様の声が寄せられています。  そこで伺います。都市計画道路3・3・15号美浜長作町線の進捗状況はどうか。  以上、1回目の質問とさせていただきます。知事及び執行部におかれましては、どうか明瞭な御答弁をよろしくお願い申し上げます。(拍手) ◯副議長(今井 勝君) 佐藤健二郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 自民党の佐藤健二郎議員の御質問にお答えします。  きょうは支援者の皆さん、ようこそおいでくださいました。  まず、環境問題についてお答えいたします。  地球温暖化対策の目標達成に向けた取り組みについての御質問でございます。千葉県地球温暖化対策実行計画では、県民や事業者等がわかりやすく取り組みの効果が実感できるよう、エネルギー消費量やごみの排出量の削減など具体的な数値目標を掲げ、それぞれが主体的に地球温暖化対策に取り組むこととしています。このため県では、家庭の再生可能エネルギー設備等の導入に対する助成やごみの減量化、リサイクルに向けた普及啓発等により各主体の取り組みを促すとともに、温室効果ガス削減につながる森林整備や交通環境の改善などの総合的な対策を進めております。近年の異常気象や台風被害により地球温暖化への関心が高まり、一層の対応が求められていることから、県としても目標達成に向けて、引き続きあらゆる主体と連携し、温室効果ガスの排出削減に努めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。  新感染症に対する対策についての御質問でございますが、原因が不明で既に知られている感染症の症状とは明らかに異なる新感染症については、国内で感染を拡大させないよう、国外からの感染者を速やかに隔離し、治療する必要があります。そのため厚生労働省では、新感染症患者を入院させられる特定感染症指定医療機関を、全国で国際空港を有する都府県に4カ所を指定の上、10床を確保しており、そのうち成田国際空港を有する本県では、成田赤十字病院において2床が確保されております。県では、成田空港検疫所が毎年度主催する成田国際空港保健衛生協議会や感染症措置訓練への参加を通じ、新感染症発生時の関係機関との連携に努めるとともに、水際対策の強化について、国へ要望してまいります。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。 ◯副議長(今井 勝君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。     (説明者渡辺真俊君登壇) ◯説明者(渡辺真俊君) 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての2問につきましてお答えいたします。  まず初めに、医療機関向けの個人防護具等の購入と配布の時期について、どのように考えているのかとの御質問でございますが、県では、国から供給されたマスク等の医療用資材を新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関等に配布してきましたが、不足状態は解消されませんでした。そこで第2波に備え、国に対しては医療用資材の継続した提供を要望するとともに、県としては、非常用資材の購入費を6月補正予算で計上したところです。今後速やかな調達に努め、購入後は医療機関における不足の状況に応じて適切に配布していきたいと考えています。  次に、医療機関の経営状況を把握すべきと考えるが、どうかとの御質問でございますけれども、医療機関の経営については、従来から国で調査を行い、必要な診療報酬制度の見直しが行われています。新型コロナウイルス感染症への対策についても、中等症以上の入院患者に対する評価の引き上げ等、特定的な対応が図られました。今回、県において、感染症患者受け入れに伴う収益減少等の課題についても調査し、病床確保のための入院患者の受け入れ協力金等を6月補正予算に計上しました。また、国に対しては、さらなる診療報酬の見直し等を要望したところです。今後も医療機関の経営状況等の実態を把握しながら、国の第2次補正予算を活用した医療機関への支援について検討し、国に対して必要な要望を行ってまいります。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 商工労働部長田中剛君。     (説明者田中 剛君登壇) ◯説明者(田中 剛君) 中小企業に対する支援についての2問にお答えいたします。  初めに、地域における中小企業の支援はどのように行われているのかとの御質問ですが、中小企業にとって最も身近な支援機関である県内61カ所の商工会、商工会議所は、経営相談を初めセミナーや地域活性化イベントの開催等により、日ごろから中小企業を支援しており、県では、これらの活動に対し助成を行っているところです。また、さまざまな経営課題を抱える中小企業をチームでサポートしている千葉県よろず支援拠点も、県内12カ所にサテライト相談所を設け、地元の商工会、商工会議所に寄せられた相談にも対応するなど、連携して支援を行っています。県としても、中小企業がそれぞれの地域で充実した支援を受けられるよう、市町村や商工会、商工会議所との意見交換の場などを通じて一層の連携を図り、地域の中小企業の支援に努めてまいります。  次に、販売手法の見直しが必要な事業者に対して、県はどのように支援を行うのかとの質問でございます。新しい生活様式の実践に当たり、インターネット販売等に取り組む事業者がふえていますが、小規模事業者では、ノウハウに乏しく、速やかな導入が難しいとの声があることから、その取り組みを支援することは重要と認識しています。そのため県では、千葉県産業振興センターに相談窓口を設置し、IT活用や売り上げ向上などの課題に対応するとともに、今後は専門家が直接企業を訪問して、より具体的な助言を行うこととしています。さらに、今年度からは企業の利便性などを考慮し、ウエブを活用したITセミナーなどを実施することとしており、今後とも小規模事業者の課題解決に向け、しっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは環境問題のうち1問にお答えいたします。  地球温暖化対策に資する森林整備の取り組みについての御質問ですが、森林が地球温暖化防止機能を発揮するためには二酸化炭素を吸収しながら健全に成長していく必要があることから、間伐や植栽等の森林整備を適切に行うとともに、都市部も含めた木材利用の促進を図り、森林整備の推進につなげていくことが重要です。このため県では、森林組合等が森林経営計画に基づき効率的かつ計画的に実施する間伐や植栽に対し補助を行っているところです。また、今後は森林環境譲与税を活用し、市町村による森林整備や木材利用を促進することにより、健全な森林の育成に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは高潮対策についての1問、都市計画道路についての2問、計3問にお答えいたします。  初めに、東京湾の河川高潮対策についての御質問ですが、県では、東京湾における過去最大の潮位をもとに臨海部の埋め立て造成を実施しており、その際、習志野市周辺の高瀬川、谷津川及び菊田川の護岸は、この既往最大潮位に対応した高さで整備しております。この3河川では、将来的には国内最大の被害を記録した伊勢湾台風級の潮位にも対応できる施設へと増強する計画でしたが、これまで既往最大潮位を上回る高潮が発生していないことなどから、建設当初の防護水準のまま施設管理を行ってまいりました。しかしながら、令和元年の一連の災害に加え、既往最大潮位を更新した平成30年の大阪湾の高潮被害等を踏まえると、伊勢湾台風級の高潮に対応した施設整備に着手する必要があると認識しており、今後、高瀬川、谷津川及び菊田川について、高潮対策の検討を進めてまいります。  次に、都市計画道路藤崎茜浜線の進捗状況についての御質問ですが、藤崎茜浜線については、習志野市役所周辺の交通渋滞の緩和や交通安全の向上を図るため、JR総武線、京成本線及び京成千葉線をまたぐ橋梁を含む0.6キロメートルのバイパス整備を進めております。用地取得はおおむね完了しており、茜浜側から道路改良工事を進めるとともに、JR線と京成線をまたぐ橋梁の工事を実施しており、橋台1基が完成しております。現在、鉄道に近接する橋脚2基について、京成電鉄が工事を実施しているところです。引き続きJR東日本、京成電鉄と連携して、令和7年度の供用を目指し事業を推進してまいります。  次に、都市計画道路美浜長作町線の進捗状況についての御質問ですが、美浜長作町線については、交通渋滞の緩和や歩行者の安全確保を図るため、千葉市花見川区長作町から習志野市実籾3丁目までの長作交差点を含む1.3キロメートルの区間で4車線化事業を進めております。このうち南側の0.5キロメートルについては、昨年度、用地測量を実施したところであり、今後、地権者向けの説明会を開催した後、本格的に用地取得に取り組むこととしております。また、北側の0.8キロメートルについては、渋滞箇所である長作交差点付近の用地を優先的に取得してきており、これまでに面積ベースで全体の約3割の用地を取得しております。今後、長作交差点付近の渋滞を早期に緩和するため、暫定的な右折レーンを設置したいと考えており、必要な用地取得を急ぐこととしております。引き続き地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、残る用地の取得に努め、事業を推進してまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇)
    ◯説明者(澤川和宏君) 私からは、まず、県立高等学校におけるICT活用についてお答えいたします。  ICT環境検証事業の進捗状況についての御質問ですが、県教育委員会では、昨年度から県立高等学校3校において、タブレット端末やプロジェクターを整備し、これらを積極的に活用した授業改善及び生徒の情報活用能力の育成について検証しております。検証校では、例えば1人1台のタブレットを使って生徒が情報を収集し、表やグラフに整理した上で自分の考えを発表したり、またグループごとに学習の成果を発表し、これに対する他のグループの感想や意見をプロジェクターに一覧で表示して比較したりするなどの授業が行われております。検証校からは、ICTの強みを生かし、学習指導要領が掲げる主体的、対話的で深い学びの授業改善につなげたいとの声があり、引き続きICTの有効活用について検証を進めてまいります。  次に、スマートフォンの活用事例についての御質問ですが、今回の臨時休校の際、県立高等学校と生徒との連絡を迅速かつ確実に行うため、全ての生徒にメールアドレスを付与いたしました。これにより、生徒のスマートフォンを介し、学習プリントの定期的な配付、回収、また、日々の健康状態の把握が簡単に行えるようになりました。また、一部の学校では、既に導入していた学習支援ソフトを用い、オンラインでのホームルーム、個別面談や学習に関する質疑応答等も行われておりました。また、このたびの補正予算で、全ての県立高等学校を対象に学習支援ソフトの導入経費を計上しており、生徒のスマートフォンなどを活用し、より一層、一人一人の理解度に応じた学習や、教員と生徒との緊密なコミュニケーションが可能になると期待しております。  次に、特別支援教育の充実についてお答えいたします。  特別支援教育枠の志願状況等に関する御質問ですが、教員採用選考における特別支援教育枠とは、全ての校種において、特別支援教育を推進することを目的に、採用は特別支援学校とし、一定期間の勤務の後、他校種への異動も可能とする制度です。本年度の志願者は495人であり、これまでとほぼ同様の人数でした。県教育委員会では、全ての教員が特別支援教育についての理解を深めることが重要と考えており、大学での説明会で学生に特別支援の免許取得を働きかけるとともに、特別支援教育枠について、免許の有無にかかわらず、特別支援教育に強い関心があれば、他の校種等との併願が可能であることを丁寧に説明してまいりました。また、特別支援学校の現役の先生が教職のすばらしさや魅力を直接語りかける動画を今月中に公開する予定であり、今後も志願者の確保に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 佐藤健二郎君。 ◯佐藤健二郎君 御答弁ありがとうございました。それでは、何点か再質問及び要望をさせていただきます。  初めに、環境問題について要望させていただきます。  現在、15年間で22%、温室効果ガスを削減するという大きな目標があります。それを達成するためにさまざまな取り組みを実施しております。しかしながら、それら個々の取り組みに対しての数値目標がございません。ただ漠然と頑張っていただいているようにもお見受けします。先日、環境白書が公表されましたが、初めて「気候危機」という言葉が使われておりました。県民の皆様と気候危機であることを共有し、個々の施策についても、数値目標の設定なども含めて進捗管理を適切に行い、実効性のある計画にするとともに、県民一丸となっての推進となるよう要望いたします。  また、森林整備事業による間伐や植栽等をこれからも着実に進める必要があります。森林整備を継続的に行うためには県民の意識醸成を図ることも重要です。今後、県民が参加できるような森林整備活動をより一層促進していただくよう要望いたします。  次に、高潮対策について要望させていただきます。  習志野3河川の高潮対策について、県として、ようやく整備に向けた方針をお示しいただきました。ありがとうございます。習志野市では、既往最大潮位よりも低い土地にお住まいの方が多数いらっしゃいます。その既往最大潮位を記録した大正6年の災害では、内陸部まで津波が押し寄せてきたとの文献も残っております。また、本年もそろそろ台風の季節が到来してしまいます。一刻も早く検討を進めていただき、住民が安心して暮らせるよう、計画高潮位に対応した水門と排水機場の整備に着手するよう強く要望をいたします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について要望させていただきます。  医療機関の経営については診療報酬によるところが大きいことから、まずは国において対応すべき問題だとは思いますが、県においても、ぜひ積極的に必要な役割を果たしていただきたいと考えています。地域の安定的な医療提供体制が確保されるよう、引き続き医療機関の状況把握に努めるとともに、国への働きかけを含め、必要な対策に取り組まれるよう要望いたします。  また、先ほど原因不明な感染症に対して、国において全国で4カ所、特定感染症指定医療機関を定めており、県内では成田赤十字病院の2床が指定されているとの御答弁をいただきましたが、私はそれだけではなく、国立の感染症専門病院も必要ではないかと思っております。そのくらい、今回の流行では病床の確保が難航しておりましたし、医療機器の不足も顕著でありました。そして県として必要なことは、水際対策として検疫所との連携だと思います。今後新たな感染症にも対応していくため、国の水際対策に対し、成田空港を有する県として、しっかりと連携を図っていただくよう強く要望いたします。  次に、中小企業に対する支援について再質問いたします。  先ほど新しい生活様式への対応として、インターネット販売などに取り組みたいと考えている小規模事業者に対し、企業を訪問しての専門家による具体的な助言やウエブを活用したセミナーなど、課題解決に向けてしっかり取り組んでいくとの御答弁をいただきました。これらの事業については、支援を求めている小規模事業者のためにも早期に実施する必要がありますし、また、希望している方がすぐに利用できるようにすることが重要です。  そこで伺います。専門家の具体的な助言やウエブを活用したセミナーの開催はできるだけ早期に実施するとともに、小規模事業者に対して丁寧な周知が必要と考えるが、どうか。  次に、県立高等学校におけるICT活用について要望させていただきます。  先ほどの御答弁で、臨時休校中のスマートフォンの活用状況や学校でのコミュニケーションツールとして考えていることがよくわかりました。スマートフォンについては、情報モラル教育を進めていただくとともに、学校で自分のスマートフォンを活用しても通信費がかからないように、無線LAN環境の整備を早急に整備していただくよう要望いたします。  次に、特別支援教育の充実について再質問します。  特別支援教育枠の志願者数の増加に向けて取り組みを進めていただいていることがわかりました。また、採用時の取り組みとともに、計画的に特別支援教育に携わる教員をふやすなど、市町村の特別支援学級の充実を図っていくことも重要であると考えます。  そこで伺います。市町村の特別支援学級の充実のために計画的な人材育成をしていくべきと考えるが、どうか。  最後に、都市計画道路について要望させていただきます。  美浜長作町線の長作交差点を含む北側0.8キロメートル区間の用地は、面積ベースで約3割を取得し、また今回、長作交差点において、暫定的ではありますが、右折レーン設置の検討を進めるとの御答弁をいただきました。美浜長作町線の慢性的な渋滞を少しでも早く解消するためにも、右折レーンの設置についてぜひ早期に対応していただけますよう、強く要望いたします。  以上で2回目の質問及び要望といたします。 ◯副議長(今井 勝君) 商工労働部長田中剛君。 ◯説明者(田中 剛君) 小規模事業者に対する支援についての御質問ですが、御指摘のありました企業を訪問しての具体的な助言やセミナーにつきましては、県ホームページや商工会、商工会議所等を通じ周知を行った上で、できるだけ早期に実施してまいります。  以上でございます。 ◯副議長(今井 勝君) 教育長澤川和宏君。 ◯説明者(澤川和宏君) 私からは特別支援学級の充実のための計画的な人材育成についての御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、特別支援教育に携わる教員について、数の確保と質の向上の両面が重要と考えております。先ほど申し上げた特別支援教育枠に加え、免許法認定講習を実施することで、現職の教員に特別支援学校教諭免許状の保有者をふやしております。また、小中学校と特別支援学校の間で計画的な人事交流を行っており、引き続き計画的な人材育成に努めてまいります。  私からは以上です。 ◯副議長(今井 勝君) 佐藤健二郎君。 ◯佐藤健二郎君 それでは、最後に要望させていただきます。  中小企業に対する支援ですが、本当に厳しい状況にある小規模事業の経営者の方が非常に多くいらっしゃいます。とにかく早く実施していただき、戦略的なノウハウなどを習得できるよう、県として後押ししていただきたく要望をいたします。  特別支援教育についてですが、やりがいのある仕事であることを知っていただくことで専門性と熱意を持った教員がふえるよう、志願者の確保に努めていただくとともに、採用後も市町村教育委員会と連携した人材育成に取り組んでいただくよう要望いたします。  いろいろと要望、提言させていただきましたが、まずは新型コロナウイルス感染症対策が最優先の課題でございます。私たち議員も県民の皆様と一丸となって、この危機を乗り越えていきます。執行部におかれましては、どうか最善を尽くして対応くださいますようお願いを申し上げ…… ◯副議長(今井 勝君) 申し合わせの時間が経過しましたので、簡明に願います。 ◯佐藤健二郎君(続) 一般質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。 ◯副議長(今井 勝君) 暫時休憩いたします。         午後2時30分休憩        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━         午後2時45分開議 ◯議長(阿井伸也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により伊藤とし子君。     (伊藤とし子君登壇、拍手) ◯伊藤とし子君 佐倉市・酒々井町選出、市民ネットワークの伊藤とし子です。本日は地元佐倉市、酒々井町、そして各地から傍聴にお越しいただき、また感染症対策に御協力いただき、ありがとうございます。  それでは、質問に移ります。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。  今、感染しているかどうかを知るためにはPCR検査と抗原検査が向いており、過去に感染していたかどうかを知るためには抗体検査が適しています。  そこで伺います。抗体を持っている医療従事者の把握は、医療現場での人員配置に有効に働くと考えます。また、医療従事者にとっても、感染のプレッシャーを回避することができます。まずは、医療現場から抗体検査を優先的、積極的に進めるべきと考えますが、御見解を伺います。  次に、地域医療構想について伺います。  厚労省は昨年9月、全国424の公的・公立病院を再編統合すると発表、千葉県でも10の病院がリストアップされています。その後、対象は440病院にふえ、当初は再編統合は2020年秋までに行うとされていましたが、新型コロナウイルス感染拡大で事実上延期されました。しかし、国は全国の病床数を2025年までに約1割超削減するという目標は変えていません。また、千葉県内で指定された10病院のうち、感染症指定医療機関が千葉市立青葉病院と南房総市立富山国保病院の2病院含まれており、残りの8病院も蔓延期の確保病床数である1,700床に入るものと思われます。  そこで伺います。地域医療構想の議論は病床の削減ばかりに目が向けられ、感染症対策という重大な視点が欠けています。今後、感染症が発生した場合、医療崩壊に陥らないためにも、国の公立・公的病院の再編計画の見直しを国に求めていくべきと考えますが、御見解を伺います。  コロナによる貧困と生活保護についてです。  ネットカフェ難民対応について伺います。  新型コロナウイルス対策により、4月14日からネットカフェなどが閉鎖される事態を受け、私ども10団体連名で、ネットカフェ難民を救済するよう千葉県に緊急要請書を提出しました。その直後、ネットカフェ難民の一時避難所が市原市にある千葉県消防学校に設置されましたが、この件についてどのように総括しますか、伺います。  生活保護制度について伺います。  コロナ禍で仕事や住まいを失う人が激増しています。私どもは4月、生活困窮者支援団体を立ち上げ、生活援助や生活保護申請の同行支援を行っています。厚労省はコロナ対応として、生活保護申請はできるだけ手続を簡素化し、受給決定までスピードアップするようにと通知を出しています。しかし、各自治体の窓口では、従来どおりの面倒な手続が行われ、受給決定まで相変わらず2週間以上もかかっています。所持金ゼロという人も多く、餓死の危険性もあります。  そこで伺います。生活保護受給の迅速な決定のため、収入認定など手続を簡素化し、時間のかかる調査は決定後に回すこと、また、つなぎの生活福祉資金貸付制度を使いやすく拡充させるなど、工夫すべきではないでしょうか。  生活保護法では、居住地がない要保護者の場合も所管の福祉事務所で保護を決定し、実施しなければならないとあります。2009年の厚労省通知でも、住居が確保されていないことを理由として保護申請を却下することはできないとあります。しかし、いまだにほとんどの福祉事務所では、住所がなければだめだと、路上や車上生活者が生活保護申請をしても受け付けず、貧困ビジネスである無料低額宿泊所にすぐにつなぐケースが多発しています。  そこで伺います。生活保護法及び厚労省通知に基づき、住居が確保されていないことを理由に保護申請を却下することはできない旨を市町村に周知徹底すべきではないでしょうか。  無料低額宿泊所について伺います。  千葉県では、無料低額宿泊所を基本的に一時的な居住の場として、ガイドラインでは、入所は3カ月以内としていました。ところが、ことし4月施行の条例では、3カ月では短か過ぎるので1年以内と延長しました。現状を理念に合わせるのではなく、理念を現状に合わせたのです。しかし、県内の21の無料低額宿泊所は、半数以上が4年以上の入居者であり、中には75%を占める施設もありました。佐倉市では10年以上の入居者もいました。  そこで伺います。条例では、契約期間は1年以内に限るとしていますが、現状では多数の入所者が1年から4年以上入居しています。無料低額宿泊所を一時的な居住の場とする立場から、この乖離をどのように解決していきますか、伺います。  住まいを持たない生活保護申請者にとって、無料低額宿泊所ではなく、低廉な家賃のアパートや民家に入居できることが一番望ましいと考えます。2017年10月から施行された改正住宅セーフティネット制度では、低所得者に民間賃貸住宅をあっせんできると大いに期待されましたが、国交省管轄であることから、どうしても福祉的視点が欠け、実効性に欠けています。この制度に基づき、県は住宅確保要配慮者居住支援法人を指定するとされています。この居住支援法人とは、要配慮者への支援として、入居相談やマッチング、見守り、家賃債務保証などを行います。現在、県内では14事業者が指定されていますが、実際に生活保護利用者のために一時居所の手配や民間アパートなど安定的住まいのあっせん、生活のサポートなど、支援する事業者は少ないのです。  そこで伺います。県は今後、生活困窮者が民間住宅に転居できる道を広げていくため、生活保護利用者を支援する居住支援法人をふやしていくべきと考えます。見解を伺います。  市町村によってはコロナ対応として、ひとり親世帯へ独自の支援策を打ち出しています。町村の場合は、県が生活保護の義務を行っています。5月1日の厚労省通知では、8,000円を超える金額は生活保護の収入認定とするとの見解ですが、市によっては、8,000円を超えていても収入認定しないところもあります。その違いは何でしょうか。  次に、災害対応についてです。  昨年の台風被害の復興状況について伺います。  台風15号被害の復旧のため、南房総地区ではブルーシートの屋根が残っており、出水期を間近にして家屋の修復を急がなくてはなりません。県は住宅被害の復旧のため、全国木造建設事業協会千葉県協会と協定を結び、被災住宅工事相談窓口を設置しています。しかし、この相談窓口の存在を知らない被災者も多く、一部損壊の被害件数が8万戸と言われている中、全木協への相談は5月末時点で1,700件程度にとどまっています。  そこで伺います。被災住宅工事相談窓口の周知はどのように行っていますか。また、今後の取り組みについて伺います。  次に、平成28年10月の鳥取県中部地震の後に、鳥取県では災害ケースマネジメントという取り組みを行っています。これは、県や市が要支援者を個別訪問で回って相談を受けるアウトリーチ型です。千葉県でも昨年の災害により、被災しても声を上げることができずに暮らす要支援者がいます。  そこで伺います。千葉県でも鳥取県のように、こちらから要支援者のところへ出かけて行き、相談を受けるアウトリーチ型の支援方法をとるべきではないでしょうか。  コロナ感染が収束に向かえば、またボランティア活動を再開させることができます。そこで被災地の方からは、6月末に期限が切れるボランティア活動への高速道路無料化について延長してほしいとの要望が出ています。今後の対応について伺います。  台風15号等の検証を受けて、職員の配備体制や市町村との情報共有についてどのように見直しをしたか、伺います。  昨年10月25日豪雨では、佐倉市で死者が出る浸水被害が起きました。高崎川上流部の八街市で時間雨量100ミリという猛烈な雨が降り、数時間後に佐倉市に膨大な量の雨水が押し寄せました。印旛沼の予備排水も重要ですが、高崎川上流で、いかに雨水の流入を抑制するかも重要なポイントとなります。現在、高崎川は八街市、富里市、酒々井町、佐倉市を流れていますが、県の河川改修事業は一級河川である佐倉市部分だけです。しかし、1つの川を所管で区切るのではなく、滋賀県流域治水条例のように、1つのつながった流域と捉える流域治水がこれからの激甚災害時代には必要です。流域治水は、用水路も含む大小さまざまな河川の河道整備に加えて、調整池や調節池、雨水貯留施設の整備など内水対策も含め総合的に進めていく治水政策です。  そこで伺います。住民の命を守ることを最優先に、高崎川上流も含め、印旛沼流域全体でさまざまな対策を総合的に進める流域治水を検討すべきと考えます。見解を伺います。  次に、印旛広域水道の負担軽減についてです。  県内6つの用水企業団の中で印旛郡市広域市町村圏事務組合──以下、印旛広域とします。この印旛広域だけが浄水施設を持っていないため、県企業局の所有する柏井浄水場を借り、かつ浄水業務も委託しています。この施設使用料が税抜きで約8億1,600万円、業務委託料が約10億7,300万円と高額で、印旛広域を構成する佐倉市や酒々井町など9市町の水道料金にはね返っていることを昨年9月県議会の一般質問で取り上げました。  ことし2月28日、印旛広域から県企業局に対し、行政財産使用料及び業務委託料については引き下げをお願いしたいという内容の要望書が提出されました。現在、印旛広域が企業局に払っている行政財産使用料は、土地が評価額掛ける使用割合掛ける0.4%、建物や管路が評価額掛ける使用割合掛ける1%となっています。このパーセンテージの根拠を県の行政財産等の貸付規定で調べたところ、土地も建物も行政財産使用料の規定の0.3%と0.5%ではなく、それよりも高い普通財産の貸付料の規定の0.4%と1%を使っていました。浄水施設はどう考えても行政財産であるのに、なぜ普通財産として扱うのか、根拠を企業局に尋ねたところ、平成14年の厚労省の指導によるものとのことでした。その指導とは、本来、浄水場は保有すべきものであり、買い取るのが無理な場合は権利の設定など、何らかの担保を設定するよう是正するようにという内容でした。しかし、6月15日、今週月曜日、厚労省に直接ヒアリングをかけたところ、平成14年の水道法改正で第三者委託制度が確立され、水質検査などをクリアしていれば、供給事業体としての責任の所在が明確であるとされており、したがって、印旛広域については改めて権利や担保の設定をする必要はなく、よって普通財産と規定する必要もないとの説明でした。  そこで伺います。厚労省の説明に基づき、印旛広域が企業局に支払う経費について、行政財産使用料とするか、普通財産貸付料とするかは両者の協議で決めるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、業務委託料について伺います。  業務委託料の10%が一般管理費として上乗せされていますが、その根拠について、企業局は総務省、経産省、環境省の基準によるとしています。
     そこで伺います。総務省、経産省の経理処理マニュアルでは、一般管理費の10%を上限とすると規定され、委託先となる団体は民間企業、大学、公益法人、医療法人などとあります。印旛広域は、このどれに当たりますか。また、環境省の資料には、対象となる機関名さえ明記されていませんが、県は何を根拠としているのでしょうか。  総務省マニュアルでは、その他機関の場合、一般管理費は総務省担当職員と相談の上算出とあります。上限10%に必ずしもこだわる必要はないと解釈できますが、見解を伺います。  印旛広域の要望書には、総事業費のうち、行政財産使用料及び業務委託料が6割超を占める状況では、組合経費の削減だけでは限界があると記載されています。県内のほかの5企業団はどうかと、平成30年度決算を調べました。経理処理上の違いはありますが、印旛広域の行政財産使用料と業務委託料に当たる原水及び浄水費が総事業費に占める割合は5企業団とも全て30%台でした。単純に比較ができないまでも印旛広域の半分です。  そこで伺います。印旛広域が企業局に支払っている行政財産使用料と業務委託料の総事業費に占める割合が6割を超えているのは余りにも大きな負担であり、要望書の趣旨にのっとり見直すべきと考えます。御見解を伺います。  次に、種子条例策定についてです。  2018年、種子法が廃止されてから2年が経過しました。戦後68年間、種子法により、国、都道府県は米、麦、大豆の優良な種子の生産、普及を義務づけられ、国民に安全で安価な穀物を提供してきました。種子法が廃止され、大切な種が民間の投資対象となり、価格高騰や大企業独占が懸念されます。対抗策として、全国では種子法にかわる種子条例制定が県レベルで進み、既に18道県で策定されました。千葉県も条例制定を公表し、5月16日まで1カ月間、パブリックコメントを募集しました。このパブリックコメント募集に当たり条例案が示されるのかと思っていたところ、A4用紙1枚に説明文はわずか9行のみ、条例案は空白です。それにもかかわらず、パブリックコメントが116人から寄せられたということで、県民の関心の高さをうかがわせます。  そこで質問です。パブコメの主な意見を伺います。それらの意見をどのように条例に反映していきますか。条例制定までの今後のスケジュールについて伺います。条例素案ができた段階で再度のパブコメが必要と考えますが、御見解を伺います。  種子条例案について伺います。  まず、種子条例を策定する意義について伺います。  次に、基本理念や目的に消費者に関する一文を入れるべきと考えます。例えば長野県の条例には、優良な種子が消費者への安全で安心できる食料の安定的な供給に資するものであるという認識のもとに行わなければならないとあります。御見解を伺います。  今回のパブコメ募集に当たっての条例案の概要の中に現行の要綱を踏まえてと記載されています。しかるに現行の要綱には、農業競争力強化支援法の趣旨も踏まえという一文が明記されています。しかし、この農業競争力強化支援法は8条4項で、民間事業者の技術開発や新品種育成を促進し、県の種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進するとうたっており、千葉県のこれまで培ってきた知見を民間事業者へ渡すことになり、大変問題です。  そこで伺います。県の農業を守り、低廉な種子の安定供給を図る姿勢を示すためにも、条例には農業競争力強化支援法の趣旨を踏まえるという文言を入れるべきではありません。御見解を伺います。  次に、教科書採択についてです。  ことしは中学校の教科書採択の年で、現在、県内各地で教科書展示会が開かれています。千葉県は15の採択地区に分かれていますが、印旛採択地区は7市2町という県内最多の構成団体から成り、全国的にもこれだけ広域なところは10カ所しかありません。通常はそれぞれの自治体が独立した教育行政を行っているにもかかわらず、教科書採択に関しては9自治体が横並び一線を強いられ、会議の公開や採択結果の公表などにについて、各自治体の意思が反映しづらいと考えます。  そこで伺います。9つもの教育委員会から成る印旛採択地区では、各自治体の意思が反映した教科書採択をすることは困難であり、分割すべきと考えます。御見解を伺います。  最後に、虐待問題についてです。  市原市乳児虐待死事件について伺います。  新聞報道によると、千葉県は新たに虐待死事件が発生した場合、児童相談所のかかわりを含め、一切情報を公表しない方針と決めていたことが明らかになりました。  そこで伺います。新たな虐待死事件が発生した場合、一切情報を公表しないことを、いつ、どこで決定したのでしょうか。  市原市では2014年にも、生後8カ月の乳児が父親に頭などを殴打され、亡くなるという虐待死が起きています。この事件では、乳児が生後2カ月のときに右腕を骨折し、虐待が疑われて中央児相が保護、4カ月後に親元に戻され、その1カ月後に虐待で死亡しました。  そこで伺います。2014年の事件を千葉県はどのように検証し、市原市に対し、どのような対応をしましたか。また今回、再び乳児の虐待死が起きて、2014年の検証が生かされなかった原因をどう考えますか。  これで1回目の質問を終わります。 ◯議長(阿井伸也君) 伊藤とし子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。     (知事森田健作君登壇) ◯知事(森田健作君) 市民ネットワークの伊藤とし子議員の御質問にお答えします。  きょうは支援者の皆さん、ようこそおいでくださいました。  災害対応についてお答えいたします。  被災住宅工事相談窓口の周知についての御質問でございますが、県では被災住宅の修理を支援するため、全国木造建設事業協会の協力を得て、工事業者のあっせんや見積書の無料作成等を行う被災住宅工事相談窓口を設置しております。工事相談窓口の周知については、「県民だより」や市町村の広報紙等に掲載するほか、リーフレットの配布などを行っているところでございます。今後も市町村と連携し、修理が完了していない被災者の意向把握に努め、工事相談窓口の活用を促してまいります。  職員の配備の体制や市町村との情報共有について、どのように見直したのかとの御質問でございます。県では、昨年の台風等の経験を踏まえ、土砂災害警戒情報の発表や台風暴風域に入る確率等、客観的な基準に基づき配備体制をとることとし、運用を始めているところでございます。また、災害時に市町村へ派遣する情報連絡員をあらかじめ選定し、必要となる知識や業務に係る研修を本年4月に実施したほか、順次派遣予定の各市町村を訪問し、体制の相互確認を行っているところでございます。県といたしましては、迅速な情報収集と早期の災害応急対応に努め、防災対策のさらなる充実強化を図ってまいります。  私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。 ◯議長(阿井伸也君) 防災危機管理部長石渡敏温君。     (説明者石渡敏温君登壇) ◯説明者(石渡敏温君) 私からは災害対応についてのうち2問につきましてお答えいたします。  要支援者への支援のあり方についての御質問ですが、被災した要支援者の中には、生活再建に必要な情報を御自身で入手するのが困難な方もいることから、行政の各部門の関係機関が連携し、一人一人に寄り添った支援を行っていくことが重要です。昨年の台風災害においても、住家に甚大な被害が生じたことを踏まえ、県では各市町村に対し、防災、住宅、福祉の各部署が連携して支援に取り組むよう依頼したところであり、市町村では、介護支援専門員などが訪問して把握した情報を関係機関で共有し、各種支援につなげています。県としましては、今後とも行政の各部門や関係機関の連携強化を図り、被災された要支援者の方の支援を進めてまいります。  ボランティア活動への高速道路無料化の期限延長についての御質問ですが、昨年の台風被害に係る高速道路無料化につきましては、東日本高速道路株式会社等が、災害救助のために使用する自治体等の車両や災害ボランティアが活動するための車両を対象として、今月末まで実施しているところです。被災地においてはボランティア活動が続いており、引き続き被災家屋の応急修理などにおけるボランティアのニーズが見込まれることから、東日本高速道路株式会社等に対して無料措置の延長を要望してまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 健康福祉部長加瀬博夫君。     (説明者加瀬博夫君登壇) ◯説明者(加瀬博夫君) 私からはコロナによる貧困と生活保護についての5問と虐待問題についての2問、計7問につきましてお答えをいたします。  まず初めに、ネットカフェ宿泊者の一時避難所についての御質問です。県では、本年4月13日から5月6日までの間、千葉県消防学校の施設を活用して、ネットカフェ等を居所としていた方々の一時避難所を開設いたしました。開設期間中に20名が利用し、利用者の方々に対しては、住まいの確保を含めた生活再建に係る面談を複数回行い、県営住宅や民間のアパート等の利用につなげるなどの支援を行ったところでございます。  次に、生活保護の迅速な決定等についての御質問ですが、生活保護の受給については迅速な決定が行われるよう、本年3月に改めて各福祉事務所に周知徹底を図ったところでございます。また、生活保護決定までの間、活用可能な生活福祉資金については、申請から二、三日程度で貸し付けを行っております。  次に、生活保護の申請についての御質問ですが、住居が確保されていない場合の保護申請の取り扱いについては、これを理由として却下することのないよう、本年3月に改めて各福祉事務所に周知徹底を図ったところでございます。  次に、無料低額宿泊所の長期入所についての御質問でございます。無料低額宿泊所におきましては、福祉事務所と施設が連携の上、自立に向けた就労支援や利用者の状況に応じた社会福祉施設等への入所支援などを行っているところでございます。なお、本年4月から施行されました県の条例では、入居契約の期間は1年以内とされておりますが、施設が利用者の意向を確認し、福祉事務所と協議を行うことで契約を更新することが可能となっております。  次に、生活保護費の決定に係る収入認定についての御質問ですが、新型コロナウイルス感染症対策の一環として各団体が行う給付金事業につきましては、厚生労働省通知により、国の特別定額給付金と同様なものは収入認定せず、支給対象が低所得者世帯など住民の一部に限定されるものは、8,000円を超えた金額について収入認定することとされております。  なお、個別の給付金の取り扱いについては、厚生労働大臣に情報提供を行うことにより、国において取り扱いを判断することとなっているところでございます。  次に、情報公開に関する御質問です。今回の市原市の事例における保護者の逮捕当日の報道対応におきましては、担当課において具体的な情報がない中で、子供の福祉と個人の尊厳を守る観点から慎重に対応するため、児童に関する情報を提供しないこととしたものでございます。翌日以降におきましては、個人情報の保護と公益上県民にお知らせする必要性の両方の観点に十分配慮しながら対応しているところでございます。  最後に、児童虐待死亡事例に関する御質問ですが、平成26年に市原市で発生した事例については、県の児童相談所がかかわっていたことから、県において外部専門家による検証委員会で検証を実施し、平成30年5月に答申が出されたところでございます。この答申では、市関係機関の課題改善策が示されるとともに、提言の1つとして千葉県子ども虐待対応マニュアルの周知徹底、研修の継続的実施が示されました。これを受け、県では本マニュアルの内容を見直すとともに、市町村に対する研修などを通じ、さらなる徹底を図ってきたところですが、こうした中で今回の事件が起きてしまったことについては大変重く受けとめております。今後、市原市において検証が予定されておりますので、県としても、できる限り協力、支援をしてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 保健医療担当部長渡辺真俊君。     (説明者渡辺真俊君登壇) ◯説明者(渡辺真俊君) 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての2問につきましてお答えいたします。  まず初めに、医療現場から抗体検査を進めるべきとの御質問でございますが、抗体検査は主に過去の感染の有無を確認する検査と承知しております。国において、先日、一般住民7,950名を対象に抗体保有調査を実施したところ、抗体保有率は0.03%から0.17%という結果であり、現時点で体内での抗体の持続期間や2回目の感染から守る機能があるかどうかは確定していないとの報告となっています。また、本調査は、個別に現在の感染を診断するためのものではないことから、引き続き国の動向を注視してまいります。  次に、公立・公的病院の再編に関する御質問でございますが、国では昨年9月、平成29年度の診療実績データ等を分析し、診療実績が少ない等の一定の基準を満たさない公立・公的医療機関を公表したところです。これらの医療機関は、将来の医療需要等を踏まえ、今後担うべき役割や病床数等を改めて検討した上で、その検討結果について地域医療構想調整会議で議論することが求められています。さらに、先日、厚生労働大臣が感染症等への対応も含めて議論していく必要があると述べたことなどから、県では国の動向や地域の実情などを十分踏まえつつ、地域医療構想調整会議において丁寧な議論を行ってまいりたいと考えています。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 農林水産部長穴澤幸男君。     (説明者穴澤幸男君登壇) ◯説明者(穴澤幸男君) 私からは種子条例に関する4問にお答えいたします。  まず、パブリックコメントや今後のスケジュールについての御質問ですが、パブリックコメントで示された条例案の概要に寄せられた主な意見としては、将来にわたり優良な種子の安定生産と供給体制の整備が必要である、食の安全を求める消費者の視点を反映すべきである、民間企業の参入により種子を独占されることが懸念されるなどがあり、今後、こうした意見を参考にしながら条例案の検討を進め、早期の条例制定を目指してまいります。また、パブリックコメントを再度実施することについては、条例案の検討に合わせ、その必要性を判断してまいります。  次に、種子条例を策定する意義とは何かとの御質問ですが、米や大豆など主要農作物等の種子生産事業を県の条例に基づき法的根拠をもって行うことにより、農業者が安心して生産に取り組むことができることから、本県農業の発展に資するものと考えております。  次に、種子条例に関する御質問のうち、消費者及び農業競争力強化支援法の趣旨を踏まえるとの文言に関する御質問については、関連しますので、一括してお答えいたします。  種子条例については、現在、条文の内容を検討しているところであり、今後さまざまな御意見を参考にしながら条例案を策定してまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 県土整備部長河南正幸君。     (説明者河南正幸君登壇) ◯説明者(河南正幸君) 私からは災害対応についてのうち1問にお答えいたします。  印旛沼流域における流域治水についての御質問ですが、昨年、浸水被害があった印旛沼流域では、鹿島川の河道拡幅や高崎川の護岸かさ上げに加え、印旛沼の予備排水、佐倉市が行う内水対策、学校における雨水貯留浸透施設の整備などに一体的に取り組み、治水対策を実施しております。今後とも流域の市町や関係機関と連携を図りながら、流域全体の取り組みにより浸水被害の軽減を目指す治水対策を進めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 都市整備局長保坂隆君。     (説明者保坂 隆君登壇) ◯説明者(保坂 隆君) 私からはコロナによる貧困と生活保護についてのうち1問にお答えいたします。  居住支援法人についての御質問ですが、住宅セーフティネット法による居住支援法人は、高齢者や低額所得者など、住宅の確保に配慮を要する方の賃貸住宅への入居を支援する法人を対象に、申請に基づき知事が指定しております。県では、申請者の多くが福祉事業や不動産事業を行う法人であることを踏まえ、これらの団体と構成する千葉県すまいづくり協議会居住支援部会において、居住支援に関する制度や取り組みについて講習や情報交換などを行い、指定法人の増加に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 企業局長岡本和貴君。     (説明者岡本和貴君登壇) ◯説明者(岡本和貴君) 私からは印旛広域水道の負担軽減についての4問にお答えします。  初めに、企業局に支払われている経費についての御質問です。印旛郡市広域市町村圏事務組合が水道用水供給事業体として、自前の浄水場等の施設を保有する、もしくは少なくとも施設使用の権利を保有すべきとの厚生労働省の指導を受け、関係者で検討を行いました。その結果、当局が各施設について、水量割合で施設使用許可をし、同組合が施設使用の権利を保有する形態としました。使用料については、規程に基づき、こうした目的その他の事情を考慮して普通財産の貸し付けの場合と同様とし、両者で協議の上、合意してきたものでございます。  次に、委託事業に係る国のマニュアルに関して、県は何を根拠としているのかとの御質問です。総務省などのマニュアルは委託先団体として、民間企業、大学、公益法人などを例示しているもの、していないものがあり、一般管理費率についても、10%以内とするもの、15%とするものなど、さまざまでございます。委託先として地方公営企業を具体に例示しておりませんが、これら国のマニュアルの考え方を参考としたものでございます。  次に、一般管理費は上限10%にこだわる必要はないのではないかとの御質問です。一般管理費については、直接委託費以外に安定給水に必要となる経費が該当しますが、国が委託業務を発注する際に使用しているマニュアルの考え方を参考に双方合意の上、直接委託費の10%と定めてきたところです。  最後に、委託費等の割合が総事業費の6割を超えるのは大きな負担であり、見直すべきとの御質問です。同組合は取水場や導水管、浄水場等を保有していないため、水道用水供給事業の技術的業務の多くを県企業局が受託しているところです。水道事業体の費用構造については、水源、水質、地形等の違いに加え、施設の状況等によりさまざまでありますので、一概に比較できないものと考えております。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 教育長澤川和宏君。     (説明者澤川和宏君登壇)
    ◯説明者(澤川和宏君) 私からは教科書採択地区の分割についての御質問にお答えいたします。  義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律において、教科書採択地区は県教育委員会が設定することとされ、これを設定または変更しようとするときは、あらかじめ市町村教育委員会の意見を聞かなければならないとされております。現在、令和3年度使用の教科書採択業務が進められておりますが、今年度の採択地区については、昨年9月に各市町村教育委員会に意見を聞いた上で設定したものです。県教育委員会では、各採択地区において十分な協議を経た上で円滑な教科書採択が実施されるよう指導助言してまいります。  私からは以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 伊藤とし子君。 ◯伊藤とし子君 ありがとうございました。では、再質問と要望を行います。  まず、コロナによる貧困と生活保護についてです。生活保護申請について、実際に各自治体の福祉事務所窓口において、住居がないことを理由に申請者を追い返す水際作戦が行われていないか、申請者に書かせる山のような書類の簡素化がちゃんとできているか、また受給決定を今までよりスピードアップしているか、県は調査をするべきではないでしょうか。  それから、無料低額宿泊所についてです。年に一度の立入調査では、入居者の処遇の実態はわかりにくいのが現実です。現に2017年、市川市の女性専用の無料低額宿泊所で、女性の施設長が高齢の入所者を殴る、蹴るなどして死亡させる事件が起きています。入所者全員にアンケート調査を行うなど、処遇改善のための具体策を図るべきと考えます。御見解を伺います。  生活保護の生活福祉資金貸付制度です。先ほど申請から二、三日程度で貸し付けを行うという御答弁がありました。しかし、私たちの相談会にも所持金ゼロで助けを求めに来ています。また、福祉事務所によっては毎日500円を2週間分、7,000円を貸し付けると言いますが、毎日500円ずつ取りに来いというような非常識なことを求めるところもあります。これでは電車賃で消えてしまいます。ですから、貸付制度を工夫すべきと質問しました。もっと現実を見ていただきたいと思います。再度回答を求めます。  それから、災害対応についてです。流域治水について、滋賀県では幅1メートルの小川も含め、県内全ての河川の90%までを県管理の一級河川に指定し、上流部も含めた治水対策を進めています。国交省も今、上流から下流まで一体的に捉えた流域治水にかじを切っていますので、千葉県としてもリーダーシップをとっていっていただきたいと考えます。御見解を伺います。  それから、印旛広域水道の負担軽減についてです。浄水場施設使用料について、第三者委託制度の趣旨から外れ、20年近く印旛広域に普通財産貸し付けとして高いパーセンテージを課してきた現状から、今後速やかに行政財産使用とする低いパーセンテージに移行すべきと考えます。御見解を伺います。  それで厚労省とのやりとりなど、印旛広域に全ての責任があるかのような、これまでいろいろヒアリングなどしてきました。それが県の方針、そして答弁でしたけれども、印旛広域が今、施設使用料や業務委託料を引き下げてほしいと要望しているんです。この背景には、水道料金を抑えてほしいという印旛地区の住民の願いがあります。そのことを県はどう認識しているのでしょうか、伺います。  次に、要望です。  種子条例策定について、これ、116人もの方がパブリックコメントを寄せられたということは非常に希有なことです。とても関心が高いと思います。これは、県民はただ単に白紙委任を渡したということではないはずなんです。拙速につくって禍根を残さないように、でき上がった条例素案を再度パブリックコメントにかけて生産者、県民の意見を十分取り入れ、よりよい種子条例を策定するように要望いたします。  それから、先ほどの虐待の問題です。県は情報を開示しない、まるっきり出さないと言ってから、次には翌日には出したと先ほど答弁がありましたけれども、しかし、市原市の市長の記者会見では、県から情報開示しないようにと言われて、それに従ったと言っているんですよね。個人情報保護の観点、そして残された家族のいろいろな状況、プライバシーが明らかになることの問題点、虐待死がなかなか再発が防げない状況から見て、やはりしっかりと情報開示をしなければいけない、それが県の責務だと考えます。これは今後検討して改善していっていただきたいと思います。  以上、2回目の再質問と要望を終わります。 ◯議長(阿井伸也君) 健康福祉部長加瀬博夫君。 ◯説明者(加瀬博夫君) まず、生活保護の申請に関する御質問でございますが、県では各福祉事務所に対して監査を行いまして、法令に基づき適正に事務を実施するよう指導しているところでございます。  次に、無料低額宿泊所に関する御質問でございますが、県では毎年度、全施設に対して立入検査を行っているほか、福祉事務所のケースワーカーが年2回以上入所者を訪問して、処遇を含めた生活状況を把握しているところでございます。  それから、生活福祉資金の貸付制度につきましては、今後とも適切に貸し付けが行われるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 県土整備部長河南正幸君。 ◯説明者(河南正幸君) 私からは印旛沼流域の流域治水に関する御質問にお答えいたします。  昨年の大雨を踏まえ、県では、流域の市町や関係機関が参加する調整会議を主催し、関係者間の連携を図りながら、流域全体として一体的に治水対策に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 企業局長岡本和貴君。 ◯説明者(岡本和貴君) 印旛広域水道に関して、今後速やかに行政財産使用とする低いパーセンテージに移行すべきとの御質問です。使用料につきましては、当局の規程により、普通財産の貸し付けの場合と同様とし、両者で協議の上、合意をしてきたものでございます。  もう1つ、印旛地域の住民の願いについて、県はどう認識するのかとの御質問です。今後も印旛地域の安全・安心な水道水の安定給水に協力をしてまいります。  以上でございます。 ◯議長(阿井伸也君) 伊藤とし子君。 ◯伊藤とし子君 ありがとうございました。では、要望いたします。  まず、コロナによる貧困と生活保護についてです。生活保護申請について要望いたします。県内の福祉事務所では、所持金ゼロの人を追い返すような血も涙もないやり方がまかり通っています。県は周知していると言いますが、いまだに住所のない人はほとんどが追い返されるか、無低に入れられています。無低から逃げ出して路上生活を送っている人も後を絶ちません。現に私たちの相談会にも何人もいらっしゃいました。人の命がかかっています。千葉県は生活保護の暗黒地帯と言われていることを自覚し、まずは実態をきちんと把握して、徹底的な改善を強く要望いたします。  印旛広域水道の負担軽減についてです。コロナによる経済的な影響はとても大きく、水道料金値上げは避けなければなりません。何よりも住民の福祉の立場に立つべきです。同じ公営企業として、高い貸付料や一般管理費上乗せは是正すべきです。印旛広域とのゼロベースからの協議を強く要望いたします。  次に、災害対応についてです。高崎川について、現在ある高崎川流域雨水対策協議会は形骸化して実効性がありません。一宮川では流域浸水対策特別緊急事業が進められています。高崎川では一宮川水系のような護岸崩落などは起きていなかったものの、下流での氾濫で死者が出ています。県は高崎川上流での災害対策に力を尽くすよう要望いたします。  これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ◯議長(阿井伸也君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。  6月22日は定刻より会議を開きます。  これにて散会いたします。         午後3時36分散会        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━        本日の会議に付した事件 1.開  会 2.小路正和君の質疑並びに一般質問 3.当局の応答 4.鈴木ひろ子君の質疑並びに一般質問 5.当局の応答 6.小高伸太君の質疑並びに一般質問 7.当局の応答 8.佐藤健二郎君の質疑並びに一般質問 9.当局の応答 10.伊藤とし子君の質疑並びに一般質問 11.当局の応答        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出 席 議 員   議   長   阿井 伸也 君   副 議 長   今井  勝 君   議   員   鈴木 陽介 君   大崎 雄介 君   川名 康介 君           小野崎正喜 君   伊豆倉雄太 君   森   岳 君           茂呂  剛 君   川井 友則 君   仲村 秀明 君           野田 剛彦 君   安藤じゅん子君   小路 正和 君           中村  実 君   三沢  智 君   石井 一美 君           坂下しげき 君   水野 友貴 君   谷田川充丈 君           田村 耕作 君   松戸 隆政 君   守屋 貴子 君           岩井 泰憲 君   小池 正昭 君   関  政幸 君           中沢 裕隆 君   實川  隆 君   斉藤  守 君           プリティ長嶋君   横山 秀明 君   入江 晶子 君           大川 忠夫 君   山本 義一 君   鶴岡 宏祥 君           林  幹人 君   武田 正光 君   瀧田 敏幸 君           鈴木  衛 君   木下 敬二 君   秋林 貴史 君           阿部 俊昭 君   礒部 裕和 君   網中  肇 君           臼井 正一 君   信田 光保 君   江野澤吉克 君           伊藤 昌弘 君   佐野  彰 君   加藤 英雄 君           みわ 由美 君   藤井 弘之 君   天野 行雄 君           竹内 圭司 君   高橋  浩 君   山中  操 君           鈴木 昌俊 君   石橋 清孝 君   吉本  充 君           宇野  裕 君   阿部 紘一 君   西尾 憲一 君           小宮 清子 君   赤間 正明 君   田中 信行 君           矢崎堅太郎 君   河野 俊紀 君   浜田 穂積 君           川名 寛章 君   河上  茂 君   伊藤 和男 君           酒井 茂英 君   宍倉  登 君   小高 伸太 君           本間  進 君   鈴木 和宏 君   松崎 太洋 君           宮川  太 君   田中幸太郎 君   宮坂 奈緒 君           佐藤健二郎 君   伊藤  寛 君   鈴木ひろ子 君           市原  淳 君   田沼 隆志 君   秋葉 就一 君           平田 悦子 君   菊岡たづ子 君   高橋 秀典 君           木名瀬訓光 君   高橋 祐子 君   秋本 享志 君           岩波 初美 君   伊藤とし子 君        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席説明者           知         事         森田 健作 君
              副    知    事         高橋  渡 君           副    知    事         滝川 伸輔 君           総  務  部  長          石川  徹 君           総 合 企 画 部 長         鎌形 悦弘 君           防災危機管理部長            石渡 敏温 君           健 康 福 祉 部 長         加瀬 博夫 君           保健医療担当部長            渡辺 真俊 君           オリンピック・パラリンピック推進局長  高橋 俊之 君           商 工 労 働 部 長         田中  剛 君           農 林 水 産 部 長         穴澤 幸男 君           県 土 整 備 部 長         河南 正幸 君           都 市 整 備 局 長         保坂  隆 君           会 計 管 理 者           松尾 晴介 君           企  業  局  長          岡本 和貴 君           病  院  局  長          山崎晋一朗 君           教    育    長         澤川 和宏 君           警 察 本 部 長           早川  治 君           人事委員会事務局長           清水 生也 君           代 表 監 査 委 員         中島 輝夫 君        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席事務局職員           事  務  局  長          宇井 隆浩           事 務 局 次 長           増田  等           議  事  課  長          鈴木 正雄           政 務 調 査 課 長         伊藤 正秀           議 事 課 副 課 長         粕谷  健           議  事  班  長          荻原 裕一           委 員 会 班 長           石塚 春美 Copyright (C) Chiba Prefecture Assembly Minutes, All rights reserved....