千葉県議会 2019-06-08
令和元年6月定例会(第8日目) 本文
第2は、教員の大幅増員と少人数学級の拡大です。
県は、小学校への
非常勤講師35人の増員
を盛り込みました。担任が児童への見守り支援
をできるよう、授業の一部
を代替するということですが、確かに学校現場にとって、増員は支援につながります。しかし、そもそも本来必要な教員の未配置問題が依然未解決なもとで、今回の措置で十分とは言えません。県による教職員アンケートでも、児童に向き合う時間が確保できていると回答したのは54%にとどまり、多忙化の実態はますます深刻となっています。
常任委員会でも指摘しましたが、担任は授業を通じて子供のわずかな変化
を見抜き、見守る努力
を重ねています。そうしてこそ、虐待の早期発見も可能だと思います。正規教員そのもの
を抜本的にふやし、少人数学級
を大幅に拡大することは不可欠です。そのこと
を強く求めるものです。
次に、反対する議案について述べます。
まず、議案第4号千葉県
県税条例等の一部
を改正する条例の制定についてです。そもそも今回の改正は消費税増税
を前提としたものであり、それ自体、認められません。
法人事業税については、地方法人課税の是正措置として特別法人事業譲与税が創設されるに当たり、
法人事業税の税率
を引き下げるというものです。消費税増税で地方自治体の税収格差拡大
を深刻化させる一方で、本来、
地方交付税制度を通じて、国が責任
を持って行うべき自治体間の財政調整の責任
を一部の地方自治体に押しつけることは許されません。
自動車税の措置は、自動車業界の要請に応え、消費税増税前後の需要
を平準化することが目的です。よって、反対します。
次に、議案第5
号使用料及び
手数料条例の一部
を改正する条例の制定、議案第9号千葉県農林総合研究センター新本館建築、第10号ないし第12号の
有料道路事業計画変更の議案も10月からの消費税増税が前提となっています。県民負担増は容認できません。これらの議案に反対します。
最後に、請願についてです。
請願第1号は、
消費税率10%への引き上げ
中止を求める意見書の提出
を求めるものです。請願者も指摘しているとおり、千葉県商工団体連合会の営業とくらし実態調査の結果では、景気悪化のもと、回答者の85%が消費税増税に反対と回答し、増税されたら売り上げや利益は減少、廃業も考えるなどの訴えが寄せられています。続くインボイス制度の導入にも倒産が一気にふえるなど、強い危機感が広がっています。
内閣府の景気動向指数は、6年5カ月ぶりに2カ月連続で悪化となりました。景気悪化の局面での増税強行は愚策と言うほかはありません。首相は、今回いただいたものは全てお返しする対策
を行うと言いますが、しかし、全て返すくらいなら、最初から増税などしなければよいのではありませんか。増税分
を高等教育の無償化や幼児教育・保育の無償化に充てるとも言いますが、その対象は極めて限定的です。しかも、その財源
を消費税増税に頼ったら、所得の少ない方には負担増のみが押しつけられます。政府・与党内からも、経済界の人からも、今10%にすべきでないとの声も上がっています。今からでも消費税増税は
中止できます。大企業や富裕層への優遇税制
をただすなど、消費税に頼らない別の道で財源
をつくることができます。よって、本請願の採択
を強く求め、以上、討論
を終わります。(拍手)
◯議長(
阿井伸也君) 次に、秋葉就一君。
(秋葉就一君登壇)
◯秋葉就一君 議長のお許し
をいただきましたので、議案第1号令和元
年度千葉県
一般会計補正予算(第1号)につきまして、賛成の討論
をさせていただきます。
まずもって、本年1月に
児童虐待で死亡されました栗原心愛さんの御冥福
を心よりお祈り申し上げます。
今までの委員長報告や、さきのみわ議員の討論にもありましたように、今回の補正議案につきましては、5月8日に
児童虐待防止緊急対策として県が発表された内容
を裏づけて実行するための
補正予算案1億8,800万と債務負担行為3億円から成っているものであり、
児童相談所の
体制強化、
電話相談員の増員や
児童安全確認協力員の増員等から成る
児童相談所の
体制強化。中には
一時保護所の増設、28名の定員増
を含む
一時保護所の増設も含まれている内容の
体制強化が1点目。そして2点目の
関係機関との連携強化、3点目の広報、啓発の強化。いずれも必要なものであり、緊急に実施されなければならないものでありますため、県に全面的に賛成しますとともに、県に対しては、本議会で可決成立後、速やかに正式な手続にのっとりつつも、できるだけ速やかな執行
をよろしくお願い
を申し上げます。
しかしながら、今月19日、20日、新聞報道等で発覚いたしました、元
柏児童相談所の職員が
柏児童相談所とかかわりのあった未成年にたばことライター
を買い与えた容疑で書類送検されたという報道がありました。6月21日の
健康福祉常任委員会で、健康福祉部長からはおわびの発言と、そして服務規律の徹底
をしてまいりますという説明がありましたけれども、それが起こっていた時期が本年3月ということで、栗原心愛さんの事件が発覚してからまだ2カ月程度の、真剣になって、この検証と再発防止に取り組まなければいけない時期のさなかに起こったことについては、まことに遺憾であります。私からも、県議会からも服務規律のさらなる徹底
をお願い申し上げますとともに、その後の状況についてしっかりと県議会にも報告
をお願いしたいと存じます。
それから、
体制強化については、28名の
一時保護の定員増ということでは、本年6月1日時点の71名オーバーの現状には到底届かない状況だということは、先ほどの討論にもあったとおりでございます。代表質問に対する答弁の中で、少しでも前倒し、あるいは既存の施設の有効活用
を全庁的に図っていくという答弁がありました。まさに県知事が先頭に立って、既存の遊休施設の活用も含めた
一時保護の定員の増
を速やかに図っていただくこと
を私からも改めてお願い
を申し上げます。
また、中央
児童相談所の定員増については、今回の
補正予算の対象にはなってないわけでありますけれども、それは旧青少年女性会館への移転が予定されているからということでありますけれども、私が調べたところ、現在の中央児相の面積は、延べ床面積は約1,763平方メートルに対して、今度、移転予定の建物に占める中央
児童相談所分の面積は約4,377平方メートルと伺っておりまして、現行の約2.5倍ほどの延べ床面積になると伺っております。しかしながら、定員が25名から30名と、5名の増にとどまっているというふうに伺っております。レイアウトについては、ほぼ固まってしまっているところかとは思いますけれども、現在の
一時保護の実人数
を鑑みますと、中央も既に6月1日時点で42名ということでありますので、今、大規模改修中ではあると思いますけれども、少しでも安全な形で定員増が図れないか、さらなる御検討
をお願い申し上げます。
また最後に、
児童相談所が6カ所体制で、埼玉県ともちょっと比較してみましたけれども、政令市の人口
を除いた形で児相1つ当たりの人口
を算出しましたところ、埼玉県の場合が約85万7,000人、千葉県の場合が約88万人ということで2万数千人の差がありました。
児童相談所の数
をふやすということは簡単なことではないと思いますけれども、100万人以上の人口規模
を対象とする児相が3つある状況の中で、なかなか対応が難しいところはあると思います。児相の増設も含めた検討
をお願いしまして、私の賛成討論とさせていただきます。
◯議長(
阿井伸也君) 以上で討論
を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
採決は分割して行います。
初めに、議案第5号
を採決いたします。関係
常任委員会委員長報告のとおり原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって原案のとおり可決されました。
次に、議案第10号ないし第12号
を一括採決いたします。
県土整備常任委員会委員長報告のとおり原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって原案のとおり可決されました。
次に、議案第4号
を採決いたします。
総務防災常任委員会委員長報告のとおり原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって原案のとおり可決されました。
次に、議案第9号及び第13号
を一括採決いたします。関係
常任委員会委員長報告のとおり原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって原案のとおり可決されました。
次に、議案第1号ないし第3号及び第6号ないし第8号
を一括採決いたします。関係
常任委員会委員長報告のとおり原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立全員。よって原案のとおり可決されました。
次に、請願について採決いたします。
請願第1号
を採決いたします。
総務防災常任委員会委員長報告のとおり決定することに賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって
総務防災常任委員会委員長報告のとおり決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
議 長 の 報 告
◯議長(
阿井伸也君) 本日、知事から追加議案の送付があり、これ
を受理いたしましたので、御報告いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
議案第14号ないし議案第16号
◯議長(
阿井伸也君) 日程第2、議案第14号ないし第16号
を一括議題といたします。
知事に提案理由の説明
を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) おはようございます。ただいま追加提案いたしました議案について説明させていただきます。
議案第14号及び議案第15号は、教育委員会委員に貞廣斎子氏及び花岡伸和氏
を新たに任命することについて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条の規定により、議案第16号は、収用委員会委員に稗田政義氏
を再任することについて、土地収用法第52条の規定により、それぞれ議会の同意
を得ようとするものでございます。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
◯議長(
阿井伸也君) この際、お諮りいたします。ただいま議題といたしました追加議案3件につきましては、成規の手続
を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯議長(
阿井伸也君) 御異議ないものと認め、これより起立により採決いたします。
採決は分割して行います。
初めに、議案第14号教育委員会委員に貞廣斎子君
を任命することに同意
を求める件について、これに同意するに賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって本案は同意することに決定いたしました。
次に、議案第15号教育委員会委員に花岡伸和君
を任命することに同意
を求める件について、これに同意するに賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって本案は同意することに決定いたしました。
次に、議案第16号収用委員会委員に稗田政義君
を任命することに同意
を求める件について、これに同意するに賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立多数。よって本案は同意することに決定いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発議案第2号ないし発議案第11号
◯議長(
阿井伸也君) 日程第3、発議案第2号ないし第11号
を一括議題といたします。
案文はお手元に配付してあります。
この際、お諮りいたします。ただいま議題といたしました発議案10件につきましては、千葉県議会会議規則第38条第3項の規定により、提出者の趣旨説明及び委員会付託
を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯議長(
阿井伸也君) 御異議ないものと認め、提出者の趣旨説明及び委員会付託
を省略することに決定いたしました。
討論の通告がありますので、この際これ
を許します。伊藤とし子君。
(伊藤とし子君登壇、拍手)
◯伊藤とし子君 市民ネットワークの伊藤とし子です。共産党と共同提出の発議案第8号陸自オスプレイの木更津駐屯地への「暫定配備」の撤回
を求める意見書案に賛成の立場から討論
をいたします。
意見書案にもありますとおり、政府、防衛省は5月24日、陸上自衛隊が導入するティルトローター機MV−22オスプレイ17機全て
を陸自木更津基地に暫定配備すると表明しました。同日に行われた木更津市への説明においては、あくまでも暫定であって、木更津市からの了承が得られて初めて決定となるとのことでした。しかし、実際に17機分の購入費3,600億円は支払い済み、既に5機は納入され、米国内での飛行訓練
を行っているところであり、2021年度末までに17機全てが日本に輸送される計画となっています。本来の配備先である佐賀空港での
受け入れ交渉が難航している中、オスプレイ部隊の新編も本年度内に予定されていることから、木更津基地への配備は既定の事実と判断せざる
を得ません。極めて事故率の高いオスプレイは、普天間基地所属の24機のうち、既に2機が墜落大破、死者3名
を出しています。残る22機のうち8機は整備不能として、昨年、新品に交換。同じ木更津基地内での定期点検整備に異常に時間がかかった事実は、この機種のメカニズムの複雑さ、整備の難しさ
を証明しています。
また、固定翼モードから回転翼モードへの切りかえ時の不安定さもかねてより指摘されており、固有の操縦の難しさに加え、沖縄県名護市沖での墜落事故で露呈した空中給油にかかわる構造的欠陥も存在しています。防衛省側も木更津暫定配備後の空中給油訓練実行そのものは否定しておりません。
そもそも離島防衛・奪還のためとされる陸自オスプレイ部隊が南西諸島より最大で2,000キロも離れた木更津に配備されるということは、軍事的合理性からかけ離れています。また、最大の争点である安全性の確保策についても、木更津市民はもとより、千葉県民、国民全体の合意がなされているとは到底思えません。今回の暫定配備計画は速やかに白紙撤回
をすべきであり、本意見書の採択と提出
を強く要望し、賛成討論といたします。(拍手)
◯議長(
阿井伸也君) 以上で討論
を終結いたします。
これより起立により採決いたします。
採決は分割して行います。
初めに、発議案第2号及び第8号
を一括採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第2号及び第8号は否決されました。
次に、発議案第9号
を採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第9号は否決されました。
次に、発議案第5号及び第10号
を一括採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第5号及び第10号は否決されました。
次に、発議案第6号
を採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第6号は否決されました。
次に、発議案第7号
を採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第7号は否決されました。
次に、発議案第3号、第4号及び第11号
を一括採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立全員。よって発議案第3号、第4号及び第11号は可決されました。
ただいま議決されました発議案につきましては、議長においてしかるべく取り計らいますので、御了承願います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発議案第12号
◯議長(
阿井伸也君) 日程第4、発議案第12号
を議題といたします。
案文はお手元に配付してあります。
ただいま議題といたしました発議案について、提出者の趣旨説明
を求めます。伊藤とし子君。
(伊藤とし子君登壇、拍手)
◯伊藤とし子君 市民ネットワークの伊藤とし子です。発議案第12号八ッ場ダムの試験湛水
を始める前に、地すべり対策等万全な安全対策
を講じること
を求める意見書案について、提出者として趣旨説明
を行います。
八ッ場ダムが計画されてから67年という歳月が経過しました。さまざまな紆余曲折
を経て、ことし6月12日、ダム本体のコンクリート打設が完了したということで、地元では盛大な式典が行われました。しかし、いまだ地元でもさまざまな異論が出ていることが新聞でも報道されています。とりわけ、ずり上がり方式という八ッ場ダム特有の生活再建策の結果として、現地ダム湖周辺30メートル以上ものかさ上げ造成地に新しい住居
を構えた住民からは不安の声が上がっています。八ッ場ダム建設現場は約2万4,000年前、浅間山の大爆発により、大規模な応桑岩屑雪崩と呼ばれる大量の土砂が吾妻川に流入しました。また、1783年(天明3年)の浅間山の大噴火の際にも、吾妻川
を大量の泥流が流れ下りました。
このように、現地では岩屑雪崩が堆積した地層が形成されたわけですが、ここに大雨が降ると、土が水
を含んで崩れやすくなり、これまでもしばしば地すべり
を起こしてきました。土地の人たちは、地すべり跡のくぼみが人の足跡に似ていることから、伝説の巨人、ダイダラボッチの足跡と呼びならわしてきました。この地域はまさに地すべり多発地帯なのです。ただでさえ脆弱な地盤であることから、専門家からは、くい工、アンカー工法という有効な対策が提案されてきました。ところが、国交省は2011年検証からわずか5年後、経費削減の名目で、安価なソイルセメント
を使った押さえ盛り土工法に変更してしまいました。これは土圧で制御するという極めて不安定な工法です。
加えて吾妻川は中和対策がされているものの弱酸性であり、また、ダム貯水池周辺に分布する熱水変質層から酸性地下水が浸出することも考えると、酸性水によりセメント成分が溶け出して、ソイルセメント押さえ盛り土の強度が低下することが専門家から指摘されています。さらに、経費削減の一環として、地すべり対策の対象箇所が当初の15カ所から8カ所に縮小されました。住民の生命と財産
を守るという地方自治の本旨からも極めて不適切な措置と考えます。
試験湛水
を始めれば、水位の変化による地盤への影響や酸性水によるソイルセメントの劣化が地すべり
を誘発する可能性が否定できません。一旦地すべりが起これば住民に甚大な被害が起きます。拙速に試験湛水
を行わず、まずは盤石の安全対策
を改めて講じることが急がれます。その必要性
を切に訴え、本意見書の趣旨説明といたします。皆様には何とぞ賛同していただきますようお願い
を申し上げます。(拍手)
◯議長(
阿井伸也君) 質疑の通告がありませんので、質疑なしと認めます。
お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第12号につきましては、千葉県議会会議規則第38条第3項の規定により委員会付託
を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯議長(
阿井伸也君) 御異議ないものと認め、委員会付託
を省略することに決定いたしました。
討論の通告がありませんので、討論なしと認めます。
これより起立により採決いたします。
発議案第12号
を採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第12号は否決されました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発議案第13号
◯議長(
阿井伸也君) 日程第5、発議案第13号
を議題といたします。
案文はお手元に配付してあります。
ただいま議題といたしました発議案について、提出者の趣旨説明
を求めます。加藤英雄君。
(加藤英雄君登壇、拍手)
◯加藤英雄君
日本共産党提出の発議案第13号老後の暮らし
を支える年金の実現
を求める意見書案への議員各位の賛同
を求め、趣旨説明
を行います。
今、政府の年金制度への対応をめぐって、怨嗟の声が全国隅々にまで広がり、今月16日、日比谷公園での年金返せデモには2,000人が集まり、怒りの声
を響かせました。その発端となったのは、3日、金融庁が公表した金融審議会市場ワーキング・グループ報告書です。報告書では、収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円で、まだ20年から30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円から2,000万円となる。だから、資産形成・運用といった自助の充実
をと述べられています。これは、老後、公的年金だけでは2,000万円も足りなくなる、だから貯蓄せよ、投資で資産
をふやせと、あからさまに自己責任
を求めるもので、国民の老後の不安
を駆り立て、年金への信頼
を根底から揺るがすものです。同時に、これは低過ぎる公的年金の実態
を政府自身が認めたものだと言わざる
を得ません。
現に安倍政権になってからの7年間で見ると、物価は5.3%も上昇しているのに年金は0.8%のマイナス改定で、実質6.1%の大幅減となる年金の引き下げが行われてきました。さらに政府は、事もあろうに、この報告書の打ち消しに躍起になっています。誤解
を招く、政府と政策的スタンスが違うとして、報告書はなかった、受け取らないなどと言い出す始末、余りにも御都合主義ではありませんか。幾ら報告書
をなかったことにしても、年金だけでは暮らしていけないという事実は決して消し去ることはできません。
ですから、直近の世論調査では、共同、毎日、産経・FNNなどで、政府のこの間の対応について、問題だ、納得できない、適切でないとする回答が7割に上っています。あわせて共同の調査では、74.3%が老後について経済的に不安があると答えるなど、年金への不安が一層広がっていることが明らかとなっています。問題なのは、月5万円不足するというのは現在の年金受給者への推計であり、今後の年金水準はさらに低下していくということです。今の現役世代が年金受給者になったときに、必要な貯金は2,000万円どころでは済まなくなります。年金削減が2043年まで続くことで、現在、41歳以下の人たちが受け取る年金は月4万5,000円もの減額となり、30年間では1,620万円の減額、2,000万円どころか3,600万円も不足することが国会論戦で明らかになっています。
この貧しい年金の根底に横たわっているのが年金
を減らし続ける仕組み、マクロ経済スライドです。もともと年金額は、初めて受け取る人は賃金の伸び率に応じて、今、年金
を受け取っている人は物価の伸び率に応じて改定するとされてきました。しかし、自民・公明政権が2004年に年金法
を改悪し、物価、賃金が上がっても、その分より年金引き上げ幅
を低く抑え込み、実質的に年金
を削減する仕組み、マクロ経済スライド
を導入しました。さらに、2016年に年金カット法
を強行し、確実に年金
を削減できる体系としました。その結果、2019年の年金額は、物価が1.0%増、賃金が0.6%増のため、本来ならば年金は0.6%増が基準になりますが、この間の改悪でスライド調整率0.2%、さらに繰越調整率0.3%、合わせて0.5%分
を差し引くことになり、その結果、年金額は0.1%増にとどまります。物価上昇率1.0%には追いつかず、実質的には0.9%の削減で、実際の生活水準は低下し、一層窮地に追い込まれることになります。
しかも、安倍首相は19日の党首討論や22日のテレビ番組で、マクロ経済スライド
をなくせば7兆円の財源が必要と突如言い出しました。これは、国民が受け取るはずの年金がマクロ経済スライドによって7兆円も削られる、国民の年金が奪われること
を首相みずからが認めたことにほかなりません。この結果、今でさえ月6万5,000円にしかならない国民年金が月約4万5,000円にまで減る計算になります。これで果たして生きていけるのか。
私は声
を大にして訴えたい。これのどこが100年安心の年金なのか。2003年当時、年金安心プランだとか、今もらっている年金は下げません、暮らせる年金
を確保などと大宣伝されていましたが、ここに来て100年安心の看板は崩壊し、既に地に落ちたと言わざる
を得ません。老後の年金が不足するという報告書
を直視するのであれば、年金の削減は直ちにやめ、年金の底上げ
を図る、貧しい年金制度
を立て直して国民に安心
を与えることこそ、政治の責任でまずやるべきことなのではありませんか。
さあ、では、どうするのか。
日本共産党は減らない年金にするために具体的な提案
を行っています。
第1に、年金
を減らし続けるマクロ経済スライド
を中止し、給付と負担のバランス
をとる手だて
を講じることです。今の年金保険料は、月収62万円、ボーナス
を含め年収で1,000万円
を超えると保険料負担がふえない仕組みで、年収2,000万円の人も1億円の人もみんな保険料は同じで年間95万5,000円となっています。この保険料頭打ちの上限
を健康保険と同じ2,000万円まで引き上げる、そのことによって保険料収入
をふやし、一方、高額所得者への給付は抑制していく。
2つ目は、年金積立金の活用です。年金積立金は約200兆円もあり、給付費の4年間分に当たります。ドイツ、イギリス、フランスなどの年金積立金は給付費の数カ月分であり、日本のため込みは異常とも言える水準です。これ
を政府が言うように100年先まで温存するのではなく、高齢化のピークとされる2050年代
をめどに計画的に活用していく。
3つ目は、年金の支え手である現役労働者の賃上げと正社員化で保険料収入と加入者
をふやして年金財政
を安定させていくことです。言うまでもなく、安心できる年金は老後の暮らしの支えであるだけでなく、高齢者の消費増につながり、
地域経済の発展にも貢献するものとなります。頼れる年金、減らない年金実現のため、議場の皆さんの本発議案への賛同
を呼びかけ、趣旨説明
を終わります。(拍手)
◯議長(
阿井伸也君) 質疑の通告がありませんので、質疑なしと認めます。
お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第13号につきましては、千葉県議会会議規則第38条第3項の規定により委員会付託
を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯議長(
阿井伸也君) 御異議ないものと認め、委員会付託
を省略することに決定いたしました。
討論の通告がありませんので、討論なしと認めます。
これより起立により採決いたします。
発議案第13号
を採決いたします。原案に賛成の諸君は御起立願います。
(賛成者起立)
◯議長(
阿井伸也君) 起立少数。よって発議案第13号は否決されました。
以上で今期定例県議会に付議されました案件全部
を議了いたしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
閉 会
◯議長(
阿井伸也君) これ
をもって
令和元年6月定例県議会
を閉会いたします。
令和元年6月28日午後2時14分閉会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本日の会議に付した事件
1.開 会
2.議案第1号ないし議案第13号及び
請願総括審議
3.議長の報告
4.議案第14号ないし議案第16号
5.
知事提案理由説明
6.発議案第2号ないし発議案第11号
7.発議案第12号
8.発議案第13号
9.閉 会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出 席 議 員
議 長 阿井 伸也 君
副 議 長 今井 勝 君
議 員 鈴木 和宏 君 平田 悦子 君 松崎 太洋 君
菊岡たづ子 君 宮川 太 君 田中幸太郎 君
宮坂 奈緒 君 佐藤健二郎 君 伊藤 寛 君
鈴木ひろ子 君 高橋 秀典 君 木名瀬訓光 君
市原 淳 君 田沼 隆志 君 秋葉 就一 君
岩波 初美 君 仲村 秀明 君 鈴木 陽介 君
野田 剛彦 君 大崎 雄介 君 安藤じゅん子君
高橋 祐子 君 秋本 享志 君 川名 康介 君
小野崎正喜 君 伊豆倉雄太 君 森 岳 君
茂呂 剛 君 小路 正和 君 中村 実 君
伊藤とし子 君 川井 友則 君 水野 友貴 君
谷田川充丈 君 田村 耕作 君 横山 秀明 君
松戸 隆政 君 入江 晶子 君 守屋 貴子 君
大川 忠夫 君 三沢 智 君 石井 一美 君
岩井 泰憲 君 小池 正昭 君 関 政幸 君
中沢 裕隆 君 實川 隆 君 斉藤 守 君
山本 義一 君 鶴岡 宏祥 君 坂下しげき 君
プリティ長嶋君 秋林 貴史 君 阿部 俊昭 君
礒部 裕和 君 天野 行雄 君 網中 肇 君
高橋 浩 君 矢崎堅太郎 君 林 幹人 君
武田 正光 君 瀧田 敏幸 君 鈴木 衛 君
木下 敬二 君 臼井 正一 君 信田 光保 君
江野澤吉克 君 伊藤 昌弘 君 佐野 彰 君
加藤 英雄 君 みわ 由美 君 藤井 弘之 君
赤間 正明 君 竹内 圭司 君 田中 信行 君
河野 俊紀 君 石橋 清孝 君 宇野 裕 君
本間 進 君 酒井 茂英 君 浜田 穂積 君
川名 寛章 君 河上 茂 君 伊藤 和男 君
小高 伸太 君 宍倉 登 君 阿部 紘一 君
吉本 充 君 鈴木 昌俊 君 山中 操 君
西尾 憲一 君 小宮 清子 君
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出席説明者
知 事 森田 健作 君
副 知 事 高橋 渡 君
副 知 事 滝川 伸輔 君
総 務 部 長 今泉 光幸 君
総 合 企 画 部 長 石川 徹 君
防災危機管理部長 岡本 和貴 君
健 康 福 祉 部 長 横山 正博 君
保健医療担当部長 岡田 就将 君
環 境 生 活 部 長 冨塚 昌子 君
オリンピック・パラリンピック推進局長 高橋 俊之 君
商 工 労 働 部 長 吉野 毅 君
農 林 水 産 部 長 半田 徹也 君
県 土 整 備 部 長 河南 正幸 君
都 市 整 備 局 長 保坂 隆 君
会 計 管 理 者 宇井 隆浩 君
企 業 局 長 玉田 浩一 君
病 院 局 長 矢島 鉄也 君
教 育 長 澤川 和宏 君
警 察 本 部 長 早川 治 君
人事委員会事務局長 藤田 厳 君
代 表 監 査 委 員 中島 輝夫 君
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出席事務局職員
事 務 局 長 加瀬 博夫
事 務 局 次 長 堤 紳一
議 事 課 長 飯田 満幸
政 務 調 査 課 長 伊藤 正秀
議 事 課 副 課 長 粕谷 健
議 事 班 長 荻原 裕一
委 員 会 班 長 石塚 春美
Copyright (C) Chiba Prefecture Assembly Minutes, All rights reserved....