そして、本日も傍聴席には、私を日ごろから御支援いただいております大勢の皆様方に傍聴に駆けつけていただきました。また、4月も大変お世話になりましたし、今後とも引き続いての御指導、御鞭撻、御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
本日取り上げますテーマは、地元の小さいことから全県にわたる大きなことまで取り上げさせていただいておりますが、中には政治家としてなかなか申し上げにくいようなテーマも含まれております。捉え方を間違えると、かえって後退を招きかねないテーマもありますけれども、誤解を恐れず取り上げさせていただきたいと思いますので、森田知事を初め執行部の皆様方には真摯な御答弁をお願い申し上げます。
まず最初に、カジノを含む
統合型リゾート、いわゆるIRに関する県の考え方について伺います。
昨年7月、IR整備法が成立、本年3月にはIRの具体的な基準を示す施行令が公布され、我が国におけるカジノを含む
特定複合観光施設区域、最初の3カ所の絞り込みがいよいよ始まろうとしております。私の地元千葉市においては、民間事業者による熱心なIR誘致の動きがあります。また、先月には、市内に本社を置く
企業グループが市に対し、幕張新都心でのIRの事業提案を行ったという報道があり、これを受けて市長は、検討レベルを1段階上げてしっかり対応したいとコメントしているところです。ただ、千葉市としては、あくまで幕張新都心におけるIR導入の可能性を引き続き検討していくというスタンスにとどまっており、行政として誘致に積極的な大阪府・市、和歌山県、長崎県、そして誘致に向けた動きのある横浜市や北海道と比べて、おくれをとっている感は否めません。
しかしながら、誘致合戦のスタートラインに立つための基本方針の公表時期がことしの夏から秋以降へと先送りされる見通しとなったとの報道がありました。IR整備法のプロセスによれば、国による基本方針の公表後、都道府県または
政令指定都市が実施方針を策定し、IR事業者の公募手続に進むこととなりますが、この基本方針の策定、公表がおくれていることで、まだ手を挙げていない後発組にとってはスケジュールに間に合う可能性が出てきたことになります。これは誘致に向けて取り組まれている方々にとっては希望が見えてきたことになります。他方で、地域住民から治安の悪化などを懸念する声が上がっており、ちば
ぎん総合研究所のアンケートでは、IRの幕張新都心への導入について、地元の美浜区民の56%が反対し、賛成の21.2%を大きく上回ったとの結果も出ています。
幕張メッセも建設後30年を経過し、現在160億円をかけて大規模な改修に取り組んでいますが、この先、現在の施設で他の施設との競合に耐え得るのか。また、千葉市にとっても、建設後30年を経過した
マリンスタジアムの今後のあり方を考える時期を迎えています。いずれにしても、幕張新都心がこれらの課題を解決し、将来にわたって発展し続けていくためには民間の投資を呼び込むことが不可欠であります。県としても、IRのメリットとデメリットについてしっかりと把握しておく必要があるのではないでしょうか。
そこで伺います。
1点目として、IRのメリットとデメリットについてどのように認識し、これまでどのような取り組みを行ってきたのか。
2点目として、県内市町村におけるIRをめぐる動きはどうか。
3点目、千葉県としてIR誘致に対する考え方はどうか。また、県では今後どう対応していくのか。
次に、過去に何度か取り上げておりますみとりについて伺います。
高齢化が急速に進展する本県にとって、県民生活の維持、向上を図りながら医療費の適正化を実現させるためには、我々政治家も行政とともに、この問題に果敢に取り組んでいかなければなりません。平成29年度に県が行った医療に関する
県民意識調査によれば、自分が最期を迎えたい場所として、医療機関への入院を希望すると回答した方は14.1%であったのに対し、自宅や老人ホームなどの居住の場を希望すると回答した方は27.4%、居住の場や施設等で療養して、病状が悪化したら医療機関への入院を希望すると回答した方は19.7%であり、これらを合わせると、47.1%の方ができるだけ居住の場での療養を望んでいることがわかります。他方、実際にそのような最期を迎えられた方は半分以下の21.5%にとどまっています。
また、平成29年度の県政に関する世論調査において、適切な医療の継続にもかかわらず、治る見込みがなく死期が迫っている状況の場合、延命治療を望むか聞いたところ、「延命治療を望む」と「どちらかといえば延命治療を望む」と回答した方は12%であった一方、「延命治療を望まない」と「どちらかといえば延命治療を望まない」と回答した方は77.8%となっています。以上のような結果があるにもかかわらず、実際の救急現場ではそうした意思が示されていないがために、望まない延命治療が行われているケースも少なくないと伺っています。こうした結果を踏まえ医療費の適正化を図るとともに、多くの県民の希望をかなえるためには、自宅等におけるみとりを推進していくことは重要なことと考えます。
県では、平成25年度に終末期医療に関する高齢者向けの
啓発プログラムDVDを作成するとともに、平成29年度からは県医師会、看護協会等の医療・
介護関係団体が連携して行う
かかりつけ医・在宅医療等の
県民啓発事業の取り組みに対する助成を実施することとし、その
キックオフイベントとして、平成30年2月、「在宅ケア ちばサミット」みんなで支え合う あなたの生活を開催し、258名が参加したと伺っています。しかし、県民の方々に幅広く関心を持ってもらうためには医療・介護関係以外の職種にも広げ、さらに啓発活動に取り組む必要があると考えます。
そこで伺います。
1点目として、自宅等でのみとりの推進に関する取り組みの成果はどうか。
2点目として、他の職種と連携していくべきと思うが、どうか。
次に、これは過去に何度も取り上げております県営住宅における外国人問題について伺います。
昨年9月の一般質問で、私の地元、千葉市美浜区に所在する県営住宅においては、外国人の入居率が高く、県営住宅内でさまざまなトラブルが発生していることから、これに対する県の取り組みについてお伺いしたところ、県執行部からは、今後、この問題に対し、前向きな取り組みに努めていく旨の答弁をいただいたところでございます。しかし、その後も美浜区内の県営住宅にお住まいの方々からは、依然として
外国人トラブルが絶えないとの声が私のところには多数寄せられております。このようなトラブルを解消し、健全な地域のコミュニティーを維持していくためには、
外国人入居者と
日本人入居者が相互に文化の違いを理解し、認め合っていけるような取り組みが必要なのではないでしょうか。
折しも日本での
外国人労働者の
受け入れ拡大を趣旨とした
改正出入国管理法が平成31年4月1日に施行されました。新聞報道によりますと、今後5年間の
外国人労働者の受け入れ数は35万人程度と想定されており、首都圏に位置する本県では、従来から外国人の多い千葉市を含む都市部において、その数がさらに増加するものとされております。県営住宅もそれら外国人の受け皿になり、現時点でさえトラブルの解決がなされていない中、さらなる外国人の増加につながるのではないかと今から懸念の声も上がっております。このような不安の声に応えるためにも、県には県営住宅の外国人問題の解消に向けた即効性のある新たな取り組みを行っていただきたいと思います。
そこで伺います。
県営住宅に入居している世帯のうち、外国人を世帯主としている数は県全体でどのように推移しているのか。また、特に外国人が多い美浜区の状況はどうか。
2点目としては、
外国人居住者とのトラブルの解消に向けて、県ではどのように取り組んでいくのか。
次に、危険が伴う職種に対する進路指導について伺います。
これからの日本を生きていく子供たちは、私たちの両親や祖父母が生きてきた戦前、戦後とはまた違った意味で厳しい挑戦の時代を生きていかなくてはならないかもしれません。我が国がかつて経験したことがないような
少子高齢社会の到来、
外国人労働者の受け入れなどにより、いや応なしに進展する
グローバル化、そして絶え間ない技術革新等により、今までに人がなしてきた多くの業務がコンピューター、AI等に取ってかわられようとしております。こうした時代を力強く切り開いていくために、私は学校教育において、生徒一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して
キャリア発達を促す教育、いわゆる
キャリア教育が必要であると考えています。
AI、IoT、
ビッグデータ等の
産業構造改革を促す情報技術等を基盤とした人材育成により、一人一人の生産効率性を高めることが求められる一方で、最終的にマンパワーが必要不可欠である職種もあります。それがいわゆる警察、消防、自衛隊などの危険が伴う職種であります。日本の独立と平和を守る自衛隊も、治安の維持や県民の生命、身体、財産を守る警察や消防も、今この瞬間も、ひとときも休むことなく職責に当たられております。ここに改めて深甚なる感謝の意を表する次第でございます。その役割から来る厳しい訓練や過酷な職務の中において、不幸にして、かけがえのない命を落としてしまうという報道を耳にすると本当に胸が痛みます。これらの職種はどれだけAIが進化しても、また後方支援や未然の防止対策が進んだとしても、最終、最後は日本人の実際の人手が必要であり、このような危険を伴う職業の人材確保こそ、これからの時代における大変重要な課題であると考えます。こうした現状も踏まえ、学校教育において
キャリア教育はますます重要な役割を果たすものとして、その一層の充実が求められます。
そこで伺います。
1点目として、
県教育委員会では、公立の中学校や高等学校における
キャリア教育の推進に向けてどのような取り組みをしているのか。
2点目として、学校では警察、消防、自衛隊への進路指導にどのように取り組んでいるのか。また、
インターンシップの実績はあるのか。
最後に、交通問題について伺います。
まずは、
千葉西警察署入口交差点についてです。
同交差点は交通量の多い国道357号、国道の旧道、千葉市道が交差する複雑な交差点で、国道をまたぐ歩行者用の信号も長くとられていることから渋滞が常態化しています。特に国道や市道の渋滞がひどく、これまでさまざまな取り組みが行われていると承知していますが、それでもなお、抜本的な対策が必要と考えます。
そこで伺います。
千葉西警察署入口交差点について、1点目として、これまでの渋滞対策及び安全対策の実施状況はどうか。
2点目として、真砂側から国道357号に進行するための右折及び左折車線について、それぞれ2車線化すべきと思うが、どうか。
これは要望ですが、
千葉西警察署前交差点から国道357号を東京方面へ向かうと3車線から2車線、いわゆるボトルネックとなっていることから渋滞が発生している状況です。14号と357号がその先で分かれることを考えれば、分岐まで3車線化することは当然だというふうに思います。加えて歩道橋の設置も含めて、全体的な渋滞対策について、道路管理者と連携した対応をお願いいたします。
交通問題の2点目は、高洲橋の渋滞対策についてであります。
高洲橋付近は、
穴川インターチェンジから新港横戸町線の黒砂陸橋を通り海方面へ向かう車両と、
新港工業団地のある海方面から黒砂陸橋や国道357号、稲毛海岸駅、千葉みなと駅方面へ向かう車両が集中する、非常に交通量が多い複雑な交差点であります。また近年、新港地区には商業施設が立地したことから、今までのトラックなどの商業車両のみならず、一般のマイカーの流入もふえ、平日はもとより、土日・祭日でも交通量は増加しています。もともと新港地区から幸町や高洲地区へ京葉線を越えて渡るルートは少なく、自然と高洲橋に交通量が集中する道路形状となっています。この渋滞の緩和のために、これまで千葉市や県警がさまざまな取り組みを行ってきたと承知していますが、抜本的な解決には至っていない状況です。
そこで伺います。高洲橋直近の3交差点について、これまでの渋滞対策と安全対策の実施状況はどうか。
交通問題の3点目は、高洲3丁目
交差点高架下部分の歩行者の安全確保についてでございます。
この交差点は、先ほどの高洲橋から京葉線を挟んだそれぞれ一方通行路の始点と終点となっており、2個の交差点を連動させて車の流れをスムーズにする信号処理を行っているとのことでございます。しかし、この交差点の
京葉線高架北側の信号は矢印信号で車両を左折させていますが、矢印青からいきなり普通の青信号に変わるため、ドライバーが対応し切れず、
歩行者用信号が青にもかかわらず、歩行者が車両を待たなくてはならなかったり、横断するタイミングが難しい状況が散見されます。このような状況を解消し、歩行者にとって横断しやすくなるよう早急に改善すべきだと考えます。
そこで伺います。高洲3丁目
高架下交差点について、横断歩行者の安全対策が必要と考えるが、どうか。
交通問題の4点目は、
東関東自動車道東京方向の
湾岸千葉インター出口付近の渋滞対策についてです。
湾岸千葉インター出口付近は渋滞が激しく、特に幕張メッセのイベントが開催される休日にはインターから出られず、渋滞が本線にまで及んでいる状況にあります。また、この出口の手前は
北千葉インター、この先は市川まで出口がなく、幕張エリアに行く人はこの出口を使わざるを得ない状況です。もう少しで幕張メッセというところで時間をロスしており、経済活動に与える影響も少なくないと考えます。県警を初め各種対策を講じてくれていることは承知していますが、幕張エリアの利便性の向上と魅力の増進を図る上でも関係各所と連携し、さらなる対策が求められるところでございます。
そこで伺います。
東関東自動車道湾岸千葉インターチェンジ東京方向の出口付近について、警察による渋滞対策の実施状況はどうか。
交通問題の最後に、国道357号東行き
浜田立体側道部の違法路上駐車問題について伺います。この問題は昨年9月議会で取り上げたところ、県警には定期的な見回りを行っていただいたり、千葉市でも駐車車両からの不法投棄の撤去を実施していただいたとのことでございますが、依然として状況が改善されないことから再びお伺いをいたします。
この側道は、国道357号から幕張メッセや
イオンモールにアクセスする道路であると同時に、国道14号と国道357号との間に挟まれた幕張西、浜田地区の住民、あるいは、そこでお仕事をされている方々の日常的に使用する道路でもあります。国道357号からこの側道に進入してくる車両の中には、湾岸道路からの勢いそのまま、物すごいスピードでの車両も多く、2車線のうち左側1車線が大型車両の路上駐車で潰れている状況では、交通の障害になっているほか、駐車車両を原因とする交通事故の発生が懸念される状況となっています。また、駐車車両から不法に投棄されたごみは悪臭を放ち、周囲の住民の生活環境を著しく悪化させています。来年のオリンピック・パラリンピックの開催に向け、早急かつ効果的な対策が求められています。
そこで伺います。
国道357号東行き
浜田立体側道における駐車問題について、現状は
駐車禁止規制になっているが、駐
停車禁止規制に変更し、違法駐車を抑制する必要があると考えるが、どうか。
また、物理的な駐車対策の検討状況はどうか。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。よろしくお願いをいたします。(拍手)
◯議長(阿井伸也君) 臼井正一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事森田健作君。
(
知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) おはようございます。自民党の
臼井正一議員の御質問にお答えいたします。
きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。
IRについてお答えいたします。
IRのメリットと
デメリット等についての御質問でございます。昨年7月に成立いたしましたIR整備法においては、カジノ事業の収益を活用してIRの整備を推進し、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現することによって、観光や地域経済の振興を図ることとされています。一方、同法では、犯罪の予防、風俗環境の保持、青少年の健全育成、
ギャンブル依存症の防止など、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響を適切に排除する取り組みが必要であるとされております。県では平成26年度に調査を実施し、IR導入に係る効果や影響、地元の合意形成など、自治体が取り組むべき事項、本県の特性を生かしたIRのパターンについて整理を行い、調査報告書の送付や説明会の開催などにより市町村における検討を支援しました。
県として、IR誘致に関する考え方等についての御質問でございます。IRについては地域振興等の効果が見込まれる反面、犯罪予防等の対策を講じる必要があるなど、地域へのさまざまな影響があることから、まずは地元で機運の高まりや合意形成が重要でございます。県といたしましては、今後とも国や市町村の動向を注視するとともに、市町村から具体的な相談があれば適切に対応してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(阿井伸也君)
総合企画部長石川徹君。
(説明者石川 徹君登壇)
◯説明者(石川 徹君) 私からはIRについてのうち、県内市町村におけるIRをめぐる動きについての御質問にお答えいたします。
これまで県内では、千葉市、木更津市及び成田市において、地元経済界からIRの導入に向けた要望書が提出されていると聞いています。このうち千葉市では、本年5月、市内の複数の企業から成る民間団体からIR整備法を踏まえた事業提案があったことを受けて、幕張新都心におけるIRの可能性について、さらに検討を深めていくと聞いております。
以上でございます。
◯議長(阿井伸也君)
保健医療担当部長岡田就将君。
(
説明者岡田就将君登壇)
◯説明者(岡田就将君) 私からはみとりについての2問にお答えいたします。
まず初めに、自宅等でのみとりに関する取り組みの成果についての御質問でございます。県では、県民の方々に人生の終わりの時期における自分らしい生き方を考えていただくことは大変重要であると認識しております。そこで、
県ホームページに平成25年度に作成いたしました終末期医療に関する高齢者向けの
啓発プログラムの動画を掲載し、平成26年度から平成30年度までの5年間で1万3,000人を超える方に視聴していただきました。また、昨年度、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、
介護支援専門員協議会に助成を行い、終末期医療に関するシンポジウムや研修会等を通じて約2,400人の方にみとりの啓発を行ったところでございます。
次に、医療、介護以外の他の職種の方々との連携についての御質問でございます。平成29年度の医療に関する
県民意識調査によれば、人生の最終段階における医療について、41%の方々が考えていないと回答していることから、行政だけではなく、医療や介護従事者などの協力を得て幅広く啓発活動を進めていくことが効果的であると考えております。そこで県では、昨年4月に策定いたしました
保健医療計画において、新たに患者の意思を尊重した医療を位置づけ、患者本人による決定を基本とした人生の最終段階における医療の普及を図っていくこととしております。現在、医療・
介護関係団体が連携して行う啓発事業につきまして助成を行っておりますが、今後はより多くの県民の方に関心を持っていただけるよう、医療・介護以外の他の職種の方々との連携も含め、効果的な啓発活動について検討してまいります。
以上でございます。
◯議長(阿井伸也君)
都市整備局長保坂隆君。
(説明者保坂 隆君登壇)
◯説明者(保坂 隆君) 私からは県営住宅についての2問にお答えいたします。
初めに、県営住宅における外国人世帯の推移についての御質問ですが、平成27年3月末における県営住宅の
外国人世帯数は750世帯で、その割合は4.3%でした。令和元年5月末現在では846世帯で、その割合は5.1%であり、世帯数、割合とも増加しております。また、美浜区内における県営住宅の
外国人世帯数は平成27年3月末で284世帯となっており、その割合は15.4%でした。令和元年5月末現在では292世帯で、その割合は16.8%であり、県全体と同じく、世帯数、割合とも増加しております。
次に、
外国人居住者とのトラブルに対する県の取り組みについての御質問です。外国人の入居に際しましては、中国語版、英語版の県営住宅の住まいのしおりを配布することにより生活ルールの理解を求めるなど、トラブルの防止に努めてきたところです。本年度は
外国人居住者の多い自治会からの要望を受け、日本語、英語、中国語の3カ国語に精通した臨時職員を雇用することとしており、語学能力を活用し、居住者からの相談対応、自治会規則の翻訳、美浜区内の県営住宅での生活ルールに係る講習会の開催などを予定しております。今後も
自治会等関係団体と連携し、文化の違いなどに伴う諸問題について意見交換を行いながら、
外国人居住者の
トラブル解消に向けて取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(阿井伸也君) 教育長澤川和宏君。
(説明者澤川和宏君登壇)
◯説明者(澤川和宏君) 私からは危険が伴う職種に対する進路指導についての2問にお答えいたします。
キャリア教育の推進に向けた取り組みについての御質問ですが、
キャリア教育とは、生徒の社会的・職業的自立を目的として、入学から卒業までの間、継続的に社会科、公民科等の教科に加え、特別活動など教育活動全体を通じて体系的に行われるものです。各学校においては、生徒が多くの職種について学び、みずからの意思で進路を決定することができるよう、多様な取り組みが行われております。例えば総合的な学習の時間の中で生徒が興味を有する職業や企業についてレポートをまとめさせているほか、さまざまな職業についている卒業生を招いて進路に関する講演会を開催したり、生徒が企業等に赴き、実際に就業体験を行う
インターンシップなどに取り組んでいるところです。
県教育委員会では、主催する事業や教員の研修会などを通じまして、これら取り組みが工夫を凝らし、さらに活発に行われるよう支援しているところです。
次に、警察、消防、自衛隊への進路指導と
インターンシップの実績についての御質問ですが、警察、消防、自衛隊への進路指導については、各高等学校の進路指導室を中心として、他のさまざまな職業と同様に、募集に関するポスターを校内に掲示したり、採用パンフレットを希望する生徒に配付したりするほか、就職している卒業生を招いて、実際の仕事内容について直接話を聞く機会を設けている学校などがあります。また、
インターンシップの実施状況については、昨年度の公立高等学校において、警察は6校28名、消防は8校22名、自衛隊では職場体験として2校42名となっており、各高等学校が地元の警察等と連携しながら取り組んでいるところです。今後とも生徒の主体的な職業選択が行われるよう、警察、消防、自衛隊はもとより、企業や関係団体の御協力をいただきながら
キャリア教育の充実に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(阿井伸也君) 警察本部長早川治君。
(説明者早川 治君登壇)
◯説明者(早川 治君) 私からは交通問題に関する御質問にお答えをいたします。
まず、
千葉西警察署入口交差点について、これまでの渋滞対策及び安全対策についての御質問でございますが、同交差点は、交差する国道357号、千葉市道、ともに自動車の交通量も横断者も多い場所でございまして、県警としては、渋滞や交通事故を抑止する観点から、これまでも信号サイクルの見直しを図ってきたほか、道路管理者と連携して歩行者滞留場所の確保、道路線形の改良、行き先路面標示などの諸対策を講じてきたところでございます。
また、同交差点の真砂側から国道357号への右左折について、2車線化してはどうかとの御質問でございますが、現状で左折2車線とした場合、横断待ち歩行者が死角となることによる巻き込み事故の多発や直進交通における渋滞の発生も懸念されるところであり、御指摘については慎重な検討が必要と考えております。ただし、同交差点につきましては、現状においても交通が集中し、渋滞や交通事故を防止するためのさらなる対策が必要と認められるところでございまして、県警といたしましても、引き続き道路管理者等の関係機関と連携し、対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、高洲橋直近の3交差点における渋滞対策、安全対策についての御質問でございますが、御指摘の近接する3交差点につきましては、その位置関係や道路形状、交通環境等から交通処理が難しい箇所でございますけれども、県警では交通の安全と円滑を図るため、各交差点に設けた信号機を連動させ、精緻な信号運用を行っておりますほか、これまでも関係機関と連携し、右折車線や右折矢印信号を整備するなど、各種の対策を講じてきたところでございます。引き続き警察としても、道路管理者等と連携し、同交差点における一層の交通の安全と円滑を図ってまいります。
次に、高洲3丁目
高架下交差点における安全対策についての御質問でございますが、御指摘の箇所につきましては、京葉線の高架を挟む2つの交差点を連携して信号処理しているものでありまして、高架南側から進行してきた車両の円滑な通行を確保する観点から、車両信号が左矢印信号に続いて歩行者信号と同時に青信号となる運用を行っているところでございます。同箇所につきましては、御指摘もございましたけれども、横断歩行者の安全確保等の観点からは改善が必要と認められますことから、今後、信号運用の見直しを含めた安全対策について検討してまいりたいと考えております。
次に、
東関東自動車道湾岸千葉インターチェンジ東京方向の出口付近の渋滞対策についての御質問でございます。御指摘の箇所につきましては、平日朝夕を中心に渋滞が生じているということは承知をいたしておりまして、県警では、インターチェンジ出口付近に進路変更禁止規制を実施し、合流の円滑化を図っておりますほか、直近の若葉交差点には集中制御式信号を設置して、周辺の渋滞状況によって信号サイクルを調整するなどの措置を実施しているところでございます。引き続き県警としても道路管理者等と連携し、同箇所における一層の交通の安全と円滑を図ってまいりたいと考えております。
次に、国道357号東行き
浜田立体側道における駐車問題について、同側道を駐
停車禁止規制に変更してはどうかとの御質問でございますが、駐
停車禁止規制は、路線バス等優先通行帯や駅前等で公共交通機関の定時運行等の障害となるような場所、あるいは、駐停車車両があることで交通の安全と円滑を著しく阻害するような場所を対象に実施しているところでございます。御指摘の箇所につきましては、停車車両に起因する重大事故等も発生しておらず、著しく交通の安全と円滑を阻害している状況にあるとまでは言えないと認められますことから、駐
停車禁止規制を行うことは適切ではないと考えております。
また、物理的な駐車対策の検討状況についての御質問でございますが、物理的デバイスを設置して車線を減少させるなど、同箇所における道路環境面からの駐車対策につきましては、昨年10月にも改めて道路管理者に申し入れを行ったところでございますけれども、こうした措置に対する付近住民の反対意見等もあり、実施には至っていないものと承知をいたしております。県警といたしましても、同箇所における改善措置の必要性につきましては認識しておりまして、引き続き道路管理者等と連携し、物理的措置の実施を含む各種対策について検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(阿井伸也君) 臼井正一君。
◯臼井正一君 御答弁をいただき、ありがとうございました。時間もありますので、幾つか再質問並びに要望をさせていただきたいと思います。
まず、IRに関しては、知事さんからメリット、デメリットや県の考え方について御答弁をいただきました。経済波及効果や税収増などのメリットだけではなく、その反面、
ギャンブル依存症や治安などに対する対策も必要になるとのことですが、IR事業は行政と民間事業者が共同で区域整備計画を作成し、実施協定を締結する仕組みとなっています。民間事業者も商売として利益を上げなければならないので、開業にこぎつけるまではうまいことを言っていても、いざ開業してしまえば、過度に採算性を重視した運営になったり、いわゆる
ギャンブル依存症、治安対策などの弊害対策をおろそかにしてしまうことも心配されます。そのようなことが起きないよう、行政は開業後においても、しっかりと手綱を握っていかなければならないと思います。
そこで再質問なんですが、IR事業の実施に当たって、事業者との実施協定の実効性はどのように担保される仕組みになっているのか。
次に、みとりについてでございますが、投資的経費を確保するために徹底した行財政改革を行っていくということは必要なんですが、そのしわ寄せが既に県民サービスにまで及ぼうとしている状況を見るに、劇的な、これ以上の経費削減はなかなか難しいのではないかという気もいたします。そこで、このみとりですけれども、この問題は人の終末期や延命治療に関する事柄であり、政治課題としては非常に繊細な部分を多く含んでいます。冒頭も申し上げましたけれども、このことを過度に取り上げることによって、かえって後退を招きかねないテーマでもあります。しかしながら、私も選挙中にみとりについて話すたびに、有権者の方から気をつけろよとか、心配する声もいただきましたけれども、高齢化は待ったなしの状況でありますので、医療費の適正化を図る上でも着実な一歩を広げていただきたいと思います。
その上で意識の啓発ということは非常に重要なんですけれども、例えば行政書士の先生の中には、遺言書を金融機関と連携して普及させていくという取り組みを行っている方もいらっしゃいますし、もしくは相続税対策などに当たられる税理士さんなどの団体、そうしたところと連携するということも可能だというふうに思っておりますので、ぜひ幅広い取り組みを行っていただけますように要望させていただきます。
次に県営住宅ですが、相変わらず募集をかければ入ってくるのは外国人が多いというような状況が続いているようでございます。以前より進んで臨時職員の雇用をしていただける、中国語、英語、日本語をしゃべれる方、実際の人を雇っていただけるということは大きな一歩だというふうに思っておりますが、反面、期間を区切った雇用とも伺っております。1年のうち、週に何日かでも結構ですので、ぜひ常勤でいつでも相談できる体制をつくっていただけますよう、これは要望とさせていただきます。
最後に、交通問題について幾つか要望させていただきたいと思いますが、高洲橋について、これは幕張インターの出口に関しても一緒ですけれども、抜本的な道路改良というのは絶対的に必要不可欠だというふうに思っております。きょうは地元の自治会長さんを経験した方もいらしていますけれども、高洲橋周辺、黒砂水路というものがあって、そのために交通が高洲橋に集中するわけですけれども、新港側から高洲側に渡る新たな道路を設置することで高洲橋の渋滞というのは解消されるというふうには思うんですが、その上で県警との協議というのは必要不可欠というふうに伺っておりますので、道路管理者から協議の申し入れがあった場合にはぜひ検討を深めていただきたいと、このようにお願いをいたします。
そして湾岸千葉インター出口ですけれども、そこでおりて真っすぐ行く車両、幕張メッセ側に曲がる車両、そして右折する車両が非常に混雑する原因となっております。これは、ひとつ道路管理者に伝えていただきたい。私も伝えていきたいと思いますが、穴川インターのように、その先の交差点まで通り抜けができるような道路改良というのが絶対的に必要だと思いますので、ぜひこちらも道路管理者と協議をしていただきたいというふうに思っております。
そして357の浜田陸橋側道ですけれども、駐停車禁止にするには著しく危険な状態とは言えないということでしたが、これは事故が起きてからでは遅いわけですので、ぜひ駐停車禁止というものも引き続き検討していただきながら、抜本的な道路改良に向けて、こちらも道路管理者と連携して、来年のオリンピック・パラリンピックまでにはこうした違法駐車の状態が解消されるように、とにもかくにも実効性のある対策を期待いたしております。
以上で2回目を終わらせていただきます。
◯議長(阿井伸也君)
総合企画部長石川徹君。
◯説明者(石川 徹君) IRについてお答えいたします。
事業者との実施協定の実効性が担保される仕組みについての御質問でございます。IR整備法では、事業者は実施協定に従い運営を行わなければならないとされており、都道府県等は実施協定の確実な履行のため、事業者に対して、その業務もしくは経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、または必要な指示をすることができると定められております。
以上でございます。
◯議長(阿井伸也君) 臼井正一君。
◯臼井正一君 ありがとうございます。基本的には協定をしっかりやっているので、守ってもらうべきだ、守るはずだというようなことになっておりますので、これは実施主体が考えるべきですけれども、ぜひ開業後にも、その協定が履行されるような仕組みづくりをやるべきだというふうに思っております。例えば千葉県が出資している株式会社幕張メッセ等が共同企業体に入るとか、千葉市であれば、今、木更津、成田からも要望書が出されているということですけれども、そうした行政の出資団体が入らなければ応募ができないといったような仕組み、これは難しいのかもわかりませんが、ぜひ開業後、行政がコントロールできる何かしらの仕組みというものを考えていただきたいというふうに思っております。
いずれにしても、千葉県は、すなわち、どこかしらは市町村の土地でもあるわけなので、千葉市がもしIRを本格的に導入したいとなった場合には、幕張はほとんど全て県有地ということになりますから、千葉市が手を挙げた場合は県の協力が不可欠ですし、また木更津や成田が本格的に動こうとなった場合、もしやる場合は、こちらも県が事業主体にならざるを得ないわけです。情報提供ということもございましたけれども、先ほど出た
ギャンブル依存症に対する不安というものも、あの広い施設の中でカジノ施設というのは3%だけだということでありますので、ぜひ駅前にあるような、ぽんと誰でも入れるような施設ではないというようなことも含めて、県民、また市民の方々に対する周知、正しい情報というものを提供していただけるようお願いをいたしたいと思っております。
いずれにしても、子供たちがこの千葉に住んでわくわく、どきどきできるようなまちづくり、オリンピック・パラリンピックが終わった後も発展する千葉県、光り輝く千葉県をつくっていくために私も頑張ってまいりますので、知事におかれましては、ぜひ政治家としての英断をお願いいたしたい。
このことを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
◯議長(阿井伸也君) 次に、田村耕作君。
(田村耕作君登壇、拍手)
◯田村耕作君 それでは、議長の許可をいただきましたので、一般質問を行わせていただきます。多くの皆様に支えられ、2期目のスタートを切ることができました。皆様への御恩返しのつもりで、地元花見川区を初めとして、広く千葉県の皆様からいただいたお声をもとに、議会を通じてしっかりとその声を県政へと届けてまいりたいと思う次第でございます。
それでは、まず最初に、公共交通について質問をさせていただきます。
いまだ世界が経験したことのない少子高齢化に直面している我が国であります。千葉県においても、急速な社会変革への対応をさまざまな場面で求められております。高齢者が加害者となる交通事故が全国各地で頻発する中、自動車運転免許証の返納を促す取り組みもなされておりますが、免許返納後の主な足となる公共交通機関の脆弱さゆえに、返納をちゅうちょする方も少なくないと聞き及んでおります。農村部と比べて公共交通機関が比較的発達している都市部郊外においても核家族化が進んでいることもあり、高齢者夫婦のみの世帯、時には高齢の単身世帯が増加する中で、定期的に通勤、通学する方の減少により、生活に最低限必要な商業施設や病院などへの足となるバスの減便が散見されております。県内の多くの地域で市町村が財政的に援助しているコミュニティバス等が運行されておりますが、それでもなお、日常生活を支える上で不可欠な公共交通機関を得がたい、そのような状況も散見されるところでございます。利便性向上を求める声は日に日に強くなっている感さえあります。
そこで質問させていただきます。
公共交通機関の維持・確保についての第1点目といたしまして、地域公共交通の維持・確保の必要性について、県はどのように認識しているのか。
また、2点目といたしまして、地域公共交通の維持・確保に向けて、県ではどのようなことに取り組んでいくのかお答えください。
次に、東京都心へと通勤、通学する、いわゆる千葉都民と言われる方々から、朝夕の通勤、通学の利便性向上を求める声は絶えません。とりわけ東京メトロ東西線と並び、全国でも有数の混雑率となっている総武線の利便性向上を求める声は私の地元でも多く寄せられているところでございます。その中でも、近年、徐々に進んでいるホームドアの設置についても、一日も早い設置が求められているところでございます。JR東日本の発表によりますと、京浜東北線に続いて総武線に関しても、2025年をめどにホームドアの設置が予定されていると伺っております。混雑率の著しく高い総武線各駅へのホームドア設置の必要性についてはJR側も一定程度認識しているものでありますが、いま一歩、早期の設置を求めたいところでもございます。
そこで質問させていただきます。JR総武線へのホームドアの早期整備に向けて、県はより一層取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
続きまして、2点目の地域医療について質問させていただきます。
県の最重要施策の1つでもある地域医療体制の整備は進捗する高齢化に対応するため、迅速かつ臨機応変に進めていかなければならないことは言うまでもありません。首都圏の一角を占める都市部とともに、雄大な自然を有する千葉県においては、幅広い医療ニーズに適応すべく、多様な医療体制の整備が求められております。病床数においても、千葉市以西の2次保健医療圏においては、地域医療構想で定めた必要病床数を整備するに至っておりません。また、県内の多くの医療圏においては、高度急性期・急性期病床が過剰となる一方で、回復期、慢性期の病床は不足する状況にあります。新規の病床設置を即座に図ることは甚だ困難でありますが、既存の病床を最大限有効に活用することは急務であります。
そこで質問させていただきます。病床配分、病床機能の適正化について、まず最初に質問させていただきます。
地域医療構想で定めた必要病床数に対して、病床機能報告での2次保健医療圏ごとの病床機能別の過不足状況についてお答えください。
また、必要病床を有効に稼働させる上で医師、看護職員の絶対数の確保は不可欠となってまいりますが、全国的な医師、看護職員の不足が叫ばれ、周辺自治体もそれらの獲得にさまざまな施策を講じる中で、本県だけが例外的に必要数を確保するには多くの困難が伴うことと思われます。
そこで質問させていただきます。
医師、看護職員不足への対応についての1点目といたしまして、県内における医師、看護職員不足の状況はどうか。
また、2点目といたしまして、今後の医師、看護職員の確保策はどのようにするのかお答えください。
次に、認知症について質問いたします。
さきの12月議会におきましても、代表質問でこの問題について取り上げさせていただきました。しかしながら、昨今、多発する高齢者が加害者となる交通事故を耳にするにつけ、それら交通事故とも密接に関連する認知症対策の必要性をさらに強く感じるところであります。とりわけ地域医療体制の整備という重要な責務を負っている千葉県としても、介護と医療の連携を促進するなど、この問題により一層注力すべきものと考えます。
そこで質問させていただきます。認知症疾患医療センターの設置について、まず最初に、昨年度末における認知症疾患医療センターの利用状況はどうか。また、その特徴としてどのようなものが挙げられるのかお答えください。
次に3点目として、文化芸術振興について質問させていただきます。
今年度当初予算において、千葉県の文化振興の一大拠点とも言うべき県文化会館の大規模改修基本設計予算1億3,881万円が計上されております。単なる老朽化に対応する修繕にとどまらず、同会館建設後、約半世紀にも及ぶ社会情勢の変化に適応するとともに、今後の変化についても的確に予想して、県民の誇れる会館として長く利用されることを期待してやみません。
建設後の変化の1つといたしまして、音響や照明機器の発展は著しいものがございます。とりわけ舞台上で映像を流すことも今や当たり前となっております。また、極めて大きな社会情勢の変化の1つに高齢化の進捗が挙げられることは疑いのないところでありますが、若いころには苦もなく移動していた階段が、年をとると大変大きな障害と感じることもございます。また、夜間、あるいは暗い場所での視界が著しく低下することから、館内外の動線部分には特別な配慮が必要となってくると思われます。
そこで質問させていただきます。
県文化会館の改修についての1点目といたしまして、舞台設備の必要性についてどのように認識しているのか。
また2点目といたしまして、バリアフリー化の重要性をどのように認識しているのかお答えください。
昨年、多くの議員の皆様に御賛同いただき、千葉県文化芸術の振興に関する条例を制定いたしました。その前文には、あまねく県民が文化芸術の恩恵に浴することをうたっております。そこでは大規模な文化行事にとどまらず、地域に根づいた伝統芸能についてもしっかりと伝承できる体制づくりを構築していただきたい、また、その点に県としても注力していただきたい、そのような思いも込められております。
そこで質問をさせていただきます。
伝統芸能の支援についての1点目といたしまして、伝統芸能についてどのように支援していくのか。また、課題は何か。
2点目といたしまして、今後どのように推進していくのかお答えください。
次に、東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムについて質問させていただきます。
さきの自民党の代表質問でもこの問題について取り上げられ、その答弁から、同プログラムの概要については理解するところでございます。しかしながら、同プログラムの存在をどの程度の県民が認識しているのか、若干不安を感じるところもあるのは事実です。世界中に注目される一大イベント、このチャンスを逃すことなく、ぜひとも千葉の魅力、文化をアピールしていただきたいと思います。
そこで質問させていただきます。
東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムの推進についての1点目といたしまして、県では県民に対し、文化プログラムをどのように周知しているのか。
2点目といたしまして、県内における文化プログラムの認証状況はどうか、お答えください。
次に、県営住宅についてお伺いいたします。
現行民法施行後、最大とも言える改正民法が明年4月に施行されます。債権法を中心として、これまで判例上解釈が分かれてきた事案に関して一定の方向性を示すこととなったわけでありますが、その中でも賃貸借における条文の改正は大きな影響をもたらすものと考えられます。入居中の賃貸物の修繕義務については、新民法606条において、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要となった場合を除き、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」と規定し、賃貸人と賃借人の責任が明文化されました。それを受けて民間事業者のみならず、準公的機関と言ってもよいUR都市機構の賃貸借においても、居住中、経年劣化によって摩耗、損傷した箇所に関し、従来81項目に及ぶ有償での修繕箇所70項目を大幅に削減して11項目といたしました。畳床やふすまの縁及び骨組みなど、日常的な利用によって生じる破損箇所については、大家であるURが修繕することとなりました。同機構において、長期間居住した方から順番に賃借人の請求により無償で修繕することになったと伺っております。URと類似した使命を有する公営住宅、県営住宅等についても同様の施策が求められるものと考えます。
また、従来、敷金の返還をめぐって顕在化してきた、退去時における賃借物の修繕義務については、新民法621条括弧書きにより、通常の使用に伴う損耗や経年変化にかかるものは賃借人の修繕義務に含まれないことが明らかとなりました。
そこで質問させていただきます。民法改正に伴い、退去時における入居者の費用負担軽減について、県では検討しているのか、お答えください。
次に、県営住宅のバリアフリー化について質問いたします。
低廉な価格で安心して暮らせる住環境を提供することが公営住宅の使命であることは言うまでもありません。高齢化が進捗する中で、求められている住環境が大きく変化していることも周知のことかと思われます。立地や間取りなどに先立ち、バリアフリーへの対応は喫緊の課題であります。例えば車椅子利用者にとっては、たった数センチの段差が移動する上で超えがたい障害となってまいります。県営住宅においても、バリアフリー化されていない住戸も多数ございますが、一定以上の障害をお持ちの方に対して、安心して居住できる住環境を守る上でバリアフリー化の推進は急務であります。
そこで質問させていただきます。県営住宅における昨年度末でのバリアフリー化の進捗状況はどうか。また、今後の見通しはどうか、お答えください。
最後に、花見川についてお伺いさせていただきます。
私の地元花見川区を縦断する花見川は、江戸時代に花見川北部を境に、一方は印旛沼に、もう一方は江戸湾に流れる2つの川でありましたが、印旛沼の水害防止や水田開発、通船による物資輸送などを目的として、この2つの川を結んで印旛沼の水を江戸湾に流す普請──工事が江戸時代、何度か試みられてきたところに端を発します。昭和44年には、検見川など河口部の工事が完成して現在の形が整ったと伺っております。かつては数メートルほどの小さな水路でありましたが、先人たちの努力により、現在では印旛沼放水路としての機能ばかりでなく、さまざまな用途で活用されております。花見川周辺には、花島公園など幾つかの公園が整備されるとともにサイクリングロードも整備され、近隣住民の憩いの場として、これまで広く活用されてまいりました。桜の咲く時期には、家族連れなど多くの方々が花見川に隣接する花島公園を訪れるなど、都心に近いところでこのような自然を感じられる場所があるのかと驚かされることもございます。
一方で、河川を管理する千葉県と公園など、河川周辺を管理する千葉市とが連携しなければならない場面も散見されるところであります。花見川の利活用を推進するために、県と千葉市は密接な関係を築く必要があるものと考えられます。
そこで質問させていただきます。
第1に、花見川における河川の利活用について、県と千葉市はどのように取り組んできたのか。
第2に、今後、花見川における河川の利活用について、県と千葉市はどのような連携を図っていくのか。
以上、1回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
◯議長(阿井伸也君) 田村耕作君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事森田健作君。
(
知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 公明党の田村耕作議員の御質問にお答えいたします。
文化芸術振興についてお答えいたします。
文化プログラムの周知についての御質問でございます。オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもあることから、多くの県民が文化プログラムに参加、体験できるよう、情報発信を行うことが大切でございます。このため、県みずから実施する千葉・県民音楽祭やちばアート祭などの文化プログラムについては、「県民だより」、ホームページ、関係機関の協力等により幅広い広報を行っているところでございます。また、市町村や民間団体が行う日本文化の魅力を発信する取り組みをbeyond2020プログラムとして認証し、その内容や実施団体名等をホームページで公表しているところでございます。これらの取り組みにより、県民に対する文化プログラムの周知を図り、広く県民に参加を呼びかけ、文化の振興に努めてまいります。
文化プログラムの認証状況についての御質問でございます。文化プログラムには、組織委員会が認証する東京2020文化オリンピアードと、国や県などが認証するbeyond2020プログラムがあり、現在、県内では、合わせて520件が認証されているところでございます。具体的にはこども歌舞伎など、伝統芸能や地域の祭りのほか、コンサートや絵画展など、多彩な催しが認証を受け、各地域で多くの方々の参加を得て展開されているところでございます。今後も、市町村や関係団体等に対し文化プログラムの認証制度の積極的な活用を呼びかけ、オリンピック・パラリンピックの機運醸成を図ってまいりたいと、そのように思っております。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
◯議長(阿井伸也君)
総合企画部長石川徹君。
(説明者石川 徹君登壇)
◯説明者(石川 徹君) 私からは公共交通についての3問につきましてお答えいたします。
まず、地域公共交通の維持・確保に係る県の認識についての御質問でございます。鉄道やバスを初めとする地域公共交通を取り巻く環境は、人口減少の進展や自家用車利用の増加等に伴う利用者数の減少などにより厳しい状況が続いているところです。一方、こうした地域公共交通は、通勤、通学はもとより、高齢者の買い物利用や病院への通院など、県民生活に欠くことのできない移動手段であるとともに、観光振興や渋滞緩和など、さまざまな効果も期待されていることから、県としては、地域公共交通の維持・確保は大変重要であると認識しております。
また、地域公共交通の維持・確保に向けた県の取り組みに関する御質問でございます。人口減少が進む中で地域公共交通の維持・確保を図るためには、自治体、事業者、地域住民が連携しながら、持続可能な公共交通のあり方について認識を共有し、利用者の増加を目指していくことが重要と考えております。こうした考えのもと、地域公共交通の関係者が一体となり、地域にとって望ましい公共交通ネットワークのビジョンを示す地域公共交通網形成計画の策定を国、県、ともに推進しているところであり、現在、県内16市町が計画を策定しています。県としては、引き続き計画策定を目指す市町村を積極的に支援するとともに、広域的な路線バスへの支援や、市町村が抱える問題を解決するための情報交換会の開催などを通じて地域公共交通の維持・確保に努めてまいります。
次に、JR総武線へのホームドア整備についての御質問でございます。JRが2018年3月に公表した東京圏のホームドア整備計画では、総武線については2032年度末ごろまでに全駅に導入し、そのうち中野駅から西船橋駅の一部の各駅停車の駅では2025年度末までに整備される見通しとなっております。さらに、先月末にJRが公表した総武線のホームドア整備計画では、西船橋駅、下総中山駅において、今年度内の工事着手を目指して具体的な検討を開始するとしています。ホームドアは駅利用者の安全確保に資する重要な設備であることから、今後ともJRに対して早期整備を働きかけるとともに、市町村にも積極的に取り組んでいただけるよう、補助制度の周知や必要な予算の確保に努めてまいります。
私も市議会議員時代から、中核市で児童相談所を設置している横須賀市と金沢市、また明石市を含め、さまざまなところで児童相談所の設置について勉強してまいりました。ここに来て子供たちを取り巻く痛ましい事件が相次いでいる現状には、その対策を急がなければと心が締めつけられる思いがいたします。
このたびの予算案では、子ども虐待防止地域力強化事業として児童相談所全国共通ダイヤル189の広報啓発の強化がうたわれています。御近所や周辺の方々からの通報も重要な情報源であることを踏まえると、この共通ダイヤルの周知はとても大切ですが、まずは、この189を含めた児童虐待防止に関する広報啓発の強化について、県はどのように取り組むのか伺います。また、こうした普及活動を進めるに当たっては、実際に県下の市町村に同じ意識を持って積極的に取り組んでいただくことが大きな効果を生む一因となると考えますが、市町村との連携についてはどのようになっているのか、あわせて伺います。
この虐待の問題においては、まずは児童相談所の体制強化を進めることが重要になります。これには経験豊富な専門的人材の確保が課題となりますが、現状、職員の約7割が経験10年未満という状態で運営されており、こうした経験が浅い職員の皆さんがそれぞれのケースで迅速かつ的確な対応を迫られるという、これは職員にとっても、過酷な実態があると言わざるを得ません。
そこで伺います。児童相談所の専門的人材の確保について、県はどのように取り組んでいるのか。また、現状をどう認識し、資質の向上に努めていくのか伺います。
次に、県警との連携、情報共有の強化について伺います。
先日、市川市は各部署が保有する、虐待に関連する可能性のある相談カルテの情報を集約し、一元化するデータベースを構築する方針を発表しました。子育て相談やひとり親相談のデータ、保健相談やDV相談のデータのほか、来年度には教育委員会も巻き込んで教育相談や発達相談のカルテ等も加え、虐待との関連が考えられる、あらゆる情報を一元化する考えを示しています。どの学校にいつもあざをつくってくる子がいるのか、誰がどんな相談に来ているのか、そうした地元の情報を収集することは虐待を未然に防ぐためには非常に有効でありますし、そのためには警察だけでなく、民生委員や学校など、市町村を含む関係団体との連携が極めて重要と考えます。
そこで伺いますが、県警との連携、情報共有の強化について、具体的にどのように強化されるのか。また、警察だけでなく、さまざまな関係機関との連携を強化するべきと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、自転車の適正で安全な利用の促進について伺います。
平成25年6月に道路交通法が改正され、悪質な自転車運転者に対する安全講習が義務づけられ、また、自転車での道路右側の路側帯通行の禁止などが規定されました。近年はスマートフォンを操作しながらの自転車の運転による事故で高額賠償請求事例が全国で発生し、社会問題化しています。高齢者や子供たちを巻き込む自転車事故も後を絶たず、交通ルールの徹底やマナーの向上に向けて各地で条例が制定され、一層の注意喚起がされていますが、千葉県でも平成29年4月に千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例、いわゆる千葉県自転車条例が制定されており、保険の加入についても努力義務として規定されています。しかしながら、せっかく制定された条例も、それが県民に認知されなければ意味がありません。そもそも県民の皆さんの中には、自分が自転車保険に入っているか否かすらはっきりしない方も大勢いらっしゃり、県民の皆さんに自転車保険への加入が大切であること、そして何よりも、それを含む自転車条例があることを徹底周知する必要があるのではないでしょうか。
こうした観点から、自転車保険の加入促進について、県民への啓発はどのように行っているのか伺います。
次に、高齢化が急速に進む中、高齢者ドライバーの自動車事故が連日のようにニュースになっております。今後、運転免許証の返納が進むに伴い、代替手段として、高齢者の自転車利用がふえることが予想されます。それに伴い、高齢者への安全な自転車利用の啓発も重要と考えます。
そこで、高齢者の安全な自転車利用について、どのように広報啓発を行っているのか、現状を伺います。
続いて、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
まず初めに、オリンピックについて、オール千葉の視点からお伺いいたします。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開幕まで、残すところ400日余りとなりました。千葉県内で現在ホストタウンとして登録している自治体は、本県がオランダのホストタウンに登録しているのを含め16自治体、また、11の国と地域の事前キャンプが予定されています。私の地元船橋市では、アメリカ合衆国のホストタウンとして、男子体操チームの事前キャンプを昨年から受け入れ、ことしも来週から2回目のキャンプが予定されています。
先日、男子体操NHK杯で史上初、兄弟による優勝、準優勝を果たした谷川兄弟は市立船橋高校の出身でございます。その市立船橋高校の体操専用体育館で行われるキャンプの期間中には、練習見学会や小学生を対象としたアメリカ選手たちとの体操体験会等々、市民との交流イベントも予定されています。このように、県内の各自治体のホストタウンではオリンピックに向けた機運醸成がさらに加速していくことが予想されます。
そこで、県は事前キャンプに取り組む県内自治体を支援する課を設置しておりますが、キャンプ誘致に取り組む市町村に対し、どのような支援を行っているのか伺います。
続いて、知事はメディアで、オリンピック・パラリンピックに対しオール千葉での取り組みとおっしゃっていますが、残念ながら市町村の現状を見ると、ホストタウン単独での動きはあるものの、県内の横の連携はなかなか見えてこないと感じます。ホストタウンとなった県内自治体の単独での広報活動には人材面や財政面で限界があり、ましてや今年度初めて事前キャンプで外国選手団を受け入れる自治体では、言葉や文化の違いもあり、その受け入れだけで精いっぱいであることが予想されます。
しかしながら、千葉県には空の玄関口である成田空港があり、オリンピックという世界的イベントでメーン会場の東京にも近く、またサーフィンなど、注目競技の会場にも選定されているわけで、今回のオリンピック・パラリンピック開催は、まさに日本に千葉県ありを全世界にアピールできる、またとない機会であると考えます。この機会を十分に生かすためにも、県下の各ホストタウンの特色や情報を集約し、各メディアへの情報提供を県主導で行うこと。それぞれに知恵を絞りながら対応している中で、オリンピック・パラリンピックに向けた市町村の情報を県がホストタウンの自治体とともに、あるいは代表して世界に向けて積極的に情報発信をする。それこそがまさにオール千葉と言えるものであり、より大きな成果を生むのではないでしょうか。
そこで伺います。オリンピック・パラリンピックに向けた市町村の特色ある取り組みを県としても積極的に情報発信するべきと思いますが、いかがでしょうか。県の見解を求めます。
続いて、パラリンピックについて伺います。
昨今はインクルーシブ教育の重要性がうたわれ、まさにパラスポーツ推進の好機でもあると考えますが、そのためには何よりもパラスポーツ競技を知っていただくことが大切です。また、パラスポーツでは潜在的な練習場不足の問題もあり、例えば日本代表の事前合宿の場所探しも非常に御苦労されていると伺っております。先番議員からも御発言がございましたが、先日のちば
ぎん総合研究所のアンケート結果を見ても、パラリンピック競技の県内の知名度は1割以下と、極めて低いと言わざるを得ません。大会組織委員会は、県内の多くの児童生徒にパラリンピック会場で競技を応援してもらおうと特別なチケットを用意し、大会を盛り上げようとしています。船橋市でも、ゴールボール日本代表の強化合宿を2回誘致しましたが、子供たちは実際の選手を目の前に、その競技のおもしろさとともに、障害を乗り越えて日本代表となった選手たちの目に見えない信念や精神力を目の当たりにして非常に感動しておりました。大切なことは、大会期間中だけでなく、大会後も障害がある方もない方もパラスポーツを身近なスポーツとして気軽に楽しめる環境を整えることであります。それはインクルーシブ教育を推進する上でも重要で、日本代表の事前合宿を積極的に受け入れることは、県民にパラスポーツを知ってもらうという点でも、また、競技推進の上で練習場が整備されるという点でも大きな意味があると考えます。
そこで伺いますが、千葉県が競技会場になるパラ競技は4競技ございます。車いすフェンシング、ゴールボール、シッティングバレー、そしてパラテコンドー、この代表チームの練習受け入れや大会開催の実績を伺わせてください。
続いて、東京湾の漁業についてお伺いいたします。
私の地元船橋市では、三番瀬産ホンビノス貝や江戸前船橋瞬〆すずきが千葉ブランド水産物に認定され、船橋三番瀬海苔についても、日本各地の豊かな食文化を守り、育てるために設けられた表示基準、本場の本物にブランド認定されています。しかしながら、昨年度はノリが不作に見舞われ、県内のノリ生産枚数は約1億4,000万枚と過去最低となりました。県の東京湾漁業研究所によりますと、不作の理由として、近年の海水温の上昇、また県内生産枚数の大半を占める富津地区では、沖合からの海水の波及が断続的に発生したことなどにより、ノリの生育が阻害された可能性があるということでありましたが、船橋でもノリの収穫量は減少しており、市内のノリ業者は現在4軒、7人と過去最低。こうして不作が続けば、産業として成り立たなくなってしまう可能性も出てきました。日本有数の生産量を誇り、千葉を代表する水産物でありますノリの不作は、県にとっては放ってはおけない問題であると考えます。
そこで伺います。県内のノリ養殖の不作に対する県の取り組みをお聞かせください。
続いて、教育問題についてお伺いいたします。
まずは、増置教員の配置についてです。
学級数に応じて学級担任のほかに配置される教員、すなわち増置教員の配置は、公立小中義務教育学校定員配置基準に基づき、小学校では12学級までが1名、また小学校は33学級以上、中学校では30学級以上になると増置教員はふえない、こういう制度になっており、これは現場の実態に即しておらず、明らかに不十分であると考えます。近年では発達障害など、通常学級で特別な支援を必要とする児童生徒がふえている実態もあり、担任のみでは対応し切れない実情がございます。当該児童生徒の生活面については、市町村が独自に支援員を配置することで対応していますが、教育面は本来教員が対応するべきで、担任の先生が全てをカバーするのは困難と言わざるを得ません。年々複雑化する子供たちの状況を教師が捉え、きめ細やかな指導を行うためには、増置教員は非常に重要な役割を担っていると考えます。
千葉県でも現状を踏まえた上で県の配置基準の見直しが行われ、増置教員が各学校に十分に配置されることが必要と考えますが、それがかなわない現状の中で、増置教員以外でどのような取り組みを行っているのか伺います。
また、再任用教員についても伺います。近年は退職後も再び学校で児童生徒に力を発揮する再任用教員も多くいらっしゃいます。しかしながら、再任用教員の中には短時間勤務を希望する方も多く、配置の難しさがあると伺っておりますが、こうした方々も柔軟に配置することで、担任の負担軽減だけでなく、よりきめ細やかな児童生徒とのかかわりも可能になるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、再任用教員の配置状況や業務内容はどのようになっているんでしょうか。
続いて、代替講師の配置について伺います。
産休や育児休業をされる方、また療養休暇を取得する教員の代替講師について、さまざまな理由により、休暇取得時からすぐに配置されない現状がございます。現在の講師の未配置状況を考えると、自分が休暇を取得することで学校に迷惑がかかると考え、休暇の取得をちゅうちょするケースも見られ、これは働き方改革にも逆行するものと考えます。例えば船橋市でもそうですが、県の代替教員が派遣されるまでの空白時間を埋めるために、自治体によっては、事故対策教員として独自に採用している現状があります。平成30年度、船橋市では延べ11人を採用しておりました。
そこで伺いますが、休暇等を取得する教員をあらかじめ把握し、速やかに講師を配置するために、
県教育委員会としてどのような取り組みを行っているのか伺います。
次に、ICTの活用について伺います。
国の第3期教育振興基本計画が昨年6月、閣議決定されました。この中で、社会状況の急激な変化に言及し、2030年ごろには到来が予想されている超スマート社会、いわゆるソサエティー5.0をしっかりと見据えた上で、教育をめぐる状況の変化にも対応し、未来を見据えた教育の必要性があるとして、ICTを活用した教育の推進がうたわれています。しかしながら、このICTの推進には重い財政負担が伴うため、どの自治体も必要性は理解しつつも、なかなか整備が進みません。このICTの活用については、環境整備の課題のほか、現場では先生方が手探りで進めているという状況であり、ICTをどこまで活用するのか、どのようにICTを活用していくのか、県が明確にすることも必要ではないでしょうか。
そこでお伺いいたしますが、ICTを活用した教育について、
県教育委員会は今後どのように進めていくのか、見解をお聞かせください。
最後に、電話de詐欺について伺います。
電話de詐欺による県民の被害は大きく、これまでも電話de詐欺防止のための注意喚起や啓発に努めてきていると伺っておりますが、依然として被害件数は高水準で推移しています。船橋市は県内でも一、二を争う電話de詐欺の被害額で、昨年6月には船橋警察や船橋東警察と連携し、電話de詐欺非常事態宣言を行いました。また、市は独自に、市民が迷惑電話防止機能がついた電話機等を購入する際の一部助成も行い、被害防止に努めています。まずは、この電話de詐欺の県内の被害状況を聞かせてください。
また、そうした中、逆に言えば、詐欺の手法を一番知っているのが県警です。新たな詐欺の手口に関する情報を速やかに公開し、周知することで広く県民に注意喚起をすることは有効だと考えますし、また、ますます巧妙かつ複雑化してくる手口がすぐに公開されてしまうとなれば犯罪の抑止力にもなると考えますが、今後の対策について県警の考えを伺います。
以上で第1問といたします。御答弁、よろしくお願いいたします。(拍手)
◯副議長(今井 勝君) 鈴木ひろ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事森田健作君。
(
知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 自民党の鈴木ひろ子議員の御質問にお答えいたします。
きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。
児童虐待についてお答えいたします。
児童虐待防止に関する広報啓発の強化についての御質問でございます。県では、これまで児童虐待防止月間である11月を中心に、ラジオCMやスポーツイベントを活用したキャンペーンなどによる啓発活動を実施し、189の周知などに取り組んでまいりました。今回の緊急対策では、より広く県民の方々に周知するため、これらの啓発活動を年間を通して実施するとともに、新たに駅や電車での広告等を実施することにより広報啓発の強化を図ります。また、県民と身近な市町村との連携については、これまで児童虐待防止月間において啓発物資の提供などを行ってきたところでございますが、緊急対策の実施に当たり、今後、市町村に対し年間を通じた広報を働きかけるなど、一層の連携を図ってまいります。
児童相談所の専門的人材の確保及び経験年数の短い職員への対応等に対する御質問でございます。虐待事案への迅速かつ的確な対応が求められる中、専門的人材の確保や経験年数の短い職員の能力の向上、中堅職員のマネジメント力の向上は喫緊の課題であると認識しております。このため県では、このたびの緊急対策において、経験者の採用も含め、児童福祉司等の専門職員の増員を現行の計画より1年前倒しして進めるとともに、昨年12月に国から示された総合強化プランに基づく新たな配置基準を踏まえ、さらなる専門職員の増員を図ってまいりたいと、そのように思っております。また、研修にロールプレーを導入するなど、より実践的なカリキュラムへの見直しを行い、経験年数の短い職員の虐待対応力を高めてまいります。さらに、今年度から配置いたしました10名程度の職員グループを統括するグループリーダーに対しては、職員指導とケース対応力の強化を目的とした研修を重点的に実施し、マネジメント力の向上を図ってまいります。
私からは以上でございます。他の問題につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯副議長(今井 勝君) 健康福祉部長横山正博君。
(説明者横山正博君登壇)
◯説明者(横山正博君) 私からは児童虐待についての御質問のうち、県警との連携、情報共有や関係機関との連携についての御質問にお答えいたします。
県では、本年4月から県警との協定を見直し、警察に提供する情報の範囲を大幅に拡大することで情報共有を強化するとともに、全ての児童相談所に警察職員または警察OBを配置し、密接に連携して対応しているところでございます。また、虐待事案における関係機関との連携につきましては、民生委員や教育機関など、さまざまな機関で構成する市町村の要保護児童対策地域協議会の専門性を高めることが重要であることから、緊急対策といたしまして、弁護士や精神科医などの専門家を地域協議会に派遣する事業を拡充することとしているところでございます。これらの取り組みによりまして、関係機関との一層の連携強化を図ってまいります。
以上でございます。
◯副議長(今井 勝君) 環境生活部長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
◯説明者(冨塚昌子君) 私からは自転車の適正で安全な利用の促進についての御質問2問にお答えいたします。
初めに、自転車保険の加入促進に関する御質問ですが、近年、自転車が加害者となる事故で高額の損害賠償責任が生じる事例があることから、自転車保険の加入促進は重要な課題と認識しております。そこで県では、自転車条例の中で保険加入について規定し、四季の交通安全運動や毎年5月の自転車マナーアップキャンペーン等の機会を活用し、チラシ、パンフレットを配布するなど、自転車販売店等とも連携し、保険加入の必要性の周知に努めております。今後もさまざまな機会を捉えて積極的な啓発を行うことにより自転車保険の加入促進に努めてまいります。
次に、高齢者の自転車利用に関する御質問ですが、平成30年中の県内の自転車事故による死者数のうち、65歳以上の高齢者が約6割を占めており、その対策が重要な課題であると認識しております。そこで県では、高齢者向けに自転車の正しい乗り方や自転車用ヘルメット、反射材等の必要性についてわかりやすく記載したリーフレット、ガイドブックを作成し、各種イベントや高齢者を対象とする交通安全教室、出前講座等で配布しております。今後も高齢者が安心して自転車を利用することができるよう、積極的に広報啓発を推進してまいります。
以上でございます。
◯副議長(今井 勝君) オリンピック・パラリンピック推進局長高橋俊之君。
(説明者高橋俊之君登壇)
◯説明者(高橋俊之君) 私からはオリンピック・パラリンピックについての3問にお答えいたします。
まず、事前キャンプ誘致に取り組む市町村への支援についての御質問ですが、県では、誘致を希望する市町村と相手国との間で、双方の意向に沿ったマッチングや各国の競技関係者による県内視察の調整などの支援を行っております。特にアメリカ陸上チームの誘致につきましては、県が印旛地域の3市及び大学と共同で受け入れ準備を進めているほか、オランダとの間では、県が包括合意を結び、窓口となることで、各市町村による個別競技のキャンプ誘致につなげております。今後、各競技の出場国の決定に伴い、事前キャンプの調整も具体化していくことから、県としても実務面できめ細やかな助言をするなど、引き続き市町村の取り組みを支援してまいります。
次に、オリンピック・パラリンピックに向けた市町村の特色ある取り組みを県としても積極的に情報発信すべきとの御質問です。県内の市町村におかれましては、事前キャンプの受け入れにとどまらず、例えば南房総地域の自然を生かしたスポーツツーリズムの推進、また、サーフィンを通じた外房地域の広域的な活性化策の検討、さらに地元の大学や企業のセミナーハウスを利用した国際交流など、地域の特性を生かした創意あふれる取り組みが進められつつあります。県としても、こうした特色ある取り組み事例を各種メディアを通じて広く発信するほか、他の地域への助言に生かすなど、大会後も見据えて地域の活性化につながるよう取り組んでまいります。
最後に、県内で開催されるパラリンピック競技について、日本代表の合宿受け入れや大会開催の状況についての御質問ですが、平成29年度以降、代表合宿の受け入れにつきましては、ゴールボール男子代表の強化合宿が県内4市において計7回実施されており、地域住民を対象とした体験会などもあわせて開催されております。また、競技大会につきましては、ゴールボールの国際大会が4回、テコンドーの全日本選手権が2回開催されたほか、先月にはシッティングバレーボールの国際大会が開催されたところでございます。今後もより多くの県民がパラリンピック競技に親しめる機会の充実に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯副議長(今井 勝君) 農林水産部長半田徹也君。
(説明者半田徹也君登壇)
◯説明者(半田徹也君) 私からはノリ養殖の不作に対する県の取り組みはどうかとの御質問にお答えをいたします。
全国的にノリ養殖が不作となっておりますけれども、そういった中で本県も例外ではなく、近年、不作が続いていることから、県では原因について調査を実施しておりまして、これまでに主に漁場の高水温化や魚類による食害が確認されているところでございます。このため漁場の高水温化につきましては、海水温の変化に応じた養殖管理指導や高水温に強い品種の普及開発、また魚類の食害に対しましては、防除ネットの設置や駆除手法の普及指導に取り組んでいるところです。引き続き調査を進めまして、原因が明らかになったものから必要な対策を講じていくとともに、作業効率のよい防除ネットの改良や駆除の強化にも取り組んでまいります。
以上でございます。
◯副議長(今井 勝君) 教育長澤川和宏君。
(説明者澤川和宏君登壇)
◯説明者(澤川和宏君) 私からは教育問題についての4問にお答えいたします。
まず、きめ細やかな指導を行うための取り組みに関する御質問ですが、
県教育委員会では、県内公立小中学校等からの少人数学級やティーム・ティーチング等、個に応じた指導を行いたい、生徒指導や特別支援教育、日本語指導等、個別の教育課題に対応したいといった要望等を踏まえ、国から措置された定数などを活用して教員の加配を行っております。あわせて非常勤講師についても、少人数指導や小規模中学校における教科担任等として、学校の状況に応じて配置しております。引き続き教職員の定数改善について、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に働きかけるなど、児童生徒に対するきめ細やかな指導の充実に努めてまいります。
次に、再任用教員の配置状況や業務内容に関する御質問ですが、県内の公立小中学校等において、ここ数年、再任用教員が増加しており、今年度は教員全体の6.2%に当たる約1,400人が配置されております。なお、昨年度末、定年退職した教員の約45%が再任用されております。これらの再任用教員は長年培った豊富な知識と経験を有しており、それぞれの学校現場において、学習指導や生徒指導はもとより、若手育成や学校運営など、さまざまな場面で御活躍いただいているものと認識しております。今後も市町村教育委員会と連携しながら、再任用教員の有するスキルが十分生かされるよう、学校の状況等を踏まえた配置について工夫してまいります。
次に、速やかな講師の配置に関する御質問ですが、
県教育委員会では講師の配置を速やかに行うため、出産休暇や育児休業など、あらかじめ取得が見込まれる場合に計画的な任用手続を進めるとともに、療養休暇等が取得されたことなどにより講師の配置が必要となった場合には速やかに報告するよう、市町村教育委員会を指導してまいりました。近年、講師登録者数が不足していることから、民間の求人情報検索サイトに講師募集の情報を掲載したり、
県教育委員会ホームページのトップに募集案内を表示するなど、積極的な広報活動を通じて講師の確保に努めているところであり、引き続き講師の配置が速やかにできるよう取り組んでまいります。
最後に、ICTを活用した教育についての御質問ですが、令和2年度より全面実施となる新学習指導要領においては、情報活用能力が学習の基盤となる資質、能力として位置づけられ、小学校でプログラミング教育が始められるなど、ICTを用いた学習活動の充実が求められております。
県教育委員会では、全ての教科においてICTを有効に活用した授業が行われるよう、これまで中核教員の育成に努めてきたところであり、昨年度から教員が実際にプログラミングを体験しながら、その指導方法について学ぶ実践的な研修にも取り組んでおります。また、今年度からは新たに全ての県立特別支援学校36校と県立高等学校3校にそれぞれ1クラス分のタブレット端末を整備し、子供たちの興味、関心を高めるICTを活用した授業のあり方について検証を行っているところです。この成果をもとに、指導案のモデルを作成して県内全ての学校に共有するなど、ICTを活用した教育のさらなる推進や環境整備に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
◯副議長(今井 勝君) 警察本部長早川治君。
(説明者早川 治君登壇)
◯説明者(早川 治君) 私からは電話de詐欺に関する御質問にお答えをいたします。
まず、電話de詐欺の被害状況についての御質問でございますが、県内における電話de詐欺の被害は近年増加傾向にございまして、平成29年中は被害認知件数1,517件、被害総額約31億円と、過去最も多い被害が発生したところでございます。こうした厳しい情勢を踏まえ、昨年、知事と県警本部長連名の緊急メッセージを発するなど、官民一体となった電話de詐欺対策を推進した結果、平成30年中は認知件数1,343件、被害総額約26億円と、いずれも前年に比べ減少しております。また、本年も5月末現在の認知件数は前年同期に比べ減少しておりますけれども、被害総額は既に暫定値で8億円以上に上るなど、電話de詐欺の被害は依然として高水準で発生しており、厳しい状況にあると認識しております。
続いて詐欺の手口に関する情報の速やかな公開など、今後の対策についての御質問でございますが、電話de詐欺については、犯人グループがさまざまな名目をかたり、巧妙な手法で被害者をだましている実態がございまして、その手口も次々と変わっていることから、議員御指摘ございましたとおり、最新の手口等についてタイムリーな情報発信を行い、注意喚起を図ることは被害を防止する上で大変重要と考えております。そこで県警では、電話de詐欺・悪質商法被害抑止コールセンターを通じ、個々の高齢者宅に電話をして具体的な防犯指導を行っておりますほか、ちば安全・安心メールや県警ホームページ等により、詐欺の最新の手口や被害を防ぐための注意事項等について情報発信に努めているところでございます。また、本年3月以降、実際に県内の高齢者宅にかかってきた犯人の会話を録音した音声を各種メディアに公開するなどして注意喚起を図っております。県警としては、引き続きあらゆる広報媒体を活用して電話de詐欺の被害防止に資する情報のタイムリーな発信に努めるとともに、各警察署ごとに電話de詐欺被害撲滅モデル地区を設定し、高齢者宅を戸別訪問して直接的な防犯指導を集中的に実施するなど、自治体や関係機関、団体等とも連携をして、電話de詐欺被害の抑止に向けた取り組みを一層強力に推進してまいりたいと考えております。