まず、知事の政治姿勢について伺います。
安倍政権が10月から強行しようとしている消費税の10%増税について、さきの議会で知事は、消費税は安定的財源として充実させていくことがふさわしいと、まるで消費税増税を推進するかのような答弁をしました。しかしここへ来て、消費税は必要との立場の学者や経済人からも警告の声が次々と上がっています。
藤井聡内閣官房参与、
京都大学大学院教授は、消費税増税は凍結すべきだ、10%への
税率引き上げは日本経済を破壊する、増税すれば消費は低迷し、国民の貧困化がさらに加速するのは間違いないと警鐘を鳴らし、今の時期の増税は、栄養失調で苦しむ子供にさらに絶食を強いるようなものだと痛烈に批判しています。
鈴木敏文セブン−イレブン元会長は「文藝春秋」1月号で、今のタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまう。国内景気がさらに悪化して、消費の減少、企業倒産の増加、失業率の上昇といった負の連鎖に直面する可能性もあると懸念の声を上げています。知事は、これらの声をどう受けとめられますか。知事の見解をお聞かせください。
経営者の側はどうか。東京商工リサーチの昨年9月の調査によれば、資本金1億円未満の中小企業の6割が10%で景気が悪くなると答え、10月の増税は延期、中止すべきとする企業は半数にも上るなど、立場の違いを超えて消費税を今上げるべきではないという声が広がってきています。消費税増税は景気を冷え込ませ、日本経済と国民の暮らしに取り返しのつかない打撃を与えることは明らかであり、中止すべきです。そもそも消費税は所得の低い人ほど負担が重い最悪の税制ですが、知事、少なくとも今の時期の増税は延期をの声を上げるべきではありませんか、お答えください。
さらに今、安倍政権の消費税増税に対する景気対策がまるでわけのわからない奇奇怪怪なものになっていることへも強い批判が広がっています。複数税率に加えて、安倍首相が突然
ポイント還元も言い出したからです。2つが組み合わさるとどうなるか。パネル、資料をごらんください。
消費税の実際の負担率が、1つ、食料品なのかそれ以外なのか、1つ、カードで買うのか現金で買うのか、1つ、
大手スーパーで買うのか、中小小売店、コンビニで買うのか、買う商品、買い方、買う場所によって異なります。何と消費税の実質負担率は3%、5%、6%、8%、10%の5段階にもなってしまいます。例えば、リポビタンDの実際の税率は10%、8%、5%に分かれます。オロナミンCは食料品扱いなので8%、6%、3%です。知事、こんな複雑怪奇な制度は国民に混乱と負担を招くだけ、しかも、
ポイント還元されるのはわずか9カ月で、これに要する経費は増税による増収分を上回ります。知事、こんなやり方はおかしい、筋が通らない、そう思いませんか。お答えください。
日本チェーンストア協会、
日本チェーンドラッグストア協会など、業界団体も混乱が生じることへの懸念を表明し、見直しを求める異例の意見、要望を政府に提出しています。昨年末の読売新聞や毎日新聞の世論調査でも、
キャッシュレス還元反対、
ポイント還元反対の声は6割を超えています。初めから増税などしなければいいという国民の声は当然だと思いますが、知事の見解を伺います。
しかも、重大なのは、毎月勤労統計の不正が明らかになり、消費税増税の前提も崩れていることです。政府は消費税増税の根拠の1つに賃金の上昇を挙げていましたが、安倍内閣による偽装だったことが発覚し、2018年実質賃金は下方修正され、伸び率がマイナスになる可能性が明らかになっています。賃金上昇は偽装だったと言わざるを得ません。消費税増税の前提そのものが崩壊しているではありませんか。知事の見解をお聞かせください。
今必要なのは、国民の暮らしを破壊する消費税増税ではありません。国民の懐を暖める経済、景気へと政治の転換を図ることです。そのためにも消費税に頼らない税制へと切りかえることです。大企業への行き過ぎた優遇税制を見直せば4兆円、大株主に有利な証券税制の見直しで1.2兆円の財源ができます。今こそ税金の集め方を変え、消費税の増税は中止すべきです。声を上げるべきですが、どうか。知事の答弁を求めます。
政治姿勢の2つ目に、国の新
年度軍事予算に関連して伺います。
安倍政権は昨年12月、新防衛大綱、
中期防衛力整備計画を閣議決定しました。その規模は5年間で27.4兆円もつぎ込む空前の大軍拡計画となっています。その内容は、護衛艦の事実上の空母化や相手の射程圏外から攻撃できる
長距離巡航ミサイルの導入など、いわゆる攻撃型兵器の配備などです。断じて許されません。これは明らかに専守防衛を建前としてきた自衛隊から、海外で戦争できる軍隊へと変貌させるものでありませんか。
しかも、
中期防衛力整備計画に基づく初年度、来年度の軍事費は、7年連続の増額で5兆3,000億円規模となり、その一方で、社会保障の自然増分は1,200億円も削減する、まさに逆立ちした予算です。こんなおかしな税金の使い方をどうお考えか、知事の認識をお聞かせください。
次に、2019年度県予算案について質問します。
今、地方自治体に求められているのは何か。安倍政権による消費税増税、社会保障費の
自然増分カットなど、暮らし破壊の暴風雨に抗して、住民の福祉を増進し、教育、子育てへの責任を果たすことです。地方自治体が政府の下請機関や国言いなりであってはなりません。そういう千葉県の予算が求められていると思いますが、知事の認識をまず伺います。
その立場から、パネルや資料をごらんください。今年度に続き、新年度予算案について、歳出の組みかえを提案します。初めに、増額する予算です。
第1は、
ひとり親家庭の
医療費負担軽減です。高過ぎる国保料が払い切れず、保険証がないため、我慢して手おくれで命を失う事態は後を絶ちません。県として、とりわけ負担軽減が切実な
ひとり親家庭の未就学児にかかる国保料、均等割分を助成するよう提案します。12億円でできます。
また、償還払いの
ひとり親家庭の医療費助成を現物給付、窓口無料に改善するよう提案します。1億4,000万円でできます。それぞれお答えください。
2つ目は、
特養ホーム建設補助の大幅増額です。県は、新年度1床当たり450万円の補助金を1,403床分計上しましたが、それでも1万1,000人を超える
特養入所待ちはなくなりません。介護難民です。
ひとり暮らしの高齢者及び緊急度が高い高齢者のみ世帯の入所待ちの解消を目指し、1,250床分、56億円の増額を求めます。御答弁ください。
また、県も2020年に介護施設で働く職員が1万4,000人も足りないとしています。職員確保のために、潜在有資格者の再
就業支援金制度をつくり、まずは新年度、1人につき10万円、7,000人分として7億円を提案します。
3つ目は、子供の医療費助成です。県の制度は、入院は中学3年まで助成しますが、通院はいまだに小学3年でとどまっています。市町村が独自に上乗せして、県内どこに住んでいても中学3年まで入院と通院が助成されています。高校3年まで助成しているところもあります。県が31億円を追加して中3までの通院助成に踏み切れば、全県で高校3年まで医療費助成を広げる展望が開かれます。知事、決断すべきです。お答えください。
4つ目は、教育です。教員の多忙化を解消し、一人一人の子供たちと向き合う上で少人数学級の拡大は急務です。しかし、35人学級は小学校3年、中学校は1年までのままで、遅々として進んでいません。県は、教員配置は国の責任だと繰り返しますが、それでは、さまざまな問題への的確な対処が求められる今の学校現場の負担は軽減されません。新年度、県独自に150人程度の
正規教員採用分として7億5,000万円を確保し、小学4年と中学2年で35人学級を実施するよう求めます。御答弁ください。
私学に通う子供を持つ家庭の
教育費負担軽減も切実です。県は、この間、不十分ながらも私学の経常費助成を増額し、授業料は年収350万円未満世帯は全額、640万円未満世帯は3分の2を免除しています。しかし、家計には年平均24万5,000円を超える
施設整備費等の負担が重くのしかかっています。新年度、まず年収250万円未満世帯の
施設整備費等を免除するため、11億5,000万円の増額を求めます。お答えください。
定時制高校の夜間給食も1億7,000万円あれば復活できます。
5つ目は、障害者医療の助成拡充です。これまでも取り上げてきましたが、障害を持つ方の多くは、継続的に幾つもの医療機関にかからざるを得ません。受診のたびに払う窓口負担は大変です。昨年6月議会で、関係者が強く願い、我が党も繰り返し求めてきた精神障害の方への医療費助成の実施を求める請願が全会一致で採択されました。県はこれを重く受けとめるべきです。精神障害への医療費助成に必要な予算は12億円です。知事、直ちに実施すべきです。いかがですか。
次に、これらの施策に要する予算をどう確保するか、提案します。結論から言えば、不要な大型開発、急ぐ必要のない
大型公共事業の見直しです。住民の意見を聞いて必要ないものはやめる、あるいは事業の規模を縮小する、延ばせる事業は先送りします。
第1は、圏央道や
北千葉道路建設の先送りで15億8,000万円、アクセス強化の
道路ネットワーク事業の見直し、圧縮で44億円を生み出します。来年度、
道路ネットワーク整備予算は7%、42億円ふえ、619億円にも膨らんでいます。知事は、県民生活の利便性向上や経済活性化を理由に挙げますが、その根拠も費用対効果も十分な説明がありません。これまでも、渋滞解消や人、物の物流などと言って
巨大道路建設に突っ走ってきました。県民に根拠を示せないままの莫大な税金投入は改めるべきです。来年度のこれらの
巨大道路建設にかかわる59億8,000万円を圧縮するよう求めます。お答えください。
第2は、過大な見積もりの計画で進めている金田西、
つくばエクスプレス沿線開発の先送りです。行き詰まっている金田西や、つくば沿線の
区画整理事業への一般会計からの27億2,000万円の繰り入れを見送るよう求めますが、御答弁ください。
第3は、家族営農や沿岸漁業に焦点を当てた支援に結びつかない予算の削減です。
産地間競争力の強化や
拠点漁港整備を重点的に整備するとしている港湾事業の圧縮で11億3,000万円、
広域農道整備など農業土木重視、利潤追求優先の企業参入を広げる可能性がある農地の
集積加速化促進事業の見直しで28億2,000万円を削減するよう提案しますが、いかがですか。お答えください。
第4は、
立地企業補助金の圧縮です。税金をばらまいて大企業を呼び込めば、雇用創出や
地域経済振興につながるという経済政策が破綻していることは明らかです。同補助金のうち、大企業向け及び新規分5億3,000万円を減額するよう求めます。御答弁ください。
今回提案した税金の使い方の組みかえ提案の規模は143億1,000万円、これは新年度の県一般会計1兆7,608億4,500万円の0.81%です。わずか0.8%程度の組みかえで、暮らし、福祉を支える施策を前進させることができます。県の財政力は全国4位なのに、県民1人当たりの社会福祉費46位、老人福祉費47位、児童福祉費45位、教育費45位と、福祉、
教育最低クラスのゆがみを正す大きな一歩となることを強調するものです。
次に、野田市での
児童虐待死亡事件について伺います。
10歳の女の子が父親から虐待を受け、繰り返し助けを求めていたのに亡くなりました。何があっても子供の命は絶対に守らなければいけない、これが貫かれていたのか厳しく問われます。
第1は、1度は保護をしたにもかかわらず、その後、一時保護を解除した判断が不適切だったのではないか、事態の重大性、緊急性にかかわる認識です。一家が野田市に転居した後の2017年11月、女児に虐待が疑われるあざが見つかり、本人からお父さん怖い、背中や首をたたく、どうにかできませんかとの訴えがあり、
県児童相談所が一時保護をしました。しかし、父親は虐待を認めず、母親は父親からのDV被害を訴えていたにもかかわらず、児相は12月27日、父方の親族宅から登校することを条件に保護解除を認めてしまったのです。しかも、2018年2月26日、親族宅に来た児相に、父親は自宅に連れて帰ると言い放ちました。それを児相は事実上了承してしまい、いつ女児が自宅に戻ったのかも把握していません。余りにもずさんな対応です。
その過程で、児相は女児が虐待を訴えたアンケートのコピーが父親に渡されていた事実や、父親が女児に、お父さんにたたかれたのはうそなどと書かせていた事実もつかんでいました。明らかに虐待が疑われているのに、父親がそれを一向に認めない、しかも、子供にやっていないといううその書面まで書かせた。そんな父親のところに女児を返せば、また虐待されるのは明らかではないですか。お答えいただきたい。
なぜ虐待のリスクなど事態の重大性を踏まえた対応ができなかったのか、どこに問題があったのかお答えください。
2014年に市原市で起こった事件も、生後8カ月の男の子を一時保護しながら父親が虐待を認めず、その事実が曖昧なまま家庭に戻し、その後亡くなりました。背景に父親から母親へのDVがあったことなど、今回の事件とも共通した特徴があります。検証のために出された昨年5月の第4次答申では、家庭復帰の際には、復帰する家族全体の生活歴等を詳細に把握すること、DVの疑いがある場合は、単に暴力の有無だけに注目するのではなく、家族関係、特に支配、被支配の関係性に目を向けると同時に、虐待が隠蔽されやすいことにも留意する必要があると指摘しています。が、今回の事件で生かされた形跡はありません。なぜ答申など過去の教訓が生かされなかったのか。はっきりとお答えください。
また、県の
虐待対応マニュアルは、在宅復帰の際、第一に留意すべきことは虐待の再発予防と指摘し、在宅指導の条件として、家庭内にキーパーソンとなり得る人がいる、
児童相談所職員等の援助機関の訪問を受け入れる姿勢があるとしています。しかし父親は、一時保護も認めず、行政に訴訟をちらつかせるなど、とても協力的とは言えませんでした。マニュアルでは、在宅による援助ケースと判断した場合でも、子供や家庭の状況は日々刻々変化するもの、保護者があれこれ理由をつけて子供に会わせないなど関係する機関が子供の状態を直接把握できない事態が続く場合は、悪い兆候として捉え、強制的な介入を検討すべきとも指摘しています。しかし、児相は、女児が昨年夏に続き、ことし1月にも長期欠席をしたにもかかわらず、家庭訪問もしませんでした。今回の対応において、過去の事例から教訓として導き出された
虐待対応マニュアルが生かされていなかったことは明らかではありませんか、お答えいただきたい。
第2は、野田市の要
保護児童対策地域協議会を初め、警察など関係機関との連携、情報共有の不足です。報道によれば自宅周辺の住民は、死ねなどの男のどなり声や、お母さん怖いよと泣き叫ぶ女児の声、何かをたたく音を聞いたと言いますが、児相は把握していませんでした。学校や市、警察との情報共有、連携が適切に図られていれば、こうした状況はつかめていた可能性があったのではないでしょうか。必要な連携を図り、関係機関がそれぞれの役割を果たしていれば女児の命を救うことができたのは明らかです。今回の教訓を生かし、関係機関による虐待に関する情報共有、連携の改善をどう図るのかお答えください。
過去の事例からさまざまな教訓が示され、
県児童相談所がかかわった事案でありながら、またもや子供の命が救えなかった。県の責任は余りにも重大です。一体、知事はどう受けとめているのかお答えいただきたい。
今回の対応について、
第三者検証委員会の検証待ちにならず、速やかに県自身による内部検証を行い、結果を公表すべきです。答弁を求めます。
第3に、子供の命を守ることを最優先にした対応をするためには、それにふさわしい体制を確立することが不可欠です。野田市を所管する
柏児童相談所の
虐待相談対応件数は、2016年度で1,988件と10年間で約7倍に急増しています。また、児童福祉司1人当たりの
担当ケース数は平均15件から62件となっており、体制拡充は急務です。現場からは、そもそも千葉市を除いて、千葉県内に6つしか児相がないのは少な過ぎるという声が上がっています。県内2位の人口である船橋市や3位の松戸市にもありません。現在進めている児童相談所の職員増員の前倒しなど、抜本的に人員体制を拡充するとともに、県内に新たな児相の設置を行うべきだと思いますが、どうか。
あわせて、職員研修の充実や
スーパーバイザーの配置拡充など、専門性の向上に向けて緊急に手だてをとるべきです。答弁を求めます。
次に、公共事業などのあり方について伺います。
昨年は、地震や水害など災害が多い年となりましたが、千葉県の備えは極めて不十分です。地震対策では建物の耐震対策がおくれています。多くの人が集まるような特定建築物のうち、耐震基準以下が1,600棟も残され、県有施設も36棟含まれています。住宅では約39万戸が未耐震のままです。こうしたおくれの解消のために抜本的に手だてを強める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
緊急輸送道路の沿道の建物の耐震対策もおくれています。県では、国道や県道など44路線、合計1,420キロメートルを
緊急輸送道路に指定していますが、沿道の建物のうち、耐震強度が足りないとされるものは約1,700棟となっています。しかし、これらの耐震診断や耐震補強の状況がつかめていません。さらに問題なのは、県が指定した
緊急輸送道路なのに、特定行政庁の区域は責任と権限が当該自治体にあるとして、全くつかんでいないことです。県の
耐震改修促進計画でも、所管行政庁と連携し、情報共有に努め、指導等が円滑に行われるよう取り組むとされているのに、これでは話になりません。
緊急輸送道路の沿道の建物の耐震状況について特定行政庁と情報を共有し、県として、全県的にもれなく掌握すべきではありませんか、お答えください。
耐震診断を実施しても、それで終わりにはならず、基準を満たしていなければ補強工事が必要になります。広範な地域に被害が広がることを考えれば、建物の所有者の資金力に委ねるだけでは、県としての役割は果たせません。必要な補強工事に対して市町村と連携し、財政的に支援すべきだと考えますが、お答えください。
県民の命にかかわる事業が大きくおくれている一方で、不要不急の大規模事業は破格の扱いになっています。その1つが第二湾岸道路です。1月17日、森田知事が直接、
石井国土交通大臣に要請して建設が動き出そうとしていますが、これは歴史を逆戻りさせるのと同じことです。今から20年前、県は、都県境をまたぐ東京湾岸主要6路線の交通量を示して、1997年の45万7,000台が、おおむね20年後に59万4,000台にふえるので第二湾岸道路が必要だと主張していました。しかし、20年過ぎた今、交通量は逆に38万8,000台に減っています。当時の議論を踏まえれば、20年を経過した今、第二湾岸道路は要らないという結論が出たのではないですか、お答えください。
それでも県は、湾岸部分は自動車の速度が全県平均より遅くなっているとか、災害対策や経済の活性化を挙げて必要だと強弁しています。しかし、湾岸地域は産業や人口が集中している構造になっており、スピードが全県平均を上回ることなどあり得ません。災害対策も経済活性化も、具体的な数字による根拠は一切示されていません。これで必要だというのであれば、どんな道路でも必要だと言い張れることになります。いいかげんな根拠で莫大な税金投入と三番瀬の環境破壊が避けられない
巨大道路建設に着手していいはずはないと思いますが、いかがでしょうか。
三番瀬について、県はこれまで、三番
瀬再生基本計画に基づき、自然環境の再生、保全に取り組んでいると答弁してきました。保全を前提にした県のこの方針は、これからも変わらないものと考えていますが、念のため認識をお聞かせください。
あえてこれを聞くのは、第二湾岸道路はどういうルートをとっても、どういう構造をとっても、浦安側と船橋側の道路用地を生かそうとする限り、三番瀬の自然を根底から破壊することになるからです。三番瀬に影響を与えない第二湾岸道路は、ルートも構造も不可能だと考えますが、お答えください。
第二湾岸道路の建設は1兆円規模の事業になるのは明らかです。財源は借金で工面され、返済するのは子や孫の世代です。実際に走れるようになるのは10年後、20年後ですが、そのときに必要なかったとわかっても誰も責任をとる人はいません。将来世代に対して余りにも無責任ではありませんか、お答えください。今やるべきなのは、将来に莫大な借金を残すことではなく、豊かな自然を残すことです。
第二湾岸道路は中止を決断すべきだと思いますが、お答えください。
もう1つは、八ッ場ダムです。間もなく完成し、ことしの秋にも湛水試験が始まりますが、家屋の移転予定は470世帯中94世帯で、現地では広大な造成地がそのまま広がっています。ダム建設の総事業費は1986年の2,110億円から4,600億円と倍になり、現在は5,320億円になりました。当然、千葉県や水道局の負担もふえています。今後、
地すべり対策などでさらに事業費がふえる可能性が指摘されていますが、これ以上、負担がふえないと言い切れるのでしょうか、伺います。
県水道局は、2024年に1日最大給水量が113万4,600立方メートルになるとの推計値を根拠に八ッ場ダムに参画してきました。しかし、この15年間、105万立方メートルを超えたことがありません。これでなぜ八ッ場ダムが必要だと言えるのでしょうか、お答えください。
自治体の最大の役割は、住民福祉の増進です。公共事業の目的もそうでなければならないと思いますが、知事の認識を伺います。
次に、いわゆる働き方改革について伺います。
2016年9月、千葉県と労働局、経営者や労働団体がちば「働き方改革」共同宣言を行いました。しかし、実態はどうか。2つの問題でお聞きします。
1つ目は、建設労働者の賃金についてです。県内の建設労働者は国調査で、15年前の7割台まで約7万人も減り、特に29歳以下は5万4,000人から2万3,000人へ4割台に減りました。知事、住生活や
インフラ整備を支え災害対策を担う建設業で、若い技能労働者が激減している実態をどう認識していますか、お答えください。
建設労働者確保のためには低い賃金の
大幅引き上げが求められており、県発注の公共工事は県の責任で改善すべきです。国も6年連続、公共工事の設計労務単価を引き上げ、県も上げてきましたが、それが実際に労働者の賃金に反映されていません。
千葉土建一般労働組合による5,061名の公共工事における賃金実態、そのパネル、資料をごらんください。県公共工事設計労務単価の全職種平均は2万5,455円、ところが実際の労働者の賃金は平均1万6,867円と県単価の6割台、特に防水・とび工は5割台、半分程度の低さです。知事、これが実態です。どう認識していますか。なぜ県が設計労務単価を引き上げているのに、労働者の賃金はこんなに低いのか。はっきりと御答弁ください。
しかも、県はこうした実態を指摘しても認めず、県による調査も拒否し続け、元請に指導しているの一点張り。しかし、既に神奈川県では、6年前から公共事業の契約時に賃金実態調査を依頼し、協力を得られた企業については下請まで調査し、結果は毎年公表しています。やる気になればできるではありませんか。神奈川県のように、まず建設労働者の賃金実態調査の仕組みをつくり、実施に踏み切るべきです。お答えいただきたい。
そもそも公共事業とは何か。県民の税金で公共のために行われる事業です。元請だけでなく、現場で働く建設労働者にも適正な賃金と工期をきちんと保障してこそ、工事の質も確保できます。発注者の県が最後まで責任を持つべきです。だからこそ、野田市や我孫子市では公契約条例を制定して、例えば野田市では、建設労働者の賃金を設計労務単価の85%以上とすると下限も決め、賃金の改善と公共事業の質確保に取り組んでいます。知事、今こそ県公契約条例を制定し、適正な賃金と工期、工事の質を県の責任で確保し、建設現場で働く技能労働者を育成すべきです。答弁を求めます。
また、労働時間の短縮と両立できる賃金確保も重要です。政府は週休2日の推進で、長時間労働の是正や休日確保に向けた環境整備が必要と、去年3月、建設業における働き方改革の推進を呼びかけました。国は、週休2日制による労働者の収入減を防ぐため、元請に対する労務費に、休みに応じて不十分ながらも上乗せをしています。ところが、県の週休2日制モデル事業では、労務費に一切上乗せせず、その結果、休日は別の現場で働いたという労働者がいます。知事、改めるべきです。労務費にも必要な上乗せをして発注し、公共事業からまず労働時間短縮を進めながら、生活できる賃金を確保する。これが県の責任です。お答えください。
2つ目は、違法な働かせ方をやめさせる問題についてです。県内でも学費を補うために働く学生バイトで違法な状態が強いられています。私は昨年末、ブラック企業をなくす東葛の会などが実施した東葛派遣村なんでも相談会に参加しました。コンビニで働くある女子高生は、店指定の靴代を給与から天引きされ、5時間の約束が9時間も働かされている。休みたいときは自分でかわりを探せと言われ26日連続で働いた。残業代は一切支払われていないと、給与明細を示しての悲痛な訴えでした。県の労働相談でも賃金未払いなど違法な相談例があり、これらは氷山の一角と言わざるを得ません。
京都府では、同様の実態が広がる中、一昨年3月、労働局と府と市が連携して京都ブラックバイト対策協議会を立ち上げ、学生アルバイトの実態等に関するアンケート調査を実施しました。目的は、ブラックバイトを根絶し、適正な就労環境を実現して、学業に支障が生じることがないようにというもので、その結果を受けて、経営者協会などに是正を申し入れ、新たに京都府ブラックバイト相談窓口も設け、本格的な取り組みをスタートさせています。知事、早急に京都府の取り組みに学び、千葉ブラック対策協議会の設置や実態調査の実施、ブラック相談窓口の開設など、千葉県から違法な働かせ方を一掃させるために、今こそ全力を挙げるべきですが、どうか、答弁を求めます。
次に、国民健康保険について伺います。
高過ぎる国保料が医療保険制度としての持続性を揺るがしています。昨年6月、県内の国保料滞納世帯数は14万を超え、全加入世帯の15%を超えています。最大の要因は、所得は低いのに保険料は一番高いという国保の構造問題です。例えば、私が住む松戸市では、年収400万円の4人世帯の保険料負担は、協会けんぽでは19万7,800円なのに、国保では34万7,408円と1.7倍です。知事、同じ年収、同じ世帯構成にもかかわらず、国保であるだけで協会けんぽの1.7倍もの保険料負担を強いられるのは余りにも異常だと思うが、基本的な認識を伺います。
今年度から国保が都道府県単位化され、国から3,400億円の公費拡充がされましたが、保険料率で明確に引き下げたのは9自治体のみで、多くの自治体では保険料の引き下げにつながっていません。全国知事会は2014年、協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要、協会けんぽを1つの目安にしながら可能な限り引き下げを行ってほしいと抜本的な公費負担増を求めています。3,400億円では全く足りないことは明らかです。改めてこの立場に立ち、知事も一緒になって求めた1兆円の公費負担増により、協会けんぽ並みの保険料を目指すべきです。お答えください。
国保では、とりわけほかの医療保険にはない均等割、平等割が重い負担となっています。子供が1人生まれるごとに保険料の負担がふえるなどというのは現在の人頭税であり、子育て支援にも逆行しているではありませんか。1兆円の公費負担増を実現し、医療分、後期高齢者支援金分の均等割、平等割がなくなれば、例えば先ほどの4人世帯では松戸市で22万7,408円と協会けんぽ並みの保険料にすることができます。保険料の引き下げでは、特に均等割、平等割を廃止し、所得に応じた保険料にしていくべきだと思いますが、認識をお聞かせください。
高過ぎる保険料とあわせ大きな問題となっているのが、保険料を払えず滞納している世帯への資格証明書の発行、いわゆる保険証の取り上げです。昨年6月、県内の資格証明書の交付世帯数は1万140世帯に上っています。現場ではどんな実態が起こっているか。滞納世帯の4割近くに資格証明書を発行している木更津市では、保険料を30万円滞納し、資格証明書になっていた40代のシングルマザーの方が胸にしこり、腫瘍ができ、痛みが出てきたことで受診したいと市の窓口に短期保険証の発行を求めましたが、応じてもらえませんでした。国の通知では、医療の必要が生じ、なおかつ自己負担金が払えない場合は特別の事情に準ずるとして、短期証を発行することとなっているのに、国の通知は関係ない、滞納を一掃しなければ短期保険証は発行できないと突っぱねられたのです。こうした対応については、県も事実だとすればふさわしくないと認めています。事は命にかかわります。知事、すぐに是正をさせるべきではないですか、お答えください。
県内では木更津市のような自治体がある一方で、昨年6月時点で資格証明書を1世帯も交付していない自治体が8自治体あります。昨年度の保険料収納率を見ると、木更津市が88%なのに対して、資格証明書の交付ゼロの鎌ケ谷市は91%です。資格証明書に収納率を向上させる効果がないことははっきりしており、もはや発行そのものをやめるべきです。各自治体の資格証明書の交付状況を調査するとともに、国の通知の立場を改めて徹底すべきではありませんか、お答えください。
先日公表された新年度標準保険料の算定結果では、1人当たり標準保険料は、2016年度と比較して5.6%、5,575円もの引き上げとなりました。都道府県単位化に当たっての国と地方の協議の中でも、現状でも重い国民健康保険の保険料負担をこれ以上ふやさない仕組みを構築する必要があると言ってきたにもかかわらず、大幅な保険料の引き上げなど許されません。ところが、県は国保運営方針で一般会計からの法定外繰り入れの削減、解消を掲げ、保険料引き上げに拍車をかけようとしています。
そこで伺います。
少なくとも、国による抜本的な公費負担増がない限り、一般会計からの法定外繰り入れの削減、解消という方針は撤回すべきだと思いますが、どうでしょうか。
どの市町村でもこれ以上の保険料引き上げがされないよう手だてを尽くすべきだと思いますが、お答えください。
次に、公共交通の充実を求めコミュニティバスについて伺います。
県内でも高齢化や運転免許返上、鉄道や路線バス182路線が廃止されるなど、住民の移動する権利が脅かされています。私の住む松戸市八ケ崎では、新駅ができると言われながらできず、最近開通した大きな道路でも新たな路線バスは走らず、住民らはミニバスを走らせる会を結成し、町会とともに約4,000筆の署名を集め、市長に再三要望してきました。市は、ここを含め13の交通不便地域を公表しましたが、コミュバスの試行運転は1地域だけ。今、上矢切、新松戸、幸田、栗ケ沢、常盤平地域などからも買い物に行けない、高齢者がひきこもりがちで外出しづらいなどの訴えが相次ぎ、暮らしや地域経済に影響が出ています。知事、この実態をどう認識しますか。コミュニティバスなど公共交通の充実で改善すべきではありませんか、お答えください。
県内では40市町が独自にコミュバスを、18市町がデマンドタクシーを走らせていますが、財政事情が苦しく県に財政支援を求めている自治体もあります。関東では、埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨、東京など、ほとんどの県が市町村の運営するコミュバスに補助を出し、県も一体で公共交通の充実に努力しています。ところが、千葉県はいつまでたっても助言、アドバイスだけ。知事、県内の市町村が運営するコミバスに補助し、財政支援に踏み切るべきです。答弁を求めます。
最後に関連して、松戸市のコミュバスがJR馬橋駅東口に乗り入れできない問題、県道の拡幅について伺います。コミュバスは、一昨年オープンした松戸市立総合医療センター、県立病院並みの役割を担う公立病院とJR馬橋駅東口商店街、JR北松戸駅を回っています。問題は、馬橋駅に通じる一般県道馬橋停車場線が幅7メートルでまともな歩道もなく、狭くて危険なためコミュバスが通行できず、駅乗り入れもできないことです。そのため、駅から遠く離れたバス停から危険な県道を歩かなければならず、困り果てた利用者からは、隣のJR北松戸駅までわざわざ遠回りしているとの苦情が寄せられ続けています。実はこの県道は、約60年前に松戸市が都市計画決定し、民間による再開発を計画していましたけれども、頓挫し、市が3年前にも採算見込めず再開発は難しいと結論を出した場所です。
知事、これ以上バスも通れず、通学路で交通事故も多発する危険な県道馬橋停車場線を放置することは許されないではありませんか。早急に松戸市と協議を進め、住民の意向を踏まえ、県道の拡幅やJR馬橋駅ロータリー拡幅など、バス乗り入れができるよう早急に改善すべきです。お答えください。
以上で第1回目の質問を終わります。(拍手)
◯議長(吉本 充君) 三輪由美君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) おはようございます。共産党の三輪由美議員の代表質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
消費税は必要との立場の学者や経済人からの警告の声をどう受けとめるかとの御質問でございます。消費税率の引き上げについては、税負担の公平性や税制の経済に対する中立性などへの配慮も含め、国における十分な議論を経て決定されるものと認識しており、社会保障制度を持続していくための安定的な財源として充実させていくことがふさわしいと考えております。
今の時期の増税は延期をと声を上げるべきではないかとの御質問でございますが、消費税率の引き上げは、社会保障制度の持続に向け、安定的な財源を確保するために必要なものとして法律で定められたとおり、10月に実施される予定であるものと認識しております。
増税による景気対策や複数税率、
ポイント還元のやり方はおかしいのではないかとの御質問でございます。消費税率の引き上げに合わせて行われる景気対策などについては、前回の引き上げの際に消費の駆け込み需要や反動減が生じた経験を踏まえ、国において、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないために講じられるものと認識しております。
初めから増税などしなければいいという国民の声は当然だと思うが、どうかとの質問でございます。消費税の引き上げは、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、国において十分な議論を経て決定されたものと認識しております。
毎月勤労統計の不正で消費税増税の前提そのものが崩壊しているのではないかとの御質問でございます。消費税率の引き上げについては、国において経済状況等を総合的に勘案し、経済に影響を及ぼさないよう十分な対策を講じた上で、法律で定められたとおり10月に実施される予定であるものと認識しております。
税金の集め方を変え、消費税の増税は中止すべきと声を上げるべきだがどうかとの質問でございます。消費税率の引き上げは、国において十分な議論を経て決定されたものと認識しており、社会保障制度を維持するためには、国民全体が広く負担する消費税を充実させていくことがふさわしいと考えております。
防衛予算など、国の予算編成についての御質問でございます。国の予算については、社会保障制度改革、経済活性化、国土強靱化、外交、安全保障問題など、内外に山積する課題を踏まえ、国民の声を代表する機関である国会において議論されるべきものと考えております。
次に、来年度予算に関する御質問についてお答えいたします。
県の予算に求められていることへの認識はどうかとの御質問でございます。平成31年度当初予算では、総合計画に掲げた施策を着実に推進し、しっかりとした成果を上げるため、県立高校の普通教室への空調整備や私学助成の拡充、幼児教育・保育無償化の実施などの子ども・子育て世代への支援の充実、外国人介護職員の就業促進などの医療福祉の充実を初め、各分野にわたり「くらし満足度日本一」の実現に向けた事業を計上しているところでございます。
子ども医療費助成の通院助成拡大についての御質問でございます。県内市町村において、助成対象を高校3年生までとするなど、独自の取り組みがなされていることは承知しております。県といたしましては、現行制度の内容は支援の必要性の高い年齢をカバーしており、今後も安定的に維持運営していくことが重要と考えております。また、本制度は統一した制度のもとに、国、県、市町村が一体となって取り組んでいく必要があることから、あらゆる機会を通じて全国統一の制度の創設について、引き続き国に要望してまいります。
精神障害者への医療費助成についての御質問でございます。精神障害者の方へも、他の障害者と同様の助成を行うことは重要であると認識しております。本県においても、精神障害者への助成を実施する方針で、具体的な制度内容や実施時期について、関係機関の意見を伺いながら市町村と協議を進めることとしております。
次に、野田市で起こった
児童虐待死亡事件についてお答えいたします。
県の責任に関する受けとめについての御質問でございますが、児童相談所が一時保護を行った子供の大切な命を守り切れなかったことは痛恨のきわみであり、県として、今回の事案を大変重く受けとめております。県では、検証委員会でしっかりと検証を行い、今後このような事件が二度と起こることのないよう、再発防止に全力で取り組んでまいります。
次に、公共事業のあり方についてお答えいたします。
公共事業の目的についての御質問でございます。公共事業の実施に当たりましては、県民にとって真に必要な事業かどうかという観点から判断を行っており、県民生活の向上を図るため、今後とも千葉県の将来を見据えた社会資本整備を着実に実施してまいります。
次に、働き方改革についてお答えいたします。
建設業における若い技能労働者の実態に関する御質問でございます。平成28年の国の調査によれば、技能労働者を含む建設業就業者のうち29歳以下の者が占める割合は、平成9年をピークに減少しておりましたが、平成26年以降は若干上向きに転じております。しかしながら、建設業就業者は他産業に比べて特に高齢化が進行していることから、若年入職者の確保が課題であると認識しているところでございます。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。
◯議長(吉本 充君) 副知事高橋渡君。
(説明者高橋 渡君登壇)
◯説明者(高橋 渡君) 私からは、まず、新年度の国防衛予算についてお答えいたします。
自衛隊についての御質問でございますが、自衛隊など国の安全保障に関する問題については、国の専管事項であり、国が適切に判断すべきものと認識しております。また、防衛に関する予算については、国民の声を代表する機関である国会において議論されるべきものと考えております。
次に、31年度県予算についてお答えいたします。
私立高校における保護者負担の軽減についての御質問でございます。県では、これまで国の就学支援金に上乗せした支援を行っており、年収約350万円未満の世帯に対しては、授業料の全額を減免しているところでございます。こうした中、現在国において、平成32年度からの私立高等学校の授業料の実質無償化に向けた支援制度の拡充が検討されておりますが、まだその内容は固まっておりません。今後の県の保護者負担軽減制度のあり方については、国の動向を注視しながら検討してまいります。
道路予算についての御質問でございます。県では、生産性の向上や防災力の強化を図るため、圏央道や北千葉道路などの広域的な幹線道路ネットワークの整備に努めるとともに、その効果を県内全域に波及させるため、銚子連絡道路や長生グリーンラインなど、各地域へアクセスする道路の整備を推進しております。今後ともこれらの整備を着実に進めることが重要だと考えております。
次に、公共事業のあり方についてお答えいたします。
建物の耐震対策の強化に関する御質問でございます。県では、これまで建築物の耐震化について所有者等への啓発、耐震診断、改修に対する補助などにより耐震化を促しております。特に、緊急に耐震化を図る必要がある学校、病院などの特定建築物については、平成27年度末の耐震化率が92%となるなど、耐震化が進んできているところでございます。さらに、建築物の耐震化を促進するため、来年度予算案に助成事業の拡充を盛り込んだところであり、今後も市町村等と連携しながら建築物の耐震化に取り組んでまいります。
緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化状況に関する御質問でございます。県では、県と特定行政庁市で構成する千葉県特定行政庁連絡協議会などを活用し、情報共有を図りながら、建築物の耐震化の促進について取り組んでおります。
緊急輸送道路の沿道建築物については、今年度、県が所管する区域において耐震化の状況調査や普及啓発を実施しており、各特定行政庁においても同様な対策を進めていると聞いております。今後、この調査結果等を踏まえ、沿道建築物の耐震化状況について全県的に把握するとともに、特定行政庁と連携して建築物の耐震化の促進に努めてまいります。
補強工事に対する市町村との連携に関する御質問でございます。建築物の耐震化を促進するためには、まず所有者等が耐震診断を実施し、耐震性を認識していただくことが重要と考えております。そのため県では、今年度から
緊急輸送道路のうち、主要な1次路線について、沿道建築物の耐震診断に対する補助制度を創設し、活用を促しているところでございます。今後、耐震診断の結果や市町村からの要望等、地域の実情を踏まえ、補強工事に対する補助制度についても、必要に応じ検討してまいります。
第二湾岸道路の整備の必要性に関する御質問でございます。本県湾岸地域は、京葉道路や国道357号などで交通量が多く、慢性的な渋滞が発生しており、今後も港湾機能の強化や物流施設の立地等に伴う交通需要の増大が見込まれております。第二湾岸道路は湾岸地域における慢性的な交通混雑の解消などに寄与することから、本県にとっては重要な道路であると考えております。
第二湾岸道路の建設に関する御質問でございます。第二湾岸道路については、国が主体となって第二湾岸道路を中心とした道路検討会を設置し、検討するとされており、その検討の中で重要性やルート、構造などについても議論が深められるものと考えております。
三番瀬への影響に関する御質問でございます。第二東京湾岸道路のルート、構造などの検討に当たり、県としては三番瀬再生計画との整合性について配慮を要請していきます。
豊かな自然を残すべきとの御質問でございます。環境に大きな影響を及ぼすおそれのある一定の規模以上の道路事業においては、法令に基づき環境影響評価を行い、自然を含む環境の保全について適切に対応することとしております。
第二湾岸道路は中止を決断すべきとの御質問でございます。本県湾岸地域は、京葉道路や国道357号などで交通量が多く、慢性的な渋滞が発生しており、今後も港湾機能の強化や物流施設の立地等に伴う交通需要の増大が見込まれております。第二東京湾岸道路は、湾岸地域における慢性的な交通混雑の解消などに寄与することから、本県にとって重要な道路だと考えております。県としては、湾岸地域の将来的な発展のため必要な道路であり、早期に計画の具体化がなされるよう、引き続き国へ働きかけてまいります。
八ッ場ダムの事業費についてお答えいたします。八ッ場ダムは、利根川上流ダム群で最大の洪水調節容量を持ち、下流への洪水流量を低減させることや県民に必要不可欠な水を安定的に供給し、渇水に対する安全性を高めるために、本県にとって治水、利水上必要不可欠な施設です。八ッ場ダムの事業費については、関係都県と連携しながら、国に対しコスト縮減等を働きかけてきております。ダム建設事業は、平成31年度の完成に向け終盤に入っており、国は
地すべり対策なども含め、現時点において想定される全ての増額要因とコスト縮減策の両面から精査を進めた結果、事業費の増額はないものとしております。
県営水道における八ッ場ダムの必要性に関する御質問でございます。水道事業者の責務として、平常時の需要への対応はもとより、災害や渇水、水質事故などのさまざまなリスクに備え、どのようなときであっても安定給水を図れるよう、万全の体制を整えていくことが重要であります。県営水道は水源の大部分を利根川水系に頼らざるを得ない状況にあり、将来にわたってお客様の生活を守るため、また、近年多く発生している渇水などのリスクに備えるためにも、八ッ場ダムへの参画は必要であると考えております。
次に、働き方改革についてお答えいたします。
公共工事設計労務単価と労働者の賃金に関する御質問でございます。公共工事設計労務単価は、公共工事に従事した建設労働者に対する賃金の実態を職種ごとに調査して決定されるものであり、千葉県においても、ここ数年、全職種平均で上昇し続けております。この設計労務単価は公共工事の積算に用いるものであり、下請契約における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではありません。
建設労働者の賃金の実態調査に関する御質問でございます。国では毎年10月、国や県発注工事など公共工事の労務費の実態を調べる公共事業労務費調査を実施しており、公共工事設計労務単価は、その結果をもとに都道府県別に設定されているものでございます。このため、現時点において県が独自に賃金調査を行う考えはありません。
公契約条例の制定や建設現場で働く技能労働者の養成に関する御質問でございます。県では、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づき、公共工事の担い手の中長期的な育成確保のため、予定価格の適正な設定や計画的な発注、適切な工期設定などを行っております。また、千葉県建設工事適正化指導要綱に基づき、建設労働者の良好な労働環境を確保するため、受注者に対して関係法令等の遵守や下請取引の適正化などを指導しております。なお、民間の賃金等にかかわる労働条件については、労働基準法に基づき労働者と使用者の間で自主的に決定されるものと認識しており、公契約条例の制定については慎重な検討が必要と考えております。
週休2日制モデル工事における労務費に関する御質問でございます。土日・祝日を休工とする完全週休2日制モデル工事は、通常の工事より工期が長くなることから、県では、現場管理費と共通仮設費を増額する措置を平成29年度から実施しております。週休2日制モデル工事の実施に必要な経費の計上については、国や他県の取り組みを参考に検討しているところでございます。
次に、コミュニティバスについてお答えいたします。
八ケ崎地区を初めとする松戸市内の交通不便地域の状況に関する県の見解についての御質問でございます。松戸市においては、交通不便地域への対応として、地域の実情や住民のニーズなどを把握し、コミュニティバスの運行などの検討を行っているところであると承知しております。県としては、こうした県内各市町村の取り組みを支援するため、交通政策担当者を対象とした情報交換会の開催や市町村の交通会議等への参画を通じて、先行事例の紹介などの情報提供や助言等を行うなど、市町村の支援に努めてまいります。
コミュニティバスに対する財政支援をすべきではないかとの御質問でございます。コミュニティバスへの財政支援としては、運行に係る市町村負担の8割を国が特別交付税として措置する仕組みがあります。このため県としては、コミュニティバスが地域にとって、より利用しやすいものとなるよう、助言や情報提供などのソフト面に重点を置いて市町村に協力してまいります。
松戸市のJR馬橋駅前の県道整備に関する2つの質問については関連がございますので、一括して答弁をさせていただきます。県道馬橋停車場線のうち、JR馬橋駅側約0.2キロメートル区間は幅員が狭く、歩行者の安全を確保するためカラー舗装を行っております。同路線を含む馬橋駅東口地区では、現在松戸市において、まちづくりについての検討が行われております。県としては、松戸市のまちづくりの検討状況を勘案しながら、県道の安全性や利便性の向上に努めてまいります。
そして、1つ答弁を飛ばしてしまいましたので、
区画整理事業の一般会計からの繰り入れに関する御質問でございます。県では、金田西地区を東京湾アクアラインの着岸地における県の新たな玄関口として、また、つくばエクスプレス沿線地区については、鉄道と一体となった利便性のあるまちづくりを目指し、土地
区画整理事業を実施しております。各地区とも、事業費ベースでおおむね7割から9割の進捗となっており、それぞれ地元市からも事業推進を求められております。今後とも地元市との連携や地権者の御協力のもと、早期完了に向け事業を推進してまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(吉本 充君) 副知事滝川伸輔君。
(説明者滝川伸輔君登壇)
◯説明者(滝川伸輔君) 私からは、まず、来年度予算に関連する質問についてお答えします。
ひとり親家庭の未就学児にかかる国民健康保険の均等割についての御質問ですが、国保制度の制度設計にかかわる事柄は、本来、国が責任を持って対応すべきものと考えています。県では、子供にかかる均等割保険料の軽減措置の導入について、従来から国に要望しているところであり、今後も全国知事会等と連携しながら要望をしてまいります。
ひとり親家庭等医療費等助成制度の給付方法と窓口負担についての御質問ですが、県が昨年12月に市町村に対し実施した給付方法に関する意向調査では、償還払いを希望する市町村が31団体と、依然として半数を超えている状況です。県としては、こうした市町村の意向等を踏まえ償還払い方式としているところですが、引き続き他県の事例を調査しつつ、市町村と丁寧に意見交換を行ってまいります。なお、自己負担については、本制度を長期安定的に運用していくために必要なものと認識しています。
高齢者の入所待ち解消についての御質問ですが、急速な高齢化に伴い、75歳以上の後期高齢者や
ひとり暮らしの高齢者の増加が見込まれる中で、特別養護老人ホームの整備は、特に自宅での介護が困難な高齢者の方が安心して暮らせるためにも大変重要であると認識しています。このため当初予算案では、市町村から整備の要望があった全ての施設について整備事業補助金を計上したところであり、今後とも地域の実情に応じ設定した整備目標に基づき、入所の必要な方が一人でも多く入所できるよう、市町村と連携して整備促進に努めてまいります。
農林水産部の幾つかの事業についての御質問ですが、
拠点漁港整備事業については、水産物の安定的な供給を図る上で、また、農道整備事業、農地
集積加速化促進事業等については、農業の生産性の向上などを図る上で、いずれも大変重要であり、必要な予算額を平成31年度当初予算案に計上しているところであります。
立地企業補助金に関する御質問ですが、
立地企業補助金において、来年度予算に計上する企業向け支援の42件は、既に県が計画認定を行っている企業の投資案件であり、来年度にその支出が見込まれるものを計上しております。このため、事業の遅延など企業側の事情がない限り、予算額を減額することは困難と考えています。
次に、野田市で起こった
児童虐待死亡事件についてお答えいたします。
一時保護解除等の児童相談所の判断に関する御質問ですが、一時保護の解除や実父母宅に戻す際の判断については、子ども
虐待対応マニュアルに基づき援助方針会議においてリスクアセスメントを実施し、決定をしているところです。個別の判断の問題点については、千葉県児童虐待死亡事例等検証委員会において詳細に検証してまいります。
事態の重大性を踏まえた対応がなぜできなかったのか、どこに問題があったのかとの御質問ですが、個々のケースにおける虐待リスクについては、子ども
虐待対応マニュアルに基づくリスクアセスメントシートの作成等を通じて総合的に評価しているところです。本事案における虐待リスク評価の問題点についても検証委員会において詳細に検証し、問題点を明らかにするとともに、改善を図ってまいります。
過去の答申などの教訓がなぜ生かされなかったのかとの御質問ですが、県では、昨年5月に出された答申を初め、児童虐待死亡事例に係る検証においてなされた提言を踏まえ、市町村との連携強化やマニュアルの改善等、虐待対応に係るさまざまな見直しを行ってまいりました。それにもかかわらず、今回のような事案が発生したことは大変重く受けとめており、検証委員会の検証を通じて問題点を明らかにするとともに、さらなる改善を図ってまいりたいと考えております。
虐待対応マニュアルが生かされなかったのではとの御質問ですが、県では、これまで児童虐待死亡事例の検証結果を反映させるなどして、児童
虐待対応マニュアルの内容の見直しを行ってまいりました。本事案においても、マニュアルに基づくリスクアセスメントなどが行われてはいましたが、結果として、子供の命を守ることができなかったことは、マニュアルの運用や内容に関しても検証が必要となるものと考えています。県としては、今後検証結果も踏まえながら、マニュアルの見直しを検討してまいります。
関係機関との情報共有や連携の改善に関する御質問ですが、児童虐待への対応においては、児童相談所を初めとする関係機関がそれぞれの機能を生かした役割分担のもとに情報共有を行い、連携して対応することが重要であると認識しています。本事案における関係機関の情報共有や連携の問題点についても、今後しっかりと検証し、改善を図ってまいります。
県の内部検証に関する御質問ですが、児童虐待死亡事案の検証に当たっては、より専門的な知見に基づいた客観的な視点からの意見をいただく必要があると考えています。このため、本事案の検証においては、学識経験者等の児童虐待に関する専門知識を持った外部委員で構成する第三者委員会により検証いただくこととしているところです。
人員の拡充と新たな児童相談所の設置に関する御質問ですが、県では、平成33年度までに児童相談所の職員を計画的に増員することとしているところですが、昨年12月に国から示された児童相談所の強化プランにおいて、児童福祉司の配置基準が見直されたことから、さらなる増員の検討が必要であると認識をしています。また、今回の事案を受けて職員の増員に前倒しで取り組むよう求める国の方針が打ち出されていることから、増員の時期についても見直していく必要があると考えています。なお、児童相談所の設置については、管轄区域の見直しとあわせて行う必要があり、管内人口や相談件数、交通事情等の地理的な条件なども考慮するなど、総合的な観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
職員の専門性向上に向けた取り組みに関する御質問ですが、県では、職員の専門的な知識と技術の習得を図るため、経験や能力に応じたさまざまな研修を実施しているところです。また、児童相談所における
スーパーバイザーについては、現在も国の配置基準を満たしているところですが、来年度からは、中央、市川、柏の3カ所の児童相談所に新たにグループリーダーを配置し、より丁寧なケースマネジメントとOJTを行うための体制強化を図ることとしています。
次に、公共事業のあり方についてお答えします。
三番瀬再生計画に基づく県の方針についての御質問ですが、三番瀬の自然環境に影響を与えるおそれのある事業の実施に当たっては、三番瀬再生計画との整合性を図ることが必要だと考えています。
次に、働き方改革についてお答えします。
違法な働かせ方の一掃についての御質問ですが、法令違反に対しては、県内8カ所に設置されている労働基準監督署において、違反が疑われる事業場に対する重点監督を実施するなど、近年、監督指導が強化されているところです。県においては、広く県民や県内事業者に対し、労働法令等の普及啓発に取り組むとともに、個別の職場トラブル等については労働相談センターにおいて相談、助言を行っています。また、時間外労働の上限規制など、働き方改革関連法の内容についても、千葉労働局や労使団体等と連携して周知を図っているところです。今後とも他県の取り組みも参考にしながら、県民が安心して働き続けられる職場環境づくりに努めてまいります。
次に、国民健康保険についてお答えいたします。
保険料負担に対する基本的な認識についての御質問ですが、国民健康保険は他の保険と比べ低所得の加入者が多い、年齢構成が高いこと等により医療費水準が高く、所得に占める保険料の割合が高いものと認識しています。
1兆円の公費負担増により、協会けんぽ並みの保険料を目指すべきではないかとの御質問ですが、国保の広域化は、国と地方が合意した上で関係法令が整備されたものと認識していますが、国保制度については、国の責任のもと、医療保険制度全体を改革する中で、将来にわたり持続可能な制度とすべきであると考えています。そのため県では、従来から医療保険制度間の公平と今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図るよう、全国知事会を通じて国に要望しているところです。
保険料の引き下げでは、特に均等割、平等割を廃止し、所得に応じた保険料にしていくべきとの御質問ですが、国保の保険料は所得に応じた応能割と世帯の人数などに応じた応益割を組み合わせて賦課することとなっています。国保における負担のあり方については、制度の根幹にかかわる事柄であることから、国が責任を持って対応すべきものと考えています。
資格証明書の交付に関する御質問ですが、資格証明書については、加入者間の負担の公平を図るとともに、滞納被保険者と接する機会を確保するために設けられているものであり、制度の適正な運用のために有効なものと認識しています。なお、資格証明書の交付に当たっては、機械的に交付するのではなく、個々の実情を十分勘案し、また発行後についても、適宜訪問、電話催告するなど、可能な限り滞納被保険者との接触を図り、必要に応じて生活困窮部局との連携を行うなど、適切に運用するよう市町村に対して指導をしているところです。
資格証明書の交付状況等についての御質問ですが、資格証明書の交付については、毎年6月1日現在における交付世帯数の調査を実施するとともに、国の通知を踏まえ、滞納者の実態把握や生活困窮部局との連携などを図るよう、市町村実地指導等の機会を捉えて指導をしているところです。
一般会計からの法定外繰り入れの削減、解消に関する御質問ですが、決算補填等を目的とした法定外繰り入れについては、保険給付と保険料負担の関係性が不明瞭になるとともに、被保険者以外の住民に負担を求めることとなるため、解消、削減を図る必要があると考えています。そのため、国保運営方針では、市町村が地域の実情を十分に勘案し、住民の理解を得ながら、計画的な解消、削減に努めることとしたところです。
各市町村の保険料抑制についての御質問ですが、国保制度については、国の責任のもと、医療保険制度全体を改革する中で、将来にわたり持続可能な制度とすべきであると考えています。そのため県では、従来から今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立を図るよう、全国知事会を通じて国に要望しているところです。
私からは以上でございます。
◯議長(吉本 充君) 教育長澤川和宏君。
(説明者澤川和宏君登壇)
◯説明者(澤川和宏君) 私からは31年度県予算についてのうち1問にお答えいたします。
35人学級の拡大に関する御質問ですが、県教育委員会では、これまで段階的に少人数学級を推進してきており、小学校第1学年の35人学級編制に加え、小学校第2、第3学年と中学校第1学年で35人学級を選択できるようにするとともに、他の学年においても38人学級を選択できるようにしているところです。当初予算案においては、国の定数措置を踏まえ、小学校英語専科に係る加配の拡充など、定数の改善を図ったところです。なお、教職員定数は、国が措置することが基本であることから、県教育委員会としては35人以下学級の早期拡充など、教職員定数の改善について、全国都道府県教育長協議会等を通じて引き続き国に要望してまいります。
私からは以上です。
◯議長(吉本 充君) 三輪由美君。
◯三輪由美君 再質問をいたします。
まず、野田市での虐待死亡事件です。知事は痛恨のきわみ、県は繰り返し検証委員会にと答弁をしました。しかし先日、本会議終了後、報道陣から県の責任に言及したということかと問われ、知事はそれは違いますと否定された、こういう報道です。本日も、私、県の責任について問いましたけれども、知事からの明確な答弁はありませんでした。また、定例記者会見では事件について、知事は一般論と前置きしながらも、そういう家庭に私どもがどこまで踏み込めるかとも話されました。しかし、森田知事、実際に知事のもとで、この10年間だけでも、2011年2歳男児、2014年8月乳児、そして、今回含め3人の子供たちが児相がかかわりながら亡くなっています。知事、再発防止と言いながら、なぜ3人も繰り返されてきたのか。県の責任も含めて、率直な知事の見解をまず伺います。
知事自身も改めて、今回のことを受けて答申やマニュアルを読み返されたと思いますが、そこで繰り返し指摘されてきたことが守られていません。例えば虐待と密接にかかわる母親のDVへの対応がなされなかったことや、家庭復帰を認めた援助方針会議では担当児童福祉司の意見書すら付されていなかったこともそうです。
伺います。答申やマニュアルの基本がなぜ守られなかったのか。そのこと自体を、まず県みずからが速やかに、即刻検証するのは当然ではないでしょうか。知事、
第三者検証委員会の検証は大事ですけれども、それ待ち、丸投げではだめです。知事を先頭に、県として早急に徹底検証し、公表すべきです。やるのかやらないのか、知事の答弁を求めます。
同時に、指摘したいのは背景にある体制強化のおくれです。柏児相の児童福祉司はこの間ふやしたとはいえ、配置基準さえ満たしていなかった。県からの資料によれば、野田市の女児を一時保護していた昨年度は、柏児相は2名の不足、女児が亡くなった今年度は3名の不足、基準を満たしていませんでした。また、柏児相の一時保護所の定員は25人ですが、野田市の女児が一時保護をされた一昨年の11月7日は27人、解除された12月27日は29人、おおむね30名前後で推移し、最大33名と大幅に超えた日もあったとのことです。
伺います。これは事実ですよね。お答えください。だとしたら、知事、第4次答申でも担当職員が多くのケースを抱えており、きめ細かい支援が難しい状況にあると指摘され、体制の強化が提言されてきたのに、職員のこと、子供のことも十分な改善に至らずに来た森田知事の責任は重大です。知事の答弁を求めます。
そもそも、千葉県は児相そのものが不足です。児相の管轄人口が130万人を超えている大規模な全国7つの児相のうち、知事、御存じでしたか。3つが千葉県に集中している。中央、市川、そして柏児相です。ほかは東京などですが、今、東京都内では児相の建設が次々と、御存じのように計画をされています。今回の事件が起きた柏児相では、全体の虐待通報の約4割が松戸市内からのもので、実は松戸市議会は9年前に松戸市に児童相談所の設置を求める意見書を全会一致で採択し、森田知事に提出しました。が、ずっと放置。この間も、柏児相についての検討会などは1度も開催されていないと県から聞きました。
森田知事に伺います。ここでもおくれを放置してきた知事の責任は重大ではありませんか。
伺いますが、松戸市に県立児童相談所の設置を早急に検討すべきですが、どうか。明確なる知事の答弁を求めます。
次に、消費税の増税についてです。驚きました。これほど、状況が大きく変わってきている。そして、矛盾は深刻になっているのに、知事の答弁は12月議会と全く一緒でした。余りに県民の実感、そして県内の実態とかけ離れています。私はこの間、県内の商工会議所で軽減税率等の説明会に参加した経営者から話を伺いましたが、10%になってもサービスの料金は上げない、客が逃げて倒産してしまうからだと。また、飲食店の経営者らは、客とのトラブルはこれじゃ避けられない、大混乱だ、絶対に上げないでほしい、知事に言っといてくれ、怒り心頭でした。佐久間英利千葉商工会議所会頭も新聞紙上で、軽減税率についても多くの事業者が準備に取りかかっていない危機的な状況との認識を示されています。レジ1つ変えるにも負担、クレジット会社への手数料も負担、現金収入が減るために不安など深刻です。
知事、伺います。県内で懸命に頑張っている経営者や店に負担をふやし、そして収入を減らす、客とのトラブルなどで混乱も持ち込む、県民も困る、こんな税制のあり方で知事はいいと思っているのですか。はっきりとお答えいただきたい。国任せではどうにもなりません。知事自身の見解を伺いたいと思います。
そもそも、この消費税という税の仕組みそのものが破綻をしています。それなのに知事は粛々と増税を進める側に立つ、こんな大事な問題で県民の声も聞かず、国言いなりは許されません。
伺いますが、知事として暮らしの実態をつかみ、県民や経営にかかわる関係者の声をきちんと直接聞くべきではありませんか。知事、お答えいただきたい。
知事は、答弁の中で繰り返し社会保障のためと言うけれども、ほとんどがこの間、大企業減税の穴埋めに使われてきた。社会保障は削減の連続でした。国民の66%が景気回復の実感はない。6割以上が
ポイント還元に反対です。もう中止しかない。知事として声を上げるべきですが、どうか。再度、知事の答弁を求めます。
次に、公共事業、第二湾岸道路です。県は交通量は大幅にふえると言ったのに、大幅に減った。20年たって20万台を超える大いなる見込み違いです。しかし、反省も説明もありません。こんな建設ありきは到底認められません。きっぱりと改めて中止を求めます。
そこで、三番瀬について答弁は極めて曖昧でしたので確認をします。知事、三番
瀬再生基本計画に基づき自然環境の再生保全に取り組む、この県の基本方針は変わらないのですよね。はっきりと再度お答えください。
次に、働き方の問題です。千葉土建の実態調査、知事、こちらの下のグラフもごらんいただきたいと思います。県は6年間単価を引き上げたけれども、逆に賃金実態との格差は、これを見てください。一目瞭然じゃない。どんどん広がっています。別のところにはねられているのか、税金ですから、これでは県民は納得できない。労働者も土日休みになったら別の現場でアルバイト。たまりません、もう怒っています。
そこで伺います。知事は単価を上げているから、あとは税金がどこへ行こうと、どうなれ構わないということですか。先ほどの答弁ではそういうことになるじゃありませんか。もう一度、はっきりとお答えいただきたいと思います。余りにも先ほどの答弁は無責任だと言わざるを得ません。
この間、松戸市の水道局ちば野菊の里の件の現場も視察をし、千葉土建松戸支部の調査もお聞きしましたが、事態はとても深刻でした。知事、やっぱり公契約条例をつくるしかありません。公契約条例のための協議会を千葉県でも立ち上げ、実態調査を実施するなど、神奈川県ではやっているんです。神奈川県の取り組みも研究し、検討すべきです。知事、お答えをいただきたい。
新年度予算については、重度精神障害者への県医療費助成を実施する方針が示されましたけれども、これはいつから実施するのか、早急な実施を求めます。いつから実施するのか、答弁をお願いいたします。
また、少人数学級についても求めましたけれども、予算の組み替えの中で拡大はなしと。国が国がといつもの答弁です。
再度伺いますが、教育長、今回の野田の事件とのかかわりでも、県教委は悩みを抱えた児童生徒への対応について、心の動きが表情や言動にサインとしてあらわれる、再度留意するよう通知しています。そのための具体策は、やっぱり県として、人、教員をふやして、小学校4年生、中学校2年生での少人数学級を拡大するしかないじゃありませんか。通知だけ出したって、子供たち一人一人に向き合う先生、教員が必要なんです。再度御答弁ください。
ひとり親家庭の医療費助成、全国で約7割の県が実施しているのに、千葉の福祉の冷たさが際立っています。知事に伺います。昨年春、大阪府から千葉県松戸に引っ越してきた40代のシングルマザー、千葉県もてっきり現物給付だと思ってきたが、償還払いで困り果てている。12月、知事に手紙も書いたが返事が一向にない。脳腫瘍のがんも再発して、年金暮らしの親から借金したが限界だ。千葉では病気のシングルマザーは生きていけないのでしょうかと訴えています。知事はこの切なるシングルマザーの願い、どう受けとめますか。嫌なら大阪に帰れと言うのですか。お答えください。
ひとり親家庭の現物給付、直ちにやっていただきたい。