また、今回も暗いうちから、早朝から地元銚子から多くの皆さんにこの議場に駆けつけていただきました。この場をおかりいたしまして、心から感謝を申し上げる次第であります。
さて、千葉銀行は先月、県内人口の将来推計を公表いたしました。それによると、県内人口のピークは2020年の626万人で、その後は、出生数より死亡数が多くなる自然減が住民の流出により流入が多くなる社会増を上回り、緩やかに減少するというものでありました。また、高齢化の動向では、最も低いのが東京湾岸で、最も高いのは銚子、九十九里、南房総ということでありました。しかし、
少子高齢化、人口減少、過疎化が著しい銚子、九十九里を含めた外房地域でありますが、これらの地域は千葉県の
農林水産業、観光業を支える重要な地域であり、これらの
太平洋沿岸地域をいかに活性化していくかが、これからの千葉県の最大の課題であると思っております。
そこで、地域が主体的に地方創生を実現するため、重要課題である道路整備についてまず伺います。
県内各地域がそれぞれの特性、優位性を持続的に発展していくためには、社会基盤としての道路は欠かせないものであることは今さら言うまでもありません。本年度、我が自民党では、県内全ての市町村から県への要望を伺ったところ、約7割の団体から地域経済の活性化に資する地元に密着した道路整備を求める声が寄せられました。しかし、道路整備を初めとする県の土木費は、10年前との比較では約2割の減少、さらに、20年前との比較では約6割の減少となっており、地域の要望に対して十分に応えられていない状況であります。そこで、我が自民党は、本年9月、森田知事に対し、来年度の道路整備に必要な予算の確保に関する要望書を提出させていただきました。県土整備部としても、特に市町村から要望の声が多かった道路事業の要望に応えるため、平成30年度当初予算においては、大幅な県単事業の増額を財政部局へ要求していただいているとも聞いておりますので、道路予算の大幅な増額について期待をするものであります。
さて、今年度、外環道の県内区間が開通予定であり、圏央道についても県内最後の未開通区間である大栄─横芝間がいよいよ工事に着手いたします。このような中、先日、ビッグ情報が入ってまいりました。それは、国土交通省から大都市圏の環状道路を中心とする高速道路の整備費に財政投融資を活用するということであります。この財政投融資が圏央道の整備に活用されることにより、残る大栄─横芝間の整備がさらに加速されることが期待されております。圏央道の整備効果を県内でも一番おくれていると言われてしまっている香取・東総地域へ広く波及させ、地域のポテンシャルを最大限生かすには、圏央道の
神崎インターチェンジや東関東道の
佐原香取インターチェンジにアクセスする国道356号バイパスの道路整備が大きな役割を果たすと考えております。この国道356号バイパスの整備促進については、私も同席をいたしましたが、8月に沿線市町で組織する一般国道356
号整備促進期成同盟や、10月には
地元商工団体や大学との沿線市町の官民が連携した一般国道356号香取・東庄・
銚子間バイパス整備促進連絡協議会が、それぞれ県へ要望活動を行ったところであり、地元の期待も非常に高いことから、国道356号バイパスの一日も早い全線開通に向け、事業中区間の早期完成と未
事業化区間の早期事業化を図っていただきたいと思います。
そこで、1点目として、国道356号香取−東庄−銚子間の
バイパス整備の進捗状況はどうか。
2点目として、国道356号香取−東庄−銚子間の未
事業化区間の検討状況はどうか伺います。
次に、
銚子連絡道路について伺います。
銚子連絡道路は山武市を起点として、銚子市に至る延長約30キロメートルの
地域高規格道路であり、圏央道の整備効果を海匝、銚子などの東総地域に広く波及させる極めて重要な道路であります。平成18年3月に圏央道から分岐する起点の
松尾横芝インターチェンジから
横芝光インターチェンジ間の6キロメートルが供用し、現在2期区間として、
横芝光インターチェンジから匝瑳市に至る5キロメートルの整備が進められております。また、旭市側では供用済みの
飯岡バイパスから銚子市に至る5.7キロメートル区間において、
銚子連絡道路の一部となる国道126号八木拡幅の整備が進められております。これら事業中の箇所を着実に推進するとともに、未整備区間の早期事業化も重要であります。圏央道の全線開通に向けて整備が進む中、東総地域への
アクセス向上を図るため、これにおくれることなく
銚子連絡道路の全線供用を目指し整備を進める必要があると考えます。
そこで伺います。
銚子連絡道路の整備状況はどうか。
次に、
広域農道事業東総台地地区について伺います。
広域農道東総台地沿線沿いは、キャベツ、大根、メロン等の生産が盛んであり、特に銚子のキャベツは、
灯台印キャベツとして全国的に名をはせた特産物となっておりますが、さきの台風21号及び22号の影響による
農林水産業の被害は甚大でありました。10年前から台風による被害額を見ると、過去最大で約46億1,500万円、そのうち約20億円が銚子市の農作物、園芸施設等の被害でありました。台風被害にもめげず、生産者の皆さんは懸命に日々頑張っております。
そこで、頑張る生産者の思いに応えるためにも、農産物を首都圏へと結ぶ物流を支える道路がまた重要となるわけであります。この
広域農道事業東総台地地区は、銚子市長塚町から香取郡東庄町小南の2市1町の畑地帯を中心とした2,590ヘクタールの営農団地内を利根川と並行して走る11.8キロメートルの基幹農道であり、平成4年度から事業着手しておりますが、用地買収に際し、公図混乱の課題があることから事業の進捗に影響が生じており、その解決に10年以上にわたって法務局との協議を重ねていると聞いております。この基幹農道が整備されることにより、大幅な農作物物流の効率化や地域産業の活性化が期待されるなど、東総地域にとっては大変重要な農道であります。
そこで伺います。
1点目として、
広域農道事業東総台地地区の現在までの進捗状況はどうか。
2点目として、公図混乱の解決に向けての法務局との協議状況、今後の事業の見通しはどうか伺います。
次に、水産物の輸出の取り組みについて伺います。
安倍総理は、さきの国会における
所信表明演説で、農政改革は地方創生の大きな切り札であり、年内に生産性向上に向けた抜本的な林業改革、水産業改革のプランを取りまとめ、
農林水産業全般にわたって改革を展開し、若者が将来に夢や希望を持てる
農林水産時代を切り開いてまいりますと演説したわけであります。また、
農林水産物の輸出額は4年連続で過去最高を更新するペースで伸びており、世界への挑戦は手間暇かけてこしらえた質の高い日本の
農林水産物にとって大きなチャンスであるとも言っておりました。ぜひ実行していただきたいと思います。
国ではこのチャンスを捉え、昨年、
農林水産業の
輸出力強化戦略を取りまとめ、農林漁業者の意欲的な取り組みが行われるよう支援をするとともに、外国の規制等に対して全力で対応することや輸出拡大に向けた国内の生産体制を整備していくこととしています。県でも、
海外マーケット情報の収集と提供、輸出を希望する漁業団体とバイヤーとの商談会への参加支援、輸出先が求める衛生条件等への対応支援などを通じて、県産
農林水産物の輸出拡大を図っていると聞いております。また、来年2月には、タイにおいて知事が先頭に立って、農産物に加えて、水産物にも力を入れてプロモーションを行うとも聞いております。
そこで伺います。来年2月にタイで予定している
知事トップセールスでは、県産水産物の輸出促進にどのように取り組むのか伺います。
次に、お手元に配付させていただいた千葉県産
農林水産物・加工品の輸出額をごらんください。平成28年の県産
農林水産物や加工食品の輸出額は199億7,100万円で、水産物は前年比で約26%増の113億100万円と増加しており、農産物は22億1,400万円となっております。水産物の主な輸出品は、サバ、
ビンナガマグロ、イワシ等の冷凍魚であり、そのほとんどは
水揚げ量日本一の銚子漁港や勝浦漁港に水揚げされたものであります。成田空港では、第3滑走路の早期実現に向けてさまざまな運動を展開しており、また、輸出の拠点ともなる卸売市場を開設するとも伺っております。成田空港を有する千葉県にとって、空港を利用した航空便による農水産物の輸出は有利な手段だと考えます。さらに、銚子漁港においては、県漁連として輸出にも対応できる衛生管理型の
水産加工施設を整備すると聞いております。
そこで伺います。
1点目として、航空便による
水産物輸出の
取り組み状況はどうか。
2点目として、銚子漁港において計画されている県漁連の
水産加工施設を活用した輸出について、どのように考えているのか伺います。
次に、外国人材の活用について伺います。
日本商工会議所、
三村明夫会頭は先月、年々増加する
外国人労働者の受け入れについて、抜本的な検証、見直しを行う必要があると考え、開かれた日本の実現に向けた新たな
受け入れ制度の構築に関する検討を政府で行うこと、就労が認められる現在の在留資格について、より積極的に外国人材を受け入れるため、早急に検証し、見直しを行うことの2本を柱に意見書を取りまとめました。現在外国人材を活用できる制度は、主に
外国人技能実習制度などがありますが、本県における技能実習生は農業で約1,500人、漁業で約70人、
水産加工業を含む食品製造業で約2,300人いると伺っております。この実習制度は、先月11月1日に
外国人技能実習法が施行され、制度が見直されたところであります。
このように、地方の現場では多くの外国人がおり、外国人材のさらなる活用を期待する声があったことから、県では、農業分野における外国人材の活用状況や意向を把握するため、本年3月から5月にかけて、農業者団体の会員に対する
アンケート調査のほか、海匝地域など、
県内主要産地5地域において、農協や農業者等に対し聞き取り調査を実施しました。この調査では、
外国人技能実習制度の実習期間の延長や技能実習生の再来日、農繁期のみの受け入れなどの意向があったと聞いております。私の地元でも、農業、漁業、
水産加工業の担い手、人材不足が今や死活問題であり、外国人の就労なくして地場産業の振興は成り立たないと言っても過言ではありません。
そこで伺います。
1点目として、県は外国人材の活用についてどのように取り組んでいくのか。
2点目として、先月施行された
外国人技能実習法の内容はどうか伺います。
次に、規制緩和と人材育成の観点から観光振興について伺います。
内閣府では、平成29年度
地方分権改革に関する提案募集を行いました。そこで、県は7月に、自然公園法に定める国定公園の公園計画を変更する権限の地方移譲について取りまとめ、提案をしたと聞いております。県内には、
水郷筑波国定公園、
南房総国定公園の2つの国定公園と
県立九十九里自然公園や
印旛手賀自然公園など8つの自然公園があり、いずれも本県観光にとって重要な財産であります。このうち、
水郷筑波国定公園に指定された
犬吠埼灯台園地は、
日本列島沿岸で一番早く初日の出が見られる拠点で全国的にも知られている
観光スポットであり、近年では
外国人観光客からも印象に残る観光名所として高い評価を得ております。
ところが、現在の状況はまことに寂しいものがあると言わざるを得ません。園地と海岸線の見事な景観を堪能できるよう設けられた遊歩道には、経年劣化に伴う老朽箇所が多く目立ち、損傷した箇所は今も放置されたままであります。加えて、犬吠埼の園地では無秩序な駐車が灯台に向かう通行を妨げており、さきの大震災以降、ふえ続けている空き店舗が衰退した雰囲気を濃いものにして、来遊される人々の印象を害しております。
さらに、これまで多くの
家族連れ観光客を集めてきた水族館は、
少子高齢化が進み、観光ニーズが変化した結果、経営戦略の抜本的な見直しを余儀なくされており、
高度経済成長期に登場した観光施設は時代に合わせて生まれ変わる必要があるわけでありますが、60年も昔に制定された
土地規制制度では、現代ニーズに合った新しい事業展開を必要以上に難しいものとしており、
観光事業関係者は非常に厳しい状況に追い込まれております。美しい自然景観や生物の多様性を守るため、
土地利用規制は当然大切ではありますが、既に建設されている施設は、時代のニーズに合わせてリニューアルさせていかなければ経営が行き詰まり、最悪の場合、観光施設が廃墟化してしまいます。風光明媚な観光地に朽ち果てた姿の建物が次々と出現するような事態は、是が非でも避ける必要があります。これからの時代、観光地として最高に恵まれた魅力を将来に向けて生かしていくためには、地域の多様な主体が協力して
観光地経営を行うDMOを盛り立て、集客力の強化を図るとともに、古い施設を再生する事業投資を呼び込める環境づくりが重要と考えております。
そこで伺います。
1点目として、県は、今年度の
地方分権改革に関する提案募集において、
国定公園制度の規制緩和を求めたと聞くが、その内容はどのようなものか。
2点目として、新しい時代の観光振興のためには、
観光地経営の視点で地域づくりを推進することができる人材の育成が必要と考えるが、どうか、伺います。
最後に、
空き公共施設等の利活用についてお尋ねをいたします。
私の地元銚子市を初め、外房地域の市町村では、人口減少や
少子高齢化の波が押し寄せる中で、地域の活力をいかに維持していくかということが大変重要な課題となっております。また、近年では、こうした影響により小中学校等の公共施設の廃止が相次いでおり、
空き公共施設の維持管理が施設を所有する自治体への負担として重くのしかかっております。さらに、
空き公共施設や空き店舗等の増加は、町の景観上の問題にもなり、とりわけ銚子市から九十九里を含めた外房地域は観光産業で成り立っている地域でもあり、こうした状況を放置することは町全体のイメージダウンにつながっていきます。鋸南町では、廃校となった小学校を活用した道の
駅保田小学校は有名でありますが、最近では、南房総市白浜で廃校の校舎を
賃貸オフィスや宿泊所などに改装した複合施設が開業するなど、千葉県の自然豊かな環境と都心へのアクセスが両立するメリットを感じ、多くの企業が千葉県で事業を行っております。
こうした中で、県は
空き公共施設等を活用した新たな企業誘致をさらに進めるため、関係市町村と連携を図りながら取り組んでいると聞いております。この取り組みは、企業進出による地域の活性化と市町村の
空き公共施設の維持管理の負担軽減を図る、まさに一石二鳥ともいうべき取り組みであり、ぜひとも推進していただきたいと思います。
昨年度からの取り組みによって一定の成果が上がっていると聞いておりますが、今年度は
空き公共施設へ企業進出をより一層推進するための新たな取り組みとして、銚子市、勝浦市、南房総市の3市を会場に、先月、大学生による
空き公共施設等の活用に向けた提言会が開催されました。
そこで伺います。
1点目として、大学生による
空き公共施設等活用方策提言会の狙いは何か。
2点目として、提言会ではどのような提言があったのか。また、提言内容を今後どのように企業誘致につなげていくのか伺いまして、壇上からの質問といたします。
ありがとうございました。(拍手)
◯議長(小高伸太君) 信田光保君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事森田健作君。
(
知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 自民党の
信田光保議員の御質問にお答えします。
きょうは支援者の皆様、ようこそおいでくださいました。
水産物の輸出の取り組みについてお答えいたします。
タイで予定している
トップセールスについての御質問でございますが、タイは県産水産物においても主要な輸出先国であることから、今回の
トップセールスでは農産物に加え、水産物の販路拡大にも力を入れていくこととしております。具体的には、県産農水産物の魅力を実感してもらい、今後の取引増大に結びつけるため、水産関係者などとともに、現地の
流通販売業者や
日本食レストラン関係者を対象として、キンメダイやマカジキなどの試食PRを実施いたします。また、タイへの主要な輸出品目であるサバや
ビンナガマグロなどの今後の取引のより一層の拡大を図るために、
水産加工業の方々とともに、それらの加工原料として使用している
大手水産缶詰会社を訪問し、県産農水産物の品質の高さをアピールしてまいりたいと、そのように思います。
航空便による
水産物輸出についての御質問でございますが、航空便による
水産物輸出については、鮮魚での輸出を可能にする一方、輸送コストが高くなるために、
高級飲食店向けの高価格な水産物を中心に、集荷量の多い築地市場の仲卸業者などが行っているところでございます。今後、航空便による県産水産物の輸出をふやしていくためには、現地の高級飲食店などの実需者に高級魚であるキンメダイなどの県産水産物のよさを十分に認知してもらう必要がございます。そこで県といたしましては、現地においての
トップセールスや千葉県フェア等の開催により、県産水産物の魅力を発信するとともに、輸出に積極的な生産者団体の活動を支援しているところでございます。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。
◯議長(小高伸太君)
商工労働部長吉田和彦君。
(
説明者吉田和彦君登壇)
◯説明者(吉田和彦君) 私からは観光振興についての2問、
空き公共施設等の利活用についての2問、計4問についてお答えいたします。
まず、
国定公園制度の規制緩和についての御質問でございます。国定公園内の観光施設は自然公園法の規制を受け、既存施設の改築等であっても国の手続が必要で、実施までに長期を要する場合がございます。観光施設は時代や観光ニーズの変化に合わせて更新することが重要であり、県内でもそうした必要性に迫られている施設が多くございます。このため、既にある建物の改築等については軽微な変更としまして、知事の判断で可能となるよう国に要望したところでございます。
次に、
観光地経営の視点で地域づくりを推進するための人材育成についての御質問でございます。観光振興を通じて地域経済の活性化を図るためには、観光事業者のみならず、地域の
農林水産業者等の多様な関係者が一体となって
観光地づくりに取り組むことが必要でございます。そうした取り組みを進めるには、かじ取り役としてマネジメントをする人材が重要であり、県では、千葉県
観光物産協会とともに、
観光地経営に精通する方等を講師に
観光地づくりのノウハウや観光商品の企画力を身につける研修会を開くなど、リーダーとなる人材の育成に取り組んでおります。今後も、地域が主体的に進める
観光地づくりの牽引役としまして、活躍できる人材の育成に努めてまいります。
次に、大学生による
空き公共施設等活用方策提言会の狙いに関する御質問でございます。県では、人口減少が進む地域の経済活性化を図るため、小中学校などの
空き公共施設等を活用した新たな企業誘致に市町村と連携を図りながら取り組んでおります。これまでに
空き公共施設を管理する市町村と企業との
マッチング支援を中心に事業に取り組んでまいりましたが、そうした中で、
空き公共施設の紹介だけでは具体的な利活用のイメージが湧きにくく、企業側の関心が高まらないといった課題も浮かび上がってまいりました。そこで、
空き公共施設等へのさらなる企業進出を図るため、今後の地域活性化の担い手となる大学生の視点から、その活用方策のアイデアを発表する提言会を地元市や経済団体など多様な主体が参画する中で、今般開催したところでございます。
最後に、提言会での提言内容と、その提言を受けての今後の企業誘致の取り組みに関する御質問でございます。提言会では、千葉大学、千葉工業大学、千葉商科大学の学生から
空き公共施設等の活用に積極的に取り組んでいる銚子市、勝浦市、南房総市に対してさまざまな提言がなされました。具体的には、特産品を活用した
レストラン事業や地元神社とタイアップした
ブライダル事業、
サーフィン人気に着目した
マリンスポーツショップ事業など、地域の特性等を踏まえた若者らしいアイデアが出されたところでございます。今後は提言を受けた市におきまして、誘致施策への反映を検討する一方、県におきましても、
誘致フォーラム等を通じて、こうした事例の積極的な情報発信に努める中で
空き公共施設等の活用の可能性を広げ、さらなる企業立地の促進につなげてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君)
農林水産部長伊東健司君。
(
説明者伊東健司君登壇)
◯説明者(伊東健司君)
広域農道関連2問、水産物の輸出関連の知事答弁以外の1問、
外国人材活用の関連の2問の計5問についてお答えいたします。
まず、広域農道について、
東総台地地区の進捗状況はどうかとの御質問ですが、
広域農道事業東総台地地区は農作物の集出荷車両の大型化や時間短縮等、流通の合理化を目的に、銚子市長塚町地先から香取郡東庄町小南地先までの11.8キロメートルについて、農道整備をする計画となっております。本地区は平成4年度に農林水産省の補助事業として採択され、平成16年度までに3.1キロメートル、平成17年度からは内閣府の事業である
道整備交付金へ移行し、平成27年度までに7.4キロメートルを整備し、全体の約89%に当たる10.5キロメートルの供用を開始しております。また、平成28年度に
地方創生道整備推進交付金が創設されたことから、残り1.3キロメートル区間の整備については新たな
地域再生計画を策定し、平成29年3月に内閣府の認定を受け、本年度からこの交付金を活用し、事業を実施しているところでございます。
次に、広域農道について、公図混乱に係る協議状況及び事業の見通しはどうかとの御質問ですが、現在未整備区間である1.3キロメートルについては、現地と公図が一致しない、いわゆる公図混乱といった課題があり、用地買収の交渉ができない状況でありました。この課題の解決に向け、地権者、隣接者及び法務局と協議を重ねた結果、現地の状況に合わせて公図を訂正することで了解が得られたところでございます。今後必要な予算の確保に努めるとともに、用地買収を遅滞なく進め、平成33年度の完了を目指して事業を推進してまいります。
次に、水産物の輸出の取り組みのうち、県漁連の
水産加工施設を活用した輸出についての御質問でございます。この施設は県産水産物の付加価値向上による漁業者の収益向上を図るため、イワシ、サバ等の多獲性魚のほか、ホシザメ等の低利用、未利用魚の加工を行うとともに、輸出にも対応できる衛生管理体制を整備しようとするものです。特に輸出については、最新の高性能冷凍機により加工した冷凍魚や冷凍刺身などの輸出を計画しており、国際基準を満たした品質や衛生の管理を行うこととしています。県は、この施設の整備に向けた設計に対して助成するとともに、水産加工に係る技術的な指導を行い、県産水産物の付加価値向上や輸出などによる販路の拡大に積極的に支援してまいります。
次に、外国人材の活用の関連でございます。
まず、外国人材の活用についての取り組みについての御質問ですが、高齢化等による労働力不足が課題になっている中、本県の農業や水産業の持続的な発展を図るためには、外国人材の活用も重要であると認識しております。このため県では、国に対して、関東地方知事会を通じて
外国人技能実習制度の運用拡充と国家戦略特区農業外国人の就労解禁の早期の全国展開について要望したところです。今後も外国人材の活用に向けて、技能実習制度の活用促進や国家戦略特区等による規制緩和の提案など、効果的な対応策の検討に取り組んでまいります。
最後に、
外国人技能実習法の内容についての御質問でございます。本年11月に施行された
外国人技能実習法は、外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図ることを目的に制定されております。具体的には、新たに設立された外国人技能実習機構による技能実習計画の認定及び監理団体の許可制度が設けられるとともに、優良な受け入れ先や監理団体に限って受け入れ人数枠の拡充を認めており、さらに技能実習期間が3年から5年に延長されたところです。今後とも、雇用に関する研修会などにより、新たな
外国人技能実習制度の周知と適正な実施の啓発に努めてまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 県土整備部長野田勝君。
(説明者野田 勝君登壇)
◯説明者(野田 勝君) 私からは道路整備についての3問にお答えいたします。
初めに、国道356号香取−東庄−銚子間の
バイパス整備の進捗状況の質問でございます。国道356号は、銚子方面と圏央道の
神崎インターチェンジなどとを結ぶ重要な幹線道路であり、現在、銚子市や東庄町、香取市においてバイパスなどの整備を進めているところでございます。銚子バイパス8.2キロメートルにつきましては、これまでに3.3キロメートルを供用しており、残る区間では用地の進捗率が面積ベースで98%となっております。今年度は用地取得と高田川を渡る橋梁の詳細設計を進めるとともに、昨年度に引き続きまして、地盤改良工事を実施しているところでございます。小見川東庄バイパス8.7キロメートルにつきましては、これまでに4.7キロメートルを供用しており、東庄町側の4.0キロメートルのうち、3.5キロメートルは改良工事が終了しております。残る0.5キロメートルでは、用地の進捗率が面積ベースで90%となっており、今年度は用地取得と黒部川を渡る橋梁の詳細設計を進めているところでございます。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、残る用地の取得を進め、事業の推進に努めてまいります。
次に、未
事業化区間の検討状況の御質問でございます。国道356号香取−東庄−銚子間の未
事業化区間につきましては、銚子市小船木町から東庄町新宿間及び香取市小見川から津宮間において事業化に必要となる現地の調査などを進めているところでございます。このうち、銚子市小船木町から東庄町新宿間につきましては、平成27年度から概略的なルートの検討を進めており、今年度はルート決定に必要となる環境に関する資料の収集整理を行っております。
最後に、
銚子連絡道路の整備状況の御質問でございます。
銚子連絡道路は、広域的な幹線道路ネットワークを形成する
地域高規格道路であり、圏央道への
アクセス向上や国道126号の交通混雑の緩和を図るため、現在、横芝光町、匝瑳市、旭市及び銚子市において整備を進めているところでございます。横芝光町から匝瑳市までの5キロメートルの区間では、これまで調整に期間を要しておりました地区におきまして、昨年度末に事業に対する御理解をいただけたということから、早期の用地取得に向けまして測量を実施しているところでございます。また、既にまとまった用地が確保できている地区では、盛り土や排水路などの工事を実施しております。旭市から銚子市までの区間では、旭市側3キロメートルのバイパス区間につきまして優先的な整備を進めております。今年度は用地取得と切り土工事を実施しているところでございます。また、匝瑳市から旭市までの区間につきましては、整備中区間の進捗を踏まえまして、計画の具体化に向けた検討を進め、早期の事業着手を目指してまいります。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、
銚子連絡道路の整備の推進に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 信田光保君。
◯信田光保君 それでは、再質問と要望をさせていただきたいと思います。
まず、道路整備についての要望であります。今、部長のほうから御答弁をいただきました。さまざまな取り組みをしていただいていることに対しては心から感謝を申し上げる次第であります。しかし、銚子は本当に遠いよねと、これが現実であります。この議場にいる皆さんもそう感じていると思います。何とか一日でも早く、県都1時間構想を実現してもらいたいと、これが銚子市民、産業界の長年にわたる切実な願いであります。
そこで3点要望いたします。国道356号バイパスは、東関東道や圏央道までつながって初めて整備効果が最大限に発揮されるものと考えております。そのためには、事業中区間の早期完成はもとより、2つの未
事業化区間、銚子市小船木町から東庄町新宿間及び香取市小見川から津宮間について、引き続き調査を推進していただき、一日も早い事業化を要望する次第であります。
銚子連絡道路の匝瑳市から旭市区間の12キロメートルについては、長年、地元が早期事業着手を望んできた区間であります。旭市側には新たな住宅が建ち始めているということも聞いております。県執行部においては速やかに調査を進め、地元にルートを提示して、一日も早く事業化することを要望いたします。また、こうした
銚子連絡道路や国道356号バイパスの未
事業化区間を事業化するためにも、予算の確保は不可欠であります。道路整備に必要な予算確保については、今議会でも多くの議員から要望があったわけでありますが、私からも強く要望をさせていただきます。
水産物の輸出の取り組みについて、再質問と要望をさせていただきます。余り知られていないようでありますが、県は野菜や魚介類の輸出拡大を目指して、今週の金曜日、15日からでありますけれども、シンガポールで昨年12月に続く2回目となる農水産物フェアを開催するということであります。また、来年2月には、知事答弁にもありましたように、3回目となるタイ王国での森田知事の
トップセールスであります。今回は千葉県
水産加工業使節団とともに、銚子市漁業協同組合、銚子つりきんめの生産者の皆さんも参加して、千葉県ブランド水産物認定第1号の銚子つりきんめのPRをする予定であります。ぜひ、今回のプロモーションにより、タイ王国への具体的な輸出の実現に向け、県当局の絶大なる御支援を要望する次第であります。
また、航空便による水産物の輸出拡大に向け再質問をいたします。千葉県にある成田空港を活用しての水産物の輸出の課題は何か伺います。
次に、外国人材の活用について2点再質問させていただきます。
銚子の漁業はインドネシア人、農業、
水産加工業は中国人と、今や銚子の基幹産業である農業、漁業、水産業は外国人材を活用しないと成り立ちません。本年5月、県は農林水産省及び内閣府に出向き、国家戦略特区の活用も含めた農業における外国人活用に係る課題や促進策について、情報収集及び協議を行った結果、国家戦略特区の指定を受けるためには、県からの規制改革メニューの提案が農業分野だけでなく、地域の特性を踏まえた革新的なもの、経済的、社会的効果の大きいものであることが必要との認識が示されたということでありました。
そこで2点質問いたします。
1点目として、国家戦略特区において、現在農業外国人の就労解禁を提案している農業外国人の就労解禁状況はどうか伺います。
2点目として、国家戦略特区における外国人の就労解禁は現在、水産業は認められておりませんが、水産業における
外国人材活用について、国家戦略特区への千葉県の追加指定をどのように考えているのか伺います。
最後の要望は、観光振興における規制緩和についてであります。国では、明日の日本を支える観光ビジョン構想に基づき、国立公園満喫プロジェクトを実施しております。ことし10月には、国立公園満喫プロジェクト展開事業として、国立公園の魅力を満喫するメニューの充実や情報発信、おもてなしの地域づくり、民間事業者の投資喚起を促す地方自治体などの取り組みを支援するとして申請を公募いたしました。公園は多くの人々がその魅力を満喫できるよう、工夫を凝らして運営すべきものであります。保全一点張りでは制度の本来目的を果たすことはできません。自然公園法を所管する環境省が率先して自然公園の現代的な活用に乗り出していることを認識していただき、県が主導的に国定公園の戦略活用ができるよう、規制緩和の実現に取り組んでいただくことを要望いたしまして、2回目といたします。
◯議長(小高伸太君)
農林水産部長伊東健司君。
◯説明者(伊東健司君) 御質問3問にお答えいたします。
まず、成田空港を活用した水産物の輸出の課題についての御質問でございます。航空便による水産物の輸出は、高価格な水産物を
高級飲食店向けに安定的に供給することが求められることから、成田空港を活用して水産物を輸出していくためには、空港周辺に集荷力のある輸出に取り組む流通業者の存在が必要と考えております。
次に、国家戦略特区の関係でございます。現在農業外国人の就労解禁を提案している農業外国人の就労解禁の状況はどうかとの御質問でございますが、これまでに愛知県、茨城県、長崎県など9地区で11の自治体が農業外国人の就労について、規制改革メニューの提案を行っております。その中で、国家戦略特区の区域指定を受けているのは愛知県のみとなっており、8県では、今後実施体制などの検討を進めると聞いております。
最後に、外国人材の活用についての御質問でございます。今後、水産業者等の御意見をよく聞きながら、課題や要望を整理した上で、技能実習制度の活用促進や国家戦略特区等による規制緩和の提案など、効果的な対応策の検討に取り組んでまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 信田光保君。
◯信田光保君 ありがとうございました。最後に1点要望をいたします。航空便による
水産物輸出を促進するには、成田空港などを有する本県の優位性を生かして、成田市公設地方卸売市場の輸出拠点化に向けた移転再整備を支援するとともに、成田空港の一層の活用に向けた検討を進めていただくことを要望する次第であります。
以上で私の全質問を終了いたします。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
◯議長(小高伸太君) 次に、小池正昭君。
(小池正昭君登壇、拍手)
◯小池正昭君 皆様おはようございます。成田市選出、自由民主党、小池正昭でございます。傍聴席、続々と退席をされていきますが、せっかく銚子市からいらっしゃったので、もしお時間がある方は引き続きいていただけるとありがたいと思います。バスが出発するまでの時間、ぜひおつき合いをいただければと思います。
質問に入る前に、地元成田のことについて1件報告をさせていただきたいと思います。2011年から全国でゆるキャラグランプリというのが開催されておりますが、成田市の観光キャラクターうなりくんというのがありますが、7年越しでことし念願の第1位、グランプリを獲得したと。このグランプリを獲得すると来年からはゆるキャラグランプリに出なくていいということで、殿堂入りになるんだそうです。地元では大変盛り上がりを見せておりました。成田のうなり君、そして、まさに千葉の時代、チバニアン、こういったことで空の結節点を持つ千葉県として、全国にあるいは世界に向けて、より一層認知度が広がることを期待して、質問に入らせていただきたいと思います。
まず、空の結節点である成田国際空港についてでありますが、歴史的な転換点とも言えるさらなる機能強化の議論が開始されて既に2年を経過しようとしています。国としても、訪日外国人の増大を目指し、成長戦略を描く上で首都圏の空港の容量拡大は必須であり、また県としても、空港の大きな経済波及効果を広めて県内経済全体を成長させるためには、成田空港のさらなる機能強化を実現していかなければなりません。最近では、特にアジア各国の経済成長に伴い、相対的に日本の存在感が低下しており、航空においても日本の空港の地位低下が懸念されているところであります。このような状況の中で、世界から見て使い勝手のよい空港と、ビジネスにおいても観光においても魅力ある目的地を兼ね備えていく必要があり、成田空港の担う役割は一層重要なものとなってきていると考えます。しかし、内陸空港である成田空港は、当然に空港周辺の住民への配慮や歴史的な背景から丁寧な手続を行う必要があり、県としても、着実に議論を前に進めるために最大限の努力をしていく必要があります。
本年6月に開催された国、県、空港周辺自治体、空港会社による四者協議会では、当初提案された機能強化案に対して飛行時間制限の見直しが再提案され、各地域において、現在まで地元説明会が開催されているところであります。県としても、これまで各地域の地元説明会への対応を行ってきているものと思いますが、さまざまな意見が寄せられていると伺っております。私も地元の住民説明会に出席した際には、空港の機能強化の必要性は理解されても、これまでの過去の積み重ねた不満や今後発生する新たな問題に対して不安を抱く意見が寄せられておりました。そして、空港の発展とともに地域が栄えるという共生、共栄を単なる理念に終わらせることなく、その実現を求める意見も強く、地域の振興策が重要であると改めて感じたところであります。
現在までに、具体的な例を初めとして、さまざまな地域振興を求める意見が出されているとのことでありますが、それらの実現のためにはこれまでにない取り組みも必要であり、県として空港周辺自治体や住民の思いに応えるためにも、さまざまな規制を緩和するための特区制度の活用も検討すべきではないかと考えているところであります。
そこで2点について伺います。
1点目として、さらなる機能強化について、現状の議論の進捗状況はどうか。
2点目に、空港周辺の地域振興策について現状の作業状況はどうか。また、空港周辺の地域づくりに向けて特区制度の活用も検討すべきと思うが、どうか。
さて、空港の利便性は滑走路やターミナル施設だけではなく、そのアクセスも重要な要素であります。その1つが鉄道アクセスであり、日本におり立って、まず利用する鉄道駅の利便性向上には力を入れていかなければなりません。平成26年6月議会では、成田空港の駅において改札を2度通らなければならない、いわゆる二重改札を指摘し、その改善を求めました。国政でも取り上げられたこの問題ですが、このたび、空港第2ビル駅のJR線については、この二重改札を解消する工事が開始されるとの発表があったところであります。
しかし、京成線については、依然として二重改札が残ることになります。また、鉄道利用客も増大している中で、さらにパラリンピックの開催を控えて、日本の玄関口の鉄道駅として利便性の向上とともに、一層の安全対策を実施する必要があり、ホームドアの設置も求められているところであります。既に鉄道関係会社からは、県に対してホームドア設置について支援を求める要望があったと伺っていますが、本年6月には、9都県市首脳会議として、国に対し、ホームドアの技術的課題や整備費用の課題解決への支援、鉄道会社の負担軽減を要望していますので、森田知事も県内の鉄道駅の安全確保について、その重要性を認識しておられることと思います。
そこで、日本最大の国際空港を有する我が千葉県として、成田空港内の駅への対応は、オリンピック・パラリンピックの開催を控えて早急な対応が必要であるという観点から、以下3点伺います。
1点目として、成田空港駅及び空港第2ビル駅における京成線の二重改札の解消について、県はどのように考えているのか。
2点目に、本県のホームドア設置に関する補助制度は近隣都県と比べてどうなっているのか。
3点目として、増大する訪日旅行客とオリンピック・パラリンピックを控えて、成田空港駅及び空港第2ビル駅へのホームドアの設置に対して支援が必要と考えるが、県としてどう対応していくのか。
次に、増加する外国人への対応について伺います。
観光庁は、訪日外国人が過去最高であった昨年の2,403万9,700人を11月4日に既に突破し、2017年、本年は2,800万人を超えるとの見通しを発表しました。観光立国としての政策が着実に効果を上げてきていることが数字で示されているところですが、団体旅行から個人旅行へ、また、大都市から地方へと変化も見られてきているところであります。この旅行客の変化は、日本国内での移動手段にも見られ、最近では、レンタカーを利用して各観光地を周遊する例も増加しております。国土交通省によれば、訪日外国人のレンタカー利用者数は2011年に17万9,000人だったものが、2015年には70万5,000人となっており、5年間で約4倍に増加しました。県内の利用状況も最近のデータでは、昨年7月から12月までの下半期で6,980件だったものが、ことし1月から6月までの上半期には7,277件と約5%増加している状況にあります。
日本政府観光局では、日本は全土を網羅する道路ネットワークや各地に景観のよい道路があること、サービスエリア、パーキングエリア、道の駅の充実などからドライブ旅行に適しているとしており、海外でもドライブ旅行をPRしていることがレンタカー利用を増加させていることにつながっていると思われます。これに対して国と高速道路各社は、レンタカーを利用する訪日外国人旅行者向けに全国エリアを対象とした高速道路乗り放題パス「Japan Expressway Pass」の販売を10月13日から開始しております。ちなみに、価格は最大7日間で2万円、14日間有効で3万4,000円とのことであります。
しかし一方で、自国と異なる交通規制やマナーなどにより、交通安全上、不安視する声も上がっているのが現状であり、観光政策において訪日客を一層呼び込み、多様な旅行を提供しながら、それに対応した安全対策を講じる必要性にも迫られているところであります。最近では、自動車の運転だけでなく自転車を利用する外国人も増加している現実があり、交通安全対策において、訪日観光客とともに増加傾向にある就労や留学目的の外国人への対応も求められてきていると考えます。特に、日本の玄関口である成田国際空港を有する千葉県としては、この対応は他県よりも力を入れるべきであり、先駆けた対応が求められるのではないでしょうか。
そこで、以下2点について伺います。
外国人ドライバーが加害者となる交通事故の発生件数はどうか。また、外国人に日本の交通ルールを周知させるため、レンタカー業者とどのような取り組みを行っているのか。
2点目に、英語表記された規制標識の整備について一層進める必要があると思うが、現状と今後の対応はどうか。
次に、介護福祉施策についてですが、今回は特別養護老人ホームと介護人材について伺います。
介護福祉施設の人手不足は、何度となくこの議会でも議論されてきているところであります。そして、昨今の全産業における人手不足は、我が国の成長を脅かすまさに最大の問題であり、政策的にも最重要に位置づけて対応しなければならない状況にあります。特に福祉施策を支える人材の確保は喫緊の課題であると認識されているところでもあります。私も、平成25年2月と平成26年6月の一般質問で取り上げましたが、問題は一層深刻化している状態にあります。
特別養護老人ホームの整備を推し進める県に対して、箱が整備されても介護を支える人材がいなければ受け入れることはできないと指摘もさせていただきましたが、現在の現場の状況を見ると慢性的かつ深刻な人手不足であり、介護報酬の低下も加わって、直近の調査によると、特別養護老人ホームの収支差率は全国平均で1.6%にまで低下、そして、入所率が低い施設が増加しているなど、その経営にも影響が出てきている現実があるようであります。
そこで、まずは介護福祉施策の中で重要な役割を担う特別養護老人ホームについて、以下3点伺います。
1点目として、特別養護老人ホームにおける職員不足はどのような状況か。
2点目に、県内の入所率はどのような状況か。また、入所率が90%を下回る施設がふえ、最低の入所率も低下していると聞いているが、過去と比較してその現状はどうか。
3点目に、入所率が低下していることに対し、県はどのように対応していこうと考えているのか。
続いて、介護人材についてですが、既に国が示した介護人材にかかる需給推計によると、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、全国で約37万8,000人、本県でも約2万3,000人もの不足が見込まれ、全国5位のスピードで高齢化が進むこともあって、その充足率は全国で41位、80.3%にとどまるというデータが示されています。そして、国では、介護人材確保対策において多様な人材を活用するとして、元気な中高年齢者の活躍促進、いわゆるアクティブシニアの新規参入と外国人の活用を積極的に行っていく基本的な方針を打ち出しました。先ほど、信田議員からも御紹介がありましたが、既に新しい
外国人技能実習制度が11月から施行され、介護労働がその対象に加わりましたが、本来、
外国人技能実習制度は技能移転が目的でありますが、新しい技能実習制度において介護労働が加えられた背景には、人材不足対策として、介護職の絶対的な不足状況にある現場の問題を反映した結果であると言えるものであります。
就労人口の減少に直面した我が国の人手不足対策としての期待が大きくなる中で、
外国人技能実習制度のこれまでの課題を踏まえて、実習生が技能取得に専念できる体制の確立が求められ、受け入れ監理団体の許可制、実習計画の作成、認定、実施、人権侵害の通報窓口や罰則強化、監督役となる技能実習機構の新設、送り出し国との政府間取り決めなどが定められたところであります。
また、我が国の介護人材の育成に重要な役割を果たしている養成校でありますが、その定員充足率が40%を下回っているという大変な現状の中で、今後、留学生の活躍を積極的に推進する方針もあります。ことし9月からは、介護福祉士の資格を取得し、介護業務に従事する者を対象として、永続的に日本国内での在留が可能となる介護の在留資格の認定が始まりました。既に国の制度で留学生に対しても修学資金の貸し付けが可能となっており、介護福祉士を目指す留学生を我が国の介護人材として育成していこうという方向性が示されています。人材確保について国が大きくかじを切った中で、介護人材の量と質の確保が重要となり、県としてもその対応が求められていくものと考えます。
そこで、以下4点について伺います。
県として、これまで介護人材の育成に力を入れてきているが、その成果をどう認識しているのか。
2つ目に、
外国人技能実習制度の活用が期待されているが、県としてどのように対応していくのか。
3点目に、今後、留学生への支援策が求められていくと思うが、県としてどう考えるのか。
4点目に、介護人材の量と質を確保するために、県として一層力を入れなければならない状況にあるが、県としての今後の対応をどのように考えているのか。
次に、農業問題について伺います。
農林水産業においても、労働力の不足が深刻な問題となっているところであります。我が国最大の園芸地帯を自負する千葉県においても、農業の担い手の減少、高齢化といった課題を抱え、県当局の努力にもかかわらず耕作放棄地は依然として増加し、大きな問題となりつつあります。2015年農林業センサスの千葉県の年齢別基幹的農業従事者数6万5,099人を見ると、平均年齢は66.1歳で、60歳以上が既に全体の75.9%となっており、今後この方々が徐々にリタイアに向かうことから、地域によっては近い将来、規模拡大への限界感から作付や農業生産の維持を断念する可能性が危惧されています。
こうした地域農業の課題に対応し、省力化や効率化による生産力強化を図る手段の1つがスマート農業であり、大きな注目を集め、具体的な導入も始まってきているところであります。さまざまなスマート農業がある中で、農業産出額全国第1位の北海道では、水田経営や畑作経営を中心に、人工衛星からの位置情報をもとに作業経路を表示するGPSガイダンスシステムや作業経路の保持を自動的に行う自動操舵装置の導入が進んでおります。また、第2位の茨城県では、6月22日開催の茨城農業改革推進大会で、情報通信技術ICTを活用した農業経営の効率化推進をうたい、これまでのロボットイノベーション戦略とあわせ、農業分野におけるロボット技術利用研究会が進めるロボットスーツやドローンによる軽労化、省力化技術の普及が飛躍的に進むことが予想されます。品目によっては、野菜作における全作業労働時間の70%以上を占める収穫、調整作業の機械化一貫体系による省力・軽労化が産地の維持発展に欠かせない要因となっています。全国に先駆けてスマート農業技術の積極的な導入を進める自治体がある中で、千葉県としてもその後塵を拝するわけにはいきません。
そこで、以下2点について伺います。
本県におけるスマート農業の現状はどうか。
2点目に、今後、本県は、農作業の軽労化、省力化をどのように進めようと考えているのか。
最後の項目でありますが、県指定無形民俗文化財について伺います。
地域にはそれぞれ固有の歴史が存在します。それぞれの風土によって培われ、営まれてきた生活の中から固有の文化が育まれ、長い歴史の中でさまざまな変遷があり、各地域において特色ある行事が継承されてきました。しかし、昨今の状況は、社会構造の変化や人口減少などの影響により、地域における祭事などもその継続が難しい状況に陥っている例を見受けます。最近の訪日外国人の動向は、日本が有するすばらしい伝統と固有の文化をみずから体験したいと欲する人々がふえていますが、私たち日本人が改めてそのすばらしさをみずから認識し、その保持と継承に努力しなければなりません。
県内にも、今後も継承すべきすばらしい有形、無形の指定文化財が存在し、これまで県としてもその保持に努めてきていますが、人口減少に突入し、社会情勢も刻々と変化する中において、それぞれの文化財を取り巻く状況を把握し、必要な対策を講じていく必要があります。特に無形民俗文化財については、用具の新調や修理の経費として年間、ここ数年44万5,000円というわずかな予算をもって対応していますが、決して十分な予算と言える状況にありません。有形文化財と異なり、その担い手の減少、あるいは用具の老朽化は、継承していく上で大きな問題と言える中で、県として、改めてその対応を充実させるべきと訴えるものであります。
そこで、以下2点について伺います。
1点目として、県指定無形民俗文化財の継承についての課題をどのように認識し、対策しているのか。
2点目に、県として指定無形民俗文化財の継承のために財政的な支援を一層充実すべきと考えるがどうか。
以上、各質問に対する答弁を求めまして、壇上からの質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
◯議長(小高伸太君) 小池正昭君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事森田健作君。
(
知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 自民党の小池正昭議員の御質問にお答えいたします。
成田国際空港についてお答えいたします。
成田国際空港のさらなる機能強化の進捗状況に関する御質問でございますが、本年6月の四者協議会において、空港会社、県、国が提案した夜間飛行制限の緩和の見直しなどの内容について、現在住民への説明会が開催されており、これまでに66回行われました。今後も年明けにかけて一部市町で説明会が予定されております。説明会においては住民の皆様から、スライド運用による夜間飛行制限緩和の見直し案によっても十分な睡眠時間を確保できないとの厳しい意見や、航空機騒音に関する防音対策を実施する地域の拡大を求める要望などが出されているところでございます。
成田国際空港周辺の地域振興策について作業状況と地域づくりに向けた特区制度の活用に関する御質問でございます。成田国際空港周辺の地域づくりについては、四者協議会において、地域振興策の方向性、内容を掲げた基本プランを策定することとしております。現在県では、空港周辺市町の空港会社、国からの意見や要望も踏まえ、基本プランの策定作業を進めているところであり、市町からは地域振興策の検討に際し、
土地利用規制の緩和などを望む声が寄せられているところでございます。このため、県といたしましては、空港周辺の効果的な地域づくりの実現に向けて、特区制度の活用なども含めたさまざまな施策について検討を進めてまいります。
私からは以上でございます。他の問題につきましては担当部局長からお答えいたします。
◯議長(小高伸太君) 総合企画部長遠山誠一君。
(説明者遠山誠一君登壇)
◯説明者(遠山誠一君) 私からは成田国際空港に関する御質問のうち、駅の利便性と安全対策についてお答えをいたします。
まず、京成本線の二重改札の解消について県はどのように考えているのかとの御質問でございます。成田空港駅及び空港第2ビル駅につきましては、京成電鉄の本線及びスカイアクセス線が乗り入れておりまして、それぞれ運賃体系が異なるという事情がありますことから、御利用状況によっては改札を2回通過することとなり、戸惑われるお客様がいらっしゃると聞いております。京成電鉄によりますと、現在の乗車経路の判別基準では限界があるため、適正な運賃を収受するためには、このような措置をとらざるを得ないとのことでございます。このため、京成電鉄ではお客様に対しまして、改札の利用方法について、日本語と英語による音声案内や掲示を行っているほか、お客様の多い時間帯には係員を配置するなど案内に努めているところでございます。県といたしましても、京成電鉄に対しまして、引き続きお客様に丁寧な周知や案内を行うよう働きかけてまいります。
次に、ホームドア設置に対する補助制度は近隣都県と比較し、どうなっているのかとの御質問でございます。ホームドア設置に対します各県の補助は、設置に係る経費に対する補助率で比較いたしますと、東京都が原則6分の1で、例外といたしまして、オリンピックの会場周辺駅等は3分の1となっております。また、埼玉県は6分の1、神奈川県が12分の1となっております。一方、本県は市町村の財政力に応じまして6分の1から12分の1の補助率としておりますので、他県に比べ遜色ないものと考えております。また、本県と埼玉県は、市町村が鉄道事業者に補助する場合に県がその市町村に補助を行う制度でありますので、市町村の補助額が小さい場合は県の補助額も小さくなります。
次に、成田空港駅及び空港第2ビル駅へのホームドアの設置に対する支援についての御質問にお答えをいたします。これら成田空港の2つの駅につきましては、大きな荷物を抱えた旅行客や
外国人観光客の利用も多いことから、安全対策のためのホームドアを設置することが有効と考えておりまして、県としても、これまで鉄道事業者に対しまして設置を働きかけてきたところでございます。現在、鉄道事業者においても、東京オリンピック・パラリンピックを見据えまして、ホームドアの設置を検討中であると聞いております。本県の補助制度は、市町村が鉄道事業者に補助をする場合に市町村へ補助する制度となっております。したがいまして、まずは地元である成田市の意向判断が重要となりますので、今後市とも十分協議の上、支援について検討してまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 健康福祉部長飯田浩子君。
(説明者飯田浩子君登壇)
◯説明者(飯田浩子君) 私からは介護福祉施策についての7問にお答えをいたします。
まず、特別養護老人ホームの職員不足の状況についての御質問でございます。県が所管する特別養護老人ホームの職員配置につきましては、国の基準に基づき県が定めた配置基準を満たしていると承知しております。しかしながら、職員確保の困難さが増している中で、開所後の職員の状況変化を見込んで職員配置に余裕を持たせたり、質のよい介護サービスを提供するために、施設の判断で一時的に定員より少ない利用者数で運営しているところがあると聞いております。
次に、特別養護老人ホームの入所率についての御質問でございます。平成29年7月1日現在、県所管の特別養護老人ホームの入所率は96.7%となっておりまして、ここ数年、おおむね横ばいで推移しております。また、経営が軌道に乗ると考えられる開所から6カ月以上経過した特別養護老人ホーム312施設のうち、入所率が90%を下回っている施設は22施設で、5年前の5施設から17施設増加しております。同様に、最低の入所率は66%となっており、5年前の78%から12ポイント低下しております。
次に、入所率の低下に対する県の対応についての御質問です。入所率の低下につきましては、近年増加している個室ユニット型の施設の費用が従来型の施設に比べて高く、入所希望者が少ない傾向にあること、また、自主的に定員を下回る利用者数で運営している施設があることなどが理由と考えられます。県では、各施設の協力のもと、ホームページで空き状況等の施設情報の提供などを行っておりますが、今後は入所率の低い施設に個別に聞き取り調査を行うなど、実態の把握に努め、引き続き入所率の向上に向けて支援をしてまいります。
次に、介護人材の育成の成果についての御質問です。県では、平成26年3月に策定をいたしました千葉県福祉人材確保・定着推進方針に基づきまして、介護福祉士等養成校の学生に対する修学資金の貸し付け、介護職員初任者研修等に対する受講料の補助、小中高校生等を対象とした介護の仕事体験の実施などにより、介護人材の育成に努めてきたところです。しかしながら、介護福祉士等修学資金の貸付件数が減少するなど事業効果が広がっていない取り組みもある中で、本県の介護関連職種の有効求人倍率は、本年9月時点で4.37倍と全職種の1.25倍を大きく上回っている状況でございます。県といたしましては、こうした深刻な状況を受けとめ、介護人材の育成のため、より効果的な取り組みを検討、実施していく必要があると認識しております。
次に、
外国人技能実習制度の活用についての御質問です。介護は
外国人技能実習制度で初めて認められた対人サービスであり、事業者等からは歓迎の声がある一方、実習生の日本語コミュニケーション能力等についての懸念も示されております。このため県では、介護事業者に
外国人技能実習制度の周知を図るとともに、事業者や関係団体の意見を踏まえ、介護施設において実習生をより円滑に受け入れられるよう、各種支援策について検討をしてまいります。
次に、留学生の支援策についての御質問でございます。今年度、新たな在留資格として介護が創設されたことにより、県内の介護福祉士養成校に入学した外国人留学生は全入学者約227名のうち51名となっており、今後も一層の増加が見込まれております。介護人材の確保は大変厳しくなっている中で、養成校で高度な専門知識を身につけた外国人留学生は、介護施設等における貴重な専門職として活躍することが期待されます。県としましては、より多くの外国人留学生が養成校で学び、県内の介護施設等で就業し、定着してもらえるよう養成校の意見を伺いながら、留学生の支援策について検討してまいります。
最後に、介護人材の量と質の確保に向けた今後の対応についての御質問でございます。急速な
少子高齢化の進展等により、一層の介護ニーズの増大が見込まれる中で、新たに就業する若者に加えて、外国人や退職後の中高年齢者に対する就業促進の取り組みを強化していく必要があると考えております。またあわせて、介護人材の質の確保に向け、キャリアアップのための研修の充実や研修を受けやすくするために、代替となる職員の確保を支援することなども重要であると考えております。県では引き続き、市町村、事業者、関係団体と連携しながら、介護分野への就業や離職者の再就業の促進、事業者と求職者のマッチング機能の強化、介護職員のキャリアアップなど、介護人材の量と質の確保に向けて各種対策を推進してまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君)
農林水産部長伊東健司君。
(
説明者伊東健司君登壇)