私は、2015年の県議選において、これからの10年を見越した施策の提案、実現を目指していくことを訴えさせていただきました。2015年の10年後、すなわち団塊の世代が75歳以上となる、いわゆる2025年問題に対し、着実に準備を整えていく必要があったからです。今年度は、まさにその準備を進めるための大変重要な年です。千葉県においては、保健医療計画、
高齢者保健福祉計画、国保運営方針など計11本の保健、福祉に関する総合的な計画の改定が進められており、年末には診療報酬、介護報酬のダブル改定も待っています。千葉県民の誰もが住みなれた地域で、安心して医療、福祉のサービスを受けることができるよう、議論を成熟させ、あるべき千葉県の姿を計画を通じ、しっかりと県民にお示しをすることが2025年問題に立ち向かっていくために必要なことであります。
そこでまず、高齢者福祉についてお伺いをいたします。2000年の
介護保険制度開始以来、来るべき超高齢社会に向けて社会資本整備が進められてきました。特に近年、
特別養護老人ホームに対する県の整備補助が1床当たり450万円まで引き上げられるなど、
特別養護老人ホームの整備は年々進められ、平成21年度から平成28年度までの8年間で延べ197施設、9,465床の整備が完了しています。しかしながら、入所要件が原則要介護3以上に引き上げられてもなお、平成29年1月の時点で
特別養護老人ホームの入所待機者は1万1,067人おり、さらに、今後も高齢化がさらに進行するとともに、独居高齢者については、平成27年の25万8,253人から、平成42年には33万3,079人と1.29倍増加することが推計されていることから、依然として必要な整備を進めていく必要があると考えます。
一方で、高齢者福祉を取り巻く環境は大変厳しく、特に介護従事者の処遇改善は喫緊の課題です。報道では、消費税引き上げと同時に、勤続10年以上の介護福祉士を対象に、月額平均8万円の賃上げとのことですが、裏を返せば、これまでがそれだけ低賃金であったことになります。人手不足による介護福祉施設の逼迫は予断を許さないものがあり、県によると、職員配置基準上での人員が不足していることによって、開設を許可された定員数を割っている施設は今のところないとのことですが、多くの施設では介護離職などの影響でぎりぎりの状況とのお話を伺うこともあり、本来開設を許可されている定員を自主的に下回る入所者を受け入れている施設もあるとのことです。
また、介護保険料については、第1期では最高で白井市の3,033円、最低で下総町の1,785円だったものが、第6期においては最高が鴨川市の5,895円、最低でも四街道市の3,700円となっており、来年度からの第7期においてもさらに値上げされていくものと推計されます。
このような状況において、現在、
特別養護老人ホームの開設に必要な経費は、1床当たり1,000万円から1,500万円とされており、費用対効果の面から考えると決して安くはない一方で、今後どの程度整備をする必要があるのか、整備を行った場合にどの程度介護保険からの負担がふえていくのか、また、その施設がどの程度利用率を維持できるのか、長期にわたる見通しを持って整備目標が立てられるべきであり、県としてしっかりと管理をしていく必要があると考えます。
他方、高齢者福祉は施設介護だけではありません。今後さらに高齢化が進展した場合、施設に入所するだけでなく、いわゆる在宅において介護される方の数も一層増加が見込まれます。多くの在宅介護において、医療と表裏一体の利用者の方も多く、現在、医療と介護の多職種連携が進められている中、日常的に要介護者をケアしている
在宅介護従事者の職責は今後さらに拡大していくものと考えられます。
また、24時間365日、社会的な介護サービスを提供する定期巡回・
随時訪問型介護看護の
サービス提供事業者数もまだ数に限りがあり、介護サービスを受けている時間以外の介護は家族によって担われている状況が根強くあります。介護の社会化を進めるとの観点でスタートした介護保険ですが、従来の家族介護に対する支援もこれからの超高齢社会において必要な施策であると考えます。
そこで、2点質問をいたします。
次期高齢者保健福祉計画において、
特別養護老人ホームをどのように整備していくのか。
2つ、在宅介護を支えるサービスの充実及び家族支援にどのように取り組んでいくのか。
次に、保健医療計画について伺います。
前に述べたとおり、来年、平成30年度を始期として、6年間の千葉県の保健医療政策の根幹となる保健医療計画の改定作業が進められています。現行計画では、地域医療構想を初めて保健医療計画に組み込み、2025年のあるべき医療の姿を示したものでしたが、次期計画においては、計画終期が2023年度であることから、まさに2025年問題に対応する形での千葉県の医療提供体制に向かう実践的な計画を策定するべきです。また、これまでの保健医療計画は主に5疾病4事業といった急性期中心の計画であったように考えられますが、地域医療構想においては、超急性期から慢性期までの医療の流れを具現化していくことを想定しており、急性期の整備よりも回復期病床の整備について重点的に取り組む必要があるとされています。
皆様方も御存じのとおり、千葉県は全国的に見て
人口対比医療資源が少なく、かつ高齢化の進行スピードが最も早い県であり、限られた資源をいかにして有効に活用できるかが県民の命を守り、安心を担保するために絶対に必要なことです。そのためにも、医療者や県民の意識改革を行い、適切な時期に適切な場所で適切な医療が受けられるように医療提供体制を整備していくことが求められております。そのため、平成27年度より2次医療圏域ごとにその地域の全ての病院、自治体、保険者や関連する団体の代表が一堂に会し、地域のあるべき医療提供体制のあり方について議論する
地域医療構想調整会議が開催されています。私は、これまでの
東葛北部医療圏における調整会議を全て傍聴させていただいておりますが、国の定める必要病床の考え方や、どういった医療が急性期や回復期に当たるかなど、基本的な理解がまだまだ地域の医療者や関係団体の方に浸透せず、県の担当セクションも大変苦労しているように感じられます。
そもそも現在の千葉県における病床の機能は急性期に偏りがちとされており、回復期が圧倒的に足りないとされています。一方、
救急受け入れ件数や手術件数などのデータを見ると、必ずしも急性期病床を保有するとされる病院が果たして急性期病院なのか、疑問を感じる例もあります。繰り返しになりますが、
人口対比医療資源が圧倒的に少ない本県において、医療機能の効率性を向上させ、超急性期、急性期病床の入院日数をできるだけ短くして、どんどん回復期や慢性期病床へと送り出していく体制整備のみが、これから迎える超高齢社会に対応できる唯一の道だと考えます。そのための理解の促進、病院機能の整理、移行、ICTを活用した
医療連携システムの整備などが必要です。そうした議論が現在、各地域の
地域医療構想調整会議ではまだまだ不十分であると考えます。
そこでお伺いをいたします。地域医療構想の実現に向けて、
地域医療構想調整会議で今後どのように議論をしていくのか。
地域医療構想においては、2025年にどういった医療がどの程度必要か積算したものを病床利用率で割り返した必要病床数という考え方があります。一方、保健医療計画の改定時には、その計画期間中に整備すべき病床数として基準病床も設定されます。この必要病床と基準病床は同じようなイメージがありますが、数字の算出根拠など全く異なるものであり、この必要病床と基準病床のわかりにくさが地域医療におけるその地域で必要な医療提供体制の整備に支障を生じている側面があると考えます。
そこでお伺いをいたします。地域医療構想の必要病床と保健医療計画の基準病床との関係性についてどのように考えているのか。
地域医療構想は、前述したとおり、2次医療圏ごとにその地域で必要な医療提供体制がどうあるべきかを示したものです。他方、大学病院やがんセンターのような専門病院については、その果たすべき医療の性質上、1つの2次医療圏にとどまらず、全県もしくは全国の患者を受け入れる必要もあります。また、例えば普通分娩を行う産婦人科なども急性期病床となっていますが、産婦人科の病床と市中の救急告示病院を並列に並べることも違和感があります。このように、地域医療構想はその単位が2次医療圏であるために、本当にその2次医療圏において必要な医療提供体制が整っているのかと考えづらい側面があると言われています。実際に、
東葛北部医療圏においても、柏の
国立がんセンター東病院は、医師数、病床数とも大規模ですが、その患者の半数は圏域外からとのことであり、計算上、圏域外からの
患者受け入れ数についても織り込み済みとのことですが、わかりにくいのが現状です。
そこでお伺いをいたします。地域医療構想においては、大学病院などの全県対応型病院や専門病院の果たす役割についてどのように考えているのか。
保健医療計画の最後に、来年度行われる可能性のある病床配分について伺います。
保健医療計画改定時に、圏域ごとに基準病床数の算定が行われますが、既存病床数に対して基準病床数が多い場合、その圏域に新たに病床が追加されることから、病床配分を行うための公募が行われます。これまでどこの病院にどの程度病床を配分するかについては、公募団体に対するヒアリングや郡市医師会や自治体に対するヒアリングを行った上で、県医療整備課が
医療審議会病院部会に諮り、一元的に決定してきました。しかし、現在各地域においてその地域の医療のあり方をどのようにすべきか、各界各層の代表者が集まって
地域医療構想調整会議を行っております。既存病床については調整会議で議論することになっておりますが、新規である病床配分については現在調整会議で議論することとはなっていません。その地域に新たにどのような機能が必要なのか、新しく整備するのはどの地域が適当なのかなど、調整会議において議論し、地域の医療者の理解が進む形での病床配分を進めていくべきだと考えます。
そこでお伺いをいたします。病床配分の方針を策定する際には、
地域医療構想調整会議の意見も考慮すべきと考えるがどうか。
次に、
所有者不明土地と共有地についてです。この問題については、平成26年の
県土整備常任委員会において質問させていただいておりますが、改めてお伺いをしたいと思います。
昨今、テレビや新聞報道において、所有者が誰かわからない、もしくは所有者の所在がわからない土地や建物の存在が取り上げられるようになりました。町の景観を損ねたり、建物の老朽化により外壁が崩落するなどの被害のほか、公共事業用地に土地の全部もしくは一部がかかっている場合、土地の買収が非常に困難であり、結果として事業が滞ったり、道路の一部に所有者不明の土地がはみ出したりと、報道によれば、全国20政令市全てでこの
所有者不明土地が公共事業に与える影響があると回答しています。また、神社や仏閣、もしくは集落の共同利用地、すなわち共有地についても、私の地元の野田市を初め、県内各所で公共事業への影響があると聞いています。これら
所有者不明土地と共有地の問題を深刻化させているのは、土地が相続によって権利者が多数となる中、現行法上、全ての土地所有者の了承を得ない限り手も足も出ないという状況であることです。
早急なる解決をすべく、お伺いをいたします。
所有者不明土地と共有地による県事業への影響はどうか。また、抜本的な対策を講ずるべきと思うが、どうか。
次に、県立博物館における観光と地域振興についてお伺いをいたします。
県立博物館は県内8カ所に設置され、千葉県の豊かな自然、文化、歴史の研究を通じて、県内外の皆さんに千葉県のすばらしさを発信する大変重要な施設です。また、現在進められている地方創生を考えると、地域の文化や歴史を学び、地域のすばらしさを地域住民が肌身で感じ、その価値を生かして新たな魅力を創造していくことも重要です。
野田市におきましては、平成7年に開館した関宿城博物館があります。皆様、お越しいただいたことはございますでしょうか。
(「あります」と呼ぶ者あり)
◯礒部裕和君(続) ありがとうございます。チーバくんのまさに鼻の先、利根川と江戸川の分流地に近世城郭を模した博物館は、まさに関宿地域の歴史と伝統の象徴であり、地域の宝です。中世には、後北条氏と関宿城を拠点とする簗田氏との間で3次にわたる関宿合戦が行われ、江戸期においては入り鉄砲、出女を規制する江戸北部の重要な防衛拠点であると同時に、利根川水運の中継点として栄え、高瀬舟や通運丸が行き交うにぎわいを見せました。こうした歴史は地域にとっての大切な財産であり、地域が活力を取り戻すための1つのツールであると考えます。県立博物館は、研究教育機関であると同時に、地域振興、観光の核としても今後活用がなされていくべきです。
そこでお伺いをいたします。県立博物館における観光、地域振興に対する取り組み、特に関宿城博物館の取り組みはどうなっているのか。
関宿城博物館は千葉県の最北端に立地をいたしますが、ここは
松戸野田関宿自転車道の終点でもあります。東京湾から関宿城まで江戸川沿いを走る自転車道は多くのサイクリストに愛され、休日には多くのサイクリストが関宿城博物館を目指してやってきます。関宿城まで来たら、戻るもよし、利根川沿いに南下するもよし、さらに北上し栃木、群馬を目指すことも可能な分岐点となります。かつて水運で栄えた関宿は、今新たに
サイクルツーリズムの拠点となるポテンシャルを秘めていると思うのです。
しかし現在、関宿城まで来たサイクリストは、博物館には余り立ち寄らず、簡単な休憩をした後、出発してしまいます。彼らの高価な自転車を安心して駐輪するための施設がないのです。サイクリストのための
自転車スタンドを整備することにより、安心して自転車を駐輪し、関宿城博物館の天守閣を模した展望台からのすばらしい眺望を楽しんでいただいたり、関宿城の歴史やかつての水運で栄えた城下町に思いを馳せていただいたりするなど、ゆっくりと安心して休憩できるサイクリストにとってのスポットになってほしいと考えます。
そこでお伺いをいたします。
関宿城博物館に隣接した
松戸野田関宿自転車道線の駐輪場に、スポーツ自転車に対応したスタンドを設置すべきと思うが、どうか。
また、関宿城博物館において
サイクルツーリズムと連携した取り組みができないか。
次に、地元野田市と東京を直結する鉄道、東京8号線の野田市から八潮間の先行整備についてお伺いをいたします。
前回は、平成28年2月議会で鉄道整備に対する県の取り組みについて質問させていただきましたが、その後、平成28年4月に国における交通政策審議会において答申第198号が出されたところです。前回の答申である平成12年の答申第18号においては、各路線について整備すべき優先順位を示すものとして、A1、A2、Bという3段階に分けられ、東京8号線については、目標年次までに整備着手することが適当である路線、すなわちA2路線とされましたが、その後、事業着手までには至りませんでした。その上で、答申第18号を後継する答申第198号は、路線ごとに整備すべき優先順位は設けず、それぞれ意義と課題を示すというこれまでと異なった答申の形式となりました。
東京8号線については、利便性については意義がある一方で、事業性については課題があるとのことであり、今後、沿線のまちづくり、開発についてビジョンを示し、事業性の確保について国を納得させていく必要があります。地元野田市を初めとした沿線市町が実施した東京8号線の野田市から八潮間の先行整備に係る調査を深度化するため、野田市においてもさまざまな調査研究が行われていくと聞いておりますが、何分大規模な事業に係る調査研究となりますので、県としても主体的にこのプロジェクトに参画していただかなければ成功につながりません。
そこでお伺いをいたします。東京8号線の整備について、県として調査費等の予算を確保し、主体的に課題の整理等に取り組むべきと思うが、どうか。
最後に、教育行政のうち、
県立高等学校入学者選抜について伺います。
過日、県教育委員会が設置する有識者会議において、前期、後期の2回実施している現在の
県立高等学校入学者選抜について、これを一本化するという改善試案が協議、検討されているとの報道がありました。この試案は、受検生を初め、保護者や中学校の先生方など多くの皆様にとって、とても大きな変更になる案だと思います。また、野田市においては、隣接県協定により、埼玉県や茨城県の公立高校と千葉県立高校を進路先として選択することができるため、前期、後期に分かれている千葉県よりも一本化されている他県に進学するという保護者の話を伺ったこともあり、
入学者選抜方法の改善案について関心を持っていたところでありますが、入試制度の変更は、生徒にとってよりよい制度となるよう検討することが重要だと考えます。
そこでお伺いをいたします。今回の入学者選抜の改善試案においては、受検生にどのような配慮がなされているのか。
以上で1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
◯議長(小高伸太君) 礒部裕和君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) おはようございます。民進党の礒部裕和議員の御質問にお答えします。
きょうは支援者の皆さん、ようこそおいでくださいました。
高齢者福祉についてお答えいたします。
次期高齢者保健福祉計画における
特別養護老人ホームの整備についての御質問でございます。今後、高齢化が急速に進展し、特に75歳以上の後期高齢者やひとり暮らしの高齢者の増加が見込まれる中で、自宅での介護が困難な高齢者が入所する
特別養護老人ホームの整備は大変重要であると認識しているところでございます。一方、高齢者人口の動向や要介護率、
有料老人ホームなどの整備状況、介護サービスを提供する事業所の状況等、
特別養護老人ホームを取り巻く状況は地域によって大きく異なっています。そのため、
特別養護老人ホームの整備に当たっては、これら地域の状況や高齢者のニーズ、入所待機者数の動向など、地域の実情を把握している市町村と連携して策定する次期千葉県
高齢者保健福祉計画において、9つの圏域ごとに整備目標数を定め、整備してまいります。
在宅介護を支えるサービスの充実及び家族支援についての御質問でございます。定期巡回・
随時対応型訪問介護看護等の
在宅介護サービスは住民に身近な市町村において行われており、県では、こうしたサービスを提供する事業所の開設経費を助成しております。また、家族への支援として、市町村が設置する
地域包括支援センターや、県が独自に設置する相談窓口において、介護サービスや日常生活など高齢者に関するさまざまな相談に対応しているところでございます。今後も、高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしが続けられるよう、市町村と連携を密にして、
在宅介護サービスの充実や、介護する家族への支援に引き続き取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の問題につきましては担当部局長からお答えいたします。
◯議長(小高伸太君)
総合企画部長遠山誠一君。
(
説明者遠山誠一君登壇)
◯説明者(遠山誠一君) 私からは鉄道の東京8号線の整備について県として主体的に取り組むべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
東京8号線の野田市への延伸は、地域の利便性向上に寄与するものと考えております。一方で、多額の事業費を要することや、東京都、埼玉県そして本県の1都2県にまたがる路線でございまして、自治体間の調整が必要となるなど多くの課題がございます。また、同じ東京8号線の延伸計画であります豊洲から住吉間の検討状況や、押上から四ツ木の区間を共用いたします東京11号線との関連性も高く、これらの動向にも注視していく必要があると考えております。このため、今後の調査の実施等につきましては、これらのプロジェクトに関係いたします国、そして東京都、沿線市、鉄道事業者などと協議をしてまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君)
保健医療担当部長岡田就将君。
(
説明者岡田就将君登壇)
◯説明者(岡田就将君) 私からは保健医療計画についての4問にお答えいたします。
まず、地域医療構想の実現に向けた調整会議に関する御質問です。今年度の
地域医療構想調整会議では、主に関係者間において、各病院の病床機能と疾病ごとの診療実績などの情報共有を図ったところです。さらに、
公的医療機関等については、救急医療、小児医療、周産期医療など政策的な医療を担うことから、将来担う役割について各医療機関から御
説明いただき意見交換を行っているところです。今後は、調整会議においてこれまで提供した情報などを前提に、地域において必要となる医療機能や連携体制について議論を深め、病床機能の分化及び連携を推進してまいります。
次に、必要病床と基準病床との関係性についての御質問でございます。基準病床数は、
保健医療計画策定ごとに各時点の人口等から算定した病床の整備目標数であり、必要病床数は、2025年時点で必要と想定される病床数でございます。なお、基準病床数の算定に当たりましては、当該医療圏において将来的に急激な人口の増加等が見込まれる場合に限り、基準病床数が既に配分されている病床数を下回る場合であっても、地域医療構想で定めた必要病床数との整合をとって算定することができるというふうにされております。県といたしましては、各医療圏において将来の人口等を考慮しながら、基準病床数の算定について検討してまいります。
次に、地域医療構想における大学病院などの全
県対応型病院等の役割についての御質問でございます。地域医療構想においては、国で集計した
診療報酬データ等に基づき、圏域ごとに他の圏域の患者の流出入を算出した上で、将来の必要病床数の算定を行っております。一方で、構想の実現に向けましては
公的医療機関等の役割の明確化を進めておりますが、特に大学病院などの全県対応型病院や、また専門病院が所在する圏域においては、これらの病院を受診される患者の住所地でございますとか診療内容等をよりきめ細かに把握して協議を行っていくことも必要だと考えております。今後とも、医療機関の御理解を得ながら、
地域医療構想調整会議等で有意義な検討がなされるよう適切に取り組んでまいります。
最後に、病床配分の方針を策定する際には、
地域医療構想調整会議の意見も考慮すべきと考えるが、どうかとの御質問でございます。本県では、これまで病床配分の方針を策定する際には、全県的な見地から
医療審議会病院部会での協議を踏まえて決定してきたところです。
地域医療構想調整会議は、各医療圏において関係者が将来の医療需要を見据えて各医療機関の役割などの課題を共有し対応を協議する場であると認識しております。県といたしましては、今後保健医療計画の改定に伴い、新たな病床整備が必要となった場合は、これまで各医療圏域で開催されました
地域医療構想調整会議での議論も踏まえて対応してまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 県土整備部長野田勝君。
(説明者野田 勝君登壇)
◯説明者(野田 勝君) 私からは
所有者不明土地と共有地についての1問、県立博物館における観光と地域振興についてのうち1問、計2問にお答えいたします。
初めに、
所有者不明土地と共有地についてでございます。
所有者不明土地と共有地による県事業への影響と抜本的な対策についての御質問でございますが、公共事業の用地取得に関しまして、不動産登記簿等の台帳により所有者が直ちに判明しない、または相続の発生により共有地の権利者が多数となるなどの理由により権利者の特定に時間を要するもの、権利者の中に所在不明者があり全員の同意を得ることが困難なものなどの事例が見られます。こうした案件につきましては、権利者調査の外部委託や法的課題に係る関係部局との協議等を行っておりますが、用地取得には多くの時間と労力を要しているところでございます。抜本的な対策には法改正など制度の見直しが必要となりますが、共有地を含めた
所有者不明土地問題につきまして、現在国において検討が進められているため、その結果を踏まえて対応してまいります。
次に、県立博物館における観光と地域振興についてでございます。
関宿城博物館に隣接した駐輪場についての御質問でございますが、
松戸野田関宿自転車道線は、松戸市小山から野田市関宿を結ぶ約41キロメートルの県が管理する自転車道で、利用者の利便性を考慮し、県立関宿城博物館に隣接した場所に道路施設として駐輪場を設置しております。近年、サイクリングを楽しむ方々が増加している傾向にあり、中でもスポーツ自転車の増加が著しいため、駐輪場の利用状況などを調査し、スポーツ自転車に対応したスタンドの設置について検討してまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 教育長内藤敏也君。
(説明者内藤敏也君登壇)
◯説明者(内藤敏也君) 私からは県立博物館における観光と地域振興のうち2問及び高等学校入学者選抜についての1問にお答えいたします。
まず、県立博物館における観光、地域振興に対する取り組みについての御質問ですが、県立博物館では、各館において地域振興を目的に地元自治体等が主催する各種行事に協力しており、大多喜お城まつりや房総のむらのふるさとまつりなどは恒例行事となっております。さらに近年は大型商業施設を会場に、県立博物館における企画展示の紹介や子供向けの体験プログラムの実施に取り組むなど、博物館の魅力を伝える活動も展開しております。また、関宿城博物館では、地元商工会と連携し、大勢の方でにぎわう関宿城さくらまつり等を毎年開催したり、県のぐるっと房総お得キャンペーンへの参加を初め、野田市ほかの3自治体が組み、地元の戦国大名簗田氏の魅力発信を進める川のまちネットワーク事業に協力するなど、観光、地域振興に取り組んでおります。
次に、関宿城博物館において
サイクルツーリズムと連携した取り組みができないかとの御質問でございます。関宿城博物館の周辺には多くの自転車愛好家の方々が訪れることから、同博物館では、入館者の増加につなげるため、愛好者の方々から意見や要望等を伺っており、これらを受けて休憩所での飲食物のメニューを充実するなど、サービスの改善に取り組んできたところです。今後は、自転車愛好家や関係団体に対する博物館事業の広報、展示の見どころを紹介するパネルの館外設置、周辺施設や関宿藩の史跡等のホームページへの掲載など、自転車愛好者の関心を高める取り組みを進めてまいります。
最後に、
県立高等学校入学者選抜の改善試案に関する御質問でございます。現行の入学者選抜制度につきましては、前期、後期の2回実施していることから、受検期間が長期化し、中学校、高等学校ともに授業時数の確保が難しくなっているなどの課題が指摘されています。このたびの改善試案では、生徒のすぐれた面を多元的に評価するこれまでの入学者選抜の理念を継承するとともに、選抜を1回にすることで授業時数の確保等を図ることとしています。また、インフルエンザ罹患による急な発熱等、やむを得ない理由により受検できなかった生徒に対し追検査を設けることや、十分な周知期間を確保するため、平成33年度入学者選抜から実施する方向で検討するなど、受検生への配慮がなされています。県教育委員会といたしましては、広く県民からの意見も伺いつつ、今年度中には入学者選抜のあり方に関する一定の方針を取りまとめてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 礒部裕和君。
◯礒部裕和君 知事を初め、御答弁をいただきましてありがとうございます。それでは、何点か再質問と要望をさせていただきたいと思います。
まず、高齢者福祉についてでございます。知事、御答弁ありがとうございます。
まず要望ですが、
特別養護老人ホームの整備に当たりましては、ニーズや地域の実情を勘案して整備を進めるとのことですが、建設に係るコスト、介護保険財政、介護人材の確保など課題の整理も必要だと考えます。県は、広域自治体として高齢者福祉、市町村が主体となってやるものではありますが、県は広域自治体として長期的視点に立った政策の立案、これをぜひ要望したいというふうに思います。
次に、2点再質問させていただきます。
次期高齢者保健福祉計画においては、県は市町村の意向を組み入れた形で施設サービス、在宅サービスの整備を進めていくと思いますが、全てのニーズを介護保険サービスで賄うというのは不可能だと思います。介護をしている家族に対する支援をさらに充実をさせていく必要があると考えます。
そこでお伺いしますが、家族介護に対する支援としてレスパイトも必要であると考えますが、状況はどのようになっていますか。
また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の
サービス提供事業者数は、昨年12月の数字ですが、15市で36事業者であり、まだまだきめ細やかなサービスを県民が受けることはできない状況です。御答弁では開設経費助成を行っていくとのことですが、さらにふやしていくための取り組みが必要だと思います。
そこで、この定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス提供事業者をふやすために必要な取り組みとその実施状況についてお伺いをいたします。
病院は、地域住民にとって安心・安全に直結する重要なものです。地域に、いざとなったときに診てもらうことのできる病院があるかないかは、住民が最も気にすることと言っても過言ではありません。千葉県は、長年の懸案だった医師不足は解消できていません。皆さんもよく御存じだとは思いますが、我が県の10万人当たりの医師数は、10万人に対し170.3人と全国平均の234.7人に比べ非常に低い数字であり、埼玉県、茨城県に次いでワースト3位であります。たしかに千葉県は全国6番目に人口の多い県ではありますし、広い面積を有し、都市部と郡部の生活環境は大きく違います。郡部には医師が来ないとよく聞きますが、果たしてそうでしょうか。さまざまな要因があると思いますが、10万人当たりの医師数の上位には、鳥取県や高知県などの県が上位にいます。こうした事態に対し、森田知事の政策の1つで、医師・看護師修学資金貸付制度が実施され、もう数年もすればその成果が出てくると思います。しかし、全国的に見ても、医師は増加傾向にあるものの、産科医、小児科医、外科医は減少しています。病院は、治療できなくなる診療科がふえれば必然的に患者数も減り、病院は赤字経営に近づいてきます。現在既に協議されていると思いますが、千葉県に求められているものは、全国的に減少している外科医、産科医をどのようにふやすのか。それも短期的なもの、長期的なものと考え、10年後、20年後も千葉のどの地域に住んでいながらも、万一のときには安心して治療できる医療確保の体制の構築が大事ではないのでしょうか。
慢性的な医師・看護師不足、高度医療のできる外科医の不足など、こうしたことを受け、9月議会の代表質問では、医師を含めた医療資源のバランスを考えた上での循環器病センターの質問だったと思います。しかし、循環器病センターのあり方は、議員、地域にも十分な説明もなく、病院局の指導のもと、余りにも早急に進められているような気がしてなりません。循環器病センターは、高度医療のできる病院というだけでなく、市原だけではなく、茂原市、君津市、長生郡市、大多喜町と周辺地域の地域病院としての役割も担ってきました。こうしたことからも、地元住民を初め多くの方から不満の声を聞くところであり、それは説明や議論がしっかりとなされていないからではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
循環器病センターが担っている専門医療、地域医療の現状はどうか。
2つ目としまして、循環器病センターが救急医療センター及び精神医療センターに合併する場合の根拠とメリット、デメリットはどうか。
3つ目、循環器病センターが担ってきた地域医療を今後どのように考えているのか。
次に、土地改良についてお伺いいたします。
土地改良への国の予算は、平成28年度補正も含め、平成29年度5,772億円で、平成24年の2,187億円から比べれば回復しているものの、平成20年度の6,677億円に対し900億円も差があり、土地改良施設の老朽化が著しい昨今、まだまだ厳しい現状にあります。また、本年9月に土地改良法の一部が改正されました。これは、農地の利用の集積を加速化するため、農地中間管理機構が借り入れた農地を対象とする土地改良事業を円滑に実施する必要があること等から、関係法令について所要の処置が講じられました。また、日本再興戦略において、農地中間管理機構活用し、平成35年度までに全農地の8割を担い手に集積することが目標と位置づけられており、千葉県では、公益社団法人千葉県園芸協会が平成26年4月1日付で県から指定を受け、国の平成25年度の48.7%に対し、千葉県は平成25年度で19.9%、平成28年度末では21.3%であり、平成35年度には千葉県内でも5割の集積が目標であり、さらなる加速が期待されるところです。
また、今後、高齢農家のリタイアに伴い、機構への貸し出し希望者は増加する見込みで、基盤整備に当たっては所有者に負担を求める状況にありますが、農業からリタイアする所有者は基盤整備への関心、意欲が薄いため、将来的に基盤整備が滞るおそれがある中、農地所有者と担い手の受け皿となる農地中間管理機構の役割は大きなものであります。
この農地中間管理機構関連農地整備事業の最大のメリットは、同機構が借り入れた農地については、農業者からの申請によらず都道府県営事業として農業者の費用負担や同意を求めずに基盤整備を実施できるということです。
今までの話の経緯を踏まえましてお伺いいたします。
1つ、土地改良において、施設の老朽化、維持管理には多額の資金が必要です。そこで、現在も行っていると思いますが、県としても土地改良区と一緒になり、予算獲得に向け国へ働きかけるのか。
2つ目としまして、農地中間管理機構関連農地整備事業は、農業者からの申請によらず、県営事業として農業者への負担を求めないことから、各地域より事業推進の増加が見込めると思うが、県はどのように推進していくのか。
3つ目としまして、事業採択に至るまでの経費はどのように考えるのか。また、制度改正による新事業に対し予算措置はどのように考えるのか。
また、現在多くの地域で多面的機能支払交付金を多くの土地改良で行っております。千葉県でも、平成19年には246の組織が行っており、平成28年度には463の組織とふえています。関東全体で3,374カ所に対して、東北は5,856カ所と大きく差がありますが、関東はこの数年の伸び率が高くあり、千葉県もこの取り組みをふやそうとしていることは耳にします。しかし、多面的機能交付金の予算額はさほど変わっておりません。
そこでお伺いいたしますが、多面的機能支払交付金の国の予算が変わらない中で、千葉県でも取り組む組織をふやすにはどのように対応していくのか。
また、先日、同期の視察で秋田県へ行ってまいりました。そこでは、国や県の補助を受け、複数の土地改良区で小水力発電が行われているとお伺いしました。秋田のように、雪解け水等で水量の豊富な県だと思いますが、我が県でも戸面原ダムにて小水力発電の実証実験が行われており、土地改良区ではありませんが、大多喜町でも小水力発電が行われております。この小水力発電の魅力は、発電量こそ多くはありませんが、投資額が少なく済むということです。多くの土地改良区では、担い手の減少から運営の厳しさがありますが、少しでも農家の負担を減らす意味でも、この小水力発電は運営の一助となるのではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。県として、土地改良区へ小水力発電の促進はしないのか。
次に、地籍調査についてお伺いいたします。
測量は、大化の改新で行われた班田収授法や、豊臣政権下で行われた太閤検地から始まり、我が県の偉人でもある伊能忠敬など、いにしえより行われてきました。第二次世界大戦により疲弊した日本を再建するためには、国土資源の高度利用が不可欠でした。しかし、その前提となる国土に関する基礎資料が整備されていなかったことから、まず、国土の実態を正確に把握することが強く求められました。このような背景のもとで、昭和26年に制定された国土調査法に基づいて地籍調査が行われており、現在は平成22年5月に閣議決定された第6次国土調査事業十箇年計画に基づき調査が推進されています。
各個人には固有の戸籍という情報があり、さまざまな行政場面で活用されているのと同様に、土地についても地籍の情報が行政のさまざまな場面で活用されています。我が国では、土地の位置や形状等を示す情報として、土地に関する記録は登記所において管理されていますが、そこに備えつけられている地図や図面は、その半分ほどが明治時代の地租改正時につくられた地図、公図などをもとにしたものです。そのため、地図や図面で示される境界や形状などは現実と異なっている場合が多くあります。また、登記簿に記載された土地の面積も正確ではない場合があるのが実態です。既に半世紀以上が経過しているものの、地籍調査は思うように進んでいないのが現状です。
地籍調査が行われた地域では、境界や面積など土地の表示に関する登記の情報が正確なものに改められます。その情報をもとに、土地の境界を現地に復元することが可能となります。この結果、土地境界をめぐる紛争を未然に防止できるばかりではなく、これに伴って、土地取引の円滑化や土地資産の保全を図ることができます。
地籍調査が注目されたのが、阪神・淡路大震災や東日本大震災がきっかけでした。災害が発生した場合、道路の復旧、上下水道等のライフライン施設の復旧、住宅の再建等が急務となりますが、地籍調査を実施していない地域では、災害復旧に当たり、まず土地の境界の確認から始める必要があります。災害によって土地の境界を示すくいがなくなったり、移動してしまったりした場合には、立ち会い等により土地所有者等の確認を得るなど、災害復旧に着手する前に多くの時間と手間が必要となることから、被災地の復旧・復興がおくれる要因ともなります。地籍調査を完了していた地域では、データもあり、境界もしっかりしていたため、調査をしていない地域に比べ官民問わず復旧がかなり早くできました。また、調査が行われていると、新たな都市計画や公共事業を行うときには、境界査定の必要性がなく、スムーズに用地買収等の作業に移れます。また、調査の費用の2分の1を国が補助してくれる上、県や市町村が負担する費用の多くが特別交付税として交付されることから、市町村の実質的負担割合は費用の5%であり、このメリットに多くの自治体が進めてきましたが、千葉県内の進捗率は28年度末には約15%と全国平均の約52%と比べてもまだまだおくれている現状です。
その中でも、いち早く始めたのが神崎、多古、一宮町で、緊急地域調査を完了しており、現在県内で23の自治体が調査中となっております。現在、国の地籍調査事業の都道府県向けの予算は年間約130億円ですが、このペースでいくと、完了までに約200年以上もかかると言われております。そして、さきの災害からも、多くの自治体より地籍調査に乗り出し、希望額がもらえない事態が予想されております。地籍調査は市民の負担がなく行われる事業というだけでなく、行政にとっても多くのメリットのある事業だと思います。
そこでお伺いいたします。
1つ、県として地籍調査を促進させることをどのように考えているのか。
2つ目としまして、市町村へは促進へ向けどのような働きかけを行っているのか。
以上、登壇での質問とさせていただきます。よろしくお願いします。(拍手)
◯議長(小高伸太君) 伊豆倉雄太君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 自民党の伊豆倉雄太議員の御質問にお答えいたします。
地籍調査についてお答えいたします。
地籍調査の促進についての御質問でございますが、地籍調査は、土地の境界を明確にすることにより、公共事業の円滑化や災害復旧の迅速化などに役立つ大変重要なものであることから、県といたしましても積極的に進めていく必要があると考えているところでございます。このため、県といたしましては必要な予算の確保など、今後も引き続き事業の推進に努めてまいります。
市町村への促進へ向けた働きかけについての御質問でございますが、地籍調査促進のためには、事業実施主体となる市町村に対する働きかけが重要であると認識しております。このため、県では市町村が事業を円滑に推進できるよう、各種講習会を開催するとともに、未着手市町へは直接訪問の上、事業の着手を促しているところでございます。今後も引き続き地籍調査の重要性や財政支援制度などのメリットについて未着手市町に説明を行い、地籍調査促進に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の問題につきましては担当部局長からお答えいたします。
◯議長(小高伸太君) 商工労働部長吉田和彦君。
(説明者吉田和彦君登壇)
◯説明者(吉田和彦君) 私からは働き方についての4問にお答えいたします。
まず、男性が育児参加しやすい勤務制度を導入している企業についての御質問でございます。男女がともに育児に携わるために有効な勤務制度としては、短時間勤務やフレックスタイム、始業・終業時間の繰り上げ、繰り下げなど、柔軟な勤務を可能とする制度が考えられます。県が平成27年度に実施しましたワーク・ライフ・バランス取組状況調査によりますと、それぞれの制度の整備率は、短時間勤務が62.8%、フレックスタイムが25.6%、始業・終業時間の繰り上げ、繰り下げが49.9%となっております。また、制度が整備されている企業において実際に利用された割合は、それぞれ6割程度となっております。
次に、男性が育児参加しやすい職場環境づくりに向けた企業への働きかけについての御質問でございます。性別にかかわらず、誰もが働きやすい職場環境の実現に向けては、それぞれの企業において、業種や従業員構成などの実情に応じて取り組むことが必要だと考えております。そのため、県では、ワーク・ライフ・バランスセミナーの開催などにより企業の意識の醸成を図るとともに、育児との両立支援などに取り組む企業にチーバくんロゴマークの使用などの特典を付与する社員いきいき!元気な会社宣言企業等の取り組みを行ってきたところでございます。また、今年度からは個々の企業の課題に対応し、国の助成金の活用や勤務制度に関する助言などを行う働き方改革アドバイザーの派遣を行います。今後とも、国や関係機関と連携しながら、企業への働きかけを進め、仕事と育児との両立ができる職場環境づくりに努めてまいります。
次に、地域の活性化を図るため、地元企業への就職者をどのようにふやしていくのかとの御質問でございます。人口減少社会を迎える中、地元企業への就職者をふやすためには、求人情報や採用に積極的な地域企業の情報を収集し、それらを確実に求職者につなげていくことが重要と考えております。そのため、県では市町村と連携した交流会等を通じまして、求職者の企業理解を促進するとともに、地域しごと支援センターちばに相談窓口を設け、地域企業や暮らし情報を提供する専用サイトの開設や、セミナーの開催などにより千葉で働く魅力を発信しております。今後とも地域のハローワーク、市町村等と緊密に連携しながら、より多くの方が地元企業に就職できるよう取り組んでまいります。
最後に、テレワークの推進についての御質問でございます。時間や空間の制約にとらわれず働くことのできるテレワークは、育児や介護と仕事との両立に有効であることや、通勤時間の短縮などの長所がございますが、企業における導入は進んでいないのが現状でございます。普及に当たっての課題としましては、労働時間管理が難しいことなどが挙げられており、国においてはテレワークの適切な導入実施のためのガイドラインを策定することとしております。県としては、テレワークは育児や介護に伴う離職防止や、雇用の場の確保を通じた地域経済の活性化にもつながるものと考えており、国の動向を注視しながら、普及に向けた取り組みを検討してまいります。
私から以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 農林水産部長伊東健司君。
(説明者伊東健司君登壇)
◯説明者(伊東健司君) 土地改良関連5問にお答えいたします。
まず、農業基盤整備事業の予算獲得についての御質問でございます。県では、農業の競争力強化を図るため、国庫補助事業を活用して生産性を向上し、担い手への農地集積を促進する圃場整備や農業水利施設の老朽化対策、さらには農村地域の防災・減災対策に取り組んでいるところでございます。近年、国の農業基盤整備事業に係る予算は増加傾向にありますが、いまだ計画的な事業実施に必要な予算が十分に配分される状況にはなっておりません。県としましては、事業の早期完成を目指し、土地改良区や千葉県土地改良事業団体連合会と連携して、あらゆる機会を捉え、引き続き予算確保に向けて国へ働きかけてまいります。
次に、農地中間管理機構関連農地整備事業について、県はどのように推進していくのかとの御質問でございます。平成30年度から始まる本事業は、事業対象地区内全ての農地を農地中間管理機構へ貸しつけることや、農地の8割以上を担い手へ集積することなど採択要件は厳しくなっていますが、農家の事業費負担がなく、関心は高くなっております。県としては、担い手の農地集積を加速させ、農業の競争力強化につながる有効な事業と考えていますので、引き続き事業制度の周知を図るとともに、要望の把握に努め、地域の話し合いによる営農ビジョンの策定支援など、関係市町村や関係機関と連携し、事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。
次に、機構関連事業について、事業採択までの経費や予算措置はどうかとの御質問でございますが、機構関連事業においても、他の土地改良事業と同様に、農家の意向調査や合意形成を踏まえた事業計画の策定など、農家の発意から事業採択まで段階的に検討を進める必要があります。これらの経費については、その検討内容に応じて県、市町村、地元で負担しているところですが、引き続き計画策定に係る国庫補助事業の活用により、地元負担の軽減を図ってまいります。また、機構関連事業の予算措置については、事業採択希望地区の検討状況を踏まえ、早期に着手できるよう予算の確保に努めてまいります。
次に、多面的機能支払交付金の国の予算が変わらない中、取り組む組織をふやすため県はどのように対応していくのかとの御質問でございます。本交付金事業は、農村集落が行う用排水路や農道などを保全する基礎的活動や、農村環境等の地域資源向上を図る活動を支援するものであり、農地の荒廃防止も期待できるなど、大変重要な取り組みであると認識しております。本年度は、昨年度の463組織を上回る496組織が活動に取り組んでおり、交付金もほぼ要望どおりとなっております。国の平成30年度概算要求額は495億円と本年度より若干増加していますが、今後、限られた予算の中で農村における集落機能を高めるためには、活動組織をふやすとともに、基礎的活動に対し重点的に支援していくことが大切であると考えております。本交付金については地域の期待も大きいことから、安心して活動に取り組めるよう、今後とも予算確保について国へ要望してまいります。
最後に、小水力発電についての御質問でございます。農業用水を活用する小水力発電は、土地改良施設の操作に必要な電力の供給や、余剰電力の売電により施設の維持管理費の軽減に資するものと認識しています。本県では、これまで施設導入の可能性について検討してまいりましたが、年間を通じて利用できる水量が乏しいことや、地形が平たんで落差が小さいことから、現時点では採算性の確保は難しく、導入に適した場所が見当たらない状況です。今後とも市町村、土地改良区等と連携し、他県の導入事例や新技術の動向等の把握に努め、導入の可能性を検討してまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 病院局長矢島鉄也君。
(説明者矢島鉄也君登壇)
◯説明者(矢島鉄也君) 私からは循環器病センターの3問についてお答えさせていただきます。
循環器病センターが担っている専門医療、地域医療の現状はどうかとの御質問ですが、循環器病センターは、県全域を対象としてガンマナイフ治療などの高度な医療を提供するとともに、主に市原及び山武長生夷隅医療圏を対象とした脳卒中、心筋梗塞など循環器疾患に対する医療や、近隣地域における一般的な医療を提供しております。循環器病センターは、その立地や周辺の医療機関の状況から、延べ入院患者数は平成16年度の6万5,492人を、延べ外来患者数は平成13年度の15万2,329人をピークとして、昨年度においては入院が5万5,652人で、ピークと比較して約15%、外来が8万3,326人で同じく約45%減少しているところでございます。
次に、循環器病センターが救急医療センター及び精神科医療センターと合併する場合の根拠と、メリット、デメリットはどうかとの御質問ですが、本年6月に策定した千葉県立病院新改革プランにおいて、循環器病センターについては立地上の課題もあり、将来的な専門医療と地域医療のそれぞれのあり方について、全県的な視点と当該地域の状況を踏まえて検討することとしております。今後、お尋ねの点も含め、県民に対し効率的、効果的な医療が提供できるよう、地元自治体や医療関係者などの意見を丁寧に聞きながら、さまざまな角度から検討してまいります。
最後に、循環器病センターが担っていた地域医療を今後どのように考えているのかとの御質問ですが、循環器病センターの担っている地域医療については、当該地域の状況などを踏まえて、地元自治体や医療関係者などの意見を丁寧に聞きながら、さまざまな角度から検討してまいります。
私からは以上です。
◯議長(小高伸太君) 教育長内藤敏也君。
(説明者内藤敏也君登壇)
◯説明者(内藤敏也君) 私からは魅力ある県立学校づくりについての2問にお答えいたします。
まず、第4次実施プログラム案の魅力ある県立学校づくりとは具体的にどういうものかとの御質問ですが、県教育委員会では、ものづくりや福祉に携わる人材の確保、育成等の課題に対応するため、県立学校改革推進プランの一部改定及び改定する内容も含めたプランを具体的に進めるための第4次実施プログラム案を公表し、魅力ある県立学校づくりを推進することとしました。具体的には、第1学区に福祉コース、第9学区にものづくりコース、工業基礎コースを設置するほか、地域のニーズの高い医療コース、保育基礎コースを設置することとしております。また、定時制の充実として、3部制定時制高校の設置や総合学科への改編などを、適正規模、適正配置の観点から君津高校と上総高校の統合を行うこととしております。
次に、姉崎高校のものづくりコースとはどのような内容なのかとの御質問ですが、姉崎高校のものづくりコースは、将来ものづくり企業への就職を目指すための知識や技術、実践力及び創造力を備えた人材を育成することを目的としています。そのため、実習を重視することとしており、コース選択者は工業に関する科目の学習のほか、事故防止のための安全教育も含めた基礎的な実習を行います。さらに、連携企業に出向いて行う具体的な業務内容の学びを通して、ものづくりを担う人材としての素養を高め、そのスキルを身につけることとしています。実施プログラムが決定した後には、校内に準備委員会を設置し、教育課程等の検討を行うとともに、市原市等と連携して実習先の確保など具体的な準備を進めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 伊豆倉雄太君。
◯伊豆倉雄太君 知事を初め執行部の皆さん、御答弁ありがとうございました。それでは、要望と再質をさせていただきます。
まず、働き方についてですが、実情に合った職場環境づくりを引き続き行っていただければと思います。また、郡部の雇用というのは非常に死活問題となりますので、それを推進していただくとともに、テレワークは国の指針を受けてとありますが、ぜひこれは非常に可能性があると思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、魅力ある県立学校づくりなんですが、人口の推移は人の取り合いになっていると思います。地元で育ち、地元で働きたいという子供たちが、地域の特性を生かして高校生のうちから自分の将来設計を立てられ、働くそのスキルを身につける、そんな魅力ある県立学校づくりを推進していただきまして、統廃合がこれ以上進まないように、もっともっと県立学校の魅力を高めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
医療問題についてですが、先ほどからいろんな議員のほうからも御意見があったと思います。やはりそれだけ議員に対しても地域に対しても説明が不十分であるというのが実感であります。
再質問なんですが、帝京大学ちば総合医療センターの3次救急ができたことは、非常に地域住民にとってもありがたいことですが、しかし、今までの循環器病センターが担ってきた地域医療を帝京病院で補えるのか、お伺いいたします。
そして土地改良ですが、予算が今少ない中で皆さん苦労してやられております。農地中間管理機構への必要性が迫られる中で、非常に要望も高まると思いますので、予算の確保からよろしくお願いします。また、農家負担を減らすようになるべく考えていただきたいと思いますので、お願いします。
地籍調査に至っては、やはりメリットが非常に多くあると思います。第三者委員会みたいなものをつくって、職員が立ち会わなくてもできるようなものというのができると思いますので、ぜひ地籍調査の推進をお願いいたします。
以上を2質とさせていただきます。よろしくお願いします。
◯議長(小高伸太君) 病院局長矢島鉄也君。
◯説明者(矢島鉄也君) 今まで循環器病センターが担ってきた地域医療を帝京病院で補えるのかとの御質問でございますが、循環器病センターは、主に市原医療圏、山武長生夷隅医療圏からの患者を診療の対象としておりますが、帝京大学ちば総合医療センターなど、近隣の医療機関が救命救急センターに指定されるなど、地域を取り巻く医療環境の変化が生じているところでございます。これらの状況も踏まえ、地元自治体や医療関係者などの意見を丁寧に伺いながら検討を行ってまいります。
私からは以上です。
◯議長(小高伸太君) 伊豆倉雄太君。
◯伊豆倉雄太君 御答弁ありがとうございます。ぜひ、丁寧にお願いします。というか、外来が減っている、それはやはり内科医がいなくなったりとか、医師が減れば、それはやはり減るのは当然だと思います。また、循環器病センターが担ってきた地域医療の影響というのは大きいと思います。市原市だけでなく、周辺地域にとっても非常に重要な病院となっておりますし、1分1秒を争うような患者に対し、地域にこうした病院があることは安心に直結します。先ほど局長も丁寧な説明というふうにありましたので、本当に皆さんが納得してくれるような説明、またしっかりと検討をしていただきたいと思います。統廃合ありきじゃなくて、またいろいろと皆さんの話を聞きながら、千葉県の医療の全体的な医師不足に対応する医療資源の確保というのが大事だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
◯議長(小高伸太君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。
12月11日は定刻より会議を開きます。
これにて散会いたします。