千葉県議会 2016-09-03
平成28年9月定例会(第3日目) 本文
本日は大変お忙しい中を、地元の八千代市から
正田富美恵市議会副議長を初め、大変お世話になっておる支援者の皆様にお越しいただくことができました。大変にありがとうございます。
今回、質問項目が多いですので、一言何か言おうと思いましたが、早速代表質問のほうに入らせていただきたいと思います。
まずは、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
現行の総合計画を見ますと、県政の主要課題として、人口減少・少子高齢化、大規模災害等を見据えた防災・危機管理、経済・社会のグローバル化、安全・安心・治安、環境保全・持続可能性、地方自治、ICTの進展、
広域道路ネットワークの形成や2020年
東京オリンピック・
パラリンピック開催を踏まえた地域振興の8つが掲げられております。これまで森田知事のもと、日々各所属、職員の方々が一生懸命に取り組んでいることは、もちろん承知しております。しかしながら、これら横断的な課題に加え、変化が激しい時代にあって、新たな課題や制度の谷間になっている課題に十分的確に対応できていない面もあるのではないでしょうか。今回は、主にこうした課題を取り上げながら質問をさせていただきたいと思っております。
住民により近い地方自治体は、国よりも政策としての総合性が求められていると思います。本県が抱える主要課題も、縦割り型の従来の発想だけでは対応し切れなくなっていることは、何度も指摘されているところでございます。これまで職員の方々と話をさせていただくと、皆さん課題の重要性やあるべき姿に気づいていながらも、行政という組織の専門性と、広い視野を持って取り組むべき総合性のはざまに悩んでおられる印象があります。県では、これまでも数々の
プロジェクトチームを立ち上げ、横断的な課題に対応してきており、一定の成果が出ていることは大変すばらしいことだと思います。しかしながら、防災対策、
国土強靱化計画、公共施設の総合管理計画、
地球温暖化対策、働き方改革などは、全庁的に意識を持って取り組まなければならないもので、器としての組織、機能の再編だけに着目しても、なかなか解決しないのではないでしょうか。また、今回取り上げる食品ロスや
フードバンクなど制度のはざまになっている課題や、さらにはオリンピックの
文化プログラムなど、新しい動きも出始めております。日々刻々と変化する時代潮流や課題に上手に対応していきながら、知事が目指している「
くらし満足度日本一」を実現していく必要があります。
そこで伺います。防災対策、
地球温暖化対策、働き方改革、オリンピックの
文化プログラムなど、横断的に取り組まなければならない課題が山積しているが、知事としてどう対応していくのか。
防災対策関連で5問お伺いいたします。
初めに、罹災証明書の発行についてです。大規模災害が発生するたびに課題となるのは、被災市町村による初期対応のおくれです。中でも罹災証明書の発行については大きな課題となっています。罹災証明書は、
各種被災者支援措置を適用する際の判断材料となるため、被災者が迅速に発行を受けられるようにするべきであるとされています。証明書の発行には、市町村の職員が現地に赴き、全壊、半壊などの判定をしますが、これが大規模災害時になったときには申請件数が多くなり、市町村の人手不足で罹災証明書の発行がおくれるといったことが被災者の生活再建の足かせになります。また、
被害認定調査に精通した職員の不足も課題です。
こうした事態に陥らぬよう、内閣府では平時からの都道府県の役割を示しています。1つに、
被害認定調査担当者のための研修機会の拡充等による調査の迅速化、2つ目に、
被害認定調査や
罹災証明書交付の体制、資機材が被災市町村のみでは不足する場合への支援、3つ目、複数市町村の間における調査・判定方法の調整、この3つが挙げられ、都道府県として、これらの支援を円滑に行うための体制構築や災害対応能力の向上について、平時から取り組んでおくことが重要であると言われております。
そこでお伺いをいたします。市町村の
罹災証明書発行業務がスムーズに行われるよう、県としてどのように支援をしていくのか。
続きましては、避難所の安全性について伺います。この夏、温暖化の影響から、相次ぎ台風や豪雨災害が全国を襲いました。いざというときの地域の避難所のあり方が問われなければなりません。
災害対策基本法の改正で新たに指定避難所に関しての規定が設けられました。災害時における避難所の役割は、安全性を重視して指定されていることは言うまでもありません。千葉県内の指定避難所は、現在約900カ所と聞いています。指定避難所は市町村が指定するわけですが、いまだ正式に指定、公表されていない県内の市町村もあるようです。避難所に指定されている施設は、身近な地域の公立小中学校が主ですが、地元の高等学校も指定されております。また、地域によっては、福祉施設やホテル等の民間施設も指定しているようです。言うまでもなく、公立小中学校については、子供たちが日常生活をする空間であり、安全性を確保する意味から、耐震化、さらには今問題となっている非構造部材のつり天井等の耐震化も進められております。高等学校については、今回の補正予算にあるように随時進められているところです。
心配なのは、民間避難所の安全性についてどこまで確認されているかという点です。県下市町村においても、明確に指定し公表していかなくてはなりません。いま一度、指定避難所の安全性と良好な生活環境の確保についての確認が必要であり、指定避難所の安全性の総点検をするべきと考えます。
そこでお伺いいたしますが、県内の指定避難所の安全性について、県はどのように考えているのでしょうか。
続いて、避難所の運営について伺います。災害時の避難所において、いつ、どのような苦痛や困難が生じるのか。それは、災害の種類や発災場所、発生時間やそのスケールでの違いがありますが、避難所で起こり得る課題は、これまでの災害の教訓で明らかになってきております。万一、行政が避難所の混乱を収拾できずに、被災者の犠牲、例えば関連死などを招いた場合、責任が問われます。そうでなくとも、今や避難所に避難した被災者が行政側に求める
避難所運営レベルは確実に高まってきております。しかし、現実はどうか。熊本地震でもそうであったとおり、各自治体で全てを把握している人材はおりません。ゆえに、行政職員、公的機関の専門員が中心となり、被災地支援を経験してきた職員、災害時の対応がわかる防災士、NPO、
災害ボランティアなどを参謀として、活用、連携を図ることが必要となります。
ことしの4月17日、内閣府の
避難所運営ガイドラインが示されました。ここで議長のお許しを得て、お手元に資料を配布しております。こちらをごらんください。こちらは、ガイドラインの中に示された
避難所運営業務のための連携協力体制です。横軸にそれぞれの担当者、縦軸にそれぞれの行うべき項目が、この一覧表で全て明らかにされるようになりました。当然、避難所運営は市町村だけの課題ではありません。運営本部における都道府県の役割も明記されています。また、今回これが特徴なんですが、
避難所運営ガイドラインで明記された任務について、防災士やNPOやボランティアなどのそれぞれの役割、体制が具体的に示されております。今まで防災士などがお手伝いしますよと言っても、防災担当者はその有効活用の方法がわかりませんでした。これにより、平時からの協力体制の構築が可能となります。
そこでお伺いいたします。避難所運営における
ボランティア等の関係者の役割分担を明らかにしておく必要があると思うが、どうか。
政府が支援物資を自治体の要請を待たずに送るプッシュ型の支援を初めて熊本地震で本格展開し、現在その検証がなされております。水や食料などの物資が十分に確保できたとされておりますが、その一方で、現場では物流拠点で滞留し、避難所まで行き渡らないという課題が浮き彫りになっています。今後、地方自治体では、この支援物資の供給、要請に対し、プル型にするのか、プッシュ型にするのか、明確な判断基準を持って決定する必要があるのではないでしょうか。そして特に、発災直後に支援物資の供給に従事できる人数には限りがあるため、最小限で実施できる体制の構築とともに、民間の運送会社の活用などが必要と考えます。また、広域での災害時には、異なる自治体の職員同士の相互支援がスムーズにできるようにも備えていくべきでしょう。こういったマニュアルと、それを管理運用できる
システムづくり、そして実践的な訓練を行うことが大事だと思われます。
そこで伺います。熊本地震でも課題となった避難所への支援物資の輸送について、県はどのように対応していくのか。
今や子供の数よりペットの方が多いと言われています。今後、ペット問題の深刻化が予想されます。首都直下地震に備えたペット対策は重要です。かつては避難所に犬を連れては行けないということで、鎖を外して放置してきました。しかし、その後野犬化し、繁殖し、大変危険な事態になりました。そのため、被災時にはペットを同行することが求められるようになりました。千葉県の動物愛護条例には、災害時にはその動物とともに避難することと明記されております。具体的に、熊本地震の際に、益城町ではペットと同行避難しろと言われて避難所に連れてきたのに、同伴できないのはおかしいと問題になりました。ペットと同行避難をしていただくが、避難所では同伴はできない、この問題を解決することは非常に困難であるがゆえに、可能な限り事前周知が必要ではないでしょうか。また、地域の実情に合わせたペット対策の推進も必要と考えます。
そこで伺います。ペットの避難について、動物愛護の観点から、同行避難と、避難所でペットと同居ができる、いわゆる同伴避難の違いについて周知するなど、避難所におけるペット対策を推進するべきと考えるが、どうか。
次に、台風など大雨による流域下水道の不明水対策について2問お伺いいたします。
台風やゲリラ豪雨による大雨で、住宅浸水や道路冠水などの被害が頻繁に発生するようになりました。これまで
江戸川左岸流域下水道においては、本来雨水管を流れるべき雨水が汚水管に流れ込み、いわゆる不明水と言われるものですが、それによってトイレが使用できなくなるという、県民にとって大変不便な事態が生じています。長時間にわたりトイレが使用できない生活というのは、耐えがたいものであります。広範囲に及ぶ配管等が対象となるこの対策を実施するには、大変大きな費用もかかり、時間を要する作業となりますが、効果的で効率的な対策を着実に進めていく必要があります。
そこで、これまでも本議会において幾度か不明水対策の強化と実施を訴えてきました。県からは、市川ポンプ場の機能確保のための一部改良工事の実施や、流量計を設置し不明水の多い区域を特定するなど、県と流域関連市が連携して対策を進めていくとの答弁がありました。
そこで伺います。
江戸川左岸流域下水道の不明水に係る流入量の調査はどのような結果であったのか。また、調査結果をもとにどのような対応策をとるのか。
平成25年10月に発生した台風26号で、八千代市の平戸地区において、
印旛沼流域下水道幹線の
汚水マンホールから、大量に流入した不明水を含む汚水があふれ出し、道路の舗装面が破損されたことで、周囲の水田や用排水路に流れ込み、周辺の農家への被害と車の通行に支障を来すなどの被害に見舞われました。原状回復には即対応していただけたことに大変に感謝を申し上げます。その後、県は関連市町に対し、公共下水道の汚水管への雨水の浸入防止対策の徹底を要請するなどの対策を進めているとのことですが、管路の構造などの抜本的な対策を求める声が挙がっております。
そこで質問いたしますが、
印旛沼流域下水道の不明水対策はどのようになっているのか。
次に、食品ロスの取り組みについて伺います。
今、世界中では、飢餓に苦しむ人が10億人以上とも言われ、地球の温暖化が進んだ場合、食料の生産に悪影響を及ぼすことから、さらなる飢餓の拡大が懸念されています。一方で、日本を含む先進国では、売れ残りや食べ残しなど多量の食品が廃棄されており、食品ロスの削減が注目されています。国連では、2030年までに1人当たりの食品廃棄を半減する目標が採択されています。我が国でも一層の努力が求められ、農水省では2014年度から
食品ロス削減国民運動を本格展開し、事業者への商習慣、消費者への食習慣などの見直しに向けた取り組みをさまざま行っております。食品ロス削減への取り組みは、行政においては廃棄物焼却時に発生する二酸化炭素の削減で環境負荷の軽減につながります。事業者には、過剰生産の抑制による生産や物流コストの削減、また、余剰食品を処分するときに生じる廃棄等のコストの削減に、また、消費者には食費の軽減につながるなどの多くのメリットがございます。また、未利用食品の有効活用は、生活困窮者等への支援にもつながります。
この3月に改訂された
県廃棄物処理計画では、2013年度に県内全市町村がごみ処理に要した費用が約817億円で、県民1人当たり年間約1万3,000円に相当しますと書かれておりました。また、家庭ごみを含む一般廃棄物の焼却灰などを受け入れる公設の最終処分場は、残り8年余りで満杯になるとされており、削減への周知と取り組みを強化していかなければなりません。本県では、家庭や飲食店などから発生する食品ロスを減らす、ちば食べきりエコスタイルに5年ほど前から取り組まれておりますが、余り浸透していないのではないかという感じがいたしますが、どのように取り組んできたのでしょうか。また、全県的な取り組みをするようさらに強化をするべきではないでしょうか。
そこでお伺いします。
1つ目、ちば食べきりエコスタイルのこれまでの取り組み状況はどうか。
2つ目、食品廃棄物の発生抑制の観点からも、食品ロスの削減に向けたさらなる取り組みが必要と思うがどうか。
次に、
フードバンクの支援についてお伺いをいたします。
日本は食料自給率が40%で、その大半を海外からの輸入に頼っているにもかかわらず、食べずに捨てられる食品が大量発生をしております。25年度の農水省の統計によりますと、年間の食品廃棄物2,797万トンのうち、実に約23%に当たる632万トンが売れ残りなど食べられるにもかかわらず捨てられてしまう、いわゆる食品ロスとして廃棄されております。この食品ロスの量は、飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量約320万トンの2倍に相当します。
さて、この食品ロスの削減で環境に貢献すると同時に、生活に困窮している人を支援する、まさに一石二鳥の
フードバンクの需要が高まっております。
フードバンクとは、パッケージ不良や形状が規格外であるとかの理由で、品質には問題がないのに売り物にならなかった食品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体、活動のことであり、2000年に日本で初めて団体が設立され、現在では全国で40団体が活動をしております。貧困の子供や低所得の高齢者などが大きな話題となる中で、一時生活支援としてこの
フードバンクから食料の提供がされていて、福祉制度のすき間を補ってくれる貴重な存在であります。しかしながら、
フードバンクはボランティアによる活動が主であることから、活動資金や人手不足、食品を管理する倉庫や運搬車の確保などの課題があると言われ、行政との連携が求められております。ほかの自治体では、実態調査や
フードバンク活動をモデル的に実施するなどの支援の動きが始まっておりますので、本県としても支援への取り組みを行うべきだと考えます。
そこでお伺いをいたします。
フードバンクの県内の実態や他県の状況を把握していくべきではないか。
県での
フードバンクの支援の方法として、
災害用備蓄食料を活用して寄贈するのはいかがでしょうか。少し前の数字ですが、平成26年4月1日現在で県の
災害用備蓄食料としては、アルファ化米が2万2,000食、クラッカーが34万5,000食となっておりました。結構なボリュームです。その後、さらにふえているのではないでしょうか。備蓄食料には賞味期限があり、更新をしていかなければなりません。その有効活用として、困っている方へ届けてほしいのです。
災害用備蓄食料については、現状とその処理は県としてどのように行っているのでしょうか。
そこでお伺いしますが、県が災害時に備えて備蓄している食料について、備蓄の状況はどうか。また、賞味期限を迎える備蓄食料の更新方法、処分方法についてはどうか。
次に、農業政策関連を3問質問いたします。
初めに、飼料用米への転換支援についてです。
人口減やライフスタイルの変化などで、米の需要は毎年8万トンずつ減少傾向となっていることが要因となって、主食用米は過剰生産が続き、米価は低迷しております。60キロ当たりの県産コシヒカリの生産者概算金では、25年度で1万1,700円、26年度では9,700円、27年度では1万300円程度、今年度は1万1,000円から1万2,000円の見込みと、若干の持ち直しにはなっているものの、依然低い状態です。本県でも主食用米は過剰生産となっており、その過剰作付面積は、昨年度には9,100ヘクタールで全国第1位。そのため、需要に応じた生産を進めるとともに、水田のフル活用を図るため、主食用米から需要のある飼料用米への転換に本県としても力を入れております。
地元で飼料用米を生産している農家の方にお話を聞きました。飼料用米は収穫時期が遅く、水を長期に使い、さらには茎やもみ殼がかたいので、刈り取り用のコンバインに負荷がかかる。コンバインの寿命が短くなることを恐れて、飼料用米への転換に躊躇している人が多いのではないか。その部分での負担が取り除かれれば、飼料用米への転作が進むんじゃないだろうかと、農業機材への支援を望まれていました。また、多収性専用品種を作付すると、主食用品種に混入するおそれがあるなどの不安の声が挙がっていて、きちんとした情報が余り現場に知らされていない、情報提供を強化した方がいいとのアドバイスをいただきました。特に、古くからやっている年齢層の高い農家の人ほど情報に乏しい傾向があるようでございます。
そこでお伺いいたしますが、1点目、飼料用米は専用品種で取り組むとコンバインに負荷がかかるなど栽培しにくい状況があるが、県としてどのような対策を講じているのか。
2つ目、飼料用米への一層の促進を図るため、情報の周知を強化すべきと思うが、どうか。
次に、飼料用米への促進にかかわる耕畜連携の推進についてお伺いいたします。
私たちの主食であるお米を生産する水田は、環境や文化も支えている大切な存在です。しかし、担い手の減少や高齢化により、農地面積は徐々に減少するなどの構造的な変化に加え、主食用米の需要減少と価格の大幅な下落により、稲作農家の経営は追い込まれております。それらの対策と、環境保全、食料自給率・自給力の向上のための水田フル活用に向け、国では飼料用米や
ホールクロップサイレージ用稲の本作化を推進し、本県でも力を入れていることは先ほども挙げさせていただいたとおりです。そして、畜産農家では、7割以上をも輸入に依存している家畜の飼料の自給率を上げることが課題となっております。この米の生産調整と家畜飼料の自給率の向上を結びつけるのが耕畜連携であります。千葉県でも、旭市や香取市を初め各地で取り組みが始められております。県においても、栽培者である耕作農家、利用者である畜産農家、そしてその収穫調整者のコントラクターの間での調整を図りながら、安定した経営の維持と発展を目指すためへのさまざまな支援に力を注いでいただいているところであります。
本県は、家畜の飼養頭羽数で、乳用牛が全国で第6位、肉用牛が第19位、豚が第3位、採卵鶏が第2位であり、地域的には、南部では酪農、北部では養豚、県中央部及び北部では養鶏経営が多く見られる全国有数の畜産県であることから、耕畜連携を進める上でのポテンシャルはあります。本県1次産業の維持と発展に欠くことのできない重要な取り組みがこの耕畜連携であると思います。そのため、今後の耕畜連携を推進するに当たっては、そのメリットを県内関係者へさらなる周知を行い、積極的に取り組めるよう、地域に見合った生産組織の育成を図ることや、より広範囲な地域での取り組み、さらには県域を越えた取り組みができるように図っていくことが今後の大きな課題になってくるものと思われます。
そこでお伺いをいたしますが、1点目、水田を活用した耕畜連携の状況はどうか。
2点目、水田を活用して耕畜連携を進める上での課題は何か。また、県としてどう対応する考えか。
続いて、農業と福祉の連携について質問をいたします。
障害者の自立支援に向け、工賃の向上や職域拡大に向けた取り組みが大きな課題となっておりますが、現状では、工賃は全国平均で1万4,000円程度でしかなく、自立した生活を送るのに十分な収入を得ることができておりません。一方、農業分野においては、人手不足や耕作放棄地などへの対策が課題でありますが、障害者の受け入れ経験が乏しいなどの理由により、以前から福祉と農業は相性がいいと言われながらも、その連携が遅々として進まなかったために、支援を求める声が日に日に大きくなっております。
そんな中、各地での先進事例により、農福の連携が全国的に広がりを見せております。先日、その1つとして、香取市にある恋する豚研究所を会派で視察させていただきました。こちらの大変すばらしいところは、クリエーターと協働したブランド戦略をベースに、地場産業の養豚と福祉を結びつけて、精肉加工や
加工食品づくり、また、レストランの運営を障害者の方々とともに行っているところであります。こちらの施設も、また商品のパッケージも洗練されたデザインとなっており、また、加工食品のクオリティーが高いことから、都内の高級小売店などで取り扱われ、売り上げと収益を伸ばしているとのことです。その結果、働く障害者の方には、賃金は7万円台を支払えていて、ここで働く障害者の方の生活の自立がもうそこまで見えているといった状況です。当日、レストランで昼食をとらせていただきましたが、平日でも女性客を中心にたくさんの方が来られておりました。大変お忙しい中を、丁寧に御説明いただきましたことに関しまして、この場をおかりして改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
地方創生の総合戦略の中には、2020年までに障害者の実雇用率を2%までに高めると記載されております。現在、障害者の数は総数で約788万人で、18歳以上65歳未満の在宅者で、働ける環境の方は約342万人となっております。しかしながら、一般就労者と福祉的就労者を合わせても現在63万人しかおらず、働きたくても働けない方がまだまだたくさんいるというのが実情であります。障害福祉と農業のそれぞれが抱える課題を単独で解決するのが難しいところから、マッチングへの支援強化を図るべきと考えます。
そこでお伺いをいたしますが、県内における障害福祉と農業の連携の状況及び今後の取り組みはどうか。
次に、がん対策について伺います。
今や日本人のおよそ半分が何らかのがんにかかる時代、まさに国民病と言えます。こうした中、近年、がんの治療は大きく進歩し、入院日数が縮小傾向となって、仕事を続けながら通院治療を行っている方もふえております。もはや、がんイコール死ではなく、社会復帰する時代になりました。安倍政権が最重要課題と位置づける働き方改革の中にも、障害者やがん患者が働きやすい環境の整備が挙げられております。がん患者の方が治療生活を乗り切っていくためには、前向きな気持ちを持つことが重要でございますが、手術や治療により脱毛や傷跡、皮膚や爪が変色するなど、外見上に変化があらわれることが身体的な痛み以上にショックを受けているという方が実は非常に多いのです。
2009年の国立がん研究センター中央病院の調査によれば、がん治療に伴う身体症状の苦痛度トップ20によりますと、男性は5項目、女性では11項目が外から見える身体症状を苦にしているとの結果となっております。そこで私は、2年前の9月定例会で医療用のウイッグ、かつらの購入費補助制度の導入を質問いたしました。他の自治体の取り組み等を含めて検討するとの答弁でございましたが、現時点では余り進展がない様子でした。今回は要望といたしますが、助成を行う自治体はふえてきておりますので、ぜひ本県でも取り組んでいただきますようによろしくお願いいたします。
さて、患者さんの外見に関する不安や悩みを軽くし、自分らしく生きていくための支援を目的として、2013年、国立がん研究センター中央病院にアピアランス支援センターが創設をされております。アピアランスとは外見を意味する言葉で、ウイッグやスキンケア、爪や頭皮のケアなどで、患者さんの外見の変化と悩みのサポートをするなど、一人一人に寄り添った支援が行われています。本県のがんセンターの中にあるがん相談支援センターでも、アピアランス支援と同様な支援が行われていると思います。一般的に、がん患者の悩みは外見に関するものが年々増加しておりますので、アピアランスサポートの窓口を設置することにより、これまで以上に格段に相談がしやすくなり、相談者の苦痛や悩みを取り除けるのは間違いありません。実際、この4月に神奈川県の県立がんセンターの中にアピアランスサポートセンターが開設され、4月から7月末までの間で相談件数が125件となっています。いかに悩んでいる相談者が多いかを物語っております。知事は芸能活動を経験されておりますので、この人にとっての見た目の重要性について、よく御理解をいただいているかと思います。安心して社会復帰をしていく上で重要な役割となっているアピアランスサポートの専門窓口が必要であると考えます。
そこで伺いますが、1点目、千葉県がんセンター内のがん相談支援センターにおける取り組み状況はどうか。
2点目、治療後の外見の変化に伴う社会生活への不安感解消のため、気軽に行ける専門窓口、アピアランスサポートセンターを県内に設置すべきと思うが、どうか。
次に、サイクルツーリズムの推進についてお伺いをいたします。
昨今のサイクリングブームを契機に、全国各地で観光振興を図る動きが活発に行われ、世界的にも注目が集まっております。その代表例が、しまなみ海道です。アメリカ、CNNのトラベル情報ガイドにこのしまなみ海道のサイクリングロードが世界7大サイクリングロードに選定されていたり、また、国際サイクリング大会の開催などで世界中からサイクリング客を迎えられるまでに有名になっております。本県は、地理的に高低差が少なく、1年を通じて温暖で、かつ自然が豊かで、首都圏からのアクセスもよく、サイクリングに適しているところから、平成22年度からサイクルツーリズムの振興に力を入れて、これまで地元市町村との連携により、サイクルステーションの設置やモデルコースの設定などを進めてきました。東京湾から九十九里を結ぶコースとか、外房や南房総を周遊できるコースなど、11のモデルコースのほかに、野田市から市川市につながる江戸川沿いのサイクリングロードや、江戸川と利根川を結ぶサイクリングロードなど、それぞれの地域の魅力的な景観が満喫できるサイクリングロードが整備されております。今後も、東京五輪に向け、ますますサイクルツーリズムの人気に拍車がかかると思われますので、より一層の国内外に向けた効果的な情報発信をしていくべきと考えます。
そこでお伺いをいたしますが、県は、サイクルツーリズムの魅力発信にどう取り組んでいるのか。
さて、本県のサイクルツーリズムの振興を図る上で、やはり私は印旛沼を挟んだ利根川から東京湾を結ぶサイクリングロードの整備を、県にもっと力を入れてほしいと願うものでございます。八千代市、千葉市、佐倉市、印西市など、それぞれがおおむねの整備をされておりますが、広域的な連携がされていないため未整備の場所もあり、モデルコースとしてのルートも設定されておりません。ネットを見ましても、昨今このルートをサイクリングしている方がふえております。私も、この夏に子供たちと新川遊歩道のサイクリングを楽しみました。改めて、この資源を地域活性化に生かすことと、一気通貫した安全なサイクリングコースにするべきだと強く感じました。また先月、印旛沼流域かわまちづくり計画の検討を行うワーキングに八千代市も正式に加わりました。八千代市も新川の利活用に前向きな姿勢を見せておりますので、この機会にぜひ一体となった取り組みを県にリードしていただきたいと思います。
そこでお伺いしますが、印旛沼・新川・花見川周辺地域における湖畔、川沿いのサイクリングロード整備について、県はどのように地元市町を支援していくのか。
次に、千葉県版政労使会議についてお伺いをいたします。
中小企業が抱える課題の1つである雇用問題は、深刻化をしております。日本商工会議所がこの春に中小企業4,072社に実施したアンケート調査では、従業員の過不足状況において、半数を超える55.6%の企業が不足をしていると回答。昨年から5.3ポイントふえております。業種別で見てみますと、宿泊・飲食業が最も高く約8割で、次いで介護・看護業、運輸業が7割以上で、建設業が6割以上で不足していると挙げております。さらに、現場においては即戦力となる人材を求めていることから、人手不足よりも人材不足の方がより深刻との回答となっておりました。これまでの支援策だけではなく、企業の魅力発信などの多角的な支援強化が求められております。
我が国の景気は、全体としては上昇局面にありますが、その恩恵をできるだけ早く地方に広く行き渡らせるためには、地域の雇用と産業を支える中小企業の活性化が重要です。そして、地域ごとの具体的な対策を行わなければなりません。そこで、政府が行った政労使会議を参考にした実効性のある組織を地方にも設置すべきとして、公明党が地方版政労使会議を提案し、各地で動きが始まっております。それを受けて、ことしの2月定例会で我が会派の阿部議員が本県での開催時期、会議の内容について質問し、また、知事みずからの参加でリーダーシップを発揮すべきとの要望をいたしました。県からは、昨年12月18日に準備会合が開催され、第1回の会議の開催に向けて、まずは構成員やテーマの調整を図る。また、政労使がそれぞれ重点的に取り組んでいる課題を中心にテーマを設定する。そして、県としても積極的に参画し、労使関係団体等との率直な話し合いを通じて、労働環境の改善や経済の好循環の実現に向けて取り組むとの答弁がありました。政労使会議の本来の趣旨を踏まえるならば、政府の政労使会議は安倍首相の音頭で開催をし大きな成果を上げたように、本県でも森田知事のトップ体制で関係団体と一丸となった取り組みが一日も早く開催されることを待ち望んでいましたところ、ようやく1回目の会議が3日前に開催されたとお聞きをいたしました。
そこでお伺いいたします。
1点目、9月26日に開催された会議の内容はどのようなものだったのか。
2点目、今後、県としてどのように取り組んでいくのでしょうか。
次に、踏切の安全対策について伺います。
遮断機が長時間おりている、いわゆる開かずの踏切は渋滞の原因となります。また、待ち時間のアイドリングや迂回走行などで燃費の無駄が発生したり、物流が滞るなどの経済損失の原因にもなります。そして、鉄道運行の安全面では、日本は世界でもトップクラスである一方、踏切大国と言われるほど踏切数が多いことから、踏切事故の件数が非常に多く発生しております。そういった踏切の削減と事故防止のために、踏切道改良促進法が1961年に制定され、道路管理者と鉄道事業者の協議のもと改善が進められてきました。改善の抜本対策である立体交差化が進められてきた結果、踏切数はこの半世紀で約7万1,000カ所から約3万4,000カ所まで半減しております。しかしながら、多額の費用と事業期間が必要となることから、その解消に向けてはまだまだ多くの時間がかかります。
2005年の踏切事故をきっかけに、これまで都道府県や政令指定都市に限定されていた連続立体交差事業の施行者を、県庁所在都市や人口20万人以上の都市、そして特別区にも拡大となりました。また、踏切交通実態総点検が行われ、開かずの踏切、ボトルネック踏切、歩道が狭隘な踏切などを緊急な対策が必要な踏切として1,960カ所を抽出し、交付金を活用しながら、引き続き速効対策と抜本対策の両輪で改善のスピードアップが図られてきました。さらにこの6月、新たに通学路における対策が必要な踏切と、事故が多発している踏切も追加をして見直された緊急対策踏切が1,479カ所抽出され、加えて、これらの踏切の現状を可視化した踏切安全通行カルテが公表されました。早速その踏切安全通行カルテを見てみますと、千葉県は77カ所となっており、その中に、私の家から徒歩2分のところにある八千代台第4号踏切も入っておりました。ここは歩道が狭い踏切で、通学路ともなっていることから、朝夕のラッシュ時には歩行者、自転車、そして車両の交通量も多く、車両と歩行者が常にすれすれで踏切を渡る状態であり、私も冷やっとすることが何度もあります。同様な声が地域住民からも多数寄せられて、改善が待たれております。特に、通学路となっている踏切においては、より早い対策を講じていくべきではないでしょうか。
そこでお伺いをいたします。
1点目、本年6月に国が公表した踏切安全通行カルテにおいて、本県では77カ所が緊急に対策の検討が必要な踏切とのことだが、その中に通学路の指定状況はどうなっているのか。
2点目に、通学路に指定されている踏切の安全対策について、今後どのように取り組んでいくのか。
続いて、教育問題について2問お伺いいたします。
初めに、日本語を母語としない児童生徒への進学支援についてです。
1990年の入管法改正により、日系人を含む外国人の滞日が増加したことで、外国人の児童生徒の数もふえております。文科省の調査によれば、平成26年5月1日現在で全国の公立学校に在籍している外国人の児童生徒数は7万3,289人で、そのうちの約4割に当たる2万9,198人が日本語指導が必要な外国人児童生徒数となっております。同じく平成26年度における本県の公立小中学校に在籍している外国人児童生徒数は3,290人で、そのうち日本語指導が必要な外国人児童生徒数は937人、28%となっております。定住化傾向が強まる中で、社会への適応と生活手段の獲得は一定以上の学歴を前提とすることから、高校卒業資格を希望している生徒は多くおります。そのため独力で、あるいはNPOやボランティアなどを通じて支援を受けて、進学を目指す外国人児童生徒がふえております。
しかしながら、日本語指導が必要な外国人生徒が一般の学力試験を受検して進学することは極めて困難であり、日本人生徒の進学率が97%を超えているのに対し、約5割と言われております。この事態に対応するため、県立高校への進学を希望する外国人生徒への進路保障のために、特別枠や特別措置を設けた対応がなされており、本県としても実施していることは承知をしております。今後、人口減少に伴う労働力不足対策として、政府では外国人の受け入れを拡大する方向で検討をされております。それに伴い、日本で学ぶ児童生徒が、やがて千葉の、日本の社会の一員として定着し、私たちのよき隣人となること、あるいは母国や他国で暮らしていても、日本の親しき理解者になることは大きなメリットにつながることと考えますと、本県における進学を希望する外国人の生徒への支援をますます強化するべきではないでしょうか。
そこでお伺いします。
1点目、日本語を母語としない児童生徒への支援を行う公立小中学校の教員の現状はどうか。
2点目として、日本語を母語としない生徒が受検可能な公立高校の現状はどうか。
3つ目として、外国人生徒の進路状況を把握し、高校進学率を向上させるための施策を検討、実施していくための調査を行うべきと思うが、どうか。
続いて、高等学校における情報科教科担当の実態と課題についてお伺いをいたします。
情報の科学的理解、情報の通信技術の活用能力は、政治、経済、文化を初め、社会のあらゆる領域で重要視されており、高度情報化社会の到来に向け、世界では人材の育成に力を入れております。そのことから、情報機器、情報通信ネットワークの活用による学校教育の改善が求められております。平成25年6月に発表された政府の成長戦略の中にも、義務教育段階からプログラミング等のIT教育を推進することがうたわれ、国を挙げて力を入れております。現在、民間企業やNPO法人による小中高校生向けのプログラミングスクールが大変人気となっております。また、柏市教育委員会では、プログラミング教育の必修化の動きに先駆けて、来年度中に全ての小学校でプログラミング教育を実施すると発表されました。ですので、今後、高校における情報教育の内容は、生徒の理解と充実感を考えますと、より高いものが求められるのは必至です。次期学習指導要領では、高校においても情報の科学的な理解が必須になるとも言われています。
こうした中、ことし3月3日、文科省からは「高等学校情報科担当教員への高等学校教諭免許状「情報」保有者の配置の促進について」の依頼文書が通達され、指導者配置の重要性が示されました。本県の状況を見ますと、平成17年度から教科情報の枠で採用が始まり、情報以外の副免許を持っているという前提で11名を採用してきました。しかし、本年度実施される29年度高校情報教員の採用枠はゼロとなっていました。そして、高等学校で採用された場合、情報の免許状を有する者は情報を担当することがあると新たに書き加えられました。また、情報指導教員の現在の年齢層は、その8割が45歳以上と言われております。さらに、本県では他教科と兼務する教員が多いのが実態であり、専任の教員数では東京の4分の1、埼玉の半分以下となっております。そして、情報教育の内容を見てみますと、高校において共通教科情報の中で、社会と情報、情報の科学、このいずれか1科目、2単位を選択必履修としておりますが、本県内の状況は、社会と情報を選択している学校が104校、情報の科学を選択している学校が29校となっております。次期学習指導要領では、高度情報社会に対応する情報教育として求められるのが、後から言いました情報の科学を中心とした情報Iを重視することとなっています。
こうした本県の実情に対し、高校での情報教育の質と量の確保はこれでよいのかといった心配の声が届いております。高校の情報教育について、人材確保、さらにはハード面の環境整備など長期視点に立った方針、計画を立てるべきだと思います。
そこで質問いたします。
1点目、県立高校の情報教育の現状はどうか。また、方針を持つべきだと思うが、どうか。
2点目、情報教育のスキルの高い人材をどのように確保していくのか。
3点目、情報を指導する教員の研修制度の成果と課題、今後の見通しはどうか。
最後に、サイバー補導についてお伺いをいたします。
スマートフォンの普及により、インターネットを通じて子供が性犯罪被害に遭うケースが増加をしております。ネットに起因する性犯罪被害の場合は、加害者とのやり取りが全てネット上で行われるため、これまで警察が行ってきた街頭補導などでは犯罪を防止することが困難になってきております。このため、未成年と思われる者によるいわゆる援助交際や、下着の売買などを示唆するようなネット上の書き込みを発見して、実際にあらわれた子供たちに直接注意、指導することで援助交際を未然に防止するとともに、健全育成を図るためのサイバー補導が2013年10月から全国の警察で開始をされました。サイバー補導に関する警察庁のこれまでのまとめによれば、出会い系サイトによる犯罪が法改正や取り締まりの強化で減少傾向にある一方で、LINEやツイッターなどのコミュニティーサイトによる犯罪がふえています。また、低年齢化が進んでいます。そして、サイバー補導で保護された子供たちは、補導や非行歴のない普通の子供が多いのが特徴となっているとのことで、興味心やお小遣い稼ぎに気軽な気持ちで行われていることが伺われます。書き込みの内容も複雑で、かつ巧妙化しており、対策の強化が求められております。
そこでお伺いをいたします。サイバー補導の現状と今後の取り組みはどうか。
以上で1回目の質問といたします。前向きで明瞭な答弁をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
◯議長(宇野 裕君) 横山秀明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) おはようございます。公明党の横山秀明議員の代表質問にお答えいたします。
きょうは、市議会副議長を初め、支援者の皆さん、ようこそおいでくださいました。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
防災対策など、部局横断的に取り組まなければならない課題にどう対応していくのかとの御質問でございます。県政に係る課題には、安全・安心、環境問題など、単独の部局で対応することが困難なものが存在します。こうした課題の解決に当たっては、担当部局が中心になって
プロジェクトチームなど庁内連携体制を立ち上げ、関係部局間で目標を共有し、横断的に取り組んでいるところでございます。時代の変化が激しい中、今後も横断的、総合的な対応が求められる新たな行政課題の発生が想定されます。このため、職員一人一人がこれらを県政共通の課題として捉え、積極的に取り組むという意識を徹底させるとともに、市町村や企業などとも連携を図り、チームスピリットを発揮して対応してまいります。
次に、防災対策についてお答えいたします。
罹災証明書発行業務への支援についての御質問でございます。
市町村長が発行する罹災証明書は、被災者が生活再建に関する各種の制度的な支援を受けるために必要なものであり、市町村がこれを円滑に発行できる体制を整えることは重要であると認識しております。このため、県では毎年市町村職員に対し、罹災証明書に必要な住家の被害認定に関する研修を行うとともに、証明書発行の効率化を図るため、県が国の研究機関と共同で開発したソフトウエアを各市町村に提供し、その活用促進を働きかけております。さらに、熊本地震においては、住家被害の調査を行う人員の不足が一因となり罹災証明書の発行がおくれたことから、今度県では、研修内容を充実し、当該調査を行い得る市町村職員の育成や技能向上に向け取り組んでまいります。
指定避難所の安全性についての御質問でございます。指定避難所は、災害時に避難を必要とする住民に対して一定期間生活していく場を提供するため市町村長が指定する施設であり、安全性が確保されていることが必要でございます。このため、国の指針では、市町村は可能な限り施設自体が被災する危険性が少なく、住民が安全に避難できるように指定するとともに、耐震性、耐火性の確保、天井等の非構造部材の耐震対策を図ることなどが望ましいとされております。現在、県では地域防災計画において市町村が指定する際には、国の指針と同様の考え方で行うこととしているところでございますが、今後、安全性に関する市町村の実情についても確認してまいりたいと、そのように考えております。
避難所運営に係る関係者の役割分担についての御質問でございますが、大規模災害時に避難所に多数の避難者を円滑に受け入れるためには、防災士を初めとするボランティアや施設管理者、行政職員などの役割分担をあらかじめ明らかにしておくことが重要でございます。このため、県では避難所運営の手引を作成し、その中で避難所を運営する際のこれら関係者の役割分担について、これまで市町村に示してきたところでございます。現在、熊本地震で明らかになった課題や、新たに国から示された
避難所運営ガイドラインなどを踏まえて、手引の見直しを進めているところであり、関係者のより具体的な役割分担についてもあわせて検討してまいりたい、そのように思っております。
避難所への支援物資の輸送に係る県の対応についての質問でございますが、熊本地震では、市町村において物資輸送の計画は策定されておらず、被災直後の混乱の中で、市町村の物資拠点に届いた支援物資を速やかに個々の避難所まで届けることができませんでした。本県では、災害時における物流計画を定め、県が物流事業者等と連携して市町村の物資拠点まで輸送することとしておりますが、熊本地震を踏まえると、避難所までの市町村による輸送体制の確保も重要な課題であると考えております。このため、県といたしましては、今後、市町村に対して物資輸送に係る体制整備を強く働きかけるとともに、大規模災害時に市町村による物資の輸送体制が機能しない場合を想定し、県がとるべき対応を検討してまいります。
次に、飼料用米への転換支援についてのお答えをいたします。
飼料用米を専用品種で取り組んだ場合の対策についての御質問でございますが、飼料用米専用品種は収量が多く、助成金も高いことから、収入額は増加しますが、国選定の専用品種は茎が太い特徴があり、収穫に当たってはコンバインに負担がかかるといった課題があります。そのため、県では刈り取り速度を遅くするなど指導を行うとともに、平成26年度からは主食用品種より収量が多く、収穫作業が容易なアキヒカリ、初星を知事特認品種に選定し、栽培マニュアルを作成するなど、その普及を図っております。さらに、平成28年度からは主食用品種で飼料用米の取り組みに対し、主食用米と同等以上の収入が得られるよう、県の補助金を10アール当たり3,000円に倍増し、飼料用米の取り組みの拡大に努めているところでございます。
飼料用米への一層の促進を図るため、情報の周知を強化すべきとの御質問でございます。米の消費量が年々減少する中、米価の安定を図るためには、飼料用米などへの転換が必要であり、その推進に当たっては農家の理解を得ることは極めて重要でございます。そのため、県では全稲作農家へのパンフレット配布や、5ヘクタール以上の大規模農家を中心とした戸別訪問、土地改良区等を対象とした説明会、専用品種の実証圃場の設置などを行ってまいりました。さらに、これまでの取り組みに加え、戸別訪問の対象を2ヘクタール以上の中規模農家に拡大するとともに、市町村、農協及び集荷業者と連携し、農家の規模に応じたきめ細かな説明を行うなど、情報の周知に努めているところでございます。
次に、農業と福祉の連携についてお答えいたします。
県内における障害福祉と農業の連携の状況及び今後の取り組みはどうかとの御質問でございます。県内では、障害者の就労の訓練を継続的に行う事業所は、平成27年度末で約300カ所ありますが、そのうち農作業に取り組む事業所は40カ所程度となっております。障害福祉と農業との連携については、事業所が積極的に取り組むことで障害者の工賃等の向上や職域の拡大のほか、障害のある人への理解の促進にもつながるものと考えております。このため、農家での実習や専門家による技術指導などの事業所支援のための経費を9月補正予算案に計上したところでございます。今後とも農業を通じた障害者の就労を支援してまいりたいと考えております。
次に、千葉県版政労使会議についてお答えいたします。
9月26日に開催された会議についての御質問でございますが、この会議は、働き方改革等の課題について、地方創生やワーク・ライフ・バランスの視点を踏まえながら、行政や労使団体など地域の関係者が集まり、話し合う場として設置したものでございます。9月26日の会議には、千葉労働局、労働団体、経済団体及び金融機関の代表者とともに、私がみずから出席し、働きやすさと働きがいのある雇用環境の実現に向けて、ちば「働き方改革」共同宣言の採択と意見交換が行われました。採択された共同宣言は、時間外労働の縮減や年次有給休暇の取得促進、不本意非正規労働者の正社員化などの働き方改革の取り組みについて、県内企業、自治体、各団体等とも連携しながら、積極的かつ継続的に推進することを内容としております。
今後、県としてどのように取り組んでいくのかとの御質問でございますが、共同宣言により、目指す働き方改革を実現するために、各団体における先進的な取り組みを情報共有し、相互にフォローアップするとともに、特定の課題を設定し、ワーキンググループにおいて検討するなど、この会議の仕組みを有効に活用していきたいと考えているところでございます。県といたしましては、この会議を中心とした公労使が一体となったオール千葉体制により、千葉の魅力ある職場づくりに取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。
◯議長(宇野 裕君) 副知事高橋渡君。
(説明者高橋 渡君登壇)
◯説明者(高橋 渡君) 私からは流域下水道の不明水対策についてなどにお答えいたします。
まず、
江戸川左岸流域下水道の不明水に係る流入量の調査結果及び対応策についての御質問でございます。県では、昨年の9月から3カ月間、流域関連8市から汚水を受け入れている接続点16カ所で流入量調査を実施したところ、うち11カ所から雨水と思われる不明水の流入が確認され、その量は、流域の不明水全体の約5割を占めていることが判明いたしました。不明水は、市が管理する公共下水道の老朽化した汚水管やマンホールから流入する場合が多いことから、この調査結果を流域関連8市に説明し、汚水管等の調査や適切な補修工事等の対策を講じるよう要請したところでございます。また、県の管理する流域下水道においても、大雨時などの溢水対策として市川ポンプ場の施設改良を行ったほか、江戸川第二終末処理場の改良工事等を進めてまいります。
印旛沼流域下水道の不明水対策はどのようになっているのかとの御質問でございます。県では、流域関連13市町から成る不明水対策会議において、公共下水道から流入する不明水を抑制するための対策が効率的に進むよう、汚水管の調査や補修などについて指導助言を行っております。あわせて、流域下水道におけるマンホール等からの溢水防止対策として、今年度完了する終末処理場の中央監視設備の更新にあわせ、大雨時における中継ポンプ場や終末処理場の揚水ポンプの運転操作を見直し、流量調整の精度を高めることなどの対策を講じております。今後も引き続き流域関連市町と連携し、不明水の流入をさらに抑制するとともに、県としても溢水防止に向けて中継ポンプ場や終末処理場の能力向上など、より効果的な対策を検討してまいります。
次に、県の災害備蓄食料についての御質問でございます。県では、計画を定めて食料の備蓄を行っており、本年9月1日現在で約49万食を確保しております。備蓄食料については、賞味期限がおおむね1年以内に到来する分を計画的に更新しており、更新対象となる食料は、県や市町村の防災訓練や防災フェアなどで配布し、自助の啓発のために活用しているところでございます。今後とも、県としてはこのような活用により防災に関する県民の意識のさらなる向上に役立てたいというふうに考えております。
次に、耕畜連携の推進についてお答えいたします。
まず、水田を活用した耕畜連携の状況についての御質問でございます。稲作と畜産が盛んな本県において、水田で生産された飼料用米や稲ホールクロップサイレージを県内で利用していくことは、耕種農家には安定した所得の確保、畜産農家には飼料コストの削減など、耕種農家と畜産農家の双方にメリットがあることから、県としても耕畜連携を積極的に進めているところでございます。この結果、飼料用米の県内畜産農家向け生産面積は、平成27年で1,001ヘクタール、稲ホールクロップサイレージが945ヘクタールと、ともに5年前に比べ約4倍に増加し、耕畜連携による水田の活用が進んでいるものと考えております。
水田を活用して耕畜連携を進めていく上での課題とその対応についての御質問でございます。耕種農家と畜産農家の双方にとってメリットが大きい耕畜連携をさらに進めていくためには、課題となる飼料用米などの安定的な生産と品質向上、労働力確保や設備投資について、双方が話し合いなどを通じて解決していくことが重要でございます。このため、県では飼料用米などの生産や利用面においては、収量の増加や効果的な飼料給与技術の普及指導、生産作業の請負組織であるコントラクターの育成、収穫機械や保管庫等の導入支援などを行っているところでございます。さらに、経営面においては、飼料用米などの需給量調査に基づき、取引相手、生産量や価格などを協議できる場を設け、互いの経営が発展できるよう耕畜連携の取り組みを一層進めてまいります。
次に、印旛沼・新川・花見川周辺地域におけるサイクリングロード整備に関する地元市町への支援についての御質問でございます。印旛沼においては、県が堤防を活用した自転車道を整備しております。また、新川、花見川は河川管理用通路を利用して地元市がサイクリングロードを整備しております。しかしながら、地元市の整備区間は、既存の河川堤防との兼用工作物であることから、サイクリングロードとしての機能が十分ではなく、幅員の確保や連続性が求められているところでございます。県としては、印旛沼周辺地域の水辺利用の促進を図る必要があることから、地元市が整備する際は市と連携して、サイクリングロードと一体となった河川管理施設の整備を検討するなど、引き続き支援をしてまいります。
次に、踏切の安全対策についてお答えいたします。
本年6月に国が公表した踏切安全通行カルテにおいて通学路の指定状況はどうかとの御質問でございます。国では、自動車及び歩行者の交通量や事故発生状況、歩道の幅員などの客観的なデータに基づき、緊急に対策の検討が必要な踏切として県内77カ所を抽出し、踏切安全通行カルテを公表したところでございます。このうち、通学路に指定されている踏切については44カ所あり、県管理の国道、県道は15カ所、市管理の道路は29カ所となっております。
最後に、通学路に指定されている踏切の安全対策について、今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。県では、踏切の安全対策として、これまで歩道が狭隘で危険な踏切や渋滞が発生している踏切などから、歩道の拡幅や立体交差を進めてきたところでございます。今回、公表された通学路に指定されている県管理道路15カ所の踏切のうち、鎌ケ谷市と野田市の3カ所の踏切については、現在実施している連続立体交差事業により廃止することとしております。残る12カ所については、鉄道事業者と協議を行いながら、カラー舗装などの当面の対策を講じるとともに、歩道拡幅など踏切の安全対策を進めてまいります。また、市管理道路の踏切についても、国の交付金制度を活用するなど、市を支援してまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(宇野 裕君) 副知事諸橋省明君。
(説明者諸橋省明君登壇)
◯説明者(諸橋省明君) 私からは、まず、防災対策のうち避難所におけるペット対策の推進についてお答えをいたします。
災害時にペットとともに避難することは、逃げ出した動物による危害防止のほか、動物愛護や被災者の精神面を支える観点からも重要です。そのため、県では動物愛護条例に同行避難を所有者の責務として規定するとともに、市町村に対し、避難所でのペット収容体制の整備について協力を求めるなどの取り組みを進めてきたところです。今後は、過去の震災等の経験も踏まえ、災害時の避難がより円滑に行えるよう、動物愛護セミナーや各種イベント等を通じて、同行避難といわゆる同伴避難の違いや、避難所でのペットの飼養ルール、餌や水の備蓄の必要性等について一層の周知を図ってまいります。
次に、食品ロスの取り組みについてお答えをいたします。
ちば食べきりエコスタイルの取り組み状況についての御質問でございます。県では、食べ物がごみになる量をできるだけ減らすため、家庭や外食事業者に向けちば食べきりエコスタイルの推進に取り組んでいます。具体的には、家庭においてばら売りや少量パックの利用、食材の使い切りなどに取り組んでいただくため、各種イベントでのパンフレット配布や県ホームページ掲載による啓発を行っています。また、外食事業者に対しては、小盛りメニューの導入や持ち帰り容器の提供などを実践する協力事業者を登録し、県ホームページで紹介をしており、登録店舗数は本年8月末現在で220店舗となっております。
食品ロスの削減に向けた取り組みについての御質問でございますが、海外から多くの食品を輸入し、また、多くの資源を投入して生産している食料を、食べられる状態でありながら捨ててしまう食品ロスは、日本全体で年間600万トンを超えています。廃棄物になる前に食品として有効活用し、食品ロスを削減することは、廃棄物の処理費用の削減にも効果があると考えております。県では、これまでもちば食べきりエコスタイルに取り組んでまいりましたが、食品ロスは製造から流通、販売、消費までさまざまな段階で発生をしていることから、今後は食品ロスの一層の削減に向け、関係部局が連携をして取り組んでまいります。
次に、
フードバンクについてお答えをいたします。
フードバンクの県内の実態や他県の状況を把握していくべきではないかとの御質問でございます。
フードバンクは、企業や個人から提供された食料品を福祉施設や生活困窮者等に無償で提供しており、県内では1団体が社会福祉協議会やNPO団体の協力を得て広域的に活動をしています。また、他県では、県のホームページで
フードバンク事業の情報提供と食料品の寄附やボランティアの応募の呼びかけを行っている例もあることを承知しております。県といたしましては、今後、
フードバンクの活動実態や他県の取り組みについて情報収集に努めてまいります。
次に、がん対策についてお答えをいたします。
がん相談支援センターにおける取り組み状況はどうかとの御質問でございます。千葉県がんセンターでは、がんにかかわるさまざまな不安や悩みの相談に応じるため、ワンストップの相談窓口としてがん相談支援センターを設置しているところです。がん相談支援センターの昨年度の相談件数は延べ3,017件で、3名の相談員が療養上の相談や就労の相談、地域における医療機関情報などの相談に当たっており、その中で治療に伴う外見の変化に係る相談にも応じております。
がん治療に伴う外見の変化に係る専門の相談窓口についての御質問でございます。がん治療に伴う外見の変化について、治療後の社会生活に向けた患者の不安を解消することは重要です。このため、県がんセンターや県内のがん診療連携拠点病院に設置されたがん相談支援センターでは、がん治療に伴う外見の悩みについての相談にも対応しているところです。県では、がん相談支援センターの相談業務について、ホームページ等により一層の周知を図るとともに、国立がん研究センター中央病院が開催する、がん患者の外見ケアに関する研修会への相談員の参加を促すなど、相談支援体制が充実されるよう努めてまいります。がん治療に伴う外見の変化に係る専門の相談窓口の設置については、国や他県の事例も踏まえ、研究をしてまいります。
最後に、県のサイクルツーリズムの魅力発信についてお答えをいたします。
本県は、美しい海岸線や自然豊かな丘陵地帯など、バラエティーに富んだサイクリングコースを有し、初級者から上級者まで四季を通じて楽しめる絶好の環境に恵まれています。このため、県ではモデルコースを設定するとともに、サイクルステーションなどの情報を載せたマップを作成し、主要な自転車販売店やイベントなどで配布するほか、公式観光サイト、まるごとe!ちばにも掲載をしています。また、毎年全国のサイクリング愛好者を迎え、県内各地の魅力あるルートで展開されるツール・ド・ちばの実行委員会にも加わり、大会のPRを通じて本県のサイクルツーリズムの積極的な魅力発信に努めております。
私からは以上でございます。
◯議長(宇野 裕君) 教育長内藤敏也君。
(説明者内藤敏也君登壇)
◯説明者(内藤敏也君) 私からは日本語を母語としない児童生徒への支援についての3問及び高等学校情報科についての3問にお答えいたします。
まず、日本語を母語としない児童生徒への支援を行う公立小中学校の教員の現状はどうかとの御質問ですが、県教育委員会では、国から措置された定数を活用して、平成28年度小中学校合わせて50名の日本語指導に係る教員を配置しております。各学校においては、配置された教員が中心となって個別指導やグループ指導などにより日本語指導を行うとともに、学級担任と密接に連携しながら、保護者や児童生徒間の人間関係づくりをするなど、安心して学校生活を送れるよう努めております。今後とも、外国人日本語指導の充実が図れるよう、教職員定数改善について全国都道府県教育長協議会等を通じて国に働きかけてまいります。
日本語を母語としない生徒が受検可能な公立高校の現状はどうかとの御質問ですが、日本語を母語としない生徒が日本または現地の中学校を卒業あるいは卒業見込みの場合、公立高等学校に志願することができます。そのうち、日本に入国後の在日期間が3年以内の場合、外国人の特別入学者選抜を志願することができ、平成28年度選抜では11校15学科で実施され、68名が受検しました。外国人特別入学者選抜の実施校については、この5年間で5校ふやすなど拡大に努めております。
外国人生徒の進路状況を把握し、高等学校進学率を向上させる施策検討のための調査を行うべきと思うが、どうかとの御質問でございます。県教育委員会では、外国人児童生徒の在籍校の日本語指導担当者、市町村教育委員会の担当者、日本語指導支援員等を対象に、年3回日本語指導担当者連絡協議会を開催しております。この協議会では、子供たちが学校生活を送る上での日本語能力の定着や基礎学力の向上を図るために、担当者の指導力向上に向けた協議や授業研究に加え、生徒の進路に関する情報交換などを行っております。今後、本協議会を活用して、外国人生徒の進路状況や進路決定に際しての課題を一層把握し、よりきめ細かな進路指導に努めてまいります。
次に、高等学校における情報科教科担当の実態と課題について、県立高等学校の情報教育の現状はどうか、方針を持つべきと思うが、どうかとの御質問でございますが、情報科における授業では、生徒に情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ、情報に関する科学的見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てることとしております。このため、第2期千葉県教育振興基本計画「新 みんなで取り組む「教育立県ちば」プラン」において、生徒が授業で活用するコンピューターやインターネット接続環境を整備し、教員のICT機器を利用した授業を支援することにより、高校生の情報活用能力を育成することとしており、この方針にのっとり情報教育の推進を図っているところでございます。
情報教育のスキルの高い人材をどのように確保していくのかとの御質問でございますが、社会の急速な情報化の進展や、次世代に求められる情報活用能力の育成の必要性から、担当教員にはより高度な知識や技能を有することが求められていると考えております。県教育委員会では、情報免許保有者の状況を踏まえ、すぐれた人材の確保に努めているところでございます。なお、教員採用選考においては、平成26年度から社会人特例選考を設け、民間企業等現職者の中からさまざまな分野における有資格者や実務経験豊かな方を採用できるようにしており、今後もこうした制度を活用しながら、より資質の高い人材を確保するため、計画的な採用に努めてまいります。
最後に、情報を指導する教員の研修制度の成果と課題、今後の見通しはどうかとの御質問でございます。県教育委員会では、情報科担当の教員を対象に、千葉県高等学校教育課程研究協議会等で研修を行うとともに、これからのリーダーとなる教員を教科研究員として指定し、すぐれた授業研究を行うなど、指導力の向上を図っております。このほかにも、総合教育センターにおいて、全校種の教員を対象にICT活用能力を育成する研修を年間約40講座開催し、延べ約1,000人が受講しております。このような取り組みにより、情報科を担当する教員の指導力の向上を図るとともに、授業中にICTを活用して指導することができる教員の割合の増加を図っております。現在、学習指導要領の改訂の議論において、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を育成することが必要とされていることを踏まえ、今後とも学習指導要領の改訂の動きを注視し、高度情報社会に対応する情報教育が各学校で展開できるよう、情報を担当する教員の資質向上を一層図り、情報教育の充実に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(宇野 裕君) 警察本部長森田幸典君。
(説明者森田幸典君登壇)
◯説明者(森田幸典君) 私からはサイバー補導に関する御質問にお答えいたします。
サイバー補導の現状と今後の取り組みについての御質問でありますが、まず、サイバー補導の現状ですが、平成27年中におけるサイバー補導者数は4人で、援助交際や下着売買の書き込みを行った少女を補導しております。また、本年8月末までのサイバー補導者数は4人で、いずれも援助交際の書き込みを行った少女であります。一方、本年8月末までにサイバー補導を端緒とした福祉犯罪の検挙件数は2件で、いずれも児童買春、児童ポルノ禁止法違反事件の被疑者として検挙するとともに、被害児童にあっては、補導して注意、指導を行ったところでございます。
次に、今後の取り組みでありますが、近年のスマートフォンなどの普及により、インターネット利用に起因する児童の性犯罪被害等が増加しており、これらの被害を防止する上でもサイバー補導は有効な手段であると考えております。県警といたしましては、今後も関係機関と連携を強化しつつ、サイバーパトロールを通じ、サイバー補導活動を推進するとともに、学校等と連携して少年に対する広報啓発活動を行うなど、少年の健全育成を図ってまいります。
私からは以上であります。
◯議長(宇野 裕君) 横山秀明君。
◯横山秀明君 御答弁いただきましてありがとうございました。それでは、残りの時間を使いまして、再質問、要望をさせていただきたいと思っております。
まず初めに、知事の政治姿勢のほうですが、急速に変動する社会経済情勢にきちんと対応していくとともに、今、各自治体では人口減少対策とか地方創生の取り組みが推進を図られている中で、これまで以上に県としては総合性、独自性、柔軟性、機動性が必要となってくると思います。まさに知事からも御答弁があったとおり、職員のお一人お一人が積極的に取り組むとの意識の向上の徹底、そして県内の市町村やNPO、ボランティア、大学、企業などとの連携の強化が大事であるのは私も同じ思いであります。知事を先頭に、大変力のある副知事が2名、お2人両脇にいらっしゃいますので、さらにチームスピリットを発揮していただいて、より県民が実感のできる「
くらし満足度日本一」の千葉づくりをぜひ行っていただきますよう要望いたします。
次に、防災対策の中で避難所運営の件についてですが、運営を円滑に進めるために、本県では災害対策コーディネーターを平成15年度から養成されており、現在では約950名の方が登録されていると伺っておりますが、それぞれの市町村におけるコーディネーターの位置づけにどうやら温度差があるようでございます。県内市町村の防災計画の中にコーディネーターのきちんとした位置づけがされているのかどうか。また、その役割である連絡調整役としての機能をしっかりと果たされた防災訓練がなされているのでしょうか。さらに、自主防災組織は市区町村から補助金を受けて活動をされていますが、災害対策コーディネーターは、市や社会福祉協議会などの登録団体とはなれず、受講のための費用や、登録後の活動に係るもろもろの費用は個人負担であり、活動を続けることも人をふやすことも困難だという声も聞こえております。
そこで再質問となりますが、コーディネーター相互の連携やスキルアップなどの体制強化や支援などはどのようになっているのでしょうか。
そして、ペットの避難対応での再質問といたしまして、市町村防災計画にペットの避難対応について示されている市町村はどのぐらいあるのでしょうか。また、未対応の市町村は今後どうするかお伺いしたいと思います。
続きまして、
フードバンク支援についてですが、御答弁にありました本県の
災害用備蓄食料は49万食、そして更新対象となる食料は、防災訓練などで自助の啓発に活用しているとの御答弁でございました。大変に有効な活用方法だとは思います。しかしながら、その活用が防災の目的だけに限定されることなく、限りある社会資源の有効活用との観点から、その一部を
フードバンクに寄贈することも有効活用の方法だと思います。既に愛知県、埼玉県、滋賀県などでは
フードバンクに寄贈を行っています。毎年計画的に備蓄食料を更新しているということですから、
フードバンクへの安定的な供給が保たれます。そして、県が率先した取り組みを行うことで理解が広がり、県内市町村や企業にも同様な動きを促すこともできます。それにより、食品ロスの削減にもつながります。ちなみに農水省の調べでは、
フードバンクによる食品ロス削減量は、2013年で約4,500トンもあったとのことです。
そこで伺いますが、本県災害備蓄食料の更新対象となる食料の活用の1つとして、
フードバンクへ寄贈すべきと思うが、どうか。
続いてがん対策です。
本県のがんセンターの中にあるがん相談支援センターにおいて、直近3カ月で相談を受けた572件のうち、アピアランスサポートに関するものが5件だとお聞きいたしました。この5件という件数は、ニーズがないからというよりも、相談していいかどうかわからないからではないでしょうか。相談スタッフ3名というのが、例えば看護師、医師または精神保健福祉士、ソーシャルワーカーのような方であり、やはりその専門に特化した相談しかしにくくなります。復職や就労継続支援にも大きく関係しますし、また、治療を受ける前に、副作用で外見が変化することに抵抗感を持つ人にとってみれば、専門家の方と相談したり、情報提供があることによってきちんと治療にも臨んでいけます。ですから、まずはがん相談支援センターでアピアランスサポートをやっているということがわかるような周知を図っていただき、そして安心して相談が受けられるように、専門窓口の設置を要望いたします。
次に、千葉県版政労使会議についてです。
知事、御参加いただきましてありがとうございました。このちば働き方改革共同宣言に基づいて、改革を積極的、継続的に取り組むと御答弁をいただきました。知事、お忙しいと思いますが、引き続き重要でさまざまな課題が含まれておりますので、継続的に出席をしてリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、私たち公明党では、この春に若者の声を聞くボイスアクションと名づけた政策アンケートを実施しました。その結果、今の若い世代が一番強く望むものが、非正規雇用の待遇改善や最低賃金が時給1,000円というのがありました。最低賃金の改定で、千葉県においてもこの10月から842円に上昇いたしますが、まだまだ現場の思いとの乖離があります。より希望に近づけて働きがいのある環境に向けた取り組みを、この会議を通じて実現されていくことを期待しております。
次に、日本語を母語としない児童生徒への進学支援についてですが、私の地元の八千代市も外国人の生徒がふえております。経済的、社会的な条件から、地元での公立高校に通いたいのだけれども、現状では、今八千代市内の公立高校に特別入学者選抜実施校がなく、ぜひ対応してほしいと。また、現在実施されている中には、志願者がゼロ、合格者がゼロというところも見受けられますので、実態に合った対策をしてほしいという要望が上がっております。外国人児童生徒の増加で、多様な背景を持つ子供たちが日本で学ぶ際の条件を整備することが求められておりますので、まずはこうした子供たちの実態の調査をすることをお願いしますとともに、今後、特別入学者選抜実施校の拡大におきましては、集住地域にある市町村の公立学校には特別入学者選抜が実施されるように要望したいと思っております。
そして再質問ですが、神奈川県の公立高校の入学者選抜には、一般の募集での特別な受検方法として、原則日本に来て6年以内の受検生を対象に、試験問題がルビつき、試験時間の延長1.5倍、面接にゆっくり、わかりやすい言葉で質問などの措置が申請できるようになっているとのことですが、本県での同様な措置はどうなのか。また、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。
そして、高等学校の情報科の教科担当の実態についてですが、文科省の発表では、千葉県のパソコンの普及率は全国で44位で、ICTの指導力も低迷という結果が出ておりました。ぜひ環境の整備と指導教員の確保に力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◯議長(宇野 裕君) 知事森田健作君。
◯知事(森田健作君) 災害コーディネーターの体制強化についての御質問でございます。
県では、コーディネーター相互の連携やより実践的な防災知識の習得のため、スキルアップ講座を実施するとともに、市町村が行うコーディネーター養成講座に財政支援を行っております。今後も引き続き災害対策コーディネーターの体制強化や支援に取り組んでまいりたい、そのように思っております。
◯議長(宇野 裕君) 防災危機管理部長浜本憲一君。
◯説明者(浜本憲一君) 私からはペット避難と、それから
フードバンクに関する2問にお答えをいたします。
まず、市町村地域防災計画におけるペットの避難対応についての御質問でございます。県内市町村のうち、52の市町村でペットの避難対応が地域防災計画に位置づけられております。県といたしましては、市町村に対しまして各避難所における具体的な対策が進むよう、ペットの収容場所の確保やルールの作成などを働きかけてまいりたいと思います。
続きまして、
災害用備蓄食料の
フードバンクへの寄贈についての御質問でございます。先ほども副知事から答弁をいたしましたけれども、賞味期限がおおむね1年以内に到来する備蓄食料は、県や市町村の防災訓練等で啓発のために活用することとしております。今後、防災訓練等で使用し切れず余剰の発生が想定される等の場合は、その活用方法の1つとして考えてまいります。
以上でございます。
◯議長(宇野 裕君) 教育長内藤敏也君。
◯説明者(内藤敏也君) 外国人生徒への対応について、本県において神奈川県の公立高等学校入学者選抜と同様な措置はどうなのかという御質問でございます。
在住外国人など、各県によって事情が異なることから一概に比較することは困難でございますが、本県では、神奈川県のような一般募集における試験時間の延長などの措置は講じていないものの、学力検査を免除し、英語または日本語による面接及び作文検査の結果をもとに行う外国人特別入学者選抜の実施校の拡大に努めているところでございます。県教育委員会では、外国人の特別入学者選抜も含め、本県の高等学校入学者選抜の改善について検討する千葉県
公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会での議論等を参考にしながら、今後とも高等学校入学者選抜の改善に向けて努めてまいります。
以上でございます。
◯議長(宇野 裕君) 横山秀明君。
◯横山秀明君 ありがとうございました。もう21秒しかありません。まだ要望がありましたが、今回、さまざまな提案、要望をさせていただいたこと、ぜひ一丸となって前向きに取り組んでいただいて、千葉として暮らしやすい日本一のまちづくりをぜひ進めていただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
◯議長(宇野 裕君) 暫時休憩いたします。
午前11時41分休憩
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午後1時0分開議
◯副議長(木名瀬捷司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により丸山慎一君。
(丸山慎一君登壇、拍手)
◯丸山慎一君 日本共産党を代表して質問を行います。
まず初めに、知事の政治姿勢について伺います。
7月の参議院選挙から3カ月がたとうとしていますが、選挙が終わった途端に、安倍首相の口から次々と語られる本音は、憲法、経済、沖縄など、どれも重大なことばかりです。その中でまず、憲法改定について伺います。安倍首相は、参議院選挙では憲法改定について一切語らず、徹底した改憲隠しで選挙をやり過ごしました。ところが、投票日の翌日、いかに我が党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか、これが政治の技術と、ここまで公言をして、今月26日の国会での所信表明では、改定原案を提示するのは国会議員の責任だと初めて発議にまで踏み込み、改憲に突き進んでいます。選挙中は隠し通し、終わった途端に突っ走る。こんなだまし討ちのようなやり方は、民主主義に真っ向から反すると思いますが、見解を伺います。
知事は、選挙直後の記者会見で、憲法を議論する場を持つと安倍首相も言っているので、しっかりとした議論をお願いしたいと発言しています。しかし、安倍首相の言う議論とは、改憲を前提に、自民党案をたたき台にした議論です。投票日の出口調査では、安倍政権のもとでの憲法改定に反対、これが51%と過半数を占め、主権者である国民の多数がその危険性を感じとっています。今、議論を促すということは、こうした国民の思いに背を向け、自民党案に沿った改憲を後押しすることになると思いますが、知事の認識をお聞かせください。
安保法制、戦争法に基づいて南スーダンに派遣する自衛隊PKO部隊は、今、駆けつけ警護、宿営地の共同防護などの訓練を行っています。しかし、南スーダンの首都ジュバでは、この7月、大統領派と副大統領派の激しい戦闘が勃発し、300人以上の死者が出ました。自衛隊の宿営地では、複数の弾痕が確認されています。こうしたときに自衛隊が武力で臨めば、殺し、殺される戦後初めての深刻な事態となるのは明らかです。知事は、南スーダンへの派遣は世界の平和と安定に資すると言いましたが、武力行使は事態の泥沼化を招くだけであることを世界の歴史は教えています。憲法9条が武力行使を禁じているのも、武力を振るえば犠牲者がふえ、憎しみが広がるだけで、むしろ紛争の解決を遠ざけるものとなるからだと私は思います。では、知事はなぜ憲法が武力行使を禁じているとお考えでしょうか、お答えください。
安保法制と連動するかのように、来年1月から木更津基地で沖縄米海兵隊のオスプレイ24機の定期整備が始まります。今後導入される陸上自衛隊のオスプレイ17機も木更津基地で行う計画です。しかし、オスプレイはこれまでに何回も事故を起こしている危険な軍用機であり、県民の間に不安が広がるのは当然です。こちらの表をごらんください。議場の皆さん方にはお手元に資料を配っていただいていますので、そちらをごらんください。この表は、今までのオスプレイの主な事故を表にしたものです。この表になっているものだけでも、これまでに10回、合計でここに亡くなった方の数も書いてありますけれども、これを合計すると38人、しかも、一番最近は昨年の5月です。もう一切終息のめども立っていない、事故が繰り返されている、これがオスプレイです。
こうした危険なオスプレイについて、知事も県民の不安の声を受けて、国に徹底した安全対策や騒音などが地域に影響を及ぼさないこと、地元への丁寧な説明、この3点を求めています。問題は、そのどれもが未解決のままだということです。昨年5月にハワイで起きた墜落事故について米軍は、エンジンが砂ぼこりを吸い込んだため出力が低下したことを要因の1つとしていますが、いまだに改善されていません。騒音対策でも、ヘリコプターとの比較を載せた防衛省の資料では、騒音が最も高いと言われているヘリモードの数字は隠されたままです。木更津市が求めている飛行ルートや時間などに関する協定も結ばれていません。知事が提出した要望に何ひとつ応えていない現状で、オスプレイを受け入れるとしたら、絶対に県民の納得は得られないと思いますが、知事の認識をお聞かせください。
政治姿勢の最後に、八ッ場ダムについて伺います。8月12日、国が事業費を720億円増額すると発表し、千葉県全体の負担も63億円ふやそうとしています。これが全て税金と水道料金を通じた県民負担となるにもかかわらず、知事は、今議会に同意議案を提出しました。県民の意見も聞かず、こんな拙速なやり方は許されません。事態を知らせ、県民的議論を進めるべきだと考えますが、お答えください。
今回の負担増に当たって疑わしいのは、もうこれ以上負担がふえることはないのかということです。現地の川原湯地区では、背後の山からの堆積物が広く分布し、過去に何度も土石流が襲ってきています。今後ダムに水を入れれば、地下水位の変動で地すべりの危険性が高まり、さらなる対策が必要になると指摘されています。知事は、こうした指摘についてどうお考えでしょうか。また、さらなる事業費の増額や工期の変更はないと断言できるのか、お答えください。
そもそも八ッ場ダムの計画がつくられたのは60年も前で、状況は大きく変わっています。人口は減少に転じ、節水型の家電製品の普及などで水道使用量そのものも減り続けています。洪水対策でも、ダムは上流に降った雨にしか効果がなく、下流域で洪水を受けとめる対策が注目されてきています。八ッ場ダムは必要性そのものがなくなっており、負担増など絶対に許されるものではありません。県として撤退を含めた抜本的な検討をすべきだと思いますが、知事の認識を求めます。
次に、県内経済について伺います。
8月の千葉県月例経済報告では、県内の経済情勢は、このところ弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が続いているとしています。さかのぼってみると、2013年7月から一貫して回復という言葉が使われており、ことし8月で38カ月間、千葉県経済は回復し続けているというのが県の認識です。しかし、この評価は、県内経済の実態や県民の実感と余りにもかけ離れているのではないでしょうか。お答えください。
県は、回復の根拠として雇用情勢が堅調に推移しているとしていますが、これも表面しか見ていないものと言わざるを得ません。今年7月の有効求人倍率は1.19倍で、確かに企業の求人数が職を探している求職者数を上回っています。しかし、正社員の有効求人倍率を見ると0.69倍で、3人に対して2人分の仕事しかありません。パートタイムでも有効求人倍率は1.08と1倍を超えているのに就職率は38%で、3人に1人しか職につけていません。これでどうして雇用情勢が堅調などと言えるのか、お答えください。
県の認識が経済の実態や住民の生活実感からかけ離れたら、有効な経済対策を打てるはずがありません。これまでも県は経済活性化を理由に巨大開発を進めてきましたが、工業団地を造成すれば工場が来てくれる、高速道路をつくれば使ってくれる、こういう呼び込み型のようなやり方は、想定どおりいかないかけのようなものです。かずさアカデミアパークは、基盤整備に500億円、アクセス道路や調節池の代替である矢那川ダムなどを入れると1,000億円を超える初期投資が行われ、運営費も昨年度までで1,250億円に及んでいますが、文字どおりの大破綻となりました。
幕張メッセは、周知のように毎年毎年税金で赤字の穴埋めを行っています。県内経済への波及効果は981億円と言いますが、イベントや集客などによって投下された発生需要額957億円に対して波及効果は1.02倍にしかなっていません。しかも、幕張新都心全体では、依然として広大な造成地が売れ残り、旧企業庁の収支で見ると685億円もの赤字となっています。金で企業を呼び込もうという企業立地補助金でも、50億円もの補助金を約束したIPSアルファテクノロジは、結局、正社員は1人も雇わず、業績不振で転売され、わずか5年で休止という事態となりました。工業団地は、高速道路ができて売れ行きがよくなったと言いますが、外環道、圏央道、北千葉道路の3路線の建設費への県負担分は、これまでに3,200億円という途方もない額となっており、今後ますます膨らんでいくことになります。過大な見込みを描き出し、莫大な税金を投入し、失敗すれば穴埋めにまた税金が投入される。こうした呼び込み型のようなやり方は根本から転換すべきだと考えますが、知事の認識をお聞かせください。
こうした呼び込み型に変わって今求められているのは、県内産業を育成し、県内での経済循環を活性化させることであり、そのための受け皿となる県内の消費を温めることです。その1つが、介護や子育てなどの社会保障の充実です。これは、将来に安心感を与え、消費の活性化につながります。これに関連して、千葉県の産業連関表という統計を使って経済波及効果を測定したものがこちらのグラフです。お手元の資料をごらんください。公共事業と介護を比べてみました。どちらにも初期投資で100億円投下をした場合、波及効果では若干公共事業の方が上回っていますが、雇用者所得誘発額、これは公共事業が51億円、介護のほうが75億円で、介護が1.5倍になっています。雇用誘発者数、これは人数ですが、公共事業が1,468人、介護のほうは2,397人、何と1.6倍、介護のほうがいかに効果があるのか明らかだと思います。経済活性化のためにも、社会保障に思い切って力を入れるべきだと考えますが、どうでしょうか。
消費が落ち込んでいる最大の要因は、雇用者報酬が伸びていないことです。県の統計でも、非正規雇用がこの10年間で3割もふえ、全体の39%を占めています。とりわけ女性では61%が非正規雇用を余儀なくされています。労働関係法制の緩和と企業のリストラで、正規雇用から賃金の少ない非正規雇用への切りかえが進んでいる現状は、労働者一人一人の生活を圧迫しているだけでなく、消費を冷え込ませている最大の要因となっています。これを改善していくために、若者の就職を支援するジョブカフェを拡充強化していくことが欠かせません。ところが、この間、ジョブカフェの利用者は半減しており、就職先も半分程度が非正規雇用で、その役割を十分果たしているとは言えません。体制を強化し、企業開拓にも力を入れて正規での就職を確保すべきだと思いますが、認識をお聞かせください。
もう1つ、県として独自に実施できる具体的な対策の1つが公契約条例の制定です。公共事業の現場で働いている労働者の賃金をきちんと確保するためにも、条例の制定は一刻の猶予もならない課題となっています。こちらのグラフをぜひごらんください。このグラフは、建設で働いている労働者の数の変化を折れ線グラフにしたものです。もう一目瞭然ですが、1997年、これがピークで685万人、それがどんどんどんどんどんどんどんどん減り続けて、一番右端、2015年には500万人になっています。ピーク時の73%、ここまで建設労働者は激減をしているというのが実態です。
年齢構成も55歳以上が約3割を占め、29歳以下は1割しかいません。震災からの復興もなかなか進まず、ますます建設労働者が必要とされている状況に加えて、
東京オリンピック・パラリンピックに関連した需要も予想される中、このままでは深刻な事態になりかねません。建設労働者のこうした現状についてどう認識しているのかお答えください。
打開のためには技能にふさわしい処遇が必要であり、賃金の引き上げが急務となっています。国では設計労務単価の引き上げを毎年実施し、4年前と比べて34.7%の増額となりました。当然、千葉県が発注している工事も、引き上げに合わせた金額が設定されています。問題は、現場でそのとおりに支払われていないことです。千葉土建一般労働組合では系統的に賃金調査を行っていますが、県内のある公共工事の現場では、型枠工の平均賃金が日給で1万5,000円でした。設計労務単価は2万2,600円ですから、3割以上カットされています。大工は38%カット、鉄筋工に至っては、2万5,200円の設計労務単価に対して1万4,000円で半分程度しかもらえていません。現場調査でも、去年と比べて賃金が上がったという回答は69人中わずか6人で、大多数は変わらないと答え、中には下がったという人もいました。設計労務単価が上がっているのに賃金は上がらない、これが実態です。現場のこうした状況を県は知っているのかお答えください。
これを是正するためにも、県みずから発注した工事について実際の賃金額を調査すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
もう1つ、大きな問題になっているのが社会保険料などの法定福利費です。今、国を挙げて社会保険への加入強化が進められていますが、これ自体は当然のことで、若い建設労働者を確保するためにも安心感の持てる職場にする必要があります。ところが、千葉県では建設労働者の加入率は45%で、都道府県の中で下から2番目です。最大の要因は、法定福利費分が下請業者に支払われていないことにあります。千葉土建の調査でも、法定福利費分がもらえていないという事業主が85%に達しています。国では、来年3月までに全ての企業の保険加入を目標にしていますが、県は、そのためにどういう手だてをとろうとしているのか伺います。
また、こうした問題を解決するためにも、県の積算どおりに現場での人件費の支払いを求める公契約条例の制定は急務です。ぜひ実施すべきだと思いますが、お答えください。
次に、地震対策について質問します。
東日本大震災や熊本地震での被害は極めて深刻ですが、千葉県でも必ず起こることを前提に対策を進める必要があります。県は、ことし3月に新たな被害想定を公表し、千葉県地域防災計画に反映させるとしています。ここで大事なのは、計画を絵に描いた餅に終わらせてはならないということです。
まず、住宅の耐震化についてですが、県の推計では住宅の耐震化率は約84%で、39万戸が残されています。これを進めるために、県内48市町では耐震改修の補助制度をつくり、県もその一部を補助していますが、今年度の県予算は3,500万円しかありません。1戸当たりの補助額でも、100万円の工事の場合、千葉県は5万7,000円ですが、愛媛県では22万5,000円です。しかも、千葉県では住民が支払ってから補助を受けますが、愛媛県では代理受領制度を導入して、住民が立てかえなくても済むようにしました。千葉県も、補助額の引き上げや代理受領制度などで住宅の耐震化を促進するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
千葉県では、曲がりなりにも戸建て住宅には耐震改修補助があるのに、マンションにはありません。住宅に違いはないのに、これでは不公平であり住民は納得できません。国ではマンションにも耐震改修の補助制度がありますが、自治体に補助制度がないと使えません。戸建てとマンションの区別なく、県として耐震改修への助成を決断すべきです。答弁を求めます。
とりわけマンションへの補助が重要になるのは緊急輸送道路の沿道です。大震災が起きたときに、避難や物資の輸送で重要な役割を果たす幹線道路などが指定されていますが、その沿道にあるマンションにも補助制度はありません。これではマンションに住んでいる住民の命だけではなく、救助活動など地域全体に重大な支障を来すことになります。緊急輸送道路の沿道にあるマンションの耐震補強は公共性の高い施策であり、早急に補助制度を創設するべきだと考えますが、認識をお聞かせください。
実際に地震が起きたときに欠かせないのが避難所です。中でも高齢者や障害者、妊婦などを対象にした福祉避難所の設置は重要な課題として指摘されてきました。4月に起きた熊本地震でも、461カ所指定されていた福祉避難所のうち、6月時点で受け入れ可能だったのは115カ所で4分の1にとどまりました。しかし、千葉県では受け入れ以前に、その指定さえ大きくおくれています。国では小学校区に1カ所が望ましいとしていますが、県内では1カ所もないところが4市町、小学校区の数の半分以下が16市町もあります。県はこの現状をどう受けとめているのでしょうか、お聞かせください。市町村とも協力して必要数の確保に万全を尽くし、地震の際に活用できる体制を一刻も早くつくり上げるよう求めるものです。
千葉県では、市町村の消防力も基準どおり整備されていません。県の被害想定では、死者約2,100人の6割に当たる1,400人が火災によるものだというのに、昨年度の充足率は、消防ポンプ車95.8%、救急自動車91.8%、消防職員82.0%で、いずれも前回調査より後退しています。市町村に任せるのではなく、県として積極的な支援をすべきだと思いますが、答弁を求めます。
災害発生時に備えて、備蓄品の確保も欠かせない課題です。ところが、県が医薬品や衛生材料、応急医療資機材などを備蓄している海匝と安房の健康福祉センターや八日市場の保健センターは耐震強度が不足したままで、改修計画も定まっていません。また、山武や君津など5カ所の合同庁舎は災害時に応急活動の拠点となりますが、ここでも必要な耐震改修が未定となっています。県が改修をやらずに放置した結果、万一の事態に確保した備蓄品が使えないとか、災害時の活動拠点が壊れて使えない、これでは話になりません。期限を切って耐震化を進めるべきです。お答えください。
地震対策の最後に、重層的な自治体間の支援について伺います。東日本大震災では、岩手県の遠野市が行った被災市町村への支援や、名古屋市による陸前高田への長期的支援などが注目されました。大震災では、復旧・復興に向け低下している行政機能を回復させ、避難所の運営や罹災証明の発行、仮設住宅の設置など、山ほどある行政事務を執行するための中長期的な支援が不可欠です。県としても、災害を受けた際の自治体の受援力、支援する側の支援力を高め、重層的な自治体間の支援体制の構築に努める必要があると思いますが、認識を伺います。
次に、生活保護について伺います。
四街道市では、ことし6月まで生活保護の窓口に張り紙が掲げられていました。内容は、生活保護受給者について、過度な飲酒や遊興費、パチンコ、パチスロなどに浪費している方が見受けられる、再三の指導にもかかわらず生活保護費の適正な支出が見られない場合は、停止や廃止といった措置を講じなければならない場合もあるというものですが、大きな問題をはらんでいます。その1つは、保護費の使い方は自由なのに、使い方を問題にして制限をかけているということです。過度な飲酒やギャンブルに入り浸り、こういう状況が事実だとすれば、依存症などの可能性も考えて個々に対処すべきであって、停止や廃止という、まるでおどしのようなことは絶対にあってはなりません。生活保護法60条にある「支出の節約を図り」という条項を持ち出す議論もありますが、これも何をどう節約するかは本人の自由です。生活保護だからというだけの理由で保護費の使い方に制限をかけることは、施しや救貧制度と同じ発想であり、権利としての生活保護のあるべき姿とは合致しません。保護費の使い方は自由、この点で、県の認識をお聞かせください。
もう1つは、窓口に張り出し、該当者以外にも圧力をかけ、市民にも誤解を与えることになったことです。この点では、四街道市自身が、過度の飲酒やパチンコが受給者全体のことだと思われてしまうと、誤解を招きかねないやり方だったことを認めています。県として、威圧的で誤解を与えるようなやり方に対して県内の福祉事務所に注意を喚起すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
千葉県の生活保護の状況を見ても、高齢で働けないという世帯が半分を占め、病気やけが、障害を持っている世帯が大多数となっています。その他の世帯も、母子世帯など十分な収入を得られる仕事につくことができなかったり、解雇などで職を失うなど、本人の努力ではどうしようもない状況に置かれています。だからこそ、社会的に支えようというのが生活保護の考え方であり、憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という生きる権利を保障するためものです。この権利を具体化するために憲法は、「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」ことを国に義務づけています。県は、こうした憲法の要請に従って生活保護行政を行わなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
なぜこのことを強調するのかというと、現実には、生活保護に対するゆがんだ見方が広がっているからです。保護費の不正受給が許されないのは当然ですが、額にして0.6%にすぎない不正受給が、まるで全体に蔓延しているかのような雰囲気がばらまかれ、生活保護を受けづらく、実際に受けている人にも肩身が狭い思いを強いている状況があるからです。この間、生活保護を受けている人からお話を伺う機会がありました。少なくない人が人に知られたくないとか、余り表に出ないようにしているなどと追い詰められています。しかし、これは個人の責任ではありません。県を初めとした行政は、こうした雰囲気を一掃していく努力をすべきではないでしょうか、お答えください。
こうしたゆがみを広げるものの1つに、昨年から始まった資産調査があります。財布の中身を見せろと言われたなどのケースも生まれており、新たな人権侵害になりかねません。資産については法令で行政に強制調査の権限が与えられ、申請時に行われています。それをあえて毎年やること自体、圧力以外の何物でもありません。国会では、あくまでも受給者が主体的に取り組んでいくことが重要で、これを果たさないことをもって保護の停廃止を行うようなことは考えていない、こう副大臣が答えています。千葉県でも、あくまでも自主的なものとして扱い、相手が圧力と感じたり、プライバシーを侵害するようなやり方は厳に戒めるべきだと考えますが、お答えください。
保護を受けている皆さんからは、さまざまな要望も語られました。保護費が少な過ぎて御近所づき合いや葬式にも行けないような状況も出されましたが、国では逆に老齢加算を廃止し、復活した母子加算も再度廃止する方向で検討が行われています。県として、こうした切り下げをやめるよう国に働きかけるとともに、老齢加算の復活を求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
また、電車やバスを乗り継いで医者にかかっているのに、通院移送費を支給されていない人がいました。そういう制度があることを知らなかったためですが、担当のケースワーカーは受診していることや通院費のことを知っているはずです。医療機関にかかっている人については、移送費が支給されるようケースワーカーが手続を促すべきではないでしょうか。お答えください。
生活保護を行政として実施する上で、ケースワーカーの存在が決定的です。ケースワーカーの仕事は、受給者の家庭を訪問し、状況をつかんで支援を行うだけではありません。新たな申請に対する審査や、戸籍や預貯金の調査、子供のいる家庭では学校との連携も必要になります。仕事を探すためにハローワークに同行する場合もあります。高齢者から子供まで、その世帯の状況に合わせた支援を行うためには、相当な時間がかかるのは明らかです。ところが、ケースワーカーは都市部で80世帯に1人、郡部で65世帯に1人が標準とされているのに、下回っている市が7つもあり、合わせて54人も足りません。県として、少なくとも標準数を確保できるように市に働きかけることや、本来、責任のある国にも是正措置を求めていくべきだと考えますが、どうでしょうか。
次に、地域医療について伺います。
全国最下位クラスとなっている千葉県の医療提供体制を充実させることは県民の切実な願いであり、とりわけ県立病院への期待は大きなものがあります。ところが県は、県立病院経営健全化・将来構想に沿って地域医療からの撤退を進め、県自身が医療崩壊の引き金を引くような事態となっています。その1つが山武地域です。2014年3月に県立東金病院が廃止され、4月から東金市と九十九里町を設立団体として東千葉メディカルセンターが開設しました。しかし、今年度中に314床のフルオープンという目標だったのに、5月時点で207床しか動いておらず、フルオープンのめどさえ立っていません。最大の要因は、看護師が昨年度末時点で目標より44人も足りないところにあります。医業収益も目標より11億円も少なく、赤字額は16億6,000万円にも上り、目標より6億円も上回ってしまいました。県は、10年間で合計85億6,000万円の補助を行うことを決めていますが、昨年度は6億6,200万円を前倒しで支援せざるを得なくなりました。これを見ただけでも事態の深刻さは明らかだと思いますが、知事の認識を伺います。
そもそも東千葉メディカルセンターは、この地域の医療提供体制に責任を負ってきた県が東金病院の廃止を一方的に決め、医療の責任を地域に押しつけたものです。当初、県は山武地域全体で担うことを求めましたが、負担の重さや既存の公立病院との関係などで次々と離脱し、東金市と九十九里町だけに押しつけられた形となりました。しかし、この2つの市と町だけでメディカルセンターを運営していくこと自体、無理があります。これに関連して、5月に発表された中期目標見直しのための報告書では、東千葉メディカルセンターを運営する東金市と九十九里町、市立医療センターを持つ船橋市、2つの市立病院がある千葉市、この4自治体をさまざまな角度から比較しています。その中の1つがこちらのグラフです。お手元の資料4枚目です。
これは、今言った4つの自治体が持っているメディカルセンターとか市立病院、青葉病院などに対して一般会計からお金を出しています。そのお金の額が人口1人当たり幾らになっているのかというのを比べたグラフなんです。これは昨年度、2014年度の数字ですが、船橋市は3,205円、千葉市は3,589円です。これに比べて、東金市は9,897円、九十九里町は何と1万円を超えて1万1,831円も町民1人当たり東千葉メディカルセンターに負担しているということなんですよ。3倍以上、こんなに負担をさせられているということを示しているのがこのグラフです。これを見ただけでも明らかに過大な負担だと思いますが、県の認識をお聞かせください。
こうした状況が予測できたにもかかわらず、県は、2008年に東金市と九十九里町に対して試案を示し、メディカルセンターを推進してきました。初めに県立病院の撤退ありきで、甘い予測を地元に示し、両市町合わせて人口7万人余りしかない自治体に救急医療をも背負わせた、ここに根本原因があり、全ての責任は県にあります。事態を打開するために、県が当事者としての責任を持ち、主体的に運営にかかわっていくのは当然のことです。県からの補助額を運営費にまで広げて増額するのはもちろんのこと、県が設立法人に直接参画して病院経営を支える以外にないと考えますが、お答えいただきたい。
今、東金病院の二の舞になるのではないかと県民から不安の声が上がっているのが佐原病院です。県の方針では、これまで県立病院が担ってきた地域医療の水準が後退しないよう十分配慮し、医療機能の充実に努めるとされていますが、現状は全くそうなっていません。この10年間で延べ入院患者数は3割減少し、外来患者も2割減ったため、一昨年度は6億円もの赤字となり、昨年度はさらに赤字がふえて7億円を超えました。要因は医師数の減少で、ことし4月の常勤医師数は昨年度より5人も減り、ピーク時に30人だったものが18人へと激減しています。長らく常勤医師を置けていない産婦人科に加えて、循環器科や脳神経外科、泌尿器科や眼科でも常勤医師がいなくなりました。誰が見ても、医療の水準が後退しているのは明らかではありませんか。県の認識をお答えください。
とりわけ問題なのは、病院本館の地震対策です。20年も前に耐震基準を満たしていないことがわかっていたのに放置され、ようやく昨年度の予算で本格的な耐震補強工事を行うための調査費が計上されたと思ったら、その予算は執行されず、今年度予算では全く消えてしまいました。県は、成田市への医学部新設など周辺の医療環境が変化したからだと言いますが、これは予想されていたことであり理由にはなりません。県自身も待ったなしと言ってきた佐原病院の耐震化を、これ以上先延ばしすることは許されないと思いますが、はっきりとお答えいただきたい。
地域医療の最後に、千葉リハビリテーションセンターについて伺います。
1981年に開設された同センターは、リハビリに関する県の中核施設であり、民間病院では対応が難しい専門的なリハビリを提供しています。その一方で、開設から30年以上が経過し、老朽化や狭隘化が著しくなっています。先日、視察に伺いましたが、居住棟は五、六人の大部屋が中心で、部屋の中には手洗い場もありません。トイレはカーテンで仕切られているだけです。こちらの写真を見ていただけますでしょうか。お手元の資料の一番最後にもつけてあります。それは白黒ですけれどもね。これが、リハビリテーションセンターのトイレです。ドアがついておらずに、カーテンで仕切られただけ。男性も女性も全部こうなっています。本当にこんなのでいいのか、それをぜひ知っていただきたいと思います。
ほかにも、リハビリ施設にもかかわらず、施設をつなぐ廊下には段差があり、坂になっているため、車いすの転倒事故もありました。ライフラインの老朽化で半日にわたる停電が発生したこともあります。排水管の腐食による水漏れもたびたび起こっています。本館は耐震基準さえ満たしていません。このようなセンターの現状を知事はどう認識しているのでしょうか、率直にお答えいただきたい。
県が策定したセンターの改革プランでは、2014年3月までに建てかえも含めた施設整備計画の策定を検討するとされていました。しかし、県が進めている公共施設等総合管理計画によって、全ての施設が再検討の対象になったため、棚上げにされ、いつまでに策定されるのかめどすら立っていません。総合管理計画のために改修が先送りされ、入所者の安全が脅かされることなどあってはなりません。最優先で抜本的な改修、建てかえ計画をつくり、実施すべきだと思いますが、お答えください。
こうした県立医療施設の深刻な現状の背景には、将来構想があります。地域医療を守るという県の責任を投げ捨て、地域に矛盾を押しつける県立病院将来構想は撤回すべきです。お答えください。
次に、海辺の自然環境について伺います。
木更津市の小櫃川河口に広がる盤洲干潟は、1,400ヘクタールもの広大な面積を持つ日本有数の砂質干潟で、自然海岸の後背地には43ヘクタールもの塩性湿地帯があり、海岸部分には護岸もなく、太古から引き継がれた原風景をとどめる国内最大級の大規模河口干潟となっています。絶滅危惧種であるコアジサシを初め120種を超える鳥類が餌をついばみ、渡り鳥にとって命を育むかけがえのない場所となっています。魚類も60種が生息し、カニや貝類などの底生生物も40種を数える貴重な場所です。絶滅危惧種のキイロホソゴミムシは盤洲干潟にしかいないと言われ、2014年に発見された新種のカニは、バンズマメガニと命名されました。県立中央博物館などの研究チームは、東京湾の干潟で新種のカニが見つかるのは極めて珍しいと話しています。植物群落もレッドデータブックに、新たな保護対策の必要性、緊急性の最も高い植物群落系の1つと記載されるほど重要な群落が生き延びています。後世に残したい極めて貴重で希少な自然が息づいている千葉県の宝、日本の宝ともいうべき場所が盤洲干潟であり、今のままの姿で残すべきだと考えますが、見解を伺います。
盤洲干潟の周辺は、ノリやアサリなどの漁業にとっても重要な場所であり、5月のゴールデンウイークには大勢の家族連れが潮干狩りに訪れてにぎわいます。学校や公民館、博物館などが環境教育の場として利用しており、盤洲干潟の価値は極めて大きなものがあります。盤洲干潟がこうした価値を持っているのは、干潟での動植物による生命活動が土地を肥沃にし、東京湾に生息する稚魚などを育て、支えているからです。多くの人の生活の場、憩いの場となり、漁業を支える広大な干潟が、今も全く手つかずのまま、都心からわずか1時間ほどのところに残されているのは奇跡にも等しいものだと思います。こうした貴重な自然環境は、一度失われたら二度とよみがえらせることはできません。千葉県が率先して保護するべきだと思いますが、どうでしょうか。
そのためにも、ラムサール条約への登録を進めるべきだと考えますが、お答えください。
自然環境に関連して、行徳野鳥観察舎について伺います。
県は7月、行政改革推進本部の方針として、廃止の方向で検討を行うとしました。しかし、方針決定に際して募集したパブリックコメントは606件も寄せられ、その中には、国内外で環境問題が重要視されているのに廃止は時代に逆行しているとか、全国から人々が集い研究や意見交換が行われている、国内有数の探鳥地で海外からも来訪者があるなど、その大多数が存続を求めるものでした。知事はこうした意見をどう受けとめたのか、お聞かせください。
県は、廃止の理由として、来館者名簿の7割が地元市川市民だったことを挙げ、広域的な利用がされていないとしています。しかし、来館者名簿は記入しない利用者が多くいるため、その根拠は希薄です。一方、606件のパブリックコメントのほぼ半数に当たる288件が県外からのものであり、全国から注目される重要な施設であることを物語っています。また、県は行徳湿地に関しては今後も県が管理していくとしていますが、そもそも行徳湿地と野鳥観察舎は一体のものであり、行徳湿地の附属施設としての役割を持っています。それを国の方針をそのまま受け入れ、公の施設だからといって無理矢理湿地から切り離せば、湿地の保全や管理自体に支障を及ぼすことになるのは明らかです。行徳野鳥観察舎は行徳湿地と一体に県が責任を持って建てかえ、引き続き管理するべきだと思いますが、県の認識をお答えください。
最後に、三番瀬の再生事業の進め方についてです。今年度で最終年度となる現行の事業計画では、三番瀬に特化した取り組みに一定のめどをつけ、以降は県がそれぞれの分野で行う施策の中で対応することについて検討するとしています。しかし、三番瀬の全体を視野に入れた現在のやり方があったからこそ、護岸工事も自然環境に極力影響を与えない努力が払われ、漁場再生も三番瀬の保全と合わせて検討されてきました。これがなくなれば、三番瀬の保全が後回しにされるのは明らかだと思いますが、いかがでしょうか。保全のためにも、来年度以降も現行のやり方を継続することを求めます。
次に、道路の安全対策について伺います。
船橋市内を通る県道市川印西線、木下街道は幹線道路で、大型車がひっきりなしに通っているのに歩道がなく、幅の狭い側溝のふたの上を歩かされているため事故が多発していました。ここで起きた小学生の死亡事故をきっかけに歩道整備が事業化され、船橋法典駅から東へ400メートルが完成しました。この区間の歩行者を巻き込んだ事故を調べてみると、歩道ができる前の4年間は7件ありましたが、歩道が完成した昨年はただの1件も起きていません。予想されていたとはいえ、数字を見ると、人の命を守る歩道の役割が浮き彫りになります。県として、道路事業では何よりも人の命を守ることを最優先に進めるべきだと考えますが、お答えください。
しかし、県の現状はそうなっていません。県管理道路は全県で3,265キロメートル、このうち歩道が整備されているのは1,712キロメートルで、半分にしかなりません。この10年間で見ても115キロメートルしか伸びておらず、思い切って予算をふやす必要があります。ところが、今年度予算を見ると、土木事務所からの要望額の合計は約949億円なのに、実際の当初予算計上額は676億円と7割しかついていません。しかも、要望額に対する計上額の差が開く傾向にあります。こうした姿勢を正し、思い切って予算をふやして、歩道整備のスピードを引き上げるべきだと思いますが、どうでしょうか。
信号機の設置も大きく後退しています。昨年度、市町村や住民からの設置要望は987件でしたが、設置件数はわずか60件でした。しかも、3年前は90件、2年前は80件、昨年度は60件と減り続けています。少なくとも、警察庁の指針で示された必要な条件を満たしているものは直ちに設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、要望の全てに応えるために、思い切って設置件数をふやすべきです。お答えください。
最後に、北総鉄道について伺います。
北総鉄道の運賃が高いのは言うまでもありません。これに対して、住民や利用者、行政も一緒になった取り組みが進み、京成電鉄が北総鉄道の線路を使って成田スカイアクセス線を運行することを契機に引き下げを望む声が広がりました。京成電鉄が北総鉄道に支払う線路使用料への期待感が背景にありました。しかし、その期待は裏切られ、沿線6市と県が5年間にわたり年間3億円の補助金を出しても、引き下げ幅は平均4.6%とわずかなものとなりました。2015年2月に自治体側の補助金がなくなると再値上げされ、利用客の最も多い京成高砂駅と千葉ニュータウン中央駅間の運賃は、スカイアクセス開通時の720円から760円に40円も上げられました。現状を見れば、依然として全国一高い運賃の鉄道であり、沿線住民にとっては耐えがたい運賃だという事態は変わっていないと思いますが、県の認識を伺います。
解決策の柱は、以前から指摘されてきたように、北総鉄道に支払う京成電鉄の線路使用料です。現行の線路使用料は、京成電鉄側にとって極めて有利に設定されています。京成高砂から小室までの北総鉄道区間の線路使用料は、本来の線路使用料に当たる資本費相当額と、北総線から京成に移動した乗客の運賃減少分を比べて、減少分の方が多い時にはその額のみ支払い、資本費相当額は実質支払わない仕組みになっています。これほど不合理な話はないと思いますが、県の認識を伺います。
千葉ニュータウン鉄道が線路を保有している小室駅と印旛日本医大駅の区間では、北総鉄道と京成電鉄がそれぞれ線路使用料を支払っていますが、この区間を走っている電車の運行距離の比率は、北総鉄道が56%、京成電鉄が44%となっているのに、支払っている線路使用料は北総が25億400万円、京成はわずか3億5,900万円です。この理解しがたい不公平は、同区間が旧都市基盤整備公団の所有であった時代に、線路使用料は同区間の運賃収入相当額とするとしていた協定が、千葉ニュータウン鉄道株式会社に譲渡された後も全く見直されていないことに原因があります。これを見直しただけでも、北総鉄道の運賃引き下げの財源を生み出すことができます。千葉ニュータウン鉄道の線路使用条件を決めた協定の次期改定は来年度末と言われています。この機会に、千葉県の責任として、北総鉄道の線路使用料などを踏まえて抜本的な是正を京成電鉄に働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。県は、千葉ニュータウンにとってなくてはならない鉄道として、当時、都市基盤整備公団から京成電鉄に経営移譲されるに際して43億円の負担をしており、民間同士の問題では片づけられません。責任ある答弁を求めるものです。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
◯副議長(木名瀬捷司君) 丸山慎一君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 共産党の丸山慎一議員の代表質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
選挙に関する御質問でございますが、先般の参議院選挙においては、経済対策、外交、安全保障、子育て、介護、地方創生など、我が国を取り巻くさまざまな課題への対応について国民の判断が示されたものと認識しております。
憲法に関する議論についての御質問でございます。憲法の問題については、国民の声を代表する機関である国会において、国民各層の意見を十分踏まえながら議論されるべきであると考えております。
憲法の規定に関する御質問でございますが、日本国憲法第9条では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」、「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と規定しているところでございます。
オスプレイについての質問でございます。木更津駐屯地におけるオスプレイの定期機体整備に関しては、平成26年10月に要望書を提出し、徹底した安全対策や騒音等地域環境への万全の措置、地元に対する丁寧な説明を要望したところであり、国にはこの要望に沿った対応がなされることを確認しております。
八ッ場ダムについてでございます。
県民に知らせ、県民的議論を進めるべきだと考えるが、どうかとの御質問でございます。国が事業費の増額を公表し、関係する1都5県は合同調査を行い、事業費増額の妥当性について確認したところでございます。本県においては、調査結果及び関係する水道事業体の意見を踏まえ、ダムの必要性も含め、計画変更の妥当性を総合的に判断した上で同意することを議案として提案しているところでございます。
地すべりなどさらなる対策が必要になるとの指摘及びさらなる事業費の増額や工期の変更についての御質問でございます。国は、現時点において想定される地すべり対策など、全ての増額要因とコスト縮減策の両面から精査を進めた結果、今回基本計画を変更するものであり、事業費の増額や工期の変更はないものとしています。
県として撤退を含めた抜本的な検討をすべきとの御質問でございます。八ッ場ダムでございます。八ッ場ダムは、利根川上流ダム群で最大の洪水調節容量を持ち、下流への洪水流量を低減させることや、県民に必要不可欠な水を安定的に供給し、渇水に対する安全性を高めるためにも、本県にとって治水、利水上必要不可欠な施設でございます。
次に、県内経済についてお答えいたします。
千葉県月例経済報告は回復基調としているが、県内経済の実態や県民の実感とかけ離れているのではないかとの御質問でございます。経済情勢については、個人消費など一部の指標が一進一退で推移していますが、長期にわたり有効求人倍率などの雇用情勢が堅調であるほか、倒産件数も低い水準を維持していること等から、8月にまとめた報告では、情勢の判断を緩やかな回復基調にあるとしております。なお、千葉財務事務所が8月に公表した県内経済情勢においても、県内経済は持ち直しが続いているとされているところでございます。
雇用情勢が堅調に推移としているが、正社員などを見ればそうは言えないと思うが、どうかとの御質問でございます。平成27年度の県内の有効求人倍率は24年ぶりに1.0倍を超え、千葉労働局の雇用情勢判断も平成27年4月以降改善基調が続いており、雇用情勢は全体として改善しております。ただし、その中にあって、正社員の求人が不足していることや、職種によっては希望と求人とのミスマッチなどの課題があり、県といたしましては、国や関係団体と連携しながら、希望する働き方の実現と企業の人材交流・確保に取り組んでいるところでございます。
呼び込み型と指摘されている企業誘致についての御質問でございますが、企業の立地は雇用の創出、確保や地元企業との取引の拡大など、本県経済の発展を支えるために重要であると考えております。このため、企業の受け皿となる工業団地の整備を進め、積極的な企業誘致に努めるとともに、平成26年度に立地企業補助金制度の拡充を行い、既存企業の再投資の支援にも取り組んでいるところでございます。
経済活性化のためにも社会保障に力を入れるべきとの御質問でございます。昨年10月に策定した千葉県地方創生総合戦略では、待機児童解消に向けた保育所等の整備の促進や、学生等に対する保育士への就業促進、介護需要の増加に対応した特別養護老人ホーム等の整備の促進や、地域包括ケアシステムの構築などに積極的に取り組むこととしております。これらの取り組みを着実に行うことにより、経済の活性化にもつながるものと考えております。
次に、地域医療についてお答えいたします。
千葉メディカルセンターの事態に関して認識はどうかとの御質問でございますが、東千葉メディカルセンターは、平成26年4月に開院し、地域において救命救急センターとしての役割も担っており、救急搬送による受け入れ目標値を大きく上回っているところでございます。一方、看護師の確保や病棟のオープンがおくれるなどしていることから、経営改善に向け、本年7月に中期目標が変更され、現在この目標を具体化するための中期計画が検討されていると認識しているところでございます。
私からは以上でございます。他の問題につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。
◯副議長(木名瀬捷司君) 副知事高橋渡君。
(説明者高橋 渡君登壇)
◯説明者(高橋 渡君) 私からは県内経済についてなどにお答えいたします。
まず、建設労働者が減っている現状をどう認識しているのかとの御質問でございます。平成27年の国の調査によれば、建設技能労働者数は平成9年のピーク時に比べ約27%減少しておりますが、ここ5年ほどは同程度で推移しております。なお、建設業就業者は他産業に比べても特に高齢化が進行しており、若年入職者の確保が課題であると認識しております。
設計労務単価が上がっても現場に還元されていない状況を県は知っているのかとの御質問でございます。公共工事設計労務単価は、公共工事費の積算に用いるものであり、下請契約における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではありません。
県発注工事について、賃金額を調査すべきだと思うが、どうかとの御質問でございます。県では、県発注工事の受注業者に対し、工事施工上の指示事項により関係法令等の遵守を初め、下請取引の適正化の徹底を要請しております。設計労務単価は雇用契約の賃金を拘束するものではなく、賃金などの労働条件は労働基準法に基づき労働者と使用者の間で自主的に決定されるものと認識しております。
来年3月までに保険加入を目標にしているが、県はどういう手だてをとろうとしているのかとの御質問でございます。社会保険未加入の建設業者に対しては、建設業許可申請、経営事項審査申請、立入検査において、指導助言等による加入促進を行っております。また、県発注工事における社会保険未加入業者の排除については、平成27年4月から元請業者を排除し、平成28年、29年度の入札参加資格者名簿において、社会保険未加入業者の登載を認めないこととしております。今後も引き続き地域建設業団体等の関係者と連携し、社会保険未加入対策を進めてまいります。
公契約条例の制定は急務だと思うが、どうかとの御質問でございます。民間の賃金等に係る労働条件は、労働基準法に基づき労働者と使用者の間で自主的に決定されるものと認識しており、公契約条例の制定については、解決すべきさまざまな課題があると考えております。県といたしましては、国、他県の動向等を注視してまいります。
次に、地震対策についてお答えいたします。
住宅の耐震改修に係る補助額の引き上げや代理受領制度などを実施して促進すべきだと思うが、どうかとの御質問でございます。本県では、戸建て住宅の耐震改修に補助を行う市町村に対して、市町村の補助額の4分の1を助成しております。補助額は、改修事業費に対し国の補助率の2分の1である5.75%で1戸当たり7万5,000円を上限としております。この制度は、戸建て住宅を対象に市町村が補助するものであり、代理受領制度などの補助金の支払い方法は、必要があれば市町村において検討されるものと考えております。今後とも住宅の耐震改修を促進するため、なるべく多くの住宅に補助できるよう補助制度の周知を図るとともに、耐震改修補助制度のない市町村に対して制度の創設を働きかけてまいります。
戸建てとマンションの区別なく耐震改修への助成を決断すべきと思うが、どうかとの御質問でございます。建築物の耐震化は、まず、所有者等に耐震診断を実施して耐震性について認識していただくことが重要であることから、県では、平成18年度から建築物の耐震診断補助を行う市町村に対し助成を行っているところでございます。今後とも市町村と連携して、旧耐震基準の建築物の耐震診断が実施されるよう努めてまいります。なお、現在マンションの耐震改修に対し、市が独自に補助を実施しているのは5市町ありますが、その実績は過去2件のみとなっております。
緊急輸送道路の沿道にあるマンションの耐震補強は公共性の高い施策であり、早急に補助制度を創設すべきだと考えるが、どうかとの御質問でございます。本県では、千葉県耐震改修促進計画において、緊急輸送道路沿道の建築物を、耐震診断、耐震改修に努めるべき建築物としております。緊急輸送道路の沿道の建築物の耐震化を促進するためには、まずは所有者等に対し耐震診断を実施して耐震性を認識していただくことが重要と考えております。マンションを含め、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断に対して、市町村が所有者等に補助を行う場合は、県は市町村に対し助成をしており、今後とも市町村に耐震診断補助制度の活用を働きかけ、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化の促進に努めてまいります。
福祉避難所の指定の状況についての御質問です。県では、避難所運営の手引きにおいて、市町村に対し、目標として小学校区に1カ所程度の割合で福祉避難所を指定することが望ましいと示しておりますが、本年9月1日現在、31市町においてこの目標を満たしておりません。福祉避難所は、高齢者や障害者などの要配慮者を受け入れ、適切な支援を行うための重要な施設であることから、県としてはこれらの市町に対し、引き続き福祉避難所の確保を働きかけていく必要があると考えております。
消防施設の充足について、県として積極的な支援をすべきと思うが、どうかとの御質問でございます。平成27年4月1日現在の県内における主な消防施設の充足率は、消防ポンプ自動車が約96%、救急自動車が約92%、消防水利が約76%となっております。県では、引き続き市町村の状況を把握しながら施設整備に対する財政支援を行うとともに、国の補助金や起債の活用を働きかけ、市町村の消防力向上を図ってまいります。
健康福祉センターや合同庁舎の耐震改修についての御質問でございます。県有建築物の耐震化につきましては、県有建築物の耐震化整備プログラムに基づき計画的に進めております。一部の合同庁舎などの耐震化が完了していない施設については、引き続き耐震改修や建てかえの工事を進めていくとともに、公共施設等総合管理計画を受け、現在策定中の個別施設計画に基づく長寿命化対策の機会を捉え、耐震化を図ってまいります。
自治体間の支援体制の構築に努める必要があると思うが、どうかとの御質問でございます。大規模災害時においては、被災自治体単独での対応には限界があることから、自治体間の広域的な応援体制の構築とともに、被災自治体で支援を受け入れるための体制整備が重要です。このため、県内市町村間や九都県市、知事会において相互応援協定を締結し、互いに支援し合う体制を構築しているところでございます。また、本県では、本年3月、県外からの応援を受け入れ、被災地を円滑、迅速に支援するための応援受入計画を策定したところであり、今後、市町村に対しても応援受け入れの体制整備を働きかけてまいります。
次に、道路の安全対策についてお答えいたします。
道路事業では、人の命を守ることを最優先に進めるべきとの御質問でございます。県では、歩行者の安全確保を図るため、通学路や事故危険箇所を優先し、歩道整備や交差点改良に取り組んでいるところであり、また、即効性のある対策として、防護柵や路面標示など、交通安全施設の整備についてもあわせて進めているところでございます。今後とも、地元市町村や警察などと連携を図りながら、安全かつ円滑な道路環境の整備に努めてまいります。
最後に、予算をふやして歩道整備のスピードを引き上げるべきとの御質問でございます。歩道整備等については、必要な予算の確保に努めており、引き続き歩行者の安全確保を図るため交通安全対策事業を推進してまいります。
私からは以上でございます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 副知事諸橋省明君。
(説明者諸橋省明君登壇)
◯説明者(諸橋省明君) 私からは、まず、ジョブカフェによる正規での就職確保についてお答えをいたします。若年者向けの就労支援施設であるジョブカフェちばでは、求職者に対して正社員としての就職に向けた相談から職業紹介までの一貫した支援を行っております。また、あわせて企業の求人を開拓する部門を設け、専門のスタッフが個別に企業を訪問し、求人に関する相談助言を実施するなど、正規での求人拡大と就職確保に取り組んでいるところでございます。
次に、生活保護行政についてお答えをいたします。
生活保護費の使い方についての御質問と、やり方について注意を喚起すべきとの御質問は関連しておりますので、一括してお答えいたします。生活保護法では、被保護者が飲酒やパチンコなどをすることを禁止する規定はありませんが、第60条で被保護者の生活上の義務として支出の節約を図ることが規定をされています。また、福祉事務所による被保護者への威圧的で誤解を与えるようなやり方に対しては、改善するよう指導していく必要があると考えております。
憲法の要請による生活保護行政に関する御質問と受給者の思いに関する御質問については関連いたしますので、一括してお答えをいたします。県では、健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護制度が被保護者の事情も考慮し適切に運用されるよう、福祉事務所に対し監査等を通じて指導しているところでございます。
資産調査に関する御質問ですが、資産調査は、厚生労働省社会援護局長通知等に基づき福祉事務所が全ての被保護者に対し、少なくとも年1回、現金、預金、動産、不動産等の資産に関する申告を行わせることになっています。また、資産申告書に添付する預金の挙証資料については、プライバシーに配慮し、預金通帳の写しに限定しないよう福祉事務所に指導しているところです。
国に対し、生活保護費の切り下げをやめ、老齢加算の復活を求めるべきとの御質問ですが、生活扶助基準や母子加算等については、社会保障審議会生活保護基準部会において検証が行われることとされておりまして、その結果を踏まえて厚生労働大臣が適切に定めるものと認識をしております。
通院移送費の支給に関する御質問ですが、通院移送費は、療養に必要な最小限度の日数に限り疾病等の状態に応じて経済的かつ合理的な経路及び交通手段により要した費用を支給するものです。県では、福祉事務所に対し、通院移送費について被保護者に周知を図るよう指導しているところです。
ケースワーカーの確保に関する御質問です。ケースワーカーの配置基準につきましては、社会福祉法において標準数が定められており、標準数を満たしていない福祉事務所に対しては監査の際に指摘し、改善を求めているところです。また、国に対しては、ケースワーカーの人件費に対する財政支援の見直しを要望しております。
東千葉メディカルセンターに関しまして、東金市と九十九里町だけで担うのは過大な負担だと思うが、どうかとの御質問でございます。県では、東千葉メディカルセンターが自立して運営できるよう、看護師の派遣により人的支援を行っているほか、建設時及び開院後10年間にわたり総額85億6,000万円の財政支援を行うこととしております。また、救急医療や災害医療体制の確保に向けて、国の地域医療再生臨時特例交付金を活用して約11億7,000万円の財政支援も行っております。
県が設立法人に直接参画して病院経営を支える以外ないと考えるが、どうかとの御質問でございます。県としては、東千葉メディカルセンターの運営については、設立団体や同センターが責任を持って行うものと考えております。
次に、佐原病院の医療水準に関する御質問でございます。佐原病院では、一部の診療科において医師の不足により診療を休止している状況がありますが、大学への医師派遣要請を行うなど医師の確保に努めるとともに、地域のニーズに応えて訪問看護の機能を充実するなど、地域医療の確保に努めているところでございます。
佐原病院の耐震化についての御質問ですが、県立佐原病院は、本館が耐震不足と判定されており、これまでに本館5階手術室について機能移転を行ったほか、柱の脆弱性を解消する修繕を実施してきているところです。本格的な耐震補強工事の実施につきましては、診療への影響を最小限に抑えられる工法等を検討してまいりたいと考えております。
千葉リハビリテーションセンターの老朽化、狭隘化という現状の認識についての御質問と、抜本的な改修、建てかえについての御質問は関連する内容であるために、一括してお答えをいたします。千葉リハビリテーションセンターにつきましては、施設設備の老朽化が進み、また、建物が手狭となっていると認識をしております。同センターの整備につきましては、本年2月策定の公共施設等総合管理計画を受け、現在全庁で策定を進めている庁舎、学校等の個別施設計画にあわせて整備方針等について検討を進めてまいります。
県立病院将来構想を撤回すべきと思うが、どうかとの御質問でございます。県立病院将来構想は、県保健医療計画を踏まえて策定したものであり、県立病院は全県下を対象とした高度専門医療等を担うものとされているところです。引き続きこの基本的な考え方に沿って対応してまいりたいと考えております。
次に、盤州干潟など自然環境の保全についてお答えをいたします。
盤州干潟について、今のまま残すこと、県による保護、ラムサール条約への登録の3問は関連をしておりますので、一括してお答えをいたします。盤州干潟は、小櫃川河口から周辺海岸域に広がる東京湾で最大の干潟であり、多くの動植物が生息する貴重な自然環境を有する地域であると認識をしております。そこで、県では盤州干潟の一部について、県の鳥獣保護区への指定を目指し、地元関係者から意見を聴取してまいりましたが、いまだに調整が整っておりません。また、ラムサール条約への登録については、国の鳥獣保護区特別保護地区の指定などが条件となることから、国や木更津市と調整しながら検討していきたいと考えております。
野鳥観察舎での606件の意見に関する御質問と、建てかえ、管理についての認識に関する御質問は関連をしておりますので、一括してお答えをいたします。行徳野鳥観察舎については、行政改革審議会から提出された答申を踏まえ、広域的な利用の観点や老朽化等の問題から、県施設として維持する必要性が低いため、廃止する方向で検討を行っているところでございます。現在、跡地の利用について市川市と協議を行っているところであり、パブリックコメントでいただいた御意見も参考にしながら検討を進めてまいります。
三番瀬についての御質問ですが、第3次事業計画に基づき実施している各事業については、それぞれの目標に向けて取り組んでいるところです。今年度は、第3次事業計画の最終年度であることから、現在各事業の進捗状況を把握し評価を行っているところであり、継続が必要な事業についてはそれぞれの分野の施策の中で対応することを検討しております。
最後に、北総鉄道の問題についてお答えをいたします。
まず、現状の運賃についての御質問ですが、現在の北総鉄道の運賃につきましては、平成26年度において鉄道事業者、県、沿線市が真摯に議論をし、それぞれが最大限の努力をした結果と認識をしております。
京成電鉄から北総鉄道及び北総鉄道から千葉ニュータウン鉄道への線路使用料については関連をいたしますので、一括してお答えをいたします。線路使用料につきましては、鉄道事業法第15条に基づき、国土交通大臣の認可を受けなければならないものとされております。京成電鉄が北総鉄道に支払う線路使用料及び北総鉄道が千葉ニュータウン鉄道に支払う線路使用料についても、同条に基づき国土交通大臣の認可を受けたものであると承知をしております。
私からは以上でございます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 警察本部長森田幸典君。
(説明者森田幸典君登壇)
◯説明者(森田幸典君) 私からは道路の安全対策に関する御質問にお答えいたします。
信号機に関して、警察庁の指針の条件を満たしているものは直ちに設置すべきとの御質問でありますが、信号機は、交通事故の防止や交通渋滞の解消を図る上で極めて有効なものと考えております。したがって、信号機設置の必要性があり、警察庁が示す指針の条件を満たすものは、必要性の高いものから計画的に整備を進めているところであります。また、要望の全てに応えるために設置件数をふやすべきではないかとの御指摘でありますが、県内には、老朽化し更新の必要性が高い信号機が年々増加しており、これらの適切な維持管理を行いながら新たな信号機の設置を進めているところであり、思い切った増設ということは厳しい状況にございます。こうした状況ではありますけれども、今後とも引き続き交通情勢の変化や県民の要望等を踏まえまして、信号機を初めとする交通安全施設の整備に努めてまいります。
私からは以上であります。
◯副議長(木名瀬捷司君) 丸山慎一君。
◯丸山慎一君 再質問を行います。
まず、憲法についてですが、知事は国会で議論されるべきであると、こういうふうにお答えになりました。しかし、今問題になっているのは、その議論するというそのこと自体なんですね。安倍総理大臣は憲法の議論について、どの条文をどのように変えるかに移っていると、前文から含めて全て変えたい、こういうふうに明言しています。今、国会で行われようとしている議論はこの上に立った議論で、憲法を変えないという、そういう選択肢を排除して、しかも自民党の改憲案をたたき台にして議論を進めようということになっているわけですよ。しかも、設置されている憲法審査会というのは、改憲原案だとか、改憲の発議だとか、そういうのを行う場として設置されています。今聞いているのは議論一般、話し合えばいいと、そんなことではなくて、改憲のための議論、自民党の原案をたたき台にした議論、こういう議論について知事はどう認識しているのか、これを聞いているので、はっきりとお答えいただきたいと思います。
しかも、自民党の憲法改憲草案というのはもう本当に危険な中身がばらまかれています。国防軍を設置するという、それだけではなくて、緊急事態条項を導入して、総理大臣が緊急事態を宣言したら国会を通さなくても法律と同じような政令をつくれる、国会を通さなくても予算を自由に使うことができる、地方自治体に指示をすることができる、国民もその指示に従わなければならなくなる、まさに独裁体制を確立する条項が新たに導入されようという、こういう憲法の改定なんですよ。少なくとも、その中には自治権の問題も入っていますから、自民党の改憲原案の中にある自治権を制限する、自治体に指示をすることができる、この問題についてはやっぱり自治体の長として意見を言うべきではないですか、お答えいただきたいと思います。
憲法で武力行使を禁じていることについてですが、知事は、憲法9条を読み上げていただきました。私は、憲法9条に何が書いてあるんですかと聞いたわけじゃないんですよ。そのぐらいのことは私も知っています。問題は、何で9条が武力の行使を禁止しているのか、それを聞いているんですよ。知事のお考えを聞いています。ぜひ答えていただきたいと思います。
それからオスプレイについてですが、要望について、なされるものと確認しているというふうに言われましたが、そんな保証はどこにもありません。例えば、昨年5月にハワイで墜落をして2人亡くなっています。これについて昨年の11月、海兵隊自身がエンジンフィルターシステムの改良ということを提言しているわけですよ。つまり、今飛んでいるオスプレイは欠陥機で、この改良しなければならないと言っている、その問題点が改善されないまま飛んでいることになるわけですよね。海兵隊の少佐がハワイでの事故の後の記者会見で、このような事故は完全には避けることはできないと明言しているんですね。知事、こういうエンジンフィルターなどについて改善をされていない、そういうものが飛んでくる、そのことについてどうなのかということを聞いています。知事が国に要望している安全の確保など全くできていないと思いますが、再度お答えいただきたいと思います。
建設労働者の賃金についてですが、設計労務単価が上がっても現場では全く上がっていないという状況を紹介いたしました。それに対して設計労務単価は積算で用いているものだと、現場はそれぞれ自主的にやっているんだなんていう、もう本当にのんきとしか言いようのない答弁がありました。問題は、なぜ設計労務単価を上げたのかということです。建設労働者が減っている、それで、先ほどの御答弁で若年労働者がどんどん減っているということをお認めになりましたが、その人たちを確保するために単価を上げているわけですよね。それが労働者の手に渡らなかったら何の意味もなくなるじゃないですか。だから言っているんですよ。県は、何のために設計労務単価を上げたんだとお考えですか、それをお聞かせいただきたいと思います。
設計労務単価を上げて、その分が労働者に渡っていないとしたらどこに行っちゃったのでしょうか。ぜひはっきりとお答えいただきたいと思います。
次に、東千葉メディカルセンターですが、最大の問題は、県がまるで人ごとだということです。自主的に運営できるようにしようなんて言っていますが、それ自体がもはや不可能なんですよ。11億7,000万円補助金を出したとかと言っていましたよね。この11億7,000万円は全部国のお金ですよね。国10分の10なんですよ。県は一銭もこの中で出していません。そんなことを挙げて県が努力しているようなことを言ったって、全くそれはごまかしです。実際に、この東千葉メディカルセンターの話は、東金病院の廃止から始まっているわけで、2004年3月の将来構想が出発点です。その中で、他地域のモデルケース的な役割を担っていくんだと山武地域について言っているんですよ。県がまさに推進をし、やってきた、その結果、今のような状態になっているんですから、指摘したように全ての責任は県にあります。しかも、県が試算をしたときに123億円でできますよと言っていたのが、実際には153億かかっているんですよね。何で膨らんでしまったのか、お答えいただきたいと思います。
しかも、膨らんだ結果、医療機器の10億円は後に回し、IT機器の5億円についてはリースに変えてしまいました。変えざるを得ませんでした。この10億円については補助対象になっていたものを、県は外しています。何でこんなことをやるんですか。余計苦しませているじゃないですか。せめて補助対象にしていたものぐらいは補助すべきではないですか、お答えいただきたいと思います。
それから、リハビリテーションセンターですが、これは知事に伺いたいんですが、知事は視察に行かれていますよね。ぜひそのときの感想をお聞かせいただきたいと思います。
リハビリテーションセンターの先ほど写真を示しましたが、トイレがカーテンになっている、あの状態について、センターに患者さんを送っている病院から、あのトイレのドアが直らない限り患者さんを送ることはできませんと、そこまで言われているんですよ。ぜひ感想をお聞かせいただきたいと思います。
最後に北総鉄道についてですが、いろんな不合理なことがあって県民に今高い運賃が押しつけられている、これが実態です。先ほども御紹介をいたしました。その中の1つ、千葉ニュータウンの鉄道の区間ですが、この部分だけ北総鉄道の経理事業報告を見ると、千葉ニュータウン鉄道区間については収入が32億円、ところが支出が42億円になっているんですよ。10億円も千葉ニュータウン鉄道区間だけで赤字になっているんですよね。この事実、知っていますか。とんでもない話ですよ。一生懸命運行しているのに、走れば走るほど赤字になる、こんな話があるでしょうか。ぜひお答えいただきたいと思います。
◯副議長(木名瀬捷司君) 知事森田健作君。
◯知事(森田健作君) 憲法についての御質問でございます。憲法についてさまざまな意見があることは承知していますが、憲法の問題については国会において広く国民的な議論のもとに検討されるべきと考えております。
◯副議長(木名瀬捷司君) 総合企画部長遠山誠一君。
◯説明者(遠山誠一君) 私のほうからは安全法制関係、オスプレイ、そして北総関係についてお答えをさせていただきます。
まず、憲法がなぜ武力行使を禁じているかとのお話です。憲法9条にありますとおり、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するためのものであると承知しております。
それから、オスプレイの安全性の問題でございますが、ハワイでの事故に関しましては昨年11月、大臣から海兵隊副司令官のほうへ安全対策の徹底に万全を期すよう強く申し入れをしたところでございます。県といたしましても、県民の安全・安心を守る立場から徹底した安全対策を行ってほしいということで考えております。
それから、北総鉄道の問題でございます。今、運賃の問題等々ございましたが、運賃問題を議論するに当たっては、同社が抱えている多額の長期債務があるということを充分踏まえて、北総鉄道自身が経営改善等に努めることがまず大事だと思います。また、我々も北総線の利用者をできるだけふやしていくという取り組みも重要でありますので、沿線市あるいは鉄道事業者などの関係者と一体になりまして、沿線の魅力を発信しながら、利用者の増加を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 県土整備部長野田勝君。
◯説明者(野田 勝君) 私からは県が建設工事の設計労務単価引き上げの目的などにつきましてお答えを申し上げます。
建設工事での労務単価に関しては、毎年10月に国や各都道府県等が合同で対象工事を抽出し、公共事業労務費調査を実施しており、この結果をもとに設計労務単価を設定しております。繰り返しになりますが、公共工事設計労務単価は、公共工事の積算に用いるためのものであり、下請契約における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではございません。
以上でございます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 保健医療担当部長古元重和君。
◯説明者(古元重和君) 私からは東千葉メディカルセンターについての2問についてお答えいたします。
まず、東千葉メディカルセンターの整備費の実績が県試案に比べて増額しているという件についてでございます。県試案に対する増額につきましては、東日本大震災の影響による資材の高騰、また、免震構造の採用などによる建設費の増加、開設準備における経費の増加などがその内訳でございます。
続きまして、東千葉メディカルセンターにおきまして医療機器を開院後に10億円分整備する、また、IT機器をリースする、そういったことについての対応でございます。設立団体では、コンサルタントに委託をいたしまして県試案を検証した上で、設立団体の長などで構成する検討協議会での検討を踏まえて事業計画を策定されました。そして、平成22年に整備費用を128億円とする中期計画を策定いたしました。御指摘の費用につきましても、設立団体においてこのように施設設備整備の内容や収入、費用などについて精査した上で計画し、同センターを整備運営しているところでございます。
以上でございます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 健康福祉部長飯田浩子君。
◯説明者(飯田浩子君) 千葉リハビリテーションセンターの施設整備等の現状認識についての御質問でございます。千葉リハビリテーションセンターは、施設設備の老朽化が進み、また、建物が手狭となっていると認識しております。必要な設備等の修繕については今後も実施してまいります。
◯副議長(木名瀬捷司君) 丸山慎一君。
◯丸山慎一君 私は知事にいろいろ聞いているんですよ、知事に。知事の感想を何で部長が答えるんですか、おかしいでしょう。大事なことはもう全く、9条も北総も建設労働者も一切答えない。県民の要望に全く背を向けていると……
◯副議長(木名瀬捷司君) 申し合わせの時間が経過しましたので、簡明にお願いいたします。
◯丸山慎一君(続) 改めて感じざるを得ませんでした。こんな県政には絶対に県民の命と暮らしを任せるわけにはいかない。そのために、改善するために全力で頑張る決意を申し上げまして、質問とさせていただきます。
◯副議長(木名瀬捷司君) 以上をもって本日の日程は終了いたしました。
あす30日は定刻より会議を開きます。
これにて散会いたします。
午後2時36分散会
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本日の会議に付した事件
1.横山秀明君の質疑並びに一般質問
2.当局の応答
3.丸山慎一君の質疑並びに一般質問
4.当局の応答
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出 席 議 員
議 長 宇野 裕 君
副 議 長 木名瀬捷司 君
議 員 仲村 秀明 君 田村 耕作 君 鈴木 陽介 君
大崎 雄介 君 安藤じゅん子君 守屋 貴子 君
伊豆倉雄太 君 森 岳 君 茂呂 剛 君
戸村 勝幸 君 小路 正和 君 中村 実 君
五十嵐博文 君 水野 友貴 君 谷田川充丈 君
寺尾 賢 君 横山 秀明 君 鈴木 均 君
野田 剛彦 君 松戸 隆政 君 中田 学 君
網中 肇 君 三沢 智 君 石井 一美 君
小池 正昭 君 関 政幸 君 坂下しげき 君
中沢 裕隆 君 實川 隆 君 斉藤 守 君
岩井 泰憲 君 入江 晶子 君 ふじしろ政夫君
岡田 幸子 君 秋林 貴史 君 阿部 俊昭 君
石井 敏雄 君 高橋 浩 君 礒部 裕和 君
矢崎堅太郎 君 山本 義一 君 林 幹人 君
武田 正光 君 内田 悦嗣 君 松下 浩明 君
瀧田 敏幸 君 大松 重和 君 伊藤 昌弘 君
亀田 郁夫 君 プリティ長嶋君 山本 友子 君
三輪 由美 君 藤井 弘之 君 塚定 良治 君
石井 宏子 君 天野 行雄 君 横堀喜一郎 君
竹内 圭司 君 鈴木 衛 君 江野澤吉克 君
木下 敬二 君 今井 勝 君 中台 良男 君
佐野 彰 君 西田三十五 君 信田 光保 君
臼井 正一 君 鈴木 昌俊 君 石毛 之行 君
山中 操 君 小宮 清子 君 加藤 英雄 君
赤間 正明 君 田中 信行 君 河野 俊紀 君
石橋 清孝 君 吉本 充 君 田中 宗隆 君
阿部 紘一 君 本清 秀雄 君 酒井 茂英 君
浜田 穂積 君 川名 寛章 君 河上 茂 君
伊藤 和男 君 小高 伸太 君 宍倉 登 君
本間 進 君 佐藤 正己 君 阿井 伸也 君
西尾 憲一 君 丸山 慎一 君
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欠 席 議 員
鶴岡 宏祥 君
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出席説明者
知 事 森田 健作 君
副 知 事 高橋 渡 君
副 知 事 諸橋 省明 君
総 務 部 長 小倉 明 君
総 合 企 画 部 長 遠山 誠一 君
防災危機管理部長 浜本 憲一 君
健 康 福 祉 部 長 飯田 浩子 君
保健医療担当部長 古元 重和 君
環 境 生 活 部 長 吉添 圭介 君
商 工 労 働 部 長 床並 道昭 君
農 林 水 産 部 長 伊東 健司 君
県 土 整 備 部 長 野田 勝 君
都 市 整 備 局 長 伊藤 稔 君
会 計 管 理 者 岩崎 斉 君
水 道 局 長 田谷 徹郎 君
企業土地管理局長 加藤岡 正 君
病 院 局 長 矢島 鉄也 君
教 育 長 内藤 敏也 君
警 察 本 部 長 森田 幸典 君
人事委員会事務局長 板倉 正典 君
代 表 監 査 委 員 千坂 正志 君
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出席事務局職員
事 務 局 長 渡邉 吉郎
事 務 局 次 長 山根 康夫
議 事 課 長 堤 紳一
政 務 調 査 課 長 松本 登
議 事 課 副 課 長 伊菅 久雄
議 事 班 長 五木田弘之
委 員 会 班 長 粕谷 健
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