それでは、まず最初に財政問題についてお伺いいたします。
最近の経済情勢について経済企画庁は、本年一月の月例経済報告で、緩やかな景気回復の動きを続けているとして、昨年十一月から三カ月続けて同じ総括判断をいたしておりますが、昨年末から続いている株価急落や、四月から導入される五%の消費税に、先行きに対する不透明感と不安感は依然としてぬぐい切れない状況にございます。我が社会・
県民連合議員団は平成九年度の予算編成に当たりまして、景気の動向が依然として低迷状況を脱し切れない状況にある中では、歳出の徹底した見直しと効率的な行財政運営に努め、健全財政の確保を図りながら、県民の生活、福祉優先の施策をきめ細かく推進することなどを内容とした要望書を提出いたしました。
国においては平成八年度末の国債残高が二百四十兆円に達する危機的な財政状況を背景に、
財政構造改革元年と位置づけてはおりますが、
東北整備新幹線の問題などがクローズアップされて、国民感覚とのずれを感じております。しかし、何よりも赤字国債の発行を計画的にゼロにしていくため、歳出の数値目標を設定して、財政の健全化を最優先させるための財政改革は、国にとって最重要政策であるべきです。
本県においても同様のことが言えると思います。本議会に提案されております平成九年度一般会計当初予算は、総額一兆六千三百九十二億七百万円、
地方消費税関連の支出を除いた実質の予算規模は一兆五千五百三十六億七百万円、対前年度の伸び率は戦後最低の二・二%となっております。その構成は、県税については対前年度比一七・五%と大幅な増加となっておりますが、このうち
地方消費税収入を除くとわずか〇・七%の増加で、非常に厳しい状況だと思います。そして、県の預金である基金については三百三十七億円を財源対策として取り崩すこととしており、財政調整基金の残高はわずか九億円であります。来年度以降はどうなさるのか、非常に気になるところでございます。
また、県の借金である県債の発行については、前年度より二百十一億円、八・七%の縮減が図られておりますが、平成七年度から三年連続で二千億円を超える発行が予定されており、平成九年度における県債の発行残高は、一般会計においても一兆四千九百五十億円となります。一年間の予算額とほぼ同額の借金を抱えているということになります。財政再建が叫ばれている国の財政と同様に、大変憂慮される状況にあります。
さらに、県財政の弾力性ないし健全性を図る目安となる経常収支比率は平成元年以降、上昇に上昇を重ね、平成七年度には八九・二%という数値になっており、これまた黙って見過ごすことのできない状況であります。
そこでお伺いをいたします。
第一点は、財政調整基金の残高が平成九年度末には約九億円になるなど、基金残高が平成三年度末のピーク時に比較し、かなり減ってきておりますが、今後の財政運営に支障はないのかどうかお伺いをいたします。
第二点は、県債の残高や経常収支比率に見られる県財政の現状をどう認識し、今後その改善のためにどんな方策をお考えになっておられるのか、県政と財政の基本にかかわる問題として明確な御答弁を求めます。
三点目は、財政状況が厳しい中、それだけに行財政改革が重要施策として挙げられておりますのに、公社等についての統廃合がわずか一法人というのは、いかにも積極性に欠けると思います。類似の公社等の統廃合をもっと積極的に進めるべきだと思いますが、いかがですか、お伺いをいたします。
次は環境行政について、最初に残土問題についてお伺いをいたします。
既に県で条例を制定することが発表され、次の六月議会に上程するべく、その制定作業に入っているとのことですが、残土にかかわる問題については、昨年十一月に発足した住民グループの
残土問題ネットワーク千葉などからも相当箇所の問題案件があるとの指摘がございます。現在、施行されている市町村の残土条例または要綱による規制がなされている中でも、不法投棄が後を絶たないという現状を踏まえて県が条例制定に踏み切ったということは、関係各機関の連携のもとに出された結論であり、県土の安全、すなわちすばらしい自然環境と命の綱の水を守っていく上で重要なことであり、高く評価しているところです。市民団体からも幾度か問題提起や勉強会が県となされており、私も同席したこともございますが、市民運動の方々も一生懸命勉強をいたしておりますので、条例制定に当たっても、このような県民の声を十分に聞かれることが必要かと思います。
また、不法、不当な行為をしている業者に対して、その行為をさせない強い強制力を条例の中に盛り込むことにより、悪質な不法、不当行為を速やかに中止させ、現況に復帰させることのできる条例にする必要があると思います。
また、建設残土についてはその発生源や搬入経路等を明確にさせることが大切で、そのためには産業廃棄物の処理などで用いられているような
マニフェスト管理票などを運用することで明確にさせることができると思います。既に制定のための作業中とのことで検討課題も多く、膨大な作業になると思いますが、その中で配慮されるべき内容や、市町村条例との関係についてお伺いをし、より実効性のある県条例を制定していただきたいと願っております。
そこでお伺いをいたします。
一点目、市町村の現在までの残土条例の制定状況はどうか。また、県条例を制定しなければならないと考えた理由は何ですか。
二点目、特に条例で対象にする残土の定義を明確にする必要があると思いますが、いかがですか。
三点目は、関係各課合同で実施している既存の
残土処分場調査の内容と、これまでの調査結果はどうですか、お伺いをいたします。
四点目、県条例が制定されると市町村条例との関係はどうなりますか。
以上、四点お伺いをいたします。
次に、手賀沼に係る水質浄化や周辺の整備等についてお伺いをいたします。
手賀沼は地域住民の浄化に対する熱い思いにもかかわらず、水質汚濁が著しい状況にあります。昭和六十年三月、
湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼に指定され、昭和六十二年三月と五年後の平成四年三月には一期、二期と
湖沼水質保全計画を策定し、各種の浄化対策を推進しているところですが、一向にその効果はなく、
汚染度ワーストワンを重ねるのみとなっております。第三期
湖沼水質保全計画は本年度内に内閣総理大臣の同意を得る予定と聞いております。その今回策定中の第三期
湖沼水質保全計画によりますと、二期に比べ浄化事業を増加させ、目標水質も現状水質からは大幅に削減させるなど、関係者の努力は認めるところでございますが、COD、つまり
化学的酸素要求量目標水質が二期計画を上回ることになったのは非常に残念であるし、地域住民にとってはわかりにくい数値で、わかりにくい計画だと思います。
手賀沼の浄化は周辺住民の意識の盛り上がりと、斜面林の保全を初めとする沼周辺の総合的な施策が必要です。去る一月二十五日、印旛沼の水質改善を目的とした県と流域市町村、
印旛沼環境基金共催による
印旛沼シンポジウムが四街道市の文化センターで開催され、私も参加させていただきました。午前中の分科会も午後のシンポジウムも熱心な討議で、水質改善に向けた関係者の熱意を感じ取りました。このような住民と一体となった啓発活動は大変有意義なことであり、手賀沼、印旛沼とも地域住民の実行委員会等の形によるシンポジウムにして、今後も数多く開催されることを望みます。関係市町や環境庁、農林省、特に建設省との連携を密にしていただき、抜本的な対策を検討していただきたいと願っております。
そこでお伺いをいたします。
第一点は、さきに申し上げました第三期の
湖沼水質保全計画案の水質目標値が第二期計画を上回るのはなぜか、地域関係住民にわかりやすくお答えをいただきたいと思います。
二点目、湖沼浄化のためには住民の理解と協力と主体的な活動を助成するためのきめ細かな啓発活動が必要と思いますが、県はどう考えますか。
三点目、手賀沼周辺に湖岸堤をつくることになっておりますけれども、その湖岸堤は手賀沼の自然環境に配慮した計画になっておりますか。
以上、三点お尋ねをいたします。
次に、福祉行政についてお伺いをいたします。
本県では平成八年四月一日現在の高齢化率は一一・五%であり、全国的には低いものの、今後、急速に高齢化が進むものと予測され、介護を要する高齢者も当然ふえてまいります。そこで、介護を社会的に支える新しい介護システムの創設が国民的な要請となっております。世論は待ったなしの対応を政治に求め、介護保険法案が今国会で審議されることになっております。しかし、現在、家庭介護は家庭の負担、特に女性の犠牲の上に成り立っております。そこで、介護を必要とするもろもろの諸状況から、
特別養護老人ホーム等の施設は、なお県やそれぞれの自治体の
高齢者保健福祉計画に従って整備することが重要な課題になっております。
また、障害者についても、その重度化、高齢化に備え、これらに対応した施設の整備も求められております。もちろん公設で内容の充実した施設が求められるわけですが、財政の逼迫と、都市部では用地を求めることが大変難しい状況になっております。どうしても民間の法人施設に頼ることになります。幸いにも県内には彩グループが関与した施設はないと伺っておりますので一安心いたしております。とはいえ事件の影響で寄附金を集めづらくなったとか、地域の人から、おかしなことをしているのではないかという目で見られているという話もお聞きしておりまして、事件の影響は極めて深刻なものがございます。もちろん大部分の施設では歯を食いしばって頑張っており、こうした献身的な施設の営みを踏みにじったということでは、今回の事件について許しがたい怒りを覚えております。
しかしながら、数が少ないとはいえ、県内にも運営の不透明さや入所者の人権が侵されているような事例が出てきているわけで、我が会派では具体的に指摘をしてきたところです。不祥事の原因としては、補助制度など制度上にも事件を引き起こす下地があり、また、法人の設置とその運営がどうしても関係者の姻戚、親族等、一族で占めているような状況が不祥事を発生させる原因になっているのではないかと考えられます。
そこで、このような不祥事を未然に防ぎ社会福祉法人としての信頼を回復するためには、法人みずからが適正な運営に努力することはもちろんですが、県としても常に的確な指導を行っていくことが重要であると考えます。
そこでお伺いをいたします。
第一点として、
社会福祉法人等に対する指導監査の現状はどのようになっておりますか。また、
社会福祉法人等の運営のより一層の適正化を図るため、県の指導監査体制の充実強化を図る必要があると思いますが、いかがですか。
第二点として、
特別養護老人ホーム建設の補助についても適切な対応が求められておりますが、県としてどのように考えておられるのかお伺いをいたします。
次に、地域における民間の
小規模福祉施設と
グループホームについてお伺いをいたします。
我が国の痴呆性老人の数は、厚生省の行った推計で平成二年の百万人が平成十二年には約百六十万人と大きく増加するものと見込まれております。本県においても
老人保健福祉計画によると、在宅の痴呆性老人は、平成五年度の約二万八千人が平成十一年度には約五万人になり、そのうち介護の必要な方は約四千人から六千人に増加すると見込まれております。この痴呆性老人は対応困難な行動等を持つ方が多く、介護に当たるには専門的な知識や技術も必要でございます。家庭介護の場合は家族の負担が大きく、そのために介護者の生活崩壊につながるケースも見られ、痴呆性老人への対応は高齢者の介護問題でも極めて大きな課題であります。そのため、在宅サービスを充実するとともに、痴呆専門棟の設置、
デイサービスセンターE型の普及など、
痴呆性老人固有の施策も進められております。
その中でより家庭に近い状態で対応し、心の安らぎや生活の質を高める取り組みの一つとして、小規模の
デイサービス事業の取り組みが始められております。栃木県などでも心ある人の善意による小規模施設に補助金を出すなど、この取り組みに力を入れております。最近、我孫子市において
グループホームを作る会が同市新木野の住宅地の一角にあらきのお家を開設し、将来は
グループホームを目指して少人数の痴呆性の老人を対象に
デイサービス事業を開始しました。新聞でごらんになった方もいらっしゃると思います。この
デイサービスホームはあらきのお家と呼ばせておりますが、地域の中で一般家庭を改造し、専門のスタッフによるケアを受けながら共同生活を送るもので、痴呆の進行をおくらせ、また、家庭の負担を軽くするもので、将来的には
グループホームを目指しており、平成六年に策定された新ゴールドプランの中でも
グループホームは位置づけられております。あらきのお家の設置者は、もちろん介護福祉士の資格があり、特養ホームでの経験もあります。このあらきのお家を開設するに当たり、それを支える会員は全国の同様の施設の視察、研修も繰り返し、十分な準備の上、開所したものです。痴呆性老人とその家族が心待ちにしている
グループホームの整備について、県の積極的な対応を切に願うものです。
そこでお伺いいたします。県は
グループホームをどのように整備していかれるのか、お答えください。
次に、教育問題についてお伺いいたします。
戦後五十年が経過し、我が国の社会は著しく発展をしてきましたが、教育を取り巻く環境もこれに伴って大きく変化してきており、物質的な豊かさの中で子供たちの物の価値観も変化し、個性の多様化も進んでおります。しかし、子供たちは塾、おけいこ事、
スポーツクラブ等々、時間と競争に追われ、生活にゆとりをなくしております。登校拒否やいじめ、そして非行など、さまざまな問題も浮き彫りとなっており、心を傷めることも少なくありません。二十一世紀を見据えた中で、だれもが何とかしなければの思いを強くしているところだろうと思います。
第十五期
中央教育審議会でも今後の教育のあり方について議論が重ねられておりますが、先般一月二十日、橋本総理がその施政方針演説において、重要改革の六つ目に新しく教育改革を取り上げたことは御承知のとおりでございます。その内容としては学歴社会の是正、国際社会に通用する人材の育成等が重要であるとの認識に立ち、平等性、均質性を重視した今までの学校教育から、個々人の多様な能力の開発と創造性、
チャレンジ精神を重視した生涯学習の視点に立った教育への転換や、いわゆる
中高一貫教育を含めた教育改革の推進が述べられておりました。この
中高一貫教育については、現在、公立では宮崎県に五ケ瀬中学校・高等学校が一校のみ設置されており、テレビでも内容が放映されておりましたけれども、その成果が問われているところです。今もって高校入試が子供たちからゆとりを奪い、いじめや不登校とのかかわり合いも少なくない中で、
中高一貫教育への改革がなされれば、ゆとりにより人間性の根幹である豊かな感性が育てられるものと思われますが、そこで教育長にお伺いいたします。
総理大臣の施政方針演説の中で言われている
中高一貫教育については、総理の思いつき発言だったというようなことで終わりにしてほしくはないと思っておりますが、現時点で教育長はどのように受けとめ、考えておられるかお伺いをいたします。
次に、公立高等学校の推薦入学についてお伺いをいたします。
中学校における進路指導が偏差値による選別から自分で選ぶ高校へと改善されつつあり、千葉県
公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会等において、多面的な視点からさまざまな改善が提案され、県教育委員会は傾斜配点の導入、推薦入学の予定人員の拡大、推薦における小論文の導入など、多くの改善に取り組んできたと承知しております。平成九年度の入学者選抜においては、公立高等学校の全校、全学科に推薦入学が実施されております。行かれない学校から行きたい学校への早期実現を子供も保護者も教師も願っているところですが、このたび実施された推薦入学の全校実施についても、その成果に注目しているところです。
そこで、平成九年度の推薦入学について教育長に伺います。
一点には、九年度から全日制の全校で実施となったが、推薦入学導入からこれまでの成果をどのようにとらえていられますか。
二点目には、本年度の推薦入学の志願状況をどのように考えますか、お伺いをいたします。
次に、登校拒否問題について伺います。
登校拒否児童・生徒が何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因等の背景によって、学校に行きたくても行けないという状況を思うとき、大変胸が痛みます。その子供はもちろんのこと、悩み苦しんでいる保護者や子供の指導に当たる先生方にとっても大変深刻な問題であります。先日、
日本教職員組合の第四十六次
全国教育研究集会が岩手で開催されましたが、その中で登校拒否の問題についても熱心に論議されたと聞いております。とりわけ
登校拒否児童・生徒に登校を働きかけることの是非については、かつて実際に登校拒否だった子供たちから、先生が家庭訪問に来てくれるのですが、それがかえって苦痛であったなど、さまざまな声があり、登校拒否問題に悩む教職員にとって、対応の難しさが浮き彫りにされたとのことです。
ところで、このような登校拒否の問題の解決やいじめの問題の予防や対応にも、教師が一人一人の児童・生徒の実態を把握した上で、相談に乗ったり、昼休みや放課後にもさまざまな触れ合いをゆとりを持ってすることが大切ではないかと思います。しかし、十二月、久保村議員の質問でも申し上げましたように、教師はさまざまな業務に時間をとられて、実に多忙で、心のゆとりがなくなるのが一番つらいという声も聞かれます。子供たちが毎日楽しく学校へ来られるようにと心を砕き、子供たちの表情や心の変化に注意を払ったり、一人一人の子供に声をかけ、心と心の触れ合いを通して子供の心に真正面から向き合っていたいというのが教師の切なる願いであります。
そこで教育長に伺います。
一点目、
登校拒否児童・生徒に対し、登校の働きかけをすることについてどのようにお考えですか。
二点目、教師の多忙化の解消のため、研修や研究指定校について、さらに見直しをするべきだと思いますが、どうでしょうか。
次に、千葉県国際水泳場の利用についてお伺いいたします。
当水泳場は国際的な大会を初め各種競技が開催でき、アトランタ・
オリンピック選手の強化合宿の場となったり、第七十二回
日本学生選手権水泳大会の会場になるなど、泳ぎやすいプールとして人気を博していると伺っております。一方、
JR京葉線新習志野駅前といった立地上の利便性や、夜九時まで利用できるということもあってか、会社帰りのサラリーマンや学生はもちろん、高齢者の方々、さらには障害をお持ちになる方々など幅広い層にわたって活用していただいていることは大変喜ばしいことと思います。特に障害を持った方々も皆さんと御一緒に安心して利用できるようになれば、なお県民に親しまれる施設となると思います。
そこでお伺いをいたします。
国際総合水泳場における障害者の利用状況はどうなっているのでしょうか。障害者の利用に対して、どのように配慮していらっしゃるのかお伺いをいたします。
次は、農業行政について質問いたします。
農産物輸入自由化の要請、農業の担い手の確保等の農業、農村をめぐるさまざまな問題のある中で、我が国農業の憲法ともいうべき農業基本法の見直しが国において取り上げられております。見直しに当たっては食糧の安定供給の確保、消費者の視点の重視、新しい農業構造の実現、農業の有する多面的機能の位置づけ、農村地域の維持発展等々は、まさに重要な課題とされております。このような中で本県農業施策の現状を見ますと、二十一世紀型ほ場の整備や優良農地の集約化、中山間地域の特色を生かした活性化対策、
農業集落排水事業など、農村の住環境整備、ちばの
米消費拡大キャンペーン事業など、地域の特性を生かした農業振興対策、消費者を視野に入れた各種事業が展開されております。これは将来を見据えた農政と評価いたしておりますが、さらに新農業基本法の制定も視野に入れながら、農林業の担う役割、広益的機能等に県民一般の理解が得られるような対策を講じていく必要があると考えます。
そこで、次の点について見解をお伺いいたします。
一点目は、本格的に作業が進められようとしている新たな農業基本法の成立についてどうお考えになっておられますか。
二点目として、千葉県農業将来展望についてどうお考えになっておられるか、お伺いをいたします。
次に、農業行政の二点目として、野菜輸入の増加とその対策についてお伺いいたします。
野菜については昭和三十六年に生鮮野菜の輸入自由化がなされて以来、加工品も自由化が進み、現在は完全に自由化されております。このような中で円高や輸送技術の向上等を背景に、量販店等での野菜の取り扱いが急増しております。県が平成六年二月に策定した
農畜産物貿易自由化に対応した農林業振興の基本的方策によれば、野菜への影響は商品の性格上、本県への影響は軽微と思われるとしています。しかし、現在はタマネギ、カボチャに加えてブロッコリー、ニンニク、ショウガ、サトイモなどの輸入が急増している現状から、今後は国内産の野菜と競合することも予測しなければならないと思います。野菜王国千葉にとってもどうなるのか。杞憂であれば幸いです。
そこで、次の点について伺います。
一点目は、野菜輸入の現状と千葉県野菜に及ぼす影響はどのようになっておりますか。
二点目には、野菜輸入を視野に入れてどのような対策を講じようとしておりますか。
以上、二点お伺いをいたします。
次に、(仮称)
東葛テクノプラザについてお伺いいたします。
我が国の産業社会はごく最近になって明るい兆しが見え始めたとはいえ、景気回復の足取りは弱く、現在の円安基調が定着しても、アジア地域への製造業の進出の流れは依然変わらないと見られております。平成元年をピークに工場の立地条件も難しくなっております。このような中で次世代に向けて新しい産業を地域の内部からつくり出していくことは、本県の経済の活性化に必要なことだと考えます。このためには現在の県内の中小企業の持っている技術を生かして新しい製品や産業分野を開拓、創出する環境づくりが重要であり、東葛地域には独自の技術やノウハウを持って果敢に挑戦している企業が少なくありません。県ではこうした企業を含め、中小企業が集積する東葛地区に研究開発や経営の面など、中小企業を総合的に支援する施設として
東葛テクノプラザを建設しておりますが、このテクノプラザが中小企業の皆さんが本当に求めている課題、例えば技術は持っているが商売に結びつかない企業に経営戦略や販路の確保をアドバイスするなど、各企業の持っているニーズに柔軟に対応できるように切に望みます。
そこで、
東葛テクノプラザに関しまして次の点についてお伺いをいたします。
第一点として、
東葛テクノプラザでは中小企業の技術力をどのように育て、伸ばしていくお考えですか。
第二点として、技術開発の支援のほか中小企業の経営面での安定を図るため、テクノプラザはどのような役割を果たすのですか。
以上、二点についてお伺いいたします。
次は、常磐新線整備事業に関連して御質問いたします。
常磐新線整備事業については、国の平成九年度予算の編成に当たり、開業時期が平成十二年度から平成十七年度に変更になるなどの事業計画の見直しが行われましたが、流山市域は既に都市計画決定手続に入っており、柏市域についても平成九年度末には都市計画決定をする計画であると伺っております。常磐新線沿線整備事業については、その建設に当たり沿線区域を事前に計画的整備を図ることが、新線開業に伴い発生すると予想される沿線地域の無秩序な開発や、スプロール化に伴う住環境の悪化や、将来の市街地整備負担の軽減を図るために重要な事業と理解しております。
しかしながら、現在の経済状況を見ますと、地価も下落、または横ばい状況にあり、景気回復の面においても大変厳しいものがあります。このような経済状況の中で事業が本格的に開始されることになりますが、今後、事業を円滑に進めていくためには幾つかの問題があると考えられます。
そこで、次の四点について質問させていただきます。
一つには、今回の見直しにより関係自治体の出資及び無利子貸付の基礎となる鉄道整備基金の無利子貸付対象建設費が一兆二百八十三億円と約二千三百億円増加していますが、財政規模の小さい流山市などでは負担できるとお考えでしょうか。また、この種の事業はたびたび見直しがありますが、これ以上の見直しはありませんか。
二点目、宅鉄法は地価の右肩上がりを前提とした制度、仕組みであります。この路線は明らかに国策路線でありますから、より地方負担を少なくするよう国に対して迫るべきだと思いますが、いかがですか。
三点目として、常磐新線整備事業の事業期間が五年間延長されましたが、沿線整備事業に対する影響はありませんか。
四点目として、地元に対する説明会等で平均減歩率四〇%としていますが、現在のように地価が下落している中、この減歩率で事業計画を策定することができますか。
以上、四点お伺いをいたします。
次に、土木行政の地元の問題について質問をさせていただきます。
国道三百五十六号のバイパス、すなわち都市計画道路三・五・十五号線の整備計画についてお伺いをいたします。
国道三百五十六号は我孫子市の中央部を東から西へ全域にわたり横断していることから、通過交通と生活交通が混在し、利用度が高く、いつも混雑している状態でございます。早くバイパスが完成しないのか、県会議員は何をやっているのかとおしかりを受けております。一日も早い完成を望んでおります。
そこでお伺いをいたします。
国道三百五十六号のバイパスの進捗状況と今後の見通しはどうですか。
次にもう一カ所、地域の交通問題である我孫子市布佐地先から栄橋への渋滞や、我孫子利根線とを結ぶ渋滞対策についてお伺いいたします。
栄橋は御承知のように利根川にかかる県境の橋で、十二時間の交通量一万台と、茨城県と本県を結ぶ重要な橋ですが、その栄橋と我孫子利根線へ出る車両のため、愛宕八坂神社付近の国道側交差点は目に余る交通渋滞であります。この交差点に県道我孫子利根線方面への右折レーンを設置できないか。地元の難所でございますので、早急にご検討をいただきたくお伺いをいたします。
非常に早口でお聞き取りにくかったと思いますが、以上で質問を終わります。簡明な御答弁をお願い申し上げます。(拍手)
◯議長(渡辺二夫君)栗山栄子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事沼田武君。
(知事沼田 武君登壇)
◯知事(沼田 武君)社会・県民連合の栗山栄子氏の代表質問にお答え申し上げます。
まず、財政問題ですが、財政調整基金を初め基金残高が平成三年度末のピーク時に比較してかなり減ってきているが、今後大丈夫かというふうな御質問でございます。
景気動向は依然として不透明感がございまして、一般財源の大宗を占める県税収入も実質的な伸びが期待できないことから、今後の財政運営は厳しいものと認識しております。また、現時点では平成九年度末基金残高は八年度の二月補正予算を含めますと、財政調整基金の九億円を初め全体で四百二十二億円程度と見込んでおりまして、現在の経済情勢の中では今後の財政需要を考慮しますと十分とは言えず、厳しい状況にあるというふうに考えております。したがって、これまでにも増して徹底した経費の節減を図るなど、簡素で効率的な財政運営に留意するとともに、限られた基金を有効に活用しながら、適切な財政運営に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、県債残高や経常収支比率に見られる県財政の現状をどう認識して、また、改善のためにどういうことをしていくのかということでございますが、景気の低迷が長引く中、地方交付税総額が確保できないために、国の地方財政対策におきましても地方交付税措置されるべきものが地方債措置に振り替えられまして、地方全体の地方債残高は大きく増加してきておりまして、本県もその例外とは言えないところでございます。しかしながら、公債費の健全性の目安に使われます起債制限比率は平成七年度決算ベースで七・二%となっておりまして、全国平均の九・七%よりかなり低くなっているところでございます。また、経常収支比率につきましては、人件費、公債費、社会保障費等の義務的経費の増に伴いまして近年上昇傾向にございますが、これは全国的な傾向でございまして、おおむね平均的な支出であると考えております。しかし、県債は将来に負担を残すものであることから、その発行に当たっては慎重な配慮が必要であると考えておりまして、また、財政運営の弾力性を維持していくためにも、これまでにも増して事務事業の見直しを積極的に進め、経費の節減について徹底を図るなど、簡素で効率的な県政運営に留意してまいりたいというふうに考えております。
次に、類似の公社等の統廃合の問題でございますが、公社等外郭団体に関しましては新行政改革大綱におきまして、社会経済情勢の変化や県民ニーズの変化等を踏まえて、その設立の目的、事務の性格、内容、活動実態、果たしている機能等について再検討を行いまして、必要に応じて統廃合等を検討するとしているところでございます。今回の千葉県年金福祉協会と千葉県長寿ふれあいセンターの統合についても、新大綱において掲げた改革事項の一つとして実現に向かっているものでございます。
なお、道路公社等の国の特別法に基づく法人も公社の中には幾つかございまして、各種の制約もございますけれども、新大綱の趣旨にのっとり、今後とも類似の公社の統合等に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、
社会福祉法人等に対する指導監査体制の問題でございますが、指導監査の現状はどうなっているのか、指導監査の体制の充実強化を図る必要があるという御指摘でございますが、
社会福祉法人等に関する監査につきましては、社会福祉事業の適正かつ円滑な運営の確保を図ることを目的として国の指導監査実施方針等に基づきまして、社会部厚生課監査指導室において行っているところでございます。監査に当たりましては社会福祉法人の運営状況、処遇内容、財務状況などに加えまして、各年度ごとに重点項目を定めまして必要な指導を行っているところでございます。県としては多様化する社会福祉のニーズに的確に対応するために
社会福祉法人等のより適正な運営の確保が必要なことから、これまでも指導監査体制の整備に努めてきたところでございます。平成九年度からはさらに指導監査の効率性、専門性を高めるために監査指導室に運営監査班及び会計監査班を設置しまして複数の専門職員を配置するなど、体制の充実強化を図ったところでございます。今後とも
社会福祉法人等の適正かつ円滑な運営の確保のために適切な指導監査に努めてまいりたいというふうに考えております。
特別養護老人ホーム建設の補助につきまして適切な対応が求められている中で、県はどのように考えているかということでございますが、特別養護老人ホームの建設に当たりましては、施設の設置認可、補助金の交付等について適正な事務手続を進めまして、
老人保健福祉計画の整備目標の達成に向けて努力しているところでございます。国におきましては今回の事件を踏まえまして、施設整備費補助金の選定手続の見直しを初め、法人の認可や運営に関する事務の適正化等を進めるため再点検を行っておりまして、去る一月三十一日に施設整備業務等の再点検のための調査委員会第一次報告書が公表されたところでございます。県としては今回の改善事項を踏まえた対応策について検討し、三月末を目途にまとまる国の最終的な報告等を見きわめながら、平成九年度の施設整備に支障を来さないように的確な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、痴呆性老人の
グループホームについての御質問でございますが、人口の高齢化とともに痴呆性老人が増加する一方、家庭における介護力が低下していることから、痴呆性老人施策の充実は緊急の課題であるというふうに考えております。こうした中で痴呆性老人が家庭的な環境のもとで、専門職によるケアを受けながら共同生活を営む
グループホームは、精神的な安定した生活を実現するとともに問題行動を減少させることにより、痴呆の進行をより緩やかにすることに効果があると考えられております。
グループホームにつきましては平成九年度から国において運営費の助成制度を新たに創設する予定でございまして、県におきましても、医師、社会福祉士、家族の会等で構成する千葉県痴呆性老人問題研究会におきまして研究課題としているところでございまして、国や介護保険制度の動向にも注意しながら、その整備に対応してまいりたいというふうに考えております。
次に、
東葛テクノプラザについての御質問にお答え申し上げます。
中小企業の技術力をどのように育て、伸ばしていくのかということですが、
東葛テクノプラザで展開する施策につきましては、現在、産学官の専門家や県内企業の経営者等から構成される
東葛テクノプラザインキュベーター事業化研究会を設置するなど、各方面からの意見を聞きながら検討を進めているところでございますが、中小企業の技術力の向上に関しては、基本的に次のように考えております。
まず第一に、機械金属試験場等との連携のもと、メカトロニクスを中心に技術指導を行うとともに、試験測定研究室等において測定機械類の使用やその分析方法等の指導を行うことにいたしております。第二には、企業の技術力アップや新分野に進出を図るためには、企業及び大学等が保有している技術の相互交流が必要であることから、
東葛テクノプラザでは共同研究室の提供や大学の研究者等が有している研究成果の紹介等も行いまして、民間企業同士及び隣接する東京大学を初め県内理工系大学等との共同研究を促進するなど、産学官の交流の場として機能するようにしてまいりたいと考えております。さらに研究開発力をつけるための教育研修事業や分野別の特許情報など、各種の情報提供などを行うことによりまして研究開発型企業の育成に努めていきたいと考えております。
次に、技術開発の支援のほか、中小企業の経営面での安定を図る対策を立てるべきだということでございますが、中小企業が成長・発展するためには、技術開発ばかりでなく、経営、事業戦略や資金調達及び販路開拓、さらにはそれらを支える人材の確保などが大事だということを考えております。
東葛テクノプラザはこのような要請にも対応し、中小企業のホームドクター的な役割を担うべく総合的な支援拠点として次のような施策を講じていくことにいたしております。
三点ばかりでございますが、一点目には中小企業の経営者と一緒に悩み、企業の方向性や経営戦略等について示唆、助言をする企業育成の専門家を配置したり、また、資金調達や法律及び公的支援制度の専門分野で指導・アドバイス等を行う体制を整えるなど、経営ソフト面での支援を重視してまいりたい。第二点としては、新製品の企画や販路開拓等については人材に負うところが大きいので、異業種交流の場の設定や教育研修事業等の充実を図っていくことにいたしております。今後これらの考え方をもとに具体的な施策の検討を深めまして、中小企業のニーズにこたえる
東葛テクノプラザを目指しまして努力をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、常磐新線の御質問にお答え申し上げます。建設期間が延び、建設費もふえたわけでございますが、これ以上の見直しはないのかということを含めた御質問でございます。
今回の見直しによりまして、本県の負担は無利子貸付金で約百八十三億円、出資金で約六十四億円増加することになりますけれども、このうち出資金につきましては県と柏市及び流山市が分担して負担することになっております。そのことについても、柏市、流山市とも十分協議をしまして、その負担については合意をしたところでございます。地元両市では出資金については地方債を主な財源として必要な予算措置を行っていく方針であるというふうに伺っております。また、見直しに当たりまして首都圏新都市鉄道株式会社及び日本鉄道建設公団では、国の指導のもとに一都三県の関係自治体の協力を得て新たに設定された事業費の枠内で事業を完成するよう最大限の努力をするということになっているものでございます。本鉄道は沿線のまちづくりと一体となって整備される鉄道でございますので、県としては地元市とともに期間内のこの事業費の枠内で完成できるように積極的に協力をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、宅鉄法に関連して、より地方負担を少なくするように国に働きかけるべきだということでございますが、常磐新線関連プロジェクトは、沿線地域の新しいまちづくりと鉄道整備を一体的に進めることにより、常磐線の混雑緩和に資するとともに良好な住宅の供給を図るなど、東葛北部地域の活性化に寄与する重要なプロジェクトでございます。これらの事業は長期にわたる事業でございまして、また、関連公共公益施設の整備等にかかわる地方負担が見込まれているところでございます。そこで地方負担の軽減を図るために、鉄道建設につきましては出資等の起債の元利償還について交付税算入等の優遇措置の確立を、また、土地区画整理事業につきましては、街路事業等にかかわる国庫補助枠の確保及び優先配分を関係都県とともにこれまでも要望してきたところでございます。今後とも常磐新線整備に関連する事業に対する地方負担の軽減が図れるよう、引き続き関係都県と連携を密にして働きかけてまいりたいというふうに考えております。
事業期間が五年間延長されたけれども、沿線整備事業に対する影響はないかということでございますが、常磐新線整備事業については都市計画や鉄道の工事施工認可等の法的な手続に当初予定していた以上の時間を要したこと、それから、既に工事に着手している区間におきましても地下埋設物や支障建築物の移設に想定外の時間を要していることなどの理由によりまして、常磐新線の開業時期が平成十七年となったことから、鉄道の整備計画に合わせた土地区画整理事業の推進を図るとともに、地元関係市とも連携を十分に図りながらまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
それから、平均減歩率四〇%の問題に関連した御質問でございますが、常磐新線沿線整備に係る土地区画整理事業の事業計画は、最近の地価水準を踏まえて鉄道開業による将来的な地価動向をも展望しまして、事業費の軽減や国庫補助金の導入を図りながら、県内における類似地区の事例も参考として示した平均減歩率四〇%を基本にして策定を進めておるところでございます。
次に、道路問題についての御質問にお答え申し上げます。
一つは国道三百五十六号バイパスの見通しでございますが、国道三百五十六号の我孫子バイパスにつきましては、我孫子市内の交通混雑解消のために四・八キロメートルの四車線化整備を図っているところでございます。現在、起点側の布佐地先より鋭意用地買収に努めておりまして、平成八年度末の用地取得率は五〇%となる見込みでございます。そのうち相島地先の土地改良事業区域内については用地取得が完了したことから、本年度、一部本工事に着手したところでございます。また、新木駅南側土地区画整理事業区域内におきましても測量調査を実施しているところでございます。今後とも地元関係者の協力をいただきながら用地取得に努めるとともに、早期完成に向け整備推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
国道三百五十六号関連の右折レーンの設置の問題でございますが、JR布佐駅から栄橋にかけた周辺地域においては、国道三百五十六号や県道千葉竜ケ崎線などにおいて、朝夕の交通が錯綜し、交通渋滞が著しい状況でございます。県道千葉竜ケ崎線の栄橋周辺の交通混雑対策としては、国道三百五十六号バイパスの整備を進めているところでございますけれども、さらに栄橋橋詰の渋滞解消につきましては、現在、交通量調査結果をもとに対策の検討を進めているところでございます。御要望の国道三百五十六号から県道我孫子利根線方面への市道との交差点につきましては、栄橋橋詰の渋滞解消の一環として右折レーンの設置を含めて調査検討してまいりたいというふうに考えております。
以上、お答え申し上げましたが、あとは副知事、教育長から御答弁申し上げます。
◯議長(渡辺二夫君)副知事島崎實君。
(説明者島崎 實君登壇)
◯説明者(島崎 實君)環境行政についてほか一点についてお答えいたします。
まず、市町村の残土条例につきましては、現在、五十四の市町村で制定しておりまして、また、十一の市町で指導要綱を制定して規制・指導を行っているところであります。県では各地で発生した残土問題に対応するため、全庁的に有効な対策を検討してきたところでありますが、現在、埋め立て等に使用する土砂の質を規制する法令がない状況で、残土が広域かつ大規模に運搬・処理されている実態があること等から、県で条例を制定し、必要な規制を行うこととしたところであります。
次に、残土の定義についてでありますが、いわゆる残土とは一般的には建設工事等により余剰となった土砂と言われておりますが、この条例では埋め立て等に当たり汚染された土砂等を使用しないことや、崩落しない構造とすることを求めていくこととしているため、条例の対象とする土砂等についてはその範囲を明確にする必要がありまして、今後の作業の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、関係各課合同で実施しております既存の
残土処分場調査についてでありますが、汚染された残土や廃棄物の混入された残土による埋め立て等を監視・指導するため、関係法令の許認可を受けた埋め立て現場や無許可で埋め立て行為を行っている箇所等について、関係部局による一斉合同立ち入り調査を本年一月二十二日から実施しているところであります。立ち入り調査箇所といたしましては、年度内に約八十カ所を予定しておりまして、現在までに三十八カ所について立ち入りを終了し、その取りまとめを行っているところでありますが、一部廃棄物の混入等が見受けられた箇所について、現在、撤去等の指導を行っており、また、別の二カ所について土壌の分析検査を実施しているところであります。今後も引き続き一斉合同立ち入り調査を行いまして監視の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、県条例が制定された場合の市町村条例との関係についてでありますが、既に条例規制をしている市町村もありますので、県と市町村との役割分担等の調整が必要であり、また、実施に当たっては地域の状況に精通している市町村の協力が必要不可欠であるため、条例制定までにこれらの事項の調整を図ることとしております。
次に、手賀沼に係る水質浄化や周辺の整備等についてでありますが、近年の手賀沼の汚濁の原因は、降雨量が減少し流入河川の水量が減りまして沼の水の滞留時間が長くなり、また、日照時間が多いことからプランクトンが異常発生したことにより汚濁が進んだことによるものであります。したがって、三期計画案の目標値設定に当たりましては、二期計画における平年ベースの降雨量を想定した予測ではなく、現状を踏まえて降雨量の少ない気象条件で予測した結果、CODの計画目標値が二期計画の目標値を上回ることになったものでございます。
次に、湖沼浄化のための啓発活動につきましては、水質汚濁の大部分が生活排水に起因することから、地域住民の理解と協力が重要であると考えておりまして、住民生活と身近な市町村と連携して、家庭でできる浄化対策の普及や地域リーダーの育成等を進めてきたところであります。特に、一つには県と流域の市町村や関係団体で組織している協議会等による研修会や啓発用ポスター、パンフレット等の作成・配布、二つには手賀沼親水広場を活用した水質浄化講演会等の浄化フェアや船上学習会などの開催、三つには流域住民や団体等の広い参加を得た啓発誌「We Love 手賀沼」の発行等により啓発に努めているところであります。今後ともあらゆる機会をとらえまして、市町村、関係団体や流域住民と連携し、効果的な啓発活動に努めてまいりたいと考えております。
次に、手賀沼の周囲の湖岸堤についてでありますが、手賀沼はかつてさまざまな動植物が生息し、人々の暮らしに深くかかわっており、都市部におけるかけがえのない自然環境資源であります。県としては手賀沼や周辺の自然環境に配慮した市民が集える場として手賀沼の水辺空間整備に取り組んでいるところであり、その一環として昨年十月ハス群生地の散策路が完成したところであります。今後実施する湖岸堤の整備につきましては、沼の水際線を自然に配慮した構造とするとともに、水生植物や魚など、多様な生物が生息できる場をつくることとしており、自然豊かな水辺空間の創出をするために努力してまいりたいと考えております。
次に、農業行政についてお答えいたします。
まず、新たな農業基本法の制定についてでありますが、現行の農業基本法は制定後三十五年が経過し、近年では輸入農畜産物の増大、担い手の減少や高齢化、農地の減少など、農業を取り巻く環境は大きく変化しており、新たな観点からの基本法の制定が必要であると認識しております。国では農業基本法に関する研究会を設置し、平成八年九月に検討結果を公表いたしましたが、この中で指摘されている可能な限りの国内での農業生産の維持拡大と食糧自給率の向上、新鮮で安全な食糧を求めるニーズの高度・多様化など、消費者からの視点の重視、また、森林や農地の国土の保全や水源の涵養、自然環境の保全等、公益的機能の位置づけなどにつきましては、本県としても当然盛り込むべき重要な点であると考えております。したがいまして、新たな農業基本法の制定につきましては全国知事会においても要望しているところでありまして、今後とも引き続き新たな時代の農業・農村の方向性を踏まえた基本法が制定されますよう努力してまいりたいと考えております。
次に、千葉県農業の将来展望についてでありますが、本県は全国第二位の農業粗生産額を誇る農業県として発展しておりますが、県の目指す農工両全の調和ある発展を図る観点からも、将来にわたって農業を振興することが極めて重要であると考えております。そこで、県では二十一世紀に向けた千葉県農業の将来展望として千葉県二十一世紀農業展望構想を平成四年十二月に策定し、この中で、第一には農業経営体の法人化や農用地の利用集積を促進し、若い人が希望を持って取り組める高所得農業の実現、第二には肥料や農薬などを減らした安全で消費者ニーズにこたえた良質な食糧を供給する農業の確立、第三には個人が主体性を持って生き生きと暮らせる魅力ある農村生活の実現、第四には農地や森林を保全し、水源涵養、安らぎの場の提供など、公益的機能の維持できる農業の確立などを目指しているところであります。今後は今年度スタートいたしましたちば新時代5か年計画に盛り込んだ各種の施策を推進し、この構想の実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、輸入野菜の急増とその対策についてでありますが、野菜の輸入につきましては、近年、国内産の不足や円高等により、生鮮野菜を中心に増加しておりまして、平成七年の生鮮野菜輸入量は前年比九%増の七十一万トンとなっております。平成八年は国内産の作柄の回復、円安等により、十一月末現在の前年同期比では八九%と減少しております。この生鮮野菜の主な輸入国は、タマネギ、ブロッコリーはアメリカ、カボチャはニュージーランド、ニンジンは台湾、ショウガ、里芋は中国等となっております。本県の主要野菜であるダイコン、キャベツ、ネギについては輸入量も少なく、影響はさほどではございませんが、ニンジン、サトイモ、ショウガ等につきましては出荷時期が一部重なり、影響が多少あると思われるところであります。
野菜王国ちばをさらに充実発展させるためには、輸入野菜の増加や担い手の高齢化、労力不足等の諸課題に対応し、産地の競争力を強化することが重要であると考えております。県としては、一つには高品質、安定生産を図るためビニールハウス等の施設化の推進、二つには低コスト、労力軽減を図るため省力化機械の導入や大型集出荷場等の整備の推進、三つには鮮度保持を図るため予冷施設等の設置の推進、四つには県産野菜のイメージアップを図るため、新鮮、安全性、高品質などを売り物にした積極的な消費宣伝の実施等、各種施策を展開しているところであります。今後とも多様な消費者ニーズに対応しつつ、生産から流通、消費に至る施策を総合的に推進し、消費地に近いという本県の有利性を一層発揮し、国際化に対応した足腰の強い野菜産地を育成してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(渡辺二夫君)教育長中村好成君。
(説明者中村好成君登壇)
◯説明者(中村好成君)教育問題についてお答えをいたします。
最初に、総理大臣の施政方針演説の教育改革の中で言われている
中高一貫教育について、現時点でどのように考えているのかとのお尋ねです。去る一月二十日、第百四十回国会での橋本総理の施政方針演説における教育改革の中で触れられました
中高一貫教育については、子供たちの持つ可能性を引き出し、生きる力をはぐくむ上で一つの有効な方策と述べられております。しかしながら、
中高一貫教育は学校制度の枠組みにかかわるものでありまして、導入することとなれば法的整備など、さまざまな課題や問題点が考えられております。現在、第十五期の
中央教育審議会において
中高一貫教育の導入についてさまざま議論がなされているところでもありまして、本県といたしましてもその答申や、これに基づく国の動きを見守りながら、今後の研究課題としてまいりたいというふうに考えております。
次に、公立高等学校の推薦入学について、まず九年度から全日制全校で実施となった導入からこれまでの成果についてですが、推薦入学は中学校における三カ年間の学習活動やスポーツ活動、文化活動等の実績を含めまして、受験生の特性等を重視して判定する入学者選抜であります。したがいまして、受験生にとりましては自分の興味、関心や特性などに応じた学校選択が可能となりまして、より適切な進路選択が可能になってきていると考えております。また、高等学校にとりましても志望動機や目的意識が明確な生徒を多く受け入れることができまして、学校が活性化されるとともに、特色のある教育活動が一層推進されてきたと把握をしております。今後、全校実施による推薦入学の成果がさらに期待できるものと考えております。
次に、本年度の志願状況ですが、本年度の推薦入学の志願状況につきましては、学校、学科間の倍率の差があるものの、平均倍率で一・七九倍でありました。また、全校実施に伴う募集予定人員の大幅な増加がありましたけれども、平均倍率は昨年とほぼ同じ程度でありました。なお、選抜の結果、昨年度より三千九百九十八人増の一万二千八百十四人が入学許可候補者に内定したところであります。本県の推薦入学につきましては、今年度から全校で実施することとなりました九年度の志願状況から見ても、その趣旨が保護者並びに中学校、そして高等学校にも理解され、一層定着してきていると考えているところであります。
次に、登校拒否問題についてのうち、
登校拒否児童・生徒に対して登校の働きかけをすることについてどのように考えるのかとのお尋ねです。
登校拒否児童・生徒への登校の働きかけに当たりましては、登校拒否に至るさまざまな要因や心理的側面などに十分配慮し、適切な時期にその子供に合った方法で行うことが大切であるというふうに考えております。とりわけ児童・生徒の心理状態に配慮しながら、教師が電話をかけて励ましたり、家庭訪問を行うなど、登校を促す働きかけによりまして登校できるようになった児童・生徒も多いことから、これらも効果的な方法の一つと考えられております。私どもといたしましては登校拒否問題の解決に向けて各学校に対して教育相談活動の充実を図るよう指導するとともに、スクールカウンセラーや登校拒否対策教員の配置、適応指導教室開設の補助等、さまざまな施策を講じているところでありまして、今後とも登校拒否問題の解決に向け一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
次に、教師の多忙解消のため、研修や研究指定校についてさらに見直しをすべきとのお尋ねですが、学校は児童・生徒が個性を伸ばして生き生きと活動できる場でなければならないと考えておりまして、このことから教師と児童・生徒の触れ合いの時間を確保することは極めて大切なことであると認識をいたしております。私どもでは毎年、教員研修や研究指定校について検討し、見直しを図っており、平成九年度の教員研修につきましては、講座の整理統合によりまして対象人数にして千百三十二人の削減を予定しております。また、公立小・中学校の研究指定校につきましては十一校削減し、総数で二十五校指定する予定であります。今後とも時代や社会の要請に応じて研修事業や研究指定の見直しを図りながら、学校教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
最後に、国際水泳場の障害者の利用状況と障害者の利用に対する配慮です。
国際総合水泳場の利用者数は昨年五月に供用を開始して以来、この一月末で延べ十九万二千三百九十人となっております。このうち障害者の方々につきましては、地元の社会福祉施設や盲学校の生徒の利用などで延べ千五百七十二人となっております。また、障害を持った方々にも安全に利用していただくとともに、各種競技会も楽しんで観戦できるように専用の駐車スペースの確保や専用エレベーターの設置、専用の更衣室からプールサイドまでの通路の確保、車いす専用観覧スペースの確保、防水の車いすやプール入水時の補助用具の設置などの施設の配慮をしているところであります。今後こうした施設面での対応のみならず、応接面などきめ細かな心づかいに配慮し、障害を持った方がより安心して利用していただける施設となるように努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯議長(渡辺二夫君)栗山栄子君。
◯栗山栄子君 時間がございますので、再質問を数点、それから御要望を数点申し上げたいと思います。
まず最初に再質問をいたします。
私は何といっても手賀沼のそばに住んでおりますものですから。しかも、御承知のように二十二年間、手賀沼の
汚染度ワーストワンを続けているわけです。手賀沼の浄化というのは、本当に地域住民にとって切なる願いでございます。それが第二期計画で計画目標をどうしても──関係の皆さんがおっしゃるには雨量が少なかったとか、天然現象を理由に申しております。天然現象というのはやむを得ないものではございますけれども、しかし、そういうことはもう考えられることでございますので、何とかやっぱりほかの方法でCODの値を下げていただきたいというふうに思います。これはせっかく浄化保全計画を三期立てても、市民からすれば、県民からすれば、その値が二期よりも上がっているということは納得できないことだというふうに皆さん申しております。その点をもう一度考えていただきたいと思います。この浄化はやはり手賀沼周辺の斜面林──斜面林はよく魚つき林というような言葉があります。海をきれいにする、海岸のそばに森林があることよって魚が育つ、そういうようなことが言われておりますけれども、この手賀沼周辺の斜面林もそのような大きな役割を果たしているというふうに思います。景観的にも手賀沼と一体なものでございますので、斜面林を保全するということは、今のような財政の状況の中では非常に難しいことと思いますけれども、長期的な計画を立てて斜面林の保全を含む総合的な自然環境の保全を視野に入れて考えていっていただきたいと思います。
そして、これは国の力をどうしてもかりないと──かりるという言葉が不適切かもしれませんけれども、どうしても国の土木部、農水省、そして自治省など、あらゆる国との関係を密にしながら国の費用も含めて抜本的な対策を立てていただきたいと思います。
それから、もう一つは地域における小規模デイサービスの制度に補助金をぜひつけていただきたい。法人をとるのには一億円の基金が必要だと言われております。これからの福祉はやはり地域におけるボランティア活動というのが大事になると思いますが、人件費はボランティアでも、施設を使うためには改修費や賃貸料などがかかるわけでございまして、心ある人たちが地域で安心してお年寄りが暮らせるような施設を一生懸命つくろうとしている、つくっている、そういう施設に対しては県としても補助金制度を設けていただきたいというふうに思います。この点については御答弁をいただきたいと思います。
それから常磐新線ですけれども、今、財政の逼迫している中、地方自治体の流山、柏市、この両市の財政的な負担は莫大になると思います。その点については今後も御検討をいただきたいと思います。それは御要望で申し上げておきます。
以上、三点ですけれども、再質問と御要望を申し上げました。
◯議長(渡辺二夫君)知事沼田武君。
◯知事(沼田 武君)私の方からは小規模のデイサービスに対する助成問題についてちょっとお答えしたいと思います。これに対する助成制度は国が持っているんですけれども、一定規模以上のものでないと助成対象にならないわけですが、その助成対象にならないものについて、いわゆる小規模のデイサービスに対する助成制度を県単として持っているわけでございます。平成七年度からそういう新規事業をつくってありますが、言われるところが対象になっているのかいないのかわかりませんけれども、なるべく幅広く救い上げていくように努力をしていきたいと考えております。
◯議長(渡辺二夫君)副知事島崎實君。
◯説明者(島崎 實君)二期計画と三期計画の点では確かにわかりづらいといいますか、二期計画の目標に対しまして三期計画の目標が上回っているというふうなことになっておるわけでございます。ただ、それでは計画でCODの減少目標をどうしているかということで申し上げますと、二期計画の場合では三ミリグラム・パー・リットルの減少、これを三期計画では下水道整備事業、あるいはしゅんせつ事業等、二期計画よりも事業量を大幅に増加して、減少目標を十一ミリグラム・パー・リットルというふうに大幅に減少させようということにしておるところでございまして、御理解をいただきたいというふうに思います。ただ、計画順位につきましては、今も御指摘がございましたが、我々といたしましては最大限の事業量を盛り込んだものと考えておりますが、計画事業以外の浄化に資する事業につきましても、今後、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(渡辺二夫君)暫時休憩いたします。
午前十一時二十九分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後一時四分開議
◯副議長(莇 崇一君)休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順より太田育孝君。
(太田育孝君登壇、拍手)
◯太田育孝君 公明を代表いたしまして、沼田知事の政治姿勢、また行財政改革など八項目にわたりまして御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
知事の政治姿勢についてのお伺いでありますが、昭和五十六年四月、千葉県政第十一代の知事として沼田知事が誕生いたしました。千葉県政史上、例のない四期十六年という長期にわたって知事の職についている方は全国でも少ないというふうに思っております。就任後、沼田知事は県民福祉の向上と県土の均衡ある発展を基本として、福祉、環境、産業、文化、交通など二十一世紀に向けて、千葉県民の生活を向上させるために、あらゆる問題に積極的に取り組んできたことを高く評価するものであります。
この十六年間を見ると、本県の基本構想、二〇〇〇年の千葉県の策定を初めとして成田国際空港都市、幕張新都心、かずさアカデミアパーク、すなわち三角構想を策定し、これらを基本とするふるさと千葉、さわやかハートちばに引き続いて、第三次の総合計画としてちば新時代5か年計画を策定し、事業の推進に当たっているところであります。また、東京湾横断道路の事業の推進、福祉、医療など知事が推進してきた事業はそれぞれ完成、または完成に近い状況となっております。私ども公明は、こうした沼田知事の政治姿勢に対し、沼田県政の与党として公明の基本的な政策のもとに、沼田県政与党の中で革新的な立場で是は是、非は非として沼田県政を支えてきました。今回の知事選にあっては、私ども公明は総力を挙げて支援をいたす決意でございます。
そこで、三月に行われる知事選挙を迎えますが、沼田知事はこれまで五百八十万県民の代表として、どのような決意で取り組んできたのか。また、今回の知事選挙は沼田知事にとってどのような意義を持つ選挙であると認識しているのかお伺いしたいと思うのであります。
あわせて、本年三月十六日行われる千葉県知事選挙について、選挙管理委員会は投票率のアップについてどのように努力をされているのか、あわせてお伺いするものであります。
次は、行財政改革についてお伺いいたします。
地方自治は民主主義の学校であり、原点だと言われております。住民の暮らしにかかわる事柄は、住民みずからが決定する。これが地方自治の本旨であり、この自治の精神がなおざりにされるならば、民主主義の発展はあり得ないと思うのであります。しかし、我が国においては、明治以来の中央集権体制のもとで、地方は画一化を要求され、自治体の自主性は阻害されてきています。戦後、日本国憲法と地方自治法の制定によって、地方分権が制度として保障されたにもかかわらず、それを具体化するための中央政府からの権限移譲や、事務の再配分、地方財政への抜本的な対策はなく、今もって中央集権構造が続いているのが現状であります。
地方主権の確立とは、地方分権を徹底して進めることにより、地域の多様性、自主性を尊重し、地域と住民の暮らしにかかわる諸問題を地域みずからが決定できる仕組みにすることであります。そのためには権限や財源を国から都道府県へ、さらに市町村へとより身近な自治体に移していくことであり、地方主権のもとで多様な住民ニーズと地域の特性に応じた自治体の行政が必要となってくるのであります。すなわち住民にとって最も身近な政府である自治体に十分な権限と財源が存在し、政治と住民との距離が小さくなれば、地域住民は豊かな暮らしを実感できるのではないかというふうに思うのであります。みずからが血の出るような行政改革もせず、改革を先送りにしたままでは、国民の暮らしは大きな打撃を受け、日本経済そのものが再び失速し、かえって財政再建は遠のいてしまうのではないかというふうに思うのであります。
シェル・グループの長期予測では、今後二十数年を改革しないと生き残れない改革競争の時代と位置づけております。日本の行革や規制緩和のペースはとても遅く、世界のスピードについていけず、十九世紀末に凋落した英国にそっくりであり、二〇二〇年には国家システムが破綻し、日本は消えていくであろうと予測しております。今こそ最重要課題であると認識のもとに、行政改革、財政改革に積極的に取り組むべきであるというふうに考えております。
そこでお伺いいたします。
質問の第一点は、千葉県新行政改革大綱に基づいて、例えば事務事業の見直し、経費の節減、補助金の見直しなどを行った結果、五十七億六千六百万円の財政効果があったと聞いております。大変によいことではないかというふうに存じております。そこで、平成九年度はどのような方針で行財政改革を進めていくのか。
あわせて私は、平成九年度で公共事業の事業費の見直し及び県直営から民間委託へ、さらに県民サービスの向上と行政の情報化について積極的に推進すべきだと思いますがどうか、お伺いをいたします。
次は、財政問題でありますが、長引く景気低迷から抜け出せない中にあって、平成九年度における法人二税を初めとする県税収入の見通しはどうか。
第二点は、市町村財政も厳しさを増す中にあって、県として市町村の平成九年度当初予算編成に当たって、どのような指導をしているのか。
最後に、財政環境が一段と厳しい中、平成九年度当初予算編成に当たって、最も苦労した点はどのようなことであったのかお伺いいたします。
次は、在宅介護対策についてお伺いいたします。
私ども公明は、昨年八月に厚生省がまとめた介護保険法案の保険給付の範囲が適切であるかどうかなどを探るために、全国の公明議員による在宅介護実態調査を実施し、十一月にその実態調査の概要を取りまとめて発表をいたしました。調査対象は一つに、痴呆のお年寄りを介護している家庭、二つに、寝たきりのお年寄りを介護している家庭、三つに、痴呆でかつ寝たきりなお年寄りを介護している家庭について、該当する家庭を訪問し、一番必要と思われる在宅サービスや具体的な要望などを聞き取り調査を行いました。この調査によれば、寝たきりのお年寄りを介護している家庭が二千三百八十件、痴呆性のお年寄りを介護している家庭が二千九十四件、合わせて四千四百七十四件となっております。介護期間が「三年まで」と「六年以上」が多く、合わせて六八%を占めており、寝たきりで最も多いのが「六年以上」で二七・四%、痴呆では「一年未満」の二七・三%となっております。介護費用の月額はお年寄りの年齢層にかかわらず、「十万円台まで」とする回答が寝たきり、痴呆ともに九割を超えており、介護費用の家計への影響について「危機的な状況」と「非常に重い」、「重い」を合わせると全体で七〇・九%に上り、家庭が重い負担と感じています。
また、政府内で検討されている公的介護保険が予定している在宅介護サービスのうち、一番必要と思うサービスについては、いずれもホームヘルプサービスが最も多く、全体で三一・三%に上っており、デイサービス、訪問看護がそれぞれに続いております。介護が必要となった高齢者が、ホームヘルパーや施設のサービスを受ける費用を社会保険で賄うことを目的とする公的介護保険制度の導入が厚生省によって進められていることは、介護負担のリスクを単に個人の自助努力だけではなく、社会全体で負っていく制度の構築が求められている時代に入ったと思うのであります。
しかしながら、導入を進めるに当たっては、介護サービスの質と量をともに向上させるため、十分な介護の環境を整備することが必要であり、また、介護の公的保険方式に賛同の声が高まっているものの、だれが、どのように負担するのかが問われているところであります。
そこでお伺いいたします。
質問の第一点は、介護保険制度の法案が通常国会で制度化されると思いますが、この制度の必要性について、県はどのような認識を持っているのか。
第二点は、この制度が実施された場合の受け皿となる市町村では、保険料の徴収等の事務体制がマンパワー不足や赤字国保の二の舞になるのではないかという財政面の不安を感じていると思うが、県は今後どのように対処していくのか。
第三点は、厚生省が平成二年に作成した供給主体別在宅介護関連サービスの平均提供価格によれば、在宅介護サービスは約二倍の価格差があり、在宅入浴サービスは約五倍の価格差があり、公的サービスは民間サービスよりもはるかに利用者負担が安くなっております。県にあっては公平性の高い介護システムの構築へ向けて、負担のあり方について検討すべきと思うがどうか。
副 議 長 莇 崇 一 君
議 員
黒 田 雄 君 宮 下 博 行 君
田 中 明 君 河 野 俊 紀 君
岡 村 泰 明 君 石 井 利 孝 君
小 菅 光 行 君 青 木 重 之 君
大 野 克 己 君 宍 倉 登 君
湯 浅 伸 一 君 平 川 博 文 君
近 藤 喜久夫 君 久保村 礼 子 君
堀 江 は つ 君 田 中 宗 隆 君
阿 部 紘 一 君 遠 藤 澄 夫 君
河 上 茂 君 密 本 俊 一 君
川 名 寛 章 君 中 村 昌 成 君
鈴 木 洋 邦 君 成 尾 政 美 君
岡 田 保 君 菅 谷 武 君
庄 司 健 男 君 小 高 伸 太 君
本 間 進 君 冨 塚 誠 君
加 藤 英 雄 君 吉 野 秀 夫 君
高 崎 照 雄 君 谷田川 元 君
松 崎 秀 樹 君 八 代 俊 彦 君
酒 井 茂 英 君 浜 田 穂 積 君
田 中 由 夫 君 武 正 幸 君
鈴 木 良 紀 君 千 葉 光 行 君
斎 藤 万 祐 君 田久保 尚 俊 君
鈴 木 智 君 高 山 敬 君
栗 山 栄 子 君 黒 野 波 三 君
小 松 実 君 江 原 成 訓 君
本 間 清 吉 君 佐久間 隆 義 君
加賀谷 健 君 石 井 準 一 君
椎 名 一 保 君 堀 江 秀 夫 君
藤 代 孝 七 君 笹 生 定 夫 君
石 井 文 隆 君 土 屋 勝 美 君
宮 内 三 朗 君 中 村 九 蔵 君
本 清 秀 雄 君 篠 田 哲 彦 君
吉 田 巖 君 清 宮 弘 行 君
北 角 虎 男 君 前 田 堅一郎 君
小 柴 玲 子 君 渡 辺 素 子 君
太 田 育 孝 君 富 田 悦 行 君
宇田川 敬之助 君 舘 野 晃 君
小 川 洋 雄 君 斎 藤 美 信 君
増 田 栄 司 君 酒 井 巖 君
飯 島 重 雄 君 吉 原 鉄 治 君
村 上 睦 郎 君 井手口 魁 君
安 藤 勇 君 市 原 利 彦 君
三 浦 隆 君 朝比奈 正 行 君
桜 井 敏 行 君 金 子 和 夫 君
花 沢 三 郎 君
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欠 席 議 員
高 橋 義 雄 君 吉 野 良 一 君
江波戸 辰 夫 君
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出席説明者
知 事 沼 田 武 君
副 知 事 島 崎 實 君
出 納 長 山 本 孝 也 君
総 務 部 長 蕨 悦 雄 君
企 画 部 長 今 泉 由 弘 君
社 会 部 長 石 橋 暎 壽 君
衛 生 部 長 佐 柳 進 君
環 境 部 長 渡 邊 猛 彦 君
商工労働部長 櫻 井 顯 君
農 林 部 長 丸 勲 夫 君
水 産 部 長 高 山 明 徳 君
土 木 部 長 山 根 一 男 君
都 市 部 長 伊 藤 貞 雄 君
水 道 局 長 土 田 宏 昭 君
企 業 庁 長 野 村 榮 一 君
血清研究所長 中 野 順 弘 君
教育委員会委員 篠 崎 輝 夫 君
教 育 長 中 村 好 成 君
公安委員会委員 石 井 元 君
警察本部長 遠 藤 豊 孝 君
人事委員会委員 最 首 良 夫 君
人事委員会 石 丸 元 康 君
事 務 局 長
代表監査委員 川 崎 康 夫 君
選挙管理委員会 土 屋 英 夫 君
委 員
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出席事務局職員
事 務 局 長 荒 孝 一
事務局次長 加 藤 英 一
議 事 課 長 嶋 津 辰次郎
秘 書 室 長 渡 邊 秀 夫
総 務 課 長 伊 藤 文 夫
調 査 課 長 金 田 紀 男
図 書 室 長 河 野 宏
議事課長補佐 伊 東 雄 二
議事課主査 池 田 文 雄
議 事 係 長 林 武 雄
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