令和 4年 9月 定例会九月定例会 第九日(九月三十日)令和四年九月三十日(金曜日)第九日 議事日程 一 開議 午前十時 二
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 八番
杉田茂実議員 二十六番
白根大輔議員 四十三番
前原かづえ議員 三 次会日程報告 十月一日(土)、二日(日) 休日休会 十月三日(月) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会
----------------本日の出席議員 八十六名 四番 柿沼貴志議員 六番 石川誠司議員 七番 小川直志議員 八番
杉田茂実議員 九番 深谷顕史議員 十二番 秋山もえ議員 十三番 金野桃子議員 十四番
岡村ゆり子議員 十五番 平松大佑議員 十六番 中川 浩議員 十七番
阿左美健司議員 十八番 高橋稔裕議員 十九番 逢澤圭一郎議員 二十番 千葉達也議員 二十一番 渡辺 大議員 二十二番 松井 弘議員 二十三番 高木功介議員 二十四番 橋詰昌児議員 二十六番
白根大輔議員 二十七番 守屋裕子議員 二十八番 八子朋弘議員 二十九番
江原久美子議員 三十番 松坂喜浩議員 三十一番 宮崎吾一議員 三十二番 関根信明議員 三十三番 木下博信議員 三十四番 藤井健志議員 三十五番 美田宗亮議員 三十六番 吉良英敏議員 三十七番 松澤 正議員 三十八番
宇田川幸夫議員 三十九番 浅井 明議員 四十番 安藤友貴議員 四十一番 町田皇介議員 四十二番 辻 浩司議員 四十三番
前原かづえ議員 四十四番
浅野目義英議員 四十五番 石川忠義議員 四十六番 井上 航議員 四十七番 岡 重夫議員 四十八番 飯塚俊彦議員 四十九番 内沼博史議員 五十番 岡田静佳議員 五十一番 細田善則議員 五十二番 永瀬秀樹議員 五十三番 日下部伸三議員 五十四番
小久保憲一議員 五十五番 立石泰広議員 五十六番 新井 豪議員 五十七番 権守幸男議員 五十八番 萩原一寿議員 五十九番 山根史子議員 六十番 秋山文和議員 六十一番 村岡正嗣議員 六十二番 醍醐 清議員 六十三番 鈴木正人議員 六十四番 荒木裕介議員 六十五番 岡地 優議員 六十六番
小川真一郎議員 六十七番 齊藤邦明議員 六十八番 武内政文議員 六十九番 須賀敬史議員 七十番 新井一徳議員 七十一番 梅澤佳一議員 七十二番 横川雅也議員 七十三番 白土幸仁議員 七十四番 塩野正行議員 七十五番 蒲生徳明議員 七十六番 水村篤弘議員 七十七番 山本正乃議員 七十八番 柳下礼子議員 七十九番 中
屋敷慎一議員 八十番 諸井真英議員 八十一番 神尾高善議員 八十二番 高橋政雄議員 八十三番 田村琢実議員 八十四番 本木 茂議員 八十五番
宮崎栄治郎議員 八十六番 齊藤正明議員 八十七番 小島信昭議員 八十八番
小谷野五雄議員 八十九番 長峰宏芳議員 九十番 石渡 豊議員 九十一番 西山淳次議員 九十二番 木村勇夫議員 九十三番 田並尚明議員 欠席議員 なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 大野元裕 知事 砂川裕紀 副知事 高柳三郎 副知事 山本悟司 副知事 堀光敦史
企画財政部長 小野寺 亘 総務部長 真砂和敏
県民生活部長 三須康男
危機管理防災部長 目良 聡 環境部長 金子直史 福祉部長 山崎達也
保健医療部長 板東博之
産業労働部長 小畑 幹 農林部長 北田健夫
県土整備部長 村田暁俊
都市整備部長 宍戸佳子 会計管理者 北島通次
公営企業管理者 今成貞昭
下水道事業管理者 高田直芳 教育長 鈴木基之 警察本部長 発言(質問)通告書 九月三十日(金)議席番号 氏名 要旨 答弁者 八番
杉田茂実議員 1 行政の分散について 知事 2 県内農業を基軸とした、
食料自給社会の早期実現を (1)
自給社会構築に向けた県の取組と
グランドデザインについて 知事 (2)
食料自給社会の早期実現に向けた具体策について 農林部長 3 「
北部地域振興交流拠点」について 知事 4
公立中学校運動部活動の地域移行について 教育長 5 県営公園の資産有効活用について
都市整備部長 6 県道冑山
熊谷線バイパスの整備について
県土整備部長二十六番
白根大輔議員 1 あと数マイルプロジェクトと地域交通への支援について (1)
埼玉高速鉄道に関する地元市への影響について 知事 (2)
埼玉高速鉄道のお得な切符の利用拡大について
企画財政部長 (3) 日暮里・舎人ライナーの延伸について 知事 (4)
地域公共交通基本計画への県の役割について
企画財政部長 2
新型コロナウイルス感染症への対応について (1) 検査キットの確保とその配布について 知事 (2) 診療・検査医療機関の
マッピング化について
保健医療部長 (3) コロナ禍における介助が必要な場合の濃厚接触者について 福祉部長 (4) コロナ後遺症に悩む方々の救済について
保健医療部長 3
緊急小口資金等の特例貸付について 福祉部長 4
福祉行政関係対応について 福祉部長 (1) 子どもの居場所づくりについて (2)
アスポート事業について 5 DX推進について
企画財政部長 (1)
AIチャットボットの効果測定について (2) データの活用について (3) ローカル5Gの状況について 6 物価高騰の影響を受けにくい経営体質にするための支援について (1) いわゆるゼロゼロ融資等について
産業労働部長 (2) 災害時のレジリエンスという観点からのEVの普及について 環境部長 7 明日施行される
労働者協同組合法について 知事 (1) 市町村への働き掛けについて (2) 常設窓口設置について 8
ユニバーサルシート(大型ベッド)について 福祉部長 (1) 普及について (2)
マッピング化について 9
審議会等オンライン傍聴について
企画財政部長 10 地元問題
県土整備部長 (1) 国道一二二号の渋滞解消について (2) 芝川第一調節池について四十三番
前原かづえ議員 1 国葬は憲法違反 -県民に分断をもたらすべきではない- 知事 警察本部長 2
新型コロナウイルス感染症第八波に備え、医療体制の充実を 知事
保健医療部長 3 社会保障の削減や物価高から、生活困窮者を守り子育て応援の施策の充実を 知事 福祉部長 教育長 4
児童相談所強化と民間団体との連携で、虐待防止を 福祉部長 5 行き場のない少女たちを、性的搾取から守れ
-若年被害女性等支援事業の導入を
- 県民生活部長 福祉部長 6 小規模こそ良さがある。高校統廃合は、いったん立ち止まり深い論議を 教育長 7 学校にいけない子どもたちの学ぶ権利を守るのは行政の義務 教育長 8 県として
パートナーシップ制度実現を「性の多様性を尊重した
社会づくり条例」の全面実施へ 知事
県民生活部長 ----------------午前十時二分開議 出席議員 八十六名 四番 六番 七番 八番 九番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(砂川) 副知事(高柳) 副知事(山本)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△開議の宣告
○中
屋敷慎一議長 ただ今から、本日の会議を開きます。
----------------
△
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問
○中
屋敷慎一議長 これより、
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 八番
杉田茂実議員 〔八番
杉田茂実議員登壇〕(拍手起こる)
◆八番(
杉田茂実議員) おはようございます。議席番号八番、熊谷市選出、
自由民主党県議団の杉田茂実でございます。 本日は、地元熊谷市より大勢の後援会の皆様に傍聴にお出掛けいただきました。早朝より本当にありがとうございます。 中屋敷議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問を行います。 まず、一、行政の分散についてお伺いいたします。 私にとって三回目の質問となります。このテーマは、県北部熊谷市選出である私のアイデンティティともいうべき活動の中心にしております最重要課題であります。 令和元年十二月の質問では、主として首都直下地震への備えの視点から、そして、昨年九月の質問では、行政のデジタル化を背景に場所にとらわれない新しい時代に合った今後の行政機関の在り方について、見解をお伺いいたしました。私なりに行政の分散の合理性を主に機能の面から提示してきたつもりです。 しかしながら、知事の御答弁から、執行部としての切実感を感じ取ることはできませんでした。知事就任以来、三年間が経過されました。災害時の現地視察等、いち早く何度となく県北部入りをしていただきました。その都度、北部地域への思いを深めていただいていることと意を強くしております。 さて、私が行政の分散、とりわけ県北部への機能移転を訴える背景には、県北部地域が元気を失っていくことに対する強い危機感があります。言うまでもなく私の地元熊谷市は、
県北部地区最大の人口を誇る北部経済の一大拠点です。この熊谷市ですら平成十九年における人口約二十万四千人をピークに、平成二十八年で二十万人を割り込み、令和二年では約十九万六千人と人口減少に歯止めがかかりません。この間、さいたま市、川口市はじめ県南部の自治体が人口を増やし続けていることとの格差は歴然です。 これを市場原理と言って手をこまねいて見ているのは簡単ですが、本当にそれでよいのでしょうか。県は北部地域の様々な施策を打ち出しておりますが、根幹を揺るぎないものにしない限り、民間の頑張りは継続できません。行政にできる、むしろ行政にしかできないことがあるのではないでしょうか。 ここさいたま市にある県庁舎で働く職員のうち、例えば、三分の一がその所掌事務とともに県北部に向かって移ってきたところをイメージしてください。庁舎に向かう人の流れ、それに伴う官民の情報の集積は、この地域の存在感や資産価値を高め、周辺の商業地・住宅地に大きな波及効果を生むでしょう。さらには、新しい公共交通の創出もあるでしょう。高崎線、国道一七号など朝の通勤時間帯に南に集中していた人や物の流れから、一部が北へ向けた流れに変わります。適度なゆとりを保ったこの新しい潮流は、北部地域の人々の笑顔と活力を運ぶものです。最初は細くとも、いずれ成長することは必至です。 何よりも県庁の一部が移ってくるということは、それ自体が県北部を大切に思う大野知事からの何にも勝る大きなメッセージになります。
地域社会経済の多極化は、多くの識者の論を待つまでもなく、本県の持続可能性を高め、SDGsの精神にもかなうものです。 防災、そして新たな行政機関の在り方の観点からも、改めてお伺いいたします。 大野知事の就任直後、令和元年の台風第十九号によりもたらされた甚大な被害は、まだ記憶に新しいことです。去る七月十二日の豪雨では、このときとほぼ同じ地域で驚くほど短時間に警戒レベル五の緊急安全確保が発令されました。今度は台風の影響ではありません。もはや自然災害の猛威はこれまでの常識を超え、県内でもいつ、どこが深刻な被害に遭うか、予測自体が不可能なのです。にもかかわらず、災害対応、その後の復旧作業を指揮する県庁の機能に十分なバックアップがあるとは、私には到底考えられません。
新型コロナウイルス感染症への対応についてはどうだったでしょうか。感染症対策の最前線は、言うまでもなく保健所です。さいたま市、川口市など保健所設置市との役割分担を考えると、全県の司令塔である県の本部機能はどこにあるのが最も効率的だったのか、今後検証する必要があるのではないでしょうか。 行政機関が本来期待される役割を最大限発揮するために、県内の配置は既成概念を捨てて見直されるべき時期に来ています。例えば、最重要案件であります食料の安全保障を意味する農業分野の現場の中心はどこなのか、道路整備ではどうか、各分野においてもゼロベースでの検討がなされるべきです。 もちろんコロナ禍を契機とした
デジタルツールの急速な浸透がその背景にあります。今や県庁の会議もオンラインが中心と聞いております。県庁の幹部の皆さんが常に現庁舎に集まっていることにリスクこそあれ、メリットは少ないのではないでしょうか。 私たち県議会は、去る六月二十三日に、県庁舎の県北部地域への整備を求める
埼玉県議会議員連盟を立ち上げ、一足早く問題意識を示しました。新たな県庁舎の立地については、県庁舎再
整備検討委員会において活発な議論がなされ、一から検討されることを期待します。 新庁舎のしゅん工までには時間もかかるでしょう。行政の分散はもっと短い時間軸で検討されるべき喫緊の課題です。県北地域の地域機関や官民の遊休施設を活用すれば新たな県庁舎整備の議論に先行し、機能分散は比較的容易に実現可能だと考えます。要はやる気の問題です。 私が最初にこのテーマを一般質問で取り上げたのは三年近く前、振り返ればコロナ禍が始まる直前でした。何やら隔世の感があります。それから世の中は大きく変わりました。コロナはいずれ収束するでしょう。ですが、時計の針が戻ることはありません。この間の変化をポジティブに受け止め、新しい行政の形を検討していただきたいと思います。 そこで、知事にお伺いいたします。 まず、一点目として、南北格差の解消、県土の均衡ある発展の視点も含め、これまで行政機関の分散についての検討は、どのように進めていただいておりますでしょうか。 二点目として、知事就任以来、様々な外部環境の変化を重ねられた今、行政の分散についての現在のお考えをお聞かせください。 次に、二、県内農業を基軸とした、
食料自給社会の早期実現をについてお伺いいたします。 まず、(一)
自給社会構築に向けた県の取組と
グランドデザインについてです。 農業生産に深刻な影響を与えている気候変動。さらには、ロシアの
ウクライナ侵攻で、食料のみならず肥料や飼料、燃料の供給が滞り、私たちの食料安全保障を脅かす要因になっています。そもそも米は国産、小麦と大豆と飼料は輸入という戦後からの長きにわたる国際的なすみ分けがあり、食料の自給に重きを置く必要がなかったことが、結果として
自給社会構築の妨げになりました。 国は去る九月九日に農政の憲法とされる食料・農業・農村基本法の見直しに着手したようです。同法制定後二十年以上が経過し、食料安保をどのように確立するか、一年程度をかけて方向性を示すようです。食料の自給社会の実現とは、取りも直さず農業を強くすることです。 そこで、知事にお伺いいたします。
食料自給社会の実現に向け、国の対応を待つのではなく、生産、消費ともに条件の良い埼玉県が国をリードしていただきたいと考えます。県内農業を基軸とした
食料自給社会の早期実現に向けて、県内でどれだけの食料が自給できるか、今後の
自給社会構築に向けた県の取組と
グランドデザインについてお伺いいたします。 次に、(二)
食料自給社会の早期実現に向けた具体策について、四点、農林部長にお伺いいたします。 一点目として、県農業大学校についてお伺いいたします。 県農業大学校の存在は、今後の埼玉農業の将来を大きく左右する存在であると考えます。しかし、特に県内の大学には農学部がありません。したがって、大学との連携や研究部門に弱点があります。農業大学校は全国に四十二校あります。各々地域の個性が表れているように見受けられますが、ここで学んでみたいと思わせるような個性、特色を打ち出し、全国から受験生が訪れるような魅力ある大学校改革の創出が必要と考えます。 熊谷市に移転当初、隣接の立正大学との協定が締結されていたと記憶しておりますが、その後は連携が深まっているのでしょうか。同大学には
地球環境科学部、
データサイエンス学部があり、これらは農業振興に不可欠かつ強力なパートナーであると思いますが、今後の連携をどのようにお考えか、お伺いいたします。 二点目として、
県農業技術研究センターについてお伺いいたします。 多くの農業技術の実施や農畜産物をデビューさせていることは承知しております。しかし、その取組は、埼玉県民の安全・安心を守るための食料自給活動につながるものでなければなりません。現状の農業環境を分析し、どのような技術研究を推進すべきか、その必要性を見いだした上で技術研究の成果を創出していただきたいのです。 例えば、米の自給率を考えると粗々の試算ですが、県内の
稲作可能耕地面積が四万九百ヘクタールであり、一ヘクタール当たりの収量を五千八十キログラムとした場合、一人当たりの年間消費量は五十・八キログラムとなるので、三百六十八万一千人分となります。これは県民の約五〇パーセントの自給率になります。このようにまず根拠を明らかにし、自給社会の実現に向けて
県農業技術研究センターだけでなく、農業大学校、農林公社、立正大学をはじめ外部情報を求め、産学官金労との連携を深めることが必要と考えます。 そこで、
県農業技術研究センターにおける農業技術や農業畜産物の研究は、何を基準に決定され取り組んでいるのでしょうか、お伺いいたします。 三点目として、
農業水利施設についてお伺いいたします。 本年五月十七日、愛知県豊田市の
明治用水頭首工で大規模漏水が発生するという事故が起こりました。今後の食料自給を目指す生産高を確保するための
農業基盤整備として
農業水利施設があります。地元熊谷地域を例にとりますと、荒川の六堰頭首工から取水している
大里用水土地改良区及び
山王用水土地改良区は、管理区域二千九百ヘクタールを超える広範囲な農地を潤す土地改良区です。
農業水利施設は生産高を左右する重要な基盤を担っており、食料自給に向けて欠かすことのできない施設です。 これらの施設の大半は各土地改良区により維持管理され、土地改良区は組合員の賦課金等によって運営されておりますが、農業従事者の高齢化による担い手の減少等により、とても単独では施設更新が適切に行えない状況にあります。土地改良区によっては年間予算総額の三倍から四倍にも上る
施設更新工事要望が積み上げられております。施設の機能を維持し、農業用水の通水を確保することは、食料の安定供給に欠かせないものですが、県はどのようにして
農業水利施設の更新を支援していかれるのかをお伺いいたします。 四点目として、畜産振興の現状と将来像についてお伺いいたします。 令和二年の農業算出額は一千六百七十八億円であり、そのうち畜産の産出額は二百四十五億円で、野菜八百三十一億円、米三百二十七億円に次ぐ産出額です。
食料自給社会の実現に畜産の存在が大きく影響するはずです。 そこで、酪農、肉用牛、養豚、養鶏の現状と課題についてお伺いいたします。 新しい
家畜保健衛生所の再編により、何がどのように変わり、新しい効果が生じるのでしょうか、お伺いいたします。 特に畜産に関しては、さいたま市
食肉中央卸売市場が二〇二八年にさいたま市岩槻区に移転、新設されると聞いております。
食肉卸売市場とと畜場が一体化した大規模な施設となるそうです。近くには
地域経済活性化拠点として道の駅も整備されるなど、新たな観光拠点としても期待されています。 県は、この
食肉卸売市場とと畜場について、さいたま市とどのように一体感を持ち、連携を図っていかれるのか、お伺いいたします。 農業問題の最後に、興味深い佐賀県知事の去る七月八日会見の一端を紹介します。「国会議員の定数について、仮に食料自給率で都道府県別に置き換えて配分したらどうか試算してみた。ちなみに自給率一九六パーセントの北海道は十二議席が五十九議席に、九五パーセントで西日本トップの佐賀県は二議席が五十八議席に、一〇パーセントの埼玉県は十六議席が五議席、一パーセントの東京都は三十議席が一議席になる」とのことです。人口だけではなく、様々な要素から考えるきっかけとしてほしいという問題提起でした。「国家の力は地方にあり」との私の信条とも重なり、その思いが県内の南北格差解消にも、ふと重なったところです。 次に、三、「
北部地域振興交流拠点」についてお伺いいたします。 地元熊谷市では、待ちに待った事業が開始される大切なときです。昨年九月の定例会では、私から新たな埼玉県5か年計画案に記載された
北部地域振興交流拠点の推進について、これまでの検討を受け継いでいくのか、それとも新しいものとするのか、今回の取組の方向性について知事にお伺いいたしました。知事からは「北部地域に産業拠点施設を造って企業のイノベーションを後押しすることは、県北全体の活力を高める上で重要である」との御答弁をいただきました。 その後、埼玉県5か年計画の主な取組に
北部地域振興交流拠点の検討推進を位置付けていただき、今年度には産業振興機能の基本コンセプトの検討のため、有識者等で構成する北部地域産業振興機能検討委員会を設置したと伺っております。拠点施設を設置するからには、実際に県民に利用され、地元に長く愛されるものとしなくてはなりません。北部地域の産業振興という目的から地域の産業界のニーズを把握し、基本コンセプトに反映させることが大事だと考えます。 そこで、地域のニーズをどのように把握していかれるのか、知事にお伺いいたします。あわせて、委員会ではどのような議論を期待しているのか、お伺いいたします。 次に、開業までのスケジュールについてお伺いいたします。 県では、先行して平成二十三年に東部地域振興ふれあい拠点施設、平成二十七年に西部地域振興ふれあい拠点施設を開業いたしました。両施設とも整備方針の検討から開業までに約十年要しています。北部拠点についても同様な時間がかかるものと想像しますが、これほど時間がかかってしまっては、当初のコンセプトと開業時点で実際に求められる機能にずれが生じてしまわないでしょうか。 コロナ禍でテレワークやリモート会議が急速に広まりました。時代の流れは急速に進んでいるのです。このような時代において検討から事業実施までは、短ければ短い方がいいと考えます。幸い本件に関しては、土地の取得に係る時間は不要です。本事業には私の地元熊谷市をはじめ、北部地域の産業界の歴史とニーズを実現し、産業のけん引役となるよう大きな期待が集まっています。 そこで、本事業スタートに当たり、開業までのスケジュールについてはどのようにお考えか、知事にお伺いいたします。 次に、四、
公立中学校運動部活動の地域移行についてお伺いいたします。 令和四年六月六日に運動部活動の地域移行に関する検討会議からスポーツ庁長官へ提言がなされ、令和五年度から七年度を目途とした改革集中期間を設け、運動部活動が段階的に地域移行を目指していく考えが示されました。現在、公立中学校の部活動の担い手を学校から地域に移行する動きが着々と進められていますが、地域移行ありきでこの改革を進めることに危うさはないか。いささか拙速過ぎるのではないか。 そこで、県としての課題について、三点、教育長にお伺いいたします。 まず、一点目です。 本県では、モデル事業として令和三年度より白岡市立四中学校、生徒数一千二百五十四人を対象に、地域運動部活動推進事業を令和四年度まで推進中と伺っております。地域移行に当たっては、指導者の人材確保、体育館やグラウンドなどの施設確保、地域部活動の受皿となる団体の確保など様々な課題が考えられますが、この実践研究で顕在化した課題や成果についてお伺いいたします。 二点目ですが、運動部活動は教育活動の一環として学校が責任を持って実施することで教育的効果を上げてきました。このような仕組みを安易に失うことがあってはいけないのではないでしょうか。生徒にとって何がベストかという視点を最優先し、生徒や保護者の視点での検討を忘れてはならないはずです。こうしたことについてどのようにお考えか、お伺いいたします。 最後、三点目です。 民間企業の社員や行政職の公務員などに比較して公立学校教職員の働き方改革は、動き始めたばかりで周回遅れの感があります。教員は授業以外にも様々な業務をこなし、昨今では小学校の英語教育や教育のデジタル化への対応もあり、多忙に拍車が掛かっているようです。この働き方改革を機に、公立中学校の部活動に対する教員の大きな業務負担が課題となっております。 学校の働き方改革は最重要課題であると思いますが、その解決を部活動の地域移行によるのではなく、教員の増員などによる対応も検討すべきではないか、お伺いいたします。 次に、五、県営公園の資産有効活用についてお伺いいたします。 本県の県営公園では二十九か所の公園が指定管理者制度により運営されていますが、施設の維持管理費は県の負担、管理運営としての指定管理料が必要となっています。近年は新型コロナウイルスの感染拡大により、公園運営が厳しい状況となっています。令和二年度には、九月補正予算により施設の維持管理費用が補填されました。令和三年度以降は、感染防止対策を実施しながら通常の利用ができる環境に戻っていますが、現在どのような支出状況かが懸念されます。 そこで、令和二年度の指定管理料の決算額、また、そのうち補正予算により補填された額、さらに、令和三年度の状況について、
都市整備部長にお伺いいたします。 また、その過程で指定管理料の縮減についてどのように取り組んだのか、併せてお伺いいたします。 次に、民間活力を利用した公園の運営の可能性についてお伺いいたします。 指定管理者制度は、民間の力を活用し効率的な施設運営を目指すものですが、収入を生み出し公園施設に還元するという仕組みにはなっていません。公園事業は公共性が高いがゆえに、これまで経済的な視点というものが置き去りにされてきました。その結果、集客、魅力づくりという点での公園運営の取組は弱く、収入も人口減少、高齢化の流れとともに減り、公園施設を維持するのも自治体の大きな負担となっております。 自治体の負担を軽減する意味でも、民間の企画力や運営能力のある事業者に管理者ではなく運営者として参加いただき、公園の魅力づくり、事業収支もしっかり試算して取り組むような仕組みを構築することが重要です。事例を挙げますと、千葉市稲毛海浜公園のリニューアル事業があります。選定された民間事業者は、市が同事業に投資をした二十四・八億円を大きく上回る、二十年間で市の維持管理委託負担額三十八億円の削減、公園使用料収入十億円が見込まれる事業を提案しております。 さて、都市公園における官民連携の手法について平成二十九年に都市公園法が改正され、公募設置管理制度、いわゆるPark-PFIが加わりました。県の都市公園という資産をいかに運営するかにより、予算削減をすることが可能になります。正に稼ぐ力の創出です。厳しい財政状況の中であっても社会保障費や教育費など決して削減することができない予算があることを考えれば、積極的に制度を活用すべきです。 そこで、県営公園のうち、どのような公園が民間活用の可能性があると御判断されているでしょうか、
都市整備部長にお伺いいたします。 また、県営公園もPark-PFIなどの民間事業者等の資金やノウハウを活用した整備と管理手法を積極的に導入すべきと考えますが、民間事業者との連携に関する今後の対応について併せてお伺いいたします。 次に、六、県道冑山
熊谷線バイパスの整備についてです。地元問題となります。 私の地元熊谷市南東部を南北につなぐ、地域の重要な生活に欠かせない道路です。平成十五年には国道一七号から広域農道までの区間が整備され、当時、木製の冠水橋であった久下橋が現在の立派な橋に架け替えられ、利便性や防災機能の向上、交通渋滞の緩和など大きな整備効果をもたらしています。 一方、国道一七号の北側では、この県道とつながる熊谷市道の都市計画道路第二北大通線が令和元年に全線開通しており、ますますこの県道の役割は大きくなり、利用者が増えています。現在、県により広域農道から東松山市内の国道四〇七号までのバイパス整備を進めていただいており、令和元年には広域農道から南へ約一・二キロメートル区間が開通いたしました。 しかし、熊谷市から東松山市方面へ向かうと、大里中学校を過ぎた先は、現在事業中でバイパスがつながっていないため、一旦現道に戻り国道四〇七号まで行かなければなりません。この現道は幅員が非常に狭く、歩道は一部のみ設置されている状況のため、バイパスの全線完成を望む声が私のところにも数多く届いています。 そこで、県道冑山
熊谷線バイパスの事業中区間の進捗状況と今後の見通しについて、
県土整備部長にお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)
○中
屋敷慎一議長 八番
杉田茂実議員の質問に対する答弁を求めます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事
杉田茂実議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、行政の分散についてのお尋ねのうち、これまでの検討状況についてでございます。 議員お話しのとおり、県の役割を最大限発揮するため、行政機関の配置をゼロベースで検討すべきとのお考えにつきましては、私も同感であります。行政のデジタル化の進展により、県民や事業者が行う行政手続の三分の二以上がオンラインで対応が可能となっており、また、庁内においても約六割の会議・研修がオンラインを活用しております。 私も知事就任以来、オンライン化につきましては先頭に立って、これを積極的に進めてまいりました。これまで行政機関の窓口で処理していた行政手続や職場というスペースで従事していた様々な業務が、場所の制約を受けることなく、オンライン上で完結することができるようになっています。 今後、更なるDXを推し進めることにより、県民や事業者にとっての行政機関、職員にとっての職場は、大きく変化していくことが見込まれます。 一方、議員御指摘の北部地域の振興や県土の均衡ある発展は大変重要な視点であり、行政として何が最適解であるかを常に考える必要があると思います。現在、庁内では場所という概念の変化を捉えつつ、地域機関で行っている業務が本庁でもできないか、反対に本庁の業務や職員を地域機関に移せないかなど、大胆な着想からゼロベースで検討しているところであります。 こうした中で、県土の均衡ある発展も含め、あらゆる視点からしっかりと検討を進めたいと考えます。 次に、様々な外部環境の変化を踏まえた現在の考えについてであります。 議員お話しのとおり、私が知事に就任した三年前と世の中は大きく変化しています。知事就任二週間後の豚熱に始まり、令和元年東日本台風、
新型コロナウイルス感染症のパンデミック、直近では降ひょうや集中豪雨による被害などが立て続けに発生し、その対応に追われました。また、DXの推進につきましては、先ほど申し上げたとおり、私自ら先頭に立ち、全庁挙げて取り組んでおり、特にDXの第一歩として県庁のペーパーレス化をはじめとしたデジタル化などに力を入れてまいりました。 近年、災害が多発していることを踏まえますと、議員御指摘の災害時における県庁舎のバックアップ機能をどのように確保すべきかという視点からの検討も大変重要と認識します。また、DXの更なる進展により、これまで地域機関において職員が直接行っていた相談や窓口業務などについては、近い将来、オンライン上で職員がどこからでも対応することが可能になると思います。 進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものではなく、最も頭のいいものでもなく、変化に対応できる生き物だ」との考えを示したとされています。行政の分散についても同様であります。 もはや、県庁所在地に職員が現実に通うという姿や地方機関との関係の在り方などから、ゼロベースで検討する必要があると考えます。関係者間の議論を通じ、様々な外部環境への変化に対応できる行政機関をつくることにより、七百三十四万埼玉県民の期待に応えることが私の責務であります。 次に、県内農業を基軸とした、
食料自給社会の早期実現をのお尋ねのうち、
自給社会構築に向けた県の取組と
グランドデザインについてのお尋ねでございます。 議員お話しのように、ロシアのウクライナ侵略等により食料安全保障上のリスクが高まっており、国全体として食料安全保障を強化することが重要な課題となっております。本県では、カロリーの低い野菜などの生産が盛んであり、また、人口が多いためカロリーベースでの食料自給率は一〇パーセントとなっています。これは、大消費地である首都圏に位置する好条件を生かして多彩な農業が行われていることの現れであり、こうした本県の特性を踏まえて国全体としての食料安全保障の強化に取り組むことが重要と考えます。 取組を進める上での
グランドデザインとして、農林水産物の安定供給などを基本理念とする埼玉県農林水産業振興条例に基づき、埼玉県農林水産業振興基本計画を定めております。条例及び基本計画においては、食料安全保障の強化に不可欠な、担い手の育成・確保、生産基盤の整備、生産・流通・販売等の体制整備などを取組の柱としております。この
グランドデザインに基づき、スマート農業の推進、担い手への農地集積などを通じた生産性の向上や、麦や飼料作物の生産拡大を通じた輸入依存からの脱却などを進め、食料安全保障の強化に取り組んでまいります。 今議会で提案させていただいている補正予算につきましても、自給飼料の生産拡大や化学肥料の使用量低減に関する施策は、食料安全保障の強化にも資するという考えに基づくものであります。 こうした取組を通じ、議員御指摘のような、国際情勢の変化に影響されにくい、強い農業に支えられた社会の実現を図りたいと考えます。 次に、「
北部地域振興交流拠点」についてのお尋ねのうち、産業振興という目的から地域のニーズをどのように把握していくのかについてであります。 北部地域は多くの製造業が立地し、特に食品や電子部品等の製造業が盛んであります。また、県内有数の農業地帯であるとともに、複数のプロスポーツチームが本拠地を置くなど、農業と地域産業との連携やスポーツ関連産業の活性化も期待できる地域であります。 そこで、北部地域の商工団体などから御意見を頂くことはもとより、地域の特色である食品製造や農業の六次産業化に取り組む事業者、あるいは、地元スポーツチーム等からお話をお伺いするなど、幅広く地域ニーズの把握に努めているところであります。 地域ニーズを踏まえ検討委員会で御議論いただき、北部地域ならではの特色を生かすとともに、様々な産業が相乗効果を生み出せるような支援の在り方について検討してまいります。 次に、北部地域産業振興機能検討委員会ではどのような議論を期待するのかについてであります。 検討委員会では、拠点施設に求められる産業振興機能の基本コンセプトについて議論していただくこととしております。県内企業においては、デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラルなどへの対応が課題となっていることから、検討委員会の委員にはこうした分野の専門家にも御就任をいただいております。また、オンラインなどの活用により、場所の制約を受けずに効果的な支援を行うことも可能であることから、北部地域にとどまらず全県的な視点からの産業振興機能の検討もお願いをしております。 社会のデジタル化や環境問題への対応など経済を取り巻く環境は大きく変化しており、検討委員会では時代の先を見据えた議論を期待しております。 次に、開業までのスケジュールについてでございます。 建物は一度建てると数十年にわたり使用するものであることから慎重な検討が求められます。また、産業振興機能について検討委員会で検討をお願いしているところであります。さらに、施設として持つべきほかの機能も議論する必要があろうかと思います。 そのため、現時点ではっきりとしたスケジュールをお示しすることはできませんが、まずは課題を整理し、社会環境の変化を意識しながら、
北部地域振興交流拠点に求められる機能について、検討委員会の御議論も踏まえ、しっかりと検討をしてまいりたいと考えます。 〔小畑幹農林部長登壇〕
◎小畑幹農林部長
杉田茂実議員の御質問二、県内農業を基軸とした、
食料自給社会の早期実現をの(二)
食料自給社会の早期実現に向けた具体策についてお答え申し上げます。 まず、農業大学校と立正大学との今後の連携をどのように考えるかについてでございます。 農業大学校では、これまで時代の流れや新たなニーズに対応した魅力ある教育ができるよう、カリキュラムを設定してまいりました。 例えば、全国でも本県を含め二県しかない有機農業を学ぶことができる専攻の創設や、希望進路ごとに必要な知識が学べるコース別学習の実施など、埼玉県独自の取組を行っております。また、平成二十六年には立正大学と協定を結び、同大学教授による農業気象学の講義を農業大学校で行う一方、立正大学による農作物の生育診断に係る研究の場を農業大学校が提供するなど、相互に協力してまいりました。 強い農業に支えられた社会の構築に向けては、気象データや作物の生育情報など、様々なデータを分析・活用した効率的な農業生産が不可欠です。立正大学において、令和三年度に
データサイエンス学部が創設されことを受け、そのような農業に役立つ教育を強化できるよう、同大学との更なる連携を検討し、魅力ある農業大学校づくりを進めてまいります。 次に、
県農業技術研究センターにおける農業技術や農業畜産物の研究は、何を基準に決定され、取り組んでいるのかについてでございます。 県では、埼玉県農林水産業試験研究推進方針に基づき、強い農業の実現に不可欠な生産力の向上などに寄与できるよう、省力、低コスト、高品質生産技術の開発などを柱として試験研究を行っております。本県農業に貢献できる成果を上げるため、具体的な研究課題については生産者や農業団体などからアイデアや要望を伺った上で、学識経験者などで構成する評価委員会での評価を受けて決定しています。評価の際には、提案する研究課題ごとに具体的な達成目標を設定した上で、目標設定の明確さ、普及・実用化した場合に農業の発展に貢献する可能性などの観点から精査し、課題を選定しています。 また、議員お話しのほかの機関との連携につきましては、農業大学校への実習の場の提供、農林公社の種子生産への技術支援を行うとともに、立正大学からは教授に評価委員として参画いただいております。 こうした体制の中で適切に研究課題を決定・実施し、強い農業の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。 次に、どのようにして
農業水利施設の更新を支援していくのかについてでございます。
農業水利施設は農業を支える重要な生産基盤であり、議員お話しのように、食料の安定供給のために欠かせない施設です。このため県では、これまでも受益面積が百ヘクタール以上の基幹的な施設などについて、劣化等の機能判断を行った上で、計画的に施設の補修や更新を進めてきました。 一方、主に土地改良区が更新整備を行う、農地周りの小規模な施設については、議員御指摘のように多くの整備要望が上げられているところです。こうした要望について即座に全て対応することは困難ですが、県では緊急性や施設の重要性に応じ、県費単独土地改良事業や土地改良施設維持管理適正化事業により順次整備を後押ししてきました。 今後、県としてこれまで以上に土地改良区と連携し、より補助率の高い国庫補助事業の活用に取り組むことにより、小規模な施設を含め効率的に整備を進められるよう支援してまいります。 次に、畜産振興の現状と将来像についての酪農、肉用牛、養豚、養鶏の現状と課題についてでございます。 議員お話しのとおり、令和二年における本県の農業産出額のうち、畜産の産出額は二百四十五億円で約一五パーセントを占めており、野菜、米に次ぐ本県農業の基幹部門であると考えています。 これまで、本県における家畜の飼料はほとんどを輸入に依存してきており、今般の輸入飼料の価格高騰により大きな影響が生じているところです。このため、畜産振興においては、今後輸入飼料への依存の低下を図っていくことが重要な課題となっており、今議会でも自給飼料の生産支援に係る事業を提案させていただいたところです。 このような課題の解決に取り組むことで、国際情勢に影響されにくい構造への転換を図ってまいります。 次に、新しい
家畜保健衛生所の再編により、何がどのように変わり、新しい効果が生じるのかについてでございます。 本県の
家畜保健衛生所、いわゆる家保については、現在、熊谷市、川越市、さいたま市の三か所に設置している体制から、今後、県北に新たな家保を設置して、川越市との二か所体制に再編することとしています。これは、都市化が進む中、かつては県内の広い地域で飼われていた家畜が、現在では八割が県北地域に集中していることを踏まえ、家保の体制を強化しようとするものです。 また、この再編の際には、現在、さいたま市に置かれている家畜の病気の診断のために精密検査を行う
病性鑑定部門を、県北に新たに設置する家保に移管することとしています。このことにより、家畜伝染病の疑いのある家畜について、多くの事例で速やかに検査・診断を行うことが可能となり、より効果的にまん延防止を図ることができるようになると考えています。 次に、
食肉卸売市場とと畜場の一体的な
グランドデザインを描く上で、さいたま市とどのように一体感を持ち、連携を図っていくのかについてでございます。 さいたま市
食肉中央卸売市場とと畜場は、本県の食肉流通における基幹的施設であり、県民の食の安全・安心や県産食肉の円滑な流通を確保する上で重要な役割を果たしています。県として、県内の食肉の流通合理化を図るため、さいたま市とほかの県内と畜場開設者との意見交換の場を設けるなど、再整備の実現に向けた調整、支援を行ってきました。 さいたま市の計画では、新施設は道の駅と一体的に整備することとされており、安全・安心な食肉の供給のほか、食の連携・交流拠点、食育・地産地消拠点、輸出拠点のコンセプトなどとされています。このため、県内畜産農家にとって地産地消を後押しする効果や、輸出を含め販路が拡大する効果が期待され、県内畜産農家の所得向上にもつながり得るものと考えています。 こうした観点から、さいたま市
食肉中央卸売市場とと畜場の移転・整備とコンセプトの実現に向け、さいたま市と連携、協力して取り組んでまいります。 〔高田直芳教育長登壇〕
◎高田直芳教育長
杉田茂実議員の御質問四、
公立中学校運動部活動の地域移行についてお答え申し上げます。 まず、白岡市の実践研究で顕在化した課題や成果についてでございますが、白岡市では令和三年十一月から市内全ての中学校四校の八つの運動部活動で、部員約二百人を対象に実践研究を行っております。昨年度は、市内四中学のPTA役員やOBを中心に発足した任意団体を実施主体として、学校との連携を重視した地域部活動を展開し、今年度は民間団体による運営について研究を進めております。 昨年度の実践研究では、市内全ての運動部活動を地域移行できるだけの指導者の確保は困難であること、また、実施主体が事務処理等に不慣れであったといった組織運営上の課題が明確になりました。その一方で、提言の中では、施設の確保が課題として挙げられておりますが、本実践研究では活動場所を生徒が在籍する中学校とすることにより安定的に活動場所を確保できることや、さらに、移動や送迎といった生徒や保護者にとっての負担を軽減できることも分かりました。また、指導員は専門的な知識、技能を生かした丁寧な指導を行い、生徒や保護者からは「安心して指導を受けることができた」との声を聞いております。 県では、各市町村の担当者を集めた実践研究報告会を開催し、これまでに得られた課題と成果を県内市町村に情報提供したところです。今年度は、白岡市に加え戸田市でも実践研究をしておりますので、引き続きその研究成果や他県での先進事例なども情報提供することで、市町村における部活動の地域移行を支援してまいります。 次に、生徒や保護者の視点での検討を忘れてはならないについてでございます。 議員お話しのとおり、部活動は長年、教育活動の一環として実施され、体力や技能の向上をはじめ、良好な人間関係の構築や自己肯定感、連帯感のかん養など様々な教育的効果を上げてまいりました。地域移行に当たっては、こうした部活動がこれまで果たしてきた役割を十分に踏まえながら進めていくことが重要であると考えております。 そのため、学校と地域が部活動の地域移行について、その意義を共有し、それぞれが責任を持って取り組むことが大切であり、生徒や保護者の視点を忘れることなく、特に生徒にとってより良いものとなるよう、県としても市町村を支援してまいります。 次に、教員の増員などによる対応も検討すべきではないかについてでございます。 学校が担う役割の拡大により教員の負担が増大しており、学校における働き方改革は早急に解決すべき大きな課題の一つであると認識しております。部活動の地域移行によって、教員の業務負担の軽減がその効果として期待されておりますが、抜本的な教員の負担軽減のためには、教育環境の更なる整備や業務そのものの削減も必要です。 議員お話しのとおり、教員の増員につきましては、授業の持ち時間数を削減し、教員が生徒と向き合う時間をこれまで以上に確保することができるようになり、教育環境の整備という観点からは大きな効果があるものと考えます。現在、国におきましては、通級指導及び日本語指導の充実のための加配や生徒指導の支援体制強化のための加配など、教員の定数改善が進められています。 県といたしましては、今後もあらゆる機会を捉えて教員定数の改善を国に強く要望するとともに、学校における業務改善や業務削減を行うなど働き方改革を強力に推進し、教員が生徒の成長を支えていけるよう取り組んでまいります。 〔村田暁俊
都市整備部長登壇〕
◎村田暁俊
都市整備部長 杉田茂実議員の御質問五、県営公園の資産有効活用についてお答え申し上げます。 まず、指定管理料の状況についてです。 議員お話しのとおり、令和二年度は新型コロナウイルスの感染拡大により県営公園の運営状況は厳しく、九月定例会で施設の維持管理に必要な不足額について補正予算をお認めいただきました。都市整備部所管の県営公園のうち指定管理者制度により運営する公園は、令和二年度と三年度いずれも二十七か所でございましたが、令和二年度の指定管理料の決算額は三十五億三千三百十六万五千円で、このうち一億九千百五十四万三千円が補正予算からの支出となっています。 令和三年度は施設利用制限の段階的な緩和を踏まえ、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底した上で、県民の皆様に公園で楽しんでいただけるよう施設運営に取り組んだところでございます。自主事業などの収益は感染拡大前の状況に戻っておりませんが、必要な経費の継続的な見直しにより、指定管理料は三十四億九千二百四万三千円となり、令和二年度と比べ四千百十二万二千円の減となっています。 この二年間の指定管理料の縮減の対策としましては、オンラインショップの開設による収入増のほか、料金の低い電気事業者への変更やパンフレットの電子化による経費削減などに取り組んだところでございます。引き続き、コスト縮減や利用者サービス向上による収入の増加を図り、指定管理料の縮減に取り組んでまいります。 次に、どのような公園が民間活用の可能性があるかについてです。 県では、令和元年に都市整備部が所管する二十七の公園を対象に、民間事業者九社に対しサウンディング調査を行ったところ、幹線道路沿いや市街地に近いなどアクセスが良く、集客力の高い公園は、民間事業者が参画する可能性が高いとの意見をいただきました。議員お話しの稲毛海浜公園も、海浜ニュータウンが近く、東京湾に面し、四季を通じて利用者が楽しめる公園です。 本県の場合、大宮スーパー・ボールパーク構想を検討している大宮公園や、最寄り駅が近い所沢航空記念公園などは、民間活力を導入できる可能性があると考えます。 次に、民間事業者との連携に関する今後の対応についてです。 県営公園の運営に当たり、民間と連携し、資産の有効活用により収益を生み出し、将来的な支出削減と公園施設整備への再投資につなげる手法は有効であり、積極的に活用したいと考えています。 例えば、熊谷スポーツ文化公園では民間団体への設置管理許可により、宿泊施設やカフェを備えたさくらオーバルフォートが整備され、埼玉パナソニックワイルドナイツの活躍もあり、試合のない日もにぎわいが生まれています。また、上尾運動公園のプール跡地では、県民生活部と連携しスポーツ科学拠点施設の整備、公園施設の再整備を検討していますが、整備・運営の手法については民間事業者の創意工夫を生かした提案を求めることとしています。 民間活力を生かす手法は、公園の立地や特徴、周辺環境のほか、民間事業者による採算性の判断から、Park-PFIだけでなく指定管理者制度など他の手法を含め、公園ごとに適切に選択又は組み合わせることが重要です。こうした考えの下、民間事業者との意見交換を重ね、Park-PFIなど新たな官民連携手法による公園整備と管理手法の導入に向け、検討を進めてまいります。 〔北田健夫
県土整備部長登壇〕
◎北田健夫
県土整備部長 杉田茂実議員の御質問六、県道冑山
熊谷線バイパスの整備についてお答え申し上げます。 このバイパスは、東松山市内の国道四〇七号から、熊谷市内の久下橋南側の広域農道に接続する約二・三キロメートルの道路で、熊谷市側から東松山市側に向けて整備を進めております。このうち、広域農道から南の熊谷市道大里七〇号線までの約一・二キロメートルの区間は、ラグビーワールドカップ二〇一九の際のアクセス道路として重点整備を行い、令和元年七月に開通いたしました。 現在、熊谷市道大里七〇号線から国道四〇七号までの約一・一キロメートル区間について事業を進めており、この区間の用地買収率は八七パーセントとなっております。令和三年度からは和田吉野川に架かる橋りょうの下部工事や交差する国道四〇七号の道路拡幅工事を実施しており、工事進捗率は二二パーセントとなっております。令和四年度は引き続き用地買収を進めるとともに、残る橋りょう下部工事や用地がまとまって取得できた箇所から道路改築工事を実施してまいります。 今後とも、地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら、バイパスの早期完成に向けて事業を推進してまいります。
----------------
△休憩の宣告
○中
屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。午前十一時一分休憩
----------------午後一時一分再開 出席議員 八十五名 四番 六番 七番 八番 九番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 一名 七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(砂川) 副知事(高柳) 副知事(山本)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
----------------
△質疑質問(続き)
○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。 二十六番
白根大輔議員 〔二十六番
白根大輔議員登壇〕(拍手起こる)
◆二十六番(
白根大輔議員) 皆さん、こんにちは。川口市選出、民主フォーラムの白根大輔です。 議長のお許しをいただきましたので、順次質問させていただきます。 まず最初に、一、あと数マイルプロジェクトと地域公共交通への支援についての(一)
埼玉高速鉄道に関する地元市への影響について伺います。 私は、令和三年二月の定例会の一般質問で地下鉄七号線延伸の考え方について、事業着手への計画段階において、速達性の問題など地元の事情も踏まえた様々な課題解決も必要であると思います。そこで、今後計画を進める当たり、さいたま市の清水市長とはどのように連携していくのか、知事の意気込みも含め伺いまして、大野知事からは「直接市長とお話をすることもあり得る」と答弁をいただきました。実際、大野知事は昨年の七月にさいたま市の市長と会い、二〇二三年度中に鉄道事業者に要請を行うとの説明が清水市長からあり、知事は要請の前倒しについて言及をしたところであります。スピード感のある対応を行ったわけであります。 令和四年度は計画素案の作成に向け、これまでの取組を更に充実・加速していくとしております。また、地下鉄七号線の延伸は、大宮からの南北輸送のJRとの代替路線、リダンダンシーとしての効果も期待できるなど、特に川口駅の混雑緩和にも分散輸送としての期待もできます。 そこで、素案の現状や効果、課題など高速鉄道の沿線での関係自治体であるこの埼玉県、さいたま市もそうなんですけれども、川口市にはどのような影響があるのか、知事にお伺いいたします。
○武内政文副議長 二十六番
白根大輔議員の質問に対する答弁を求めます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事
白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 現在県では、さいたま市の清水市長が表明された令和五年度中の鉄道事業者への要請に向け、さいたま市、川口市との連携による自治体連携会議への参加や、さいたま市との共同調査など、計画素案の作成に向けた取組を進めているところでございます。あわせて、国や関係事業者との調整を実施しており、今年度に入ってからはその頻度を一層上げ、毎月精力的に行っているところであります。 次に、事業の効果といたしましては、県内交通ネットワークの強化に伴う速達性・利便性の向上や、災害時における代替路線機能の充実、定住・交流人口の増加に伴う地域への経済波及効果などが挙げられます。特に川口市については、埼玉スタジアム等への移動時間が短縮されるとともに、有識者会議でも御指摘のあったとおり、大宮や春日部など多くの公立学校のある県内中核都市へのアクセス改善などが期待できます。 一方で、課題としては費用対効果、いわゆるB/Cが一を超える条件の実現性を確保する必要があります。このため、快速運転の実現を含む運行計画案を検討しておりますが、一般に快速運転には駅の通過による影響もあることから、それにも十分配慮しながら進めることが必要となります。また、鉄道延伸の便益を増大させるためには、中間駅のまちづくりが最大の課題であり、現在、さいたま市が中間駅まちづくり方針の令和四年度内の策定を目指し取り組んでいるところであります。 これらの課題の解決に当たっては、さいたま市、川口市と緊密に連携の上、一つ一つ着実に課題を解決し、スピード感と実効性を持って要請に向けた取組を推進してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) それでは、よろしくお願いいたします。 次に、(二)
埼玉高速鉄道のお得な切符の利用拡大について質問いたします。 私は、令和元年九月定例会の一般質問で、
埼玉高速鉄道の利用促進のため、高額な運賃が実質値下げになるよう同鉄道区間の一日乗車券、東京メトロとの直通運転の割引切符の拡大について質問を行いました。その後、
埼玉高速鉄道は十月一日より一日乗車券について百円値下げ、東京メトロへの直通運転の乗り放題切符について二割引であったものを三割引に拡大いたしました。その結果、SR東京メトロパスについて、値下げ後の二〇一九年四月から十月と二〇二一年同期間を比較すると、販売枚数は七五・六パーセント増、売上げベースでは約八千三百万円から約一億三千二百万円と五九・一パーセントも増加いたしました。これはコロナ禍であるにもかかわらず、乗車券の値下げが収益の増大につながったと考えられます。 そこで、
企画財政部長にお尋ねいたします。 都内などからの小さいお子様がいる御家庭が移り住む同沿線であります。是非、子育て支援に優しい料金体系にすべきと考えますが、
埼玉高速鉄道のお得な切符の子供の料金の値下げについての御所見を伺います。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、子育て世帯に優しい料金体系を持つ鉄道の存在は、子育て世帯を引き付ける地域の魅力の一つとして認識しております。その点も踏まえ、
埼玉高速鉄道では、休日に駅を巡る期間限定の子供料金百円切符の販売や、新たにゴールデンウィーク限定の「こども五十円きっぷ」を始めるなどの取組を進めております。 一方で、事業再生計画の期間中であり、コロナ禍により鉄道需要が減少する中、安定的な経営の確保が求められています。お得な切符などを含む料金体系につきましては、これらの点を踏まえ、会社が総合的に検討し、経営判断すべき事項と考えております。 そのため、県といたしましては、議員御提案の内容につきまして、子育て世帯へのサービス向上と安定的な経営の両方の視点を踏まえて検討するようにしっかりと会社に伝えてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 是非値下げというか、実質値下げすれば、これは人が増えるわけですから、大変有効な手段だと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、(三)日暮里・舎人ライナーの延伸について質問いたします。 交通政策審議会の答申にない日暮里・舎人ライナーの延伸について、前回の一般質問でもお尋ねしましたが、知事は「あらゆる可能性を追求しながら検討を進めてまいる」と答弁しております。 公共交通の利便性向上検討会議の答申で、日暮里・舎人ライナーの延伸先について、三方向の案が提示されております。しかし、いずれの案でも大きな課題として輸送力の問題が挙げられています。現在、足立区の見沼代親水公園駅から日暮里駅までのピーク時の混雑状況が、平成三十年度実績で一八九パーセントであり、延伸により混雑状況の悪化が予想されることから、東京都足立区側では難色を示しております。このため、現在の新交通システムという軌道交通での延伸を進めるには、やはり限界があるのではないかと言われております。また、県では今年度、三方向に関連する調査結果を、各自治体に状況について報告をしたと側聞しております。 交通政策審議会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申は二〇一六年でしたが、次回の答申が二〇三一年と考えると残り九年になります。それまでに三ルートある路線を絞り、ルート周辺のまちづくりなどの素案も作成しなければならず、あと九年しかないわけでありますから、今後の計画にも少し不安を感じるところであります。 そこで、質問いたします。今回の自治体への報告状況を含め、今後のフェーズについても、知事に御所見を伺います。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 日暮里・舎人ライナーの延伸につきましては、令和三年三月の公共交通の利便性向上検討会議報告書を踏まえ、次期答申に向けた取組を進めております。現在、県では令和三年度から四年度にかけて、西・北・東の三方向のルートについて、実現可能性の調査を実施しているところです。また、県職員が延伸の可能性のある市に足を運び、これまでの調査結果の説明のほか、駅位置や移設が難しい建築物の回避方法など、今後の調査事項について説明し、意見交換を行っています。 次期答申に向けた今後のフェーズとしては、まず、複数のルートにおいて事業による効果・影響の評価を行うとともに、費用便益・採算性の概略的な分析を進めていく必要があります。また、並行して沿線のまちづくりなどによる需要創出やコスト縮減の可能性について検討することも必要であります。そして、次のフェーズとして、それらの分析や検討の成果とともに関係自治体の機運醸成の状況を踏まえた上で、ルートを絞り込むことが必要となります。さらに、次期答申に向けた最後のフェーズとして、絞り込んだルートについてより詳細な分析や検討を進めることが必要となります。 県としては、引き続き、これらの取組を進めるため主体的に調査を重ね、関係自治体の検討にも資するようにその成果を提供するなど、課題を解決するための取組を一つ一つ着実に進めてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 御答弁ありがとうございます。 そうすると、大変丁寧な答弁だったと思うんですけれども、一つちょっと再質問させていただきたいんですけれども、フェーズということでお話をさせていただいたんですけれども、ある程度県の方でやっていった上で、その後にその関係する自治体に対して、こういう可能性が出てきますよというような方向でやるということですから、余り今の段階で関係している自治体に対してというんですか、そこに対しての何と言うんでしょうか、機運だったり、そういったものというよりも、もうちょっと冷静に待っていただいて進めるといったような感じの方がと見てよろしいんですか。 これは結局、川口市の部分と、ほかの草加とか越谷とか、多分そういうふうになるかと思うんですけれども、そこの位置付けみたいのをちょっと確認させていただきたいんですけれども、お願いいたします。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 先ほど申し上げた三つのフェーズについて、まずちょっと確認をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、複数のルートについて事業による効果・影響の評価を行うとともに、費用便益・採算性の概略的な分析を進めていきますが、この時点においてはどのルートか決まっておりませんので、沿線自治体がどこかを確定することはできません。そこで、情報提供をして、お互いに必要な情報交換をしながら検討するというフェーズになります。 そして、二つ目のフェーズといたしまして、分析や検討の成果を基に絞り込むということでございまして、その時点で関係自治体の機運醸成を成し遂げるべきで、そうでないと、その前になりますと盛り上げるだけで実現しないということになります。 その上で申し上げれば、二つ目のフェーズ以降につきましては特にそうですが、県のみでこのフェーズの取組を進めることはできませんので、関係自治体の意向を聴きながら丁寧に進める必要がございます。そして、逆にフェーズによっては、沿線のまちづくりのように関係自治体の方が主体となる取組もございますので、各フェーズの取組を県とそれぞれの自治体と連携・調整の上、丁寧に一つ一つ潰していくことが大切だというふうに考えておりますので、まずは段階を追って最初のフェーズに入っていきたいと考えています。
◆二十六番(
白根大輔議員) ありがとうございます。分かりました。 次に、(四)
地域公共交通基本計画への県の役割について伺います。 地域公共交通総合研究所の調査によると、全国のバスや鉄道等、公共交通事業者の経営実態を調査したところ、回答した百二十社のうちおよそ二〇パーセントは、コロナ禍の影響により乗客減で債務超過に陥っていると回答するなど、地域の公共交通事業者のみならず、そこで働く運転手等の労働環境、つまり給与体系の悪化も懸念されているところであります。 一昨年の地域公共交通の活性化再生法が大改正されたことにより、地域公共交通計画の策定において、都道府県の役割が「必要があると認められるときは」という文言が削除され、市町村と密接な連携を図りつつ「主体的に」という文言が加わりまして、地域公共交通の活性化及び再生に取り組むとしております。ただ、これまでは計画を実行すべく国から予算措置の問題でなかなか進展ができないという状況もあるのも、これも実態であります。それが今回から、国の方で予算措置も検討されるということになったわけでありますから、県も積極的に関わる必要性が出てきたといえます。 そこで、
企画財政部長に伺います。 県として市町村に対してどのように計画策定を支援していくべきと考えるか、具体的なプランがあれば、そちらも含めてお答えください。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 県では、地域の実情を詳しく把握している市町村が主体となって地域公共交通計画の策定ができるよう、市町村に対して様々な支援を行っております。 具体的には、地域公共交通の再編などの取組に対象を絞った補助制度を設け、計画の策定を要件にすることで市町村の計画策定のインセンティブを高め、県の主体性も発揮できるようにいたしました。加えて、財政支援のみならず技術面からも支援するため、県主催の市町村向け研修会や市町村の地域公共交通会議への参画などを通じた情報提供や助言を行っております。 さらに、市町村のみならず、交通事業者の巻き込みを更に一層強化するため、現在、県から直接交通事業者への研修を実施することも検討しております。 県としては、今後は交通事業者とも密接に連携し、市町村における地域公共交通計画の策定を積極的に支援してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 計画の策定の支援というところでありますが、例えば、県境をまたいでしまうとかですね、そういったところの解決だったり、大体公共交通というのは何とか市、何とか町とか、何とか村だけで終わるものではないと思いますので、そういったところも含めて是非積極的に入っていただいて、交通事業者のそういった人たちが集まるわけですから、是非そこで発揮していただきたいなということで、期待を込めて次の質問に移らせていただきたいと思います。 次に、二、
新型コロナウイルス感染症への対応についての(一)検査キットの確保とその配布について質問いたします。 埼玉県と埼玉県医師会では、二〇二〇年冬から新型コロナ感染症とインフルエンザのツインデミック感染の対策を始めております。ツインデミックになった際に、全てのかかりつけ医において発熱患者の診療・検査体制を確立すべくガイドラインを作成し、全国に先駆けて全ての医療機関の名前を公表しております。県民の安心・安全を守るべく、知事や医師会の皆様のリーダーシップに改めて感謝申し上げます。 先日行われた埼玉県医師会様との意見交換会で、今年の秋冬はインフルエンザと新型コロナウイルスのツインデミックがかなりの確率で発生することが予想されるとのことでありました。これに対応するため、県医師会では、現在の約一千五百の診療・検査医療機関を二千以上に増やす予定などと懸命な御努力をされております。 ただ、既に医療機関等も検査キットが在庫不足になるなど、十分な検査キットが県民に渡るのかという不安が残ります。十分な対策を取っても、戦う武器がなくてはどうにもなりません。 そこで、知事に御所見を伺います。 今年のこの秋冬のツインデミックに対応した、県としての検査キットの十分な確保が必要であると思いますが、診療・検査医療機関には入っていない、例えば、この医療機関にも配布するなど、具体的にどのようなお考えを持っているのか、御答弁をよろしくお願い申し上げます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 オーストラリアなどの南半球の動向を見ると、
新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、初めてインフルエンザの流行が確認をされております。今後、日本でも
新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行、いわゆるツインデミックの発生が懸念されるところでございます。 新型コロナとインフルエンザは、いずれも発熱や呼吸器症状があり、臨床症状のみで見分けることは難しく、検査体制の構築が重要となります。県では、発熱時の診療・検査体制について、令和二年十二月から全ての医療機関名を公表し、必要な方が直接アクセスできる体制を構築してまいりました。先ほど議員からは全国に先駆けてと御紹介いただきましたが、この体制は実は高知県もございまして、高知県と埼玉県で始めさせていただきました。 他方、検査キットについては、製造販売業者から卸業者を経て、一般市場から医療機関が十分に確保できることが重要であります。第七波の感染拡大時には、全国知事会を通じて国に診療及び各種検査に必要な検査キットなどの安定的な供給を要望いたしました。その結果、国からは抗原定性検査キットが配布されることになり、希望する診療・検査医療機関やそれ以外の医療機関にも配布をしたところであります。 卸業者に確認したところ、現時点で抗原定性検査キットは十分に在庫があるとのことであります。また、PCR検査等を行う検査機関も十分な能力を有していることを確認しております。 次のいわゆる波に合わせて検査体制や検査方法の変更も考えられるところであり、現時点で具体的に詳細に申し上げることは困難でありますが、ツインデミックにも対応できる必要な検査を確実に実施するために、今後とも国に対して検査需要に見合う十分な供給体制の構築を要望してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 検査キットが足らなくならないように、十分よろしくお願いいたします。 次に、(二)診療・検査医療機関の
マッピング化について御質問いたします。 先ほども御指摘、知事の方からは全国に先駆けてというんですが、高知県と埼玉県とお話がありましたけれども、こちらですね、いち早く公表したわけであります。しかし、残念なことにですね、今現在の検査システムというのは一覧表として公表しておりまして、
マッピング化がされていない状況で、自宅の近所なのか、また、いろんな条件があって、その当てはまる医療機関なのか、さらに、画面遷移をまたしなければならないなど、利用者にとっては決して優しいシステムになっていない状況であります。 東京都では、診療・検査医療機関マップが作成され、知りたい情報が一目で分かるなど可視化されております。また、多くの県民から、今のシステムは利用しづらいという御意見もいただいております。 そこで、
保健医療部長に伺います。 この診療・検査医療機関の
マッピング化をしていただけないか、御答弁をよろしくお願いいたします。 〔山崎達也
保健医療部長登壇〕
◎山崎達也
保健医療部長 白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 本県では、全国に先駆けて全ての診療・検査医療機関を公表し、発熱患者が直接これらの医療機関にアクセスできる環境を整備しております。これらの診療・検査医療機関は、県ホームページの診療・検査機関検索システムにより、市町村や診療日などの条件で絞り込み、表示させることが可能です。 一方、現在のシステムは、検索結果一覧で表示される所在地は市区町村名のみで、医療機関が多い場合は検索結果が数ページにわたるなど、自宅周辺の医療機関を探しにくい状況もございます。県といたしましては、県民の皆様が使いやすいシステムとなるよう、まずは、検索結果一覧に医療機関所在地の地番まで表示させるなど、表示方法の工夫を図ってまいります。 診療・検査医療機関の
マッピング化につきましては、他の都道府県の導入事例も参考にしながら検討を進めてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 再質問ではないんですけれども、ほかの都道府県というか、これは金が掛かるわけではないわけですから、そこはすぐにやっていただいた方が県民の皆様にとって利便性の高いものだと思いますので、よろしくお願いします。皆さん、困っています。 次に、(三)コロナ禍における介助が必要な場合の濃厚接触者について質問いたします。 今回、第七波に際し介助が必要な方が家族にいる場合、その家族の中で陽性者が判明し、介助が必要な方については濃厚接触者になります。この際、いつも自宅に訪問していただいている介護ヘルパーからは、濃厚接触者になった時点で訪問することはできないと言われたそうであります。 では、この要介助者を誰が介助するのでしょうか。自宅で隔離されている陽性者が介護するのでしょうか。実際、市の保健所や市役所の介護部署に確認しても、明確な回答がなかったということでありました。結局、その介助が必要な方も陽性者になってしまい、入院されたそうであります。 そこで、福祉部長に伺います。 コロナ禍における介助が必要な場合の濃厚接触者の対応として、今後このような事例を発生させないためにもどのような対応が本来できるのでしょうか、御答弁をよろしくお願いいたします。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長
白根大輔議員の質問にお答え申し上げます。 訪問介護の利用者が濃厚接触者となった場合は、厚生労働省の通知に基づき、ケアマネジャーが訪問介護の必要性を再検討し、十分な感染対策を行った上でサービスの確保を図ることとされております。 県では、サービス提供の際の参考となるよう、介護事業所向けのホームページで感染対策の研修資料や動画を配信するとともに、介護事業所に対してマスク、手袋、ガウンなどの感染対策のかかり増し経費を補助しております。また、これらの衛生用品を事業所ですぐに調達することが難しい場合は、福祉事務所から支給できるようにしています。さらに、埼玉県老人福祉施設協議会の御協力の下、濃厚接触者となった要介護者に対してショートステイのサービスを提供するため、令和二年十月から特別養護老人ホームの敷地内に応急仮設施設を設置し、現在までに四十一名の受入れを行っております。 これらの支援策については、これまでも市町村への通知や介護事業所への集団指導等で情報提供をしてまいりましたが、まずは、サービスが必要な人へのサービスの確実な確保について事業者に改めて周知するとともに、補助制度や仮設のショートステイなど、県の情報を分かりやすくまとめてホームページに掲載するなどの対応を行ってまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 再質問ですけれども、そうすると、それが川口の場合ですと中核市ですから、保健所を独自で持っているものですから、そこでやらなければいけないんだと思うんですけれども、一応そういった周知というもの、どこにそれを連絡、お知らせをするんでしょうか。そこをちょっと確認させていただきたいんです。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 再質問にお答え申し上げます。 厚労省からの通知については、事業者に対して必要な人がちゃんとサービスを受けられるようにということを、例えばケアマネジャーですとか、そういったところに今回改めて通知を行ってまいります。 また、私どもはケアラー支援ハウスというふうに呼んでいますが、仮設のショートステイについては、これは別に埼玉県の中核市、政令市も一応対象になっていますので、それは言っていただければ活用ができると思いますので、利用していただければ。これも改めて広報を行ってまいりたいと存じます。
◆二十六番(
白根大輔議員) 基本的にそうなってしまったということの事例が出ているわけですから、今後ともそうならないようにということで私は伺っているわけですから、何か今笑って御答弁されていましたけれども、そのような問題ではないと私は思っておりますので、しっかりとそこは御検討いただきたいと思います。 次に、(四)コロナ後遺症に悩む方々の救済について質問いたします。 先日、コロナ後遺症に悩む方から御相談を受けました。コロナにり患してから体が動かなくなり、なかなか職場復帰ができないために、医療の仕事現場から事実上の解雇通告を受け、離職せざるを得なくなり、収入がなくなり生活が厳しいというものでした。私は、緊急的措置として社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付の特例制度を紹介して、何とか生活をやりくりしているという状況であります。 ただ、現在の後遺症がいつまで続くか分からない中、生活再建と言われてもなかなか難しい状況であります。さらに、追い打ちをかけて、コロナ後遺症の医療費は通常の保険適用での支払いになり、一回当たり病院に行く費用、これは薬代込みで一万円前後掛かるそうであります。 そこで、
保健医療部長にお尋ねいたします。 現在、コロナ後遺症に悩む患者の経済的負担の軽減を図るためにも、国へ更なる要望が必要と思われますが、県として対応はどのように考えるか、御所見を伺います。 〔山崎達也
保健医療部長登壇〕
◎山崎達也
保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 県では、
新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しむ方が身近な地域の医療機関を受診できる体制の構築を目指しております。 具体的には、埼玉県医師会の御協力の下、令和四年三月に症例集を作成して全医療機関に送付し、後遺症外来を実施する医療機関を募集いたしました。現在、後遺症外来実施医療機関は百六十七あり、県のホームページにおいて公表しております。 後遺症は多くの症状が時間の経過とともに軽快する一方、症状が長期化して就業や学業等に影響を及ばす場合もございます。このため県では、後遺症の発症メカニズムの実態解明や治療薬の開発、後遺症患者の経済的支援等について、これまでも知事から厚生労働副大臣に直接要望したほか、全国知事会の緊急提言などを通じて国へ要望を行ってまいりました。 県としては、後遺症外来実施医療機関の増加に取り組むとともに、様々な機会を捉え、後遺症への対応について、引き続き国に対して強く要望してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 是非よろしくお願いいたします。 次に、三、
緊急小口資金等の特例貸付について質問いたします。 新型コロナウイルスの影響で収入が減収し、生活困窮する世帯に対し、社会福祉協議会を通して特例貸付を利用する制度がありますが、九月末、本日をもって終了します。明日からは生活困窮者というくくりではなく、住民税非課税の低所得者、高齢者世帯などに限り、上限も十万円ということであります。また、本年三月末までに借り受けた方の住民税非課税世帯の方を対象とした返済免除申請も、本日九月三十日をもって締切りとなりましたが、返済免除件数は貸付件数の六・六パーセントに当たる計九千四百二十一件、金額で見ると約三十二・六億円にも上ります。 つまり、二年半以上も続くコロナ禍の影響をいまだ受け、なかなか改善できない世帯が多いことが分かります。現在も、八月で緊急小口資金九百七十五件、総合支援資金の初回貸付が九百三十七件と、いまだこの制度を利用している方もおり、引き続きの支援が必要と考えます。 そこで、福祉部長に伺います。 特例措置が終わり、通常の一か月に一回、この貸付審査等運営委員会を通して融資が決定されるなど、コロナ禍で苦しむ方々などで、すぐにでも必要な方が迅速に受け取れるよう、県社会福祉協議会に改善要請もあると思いますが、これらの苦しむ方々への救済策を県としてどのように考えるのか、御所見を伺います。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方を対象とした
緊急小口資金等の特例貸付は、九月末で終了します。特例貸付を利用された方の場合、今後の返済が生活再建に向けた妨げとなることも考えられます。そこで、特例貸付の実施主体である社会福祉協議会において、借受人の相談を受けるコールセンターを設置するなど体制を強化しているところです。 特例貸付終了後については、生活に困窮されている世帯や高齢者世帯、障害者世帯の方は、県社会福祉協議会が実施する生活福祉資金の貸付けを利用できます。議員お話しのとおり、この貸付けを受けようとする方は、緊急に資金を要する事情があると思われますので、特例貸付と同様、随時に迅速に貸付決定できるよう、県から県社会福祉協議会に要請をしたところでございます。 さらに、生活に困窮されている方に対しては、各市町村の生活困窮者自立支援相談窓口や福祉事務所などにおいて支援しておりますが、これらの支援機関に着実につないでいくことが重要です。そこで、県が実施主体となって県内四エリアにおいて生活困りごと相談会を開催したいと考えており、今定例会に提案をさせていただいているところです。 県といたしましては、生活に苦しむ方々に対し、引き続き丁寧に寄り添った支援をしてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 私が質問したかったのは、県として苦しむ方々への救済策で、今回の補正予算というのは、たしかこの緊急小口というのは、そもそも当時の多分あれは安倍総理だと思いますけれども、最悪返さなくていいですよというふうにしゃべっていたと思うんですけれども、そういった特例措置のやつなのに今回の補正予算というのは、こう言ったらあれですけれども、回収のための相談窓口じゃないですけれども、いついつ返してくれますかとか、じゃ返せないんだったらこうしますよという話だと思うんですけれども、私が聞いているのは、今困っている人はどうするんですかというそういう質問なので、ちょっとそこについての県としての救済策をどう考えているのかということを再質問としてお聞きいたします。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 再質問にお答え申し上げます。 現在、各市町村では自立支援の相談窓口、これが既に御案内のように設置をされております。そこで、生活福祉資金が御案内のように借りられるわけですけれども、こういった市町村の社会福祉協議会、迅速に対応するように要請をしておりますけれども、こういうコロナ禍の中でもありまして人員の増強もされております。こういった特別貸付の終了ということも踏まえて、日頃よりも更に丁寧に寄り添って対応するように、是非市町村にお願いをしていきたいと思っております。 さらに、先ほどの困りごと相談についてもですね、お認めいただければ直ちに準備をして開催してまいりたいと存じます。
◆二十六番(
白根大輔議員) 本当に迅速にですね、そこの貸出しに関してはお願いしたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。 次に、四、
福祉行政関係対応についての(一)子どもの居場所づくりについて伺います。 令和四年四月を始めとする埼玉県5か年計画において、子どもの居場所数が指標となっていますが、令和三年十月末現在で四百五十六か所の居場所数を令和八年度までに八百か所以上、県内の小学校区と同程度の数を目指すとしております。 私は、子ども食堂や学習支援を実際に行い、また、この四月、こどもの居場所づくりアドバイザーに任命された方に先日お話を伺いました。その中で、子どもの居場所づくりに対する民間等の助成金が最近充実してきていると述べております。 しかし、その助成金は家賃に充てられるものが少なく、子どもの居場所づくりを自宅以外で住宅を借りて運営するにはなかなか厳しいものがある。さらに、フードパントリー事業についても、輸送の人員不足等の問題もあるなどと側聞をしております。 そこで、福祉部長に伺います。 子どもの居場所づくりに対して令和八年度までに掲げるこの数字を達成するために、県として行わなければならない支援として、家賃補助とか、輸送費の補助などの喫緊の課題に向き合う必要があるかと思いますが、御所見を伺います。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しの家賃、輸送費など団体運営に係る費用を県が直接補助することにつきましては、団体が補助金を前提とした運営をすることになり、補助金が途切れた際には運営が立ち行かなくなるなどの自主・自立性を阻害してしまう懸念もございます。 そこで、県では、官民連携のプラットフォームであるこども応援ネットワーク埼玉を活用しまして、物品の輸送や、倉庫を活動拠点として無償で貸与していただけるよう働き掛け、実際に支援を行っていただいている企業もございます。また、県の事業として、子どもの居場所づくり等を行う団体に県営住宅の集会所を無償で貸し付ける事業も行っております。 県といたしましては、こども応援ネットワーク埼玉を活用して幅広く企業との連携を進め、子どもの居場所数八百か所以上の目標達成に向けて取り組んでまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 再質問を行いたいんですが、個別の団体に家賃補助とかは難しいという御答弁がありましたけれども、確かに、でも、輸送費補助については結局そこに取りに行かなければいけないわけですから、取りに行かなければそこには配れないということになる。そこからまた、拠点から更に細かく配れなくなってしまいますので、やはりそういったところにはどういった形がいいのかというのはちょっと研究していただいてですね、輸送費補助については少し考えていただきたいんですけれども、それはいかがでしょうか。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 再質問にお答え申し上げます。 公的資金を団体に入れるということにつきましては、実際、居場所づくりの関係者の方からも、「公費を投じて行政主導で推進すると、活動に制約が生じてしまい、居場所の良さが失われてしまう」といった声も実際には聞いてございます。 そこで、私どもといたしましては、団体運営については、やっぱり自主・自立が重要というふうに考えておりますので、県としては関係機関のネットワーク連携促進、企業とのマッチング支援と、こういったもので積極的に支援してまいりたいと存じます。
◆二十六番(
白根大輔議員) 公的資金は難しいということでありますが、そうであるならば、そういった民間のところとの連携を是非、もうちょっと綿密にしていただければと思っております。 続きまして、(二)
アスポート事業について伺います。 同事業は、令和三年度には埼玉県内での中学生教室は百七教室、高校生教室は六十一教室まで事業が拡大しております。しかし、コロナ禍前からその利用率が四〇パーセントと減少傾向にあります。令和三年度では三七・八パーセント、これは市部の方では三六・九パーセントという状況で、令和三年度の5か年計画最終年度でも目標値の六〇パーセントを大きく下回っているのが現状です。 もともとは、社会的なつながりを失い孤立してしまっている人やひきこもりの人を、家庭訪問などを通じて寄り添い型の支援を行い、社会的なつながりを少しずつ回復していくもので、単に進学率や中退率が低下したなどの数値的な評価以外でも高く評価されてきたわけであります。しかし、今、その形態が様々な要素が加わり、市部では学習塾へ委託されてしまうケースなどもあり、本来の良さ、つまりきめ細かな対応ができづらくなっているという問題も生じているのも事実であります。 さらに、近年では子供の貧困等の連鎖を断ち切るために設立された子ども食堂などの子どもの居場所づくりが、埼玉県内では民間の力で活発的に行われております。それでも、現在は学習支援サポートを実施するなど、新たな学習支援プラスアルファの体制が構築されつつあります。 ただ、この非課税世帯のお子さんだけでなく、様々な状況下に置かれるお子さんが同じ場所で集うこの方法というのは、有効であるということは言うまでもありません。 そこで、質問いたします。 コロナ禍で訪問支援もなかなか難しい状況ではありますが、遠隔操作のできるそういったICTのロボット等の活用を含めて、また、学習支援は子ども食堂のプラットフォーム等に移行するなど、本来の事業である個々にきめ細かな体制にいま一度立ち直るべきだと私は考えますが、福祉部長に伺います。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 生活保護世帯や生活困窮世帯の子供たちは、厳しい家庭環境の中で学習の意欲を失っていたり、学習の進度が大幅に遅れていることも多く、一人一人のペースに応じてマンツーマンで支援する必要があります。また、家事や家族のケアに追われて学ぶ時間が取れない子供や、様々な悩みを抱えて部屋に引き籠もっている子供も少なくありません。 こうした子供たちが自発的に学習教室に参加することは難しく、支援する側がアウトリーチの手法により、家庭を訪問して子供本人や家族の状況を確認し、学ぶための環境を整えていく必要がございます。子ども食堂やICTを活用して事業を実施する場合などにおいても、このマンツーマンとアウトリーチという寄り添った手法を基本とすることにより、事業の効果が上がると考えます。 県といたしましては、各地域の実情や各家庭の環境に応じたきめ細やかな支援を一層充実させ、貧困の連鎖の解消に向けて積極的に取り組んでまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 今回は疑問提起をさせていただきましたので、そこを検討していただければと思っております。 続きまして、五、DX推進についての(一)
AIチャットボットの効果測定について伺います。 エンドユーザー、県民からの問合せをスマートフォンやパソコンを通じて三百六十五日、二十四時間、コンピューターの自動で解決するシステムをチャットボットといいます。これまで、県民からの問合せについては、コールセンター、つまり人を介して対応してきており、サービス向上のため多くの人材を要することになってコスト増、企業や行政ではコスト削減という観点から、近年ではこのAIコンピューターの方に任せるといったのが世の風潮になっております。 考えてみましたら、その集約を人が介するのがFAQシステム、それから、AIコンピューターを介するのがチャットボットといったところで、大した考え方の差はないと私は感じます。ただ、現在の
AIチャットボットは全て顧客、県民が求めていることを解決するのでなく、これは過去の情報の蓄積によって判定するため、新しい事柄がチャットボットに入力された場合に解決できないという問題があります。 今回、コロナ禍で情報も目まぐるしく更新されていき、また、個別対応になるケースもあるなど、このチャットボットが県民の方に役立ったかどうかということは少し懐疑的でもございます。 今日ですね、こちらのパネルを御用意させていただいたんですけれども、こちらですね、見えますでしょうか。議員の方はパソコンの方に入っております。御覧いただきたいと思うんですけれども。 こちらは同じ検索用語でですね、上が
AIチャットボットになっておりまして、下が埼玉県のホームページに検索サイトがあるんですけれども、埼玉県独自での検索エンジン、これはグーグルの検索エンジンではなくて独自で作られた検索エンジンなんですけれども、こちらに「抗原検査キット 無料配布 埼玉県」という文言を入れると、これ同じ条件です。 そうすると、回答結果、上が
AIチャットボットの結果なんですね。そうすると、無料の検査キットをどこで配布しているかというのがここに載っかっていないんですよ。下の方にはちゃんと、ここに「市町村による抗原検査キット、無料配布」とこうやって、実は下に県のあれが入っているので、おおよそこれはこちらの方の普通の検索サイトエンジンでは知りたい情報がちゃんと得られるということで、こういったものがなっていて、余り
AIチャットボットの方が機能されていないのではないかというのが、主な趣旨でございます。 そこで、
企画財政部長にお尋ねいたします。 まず、このシステムを導入した後の、実はその後の対策が重要で、回答率、解決率、サイトの遷移数などの効果測定をまずどのように行っているか、御質問いたします。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 AIは前例のない問題が苦手でございまして、新たなキーワードやQ&Aを随時追加することで回答精度を高めることができます。この対策を行った結果、AIの回答率は約九〇パーセントを維持し、アクセス数も令和二年度の約三万四千件から、令和三年度は約二十八万件に伸びました。 一方、現在のAIには課題もあり、解決率は現在約三五パーセントでございますが、解決したか否かを報告していただいている利用者は約五パーセントでございまして、実態を反映できていない可能性がございます。 サイトの遷移数を記録する機能につきましてはございませんので、システムとしては改善すべき点は少なからずあるものと考えます。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、この得られたデータを行政内部ではどのようにまず活用して、反映しているのかということも含めて、
企画財政部長に御答弁をお願いいたします。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。
AIチャットボットで得られたデータは、主にAIの回答率向上のために分析、活用してまいりました。最近ではグーグルなどの検索エンジンの精度や利便性が更に向上し、行政各分野のFAQも充実してまいりました。 こうした状況を踏まえ、今後は
AIチャットボットに限定せず、検索エンジンやFAQなど幅広い選択肢から利用者が適切な手法を選べるようにすることが重要と考えております。これまで得られたデータにつきましても、利用者の課題解決に役立つ様々な手法の充実に向けて有効活用してまいりたいと考えます。
◆二十六番(
白根大輔議員) 続きまして、(三)ローカル5Gの状況について伺います。 地域の企業や自治体などの様々な主体者の敷地内で、スポット的に柔軟にネットワークを構築し、利用可能とする新しい仕組みをローカル5Gといいます。 本年一月に総務省が推進するデジタルトランスフォーメーションを防災分野で活用する実証実験が、国土交通省と越谷市内で行われております。地震や今回の台風第十四号のような集中豪雨など大規模災害発生時に、ドローン等を利用して河川や災害現場の立入困難地区からの映像を遠隔操作して、災害状況を行政で共有するという取組でした。 ローカル5Gというのは、大容量、高速通信ネットワークという特性を持ち、短時間にデータ送信ができる特徴があります。また、地元企業においても工場内の機械の遠隔制御などへの活用も想定されており、様々な社会課題解決に向け、自治体としての導入が期待されるところであります。 そこで、
企画財政部長に質問いたします。 今後、埼玉県としてローカル5Gを積極的に推進していくためにも、無線局等の免許申請をどのように考えているのか、御所見を伺います。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 5Gには、議員から御提案のありましたエリア限定で独自のネットワークをつくるローカル5Gのほか、携帯電話事業者が広く提供するパブリック5Gがございます。パブリック5Gは、来年度末の人口カバー率九五パーセントを目指し、全市区町村に基地局が整備される予定と聞いております。 計画どおり普及が進めば、ローカル5Gで必要な高額な設備投資や維持管理経費の負担なしに5Gを活用できる可能性がございますため、パブリック5Gの整備状況やサービス内容を見極めて、費用対効果の高い方法を選択してまいりたいと思います。 したがいまして、現在のところは考えてございません。
◆二十六番(
白根大輔議員) 今、九五パーセントの人口カバー率と言いますけれども、このローカル5Gのいいところというのは、いわゆる過疎地域だったり、そういったところに対して、今、人口がどんどん減少してしまっているからということでまちづくりしたくてもなかなかという、インフラがないからこういったものがローカル5Gとして、プライベート5Gとしてやることがいいということなので、他県の、例えば兵庫県とか徳島県が導入されておりますので、そういったところも是非参考にしながら今後検討していただければというふうに思っております。
----------------
△休憩の宣告
○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は二時十分といたします。午後二時休憩
----------------午後二時十分再開 出席議員 八十五名 四番 六番 七番 八番 九番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 一名 七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(砂川) 副知事(高柳) 副知事(山本)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
----------------
△質疑質問(続き)
○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、六、物価高騰の影響を受けにくい経営体質にするための支援について伺います。 (一)いわゆるゼロゼロ融資等についてですが、三年の無利子据置期間がもう間もなく終わり、来年度には返済が始まります。この県制度融資ではありますが、埼玉県信用保証協会によりますと、三年据置きで来年度からの返済が始まるのは約一万五千件で、全体の四分の一に当たるそうであります。 一括返済できる企業もあるとはいいますが、やはりこのエネルギー価格の高騰によるダブルパンチを受けた企業にとっては、返済が困り、更なる資金繰り等の支援が急がれます。 そこで、県としての対策について、
産業労働部長に伺います。 〔板東博之
産業労働部長登壇〕
◎板東博之
産業労働部長 白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 令和二年度に実施したいわゆるゼロゼロ融資は、多くの中小企業に利用され、県制度融資は一兆一千八百十五億円と過去最高の融資額となりました。これは、
新型コロナウイルス感染症という先が見通せない事態に、多くの中小企業が手元資金を確保したものと考えております。しかしながら、借入時には想定し得なかったコロナ禍の長期化や円安、エネルギー・原材料価格の高騰などの影響により、資金の返済計画を見直さなければならない事業者もいらっしゃいます。 令和五年度には議員御指摘のとおり、ゼロゼロ融資を受けた約四分の一の事業者が返済を開始します。県では、返済負担の緩和につながる返済猶予や融資期間の延長などの中小企業からの相談に対し、丁寧で弾力的な対応をしていただくよう、金融機関及び信用保証協会に対し繰り返し要請してまいりました。また、県といたしましても、金融機関の伴走支援により、経営改善を図りながら借換えや追加融資を利用できる伴走支援型経営改善資金の融資限度額を、六千万円から一億円に引き上げる改正を十月から実施することといたしております。 今後とも、経済情勢と県内中小企業の経営状況を見極めながら、金融機関や信用保証協会と連携しつつ、中小企業の資金繰り支援に取り組んでまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、(二)災害時のレジリエンスという観点からのEVの普及についてです。 私は、昨年十一月の埼玉県5か年計画特別委員会の中で、電動車における新車販売台数の促進に当たり、補助金を実施していくのかと質問したところ、補助金が電動車の購入のきっかけになることは確かであるが、まずは電動車の魅力発信に取り組んでいくという答弁がありました。 今回の補正予算に計上しておりますが、CO2の排出量の削減はさることながら、災害時のレジリエンスという観点からもEVの普及による非常用電源の確保が必要であり、今回の補正だけで終わらせることなく継続的に支援していくべきだと考えますが、県としてのこのレジリエンスの認識と民間との協定を含めて、環境部長の御所見を伺います。 〔目良聡環境部長登壇〕
◎目良聡環境部長
白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 電気自動車やプラグインハイブリッド自動車は、ガソリン車に比べ走行時のコストが四割程度、CO2の排出量も四割程度とされており、経済面からも、環境面からも優れた特徴がございます。この電動車の普及を促進させることにより、将来にわたる県民や事業者のコスト負担軽減を図るとともに、自動車分野におけるCO2排出量の削減を加速させてまいりたいと考えました。 また、車載の電池に電気をため、必要に応じて取り出す機能を持つ電動車は、災害による停電時や電力需要のひっ迫時などに非常用電源としての役割も期待することができます。令和元年の台風第十五号による大規模停電の際には、電動車を避難所等の非常用電源として活用した事例もございます。 今回外部給電機能を備える車両に限って補助対象とするとともに、災害時などに自治体からの協力要請に可能な範囲で応じていただくことを補助の要件とすることで、本県のレジリエンス機能の向上に役立ててまいりたいと考えております。 継続的な支援につきましては、今回の補助制度を実施していく中で、事業効果や県民ニーズ、国等の動向などを見極めながらしっかり検討してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、七、明日施行される
労働者協同組合法について質問いたします。 こちら我が会派の辻議員も質問されておりましたけれども、明日十月一日に
労働者協同組合法が施行されます。 九月三日、産業労働部主催による
労働者協同組合法に関する県民説明会が開催されました。私もZoomで参加をし、法律の理解と今後の展開について説明を受けました。 県では、同法律の普及啓発、組合設立届の支援事業費を令和四年度に二百三十万円ほど計上しております。先ほどの県民説明会を皮切りに、今後四か所でセミナーを実施予定と伺っております。 その一方で、同法律が地域の中での多様な就労機会の創出と地域課題の解決につながるためには、自治体の職員や市民の理解も不可欠であります。 そこで、(一)市町村への働き掛けについてですが、現在、ワーカーズコープ埼玉事業団では県内の市町村への働き掛けを積極的に展開し、現在まで三十九回回っておりますが、県から市町村への働き掛けは今後どのように展開されるのか、知事に御答弁をお願いいたします。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 労働者協同組合は組合員が出資し、共に地域課題の解決に資する事業を実施することで、多様な就労機会の創出と持続可能で活力ある地域社会の実現を目指す新しい働き方です。
労働者協同組合法では、県の役割として設立の届出の受理や指導監督の権限がある一方で、市町村の役割については規定をされておりません。しかし、労働者協同組合は地域課題の解決につながる事業を行うことから、市町村には共に地域の課題を解決するパートナーとなり得ることを認識していただきたいと考えております。 そこで、まずは、労働者協同組合の意義や協同労働の実例などを市町村に知っていただくため、市町村職員向けの説明会を七月に開催をしたところ、四十七市町から六十一名の参加がございました。その際、参加した市町には、役所内での横断的な研修会の開催を依頼いたしました。 労働者協同組合は、人材派遣事業を除く全ての事業を行うことができます。福祉や教育、農業などの分野で地域課題解決のために活動している団体が、今後、労働者協同組合を設立することも考えられることから、役所内で広く情報共有をしていただきたいと考えます。さいたま市や行田市では、早速、役所内で関係課を集めた研修会を開催されたと聞いています。 また、設立を検討している団体から市町村に連絡がある場合には、県の相談窓口につないでもらうよう併せて周知しました。協同労働組合の設立相談会を開催した川越市など、市町村の中には協同労働の活動につき、既に積極的支援を行っているところもございます。 今後は、こうした取組を他の市町村にも紹介し、労働者協同組合が地域課題の解決の担い手となり、持続可能で活力ある地域社会の実現に資するよう努めてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、(二)常設窓口の設置についてですが、この同組合設立には法務局への登記が必要になるなど、当初の設立にはハードルが高くなってしまうなど心配の声が寄せられております。そこで、当事業団からは、常設窓口の設置による個別相談、アウトリーチによる支援、学習会等による組合設立と事業立上げの支援を要望しております。 是非、県として組合設立を希望する団体をバックアップしていただきたいのですが、知事、御答弁をお願いいたします。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 労働者協同組合の設立には、定款や事業計画書、収支予算書等の準備、法務局での設立登記のほか、社会保険、労務関係や税務関係の届出など各種手続が必要です。これまで県では、労働者協同組合を広く知っていただくために、県民を対象としたセミナーの開催など制度の周知について取り組んでまいりました。 十月からは組合の設立が円滑に進むよう、具体的に設立を検討している方々を対象に実践セミナーを県内四か所で開催する予定です。このセミナーでは、設立に必要な書類の作成方法や、参加者が現在行っている活動をどのように組合設立に結び付けるかについてグループで話し合うワークショップなどを行います。 また、個別に相談したい方を対象に、県内四か所で出張相談会を開催する予定です。現在、県に常設の相談窓口を設置しております。 それぞれの団体によって抱える課題が異なることから、今後は団体の状況に応じた具体的な相談に対応できるよう体制の充実につき検討したいと考えています。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、八、
ユニバーサルシート(大型ベッド)についての(一)普及について質問いたします。 JR、私鉄、地下鉄の主要駅、公共施設、劇場などには、二歳くらいまでを対象としたベビーベッドが多目的トイレの中に設置されております。しかし、障害者とりわけ車椅子を利用されている方から、幼児から高齢者がおむつ替えをするのに利用する、この
ユニバーサルシートがあると助かるとの声を頂いております。 先日、車椅子の障害児を持つ方から説明を受けました。通常のベビーベッドの大きさでは、おむつを取り替えるのに小さくて利用ができず、おぶって取り替えるしかないんですと、その大変さを認識しました。 こちらがですね、
ユニバーサルシートというものなんですけれども、普通の通常のベッドよりも大きい形のベッドとなっておりますので、ちょっとパソコンでも御覧いただければと思います。 そこで、福祉部長に伺います。 今後、公共施設のみならず車椅子でどこに出掛けても困らないよう、幼児期から高齢者までのおむつ替えなどを目的とした
ユニバーサルシートの普及について御答弁をお願いいたします。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 車椅子を利用されている方などがおむつ替えや着替えの場所に悩むことなく外出できるようにするためには、
ユニバーサルシートの整備も重要であると考えます。 県では、建築物や施設などが誰にとっても利用しやすいものとなるよう、埼玉県福祉のまちづくり条例により整備基準などを定めています。
ユニバーサルシートについては、福祉のまちづくり条例設計ガイドブックにおいて、大規模な建物の新築や改修をする際にトイレに設置することが望ましいものとしております。 県では、これまで毎年度、公共施設における設置状況を調査しており、その際に関係部局や市町村に対して整備を働き掛けており、更に積極的に周知してまいります。また、民間施設については、建築士事務所協会を通じてリーフレットを配布するなど、
ユニバーサルシートの整備も含めて、福祉のまちづくり条例の理解の促進を図ってきたところでございます。 今後は、新たに多くの方が利用するデパートやショッピングセンターなどの商業施設に対して直接
ユニバーサルシートの設置を働き掛けるなど、更なる普及を図ってまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) それでは、(二)
マッピング化について、こちらも伺います。 この
ユニバーサルシートの設置場所についても、県ではやっぱり一覧表を県のホームページの深い階層に掲載しているんですね。これでは探すのも一苦労で、安心して外出することができません。 そこで、スマートフォンのデバイス等で手軽に検索できるこの
マッピング化、可視化に向けての対応をしていただきたいのですが、福祉部長に御答弁をお願いいたします。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、車椅子を利用されている方などが安心して外出するためには、
ユニバーサルシートなど必要な情報をマップにすることは利便性の向上につながると考えます。車椅子を利用されている方などの外出時の利便性を更に向上させるため、
ユニバーサルシートの情報だけでなく、その他の様々な情報も併せて提供していくことが効果的と考えております。 学識経験者や障害者団体、事業者などで構成する埼玉県福祉のまちづくり推進協議会に意見を伺いながら、地図情報の活用に向けて検討を進めてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、九、
審議会等オンライン傍聴について伺います。 先日、全国医療的ケアラインの埼玉家族会の方から、本県の医療的ケア児支援センター設置に向けた検討会議について、オンライン傍聴を認めてほしいとの要望を県に行った例がありました。この会議の傍聴は対面によることとされておりましたが、現地に行きたくても医療的ケアのある子供を抱えている保護者からは、夕方からのこの会議の傍聴には厳しいものがあるとのことでありました。結局、家族会の代表の方が大野知事に手紙を書き、医療的ケア児の御家族など会場での傍聴が困難な方に限り、オンライン傍聴が可能となりました。 大野知事の政治姿勢は、参議院議員時代から困っている方に寄り添うことを大事にされていて、そのお気持ちは今でも変わられていないということも認識をさせていただきました。 そこで、
企画財政部長に質問いたします。 私は、コロナ禍から活発になったこのオンライン・ビデオを利用した傍聴を、可能な限り全ての審議会に導入すべきだと思いますが、御所見を伺います。よろしくお願いします。 〔堀光敦史
企画財政部長登壇〕
◎堀光敦史
企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 本県では、コロナ禍を契機に審議会等のオンラインでの開催が増えており、それに伴い傍聴につきましてもオンラインの活用が進んでおります。 オンライン傍聴は、参加者にとって会場への移動負担が軽減されるとともに、運営側にとっても傍聴席の十分な確保や会議資料が不要となるなどの有用性が認められます。また、傍聴を希望される方の状況に応じてオンライン傍聴を取り入れることは、多様性への配慮とともに時代の要請にも沿った取組であると捉えております。 一方、画面を通じての視聴となるため、発言者の表情や会場の雰囲気を読み取ることが難しく、また、通信状況によっては音声や映像が途切れることなども懸念されます。 これらのオンラインの特徴を総合的に踏まえて、できる限りオンライン傍聴の活用に努めてまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 次に、十、地元問題の(一)国道一二二号の渋滞解消について伺います。 前回の一般質問でも行いましたが、コロナ禍で状況が変わっても、朝夕の通勤・通学時間帯になりますと国道一二二号は全く動かなくなります。 近年、大型商業倉庫などが林立されたことも加味されて、とりわけ朝の時間帯は川口元郷付近から本町ロータリー、さらには新荒川大橋、東京都赤羽交差点まで大渋滞です。また、県道一〇五号さいたま鳩ヶ谷線に分岐する鳩ヶ谷変電所前交差点も、交通容量を超えているように見受けられます。地域の足である定時運行バスの定時性が確保されないため、朝の時間帯にもかかわらず減便をせざるを得ない状況です。 新荒川大橋並びに鳩ヶ谷変電所前交差点の渋滞解消について、
県土整備部長の見解を伺います。 〔北田健夫
県土整備部長登壇〕
◎北田健夫
県土整備部長 白根大輔議員の御質問にお答え申し上げます。 国道一二二号の新荒川大橋交差点では、東京の環状八号線へ向かう右折車両が多いことにより、朝夕を中心に渋滞が発生しております。この交差点は東京都内に位置しており、東京都が管理していることから、渋滞対策について東京都と協議しております。引き続き、新荒川大橋の南側にある赤羽交差点など周辺の複数の交差点における交通状況などを踏まえて、東京都と協議してまいります。 また、鳩ヶ谷変電所前交差点は、国道一二二号に県道さいたま鳩ヶ谷線などが交差し、近接して県道東京鳩ヶ谷線などが交差する複雑な形状となっております。この交差点の渋滞対策については、国道一二二号の本町ロータリーの交差点改良など、事業中箇所の進捗状況や周辺道路の交通状況を踏まえ、研究してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) (二)芝川第一調節池について伺います。 現在、この左岸工事が終わり、右岸工事が進んでいると側聞しておりますが、川口市の方からは完成まであとどのくらいかかるのかと心配をしております。 そこで、現在の進捗状況を含め今後の見通しについて、
県土整備部長に伺います。 〔北田健夫
県土整備部長登壇〕
◎北田健夫
県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 一級河川芝川は、さいたま市から川口市を流下し、荒川に合流する延長約二十六キロメートルの河川です。御質問の芝川第一調節池は、芝川を挟んだ左右岸の調節池で構成されており、平成二十二年度に左岸側の調節池が完成し、現在は右岸側の調節池の整備を進めております。 左岸側の調節池は、令和元年東日本台風の際に計画容量二百万立方メートルの約九割、百七十九万立方メートルを貯留し、洪水調整することで下流の川口市内の浸水被害軽減に寄与しました。右岸側の調節池は、これまでに掘削工事、軟弱地盤対策工事を実施しており、令和四年度は引き続き掘削工事を進めるほか、排水樋管の工事や管理橋の設計に取り組んでございます。 今後も残る掘削工事、樋管工事を進めるほか、管理橋に加え越流堤や排水機場の工事に着手するとともに、順次調節池を取り囲む堤防を整備してまいります。事業実施に当たりましては、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を最大限活用し、早期完成を目指してまいります。
◆二十六番(
白根大輔議員) 御清聴いただき、ありがとうございます。一般質問を終わります。(拍手起こる)
----------------
△休憩の宣告
○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。午後二時三十四分休憩
----------------午後三時一分再開 出席議員 八十六名 四番 六番 七番 八番 九番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(砂川) 副知事(高柳) 副知事(山本)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○中
屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
----------------
△質疑質問(続き)
○中
屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 四十三番
前原かづえ議員 〔四十三番
前原かづえ議員登壇〕(拍手起こる)
◆四十三番(
前原かづえ議員) 日本共産党の前原かづえです。党県議団を代表して、一般質問を行います。 初めに、一、国葬は憲法違反 -県民に分断をもたらすべきではない-についてです。 九月二十七日に、岸田首相は過半数を超える国民世論に背を向け、安倍晋三元首相の国葬を強行しました。日本共産党は、国葬は憲法違反だとして強く中止を求めました。憲法第十四条「法の下の平等」について、なぜ安倍氏のみを特別扱いにして国葬を行うのか、岸田首相は国民が納得できる説明をしていません。 また、首相は、国葬を「故人に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式」と決定していますが、日本国憲法によれば国イコール国民であり、敬意と弔意を国民全体として表す行事とすることは、憲法十九条「思想及び良心の自由」違反の弔意の強制です。 また、現在、政治的焦点になっております統一教会と極めて深刻な癒着関係を持っていたのが安倍氏です。関連団体の集会に祝電やビデオメッセージを送り、国政選挙で統一教会の組織票を安倍氏が差配していたことも報じられています。安倍氏に国全体として敬意と弔意を表することになる国葬は、安倍氏の統一教会の広告塔としての行為を免罪することになります。 知事は、国葬に当たり半旗を掲げ、公務として出席されました。中曽根元首相の例に倣ったと理由を説明されていますが、中曽根氏の葬儀は国葬ではありません。 知事は、国民の意見が二分されていることを認識し、国に対し丁寧な説明を求めていましたが、九月八日に行われた国会閉会中審査は僅か一時間半に過ぎず、到底国民の納得を得られるものではありませんでした。知事に対して国葬欠席を求め、半旗の掲揚などをやめるように求める意見も多数届いたことと思います。県民世論が大きく割れた状態で県が国葬を認めたことは、県民に分断をもたらすことにもつながりかねません。 なぜ国葬に出席し、半旗を掲げたのか、知事、理由の説明をお願いします。 国葬には十六億円超という費用が公表されていますが、この中には警備費用などが含まれていません。知事の国葬出席のための経費、そのほか国葬のために県民が負担した全ての金額を知事に報告を求めます。 また、県警の警備の経費について、県警本部長、御報告ください。 次に、統一教会との関係についてです。 知事は、本年度も統一教会系団体である世界平和女性連合のイベントにメッセージを送っていました。例年どおりの対応をしたとの理由ですが、私たち政治家の常識とは余りにもかけ離れています。世界平和女性連合などという聞いたこともない団体から依頼があれば、昨年に例があったとしても確実に調査を行います。 知事に伺います。 今後、統一教会との対応方針について、答弁をお願いいたします。 続いて、二、
新型コロナウイルス感染症第八波に備え、医療体制の充実をについてです。 新型コロナ第七波は、全国の新規感染者が一日で二十六万人を突破し、埼玉でも一万三千人を超え、検査難民や保健所、医療機関のひっ迫などの事態が起こりました。感染者の激増で死亡率は下がりましたが、死者は第六波同様一万二千人を超えました。ワクチン接種が広がっているにもかかわらず、多数の死者が出たことを教訓として第八波に全力で備えるべきです。 感染者の多さから政府は医療機関からの発生届を見直し、九月二十六日から六十五歳以上の方や妊婦などを除き、医療機関からの届出の対象外となりました。八月の専門家会議では、発生届が出ない方には療養証明書が出なくなる、コロナ発生届のない人の入院処置判断は難しいなど、発生届提出をやめた場合の問題点を四点発表しております。 そこで、知事に伺います。 これだけ問題点を指摘していたのですから、国に撤回を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、今後、届出対象外の方には療養証明書が発行されません。これでは学校や仕事、入学試験など休みづらくなります。県として何らかの証明書は発行し続けるべきと考えますが、知事、答弁を求めます。 党県議団はふじみの救急病院を訪問し、発熱外来・PCRセンター、コロナ患者の入院受入れなど病院の取組を伺ってまいりました。院長は「ワクチンは数か月で抗体が減って、効果が持続しない。コロナ封じ込めのために抜本的に検査を増やし、感染者を早期発見していくことだ。抗原検査キットはその場で結果がすぐに分かる。ある程度のウイルス量があればPCR検査と大きな違いはない。大量に配布し、毎日のように検査を行うことが重要」と語っておられました。事実ここでは、職員の皆さんに毎日抗原検査を行うことによって、院内感染を防いできたそうです。 県は、これまでやってきた高齢者・障害者施設の抗原検査キットを使っての職員の週二回の検査を入所施設に絞り、次の流行に備える三か月分の補正予算を今議会に提案しています。ふじみの救急の実践にも学び、第八波の際には高齢者・障害者施設で更に検査を頻繁に行うこと、検査対象を職員だけではなく利用者にも広げること、通所施設などに広げることについて、そして、学校や保育所等職員や児童生徒・園児に検査を拡大することについて、知事、答弁を求めます。 第七波の教訓から発熱外来の抜本的強化が必要です。院長は、「コロナの診療検査の報酬点数がどんどん下げられ、スタッフ体制を維持できなくなったため、検査数が減り、県外の方を断ったり、高齢者以外は完全予約制と検査を絞らざるを得なかった」と語っておられました。朝日新聞によると人口十万人当たりの診療・検査医療機関指定数は埼玉は二十・九か所、下から四番目です。
保健医療部長、第一に、診療報酬を元に戻すよう国に要望すること、第二に、診療・検査医療機関、つまり発熱外来を更に拡大することについて答弁を求めます。 次に、三、社会保障の削減や物価高から、生活困窮者を守り子育て応援の施策の充実をについてです。 社会学者の橋本健二早稲田大学教授は、二〇一九年と二〇二〇年の平均年収について、商工業の自営業者・家族従業者、農民は百二十七万円も減少し、貧困率が四・九パーセント以上上昇したと発表しています。 県は、コロナ禍や物価高騰の影響を受け、生活困窮者を各種支援機関に着実につなぐため、食料品や生活必需品を配布しながら相談に乗る生活困りごと相談会を提案しています。支援機関と困窮者がつながる一歩として大事な取組ですが、どこまで相談者が来てくれるのかが不透明です。生活に困っている県民の生活を直接的に支援すべきです。岩手県や秋田県、新潟県では、物価高騰の影響を受けた生活困窮者への灯油代の補助を行うことを決めました。知事、埼玉でも実践すべきではありませんか。 私は先日、埼玉県生活と健康を守る会と県の懇談に同席しました。生活と健康を守る会は、困窮者の生活保護受給に尽力しています。同会は、「生活保護の申請に行ったら三時間かかった。扶養照会すると言われて、二の足を踏んでしまう相談者がいる」と訴えておられました。生活保護の申請窓口では、まだこうしたことが行われています。 福祉部長、憲法第二十五条に基づくなら、生活保護は当然の権利ではないですか。こうした窓口対応をなくす決意をお聞かせください。 また、相模原市は「生活保護の申請は権利です」というカラーポスターを作り活用しています。このようなポスターを県が作成し、市町村には活用を促すべきです。この点についても答弁を求めます。 子供の学習支援などに取り組む認定NPO法人キッズドアがこの八月に実施したアンケートによると、新型コロナ感染症流行前と比べて収入が減った世帯が約七割。中でも、今も収入が減ったままだという世帯が五割に上り、子育て困窮世帯に深刻な状況が続いていることが明らかになりました。 夏休みが終わると、げっそりと痩せてくる子供もいると聞いています。千葉県が学校給食の第三子以降無償化措置を検討しています。本県でも給食費の無償化のために、市町村への助成制度を創設すべきです。知事の答弁を求めます。 また、来年四月に向けて県立高等学校のタブレットの購入が保護者に通知されています。保護者からも、教育現場からも、「コロナと物価高でこれほど苦しいときに、なぜ今」との声が上がっています。 教育長、県で全生徒分を購入すべきと考えますが、いかがですか。全生徒分購入が無理であれば、購入困難な生徒分を購入し、三年間貸与という形にしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 続いて、四、
児童相談所強化と民間団体との連携で、虐待防止をについてです。 本県の児童虐待相談件数は、昨年度一万七千六百六件と十年前から三・六倍加しています。虐待に対する県民の認知度が上がったこと、警察の虐待防止の取組の強化などに要因はありますが、深刻な事態が続いていることは確かです。 厚生労働省は、児相の児童福祉司などの配置基準を人口四万人に一人から、三万人に一人に引き上げ、この間、児童福祉司が六年間で二倍加されたことは大変評価しています。しかし、三万人に一人の職員体制は達成できておりません。今年四月時点で定数に対して三十四人の欠員があり、九月には更に三十七人と増えております。 相談件数の増加、対応の複雑化など児相の激務は続いております。児相はこの状態を改善するために、通報後四十八時間以内の児童安否確認を一部民間団体に委託しています。四十八時間以内に児相職員が子供の顔を見て確認するというのは、埼玉県の児相が全国に先駆け始めた優れた実践です。この要の部分を民間に任せるべきではありません。早急にこの三十七人の欠員を埋め、児相の体制を強化すべきです。 事実上、東京都など他県と児童福祉司を取り合う状態です。私は、児相の児童福祉司の手当の増額で処遇を引き上げるべきだと考えています。 福祉部長、欠員の補充策について、児童福祉司手当増額について、二点お伺いいたします。 次に、虐待防止につながる生活困窮世帯への学習支援事業についてです。 子供の貧困率は一三・五パーセント。埼玉県内では、生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮世帯への生活・学習支援活動が取り組まれています。学習教室の運営は二百五十教室、中学生は全市町村、小学生は十九市十六町に広がっています。「ここに来るようになって学校の授業が分かるようになった」と好評で、高校へ進学する生徒も激増しました。 授業を受託している彩の国子ども・若者支援ネットワークによると、事業開始以来十二年間、最も効果的だったのは、個別の家庭訪問だそうです。訪問してきたのは二千世帯に上り、子供たちに学習支援の場に来てもらうことが目的ですが、虐待防止や生活相談、食料支援、ヤングケアラーの支援などにつながっているそうです。さらに、近年、子ども・若者支援ネットワークが始めている支援対象児童等見守り強化事業は、小学生から未就学児にまで対象を広げて訪問を行い、虐待や自死、不登校などを未然に防いできました。 そこで、福祉部長にお聞きします。 中学校・高校生はもちろん、小学生のジュニア教室を更に全県で拡充することについて、特に、県の所管である町村部でジュニア教室を先行して拡充すること、支援対象児童等見守り強化事業を全県に広げることについて見解を求めます。 続いて、五、行き場のない少女たちを、性的搾取から守れ
-若年被害女性等支援事業の導入を-についてです。 新宿や渋谷などには虐待や家庭不和など様々な事情で家に帰れず、一晩中さまよう少女たちがいます。彼女たちに最初に声を掛けるのは、少女たちを性的に搾取しようとたくらむ人たちです。 東京都の若年被害女性支援事業を受託する一般社団法人Colaboは、少女たちのために大型バスでのカフェを開き、食料や飲み物、生理用品などを提供し、今夜泊まる場所の相談に乗ります。代表の仁藤夢乃さんは、自身が家族と折り合いが悪く、一年のほとんどを歌舞伎町で過ごしていたという経験の持ち主です。彼女は歌舞伎町を歩き、あちこちに立っている少女に声を掛け、バスカフェの案内を渡していきます。つながった少女を児童相談所などの公的機関に同行し、緊急のシェルター、中長期用のアパート、長期用のシェアハウスを提供しています。Colaboは多数の方の寄附と公的助成金で運営されています。 埼玉にも行き場のない少女がいます。
県民生活部長にお伺いしますが、少女たちを守るために本県において若年被害女性等支援事業を開始すべきと考えますが、いかがでしょうか。 Colaboの悩みは、保護した後の少女の受皿です。Colaboの努力でシェルターやアパートを確保しているものの、やはり公的保護所の受入拡充が求められています。 ハイティーンの少女を受け入れるためには、人権的配慮の問題があります。党県議団は以前、一時保護所の全裸での検査を取り上げました。今も入浴の際やカミソリを使っての無駄毛処理にも監視がつき、刑務所よりひどいと感じた少女もいるそうです。 少女たちの人権に配慮し、一人の人間として扱うべきですが、福祉部長の答弁を求めます。 また、Colaboはこの間、東京の女性相談センターの一時保護所やシェルターに受入れをお願いしており、埼玉県でも是非受入れをしてほしいとのことです。しかし、スマホの利用禁止や学校への登校は不可など、一時保護所の規制が厳し過ぎます。これらはDV被害女性を守るために必要な規則であることは理解できますが、是非、埼玉県の婦人相談センターが若い女性たちに開かれた施設となってほしいと考えます。
県民生活部長に伺いますが、婦人相談センターの一時保護所を複数設置することについて、スマホの位置情報はオフにするなど守るべきルールを決め、規制を可能な限り緩和すること、四か所ある婦人相談センター連携の民間シェルターを大幅に増設することなどを進めて、少女たちの受入れを広げていただきたいのですが、いかがでしょうか。 次に、六、小規模にこそ良さがある。高校統廃合は、いったん立ち止まり深い論議をについてです。 県教育委員会が発表した県立高等学校十二校を六校に統廃合する計画は、県民、地域に大きな波紋を広げています。和光・和光国際、皆野・秩父、浦和工業・大宮工業、八潮・八潮南、岩槻北陵・岩槻、鳩山・越生の各校の組み合わせで、先に述べた六校が後に述べた六校に統合・再編されることになります。 再編整備の理由として、少子化で生徒募集が困難な状況にあることや、地域、県民や社会のニーズに対応した特色ある学校設置が求められていることを挙げていますが、背景としては二〇一四年の総務省の公共施設等統合管理計画があります。教育長、県立学校の統廃合計画の真の狙いは、県有施設の約半分を占める県立学校などの教育施設は、老朽化により維持管理に多額の予算が掛かるため、これを極力抑えたい、ここにあるのではないのですか、答弁を求めます。 文科省調査によると、埼玉県の高校生徒一人当たりの教育費の全国順位は、二〇一八年度で四十一位です。高等教育にもっとお金を掛けるべきです。 県教委は、高等学校の適正規模を一学年六学級以上としています。運動会が大勢でできる、部活動がいろいろ広がるとのことですが、大規模校、多数の人数の学級こそが現在の教育のゆがみの原因だと考えます。 私は以前、皆野高校を視察しました。一クラス十二人、十三人のクラス編成でした。生徒の発案でイノシシ・鹿の肉を利用した「激推イノシカバーガー」を食べて大変おいしかったことをよく覚えています。正に激推しでした。生徒たちは地域の県道の清掃や有料道路入口でのお正月の観光客へのしめ縄配りなど、地域と連携した学校だなと思いました。 教育長、こうした小規模で少人数学級の学校でこそ、一人一人に行き届いた教育を実現できると考えますが、答弁を求めます。 小学校で少人数学級が前進しています。私立高等学校でも少人数学級が広く取り入れられています。統廃合計画ではなく、高等学校の少人数学級こそ進めるべきだと考えますが、答弁を求めます。 また、人口が増えている八潮市の市民からは、「なぜ生徒が増えているのに高校がなくなるの」という声が上がっています。東西南北、各地域から二から四校削減という再編整備計画は、地域の実情と合わないのではないですか、答弁を求めます。 秩父地域一市四町の首長が県教委に宛てた要望書は、地域の県立四校存続の運動を踏まえ、秩父高校と皆野高校の統合撤回を求めています。そこには、「四校存続に向けた取組継続の中で、強い不信感と失望感を抱かざるを得ません」と厳しい指摘があります。地元の皆さんがこれほど反対している統合をなぜ押し付けるのか、もう一度白紙に戻して地元と話し合うべきです。教育長、答弁を求めます。 続いて、七、学校にいけない子どもたちの学ぶ権利を守るのは行政の義務についてです。 県内小・中学校における不登校児童生徒数は、二〇二〇年度八千九百三十四人と少子化にもかかわらず年々増加し最高数となっています。九千人近い児童生徒が学校を否定していることは重大な問題です。中学校時代不登校であった千葉工業大学準教授の福嶋尚子さんは、「生きづらい場所、生きることがしづらい場所、それが私にとっての学校だ」と指摘しています。 不登校対策のまず大前提として、小・中・高校など学校が生きづらい場所ではなくなることが必要です。具体的には、更に少人数学級の拡大や教員の定数増、競争的な教育の改善、部活動での暴力廃絶など教育環境の整備に全力を挙げるべきです。 県教委は、いじめ・不登校対策として全小・中学校スクールカウンセラー配置など努力してきました。しかし、一小学校に月に一回、半日滞在するだけ。一人の方がたくさんの学校を巡回しています。スクールカウンセラーを更に拡充すべきと考えますが、教育長、答弁を求めます。 県教委は、県立戸田翔陽高校内にモデル事業として不登校生徒支援教室「いっぽ」を九月から本格的にスタートしました。県教委が場所、教員やボランティア確保に責任を持って実施することは高く評価します。戸田翔陽高校との連携の中で得られるものも大きいと思います。しかし、学校内施設である「いっぽ」に通える状態の不登校生徒はごく一部だということ、また、県内一か所では不十分です。 党県議団は、栃木県高根沢町にある町立フリースペース「ひよこの家」を視察しました。二十年目に入った「ひよこの家」は、いわゆる適応指導教室と違い、学校へ戻ることを目的としていません。築百年の古民家を借り受け、土間が広く、いろりがあり、まきストーブがあります。あえて教育機関、行政機関から離れた場所を探したとのこと。学校や制服、ジャージを見るだけでも泣いてしまう子が多かったという理由です。 活動の第一は、心の充電です。毎日やることは話合いで決めます。給食もほかの学校と同じ物が出ます。近隣市町からも児童が集まり、百五十人の卒業生を送り出しました。何より学ぶべきだと感じたのは、「学校に行けない子供たちの権利を守るのは、町の義務だ」と語った高根沢町の姿勢です。 教育長に伺います。 不登校生徒支援教室「いっぽ」は、子供たちの気持ちを尊重していただきたい。学校復帰や進学、まして支援教室に毎日登校することなど数値目標としない教室にすること。また、「いっぽ」のほかにもモデル事業を複数実施すること。「ひよこの家」なども研究し、モデル事業に取り入れること。以上三点、答弁を求めます。 最後に、八、県として
パートナーシップ制度実現を「性の多様性を尊重した
社会づくり条例」の全面実施へについてです。 さきの六月議会で性の多様性尊重条例が可決され、メディアでも話題になりました。とりわけLGBTQ当事者の方からは、県としてパートナーシップ制度、ファミリーシップ制度を実現してほしいという期待が寄せられています。埼玉新聞は「宣誓制度を埼玉県に求めるネット署名が始まっている」と報道しています。九月二十四日時点、署名数は三百六十三人に上っているとのことです。 この間、同制度について、知事は市町村で検討すべきものという姿勢でした。しかし、こうして条例ができ、署名活動も進んでおり、いよいよ県として制度導入へ踏み出していただきたい。知事の決意を求めます。 知事は、予算特別委員会で我が党の質問に対し、「民間企業、業界団体などに働き掛けていきたい」と答弁いたしました。制度のない中でも、権利尊重のため努力したいとの意思と受け止めております。 そこで、提案ですが、まず、医療機関での手術の同意や情報提供についてです。厚労省は、家族とは法的な意味での親族関係のみを意味しないと、二〇〇七年にガイドラインを作っています。全国でも進んでいる横須賀市では、市立病院はパートナーであっても情報提供や手術同意を可能とするだけでなく、そのことをホームページで分かりやすく明記しております。また、厚労省のガイドラインに基づき、横須賀市が医師会へも働き掛けています。 一、本県でも県立病院ではパートナーによる同意を認めているそうですが、横須賀市のようにホームページなどで積極的に広報すること。 二、医師会に働き掛けること。 三、横須賀市では、LGBTQ同士の住まい探しに積極的な不動産事業者にレインボーステッカーを配布しています。これを進めること。 四、埼玉県のDV被害相談窓口について、LGBTQのDV被害についても取り組んでいるとホームページで明記すること。 五、里親制度もLGBTQカップルも対象であると分かりやすくホームページ上で示すこと。 以上、五点について知事の答弁を求めます。 条例にはパートナーシップ制度の整備だけではなくて、基本計画の策定や啓発などを実施していくことが位置付けられています。計画策定のための審議会の立上げも必要です。 一、基本計画はいつまでに、どのような審議会を立ち上げて策定するのか。 二、現在ある性の多様性に関する施策推進会議を活用する方法もあると考えますが、
県民生活部長、答弁を求めます。 条例の内容を分かりやすく県民に知らせるパンフレットの作成も必要です。大分県では「りんごの色」という漫画を中学一年生と高校一年生に配布、コンビニにも置いてもらい感動を呼んでいるそうです。このような感動的なパンフレットを民間企業に広範に配布し、学校の児童生徒、とりわけ県立学校生徒にはいち早く配布することを求めるものです。
県民生活部長の答弁を求めます。 以上、よろしくお願いいたします。(拍手起こる)
○中
屋敷慎一議長 四十三番
前原かづえ議員の質問に対する答弁を求めます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事
前原かづえ議員の御質問に順次しっかりとお答え申し上げます。 まず、国葬は憲法違反 -県民に分断をもたらすべきではない-のお尋ねのうち、なぜ国葬に出席し、半旗を掲げたのかについてでございます。 私は、九月二十七日に行われた安倍元総理の国葬儀に知事として出席してまいりました。国葬儀として執り行われることが閣議決定された国の行事であり、国から知事宛てに出席の要請を頂いたため出席したものであります。国葬儀であるなしにかかわらず、国の行事への出席を求められる場合には、公務としての出席が原則です。 また、半旗掲揚については、県の本庁舎及び国旗や県旗を掲揚している地域機関で実施をいたしました。国の行政の長をお務めになられた方に対し、県として弔意を示すべきと考えたものであり、令和二年の中曽根元首相の葬儀の際と考え方は同じであります。 次に、知事の国葬出席のための経費、そのほかの国葬のために県民が負担した全ての金額についてでございます。 国葬儀出席に関する経費については、移動に係る公用車のガソリン代と高速料金等で、金額は現在精査中でございます。 次に、今後の旧統一教会との対応方針についてでございます。 私個人については、承知している範囲で旧統一教会、若しくはその関係団体と関係があったり、イベントに出席したり、あるいは寄附を頂いたりなど、過去にも今にも一切ございません。私は、社会的に大きなマイナスの影響を与えていると評判がある宗教団体や、その関係団体との関係については、日頃から非常に慎重に対応する必要があると考えております。 現在のように旧統一教会がマスコミ等で大きく取り上げられる以前の二年前、ピースロードなるイベントの開催に当たり、埼玉県平和大使協議会という団体の表敬訪問の依頼を打診されたことがありました。当時はピースロードも、平和大使協議会の名前も、背景も存じ上げませんでしたが、聞き慣れない名前であったため特別秘書経由で調査させたところ、旧統一教会関係との情報を得たため、表敬を受けることは不適切と判断し、お断りをした経緯がございます。 政務の方では旧統一教会との関係がないことは確認しましたが、その一方で、県庁の知事部局内の事務方による対応について総点検する必要があると考え、旧統一教会やその関係団体から寄附を受けたことがあるか、これらの団体が主催・共催するイベントの後援、参加、祝電やメッセージの送付などをしたことがあるか、確認するよう指示をいたしました。その結果、議員御指摘のWFWP(世界平和女性連合)が行っていた埼玉女子留学生日本語弁論大会から、平成十四年度より令和四年度までの間、知事宛ての案内を受けており、毎年、知事メッセージを送付したことが分かりました。この知事メッセージ送付が過去の知事時代からの毎年恒例ものであったことから、改めて団体の確認には至っていなかったものであります。 とはいえ、仮に私の名前でメッセージが出たことで、この団体が信用に足るというような印象を受けた方がおられるとすれば、誠に申し訳ないと考えており、改めておわびを申し上げます。 このほか、経緯等、詳細は分かりませんが、三つの事案に過去の知事名でメッセージを送るなどの対応をしていたことも分かりました。 今後の対応について、私は旧統一教会、若しくはその関係団体のイベントに出席したり、あるいは寄附を頂いたりなど何らかの関係を持つことは、これまで同様ございません。また、県としても旧統一教会、若しくはその関係団体と一切関係を持つことはありません。 こうした私の考え方は、県庁内において庁議の場で部局長などの幹部に直接申し伝え、仮に政治家から依頼があったとしても断ること、また、関係団体のリストにない団体や聞き慣れない団体なども含め、可能な範囲で調べ、適切に対応するよう指示をいたします。 繰り返しになりますが、今後、私個人としても、県としても、旧統一教会若しくはその関係団体と一切の関係を持つことはないことをはっきりと申し上げます。 次に、
新型コロナウイルス感染症第八波に備え、医療体制の充実をのお尋ねのうち、全数把握見直しについて国に撤回を求めるべきではないかについてであります。 全数届出の見直しは、国が療養の考え方を転換し、九月二十六日から全国一律で発生届の対象者を六十五歳以上の高齢者などに限定したものであります。緊急避難的に一部の都道府県で導入した際、四つの課題を指摘いたしましたが、全国一律での制度の改正に伴い、その課題の多くは解消したものと考えており、撤回を求めることは考えておりません。 なお、県といたしましては、発生届の有無にかかわらず、安心して療養いただける体制づくりに今後とも努めてまいります。 次に、療養証明書の発行についてでございます。 国の通知に基づき、届出対象外の方は医療機関からの感染の発生届が行われず、療養証明書の発行は行わないこととされました。国では、企業や学校に対し療養証明書を求めることがないよう要請をしております。それでもなお療養証明書を求められる場合には、陽性者が不利にならないよう、陽性者登録のお知らせや、陽性となった検査結果などを療養証明書の代わりとして使えることとしており、このことについて丁寧に県としても説明してまいります。 次に、第八波の際は、高齢者・障害者施設などで更に検査を頻回に行うこと、検査対象者を利用者や通所施設、学校や保育所等職員、児童生徒・園児などに広げることについてでございます。 御指摘の第八波の際には、いかなる変異株や亜種となるかも想定できないことから、検査の拡大や在り方について現時点でお答えすることは困難であり、その際に必要となる検査体制並びに方法を適切に講じてまいりたいと考えます。 次に、社会保障の削減や物価高から、生活困窮者を守り子育て応援の施策の充実をのお尋ねのうち、生活困窮者への灯油代補助についてでございます。 国は長引くコロナ禍の中、生活に困窮する世帯の暮らしを支援するため、住民税非課税世帯や家計急変世帯を対象に臨時特別給付金十万円を給付してまいりました。さらに、現下の物価高騰の厳しい状況を受けて、国において低所得世帯を対象に五万円を給付する電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の実施が予定をされているところでございます。 こうしたことから現時点においては、県として独自に補助を実施する予定はございません。 次に、給食費の無償化のために、市町村への助成制度を創設するべきについてであります。 義務教育諸学校の学校給食費につきましては、学校給食法第十一条第二項で、給食を受ける児童生徒の保護者の負担とすることが明記されています。これを踏まえ、各学校では栄養バランス等と保護者の負担を考慮し、工夫しながらできるだけ安価で提供するよう努めております。 こうした中、最近の物価高騰の影響を受けた食材の値上がりを踏まえ、国において緊急的な措置として
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、学校給食における保護者の負担軽減に向けた自治体の取組を支援する制度が設けられました。国が実施した調査では、七月時点で県内市町村の八割以上がこの臨時交付金付近を活用し、学校給食費の保護者負担の軽減に向けた取組を行う、又は行う予定であるとしております。 急激な物価高騰の影響に対しては、このように国における制度の活用をそれぞれの設置者において判断していただくべきものと考えます。また、義務教育諸学校における学校給食の実施を担う市町村等は、学校給食費につきましても、それぞれの実情に応じ、法の趣旨を踏まえ、自主的に判断するべきものと捉えております。 他方、物価高騰が一時的なものではなく影響が長期間にわたる場合には、学校給食費も含め国が全国的な対策を構ずべきものと考えます。そのため、県といたしましては、物価高騰が長期間にわたる場合には、国の責任において財源も含め具体的な施策を示すよう要望したところでございます。 最後に、県としての
パートナーシップ制度実現を「性の多様性を尊重した
社会づくり条例」の全面実施へのお尋ねのうち、県としてパートナーシップ宣誓制度導入へ向けた決意についてでございます。 LGBTQの方はこれまでに長い間支援から取り残されており、これは多様性が尊重される時代にあって、直ちに人権上の対応が必要とされる問題だと考えます。そこで、性の多様性を尊重した社会づくりに当たっては、理解増進や相談体制の整備はもとより、暮らしやすい環境づくりまで踏み込んで取組を行っていく必要があると考えます。 御質問のいわゆるパートナーシップ宣誓制度は、双方又はいずれか一方が性的マイノリティーである方々が、互いを人生のパートナーとして生活を共にすると宣言し、この二人に対し宣誓書受領カードなどを公布する制度をいうと理解をしています。これは婚姻とは異なり、法律上の効果を生じず、受領カード等も法的根拠や権利を裏付けるものではなく、制度をもたらすものでもございません。 本県は、こうしたパートナーシップ宣誓の導入は現時点では考えておらず、また、パートナーシップ宣誓は法的に担保された制度としても捉えておりません。互いを尊重し協力し合う関係の宣言では、当事者の方たちの権利や身分を確立することはできず、制度や手続の改正こそが当事者の不安定な地位に置かれることへの解決方法として大切だと考えます。 次に、横須賀市のようにホームページなどで積極的に広報することについてであります。 県立病院について、同性パートナーについても手術の同意や情報提供は可能でありますが、このことについて今後、県ホームページに掲載をしてまいります。 次に、医師会に働き掛けることについてであります。 県内の病院において、同性パートナーに対しても手術の同意や情報提供が可能であることを周知するため、医師会に働き掛けます。 次に、LGBTQ同士の住まい探しに積極的な不動産業者にレインボーステッカーを配布することについてであります。 県では、県民や企業がLGBTQ支援の意思を表明する際に掲示していただくマグネットステッカーを作成し、既に配布をしております。不動産事業者に対し、このマグネットステッカーの活用を働き掛けてまいります。 次に、埼玉県のDV被害相談窓口について、LGBTQのDV被害についても取り組んでいるとホームページで明記することについてでございます。 相談窓口では従来から性別を問わず相談に応じており、県のホームページにおいてもその旨を御案内しております。 次に、里親制度もLGBTQカップルも対象であると分かりやすくホームページ上で示すことについてであります。 里親制度を紹介しているページでは、既に同性カップルでも里親になれることを明示しております。更に分かりやすく掲載できるか検討してまいります。 このような取組を通じて、LGBTQの方々の直面する困難が解消するよう努めてまいります。 〔鈴木基之警察本部長登壇〕
◎鈴木基之警察本部長
前原かづえ議員の御質問一、国葬は憲法違反 -県民に分断をもたらすべきではない-のうち、県警の警備の経費についてお答え申し上げます。 九月二十七日に行われた安倍晋三元首相の国葬儀については、東京都公安委員会から警察法第六十条に基づく援助要求を受け、県警察から部隊員を派遣しております。議員御質問の経費については、派遣の有無にかかわらず発生する給与及び車両の燃料費については県費で支出し、警察法第六十条に基づき派遣された警察官の旅費等については、国費で支出することとなります。 これら経費につきましては、当県警察からの特別派遣部隊の体制が明らかになり、今後の警備に支障を及ぼすおそれがあるため、お答えを差し控えさせていただきます。 〔山崎達也
保健医療部長登壇〕
◎山崎達也
保健医療部長 前原かづえ議員の御質問二、
新型コロナウイルス感染症第八波に備え、医療体制の充実をについてお答え申し上げます。 まず、下げられたコロナの診療や検査に係る診療報酬を元に戻すよう国に要望すべきについてでございます。 県では、診療・検査体制を維持・強化するためには、診療・検査医療機関に対する適切な診療報酬上の措置が必要と考えております。このため、診療報酬の継続や下げられた診療報酬を元に戻すこと等について、これまでも知事から厚生労働副大臣に直接要望したほか、全国知事会の緊急提言などを通じて国へ要望を行ってまいりました。 今後も、必要な診療報酬上の措置について、様々な機会を捉え、国に対して強く要望してまいります。 次に、発熱外来を更に拡大すべきについてでございます。 全国に先駆け、全ての医療機関名を公表する制度とした本県の診療・検査医療機関は、令和二年十二月に約一千百か所で公表を開始し、本年九月二十九日時点で一千五百四十九か所にまで増加しました。また、感染が急拡大した七月においては、緊急的対応として、知事と県医師会長名連名で各医療機関に申請を依頼し、これまでに五十以上の医療機関から新たに申請がありました。 県といたしましては、発熱患者が速やかに医療機関を受診できるよう、引き続き、県医師会と連携して診療・検査医療機関の増加に取り組んでまいります。 〔金子直史福祉部長登壇〕
◎金子直史福祉部長
前原かづえ議員の御質問三、社会保障の削減や物価高から、生活困窮者を守り子育て応援の施策の充実をのうち、生活保護の申請窓口の対応についてお答え申し上げます。 生活に困窮する方は誰にでも生活保護を受給する権利があり、これは侵害することはもとより、侵害していると疑われるような行為についても厳に慎まなければなりません。議員お話しの生活保護の窓口で申請を受理するまでに長い時間をかけたり、親族に扶養照会をすることを強調して申請をためらわせるようなことがあってはならないと考えます。 県は福祉事務所に対し、生活保護の申請窓口で申請する意思が確認された場合には、速やかに申請を受理するよう指導してまいりましたが、今後も改めて研修や監査の場などを通じて徹底してまいります。 次に、「生活保護の申請は権利です」というポスターを県が作成し、市町村に活用を促すべきについてでございます。 国のホームページでは、「生活保護の申請は国民の権利です」と明記しています。また、本県でも生活保護に関するホームページを作成し、その中で「生活保護を申請する権利は、すべての国民に無差別、平等に与えられた権利です」と明記しています。 ポスターの作成は考えておりませんが、県福祉事務所において、生活保護の相談の際に用いる保護のしおりの中にも、同様の趣旨を新たに記載して配布してまいります。 次に、御質問四、
児童相談所強化と民間団体との連携で、虐待防止をのうち、欠員の補充策についてお答え申し上げます。 県では、児童福祉司等の確保のため、埼玉県職員仕事紹介セミナーを通じて、職員がオンラインで児童相談所業務の説明や相談に応じるほか、児童相談所長が県内外の福祉系大学に直接受験勧奨を依頼するなど、様々な機会を捉えた採用活動を行っております。また、昨年度から児童相談所職員採用ホームページを開設し、採用情報や職種ごとの仕事の内容のほか、児童相談所職員のインタビュー記事の掲載や本県の充実した研修制度のPRなども行っております。 さらに、平成二十九年度からは、新たに社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者を対象にした児童福祉司の採用選考を開始し、令和三年度からは受験資格者の対象年齢を五十九歳に拡大いたしました。これらの取組により令和三年度の福祉職や児童福祉司の採用試験等への申込者数は合計で二百七十四人となり、児童福祉司の採用選考を始めた平成二十九年度と比べますと約一・七倍と増加をしております。 県といたしましては、更にあらゆる機会を通じて児童相談所で働く魅力を伝え、児童相談所職員の確保に全力で取り組んでまいります。 次に、児童福祉司の手当増額についてです。 国では、児童相談所職員の処遇改善のために、令和二年度から普通交付税措置等の拡充を行っており、この措置を受け、本県では、児童相談所で働く児童福祉司等の特殊勤務手当を月額二万円に引き上げております。令和四年四月一日地時点で児童相談所を設置しているほとんどの自治体で同様な手当が支給されており、東京都、神奈川県、千葉県、さいたま市、特別区等の近隣の自治体においても、月額二万円程度が支給されております。本県の手当額が他の自治体と同水準となっていることから、現時点で特殊勤務手当を増額する必要はないものと考えております。 県といたしましては、更に積極的な採用活動を行い、児童相談所の職員確保に努めるとともに、児童の安全確認業務に関する民間団体への委託やICTを活用した業務の効率化など、職員の負担軽減を図ってまいります。 次に、中学生・高校生はもちろん、小学生のジュニア・アスポートを更に全県で拡充することについてです。 平成二十七年度から施行された生活困窮者自立支援法により、生活保護世帯及び生活困窮世帯の子供たちを対象とした学習支援事業は、市部においては市が、町村部は県が実施することとされました。現在、中学生・高校生を対象とした学習支援事業は五十七の市町村、小学生を対象としたジュニア・
アスポート事業は三十五の市町に広がっています。 県では、この事業の取組を広げるため、市に対してコーディネーターを派遣し、教室の運営、ボランティアの確保、食材調達などの助言を行ってまいりました。さらに、県が培った事業のノウハウや各地域の好事例などを情報共有し、市町村と連携して全県での拡充を図ってまいります。 次に、特に県の所管である町村部でジュニア・アスポートを先行して拡充することについてでございます。 貧困の連鎖を断ち切るためには、学力に加えて社会でたくましく生きていくための力を高めることが非常に重要です。こうしたことから、ジュニア・
アスポート事業では学習支援に加え、生活支援や社会体験活動を通じて生きる力を育んでいます。 ジュニア・
アスポート事業を実施する上では、子供たちの教室への送迎や支援員の確保などの課題もありますが、例えば、送迎の関係では無償により民間企業にバスでの送迎を協力していただいたり、ボランティアの方々に教室の運営を手伝ってもらっている例もございます。 今後は、民間企業等に一層の協力を働き掛け、民間企業等と連携して事業の拡充を図ってまいります。 次に、支援対象児童等見守り強化事業を全県に広げることについてです。 本事業は、
新型コロナウイルス感染症の影響により子供の見守り機会が減少していることから、様々な地域ネットワークを総動員し、支援ニーズの高い子供等を見守り、必要な支援につなげることを目的としております。 具体的には、市町村が実施主体となり、要保護児童対策地域協議会の支援対象として登録されている児童等の居宅を訪問するなどし、状況の把握や食事の提供等を通じて児童の見守り体制を強化するものでございます。令和三年度は県内の四市町がこの事業を実施し、議員お話しの民間団体等に委託して児童の見守り支援の取組を行いました。例えば、食材の提供を通じて、世間話から関係性を築き、丁寧に話を聞くことで必要な支援につなげるなど、民間のノウハウを生かしたきめ細かい対応ができたと聞いています。 県としては、市町村の担当者が集まる会議などでこの事業を周知するなど、全県に広げられるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、御質問五、行き場のない少女たちを、性的搾取から守れのうち、少女たちの人権に配慮し、一人の人間として扱うべきについてお答えを申し上げます。 一時保護所は児童の安全確保を図るとともに、児童の状況や養育環境等を把握することを目的としており、虐待を受けた児童をはじめ、様々な背景を持つ児童が入所しております。そこで、保護所入所当初には児童の入浴時に全身の傷やあざの状況を確認するとともに、基本的な生活習慣が身に付いているかを確認し、その後の生活指導や支援につなげております。また、剃毛については、児童の安全を確保するための刃物の安全な使い方を指導しているものです。 国の一時保護ガイドラインでは、児童の援助方針を定めるため、職員は様々な生活場面の中で児童と関わりながら定期的に行動観察を行うこととなっております。行動観察の実施に当たっては、児童に必要性を説明し同意を得た上で、例えば、浴室に入室する際には声を掛ける、その場合、必要に応じて距離をとるなどの工夫をしながら、必要最小限の範囲で行っております。 県といたしましては、児童の人権を尊重した上で安全に配慮するなど、一時保護所の適切な運営に努めてまいります。
----------------
△休憩の宣告
○中
屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は四時八分といたします。午後三時五十八分休憩
----------------午後四時八分再開 出席議員 八十三名 四番 六番 七番 八番 九番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十七番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 三名 五十一番 八十六番 八十八番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(砂川) 副知事(高柳) 副知事(山本)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○中
屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△質疑質問(続き)
○中
屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 〔高田直芳教育長登壇〕
◎高田直芳教育長
前原かづえ議員の御質問三、社会保障の削減や物価高から、生活困窮者を守り子育て応援の施策の充実をについてお答え申し上げます。 まず、県立高等学校のタブレット端末は、県で全生徒分を購入すべきについてでございます。 国が令和元年に示したGIGAスクール構想を受け、令和二年度には国における一定の財源措置の下、小・中学校の児童生徒に対する一人一台端末環境が整備されたところでございます。国は、高等学校においても小・中学校から切れ目のない環境で学ぶことができるよう、一人一台の学習者用コンピューター端末環境を整備することを求めております。 県では、県立高校の生徒数が十万人を超えることからばくだいな財源が必要となり、速やかに一人一台の端末環境を整備することが困難であることを踏まえ、生徒が所有するタブレット端末等を学校で教育活動に使用して一人一台端末の環境を目指すこととしたところです。 GIGAスクール構想は国が全国的に進めているものであり、本来、高校生の学習用コンピューターの整備についても国の財源措置がなされるべきものと考えております。そのため、学習者用コンピューターの整備に係る財源について国に対して要望しているところであり、今後とも機会を捉えて働き掛けてまいります。 次に、購入困難な生徒分を購入し、三年間貸与という形にしてはどうかについてでございます。 経済的理由によりタブレット端末等の購入が困難な生徒が一定数いることを踏まえ、県ではそれらの全体の必要数を見込んだ上でタブレット端末を公費で整備しております。このタブレット端末を必要な期間貸与し、全ての生徒がタブレット端末環境で学習できるよう対応してまいります。 次に、御質問六、小規模こそ良さがある。高校統廃合は、いったん立ち止まり深い論議をについてお答え申し上げます。 まず、統合の真の狙いについてでございます。 県立高校の再編整備は、人口減少の進行に伴い生徒数の減少が続いている状況の中で、子供たちにより良い教育環境を整備するために進めているものであり、維持管理に係る多額の予算を極力抑えることを狙いとしているものではございません。 次に、小規模で少人数学級の学校でこそ、一人一人に行き届いた教育を実現できるのではないかについてでございます。 小規模で少人数学級の学校においては、一人一人の生徒に教員の目が届きやすく、きめ細かい指導ができるなどのメリットがございます。しかしながら、生徒数が減少することにより学校の規模自体が小さくなれば、それに応じて教員数も減少することとなり、生徒の進路希望に応じた選択科目を用意することが困難になるとともに、学校行事や部活動の面でも生徒たちの希望に応じた活動ができない状況も生じることとなります。 次に、統廃合計画ではなく、高等学校の少人数学級こそ進めるべきについてでございます。 議員お話しのとおり、小学校においては法改正により令和三年度の第二学年から順次三十五人学級が実現することとなっております。一方、高等学校においては少人数学級に関する制度改正は行われておらず、少人数学級を適正に実施するためには、国において教員定数などの改善が必要でございます。 次に、東西南北各地域の再編整備計画は地域の実情と合わないのではないかについてでございます。 県立高校の再編整備は、人口減少の進行に伴う生徒数の減少に対応するため避けて通れないものと考えますが、これを進めていく際には、全県的な視野の下に県立高校の配置を考える必要がございます。人口減少のみを考慮すれば、特定の地域に偏るおそれもあることから、県といたしましては、県立高校の再編整備が特定の地域に偏ることのないよう、各高校の現状を踏まえた上で地域バランスも考慮し、県内を四つの地域に分けて進めていくこととしております。 次に、地元が反対している統合をなぜ押し付けるのか、もう一度白紙に戻して地元と話し合うべきについてでございます。 県立高校の再編整備の検討に際しては、関係する市町の教育委員会をはじめ、関係部局などに職員が直接訪問し、意見交換を重ねてまいりました。その中で頂いた御意見も考慮させていただいた上で、今回公表した魅力ある県立高校づくり第二期実施方策案をお示ししたものです。 今後とも、丁寧な説明や十分な意見交換を行い、地元の御理解を得ながら魅力ある県立高校づくりを進めてまいります。 次に、御質問七、学校にいけない子どもたちの学ぶ権利を守るのは行政の義務についてお答え申し上げます。 まず、スクールカウンセラーを更に拡充すべきについてでございます。 県内公立小・中学校における不登校児童生徒数は、全国の状況と同様に近年、増加傾向が続いており、全ての児童生徒の学ぶべき機会の確保という観点からは、大きな課題であると受け止めております。 まずは、児童生徒一人一人が充実した学校生活を送り、安心して教育を受けられる学校づくりを進めていくことが重要です。そのためには、教育相談体制を充実することが必要であり、担任や養護教諭などの教員やスクールカウンセラー等の専門スタッフによる組織的な体制を整備することが求められます。 県では、スクールカウンセラーを平成十九年度からさいたま市を除く全公立中学校に、令和元年度からは全公立小学校に配置し、教育相談体制の整備を図ってまいりました。スクールカウンセラーの配置については、現在の体制による効果なども見ながら、引き続き検討してまいります。 次に、不登校生徒支援教室「いっぽ」は、子どもの気持ちを尊重し、学校復帰や進学、まして支援教室に毎日登校することなども数値目標としない教室にすることについてでございます。 平成二十九年三月に文部科学省が「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本方針」を定めました。この指針では、不登校児童生徒への支援に際しては、登校という結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるとされております。 県立戸田翔陽高等学校の校舎内に設置した不登校生徒支援教室、通称「いっぽ」は、不登校児童生徒への多様な教育機会の充実に関するモデル事業として、令和四年五月に開設いたしました。戸田市教育委員会と連携し、戸田市立中学校に在籍する不登校生徒を対象とした教室として、九月からは学習支援を開始しております。 この教室については文部科学省の基本指針を踏まえ、生徒の意向を踏まえることを第一にしており、学校復帰や毎日教室に来ることなどを目標にするのではなく、生徒自身が教室の利用計画を作成し、それぞれのペースで学びを深めることを支援するなど、生徒の主体性を尊重する方針で運営してまいります。 次に、「いっぽ」のほかにもモデル事業を複数実施することについてでございます。 議員御指摘のとおり、不登校の生徒は「いっぽ」に通えるエネルギーのある生徒ばかりではないことから、そうした子どもたちに対する支援も必要です。そのため、支援教室「いっぽ」のモデル事業においては、毎日教室に通うことが難しいような子どもたちに対する支援策についても研究していくこととしております。 まずは、今年度から取り組み始めたこの事業を二年間実施し、成果を検証してまいります。 次に、「ひよこの家」なども研究をし、モデル事業に取り入れることについてでございます。 栃木県高根沢町における「ひよこの家」では、学校に通うことができない子どもたちが安心して心を休めることのできる居場所づくりを目指して、様々な取組を実施していると承知しております。支援教室「いっぽ」のモデル事業において、この「ひよこの家」の取組も参考に実践を重ね、その成果や課題を県内市町村に発信し、個々の不登校児童生徒に応じた支援の充実を図ってまいります。 〔真砂和敏
県民生活部長登壇〕
◎真砂和敏
県民生活部長 前原かづえ議員の御質問五、行き場のない少女たちを、性的搾取から守れのお尋ねのうち、本県においても若年被害女性等支援事業を開始すべきについてでございます。 この事業は、国の補助事業となっております。都道府県や市などが民間団体と連携し、困難を抱える若年女性を対象に、夜間の見回りや声掛け等のアウトリーチ支援をはじめ、公的機関への同行支援や就労支援といった自立支援などを行うものです。本県では、困難を抱える若年女性に対し、DV被害者支援の一環として公的機関への同行支援や就労支援などを民間団体に担っていただいております。 若年女性は悩みを抱え込みやすく、公的な支援につながりにくいため、きめ細やかな支援を行う民間団体の果たす役割は大きいと考えます。しかしながら、本県においては、東京都のようにアウトリーチ支援を担える民間団体はございません。 今後は、他県の事例や国の動向などを踏まえ、アウトリーチ支援を担える民間団体の育成の在り方について検討してまいります。 次に、婦人相談センター一時保護所の複数設置についてでございます。 一時保護所は、入所者の心のケアや生活支援をはじめ、市町村、福祉事務所などの関係機関と連携し、自立支援を担っています。緊急時においては警察と連携し、二十四時間、三百六十五日、受入れを実施しております。そのため、一時保護所の複数設置は新たな施設が必要なことに加え、人員体制の構築も大きな課題であると認識しております。他方、いわゆる困難女性支援法が成立し、女性の福祉増進の観点から様々な入所者に寄り添った支援が求められております。 今後はこうした点を踏まえまして、婦人相談センターにおける若年女性支援に向けた運営の在り方を検討してまいります。 次に、スマートフォン使用の規制を緩和することについてでございます。 婦人相談センターの入所者には、DVやストーカー被害者など加害者からの激しい追及がある方がおられます。仮に位置情報をオフにしたとしても、スマートフォンの利用に当たっては居場所の特定が可能となる各種サービスもあります。また、本人の意向にかかわらず、写真をSNSに投稿することなどにより、所在地が判明してしまう危険性もございます。こうした理由により、スマートフォン使用の規制を緩和することは難しい状況にあると考えております。 他方、スマートフォンは若年女性にとって重要なコミュニケーションツールであり、非常に重要なものと認識しております。そこで、機能を制限した通信機器の貸出しなど、スマートフォン使用の在り方について改めて検討してまいります。 次に、四か所ある民間シェルターを大幅に増設してはどうかについてでございます。 DV被害者をはじめ困難を抱える女性が避難する場として、県内には四つの民間シェルターがございます。これらの民間シェルターにおいては、財政面やスタッフの高齢化による人材不足といった課題を抱えております。 そこで県では、財政面において民間シェルター施設の借上費用や公的機関への同行支援など、被害者の自立支援に対し助成をしております。人材面では人材の掘り起こしを行うため、DV被害者自立支援サポーター養成講座を昨年度から実施をしております。 今後も、民間団体の方から支援ニーズを伺いながら、まずは四つの民間シェルターの運営の安定を図り、活動の充実に向け支援してまいります。 次に、御質問八、県として
パートナーシップ制度実現を「性の多様性を尊重した
社会づくり条例」の全面実施へのお尋ねのうち、基本計画はいつまでに、どのような審議会を立ち上げて策定するのかについてでございます。 基本計画の策定に当たりましては、令和四年度新たに立ち上げました「埼玉県性の多様性に関する施策推進会議」に御意見を伺いながら検討を進めてまいります。今後、関係部局との調整であるとか、県民コメントの実施等を経まして、来年の夏を目途に策定したいと考えております。 次に、感動的なパンフレットを配布することについてでございます。 県では、条例制定後すぐに県民向けに条例施行に伴う県の考え方Q&Aをホームページに掲載いたしました。また、市町村担当課、県立学校、市町村教育委員会に対し、条例の周知を依頼しております。去る九月十六日には、市町村の担当課長会議の場で改めて条例について周知を図りました。 このほか、令和三年度から、企業向けには「LGBTQが働きやすい職場づくりのために」と題した冊子を、また、小学校五・六年生及び中高生向けに児童生徒用リーフレットを作成し配布している状況がございます。 こうした条例の内容や啓発資料は、ホームページでも案内しておりますので、広く県民の方にその情報にたどり着きやすくなるよう、LGBTQポータルサイトにこれらの情報を集約、整理し、企業や学校等に向けて広報してまいります。 〔四十三番
前原かづえ議員登壇〕
◆四十三番(
前原かづえ議員) 大変丁寧な説明と御回答ありがとうございました。 何点か再質問したいんです。 コロナ感染拡大第八波に備えての中で、証明書の再発行についてなんですけれども、証明がないと病気扱いにならないとか、学校の出席扱いにならないんだとか、二重に不利益を得ることが出てくるんですね。だから、何らかの形で証明書を発行することが県民の命を守ることにつながると思うんです。 さっき知事の答弁の中で、陽性者が不利にならないようにということで、いろんなことをホームページでも知らせたとか何とか言っていましたが、あと企業がしてはならないことですね、そういうこと、こういう権利があるんだよということをきちんと知らせていくこともそうですし、やっぱり県として証明書を発行するということについて再度御検討願いたいと思うんですが、よろしくお願いします。知事に質問です。 それから、あと給食費の無償化の問題です。 文科省は九日に、物価高騰の影響を受けて一千四百九十一自治体が小学校学校給食費の保護者負担の軽減に取り組んでいるというふうに発表されています。給食費の無償化についてということで知事の方からもお話がありましたけれども、やっぱり食育という観点からも、給食は子供たちにとって大切な教材の一つでありますので、子育て支援策としても無償化に県が取り組むことという、このことについて実施に向けての姿勢を是非示していただきたいなと思いますので、知事に御答弁をお願いいたします。 それから、八番の県としてのパートナーシップ制度の導入についてなんですけれども、知事は制度はしないと。でも、より実態に合うような形にしていく、理解を増進するために、暮らしやすい環境をつくるために努力はしていくというふうなお話だったんですけれども、やっぱりそれをするためには必要としている情報をすぐ手に入れることができるようにする、これってとても大事なことだと思うんです。新しい制度とか情報を多くの方が共有することも大事ですので、ホームページの内容を是非精査してほしいんです。 これは
県民生活部長に言いたかったんですけれども、知事の方からホームページの充実について回答をお願いしたいと思います。 横須賀市の場合を見ますと、「LGBTQ 横須賀」と入れると、目の前に案内の人がいるように自分の必要としている情報の項目にたどり着くんですね。だから、そういう広報広聴活動について、県として必要な人が必要なことが受けられるそういう体制をつくっていくという、その姿勢を示していただきたいと思います。 以上です。よろしくお願いします。
○中
屋敷慎一議長 前原議員に確認をさせていただきます。 質問項目二番、三番、八番の知事への再質問ということでよろしいですね。
◆四十三番(
前原かづえ議員) はい、そうですね。 〔「八番は
県民生活部長」と言う人あり〕
○中
屋敷慎一議長 いや、今、知事にと。
◆四十三番(
前原かづえ議員) 八番は
県民生活部長に聞いていなかったので、それで再質問いいでしょうかということです。それで結果、知事にお尋ねします。
○中
屋敷慎一議長 知事への御質問の中に、積極的な広報ということで取り上げられている、その答弁ということでよろしいでしょうか。
◆四十三番(
前原かづえ議員) はい、お願いします。
○中
屋敷慎一議長 四十三番
前原かづえ議員の再質問に対する答弁を求めます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事
前原かづえ議員の再質問にお答え申し上げます。 まず一点目、
新型コロナウイルス感染症の療養証明についてですが、証明がないと不利益になるので、陽性者が不利益にならないような措置を、また、企業がしてはならないことを周知するべきであるの二点について、まずお答え申し上げます。 先ほど御答弁をさせていただいたとおりですけれども、療養証明書の発行につきましては、国は企業や学校に対して療養証明を求めないということを要請しております。また、療養証明書そのものがHER-SYS、若しくは届出に基づいて現時点では発出される状況にはありません。そこで、陽性者が不利にならないために、まずは療養証明書を求めないよう、御指摘にもございました広報については引き続きこれを努力して、可能な限り広めていきたいと思います。 その上で、最初の質問に戻らせていただきますが、それでもなお療養証明書を求める場合には、例えば、陽性者登録をしたというお知らせが行きます。あるいは、陽性になったことの検査結果が出てきます。あるいは、それでもできない場合には、医療機関を受診した領収書、こういったものが証明の代わりになるということを既に周知をしているとともに、また、県の方から保険等の請求に関しましては、保険会社の方で療養証明書を求めないということを確認させていただいておりますので、議員御指摘のとおり、陽性者が不利にならないような措置を我々としても引き続き進めてまいりたいと考えております。 そして、二番目の質問でございますが、給食費の保護者負担軽減について、食育という観点から大切なものなので、県が無償化に取り組むという姿勢を示すことについての御質問がございました。 先ほども申し上げましたけれども、義務教育諸学校の学校給食につきましては、学校給食法第十一条第二項で給食を受ける児童生徒の保護者の負担とすると法律で定められております。そこで、この件につきまして我々としても検討をし、法律を変えなければなりませんので、必要な場合には国に対して働き掛けを行っていきたいと考えております。 それから、三点目でございますが、すみません、ちょっと私の理解が正しければでございますけれども、LGBTQの環境づくりに関する点につきまして、横須賀市がホームページなどで積極的に広報をしていることに関し広報広聴活動についての姿勢をという、そういう御質問でよろしいんですね。 先ほど申し上げましたが、我々も既に取り組んでいるところもございますし、埼玉県の場合には条例をつくったことが何よりの広報として議会でやっていただいたことだと思っています。 そして、その上で、これをしっかりとそれぞれの措置、環境づくりについても、細かいところもいろいろと御指摘いただきましたので、そこを改めて踏まえてしっかりと広報させていただきたいと考えます。 〔四十三番
前原かづえ議員登壇〕
◆四十三番(
前原かづえ議員) 学校給食費の無償化の問題について、今、知事が制度、法律を変えなくてはだめだという御答弁だったんですけれども、埼玉県内でも、それから全国的にも自治体の考え方で無償化をやっていますし、やっぱり要求はすごく大きいと思うんですね。だから、法律を変えなくても、そういう制度を変えなくてもやれているわけですから、埼玉県がこれをやって子育てを応援しているよという、そういうことを発信していただきたいなと思いまして、再度質問いたします。
○中
屋敷慎一議長 前原議員、この質問項目、三番の再々質問ということでよろしいですね。
◆四十三番(
前原かづえ議員) はい。
○中
屋敷慎一議長 知事への御質問でよろしいですか。
◆四十三番(
前原かづえ議員) はい。
○中
屋敷慎一議長 四十三番
前原かづえ議員の再々質問に対する答弁を求めます。 〔大野元裕知事登壇〕
◎大野元裕知事
前原かづえ議員の再々質問、学校給食に関して県が率先して無償化に向けて取り組んでいく姿勢を示せということだと理解をさせていただいておりますが、先ほど申し上げたとおり、学校給食法第十一条第二項で給食を受ける児童生徒の保護者の負担とするという、まず法律があります。それを踏まえた上で、設置者が検討するべき問題でございます。 ただし、今回取組が行われたのは、物価高騰の影響を受けた緊急的な措置として国の交付金を活用し、自治体、つまり設置者である市町村がこれを実施するという制度と理解をしておりますので、我々といたしましても国に対して、その食育等の働き掛けは今後とも引き続き行っていきたいと思いますけれども、やはり無償を制度としてつくるためには、私は法律から取り組むべきだと考えております。
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△次会日程報告
○中
屋敷慎一議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十月一日及び二日は、休日につき休会といたします。 来る三日は、午前十時から本会議を開き、
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。
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△散会の宣告