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  1. 埼玉県議会 2021-06-01
    06月22日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 3年  6月 定例会六月定例会  第九日(六月二十二日)令和三年六月二十二日(火曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問      七番  高橋稔裕議員     十四番  八子朋弘議員    二十三番  関根信明議員 三 次会日程報告    六月二十三日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    九十名         一番  金野桃子議員         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         六番  阿左美健司議員         七番  高橋稔裕議員         八番  逢澤圭一郎議員         九番  深谷顕史議員        十一番  白根大輔議員        十二番  秋山もえ議員        十三番  柿沼貴志議員        十四番  八子朋弘議員        十五番  杉田茂実議員        十六番  中川 浩議員        十七番  山口京子議員        十八番  千葉達也議員        十九番  渡辺 大議員        二十番  松井 弘議員       二十一番  高木功介議員       二十二番  宮崎吾一議員       二十三番  関根信明議員       二十四番  橋詰昌児議員       二十五番  町田皇介議員       二十六番  辻 浩司議員       二十七番  守屋裕子議員       二十八番  江原久美子議員       二十九番  松坂喜浩議員        三十番  並木正年議員       三十一番  木下博信議員       三十二番  藤井健志議員       三十三番  美田宗亮議員       三十四番  吉良英敏議員       三十五番  松澤 正議員       三十六番  浅井 明議員       三十七番  飯塚俊彦議員       三十八番  横川雅也議員       三十九番  内沼博史議員        四十番  安藤友貴議員       四十一番  東間亜由子議員       四十二番  山根史子議員       四十三番  前原かづえ議員       四十四番  浅野目義英議員       四十五番  石川忠義議員       四十六番  井上 航議員       四十七番  岡 重夫議員       四十八番  岡田静佳議員       四十九番  細田善則議員        五十番  永瀬秀樹議員       五十一番  日下部伸三議員       五十二番  小久保憲一議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  権守幸男議員       五十八番  萩原一寿議員       五十九番  水村篤弘議員        六十番  秋山文和議員       六十一番  村岡正嗣議員       六十二番  醍醐 清議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  小川真一郎議員       六十五番  齊藤邦明議員       六十六番  武内政文議員       六十七番  中野英幸議員       六十八番  須賀敬史議員       六十九番  新井一徳議員        七十番  梅澤佳一議員       七十一番  中屋敷慎一議員       七十二番  宇田川幸夫議員       七十三番  立石泰広議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  高木真理議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  木下高志議員        八十番  諸井真英議員       八十一番  神尾高善議員       八十二番  高橋政雄議員       八十三番  田村琢実議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員 欠席議員    なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   橋本雅道  副知事   高柳三郎  副知事   堀光敦史  企画財政部長   小野寺 亘 総務部長   安藤 宏  危機管理防災部長   山崎達也  福祉部長   関本建二  保健医療部長   板東博之  産業労働部長   強瀬道男  農林部長   北田健夫  県土整備部長   村田暁俊  都市整備部長   北島通次  公営企業管理者   高田直芳  教育長   原 和也  警察本部長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で待機)   真砂和敏  県民生活部長   小池要子  環境部長   宍戸佳子  会計管理者   今成貞昭  下水道事業管理者             発言(質問)通告書  六月二十二日(火)議席番号 氏名      要旨 答弁者  七番 高橋稔裕議員  1 新型コロナウイルス感染症拡大の波を未然に防ぐために 知事             2 新型コロナウイルス感染症対応              (1) 職場復帰に係る課題について 保健医療部長              (2) 職場復帰に係るルールの周知について 産業労働部長             3 埼玉の農業              (1) 農業者の暮らしや集落のイメージを持つ必要性 知事              (2) 農村集落をどう維持し、魅力あるものにしていくか 農林部長              (3) 農業の大規模化を阻む「草の話」 〃              (4) 農業の大規模化を推進する「ほ場整備」 〃              (5) 地域整備事業会計の活用について 公営企業管理者             4 県内の移動の自由を考える              ~自家用有償旅客運送について~ 企画財政部長              (1) 県内の普及状況              (2) 市町村への横展開             5 水害対策を進める              ~利根川・荒川の水害対策について~ 県土整備部長              (1) 利根川・荒川のしゅんせつ等の対応状況              (2) ダムの事前放流の取組についての確認              (3) 今後の治水対策について             6 地元問題 県土整備部長              (1) 東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策について              (2) 県道加須菖蒲線本町交差点の整備について              (3) 県道久喜騎西線バイパスの整備について 十四番 八子朋弘議員  1 県内病床使用率ひっ迫に備えた広域的な支援協定の締結について 知事             2 県立高校の南北格差是正について 教育長              (1) 学区制復活について              (2) 魅力向上策について             3 私学でわいせつ事件を起こした教員への対応について 総務部長 教育長             4 子どもの居場所づくりについて 福祉部長             5 児童養護施設出身者への支援について 福祉部長             6 障がい者支援について              (1) 障害者優先調達推進法の更なる推進について 福祉部長              (2) 触法障がい者支援について 警察本部長二十三番 関根信明議員  1 県庁舎の在り方検討の進捗について              (1) 令和三年度の調査内容と調査目的、検討事項等について 総務部長              (2) 本庁舎建替えの方向性について 知事             2 荒川第二・三調節池整備事業とJR川越線の複線化について              (1) 荒川第二・三調節池整備事業の進捗等について 県土整備部長              (2) 大宮駅の位置付けとJR川越線複線化構想について 知事              (3) JR川越線荒川橋りょう複線化仕様について 知事 企画財政部長             3 身体障害者補助犬とユーザーに対する支援策等について              (1) 県内補助犬の現状と支援策について 福祉部長              (2) 身体障害者補助犬の入店拒否等を解消するための周知活動と職員研修、障害者教育等について 知事             4 警察行政について 警察本部長              (1) 児童虐待への対策について              (2) 警察本部の在り方検討について             5 新大宮上尾道路の進捗と今後の見通しについて 県土整備部長             6 見沼田圃の保全・活用・創造について 企画財政部長              (1) 見沼田圃の土地利用の見直しについて              (2) さいたまセントラルパークの進捗等について             7 県営住宅団地再生事業について 都市整備部長              (1) 団地再生事業導入の評価と課題について              (2) 各市町村との連携、情報開示、今後の取組について          ----------------午前十時二分開議 出席議員    九十名  (本会議場で審議)     一番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十五番   十六番   十八番   十九番   二十一番  二十二番  二十四番  二十五番   二十七番  二十八番  二十九番  三十一番   三十二番  三十四番  三十五番  三十七番   三十八番   四十番  四十一番  四十三番   四十四番  四十六番  四十七番  四十九番    五十番  五十二番  五十三番  五十五番   五十六番  五十七番  五十九番   六十番   六十二番  六十三番  六十五番  六十六番   六十八番  六十九番  七十一番  七十二番   七十三番  七十四番  七十六番  七十七番   七十九番   八十番  八十一番  八十三番   八十四番  八十六番  八十七番  八十九番    九十番  九十二番  九十三番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     二番   十一番   十四番   十七番    二十番  二十三番  二十六番   三十番   三十三番  三十六番  三十九番  四十二番   四十五番  四十八番  五十一番  五十四番   五十八番  六十一番  六十四番  六十七番    七十番  七十五番  七十八番  八十二番   八十五番  八十八番  九十一番 欠席議員    なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   危機管理防災部長 保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   公営企業管理者  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で出席)   総務部長     県民生活部長   環境部長   福祉部長     都市整備部長   会計管理者    下水道事業管理者 教育長   警察本部長 △開議の宣告 ○木下高志議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○木下高志議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 七番 高橋稔裕議員       〔七番 高橋稔裕議員登壇〕(拍手起こる) ◆七番(高橋稔裕議員) 議席番号七番、東第三区、加須市選出、高橋稔裕です。木下高志議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次御質問させていただきます。 一、新型コロナウイルス感染症拡大の波を未然に防ぐために。 新型コロナウイルス感染症との闘いが始まり、一年と五か月が過ぎようとしております。この間、多くの方々の御努力により、混乱を招きながらもどうにか県民の生活は営まれております。執行部の御尽力にも敬意と感謝を申しお伝えします。今も闘病に苦しまれている方々にはお見舞いを、お亡くなりになられた方、その御家族にはその御霊が少しでも安らかに鎮まることを心よりお祈りいたします。 それでは始めます。 他の議員方と同様、新型コロナウイルス感染症との闘いは、全世代にワクチン接種が行き渡ることを目標に、もうしばらく県民の皆様の御協力をいただきながら、三か月でしょうか、半年でしょうか、頑張るしかないと考えております。一方で、それまでの間、次なる感染の波をいかにしのぐか、これが我々のもう一つの解決すべき大きな課題です。一度、二度、三度とその危機はあるものと考え、用意しなければならないと思います。 第三波は七五・五パーセント、第四波では約五〇パーセントに病床使用率は踏みとどまりましたが、憂慮すべき医療提供体制であったと捉えております。まん延防止等重点措置適用の政府への要請を対策本部会議に諮った四月十五日での各種指標は、直近一週間の十万人当たり新規感染者数は十三・六人であったものの、直近一週間とその前週の新規陽性者数の比較は、三週間連続の増加という明らかな漸増傾向が見え、病床使用率三〇・五パーセント、十万人当たりの全療養者数二十一・六人のタイミングでした。 経済が大切です。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出を先送りすることは、経済の低迷を長引かせ、悪化させ、良い影響はありません。今回の六月二十日のまん延防止等重点措置の延長を回避できた可能性もあったとすら考えております。早く出したほうが良いか、今回のタイミングが最善と考えそのままとするか、いずれかだと思います。 そこで、過去四回の感染の波の経験を生かし、早期にまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を政府に要請することは、新規感染の波を小さく短く収め、経済を低迷させる期間を短縮させ、県民の安心と安全につながると思います。次なる波の感染拡大を防ぐために、第四波よりも早く専門家に諮り、準備する必要があると考えますが、いかが考えますでしょうか。大野知事にお尋ねします。 ○木下高志議長 七番 高橋稔裕議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 本県では、令和三年三月二十一日に緊急事態宣言が解除され、段階的緩和措置を続けてまいりましたが、従来型のウイルスと比べ感染力が強く、重症化率が高いと言われている変異株の急速な拡大が懸念される状況でありました。そこで、感染症の専門家の意見を踏まえ、四月十五日に新型インフルエンザ等対策特別措置法第三十一条の四第六項に基づき、まん延防止等重点措置の公示を行うよう国に要請いたしました。その後も全国的に変異株の感染が拡大していたことや、本県の新規陽性者数の高止まり、あるいは病床のひっ迫があったことなどから、五月六日、五月二十六日及び六月十六日に重点措置の延長に係る公示を行うよう国に要請を行いました。 四月十五日の要請につきましては、国が定める目安であるステージ3となる前に行っており、国の目安に達する前の早い時期に要請を行った結果として、今年一月の緊急事態宣言時と比較して、新規陽性者のピークを低く抑えられたものと考えています。 議員御指摘のとおり、早期に感染症対策を講じることは、新規感染の大きな波を未然に防ぐことにつながりますが、飲食店等の営業時間短縮などの対策があまりにも早過ぎると、経済活動の停滞を引き起こすおそれもあります。このため、本年五月から埼玉県新型感染症専門家会議に経済界や労働界からも新たに委員として御参加いただき、御意見をいただくことといたしました。 感染症対策の検討を早めに進めつつ、変異株を含む様々な感染状況とステージ判断の基準を総合的に勘案した上で、専門家の御意見をお聞きしながら、適切な時期に対応を判断することが重要だと考えております。引き続き専門家の御意見を伺いながら、先手先手の感染症対策をしっかりと進めたいと考えます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。御答弁ありがとうございます。 知事や県庁の総合的判断の中身に、第四波の教訓はどのように影響を与えたかを聞いております。第四波を基準にして、第四波より早く出すか、早く専門家にかけるか、今回のタイミングが最善と考えそのままとするか、いずれかで聞いております。この教訓が前に持っていく方向に腹落ちしたかを聞いております。いかがでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、早期に感染症対策を講じることは、新規感染の大きな波を未然に防ぐことにつながりますが、タイミングだけでは判断の基準はございません。総合的な判断とし、今回の四月十五日の要請については、私どもとしては適切なタイミングであったと考えております。 ◆七番(高橋稔裕議員) 幾度にもわたる延長があったと、そういった施策であったと思いますので、私としてはタイミングとしてより早くやっていただきたいというふうに私見を述べさせていただいて、次の質問に移ります。 二、新型コロナウイルス感染症対応。 (一)職場復帰に係る課題について。 埼玉県では感染力の強い変異株が広がり、感染経路不明者割合も五二・五パーセントと、対策を取っていても、職場で隣の方が新型コロナウイルスに感染することは十分あり得る状況でございます。何しろ申し上げてきたとおり、一年五か月たっているのです。その前提に立ったウィズコロナの生活を我々は確立してもよい頃ではないでしょうか。お伝えできる知見や運用ルールが確立されているにもかかわらず周知されず、県民の皆様や事業者の方に認識されていないことがたくさんあります。その一端を御質問します。 新聞報道でも同様の事象を確認しておりますが、先日、旦那様がコロナにり患された方から、主人が会社から「費用は会社から出せないが、お互い安心なので家族全員自費でPCR検査を受検し、陰性証明を会社に提出してくれ」と言われ、職場復帰に当たりPCR検査を強制させられたというお話をお伺いしました。この例に漏れず、コロナにり患されたほぼ全ての方の問題でありますので、御確認させていただきます。 そこで、体調も復調し、新型コロナウイルス感染症の発症日から十日間経過し、かつ症状軽快後、七十二時間を経過すれば、職場復帰に何も支障がないと聞きます。新型コロナウイルスの陰性証明や就業制限解除通知書を企業が求める必要はないと考えるが、医学的見地から保健医療部長に答弁を求めます。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の療養終了の取扱いに関しては、厚生労働省が国内外の知見に基づき、重症患者以外は発熱等の症状が出てから七日から十日程度を経過すれば、感染性が急激に低下し、PCR検査で陽性の場合でも感染性は極めて低いとの見解を示しています。就業制限の解除に当たっては、発症日から十日間経過し、かつ症状軽快後、七十二時間経過したことで、病原体を保有していないことを保健所や医療機関において確認しているため、療養終了後に勤務等を再開するに当たり、職場等に陰性証明などを提出する必要はないとも言及しております。 こうしたことから、職場復帰に当たり陰性証明や就業制限解除通知書の提出は必要ないものと考えます。 ◆七番(高橋稔裕議員) このことを踏まえ、次に移ります。 (二)職場復帰に係るルールの周知について。 (一)の取扱い、これ以外に知られていないことです。このように療養が終了することをあまり意識されていません。いまだに陰性証明などを職場復帰に求める事業者があることは事実であり、問題だと私は感じております。 こういった事態が生じていることは、申し訳ないのですが、運用も含めた行政の発信が足りていないからだと思います。経済対策やセーフティネット対策は予算をかき集めて講じていただいておりますが、この事象は周知し御理解いただいていれば、補助金や直接のお金をかけずに真に精神的に、金銭的に困っている人を助けられるものです。 そこで、職場への提出が必要のない陰性証明書などを求めることは、パワハラの可能性もあります。そのため、企業に対して不要な陰性証明などを求めることのないように強く働き掛ける必要があるのではないかと思います。 職場復帰に当たり、陰性証明書など必要ないことの周知徹底を今後どのように取り組むのか、産業労働部長にお尋ねします。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 県の労働相談センターにも、数は少ないものの、職場復帰時に陰性証明書を提出するように言われ困っているという相談が寄せられております。陰性証明書などを本人の意に反し企業が求めることは、議員御指摘のとおり、パワハラに当たる可能性があります。 そのため県では、昨年八月に職場で感染者が発生した場合の対応をまとめたチラシを作成し、その中で感染者に陰性証明等を求めてはいけない旨を明記し、経済団体を通じ県内企業に通知いたしました。企業にしっかりと問題を認識していただくために、今後、メールマガジンを配信するとともに、職場におけるハラスメント対策に関する啓発用動画の中でもこの問題を取り上げ、ユーチューブで公開し、広く周知を図ってまいります。 また、合同企業説明会や日頃から行っている企業訪問の機会にチラシを配布するなど、企業に対し個別の働き掛けも実施いたします。さらに、国・県、労働団体及び経済団体で構成する埼玉県公労使会議において、職場のハラスメント対策強化月間を設けるなど、関係機関が連携して取り組んでまいります。 これらの様々な機会を活用して、職場復帰に当たり陰性証明などが必要ないことの周知徹底に努めてまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 取組の一環として、人流そのものなんですよ。電車の中刷り広告だとか、こういったものを検討のそ上に乗せることは難しいでしょうか。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 高橋稔裕議員の再質問にお答え申し上げます。 電車への中刷り広告等というお話でございました。 まず必要なのは、企業の中で陰性証明等が必要ないということを個々の企業の経営者、管理職の方々が認識していただくことがまず重要だというふうに思っております。そのため、先ほど申し上げました周知の手段を徹底して図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆七番(高橋稔裕議員) その施策で徹底できるということであれば結構でございます。 次に移ります。 三、埼玉の農業。 (一)農業者の暮らしや集落のイメージを持つ必要性について。 農地の集約化と大規模化、六次産業化を含むブランディングで売上げ増加と効率化を図り、スマート農業による自動化によりイノベーティブな効率化を目指す。その担い手を農業経営力向上施策と新規就農施策で育成、供給する。諸外国にはるかに劣るものの、補助金により価格を下支えする。これが埼玉の農政だと認識しております。 これら施策の後押しを受け、工夫をすれば農業はもうかると県民や農業者に認識いただき、稼いでいただくことが大切です。三月八日に開催された国の国土の長期展望専門委員会では、就労者世帯平均収入が増えない中、主要農家の収入は十年前に比べ一・四倍になっているとの調査結果も示され、現実に高収益化は進んでおります。 一方で、埼玉農政で見落としている点があると思います。農業者の生活や暮らしと生産は一体であり、農村集落が維持され、活気や魅力がないと就農者は減り、生産自体も維持できないのではという視点です。県の施策は大規模化を目指すものが多く、顕著なものとして売上げ一億円を達成する法人を育成するための施策があります。大いに達成するべきです。 しかし、冷静に考えると、稲作農家で言えば、百ヘクタール、いわば一つの字や集落に一人の農業者がいる状態で良いのかと思います。限界集落化が進み、一人で田んぼの中に住むのか。新規就農者施策についてもどこに住むのか。農地は近くに取得できるのか。農業女子という言葉もありますが、お手洗いがないと女性はなかなかほ場に居続けられないというお話を幾度もいただきます。あるいは、息子に行かせる小学校で学級を組めない。これでは住むところも、当然職業としての農業も選びません。こう考えたとき、既存の大きさくらいの集落は必要で、維持されるべきだと思います。 埼玉県農林水産業振興基本計画には、農山村地域は特に人口減少・高齢化の傾向が顕著であることにより、農業生産やコミュニティの担い手が足りなくなることが懸念されるとあり、農業生産に影響があることを農林部は認めております。しかし、課題は認識されているが、対処策があまり記載されていない。失礼ながら、そのようにお見受けします。 そこで、農林部の施策構築、運用は、農業者がどのような場所に住み、どのように生活しているか、暮らしや集落像をイメージしながら進める必要があると思いますが、いかが考えますでしょうか。大野知事に見解を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 私の信念は、誰一人、どの地域も取り残さない「日本一暮らしやすい埼玉」を実現することにあり、これは農村地域についても同じでございます。本県の農政を進める上では、農業の生産性向上だけではなく、農業者を含め住民が暮らす集落の機能を維持していくことも含まれ、重要でございます。このため、議員お話しのように、農政の推進に当たりましては、農業者の住む場所や暮らし、そして集落像のイメージを持つことが必要であると考えます。 農村の活性化に関して、県では、そこに住む方々はもとより、訪れる方々にも快適な空間となるよう、持続可能で魅力ある地域づくりを推進しております。そのためには農業の大規模化といった施策のみならず、集落機能の維持や活性化に係る多様な施策が重要と考えており、埼玉県農林水産業振興基本計画にも位置付けて取り組んでいるところでございます。 例えば県では、集落の機能を維持し生活環境を充実させるために、農地や水路などの保全に集落で取り組む共同活動を支援しております。また、雇用やにぎわいの創出のために、農業のみならず林業や観光業なども含め農産物、森林、美しい景観など、それぞれの農業を振興すべき地域の多様な資源を活用した産業の振興にも取り組んでおります。 こうした取組を通じて、農村地域における集落のあるべき姿をイメージしながら、農業の生産性向上と併せて、地域の活性化に取り組むことを目指し、本県の農政を進めてまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 これまでこの集落の話には、施策構築の理念として触れたくないと農林部の強硬な姿勢がありました。一年前も御質問させていただこうと思ったのですが、なかなか受け手がいないという状態で、どのような回答をいただけるか予想もつかない中ですが、知事としては認めていただいたことを非常にありがたく思います。 しかしながら、趣旨としては、あらゆる施策の中で農林部の職員さん方がしっかりそのことを考えないと、ちぐはぐな施策になってしまうと、そのようなことを申し述べております。施策構築のあらゆる施策の理念として、これは持たなければいけないと農林部の職員さんに伝えていただいているということで、知事、よろしいでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 高橋稔裕議員の再質問にお答え申し上げます。 農村地域あるいは集落の育成、支援といったこと、そして集落像のイメージを持つことについて、農林部もしくは埼玉の県政にこの視点が欠けているという御指摘でございますけれども、これまでも農林部をはじめとする埼玉県政では、集落機能の維持や活性化に関わる多様な施策が重要であるということをしっかりと認識させていただいております。 その証拠として、埼玉県農林水産業振興基本計画にもしっかりと位置付け、ちぐはぐにならないよう組織としての計画を位置付けさせて、推進させていただいているところでございます。 なお、この取組について更なる充実が必要という御指摘については謙虚に受け止め、振興に努めていきたいと思っております。
    ◆七番(高橋稔裕議員) 次に移ります。 (二)農村集落をどう維持し、魅力あるものにしていくか。 集落内には農業に理解がある非農家、小規模ながらも農業を始める方、農家の子弟や昔ながらの農家が住む。もちろん大規模農家も住みます。その外は広大な集約された大規模ほ場で、大規模農家や農業法人がスマート農業や大型機械を使い稼ぎまくる。その集落から次なる大規模ほ場の受け手を出せる、そんな循環ある、少しでも豊かな集落像を持つべきだと思います。 国の国土の長期展望専門委員会でも、集落の無住化は食料等の生産等で周辺地域や国全体に悪影響を与える可能性があることが、最終取りまとめで指摘されました。農業生産は人と農地があって初めて行えます。農業者と農地を維持するためにも、第一に広大な外のエリアでは大規模農家に農地を集積することが重要です。 また、中のエリア、農村集落内には大規模農家が引き受けにくい小規模な農地も存在し、このような農地を管理する者がいなければ、農地と多面的機能に数えられる景観が荒廃していくことが懸念され、せっかくののどかな環境を失うことになり、人口はますます減少します。 そこで、集落の農地を維持し、活力を保ち、農家の生活環境を整え、農業生産を維持するためにも、農家の子弟や農業に理解がある移住者など、多様な住民が農村集落内で農業に関わることが重要と考えるが、いかがでしょうか。農林部長にお尋ねします。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのように、集落の農地を維持する上では、大規模な農業者だけではなく、集落の中にある小さな農地を活用する小規模な農業者や家庭菜園を楽しむ人も重要です。 県では、農家の子弟を含め、新規就農者を確保、育成するため、市町村やJAが協力して設置する明日の農業担い手育成塾の支援や、農業の技術を学ぶ農業大学校の運営などの施策を講じています。また、小規模であっても意欲的に取り組む農業者に対しても、栽培技術の指導などを行っています。 さらに、農業に親しみながら触れることを希望する移住希望者には、県の相談窓口を設置し、希望の内容に応じて市民農園や農園付き住宅がある市町村窓口を紹介するなど、きめ細かな支援を行っています。 こうした多様な方々が集落に住み、農業に関わることで、集落の外にある大規模な農地のみならず、集落内の小さな農地も維持され、集落の生活環境や活力の維持につながるものと考えています。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 多様な住民が農村集落内で農業に関わることが重要と述べさせていただきました。 市街化調整区域の集落内に外から来た人というのは、空き家を探すしかないという、そういった状況でございます。なかなか呼び込みにくい状況があるという、そういった認識です。その認識があり、改善していくことをお考えになるか、この点をお答えください。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 再質問にお答え申し上げます。 市街化調整区域内の空き家へ移住者の方を呼び込むような考えはあるかというような御質問だと思いますけれども、多様な方が農業に関わるということは非常に重要でございまして、空き家の情報につきましても市町村と共有して、なるべく多くの方にそうした状況が活用できるように支援してまいりたいと考えているところでございます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 部長、空き家であれば紹介できるが、それ以外に呼び込めないと。なかなかいい空き家に当たることもできないので、それ以外のところについて呼び込みづらくなっている、それを改善していくようなところは考えていけるかというところでございます。なかなか空き家自体の品質が悪かったりといったところで、マッチングのところは空き家以外も考えていける方法はないか考えないと、せっかくの良いタイミングでもありますので、そこら辺を考えるところがあるのか、お伺いさせてください。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 再々質問にお答え申し上げます。 様々な施策を講じて多様な方が農村地域で活動できる、農業に親しむということが重要だというふうに考えておりますので、様々な対策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆七番(高橋稔裕議員) しっかり答えていただけていない部分もあると思いますが、検討いただけるということなので、ぜひお願いいたします。 次に、(三)農業の大規模化を阻む「草の話」。 肝心な集約化、大規模化を行う外のエリアにおいて、実際にこんなお話があります。昔ながらの農家は草一本生やさずに耕しておられます。尊いことであります。現状は、その隣を大農家が借りることがある。五十ヘクタール、八十ヘクタールを耕すわけで、草の管理がままならないことがあります。篤農家からはあり得ないことのようで、もう借りないでくれ、水は回せないと、そういう話になります。草一本も生やさない状態をつくる。素人の考えですが、少し酷ではないかと思います。 こういったやり取りの中で、地域は新たな農業者を失う。大農家は規模拡大ができない。草を同じように生やして良いと言っているわけではありません。例えば、地区から共同作業の要請があっても、遠いほ場なのでお断りし、その代わり公道の公用部分等を斜面用の大きな草刈りマシンで数キロにわたり草刈りをしておく。細かい共同作業に出席しない分、自分の使える時間と方法で貢献しているので、苦情を受けたことがないという大農家もおります。お互いに寛容になるべきだと思います。至るところでこういったことが大規模化の障壁になっていることを県は把握しているのでしょうか。 大規模化を進めるに当たり、地域の農家との調整は本当に大事な問題です。新規就農施策や経営塾等で、地域の理解を丁寧に求めることについてお伝えするなど、今後も含め、どのような対応を行っていきますでしょうか。農林部長にお尋ねします。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 農業は生産に必要な用水路や農道などを共同で管理していることや、ほ場が隣り合い、管理の仕方によっては雑草の種や病害虫の発生源になるなど、周りの農家との関わりなしにはできないものです。このため、担い手が規模拡大を進める中で、時には人によっては共同管理への参加やほ場の管理水準により、議員お話しのようなことが発生していることは承知しております。 こうした課題を解決するためには、地域の関係者と担い手の話合いにより、お互いの思いを理解し、できる水準の合意点を見いだす必要があると思います。この話合いには、当事者同士の問題としてではなく、将来の地域の農地利用の姿を明確にしていく人・農地プランの話合いの場などを活用することが有効であると考えます。実際に人・農地プランに係る集落の話合いで農地や農道などの管理について検討された事例もあり、ほかの地域にも紹介するなどしてまいります。 また、新規就農希望者には、就農相談において農業技術や農地確保などの助言に併せ、農村社会に溶け込むことの必要性を説明しています。さらに、明日の農業担い手育成塾では、指導農家から用水路や農道の共同管理など地域活動の重要性を伝えています。 県としても、担い手農家が地域で良好な関係を保ちながら、規模拡大が進められるよう支援してまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 小さなことに見えるようですが、本当に大事なことです。ぜひ御答弁のとおりお願いします。 次に、(四)農業の大規模化を推進する「ほ場整備」。 引き続き収益力を上げていく大規模化、集約化を進めるエリア、ここでのほ場整備についてお尋ねします。 加須市のある地区では、農家の高齢化により農作業ができなくなり、耕作放棄地が増えていく懸念があるため、未整備の農地を整備し大規模ほ場にした上で、将来の担い手に引き継ぎたいという意向があります。 そこで、地元農家が市役所に、私が県に相談したところ、期間はなかなか明示できないとのことでした。市の予算の問題や地元合意の問題など、クリアしなければいけない問題が複雑だからだそうです。現実に沿った誠実な回答ではありますが、せっかく地元の皆さんがやる気になってもどうなるか分からないでは、取り組んでも仕方がないと諦めてしまいます。しかも、これは一番守るべき一種農地の農業振興地域内農用地に指定された地域の事例です。 ほ場整備の相談を始めるにも、完了までの見込みの年限が分からないと、地域のリーダーも地元の打合せを始められません。申し上げてきたとおり、何しろ高齢化が進んでおります。耕作放棄地になってからでは何倍もコストがかかります。この点も踏まえ、地域の合意が得られたことを前提として、ほ場整備の完了までの年限はどれくらいなのか、農林部長にお尋ねします。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 未整備や十アール区画の農地を対象に行う通常型のほ場整備事業では、農地の集団化を図るための換地に伴う地元調整などに時間を要するため、事業調査から事業完了までに十一年から十五年の期間がかかっています。一方、十アール区画で耕地整理された区域を対象に、換地を行わず、農地の大区画化と道水路の整備を行う埼玉型ほ場整備事業では、事業完了までに五年から九年の期間となっています。同じ型の事業でも地区により事業期間に違いが出る要因は、地区の面積規模による工事量の違いもありますが、主には工事計画や換地について地域の合意を得るための調整にかかる時間に差が生じるためです。 なお、大区画化の工事が終わった農地は、換地が完了する前であっても順次作付けが可能となりますので、この点も地域の方々へ丁寧に説明しています。 県としては、それぞれの段階における地元調整がスムーズに行えるよう、市町村や関係機関と連携し、地域の方々に随時丁寧な説明を行って、事業を進めてまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 何しろ農家の平均年齢は約七十歳というところで、十一年あるいは五年から九年ということでございます。年限を質問させていただいております。これは短くしていかなければいけないなというふうに、今本当に感じました。これは短くしていこうというような、その辺のところはお考えでしょうか、御答弁願います。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 再質問にお答え申し上げます。 ほ場整備事業の事業期間、なるべく短い時間で完了するということに越したことはないというふうに私も考えております。工事を分割して複数年度で実施している工事を一括して発注するというようなことも考えられるところではありますけれども、工事量を増やすためには、市町村を含めて予算の確保の問題ということもございますし、あるいは埋蔵文化財等が出ることも比較的多くありまして、埋蔵文化財の発掘調査などでも関係機関との調整にも一定の時間が必要になるということでございます。 先ほども御答弁申し上げましたように、それぞれの段階での地元調整をなるべくスムーズに進めることによりまして、できるだけ早く事業完了ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆七番(高橋稔裕議員) 地元調整の年限がこれ以外にあった後、十一年、五年、九年という、そういったお話でございます。これは本当にやり方、調整の仕方などを考えなければいけない事象なのではないかなと、そのように思います。こちらは御指摘させていただきます。 次に移ります。 (五)地域整備事業会計の活用について。 産業団地の整備は、地域に潤沢な雇用と税収、にぎわいを生むため推進すべきと考える立場ですが、一方で農業振興も大切です。あり余る農地がある中、本来、産業団地整備は農業振興を邪魔いたしません。さらに、今回は産業団地整備によって、農業振興を促進する仕組みを御提案させていただきます。 企業局の地域整備事業は、主に農地を産業団地として整備し、そこに企業を誘致することによって利益を生み出しております。昨年は草加柿木地区の分譲がなされ、今後も利益を出していくことが見込まれます。また毎年、一般会計からの返済金も入ってきており、内部留保資金には余裕があると認識しております。 他方、市町村では産業団地をつくるときに、県との農林調整と呼ばれる調整を行いますが、その後最大の目的である農業生産を維持する施策が実現しないものも多いと聞きます。適法どおりなのでしょうが、農林調整に無理があるのです。 前項で述べたほ場整備では、住民合意において地元負担分が最後までネックとなります。ここをクリアするため、地域整備事業で農地から生み出されたキャッシュを農業に還元することは理にかなっていると思います。農業従事者の減少数だけで数字を切り取れば、これ本当なんですよ、減っていく数を農業従事者で割ると、十五年でゼロになるペースで減少しております。この十五年が勝負です。早急にほ場も、従事者も、次世代の形にアップデートしなければなりません。 そこで、基本的には農業をやられている方から農地をお譲りいただいて成り立つ地域整備事業、農業も地域振興の一環です。実が伴う形で農業を振興するため、一般会計への貸付けも含め、何らかの援助を御検討いただけないでしょうか。公営企業管理者にお尋ねします。       〔北島通次公営企業管理者登壇〕 ◎北島通次公営企業管理者 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 企業局では、産業や地域の振興を図るため、地域整備事業会計を設け、産業団地の整備を進めているところでございます。 議員御指摘のとおり、産業団地の候補地は農地であることが多く、場合によっては農家の方々に大切な農地をお譲りいただかなければなりません。地権者の御協力があればこそ産業団地が完成し、新たな雇用が生まれるなど、地域経済の振興に寄与するとともに、市町村の税収の増加にもつながるものと考えております。 こうしたことを踏まえ、議員からは農業を振興するため、一般会計への貸付けも含め、何らかの援助ができないかとの御提案をいただいたものと理解しております。 一方、御指摘の地域整備事業会計は、地方公営企業法を適用して設置された特別会計で、その経営は自ら造成した産業団地を売却して得られた分譲収入により維持していかなければなりません。産業団地の整備には用地買収や造成工事など多額の資金が必要となり、国庫補助金のような特定財源もございませんので、あらかじめ十分な自己資金を確保しておくことが必要となります。 現在、企業の高い立地ニーズがある状況を踏まえれば、産業団地の整備を着実に進めていく必要から、同会計から一般会計への貸付けなどについては、一定の慎重さが必要になるものと考えております。 そうした中、これまで地域整備事業会計では、リーマンショック後の経済対策や新型コロナウイルス感染症対策推進基金の財源といたしまして、内部留保資金の一部を一般会計に貸し付けてまいりました。これらは緊急の行政需要に応じて一般会計からの要請に応えてきたものでございます。 御提案の農業振興のための貸付け等につきましても、財政当局から要請があれば、産業団地整備の状況や今後の見通しなどを勘案の上、対応を検討してまいりたいと存じます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 この地域整備事業ですね、条例を見ると、たった三行か四行あるだけなんですね。そんな根拠ではあるんですが、二番項のところには地域振興を推進すると書かれております。貸付けだけでなく、考えていくことは難しいのでしょうか。       〔北島通次公営企業管理者登壇〕 ◎北島通次公営企業管理者 再質問にお答え申し上げます。 産業団地の整備が農家の御協力のたまものであるという点につきましては、私も議員と同じ視点に立っているところでございます。 一方でございますが、農業振興に資する事業につきましては、一義的には必要に応じ一般会計などにおいて財源を確保し、農業施策に関する予算を措置した上で行われるものと認識しております。企業局といたしましては、その際、財政当局から貸付け等の要請がありましたら、内部留保資金、残高の状況ですとか、産業団地整備の状況、今後の見通しなどを勘案の上、対応を検討させていただきたいと存じます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再々質問させていただきます。 (四)で申させていただいたとおり、期間がかかると。(五)のところでは、このような資金があると申させていただいております。 ネックとなるのは、地元負担分の個人負担分でございます。この部分に対しての援助を考えていただけますでしょうか。       〔北島通次公営企業管理者登壇〕 ◎北島通次公営企業管理者 再々質問に御答弁をさせていただきたいと存じます。 それぞれの農家にそのままこの資金についてお渡しできないかというお話と承りました。ただ、公営企業会計の趣旨といたしましては、これは企業局が自由にその使途を考えられる財源という制度上の仕組みにはなっていないということにつきましては、まずは御理解いただきたいと存じます。 その上で、貸付け等に当たりましては、地域整備事業会計の今後の経営見通し、これを中長期的に見極めた上での判断ということになってまいります。 なお、先ほど御答弁させていただきましたとおり、財政当局からの要請がございましたら、こうした状況を勘案の上、対応を検討させていただきたいと存じます。 ◆七番(高橋稔裕議員) しっかりその御答弁を覚えておきますので、農林部、企画財政部と相談してまいります。 次に移ります。 四、県内の移動の自由を考える ~自家用有償旅客運送について~。 (一)県内の普及状況について。 日本一早く高齢化が進む埼玉県、これは執行部と議会、認識を一つにするところです。まちを歩くと、頻繁に地域からバスがなくなったときの話題や、タクシー会社がなくなってしまったためタクシーを呼ぶと多額の迎車料金がかかってしまい、料金負担が非常に重く、気軽に買物に出られなくなった話等を聞きます。こういった高齢者や移動に不便を来す子育て世代が、気軽に買物に、病院に、駅に自由に行けるようにすることは重要な課題であり、高齢化とともに近い将来、確実に県内全域で顕在化する大きな問題です。 住民の意識としては、県北では約三割の住民が一時間に一本バスが来れば許容できるとの県の調査結果があります。許容できれば良いのか。「デマンドバスで暑い中、二十分待たされた」「もともと生活圏が他県とつながっており、ラスト数マイルだけ他県に行けないか」「一時間半、出発の時間調整され、使いづらい」などのお声も耳にします。多くの市町村がコミュニティバスやデマンド交通の運行などを実施しておりますが、収支率も低いようです。喜んで運転免許証を返納していただける状況にはないように思います。 県の公共交通空白地域の考え方は、鉄道駅から一千メートル、バス、コミュニティバス停から三百メートルに入らない地域としております。これまで交通網の面的カバーといった量の充足を重視してきましたが、とりわけ自家用車が必須であった地域では、どのようなレベルの質を守っていくべきかという視点を持つ必要があります。 依然として多い、私のところに来るバスの存続や延長に関する要望は、可能なところでは強く強くお願いしてまいりますが、このような問題を解決するための一つの方法として、登録を受けた市町村、NPO法人等が自家用車を用いて有償で運送するサービスである自家用有償旅客運送という制度があると聞きます。 この制度のイメージは、タクシーであれば迎車分も含め大きな金額がかかるところ、原価分ほどのボランティアに近い形で、時間と車に余裕がある、例えば十軒先のシニアの方と利用者をNPO法人等がうまくマッチングさせる上手なシステムを作り上げる、住民が担い手となることで資源を有効に使い、シニアもお小遣いが稼げる、利用者のドア・トゥー・ドアの送迎を可能にするという、利用者、運転者、行政の三者にメリットのあるウィン・ウィン・ウィンの仕組みと御想像いただければと思います。 そこで、先ほど紹介したような住民が担い手となった自家用有償旅客運送の県内の普及状況はいかかでしょうか。企画財政部長にお尋ねします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 自家用有償旅客運送とは、バス、タクシー等が運行されていない過疎地域などにおいて住民の日常生活における移動手段を確保するため、登録を受けた市町村、NPO法人等が自家用車を用いて有償で運送するサービスでございます。 これには福祉有償運送と交通空白地有償運送がございます。福祉有償運送は、単独ではタクシー等の公共交通機関を利用できない障害のある方や、介護が必要な方で、事前に登録されている特定の方が対象になります。一方、いわゆる地域の足として交通空白地の輸送を担うのは、交通空白地有償運送になります。この交通空白地有償運送につきましては、市町村やNPO法人によって、定時、定路線やデマンド運行など、地域の実情に合わせた運行形態が採用されていると承知しております。 議員お尋ねの住民が担い手となった自家用有償旅客運送につきましては、この後者のほうの交通空白地有償運送のことかと思われますが、県内ではそれぞれ飯能市と東秩父村に所在しているNPO法人が運営している二か所のみということでございます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 普及という言葉を使わせてもらいましたが、なかなか普及と呼べる状況ではないなと感じました。平成二十八年に国から権限移譲がなされております。それで二件。悪い制度ではないと思います。企画財政部としてこの普及状況で良いのでしょうか。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 高橋稔裕議員の再質問にお答え申し上げます。 県内の状況を見ますと、議員の御質問にあったとおり、タクシー等の撤退があるというような地域もございます。そのような地域におきましては、今申し上げました制度というのは有効かと思いますので、地域の実情に応じて普及を図っていくべき制度かというふうに存じます。 ◆七番(高橋稔裕議員) 次に、(二)市町村への横展開についてお伺いさせていただきます。 少し調べましたが、NPO法人が車両や運転手を確保して運営している自家用有償旅客運送の場合、単純な比較はできませんが、デマンド交通やコミュニティバスでは数百、数千万円単位の公的支出が必要という話も聞いており、それと比べて市町村の財政負担が百万円に満たない事例もあると聞きます。 財政にも優しいこの制度、そこで地域の生き生きとした自発的な協働の体制や周辺事業者との調整が必要と考えるため、画一的な普及は難しいとは承知しておりますが、市町村に向け事例紹介等をサポートし、横展開を進められないでしょうか。具体的にお願いします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 急速な高齢化が進む本県にとって、住民が担い手となった自家用有償旅客運送は地域の足を確保するために有効な方策と考えております。一般的にはNPO法人が車両や運転手を自前で調達することから、議員御指摘のとおり、市町村の財政負担は少ない傾向にあると伺っております。一方、多くのNPO法人では、人材の確保が難しい、あるいは財務基盤がぜい弱であるといった課題もございます。導入に当たっては、こうした点も踏まえて検討する必要があると存じます。 県といたしましては、これまで市町村職員に向けて開催している交通政策研修会や市町村交通担当者会議等において、県内での取組、他県での先進事例を情報共有してまいりました。今後は、こうした研修会等での周知に加え、ホームページに掲載することなどにより幅広く事例を紹介してまいりたいと思っております。また、市町村の地域公共交通会議において、適宜助言を行うことによってサポートしてまいりたいと思っております。 今後も様々な機会を通じて、住民が担い手となった自家用有償旅客運送の普及に向けて横展開を図ってまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 次に移ります。 五、水害対策を進める ~利根川・荒川の水害対策について~。 我が地元加須市は、利根川と渡良瀬川という大河川がぶつかり合流する日本一の合流地点と言っても過言ではない場所です。万が一、施設の能力を超えた大氾濫が発生した場合は、首都東京や埼玉県東部が水浸しになることは、現在の加須市内で破堤し大惨事となったカスリーン台風の実績を見るまでもなく明らかであります。 河川管理者は、河川の将来のあるべき姿を基本方針として定めた上で、現在の河川整備状況下で計画規模の降雨が生じた場合に流域で想定される状況リスクを周知することを目的に、浸水想定区域図を提示しておりますが、もしこの地が表されるような状況になったときは、申したとおり、埼玉の東半分、東京が水浸しになるときでございます。その重要度は計り知れないと存じます。これは江戸であり、東京を守るために西遷事業が行われた荒川も同様と存じます。 この埼玉県を流れる大河川を中心に、流域のリスクを限りなくゼロに近づけるべく河川行政を推進されていると理解しておりますが、東日本台風のときの不安や被害の記憶がいまだに消えておりません。県民の安心・安全を守るため、どれだけ施策が進んだか、幾つか確認させていただきます。 そこで、(一)利根川・荒川のしゅんせつ等の対応状況について。 個々の河川改修事業は、基本方針に位置付けられる河川整備計画に基づいて着実に実施されておりますが、一朝一夕では河川改修が完成するわけではないため、現在の治水安全度は計画目標に対して不足し、当然ながら流域のリスクが内在することになります。 これを踏まえ、利根川、荒川における決壊や越水などを含む流域のリスク低減のためには、河道の掘削が効果的であると考え、昨年度も利根川や荒川の堆積土砂の撤去を国に対する強い働き掛けを期待して御質問したところ、その際、あらゆる機会を通じ国に要望してまいるとの御回答をいただきました。まずは、昨年の質問答弁以降の国の対応状況について、県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 国が管理する利根川、荒川において、堤防が決壊した場合、浸水が本県の広範囲に及ぶと想定されることから、これらの河川の整備は極めて重要であると認識しております。 本県といたしましては、これまでも国の施策に対する提案・要望のほか、様々な機会を通じて国管理河川の整備推進を要望してまいりました。令和二年度は、利根川では堤防強化や加須市内における河道掘削、荒川では荒川第二・第三調整池整備事業など、本県の治水安全度の向上に資する河川事業の進捗が図られたと伺っております。 なお、河川整備は、本支川、上下流及び左右岸バランスを勘案しながら、河道掘削や堤防整備手順、洪水調節施設の施設配置等を適切に計画実施するものでございます。加えて、河道内の土砂堆積や樹林化が進行している箇所においては、流下能力の低下や水門、樋門等の排水機能の低下等の支障を来すおそれがあるため、必要に応じて土砂の撤去、それから樹木を伐採するなど、適切な管理が必要となります。 このため、河川管理者である国には、河道掘削や堤防強化、洪水調節池整備など、本県の治水安全度向上に資する事業の推進につきまして、今後も引き続き要望してまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 次に、(二)ダムの事前放流の取組についての確認。 既存ダムの利水のための貯水容量を洪水調節に最大限活用する事前放流の取組が全国的に進められてきたと聞きます。平たく言えば、大雨が予想されたとき、たまっている水を事前に放水しダムの水位を下げておき、そこでできるだけ多く洪水の原因になる大雨の水を受け、水害リスクを少なくするという施策です。一説には、東日本台風において、利根川上流部にある八ッ場ダムでは約七千五百万立方メートルを貯留したと聞きます。 そこで、東日本台風を受け進められてきたダムの事前放流の取組により、利根川水系及び荒川水系において拡大される洪水調節容量について、県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 令和元年東日本台風などを踏まえ、既に整備が完了しているダムを最大限活用するための基本方針が、令和元年十二月に国から示されました。この基本方針は、緊急時に利水を目的とした貯水容量の一部を事前に放流し、洪水調節の容量として使用するものです。令和二年五月には、河川管理者、ダム管理者、関係利水者の間で事前放流を実施するための判断基準や容量等を定めた治水協定を締結したところです。 事前放流の実施は、ダムの上流域において予測される降雨が基準降雨量を超える場合に、最大で三日前から放流を行い、洪水調節の容量を確保するものです。この取組により拡大される洪水調節容量は、利根川水系の三十八ダムにおいて、最大で一億三千百二十七万立方メートルとなり、これは東日本台風のときに八ッ場ダムで貯水した量の約一・八倍となります。また、荒川水系の八ダムにおいて、最大で一千五十一万立方メートルが確保されます。 引き続き県民の安心・安全が守られるよう、適切なダムの運用に努めてまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 雨の降るところはまちまちなので一概に言えませんが、この部分では少し安心・安全が広がったと理解させていただきます。 次に、(三)今後の治水対策について。 近年の気候変動により水災害の激甚化、頻発化が懸念される中、計画を超える雨が降ることは待ったなしの状況となっております。これに対して、施設規模が追い付いていない状況下にあって過去の歴史を繰り返さないためにも、河川管理者として今後の治水対策の考え方を県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 近年、本県においても被害が発生しました令和元年東日本台風、熊本県を中心に被害が発生した令和二年七月豪雨など、全国的に水災害が激甚化、頻発化している状況です。このような全国的な状況を見ると、本県におきましても、施設能力を超えるような洪水やその発生回数の増加は必ず生じるとの認識を持つことが重要となります。 そうした認識に基づき、令和二年度からは防災・減災、国土強靭化のための五か年加速化対策の実施とともに、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う流域治水への転換を推進しております。県としては、防災・減災が主流となる社会の形成を目指し、この流域治水の展開を加速させるべく、埼玉県雨水流出抑制施設の設置に関する条例の一層の推進や、被害の軽減対策、氾濫をできるだけ防ぐ対策に取り組んでいるところでございます。 今後とも国に対しては、本県の治水安全度の向上に資する河川事業の推進について要望していくとともに、流域治水の取組を推進してまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。しっかり聞きたいところがございます。 今後、利根川、荒川の堆積土砂を撤去するしゅんせつは、実際の工事として国のやることでございます。進んでいくというふうに考えてよろしいのでしょうか。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 再質問にお答え申し上げます。 利根川、荒川において治水安全度の向上に向けて河道のしゅんせつ、それから樹木の伐採等については、今後とも続いていくものと考えております。県としても要望を続けてまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 次に移ります。 六、地元問題。 (一)東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策について。 加須市内県道北中曽根北大桑線には、東西に走る東武伊勢崎線を渡る花崎踏切があります。この踏切の前後約六百五十メートルの区間には、トンネル、幾つもの交差点や信号、橋等、数多い構築物があります。また、踏切自体も駅に近いことから、朝夕は何分も開かないことがざらにあります。 この花崎踏切は交通渋滞が慢性化している踏切で、加須の東部にある踏切なのですが、西部の方も北部の方も、あそこだけは朝夕通ってはいけない踏切だという声を聞きます。驚いたのですが、地元の方々は、畑和さんの時代から政治家に訴え続けているとのことです。 疑問に思い、再度確認したところ、混雑時旅行速度区分図という県の資料でも、この区間は渋滞により速度低下が生じていると捉えていることが分かり、問題を共有できていることにひとつ安心しました。しかし、共有できているのに進まない。政治は、行政は無力なのかという言葉が頭を巡ります。 昨年の一般質問では、加須市とともに研究するとの答弁をいただいております。オーバーブリッジ、アンダーパスというハードの改築を考える必要もありますが、信号や踏切の調整の検討など、あらゆる可能性をまずは探ってみませんか。今からできることもたくさんあると思います。 以上のことも踏まえ、東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策の今後の見通しについて、県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 御質問の東武伊勢崎線花崎踏切は、花崎駅が近接するため遮断時間が長く、県道北中曽根北大桑線の交通量も多いことから、朝夕を中心に渋滞が発生しております。 この踏切の前後は、土地区画整理事業で計画的に整備された区域であり、立体交差の計画はない状況であります。また、この踏切周辺の渋滞対策については、加須市と意見交換を行っておりますが、対応に苦慮しておるところでございます。 今後、踏切の待ち時間を短くできる賢い踏切ですとか、信号の調整などの対策について、東武鉄道や県警などとも協議を行うとともに、引き続き加須市と研究してまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 再質問させていただきます。 この件、私、とことんやろうと考えております。何十年来研究を続けていただいて、ここで動いてくれるという答弁をいただいたことはありがたく思うのですが、まずはそれをやっていただきます。それでも渋滞が解消しなかったときは、引き続き検討を願えますでしょうか。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 再質問にお答え申し上げます。 いろいろな可能性があると思います。引き続き地元加須市と一緒に研究してまいりたいと思います。 ◆七番(高橋稔裕議員) ぜひお願いします。 次に、(二)県道加須菖蒲線本町交差点の整備について。 加須市内の本町交差点については、県道加須菖蒲線と県道加須幸手線とが丁字路で交差しており、両県道とも加須市を結ぶ重要な幹線道路であるため、交通量が多く、東西方向を中心に渋滞が発生しております。また、交差点の北側は幅員が非常に狭く、すれ違いができないため、交差点内に車がたまってしまう状況です。 先日、道路を頻繁に利用するという方から相談があり、あの交差点はもう建物の取壊しが終わっている部分もある、それだけでも開通してもらえると随分楽になるのにとの要望があり、そのまま一緒に車に乗って、現地に確認に行った次第です。私自身も、ここが広がれば助かる人が何千人もいると考えているところです。お譲りいただいている箇所だけでも暫定的に供用すべきと思います。四十センチ幅員が広がり、この交差点周辺に多くあるNTTや東京電力の電柱の移設などを考慮すれば、すれ違いも可能になると思います。 加須市の人たちがこの交差点整備の早期完成を望んでいます。そこで、県道加須菖蒲線本町交差点の現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 御質問の本町交差点は、右折帯が未整備のため、朝夕を中心に渋滞が発生しております。また、交差点の北側は、道路幅員が四・八メートルと狭く、自動車のすれ違いが困難な箇所がございます。 このため平成二十九年度から交差点の整備に着手し、これまでに測量設計を行い、工事に必要な用地の取得を進めてまいりました。現在の用地買収率は八五パーセントとなっております。 令和三年度は引き続き用地取得を進めるとともに、支障となる電柱の移設協議を進め、用地が取得できた箇所の工事に着手してまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 次に、(三)県道久喜騎西線バイパスの整備について。 県道久喜騎西線バイパスについては、加須市の市民の期待が一心に注がれている県道でございます。私も、千葉議員も幾度となく質問させていただいております。 このバイパスを北中曽根北大桑線から礼羽騎西線まで早期につなげるために、令和三年度は測量や用地取得、工事の予算を用意していただき、心から感謝申し上げます。これからの加須市の持続ある発展のためにも、まずは現在事業を進めている区間を着実に完成することが重要であると十分理解しておりますが、地元ではバイパスが完成し、行き着く交差点について心配しております。 行き着く礼羽騎西線の西側には加須市道が接続していますが、久喜騎西線と加須市道がクランク形状の交差点になってしまいます。これは不便であり、危険な形状です。地元からは加須市に対して、この状態を改善できないかという要望を行っております。バイパス完成時の交差点の形状改善について県と市で連携していただくようお願いいたします。 この状況も踏まえ、県道久喜騎西線バイパスの現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお尋ねします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 県道久喜騎西線バイパスは、県道北中曽根北大桑線から県道礼羽騎西線を東西に結ぶ延長五・二キロメートルの道路です。東側の起点となる県道北中曽根北大桑線から市道一三八号線までの約二キロメートル区間については、用地買収率が九九パーセント、工事進捗率は四〇パーセントとなっており、まとまって用地取得のできた区間の工事を進めてまいります。 その西側の加須鴻巣線までの約一・六キロメートルは、令和三年一月までに供用開始したところでございます。さらに、県道加須鴻巣線から市道一四八号線までの三百四十メートル区間については、済生会加須病院の開業に合わせ、重点的に工事を進め、令和三年度末までの供用開始を目指しております。 最後に、市道一四八号線から県道礼羽騎西線までの約一・三キロメートル区間は、地元の皆様に事業の理解が得られたことから、令和三年度は用地測量やクランク形状の交差点の検討など、地元加須市と連携を図りながら事業を進めてまいります。 引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、事業の推進に取り組んでまいります。 ◆七番(高橋稔裕議員) 御答弁ありがとうございました。 促進できた点、見解の相違が浮き彫りになった点ありましたが、何しろ県民の地域の方たちのためになろうと御質問させていただきました。県政発展のため、時に大野元裕知事執行部のお力を借り、協調し、また緊張感をもって執行部には挑んでまいろうと思いますので、今回答弁のあったものの実現も含め、今後ともよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)          ---------------- △休憩の宣告 ○木下高志議長 暫時、休憩いたします。午前十一時二十一分休憩          ----------------午後一時再開 出席議員    八十九名  (本会議場で審議)     一番    二番    六番    七番     九番   十一番   十三番   十四番    十六番   十七番   十九番   二十番   二十二番  二十三番  二十五番  二十六番   二十八番  二十九番   三十番  三十二番   三十三番  三十五番  三十六番  三十八番   三十九番  四十一番  四十二番  四十四番   四十五番  四十七番  四十八番   五十番   五十一番  五十三番  五十四番  五十五番   五十七番  五十八番   六十番  六十一番   六十三番  六十四番  六十六番  六十七番   六十九番   七十番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十七番  七十八番   八十一番  八十二番  八十四番  八十五番   八十七番  八十八番   九十番  九十一番   九十三番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     三番    八番   十二番   十五番    十八番  二十一番  二十四番  二十七番   三十一番  三十四番  三十七番   四十番   四十三番  四十六番  四十九番  五十二番   五十六番  五十九番  六十二番  六十五番   六十八番  七十一番  七十六番   八十番   八十三番  八十六番  八十九番  九十二番 欠席議員    一名   七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長     福祉部長     保健医療部長   教育長      警察本部長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で出席)   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  下水道事業管理者 △再開の宣告 ○岡地優副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○岡地優副議長 質疑質問を続行いたします。 十四番 八子朋弘議員       〔十四番 八子朋弘議員登壇〕(拍手起こる) ◆十四番(八子朋弘議員) 西第十六区、富士見市選出、無所属県民会議の八子朋弘です。議長のお許しをいただきましたので、私の一般質問を始めさせていただきます。 まず初めに、県内病床使用率ひっ迫に備えた広域的な支援協定の締結について伺います。 現在、第四波と言われる新型コロナウイルス感染拡大は収束傾向にあるものの、埼玉県のまん延防止等重点措置は延長されました。一方、県内の病床使用率は六月二十一日、昨日時点で一八・八パーセント、重症者用病床についても一四・〇パーセントであり、幸い余裕がある状況であります。ワクチン接種率も更に向上していくことから、コロナ収束に向けた明るい材料もありますが、変異株への置き換わり等、まだまだ油断ができない状況は続いていくものと思われます。 このたびの第四波では、特に関西地方で感染が拡大し、特に大阪府では病床使用率等は大変厳しい状況が続き、病院に入院できず、自宅で亡くなられた方が続出いたしました。そのような中、滋賀県は大阪府の要請を受けて、一名ではありますが重症患者の受入れを行いました。大阪府の吉村知事が直接滋賀県の三日月知事にお願いしたと報道されていますが、三日月知事が困ったときはお互い様ということで決断されたことに敬意を表したいと思います。そして、東京都や神奈川県も受入れを検討したとの報道もありました。 私は、このような非常事態には感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、あるいは新型インフルエンザ等対策特別措置法によって感染症患者は県内で治療するといった基本原則はあるものの、滋賀県のような柔軟な対応があってしかるべきと考えます。新型コロナウイルスにとって都道府県境は関係ありませんし、重症患者にとっても同じことが言えます。一人でも二人でも命を救うため、感染状況が落ち着いているこの今のタイミングを捉え、万一のときに備えて患者を受け入れる際のルールを定めた上で、北関東や甲信越地区等の自治体と患者受入れのための相互支援協定を締結してはいかがでしょうか。 埼玉県の病床がひっ迫した際には受入れをお願いし、協定先の自治体がひっ迫し、埼玉県に余裕がある場合は受け入れる、県民の生命を守るための有効な手段であると考えます。知事のお考えをお尋ねいたします。 続いて、県立高校の南北格差是正について伺います。 まず初めに、学区制の復活について。 今年の春に行われた県公立高校入試の平均倍率は、現行の入試制度が導入された二〇一二年度以降、最低となりました。とりわけ圏央道から北側、外側に位置する、いわゆる県北部の県立高校の低倍率は深刻です。普通科設置高校二十八校中、十五校が一・〇倍以下、ほとんど倍率がない一・〇五倍以下も加えると二十校になり、七割以上の高校が低倍率といっても過言ではありません。もちろん南部の高校でも低倍率の学校はありますが、それはエリアの中では一部であり、逆に高倍率の高校は南部の高校に集中しています。そして、このような傾向は、特にこの春は顕著だったとはいえ、ここ数年続いていると言えます。 二月議会では江原議員、諸井議員も県立高校の課題を取り上げ、特に諸井議員は全県的にも公立高校入試が低倍率であった点について現状認識を質問されました。教育長は厳しい状況である、危機感を持っていると答弁されておられましたが、私からもまず初めに改めてこの県北部の現実について、教育長の認識をお伺いいたします。 次に、それではなぜ県北部の県立高校はこのような状況になっているのでしょうか。少子化だからでしょうか。確かに県北部の少子化は著しいものがあります。県内中学卒業者数の見込みを見ても、いわゆる北部地域の中学生は他の地域の半分以下の人数で四千人台です。あるいは、中学生の気持ちとして、田舎よりも少しでも都会の学校に通いたいとの心理があるのでしょうか。もしくは、南部の学校の方がより魅力的な教育を展開しているのでしょうか。原因についてどのように分析をされておられるのか、教育長にお伺いいたします。 私は、県立高校の教育においては地域間の格差がなく、それぞれの高校が魅力ある教育を展開することによって、結果としてその地域も活性化していくことが理想的であると考えております。その格差とは、入試倍率の格差というだけではなく、実績、魅力の格差も含まれます。そして、格差を是正していく方法は幾つかあると思いますが、やはり一番は各高校が努力し、それぞれが特色ある魅力ある学校づくりをしていくことです。 ですが、今現在、北部の各高校は努力をしていないのでしょうか。決してそのようなことはないと思います。各校頑張っていると思います。しかしながら、高校の努力も限界があると思います。 そこで、高校の努力を補完する意味でも、格差を是正する方策の一つとして、以前に埼玉県でも導入していた学区制の復活を提案したいと思います。本気で南北格差を是正するなら、これくらいの思い切ったことをしないと厳しいと思います。 なお、同じ趣旨の質問を平成三十年六月議会で武内議員もしておられましたが、この春の低倍率を受けて、私からも改めて質問させていただきます。 それでは、ここで改めて簡単に経緯を振り返ってみたいと思います。 埼玉県では、当時、国で行われていた教育における規制緩和の議論、法改正を受けて、彩の国教育改革会議、埼玉県高等学校教育振興協議会等の協議を積み重ね、平成十六年度より学区制を撤廃しました。もちろん中学生や保護者の希望であり、また、メリットもありますので、それを全て否定するものではありません。しかしながら、その結果どうなったか。入試倍率のみならず、進学実績、部活動、文化祭をはじめとする学校行事等々、様々な面で南北格差が広がっていると思われます。やはり高校はいろいろな意味で生徒が集まらないことにはどうしようもありません。 約十年前、平成二十三年三月卒業生の調査までしかありませんから少し古いデータになりますが、学区廃止後の受検生の動向を調査した結果があります。それによりますと、北部の中学生が南部の高校に多数進学しています。また、今まで北部に進学していた中央部の中学生も、南部の高校に多数進学しており、明らかに南部に受検生が集中しているのが分かります。そして、この傾向は今も変わっていないと予想されます。 学校選択の自由を残しつつ受検生の流れを変える、その方策として、基本は全県どこからでも受験できますが、定員の一定割合は学区内から合格者を出す等の一定の制限を付した上での学区制の復活を提案したいと思います。 大野知事は機会あるごとに、県民の誰一人もどの地域も取り残すことのない日本一暮らしやすい埼玉県の実現と発言しておられます。学区制撤廃から十八年、まずはここで一度検証してみてはと思いますが、教育長のお考えを伺います。 続いて、魅力向上策について伺います。 先ほど学区制を復活してはどうかと提案させていただきましたが、その結果、受検生が私立高校に流れてしまっては意味がありません。そこで各高校、とりわけ北部の高校は、中学生と保護者から見て受皿になるべく、魅力のある学校づくりに一層励まねばなりません。 それでは、中学生、保護者にとっての魅力とは何か。恐らく多くの中学生や保護者にとっての魅力とは、進学実績や部活の実績だと思われます。ですが、県立高校の魅力はそれだけではないはずです。それら付加価値を含めた魅力向上策を追求していけばいいわけですが、先ほど述べましたとおり、高校のみの努力では限界があると思います。そこで、外部の力を借りる。具体的には、高校の同窓会であったり、所在する自治体や民間企業との連携を推進することにより、各高校の特色に応じた魅力度を高めることができるのではないでしょうか。 埼玉県教育委員会は、島根県教育委員会と高等学校教育に関する連携協力協定を結んでいます。島根県は高校を魅力化することで地方創生に資する取組をスタートさせた県ですが、具体的には地域と学校が連携して教育活動を展開し、それを地域活性化に結び付けています。そのノウハウを学ぶことを目的として協定が締結されたわけですが、特に隠岐島の海士町にある隠岐島前高校の取組は、学び生かしていく事例です。廃校寸前だった高校が奇跡の復活を遂げ、地域の活性化、子育て世代の移住、人口増加などにも貢献している成功事例です。島根県と埼玉県では違いも多く、ましてや離島の事例ですから、当てはまることと当てはまらないことの両面あるとは思いますが、隠岐島前高校から県として何を学び、その成果を具体的にどのように生かしていくのでしょうか。 ちなみに、高校が消滅することにより、その地域の人口減少が加速化し、また、その逆に高校の魅力化を行ったことにより、数億円の経済効果が生まれるという民間調査機関の分析結果もありますから、このままでは今後も低倍率が続き、統廃合のおそれがある高校にとっても、また、それら高校が所在する自治体にとっても、島根県との連携協定から得られる成果は大変重要な意味を持ってきます。 埼玉県でも既に幾つか動きが出ています。小川高校は、令和元年度より文部科学省の地域との協働による高等学校教育改革推進事業の指定を受け、所在地である小川町、小川町教育委員会、埼玉県教育委員会と連携して、地域探求に係るおがわ学の構築・実践を進めています。小鹿野高校では、エコワングランプリ審査委員特別賞を受賞したボランティア部の活動や、竹あかりプロジェクトなど地域との協働による取組を行っています。これは正に島根県の事例と重なってきますが、さらにこれら高校の取組を後押ししていただきたいと思います。いかがでしょうか。 そして、例えば、意欲とアイデアを持った校長先生に少し長めに赴任していただき、裁量権を与えて自由に学校経営をしていただいてはと思いますが、いかがでしょうか。教育長に答弁を求めます。 次に、私学でわいせつ事件を起こした教員への対応について伺います。 児童生徒にわいせつ行為をして懲戒免職となった教員に対し、失効した免許を再交付しない権限を都道府県教育委員会に与える新法、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が、五月二十八日、参議院本会議で可決成立しました。わいせつ行為を理由に懲戒免職や訓告などの処分を受けた教員は、全国で二〇一八年度に過去最多の二百八十二人に達し、二〇一九年度も二百七十三人となるなど、高止まりの傾向が続いていましたが、わいせつ教員を許さないという世論の高まりを受けて、議員立法で成立しました。 また、文部科学省はそれに先立ち、わいせつ行為に及んだ教員を原則懲戒免職とするよう通知し、二〇二〇年九月には、全ての自治体で規定が調いました。免許失効者を検索できる官報情報検索ツールの検索期間を五年から四十年に伸ばすシステム改修も進め、運用も始まっています。これら対策により、わいせつ教員を再び教壇に立たせない仕組みは前進しましたが、残念ながらまだまだ十分とは言えません。理由は、これら対策は主に公立学校の教員に主眼が置かれたものだからであります。 私学は、児童生徒が約百三十万人、在籍する教員は約八万人、公立学校とともに学校教育の根幹となっています。しかしながら、私学の懲戒解雇は報道によると、二〇一七年度、十四人、二〇一八年度、八人、二〇一九年度、十五人、このうち、わいせつ・セクハラ行為は二十七人、同じ三年間の公立学校のわいせつ・セクハラ行為での懲戒免職は四百三十六人であったことと比べると、いささか少ないと思います。これは、公立と私立では同じ不祥事を起こした場合でも処分の根拠が違うためであり、私学の教員は警察が捜査をしていても退職が認められてしまうケースがあることが影響していると思われます。つまり、懲戒免職、解雇にならないわけであります。 私立は、教員の不祥事が生徒募集に直結するため穏便に処理されるケースが多いと言われており、仮にわいせつ・セクハラ行為を起こしたとしても懲戒解雇にならずに退職してしまい、結果、教員免許は失効せずに別の教壇に立つことも可能となるわけであります。果たして、これでいいのでしょうか。私はそうは思いません。 そこで、総務部長に伺います。このような実態に鑑み、埼玉県として、現在、私学のわいせつ教員対策としてどのような対策を取っているのでしょうか。また、今後、どのような対策を取っていくのでしょうか。私立は公立とは違い、私学の自主性がありますから、県として取れる対策には限界があることは理解できます。ですが、だからといって手をこまねいているわけにはいきません。 令和四年度、国の施策に対する提案・要望には、わいせつ行為を行った教員への対応の厳格化が新規として盛り込まれましたが、私は私学のわいせつ教員対策についても、何らかの立法措置を講ずるよう要望すべきではないかと思っています。 また、先日成立した新法には、地方公共団体に対し、性暴力等に関する通報及び相談を受け付けるための体制整備がうたわれています。しかし、現在、教育局に設置されている教職員コンプライアンス相談ホットラインは、誰が相談できるのか、どのような相談を受け付けているかなどが分かりにくい上に、ホームページ上では目立ちません。県として一日も早く、教職員のわいせつ・セクハラ行為に関する通報窓口を設置すべきではないでしょうか。 このような窓口設置により、わいせつ・セクハラ行為を穏便に処理することが難しくなることが予想されます。結果、わいせつ教員、特に私学のわいせつ教員を教壇から排除する一つの方策になるのではないでしょうか。現在、設置されている教職員コンプライアンス相談ホットラインの運用見直しについて、教育長の答弁を求めます。 次に、子どもの居場所づくりについて伺います。 日本では七人に一人の子どもが貧困状態にあると言われておりますが、そのような厳しい状況にある子どもたちを何とかしたいとの思いから様々な取組が行われております。 子ども食堂や学習支援を行う無料塾、プレイパーク等のいわゆる子どもの居場所づくりが代表的な取組かと思いますが、埼玉県には令和三年二月末日現在、その居場所が三百八十か所あります。コロナ禍による影響で、ピーク時に比べ、この数字は若干減っているものと予想されますが、埼玉県はこの数を小学校区に一か所の割合、八百か所まで増やしたいと考えています。 子どもたちは、地域の大人に支えられることで、自分は皆から愛される大切な存在なんだという自己肯定感を得て、生きる力、頑張る力を得ることができますから、子どもたちが歩いていける距離に、つまり小学校区に一か所、子どもの居場所を設置しようという県の目標を一日も早く達成してほしいところです。 ところで、それではあと四百か所以上の子どもの居場所を県はどのように設置していこうと考えているのでしょうか。基本的には民間の力を借りて引き出すことによって子どもの居場所を設置していくのだと思いますが、県は「こどもの居場所づくりスタートブック」を作成し、そのノウハウを具体的に示しています。また、こどもの居場所づくりアドバイザーを任命して派遣したり、こども応援ネットワーク埼玉を立ち上げています。 しかしながら、私は八百か所の目標を達成するためには、どうも不十分に思えてなりません。ここから先はこれまでのようには設置が進まないことも予想されるため、さらに県が踏み込んで支援していく必要があると考えます。 現在、埼玉県では代表的な子どもの居場所である子ども食堂について、一般社団法人埼玉県子ども食堂ネットワークが組織され、県内から多数の子ども食堂が参加しています。そして、それら子ども食堂は、たくさんの企業から御寄付をいただいた食材等を、企業が提供してくださっている施設にストックし、必要に応じてその施設に食材を取りにいっています。 県も、この保管場所の確保が負担が大きく課題であることは認識されていると思いますが、この保管場所を県で用意していただき、その場所を単なる倉庫ではなく、子ども食堂、無料塾、プレイパーク等の日常的に子どもの居場所づくりに取り組む各種団体が意見交換したり、交流できたりするような機能を兼ね備えた中間拠点施設として活用していただくことはできないでしょうか。そのような施設ができることにより、子ども食堂と無料塾、無料塾とプレイパーク、プレイパークと子ども食堂といった連携が今以上に取りやすくなり、それぞれの活動の相乗効果が高まることが期待できます。 現在は、企業の御厚意に頼っておりますが、今後いつまでその御厚意に頼れるかは分かりません。そして何より、その施設を拠点に活動する中間支援団体が育っていき、全国子ども食堂支援センター・むすびえのような団体になれば、県の目標である子どもの居場所八百か所設置に大きな役割を果たしてくれるのではないでしょうか。福祉部長の答弁を求めます。 次に、児童養護施設出身者への支援について伺います。 厚生労働省は、虐待や貧困などにより児童養護施設や里親家庭といった社会的養護で育った若者が施設などを離れた後、どのような状況にあるのか、全国実態調査を初めて実施し、四月三十日、調査結果を公表しました。 その調査結果によると、社会的養護出身者の大変苦しい生活実態が浮かび上がりました。調査では、「現在の暮らしで困っていることや不安なことは」との問いに対し、三三・六パーセントが「生活費や学費のこと」と回答。また、月々の収支が「黒字」と答えたのは二六・八パーセントで、「赤字」は二二・九パーセント。「過去一年間に病院や歯医者を受診できなかった経験は」との質問に対し、二割が「あった」と回答し、その理由は、「お金がかかるから」が六六・七パーセントと最多でした。経済的に厳しい状況にあることが分かります。 調査の案内を届けられなかった対象者が全体の三分の二であることから考えると、現状は更に厳しいことが予想されます。児童福祉法に基づき原則として十八歳で自立が求められ、進学や就職を機に施設などを出る子どもが多いわけですが、経済的な問題にとどまらず、困ったときに頼れる大人が周囲におらず、孤立しているケースも多いはずです。何としても彼ら、彼女らを救済しなければならないと思います。 昨年の報道では、埼玉県が実施している、民間アパートを借り上げて進学者に安い金額で提供し、社会福祉士が相談に乗る事業が先進事例として紹介されていました。すばらしい取組だと思います。ほかにも出身者の居場所、交流場所、相談場所としてアフターケアを目的に開設されたクローバーハウス事業や、安定した生活基盤を築くため大学生等に貸付けを行う自立支援資金貸付事業等々、埼玉県は頑張っていると思いますが、県内には児童養護施設だけでも二十二か所があり、毎年約七十名が施設を巣立っていきます。 厚生労働省の調査結果は、埼玉県にも当てはまるはずで、孤立を深めている社会的養護出身者が必ずいるはずです。そうなってくると、先ほど御紹介したとおり、埼玉県では様々な支援メニューを用意していますが、その利用率が大事なポイントになってくると思います。 事業の性格上、なかなか利用率は出しづらいとは思いますが、厚生労働省の調査では約二〇パーセントが「支援を受けていない」と回答しています。必要がなく受けていないのならいいのですが、そもそも三分の二の対象者に調査の案内が届けられなかった状況を考えると、せっかくの支援メニューも利用されなくては意味がありません。利用者を増やすため、どのようなアプローチを行っているのでしょうか。 また、特に自立支援資金貸付事業については、貸付けではなく給付にできないでしょうか。将来の返済の負担を心配して活用しない例が多いようであります。 そして、この質問の最後に、これら様々な支援メニューによって実際の進学率や仕事の定着率等はどのような成果が上がっているのかについても確認させていただきたいと思います。 以上、福祉部長の答弁を求めます。 次に、障がい者支援について。 まず初めに、障害者優先調達推進法の更なる推進について伺います。 平成二十五年四月、障害者優先調達推進法が施行されました。この法律は、障害者就労施設等で就労する障がい者の経済面の自立を進めるため、国や地方公共団体などの公共公的機関が物品やサービスを調達する際、障害者就労施設等から優先的、積極的に購入することを推進するために制定されたものです。 埼玉県では、毎年、障害者優先調達推進方針を策定し、令和三年度の調達目標金額は一億三百万円となっています。ちなみに、令和元年度は九千五百万円の目標金額に対し、一億二百万円を超える実績を残しました。 現在、埼玉県では推進方針において対象となる障害者就労施設を定めており、就労支援事業所や生活介護事業所を中心に約一千四百八十施設、事業所等を対象としていますが、先般、埼玉県としては初めて重度障害者多数雇用事業所を認定し、要綱の整備が行われました。いわゆる普通の民間企業が認定を受けたことは法律の趣旨からいっても大変喜ばしいことだと思っておりますが、今後、いかに実効性を担保していくかがポイントであります。 そこで、福祉部長に伺います。 まず初めに、更に認定事業所を増やしていく必要があると考えますが、広くこの法律の趣旨を民間企業に知っていただくためにどのように広報していくのでしょうか。 次に、認定を受けても仕事が発注されなければ意味がありません。令和元年度の実績を見ても、就労支援事業所や障害者入所施設への発注が多く見受けられます。今後どのようにして障害者優先調達推進法の政令に基づく事業所、つまり民間企業に仕事を出していくのでしょうか。 また、当然のことながら、この法律は市町村にも適用されており、これまでの努力もあり、令和元年度の市町村の実績は一千百件、約四億七千万円となっておりますが、市町村によって実績にばらつきがあります。その理由として、この法律への理解がまだまだ進んでいないことが挙げられます。担当課の職員のみならず、全庁的に法律を周知していく必要があると思います。市町村への支援、働き掛けも重要であると思いますが、いかがでしょうか。福祉部長の答弁を求めます。 次に、触法障がい者支援について伺います。 知的障がいのある方に対する捜査上の配慮について伺いたいと思います。 障がい者の社会参加が進む中で、警察官が知的障がい者と接する機会が増えています。知的障がい者は相手の主張に同調しやすく、事件に巻き込まれて事情を聞かれる際、「お前がやったのか」との問いに「はい」と答え、「やっていないのか」との問いにも「はい」と答えてしまうなど、何にでも同調してしまうことがあると言われています。また、不審者に間違われやすいといった特性もあります。 そのようなことから、知的障がい者の家族会では、理解不足から知的障がい者が不当な扱いを受けることがないよう、警察官向けの啓発活動に取り組んでおります。 知的障がい者と家族でつくる全国手をつなぐ育成会連合会では、啓発冊子「知ってほしい・知っておきたい-知的障害と『警察』」を作成し、全国の警察に配布を進めています。そして昨年、福岡県や兵庫県では地元の手をつなぐ育成会が、新人警察官や若手警察官を相手に研修会を開きました。研修を受けた警察官からは、「初めて聞く話ばかりで参考になった」「驚かせないように話す等、教わったことを現場で生かしていきたい」といった感想が寄せられたようです。 そこで、警察本部長に伺います。 現在、埼玉県警では知的障がい者に対する事情聴取をどのように行っているのでしょうか。そして、理解を深めるための研修は行われているのでしょうか。ぜひ育成会の方を招いての研修会を開催してはと思いますが、いかがでしょうか。 また、現在、行われている取調べの適正さを事後に検証できる録音、録画についても、それでは不十分であり、外国人に通訳がつくのと同様に、知的障がい者の家族や施設職員の同席を求める声もありますが、いかがでしょうか。警察本部長の答弁を求めます。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○岡地優副議長 十四番 八子朋弘議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 八子朋弘議員の県内病床使用率ひっ迫に備えた広域的な支援協定の締結についての御質問にお答え申し上げます。 現在の感染症対策では、都道府県ごとに整備した体制に基づくとされており、原則として都道府県を越えて患者の受入れや病床の融通は想定されておりません。県では五月三十一日現在、即応病床として一千六百四十三床、うち重症病床百六十二床を確保しておりますが、県の想定を大幅に上回る感染者の急増という不測の事態に備え、議員御指摘のとおり、都道府県間で病床を融通する仕組みを講じることも必要と考えております。これまでも特殊な緊急治療を必要とした患者数名について、県外の医療機関に転院していただいたことはありますが、個別事案として例外的な対応でございました。 具体的に、病床の融通を行うには、入院調整の方法が異なる自治体間でどの程度病床がひっ迫した段階で受入要請を行うのかなど、統一的なルールを設ける必要があります。このため、全国知事会に対し、都道府県間で病床を共有できる仕組みを提言し、知事会として都道府県間での患者受入れを支援する仕組みづくりを構築することを国に要望したところでございます。 御提案の北関東や甲信越地区等の自治体との相互支援協定の締結につきましては、国における仕組みづくりに向けた対応をまずは見ながら検討していきたいと考えております。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問二、県立高校の南北格差是正についてお答え申し上げます。 まず、(一)学区制復活についてのうち、県北部の県立高校の低倍率の現実についての認識についてでございます。 近年、県立高校入試の志願倍率は全県的に低下傾向にあり、特に議員お話しのとおり、圏央道の外側、いわゆる県北部に所在する高校においてその傾向が大きくなっております。私は県立高校の志願倍率がこのような状況にあることについて強い危機感を持っており、中学生にとってより一層魅力ある県立高校づくりに取り組まなければならないと考えております。 次に、原因についてどのように分析しているのかについてでございます。 主な原因としては、他の地域に比べて県北部の中学校卒業予定者数の減少傾向が大きいことにあると捉えております。また、県北部から他の地域の高校に志願している受検生が一定程度いることも影響していると考えており、それぞれの学校が北部地域の生徒が進学したいと思える魅力ある学校づくりをしていくことが必要です。 そのほか、全県的に私立の通信制高校への進学希望者が年々増加していることや、私立高校において進学や部活動をはじめとして様々な特色ある学校づくりが進められていることなども考えられるところでございます。 次に、県立高校の学区制撤廃から十八年経過しているが、検証すべきではないかについてでございます。 県立高校では、平成十六年度入試から生徒や保護者の立場に立ち、自らの意思と責任において自由に学校を選択できるよう、通学区域を廃止しております。居住地にかかわらず、自分の希望する高校に志願できるということは生徒や保護者の間で定着しており、現時点で制度の変更を求める要望等はいただいておりません。また、高校入試は受検生にとって公平に行われることも重要であると考えております。 このようなことから、議員御提案のように、一定の制限を付した上で再度通学区域を設定することは考えておりませんが、受検生の志願状況や高校ごとの入学状況等につきまして、丁寧な把握、分析に努めてまいります。 次に、(二)魅力向上策についてでございます。 まず、隠岐島前高校から県として何を学び、その成果を具体的にどのようにして生かしていくのかについてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、県教育委員会は島根県教育委員会と連携協定を締結し、高校生の交流を進めるとともに、県立高校の教員を一年の任期で相互に派遣しております。昨年度は埼玉県と島根県の高校生が参加して、地域課題解決型学習の成果発表会をオンラインで実施いたしました。 その中で本県の生徒からは、例えば「人口減少が続く離島で暮らす高校生から地域の課題を聞くことで異なる価値観に気づくことができた」との感想がありました。また、隠岐島前高校では、地元自治体や企業との協働体制を構築するなど、地域創生のための先進的な教育活動を行っていることから、本県から派遣された教員が地域の方々や役場と連携した地域課題解決型の学習指導の手法について学んでおります。 派遣を終えた教員は、隠岐島前高校での経験を生かし、県立高校と自治体や企業と連携した取組を中心となって推進しております。 次に、小川高校や小鹿野高校の取組は島根県の事例と重なってくると思うが、これら高校の取組を後押しすべきについてでございます。 議員お話しの小川高校などの取組は、学校と地域との連携を推進し、学校の魅力を高め、地域の活性化にも資するものであり、島根県の事例とも重なってくるものと考えます。これらの高校では地域と連携した教育活動を通し、生徒が地域に対する愛着や誇りを高め、地域課題の解決に取り組む力を身につけるとともに、地域の特色を生かした学校づくりが進んでおります。 県といたしましては、引き続き、県立高校と地元自治体や企業との連携を支援することなどにより、県立高校が地域の特色を生かした魅力ある高校となるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、意欲とアイデアを持った校長に少し長めに赴任させ、裁量権を与えて自由に学校経営をさせてはいかがかについてでございます。 現在、校長の在職年数は一校三年程度となっておりますが、専門高校など特に特色が求められる高校については、意欲とアイデアを持つ校長を三年を超えて配置している例もございます。また、校長には地域や企業、大学等と連携した特色ある教育活動の実施など、学校経営に関する大きな裁量が認められております。 県といたしましては、意欲とアイデアを持った校長の適切な人事配置に努め、必要に応じて在職期間の長期化を図るとともに、校長が自らの裁量を最大限生かして学校の魅力づくりに取り組めるよう、引き続き支援してまいります。 次に、御質問三、私学でわいせつ事件を起こした教員への対応についてのうち、教職員コンプライアンス相談ホットラインの運用の見直しについてお答え申し上げます。 私は、子供たちの未来を育てる立場の教職員が、信頼を寄せてくれている子供たちに対してわいせつ・セクハラ行為を行うことは言語道断であり、断じて許されないと強く思っております。また、子供たちがそのことを誰にも相談できずにつらい思いをすることは、あってはならないことと考えております。 議員お話しの教職員コンプライアンス相談ホットラインは、わいせつ・セクハラなど不適切な行為について、主に公立学校の教職員からの通報を受け付けることを目的に、平成三十一年四月に設置いたしました。 このホットラインが担うべき役割を一層果たすためには、教職員はもとより子供たちや保護者が安心して相談できること、また、ホットラインの存在を広く周知することも重要です。 そこで、今後、少しでもわいせつ教員の排除につながるよう児童生徒や保護者からの相談も対象とするなど、教職員コンプライアンス相談ホットラインがより効果的な運用となるよう見直しを図ってまいります。       〔小野寺亘総務部長登壇〕 ◎小野寺亘総務部長 御質問三、私学でわいせつ事件を起こした教員への対応についてのうち、現在、私学のわいせつ教員対策としてどのような対策を取っているのか、また、今後どのような対策を取っていくのかについてお答え申し上げます。 私立学校の教員に懲戒解雇など免許取上げの事由があるときは、教育職員免許法において、学校法人から知事への報告と、知事から免許管理者である教育委員会への通知が義務付けられています。令和二年度に国からこれらの仕組みについて周知するよう依頼があったことから、事務処理の流れを改めて確認するよう学校法人に求めたところです。 これに加え、本年四月には官報情報検索ツールを活用して、教員免許状の失効、取上げの有無など、採用希望者の経歴を十分に確認すること、また、研修など予防的な取組を適切に行うことなどについて周知を行ったところです。さらに県では、私学団体との共催で実施している人権教育研修において、わいせつ行為により子どもの人権を侵害してはならないことを徹底しています。 児童生徒に対するわいせつ行為は、教員として絶対に許されないことです。引き続き、私立学校において適切な採用判断が行われるよう、採用希望者の経歴の十分な確認を求めていくとともに、研修内容の充実に努めるなどしっかりと対応してまいります。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 御質問四、子どもの居場所づくりについてお答え申し上げます。 まず、目標まであと四百か所以上必要となる子どもの居場所をどのように設置していくのかについてでございます。 八百か所の目標達成のためには、子どもの居場所づくり活動に取り組みたいと思っていても、最初の一歩が踏み出せずにいる多くの方に、いかに実際に行動を起こしていただくかが重要と考えております。そこで県では、そうした方に対しノウハウの提供や立ち上げ費用の支援を行っております。 ノウハウの提供に関しては、活動を始めようとする方に、子どもの居場所づくりの実践者や食品衛生等の専門家を「こどもの居場所づくりアドバイザー」として派遣しております。このアドバイザー制度による立ち上げ件数は、令和元年度が四十五件、令和二年度が四十件と、コロナ禍によって活動をやめてしまう団体がある中で、新たな居場所の立ち上げに大きく貢献しています。 立ち上げ費用の支援に関しては、県社会福祉協議会と連携し、こども食堂応援基金を活用した助成事業を実施しております。この基金は、個人や企業など民間からの寄附を財源とするもので、令和元年五月の設置以降、二年間で約二千七百万円もの寄附をいただきました。令和二年度は十四団体に対して計百四十万円を助成し、今年度は更に多くの団体へ助成を見込んでいます。八百か所の目標達成に向け、こうした取組により民間の力を最大限引き出せるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。 次に、子どもの居場所団体が食材の保管場所や交流拠点として使用できる中間拠点施設を県が用意できないかについてでございます。 県では、官民連携のプラットホームであるこども応援ネットワーク埼玉を立ち上げ、食材だけでなく場所のマッチングも行っております。例えば、セレモニー会社や大型商業施設など様々な企業から、倉庫や冷蔵施設、活動拠点を無償で貸与していただいております。一方、公的支援については、むすびえをはじめ居場所づくりの関係者から、公費を投じて行政主導で推進すると活動に制約が生じてしまい、居場所の良さが失われてしまうとの声も聞いております。 保管場所や活動拠点等に関しては、現在も複数の企業から貸与等のお話をいただいているため、まずはこうした民間の取組を後押しすることが重要と考えます。今後も広く民間の力を活用させていただくことで、子どもの居場所の更なる拡大につなげてまいります。 次に、中間拠点施設を拠点に活動する中間支援団体がむすびえのような団体に発展すれば、県の目標である子どもの居場所八百か所設置に大きな役割を果たすのではないかについてでございます。 議員御指摘のとおり、各地域で中間支援団体が拠点を持ち、組織化され発展することは、子どもの居場所づくりを推進する上で大きな役割を果たすと考えます。そこで、県では各地域の団体や企業等が一堂に会するこども食堂フォーラムを開催し、顔の見える関係づくりや団体同士のネットワーク化を支援してまいりました。 さらに、県内の子ども食堂やプレイパーク、学習支援等の中心的な役割を担う方々が意見交換を行う場として、アドバイザー交流会を年四回実施しております。特に昨年度以降、コロナ禍により一つの場所に集まることが難しくなったため、交流会をオンラインで行うことで団体間の交流を促進しております。 また、日頃からフェイスブックやポータルサイトを通じて各団体の活動紹介や助成金情報等を発信するとともに、SNSの特徴を生かしフォロワー同士の交流も深めています。今後もこうした取組を推進することで子どもの居場所団体のネットワークを強化し、八百か所の目標を達成できるよう全力で支援してまいります。 次に、御質問五、児童養護施設出身者への支援についてのお尋ねのうち、児童養護施設出身者への支援メニューの利用者を増やすため、どのようなアプローチを行っているかについてでございます。 児童養護施設等の入所児童が施設を退所後、保護者からの支援が期待できない状況で進学や就職を継続していくことは大変な困難が伴います。施設退所後、自立の道を着実に歩むことができるようにするためには、県や関係団体が実施する様々な支援メニューに関する情報を、退所児童が求めればいつでも手に入れられる状況にあることが必要です。そこで、児童が施設を退所する際には、支援メニューや必要な相談先をまとめた冊子を必ず渡すようにしております。 また、各施設に対して、施設退所後、少なくとも三年間は継続して退所者の就労や就学状況を確認するとともに、メールや手紙などで定期的に連絡を取り、支援メニューを伝えるなど、必要なサポートを行うよう依頼をしております。 さらに、出身施設を介さずに同じような境遇の仲間と気軽に交流したり悩みを相談することができる、本県の施設出身者のアフターケアの拠点となるクローバーハウスを設置しています。この拠点の存在を含め、支援メニューについては、県のホームページをはじめ県社会福祉協議会、クローバーハウスの運営団体などのホームページでも発信をしています。 こうしたアプローチをしっかり行っていくことに加え、施設等関係者や利用者からも御意見を伺い、より利用しやすい制度となるよう工夫を重ねるなど、支援メニューの利用者の増加を図ってまいります。 次に、自立支援資金貸付事業について、貸付けではなく給付にすることはできないかについてでございます。 国の制度設計の下に、本県でも平成二十八年度から経済的基盤の弱い児童養護施設等の退所者に、家賃や生活費などを貸し付ける事業を行っており、令和二年度末までに百五十人の方が利用しています。この貸付事業は、週二十時間以上の就労を五年間行うことにより返済が免除されることになっており、給付型に準じたものとなっております。 しかし、児童養護施設等の退所者は、虐待によるトラウマや何らかの障害を抱え、就労への不安がある方も多く、この事業を利用することをためらうことも考えられます。そのため、退所児童が安心して利用することができるように、他の都道府県と共同して完全な給付型にするよう国に対して強く要望しているところでございます。 次に、様々な支援メニューによって実際の進学率や仕事の定着率等はどのような成果が上がっているのかについてでございます。 埼玉県5か年計画では、児童養護施設退所児童の大学等進学率を平成二十五年度の一三・九パーセントから、令和三年度に二七・〇パーセントにすることを目標としています。そこで県では、進学率を高めるために児童養護施設の高校生の塾に要する費用や教材費、大学受験料を負担するなどの支援を行っており、直近の令和元年度の進学率は目標を上回る二八・六パーセントとなっております。 また、就職者の職場定着率を高めるため、県が委託している就労支援事業者が退所者からの悩み相談に丁寧に対応するとともに、職場訪問によるフォローアップをきめ細やかに行っております。こうした取組により、退所後三年後の離職率は、調査を開始した平成二十六年度の退所者は五三・五パーセントでしたが、直近のデータでは四七・二パーセントとなり、初めて五〇パーセントを下回りました。 今後も児童養護施設や民間団体と連携しながら、誰一人取り残すことなく、全ての施設出身者が希望を持って社会生活を送ることができるように積極に取り組んでまいります。 次に、御質問六、障がい者支援についての(一)障害者優先調達推進法の更なる推進についてお答え申し上げます。 まず、重度障害者多数雇用事業所を増やしていくため、法律の趣旨を民間企業にどのように広報していくのかについてでございます。 重度障害者多数雇用事業所とは、障がい者の雇用者数が五人以上、障がい者の割合が従業員の二〇パーセント以上、雇用障がい者に占める重度身体障がい者、知的障がい者及び精神障がい者の割合が三〇パーセント以上という要件を全て満たしている場合に認定されるものです。この認定を受けることで、地方公共団体、国、独立行政法人における優先調達の対象施設となります。 他方、県では、障害者雇用率が二・六パーセント以上であるなど、障害者雇用に積極的に取り組んでいる事業所を埼玉県障害者雇用優良事業所として認証しております。この事業所は障害者雇用への意欲が高いことから、重度障害者多数雇用事業所として認定できる可能性が高いと思われます。 そこで、まずはこれらの事業所に対し、優先調達のメリットを個別に丁寧にお伝えしてまいります。さらに、経済団体の御協力もいただきながら、ホームページやパンフレットなどを通じて広く県内の事業所にも広報し、認定事業所が増えるよう努めてまいります。 次に、今後どのようにして障害者優先調達推進法の政令に基づく事業所、つまり民間企業に仕事を出していくのかについてでございます。 発注が進むためには、優先調達の対象事業所が提供できる物品やサービスの内容を、県庁内の各部局に十分理解してもらう必要があります。そのため、個々の事業所の情報をホームページに掲載するとともに、庁内会議で情報共有を図ってまいりました。 今後、これらの取組に加え、優先調達が進んでいる事例を事例集としてまとめ、会議を通じて情報共有するなど、調達が進むよう取り組んでまいります。 次に、市町村への支援、働き掛けも重要と考えるがどうかについてでございます。 県では、市町村に対し、県と同様に優先調達推進方針を作成し、調達目標を定め、優先調達に取り組むよう求めています。市町村全体の令和元年度の優先調達実績額は、議員お話しのとおり、約四億七千万円であり、法律が施行された平成二十五年度と比較して約三倍近くに増えています。 一方、調達目標額に達していない市町村は三十三市町村に及んでおり、市町村によって取組に差があります。こうした市町村には、先ほどの事例集を含め県の庁内会議での情報を周知するとともに、調達実績が上がっている市町村の好事例も情報提供するなどし、優先調達の取組が進むように支援してまいります。 今後とも、県と市町村双方で優先調達が進むよう積極的に取り組んでまいります。       〔原和也警察本部長登壇〕 ◎原和也警察本部長 御質問六、障がい者支援についての(二)触法障がい者支援についてお答え申し上げます。 まず、知的障がい者に対する事情聴取についてでありますが、現在、県警察においては知的障がい者に対する事情聴取に当たっては、御指摘の知的障がい者の特性等を十分に考慮し、供述の任意性に疑問が生じることのないよう、その障がいの程度等を踏まえた聴取を行うこととしております。また、逮捕又は拘留されている被疑者が知的障がい者である場合は、犯罪捜査規範の趣旨を踏まえ、可能な限り幅広く取調べ等の録音、録画を実施しております。 次に、県警察における知的障がい者を含めた障がい者への理解を深めるための教養についてでありますが、障がい者の人権を尊重し、各種警察活動において適切な対応ができるよう、埼玉県福祉部の担当職員や福祉学を専門とする大学教員などを招いての教養や、警察庁が作成した「障害者への接遇の在り方」と題する動画教材などを基に、職員に対して教養を定期的に実施しているところであります。 このほか、取調べに従事する者を対象とした教養の過程においても、障がい者の特性等を踏まえた取調べの在り方についての指導を実施しております。 また、御指摘の埼玉県手をつなぐ育成会の方を招いての研修会については、今後、同会からの申出を踏まえ、検討を行う考えであります。 最後に、取調べにおける知的障がい者の家族や施設職員の同席についてでありますが、まず、取調べの録音、録画については、供述の任意性や信用性の立証のみならず、取調べの適正さを測るものであると認識しております。 被疑者の取調べは、事案の真相を解明して被疑者の犯罪の嫌疑を明らかにするために証拠資料を収集するという捜査の一環であり、事案の真相を明らかにするため重要な役割を果たしているところ、取調べにおける第三者の立会いは、その必要性と捜査への影響等を総合的に勘案しつつ、特に慎重に検討する必要があると考えております。       〔十四番 八子朋弘議員登壇〕 ◆十四番(八子朋弘議員) それでは、再質問させていただきます。 まず一つ目、県内病床使用率ひっ迫に備えた広域的な支援協定の締結について、再度質問をさせていただきます。 先ほど知事の御答弁によりますと、知事会を通して国に要望し、また検討していくという答弁であったかと思いましたけれども、国に要望されるということなのですが、国がいつその要望に対して対応できるかというのがちょっと分からないわけであります。時間がかかってしまうかもしれない。もしかしたら、その間に再びまた感染が急拡大してしまうおそれもないとは言えないわけです。 どこの県かというのは知事の御判断ですけれども、ぜひそういう状況から考えると、せめて知事同士で、大阪と滋賀のようにまず下話だけでもしておくという必要があるのではないかと思うのですが、その点について改めて知事に伺いたいと思います。 それから二つ目は、県立高校の南北格差是正についてのうちの学区制の復活について再度質問をさせていただきます。 教育長の御答弁ですと、様々な課題があるということはそのとおりだと思いますけれども、分かった上で伺っているわけです。公平性ももちろん大事ですけれども、南北格差の是正という問題も埼玉県にとっても大変大きな課題だと思っております。つまりバランスの問題だと思っています。本気で南北格差を是正する考えがあるのであれば、これくらいのことをしないと、学校が魅力を高めていくというだけではなかなか格差というのは縮まっていかないと私は思っていまして、そう考えると、その学区を撤廃したことがどのような影響を与えているのかということを検証してみる価値というのは十分あると思うわけです。 もちろん学区の問題だけが南北格差の原因であるとは思いませんけれども、主な理由の一つではあると思います。丁寧な把握、分析という御答弁がありました。これは検証なのかなとも思いましたけれども、改めて検証くらいはしてみてもよいのではないかと思いますが、答弁を求めます。 それから三つ目に、私学でわいせつ事件を起こした教員への対応について、これも教育長に再度お伺いしたいわけですけれども、教職員コンプライアンス相談ホットラインなのですが、先ほどの御答弁を聞いていますと、主に公立学校の教職員が対象というお話でしたが、私、このたびお尋ねしているのは主に私学のわいせつ教員の対策でございます。 この教職員コンプライアンス相談ホットラインについて、私立の教員も対象になるような分かりやすい窓口としていただきたいと思うわけですけれども、改めて御答弁をお願いいたします。(拍手起こる) ○岡地優副議長 十四番 八子朋弘議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 八子朋弘議員の再質問、国に求めても時間がかかるのではないか、せめて知事同士で話をしておくべきではないかという再質問に対してお答え申し上げます。 まず第一に、八子議員の最初の御質問につきましては、支援協定の締結等の制度としての隣県等との協定の枠組みでございました。ちなみに、医療機関等が不足する場合、法は二つの想定をしていて、一つは新型インフルエンザ等対策特別措置法においては、医療の提供がかなわない場合には臨時に開設する施設で医療を提供すること。これは県の中での想定でございます。そして二つ目には、感染症法第三条及び特措法、両方にございますけれども、感染症法の場合には、地域の特性に配慮しつつ施策を実施するため国との連携を図ることが規定されており、その場合には国との連携、そして特措法の場合には、国の本部長に対して県の本部長、つまり知事から総理に対して提言を行う、この二つが定められており、制度として行う場合には、隣県等ではなく国との連携が次に想定されているという段階でございます。 他方、再質問にございました緊急の場合の知事同士の話ですが、既に東京の小池都知事とはこの話を随分前からお話しさせていただいており、緊急の場合にはお互いに融通し合おうという合意ができております。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 八子朋弘議員の御質問二、県立高校の南北格差是正についての(一)学区制復活についての再質問にお答え申し上げます。 南北格差については非常に大きな課題であって、思い切った対策を取るべきだという御指摘は真摯に受け止めさせていただきたいと存じます。北部地域の子どもたちの減少状況が厳しいというお話をさせていただきましたけれども、ちょっと数字を御紹介させていただきますと、中学生に対しまして毎年十月と十二月に進路希望状況調査をしております。 その五月一日現在の数字で申し上げますと、平成二十四年度の数字ですと、第一通学区というのは高崎線で言いますと鴻巣より南でございます上尾、さいたま市、川口市等の都会のほうでありますけれども、平成二十四年三月当時、生徒数は二万一千八百四人おりました。令和二年度にはその地域の生徒は二万一千二百二十八人、減少率は二・六パーセントでございました。同じ数字で申し上げますと、秩父地域、本庄・児玉地域、熊谷・深谷地域、学区で言いますと、四、五、六という学区でございますが、平成二十四年度は六千十四人、令和二年度は五千九十二人、一五・三パーセントの減少率となっております。約一五パーセント近くがこの十年で少なくなっている状況にございます。 私も県北部に生まれ育って住んでおりますので、北部地域を何とかしなければいけないという思いは議員同様、強く思っているところでございます。先ほど御答弁の中で、受検生の志願状況ですとか、あるいは高校ごとの入学状況等々について、よく学校ごとに丁寧に把握、分析に努めてまいりたいと御答弁申し上げましたけれども、子どもたちの高校に対するニーズ、あるいは保護者の皆様の高校に寄せる期待なども含めまして、より丁寧に状況について確認をさせていただいて、次の対策に生かしてまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、県立高校が中学生や保護者の皆さんにとって選んでいただける魅力ある学校づくりに引き続き全力で取り組んでまいります。 続きまして、御質問三、私学でわいせつ事件を起こした教員への対応についてのうち、教職員コンプライアンス相談ホットラインの運用の見直しについてでございます。 私立の教員も含めてという御指摘でございましたけれども、公立学校、私立学校問わず、教員のわいせつ・セクハラ行為に悩んでいる全ての児童生徒に対応できるよう、運用を改めてまいります。       〔十四番 八子朋弘議員登壇〕 ◆十四番(八子朋弘議員) 再々質問させていただきます。 県内病床使用率の質問についての再々質問なのですけれども、先ほどの知事の再答弁を聞いておりまして、東京都と話合いをされていたという御答弁をいただきました。それはそれで大切なことだと思いますが、私、つまり埼玉県の病床がひっ迫するような状況にあるときは、東京都も恐らくひっ迫しているのではないかと思われるからこそ、具体的に北関東ですとか甲信越というふうに事例を挙げさせていただきました。 そういった意味で、東京都のみならず、ほかの都道府県ともそういった話合いをしておくことは意味があるのではないかという観点から、再々質問させていただきます。お願いします。(拍手起こる) ○岡地優副議長 十四番 八子朋弘議員の再々質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 八子朋弘議員の再々質問にお答え申し上げます。 制度としては、先ほど申し上げたとおり、法に定められたとおり、まずは県内で行うこと。そして次に、国と協議をすることが求められているので、我々としては既に知事会もしくは国に対して要望させていただきました。これが一つでございます。 また、緊急の際には、先ほどの知事間ということで東京都知事との間で、すみません、先ほど言葉が足りませんでしたけれども、重症病床に関して足りない場合にはお互いに何とかしましょうと。そして、知事間ではありませんけれども、医療圏同士で言いますと、群馬県との間でもこういった議論が既に進んでおりまして、緊急の場合には対応がなされることになっていると御理解いただきたいと思います。 いずれにいたしましても、制度として行うのであれば、一度国に働き掛けた上できちんとした形で、北関東なのか甲信越なのか分かりませんけれども、そういったところと議論を進めるべきだと考えており、今、国に働き掛けておりますので、国の反応を待ちたいと思っています。          ---------------- △休憩の宣告 ○岡地優副議長 暫時、休憩いたします。午後二時九分休憩          ----------------午後三時一分再開 出席議員    九十名  (本会議場で審議)     二番    三番    七番    八番    十一番   十二番   十四番   十五番    十七番   十八番   二十番  二十一番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番   三十番  三十一番  三十三番   三十四番  三十六番  三十七番  三十九番    四十番  四十二番  四十三番  四十五番   四十六番  四十八番  四十九番  五十一番   五十二番  五十四番  五十五番  五十六番   五十八番  五十九番  六十一番  六十二番   六十四番  六十五番  六十七番  六十八番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十五番  七十六番  七十八番  七十九番    八十番  八十二番  八十三番  八十五番   八十六番  八十八番  八十九番  九十一番   九十二番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     一番    六番    九番   十三番    十六番   十九番  二十二番  二十五番   二十九番  三十二番  三十五番  三十八番   四十一番  四十四番  四十七番   五十番   五十三番  五十七番   六十番  六十三番   六十六番  六十九番  七十四番  七十七番   八十一番  八十四番  八十七番   九十番   九十三番 欠席議員    なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長     福祉部長     県土整備部長   都市整備部長   警察本部長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で出席)   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長     会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長 △再開の宣告 ○木下高志議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○木下高志議長 質疑質問を続行いたします。 二十三番 関根信明議員       〔二十三番 関根信明議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十三番(関根信明議員) 議席二十三番、自民党県議団の関根信明でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。執行部の明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。 質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症変異株が猛威を振るい、本県ではまん延防止等重点措置が七月十一日まで延長される中、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々、感染された方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、医療従事者をはじめエッセンシャルワーカーの皆様が日夜御尽力いただいていることに、シトラスリボンを着けて心より感謝と敬意を表します。 政府並びに埼玉県、市町村が一丸となって新型コロナウイルス感染症対策、ポストコロナを見据えた不況対策及び経済対策を進め、特に県民を救う新型コロナワクチン接種の迅速な対応を強く求め、質問に入ります。 初めに、一、県庁舎の在り方検討の進捗について。 (一)令和三年度の調査内容と調査目的、検討事項等についてお伺いいたします。 この件に関しましては、小島自民党県議団団長をはじめ多くの議員が質問に立たれており、それだけ埼玉県及び埼玉県民にとって重要な課題であると思います。令和三年度は築八十年という目標使用年数経過後の県庁舎の再整備方針の決定に向け、将来的な県庁舎の機能について検討していくということで、一歩前進したと評価するところであります。 本庁舎の使用年数はあと十年余りであり、私は待ったなしに本庁舎の建替え計画に進むべきだと考えております。皆さんどうですか。令和三年度、この件に関し、六月に調査委託され、県総務部では県庁舎の再整備に当たり、現庁舎における各機能の現状と課題を整理する現状分析、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を見据えた県庁舎のあるべき姿の検討、再整備後の県庁舎の規模、事業手法の検討、整理といった内容で検討作業を実施するとあります。そこで、令和三年度の調査委託について、二点質問させていただきます。 (一)委託内容の詳細、委託する目的、また、調査成果物として県庁舎イメージ図の作成まで行うのかどうか。 (二)この調査では、建設するに当たり、活用できる補助金の検討、庁舎整備におけるPFI等、民間活力の導入に関する検討等も含めて行うのか、総務部長に御所見を伺います。 次に、(二)本庁舎建替えの方向性についてお伺いします。 昨年九月定例会において、私の質問に対し知事答弁として、本庁舎建替えの構想から供用開始までおおよそ九年近くの年月を要しますとありました。つまり、基本構想から実施設計、建設、供用開始までおおよそ九年から十年の歳月がかかります。本庁舎の建替え方針について、知事の決断もそう遠くないところで下さなければならないと考えております。 大災害から県民を守り、埼玉県民の安全・安心を確保するため、また、知事はじめ県職員の職場環境、DXへの対応、県民のシンボル性、七百三十四万県民を要する本県にふさわしい本庁舎、県庁舎の集約化等、前に進めていくことが大切であると考えます。 そこで、新庁舎検討委員会を庁内で立ち上げ、本庁舎基本構想、庁舎整備基金の設置等へと進めていくべきと考えますが、今後どのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に移ります。 二、荒川第二・三調節池整備事業とJR川越線の複線化についてお伺いいたします。 初めに、(一)荒川第二・三調節池整備事業の進捗等について伺います。 この事業は、さいたま市の羽根倉橋から上尾市の開平橋の間において、荒川流域の治水対策として広い高水敷を活用した調節池を整備していく、全体事業費は約一千六百七十億円、工事期間は平成三十年から令和十二年度の十三年間の大型治水対策事業となっております。工事内容として、周囲堤、囲繞堤、仕切堤、対岸堤整備、越流堤、排水門等の施設整備、JR川越線荒川橋りょう架替え整備となっております。 令和元年度の東日本台風(台風第十九号)のときは、治水橋地点で氾濫危険水位の約五十センチ上まで水が上がり、左岸の堤防天端から約二メートル下までの水位となりました。この台風で県内各地は決壊、越水、浸水被害等、甚大な被害となりました。 この工事が完成することで水位の低減効果が期待できることから、流域の安心・安全が高まるとのことです。令和二年、三年、多くの委託設計、工事が発注されている状況で、大変期待していると同時に、確認したい事項もございますので、これらを解決し、県民が事業効果を理解し、納得できる浸水・治水対策になるよう期待しているところです。 そこで、(一)河川として活用できる河道断面は今までとほぼ一緒だと思いますが、同事業によりどのような治水効果が発揮され、また、県民の安全・安心を更に確保できるのか。逆に、リスクを増加させるような心配、懸念がないのか。また、それがある場合は、解決方法を含め具体的にお示しください。 あわせて、荒川第二・三調節池整備事業の進捗状況についてもお示しください。 以上、二点について県土整備部長の御所見をお伺いいたします。 次に、(二)大宮駅の位置付けとJR川越線複線化構想についてお伺いいたします。 大宮GCSプラン二〇二〇が本年三月策定され、その間、携わった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 平成三十年度に大宮駅前広場に隣接する街区のまちづくり、駅前広場を中心にした交通基盤整備、乗換え改善等を含む駅機能の高度化を三位一体で推進する大宮GCS化構想が策定され、それを継承し、このたび同プランが策定されました。いよいよ都市計画決定に向けて鋭意進めていくことになり、さいたま市、埼玉県のためにも大変重要な事業であると思います。首都圏広域地方計画、東日本の対流拠点の位置付けとなっており、これからの百年の大計を見据えた重要な事業であると確信しております。 そこで、大宮GCSプラン二〇二〇策定まで県は関わってまいりましたが、県の考え方についてお伺いいたします。 (一)グランドセントラルステーションを目指す大宮駅の位置付けを県としてどのように考えているのか。また、知事は公約の中で、「大宮駅を拠点にした東日本連携を進めます」とありますが、県としてどのように具現化していくのか、併せて知事に御所見をお伺いします。 (二)大宮駅は新幹線六路線、在来線七路線、計十三路線を持つ埼玉県最大であり、全国有数の駅であります。そして大宮駅から伸びる路線は、南北方向においては上野東京ラインの開業により強化され、東方面においては大宮GCSプランに合わせ、東武アーバンパークライン大宮駅の整備が計画されております。大宮GCSプランに合わせ西方面を担うJR川越線も、大宮駅から川越駅まで西方面の主要鉄道として、将来的に単線というわけにはいかないだろうと思います。皆さん、そう思いますよね。だからこそ今、JR川越駅複線化構想を真剣に取り組まなければならないと考えます。 企画財政部では、県としてJR川越線の複線化要望活動を事業主体であるJR東日本へ毎年行っていると存じますが、知事としてJR川越線複線化構想ないしは推進の正式表明をお願いしたいと存じますが、知事の御所見をお願いいたします。 次に、(三)JR川越線荒川橋りょう複線化仕様についてお伺いします。 私は、昨年九月定例会で同様の質問を行い、神尾議員よりさらに協議会の設置を重ねて質問いただき、JR東日本はオブザーバー参加でありましたが、五者協議会設置がかないました。正式名称は「JR川越線荒川橋りょう複線化仕様での架換えに関する協議会」となり、これもひとえに自民党県議団並びに八高線・川越線議連の皆様のおかげであると同時に、知事はじめ執行部の皆様が設置に向けて御努力いただいたことに感謝申し上げます。この件に関しましては、先週、日下部議員が詳細に確認していただきましたが、私からも同協議会設置後の動きについて確認させていただきます。 (一)令和三年度委託先も決まり、どのような調査を行い、これに基づいて同協議会をいつ開催していくのか。荒川橋りょうの複線化仕様に伴う概算の建設費用については、日下部議員が質問していただいておりますので省略させていただき、それ以外の委託した調査内容、同協議会の開催時期について、企画財政部長に御所見を伺います。 (二)荒川調節池工事事務所では、荒川橋りょう架替えについて、JR東日本へ令和二年四月、新設ルートのための比較設計を委託し、今年秋頃、概略設計を委託する予定と聞いております。その後、詳細設計に入ることとなっており、時間的余裕はありません。つまり同協議会での議論が活発に展開され、核心部分の議論をせざるを得ないと思っているところです。そこで一番の核心部分が、橋りょう複線化仕様にした場合の費用負担の問題等を解決しなければ先に進まないと考えております。 この件に関しましても、日下部議員より企画財政部長にただしていただきましたが、関連して複線化仕様を判断する時期について残された時間的余裕がないことや、荒川橋りょうの複線化仕様に係る追加額を県、沿線市で負担するとなった場合、どのように財源を捻出するのが得策か考える必要があります。ぜひ知事のリーダーシップを発揮され、複線化仕様に対する判断時期と追加負担に関する取決め等、核心部分の課題を同協議会でまとめていただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次の項目として、三、身体障害者補助犬とユーザーに対する支援策等について。 (一)県内補助犬の現状と支援策についてお伺いいたします。 身体障害者補助犬法により、目の不自由な人を導く盲導犬、肢体不自由な人を手助けする介助犬、耳に障害のある人に音を聞き分け、必要な情報を伝える聴導犬が補助犬となります。身体障害者を支援する法律、条例として、身体障害者補助犬法、障害者差別解消法、埼玉県共生社会づくり条例、埼玉県手話言語条例等があります。これらに基づき、埼玉県は身体障害者に対する施策を展開しております。 私は、知事もメンバーであります奉仕団体、ライオンズクラブを通じて、公益財団法人日本盲導犬協会並びにさいたま市在住で盲導犬ユーザーの櫻井洋子さん、盲導犬トリトンと盲導犬育成の募金活動を通じて交流を十年間以上続けております。 櫻井さんは視力と聴力が低下する難病、アッシャー症候群と診断され、五十歳代で全盲となり、現在は両耳に高度難聴型補聴器を着用しております。お聞きしたところによりますと、櫻井さんは平成十六年、駅のホームで電車を待っていたとき、走ってきた人とぶつかり、歯を四本、肋骨五本、ひびが入る大けがをしたそうです。 身体障害者の事故が全国で絶えない状況は皆さん御存じのとおりです。以来、櫻井さんは盲導犬を日本盲導犬協会からアンソニー、スカイ、トリトンと、空いた時期もあったようですが、三代にわたり、ともに生活しているところです。 ユーザーの櫻井さんは、本日傍聴に来てくださり、東京パラリンピックの聖火ランナーに内定をしております。櫻井さんはいつも前向きで明るく元気で、劇団はーとふるはんどの団員として舞台活動もこなしており、活動している姿に共感と感動をいただいているところです。 埼玉県では、補助犬の頭数が現在、盲導犬が四十六頭、介助犬が三頭、聴導犬五頭の計五十四頭とのことです。日本盲導犬協会によりますと、日本の盲導犬育成団体十一団体で、年間百頭前後の育成をしている。盲導犬の実働数、実際に働いている数としておおよそ一千頭であり、盲導犬を希望する人はおおよそ三千人とのことです。しかも年間百頭育成し、七割が更新のユーザーへ、三割が新規ユーザーということで、新規ユーザーに行き渡らないというのが現状であります。 そこで、三点お伺いします。 (一)全国的には盲導犬が三千頭、三千人の方が不足しているという調査結果が出ておりますが、県内の盲導犬、介助犬、聴導犬を含めた補助犬に対するニーズは充足されているのか。また、埼玉県では今年度、補助犬育成委託費を六頭分確保しておりますが、この補助犬育成委託費の更なる身体障害者への周知と潜在的ニーズの掘り起こしを図っていただきたいと考えております。また、必要とされる方のニーズの把握をどのように行い、相談体制はどのように進めているのか。 (二)ユーザーへの補助犬医療費補助は、現在、埼玉県は三万円上限で掛かった費用の全額を出しており、他県に比べ充実していると評価したいと思いますが、ユーザーの方に聞きますと、それでは足りない、自己負担が十万円近く掛かってしまう年もあるということであります。横浜市では上限がないようでありますので、医療費補助の増額を検討する考えについて。 (三)使用者団体との協議の場がないと聞いておりますが、補助犬使用者、ユーザーの相談、要望を含め、最低でも年一回、協議の場を設置すべきと考えます。 以上、三点について福祉部長に御所見を伺います。 次に、(二)身体障害者補助犬の入店拒否等を解消するための周知活動と職員研修、障害者教育等についてお伺いします。 補助犬とユーザーの入店拒否等に対する相談が後を絶ちません。ユーザーの櫻井さんから何度も入店拒否をされたとお聞きしております。県では周知、啓発活動をされていると存じますが、継続性が肝心だと思います。ポスター、入店シール、小冊子等のツールや広報、ホームページに加え、新たな取組を含め、周知活動を行っていただきたい。あわせて、県の職員研修、障害者及び補助犬に関する学校教育を継続的に行っていただきたいと考えます。 知事も一昨年、知事室でユーザーの櫻井さんと盲導犬スカイにお会いしていただいていると存じますが、今、申し上げた件について新たな取組も含め、身体障害者及び補助犬の支援に対する総括として知事の御所見を伺います。 次の項目に移ります。 四、警察行政について、二点お伺いします。 初めに、(一)児童虐待への対策について伺います。 新聞によりますと、三月十九日付けで埼玉県警は増加する児童虐待事案への対応を強化するため、少年課に児童虐待対策室を設置、五人職員の増員を図り、児童虐待の専門部署として設置されました。児童虐待に力を入れていくという意気込みが感じられるところで大いに期待しているところです。 一方、全国で児童虐待の悲惨な事件が報道される中、埼玉県警の昨年一年間での通報児童数は一万百七十七人、検挙件数百四十二件で、平成十六年からの統計数で最も多かったとのことで、大変危惧しているところです。新型コロナウイルス感染症での巣ごもりも若干影響しているのかもしれませんが、最も多かったということで、その対策が喫緊の課題であり、私は大切な子供を虐待から一人でも多く救っていただきたいと願っている一人であります。 そこで、児童虐待に関する児童虐待対策室が担う役割について、また今後、警察としてどのような取組をしていくのか、警察本部長の御所見を伺います。 次に、(二)警察本部の在り方検討についてお伺いします。 質問一でも県庁舎の在り方検討で建て替えるべきと質問させていただきましたが、同時に警察本部の独立庁舎化での建替えをすべきと考えております。今の警察本部機能では埼玉県民を守り切れないのではないか、セキュリティ対策、本部機能の分散化への対応、DXの対応、サイバーセキュリティ対策等、大変危惧しているところであります。 警察本部では、二十年近く前に警察本部の機能等を検討したと側聞しておりますが、直ちに警察本部機能を含め新設を検討する時期に来ているのではないか、早急に在り方を検討すべきと考えますが、警察本部長の御所見を伺います。 次の項目に入ります。 五、新大宮上尾道路の進捗と今後の見通しについてお伺いします。 新大宮上尾道路は、国道一七号の慢性的な渋滞緩和や、埼玉県中央地域の健全な発展を目的とした道路です。さいたま市中央区円阿弥から上尾市堤崎、与野、上尾南間の延長八キロが事業化されており、事業予算は有料道路を含めて約二千億円となっております。 国土交通省関東地方整備局、首都高速道路株式会社の共同事業により、令和二年三月、都市計画事業の承認及び認可がなされ、早期完成に向け進めていただいているところです。また、新聞によりますと、先頃、関東地方整備局、埼玉県、さいたま市などにより、二〇二一年度、埼玉県事業連絡協議会がウェブ開催され、情報の共有、事業の早期執行等を話し合われたとのことであります。 新大宮上尾道路は、二つの共同事業者が進める道路でありますから、県の意思が入りにくいとは存じますが、関係地方自治体として費用負担をするわけですので、関わりを強めていただくようお願い申し上げます。 そこで、同道路事業は令和三年度、国の予算が二十八億九千万円ついておりますが、確認をさせていただきます。同道路事業の進捗状況は順調に進んでいるのか、また、今後の見通しについて県土整備部長の御所見をお伺いします。 次に、六、見沼田圃の保全・活用・創造について。 (一)見沼田圃の土地利用の見直しについてお伺いいたします。 首都近郊にある見沼田圃は、さいたま市、川口市にまたがる約一千二百五十七ヘクタールの大規模緑地空間で、埼玉県にとっても、両市にとっても、大変貴重な自然遺産であります。この見沼田圃をどのように保全・活用・創造していくかが、これからの埼玉県、両市にとって重要であり、問われてくることだと思います。 現在、埼玉県、さいたま市、川口市では、見沼田圃のさいたま環境創造基金を創設し、公有地化事業の推進を図っているところです。見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針により、見沼田圃の土地利用が著しく制限されており、基本的には治水機能、農地、緑地空間、自然環境を保全していくことが主たる目的であります。 しかし、ごみの不法投棄や産廃の山になっている場所もあり、不在地主や耕作放棄地等、荒れ地化されているのも事実であります。これらを解決していかなければならないということと、見沼田圃の活用・創造を図っていくことも大事な役目だと思っております。今後とも見沼田圃の保全を第一に、その上で活用・創造していただく主旨で二点質問させていただきます。 (一)土地利用の見直しについては、田村議員も以前質問を行っており、私からは一昨年させていただきました。見沼田圃地内で、既に開発されている地区の土地利用の見直しについて質問を行い、県と市で調整していると確認させていただき、その後、確認しましたところ、大宮区堀の内、大宮開成高校周辺地区の土地利用の見直しをかけたとお聞きしましたが、確かにこの周辺は学校、マンション、公共施設等があるところで、市街化のように既に使用している地区であります。この地区をどのように見直したのか。具体的にはどのようなことが可能になったのか。 (二)また、これ以外に見沼田圃に今後、土地利用の見直しをする地区はあるのか、企画財政部長に御所見を伺います。 次に、(二)さいたまセントラルパークの進捗等についてお伺いします。 さいたま市は、見沼田圃地内に都市公園さいたまセントラルパーク拡張整備に向け、検討を進めているところであります。自治医大さいたま医療センター東側と南側に合併記念見沼公園三・九ヘクタールが平成十九年完成し、これからさらに南側、大宮区天沼地内に約十一・八ヘクタールを追加し、都市計画変更案として合計約十五・七ヘクタールをさいたまセントラルパークに名称変更の届出を行いました。平成二十八年、次期整備地区の環境影響評価を開始以来、令和二年十一月、見沼田圃土地利用申出を行い、令和三年三月には見沼田圃土地利用の承認をされたとお聞きしております。 そこで、二点伺います。 (一)現時点でのさいたまセントラルパークの手続上の進捗状況と整備事業の今後の展開について。 また、(二)同事業はさいたま市が主体で行うわけですが、公有地化事業のさいたま環境創造基金の活用として、二年前に追加されました斜面林の購入に関し、基金からの補助制度ができたということと同様に、同事業に対し、多少なりとも基金を活用させていただけないだろうかという話があります。県、さいたま市、川口市で創ったさいたま環境創造基金、残高約九十億円ですので、その活用を見沼田圃の環境創造支援として改めてさいたま市から提案があった場合、御検討いただきたいと思いますが、企画財政部長の御所見を伺います。 最後の質問として、七、県営住宅団地再生事業について。 (一)団地再生事業導入の評価と課題についてお伺いいたします。 この事業は、県営住宅の建替え事業により生み出された創出地、事業地を活用し、民間事業者が整備運営する地域貢献施設、高齢者施設や子育て支援施設などを誘致する事業です。地域に貢献する施設を誘致するということで高く評価できる事業であり、地域貢献、貸す側も借りる側もそれぞれメリットがあり、三方良しの事業であると思います。 実績としては、岩槻諏訪山下団地、貸付け四千平方メートル、年間貸付料四百八十四万円、特養・地域交流施設、大宮東宮下団地、五千平方メートル、七百二十万円、特養・地域交流施設、大宮植竹団地、五千平方メートル、一千三百八万円、特養・認可保育園・地域交流施設となっております。 三事例紹介いたしましたが、団地再生事業については県にお金を生むということと、地域貢献ができるということですばらしい事業と捉えておりますが、県ではどのように評価しているのか。また、この事業の実施に当たっての課題について、都市整備部長にお伺いいたします。 次に、(二)各市町村との連携、情報開示、今後の取組についてお伺いします。 この事業の大きなポイントは、地域に貢献する施設を整備するという点だと思います。そのためには地域の声を聞き、より多くの事業者に事業を知ってもらうことが大切だと考えます。 そこで、地域のニーズを知る市町村との連携や事業主体となる事業者に対する情報開示、周知をどのように行っているのかお伺いします。また、今後、このような団地を再生していく取組をどのように進めていくのか、都市整備部長に御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○木下高志議長 二十三番 関根信明議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 関根信明議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、県庁舎の在り方検討の進捗についてのお尋ねのうち、本庁舎建替えの方向性についてでございます。 令和二年度の県庁舎建築性能・劣化診断調査では、当面、建物の健全性は保たれるものの、現在の庁舎をこのままの状態でいつまでも使い続けるわけにはいかないことも明らかになりました。 一方で、県庁舎の建替えは大きな財政負担を伴うビッグプロジェクトです。また、一度建て替えると短期間ではなく、五十年あるいは百年単位で使用することになるため、慎重な検討が必要でございます。 デジタルトランスフォーメーションが行政サービスの在り方や職員の働き方に与える影響なども考えていく必要があるため、業務委託を行い、将来あるべき県庁の姿について整理をし、規模の検討なども行ってまいります。 検討に当たりましては、新たに副知事をトップとする庁内検討委員会を立ち上げ、今後のスケジュールをはじめ、様々な課題について議論をしていきたいと思います。県庁舎の目標使用年数八十年まであと十年であることも踏まえ、次のステージに向けて着実に検討を進めてまいります。 次に、荒川第二・三調節池整備事業とJR川越線の複線化についてのお尋ねのうち、大宮駅の位置付けとJR川越線複線化構想についての大宮駅の位置付けについてでございます。 大宮駅は、東日本の玄関口として広域的な交通ネットワークの拠点であり、本県の経済と人の交流の一層の活性化の観点から、大変重要な機能を果たしていると認識しております。 次に、公約の具現化でございます。 私は公約として「大宮駅を拠点とした東日本連携及び、SR延伸を前提に、東武線を巻き込んだ交通の便の向上の取組」を進めることを掲げておりますが、その文言どおり、それは県内交通利便性向上のためには前提と言うべき必要不可欠な条件と考えています。 東日本連携の取組やSRの延伸は政令市であるさいたま市とともに取り組んでいるものであり、県と市の政策の連動が大変重要であります。例えば、観光面一つを取っても、県内他地域と線で結ぶためには、広域自治体である県の役割が重要となります。また、県外の地域との連携を深めるためには、これまで三県知事会議で培ってきた群馬県や新潟県との関係を生かしていくといった可能性もあります。 このように、広域自治体としての県の特性をさいたま市の政策と連携させることによって相乗効果を発揮させることができるのではないかと考えております。 今後、大宮駅のグランドセントラルステーション化を推進するさいたま市の意向を十分お聞きしながら、市の取組に積極的に協力し、交通の利便性向上に取り組んでまいります。 次に、川越線複線化構想の推進の正式表明についてでございます。 JR東日本は、今あるまちづくりの計画を勘案しても複線化が必要な状況ではない一方で、将来、利用人員が増えたときには複線化の検討の可能性はあるとの見解を示しております。したがって、沿線自治体において、更に利用者を増加させる取組がなければ複線化構想は進みません。 昨年には、議員御指摘の協議会を県よりお声掛けして設置し、荒川橋りょうの複線化仕様に関する調査に着手し、推進に向けた一歩を既に踏み出したところでございます。複線化の実現には、しかしながら課題も多いと認識しておりますが、粘り強く取り組んでまいります。 次に、JR川越線荒川橋りょう複線化仕様についてでございます。 橋りょうの複線化仕様については、今年度、橋りょうの形状や複線化の方策等について調査を行っているところでございます。年末には調査結果が出ることから、その結果を見ながら、適切なタイミングで判断をしてまいります。 一方、追加負担の前提となる建設費用については、概略設計を行ってから初めて試算できるものであり、ルートも決定していない段階では算出すらできません。また、費用の追加負担及びその財源については、建設費用を算出した上で初めて検討が可能となる課題であるとともに、多くの利害関係者もおられますので、慎重に検討すべきと考えております。したがって、現時点において追加負担に関する取決め等について協議会の議題として取り上げるのは時期尚早と考えます。 JR東日本は、将来、利用人員が増えたときには複線化の検討の可能性があるとの見解を示しており、検討に向けて必要な条件が整うよう、リーダーシップを発揮して沿線自治体の取組を支援してまいります。まずは、どうしたら橋りょうの複線化仕様で架替えができるのかという観点から、実現可能性のある案をデータに基づいて検討することとし、粘り強く取り組んでまいります。 最後に、身体障害者補助犬とユーザーに対する支援策等についてのお尋ねのうち、身体障害者補助犬の入店拒否等を解消するための周知活動と職員研修、障害者教育等についての周知、啓発を新たな取組を含めて行うことについてでございます。 議員の長年の補助犬に対する支援活動については、改めて敬意を表するとともに、私自身、櫻井洋子さんとも何度かお会いさせていただき、身体障害者補助犬については、障害のある方の自立や社会参加を促進するために大変重要な役割を担っていると伺っております。議員お話しの補助犬や補助犬ユーザーの入店拒否はあってはならないことであり、県民の皆様が補助犬についての認識を深めていただくことが必要であると考えております。 そこで、県では、広報紙への掲載や県庁オープンデーにおける啓発イベントの実施に加え、昨年十二月の障害者週間には、県政広報テレビ番組において補助犬を特集させていただくなど、県民に対する理解の促進を図っております。 また、飲食店に対しましては、商工会議所連合会や鮨商生活衛生同業組合などを通じて周知、啓発を図るとともに、県に入店拒否に関する情報が寄せられる場合には、個別に店舗に対する改善指導も行っております。新たな取組として、県内の麺類業や中華料理業などの飲食組合の総会に職員を派遣して説明を行うほか、ステッカーやリーフレットを配布して組合の加入店舗への周知、啓発を実施しております。 今後、県民の理解を更に促進するため、イベントなどにおいて補助犬に触れ合うとともに、その必要性や意義などを学んでいただく機会を増やしていきたいと考えています。 次に、県の職員研修や障害者及び補助犬に関する学校教育についてでございます。 県職員に対しては、新規採用職員研修において、補助犬ユーザーに対する入店拒否は障害のある方への不当な差別的取扱いであることを学んでもらう。このことにより、障害者への理解を深めています。 学校教育の場では、補助犬ユーザーを支援する団体と連携し、障害者の方々の生活を体験する授業を行っている学校もございます。今後、こうした事例を教員に対する研修会などで周知し、障害者及び補助犬への理解を深める教育の充実に努めていただくよう、教育委員会と連携したいと思っています。 次に、身体障害者及び補助犬の支援に対する総括についてであります。 補助犬を必要とする障害者の方がパートナーである補助犬とともに地域で安心して生活できることが、何よりも重要だと思います。これまで民間の奉仕団体などでも積極的に身体障害者補助犬事業の支援や広報に努めているところ、県としても官民連携の上、更なる普及促進に努めることが肝要と考えております。 私は、誰一人取り残すことなく、障害がある方もない方も共に支え合えるような社会の実現に取り組んでまいります。       〔小野寺亘総務部長登壇〕 ◎小野寺亘総務部長 御質問一、県庁舎の在り方検討の進捗についての(一)令和三年度の調査内容と調査目的、検討事項等についてお答え申し上げます。 まず、令和三年度の調査委託について委託内容の詳細、委託する目的、また、調査成果物としての県庁舎イメージ図の作成についてでございます。 令和三年度は、デジタルトランスフォーメーションの進展などによる社会変革を見据え、求められる県庁機能などについて専門的な知識や先進的な事例を活用した検討を行うことを目的に、業務を委託してまいります。 委託内容の詳細といたしましては、行政サービスの在り方や職員の働き方が今後どのように変化するのか、また、行政事務のデジタル化がどのように進むのかなどの動向を分析します。あわせて、民間オフィスなどの先進事例を研究した上で、県庁舎が果たすべき役割や備えるべき機能を整理し、必要な施設規模も試算いたします。 これらの検討を踏まえ、執務スペースや県民交流スペースなどの個別機能についてイメージ図を作成してまいります。 次に、活用できる補助金、庁舎整備におけるPFI等民間活力の導入に関する検討についてでございます。 県庁舎の再整備においては、議員お話しの補助金の活用や民間活力の導入による建設費や維持管理費などのトータルコストを抑えた効率的、効果的な手法を検討していくことが重要でございます。業務委託の中で各種制度や最新事例を調査、分析した上で適用要件を整理するなど、様々な手法の活用について研究してまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問二、荒川第二・三調節池整備事業とJR川越線の複線化についての(一)荒川第二・三調節池整備事業の進捗等についてお答え申し上げます。 まず、荒川第二・三調節池を整備することで、どのような効果とリスク増加の懸念があるかについてでございます。 荒川中流部においては、これまで比較的大きな洪水が発生した場合、高水敷に水が乗り、川幅全体に洪水が流れておりました。この調節池事業では、1キロメートル以上もある現在の川幅を新たな堤防である囲繞堤でおおむね半分に仕切り、ふだんからは川の水が流れる部分と洪水時に水をためる調節池に分けることとされています。 この調節池を整備することで、川の水位が高くなるまでは現在でいうところの広い河川敷の空間を残しておけるため、より効果的な洪水調節ができるようになるとのことでございます。その上で、具体に県内においては本事業の実施により、荒川第一調節池直下流の笹目橋付近において約八十センチメートルの水位低減が見込まれ、戸田市、川口市、和光市などで堤防決壊による浸水リスクの軽減効果があると聞いております。 また、荒川第三調節池の上流区間においては、調節池の整備によって河川の水位が上昇することから、洪水を安全に流すための必要な対策として、河道の掘削や堤防の整備などを行うと聞いております。 次に、荒川第二・三調節池整備事業の進捗等についてでございますが、平成三十年度から事業着手されており、令和元年度からは、さいたま市環境影響評価条例に基づき環境影響評価が実施され、令和三年四月に完了したとのことです。令和三年度は、工事用道路等の基盤整備工事に着手する予定と聞いております。 県といたしましては、本県の治水安全度向上に資する荒川第二・三調節池整備事業の推進につきまして、引き続き国に要望してまいります。 次に、御質問五、新大宮上尾道路の進捗と今後の見通しについてお答え申し上げます。 新大宮上尾道路は、さいたま市中央区から圏央道を結び、鴻巣市箕田に至る延長約二十五・一キロメートルの高架構造の自動車専用道路で、県の中央部を南北に縦断し、埼玉の要となる道路です。この道路の整備により、国道一七号の慢性的な交通渋滞の緩和や、物流の効率化による産業活動の支援、首都圏広域防災拠点に位置付けられているさいたま新都心へのアクセス強化など、大きな効果が期待されております。 現在、(仮称)与野ジャンクションから(仮称)上尾南出入口までの延長約八キロメートル区間について、国と首都高速道路株式会社が共同で事業を進めております。 御質問の進捗状況でございますが、これまでに道路の測量や設計、都市計画の手続を行い、令和二年度には地元説明会が開催され、用地取得に着手したところでございます。 今後の見通しでございますが、引き続き用地取得を進めるとともに、令和三年度からはさいたま市宮前地区において新たに橋りょう下部工事に着手すると国から伺っております。 県といたしましては、今後も事業が円滑に進むよう沿線の関係市と連携しながら、事業区間の早期完成と圏央道までの早期事業化をあらゆる機会を通じて国に働き掛けてまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問二、荒川第二・三調節池整備事業とJR川越線の複線化についての(三)JR川越線荒川橋りょう複線化仕様についてお答え申し上げます。 今年度、県では協議会での検討に資するため、荒川橋りょうの複線化仕様に関する調査を実施し、複線化仕様での架替えの可能性を検討しております。 その具体的内容ですが、「JR川越線の輸送状況及び沿線地域の現状分析と複線化の効果」「橋りょうの架替えに関する課題の整理」「橋りょうの複線化の方策、複線化仕様の橋りょうの形状等の分析・検討」を進めてまいります。調査に関する中間報告を八月に、最終報告を十二月にそれぞれ予定しております。 次に、協議会の開催時期についてでございますが、今年度一回目の協議会を今月に開催し、調査委託の内容について協議したところです。今後につきましては、調査の進捗に合わせて、現在のところ、九月と来年二月の開催をそれぞれ予定しております。 次に、御質問六、見沼田圃の保全・活用・創造についてお答え申し上げます。 まず、(一)見沼田圃の土地利用の見直しについてのうち、どのように見直し、具体的にどのようなことが可能となったのかについてでございます。 今回の見直しにより、比較的保全の必要性が低い土地について、近隣地域と調和した共生型の土地利用を可能としたところでございます。見直しに当たっては、学識経験者などで構成する審査会から、治水面などに配慮の上、一定の土地利用は可能との御意見をいただき、さいたま市、川口市とも協議の上、令和三年四月から施行いたしました。具体的には、農業振興地域に指定されておらず、住宅の多いエリアに残る小さな土地について、日常生活に必要な店舗、例えば飲食店やコンビニエンスストアなどの立地が可能となりました。 次に、これ以外に今後、土地利用を見直す地区はあるのかについてでございます。 今回の見直しは見沼田圃全域を調査し、現時点で比較的保全の必要性が低い土地を対象としたものです。ほかに同様の地区はございませんでした。当面、これ以外に見直しを予定しておりません。 見沼田圃は首都近郊に残された貴重な緑地空間であり、今後もその保全と適正な活用に努めてまいります。 次に、(二)さいたまセントラルパークの進捗等についてお答え申し上げます。 まず、手続上の進捗状況と整備事業の今後の展開についてでございます。 県の関わりとしては、さいたま市からの申出を受け、令和三年二月に審査会で審査の上、同年三月一日付けで都市公園としての土地利用を承認いたしました。これにより、当面の県の手続は終了しております。今後、さいたま市における都市計画決定の手続に進むとお伺いしております。 次に、さいたま環境創造基金の活用の検討についてでございます。 見沼田圃は面積約一千二百六十ヘクタールで、次世代にわたり保全を続けるためには計画的に基金を活用することが必要です。これまで基金の活用については、さいたま市、川口市とあらかじめ十分協議し、その使い道を決定してまいりました。その結果、両市への補助としては、周辺斜面林の保全を図る目的で基金を活用しております。 お尋ねのさいたまセントラルパークについては、これまでさいたま市から基金の活用についての御提案はございませんでした。その整備に基金を活用することは、これまでの活用事例、事業の規模、基金の残高などを踏まえると、事実上困難であると思われます。 今後とも基金の活用につきましては、さいたま市、川口市と十分に意見交換を進めながら慎重に進めてまいります。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 御質問三、身体障害者補助犬とユーザーに対する支援策等についての(一)県内補助犬の現状と支援策についてお答え申し上げます。 まず、補助犬に対するニーズは充足されているのか、また、補助犬を必要とされている方の把握と相談体制をどのように進めていくのかについてでございます。 身体障害者補助犬を必要とされる方の把握と相談については、身体障害者手帳や障害福祉サービスの申請窓口を担っている市町村が行っております。 県では、補助犬の訓練と希望する対象者とのマッチングを委託しており、過去五年間を見ても、利用ニーズには対応できている状況です。今後も必要な方に補助犬を給付するため、市町村への説明会等において対象となる方に補助犬制度の周知を徹底するよう働き掛けてまいります。 次に、補助犬の医療費補助についてでございます。 補助犬の健康診断や予防接種、疾病の治療等の医療費に対し、県単独で上限三万円の補助金を交付しています。こうした補助金は国庫補助制度がないこともあり、全国では七県のみの実施にとどまり、近隣都県では例がありません。なお、市町村では政令市である横浜市などが実施しております。 補助犬の健康管理は補助犬ユーザーにとって不可欠であることから、今後も医療費補助事業の効果を検証しながら、国に補助制度の創設を働き掛けてまいります。 次に、補助犬ユーザー団体との協議の場の設置についてでございます。 これまで毎年度、補助犬ユーザーが加入している視覚障害者団体から御要望をいただき、補助犬に関する意見交換も行っております。今後も機会を捉えて補助犬ユーザーの方の御意見を伺ってまいります。 補助犬は、地域で自立した生活を送る障害者にとってかけがえのないパートナーであると考えます。県では、補助犬と補助犬ユーザーの支援にしっかりと取り組んでまいります。       〔原和也警察本部長登壇〕 ◎原和也警察本部長 御質問四、警察行政についての(一)児童虐待への対策についてお答え申し上げます。 県警察におきましては、一一〇番通報や県民からの相談等、各種取扱いの中で児童虐待が疑われる事案を把握した際には、児童の安全を最優先とした対応を行うとともに、速やかに児童相談所に通告を行うこととしております。他方で、警察が取り扱う事案の中には、児童虐待が疑われるものかどうかの判断が難しい事案や、事態が急速に悪化したり潜在化したりする可能性がある事案等、警察署の段階では判断が困難な事案も含まれているところであります。 御指摘の少年課児童虐待対策室は、このように様々な対応を取り得る児童虐待事案への対応について、幅広い知見や経験を有する室員により編成されており、二十四時間体制で警察署による児童の安全を確保するための措置が、迅速かつ的確に行われるよう必要な支援、指導を実施しているところであります。今後、児童虐待対策室においては、警察署での児童の安全確認が困難な場合に、室員を警察署に派遣して安全確認の支援を行うほか、児童の保護、児童相談所への通告・情報提供等、警察署における事案対応に遺漏はないかどうかの確認を行うなど、取組を一層強化してまいります。 県警察におきましては、現在、児童相談所をはじめ関係機関と緊密に連携しつつ、児童虐待事案への対応に取り組んでいるところでありますが、引き続き警察が把握した児童虐待事案についての情報共有はもとより、児童相談所との人事交流、合同訓練の実施等を通じ、連携を更に強化してまいる所存であります。 次に、(二)警察本部の在り方検討についてお答え申し上げます。 警察は捜査機関であり、多くの捜査情報や個人情報を取り扱うことから、高度なセキュリティが求められると認識しております。また、現在、警察本部の機能は分散しておりますが、警察本部は災害対応等、各種警察活動を行う上での拠点でもあることから、高度なセキュリティを有し、かつ本部機能が一元化された独立庁舎が望ましいと考えております。 警察本部の独立庁舎化については、県庁舎の在り方検討の中で併せて検討されることとなりますが、警察本部、県警察では当該検討に積極的に加わるとともに、内部検討についても鋭意進めてまいる所存であります。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 御質問七、県営住宅団地再生事業についてお答え申し上げます。 まず、(一)団地再生事業導入の評価と課題についてでございます。 団地再生事業は、老朽化した県営住宅の建替えにより生み出した土地を活用し、地域に貢献するサービスを導入する事業でございます。 地代が高いなどの理由により必要なサービスの導入が難しい地域でも、県営住宅の土地を低廉に貸し出すことで、新たなサービスを提供することができます。例えば、大宮植竹団地では保育サービスを導入し、子育てしやすい環境を整備するとともに、加えましてコミュニティカフェを設置しました。 このように、団地再生事業は単なる県営住宅の建替えではなく、地域の方々の生活のしやすさを向上させる効果があると認識しております。 一方で、県営住宅の建替えと地域のニーズに、事業者の進出しようとするタイミングをいかにマッチングさせることができるかが課題と考えています。 次に、(二)各市町村との連携、情報開示、今後の取組についてでございます。 団地再生事業の実施に際しては、準備段階から市町村の子育てや高齢者福祉の部局と意見交換するなど、地域における需要の把握に努めております。また、多くの事業者に対し、市場ニーズ調査としてヒアリングを行い、公募に際しては記者発表やホームページでの公開など、幅広く周知しております。 今後は人口減少や単身世帯の増加などの社会情勢の変化を踏まえ、地元市町村と勉強会を開催するなど連携を密にし、県営住宅が地域づくりに貢献できるよう団地の再生に取り組んでまいります。       〔二十三番 関根信明議員登壇〕 ◆二十三番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。 再質問をさせていただきます。 質問項目の一の(二)本庁舎建替えの方向性について、再度知事に質問させていただきます。ほか全部で三点、お伺いいたします。 一点目は、御答弁聞いたところで、副知事をトップにして庁内の検討委員会を設置していただけるということで、一歩二歩も前進したのかなと思いますが、いつぐらいに設置していくのかということと、それとやはりスピード感が大切だというふうに思っておりますので、なるべく早めにどんどん前に進むようにお願いしたいなと思いますが、再度お伺いいたします。 二点目につきましては、二の(二)JR川越線の複線化構想ないしは表明していただきたいということで知事にお願いしたわけでありまして、とにかく沿線両市、川越市、さいたま市についても毎年署名活動をやったり要望活動をやって、また議連でも毎年やっている、担当課ではJRと交渉していただいているわけでありますが、トップの知事がやろうよと、川越線複線化にしようよというようなことを表明してもらわないと、ただ職員がやっていますからではいけないのではないかなと思いますので、先ほどその答えをいただいたのかどうか、私ちょっと認識しておりませんでしたので、再度知事に頑張るぞということを言っていただけるとありがたいなというふうに思っているところです。 三点目は、今、橋りょうの関係の協議会を開いていただいて、先ほど企画財政部長からお話がありましたとおり、二回これから協議会を開催していくよというふうな話でございます。いずれにしても、橋りょうの複線化仕様での架替えになるのか、知事が幾つか日下部議員のときに答弁したと思いますけれども、今の橋りょうもかさ上げしてやっていくのかというような話もありましたけれども、いずれにしても知事が最終的には協議会で川越市並びにさいたま市の首長と政治決断をしていかければいけないのだろうと私は思っておりますので、いわゆる最後のまとめになったら知事がそういうふうに首長同士でやりますよということを再度お伺いさせていただきます。 以上、よろしくお願いいたします。(拍手起こる) ○木下高志議長 二十三番 関根信明議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 関根信明議員の再質問にお答え申し上げます。 まず一点目でございますが、副知事をトップとする庁内検討委員会につきましては、第一回を八月に考えており、年内に複数回行っていただきたいと思っております。スピード感につきましては、御指摘のとおりとは思うものの、DX化や将来の働き方等、今後の五十年、百年をにらんだ構想をまとめるべき委員会でございますので、私としては速やかにではあるものの、慎重に議論をいただくようお願いしているところでございます。 そして二点目でございますけれども、川越線の橋りょうに向けた県知事としての表明についてでございますが、私申し上げたつもりでございましたが、昨年には議員が御指摘の協議会を設置させていただき、そして荒川橋りょうの複線化仕様に関する調査の、推進に向けた一歩を既に着手して踏み出したところでございます。そこで我々としては既に踏み出しておりますので、この複線化の実現には課題も多いとは思うものの、粘り強く取り組むということを申し上げたつもりでございます。 そして三点目、政治決断をそれぞれの首長との間で行うべきであるというお話でございます。まず、前提として、先ほど御答弁させていただきましたけれども、JR東日本は今あるまちづくりの計画を勘案しても複線化は必要ではないとしております。しかしながら、将来、利用人員が増えたときには複線化の検討の可能性はあるとしております。 こういった状況の中で調査を行い、そして将来の複線化の検討の可能性を実現可能性に変えていくために、データに基づく検討をするということで、私の方から両首長に働き掛けをさせていただき、この協議会で調査をすることとなりました。先ほど申し上げたとおり、データに基づいて粘り強く働き掛けていくための既に一歩を踏み出したところでございますので、必要な形で今後、とはいっても時間はかかりますけれども、動いていきたいと思っております。          ---------------- △次会日程報告 ○木下高志議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十三日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○木下高志議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時九分散会          ----------------...