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  1. 埼玉県議会 2020-09-01
    10月05日-05号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 2年  9月 定例会九月定例会  第十二日(十月五日)令和二年十月五日(月曜日)第十二日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    二十三番  木下博信議員    五十八番  権守幸男議員     四十番  岡田静佳議員 三 次会日程報告    十月六日(火) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    九十一名         一番  金野桃子議員         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         四番  柿沼貴志議員         六番  高橋稔裕議員         七番  逢澤圭一郎議員         八番  山口京子議員         九番  千葉達也議員         十番  渡辺 大議員        十一番  松井 弘議員        十二番  深谷顕史議員        十四番  白根大輔議員        十五番  秋山もえ議員        十六番  八子朋弘議員        十七番  杉田茂実議員        十八番  江原久美子議員        十九番  中川 浩議員        二十番  高木功介議員       二十一番  宮崎吾一議員       二十二番  関根信明議員       二十三番  木下博信議員       二十四番  藤井健志議員       二十五番  美田宗亮議員       二十六番  吉良英敏議員       二十七番  橋詰昌児議員       二十八番  町田皇介議員       二十九番  辻 浩司議員        三十番  守屋裕子議員       三十一番  松坂喜浩議員       三十二番  並木正年議員       三十三番  石川忠義議員       三十四番  松澤 正議員       三十五番  宇田川幸夫議員       三十六番  浅井 明議員       三十七番  飯塚俊彦議員       三十八番  横川雅也議員       三十九番  内沼博史議員        四十番  岡田静佳議員       四十一番  永瀬秀樹議員       四十二番  安藤友貴議員       四十三番  東間亜由子議員       四十四番  山根史子議員       四十五番  前原かづえ議員       四十六番  浅野目義英議員       四十七番  井上 航議員       四十八番  岡 重夫議員       四十九番  醍醐 清議員        五十番  日下部伸三議員       五十一番  小久保憲一議員       五十二番  立石泰広議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  小川真一郎議員       五十八番  権守幸男議員       五十九番  萩原一寿議員        六十番  水村篤弘議員       六十一番  秋山文和議員       六十二番  村岡正嗣議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  齊藤邦明議員       六十五番  武内政文議員       六十六番  中野英幸議員       六十七番  新井一徳議員       六十八番  梅澤佳一議員       六十九番  中屋敷慎一議員        七十番  木下高志議員       七十一番  諸井真英議員       七十二番  細田善則議員       七十三番  須賀敬史議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  高木真理議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  神尾高善議員        八十番  岩崎 宏議員       八十一番  高橋政雄議員       八十二番  田村琢実議員       八十三番  小林哲也議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員 欠席議員    なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   橋本雅道  副知事   堀光敦史  企画財政部長   北島通次  総務部長   山野 均  県民生活部長   森尾博之  危機管理防災部長   小池要子  環境部長   山崎達也  福祉部長   関本建二  保健医療部長   加藤和男  産業労働部長   強瀬道男  農林部長   中村一之  県土整備部長   濱川 敦  都市整備部長   板東博之  会計管理者   高柳三郎  公営企業管理者   岩中 督  病院事業管理者   今成貞昭  下水道事業管理者   高田直芳  教育長   高木紳一郎 警察本部長             発言(質問)通告書   十月五日(月)議席番号 氏名      要旨 答弁者二十三番 木下博信議員  1 知事の県政に対する考え方について 知事              (1) 質問と答弁のすれ違いについて              (2) 公約の実現性について              (3) 県は県民の最終責任者にはならないのか             2 共生社会を踏まえた埼玉県男女共同参画推進センターの今後について 県民生活部長             3 埼玉県の価値向上について 企画財政部長              (1) 埼玉県の本当の良さとは              (2) 県の投資バランスと県民負担の妥当性について             4 新型コロナウイルス感染症から考えること              (1) アフターコロナの社会と県庁組織について 企画財政部長              (2) 保健所の配置見直しと中核市について 保健医療部長 企画財政部長             5 東埼玉道路と都市計画道路三郷流山線を接続する道路整備の必要性について 県土整備部長五十八番 権守幸男議員  1 ポストコロナに向けた取組「グリーン・リカバリー」について 知事             2 地域包括ケアシステムの在り方について 知事             3 社会的養護出身者のアフターケアについて              (1) アフターケアの重要性と今後の取組 知事              (2) 施設等退後の居住に関する支援 福祉部長              (3) 障害を持つ子供たちへの適切な支援 〃             4 歩行者保護について              (1) 運転免許証の更新手続時の講習 警察本部長              (2) 「歩行者ファースト路線」 〃              (3) 「止まってくれてありがとう」 〃              (4) 広報啓発 県民生活部長              (5) 道路標示、道路標識、防護柵の適切な維持管理等 警察本部長 県土整備部長             5 精神障害者福祉型訪問支援強化モデル事業について 福祉部長             6 県民視点に立った行政手続のオンライン化・簡素化について 企画財政部長 警察本部長             7 ICT活用工事について 県土整備部長             8 地元問題 県土整備部長              (1) 春日部駅付近連続立体交差事業              (2) 大落古利根川等しゅんせつ事業              (3) 一級河川・新方川の整備              (4) 県道西金野井春日部線の整備              (5) 都市計画道路上野長宮線の整備 四十番 岡田静佳議員  1 新型コロナウイルス感染症対策について 知事              (1) 組織の強化と役割責任体制の明確化について              (2) 保健所機能の強化と適正配置について              (3) 医療人材の確保と早稲田大学医学部の誘致について             2 渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げを(県庁に銅像を!) 知事 県民生活部長 教育長             3 あと数マイルプロジェクトについて 企画財政部長             4 中学校における進路指導の実態と改善について 教育長             5 コロナ禍における子供たちの活躍の場の提供と思い出づくりについて 教育長             6 子供を主体とした児童福祉施策の実現に向けて 福祉部長              (1) 共同親権の推進について              (2) 中高生の居場所づくりについて              (3) 障害児支援の研修の充実について             7 地元問題              (1) 都市計画道路飯能所沢線の整備について 県土整備部長              (2) 西所沢駅西口改札口の開設に向けた支援について 企画財政部長              (3) 県道所沢青梅線の整備について 県土整備部長          ----------------午前十時一分開議 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十五番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○田村琢実議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○田村琢実議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 二十三番 木下博信議員       〔二十三番 木下博信議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十三番(木下博信議員) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、県政に対する一般質問を行ってまいります。また、こうした貴重な質問の機会をいただきました自由民主党県議団に感謝申し上げます。ありがとうございます。 まず、知事の県政に対する考え方について、三項目伺わせていただきます。 一つ目、質問と答弁のすれ違いについてです。 この一年間、知事公約を中心に幅広い質問が知事になされてきました。そして、そのやり取りを聞いていて感じること、それは質問と答弁がすれ違っているということです。知事は気付いていらっしゃるのでしょうか。もし意図的なら、かみ合うように変えていただきたいですし、無意識であるなら、どうしてすれ違ってしまうのか、原因を探して修正した方が良いと思います。 議場における各議員からの提案や質問は、九十三通りの様々な視点や立場からなされているものです。それを尊重していただきたいですし、違うと感じるところがあれば、こういう考え方から現状での対応は困難であるなど、正面から受け止めて答えていくのが、提案を受ける執行責任者としての責務であると考えます。 これまでたくさんのすれ違いがありましたが、三つ例を挙げさせていただきます。 一つ目、新型コロナにより厳しい環境にある事業者への対策として、県内観光への補助の提案がありました。その答弁は、「いろいろな観光の厳しさを共感しつつ、観光のPRをします」というものでした。補助を行うことを求めて、PRしますという答え。こういう事情で補助はできない、もしくは好ましくないという説明もなく、我々はPRという支援をしていますので、よろしくということです。これ、真正面から受け止めて答えていると言えるでしょうか。 二つ目、「コロナ対策支援金が及んでいない分野がある。誰一人取り残さないという理念に合致していないのでは」という質問に対し、「本県は他の都道府県で対象としていないところも対象にしている」との答え。及んでいない分野がここにありますよと指摘されて、他県がやっていないところにも届いています。これ、かみ合っているでしょうか。他県がやっていないことを本県独自に実施するのは良いことです。しかし、他県でやっていないことをやっていることと、支援が及ばないところがあるということは関係のない話でしょう。そこに届いていないと言うけれど、ほかがやっていないことをやっているんだから、埼玉は頑張っているんですと言いたいのかもしれません。しかし、あそこに溺れている人がいるから助けてと言われて、いや、あっちで崖から落ちそうな人がいたので助けていますと答えたとしたらどうでしょうか。誰が聞いてもかみ合っていないはずです。さきのやり取り、これとほぼ同じです。 三つ目、ある課題の指摘に対して、「いち早く先駆けて何々をしてまいりました」という答えです。それは良いことでしょうが、それで足りないと思うことを指摘しているのです。私たちも手をこまねいているのではなく、こういう対応をしてきていますと言いたいのでしょうが、聞いている方には「僕たちはこんなに先進的にその分野に取り組んでいるんだよ。なのに、君は何でそんなことを言うの。知らないの」的なニュアンスでしか聞き取れません。更に、指摘を踏まえて頑張りますというニュアンスが欠けているために、指摘に対してやっている自慢をしているようにしか聞こえなくなってしまいます。お気付きでしたでしょうか。それとも、狙いどおり。どうなのでしょうか。 こうしたすれ違いに対してどう感じるのか、今後どうしていこうと考えられるのか、知事のお考えをお聞かせください。 次に、(二)公約の実現性について、二点伺います。 一点目、埼玉版スーパーシティプロジェクトについてです。 これまでの答弁では、県主導の新規開発ではなく、既存の街を想定して市町村主導の取組を支援するという趣旨だったと思います。しかし、知事の言われるエネルギーの自立も含めたイメージを既存の市街地で生み出すことが、現実的に可能なのでしょうか。そういう趣旨では、とよたエコフルタウンや柏の葉、藤沢市などのように、新規開発でないと不可能なのではないでしょうか。また、市町村の事業ではなく、県の直轄事業でないと困難に思えます。 先日、第一回有識者会議が開かれて様々な指摘があったようですが、県が提示した資料では、やはり市町村の事業を県が支援するというスキームで想定されているようです。私は、この状態で手を挙げる市町村があるとは思えません。もし、やろうという市町村が出てくるという何らかの確信があるのでしたら、私の見立ての誤りですから、「大丈夫です、やりたいと言っている、真剣に考えているところがあります」というお答えで十分です。 しかし、もしいまだ見込みはなく、市町村の事業で進めていこうとするのであれば、県としては、市町村に対する強力なサポート体制を作ることが必要になるのではないでしょうか。 エネルギーの自立も含めてということであれば、どんな自然エネルギーを活用しようと、その都市が蓄電機能を持たなければ自立し得ません。このことは、これまで予算特別委員会等における水素エネルギーや太陽光発電の推進などに関する議論の中で、何度も指摘されています。それを踏まえると、新たな蓄電システムを作り出そうとする企業や蓄電能力の高い電気自動車を開発・所有する企業、URや大規模まちづくりを行う気概のある企業、そして同様にまちづくりを研究する大学などの研究機関を巻き込んで、スーパー・シティをやると手を挙げてくれた市町村を、県と民間企業が一体となってサポートしていく体制を県の主導により構築しなければ、知事が公約として打ち上げたものの、どの市町村も反応せず、段階的に消え去っていくことになってしまう気がします。 知事が、本当に埼玉県にスーパー・シティが必要で、その実現に向けてあらゆる手段を取っていくというお気持ちであるなら、半端な形で職員に負担を掛けて迷走することを避けるためにも、先述のような蓄電企業、まちづくり企業、研究機関を巻き込んだサポート体制を立ち上げること、これは選択肢の一つであると考えますが、いかがでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。 二点目、あと数マイルプロジェクトについてです。 さきの六月定例会では、交通政策を議論する有識者会議を非公開とした点が問題として指摘されました。そもそも交通政策を幅広くということであれば、公約とは関係ない一般議論のはず。であるのに非公開にしたのは、何か不都合があるからと当然に推測されます。そう指摘され、知事も望ましい方法を考えると答弁し、先月開かれた第二回の有識者会議。執行部が提供した資料と説明は公開でしたが、その後の議論は非公開でした。残念なことです。 しかし、その資料には、交通政策全般ではなく、公約に掲げた各路線の状況説明が加えられていました。その非公開の議論の中では、各路線に対する新たな評価の仕方を考える必要性の指摘もあったように伺っています。当然でしょう。これまで多くの人々が延伸できたら良いと様々に考え働き掛けても、実現してこなかったものです。今までの発想とは違う新たな路線の価値や評価基準が見いだせなければ、容易に進むものではありません。 そこで、伺います。選挙で打ち出したこの政策、実現するには、国土交通省の鉄道プロジェクトの評価手法のマニュアルを書き換えるほどの、何か違う要素を見いださないと進みにくいはずです。その道を見いだすのに、今の検討体制、推進手法で可能だと考えているのでしょうか。それとも、新型コロナで変化が求められる社会の在り方を踏まえ、国のマニュアルを書き換えさせるほどの提案ができる強固な体制を作り出していくのか。知事にその思いと覚悟があるのか、お聞かせください。 (三)県は県民の最終責任者にはならないのかということをお伺いします。 県と市町村の仕事のすみ分けは、法令にも様々に定められていますが、住民に身近な基礎的サービスは市町村。単独では実施が困難で広域的な取組が求められるものは県。簡潔に言うとそういう整理になっています。そして、多くのものが国の仕事、県の仕事、市町村の仕事と制度的に位置付けられています。 一方、社会が変化、成長する中で、その分担が明確でないものの事業を行う必要性のある事例が、たくさん生まれてきています。そして、分担が明確でないがゆえに、サービスが存在する地域とそうでない地域の格差が生じています。そして、その事業が存在するにしても、運営する自治体には新たな負担が発生しています。 そういう事業の一つが、発達支援や重度心身障害者の養育事業です。国がやらない、県がやらない、単独市町村じゃできない。で、その結果は、松伏町など五市一町では社会福祉法人を設立して中川の郷を運営しています。また、富士見市など二市一町では入間東部みよしの里などを、朝霞市など三市では、みつばすみれ学園などを運営しています。何とかしようと連携できた自治体の周辺では運良く利用できる。けれども、そうでなければ、重度心身障害の療育を受けるために遠くまで行かないとサービスを受けられない。置き去りにされた状態になっています。それぞれの県民には何も落ち度はなく、税負担も同じようにしているのにです。 養護施設とファミリーホームも似たような状況になりそうです。国が養護施設から里親にシフトしようとしていることで、県内の養護施設増設は財源的には困難になっています。しかし、必要な対象者数は、虐待死等を防ぐため増えている。そこで、県はファミリーホームの開設に補助を実施していますが、年間四件程度。このままの在り方だと、思いがあって資金力のある篤志家の方がいらっしゃるところにしか、サービスが生まれ出てこない状況になります。障害者の療育施設と同様に、またどこかの市町村が連携してサービスを生み出すことを待つのでしょうか。それで県民への責任が果たせるのでしょうか。市町村の特色ある取組として、存在するところと存在しないところがある、そういうものだと県は考えているのかもしれません。 しかし、私は、特色としていいのは、上乗せ、横出しの事業のみであると考えます。ないと不自由する、生活が困難になるものは、特色ではありません。こういった状況に対して、県はどういう立場で臨みますか、その基本姿勢を教えてください。国、県、市の明確な位置付けがないけれど、ないと困るものは市町村同士が連携して自助努力でよろしくという考え方か、広域行政体として県が何らかできることを考え行動するという考え方か、いずれでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。 二番目、共生社会を踏まえた埼玉県男女共同参画推進センターの今後について伺ってまいります。 埼玉県男女共同参画推進センター(With you さいたま)は、県の中心部に位置し、設立当時はその開設そのものに大きな意味がありました。そして、まだその役割は終えたとは言いませんが、センターの活動の成果もあり、一定の世代までは男女共同参画の意識が浸透してきています。県の調査資料では、全世代の平均値でも平成六年と平成三十年の比較で見ると、性別役割分担意識に同意する人の割合は、女性が一八・五パーセントから八・九パーセントへ、男性が三八・四パーセントから一五・九パーセントへ、どちらも半減以上です。そして同意しない人は、女性が四一パーセントから六三・三パーセントへ五割増し、男性が二七・二パーセントから五五・二パーセントへ倍増という結果になっています。 このように男女共同参画の意識が浸透していく中、社会状況は刻々と変化し、様々な面で多様性が語られるようになりました。性に関しては男性、女性という区別だけではなく、LGBTQという言葉も認識され、多様性を尊重することが求められていますが、社会全体でその多様性を受け入れて共生することが、当たり前にはなっていません。私は、男女共同参画の次のステージとして、多様性を尊重して共生していく施策に、今こそ明確な拠点を持って取り組んでいくべきときであると考えます。 そこで、現在の男女共同参画推進センターを多様性社会での共生の拠点に衣替えするべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、衣替えするまでの状況ではないと考えられるなら、男女共同参画推進センターを他の場所へ移転し、現在の場所を新たな共生の拠点にしてはいかがでしょうか。県民生活部長の御所見を伺います。 三番目、埼玉県の価値向上について伺ってまいります。 新型コロナの影響で、社会は様々に変化を始めています。その一つに、居住地の選択の仕方があります。都心の密を避ける動きがあり、居住地選択の幅が広がっているようです。こういう状況で埼玉は何を売りにすべきか、一つの仮説の提示と提案をさせていただきます。 東京への通勤や用足しも可能、家賃も物価も安い、買い物至便、豊かな自然。埼玉に越してきた人、選んだ人に聞けば、こういう答えが多くあります。では、埼玉を選択しない人に、なぜ選ばなかったのか聞いたらどうでしょうか。答えの中心になるのは、東京じゃないから、埼玉だから、なのではないでしょうか。ここから見えてくること、東京じゃないと嫌な人、埼玉に住んでいると人に言いたくない人は、埼玉を選ばない。つまり、埼玉を選んだ人は、東京という名前、ブランドを欲しがらない人、埼玉に住んでいることについて他人の評価なんてどうでもいいと思っている人ということになります。これ、すごく大事な要素なんです。 なぜなら、他人の評価やブランドなんかにかかわらず、自分でいいと思えば気にせず、それを選択することができる。つまり、他人に馬鹿にされるのが嫌という感覚がない。これを裏返すと、他人をブランドや形式で馬鹿にしない人、こういう人が埼玉を選んで住んでいるということになります。 タワーマンションの上下のマウント合戦とか、お受験の競争とか、会社の役職の格付マウント合戦とか、そういうのがあほらしくて、ほとんどやっていない埼玉コミュニティ。いいですよね。埼玉をディスりまくった「翔んで埼玉」が埼玉県で一番ヒットして、しかも怒っているんじゃなくて、県民にばか受けしているのが不思議がられていましたが、この仮説どおりだとすると、すっきり納得ができます。 もちろん、いろんな方がいらっしゃいますから、マウントしたがる人が皆無ではありませんが、他県に比べて明らかに少ないはずです。だって、埼玉を気に入って、人の目なんて関係なく埼玉を選んでくれた人たちの集合体ですから。 こういう埼玉、東京でのぎすぎすに疲れて移住を考えている人には、最高のセールスポイントになります。「日本一暮らしやすい埼玉」と知事も言っています。こういう社会状況に得られる精神的平穏、安らぎ。コピーライターとしての才能がないからうまく言えませんが、「都会の人間関係に疲れたら安らぎの埼玉へ」「マウントの取り合いのない平和な暮らし、それは埼玉」的な感じです。この埼玉県民自身が当たり前過ぎて気付いていないんですから、他県の人が気付いていない、ものすごいセールスポイントです。 そこで、企画財政部長にお伺いします。 更に埼玉に住んでいただくために、住みよいコミュニティにするために、この仮説について本当かどうか分析、研究してみる価値があると考えるのですが、いかがでしょうか。そして、有意な結果が確認できたら、この埼玉の良さを自覚して積極的に発信すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。 (二)県の投資バランスと県民負担の妥当性についてです。 五年前に、各地域への県税の投下バランスが適正かどうか、検証してみてはどうかという提案をいたしました。まずは施設の配置と利用者数、さらには下水道分担金の多寡など、見えるもの、見えないものを含めて。しかし、当時の中原部長は、「そういうデータはありません」と答弁され、上田県政では明確になりませんでした。 私は、県民の納得度向上に向けて必要なことだと感じ、じゃあ自分でやってみようといろいろ試行錯誤してみました。そこで、気付いたことが三つ。 一つ目、二兆円近い予算の地域ごとの配分バランスを、その効果範囲、利用状況を含めてまで整理していくこと。無理でした。力不足を反省します。 二つ目、地域によっては県立の美術館、図書館、動物園を全く利用しておらず、より近い東京の同様の施設を利用している。施設の配置がアンバランスだからといって、無理やり利用可能な県立施設を造って公平にする必要があるのか。それだったら、違う施策で公平性を保つ方が良いのではないかということです。 三つ目、実は県内の各地で、どこの地域も納得していないのではということです。特にこの三つ目、まずいと思いました。県南からすると県北や県西が優遇されているように見えたり、県北からは県南が優先されているように見えたり、さいたま市からは自分たちは政令市でおざなりにされていると見えたり、つまり、県内のどの地域も自分たちは冷遇されていると感じているということです。これ、県職員も、我々議員も、様々に頑張っている中で、内心、県から十分に見てもらっていないと感じている。実はどこの県民も納税者として納得感がないというのは、とても寒い状況なのではないでしょうか。そして、その原因の一つが、県全体での状況が可視化されていない。全体が見えていないから、隣のバラは赤い、人の地域が優れているように見える的な、納得感がない状況を生んでしまう。これ、本当に寂しいことです。 そこで、伺います。さきに申し上げたように、上田県政ではその集約、整理に取り組んでいただけませんでしたが、大野県政になって改めて全県民が納得できるものであるよう、様々な県の施設、施策、インフラ等、県の投資バランスがどういう状況になっているのか検証して、分かりやすく見える化する必要があると考えるのですが、いかがでしょうか。企画財政部長のお考えをお聞かせください。 四番目、新型コロナウイルス感染症から考えることということで伺ってまいります。 (一)アフターコロナの社会と県庁組織についてです。 コロナ対応の中で新たに気付いたこと、見えてきたことは、様々な分野であります。東京の一極集中のリスクとか、テレワークの可能性とか、ウェブ会議の方が便利な場面などなどです。私は、その中の一つに管理部門の在り方があると感じます。現場のサービスは、そこで動かす人がいなければ回りません。一方で、管理部門はしばらく止まっていても、受益者は困りません。 ということは、必須のものではなくて、できる限り軽量、シンプルでいいはずのもの。なしで回れば、一番効果的だということです。無理と思うかもしれませんが、実施している組織は世界中に存在します。総務部門や管理部門は、組織の成長過程として今までは必須の部門でした。しかし、情報共有の技術、IT化などが劇的に進化しています。県内はおろか地球の反対側とも、即時に情報共有ができる時代です。それも机の前のパソコンにしがみ付いていなくても、スマホ一つで同じことができるところまで来ています。 その状況の中、新型コロナの世界的まん延という事態が襲ってきた。いろいろな在り方を見直していかざるを得ない事態になったのです。もちろん、一年、二年で実行してくださいとは言いません。しかし、この機に、知事が取り組むあと数マイルプロジェクト埼玉版スーパーシティプロジェクトと同様、長期的な視点に立ち、未来の埼玉県庁の在り方として総務・管理部門の簡素化、分散化、廃止について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。企画財政部長の所見をお聞かせください。 (二)保健所の配置見直しと中核市についてです。 今回、新型コロナの第一波では、県内で最も所管人数が多い保健所の管内でクラスターが頻発しました。次にまた新たな感染症が発生しないとは限らず、このままでいいのか考える必要があります。「保健所の整理・統廃合が進み過ぎた。反省すべき点がある」という声が、国の関係者からも聞こえてくる状況です。恐らく県としても同じ認識で、保健所の配置と管轄範囲の見直しをしていく必要があると思慮されていると思いますが、その理解でよろしいのかどうか。保健医療部長の考えをお聞かせください。 そして、何らかの見直しが必要だと認識されているという前提で、中核市と保健所の歴史を振り返りながら質問を進めさせていただきます。 一九九五年に人口三十万人、面積百平方キロ、昼夜間人口比率一〇〇以上という条件で、中核市という制度が始まりました。そして一九九九年、二〇〇二年と条件が緩和され、二〇〇六年には人口が三十万人以上という条件のみになりました。そういう制度の流れの中、二〇〇三年に川越市が県内初の中核市になりました。その川越市は、二〇〇四年に中核市が開設可能な保健所を設置しています。 川越市保健所の設置と時を同じくして、県は保健所の統廃合、再配置を進めます。私の住む草加保健所も、二〇〇六年に吉川保健所とともに越谷保健所に統合されました。草加や吉川だけでなく、県内各地で同様の統廃合が進められました。保健所の整理・統廃合による県の仕事の効率化を目指していくものであったのでしょう。 そして、二〇一〇年にもう一歩進んだ動きが始まりました。二〇〇六年に保健所から分室になったところについて、分室を廃止して本所に統合する形での更なる統廃合です。しかし、この中で分室が本所になって、本所がなくなってしまったというところがあります。中核市になれる越谷市と所沢市です。その二か所からは、保健所を分室のある草加市、春日部市と狭山市に移動することになったのです。これ、あなたは中核市になれるのだから保健所なくします。不便なら自前で設置してくださいと促す配置変更としか思えません。 思えませんというのは、この分室が本所になる変更を草加市に説明に来られた県職員の方々は、全くそういうことを言わずに理由を説明してくれたからです。草加では歓迎されるべきことなので異論はなかったのですが、「越谷は中核市になって保健所が設置できるのに、設置しないから他に持っていきますと、触れない見事な論理構成ですね」と称賛したら、肯定はされませんでしたが、否定もされず苦笑いをされていました。これは邪推だと言われるかもしれません。 しかし、当時の板川越谷市長は、「県から設置しろと言われているが、負担と運営する困難さを考えると、中核市になって設置するメリットがない」と明言されていましたし、先日、当時の斎藤所沢市長にも聞いたところ、「設置してくれと言われたが、老朽化した施設のままじゃとてもじゃないけどやれないので、建て替えた後の移管なら考えると答えて、そのままになった」とおっしゃっていました。つまり、二〇一〇年の再編に合わせて、県は越谷市と所沢市に保健所を開設してもらおうと働き掛けていたのです。そして、それがかなわなかったから、もしくは開設したくなるように、両市から保健所を移動させたと憶測することができます。 そういう経過の後、越谷市は高橋市長に代わり、二〇一五年に越谷市保健所が設置されましたが、所沢市は当麻市長、藤本市長と代わっても、中核市になり設置するという選択をしていません。 こうした経過の中、新型コロナがまん延し、特に所沢市で多くのクラスターが発生、狭山保健所の職員に、管轄内の県民に大変な負担を掛ける事態になったのです。これ、県から見たら道半ばで起こった災害、所沢市から見たら県が適正な再編成をしてこなかったことで生まれたしわ寄せ。私は、どちらが正しいと言う気はありません。しかし、このままの配置でよいとは全く思えません。中核市になれるのだから、所沢市が中核市になって自分で設置すればいい話という考え方もあります。 しかし、その中核市ですが、特例市制度がなくなって、二〇一四年から人口二十万人以上であれば、保健所を設置して中核市になれるという制度に更に緩和されています。もし中核市になれるのだから設置すべきものということでしたら、草加市、上尾市、春日部市までも対象になります。二〇一〇年の状況とは全く違っていますので、私は、現段階で中核市対象の全ての市に保健所を設置する意思があるかどうかを確認し、その回答を反映させた形で保健所の配置の再検討を始めるべきだと考えます。こうした経過を踏まえた上で、各保健所の現在の配置と管轄区域の在り方を今後どのようにしていくのか、保健医療部長のお考えをお伺いします。 そして、こうした歴史的経過を踏まえて、企画財政部長に改めて当たり前の確認なんですが、中核市というのは一定の基準を満たせばなることができる制度なのか、ならなければならない制度なのか。また、埼玉県はその制度の基本を踏まえ、なるように誘導する施策を展開する意識はあるのか、当該市の意思を尊重する姿勢なのか、お答えいただきたく存じます。 最後、五点目、東埼玉道路と都市計画道路三郷流山線を接続する道路整備の必要性についてです。 東埼玉道路は、県東部地域における南北軸として広域幹線道路ネットワークを形成する地域高規格道路であり、順次、整備が進められております。一方、中川左岸の東西幹線道路である都市計画道路三郷流山線においては、現在、千葉県との県境の江戸川を渡る橋りょうに有料道路事業を導入するなど整備が進められています。この東埼玉道路の整備効果をより一層発揮するためにも、中川に架かる他の橋りょうの渋滞緩和のためにも、東埼玉道路のアクセス道路として都市計画道路三郷流山線まで結ぶ新たな道路が必要であると、私だけでなく県東南部の議員、さらに自民党県議団としても考えているところです。 そこで、東埼玉道路から草加市柿木町を通り、中川を渡河し、都市計画道路三郷流山線に接続する道路整備の必要性について、県土整備部長にお伺いいたします。 以上でございます。すれ違いのない簡潔明瞭な答弁、是非よろしくお願いいたします。(拍手起こる) ○田村琢実議長 二十三番 木下博信議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 木下博信議員の、知事の県政に対する考え方についての御質問にお答え申し上げます。 まず、質問と答弁のすれ違いについてでございます。 私は、頂いた御質問に対する答弁において、真摯に自分の言葉で丁寧にお答えするよう努めてきたつもりでございます。その姿勢はこれからも変わることはございません。議員の意図に沿わない答弁がないとは申し上げられませんが、しかしながら、御意見をしっかりとお受け止めし、より分かりやすい答弁になるよう努めてまいります。 次に、公約の実現性についてのお尋ねのうち、埼玉版スーパーシティプロジェクトについてでございます。 このプロジェクトでは、災害時でもエネルギーが途絶えず、安心して暮らせるまちがイメージの一つとしてあります。新型コロナウイルスの影響で、今年度予定していた市町村との意見交換が遅れている部分もありますが、今後の進め方を見直し、プロジェクト全体に影響が出ないように進めてまいります。 地域における今後のエネルギー利用の在り方に、蓄電技術が大きな一つの鍵であることは私も同感であります。令和元年台風第十五号では、大規模停電が発生し、日常生活に大きな支障を来したことは、記憶に新しいところです。系統から電気やガスの供給を受ける一方で、太陽光発電などの分散型電源に蓄電池を組み合わせた仕組みを構築していくことは、環境負荷の軽減はもとより、災害時のエネルギー確保の点でも非常に有効かつレジリエントな選択肢と考えます。 このような地域における自立的で効率的なエネルギーシステムの構築は、おのずとコンパクトなまちづくりにつながります。家庭用蓄電池は県でも導入補助を行っているものの、更なる普及には蓄電容量の増加や価格の低減、小型化などの改良が期待され、エコロジーにも資することとなります。議員御提案のサポート体制を含め、蓄電池の開発やまちづくりへの活用などに関わる企業や研究機関等と連携し、市町村の支援に生かしてまいります。 次に、あと数マイルプロジェクトについてでございます。 あと数マイルプロジェクトにおける公共交通の利便性向上策については、専門的な知見を有する有識者等を委員として検討会議を設置し、課題の整理と取組の方向性の検討を進めています。九月に開催した会議では、有識者の委員から、費用便益比、いわゆるB/Cだけではなく、新たな観点からの項目も取り入れ、県としてもしっかりと評価する必要があるとの指摘を頂きました。こうした専門家の御意見を踏まえた新たな観点からの評価について、次回以降の会議において案をお示しし、改めて御意見を頂いた上で、検討を進めたいと考えております。 国の都市鉄道利便性増進事業の新規採択に際しては、B/Cが重要視されていることは事実でありますが、国の鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルには、B/CのBである便益は、プロジェクトによる多種多様な効果の全てではなく、その一部分であることに留意する必要があるとされています。そして、鉄道プロジェクトの評価においては、個々の事業の内容や特性、地域の特性等を踏まえ、適切に評価を行うことが必要であるとされています。こうしたことから、新たな観点からの評価は国のマニュアルでも想定されていると考えますが、県としましては、事業採択の基準となる狭義のB/Cだけではなく、今回設置した検討会議において地域の特性等についてもしっかりと議論し、国に対し強く訴え掛けてまいります。その上で、今後のプロジェクトの進捗状況に応じて、必要に応じ検討体制や推進手法につき適切に強化しながら、あと数マイルプロジェクトの実現に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、県は県民の最終責任者にならないのかについてでございます。 地方自治法では、市町村は、県が処理するものを除いて、地域における事務を一般的に処理するものとされています。県は、広域にわたるもの、規模又は性質において、一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものなどを処理するものとされており、県と市町村は、相互に競合しないようにしなければならないともされています。こうした趣旨に鑑みれば、私は、地域における事務は、一義的には基礎的自治体である住民に身近な市町村が処理すべきものと考えます。その上で、広域自治体である県は、個別の事務ごとに広域性や専門性といった観点を十分に考慮し、事務の処理に当たる必要があると考えます。これが、私が考える基本政策、基本姿勢でございます。 一方で、地域における行政需要がますます複雑化、多様化していく現状、こうした役割分担を基本としつつも、県と市町村がそれぞれの立場から協働して取り組む必要があると考えます。県といたしましては、事務の内容はもとより、地域の実情、過去の経緯、市町村の考え方など様々な事情を十分に考慮し、最も効果的かつ効率的な取組ができるよう、自らの役割を果たしてまいります。       〔山野均県民生活部長登壇〕 ◎山野均県民生活部長 御質問二、共生社会を踏まえた埼玉県男女共同参画推進センターの今後についてお答え申し上げます。 まず、男女共同参画推進センターを共生の拠点に衣替えすべきについてでございます。 男女共同参画推進センターは、男女共同参画推進条例に基づき平成十四年に設置され、この間、性別役割分担意識の解消が進むなど、一定の役割を果たしてまいりました。その一方、国の調査によれば、女性が実際に担う家事や育児、介護の時間は男性の五倍に及ぶなど、実態面での課題も残っております。 また、男女共同参画推進センターでは、DVや女性の貧困など女性が抱える様々な課題にも対応しており、いわゆるDV防止法に基づく配偶者暴力相談支援センターの役割も果たしております。昨今のコロナ禍の中では、増加するDV相談にも対応し、住民票を移さずに避難しているDV被害者に対し、特別定額給付金の支給に係る支援も行いました。 また、議員御指摘のLGBTQの方に対しても、性に関わる問題を契機に様々な悩みや人権問題が発生しており、これらの方々の多様な御相談にもこのセンターで応じています。 さらに、障害者や外国人、妊娠期の女性など様々な制約を受けがちな方々に対する理解を促進するための取組も行っています。 今後ともこうした役割をしっかり果たしながら、全ての県民が生き生きと活躍できる共生社会づくりの拠点としての機能を担ってまいりたいと存じます。 次に、男女共同参画推進センターを他の場所に移転し、現在の場所を新たに共生の拠点にしてはどうかについてでございます。 男女共同参画推進センターは、共生社会の大きな柱であります女性の活躍に対する支援、これを中核的に担うとともに、DVに悩む方やLGBTQの方など多様な方が相談しやすい施設としての役割を果たしております。また、女性キャリアセンターと協働して就職に踏み出せない女性を後押ししたり、隣接する小児医療センターと連携して子育て世代向けの医療セミナーも実施しているところです。 一方、県政の最前線にある地域機関は、大きな社会変動を的確に捉え、県民が直面する課題に柔軟に対応する役割も果たしていかなければなりません。議員御指摘のとおり、多様性社会での共生は、その最も大きな社会的課題の一つであると捉えております。議員からは、新たな共生の拠点にしてはどうかとの御提案をいただきました。今後、女性やLGBTQ、障害者、外国人との共生といった大きなテーマに対し、男女共同参画推進センターはどうあるべきか、あるいは地域機関としてどのような体制が効果的、効率的であるかなど、幅広に議論してまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問三、埼玉県の価値向上についての(一)埼玉県の本当の良さとはについてお答え申し上げます。 まず、居住地として埼玉を選んだ人はブランドを欲しがらず、他人の評価を気にしない人だと考えられるが、分析、研究してみてはどうかについてでございます。 議員お話しのとおり、映画「翔んで埼玉」が本県でも大ヒットし、埼玉県民の寛容性が話題になりました。また、昨年のラグビーワールドカップ大会では、ボランティアによる笑顔で心温まるおもてなしが、ネット上では「熊谷の神対応」と称賛されました。 こうした本県の県民性が話題となり、また、コロナ禍において東京からの移住が注目される中で、議員からは時宜にかなった、そして大変ユニークな御意見を頂きました。県では、各地域振興センターが地域課題の解決策を検討する未来会議を開催しております。この会議は市町村職員や民間の方もメンバーとなっておりますので、こうした機会を活用し、移住希望者が移住地に求める価値観や気質などを様々な角度から研究してまいります。 次に、研究結果を踏まえ、移住先としての埼玉の良さを自覚して、発信してはどうかでございます。 昨年七月の埼玉県政世論調査では、埼玉県で魅力を感じるものの一位は「住みやすさ」となっており、多くの県民が本県の住みやすさを実感しております。住みやすさの要因には、交通の利便性や自然の豊かさに加え、人間関係の基礎となる県民性も含まれているものと考えられます。今後、それぞれの地域ごとに研究を進め、本県を移住先として選択してもらえるような埼玉の良さを更に見出して、積極的にPRしてまいります。 次に、(二)県の投資バランスと県民負担の妥当性についてでございます。 県の施設を設置する際には、目的や必要性、利便性、地域特性、対象範囲、実現可能性など、様々な要素を加味して判断しています。例えば、本年度進めている川口市内の新警察署について、川口警察署の一一〇番受理件数や川口市内の刑法犯認知件数の多さ、さらには川口市内の管内情勢等を総合的に検討し設置することとしたものでございます。また、熊谷児童相談の一時保護新設についても、一時保護件数の増加に伴い北部地域における設置の必要性が高まっていたところ、相談の建替えのタイミングも重なり、同時に進めることといたしました。 このような施設を一概に県内投資バランスとして比較検証することは、地域ごとに様々な県民ニーズがあり、かつ目的や必要性、地域特性、対象範囲なども多様であるため、技術的には極めて困難です。 しかし、施設や施策等の状況を県民の皆様に分かりやすくお示しするということは、県民ニーズを踏まえるためにも大変重要です。そのため、5か年計画においては施策を地域別にまとめてお示しし、その中で、地域ごとの主な施設・交通網と基盤整備の状況を図示しております。ただし、表示方法にはまだ工夫の余地がありますので、次期5か年計画の策定に当たりましては、更なる見える化に努めてまいります。 次に、御質問四、新型コロナウイルス感染症から考えることの(一)アフターコロナの社会と県庁組織についてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、県民サービスに直接的な影響を与えない財政、人事など総務管理部門は、できる限り簡素化することが肝要です。本県では、総務事務を専門に扱う総務事務センターや庁内の定型業務を行うスマートステーションなどのように、業務の集約化によって効率化を図った事例がございます。一方、県庁組織は、補助機関として知事を補助するのがその使命であり、総務管理部門を廃止した場合には、極端に言えば、知事自らが総合的な調整を行う必要が生じるなど、むしろ非効率になる場合もあります。 このように総務管理部門の簡素化については推進すべきですが、分散や廃止は組織の規模や業務範囲の状況によっては、必ずしも効率的、効果的とはならない可能性があります。 もとより、新型コロナウイルス感染症を契機として、デジタル化など働き方自体が大きく変化する時代にあっては、職員一人一人が自立して行動し、成果を上げていく組織が求められます。そのために、県庁組織自体を不断に見直すとともに、新しい時代に合った総務管理部門の在り方についても検討してまいります。 次に、(二)保健所の配置見直しと中核市についてのうち、中核市は基準を満たせばなることができる制度なのか、また、中核市になるよう誘導する施策を展開する意識はあるのかについてでございます。 中核市は、地方自治法の規定に基づき都道府県の同意を得て、人口二十万人以上の市から申出を行った上で、政令で指定されるものです。したがって、人口要件を満たした市は、その主体的な意思を前提として、中核市になることができる制度と理解しております。 中核市への移行は、基礎的自治体として、住民に身近な行政サービスを幅広い分野で提供することが可能となり、地域の実情を踏まえたきめ細かな行政が展開できるものと考えます。こうしたことから、人口二十万人以上の市は、この中核市制度を積極的に活用されることが期待されておりますので、県には制度の周知など一定の役割があるものと考えております。 また、中核市への移行に当たっては、対象となる市の意向を尊重することはもとより、移譲される事務が円滑に実施できるよう、職員の派遣など必要な支援を行ってまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問四、新型コロナウイルス感染症から考えることの(二)保健所の配置見直しと中核市についてのお尋ねのうち、保健所の配置と管轄範囲の見直しをしていく必要があると思慮しているかについてでございます。 平成六年の地域保健法の制定により、国の方針として母子保健などの身近な保健サービスが市町村に移管され、お話しのように、保健所の再編が進められてきました。全国の保健所の数は、平成六年三月の八百四十八か所から、今年四月現在では四百六十九か所まで減少しています。本県でも限られた資源を活用し、感染症や難病など専門性の高い分野への対応を強化するため組織を大くくり化した一方、保健師などの専門職については、職員数を維持してきました。必ずしも行き過ぎた再編であったとは考えておりません。 一方、グローバル化の進展により、新型コロナウイルス感染症のような海外由来の新たな感染症が今後も発生するおそれがございます。今回の感染症では患者が多数発生し、積極的疫学調査などの専門的業務に従事する保健師の負担が過重となる状態が生じました。まずは、保健師の増員を進めてまいります。その上で、保健所の配置と管轄範囲の見直しについて検討してまいります。 次に、歴史的経過を踏まえた上で、保健所の現在の配置と管轄区域の在り方を今後どのようにしていくかについてでございます。 議員お話しの市による保健所の設置については、政令指定都市や中核市のほか、地域保健法施行令に基づく保健所政令市として行う場合がございます。国が地域保健法に基づき定めた「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」では、保健サービスの一元的な実施の観点から、人口二十万人以上の市について保健所政令市への移行を検討することを求めています。ワクチン接種などと一元的に感染症対策を講じていくためにも、十分な人口規模を持つ市に自ら保健所を設置していただくことは、意義があると考えます。 県としては、該当する各市において保健所政令市への移行を十分に検討していただき、市において保健所設置を目指すということであれば、できる限りの支援をしていく考えです。こうした各市における検討結果を踏まえ、県設置保健所の配置の見直しを検討してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問五、東埼玉道路と都市計画道路三郷流山線を接続する道路整備の必要性についてお答え申し上げます。 東埼玉道路は、東北道や常磐道を補完するとともに、国道四号の交通渋滞緩和や県東部地域の活性化を支える重要な幹線道路であり、一般部と自動車専用部で構成されております。一般部については、八潮市八條から吉川市川藤までの約五・七キロメートルが開通し、現在は春日部市水角までの約八・七キロメートルで整備が進められています。また、自動車専用部については、令和二年度に八潮市八條から松伏町田島までの約九・五キロメートルが新規事業化となりました。 一方、都市計画道路三郷流山線では、計画延長約五・五キロメートルのうち、江戸川に架かる橋りょう部分を含む区間に有料道路事業も導入し整備に取り組んでいますが、残る区間にはJR武蔵野線や常磐道との立体交差など大規模な工事がございます。 御質問の道路整備の必要性については、東埼玉道路や都市計画道路三郷流山線の整備状況、周辺地域の交通状況、土地利用の動向なども踏まえ、関係者とともに研究してまいります。       〔二十三番 木下博信議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十三番(木下博信議員) 大きな項目二つ、そこに細かく三点、再質問させていただきます。 まず一点目、知事の県政に対する考え方についての質問と答弁のすれ違いについてです。 ここは、シンプルに分かりやすい答弁にということでお答えいただきましたが、意図に沿わない答弁もありますがということだったんですけど、意図に沿わないのは仕方がないと思っています。我々はこう思っても、県から見たらこうだし、まだこれはできないんですよというのは十分あっていいと思います。それがしっかりとかみ合っていればいいんですが、そうじゃなくて、言っていることと違う形で来ちゃうことがすごい寂しいというか、すれ違っているというふうに思っているんですね。 ですので、シンプルに答えていただいたので、シンプルに再質問させていただくと、知事としてはそう答えているつもりでも、聞いている方からすると、すれ違っている、肩透かし食らっていると思っている、自分が聞いていても思う。私だけじゃなくて、思っている方は確かにいっぱいいると思います。 そういうことがあるんだなと思って、答弁について一回振り返ってみていただけないかどうかということを聞かせていただきます。 それから、三点目の県は県民の最終責任者にはならないのかという答弁で、これは大きく一歩踏み込んでいただいたのかなという気がしました。今まではそういうものは全くやっていない。結局、市町村がやっていて、負担もなく、一所懸命、もうしようがない、我々でやろうと、さっき言った松伏町とか富士見市、みんなやっているわけです。 でも、今のを伺うと、一方でそういう基本がありつつ、県と市町村が共同でいかにないものについて補っていくか、それは県がやらなければいけないと。どこもなければ、県がやりますよという答えを本当は期待していたんだけど、そこまでの答えはなかったんですが、市町村と一緒になって県も市町村任せにしてはいません、私たちも一緒に取り組みますというのが、一般論として聞いたものに対して答えていただいたと理解してよろしいのかどうか、確認させてください。 それから二番目、男女共同参画推進センターです。 これは答えを伺っていますと、逆に私の質問より踏み込んで、今後はLGBTQだけじゃない、障害者、外国人、いろんな方々の、やっぱり共生していく社会について幅広くやっていく必要があるというお答えをいただきました。 でも、ということは、名前が「男女共同参画推進センター」で、しかも条例に位置付けられて、あそこにあるという状態で、今言ったものを全部やろうとすると、やっぱり難しくなるんじゃないですか。 そう考えると、かといって、じゃあ、なくしていいという状態ではないし、条例もあるんだから、逆に答弁を伺うと、なおさらのこと今のWith you さいたまのあそこには、全ての共生の拠点を新たな時代を創るために設けて、実際にいろんな課題がまだあるんだから、男女共同参画推進を進めていくだとか、キャリアセンターだとか、DVに対応するとかいうのは、例えばこの県の浦和庁舎の中のどこか一角に設けて、別にそれをなくせと言っているわけじゃないですから、そこに移していろんな機能を集約した上で、今やっとみんなが意識し始めたものを動かしていくために、あそこの場所については新たな共生の拠点にする、そんな必要があるんじゃないかと考えましたので、そういう、より担当の方が踏み込んで認識いただいていますので、そういう可能性は視野に入らないのかどうか、お答えいただきたいと思います。(拍手起こる) ○田村琢実議長 二十三番 木下博信議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 木下博信議員の再質問に対しお答え申し上げます。 一点目の再質問でございますが、一、知事の県政に対する考え方についてのうち、質問と答弁のすれ違いについて、かみ合った答弁を行い、すれ違いがあるということを前提として振り返るべきであるという御指摘を頂いたと理解しております。 私といたしましては、すれ違いが当然である、あるいは答えないことが当然であるというふうに思ったことはございませんが、ただその一方で、議員御指摘のとおり、客観的に見るとすれ違っているような場合があるという御指摘は、私も、それは確かにいま一度振り返ってみる価値はあるなというふうに思いました。 改めて、議員の意図どおりの答弁にならないことはあろうかとは思いますが、しかしながら、可能な限りすれ違いにならないよう、質問に対して御答弁をする前に客観的に振り返らせていただきたいというふうに思っております。 二つ目の再質問、県は県民の最終責任者にはならないのかについての御質問でございますが、県と市は共同で一緒に取り組むということを述べたと理解してよいかという御質問でございますが、県といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、地方自治法で定めた区分のみならず、最近では問題が多様化、複雑化する傾向にある中で、県と市が共同で取り組まなければならないものもあるというふうに理解しております。そういったものにつきましては協調、協働を図っていきたいと、今後とも考えております。       〔山野均県民生活部長登壇〕 ◎山野均県民生活部長 木下博信議員の御質問二、共生社会を踏まえた埼玉県男女共同参画推進センターの今後についての再質問にお答え申し上げます。 まず、議員御指摘の共生社会、その大きな柱の一つが、やはり女性の活躍支援ということにあると思っております。したがいまして、そこにしっかり軸足を置いていくということは、もうこれは動かないことかなというふうに思っております。 しかし、それだけでは済まないと思っております。御指摘のLGBTQ、この相談体制あるいは支援体制をどうしていくかということもございます。LGBTQにつきましては、現在、実態調査をまずは行っております。実態を把握し、支援のための政策を考え、そしてそれを実施するための体制はどうあるべきか。こういったとことも含めて、将来的に幅広に議論していきたいということでございます。          ---------------- △休憩の宣告 ○田村琢実議長 暫時、休憩いたします。午前十一時三分休憩          ----------------午後一時一分再開 出席議員    九十名     一番    二番    三番    四番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十五番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十八番  八十九番   九十番  九十一番   九十二番  九十三番 欠席議員    一名   八十二番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○小久保憲一副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ----------------
    △質疑質問(続き) ○小久保憲一副議長 質疑質問を続行いたします。 五十八番 権守幸男議員       〔五十八番 権守幸男議員登壇〕(拍手起こる) ◆五十八番(権守幸男議員) 皆様、こんにちは。公明党議員団、権守幸男です。本日は、同僚議員にもお越しいただいております。本当にありがとうございます。心強い限りです。 それでは、質問に入ります。 一、ポストコロナに向けた取組「グリーン・リカバリー」についてお聞きします。 コロナ禍で停滞した社会経済の回復に際して、気候変動対策と両立させていく考え方が「グリーン・リカバリー」です。主にヨーロッパ諸国が先駆的に取り組み、世界で注目されているものです。これは、リーマン・ショック時に一時的には二酸化炭素排出量が抑制されたにもかかわらず、景気回復に伴い、反動で二酸化炭素排出量が再び増えてしまったという苦い経験を教訓としています。 「グリーン・リカバリー」の具体的な取組として、例えばフランスは、経営状態が悪化した航空大手のエールフランスを支援する代わりに、一、国内便による二酸化炭素の排出量を二〇二四年までに半減させる。二、鉄道により二時間半で行ける地域への飛行便を削減することなどを求めています。日本では、生産拠点を国内に移す企業に対して、太陽光発電設備の設置に補助を行うことが決まっています。 本県の調査でも、緊急事態宣言中は車の往来や工場の稼働が減り、県内の空気がきれいになったと報告されています。私自身も、この時期は確かに道路がすいているなと感じましたし、青空がきれいに見えたように思います。海外のロックダウンされた都市でも同じようなことが起き、どのように「グリーン・リカバリー」をしていくかが課題になっています。 経済を戻すに当たって、以前と全く同じ考え方で考え、やり方で行くのか、それとも脱炭素化など環境問題への取組を併せて行っていくのかが問われています。そもそも過度な開発がコロナを招いたとも言われています。私は、今後、本県の経済回復を目指すに当たり、「グリーン・リカバリー」という視点を入れていくことは大変重要と考えます。 そこで、伺います。 「グリーン・リカバリー」に対する知事の認識と具体的な取組についてお答えください。 次に、二、地域包括ケアシステムの在り方についてお聞きします。 地域包括ケアシステムの当面の目標年次である二〇二五年に向け、本県は全市町村での地域包括ケアシステムの構築を掲げ、様々な取組を行っています。さらに今後、本県が地域包括ケアシステム先進県を目指すためには、どういった取組を行う必要があるのか。 そのヒントを探るため、我々公明党議員団は八月、埼玉県立大学に伺い、田中滋理事長から地域包括ケアシステムの現状と課題について話を伺ってきました。田中理事長は、地域包括ケアシステム育ての親と呼ばれており、これまで厚生労働省社会保障審議会委員や医療介護総合確保促進会議座長も歴任し、地域包括ケアシステム研究の第一人者とも言われています。 田中理事長は、本県の取組は先進的であると評価した上で、大要、以下のような話をされていました。 地域包括ケアシステムは、当初、医療・介護サービスをどう組み合わせて提供するかといった狭義の体制論から始まったが、現在はその対象を高齢者に限定せず、地域の様々な資源を生かして地域共生社会、社会的包摂といった、より大きな課題をどう解決するかに向かいつつある。いわば地域包括ケアシステムは、広義のまちづくりの手段の一つであり、一言で言えば、居心地の良いまちをどうつくるかということであるとも指摘されていました。大変示唆に富む御意見であり、重要な観点と思います。 そこで、知事に伺います。 今後の地域包括ケアシステムの在り方についてどのようにお考えか。私は、田中理事長が指摘するように、地域包括ケアシステムをまちづくりの大きな柱の一つとして位置付けていくことが重要と考えますが、見解をお尋ねします。また、県は市町村とどのように役割分担し、今後の地域包括ケアシステムを進めていこうとしているのか、併せてお尋ねします。 次に、三、社会的養護出身者のアフターケアについてのうち、(一)アフターケアの重要性と今後の取組についてお聞きします。 児童養護施設退者等アフターケア事業の一つとして、昨年七月から、社会的養護を巣立った若者がふらっと立ち寄れて気軽に相談できる居場所事業が始まっています。一軒家を借り上げ、クローバーハウスと名付けられたこの施設を、私たち公明党議員団は八月に視察してまいりました。 開所日時は、毎週金、土、日の正午から午後八時となっています。スタッフが生活や就職といった相談に乗ってくれ、料理や各種の習い事の教室もあり、さらには会社面接用のスーツも貸し出してくれます。低料金で食事をとることもできます。一軒家という家庭的な雰囲気の中、ふだんは一日二人から五人、イベントを開催する日ですと十人くらいの利用者がいるとのことでした。 加えて、この施設の特徴は、スタッフに二人の児童養護施設出身者がいることです。同じ境遇を経た人生の先輩が相談相手としていることは、大変に心強いでしょう。 さらに、この事業を知った近所のパン屋さんからの差し入れをはじめ、先ほど紹介した面接用の貸しスーツ類など善意の寄附もあるそうです。私は、こうした居場所を通して孤独を抜け出し、社会へと再出発していく若者が一人でも多くと、願わずにはいられませんでした。 さて、児童養護施設退者等アフターケア事業は、御紹介したクローバーハウスだけでなく、就職先の開拓をはじめ、金銭管理の口座、コミュニケーション教室、生活困難な若者を福祉サービスにつなげるなど、多岐にわたる事業が行われ、社会の分断化、孤立化が進む中で困難な状況に置かれている社会的養護出身者の支援に大切な役割を果たしています。 そこで、知事に伺います。 社会的養護出身者のアフターケアの重要性について、どのように考えておられるか。また、今後の取組についても併せてお尋ねします。 次に、(二)施設等退後の居住に関する支援についてお聞きします。 国は、平成二十九年三月三十一日付け通知で、児童養護施設等の入所措置が解除された後も自立のための支援が必要な場合は、二十二歳の年度末まで施設への居住も含めて必要な支援を受けることができるとし、必要な予算の補助を行うとしています。社会的養護出身者の退後の進路としては、就職以外にも進学や職業訓練など、すぐに経済的な自立が難しいケースもあろうかと思います。自立を目指して奮闘するためには、住む場所がきちんと確保されていることが重要であります。国の通知も踏まえ、個々の状況に応じて施設での継続的居住をはじめ、必要な支援を積極的に行っていくべきだと考えますが、福祉部長の見解をお聞きします。 次に、(三)障害を持つ子供たちへの適切な支援についてお聞きします。 本県の調査では、平成三十一年三月一日現在で、県内の児童養護施設に入所している児童一千三百十三人のうち、障害手帳を所持している、もしくは発達障害の診断を受けた児童が三百七十七人います。約二九パーセント、およそ十人に三人は何らかの障害を持つという高い比率です。こうした障害を持つ児童が親の支援なしに自立していく。険しい道であることは想像に難くありません。 一方、本県には障害者の就労に向けた各種の支援メニューがあります。職業能力開発センターや発達障害者就労支援センター、民間委託の職業訓練コースもあると聞きます。障害を持つ社会的養護出身の若者が就職を勝ち取り自立を果たすには、早い段階から自立に向けた職業意識の啓発が必要になると考えます。障害を持つ社会的養護出身者が、その適性に応じた就職を勝ち取るために何ができるか、福祉部長の見解をお聞きします。 次に、四、歩行者保護についてのうち、(一)運転免許証の更新手続時の講習についてお聞きします。 「車が横断歩道で止まってくれません」、地域住民から横断歩道を渡る際に、「怖くて危険である」と、不安の声を多くの方からいただいております。歩行者は車の通行が途切れるときに渡っているのが実状です。 日本自動車連盟(JAF)が令和元年十月に公表した、信号機のない横断歩道での歩行者がいる場合に車が一時停止するかどうかの調査によると、本県の停止率は一一・六パーセントで全国第三十一位、全国平均一七・一パーセントを大きく下回っています。 このような実態を改善するためには、ドライバーに対する周知を図ることが重要ですが、私は、運転免許証を更新するときに受講する講習の機会を利用していただきたいと考えます。運転免許証の更新者は、毎年約百万人程度、これは運転免許証保有者のうち約二割に当たる人数です。更新希望者が三年ないし五年に一度、必ず講習を受講しなければならないもので、県内のドライバーに対して周知を図る上で、極めて有効であると考えます。 講習を行う指導員が実施するに当たり、横断歩道での歩行者優先・停止に関することをしっかりと内容に盛り込み、ドライバーに対し本県の信号のない横断歩道の停止率の現状を伝えるとともに、横断歩道の停止や歩行者優先について理解が深まる講習を実施するべきと考えますが、警察本部長の見解をお聞きします。 次に、(二)「歩行者ファースト路線」についてお聞きします。 県警察は、歩行者保護の定着を図るため、県内三十九警察署が選定した「歩行者ファースト路線」において指導・取締りや啓発・安全教育、標識・標示の維持管理を重点的に行っています。路線の選定基準は五つです。 一、センターラインがある片側一車線道路で、かつ信号機のない横断歩道がある。 二、日中の時間帯で一分間に三から八台の交通量がある。 三、過去に横断歩道上における車両対歩行者事故の発生がある。 四、横断歩道における歩行者優先ルールが徹底されていない実態がある、又は地域住民からの取締り要望がある路線。 五、推進上の利点が期待できる路線。 平成三十年度時点では十三区間だったものが、今年四月一日から四十四区間に拡充されています。私は、この路線の選定基準に照らし合わせると、もっと指定するべき路線があると考えます。今後の取組について、警察本部長の見解をお聞きします。 次に、(三)「止まってくれてありがとう」についてお聞きします。 「止まってくれてありがとう」という横断歩道脇の電柱に設置された感謝型反射式電柱幕を最近目にするのではないでしょうか。これが現品でございまして、貴重なものをお借りしてまいりました。私は、初めてこれを目にしたとき、「ありがとう」とは正直、不思議に思いました。それは、皆さん御存じのとおり、道路交通法第三十八条では、横断歩道を横断する歩行者がいるとき、車両等は停止しなければならないと定められているからです。 県警察は、今年六月から交通関係団体と協力し、この電柱幕四百枚を作成し、「歩行者ファースト路線」等に設置を始めました。この電柱幕は、本県と埼玉大学が行っている知事への政策提言の取組の中で、大学院生グループが提案した感謝型注意喚起方式のアイデアが採用されたものです。互恵性規範といって、好意を与えてくれた他者に対して、同様のお返しをしなければならないという心理学を応用しています。ある有名なセリフを借りれば、「施されたら施し返す」。車両等の停止は法律で定められておりますが、ドライバーは歩行者に対し思いやりの気持ちを持っていただきたいというふうに私は考えます。 ある調査では、歩行者として、止まってもらった経験頻度が高まるほど、自分自身がドライバーのときに「必ず止まる」と回答した割合が高まるという結果が出ていると伺っています。私は、横断歩道停止率アップに効果的である「止まってくれてありがとう」を県内にもっと広めるべきと考えますが、警察本部長の見解をお聞きします。 次に、(四)広報啓発についてお聞きします。 本県は今年三月、県公式ユーチューブチャンネルでアニメーション動画による広報啓発を始めました。十月一日現在の再生数は一千四百七十六回。私は、多くの県民の目や耳に届かなければ、期待する効果は見込めないと考えます。コロナ禍の中、公明党議員団は今年四月からユーチューブで、埼玉県議会公明党オンラインニュースによる広報活動を始めました。いかに人に見てもらうか、視聴回数を増やすために大変苦心しています。 そこで、本県は今後、動画を活用した県民への広報啓発をどのように行うのか、県民生活部長の見解をお聞きします。 また、JAFが平成三十年十月に公表した実態調査によると、横断歩道停止率が〇・九パーセントで全国ワーストワンになった栃木県は、「止まってくれない!栃木県からの脱却」をスローガンに掲げ、取締りの強化や広報活動を強化する一環で、スポットCM「脱!止まってくれない『栃木県』」を平成三十一年三月に制作しました。中にはユーチューブなどで御覧になった方もいるのではないでしょうか。 私は、先日、栃木県に伺い、担当者から話を伺ってきました。要旨は、次のとおりです。 まず、話題性を作らなければ県民には届かない。そこをあえて全国ワーストワン、停止率〇・九パーセントのショッキングな結果を逆手にとり、皮肉った自虐的なCMコンセプトにしました。とちぎテレビで昨年度は四月三日から、平日、土日、祝日関係なく毎晩二回、夕方六時台と夜九時台に放送しました。放送開始直後からSNS等で話題になり、賛否の反響に手応えを感じたとのことでした。 その後、広報啓発の効果がはっきりと出ました。取締りやCMが話題になったことも追い風になって、令和元年度のJAFの実態調査では、これまで〇・九パーセントだった停止率が一三・二パーセントに、全国第二十九位へと大きく躍進。栃木県は全国ワーストワンを脱却しました。停止率アップは、最大の眼目である歩行中死者数の軽減にも現れ、令和元年度では前年比マイナス一一・五パーセントです。栃木県は更なる停止率アップを目指して、第二弾「まだまだ止まってくれない栃木県」を今年度、公開しました。 本県は、今後、栃木県が制作したCMを参考にした広報啓発を行うべきと考えますが、県民生活部長の見解をお聞きします。 次に、(五)道路標示、道路標識、防護柵の適切な維持管理等についてお聞きします。 公明党議員団は、これまで消えかかった白線の塗り直しを求め、一般質問や委員会で何度も取り上げてきました。警察庁が今年二月、各都道府県警察本部長に通達した「歩行者優先と正しい横断の徹底に向けた取組の強化について」によると、歩行者の安全性を十分に確保するために、横断歩道の道路標示、道路標識の整備を求めています。また、滋賀県大津市の交差点で、昨年五月に起きた記憶にも新しい保育園児ら十六人が死傷した事故は、ガードレールなどの防護柵があれば防げたと言われています。 新型コロナウイルス感染症による経済の落ち込みから、来年度の税収の大幅減が懸念されています。財政が一段と厳しい状況になったからといっても、県民の安全・安心は確保しなければなりません。 そこで、道路標示、道路標識の適切な維持管理をどのように行うかについては警察本部長へ、防護柵の適切な維持管理及び整備については県土整備部長にお聞きいたします。 次に、五、精神障害者福祉型訪問支援強化モデル事業についてお聞きします。 精神障害者が安心して自分らしい生活を送ることができるようにすることは重要です。本県は、これまで精神障害者に対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて、保健所圏域ごとに保健、医療、福祉の関係者による協議の場を設置し、精神障害者の地域移行などについて協議するとともに、地域包括ケアを担う人材育成のため、市町村職員や医療・福祉従事者向けに研修を行っています。 この事業は、医療につながっていなかったりする精神障害者を対象に、医師や精神保健福祉士、精神障害当事者のスタッフ、いわゆるピアスタッフなど多職種の支援者が精神障害者やその家族を訪問し、相談や助言を行いながら医療や社会福祉サービスにつなげて地域生活を支えるものです。状況に応じて、きめ細やかな支援を行っていると伺っています。 そこで、福祉部長に伺います。 まず、今春以降、コロナ禍の中ではどのように取り組まれたのか。また、アウトリーチ支援を行う上で家族の協力は重要と考えます。家族との人間関係を築くに当たり、どのように取り組まれているのか。併せて、本県がこれまで取り組んだモデル事業の成果や課題は何であるか。それらを踏まえて、モデル事業実施後の方針をどのようにお考えなのか、福祉部長の見解をお聞きします。 次に、六、県民視点に立った行政手続のオンライン化・簡素化についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症の影響により、様々なサービスが極力非接触で行わなければならなくなったことで、行政においても手続をオンラインで行うことが一層求められています。従来は窓口まで申請書類を提出に行き、許可された書類を受け取りに再度窓口まで出向く。こんなことが珍しくありませんでした。できればオンライン申請で、それが難しければ、持参でなくて郵便でも可とする。押印も見直す。可能な限り、県民の負担を軽減することが眼目であります。 公明党議員団は、今年九月に恒例の県内各種団体との意見交換会を行い、御意見、御要望を頂いてきました。その中で特に目立ったのが、各種申請のオンライン化や簡素化を求める要望でした。 そこで、伺います。 コロナ禍にあって、本県における各種申請手続について、オンライン化や簡素化という視点で総点検し、できる限りの県民の負担を軽減することは、正に時代の要請であります。今後、各種申請手続のオンライン化・簡素化についてどう取り組んでいくのかを企画財政部長、警察本部長にお聞きします。 次に、七、ICT活用工事についてお聞きします。 県土整備部は四年前から生産性の向上を目的とし、ICT(情報通信技術)を活用する工事の発注を始めました。令和元年度のICT活用施工実績は、九十七件中二十六件で約三〇パーセントにとどまっており、本格的な実施にはまだ時間がかかると考えます。県は、土工量一千立方メートル以上の河川、砂防、道路の土工や舗装工をICT活用工事の対象とし、測量から検査まで全工程においてドローンやICT建設機械を全面的に活用するとしています。 ICTの導入効果は、重機一日当たりの施工量がアップして作業量が省力化されることや、更には人員の削減ができます。 一方で、経営者からは「新しいICT建機を購入しても、高い稼働率を保つ自信がない上に、従業員が新しい機械の使い方を覚えるのが難しい」という声を耳にします。私は、経営者と現場で働く従業員の双方に、ICT活用の導入効果を十分に理解してもらうことが重要と考えます。 また、県土整備部のICT活用工事の発注方式は、事業者が受注後にICTを活用するかどうかを決める受注者希望型と、発注者である県がICT活用を発注条件にする発注者指定型を採用していますが、発注者指定型の案件は僅かです。本県は今後、県内事業者に対しICT活用工事の導入事例を紹介するとともに、ICT活用工事の発注に当たり発注者指定型を増やすか、受注者希望型においては総合評価入札でICTを活用すると加点されるなど、もっと工夫するべきと考えますが、県土整備部長の見解をお聞きします。 次に、八、地元問題についてのうち、(一)春日部駅付近連続立体交差事業についてお聞きします。 国が昨年十二月十七日に事業認可の告示をしたことを受け、本県は今年一月、費用負担や事業の役割分担等を決める施行協定を東武鉄道と結びました。知事は、期成同盟会が今年七月に行った要望の席上、「今後とも埼玉県としては、市、東武鉄道と一体となって着実に事業を推進させる」と、大変力強いコメントを残されています。 これからは用地取得が工事着工前の大きな山場です。本県では、この春三月に予定していた対象者向け説明会を新型コロナウイルス感染症により、やむなく中止にし、緊急事態宣言以降も交渉しづらい状況が続いたと伺っております。 そこで、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 次に、(二)大落古利根川等しゅんせつ事業についてお聞きします。 風水害が年々頻発化、激甚化しています。全国各地でバックウォーター現象など集中豪雨に伴う特有な事態により、甚大な被害が発生しています。本県は、河川整備計画を基に河川改修を推進しておりますが、河川整備には莫大な費用と大変な時間がかかります。そのため、事前防災対策の観点から、本県が現在取り組む川底の堆積した土砂等の除去や樹木伐採を行うしゅんせつ事業は、被害を軽減する上で大変重要であると考えます。 本県は、今年度から五年間、国の緊急浚渫推進事業を活用し、氾濫による人家への影響など優先度が高い箇所から順次しゅんせつを行うこととしています。 そこで、春日部市内の大落古利根川等におけるしゅんせつ事業の実施予定について、県土整備部長にお聞きします。 次に、(三)一級河川・新方川の整備についてお聞きします。 新方川は延長が十・九キロメートルの一級河川です。本県は、最下流部の中川合流点から会之堀川まで八・一キロメートルの整備を既に完成しており、残る未整備区間のうち戸井橋から中堀橋までの一・三キロメートルを重点区間とし、河道の拡幅やそれに伴う東武鉄道橋りょうや道路橋の架換えなどの工事を実施するとしています。 そこで、一級河川・新方川の進捗状況と今後の整備の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 次に、(四)県道西金野井春日部線の整備についてお聞きします。 県道西金野井春日部線は、県道春日部松伏線が交わる牛島交差点から東側、西金野井地域の江戸川付近までを結んでいます。県は、牛島交差点から国道一六号の下柳西交差点まで延長一千五十メートルを三区間に分け、順次、整備を行っております。これまで平成二十九年度に新幸松橋の架換え工事が終わっており、現在、牛島交差点の整備、牛島交差点から新幸松橋の用地を取得し、できるところから歩道整備や拡幅を行っていると伺っています。 そこで、牛島交差点から新幸松橋の拡幅及び牛島交差点改良の今後の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 最後に、(五)都市計画上野長宮線の整備についてお聞きします。 都市計画道路上野長宮線は、さいたま市岩槻区古ケ場から春日部市増戸地域の国道一六号と接続する延長四千百十メートル、そのうち約九割に当たる岩槻区内は既に整備され、春日部市内の残る四百三十メートルが未整備となっています。上野長宮線と国道一六号が接続する交差点の形状変更について、平成三十年六月の都市計画審議会で審議され、国が事業認可の告示を行いました。その後、県は住民説明会を開催し、地域住民の多大な御理解と御協力を頂きながら、用地交渉を行ってきたところです。 そこで、都市計画道路上野長宮線の現在の進捗状況と今後の整備の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 以上で一般質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手起こる) ○小久保憲一副議長 五十八番 権守幸男議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 権守幸男議員の御質問に順次お答え申し上げます。 まず、ポストコロナに向けた取組「グリーン・リカバリー」についてのお尋ねでございます。 県の地球温暖化対策実行計画では、温室効果ガスの排出が実質ゼロとなる「脱炭素社会の実現」を目指すべき将来像として掲げているところであります。新型コロナウイルス感染症の拡大により、県内経済は大変厳しい状況にありますが、一方、新しい生活様式の普及など、結果として気候変動対策にもつながる社会経済の変化が起こっています。新しい生活様式の在り方を問われている今こそ、「グリーン・リカバリー」の考え方を取り入れ、経済と環境の両立を目指していく好機と認識しております。 例えば、テレワークやオンラインで里帰りするなどの経験を「グリーン・リカバリー」の観点から捉え直していくことが重要と考えます。この中でも、再生可能エネルギーの普及は、地域経済の活性化にも資する重要な取組です。今年度から大規模事業のCO2排出削減を図る目標設定型排出量取引制度において、低炭素電力を調達した場合に、これを削減量として評価する仕組みを導入いたしました。 また、再生可能エネルギーは発電時にCO2を排出しないことから、この価値を活用して県内企業の環境活動を支援する「彩の国ふるさとでんき」の取組を電力会社と連携して始めています。 埼玉版スーパーシティプロジェクトにおいては、再生可能エネルギーと蓄電システムを組み合わせるなど、エネルギー面でも強じん性が高く、低炭素なまちづくりを進めてまいります。 このように直ちにできる取組をスピーディーに進めるとともに、中長期にわたる課題にも挑戦し、県経済の回復・成長に気候変動対策をしっかりと組み込んでまいります。 次に、地域包括ケアシステムの在り方についてのお尋ねのうち、今後の地域包括ケアシステムの在り方についてでございます。 県では、高齢になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、これまで医療と介護の連携拠点の整備や介護予防の普及、暮らしやすいまちづくりを進めるための生活支援体制の整備等に取り組んでまいりました。 一方、地域社会に目を向けてみると、高齢者だけではなく、障害者や子供に対する差別や虐待、さらには生活困窮、介護離職、いわゆるダブルケアや八〇五〇問題など、これらは共生社会、ひいては今後のまちづくりにおける課題となっています。このような状況を踏まえ、今後は高齢者支援から始まった地域包括ケアシステムの考え方を全ての世代、全ての人を対象としたものに拡大させていくことが必要であると考えております。これは、誰一人取り残さない、日本一暮らしやすい埼玉の実現にもつながるものです。 実際に地域によっては既に利用者を子供に限定しない子ども食堂のほか、若年性認知症の本人が運営に関わる認知症カフェなど、制度や分野の縦割りや支える側、支えられる側という従来の関係を越えて、つながり、支え合う取組が始まっています。 地域包括ケアシステムにとって、まちづくりの考え方は重要であり、高齢者のみならず全ての人を対象にすることで、議員お話しのように、まちづくりにおける大きな柱の一つとして位置付けられるものと考えます。 また、今後の少子高齢化社会の要請に応えるためにも、埼玉版スーパー・シティのような取組が不可欠と考えています。 次に、県と市町村の役割分担についてでございます。 地域包括ケアシステムは、日常生活圏域、具体的にはおおむね中学校区を単位として構築されるものであり、実施主体は市町村となります。 一方、県は、市町村の支援を行う役割を担っています。このため、市町村の要望に基づき、専門職等で構成される総合支援チームを派遣してアドバイスを行うなど、市町村の実情に応じた支援を丁寧に行ってまいります。また、市町村の優れた取組事例の報告会を開催し、他の市町村への情報共有を図っているところであります。今後とも市町村と協力して、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。 最後に、社会的養護出身者のアフターケアについてのお尋ねのうち、アフターケアの重要性と今後の取組についてでございます。 児童養護施設等の入所児童は、原則として十八歳又は高等学校卒業後には退となります。しかし、身寄りがない場合や親の支援が期待できない状況で、進学や就職など自立の道を歩むことは大変厳しいことであります。児童養護施設等で生活していた社会的養護出身者が自立するためには、きめ細かなアフターケアにより支援することが、何よりも重要であると考えています。 現在、県では、進学、就労、住居、生活相談、資金貸付など、自立に向けた様々な支援を総合的に行っております。具体的には、相談・交流できる居場所づくり、就労体験の提供や職場での見守り、自動車運転免許の取得費用、住居の紹介、家賃・生活費の貸付けなどの支援を実施しております。 今後は、社会的養護出身者や退児童等アフターケア事業クローバーハウスを含む関係者の方々から、自立に向けて困っていることは何か、更に必要とされる支援とは何かを丁寧に伺い、ニーズと効果の高いアフターケア事業を実施してまいります。 また、円滑な自立につなげていくためには、入所中から継続的にきめ細かな支援を行うことも大変重要です。議員お話しのお金の管理やコミュニケーション方法のほか、賃貸借契約の基礎知識、料理の仕方、社会人としてのマナーなど、自立していく上で必要なことを学ぶプログラムの充実を図ってまいります。社会的養護出身者を誰一人取り残すことなく、各自の適性に応じて自立した生活を送れるよう全力で支援してまいります。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 御質問三、社会的養護出身者のアフターケアについてお答え申し上げます。 まず、(二)施設等退後の居住に関する支援についてでございます。 児童養護施設等の入所児童は、十八歳又は高校卒業後は退となりますが、自立生活が困難な児童については、二十二歳に達した日の年度末まで施設で生活することができます。本県においても、必要と判断した場合は、施設で継続的な支援を行っています。 住居支援については、施設等を退後に進学した際には在学中の期間、就職した際には二年間、家賃相当額を貸し付け、その後、五年間就労すると返済免除とする制度がございます。また、進学した際にはアパートを借り上げ、低額で貸し付けるとともに、生活上の悩みを支援員が対応する、希望の家事業を県内四か所で実施しています。今後も児童一人一人の状況を踏まえ、生活の基盤となる住居の確保と自立に向けた支援に積極的に取り組んでまいります。 次に、(三)障害を持つ子供たちへの適切な支援についてでございます。 障害を持つ児童の支援方針は、保護者の意向を踏まえながら、児童相談や施設が児童の状況を見極め、早い段階から検討する必要があります。例えば、障害者手帳の取得等ができれば、障害福祉サービスの利用や障害者雇用に積極的な企業への就労という選択肢が広がります。これまで手帳の取得等が必要な児童には、児童相談と施設が連携して本人や保護者にそのメリットを丁寧にお伝えし、早い段階での取得等につながるよう努めており、それを徹底してまいります。 また、就労に導くためには、身近な存在である施設職員が児童の適性を早い段階で見極め、進路相談を行うことが重要となります。今後は、施設職員に対し障害者就労に関する適切な知識と情報を提供するため、関係部局と連携した研修会を開催し、職員の相談援助能力の向上を図るなど、県と施設の連携を一層強化してまいります。障害を持つ児童の適性を踏まえるとともに、一人一人の最善の利益を考えた支援を通じ、就労につながるようしっかりと取り組んでまいります。 次に、御質問五、精神障害者福祉型訪問支援強化モデル事業についてお答え申し上げます。 まず、今春以降、コロナ禍の中でどのように取り組んだのかについてでございます。 アウトリーチ支援は、医療や福祉サービスにつながらないなど難しい課題を抱えたケースを中心に、多職種のスタッフが精神障害者の自宅を訪問し、専門的、継続的な支援を行うものです。コロナ禍においても感染予防に十分留意しながら、可能な限り訪問支援を基本としてまいりましたが、感染拡大期には面会への抵抗が強い利用者がかなりの割合に上り、そうした方々には電話による支援を行ってまいりました。電話の場合、アウトリーチの特色を生かせませんが、生活上、健康上のアドバイスを行いながら支援を継続し、現状ではほとんどの方について訪問支援を再開しています。 次に、家族との人間関係を築くに当たり、どのように取り組んでいるのかについてです。 利用者の中には、自らの意思で医療機関の受診や服薬、周囲との接触を拒む方もいらっしゃいます。こうしたケースで御本人の心を開いていくためには、家族の協力が欠かせません。家族との信頼関係を築くため、しっかりコミュニケーションをとり、支援の方向性について共通理解を図りながら、家族とともに課題の解決に臨むというスタンスで取り組んでいます。 次に、モデル事業の成果や課題についてでございます。 アウトリーチ支援は、県のモデル事業として平成三十年度に鴻巣保健所管内で取組を開始し、令和元年度は加須保健所管内に対象を拡大しました。二か年度で八十六人の利用者に対し、一千二百五十回の訪問支援を実施し、このうち三十五人については、医療や福祉サービスにつながるなどの成果により生活が安定したことから、支援を終了いたしました。現在は昨年度から支援を継続している方を含め、五十人を対象に支援を行っています。 一方、課題としては、医療機関や行政機関などの関係職員と連携する際、他の機関が担っている役割についての理解不足などから、連携がスムーズに進まないケースもございます。精神障害者のアウトリーチ支援に当たっては、関係機関の協力による地域包括ケアシステムの構築が重要となります。議員からお話しのありました各保健所ごとに設置している協議の場や、地域包括ケアを支える人材育成のための研修会などを通じて、今後とも地域における連携体制の強化に努めてまいります。 最後に、モデル事業実施後の方針についてでございます。 今年度からは、モデル事業の対象エリアである県央・利根圏域に東松山保健所管内を加え、また新たに南部の圏域をモデル事業の対象として、アウトリーチによる支援の効果を検証したいと考えております。異なる地域での検証を行い、その結果も踏まえて今後の事業展開を検討してまいります。       〔高木紳一郎警察本部長登壇〕 ◎高木紳一郎警察本部長 御質問四、歩行者保護についてのうち、私に対する御質問に順次お答え申し上げます。 まず、(一)運転免許証の更新手続時の講習でございます。 横断歩道は歩行者が安心して通行でき、かつ、その安全が確保される場所でなければなりません。そのため県警察では、ドライバーに対し横断歩道における歩行者優先意識を向上させるため、交通安全教育、交通指導取締り等を推進しております。運転免許証更新時の講習は、ドライバーの安全意識を高める場として、命の尊さや安全運転の大切さを訴える絶好の機会と捉えております。歩行者保護の重要性については、現在もDVDの視聴覚教材を用いるなどして説明を行っております。 県警察といたしましては、議員御指摘の現状を踏まえ、更なる横断歩道におけるドライバーの意識の向上を図るため、横断歩道に横断歩行者がいる場合の一時停止など、講習指導員の具体的な説明による講習を行ってまいります。 次に、(二)「歩行者ファースト路線」でございます。 県警察では、横断歩道の歩行者優先ルールの定着化を図る必要性が高い路線について、歩行者ファースト路線として指定し、街頭キャンペーンや交通指導取締り等の各種取組を重点的に講じております。平成三十年度に指定した十三区間の中から抽出した信号機のない横断歩道六か所において一時停止率を調査したところ、五か所で停止率が向上いたしました。このようなことから、引き続きこの対策を推進し、定期的な検証を基に取組の更なる改善や新たな路線の指定等を検討してまいります。 次に、(三)「止まってくれてありがとう」でございます。 議員お話しの感謝型反射式電柱幕は、埼玉大学の学生から政策提言を受け、有効性の高さ等から、これを参考とし設置を進めております。 この効果を検証するため、電柱幕を設置した横断歩道四か所を抽出し、一時停止率を調査したところ、いずれの場所も停止率の向上が認められました。このようなことから、今後、県をはじめ関係機関・団体と連携し、この電柱幕の設置拡大を検討してまいります。 最後に、(五)道路標示、道路標識、防護柵の適切な維持管理等でございます。 県警察では、約三十八万本の道路標識や約六万本の横断歩道等の道路標示を整備しております。道路標識・標示の破損や摩耗状況等の把握は、警察官による随時点検に加え、各季の交通安全運動期間中に通学路等における一斉点検を継続して実施しております。また、道路管理者及び全国道路標識・標示業埼玉県協会に対して、それぞれの活動を通じ、破損や摩耗等した道路標識・標示の情報提供を依頼しております。このほか、横断歩道については、補修工事の契約業者に対し個別に摩耗状況の調査、報告を求めることにより、早期の補修に努めております。県警察といたしましては、今後とも道路標識・標示の適切な維持管理に努めてまいります。 次に、御質問六、県民視点に立った行政手続のオンライン化・簡素化についてお答え申し上げます。 県警察では、遺失した旨の届出、自動車の保管場所に関する申請、道路使用許可申請、公文書の開示請求等、県民の生活や事業においてニーズの高いものを中心に、オンライン化を既に実施しております。 現在、法令に根拠があるなどの理由により県警察独自でオンライン化が困難なものと、県警察独自の取組でオンライン化が可能なものについて選別作業を実施しており、オンライン化が可能なものについては見直しをすることとしております。また、簡素化についても、押印の廃止、申請要領等の見直しをしてまいります。 今後も、県民のニーズや利便性を考慮するとともに、政府の進める行政のデジタル化を踏まえ、関係機関と調整しながら、行政手続のオンライン化・簡素化の拡大に向け、積極的に取り組んでまいります。       〔山野均県民生活部長登壇〕 ◎山野均県民生活部長 御質問四、歩行者保護についてのうち、(四)広報啓発についてお答え申し上げます。 まず、今後、動画を活用した県民への広報啓発をどのように行うかについてです。 横断歩道を渡る者がいる場合、車両は停止しなければならない。このことは道路交通法に明記されています。しかし、実際に停車する自動車は少なく、歩行者保護が徹底されていないのが現状です。 そこで、県では、ドライバーに歩行者優先の意識を高めていただくため、横断歩道手前での停止を促す動画を作成いたしました。現在、ユーチューブの県公式チャンネルで公開しているほか、今年九月の全国交通安全運動期間中には、テレビ埼玉で一日二回、計二十回放送したり、御協力を頂いた金融機関の約九十店舗で放映を行っております。 今後も、まずはドライバーへの周知を徹底するため、運輸事業者など約百八十の企業などに動画DVDを配布し、従業員の方などへの啓発を働き掛けます。また、多くの県民に目にしていただけるよう、人の集まるショッピングセンターに協力を依頼し、広告モニターでの放映などをお願いいたします。さらに、県公式チャンネルに気軽にアクセスしていただけるよう、動画サイトに直結するQRコードを掲載したチラシを十三万枚作成し、市町村や警察などを通じて配布いたします。今後とも一人でも多くの県民に目にしていただけるよう、一層の工夫をしてまいります。 次に、栃木県が制作したCMを参考にした広報啓発を行うべきについてでございます。 栃木県の事例は、議員御指摘のとおり、ショッキングなキャッチフレーズで話題性を高めて成功した事例であり、大変参考になりました。本県の動画でも、埼玉県の形をデフォルメした特徴あるキャラクターが、横断歩道前での停止を呼び掛けるという工夫をしております。今後とも他県の事例なども研究しながら、県民の目や耳に届いて、心に刺さって、行動変容につながる実効性の高い広報が展開できるよう取り組みます。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問四、歩行者保護についての(五)道路標示、道路標識、防護柵の適切な維持管理等についてのうち、防護柵の適切な維持管理及び整備についてお答え申し上げます。 まず、維持管理につきましては、定期的な道路パトロールを行い、車両や歩行者の通行に支障を来す損傷や著しい劣化などが発見された場合は、随時、交換を行っております。 また、新たな防護柵の整備につきましては、設置基準に基づき、急カーブなどで車両の逸脱防止を目的としたガードレールや、歩道と地盤に大きな高低差がある部分に歩行者や自転車の転落を防ぐ防護柵などの設置を行っております。 令和元年度は大津市の事故を受け、主な交差点約一千三百か所において緊急点検を行い、対策が必要な三十五か所において防護柵などによる安全対策を行いました。これらの箇所も含め、県管理道路において約十キロメートルの防護柵を設置及び修繕を行ったところでございます。今後も道路利用者の安全を確保するため、防護柵の適切な維持管理及び整備に努めてまいります。 次に、御質問七、ICT活用工事についてお答え申し上げます。 ICT活用工事は、建設機械の操作にデジタル技術を活用することで、オペレーターの熟練度によらず一定の品質が確保されるなどメリットがございますが、大規模な国の直轄工事で先行しており、県内建設業者の多くは経験がない状況にございます。このため、県内建設業者のICT活用工事への参入を促進するため、小規模な工事に対応した積算基準の改定や対象工種の拡大などに取り組んでまいりました。 議員お話しの事例紹介については、国や県などで開催している現地見学会や講習会などを活用し、県内建設業者への普及に努めてまいります。また、総合評価方式でのICT活用工事の加点評価については、国や他県の取組を踏まえ、評価方法などを検討してまいります。今後ともICT活用工事の普及に向けた環境づくりに努め、建設現場における更なる生産性の向上に取り組んでまいります。 次に、御質問八、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)春日部駅付近連続立体交差事業についてでございます。 この事業は、春日部駅付近の東武鉄道伊勢崎線と野田線の約二・九キロメートルを高架化する事業で、東武鉄道が輸送能力の改善を併せて行うことで、県東部の広域的な発展にも寄与する事業です。この事業の進め方は、現在の線路の東側に仮の線路を設置し、その後、現在の線路を撤去し、高架橋を建設いたします。 現在の進捗状況でございますが、令和元年度に用地測量を実施し、緊急事態宣言解除後の令和二年六月から権利者へ事業概要や用地補償の仕組みを個別に説明してまいりました。現在、先行工事となる仮の線路の設置に必要な用地に係る物件調査を実施しております。今後も地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら用地取得に努め、事業を推進してまいります。 次に、(二)大落古利根川等しゅんせつ事業についてでございます。 近年、大規模な浸水被害が相次ぐ中、河道に堆積した土砂の撤去や樹木を伐採し、流下能力を確保するしゅんせつ事業は重要と考えております。春日部市内では、令和二年度から三河川で緊急浚渫推進事業に着手いたします。大落古利根川では古隅田川との合流点付近三百六十メートル区間において、また倉松川では中川と合流する最下流部の百メートル区間において、土砂撤去を実施してまいります。会之堀川では市街地の八百メートル区間において土砂撤去を計画しておりますが、工事用搬入路の確保などに課題があるため、まずは設計を行うための現況測量を進めてまいります。 今後も、定期的な点検により土砂の堆積状況などを把握し、必要に応じてしゅんせつなどを行い、適切な河川の維持管理に努めてまいります。 次に、(三)一級河川・新方川の整備についてでございます。 まず、現在の重点区間の進捗状況ですが、戸井橋から安之堀川の合流点までの区間においては、架換え予定の橋りょう付近を残し、護岸工事が完了しています。橋りょうのうち東武鉄道に工事を委託している鉄道橋は、本年三月に上部工の架設が完了し、今年度中の架換え完了を目指して軌道の整備や仮桟橋の撤去などを進めております。また、安之堀川の合流部付近から上流においては、架換え予定の橋りょう付近を除き、令和二年度中の完成を目指し護岸工事を進めてまいります。 今後の整備の見通しについては、令和三年度から市道の橋りょうの架換えなどを順次着手していく予定です。今後とも越谷市、春日部市と連携を緊密に図り、沿川住民の方々の御理解と御協力を頂きながら、新方川の整備に推進してまいります。 次に、(四)県道西金野井春日部線の整備についてでございます。 この県道は、旧庄和町と春日部市街地を東西に結ぶ幹線道路です。 まず、牛島交差点から新幸松橋までの三百六十メートル区間の拡幅につきましては、平成二十五年度から事業を進め、これまでの用地買収率は六五パーセントとなっております。用地がまとまって確保できた箇所から歩行者の安全性を高めるために、順次、拡幅工事を実施しております。引き続き、早期の工事完成に向けて、残る用地の取得に努めてまいります。 次に、牛島交差点につきましては、県道と市道が交差する変則的な五差路であることから、交差点の改善が必要です。交差点形状の変更に当たっては、地元春日部市と連携し、令和二年九月に都市計画変更に関する地元説明会を開催したところです。この交差点の改良につきましては、都市計画の変更手続が完了した後、速やかに用地測量に着手してまいります。 次に、(五)都市計画道路上野長宮線の整備についてでございます。 この都市計画道路のうち春日部市内の四百三十メートル区間につきましては、県道野田岩槻線のバイパスとして県が整備を進めております。令和元年度から用地取得に着手し、現在の用地買収率は四九パーセントとなっております。今後とも地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、残る用地の取得を進め、事業の推進に取り組んでまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問六、県民視点に立った行政手続のオンライン化・簡素化についてお答え申し上げます。 県では、令和元年度末に各種申請手続について総点検を行った結果、県民や事業者が行う申請や届出などが約二千七百件あり、そのうちオンライン化済みのものは約二百件ございました。また、調査時点でオンライン化可能とされたものが約二百件あり、令和二年度に計量法に基づく届出や受動喫煙防止に関する申請・届出などの手続を順次オンライン化しております。 残りの約二千三百件の手続のうち、国の法律等によるものが約一千七百件であり、今後、国が示すガイドラインを踏まえて適切に対応してまいります。 一方、県の条例等による手続は約六百件であり、スマート県庁推進会議において押印の廃止やオンライン化の徹底を図ったところでございます。また、行政改革・ICT局において個別にヒアリングを行い、課題の抽出や解決方法の検討を担当課と一緒に考えながら、添付書類や提出方法など行政プロセスの見直しも行ってまいります。 今後とも、県民の利便性向上と負担軽減を図るため、各種申請手続についてオンライン化・簡素化を積極的に推進してまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○小久保憲一副議長 暫時、休憩いたします。午後二時三分休憩          ----------------午後三時一分再開 出席議員    九十一名     一番    二番    三番    四番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十五番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○田村琢実議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○田村琢実議長 質疑質問を続行いたします。 四十番 岡田静佳議員       〔四十番 岡田静佳議員登壇〕(拍手起こる) ◆四十番(岡田静佳議員) 自由民主党県議団、所沢市選出の岡田静佳でございます。 突然、中国武漢から広がった見えない敵である新型コロナウイルス対策に当たり、御尽力いただいている関係者の方に心より感謝申し上げます。 エッセンシャルワーカーと呼ばれる医療従事者をはじめとする福祉関係者、スーパーの店員など感染リスクと闘いながら命と暮らしを守る仕事に従事してくださっている方には、県の手厚いサポートが必要だと考えています。また、県職員も保健所の職員をはじめとして、軽症者の受入れホテルに従事している職員、感染から一日も休まず夜遅くまで感染者の報告を担当する現場の職員の皆様にも、頑張ってくださっていることは評価させていただきます。県民が安心して楽しく暮らせる埼玉県になるように質問させていただきますので、前向きな御答弁をお願いいたします。 それでは、通告に従いまして、県政に対する一般質問を順次行います。 新型コロナウイルス感染症対策について、知事にお伺いいたします。 (一)組織の強化と役割責任体制の明確化について。 所沢市では、四月に四つの施設でクラスターが発生し、四月末の段階で百三十四人が感染しており、当時は大騒ぎでした。PCR検査もなかなか受けられない中で、多くの県民が不安におびえていました。クラスターが発生した病院では、N95マスクやフェイスシールドが足りなくなったため狭山保健所に連絡したが、電話に出ないし、すぐに届けてくれないとのことで、私のところにも何度も連絡をいただきました。 同じくクラスターが発生している施設では、陽性の可能性がある障害者の方が、夜中に四十度を超える熱を出し震え出したので、介護士が自前のマスクとビニール手袋で看病し救急車を呼んだら、翌日、狭山保健所に、「許可なく疑い患者に救急車を呼ぶなと注意された」など、びっくりするようなクレームもいただきました。 また、ホテル確保についても、契約金額や場所の選定が不透明で不公平です。所沢市や私も市内のホテルにお願いしましたが、「どうしても金額が合わないので数百円上げてもらえないか」、また、所沢明生病院が、「所沢にホテルが確保できないなら、新病院建設予定地にある壊す前の寮があるので提供してもよいですよ」との申入れがあり、私も保健医療部に相談しました。しかし、何人かの職員の方にたらい回しにされ、担当がいないとのことで、どちらも検討されませんでした。 国は、当初、当時の加藤厚労大臣がコロナの担当をしておりましたが、三月六日には西村経済再生担当大臣を新型コロナウイルス感染症の対策担当大臣に任命しました。連日記者会見し、大野知事も要望に行かれましたが、国では、このようにコロナ担当の責任者が明確になっています。 しかしながら、埼玉県は、知事特別秘書がホテル確保のディレクターとして応援に入られましたが、場所選定、金額についても不透明な結果となりました。第二波に備えて組織の強化と役割責任体制の明確化が必要と考えますが、第一波の組織体制の検証と今後の体制はどのようにされるのか、知事にお尋ねいたします。 また、ホテルの確保についての場所や金額の決定などは、どこで、誰がしていたのか。感染者が多い地域にホテルが少なく、利用者がゼロ人だった国立女性教育会館に一億円近いお金をかけていたことなどは、きちんと検証しているのか。今後、ホテルの確保はどうするのか。知事のお考えをお聞かせください。 (二)保健所機能の強化と適正配置について。 狭山保健所と朝霞保健所の管内人口が七十万人を超えており、適切な対応ができていません。特に狭山保健所では、一番残業の多い職員は月二百十五時間の残業をしているため、保健所を増やし負担軽減をする必要があります。「所沢保健所などを復活させ、狭山保健所の負担を減らしてほしい」との柳下議員の質問に対する答弁では、「保健師の増員を図った上で、今後の保健所体制の整備についてしっかりと検討していく」とのことでした。しかし、保健師はいつまでに何人ぐらい確保できるのか、見通しは立っているのでしょうか、お答えください。 そもそも七十万人を超える人口をカバーするのは無理がありました。所沢市の飲食店、理美容、クリーニングなどは、届出も遠くて不便。町内会などからは、お祭りで一日屋台を出すにも、検便を狭山市まで届けなくてならないとのこと。この十年間、多くの県民が苦労してきました。 さらに、この地域は交通事情が大変悪く、いつも渋滞しています。今回のコロナ対応でも、狭山保健所から防衛医科大学校に検体を取りに行くにも十五キロの距離ですが、渋滞を考慮して狭山保健所の職員は、往復二時間見て動いていました。 厚生労働省は、保健所機能の拡充の方針を示しています。まず重要なのは、保健師の確保と保健所の新設を同時並行で進めることです。そして、県が設置責任者として狭山保健所と朝霞保健所の負担を軽減し、保健所がしっかりと県民の命を守れる体制を作ることです。 組織を大きくしたことで専門性が高くなり、少ない人員で対応できているスケールメリットがあるような御答弁もありました。しかし、管内人口が八十万人近い保健所と十万人を切る保健所があることはどうお考えですか。保健所の適正配置と、実際に人口が多過ぎて適切なコロナ対応を受けることができなかった県民への対策はどのようにするのですか。第二波が出たときは大丈夫ですか、お答えください。 特に、狭山保健所管内については、県の旧所沢保健所が老朽化したため、建物を壊してそのままの状態です。土地確保の問題がありませんので、すぐに建物を建てて狭山保健所の所沢支所として開設できないか、知事にお尋ねいたします。 (三)医療人材の確保と早稲田大学医学部の誘致について。 埼玉県は、十万人当たりの医師数が全国ワースト一位、看護師数が全国ワースト三位です。今回の新型コロナウイルス対策では、医療人材不足が対応の遅れも招きました。従来から人材確保に力を入れていると思いますが、今回の新型コロナ感染の拡大を受けて、医師と看護師の確保をどのように進めていくのか、知事の御所見をお聞かせください。 また、早稲田大学は現学長が医学部新設構想を総長選に掲げ当選され、新設に向けて動いているとの報道などもあります。所沢キャンパスは医学部設置を想定して造られたとも言われていますが、都心回帰が進み、都内での新設との情報もあります。待つだけではなく、新設に向けて県が有利な条件を大学に提示する。コロナの感染拡大により、医学部設置に対する国の考え方も変わるかもしれません。 埼玉県の医療の発展に御尽力された故野本陽一先生にも、「早稲田大学は医学部設置を前提に所沢キャンパスを新設したので、誘致を頑張りなさい」と応援をいただいておりました。人口十万人当たりの医師が一番少ない県として国に設置を働き掛けるとともに、知事からも早稲田大学に医学部の誘致を積極的にした方がよいと考えますが、御答弁をお願いいたします。 渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げを(県庁に銅像を!)。 来年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、そして令和六年より新一万円札の顔になる渋沢栄一翁の地元、埼玉県として、もっと盛り上げてほしいという思いを込めて質問させていただきます。 埼玉県民は、愛県心が低いとも言われています。埼玉県ゆかりの三偉人が、渋沢栄一翁、塙保己一先生、荻野吟子医師と言える県民は、どのくらいいるでしょうか。三人ともすばらしい業績で名は知られていますが、埼玉県出身と結び付けて考える方はどのくらいいるでしょうか。 私は、西部地区に住んでいますが、西部地区では渋沢栄一翁の大河ドラマや一万円札の顔になった盛り上がりが、浦和と比較して少ないように思います。もっと埼玉県全体で誇れる顔、シンボルとして、令和三年から六年にかけて大々的に宣伝していく必要があります。 今年二月の予算特別委員会のときにも感じたのですが、渋沢栄一翁関連の予算が産業労働部と県民生活部、教育委員会にまたがっているのが気になりました。各部門それぞれの立場で頑張って取り組んでいただいていると考えますが、三部門が連携して取り組んだ方が、より効果的なPR活動ができると考えております。 また、渋沢栄一創業プロジェクトの実態は起業家支援であり、渋沢栄一翁を埼玉県の偉人として盛り上げることとは趣旨が違うと思いますので、埼玉県の偉人として広く県民に愛着を持っていただけるようなプロジェクトに、予算を含めて拡充していただきたいと考えています。 深谷市には、渋沢栄一翁の銅像が四体ありますが、埼玉県の玄関口でもある埼玉県庁にも銅像を設置してはいかがでしょうか。 島根県庁の入り口と東京都の岸記念体育館には、近代スポーツの父と言われる岸清一像があります。そして、同県庁の前庭には、内閣総理大臣になった若槻礼次郎像、松江初代藩主の松平直政像があります。福井県庁前広場には、結城秀康公の銅像があります。佐賀駅から佐賀県庁までの中央通りには、佐賀藩主の鍋島直正、大隈重信、江藤新平などの十二人の偉人のモニュメントが建っています。そして熊本県は、平成三十年に熊本県県民栄誉賞を受賞した漫画家、尾田栄一郎氏の代表作である「ONE PIECE」の主人公、ルフィの像を県庁プロムナードに設置しました。是非、大河ドラマと新一万円札で盛り上がるビッグチャンスのときに、渋沢栄一像を埼玉県庁にも設置していただきたいです。寄附やクラウドファンディングなども有効です。 ちなみに東村山市では、商工会議や青年会議が中心となって、志村けんさん銅像プロジェクト実行委員会を立ち上げ、二千四百万円を目標にクラウドファンディングの募集を開始しました。達しなかった場合は、全額返金するそうです。まずは渋沢栄一翁プロジェクトの立上げと銅像の設置について、知事にお尋ねいたします。 それから、埼玉県は東京駅周辺にラッピングバスを走らせたり、電車広告を出したりして、東京都の方に渋沢栄一翁が埼玉県出身であることを宣伝しています。しかしながら、東京都の方が渋沢栄一翁は埼玉県の偉人と聞いても、心に響かないと思います。 例えば所沢市小手指町で、渋沢栄一翁は埼玉県の出身ですというラッピングバスを見たら、都内と違ってラッピングバスは珍しいですし、何よりも同じ埼玉県民だということで心に残ります。家族や友人との話題になることもあるかと思います。 こちらが、深谷市が作ったポスターです。埼玉県も作ってほしいと思っています。まずは、県内の市役所や学校などの公共施設に埼玉県の渋沢栄一翁のポスターを貼っていただき、県民に広く知らせる。そして、埼玉県に誇りを持っていただくことに力を注いではいかがでしょうか。埼玉県民に対する広報の充実について、県民生活部長にお尋ねします。 次に、教育です。 渋沢栄一翁が血洗島に住む子供時代に学問に励み、藍玉の仕入れに商才を発揮した話や、母エイがハンセン病の人に親切にしている姿を見て慈善活動に力を入れるようになったなど、埼玉県での話を教育活動に取り入れてはいかがでしょうか。 こちらは、本庄市の吉田市長から頂いた塙保己一先生です。同じく三偉人である塙保己一先生が七歳で失明したが国学者として「群書類従」を編集した話や、荻野吟子医師が日本最初の女性医師として女性進出の道を切り開いた話なども、是非、埼玉県の三偉人として教育で、歴史だけではなく道徳などの授業でも取り扱っていただきたいと考えています。教育長に見解をお尋ねします。 あと数マイルプロジェクトについて。 公共交通の利便性向上検討会議、いわゆる有識者会議が開催されていますが、残念ながら、メンバー構成や会議の公開方法が六月定例会でも問題になっており、今朝も指摘されました。私は、大野知事が選挙公報、選挙ビラで重点政策として県民にお約束された、「埼玉高速鉄道の更なる延伸と、舎人ライナーを草加まで、都営大江戸線を東所沢まで、多摩都市モノレールを所沢まで延伸」に対する会議かと考えていましたが、あくまでも県内全般の交通政策に対する会議だったようです。 県内全ての利便性向上は重要だと考えておりますので、しっかりと進めていただきたいと考えておりますが、重点政策の実現に向けては、独立して別に取り組んでいただきたいと考えております。 そこで、企画財政部長にお伺いいたします。 有識者会議の意見交換が全て非公開となりましたが、公開された会議議事概要では、四路線の記載がほとんどありません。六月定例会の杉島議員の質問に対する知事答弁では、「可能な限りオープンな会議となるように努めてまいります」と御答弁されていますが、利害関係に及ぶ部分を黒塗りにして会議録を公開することができないか、お聞きします。 また、第二回検討会議の議事概要を読みましたが、多摩都市モノレールについては何も書かれていませんでした。議論があったのか、あったのであれば内容をお聞かせください。 次に、六月定例会の知事答弁で、「新たに立ち上げた東京・埼玉連携会議において都市づくり部会を設置し、意見交換を行う」とのことですが、メンバー構成や会議内容についての詳細をお聞かせください。 また、知事答弁で、「令和二年度は有識者による会議として、今後、関係者を入れた会議へ変えていくつもり」ともありました。工程表にも記載されています令和三年四月からの「検討結果を踏まえ、その後の対応について、関係者と調整等」で、本格的にあと数マイルプロジェクトが動いていくと理解しています。関係者を入れた会議のメンバーには、市町村や鉄道会社、金融機関なども入るという理解でよろしいか。また、五分の二が県庁職員ということはないという理解でよいのかも含めて、利害関係者を入れた会議についてのお考えをお尋ねします。 中学校における進路指導の実態と改善について。 埼玉県は、平成四年に中学校での北辰テストを中止し、翌年、文部科学省も同様の通知を出しました。しかし、実際に業者テストをやめたのは埼玉県内の中学校だけであり、子供は塾や会場テストなどで業者テストを受け、その偏差値を基に志望校を決めたり、私立高校の確約があるとも聞いたことがあります。学校の教師が進路指導をしなくなった、子供の正しい学力が分からないので指導ができない。そして、代わりに塾が進路指導をするようになりました。埼玉県では塾に通うのが当たり前になり、塾などにかける教育費は全国一位と言われています。 過去の会議録を見ますと、藤本正人議員が同様の質問をずっと追及してこられました。しかしながら、十七年たった今でも状況は変わりません。むしろ、今年はコロナの影響で学校は休校になりましたし、親の収入も大幅に減る家庭があり、今までのように家庭や塾に頼ってはいけない。今こそ、公が義務教育をしっかり果たすときだと考えます。 平成二十三年度の藤本議員の委員会での質疑に対し、前島教育長が「偏差値というのは有効な指標だと思っております。偏差値も運用しながら、使いながら、適切な進路指導をすることは全く問題ないと私は考えています」と御答弁されています。 しかしながら、現在も中学校での進路指導では偏差値は使われないところがあると聞いています。担任の先生に、業者テストを受け、結果を持ってくるように指導されたという話も聞きました。また、六年前から実施している県の学力・学習状況調査は、よく分からない指標で進路決定には使えません。学校現場にいらした教育長は、埼玉県の入試についてどのように感じておられますか。 また、業者テストを九二パーセント以上の子が自費で受け、塾に通える子と通えない子の経済格差が子供の学力や入試に反映していることと、中学校が十分に進路指導をしない、できていないとの声もありますが、どうお考えですか、教育長にお尋ねします。 また、市町村が実施している公的テストは、母数も少なく市町村でばらつきがあり、進路では使えません。先日、文部科学省の初等中等教育の課長ともお話をさせていただきましたが、私の話に対して、県レベルの母集団の大きなテストを作ることは有効ではないかと思う旨のお話をされていました。県の教育委員会が県統一テストのようなものを作ることができないか、教育長にお尋ねいたします。 コロナ禍における子供たちの活躍の場の提供と思い出づくりについて。 新型コロナにより学校は一斉休校となり、子供たちの学力低下、運動・文化活動の中止などの影響を与えています。コロナ禍で特にかわいそうなのは、最上級生だと思います。中学三年生になり、部活動ではレギュラーになった途端に大会が中止になってしまいました。スポーツや文化活動で推薦入試を考えていた子には、何らかの救済策も必要です。 例えば読書感想文コンクールの場合は、例年ですと、各市町村のコンクールで賞を取った作品が県のコンクールに上がってきます。しかし、今年は市町村のコンクールはなくなり、表彰状をもらえないまま、学校推薦の優秀な作品が県のコンクールに出品されます。県では、各部門上位五名に賞状を出すそうですが、それ以外の子供には賞状は出ません。例年一千二百枚ぐらい出している賞状は、数十枚の発行になるのだと思います。私は、県の参加賞のような賞状を全ての作品に出し、各学校長に送付し、学校長から表彰してもらうような方式を取ることで、子供たちのやる気や励みになると考えています。 読書感想文コンクールの場合は埼玉県学校図書協議会が主体で、県教育委員会は後援なので決定権はないとのことです。しかし、協議会のメンバーは、会長、事務局長も含めて全て学校の現職教員です。コロナ禍で忙しい中、賞状を作ったり郵送したりすることは物理的に難しいと思います。今年、来年は緊急事態です。県教育委員会が積極的にサポートして、例年同様に子供たちの文化・スポーツ活動を評価、表彰する工夫ができないでしょうか。 それから、学校生活最後の思い出づくりの修学旅行は、京都や日光などに行くのは難しいかもしれませんが、埼玉県の経済活動の活性化にもつながりますし、県内観光などでも良いのでサポートしていただけたらと考えます。また、何らかの方針を小中学校に示していただきたいと考えますが、教育長の見解をお尋ねします。 子供を主体とした児童福祉政策の実現に向けて。 我が国も批准している子どもの権利条約では、十八歳未満の児童を権利を持つ主体と位置付け、大人と同様、一人の人間として人権を認めるとともに、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な子供ならではの権利を定めています。 県の子供の福祉政策を改めて見直すと、少子化政策と子育て支援がメインで、当事者である子供の立場に立った政策が少ないように私は感じています。 そこで、以下三つの点について、福祉部長にお伺いします。 初めに、共同親権の推進についてです。 現在、三組に一組の夫婦が離婚すると言われています。離婚した場合、我が国の民法では単独親権制度を採用しているため、親権を持たない親が子供に会えなくなってしまうという問題や、養育費の支払いが滞る面もあると聞いております。加えて、単独親権制度をとることにより、親権を持たない親が子供と引き離されるのは、人権侵害ではないかという意見もございます。 また、二〇一九年に開催された国連子どもの権利委員会では、児童の最善の利益である場合に児童の共同養育を認めるため、離婚後の親子関係について定めた法令を改正することなどの勧告を日本政府に行いました。 民法の改正が必要であるため、国において議論されていることも理解しておりますが、共同親権の導入により、面会交流や同居していない親の養育費の支払いがスムーズに行われる可能性もございます。子供にとっては、父母両者の愛情を感じられます。 こうした共同親権の考え方も含め、今後どのような決意を持って子育て応援行動計画の実施など児童福祉政策を展開していくおつもりか、福祉部長の見解を伺います。 二点目として、中高生の居場所づくりについて伺います。 家庭や学校の問題、心身の問題など様々な理由で学校に通えない子がたくさんいますが、中高生など大きな子供が気軽に行ける児童館などは、県内にどのくらいあるのでしょうか。児童館は十八歳までとなっていますが、実態は、午前中は乳幼児親子、午後からは小学生の遊び場及び学童になっていて、大きな子供は入りづらい状況にあります。 私は、一つの例として老人福祉センターを有効活用できないかと考えております。基本的に高齢者の方は朝から夕方まで施設を利用しますので、放課後に中高生は利用しやすいと思います。また、保育というより心の支援が必要な中高生に、人生経験豊富な高齢者の方との交流は、双方にメリットがあると考えます。実際に、社会福祉法人が行っている保育園と高齢者施設との交流がうまくいっている話はよく聞きます。 児童館での中高生の利用を進めるほか、老人福祉センターなど社会福祉施設などを利用するなどの、中高生が放課後に集まれる居場所をつくれないか、福祉部長に伺います。 三点目として、障害児支援の研修の充実について伺います。 発達障害児の数が増えており、放課後デイサービスなどの充実が必要です。平成二十九年に国告示の改正があり、児童発達支援管理責任者の資格が取りやすくなりました。 しかしながら、埼玉県では、研修が年に一回しかないため、一度逃すと一年待ちになります。演習などの調整が難しいことは理解していますが、東西地区に分けるなどして回数を増やすことはできないでしょうか。例えば前期は東部地区、後期は西部地区。受け損ねた方や急いでいる方は遠くなりますが、地区外でも受けられるようにすると、研修は受けやすくなると思います。 県では、サービス管理責任者の研修も年一回実施しているようですが、増やすことができないか、併せて福祉部長にお尋ねいたします。 地元問題について。 所沢市は、西武線、JRの駅が十か所あり、踏切も多くあることから渋滞に拍車が掛かり、慢性的な渋滞がなかなか解消されません。東京狭山線の開通に続き、次は飯能所沢線の開通に力を入れていただいていると思いますが、この路線が東京都まで抜けていないため、中心市街地に車が流れて渋滞はもちろん、道が狭く歩道が整備されていないところでは、事故が多発しています。特に、飯能所沢線が二車線になる岩崎交差点から西所沢駅に抜ける道は渋滞しており、狭い道に自転車、歩行者も通り、大変危険です。特に金山町交差点では、昨年末も死亡事故が起きました。 そこで、所沢市内の交通対策に係る以下の三点について伺います。 まず一点目は、都市計画道路飯能所沢線の整備についてです。 地権者の合意が必要なのは承知していますが、飯能所沢線を早期開通し、西所沢駅周辺の車両を減らすことが重要です。そこで、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。 二点目は、西所沢駅西口改札口の開設に向けた支援についてです。 西所沢駅に西口改札を開設することにより、歩行者が隣接する踏切を通らずに済むため、安全、渋滞回避に大きな効果があると考えます。駅施設の整備には多額の費用がかかります。これも県に応援してもらえないでしょうか。所沢市が進めている西口改札口の開設に向けた県の支援について、企画財政部長に伺います。 三点目は、所沢青梅線の整備についてです。 抜け道にもなっている所沢青梅線も渋滞がひどくなっています。交差点に右折帯をつくると解消につながりますが、現在の右折帯の事業中の箇所の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。 以上です。(拍手起こる) ○田村琢実議長 四十番 岡田静佳議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 岡田静佳議員の御質問にお答えいたします。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねのうち、組織の強化と役割責任体制の明確化についての、第一波の組織体制の検証と今後の体制でございます。 新型コロナウイルス感染症は未知の感染症であり、その感染速度、感染規模や予防策など、今をもってなお不明なところが多くあります。特に三月から五月頃の感染拡大期においては、対応や職務分担について手探りの中でも感染症対策に万全を期すべく、そもそも法に規定がなく想定のされていなかった療養施設については、急きょホテル班を編成し、全庁からの応援体制で対応いたしました。 六月に入り、徐々に蓄えられた知見を踏まえ、新規の感染者が落ち着いた中で再拡大への備えを進めるため、業務の執行体制を見直しました。この中で、この非常事態が長期化するおそれを否定できないこと、クラスター対策などを推進する必要があることから、感染症対策専任の課として七月六日付けで感染症対策課を設置いたしました。さらに、十月一日付けで職員を増員して体制の強化を図ったところでございます。今後、引き続きこの組織を中心に感染症対策を進めてまいります。 次に、ホテル確保についての場所や金額は、どこで、誰が決定していたのかについてであります。 ホテルの契約につきましては、保健医療政策課が保健医療部長まで諮った上で決定いたしました。 次に、感染者が多い地域にホテルが少なく、利用者がゼロ人だった国立女性教育会館に一億円近いお金をかけていたこと等は、検証しているのかについてでございます。 宿泊療養施設につきましては、地域的なバランスやそれぞれの地域のニーズ及び療養施設の規模や機能を考慮し、順次、開設してまいりました。国立女性教育会館の借上期間は八月末まででしたが、八月の時点の患者数を東西南北で見ますと、南部四九パーセント、東部二五パーセント、西部二二パーセント、北部四パーセントでした。これに対し宿泊療養者は、南部四八パーセント、東部二六パーセント、西部一七パーセント、北部九パーセントで、おおむね患者の発生した地域のホテルで受入れができたと考えております。国立女性教育会館のある西部地域についても、結果としておおむね受入れが充足していたため、開設はいたしませんでした。 しかし、埼玉県はホテルの室数にして神奈川県や千葉県の約三分の一、東京都の約八分の一と少なく、使い勝手の良い大規模な宿泊施設も限られていることから、いつ急激な感染拡大の局面に入るか推測ができない状況の中、確保し、備えておく必要があったものでございます。 次に、今後のホテル確保はどうするのかについてでございますが、患者の発生動向や確保済み施設の立地、規模、地域バランス等を考慮しながら、宿泊療養施設を必要とする軽症者や無症状者が多くを占めることとなっている現状にも鑑み、先ほど申し上げたとおり、余裕を持ってしっかりと確保に努めてまいります。 次に、保健所機能の強化と適正配置についてのお尋ねのうち、保健師はいつまでに、何人くらい確保できるのか、見通しは立っているのかについてでございます。 これまで業務委託の積極的活用やCOVMATの創設、職員による応援体制の構築などにより、保健師が積極的疫学調査などに集中できる体制の整備に努めてまいりました。また、民間派遣看護師を増員し、現在、四十二名が、保健所で陽性患者の健康観察などの専門的業務に当たっております。保健所の負担軽減のためにも更なる増員が必要であり、年度途中での職員採用も含めて検討を進めております。さらに、新たな感染症が発生した場合に備えた保健師の必要人員について検討しているところであり、遅くとも今年度中に結論を出し、来年度以降、計画的に職員を確保してまいります。 次に、保健所の適正配置についてと、管内人口が多過ぎて適切なコロナ対応を受けることができなかった県民への対策はどうするのか、第二波が来たときには大丈夫かについてでございます。 管内人口の違いについてのお話でございますが、現在の保健所の設置については、管内人口のみならず、管内面積の違いも考慮して定めています。例えば、秩父保健所の管内面積は狭山保健所の倍以上、朝霞保健所の八倍以上であり、管内人口の違いだけを基に一概に格差と言うことはできません。また、小さな組織が複数あるよりも、むしろ大くくり化することで組織が活性化し、一時的な事務の集中にも柔軟に対応できるというメリットもあります。 今回の感染症の対応でも、管内人口の少ない保健所で集団感染が発生すると、配置保健師数が少ないため対応に苦慮し、近隣の規模の大きな保健所から応援の保健師を派遣することが必要になるという事態も生じました。積極的疫学調査などの業務の的確な実施のため、まずは保健師の増員を図ってまいります。 また、国は、保健所機能の見直しを新たな方針として示していますが、自治体間の応援派遣スキームの構築や潜在保健師の活用などにより保健所機能を更に強化し、クラスターの連鎖や感染の再拡大への対応に万全を期してまいります。 次に、所沢保健所の跡地に狭山保健所の所沢支所を開設できないかについてでございます。 県の保健所の支所など小規模の組織を作ることは、得策ではないと考えております。まずは、保健師など専門職の確保に努めたいと考えています。 一方、保健所の設置について国が定めた指針では、保健サービスの一元的な実施の観点から、人口二十万人以上の市については、保健所政令市への移行を検討するよう求めております。住民の利便性向上とともに、ワクチン接種などと一元的に感染症対策を講じていくために、十分な人口規模を持つ市に自ら保健所を設置していただくことは、有効だと考えています。所沢市に対しても丁寧に説明させていただき、保健所の設置について協議を始めさせていただきたいと考えています。 次に、医療人材の確保と早稲田大学医学部の誘致についてのお尋ねのうち、今回の新型コロナ感染拡大を受けて、医師と看護師の確保をどのように進めていくのかについてでございます。 医師数につきましては、将来に向けて増員が必要と考えていますが、新たに医師を養成するには一定の期間がかかります。そのため、新型コロナウイルス感染症対策といたしましては、当座の対策として県医師会と連携し、県内の医師に感染症の診療に必要な専門知識や技術を修得していただくことで、感染症に対応する能力を強化してまいりたいと考えています。 また、今議会において御提案を申し上げました補正予算案により、人工呼吸器やECMOの扱いに習熟した医師等を医療機関に派遣し、重症患者の受入体制を充実することを目指しています。 看護師につきましては、感染症に正しく対応できる看護師を増やすため、各医療機関に感染管理認定看護師を派遣して指導、助言を行うほか、県看護協会と連携し、これまで百二十三人の潜在看護師の掘り起こしを行うことができました。 次に、国に医学部設置を働き掛けるとともに、知事からも早稲田大学に医学部の誘致を積極的に行うべきについてであります。 国では、本年八月三十一日に開催された医師需給分科会において、医学部定員の見直しを令和五年度に先送りした上、医師需給推計への影響について今後検討することといたしました。こうした国の動きを捉え、医師少数都道府県に指定された地域や医学部定員が少ない地域については、医学部新設の対策を講じるように国に働き掛けを行ってまいります。 他方、今年二月に早稲田大学に対し医学部設置の意向の問合せを行いました。そういたしましたところ、「理事会の専権事項のため何も申し上げることはできない」との回答でございました。引き続き動向を注視し、誘致の可能性を探ってまいります。 次に、渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げを(県庁に銅像を!)のお尋ねのうち、渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げと銅像の設置についてでございます。 県では、渋沢翁が令和六年に刷新される新一万円札の肖像に選ばれ、来年の大河ドラマの主人公にも決定したことを好機と捉え、全庁を挙げて様々な施策に取り組んでおります。 渋沢翁を軸とした観光振興としては、渋沢翁のみならず、私が提唱し、埼玉の三偉人としてPRをする好機と考え、三偉人のゆかりの地をめぐるスタンプラリーの実施や、県外をターゲットとした情報発信などを行うことといたしております。 また、渋沢翁の理念を受け継ぐ起業家支援といった関連施策を有機的に結び付けるため庁内チームが必要と考え、私がやはり提言し、本年二月にチームを創設し、部局横断的に情報共有し広報面で連携するなど、相乗効果を発揮できるように努めています。 さらに、大河ドラマ館を設置する地元深谷市を支援するとともに、市と緊密に連携しながら、国内最大の旅行博「ツーリズムEXPOジャパン」への共同出展やインフルエンサーを活用した情報発信を通じて、渋沢翁の功績自体のPRも図ります。 来年は埼玉県が誕生して百五十周年という節目であることも生かし、現行の庁内チームを渋沢栄一翁プロジェクトチームとして再編する準備を既に進めており、議員の御指摘も踏まえ、より一層施策の推進が図れるよう検討してまいります。 渋沢翁の銅像については、議員お話しのとおり、生誕の地である中の家など深谷市内に四か所設置され、偉大な功績を現在に伝えています。このうち三か所の銅像は、企業の経営者等による有志団体や学校法人が設置主体となっており、いずれも寄附により財源が賄われております。他県におきましても、郷土の偉人を顕彰する目的でゆかりの地に銅像を設置し、子供から大人まで広く知っていただく取組がございます。また、桂浜の坂本龍馬、仙台城跡の伊達政宗などの銅像は、偉人を取り巻く歴史ストーリーが感じられる場所に建てられることとあいまって、銅像を訪ねること自体が観光資源となっています。 銅像を建てるに際しては、設置の趣旨や必要性、設置場所、設置主体、クラウドファンディングを含めた資金調達方法などを検討する必要があります。これらの検討事項につきましては、今後、県民や渋沢翁の関係者からの御意見も伺いながら、総合的に検討してまいります。       〔山野均県民生活部長登壇〕 ◎山野均県民生活部長 御質問二、渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げを(県庁に銅像を!)のうち、県民に対する広報の充実についてお答え申し上げます。 渋沢栄一翁の大河ドラマが放映される令和三年は、埼玉県が誕生して百五十周年という記念すべき年です。この節目に、より多くの県民が、日本を代表する埼玉の偉人、渋沢栄一翁を身近に感じられるよう広く発信してまいります。本年七月に開設した埼玉百五十周年特設ウェブサイトでは、渋沢翁が歩んだ道のりや成し遂げた業績を親しみやすく紹介しております。 今後も、百五十周年一年前イベントでの渋沢栄一PRステージをはじめ、平和資料館や県立歴史と民俗の博物館での渋沢翁の功績を紹介する特別展などを開催いたします。これら部局横断で展開する施策について、ウェブサイト、SNS、広報紙、テレビ・ラジオなどをフルに活用して広報してまいります。 議員から、市役所や学校等の公共施設でのポスターの掲示について御提案を頂きました。地元深谷市だけでなく、全県的に盛り上げていく効果的な広報について御提案を含め検討してまいります。県民一人一人が近代日本の礎を築いた埼玉の偉人、渋沢栄一翁を深く知り、郷土への愛着と誇りを深めていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問二、渋沢栄一翁プロジェクトの立ち上げを(県庁に銅像を!)についてお答え申し上げます。 児童生徒が、渋沢栄一翁をはじめとした埼玉ゆかりの偉人の業績や生き方などを学ぶことは、郷土埼玉に誇りと愛情を持った児童生徒を育てる上で重要なことと考えております。そのため、県内の児童生徒は、県独自の教材「彩の国の道徳」などで、埼玉ゆかりの三偉人である渋沢栄一や塙保己一、荻野吟子の業績や生き方などについて、道徳や特別活動で学んでいます。 また、県内の多くの市町村では、小学校の社会科の副読本を独自に作成し、三偉人も含め、地域の発展に尽くした先人の働きを学べるようにしております。 さらに、中学校の社会科や高校の日本史の授業でも、我が国の近代化に尽力した先人の一人として、渋沢栄一が取り上げられております。 今回は、郷土埼玉に誇りと愛情を持った児童生徒を育成する絶好の機会と考えますので、議員の御提案を踏まえ、今後、渋沢栄一をはじめ埼玉の三偉人について、道徳の授業などで学ぶ機会がより一層充実するよう努めてまいります。 次に、御質問四、中学校における進路指導の実態と改善についてお答え申し上げます。 まず、埼玉県の高校入試についてどのように感じているかについてでございます。 県公立高校の入試制度は、これまで国の動向や他県の状況などを踏まえながら、生徒の学力や学校生活の成果などをより適切に評価するよう、改善を重ねてまいりました。高校入試は、多くの生徒にとって初めて対じする大きな壁でありますが、志望校合格を目指して受験勉強に取り組み、仲間とともに最後まで頑張り抜くことで人間的にも成長するなど、その教育的意義は大きいものと考えております。また、一所懸命に勉強に取り組む中で、自分を支えてくれる周りの人たちの有り難さを感じる機会にもなっています。 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で例年にも増して不安もあると思いますが、生徒には是非頑張って乗り越えてもらいたいと強く思っております。 次に、経済格差が子供の学力や入試に反映していることについてどう考えるかについてでございます。 家庭の経済格差が子供たちの学力に影響を与えていることは、様々な研究者から指摘されているところでありますが、その影響を可能な限り小さくしていくことが、学校教育の役割だと考えております。 そこで、県では、家庭の経済状況などから学力に課題を抱える児童が多い小学校に加配教員を配置し、早い段階から学力格差が広がらないよう市町村を支援することで、中学校の指導につなげております。 次に、中学校が十分に進路指導しない、できていないことについて、どう考えるかについてでございます。 中学校では生徒一人一人の能力、適性、関心や将来の希望等も踏まえ、三年間を通して進路指導に努めております。 一方で、議員御指摘のような声も伺っておりますので、生徒や保護者に寄り添ったより良い進路指導が行われるよう、今まで以上に市町村と連携を図ってまいります。 次に、県統一テストのようなものを作ることはできないかについてでございます。 現在、県内で実施されている公的テストは十四グループに分かれており、それぞれ実施回数や内容等も異なっております。議員御提案の、県内全域の生徒が参加できるようなテストを実施することは、生徒が自分の立ち位置をより客観的に把握する上で有効な手段であると考えます。 そこで、まずは市町村や中学校長会の意向も十分に聴取した上で、現在の公的テストの課題を整理してまいります。その上で、進路指導に活用できる広域的なテストについて実施主体、形態等の在り方も含め、市町村などとも協議しながら丁寧に検討してまいります。 次に、御質問五、コロナ禍における子供たちの活躍の場の提供と思い出づくりについてお答え申し上げます。 まず、文化・スポーツ活動の評価、表彰の工夫をすべきについてでございます。 議員御指摘のとおり、コロナ禍においても精一杯頑張った子供たちの活動をしっかりと評価することは、子供たちのやる気や励みにつながり、大切なことであると考えております。 そこで、読書感想文コンクールをはじめ、子供たちの様々な文化・スポーツ活動について、例えば県が賞状の様式を市町村に提供し学校で表彰できるようにするなど、子供たちのやる気や励みにつながる取組を検討し実施してまいります。今後とも、様々な文化・スポーツ団体から相談を受けた際には、しっかりと支援してまいります。 次に、修学旅行についての方針を小中学校に示すべきについてでございます。 修学旅行は日常生活と異なる環境の中で自然や文化などに親しむとともに、体験を通して、より良い人間関係を学ぶことができ、大切な思い出になる重要な学校行事です。 修学旅行の中止を決定した小中学校は、九月一日時点でおよそ三分の一となっておりますが、その中にも代替策を検討している学校もございます。修学旅行の中止を決定した場合であっても、可能な限り代替策を工夫したり、改めて実施の可能性について検討するなど、修学旅行の目的が少しでも達成できるよう努めることが必要であると考えております。 県としては、こうした考え方を市町村に示すとともに、県内での体験学習などを実施する学校の事例についても積極的に情報提供するなど、子供たちの思い出づくりの取組ができるよう支援してまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問三、あと数マイルプロジェクトについてお答え申し上げます。 まず、公共交通の利便性向上検討会議の会議録を、利害関係に及ぶ部分を黒塗りにして公開することができないかについてでございます。 この会議の会議録には、埼玉県情報公開条例第十条第四項に規定する「率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれのあるもの」などの不開示情報が含まれます。こうした不開示情報に該当するか否かについては、発言の内容を一つ一つ詳細にチェックし特定していかなければならず、一定の時間を要します。そのため、速やかに会議内容を情報提供するとの観点から、公開が可能な主立った発言を取りまとめ、議事概要として会議当日に公表しているところでございます。 今後は、より詳細な会議の内容の公開を行うよう、事務手続を進めてまいります。 次に、多摩都市モノレールについて議論があったのか、あったのであればその内容についてでございます。 多摩都市モノレールに関しては、「混雑につながる輸送力の心配があるが、日本ではとても珍しい観光鉄道になる可能性もある」との御意見がございました。この意見を受け、ほかの路線も含めて、観光という視点は重要な評価軸の一つになるとの議論がなされました。 次に、東京・埼玉連携会議都市づくり部会のメンバー構成や会議内容についてでございます。 メンバー構成は、東京都側が都市基盤部長をリーダーとして、交通企画課長、街路計画課長、道路建設部計画課長ほか、議事に応じた関係課長となっております。埼玉県側は、企画財政部地域経営局長をリーダーとして、交通政策課長、県土整備政策課政策幹ほか、議事に応じた関係課長でございます。 九月に開催された第一回の会議では、公共交通の現状や取組、道路の整備状況等についてお互いに情報を共有し、意見交換を行ったところでございます。 最後に、令和三年度から利害関係者を入れた会議についての考えでございます。 知事公約の実現に向けた取組の工程表では、令和三年度以降は関係者と調整等を行っていくこととしております。あと数マイルプロジェクトに掲げられた各路線は、置かれている環境や事業の進捗状況がそれぞれ異なっています。こうした各路線の違いに応じて、例えば関係市町村や事業者といった必要なメンバーによる会議を設置するなど、適切な方法で適切な時期に関係者との調整等を進めていく必要があると考えます。そのため、現在実施している検討会議における課題の整理と今後の取組の方向性の検討結果も踏まえ、各路線にふさわしい取組方法を検討してまいります。 次に、御質問七、地元問題の(二)西所沢駅西口改札口の開設に向けた支援についてお答え申し上げます。 県では、みんなに親しまれる駅づくり事業により、駅のエレベーターや障害者対応トイレなどのバリアフリー施設の整備費用を負担する市町村に対し、財政支援を行っております。この補助制度は、快適な通勤・通学環境の確保、高齢者、障害者の方々の一層の社会進出を目的に、鉄道駅の施設整備を支援するものです。 西所沢駅の西口改札の整備については、現在、西武鉄道と所沢市において協議を行っているところと聞いております。県といたしましては、所沢市からの要望を踏まえ、みんなに親しまれる駅づくり事業の活用などにより、整備が少しでも早く進むよう必要な支援を行ってまいります。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 御質問六、子供を主体とした児童福祉施策の実現に向けてについてお答え申し上げます。 まず、(一)共同親権の推進についてでございます。 共同親権には、議員お話しのとおり、養育費の支払や面会交流などが比較的スムーズに進むとの意見があります。一方、DVで離婚した場合などは、その親との関係が継続するため、慎重に導入すべきとの意見もあります。現在、法務省を中心に調査・検討している段階ですので、県としてはその議論を注視してまいります。 また、令和二年度を始期とする埼玉県子育て応援行動計画では、「すべての子供の最善の利益」を最優先に考えることを基本理念とし、施策を推進しています。子供主体の取組として、いじめや虐待等を電話相談できる、子どもスマイルネットを設置したほか、虐待等を誰にも知られずSNS相談できる窓口も九月に開設しました。 県としては、児童福祉に係るあらゆる事業において子供の利益を最優先することを徹底し、社会の宝である子供が、誰一人取り残されることなく健全に成長できるよう全力を尽くしてまいります。 次に、(二)中高生の居場所づくりについてでございます。 児童館等は、現在、県内四十四市町に百三十九か所設置されており、本年五月の調査では、利用する中学生が年間三千人を超える施設は十三か所あります。特に利用人数が多かった春日部市では、音楽スタジオや自主学習室を設置しているほか、学習支援を行うことで利用人数の半数近くが中高生となっている児童館等もあります。 議員お話しの老人福祉センターを活用している取組として、朝霞市では、老人福祉センターで実施する多世代交流イベントに児童館の利用者が参加するなど、高齢者と若い世代との交流が図られている施設もございます。こうした中高生の児童館等の利用促進や老人福祉センターとの連携に係る好事例を、市町村が集まる少子化対策協議会で積極的に情報提供するなど、中高生の居場所づくりを進めてまいります。 次に、(三)障害児支援の研修の充実についてでございます。 議員お話しの児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者は、障害児者の通所事業や入所施設に必ず置かなければならない職であり、双方とも国が定める実務経験年数を満たした上で、同じ研修の受講が必要です。この研修は年一回、三日間の全体講義と一日の演習の計四日間の日程で実施し、このうち三日間の全体講義については、あらかじめ指定された日程で受ける必要があるため、一日でも都合がつかない場合は、その年の受講ができませんでした。 令和二年度は新型コロナウイルス感染症対策のため、この三日間の全体講義をインターネットでの動画配信とし、一定の期間にいつでも受講できるようにしたことから参加しやすくなり、実質的に回数が増えたのと同様の効果があると考えております。 なお、残り一日はグループワーク形式の演習であり、進行役となる人材確保の関係から、こちらは受講者数に上限を設けざるを得ない状況です。今後も、オンラインの活用により受講者の利便性向上を図るとともに、グループワークの進行役を務められる人材の育成などにより、より多くの方が受講できるように努めてまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)都市計画道路飯能所沢線の整備についてでございます。 所沢市内の飯能所沢線では、国道四六三号と接続する大六天交差点から都境までの約三・一キロメートルの整備を進めています。これまでに大六天交差点から北久米交差点までの約一・八キロメートルが供用しております。現在、北久米交差点から松が丘東交差点までの九百五十メートルの整備を進めており、用地買収率は八八パーセント、工事進捗率は五五パーセントとなっています。令和二年度は、残る用地の取得を進めるとともに、二百五十メートルの道路改築工事を実施しています。今後も粘り強く用地交渉を進め、早期完成に努めてまいります。 また、松が丘東交差点から都境までの三百メートル区間については、令和元年度に路線測量を実施しました。この区間の事業化には、接続する東京都側の区間と一体的な整備が必要なことから、引き続き東京都との調整を進めてまいります。 次に、(三)県道所沢青梅線の整備についてでございます。 この県道は、交通量が多く交差点などで渋滞が発生しているため渋滞が著しく、地元の御協力が得られた交差点から順次、右折帯の整備を進め、現在、二か所で事業を実施しています。 まず、この県道と県道狭山ヶ丘停車場線が交差する三ヶ島農協前交差点は、近接して市道が交差する複雑な形状のため渋滞が発生しています。このため、平成二十年度に事業に着手し、用地が取得できた箇所から段階的に工事を進めてまいりました。令和二年七月には全ての用地取得が完了したため、残る市道との右折帯設置工事を発注し、事業の早期完成に努めてまいります。 次に、この県道と市道が交差する狭山湖入口交差点は、県道に右折帯が整備されておらず、交差する市道もクランク形状になっているため、渋滞が発生しています。現在、交差点改良の検討を開始し、市道の線形改良についても所沢市と協議を進めています。今後は、協議が整い次第、測量や交差点設計に着手し、地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら事業の推進に努めてまいります。       〔四十番 岡田静佳議員登壇〕(拍手起こる) ◆四十番(岡田静佳議員) 一の(二)保健所機能の強化と適正配置について、知事に再質問させていただきます。 小さい規模の所沢支所が駄目ということですので、それでしたら所沢保健所を設置できないでしょうか。知事の先ほどの御答弁では、秩父は狭山の管内面積の倍とのことでしたけれども、狭山は秩父の管内人口の十倍なんですね。到底、県民が面積が倍だからって十倍の人口を抱えるというのは、誰もこの答弁じゃ納得しないと思うんですけど、いかがでしょうか。 それから、大くくりがよいと、いつも答弁が来るんですけれども、私は県民の方から大くくりになってよかったというのを一回も聞いたことないんですよ。みんな、先ほど言ったクレームばっかりなんですね。本当に県民の声をちゃんと聞いているんでしょうか。 それで、ここからが大事なところですけれども、知事答弁では、二十万人以上の市は設置してほしい旨の答弁がありました。今朝の木下議員の答弁も同じで、保健医療部長が「二十万人以上の市に対して保健所政令市への移行を十分検討していただき、市において保健所設置を目指すのであれば支援する、こうした各市における検討結果を踏まえ、県設置保健所の配置の見直しを検討する」というふうに答弁されました。 しかし、所沢市の場合ですと人口が三十万人を超えていますので、齋藤市長、当麻市長、藤本市長と三代にわたって中核市になるかならないか、ずっと議論してきたんですね。それで、ならないという選択をしています。私も、平成十五年から市議会議員を十二年務めていたのでよく知っていますが、やりません。今回も質問に当たり市長に確認しましたけれども、やはり県の責任において設置していただきたいと。そして、今回も保健所に所沢市の職員五名を派遣していますけれども、県が設置するなら市は応援しますということを言っているんですね。 今朝の木下議員の答弁で企画財政部長は、中核市になるならないに対して、主体的な意思を前提として中核市になることができる制度と理解していると。中核市の移行に当たっては、対象となる市町村の意向を十分尊重するというふうに答弁されているわけですけれども、知事も同じ理解でよろしいんでしょうか。 ここで今、コロナの第二波がいつ来るかわからない状況で、再度、市に検討を求める時間があるのか、圧力になるんじゃないか。私は、一刻も早く八十万人近い管内人口の配置を見直すべきだと思っていますが、所沢市に保健所が設置できないか。中核市になるならないの意向を知った上で、埼玉県が造るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 それから最後に、これは命に関わることです。もしここで前向きな答弁ができないのであれば、すぐに医療の専門家も交えた専門家会議などを立ち上げて、県の責任で保健所の設置について検討することはできないか、お聞かせください。(拍手起こる) ○田村琢実議長 四十番 岡田静佳議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 岡田静佳議員の御質問一、新型コロナウイルス感染症対策についての(二)保健所機能の強化と適正配置についての再質問にお答え申し上げます。 いただきました再質問は、大きく分けて二つ。一つは、保健所の設置、あるいは中核市の移行等について、これができるものなのか、あるいはしなければならないものなのかということ。そしてもう一つは、保健所の支所の設置ができないのであれば、保健所にするべきではないか、県の責任において保健所を設置するべきではないか。また、既に市がこれまで保健所の設置の選択はしていない中で、県として責任を持つべきではないか。さらに、前向きな回答ができない場合には、専門家等の会議、対応も受けて保健所の設置について議論するべきではないかという、大きく分けて最初の一つと、後の二つをまとめて回答させていただきたいと思います。 まず最初の、中核市等については、なることができるものか、ならなければならないものかについては、午前中の御質問で答弁させていただいたとおり、なることができるものだと私は理解しております。他方で、市民サービス等において、より必要な選択をそれぞれの市においてされる場合には、県としても支援させていただくというのが私の立場でございますし、このことは保健所に関することについても同じでございます。 さらに、その立場に立った上で申し上げますが、保健所の設置につきましては、もう議員御存じだと思いますけれども、たしか平成二十二年に地方への権限の移譲についての閣議決定がなされ、それ以降、様々な権限について基礎自治体に対する権限の移譲がなされているところです。この保健所につきましては、平成六年だったと私は記憶していますけれども、地域保健法ができて保健所法が全面的に改定されて、市の保健センターとそれから保健所の機能の二重行政の解消と、さらには先ほど申し上げた平成二十二年以降は、これと併せて二十万人以上、三十万人以上の都市に対する権限の移譲をして、国は奨励してきたというふうに理解しております。 ただ、先ほど歴史の中で所沢市としてこのような選択はしなかったという御指摘がございました。私も、これは個人的にもこの件については、保健所の設置をそれぞれの市が十分なバックアップがない中でやれと言われても、なかなかできないという専門家の指摘もこれまで多々ありまして、それはそれで私も一定の説得力を持つなというふうに、これまで聞いてきたところでございます。 他方で、今、現状を見ると、人口三十万人を超える市の中で、四十八ありますけれども、保健所未設置市は四つだけ。そのうち、市川市の場合は中核市に移行予定でございますので、予定がないのは三つということになると思います。そのような中で、先ほど申し上げた二重行政の解消やあるいは地方への権限移譲の中で、保健所が設置されるという環境が今まで整っていなかったという指摘もある中ではございますけれども、昨今では、コロナウイルス感染症の発生を受けて保健医療を取り巻く環境が大きく変わり、政府としても保健所の増設までは行かないものの、保健所機能の強化を今言っているところでございますので、環境が大いに変わっているので、先ほど答弁申し上げたとおり、丁寧に所沢市に対しては今の現状、さらには保健所政令市の制度などを改めて御説明させていただきたいというふうに御答弁させていただいたところでございますので、環境が変わった中での状況を丁寧に御説明し、地域の声をしっかりと届けられるような制度を共に協議させていただきたいと思っております。          ---------------- △次会日程報告 ○田村琢実議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明六日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○田村琢実議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十八分散会          ----------------...