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  1. 埼玉県議会 2020-06-01
    06月23日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 2年  6月 定例会六月定例会  第九日(六月二十三日)令和二年六月二十三日(火曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問      六番  逢澤圭一郎議員      四番  柿沼貴志議員      五番  高橋稔裕議員 三 次会日程報告    六月二十四日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    九十二名         一番  金野桃子議員         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         四番  柿沼貴志議員         五番  高橋稔裕議員         六番  逢澤圭一郎議員         七番  山口京子議員         八番  千葉達也議員         九番  渡辺 大議員         十番  松井 弘議員        十一番  高木功介議員        十二番  深谷顕史議員        十四番  白根大輔議員        十五番  秋山もえ議員        十六番  八子朋弘議員        十七番  杉田茂実議員        十八番  江原久美子議員        十九番  中川 浩議員        二十番  宮崎吾一議員       二十一番  関根信明議員       二十二番  木下博信議員       二十三番  藤井健志議員       二十四番  美田宗亮議員       二十五番  吉良英敏議員       二十六番  松澤 正議員       二十七番  橋詰昌児議員       二十八番  町田皇介議員       二十九番  辻 浩司議員        三十番  守屋裕子議員       三十一番  松坂喜浩議員       三十二番  並木正年議員       三十三番  石川忠義議員       三十四番  宇田川幸夫議員       三十五番  浅井 明議員       三十六番  飯塚俊彦議員       三十七番  横川雅也議員       三十八番  内沼博史議員       三十九番  杉島理一郎議員        四十番  岡田静佳議員       四十一番  永瀬秀樹議員       四十二番  安藤友貴議員       四十三番  東間亜由子議員       四十四番  山根史子議員       四十五番  前原かづえ議員       四十六番  浅野目義英議員       四十七番  井上 航議員       四十八番  岡 重夫議員       四十九番  醍醐 清議員        五十番  日下部伸三議員       五十一番  小久保憲一議員       五十二番  立石泰広議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  小川真一郎議員       五十八番  権守幸男議員       五十九番  萩原一寿議員        六十番  水村篤弘議員       六十一番  秋山文和議員       六十二番  村岡正嗣議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  齊藤邦明議員       六十五番  武内政文議員       六十六番  中野英幸議員       六十七番  新井一徳議員       六十八番  梅澤佳一議員       六十九番  中屋敷慎一議員        七十番  木下高志議員       七十一番  諸井真英議員       七十二番  細田善則議員       七十三番  須賀敬史議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  高木真理議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  神尾高善議員        八十番  岩崎 宏議員       八十一番  高橋政雄議員       八十二番  田村琢実議員       八十三番  小林哲也議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員 欠席議員    なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   橋本雅道  副知事   堀光敦史  企画財政部長   小池要子  環境部長   山崎達也  福祉部長   関本建二  保健医療部長   加藤和男  産業労働部長   強瀬道男  農林部長   中村一之  県土整備部長   濱川 敦  都市整備部長   高柳三郎  公営企業管理者   高田直芳  教育長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で待機)   北島通次  総務部長   山野 均  県民生活部長   森尾博之  危機管理防災部長   板東博之  会計管理者   岩中 督  病院事業管理者   今成貞昭  下水道事業管理者   高木紳一郎 警察本部長             発言(質問)通告書  六月二十三日(火)議席番号 氏名      要旨 答弁者  六番 逢澤圭一郎議員 1 新型コロナウイルス感染症対策について 知事              (1) 有事の際の県と市町村との情報共有・連携について              (2) 避難所の運営に関する指針(新型コロナウイルス感染症に対応したガイドライン)について             2 障がい者が安心して暮らせる入所施設及びグループホームの整備について 福祉部長              (1) 今後の入所施設の整備計画について              (2) グループホームの支援体制の確保について              (3) グループホームで従事する職員の研修の在り方及び職員配置加算について              (4) 身体障がい者対応のグループホームの整備について              (5) 地域生活支援拠点等基幹相談支援センターの一体整備について             3 コミュニティ・スクールの推進について 教育長              (1) 小中学校の現状について              (2) 中学校区単位での取組の推進について              (3) 高等学校の現状と課題及び今後の取組について  四番 柿沼貴志議員  1 鉄道の利便性向上について              (1) 秩父鉄道を軸とした県北地域の活性化について 知事              (2) 秩父鉄道と他社線との連携強化について 企画財政部長             2 学校教育における「チーム学校」の推進について 教育長              (1) 児童・生徒の実態把握を進めるべき              (2) スクールソーシャルワーカーの常勤化や職務内 容の明確化について              (3) 就労支援アドバイザーの配置を              (4) 手厚い支援体制による埼玉県版「チーム学校」のモデル校を設置するべき             3 特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害に万全の対策を 環境部長             4 埼玉古墳群を埼玉県の誇る観光拠点へ 産業労働部長 都市整備部長  五番 高橋稔裕議員  1 新型コロナウイルス感染症対策について              (1) コロナまん延第二波への備え 知事 保健医療部長              (2) 失われた授業時間と学習内容について 教育長              (3) 地域整備事業会計の現預金の活用 公営企業管理者             2 水害対策について 県土整備部長              (1) 大規模水害防止に向けた利根川・荒川の堆積土砂対策              (2) 住民を浸水・冠水から守る中小河川の堆積土砂対策             3 WITHコロナPOSTコロナの適地埼玉 知事 企画財政部長             4 水田地帯の農業の発展に向けて 農林部長             5 地元問題 県土整備部長              (1) 羽生栗橋線バイパスの整備について              (2) 大桑交差点の交通渋滞の解消について              (3) 東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策と久喜騎西線バイパスの早期整備について          ----------------午前十時一分開議 出席議員    九十二名  (本会議場で審議)     一番    三番    四番    六番     七番    九番    十番   十二番    十四番   十六番   十七番   十九番    二十番  二十二番  二十三番  二十五番   二十六番  二十八番  二十九番  三十一番   三十二番  三十三番  三十五番  三十六番   三十八番  三十九番  四十一番  四十二番   四十四番  四十五番  四十七番  四十八番    五十番  五十一番  五十二番  五十四番   五十五番  五十七番  五十八番   六十番   六十一番  六十三番  六十四番  六十六番   六十七番  六十九番   七十番  七十二番   七十三番  七十四番  七十五番  七十七番   七十八番   八十番  八十一番  八十二番   八十四番  八十五番  八十七番  八十八番    九十番  九十一番  九十三番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     二番    五番    八番   十一番    十五番   十八番  二十一番  二十四番   二十七番   三十番  三十四番  三十七番    四十番  四十三番  四十六番  四十九番   五十三番  五十六番  五十九番  六十二番   六十五番  六十八番  七十一番  七十六番   七十九番  八十三番  八十六番  八十九番   九十二番 欠席議員    なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   福祉部長   保健医療部長   教育長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で待機)   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長   環境部長     産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 警察本部長 △開議の宣告 ○田村琢実議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○田村琢実議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 六番 逢澤圭一郎議員       〔六番 逢澤圭一郎議員登壇〕(拍手起こる) ◆六番(逢澤圭一郎議員) おはようございます。議席番号六番、東第十区、三郷市選出、埼玉県議会自由民主党議員団の逢澤圭一郎でございます。本定例会において質問の機会をお与えいただきました自由民主党議員団の皆様に感謝申し上げます。執行部の皆様には、明快なる御答弁を期待するものであります。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 初めに、一、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 全世界を恐怖に陥れた新型コロナウイルス感染症がいまだ終息せず、埼玉県においても過去にない厳しい状況が続いております。お亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、感染された方の早期回復を願っております。また、医療従事者の皆様や行政職員をはじめ、関係する全ての皆様の献身的な御努力に敬意を表する次第です。今後、埼玉県のみならず、日本、世界各地でもコロナショックから立ち上がるために、迅速かつ着実に行動していかなければなりません。社会全般の課題解決に、県民目線で最善の施策を講じていただくようお願いいたします。 まず、(一)有事の際の県と市町村との情報共有・連携についてです。 新型インフルエンザ等対策特別措置法による緊急事態宣言が発動されてから、埼玉県でも新型コロナウイルス対策本部が立ち上げられ、市町村も同じく体制を整えられたことと思います。 特措法の中では、「国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、新型インフルエンザ等対策を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない」とされております。埼玉県においても、外出自粛要請、施設の使用停止等の要請、県立学校の休業の要請など緊急事態措置を行うに当たり、市町村との情報共有・連携をし、周知啓発に取り組まれたことと思います。特に、PCR検査や相談業務のため飽和状態となっていた保健所に応援の職員を派遣していただいたさいたま市、所沢市、狭山市につきましては、心より感謝申し上げるところです。 新型コロナウイルスの感染状況等については、PCR検査での陽性者数や入院、宿泊療養、自宅療養、退院、療養終了、死亡など、県のホームページにて発信されているところです。埼玉県として県民への情報発信は、きめ細やかにされていたと認識しております。 しかしながら、市町村への情報提供はいかがだったのでしょうか。三郷市においては、現在までに十名の方が陽性と公表されていますが、住所が三郷市にあっても勤務地が都内であるなどの場合には、感染例として埼玉県から発表されない例もあり、市では対応に苦慮されたと聞いております。 また、感染された方のその後の経過が発表されていないことから、何名の方が治療又は療養中であるか分からなかったという点も挙げられます。市町村に対して、このような情報提供も必要だったのではないでしょうか。緊急時には様々な情報が錯そういたします。その中で、県においても市町村においても、行政は事実を見極め、対処していくことが求められます。個人情報等があることから、県民に公表すべきこととそうでないことがあることは理解できますが、当該市町村に関することについては、責任者である市町村長と十分な情報共有をすることが不可欠と考えます。知事の御見解をお伺いいたします。 また、現在までに軽症、無症状の感染者の宿泊療養施設として、埼玉県内においては、さいたま市、熊谷市、入間市、三郷市のホテルが利用されてきております。自宅療養中の方がお二人お亡くなりになられたこともあり、宿泊療養施設の整備は、感染された方の健康管理、不安の解消はもとより、感染拡大抑止の観点からも早期に解決しなければならないことでした。現在、コロナウイルス感染は小康状態でありますが、第二波も懸念されております。万が一の状況を想定しつつ、県有施設の活用も視野に入れながら、引き続きホテル業界の方々とも連携をとり合っていただきたいと思います。 その中で、三郷市においての宿泊施設の借り上げについてですが、県から私や三郷市に情報提供があったのは四月二十七日で、公表されたのが四月二十八日だったかと思います。翌日の報道等で施設の名前が挙がってから、数多くの問合せが私のところにもありました。知事は、四月十日時点で幾つかの施設やホテルとは合意をしていると述べられていることから、この時点で三郷市のホテルも対象であったのではないでしょうか。先方との協議もあるでしょうから、関係市への情報提供は煮詰まってからということは分かります。 しかし、市への情報提供が前日とのことであり、余りにも唐突な発表であったと受け止めています。対象地域の方々の理解を得て協力体制を整えるために、報道がなされるときには混乱を起こさぬよう、市行政が市民にしっかりと説明できる状況に持っていくことが重要かと考えます。七百三十四万の埼玉県民は、県民であるとともに、それぞれの市民、町民、村民であり、何かあった場合、最初に問合せをするのは県庁ではなく、それぞれの市役所、町村役場であることを忘れないでいただきたいと思います。そこで、この一連の流れについて知事はどのように捉えているのか、併せてお伺いいたします。 非常事態のときこそ、県と市町村の関係は地方行政のイコールパートナーという意識を持つ中で、適切な役割分担をし、それぞれの自治体の現状、県民の声を的確に捉えながら対処していくこと。これが、先手を打ち被害を最小限にとどめること、風評被害をなくすことにつながると考えます。今後における市町村との情報共有・連携の在り方について、知事の御所見を加えてお伺いいたします。 次に、(二)避難所の運営に関する指針(新型コロナウイルス感染症に対応したガイドライン)についてです。 五月に入り、茨城県や千葉県を震源地とする地震が数回起きていることから、緊急事態宣言下においても自然災害が発生する可能性を否定できないと実感しているところです。 そのような中、このたびの新型コロナウイルス感染症を受け、国の通知に基づき埼玉県においても、避難所の運営に関する指針(新型コロナウイルス感染症に対応したガイドライン)が五月二十九日に策定されました。今回に限らず、今後どのような事態が起こり得るか分からないことから、感染症に対応した避難所運営については、県と市町村がしっかりと連携をとり、確固たるものを作り上げていかなければならないと感じております。 ガイドラインには、自宅療養等を行っている新型コロナウイルス感染症の軽症者等の対応について、「事前に管轄の保健所から、災害時に避難が必要な場合は当該保健所に連絡するように周知する。自宅療養者は、管轄する保健所の指示により、ホテル等の宿泊療養施設へ避難する」と記載されております。 近年の災害を振り返りますと、平成三十年の北海道胆振東部地震では、二日間にわたり最大二百九十五万軒の停電、平成三十年の台風第二十一号では、二週間にわたり最大二百四十万軒の停電、令和元年の台風第十五号では、二週間にわたり最大九十三万軒の停電、埼玉県でも甚大な被害をもたらした令和元年の台風第十九号では、十月十二日二十三時五十五分に停電し、解消に至ったのは十月十四日十七時とされており、軒数としては一万五千五百軒に上ったそうです。 このように大規模な災害時は、停電が付き物です。また、携帯電話回線をつかさどる基地局が損壊したため、スマートフォンなどの通信機器を使用できなかった例も挙げられています。 仮に大災害が発生したとして、自宅療養者の方々は、まず避難が必要かどうか自分自身で判断します。避難が必要と判断した場合、管轄の保健所に連絡しますが、停電で連絡が取れない場合はどうしたらよろしいのでしょうか。連絡が取れたとして、ホテル等の宿泊療養施設へ避難するとなっておりますが、県内に宿泊療養施設は数か所しかございません。地震であっても、水害であっても、土砂災害であっても、市町村をまたいでの避難というのは現実的とは思えません。このようなことが大災害時には想定できるのですが、県では、自宅療養者への連絡及び避難誘導についてどのように対応していくのか、知事にお伺いいたします。 四月七日に国から通知された「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」では、自宅療養者の避難の検討について、「保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること」となっておりますが、市町村の執るべき対応が示されていない埼玉県の自宅療養者への対応は適切と言えるでしょうか。 自宅療養者の方が指定避難所に避難することは、感染症拡大の観点から望ましいことではありません。しかしながら、大災害が起きて命からがら自宅から逃げてきたとして、保健所からの指示が得られなかった場合、御自身で判断しなくてはならない状況下になると思われます。体調も優れない中、どうしようもなく指定避難所に駆け込んでいくこともあるかもしれません。その行動は否定できないものであります。こういった状況も想定できるわけですから、やはり市町村との情報共有は欠かせないものだと思います。自宅療養者を市町村が把握していれば、指定避難所にいる職員が市町村の災害対策本部の指示を受け、適切に対処することが可能となります。 そこで、伺います。このたびのガイドラインにもあるとおり、市町村は指定避難所以外の避難所の選定・確保を検討していくこととなっていることから、それぞれの医師会や管轄の保健所と協議の上、市町村もしくは郡市医師会のエリアごとに、せめて一か所は自宅療養者の方などが一時的にでも避難できる専用の臨時避難所を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。 広島県が策定したマニュアルでは、自宅療養者の対応は、一般の避難所とは別の避難先、避難に関する事前の周知方法、避難支援の役割分担・手順及び連絡体制等について、市町が管轄の保健所との間で事前に協議を行い決めておくこととされております。今後、第二波が襲来することもあり得ます。この先、新たな感染症が起こり得ることも考えられます。是非とも知事の賢明な御判断をいただきたく、併せて御所見をお伺いいたします。 続きまして、二、障がい者が安心して暮らせる入所施設及びグループホームの整備についてお伺いいたします。 まず、(一)今後の入所施設の整備計画についてです。 現在、ノーマライゼーションの考え方を背景に、障がい者政策は施設から地域へと進められています。そのような中、埼玉県では全国で唯一、入所施設の整備を進める方針であると聞いております。今後も必要な施設整備は促進するとともに、地域で質の高い福祉が提供できるよう進めていかなければならないと考えております。 さて、現在、県内の入所施設を見てみますと、令和二年三月現在、知的障がい者の入所施設が七十一か所、定員四千三百八十二人、身体障がい者の入所施設が三十二か所、定員一千九百三十人となっております。これに対して入所希望者、いわゆる待機されている方については、知的障がい者の方で一千二百六十九人、身体障がい者の方で三百四十五人となっており、今後も増加する傾向にあります。特に、強度行動障がい者や重複障がい者、医療的ケアを要する重度障がい者の方々については、地域での生活が困難と言わざるを得なく、待ったなしの状況です。そこで、今後の入所施設の整備計画はどのようになっているのか、福祉部長にお伺いいたします。 次に、(二)グループホームの支援体制の確保についてです。 入所施設の整備の必要性は先ほど申し上げたとおりですが、一方で入所施設を増やしていくとしても規模が大きく、その建設については多額の費用を要することから、国庫補助の採択も必要となり、そう簡単に増やせるものでもありません。現在は国の地域移行の方針の下、グループホームの整備が促進され、県内では令和二年三月現在九百七十二か所、定員五千七百六十九人となっており、平成二十六年度から比較しますと約一・七倍となっております。 グループホームの整備を促進し、重度の障がいをお持ちの方でも安心して暮らせるようになることが、本来目指すべきところですが、現実はそうでなく、入居できる方は、比較的障がいの状態の軽い方が多いとのことです。そもそも身体障がい者の方が入居できるところが少ない。医療ケアが必要な方は受け入れられない。大声を上げたり手の掛かる方は入居を断られる。入居したとしても、そのような状況の場合、退去させられる。それが現実だそうです。これは、運営している事業所の怠慢ということではなく、赤字を出さず運営を継続していくためには、人員配置もぎりぎりのところで回すしかない、そういった状況下にあるからです。 また、地域との関係もおざなりになっているようです。グループホームの参入要件が緩和される前は、整備するに当たり地域の同意が必要だったことから、近隣住民の理解が得られていたものの、現在は地域との関係がおろそかになりがちで、先々問題が発生することが懸念されております。 こういった諸課題があるわけですが、グループホームを設置する際、利用者の身体及び精神の状況に応じた必要な支援が行えるよう、他の障害福祉サービス事業者と適切な支援体制を確保しなければならないという規定があります。要するに、グループホームにバックアップする施設がそれぞれあるわけですが、現状、設置時の要件となっており、運営に対しての支援、援助には至っていないようです。 求められる支援、援助というのは、事業者がグループホームを運営する中で起こる様々な課題に対する相談支援はもちろんのことですが、ノーマライゼーションの実現に向けていくためには、重度障がい者への対応や、地域との連携のとり方など、グループホームの職員のスキルアップにつなげることです。その実現のためには、バックアップ施設が必要な研修を行える環境を作り援助していく体制が必要ではないでしょうか。福祉部長の御所見をお伺いいたします。 次に、(三)グループホームで従事する職員の研修の在り方及び職員配置加算についてです。 今、グループホームに求められていることは、重度障がいの方をも入居できる施設づくり、いわゆるサービスの向上と、そういった方々の人権を確保し、安心して暮らせる状況を作り出すための職員のスキルアップ、いわゆる質の向上です。そこで、グループホームで従事する職員のスキルアップを目指した研修の在り方について、福祉部長に御見解をお伺いいたします。 また、本質的に地域移行を促進し、入居待機者を減少させていくためには、更なる職員配置加算も視野に入れ進めていくことが必要かと考えます。併せて、福祉部長の御見解をお伺いいたします。 次に、(四)身体障がい者対応のグループホームの整備についてです。 身体障がい者の入所待機については、知的障がい者ともまた違った面で課題があります。現在、グループホームの整備は新築だけでなく、アパートや既存住居を改修しての整備も増えておりますが、バリアフリーになっていないということが課題に挙げられます。グループホームを建築するに当たっては、十人定員で補助限度額二千四百六十万円、改修については同規模で補助限度額七百五十万円と聞いております。施設をバリアフリー対応にするためにはスロープも必要、車椅子がすれ違えるよう廊下も広めにとらなければならない、それぞれの部屋の間口も広くしなければならないなど、必要経費がかさみます。しかしながら、補助上限額がバリアフリーであろうがなかろうが同一のため、運営をしようとする事業者としては、なかなか手を出しづらいという実態があるようです。 現実、県内のグループホームで身体障がい者が対応できるところは、全体の約二六パーセントほどと聞き及んでおります。こういったことから、入所待機者を減少させていくには、埼玉県単独でも身体障がい者対応のグループホーム建設、改修について補助金を加算するなど、積極的に整備を進めていくことが必要ではないでしょうか。福祉部長の御所見をお伺いいたします。 次に、(五)地域生活支援拠点等基幹相談支援センターの一体整備についてです。 地域生活支援拠点等の整備については、「市町村に対し、きめ細やかな支援を行っていく」と、二月定例会において福祉部長も御答弁されておりました。地域生活支援拠点等での事業内容は、相談支援、緊急時の受入れとしてのショートステイ、体験の機会の提供としてのグループホーム、専門的人材の確保・養成、地域の体制づくりの五つの機能が求められております。 このうち、相談支援機能についてですが、一般相談支援や特定相談支援も必要な機能として認められているところですが、是非とも地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの設置につなげていただきたいと考えます。地域生活支援拠点等基幹相談支援センターが一体となり、障がいを持つ方々のあらゆる相談事業を担うとともに、専門的人材を養成し、地域のグループホームを統括して、指導、支援、援助する内容を加えることで、地域全体で障がいのある方々を支える仕組みが構築されると考えますが、いかがでしょうか。福祉部長の御見解をお伺いいたします。 続きまして、三、コミュニティ・スクールの推進についてお伺いいたします。 まず、(一)小中学校の現状についてです。 情報社会と呼ばれた平成の時代が終わり、これからAI、ⅠoT、ビッグデータ、ロボティクスを活用するSociety5・0の時代が到来します。高度なツールを使いこなして時代の流れに乗っていく、グローバル社会に適合できる人材育成を進めていくことは重要です。このたびの新型コロナウイルス感染症の影響を受け、国のGIGAスクール構想も前倒しして行うこととなりました。小中学校でのインターネット活用が進むことで、低年齢の児童による活用も進んでいくことと思われます。 そのような中、これまでも言われているとおり、昨今の少子高齢化や地域のつながりの希薄化による教育力の低下、インターネットやスマートフォンの普及による依存症の増加や、周りから見えづらいいじめの発生など、学校が抱える課題や子供たちを取り巻く環境が複雑化、多様化しております。私は、これらの課題に教員だけで対応することが、質的にも量的にも今以上に難しくなっていく、そう感じているところです。 こういった状況を踏まえ、国では社会全体で子供たちを支えていこうという教育の方向性が打ち出され、国の第三期教育振興基本計画においては、令和四年度までに全ての公立学校において学校運営協議会が導入されることを目指しております。埼玉県においても、平成二十八年度からコミュニティ・スクールの設置推進を掲げ、取り組まれております。コミュニティ・スクールとは、学校運営協議会を導入した学校のことであり、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みであります。 コミュニティ・スクールを設置した学校数は、令和元年五月一日現在、三十六市町四百三十四校ということで、順調に設置が進んでいるように見えますが、いまだ取り組まれていない市町村も見受けられます。未設置の市町村においては、それぞれの理由と様々な課題があり、なかなか進んでいかないところだと思いますが、状況は把握されているのでしょうか。また、全県的に取り組むという姿勢であるのならば、各市町村にモデル校を設置して取り組んでいくことも必要かと考えます。 そこで、このような未設置の市町村の教育委員会とどのような協議を進められているのか、教育長にお伺いいたします。 また、第三期埼玉県教育振興基本計画では、令和五年四月一日における小中学校のコミュニティ・スクール設置数を六百五十校、約六割としていますが、進捗状況を勘案しますと、目標値を超えてくると考えます。併せて、教育長に今後の見込みをお示しいただきたいと思います。 次に、(二)中学校区単位での取組の推進についてです。 コミュニティ・スクールの導入に先駆的に取り組まれてきたのは三鷹市と言われます。貝ノ瀬滋氏が三鷹市立第四小学校の校長に着任され、教育ボランティア制度やアントレプレナーシップ教育を導入し、地域との交流を生み出したところから、コミュニティ・スクールは始まりました。 三鷹市では、平成十八年からコミュニティ・スクールをベースとした小中一貫教育を推進し、平成二十年には全市的な取組となり、現在に至っております。一つの中学校区を学園として捉え、各学校に置かれている学校運営協議会の合議体となるコミュニティ・スクール委員会を学園に設置し、学校と地域が一緒になって義務教育九年間の児童生徒を育てていこうとする仕組みです。県内においても、同様に新座市や深谷市、久喜市などが中学校区単位でのコミュニティ・スクールを推進しており、あるべき姿なのかなと感じるところです。 また、山口県では平成十七年にコミュニティ・スクールの推進に取り掛かり、現在、公立小中学校はもとより、高等学校、特別支援学校を含む全ての公立校に学校運営協議会が設置されております。また、中学校区単位の幼稚園、保育所、認定こども園を巻き込んだ地域教育ネットを立ち上げ、さらには高等学校の学校運営協議会をはじめ、大学(私立学校等)、企業や福祉・社会教育関係団体等からなる「やまぐち型地域連携教育」を推進し、学校を核とした地域づくり、地域とともにある学校づくりを進めています。最終的に持続可能であるならば、目指すべき姿であろうかと思います。 ここで本県と比較しても温度差がありますので話を戻しますが、第三期埼玉県教育振興基本計画の中では、各学校に学校運営協議会を設置することを目標としており、その先の進め方については言及されておりません。それぞれの市町村の状況を踏まえた中でコミュニティ・スクールを推進してほしいということだと思いますが、私としては県がしっかりとしたビジョンを掲げて、各自治体に取組を進めていただくことが肝要かと思います。先進自治体のように学園制度や大きな枠組みで地域を巻き込んでいくことは理想ですが、まずは中学校区単位で、個々の学校運営協議会が一堂に会して協議できる場を作ることが重要と考えております。小中一貫教育や小中連携教育が県内でも進んでいることから、そこに地域や保護者を取り入れていくことで、大きな成果が期待できるものと考えます。 そこで、コミュニティ・スクールについて、県として今後どういうビジョンを持って取り組んでいくのか。また、中学校区単位でのコミュニティ・スクールの設置についてどう捉えているのか。教育長の御見解をお伺いいたします。 最後に、(三)高等学校の現状と課題及び今後の取組についてです。 学校運営協議会について、小中学校への取組を進める一方、高等学校への取組はどのようになっているのでしょうか。さきに述べましたように、国は公立校に対して努力目標を課しているわけですので、高等学校も含まれることかと思います。今年度は新たに二校に学校運営協議会が設置されたところですが、平成三十一年度は大宮工業高等学校、小鹿野高等学校、本庄特別支援学校に学校運営協議会が設置されました。この三校についての現状と課題を教育長にお伺いいたします。 三郷市においても県立学校が四校ありますが、四校全てが災害時の指定避難場所となっております。地域との関わりは重要かと思いますが、正直なところ、余りないのが現実です。小中学校とは、考え方や形も少々違ってくるものと思いますが、中高の連携や地域とのつながりという観点では必要ではないかと感じております。今後の県立高等学校の学校運営協議会の設置に対してどのようにお考えか、併せて教育長の御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○田村琢実議長 六番 逢澤圭一郎議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 逢澤圭一郎議員の新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答え申し上げます。 まず、有事の際の県と市町村との情報共有・連携についてのうち、市町村長との十分な情報共有についてでございます。 新型コロナウイルス感染症については、正しく恐れることが最も効果的なまん延予防策であるとの認識から、県民の皆様に対して迅速、正確に情報を届けてまいりました。市町村に対しても、患者発生時に各市町村の担当部署に速やかに情報提供してまいりました。 しかしながら、市町村から更なる情報共有を求める声が強かったことから、五月十三日には市町村に対し、新型インフルエンザ等対策特別措置法第三十六条第四項に基づいて、市町村が県に情報提供を求めることができることとともに、その場合は埼玉県個人情報保護条例に基づき、個人情報を厳格に管理していただくことを通知いたしました。これについては地域振興センター所長と保健所長等が市町村等を訪問し、情報提供の考え方を直接説明し、更なる情報共有の強化を図ったところでございます。 また、議員御指摘のとおり、市町村からは感染された方のその後の経過に関する情報を求める声があったため、現在は個人が特定されない範囲でその情報も提供させていただいております。今後も市町村の求める情報のニーズを整理し、情報共有を図ってまいります。 次に、宿泊施設の借り上げに関わる地元市への情報提供についてでございます。 本県では、三月末から感染患者数が急速に増加し、三郷市に情報提供を行いました四月二十七日頃には患者数のピークを迎え、自宅療養者は三百人を超えておりました。このため当時は、急速に増加した自宅療養患者の皆様に一刻も早く安心していただけるよう、複数のホテルと交渉を行い、最終的な合意形成ができたホテルから順次速やかに公表していく必要がございました。東横INNつくばエクスプレス三郷中央駅につきましては、最終的に交渉がまとまった直後の四月二十七日に三郷市に情報提供した上で、その翌日に記者発表させていただきました。唐突とお感じになられたかもしれませんが、当時の感染の拡大状況を踏まえた対応であり、御理解を賜りたいと存じます。 次に、今後における市町村との情報共有・連携の在り方についてでございます。 議員御指摘のとおり、非常事態の際には県と市町村が連携し、適切に役割を分担して対処することが必要であります。市町村との連携を強化するため、先ほどお話しいたしました地域振興センター所長と保健所長等による訪問に加え、六月一日からは各地域の拠点となる四保健所に市町村との連携を担う役割を与えた副所長を配置いたしました。また、地域振興センターの副所長に保健所の副所長を兼務させることにより、市町村との情報共有体制を強化しております。市町村のニーズを聴き取って、情報共有・連携を更に充実してまいります。 次に、避難所の運営に関する指針についてのうち、自宅療養者への連絡及び避難誘導についてでございます。 本県では、感染患者のうち、入院の必要がない軽症者、無症状者については、原則ホテル等の療養施設で療養していただく方針としております。このため、例えば小さなお子様を抱える方など一部の事情を抱える方が、自宅で療養されることも想定されます。そうした方には保健所が健康観察を行い、災害により避難が必要な場合には、県調整本部を通じて移送先のホテルを決定した上で、保健所が移送することとしております。 浸水や土砂災害の危険性のある地域にお住まいの患者には、浸水の危険性が高まったときにはホテルに避難していただくことを、事前に保健所との間で合意形成を行っていただいております。そして、気象情報を踏まえて台風が最も接近する四十八時間前には、保健所が県調整本部と連絡調整を行い、可能な限り早期の段階で被災する前にホテルに移送を行います。また、大きな地震が発生した場合には、保健所から自宅療養者にアプローチして安否確認を行い、必要に応じて避難先のホテルへ移送させていただきます。 次に、市町村もしくは郡市医師会のエリアごとに、せめて一か所は自宅療養の方などが一時的に避難できる専用の臨時避難所を設けるべきについてでございます。 県では、全ての市町村に対し、発熱、せき等の症状がある疑い患者の専用スペースの確保が必要であることを周知徹底しております。議員にはガイドラインに言及していただきましたが、これに先立つ五月下旬の段階で、専用スペース確保の周知徹底を市町村に求めるとともに、各市町村に具体的な専用スペースの確保方法についてアンケートをとり確認した結果、六十三市町村のうち五十一が、具体的な専用スペースの確保先について方向を決めることとなりました。残りの十二につきましても、確実に専用スペースを確保するよう支援してまいります。 一方、陽性が確定している自宅療養者に対しては、感染症法に基づき保健所が就業制限をかけており、感染防止対策に厳重な取扱いが求められます。また、感染防止の観点だけではなく、医療的なケアも必要なことから、市町村が運営する避難所では対応に限界があり、医師や看護師がいる県のホテル療養施設に避難することが適切と考えております。 なお、陽性が確定した自宅療養患者につきましても、議員お話しのとおり、甚大な被害を及ぼす災害が起き、保健所とも連絡が取れず、やむを得ず市町村が運営する避難所に駆け込んでいく可能性は否定できません。県の指針では、自宅療養者についても、一般の避難所は適当でないことに十分留意し、専用のスペース、トイレなどを確保することなどを前提に、一時的に市町村が運営する避難所で受け入れることも想定しております。そのような事態にも対応するために、仮に市町村が自宅療養者専用の一時避難所を自ら整備する意向がある場合には、名前を含めた個人情報の提供について判断してまいります。 このような考え方に基づき、これまで市町村との間で適切に情報交換を進めてきており、一義的には避難所運営を行う市町村においては感染症防止対策を講ずる一時的な避難所設置を行うことができる場合には行う一方、県においてはセーフティネットとしての機能を含め、自宅療養者の避難施設を整えることを進めてまいります。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 御質問二、障がい者が安心して暮らせる入所施設及びグループホームの整備についてお答え申し上げます。 まず、(一)今後の入所施設の整備計画についてでございます。 国は、入所施設から地域生活への移行を積極的に推進する観点から、施設の入所者数を減らし、地域で暮らす方を増やしていくことを基本方針としています。このため、県が独自に入所施設の整備を計画的に進めていくことは、大変難しい状況です。 一方、議員お話しのとおり、入所希望者は増加傾向にあり、強度行動障がいや重複障がいなどの重い障がいにより、地域で暮らすことが困難な方々もいらっしゃいます。このため県では、国の地域移行の方針は踏まえつつ、必要な入所施設は整備していく考えです。 県では、障がい者の入所施設が不足している実情を国に強く訴え、平成三十一年四月には県内三か所の入所施設の整備を実現いたしました。さらに、今年度一か所の入所施設の整備について、国に強く働き掛けを行っているところです。引き続き、地域での生活が困難な重度の障がい者のため、必要な入所施設の整備を進めてまいります。 次に、(二)グループホームの支援体制の確保についてでございます。 グループホームは障がい者が身の回りの支援を受けながら、家庭的な雰囲気の下、少人数で共同生活を送る住まいです。グループホームが障がい者に適切な支援を継続的に実施するため、国が定めている基準では、他の障害福祉サービス事業者との連携体制をあらかじめ構築しておくことが必要とされております。この趣旨は、例えば職員が急病等で欠けた場合の応援職員の派遣などの支援体制の確保であり、研修の実施などによるグループホームの職員のスキルの向上や、地域との連携に関する援助の役割までは求めていない状況です。 一方、こうした機能は、現在全ての市町村に整備を進めることとされている地域生活支援拠点等が果たしていくことが期待されています。地域生活支援拠点等の整備とは、障がい者の高齢化、重度化や親亡き後を見据え、その生活を障害福祉サービス事業者や関係機関などが連携し、地域全体で支える体制を構築するものです。グループホームを含む福祉施設職員のスキルアップや地域の福祉施設相互の支援体制の構築なども、その機能の一つとされており、令和二年度末までに五十五の市町に整備される予定となっています。県としては、この地域生活支援拠点等の市町村での整備を促進していくことにより、支援体制の確保を進めてまいります。 次に、(三)グループホームで従事する職員の研修の在り方及び職員配置加算についてでございます。 グループホームが重度の障がい者を受け入れるためには、障がい特性の理解や支援のスキル、障害福祉サービスに係る幅広い知識などの高い専門性を有する職員の配置が必要です。このため県では、研修事業者を指定し、グループホームの職員が強度行動障がいなど重度の障がい者の支援に必要な専門的スキルを習得できるよう支援しています。今後、専門性を有する職員を増やしていくため、事業者からの御意見なども伺いながら、研修内容のより一層の充実や職員が受講しやすい環境づくりに努めてまいります。 また、グループホームで重度の障がい者を受け入れるには、手厚い人員配置が必要であり、それに見合う給付費の加算が必要です。障害福祉サービスに係る給付費は、利用する障がい者の障がいの程度に応じた報酬となっており、専門性を有する職員を人員基準以上に配置した場合の加算も設けられているところです。給付費は、全国一律の制度で行われるものであり、事業者からは給付費の更なる充実を求める声を伺っているところでございますので、必要な給付費の見直しを強く国に要望してまいります。 次に、(四)身体障がい者対応のグループホームの整備についてでございます。 身体障がい者を受け入れるグループホームの整備には、スロープなどのバリアフリー設備が必要となる場合があり、費用がかかりますが、議員お話しのように、国庫補助単価は一律となっています。国もグループホームの整備を促進しているところであり、身体障がい者に対応していくためには、かかる費用に応じた補助基準の見直しが必要と考えますので、その見直しについて国に働き掛けてまいります。 また、重度の身体障がい者の受入れには、施設整備に係る資金的な問題だけでなく、支援に必要な専門性のある職員の確保や、災害など緊急時のバックアップ体制の構築も大きな課題でございます。こうした課題を当面解決していくには、例えば重度障がい者の受入れのノウハウを持つ入所施設を運営する法人に働き掛けを行い、サテライト型のグループホームの整備を進めるという方法もあるものと考えます。今後、重度の身体障がい者の受入れ可能なグループホームの整備を進めていくため、専門人材やバックアップ体制の確保など、どのような支援が効果的か、総合的に検討してまいります。 最後に、(五)地域生活支援拠点等基幹相談支援センターの一体整備についてでございます。 地域生活支援拠点等は、例えば介護者が急病になった場合など緊急時に支援が必要となる方からの相談を受ける、将来グループホームへの入居を希望する方を体験入居につなげるなど、在宅で暮らす障がい者の生活を地域全体で支えていくための機能を有します。また、基幹相談支援センターは、様々な障がいに関して住民からワンストップで相談を受けるとともに、地域の相談支援事業者の資質向上のための指導も行う、相談支援の中核的な役割を担う機関であり、令和二年度末までに四十六市町村において整備される予定です。この両者の一体整備は、それぞれの機能を効果的に発揮する上で、一つのあるべき姿だと思われます。 一方、施設を含む市町村の障がい者福祉をめぐる社会資源の状況は様々であり、国も地域生活支援拠点等の整備は地域の実情に応じて進めることとしているところです。この両者は、まだ整備が進んでいない市町村があることから、まずはこの整備に取り組んでまいります。その上で、両者の一体整備の優良事例を紹介するなど、相互の連携や一体的な運営により地域の障がい者を支える体制が構築されるよう、市町村を支援してまいります。 県といたしましては、今後とも地域で暮らすことが困難な障がい者のため、必要な入所施設の整備や、重度の障がい者が安心して入居できるグループホームの整備を進めるとともに、障がいのある人の生活を地域全体で支える体制の構築を進めてまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問三、コミュニティ・スクールの推進についてお答え申し上げます。 まず、(一)小中学校の現状についてのうち、未設置の市町村における理由や課題等の状況は把握しているのかについてでございます。 県では実態調査を行っており、未設置の市町村からは設置しない理由や課題について、「地域との連携が進んでおり、既に保護者や地域の意見が反映されている」「市町村独自の類似の仕組みがあるため」といった回答を得ております。 次に、どのような協議を進めているのかについてでございます。 県では現在、幹部職員が未設置の市町村を直接訪問し、コミュニティ・スクールの趣旨や効果的な取組について丁寧に説明し、モデル校の設置も含めて提案するなど、導入に向けて積極的に働き掛けているところでございます。 次に、今後のコミュニティ・スクールの設置数の見込みについてでございます。 令和元年五月一日現在の設置数は四百三十四校でしたが、各市町村へ意向を確認したところ、今年度中に六百校を上回る見込みとなっております。第三期埼玉県教育振興基本計画の目標である六百五十校を早期に達成できるよう、引き続き積極的に市町村へ働き掛けてまいります。 次に、(二)中学校区単位での取組の推進についてのうち、県として今後どういうビジョンを持って取り組んでいくのかについてでございます。 今後のビジョンにつきましては、最終的には全ての小中学校へのコミュニティ・スクール設置を目指し、学校が地域と目標やビジョンを共有し、小中連携も含め地域と一体となって子供たちを育む仕組みとなるよう取り組んでまいります。 次に、中学校区単位でのコミュニティ・スクールの設置についてどう捉えているのかについてでございます。 議員お話しの中学校区単位のコミュニティ・スクールについては、地域住民や保護者と学校が一体になることで、義務教育九年間を見通した教育の推進につながる良い取組の一つであると考えております。県といたしましては、中学校区単位でのコミュニティ・スクールの取組について、毎年開催しているフォーラムや市町村教育委員会の担当者を対象とした研修会を通して、効果的な取組として県内に広めてまいります。 次に、(三)高等学校の現状と課題及び今後の取組についてのうち、学校運営協議会を設置している県立学校三校における現状と課題は何かについてでございます。 平成三十一年四月に学校運営協議会を設置した県立学校三校では、地域の資源を生かして地域と一体となった取組を進めております。例えば小鹿野高校では、町の観光協会などと連携し、切り出した竹に穴を開け、中にろうそくなどを入れた「竹あかり」というアート作品を制作・展示する、「竹あかりプロジェクト」と題した観光プロジェクトの企画運営に当たりました。取組を通じて学校と地域がそれぞれの目標や課題を共有し、協働による教育活動を行うことで、学校や地域の活性化などの成果を上げていると聞いております。 課題といたしましては、協議会の活動に積極的に参画していただける地域人材の確保をすることなどが挙げられております。 次に、今後の県立高等学校の学校運営協議会の設置に対してどのように考えているのかについてでございます。 高等学校及び特別支援学校は、小中学校と比べて通学区域が広域であることなどから、学校を取り巻く地域の期待なども様々であると考えております。一方で、議員御指摘のとおり、今後、県立学校が地域との連携を深めていくことは重要であると認識しており、コミュニティ・スクールは小中高等学校と地域が一体となって相互に連携・協働し、社会総掛かりでの教育の実現を図るための有効な手段であると考えております。 今後はこれまでの取組を踏まえ、県立学校を対象とした研修会を行い、導入時のポイントや成果などの情報提供を行うなどして、設置に向けて取り組んでまいります。       〔六番 逢澤圭一郎議員登壇〕 ◆六番(逢澤圭一郎議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。 再質問させていただきます。 まず、市町村との情報共有についてですが、「市町村に必要な情報提供は、現在は個人を特定できない範囲で行ってきた」との知事の御答弁でした。それですと、情報として不足しているというのが市町村の声です。個人情報保護法とか個人情報保護条例がある中ですが、本人の同意をもらうという選択肢も私はあるのかなと思います。できるだけ市町村との情報共有が進むようにするべきと考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。 また、避難所の件のうち、自宅療養者についてですが、一時的に避難する場所を自治体がつくったら名前も公表するとおっしゃっておりましたけれども、それはいつの段階で市町村に情報が提供されるのか。要するに、臨時避難所を今の時点でもう確保しておりますと、例えば明日確保しますと。そうしたら、もう明日の段階で教えていただけるのか。そうであるとするならば、私はすばらしい考えだと思っております。お考えをお聞かせいただきたいと思います。 それから、福祉部長にお伺いいたします。 障がい者が安心して暮らせる入所施設及びグループホームの整備についての職員配置加算と身体障がい者対応のグループホームの整備についてですが、今、入所待機されている方は、先ほども申し上げましたが、障がいの程度が重い方々です。親亡き後の問題もある中で、一刻も早い対応が求められます。予算的なことについては国に要望するといった御答弁だったかと思いますが、埼玉県として取り組めることもあるのではないでしょうか。 知事は、「県民の誰一人も取り残すことのない日本一暮らしやすい埼玉県の実現」を標ぼうされております。地方自治の観点から、本当に手を差し伸べねばならない方々の施策については、他の県に先駆けてでも課題に取り組むこと、取り組む姿勢を見せることが必要ではないでしょうか。再度、福祉部長の御見解をお伺いいたします。(拍手起こる) ○田村琢実議長 六番 逢澤圭一郎議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 逢澤圭一郎議員の新型コロナウイルス感染症対策についての再質問にお答え申し上げます。 二問、再質問をいただきました。 一つ目は、個人が特定できない範囲では不足しているので、できるだけ市町村との間で情報共有を図るべきではないかという御質問であったと理解しております。結論から申し上げると、可能な限り市町村との間で情報共有をさせていただきたいと考えております。 なお、先ほど御答弁させていただいた中で「個人が特定できない範囲で」と申し上げたのは、一定の状況下のみでございまして、一概に全ての情報を渡すわけではございませんが、陽性者の個人情報については、新型インフルエンザ等対策特別措置法や埼玉県個人情報保護条例に基づき、情報提供の範囲を適切に判断してまいりますが、先ほど申し上げた「五月十三日付けの通知におきまして、各市町村に対してその情報の要求される内容等について是非知らせていただきたい」というふうに申し上げておりますので、必要な範囲においてではございますけれども、特措法で情報の共有を図るように定められておりますので、適切に情報提供させていただきたいと考えております。 二つ目の、一時的な避難所における療養スペースを確保した場合に、いつの時点で陽性者の情報を提供するのかという御質問でございますが、陽性者に関しましては日々その状況が変わっておりまして、その瞬間瞬間を捉えてどの時点でというのはなかなか確定することは難しいと思いますが、だからこそ私どもといたしましては、アンケートをとらせていただいて各市町村と情報共有した上で、そのような施設を設ける意図がある市町村に対しては必要な情報を提供しております。また、いつ大災害が発生するかは分かりませんので、先ほど申し上げたように、地域振興センターの所長等が直接、首長のもとに行き、人間関係やホットラインをしっかりと作ることによって、災害の場合にも臨機応変に対応ができる体制を作っているところでございます。 いずれしても、体制が作られた場合には定期的に情報を提供し、臨時の場合にはこのようなルートを通じて臨機応変に対応させていただきたいと考えております。       〔山崎達也福祉部長登壇〕 ◎山崎達也福祉部長 逢澤圭一郎議員の御質問二、障がい者が安心して暮らせる入所施設及びグループホームの整備についての再質問にお答え申し上げます。 国への要望だけでなく、県としてできることがあるのではという御質問でございました。身体障がい者に対応したグループホームの整備は、入所施設から地域生活への移行を積極的に推進する点でも、また施設への入所希望をかなえるという点でも、大変重要と考えています。また、グループホームで重度の障がい者を受け入れるためには手厚い人員配置が必要であり、それに見合う給付費の加算も必要です。 しかしながら、職員配置加算は全国一律の制度で定められているものです。よって、事業者からの意見も踏まえた改善について国に継続的に働き掛けてきており、平成三十年度の改正では、看護職員を設置するグループホームに対する加算の創設が実現しております。このことは、基本的に国の制度改正において手当てされるべきものと考えており、必要な見直しを国に要望してまいります。 また、身体障がい者に対応したグループホームの建設や改修に関する支援につきましても、国の方針に基づき進めているところでございますので、まずは国への働き掛けを粘り強く行ってまいります。 一方、県としてできることでございますけれども、身体障がい者を受け入れるとしたグループホームは、令和元年度に二十か所が新たに開設されておりますが、そのうち実際に補助金を活用したのは、施設を自ら建設し、身体障がい者のための特殊浴槽などを整備した一か所のみでした。既存の建物などを借り上げて開設を考えている事業者が多いこと、また補助金には一定の手続や時間がかかることから、補助金を活用して重度の身体障がい者の受入れ可能なグループホームを開設する事業者は少ない状況にあります。 重度の身体障がい者の受入れ可能なグループホームの整備を進めるには、資金の手当も大切ですが、障がい者の地域移行に理解があり、専門性のある職員の確保や緊急時のバックアップ体制の構築もできる事業者が必要と考えております。例えば先ほど答弁でも申し上げましたが、入所施設を運営する社会福祉法人等はその一つであり、施設のサテライト型のグループホームの整備を働き掛けるという方策も考えられます。 今後、県としてできることとしてどのような支援が効果的か見極めつつ、身体障がい者対応のグループホームの整備に積極的に取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○田村琢実議長 暫時、休憩いたします。午前十一時四分休憩          ----------------午後一時一分再開 出席議員    九十 名  (本会議場で審議)     一番    二番    四番    五番     七番    八番    十番   十一番    十四番   十五番   十七番   十八番    二十番  二十一番  二十三番  二十四番   二十六番  二十七番  二十九番   三十番   三十二番  三十三番  三十四番  三十六番   三十七番  三十九番   四十番  四十二番   四十三番  四十五番  四十六番  四十八番   四十九番  五十一番  五十二番  五十三番   五十五番  五十六番  五十八番  五十九番   六十一番  六十二番  六十四番  六十五番   六十七番  六十八番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十五番  七十六番   七十八番  七十九番  八十一番  八十三番   八十五番  八十六番  八十八番  八十九番   九十一番  九十二番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     三番    六番    九番   十二番    十六番  二十二番  二十五番  二十八番   三十一番  三十五番  三十八番  四十一番   四十四番  四十七番   五十番  五十四番   五十七番   六十番  六十三番  六十六番   六十九番  七十四番  七十七番   八十番   八十四番  八十七番   九十番  九十三番 欠席議員    二名    十九番  八十二番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   環境部長     産業労働部長   都市整備部長   教育長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で待機)   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長   福祉部長     保健医療部長   農林部長   県土整備部長   会計管理者    公営企業管理者   病院事業管理者  下水道事業管理者   警察本部長 △再開の宣告 ○小久保憲一副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○小久保憲一副議長 質疑質問を続行いたします。 四番 柿沼貴志議員       〔四番 柿沼貴志議員登壇〕(拍手起こる)
    ◆四番(柿沼貴志議員) 東第一区、行田市選出、無所属県民会議の柿沼貴志です。質問の機会をいただき、感謝申し上げます。 まずは、今回の新型コロナウイルス肺炎で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、影響を受けた方々の一日も早い回復を心よりお祈りいたします。そして、今現在も新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、医療従事者をはじめ最前線で私たちの生活を支えてくれている皆様に、敬意と感謝を申し上げます。 それでは、質問に移ります。 初めに、大きな一番、鉄道の利便性向上について質問いたします。 まず、(一)秩父鉄道を軸とした県北地域の活性化についてです。 「あと数マイルプロジェクト」については、大野知事就任以来、我が会派の平松議員をはじめ、多くの議員から質問がありました。このプロジェクトは将来の人口・需要や新たな技術の動向等を十分に把握した上で、公共交通及び道路網の更なる利便性向上策について、これまでの経緯等も踏まえつつ検討を進めるものであります。限られた予算の中で、県境路線を含めた効果の高い部分について、重点的に整備を進めるとしています。 重点路線として埼玉高速鉄道、日暮里・舎人ライナー、都営大江戸線、多摩都市モノレールなど、東京都と隣接する県南地域の路線が挙がっています。もちろん、東京からの人の流れが重要であることは間違いありません。一方で、私が住んでいる県北地域に目を向けると、群馬県など北関東からイベントや観光に訪れる方が増えています。県境という意味においては、北関東からの人の流れも埼玉県にとって重要であると考えます。 昨年の九月定例会において、我が会派の江原議員の質問に対して知事も答弁されておりますが、県北地域は国内外から高い注目を集めています。熊谷市で開催されたラグビーワールドカップ二〇一九は、大成功に終わりました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら現在トップリーグは中止となっておりますが、パナソニックワイルドナイツの本拠地移転も予定されており、今後もラグビー人気は続いていくと確信しています。 また、新一万円札の新たな顔に決まった深谷市出身の偉人、渋沢栄一翁の大河ドラマのスタートは、いよいよ来年に迫りました。 私の地元行田市には、昨今、県内で初めて特別史跡に指定され、日本遺産の一部となった埼玉古墳群もありますし、令和四年には(仮称)ふかや花園プレミアムアウトレットのオープンも予定されております。 私は、波に乗る北部地域の更なる活性化に向け、より大きな人の流れを生み出すためにも、県北地域の鉄道の利便性向上に力を入れることが重要だと考えます。地元の行田市の知人と話していても、「秩父鉄道と東武伊勢崎線が接続する羽生駅の乗り継ぎが良ければ、東京都や群馬県へのアクセスに使えるんだけど」という声を多くお聞きします。例えば秩父鉄道と東武鉄道の間で直通列車を走らせたり、秩父鉄道にPASMOのようなIC乗車券を導入したりすれば、東京や北関東地域からももっと人を呼び込めると思います。 知事は、県民の誰一人も、どの地域も取り残すことのない「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて県政を推進していくと掲げられております。「あと数マイルプロジェクト」により、県南の鉄道路線を整備することももちろん重要です。しかし、埼玉県では人口や労働力の流出など南北格差も課題となっております。県北地域も取り残すことなく、人を呼び込むためにも、しっかりと鉄道の利便性向上を図っていただきたいと考えますが、秩父鉄道を軸とした県北地域の活性化について、知事の見解をお聞かせください。 次に、(二)秩父鉄道と他社線との連携強化についてです。前段の質問を踏まえて、より具体的な提案をさせていただきます。 御案内のとおり、秩父鉄道は三峰口駅から羽生駅まで県北部を東西に横断する路線であります。その間において、寄居駅では東武東上線などと、羽生駅では東武伊勢崎線と、相互に乗り換えることができます。私は、今回の質問を行うに当たり、平成二十六年から平成三十年の市町村ごとの観光入込客統計調査から、沿線ごとに観光客の動向を再分析してみました。 西武池袋線、東武東上線、高崎線、東武伊勢崎線、秩父鉄道、この五つの路線を対象に、来訪者がどこから来たかを表すFrom-to分析や、消費額等から仮想観光市場の推計を行いました。その結果、秩父鉄道沿線の自治体は、観光入込客数、客数の伸び率、仮想観光市場額の全てにおいて最下位であることが分かりました。また、休日十四時に秩父市や長瀞町にいらっしゃった方がどこから来たのかを確認すると、東京都や神奈川県、千葉県など南からの来訪者が約七割を占めており、群馬県や栃木県など北からの集客は相対的に少ない状況でした。私は、ここにチャンスがあると考えます。北からの集客は、まだまだ増やせる余地があるのではないでしょうか。秩父鉄道が他社線との連携を強化し、アクセスを向上させることにより、北からの観光客を今以上に呼び込める可能性があると考えます。 加えて、秩父鉄道は地域住民にとっての生活の足であり、高齢者や車を持たない学生などの交通弱者にとって欠かせない交通手段であります。しかし、人口減少やマイカーの普及により利用者が減少しており、その経営が大変厳しい状況にあると聞いております。このまま利用者の減少が続けば、現在の路線を存続することも困難となってしまいます。こういった背景に鑑みても、地域の足を存続させるために県として更なる支援が必要です。 そこで、集計結果も踏まえ、秩父鉄道の更なる利用促進を図る観点から、企画財政部長に三点質問させていただきます。 一点目として、秩父鉄道と東武東上線、東武伊勢崎線間の連携の強化が必要であると考えます。相互乗り入れをはじめ、駅の乗換え改善など利便性の向上について、県からの支援が必要だと思われますが、お考えをお伺いいたします。 二点目として、秩父鉄道を軸として鉄道事業者各社間の相互キャンペーンなどをより進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 三点目として、県北地域の交流人口、観光人口を増加させるには、群馬県、栃木県など北関東地域へ目を向けることが必要と考えます。特に秩父鉄道沿線地域においては、北関東の方へのキャンペーンがより一層重要になると思いますが、いかがでしょうか。 次に、大きな二番、学校教育における「チーム学校」の推進について質問させていただきます。 まず、(一)児童・生徒の実態把握を進めるべきについてです。 社会の少子高齢化や情報化の急速な発展、地域社会の希薄化等により、青少年を取り巻く環境は大きく変化しております。これらの変化の中で、引きこもり、中途退学、フリーター、ゲーム依存、生活困窮による負の連鎖などは深刻化し、若者の社会問題に結び付いております。一方、学校に課せられる課題も複雑で多様化しており、課題の解消や対応に当たる教員の長時間勤務も深刻な問題となっております。 私は、児童・生徒、保護者、一人一人のニーズを受け止め、誰一人取り残さない学校現場を実現するためには、「チーム学校」の推進が重要であると考えています。ちょっと見えにくいかもしれませんけれども、これが「チーム学校」を示した図でございます。 こちらのパネルで示すように、「チーム学校」とは、事務職員の活用やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフの配置、地域との連携により、教員が授業に専念できる体制づくりを目指そうとするものです。 国は、平成二十八年度より、これからの学校経営の在り方を「『次世代の学校・地域』創生プラン」として示し、学校と地域一体型の地域創生と定めております。私は、この「チーム学校」を効果的に機能させ、地域社会とつながりある学校として再編することこそが教員の負担軽減につながるとともに、埼玉の目指すべき教育の姿、つまり「『次世代の学校・地域』創生プラン」の実現であると考えております。 このような状況の中、中学生の高校進学率は例年九八パーセント前後で推移し、発達障害などの障害がある生徒に対しては、合理的な配慮により高等学校での学びが広がっております。平成三十一年三月に策定された埼玉県特別支援教育環境整備計画によれば、通常学級において学習面、行動面で著しい困難を示す児童・生徒の割合は、平成二十四年の文部科学省調査では全国六・五パーセントだったのに対し、平成二十五年の埼玉県の調査では一〇・七パーセントとなっております。また、そのうちの四人に一人、二六・八パーセントが、過去において何の支援も受けなかったと報告されております。 例えば長野県では、小中高校で発達障害種別の生徒がどのくらい学んでいるかを調査した上で、学校教育の責務を明らかにしております。それによると、令和元年度の県立高校では、自閉症スペクトラム障害五百六十三名、注意欠陥多動性障害三百二十一名、複数の発達障害五百十二名など、全体で一千四百八十一名の生徒が学んでいることが報告されております。長野県では、これらの児童・生徒の実態を明らかにした上で、生徒の将来的な自立や社会参加、自己実現に向けた支援を地域社会全体で進めていくことが大切であり、学校、福祉、医療等の関係機関との連携を重視することをうたっております。 このように児童・生徒の実態を具体的に把握することは、的確で充実した支援体制を整えていく上で重要であると思いますが、本県では全体数のみの把握にとどまっております。「次世代の学校・地域」創生プランの実現のためには、小学校から中学校、中学校から高校へと児童・生徒の情報を共有するところから取り組むべきだと考えますが、教育長の答弁を求めます。 次に、(二)スクールソーシャルワーカーの常勤化や職務内容の明確化についてです。 平成三十一年三月に文部科学省から各都道府県教育長に対して発出された「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」の通知では、スクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフの役割分担の明確化や、人材確保できるよう所管の学校への必要な支援を行うよう努めることなどがうたわれております。 ここまで示したように、「チーム学校」には教育相談体制の充実が必要不可欠です。本県では、高等学校の相談業務を担当する職員として、教育相談員やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを一部の学校に配置しております。スクールソーシャルワーカーの職務は、生徒の置かれた環境に着目し、福祉の関係機関につなげることで、環境の改善や問題の解消のための支援をすることであります。教育と福祉の連携が求められているからこそ、両者についての専門的な知識や経験を併せ持つ人を任用する必要があり、令和二年度募集要項の中でも、その旨が記載されています。 もう一枚、パネルを出します。こちらもちょっと見にくいかもしれませんが、こちらのパネルは、今年度のスクールソーシャルワーカーと教育相談員の募集要項から、両者の勤務内容を抜粋したものです。六項目のうち赤色にした四項目は、文言が全く一緒です。紫色にした一項目も、内容はほぼ一緒。違うのは最後の一項目だけです。国が「チーム学校」として常勤化した専門スタッフの配置を強く求める中、こちらのパネルに示すように、本県ではいまだにスクールソーシャルワーカーと教育相談員の職務内容が明らかに混同しています。 一方、勤務条件には大きな違いが見られます。福祉の関係機関と連携を図るスクールソーシャルワーカーは、週二日年間九十日の勤務で、日給制一万四十円。相談ニーズを受け止めることを主とする教育相談員は、週二十九時間、週四日あるいは五日の勤務で、月給制十六万七千六百円を支給しています。つまり、募集要項はほぼ同じなのに、勤務体系や給与体系が異なっているのです。これではチーム内に業務間格差を発生させていると言わざるを得ません。職務に明確な差がない以上、勤務条件に格差がある状態では、「次世代の学校・地域」創生プランに逆行しているではありませんか。これらを踏まえ、以下三点の早急な実現が必要と考えます。 一点目、昼夜開講定時制高校と三部制高校では、様々なニーズを併せ持つ生徒が多く学ぶ現状から、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを常勤化すること。 二点目、これらの現状を熟知した上で、教育相談員はスクールソーシャルワーカーとして一本化すること。 三点目、そしてこれらの勤務条件を直ちに統一すること。 これまで「次世代の学校・地域」創生プランの実現に関する多くの議員の質問に対し、対応するとの答弁が繰り返されてきましたが、形式的な発言の繰り返しではなく、私が提案する三点を踏まえ、具体的に現状を前進させる教育長の答弁を求めます。 次に、(三)就労支援アドバイザーの配置をについてです。 平成二十八年一月、文部科学省は教員以外の専門スタッフの参画として、就職支援コーディネーターの配置促進をうたっております。私は、これまでの県立高校の就職指導は、生徒の実態が多様化しているにもかかわらず、画一的であったと思います。 一方、多様な生徒が学ぶ特別支援学校には、専属化した進路担当が既に加配されているところもあり、生徒一人一人の実態に応じた指導がなされております。この細やかな対応を県立高校の進路指導にも生かすべきです。 現在の就職指導の課題を挙げれば、一つは時間の確保です。授業、部活動、公務等で多忙な先生方に就職支援コーディネーターの役割を与え、企業を回らせたり、実習等の計画を立てさせたり、個別の支援計画を実行させるとしておりますが、先生方にその時間がないことは明白です。 もう一つの課題は、専門性の不足です。多様な生徒が学ぶ、いわゆるパレットスクールでの就職指導は、高い専門性が求められます。しかし、教員にはその専門性が不足している上、前述のように時間もありません。そこを補うべく、特別支援学校の先生に高校を巡回してもらい、障害のある生徒への対応方法などについて、高校の先生に対して研修や相談を行っておりますが、就職支援という観点では不十分であると考えます。 だからこそ、専門性を持って、専業で多様な生徒の就労の指導、支援に当たる就労支援アドバイザーが重要なのです。多様化した生徒の高校入学の機会が広がる中、就労支援アドバイザーをどのように配置し、誰一人取り残さない進路指導をどのように実現するのでしょうか。具体的な配置に対する見解を教育長にお伺いいたします。 次に、(四)手厚い支援体制による埼玉県版「チーム学校」のモデル校を設置するべきについてです。 私のここまでの質問の原点には、私の地元の生徒も通学し、高田教育長も指揮を執られた昼夜開講二部制の吹上秋桜高校の現実があります。昨年度、三年生、四年生は総勢百五十二名でスタートを切りましたが、進路を決定できた生徒は百七名。大学、専門学校、就職以外の「その他」に分類された生徒は十八名でした。また、そもそも次のステップを見いだせず、残念ながら途中で学校を去っていく生徒もいます。先ほどの「その他」と合わせて毎年五十名近くの生徒が、次のステージが決まらないまま学校を去っているのです。 私は、様々な問題を抱える生徒たちにとって、高校は社会に出るための準備をする最後のとりで、チャンスになっていると考えています。ここで先を見いだせないと、引きこもりや貧困問題につながってしまいます。埼玉県は、誰一人取り残さない決意として、不登校の生徒も受け入れる体制をとっておりますが、受け入れたからには全ての生徒を次のステージに送ってあげる責任があると思います。吹上秋桜高校には生徒への手厚い支援体制を構築するために、福祉、労働、医療、保健、警察と幅広いネットワークが求められております。この学校にこそ、入学した生徒を誰一人取り残さない教育が待たれているということを、教育長が一番理解しているのではないでしょうか。 また、教育相談部の主任の先生は、夜間勤務にもかかわらず、ほとんど午前中から出勤して、夜は九時過ぎまで生徒と向き合っております。スクールソーシャルワーカーは一日六時間で週二日配属されます。配置校のほかにも二校担当しています。スクールカウンセラーは週に一日の勤務です。このように本県の誰一人取り残さない教育実践は、先生の強い責任感と深刻な労働条件で成り立っているのです。 平成二十九年九月の定例会において、我が会派の松坂議員の質問に対して、時の教育長は「スクールソーシャルワーカーが教員とともに対応することが重要と考えています。教育委員会としても、これまで以上に福祉部局との連携を密にし、生活保護や就労支援、医療などにもつなげ、生徒を取り巻く環境の課題を解決したいと考えております」と答弁しております。この答弁から三年たっておりますが、教育委員会は専門職としてスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの常勤化などを打ち出しているわけではありません。当時の状態のままであると捉えられても仕方のない状況です。 入学した全ての生徒に対して、豊かな学校生活と家庭生活の実現を支援し、社会人として自立した生活を送ることができる若者の育成を目指すために、まずは手厚い支援体制による埼玉県版の「チーム学校」のモデル校を設置してみてはどうかと考えます。吹上秋桜高校に常勤のスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー及び就労支援アドバイザーの加配を行い、手厚い支援体制を整備してはいかがでしょうか。誰一人辞めさせない、誰一人も進路未決定者を出さない、このことを単に学校現場に任せてしまうのではなく、生徒、保護者、地域としっかりと向き合い、教育行政の責任として必ず実行していただきたいと考えますが、これまでの豊富な経験も踏まえ、教育長の責任ある答弁を求めます。 次に、大きな三番、特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害に万全の対策をについて質問させていただきます。 クビアカツヤカミキリは桜だけでなく、スモモや桃、梅などの果樹にも被害を及ぼすため、早急な対策が求められております。環境省はこうした被害を重く受け止め、平成三十年一月にクビアカツヤカミキリを特定外来生物に指定しました。被害は埼玉県をはじめ十一都府県で拡大しており、今や全国的な問題となってきております。 本県では、平成三十年度、令和元年度と、環境科学国際センターが県民参加による「クビアカツヤカミキリ発見大調査」を実施し、県内における被害状況を調査しました。その結果、令和二年二月末までの集計では、これまでに被害が確認されていた八市に加え、三市一町で新たに被害が確認されております。県では、調査結果を基に、被害報告地点等を含む調査地点マップを作成し、ホームページや広報紙で周知するとともに、被害防止の手引を公開し、被害の拡大防止を呼び掛けておりますが、被害が広がっている現状があります。 群馬県の館林市では、令和元年にクビアカツヤカミキリ撲滅プロジェクトを開始し、市民を巻き込んだ取組を行っています。具体的には、市が防除用品を配布したり、クビアカツヤカミキリの成虫を捕まえて市へ持っていくと一匹五十円の奨励金が受け取れたりします。その結果、令和元年では延べ二百七十二名の市民が、成虫六千六百四十八匹を捕獲してくれたそうです。令和二年となる本年も同じく五月から八月にかけて奨励金制度を実行しております。 また、栃木県の足利市では、市民の居宅で被害の出た庭木の伐採、運搬等にかかった費用の三分の二、上限二十万円の補助事業を行っております。 私の地元行田市では、米娘舞娘という小中学生のユニットが「クビアカツヤカミキリを捕まえろ!」という歌を歌って啓発活動を行っています。ユーチューブでも出ているので、是非御覧になってください。さきたま古墳公園や水城公園でも成虫が目撃されており、早期の発見、防除が喫緊の課題となっております。 そこで、クビアカツヤカミキリの被害撲滅に向けて、以下三点、環境部長へお伺いいたします。 一点目として、県内の被害の状況と対策についてお尋ねいたします。特に、県民への周知については強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。 二点目、防除対策を強化するためには、個人に対する奨励金や防除用品の配布、被害のある木の伐採費用の助成などが必要と思いますが、県の考え方をお伺いいたします。 三点目、被害の撲滅には、群馬県のように協議会を作るなど地域一体で対策に取り組む必要があります。本県においても市町村等の連携を強化する必要がありますが、県の考えを伺います。 最後に、地元問題として大きな四番、埼玉古墳群を埼玉県の誇る観光拠点へについて質問させていただきます。 私の住む行田市の埼玉古墳群には、昭和六十二年、当時の畑和知事が碑の題字を書いた「埼玉県名発祥之碑」が建立されております。県名の由来について、この石碑によると、現在の埼玉県の区域が定まった明治九年八月、県の管轄区域の中で最も広いのが埼玉郡だったことから、「埼玉」の県名が名称とされたようです。また、古墳群の中に鎮座する前玉神社は、「前玉」と書いて「さきたま」と読み、この神社名が埼玉県のルーツだとも言われております。さらに、「さきたま」は幸魂(さいわいのみたま)とも言われ、人に幸福を与える神の霊魂という意味を持っております。埼玉県は「そこら辺の草でも食わせておけ」などと言われる筋合いのない、全くすばらしい県名なのであります。 その埼玉県名発祥の地ともされる埼玉古墳群からは、昭和五十八年に国宝に指定された「金錯銘鉄剣」が出土しております。この鉄剣に鮮明に刻まれた百十五文字の銘文が日本古代史の確実な基準点となり、五世紀後半には既に大王の権力が九州から東国まで及んでいたと解釈されるなど、歴史事実の実年代を定める上で大いに役立つことになりました。 また、平成二十九年四月二十八日には、埼玉古墳群を含むストーリーが「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として、県内初の日本遺産にも認定されました。そして最近では、令和二年三月十日に県内初の特別史跡に指定されました。特別史跡は特に学術上の価値が高く、有形文化財の国宝に相当するもので、県民にとっても喜ばしいビッグニュースでした。 しかし、現状を見ると、多くの観光客を満足させられる施設になっているとは言い難いと思います。以前はちょうどこの時期に二子山古墳周辺に一万株の花菖蒲が咲き誇り、訪れた人々の心を和ませてくれましたが、今は同じ場所にヨシがただ伸び続けているという状況です。おもてなしの体制が不十分であると言わざるを得ません。 県内で初めて特別史跡に指定され、日本遺産の一部ともなっている埼玉古墳群です。埼玉県の誇る観光拠点として、日本全国、そして全世界にアピールすべきと考えますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。産業労働部長の具体的な答弁を求めます。 また、古墳群はさきたま古墳公園内に位置しており、公園は今、拡張整備が進められております。観光に来た方々がくつろげる休憩所やお食事処、お土産を購入できる施設が公園内に必要と考えます。公園の拡張整備の進捗状況について、都市整備部長にお伺いします。 これで私の一般質問を終わりにさせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手起こる) ○小久保憲一副議長 四番 柿沼貴志議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 柿沼貴志議員の御質問にお答え申し上げます。 鉄道の利便性向上についてのお尋ねのうち、秩父鉄道を軸とした県北地域の活性化についてでございます。 本県は、既に日本の中で最も交通ネットワークが優れた地域の一つであり、この交通の利便性を更に良くしていくことで、本県の経済と人との交流を一層活性化させることができると確信しています。そして、鉄道の利便性向上は、地域づくり、まちづくりの取組と一体となって進めていくことにより、より大きな効果が得られるものと考えます。 秩父鉄道は県北地域を東西に結び、他の鉄道会社の多くの路線と接続しているなど、県内の鉄道ネットワークにおいて重要な鉄道路線です。また、沿線住民の通勤・通学の足として使われるだけではなく、議員御指摘のとおり、県内有数の観光スポットが多いことから、観光振興に欠かせない路線と考えています。 この沿線地域はそれぞれ特性や魅力を持っており、地域資源を生かした地元市町村による新たなまちづくりも期待されます。熊谷市ではラグビーワールドカップ開催後、トップリーグのパナソニックワイルドナイツの本拠地の移転が予定されています。深谷市では新駅開業に加え、新一万円札の新たな顔に決まった渋沢栄一翁の大河ドラマを契機として、地域活性化の取組が進んでいます。行田市も日本遺産に指定されている「足袋蔵のまち行田」や県内初の特別史跡に指定された埼玉古墳群など、魅力あるスポットを有しています。 これまで県では、ラグビーワールドカップを契機として、外国人観光客の受入れを促進することを目的に、秩父鉄道熊谷駅の券売機の多言語化やWi-Fiの設置などに対し、支援を行ってまいりました。また、地元市町村の意向を踏まえ、利便性の更なる向上が期待される秩父鉄道の他社線との直通運転やIC乗車券の購入など、駅の乗り継ぎ改善を県としても秩父鉄道などに働き掛けているところであり、引き続き取り組んでまいります。 さらに、県、市町村及び鉄道事業者で構成する鉄道沿線活性化連絡会議を平成二十八年度から毎年開催し、各主体の取組の情報共有を図ってまいります。今後、この会議において、市町村のまちづくりの取組と鉄道事業者の利便性向上の取組が一体となって進められるよう、十分に連携を図ります。県といたしましては、こうした取組を通じ県北地域の活性化に資するよう、秩父鉄道の利便性向上や利用促進に、引き続き取り組んでまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問一、鉄道の利便性向上についての(二)秩父鉄道と他社線との連携強化についてお答え申し上げます。 まず、利便性向上への県からの支援についてでございます。 秩父鉄道と東武鉄道の相互乗り入れや交通系ICカードシステムの導入は、利便性を大きく向上させるものと考えます。しかし、議員御提案の他社線との相互乗り入れを行うには、車両の性能や安全装置が各社間で異なるなど、多くの課題がございます。 そのような中、秩父鉄道では安全輸送設備の老朽化が進んでおり、現在、安全性の確保を最優先の経営課題として取り組んでいるところです。県では、これまでも秩父鉄道の安全性の向上を図るため、輸送設備の更新等に対し、財政的な支援を行ってまいりました。まずは、この最優先の経営課題への対応をしっかりと支援してまいります。 こうした経営上の課題に対応しつつ、相互乗り入れを進めるためには、利用者数の増加につながる地域の魅力づくりが必要不可欠でございます。県といたしましては、より大きな効果が見込まれるまちづくりの取組と一体となって進めていけるよう秩父鉄道に働き掛けることはもとより、沿線市町村とも十分に連携を図ってまいります。 次に、秩父鉄道を軸とした鉄道事業者各社間の相互キャンペーンなどを進めるべきについてでございます。 秩父鉄道と西武鉄道は、令和元年度、「秩父鉄道創立百二十周年×直通運転開始三十周年記念キャンペーン」として、記念スタンプの設置や記念ヘッドマークの掲出などを実施しました。秩父鉄道が単独で実施した令和元年度のフリー切符の販売枚数は、台風第十九号の影響などもございまして、前年度比で七パーセント程度減少いたしました。これに対し、西武鉄道と共同実施したフリー切符は、記念キャンペーンの効果もあり、前年度比一パーセント程度増加したとのことでございます。これは西武鉄道の集客力に加え、秩父鉄道の強みであるSLに乗車できること、限定の記念品を贈呈したことなどが功を奏したと分析されております。こうした鉄道事業者の相互キャンペーンにつきましては、多くの観光客が広域で回遊していただけることから、人の流れを呼び込むのに一定の効果があり、更に進めるべきものと考えております。 次に、秩父鉄道沿線の北関東地域へのキャンペーンについてでございます。 県北地域の交流人口を増やすには、北関東地域にも着目して、広く潜在的な需要を掘り起こすことが重要です。車を多く御利用される北関東地域の方々に鉄道を利用して来ていただくためには、単に観光地をPRするだけでなく、鉄道に乗ること自体の魅力もPRすることが効果的と考えます。例えば、新型コロナウイルスの影響で残念ながら運休となりました「群馬デスティネーションキャンペーン」におけるSLや観光列車の運行は、正に鉄道に乗る魅力を発信するものでございます。県といたしましても、このようなキャンペーンの際に、北関東地域に対しても効果的な情報発信がなされるよう取り組んでまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問二、学校教育における「チーム学校」の推進についてお答え申し上げます。 まず、(一)児童・生徒の実態把握を進めるべきについてでございます。 障害のある児童・生徒に対する教育においては、一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導や必要な支援を行うことが重要であると考えております。県では、管理職や教職員を対象とした、中学校から高等学校等へ支援をつなぐ特別支援教育研修などを開催し、発達障害への理解の促進を図っております。障害のある児童・生徒の情報につきましては、本人や保護者の意向に配慮しながら、小中高等学校を通して幅広く実態を把握し、個別の教育支援計画などを引き継ぐことで、障害の特性等に応じた適切な支援に努めております。 今後、児童・生徒の情報をより丁寧に把握し、各学校に対して発達障害など障害のある児童・生徒への組織的な支援ができるよう取り組んでまいります。 次に、(二)スクールソーシャルワーカーの常勤化や職務内容の明確化についてでございます。 まず、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを常勤化することについてでございます。 スクールソーシャルワーカーは、問題行動などのある生徒を福祉や医療に結び付けることや、学校と関係機関の円滑な連携を支援するため、社会福祉士などの有資格者を配置しております。また、スクールカウンセラーは、心理に関する専門的な知識、経験から、教職員や保護者の指導、助言を行うとともに、生徒の心の相談に当たるため、臨床心理士などの有資格者を配置しております。 これらの専門職の役割は、教職員の担うべき業務を専門的知識からサポートするものであります。御提案の常勤化につきましては、学校の状況や課題に応じて適切な活用や配置の工夫をすることにより、専門職の充実を図ってまいります。 次に、教育相談員はスクールソーシャルワーカーとして一本化することについてでございます。 教育相談員は友人関係や家族関係など生徒のささいな悩みや不安に対し、身近で気軽に相談できる体制を構築するため、相談業務の経験が豊富な相談員を配置しております。福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーとは学校における役割が異なることから、いずれも必要な職と考えており、引き続き、それぞれ配置してまいりたいと考えております。 なお、議員御指摘の募集要項につきましては、分かりづらい表記となっておりますので、業務内容が明確となるよう表現を見直してまいります。 次に、これらの勤務条件を直ちに統一することについてでございます。 勤務条件については、学校における役割に応じ、配置日数や勤務時間を設定し、給与は月額又は日額として設定しております。報酬額の差につきましては、勤務条件の違いから生じているものでございますので、御理解いただきたいと存じます。 今後もスクールソーシャルワーカーなどの専門職員の活用を促進し、教員と専門職が一体となって生徒を支援する教育相談体制の強化に努めてまいります。 次に、(三)就労支援アドバイザーの配置をについてでございます。 県立特別支援学校に配置している就労支援アドバイザーは、障害者を雇用している企業の幹部等が、生徒や保護者、学校に対し、就労に係る指導、助言を行うことを目的としております。県立高校に配置している就職支援教員と就職支援アドバイザーは、生徒の就職希望に応じて、生徒のキャリアカウンセリングや面接指導を行うことを目的にしております。就職支援アドバイザーは民間企業経験者が中心となっておりますが、本年一月から社会福祉士などの有資格者も新たに配置し、生徒に応じた指導ができるよう内容の充実を図ったところでございます。 今後、特別支援学校に配置している就労支援アドバイザーによる高等学校での研修を実施するなど、就職支援教員や就職支援アドバイザーに様々な課題を抱えた生徒への就職支援のスキルを学ばせることで、よりきめ細やかな支援に取り組んでまいります。 次に、(四)手厚い支援体制による埼玉県版「チーム学校」のモデル校を設置するべきについてでございます。 吹上秋桜高校にはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー及び教育相談員を配置するとともに、就職支援のための就職支援教員及び就職支援アドバイザーを配置しております。県といたしましては、モデル校の指定ということは考えておりませんが、議員御指摘の趣旨を踏まえて、各学校の課題に応じて、必要な支援ができるよう引き続き努めてまいります。校長のリーダーシップの下、教員とそれぞれの専門職員、保護者が連携し、「チーム学校」として多様な生徒に対応した指導体制を構築するよう、県としてもしっかり支援してまいります。       〔小池要子環境部長登壇〕 ◎小池要子環境部長 御質問三、特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害に万全の対策をついてお答え申し上げます。 まず、県内の被害状況と対策について、特に県民への周知強化についてでございます。 クビアカツヤカミキリの被害は、令和二年三月末において県内十二の市町、二百六か所、七百三十八本の樹木に被害が確認され、そのうち桜の被害が六百六十一本と九割を占めております。 その対策といたしましては、発見や被害についての情報が寄せられた場合、県や市町が現場に急行し初動対応を行っており、県では防虫ネットや薬剤の提供、また技術的な助言を実施しております。このほか、市町村職員や保全団体、公園管理者等を対象として、駆除の実技も交えた研修会も開催しております。さらに、新たな試みとして、今週末にはさきたま古墳公園において行田市と合同で、まだ被害の出ていない樹木に薬剤を注入することで予防が図られるか、実証実験を行う予定です。 また、県民への周知強化でございますが、県ではこれまで被害防止の手引の配布や「クビアカツヤカミキリ発見大調査」などに取り組んでまいりました。令和元年度には県政出前講座を七回開催したほか、注意喚起のチラシを七万枚作成いたしました。現在、既に発生している市町に送付し、自治会での回覧や小中学校、公共施設での周知を依頼しているところです。 今後は隣接する市町村に対しても注意喚起を強く働き掛けるほか、SNSの活用など積極的な情報発信に取り組んでまいります。 次に、防除対策を強化するため、奨励金や防除用品の配布、伐採費用の助成などが必要ではないかについてでございます。 県内においても、近年、被害樹木の伐採費用に係る補助制度の創設や、保全団体へ薬剤の配布などを行う市が出てまいりました。このような市町村の動向や近隣都県の支援策、これらの成果を参考にしながら、今後どのような支援ができるか、検討してまいります。 次に、市町村等の連携強化についてでございます。 県は、令和元年度から発生市町と連絡会議を開催し、効果的な防除や普及啓発などについて協議を行っております。今年度には隣接する市町村をはじめ幅広く参加を呼び掛け、それぞれの広報紙への掲載等により住民の関心を喚起し、早期発見、早期防除を進めてまいります。 議員お話しのとおり、クビアカツヤカミキリの防除には地域一体での取組が必要です。今後も市町村や近隣都県と連携しながら、防除対策に取り組んでまいります。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問四、埼玉古墳群を埼玉県の誇る観光拠点へのうち、埼玉古墳群を本県の誇る観光拠点として、日本全国、そして全世界にアピールするためにどのように取り組んでいくのかについてお答え申し上げます。 埼玉古墳群は、五世紀後半から七世紀初頭にかけて築かれた九基の大型古墳が集中する全国屈指の古墳群です。議員お話しのとおり、本年三月、この埼玉古墳群が特別史跡に指定されたことは、正に我が国の文化の象徴として、その歴史的価値が認められたと言えます。 こうした魅力あふれる埼玉古墳群を観光拠点として広く国内外にアピールし観光客を誘致することは、大変重要なことだと認識しております。県では、昨年度からNEXCO東日本と連携して、東日本全域から車での県内周遊を促すスタンプラリーを実施し、埼玉古墳群をお薦めの観光拠点として紹介するなど、県内外に広くアピールしております。 海外に対しましては、ホームページやSNSを活用し、古墳の魅力を伝える動画に外国人に強く訴え掛ける解説を添えまして、この秋から新たに情報発信をしてまいります。また、国内外からの更なる観光客の誘致に向け、地元行田市と観光誘客について連携を深めてまいります。 行田市には、平成二十九年に県内で初めて日本遺産に認定された足袋蔵などの歴史的建造物、古代蓮の里、忍城址をはじめ、魅力あふれる歴史文化資源が多数あります。こうしたスポットを回遊する仕掛けづくりや、他の歴史文化資源を有する自治体との連携などについて、行田市とともに検討いたします。地域の可能性をしっかり見極め、埼玉古墳群の魅力をより多くの方に知っていただけるよう、積極的に取り組んでまいります。       〔濱川敦都市整備部長登壇〕 ◎濱川敦都市整備部長 御質問四、埼玉古墳群を埼玉県の誇る観光拠点へのうち、さきたま古墳公園の拡張整備の進捗状況についてお答え申し上げます。 さきたま古墳公園については、県民がふるさと埼玉のシンボルとして、全国に誇れる公園となるよう整備を進めております。これまで史跡の保護や鑑賞ができるよう大型古墳群のあるエリアから順次整備し、直近では令和元年十月に古墳群の南側入口となる広場を供用開始いたしました。 現在は、新たな拡張整備として県立さきたま史跡の博物館の西側に、イベントの開催など来園者が自由に活用できる多目的広場など、約二・四ヘクタールの造成に着手しております。整備内容は行田市、行田商工会議所、地元の推進協議会などから御意見を伺いながら検討してまいりました。 議員お話しの飲食や物販ができる施設については、地元からも御要望をいただいております。施設の設置は公園のPR効果を高め、観光を含めた来園者の利便性向上につながるものと認識しております。 一方、多くのお客様を誘致するには、魅力のある施設として、地元の方々が熱意を持って地域全体で機運を盛り上げ、継続的に経営を推進する体制が必要です。例えば豊島区の南池袋公園では、公募により設置した民間のカフェレストランをにぎわいの核とし、その売上げの一部でイベントを行うなど、地域との関係性を重視した仕組みを作っております。こうした先進的な取組なども参考に、引き続き、地元の行田市など関係者と十分協議し、公園のにぎわい創出につながるよう、さきたま古墳公園の整備を着実に進めてまいります。       〔四番 柿沼貴志議員登壇〕 ◆四番(柿沼貴志議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。 二、学校教育における「チーム学校」の推進について再質問させていただきたいと思います。 私は、先日の文教委員会で、教育長の本当に心のこもった現場主義を貫くという所信を聞いて、本当に心強く思って期待するところであります。今回の答弁の中にも、その思いが伝わってくるものはあったんですけれども、一点目、児童・生徒の実態把握のところで、「小中高等学校を通して実態をより丁寧に把握して進めていく」という答弁をいただきましたけれども、現状でどのくらい把握しているのか、種類だけでも分かれば教えていただければと思います。 もう一つなんですけれども、障害だけではなく、例えば中学校のときに不登校になりがちだけど出席はしていて保健室登校だったりとか、そういう方々もいらっしゃると思うんです。ただ、今、埼玉県のそういう報告書を見ると、出席日数だけしか見えなくて、遅刻や早退とかというのはなかなか見えないことになっています。その辺も私は実態把握して、高校につなげるべきだと思いますけれども、その辺のお考えをお聞かせください。 次に、スクールソーシャルワーカーの常勤化、職務内容、また一本化についてなんですけれども、御答弁の中で、日額や月額というのは勤務条件があるので、これはしようがないよという御答弁をいただいたんですけれども、私が提案しているのは逆なんですね。職務が縦割りになってしまっているから、やっぱり勤務条件も変わってきてしまうと思っているんです。募集要項はほとんど一緒というところも御指摘させていただいたんですけれども、実際、私、二部制の高校に視察に行ったときに、スクールソーシャルワーカーさんにも、教育相談員さんにもお話を聞いたんですね。教育相談員さんは、学校の生徒の心を開かせるために教室は開いたまま、そしてまた通学のときには生徒と顔を合わせられるようにして、話を聞きやすい体制をとっていたということでした。だけれども、福祉のことになるとスクールソーシャルワーカーにつなげなきゃいけないと。たまたま私が行った日は、スクールソーシャルワーカーの方がいらっしゃったんですけれども、私が指摘したように、スクールソーシャルワーカーは週二日しかいないわけでありまして、いない日もあるわけですね。これは生徒の目線に立っていただきたいんですよ。生徒というのは、やっぱり縦割りでいくとかなり難しいんですね。 なので、職務内容、スクールソーシャルワーカーさんも教育相談員さんも、一人でできればいいという話をしていたんです。職員会議にも出られないということなんです。だから、学校の現場が把握しにくいとも言っていました。なので、子供たちは決死の覚悟で来ているので、是非、細分化するわけじゃなく、縦に分けるんじゃなくて、一本化して子供たちの教育、次につなげるということをしていただきたいんですけれども、その辺をお聞かせ願いたいと思います。 続きまして三つ目、就労支援アドバイザーです。研修をしていくということだったんですけれども、実際今、研修ではもう間に合わないと思うんですね。学校には問題を抱えた生徒がいらっしゃるので、研修を続けるんではなく、今いる先生方が今本当にやっている状況なんです。だからこそ加配が必要で、常勤化が必要だと思っていますけれども、その辺、教育長、いかがでしょうか。 四つ目が、手厚い支援体制による埼玉県版「チーム学校」のモデル校をということなんですけれども、私は結果が大事だと思っています。今、教育長が吹上秋桜高校の二部制を立ち上げてからちょうど十年がたったんです。しかし、毎年のように二桁以上の生徒が進路未決定のまま学校を去っている現状があります。結果は出ていないとは言いませんけれども、進路未決定者がゼロになるまで努力する必要があると私は考えています。正に教育長の現場主義が貫かれるときだと思います。システムを変える必要があると思いますが、今、私の伝えた現状をどのように捉えて改善して、進路未決定者を出さないように次のステージにつなぐのか。 もう一度、専門スタッフの常勤化、職務内容の明確化、加配も行うつもりがあるのかどうかを含めて、教育長の答弁をお願い申し上げまして、再質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる) ○小久保憲一副議長 四番 柿沼貴志議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 柿沼貴志議員の御質問二、学校教育における「チーム学校」の推進についての再質問にお答え申し上げます。 先ほど議員からもお話がございましたとおり、平成二十二年四月に吹上秋桜高校が開校いたしました。当時、新米校長として設立に関わらせていただきましたことは、私にとりまして大変光栄なことでありました。 まず、質問の一点目、実態把握についてでございます。 当時私がおりましたときも、私の見たところ七割ぐらいの生徒は不登校経験者でありました。中学校全て欠席という生徒も数多くおりました。並びに、特別な支援が必要な生徒もたくさんおりました。当時、教員が中学校へ出向きまして、全ての入学生についてつぶさにその生徒の中学校での様子、あるいは小学校からの引継事項などを聴き取りしてまいりました。そうしたことを教育活動に生かしてきたことを今でもよく覚えております。子供たち一人一人の実態把握は非常に大事なことだというふうに考えておりますので、議員御指摘のとおり、あらゆる手段を使って実態把握に努めてまいりたいと考えております。 次に、スクールソーシャルワーカーあるいはスクールカウンセラーの勤務条件等についてでございます。 それぞれ専門的な職務に応じて勤務条件を設定し、日額あるいは月給等について定めているところでございますので、このことについては御理解いただきたいと存じます。 次に、就労支援アドバイザーの役割等についてでございます。 就労支援アドバイザーは、特別支援学校に配置している、例えば企業等の経営者でありますとか、人事担当経験者などでございます。多くは特例子会社の社長さんでありますとか、そういう方でございまして、障害のある子供たちの就労に長く携わってきた経験のある方にお願いしております。そうした方の知見、経験、いろいろなことを特別支援学校で生かしていただいているわけでありますけれども、直ちに高等学校全てに配置するということもなかなか難しいところがございますので、議員御指摘の趣旨を踏まえまして、高等学校において研修等でその皆様の経験などを活用させていただきたいというふうに思っております。 最後に、「チーム学校」についての考え方についてでございます。 先ほども申し上げましたように、吹上秋桜高校には他の学校にも比して、多くの外部人材を手厚く配置しているところでございます。外部人材活用に係る成果と課題について整理し、経過を見ていく必要があるのだろうというふうに思っております。議員御提案のモデル校ということは考えておりませんけれども、県立高校それぞれが、様々な外部人材を活用しながら、教職員と一体となった「チーム学校」となるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○小久保憲一副議長 暫時、休憩いたします。午後二時三分休憩          ----------------午後三時再開 出席議員    九十一名  (本会議場で審議)     二番    三番    五番    六番     八番    九番   十一番   十二番    十五番   十六番   十八番   十九番   二十一番  二十二番  二十四番  二十五番   二十七番  二十八番   三十番  三十一番   三十三番  三十四番  三十五番  三十七番   三十八番   四十番  四十一番  四十三番   四十四番  四十六番  四十七番  四十九番    五十番  五十一番  五十三番  五十四番   五十六番  五十七番  五十九番   六十番   六十二番  六十三番  六十五番  六十六番   六十八番  六十九番  七十一番  七十二番   七十三番  七十四番  七十六番  七十七番   七十九番   八十番  八十二番  八十三番   八十四番  八十七番  八十九番   九十番   九十二番  九十三番  (新型コロナウイルス感染防止のため第四委員会室で審議)     一番    四番    七番    十番    十四番   十七番   二十番  二十三番   二十六番  二十九番  三十二番  三十六番   三十九番  四十二番  四十五番  四十八番   五十二番  五十五番  五十八番  六十一番   六十四番  六十七番   七十番  七十五番   七十八番  八十一番  八十五番  八十八番   九十一番 欠席議員    一名   八十六番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人  (本会議場で出席)   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   企画財政部長   保健医療部長   農林部長   県土整備部長   公営企業管理者  教育長  (新型コロナウイルス感染防止のため執務室で待機)   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長   環境部長     福祉部長     産業労働部長   都市整備部長   会計管理者    病院事業管理者   下水道事業管理者 警察本部長 △再開の宣告 ○田村琢実議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○田村琢実議長 質疑質問を続行いたします。 五番 高橋稔裕議員       〔五番 高橋稔裕議員登壇〕(拍手起こる) ◆五番(高橋稔裕議員) 皆さん、こんにちは。議席番号五番、東第三区、加須市選出、高橋稔裕です。本日は初の一般質問の機会をいただき、心からの感謝を申し上げます。また、コロナ禍の中にもかかわらず多くの方に傍聴いただき、本当にありがとうございます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について、コロナまん延第二波への備えについてお伺いします。 新型コロナウイルスにり患された方に、お見舞いとお悔やみを申し上げます。これまでのコロナの対応を通して、外出自粛を中心とした行動制限により、コロナのまん延は抑制できることを確認できたと言ってよいのではないでしょうか。誰も望むところではありませんが、コロナのまん延第二波が来たとき、外出制限さえすれば抑制できる。一つ、大きな安心を手に入れたと私は考えています。県民の皆様とエッセンシャルワーカーの方々、執行部の方々のおかげであります。ありがとうございます。それをよりどころに、県民全体で力強く、しなやかに、大胆に動き出せたらと思います。 目の前には第二波が起きるリスクが常に存在しています。多くの方々の努力でコロナのまん延を防いだわけですが、第二波に備え、その貴重な経験を生かすだけでなく、その到来の前、すなわち平時からしっかりと準備していくことが大切と考えます。 そこで、お尋ねします。第三者の民間の組織が公益のため協力してくれております。まずは、知事と保健医療部長が先頭に立って、医療機関やホテルの責任者の方々と顔の見える関係を構築し、いざというときに備えることが大変重要であると考えます。知事の御所見をお伺いします。 さて、進めるべきことは二つ、経済復興の対策と不安を払拭する対策です。経済対策を行っても、不安が払拭されない限り、経済は動き出しません。そこで私は、不安を払拭する対策、つまり医療提供体制と検査体制の充実を今回取り上げます。 「埼玉には十分な医療があるから安心して」「かかっても、すぐ見つけてもらえるから安心して」、そう言える体制が必要です。まず、医療提供体制について伺います。 五月二十二日、県の外出自粛再要請の検討の目安は、新規陽性者数が週百名以上と発表されました。こういった事態が起きることを想定して、詳細に、かつ具体的に想像力を働かせ、そのとき何が起きるか、シミュレーションをしておくことが大事だと思います。その内容をお示しすることは、県民の安心につながります。 そこで、お尋ねします。新規陽性者数が週百名以上となり、感染が再び拡大した場合、どれくらいの患者数、入院者数、病床の使用率になるとお考えでしょうか。感染が疑われる方が救急などで入院するとき、たらい回しにならない体制になるのでしょうか。そして、その後の再拡大期において、再拡大期の医療提供体制へとすぐさま移行していけるのでしょうか。 以上、保健医療部長の御答弁をお願いします。 次に、検査体制について伺います。 県内病床数の拡大要求を国にしているものの、人口当たり病床数が日本一少ない本県にとって、未曽有の事態に直面しても安心してもらうためには、最高の検査体制が必要だと思います。日本一の検査体制を整備することで、早期に発見し、早期回復、重症化防止、早期拡大防止により、クラスターを潰していく。これが埼玉県がとるべき戦略だと思っております。不安を少しでも感じたら即検査、即即検査です。 六月二日の知事の記者会見で発表された検査体制の強化施策については、評価いたします。今まで検査の入り口は保健所、帰国者・接触者相談センターだけであったものが、地域の診療所でPCR検査の必要の有無を前向きに判断していくというものでした。県管轄区分、全県で十三か所であった検査への入り口が、二千百八十二か所に拡大するものです。 しかしながら、地域の診療所はコロナの疑い患者を診る体制が整っているのか疑問に思います。発表のフローのように流れるのでしょうか。診療所、クリニックのかかりつけ医の先生も怖いのではないでしょうか。 そこで、伺います。PCR検査の必要性を判断するに当たり、地域のかかりつけ医が安心して地域の患者を受け入れる体制づくりを県としてどのように行うのでしょうか。今後の考え方について、保健医療部長にお伺いします。 次に、失われた授業時間と学習内容についてお伺いします。 まずもって、現場で御努力くださっている教職員、学校関係者の方に感謝申し上げます。その上で、九月入学の導入についての報道に疑問を感じていました。議論の末、最終的に法制、財政、体制面の用意が整わないので見送るという結論に賛同します。 しかし、私は、これを機に欧米に合わせるという議論ばかりが前面に出ていたことを腹立たしく感じております。報道はそのことばかりでした。本来あるべき議論の軸は、何しろ子供たちにこの一年間で学んでほしいことや経験してほしいことを伝え切れるのか、心のケアも含め大丈夫なのかという点に尽きると思っていたからです。 今回、新型コロナによる臨時休業で多くの授業時間が失われました。夏季休業などを削りに削って、二十二日掛ける六時間足らない学校もあると聞きます。この現実を基に、現場で幾ら工夫しても、昨年度と同内容を教え切れるとは思えません。学校現場は既に相応に疲弊しております。三月に臨時休業が始まり、すぐに全ての学校で遠隔授業ができていたなら、もしくは宿題の的確な教材を用意し取り組めていたなら、昨年度と同内容を教えられていたと考えられますが、決してそのような状態ではありませんでした。これは致し方ない、しようがないことなのです。 そこで、お尋ねします。学年の最後に「学び切れなかった」では、子供たちがかわいそうです。子供たちは今年度、昨年度と同じ内容を学び切れるのでしょうか。教育長、御答弁をお願いします。 大人は子供に「補い切れる」と言い続けた方がよいのでしょうか。ごまかすことなく、昨年度と同内容を学び切れないと、正直かつ誠実に大人としてのメッセージを送ることが大切なのではないでしょうか。私自身、一つのまちを代表する一人の政治リーダーとして、子供たちに本当に申し訳ないと思っております。 また、具体的な対応策として、例えば全県共通で、この学年のこの教科のこの部分は薄く教えると指針を出す。そうすることで、たとえ小六や中三だったとしても、この学年はこの部分が薄いのだと、次の学校、あるいは次の学年の教師も、生徒自身も認識できる、後で補うことができる。そこは薄い知識なので、意識して教えようなど、次に生かすことができると思います。 文部科学省の六月五日の通知にも、今年度中に予定していた内容を終えることが困難な場合、「次年度以降を見通した教育課程編成」「学校の授業における学習活動の重点化」という特例的な対応が考えられると示されています。 そこで、伺います。県全体として、特例的な対応に踏み込むべきではないでしょうか。子供や現場の教師任せの対応でなく、この例に限らず、地に足の着いた取組を県全体ですべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。 次に、地域整備事業会計の現預金の活用についてお伺いします。 この件につきましては、本年二月定例会の予算特別委員会において、私から公営企業管理者に質問させていただいたところです。その後、新型コロナウイルス感染の影響が深刻化する中で、去る四月臨時会において、埼玉県地域整備事業会計から埼玉県一般会計へ百億円を貸し付ける補正予算が審議され、議決されました。この地域整備事業会計から一般会計に資金を貸し付けることについて、「本来の使い道にそぐわないことから好ましくない」との意見もあります。私としてもそう思います。 しかしながら、政府は今般のコロナ危機を歴史的緊急事態に指定しました。このような未曽有の危機に対処し、県民の皆さんの役に立つよう一般会計の要請に応じたことは、一定の評価をしたいと考えております。事業実施の議論は活発に行われますが、歳入なくして歳出を伴う事業の実施はできません。第二波が来たとき、過去のスピードを考えると、国の予算成立を待っていられないため、地域整備事業会計の資金の更なる活用をすべきと考えます。予算特別委員会でも指摘したように、まだ資金は相応にあると思っています。 そこで、公営企業管理者に伺います。今後、新型コロナウイルスの再度の感染拡大が発生したとき、県民の安心・安全を確保するため、一般会計への更なる貸付けを含め、企業局はどのような考え方で対応するのか、お伺いさせてください。 次に、水害対策について、大規模水害防止に向けた利根川・荒川の堆積土砂対策について伺います。 もう早いもので、次の夏が来ます。我々は昨年の台風を忘れていないでしょうか。コロナ対策と同じように、水害対策は待ったなしです。まずは、大河川について質問します。 埼玉県は利根川、荒川の大河川に囲まれ、これまでにも大きな浸水被害にたびたび見舞われてきました。私の地元加須市は、昭和二十二年、旧大利根町新川通の堤防が決壊し、埼玉県の東半分を水没させ、激流が東京湾に流れ込む大惨事になりました。世に言うカスリーン台風です。 この場所は、豪雨のときには利根川の激流と渡良瀬川の激流が激突し、水位が一層上昇します。周辺には他の箇所と比してぜい弱な東武日光線とJR東北本線の鉄橋があります。利根川の中でも決壊しやすい場所と私は考えます。再び埼玉県の東半分が水浸しにならぬよう、この地を地盤とする県議としては声を上げ続けなければならないと思い、この場で取り上げさせていただきます。 昨秋の台風で、地元の方から「今回の雨はカスリーンほどではなかった。でも、カスリーン以上に水位が上がったように感じる」また、「利根川の河川敷は、以前にも増して土砂の堆積や樹木の繁茂が著しい」との意見をよく聞きます。このお話自体、私も強く感じていたため、私は利根川両岸の住民とともに、台風の後、つぶさに土砂の堆積などの調査を進めました。堆積土は利根川の両岸のそれぞれ三分の一に及び、樹木も繁茂している状態であること、堆積の高さを巻尺で測ると五メートルほど川底から上がっているところも散見されること、また目視ですが、荒川も同様な状態であることを確認しました。 川幅の三分の二を占める三から五メートルもの堆積土を除去することができれば、同じ高さの堤防を築いたものと同様の効果が得られるのではないかと単純に思います。水位も下がり、決壊や越水の心配も格段に少なくなるのではないでしょうか。県内の河川の多くが、利根川や荒川に流れ込む河川です。両河川が国管理なのは承知していますが、これらの国の河川の水位が下がらないと、県の河川の水位も下がりません。 そこで、お尋ねします。利根川では既に始めているようですが、国に対して、利根川や荒川の堆積土砂を撤去する大規模で迅速な事業実施を働き掛けるべきと考えます。埼玉県を大規模水害から守る最良の手となるはずです。一層の強い働き掛けをしてくださいませんでしょうか。県土整備部長に御答弁をお願いします。 次に、住民を浸水・冠水から守る中小河川の堆積土砂対策についてお伺いします。 昨年の台風で、さいたま市や川越市、東松山市で浸水や氾濫が起きました。同じ災禍を起こさないためにどう進めるか、支川の多い中規模な河川を中心に御質問させていただきます。 例えば、埼玉県東部には羽生市を起点とした中川という中規模な河川が流れています。芝川や綾瀬川、入間川、越辺川、都幾川に当たるような多くの支川や水路が流れ込む一級河川として、流域住民の生活を守り続けています。その流域では、一昔前はなかった羽生市内での住居の浸水被害や、加須市不動岡地内での農家のハウスの冠水被害などが発生していると、地域の人に聞きます。旧大利根町原道地区では、豪雨の後の冠水で農道や市道に水があふれ、大きなコイが群れをなして遊んでいる話が話題に上ることもあります。 なぜこのような浸水や冠水の問題が発生しているか。一つの原因は、中規模な河川の河道の状況に起因すると考えます。 中規模な河川に、支川や水路からあらゆる水が流れ込むわけですが、スムーズに支川の水が流れるかは、本川の水位に大きく依存します。本川の水位が低く保たれれば保たれるだけ支川の流れはスムーズとなり、浸水や冠水は減ります。多くの河川で土砂が堆積し、その土砂の上にヨシが繁茂し、河道を覆い、流れを阻害している様子が目につきます。中には、見てきましたが、根周りが二メートル三十センチにも及ぶ大きな木までありました。これは数十年たたないと成長しません。長い年月放置されていたことを象徴しているのではないでしょうか。その木々や堆積土が流速を遅くし、水位を上げ、流量を減らすことにつながっています。こういった堆積土や樹木を撤去することが、河川の水位を下げることにつながります。 そこで、伺います。土砂が堆積し、ヨシが繁茂し、大きな木が河道内にある状態は、河川管理の考え方にかなうものとは思えませんが、県はこれまでどのように河川の維持管理を進めてきたのですか。また、今後どのように進めていくか、その考え方を県土整備部長にお尋ねします。 また、具体的に河川の堆積土砂を撤去する緊急浚渫推進事業に今年度から取り組むとの答弁を、本年二月定例会予算特別委員会ではいただきました。なるべく早く取り組んでいただきたいと思いますが、今後どのようなスケジュールで実施していく予定なのか、県土整備部長に伺います。 次に、WITHコロナPOSTコロナの適地埼玉についてお伺いします。余り横文字を使いたくないところですが、このような表現しかできなく、申し訳ございません。 我々はコロナ禍を経験し、初め「命より大事なものはあるのか」という問いを、後に「命と経済・生活、どちらが大事か」という問いをいただきました。新たな生活様式を模索する中で、長い満員電車から解放された生活を体験し、子供たちと過ごす時間がとれることのすばらしさに気付くとともに、目に見える困難に家族でまとまって挑むことを初めて経験し、家族のきずなの大切さを改めて感じた人も多かったのではないでしょうか。 また、空間としての密に潜む危険、危機対応時の密な都心のぜい弱性などの現実を突き付けられました。危機対応は途上です。まだ時期尚早との声もありますが、新しい社会の在り方について、立ち止まって考えるよい機会だと私は捉えました。コロナ禍を経験し、人の生き方や考え方の変容が出てくると言われています。県民の生活も変わっていくのではないでしょうか。 こうして価値観が変容する中、県民の多くは不安を感じています。知事、正に政治家としてのリーダーシップが問われています。このリーダーシップについて、知事の考えを伺います。しっかりとした考えの下、導いてもらわないと困ります。 また、本年二月定例会の予算特別委員会では、移住促進についてどの地域を狙っているのかとの質問に対して、県全体を念頭に置きつつも、人口減少が進んでいる市町村には特に力を入れて移住PRしていくとの答弁を執行部からいただいており、一つ、POSTコロナの生活を念頭に置いた移住政策を御提案したいと思います。 去る五月三十日、NHKが国内大企業にアンケート調査した結果では、「テレワークの活用や出勤者数の削減など、新しい生活様式に対応した働き方を特に重視する」と回答した企業が八二・一パーセントあったとのことでした。とりわけテレワークを実践する上では、どこに住むかは重要です。当県は、どの市町村も都心へ電車で約一時間の範囲にあると言えます。東京に隣接しており、便利で自然も豊かです。ふだんはテレワークをしながら、通勤が必要なときは約一時間で出社も可能です。週四日地元でテレワークし、週一日都心で必要なフェイス・トゥ・フェイスの機会を設ける、そんな生活が可能だと思います。 ちなみに、宝島社が出版している「田舎暮らしの本」の住みたい田舎ランキングによれば、首都圏エリアでは秩父市が二位、飯能市が四位と、上位を占めるまちが多いのが埼玉です。暮らしやすくも、のどかなまちがある、その良さが認められているのです。つまり、テレワークするなら埼玉だと思うのです。コロナを機に、地の利がある当県のポテンシャルを生かして、更なる取組が必要だと考えます。 そこで、伺います。WITHコロナPOSTコロナにおいて、テレワーク等を念頭に置いた移住施策にどのように取り組むのか、企画財政部長に伺います。 次に、水田地帯の農業の発展に向けてについてお伺いします。 全国で十年前二百六十万人いた農業就業人口は、現在百六十八万人に減りました。約百万人も減っています。農家の平均年齢は六十七歳と高齢化し、歯止めが掛かる兆しはありません。一方、農地は県土全体の二〇パーセントを占めます。地域を歩くと、「目立った後継者もおらず、五年後にはこの辺りはみんな草ぼうぼうだ」と、そういう言葉を至る所で聞きます。 現在、農家さんたちに草原の耕作放棄地にならぬよう農地を維持してもらっているという側面もあり、食を支えていただいていることも含め、心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございます。その農家さんたちの生活が少しでも安定するよう、質問させていただきます。 本年二月定例会予算特別委員会では、高齢の稲作農家さんたちに敬意を払いながらどのように大規模化を成し遂げるのかとの質疑に対し、「人・農地プラン」を基に耕作を続けてもらって、リタイアした時点でスムーズに農地の集積をしていただく取組を進めているとの答弁をいただきました。「人・農地プラン」とは、地域の農家さんたちが、今後の地域の農業を中心的に担っていく農家を見つけ、それ以外の農業者との役割分担を踏まえた地域農業の在り方を話合いにより決めていく、計画を立てていく事業です。私としても、この事業を基に丁寧に、実行力を持って、地域の理解を得ながら合意形成していくことが、目指すべき方向性だと感じております。そこで、人・農地プランの取組はどの程度進んでいるのか、農林部長に伺います。 この計画を基に、基本的には大規模化を進めることに賛同いたしますが、踏み込んで質問させていただきます。 少し単純化すると、埼玉県の農家が営む水田の平均耕作面積は一・三ヘクタールです。一俵(六十キロ)一万三千円と考え、十アールで八俵の収量を見込むと、なかなか八俵はとれませんが、百三十五万円の売上高です。利益ではなく、売上高で百三十五万円です。米づくり農業は、極めて困難な状況であることが理解できます。人・農地プランでの担い手を探すに当たり、この収益性の低さが一番のネックになると考えます。農業をもうかると思っていただけないと、人・農地プランを展開しても担い手が増えると思えません。そこで、もうかる担い手の育成、もうかる農業経営についてどう考えるか、水田地帯の特性を踏まえ、農林部長にお伺いします。 次に、地元問題、羽生栗橋線バイパスの整備についてお伺いします。 加須市大利根地区では、県道羽生栗橋線バイパスの整備が進められております。現在は県道砂原北大桑線との交差点から東側区間の整備が実施されていますが、道路の形状はほぼ出来上がっているものの、ここ十数年は工事が進まず、なかなか開通時期が見えてきません。地域住民からも「いつになったらバイパスが開通するのか」という声を聞きます。現道の羽生栗橋線は幅員が狭く、歩道も設置されていないことから、バイパスの早期開通が望まれます。つきましては、羽生栗橋線バイパスの整備の状況と今後の見通し、その先の久喜方面へ抜ける計画について、県土整備部長にお伺いします。 次に、大桑交差点の交通渋滞の解消についてお伺いします。 県道加須幸手線と北中曽根北大桑線が交差する大桑交差点は、大桑地区の中心地であり、特に朝夕の通勤ラッシュ時には、交差点周辺で渋滞が発生しています。加須幸手線については、この大桑交差点から久喜、幸手方面へのバイパス計画が、昭和五十九年に都市計画決定されております。バイパスが計画どおりに整備されることで、大桑交差点周辺に集中する交通が二分され、渋滞緩和に大きく寄与するものと考えますが、幸手-久喜間のバイパス整備は完了しているものの、久喜市から加須市区間の一部では、いまだ地権者や地域住民の合意が得られず、今日まで整備が進んでいない状況です。 未整備となっている加須市区間については、昨年度より地域の役員の皆様方に御参加いただき、条件付賛成者の説得を続けてきました。この結果、事業に賛成する条件として、子供たちの通学道路とバイパスの立体交差を求める意見など、バイパス整備を実現させるための地域の要望が見えてきました。子供たちの安全確保に最大限の配慮が求められています。地権者や地域住民の方々との対話が進んでいる今、安全確保のためバイパスと児童の通学路の立体交差を含め、地元に寄り添う対応が早期整備のためには必要と考えます。あと数人のところまで来ております。三十年来の悲願です。地域の要望にどう応えるのか、県土整備部長にお伺いします。 最後に、東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策と久喜騎西線バイパスの早期整備についてお伺いします。 加須市では、多くの先人の御努力により、埼玉県済生会加須病院の整備が進んでおります。加須市全域からこの病院にアクセスするためには、南北をつなぐ県道北中曽根北大桑線の花崎踏切の渋滞を解消すること、同線に接続し東西をつなぐ久喜騎西線を早期に開通させることが必要になります。 特に、栗橋の方が近かった大利根地区や旧栗橋町は切実です。新病院を目指す際、県道北中曽根北大桑線を通り、東西に走る東武伊勢崎線を渡るわけですが、その花崎踏切は三十年来、交通渋滞が慢性化している踏切です。現道をオーバーブリッジにすることを再三、執行部に相談するも、色よい回答はいただけずにきました。一向に進まない状況を地域の方も分かってか、最近、市街地を避け、高速道路の側道を利用して東武線のオーバーブリッジを建設し、久喜騎西線のバイパスまで接続することで交通渋滞を解消する方法があると、要望の声が強くなっております。そこで、東武伊勢崎線周辺踏切渋滞対策の展望について、県土整備部長にお伺いします。 また、この県道北中曽根北大桑線に接続し、加須市南部を東西に結ぶ久喜騎西線バイパスは、急ピッチに工事が進んでいるように見受けられます。久喜騎西線バイパスの整備については、現在進めている区間で事業を終えるのではなく、西は羽生、行田を、東は久喜市内や大利根、旧栗橋との接続を念頭に延伸させていくことが必要だと考えます。少なくとも加須市の市街地を南北に通る道路への接続ではなく、容易に行き来がしやすい郊外の幹線道路まで接続しないと、渋滞を助長します。その点も踏まえ、県道久喜騎西線バイパスの整備の状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いします。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。(拍手起こる) ○田村琢実議長 五番 高橋稔裕議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 高橋稔裕議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねのうち、コロナまん延第二波への備えの医療機関やホテルへの責任者の方々との関係構築についてでございます。 新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制を構築するためには、患者の受入病床や宿泊療養施設の確保が必要不可欠です。医療機関やホテル事業者の皆様には、感染リスクや風評被害もある中で、多大なる御協力をいただき、約六百床の受入病床と約一千室の宿泊療養施設を確保することができました。この場をお借りいたしまして、御協力をいただきました全ての方々に感謝の意を表します。 約六百床の受入病床を確保した際には、私自らが病院長に直接電話等で要請をさせていただきました。また、大変な協力をいただいてきた県医師会や看護協会幹部の方々とは、日常的に連絡を取り合っております。さらに保健医療部長は、病院長や県医師会の役員の皆様と、病床確保だけでなく、新型コロナウイルス感染症対策の全般にわたり意見交換をしております。今後、仮に再び感染が拡大した際にも御協力いただけるよう、私や保健医療部長をはじめとする幹部職員が、日頃から医療機関やホテルの責任者の方々と顔の見える関係を構築してまいります。 次に、WITHコロナPOSTコロナの適地埼玉のお尋ねのうち、政治家としてのリーダーシップをどのように考えているのかについてでございます。 昨年、知事に就任して以来、豚熱や台風第十九号、そして今回の新型コロナウイルス感染症対策と、今までに例がない非常事態が続いています。新型コロナウイルスには、いまだ確固たるワクチンも治療薬もなく、新型インフルエンザ等対策特別措置法の想定から大きく外れ、対応を余儀なくされています。全ての県民や事業者の皆様の御協力を得て、そのような中で行動抑制などの対応を行わざるを得ませんでした。 このような全ての皆様の御協力を必要とする未知のウイルスと対じするとき、県庁のみならず、県民の皆様、事業者の皆様に進むべき方向をお示しし、一丸となっていただくために、先頭に立つ必要があると考えております。特にWITHコロナにおいては、外に出ない、人に会わないという接触機会の縮減から、外に出て人に会っても感染しない感染機会の縮減、新しい社会経済活動を県民の皆様とともに一丸となって取り組むための先頭に立ち、そしてその結果について責任は私が負うこととなります。 例えば、多くの事業者の協力をいただき、そこで働く方や消費者と一丸となって取り組む「彩の国『新しい生活様式』安心宣言」制度を全国に先駆けて創設しましたが、これを普及させる取組を先導した結果、多くの皆様の御協力をいただくことができました。今後ともWITHコロナにおける埼玉県知事としてのリーダーシップを発揮してまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問一、新型コロナウイルス感染症対策についての(一)コロナまん延第二波への備えについてお答え申し上げます。 まず、新規陽性者数が週百人以上となり、感染が再び拡大した場合の患者数、入院者数、病床の使用率についてでございます。 県では、再び感染が拡大し外出自粛の再要請を検討する時期の目安を、新規陽性者数が週百名以上としております。第一波では、三月三十一日から四月六日までの七日間で新規陽性者数が週百名以上となり、その翌日の四月七日に緊急事態宣言が発出され、外出自粛要請などの公衆衛生学的介入を行いました。このため、再拡大期も速やかに外出自粛要請を行うと想定し、第一波のこのタイミングにおける療養中の患者数を振り返ってみると、外出自粛要請を実施した四月七日は百八十三名であり、うち入院者数は百一名でございました。現状の考え方では、縮小期の確保病床数は二百四十床であり、これを当てはめた病床使用率は四二・一パーセントになります。 次に、感染が疑われる方が救急などで入院するとき、たらい回しにならない体制となるのかについてでございます。 議員御指摘のとおり、発熱、肺炎などの症状のある新型コロナウイルス感染症疑い患者の救急搬送が多く発生している状況にあり、搬送困難となる事例も多くなっております。そこで、県ではPCR検査体制を有し、疑い患者専用の入院病床を確保していただいた二次救急医療機関などを疑い患者受入医療機関として、五月二十五日から順次指定しているところでございます。この受入医療機関には、日々の空きベッドの情報を県に御報告いただき、その情報を日々救急隊が使用している救急医療情報システムに表示することで、疑い患者の搬送をスムーズに行えるようにしております。疑い患者受入機関の数は、制度開始当初は二十三医療機関百二十六床でございましたが、本日現在で三十四医療機関百七十二床まで拡大しております。 次に、再拡大期において、再拡大期の医療提供体制へとすぐさま移行していけるのかについてでございます。 第一波が収束した現在においては、既に確保した六百床を二百四十床まで縮小いたしますが、関係医療機関の病院長の皆様には、再拡大期の病床再確保のための御協力についても御理解いただいております。再拡大期では、二百四十床の病床使用率が五割となる百二十人以上が入院した場合に、公立・公的医療機関には三日間、民間医療機関には七日間で確保病床数を六百床に戻していただくよう要請することとしております。 さらに、百二十人の入院を待つことなく、例えば病床使用率が三割の八十人以上となった時点で、関係医療機関に対し六百床を確保する準備を促すこととしております。再拡大期において、感染者が倍増するまでにかかる日数である倍加時間を六日間といたしますと、入院患者数が百二十人から六百人に達するまでに十三日間を要します。そのため、七日間で二百四十床から六百床に移行するという要請は、十分な期間ではないかと考えております。 なお、現在、国から新たに示された考え方に基づき、ピーク時の患者数やピークに到達するまでの増加スピードを見込んだ上で段階的なフェーズを再設定し、各フェーズの確保病床数を推計する作業を進めております。新たな推計におきましても、現在の考え方と同様に、全てのフェーズに必要十分な病床数をしっかりと確保するとともに、フェーズが切り替わる前に医療機関に対し早めに病床確保の準備を促してまいります。 次に、検査体制についてでございます。 秋以降、インフルエンザの流行とともに増加する発熱患者を地域の診療所でしっかりと受け入れ、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者については、適切にPCRセンターにつなげていくことが大切です。このため、県医師会の協力を得ながら、地域の診療所の医師や医療従事者に対して、院内感染の防止や感染症患者の対応などについての研修会を実施しているところです。五月にはウェブ会議形式で約七百五十人の医療関係者の方に参加いただきました。今後も研修が必要な医師や医療従事者全てに行き渡るよう実施してまいります。 さらに、各医療機関におきましては、今議会にお願いしております補正予算案による補助金を活用して、診察室のレイアウト変更やオンライン診療のための機器の購入など、院内感染防止の環境整備を進めていただきます。こうした取組により、地域のかかりつけ医が安心して地域の患者をしっかりと受け入れる体制づくりを進めてまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問一、新型コロナウイルス感染症対策についての(二)失われた授業時間と学習内容についてお答え申し上げます。 まず、今年度、昨年度と同じ内容を学び切れるのかについてでございます。 長期の休業により、児童生徒には本当につらい思いをさせてしまいました。また、休業による学習の遅れにつきましては、保護者の皆様にも御心配をお掛けしております。議員御指摘のとおり、今年度は例年と比べ短い期間での学習となりますので、児童生徒の学習内容の定着具合に差が生じることが懸念されております。 そこで、現在、各学校では時間割編成の工夫、学校行事等の精選、夏季休業の短縮等により授業時間を確保し、児童生徒が年度内に当該学年の学習内容を学べるよう最大限の努力をしております。県といたしましては、教員の補助や補習等を行い、よりきめ細かい指導を実施するため、各公立小中学校及び県立高校に学習指導員を配置するための補正予算を今議会にお願いしているところでございます。このような取組をしっかりと行うことで、現時点では年度末までに当該学年の学習内容を学べるよう全力で支援してまいります。 次に、県全体として特例的な対応に踏み込むべきではないかについてでございます。 国の通知では、「学習内容の一部を次年度以降に先送りすること」や「学習の一部を家庭で行うなど、学校の授業を重点化すること」が示されております。こうした国の通知で示された内容は、授業時間を確保するために最大限の努力を行っても、指導を終えることが困難な場合の補完的な取組とされております。各学校が再開され、授業が始まったところでありますので、引き続き各市町村や各学校の状況を丁寧に把握しながら、どのような対応が適切か、注意深く検討してまいります。       〔高柳三郎公営企業管理者登壇〕 ◎高柳三郎公営企業管理者 御質問一、新型コロナウイルス感染症対策についての(三)地域整備事業会計の現預金の活用についてお答え申し上げます。 企業局では、産業の振興や地域の活性化等を図るため地域整備事業会計を設け、産業団地の整備等を進めているところでございます。産業団地の整備は、国庫補助金のような特定財源がないため、全て企業局の自己資金により事業を進めることとなります。 産業団地を整備する場合、事業開始当初から用地買収費や造成工事費など多額の資金が必要となります。一方、分譲地の引渡しは、造成工事を完了した後となるため、収入は事業の最終段階まで見込めません。このようなことから、産業団地の整備に当たりましては、十分な自己資金を確保した上で進めていくことが必要でございます。 さきの四月臨時議会では、地域整備事業会計から一般会計に百億円を貸し付ける内容の補正予算を御議決いただきました。この補正予算につきましては、現在進めている産業団地の整備に直ちに影響を及ぼさないこと、さらには新型コロナウイルスへの対策に県庁がワンチームで取り組む必要があることから、対応したところでございます。 今後の産業団地の整備は、新型コロナウイルス後の県内経済の動向や民間企業の設備投資意欲なども踏まえ進めていく必要がございます。新型コロナウイルスの第二波への対応として必要があった場合は、産業団地の整備や企業への分譲の状況等を勘案しながら、財政当局と協議してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問二、水害対策についてお答え申し上げます。 まず、(一)大規模水害防止に向けた利根川・荒川の堆積土砂対策についてでございます。 国が管理する利根川や荒川において堤防が決壊した場合、浸水が本県の広範囲に及ぶと想定されることから、これらの河川の整備は極めて重要であると認識しています。これまで利根川や荒川においては、河道掘削や築堤、堤防強化のほか、上流ダム群や調節池など様々な手法を組み合わせ、上下流バランスに留意しながら治水安全度の向上が図られてまいりました。 現在、国において「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」を平成三十年度から実施しているところであり、この一環として利根川では、加須市などで河道掘削や堤防強化などが集中的に進められています。また、荒川においても、さいたま市などで築堤や荒川第二・三調節池事業などが進められております。 県といたしましては、三か年緊急対策以降も引き続き、河道掘削や堤防強化、築堤、調節池など、本県の治水安全度の向上に資する事業が推進されるよう、あらゆる機会を通じ、国に要望してまいります。 次に、(二)住民を浸水・冠水から守る中小河川の堆積土砂対策のうち、これまでの河川の維持管理の取組と今後の進め方についてでございます。 県では、堤防や河道の状況などを把握するため、定期的な点検を実施しております。点検の結果、河道内の堆積土砂や樹木などが川の流れを著しく阻害している場合には、堆積土砂の撤去や樹木の伐採を行ってまいりました。 河川の維持管理については、河川の持つ流下能力が継続的に発揮できることが重要と考えております。今後も、土砂の堆積状況や樹木の繁茂状況、護岸の破損状況などを早期に把握し、しゅんせつや伐採など必要な措置を行い、適切な河川の維持管理に努めてまいります。 次に、緊急浚渫推進事業の実施予定についてでございます。 この事業は、大規模な浸水被害が相次ぐ中、河川に堆積した土砂の撤去や樹木の伐採を地方公共団体の単独事業として実施できるよう、令和二年度から令和六年度までの特例措置として創設されたものです。実施に当たっては、氾濫による人家への影響など優先度が高い箇所から順次進めてまいります。令和二年度は新芝川や新河岸川など二十七河川において着手してまいります。それ以外の河川についても、現在、点検調査を進めており、積極的にこの事業を活用し、県管理河川の治水安全度の向上を図ってまいります。 次に、御質問五、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)羽生栗橋線バイパスの整備についてでございます。 県では、加須大利根工業団地付近から野中土地区画整理事業地内までの約三・三キロメートル区間のバイパス整備を進めております。これまでに加須大利根工業団地付近から県道砂原北大桑線までの約一・四キロメートル区間の整備が完了しております。現在、県道砂原北大桑線から市道一二八号線までの九百二十メートル区間について整備を進めており、平成二十九年度に用地買収が全て完了し、令和元年度は県道砂原北大桑線との交差点設計を実施いたしました。この区間の供用開始に向けては、接続する市道に一部狭い箇所があることから、加須市が道路拡幅に着手しており、その見通しが立ち次第、工事を進めてまいります。 また、市道一二八号線から久喜方面への未整備区間につきましては、事業中区間の進捗状況を勘案しながら事業着手の時期を検討してまいります。 次に、(二)大桑交差点の交通渋滞の解消についてでございます。 大桑交差点をはじめ、県道加須幸手線の渋滞解消を図るため、加須市内の国道一二五号から幸手市内の国道四号までの約九キロメートルの区間において、四車線のバイパス整備を進めております。これまでに県道さいたま栗橋線の東側区間と二つの工業団地内の区間を合わせた約六・六キロメートルが開通しており、残る加須市の大桑工区と久喜市の鷲宮工区において事業を進めております。 大桑工区につきましては、約五割の用地買収が完了し、残りの用地取得が難航している状況でございます。令和元年度に地元の皆様との話合いが再開され、バイパス開通後の騒音など環境への懸念や農地の排水対策、市道との交差方法について意見や要望を伺っております。令和二年度は地元の要望に対応するため、環境調査や通学路の安全対策を踏まえた道路構造の検討を進めてまいります。今後も地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら用地取得を進め、バイパスの早期整備に取り組んでまいります。 次に、(三)東武伊勢崎線花崎踏切の渋滞対策と久喜騎西線バイパスの早期整備についてでございます。 御質問の花崎踏切は、過去に土地区画整理事業で計画的に宅地や道路が整備された区域内にあり、県道と鉄道を立体交差させる計画はございません。 なお、花崎駅西側には、加須市が整備した花崎陸橋がございますが、更なる踏切の渋滞対策につきましては、地元加須市と研究してまいります。 また、県道久喜騎西線のバイパスにつきましては、現在、県道北中曽根北大桑線から市道一四八号線までの約三・九キロメートル区間で整備を進めております。このうち、県道加須菖蒲線から市道一四八号線までの約一・二キロメートル区間は、済生会加須病院の開業に合わせ、令和三年度までに順次供用できるよう重点的に整備を進めているところです。今後も地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、工事中区間の早期完成に取り組んでまいります。 また、事業区間の延伸につきましては、令和元年度に市道一四八号線から県道礼羽騎西線までの約一・三キロメートル区間の路線測量を実施いたしました。今後は事業中区間の進捗状況を勘案しながら、事業着手の時期などを検討してまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問三、WITHコロナPOSTコロナの適地埼玉についてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、新しい生活様式により、働き方をはじめとしたライフスタイルの変化が求められる中、テレワークは今後更に普及していくものと考えられます。自宅でテレワークを行いながら、必要に応じて職場に出勤するという働き方の普及は、生活インフラと交通網が整備され自然豊かな本県にとって、移住を促進する上で当面有利になるものと思われます。 そこで、これをチャンスと捉え、今年度、移住施策の一つとして制作する予定の動画の中で、テレワークの普及に伴い、東京都から埼玉県に移住した人を描くことといたしました。この動画は、自然豊かでゆとりのある本県での暮らしと都心へのアクセスの良さを前面に出してPRする予定であり、ホームページ上で公開するほか、「テレワーク」と検索すると、SNS上に動画が表示されるウェブ広告を導入します。 一方、移住先として選ばれるためには、暮らしやすさを高めるための取組を行い、地域の魅力そのものを更に向上させていくことも重要です。例えば狭山市は、「自然を感じながら子育てができるまち」として、入間川河川敷に桜並木や彼岸花などの季節の花や富士山の眺望が楽しめる、遊びと憩いの空間整備を行っています。また、北本市では「きっと満足 こどもと住むまち」を掲げ、親子連れがカフェでの食事や地元野菜の買物を楽しめるキッズスペース付きの産業交流施設の整備を行い、魅力向上に取り組んでいます。県では、こうした市町村の魅力ある地域づくりを、国の地方創生推進交付金等の活用促進やふるさと創生資金の助成などにより、財政的に支援してまいります。 今後とも、新しい生活様式に伴う変化に的確に対応するとともに、地域特性を生かした移住施策に、市町村と連携して積極的に取り組んでまいります。       〔強瀬道男農林部長登壇〕 ◎強瀬道男農林部長 御質問四、水田地帯の農業の発展に向けてについてお答え申し上げます。 まず、「人・農地プラン」の取組はどの程度進んでいるのかについてでございます。 人・農地プランの取組は平成二十四年度から始まり、主に農地の受け手となる担い手の意向を踏まえたプランづくりを進めてまいりました。令和元年度からは、農地の出し手となる農地所有者の今後の具体的な意向を明記するなど、実効性あるプランとなるよう見直しを推進しています。 現在までに、農業振興地域を有する全ての五十三市町村において、市街化区域を除く農地の約八割をカバーする五百十四地区で話合いが進められ、既に百四十六地区でプランが見直され、残りの三百六十八地区についても、今年度中に見直しが行われる予定となっています。 次に、水田地帯の特性を踏まえた、もうかる担い手の育成、もうかる農業経営についてどう考えるかでございます。 近年、県内各地の水田地帯において、米や麦などの大規模経営を行う担い手が出てまいりました。例えば、幸手市の農業法人は年々規模を拡大し水稲九十ヘクタールを、熊谷市の農業法人は水稲六十三ヘクタールと小麦八十七ヘクタールを栽培して、もうかる農業経営を実現しています。このような例を各地域における人・農地プランの話合いの場で紹介するなどし、規模拡大を目指す担い手が人・農地プランに参画するよう後押ししてまいります。 こうした担い手が水田地帯においてもうかる農業経営を実現するためには、農地を集積・集約化し、経営規模を拡大するなど生産性を高めることが必要です。このため、農地中間管理事業を推進するとともに、農業機械を導入する国の補助事業の活用などを支援してまいります。 また、大規模経営を行う上では、経営に必要なノウハウを身に付け、経営力を高めることも重要です。平成二十九年度から財務や労務管理などを体系的に学ぶ埼玉農業経営塾を開設するとともに、税理士や社会保険労務士などの専門家と連携し、農業経営の法人化やその後の経営発展を支援しております。こうした施策を実施することにより、水田地帯においてもうかる農業経営が実現できる担い手の育成を図ってまいります。       〔五番 高橋稔裕議員登壇〕 ◆五番(高橋稔裕議員) 一の(二)失われた授業時間と学習内容について再質問をさせていただきます。 答弁では、把握を進めるとのことでした。私は、学年の最後に「学び切れなかった」では子供たちがかわいそうだと申し上げました。早急にお願いしたいと思います。把握や検討や調査するに当たって、学校の先生に、校長先生に「勉強を教え切れますか」と聞いても、「教え切れます」としか当然言いません。 調査等を行うときの一般的な注意点として、調査される側の、今回の場合は各教育委員会や学校教職員ですね、評価や名誉に関わるものは実態を申告しないという、調査設計をする上での初歩の初歩があります。その点を御考慮いただいた上での検討になりますでしょうか。併せて、現場に負担が掛かるような検討の仕方になりませんでしょうか。その二点、御留意いただけるか、お伺いさせてください。(拍手起こる) ○田村琢実議長 五番 高橋稔裕議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 高橋稔裕議員の御質問一、新型コロナウイルス感染症対策についての(二)失われた授業時間と学習内容についての再質問にお答え申し上げます。 答弁の中でも申し上げましたけれども、長期の休業にわたり学習の遅れが出ていることについて、児童生徒並びに保護者の皆様には、大変御心配をお掛けして申し訳なく思っております。 現在、市町村教育委員会並びに各学校では、失われた時間数をどうやって回復するかということについて検討し、例えば夏休みを短くするでありますとか、時間割の工夫をするでありますとか、様々な工夫をしながら全力で教育活動に当たっているところでございます。 今後、学習の遅れの回復が本当にできるのかということについて、どのように実情を把握するのかとのお尋ねでございました。把握に当たりましては、議員の御指摘を踏まえまして、実態がきちんと把握できるような形にしてまいりたいと思いますし、その際、教職員あるいは保護者の皆様などの負担にならないように、十分留意しながら把握に努めて、把握した上で、しっかりと丁寧に教育活動の回復に努めてまいります。          ---------------- △次会日程報告 ○田村琢実議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十四日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○田村琢実議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時七分散会          ----------------...