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  1. 埼玉県議会 2019-12-01
    12月12日-06号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 1年 12月 定例会十二月定例会  第十一日(十二月十二日)令和元年十二月十二日(木曜日)第十一日 議事日程 一 開議  午前十時 二 監査結果報告(埼玉県県央地域振興センターほか二十八か所) 三 陳情の報告 四 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    三十七番  横川雅也議員 五 議員提出議案の報告、上程    議第三十二号議案 六 提案説明    議第三十二号議案の提案者代表 二十四番 美田宗亮議員 七 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問(続行)    三十九番  岡田静佳議員    六十九番  中屋敷慎一議員 八 議第三十二号議案に対する質疑 九 第百三号議案~第百二十六号議案及び議第三十二号議案並びに請願の各委員会付託 十 次会日程報告    十二月十三日(金)、十七日(火)、十九日(木) 議案調査    十二月十四日(土)、十五日(日) 休日休会    十二月十六日(月)~十八日(水) 委員会    十二月二十日(金) 午前十時開議、委員長報告、質疑、討論、採決 十一 散会          ----------------本日の出席議員    九十二名         二番  岡村ゆり子議員         三番  平松大佑議員         四番  柿沼貴志議員         五番  高橋稔裕議員         六番  逢澤圭一郎議員         七番  山口京子議員         八番  千葉達也議員         九番  渡辺 大議員         十番  松井 弘議員        十一番  高木功介議員        十二番  深谷顕史議員        十三番  白根大輔議員        十四番  町田皇介議員        十五番  秋山もえ議員        十六番  八子朋弘議員        十七番  杉田茂実議員        十八番  江原久美子議員        十九番  中川 浩議員        二十番  宮崎吾一議員       二十一番  関根信明議員       二十二番  木下博信議員       二十三番  藤井健志議員       二十四番  美田宗亮議員       二十五番  吉良英敏議員       二十六番  松澤 正議員       二十七番  橋詰昌児議員       二十八番  辻 浩司議員       二十九番  東間亜由子議員        三十番  守屋裕子議員       三十一番  松坂喜浩議員       三十二番  並木正年議員       三十三番  石川忠義議員       三十四番  宇田川幸夫議員       三十五番  浅井 明議員       三十六番  飯塚俊彦議員       三十七番  横川雅也議員       三十八番  内沼博史議員       三十九番  岡田静佳議員        四十番  細田善則議員       四十一番  永瀬秀樹議員       四十二番  安藤友貴議員       四十三番  山根史子議員       四十四番  井上将勝議員       四十五番  前原かづえ議員       四十六番  秋山文和議員       四十七番  井上 航議員       四十八番  岡 重夫議員       四十九番  醍醐 清議員        五十番  日下部伸三議員       五十一番  小久保憲一議員       五十二番  立石泰広議員       五十三番  新井 豪議員       五十四番  荒木裕介議員       五十五番  岡地 優議員       五十六番  白土幸仁議員       五十七番  小川真一郎議員       五十八番  権守幸男議員       五十九番  萩原一寿議員        六十番  水村篤弘議員       六十一番  高木真理議員       六十二番  村岡正嗣議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  武内政文議員       六十五番  中野英幸議員       六十六番  須賀敬史議員       六十七番  新井一徳議員       六十八番  梅澤佳一議員       六十九番  中屋敷慎一議員        七十番  木下高志議員       七十一番  諸井真英議員       七十二番  杉島理一郎議員       七十三番  齊藤邦明議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  山本正乃議員       七十七番  木村勇夫議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  神尾高善議員        八十番  岩崎 宏議員       八十一番  高橋政雄議員       八十二番  田村琢実議員       八十三番  小林哲也議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  浅野目義英議員       九十三番  田並尚明議員 欠席議員    一名         一番  金野桃子議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   奥野 立  副知事   飯島 寛  副知事   石川英寛  企画財政部長   北島通次  総務部長   小島康雄  県民生活部長   森尾博之  危機管理防災部長   小池要子  環境部長   知久清志  福祉部長   関本建二  保健医療部長   加藤和男  産業労働部長   牧 千瑞  農林部長   中村一之  県土整備部長   和栗 肇  都市整備部長   上木雄二  会計管理者   立川吉朗  公営企業管理者   岩中 督  病院事業管理者   砂川裕紀  下水道事業管理者   小松弥生  教育長   高木紳一郎 警察本部長             発言(質問)通告書  十二月十二日(木)議席番号 氏名      要旨 答弁者三十七番 横川雅也議員  1 知事公約と今後の施策展開について 知事             2 台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策について              (1) 災害対策本部埼玉版FEMAの機能と役割について 知事              (2) 被災市町村支援と職員派遣について 危機管理防災部長              (3) 損壊した河川、道路及び農業施設の復旧について 県土整備部長 農林部長              (4) 市町村緊急支援事業の活用について 企画財政部長              (5) 被災者支援システムの共用化について 危機管理防災部長             3 学校におけるICT環境整備の促進について 教育長             4 パーキングパーミットの導入、普及について 福祉部長             5 地元問題について 県土整備部長              (1) 都幾川に架かる鞍掛橋周辺の再生について              (2) 県道日高川島線の拡幅整備について              (3) 東松山ICへのアクセス道路の再整備について三十九番 岡田静佳議員  1 知事公約と今後の施策展開について 知事             2 都営大江戸線の東所沢駅までの延伸について 知事             3 多摩都市モノレールの所沢までの延伸について 知事             4 東京オリンピックパラリンピックの活性化について              (1) 子供の参加について 県民生活部長              (2) 外国人向けサイトの整備について 産業労働部長 県民生活部長              (3) 外国人に向けた狭山茶のPR促進について 農林部長             5 県営住宅の子供の貧困対策について 福祉部長             6 女性特有の病気への対策について 保健医療部長 産業労働部長             7 医師確保に関する大学等との連携について 保健医療部長             8 高速道路の混雑緩和について 県土整備部長             9 所沢航空記念公園の利便性向上について 都市整備部長             10 都市計画道路飯能所沢線と東京狭山線の整備について 県土整備部長六十九番 中屋敷慎一議員 1 知事公約と今後の施策展開について 知事             2 災害対応に係るタイムライン・マイタイムラインの策定について 県土整備部長 危機管理防災部長             3 県立近代美術館などの美術品や文化財の水害対策について 教育長             4 コウノトリも生きられる環境を未来へとつなごう 環境部長             5 ものづくり人材の更なる育成について 産業労働部長             6 「しんぶん赤旗」の県職員勧誘問題について 総務部長             7 ラグビーワールドカップの経験をオリンピック・パラリンピックに生かそう 県民生活部長             8 地元問題について 県土整備部長              (1) 県道鴻巣桶川さいたま線の鴻神社前交差点の整備について              (2) 県道行田蓮田線郷地橋交差点と歩道の整備について          ----------------午前十時一分開議 出席議員    九十二名     二番    三番    四番    五番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十七番  四十八番  四十九番    五十番  五十一番  五十二番  五十三番   五十四番  五十五番  五十六番  五十七番   五十八番  五十九番   六十番  六十一番   六十二番  六十三番  六十四番  六十五番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番  七十九番   八十番  八十一番   八十二番  八十三番  八十四番  八十五番   八十六番  八十七番  八十八番  八十九番    九十番  九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    一名     一番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △開議の宣告 ○神尾高善議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △監査結果報告(埼玉県県央地域振興センターほか二十八か所) ○神尾高善議長 この際、報告をいたします。 監査委員から埼玉県県央地域振興センターほか二十八か所に対する監査結果の提出がありましたので、御報告いたします。〔参照-(一六一)ページ〕          ---------------- △陳情の報告 ○神尾高善議長 次に、前定例会から今定例会までに提出された陳情につきましては、一覧表をお手元に配布しておきましたので、御了承願います。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○神尾高善議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 三十七番 横川雅也議員       〔三十七番 横川雅也議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十七番(横川雅也議員) おはようございます。議席番号三十七番、西第十二区、東松山市、川島町、吉見町より選出いただいております自由民主党議員団の横川雅也でございます。 本日、一般質問の最終日となりますけれども、登壇の機会をいただき感謝申し上げます。ありがとうございます。 また、本日は、私の地元東松山市、川島町、吉見町をはじめ、各地より日頃大変お世話になっております支援者の皆様方においでいただきました。感謝申し上げます。 大野知事をはじめ執行部の皆様には県民のために、県政発展へ向けた県民目線の前向きな御答弁をよろしくお願い申し上げます。 それでは、神尾議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして、私の県政に対する一般質問を順次行わせていただきます。 初めに、大項目一番、知事公約と今後の施策展開について伺います。 十月十二日から十三日にかけて日本各地に猛威を振るった台風十九号。今日で発災からちょうど二か月がたちました。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様方には心からのお見舞いを申し上げます。 埼玉県における台風十九号の被害は、河川の決壊や越水などにより死者四名という尊い命が失われる人的な被害があったほか、住宅家屋では全壊が百三十二棟、半壊四百十二棟、さいたま市や川越市、坂戸市、東松山市などを中心に床上浸水二千三百六十棟、床下浸水三千二百八十一棟、その他広範囲にわたる停電や農業・商業施設被害、国・県・市町村管理道路の路面崩落や損壊、土砂崩落など様々な施設や住居など県民の生活に大きな影響、被害を及ぼしました。知事にも御視察いただきましたが、国や県管理の都幾川、新江川の決壊をはじめ複数の河川氾濫により、私の地元でも浸水被害が広範囲に及びました。 特に東松山市の被害は深刻で、床上浸水による家屋の全壊百九棟、半壊三百二十四棟と県全体の全半壊棟数の約八割が東松山市での被害となりました。加えて、大型の商業施設や中小・小規模事業所、また、農作物や農業機械、施設などにも大きな被害を受けました。 私自身、発災翌日の朝から連日、被災地域を回りながら状況の把握とボランティア活動を繰り返す毎日を過ごす中で、危機管理と組織体制づくり、また、各組織の機能性、連携力といった重要な課題と向き合う日々でもありました。ボランティアでお越しいただいた議員の皆様方もたくさんいらっしゃいます。大変ありがとうございました。 被災者の中には生活の柱となる仕事と住居を同時に奪われ、泣き崩れる方々もいらっしゃいました。変わり果てた景色を目にする毎日、自然災害の脅威を目の当たりにし、ふだん言葉にしている生活というものがいかに尊く、そして大きなものであるかを思い知る日々となりました。被災者の方々はつらい現実と向き合い、いち早い復旧・復興、生活再建を願い、行政の支援を待っています。 甚大な被害を受けた埼玉県にとって、危機管理並びに災害対応は、今真っ先に問わなければならない重要な問題です。そこで、知事公約と今後の施策展開とを照らし合わせながら危機管理、そして災害対応について知事の考えを伺ってまいりたいと思います。 知事の公約の中から、埼玉版FEMAに焦点を当てて質問いたします。 FEMAとは、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁のことで、危機管理に関する各省庁を統合し、運営されるものとされています。かなり大きなスケールの組織ですが、この埼玉版の組織化を大野知事は公約に掲げられました。 九月定例会では、我が自由民主党県議団飯塚俊彦議員がFEMAについて知事に問いました。その際、知事は、「本県がいつ災害に見舞われてもおかしくない状況であると考えている。千葉県で甚大な被害を及ぼしたさきの台風十五号が関東に接近した際には、災害の発生に備えて直ちに対応できるような体制を整えていた」と答弁されましたが、答弁から九日後に本県は台風十九号による大きな災害に見舞われてしまいました。災害の発災に備えて、直ちに対応できるような体制を整えていたという県の災害対応が適切だったのか疑問があります。 さらに、この十二月定例会に向けてお示しいただいた知事公約の工程表についても具体性を欠く内容であります。工程表では今年からシナリオモデルの検討、また、来年度からは災害ごとのシナリオの作成、見直しを行いながら、シナリオに沿った図上訓練を行うことになっています。また、協定締結事業者との強固な連携の推進、こちらは今年から継続して行うことになっています。シナリオの検討や作成、図上訓練などを積むことは必要でありますが、一番は有事の実践対応にほかなりません。当然ながらも、これまでもシナリオはあったはずです。台風十九号では、これまでの図上訓練やシナリオに沿った既存の協定団体との組織連携は行えなかったのでしょうか。 災害時応援協定について現状を調べたところ、現在二百二十三分野の協定が存在し、そして団体数は四百四十三団体もあります。そもそもこの協定は台風十九号の際にどれほど生かされたのでしょうか。そして、どれだけ県から協定団体へ働き掛けを行い、どれだけの分野、団体が実際に協定に沿った支援をしていただいたのか。県からの支援の依頼が適切であったかについても疑問です。シナリオどおりにいかないのが被災地の現実であることは、全国各地での災害経験からも明らかです。シナリオは備え、また、訓練の一環として発災時にはやはり現場で見て対応判断、即実践に移すことが何よりも必要であると考えます。 そこで、知事に伺います。 質問の一点目、埼玉版FEMAで作成するシナリオ、また、シナリオごとの組織連携やブラインド演習、協力団体との連携強化はこれまでも県で行っていたはずです。埼玉版FEMAではどのような発展があるのか、これまでのシナリオごとの組織連携体制との違いを具体的にお示しください。 また、知事は、専門的な知識や能力を有する様々な官民の機関、そして組織を連結させていくことが必要だとされておりますけれども、どのような機関、組織なのかお聞かせください。さらに、現在シナリオの検討を行っているプロジェクトチームの人員構成についても具体的にお聞かせください。 質問の二点目、埼玉版FEMAが組織され、シナリオごとの図上訓練など工程表にある取組を実際に行っていたとしたら、どのような組織連携が発揮され、台風十九号の発災による被害や、その後の被災者、被災自治体への支援にどのような具体効果があったのか、知事のシナリオをお聞かせください。 質問の三点目、埼玉版FEMAは一体いつ組織されるのでしょうか。埼玉版FEMAの工程表には重要な組織の立上げの時期が抜けています。これでは工程表の意味を成さないことは、これまでも多くの議員からの御指摘がございました。埼玉版FEMAはいつ立ち上げるのでしょうか。知事からFEMAの立上げの時期について明言をいただきたいというふうに思います。 以上三点、知事に御答弁をお願いいたします。 次に、大項目二番、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策について伺います。 初めに、小項目一番、災害対策本部埼玉版FEMAの機能と役割について知事に伺います。 これまでの災害対応は、災害対策本部を中心に被害状況の把握や被害に応じて市町村への支援内容を明らかにするとともに、国や県の関係機関などへの働き掛けや被災自治体との情報の共有、事務作業の支援として職員派遣などが主であったと思います。しかしながら、FEMAが立ち上がった際の県の災害対応の機能は、災害対策本部なのかFEMAなのか、どこが果たすのかが不透明であります。 ちなみに、知事の言われるこのFEMAという組織は、ブッシュ大統領時代の組織改編でアメリカ国土安全保障省に編入され、危機管理能力の向上が期待されたものの、逆に指揮系統が混乱し、二〇〇五年に相次いだハリケーン災害での政府の対応が遅れたといった組織的な問題が報道されました。埼玉県においても指揮系統の混乱が懸念されます。 そこで、伺います。災害対策本部とFEMAの組織的な位置付け、関係性はどのようになるのか、また、それぞれの機能や役割の違いについてお聞かせください。 二点目、そしてFEMAの組織の長、統括は誰が担うのか。知事公約策定の段階で誰が長を務めることを想定していたのか、知事にお伺いいたします。 次に、小項目二番、被災市町村支援と職員派遣について伺います。 被災自治体への職員派遣などの状況について、県や被災市町村から直接伺いました。県としては、県も台風十九号の被災県であり、それぞれの職員にも役割があるため、被災市町村に同一の職員を派遣し続けることは困難であるとのことでありました。また、県の職員は超過勤務はできない、土日の勤務もできないということが多くあって、市町村職員と歩調を合わせた共同作業をすることができず、補助的な位置付けとならざるを得ない状況であったとのことで、市町村と県の意識的なかい離が見られました。広域自治体である県の役割とは一体何なのか。埼玉県ではこれまで幸いにして大きな災害の経験が少ないことから、発災後の対応に関するノウハウの蓄積が県及び各市町村ともに総じて不十分であったという印象が強くあります。 他県も含め被災した市町村から、私が調べた県に求める意見をここで御紹介させていただきます。以下のことが指摘されています。 一点目、発災後の予算対応や財源に関する情報の不足。 二点目、補正予算を作成する上で相談したが、県のどこの部局が対応するのか分からなかった。 三点目、過去に大きな災害があった都道府県のノウハウがあれば、適時適切に市町村を支援できたのではないか。 四点目、災害救助法の事務は早急な対応が必要であるが、災害救助法の適用の通知後の情報や支援が不足していた。 以上のように、被災市町村としては、被害状況の共有からその後の事務手続き全般にわたって県からの支援強化を求めています。県民本位、県民が主語、現場主義を貫くという知事の考えを実践に変えていくためにも今回の災害を教訓に、発災後どの時点でどのような対応が必要なのかを検証し、混乱している市町村にどのような支援ができるのか、各部署で検討する必要があると考えています。 お伝えしたように、一番の課題は、県のその視点がどこにあるのかです。県は市町村の要請に基づいた支援にとどまるのか、それとも県民を支援するため県が主体性を持って市町村とともに災害支援の業務に当たるのか。全ては県土内で発生した災害であります。県が主体的、積極的な姿勢で対応に当たるべきだと考えます。県職員の派遣などで対応が困難であるならば、民間の専門的組織の人員を統括的な災害対応コーディネーターとして派遣するなど、別の手段で市町村支援のための人員を確保する準備と姿勢が必要であったと思います。 国からの災害支援のメニューも幅が広がり、変化する中で、補助申請などの事務的手続や対象となる被害の枠、対象者を迅速に確認しながら、国と県、市町村との間に立つことができる人材の派遣を被災自治体は望んでおり、災害時に市町村に派遣できる災害コーディネーターの確保は、災害時市町村支援の強化に大変有効であると考えます。 もう一つ、被災自治体での大きな課題は、申し上げた人的な不足に加え、被災地では被災者に正確な情報が行き届かないという点であります。被災市町村は様々な対応に時間を割かれ、被災者支援へ向けた情報の提供に手が回らず、結果、被災者は先行き不透明な不安な時間を過ごす状況が続くのであります。 特に高齢者の情報不足は深刻な課題です。日常から情報端末を使う若い世代とは異なり、高齢者の情報取得の手段は限定的であり大きな課題です。広域自治体である県として災害時における被災地区への効果的な情報提供の在り方を研究し、県及び市町村からの情報を被災者へ行き届けるための対策を見出し、県内市町村と共有する必要があると考えます。 そこで、提案させていただいた災害コーディネーターの派遣や被災者への情報提供の在り方を含めた災害時における市町村支援と職員派遣の改善点及び効果的な手段について、県の主体的な考え方を危機管理防災部長にお伺いいたします。 質問の三番、損壊した河川、道路及び農業施設の復旧について、次に伺います。 県内で計約一万三百十七ヘクタールの浸水が発生、県管理河川からのいっ水・越水五十五か所、決壊二か所、これらの影響から道路や堤防の損壊、橋りょうの損壊など多くの被害が出ました。農林業でも浸水などによる農作物被害やパイプハウスの倒壊、農業機械の破損など農林業施設の被害、用水路や農道などの農業基盤施設にまでも被害が及びました。現在でも道路損壊による生活道路の通行止めが解消されていない箇所もあり、生活や観光やそして産業など、多方面に支障を来しております。出水期は過ぎても地震などの災害はいつ起こるか分からず、損壊のあった河川、道路などで二次的災害を生む可能性もある状況です。河川、道路の本格的な復旧、改良工事の早期着手が望まれます。 また、農林業を営む方の中には、苦しい経営状況のさなかの大規模な災害に再開を諦める方も出てきています。国や県、市町村管理の枠を越えていち早く復旧、改良工事の時期を明確にし、工事に着手するとともに、再建へ向けたきめ細やかな支援と被災者への確かな支援情報の提供が望まれます。 そこで、伺います。損壊のあった河川、道路の復旧のめどについて、工事着手、完了時期については全ての箇所についてめどが立っているのか、県土整備部長にお伺いいたします。 また、用水路や農道等の農業施設についても地域団体への助言、指導も含め、復旧に向けた県の支援について、農林部長に答弁をお願いいたします。 小項目四番、市町村緊急支援事業の活用について伺います。 市町村が台風十九号被害の復旧の一環として取り組んでいる事業については、ほかに財政的な支援がなく特別交付税でも措置がなされない事業については、市町村緊急支援事業費補助金交付要綱に基づく補助金の活用が考えられます。この補助金は要綱に基づいて交付決定されますけれども、補助対象事業、補助金額等は事例により個別に定めるとされており、これまで平成二十五年度の竜巻による集会所の修繕として越谷市及び松伏町、平成二十七年度の台風による集会所の修繕として松伏町にそれぞれ交付した実績があります。私の地元を例にしても規模によっては地方債を充当するなど様々ですが、それでも全壊した集会所の修繕など対象となり得るものが複数あります。 こうした復旧事業についても、この市町村緊急支援事業を活用して市町村を支援すべきと考えますが、企画財政部長の見解をお伺いいたします。 小項目五番、被災者支援システムの共用化について伺います。 大規模災害が発生した場合、税、住宅、保険料、災害見舞金、生活再建支援金、住宅の消毒や衛生管理など多くの行政部門が被災者と関わるため、刻々と変化する被災者の状況を把握するとともに、様々な支援制度の利用状況や生活再建に向けた相談の記録などを一元的に管理することが極めて重要です。実際に台風十九号による被害発生後、システムベンダーとの協定に基づき提供されたシステムを活用し、被災者情報の一元化を図っている市町村もあります。 被災者支援システムは、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県内の自治体において開発されたシステムであり、被災者台帳の作成から被災者証明書、り災証明書の発行、各種義援金の配布など災害発生直後から必要となる情報を共有、管理できるものです。しかしながら、安定的な稼働には幾つかの課題もあり、改善が必要な状況です。 災害が頻発する昨今の状況を踏まえると、かかるシステムの確保や運用が個々の市町村の対応に委ねられている状況は、早急に解決すべき課題であると考えています。ついては県内市町村が共用可能で、セキュリティやバックアップの体制など稼働環境が十分に確保された被災者支援システムの構築を要望します。 被災者支援システムを県内各市町村で着実かつ安定的に利用できるよう、共通システムの開発、普及を図ることについて、県で構築を進めている自治体共同クラウド上での活用を含めて進めるべきと考えますが、県の見解を危機管理防災部長に伺います。 以上、小項目五点についてそれぞれ御答弁をお願いします。 次に、大項目の三番、学校におけるICT環境整備の促進について御質問いたします。 一般社会のデジタル化が大きく進み、学校現場でのICT環境を充実させる必要性が高まっています。ICT教育は多くのメリットがあり、次世代の教育現場の柱とも言えます。子供の学びへの興味関心を引き、主体的に学ぶ力を育み、学習内容の理解を深くする。一人一人がPC端末を利用することで一斉授業と異なり、個々の理解度や関心に応じ、誰一人取り残すことのない個別最適化された学びが実現できること。課題については、本年六月に国で「学校教育の情報化の推進に関する法律」が成立し、学校教育の情報化の推進が法律で義務付けられ、ICT活用促進を本格化しており、さらに予算面においても年間一千八百五億円、標準的な一校当たりで四百万円から六百万円程度の地方財政措置が講じられています。しかしながら、各自治体の整備が進んでいないという状況です。 そこで、以下二点、教育長に質問ですが、まず一点目に、学校でのICT環境整備の方針について伺います。 現在、公立学校でのICT環境の整備状況は、全国平均は児童生徒五・四人にPC一台であり、国の整備計画では「三人に一台を目指す、最終的には一人に一台が望ましい」とされています。ところが埼玉県には三人に一台どころか、全国ワースト一位の愛知県と同等の七・四人に一台の割合です。最も導入の進んでいる佐賀県が一・八人に一台ですので、埼玉県はかなり後れをとっている状況です。 そこで、埼玉県でも国の整備方針を踏まえ、市町村における導入事例を調査し、小学校、中学校、高校と一連の流れの中でICT環境の整備が進むよう、県が高校のみならず市町村へのICT環境整備を促していくべきと考えますが、御所見を伺います。 次に、二点目、教員のICT教育への対応力の向上についてです。 教員の中には多忙な中、ICT教育に対して不安を持つ方もいる可能性があります。教員のICT教育への対応力の向上に向け、具体的な取組が必要と考えますが、いかがでしょうか。県では現状、具体的な取組を行っているのか、また、教員のICT教育への対応力向上へ向けた県の方針をお聞かせください。 次に、大項目の四番、パーキングパーミットの導入、普及についてお伺いいたします。 公共施設やショッピング施設などで出入口付近に車椅子のマークが描かれた駐車区画、障害者等用の駐車区画のことですが、こうしたスペースの利用者に許可証を発行するというのがパーキングパーミット制度です。駐車許可制度と言い換えることができます。もともと公共施設、ショッピングセンターなどにおいて、車椅子を御利用の方、障害をお持ちの方、妊産婦の方々に対し、入り口に近い場所で駐車いただき、負担を減らしたいという配慮から設けられた駐車スペースです。このように色づけされているところも多く見かけます。 ところがこのスペースに健常者が車を止めてしまって、本当に必要な方が利用できないというモラル違反が頻発しています。こうした状況から自治体が利用許可証を発行し、誰が見ても一目瞭然となるように導入されたのがパーキングパーミット制度です。利用希望者はそれぞれの自治体窓口で申請し、障害などの状況に応じて許可証を発行してもらいます。利用するときはプラスチックの札で、フックの付いている許可証を自動車のバックミラーにつり下げて外から見えるようにして車を駐車します。こちらが佐賀県で導入されている許可証です。オレンジは妊産婦の方や一時的にけがを負った方用で、原則一年未満の期限となっています。 この制度が導入されれば、許可証なしで不正に駐車している車はすぐに分かりますし、例えば一見健常者に見える妊娠初期の方や内面的な障害をお持ちの方なども、いわれのない批判を受けることなく安心して駐車することができるというわけです。 二〇〇六年に佐賀県で初めて導入され、以降、全国三十八府県で導入されています。この許可証については相互利用可能な協定を結んでいるので、県をまたいでも利用できるという共通の許可証となっています。しかしながら、最近では健常者が障害者マークのマグネットを購入して車両に張り付け、障害者等用駐車区画に駐車する悪質な方まで出てきています。 このパーキングパーミット制度、こうした状況下でありながら埼玉県ではいまだ導入されていません。県ではポスター制作などの啓発により県民への理解に努めており、また、東京都、神奈川県、千葉県、そして我が埼玉県の一都三県での勉強会を実施しながら、都市部ならではの課題について情報共有を行っているようですが、導入しない理由に私は疑問があります。 導入しない理由としては、企業やスーパー、商業施設などにおける駐車スペース自体を確保するのが困難であり、許可証を発行すると駐車スペースが足りないなどの逆のクレームが発生し得ることとしています。課題としては一定の理解はしますが、導入しない理由にはならないと考えます。そもそも本来そのスペースを必要としている方以外の方が利用している現況を解消することがまず優先で、駐車スペースの多少については制度導入後の課題と考えます。 埼玉県においてもいち早くこのパーキングパーミット制度を導入すべきと考えますが、県の考えを福祉部長に伺います。 最後に、大項目の五番、地元問題について、三点、県土整備部長に御質問いたします。 まず、小項目一番、都幾川に架かる鞍掛橋周辺の再生について伺います。 当地区においては自民党県議団により、十一月九日に被災地区の視察が行われました。知事をはじめ部長や職員の皆様方にも同行いただきました。鞍掛橋周辺は埼玉県の川のまるごと再生事業の実施箇所であり、東松山市の観光拠点として、川に隣接して設けられたくらかけ清流の郷バーベキュー場も平成二十八年よりオープンし、年々来場客数を伸ばしながらにぎわいを見せ、市の一大観光スポットとして更なる発展が望まれている場所であります。 しかしながら、台風十九号の被害により周辺一帯が跡形もなく流され、美しい景観と自然の川で遊べる親水空間であった都幾川の河道も堆積した土砂の影響で原形を失ってしまいました。当地区の再生に向けては、市が管理するバーベキュー場の施設修繕のみならず、周辺の安全確保のため県管理河川である都幾川の復旧工事など県の対応が必要になります。来場者でにぎわい始める来年の春先に向けて、市も全力で復旧に努めています。都幾川鞍掛橋周辺の再生については、早期の河川復旧、そして整備が望まれていますが、県の方針を伺います。 続いて、小項目二番、県道日高川島線の拡幅整備についてお伺いいたします。 国道二五四号の南園部交差点から西側、天神橋方面への整備が未着手となっているこの県道の整備要望については、平成二十七年六月定例会、そして昨年十二月定例会でもこの未整備区間の早期整備について必要性を問わせていただきました。それ以来、地元では整備が進むことを待ち望む声も日に日に大きくなっています。川島町にとってもこの区間の整備は、他の幹線道路を含めた町内における幹線道路網整備の相乗効果が見込める重要な位置付けとなっております。 県道に沿って流れる用水路の機能保持など課題もありますが、町も用地や地権者の合意形成など町が担う役割については積極姿勢を堅持しながら、県の事業着手を切望しています。県の前向きな姿勢からの早期整備着手を願い、整備に向けた考えをお聞かせください。 最後に、小項目三番、東松山ICへのアクセス道路の再整備についてお伺いいたします。 関越自動車道東松山インターチェンジは、関越道の県内インターチェンジの中でも大型車、特大車の出入交通量が非常に多いインターであります。加えて、インターチェンジが全国でもまれな変則的な形状のため、インターチェンジ周辺の幹線道路とのアクセス性が著しく悪く、全国を見てもアクセス性、交通安全上、東松山インターチェンジは機能性が課題となっています。抜本的な解決には関係機関との検討会を再度活用し、周辺の交通状況等の変化を調査しながら対応を検討する予定とされていましたが、その後、一部標識や路面標示の見直し、周辺の冠水対策については積極的に対応をいただいたものの、インター周辺のアクセスという抜本的な課題については解決へ向けた進展がなく、今日に至っております。 課題として、一点目、国道二五四号の小川方面から県道深谷東松山線の熊谷市方面へのアクセスができないことにより、県道一方通行区間へ誤って逆走する車両がある。二点目、同県道から国道二五四号の小川方面及び東松山インターチェンジ入り口への二重右折による渋滞。三点目、高速から国道二五四号川越方面へ進入する際の一時停止規制。さらに四点目、インター前交差点は市道から国道二五四号への右折が禁止となっているなど多くの課題が残されています。産業団地の立地なども影響し年々交通量も増大しており、渋滞も慢性化しています。 これらの課題を解決するために埼玉県が強いリーダーシップを発揮していただき、早急な対策が求められる東松山インターチェンジ周辺の整備へ向け、地元の市はもちろんのこと、NEXCO東日本や県などの関係機関を含めた積極的な協議をもって再整備を前進させていただきたく強く要望いたします。県の前向きな考えを求め、答弁をお願いいたします。 以上、地元問題三項目について、県土整備部長に御答弁をお願いいたします。 以上となります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 三十七番 横川雅也議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 横川雅也議員の御質問に答弁する前に、今回の災害に際し、横川議員をはじめとする多くの議員の皆様がボランティア活動をはじめ、地域に寄り添う活動をしていただいたことに対して改めて敬意を表させていただき、その上で知事公約と今後の施策展開についてのお尋ねのうち、埼玉版FEMAのこれまでの組織連携体制との違いやプロジェクトチームの人員編成について、順次お答え申し上げます。 さて、アメリカにおけるFEMAは一九七九年に設置された組織でありますが、私が着目しておりますのは、災害の規模や種類に応じて様々な専門知識や能力を有する政府機関や民間団体を組み合わせ、実効性ある初動体制を迅速に行えるよう調整する機能であり、その手法であります。こうしたFEMAの機能につきましては、実動部隊を持たず、また、専門知識を有する人材も限られた自治体にこそ有効であると考えております。現在でも災害時にはそれぞれの担当部門ごとに果たすべき役割が決められています。埼玉版FEMAはこれを更に進め、災害の規模や種類によって事前に各部門の役割分担や取るべき行動をタイムラインに沿って具体的に決めております。 現場での実践も大切ではありますが、危機管理の要諦は準備にあります。いざ災害が発生したときには責任ある部門の指示の下、官民の組織や団体も含めタイミングよく行動できるよう準備を今まで以上に整えておくことに違いがあります。そして、繰り返し訓練することにより連結の実効性を高め、災害時における初動体制が今まで以上に迅速かつ円滑に進むことになると考えております。 県にはほとんど実動部隊がありません。連結する機関・組織は、消防、警察、自衛隊に加え、電力会社やガス会社などのライフライン事業者、県と協定を結んでいる様々な団体などでございます。役割と時系列に沿った行動を取り決めておくことで更に連結を強化してまいります。 次に、プロジェクトチームについては、まずは危機管理防災部副部長、危機管理課長、企画財政部地域経営局長、県土整備部副部長で立ち上げており、想定する災害に応じてメンバーを追加していくことといたしております。 次に、埼玉版FEMAが組織されていた場合の台風第十九号への対応の効果についてであります。 今回の台風第十九号の対応では、自衛隊に対して極めて早い段階で出動を要請したり、災害時応援協定を締結している三十三団体からの生活物資の供給、災害廃棄物の処理、物資の輸送の協力を得るなど官民の組織、団体との連携はとれていたものと思います。台風第十九号での災害対応については、今後更に検証し、埼玉版FEMAづくりに生かしてまいります。 次に、埼玉版FEMAの組織の立上げ時期についてでございます。 埼玉版FEMAは、本県の危機管理体制を充実させ、強化する手法と考えています。新たに特別な組織を立ち上げるものではなく、工程表にも書かせていただきましたように埼玉版FEMAは常時シナリオを作成し、図上訓練し、修正を加えるというサイクルを続けることによって災害対応力を強化する手法であります。 次に、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策についてのお尋ねのうち、災害対策本部埼玉版FEMAの機能と役割についてでございます。 災害対策本部は、今回の台風第十九号のように重大な災害に対して全庁が一体となり災害対応に当たるための非常時の体制であります。これに対し、埼玉版FEMAは平時において起こり得る災害をあらかじめ想定し、その規模や種類に応じて対応する官民の組織、団体、企業などを定め、時系列的に実施すべき行動をあらかじめ取り決めておくものであります。この取決めに基づき災害対応のシナリオを作成し、図上訓練を繰り返し、災害対応力を高めていく手法であります。実際に、大規模な災害の発生により立ち上がった災害対策本部は、このシナリオに従い迅速に初動体制に当たることができるものと考えております。 横川議員御指摘のハリケーン災害に関わる組織的な問題についての代表的なものとは、ハリケーン・カトリーナが米国南部を襲った際に、米国連邦政府の下の実動部隊との連携についての問題と理解しております。その一方で、当時は米国政府の対応の遅れをFEMAに押し付けたという評価もございます。しかしながら、数多くの実動部隊を持つ米国連邦政府の組織と実動部隊を持たない県とはおのずと異なってまいります。 そもそも災害ごとに役割や時系列に沿った行動をあらかじめ定め、繰り返し訓練するというFEMAの本質的な機能はDHS、国家安全保障省の下に組み込まれた現在も設立当初からほとんど変わっていないと認識しております。私はこの機能を取り入れ、本県の災害対応能力を高めていきたいと思っています。 最後に、FEMAの組織の長、統括は誰が担うのか、公約作成時はどう考えていたのかについてでございます。 私がかつて首都大学東京の危機管理講座において、自衛隊、消防、地方自治体関係者等に対して講義をさせていただいた頃より、県、地方自治体の危機管理体制には疑問がありました。つまり公約作成時以前から私が考えていた地方自治体版のFEMA、埼玉版FEMAは本県の危機管理体制を充実、強化するものですので、県の災害対応全ては私、知事が統括することに変わりはございません。       〔森尾博之危機管理防災部長登壇〕 ◎森尾博之危機管理防災部長 御質問二、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策についてお答え申し上げます。 まず、(二)被災市町村支援と職員派遣についてでございます。 大きな被害を受けた市町村では、膨大な量の災害対応業務が短期間に集中し、その市町村の職員だけでは対応し切れない状況になります。そこで、県では被害の大きかった東松山市など三市から人的支援のニーズを積極的に把握し、彩の国災害派遣チームとして二十五の市と町の職員とともに被害家屋の認定調査、避難所の運営、相談窓口業務などの支援を行ったところでございます。 一方、総務省では、大規模な被害を受けた市町村に他の都道府県や政令市が応援職員を派遣する被災市区町村応援職員確保システムを整え、平成三十年三月から運用されております。本県と同様に、台風第十九号で被災した福島県郡山市などでは災害発生後の早い段階からこのシステムを活用し、国や県との連絡調整や災害対応のアドバイスを行う災害マネジメント総括支援員の派遣を受けました。 本県でもこの総括支援員を活用していれば、被災市のニーズを更に丁寧に拾い上げて、より効果的な支援につなげることができたものと考えております。今後、応援職員確保システムの活用を改めて周知することも含め、災害対応のノウハウを持った人材の受入準備を平時から市町村と整えてまいります。議員御提案の災害コーディネーターにつきましても、その中で併せて検討してまいります。 また、先が見えないことに不安を感じる被災者に対して、様々な手段でより多くの情報をお届けしていくことが大切だと考えております。そのため、例えば情報端末を使い慣れていない方にも情報が行き届くよう、支援物資の配布場所や災害廃棄物の受入場所などの生活情報をチラシにまとめ、自治会などを通じてこまめに配布したという事例もあると聞いております。今後、全国の工夫した取組事例を参考にしまして、被災者への情報提供の方法を整理し、市町村と共有していきたいと考えております。 このたびの災害を教訓に、県として効果的な支援について市町村の意見を伺いながら検討してまいります。 次に、(五)被災者支援システムの共用化についてでございます。 被災者支援システムは、被災者台帳の作成、り災証明書の発行、仮設住宅の管理など多岐にわたる業務に使用できます。被災者支援を迅速かつ的確に行うために、このシステムを活用することは有効な方法と考えております。現在、県内では確認できているだけでも十七の市と町において、それぞれ別のシステムを導入しております。 こうしたことも踏まえ、共通のシステムの必要性や自治体共同クラウドの活用などにつきまして、市町村と意見を交換しながら検討してまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問二、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策についての(三)損壊した河川、道路及び農業施設の復旧についてのうち、河川、道路の復旧についてお答え申し上げます。 台風第十九号により、県内では過去に大規模な被害をもたらしたカスリーン台風などと肩を並べる記録的な豪雨となりました。これにより、県が管理する河川において堤防決壊や護岸損壊などの被害が大小合わせ計百四十二か所で発生いたしました。また、県が管理する道路においても、路肩崩落の施設被害や道路冠水などにより延べ百二十九か所で通行止めが発生しました。応急工事が必要な被災箇所については、全て対応が完了しております。 十二月二日からは、国庫補助による災害復旧事業としての採択が決定する国の災害査定が始まったところです。市町村が管理する公共土木施設の被災箇所を含め、来年一月までに計三次に分けて災害査定が行われる予定となっており、これにより各箇所の災害復旧費が決定する見込みです。その後、復旧工事の年度内着手を目指し、小規模なものについては来年の出水期までの完成を図ります。また、その他のものについても、出水期中の安全・安心の確保に努めつつ早期完成を図ってまいります。 なお、川の再生事業で河原に整備した遊歩道などの損壊箇所については、今回の被災状況を踏まえ、再度災害を防止するための適切な復旧方法などを地元の市町村とともに早急に検討してまいります。 次に、御質問五、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)都幾川に架かる鞍掛橋周辺の再生についてでございます。 都幾川の鞍掛橋周辺は、川遊びやバーベキューなど水辺で楽しめる場所として、東松山市と県が平成二十四年度から二十七年度までに川のまるごと再生プロジェクトで整備した箇所でございます。この箇所は、十月の台風第十九号の降雨による都幾川の増水で、県が整備した護岸や河原に降りるための階段が損壊し、大量の土砂の堆積により川の流れが変わるなど大きな被害を受けました。また、河原よりも一段高い場所に市が整備したバーベキュー場も水に浸かり、トイレや駐車場が損壊しました。 鞍掛橋周辺の再生についての方針でございますが、東松山市では令和二年春のバーベキュー場再開を目指し復旧工事を進めていると聞いております。このため、県でもバーベキュー場の再開までに護岸の復旧や堆積した土砂の撤去が完了するよう準備を進め、元の川の姿が復元できるよう努めてまいります。 被災前と同様に、観光拠点としてにぎわいを一日も早く取り戻せるよう、地元東松山市とともに都幾川の鞍掛橋周辺の再生に取り組んでまいります。 次に、(二)県道日高川島線の拡幅整備についてでございます。 県道日高川島線、川島町内の天神橋東交差点から南園部交差点までの区間は、幅員が狭く急なカーブもあることから整備が必要な箇所と認識しております。地元から道路整備の要望もあり、平成二十八年九月に地元説明会を開催いたしました。これまでに現況測量や交通量調査を実施しており、令和元年度は将来交通量の推計作業を行っております。今後は道路に沿って流れる用水路の取扱いを含めた道路構造を検討する概略設計を進める予定です。 事業の実施に当たっては、地元の皆様の御理解と御協力が不可欠となりますので、川島町と緊密に連携を図りながら、整備に向けた調整を進めてまいります。 次に、(三)東松山ICへのアクセス道路の再整備についてでございます。 東松山インターチェンジは国道二五四号や県道深谷東松山線、さらに東松山市道がアクセスするため変則的な形状となっています。そのためインターチェンジ周辺では車両が錯そうし、利用者から分かりにくいなどの御意見をいただいております。そこで、県や東松山市では平成二十九年度に検討会を開催し、現状の把握や今後の対策について、NEXCO東日本など関係機関とともに検討を行ってきました。その結果を基に、県ではランプ部における注意喚起のカラー舗装や標識の設置を本年七月に実施したところでございます。また、国道二五四号のインター前交差点では、上り線の右折レーンを延長する工事も今年度実施する予定です。 さらに、同交差点の県道深谷東松山線の渋滞緩和と市道から国道二五四号への右折禁止の解消については、交差点改良など抜本的な対策に関する協議を東松山市や関係機関と進めてまいります。       〔牧千瑞農林部長登壇〕 ◎牧千瑞農林部長 御質問二、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策についての(三)損壊した河川、道路及び農業施設の復旧についてのお尋ねのうち、用水路や農道等の農業施設についての復旧に向けた県の支援についてお答え申し上げます。 台風第十九号によって本県では、河川の増水による土砂堆積などの農地被害は五十八か所、揚水機場や用水路の損傷などの農業用施設被害が百八十二か所で発生しました。これらの施設については市町村や土地改良区などの施設管理者が復旧の準備を進めており、県では管理者に対し災害復旧に係る様々な情報を提供するとともに、復旧工法の助言など技術面での支援を行っています。 なお、被災した施設のうち、国の災害復旧事業の対象となる箇所について、今議会に補正予算として提案させていただいているところです。現在、事業を実施するため国の職員による災害査定が実施されているところであり、県は査定現場に立ち会うとともに、国と施設管理者の間での調整業務を行っています。いずれも本格的な農作業開始前までの完了を目指して、被害箇所の復旧工事を進める予定となっています。 県といたしましては、今後も農家の皆様が安心して営農を継続できるよう、施設管理者に対して適切な助言、指導を行うなどして早期復旧に向け支援に努めてまいります。       〔石川英寛企画財政部長登壇〕 ◎石川英寛企画財政部長 御質問二、台風第十九号の災害対応と復旧復興への県の取組及び改善策についての(四)市町村緊急支援事業の活用についてお答え申し上げます。 市町村緊急支援事業は埼玉県ふるさと創造資金のメニューの一つで、災害等による緊急又は不測の事態に対応する市町村等の事業について、特に支援が必要と認められる場合、県が財政支援するものです。また、ほかの補助との重複を避けるために、特別交付税で措置されるものやほかの法律等で支援されるものは対象外としているところです。 今般の台風第十九号により、本県においては議員の御地元である東松山市をはじめ、非常に広範かつ甚大な被害が生じました。県としてもこの事業を活用し、市町村の早期復旧・復興を支援するために、全市町村に対し制度利用の意向調査を行ったところです。この結果、議員お話しの集会所や交流施設の修繕など様々な事業について十市町から利用の意向がありました。 補助金交付の審査においては、緊急又は不測の事態が生じているかについて被害の程度や予見性などを基準に判断し、特に支援が必要と認められるかについて事業の規模や負担度合い等を勘案し、判断することになります。これまでの例では、一般的に、多くの住民が集まり、日常的に様々な活動をする拠点である施設が利用できなくなるような影響の大きい案件に対しては、こうした要件に該当する場合が多くなっております。 現在、利用の意向があった事業について個別の状況を詳細に確認、把握するとともに、庁内の関係部局にほかの支援制度の有無や被害の影響度合い等を確認しているところです。今後、市町村の事業内容が確定し、要件に該当すると判断することができ次第、速やかに交付決定を行ってまいります。 県としては、この制度を活用して一日も早く市町村が復旧、復興し、安全で活力のある生活を取り戻すことができるようしっかりと支援してまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問三、学校におけるICT環境整備の促進についてお答え申し上げます。 まず、県内市町村によるICT環境の整備促進についてでございます。 議員お話しのとおり、他の都道府県と比較して本県の整備状況は遅れており、県内市町村による整備状況にも大きな差が見られることから、学校におけるICT環境の整備を一層促進することは急務と認識しております。 こうした状況も踏まえ、県としては予算を確保し、ICT環境の整備を実現したい自治体の事例把握に努めております。今年五月には、市町村教育委員会の整備担当者を集めた研究協議会を開催し、こうした事例を示しながら環境整備を促してまいりました。このような中、国で決定された経済対策では、「義務教育段階において令和五年度までに全学年の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すこと」とされました。そのため、今月中にも市町村教育委員会の整備担当者を集めた会議を再び開催し、経済対策や補正予算など国の最新動向、ICT環境の整備を実現した県内の好事例について情報提供してまいります。 さらに、市町村による環境整備が計画的に行われるよう、整備状況に課題のある市町村を直接訪問し、教育長などから現状や課題を聴取し、それぞれの状況に応じて適切に助言してまいります。 県立高校においては、平成三十年度からの三年計画で全ての学校にタブレット端末などを整備することを目指しておりますが、今後、学習用端末一人一台体制に向け、個人所有の端末を学校で使用させるBYODも含め整備方法について検討を進めております。 議員御指摘のとおり、小中高等学校などを越えて切れ目ない環境を実現することは今後の重要な課題でございますので、市町村と連携を図りながら学校のICT環境が充実するよう努めてまいります。 次に、教員のICT教育への対応力の向上についてでございます。 ICTを活用した教育を充実させるためには、ICT環境を整備するだけではなく、教員の指導力を向上させることは不可欠でございます。県ではこれまでもタブレットPCを使った授業づくり、校内情報化推進員研修、プログラミング教育研修などを実施し、教員の指導力の向上を図ってまいりました。また、市町村教育委員会や学校からの要請を受けて、授業における効果的なICTの利活用等について指導者を派遣する研修も行っております。こうした研修につきましては、今後、更なる充実を図ってまいります。 加えて、今年度からは東松山市内の小中高等学校をモデルとして、埼玉県学力・学習状況調査の結果など学校が保有するデータをAIで分析し、子供一人一人に応じた学びを実現するための研究を進めております。こうしたAI分析の取組もきっかけとして、小中高等学校教員の体系的な指導力の向上を図ってまいります。 県といたしましては、令和五年度までに義務教育段階の全学年で学習用端末一人一台を目指すとの国の方針も踏まえ、ICT環境の整備促進と教員の指導力向上に努めてまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問四、パーキングパーミットの導入、普及についてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、障害者用駐車場の不適正利用を解消することは極めて重要です。パーキングパーミットは、障害者などに利用証を交付することで障害者用駐車場の適正利用を図るものです。しかしながら、都市部では利用対象者の人口が多く敷地の制約もあるため、商業施設などで必要となる障害者用駐車場を十分に確保することが難しいという現状がございます。このような状況では、利用証は持っているのに利用できないという問題が生じます。特に広い乗降スペースを最も必要とする車椅子利用者の方が利用できないという事態も考えられます。 また、本県が平成二十四年度にパーキングパーミット制度の効果について検証を行ったところ、実施エリアと実施していないエリアで健常者による不適正利用に大きな差が見られませんでした。これはパーキングパーミット制度が強制力のない任意の仕組みであること、商業施設において不適正利用に対する指導が難しいことなどが原因と考えられます。 こうした課題もございますので、実際に導入した府県の状況などを十分に把握し、適正利用を進めるためにどのような方策が可能か検討してまいります。 一方で、障害者駐車場の目的を正しく理解していただくことも重要です。平成二十八年度から一都三県でマナーアップキャンペーンを実施しており、共通ポスターの掲示やグッズの配布などによる啓発に取り組んでいます。また、駐車区画の青色塗装は不適正利用を抑止する効果が高いと言われています。今年度から障害者、企業、ボランティア、学生及び塗装業界と協働で、駐車区画の青色塗装と啓発活動を行う青色プロジェクトを実施しております。 県といたしましては、引き続き障害者駐車場の適正利用を進めるため、こうした啓発活動を通じて県民への働き掛けを強化してまいります。       〔三十七番 横川雅也議員登壇〕 ◆三十七番(横川雅也議員) 大項目の二番のうち小項目の一、災害対策本部埼玉版FEMAの機能と役割について、知事に再質問させていただきます。 大項目一番での問いで、FEMAに対しての考え方等々もよく分かりました。知事のこの質問での答弁の中で、FEMAの役割というところで統括は知事がされる。そして、規模、種類に応じて早急な対応ができるようにした機能、手法であるということが明らかになったと思います。そして、官民の組織を含めて各部門の役割を分けるというような御答弁をいただいたというふうに思います。目的は、迅速に初動体制をとるということで認識しておりますけれども、そこで知事に伺いたいというふうに思います。 各部門というのは、あくまでもシナリオとも言えるのかというふうに思います。状況に応じて組織をしっかりと分けて、迅速な初動体制がとれるようにするその機能であり、手法であるというような御答弁であったと思います。であるならば、それぞれの部門の長、長に関しては、官民組織から採用されることもあるのかという点について伺いたいと思います。 また、実際に訓練や様々な想定を重ねていく上で、その部門ごとに分けたものが時に応じて組織、部門がくっつくことだって、私はあり得ると思うんです。その方が機能性が増すという部分も出てこようかと思います。そうしたケースに対しては、部門分けしたことにとらわれず統合するなり、更に細分化するなどより詳細な、柔軟な対応が災害対応の中では望まれるというふうに思うんです。 ですから、余りに部門に最初に分けたことにこだわることで、災害対応が迅速にいかないということもあり得ますので、私は、その際には知事の判断ですぐに分けて迅速な対応をいただくことが災害対応に一番望まれると思いますし、FEMAが機能とするのであれば、その機能性がいかに発揮されるかというのは、その知事の裁量いかんにもよるかというふうに思います。 ケース、場合に応じたその臨機応変な対応をいただけるかどうか、知事にFEMAの機能を含めて再度御答弁いただきたいと思います。お願いします。(拍手起こる) ○神尾高善議長 三十七番 横川雅也議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕
    ◎大野元裕知事 横川雅也議員の再質問にお答えいたします。 横川雅也議員からは、第一に、危機に際してそれぞれの部門が固定的ではなく統合したり、あるいは官民が柔軟に役割を担うこと、そして二つ目には、事に応じて知事の裁量で臨機応変に対応するかどうか、この二点について御質問をいただいたものと理解しております。 まず最初に、御質問にお答えする前に、今回の御質問につきましては御提案も含まれていると思っておりまして、建設的な御提案に対して、まずは御礼と評価をさせていただきたいと思っております。 そしてその上で、部門の長がどのような形になるのかでございますけれども、アメリカのFEMA、危機管理庁におきましては、それぞれの事態ごとにプライマリーとセカンダリーというのを分けまして、例えば◯◯部については基礎的な、主導的な役割を担う、そして◯◯部においてはセカンダリーといって補助的な役割を担う、このようにシナリオを作っていくのがアメリカのFEMAの手法であります。その際には極めて柔軟に、例えばプライマリーという主たる部門が二つあったり、あるいは一つであったりということで柔軟にやっておりますので、その手法を私も見習わさせていただいて、縦割り行政ですね、あるいは固定的な、必ずしもところにとらわれることなく対応させていただきたいと思っております。 他方で、平素の熟練度にもよると思いますけれども、一般的には民間の組織がプライマリー、主たる役割を担うということはほとんどないようでございますので、県でこれを主導する以上、その主たる役割を担う組織については、県の方で担うことを現時点では想定しておりますが、様々な想定が行われる中で、再びこのシナリオについては検討を加えていきたいと思っています。 そして、危機に応じて臨機応変にということでございますが、もちろんこれはなるべく危機に応じても想定外のことが起きないよう、平素から行うものがFEMAの要諦でありますけれども、それでも危機管理に際しては全てのことを想定することができるわけではございません。御指摘のとおり、臨機応変に対応させていただきたいと考えております。          ----------------議員提出議案の報告 ○神尾高善議長 議員から議案の提出がありましたので、御報告いたします。 議事課長に朗読させます。       〔議事課長朗読〕  令和元年十二月十二日 埼玉県議会議長  神尾高善様                      埼玉県議会議員  小島信昭                               ほか九名        議案提出について 本議会に付議する議案を次のとおり提出いたします。 議第三十二号議案 埼玉県被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例 ○神尾高善議長 ただ今報告いたしました議案は、お手元に配布しておきましたので、御了承願います。〔参照-(一一四)ページ〕          ---------------- △議第三十二号議案の上程 ○神尾高善議長 議員から提出された議第三十二号議案を議題といたします。          ---------------- △提案説明 ○神尾高善議長 これより、提案者の説明を求めます。 議第三十二号議案の提案者代表 二十四番 美田宗亮議員       〔二十四番 美田宗亮議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十四番(美田宗亮議員) 自由民主党議員団、美田宗亮でございます。 議第三十二号議案「埼玉県被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例」につきまして、提案者を代表して御説明申し上げます。 被保護者等住居・生活サービス提供事業の業務の適正化等に関する条例は、住居の提供に生活サービスをセットにした契約において、サービスに見合わない利用料を徴収することで、生活保護を受給する被保護者等から不当な利益を上げる、いわゆる貧困ビジネスへの対策として業者の業務の適正な運営を確保し、被保護者等の処遇を改善するとともに、その自立の支援を図ることを目的に、平成二十五年に議員提案により全国に先駆けて制定したものであります。 この条例は、社会福祉法が対象としているいわゆる無料低額宿泊所と呼ばれる定員が五人以上の施設だけでなく、同法の対象外となっている定員が二人以上四人以下の施設を運営する事業者も規制の対象としております。例えば利用の申込時の説明義務などを規定して、本県独自の規制を行うことで適正な運営を確保し、入所者の処遇改善を図っております。 このたび国は、貧困ビジネスへの規制を許可するため社会福祉法を改正し、各都道府県は国が定めた基準を基に無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を条例で定めなければならないこととなりました。全国に先駆けて制定した条例の中にこの基準を定めるため、私たち自由民主党議員団は条例の全部改正を提案することといたしました。 続きまして、条例案の概要でございます。 まず初めに、条例の構成ですが、第一章は総則、目的と定義を規定しております。第二章に、無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準を新たに規定し、第三章から第五章までに現行の条例の規制について必要な整備をした上で規定しております。 次に、新たに規定した基準のうち設備の基準につきましては、第十四条第四項で、無料低額宿泊所には居室、炊事設備、洗面所、便所などを設けなければならないことを規定しております。また、同条第六項では、居室の床面積を七・四三平方メートル、四畳半以上とすることを規定しております。 次に、運営の基準につきましては、第九条第三項で非常災害対策として必要な物資の備蓄に努めることを規定しております。これは東日本大震災の教訓を踏まえ、最低限の福祉サービスを継続できるように規定したものでございます。 また、第十三条で、本体となる施設と一体的に運営される付属施設であるサテライト型住居を設置できる旨を規定しております。 施行期日は、社会福祉法の施行日と周知期間を踏まえ、令和二年四月一日としております。ただしサテライト型住居に関わる規定につきましては、これまでになかった運営形態であり、十分な準備期間をとるため、令和四年四月一日としております。 なお、今回の改正により、基準に適合させるために大規模な施設改修が必要となる場合がありますが、このために運営ができなくなって入所者に影響が生じることのないよう、基準に適合しない既存の施設について一定の条件に該当する場合には、引き続き運営できることとする経過措置を設けております。 以上、本条例案の提案理由及びその概要について御説明させていただきました。 議員各位におかれましては、よろしく御審議いただき、何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手起こる)          ---------------- △休憩の宣告 ○神尾高善議長 暫時、休憩いたします。午前十一時十六分休憩          ----------------午後一時二分再開 出席議員    九十一名     二番    三番    四番    五番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十七番  四十八番  四十九番    五十番  五十一番  五十二番  五十三番   五十四番  五十五番  五十六番  五十七番   五十八番  五十九番   六十番  六十一番   六十二番  六十三番  六十四番  六十五番   六十六番  六十七番  六十八番  六十九番    七十番  七十一番  七十二番  七十三番   七十四番  七十五番  七十六番  七十七番   七十八番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名     一番  七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○新井豪副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○新井豪副議長 質疑質問を続行いたします。 三十九番 岡田静佳議員       〔三十九番 岡田静佳議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十九番(岡田静佳議員) 自由民主党県議団、岡田静佳でございます。傍聴の皆様ありがとうございます。精一杯質問させていただきます。 それでは、知事公約と今後の施策展開について。 知事の選挙公約について、武内議員のあと数マイルプロジェクトに関する質問の答弁では、各路線に関する工程は示されず、有識者に丸投げ、実現性が全く感じられない具体性に乏しいものでありました。知事選挙で配られるのは、公職選挙法第百六十七条に規定された選挙公報と同法百四十二条第三項に規定された二種類の選挙運動用ビラの合計三種類だけです。その公報に具体的に書かれていた政策は十四項目です。そして、二種類の選挙運動用ビラに具体的に書かれている項目は九項目だけです。特に「埼玉高速鉄道、舎人ライナー、都営大江戸線、多摩都市モノレールを延伸」と「公共事業では県内企業、県経済に貢献する企業を優先」の二点は、双方に明記されています。 こちらが選挙公報でございます。この赤と青に示したところに二点書かれています。そして、こちらが選挙運動用ビラ、こちらも赤と緑で示したところに四路線と県内企業の優先が明記されています。 一方、知事は、百二十九項目に対して工程表を示していますが、そもそも知事が選挙公約として掲げた百二十項目を超える十二分野の具体策は、公職選挙法に基づく選挙公報と選挙運動用ビラには項目や中身が全く明記されていませんでした。 私は、県民に配布され、全ての投票所の入り口に貼ってある選挙公報と、選挙運動用ビラに記載された政策について、まずは一番に取り組むべきだと思います。大江戸線と多摩都市モノレールの延伸に取り組むという選挙運動用ビラを見て、大野知事に投票した方も多くいると思います。それらに記載された政策が実現されなければ、実行されないとなれば、それは県民を裏切ることにつながると思います。知事は、本気で四路線を埼玉県内まで接続する気持ちがあるのでしょうか。選挙のときはアクセルをがんがん踏んで、当選したら緩めているようにも見受けられます。 そこで、選挙公報及び選挙運動用ビラの双方にしっかりと記載されている二つの項目、あと数マイルプロジェクトと公共事業の受注の優先についてお伺いします。 まずは、あと数マイルプロジェクトについてです。 九月定例会から多くの議員が取り上げていますが、選挙運動用ビラを見ますと、この赤字の部分ですけれども、「埼玉高速鉄道の更なる延伸と、舎人ライナーを草加まで、都営大江戸線を東所沢まで、多摩都市モノレールを所沢まで延伸」と、重点政策として書かれています。また、上田知事と握手されておりますが、知事は「多数の議員立法を成立させた実績と民間企業の経験を持つ大野元裕さん、県知事として即戦力の人材です。埼玉県知事、上田清司」というコメントも載せられています。 しかし、九月に出された取組の方向性では、公約ナンバー七十四の一項目になぜか四路線がまとめて書かれてしまいました。十二月に出された工程表や武内議員の質問に対する答弁では、「有識者などによる会議で十分に検討していただきたいと考えております」と有識者に丸投げです。 そこで、それらを踏まえて知事に五点伺います。 一点目、十二月から突如「期限を定めずに有識者会議で検討」という答弁になりました。なぜ突然に有識者会議が出てきたのですか。県民にそんな約束をしましたか。有識者というのはどういう方でしょうか。例えば、財政の専門家なら少子高齢化により財源の捻出は厳しいと答えるかもしれません。具体的にどのような方々を想定し、どのような議論を想定しているのかお答えください。 二点目、「各路線の工程表は様々な関係者の方に影響が及ぶものであり、また、この会議では有識者の方にできるだけ制約なく自由な議論をしていただきたいと考えている」とのことですが、期限を定めなければPDCAは回せません。私は、選挙が終わったら小さく一つにまとめられてしまった四路線は課題も進捗状況もばらばらであり、有識者会議を立ち上げてもよい路線と必要ない路線があると思います。仮に有識者会議を立ち上げる場合は、期限を定めなくては先に進みません。民間の経営感覚をお持ちなら一年に区切って検討すべきです。期限をきちんと定めPDCAが回せるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 三点目、有識者会議で延伸が困難である、又は延伸に前向きではない結論が出た場合、どうするのでしょうか。有識者会議の示すとおり、それでは難しいのでやめますということになるのでしょうか。有識者会議の位置付けについてお考えを伺います。 四点目、改めて申し上げますが、選挙公報にも選挙運動用ビラにも掲げられていた政策です。有識者会議に諮る前に、政策通を称された知事御自身が取り組む課題や延伸区間を明記して、公報の記載同様に四路線ごとの工程表を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。現状の工程表では、選挙公約や選挙運動用ビラとの整合性がとれていないと思うのですが、それらの記載はどう取り扱うのか併せて伺います。 最後に、五点目、あと数マイルプロジェクトという名前ですが、日本ではマイルという単位は使わず、キロメートルです。例えば所沢までの延伸はあと三キロメートルと言われれば分かりますが、あとスリーマイルと言われてもぴんときません。主語である県民に分かりやすく説明するためにも、難しい言葉や英語はなるべく使わないでいただきたいと考えます。あと数キロメートルプロジェクトに変更し、延伸区間の距離も明示すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、五点伺います。 次に、公共事業の受注の優先についてです。 選挙公報と選挙運動用ビラには、「公共事業では県内企業、県経済に貢献する企業を優先」と記載されていますが、具体的にどのような優先策をお考えか、また、いつから何パーセントくらいを目標に実施するのかもお聞かせください。 二、都営大江戸線の東所沢駅までの延伸について。 続いて、あと数マイルプロジェクトについて、より具体的にお尋ねします。 都営大江戸線については、新座市長を会長として都市高速鉄道一二号線沿線促進協議会が平成九年から活動しており、新座市、所沢市、清瀬市、練馬区の首長、議長、そして県議が超党派で毎年知事に早期整備を求め要望しています。長年の地元関係者の努力が実り、平成二十八年の交通政策審議会の答申には、東京一二号線の延伸(光が丘-大泉学園町-東所沢)がはっきり明記されました。国の方針も示され、地元市区の準備は整っています。有識者で検討しなくても、大江戸線の東所沢までの延伸を重点政策に掲げた知事が当選されましたので、知事を会長にして関係する国・都・市区と鉄道会社などですぐにプロジェクトを立ち上げて検討を始めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 三、多摩都市モノレールの所沢までの延伸について。 こちらは、多くの所沢市民の長年の要望事項でありますが、なかなかうまくいかず、平成二十九年度に地元の自治連合会などを中心に誘致推進協議会が立ち上がりました。今年の二月の一般質問で延伸要望を取り上げましたが、答弁は「交通政策審議会の答申にも位置付けられていないこともあり、まずは地元地域において延伸することの意義や効果、事業性などを十分議論する必要があり、県は地域の議論状況を見極めながら対応する」との塩答弁でした。しかしながら、大野知事は選挙公約のトップに多摩都市モノレールの延伸を書かれています。その理由をお聞かせください。 また、埼玉県選出の参議院議員として、多摩都市モノレールの延伸についてどのような取組をしてこられたのかもお聞きいたします。 次に、知事の重点政策には「所沢まで延伸」と書かれていますが、所沢駅のことでしょうか。公約策定時において所沢駅を想定されたのか、所沢駅の場合はどのようなルートを考えて公約に載せたのかもお聞きします。 四、東京オリンピックパラリンピックの活性化について。 (一)子供の参加について。 熊谷で開催されたラグビーワールドカップは、日本代表がベスト八に輝き、大成功に終わりました。関係者の御努力に感謝申し上げます。来年の東京オリンピックパラリンピックに向けてラグビーワールドカップの成功を生かすとともに、反省すべき点は改善し、埼玉の会場を盛り上げていただきたいと思います。 さて、来年の東京オリンピックパラリンピックでは、バスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃の四つの会場がある埼玉県に対して、観戦チケット九万九千六百三十五枚が組織委員会から割り当てられ、今月契約、来年五月に購入することになっております。議案では九万二千八百七枚が学校連携観戦チケットであり、小中高校生がオリンピック会場で観戦できます。子供たちにとってすばらしい機会ですが、県内の小中高校生の数は約七十四万人で、八分の一の生徒しか観戦することができません。現在、市町村や高校などに意向を確認しているようですが、希望が定員を上回った場合にはどのようにチケットを割り振るのでしょうか。市町村や学校が納得できるようにしていただきたいと考えますが、公平性の確保をどのように考えているのか、県民生活部長に御見解をお尋ねします。 (二)外国人向けサイトの整備について。 九月定例会で、細田議員が海外観光客に向けた情報発信の強化について質問されました。ちょこたび埼玉で積極的に情報発信を行っていくとのことでした。オリパラ特設サイトやちょこたび埼玉では、複数の外国語に対応しているようです。しかし、オリパラ特設サイトではオリンピック会場の紹介はありますが、グルメや観光情報が載っておりません。外国から多くのアクセスがあるオリパラ特設サイトとちょこたび埼玉を連携すべきだと考えます。 そこで、二点伺います。 まず、オリンピックに向けてちょこたび埼玉の中身を更に充実させるとともに、多くの外国の方に見てもらえるようインターネット検索結果でちょこたび埼玉がより上位に、また、より多く表示させるための対策、いわゆるSEO対策を拡充すべきと考えますが、産業労働部長にお聞きします。 次に、オリパラ特設サイトとちょこたび埼玉を連携して、埼玉県の観光、グルメ、ナイトライフへ誘致していただきたいと考えますが、県民生活部長にお聞きします。 (三)外国人に向けた狭山茶のPR促進について。 狭山茶は、東京オリンピック開催地で作られる唯一の銘茶です。コンパクトで日持ちもよく、お土産に最適です。世界中から来る人へ狭山茶のおいしさを知っていただくこの絶好の機会に、県としてPRについて頑張っていただきたいと考えています。オリンピックの会場やその周辺では狭山茶としての販売に厳しい規制がございますので、外国人に人気の観光地などで狭山茶の販売、試飲PRなどはできないでしょうか。外国の方は、派手な色合いで歌舞伎や富士山などの描かれた日本らしいものが好まれる傾向にあります。また、自国の言葉で書かれたパッケージには手が伸びやすい傾向があります。私たちも海外に行ったときに日本語が書かれた食品を見て安心して買った経験はないでしょうか。 まずは、外国の方向けに狭山茶のリーフレットやパッケージを外国語にし、狭山茶の特徴や飲み方を明記したり、外国の方の好みにデザインしたパッケージを作成し、オリンピックに合わせて狭山茶をPRすることが効果的だと考えます。オリンピックの機会に外国人に向けた狭山茶のPRにどのように取り組んでいくのか、農林部長にお尋ねします。 五、県営住宅の子供の貧困対策について。 私は、所沢市の子ども食堂を視察させていただいております。それぞれの地域では組織の特色を生かし、楽しい食事だけでなく、工作などの遊びや学習支援など様々な取組が行われています。子供の貧困対策の重要性を改めて実感したところです。また、県内ではひとり親家庭に配るフードパントリーなどの取組が広がっていると聞いています。県には引き続き、マッチングなどの支援を頑張っていただきたいと思います。 その中で、気になったのは県営住宅の子供たちです。ひとり親や外国人の保護者が多く、学習支援も含めて支援が必要な子供が多いと感じました。 所沢市の場合を例に挙げますと、県営住宅に隣接するUR団地で子ども食堂が行われていますが、社会福祉協議会が特別にサポートに入っています。県内には二百七十五の県営住宅があり、約四千九百人の小学生以下の子供がいますが、子ども食堂のある県営住宅は二か所です。県営住宅のオーナーは県なので、子ども食堂やフードパントリーなどは開催しやすい環境にあります。是非、都市整備部と連携して、まずは県営住宅の子供たちへの支援を充実していただきたいと考えますが、福祉部長に見解をお尋ねします。 六、女性特有の病気への対策について。 女性の社会進出や就業支援に行政が一丸となって取り組んだ結果、多くの女性が社会で活動するようになりました。今年六月の労働力調査によれば、女性の就業者数は三千三万人と過去最高を記録しています。保育園や学童の拡充に伴い、子育て世代の女性も働くようになり、管理職や店長、リーダーを任せられている女性も増加しています。しかしながら、忙しくなった女性本人の体のケアがおろそかになっているのではないでしょうか。 今年の二月の定例会の一般質問で、女性のがん検診の受診率が低い理由をお聞きしましたが、「女性が検診を受けやすい環境づくりが十分でないこと」や、「検診の重要性や必要性が十分に伝わっていないこと」が原因ではないかとの答弁をいただきました。これらの原因を解消し、受診率を向上させるためにどのような取組を行い、どのような成果を上げているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、保健医療部長にお伺いいたします。 また、女性特有の健康上の悩みとして更年期障害が挙げられます。更年期障害は五十歳前後で症状が現れることが多いのですが、働く女性にとっては責任ある立場に就くタイミングと重なります。「原因不明の疲労や体調不良でつらかった」「責任ある立場に就いていたことが原因だと考えて受診には至らなかった」「病院に行ってみたが原因が分からず、つらいだけだった」など更年期障害で悩む声をお聞きします。 そこで、更年期障害で悩む方への支援を行うことができないでしょうか、保健医療部長にお伺いいたします。 保健医療部の立場で女性の健康対策に力を入れることはもちろんですが、企業への働き掛けも重要です。埼玉県のウーマノミクスプロジェクトは、女性就業者の増加に一定の成果を上げていると考えます。今後は、増加した女性就業者が健康的かつ安心して働けるような取組を推進すべきです。女性特有の健康課題にも配慮し、より働きやすい環境づくりを推進する必要があると思いますが、産業労働部長に御所見をお伺いします。 七、医師確保に関する大学等との連携について。 埼玉県は全国五位の人口がありますが、国公立大学の医学部がありません。埼玉医科大学に頑張っていただいているほか、自民党医療懇話会や自民党国会議員の地道な活動により国の岩盤規制に風穴をあけ、順天堂大学医学部附属病院の誘致にもこぎつけました。しかし、医師不足の現状を考えると、大学医学部の誘致に一層取り組んでいく必要があると考えます。 所沢市には早稲田大学所沢キャンパスがありますが、もともと医学部の誘致を目指していたものを断念した経緯があります。去年就任した新総長は、医学部新設構想を掲げているとの情報もあります。早稲田大学には、是非とも埼玉県に新たな医学部を設置していただくよう頑張っていただきたいと思います。また、順天大学医学部附属病院を誘致したように、国の岩盤規制に風穴をあけるべく埼玉県でもできる限りの支援をしていただきたいと考えますが、保健医療部長の御所見を伺います。 医学部の県内新設は本県の医師不足対策に有効なものですが、医師養成には時間がかかります。そこで、大学ではありませんが、所沢市の防衛医科大学校やその附属病院と連携することで即効性のある対策が図れるのではないでしょうか。防衛医科大学校は毎年八十人の医学生が入学しており、これらの医学生を教育するため、最先端の医療機器や研修体制が整備されています。附属病院は、ほかの大学病院と同様に誰でも受診できるだけでなく、高度な医療を提供しています。 こうした医師を養成するための施設や、教育体制の整った防衛医科大学校や附属病院が本県にあるのは大変ありがたいことだと思いますし、本県の医師確保に関して連携していくべきだと考えます。医師不足に悩む地域医療の充実に協力いただけないものかと考えますが、保健医療部長の所見を伺います。 八、高速道路の混雑緩和について。 埼玉県では圏央道が開通し、道路事情は格段に良くなりました。しかしながら、県内ではいまだ慢性的な渋滞が発生している箇所が多く、また、サービスエリアなどの休憩施設不足も問題となっております。 そこで、以下三点を県土整備部長に伺います。 まず、渋滞に関しては、圏央道の久喜白岡ジャンクション付近において、朝夕を中心に激しい渋滞が生じています。特に四車線から暫定二車線となる箇所において、車線数の減少の影響により渋滞が発生しています。現在、国において四車線化事業が進められておりますが、その整備状況についてお聞かせください。 次に、関越自動車道でも高坂サービスエリアと花園インターチェンジ付近で、休日を中心に渋滞がよく発生しています。下り坂が上り坂に変わる、いわゆるサグ部での速度低下による渋滞が原因と推察されます。国土交通省が主催する埼玉県渋滞ボトルネック検討ワーキンググループでは、関越自動車道の渋滞対策の検討を行い、対策に取り組んでいると聞いています。ワーキンググループの構成員には埼玉県も入っています。 そこで、関越自動車道の渋滞緩和に向けた対策についてお聞かせください。 最後に、高速道路の休憩施設が不足している問題についてお尋ねします。 圏央道や外環道は特に休憩施設が少ないように感じます。圏央道の菖蒲パーキングエリアから東側については、七十キロメートル以上先の茨城県江戸崎パーキングエリアまで休憩施設がありません。外環道については新倉パーキングエリアしかありません。休憩施設が少ないことについては、トイレ利用などの面で利用者に不便をかけるとともに、ドライバーの疲労回復ができずに交通事故などを引き起こす要因となっております。 そこで、圏央道や外環道における新たな休憩施設の設置計画についてお聞かせください。 以上、三項目について県土整備部長に伺います。 九、所沢航空記念公園の利便性向上について。 先日、所沢市サッカー協会創立二十周年記念式典に西山議員と出席しました。その際、所沢航空記念公園に人工芝の運動場、フットサル場を整備していただいたことに感謝の声が多数寄せられました。一方で、利用料金が高過ぎるなど利便性の向上を要望する様々な声も頂戴しています。 そこで、以下の七点を都市整備部長にお伺いします。 一点目は、料金の値下げです。 利用料金が平日の昼間九時から十六時は一時間六千三百十円、十六時以降は一時間一万二千五百三十円、土日は終日一時間当たり一万二千五百三十円です。また、夜は別途照明代金が一時間一千五百三十円かかります。行政が主催だと全額減免、共催だと半額免除とのことですが、市の主催大会は年に一回ぐらいしかないと思いますし、県大会の予選はできると思いますが、大きな大会は埼玉スタジアム二〇〇二になります。人工芝にする費用がかかったため、埼玉スタジアム二〇〇二公園の人工芝グラウンドやフットサルコートと同じ料金設定にしたようですが、秋ヶ瀬公園の半日一千八百八十円や、吉見総合運動公園の一千四百六十円、子供は半額七百三十円と同じレベルにすべきと思います。料金の値下げについての見解をお尋ねします。 二点目、九時から有料で予約できますが、その前の早朝時間を無料で開放することはできないでしょうか。 三点目、私は県議になった四年前から要望しておりますが、埼玉県民の優先予約について御見解をお聞かせください。 四点目、芝がめくれてぼろぼろになったテニスコートの整備も行っていただいておりますが、整備の進捗状況をお聞かせください。 五点目、グラウンドゴルフがブームです。高齢者の方の健康維持のためにもグラウンドゴルフ場を整備できないでしょうか。適切な場所がなければ、平日の午前中にグラウンドゴルフ優先エリアの設置も有効と考えますが、いかがでしょうか。 六点目、野外ステージの騒音対策、音出し時間の制限緩和についても一般質問で取り上げていますが、どのようになっているのか近況をお尋ねします。 最後に七点目、駐車場不足は相変わらず深刻な交通渋滞を引き起こしていますが、航空発祥記念館の裏の薄暗い樹木を切り、駐車場を整備できないでしょうか。もしくは、所沢警察署が臨時で借りている財務省の土地が三月末で空く予定です。県の駐車場として整備できないでしょうか。 以上、七点、都市整備部長にお尋ねします。 十、都市計画道路飯能所沢線と東京狭山線の整備について。 都市計画道路飯能所沢線は、現在、国道四六三号から北久米交差点までの区間が供用していますが、このうち県道所沢武蔵村山立川線との交差点である岩崎交差点から北久米交差点までの区間は二車線での暫定開通となっています。岩崎交差点は渋滞がひどく、通学路でもあることから、小学校関係者や地元自治会からその危険性が指摘されています。地元住民からは、暫定開通区間を四車線で供用開始してほしいとの要望があります。 四車線での供用区間を延長するためにも、飯能所沢線の東京都までの早期開通が望まれるところですが、北久米交差点から先の松が丘東交差点までの第三工区の進捗状況とその先の第四工区の整備の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 次に、都市計画道路東京狭山線ですが、いよいよ最後の仕上げに入っています。周辺の渋滞の解消のためにも早期の全線開通が望まれておりますが、この路線は埼玉県と東京都をつなぐ道路であることから東京都との連携や調整が不可欠です。地元には、東京に入ってからの渋滞対策は大丈夫なのかを心配する声もあります。また、東所沢和田二丁目交差点では交差道路側に右折車の渋滞が発生しており、右折専用信号機の設置が必要だと考えます。要望も出ています。さらにKADOKAWAのところざわサクラタウンのオープンに伴い、入り口に当たる東川沿いの無名の交差点と橋には地元から名前を付けてほしいとの要望も出ています。このように東京狭山線の全線開通への地元の期待は大きくなっています。 そこで、未開通となっている都境から東所沢一丁目交差点までの区間の現在の状況と見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。(拍手起こる) ○新井豪副議長 三十九番 岡田静佳議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 岡田静佳議員の御質問にお答えいたします。 まず、知事公約と今後の施策展開についてのお尋ねのうち、あと数マイルプロジェクトについて、なぜ有識者会議が出てきたのか、有識者とはどういう方か、どういう議論を想定しているか、有識者会議の位置付けについてでございます。 あと数マイルプロジェクトは、公共交通や道路網の更なる利便性の向上や県内交通困難地域のアクセス向上を目指すものであります。検討に当たりましては、将来の人口減少や高齢化、新技術等の動向などを把握するとともに、これまでの経緯なども踏まえなければなりません。また、利用者は複数の交通手段を活用しており、交通政策の取組が有機的に関連していることからその全体像を的確に把握し、専門的な知見を有する有識者の意見を取り入れて検討することが効果的であると考えたところでございます。 有識者につきましては、交通計画、交通工学、都市計画などに精通した大学教授、実務経験者などを想定しており、現在選定を進めているところであります。また、この会議では、高齢社会における移動手段や地域での交通アクセスの向上について、課題の整理や方向性の検討がされることを想定しております。 あと数マイルプロジェクトの中には、交通政策審議会答申に位置付けられた路線もあれば、そうではない路線もあるなど状況は様々であります。このような経緯なども踏まえながら、専門的な知見を有する有識者に自由な議論を経て取りまとめをしていただき、それを受け止めて取組を進めていくのが実効的と考えております。 次に、工程表に期限を定め、PDCAが回るようにすることについてでございます。 あと数マイルプロジェクトのような公共交通の利便性向上の取組の中には、長期間を要するものがあります。御指摘のとおり一年という短期的なPDCAということであれば、令和二年度に有識者等による会議を立ち上げることとしており、これまでの取組などについて確認していただくこととなっています。また、この会議については、令和二年度内に取りまとめをすることを明記しております。さらに、この工程表は、このプロジェクトなど公約各項目の進め方を示したものであり、県議会の皆様の御意見も伺いながら進捗をしっかり把握、管理してまいります。 次に、路線ごとの工程表を示すことと選挙運動用ビラの記載との整合性についてでございます。 選挙運動用のビラについては、公職選挙法に基づき作成されたものであります。ビラに百二十八項目公約全てを示すことは物理的にできませんので、QRコードを付けてホームページ上の個別の政策に誘導することといたしました。あと数マイルプロジェクトについても概要のみ公報に記し、ホームページやLINEに詳細を書かせていただいたところであります。 御指摘の公職選挙法が規定する公報ビラ等のみならず、同法第百四十二条にはウェブ上の選挙運動用文書図画も規定されております。私は、かつて党を代表し、国会議員時代に与野党協議に本件の改正について出席してまいりましたが、選挙用のビラと同様にネット上の文書図画を位置付けることについて当時議論をし、法律に取りまとめたはずであり、選挙用ビラとウェブ上の図画についての優劣は、立法者の意図には含まれておりませんでした。 私としては、このような公選法の規定に基づきしっかりと政策をお示しし、その内容を皆様にお伝えしてきたところでございます。 私は、社会・経済の環境が大きく変化する中、県民の交通の利便性を向上させていくことが重要であると認識しており、公約においてもこの方向性を明記させていただきました。また、先ほど述べましたとおり、まずは有識者の意見を取り入れながら検討することが効果的であり、有識者の方にはできる限り制約のない自由な議論をしていただくことが重要と考えております。そのため、現時点で路線ごとの工程表をお示しするつもりはございません。選挙運動用のビラにおいては、所沢、草加など地域としての名前を記載させていただきましたが、具体的なルートについては様々な関係者がいる中、制約を設けない幅広い議論が適当と考えていました。 次に、あと数マイルプロジェクトをあと数キロメートルプロジェクトに変更して、延伸区間の距離も明示することについてでございます。 マイルという単位は距離を示すものとして航空会社のポイント制度「マイルポイント」や、国の自動運転の実証実験でも「ラストマイル」と呼称されるなど一定の使用、なじみがある言葉と認識しております。私としては、短い文字数で分かりやすく距離を示すものとして用いているものであります。また、延伸区間の距離につきましては、有識者等による会議での自由な議論に委ねていきたいと考えています。 今後とも経済や生活の基盤を成す公共交通について利便性の一層の向上に向け、しっかり取り組んでまいります。 次に、選挙公報や選挙運動用ビラには、「公共事業では県内企業、県経済に貢献する企業を優先」と記載されているが、具体的にどのような優先策を考えているかについてでございます。 公共事業を担っていただいている建設業の皆様には、このたびの台風第十九号による甚大な被害やCSF発生の対応に迅速に御協力をいただき、大変感謝しております。本年は、建設業の皆様が正に地域の守り手として不可欠な存在であることを改めて実感させられた年でもありました。頻発かつ激甚化する災害への備えなど地域の社会資本の整備、維持管理を担う県内建設業の重要性はますます高まっているものと考えております。 公共事業の実施に当たりましては、県全体の発注方針を定めた公共事業等施行方針に基づき発注しております。この方針では、埼玉県中小企業振興基本条例などを踏まえ、県内企業にできることは全て県内企業に発注することを基本に、発注方法を工夫しながら受注機会の拡大に努めることとなっております。また、県外への企業を対象とした場合においても、総合評価方式で県内企業を下請けとすることや、県産の材料を使う場合について加点評価をするなど県内企業の活用も促進してまいりました。加えて、県の建設工事に係る入札参加資格者名簿の審査において県内企業育成のため、県独自の評価項目による加点を行うことにより、県内優良企業をより高く評価しているところであります。私はこうした取組を更に進めなければならないと考えています。 議員からは、いつから、何パーセントくらいを目標に進めるのかとの御質問をいただきました。現在、県内企業の受注率は、平成二十六年度から平成三十年度の件数ベースにいたしまして、約八七パーセントから八九パーセントの間で推移しており、高い水準を維持しています。今後もこの水準の維持向上を図ってまいります。そのためには、WTOルール等の国際的な枠組みに基づく制約がありますが、分離・分割発注の更なる推進など工夫を行うことによって、三月に開催する埼玉県総合評価審査委員会で有識者の御意見をお伺いし、総合評価制度を見直すなど公共事業における県内企業の受注機会の拡大に努めてまいります。 次に、都営大江戸線の東所沢駅までの延伸についてのお尋ねでございます。 大江戸線の延伸につきましては、平成二十八年度の交通政策審議会答申において、都心部とのアクセス向上に意義がある一方で、県内区間については事業性に課題があり、まずは沿線開発などの取組が求められていました。県では、沿線のまちづくりの主体となる新座市、所沢市と毎年連絡会議を開催し、沿線の開発状況や今後の需要創出につながる取組などの意見交換を行っています。また、東京都とも随時、延伸に向けた取組やまちづくりなどについて意見交換を行っています。県内及び都内の沿線自治体で構成する協議会では、令和元年度からこの路線の課題解決に向けた勉強会を開催しており、県もこの勉強会に参加して検討に協力しております。 答申で示された課題を解決するためには、まちづくりを進捗させ、沿線人口を増やしていくことが重要と考えております。所沢市ではところざわサクラタウンなどの新たな開発が行われているところですが、人口減少社会の到来なども考慮すると、まちづくりを含めた更なる取組が求められるところであります。 県としては、協議会の勉強会への協力など、地元自治体をはじめとした関係自治体の具体的な検討にしっかりと協力してまいります。 併せて、交通政策はそれぞれの取組が有機的に関連していることなども踏まえ、今後、まずは先ほど申し上げました有識者等による会議において全体像を的確に把握して、課題の整理や方向性を検討していきたいと考えております。この会議での取りまとめも含めて取組を進めてまいります。 最後に、多摩都市モノレールの所沢までの延伸についてのうち、多摩都市モノレールの延伸を公約とした理由についてでございます。 私は、社会、経済の環境が大きく変化する中、県民の交通の利便性を向上していくことが重要であると認識しています。西部地域の核となっている所沢地域においても、公共交通の更なる利便性の向上が必要と考えたからであります。ただし、この路線は答申での位置付けもなく、多くの課題があることも認識しております。まずは、実現に向けた様々な課題を整理した上で検討の俎上に載せることが大切であり、一歩ずつ進めていくべきと考えます。 次に、参議院議員としてどのような取組をしてきたかについてでございます。 私は、埼玉県選出の参議院議員として、埼玉県側から県内交通網の充実などについて要望をお受けする立場にありました。個別の路線のみならず県全体の公共交通網の充実について、折を見て国土交通省をはじめとする各省庁に対し働き掛けをしてまいりました。 次に、所沢までの延伸とその場合のルートはどのように考えて公約に載せたのかでございます。 選挙運動用ビラに記載した「所沢」については、当時地域として、近接する地域としての所沢を考えておりました。具体的なルートについては様々な関係者がいる中、制約を設けない幅広い議論が適当と考えたところでございます。       〔小島康雄県民生活部長登壇〕 ◎小島康雄県民生活部長 御質問四、東京オリンピックパラリンピックの活性化についての(一)子供の参加についてお答え申し上げます。 今議会に予算をお願いしている学校連携観戦チケットは、子供たちが世界の一流選手の競技を観戦し、その感動を心に刻んでもらうものでございます。議員お話しのとおり、実際の観戦は八人に一人の割合となります。このためチケットの配分に当たりましては、議員御指摘の公平性の確保について十分に配慮しなければならないと考えております。 そこでまず、市町村立学校、県立学校、私立学校の児童生徒数により按分することを基本とします。その上で、市町村や学校からの希望を勘案するとともに、例えば小学校低学年には夜遅くならないように配慮するなど、きめ細かく丁寧に調整を進めてまいります。 次に、(二)外国人向けサイトの整備についてのうち、オリパラ特設サイトとちょこたび埼玉サイトを連携することについてお答え申し上げます。 県では、オリンピック・パラリンピックの特設サイトを開設して、東京二〇二〇大会に向けて本県が行っている様々な取組を世界に発信しております。この特設サイトは英語やスペイン語など八つの外国語に対応しており、外国語のページにも数多くのアクセスがあります。 議員御提案のちょこたび埼玉との連携でございますが、関係部局と協力して特設サイトからちょこたび埼玉などの観光情報に直接アクセスできるよう改善してまいります。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問四、東京オリンピックパラリンピックの活性化についての(二)外国人向けサイトの整備についてのうち、ちょこたび埼玉の中身の更なる充実と、インターネット検索で上位に表示させるための対策、いわゆるSEO対策の拡充についてお答え申し上げます。 まず、ちょこたび埼玉の更なる充実についてです。 来年開催される東京二〇二〇大会は、多くの外国人の方に埼玉の観光も楽しんでいただく絶好の機会です。大会期間中は、欧米からの観戦客が多数訪れると予想されており、特に欧米人に人気のある祭りや食などの体験型観光情報を充実させることが効果的と考えています。また、来年二月には岩槻人形博物館が、七月にはアニメをはじめとしたポップカルチャーの殿堂「ところざわサクラタウン」がオープンするなど、外国人の方にも注目される観光スポットが誕生します。 そこで、今年度中にちょこたび埼玉に特設ページを設け、大会期間中に楽しめる体験型観光情報を掲載するとともに、新たな観光スポットの情報を順次追加し、内容の充実を図ってまいります。 次に、ちょこたび埼玉のいわゆるSEO対策の拡充についてです。 検索エンジンの最適化を図ることは重要なマーケティングの一つです。英語版ちょこたび埼玉では、ページを作成する際に、その内容や特徴を端的に表す単語をキーワードとして設定し、グーグル等で検索した場合にページが検索結果の上位に表示されるよう努めております。 議員御提案のSEO対策の拡充につきましては、県ホームページのアクセス解析ソフトで閲覧状況を把握し、キーワードの再設定や追加設定など必要な対策を講じ、更に多くの外国人の方に御覧いただけるよう拡充を図ってまいります。 次に、御質問六、女性特有の病気への対策についてのうち、女性特有の健康課題にも配慮したより働きやすい環境づくりの推進についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、更年期障害などは五十歳前後で症状が現れるため、責任ある立場として働く時期と重なり、苦労している女性も多いと思われます。更年期障害などに悩む女性は体の不調を上司や同僚に打ち明けにくく、企業側も対応の方法が分からないという声があります。そこで、女性特有の健康課題について、まずは経営者などに知っていただき、企業の理解を促していく必要があります。 県では、女性が働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでいる企業を「多様な働き方実践企業」として認定しており、認定に当たっては毎年度、一千三百社を超える企業を職員が訪問しています。今後は新たに女性特有の健康課題への配慮について記載したリーフレットを作成し、企業訪問の機会を捉えて理解を促してまいります。 また、働き方改革のセミナーにおいて更年期障害など女性特有の健康課題についても取り上げ、相談窓口の設置や時間単位の有給休暇制度の導入など、女性が働きやすい職場づくりについて普及啓発してまいります。さらに、個々の企業が抱える課題に対しましては、中小企業診断士などの専門家を派遣して丁寧にお話を伺い、解決につながるアドバイスを行ってまいります。 女性特有の健康課題に配慮した環境を作ることは、女性従業員の離職防止や生産性向上につながるなど、企業にとっても大きなメリットがあります。出産や子育て期をはじめ、様々な年代の女性が生き生きと活躍できるよう企業の理解を促し、女性が働きやすい環境づくりを推進してまいります。       〔牧千瑞農林部長登壇〕 ◎牧千瑞農林部長 御質問四、東京オリンピックパラリンピックの活性化についての(三)外国人に向けた狭山茶のPR促進についてお答え申し上げます。 狭山茶は、「狭山火入れ」という伝統の製造方法による重厚な香りと深い味わいが特徴であり、日本三大銘茶の一つとも言われています。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の期間中には海外から多くの観光客が日本を訪れるため、狭山茶をPRする絶好の機会です。 まず、リーフレットですが、県では狭山茶業振興協力会などと連携し、英語など四か国語に対応したものを作成しました。これは外国の方に興味を持っていただけるよう、狭山茶の歴史やお茶の入れ方を含むストーリー性のある内容となっています。 次に、PR手法については、例えば川越市の蔵造りの町並みなど観光地において茶業者と連携しながら試飲と販売を行ったり、日本的なデザインのティーパックの提案なども考えられます。今後、関係者の方々とともに具体的な内容を検討してまいります。 他方で、茶業団体と協力して海外でのPRにも努めており、先月フランスの見本市で出展したところ、多くの方から好評をいただき、狭山茶の可能性に手応えを得たところです。 議員御提案のPRは、既に実施している取組と合わせることにより、相乗効果をもたらすものと考えます。県といたしましては、外国の方々にPRを効果的に行い、狭山茶の振興にしっかりとつなげてまいります。       〔知久清志福祉部長登壇〕 ◎知久清志福祉部長 御質問五、県営住宅の子供の貧困対策についてお答え申し上げます。 近年、地域の皆さんの自発的な取組として子ども食堂が広がっており、ひとり親家庭の食を支援する拠点としても期待されています。県営住宅では集会所を活用した子ども食堂が二か所で運営されており、利用する親子からは大変好評を得ているところです。しかし、集会所を活用して子ども食堂を開設するには、厨房施設の設置が必要となるなど課題がございます。 一方、議員お話しのとおり、フードパントリーがひとり親家庭の食を支援する活動として急速に広がっています。食品企業や農家などから食料を提供していただき、定期的にひとり親家庭などに無料で手渡す拠点であり、同時にだんらんの場も提供することで孤立しがちなひとり親家庭の居場所になっている例もございます。 フードパントリーは厨房施設を設置する必要がないことから、子ども食堂に比べて取り組みやすい上、ひとり親に直接支援ができるなど大きなメリットがあります。県営住宅にフードパントリーができれば、ひとり親家庭の暮らしを支える大きな力になるものと考えております。 現在、県ではフードパントリーを県内全域に普及させるため、現地見学会の開催やアドバイザーの派遣、協力企業とのマッチングなど様々な支援を行っています。福祉部と都市整備部で連携を密に図り、県営住宅でのフードパントリーの実施に向け、場所の選定や担い手の育成などを進めてまいります。 経済的困難を抱える子供たちが周囲からの温かな支援によって健やかに成長できるよう、しっかり取り組んでまいります。       〔関本建二保健医療部長登壇〕 ◎関本建二保健医療部長 御質問六、女性特有の病気への対策についてお答え申し上げます。 まず、がん検診の受診率向上についてです。 検診を受けやすい環境づくりのため、がん検診を行う一部の市町村では、土日の検診実施や託児サービスの導入などの工夫をしています。県では現在、このような取組を調査、分析しており、市町村に対して受診率向上に効果的な取組の横展開を図ってまいります。また、今年度から受診率が低い四十代をターゲットに職場から受診を促してもらい、受診者の増加に応じて事業所に補助金を交付する事業も開始しました。職場から働き掛けてもらうことで女性特有のがんの検診も受診しやすくなるため、乳がん検診と子宮頸がん検診も補助の対象としています。 検診の重要性や必要性が十分に伝わっていないことについては、県内全ての健康保険組合に直接説明し、加入事業所に対し、改めて検診の受診を勧めていただいています。これらは今年度から開始したため、まだ結果は出ておりませんが、今後の受診者の増え方を検証した上で、より効果的な事業展開を図ってまいります。 次に、更年期障害で悩む方への支援についてです。 更年期障害の症状は、ほてり、のぼせ、発汗など多岐にわたり、その程度も個人差が大きく、原因は検査をしても分かりにくいという特徴があります。このため、県ホームページを通じて更年期障害など女性の健康に関する保健所の相談窓口を案内しております。平成三十年度は十三保健所で六千五百件を超える相談を受けており、保健師が生活面でのアドバイスや症状に応じた受診の案内など、相談者に寄り添った支援を行っております。 今後はこうした取組が支援を必要としている方にしっかり届くよう、働く女性向けのセミナーや職場などを通じて更年期障害の理解と相談窓口の周知に一層努めてまいります。 次に、御質問七、医師確保に関する大学等との連携についてです。 まず、早稲田大学の医学部設置についてです。 現時点で早稲田大学は公式には医学部設置を表明しておりませんので、まずは県から早稲田大学の意向を確認したいと思います。その上で、早稲田大学が県内に医学部を設置するということであれば、県としても積極的に応援してまいります。 次に、防衛医科大学校や附属病院との連携についてです。 防衛医科大学校病院は、第三次救急を担う救命救急センターや災害拠点病院など県の医療体制において重要な役割を担っています。防衛医科大学校を卒業した医師は、後期研修では基幹施設である防衛医科大学校病院に籍を置きますが、連携施設として他の病院にも数か月間勤務することになります。その中には、西埼玉中央病院など県内二十三の医療機関が含まれています。また、退官後も多くの医師が県内の医療機関で働いており、防衛医科大学校が所沢市にあることにより、県内の医療体制に貢献いただいております。 一方、所沢地区では、夜間・休日における小児科の救急医療を当番で運営する小児二次救急輪番体制の空白日が生じているという課題があります。現在、この空白日の解消に向けて輪番病院への医師の派遣などができないか、防衛医科大学校病院と協議を行い、前向きに検討いただいております。 防衛医科大学校や附属病院と連携して、更なる地域医療の充実に努めてまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問八、高速道路の混雑緩和についてお答え申し上げます。 まず、圏央道の四車線化の整備状況についてでございます。 本県の暫定二車線区間については、現在NEXCO東日本と国が四車線化工事を進めています。このうち久喜白岡ジャンクションから幸手インターチェンジまでの区間は、既に橋りょうの下部工事に着手しております。また、幸手インターチェンジから五霞インターチェンジまでの区間については、中川を渡る橋りょうの設計が進められております。四車線化については令和四年度から順次供用し、令和六年度までに完了する予定と伺っております。 次に、関越自動車の渋滞緩和に向けた対策についてでございます。 議員御指摘のとおり、鶴ヶ島インターチェンジから東松山インターチェンジまでの区間及び嵐山小川インターチェンジから花園インターチェンジまでの区間で休日を中心に渋滞が発生しています。NEXCO東日本では、この対策として交通容量を拡大するため、付加車線の整備を進めております。既に花園インターチェンジや高坂サービスエリア付近で上下線を合わせて約五・五キロメートルの整備がされ、現在も嵐山パーキングエリアや高坂サービスエリア付近で整備が進められています。 次に、圏央道や外環道における新たな休憩施設の設置計画についてでございます。 NEXCO東日本では、圏央道で狭山パーキングエリアの拡張や茨城県坂東市に新たな休憩施設の整備を計画しています。また、外環道では八潮市内に新たなパーキングエリアを計画しており、平成三十一年三月に都市計画決定されたところです。 今後も高速道路において渋滞緩和や休憩施設の拡充が図られるよう、あらゆる機会を通じてNEXCO東日本や国に働き掛けてまいります。 次に、御質問十、都市計画道路飯能所沢線と東京狭山線の整備についてお答え申し上げます。 まず、都市計画道路飯能所沢線については、北久米交差点から松が丘東交差点までの第三工区の整備を進めており、用地買収率は八八パーセント、工事進捗率は二四パーセントとなっています。引き続き、地元の皆様の御協力をいただきながら、用地が取得できた箇所から順次工事を進めてまいります。 また、松が丘東交差点から都境までの第四工区については、接続先の道路を東京都が令和七年度までに優先的に事業着手する路線として位置付けております。県では、令和元年度に第四工区の事業化に向け現地測量に着手いたしました。今後とも早期に事業化できますよう、東京都との調整を進めてまいります。 次に、都市計画道路東京狭山線についてでございます。 現在、唯一の未供用区間である都境から東所沢和田一丁目交差点までの四百三十メートル区間の整備を行っており、令和元年度は現道に接続する交差部分の工事や照明灯の設置などを実施しています。引き続き残る工事を進め、令和二年三月までに開通できるよう努めてまいります。       〔和栗肇都市整備部長登壇〕 ◎和栗肇都市整備部長 御質問九、所沢航空記念公園の利便性向上についてお答え申し上げます。 まず、人工芝の多目的運動場の料金値下げについてでございます。 令和元年八月に供用開始した多目的運動場は、整備前に利用者の方々に対しまして埼玉スタジアム二〇〇二公園の人工芝グラウンドの料金を整備後の利用料金の目安としてお示しし、利用の意向を調査いたしました。その結果、七三パーセントの方が「埼玉スタジアム二〇〇二公園並みの料金となったとしても利用を希望する」との回答を得ました。料金につきましては、こうした利用者の意向や近隣類似施設の料金水準とのバランスなどを考慮して決定したところでございます。 現在工事中のクラブハウスが完成すると、夜間照明や観客席と合わせて更に設備の充実した多目的運動場となります。このようなことから、現在の料金は妥当と考えておりますが、全ての工事が完成した後に、改めて利用状況を確認した上で、必要があれば料金の見直しを検討してまいります。 次に、多目的運動場の早朝の無料開放と埼玉県民の優先予約についてでございます。 早朝の開放に当たっては、職員の配置や利用上のルールづくり、利用者間のトラブルなどの対応が必要となります。また、早朝利用者のみ無料とした場合、他の時間帯の利用者との公平性など実施に当たって解決すべき課題が多いと考えております。 県民の優先予約につきましては、現在、地元市主催の大会に対する優先予約などについて関係者と協議を行っているところでございます。 次に、テニスコートの整備の進捗状況についてでございます。 テニスコートは十二面ございますが、コート面の傷みが激しいことから順次改修を行うこととしております。初年度となる令和元年度は、利用者の少なくなるこれからの時期に、人工芝三面、クレー二面の改修を行う予定でございます。 次に、グラウンドゴルフ場についてでございます。 この公園では、比較的公園利用者が少ない平日の午前中に芝生の広場などを使って、特段のトラブルもなくグラウンドゴルフが行われております。グラウンドゴルフ場の整備や優先エリアの設置につきましては、まずはグラウンドゴルフの利用状況を確認し、必要性を検討してまいります。 次に、野外ステージの騒音対策についてでございます。 現在でも大きな音を出すイベントの主催者などとは、事前に綿密な打合せを行うほか、イベント当日は常に音量測定を行うなど慎重な対応を行っております。残念ながら幾つかのイベントでは、住民の方や公園利用者から騒音に対する御意見をいただいておりますので、引き続き、イベント主催者に丁寧に説明するなど、全ての方が気持ちよく過ごせるよう努めてまいります。 次に、駐車場についてでございます。 渋滞状況の調査を行ったところ、令和元年度は週末の大規模イベント時などで十五日間程度、駐車場が満車となり、周辺道路にも影響を与える状況でございました。指定管理者では、この公園が駅の近くにあることから、公共交通機関の利用の呼び掛けをホームページ等で行うほか、イベント主催者に対して自動車利用を控える案内や臨時駐車場の確保などを依頼しております。 議員お話しの駐車場整備のために公園の樹木を伐採することについては、様々な御意見があることから慎重に検討してまいります。 また、国有地につきましては、大規模イベント時などに指定管理者や主催者が臨時駐車場として借りておりますが、公園から離れているため利用者が少なく、渋滞解消には至っておりません。 更なる公共交通機関の利用促進や適切な交通誘導の徹底などを行って、渋滞解消に取り組んでまいります。 所沢航空記念公園がより一層県民の皆様に愛される公園となるよう努めてまいります。       〔三十九番 岡田静佳議員登壇〕 ◆三十九番(岡田静佳議員) 御答弁ありがとうございました。知事に再質問させていただきたいと思います。 有識者会議は大学教授などということは分かりましたけれども、路線ごとに四路線別々に有識者会議を開くのか、大江戸線だと大江戸線会議、多摩モノレール会議というのを開くのか、お聞かせいただきたいと思います。 なぜ私が、四路線個別に示せということをすごくこだわるのかと申しますと、九月議会で出されたこの知事の公約に係る取組の方向性で、いきなりこの四路線が一つになってしまったんですね。公約のところに「SR、舎人ライナー、都営大江戸線、多摩モノレールを延伸し、埼玉県内の駅につなぎ、県民の交通の利便性を向上できるように検討を進めます」という一つになって、その方向性の答えが「限られた予算の中で、県境路線を含めた効果の高い部分について重点的に整備を進めます」という形になりました。これは、私は、もしかして可能性の高いSRだけが延伸されて、多摩モノレールとかが置いていかれるのではないかなと、そういう心配があったので言っています。 今回十二月議会で出されたこの工程表の資料一には、もう主な取組が「公共交通の利便性向上策の検討、公約ナンバー七十四」とだけ書かれて、大江戸線の「お」の字も消えてしまったんですね。有識者会議と、後で答弁いただけると思いますけれども、一つになってしまって、SRだけが別出ししてあるということは、これは予算が限られている中で、SRだけやるのではないか、それをすごく私は懸念しているので言っていますので、ちょっとそこはしっかりと御回答いただきたいというふうに思っています。 それから、ウェブサイトについてですけれども、私自身もウェブ選挙はしておりまして、決してウェブ選挙を否定するわけではないんです。知事の百二十八の項目の中には、この数マイルも公共事業も含まれているんですね。その中であえてこの九項目にどちらも書かれたのが、この四路線と公共事業なんです。ですから、これは特出し、あえて特出しされた百二十八のうちの十四項目、九項目なんだから、しっかりやってくださいよと。なのに何でまとめるんですかということを、私はずっと思いがありますので、お答えいただければというふうに思っています。 それとちょっと答弁がよく分からなかったのが、所沢、草加、地域ごとにお示ししますという答弁がありましたが、東所沢というのは所沢市東所沢という地名なんですね。なので、多摩は所沢で、大江戸線は東所沢というのはちょっとよく分からなかったので、もう一度再答弁をお願いしたいと思います。 あと公共事業ですね。台風のときに頑張ってくれて、改めて県内の必要性を感じたということで、それは私も全くそのとおりです。ただ、よく業者さんに言われるのは、台風のときだけ俺たち使って、いざ大きい工事になったら東京都に取られちゃうというのですね。なので、やっぱり台風もありましたけれども、それ以外の工事も、通常の工事も取っていく努力をしていかなきゃいけない。八七から八九パーセントで維持向上していくということだったんですが、ちょっと上田知事時代の政策と変わらないのかなと。あえて大野知事が特出して載せて、取り組んで、維持というのが入ったのでちょっと私は心配してしまったんですけれども、向上させる、ちょっと具体的に聞ければ一番よかったんですけれども、その向上についての政策をもう一度、新たな取組があればお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手起こる) ○新井豪副議長 三十九番 岡田静佳議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 岡田静佳議員の再質問にお答えを順次させていただきます。 最初に、有識者会議につき、それぞれ個別の路線について課題を整理するべきではないかという御質問に対し、お答えさせていただきます。 有識者会議につきましては、先ほどお話しさせていただきましたとおり、交通計画、交通工学、都市工学などに精通した大学教授、実務経験者などを想定しておりますが、この会議ではそれぞれ異なる経緯、あるいはあと数マイルプロジェクトの中には交通政策審議会答申に位置付けられたものもあれば、そうでない路線もあります。まずは全体について御討議をいただき、その中で課題、あるいは今後の取組等について整理いただき、必要であれば路線ごとにしっかりと議論をさせていただきたいというふうに考えております。 なお、大江戸線につきましては、工程表の全体版の中の七十四番にも「都営大江戸線」と明記されておりまして、都営大江戸線は消えておりませんし、これからも消すつもりはございません。 そして、二つ目に、ウェブサイトについてでございますが、特出しを選挙公報、いわゆる紙媒体の方の選挙公報でさせていただいた理由について御質問があったと理解しております。 先ほど申し上げたとおり、紙媒体としての選挙公報とウェブサイトの両方の優先度はなく、同じように取り扱うべきだと思っています。他方で紙の中で書かせていただいたのは、それぞれの大きな項目の中を取りまとめる中で代表的なものを記させていただいたものであり、全てについて有権者の皆様には真摯にこれからも御説明をさせていただくつもりでございます。 そして、三番目に、所沢、草加のように地域名として述べたことについて、再度説明をしていただきたいという、そういう御質問だったと理解させていただいております。 先ほどのところ、御質問の答えでは、選挙運動用のビラにおいては、所沢、草加など地域としての名前を記載いたしましたが、具体的なルートについては様々な関係者がいる中、制約を設けない幅広い議論が適当という御答弁をさせていただいたところでございます。この所沢、草加というのは駅名という意味ではなく、地域としての所沢市、あるいは草加市という地域、そういう趣旨でございます。 それから、四つ目の公共工事に関してでございますけれども、今後とも大きな工事を含めてしっかりと地元企業に受注していただくことを含めて、受注割合をもっと増やすことはできないかという、こういう御質問だったというふうに理解しております。 先ほど申し上げましたのは、工事全体における県内受注企業の受注率でございますが、実は工事の工種別で見ますと、土木あるいは舗装工事では平成三十年度の契約件数ベースで約九九パーセントと、ほぼ全てを県内企業が受注しております。他の大規模な鋼橋りょう工事や特別な技術が必要な設備工事などは、その工事内容の特殊性から県内企業では施工できないものもあることがございます。 その一方で、先ほど御説明させていただきましたとおり、法律あるいは条例の上位概念であります国際法で規定された規制がありますが、その規制等も鑑みながら、しっかりと受注ができるよう発注の在り方等を工夫し、これまでの発注実績、受注実績を見ながら随時その改善に努めて、より多くの工事について県内企業に受注していただく努力をさせていただきたいと考えています。       〔三十九番 岡田静佳議員登壇〕 ◆三十九番(岡田静佳議員) 再々質問させていただきます。 私が、先ほど工程表は資料一に載っていないということを申しました。資料には公約項目だけが書いてあって、中身は資料一、行ったり来たりなんですけれども掲載ということで書いてありますので、やっぱり四路線をまず、資料に項目が書いてあるだけじゃなくて、しっかりと路線ごとに示してほしいという意味で言いましたので、一応指摘しておきます。 分かりました。有識者会議はまず全体でやって、必要であれば個別にしていくということです。ただ、私はやはり必要であると思っていて、もし必要でないと示された場合に、この四路線をしっかりやっていくという担保はどこでとったらいいのかなとちょっと思いましたので、実現性の担保について最後にお聞かせください。(拍手起こる) ○新井豪副議長 三十九番 岡田静佳議員の再々質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 岡田静佳議員の再々質問に御答弁させていただきます。 まず、最初の資料一と書かれたところに書いていないということでございますが、七十四番というところに書かせていただいておりまして、もし分かりにくいのであれば、今後書き方については工夫をさせていただきたいというふうに考えております。 そして、二つ目でございますけれども、有識者会議においてもしも必要ではない等の御議論、もしくは御意見が出された場合にも、有識者会議の御意見については当然重く受け止めなければならないとは思っていますけれども、有識者それぞれの様々な御意見があることから、そこについては現実に実施ができる方向、可能性を含めて、より詳細に御意見を聞きたいと思っています。 他方で、私は岡田議員と同様に、実現していくことを前提として議論をさせていただくつもりでございますので、それぞれの政策については、先ほど申し上げた全体としてやって、個別の路線を分けるというのは、やらないため、落とすためにやるのではなくて、それぞれ個別の路線をいかにしたら実現できるのか、そのための課題は何であって、何を克服するべきなのかという方向についての諮問をさせていただくという有識者会議だと思っております。単に白紙でどこがいいよねという、そういう議論にするつもりはございませんので、その方向性についての諮問をさせていただきたいということで、担保を行政としてはさせていただきたいと思っております。          ---------------- △休憩の宣告 ○新井豪副議長 暫時、休憩いたします。午後二時二十四分休憩          ----------------午後三時二分再開 出席議員    九十一名     二番    三番    四番    五番     六番    七番    八番    九番     十番   十一番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十五番   二十六番  二十七番  二十八番  二十九番    三十番  三十一番  三十二番  三十三番   三十四番  三十五番  三十六番  三十七番   三十八番  三十九番   四十番  四十一番   四十二番  四十三番  四十四番  四十五番   四十六番  四十七番  四十八番  四十九番    五十番  五十一番  五十二番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十一番  八十二番   八十三番  八十四番  八十五番  八十六番   八十七番  八十八番  八十九番   九十番   九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名     一番  五十三番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(奥野) 副知事(飯島)   企画財政部長   総務部長    県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長    福祉部長   保健医療部長   産業労働部長  農林部長   県土整備部長   都市整備部長  会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者   下水道事業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○神尾高善議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○神尾高善議長 質疑質問を続行いたします。 六十九番 中屋敷慎一議員       〔六十九番 中屋敷慎一議員登壇〕(拍手起こる) ◆六十九番(中屋敷慎一議員) 議席番号六十九番、自由民主党議員団の中屋敷慎一でございます。今定例会最後の質問者として登壇させていただきました。しっかりと質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。 初めに、知事公約と今後の施策展開について、知事の公約の実現に向けた取組(工程表)について伺います。 このたび発表された「知事公約の実現に向けた取組(工程表)」は、九月定例県議会の議論を受け、知事の五大プロジェクトと各施策の四年間の具体的な内容やその工程をより明らかにするために、知事に御提出いただいたものです。今議会では、私を含め八名の自民党県議団所属議員が様々な角度から質問させていただきましたが、理解が深まったとは言えない状況です。 何がそうさせるのか、どうお尋ねすれば私たちの疑問が解消されるのかと思い悩んでいるときに、同僚議員が、大野知事より僅かに早く当選を果たされた群馬県知事をお務めの山本一太知事の「全力疾走366プラン」という、まずこの一年間三百六十六日の間に「新・群馬」の創造に向けたスタートダッシュをどう決めていくかという工程表を発見してくれました。これがその366プランの工程表です。 そして、皆さんによりお分かりいただきたいということで、ちょっと遠くて申し訳ないですけれども、見てください、いいですか。この366プランは群馬の未来を描く新総合計画の策定、県民幸福度を高める「ぐんまSDGsイニシアティブ」の展開、知事公約を実現する具体策のクイック展開を示しています。 この中で、私が感心させられたのは、知事公約を実現する取組の中で、①知事公約で約束したテーマは各種計画の策定を待たず、トップダウン・アンド・ボトムアップでクイックに展開すると宣言し、トップリーダーとしての覚悟を示していること。②知事の政策を具現化したプロジェクトを推進する上でも、重点的な施策は知事、副知事直轄で推進していくと宣言していること。③三百六十六日の間に、まず令和二年度の当初予算編成の中で、施策の具体化、精査をした上で、プロジェクトを動かしつつ、令和二年度中に二度の補正予算を予定するなど、短期間の間にPDCAサイクルを回し続ける覚悟を示している、これなどが挙げられます。 正にこの工程表からは、山本新知事が新しい群馬県を作り上げていくためのスタートダッシュをトップリーダーの決意とともに伝えていると感じました。きっとこれを御覧になられた群馬県民は、山本知事を選んでよかったと思われるはずです。私は、この五日間の大野知事との議論の中でお示しいただいた工程表から、そうした思いを受け取ることはできませんでした。本当に残念です。 その上、驚いたことに知事は、昨日、我が会派の美田議員の質問に対する答弁の中で、「今回示した工程表は単に施策の進め方として取りまとめたものであります」とお答えになっています。そもそも私たちが九月定例会で知事に工程表を求めたのは、私たちから見れば明らかに実現不可能な政策が見受けられたからです。それでも知事は百二十九の公約を実現できるとお考えになったからこそ、工程表をお示しになったのではないでしょうか。 しかし、今回御提示いただいた工程表は、残念ながら知事の公約実現の根拠とはなり得ませんでした。実現年度も定まらず、具体的な施策の提示もありませんでした。むしろ選挙の際に、県民に訴えられていたときの知事公約から後退しているのかなとさえ感じられました。私は、政策の方向転換か、知事公約実現に向けた納得できる新たな根拠を示す必要があると思います。政策が実現不可能であれば、県民の貴重な税金を投じることは決してできないと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、災害対応に係るタイムライン・マイタイムラインの策定について伺います。 午前中の横川議員の質問にもありましたが、令和元年台風第十九号によりもたらされた甚大な被害は、私たち県民に水害対策の更なる強化を求めていると考えます。 さて、災害対応の様々な取組の中で、タイムラインという災害時の行動計画があります。災害が発生することを前提として災害対応に従事する関係者が、いつ、誰が、何をするかを時間軸に沿って整理し、関係者間であらかじめ合意し、災害発生時に調整なしに連携のとれた対応をするために文書化したものです。 国土交通省では現在、水害対応タイムラインとして、市町村長が避難勧告等を適切なタイミングで発令できるように全国百九水系の七百三十市町村と連携し、洪水を対象とする避難勧告着目型タイムラインを策定し、各地域で実践され、有効性も確認されてきていました。しかし、報道によりますと今回の台風では想定をはるかに超える強い雨が降り続いたために、それぞれの段階での判断を下すのに最も重要な情報の精度が高いと言えない状況も一部に見受けられたようです。 そこで、まず今回の台風において提供された情報や伝達の精度について、国土交通省荒川上流河川事務所、埼玉県及び六十三市町村相互の情報連携は問題がなかったのかどうかについて、県土整備部長の御所見をお聞かせください。 また、都道府県管理河川に係る水害対応タイムラインについては、令和三年度までに作成することとされています。そこで、現在の本県における県管理百五十一河川のタイムラインの作成状況及び令和三年度までの達成見込みについて、県土整備部長の御所見をお示しください。 そして、市町村や関係機関に対しタイムラインへの理解を広げるために、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どう取り組んでいくのかについて、県土整備部長の御所見をお示しください。 さらに、私は県内の高齢者施設などの被害状況に鑑みると、タイムラインそのものを高齢者の円滑な避難に資する必要があると考えます。そのため河川管理者、市町村、気象台等に加え、福祉部局や福祉事業者やライフライン事業者、コミュニティ放送局など様々な関係者の防災行動を対象とする水害対応タイムラインである多機関連携型タイムラインへとステップアップさせていくことが求められると思いますが、県土整備部長のお考えをお聞かせください。 また、台風災害に関しては、台風の進路がおおむね定まった状況から上陸までに時間的な猶予があることから、災害から生命、財産を守る自助に厚みを持たせられる可能性が高くあります。そのため、県民個々が自らの行動指針となるマイタイムラインを備えることが必要と考えます。お隣の東京都では、既に今年五月に東京マイ・タイムラインを作成し、都内全ての児童生徒を通じて配布するとともに、区市町村の防災イベント等においてもPRを行うなど、都民の的確な避難行動の実現に向けた普及啓発活動を展開しているそうです。 私は、本県においても(仮称)埼玉マイ・タイムラインを作成し、組織率九〇パーセントを超える自主防災組織を通じて普及を図ることや、昨年三月にリニューアルされた県防災学習センター「そなーえ」での作成講座を実施するなど普及啓発を進め、県民の意識改革を進めることは極めて重要であると思っています。 県内に発生する台風災害において「備えあれば憂いなし」は難しくても、「備えあれば憂い少なし」を実現するために、こうした取組を力強く進めるべきと考えますが、危機管理防災部長の御見解をお示しください。 次に、県立近代美術館などの美術品や文化財の水害対策についてお伺いします。 人命や人々の暮らしに大きな打撃を加え、関東以北に甚大な被害をもたらした台風十九号の数ある報道の中で、私は川崎市市民ミュージアムの地下収蔵庫の浸水被害の映像にも大変驚かされました。九つある地下収蔵庫には絵画や浮世絵、古文書などの約二十六万点が収蔵され、その多くが浸水したとのことでした。大変な被害です。川崎市によると、二〇一八年に改定されたハザードマップでは、ミュージアムのある場所は多摩川流域に千年に一度の大雨が降り、氾濫した場合には浸水深五から十メートルとされており、市は浸水の可能性を認識していたにもかかわらず対策していなかったとのことで、予見できていたとすれば人災と言わざるを得ない状況だったようです。 さて、本県の台風十九号における文化財被害は、歴史的建造物や史跡などの四十五件に及んだとの報道がありました。幸いにも川崎のような絵画などの被害は発生しなかったとはいえ、今後想定しなければならない台風の大型化や線状降水帯による大雨にしっかりと対処していける方策をとらねば、当時四億二千万円で購入したピカソの「静物」や、昨年県としては約二十年ぶりに一億円を超える高額な絵画として二億九千万円で購入したポール・シニャックの「アニエールの河岸」などの県民共通の宝、そして国の内外を問わない宝でもある絵画などを守ることはできないのではないでしょうか。私は、これらの宝を未来に向けて健全に確かにつなぎ伝えていくことも、今を生きる私たちの大きな責務であると考えています。 現在、県教育局では、近代美術館をはじめとする八つの美術館や博物館と二つの図書館を所管されているとのことですが、これらの施設はそれぞれの収蔵品をどのように水害から守り、未来へとつないでいこうとしているのでしょうか。例えば、各施設の立地や敷地面積に応じて上層階の収蔵庫を整備することや、水害が予想される際には美術品などを事前に避難させる体制などは整っているのでしょうか、教育長にお尋ねします。 また、水害対策の好事例として、岡山県倉敷市にある大原美術館では、県内南西部を横断する一級河川高梁川が氾濫し二メートルの冠水があることを想定して、二〇〇七年に防水壁の立ち上がる収蔵庫を新設対応し、あの西日本豪雨の難から逃れたとの記録もあります。 こうした事例を踏まえると、私は、地下に収蔵庫を備えている近代美術館と歴史と民俗の博物館は、大原美術館収蔵庫のような建築基準法の定めの上を行く取組も視野に入れていかなければならないと思います。美術品や文化財を健全に、そして確かに未来へとつないでいくためには、県内に多くの水害が発生した今だからこそ検討し始めなければならないと考えますが、教育長の御見解をお示しください。 次に、コウノトリも生きられる環境を未来へとつなごうについて伺います。 本県では、生物多様性の保全を進めるべく二〇一七年度から二〇二一年度を取組の期間とする埼玉県生物多様性保全戦略を展開しています。この県戦略は、生物多様性基本法や「生物多様性国家戦略二〇一二-二〇二〇」といった国の方針などを参考に定められた戦略で、三つの基本戦略からなっています。その基本戦略の二、「里地里山の多様な生態系ネットワークを形成する」の中に「多様な生態系と野生動植物の保全の推進」とあり、取組の中に「水辺生態系の頂点に位置し生物多様性を改善する上での総合指標とされるコウノトリについて、その野生復帰が関東広域で取り組まれていることから、国や市町村、庁内関係課、保全団体等と連携し、必要となる事業の推進を図ります」と記されています。 現在、関東広域での取組の中心は、国土交通省が事務局となり、埼玉県も参画する関東エコロジカル・ネットワーク推進協議会と、実際に取組を進めている野田市、小山市、鴻巣市が中心となり、五県二十八市町が参加する「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」であり、シンポジウムなどを開いて機運の醸成を図ったり、具体の取組が進められています。 私は、先月十二日に、この取組の先進地である兵庫県豊岡市を日帰りで訪ねてきました。市のコウノトリ共生課の職員さんや御当地の中貝市長さんとも意見交換させていただき、先進地としての取組の歴史や努力、成果について御教授いただきました。また、最初にお訪ねした兵庫県立コウノトリの郷公園では、野生復帰を果たして雄大に羽ばたくコウノトリに出会い、すっかりファンになってしまいました。また、市内各所に整備された湿地公園では、餌を探すコウノトリにも出会いました。 お訪ねしてみて最も強く感じたのは、この事業を関東広域で展開していくことは容易ではないということです。でも、だからこそ首都圏、関東広域でこの状況を成し遂げられたときの価値は非常に高いものであると思います。現在、我がまち鴻巣市は関東広域の一員として、いよいよ再来年から開始するコウノトリの飼育に向けて準備を急ぎつつ、関係各所との折衝に力を注いでいます。 さて、この課題については、同じ鴻巣市選出の並木議員も平成二十九年の九月定例会で質問し、当時の知事は、「市の取組について積極的に支援していきたい」と答弁していますし、環境部長は、コウノトリを含めた多様な生物が生息、成育できる生態系の確保に市町村、保護団体と協力し、積極的に取り組む旨答弁されています。 そこで、まず、答弁後の二年にわたる期間に埼玉県はどのように積極的に鴻巣市の取組を支援したのか、そしてどのように多様な生物が生息、成育できる豊かな生態系の確保に市町村、保護団体と協力し、積極的に取り組んできたのか、環境部長より御答弁ください。 また、大野知事が推進されようとしているSDGsの政府による取組の中には、「生物多様性、森林、海洋等の環境の保全」と明確に記されています。であるならば、事業実施市の取組を支援するにとどまらず、埼玉県が関東広域の旗頭になるほどの意気込みで取り組んでいくべきと考えますが、併せて環境部長のお考えをお聞かせください。 次に、ものづくり人材の更なる育成についてお伺いします。 全国五位の事業所数を誇る本県は、その九九・九パーセントを中小企業が占め、そのうち八七パーセントに及ぶ小規模企業が主役と言えます。また、東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県の中にあって、本県の製造業の占める割合は他都県に比して五パーセントほど高く、これはまさしくものづくり立県埼玉を表す数字と言えるのではないでしょうか。 私は、中小・小規模企業が好景気を実感し難い状況が続く中、ものづくりを支える人材の育成は、本県の抱える大きな課題であると考えています。そうした中、現在、本県では若年産業人材育成に向けて六校の高等技術専門校での教育に注力したり、職業能力開発協会による若年技術者人材育成支援等事業を展開したりと若年技術者の育成に努めてきています。 そうした事業の中に、私が最も注目している事業として、ものづくりトップレベル技能者育成訓練事業があります。この事業は、技能の祭典である技能五輪や各種競技大会を目指す技能士会、事業所、学校等での競技課題を活用した訓練を行うもので、平成二十九年度から行われてきました。この事業を行ってきたこともあり、今年三月に兵庫県で開催された第三十回技能グランプリには本県から九職種二十名の選手が参加し、金賞の内閣総理大臣賞をはじめとする各賞を十一名の方が受賞し、選手団としても優秀技能選手団賞を獲得するという優秀な成績を収められました。 私は、本県の産業人材の育成は、その分母となる若年技能者を増やしていく取組と、その目標となるトップレベルの技能者を育成していく取組の二つの取組を同時に行わなければならないと思います。ものづくりトップレベル技能者育成訓練事業のように、その道のたくみと若手技能者が訓練を通じて技能を伝承していく機会を重ねていくことで本県の技能のレベルは更に向上し、技能士会をはじめとする関係機関が念願としている本県での技能グランプリ開催に向けても機運が高まっていくものと思います。 私は、この三年間のものづくりトップレベル技能者育成訓練事業の成果を踏まえ、更にブラッシュアップした形で事業を展開していく必要があると考えますが、産業労働部長の御所見をお示しください。 次に、「しんぶん赤旗」の県職員勧誘問題についてお伺いします。 この問題については、平成二十七年二月定例会の一般質問において田村琢実議員が取り上げられ、日本共産党所属の県議会議員による職員への赤旗勧誘状況の把握や講読勧誘において必要となる手続、赤旗の勧誘、講読に関する実態調査や是正措置の必要性などがただされました。 質問に対する当時の総務部長から、「講読勧誘をしていることがあるとは聞いているが、詳細は把握していないこと」「手続以前のこととして、庁舎管理規則の運用において庁舎内での新聞等の講読勧誘は認めていないこと」「庁舎管理規則の内容及び新聞等の講読勧誘を認めていない趣旨を説明した上で、庁舎内での講読勧誘は行わないよう申入れを行うこと」などが答弁されました。 さて先頃、我が会派に県庁職員から、共産党議員から赤旗の講読勧誘をされたとの情報提供がありました。四年前に本会議場で議論がなされたにもかかわらず、まだ続いていたのかと驚きましたが、総務部長が答弁したとおり、庁舎内での新聞等の講読勧誘は認められていないことは明らかです。 そこで、質問いたします。 一点目として、この問題に関する一般質問が行われた四年前以降に、実態として共産党議員による職員への赤旗の講読勧誘はあったのでしょうか。 二点目として、庁舎管理規則の運用において新聞等の講読勧誘は認めていないことについて、日本共産党埼玉県議会議員団に対し申入れは行われてきたのでしょうか。また、行ってきたとすれば、これまでに申入れの対象となった講読勧誘はどの程度あり、どのような説明、申入れを行ってきたのか。 三点目として、庁舎内での講読勧誘が続けられ職員の職務遂行に干渉しているとすれば、申入れを上回る是正措置が必要であると考えますが、いかがでしょうか。 以上、三点について総務部長にお伺いします。 次に、ラグビーワールドカップの経験をオリンピック・パラリンピックに生かそうについてお伺いします。 ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会は、本県ではこの大会に向けて新装なった熊谷ラグビー場で三試合が開催されました。課題であった会場へのアクセスについては、県バス協会との連携によりバスを三百台確保し、周辺五つの駅からのシャトルバス運行を行ったことで輸送ルートの分散化を図り、渋滞緩和に結び付けたそうです。また、埼玉県警との連携により、会場周辺の交通規制や信号調整も行われたことで、観客輸送のバスが大変スムーズに運行できたとのことでした。 また、大会の顔として活躍した約一千三百人のボランティアの活動は、心温まるおもてなしとして連日マスコミに取り上げられ、ネット上では観客輸送と併せて「熊谷の神対応」と評されるほどでした。加えて、熊谷市と周辺自治体が招待した約一万五千人の小中学生が出場チームの国歌をスタンドで歌い、海外から来場した選手やファンに大きな感動も与えました。 そして、セキュリティを考えて当初持込みを禁止していた飲食物についても、会場内の売店に長蛇の列ができてしまうことや暑さへの対策などにより、大会組織委員会は急きょ食べ物を持込み可とし、飲物もお茶や水を水筒に入れれば許可することとしました。私は、この当初から決められていたことを状況判断により改善していく組織委員会の柔軟な対応にも大変驚かされました。 私は、正にラグビーワールドカップ日本大会の成功の鍵は、このようなホスピタリティの高さと柔軟な対応にあったのではないかと思います。 さて、いよいよ二〇二〇東京オリンピックパラリンピック開幕式まで二百十四日となりました。本県は、ラグビーワールドカップで培った高いホスピタリティや様々なノウハウを生かして、大会を成功へと導かなければなりません。 そこで、同日複数会場での開催も予定されるオリンピック四競技と障害者の皆さんにも特段の配慮を要するであろうパラリンピック射撃競技の成功に向けて、熊谷で培ったノウハウをどのように生かし、ホスピタリティの高さを示していくのか、また、県内各地でキャンプ地、ホストタウンを引き受けている市町とどう連携して埼玉県ならではのおもてなしを作っていくのか、県民生活部長にお尋ねします。 最後に、地元問題についてお伺いします。 まず、県道鴻巣桶川さいたま線の鴻神社前交差点の整備について伺います。 旧中山道である県道鴻巣桶川さいたま線は、地元鴻巣市の地域経済や住民の暮らしを古くから長く支えてきた道路です。この県道と鴻神社前交差点で交差する都市計画道路三谷橋大間線のJR高崎線アンダーパスが平成二十五年度に開通し、市内の東西方向の行き来が大変便利になったことから、鴻神社前交差点の県道方向からの右折車両はかなり増加しています。しかし、この県道には右折帯がないことから、ここ数年、慢性的な交通渋滞が発生しており、地元からは早期に交差点整備を進めていただきたいとの強い要望が寄せられています。 そこで、県道鴻巣桶川さいたま線の鴻神社前交差点の整備の見通しについて、県土整備部長に伺います。 次に、県道行田蓮田線郷地橋交差点と歩道の整備について伺います。 県道行田蓮田線は行田市から鴻巣市を経て、蓮田市に至る地域の主要な幹線道路です。この県道と県道内田ヶ谷鴻巣線が交差する郷地橋交差点は、いずれの県道にも右折帯が設置されていないため、朝夕を中心に慢性的な渋滞が発生しています。また、この県道は一部を除き笠原小学校の通学路に指定されており、小学校から旧郷地橋までの区間はおおむね歩道が整備されていますが、その西側の区間については整備されておらず、通学児童は狭い路肩を危険な思いをしながら学校へと行き来しています。このため県では、交差点と歩道の整備に着手していただいておりますが、地元からは早期の完成を望む声が届いております。 そこで、郷地橋交差点と歩道の整備について、現在の進捗状況と今後の見通しについて県土整備部長に伺います。 以上で私の一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○神尾高善議長 六十九番 中屋敷慎一議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 中屋敷慎一議員の知事公約と今後の施策展開についての御質問にお答え申し上げます。 山本一太群馬県知事の工程表「全力疾走366プラン」につきましては、私も拝見させていただきました。議員お話しのとおり、具体策のクイック展開、直轄での強力な施策推進、予算編成の時期が記載されておりました。公約や工程表の示し方は人それぞれ異なると思いますが、具体策のクイック展開においては、公約で掲げられた百八十の項目のうち五つの重点政策の工程が記載されています。この工程表は、策定の時点では公約の項目全てについて記載ができないとして、主な十五項目について、来年十月までの取組を記載したものと御本人が説明されておられます。 他県の知事の公約及び工程表に関し評価することは避けたいと思いますが、山本一太知事の公約に関する工程表が公約の一部のみを取り上げているのに対し、私がお示しした工程表では公約に掲げた百二十八項目全てについて、現時点で見通せる工程を五年間分記載させていただいており、そのうち五大プロジェクトなど三十五の重点項目についてはそれぞれ詳細な工程を、直ちに取り組むもの、方向性を示すもの等に分け示させていただいております。また、その上で、幾つかの重要な施策については直轄プロジェクトとして立ち上げ、力強く推進するつもりでございます。 今回、取組の方向性を踏まえて施策の進め方として取りまとめた工程表は、第一に、公約各項目を県の施策として取り組んでいくためには、まずは職員との議論を経て共有していくことが必要と考えたために作成いたしました。また今後、県民や県議会議員の皆様をはじめ、あらゆるステークホルダーの皆様に御意見をいただくため、公表もさせていただきました。現在、令和二年度の予算編成作業などを通じて、施策としてそれぞれをブラッシュアップしているところでございます。 公約に掲げた施策につきましては、議員の皆様の御意見もお伺いしながら、5か年計画にどのように反映するのか、来年度中に検討したいと考えております。 私は、知事選挙に臨み、強い思いと志を持っておりました。これまでの県の取組に、私が考えた外部からの視点、新たな視点で取組を加え、埼玉県をもっと良くしていきたいとの強い決意をいたしました。また、誰一人取り残さない、日本一暮らしやすい県にするという不退転の思いを抱きました。 埼玉県は、七十五歳以上の高齢者が日本で最も速いペースで増加するなど、世界で誰も経験したことがない少子高齢化など時代の大きな変化に直面いたします。そのような中、時代の変化に合わせ、未来に向けて大きくかじを切るために、あえて中長期の視点で将来を見据えたビジョンとなるような項目も公約に掲げさせていただきました。 公約に掲げた項目を実現するためには、様々な課題に対して正面から向き合い、現実的な視点も加えていかなければなりません。固い信念に加えて、中長期のビジョン実現までには困難やうよ曲折もあろうかと思い、したがって時には柔軟な対応も求められるかと思います。それでもなお、その実現に向けてリーダーシップを発揮し、全身全霊で取組を進めてまいります。 一方で、独りよがりになることなく、県民目線で効果的で効率的になるよう、常にチェックもさせていただきたいと思っています。また、民意を代表している県議会議員の皆様の御協力、御知見を賜ることも必須だと考えています。 私は、より一層魅力、活力にあふれる日本一暮らしやすい埼玉県の実現に向け、全力で取り組んでまいります。       〔中村一之県土整備部長登壇〕 ◎中村一之県土整備部長 御質問二、災害対応に係るタイムライン・マイタイムラインの策定についてのうち、タイムラインについてお答え申し上げます。 まず、台風第十九号における国、県、市町村の情報連携についてでございます。 台風第十九号に伴う洪水の際に、国や県では洪水予報河川及び水位周知河川において、あらかじめ定めた基準に基づき氾濫警戒情報など河川の防災情報を発令し、市町村など関係機関に情報伝達を行いました。この中で、国管理河川における堤防決壊の発生から氾濫発生情報の伝達までに時間を要したなど、一部に改善すべき点があったことを承知しております。防災情報が沿川の市町村や住民に確実に伝わり、正しく理解されることが的確かつ迅速な避難のためには重要です。今回の台風のように同時多発的に複数の河川からいっ水、越水が発生し、多くの防災情報を並行して伝達する必要がある状況にも対応できるよう、情報伝達について国とともに検討してまいります。 次に、県管理河川のタイムライン作成状況と今後の達成見込みについてでございます。 令和元年度に、洪水予報河川四河川に関する二十一市町がタイムラインを作成する予定です。今後は令和二年度までに水位周知河川十四河川にかかる三十七市町が作成することを目標とし、令和三年度からはその他の河川に関する市町村で作成してまいります。 次に、タイムラインへのこれまでの取組と今後の取組についてでございます。 これまで、平成三十年に設置した「埼玉県管理河川の氾濫に関する減災対策協議会」において、気象台と連携しながら洪水予報河川の気象や水位の情報を記載した作成事例を提供することにより、タイムラインの作成を促進してまいりました。引き続き、既に作成済みである市の事例を紹介することにより作成を促進するとともに、市町村と連携してタイムラインを活用した訓練を実施し、明らかになった課題を踏まえて改善を図り、より実効性のあるものにしてまいります。 次に、多機関連携型タイムラインへのステップアップについてでございます。 現在作成を進めているタイムラインは避難勧告着目型に相当し、市町村が避難勧告などを適切なタイミングで発令できることに着目して作成をしております。一方、多機関連携型は避難勧告着目型に加え、要配慮者施設など様々な関係する機関での防災行動を対象に加えたものとなります。県としては、まず避難勧告着目型タイムラインの作成を進め、その後、多機関連携型タイムラインへステップアップを図ってまいります。これと並行して水防法などに基づき、要配慮者施設における避難確保計画の策定支援を福祉部と連携して進め、将来のステップアップに備えてまいります。 次に、御質問八、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)県道鴻巣桶川さいたま線の鴻神社前交差点の整備についてでございます。 県では鴻神社前交差点の交通渋滞の対策として、県道鴻巣桶川さいたま線に右折帯を設置する交差点整備を進めています。これまでに整備に必要な路線測量や道路詳細設計が完了し、現在用地測量を実施しています。今後の見通しについてでございますが、令和二年度から順次物件調査を実施し、用地取得に着手してまいります。引き続き、地元鴻巣市と連携し、事業の推進に取り組んでまいります。 次に、(二)県道行田蓮田線郷地橋交差点と歩道の整備についてでございます。 御質問の県道行田蓮田線においては、渋滞解消と歩行者の安全を確保するため、郷地橋交差点の整備と交差点を含む六百九十メートルの区間で歩道整備を行っています。平成二十九年度に地元説明会を行い、平成三十年度から用地取得に着手し、現在の用地買収率は八パーセントとなっております。令和元年度は引き続き用地取得を進めるとともに、本格的な工事に着手できるまでの間、御協力いただいた箇所を有効に活用し、歩行者の安全対策を図る暫定的な利用方法を検討してまいります。 今後も地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら用地取得を進め、事業の推進に取り組んでまいります。       〔森尾博之危機管理防災部長登壇〕 ◎森尾博之危機管理防災部長 御質問二、災害対応に係るタイムライン・マイタイムラインの策定についてのうち、(仮称)埼玉マイ・タイムラインの作成についてお答え申し上げます。 マイタイムラインは、台風や大雨等で災害の危険が迫ったときにとるべき行動を住んでいる場所や家族の状況などを考えて、あらかじめ時系列的に整理した自分自身の防災計画でございます。災害時の判断をサポートするツールとして役立つとともに、その作成の作業を通じて地域のリスクを改めて考えるきっかけになるなど、防災意識を高める効果も期待できます。 今後、先進事例も参考にしながら、県民の皆様が手軽に活用していただけるようなマイタイムラインを作成し、普及に取り組んでまいります。例えば、県が講師を派遣する自主防災組織の講座にテーマとして取り入れたり、県内各地で開催される防災イベントなどで広くPRしていきたいと考えております。また、防災学習センター「そなーえ」におきましても、親子で楽しく学べるマイタイムラインのイベントを定期的に実施することなども検討してまいります。 県民の皆様が災害に備え、いざという時の適切な行動につながるよう、マイタイムラインの取組を積極的に進めてまいります。       〔小松弥生教育長登壇〕 ◎小松弥生教育長 御質問三、県立近代美術館などの美術品や文化財の水害対策についてお答え申し上げます。 まず、美術館などの各施設の立地や敷地面積に応じて上層階の収蔵庫を整備しているのかについてでございます。 県立の美術館、博物館の収蔵庫は、収蔵品を長期間安全かつ安定した環境で保管するため、その材質、形状、大きさや周辺環境、作業のしやすさなどを考慮して設置しております。八館のうち地下に収蔵庫があるのは、歴史と民俗の博物館、近代美術館、文書館、さいたま文学館の四館で、そのうちさいたま文学館以外の三館は上層階にも収蔵庫がございます。地下に収蔵庫を設置しておりますのは、耐震性や温度、湿度の管理に優れているということなどによるものでございます。また、県立図書館の施設は全て地上にあり、県にしか所蔵していないような貴重な書物は上層階に収蔵しております。 次に、各施設では水害が予想される際に、美術品などを事前に避難させる体制などは整っているのかについてでございます。美術館、博物館の収蔵品は、その大きさ、状態、数などから全てを急ぎ避難させることは難しい状況にございます。 次に、美術品や文化財を未来につないでいくために、収蔵品を水害から守るための取組を検討していくのかについてでございます。 議員お話しのように、川崎市など他県での収蔵品の被害を踏まえれば、台風の大型化や線状降水帯による大雨へのより適切な対処が必要となってくるものと考えております。そこで、まずは大規模な水害が予想された際には、美術館、博物館の中で特に貴重な収蔵品については、事前に上層階や他施設へ避難させるなどの対策を行ってまいります。その上で、想定外の自然災害へも対応できるよう施設、設備全般の在り方について、十分検討してまいります。 県といたしましては、県民共有の財産である貴重な収蔵品を確かに未来へとつないでいくために、様々な知見を活用しながらより良い方法を見出してまいります。       〔小池要子環境部長登壇〕 ◎小池要子環境部長 御質問四、コウノトリも生きられる環境を未来へとつなごうについてお答え申し上げます。 まず、答弁後の二年間にどのように積極的に鴻巣市の取組を支援したのかについてでございます。 鴻巣市は、平成二十七年三月に「コウノトリの里づくり基本計画」を策定し、平成三十年十一月には「鴻巣市コウノトリの生息域外保全実施計画策定有識者会議」を設置いたしました。この会議に県も参画し、関係法令についてのアドバイスを行うなど、コウノトリの野生復帰を目指して検討を重ねてまいりました。また、こども動物自然公園から講師を派遣し、地元の小学生を対象としたゲストティーチャー授業を行うなどの支援も継続してきたところでございます。 鴻巣市が令和三年度に予定しているコウノトリの飼育開始に向けて関係機関との具体的な協議を行うほか、その後の繁殖、放鳥など各ステージにおいても鴻巣市とともに取り組んでまいります。 次に、どのように豊かな生態系の確保に取り組んできたのかについてでございます。 豊かな生態系の確保には、動植物の適正な保護、自然環境の保全、そして自然を大切にする人材の育成が肝要と考えております。まず、ムサシトミヨなどの希少動植物については、保護団体や学校などと保護増殖や保全活動を行うとともに、アライグマなどの外来生物については、市町村などと連携した防除を進めてまいりました。また、彩の国みどりの基金を活用した森林の整備による豊かな植生の回復や、川の国応援団への支援などを通じた川の再生に取り組み、動植物が生息、生育しやすい自然環境の保全にも努めました。さらに、将来を担う世代にも自然を大切にする心が育まれるよう、学校や団体などで子供たちが主体的に取り組む環境保全活動や環境学習を支援してまいりました。 次に、関東広域の旗頭になるほどの意気込みで取り組んでいくべきについてでございます。 コウノトリは水辺の生態系ピラミッドの頂点に位置すると言われており、自然界で生きていくためには、その餌となるたくさんの生き物が育まれる豊かな自然環境が必要です。こうした自然環境は、私たち人間が豊かな暮らしをする上でも欠かせないものであり、その実現に向けた取組は、正にSDGsの達成につながるものと考えます。 今後も市町村や保護団体などと協力し、コウノトリをはじめ多様な生物が生息、生育できる環境づくりに取り組んでまいります。       〔加藤和男産業労働部長登壇〕 ◎加藤和男産業労働部長 御質問五、ものづくり人材の更なる育成についてお答え申し上げます。 ものづくりトップレベル技能者育成訓練事業は、全国的な技能競技大会への出場、入賞を目指す若手技能者に熟練技能者が技術指導を行うものです。事業を開始した平成二十九年度からの三年間で、技術指導を受けた者の中から延べ九十一人が技能グランプリや技能五輪全国大会などに出場し、延べ二十九人が入賞を果たしました。技能日本一を競う技能グランプリでは、今年三月の兵庫県大会において、入賞者が前回大会から四人増えて十一人になりました。特に洋服製作部門では入賞者なしから、一気に金賞を受賞しており、この事業により大きな成果を上げております。また、二十三歳以下の青年技能者が技を競う技能五輪全国大会では、冷凍空調部門で事業実施前後の三年間を比較すると入賞者数が三人から七人に増加しております。 現在、ものづくりの現場では高齢となって現場を退くベテラン技能者が増えている中で、新たに就業する若者が減少しており、技能伝承が進まなくなることが危惧されております。本県のものづくり産業の発展のためには、議員御指摘のとおり次世代を担う若手技能者を増やしていくとともに、特に若い人たちの目標となるトップレベルの技能者の育成を進めていくことが必要です。 私も先月、愛知県で開催された技能五輪全国大会を視察し、プレッシャーの中で懸命に競技に取り組む選手に感銘を覚えました。また、若手技能者が全国レベルの競技大会で活躍するためには、その大会で入賞経験のある指導者に的を射た指導をしていただくことが不可欠であると実感したところです。実感を踏まえ、トップレベルの技能者育成に向け、若手技能者が技能グランプリなどの入賞経験者から直接指導受けられる体制づくりなどを進めてまいります。 本県のものづくり産業が将来も発展を続けるため、引き続き、優秀な技能者が数多く所属する埼玉県技能士会連合会と連携して、ものづくり人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。       〔北島通次総務部長登壇〕 ◎北島通次総務部長 御質問六、「しんぶん赤旗」の県職員勧誘問題についてお答え申し上げます。 まず、四年前以降に共産党議員による職員への赤旗の講読勧誘はあったのかについてでございます。 平成二十七年二月にこの問題に関する一般質問が行われ、日本共産党埼玉県議会議員団に対して申入れを行った以降も、しんぶん赤旗の講読について職員に対し、電話等による勧誘があったことは把握しております。 次に、庁舎管理規則の運用において、新聞等の講読勧誘は認めていないことについて、日本共産党埼玉県議会議員団に対し申入れは行われてきたのか、また、行ってきたとすれば、これまでに申入れの対象となった講読勧誘はどの程度あり、どのような説明、申入れを行ってきたのかについてでございます。 県では、庁舎内において職員に対する講読勧誘があったことを把握した場合、その都度、日本共産党埼玉県議会議員団に対し申入れを行っております。平成二十七年度から平成三十年度までのいずれも年度当初に、一部の管理職に対し講読勧誘があったことを把握したことから、速やかに申入れを行いました。 具体的には、庁舎管理規則及びその運用上、庁舎内で職員に対ししんぶん赤旗の講読を勧誘することは認められないこと、また、電話による勧誘については、勧誘を受けている間、その職員が職務に専念することができなくなるため業務に支障があることも、併せて申入れをしております。 次に、庁舎内での講読勧誘が続けられ、職員の職務遂行に干渉しているとすれば、申入れを上回る是正措置が必要ではないかについてでございます。 これまで複数回にわたる申入れを行った結果、庁舎内での講読勧誘は今年度は把握しておりません。今後、講読勧誘があったことを把握した場合には、改めて庁舎内での勧誘は行わないよう強く申入れを行ってまいります。       〔小島康雄県民生活部長登壇〕 ◎小島康雄県民生活部長 御質問七、ラグビーワールドカップの経験をオリンピック・パラリンピックに生かそうのお尋ねのうち、熊谷で培ったノウハウをどのように生かし、ホスピタリティの高さを示していくのかについてお答え申し上げます。 ラグビーワールドカップ二〇一九大会の熊谷会場では、大会直前の日本代表壮行試合を含め四試合で約九万四千人の方が来場し、世界最高峰のプレーを楽しんでいただきました。大会の顔となるボランティア約一千三百人をはじめ、市民全体が一体感を持って来場者をお迎えしたことが世界の称賛を集めるおもてなしになったと考えております。 オリンピック・パラリンピックは世界最大のスポーツの祭典であり、観戦客数はラグビーワールドカップを大きく上回る百十万人規模となる見込みです。議員御指摘のとおり、県内の四会場で競技が同時開催されたり、パラリンピックがあることから、ラグビーワールドカップ以上に関係者一丸となった周到な準備が必要と考えております。 国内外からの大勢の観戦客を相手にホスピタリティの最前線で活躍するのは都市ボランティアの方々です。本県で採用いたしました五千四百人の都市ボランティアは非常に意欲が高く、大会本番に向けて充実した研修を重ねております。具体的には、ラグビーワールドカップで活躍したボランティアからその経験やノウハウを伝え聞く研修や各競技会場への案内、県内観光地のPR、車椅子体験などの研修を実施しております。 ホスピタリティとしましては、きれいな街でお客様をお迎えすることも大切です。地域の清掃活動や街を花で飾り付ける活動も進んでおります。子供たちを対象とするボランティア体験プログラムでは、海外からの観戦客を笑顔でお迎えしたり、外国語での道案内を検討してまいります。 また、東京二〇二〇大会における観客輸送は大会組織委員会が運営しますが、ラグビーワールドカップで「神対応」と言われたバス輸送のノウハウを大会組織委員会に伝えるなど、大会の円滑な運営のために連携を図ってまいります。 県といたしましては、ラグビーワールドカップで培った様々なノウハウを十分に生かし、世界に誇れるおもてなしを合い言葉に、引き続き大会に向けた準備を進めてまいります。 次に、県内各地でキャンプ地、ホストタウンを引き受けている市町とどう連携して、埼玉ならではのおもてなしを作っていくのかについてでございます。 県内では、十八の市町が十三の国との間で事前トレーニングキャンプに関する協定を締結しており、これまでに十二市町が日本やアジアで開催される大会に向けての事前合宿を受け入れてまいりました。イタリア競歩チームが強化練習を行った所沢市では、小学生が手作りの応援幕をプレゼントするなど心温まるおもてなしが行われ、選手からは第二の故郷と言われるまでに関係が深まっています。 このような交流を県全域に波及させるため、県ではホストタウン登録自治体連絡会議を設置し、好事例の紹介や選手を受け入れる際の課題の共有と対応策の検討を行っております。さらに大会期間中には、主に県内をキャンプ地とする国の大会関係者や出場選手の家族を迎える埼玉県版ホームステイを六百七十一家庭の協力をいただき、実施してまいります。 多くの県民の皆様に参加していただき、埼玉県ならではのおもてなしをワンチームでしっかりと取り組み、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向け、しっかりと取り組んでまいります。       〔六十九番 中屋敷慎一議員登壇〕 ◆六十九番(中屋敷慎一議員) 知事に再質問させていただきます。 御答弁どうもありがとうございました。気合の入った御答弁だったかなというふうに受け取らせていただいておりますけれども、その中で、私がお尋ねしましたのは百二十九の施策、これが実現できるかということでお尋ねをした部分がございました。その御説明の中に、力強く推進するというお答えがございましたが、それは百二十九を力強くお進めになるのかどうなのか、まずそこが一点です。 そして、時に求められる柔軟な対応、これは一体何を意味しているのかというのが、私にはちょっとは理解し難かったかなと。柔軟な対応、臨機応変にとかいろいろな言葉がありますけれども、その進んでいく中での柔軟な対応というのは一体何なのかということ、これはもうお答えいただかないと今日は眠れなくなっちゃいますので、その点よろしくお願いします。 それから、もう一点です。先ほどここに大きく、他県の知事のものですけれども広げさせていただきました。あれによって私が何をお伝えしたかったかというと、分かりやすさです。何をどうしようとするということが明確に入っています。そういうものを御提示いただくと、私たちも、遠くからは見えないので分からない方もいらっしゃるんですけれども、県民も私たちも理解しやすくなるんじゃないかというふうに思うわけですね。いつのどの時期に何をしますよというのが入っている。 確かに知事の御提示になった工程表も精査、検証というのは入っていますよ。だけれども、その時期に、例えば展開していく中で、補正予算で新たな予算組みしようじゃないか、それは恐らくこの先におやりになろうと考えているとは思いますけれども、その分かりやすさというところをどう作っていただけるか、この点についてお答えいただきたいと思います。(拍手起こる) ○神尾高善議長 六十九番 中屋敷慎一議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 中屋敷慎一議員の再質問に順次お答えさせていただきます。 最初の御質問であります百二十九の施策全てについて力強く推進をしていくのかという御質問につきましては、百二十八プラス一のこの項目につきまして、重点項目について詳細な工程を示させていただいたとおり、直ちに取り組むもの、方向性を示すもの等に分けてはおりますけれども、実現に向けて全力で取り組んでいく所存でございます。 二つ目の、時に求められる柔軟な対応についての御質問でございますが、先ほどお話をさせていただいたとおり、私が示させていただいた公約の中には、今、埼玉県が直面している大きな変化に対応し、未来に向けて大きくかじを切るために、中長期的な視点で将来へのビジョンを示させていただいたものも含まれております。この実現に向けて全力を挙げて取り組みますが、中長期のビジョン、実現につきましては、様々なうよ曲折、困難もあろうかと思っております。 したがいまして、専門家の御意見や、あるいは県議会の皆様からの御意見も踏まえて柔軟に取り組まさせていただくその姿勢も併せ持つ必要があると、このように考えておるところでございます。 そして三つ目の、先ほどの掲げられた工程表、示された工程表のように分かりやすく説明をすることについてでございます。 先ほど申し上げましたとおり、他県の知事が掲げられた公約及び工程表について評価することは避けたいと思いますが、すぐに着手できるものの一部に関しては、当然あのような形でお示しすることはできると思いますけれども、私は百二十八項目全てを書かせていただいたことによって、その性質が異なるものも入っております。 他方で、御指摘でございますので、不断に是非ともその示し方、分かりやすさについては改革、改善に努めていきたいと、このように思っております。ありがとうございます。 ○神尾高善議長 ほかに発言通告がありませんので、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問は終了いたしました。          ---------------- △議第三十二号議案に対する質疑 ○神尾高善議長 これより、議第三十二号議案に対する質疑を行います。 発言通告がありますので、これを許します。 議第三十二号議案に対する質疑 十九番 中川浩議員       〔十九番 中川浩議員登壇〕 ◆十九番(中川浩議員) 条例案中第三十二条、第三十六条、第四十四条、第四十五条について、関係する一点について質疑をさせていただきます。 まず、様々なテーマがある中で、このような条例案を制定、また、改定されることをありがたく思います。 埼玉県内でホームレス支援を行っている複数のNPOに無料低額宿泊所の状況を伺ったところ、条例が制定され改善されてきてはいるものの、いまだに無届けの施設があったり、生活保護費を受け取ってすぐ必要以上に取られたり、食事がくず米と缶詰だったり、そのような施設から退所する際、暴力を受けることが県内であるそうでございます。このようなことは、虐待やDV、性被害なども同じですが、本人が実情を表しづらいものです。 それらを改善していくには、当の施設や入所者に聞くだけでは実態を改善するのは難しいので、民間関係団体から積極的に情報収集することが県に欠かせませんが、第四十五条の「事業所に関する情報その他の必要な情報」にそれらが包含され、執行部に求められるものなのかお聞かせください。 ○神尾高善議長 十九番 中川浩議員の質疑に対する答弁を求めます。       〔二十四番 美田宗亮議員登壇〕 ◆二十四番(美田宗亮議員) 中川浩議員の議第三十二号議案に対する質疑に対し、お答えを申し上げます。 第四十五条は、県と福祉事務所との連携を想定しています。条例施行に必要な限度において、知事が事業者に関する情報その他必要な情報を福祉事務所に提供するものです。よって、民間団体からの積極的な情報収集を行うということを包含しているものではありません。御了承ください。(拍手起こる) ○神尾高善議長 ほかに発言通告がありませんので、議第三十二号議案に対する質疑は終了いたしました。          ---------------- △第百三号議案~第百二十六号議案及び議第三十二号議案並びに請願の各委員会付託 ○神尾高善議長 これより、議案及び請願の付託を行います。 本定例会に提出された第百三号議案ないし第百二十六号議案及び議第三十二号議案並びに請願につきましては、お手元に配布しておきました付託表のとおり、各所管の委員会に付託いたします。〔参照-(八)(一四六)ページ〕          ---------------- △次会日程報告 ○神尾高善議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十三日、十七日及び十九日は、議案調査のため本会議は開きません。 十四日及び十五日は、休日につき休会といたします。 十六日ないし十八日の三日間は、各委員会を開き、付託案件の審査を願います。 来る二十日は、午前十時から本会議を開き、各委員長の報告を求め、質疑、討論及び採決を行います。          ---------------- △散会の宣告 ○神尾高善議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十三分散会          ----------------...