令和 1年 6月 定例会六月定例会 第九日(六月二十五日)令和元年六月二十五日(火曜日)第九日 議事日程 一 開議 午前十時 二
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 七番
山口京子議員 十六番 八子朋弘議員 二十五番 松澤 正議員 三 次会日程報告 六月二十六日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会
----------------本日の出席議員 九十三名 一番
金野桃子議員 二番
岡村ゆり子議員 三番 平松大佑議員 四番
柿沼貴志議員 五番 高橋稔裕議員 六番 逢澤圭一郎議員 七番
山口京子議員 八番
千葉達也議員 九番 渡辺 大議員 十番 松井 弘議員 十一番
高木功介議員 十二番 深谷顕史議員 十三番
白根大輔議員 十四番 町田皇介議員 十五番 秋山もえ議員 十六番 八子朋弘議員 十七番
杉田茂実議員 十八番
江原久美子議員 十九番
木下博信議員 二十番 宮崎吾一議員 二十一番
関根信明議員 二十二番
藤井健志議員 二十三番 美田宗亮議員 二十四番
吉良英敏議員 二十五番 松澤 正議員 二十六番
宇田川幸夫議員 二十七番 橋詰昌児議員 二十八番 辻 浩司議員 二十九番
東間亜由子議員 三十番
守屋裕子議員 三十一番
松坂喜浩議員 三十二番 並木正年議員 三十三番
石川忠義議員 三十四番 中川 浩議員 三十五番 浅井 明議員 三十六番
飯塚俊彦議員 三十七番
横川雅也議員 三十八番
内沼博史議員 三十九番
岡田静佳議員 四十番
細田善則議員 四十一番
永瀬秀樹議員 四十二番 安藤友貴議員 四十三番
山根史子議員 四十四番
井上将勝議員 四十五番
前原かづえ議員 四十六番
秋山文和議員 四十七番 井上 航議員 四十八番 岡 重夫議員 四十九番 醍醐 清議員 五十番 日下部伸三議員 五十一番
小久保憲一議員 五十二番
立石泰広議員 五十三番 新井 豪議員 五十四番
荒木裕介議員 五十五番 岡地 優議員 五十六番
白土幸仁議員 五十七番
小川真一郎議員 五十八番 権守幸男議員 五十九番 萩原一寿議員 六十番 水村篤弘議員 六十一番
高木真理議員 六十二番 村岡正嗣議員 六十三番 鈴木正人議員 六十四番 武内政文議員 六十五番 中野英幸議員 六十六番
須賀敬史議員 六十七番 新井一徳議員 六十八番 梅澤佳一議員 六十九番 中屋敷慎一議員 七十番
木下高志議員 七十一番 諸井真英議員 七十二番
杉島理一郎議員 七十三番
齊藤邦明議員 七十四番 塩野正行議員 七十五番 蒲生徳明議員 七十六番 山本正乃議員 七十七番 木村勇夫議員 七十八番 柳下礼子議員 七十九番 神尾高善議員 八十番 岩崎 宏議員 八十一番
高橋政雄議員 八十二番 田村琢実議員 八十三番 小林哲也議員 八十四番 本木 茂議員 八十五番
宮崎栄治郎議員 八十六番
齊藤正明議員 八十七番 小島信昭議員 八十八番
小谷野五雄議員 八十九番 長峰宏芳議員 九十番 石渡 豊議員 九十一番 西山淳次議員 九十二番
浅野目義英議員 九十三番 田並尚明議員 欠席議員 なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 上田清司 知事 奥野 立 副知事 飯島 寛 副知事 石川英寛
企画財政部長 北島通次 総務部長 矢嶋行雄
県民生活部長 森尾博之
危機管理防災部長 小池要子 環境部長 知久清志 福祉部長 関本建二
保健医療部長 加藤和男
産業労働部長 牧 千瑞 農林部長 中村一之
県土整備部長 和栗 肇
都市整備部長 上木雄二 会計管理者 立川吉朗
公営企業管理者 岩中 督
病院事業管理者 砂川裕紀
下水道事業管理者 小松弥生 教育長 富田邦敬 警察本部長 発言(質問)通告書 六月二十五日(火)議席番号 氏名 要旨 答弁者 七番
山口京子議員 1 子供医療費の助成について
保健医療部長 2 埼玉・群馬・新潟三県の連携について
企画財政部長 3 旧
小児医療センター跡地の活用について
病院事業管理者 4 芸術文化の振興について
県民生活部長 5 小・中学校への支援について 教育長 6 県の広報紙「彩の国だより」の充実について
県民生活部長 7
蓮田スマートインターチェンジの
フルインター化について
県土整備部長 8 地元問題について
県土整備部長 (1)
県道蓮田杉戸線の
バイパス整備について (2)
県道蓮田鴻巣線の歩道整備について (3)
県道行田蓮田線・
高虫交差点整備について (4) 元荒川の浸水対策について 十六番 八子朋弘議員 1 子どもを取り巻く課題について (1) 虐待事件を0にするために 福祉部長 (2) 居場所づくりと貧困対策について 〃 (3) 学力向上対策について 教育長 (4)
保育士不足解消に向けて 福祉部長 2 安心安全を確保するために (1) 歩行者の
交通安全対策について 警察本部長 (2) 高齢者の
交通安全対策について
企画財政部長 3
健康長寿埼玉プロジェクトについて
保健医療部長 4
幼児教育類似施設における
幼児教育無償化について 総務部長 5 地元の課題について (1)
一級河川柳瀬川の水谷調節池の整備について
県土整備部長 (2)
砂川堀雨水幹線の治水対策等について
下水道事業管理者 (3) 国道二五四
号和光富士見バイパスの整備及び都内方向への延伸について
県土整備部長 (4)
県道ふじみ野朝霞線鶴瀬駅前交差点の改良について 〃二十五番 松澤 正議員 1 埼玉農業の担い手の確保・育成について 農林部長 2 県産米の安定生産に向けての取組について 農林部長 (1) 埼玉のおいしい米づくりについて (2) 県の品種育成について (3) 種子産地への支援について 3 犬や猫の殺処分削減に向けた取組について
保健医療部長 (1) 犬や猫への
マイクロチップ装着の義務化について (2) 県庁譲渡会の実績及び今後の展開について 4 プラスチックごみ問題について 環境部長 5
ラグビーワールドカップ二〇一九埼玉・熊谷開催及び
日本代表壮行試合における
危機管理対策について
県民生活部長 6 教育委員会の障害者雇用について 教育長 7 松伏・
田島地区産業団地の整備について
公営企業管理者 ----------------午前十時一分開議 出席議員 九十二名 一番 二番 三番 四番 五番 六番 七番 八番 九番 十番 十一番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十五番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 一名 八十八番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(奥野) 副知事(飯島)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△開議の宣告
○神尾高善議長 ただ今から、本日の会議を開きます。
----------------
△
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問
○神尾高善議長 これより、
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 七番
山口京子議員 〔七番
山口京子議員登壇〕(拍手起こる)
◆七番(
山口京子議員) おはようございます。議席番号七番、東第五区、蓮田市選出の自由民主党、山口京子でございます。 本定例会において、初めての一般質問をさせていただく機会をお与えいただきましたことに感謝申し上げます。また、今日は地元から
蓮田市議会議員の皆様方、日頃より御支援いただいている多くの皆様に傍聴にお越しいただきましたことに心から感謝申し上げます。大変ありがとうございます。県議会の皆様方もよろしくお願いいたします。 それでは、議長からお許しをいただきましたので、通告に従い、順次一般質問をさせていただきます。執行部の皆様におかれましては、前向きな御答弁をお願い申し上げます。 まず、一、子供医療費の助成についてお伺いいたします。 子供医療費の助成については、埼玉県の施策では
乳幼児医療費支給事業という事業名、「乳幼児」としていますが、私はあえて乳幼児ではなく、「子供医療費」として質問をさせていただきます。 昨日の秋山もえ議員の質問と知事の答弁もありましたが、改めて私なりの所見で質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。対象年齢の拡大についてです。 皆さんも御存じとは思いますが、子供に対する医療費の助成は、県の補助を受け、実施主体である市町村が行っております。その県の補助対象は、入通院とも就学前までで、市町村の財政力に応じて補助割合に差を設けています。補助対象を就学前までとしているのは、病気になりやすい年齢を対象に補助するためとのことです。 しかし、本来、子供に対するサービスは全国一律、公平に行われるべきであると考えます。医療の必要性はどこに居住していてもあるもので、居住地により医療に格差が生じることは適当ではなく、ましてや医療費の自己負担にも格差が生じることは適当ではありません。 二〇一五年、アベノミクス新三本の矢では、子育て支援と社会保障が景気対策と同じく掲げられました。これは、不利な条件になりやすい地方や、現場からの強い声を無視できなくなったからと言われています。同様に、市町村もこの子供を持つ親の声を無視することができず、今や県内のほとんどの市町村が入通院の助成を、この十年以内で年齢拡大を行い、十五歳までとしています。最近では、十八歳までの助成をしているところも、入通院合わせて二十四市町あります。特に、財政規模が小さい町の引上げが顕著のようです。 昨日、知事は「事業主体は市町村である」と強くおっしゃっていますが、もちろん分かっています。それでも、無視できずに財政の苦しい中で負担をせざるを得ない市町村が現実にあるのを分かっていただきたいと思います。これが子育て中の県民の声、要望なのです。ニュース等で周知のこととは思いますが、医療費は年々伸びてきています。今や、子供の誰しもが何らかのアレルギーを持っていると言われており、医療機関に掛かる頻度は増しています。そして、アレルギーは一過性ですぐ治る病気とは違って、青少年になってからも医療機関に行き続けることが多くあります。ですから、県の言う感染症にかかりやすい、病気になりやすい年齢である就学前までを対象というのは、子育てをしている親御さん、保護者にとっては説得力に欠けるのです。 また、この問題は今や市町間の競争にもなっているようです。「隣のまちでは何歳まで無料なのに、我がまちはなぜできないのか」と、県内のあちこちの市町村でそういった声が多く寄せられているようです。そして、その際、必ずと言っていいほど話題に出るのが、県の子供医療費の助成に対する対象年齢が低いということです。 さて、全国で見ると、平成二十九年度の厚生労働省のデータでは、医療費の助成について埼玉県と同様に入通院が就学前までなのは四十七都道府県中、埼玉県も入れて入院二十一府県、通院二十九道府県です。一方、十八歳まで拡大しているのは鳥取と福島の二県です。ほかも、十二歳や十五歳までと対象年齢を引き上げるところが多くなっています。埼玉県市長会の県への予算要望及び施策の重点要望では、私の知る限り平成二十九年度から毎年、この
乳幼児医療費の助成制度の充実を一番に挙げています。内容は、「所得制限を撤廃すること」「自己負担制度を撤廃すること」「
助成対象年齢を中学校修了、十五歳年度末ですが、それまで引き上げること」などです。それにもかかわらず、県は平成二十年一月から対象年齢の拡大には十年以上変更もなく、現在に至っています。 私は、県内の子供への公平なサービスを提供するため、また、人口が増加している埼玉県と言えど、いずれ少子化の波は必ず訪れますので、本県の少子化対策としても子供への
医療費助成制度の拡充を図るべきと考えます。 そこでお伺いいたします。
補助対象年齢を十二歳まで引き上げた場合と、十五歳まで引き上げた場合の試算をしているとは思いますが、その試算結果を、まずお示しください。そして、その結果を受けて対象年齢の拡大の検討はなされたことがあるのでしょうか、
保健医療部長にお伺いいたします。 続いて、二、埼玉・群馬・新潟三県の連携についてお伺いいたします。 八年前の夏、知事選挙での街頭演説のことです。大宮駅で上田知事の応援に駆け付けた当時の新潟県知事で、現在は
自民党衆議院議員の泉田裕彦氏が、まずは埼玉県民に新潟中越地震の際の応援について感謝を述べた後、次のような話をなさいました。「埼玉県、群馬県、新潟県の三県は、上越新幹線が通り、関越自動車道もあり、大変近くなっている。さっき新潟から新幹線に乗ったと思ったら、もう大宮駅にいます。とても近い。この三県の交流を密接にして、防災はもちろんのこと、新潟県にある港や空港を利用してロシアや
ユーラシア大陸への交流、あるいは貿易等に発展させ、三県の共同により、それぞれの県の力を高めていこう」という話があり、「私が」というのは泉田知事ですが、「私が事務局を上田知事より仰せつかった」とありました。 私は、その話を聞いてわくわくしました。とかく東京へ向きがちな私たちであり、埼玉都民とも言われていますが、埼玉に居住していても、ふるさとは群馬や新潟の人はとても多くいます。私もその一人です。東京ではなく、日本海に向かって三県で何か開発・発展をさせ、三県の力をつけていこうとの意気込みが新鮮で興味が湧きました。しかし、自治体を超えての連携は口で言うほど簡単ではありません。市町村でさえ、それぞれの歴史と文化と利益が重なり合って道路一本なかなか造れないのに、さすがは頑張る、リードできる若い埼玉と思いました。 埼玉・群馬・新潟三県の連携は、平成二十二年から開始され、防災協定を結んだことは承知しております。ただ、それ以外の取組はどうなのでしょうか。私は、首都圏から日本海を結ぶこの三県の連携は、未来に向かって大切なものであると確信しています。 そこで伺います。防災協定以外に、これまでどのような連携の成果があったのでしょうか。また、今後も三県で連携していく考えはあるのでしょうか、
企画財政部長にお伺いいたします。 次に、三、旧
小児医療センター跡地の活用についてお伺いいたします。 平成二十三年六月、
県立小児医療センターの
さいたま新都心への移転が上田知事と
清水さいたま市長の二人により、突然新聞発表されました。旧
小児医療センターは、さいたま市と蓮田市の行政境界にありましたが、重度の病気を持つ子供たちとその家族、そして地元住民に与えてきた恩恵は計り知れません。私の地元蓮田市にとっては唯一の県の医療施設でしたし、たくさんの子供たちの命を助ける医療機関であり、大切な施設で地元の誇りでもありました。命のために蓮田市やその周辺に家を買って、引っ越してきた家族も多くいたようです。重度の病気のため、いつ、いかなる時も気が休まることなく、容体が急変すれば医療行為をすぐさま受ける必要があり、その方たちの移転反対の声は悲痛でした。 その後、その患者さんたちのために一部機能を残すということで、
医療型障害児入所施設のカリヨンの杜の開設ができました。それは良かったと思います。しかし、関係議会にも存続の請願や、また意見書が出されたり、反対のデモ行進が行われたりして、県民にとって関心が高い事案でした。そして、同時にその跡地について今関心が高まっています。 そこで伺います。まず、旧
小児医療センター跡地の活用について、現在の検討状況はいかがでしょうか。併せて、蓮田市の敷地に職員公舎が残っていますが、その利用についてはどのように検討しているのでしょうか。 以上、
病院事業管理者に伺います。 次に、四、芸術文化の振興についてお伺いいたします。 私の地元蓮田市に、三年前、ようやく
総合文化会館ハストピアができました。昭和の頃から望まれていたものの、財政の手当てができずに実現できずにいましたが、生涯学習の場としてホールが欲しいという市民の声にやっと応えたものです。初めこそ、様々な団体が利用したり、音楽や演劇、お笑い、落語、バレエ、オペラ等々、あれも見たい、これも聞きたいと、多くの市民のオーダーがありましたが、限られた市の予算の中で市主催のプロの公演も出し物が固定化されてきました。 その中では、ジャンルの幅のある音楽の公演の開催は多いようですが、演劇を見ることはいまだできておりません。同じようなことが県内各地の市町村のホールでも起きています。市民が主体でやることは、もちろん必要ですが、まずは多くの人にプロの演劇を見てもらうことが芸術文化を振興する上では重要だと考えます。その上で、市民主体で演劇やミュージカルができるようになれば、もっとすばらしいと考えます。実際、彩の
国さいたま芸術劇場の御指導の下、吉川市が公演を行っており、来年は東松山市でも行われるそうです。 ところで、私は池袋にある東京芸術劇場の副支配人から、「埼玉は演劇に限って言えば、彩の
国さいたま芸術劇場があり、蜷川氏を芸術監督にしたことで一歩も二歩もリードしている感がある」とのお話を聞いたことがあります。それを聞いた二年後に、残念ながら蜷川氏は他界されましたが、晩年は高齢者の大群集劇「一万人のゴールド・シアター」を仕掛けたりと、演劇を手段に高齢者が元気にアグレッシブに生きていくという演目を創作されました。私も二年続きで見に行きましたが、高齢者が生き生きと舞台上に存在する姿に非常に感銘を受けました。 彩の
国さいたま芸術劇場には、蜷川氏がつくった
高齢者劇団ゴールド・シアターと、若者の
劇団ネクスト・シアターがあります。有名な俳優・女優の芝居も創作して公演しています。多くの優れた演劇のストックがあります。埼玉が演劇の拠点として他県をずっとリードしていくためにも、彩の
国さいたま芸術劇場で創作されたそれらの優れた演目を県内各地に広げる目的で、各市町村のホールで順番に出前して公演していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、
県民生活部長の御見解を伺います。 芸術はお金がかかります。昨年十二月定例会では、各市区町村による青少年対象の
文化芸術活動充実に向け、一層の支援をしていただきたいという趣旨の請願が採択されました。この取組により、青少年への演劇鑑賞の機会を増やすことにもなりますので、是非とも前向きな御答弁をお願いいたします。 次に、五、小・中学校への支援についてお伺いいたします。 三月末から四月初めは、小・中学校の校長先生にとって子供の転出入の数に敏感になる時期で、数がどうなるかは祈るしかないそうです。なぜなら、一クラス四十人で教師一人の配置になるため、一人増えて四十一人になれば二クラスとなり、教師が更に一人必要となり、加配されるからです。その決定日は四月六日時点なので、微妙な時は一人を本採用、もう一人は臨時採用で対応することになります。県費での採用はそれ以降となり、県費の教師が不在な期間が生じます。その臨時採用の教師も市町村で探しているのが現実であり、そんなにすぐにちょうどいい人材も見つからずに、苦慮しているようです。もちろん、学校にとって一人でも多くの教師が採用されることは、学校を運営する学校長にとってはありがたいことです。 県では、小一プロブレムや中一ギャップ、あるいは国際化による
外国人児童生徒のための日本語指導、小学校の英語指導等々、様々な手当てをしていますが、まだまだ小・中学校において教師が不足していることは否定できない事実です。何より、学校は子供と先生の居場所であり、安心・安全な環境で、より良い学び(教育)を保障しなければなりません。しかし現実は、新採用の教師の志願者は年々減少傾向にあり、埼玉県は何とか小学校で平成二十九年度が三・三倍の倍率でしたが、今年の試験では志願者が二百六十二人減少し、倍率も二・八倍となっています。十五年前からしばらく大量の退職の時期があり、現在の学校は若い教師が多くなりましたので、産休・育休も増加していて、臨時教師数が各市町村とも二割は必要となっています。 しかし、先ほども申したとおり確保が難しい状況です。加えて、教職員の精神疾患による病気休職者数は、平成二十九年度で全国が五千七十七人、埼玉県が二百五人で高い値で推移しています。教師が不足しています。 六月二十日の朝日新聞の一面でも、経済協力開発機構(OECD)調査で教師の「勤務状況」と「授業内容」の双方の課題が浮かび、教師の働き方改革を文部科学省でも待ったなしの課題と位置付けているとの報道がありました。その上、教師は、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法に基づき、昭和四十一年の実態調査を基に作られた教職調整額により、どんなに勤務時間が超過しても時間外手当が支給されません。 さらに、社会情勢の変化は激しく、多くの学校の中の問題が取り沙汰されるようになったのは周知のとおりです。いじめ、登下校時の安全、教師によるセクハラ、加えてモンスターペアレンツ等々、若い教師は様々な苦情やクラス運営のため、子供の家庭までフォローしなければならなくなっており、前述した精神疾患にもつながっています。 さいたま市では、このような学校だけでは抱えきれないトラブル解決のため、スクールロイヤーを配置すると新聞報道にありました。県としても、もっと学校に身近なところで、そのような支援も必要となってきているのではないでしょうか。こうした現状から、教育長に三点伺います。 一点目、小中学校の本採用の教師及び臨時採用の教師を、より手厚く加配できるような支援はできないのでしょうか。 二点目、教師の志願者数が減少する中で、より良い人材を確保するための具体策はいかがでしょうか。 三点目、教師、学校の抱える問題に対し、外部からの支援としてスクールロイヤーの配置等は考えているのでしょうか。県教育委員会の目指す具体策をお示しください。 次に、六、県の広報紙「彩の国だより」の充実についてお伺いいたします。 毎月一日に発行されている埼玉県の広報紙「彩の国だより」ですが、どれだけの人が手に取ってじっくり読んでいるのかを、改めて周りの友人たちに聞いてみました。すると、中には「お知らせのところだけをざっと目を通して捨てる」「お知らせも見ないで、どうせ関係ないだろうから捨てる」「広報チラシに紛れて区別がつかない」などという人もいました。市町村では、広報紙を通常、自治会を通じて全戸配布や、スーパーや公共施設に置いています。住民のほとんどは、身近な情報を得るためにしばらくは取っておくようです。 彩の国だよりの場合、御案内のとおり新聞折込みをして配布しています。そして、折込みの都合上、広報紙の大きさが決まってくるため、他の広報チラシと同じである今のサイズになり、紛れてしまうという状況もあるようです。二百二十万部、せっかくの広報紙が県民の方々に必ずしもじっくり読まれていない状況がうかがわれるのは、誠に残念です。 また、県の広報紙はお知らせも重要ですが、県の大きな政策、事業、今後の計画、取組状況などに加え、埼玉の魅力や誇りを発信する役割も担っています。今年開催される
ラグビーワールドカップや来年のオリンピック・パラリンピックへ向かう埼玉の記事、埼玉の魅力を広く県民に知らせる記事も掲載されていますが、埼玉にゆかりのある、あるいは県内の市町村を舞台にした映画やアニメの特集など、新たな切り口の特集記事を掲載することで、埼玉の魅力をもっと強く打ち出していくことも必要と考えます。県と県民をつなぐ広報紙は重要です。例えば、写真を多くし、カラー版の週刊誌のようであってもいいのではないでしょうか。 彩の国だよりが、他のチラシと紛れないような工夫や、手に取ってじっくり読んでみたいと思われるような内容の充実を図ることについて、どのように取り組まれているのでしょうか。また、埼玉県の魅力を打ち出す新たな切り口の特集記事を掲載することについては、どのようにお考えでしょうか、
県民生活部長にお伺いいたします。 次に、七、
蓮田スマートインターチェンジの
フルインター化についてお伺いいたします。 今、東北自動車道で東京に入る最後のサービスエリアである蓮田サービスエリアの渋滞緩和のため、約二・五キロメートル東京寄りのところで新蓮田サービスエリアの大工事が着々と進んでいます。この夏、間もなくオープンすると伺っております。この新蓮田サービスエリアは、東日本最大級で東名の海老名級のサービスエリアとして、首都直下地震等の有事の際には自衛隊の待機拠点となり、広域的な防災機能を備えた施設と言われています。 現在の蓮田サービスエリアに設置された
蓮田スマートインターチェンジは、四分の二方向、つまり東京方面へ行って東京方面から下りるハーフインターで供用していますが、予測をはるかに超える利用台数となっております。現在、更に高速道路の利便性を高めるため、四分の四方向の
フルインター化の計画が上がっています。 サービスエリア本体は、NEXCO東日本が事業主体です。
蓮田スマートインターチェンジの
フルインター化については、蓮田市とNEXCO東日本が実施主体となり、設置するものでありますが、県や国と調整して取り組んでいます。現蓮田サービスエリアは、後々、東北方面に行く下り専用のサービスエリアに改造されると伺いました。その時は、スマートインターチェンジの接続先が県道となるので、整備は県で実施することになると思います。また、
蓮田スマートインターチェンジの
フルインター化は、岩槻インターチェンジや久喜インターチェンジの渋滞対策にも有用です。県は、蓮田市と一体となって事業化に向け、国への要望活動等を行っているそうですが、
フルインター化の今後の見込みについて
県土整備部長にお伺いいたします。 最後は、地元県道と元荒川の浸水対策についてお伺いいたします。 まず、(一)
県道蓮田杉戸線の
バイパス整備についてです。
県道蓮田杉戸線のバイパス工事では、去年十二月に文化財の発掘調査でバイパス予定の土地、新井堀の内遺跡から二百八十六リットルの容量の大がめが見つかり、話題となりました。中に、十九種類、約二十六万枚の埋蔵銭が出てきました。当時、国内最大級だとの報道がありました。かめの中に名前等、確たる証拠もなかったことと、既に用地は県が取得してあるとのことで、現在は拾得物扱いだそうです。ロマンのある発見ですが、その一方で県道整備が更なる発掘調査のために遅れてしまうことを心配しています。 都市計画道路としての決定は、昭和三十八年に行われており、五十六年の年月が経過しています。その間、計画変更がなされ、この県道のバイパス区間については平成十八年度の変更で、やっと手が付いてきた状態です。市が都市計画道路として区画整理で造った道路と、県の道路整備部分とがつながりながら築造されております。現在取り組んでいるこの区間の県の事業をもって、やっと完成いたします。あと何年かかるのか、いつまで待てばいいのでしょうか。 そこで、この
バイパス整備の現在の進捗状況と今後の見通しについて伺います。 次に、(二)
県道蓮田鴻巣線の歩道整備についてです。 この道路は、鴻巣市から伊奈町を通り、蓮田駅西口を回って東口へと続く道路です。そして、先ほどの
県道蓮田杉戸線へと接続される道路です。蓮田駅周辺の大切な道路であるにもかかわらず、岩槻踏切から東口の百九十メートル区間が長く手付かずでした。私も、市議会議員のときに三回の一般質問をしました。答弁は、「県道なので県へ繰り返し要望していきます」とのことでした。昨年、関係地権者への説明会が行われ、今年やっと調査費が付きました。駅から半径五百メートル以内という地の利です。歩道が整備されることで、歩行者の安全確保と昔のようなにぎわいの創出になることは間違いありません。地権者の方々は、長年にわたり要望してきたので、「調査だけで終わることはないだろうか」「最後まで県は仕上げてくれるのだろうか」と心配しています。現在の進捗状況と今後の見通しについて伺います。 次に、(三)
県道行田蓮田線・
高虫交差点整備についてです。 白岡市から伊奈町に通じるこの主要地方道は、いつも混雑しています。この交差点整備については、順調に工事が進捗していましたが、今年に入ってぱたりと工事が止まり、重機が撤去されて半年近くたちます。この角にあった、唯一、付近を明るい照明でほっと安心させてくれたコンビニも撤退してしまいました。また暗い地域になりました。一日も早い完成を望みますが、現在の進捗状況と今後の見込みについて伺います。 最後の質問は、(四)元荒川の浸水対策についてです。 地元の蓮田市には、河川が元荒川、綾瀬川、市管理の準用河川、磯川水路と流れています。それぞれの河川整備が今後の課題となってきていますが、今回は元荒川の土砂の掘削についてお伺いいたします。 平成二十九年度から星川合流点から開始された土砂掘削ですが、順次下流に位置する蓮田市にも工事の範囲が広げられて行われています。市内のもっと下流の関山付近は、雨が降り続いて一日、二日もたつと、水位が堤防の二メートル下まで上がるため、周辺の住民からは気が気ではないという声が上がっています。その対策として土砂掘削が必要ですが、この問題については蓮田市の本澤元県議も随分と県に掛け合ってくれたようで、それからずっと続いている問題です。 そこでお尋ねいたします。元荒川の土砂掘削の進捗状況と今後の見込みはいかがでしょうか。 以上、地元問題は全て
県土整備部長にお伺いいたします。(拍手起こる)
○神尾高善議長 七番
山口京子議員の質問に対する答弁を求めます。 〔関本建二
保健医療部長登壇〕
◎関本建二
保健医療部長 御質問一、子供医療費の助成についてお答えを申し上げます。 県では、子育て家庭の経済的負担を軽減し、乳幼児の保健と福祉の増進を図るため、実施主体である市町村に対し、小学校就学前までを対象に一般財源により補助を行っております。 まず、
補助対象年齢を引き上げた場合の試算でございますが、平成元年度の
乳幼児医療費支給事業の予算額は約二十八億円でございます。十二歳まで引き上げた場合は、約二十三億円増の約五十一億円、十五歳まで引き上げた場合は、約三十億円増の約五十八億円になると見込んでおります。 次に、試算結果を受けて対象年齢の拡大の検討を行ったのかについてでございます。 平成二十八年度国民医療費から推計した子供の一人当たり医療費は、小学生が年間約十一万四千円、中学生が約十万円ですが、小学校就学前までは約二十二万円と倍の医療費がかかっております。県としては、医療費の負担が特に重い小学校就学前までの子育て家庭への支援を、前回制度改正を行いました平成二十年一月から一貫して政策としてまいりました。試算は行っておりますが、政策に変更はございません。 議員御指摘のとおり、この制度は子育て支援のナショナルミニマムとして、国が統一した制度として実施すべきであると考えております。今後とも、政府要望をはじめ、様々な機会を捉えて国に対し制度の創設を要請してまいります。 ただ今の御質問一、子供医療費の助成についての答弁におきまして、
乳幼児医療費支給事業の予算額について「令和元年度」と申し上げるところを、誤って「平成元年度」と申し上げました。おわびして訂正させていただきます。 〔石川英寛
企画財政部長登壇〕
◎石川英寛
企画財政部長 御質問二、埼玉・群馬・新潟三県の連携についてお答えを申し上げます。 まず、これまでどのような連携の成果があったのかについてでございます。 本県・群馬県・新潟県の三県が連携し、共に発展していくため、本県知事からの働き掛けにより三県知事会議を開催した結果、様々な成果が生まれました。平成二十六年二月の大雪時には、議員お話しの三県防災協定に基づいて、実際に新潟県から除雪車やオペレーターの方々を派遣していただいたことで、除雪作業が速やかに進みました。 また、広域連携による救急医療体制の充実を図るため、ドクターヘリが相互に補完し合う仕組みを構築し、昨年度までに埼玉県から群馬県へ五十三件、その逆が七十八件、出動しました。 貿易の振興についても、様々な取組を行っています。三県は、中国のマーケットを開拓するため、それぞれ現地事務所を設置しており、本県の上海ビジネスサポートデスクには現在三百五十一企業が登録しています。この中には群馬県、新潟県の企業が十三社参加しており、年四回のセミナー、交流会によって情報交換の場を提供することに加え、他県主催行事への参加など、連携に取り組んでいるところです。 一方、この会議をきっかけに、新たな展開にもつながりました。群馬県、新潟県がメンバーである北関東磐越五県知事会議の検討会に本県も参加させてもらい、災害時に各県の福祉チームを相互に派遣する新たな広域ネットワークの構築に向け、検討を進めています。 次に、今後も三県で連携していく考えはあるのかについてでございますが、今申し上げましたとおり、防災、産業振興、福祉など、様々な分野において具体的な成果が出ています。今年度から、新たにAIやIoTなど先端技術の活用による農業生産性の向上や少子化対策の連携にも取り組むこととしました。 このように三県での取組が継続しており、今後も新たな成果につながることが期待できます。今まで築いてきた成果を生かして、三県が共に発展していけるよう、今後も各分野で連携を継続してまいります。 〔岩中督
病院事業管理者登壇〕
◎岩中督
病院事業管理者 御質問三、旧
小児医療センター跡地の活用についてお答えを申し上げます。 まず、跡地活用の現在の検討状況についてです。
小児医療センターの跡地については、現在、建物解体工事を行っており、来年三月に終了する予定でございます。建物解体後の利活用方策については、秋頃を目途に利活用の一定の方向性が示せるように庁内で検討を進めているところです。 例えば、近年、高齢ドライバーによる交通事故防止対策が課題となっていることから、高齢者向けの交通安全運転教育のための施設を中心に、福祉、医療、介護など健康をテーマとした施設なども案として挙がっております。急増する高齢者への対応など、社会的ニーズの高い分野に活用されるようになれば良いと考えております。 次に、職員公舎が残っているが、その利用についてはどのように検討しているかについてです。 職員公舎は、庁内や地元市に利活用の意見照会をさせていただいております。例えば、蓮田市からは敷地の一部を社会福祉法人による障害者支援施設などで利用したいとのお話をいただきました。具体的な計画はお示しいただいておらず、また費用面などで調整が難しい部分もありますが、引き続き地域において役立つ利用方法について幅広く検討してまいります。 〔矢嶋行雄
県民生活部長登壇〕
◎矢嶋行雄
県民生活部長 御質問四、芸術文化の振興についてお答えを申し上げます。 彩の
国さいたま芸術劇場では、埼玉県芸術文化振興財団を指定管理者として「創造する劇場」の理念の下、質の高い舞台芸術作品を制作し、発信しております。高齢者の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」の活動などは、高齢社会という課題に対応した特色ある取組として県内外から高い評価を得ております。彩の国シェイクスピア・シリーズでも、本年二月に第三十四弾となります「ヘンリー五世」を上演したところ、チケットが完売し、追加公演を行うなど、大変な好評を博しました。 また、芸術劇場は県内文化施設の中核として、舞台芸術の専門人材を育成する役割も求められております。このため、市町村の公立文化施設などを対象に舞台技術の講習会や研究会を開催し、各施設の舞台スタッフのスキルアップを図っております。 議員お話しの芸術劇場で創作した演劇作品を各市町村のホールで上演することは、質の高い舞台芸術の鑑賞機会の拡大とホールの人材育成にもつながり、大変意義のあることだと思います。 一方で、市町村のホールでの演劇公演には、様々な課題もございます。芸術劇場では、国内最大級の広さ、高度な音響や照明など、保有する舞台の特徴に合わせて大道具を配置し、役者の動きを決め、作品を制作しております。このため、作品を異なる舞台でそのまま上演することは困難な状況となっております。場合によりましては、その施設に応じた大道具の作製や照明、音響プランの変更などが必要となり、経費が増大するケースも考えられます。また、一定の期間の稽古場所や現地スタッフの確保も必要であり、その施設の多大な協力が不可欠となります。 市町村ホールでの公演は、平成二十五年度と平成二十六年度にさいたまゴールド・シアターの公演を熊谷市と川越市のホールで行った事例がございます。平成三十年度は、親子で楽しめる児童演劇公演を吉川市のホールで行いました。同様の公演を令和元年度は東松山市のホールでも行う予定となっております。こうした事例を踏まえまして、優れた演劇作品が各地の市町村ホールで上演できますよう、舞台の状況や協力体制などを考慮し、演出家の御意見もお伺いしながら検討してまいります。 次に、御質問六、県の広報紙「彩の国だより」の充実についてお答えを申し上げます。 「彩の国だより」は、新聞折込みにより毎月約二百二十万部を県内に配布しております。このため、新聞折込みに適したタブロイド版を採用しております。他のチラシに紛れない工夫といたしましては、県民の目に付きやすくするため、チラシの一番上に折り込むようにしております。また、県民の皆様により手に取っていただく工夫として、平成三十年五月号から表紙に写真を大きく掲載し、県民の興味を引きつける紙面といたしました。じっくり読んでいただくための工夫といたしましては、原則八ページで構成された紙面をそれぞれの特徴ある四つのジャンルに分けています。表紙の写真に関連した詳細情報を掲載する「特集記事」、県の施策を周知する「県政記事」、イベントや募集、試験情報などの「情報記事」、県の魅力を伝える「魅力発信記事」でございます。 さらに、近年増加しておりますスマートフォン利用者に対応するため、記事には二次元コードを載せております。これによりまして、動画やホームページに誘導し、紙面では伝え切れない、より深い情報を取得できるよう工夫しております。「彩の国だより」には、月平均で三千件を超える御意見が寄せられております。「写真やイラストが多くて良い」「二次元コードの動画で見た場所に子供を連れて行きたい」など、肯定的な御意見が約九割を占めています。一方で、「イベント情報には地図を添えてほしい」「高齢者向けのお出掛け情報をもっと載せてほしい」といった御要望もいただいております。そうした県民の皆様からの貴重な声を生かしながら、今後とも注目していただける充実した紙面づくりに取り組んでまいります。 次に、県の魅力を打ち出す新たな切り口の特集についてでございますが、直近の「彩の国だより」六月号では、裏表紙の「魅力発信記事」で狭山茶の新しい味わい方を紹介いたしました。具体的には、パスタをお茶のソースであえた料理やお茶を炭酸で割ったドリンク、抹茶やほうじ茶のジェラートなど、埼玉県が誇る狭山茶の魅力を違った視点で発信をいたしました。 また、例えば加須市にある栃木県、群馬県との県境を、「三つの県が三歩で回れる」といったフレーズで取り上げることも、県の魅力発信につながると考えております。 今後とも、こうした意外な場所を新たな観光スポットとして取り上げるなど、県の魅力を感じていただける紙面づくりに努めてまいります。 〔小松弥生教育長登壇〕
◎小松弥生教育長 御質問五、小・中学校への支援についてお答え申し上げます。 まず、小・中学校の本採用の教師及び臨時採用の教師をより手厚く加配するような支援はできないかについてでございます。 小・中学校の教員は、いわゆる義務標準法の定めに基づき、学級数に応じて配置される教員と学校の様々な課題に応じて加配される教員とがございます。教員の加配につきましては、小学校の英語教育や日本語指導に対応するためなどの加配がございます。また、常勤の教員ではございませんが、県独自の取組として、いわゆる小一プロブレムへの対応や初任者研修に参加する教員に代わって授業を行う非常勤講師などを配置しております。県といたしましては、これからも市町村と連携し、各学校の課題を十分に把握した上で教員の加配や非常勤講師の配置により、学校を支援してまいります。 また、教員定数の増員につきましては、これまでも国に対して要望しておりますが、引き続きあらゆる機会を捉えて強く要望してまいります。 次に、教師の志願者数が減少する中で、より良い人材を確保するための具体策についてでございます。 より良い人材の確保には、情熱や使命感のある方々に少しでも多く志願していただくことと、そして適切な選考を行うことの二点が必要だと考えております。 まず、志願者確保については、札幌、仙台、東京、大阪などの主要都市で教員募集説明会を実施するほか、全国百以上の大学を訪問し、個別に説明を行っております。説明会では、教員採用試験の仕組みだけでなく、働き方改革への取組や協調学習の取組、教員同士のネットワークなど、本県の取組をアピールし、受験を促しております。 次に、選考でございますが、教師に求められる資質・能力が多様化する中、本県では教育に対する情熱や使命感などの人間性が最も重要な資質だと考えております。このため、選考試験においては筆答試験だけでなく、面接、集団討論などを中心とした人物重視の選考を行っております。引き続き、全国の学生に埼玉県の強みをアピールするとともに、選考方法の工夫・改善に努め、より良い人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。 次に、教師、学校の抱える問題に対し、外部からの支援としてスクールロイヤーの配置等は考えているのかについてでございます。 学校には、いじめをはじめ生徒指導に係る問題、地域、保護者からの相談や要望への対応など課題が山積しております。その中で、過度な要求など学校で解決できない課題に対しては、県内四つの教育事務所に学校問題解決支援チームを速やかに設置できる体制を整えております。このチームでは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家のほか、必要に応じて弁護士からも助言をいただいております。今後とも、いじめの解決や保護者からの過剰な苦情などに対しましては、弁護士などの法的な側面からのアドバイスを活用するなどして学校を支援してまいります。 〔中村一之
県土整備部長登壇〕
◎中村一之
県土整備部長 御質問七、
蓮田スマートインターチェンジの
フルインター化についてお答えを申し上げます。 スマートインターチェンジは、高速道路の有効活用や利便性の向上だけでなく、地域の活性化にも大きく寄与するものでございます。現在の
蓮田スマートインターチェンジは、普通自動車以下の利用に限定し、東京方面へのハーフインターとして平成二十四年二月から供用しております。また、平成二十九年七月に、全ての方向に出入りが可能な
フルインター化の必要性が確認できる箇所として、「準備段階調査」の採択を国から受けました。蓮田市では、
フルインター化の新規事業化を目指し、国やNEXCO東日本などとの関係機関による準備会を組織し、これまで五回の会議を重ねてまいりました。この会議には県も参加し、
フルインター化の必要性や整備効果について関係機関とともに検討を進めております。 今後、準備会における検討がまとまった段階で、新規事業化に向け蓮田市が中心となり、実施計画書を策定し、国等へ提出することとなります。県といたしましては、引き続き
フルインター化が新規事業として採択されるよう、蓮田市と国へ働き掛けるとともに、関係機関と連携を図り、早期実現に向け支援してまいります。 次に、御質問八、地元問題についてのうち、(一)
県道蓮田杉戸線の
バイパス整備についてでございます。 このバイパスは、県道蓮田白岡久喜線と
県道蓮田杉戸線の現道を結ぶ五百八十メートルの道路です。平成十八年度に事業に着手したところ、境界が未確定の土地が多く存在しており、この確定作業に長い時間を要しました。現在は、この確定作業が完了し、用地取得を進めており、用地買収率は八三パーセントとなっております。また、バイパス予定地は埋蔵文化財が確認されているため、用地が取得できた箇所から順次発掘調査を進めているところです。今後は、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、引き続き残る用地取得を進めるとともに、埋蔵文化財の発掘調査を実施し、早期に工事着手できるよう努めてまいります。 次に、(二)
県道蓮田鴻巣線の歩道整備についてでございます。 この県道の蓮田駅周辺は、沿道に住居や店舗が立地していることから、一日を通し、自転車や歩行者が通行しています。平成三十年度より、蓮田駅北側の踏切から南東へ百九十メートル区間において歩道整備に着手しております。令和元年度は、蓮田市の協力を得て用地取得を進めるとともに、鉄道会社と協議を行い、踏切を拡幅するための設計を行ってまいります。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら用地取得を進め、事業の推進に取り組んでまいります。 次に、(三)
県道行田蓮田線・
高虫交差点整備についてでございます。
県道行田蓮田線と県道さいたま菖蒲線が交差する高虫交差点には右折帯がなく、朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生しております。そのため、県では平成二十年度から高虫交差点の整備に着手しており、現在の用地買収率は八四パーセント、工事進捗率は六〇パーセントとなっております。令和元年度は、残る用地取得を進めるとともに、交差点の西側区間の工事を進めてまいります。引き続き、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら用地取得を進めるとともに、用地がまとまって取得できたところから順次工事を進めてまいります。 次に、(四)元荒川の浸水対策についてでございます。 県と蓮田市は、平成二十六年五月に河川・下水道事業調整協議会を設置し、県と市が連携しながら元荒川流域の浸水対策に取り組んでいるところです。具体的には、県は元荒川の星川合流点から新荒川橋までの約四・二キロメートル区間について、河川に堆積している土砂の掘削を下流に向けて順次進めていくこととしております。また、蓮田市は雨水を一時的に貯留する調整池の整備などを行うこととしております。 現在までの元荒川の土砂掘削状況は、平成三十年度末までに星川合流点から八幡橋までの約一・一キロメートル区間が完了しています。また、防災・減災、国土強靭化のための三か年緊急対策の一環として、令和元年度に八幡橋から約一キロメートル区間の土砂掘削に着手したところです。今後とも、蓮田市と連携を図りながら元荒川の浸水対策に取り組んでまいります。
----------------
△休憩の宣告
○神尾高善議長 暫時、休憩いたします。午前十時五十七分休憩
----------------午後一時一分再開 出席議員 九十二名 一番 二番 三番 四番 五番 六番 七番 八番 九番 十番 十一番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十五番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 一名 七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(奥野) 副知事(飯島)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○新井豪副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△質疑質問(続き)
○新井豪副議長 質疑質問を続行いたします。 十六番 八子朋弘議員 〔十六番 八子朋弘議員登壇〕(拍手起こる)
◆十六番(八子朋弘議員) 皆さん、こんにちは。西第六区、富士見市より選出いただきました無所属県民会議の八子朋弘です。当選後、最初の議会で質問の機会を与えていただきました無所属県民会議の皆様に感謝申し上げます。そして、傍聴席にお越しの皆様、本日はお忙しい中、ありがとうございます。 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、初めての一般質問をさせていただきます。 今回、私の質問は五つの大項目、小項目を入れますと十二項目と多岐にわたりますが、執行部の皆様の誠意ある答弁に期待し、質問に入らせていただきます。 まず、大きな項目の一つ目、子どもを取り巻く課題について、虐待事件を0にするためにということで伺います。 この課題は、先日、会派の松坂議員も取り上げておりましたが、私からもお伺いいたします。 目黒区や野田市で残念な事件が相次いで発生し、多くの国民が心を痛めております。そして、今月に入ってからも、札幌市で事件が起こってしまいました。これまで何度も、事件が発生するたびに様々な検証がなされ、事件が繰り返されないよう対策がとられてきましたが、なかなか不幸な事件が0になりません。このたび、国でも児童虐待防止法の改正がなされましたが、悲惨な事件を今度こそ起こさないため、県としてどのような対策を打っているのか。幸い最近、埼玉県では死亡事件は起こっていませんが、具体的な状況を福祉部長に伺います。 警察との連携については、今年度予算で児童相談所と警察署間において虐待情報を共有するシステムの構築が図られていますが、児童相談所へ相談した情報が警察へ共有されることが知れ渡れば、もしかしたら警察が家に来るかもしれない、もしかしたら逮捕されるかもしれないという不安から、育児に悩む親本人や学校、保育園などが相談や情報提供に二の足を踏み、支援が必要な家庭がより孤立するのではないかという懸念が根強いと言われております。こういった懸念も承知の上で、メリットを重視し、このようなシステムを構築する決断をされた県の考え方、そして懸念を払拭するための取組について福祉部長にお伺いいたします。 また、目黒区の事件では、対象の家庭が転居したことにより児童相談所間における引継ぎが不十分であったと言われています。野田市の事例では、児童は一度保護されたものの、結局親元に帰してしまい、結果としてあってはならない事件になってしまいました。これらの事例を踏まえ、埼玉県としてどのような対応を行っているのか、またいくのか、福祉部長の答弁を求めます。 最後に、私は虐待事件を0にするための一番のポイントは「人」であると考えています。どんなに完全に近いシステムを構築しても、それを有効に生かせる人がいなければ意味がありません。児童相談所だけの問題ではありませんが、経験を積んだ職員がその経験を基に共有した情報を生かして、いかにケース・バイ・ケースで適切な対応をしていくか、これが悲しい事件を発生させない一番の対策だと思います。人員の拡充は当然のこととして、児童相談所における現場の職員の人事異動はいかに行われているのでしょうか。若い職員に様々な経験を積んでいただくことは大事ですが、じっくり腰を据えて人間関係をつくり、事例に対処していく体制はとれているのでしょうか、福祉部長にお伺いいたします。 続いて、二つ目の質問です。居場所づくりと貧困対策について伺います。 日本では、七人に一人の子供が貧困状態にあると言われています。その事実に対し、国をはじめとして様々な対策が取られていますが、中でも子ども食堂とアスポート事業について、埼玉県の現状と課題についてお伺いいたします。 まず、子ども食堂についてです。 私は、給食以外の食事が満足に食べられていないお子さんや、家庭に困難な事情を抱えているお子さんが一人残らず、毎日の開催ではないかもしれませんが、子ども食堂に足を運んでもらい、食事のみならず、勉強や遊びを通して安心や安らぎを感じてほしいと切望しています。しかし、真に支援が必要な子供、家庭に情報や支援が行き届いていないのが現状ではないかと思います。この点について認識と対策を福祉部長に伺います。 また、県内各地で運営されている子ども食堂から、食材の調達に苦労しているとの声を聞きます。食品ロス削減法も成立した今、県としてフードバンクやフードドライブに更に力を入れ、子ども食堂に食材を供給するシステムを構築できないか、福祉部長の見解をお伺いします。 さらに、先日の十三日、県庁内で県庁職員を対象にフードドライブが実施されたようですが、今後は大きなイベント等の機会を捉え、県庁職員だけではなく、県民の皆様を広く巻き込んで実施すべきではないでしょうか。福祉部長にお伺いいたします。 次に、アスポート事業についてです。 貧困の連鎖を断ち切る有効な施策として実績を上げており、埼玉県の取組が全国の事業に展開しつつあることを高く評価しております。私がお世話になりました富士見市議会でも、平成二十九年にこのアスポート事業について議員研修として学ばせていただきました。現在、高校進学支援の中学生教室が全市町村で実施されていますが、高校中退防止支援の高校生教室と小学生対象のジュニア・アスポート教室については、
財政事情等の理由により全市町村で開催されているわけではありません。 ちなみに、私の地元富士見市ではジュニア・アスポート教室含め、小中高全てを対象に開催されておりまして、地元の議員として心強く思うのと同時に、担っていただいている皆様に敬意を表したいと思います。 一日も早く全市町村において、小中高全てのアスポート事業が実施されることを望みますが、教室を開催するに当たって大きな障害は会場の確保であると聞いております。県として会場の確保にどのように尽力しているのでしょうか。もっと力を入れるべきではないでしょうか。見解と取組の状況について、福祉部長に伺います。 また、地元富士見市には子ども未来応援センターが設置されております。妊娠期から子育て期に至るまでの切れ目のない支援体制を実現し、全ての子供が夢に向かってチャレンジできるよう、市民の皆さんの子育てを応援しており、子供に関する総合相談窓口としてセンター機能を果たしています。子ども食堂、アスポート事業、さきの虐待対応、その他、子供に関する様々な支援事業を効率的につなげていく意味で、富士見市の子ども未来応援センターのような機能を市町村に持たせるよう、県として各市町村を支援していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 以上、福祉部長にお伺いいたします。 続いて三点目、学力向上対策について伺います。 平成三十年の全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの正答率の埼玉県の順位は、小学生で三十六番目、中学生で二十九番目でありました。もちろん、子供の評価は学力が全てではありませんが、子供たちが将来、豊かな人生を送る上で学力を身に付けておくことは有効な手段の一つであります。埼玉県では、平成二十七年から県内児童生徒の更なる学力向上のため、小学四年生から中学三年生を対象に埼玉県学力・学習状況調査を行っています。この調査は、学力の経年変化などを継続して把握することができ、その結果から優れた指導法について教員間で共有することができるなど、極めて有効な施策と言えます。教育の分野において、その成果は一朝一夕には現れるものではありませんが、必ずや数年後に大きな成果を上げられるものと期待しています。スタートから五年目となりますが、現時点における成果と今後の取組について、昨日の質問でもございましたが、教育長に伺うものです。 併せて、全国学力テストの平均正答率の目標値についてもお示しいただきたいと思います。 また、埼玉県として全国学力テストの正答率が高い自治体に実践を学ぶ取組は行っているのでしょうか。全国学力テストの成績上位県である福井県に職員を派遣しているとのことですが、私は栃木県大田原市の取組を紹介したいと思っております。 大田原市では、学力向上のため多くの取組を行っています。平成十七年から英語教育特区になり、小学校一年生から英語の授業を取り入れています。指導力強化のための市独自の予算を組み、約百六十名の臨時非常勤教員を配置しています。また、実際に学校で指導に当たっている先生が問題を分析し、発行している漢字・計算ドリル「ホップ・ステップ・ジャンプ」を毎日の朝学習、授業、家庭学習に活用しています。非常に出来の良い教材のため、他の自治体から欲しいと言われることも多々あるそうです。 いずれにしても、それら取組の結果、全国学力テストの平均正答率は、栃木県全体では全国平均を下回っているようですが、大田原市単独におきましては全国平均を大きく上回っており、全国トップクラスに位置しているとのことでございます。 私は、特に独自のドリルを使った毎日の基礎学習に注目していますが、全県を挙げてこのような取組ができないでしょうか。昨日の答弁によりますと、基礎学力におきましては一定の成果を上げているようでございますが、更に学力を伸ばす必要があると思います。教育長に伺います。 続いて、四点目、
保育士不足解消に向けてということでお伺いいたします。 待機児童解消に向けて保育所の整備促進が図られています。一方、現場では保育士の確保、特に正規職員として働く保育士の確保に苦労されています。本県の保育士の有効求人倍率は平成三十年十一月に四・七六倍で、今後も保育士不足の深刻化が見込まれております。 保育士不足の主な原因は、給料が低い、業務量が多い、就業時間が合わない、人間関係、責任の重さと言われております。この課題に対し、本県でも宿舎借上補助事業や新卒保育士就職支援事業等、様々な取組を行っていますが、先ほど紹介した原因の中で県が対応できて、かつ一番効果的な対策は処遇改善であると思われます。 しかしながら、東京都に隣接し、通勤圏であります埼玉県は処遇の面で条件の良い都内に人材が流出しています。隣接する東京都と比較すると、国が定める公定価格の地域区分に差があるため、どうしても給料に差がついてしまい、制度的に不利な状況にあります。県として国に対し、公定価格の差を是正するよう要望されていることは承知していますが、是正の見通しはどうなっているのでしょうか。また、要望するだけでなく、県として更に積極的に対策を打つことはできないでしょうか。 例えば、保育所はいわゆる早番・遅番の保育士確保に特に苦労されていると聞いております。ならば、その早番・遅番の保育士の人件費を県として補助することはできないでしょうか。昨年五月の時点で、県内には認可保育所が一千二百二十八園あります。様々な対策に付けている予算を精査し、保育士の処遇改善に県として予算を付けることについて、福祉部長に伺います。 続いて、大きな二点目、安心安全を確保するためにということで二点伺います。 一つ目、歩行者の
交通安全対策について。 昨今、池袋や滋賀県大津市等、歩行者が巻き込まれる事故が続いています。悲惨な事故を発生させないために、交差点における事故抑止対策として信号機の改良について伺います。 大津市の事故では、直進車と右折車の衝突事故が幼い園児の命を奪いました。もちろん、最後はドライバーの安全運転に対する意識によるところが大きいわけですが、少しでも事故発生の可能性を低減させるための方策が必要です。私は万一、交差点で事故が発生してしまった場合に、人が巻き込まれないための方策と併せて、そもそも交差点で事故が起こらないための方策を進めていくべきだと思います。 そこで、信号機を矢印式信号に改良し、直進車と右折車を分けることが有効であると考えます。矢印式信号の設置は、交通渋滞を招くデメリットもありますが、それ以上に事故を発生させないメリットの方が大きいと思います。警察本部長の見解を求めます。 次に、高齢者の
交通安全対策について伺います。 最近、高齢ドライバーの事故が頻発しています。政府は十八日、昨今の事故情勢を踏まえた
交通安全対策に関する関係閣僚会議を実施しました。会議での議論を踏まえ安倍総理は、高齢者が自動車に頼らず暮らせる社会の実現に向けて施策を進めていく方針を示されております。 そこで、高齢の方ができるだけ運転をしなくても済む施策の推進について伺います。 県では、これまで高齢者安全運転推進プロジェクト等を通じ、高齢者の事故防止対策に取り組んできていると思います。ですが、そもそも高齢者が移動手段として自ら車の運転をしなくても済む施策、例えばタクシーを利用し、家の玄関先から目的地まで移動できるデマンド交通等、高齢者の足を確保する施策を実施する市町村に対して更に施策を促進させるため、県として補助金を出す等、事業を後押しする必要があると思いますが、
企画財政部長に伺います。 続いて、大きな三点目、
健康長寿埼玉プロジェクトについて伺います。 現在、埼玉県では健康で長生きしていただくための有効な方策の一つとして、
健康長寿埼玉プロジェクトが推進されています。ウォーキングや筋力アップトレーニングに取り組んでいただき、健康寿命の延伸や医療費の抑制を図る事業ですが、県内五十七の自治体に何らかの形でプロジェクトに参画していただいています。私は、
健康長寿埼玉プロジェクトは自治体のできる健康長寿施策としてはよくできていると思いますので、改善する点は改善した上で、今後どなたが知事になったとしても更に推進していくべきであると考えております。 そして、この
健康長寿埼玉プロジェクト、平成二十九年度からはプロジェクトの一環としてコバトン健康マイレージの運用を開始しています。コバトン健康マイレージは、忙しい人や健康づくりに関心が低い人にも参加してもらうために構築したものです。ウォーキングなどに応じてポイントが貯まり、抽選で賞品が当たるなど、楽しみながら健康づくりに取り組むことができる仕組みとなっています。平成三十一年三月末時点での参加者数は約五万四千人です。一人でも多くの県民の皆様にこの事業に参加してほしいところですが、一方、登録はしているものの、実際には行動できていない方、いわゆる幽霊会員が多いのではないかと危惧しています。この事業は、実際に健康づくりに取り組んでもらわなくては意味がありません。今年の予算特別委員会でも指摘があったようですが、現状の取組はいかがでしょうか。 また、参加をする際、保険証のコピーを郵送する等、登録手続が面倒であるとも聞きます。もっと手続を簡素化し、参加のハードルを下げるべきではないでしょうか。見解を
保健医療部長に伺います。 続いて、大きな四点目、
幼児教育類似施設における
幼児教育無償化について伺います。 子育て世帯を応援し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるため、幼児教育の無償化が今年の十月一日よりスタートする予定です。幼児教育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点などから取り組まれるものとされ、三歳から五歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が無償化されます。 しかしながら、このたびの制度開始に当たり、県内に十六か所存在する
幼児教育類似施設は無償化の対象になっていません。このたびの無償化は、内閣府、文科省、厚労省の連名で出された依頼文書によると、幼児教育の質が法律により制度的に担保された幼稚園、保育所、認定こども園に通う子供が対象であり、また、待機児童対策の観点から認可外保育施設に通う子供のうち、保育の必要性のある子供についても対象とするとのことであります。 一方、面積等が基準に達していないために、法律上、幼稚園と位置付けられていない施設は幼稚園と同等の教育を行っていたとしても、無償化の対象外となっています。国においてもこの問題は取り上げられており、今年二月八日の衆議院予算委員会において、自民党の萩生田光一議員が「幼稚園でもない、保育園でもないというこういう、中間施設が今回のこの政策から漏れてしまうというのは、本来の政策目的と違うんじゃないか」と質問し、そのやり取りの中で安倍総理は「そういうところに対しての支援について、どう国と地方が協力して支援していくということ、今度の新しい制度の中に入ってもらえるかどうかということについて、直ちに私は答えを持っておりませんが、検討させていきたい」と答弁されております。 その後、四か月の月日が流れました。十四日には、上田知事も関係者から要望書を受け取られたと聞いています。対象に含めるか含めないか、どこで線を引くかは大変難しい問題ですが、この問題について県としてどのように考え、どう対応するのか、総務部長に答弁を求めます。 質問の最後に、私の地元富士見市における県が関わる幾つかの事業、課題について質問させていただきます。 一つ目として、
一級河川柳瀬川の水谷調節池の整備について伺います。 平成二十八年八月、関東地方を襲った台風九号は、各地に甚大な被害をもたらしました。富士見市と志木市の境界を流れ、新河岸川に合流する柳瀬川は急激な増水により、あふれる一歩手前まで水位が上昇しました。富士見市、志木市に住む近隣住民の皆様は、約三十年前に発生した浸水被害を思い起こすほど不安なひとときを過ごされたことと思います。また、上流に当たる所沢市でも浸水被害が発生、それらの状況を受けて県では関越自動車道の下流に位置する清柳橋付近の川幅を広げるとともに、柳瀬川の水を一旦貯留し、下流の浸水被害を防ぐ目的で、新河岸川との合流地点の手前に当たる富士見市大字水子に整備面積約四万六千平方メートルの水谷調節池の整備を計画しました。昨年の十月には地権者説明会、今年の二月には地域住民の皆様向けに事業説明会が開催され、現在に至っております。 そこで伺います。事業は順調に計画どおりに進んでいるのでしょうか。現在の進捗状況について、
県土整備部長に伺うものです。 次に、
砂川堀雨水幹線の治水対策等について伺います。 富士見市における水害対策のもう一つのポイント、
砂川堀雨水幹線の改良事業、こちらについては平成二十八年八月の台風九号の際、さきの柳瀬川とは違い、浸水被害が発生してしまった地域です。被害発生後、今年の夏で三年となりますが、この間、県の御努力によりソフト面の対策として
砂川堀雨水幹線水位監視システムが構築され、監視カメラにより現地映像や水位の状況がどこからでもリアルタイムで分かるようになりました。また、ハード面の対策として新河岸川との合流地点の改良、堤防のかさ上げ工事が現在急ピッチで進められています。 そこで、それぞれの工事の現在の進捗状況及び今後のスケジュールについて、
下水道事業管理者に伺います。 また、三年前の浸水では周辺の山室地区の住宅エリアが床上まで浸水し、勝瀬地区にある保育園も浸水被害に見舞われ、保育園児がボートで救出されるという事態が発生しました。このたびの対策工事では、堤防のかさ上げが新河岸川の合流部から遡ること上流約一千二百五十メートル地点、砂川堀第五号橋上流側までとなっており、周辺の住民からは「堤防のかさ上げはそこまでで大丈夫か」また「付近で合流する砂川堀第二雨水幹線の対策は」と不安の声も聞こえます。 そこで、堤防かさ上げが第五号橋上流側までとなる理由と併せ、県の事業ではありませんが、砂川堀第二雨水幹線の対策状況についても
下水道事業管理者に伺います。 三点目、国道二五四
号和光富士見バイパスの整備及び都内方向への延伸について伺います。 県南地域の道路ネットワーク上、重要な幹線道路である国道二五四
号和光富士見バイパスの完成は、富士見市民はもとより沿線の各自治体住民の長年の悲願であります。昭和五十九年度からスタートした事業も整備が進み、今年度、第一期整備区間である外環道から県道朝霞蕨線までの約二・六キロの全区間が四車線化される予定です。また、県道朝霞蕨線から国道四六三号までの第二期整備区間も用地買収、工事が推進され、現在橋脚のみが姿を見せている国道四六三号との立体交差工事の更なる前進が予定されています。 そこで、現時点における立体交差事業の進捗状況、また橋が完成しても、その先の道路が完成しないと意味をなさないわけで、その先の志木市部分の今後の見通しを
県土整備部長に伺います。 また、さらには和光松ノ木島交差点以南、つまり東京外郭環状道路との交差地点から東京に向かう延伸部分の計画についても併せてお伺いいたします。 いずれにいたしましても、このバイパスの完成により周辺道路の渋滞緩和のみならず、広域的な物流の効率化、それに伴う企業立地、防災機能の強化等、様々な効果が期待されています。一日も早い完成を期待しております。 最後に、
県道ふじみ野朝霞線鶴瀬駅前交差点の改良について伺います。 ららぽーと富士見開業以来、交通量の増加が著しく、特にふじみ野方面からみずほ台方面に向かうふじみ野朝霞線に右折レーンがないため、渋滞が頻繁に発生しています。この交差点は、その他の三方向からは右折レーンが設置されていますが、この一方向のみ右折レーンがなく、右折路面標示にとどまっているため、慢性的に渋滞が発生しています。地域の皆さんをはじめ利用者の要望が強く、市議会でも何度も取り上げられており、その市議会において平成二十九年九月に、以下のような答弁がなされております。 「当該交差点については、以前より右折信号機の設置要望が出されており、埼玉県警としても安全対策が必要な交差点と認識していただいています。このような中、平成二十九年四月二十日に埼玉県警、東入間警察署、埼玉県川越県土整備事務所、富士見市の四者で現地にて交差点診断を実施し、川越県土整備事務所では用地の協力が得られていないため、右折帯の設置ができないとのことから、埼玉県警では右折帯の設置ができない状況では右折信号機の設置ができない旨の意見が出され、当面の安全対策といたしまして、みずほ台方面からの車両が右折待ちの際に、交差点中心まで進入しないようにリード線を設置することで協議がなされました。その結果、平成二十九年八月に川越県土整備事務所により右折待ち車両用のリード線が設置されております」とのことであります。 以上の経緯を踏まえ、現時点における県の考え方を
県土整備部長にお伺いいたします。 以上で質問を終わります。御答弁、どうぞよろしくお願いします。(拍手起こる)
○新井豪副議長 十六番 八子朋弘議員の質問に対する答弁を求めます。 〔知久清志福祉部長登壇〕
◎知久清志福祉部長 御質問一、子どもを取り巻く課題についてのお尋ねのうち、(一)虐待事件を0にするためにについてお答えを申し上げます。 まず、悲惨な事件を起こさないため、県としてどのような対策を打っているのかについてでございます。 増加する虐待通告に迅速かつ適切に対応するため、児童相談所の体制を強化しています。今年度は児童福祉司を三十五人、児童心理司を七人増員するとともに、七か所目となる草加児童相談所を設置しました。また、職員の資質向上を図るため、職位ごとの研修に加えて重大事案を検証する研修や、弁護士を講師とした法的対応を学ぶ研修を新たに実施いたします。さらに、警察との連携を強化するため、平成三十年八月から全ての虐待情報の共有を始めました。今年度は、児童相談所と警察署を直接つなぎ、リアルタイムで情報を共有する全国初のシステムを構築いたします。 次に、児童相談所と警察との情報共有システム構築を決断した県の考え方、懸念を払拭するための取組についてでございます。 システムを構築することとしたのは、悲惨な事件を繰り返すことなく、子供の命を守るためには児童相談所と警察が虐待情報を共有し、連携することが何よりも重要と考えたためです。共有する情報は虐待情報のみで、虐待に関係のない養育に関する相談などの情報は共有されません。相談に当たって、情報の取扱いに不安を抱いている保護者等に対しては、この点を丁寧に説明してまいります。 次に、目黒区や野田市の事例を踏まえ、県としてどのような対応を行っているのか、また対応していくのかについてでございます。 児童相談所間の引継ぎについては、国の児童相談所運営指針に定められているとおり、緊急性が高い場合には対面等により行うことという原則を徹底しています。また、一時保護については保護者が虐待を認めない、子供を職員に会わせないなど、リスクが高いと認識した場合はちゅうちょなく一時保護をするなどの対応をしています。札幌市の事件を踏まえ、国から改めて示された適切な一時保護、四十八時間以内の安全確認などのルールを徹底し、子供の安全確保に全力を尽くしてまいります。 次に、児童相談所の人事異動はいかに行われているのか、事例に対処していく体制は取れているのかについてでございます。 児童相談所の職員には専門的な知識や経験のほか、業務の継続性も求められていることから、一般的な異動基準年数よりも長い配置となっております。また、平成三十一年四月一日付けで異動した職員のうち、引き続き児童相談所に異動した職員は役付職員で約八五パーセント、一般職員で約七〇パーセントとなっています。日々の業務で培った経験や専門知識が生かせる人事ローテーションとしております。今後も、児童相談所職員の能力を最大限に生かせる人材育成に取り組み、現場の対応力向上を図ってまいります。 次に、(二)居場所づくりと貧困対策についてでございます。 まず、真に支援を必要とする子供、家庭に情報や支援が届いていない現状に対する認識と対策です。 経済的困難を抱え、地域から孤立している家庭には情報が届きにくい実態がございます。民生委員や社会福祉協議会には家庭訪問を通じた相談支援の中で、必要に応じて子ども食堂につなぐ役割を担っていただいております。また、県では今年度、新たにポータルサイトを構築して子ども食堂のマップを掲載し、スマートフォンで簡単に子ども食堂の情報を入手できるよう取り組んでまいります。 次に、子ども食堂に食材を供給するシステムの構築についてでございます。 まず、フードバンクやフードドライブの認知度は低いため、ポータルサイトやセミナーを通じて情報発信に努めます。さらに、今年六月から派遣を開始した「こどもの居場所づくりアドバイザー」が子ども食堂に対し、フードバンクの利用や企業、農家との連携など、食材確保のノウハウを提供します。 次に、フードドライブを県庁職員だけでなく、県民の皆様に広く巻き込んで実施すべきではないかについてでございます。 例えば、十一月十四日の県民の日のイベントなど、県民の皆様が集まる場を活用して実施したいと考えております。フードドライブを通じて、オール埼玉で子供の貧困対策に取り組む機運を高めてまいります。 次に、アスポート事業の課題と取組の状況についてでございます。 議員お話しのとおり、会場の確保は課題であり、県では以前より特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人等に協力を要請してまいりました。県が実施している町村部では、現在、十六か所中、五か所が特別養護老人ホームで教室を開設しております。今年度、アスポート事業の全県展開を進めるために配置したコーディネーターを活用し、自治会の集会所など子供たちの通いやすい会場を確保できるよう、より一層努めてまいります。 次に、富士見市の子ども未来応援センターのような機能を市町村に持たせる仕組みづくりについてでございます。 子供の貧困対策だけでなく、育児不安から就労支援までワンストップで子供の相談に対応する富士見市の支援体制は、他の市町村にも大変参考になる好事例であると考えています。県といたしましては、市町村に対し、富士見市などの好事例を紹介し、国の補助金を活用した事業の実施を働き掛けてまいります。生まれ育った環境にかかわらず、子供たちにチャンスを与えられ、夢や希望を持って生きていくことができるよう、居場所づくりと貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、(四)
保育士不足解消に向けてについてでございます。 保育所の運営費を定める公定価格は、人事院が定める地域手当の地域区分に準拠し設定され、各自治体間に差が生じています。県といたしましては、地域の実情を踏まえ近隣自治体との格差を是正するよう国に公定価格の見直しを強く要望しており、その結果、国は今年度から見直しに着手すると聞いております。今後も、国の検討状況を注視し、あらゆる機会を通じ、公定価格の見直しが実現するよう要望してまいります。 次に、保育士の処遇改善について、県として予算を付けることについてでございます。 保育士を確保するためには、保育士がその職責の重要性に応じた処遇を受けられるようにすることが重要と考えます。平成二十九年度から、国は職務内容に応じた勤務条件を定めるなど、キャリアパス要件を満たす保育所等に対し、保育士一人当たり月額最大四万円の処遇改善を図っています。県は、保育所等がキャリアパス要件を満たせるようアドバイザーを派遣するなどの支援を行い、現在までに約八割の施設が導入しています。 また、今年度から一人当たり二十万円の新卒保育士向けの就職準備金貸付制度を実施し、処遇改善につなげていきます。さらに、保育士宿舎借上補助事業について、今年度は予算を二〇パーセント増額しており、住宅費負担を軽減して職場定着や処遇改善の充実を図ります。今後も市町村と連携し、処遇改善だけではなく、保育の質の向上や職場定着など、保育士確保に向け総合的に取り組んでまいります。 〔小松弥生教育長登壇〕
◎小松弥生教育長 御質問一、子どもを取り巻く課題についての(三)学力向上対策についてお答え申し上げます。 まず、県学力・学習状況調査の現時点における成果と今後の取組についてでございます。 これまでの調査結果の分析から分かってきたのは、主体的、対話的で深い学びの実施や落ち着いた学級づくりが子供たちの能力などを高め、そこから学力向上につながるということでございます。また、子供一人一人の学力の伸びが分かる本調査の特徴から、学力を伸ばした学級や授業で行われていた効果的な取組や工夫を把握してまいりました。そうした調査の分析結果や各学校の効果的な取組などについて、県の指導主事が直接市町村や学校に説明したり、リーフレットにまとめたりするなど、県内で広く共有を図っております。 今後の取組といたしましては、学力を伸ばした教員の授業を映像資料にまとめ、研修などで広く活用していく新たな取組を開始し、効果的な授業のノウハウなどを県内に普及してまいります。 次に、全国学力・学習状況調査の平均正答率の目標値についてでございます。 県では、埼玉県5か年計画において令和三年度までに国語、算数・数学の全てにおいて全国平均正答率を一ポイント以上上回ることを目標値として設定しております。 次に、県として全国学力・学習状況調査の平均正答率が高い自治体に実践を学ぶ取組は行っているのかについてでございます。 議員お話しのとおり、昨年度から福井県に本県の教員を派遣し、実際に学校現場に入って学力向上の取組をじかに体験する研修を行っております。また、秋田県を参考に本県でも全教員が調査問題を実際に解き、子供たちが身に付けるべき力を把握した上で学習指導の改善、充実を進めるよう、市町村や学校に働き掛けております。 次に、独自のドリルを使って毎日の基礎学習に全県を挙げて取り組むことはできないかについてでございます。 子供一人一人の学力向上を図るためには、学習習慣を定着させるとともに、まずは基礎的・基本的な知識などを確実に身に付けさせることが大切であると考えます。本県では、「コバトン問題集」や「復習シート」といった問題集を独自に作成しております。これらは全国や県の調査を基に、基礎的な内容から応用的な内容まで、学年や領域、レベル別に分けた問題集であり、市町村や学校の関係者が集まる会議などで活用を促しております。基礎的な内容はもちろん、個々の学力に応じた問題を用い、日々の授業で学習内容の定着の見届けを確実に行うよう各学校に働き掛け、子供一人一人の学力向上を図ってまいります。 〔富田邦敬警察本部長登壇〕
◎富田邦敬警察本部長 御質問二、安心安全を確保するためにのうち、(一)歩行者の
交通安全対策についてお答えいたします。 平成三十年中、当県で発生した全人身事故は二万四千百二十三件、このうち右折車と対向する直進車が衝突した事故は一千三百二十六件、全体の五・六パーセントでございました。このような直進車と右折車の事故抑止対策としては、交差点周辺の指導取締りは無論ですが、議員御指摘の直進車と右折車を分離する形の信号機が有効であると認識しています。これは通常の青色灯火を使用せず、直進矢印と右折の矢印に置き換えて、直進車は直進矢印でのみ進行、右折車は右折矢印でのみ進行する形にします。右折矢印が出ている間は無論、順行、対向とも直進はできないという形にするわけです。これをやりますと、対向する直進車と右折車が交錯することはなくなりますので、事故の可能性は非常に減ります。 埼玉県では、平成二十五年から平成二十七年までの間、交差点で発生する人身事故の率が全国で一番高かったということもありまして、平成二十九年度から四か年計画で重点整備計画を策定し、この直進車と右折車を完全に分離する信号改良を進めています。今年度も五十一基改良する予定でして、今年度末までに三百五十七基を整備することになります。 議員御指摘のとおり、これは交差する道路の赤が長くなるという欠点がありまして、交通渋滞を起こす可能性がありますので、全ての場所への設置というわけにはまいりませんけれども、可能な場所については今後も整備・改良を進めてまいります。 なお、これ以外にも通常の青色灯火に右折の青矢印を付加している信号を一千二百九十四基整備しております。 なお、平成二十九年度整備した七十二か所について検証を行いましたが、それまで直進車と右折車の事故はこれらの信号で三十九件発生していましたが、ゼロ件に激減したところです。今後とも、交差点における事故を抑止するため、信号機の改良に努めてまいります。 〔石川英寛
企画財政部長登壇〕
◎石川英寛
企画財政部長 御質問二、安心安全を確保するためにの(二)高齢者の
交通安全対策についてお答えを申し上げます。 急速な高齢化に伴い、高齢者の安全な移動手段として公共交通を確保、充実することは大変重要な課題であると考えております。このため、まずは地域の実情をよく把握している市町村において、交通事業者や住民等をメンバーとする地域公共交通会議を設置し、今後の指針となる地域公共交通網形成計画の策定を進めています。また、地域の実情に応じてコミュニティバスやデマンド交通などの手法を活用して、住民の交通手段の確保に取り組んでいます。 こうした取組を支援するため、県では市町村の地域公共交通会議に積極的に参加し、他市町村の優良事例の紹介や運行区域の設定等に係る助言を行っています。また、市町村の取組を更に促進するため、本年度新たな補助制度を創設しました。この制度は、市町村が策定した地域公共交通網形成計画に基づくバス路線の再編やコミュニティバス、デマンド交通の導入などに係る初期費用を補助するものです。本年四月以降、事業を予定している市町村との間で具体的な再編事業の内容等について、現地の状況を把握した上で個別に調整を続けております。 例えば、ある市では高齢者などが日常の買物や通院に利用しやすいよう、循環方式のバスルートから商業施設や医療機関等を往復するシャトル方式のルートに見直す予定です。また、別の市では高齢者の割合の高い住宅団地と病院を結ぶバスルートを新たに設ける予定です。これらの事業を実施することにより、地域公共交通の利便性が向上し、高齢者の足の確保、充実が図られるものと考えております。 県としては、事業実施のための具体的助言を積極的に行うとともに、補助制度を十分に活用することで、しっかりと市町村の取組を後押ししてまいります。 〔関本建二
保健医療部長登壇〕
◎関本建二
保健医療部長 御質問三、
健康長寿埼玉プロジェクトについてお答えを申し上げます。 まず、実際に健康づくりに取り組んでもらうための取組についてでございます。 コバトン健康マイレージは、運用開始から三年目となり、今年度から七市町村及び三健康保険組合が新たに加入し、四十七市町村、十健康保険組合、七企業に参加いただいております。五月末現在の参加者数は約五万八千人でございます。健康づくりは生活習慣を改善し、健康に役立つ取組を日々継続することが非常に重要です。 コバトン健康マイレージでは、運動習慣が身に付くよう、無理なく楽しみながらウォーキングを続けてもらうための仕組みを取り入れています。具体的には、歩数などに応じてポイントが貯まり、県産の野菜や肉などの賞品が当たる抽選に参加することができます。また、年代別、男女別の個人ランキングや所属する企業等の団体戦ランキングなど、参加者のモチベーション維持につながる工夫をしています。このほか、市町村等が主催する健康づくりのイベントとタイアップし、参加者にボーナスポイントを付与しています。 一方、参加者の中には歩数データの送信が滞っている方も含めて、歩数が少ない方がいます。こうした方に対しては、システムには歩数が減っていることを気付かせる既存の機能があるため、その機能の有効活用を検討してまいります。また、取り組みやすい歩数からボーナスポイントを付与したり、抽選賞品の数や種類を増やすなど、ウォーキングを促すための仕組みを検討してまいります。 次に、登録手続の簡素化についてでございます。 企業等を経由して申し込む場合は、その企業の社員であることが容易に確認できるため、必ずしも本人確認書類の提出を求めておりません。一方、市町村を経由して申し込む場合は住民であることを確認するため、原則として保険証のコピーを提出いただいております。議員の御指摘のとおり、参加者から登録手続が煩わしいという御意見もいただいております。企業等と同様に、手続の簡素化ができないか市町村と協議し、検討してまいります。登録手続の見直し等を行い、より参加しやすいものとすることで、参加者の更なる拡大を図ってまいります。 〔北島通次総務部長登壇〕
◎北島通次総務部長 御質問四、
幼児教育類似施設における
幼児教育無償化についてお答えを申し上げます。 御質問の
幼児教育類似施設が地域や保護者のニーズに応え、特色のある幼児教育を実践されていることはよく承知しております。本年六月十四日には、
幼児教育類似施設の関係者の皆様から知事へ幼児教育の無償化についての要望があり、各施設が置かれている状況について伺ったところでございます。 幼児教育の無償化は、少子化対策や子供の教育機会の保障の観点から、国が打ち出した政策です。そのため、無償化の制度設計は国が中心となって全国一律の基準を定めているところでございます。議員御指摘のとおり、国は学校教育法の設置基準を満たし、幼児教育の質が制度的に担保された認可幼稚園を無償化の対象とする一方で、
幼児教育類似施設は対象としておりません。無償化の対象とするためには、幼児教育の質を確保するための方法について具体的な議論が必要ではないかと考えております。
幼児教育類似施設に通う子供への支援の在り方については、全国共通の課題となっております。国会審議におきましても、衆参両院の内閣委員会で
幼児教育類似施設について無償化の対象とすることを含め、検討するよう附帯決議がなされております。
幼児教育類似施設に係る課題につきましては、しっかりと国に伝えるとともに、国の責任において早急に結論を出すよう要望してまいります。 〔中村一之
県土整備部長登壇〕
◎中村一之
県土整備部長 御質問五、地元の課題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)
一級河川柳瀬川の水谷調節池の整備についてでございます。
一級河川柳瀬川は所沢市を起点とし、新座市、富士見市などを流れる全長十九・六キロメートルの河川です。そのうち、新河岸川との合流点から関越自動車道付近までの延長約五・七キロメートル区間の河道整備がおおむね完了しています。水谷調節池については、これまでに説明会を四回開催するとともに、地質調査、測量が完了し、事業は計画どおり進んでおります。現在、詳細設計を実施しており、今年度から用地買収に着手する予定です。地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら早期完成を目指し、事業の推進に鋭意努めてまいります。 次に、(三)国道二五四
号和光富士見バイパスの整備及び都内方向への延伸についてでございます。 このバイパスは、外環道から国道四六三号を結ぶ延長六・九キロメートルの県内道路網の骨格を形成する重要な幹線道路です。このうち国道四六三号との立体交差は、平成三十年度末までに陸橋の下部工事が全て完了しており、現在は橋桁の製作を行っております。この立体交差南側の志木市区間については、現在用地買収率が九三パーセントとなっており、平成三十年度には用地がまとまって取得できた区間の工事を発注したところです。今後も、残る用地の取得に努めるとともに、順次工事を進め、国道四六三号から県道さいたま東村山線までの約一・四キロメートル区間を令和三年度までに供用できるよう事業を推進してまいります。 また、このバイパスの都内方面への延伸については、都市計画決定に向け、現在、国や東京都などの関係機関と具体的な道路の構造や今後の進め方などの協議を行っております。今後も、引き続き国や都、地元和光市などと連携しながら早期の都内方面への延伸の実現に向け取り組んでまいります。 次に、(四)
県道ふじみ野朝霞線鶴瀬駅前交差点の改良についてでございます。 この県道は、みずほ台駅や鶴瀬駅の近くを通り、沿道には多くの住宅や商業施設が立地していることから、交通量の多い路線となっております。鶴瀬駅前交差点は三方向に右折帯等を整備してまいりましたが、北側の一方向には右折帯が未整備のため、右折待ちの車による渋滞が発生しております。この渋滞を解消するためには、道路を拡幅して右折帯を設ける等の対策を行う必要があると考えております。今後は交差点の設計を行い、地元の皆様の御理解をいただきながら整備に向けた検討を進めてまいります。 〔砂川裕紀
下水道事業管理者登壇〕
◎砂川裕紀
下水道事業管理者 御質問五、地元の課題についての(二)
砂川堀雨水幹線の治水対策等についてお答えを申し上げます。 まず、工事の進捗状況及び今後のスケジュールについてでございます。
砂川堀雨水幹線の治水対策は、国道二五四号の勝瀬橋から上流側を下水道局が、勝瀬橋から新河岸川合流点までを河川管理者の県土整備部が協力しながら実施をしております。勝瀬橋から砂川堀第五号橋上流側までの工事につきましては、堤防のかさ上げがおおむね完了し、引き続き堤防上の舗装の工事などを含め、令和元年度中に完成する予定でございます。勝瀬橋から新河岸川合流点までの工事につきましては、現在、富士見市道の砂川堀第一号橋の架換工事を進めておりまして、その後、堤防かさ上げ工事を行います。さらに、新河岸川への合流量を増やすために、現在の樋管を撤去する工事を行い、令和二年度の事業完了を目指しております。 次に、堤防かさ上げが砂川堀第五号橋上流側までとなる理由についてでございます。 現状では、砂川堀第五号橋上流側の堤防高が合流先の新河岸川の計画堤防高よりも低いため、同じ高さまでかさ上げをすることとしております。 最後に、砂川堀第二雨水幹線の対策状況についてでございます。 富士見市に確認したところ、
砂川堀雨水幹線との合流地点に新たに逆流防止ゲートを設置する工事を令和元年度に同市が実施する計画となっております。今後とも、県土整備部や関連市町などと連携をしながら、
砂川堀雨水幹線の治水対策に取り組んでまいります。
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△休憩の宣告
○新井豪副議長 暫時、休憩いたします。午後二時三分休憩
----------------午後三時一分再開 出席議員 九十三名 一番 二番 三番 四番 五番 六番 七番 八番 九番 十番 十一番 十二番 十三番 十四番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十五番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 欠席議員 なし 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(奥野) 副知事(飯島)
企画財政部長 総務部長
県民生活部長 危機管理防災部長 環境部長 福祉部長
保健医療部長 産業労働部長 農林部長
県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 下水道事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○神尾高善議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△質疑質問(続き)
○神尾高善議長 質疑質問を続行いたします。 二十五番 松澤正議員 〔二十五番 松澤正議員登壇〕(拍手起こる)
◆二十五番(松澤正議員) 議席番号二十五番、東第十二区、吉川市、松伏町選出の自由民主党、松澤正でございます。本定例会において一般質問をさせていただく機会をお与えいただきまして、誠にありがとうございます。 それでは、議長からお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。執行部の皆様には、前向きな答弁をお願いいたします。 まず、一、埼玉農業の担い手の確保・育成について伺います。 私の地元吉川市では、埼玉県を代表する野菜であるコマツナをはじめ、ブランド野菜の吉川ねぎなど農業生産が盛んであります。また、市の全域に広がる約一千ヘクタールの水田では、昭和五十年代から県内でも先駆的に稲作経営における法人化が進み、本県の将来の稲作経営モデル事例とも言える経営面積百ヘクタール規模の法人が三つもあります。これら法人の中には、市内外の大規模な主穀作農家とネットワークを構築し、米の安定生産、安定販売に取り組んでいる法人や、養魚池を整備して「なまずの里よしかわ」に代表されるナマズの養殖も行う法人などがあり、その経営内容も非常に工夫された特徴あるものとなっております。正に、これら法人は地域農業の担い手として、市の農業をけん引してきました。 ところが、法人を設立してから四十年、短い法人でも二十五年以上の時が経過する中、従業員は順調に確保されているようですが、経営者については七十歳を過ぎてもいまだ経営の中核を務めるなど、世代交代が順調に進んでいるとは言い難い状況です。吉川市農業の担い手の顔ぶれにほとんど変化がなく、高齢化が進み、新たな担い手が誕生している状況はほとんど見られません。このことは、県内のどこであっても、またどの作物であっても状況は同じであると思います。このような状況で、五年後、十年後の埼玉県の農業は大丈夫なのかと心配になります。 特に、土地利用型農業の大規模生産者の場合は、後継者がいない状態が続き、急に農業が続けられなくなったときに、それまで経営していた百ヘクタール規模の水田はどうなるのでしょうか。広大な荒廃農地が現れることにもなりかねない危険な状態であると言えます。 さらに、これだけ大規模に米生産を行っている法人であっても、話を聞くと昨年、一昨年は経営的に厳しい状況だったと伺っております。特Aを取った「彩のきずな」を作って、おいしいお米として売るのは非常に良いことだと思います。しかしながら、一つの法人が百ヘクタールの水田に全て彩のきずなを作付けすることは作業体系から考えても不可能であり、経営者は様々な品種を組み合わせ、さらには販路開拓など、経営の工夫に取り組まざるを得ません。 私は、担い手の高齢化や減少に対応するとともに、消費者が求める生産や流通に対応した農業経営を確立することは本県農業共通の課題と言っても過言ではないと考えております。農業従事者の現役世代の高齢化が進む中、近い将来、そうした従事者が集中的に引退し、従事者の慢性的不足や荒廃農地の増加など、農業の衰退が危惧されております。首都圏に位置しながら、豊かな農業生産力を誇ってきた埼玉農業を今後も維持・発展させるためには、担い手の確保・育成は重要な課題であります。県では、どのような取組を行っているのか農林部長に伺います。 続いて、二、県産米の安定生産に向けての取組について三点質問します。 まず、(一)埼玉のおいしい米づくりについてです。 日本穀物検定協会が主催する平成二十九年産米の食味ランキングにおいて、彩のきずなが平成三年以来、二十六年ぶりに特Aを獲得し、大きな話題となりました。当時は、テレビや新聞など多くのマスコミに取り上げられ、首都圏に位置する埼玉県でもおいしいお米がとれるということを全国にアピールできたことは、大変喜ばしいことであったと思います。 一方、平成三十年産の食味ランキングでは、惜しくも特Aを逃し、A評価となりました。昨年は三十五度以上の猛暑日が三十七日もあったこともあり、米づくりには大変厳しい年であったと聞いております。そのような状況の中でも、良好な食味であるA評価は獲得していますので、うまい米を作る技術は浸透しつつあると思います。 しかし、特Aを獲得することでの注目度は大変大きいものがあります。A評価でも十分においしいお米であることは間違いないのですが、再び特Aを獲得できるよう、良食味米生産を進めていただきたいと考えていますが、県はどのように取り組むのか、農林部長に伺います。 次に、(二)県の品種育成についてです。 近年、青森県の「青天の霹靂」や岩手県の「銀河のしずく」、山形県の「雪若丸」など、各県で次々と新しい品種が登場しています。今後、米消費の減少が懸念される中で、消費者に埼玉県産のお米を食べていただくためには、ますます安定的においしいお米がとれることが必要になるのではないかと思います。埼玉県では、これまで彩のかがやき、彩のきずななど、すばらしいオリジナル品種を開発してきました。しかし、最近の気候は温暖化による高温の影響等により、年によっては米の品質が低下することもあり、今後このような気象変動が続けば、せっかくここまで高まった埼玉県のお米の評価が下がってしまうのではないかと大変心配しております。 一つの品種を育成するには、十年以上の歳月がかかると聞いていますが、今後様々な気象変動に対応できる優れた品種を育成する必要があると思います。そこで、今後、県はどのような品種の育成を目指しているのか、農林部長に伺います。 最後に、(三)種子産地への支援についてです。 昨年四月、主要農作物種子法の廃止に伴い、自民党提出議案として他県に先駆けて種子条例を制定し、引き続き県が主体となって種子の生産や供給に係る業務を行うこととなりました。県東部地域は、肥沃な土壌と豊富な水に恵まれた古くからのコシヒカリ産地ですが、中でも私の地元吉川市は、コシヒカリの種子の生産では県内生産量の六〇パーセント以上を占める重要な種子場でもあります。 しかしながら、種子生産者は高齢化しております。種子生産は一般栽培以上に手間がかかることから、新たに取り組む生産者がほとんどなく、後継者不足に悩まされています。安定的な米生産のためには、品質の高い種子が不可欠と考えますが、種子生産を継続的に進めていくために県はどのように支援していくのか、農林部長に伺います。 続いて、三、犬や猫の殺処分削減に向けた取組について伺います。 現在、一般家庭で飼育されている犬や猫の数は全国で一千八百万頭を超えると推計されており、この数は十五歳未満の人口を上回っております。私も自宅で犬猫を飼っていますが、掛け替えのない大切な家族であり、生活に潤いや安らぎを与えてくれる存在です。近年の動物愛護への関心の高まりや、自治体の殺処分削減への取組の成果もあり、平成十九年度には全国で三十万頭を超えていた犬や猫の殺処分数は、平成二十九年度におよそ五万一千頭となり、十年間で八〇パーセント以上も減少しています。とはいえ、依然として殺処分される犬や猫がいることには変わりなく、引き続き殺処分の削減に向けて取り組んでいく必要があると考えており、そのことについて二点質問いたします。 まず、(一)犬や猫への
マイクロチップ装着の義務化についてです。 今国会で犬や猫への
マイクロチップ装着を義務付けた改正動物愛護法が可決、成立したところです。マイクロチップは注射と同じ要領で犬や猫の皮下に埋め込み、チップに記録された数字をデータベースに登録することで、飼い主情報の管理が可能になります。飼い主を明らかにすることで、迷子のペットが飼い主の元へ戻れるほか、犬や猫が捨てられることを防ぎ、殺処分の削減につながるものと期待されます。今回の法改正では、マイクロチップについてブリーダーやペットショップなどの業者が扱う犬や猫への装着が義務付けられ、既に一般家庭で飼われている犬や猫に関しては飼い主の努力義務となりました。 そこで、マイクロチップの装着について県では業者にどのような対応を図っていくのか、また、既に犬や猫を飼っている一般家庭に対してどのように普及啓発していくのか、
保健医療部長に伺います。 次に、(二)県庁譲渡会の実績及び今後の展開についてです。 埼玉県における犬や猫の殺処分数については、埼玉県5か年計画で令和三年度に六百頭、埼玉県動物愛護管理推進計画で令和五年度に五百頭未満とすることが目標に掲げられており、その先にある殺処分ゼロを達成するためには、これらの目標値を確実に達成していかなくてはなりません。県は、殺処分を削減するために飼い主への適正飼養の普及啓発や野良猫の繁殖抑制事業といった県に収容される犬や猫を減らす、いわゆる入り口対策に加え、収容された犬や猫を新しい飼い主へ譲り渡す出口対策に取り組んできました。この結果、平成二十九年度の県の犬や猫の殺処分数は九百十三頭となり、初めて一千頭を下回りました。さらに、平成三十年度には殺処分数を八百四頭まで減らし、各計画に掲げた目標値に向けて順調に削減を進めております。 しかし、今後更に殺処分削減のペースを加速させるためには、県に収容された犬や猫を新しい飼い主に譲り渡す出口対策が特に重要であると考えております。 本県では、動物指導センターが犬や猫の譲渡事業に尽力していますが、センター単独では人手や収容能力の関係で譲渡できる数にも限界があります。そこで、県では動物愛護団体と連携して、県庁の敷地を利用した保護犬・保護猫の譲渡会を平成二十九年度から継続して開催しております。県有施設におけるこのような取組は大変評価できると思います。今年も五月十一日に県庁で譲渡会が開催されましたが、これまでの譲渡会においてどのような成果が上がったのか、
保健医療部長に伺います。 また、私が県庁の譲渡会を訪れた際に、参加された方から「県内各地で譲渡会を開催してほしい」という声が聞かれました。実は、私の地元に近い大型商業施設、例えばイケアなどでございますが、そこでは企業とボランティアが連携して犬・猫の譲渡会を開催しております。来客数の多い商業施設などで譲渡会を開催することは、保護犬・保護猫の譲渡制度を知ってもらう上で大変有効な取組だと感じたところです。 そこで、県主催の譲渡会も、このような大型商業施設などで開催を検討してはいかがでしょうか。今後の取組の展望について
保健医療部長にお伺いいたします。 次に、四、プラスチックごみ問題について伺います。 近年、プラスチックほど短期間で経済社会に浸透し、我々の生活に利便性と恩恵をもたらした素材はないのではないでしょうか。しかし、リサイクルされずに廃棄されるプラスチックごみも多く、自然には分解しにくい性質もあり、生態系への影響が懸念されるところです。特に、海に漂っている海洋プラスチックごみが海の生物に与える影響について、連日のように報道されております。 海洋プラスチックごみは陸上生活で発生したごみが大半であると言われており、中には街のごみ箱からあふれた散乱ごみや不法投棄されたごみが川を通じて海に流れ込んでいるものもあります。世界全体では年間八百万トンを超えるプラスチックごみが陸上から海洋に流出しているとの推計も出されています。このままでは、二〇五〇年までには魚の重量を上回るプラスチックごみが流出することが予想されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されております。ウミガメやクジラがプラスチックごみによって傷ついたり、飲み込んでしまったことで衰弱している報道を目にするたびに非常に心が痛みます。 こうした現状を受けて、国は本年五月三十一日に海岸漂着物処理推進法に基づいた「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の変更案を閣議決定しました。この変更の大きなポイントの一つが、陸域でのプラスチックごみ対策が加えられたことです。国内から発生する海岸漂着物等は、山、川、海へとつながる水の流れを通じて海岸に漂着したものであって、海のない埼玉県に住む我々にとっても他人事ではないのです。幸いなことに、「川の国」である埼玉県では、「川の国応援団」として地域の河川の清掃などに関わる民間の団体が活躍しており、県内の多くの河川で清掃活動を行っています。川の国応援団の皆さんの活躍により、県内の河川のごみの不法投棄の状況は、この十年ほどで大変改善しているように感じています。 しかしながら、埼玉県を代表する河川である荒川は、都市化の進んだ地域を流れ、流域人口は一千万人を超えています。川からプラスチックごみが流れ出ないようにするためには、より多くの県民が川の国応援団に参加し活動するとともに、川の国埼玉に住む県民一人一人がプラスチックごみが街の中から流れ出ている実情を知って、自らの問題として意識し、行動を起こすことが必要であると考えます。 そこで、このプラスチックごみ問題にどのように取り組んでいくのか、環境部長に伺います。 また、プラスチックごみについては、地球規模で問題となっている使い捨てプラスチックの象徴的な存在であるレジ袋の削減について取り組むことが重要であると考えています。レジ袋は大変便利なものですが、海の生物がクラゲと間違えて捕食し、消化器官を詰まらせて死んでしまうものもいると言われております。 国では、六月三日にレジ袋有料化のための法整備を行う方針を発表しました。私の地元吉川市でもレジ袋を有料としているところもありますが、まだ普及していない店がほとんどです。 そこで、削減に向けたこれまでの県の取組と、それを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、環境部長に伺います。 次に、五、
ラグビーワールドカップ二〇一九埼玉・熊谷開催及び
日本代表壮行試合における
危機管理対策について伺います。 いよいよ
ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の開幕があと三か月に迫ってまいりました。また、本大会同様に注目を集めると思われる
日本代表壮行試合の日本代表対南アフリカ代表戦に至っては、あと二か月ちょっととなります。気になるチケットの販売状況ですが、大会組織委員会の発表によると、目標の百八十万枚に対して約八割となる百四十万枚が既に販売されており、八月から最後の一般先着販売が行われるそうです。熊谷ラグビー場で行われる
ラグビーワールドカップの三試合についても、チケット販売は非常に好調と聞いており、大会当日は満席の会場で大いに盛り上がるものと期待しております。 一方、世界三大スポーツイベントの一つである
ラグビーワールドカップは、国内外から多くの方々が来訪するため、観戦客の安心・安全を確保するためには様々な
危機管理対策が求められていると思います。大会当日は、会場周辺に限らず、最寄りの駅や市内に設けられるファンゾーンにも多くの観客が訪れることから混雑が予想され、雑踏事故が発生する可能性も考えられます。 また、電車の遅延やバス路線の渋滞、交通事故といった輸送トラブルの発生も起こり得るでしょう。ナイターの試合では、終電までに観客を駅まで確実に送り届けなければなりません。会場となる熊谷市は日本一暑い街と言われており、開催期間の九月は残暑があり、暑さ対策にも配慮する必要があります。さらに、十月は台風シーズンでもあります。熊谷市では、平成二十五年九月に竜巻被害が発生し、一千棟を超える建物が被災するなど大きな被害がありました。こうした自然災害にも備える必要があります。 そのほかにも、海外ではテロ組織や過激派などによるテロ事件が発生しており、国内でも無差別殺傷事件や車両の暴走事故などの重大事件が発生しております。
ラグビーワールドカップのような大規模な国際イベントは、こういった事象の発生を事前に想定し、会場に訪れる方々が安心して試合が観戦できるよう、万全の体制を構築する必要があると考えております。 そこで、九月六日の
日本代表壮行試合と
ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会における熊谷ラグビー場での三試合において、開催都市として具体的にどのような
危機管理対策を行っていくお考えなのか、
県民生活部長にお伺いいたします。 次に、六、教育委員会の障害者雇用について伺います。 昨年、教育委員会の障害者雇用率算定において不適切な数値計上があったことは、誠に残念であり、遺憾であると感じております。教育委員会では、有識者を構成員として問題の検証と再発防止のための改善策を検討する障害者雇用検証委員会を、障害者雇用の推進方策について検討を行う障害者雇用推進委員会をそれぞれ立ち上げ、様々な観点から議論したと聞いております。本年二月には、これらの委員会から教育長に対して報告書が提出されたとのことです。教育委員会には委員会からの報告を真摯に受け止め、障害者雇用率の達成に全力で取り組んでいただきたいと思います。 そもそも障害者の雇用の促進等に関する法律は、障害のあるなしにかかわらず、均等な機会を得て障害者が自身の能力を存分に発揮する社会をつくること、いわば共生社会の実現を目的としています。障害者雇用について、雇用率達成を目指すのは当然ですが、誰もが相互に人格と個性を尊重し、人々の多様な在り方を相互に認め合える社会を実現することを念頭に推進することも重要です。そのような意味から、教育現場において障害者雇用を進めることには大きな意義があると考えています。 私は、かつて教壇に立ち、障害のある生徒の指導に当たっていたことがあります。教室では、障害のある生徒を子供同士が協力してサポートする姿が見られました。こちらから細かな指示をしなくても、ごく自然と協力し合う子供たちを見て、幼い頃から日常的に障害のある方と接することで、互いの違いを認め合う心が養われることを目の当たりにしました。障害のある教職員が働いている姿を見せることで、障害のある児童生徒の励みになると思います。また、様々な悩みの相談に直接応じるようなこともできるかもしれません。 そこで、教育現場における障害者雇用の意義についてどのように考えているのか、教育長にお伺いします。 また、障害者雇用率の達成に向け、どのように取り組んでいくのかも併せて教育長に伺います。 最後に、七、松伏・
田島地区産業団地の整備について伺います。 松伏町は町制施行五十周年を迎え、東埼玉道路の延伸や道の駅構想など、魅力あるまちづくりへと更なる発展が続いております。中でも、松伏・
田島地区産業団地は、その核の一つとして大いに期待されております。 そこで、私は昨年九月の一般質問において、松伏・
田島地区産業団地のエントリー企業の応募状況とその後のスケジュール、また、産業団地の整備に当たって地元住民への配慮などについて質問させていただきました。
公営企業管理者からは、十一社の企業から応募があり、また造成工事中だけでなく、企業の操業開始後についても大型車両の進入制限など、住民の方々へしっかり配慮していくとのお話がありました。 その後、松伏・田島地区から比較的近い松伏町大川戸地区に、昨年度新たに進出した企業の建物が約三十メートルの高さで建築されるということがありました。周囲の住民からは、道路境界に沿って、とても近い位置に建設されていることもあり、圧迫感があるという声が上がっております。松伏・田島地区は、そのようなことにならないのかというお話も伺っています。それでは、期待の産業団地が台無しになってしまうでしょう。松伏・田島地区では、地元の声を聴いて、そうした周辺環境についてもしっかりと配慮していただける企業が進出してくれることを望みます。 そこでまず、松伏・田島地区の進出企業について、どのような考えで選定したのか。今後、地元住民の安心と理解を得るため、企業にどのように働き掛けていくのかについて伺います。 また、周辺環境に配慮した産業団地の整備として、ゆめみ野地区に隣接する公園など、住民の方々の声を反映した整備ができるのか。加えて、造成工事も含めて進出企業の操業開始後までの大型車両の運行計画など、今後造成工事の現地着手に向けて、住民の方々の安心と理解をどのように得ていくのか、
公営企業管理者に伺います。 以上で質問を終わらせていただきます。(拍手起こる)
○神尾高善議長 二十五番 松澤正議員の質問に対する答弁を求めます。 〔牧千瑞農林部長登壇〕
◎牧千瑞農林部長 御質問一、埼玉農業の担い手の確保・育成についてお答えを申し上げます。 議員お話しのとおり、農業従事者の世代交代が進まないことは、荒廃農地の増加など農業の衰退につながる大きな問題であると考えています。このため、県としても担い手の確保・育成は重要課題として取り組んでいます。そこで、県では農林振興センターなど十一か所に就農相談窓口を設置しているほか、就農イベント等に出向き相談に応じるなど、就農者の確保に努めています。 さらに、農家子弟を含め、就農希望者が確実に就農できるよう「明日の農業担い手育成塾」を県内に二十二か所設置し、市町村やJAと連携して技術習得や農地の確保などを支援しています。 これらの取組により、平成三十年度の年間新規就農者は十年前の二百四十二人から三百十人となり、着実に増加しています。 また、安定的な雇用の確保や円滑な経営継承などの面で法人化の推進が鍵であると考えています。県では農業経営相談所を設置し、税理士や社会保険労務士などの専門家と連携して、法人化に向けた支援を行っています。こうした中、平成三十年度末の本県の農業法人数は前年より八十法人増えて一千五十二法人となりました。 さらに、優れた経営感覚を有する人材を育成するため、埼玉農業経営塾を今年度から強化いたしました。具体的には、より高い経営力を備えた人材を育成するトップマネジメントコースと、地域農業をけん引する次の世代の人材を育成する次世代経営者養成コースの二コースを設けたところです。 今後とも、就農の前後を通じた切れ目のない支援や法人化の推進などにより、将来にわたって埼玉農業を担う人材の確保・育成に努めてまいります。 次に、御質問二、県産米の安定生産に向けての取組についてお答えを申し上げます。 まず、(一)埼玉のおいしい米づくりについてでございます。 彩のきずなが特Aを獲得したことで、埼玉にもおいしいお米があることを消費者の方々に広く認識していただけたと実感をしています。県では、おいしい米、いわゆる良食味米生産に向けて農業技術研究センターにおいて毎年度の実証栽培の結果を検証し、技術改良を重ねております。ここまでの研究で、米のおいしさを左右する肥料の量や刈取時期などについての知見が得られてきました。これらの栽培技術を県内各地の田んぼで実際に農家の方々に見ていただくとともに、普及指導員が広めるなどして更なる良食味米の生産を推進してまいります。 次に、(二)県の品種育成についてでございます。 議員御指摘のとおり、近年は気象変動により品質の低下など、米に影響を及ぼす事例が全国的に見られます。記録的な猛暑が続いた平成二十二年には、本県において生産された米が白く濁ってしまうという現象が見受けられました。そのような中、農業技術研究センターで品種育成していた約三百の稲の中に、一つだけ白く濁らなかったものを発見することができました。これが後の彩のきずなです。四十一・一度の国内最高気温を記録した本県では、多くの生産者から暑さに強い米の育成が求められています。県といたしましては、様々な気象条件に対応可能で作りやすく、そしておいしい彩のきずなを超えるような優れた品種の育成を目指してまいります。 次に、(三)種子産地への支援についてでございます。 種子は、作物を生産する上で最も基礎となるものであり、将来にわたって安定的に供給されることが必要です。そのため、県では埼玉県主要農作物種子条例の趣旨を踏まえつつ、平成三十年度から優良種子生産体制強化対策事業を行っているところです。この事業では、種子生産の担い手づくり、生産者への専用機械や施設の導入などに対する支援を行っております。本事業により種子産地の生産体制をしっかりと整備し、今後とも品質の高い種子の安定的な確保、供給に努めてまいります。 〔関本建二
保健医療部長登壇〕
◎関本建二
保健医療部長 御質問三、犬や猫の殺処分削減に向けた取組についてお答えを申し上げます。 まず、(一)犬や猫への
マイクロチップ装着の義務化についてのうち、県では業者にどのような対応を図っていくのかについてです。 このたび、動物愛護法が改正され、販売業者が保有する犬猫については、公布日から三年を目途にマイクロチップの装着が義務付けられました。県の登録を受けている販売業者は、毎年、動物取扱責任者研修を受講することが義務付けられております。この研修において、法改正の趣旨やマイクロチップの義務化などについてしっかり説明してまいります。さらに、保健所の立入検査や県の広報紙による案内など、様々な機会を捉えて周知に努めてまいります。 次に、既に犬や猫を飼っている一般家庭に対してどのように普及啓発をしていくのかについてです。 県では、これまで動物愛護週間や動物愛護フェスティバルなどのイベントを通じて、マイクロチップの普及啓発に取り組んでまいりました。昨年度末現在、県内で既にマイクロチップを装着している犬猫の数は十七万四千六百六十三頭と、全国第三位となっております。今回の法改正は、これまでの取組を更に推し進める絶好の機会と捉えております。 例えば、各市町村が行う狂犬病予防注射の会場や、ペット用品店などには多くの飼い主が集まります。県では、こうした場も活用して一般家庭に向けたマイクロチップの普及啓発を進めてまいります。 次に、(二)県庁譲渡会の実績及び今後の展開についてのうち、これまでの県庁譲渡会の成果についてです。 県庁譲渡会に参加いただく動物愛護団体は、県に保護された犬猫を譲り受け、体調管理やしつけ等を行った後に個人の方へ譲渡しています。譲渡会当日は、団体が管理する犬猫を展示して譲渡希望者を募り、後日、団体が希望者の飼育環境などを確認した上で譲渡を行います。県では昨年度までに譲渡会を三回開催し、延べ一千人の方が来場され、四十九頭の犬猫に新しい飼い主が見つかりました。本年五月に開催した四回目の譲渡会では、九百五十七人の方が来場し、展示された九十七頭の犬猫のうち、四十一頭に譲渡希望が寄せられるなど、過去最多の規模となりました。また、参加した団体からは「犬や猫をたくさんの方に見ていただき、譲渡の機会が増えることがうれしい」とのお話をいただいております。 次に、譲渡会を大型商業施設などで開催してはどうかについてです。 多くの人が集まる大型商業施設で譲渡会を開催することは、保護犬・保護猫の譲渡制度を広く周知する上で大変良い方法であると考えます。現在、県では企業と協力して譲渡会を開催するため、候補となる商業施設の視察や担当者との打合せを進めており、準備が整い次第、開催する予定です。また、県内各地で広く譲渡会を開催する上で、市町村と協力することも効果的であると考えます。 そこで、本年十月には桶川市と連携して譲渡会を開催することとし、現在準備を進めております。県では、積極的に犬猫の譲渡事業に取り組むことで、殺処分の削減を進めてまいります。 〔小池要子環境部長登壇〕
◎小池要子環境部長 御質問四、プラスチックごみ問題についてお答えを申し上げます。 まず、プラスチックごみ問題にどのように取り組んでいくのかについてでございます。 議員お話しのとおり、プラスチックごみ問題の解決には一人一人が自らの問題として捉えることが不可欠です。そこで、本年は五月三十日から六月八日までを「埼玉県プラごみゼロウィーク」と設定し、様々な活動を行いました。例えば、川越市の新河岸川や上尾市の鴨川で親子連れなど地域住民や地元の高校生、川の国応援団のメンバーと一緒に川を流れるごみを調査いたしました。参加者全員で回収したごみを分類し、二か所合計でペットボトル七十本、レジ袋二百七十枚など漂着したプラスチックごみが風雨にさらされ、劣化しつつある状態を目の当たりにいたしました。 また、川の国応援団や地域清掃活動団体と連携し、県内全域でのごみ拾いも行いました。県が把握しているだけでも、延べ百か所以上の会場で約二千人の方に参加していただきました。参加者からは「自らのライフスタイルを見直そうと思った」などの声が寄せられ、正に行動を変えるきっかけになったと考えております。 今後も、県民の方と一緒に取り組むイベントや3R講座など様々な機会を捉えて、プラスチックごみの削減、適正処理について訴えてまいります。 次に、レジ袋の削減に向けたこれまでの県の取組と今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。 県では、平成二十年度からスーパーマーケットなどと協力してレジ袋削減の取組を行ってまいりました。その結果、現在では県内に店舗を構えるスーパーマーケットの九割でレジ袋の有料化やポイントの付与など、対応をしていただいております。 一方、コンビニエンスストアなどでは利用者が外出先から立ち寄るケースが多く、なかなかレジ袋削減が進んでいない状況です。今年の彩の国だよりの五月号では「できることから始めよう!ごみを減らす生活」を特集いたしました。その中で、マイバッグの利用を呼び掛け、例えばレジ袋を一人一日一枚断ると、県全体で年間約二万六千トンのごみの削減につながるとお知らせいたしました。これは、十万人規模の市の一年間のごみの焼却量に相当する数字になります。国が現在進めているレジ袋の有料化の動きも踏まえながら、レジ袋削減に向けて事業者と県民の双方に積極的に働き掛けてまいります。 〔矢嶋行雄
県民生活部長登壇〕
◎矢嶋行雄
県民生活部長 御質問五、
ラグビーワールドカップ二〇一九埼玉・熊谷開催及び
日本代表壮行試合における
危機管理対策についてお答えを申し上げます。 大会成功の鍵を握るのは、何と言っても国内外からの多くのお客様の円滑・確実な輸送と会場及び周辺の安全・安心の確保でございます。議員からは、観客の輸送対策、暑さや台風など自然災害対策、テロや無差別殺傷など重大事件・事故対策、以上の三つの視点から御質問をいただきました。 まず初めに、輸送対策でございます。 熊谷では、夜間の試合もありますので、最後まで安心して楽しめますよう、JR東日本に対して最終電車の延長や新幹線の臨時停車を要請しております。万一、不測の事態が生じ、多くの観客が帰宅困難となった場合には、熊谷駅と籠原駅周辺の熊谷市の施設を活用して観客が朝まで滞在できるよう対応してまいります。 また、道路の渋滞や事故対策ですが、駅から会場の要所、要所に警備員を配置し、警察官とともに交通誘導及び交通規制を行い、交通安全の確保と交通トラブルなどの発生を未然に防止いたします。 次に、暑さなどの自然災害への対策でございます。 ラグビーロードや熊谷スポーツ文化公園では、歩道に遮熱効果の高い塗装をしたり、強い日差しから歩行者を守る並木道を整備いたしました。試合当日は、観客に水分補給を呼び掛けますとともに、熱中症患者などへの応急処置に対応する救護所を公園内外に六か所設置する予定でございます。 自然災害のうち、大会期間中に発生が予想されます台風ですが、試合開始八時間前までに組織委員会が安全を確認し、試合実施の可否を判断いたします。試合中に地震が発生した場合には、スタンドの観客を速やかに避難させて、隣接するグラウンドに誘導するなど、観客の安全を最優先いたします。 最後に、テロなどの重大事件・事故への対策でございます。 まずは、危険物は持ち込ませないとの原則から、会場に入場する際に手荷物検査や金属探知を徹底し、場内の安全を確保いたします。また、暴走車両や不審車両の侵入を防ぐため、車両突入防止資機材を配置するとともに、公園内の巡回警備を県警察と連携して実施し、不審者や不審物を厳しくチェックいたします。 以上、
危機管理対策を申し上げましたが、大会本番で最も大切なのは緊急事態が発生した際に的確に状況を判断して迅速に動ける現場力でございます。 そこで、平成三十年十一月には市民を含む約五百人の参加を得て、サリンガスや爆発物に対するテロ対策訓練を行いました。本年一月には、炭疽菌が散布されたことを想定した健康危機管理訓練、三月にはバスジャックに対応するテロ対策訓練を実施いたしました。今後も、大会本番までの間、自然災害の発生を想定した図上訓練、ラグビー場内での爆発物を想定した避難訓練など、実践型の訓練をしっかりと行ってまいります。 大会まで、残り百日を切りました。県といたしましては、観客の皆様が安心して試合を観戦できますよう、組織委員会や関係機関とも一体となって安全確保に万全を期してまいります。 〔小松弥生教育長登壇〕
◎小松弥生教育長 御質問六、教育委員会の障害者雇用についてお答え申し上げます。 まず、教育現場における障害者雇用の意義についてでございます。 学校などの教育現場で障害のある教職員が生き生きと働く姿を見ることは、教職員のみならず、児童生徒や保護者、さらには県民の障害者への理解が深まることにつながります。また、障害のある児童生徒の未来への展望を開き、良きロールモデルにもなるといった効果も期待されます。 さらに、人々の多様な在り方を相互に認め合える共生社会の実現につながるなど、教育現場で障害者雇用を進めることは大きな意義があると考えております。 次に、障害者雇用率の達成に向け、どのように取り組んでいくのかについてでございます。 平成三十年六月一日現在、県教育委員会の障害者雇用率は一・六六パーセントであり、法定雇用率二・四パーセントの達成には百九十二人分の障害者を新たに雇用する必要がございます。現在、法令に基づき平成三十一年一月一日から令和二年十二月三十一日までの二年間を期間とした「障害者の採用に関する計画」を国に提出し、法定雇用率二・四パーセントを達成することを目標に取り組んでおります。 まず、本年四月には本採用教職員として、昨年度と比較して八人増の十二人を雇用いたしました。また、学校における事務や環境整備などに従事する非常勤職員を昨年度と比較して百五十九人増となる二百八十一人雇用する予定でございます。今年度は、これまで各教育事務所で行っていた一部の事務を集約化し、障害のある方々に業務を担っていただく事務集約オフィス「ハーモニー」を新設いたしました。 こうした障害のある職員に活躍していただくためには、働きやすい環境を整備していくことが非常に大切だと考えております。そこで、障害者をサポートする支援員の配置や、全ての教職員が障害をより良く、より深く理解するための研修の実施、有効な支援の在り方などの検討を進めてまいります。 教員に関しては、採用試験の障害者特別選考の受験対象者として、新たに精神障害者を加えるとともに、障害のある教員が学校現場で活躍する姿をホームページで紹介するなど、受験者数の増加に向けた工夫をしております。併せて、国に対しては障害のある教員とペアを組む教員配置に向けた教職員定数の改善やバリアフリー化など、施設改善に係る財政措置の拡充について要望しております。 今後とも、障害者の活用の場の拡大と働きやすい職場づくりに努め、法定雇用率の達成に全力で取り組んでまいります。 〔立川吉朗
公営企業管理者登壇〕
◎立川吉朗
公営企業管理者 御質問七、松伏・
田島地区産業団地の整備についてお答えを申し上げます。 松伏・
田島地区産業団地では、造成工事の着手前に立地企業を募集し、意見交換を行いながら区画の形状などを整備計画に反映させる「エントリー&オーダーメード」方式により事業を進めております。現在、選定したエントリー企業との意見交換を活発に行っております。企業の選定に当たりましては、経営の安定性や投資規模、雇用の確保などについて、まず審査を行います。加えて、そうした企業の中から地元に根付き、産業団地を一緒につくっていこうとする企業を選定しております。併せて、緊密な意見交換の中で地元の声を企業にしっかりと伝えてまいります。建物の高さなど、必要があれば建築計画へ盛り込んでいくことも要望してまいります。 エントリー&オーダーメード方式では、企業との意見交換により、地元への配慮など柔軟な対応が可能となります。これによりまして、住民の方々の声を可能な限り産業団地の整備に反映させ、住民の方々の安心と理解を得てまいります。 次に、周辺環境に配慮した産業団地の整備についてお答えいたします。 ゆめみ野団地側に整備する公園につきましては、松伏町から地元の方々の声を届けていただき、町とともにどのような公園にするのか検討をしております。既に松伏町では地元自治会への説明会を開催するなど、地元の方々の意見を聴き、理解を得るための取組を行っております。さらに、企業局が造成工事を実施する際は、事前に住民の方々を対象とした工事説明会を開催いたします。そうした機会を通じまして、公園や大型車両の具体的な運行ルートなど、周辺環境に配慮した整備について住民の方々に丁寧に説明させていただきます。 地元の皆様の期待の大きい松伏・
田島地区産業団地が、その期待どおりに整備が進むよう、地元松伏町、エントリー企業とともにしっかりと取り組んでまいります。
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△次会日程報告
○神尾高善議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十六日は、午前十時から本会議を開き、
知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。
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△散会の宣告
○神尾高善議長 本日は、これにて散会いたします。午後三時五十七分散会
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