平成21年 2月 定例会二月定例会 第八日(三月二日)平成二十一年三月二日(月曜日)第八日 議事日程 一 開議 午前十時 二 本定例会に提出された請願の報告 三 知事提出議案(第五十二号議案~第五十六号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問 五十三番 北堀 篤議員 二十六番 松本佳和議員 五十九番 蒲生徳明議員 四 次会日程報告 三月三日(火) 午前十時開議、質疑質問続行、委員長報告、同報告に対する質疑、討論、採決 五 散会
----------------本日の出席議員 九十三名 一番 中屋敷慎一議員 二番 舟橋一浩議員 三番 小森谷 昭議員 四番 清水寿郎議員 五番 石井平夫議員 六番 野中 厚議員 七番 諸井真英議員 八番 田並尚明議員 九番 小島 進議員 十番 丸山真司議員 十一番 北村 浩議員 十二番 新井 格議員 十三番 渋田智秀議員 十五番 小野克典議員 十六番 森田俊和議員 十七番 神尾高善議員 十八番 岩崎 宏議員 十九番 土屋惠一議員 二十番 和田 浩議員 二十一番 高橋政雄議員 二十二番 田村琢実議員 二十三番 岡 重夫議員 二十四番 木村勇夫議員 二十五番 菅 克己議員 二十六番 松本佳和議員 二十七番 中島浩一議員 二十八番
浅野目義英議員 二十九番
山川すみえ議員 三十番 佐藤征治郎議員 三十一番 鈴木正人議員 三十二番 加藤裕康議員 三十三番 森田光一議員 三十四番 松本恒夫議員 三十五番 梅澤佳一議員 三十六番 松沢邦翁議員 三十七番 小林哲也議員 三十八番 中村 健議員 三十九番 本木 茂議員 四十番 藤本正人議員 四十一番
宮崎栄治郎議員 四十二番 塩野正行議員 四十三番 茅野和廣議員 四十四番 醍醐 清議員 四十五番 畠山 稔議員 四十六番 柳下礼子議員 四十七番 荒川岩雄議員 四十八番 清水勇人議員 四十九番 渋谷 実議員 五十番 大山 忍議員 五十一番 小島信昭議員 五十二番 鈴木聖二議員 五十三番 北堀 篤議員 五十四番 鈴木義弘議員 五十五番 逢澤義朗議員 五十六番 島田正一議員 五十七番
小谷野五雄議員 五十八番
久保田厚子議員 五十九番 蒲生徳明議員 六十番 福田秀雄議員 六十一番 吉田芳朝議員 六十二番
山川百合子議員 六十三番 黒田重晴議員 六十四番 峯岸光夫議員 六十五番 長峰宏芳議員 六十六番 樋口邦利議員 六十七番 竹並万吉議員 六十八番 田中千裕議員 六十九番 鹿川文夫議員 七十番 田中龍夫議員 七十一番 吉田 弘議員 七十二番 鈴木 弘議員 七十三番 神山佐市議員 七十四番 西山淳次議員 七十五番 石渡 豊議員 七十六番 西田矩子議員 七十七番 神杉一彦議員 七十八番 矢部 節議員 七十九番 奥ノ木信夫議員 八十番 長沼 威議員 八十一番 滝瀬副次議員 八十二番 井上直子議員 八十三番 蓮見昭一議員 八十四番 丸木清浩議員 八十五番 神谷裕之議員 八十六番 谷古宇勘司議員 八十七番 深井 明議員 八十八番 佐久間 実議員 八十九番 野本陽一議員 九十番 山本晴造議員 九十一番 福永信之議員 九十二番 畠山清彦議員 九十三番 高橋 努議員 九十四番 秦 哲美議員 欠席議員 なし地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人 上田清司 知事 橋本光男 副知事 岡島敦子 副知事 塩川 修 企画財政部長 加藤孝夫 総務部長 後閑 博 県民生活部長 清水邦夫
危機管理防災部長 池田達雄 環境部長 石田義明 福祉部長 宮山徳司 保健医療部長 浅賀康夫 産業労働部長 関根俊雄 農林部長 永田喜雄 県土整備部長 松岡 進 都市整備部長 小林年勝 会計管理者 樋口和男
公営企業管理者 伊能 睿
病院事業管理者 石川正夫
教育委員会委員長 島村和男 教育長 松本治男 警察本部長 発言(質問)通告書 三月二日(月)議席番号 氏名 要旨 答弁者五十三番 北堀 篤議員 1 経済対策について 知事 2 市町村合併について (1) 市町村合併の検証と今後の広域行政の在り方について 知事 企画財政部長 (2) 市町村合併に伴う商工会議所と商工会の統合について 知事 産業労働部長 3 「
埼玉版水素エネルギー戦略」について 知事 4 医療問題について (1) 医師の確保について 知事
病院事業管理者 (2) 診療看護師(ナースプラクティショナー)の養成について 知事 保健医療部長 5 ドクターヘリの夜間運航等について 知事 保健医療部長 6 道徳教育について
教育委員会委員長 7 地元問題について (1) 荒川上流のダム建設について 知事 (2) 国道一四〇号(仮称)新皆野橋の整備について 県土整備部長二十六番 松本佳和議員 1 トラック業界に対する支援について (1) ディーゼル車の排ガス規制を更に強化することの是非について 知事 (2) 自動車NOx・PM法による規制を受ける車両の使用期限の延長について 環境部長 (3) 環境負荷低減のための荷主への働き掛けについて 〃 2 制度融資について 産業労働部長 (1) 増加する代位弁済への対応について (2) 厳しい経営状況にある中小企業に対する金融支援の充実について 3
重症心身障害児支援の充実について 岡島副知事 (1) 超重症心身障害児の医療機関での短期入所等について (2)
重症心身障害児施設の整備について 4 介護サービスの充実について 福祉部長 (1) 地域や利用者による介護サービスの評価制度について (2) 介護人材の育成・確保について 5 高齢者福祉について 福祉部長 (1) 地域におけるリハビリテーションの充実について (2)
特別養護老人ホームの整備促進について 6
無料低額宿泊施設に関するガイドラインの見直しについて 福祉部長 7 「生きる力と絆の埼玉教育プラン」について 教育長 (1) 幼稚園と小学校の連携について (2) 小中学校の耐震化について五十九番 蒲生徳明議員 1 国の第二次補正予算等に対応した本県の取組について -我が党の「雇用対策の強化・充実を求める緊急申し入れ」に対する予算対応について- 知事 2 上田県政の広報戦略について (1) 司令塔である知事のマスメディアを積極的に活用した広報発信について 知事 (2) 職員自らが語る広報、県民の生の声を伝える広報について 県民生活部長 3
地域振興センターの果たす役割について (1) 新体制後の取組状況及び成果・課題について 企画財政部長 (2)
地域振興センターにおける防犯対策等について 県民生活部長 4 子どもに光を当てた教育の確立について 教育長 5 学校と家庭や地域が一体となった教育の推進について 教育長 6 県教育委員会と
市町村教育委員会の連携について 教育長 7 芝生化の推進で埼玉を元気に 知事 8
放課後児童クラブについて 福祉部長 (1) 大規模クラブの解消について (2) 障がいのある児童の受入れの推進について 9
放課後子ども教室の充実について 教育長 10
地域コミュニティの再構築「ひとりのおせっかいな埼玉」づくりについて 知事 11 農業分野への企業の参入拡大について 農林部長 12 保健所の再編について 保健医療部長 13 地元問題について 県土整備部長 (1) 県道越谷八潮線の歩道の改善について (2) 県道足立越谷線の歩道の改善について (3) 国道二九八号の案内標識について
----------------午前十時三分開議 出席議員 八十九名 一番 二番 三番 四番 五番 六番 七番 八番 九番 十番 十一番 十二番 十三番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十二番 二十三番 二十四番 二十五番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十四番 八十五番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 九十四番 欠席議員 四名 二十一番 四十九番 八十三番 八十六番 地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(橋本) 副知事(岡島) 企画財政部長 総務部長 県民生活部長
危機管理防災部長 環境部長 福祉部長 保健医療部長 産業労働部長 農林部長 県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 教育委員会委員長 教育長 警察本部長
△開議の宣告
○深井明議長 ただ今から、本日の会議を開きます。
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△本定例会に提出された請願の報告
○深井明議長 この際、報告をいたします。 本定例会に提出された請願につきましては、請願文書表としてお手元に配布しておきましたから、御了承願います。〔参照-(三二〇)ページ〕
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△知事提出議案(第五十二号議案~第五十六号議案を除く。)に対する質疑並びに県政に対する質問
○深井明議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 五十三番 北堀篤議員 〔五十三番
北堀篤議員登壇〕(拍手起こる)
◆五十三番(北堀篤議員) 皆さん、おはようございます。今日は、一般質問の第一番目というトップバッターを務めさせていただきます。 今日は、地元から大勢の支持者の方がお見えになっておりまして、十時開会ということで、五時起き、六時起きで、非常に時間がかかります。そういう意味では、県庁が少しでも近くなってくれればいいなと、そんな希望もございますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、経済対策についてお伺いをいたします。 我が国は、終戦後、国民一人一人が復興に向け奮闘した結果、高度経済成長を成し遂げ、そして、その後の石油危機、バブル経済の崩壊など幾多の困難を切り抜け、順調に成長してまいりました。 しかしながら、昨年九月、突如とした金融危機に遭遇し、我が国の繁栄は非常にもろいものであったことが判明をいたしました。我が国は、過度に輸出に依存する体質であり、世界各国の好況、不況の影響や為替相場に左右され、昨年十月から十二月のGDPは、年率換算でマイナス一二・七パーセント、第一次石油危機に次ぐ戦後二番目の低い水準となりました。 戦後築き上げてきた経済システムが簡単に破たんしたのは、過度の競争主義、また行き過ぎた規制緩和など、アメリカの表面だけを模倣した結果ではないでしょうか。そのアメリカは、オバマ大統領の強いリーダーシップの下、国民皆保険を目指し社会保障を充実させるとともに、グリーン・ニューディールの実施など、景気回復に向け第一歩を踏み出しております。 景気対策は、本来、国が実施すべきであり、県独自の取組には限りがあります。しかしながら、経済状況の厳しい中、県としても国に働き掛け、あるいは自らの創意工夫で大胆に実施できる対策があると考えます。また、景気対策は公共事業一辺倒になりがちですが、公共事業だけではなく、各部局を挙げて知恵を絞り、ソフト事業を含め県政全般にわたり景気対策に取り組むべきと考えます。そして、そのためには無駄な歳出を切り詰めることが重要となります。 県税収入が大きく落ち込んでいる中、人口急増期に大量に採用した教職員等の退職金が一四・九パーセントも増加し、七百八十四億円になっております。退職金の支出は、県政の硬直化を招く原因でもあります。そこで、財政の健全化を図りつつ、実効性ある景気対策に向けてどのような施策を展開されていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、税収の確保についてでございます。 景気対策を含めた経済対策を効果的に進める上で、財源の確保は大変重要な課題であります。景気低迷による企業の業績不振を反映し、法人事業税と法人県民税、いわゆる法人二税がマイナス四一・三パーセント、県税収入全体でマイナス一四・六パーセントと大きく落ち込んでおります。不況の出口が見えない中、法人二税の増収を図るためには、県内経済を支える中小企業に対する制度融資の緩和などの支援に加え、企業誘致を更に推進するなど、県内経済の活性化が欠かせません。 そこで、税収の確保については、代表質問でも取り上げられておりましたが、大変重要な問題でありますので、特に法人二税の確保に向けてお尋ねをいたします。 法人二税の増収に結び付けていくために、県内経済の活性化に向けて、昔から地域に根付いている中小企業や大企業に対して販路拡大や人材育成を行い、企業の成長を促すことが重要です。中小企業の有する高度な技術もしっかりと継承し、企業の育成に結び付けていくことも必要です。創業支援や企業誘致の更なる推進なども含めてどのような施策を実施し、税収の確保に結び付けていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。 次に、市町村合併についてのうち、市町村合併の検証と今後の広域行政の在り方についてお伺いをいたします。 平成の大合併により、市町村数は来年二月までに一千七百七十二にまで減少いたします。そして、市町村合併を誘導してきた、いわゆる合併新法は来年三月で期限切れとなり、国ではこれを機に合併を見直し、地方圏から大都市圏への人口流出を防止する
定住自立圏構想へと転換をいたします。合併を打ち切る背景には、周辺地域の衰退など合併の弊害が各地で見られるようになったこともあります。私も、それは強く感じておる次第でございます。 私の地元秩父市は、御承知のとおり、平成十七年四月に秩父市、吉田町、大滝村、荒川村が合併し、本県の中で一番面積の広い市となりました。都市機能は秩父市の中心部に集約され、行財政改革も進んだ結果、効率性は高まったのかもしれません。しかしながら、一昨年の十二月定例会でも質問いたしましたが、町村部の住民の話を聞きますと、合併して良かったことは何一つないという話をよく耳にいたします。確かに強固な財政基盤が確立され、効率は良くなりますが、効率を良くすることと利便性の向上を図ることは、必ずしも一致しないのではないでしょうか。 今、国では道州制の議論も盛んに行われておりますが、昨年十一月の
全国町村長会議では、道州制に断固反対する特別決議が採択されました。その理由は、経済効率ばかりが優先されることで中央集権化が促進され、地域間の格差が広がることが懸念されるからであります。町村部では、市町村合併が本当に住民のためになったのかどうか、疑念を抱かざるを得ません。これから
定住自立圏構想や道州制と、広域行政に向けた動きが出てくる中で、これまでの市町村合併の結果検証を行わず前進すれば、同じ過ちを繰り返すことになります。 県では、合併した市町村職員と県職員で構成した埼玉県
市町村合併研究会を設置して、市町村合併について検証したようでありますが、この研究会に、本当に合併した市町村の住民の声が上がってきているのでしょうか。市町村の担当職員の声を住民の意見ととらえたのでは、検証したことにはなりません。 そこで、知事にお伺いいたします。市町村合併は、町村の切り捨てにつながるとの意見もありますが、知事はどうお考えでしょうか。市町村合併についての知事の考え方と併せてお伺いいたします。また、
定住自立圏構想といった新たな広域行政についてどのようにお考えでしょうか。県内における
定住自立圏構想に、本庄市と私の地元秩父市も名乗りを上げておりますが、県としてどのようにかかわり、他の市町村に波及させていくのでしょうか。 次に、先ほども申し上げましたが、一昨年十二月の質問のときに、当時の総合政策部長から、埼玉県
市町村合併研究会における検証結果について、地元の意見をより把握するとの答弁をいただきましたが、その後、合併についてどのように住民の意見をくみ上げ、その結果、どのような問題点が浮かび上がったのでしょうか。これらの問題点への対応方法と併せて、企画財政部長にお伺いをいたします。 次に、市町村合併に伴う商工会議所と商工会の統合についてお伺いをいたします。 現在、県内には十五の商工会議所と六十八の商工会がありますが、秩父市と荒川村の合併を契機に
秩父商工会議所と荒川商工会を統合しようという動きがあります。 しかし、商工会議所と商工会は、小規模事業者の割合や意思決定の方法など、基本的な性格が異なっております。商工会議所の意思決定機関は議員総会で、代議員制となっておりますが、商工会の総会はすべての会員で構成されております。また、議決権については、商工会議所が会員ではなく議員が一人一票の表決権を持っているのに対し、商工会は一会員が一票の表決権を持っております。事業の内容も、商工会議所は輸出品の原産地証明の発給といった国際的業務など総合的な事業を実施しているのに対し、商工会の事業の中心は経営上の相談に応じる
経営改善普及事業など、小規模事業者に対するきめ細かい指導が事業の中心です。特に、現在の厳しい経済状況では、商工会の役割は極めて重要であり、両者の統合には慎重であるべきと考えます。 昨年十二月には、
全国商工会連合会の清家会長から
麻生全国知事会会長に対して、商工会議所と商工会は、地域の実情や経済環境に即して、両団体に求められる役割や支援の重点が異なっていることから、行政効率の観点のみから安易に商工会議所と合併しないよう要望がなされました。市制施行後も、朝霞市商工会、東松山市商工会などは、商工会として活動を継続しております。また、市町村合併後もほとんどの商工会が商工会のままで事業展開をしております。 市町村合併という特別な事情で統合せざるを得ないとしても、単に組織運営の効率性のみから判断すべきではなく、会員同士が議論を行い、十分納得した上で自主的に決定すべきだと思います。私は、こうしたプロセスを無視して強引に統合を進めるべきではなく、意思決定に時間がかかるのはやむを得ないと思っております。 そこで、商工会議所と商工会の地域経済における統合に関する基本的な考え方について、知事にお伺いをいたします。 また、仮に合併しようという動きがあった場合における県の基本的な姿勢、具体的な対応策について、産業労働部長にお伺いをいたします。 次に、「
埼玉版水素エネルギー戦略」についてお伺いいたします。 地球温暖化が大きな社会問題ですが、中でもCO2の排出量削減が大きな課題となっております。そこで、注目すべきは
水素エネルギーです。
水素エネルギーは、燃焼しても水しか出さない
クリーンエネルギーであり、石油をはじめとする化石燃料が枯渇した場合の代替エネルギーとしても活用が可能です。 福岡県では、この
水素エネルギーにいち早く目を付け、「福岡水素戦略」というプロジェクトを立ち上げ、平成十六年度から産学官が一体となって取り組んでおります。具体的な取組として、前原市の百五十世帯に
家庭用燃料電池システムを集中的に設置する世界最大の水素タウンが先月、整備されました。また、今年の夏には
水素ハイウェイが整備をされます。北九州-福岡間の約八十キロに
水素ステーションを整備し、燃料電池自動車、水素エンジン車が自由に走行できる環境が提供されます。知事のふるさと福岡では、日本初、世界に先駆けた取組が打ち出されております。
水素エネルギーに関する取組は、
ドキュメント番組や報道番組でも取り上げられるようになり、注目度の高さがうかがえます。 本県では、早稲田大学の
水素エネルギー研究所が
早稲田本庄キャンパスを拠点として、平成十五年度から
水素エネルギーに関する研究を進めております。こうした動きに県も積極的にかかわり、世界に誇るホンダのおひざ元である利点を生かし、自動車業界をはじめ企業を巻き込みながら、産学官連携で
水素エネルギーの活用に向けた取組を強化すべきだと思います。 県では、このほど温暖化対策の新たな計画を策定し、県内で排出される温室効果ガスを平成三十二年度までに平成十七年度と比較して二五パーセント削減するという目標を掲げ、その達成を目指すとしております。こうした状況においては、大きな取組も必要ではないでしょうか。新たな技術開発、大きなプロジェクトは、すぐに結果は出ません。何年先も見据えた地道な取組が、数年後に大きな成果として現れます。そうした先を見据えた視点が、今求められているのではないでしょうか。 確かに、最近の厳しい経済状況の中で、すぐに成果の出ない分野への投資は難しい面もあります。しかし、今から取り組まなければ、地球温暖化にストップはかけられません。知事のよく言われる選択と集中により、
水素エネルギーの活用を積極的に推進すべき時期に来ていると思います。そこで、
埼玉版水素エネルギー戦略の実現に向けた知事の御所見をお伺いいたします。 次に、医療問題についてのうち、まず、医師の確保についてお伺いをいたします。 平成十六年に臨床研修制度が開始されてから、大学を卒業した医師が研修を受ける病院を自由に選択できるようになり、大学病院に戻る医師が著しく減少し、大学病院は人手不足に陥りました。その結果、大学病院は派遣していた医師を引き揚げざるを得なくなり、特に地方や公立病院での医師不足が顕著になりました。そして、医師不足が患者の減少を招き、病院経営の悪化につながり、銚子市立病院のように病院が閉鎖される事態も生じております。 このように臨床研修制度の弊害が顕著になったことから、最近、国の検討会において見直し案がまとめられました。見直し案では、必修科目を減らし、二年目から専門分野を学べるようにすることで、専門性の高い大学病院での研修を増やそうとしております。そうすることで大学病院に医師が戻り、大学病院における医師の派遣機能を回復させようとのことですが、これでは医師不足の抜本的な解決につながるとは思えません。その場しのぎの対症療法的な対策ではなく、診療科ごとの医師の偏りや地域の偏在をなくさなければ、医師不足は解消されません。 本県の医師不足も深刻で、最近では、東松山市立病院が一般病床を減少させると発表がありました。厚生労働省の調査によれば、本県の人口十万人当たりの病院に勤務する医師数は、全国で唯一、二けたの九十九人と全国でも最下位です。最も多い高知県は二百十二人と、倍以上の差があります。 そこで、医師不足の解消について知事はどのようにお考えでしょうか。県内の医師不足の現状と併せてお伺いいたします。また、今後の国の動向も踏まえ、どのような効果的な対策を図っていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、県立病院において医師不足の弊害は出ているのか、また、医師の確保にどのような努力をされているのか、
病院事業管理者にお伺いをいたします。 次に、診療看護師、通称ナースプラクティショナーの養成についてお伺いをいたします。 医師不足の解消には、医師の確保とともに、看護師にも目を向けるべきです。疲弊している医師に代わり、看護師に医師の権限の一部を与えることが考えられます。アメリカでは、四十年以上前から診療看護師を養成しており、既に十万人以上の診療看護師が活躍をしております。また、韓国でも平成十五年度から養成を開始し、昨年度には約七百人の診療看護師が誕生いたしました。 日本でも、平成十九年の規制改革会議による規制改革推進のための第二次答申において、医師が行う医療行為のうち、看護師が実施できるものは、海外のナースプラクティショナーを参考に積極的な役割分担を進める方針が出されました。そして昨年四月、大分県立看護科学大学では、全国に先駆けて診療看護師の養成を始めております。また、東京の国際医療福祉大学大学院でも、来年度から診療看護師の養成を開始いたします。 我が国では、医師法により、医師、歯科医師以外による診断や投薬などは認められておりません。しかし、法の範囲内において、医師と協働を図りながら活躍できる場づくりが少しずつ進められており、診療看護師を養成する意義は十分にあると考えます。 そこで、医師不足の解消に加え、看護師の意欲の向上を図る上でも意義のある診療看護師の導入について、知事のお考えをお伺いいたします。また、国に対して診療看護師の導入を働き掛けてはどうかと考えますが、併せて知事の御所見をお伺いいたします。 また、具体的な取組として、埼玉県立大学において診療看護師を養成すべきと考えますが、保健医療部長にお伺いをいたします。 次に、ドクターヘリの夜間運航等についてお伺いいたします。 平成十九年十月にドクターヘリが運航開始後、各消防本部からの救急要請による出動は、一月二十一日現在で百十四件、そのうち三十七件、約三〇パーセントは秩父地域への出動です。出動要請から入院までは最大四十分と、スピードが強みです。 私は、平成十九年十二月定例会でもドクターヘリの夜間運航の実現について質問をいたしました。その際、保健医療部長は、防災ヘリを活用した救急搬送が考えられると答弁されました。そして、おととい二月二十八日のNHKの報道によると、県では夜間の救急搬送を防災ヘリで今年の四月以降対応することになったようです。その方法としては、日高市にある埼玉医科大学国際医療センターに夜間、医師と看護師が待機して、救急搬送が生じた場合には防災ヘリが埼玉医科大学国際医療センターで医師をピックアップして、ヘリコプターの中で患者を治療しながら搬送するとのことであります。医師がヘリに乗り込んで治療を行い搬送する、正にドクターヘリであります。 しかし、防災ヘリは機材を他の任務と兼用しており、また、防災ヘリをドクターヘリとして運航する場合は、病院に所属していないため、病院を経由して医師を乗せてからの出動となり、ドクターヘリに比べ大幅に時間をロスいたします。ドクターヘリの最大の強みは、スピードです。夜間になると、この一番の強みが発揮されなくなります。 夜間は交通渋滞もなく、ドクターヘリを活用しなくとも、救急車などにより患者の搬送は十分できるとの意見もあります。しかしながら、ドクターヘリの出動状況を見ると秩父地域への出動件数が多く、また、昨今の救急医療機関の著しい運営状況なども考慮すると、いち早く患者を適切に診療できる病院に搬送するためには、夜間でもドクターヘリを運航するようにすべきだと考えます。 そして、県が今年の四月以降、防災ヘリを活用したドクターヘリを運航させることとしたのは、救急車よりもヘリで搬送したほうが効率が高いと判断したからだと思います。そうであるならば、防災ヘリではなくドクターヘリを夜間運航させることが、患者の尊い命を救うため、一分一秒でも早く診療させるためには必要なのではないでしょうか。また、ドクターヘリが離着陸を行う災害時緊急離着陸場は、百四十四か所から四百六十か所へと大幅に拡大されました。このうちの何か所かは、ドクターヘリの夜間運航に対応できるよう夜間照明などを整備すべきです。 そこで、ドクターヘリの夜間運航について知事の英断を下すべき時期に来ていると考えますが、実現に向けた知事のお考えをお伺いいたします。 また、ドクターヘリの夜間運航が実施された場合に必要とされる夜間照明などの具体的な費用、問題点等は検証されているのでしょうか、保健医療部長にお伺いいたします。 次に、ドクターヘリの活用の充実を図るため、高速道路上への離着陸も可能とすべきだと思います。平成二十年度中の高速道路上の事故件数は五百五十九件、負傷者は一千五十四名となっております。現在、離着陸が可能か調査を進めているようですが、実現可能性について保健医療部長にお伺いをいたします。 もう一点、昼間の病院から病院への転送時におけるドクターヘリの活用についてお伺いいたします。 現在、病院間の搬送、転送は、防災ヘリで行っております。防災ヘリで転送する場合、病院で診療にかかわっている医師がヘリに搭乗するため、この医師不足の中、病院の医師が出動してしまうと、通常の診療に支障を来すことになります。したがって、ヘリで転送する場合、患者すべてをドクターヘリで対応することは、緊急の出動時に対応できなくなるおそれがあるため、困難だと思います。しかし、重症患者を転送する場合など緊急を要する場合には、ドクターヘリが効果を発揮するのではないでしょうか。そこで、重症患者などを病院から病院へ転送する場合のドクターヘリの活用について、保健医療部長にお伺いをいたします。 次に、道徳教育についてお伺いいたします。 私は、教育の基本は家庭にあると考えております。物事の善悪、基本的なしつけは家庭で行うべきものですが、親子が友達のような関係になり、親の威厳が低下し、家庭における教育機能が弱まっている気がいたします。また、少子化の影響もあり、親が子供に干渉し過ぎているようにも感じます。子供をいとおしく思い、大事にする気持ちは、親として自然な姿であり、否定すべきものではありません。しかしながら、それが行き過ぎてしまい、弊害も出てきているような気がいたします。学校に無理難題を要求する、いわゆるモンスターペアレントがその一例です。 そこで、学校現場においても社会性を身に付けさせる教育が取り入れられるようになってきております。東京都品川区の全小中学校には、市民科という独自の教科があり、低学年なら週二時間、「目標を立てて努力をする」、「相手にやさしい言葉をかける」などといった、しつけにかかわる課題を学ばせるようになりました。 本県でも来年度から、自立心をはぐくみ絆を深める道徳教育推進事業として本県独自の教材を作成し、命を大切にする心、目標を持って努力する強い意志や規律ある態度を育てる教育が開始されます。社会におけるルールやモラルなど基本的なしつけは家庭で行うべきと考えますが、教育現場においても、体罰とならない範囲で、厳しさを持って社会性が身に付くよう指導することが必要です。家庭と学校現場の連携により、将来を担う子供たちが良識ある自立した大人に成長できるよう、温かくも、時には厳しく後押しすることが大切ではないでしょうか。 そこで、家庭における教育の在り方と学校現場との連携についてどのようにお考えでしょうか。また、来年度実施する道徳教育推進事業では、どのように家庭と連携を図っていくのでしょうか、
教育委員会委員長にお伺いをいたします。 次に、地元問題についてのうち、まず、荒川上流のダム建設についてお伺いいたします。 国では現在、荒川上流の二瀬ダムの洪水調整機能の強化、荒川の流水の機能維持を目的とした荒川上流のダム再開発の事業計画を検討しております。これは、荒川上流の二瀬ダム、浦山ダム、滝沢ダムの三つのダムの容量などを再点検するものです。平成二十年度を目途に新大洞ダムの建設、二瀬ダムのかさ上げ、既設ダム群の容量再編などを検討しております。このうち新大洞ダムは、二瀬ダムの上流、大洞ダムの直下流に計画されているダムで、高さ百五十五メートル、総貯水容量三千三百万立方メートルの、ほぼすべてを洪水調整容量に充てるという、完成すれば日本一の高さを誇る治水ダムになると言われております。 しかしながら、新たなダムの建設は秩父地域の貴重な森林を奪うとともに、大洞川周辺の生態系も遮断させてしまいます。また、莫大な建設費が県財政に負担金という形で重くのしかかります。新たなダム建設は、こうした点のほか、水の需要などを多角的に考えていく必要もあります。 そして、治水対策は、ダム建設以外にも堤防の建設やかさ上げ、河床のしゅんせつ、調整池の建設など複数の対策を吟味し、これらを適切に組み合わせ、総合的に検討すべきだと思います。国では、仮に荒川の堤防が荒川区で決壊した場合、最悪の事態として、千代田区、中央区まで洪水が到達する可能性を示しております。こうした災害には調整池の建設が有効であり、平成十一年の記録的な集中豪雨のときには、荒川第一調整池が効果を発揮したと聞いております。したがって、安易に新大洞ダムを建設するという発想ではなく、県としても、気象変動や近年の降水量の把握を行い、人口の将来見通しなどを踏まえ、総合的な治水対策を検証すべきだと思います。そして、ダムの新設ではなく、まず、県が管理する合角なども含め既設ダム群の容量を再編する方策を国に対して主張すべきだと思います。 そこで、治水対策上やむを得ない場合でも、次善の策として二瀬ダムのかさ上げをする計画を選択すべきであり、ダムの新設は極力回避すべきだと考えますが、荒川上流のダム建設に対する県の基本的な考え方について、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、国道一四〇号(仮称)新皆野橋の整備についてお伺いいたします。 現在整備が進められている国道一四〇号皆野秩父バイパスは、国道一四〇号の交通渋滞の解消はもとより、関越自動車道とのアクセス強化など、秩父地域の産業経済の発展に欠くことのできない道路であります。私をはじめ秩父地域の住民は、このバイパスの早期完成に大きな期待を寄せております。 とりわけ整備が先行して進められている(仮称)新皆野橋は、ランプ橋部分が荒川を挟んだ秩父市と皆野町を結び、地域の経済活動に大きく寄与するものと考えております。現場では多くの橋脚が建ち並び、橋げたが順次かけられ、橋の完成する姿も徐々に見えてきております。また、県の努力と地元の協力により、ランプ橋部分の用地取得は完了したとのことです。その整備効果と地元の期待を思うと、一日も早くランプ橋部分を供用すべきと考えております。そこで、(仮称)新皆野橋ランプ橋の進ちょく状況と供用開始の見通しについて、県土整備部長にお伺いをいたします。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)
○深井明議長 五十三番 北堀篤議員の質問に対する答弁を求めます。 〔上田清司知事登壇〕
◎上田清司知事 北堀篤議員の御質問にお答えをいたします。 まず、経済対策についてのお尋ねのうち、本県の景気対策についてでございます。 昨年の秋以降の厳しい経済状況を踏まえ、
経営安定化資金の対象をいち早く全業種に拡大して、また、用地費等から工事費への振替で工事発注量を拡大するなど、県としてできることを直ちに取り組んだことについては、御理解のとおりだと思います。 平成二十一年度の当初予算の編成に当たっては、選択と集中の観点から徹底した事務事業の見直し、また、職員定数の削減による人件費の抑制や県税収入の確保など、あらゆる方法で財政健全化に努めてきているところでございます。 その中で、我々が最も重視したのは、県民生活をしっかり守るセーフティネットは充実させようじゃないかという考え方と、また、多分に民需が減る状況の中では、県でできることに限界はありますが、極力経済を振興、活性化させようという考え方に立ちました。特に公共事業では、地元建設業界への発注量を確保するため、工事費などをいわゆる真水、国の第二次補正予算と対応して、二月補正分と合わせますと対前年比で二割増を確保するという結果を出すことができました。 また、公共工事以外でも、小さな投資で大きな経済波及効果を生む、てこの原理を生かした施策や、一つの取組で複数の課題を解決する一石三鳥、四鳥という施策などの創意工夫をさせていただきました。例えば、全国トップレベルの住宅用太陽光発電への補助制度や、住宅ローンの負担軽減制度を創設いたしました。住宅産業はすそ野が広く、大きな経済波及効果や雇用創出効果が期待できます。 中小企業制度融資でも、セーフティ緊急融資や予約貸付枠を創設して、融資枠も三百億円拡大して四千五百億円確保しております。 さらに、地域活性化につながる新たな雇用の創出など必要な対策をするため、急施議案として、緊急雇用創出基金、ふるさと雇用再生基金などの創設をお願いしております。これらを財源として、当初予算の追加補正として今議会に追加提案したいと考えています。 次に、税収の確保に結び付く施策の実施についてのお尋ねでございます。 法人二税は、その性格上、その時々の景気で上下してきます。そういう意味で、現在の状況の中で、今すぐ税収増につながるような対策は難しい、このように考えてはおります。ただ、将来的に税収増を図るために、県内企業の更なる成長を促し発展させることが重要だと考えます。本県には、御承知のとおり多様な製造業の集積があり、またオンリーワンの技術を持った中小企業もたくさんあります。また、国際的研究機関である理化学研究所をはじめ多くの研究機関、大学も集積しておりますので、この強みを生かして、成長の礎を築くための支援をしっかり行う必要があると思っています。 具体的には、新たな市場に参入するなどの経営革新の取組を促す。また、環境ビジネスをはじめとした新産業の分野を育成するため、制度融資を活用して金融面での支援を図っていく。さらに、大学や研究所と連携した新技術、新製品開発の支援、海外のビジネスチャンスの拡大に向けた取組の支援をしていくなどが考えられます。今後の成長産業の芽をできるだけ多くはぐくみ、本県の産業構造を経済環境の変化に強いものにしていく必要があると思っています。 これらに加えて、税収確保のためには、創業や企業誘致を通じて新たな活力を導入して、県経済全体の底上げを図っていくことが重要と考えております。これまでもこうした対応をしてきたところでもございます。しかし、もっと新たな仕組みをですね、強化するような形を改めて構築したい、このように思っております。いずれにしても、このような取組を通じて県内経済の安定化や活性化を図り、税収の確保につなげてまいります。 次に、市町村合併についてのお尋ねのうち、市町村合併の検証と今後の広域行政の在り方についてであります。 まず、市町村合併は町村の切り捨てにもつながるとの意見もあるが、どう考えているか、市町村合併についての私の考え方と併せてのお尋ねでございます。 地方自治の主役は市町村でもありますし、住民に身近な行政は、市町村が自らの判断と責任で総合的に行っていく。そのためには、市町村が財政的に自立できる単位になるのが望ましいという考え方を私自身は持っております。そういう意味で、市町村合併は市町村の行財政基盤を強くする可能性がある。ただ、そろばん勘定だけだと後でばらばらになりますよというようなことを言っておりました。ロマンとそろばんが共有できる市町村合併だというふうに思っております。 そういう意味で、町村の切り捨てというよりは、町村部を含むすべての地域の維持、発展のためにどういうふうな仕組みをつくっていくかが問われているのではないかというふうに私は思っています。市町村がそれぞれの歴史や文化を共有して、今後のまちづくりのテーマなどを十分協議して、真に住民の望む合併、そしてそれをしっかり検証していく、これが大事ではないかというふうに思っています。そういう合併については、県としても今後ともしっかり支援していきたいというふうに思っています。 次に、
定住自立圏構想といった新たな広域行政についてどのように考えているかのお尋ねでございます。
定住自立圏構想は、中心市とその周辺市町村が相互に連携して、住民の生活機能の強化を図るものだと聞いております。文化や経済交流など、まとまりのある地域が協力して連携する
定住自立圏構想は、多分に、かつて定住圏構想というのがありましたが、これの焼き直しではあると思いますが、少なくとも急速な合併に対する一つの反動として、むしろ緩やかな広域行政の形をつくろうという、こうした国の施策の一つではないかというふうに思っております。 次に、県としてのかかわりでございますが、秩父市は全国で二十四市の先行実施団体に選定されております。現在、協定の締結に向け、秩父市と周辺四町の事務レベルによる検討が始まっているところです。県としては、
地域振興センターを中心とした人的支援をはじめ、必要に応じた支援を積極的に行います。 他の市町村への波及についてでございますが、御承知のとおり、定住自立圏は、東京、大阪、名古屋の三大都市圏以外の区域を主たる対象にしておりますので、県内では秩父市と本庄市のみが中心市の要件を果たしておるということになっていますので、県内では、この定住自立圏の広がりというのは基本的にないものでございます。 次に、市町村合併に伴う商工会議所と商工会の統合であります。 商工会議所、商工会については、かつては地域の小規模事業者の経営改善やまちづくりなどに大きな貢献を果たしておりますし、今日でもそうした役割を果たしています。ただ、社会経済環境が大きく変化する中で、中小企業の多様化や高度化といったような先進的な支援をするということに、十分適切な機能を果たしているかどうかということについては疑問があるところであります。また、市町村合併に伴い、一つの市に複数の商工団体が存在するケースがあります。 そこで、平成十九年九月の地方分権改革推進委員会でヒアリングがありましたときに、私はこのようにお答えをしております。「過渡期な形としてはやむを得ないとしても、一つの市に複数の商工団体があることは基本的に望ましくないのではないかと。また、将来的な課題として、商工会議所、商工会の仕組みや機能の違いを見直して、同じ名称で同じ機能を持った新しい商工団体を構築したほうがいいのではないか。それが検討の課題ではないでしょうか」というような御提言をさせていただきました。その提言が、平成二十年五月の地方分権改革推進委員会の第一次勧告に盛り込まれて、現在、国や商工会議所、商工会の全国組織などで検討が進められております。 商工会議所、商工会の役割は、どちらとも、とりもなおさずその地域の商工業者の役に立つか立たないかという、もうこのことに尽きるというふうに私は思っておりますので、より多くの事業者から期待される内容をつくるために、何らかの形で発展的に統合していく、そういう形のほうが望ましいのではないかというふうに思っております。基本的な考え方としてはそうでありますが、地域でそのことをしっかり検討すべきだと思っています。 次に、「
埼玉版水素エネルギー戦略」についてのお尋ねでございます。 地球温暖化対策としてのCO2の削減が正に急務となる中、石油などの化石燃料から、よりCO2の少ないエネルギーへの転換というのは大きな問題であります。温暖化対策の実行計画であります「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション二〇五〇」において、地球に優しいエネルギー社会への転換を政策の柱として位置付けております。その中で、エネルギーに関する戦略としては、既に実用化段階にある技術に着目して、太陽光発電の飛躍的な普及拡大や、ハイブリッド車など次世代自動車の導入促進に重点的に取り組んでまいります。 お話しの
水素エネルギーは、将来的なエネルギーの革新技術として大いに期待されております。燃料電池などは、本格的な実用段階までもう一歩のところまで来ておりますが、まだまだ研究開発すべきところが多くあるようであります。
水素エネルギーの研究については、本県においても早稲田大学本庄キャンパスにおいて、水素モデル社会の構築に関する技術開発が取り組まれております。地球温暖化問題の解決と同時に、県内経済の活性化が求められている今日、私は、先進的な技術開発も含め環境分野への戦略的な投資を進めていくことが重要であると考えております。日進月歩で技術開発が進む中、行政、大学、企業などが地域総ぐるみで温暖化対策に取り組んで、低炭素社会の実現を図っていくべきだと思っております。したがいまして、
水素エネルギーが将来的なエネルギーの技術革新として期待されておりますので、当面は、こうした早稲田大学本庄キャンパスにおける研究を見守っていきたいというふうに思っております。 次に、医療問題のお尋ねのうち、医師の確保でございます。 現在の医師不足は、医師の養成数や診療科ごとの定数管理が国において適切に行われなかったという結果が出ている、基本的にはこれが大きな要因であります。医師の絶対数が不足している、あるいは、へき地で勤務する医師が確保できないという声が上がっていますが、本県においては、どちらかといえば産科や小児科などの特定診療科の病院勤務医不足が生じています。特に、周産期医療や救急医療にかかわる医師の不足が深刻になっております。今回初めて、大学は医学部の定員増を認めましたが、しかしこの効果が出るのは十年後という世界でありますので、今の時点で何をするかということが問われておりますので、今年度、開業医による拠点病院への支援という本県独自の取組がスタートしました。平成二十一年度はこの事業を拡大して、本年度の二地区に加えて四地区に拡大ができるようにいたします。 さらに、二十一年度は新たな医師の確保策として、即戦力となる産科、小児科の後期研修医を県内に誘導し定着させるため、研修資金貸与制度の創設をお願いしています。この制度は、周産期母子医療センターに後期研修医として勤務する医師に研修資金を貸与するものでございますが、研修修了後、県内の病院で産科医、小児科医として勤務することで貸付金の返還を免除するという仕組みです。これによって、病院に勤務する産科医、小児科医の確保が幾分増えていくというふうに考えております。 また、女性医師の継続的な就業を支援するために、短時間勤務でも正規職員として働き続けることができる勤務環境の整備や院内保育の充実を図ります。さらに、一度退職すると復職が困難な女性医師のスムーズな復職を支援するため、相談窓口の設置や復職支援研修を実施いたします。県が実施することについては、このようにいろんな形で可能な限り医師不足の解消を図ってまいります。 先ほど、勤務医師が全国人口比で最下位ということでありますが、埼玉県は個々の診療所が多いということで、相対的に勤務医も少ないというデータも出ております。医師の絶対数では全国八位、百平方キロメートル当たりの医師の数では全国六位ということで、データのとり方で、どちらが実態を表しているか。よく言われますが、埼玉県が交通事故死で絶対数では昨年度二位でしたけれども、しかし十万人当たりで何人お亡くなりになったかという話になってくると、通年、大体四位から六位の間で推移をしておりますので、むしろ優秀なほうだということになりますし、先ほど事例に出された高知県などは、毎年交通事故死十万人の中でワースト一位です。また長い間、不登校第一位です、人口比で。 診療看護師の導入に関しては、私も議員のお考えに全く同意であります。看護師が医療行為の一部を担うことは、医師の負担軽減につながります。 そこで、私は一昨年、舛添厚生労働大臣と会談して、看護師のできる医療行為の拡大について御提言させていただきました。その後、国では昨年六月に取りまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」に基づき、看護師やその他の医療従事者の役割について検討を始めています。アメリカのような診療看護師の導入には、医師法、保健師助産師看護師法の改正が必要でありますので、また、医師と医療従事者、そして国民の理解が得られることが前提になるかと思いますので、このことを踏まえて、国の中でしっかりと議論が進められることが必要だと思います。 次に、ドクターヘリの夜間運航等についてのお尋ねでございます。 本格的なドクターヘリの導入まで、国との調整や専用ヘリポートの環境整備などに時間を要するために、私のアイデアで、二機ある県の防災ヘリのうち一機に医療器材を搭載して、平成十七年度からドクターヘリに準じた運航を始めたことは御承知のとおりであります。そして、十九年十月からはドクターヘリ専用機の運航を開始し、年々その出動数を伸ばしています。運航開始後も、百四十四か所の緊急離着陸場を四百六十か所に拡大して、県内各地で重症なやけどへの処置や外科手術を伴う救命などに活躍して、多くの生命を救っています。 御指摘のように、我が国のドクターヘリは日中運航を原則としておりまして、これまでのところ夜間運航が行われておりません。そこで、夜間の運航が可能な防災ヘリを使って対応できないかということで準備を進めてきておるところでございます。搭乗する医師や看護師は、夜間離着陸が可能なヘリポートを持つ救命救急センターに御協力をいただいております。三月中には航空局の許可を得て模擬訓練を実施し、体制が整い次第、この春から運航を開始したいと考えています。日中はドクターヘリ、早朝、夜間は防災ヘリの活用としてドクターヘリ的運航という、二十四時間体制というのは全国初の試みだというふうに聞いております。 お話の専用機による夜間運航については、何よりもヘリコプターの装備の問題、これが一番かと思いますし、パイロットの確保、医療スタッフの確保、費用の問題など幾つか課題がありますので、まずは防災ヘリでの運用で県民の皆さんの期待にこたえて、時期を見ながら専用の夜間が可能なのかどうか、しっかり把握していきたいと思います。 最後に、地元問題についてのお尋ねのうち、荒川上流のダム建設についてでございます。 荒川については、河川法に基づき、国が長期的な視点からの河川整備の方針を定める荒川水系河川整備基本方針を平成十九年に策定しております。荒川では、川沿いの市街地の発達の状況から、河川改修を実施しても荒川で洪水を流す能力には限界があるそうであります。このため河川整備基本方針では、二百年に一度の雨に対応するため更なる河川改修とともに、ダムや荒川第一調節池のような洪水調節施設の更なる整備が位置付けられております。この基本方針に基づき、どのような河川改修を行い、どのような洪水調節施設を整備するかといった具体的な内容を定める荒川河川整備計画を策定すべく、現在、国において検討がされています。 お話しの秩父地域のダムの建設についても、その中で、荒川全体を視野に入れ、治水のみではなく、利水や環境を含めた総合的な観点から議論されるべきものだと考えます。ダムの建設は、一般的に地域社会や自然環境などに対して影響が大きいものでございますので、このため新たなダムについては、既設ダム群の再編や二瀬ダムのかさ上げなどの代替案も十分検討した上で判断すべきではないかと考えます。このような考え方の下で、より安全で、より美しい荒川が実現できるよう、計画策定段階から国と意見交換を重ねて、県の考え方を反映していきたいと考えています。 以上です。 〔塩川修企画財政部長登壇〕
◎塩川修企画財政部長 御質問二、市町村合併についての(一)市町村合併の検証と今後の広域行政の在り方について、お答えを申し上げます。 県では、平成十九年度に
市町村合併研究会を設置し、合併の検証を行いました。平成二十年度もこれを引き継ぐ形で、埼玉県合併市町連絡調整会議を設置し、引き続き検討を行っております。 昨年九月には、県内の合併市町に在住されている県政サポーターの皆様を対象に、合併に関するアンケートを実施いたしました。六百二十二人の方から、合併の満足度や合併して良かったと思うこと、良くなかったと思うことなど、十項目について御意見を伺うことができました。その結果でございますが、合併して「良かった」、「どちらかといえば良かった」が合わせまして約四割、合併して「良くなかった」、「どちらかといえば良くなかった」が合わせまして約三割との結果になっております。「合併して良くなかったと思うこと」といたしましては、「地域としての一体性が失われた」、「合併のメリットがなかった」、「中心部だけが良くなり、周辺部が取り残されている」の順で回答がありました。地域の一体感の醸成、周辺部地域の振興施策の充実などが引き続きの課題ととらえております。 こうした課題への対応として、例えば秩父市では、地域の公共交通網の充実や携帯電話のつながらない地域の解消推進に努めております。また、上吉田小学校跡地への複合型老人福祉施設整備や、滝沢ダム周辺地域におけるサイクルパークの整備なども行われております。 県内合併市町の課題は様々であります。合併の検証は、合併した市町が主体的に自らの責任で行うのが本来の姿と考えております。県といたしましては、合併が住民にとってより望ましいものとなるよう、今後とも市町村の取組を積極的に支援してまいります。 〔浅賀康夫産業労働部長登壇〕
◎浅賀康夫産業労働部長 御質問二、市町村合併についての(二)市町村合併に伴う商工会議所と商工会の統合について、お答えを申し上げます。 市町村合併に伴い、一つの市に複数の商工団体が存在するケースが生じてきておりますが、本来あるべき姿としては、一つの市町村には一つの商工団体であるのが望ましいと考えております。 しかしながら、商工会議所と商工会は、その設立の経緯、役割、会員の事業規模、さらには意思決定プロセス、会費要件などの組織運営にも大きな違いがあります。そうした違いや根拠法令も異なることから、両者の統合につきましては、現在、統合手続に関する法規定も整備されておりません。したがいまして、統合に当たりましては、商工会議所、商工会の実態や地域の実情を踏まえて、具体的な方策なども含め、各商工団体やその会員の方々が主体的に議論を尽くすことが重要であると考えます。県といたしましては、そうした地元の自主的な判断によって、統合を推進するため県に対し支援の要請があった場合には、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。 〔伊能睿
病院事業管理者登壇〕
◎伊能睿
病院事業管理者 御質問四、医療問題についての(一)医師の確保についてお答えを申し上げます。 まず、県立病院において医師不足の弊害は出ているのかについてでございます。 平成二十一年二月一日現在の常勤医師は、循環器・呼吸器病センターが定数四十七のところ一名の過員、がんセンターは定数七十九のところ八名の欠員、小児医療センターは定数七十一のところ四名の欠員、精神医療センターは定数二十四のところ四名の欠員となっております。四病院全体では、常勤医師定数二百二十一のところ、現員が二百六名ですから、充足率は九三・二パーセントとなります。平成十七年度から十八年度にかけて、麻酔科医師の不足から外科手術に支障が生じたこともございましたが、現時点では病院の診療機能に重大な影響を与える状況には至っておりません。 次に、医師確保にどのような努力をしているかについてでございます。 病院のホームページに募集の案内を掲載しておりますほか、診療科長などがそれぞれの専門領域における学会などの機会をとらえて働き掛けを行っております。また、関係する医科大学病院に対しましては、優れた医師を継続的に派遣していただけるよう、緊密な連携に努めております。さらには、初期臨床研修医を積極的に採用し、病院の将来を託すことができる医師の養成に取り組んでいる病院もございます。 医師の確保につきまして何よりも大切なことは、是非とも埼玉の県立病院で仕事をしたい、勉強したいという思いで、多くの優れた人材に集まってもらえる魅力のある病院となるよう、常に努力を怠らないことだと思っております。 〔宮山徳司保健医療部長登壇〕
◎宮山徳司保健医療部長 御質問四、医療問題についての(二)診療看護師(ナースプラクティショナー)の養成についてお答えを申し上げます。 我が国では、それぞれの医療従事者の役割が重ならないように規定されております。このため、お話にありましたように、看護師が診断行為や処方を行うことはできません。大分県立看護科学大学大学院では、診療看護師の制度化を推進するとのねらいで養成教育を進めております。 一方、埼玉県立大学では、日常の医療において水準の高い看護を行える認定看護師の養成課程を平成十七年度から開設し、毎年四十人が受講しております。こうした認定看護師の養成は、全国四十二の大学、専門機関で行っております。大分県立看護科学大学とは取組の手法は異なりますが、より質の高い人材を養成していこうという視点は共通しており、今後、診療看護師が制度化された際には、人材養成のための受皿になり得るものと考えております。 新たな資格を取得する講座を開設するには、大学のカリキュラムを全面的に見直す必要がございます。また、医療分野における役割の見直しは、国民の健康や生命に直結する重要な問題であり、医師をはじめとする医療従事者の間で十分なコンセンサスを得る必要もございます。県立大学では、こうした課題も踏まえつつ、今後の改革の動きを十分に注視してまいります。 次に、御質問五、ドクターヘリの夜間運航等についてお答えを申し上げます。 まず、ドクターヘリの夜間運航が実施された場合に必要な夜間照明などの具体的費用や問題点等についてでございます。夜間の離着陸においては、状況により地盤整備や夜間照明など特別な整備が必要となります。既設のヘリポートに夜間照明設備のみを整備する場合には、組立式で約百万円、固定式で一千五百万円程度の費用がかかると見込んでおります。 次に、高速道路上への離着陸でございます。高速道路上での離着陸には、交通の規制、高速走行する反対車線の車両への影響などによる二次災害に対する十分な配慮が必要でございます。そこで現在、ドクターヘリの基地病院が中心となり、東日本高速道路株式会社や警察、消防関係者と検討を進めております。本年度内に、関係機関相互の基本事項や離着陸地点を定めた高速道路上におけるドクターヘリ運航マニュアルを作成いたします。併せて、開通前の高速道路を利用した訓練を行い、平成二十一年度中には高速道路上での離着陸が可能となるよう取り組んでまいります。 次に、ドクターヘリの病院間における転院搬送への活用についてでございます。 ドクターヘリの役割は、重篤患者が発生した救急現場にいち早く医師を送り込むことで、傷病者を医師の管理下に置き、救命率を向上させる点にございます。したがって、既に医師の管理下にある患者を他の病院に搬送する、いわゆる転院搬送は、ドクターヘリの出動基準にございません。 しかしながら、入院患者の急変などによる出動要請があることは十分に想定されます。救命措置や特殊医療の提供が必要といった場合には、基地病院あるいは適切な処置が行える病院に搬送する必要がありますので、ドクターヘリの出動を要請していただきたいと考えております。 〔石川正夫
教育委員会委員長登壇〕
◎石川正夫
教育委員会委員長 御質問六、道徳教育についてお答えをいたします。 まず、家庭における教育の在り方と学校現場との連携についてどのように考えているかという御質問でございますが、家庭は、子供たちにとって教育のすべての出発点であり、基本的な生活習慣はもとより、他人に対する思いやり、善悪の判断などの基本的倫理観、社会的なマナーを身に付ける上で重要な役割を担っております。私は、親が親としての責任を自覚し、日々誠実に生きようとする姿勢を示すことが、家庭における教育の在り方の根本であろうと考えております。 しかしながら、議員お話しのように、近年、親の威厳や家庭の教育機能が弱まっていると私も感じております。このような状況を踏まえますと、学校現場においても家庭と積極的に連携し、子供たちに温かい目を配りつつ、生活習慣やマナーなど社会性や規範意識についてしっかりと教え、身に付けさせていくことが必要であると考えております。家庭との連携に当たっては、学校公開や保護者会などを通じ学校での取組を保護者に十分御理解いただき、家庭でのしつけに生かしていただくことが重要だと考えております。 次に、来年度実施する道徳教育推進事業ではどのように家庭と連携を図っていくかということでございます。子供たちが自ら生き方を考え、進んで行動できるようにするためには、学校と家庭が教育力を高め、連携して子供たちの心を耕すことが必要です。県では平成二十一年度、郷土の偉人や伝統文化などを盛り込んだ埼玉県独自の小中高等学校の系統的な道徳教材を作成し、道徳教育をより一層推進することとしております。この教材は、すべての児童生徒分を配布することで、授業だけでなく、家庭に持ち帰って親子で読んだり話題にしていただいたりするなど、親子が共に学ぶ教材として活用を図っていきたいと考えております。 また、家庭での親の役割が大切なように、学校では、子供たちと生活を共にする教師の人間性や価値観が強く問われています。県といたしましては、子供たちが良識ある自立した大人に成長できるよう、今後とも教員の資質向上と学校、家庭、地域が一体となった教育の推進に積極的に取り組んでまいります。 以上でございます。 〔永田喜雄県土整備部長登壇〕
◎永田喜雄県土整備部長 御質問七、地元問題についてのうち、(二)国道一四〇号(仮称)新皆野橋の整備についてお答えを申し上げます。 (仮称)新皆野橋は、荒川を渡る長さ七百メートルを超える大規模な橋りょうでございます。この橋りょうは、バイパスの本線となる自動車専用の本線橋と、一般道としてのランプ橋の二橋で構成しております。ランプ橋につきましては、歩行者や自転車を含めた地域の方々の利用が可能であり、荒川を挟んだ両地域の交通の円滑化が図れるものと考えております。 お尋ねの進ちょく状況でございますが、平成二十年十一月には工事に必要な用地の取得が完了いたしました。そこで、現在未着手となっておりました秩父市側の橋台の工事を進めるとともに、この上にかかる橋げたの工場製作を進めております。今後とも地元の皆様の御協力をいただきながら、平成二十二年秋を目途に供用できますよう全力で取り組んでまいります。 〔五十三番
北堀篤議員登壇〕
◆五十三番(北堀篤議員) ただ今、御答弁いただきましたけれども、二点ほど再質問させていただきたいと思います。 市町村合併の検証の問題でございますが、企画財政部長が御答弁いただきました。六百二十二人の方のアンケート調査ということでございますけれども、やはり合併して良かった、何とか良かったというのが四割で、良くなかったというのが約三割だということでございますけれども、そういう中では、合併するということは、特にアンケートの調査の対象場所が、どの辺を対象としてとっていただいたのか。あるいは中心部ですと、持論でございますけれども、やはり中心部の旧秩父市の人たちは全く生活が変わらない。特に大滝、荒川、吉田の人たちは、自治体が変わることによって壁が取り除かれ、そういう中では、先ほどお話に出てまいりましたように、交通体系だとか医療の問題だとか様々な問題がですね、地域住民のインフラ整備の問題だとかいろいろございます。そういうところからなかなか声が届かないということが、すぐお願いをしてもやっていただけないとか、あるいはそういう中でいろんな弊害が出ております。 そしてまた、合併すると、もう一つには、やっぱりその地域の中で文化がなくなったり、あるいは歴史がだんだん、だんだんなくなってくる。そういうことの中でいろんな問題が出てくると思うんですが、そういった問題が市の職員の人たちに上がってきていないのではないか、そういうことを一昨年の一般質問でお願いをさせていただいたつもりでございます。そういう意味で、アンケートの調査地点がどの辺を対象にとっていただいたのか。その辺で、そういう地域住民の生の声が本当にくみ上げられているのか、それについて再度質問したいと思います。 そしてまた、市町村合併に伴う商工会議所と商工会の問題でございますけれども、やはり商工会と商工会議所につきましては、皆さん御承知のとおり、経済産業省とそれから中小企業庁、所管が違うわけでございますので、やはり統合、すべてを一元化することが、世の中すべてがいいわけではありませんし、一元化をすることによって地域の経済が疲弊してくる、これも一つにはあるかと思います。 商工会議所の主な事業は、先ほど述べさせていただきましたけれども、商工会議所と商工会というのは基本的に体質が違うということで、やはり事業主の人たちが、弊害が起こってきてお店をやめてしまうとか、そういうことによって地方の市町村の税収も落ち込んでくる原因になる。むしろそれを育ててあげていただいて、お互い両者の考え方の中で、時間をかけながら、合意がとれたら合併をするということが大事なのではないかと思います。そういうことを含めて、再度産業労働部長にお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。(拍手起こる) 〔塩川修企画財政部長登壇〕
◎塩川修企画財政部長 北堀議員の再質問にお答えを申し上げます。 まず、サポーターの皆さんの地域の話でありますけれども、ちょっと詳細は把握してございませんけれども、合併をしたからといって、これで終わりということではないと考えております。合併後も、市町村が自ら住民とともに検証していくことが大変重要であるというふうに考えております。 ちなみに、秩父市では昨年十月に合併の検証を行ったそうであります。それについて、何というんでしょうか、終わったからじゃなくて、アフターフォローをきちっとしていって、住民の合併に対する満足度を高めていくと、それで市町村行政に対する信頼を高めていく、こういったことが大変重要なのかなというふうに考えております。 また、周辺部のインフラのお話等もございましたけれども、こういったことについて、ちなみに秩父市においては、合併協約確認協議会というものがあるそうでございますけれども、予算編成前に地域の要望等を聞いて、それを予算編成、そしていわゆるそういったインフラ整備等についていろいろと措置をしているというふうに聞いております。県としては、今後ともこうした取組について積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 〔浅賀康夫産業労働部長登壇〕
◎浅賀康夫産業労働部長 北堀篤議員の、市町村合併に伴う商工会議所と商工会の統合についての再質問にお答えを申し上げます。 議員御指摘のとおり、確かに両者の間には基本的な性格の違い、あるいはよって立つ法律基盤も異なって、様々な統合に当たっての課題がございます。統合に際しての基本的な法整備がされることが理想でありますが、何と言っても両者の統合については、地元の合意形成ということが基本であると考えております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、統合に当たりましては、商工会議所、商工会の実態や地域の実情を踏まえて、しっかりと地元において議論がなされ、合意の形成がされるということが大事であると考えております。
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△休憩の宣告
○深井明議長 暫時、休憩いたします。午前十一時二十四分休憩
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危機管理防災部長 環境部長 福祉部長 保健医療部長 産業労働部長 農林部長 県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○島田正一副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△質疑質問(続き)
○島田正一副議長 質疑質問を続行いたします。 二十六番 松本佳和議員 〔二十六番 松本佳和議員登壇〕(拍手起こる)
◆二十六番(松本佳和議員) 民主党・無所属の会、川口市選出の松本佳和です。 出口の見えない景気の悪化が続く中、活力ある産業と安心できる生活環境を目指した質問をいたしますので、知事をはじめ執行部の皆様には、経営者と雇用者の両方の視点に立った御答弁をお願いいたします。 それでは、通告に従い順次質問をいたします。 初めに、トラック業界に対する支援についてお伺いいたします。 国内貨物輸送の九一パーセントを占めるトラック輸送は、全国で約六万二千社、県内では約四千百社であり、ライフラインとしての役割を担い、国民生活や産業経済の活動には欠かすことのできない業界であります。 しかし、近年の傾向として、自動車から地球に優しい大量輸送が可能な海運や鉄道に転換するモーダルシフトにしたことにより、特に幹線貨物輸送の仕事が激減しております。トラックの仕事量を少なくすれば、二酸化炭素の排出量は減少しますが、それでは日本の経済を支えてきた運輸業界を抑えることになり、問題の解決にはつながりません。むしろ、輸送効率を高めることにより二酸化炭素の排出量を減らすことが大切であり、運送会社と荷主との協力により、輸送効率の更なる改善が必要であります。 本県では、生活環境保全条例で自動車から排出される粒子状物質に排出基準を設け、ディーゼル車の運行規制を行っております。平成十九年度、埼玉県では自動車排出ガスの主な原因とされる浮遊粒子状物質と二酸化窒素の両方の環境基準を初めて一〇〇パーセント達成いたしました。これは首都圏の運輸業界をはじめとした事業者が、経済的に大変厳しい状況にありますが、環境に配慮し、まだ使用可能なトラックを低公害車へ入替えをし、あるいは粒子状物質減少装置を取り付けるなど、運輸業界による努力の賜であると考えます。 そこで質問いたしますが、私は、運輸業界が厳しい経営状況にある中、これ以上排出基準を厳しくするなどの規制強化は必要ないと考えます。知事の御所見をお伺いいたします。 次に、前回の質問で東京都市圏交通計画協議会の物流の現状と課題を把握する事業所機能調査を挙げ、物流施設の新設や移転先として、本県は高速道路や一般道の利便性の高いことや、物流施設や搬出先が近いなどの理由により、全国の物流拠点にふさわしい条件を備えている地域であり、強みであると申し上げました。そのような条件を生かし、運輸関連の会社が増え、県南地域の産業発展につながると考えました。 しかし、昨今の経済状況の影響を強く受け、県内の運輸業界は苦境に立たされておりますが、現在の自動車NOx・PM法による車種規制では、車種によって異なりますが、平成十年前後の車両を対策地域内で登録することができなくなりました。このことは運送会社にとって大きな負担となり、私は、同法を改正し、使用期限を延長すべきであると思っております。そこで質問いたしますが、この使用期限を延長する動きが国にあるのか、環境部長にお伺いいたします。 さて、現在の流通システムは、荷主が物流管理会社を通じて商品の管理、仕分け、配送のすべてをコントロールしております。例えば食品配送では、運送会社は荷主の委託を受けた物流管理会社から配送依頼を受け、ドライ、冷蔵、冷凍の三つの温度帯や、荷物の大きさや数量に合わせて車両と人員の準備を行います。コンビニ配送では、荷主が車両メーカーやリース会社の指定を行うシステム車両の使用を求められるため、運送会社は人件費や福利厚生費など車両以外の経費を計算し、生かさず殺さずの配送料金で請け負っております。このようなことから、自動車の排出ガスによる大気汚染対策や地球温暖化対策の実効性を高めるためには、運送業者だけでなく、荷主に対する規制も強くする必要があると思います。 さきに策定された埼玉県地球温暖化対策実行計画では、自動車交通の環境負荷低減を重点施策として掲げ、その課題への対応と具体的な取組の中で、一定規模以上の荷主に対して環境負荷低減のための環境配慮計画書の作成及び知事への提出制度を導入されるとしております。そこで質問いたしますが、県は、この実行計画を踏まえ、今後荷主に対し具体的にどのような取組を求めていくのか、環境部長にお伺いいたします。 次に、制度融資についてお伺いいたします。 日銀が一月十五日に発表した十二月の短観は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数が、九月の前回調査のマイナス三から二一ポイント下がり、マイナス二四となり、二〇〇二年三月以来、六年九か月ぶりの低水準となり、第一次石油危機直後の一九七五年二月と並ぶ約三十四年ぶりの悪化幅で、金融危機によって企業の資金繰りが厳しくなっているほか、雇用や設備にも過剰感が広がっております。 一方、企業の業況判断DIは、大企業製造業の悪化は五四半期連続となり、低下幅は、日本の金融システム不安が深刻であった一九九八年三月の一九ポイントを上回り、石油危機当時の一九七四年八月の二六ポイントに次ぐ、過去二番目の大きさになりました。 このような厳しい経済状況が続く中、本県も回収不能になった金融機関の融資を信用保証協会が肩代わりする代位弁済が大幅に増え、二〇〇八年四月から十二月期の代位弁済は三百二十三億四千三百万円と、前年同期に比べ三二パーセント増えたとの報告がありました。当初、年間三百十億円の代位弁済を見込んでいましたが、九か月でこれを超え、過去五年間で最も代位弁済が多かった二〇〇三年度の四百八億四千八百万円に迫る勢いで増加し、件数も三千百五十九件となり、前年より一六パーセント増え、二〇〇七年度の三千六百四十六件を上回る見込みとなっております。 また、代位弁済の発生業種別では、建設業が八十八億二千八百万円で最も多く、次いで原材料高の影響で電気機器や食料品工業など製造業が八十三億三千九百万円となっており、その中でも車両工業が前年同期に比べ四倍以上に増え、かなり厳しい経営状況がうかがえます。 そこで質問いたしますが、間もなく迎える二〇〇八年度末は、更に企業の倒産件数が増加し、信用保証協会の代位弁済も増えることが予想されますが、その見込みと次年度への対策について、産業労働部長にお伺いいたします。 次に、事業主は、取引先の倒産や景気後退による売上げの減少など、金融機関から事業融資を調達するとき、信用保証協会の信用保証制度を利用します。昨年十月ごろから日本経済に急ブレーキがかかり、中小企業の経営は大変厳しい状況に追い込まれ、金融機関と協議し、融資の返済期間を長くするなど経営改善に取り組んでおりますが、セーフティネット貸付けの審査は、返済条件を変更している企業への貸付けが大変厳しいと言われております。 そこで質問いたしますが、このような条件変更をしている企業に対する金融支援はどのようになっているのか、産業労働部長にお伺いいたします。 次に、
重症心身障害児支援の充実についてお伺いいたします。 私の近所に、六歳になる超重症心身障害児の女の子が住んでおり、昨年秋にお母さんから医療機関への短期入所の相談を受け、初めて重症心身障害児の現状を知りました。重症心身障害児とは、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している人で、全国に約三万八千人、そのうち在宅が七割、施設入所者が三割で、在宅の障害児は約一万人に一人の割合と言われております。知的障害と肢体不自由の両方重い人を中心に、
重症心身障害児施設へ入所しています。
重症心身障害児施設では、障害が重く全面的な生活介護を要するだけでなく、障害に起因する問題や健康面での問題を持つ場合が多いため、医療的な支えも必要としております。そのために、
重症心身障害児施設は児童福祉法上の施設であると同時に、医療法で規定されているところの病院でもあり、医療・看護、療育、介護、教育、リハビリテーションが力を合わせて重い障害のある人たちの生活を支え、人が人としての普通のことが当たり前にできるライフステージに応じた支援を目的とした施設であります。 重症心身障害児には、呼吸機能や消化機能の障害などから医学的管理が絶えず必要とされる超重症心身障害児と言われる人や、歩行は可能であっても、加齢による身体疾患の重度化、いろいろなパターンを持つ強度の障害を持つ人たち、重度の知的障害を伴った視覚、聴覚、肢体などに障害がある人などがいます。在宅での介護は、家族の精神的負担や身体的負担をはじめ、重症心身障害児の高齢化、両親や祖父母など家族の疾病や御不幸などの緊急的な保護への要請は、急速に高まっております。 現在、在宅で介護する家族の疾病、出産、冠婚葬祭、旅行、休養等の理由により、一時的に障害児の保護を必要とする場合、障害者自立支援法のサービスとしての短期入所事業があります。また、本県では、人工呼吸器を使用するなど医学的ケアが必要な超重症心身障害児の短期入所を受け入れた実績のある施設は二か所で、超重症心身障害児の短期入所や日帰り介護を受け入れる事業所を是非増やしていただきたいと思います。 そこで、岡島副知事に質問いたしますが、重い障害がある人たちの生活を支えるためには、行政の支援が必要であります。超重症心身障害児の医療機関での短期入所等についてお伺いいたします。また、県内には光の家や太陽の園、中川の郷や嵐山郷の四つの
重症心身障害児施設があり、既存施設は北部や西部、東部に位置し、人口が集中する県南部には一か所もございません。そこで、
重症心身障害児施設の県南部への整備について、岡島副知事にお伺いいたします。 次に、介護サービスの充実についてお伺いいたします。 二〇〇八年は、人材不足による介護事業者の倒産や介護福祉系の専門学校、大学の定員割れなど、介護現場の人材不足が深刻化してまいりました。その背景には、低賃金、重労働の過酷な勤務実態があると言われております。介護労働安定センターが二〇〇七年十一月から十二月にかけて、介護保険サービスを行う全国の事業所に対し実施した二〇〇七年度介護労働実態調査の結果によりますと、訪問介護員、介護職員の離職率は二一・六パーセントで、全産業の平均離職率一五・四パーセントを上回り、介護サービスを運営する上で、「今の介護報酬では人材確保などに十分な賃金を支払えない」と回答した事業所が六四・七パーセントにも上っております。 こうした中、厚生労働省の社会保障審議会は、介護報酬の改定に向け、医療と介護の機能分化・連携の推進、認知症高齢者の増加を踏まえた認知症対策の推進などを提案し、最初に、介護従事者の人材確保対策を位置付けました。介護従事者の人材確保と処遇改善を確実なものにするためには、介護の質の向上を目指した資格者の評価、人員配置上の評価、介護分野における専門的職種としての介護福祉士の社会的評価の確立と適切な給与の設定、キャリアアップの取組に応じた事業主や事業所団体への支援策などが必要であると思います。 そこで質問いたしますが、マネジメントのできる良い人材と経営が安定した質の高い施設をつくるためには、地域や利用者が施設サービスを評価する仕組みが必要であると考えますが、福祉部長の御見解をお伺いいたします。 次に、介護分野で働く介護福祉士は専門的知識と技術を持ち、痴呆症や寝たきりのお年寄り、障害を持ち日常生活を営むことに支障がある人に対し、身体的、精神的自立を助けるために、入浴、食事、排せつなどの介護を行う大変重要な人材であります。 厚生労働省は、介護分野の人材確保策として、ハローワークに福祉人材コーナーを設置し、介護分野で就労を希望する人にきめ細かな職業相談に応じるほか、通常一年間に限定されている職業訓練中の雇用保険給付を、介護福祉士の資格を取得する場合には更に一年間延長することや、雇用保険に未加入の場合も最高十二万円の生活費の貸付けを行うことを発表しました。 そこで質問いたしますが、本県では、不足する介護従事者を育成・確保するためにどのような支援を考えているのか、福祉部長にお伺いいたします。 次に、高齢者福祉についてお伺いいたします。 平成十八年四月の診療報酬改定で、医療機関でのリハビリの日数制限として、脳血管疾患などのリハビリは百八十日間、運動器などのリハビリは百五十日間、呼吸器などのリハビリは九十日間の算定日数の上限が設定されました。この制限期間を超えたリハビリは、除外規定はあるものの、原則として医療保険ではなく介護保険を使い、老人保健施設の通所リハビリや訪問リハビリを利用いたします。また、脳卒中などで体が不自由になった患者が医療機関である回復期リハビリテーション病棟に入院した場合、自宅や介護施設への退院率が低くなると、入院率が減収となる場合があります。 本県での高齢化のスピードは急速であり、障害者の自立や高齢者の寝たきり予防などの支援事業が行われておりますが、障害者や高齢者が住み慣れた地域で生き生きと生活を送るためには、リハビリテーションの保健・医療・福祉サービスの急性期、回復期、維持期における役割分担をより明確化し、更にサービスの内容を充実する必要があります。また、地域におけるリハビリテーション機能を充実するためには、医療機関のリハビリテーションや介護老人保健施設のデイケアとの連携を図ることも重要であると考えます。 そこで質問いたしますが、地域のリハビリテーションについて、医療から介護へ切れ目のないサービスをどのように継続していくのか、福祉部長にお伺いいたします。 次に、自宅で介護を受けることが難しいお年寄りが暮らす
特別養護老人ホームへの入所待機者が全国で三十八万二千人に上ることが共同通信社の調査で分かりました。現在、全国の
特別養護老人ホームの入所者は約四十万人と言われており、待機者は入居者に近いことも分かり、施設整備が追いついていないことも裏付けられました。 本県の
特別養護老人ホームの待機者は、平成十九年十月一日現在で、中央圏域では約四千二百人、西部第一圏域では約二千九百人、東部圏域では約千八百人であり、これらの圏域で定数の七割を超える数となっております。また、介護型療養病床や老人保健施設に比べ費用が安い
特別養護老人ホームは、今後削減される療養病床やリハビリを目的とした老人保健施設から、
特別養護老人ホームに移る方も増えることが予想されます。 そこで、埼玉県高齢者支援計画の最終年度末を迎え、ひとり暮らしの高齢者や高齢者夫婦世帯が急速に増える本県の特徴から、セーフティネットとしての介護サービス基盤の充実を重点に置いた高齢者支援計画の中で、
特別養護老人ホームの整備促進を次期計画に優先施策として位置付ける必要があると考えますが、福祉部長の御見解をお伺いいたします。 また、施設整備に当たっては、低所得者層にも配慮し、従来型施設や従来型とユニット型の併設した施設にも積極的に補助金を交付すべきと考えますが、併せて福祉部長の御見解をお伺いいたします。 次に、
無料低額宿泊施設についてお伺いいたします。 厚生労働省の調査では、全国の生活保護の受給世帯数も増加しており、二〇〇八年十一月で百十五万一千九百四世帯、一年前に比べ四万一千七百十三世帯も増えたことが分かり、高齢者世帯の増加に加え、景気後退で離職率が増えたことが大きな原因であると考えます。そして、県内で最も生活保護費の支給が多い川口市の平成九年から平成十九年の十年間の推移を見ますと、世帯数で一千六百四十世帯から四千三百五十八世帯と二・六五倍、支給金額で四十七億三千万円から百十三億六千万円と二・四倍になり、この数字からも深刻な経済状況がうかがえます。 そこで、住宅を借り就職活動をすることが困難な生活困窮者に無料又は低額で個室を提供する
無料低額宿泊施設があり、自立を支援する施設で、社会福祉法の第二種事業に位置付けられ、都道府県などへの届出で簡単に開設できます。平成二十年六月の厚生労働省の調査では、全国に四百十五施設一万二千九百四十人が入居しておりますが、この
無料低額宿泊施設は、宿所と食事の提供、宿所と食事に加え入居者への相談対応や就労指導などがあり、入居者のほとんどは生活保護を受給しております。この施設運営には法的基準がなく、都道府県などのガイドラインで居室の広さなどが定められておりますが、家賃は、施設の規模や設備にかかわらず、生活保護における住宅扶助の上限に設定されている施設がほとんどであると言われております。 社会福祉法第二条第三項に規定されている第二種社会福祉事業の第八号にある「生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業」に基づき設置される県内に三十四施設ある
無料低額宿泊施設に対し、県は、二〇〇二年に施設設置のガイドラインを設けましたが、金銭に関する項目はありませんでした。そこで質問いたしますが、
無料低額宿泊施設の運営業者に対する金銭管理に関するガイドラインの見直しと施設の監視方法について、福祉部長にお伺いいたします。 次に、「生きる力と絆の埼玉教育プラン」についてお伺いいたします。 平成二十年度の県内の公立小学校は八百二十三校、学級数は一万三千四百七十六クラス、児童数は三十九万七千六百四十六人であり、昭和五十七年度のピーク時の児童数六十五万七千四十三人と比較しますと二十五万九千三百九十七人の減少となり、統計上からも少子化が急速に進んでいることがうかがえます。 このような中、埼玉県の教育振興基本計画である「生きる力と絆の埼玉教育プラン」では、今後取り組む基本目標として、「確かな学力と自立する力の育成」、「豊かな心と健やかな体の育成」、「質の高い学校教育の推進」、「家庭・地域の教育力の向上」、「生涯学習とスポーツの振興」の五つを掲げております。 初めに、「確かな学力と自立する力の育成」のうち、幼児教育の推進についてお伺いいたします。 最近、小学校生活に適応できない小一プロブレムが問題となっております。小一プロブレムとは、小学校に入学したばかりの児童が落ち着いて教師の話を聞けず、友達と騒ぎ、教室を歩き回るなどして授業が成立しないことで、伸び伸びとした保育園や幼稚園から、決まり事の多い小学校へと学習環境が急激に変化し、児童が戸惑うことが原因と言われております。幼稚園や保育園と小学校との十分な連携を図ることが重要であると言われております。 この問題には、遊びを中心とした総合的な幼稚園や保育園の学びから、教科を中心とした小学校の学びへ滑らかに接続するカリキュラムや、入学時における子供や保護者の心理的な負担を少なくするための取組が必要であると思います。また、小学校と保育園、幼稚園との相互理解や園児と児童との交流、職員同士の交流も大切であると言われております。 しかし、全国の国公私立幼稚園を対象に行った調査では、幼稚園から小学校への指導要録の送付や幼小教員の交流など、幼稚園と小学校の接続に課題があることが分かりました。また、幼稚園全体の約六割を占める私立幼稚園は、国公立に比べ小学校との交流が少ないことも分かりました。 そこで質問いたしますが、幼小接続の段差をなくし、小一プロブレムを克服するには、幼稚園と小学校が相互の教育を理解することが必要であると考えますが、基本計画の幼小連携の具体的な取組について、教育長の御見解をお伺いいたします。 最後に、「質の高い学校教育の推進」のうち、学習環境の整備充実についてお伺いいたします。 県は、小中学校の耐震化について、国の補助制度を活用し、大規模地震で倒壊の危険性の高い建物の耐震化を優先的に進め、早期に耐震化を完了するよう市町村へ働き掛けをしておりますが、市町村によって温度差があるように感じます。 私の住む川口市は、小学校の児童数は二万七千四十三人、中学校の生徒数は一万二千百五十二人、合わせて三万九千百九十五人の子供たちが毎日学校へ登校しております。そして、小学校四十七校百三十六棟、中学校二十四校七十五棟、合わせて二百十一棟が耐震化の対象となる建物でありますが、平成二十年度末で耐震化を終了する建物は百三棟、耐震化率は四八・八パーセントで、半数にも満たない危険な状況が続いております。川口市は、平成二十一年度中に二十五棟の耐震化を行いますが、最終年度の平成二十五年度までには五年のときがあり、あの中国四川大地震では、学校が倒壊し、子供たちの尊い命が奪われた悲惨な状況を考えますと、一日も早く小学校や中学校の耐震化を終了する必要があります。 そこで質問いたしますが、市町村別に見た小中学校の耐震化の現状と今後の対策について、教育長にお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)
○島田正一副議長 二十六番 松本佳和議員の質問に対する答弁を求めます。 〔上田清司知事登壇〕
◎上田清司知事 松本佳和議員の御質問にお答えを申し上げます。 トラック業界に対する支援についてのお尋ねのうち、ディーゼル車の排ガス規制を更に強化することの是非についてでございます。 本県では、御承知のとおり、平成十五年十月から八都県市の連携の下、条例に基づいて粒子状物質の排出基準を満たさないディーゼル車の運行規制を行ってまいりました。この規制によりまして、排出基準を満たさないディーゼル車については、粒子状物質を減少する装置の装着や最新の排ガス規制に適合した車両への買換えを実施していただきました。こうした対策が功を奏して、大気中の浮遊粒子状物質は、平成十八年度から二年連続で環境基準一〇〇パーセントを達成するなど、本県の大気環境というのは格段に改善されました。これは、厳しい経営環境の中で誠実に規制に対応していただきました運輸事業者をはじめとする関係事業者の皆様の御努力のおかげだと心から感謝をしております。 こうした大気環境の改善状況を考慮すると、ディーゼル車の運行規制につきまして、現状では強化する必要はないと考えております。今後も現行規制の適切な運用に努めて、更に良好な大気環境が保持できるように努めてまいりたい。そして、引き続き関係事業者の皆様の御理解と御支援の中で、こうしたことについては進めていきたいというふうに考えております。 以上です。 〔池田達雄環境部長登壇〕
◎池田達雄環境部長 御質問一、トラック業界に対する支援についてお答えを申し上げます。 まず、(二)自動車NOx・PM法による規制を受ける車両の使用期限の延長についてでございますが、厳しい経済情勢の中、規制に対応するために取り組まれておられる事業者の御尽力に感謝しておるところでございます。 本県では、現在五十一の市町が自動車NOx・PM法の対策地域に指定されております。この地域では、窒素酸化物及び粒子状物質の排出基準に適合しない車両は十年前後の使用期限を設け、期限を超えると車検に通らなくなります。御質問の使用期限の延長でございますが、現在のところ、国にそのような動きはないというふうに聞いております。その理由でございますが、NOx・PM法の対策地域には、いまだ環境基準の未達成の地点が多いこと、また、本県も含めて基準を達成している地点であっても基準ぎりぎりの水準であること。こうしたことから、法に基づく総量削減計画を進めていく必要があるものでございます。 県といたしましては、対象となる事業者の方がNOx・PM法に対応できるよう、規制適合車への買換え及びNOx・PM低減装置に対する融資、天然ガス自動車などの購入に対する補助、こうした支援に今後とも努めてまいりたいというふうに考えてございます。 次に、(三)環境負荷低減のための荷主への働き掛けについてでございます。 自動車からのCO2排出量削減を進めるためには、自動車を使用する事業者ばかりではなく、交通需要を発生させる事業者に対する対策も重要でございます。このため、今定例会に上程しております埼玉県地球温暖化対策推進条例案においては、荷主や大規模な集客施設などに対する対策も盛り込んでおります。具体的には、大規模荷主に対して、物流の効率化など自動車交通に関する温暖化対策の実施方針を作成し、知事に提出していただくことを義務付けております。これにより、例えば荷物の規格統一化などによる積載効率の向上や共同配送による車両利用の合理化などに取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。こうした取組を通じまして、荷主と運送事業者双方の立場から物流の効率化を図り、自動車交通に係るCO2の排出量削減を進めてまいります。 以上でございます。 〔浅賀康夫産業労働部長登壇〕
◎浅賀康夫産業労働部長 御質問二、制度融資についてお答えを申し上げます。 まず、(一)増加する代位弁済への対応についてですが、平成二十一年一月末現在における県信用保証協会の代位弁済額は三百六十八億六千八百万円であり、対前年同期比一三八パーセントとなっております。本県の代位弁済額の増加率は、東京都の一五六パーセント、神奈川県の一五二パーセント、千葉県の一五一パーセントに比べても低い水準で推移しておりますが、最近の厳しい経済情勢を反映して、今後も代位弁済の増加傾向が続くものと予想しております。 現在、県信用保証協会では、経営状況が厳しい企業に対して、金融機関と連携し、代位弁済に至る前に融資の借換えや条件変更などの金融支援を機動的に行っており、今後もこの取組を強化すると承知しております。県といたしましても、借換資金や新たに創設する要件緩和型経営安定資金などにより、中小企業者のための金融支援を充実してまいります。 次に、(二)厳しい経営状況にある中小企業に対する金融支援の充実についてでございますが、金融機関や保証協会では、貸出条件を変更した中小企業に対して、事案に応じて個別に対応していただいております。昨年十一月、国において貸出条件の緩和を行った場合でも不良債権にならない取扱いが拡充されたことから、県では二月十九日、県銀行協会などに対して、この取扱いの徹底を要請いたしました。また、二月二十五日に開催した経済団体や金融機関の実務者との金融動向に関する意見交換会においても、重ねてこの取扱いを踏まえた中小企業に対する金融支援を要請したところでございます。 引き続き、厳しい状況にある中小企業への資金繰り支援を強化するため、貸出条件の緩和措置のより一層の拡充などを国に要請するとともに、県といたしましては、中小企業者の立場に立った弾力的な対応を金融機関に働き掛けてまいります。 〔岡島敦子副知事登壇〕
◎岡島敦子副知事 御質問三、
重症心身障害児支援の充実についてお答えを申し上げます。 まず、(一)超重症心身障害児の医療機関での短期入所等についてでございます。 県内で重症心身障害児の短期入所を受け入れている施設は四施設です。しかし、医師や看護師の不足などから、人工呼吸器を使用するなどの超重症心身障害児の受入れ実績のある施設は二施設です。このような施設以外にも、制度上は医療機関が短期入所事業を実施することが可能です。 しかし、障害者自立支援法の報酬単価が医療の報酬と比べ低いため、超重症心身障害児を受け入れる医療機関がありません。このため、小児科の医療機関が超重症心身障害児の短期入所を受け入れる際、報酬に上乗せし補助する事業を平成二十一年度予算案に盛り込んだところです。また、日帰り介護につきましても、看護師等の専門スタッフを配置する社会福祉施設等の事業所に上乗せ補助をすることとしています。県としましては、これらの施策を行うことにより、超重症心身障害児を在宅で介護する御家族の負担を少しでも軽減できるよう支援してまいります。 次に、(二)
重症心身障害児施設の整備についてでございます。 県内の重症心身障害児の入所状況ですが、県内の施設や医療機関に五百五十人、県外の施設には七十二人が入所しています。また、児童相談所が把握している入所待機児童は六十七人です。近年、医療技術の進歩に伴い、在宅で生活する重症心身障害児も増加しており、その支援策が求められています。
重症心身障害児施設は、入所施設としての機能のほかに、医師や看護師、理学療法士などの専門スタッフが充実していることから、地域における障害児の診療や相談に当たる拠点機関としての役割も期待されています。 一方、
重症心身障害児施設を整備するには多額の予算、医療・福祉の専門職の確保、また地域の中で多様な機能を果たすために求められる、どういう機能が必要かということの検討をするなど、多くの課題があります。県といたしましては、障害者施策に関する国の動向を踏まえ、既存の施設の実情を検証するとともに、関係者の意見を幅広く聞きながら、全県的な視野から施設整備の必要性について検討してまいります。 〔石田義明福祉部長登壇〕
◎石田義明福祉部長 御質問四、介護サービスの充実についてお答えを申し上げます。 まず、(一)地域や利用者による介護サービスの評価制度についてでございます。 介護保険制度では、地域や利用者が施設サービスを評価することができる全国共通の介護サービス情報の公表制度を設けております。この制度では、まず、介護事業者が自ら報告した職員体制などの情報、さらに県の指定した調査機関が実地に確認した介護サービスの内容などがインターネットで公表され、いつでも誰でも情報を得ることができます。具体的な内容は、例えば経験年数別の職員数や専門職種の職員数などの情報、また事業者の運営や利用者の処遇の方針についての情報もございます。この情報を基に、利用者や家族、地域の方々が介護サービス事業者を比較することも可能となり、議員お話しの地域や利用者が評価する仕組みになり得るものと考えております。 しかし、介護サービス情報の公表制度は利用者までには行き渡っておらず、十分に活用されているとは言えません。このため、利用者や家族が見てすぐ分かるような内容にホームページを工夫するなどの事業運営上の改善点を国に要望しているところでございます。また、評価する仕組みとして、身近な居宅介護支援事業所や地域包括支援センターなどで利用者や家族からの相談時に活用されることが重要でございますので、これらの事業所等に対して積極的に働き掛けてまいります。 次に、(二)介護人材の育成・確保についてでございます。 県では福祉人材センターを設置し、職業紹介のほか、求人事業者と求職者が一堂に会する合同面接会や移動相談会、福祉の仕事入門セミナーを開催するなど、介護人材の育成・確保に取り組んでおります。平成二十一年度予算におきましては、福祉施設で働く職員が介護福祉士などの資格を取得するための講習料や、講習に参加する期間にかかる代替職員費用を補助するキャリアアップ事業を新たに計上しております。さらに、一人で活動することの多いホームヘルパーに対しましては、ベテランの職員が相談を受け、技術的な指導や助言等を行う、はろーヘルパー相談事業も計上させていただいております。 また、平成二十年度補正予算として、介護福祉士等修学資金貸付事業についても計上させていただいております。これは、授業料や入学支度金、就職支度金などを無利子で貸し付ける制度でございます。そして、卒業後一定期間、県内で福祉・介護の職に従事した場合は返還を免除するものでございます。この補正予算につきまして御議決いただきましたら、すぐに大学や専門学校など対象となる養成施設に通知するほか、実際に進路指導を行う高等学校に対しても、教育局と連携を図りながらその活用を積極的に図ってまいります。さらに、介護の未経験者が施設に就職し定着しやすくする仕組みを現在検討しているところでございます。 次に、御質問五、高齢者福祉についてお答えを申し上げます。 まず、(一)地域におけるリハビリテーションの充実についてです。平成二十一年度からの介護報酬改定におきまして、医療保険から介護保険へのリハビリテーションの移行に当たり、継ぎ目のないサービスを効果的に利用できるよう見直されております。例えば、介護施設に移行後すぐにリハビリテーションを集中的に実施する場合などの介護報酬が高く評価されました。また、ケアプランを作成する介護支援専門員が利用者のリハビリテーションに関する情報を医療機関等に提供した場合の介護報酬の加算が新設されました。県としても、医療から介護へと切れ目なくサービスが提供できるよう、先月二月二十五日と二十六日に介護サービス事業者に対して改定の趣旨を周知したところです。 また、介護支援専門員の研修におきましても、リハビリテーションに関する科目も設定しております。さらに、医師、介護支援専門員等を対象として、医療と介護の連携をどう進めるか、具体例を通した研修を埼玉県医師会と共催しております。こうしたあらゆる機会を生かして、介護サービスに携わる職員の意識を高め、切れ目のないリハビリテーションの促進を図ってまいります。 次に、(二)
特別養護老人ホームの整備促進についてでございます。 まず、
特別養護老人ホームの整備促進を次期高齢者支援計画に優先施策として位置付けることについてでございます。
特別養護老人ホームにつきましては、セーフティネットとして極めて重要な施設と考えており、これまでも積極的に整備促進に努めてまいりました。現在策定中の次の高齢者支援計画におきましても、
特別養護老人ホームの整備促進を、介護サービス基盤の充実を推進する主要な施策として位置付けることとしております。 また、特に入所希望者の多い地域で整備が促進されるよう、地域の実情に応じることが重要でございます。このため、老人福祉圏域ごとの整備計画の設定に配慮しながら、「ゆとりとチャンスの埼玉プラン」に掲げた二万二千五百人分の目標達成に向けて取り組んでいるところでございます。 次に、従来型施設や従来型とユニット型の併設した施設にも積極的に補助金を交付すべきについてでございます。これまで介護を要する高齢者が施設におきましても居宅に近い環境で生活ができるよう、一人一人に応じた個別ケアを進める取組が行われてまいりました。こうした中で、十人程度の少人数を生活の単位としたユニット型が望ましいとされ、整備が進められてまいりました。 しかしながら、ユニット型は利用者の居住費負担が大きいという声も聞いております。本県では、国庫補助制度があった平成十六年度に、他県に先駆けて独自の補助制度を創設いたしました。国がユニット型だけを補助採択する中でも、既存施設の増床を中心として従来型についても補助してまいりました。今後とも低所得者層の方々の利用や地域の実情を十分に踏まえ、従来型施設や従来型の併設施設につきましても引き続き補助対象としてまいります。 次に、御質問六、
無料低額宿泊施設に関するガイドラインの見直しについてお答えを申し上げます。 生活困窮者に対して居住の場を提供する無料低額宿泊所は、設備や運営に関して法令による定めがなく、国の指針に基づいて各都道府県がガイドラインを定め、指導を行っているのが現状でございます。本県では、平成十四年度に宿泊所の開設に関する届出や施設基準などについて定めたガイドラインを設けております。 昨年十月、県に対して宿泊所の元入居者から、利用料の徴収や金銭の預かりなどについて苦情がございました。このため、宿泊所及び市町村に対し、利用料の徴収や金銭の預かりなどについて、宿泊所事業者と入居者との間で契約や合意を結ぶなど、適正な金銭管理を行うよう通知しました。県のガイドラインにつきましても、金銭管理に関する事項を追加するなど、本年二月に見直しを行いました。 今後とも生活保護行政を担う福祉事務所による定期的なチェックと、県との合同による訪問指導などを通じて運営の適正化に努めてまいります。さらに、関係する都道府県と連携して、宿泊所に係る早急な法整備を引き続き国に対し強く求めてまいります。 〔島村和男教育長登壇〕
◎島村和男教育長 御質問七、「生きる力と絆の埼玉教育プラン」についてお答え申し上げます。 まず、(一)幼稚園と小学校の連携についてでございます。 議員お話しのように、小学校生活に適応できない小一プロブレムが問題となっており、幼児期の教育から小学校教育への接続を滑らかにして、子供たちの発達や学びの連続性を踏まえた教育を行うことが重要であります。このため、県が策定した「生きる力と絆の埼玉教育プラン」においては、平成二十五年度までに県内のすべての小学校が近隣の幼稚園や保育所などと連携、交流を行うことを目指しております。現在、県内の約九割の小学校では、近隣の幼稚園や保育所との連絡会などを実施しておりますが、幼小連携を充実させるためには、各市町村において日常的、継続的に連携できる体制を整える必要がございます。 そこで、平成二十一年度には県内四つの市町村において、
市町村教育委員会を核とした幼稚園、保育所と小学校の連携体制づくりについての研究委嘱を予定しております。この研究委嘱では、私立を含むすべての幼稚園、保育所、小学校が参加する連絡協議会の開催や、幼稚園幼児指導要録の写し等の小学校への送付とその活用などについて、研究を進めることとしております。また、県内四会場で幼稚園、保育所と小学校の教職員が一堂に会する合同研修会を実施し、実践事例の発表や意見交換などを通して幼小連携についての意識を高め、相互理解を図ってまいります。今後とも
市町村教育委員会や関係部局との連携を図りながら、小一プロブレムの解消を目指し、幼少期の教育の充実に努めてまいります。 次に、(二)小中学校の耐震化についてでございます。 まず、小中学校の耐震化の現状についてでございますが、平成二十年四月一日現在、公立小中学校の建物四千二百九十五棟のうち、耐震性がある建物は二千四百九棟であり、耐震化率は五六・一パーセントでございます。市町村別の状況を見ますと、既に耐震化を完了している五団体を含め、耐震化率八〇パーセント以上の市町村は十五団体でございます。一方で、耐震化率が四〇パーセント未満の市町村は十三団体ございまして、市町村により耐震化率に大きな差があります。 次に、今後の対策についてでございますが、県ではこれまで耐震診断の技術的支援や耐震化計画策定の指導助言を行うなど、市町村の耐震化を支援し、その促進に努めてまいりました。こうした中、国は平成十九年度末に、小中学校の耐震化を促進するため、大規模な地震で倒壊等の危険性の高いIs値〇・三未満の建物について、平成二十四年度までに耐震化を完了する方針を示しました。また、平成二十年六月に、これらの建物の耐震化に対する国の補助制度を大幅に拡充いたしました。県では、この国の方針に基づき平成二十四年度までに危険性の高い建物の耐震化を完了する計画を策定するよう、市町村に働き掛けてまいりました。その結果、平成二十一年二月末現在、すべての市町村で、平成二十四年度までに危険性の高い建物の耐震化が完了する見込みとなっております。 今後は、市町村の状況を踏まえて耐震化計画の更なる前倒しを行うよう働き掛けるとともに、補助制度の拡充を国に要望するなど、早期に小中学校の耐震化が完了するよう支援してまいります。 〔二十六番 松本佳和議員登壇〕
◆二十六番(松本佳和議員) 一点だけ再質問をさせていただきます。 大きな一の(三)の環境負荷低減のための荷主への働き掛けについて、先ほど環境部長の御答弁では、荷主に対して物流の効率化を更に働き掛けをしていきますと、こういう内容の御答弁をいただきました。私は、特にこの計画書の作成とか知事への提出制度というものには反対していないんですが、更に運送業者に対して荷主から環境への配慮を求められ、荷主の次に必ず物流管理会社が間に入っていますので、荷主と物流管理会社への働き掛けをどのように行っていくのか。このどちらかだけしか行わないのか、両方ひっくるめて行うのか、そういうことを改めて再質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 以上です。 〔池田達雄環境部長登壇〕
◎池田達雄環境部長 松本議員の再質問にお答えをさせていただきます。 荷主対策といたしましては、主として荷主、さらには物流管理会社も通してでございますけれども、荷主自らが実行可能な取組というのを求めてまいりたいというふうに考えてございます。具体的な取組例といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたように共同配送でございますとか、そのほかにも、例えば多頻度で少量の輸送を求めるジャストインタイムという方式がございますけれども、そういった運送計画が過度のものであれば、無理のないように見直していただくとか、こういった対策を求めてまいりたいというふうに考えてございます。 県ではこの後、この対策のガイドライン、指針をつくってまいりたいというふうに考えてございますので、具体的な対策例を例示いたしまして、事業者の指導に当たってまいりたいと、このように考えてございます。
----------------
△休憩の宣告
○島田正一副議長 暫時、休憩いたします。午後二時休憩
----------------午後三時三分再開 出席議員 九十三名 一番 二番 三番 四番 五番 六番 七番 八番 九番 十番 十一番 十二番 十三番 十五番 十六番 十七番 十八番 十九番 二十番 二十一番 二十二番 二十三番 二十四番 二十五番 二十六番 二十七番 二十八番 二十九番 三十番 三十一番 三十二番 三十三番 三十四番 三十五番 三十六番 三十七番 三十八番 三十九番 四十番 四十一番 四十二番 四十三番 四十四番 四十五番 四十六番 四十七番 四十八番 四十九番 五十番 五十一番 五十二番 五十三番 五十四番 五十五番 五十六番 五十七番 五十八番 五十九番 六十番 六十一番 六十二番 六十三番 六十四番 六十五番 六十六番 六十七番 六十八番 六十九番 七十番 七十一番 七十二番 七十三番 七十四番 七十五番 七十六番 七十七番 七十八番 七十九番 八十番 八十一番 八十二番 八十三番 八十四番 八十五番 八十六番 八十七番 八十八番 八十九番 九十番 九十一番 九十二番 九十三番 九十四番 欠席議員 なし 地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人 知事 副知事(橋本) 副知事(岡島) 企画財政部長 総務部長 県民生活部長
危機管理防災部長 環境部長 福祉部長 保健医療部長 産業労働部長 農林部長 県土整備部長 都市整備部長 会計管理者
公営企業管理者 病院事業管理者 教育長 警察本部長
△再開の宣告
○深井明議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△質疑質問(続き)
○深井明議長 質疑質問を続行いたします。 五十九番 蒲生徳明議員 〔五十九番 蒲生徳明議員登壇〕(拍手起こる)
◆五十九番(蒲生徳明議員) 五十九番、南一区、草加市選出、公明党の蒲生徳明です。通告に基づいて、順次質問を行わせていただきます。 まず初めに、国の二次補正等に伴う本県の取組についてお伺いします。 知事は、先月の定例記者会見で、本県の新年度予算並びに国の二次補正予算等の概要と見解について述べておりますので、一点だけお聞きします。 今、県内の経済・雇用情勢は、国内外の不況の影響を受け、悪化の途をたどっています。本県は、昨年十一月に緊急経済対策本部を設置し、様々な手を打ってきましたが、先日発表された戦後二番目のマイナス成長となったGDP数値等、連日報道される実体経済は、日に日に厳しさの度を増し、県民に不安を与えています。正に景気・雇用対策こそ県政の最優先課題です。県民は今、新年度予算の内容とともに国の二次補正予算の本県における活用に注目しています。 先日、我が埼玉県議会公明党議員団は、二次補正等の活用等に対し、雇用対策の強化・充実を求める緊急申入れを行いました。そこで、我が党の申入れを受け、本県として雇用対策の強化と充実にどのように取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。 次に、上田県政の広報戦略についてお尋ねします。 私は、知事は彩の国埼玉の司令塔として、もっと積極的に全国に打って出るべきと申し上げたい。司令塔といえば、すぐ宮崎県の東国原知事が取り上げられますが、現在、広報媒体として最も影響力があると言われるテレビの露出度と元タレントの強みでしょう。 しかし、侮れません。本県職員が宮崎の県職員に「知事の司令塔としての効果は、やはり絶大ですか」と聞いたところ、職員は「宮崎は変わりました。来県者数、県政の支持率をはじめ大きく変わっています。だからといって、特別目玉になる施策やユニークな施策があるわけではない。しかし、知事が司令塔となり、確かに宮崎は変わりました」と答えています。 私は、実は宮崎県出身です。ふるさとの評価が高まることはうれしい。しかし、県会議員の前に、一人の埼玉県民として言いたい。県政の総合力では埼玉は負けていない。いや、勝っています。じゃ、東国原知事と上田知事、標準なしに比べることは無意味ですが、あえて司令塔という観点から見ると、元タレントというシード選手のような点を除けば、上田知事が負けているわけではありません。少なくとも髪の毛の量は絶対に勝っている。 少し古い資料ですが、昨年一月号の雑誌「Ⅴoice」に、全国の知事を採点した「未来からの通信簿」が紹介されています。上田知事は、十ランクに分けた評価の中で、二番目のAAの評価です。ちなみに、一位でAAAの全国知事会長、麻生渡福岡県知事との点差はわずか一点、総合評価では、「一期目から具体的な成果を次々と上げ、知事という仕事のスピード感を変えたのは大きな功績」とあります。東国原知事も同じくAAの評価ですが、政策の実績というより、広報面で宮崎のイメージを変えたところが評価されています。 県民にとって一番大切な政策面で全国トップクラスの評価を受け、これからも埼玉発の政策発信を目指す上田知事、今こそテレビ等の広報媒体を積極的に利用して、もっと全国での露出度を高めてください。マスコミの力は大きい。正しく報道されない場合もあり、マイナス面もありますが、うまく利用すれば、一瞬で埼玉を全国発信することができます。 サッカーが好きな私の息子は、毎週日曜日に必ず「やべっちFC」という番組を見ています。浦和レッズも紹介されるこの番組に、知事は数回出演されました。知事は、番組の中で「はーい、やべっち」と笑顔で語り始めます。テレビを見た息子が言いました。「ねえ、父ちゃん、父ちゃんが話している上田さんて、やべっちに出てるおじさんだよね。感じいいねえ。あの人、偉いの」、私は女房と笑いながら、「おいおい、あの人は埼玉県知事だよ。それはおれより偉いだろう」--知事の立場を全く理解していませんでしたが、やべっちに気さくに語り掛ける知事の姿は、息子に好印象を与えたようです。 私は、多くの国民、そして埼玉県民に、日本一の埼玉を目指す情熱を込めて知事が訴える姿は、埼玉の好感度を高めると思います。また、知事自らが司令塔として埼玉の先進的な取組を全国にアピールすることで、埼玉県が知事の言う日本を変える「源動力」となり得ることを期待します。 そこで、お聞きします。本県の広報戦略の重要テーマとして、司令塔としての知事のマスメディアへの広報発信を今後更に積極的に推進すべきと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 さて、私は、最近の県広報の精力的な活動を高く評価しています。特に、県のマスコット「コバトン」を活用したPRは、県のイメージアップに成果を上げています。西武ライオンズ優勝の胴上げ、プロゴルファー石川遼選手へのヘッドカバープレゼントほか、県出身の宇宙飛行士、若田さんによるスペースシャトル搭載も予定されています。 しかし、私は、コバトンに偏った県のイメージづくりには少し疑問を感じています。キャラクターに依存したイメージ戦略では、本当の意味の自治体広報とは言えないのではないでしょうか。全国から評価され期待される埼玉県となるためには、やはり県の施策の意義や実際の成果を積極的にPRすることが必要です。県民が埼玉の良さを改めて知ったとき、ずっと埼玉に住み続けたいと思うのではないでしょうか。 上田知事は、かねてより「広報は、経営であり戦略である。県の成功事例を全国に発信する」と述べていますが、そのためには、施策を実施する各課所室の職員が積極的に意欲を語るべきです。そして、施策を評価する県民の方々にも生の声で広報に参加していただくことも必要です。上田知事の考えは、果たして第一線の県職員にまで浸透しているのでしょうか。施策を積極的にPRしようという職員の意識は、まだまだ高いとは思えません。むしろ、やらされているといった感覚があるかもしれません。 そこで、職員自らが施策についての意欲を語り、積極的な利用を呼び掛ける広報や、県民の生の声を周知する広報についての取組と、職員の意識を変えるための具体策について、県民生活部長にお伺いします。 次に、県政における
地域振興センターの果たす役割について伺います。 本年度より、地域の特性を生かしたまちづくりを進めるため、新たな体制で
地域振興センターがスタートしました。先日、私は東部
地域振興センターを訪問し、センターの新しい取組や新たに設置された地域調整幹について伺いました。二名の地域調整幹は、積極的に担当地域の市町を回り、地域の産業振興を進めるために、本庁の課長も出席した地域元気アップ会議の開催等、地域に密着した優先課題について、情報の共有や課題の提案など新たな広域支援の在り方を模索していました。また、「えっ、本当に県の職員ですか」とか、「今までは本庁の課長が直接、現場地域に出向いてくることなんてなかったんですよね。この一点だけでも意義があります」と、ある市の職員の言葉を紹介しながら、「やはり県はもっと現場に出向かないとだめですね」と思いを語っていました。私は、地域調整幹が生まれたことで、今まで以上に地域密着型の県政が進むと感じました。本年度は、この活動を通し、新たな新規事業がふるさと創造資金を活用して生まれています。 そこで、新体制からまだ一年足らずですが、各振興センターのこれまでの取組の状況と課題や成果について、企画財政部長にお伺いします。 次に、
地域振興センターにおける防犯対策等について伺います。 本県は、知事を先頭に、県民、事業者、行政が連携して県民総ぐるみの防犯活動を展開し、確実な成果を上げてきました。とりわけ自主防犯パトロールを行っている団体数は、平成十六年四月末の五百十五団体が、平成二十一年一月末には四千七百五十六団体にまで増加。正に地域団体の皆様の日々の活動のおかげで、刑法犯認知件数は減少に転じたと言っても過言ではありません。 しかしながら、多くの団体は構成員の高齢化やモチベーションの維持等の課題を感じています。こうした中、
地域振興センターに新たに防犯を専門に担当する職員を配置し、地域における防犯活動を支援していく体制を整えたことは、地域に根差した防犯活動を進める上で非常に有効であると思います。県全体を見ての対応は重要ですが、地域ごとの特性を考慮したきめ細かい対策を考えることも大切です。地域の実情に沿った防犯活動や、隣接する市町村など市町村の範囲を越えた防犯活動も重要であると考えますが、今後、
地域振興センターにおいてどのように防犯のまちづくり事業を推進していくのか、県民生活部長にお伺いします。 また、自主防犯活動団体のモチベーションを維持していくための一手段として、地域で地道に活動している住民の皆様方に何か報いることはできないでしょうか。例えば、感謝状の贈呈など新たな表彰制度を創設してはいかがかと考えますが、併せて県民生活部長にお伺いいたします。 次に、子どもに光を当てた教育の確立についてお伺いします。 私は、第一の教育現場である学校の主役は、何といっても子供であると思います。この子供に光を当てた教育を推進するためには、現場の先生方の力が第一に必要であり、先生方が元気で子供と向き合う時間を増やしていくことが大切だと思います。 しかし、現在学校は学力低下への懸念、いじめや不登校、生徒指導上の問題など様々な課題を抱え、先生方はその解決のために多くの会議を開いたり、夜間に家庭訪問を行ったりと、大変多忙な状況にあると聞き、私は、現場の校長先生や担任を持つ先生と意見交換をしました。予想以上に現場の先生方は多忙感を感じています。特に最近では、保護者からの理不尽なクレームに対応しなければならない時間が増えていることで、管理職の先生も担任の先生も疲れ切っています。 上田知事も、教員の多忙化について、「地域、そして家庭の機能が弱くなっているところでは、学校はすべて受け入れなくてはいけない。学校の先生もスーパーマンみたいな方でないと、なかなか通用しないんです」とおっしゃっています。県教委は、保護者からの様々な要求、要望に対する対応事例集を作りました。分かりやすく事例が紹介されていて、大変参考になるものと評価しますが、現場では、クレームの内容によって、専門的な知識がなければ解決策が見出せないことがあります。 他県の例ですが、沖縄県は、先生方が保護者との対応に苦慮している困難な問題に対して、県が弁護士などの専門家を含む学校問題解決支援チームをつくり、小中学校においても
市町村教育委員会をバックアップする形で問題解決に向けての支援の在り方を研究しています。確かに、様々な課題は、校長のリーダーシップの下、先生方が解決していくべきだと思いますが、特にクレーム対応については、先生方の個々の対応だけでは難しく、やはり専門的、組織的に対応できる支援チームの設置が必要だと考えます。お会いした校長先生や担任を持つ先生も、設置を強く求めていました。 県教委には、県立高校の保護者や県民から寄せられる御意見やクレームなど様々な問題に対応する担当部署があります。担当者は、あるときは学校を訪問し、あるときは保護者と直接会って問題の解決に臨みます。先生のほうに問題がある場合もありますし、保護者の主張に問題があるときもあります。しかし、担当者が仲介役として双方の意見にしっかり耳に傾けることで、初めて解決への光が見えてきます。これまで県の担当者の熱心な対応で、ほとんどの問題が解決しています。市町村においては、同じような体制が組めないところもあり、県に支援チームをつくる必要を感じます。ただし、県にすぐ各市町村担当の配置を要求するものではありません。現場の先生は、まず、問題解決のための道しるべを示してくれる相談先を求めているのです。 そこで、教育長にお伺いします。先生方のエネルギーが子供に注がれ、子供に光を当てた教育を推進する上で、先生方の多忙化を解消し、先生方を支援していくために、県として今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。学校問題解決支援チームの設置も含めて、御見解をお聞きします。 次に、学校と家庭や地域が一体となった教育の推進についてお伺いします。 私は、子供に光を当て、子供が主役となった教育を推進するためには、子供を取り巻く学校、家庭、地域の三者が一体となった教育を推進することが重要であると考えています。現在、県が推進している学校応援団は、家庭や地域の教育力を活用することによって、地域の大人が子供にかかわることで様々な学校支援を行い、教育活動を充実させるものであり、私は大変良い取組であると考えています。 例えば、この学校応援団が取り組んでいる学校図書館の蔵書の整理や子供たちへの読み聞かせ、地域の伝統芸能や昔の遊びの伝承、部活動の指導などは、ボランティアの力を生かして子供に直接かかわるので、学校の教育活動を一層豊かにし、先生方の手が行き届かない分野を支援します。その役割は、子供たちの学習活動の充実に加え、先生方の負担軽減につながり、先生方が子供と向き合う時間を増やす効果を生むなど、今後ますます重要になると思います。 ただ、実際には学校応援団の組織率や活動内容に地域差があると聞いています。また、形だけの学校応援団をつくるだけでは意味がありません。そこで、県では学校応援団の組織化や活動の充実に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いします。 次に、県教育委員会と
市町村教育委員会の連携についてお伺いします。 私は、日本一の教育立県を目指すために、県教育委員会は更に積極的に
市町村教育委員会と連携をとるべきと考えています。最近の効果ある学校改革の例に、地域の人が学校運営に参加し、学校の中に地域をつくって教育に取り組むコミュニティスクールがあります。地域と学校が一緒に学校教育の運営に責任を持つものとして注目されていますが、高中小を問わず、このような教育現場を元気にするための有効な事例については、校長会等で積極的に情報を発信すべきだと思います。 また、県は、「生きる力と絆の埼玉教育プラン」の中で、本県独自の施策である教育に関する三つの達成目標の推進や学校応援団等の推進を掲げていますが、現場の小中学校でどう進んでいるのか、その実態を県教委こそ一番把握すべきです。施策の検証や前進のためにも、県教委と市町村教委の連携は必要です。教育は、現場を離れて存在しません。県教委は、更に地域の教育現場を歩き、市町村教委と互いに生の情報を共有して、一体となって県の教育を前進させてほしいと思います。 そこで、お聞きします。県全体の学校教育の発展のために、県教委と市町村教委が更に連携をとるべきだと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 次に、芝生化の推進で埼玉を元気に、について知事にお伺いします。 数年前から、国庫補助を活用し校庭の芝生化が全国で進んでいます。校庭の芝生化は、子供が思い切り体を動かすことができるなど安全対策になるとともに、子供たちのスポーツや外遊びの活発化が期待されています。また、芝生化された校庭を地域に開放することで、地域住民がグラウンドゴルフなどスポーツの交流も盛んになり、校庭の芝生化は、学校の緑化だけでなく雨水を吸収し、土ほこりを妨げます。また、太陽熱を吸収し、ヒートアイランド現象を緩和するなど、環境保全の上からも大いに期待できるものです。しかし、特に維持管理の面から、芝生化イコールコスト高、また管理が大変だという声があります。東京都、大阪府なども積極的に推進していますが、多額の予算を計上しています。 しかし、最近テレビで紹介された校庭や公園、空き地の芝生化を低コストで実現できる鳥取方式というものがあります。これは、芝生の植栽方法としてポット苗移植法というものを利用します。苗代等が安く、特別な土壌改良を必要としないため、低コストで芝生化を行うことができます。年間維持管理費は、芝刈りと肥料をまくだけ、平米百円以内に収まります。考案者は、ニュージーランドから鳥取市にやってきたニール・スミスさんです。「日本の砂漠、それが校庭だ」と言うスミスさんは、「日本の校庭や運動場が土であることに違和感を持ち、土のグラウンドが一か所もないニュージーランドで育った自分にとって、かたくて転んだら出血する日本の校庭やグラウンドが、日本の子供たちから外で思い切って走り回り、安心して遊ぶ権利を奪っているように見えてしようがなかった」と語っています。 スミスさんが二〇〇四年から取り組んでいる鳥取方式は、除草剤や農薬を一切使用せず、環境と利用者に優しいことから、校庭の芝生化にはもってこいで、専門業者でなくても、誰でも、子供でもガーデニング感覚で取り組むことが可能です。全国で校庭の芝生化が進む中、議会だけでなく、スポーツ団体等、視察希望も相次いでいて、私も先月鳥取に行き、芝生化の進む中学校や幼稚園、河川敷を視察し、ニール・スミスさんの説明も聞いてきました。 訪問先の学校や幼稚園では、子供たちが芝生化された校庭で元気に走り回っていました。生徒に、「土の校庭とどっちがいい」と聞くと、「転んでも痛くないけんね。芝生が絶対にいいね」と答えてくれました。コストについて学校関係者に聞きましたが、一般的な工法でロール芝を敷き詰めると平米千円から四千円かかるところ、ポット苗を使うと平米八十円と驚くべき単価です。しかし、芝生には定期的な芝刈りが必要です。訪問した学校では校長先生が大変熱心で、自ら芝刈りをし、また教員、PTAでチームを組んで芝刈りを行っています。芝刈りは面倒くさいものかなと心配していましたが、チームを組んで取り組めば、短時間で思ったより簡単な作業で済むことが分かりました。また、地域の連携を高めることにもなると思いました。 ニールさんが、「芝は伸びたら刈る。刈ったら、そのままでいい。育ちが悪ければ、時々肥料をやる。それだけで維持管理はきちんとできる」とおっしゃるとおり、鳥取方式を活用すれば、少ない予算で芝生化が可能になります。 知事は、「最少の費用で最大の効果を上げるべきだ」と常々おっしゃっていますが、私は、校庭等の芝生化は、正に知事のお考えと合致するものだと思います。本県のみどりの再生プロジェクトは、彩の国みどりの基金を活用し、三つの施策を集中的、重点的に実施していますが、その三番目である「環境に関する意識の醸成」の中に、校庭の緑化など学校緑化の推進があります。私は、知事の環境重視の視点からも、みどりの再生プロジェクトを推進するためにも、
地域コミュニティの再興の上からも、芝生化は大変に有効な施策であると考えます。費用対効果の点など紹介した事例を参考にして、是非県内で学校を皮切りに幼稚園、保育園、公園、そして河川敷など、県民の一大ムーブメントを起こして芝生化を推進していただきたいと思いますが、上田知事の御見解をお伺いします。 次に、放課後の子供たちの居場所づくりについては、平成十九年度から国は総合的な放課後対策として、放課後子どもプランを実施しています。この事業は、厚生労働省の
放課後児童クラブと文部科学省の
放課後子ども教室の二つの事業により進められています。両事業の目的や実施形態は異なりますが、いずれも放課後や休日の子供たちの安心・安全な居場所づくりという点で共通しています。 まず、
放課後児童クラブの推進について伺います。 共働き家庭が増加し、
放課後児童クラブに対するニーズが年々高まる中、各市町村ではその整備に努めていますが、利用児童数の増加に追いつかず、現在、大規模クラブが増加しています。国は、
放課後児童クラブの生活環境の改善を進めるために、七十一人以上の大規模クラブに対する運営費補助を平成二十二年度以降は廃止する方針です。二十二年度以降も引き続き運営費補助を受けるためにも、また、利用する児童が安全に過ごせるようにするためにも、大規模クラブの解消は喫緊の課題です。 現在の県の補助制度は、小学校の余裕教室を改修し児童クラブを設置する場合のみ補助対象となりますが、地元草加市を含め大規模クラブが発生する地域では、児童数の増加で余裕教室自体が減少しています。そこで、二十一年度中の大規模クラブの解消のために県としてどのような対策を講じていくのか、福祉部長にお伺いします。 次に、障がいのある児童の
放課後児童クラブへの受入れの推進について伺います。 障がいのある子供たちに対しても、安全で健全な放課後の生活を提供する必要があります。
放課後児童クラブにおいて、障がいのある子供たちも仲間と楽しく放課後を過ごすことは、保護者や子供たちの願いであり、障がいのある子供たちは、様々な子供たちと一緒に生活し活動することで、生き生きと成長していくと聞いています。私は、
放課後児童クラブへの障がいのある児童の受入れを推進すべきと考えますが、受入れの状況と受入推進のための県の取組について、併せて福祉部長にお伺いします。 次に、
放課後子ども教室の充実について伺います。 私は、放課後の子供たちの居場所づくりは、例えば
放課後児童クラブと
放課後子ども教室の連携をはじめ県内の様々な子育て団体との連携や、地域力を生かし地域一体で推進することが、特に市町村の負担増を抑えるためにも必要だと考えています。
放課後子ども教室は、地域の大人の協力を得て、子供たちに学びや遊びなど様々な活動の場を提供するものです。放課後に多くの大人たちが子供たちとかかわることで、地域のコミュニティづくりにもつながるものとして高く評価するものです。 そこで、県では
放課後子ども教室を実施して二年目になりますが、本県の実施状況と今後どのように充実させていくのか、教育長の御所見を伺います。 次に、
地域コミュニティの再構築「ひとりのおせっかいな埼玉づくり」について伺います。 上田知事は、現代の抱える諸問題を解決するためには、「今こそ地域力の再興が必要である」と、かねてよりおっしゃっています。全く同感です。しかし、考えれば考えるほど、どのような方法で再興するのか、妙案が出てきません。知事は、潜在する埼玉の地域力として、地域防犯力日本一をよく紹介されますが、教育、地域おこし、子育て、防災、その他多くの諸問題を解決するためには、どうしても世代を超えた地域力を形成していかなければなりません。どうすれば地域の力を結集できるのか。核家族化全国第二位で、地域の前に、家族内のつながりが弱まっている本県にとって、頭を悩ます問題です。 さて、先日、ある本で神戸女学院大学教授の内田樹氏が興味深い意見を述べています。内田氏は、誰も捨てようとしない路上に無造作に捨てられたごみを自ら捨てる行動を例に、「誰もしない仕事は私の仕事であるというおせっかいこそ、共同体を安全で快適な場として維持するための基本ルールである。しかし、地域の諸問題を解決するために全員がおせっかいである必要はない。十人に一人か十五人に一人のおせっかいな人--筆者は「まともな大人」と言っていますが--がいれば、地域力は十分に機能できる」というのです。そして、「まずは人が捨てたごみを片付ける。電車の席を譲る。前途遼遠だが、社会はそういうところから変わるのであり、そういうところからしか変わらない」とおっしゃっています。この「ひとりのおせっかいな埼玉」づくりこそ、知事の言う
地域コミュニティの再興を実現するキーワードじゃないかと私は思いました。そして、今後、私もまずおせっかいな一人として、勇気ある行動を開始しようと思います。 そこで、知事にお伺いします。埼玉の
地域コミュニティの再興に向けてどのようなビジョンを知事はお持ちでしょうか、御見解をお聞きします。 次に、農業分野への企業の参入拡大について伺います。 国は、今や未曾有の経済危機に直面しておりますが、こうした経済状況を背景に、国内の優良企業においても派遣職員を解雇するなど、生活に直結した問題が浮上していて、雇用創出を含めた緊急経済対策が各方面に強く求められています。 このような中、農業分野への企業の参入は、新たな担い手づくりや企業にとって新たな雇用の場となり得るものと思います。全国的には、昨年の八月にイトーヨーカドーが、自前の野菜生産を目指し農業生産法人を立ち上げました。また、大型機械の扱いに慣れた土木建設業からの農業参入も増えています。私は、首都圏に位置する本県の優位性を生かし、企業の農業参入を積極的に支援すべきときが来ていると考えますが、企業の農業参入に対する考えや取組について、農林部長にお伺いします。 次に、保健所の再編について伺います。 今定例会に、保健所の体制を見直すための埼玉県保健所条例の一部を改正する条例が提案されています。住民に身近なサービスである母子保健や一般的な栄養指導などの保健サービスは、平成九年の地域保健法の施行や市町村保健センターの整備により、大部分を市町村が担ってきています。 一方、保健所に求められる役割は、地域保健におけるより広域的、専門的な分野への対応や、健康危機発生時の拠点としての機能強化に移ってきています。いつ発生してもおかしくない新型インフルエンザ対策などの感染症対策や、大規模災害発生時の健康危機管理の拠点として、県民の保健所に対する期待は、保健所のキャッチコピー「頼れます あなたの保健所!」のように、ますます高まっています。そこでまず、このたびの保健所の再編について、基本的な考え方を保健医療部長に伺います。 また、平成十八年度の保健所の再編により、難病など公費負担医療の申請や、健康相談など住民に対する保健衛生サービスを確保するための十一分室を設けましたが、今回の再編でその分室が廃止されることになっております。さらに、今回の再編で所沢保健所が狭山へ、越谷保健所が地元草加へ移転することになっていますが、保健所の移転や分室の廃止により、これまで保健所が提供してきた住民に対する保健衛生サービスの低下を招くようなことにならないのか、併せて保健医療部長にお伺いします。 最後に、地元問題についてお伺いします。 最初に、県道越谷八潮線の歩道の改善についてです。 県道越谷八潮線は、別名産業道路の名前のとおり、大型車両や商業車両の通過が非常に多いところですが、草加市内の県道草加流山線から越谷市境の間で、歩道部分が車道に向かって斜めになっている区間があり、特に高齢者や身体に障害のある方には大変に危険です。この区間の歩道の改善について、県土整備部長にお尋ねします。 次に、県道足立越谷線の歩道の改善について伺います。 県道足立越谷線においても、県道谷塚停車場線から県道川口草加線の区間で、車道部分が平らで歩道部分が斜めになっている部分があります。これでは、車椅子の方や手押し車を利用している高齢者の方は転ぶ可能性が非常に高く、多くの歩行者から「危険だ」、「歩きづらい」といった声が上がっています。この部分の歩道の改善について、県土整備部長にお尋ねします。 最後に、東京外郭環状道路の下、国道二九八号の道路案内標識についてです。 我が党の先輩議員である秋元さんの一般質問などの尽力により、和光市から三郷ジャンクションまでの区間については分かりやすくなりました。しかし、三郷ジャンクションの先では案内標識が少なく、千葉方面へ出かけるときに大変不便を感じています。この点について改善できないものか、併せて県土整備部長にお尋ねします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)
○深井明議長 五十九番 蒲生徳明議員の質問に対する答弁を求めます。 〔上田清司知事登壇〕
◎上田清司知事 蒲生徳明議員の御質問に順次お答えをいたします。 まず、国の第二次補正予算等に対応した本県の取組についてのお尋ねであります。 百年に一度の経済危機と言われる中、今回、急激な雇用の悪化をもたらしております。このため、県としては埼玉労働局と連携して就職面接会、交流会の開催や、採用内定を取り消された新規学卒者等を対象にした緊急支援セミナーを実施して、今年度約三千人を超える求職者にマッチングの場を提供いたしました。また、ヤングキャリアセンター埼玉では、一月末現在で昨年同期を約二割上回る一千九百九十七人の方を就職に結び付けたところでございます。 人材不足とされる分野の雇用確保については、特に力を入れていきたいと思っています。彩の国みどりの基金活用事業を実施しています森林組合の作業員の雇用に結び付くチェーンソーの特別教育を実施し、十三人の雇用を実現しました、まだ数は少ないですけれども。また、介護を担う人材の支援を強化することにより、介護人材養成校卒業生だけでは例年五百人程度でございますが、来年度は新たに四百人程度の介護職員を増やすことが可能になるような仕掛けをつくっているところです。高等技術専門学校の求職者対象の職業訓練についても、平成二十一年度定員を一千五十人に拡大をいたしまして、離転職者などを対象とした職業訓練を大幅に拡充をいたします。 関連の条例案、補正予算案をお願いしておりますが、国の交付金による雇用基金を新たに創設し、スピードを持って県民の雇用の機会の創出に取り組んでいきたいと考えております。特に、人手不足が続く介護福祉や保健医療などの県民生活のセーフティネットの充実に重点的に取り組みたいと考えておりますので、御協力のほどをよろしくお願いをいたします。 次に、上田県政の広報戦略についてのお尋ねのうち、司令塔である知事のマスメディアを積極的に活用した広報発信についてでございます。 「広報は経営である」というようなことをある論文から見い出しまして、そのことを県庁の幹部の皆さんによく話しておりました。予算を通じて、例えば給付する医療や福祉事業でも、実際は医師会とか、あるいは社会福祉協議会の協力なしには実現ができません。予算を通じていろんな施策を展開することですけれども、基本的には、すべてといっていいほど県民とか企業とか団体だとか、そういったところのかかわりなしには、うまく機能しません。そういう意味で、常に県のビジョンだとか政策というのが、こういう県民、企業、団体、様々な組織の皆さんに理解をしてもらわないと十分機能しないで、時として、やった振り行政になってしまうよというようなことを申し上げております。そういう意味でのPRというのが大変大事だと思っております。 そのツールとして、広報戦略が極めて大事だというふうに思っておりますが、どちらかといえば、これまで県内にとどまっていた嫌いがあるということを大いに反省をしております。それで、全国発信というようなことを申し上げているところでありますが、県がスポンサーになっているテレビ番組あるいはラジオ番組、あるいは広報紙、新聞広告などでそれをやろうとすると、税金の無駄遣いという御指摘をいただくでしょうから、できるだけ重要、新規、ユニークあるいは全国初といった政策を、タイミングよく、分かりやすくメディアに発信すれば、取り上げられる事例もあるということであります。また、全国レベルの情報誌、機関紙、雑誌、あるいは県内のミニコミ誌もばかにしてはならないというような形で、できるだけそういったところにアピールできるようにしたいとは思っております。ただ、残念ながら、それが宮崎県や大阪府までは発信できていないということを大いに自覚しなきゃいけないというふうに思っております。 ただ、例えば御紹介もありました防犯の取組、あるいはパパ・ママ応援ショップ事業、NPO基金の創設など、県民の協力を得て実践している事業では、全国トップレベルの評価をいただいているものだというふうに、政策レベルでですね、そう思っております。 ちなみに、本県の政策が全国紙に取り上げられた件数は、昨年のおよそ倍になっておりますので、各部各課のインパクトを出す力は徐々にたくましくなってきているのではないかと思っております。特に、重点的に取り組んでいます、みどりの再生、川の再生のプロジェクトも、そう遠くない時期に全国の話題に私はなるはずだというふうに思っております。昨日も「素敵な宇宙船地球号」というテレビ番組の中で、芝川の再生事業がクローズアップされたと聞いております。 例えば、ジャパンフラワーフェスティバルをあえて県費を使って事業として受け入れしましたら、そうした部分が契機になったのかどうか分かりませんが、少なくとも埼玉県というのは花や植木の産地であるということが大いに分かり、花の産出額が全国六位から五位に一年で上がっております。また、農産物のブランド化や所得一千万農家の育成に打ち込んできましたら、野菜の出荷額が、やはり七位から六位に順位を上げております。 私は、アピールをして打ち込んだものは、それなりの結果が出てくるものだというふうに思っておりますので、宮崎県や大阪府の知事みたいには、特別なキャラクターがありませんので、上田流は上田流なりに発信をしていきたいというふうに思っております。あくまで打ち込んだ政策の結果を出すという、そういう流儀でやっていきたいというふうに思っています。 次に、芝生化の推進で埼玉を元気にのお尋ねでございます。 埼玉の緑を再生させようということで、彩の国みどりの基金を設置し、皆様からお力添えの中で森林の保全あるいは活用、身近な緑の創出などに取り組んできているところでございます。平成二十一年度からは、新たに七百十万県民一人一本植樹運動をスタートいたしまして、百万本の植樹を目標に二十一年度は事業を展開したいと思っております。 この中で、都市の緑を積極的に増やしていこうということも大きな企画の一つでありますが、今、都市の緑を増やす上で、芝生化も有効ではないかという御提案でございます。本当におっしゃるとおりだと思います。特に幼稚園、保育所、小中学校などの芝生化というのは、大きなメリットがあるというふうに思っております。彩の国みどりの基金を活用して、そうした芝生化を進めていこうということで、今年度十六のところで新たに芝生化を進めたところでありますが、鳥取方式の御提案ですけれども、今のところは、成長が速いために、施工費が安い反面、刈り込みを小まめに行う必要があるというような問題もあって、現場ではですね、しょっちゅう芝刈りしなくちゃいけないという声もありますので、そういう体制づくりを逆にやることで、子供たちが自分たちの芝を大事にするという教育面での効果もあるのではないかというふうに思っています。管理者側は管理することばかり考えておりますが、それを子供たち側に持っていくというですね、そういうリーダーシップがあればもっといいんじゃないかなというふうに思いますので、この点については、どこまで管理者側が取り込んでいくかということについての課題がありますが、せっかくの御提案ですので、しっかり受け止めて実験をしていきたいというふうに思っております。 最後に、
地域コミュニティの再構築「ひとりのおせっかいな埼玉」づくりについてのお尋ねでございます。 私は、十五年八月の知事選挙は、突発的なこともあり、埼玉の課題について何をするということのみしかマニフェストに掲げておりませんでしたので、二年後に埼玉のグランドデザインという形で発表をさせていただきました。基本は、田園都市の集合体にしようというのが一つでありますし、それから県というものが信用力を生かしたつなぎ役になって様々な県民の活動を助けようということと、そして民間の活力は大いに利用しなくちゃいけないんですが、一方では、福祉、医療とかそういったところではしっかり監視をしなくちゃいけない。そういうことの考え方と、自助、共助、公助、この三つの中で特に共助を広げていくべきではないかというような問題提起をさせていただきましたので、その点では全く問題意識は同じであります。 大変薄くなったと言われる家族力、地域力、それでも実はまだ地域には自治会あり、町内会あり、婦人会、老人会、いろんな形で機能をしているというふうに私は思っております。私も、正直言って民間防犯パトロールがこれほど大きく伸びるとは考えておりませんでした。思いのほか、埼玉の地域力というのはあるんじゃないかというようなことを改めて考えましたので、例えばそれに準ずるNPOの活動であるとか、あるいはパパ・ママ応援ショップ活動も、これは事業体が中心ですけれども、どれだけ協力できるかということを思い切ってやってみたら、思いのほか協力する気持ちが多い。あるいは子育て応援宣言企業の登録にしても、極めて熱心に御協力いただける。これは、むしろアプローチの仕方も弱かったんじゃないかなというふうに思っております。そういう、蒲生流で言うところのおせっかいな部分をこれからも進めたいと思いますし、そういう意味で、蒲生流で言えば議員などは一番おせっかいな職種みたいなものではないかと思います。こうしたことをいろんな形で取り上げていきたいというふうに思っています。 既に、学校応援団の話も出てきておりますが、まだ因果関係ははっきりしておりませんが、埼玉県の公立の中学校の不登校率は、ざくっと言えば百人で三人ぐらいの出現率です。しかし、市レベルで加須市などは一を切っています。小学校レベルで学校応援団が全部でき上がっているという、こういったところにも大きな原因があるんじゃないかなというふうに思っておりますので、地域力の強いところには、そういう意味での例えばコミュニケーションがしっかりしているということだと私は理解をしておりますので、蒲生議員が提案されます一人一人のおせっかい運動が、結果として地域を良くするということで、県とすれば信用力というのがそれなりにありますので、それをつなぎ機能としていろんな団体を結び付けながら、より地域再生ができるような機能を高めていきたい、このように考えております。 〔後閑博県民生活部長登壇〕
◎後閑博県民生活部長 御質問二、上田県政の広報戦略についての(二)職員自らが語る広報、県民の生の声を周知する広報についてお答えを申し上げます。 県職員自らが県の施策の意義や成果を積極的にPRすることは、極めて大切なことだと考えております。県民の皆様のところへ職員が直接お伺いし、事業を説明し、意見交換を行う県政出前講座は大変盛況でありまして、平成十九年度は利用件数、利用者数とも日本一でございました。今年度も既に利用者数は五万八千人を超えております。これによりまして、県民の県政への理解が更に深まるとともに、県民の生の声を直接聞くことができます。 また、今年度から必要なときにタイムリーに、しかも即時にインターネットを使用して御意見を伺う県政サポーター制度を開始しております。県政サポーターには、幅広い年代の二千九百三十人が登録し、例えば地域における保健医療の推進など、これまで二十一のテーマについてアンケートを実施し、県政に反映しております。 広報は、正に経営でございます。そこで、職員の広報マインドを一層高めるため、マスコミ関係の講師を招いての広報研修会を開催するとともに、各部局の広報の要である副部長級職員を対象といたしました研修も行っております。 さらに、職員同士が互いに切磋琢磨するための広報コンクールを平成十九年度から実施しております。特に今年度からは、これまで県政情報がなかなか十分に伝わっていなかったミニコミ誌やタウン誌などにも全庁を挙げて積極的にアプローチを行っております。その結果、平成十九年度には月平均掲載件数が四十一件であったところが、二十年度には六十九件と大幅に増加いたしました。今後ともこのような取組を通じまして、職員一人一人が県政や自分の仕事を誇りと情熱を持って伝えていく熱伝道師となるよう、努力を積み重ねてまいります。 次に、御質問三、
地域振興センターの果たす役割についての(二)
地域振興センターにおける防犯対策等についてお答えを申し上げます。 まず、
地域振興センターにおける防犯のまちづくり事業の推進についてでございます。 犯罪は、地域ごとに発生状況が異なっております。平成二十年の発生状況を見ますと、県全体では減少しておりますが、犯罪によっては増加している地域もあります。例えば侵入窃盗は、県中央部の東側の地域が特に大きく増加しております。今後は、そうした犯罪情勢の収集、分析を徹底して行いまして、地域の実情に応じたきめ細やかな防犯対策を推進していきたいと考えております。そのため、
地域振興センターを核といたしまして、警察署や市町村、防犯団体の方々との連絡会議を通じて、共通の認識に立ちまして、地域の実情に即した防犯講座やキャンペーン、さらにはパトロールなどの防犯対策の充実を図ってまいります。さらに、振り込め詐欺など市町村を超えて広域的に取り組むべきものについては、統一テーマの下に防犯対策を共同して実施してまいります。 次に、新たな表彰制度の創設についてでございます。 これまでも功績のあった防犯団体や団員の方々に対しまして、知事表彰や、知事が会長である埼玉県防犯協会連合会が表彰を行ってまいりました。自主防犯団体で活躍している方々のモチベーションを高める上からも、表彰を行うことは極めて有意義であります。そこで、県や警察本部、防犯協会など既存の表彰制度との整合性に配慮しつつ、新たな制度の創設について積極的に対応いたします。 〔塩川修企画財政部長登壇〕
◎塩川修企画財政部長 御質問三、
地域振興センターの果たす役割についての(一)新体制後の取組状況及び成果・課題についてお答えを申し上げます。
地域振興センターは、地域のために頑張っている団体や人々をつなぎ、地域の課題に現場で対応するため、全員参加の地域づくりを進めております。平成二十年四月から、九つのセンターに十三人の地域調整幹を配置することで、多様な地域ニーズに耳を傾けるなど、丹念に現場へ足を運ぶきめの細かい対応をしております。地域の力を結集するつなぎ役となることで、地域課題を話し合う場なども立ち上がり、地域の方々の期待も大きいと聞いております。 地域課題への取組は、地域資源を生かしたまちづくりや環境に優しいまちづくりをテーマにするなど、その内容は地域によって様々です。例えば小鹿野町のオートバイによるまちおこしや、深谷市の住民参加による緑の王国の建国など、地域、住民が一体となった取組についてもセンターが深くかかわっております。地域だけでは解決できない課題に対しては県からの提案も行いながら、県事業を一体的に実施していくなどの支援が必要と考えております。平成二十一年度には、センターの地道な活動が実を結び、西川口のB級グルメによるまちづくりや、圏央道鶴ヶ島インター周辺の緑を生かしたまちづくりなど、地域と県の一体的な取組も進めてまいります。 今後とも、
地域振興センターがつなぎ役となることで各地域に即した取組を進めてまいりますとともに、地域の特性を生かした地域づくりを県庁全体で応援してまいります。 〔島村和男教育長登壇〕
◎島村和男教育長 御質問四、子どもに光を当てた教育の確立についてお答え申し上げます。 まず、教員の多忙化を解消し、教員を支援していくための取組についてでございます。 学校や教員が各教科の指導や生徒指導など本来の職務を十分に果たすためには、教員の事務負担や負担感を軽減していくことが重要であります。このため、教育局内に学校における多忙化解消検討委員会を設け、学校に対する調査や会議の縮減方策及び委嘱事業の在り方などについて検討を進めております。三月中には検討結果をまとめ、教員の事務負担軽減が図られるよう、
市町村教育委員会を通じて小中学校に情報提供してまいります。また、各学校において校内会議の精選や業務の合理化、スリム化が図られるよう、
市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。 次に、学校問題解決支援チームの設置についてでございます。 県では、平成二十年度に文部科学省の委託を受け、北本市教育委員会と共同で学校問題解決支援チームの調査研究を進めております。具体的には、支援チームの機動的、効果的な組織の在り方の検討や、対応マニュアルの作成に取り組んでいるところでございます。今後この事業の成果を報告書にまとめ、県内市町村の参考となるよう情報提供してまいります。また、昨年度作成した事例集も活用しながら、学校問題の対応に苦慮している
市町村教育委員会からの相談に個別に応じるなど、市町村と連携して対応してまいります。 次に、御質問五、学校と家庭や地域が一体となった教育の推進についてお答えを申し上げます。 小学校における学校応援団の組織率は、平成十七年度からの取組により、平成二十年度は全県の小学校の六四パーセント、四百五十六校となっております。また、今年度は国の学校支援地域本部事業を活用し、中学校を含めた学校応援団の組織化を積極的に進めたところ、中学校における学校応援団の組織率は、全県の中学校数の三三パーセント、百二十二校となっております。 議員お話しのように、学校応援団の組織率や活動内容は地域によって様々でありますが、今後更に拡大、充実を図るためには、ボランティアの確保や活動内容の幅を広げることなどの課題がございます。このため、平成二十一年度も国の学校支援地域本部事業を活用し、学校応援団の募集や活動に必要な経費を財政的に支援することにより、学校応援団の組織化を推進してまいります。また、新たに教育事務所単位で
市町村教育委員会との連携会議を開催し、学校応援団の実践発表や情報交換を行い、活動内容の充実に努めてまいります。 次に、御質問六、県教育委員会と
市町村教育委員会の連携についてお答え申し上げます。
市町村教育委員会と連携して、学校における有効な指導事例などを収集し、優良事例について情報発信することは、小中学校の教育を充実させる上で、県教育委員会の基本的な役割の一つであると思っております。県では、教育事務所の指導主事が
市町村教育委員会の要請に基づき計画的に管内の小中学校の訪問を行い、授業を参観したり全体協議を行ったりする中で、指導助言を行っております。その訪問で、特色ある取組が見られる学校や他の学校でも活用できるような指導事例について情報収集し、県主催の会議や研修会などで発表の場を設けるなど、事例の活用を図っております。 また、教育事務所単位で行う校長研究協議会や教育に関する三つの達成目標推進連絡協議会などでも、学校における取組事例を発表していただくなど、情報交換による指導改善の充実に努めております。加えて、総合教育センターの刊行する月刊誌「埼玉教育」や、彩の国教育の日にちなむ「埼玉・教育ふれあい賞」において、優れた学校や教員の実践を取り上げ、全県に発信をしております。平成二十一年度からは、埼玉の子ども七十万人体験活動や学校応援団について、教育事務所単位で市町村や校長の代表からなる連携会議を立ち上げ、連携方策の検討や実践発表につなげてまいります。 次に、御質問九、
放課後子ども教室の充実についてお答え申し上げます。 まず、本県の実施状況についてでございます。平成二十年度における本県の状況は、三十一市町二百十五か所で実施されており、前年度に比べ十一市町七十六か所増加をしております。
放課後子ども教室の活動内容は、勉強やスポーツ、文化活動をはじめ、英会話教室やものづくりなど、地域の実情に応じて工夫された内容となっております。こうした活動には多くの地域の大人が参画しており、住民同士のコミュニケーションや地域のきずなが深まるなど、地域の教育力の向上にもつながっているものと受け止めております。 次に、今後どのように充実させていくかについてでございます。県では、平成十九年度の事業開始から、すべての市町村に対して
放課後子ども教室の実施を働き掛けてまいりました。しかしながら、更なる普及充実のためには、中心となって運営していただくコーディネーターなど指導者の人材確保や実施場所の確保などの課題がございます。このため、平成十九年度から実施しております指導者研修に加え、平成二十一年度からコーディネーター養成講座を実施し、人材の養成を進めてまいります。また、実施場所の確保につきましては、小学校の余裕教室だけでなく、公民館や児童センターなどの具体的な活用事例を紹介するなど、市町村に情報提供を行ってまいります。今後とも市町村や関係部局と連携を図りながら、
放課後子ども教室が子供たちにとって魅力ある居場所となるよう、事業の充実に努めてまいります。 〔石田義明福祉部長登壇〕
◎石田義明福祉部長 御質問八、
放課後児童クラブについてお答えを申し上げます。 まず、(一)大規模クラブの解消についてでございます。
放課後児童クラブが大規模になると、施設が手狭になる、指導員の目が行き届かなくなるなど、児童が楽しく安全に過ごせる環境の確保が難しくなります。県では、大規模クラブを解消するため、施設整備費の補助対象を従来の余裕教室の改修に加え、新たに余裕教室以外の改修による整備及び新設による整備にも拡大することとしております。また、予算額も五億六千二百万円と前年度比約五倍と大幅に増額し、平成二十一年度当初予算案に計上したところでございます。 次に、(二)障がいのある児童の受入れの推進についてでございます。 現在、県内八百八十二クラブのうち、三百八十三クラブに七百九十二人の障がいのある児童が在籍しております。平成十六年度五百五十五人でございましたので、増加傾向にございます。県では、障がいのある児童を受け入れて、障害児担当指導員を配置している児童クラブに対して、運営費補助の加算を行っております。また、障害児担当指導員が障がいのある児童に対する理解を深め、適切に支援できるよう研修を実施しております。県としては、これらの取組により児童クラブへの障がいのある児童の受入れを促進してまいります。 〔関根俊雄農林部長登壇〕
◎関根俊雄農林部長 御質問十一、農業分野への企業の参入拡大についてお答え申し上げます。 食の安全・安心を背景に、国産農産物への回帰が進み、食品関連産業を中心として農業参入への関心が高まっております。本県においても、外食チェーンが農家との共同出資による農業生産法人を設立し、自社の食材として野菜を生産している例などがございます。また、先日さいたまスーパーアリーナで開催した農商工連携フェアにおいて相談コーナーを設置したところ、二十社を超える企業から問合せがありました。企業の農業参入は、遊休農地の活用、農商工連携による販路拡大や雇用の創出などが期待できます。 このようなことから、本定例会に企業の農業参入をモデル的に実施するための予算を計上させていただいております。この事業は、県が企業と農村のつなぎ役となって関係者の合意を形成しながら、遊休農地を活用して団地化を進め、新たな担い手の育成により地域農業の活性化を図ろうとするものです。本県は、首都圏という大きなマーケットを有するとともに、食料品製造出荷額が全国第三位であるなど、食品関連産業が数多く立地しております。今後こうした優位性を生かして、農業の新たな担い手ともなり得る企業の参入により、本県農業の活力を一層高めてまいります。 〔宮山徳司保健医療部長登壇〕
◎宮山徳司保健医療部長 御質問十二、保健所の再編についてお答えを申し上げます。 まず、今回の保健所再編に当たっての基本的考えでございます。議員御指摘のように、市町村における体制の充実に伴い、今日では、住民すべてを対象とする身近な保健サービスは、その大部分を市町村で担っております。 一方、保健所は、食中毒や感染症への対応、精神保健、食品や環境衛生事業者への指導など、より専門的、広域的分野の対応が求められております。県では、こうした健康危機管理の拠点としての機能を強化するため、平成十八年度にそれまでの二十保健所体制を見直し、一保健所当たりの職員体制の充実を図りました。今回の再編も、住民の日常生活圏をより適切に反映した「ゆとりとチャンスの埼玉プラン」の地域区分を基本に保健所管轄区域を見直す、分室の職員を本所に集約し保健所の体制を充実するなど、健康危機管理の拠点としての機能を一層徹底するために取り組んだものでございます。 さらに、四か所の保健所に集約して行っている食品事業者への監視指導業務に加え、医療機関への監視・指導や広域で発生した健康危機事案に対処するための調整業務も、基幹となる保健所に集約いたします。このことにより、保健所全体の危機管理能力をより一層高めてまいりたいと考えております。 次に、保健所が提供してきた住民に対する保健サービスの低下を招かない対応についてでございます。 今回の再編では、県保健所の数はこれまで同様十三保健所といたしました。また、保健師をはじめとする専門職員の確保に努め、これまでと変わらない水準の保健衛生サービスを提供してまいります。特に、難病など公費負担医療については、どこの保健所でも申請が行えるようシステムを改善したり、継続申請については郵送でも受付を行います。また、保健所や分室がなくなる市町には、職員が出向いて受付窓口を開くなど、サービス水準の確保に努めてまいります。さらに、各保健所単位で行われてきた関係団体の地域活動についても、これまでどおりの活動ができるよう支援してまいります。 〔永田喜雄県土整備部長登壇〕
◎永田喜雄県土整備部長 次に、御質問十三、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)県道越谷八潮線の歩道の改善についてでございます。 県道越谷八潮線は、沿道に住宅や商店などが建ち並び、多くの人が歩道を利用しております。県道草加流山線との交差点から越谷市境は歩道が波打ちになっており、歩きづらい状況となっております。このため、まず県道草加流山線との交差点から国道二九八号との交差点までの約一・二キロメートルについて、平成二十一年度から段差解消のため現地の測量や設計を実施してまいります。 次に、(二)県道足立越谷線の歩道の改善についてでございます。 この県道は、草加市内を南北に縦断し、周辺には市役所や谷塚駅などがあり、多くの人が歩道を利用しております。県道谷塚停車場線の交差点から県道川口草加線との交差点までの約五百二十メートルは、車道が高く、歩道の傾斜が急になっております。これまでに地元の合意が得られた西側の約二百六十メートル区間について、歩道の高さを上げて傾斜を改善したところでございます。残りの区間につきましては、引き続き地元との調整を図り、合意が得られた区間から事業を実施してまいります。 次に、(三)国道二九八号の案内標識についてでございます。 国道二九八号の道路案内標識につきましては、基準に基づく大型のものは、道路管理者である国が供用開始に合わせて整備いたしました。また、これだけではまだ分かりにくいところがあるため、和光市から三郷ジャンクションまでの区間につきましては、地元からの要望を踏まえ追加で案内標識を整備したと聞いております。お話しの三郷ジャンクションから先の千葉方面につきましても、地元三郷市からの要望を受けて、国では追加の案内標識の一部を平成十七年度に整備いたしました。しかしながら、まだ不十分との声があることから、平成二十一年度から更に追加整備すると聞いております。県といたしましては、道路を分かりやすく使っていただけるよう、標識の一層の充実を国に働き掛けてまいります。 〔五十九番 蒲生徳明議員登壇〕
◆五十九番(蒲生徳明議員) すみません、一点だけ再質問させていただきます。 通告書の中の四番目、子どもに光を当てた教育の確立についてという点で、教育長に再質問させていただきます。 私がこの質問の中で、学校問題解決支援チームということで掲げさせていただきました。現在、お話があったとおり、北本でケース的に試験をしているということだと思うんですが、今沖縄でもこれがまだ研究段階でありまして、実行は確かにされていません。ただ、沖縄の方向性は、いろいろなクレームとかそういうものをとにかく聞いていこうと。そこが、教員がとにかく悩んでどう対応していいか分からないものを、そのチームでとにかく聞いていこうということで、そこが市町村の教育委員会、現場と連携をとってサポートしていくという体制であるというふうに聞いておりますけれども、先ほどのお話をずっと聞いていると、例えば事例集であるとかということをかなり強調されていましたが、確かに事例集を作っていただくことはいいんです。それは非常に参考になると思います。 ただ、現場の校長先生、また担任の教員の方とお話をしたときに言われることは、実際現場はいつも変わっていますし、いろんなことでクレームが、考えられないクレームが飛んできます。そのときに、地元の例えば弁護士の方なんかに頼むという方法もあるわけです、教育委員会を通して。ところが、地元の弁護士の方は、例えば地元の学校と父兄の間になかなか入ろうとしないんですよ。これはなかなかやっぱり入りづらい部分もあるんです。そういうときに、ある程度第三者的な目も持って、法律的なものとかそういう点から、やはり教員がぶつかっているそういうふうな壁、いろんな悩み、そういう点に的確な方向性だけでもいいから示してくれる、そういう解決チームのようなものをつくってもらいたいというのが現場の教員の思いでありまして、ただ連携をとって連携をとってという言葉だけじゃですね、ちょっと厳しいのかなと。やはりある程度、これからしっかり調査をしていきながら、また、いろいろな試験もしていきながら、その上で、最終的にはそういうチームというものをしっかり持っていただけるのかどうかということをお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 〔島村和男教育長登壇〕
◎島村和男教育長 御質問四、子どもに光を当てた教育の確立についての再質問にお答えを申し上げます。 沖縄県の例でございますが、沖縄県の場合も、具体的にチームを設定しておりますけれども、チームの中で検討することは、今年度、事例集の作成、それから来年度、苦情対応マニュアルの作成ということでございます。もちろん、よって立つスタンスというのが、蒲生議員お話しのとおりのスタンスなんだろうと思います。 本県におきましても、昨年度事例集は作っておりますが、今年度そうした成果も踏まえてですけれども、国の委嘱事業として北本市で県と共同でやっているものについて、マニュアルの作成ということで今年度中には各市町村に配布をしようと思っています。 また、現実に具体的な苦情対応ということになりますと、各状況の中で個別に対応するということでございますので、本県の場合には教育事務所が相談に乗ったり、あるいは県が受けて実際に市町村と一緒に対応したり、あるいは法的な問題について、個別な問題でありますのでこういうことと言えませんけれども、顧問弁護士に相談するなどしながら、具体的な対応をしているわけでございまして、連携をとってと言葉だけで言っているつもりはございません。ただ、いろいろな事例もございますので、また沖縄県をはじめとして、この問題については全国的に非常に問題になっているテーマでございますので、よく研究しながら、他県に遅れることのないように対応してまいりたいと思っております。
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△次会日程報告
○深井明議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明三日は午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行し、さきに各委員会に付託いたしました急施を要する第五十二号議案ないし第五十六号議案について、各委員長の報告を求め、質疑、討論並びに採決を行います。
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△散会の宣告
○深井明議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十九分散会
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