• "執行事案"(/)
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  1. 埼玉県議会 2004-06-01
    07月22日-05号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成16年  6月 定例会六月定例会 第十日(七月二十二日)平成十六年七月二十二日(木曜日)第十日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問     十一番  藤本正人議員      五番  松沢邦翁議員    二十五番  大山 忍議員 三 次会日程報告    七月二十三日(金) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員   九十三名       一番  松本恒夫議員       二番  小菅健夫議員       三番  新井悦二議員       四番  梅澤佳一議員       五番  松沢邦翁議員       六番  相馬宏雄議員       七番  小林哲也議員       八番  中村 健議員       九番  諸口高男議員       十番  本木 茂議員      十一番  藤本正人議員      十二番  塩野正行議員      十三番  久保田厚子議員      十四番  吉田芳朝議員      十五番  富岡勝則議員      十六番  宮崎栄治郎議員      十七番  荒川岩雄議員      十八番  清水勇人議員      十九番  鈴木 弘議員      二十番  清水寿郎議員     二十一番  石田 昇議員     二十二番  渋谷 実議員     二十三番  中村興夫議員     二十四番  中森福代議員     二十五番  大山 忍議員     二十六番  鈴木聖二議員     二十七番  蒲生徳明議員     二十八番  石渡 豊議員     二十九番  森田光一議員      三十番  田口禎則議員     三十一番  黒田重晴議員     三十二番  北堀 篤議員     三十三番  鈴木義弘議員     三十四番  逢澤義朗議員     三十五番  本澤安治議員     三十六番  岡部三郎議員     三十七番  島野 直議員     三十八番  神山佐市議員     三十九番  島田正一議員      四十番  細田徳治議員     四十一番  近藤善則議員     四十二番  西山淳次議員     四十三番  西田矩子議員     四十四番  村上明夫議員     四十五番  山川百合子議員     四十六番  守屋裕子議員     四十七番  佐久間 実議員     四十八番  成塚常吉議員     四十九番  小谷野五雄議員      五十番  峯岸光夫議員     五十一番  長峰宏芳議員     五十二番  樋口邦利議員     五十三番  竹並万吉議員     五十四番  田中千裕議員     五十五番  鹿川文夫議員     五十六番  白石孝一議員     五十七番  田中龍夫議員     五十八番  森泉義夫議員     五十九番  福永信之議員      六十番  矢部 節議員     六十二番  河村勝子議員     六十三番  斎藤正明議員     六十四番  吉田 弘議員     六十五番  長沼 威議員     六十六番  石渡 勲議員     六十七番  滝瀬副次議員     六十八番  井上直子議員     六十九番  蓮見昭一議員      七十番  田島敏包議員     七十一番  丸木清浩議員     七十二番  小島信昭議員     七十三番  奥ノ木信夫議員     七十四番  畠山清彦議員     七十五番  神杉一彦議員     七十六番  長沼 明議員     七十七番  高橋 努議員     七十八番  角 靖子議員     七十九番  古寺五一議員      八十番  神谷裕之議員     八十一番  奥田昌利議員     八十二番  大沢立承議員     八十三番  遠藤俊作議員     八十四番  秋谷昭治議員     八十五番  谷古宇勘司議員     八十六番  大石忠之議員     八十七番  深井 明議員     八十八番  秋山 清議員     八十九番  野本陽一議員      九十番  山本晴造議員     九十一番  笠原英俊議員     九十二番  松本安弘議員     九十三番  秦 哲美議員     九十四番  山岸昭子議員  欠席議員   一名     六十一番  当麻よし子議員地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   上田清司   知事   都筑 信   副知事   井立勝己   出納長   中村一巖   総合政策部長   島村和男   総務部長   今井栄一   環境防災部長   伊能 睿   健康福祉部長   馬場竹次郎  労働商工部長   杉田勝彦   農林部長   小沢 隆   県土整備部長   橋本光男   国体・国際スポーツ大会局長   田村健次   公営企業管理者   武 弘道   病院事業管理者   稲葉喜徳   教育長   池田克彦   警察本部長             発言(質問)通告書  七月二十二日(木)議席番号 氏名      要旨 答弁者 十一番 藤本正人議員  1 くぬぎ山の自然再生と三富地区の農業振興について 知事 環境防災部長 農林部長             2 農地改良を真の農地改良とするために 農林部長             3 県西部地域に小児病院を建設することについて 健康福祉部長             4 狂犬病に対する県の対応について 健康福祉部長             5 彩の国の教育について              (1) あふれるエネルギーで学校を再生することについて 教育長              (2) 学校の教育が授業だけで良いのか 〃                -運動部の夏の県大会廃止について-              (3) 教育委員会の責任について 知事 教育長              (4) 県立高校の再編整備と特色化、活性化の行方について 知事 教育長                -浦和商業高等学校定時制の存続を願いつつ-             6 地元問題について              (1) 「おいしい狭山茶応援団」として 農林部長              (2) 県道川越所沢線峰の坂交差点の改良について 県土整備部長  五番 松沢邦翁議員  1 特別養護老人ホームについて 知事             2 ごみ問題について              (1) ごみ発電について 知事              (2) 焼却灰、溶融スラグの活用促進について 環境防災部長              (3) 産業廃棄物の山について 農林部長 環境防災部長             3 防犯のまちづくりの取組について 知事             4 NPO活動の促進について 総務部長             5 コイヘルペスウイルス(KHV)病について 農林部長             6 カワウの問題について 農林部長 環境防災部長             7 地元問題について              (1) 都市計画道路浦和野田線進ちょく状況について 県土整備部長              (2) 都市計画道路八潮越谷線の進ちょく状況について 〃              (3) 都市計画道路越谷吉川線の吉川橋の架換えについて 〃              (4) 川越地域及び春日部・越谷地域の業務核都市育成整備について 知事二十五番 大山 忍議員  1 国民保護法に基づく今後の県の対応について 知事             2 学級崩壊について              (1) 教師の指導力向上について 教育長              (2) 存在感のある教師について 〃              (3) (仮称)コツン条例について 知事 教育長             3 少子化対策・子育て支援について              (1) 仕事と子育ての両立支援について 総合政策部長              (2) 子育て支援に係る企業の環境整備について 労働商工部長              (3) 地域ぐるみの子育て支援について 健康福祉部長              (4) 青少年への教育の充実について 教育長              (5) 若者の雇用環境の充実について 労働商工部長              (6) 仕事や職業に関する教科の設置について 教育長             4 ペット動物を巡る諸問題について 健康福祉部長             5 オウム真理教対策について 警察本部長             6 地元問題について              (1) 都市計画道路草加三郷線及び都市計画道路草加彦成線進ちょく状況と今後の見通しについて 県土整備部長              (2) 八潮駅周辺の警察力の強化について 警察本部長          ----------------午前十時三分開議  出席議員   九十二名   一番   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十四番  十五番  十六番   十七番  十八番  十九番  二十番   二十一番 二十二番 二十三番 二十四番   二十五番 二十六番 二十七番 二十八番   二十九番 三十番  三十一番 三十二番   三十三番 三十四番 三十五番 三十六番   三十七番 三十八番 三十九番 四十番   四十一番 四十二番 四十三番 四十四番   四十五番 四十六番 四十七番 四十八番   四十九番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十五番 五十六番   五十七番 五十八番 五十九番 六十番   六十二番 六十三番 六十四番 六十五番   六十六番 六十七番 六十八番 六十九番   七十番  七十一番 七十二番 七十三番   七十四番 七十五番 七十六番 七十七番   七十八番 七十九番 八十番  八十一番   八十三番 八十四番 八十五番 八十六番   八十七番 八十八番 八十九番 九十番   九十一番 九十二番 九十三番 九十四番  欠席議員   二名   六十一番 八十二番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑)       出納長   総合政策部長  総務部長          環境防災部長   健康福祉部長  労働商工部長        農林部長   県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長 公営企業管理者   病院事業管理者 教育長           警察本部長 △開議の宣告 ○井上直子議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○井上直子議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 十一番 藤本正人議員        〔十一番 藤本正人議員登壇〕(拍手起こる) ◆十一番(藤本正人議員) おはようございます。十一番、西第一区、所沢市選出、自由民主党、藤本正人でございます。子供たちが夢と希望にあふれ、力強く成長するために、教育を行政サイドから応援したいと教師の人事権を持つ県のその県議会議員になったのが昨年四月、あれから一年三か月、二回目の質問の機会をいただくことができました。知事はじめ、執行部の皆様、特に教育長、どうぞよろしくお願いします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして、順次質問させていただきます。 まず最初に、くぬぎ山の自然再生と三富地区の農業振興について伺います。 江戸時代から三百年続いた三富地区の循環型農業。その文化的価値を評価し、循環型農業を守るためにも、落ち葉掃きの場所であるくぬぎ山を守ろうということで、国も県も市町村も学者もNPOも取り組んで進められているくぬぎ山自然再生事業でした。それはそれでとてもすばらしいことなのです。ただ、当の地権者である農家の気持ちが置き去りにされていないかということで、昨年六月、このことについて私は議会で質問をいたしました。その後、県は地権者の農家の意向調査をしてくれました。その際の多くの農家の意見は、「緑地保全地区に指定されると利用が制限される。資産としての価値もなくなる。それは厳しい。ただ、相続の際に物納として取ってくれる確約をするか、又は確実に公有地化、すなわち買い取ってくれるものならば指定を望みたい」というものでした。 農家の意向は明らかになりました。今年度は自然再生協議会も設立され、また、都市緑地保全法による指定地域をどうするかの調査も始まります。公有地化にはお金がかかります。しかし、これは国も県も鳴り物入りで立ち上げてくれた事業でもあります。何とか県には頑張ってほしいのです。 そこで伺います。自然再生協議会はどのように設置され、くぬぎ山とはどのようにかかわっていくのか。また、緑地保全地区のエリアはどのように決定され、いつ発表されるのか、環境防災部長に伺います。 知事が代わり、環境税もマニフェストに挙げられました。その際、具体例として三富くぬぎ山も挙げていただきました。どうせなら、人々の消費行動や企業の生産行動を環境に良いよう誘導していくような、そんな仕組みの税をと願っています。 そこで伺います。くぬぎ山地区を緑地保全地区に指定した代償措置として、買取請求権が農家に生じます。その際、公有地化に伴ってお金がかかるわけですが、財源をどのように工夫していかれるか、知事に伺います。 次に、三富の今度は畑について伺います。 三富の畑は文化遺産かもしれませんが、やはりそれ以前に農家にとっては生きる糧を得る場、生産の場なのであります。三富の畑は短冊型に縦にきれいに区切られておりますが、農家が持っている畑は、むしろあちこちに横に点在しています。なのに、横に横断できる道が三富にはありません。だから、農家の人々は農作業のためにも、横に横断できる農道を欲しています。三富の価値を言うなら、まず三富の農業支援をこそすべきです。三富の農業支援のため、特に今回は中富について言いますが、畑を横断する農道をつくることについて、農林部長の見解を伺います。 続きまして、農地改良を真の農地改良とするためにと題して質問します。 農地改良は、田んぼに土を盛って畑にしたり、土地が低くて水が集まってくるような畑をかさ上げして良い畑にしたり、いずれにしても農業がより良くできるようにするための行為であります。しかしながら、農地改良でかさ上げしたのに、その後耕作がなされなかったり、しても申し訳程度という例がどうも見受けられるようです。 私が相談を受けた例もそうでした。相談者いわく、「あそこの農地は持ち主が息子に代わって余り耕作をしてなかったんだよ。まず、畑の半分を改良するというので見てたら、ユンボが隠れるほど深く掘って、そこにコンクリの固まりのようなものを埋めていたように見えたよ。おまけに、かさ上げのために持ってきた土は赤土で、あれじゃ農業なんかできやしねえよ。事実やっているようにも見えやしねえ。ところが、残り半分の農地も農地改良してえっていうから、一時転用許可を受けるため、今度は隣の畑を持っているおれに同意を求めてきたんだ。おれは駄目って言ってやったよ、だって農業をやるための農地改良じゃねえんだから。それで、隣の畑のおれの畑に雨が流れ込んできちゃったらたまったもんじゃねえんだ。だから、許可は出さないでほしい。農業をまじめにやる者が損をして、やらねえ者が得をする。そんな農地改良、そんな農地法、そんな農業政策じゃなんねえはずだ」という訴えでした。 果たして県は、農地改良を巡ってこのような現実があるということをこれまでも把握していたのでしょうか。現状について農林部長に伺います。 さて、この件につきましては、県の農林部にも実際には強い指導をいただき、現在に至っております。感謝申しておりますが、すべての農地改良がこのようにいくわけではありません。また、許可をしてしまえば、きちんとやると約束されてしまえば信じないわけにもいかないという限界があります。また、このたびの農地改良の申出では、地元の農業委員がこの土地はあえて改良なんかする必要もないのではないかと問い返したそうでありますが、これも地主がやりたいといったら従うしかなかったのです。今のままの指導体制では、まだ農業のためにならない農地改良が行われるすき間があるようです。 そこで、農林部長に伺います。真の農業のためになる農地改良とさせるため、どう対処、どう善処されるおつもりか、見解を伺います。 続きまして、県西部地域に小児病院を建設することについて伺います。 東京都立清瀬小児病院は、平成十九年度には府中に移転してしまいますが、外来患者の三〇パーセント、そして救急患者では、その三八パーセントが何と埼玉県民なんです。県西部の県民は、何とか清瀬の小児病院を残してほしい。それが無理なら同じ規模の小児病院を県西部につくってほしい、そう望んでいます。 昨年の決算特別委員会のときも県立病院長より、県西部地域に清瀬に代わる同じような病院が必要と認識しているとの発言をいただいております。県西部の県民の更なる要望を受け、昨年に引き続きお伺いします。 一、とにかく高度医療のできる小児病院を建てられないものでしょうか。建設費用の問題については、例えば群馬県で試された愛県債、これは県立病院をつくるのに集めたところ、十億円をたったの十八分で県民がみんなでお金を出し合って完売してしまったそうですが、そういう愛県債あり、また、社会投資ファンドと呼ばれるようなものなど、新たな資金調達方法も考えられます。いかがでしょうか。 二、そもそも清瀬に小児病院が残ればいいわけです。東京都は財政上の問題で清瀬小児病院を統合再編するのですから、ならば患者の三〇パーセントは埼玉県民なんですから、埼玉県も近隣市町村も運営資金を負担し合って東京都を支えてやったらどうなんでしょうか。時代は分権と同時に広域で考えるものは広域での時代になってきました。都だ県だ市町村だの枠組みを超えて支えるシステムを提案していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 三つ目です。防衛医大の小児科の充実ということを働き掛けてみてはいかがでしょう。自衛隊が国連平和維持活動に参加する今日です。救援が必要な外国の土地では、外科医とともに小児科医の必要性が叫ばれています。大体そういう写真が出ると、子供が泣いていて医者が何とかしてやっている写真が出てくると思います。 以上三点、健康福祉部長から個別にお答え願います。 続きまして、狂犬病に対する県の対応について伺います。 狂犬病は、ウイルスを保有する犬や猫、コウモリやアライグマなどの野生動物にかまれたり、ひっかかれたりして感染する、ほぼ一〇〇パーセント死んでしまう恐ろしい病気です。すべての哺乳類に感染しますが、特に犬がまずその狂犬病にかかって、そこからいろいろ他の動物に移っていくということで、まずは犬に絞った予防注射が現在行われています。 我が国では、狂犬病予防法が施行され、飼い犬の登録及び予防注射が義務化され、輸入検疫が実施されたということで、昭和三十二年以降、約五十年の間、狂犬病の発症はありません。しかし、海外に目を向けますと、現在狂犬病の発症が確認されていないのは、むしろ日本を含めたったの十三の国と地域しかないのです。一九九八年の世界保健機関、WHOの調査によりますと、四十七か国でおよそ三万人以上が毎年狂犬病で死んでいます。そのほとんどがアジア地域での発症とのことでもあります。昨年もお隣の中国で千三百人以上死んだと地元の新聞で報道されています。かつてなく海外旅行が盛んな今日、海外でウイルスに感染した人が国内で発症する可能性は否定できないと思われます。 また、今はペットブームでもあります。海外からウイルスを保有している小動物が侵入してくるかもしれません。例えばハムスターは、年間百万匹以上が日本に輸入されていますが、厚生労働省の発表によりますと、南米のボリビアという国では、狂犬病になったハムスターが飼い主をかむ事件が起きたそうであります。狂犬病は約五十年の間、発生していませんでした。だから大丈夫だと言えるのでしょうか。あの鳥インフルエンザだって、七十八年間日本では発生していなかったんです。 いつ起きても不思議ではない狂犬病。もし、発生したとしても流行をさせないために、犬の登録と予防注射の徹底こそ肝要です。ペットブームの中、犬の登録率が減り、全犬の予防注射の受診率は、ついに五割を切ったと今年四月二十六日の新聞にもありました。登録をし鑑札を付けること、そして犬に予防注射を受けさせ注射済票を付けること、飼い主のこれは義務であります。これを怠れば二十万円以下の罰金に処すると狂犬病予防法にも明記されています。 広い意味で狂犬病予防は県の務めです。財源の問題はありますが、例えばペットショップやブリーダーが犬を売る際に登録、そして予防注射までを代行させるとか、動物病院やトリミングの店なんかで、登録番号と予防注射の受診を確認させるとか、そういったシステムをつくって予防注射の徹底を図っていただきたいと考えます。健康福祉部長の見解を伺います。 続きまして、彩の国の教育についての(一)あふれるエネルギーで学校を再生することについて伺います。 私は今の閉塞した教育状況を打破する特効薬は、教師のエネルギーが子供のエネルギーを上回るようにすれば良い、そこからすべてが始まると考えています。だから、若い教師を定数を超えて前倒しで採用せよと求めていますが、先立つお金のなさに良い答えはもらえません。そこで、苦肉の策で考えたのが、教員採用を二次制から三次制にして、二次合格者はインターンとして学校現場で働き、その働きぶりを市町村教委が評価し、それにより最終合格者を決めるという方法でした。これなら二次まで合格した若き志望者が学校にあふれることになります。また、併せて現場でインターンを一年もやれば、教師に向いていない人は自ら辞めるし、より実践に向いた候補生が採用されるはずです。昨年の六月議会、決算特別委員会と事あるごとに検討を求めてきました。教育長には「インターン制については研究します」との答弁をいただいています。今、三たび、研究の状況を含め、教育長の見解を伺うものです。 次に、学校の教育が授業だけで良いのか、運動部の夏の県大会廃止について伺います。 今の教育改革は一体何を目指しているのでしょう。週五日制になり、教える内容も減りました。しかし、学力低下が心配で学習指導要領をすぐにまた改めました。土曜日に補習をする高校が出現すると、その価値を認めてやり、出勤した分どこかで休んでいいよということにしてあげました。授業時間数が減ったので、行事をどんどんスリム化し、行事を通して学べたもの、人間のすばらしさを知るチャンスを手放しました。基礎・基本が大切といいながら、総合学習や選択教科の時間が増え、基礎を徹底する時間がなくなりました。総合学習もできない子には、お客様のような密度の薄い時間になりかねない状況です。学校は当てにされず、塾へ行く子が増え、子供のゆとりも減りました。公教育なのに、家庭の貧富の差がそのまま塾へ行くか行かないかの学力差になる傾向です。今進行中の教育改革に、実は多くの教師たちが疑問を感じています。 そこで具体的に伺います。部活動のことです。埼玉県の中学校ではこの夏より運動部の夏の大会がなくなりました。夏の大会は埼玉県が主催者で、子供にとっては三年間の部活の総決算の舞台でした。二年の秋の新人戦、三年の春の学徒総合体育大会、そして夏の県大会、たった三回しかない大切な晴れの舞台でした。卒業文集を書かせると多くの生徒が部活動のことを書くことからも分かるように、部活で生きている子供、部活を生きがいにしている子供は多いものです。三年生になると、夏休みまでは部活動、それから後半は残念ながら受験、それを目標に多くの生徒が生活しています。夏の大会がなくなると、中学生活最後の一年間のその色合いが変わってしまいます。 そこで教育長に伺います。夏の県大会をやめた理由は何ですか。子供にとって成長する大切な機会、生活に目標を持たせる大切なもの、夏の大会を来年度から復活させてほしいのです。見解を伺います。 続いて、教育委員会の責任についてと題して、教育問題を責任という視点から質問してまいります。 このところ、企業の不祥事で経営者たちが頭を下げ、総退陣する場面をテレビなどでよく見かけます。経営者が承知した上での不祥事ならいざ知らず、経営者が知らなかった末端の不祥事、又は不作為による失敗でも経営者が退陣するという責任のとり方を世間は求めるようになっています。そんな風潮だからなのか、部下の処分に対しても情状酌量の余地なく極めて機械的に処分がされる、そんな上司と部下の関係が着々と浸透してきています。何でもやってみろ、思いっ切りやれ、おれが守ってやる、責任はおれが持つ。上司や経営者はそうあってほしいところですが、今の風潮はそれを許さず、ダイナミックな活動を認められないスケールの小さい減点主義の職場がますます増えるのではと心配です。教育委員会にはそうならず、是非とも加点主義のよくやった、よくやった、これもよくやったという加点主義の雰囲気をつくっていただきたいと願うものです。 さて、その上で今の学校現場を眺めますと、残念ながら教育力を失った荒れたクラス、荒れた学校がやはり存在しています。その責任は誰が持つといえば、そのクラスの担任であり学校長なのかもしれませんが、教育は人でもつ、どの先生をどこに配置するかで全然変わっていく、そのかぎは人事にあるということを考えれば、実はその責任は最終的には埼玉県教育長に帰すると私は思うのです。というのも、教師を採用したり補強したり、その人事権は最終的には県教委にあるのですから。 そこで伺います。 一、荒れたクラス、学校について、その把握の仕方が実際甘くないか。教育を受ける権利が保障されていないクラス、学校をもっと厳格に把握するためのシステムを県教委はつくるべきと思います。責任を持って評価するところからまずは始まると思いますが、教育長に見解を伺います。 二、実態を把握したら、すぐに改善に動いていただきたい。余りにもひどい場合は、スクールサポーター制度というのがあるようですけれども、とにかく手をこまねいていないで人を補強してほしいのです。年度の途中からでも対応できる非常勤講師をもっと増やす。その定数を増やして人的補強体制を厚くしてほしいのです。このことも教育長に伺います。大体三年か四年すれば学校は良くなりますけれども、その間に子供がいる、そんな子はかわいそうなんです。 次に、これは高校について伺います。高校の場合、入試による選抜があるので、どちらかというと、荒れた子が集まる学校、いわゆる困難校ができてしまう、これは自然なんです。しかし、まじめな生徒がばかを見ないように、教育環境を整えるべく、困難校の先生たちはそれは苦労に苦労を重ねているようです。これについても、手をこまねいているのは不作為の罪ではないでしょうか。結果を出さねばいけません。つまり、 一、きちんとした困難校だと認定する。あなたのところは困難校だと認定する。 二、そういう困難校はいつまでにどのような方法で教育力を再生していくか、再生計画をつくる。又はつくらせる。 三、その間、ちょっとした加配では間に合わないわけですから、校長が募集する制度充実とともに、人的補強をきちんとする。 四、高校は義務教育でないのですから、明らかにもう入学のときからやる気のない者、あと高校で学ぶ学力のない者などは、たとえ定員に達していなくても校長がちゃんと不合格にする。すなわち、困難校をそういう面からも支援する責任が県教委、そのトップである教育長にはあるはずです。 財政難ではありますが、しかし、人的補強こそやはりすべてなんです。小中学校でも、市町村が無理をしてでも人を雇う努力をし始めました。志木市や何かいろいろなところでやっています。もう県が動くときです。やはり県が頑張るべきなのです。困難校に自分の子供が学んでいる。また、困難校に自分が赴任して教えなければいけない。正常な教育環境がつくれないなら教育長以下総退陣する。それくらいの当事者意識と覚悟を持って、教育長も県教委も臨んでいただきたいと思っています。 今申し上げた四つの責任に対し、どう対処いただけるか、一つ一つに対し、教育長から答弁ください。なお、小中学校及び高校の人的補強についてはお金の問題でもありますので、やはり知事の応援が必要です。これらについてどう対処していただけますか。知事に伺います。 もう一つ、責任というテーマで伺います。思い切り教育活動ができるように、これだけは譲らない共通規範をつくり、教師を支えてやる責任です。例えば小学校、又は中学校で生徒が髪を染めてきたとします。何度言っても一向に茶髪のままだったらどうしたらいいんでしょう。昔は黒く染めさせるか、又は坊主にしてしまいました。しかし、坊主にしてしまうという方は、体罰と言われてしまうかもしれません。授業に出さずに説教をしたら、それは授業を受ける権利を子供から奪ったと批判する人もいます。保護者によっては、茶髪もうちの個性、うちの主義だという人もいます。一体、教師はどうしたらよいのでしょうか。髪を染めるのは大人では構わないことです。人に迷惑もかかりません。ならば、義務教育の段階の子供でも認められるのでしょうか。教育長に伺います。 実はこういう類の規範こそ、実は学校現場で毎日起こっているんです。しかも、その場で教師は何と注意するか、又は見て見ぬ振りをしてはいけないからちょっと呼ぶかと、いろいろな対応をその場で決めていかなくてはいけない苦しさに追われているんです。それに対し自信を持って指導ができない。自信はあっても徹底する権限も与えられていない。そして最後は、価値観の多様化という言葉でもって、あやふやに流されてしまう。そんなことが日常茶飯だからこそ、教師は自信やプライドを失い、教育力が学校から失われていくのだと思います。 教育長に伺います。県教育委員会は、義務教育の段階で、これだけは譲れない共通規範、共通価値を責任を持って構築し直し、教師たちに示し、示した後は全面的にバックアップしてほしいと思うのですが、そうしていただけますでしょうか、見解を伺います。 最後に、県立高校の再編整備と特色化、活性化の行方についてと題し、浦和商業高等学校定時制が廃止されようとしていることについて伺います。 県内中学校の卒業生は、平成元年十一万五千五百八十四人だったのが、平成十八年度には約六万三千人、ピーク時の約五五パーセントほどになる見込みです。半分に減ってしまっているのです。生徒数が減って学校が小規模化すると、部活もできない、行事もできない。活力という意味で考えれば、きっと一つの学校は六から八クラスくらいは一学年であったほうがいいですから、まずは学校数を減らして、適正規模の学校にし、併せてその際、特色化することで現状を打破したいと。県の出した二十一世紀いきいきハイスクール推進計画には、高校活性化に向ける県の願いがひしひしと伝わってきます。その方向性には私は全く大賛成であります。しかし、浦商定時制を廃止することに反対する人々に接したことで、少々確かめておかねばならないこと、考えなければならないことが心の中に生まれました。質問いたします。 浦商と蕨と与野の定時制と戸田の全日制、これを合わせて更に特色化し、魅力を出したのがパレットスクール戸田翔陽高校である、教育委員会はこのように説明されます。しかし、私にはパレットスクールが定時制の役割を併せ持つ、カバーできる学校だとはどうしても思えません。パレットスクールは、午前、午後、夜の三部制、総合学科で理屈の上から考えれば、今まで定時制に行っていた人はパレットスクールの夜の部に行けばいいということになります。パレットスクールはとりたい授業をとりたいときに、生徒個人が選択して選べる、学べる、ある意味では大学のような、またある意味ではアメリカのような個人の選択を前面に押し出した最先端の試みであります。それは、子供らが知的好奇心にあふれ、一人一人が自立した確立した個であることを前提にした授業中心の学び舎でありましょう。 しかし、定時制に通う子は違うのです。確立した個ではない。定時制は昭和二十~三十年代こそは学びたくても金がなく、高校に行けない、いわば苦学生の集まるところでした。しかし今は、中学からずっと不登校だった子、全日制で不登校を再発してやってきた子、非行少年、少女で高校を中退してやってきた子など、一つの経過を踏んで、最後にやっとたどり着く場所になっているのです。だから、求められる役割は、まず子供にとっての居場所であることなのです。そしてその後に、そこで人を信じることができるようになる、自分に自信を持てるようになる、夢を持てるようになる、と四年制の間になればいいのです。だから、定時制は授業中心というよりは、もちろん先生方は授業を工夫しないと子供たちは聞いてくれませんが、むしろホームルーム中心の学級中心の学び舎なんです。だから、役割が違い、パレットでは定時制の代わりはできないと思うんです。 また、教育手法も違います。今の定時制の生徒たちは普通の一般の高校、全日制もそうですけれども、特に大人への不信、そして自己嫌悪、様々な苦悩を抱えている子が多いので、いわゆる学校の常識に目をつぶってでも、存在すべてを認めてそこからスタートする、そんな手法でなければ心を開いてくれないんです。だから、そういう意味でパレットスクールは定時制の代わりはやはりできない、そう思うんです。 そこで伺います。浦商と蕨と与野の定時制の役割が戸田翔陽高校というパレットスクールで代わりができる。つまり役割がカバーできるとお考えですか。また、具体的には浦商などの定時制へ通っている子、又は通うような子が定時制がなくなったら、パレットスクールに通うようになれると思われますか。教育長の見解を伺います。 さて、四つの高校が統合してとあるから、では、パレットスクールが定時制の役割をカバーできるかどうか、そんなことを問題にしてしまうわけですが、実はそんなことは問題ではないのかもしれないのです。というのも、再編整備計画の本当の最初の目的は、多過ぎる高校を減らすということなんですから。とすれば、むしろ考えるべきは多過ぎる定時制を減らすに当たって、なぜ三校が選ばれたのかということなんです。ところが、県の出した再編整備の方針によりますと、定時制をどう再編するかというその方針が出されているわけですが、入学率や在籍率等に留意して再編整備を図ると書いてあるんです。 それを踏まえて教育長に伺います。なぜこの三つの定時制が再編整備の対象に選ばれたんでしょうか。更に伺えば、そのうちなぜ浦商が選ばれたのでしょうか。近くには浦和一女も浦高も川口工業も県陽高校もありますが、浦商定時制の入学率、そして在籍率は、この再編整備計画が発表された後の三年間、入学率はずっと九〇パーセント以上、在籍率も八五パーセント以上と、他の高校に群を抜いてトップです。また、発表される前の、すなわちこれでこの学校とこの学校は廃止になるかもよと発表される前のときでも、平成九年から十三年まででも入学率はずっと上位、在籍率においてはずっとトップです。入学率や在籍率は、最後の受皿としての定時制高校の努力のバロメーターにもなると思いますが、いかがでしょうか。教育長の見解を伺います。 もう一つ、私は浦商定時制をなくさないでほしいという在校生、卒業生、先生、浦和近辺に住む人々の活動を見、訴えを聞き、また実際に身分を隠して学校を見に行って生徒に接してみた結果、この際、定時制三校をなくすのではなく、浦商は残してもよいのではと思っているのですがどうでしょう。知事と教育長に伺います。 最後にもう一つ伺います。今議会、議案としては戸田高校が戸田翔陽高校になると書かれただけの議案が提出されています。今議会の議決は議案に書かれていない定時制三校の廃止までをも拘束しますか。それともその拘束力は及びませんか。法規と議決の関係を教育長に伺います。法的にお願いします。 次に、地元問題について伺います。 まず、狭山茶のことです。私の地元所沢市でも、狭山茶の栽培が盛んであります。この狭山茶の振興について、自称「おいしい狭山茶応援団」としての立場から伺います。 去る五月二十九日、県の茶業特産研究所で開かれた「狭山茶摘み体験フェスタ二〇〇四」に行ってきました。五月晴れの真っ青な空にお茶の緑が照り映える中、非常に多くの県民が茶摘み体験、釜炒り茶の試飲、お茶天ぷらの試食、手もみ茶見学、茶工場見学を楽しんでいました。私も所長さんはじめ、職員の皆様方に詳しい説明をしていただき、一日得をした気分で帰ってきました。また、その後二番茶の時期には、埼玉県議会狭山茶振興議員連盟の一員として、組合をつくって製茶し出荷している方々にもお話を伺いました。食の安心・安全のため、万全を期しお仕事に取り組んでおられる姿が実に印象的でありました。 そこで、お世話になった農家の方々、職員の方々に感謝しながらお伺いします。安心・安全なお茶を安定的に供給し、狭山茶の振興を図っていくために、例えば霜除けのためのファンの設置に対する助成など、生産段階における積極的かつきめ細かな支援を行っていくことが必要です。また、販売促進のためには、消費者重視の立場から生産履歴の開示や消費者の意見を生産・流通段階に反映させていく仕組みをつくることも必要であると考えます。県として狭山茶の振興のため、そういう支援策をどう充実していくおつもりか、農林部長に伺います。 最後に、県道川越所沢線峰の坂交差点の改良について伺います。 県道川越所沢線峰の坂交差点は、右折レーンがないため、数台でも右折車があると渋滞し、困っています。特に元町交差点から新所沢へ向かうレーンがひどい状況です。早急に改善してほしいとの声が強いのですが、今後県はどのように取り組むお考えなのか、県土整備部長に伺います。 以上で一回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○井上直子議長 十一番 藤本正人議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 藤本正人議員の質問にお答えいたします。 まず、くぬぎ山の自然再生と三富地区の農業振興についてのお尋ねであります。 私は、都市部に残されている貴重な緑地は県民共有の財産だと、しっかり保全をし、次世代に引き継いでいく必要があると考えております。くぬぎ山地区については、廃棄物処理施設の集中により三富地区を代表する貴重な平地林が次々に奪われていきました。くぬぎ山地区の失われた自然の再生を図るため、現在地権者や地元で活動するNPOの皆様も含め、地元の市、町などと協議を進めているところでございます。本年の秋には関係者の皆さんとともに自然再生協議会を設置し、くぬぎ山地区の再生、保全、利用を図る具体的な事業を展開することにしております。このくぬぎ山地区を保全するための手法としては、都市緑地保全法に基づき、樹木の伐採などに制限のかかる緑地保全地区の指定が効果的であると考えております。現在実施しております権利調査をはじめ、関係市町の意向も踏まえながら、秋には緑地を保全するための具体的な手法について判断したい、このように思います。 緑地の保全を推進するための財源確保についてのお尋ねでありますが、基本的には国庫補助制度の活用や環境税の導入等を考えております。また、地元NPOの協力を得ながら、極力負担のかからない手法を導入するなど、県と市と関係者が知恵を出し合って、くぬぎ山地区の自然再生についてしっかり積極的に保全を図っていきたい、このように考えております。 次に、彩の国の教育についてのうち、教育委員会の責任についてでございます。 学級崩壊や困難校への対応は、人的補強をより厚くすることが有効であるというのは、まさに御指摘のとおりだと思います。教育はどんな制度を用意しても、どんな枠組みをつくっても、どんな計画をつくっても、最後は教師の情熱や責任、やる気というものにすべてがかかっているような気がいたします。そういう意味で、藤本議員が御指摘される人的補強というのは最も大事なことではないかなというふうに思います。教育委員会でも、これまでこうした学校に対し、教職員定数の加配に努力をしてきたと聞いております。私としましても、より正常な教育環境を整えるために、厳しい財政状況でありますが、教育の専門家であります藤本議員とも相談しながら、よりできるだけの努力はさせていただきたい、そのように認識しております。 次に、県立高校の再編整備と特色化、活性化の行方についてであります。 現在の定時制課程は、入学者数が減少する中で、中途退学者や不登校経験者の入学が増え、定職を持って入学する従来型の勤労青少年は激減しております。御質問の南部地区パレットスクールは、こうした状況の変化に対応するために、全日制の戸田高校と浦和商業高校、蕨高校及び与野高校の定時制課程を統合し設置する新しい発想の定時制高校であります。この学校は学ぶ意欲と熱意のある者が、自らの学習スタイルに合わせて学べる昼夜開講の三部制の独立校です。勤労青少年や不登校経験者などの多様な学習ニーズにも対応したきめ細かな教育活動を展開していく、ある意味ではパワーアップした形での定時制高校であると私は認識しております。 学校にもそれぞれ伝統や歴史があり、在校生や卒業生などの関係の皆様のいろいろな思いというのは私もよく分かります。私も浦商の文化祭をのぞいてきたと言ったら、不確かな表現になるかもしれませんが、行ってまいりました。そういう気持ちの良い空間が、それぞれの在校生やOBの皆さんの努力によってつくられている、大変立派なことだというふうに思っております。しかし、その雰囲気というものをこのパレットスクールの中に是非受け継いでいただきたいという思いも私は持っております。そうした考え方をどんどん取り入れていかなければ、再編統合というのはなかなかできなくなってしまうという思いを私は持っておりますので、是非御理解をいただきたい、このように思っております。 ありがとうございました。        〔今井栄一環境防災部長登壇〕 ◎今井栄一環境防災部長 御質問一、くぬぎ山の自然再生と三富地区の農業振興についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 まず、自然再生協議会はどのように設置され、くぬぎ山とはどのようにかかわっていくのかについてでございます。自然再生協議会は、自然再生推進法に基づきまして、地域からの発意により、地域における多様な主体が参加して設置されるものでございます。これまで地元地権者やNPO、学識経験者、市、町などと設立に向けた打合せを重ねるとともに、七月には協議会構成員の公募を行うなど協議会の設立に向けた準備を着実に進めてきているところでございます。この協議会はくぬぎ山における自然再生の全体構想を策定するとともに、各実施主体が定めた実施計画案の協議を行うなど自然再生事業を進める上での要となるものでございます。 次に、緑地保全地区のエリアはどのように決定され、いつ発表されるのかについてでございます。 くぬぎ山地区の緑地保全につきましては、具体的な緑地保全手法の決定と併せてそのエリアを設定していくべきものと考えておりますが、地元市、町との合意や地権者への説明を経た上で、この秋には明らかにしてまいりたいと存じます。 くぬぎ山における自然再生を進めていく上では、地権者をはじめ、地元の皆様の御理解と御協力が何よりも重要でありますことから、その合意形成に努めてまいります。        〔杉田勝彦農林部長登壇〕 ◎杉田勝彦農林部長 御質問一、くぬぎ山の自然再生と三富地区の農業振興についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 本地域は専業農家率が極めて高く、若い農業後継者も多く、県内でも活力あふれる露地野菜の産地でございます。県といたしましては、平成十四年八月に地域農業者や地域住民、関係五市町、県などから成る、三富地域農業振興協議会を設置し、本地域の保全や総合的な農業振興に積極的に取り組んでいるところでございます。 藤本議員お話しの農道についてでございますが、畑作地域の農業振興を図る上で重要な施設と認識しております。今後、地元農家の皆様の意見を伺うとともに、所沢市や三富地域農業振興協議会などと十分調整を図りながら、地域の特色を生かした生産性の高い農業の振興を図る観点から推進してまいりたいと存じます。 次に、御質問二、農地改良を真の農地改良とするためにについてお答えを申し上げます。 農地改良は農地の生産性の向上を図り、より良い農地をつくり出すことを目的とするものでございます。必要以上に深く掘削したり、廃棄物を搬入したりすることは認められるものではありません。そのような事案は農地法違反として早急に対応しなければならないと考えております。 まず、農地改良事案の現状の把握についてでございますが、現時点で違反等の事案が合計十五件ございまして、計画以上の高さまで盛土しているものが十二件、資材置き場などとして使用されているものが三件でございます。これらの違反に対しては、関係機関が一体となって是正指導に取り組んでいるところでございますが、このうち指導に従わず周辺農地に悪影響が発生している悪質な二件の事案につきましては、刑事告発を行い、厳正に対処しております。 次に、真に農業のためになる農地改良とさせるためにどう善処するかでございますが、まず許可審査に際しまして、搬入土の土質や出所の明確化を図るとともに、市町村、農業委員会と連携を密にし、許可後の実施状況の適時把握に努めてまいります。さらに、農地の復元状況や利用状況の確認などの徹底を図り、適切な農地改良が行われるよう努めてまいります。 次に、御質問六、地元問題についての(一)「おいしい狭山茶応援団」としてについてお答えを申し上げます。 近年、緑茶の効能が広く浸透し、若い人からお年寄りまで幅広い年齢層の方々に愛飲されております。特に、緑茶飲料につきましては十年間で消費量が約十倍に伸びており、所沢市では県内で初めて狭山茶を利用した緑茶飲料が学校給食に導入されたところでございます。 こうした中で、狭山茶を今後ともより一層振興していくためには、生産から販売まで幅広く支援していく必要があると考えております。まず、生産段階の支援策といたしまして、茶業特産研究所におきまして、「さやまかおり」、「さいのみどり」などの耐寒性に優れた良品質な茶の新品種の育成を図っているほか、生産者に対しましては、共同利用による大型の荒茶加工施設や乗用型の茶摘み機など、省力低コストを促進するための機械施設の整備を進めております。なお、霜害を回避するため、防霜ファンの設置を進め、現在三九パーセントの設置率となっておりますが、引き続き一層の整備を図ってまいります。 販売面におきましては、県茶業協会など茶関係団体と連携し、狭山茶摘み体験フェスタや彩の国ふるさと農林まつり等のイベントなどを通じまして、狭山茶のPRや消費者ニーズの把握に努めるとともに、本年度から新たな事業として、製茶工場の工程におけるハサップ方式の考え方を取り入れた衛生管理と併せて、生産から製造、販売までの履歴情報を提供するトレーサビリティに取り組むモデル集団の育成を図ることといたしました。 今後ともこうした取組の一層の充実を図り、消費者に喜ばれる安心・安全なお茶を安定的に供給できるよう、狭山茶の振興を進めてまいります。        〔伊能睿健康福祉部長登壇〕 ◎伊能睿健康福祉部長 御質問三、県西部地域に小児病院を建設することについてお答えを申し上げます。 まず、県西部に高度医療のできる小児病院を建てられないかについてでございますが、都立清瀬小児病院は、県西部地域の小児医療に大きな役割を果たしており、東京都の移転計画はこの地域の皆様にとって大変深刻な問題と受け止めております。 このたび、藤本議員から小児病院の建設に関する資金調達方法を含め、具体的な御提案をいただいておりますが、県といたしましては、西部地域における高度の診療機能を備えた中核的な医療機関の整備促進と小児科病床を持つ病院の救急医療体制を充実することで対応してまいりたいと存じております。 次に、清瀬に小児病院を残せないかについてでございますが、東京都の都立病院改革実行プログラムによりますと、清瀬小児病院が移転した後の小児医療を確保するため、近接する多摩老人医療センターを再編、新たに小児科を設置して、休日・夜間救急などの体制を整備すると伺っております。平成十七年度から小児科の設置準備に入り、清瀬小児病院が移転する平成十九年度には診療を開始するとのことでございますので、引き続き情報収集に努めてまいります。 次に、防衛医大の小児科の充実への働き掛けについてでございますが、防衛医科大学校病院は、高度の機能を有した医療機関として地域住民の皆様の寄せる期待は大変大きなものがございます。今後とも引き続き小児科を含めた地域医療への更なる協力を得られますよう、必要な働き掛けを行ってまいります。 次に、御質問四、狂犬病に対する県の対応についてお答えを申し上げます。 本県における犬の登録頭数は、平成十五年度末で約三十四万頭であり、そのうち狂犬病予防注射頭数は二十五万頭余りとなっており、接種率は約七五パーセントでございます。しかし、全国の犬の飼育頭数に関する国の推計では、未登録犬の存在が指摘され、注射率が五割を切ったとの報道もなされております。議員のお話にございました登録、予防注射について、ペットショップやブリーダーがその代行をいたしましたり、動物病院やトリミングの店が確認を行いますことは、犬の登録、予防注射が確実に行われるためには、大変意義のある御提案と存じますので、事業者団体等へ積極的に働き掛けてまいりたいと存じます。 今後とも、飼い主に対する普及啓発はもちろんのこと、様々な方法で登録、予防注射の徹底を図ってまいります。        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 御質問五、彩の国の教育についてお答えを申し上げます。 まず、(一)あふれるエネルギーで学校を再生することについてでございますが、お話しのとおり現在の学校教育の問題を打破していくには、教師のエネルギーこそが大切でありまして、すべての教師が持てる力を十分発揮していけば、問題の大半は解決できるのではないかと思っております。そのためにも、インターン制の意義は大きいものがございますので、これまで実施に伴う様々な課題について検討してまいりました。インターン期間中の身分の不安定さや、必要な教員数の確保などの課題がございますことから、引き続き検討してまいりたいと思いますが、当面、現行制度の中で御提言の趣旨を生かすよう本年度から教員インターンシップ事業を実施することといたしました。この事業は、教員採用選考に合格した大学卒業見込みの者を対象とし、正式採用の前に七週間、県内の小中学校において教員の補助や子供たちと直接触れ合うことなどにより、学校現場への円滑な適応を図ろうとするものでございます。 また、採用後におきましても、一年間の条件附採用期間を活用し、教師として適性を欠く者については、本採用を見合わせるなど厳格な運用に努め、優れた資質を備え、熱意あふれる教員の確保に努めてまいります。 次に、(二)学校の教育が授業だけで良いのかでございますが、中学校の県大会はお話しのとおり年三回開催していたものを平成十六年度からは二大会に統合いたしました。統合した理由でございますが、以前から三大会の開催により、参加する生徒の日程が過密であると指摘されていたこと、また、完全学校週五日制の実施によって、授業日数の問題から生徒の授業への影響が懸念されたことなどが挙げられます。当面はできるだけ多くの生徒が活躍の場を得られるよう、大会運営の在り方などについて工夫をするとともに、今後その成果を検証する中で、お尋ねの三大会復活について中学校体育連盟など関係団体と協議してまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、(三)教育委員会の責任についてお答えをいたします。 まず、きちんとした教育を受ける権利が保障されていないクラス、学校をもっと厳格に把握するシステムについてでございますが、教育委員会が十分な責任を果たすためには、問題のある学校の実態を明確に把握する必要がございますので、今後、より詳しい報告や指導主事による学校への直接訪問など、厳格な対応に努めてまいります。 次に、人的補強体制を厚くする責任についてでございますが、学級運営が困難な学校に対しまして、平成十二年度から小学校に非常勤講師を配置し、複数の教員によるきめ細かな指導を行ってまいりました。財政的に厳しい状況にございますので、国に対して、第七次教職員定数改善計画に伴う加配教員の増員を更に強く働き掛けていくとともに、非常勤講師につきましては、市町村の意向を踏まえた効果的な定数の活用方策について検討してまいります。 次に、高校についてのお尋ねのうち、まずきちんと困難校だと認定することについてでございますが、特定の学校を困難校として認定することは、現に学んでいる生徒や保護者の心情を考慮しますと難しいものがあると考えております。しかし、問題行動や中途退学などの課題を持つ学校については、県教育委員会として適切な対応策を指導するためにも、現状を正確に把握するよう努めております。 次に、困難校の再生計画についてでございますが、各学校ではその課題を解決するための目標と、それを実現するための計画を作成し、全力で取り組んでおりますので、県として指導主事を派遣するなど適切に支援してまいります。 次に、荒れた子供が集まる学校に人的な補強についてでございますが、現在第六次教職員定数改善計画に基づきまして、平成十三年度から十六年度までの間に二百四十五名の定数改善を行い、この定数を必要な学校に一校二~三名程度重点的に配置しております。また、校長が募集する制度の充実につきましては、平成十五年度から人事応募制度を実施しておりますが、さらに、今年度からは教員が異動を希望する学校において、自らが貢献できる分野を明らかにして、その学校への異動希望を表明する希望表明制度を併せて実施いたします。 次に、校長が不合格にできるような学校づくりについてでありますが、入学者選抜は、その教育を受けるに足る能力、適性等を判定して行うものでございまして、お話にありましたような明らかにやる気のない者や、高校で学ぶ学力のない者などについては、定員を満たしていなくても、校長の権限で不合格にしております。 次に、義務教育の段階の子供でも髪の毛を染めることが認められるのか及び共通規範、共通価値を構築することについては、相互に関連しておりますので、一括してお答えをさせていただきます。 髪の毛を染めることなど、個人としては認められることでも、集団生活を送る上では共通して守らなければならない規範が存在いたします。各学校ではこれを「生活のきまり」や「生徒心得」等で、本来あるべき児童生徒の姿を提示いたしております。しかしながら、こうした頭髪や服装については、お話のように学校においては必ずしも十分規範が守られていないという悩みがございます。現在、県では教育に関する三つの達成目標についてモデル校で実践的に取り組んでおりますが、この中の規律ある態度は社会生活を営む上でこれだけは確実に身に付けさせたい、基本的な生活習慣や学習習慣を行動目標として示すものでございまして、共通規範や共通価値の構築に直接つながるものでございます。県としてはこの規律ある態度の項目を通じ、これをできるだけ学校現場に即して整理することにより、頭髪や服装、言葉遣いの乱れなど具体的な問題について学校と家庭がより緊密に連携できるよう、また教員が自信とプライドを持って児童生徒を指導することが可能となるよう、全力で支援してまいります。 次に、(四)県立高校の再編整備と特色化、活性化の行方についてお答えをいたします。 まず、浦商と蕨と与野の定時制の役割が、戸田翔陽高校というパレットスクールでカバーできるのかについてでございますが、藤本議員から浦和商業高校定時制の果たしてきた教育上の役割について、熱意あふれるお話を伺い、改めて定時制の今日的意義に思いをいたさねばならないと強く感じたところでございます。現在、関係の各定時制の課程に通っている生徒は、卒業年次である平成二十年三月まではそのまま在籍することになります。また、平成十七年度には、本定例会で御審議をお願いしております戸田翔陽高校が開校することとなりますが、浦和商業高校定時制課程において、これまで培われてきた伝統や好ましい取組については、しっかり受け継ぐよう全力で努めてまいります。 次に、なぜこの三つの定時制が選ばれたのか、さらに、なぜ浦和商業定時制が選ばれたのかについてでございますが、パレットスクールは生徒の通学に配慮し、交通の利便性の良い場所に設置するという方針の下で、埼京線の戸田駅から数分の戸田高校を設置校といたしまして、同校と至近距離にある蕨高校、埼京線に最寄り駅がある浦和商業高校、与野高校、この各夜間定時制課程をその対象校としたところでございます。 次に、入学率や在籍率は最後の受皿としての定時制高校の努力のバロメーターになるのではないかについてでございますが、浦和商業高校定時制課程におきましては、生徒の実態に応じた柔軟な指導が行われており、このため議員お話しのように、入学率及び在籍率が高い状況となっているものと承知しております。 次に、浦和商業定時制は残してもよいのではないかについてでございますが、前期再編整備計画につきましては、対象校や新しい学校の基本的な枠組みなどを案として公表し、県民の皆様からいただきました御意見などを参考に教育委員会において慎重に審議し、策定したものでございます。戸田高校と浦和商業高校、蕨高校及び与野高校の定時制課程につきましても、関係者の皆様には直接あるいは校長等を通じて、統合について十分説明するとともに御意見を伺ってまいりました。関係者の皆様方には様々な思いがあることは承知しておりますが、浦和商業高校の良い面についてはこれを継承し、パレットスクールの開校に向けて努力してまいります。 次に、今議会の議決は定時制三校の廃校までも拘束するのかについてでございますが、今回の条例案は平成十七年度にパレットスクールを設置することを前提にしたものであり、浦和商業高校、蕨高校及び与野高校の定時制課程の直接の廃止まで拘束するものではございません。 以上でございます。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問六、地元問題についての(二)県道川越所沢線峰の坂交差点の改良についてお答えを申し上げます。 県道川越所沢線は、所沢市街地から川越市や狭山市方面にアクセスする重要な幹線道路でございます。お尋ねの交差点は、五差路の変則交差点で交通量も多く、特に県道川越所沢線に右折帯がないことから、さいたま市方面へ向かう右折車両の影響で交差点から南側の渋滞が激しく、県といたしましても、交差点改良の必要性は十分に認識しております。 今後の取組についてでございますが、この交差点は沿道に人家が密集し、歩道も狭く、変則な交差点になっておりますので、交通量調査結果などを踏まえ、地元の所沢市や警察とも十分協議を行いながら整備手法の検討を行い、渋滞緩和に向けて取り組んでまいります。        〔十一番 藤本正人議員登壇〕 ◆十一番(藤本正人議員) それでは、二回目の質問をさせていただきます。 まず、教育長に伺います。夏の大会がなくなってしまったことについてなんですけれども、理由として非常に日程が過密になったと。あと、授業への影響があるというようなことで二回にしてしまったということなんですけれども、今は何て言うんですか、先ほども申し上げましたけれども、行事でも部活でもどんどん削減して、本当に授業しかしない学校が生まれつつあるんですよ。パレットスクールもそういうのに似ていますけれどもね。 学校というのは、もっとそれ以外の行事や部活動で学ぶべき人と人とのぶつかり合いとか、その中で人間が良いなと思ったりとか、そういうのを学んでいく場だと思うんですね。そういう機会をどんどん奪っていっていいんでしょうか。機会を奪うという点では、受験の機会だけはどんどん増やしているんですよ。昔は一回しか受けられなかった。もう三回、四回受けられるんですよ。受験の機会だけ増やして、学ぶべき一年生から三年生の間のいろいろな機会を奪っていく、これは逆行しているんじゃないかと思うんです。もう一度、中体連と協議いただけるということなんですけれども、あと夏の大会というのは授業は関係ありません。というのは、授業が終わって通知表を渡してから夏の大会が始まるんですから。そういう点でも、もう少し詰めていただかないといけないかと思いますので、学校の先生方とか、本当はどう思っているのかとか聞く機会をつくっていただければと思います。これが一点です。 次に、非常勤を含めた人的補強を是非厚くしてほしいということですけれども、お答えの中に特に荒れた小学校なんかでは非常勤の人を充てたよと、それは非常に感謝しているんです。しかしですね、これも昨年は六十五人、七百何校小学校があるうちの六十五人充てたんですよね、非常勤を。しかし、今年度は予算減額されて五十人に減っているんですよ。学校がみんな良くなっているならいいですけれども、一体どうなんでしょうか。 あとお答えの中に、国に対し加配を働き掛けると。そして、定数の活用方策について検討していくという答えがありました。これがいけないのではないかと思うんです。いつでも国に対して働き掛ける。結局、地方分権だって、せっかく上田知事になっても、いつも国が決める定数、四十人に先生一人というこれをやってくれ、やってくれと国に言っているだけなんですよ、地方を見ていない。定数の活用方策について検討というのは、要はいろいろな加配、非常勤でも一千十人今年は入っています。その一千十人の中のいろいろな理由付けで非常勤もこういうのに何人、こういうのに何人と予算付けしてあるんですけれども、それを荒れた学校の枠をもう少し増やそうとか、そんなようなことですよね、結局。 もっと国とかそんなものではない、定数自身は県単の定数で増やすことができるんですから、教育を今変えるのは人なんですよ。そこを何とかしてもらわなくてはいけないので、その方はもう埼玉県自身が動いていただきたいと、そう思っておりますので、この件についても定数云々とかではなくて、むしろ県の定数をアップするようにしていきますという御答弁をいただきたいんですけれども、検討いただけないでしょうか。 二問目です。あと、高校の困難校と呼ばれる学校で入学定員に達しない場合ですね、校長は御答弁では不合格にできるということでした。しかし、現実は校長先生は、この定員に達していないけれども、この子はどうしてもやる気がないとか、二百点満点で四点だったとかそういうようなときには、高校に値しないだろうということで不合格にしたいときは教育委員会に打診するんです、いいですかって。教育委員会が良いとか悪いとか言うんですよね。ところが、その作業をすると校長はいろいろと考えてしまうんですよ。特に、去年の六月議会のときのヒアリングでは、ヒアリングというか私の知り合いの教員がいろいろ言っていたんですけれども、結局は校長も教育委員会にね、教育委員会は答弁でこう言われたんだ。教育委員会としては、しかし、教育委員会の役目は一応埼玉県の子供たちを全員高校に入れてやるのが目的だから、そのようなことは校長に伝えますよと、でも、それでも校長がこれは駄目だと判断したらどうぞやってください、やめてくださいという話でした。これでは、一回教育委員会にそんなことを言われたら校長はびびってしまうんですよ。みんな分かった、それじゃ、どうせこの子は辞めるんだからひとまず入れておこうという話になる。たまったものじゃないです。だから高校をちゃんと教育現場とするためには、やはりそこは教育委員会が介在しないこと、又は約束してほしいんです、校長が決めることでいいんだということを。この場でお願いします。 なお、何と言うんですか、考え方が違うかもしれませんけれども、世の中だんだん絶対評価になってきました。入試でも絶対評価の点数を内申書に上げるようになりました。ということは、絶対評価というのは人との比較ではないんです。二百人定員があるから、その中で二百番目なのか、二百一番目なのかというのではなくて、高校に学ぶべき学力というのが厳然としてあって、その基準に合っているか合っていないか、これが絶対評価なんです。入試を絶対評価にしたというならば、むしろその辺で、点数で三点や四点の人は残念ながら高校で勉強はできないよというのは、絶対評価の意味からもきっちり答えが出ているのではないかと思いますけれども、見解を伺います。 続いて、今度は浦和商業の定時制の問題です。パレットスクールが完全に役割を演じられるとは思っていらっしゃらないと。しかし、パレットスクールで今までの浦商の良さなんかを全部引き受けられるように頑張っていきたいという御答弁だったと思うんですけれども、先ほども申したように、パレットスクールというのは授業中心なんですよね。自分で選び、自分で学ぼうという人にとってはいいですよ。だけど、人間というのは、君、何でも自分で選べるよといったら、進んでどんどん選んでいく子もあるけれども、むしろ何をやっていいか分からないやという子がいっぱいいるんですよ。むしろ、あなたのクラスはここだ、このクラスで一生懸命やるんだというふうに枠をはめられることによって、自分の居場所ができて、そこから何かがスタートする子供というのはたくさんいるんです。その辺を、要は肩代わりは僕はできないと思っています。 浦商を見ていて入学率でいいますと、このいきいきハイスクール推進計画なんかにも五十九ページにちゃんと書いてあるんです。定時制をどれを再編していくかに当たっては、入学率や在籍率をちゃんと勘案するというふうに書いてあるんです。それで言うと、もう全然浦商なんてその対象になってはいけない学校なんです。理由は埼京線に近いからということなんです。それじゃ、浦和一女のほうがすごく低いんですから、何でもかんでも全部。例えば浦和一女、平成十年、入学率四七・五パーセント、在籍率四六・五パーセント、そのとき浦商はそれぞれ五〇パーセント台です。しかし、平成十四年などになりますと、浦和一女は入学率六〇パーセント、在籍率四九・四パーセント、一方浦商は入学率九五・〇パーセント、在籍率八六・九パーセントと。あんたのところが対象だよといったら頑張ってしまったんでしょう。生徒集めもしたそうです。だけど、よく考えてみたら、そういうふうにして、例えば浦商の定時制というのは、今、在校生も頑張っているし、先生も頑張っているし、いろいろな浦商を良くする会を開いたり、どうやったら授業がより質が高くできるかと話し合いしたり、あとそれをオープンにしてみんなに話しかけたり、人の声を聞いたりとか、様々な努力をされています。 まさに、教育委員会が必死になって目指してきた学校の特色化、学校を活性化するというのを、実は教育委員会やってしまっているんですよ。あんたのところが対象になるよといったら、黙っていてもこんなに頑張っているんです。卒業生も何もみんな頑張っていて、在校生も頑張っている。そういう点では、まさに教育委員会がやろうとされていることを自然にやっている。 そういう意味では、むしろ五年間くらい猶予期間を与えて、卒業生やあれはいいのですけれども、在校生が問題ですから、在校生に焦点を当てて、君たちはどう思っているのか、そして君たちはこれからどんなに頑張れるのか、また、学校の教師はどのように頑張れるのかということを五年間くらい見ていく期間を設けられないでしょうか。それくらいお願いできたらと思います。 あと一分ですので最後にします。 チャータースクールというのがあります。学校運営協議会といって、こういう方針でこういう学校をつくろうとみんなで決めて、それでやっていくという学校ですね。まさに浦商が今やっているというのは、我が国が今から進めようとしているチャータースクールそのものなんです。ただ、それをフリースクールと言ってしまうと高校じゃなくなりますから、やはり高校という名の下にやっていきたいところなんですね。そういう意味からも、この浦和商業を定時制を猶予を持たせて、この五年間くらい君たちはどういう学校をつくりたいのか、そしてどういうふうになっていくのかと計画を出させて、特区みたいな形で生かしてみたらいかがでしょうか。これは教育委員会が実は活性化ということで目指していたことだと思います。これについては教育長とあと知事にも伺えたらと思います。 併せて、知事にもう一つ。人的補強については、一生懸命やるとお答えいただきました。知事が一生懸命やるというのは、職員に一生懸命やれというときは死に物狂いということだったと思いますので、やっていただけると思うんですけれども、その意気込みを含めて、二回目伺えればと思います。 終わります。(拍手起こる)        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 藤本議員の再質問にお答えします。 まず、チャータースクール構想を例に出しながら、今の浦商がそうではないかという御指摘、私も思い当たる点はたくさんあります。基本的には教育委員会が所管している分野ですので、知事部局の方ではなかなか難しい部分もありますが、大枠の中でどのようなことが可能なのかは、教育委員会がそれぞれ検討してくると思いますので、それに合わせて協力していきたい、そんなふうに思っております。 それから人的補強、これもまたある意味では教育委員会が組み立ててくるところでありますけれども、しかし、教育委員会がこういう要求をして、是非人的補強が教育困難な状況の中で大変有効であるという考え方を示してくれば、私は教育委員会もやはり工夫をすべきだと思います。全体の枠の予算の中で、人的補強の方に予算をよりつくるような仕組みだとか、そういう方向性もやはり教育委員会の方でももう少し努力してもらいたいと思いますので、そっちの方の努力も含めて私自身も一生懸命努力したい、このように思います。        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 藤本正人議員の彩の国の教育についての再質問にお答えを申し上げます。 学校の教育が授業だけで良いのかというお尋ねのうち、夏の部活動がなくなった点についてでございますが、お話のとおり部活動、あるいは学校行事は児童生徒がそこで人間として学んでいく重要な場ということについては仰せのとおりというふうに存じます。今後、現在夏を廃止し、三大会から二大会にさせていただいておりますけれども、ただ今お話をいただきましたように、学校現場の関係者の声を直接聞きながら、今後どのようにしたらよいか検討をさせていただきます。 それから、教育委員会の責任についてでございますが、まず教育を変えるのは、これもお話のとおり教師であるというふうに思っております。この教師をより厚く現場に配置するという御指摘でございますけれども、現在私どもでは国に対し、定数の加配について要望をさせていただいております。これはやはり国の方が定数を配分する権限を、現在良し悪しにかかわらず持っているという現実を踏まえ、より厚く埼玉県にこの現状の中で定数を多く加配していただきたいという声を届けるという作業でございます。 今回、この定数加配がこれまでは例えばティームティーチングといったような限定的な場にされておりましたけれども、今後この定数加配の教員については、埼玉県なら埼玉県が自由に使うというふうな裁量が広まってまいるようですので、そういった方向での検討をこの中でさせていただくということであります。併せて、総額裁量制といったことが今年度から導入されておりますので、この総額裁量制の中で、例えば一人の定数を置き換えて非常勤を採用するといった道も開かれてまいりますので、こうしたことを組み合わせながら検討していきたいというふうに思っております。 その次に、校長の不合格についての点でございますけれども、校長ができるだけ権限を持って自らが判断をするといったことについては、そういった方向でやらせていただく。また、現にこれまでもそういった方向でやらせていただいておるわけでありますけれども、なお一層徹底してまいりたいというふうに思っております。少しでも学習意欲があれば、私ども公立高校の場合にはその児童生徒を受け入れるということが基本的な姿勢ではありますけれども、最終的にはその判断は校長にあるというふうに考えております。 次に、浦和商業高校の定時制の関係でございますけれども、まず、いきいきハイスクール整備計画の中での御指摘の記述について、これは定時制の高校がお互いに統合する、その統合する場合の目安といったことでの記述でありまして、今回のようにパレットスクールを一定の箇所に設置し、そこにどこを吸収していくかといったところは異なる文面でございます。 浦和商業高校の定時制の場合には、距離的な近さとそれから路線の関係から南部地区のパレットスクールに引き継ぐということにさせていただくわけでありますけれども、しかし、ただ今お話しいただきましたように、現在の在校生、平成二十年三月まで在籍しますので、その在校生が藤本議員おっしゃるとおり、良いものとして、今、引き継がれているものは一体何なのか、この辺を在校生から声をお聞きいたしまして、これからのパレットスクールの中に生かすように、そのように努めてまいりたいと存じます。        〔十一番 藤本正人議員登壇〕 ◆十一番(藤本正人議員) 再々質問をいたします。 浦和商業定時制のことについてです。まず、一回目の御答弁で今回提案されている戸田高校が戸田翔陽高校になるという議案については、定時制がどうなるということまでは拘束していないという、議決と関係ないという御答弁をいただきましたので、ひとまず安心しておりますが、この件については地区の自民党議員も一体どうなるんだろうかと心を痛めているんです。もちろん、教育委員会がいろいろなしっかりとした理由でパレットスクールをつくり、定時制をこの学校とこの学校とこの学校は一緒に再編整備だなと、きちんとされていると思いますが、その中でもいろいろな人と交わりながら、そうだな、気持ちも聞いてやりたいし、でも一回例外をつくってしまうと、これからが大変だろうなということで非常に苦労をしてみんな心を痛めています。 今回浦和商業に実際に自分で行ってみて、例えば人によっては「授業に出ていない子がいるよ」というふうに言う人もいます。でも、それを言ったら昼間の全日制高校へ行ってください。たばこ吸っていますよ。いろいろなことをやっています。それはそれは昼間通っている子の方が甘えていますよ、はっきり言いますけれども。ですから、夜をやるんだったら、その前に昼です。そして、それと同時にいろいろな活動を通して、子供たちが駅で署名活動をしたり、各議員に手紙もいったかもしれません。いろいろなことで私は考えました。石井典彦先生、心臓病で亡くなってしまったわけですけれども、その人をアメリカで手術させるために、卒業生たちがみんなで何とか助けてやってくれといって七千万円を集める募金活動をしていました。あれを見て、そしてまた浦商の卒業生や在校生たちが一所懸命自分たちの学校を何とかしてほしいという活動を見て、自分としては、ああ、これだなと思う部分があったんです。 今の子供たちは非常に冷めています。何をやったってどうせ駄目なんだと。できるやつはできるし、できないやつはできないんだと、金持ちは金持ちだというふうに見ています。政治家はばか野郎だと思っています。だけれども、そうじゃなくて、もっと努力すれば頑張れるんだとか、本気でやれば報われるんだとか、そうやって、結果はどうであれやっていこうという姿が卒業してまでもこんなに続けられるというのは、一つの教育の成果ではないかなとつくづく思うんです。 教育というのは、やはり後で世の中の荒波にぶつかるでしょうけれども、その前に頑張れば報われるんだと、人は信じられるんだということを基礎として入れてあげる、そういう作業なんだと思うんです。それをやる仕事が教師なんです。教師の教師が校長であり、そのまた教師が市町村教育長であり、教師の親分が県教育長なんです。ですから、県教育長は大人の判断でいうと、理屈でこうしてくださいというふうに言いたいところでしょうけれども、でも、生徒たちの姿や何かを見て、ここはひとつ情で考えてみるということも一つ例外にはならない、これも一つの教育ではないかなと思います。 そういう点で、できたら大岡裁きを教育長にお願いしたいんです。また、知事にも是非、これは教育長は正しい判断でもってそういうふうにやっているんでしょうから、下にいっぱい職員を抱えていますが、他者としての知事は、ある意味ではわきからいろいろなアドバイスもできると思います。どうぞ三方一両損という形がありますが、教育委員会もここでちょっとでも撤回してしまったり、方針を変えると損です。だけど、教育委員会も損をする。今の浦商も努力はした。何か、じゃ、そのかわり教育委員会のこういうことはやってくれよとする。生徒たちは損はないんですけれども、そのような形で良い案が出せないものか。教育長にも、そして知事にもひとつ御尽力いただければと思います。 また、知事には文化祭行っていただいたそうですが、是非もう一度そういう話を聞いて考えていく機会をつくっていただければと思うんですけれども、御検討をいただけないか。 以上、再々質問を終わります。(拍手起こる)        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 藤本議員の非常に思いを込めた再々質問にお答えします。 藤本議員からも御提案がありました。そうした御提案を私も改めて教育長にぶつけてみたいと思います。(拍手起こる)        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 藤本正人議員の彩の国の教育についての再々質問にお答えを申し上げます。 浦和商業高校の定時制の件につきまして、ただ今は教育の基本的な在り方、お考えをお伺いさせていただきました。浦和商業高校定時制については、大変優れた伝統、あるいは現在の実践的な良い面というものを持っているということは、私どももしっかりと認識しております。したがって、これからの新しくつくられる高校の中で、そういった良い面をいかに正しく継承していくかということが私どもの使命であるというふうに思っております。 先ほどお話しいただきました現在の在校生をはじめ、関係者の方々からいろいろとお話をいただき、その点は遺漏のないようにしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。          ---------------- △休憩の宣告
    井上直子議長 暫時、休憩いたします。午前十一時二十七分休憩          ----------------午後一時四分再開  出席議員   九十一名   一番   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十四番  十五番  十六番   十七番  十八番  十九番  二十番   二十一番 二十二番 二十三番 二十四番   二十五番 二十六番 二十七番 二十八番   二十九番 三十番  三十一番 三十二番   三十三番 三十四番 三十五番 三十六番   三十七番 三十八番 三十九番 四十番   四十一番 四十二番 四十三番 四十四番   四十五番 四十六番 四十七番 四十八番   四十九番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十五番 五十六番   五十七番 五十八番 五十九番 六十番   六十二番 六十三番 六十四番 六十五番   六十六番 六十七番 六十九番 七十番   七十一番 七十二番 七十三番 七十四番   七十五番 七十六番 七十七番 七十八番   七十九番 八十番  八十一番 八十三番   八十四番 八十五番 八十六番 八十七番   八十八番 八十九番 九十番  九十一番   九十二番 九十三番 九十四番  欠席議員   三名   六十一番 六十八番 八十二番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑)       出納長   総合政策部長  総務部長          環境防災部長   健康福祉部長  労働商工部長        農林部長   県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長 公営企業管理者   病院事業管理者 教育長           警察本部長 △再開の宣告 ○近藤善則副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○近藤善則副議長 質疑質問を続行いたします。 五番 松沢邦翁議員        〔五番 松沢邦翁議員登壇〕(拍手起こる) ◆五番(松沢邦翁議員) 五番、自由民主党、松沢邦翁でございます。本日は後援会の大勢の方々が傍聴に見えております。来る途中で、さいたま新都心にできるさいたまタワー実現のために署名をさせていただきました。さいたまタワー実現が一歩近付いたのではないか、そう思います。是非そうした意味で、今後とも私も実現に向けて頑張ってまいりたい、そう思っております。 議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 初めに、特別養護老人ホームについてお伺いをいたします。 特別養護老人ホームに関して知事は、マニフェストにおいて、まず四年以内に二万床へ増加すると提唱され、さらに、新生埼玉行動計画の重要施策に掲げられました。しかしながら、先月県が今年度に補助を予定している特別養護老人ホームの新設と大規模修繕計画案件の九件のうち、一件しか国庫補助のめどが立っていないとの報道がなされました。これを受けて知事は、共通の課題を抱える千葉県知事、神奈川県知事とともに、坂口厚生労働大臣を訪ね、補助金の確保を求める要望を行ったと聞いております。その席において、坂口厚生労働大臣は、本県を含めた三県の事情に一定の理解を示し、国庫補助の傾斜配分が必要との考えを明らかにしたとの報道がなされました。 このような状況を踏まえ、知事は当初予定の県単独の整備予定数百五十床を六百床増やして、整備を進めるため、今議会に三億七千万円の補正予算を提案されました。しかしながら、平成十九年度の二万床に向けた今年度の一千三百三床の整備目標、また、新生埼玉行動計画における当初の今年度の整備目標である一千百二十三床に比べても、なお今年度において三百床以上の整備が必要となっています。 そこでお伺いをいたします。特別養護老人ホームの整備に向けた今後の取組と、現段階では難しいと考えられる平成十九年度までに二万床を整備するという新生埼玉行動計画の目標を見直す考えがあるのかどうか、知事の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 また、平成十五年度、十六年度においては、県の認可を受けた特別養護老人ホームのうち、松原会など八施設の備品購入に関する国庫補助は認められていない現実があります。こうした国庫補助が認められなかった施設については、認可した県が積極的に支援すべきだと考えますが、知事の御見解をお伺いいたしたいと思います。 次に、ごみ問題について三点お伺いいたしたいと思います。 第一に、ごみ発電についてお伺いをいたします。 主に市町村が担うごみ処理は、日々その量が増加の傾向にあり、ごみ減量作戦等を含め、苦労しているところであります。特に、ダイオキシンが大きな社会問題となって以来、その対策等には一自治体だけでは非常に難しい大きな課題にもなっているところであります。県内にはごみ焼却施設が五十四施設あり、処理能力は日量九千百六十一トンあると聞いておりますが、この中で発電設備を有しているのは十一施設であり、その発電能力は一時間当たり六万四千九百四十キロワットとなっております。 昨今はクリーン電力ということで、太陽光発電、風力発電等が普及されておりますが、まだコスト等の面で一般化されるまでには至っておりません。リサイクル推進の法整備を契機として、その趣旨を踏まえ、全国でリサイクル事業が進められ成果を上げております。しかし、リサイクルの基本を考える場合、そのものをリサイクルしたときに、それに見合うエネルギー消費で済むのかどうかを考えるべきではないでしょうか。端的に言えば、プラスかマイナスかであります。毎日発生する大量の生活ごみを安定的、かつ安全に処理する方法として、焼却施設は今後とも欠くことのできないものであります。 先ほど申し上げましたとおり、県内には五十四施設が稼働しておりますが、発電設備を併設されていない施設が四十三施設あります。それぞれ発電設備を併設するには条件が伴わなかったことと思いますが、自治体の合併問題を含め大型化、欧米で実施されている民間委託、また、埼玉県の資源循環工場のような形態が今後必要になってくるものと考えます。今後のごみ発電について知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。 第二に、焼却灰、溶融スラグの活用促進についてお伺いをいたします。 従来、焼却処理から発生する焼却灰については、全量埋立てによる最終処分がなされておりました。最近では全国的な最終処分場のひっ迫や、リサイクルの推進という観点から、埼玉県においては全国に先駆けた焼却灰のセメント原料化や、溶融して固形化する新たな活用方法が進められているところであります。しかしながら、溶融化施設については、市町村が焼却灰の無害化や建設骨材等への利用を目的として、現在県下で八施設が整備されておりますが、製品となった溶融スラグの活用販路がいま一つ思わしくなく、公共事業の一部で活用されているものの、埋立処分に回っているものもあると聞き及んでおります。 私は、県内で年間三十万トンとも言われる焼却灰の活用方法として、焼却灰のセメントへの原料化、また溶融スラグのインターロッキングブロック、U字溝やそのふた、舗装道路の材料等、建築資材への利用を増大すべきと考えております。特に、公共事業においてはこれらを材料として積極的に使用するべきだと思っております。 そこで、今後の焼却灰、そして溶融スラグの活用促進について、県としてどのように取り組むのか、環境防災部長にお伺いをいたします。 第三に、産業廃棄物の山についてお伺いをいたします。 埼玉県は首都東京に隣接していることから、県民の生活や経済活動が非常に活発ですが、その一方で田畑や山林も多く、自然環境が豊かな地域でもあります。このような中で、近年遊休農地等に建設廃材などの廃棄物が山積みされるといったケースが多数見受けられます。私の地元、越谷市においても農業振興地域内に大きな産業廃棄物の山があります。高く山積みされた建設廃材からはごみが飛散し、悪臭、騒音等を発生させ、周辺住民の生活にも多大な影響を与えております。 この事案については、農業振興地域の整備に関する法律及び農地法違反として、本年一月に県が是正勧告を行っていると伺っておりますが、現地では今も相変わらず作業が続いているようでございます。これまで春日部農林振興センターと東部環境管理事務所が中心となってお骨折りをいただいたところですが、今までどおりの是正指導では時間ばかりが過ぎてしまい、結局違反者のやり得になってしまうのではないかと危ぐをいたしております。地域住民が一日も早く安心して暮らせるようにするためには、場合によっては告発などの法的手段も辞さない、断固たる姿勢で臨むことも必要と考えているところであります。対応が後手後手に回ってしまうと、結局県民の不安は増し、県政への不信へとつながっていきます。 そこで、一つ一つの事案については迅速に対応していくことが極めて重要と考えるところでありますが、農林部長及び環境防災部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 また、廃棄物の撤去作業を円滑に進めるため、社団法人埼玉県産業廃棄物協会が、県と市町村の協力の下にさいたま環境整備事業推進積立金、通称けやき基金を設置しております。一度ごみの山ができてしまうと、原状回復が困難となり、そのまま長期間放置されてしまう場合もあります。この基金を積極的に活用することも一つの方策と考えていますが、いかがでしょうか。 さらに、県内には許可や届出を必要としない、いわゆる自己処理と称する廃棄物の山も相当数に上ると考えます。このような廃棄物の規制強化を図るため、知事が以前、産業廃棄物規制条例の制定も含めて検討していくと述べられておりますが、現在はどのような状況になっているのか、環境防災部長にお伺いをいたしたいと思います。 次に、防犯のまちづくりの取組についてお伺いをいたします。 埼玉県防犯のまちづくり推進条例は、御案内のとおり地域における治安の悪化に対応し、県と市町村、県民及び事業者との連携・協力の下で、犯罪のない、安全にかつ安心して暮らせるまちづくりを実現していく必要があるとのことから、去る二月定例会において自民党県議団を含む、議会の全会派の総意で提案し、この七月一日から施行となったところであります。しかしながら、昨今のひったくり、車上ねらい等の街頭犯罪や侵入盗など頻発しているのが現状であります。 既に、市町村や地域においては防犯パトロールをはじめ、様々な取組がなされております。また、埼玉県におきましても、防犯NPOである日本ガーディアン・エンジェルスへの活動拠点の提供と支援を実施しているところであります。これらを踏まえた上で、この条例に基づく県の責務として、防犯のまちづくりに関する推進計画や指針の策定、さらにはまちづくりに関する施策を総合的に推進することとされておりますが、県として、今後どのように防犯のまちづくりの取組をしていくのか、その基本的な考えと、今後の対応について知事のお考えをお伺いしたいと思います。 次に、NPO活動の促進についてお伺いをいたしたいと思います。 NPO法が施行されて六年目に入り、最近では新聞などでも毎日のようにNPOの記事を見かけるようになりました。また、さきに発表された平成十六年度版国民生活白書によりますと、NPOの認知度について十分に知っている、新聞などである程度知っているとする人は平成十二年には二一・一パーセントであったものが、平成十六年には五〇・三パーセントと、約二・五倍と急上昇しております。これらはNPOが行政や企業などと並ぶ新たなセクターとして活動の範囲を広げている一つの現れと考えられます。今後ますますNPO活動が盛んになり、社会に与える影響も大きくなっていくことでしょうし、また私もそれを期待しております。 本県においては、さきの二月定例会において、特定非営利活動促進基金条例を制定し、この四月にいわゆるNPO基金を設けるなど日本一のNPO立県を目指して、NPO活動の促進に積極的に取り組む中で、埼玉県知事が認証したNPO法人の数も昨年度一年間で百九十三法人と増えております。平成十六年六月末のNPO法人数も五百九法人で全国第九位となり、昨年以上のペースで増加しております。もちろん、NPO法人が増えることも大事だと思いますが、NPO法人の名を借りて不正を働こうとする不届きな団体もあると聞き及んでおります。 こうした中で、地道に真しに社会貢献活動に頑張っているNPOが、より活動しやすいように支援していくことが必要だと考えます。県では今年度から積極的にNPO支援を展開することとしておりますが、NPO基金を活用した事業や、旧大宮土木事務所の庁舎を活用して進められているNPOオフィスプラザの整備など、NPO活動を促進する事業の進ちょく状況はどのようになっているのか。そして、今後どのような視点でNPO活動の支援を行っていくのか、総務部長にお伺いをいたしたいと思います。 次に、コイヘルペスウイルス病についてお伺いをいたします。 昨年十一月に、我が国において初めて発生が確認されたコイヘルペスウイルス病ですが、本県においても昨年十一月には上尾市の釣り堀でコイが相次いで死に、さらに、今年四月二十九日には、新座市の黒目川において、県内の河川としては初めてコイヘルペスウイルスに感染したコイが見つかりました。その後も、県内河川や池などにおいてコイヘルペスウイルスに感染したコイが発見されております。コイヘルペスウイルスは、水温が十三度以下であればほとんど増殖しないのですが、十五度から二十五度の間で増殖は活発化すると聞いております。この夏場においても川の上流域等での更なる被害が拡大することも予測されております。このため、県内漁業協同組合では、コイヘルペスウイルス病の発生に備えて、五十年間続けてきたコイの放流を自粛いたしております。また、県養殖漁業組合は、コイの取扱いは例年に比べ十分の一に落ち込み、川魚を含めた全体では半分の取扱いに減っていると話しており、コイヘルペスウイルス病の問題は、本県水産業に甚大な被害を与えているところであります。 さらに、川魚を取り扱う料理店では食べても安心と言われておりますが、コイ料理の注文も減るなど消費者は川魚全体を敬遠する状態が続いております。コイヘルペスウイルス病対策については、以上のような点からして、ウイルスのまん延を防止することの必要性とともに、漁業に携わる方々への支援が重要であると私は考えております。現在のウイルスのまん延防止には、コイヘルペスウイルス病が確認された河川などの天然水域でのコイの持ち出し禁止等の措置を講じることが重要であると言われておりますが、本県ではどのような対策を講じているのでしょうか。今後の取組と併せて農林部長にお伺いをいたしたいと思います。 次に、カワウの問題についてお伺いをいたします。 カワウにつきましては、本県議会の一般質問においても何度か取り上げられてまいりましたが、全身真っ黒で約一メートルの体を水中に潜らせて魚を捕るこの鳥は、一日に約五百グラムの魚を食べる大食漢であり、漁業被害だけではなく、ふん害もあると聞いております。川や湖の魚を食い荒らし、ふんで森の木を枯らすカワウは、内水面漁業者の間では黒い悪魔とも呼ばれ、漁業被害は全国で年間数十億円にも上ると推定されております。かかしやテグスを使った防除、銃による捕獲も行われているようですが、被害防止の決め手にはなっていないとも言われております。 さて、本県の漁業の状況について目を向けますと、河川におけるアユやヤマメの漁獲量は昭和六十一年がピークで、平成十三年にはこのピーク時のわずか三三・五パーセントまでに減り、さらに、十四年は前年比で一六・九パーセントまでに減っております。この漁獲量の減少については、カワウによる被害が大きくかかわっていると言われております。カワウの問題を抱える琵琶湖を持つ滋賀県では、その被害の大きさから専門家会議をも設置し、駆除方法の見直しや、共存方法について鳥類学者とともに被害を受けた漁協や市町村担当者も交え、検討を始めたということですが、本県においてはどのような取組を行い、今後どのように対策を講じられていくのでしょうか、農林部長にお伺いをいたしたいと思います。 また、カワウは本県においてレッドデータブックに登録され、保護されておりますが、周辺のほかの都県とも協力し、駆除を含めた対策を講じるべきだと考えますが、環境防災部長のお考えをお伺いいたしたいと思います。 さらに、漁獲高に対するカワウによる被害が報告されている中で、県としても内水面漁業者に対する支援や漁獲量の減少への対策が必要であると考えますが、今後の取組について農林部長にお伺いをいたしたいと思います。 次に、地元問題について四点お伺いいたします。 第一に、都市計画道路浦和野田線進ちょく状況についてお伺いをいたします。 当該路線は、県南部地区から県東部地区に至る東西交通を担う重要な路線であることから、一日も早い全線開通が望まれているところであります。その中で、越谷区域においては懸念となっている葛西用水に架かる新大吉橋から県道平方東京線までの区間につきましては、長い期間、県道越谷野田線とタッチされず、分断されたままであります。市内を走る県道はこうした現状が多々あり、市民、道路利用者からはどうしてつながらないのかとの不満の声がよく聞かれます。今までの投資が生かされていないわけでありますから、当然の声と思います。したがいまして、現在どのような取組をなされているのか、また今後の見通しについて県土整備部長にお伺いをいたします。 第二に、都市計画道路八潮越谷線の進ちょく状況についてお伺いをいたします。 この路線は、草加市境からせんげん台駅東口までの越谷市内を南北に縦断する国道四号、県道足立越谷線と並ぶ重要な幹線道路であります。この路線のうち、国道四号バイパスから北側につきましては、市事業として既に供用を開始しており、国道四号バイパスから南側の下間久里地区も平成十七年度に供用開始されると伺っております。しかしながら、西方地区にある大規模工場については、用地取得に向けて調査などを実施していることとは思いますが、具体的な動向が一向に見えてこない状況であります。そこで、現在の取組状況について県土整備部長にお伺いをいたしたいと思います。 第三に、都市計画道路越谷吉川線の吉川橋の架換えについてお伺いをいたします。 この路線の中川に架かる吉川橋につきましては、朝夕の混雑が激しい状況の中で老朽化も進み、幅員も狭く、片側だけの歩道という安全面でも十分とは言えない状況にあります。今年度よりこの路線の越谷側においては事業が進められていると伺っておりますが、当地域では国の事業として中川の改修事業も行われております。先日、千葉県野田市にあります国土交通省、江戸川河川事務所へお伺いし、中川の改修と吉川橋架換えの件で説明を聞いてまいりました。この吉川橋の架換えについては、埼玉県が主体となり、越谷、吉川両市をリードしていくべきものと考えます。また、越谷市においてはレイクタウン事業も進められており、吉川橋にかかる期待は大きいところであり、こうした複合した事業については、手戻りなく進めることが最も大切なことであります。重ねて、吉川橋の架換えも道路整備や河川改修に併せて行っていただきたいと考えます。 そこで、県では今後どのように取り組んでいくつもりなのか、県土整備部長にお尋ねをいたしたいと思います。 最後に、川越地域及び春日部・越谷地域の業務核都市育成整備についてお伺いをいたします。 現在、日本の景気は輸出が好調な大企業に支えられ、東京を中心にやや上向いてきたと言われているものの、依然として地方の状況は厳しく、地方、地域がどう再生できるかが我が国の大きな課題となっております。政府においては構造改革特区や、地域再生計画など地域経済の活性化に向けた地域の主体的、かつ積極的な取組を支援しており、本県においても県内地域の再生に向けた取組を、より積極的に行う必要があるものと考えるところでございます。 県内地域整備の指針である彩の国地域創造プランでは、県全体の調和ある発展を目指し、県内五圏域を複合都市圏として位置付け、それぞれの地域特性を生かしながら、職・住・遊・学の諸機能を享受できる広域的な生活圏域として育成していく方針が打ち出されております。また、秩父圏域を除く東西南北の四圏域では、さいたま、熊谷、川越、春日部・越谷の四つの地域が国の首都圏基本計画において業務核都市に指定されており、東京圏における諸機能の適正な配置先としての役割を果たすとともに、自立性の高い地域の中心として、また広域的な機能を担う、広域連携拠点として育成整備することとされていることは、既に御案内のとおりでございます。 本県は、これらの業務核都市の具体的な整備計画である基本構想の策定をはじめ、業務核都市の育成整備を推進していく役割を担っているものと認識しておりますが、川越地域、春日部・越谷地域については、いまだ基本構想が策定されていない状況であります。川越市、春日部市で整備検討中の地域振興ふれあい拠点施設については、同施設再検討委員会から地域活力の維持・向上のためには、同拠点施設の整備が必要との一定の方向性が示された現在、二つの地域における基本構想策定の取組が急務となっているところであります。川越地域、春日部・越谷地域における業務核都市基本構想策定のスケジュール及び策定方法など業務核都市育成整備の具体的方法について、知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。 以上、第一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手起こる) ○近藤善則副議長 五番 松沢邦翁議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 松沢邦翁議員の質問にお答えをいたします。 まず、特別養護老人ホームについてのお尋ねのうち、特別養護老人ホーム整備に向けた今後の取組についてでございます。国が示しました基準を基に県がつくりましたゴールドプランの枠内での特養整備については、当然国が責任を持つべきものだと考えております。したがって、この財源確保については、今後も国に対してあらゆる手段を通じて厳しくその責任について履行をお願いしたいというふうに思っております。 しかしながら、昨年の十一月一日の調査で、一万四千人の高齢者の方々が特養に入居したい、こうした調査が出てまいりました。このため、ゴールドプランとは別個に、もともとマニフェストでも掲げておりましたけれども、二千五百人の上乗せが私はどうしても必要だというふうに考えております。この二千五百人分は、当然ゴールドプランの枠外であります。したがって、今議会にお願いをしております特別養護老人ホーム整備促進事業により、県が責任を持って行っていきたいというふうに思っています。 改めて、なぜこのゴールドプランに上乗せして二千五百人床にしなければならないかについて申し上げます。言うまでもなく、ゴールドプランの整備数は平成十九年度に一万七千四百九十四人というふうに計画をされております。ところが先ほど申し上げましたように、調査では入所希望者総数が一万四千人、うち、今すぐ入所したいという方々が九千八百人、うち、要介護三以上の方々が六千八百人であります。そうしますと、ゴールドプランの整備数一万二千二百三十九人に九千八百人を単純に足し算で加えますと、約二万二千人という数字が出てまいります。そういう意味で、場合によっては二万床でも足りない可能性も出てくるというふうに思っております。ただ、いろいろ人口の推計や希望者の状況だとか変わってくるかもしれませんが、私は安全圏として二万人というのを一つの目安に掲げております。そういう意味では、見直すということではなくて、これを必ず実現したいという考え方を持っております。 次に、平成十五年度、十六年度整備分について設備整備の国庫補助が削減された分を県として支援すべきではないかというお問い掛けであります。この二か年で整備を予定している特養の計画については、このたびの予告なしに一方的になされた国庫補助の削減により、机やいすやベッドなどの設備整備費が約七〇パーセント減額になりました。これらにより、当初の資金計画を見直さざるを得ない事業者がおられることも事実であります。県として、このような設備整備費の不足を補てんする補助制度はないものでありますので、長期的、安定的な経営が確保できることを条件に、特例的に特養の土地と建物本体に抵当権を設定することを認める方向で現在検討を重ねております。これにより、事業者が銀行などから不足した資金を借入れができるようにしたいというふうに考えております。 次に、ごみ問題についてのお尋ねのうち、ごみ発電についてであります。 廃棄物政策は、まず廃棄物の発生抑制や再利用、リサイクルに優先的に努めることであります。県民の皆様にごみの減量化や分別回収に御協力をいただいております。その上でやむを得ず焼却する場合には、御提言の焼却熱を利用したごみ発電、いわゆるサーマルリサイクルの促進を図っております。現在、御案内のように県内でごみ発電が可能な大型の焼却炉を保有している十一施設の合計発電能力は約六万四千キロワットであります。これは十五万五千世帯分の電気使用量に相当しております。このように、ごみの焼却熱を利用したエネルギーの回収によるごみ発電が徐々に整備されつつあります。ごみ発電を推進するためには、市町村が設置する焼却炉を経済性とか、環境対策に優れたごみ発電も可能になるような大型焼却炉に集約することが必要かと思います。議員が御提案されるとおりだと思います。 そこで、県では市町村合併による焼却炉の統合や大型化の動向を見ながら、市町村ごみ処理施設の広域体制を促進し、安全で効率的な大型のごみ焼却施設の整備を目指しています。また、ごみ処理施設における民間活用については、彩の国資源循環工場の実績もあります。これを踏まえ、市町村におけるPFI手法などの積極的な活用を促進し、一層エネルギーの有効利用に努めたい、このように思っております。 次に、防犯のまちづくりの取組についてであります。 議員がお話しされましたように、去る二月定例会で議員提案による埼玉県防犯のまちづくり推進条例が制定され、七月一日より施行されております。このような県議会の意気込みもあり、犯罪認知件数が増加傾向にある中で、民間の協力と警察の努力もあり、本年に入り五月までの検挙率が昨年同期と比較して、五・九ポイント上がってきております。こうした犯罪をなくすための警察の努力もさることながら、何よりも自分たちのまちは自分たちで守るというような県民の努力、行政と県民の協力、あるいは事業者と一体となった運動、こうしたことが犯罪の機会を減らし、犯罪を起こさせにくい地域の環境づくりになるのかなというふうに考えております。 このような基本的な考え方に基づき、お話にありました日本ガーディアン・エンジェルスさいたま支部の誘致や、ふるさと創造資金による市町村の民間パトロールなどの取組支援を行っているところです。また新たに、県及び県警本部とタクシーや宅配便などの九つの巡回事業者の方々と六月末に防犯のまちづくりに関する協定を締結し、防犯活動のPR等に協力をいただいているところであります。 今後犯罪を起こさせにくい地域をつくっていくためには、自主的な防犯活動の促進や、県民の皆様の防犯意識の高揚、青少年に対する規範意識の醸成等を図っていく必要があります。これらの具体的な取組については、防犯のまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画を策定することになっております。これもまた議会の皆様方の御協力をいただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 最後に、川越地域及び春日部・越谷地域の業務核都市育成整備についてであります。 この二つの地域は、県の東西の拠点となる重要な地域でもあります。また、首都圏の他の拠点的な都市とともにネットワークを形成し、首都機能の一翼を担う地域でもあります。私はそれぞれの業務核都市が個性的で自立性の高い都市として形をつくり、ネットワークを組み、互いに機能を補完し合うような、そうした仕組みができることが、結果として本県の魅力と活力を増すものだというふうに思っております。そういう意味で、この両地域を業務核都市として育成整備していく必要があると思います。 春日部・越谷地域は水辺の都市であるレイクタウン構想があり、医療福祉のまちとしてのポテンシャルも有しています。また、川越地域については、歴史・文化を有する県内屈指の観光の地域としても魅力を持っているエリアではないかと思っております。さらに、両地域では業務核都市基本構想における中核的施設としての地域振興ふれあい拠点施設の整備を検討しております。これにより、地域活性化に向けた取組が更に期待される、私はそう思います。 県としてこれまで以上に地元市との協議を重ね、住民の方々のお考えを十分に尊重した上で、春日部・越谷地域については、平成十七年度に国との協議を行い、国の支援を取り付けたいと思っております。川越地域についても、地元各市との調整を早急に行い、平成十八年度のできるだけ早い時期に構想策定に向けた国との協議を行っていきたいと考えております。 今後の育成整備の方針については、地域の持つ個性に着目し、最大限磨きをかけることで、よく他県にありがちな首都だけが大きく栄えていくというような仕組みではなく、埼玉県下の中にいろいろ個性のある立派な都市が複数に存在していくような、そういう形をつくっていきたいというふうに考えております。 以上で終わります。ありがとうございました。        〔今井栄一環境防災部長登壇〕 ◎今井栄一環境防災部長 御質問二、ごみ問題についての(二)焼却灰、溶融スラグの活用促進についてお答えを申し上げます。 平成十五年度に本県で排出された焼却灰は二十七万三千トンでございますが、そのうち三〇パーセントに当たる八万二千トンをセメント資材化や溶融スラグ化して、路盤材などとして活用いたしております。まず、焼却灰のセメント資材化につきましては、県内セメント会社との協定により進めており、焼却灰の再生利用が順調に伸展し、本年度は受入量が処理能力の上限である六万三千トンに達しております。今後は更にセメント資材化の処理能力の拡大に努めますとともに、平成十八年度には彩の国資源循環工場において、新たな焼却灰の再生施設を稼働させる予定となっております。 しかしながら、焼却灰を固定化処理した溶融スラグにつきましては、技術的には路盤材やアスファルト骨材などとして全量利用可能でございますが、四万六千トンの製造量に対しまして、品質に関する標準化がなされていないことなどから、利用は約四六パーセントに当たる二万一千トンにとどまっております。現在溶融スラグの活用促進につきましては、全国の自治体の共通した課題でもあり、国におきましても溶融スラグの早期JIS規格化に取り組んでいるところでございます。 県といたしましては、今後溶融スラグのJIS規格化に伴い、その安全性や品質などをPRいたしまして、公共事業における利用はもとより、民間事業においても一層の活用を図り、これまで埋立処分場に依存してきた焼却灰について、更なる再生利用を促進してまいります。 次に、(三)産業廃棄物の山についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 まず、産業廃棄物の不法な山積みについては、一度山が形成されてしまうと、撤去させることが容易にできなくなるため、県といたしましても、早期に発見し、迅速に対応していくことが何よりも大切なことであると考えております。そこで、環境管理事務所による監視パトロールの強化、市町村職員の県職員併任制度の積極的活用、民間の協力による不法投棄通報体制の整備などに努めるとともに、関係部局や県警本部、市町村とも連携を密にいたしまして、迅速な対応の実施を図っているところでございます。 御質問にございます越谷の廃棄物の山につきましては、廃棄物処理法に基づく改善勧告をするなど行為者に対して再三の指導を行ってまいりました。これまで三分の一程度が撤去されてきたところでありますが、残っている廃棄物の撤去につきまして、農林部とともに、地元越谷市と連携を密にして更に厳しく改善指導をしてまいります。 次に、廃棄物の山の撤去に対するけやき基金の積極的な活用についてでございますが、廃棄物の山は山を築いた関係者に撤去させることが原則でございます。けやき基金は関係者が行方不明、資力不足などにより撤去が困難な山のうち、特に火災や崩落などで危険性が高く、県民生活に重大な支障を来すような山につきまして、やむを得ない緊急的な対応として地元市町村や埼玉県産業廃棄物協会の協力を得て、撤去するために活用するものでございます。御質問の廃棄物の山につきましては、行為者が県の撤去指導に従っていることから、更に指導を強めてまいりたいと考えております。 次に、いわゆる自己処理と称する廃棄物の保管に対する規制強化の検討についてでございますが、他県で制定した同趣旨の条例を見ますと、建設業者の資材置き場や製造業者の工場敷地以外での保管など数多くの事業活動が規制対象になってまいります。条例が規制逃れの悪質な不適正処理行為をしっかりと規制できないと、結局適正な処理を行っているこうした多くの事業者に加重な負担をかけただけという結果となってしまいます。自己処理と称する廃棄物の保管を的確に規制できるような仕組みができないか、引き続き研究してまいりますが、この問題は全国共通の課題でもあります。条例より規制効果が高く、実効性も確保しやすい廃棄物処理法の改正につきましては、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。 次に、御質問六、カワウの問題についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 カワウにつきましては、繁殖地が限られ、絶滅のおそれがありますことから、保護すべき鳥としてレッドデータブックに掲載したところでございます。一方、カワウによる漁業被害が叫ばれていることも承知しておりまして、これまで繁殖地やねぐら等の実態把握に努めてまいったところでございます。今年度におきましては、県内で二か所確認されている繁殖地を保全しつつ、旺盛な繁殖力を抑制する方法を探るため、専門家の意見を聞きながら調査・研究を進めることとしております。また、カワウの行動が広範囲にわたることなどから、環境省では関東及びその周辺の十都県の野生鳥獣担当者や漁業関係者などで構成されるカワウの広域保護管理協議会の設置を予定しております。 本県といたしましても、こうした協議会を通じまして、近県との連携を図ることにより、カワウの広域的な生息状況等の把握に努めまして、生息数の調整も含めた対策を検討してまいります。        〔杉田勝彦農林部長登壇〕 ◎杉田勝彦農林部長 御質問二、ごみ問題についての(三)産業廃棄物の山についてのうち、私に対する御質問にお答え申し上げます。 廃棄物の農地への投棄に係る農地法違反につきましては、早期発見、迅速な対応が違法投棄をさせないための鉄則であると考えております。この対策につきましては、庁内に廃棄物等不法投棄対策推進会議を設置し、各部局が連携して積極的に取り組んでおりますが、農林部におきましては、各農林振興センターが市町村及び農業委員会と共同して現地対策本部を設置し、合同でパトロールを行うなど早期発見、迅速な対応に取り組んでいるところでございます。 御質問にございます越谷市の農地法違反事案につきましては、勧告や事情聴取など度重なる是正指導を行ってまいりましたが、いまだ解決に至っていない状況にあります。このため、今後環境防災部や越谷市と一層連携を密にし、厳しく是正指導してまいりたいと思います。 次に、御質問五、コイヘルペスウイルス病についてお答え申し上げます。 コイヘルペスウイルス病につきましては、本県におきましても、平成十五年十一月に発生して以来、現在までに池や河川など合わせて二十四か所で発生いたしました。この病気はコイ特有の病気であり、発症した場合は死亡率が大変に高く、現在のところ治療方法のないのが実態でございます。このため、まん延防止を図ることが極めて重要でございますので、コイの死亡情報をいち早く収集し、コイのウイルス検査を行い、陽性の場合は検査結果を直ちに公表することとしております。また、コイヘルペスウイルス病の発生が明確となった場合、管理された水域である池などでは生き残った魚の処分や池の消毒などを要請するとともに、天然水域である河川におきましては、水域指定の告示を行い、コイの持ち出しと持込禁止の措置をとっているところでございます。 さらに、この病気に対する県民の不安感の払しょくを図るため、この病気が人間はもちろんコイ以外の魚で発病することはなく、食べても全く問題はないものであることを彩の国だよりやリーフレットの配布等を通じまして繰り返し周知を図るとともに、発生地域の拡大に備えまして、庁内にコイヘルペスウイルス病対策会議を設置し、連携体制を一層強化いたしました。 なお、コイの放流を自粛しております各地域の河川漁業協同組合に対しましては、放流方法の改善などを指導し、魚類資源の確保を図るとともに、県養殖漁業協同組合に対しましては、魚種ごとにせり場を区別するなど、せり売りの方法の改善を指導し、流通量の回復に努めているところでございます。 今後とも引き続き河川パトロールや、いまだ発生していない水域の検査を積極的に実施するなど監視を強化し、万全の態勢でまん延防止対策に取り組んでまいります。 次に、御質問六、カワウの問題についてのうち、私に対する御質問にお答えを申し上げます。 カワウの飛来につきましては、昭和六十年ごろから見られ、飛来数が増加するに伴い、漁獲量が減少し、漁業関係者からも放流した魚が食害されており、年々漁業への被害が大きくなっていると聞いております。このため、平成十五年度からカワウによる漁業被害の実態の解明を目的に、カワウの捕食状況調査を実施しておりますが、平成十五年度においては、銃器により十九羽を捕獲し、胃の内容物を調べましたところ、放流したアユ、ヤマメ、ウナギなどを捕食していることが確認されました。また、平成十六年度はデータの蓄積を図るため、三回の調査を計画しており、五月に行った第一回調査では、ニジマスに針を付けた仕掛けにより四羽を捕獲し、調べましたところ、これまでと同様に放流したアユやウグイなどを捕食していることが確認されております。 このように、これまでの調査からカワウが放流魚を捕食している実態が明らかになったところであります。今後はカワウによる漁業被害を軽減するための対策を環境防災部と協議し、漁業被害が発生している地域におけるカワウの捕獲など具体的対策の実施に向けて取り組んでまいります。 また、内水面漁業者への支援や漁獲量の減少への対策についてでございますが、これまで川の上に糸を張ってカワウの飛来を防止したり、竹の枝などを川に沈めて稚魚の隠れ場をつくる事業などを実施してまいりました。今年度からはこれらに加え、新たに魚の産卵所を造成することにより、自然増殖を促進する漁業協同組合を支援するなど、今後とも魚類資源の保護増殖に努めてまいります。        〔島村和男総務部長登壇〕 ◎島村和男総務部長 御質問四、NPO活動の促進についてお答えを申し上げます。 まず、埼玉県特定非営利活動促進基金を活用した事業の進ちょく状況についてでございますが、一つはNPO法人に対する助成事業でございます。NPOの法人化を支援するための助成と設立間もないNPO法人の活動を強化するためのものと二種類合わせて二十四団体に総額一千万円の助成を行う予定でございまして、これに対し、九十六団体の応募がございました。 二つ目は、アイデアに富んだ事業をNPOに提案していただき、提案したNPOに県が委託してその事業を行う、NPO協働提案推進事業でございます。所要経費四百万円、一事業でありますが、三十六件の応募がありました。現在両事業ともそれぞれ外部委員から成る審査委員会の意見を伺いながら審査を進めておりまして、九月には助成団体や対象事業を決定する日程となっております。 三つ目は、NPO法人の運営力の強化と法人職員の育成を図る事業でございますが、税務や会計に関する相談にインターネットなどを活用して応じておりますほか、NPOの法人立ち上げや法人運営の参考としていただくガイドブックを十二月ごろに発行することとしております。また、埼玉県NPOオフィスプラザの整備でございますが、このほど入居NPOが十六団体決まりまして、現在八月下旬の開所を目指して施設の整備を進めております。 次に、今後どのような視点でNPO活動の支援を行っていくかについてでございますが、NPO活動の支援に当たっては、NPOの自主性、自発性を最大限尊重いたしますとともに、NPOと県とで適切なパートナーシップを築き、協調・連携を進めていくという視点が大切であると考えております。 官から民への時代の流れの中、活力ある地域社会づくりにとって、NPOの自主的、自発的な社会貢献活動の果たす役割はますます大きくなっております。今後、更にNPO活動の促進を図ってまいります。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)都市計画道路浦和野田線進ちょく状況についてでございますが、お尋ねの葛西用水に架かる新大吉橋から県道平方東京線までの区間につきましては、これまでに用地買収を進めておりまして、現在の用地買収率は四三パーセントとなっております。また、お話にもありました葛西用水に架かる新大吉橋と、これと交差する県道越谷野田線との間には高低差がありますことから、県道平方東京線への取り付けを含め、安全でまた周辺の土地利用に支障がない道路構造となるよう、交差点形状の検討を行っております。引き続き、この検討の内容を踏まえ、地元の御意見をお聞きしまして、平成十六年度内を目標に交差点の形状等を決定してまいります。 次に、(二)都市計画道路八潮越谷線の進ちょく状況についてお答えを申し上げます。 まず、下間久里地区についてでございますが、現在一般国道四号と接続する箇所の交差点形状について関係機関と協議を進めているところでございます。この六月に残っていた用地契約を締結したところでございますので、家屋移転が済み次第、工事を実施し、平成十七年度に開通できる見込みでございます。 次に、西方地区についてでございますが、現在残っている大規模工場の用地取得や物件の移転工法に係る課題につきまして、地元越谷市をはじめ、関係機関と協議を進めているところでございます。早急に協議を進め、今年の秋には地権者との移転工法等について本格的な話し合いに入れますよう努力してまいります。 次に、(三)都市計画道路越谷吉川線の吉川橋の架換えについてでございますが、都市計画道路越谷吉川線は、越谷市と吉川市を連絡する主要な幹線道路でございます。越谷市内の県道足立越谷線から吉川市内の県道葛飾吉川松伏線バイパスまでの約五キロメートル区間につきまして、順次整備を進めております。既に約二キロメートルの整備が完了し、平成十六年度から越谷レイクタウン沿いの約二・五キロメートル区間につきまして、事業に着手したところでございます。残る吉川橋を含む約〇・五キロメートル区間につきましても、早期の事業着手に向け、準備を進めております。 お尋ねの一級河川中川に架かる吉川橋は幅員も狭く、昭和八年に架設され、老朽化が進んでおりますので、中川の河川改修と併せた架換えが必要なことから、現在橋りょう取付部分の幅員など都市計画の変更も含め、国土交通省や地元市と協議を重ねているところでございます。 今後とも、河川改修や周辺の道路整備との整合を図りながら、早期に吉川橋の架換えができますよう努めてまいります。        〔五番 松沢邦翁議員登壇〕 ◆五番(松沢邦翁議員) 何点か再質問をさせていただきたいと思います。 まず、特別養護老人ホームの中で松原会を含む備品補助金の関係でございます。知事のほうではこうしたものは国が基本的に行うもの、それはそれで分かります。しかしながら、こうした施設については、県が許認可を持っております。答弁では銀行から敷地等抵当に入れてお金を借りるように配慮したということではございますが、しょせんは補助金と借金は全く質が違う話でありまして、許認可をした県がこの辺をしっかりと支援していかなければいけないのではないかと、私は思っております。そうしたことから、再度知事のこうしたことについての御答弁をお願いできればと思っております。 それからごみ発電の関係でございますが、これも知事にお願いいたしたいと思いますが、やはりごみをいかに有効に使うか、そしてこのごみ発電施設を設置しないと溶融スラグ化、これは非常に難しいわけでございます。電気を買わなければいけない、そういうことですから、今、県内にも小規模と言っていいかどうか分かりませんが、私の聞いたところでは百トン未満ということで聞いておりますが、そうした施設が非常に多い。そういう中では、県として市町村の合併も踏まえて、知事がこうしたものを仕組みをつくっていかなければいけない、来年三月以降は合併についても知事の許認可というか権限の中に入るかと思いますので、そうした長期的な視野も含めて、やはり知事としてこうした施設をどういうふうにするかということが必要なのではないかということでございますので、もう一回、知事の御答弁をお願いしたいと思います。 それから、焼却灰とかスラグの活用でございますが、これは環境防災部長にお伺いいたしたいと思います。 今、三〇パーセント活用されているということですが、非常にこうしたものが無駄に使われているということは残念なことでありまして、やはりこうした原材料を公共事業に使うということが、どこに使っているかということが一番分かるわけです。例えば民間で使いますと、消費者にそれぞれすぐ適宜渡ってしまいますから、どこで使ったかということが分からない。公共事業ではその辺がしっかりと担保できるわけですから、県としてやはりそのスラグとかセメント化とか、セメント化はいずれにしても、スラグの活用についてはこれが一〇〇パーセントになるような努力が必要であると私は思っておりますので、もう一度御答弁をお願いします。 それから産廃の山の関係でございます。これも部長にお答えいただきたいと思いますが、知事は3Sということを就任以来申し上げております。やはりこうしたいろいろな問題については、スピーディーに対処するということが大事だと思います。答弁では迅速に対応したいということがありましたが、迅速でないからこうした一般質問で出てくるわけでございます。この辺の取組はやはり県庁、それから春日部・越谷等いろいろあるかと思いますが、その辺が横の連携と申しますか、ちょっと悪いのではないか、そう思いますので再度部長の答弁を求めたいと思います。 八潮越谷線について部長にお伺いしますが、御承知のように、県土整備部長さんは越谷の土木事務所にいましたから内情は良く分かっていると思います。この八潮越谷線については、武蔵野線の陸橋が平成九年五月二十日、これに開通したわけですが、その以前に八潮越谷線の一部開通、南部区画整理に併せてできているわけです。そうしますと、非常に時間がたっている。越谷地域でも越谷市内にはジャンプ台が三つある。その一つがこの武蔵野線の陸橋のジャンプ台でございます。やはり小沢部長さん、実情も良く知っておられるわけですが、私は結果としていずれの問題もトップがどれだけのやる気があるか、それにかかわる問題だと思っております。そうした意味で、県土整備部長さんの御答弁を、その決意を再度お聞きいたしたいと思います。 以上でございます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 松沢議員の再質問にお答えします。 まず、松原会をはじめとする国の設備整備費の補助の部分が七〇パーセントカットされたということに関して、大変困難な状況になっている部分を県として何とか面倒を見られないかと、こうした質問に対して、設備整備費についての不足を補うための県としての制度というものは現在のところないという事務方の報告を受けましたので、それでは何かできないかということであれば、先ほど申し上げましたような銀行等の借入れについての抵当についての考え方ができるという回答を一ついただきました。しかし、それでも結果的に借金ではないかというお問い掛けですので、これ以上何ができるかということについて、もう少し若干の時間をいただければ、更に研究してみたいと思います。 それからごみの発電について、もう認識は同じでありますので繰り返すことになってはいけないと思いますが、要するに三百トン級だとほとんど発電等々ができるという、より大きな焼却炉をつくればつくるほど、より公害が少なく、そしてなおかつ発電もできるという仕組みになっておりますので、より広域化、より大型化するような仕組みを現在の市町村合併の様々な動きと一緒にやれという、こういう御指摘ですので、全くそういう意味での問題意識は同じであります。 これは市町村の協力も得なければできないことでありますので、できるだけそういう仕組みに方向性として持っていけるように、県議の御協力もいただきながら、私としても進めていきたいというふうに思っております。        〔今井栄一環境防災部長登壇〕 ◎今井栄一環境防災部長 松沢議員の私に対する再質問にお答えを申し上げます。 まず、二のごみ問題についてのうち、(二)の焼却灰、溶融スラグの活用促進についてですが、溶融スラグの活用を公共事業でできないかということでございますけれども、国におきましてもJIS規格化につきまして、早期にさせるということで動きが出ておりますので、県といたしましても、担当部局と連携しながら具体的にそれを受け止めて、公共事業に使えるように調査を具体的に進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、(三)の産業廃棄物の山の問題でございますけれども、迅速に対応しなさいというお話でございます。これまで産業廃棄物の山ができることに対しまして、初期対応が少し遅かったということは反省しております。そこで、他の部局やそれから警察本部も含めまして、連携をしながら迅速に対応するようにしておりますけれども、実際に対応するところは出先機関でございますので、環境管理事務所にも、よく今日の松沢議員のお話を伝えまして、厳格に指導してまいります。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 松沢邦翁議員の七、地元問題、(二)都市計画道路八潮越谷線の進ちょく状況についての再質問にお答えを申し上げます。 八潮越谷線の西方工区につきましては、大変長い間、時間がかかっておりましたが、今年の秋には必ず交渉の窓口が開かれますよう最大限の努力をしてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○近藤善則副議長 暫時、休憩いたします。午後二時十五分休憩          ----------------午後三時三分再開  出席議員   八十九名   一番   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十四番  十五番  十六番   十七番  十八番  十九番  二十番   二十一番 二十二番 二十三番 二十四番   二十五番 二十七番 二十八番 二十九番   三十番  三十一番 三十二番 三十三番   三十四番 三十五番 三十六番 三十七番   三十八番 三十九番 四十番  四十一番   四十二番 四十三番 四十四番 四十五番   四十六番 四十七番 四十八番 四十九番   五十一番 五十二番 五十三番 五十四番   五十五番 五十六番 五十七番 五十八番   五十九番 六十番  六十二番 六十三番   六十四番 六十五番 六十六番 六十七番   六十八番 六十九番 七十番  七十一番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十七番 七十八番 七十九番 八十番   八十一番 八十二番 八十三番 八十五番   八十六番 八十七番 八十八番 八十九番   九十番  九十一番 九十二番 九十三番   九十四番  欠席議員   五名   二十六番 五十番  六十一番 七十六番   八十四番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(都筑)       出納長   総合政策部長  総務部長          環境防災部長   健康福祉部長  労働商工部長        農林部長   県土整備部長  国体・国際スポーツ大会局長 公営企業管理者   病院事業管理者 教育長           警察本部長 △再開の宣告 ○井上直子議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○井上直子議長 質疑質問を続行いたします。 二十五番 大山忍議員        〔二十五番 大山忍議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十五番(大山忍議員) 二十五番、東第十一区選出、自由民主党の大山忍でございます。 議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず、国民保護法に基づく今後の県の対応についてお伺いします。 二十一世紀を迎え、九・一一同時多発テロ攻撃が発生し、米国のみならず、日本における安全保障への対応は急激にその活動を拡大しております。戦闘員、非戦闘員の区別なく、突然に何の罪もない人々の生命を奪ってしまう無差別テロは人類への脅威であり、どのような言い分があるにせよ、許されるものではありません。小泉内閣は、国際安全保障への共同対処のため、テロ対策特別措置法を成立させました。そして、アフガニスタンでの対テロ戦争への後方支援をする措置をとり、現行憲法体制下での軍事活動の制約とテロをめぐる国際安全保障への参画の必要性の双方を両立させるための対処を行っております。二〇〇三年三月、対イラク戦争の開始を受け、七月にイラク復興支援特別措置法が成立し、多国籍軍への後方支援を行う、安全確保支援活動ができることとなりました。今、私は最悪の事態のときの身分鑑定のために、自らのDNA鑑定用血液サンプルを残して派遣された自衛隊隊員の安全を心から願っております。 そもそも現憲法は侵略戦争を明白に否認しておりますが、それらから区別される国際安全保障活動への参加については、明文の規定を持っておりません。二〇〇三年六月には有事法制三法が成立しました。そして、二〇〇四年六月十四日に、自民、公明、民主など賛成多数で有事関連七法案が成立しました。また、国際貢献活動を行う自衛隊と米軍の協力を強化した改正日米物品役務相互協定(ACSA)など三条約も承認されました。これにより、現行の憲法第九条を前提とした日本有事に備える基本的な法体系がほぼ整ったわけであります。 しかしながら、こうした個々の立法の先に問われているのは、日本がどのような安全保障政策を選択し、どのようにそれに基づく憲法を改めるのかではないでしょうか。戦後日本の平和主義の伝統を大事に守るためにも、日本は武力の発動が最も慎重であり、非軍事的手段を最後まで尽くす国であってほしいと思います。しかし、国際情勢を考えれば、いつ何時日本も国際軍事行動に加わるべき事態に直面しないとはいえません。それは明白な侵略など国際秩序への破壊が行われ、それが日本の安全をも重大に脅かす場合であります。 今回成立した国民保護法を受け、知事には武力攻撃やテロ発生時に県民の避難や救援保護のため、市町村や関係機関との調整権限や救援のための民有地や家屋の使用、食品や医薬品について強制権が認められています。従来の防災計画とは異なり、更に強い指導力と調整力が問われるわけですが、地方自治体の武力攻撃事態における県民市町村避難計画を今後どのように策定、実施する方向なのか知事にお伺いします。 また、そうした武力攻撃事態などの緊急事態を考慮に入れるなら、国際軍事行動への参加を憲法や法律で禁じるのではなく、国際平和を日本の政策原則として明確にし、日本自身が国際安全保障のための共同行動と外交において、国を誤らない決断を一つ一つ下していく覚悟を持つべきではないかと考えます。それは日本の自衛隊の規模、安全保障政策の実態からかい離した憲法の規定を解釈で取り繕う手法を重ねるのではなく、戦争違法の国際法の流れをくむ平和憲法の理念を国際政治に生かすためにも、憲法第九条の改正が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。 次に、学級崩壊についてお伺いします。 小学校の段階において、子供たちが教師の指導に従わず授業が成立しない、学級が自浄能力をなくし、いじめの温床と化しているなどの状況が見られることは、極めて憂慮すべき事態であります。学校がうまく機能しない状況に関する調査によれば、さいたま市を含む県内八百二十八校の公立小学校のうち、平成十二年度の四十一校、五十一学級から、平成十五年度には八十一校、八十六学級と状況は更に悪化してきております。また、発生校区の特性としては、昨年度の調査と同様、地域に関係なく、どのような校区においても起こり得ると想定できると報告されております。 学級崩壊の原因、背景には、子供たちの変化に対応できないなど教師の指導力不足、幼児期におけるしつけなど家庭の教育力の低下、地域の連帯感の希薄化など様々な要因が複雑に絡み合っているものと考えます。本来学級は級友との対話、対立、競争、理解、協調、団結、友情等々、人とのかかわりの中で集団と個人の関係を学び、自己を主張し、他者を理解するという極めて重要な教育の場であり、そうした学校生活の場を与えるのは我々大人の責務であります。 そこで、学級崩壊への対策として教師の指導力向上、並びに学校における指導体制の観点から、幾つかお伺いしたいと思います。 まず、指導力不足の教員研修では、学習指導方法の理論学習や教材分析などを中心とした指導力の向上が中心となっていますが、教員の社会的常識や人格など、社会の変化や子供の変化に対応できる社会力の向上を目的とした研修体制はできているのでしょうか。また、研修期間も一年としていますが、当然研修内容、結果について個人差があると考えられ、期間の設定についてどのように対処していかれるのか教育長にお伺いします。 さらに、現行制度では一年以内の研修で改善の見込みのある教員については、指導力不足教員として申請されず、市町村教育委員会で独自の研修を行っているとのことでありますが、研修及びその対応について県はどのような連携を図っているのか、併せて教育長にお伺いします。 私は大切なことは指導力不足として排除するのではなく、どのようにして教師の指導力を高めていくかであり、教師が自分の能力を磨けるような支援体制をつくっていくことが大事と考えております。教師はベテランも大学出たての新人も、経験年数にかかわらず、当然ながら一定の指導力が求められます。教師の指導力の有無の判断は、子供と保護者が納得するかどうかといった点も大きな要素となります。このため、学校の組織的な連携に加え、教師と保護者、地域社会を交えた素直に意見交換のできるオープンスクールをつくる必要があると考えますが、この点についても教育長の御所見をお伺いします。 また、子供たちの言葉の乱れや荒れという問題も、近年顕著な傾向となっており、日常生活の言動に対し、学校はしっかりとした指導体制をとる必要があります。人は話すだけでなく、考えるときにも言葉を使います。言葉が貧しくなれば考えも貧しくなり、人間性も後退します。言葉が荒れれば人間性もすさんできます。長崎県佐世保市の同級生殺害事件の報道でも御存じのように、ネット上に書かれた文章のすさまじい言葉の荒れには驚くばかりであります。「デブス」「愚民」「うぜー」等々、これほどまでに今の児童生徒の日常言語はすさんでいるのでありましょうか。教師は子供の言動を把握できなければならず、言葉の荒れ一つからも問題を予見できる存在感のある教師が求められていると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 また、今日の教育界では父性と母性が著しく低下しており、教える側の先生と教えられる側の児童生徒の立場や関係を明確にする必要があると思います。近ごろは児童生徒と友達のような先生を理想とする教師が少なくないと聞きます。しかし、時にほめ、時にはしかり、場合によっては子供を厳しく処罰しなくてはならない教師は子供と完全な友達のようにはなれません。なぜならば、教師と師弟という両者の間には、常に一定の緊張関係が必要であり、その緊張関係を保つことにより、確かな教師と師弟との信頼関係ができ、存在感のある教師として認められると考えられます。 本当に困ったとき、泣いて訴えられた教師が「◯◯君、駄目じゃないか」などと加害者の児童生徒をしかったとして、果たして加害者本人は何で怒られたのか、本当に理解できるのでしょうか。「◯◯君、駄目じゃないか」というしかり方は、加害者には厳しさを、被害者には自分を守ってくれたという優しさを教えられたのでしょうか。このような教師は子供たちにあてにされない。どうせあてにできない先生だから、自分で問題を解決しようという結果になり、時にはわがままなボスが支配することでいじめが起こり、授業が成立せず、学級が崩壊するのです。今こそ存在感のある教師が求められているのであり、同時に保護者にも厳しさと優しさを理解してもらうことが必要なのではないでしょうか。 今日、教師も学校も保護者、PTAに畏縮してしまっています。注意の仕方が悪い、先生にたたかれたということだけで、親たちは自分の子供が悪くても、すぐ教育委員会へ申し立てます。そこには親に厳しくしかられたことのない子供がショックで動揺し、親に訴えるといった実態があるからだと思うのです。厳しさを教えられない親だから、過敏に反応し、我慢することもやり抜かせることも子供に与えてあげられないのです。それゆえに、あいさつ、返事、時間を守る、靴をそろえるといった、本来家庭のしつけとして小さなころから、親が家庭で教えるささいなことまで学校で教えなければならないのです。そのためには、学校と教師が厳しさと優しさを教えられる教育環境と指導体制をつくる必要があり、学校教育、家庭教育、社会教育の三つの柱を停滞させることなく、充実していくことが必要と考えます。 そこで、口先だけでなく本当に悪いことをしたとき、子供を厳しくしかり、優しく見守る基準となる指針として、私は(仮称)コツン条例の制定を提案するものであります。教育本来の青少年健全育成のための指導を体罰や暴力と明確に分けるためにも、また様々な現場、状況での教育指導が効果的に実施できるよう、適切な教育指導行為を明確にし、その基準となる指針を条例として定めるものであります。もちろん、この前提として学校、教師が保護者に大切な子供を時には厳しく、時には優しくしっかりと教育しますと胸を張って言える責任と自覚の下に、先ほど述べたオープンスクールでの教育方針を含めた説明が必要であることは言うまでもありません。保護者も教師も教育の原点は口先だけでなく、本音で子供と話し、体と心で理解し合うことから始まると考えますが、知事及び教育長のお考えをお伺いします。 次に、少子化対策・子育て支援についてお伺いします。 厚労省の二〇〇三年度人口動態統計で、一人の女性が一生の間に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率が、初めて一・三を下回り、一・二九となることが発表されました。出生率の低下が更に進めば、労働力や消費の減少による企業活動の沈滞、経済成長率の鈍化、地域社会の活力低下につながるなど、少子化問題の影響は計り知れないものがあります。 日本の子育て支援策は、先進国の中でも際立って乏しいことが知られております。GDPに占める家族給付は英国の二・二パーセント、フランス二・八パーセント、スウェーデン三・五パーセントに比べ、日本はわずか〇・五パーセントとなっており、高齢者の給付が高福祉国と肩を並べる一方で、子供関連は格段に少ないのが現状であります。また、日本と同じように少子化に悩んできたイタリア、ドイツは、男性の育児支援などに力を入れ、二〇〇二年でそれぞれ一・二六、一・四〇と上向き傾向にあり、フランスは育児休業中の養育手当などを充実させ、一九九四年の一・六五を底に、二〇〇二年には一・八八に回復、育児休業中の所得保障をする親保険があるスウェーデンも二〇〇二年に一・六五と下げ止まっております。 昨年成立した次世代育成支援対策法では、全市区町村に行動計画の策定を義務付けておりますが、保育所の整備、保育園や子育て支援センターの職員を雇うことや医療費補助の充実など、支援の実現には財源問題は避けて通れない課題であります。また、限られた財源の中では住民ニーズに合った施策を優先順位を明確にして実行することも重要であり、より子育てしやすい環境を整備していくことが求められております。 子供をはっきりと持たないという人と、持ちたいけれども持てない人がいます。子供を産む、産まないはもちろん個人の自由ですが、我々の地域社会は家族が基本であり、その家族が支え合う共同体として地域社会が構成されています。つまり子供を持つ、持たないにかかわらず、社会全体でお年寄りから子供まで、それぞれの世代が支え合わなければならないと考えます。 そこでまず一点目として、仕事と子育ての両立支援が必要と考えます。育児休業期間の延長や、働く女性だけでなく、男性の子育てと仕事の両立支援に関する施策を充実すべきではないでしょうか。県では平成十五年一月に育児休業制度の周知及び男性職員の育児休業取得促進に関する通達を出しておりますが、昨日の小菅議員の質問に対し、平成十四年度で二人、平成十五年度では八人という実績という答弁がありましたが、まだまだ周知が不十分と考えます。県庁をモデルとした少しでも親子が共通の時間を持てるよう、ワークシェアリングなどを含めた働き方のシステムや、職員の次世代支援対策を民間に率先して行うべきと考えますが、総合政策部長の考えをお伺いします。 二点目として、経済が長期停滞からやや落ち着きを取り戻しつつある一方で、県内の中小企業においてはまだまだ厳しい状況があります。そこで、県として中小企業対策の観点から、どのように子育て支援の環境整備に取り組んでいくのか、労働商工部長にお伺いします。 三点目として、地域ぐるみの子育て支援については家族や地域への支援が重要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、健康福祉部長にお伺いします。 四点目として、中高生など若い青少年への教育の充実が必要であります。兄弟はもとより、異なる年齢の子供同士の交流機会が失われている今日、乳幼児と触れ合う機会を広げたり、様々な情報が氾らんしている中で、男女がお互いを尊重し合える性教育を充実し、生命の大切さ、産み育てることのすばらしさを中高生に正しく教育することが必要と考えますが、教育長の考えをお伺いします。 五点目として、若い人がフリーターやニート、無業者として急増している点も少子化への影響が大きいと考えます。ニートの急増ぶりは独立行政法人労働政策研究・研修機構の小杉礼子副統括研究員によると、十五歳から三十四歳の比較的若い年齢層に限定されています。フリーターを除外して計算したところ、平成五年の四十万人から十年後の平成十五年には六十三万人に急増し、対象年齢の約二パーセントに上ったとのことであります。若者の就業を巡っては、内閣府調査ではフリーターは全国で約四百十七万人に上り、税収減や年金制度など経済社会への影響が懸念されています。 一方で、働く人は働き過ぎの状況にあり、労働調査協議会の調査によると、男性は職場にいる時間が十一時間十六分と長く、若者は日常生活の中で疲れや不安、いらいら感、仕事や人間関係にストレスを感じています。また、私生活の中で未婚者の二人に一人はパートナー探しに不安を感じています。私は若者の雇用環境の見直しと需給のミスマッチの解消により、若者が将来、仕事や職業に希望と誇りを持てる経済社会システムの構築が必要と考えますが、労働商工部長の所見をお伺いします。 六点目として、仕事や職業について小中学校の義務教育から学習目標を立てる。つまり子供たちが将来どのような仕事をしたいのか、その希望を実現するためには、どのような勉強や経験をしたら良いのか学ぶような、例えば将来と仕事のような教科も必要ではないかと考えますが、この点について教育長の所見をお伺いします。 次に、ペット動物を巡る諸問題についてお伺いします。 今や日本はペットブームに沸いております。県内でも昨年十一月三十日に上福岡市でドッグランがオープンしたところであります。国内のペット市場は一兆円とも二兆円とも言われており、その背景には超少子高齢化社会など、近い将来の社会構造を見据えての予測であることは想像にかたくありません。もちろん、大切な家族の一員として、日常に安らぎや大きな喜びを与えてくれるペットや動物との触れ合いを通し、お年寄りや障害者の心身のリハビリに役立てるアニマルセラピー、動物療法として幅広く活用される市場としても期待されていると考えます。 私たちがペットに心のいやしを求める限り、さきに述べたようにその市場の需要は飛躍的に拡大していくものと思われます。しかし、その反面、平成十五年度の県内の保健所に留置された犬は捕獲犬が三千五百三十二頭、引取犬一千六頭でありますが、そのうち飼い主に返還されたのはわずか六百二頭であり、動物指導センターの猫収容数については、所有者権放棄が八百六十五頭、所有者不明が四千二百二十四頭、飼い主返還が四頭、そして一般譲渡された犬は二百六十二頭、猫五十三頭であり、その結果、安楽死処分された犬は、三千九百六十二頭、猫五千七十五頭の計九千三十七頭であります。この数字は埼玉県の数字であり、心ない県民により飼育放棄された犬と猫で、この数字以上に山林等に捨てられ、野生化している犬や猫もかなりの数に上るものと考えられます。また、怪獣ガメラのモデルとなったことで有名なワニガメなども最近では県内の沼や川で見つかっており、千葉県印旛沼ではカミツキガメの自然繁殖も確認されております。飼い主のモラルも何もない、誠に残念な現状であります。 各都道府県では改正動物愛護管理法の下に条例を制定しており、本県でも平成十年十月一日付けで埼玉県動物の愛護及び管理に関する条例を施行しております。その第三条で、県の責務として「県は、動物の愛護及び管理に関する基本的かつ総合的な施策を制定し、及びこれを実施するものとする」と明文化し、第五条では飼い主等の責務を規定していますが、さきに述べたように現状は目を覆うばかりであります。その理由は様々であると思いますが、かわいらしさからペットショップで衝動的に子犬や子猫を買い、成長するにつれ、飼育できなくなり捨てるという飼い主側のわがままや、飼育の仕方、成長したときの大きさ、行動などペットショップ側の利益を求める余り、販売を優先し、事前の説明不足もあると考えられます。 ペットブームを受け、数多くの外国産の動物がほとんど何の検査も受けずに日本に持ち込まれており、それらの中には帯広畜産大学の柳川久助教授によると、日本にどのくらいの種類の動物がどの国からどれだけの数輸入されているかという資料がないとのことであります。また、狂犬病、腺ペスト、ライム病などの病原菌となる種も多く含まれているのであります。これらの種は人間に病気を媒介する可能性を持つほか、逃げ出したり、故意に野外に放たれたりすることで、日本在来の野生動物の生態環境を壊し、病気を媒介する可能性があるといいます。米国でBSE(牛海綿状脳症)が発見され、中国にはSARS(重症急性呼吸器症候群)が再び出現し、日本では先ほど質問のありました養殖ゴイがヘルペスウイルスに侵され、各地で大量に死、また鳥インフルエンザの発生で数千羽規模の鶏が死んでいます。 今日、動物を経由した病がこれほどまで私たちを悩ませています。こうした事態の要因は、実は私たち自身の危機感の薄さにあるのではないでしょうか。欧米では狂犬病などの検査のために、狩猟や有害鳥獣駆除、交通事故で死亡した野生動物の死体が定期的に検査されております。ハクビシンがSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染源として疑わしいという記事がありましたが、何種類かの動物を取り上げて集中的に調べても、動物由来感染症の根本的な解決策にはならないと考えます。 我々にやすらぎや大きな喜びを与えてくれる動物たちと安心して共存していくためにも、動物愛護及び動物由来感染症対策の観点からも、国内、県内の検査体制の確立、外国から入ってくる動物の輸入規制、ペット動物の産地や種類、動物取扱業者、流通経路、流通販売業者の実態並びにペット飼育者への販売までの生態環境を含めた管理体制を把握し、しっかりとした検査、検疫と飼育者のモラルの確立を求めることが必要と考えます。そのために、ペットの幼齢期販売の規制、罰則等をより厳しくする。また、生体の販売、会社、店舗を許可制にするなど、条例の改正を含めた今後の対応について健康福祉部長にお伺いします。 次に、オウム真理教対策についてお伺いします。 地下鉄サリン事件をはじめとする数々の凶悪事件や、反社会的な行為を犯してきたオウム真理教は二〇〇〇年にアーレフと改称しましたが、同年、団体規制法に基づく観察処分の適用を受け、期限の切れた二〇〇三年に再度公安審査委員会は、将来、再び無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると判断し、三年間更新しました。公安調査庁の団体規制法に基づく調査結果によると、活動に使われている県内の施設は、八潮市大瀬、同伊勢野、越谷市北越谷の三施設を含め、居住施設など十数箇所あるとされ、特に今回、国松長官狙撃事件で逮捕された砂押容疑者が住んでいた八潮市大瀬施設は年末年始、ゴールデンウイークに全国から信者が集まり、セミナーという名目で修行が行われ、上祐代表もたびたび訪れており、教団の重要拠点となっております。多いときには百人以上の信者が出入りして修行を行うなど住民の不安は依然として著しく、八潮市当局では監視小屋において夜間の監視活動を行っているところであります。 そこで県警察としては、昨今のオウム真理教をどのようにとらえ、今後地域住民の不安解消のためにどのような対策を講じていくのか、警察本部長にお伺いします。 次に、地元問題についてお伺いします。 まず、都市計画道路草加三郷線及び都市計画道路草加彦成線進ちょく状況と今後の見通しについてお伺いします。 県施行の都市計画道路草加三郷線、草加彦成線の二路線については、八潮市の道路網の骨格を形成する路線として、また同時に草加市、八潮市、三郷市の近隣三市を結ぶ重要路線であります。草加三郷線は来年秋に開業するつくばエクスプレスの鉄道事業と一体的に整備を進めている区画整理事業地内に引き込む下水道汚水管を埋設する予定路線であるとともに、地元の悲願であった八潮駅が開設されますと、アクセス道路の要となる路線であります。また、中川に架かる(仮称)新中川橋の整備につきましても、現在慢性的な交通渋滞が生じている潮止橋の渋滞緩和に向け、八潮市、三郷市、両市挙げて早期の供用が待たれております。 次に、草加彦成線につきましては、県道足立越谷線から都市計画道路伊草大原線までの区間は、既に整備が完了しており、現在は伊草大原線から県道平方東京線までの区間を事業中と聞いております。しかしながら、草加彦成線と伊草大原線の交差点は、整備済み区間と未整備区間が交差するため、未整備区間はボトルネック状態となっており、慢性的な交通渋滞が生じ、歩道もなく通勤通学者にとっては非常に危険な状況であり、過去五年間にも数件の接触事故があったと聞いております。 そこで、都市計画道路草加三郷線及び草加彦成線の進ちょく状況と、今後の見通しについて県土整備部長に伺います。 次に、八潮駅周辺の警察力の強化についてお伺いします。 平成十七年秋にはつくばエクスプレスが開業することに伴い、八潮駅が新たに設置されます。これに伴い、駅周辺地域を埼玉県をはじめ、独立行政法人都市再生機構及び八潮市が、八潮市南部地区土地区画整理事業としてそれぞれ施行する大規模な開発を進めており、人口、交通量の大幅な増加が見込まれております。また、この区画整理地域には、先ほど質問させていただいたオウム真理教集団、アーレフの八潮大瀬施設と呼ばれる施設もあり、多くの地域住民に不安を与えております。 以上のことから、八潮駅の周辺地域の安全確保や駅利用者のため、駅前交番の新設と、地域住民の安全や治安維持等のため、これまで以上に警察力の強化が必要であると考えますので、八潮市への警察署の設置を再三切望してきているところであります。こうした情勢の中で、県警察として今後警察官の増員と配置、警察署の設置についてどのように考えているのか、警察本部長にお伺いします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○井上直子議長 二十五番 大山忍議員の質問に対する答弁を求めます。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 大山忍議員の質問にお答えをいたします。 まず、国民保護法に基づく今後の県の対応についてのお尋ねであります。今回成立しました国民保護法で、知事は有事の際に住民を避難させ、救援するために多くの権限が与えられております。県民の皆さんを守るために重大な責務を担うことになっております。法の有無にかかわらず、県民の生命、身体、財産を守ることは、私に課せられた最大の使命であると考えております。本年一月には、他の自治体に先駆けて計画づくりのための組織を設置したところです。さらに、法が成立した六月には、自衛隊、警察、消防、ライフライン事業者をメンバーとする国民保護計画検討委員会を全国で初めて設置もいたしました。現在、計画策定に向けて、より具体的な取組を進めております。 このように、国民保護に関する県計画の策定に向け、県としても全力で取り組んでおります。しかし、一方では武力攻撃事態の想定と、被害予測や市町村と一体となった確実な住民避難の実施など、想定困難な課題も山積しております。そのため、今後国や市町村などとともに十分連携を図りながら、平成十七年度中の計画策定を目指しています。併せて、様々な模擬訓練などを実施することにより、より実効性の高い計画にしたいというふうに考えております。 次に、憲法九条の改正についてでございます。 この問題は国の安全保障という国の根幹にかかわる問題でありますので、どこまでお答えすればいいか難しいところであります。ただ、今まで憲法が有権解釈、つまり状況に合わせて解釈を変えるというような状況で進んできたことだけは事実ではないかというふうに考えております。したがって、例えば集団自衛権も国際法上権利はあるけれども、憲法九条のために行使ができない。法律で権利はあるけれども、行使はできないという、こういう考え方というのは法理論上、なかなか一般的には通らないことも政府では平気で使っておる。こんなふうに私は思っております。 憲法が制定されてから半世紀以上もたち、日本を取り巻く国際情勢も大幅に変わっております。また、国会の方でも衆議院、参議院ともに憲法調査会をつくり、来年の前半には最終報告をまとめるというふうに聞いております。また、自民党や民主党でもそれぞれの憲法改正草案を作成するという方針も定まっておられますので、今後安全保障はどうあるべきかについて、国民の理解を求めて幅広く議論が行われるものだと私は思っております。この際、憲法九条の在り方について、きちんともう決着をつけていただきたいと思っております。 次に、学級崩壊についてのお尋ねのうち、(仮称)コツン条例についてであります。 大山議員御指摘のように、教師は時には激しく、時には優しく本気で子供に接することが極めて重要なことだというふうに思います。特に子供が悪いことをしたときには、それが悪いということをはっきり説明をしてあげる、このことは大変大事なことだというふうに思っております。もちろん、体罰と思われるような暴力的な接し方は許されませんが、子供への愛情が根本にある限り、しかるべきときには真剣にしかるという、そういうことが教師間の間でルールとしてきちっとあってもいいというふうに思っております。 この条例を制定するかどうかは、まさに教育委員会が検討しなければならない事項でありますので、今、仮称としてのコツン条例を制定すべきかどうかということについて言うべき立場にありませんが、最小限度体罰を恐れる余り手をこまねくよりは、しかり方とかほめ方とか、そういうことについて広範囲に教師の間でやはり研究する必要はあるんじゃないかというふうに思っております。そういう意味で、コツン条例を問題提起されるという意味は大変大きな意味があると思っております。        〔稲葉喜徳教育長登壇〕 ◎稲葉喜徳教育長 御質問二、学級崩壊についての(一)教師の指導力向上についてお答えを申し上げます。 まず、社会力の向上を目的とした研修体制についてでございますが、議員お話しのとおり、子供は人とのかかわりの中で集団と個人の関係を学び、自己を主張し、他者を理解することを学んでいくものであり、したがって、その指導に当たる教師自身には社会力が備わり、人間関係を築く能力が強く求められております。 現在、指導力不足教員に対する研修につきましては、県立総合教育センターにおいて一人一人の課題に適切に対応するよう研修プログラムを作成し、その中でカウンセリング研修や社会福祉施設における社会体験研修などを通じ、社会力の向上に努めております。また、研修期間の設定につきましては、これまで一律に一年としてきたところでございますが、指導力不足教員には個人差がありますことから、現在短期の研修についても検討しております。 次に、市町村教育委員会での研修についてでございますが、指導力に課題のある教員につきましては、校長や市町村教育委員会が校内において指導を行っております。県教育委員会では、定期的な学校訪問を通して研修の状況を把握し、助言を行っておりますが、今後市町村教育委員会からの個別の要請にも応じるよう、支援方策を検討してまいります。 次に、オープンスクールをつくることについてでございますが、各学校におきましては、学校評議員制度、授業公開、学校自己評価システムの取組を通して、家庭や地域との連携に努めているところでございます。議員御提案のように、オープンスクールをつくり、教員の指導力の点も含めて、保護者や地域の方々との率直な意見交換ができるようになりますことは、多くの効果が期待できますので、市町村教育委員会に対し、一層地域に開かれた学校づくりが推進されますよう働き掛けてまいります。 次に、(二)存在感のある教師についてでございますが、学校においては、教師一人一人が子供たちにとって最も身近な言語の手本でございますので、日常生活の言動に対し、学校はしっかりと指導することが何よりも大切なことと認識しております。また、教師一人一人が言葉から問題行動を事前に予見し、防止するため、日々子供への声かけ等を通して、子供理解に努めるとともに、心のサインも聞き取ることのできる技術を身に付けることが求められております。 現在、県では経験年数に応じた研修やカウンセリング研修など様々な研修を実施しておりますが、こうした中で、教師の言語感覚をより一層みがくことにより、子供にとって存在感のある教師の育成に努めてまいります。 次に、(三)(仮称)コツン条例についてのうち、私に対する御質問でございますが、教師が愛情と情熱を持って、ほめるべきときには心からほめ、しかるべきときには真剣にしかることが重要でありますのは、大山議員御指摘のとおりであると存じます。体罰はもちろん許されませんが、児童生徒への指導には教師が自らの職責の重さを自覚し、使命感を持って厳しく指導すべきと考えます。 お尋ねの(仮称)コツン条例については、これを条例とすべきかどうか検討を要する点がございますが、しかし現在、体罰と言われることを恐れる余り、児童生徒への指導が消極的になってしまうという状況がございまして、やる気のある熱心な教師ほど、こうした悩みを抱いている現状にございます。このようなことから、様々な状況の中でどのようなしかり方が適切なのか、どのようなほめ方が効果があるのか、その内容や対応の行動基準を検討することは大変意義がございますので、今後教育局内で積極的に検討してまいります。 次に、御質問三、少子化対策・子育て支援についての(四)青少年への教育の充実についてでございますが、中学校や高等学校では、幼稚園や保育所で生徒が読み聞かせをしたり、一緒に遊んだりするなどの保育体験や職場体験を導入する学校も増えてまいりました。これらの体験を通して、生徒からは赤ちゃんは思ったより小さくてとてもかわいかったとか、子育ては大変だけれども、すばらしい、ここまで自分を育ててくれた両親に感謝したい、こういった感想が述べられております。また、性についての様々な情報があふれる中で、性教育の役割は重要性を増してきており、学校では現在正しい異性感を持ち、望ましい行動をとれるよう保健体育の教科や道徳の時間などにおいて、生徒の発達段階に応じ、指導をしております。 次代を担う子供たちに命の大切さや、産み育てることのすばらしさを理解させることは、教育の根幹にかかわる重要なことでありますので、一層の充実を図ってまいりたいと存じます。 次に、(六)仕事や職業に関する教科の設置についてでございますが、現在小学校では生活科や社会科などで働く人の様子を調べたり、中学校では特別活動の時間などで自分の進路を考える学習を行うなど、職業への理解と将来への目標を持たせる指導を行っております。 議員御提言の仕事や職業に関する教科の設置につきましては、法令改正を伴いますので研究をさせていただきたいと思いますが、しかし、子供たちが早い段階から将来について思い描き、どのような仕事が自分に適しているかを考えることは極めて重要でございます。今後総合的な学習の時間などを活用し、工場や農家でのものづくりや地域の人の人生体験談を聞くことなど、体験活動の充実を図り、学校の教育活動全体を通して望ましい職業観や勤労観の育成に努めてまいります。        〔中村一巖総合政策部長登壇〕 ◎中村一巖総合政策部長 御質問三、少子化対策・子育て支援についての(一)仕事と子育ての両立支援についてお答えを申し上げます。 合計特殊出生率が年々低下し、急速に少子化が進行する中で、こうした動きに歯止めをかけ、社会を活性化させるために、改めて国、地方公共団体、企業等が一体となって少子化対策を推進することが必要であると考えております。平成十五年七月、今後十年間の集中的、計画的な少子化への取組を促進するため、次世代育成支援対策推進法が成立したところでございまして、特に国及び地方公共団体については、特定事業主と位置付けられ、職員の仕事と家庭の両立などを内容とする行動計画を事業主としての立場で定めるべきとされております。 少子化の進行は、広く県民生活や地域社会の在り方にも大きな影響を及ぼすことでありますので、本県といたしましても、民間に率先して有効な施策を打ち出さなければならないと考えております。そのため、子育てを実際に行っている三十代、四十代の職員、あるいはこれから結婚し、子供を持とうという二十代の若手職員を中心にワーキンググループを立ち上げ、子育て中の若い職員の発想などを積極的に取り入れながら、県庁職員の実態を踏まえた、真に実効性のある計画を策定するため、現在鋭意検討を進めているところでございます。 今後、職場実態を把握するための職員アンケートや民間企業の優れた取組についての実地調査などを行いたいと考えておりますが、御指摘の子育て中の親子が共通の時間を持てるような働き方のシステムなどを含め、十分議論を重ねながら、民間に率先して、次世代育成支援のための行動計画を策定してまいりたいと考えております。        〔馬場竹次郎労働商工部長登壇〕 ◎馬場竹次郎労働商工部長 御質問三、少子化対策・子育て支援についての(二)子育て支援に係る企業の環境整備についてお答えを申し上げます。 少子化対策につきましては、国や地方公共団体だけではなく、社会全体で対応していかなければならない課題であり、民間企業におきましても、積極的に取り組んでいただくことが重要となっております。平成十五年に次世代育成支援対策推進法が制定され、三百一人以上の企業に仕事と子育ての両立のための行動計画の策定、実施が義務付けられ、三百人以下の企業につきましても努力義務が課されているところです。 御指摘のように、中小企業におきましては、厳しい経営環境におかれており、また、行動計画策定に対応する十分なノウハウも有していないことから、県としても積極的な支援が必要であると考えております。このため法律の趣旨や具体的な計画づくり、さらに、策定上のメリットなどについて分かりやすく説明したリーフレットを作成し、商工団体などと連携を図りながら、また企業訪問の機会などをとらえて各企業のそれぞれの実情に応じた行動計画の策定に取り組んでいただけるよう支援をしてまいりたいと考えております。 また、これらの計画策定の支援を通じて、育児休業制度の普及啓発や、県や国が実施している様々な子育て支援策のPRなどを行い、中小企業の一層具体的な子育て支援の取組につながるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、(五)若者の雇用環境の充実についてでございますが、若者を取り巻く雇用情勢は、依然として厳しい状況が続いており、フリーターは年を追うごとに増加し、ニートと呼ばれる無業者につきましても、増加が指摘されております。このように、多くの若者が定職に就かない状況が続くことになりますと、我が国の生産性や国際的な競争力を損なうほか、少子化にもつながるのではないかと危ぐされております。 このような状況に対処していくためには、御指摘のように若者を取り巻く労働環境の改善や、需給のミスマッチを解消していくことが重要であると考えております。そこで、県では若者の就職活動をワンストップで支援するヤングキャリアセンター埼玉を設置いたしまして、若者自身の就業意識を高め、適切な職業選択への支援を進めていくなど、需給のミスマッチを解消していくための様々な事業を展開しております。また、企業に対しましても、商工団体とも連携しながら、労働時間の短縮をはじめ、働く人の立場に配慮した労働環境の改善について働き掛けを行ってまいります。 今後とも、経済界や労働界はもちろんのこと、教育界とも連携・協力し、将来を担う若者が仕事や職業に希望と誇りを持ち、活躍できる経済社会の構築に取り組んでまいります。        〔伊能睿健康福祉部長登壇〕 ◎伊能睿健康福祉部長 御質問三、少子化対策・子育て支援についての(三)地域ぐるみの子育て支援についてお答えを申し上げます。 近年の核家族化や都市化の進行により、子育てをする親が時として不安感、あるいは孤立感に襲われた場合に、それを的確に解消することが難しい環境となっております。このため、子育てを地域ぐるみで支援することは極めて重要なことと考えております。県といたしましては、平成十六年度中に策定予定の次世代育成支援対策行動計画の中で、施策に目標値を掲げ、家庭や地域に対する支援に取り組んでまいります。 まず、家庭への支援といたしましては、子育てに関する情報の提供や悩みなどの相談に対応するため、保育所を活用した地域子育て支援センターや、NPOによるつどいの広場などの施策を推進するほか、保護者の病気や育児疲れなどの際に、子供を一時預かる一時保育の拡充を図ります。また、地域への支援といたしましては、子育てサークル、NPO、企業、市町村、学校などが互いに連携して、子育て家庭を支援するためのネットワークづくりを進めてまいります。これらの取組により、地域全体で子育てを支援し、安心して子供を産み育てられる体制をつくってまいりたいと考えております。 次に、御質問四、ペット動物を巡る諸問題についてお答えを申し上げます。 本県ではペット問題に総合的に対処するため、全国に先駆けて平成十年、埼玉県動物の愛護及び管理に関する条例を制定し、動物取扱業者や飼い主に対する指導を行ってきたところでございます。特に、ペットショップなどに対しましては、動物取扱業ガイドブックを作成、配布し、ペット購入者に正しい飼い方や動物由来感染症の予防対策などの情報を提供していただくよう指導してまいりました。しかし、大山議員お話しのとおり、ここ数年ペットブームや輸入動物の増加、飼い主のモラルの低下、さらには野生動物のペット化などペット動物を巡り、様々な問題が生じております。 また、世界各国でのBSE、SARS、鳥インフルエンザなど新たな家畜伝染病や動物由来感染症の発生を受け、国ではいわゆる感染症法や動物の愛護及び管理に関する法律などの関係法令を見直し、動物取扱業者の許可制度、輸入されるほとんどすべての哺乳類及び鳥類の届出制の導入などを予定していると聞いております。 本県におきましても、これら新たな課題に対処するため、感染症対策室の設置や部局横断の動物由来感染症対策連絡会を立ち上げ、全庁的な情報共有など危機管理体制を整えたところでございます。今後とも、これら国の法律改正の動向を見極めながら、条例改正も含めたより効果的な動物指導の在り方について検討を加えてまいりたいと存じます。        〔池田克彦警察本部長登壇〕 ◎池田克彦警察本部長 御質問五、オウム真理教対策についてお答えを申し上げます。 まず、オウム真理教の現状でありますが、信者数は全国で約一千六百五十人、県内で約百六十人と承知しております。また、教団のいわゆる活動拠点施設は全国十七都道府県に二十六か所、このうち県内には御指摘の三か所があるものと承知しております。 このような中、警察といたしましては、オウム真理教は現在は幹部の合議制による教団運営が行われているところでありますが、松本智津夫被告への絶対的帰依を強調した説法会を開催するなど松本色を前面に押し出した活動が行われていること、また、御指摘のとおり将来再び無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると公安審査委員会により認定されていることなど、その反社会的な本質において変化はないものと考えております。また八潮大瀬施設は、過去にゴールデンウイークやお盆、年末年始に信者を集め、いわゆる修行といったものが行われており、教団の重要拠点施設の一つと認識しております。 警察といたしましては、住民の方々の平穏な生活を守り、公共の安全を確保するとの立場から、今後も教団の動向には重大な関心を持ってみてまいりたいと思っております。また、各種法令違反に対しましては厳正に対処することはもとより、トラブル防止のためのパトロールなど、必要な警察活動を積極的に推進してまいる所存でございます。 次に、御質問六、地元問題についての(二)八潮駅周辺の警察力の強化についてお答え申し上げます。 まず、警察官の増員につきましては、県議会の御支援もいただきまして、平成十三年度から四年連続で合計一千四百六十五人の増員をいただいたところでございますが、依然として本県警察官の一人当たりの人口負担は全国一であるなど厳しい状況に変わりはございません。引き続き増員に努力してまいりますので、何とぞ御支援のほどよろしくお願い申し上げます。 次に、警察官の配置についてでありますが、配置人員の算出に当たりましては、警察署管内の人口、世帯数、あるいは犯罪や交通事故の発生状況、一一〇番の件数などを総合的に勘案して決定しております。増員いただいた警察官は警察本部よりも警察署を優先して配置しており、中でも草加警察署をはじめとする特に業務負担の高い警察署には重点的に増員配置してまいりました。今後も同様の方針で配置してまいる所存であります。 また、併せて報道されております草加警察署における不適切な職務執行事案は誠に遺憾であり、このようなことが二度と発生しないように、職務執行の在り方について指導の徹底をしてまいる。 次に、警察署の設置についてでありますが、警察署は治安の基盤を成すものでありますので、県警察といたしましては、庁舎改築、移転も含めて検討を行い、警察署の計画的な整備に努めているところであります。八潮市につきましても、今後警察事象の増加が予想され、検討を要する地域の一つであると認識しております。しかしながら、警察署の設置に当たりましては、財政的な手当と警察官の確保という二つの大きな課題がありますので、今後の財政状況や増員の進ちょく状況等を勘案し、人口や警察事象の増加なども見極めながら総合的に検討してまいる所存でございます。        〔小沢隆県土整備部長登壇〕 ◎小沢隆県土整備部長 御質問六、地元問題についての(一)都市計画道路草加三郷線及び都市計画道路草加彦成線進ちょく状況と今後の見通しについてお答えを申し上げます。 まず、都市計画道路草加三郷線についてでございますが、八潮市内の未整備区間のうち、県道松戸草加線の現道拡幅区間、延長約〇・六キロメートルにつきましては、平成十六年度から街路事業として着手したところでございます。また、県道八潮三郷線から県道葛飾吉川松伏線までの延長約一・九キロメートル区間につきましては、八潮市側の用地買収はほぼ完了しており、全体で約九八パーセントの用地買収率となってございます。このうち県道八潮三郷線から通称潮止通りまでの区間につきましては、平成十七年秋のつくばエクスプレスの開業に合わせて開通できるよう鋭意工事を進めております。また、(仮称)新中川橋につきましては、今年度引き続き工事用の桟橋を設置しまして、中川流水部の橋脚の工事を順次実施してまいります。今後とも早期完成に向け、積極的に整備を進めてまいります。 次に、都市計画道路草加彦成線についてでございますが、現在都市計画道路伊草大原線から県道平方東京線までの約〇・六キロメートル区間につきまして用地買収を進めておりまして、その買収率は三〇パーセントでございます。大山議員御指摘のとおり、伊草大原線との交差点付近がボトルネックとなっておりますことから、地元市とも連携し、関係権利者の御理解と御協力をいただきながら、この交差点付近の用地買収を優先的に進め、早期に安全の確保が図れるよう努めてまいります。        〔二十五番 大山忍議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十五番(大山忍議員) 国民保護法制について再質問させていただきます。 先ほど上田知事から力強い御答弁をいただいたわけでありますけれども、他県に率先して検討委員会の設置というお話がございました。大変力強く思っているわけでありますけれども、しかし、この保護法の中には国民の協力は国民の自発的な意思にゆだねるという大きな一つの項目が入っております。そうした意味も含めまして、今後の県の県民に対する意識の啓発、そういった部分について、どのようにお考えを持っていられるのか。併せまして、この武力攻撃事態というそういった想定は非常に想定が難しいとは思いますけれども、そうした部分をどのような危機管理体制につなげていくのか、今まで持っておりました地域防災の考え方と大きくまた違ってくる部分も大きいと思いますので、その点を併せてお伺いさせていただきます。 以上です。        〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 大山議員の再質問にお答えします。 大山議員も御承知のとおり、この国民保護法成立後も関連の政令とかが決まってまいりますし、また、平成十六年度中には基本指針の策定が予定されております。ここでかなり具体的にどういうものが想定されるかということについての、いわば具体的なイメージが出てくるのかなというふうに思っていますので、この部分はそこまでいかないと、正直言って、県として武力事態におけるいろいろな攻撃のパターンだとかそういうことについて、県で策定していくのは極めて困難かなというふうに思っております。 そこで、それ相応にやってまいりますが、一番大事なことは県民にいかなる事態でも協力していただけるような、そういう空気というのでしょうか、そういう体制というのが大事だと思っていますので、この点については、やはり県民コメントを求めて、どういう事態のときはどういう協力を求められるのかとか、そういうことについての県民の意識を確認していきたいというふうに考えております。これでよろしいでしょうか。          ---------------- △次会日程報告 ○井上直子議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十三日は午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○井上直子議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時七分散会          ----------------...