• 健康経営(/)
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  1. 埼玉県議会 1984-02-01
    03月12日-07号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    昭和59年  2月 定例会二月定例会第十四日(三月十二日)昭和五十九年三月十二日(月曜日)第十四日  議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    二十四番  瀬山 賢君    三十二番  斎藤大丈夫君    三十八番  片貝光次君 三 次会日程報告    三月十三日(火) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員   九十一名       一番  小沢遼子君       二番  水上卓雄君       三番  星野謹吾君       四番  武田春太郎君       五番  谷古宇勘司君       六番  松本安弘君       七番  福永 剛君       八番  鈴木忠男君       九番  矢作元治君       十番  大石忠之君      十一番  田代甲子雄君      十二番  和田清志君      十三番  杉本善次郎君      十四番  黒田重晴君      十五番  小泉 信君      十六番  利根田康年君      十七番  福田 実君      十八番  金子圭典君      十九番  大川修司君      二十番  中野 清君     二十一番  井上新一郎君     二十二番  山口仁平君     二十三番  井田恵夫君     二十四番  瀬山 賢君     二十五番  小島敏男君     二十六番  小林一夫君     二十七番  大沢立承君     二十八番  栗岡宏太郎君     二十九番  西村広行君      三十番  藤原幸朗君     三十一番  小山行一君     三十二番  斎藤大丈夫君     三十三番  大野松茂君     三十四番  深井 明君     三十五番  野村輝喜君     三十六番  相川宗一君     三十七番  秋本昌治君     三十八番  片貝光次君     三十九番  岡野義一君      四十番  秋山 清君     四十一番  小沢喜之君     四十二番  宮崎守保君     四十三番  高橋喜之助君     四十四番  門倉好文君     四十五番  坂斎栄次君     四十六番  尾花二郎君     四十七番  田村さわ子君     四十八番  斎藤 要君      五十番  平野初夫君     五十一番  山口 茂君     五十二番  栗原 稔君     五十三番  丸山正幸君     五十四番  小林秀男君     五十五番  大山敏夫君     五十六番  本木欣一君     五十七番  永沼正吉君     五十八番  玉田共瑞君     五十九番  臼田徳太郎君      六十番  美田長彦君     六十一番  野本陽一君     六十二番  富田茂治君     六十三番  落合 博君     六十四番  池田義明君     六十五番  沢田恒二君     六十七番  野口卓爾君     六十八番  堀口真平君     六十九番  佐藤泰三君      七十番  奥ノ木徳二君     七十一番  荒井松司君     七十二番  川合 保君     七十三番  宇津木清蔵君     七十四番  清水堅次郎君     七十五番  佐久間 実君     七十六番  宮田守夫君     七十七番  斎藤 博君     七十八番  細田喜八郎君     七十九番  関根永吉君      八十番  金子柳一郎君     八十一番  石井多計志君     八十二番  吉野良司君     八十三番  染谷 薫君     八十四番  笠原正三君     八十六番  野口貞夫君     八十七番  丸山俊男君     八十八番  島田 博君     八十九番  高橋庄次郎君      九十番  石川伊久君     九十一番  丸木清美君     九十二番  斎藤正次君     九十三番  小見喜代治君     九十四番  石本元三君欠席議員   一名     六十六番  吉田親男君  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人     知事         畑  和君     副知事        松永緑郎君     副知事        関根秋夫君     出納長        立岡勝之君     企画財政部長     角井 信君     総務部長       下總 昇君     県民部長       星野耕一君     環境部長       白井 法君     生活福祉部長     小林 実君     衛生部長       五十嵐 衛君     商工部長       柘植一郎君     農林部長       浅見孝男君     労働部長       関根類千君     土木部長       廣田豊作君     住宅都市部長     木村 規君     公営企業管理者    株木一郎君     教育長        長井五郎君     選挙管理委員会委員長 飯塚孝司君     警察本部長      岩佐英弌君            発言(質問)通告書  三月十二日(月)議席番号 氏名     要旨 答弁者二十四番 瀬山 賢君  1 自然豊かな県北一〇〇万都市構想を 知事            2 県・市町村との行政連絡会議のあり方 知事            3 簡素で効率的な組織のあり方 総務部長             (1) 試験・研究機関について             (2) 農林部関係機関について            4 コミュニティ施設特別整備事業について 県民部長             (1) コミュニティ施設特別整備事業のあり方             (2) コミュニティ施設特別整備事業補助限度額の引上げ            5 児童保育について 生活福祉部長            6 商工行政について 商工部長             (1) 地場産業振興対策             (2) 中小企業金融対策            7 勤労者福祉財団(仮称)について 労働部長            8 国道一七号バイパス・上武国道について 土木部長            9 高校中途退学者対策について 教育長               習熟度別学級編成のあり方            10 警察行政について 警察本部長             (1) 覚せい剤取締対策             (2) 交通事故防止対策三十二番 斎藤大丈夫君 1 昭和五十九年度予算編成について             (1) 県税歳入予算の編成は何に重点を求めたか 総務部長             (2) 期待している税目は何か 〃             (3) 行財政改革による創出財源の配分と新規事業について 知事            2 高度情報化社会の到来と行政のあり方について             (1) ニューメディアの調査研究と対策について 企画財政部長             (2) 市町村情報システムの必要性について 総務部長             (3) 健康管理システムの導入について 衛生部長             (4) 河川管理システムの導入について 土木部長            3 教育問題について             (1) 伊奈学園総合高校の性格、特色、そして県民、全国の教育関係者が寄せる期待について 教育長             (2) 千葉県・幕張三高校及び神奈川県・弥栄二高校の現況と伊奈学園との違いについて 〃             (3) 選択制の完全実施による施設および設備の充実と教職員の増員について 〃             (4) 通学のための唯一の交通機関である「ニューシャトル」の整備について 企画財政部長            4 廃棄物の有効利用と再資源化について 環境部長            5 農協への経営指導について 農林部長             (1) 検査、指導の適否について             (2) 役員の倫理について            6 中国帰国者への援護対策について             (1) 援護対策の強化と定着促進事業の充実について 生活福祉部長             (2) 中国語専任教師の完全配置について 教育長             (3) 職業訓練と職業あっ旋について 労働部長            7 その他 選挙管理委員会委員長三十八番 片貝光次君  1 県のイメージアップ・愛郷心の涵養について             (1) ダサイ、ダサイタマ等埼玉県や県民を侮辱する言動に対してどのように考えているか 知事             (2) 県のイメージアップを図る施策について 〃             (3) 埼玉のイメージダウンに連なる言動に対する方策は 〃             (4) 県外への広報活動、マスコミの理解促進活動について 県民部長             (5) 愛郷心を養うための郷土教育を実施しているのか 教育長             (6) 稲荷山鉄剣について 〃            2 県債償還に対する姿勢について             (1) 県職員定数の削減について方針はあるか 知事             (2) 全面的な経費の削減を図るべきである 〃             (3) 県債につき公募債、縁故債別に主要調達先、金額、平均金利等を示せ 企画財政部長             (4) 金融の国際化を目前に低利な外債発行の研究をすべきである 〃            3 県行政への電算機の導入に関して 総務部長             (1) 機種選定の基本方針について             (2) データバンクの蓄積と利用について             (3) 全庁的な統合情報処理及び交換について             (4) 第一号以来電算機の購入又はリースに要した金額             (5) コンピュータ導入の効果について             (6) 要員の待遇、健康保持について            4 経済懇談会について 知事               その成果、今後の企業誘致の見通し等について            5 本庄市の水道原水のトリクロロエチレン検出について             (1) トリクロロエチレン毒性発ガン物質と認定された経緯の概要 衛生部長             (2) 調査結果の発表及び環境部に対する通報と発生源調査の要請が遅れた事情について 〃             (3) 水道利用者に影響はないか、対策はいらないか 〃             (4) 発生源調査等の進行状況について 環境部長             (5) 発生源が確認された場合の措置について 〃            6 その他 農林部長               農協役員の体質改善について          ----------------午前十時三十四分開議  出席議員   八十六名   一番   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番   十三番  十五番  十六番  十七番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十七番 二十八番 二十九番 三十番   三十一番 三十二番 三十三番 三十四番   三十五番 三十六番 三十七番 三十九番   四十番  四十一番 四十二番 四十三番   四十四番 四十五番 四十六番 四十七番   四十八番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十五番 五十六番   五十七番 五十八番 六十番  六十一番   六十二番 六十四番 六十五番 六十七番   六十八番 六十九番 七十番  七十一番   七十二番 七十三番 七十四番 七十五番   七十六番 七十七番 七十八番 七十九番   八十番  八十一番 八十二番 八十三番   八十四番 八十六番 八十七番 八十八番   八十九番 九十番  九十一番 九十二番   九十三番 九十四番  欠席議員   六名   十四番  十八番  三十八番 五十九番   六十三番 六十六番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(松永) 副知事(関根)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     警察本部長 △開議の宣告 ○議長(丸山俊男君) ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○議長(丸山俊男君) これより、提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 二十四番 瀬山 賢君        〔二十四番 瀬山 賢君 登壇〕(拍手起こる) ◆二十四番(瀬山賢君) 二十四番、自由民主党、瀬山 賢でございます。このたび質問の機会を与えていただきましたことは、大変光栄に存じております。議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして順次質問をいたしますので、知事はじめ執行部におかれましては、誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず最初に、自然環境豊かな県北地域の整備についてであります。 さきに発表されました新長期構想概案によりますと、県北地域は、若年層の流出に伴い、地域活力の低下により、将来の人口推計が四十四万人から五十万人という見通しが指摘されております。他の地域に比較して著しく低い人口の予測であり、地域整備における格差が一段と進行するのではないかと強く懸念されるところでございます。 幸い、これに対する対策として、県政の主要目標の第一の柱及び第二の柱として、「県北秩父地域においては産業振興などにより人口を定着させ、新しい時代に適応した地域振興の必要がある。」、また、「立地条件を生かした都市近郊型農林業として積極的な推進を図る必要がある。」という基本的方向が示されております。この点につきましては、一応評価しておるところでございますが、問題は、そこに織り込まれる中身でございます。特に、地域別構想の策定に当たりましては、県北地域に対する構想を慎重、かつ大胆に策定していただきたいと考えるものでございます。 二十一世紀を展望した都市づくりは、既存の枠にとらわれない発想が必要でございます。人口密度の高い、住居の密集した、公害に悩まされ、緑や清流の失われた今までのまちの概念は、人々に見捨てられることとなるでしょう。新しい、しかも未来を展望したまちづくりを考えるとき、県北地域(児玉、大里郡、三市十二町村)は、自然景観をはじめ、歴史的遺産の豊かな、数々の優れた条件を備えた文化性の高い地域でございます。熊谷、深谷、本庄を地域核都市として位置付け、既存の農業の生産性を高めながら、各種の産業やカルチャーセンター、スポーツ公園、大学などの誘致などを図り、圏域全体を一つの都市としてとらえ、都市部と農村部とが有機的に結びついた、青年にも高齢者にも魅力のある、自然豊かな広域百万都市づくりの構想が実現可能である地域ではないかと考えるものでございます。 そこで、県北地域をどのように認識され、構想策定に当たり、どのように扱われるお考えなのか、知事の御所見をお伺いするものでございます。 次は、県と市町村との連絡調整会議のあり方についてお尋ねいたします。 県行政と市町村行政とは、密接な連絡の上に推進される必要があることは言うまでもございませんが、現在知事と市町村長とが意見交換を行う会議としては、二種類ございます。その一つは、市長会議及び町村長会議でございます。もう一つは、県民センター管内市町村行政連絡会議であります。それぞれ、年一回開催されております。それぞれの会議の目的とするところは、県政並びに市町村行政の円滑な運営でありまして、意見交換や協議がなされているのであります。 特に、県民センター管内市町村行政連絡会議にありましては、地域ごとの問題について、相互理解や突っ込んだ議論が可能であり、市町村行政運営上極めて重要な場であろうと考える次第でございます。こうした会議の参画について調べてみますと、他の都道府県におきましては、県議会議員の構成について配慮されている県も目につくところでございます。 地方行政は、執行部と議会との信頼関係を基盤として運営が図られるわけでございますが、県議会議員の立場といたしますと、出身市町村との信頼関係もまた、県と市町村双方の行政運営の要であると認識しているところでございます。現実に、県民センター管内市町村行政連絡会議に県議会議員を参画させるお考えをお持ちであるかどうか、知事の御所見をお伺いするものでございます。 次に、総務部所管行政について、総務部長にお尋ねいたします。 組織定数のあり方についてでございます。 簡素で効率的な行政機構の整備は、地方公共団体として存在していく限り、終わりのない、極めて重要なテーマでおろうと思うものでございます。御案内のとおり、地方自治法第二条におきまして、「地方公共団体は常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求め、その規模の適正化を図らなければならない。」と規定されているほか、「その事務を処理するに当たっては、最少の経費で最大の効果をあげるようにしなければならない。」と規定されているのであります。 行革と言いますと、今や、はやり言葉の感すらあるわけでございますが、かえりみれば、地方自治法制定以来地方公共団体に課せられた責務であり、あわせて、経営的感覚を磨きながら運営に努めなければならないという法の理念も読みとれるものでございます。行革に対するこれまでの全庁ぐるみの取組による成果に対して、高く評価するものでございますが、先ほど申し上げたような観点から、今後も更に強力に推進していく必要があると思うのであります。 組織、特に試験研究機関の統配合の問題でございますが、試験研究機関の使命は、現実の経済活動の場においてその成果が生かされるところにあると思います。現在の技術革新の変化とか、消費者ニーズの多様化に応えていくためには、思いきった整理、合理化や、内容の拡充を図るなど、抜本的改革を行う必要があるのではないかと考えるものでございます。 そこで、今までの取組と今後の方針について、総務部長の御所見をお伺いするものであります。 次に、農林関係機関の見直しと方策についてでございます。 農業を取り巻く環境の変化に対応できるよう、組織、機構を全県的視点に立って見直し、再配置など思いきった策を講じる必要があると思うものでございます。これに対して、どのような認識をお持ちなのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、組織管理を所管する総務部長の御見解をお聞かせいただきたいのであります。 次に、コミュニティ施設特別整備事業補助制度についてお尋ねいたします。 この補助制度は、昭和四十六年に特別都市対策事業として創設され、変遷を経て現在のコミュニティ施設特別整備事業に至っておるわけでありまして、県内各地で、地域住民の心のふれあいの場や身近な生活環境施設などコミュニティ関連施設の整備に多大な貢献を果たしておるところでございます。この補助制度は、集会所をはじめ、小排水施設設備、児童公園など十二の対象事業がメニュー化されており、このうち、集会所以外の対象事業については、原則として、都市計画法に基づく市街化区域、又は用途地区の指定のある地区にのみ対象区域となっておりますが、これ以外の地域では事業の恩恵を受けることができない状況でございます。 コミュニティ活動は、現在、県内各地において高まりを見せており、農村部などでも、市街化区域や用途地区に指定されない地域にあっても、コミュニティ関連施設の必要が生じてきているところでございます。今後、全県的なコミュニティづくりを進めていくためには、これらの地域についても、この制度の活用が図られるよう配慮すべきであると考えますが、県民部長の御所見をお伺いいたします。 次に、この補助制度の集会所建設補助金の限度額についてお尋ねいたします。 限度額は、五十五年度より三百万円から百万円増額され、四百万円となっておりますが、現在の集会所建設費は、人件費及び建築資材などの高騰により、少なくも一集会所で千二百万円から千五百万円の費用を要しております。また、農業サイドの第三期近代農村建設促進対策事業補助制度集会所建設補助金と比較した場合、同補助制度は、二分の一以内の補助であり、限度額の設定はなく、コミュニティ施設特別整備事業補助制度とこの農業サイドの補助制度と均衡が保たれないのが現状でございます。 なぜ、同じ集会所をつくって補助金が違うのかという素朴な疑問から、各市町村内でも、この矛盾が、制度を理解しない住民の間でしばしば問題にまで至っている場合があるのでございます。こうした状況から、コミュニティ施設特別整備事業補助制度集会所建設補助金につきましては、限度額を引き上げるべきと考えますが県民部長の御答弁をお聞きしたいと存じます。 次に、福祉行政についてお尋ねいたします。 福祉行政の諸施策につきましては、従来からきめの細かな配慮がされておりますことを評価するものでございますが、今後も厳しい財政事情という背景がございまして、一層意を用いていく必要があろうと思うわけでございます。特に、民間学童保育に対する県費補助については、その要望が強いわけであります。現在、民間学童保育室には、低学年児童を二十人以上保育している場合、その指導に当たる指導員二名分の報酬に対して補助がなされているわけであります。 民間学童保育は、父母の共同運営によるものがほとんどであり、昨今の諸物価の高騰により運営が苦しく、運営費補助の増額とあわせて、設備整備につきましても、補助対象とされたいという要望が強いわけであります。これについて、生活福祉部長の御所見を伺うものでございます。 次に、商工行政について、商工部長にお尋ねいたします。 地場産業の振興対策についてでございますが、本県の地場産業は、鋳物、織物、桐タンス、和紙、人形、瓦などの伝統的産業と印刷各種機械、プラスチック製品など比較的新しく形成された産業が県内の特定地域に集積し、産地形成するか、あるいは県内に広く点在しております。これらの地場産業は、およそ七十を数え、本県は全国有数の地場産業立地県でございます。 ちなみに、地場産業の本県の工業に占める割合を見ますと、事業所は一万八千四百八十三で、五五・三パーセントを占めており、従業者数は二十万五千百十五人と三九・七パーセント、また、製造品出荷額は二兆五千五百五十三億円という、二六・七パーセントの高い比率を占めておりまして、地域経済の基盤を支え、雇用の確保、地域文化の発展に大きく貢献しているところでございます。 ところで、県北地域におきましても、機械金属工業をはじめ、衣服、瓦など数多くの地場産業が集積しておりますが、これらの地場産業は、長引く不況の中で企業経営環境は一段と厳しい状況にたたされており、また長期的には、消費者ニーズの多様化やエレクトロニクスの技術をはじめとする技術革新に対して、どう対応していくかという問題をかかえているのでございます。 県は、これらの諸問題をかかえている地場産業にどのような振興策を講じているのか、また、今後の取組方について、あわせてお伺いいたします。 次に、中小企業の金融対策についてでございます。 県内中小企業は、地域経済社会発展の中核として大きな役割を果たしておりますが、近年の消費者ニーズの変化や需要の伸び悩み、更に、国際化の進展により競争が激化するなかで、技術革新への対応を迫られるなど、かつてない厳しい局面にたたされているのでございます。また、豊かで住みよい経済社会を構築していくためには、なによりも、しっかりとした経済基盤の確立が必要不可欠でございます。 いずれにしましても、今後は、成長率が低いなかで、技術革新と消費者ニーズの多様化は一層進んでいくことが考えられますので、私は、これらの変化に対応できるよう、産業構造と経済の体質づくりを積極的に進めていただくことがこれからの大きな課題であると思います。しかしながら、中小企業の多くは、資金面、技術面、情報などの経済基盤が軟弱であり、自力による対応は極めて不十分と言わざるをえません。こうした新しい変化に挑戦し、経営革新に取り組もうとしている企業こそ、より重要視すべきであり、積極的に支援していただく必要があろうと思うのでございます。 昨年来、県では、変化と多様化の時代に対応した金融制度ということで、制度のあり方や仕組みなどについて検討されているようですが、このような見直しをされているか、どのような見直しをされているか、また、その中で、積極的な拡充策が考えられているのか、商工部長の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、勤労者福祉財団(仮称)の設立についてお尋ねいたします。 最近の雇用状況は、低成長、パート化などにより、極めて厳しいものになっております。また、経営環境面から見ますと、慟きがいのある職場づくりや勤労者の福祉、そして、産業の発展を図ることも一つの課題になっております。こうしたおりに、勤労者福祉財団の設立構想が予算化されたところでございますが、財団の概要、特に市町村との関係、財団の設立趣旨やその活動内容等について、労働部長の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、国道一七号の深谷バイパスについて質問をいたします。 国道一七号は、本県の中央部を縦貫する幹線道路であります関係から、通過交通が大変多く、県北地域におきましては、特に深谷市が著しく交通渋滞を起こしております。 こうした関係から、建設省では、熊谷バイパスに引き続いて、深谷バイパスにつきましても建設を進めているものと思いますが、県北地域につきましては、その一日も早い完成が望まれているところでございます。近年、国の財政事情が大変厳しくなっておりますので、その影響が極めて憂慮されるところでございます。 そこで、深谷バイパスの進捗状況と、この国道一七号に関連した上武国道の着工の見通しにつきまして、土木部長の御答弁をお願いするものであります。 次に、教育行政について、教育長にお尋ねいたします。 高等学校生徒の中途退学についてでございますが、文部省の調査によると、公立、私立高校における中途退学者が近年著しく増加し、昭和五十七年度は、全国で十万人を超えるという事態になっているようでございます。本県においても、五十七年度の県公立高校の中途退学者は、全日制、定時制合わせて三千百五十一人、在籍者数の二パーセントをついに超えてしまい、全国平均の一・九六パーセントを上回る憂慮すべき状態となっているのでございます。 これら中途退学者対策として、二十五人規模の習熟度別学級編成等の施設をもって、公立高校中途退学者の総合防止対策を実施するという一月三十日付けの毎日新聞の記事は、大きな反響をよんだところであります。また、この制度につきましては、五十九年度予算にも盛り込まれております。 全国に先がけての姿勢は、非常に評価することができるものと思われます。そこで、教育長にお伺いいたしますが、今回の施策を具体的にどのように実施しようとしているのか、御見解をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、警察行政について、警察本部長にお尋ねいたします。 覚せい剤取締り対策についてでございます。 近年、新聞紙上をにぎわす凶悪事犯の多くは、サラ金、覚せい剤が大きな起因となっていることは申すまでもございませんが、特に覚せい剤中毒患者による発作的な凶悪犯罪をはじめ、覚せい剤を買うお金欲しさからの窃盗や恐喝など、様々な犯罪があとをたたず、再犯事故も多いと言われております。本県においても、昨年四月に中学校を卒業したばかりの少女が覚せい剤中毒患者の手により殺されるという痛ましい事故が起こっております。 最近も、自動車強盗をした覚せい剤常習者が追いつめられて、ビルの屋上からダイビングするというショッキングな事件も報じられたところでございます。警察による覚せい剤事犯摘発状況によっても、摘発件数は依然として多く、大都市周辺ばかりでなく全国に広域化し、地域格差がなくなっていると報告されております。 県内においても、検挙人員で見ると、昭和五十年百七十三に対して、昭和五十八年が七百五十七名、四・四倍にもなっております。その上、家庭の主婦、少年少女などの一般市民層への広がりが、また、低年齢化が進み、家庭崩壊及び青少年非行の大きな要因となっております。 更に憂うべきことは、県内三十五警察署すべてで検挙者が出るという事態にまでなっていることでございます。こうした事態について、どのような対策を講じておられるのか、今までの取組と今後の対策についてお伺いいたします。 次に、交通事故防止と三団体の連絡調整についてでございます。 交通事故防止対策については、知事部局及び警察本部あげて懸命に努力されております点につきましては、敬意をあらわす次第でございます。本年にはいりまして、人身事故件数、事故死者数は、対前年に比較して減少傾向が見られますが、県内の交通事情は依然として憂慮すべき状況が続いております。 本年におきましても、官民一体となり、県民総ぐるみで交通事故防止のために運動を展開していく必要に迫られているものと思います。 ところで、去る二月二十日、営業用自動車を所有しておりますトラック協会、バス・タクシー協会に加盟する県下の事業者をもちまして、高速道路交通安全協会が結成され、本年四月、高速道路における安全運転活動を協議会として自主的に推進していく、とのことを承っているところでございますが、いわゆるプロドライバーのこうした運動も、事故防止に大いに貢献することになるものと思われるのでございます。 現在、こうした民間レベルの組織化された団体として、市町村を単位組織とする交通安全協会、一定以上の自動車を保有する事業所に置かれる安全運転管理者をもって組織される安全運転管理者協会が設立され、それぞれ活動をしているのでございますが、県内における事故防止、安全運転思想の普及という目的は同じでございます。そこで、こうした各団体の活動をより効果的のものとするために、連絡調整についてどのようなお考えをお持ちか、警察本部長の御所見をお聞かせ願いたいと存じます。 以上で私の質問を終了させていただきますが、執行部の明快な御答弁を期待いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)        〔知事(畑  和君)登壇〕 ◎知事(畑和君) 瀬山議員の私に対する御質問に、順次お答えをいたします。 まず第一の、自然豊かな県北百万都市構想を、との御提案についてでございますが、県北地域は、数多くの偉大な先人を生み、肥よくな大地に恵まれた、優れた立地条件を持つ地域でございます。最近、先端技術産業の立地も次第に増えまして、新しい、活力のある地域づくりが芽ばえつつございまするが、首都圏における主要都市である浦和、大宮地域と前橋、高崎地域の中間にありますことから、ややもすると、地域の独自性を失い、発展の芽がつまれることも考えられますので、この地域の発展、整備のあり方は、県土の均衡ある発展を図る上で重要な課題となっております。 私は、常々、地域整備のあり方といたしまして、魅力と風格のあるまちづくり、地域の特性に根ざした新しい文化の創造、活力ある地域経済の構築、以上三つの目標を同時に並行して達成していくことが肝要であると考えております。今後とも、御質問の中で述べられました点に十分留意をいたしまして、新長期構想の中で県北地域の方々に御賛同いただけるような方向付けをしてまいりたいというふうに存じます。 次に、県と市町村との行政連絡会議のあり方についてのお尋ねでございますが、私は、現在、二十一世紀を展望した住みよい地域づくりを目指しまして、県中期計画等を策定の上、県議会議員各位の御理解を得ましていろいろな事業を推進しておりまするが、これら施策の実現につきましては、また地域市町村長の協力がなければ推進ができません。したがいまして、お話のとおり、県下全市町村との会議をはじめ、地方県民センター単位に、管内の市町村との行政連絡会議を開催し、その地域の当面する課題等につきまして話し合いながら、県下各地域の発展に努力いたしておるところでございます。 そこで、この行政連絡会議に、地元県議会議員の方々も参加して開催しては、とのお話でございますが、地域によりましては、市町村の数が十七、八もございまして、限られた時間内ではなかなか思うように話合いもできないというような事情もございまするし、もう一方、相手方でございます市町村長の御意向もお聞きする必要もありますので、それらのことも踏まえまして、ただ今の御意見に基づきまして、今後いろいろと研究してまいりたいというふうに考えております。        〔総務部長(下總 昇君)登壇〕 ◎総務部長(下總昇君) 三、簡素で効率的な組織のあり方についての御質問にお答え申し上げます。 まず、(一) 試験研究機関についてでございますが、本県における試験研究機関は、現在商工部五、農林部九、その他の部二、合計十六機関ございまして、長い期間にわたり、それぞれの目的に従って研究を行い、指導、検査などを通じて、地場産業の振興、地域農業の充実等に重要な役割を果たしてきたところでございます。 しかしながら、最近における本県の産業構造の変化や技術革新の進展、あるいは住民ニーズの多様化などにより、その対応が求められておりますことは、御指摘のとおりでございます。そこで、県といたしましては、かねてから、試験研究機関のあり方について検討を重ねてまいりましたが、このたびの行財政改革におきましても、三つの繊維工業試験場の統合をはじめ、蚕糸関係の試験場等について、組織の整備や定数の再配置を行いました。 一方、先端産業等高度の技術革新に対応するため、埼玉県工業技術研究所を設置するなど、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドの観点から、その整理と内容の充実を図ってまいった次第でございます。もとより、試験研究機関における成果が本県産業の実際の場で十分活用されますことは、御指摘のとおり極めて重要な使命でございますので、今後におきましても、県民の方々のニーズや地域社会の動向を十分見極めながら、試験研究体制の整備に努めてまいりたいと存じます。 次に、(二) 農林部関係機関についてのお尋ねでございますが、本県における農林業は、首都圏という立地条件から、生鮮食料品の供給基地という面でも、また、緑のオープンスペースの提供等の面でも極めて重要な役割を担っておるものと認識いたしております。しかしながら、最近における都市化の進展に伴い、本県農林業をめぐる諸情勢は、多様化、複合化という方向で大きな変ぼうを遂げつつあります。 そこで、県といたしましては、行財政改革の一環として、この三年間に農林部関係で、本庁一課、出先機関十二所、出張所六所の統廃合を行ったほか、四十五人の職員の再配置を進めてまいったところでございます。 今後におきましても、御提言の趣旨を踏まえ、本県の農林業を取り巻く諸情勢の変化を十分見通しながら、組織及び職員配置の適正化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。        〔県民部長(星野耕一君)登壇〕 ◎県民部長(星野耕一君) 四のコミュニティ施設特別整備事業について、まず、対象地域についての御質問にお答えいたします。 御質問にございましたように、コミュニティづくりの気運は、県内のほぼ全域にわたって高まりを見せ、これとともに、その活動のためのコミュニティ施設に対する要望も、市街地だけでなく、農村部を含めた県内各地で強まるのではないかと考えられます。今後、地域整備を進めている他部局の事業との連携、調整を図りながら、地域での実情を十分考慮いたしまして、弾力的な制度の運用を図ってまいりたいと考えております。 次に、集会所建設に係わる補助金の限度額についてでございますが、御指摘のように、建築資材等の値上がりによる建築費の増大の傾向も認められます。現行の制度につきましては、従来も適宜見直しを行ってまいったところでございますので、今後とも、建築規模や内容、施設、地域の負担の状況等を勘案しながら、市町村との役割分担も踏まえ、実情に即した方向で研究してまいりたいと存じます。        〔生活福祉部長(小林 実君)登壇〕 ◎生活福祉部長(小林実君) 五の児童保育の補助についての御質問にお答え申し上げます。 この問題につきましては、御承知のとおり、本県では、昭和四十八年度から県単で助成制度を設けまして、以来、年々その充実を図ってきているところでございます。ちなみに、本年度におきましては、全体で三百二十四施設、指導員六百二十八人分の運営費助成を行ったところでございます。 来年度におきましても、可能な限りこの補助を増額することといたしまして、本議会に御提案申し上げている次第でございます。 また設備整備の補助につきましては、その事情はよく理解できるところでございますが、御承知のように、学童保育施設は、いわゆる無認可施設の一つでございまして、特別な施設基準もなく、現在かなり自由な形態で運営いたしているのが実情でございます。したがいまして、これを助成制度にのせるためには、家庭保育室など他の類似施設の補助制度や、法人立で、しかも認可施設に限られている国の補助制度などとの整合性を図る必要もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。        〔商工部長(柘植一郎君)登壇〕 ◎商工部長(柘植一郎君) 御質問の六の商工行政について、にお答え申し上げます。 まず、(一) 地場産業振興対策についてでございますが、本県の地場産業が、長びく不況や多様化する消費者ニーズなどの厳しい環境の中で、今後とも安定的に発展してまいりますためには、産地が一体となって、新技術、新製品の開発や需要の開拓、人材の養成等に当たることが重要であると存じますので、従来から、産地が行うこれらの振興事業や、異なった産地が連携して開発する商品づくりに対し助成を行いますとともに、個別企業に対しましても、経営技術の指導や融資等の施策を講じてきたところでございます。 今後におきましても、これらの施策を推進いたしますとともに、特に人形や瓦などの伝統型産業につきましては、後継者の育成、販路の拡大などに努め、また、機械金属などの現代型産業につきましては、エレクトロニクスを核とする先端技術の有効な利用の促進に重点を置いて進めてまいりたいと存じます。 また、地場産業の振興を図る上では、県民にふるさとの産業を理解し、その製品を愛用していただくことが重要でございますので、県産品の愛用促進にも一層努力してまいりたいと存じます。 次に、(二)の中小企業の金融対策についてお答え申し上げます。 県内の中小企業の多くは、最近の経済環境の変化や急速な技術革新への自力による対応は不十分であるため県の制度融資がこれを積極的に支援していけるようなものでなければならないことは、お説のとおりと存じます。このような観点から、昨年九月に、県商工部の金融事務担当職員を中心に、金融機関、商工団体等の実務担当者を構成員とする制度融資検討委員会を発足させたところでございますが、この委員会では、県制度融資の役割、制度融資の体系、融資条件のあり方、事務手続の改善などにつきまして、既に七回にわたり慎重な検討を続けているところでございます。この検討の中で出されました意見をもとに、五十九年度におきましては研究開発型企業育成制度を創設し、その育成を図ることといたしましたほか、一部の資金につきましても、貸付条件の改善を図ることといたしております。 今後とも、検討委員会の検討結果などを踏まえまして、県制度融資の改善、充実に努めてまいりたいと存じます。        〔労働部長(関根類千君)登壇〕 ◎労働部長(関根類千君) 七の勤労者福祉財団(仮称)についての御質問にお答えいたします。 高齢化社会、技術革新、婦人の職場進出などの進展に伴いまして、産業構造、就業構造に大きな変化がもたらされているところでございます。このような時代の変化に対応した労働行政の推進を図る必要があると考えております。そのため、労、使、行政が一体となった労働問題の啓発、教育事業の推進、各種福祉サービスの提供など効率的な労働教育、福祉の推進が求められているところでございます。 そこで、県におきましては、これらに対処するため、このたび、現在、県の労働福祉施設を受託管理しております埼玉県勤労者福祉事業財団を発展的に改組し、その構成は、県及び二町、二つの町でありますが、であったものを、県内各市町村及び労使関係団体をも加えることにしたのであります。事業の内容は、労働問題に関する調査、研究及び各種情報の提供、各種労働教育講座、研修会の開催、労働福祉施設におけるサービスの提供、市町村、各種団体などの行う労働教育講座に対する協力、援助などを考えております。 特に、市町村との関係につきましては、その構成員として参画していただくとともに、市町村が行う労働教育、研修をはじめ、福祉活動などについて援助、協力を行い、地域に密着した労働教育、福祉の推進を図ろうとするものであります。 昭和五十九年度におきましては、この財団の設立の具体化に向けまして、市町村、関係団体と十分協議、検討を進めることにしており、そのため必要な調査、研究を行ってまいりたいと考えております。        〔土木部長(廣田豊作君)登壇〕 ◎土木部長(廣田豊作君) 八の、国道一七号深谷バイパスと上武国道についてお答えいたします。 まず、国道一七号深谷バイパスについてでございますが、このバイパスは、現在建設省で実施しておりまして、昭和五十八年度末で、計画延長十四・八キロメートルのうち、熊谷バイパスから県道伊勢崎深谷線までの約十キロメートルの用地買収が完了する予定でございます。 また、工事につきましては、熊谷バイパスから県道弁財深谷線までの約五・二キロメートルの区間を着工いたしておりまして、このうち、昭和六十年度までに熊谷バイパスから県道新堀尾島線までを暫定二車線で完成する予定でございます。 次に、上武国道につきましては、本県側の四・六キロメートルの区間は現在まだ着工に至っておりません。建設省では、深谷バイパスの早期開通に重点を置いて進めておりまして、その進捗状況を見ながら上武道路の着工について検討することとしております。 深谷バイパスと上武道路の整備につきましては、今後とも、建設省に対しまして、その促進について要望してまいりたいと存じます。        〔教育長(長井五郎君)登壇〕 ◎教育長(長井五郎君) 九、高校中途退学者対策について、習熟度別学級編成のあり方についての御質問にお答えいたします。 現在、高等学校には、能力や適性、進路等多様な生徒が入学しておりまして、従前からの画一的ないっせい指導では学習効果をあげることが困難な状況が見られ、御指摘のように、中途退学者は年々増加しておりまして、その原因の第一は学業不振であります。これに対処するために、生徒の学習内容の習熟の程度に応じた指導を従前から行ってまいりましたが、学業不振者に対する個別的な指導を更に進め、生徒の基礎学力の向上を図るための対策として、新たに所要の措置を講じようとしているところであります。 具体的には、生徒の学力差の著しい高等学校を十校選び、非常勤講師の配置や教材の新規開発等教育条件の整備を行い、グループ学習や複数教師による授業を行うなど指導方法の改善を図り、生徒の実態に応じたきめ細かな、わかる授業を行うよう指導しようとするものであります。 これによって、生徒の学習への興味、関心を高め、学業への不適応をなくし、中途退学者の減少をも図るものであります。今後、この成果を踏まえ、更に施策の充実、拡大を期してまいりたいと存じます。        〔警察本部長(岩佐英弌君)登壇〕 ◎警察本部長(岩佐英弌君) 瀬山議員の警察行政に関する御質問にお答えを申し上げます。 初めに、覚せい剤取締り対策でありますが、御承知のように、覚せい剤は、昭和四十五年ごろから増加の一途をたどり、最近では、少年、主婦層にまで乱用が拡大し、覚せい剤の薬理作用による各種事件、事故が多発するなど、大きな社会問題になっております。警察といたしましては、これら覚せい剤事犯の根絶を目指し、強力な取締りを推進してまいりましたが、昨年は、全国で約三万七千件、約二万三千人を検挙し、約百キログラムの覚せい剤が押収をされました。本県におきましては、一千四十八件、七百五十七人を検挙し、五百七十七グラムの覚せい剤を押取しておりますが、前年度に比較しますと、検挙件数で一一・五パーセント減少し、人員は一・一パーセント増加をしております。 また、乱用者の検挙が県下全警察署管内に及ぶなど、地域格差がなくなり、少年、主婦などの一般市民層が全検挙者の五六パーセントを占めて前年を更に上回るなど、県民各層への浸透を一段と強めており、憂慮をされる状況にあります。 次に対策についてでありますが、警察といたしましては、暴力団関係者を中心とする覚せい剤の供給を絶つ取締りと、需要者である末端乱用者の徹底した検挙を実施してまいりますとともに、覚せい剤の害悪性についての啓発活動を積極的に行うほか、覚せい剤中毒者や家族からの悩みを聞くホワイトテレホンの活用促進を図っているところであります。 次に、交通事故防止対策についてでございますが、事故防止活動の推進母体として、交通安全協会等の既存の団体のほか、このたび新たに高速道路交通安全協議会が設立をされましたことは、私どもといたしまして、誠に心強く感じておりますと同時に、今後の御活躍を大いに期待をしているものであります。 御質問の連絡調整についてでありますが、交通事故防止を目的とした多くのボランティア団体に対しましては、各地域や職場において、その対象に応じた安全活動を願っているところであります。警察といたしましては、それぞれの団体がその特殊性を踏まえた自主的活動を、より効果的に推進されますよう連絡を密にいたしますとともに、春秋の交通安全運動をはじめとする各種活動については、総合的な県民運動が展開できるよう所要な情報提供をするなどして、一層の連絡調整、助言をしてまいりたいと考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○議長(丸山俊男君) 暫時、休憩いたします。午前十一時二十二分休憩          ----------------午後一時五分再開  出席議員   八十四名   二番   三番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番   十四番  十五番  十六番  十七番   十八番  十九番  二十番  二十一番   二十二番 二十三番 二十四番 二十五番   二十六番 二十八番 二十九番 三十番   三十一番 三十二番 三十三番 三十五番   三十六番 三十七番 三十八番 三十九番   四十番  四十一番 四十二番 四十三番   四十四番 四十五番 四十六番 四十七番   四十八番 五十番  五十一番 五十二番   五十三番 五十四番 五十五番 五十六番   五十七番 五十八番 五十九番 六十番   六十一番 六十二番 六十三番 六十四番   六十五番 六十七番 六十八番 六十九番   七十三番 七十四番 七十五番 七十六番   七十七番 七十八番 七十九番 八十番   八十一番 八十二番 八十三番 八十四番   八十六番 八十八番 八十九番 九十番   九十一番 九十二番 九十三番 九十四番  欠席議員   八名   一番   二十七番 三十四番 六十六番   七十番  七十一番 七十二番 八十七番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(松永) 副知事(関根)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     選挙管理委員会委員長   警察本部長 △再開の宣告 ○副議長(宮田守夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き)
    ○副議長(宮田守夫君) 質疑質問を続行いたします。 三十二番 斎藤大丈夫君        〔三十二番 斎藤大丈夫君 登壇〕 (拍手起こる) ◆三十二番(斎藤大丈夫君) 三十二番、日本社会党の斎藤大丈夫であります。県政に対する一般質問も、本日で既に六日日を迎え、各議員諸公からそれぞれの分野にわたって質問がなされたところであり、重複する部分があるかと存じますが、知事はじめ執行部の皆様には、質問の趣旨を十分御理解いただきまして、明快な御答弁をお願いし、順次質問をさせていただきます。 まず、新年度の予算編成の基本的な考え方についてお尋ねいたします。 知事は、提案説明の中で、昭和五十九年度の地方財政は引き続き大幅な収支不均衡の状態であり、本県財政もまたその例外ではなく、国の超緊縮型予算の影響を受けて財政事情は一段と厳しさを加えつつも、歳入の大宗をなす県税収入の見通しは、景気回復の影響を受け、やや明るい展望が開けてきた、と述べております。 そこで、歳入に一番大きなウエイトを占める県税歳入予算についてお尋ねいたします。 政府の五十九年度経済見通しでは、経済成長率を実質四・一パーセントを見込んでおります。これは、景気低迷状態であった五十六年度が三・五パーセント、輸出不振による景気停滞が続いた五十七年度が三・三パーセント、景気に明るさが見え始めた五十八年度が三・四パーセントの実質成長を見込んでおり、五十九年度においては、景気回復を予想して成長率を設定したものとされております。 一方、民間経済研究機関や金融機関においても、五十九年度の景気予想は、米国の好景気を反映して輸出の好調が持続すると予測しており、大半が四パーセント台の実質経済成長率を見込んでおります。しかし反面、海外景気の動向、とりわけ米国経済の景気がどうなるか、発展途上国の累積債務による金融不安、中東紛争にかかわる原油情勢の変動要因など景気動向に対する不安も多く、これらの要因が経済活動に大きく作用するとき、景気動向の予測も変化することが考えられます。 最近の本県における企業倒産状況によれば、二月の倒産件数で過去最高を記録したと発表しており、ついに先日もマミヤ光機が倒産するなど、経済環境は非常に厳しく、また、中小法人の大半は赤字経営を余儀なくされている現状下において、五十九年度の県税歳入予算を編成するに当たり、なにを重点において編成し、なおどの税目に多くを期待しておるのか、総務部長にお尋ねをいたします。 次に、事務事業見直しで生み出された財源をどこに重点的に配分し、新規事業に取り組むか、お伺いいたします。 自民党政府は、財政危機を増税で切り抜けようと一般消費税を計画したところ、国民の猛反対を受け、やむをえず行政改革に取り組み、第二次臨時行政調査会は五次にわたる膨大な答申を行ったのであります。国民の間には多くの反対意見があがっておりますが、それらを無視しながら、まがりなりにも臨調路線として、今後の行政の方向付けがなされたところであります。 国は、この答申を受けて、土光臨時行政改革推進審議会会長をはじめとし、機会あるごとに、地方も国の行政改革に準じて行財政の合理化を図るよう強力に求め、一層の締付けを強化してきているところであります。しかし、地方公共団体は、オイルショック後の厳しい財政状況を受け、数年来、独自の行財政の合理化を推進してきており、国以上の成果をあげている現状にあります。 本県においても、国と時を同じくして、昭和五十六年に第三者機関として埼玉県行財政改革懇話会を設け、独自の行政改革を進めてきたと思います。五十六年より三か年のあいだに、組織では十二課、三十一出先機関の廃止、職員定数の一般行政職八百六十四人の再配置、事務事業のスクラップ二百五十八事業、縮減額六十八億円、これらは、まさに血のにじむような努力によってあげられた成果であり、特に五十九年度予算編成に当たっては、五十八年度をもって廃止し完了した事業が八十七事業、八十五億五百七十六万円、また、五十九年度予算で事業を縮小し、事業費を節減したもの二十一億四千六万三千円となっております。このうち、身を切るような思いのする事務事業見直しが七十四事業、節減額十九億四千五百二十三万八千円と多大の財源が生み出されています。また、五十九年度の職員定数を見ても、一般行政部門の定数増は行わず、新たな行政需要に対しては百四十五人を再配置して、二十一世紀へ向けての新しい行政需要に対応しているのであります。 本県のような人口急増県で増大する行政需要に的確に対応していることは、知事はじめ職員の努力に対し、多大の敬意を表するものであります。 そこで、今申し上げましたような、五十九年度予算編成に当たって徹底した行財政の合理化により生み出された財源は、何を重点に事業化し、配分されたのか、知事にお伺いをいたします。 次に、高度情報化社会の到来と行政のあり方についてお尋ねいたします。 昨年八月、通産省が高度情報化社会への展望を踏まえて検討したニューメディアコミュニティ構想によると、五十九年度から六十三年度までの五か年間に、八ないし十のモデル地域でINS、CATVなどニューメディアをバックにした高度情報化システムの設計、開発、実験、評価に取り組むことが明らかにされ、今後、開発メーカーなど民間のほか、電々公社、地方自治体に同構想への参加を求め、一九九〇年代の実用化を目指す方針が出されました。 なお、政府は、本年初め、総理大臣の私的諮問機関として高度情報化社会懇談会を設置したのであります。この懇談会設置のねらいは、コンピュータ、情報処理、通信技術の飛躍的発展が社会や家庭生活、国際関係などに及ぼす影響をさぐり、今後の行政の方向付けに役立てたいと言っております。したがって、昭和五十九年度は高度情報化社会の元年であり、幕あけの年とも言われています。ニューメディアに関する言葉や記事が連日、新聞、雑誌、テレビ等にぎわしておりますが、私としても非常に関心を寄せているところであります。 代表的なものでは、電々公社のINSをはじめとして、次々打ち上げられる通信衛星、また、今年十一月からは、浦和、大官、川口等の県南地区において商用サービスが始まるキャプテンシステムなど、いずれ新しい通信経路になると言われています。 一方、全国の自治体においては、電々公社が計画しているINSを導入して、より豊かな住民サービスをしようと本格的に研究を始めた自治体が最近次々と出てきております。北海道が既にプロジェクトチームを編成しているほか、通産省が計画しているテクノポリス構想、郵政省が提唱しているテレトピア構想など、新しい都市づくりを目指す自治体は、産業基盤整備の一環としてそれぞれ熱心に検討されているようであります。 本県周辺の茨城県では、テクノリンケージ(科学技術連関都市群)構想を進めており、千葉県の産業三角構想、横浜市の港・未来・二十一構想、宇都宮市の宇都宮テクノポリス構想があり、特に茨城県と千葉県においては、昨年十一月に両県にまたがる開発促進連絡協議会を発足させるなど画期的な取組が見られております。 このような隣接県の動きの中で、埼玉県民である我々の日常生活への影響も考える必要があり、特に本県の場合、行政面における取組が遅れているように見受けられますが、高度情報化社会の到来は、教育、福祉、医療、防災、交通、公害といったあらゆる分野において大きな変革をもたらすものと予想されることから、各地域で推進しているそれぞれの振興計画においても見直しが出てくるのではないかと思われます。 いろいろと述べてまいりましたが、ニューメディアについては、現在のところ、なかなか理解しにくい面がありますが、最近の技術革新はまさに日進月歩の勢いがありまして、例えば、光ファイバー、超LSIなどの先端技術の開発や、NHKの衛星放送等、各方面から注目され、大きな話題となっておりますことは御承知のことかと存じます。 INS構想など数々のニューメディアが登場してまいりますと、居ながらにして必要な情報を得られるだけでなく、各家庭での端末機を使ってホームショッピングやホームバンキングをはじめ、在宅勤務、在宅学習も可能となってきます。このように考えてまいりますと、県民生活はもとより、地域社会や県行政に及ぼす影響は非常に大きいものと考えます。そこで、県といたしましても、ニューメディアについて早急に調査、研究をし、予測される二十一世紀の高度情報化社会に対応しなければならないと思います。 県では、新年度から企画財政部に情報科学振興長のポストを設けるほか、庁内にプロジェクトチームをつくって、ニューメディア対策の調査、研究がスタートするようですが、基本的な考え方と具体的な対応について企画財政部長にお尋ねいたします。 更に、調査、研究の進め方として、まず、地域住民の参加、住民へのサービス向上、そして、経費の節減が今後の地方行政においてますます重要な課題となってきます。この課題をスムーズに解決していくためには、地域行政に必要な情報を即時検索し、地域計画へと住民への周知を図るためにも、市町村情報システムが絶対必要であり、この点について総務部長にお尋ねいたします。 更に、県民の健康管理の立場から、市町村役場、保健所、健康保健センターなどに設置する端末機とコンピュータを通信回線で接続し、各種健康診断結果及び保健指導記録を収集、蓄積することにより、地域住民の健康増進、疾病の早期発見に大いに役立てることができると言われている健康管理システムの導入を考えているのか、また、導入の効果と、その反面、医療に係わる個人のプライバシーの保護はどう保障されるのか、衛生部長にお尋ねします。 最後は、県民の生活にばく大な被害を及ぼす洪水や災害の防止等に役立たせるため、河川流域各所に設置する観測装置及び土木事務所などの端末機にコンピュータを結び、雨量、水位、水質の観測、電送、そして、処理を自動化することにより、適切かつ敏速な河川管理を行うことができると思われる河川管理システムの導入を図る考えがあるか、また導入による効果をどう分析しておるか、あわせて土木部長にお尋ねいたします。 次に、教育問題についてお尋ねいたします。 知事は、予算説明の中で、特に高等学校教育について、学習指導要領の趣旨に沿って、教育内容、指導方法の改善を進めることとし、特に、生徒一人ひとりの学力に応じ、きめ細かな学習指導が展開できるよう、特色ある高校づくりを更に推進する、と言っております。そこで、本年四月開校する伊奈学園総合高等学校の特徴と教育方針、並びに幾つかの課題について質問いたします。 実施計画によりますと、多様な生徒の学習要求に応えながら高校教育の改善を目指す学校であり、生涯学習を進める埼玉県中期計画に沿って学校開校を推進する学校でもあると言われており、牲格としては、普通科、総合制で、選択制と単位制を基本とした、地域に開かれた高校としての位置付けがされております。 また、特徴として、 一つ、個性を伸ばす教育課程、 二つ、学習の個別化、個性化を目指す教育指導、 三つ、人間的なふれあいを深める生徒指導、 四つ、人生設計の実現を目指す進路指導、 最後に、ユニークな構想による施設、設備、があげられており、総工費も、普通高校四校分の財源を投入して建設されているのも特色の一つであります。生徒募集の学校案内を拝見しても、校訓、教育目標、教育方針、教育課程と学系、さすが、五か年をかけて研究、構想を立てただけの高校であり、現代の高校教育のニーズに応えていると思います。 それは、去る二月二十九日行われた高校受験の結果を見てもわかります。伊奈学園総合高校は、募集人員五百四十名に対し受験者六百三十四名、競争率は一・六〇倍、本県の普通高校全日制平均競争率一・二二倍をはるかに上回っており、高校進学者で、中学生にとっても期待は特に大きいと思います。あわせて、県民及び全国の教育関係者からの期待もあり、これらに応えていかなければならない使命は重大であると考えます。 それには、教育現場で直接指導に当たる教職員が伊奈学園の性格、特色を十分理解しなければなりません。そうした教師の配置なども含め、どのように対処されているのか、まず教育長の所信を伺いたいと思います。 あわせて、近県の状況として、千葉県や神奈川県が取り組み、総合制高校としての目的が果たせなかったと言われている千葉県の幕張三高校、神奈川の弥栄二高校、それぞれが持つ性格、特色と伊奈学園総合高校との相違、比較について調査されていると思うが、内容についてお聞かせいただきたいと存じます。 次に、伊奈学園の特色である学系の選択が、開校二年目から二年生の誕生によって実施されることになりますが、選択には、生徒が自主的に自由に選ぶとなると、基準として何名をもって一クラスとするかが問題になると思うし、当然、現在の四十五名一クラスの基準は当てはまらないと考えられます。したがって、教室をはじめ施設、設備の充実と選択制完全実施のための教員増が必要となってきますが、これらの経費を国が認めない場合、県が単独で賄うことになると思います。 以上二点について、引き続き教育長にお尋ねいたします。 三つ目として、伊奈学園の設置が、新交通システム・ニューシャトルの関連地域環境整序計画の生涯学習都市構想の核とし設置されたねらいもあり、ニューシャトルの利用にもウエイトをかけた点は、先刻御承知のとおりであります。しかし、営業開始したニューシャトルは、このたびの十数センチの降雪で運行停止、これでは唯一の通学の足である交通機関として、生徒にとって極めて不安であり、更に、大宮工業高校、上尾沼南高校、そして伊奈学園総合高校と、やがて、延べ五校分にものぼる生徒が通学時間帯にかち合うことになり、ニューシャトルの輸送体制からして問題はないのか、心配が起きてくるのではないかと思います。したがってニューシャトルの交通整備を早急に行う必要はないのか、雪害対策も含め、以上二点について企画財政部長にお尋ねいたします。 次に、廃棄物の有効利用と再資源化について伺いたいと思います。 一九八三年版の埼玉県環境白書によりますと、県内の家庭から排出されるごみの総排出量は、昭和五十五年度百四十一万トンでありますが、年々増加の一途をたどり、六十五年度には二百十五万トンにもなると言われております。 一方、産業廃棄物の総量は、五十五年には千二百七十九万トンで、十年後の六十五年には二千二十二万トンというように膨大な量になるものと予測されております。廃棄物の一部には貴重なエネルギー源があると言われております。このように増大する廃棄物を適正に処理し、県民の生活環境を守っていくために、これら廃棄物の減量化を図っていくことが今後の重要な課題であると存じます。 特に、資源有限が叫ばれている今日でありますので、廃棄物の有効利用と再資源化に積極的に取り組むべきであります。私は、そのことが、廃棄物の最終処分量を減少させ、ひいては都市化の進展により、処分する場所の確保がますます困難になっております最終処分地の負担を軽減させることができ、多面的な成果を生むものと信じております。 しかし、全般的な再資源化率は、昭和五十四年度の調査によっても五四・五パーセントで、今後、技術の開発も含め、関係者の一層の努力が望まれていますので、これらの対策について県はどのように対処しているのか、環境部長の御所見をお聞かせ願いたいと存じます。 次は、農協の経営指導についてお尋ねいたします。 既に、今議会において、複数の方から取り上げられております農協の不祥事件でありますが、過去十年間で日高町の埼玉日高農協、川越市の南古谷農協、同じく田面沢農協、久喜市農協、松伏町農協、そして、今回の南河原村農協と、すべて金融にからむ事件が六件も発生しています。県としては、そのつど、事件に対する対策として、今後一層の検査並びに指導の徹底を図っていくという点を強調されております。 しかし、農協の不祥事件があとをたたないのは、どこに原因があるのでしょうか。これは、戦後、農協の組織が急激に拡大し、事業も、指導、販売、購買、共済、信用と、それぞれ業務内容が多様化されてきたことと、一方では、職員採用などについて、従来同様縁故関係を重視し、任用も当然その域を出ていない向きがあるやに見受けられます。 このような状況を背景に、組合の最高幹部が自ら不祥事件を引き起こす実態は、農協の体質とその構造から生まれてくるものではないかという気がいたします。まず、この点についてどのように考えているのかお伺いいたします。 なお、私は、去る一月十二日に開かれた昭和五十七年度決算委員会農林部の審査において、農協の不祥事件は忘れたころ起きる感があるが、農協の指導体制の充実や事件発生の兆候はなかったのか、とただしたところそのような心配はないと答弁がなされた矢先、二月二十三日の土地改良区理事長の公金横領容疑に関連して、南河原村農協の組合長、参事の幹部二人が逮捕されるという報道があり、またかと思うと同時に、県の検査や指導体制になにか疑問を持たざるをえなかったのであります。 決算委員会で公表できなかった事情はいろいろあったと思いますが、検査や部内監査も含め、問題解決についての指導とその見通しに甘さがあったのではないかと指摘せざるをえません。この点についてお尋ねいたします。 また、久喜市農協における組合長の二億円着服事件は、預金者の訴えを解決するため、なにも知らない組会長以外の理事が農協への損害を防ぐため損害補てんを行い、事件の和解を図ったと聞いております。当事者である組合長は、担保物件はおろか、資産はなにもない状態で、組合員としての最低の資格である農地の所有権、共有権、借地権は一つもないしまつで、このような方が農協の重責についていたとは、言語道断であります。 そこで、このようなケースを防ぐ対応の一つとして、常勤の理事に当たる方は、農協の経営に重大な権限を持っている関係からして、組合員に対し個人の資産を公開するなど、理事同士が申し合わせを行うような指導も必要かと思います。この際、農協全組織の理事役員は、自らえりを正し、倫理を図る必要があると思いますが、指導的立場にある県として農林部長はどうお考えになっておりますか、御所見をお聞かせ願いたいと思います。 次に、中国帰国者の援護対策について、生活福祉部長及び教育長、そして労働部長にお尋ねをいたします。 ことしも、中国残留孤児の肉親捜し第五次訪日団五十人がおとずれ、半数の二十五人が親族と再会することができ、去る七日、離日をされました。この模様は、連日マスコミをにぎわし、ブラウン管を通じて報道されました。四十年ものあいだ祖国を夢み、父母を捜し求め、まくらを涙でぬらした日々の様子が、残留孤児の顔にあらわれており、その歴史の重みと、改めて戦火の爪跡が深く残っている感がいたしました。 敗戦の混乱による極限状態の中で、やむなく中国への残留を余儀なくされ、遭遇した数々の辛酸は、誠に筆舌につくせぬ、生死をかけた、涙と恐怖の連続であったことと存じます。当時を回顧すると、戦争の非情さを痛感いたし、残留孤児の方々の心情を察するとき、誠に胸が痛むものであります。 日中間の国交が回復し、日中平和友好条約が締結されてから長いあいだ夢にまで見た肉親との再開が実現でき、そして、幸いにも帰国ができた方もおりますが、手離しで喜ぶわけにはいかないのであります。帰国者が日本の社会に定着し、自立することは、これまた容易なことではないのであります。 言葉の違い、生活環境の違い、食べ物の違いなどを身をもって知り、自分たちの社会復帰の容易ならないことを感じとり、心労といらだちによるストレスから、ノイローゼとなり、自殺者まで出ているのであります。彼らは中国にいる方が幸せなのではないか、と言う人もおります。 しかし、四十年近くものあいだ祖国を夢み、肉親を捜し求めてきた、戦争による犠牲者であり、同胞なのであり、帰りたい者をだれが押し止めることができるでしょうか。 このような重大な人権問題が、日中の国交が回復され十二年にもなるというのに、やっと緒についたばかりであり、援護対策の貧困さが強く指摘されておるのであります。 去る二月一日、国は、所沢市に中国帰国孤児定着センターを開所しましたが、国は、戦争責任からも、人道上からも、もっと手厚い援護施策を講ずるべきであり、定着促進事業の充実を図るべきではないかと思います。 さて、本県には、現在までのところ、残留孤児本人が三十人、家族を含めまして百三十七人の方々が既に帰国されており、大都分の方が大宮、岩槻、秩父地区の公営住宅に落ち着いております。また、県の実施する援護施策は、住宅のあっ旋、生活保護の適用措置、生活指導員などによる日本語指導、生活指導などであり、それぞれ担当は苦労されておると思うのでありますが、実態は、なかなか問題を含んでおると聞いております。 例えば、帰国者の児童生徒の教育にとりましても、岩槻では、中国語の話せる教師が非常勤講師として一名いるだけで、それも一日三時間、週二日の勤務状況であります。これでは、なかなか、義務教育さえも満足にすることができず、現場では大変困っているとのことであり、ぜひとも中国語の専任教師が必要であります。また、日本語教室も開催されておりますが、出席率も極めて悪いとのことであり、教室の運営方法に問題があるのではないか。帰国者にとって、最も必要なことは、一にも二にも日本語の修得であり、これなくして日本の社会に定着できないのであります。現状を十分調査、把握し、きめ細かい帰国者への援護の手が差しのべられるよう強く要請しつつ、質問いたします。 帰国者の児童生徒に対する義務教育はどのように行われているのか、教師の配置は十分であるのか、日本語教室の開催はどのように運営されており、効果をあげているのか、職業訓練と職業のあっ旋などはどのように行われ、成果をあげているのか、それぞれ担当部局長からの御答弁をお願いいたすものであります。 最後に、その他の件で、選挙管理委員会委員長にお尋ねをいたします。 選挙管理委員会は、選挙執行に当たって「選挙が公明かつ適正に行われるように、常にあらゆる機関を通じて選挙人の政治常識の向上に努めること」うんぬんが、公職選挙法第六条選挙に関する啓発、周知等の条文にうたわれ、選挙の執行に当たり大きな役割と実効をあげておりますことは、既に御案内のとおりであります。 しかしながら、昨年四月十日に執行されました県議会選挙におきまして、悪質な買収などによる公職選挙法違反で起訴され、去る二月二十日、浦和地方裁判所は、同僚議員に対して、懲役二年六か月、執行猶予五年の有罪判決をくだされたのであります。県議会議員として、五百七十万県民の負託に応える重大な責任と使命を持つことは言うまでもなく、政治に携わる者として、選挙は厳正でなければならず、このような行為は、県議会の品位を著しく汚したものであり、県民の政治不信を強く招く結果となったことは極めて遺憾と思うのであります。 このような憂うべき事態に対して、選挙管理委員会委員長はどのように受け止めておられるのか、明るい清潔な選挙を啓発し、厳正な選挙執行を推進している選挙管理委員会の責任者としての御見解をお伺いいたします。 なお、この際お尋ねいたしますが、四年前の五十五年に、知事及び参議院、そして衆議院選挙の投票日が同じ日に執行されるという、いわゆるトリプル選挙が初めて行われたのであります。これに先だち、私は、五十四年十二月定例会で、当時予定されている参議院選挙とほぼ同時期に任期が満了となります知事選挙の期日について、有権者の便などを考慮し、また選挙費用の軽減になることからも、投票日を統一することについて要望いたしたところ、選挙管理委員会委員長は、技術的に難があるとして問題点をあげておりましたが、結果的には先ほど申し述べたとおり、衆議院選挙も含めてトリプル選挙が行われ、しかも、問題なく立派に執行されたのであります。 そこで、この事実をどのようにお考えになっておるのかお伺いをいたします。大変古きにさかのぼってお尋ねをして恐縮ですが、次の質問との関連でお尋ねをいたした次第であります。 すなわち、知事の任期満了が七月十二日となっており、今回は、知事選挙をおいて、現在のところ他に予定されている国政選挙はないと思われますが、知事選挙の投票日の決定について、いつを予定されているのかこの際お伺いをいたします。 以上で、私の質問を終わります。(拍手する人あり)        〔知事(畑  和君)登壇〕 ◎知事(畑和君) 斎藤大丈夫議員の、昭和五十九年度予算編成についての私に対する御質問にお答えをいたします。 五十九年度の予算編成に当たりましては、現下の経済情勢や国の予算編成の動向から見まして、地方交付税国庫支出金等の伸長が期待できない上に、公債費等の義務的経費をはじめとする諸経費の増嵩等、厳しい状況が予想されるところでございます。このため、予算編成に先だって、昨年八月以降、全庁的に事務事業の見直し、職員定数の適正配置等に努めるとともに、予算編成に当たりましては、これらの成果を踏まえまして、財源の重点的かつ効率的な配分を行ったところでございます。 事務事業の見直し等によりまして生み出された財源は、一概にこれを新たな事業に結びつけることはできませんが、限られた財源のなかで、例えば、新長期構想を踏まえた高齢者生きがい振興財団(仮称)の設立、産学官共同技術開発の推進、緑のトラスト運動の推進、埼玉県文化振興基金の設置、身近なまちづくりの推進、東西交通新システムの調査などの新規事業や、農林、土木、住宅都市の県単事業について特別枠を上積みし、実質的に前年度を上回る事業の予算化にこの財源が寄与したものと考えておる次第でございます。        〔総務部長(下總 昇君)登壇〕 ◎総務部長(下總昇君) 一の昭和五十九年度予算編成についての(一)及び(二)につきまして、一括してお答えいたします。 県税収入は、県財政における歳入の大宗を成すものでありますので、財政運営上慎重に見積りを行い、的確な額を算定しなければならないと存じております。五十九年度の県税歳入予算の積算に当たりましては、まずその基となります昭和五十八年度の最終県税収入見込みを算出し、これをベースといたしまして、五十九年度における国の経済見通しや、地方財政計画に示された税収見込み、各種経済研究機関等における企業収益予測などを参考にするとともに、更に、本県経済の特性及び過去の課税実績の推移などを加味いたしまして積算をし、これに、昭和五十九年度地方税制改正案による増減収見込みを織り込んで見積ったものであります。 なお、各税目につきましては、それぞれ特性がありますが、いずれも景気の動向に大きく影響されるところでありますので、具体的な見積りにつきましては、その特性や景気の影響度合、各税の相互関連等を勘案いたしまして、慎重に算定いたしたところであります。とりわけ、県税歳入予算総額の三六パーセントを占める法人二税につきましては、この影響が大きいことから、主要な法人につきましては、その収益予測を直接企業に照会するほか、その他の中小法人につきましても、可能な限りの資料を参考にするなど、最も留意して見積ったところであります。 この県税収入の確保につきましては、すべての税目について予算計上額の達成を図らなければならないところでありますが、ただ今申し上げましたように、予算に占めるウエイトの最も高い法人二税につきましては、今後の景気の動向いかんによりますが、特にその上昇に大いに期待をしているところであります。 また、個人県民税につきましては、減税による減収が見込まれますものの、予算の三〇パーセントを占めており、更に、税率改正が見込まれます自動車税につきましても、比重が高まりますので、これらの税の伸長にも期待をしているところであります。 なお、最近の景気回復は、輸出主導と企業の設備投資の増加傾向によるものと見られておりますが、御指摘のような懸念要因もありますので、今後の景気動向には十分注意をいたし、県税収入確保に努めてまいりたいと存じます。 次に、二、高度情報化社会の到来と行政のあり方についての(二) 市町村情報システムの必要性についてお答えいたします。 行政分野でのニューメディアの活用方法といたしましては、まず、行政側が、住民の情報や地域の情報を知ることによって住民のニーズにあわせた行政を行うこと、一方、住民側が行政の持つ情報を知ることにより、よりよい地域社会の形成に参画することなどの双方からの係わりが考えられます。これらの効果を高めるためには、多様な情報を蓄積し、それらを活用するためのシステム化の方法など、ソフト面についての研究が必要かと存じます。 今後、ニューメディアに係るハード面の開発の進展を見ながら、新しい情報システムに対しまして行政がどのように対処すべきかを、御提言の趣旨を踏まえまして研究してまいりたいと存じております。        〔企画財政部長(角井 信君)登壇〕 ◎企画財政部長(角井信君) 二の(一) ニューメディアの調査、研究と対策についてでありますが、情報に対する需要の増大と情報通信技術の飛躍的な進歩によりまして、高度情報社会の到来が予想されております。いわゆるニューメディアは、この高度情報社会を推進するための役割を担っていくものと期待されており、御質問にもございましたとおり、産業、社会、家庭生活など、広範囲の分野にわたって多大の影響をもたらすものと予測されます。 そこで、県といたしましては、このようなすう勢に適時適切に対応していくため、全庁的に調査、研究を進め、来るべき高度情報社会にふさわしい行政が執行できますように努力してまいりたいと存じます。 当面、五十九年度におきましては、プロジェクトチームを設置し、行政各部の具体的な対応などを検討するとともに、ニューメディアに関する知識を深めていくためシンポジウムなどを開催したいと考えております。 次に、三の教育問題についての(四) 通学のための唯一の交通機関であるニューシャトルの整備についてお答えいたします。 現在のニューシャトルの輸送体制につきましては、大宮・丸山間の複線区間で、朝のラッシュ時、一時間の通勤、通学時間帯において、片道九本、最大限約四千人、また、丸山以北の単線区間では、片道四本で最大限約千四百人の輸送が可能でございますので、御指摘の通学問題につきましては、対応できるものと考えております。 また、雪害対策についてでございますが、会社からは、「今回のような大雪に対処する措置が十分でなかったため一部運休をせざるをえなかったが、早速その改善に取り組み、相当の成果があった。」という報告を受けているところでございます。県といたしましても、会社に対し、設備の改善をはじめ、その対策に万全を期し、定期運行の確保に努めまして、利用者に不安を与えることのないよう、指導してまいりたいと存じます。        〔衛生部長(五十嵐 衛君)登壇〕 ◎衛生部長(五十嵐衛君) 二の(三) 健康管理システムの導入についてお答えいたします。 情報化社会の進展に伴い、高度の情報技術を導入したシステムづくりは、二十一世紀に向けての課題となっているところでございます。このような背景から、現在、国の段階におきまして、各種の健康に係わるデータの一元化を図るためのコンピュータを利用した情報管理システムについての研究開発が行われている状況にありますが、この研究におきましても、個人のプライバシー保護との調整が重要な問題となっている、とのことでございます。県といたしましては、今後とも、この問題についての国をはじめ関係分野の動向に注目して、慎重に対応してまいりたいと存じます。        〔土木部長(廣田豊作君)登壇〕 ◎土木部長(廣田豊作君) 二の(四)の河川管理システムの導入についてお答えいたします。 洪水時の雨量、流量と雨量水位等の観測につきましては、従来は、現地での観測結果を電話、水防無線等で通報、連絡を行ってまいりましたが、御指摘のとおり、水防活動時等におきましては、情報等を適切、かつ迅速に把握することが重要な課題でございます。このため、県におきましては、昭和五十七年度から県内の主な河川の上流域を担当しております土木事務所管内の主要な観測所と土木事務所間のテレメーター化を進めることといたしまして、雨量観測所九か所、水位観測所二十三か所について施設の整備を計画いたしております。この計画に基づきまして、現在までに飯能土木事務所管内の雨量観測所二か所、水位観測所六か所につきまして整備を実施しております。 また、建設省のレーダー雨量計の端末を、水防本部を設置しております庁内の河川課内に設けまして、関東地方とその周辺各地における降雨の強度、降雨の分布状況等を継続的に受信できるようになっております。更に、五十九年度には、建設省で、観測しております各地の雨量、水位につきましても、ファックスで受信できる装置を整備する予定でございます。 これらの河川管理システムの導入による効果につきましては、大雨の際の水防体制、水門、排水機場等の施設の操作、関係機関への情報、予報等の伝達などにおきまして、迅速、的確な対応が図られ、被害の軽減に大いに役立つものと期待しております。今後とも、河川管理システムの一層の充実、強化を図ってまいる所存でございます。        〔教育長(長井五郎君)登壇〕 ◎教育長(長井五郎君) 三、教育問題についてのうち、私に対する御質問に順次お答えいたします。 まず(一) 伊奈学園総合高校の性格、特色、そして、県民、全国の教育関係者が寄せる期待についてでありますが、この学校は、人文学系、理数学系等の七つの学系を有し、百五十余の選択科目を設けるほか、生徒の学園生活の場を従来のホームルームに所属させるものと異なり、一年から三年までの三年間、同じハウスに生活させる形態をとっております。 また、施設面でも、従来の高校の形式でなく、幾つかの教室を自由にその広さが変えられる形にするなど、多くの画期的な改革を試み、この四月に開校する運びとなりました。 教職員につきましても、特色あるこの学校に深い理解と関心を持つベテラン教師を配置するとともに、一人の校長と副校長のほかに、完成時には六人の教頭を置くなど、学校の管理、運営面でも特段の配慮をしているところであります。 今後とも、設置の目的を達成すべく各方面の御協力をいただきながら努力してまいりたいと存じます。 次に、(二) 千葉県幕張三高校と神奈川県弥栄二高校の現況と伊奈学園との違いについての御質問でありますが、両県とも、新しい高校のあり方を模索し、それぞれユニークな高校の構想をまとめ、千葉県にあっては幕張三高校、神奈川県にあっては、弥栄二高校を開校しております。幕張では、三校がそれぞれ独立しているため各学校内での科目選択の幅には限度があり、音楽、美術、書道の芸術科目についてのみ、他の二校の教員の兼務による選択履習ができることになっております。また、弥栄の二校は、それぞれ独立した学校として昨年四月に開校され、教育課程は、文科、理科、体育等のコース制を採用しており、そのコース内での選択を中心としながら、あわせてコースを超えた若干の自由選択科目を設け、学習内容に幅を持たせているとのことであります。 一方、伊奈学園総合高校は、幕張、弥栄が数校の集合型配置の高校であるのに対し、三校規模を持った一校であり、人文、理数、語学、芸術・技術、体育、商業、家庭の七つの学校が設けられており、百五十に及ぶ選択科目を、学系内や、また、学系の枠を超えて自由に選べるシステムになっております。 更に、大規模化による生徒指導上の諸問題に対処するために、全校を六つのハウスに分けるほか、複雑化する学校事務をコンピュータを利用して処理するなど、他に例のない多くの特色を持った学校であります。 次に、(三) 選択制の完全実施による施設及び設備の充実と教職員の増員についてでありますが、施設の補助金については、現在、国の補助金交付要綱に基づいて補助金が交付されており、文部省も、物心両面にわたる協力を行うとしておりますので、この基準の最高限度額の交付が受けられるように、引き続き国と折衝してまいりたいと考えております。 また、教職員の増員については、多様な生徒の幅広い学習要求に応え、選択制高等学校の設置のねらいを実現できるよう、教職員の配当について、国への要望も含め、できるだけ配慮していく所存であります。 次に、六、中国帰国者の援護対策についての御質問のうち、(二) 中国語専任教師の完全配置についてでありますが、まず、帰国者の児童生徒については、日本国籍のある者はもちろんのこと、日本国籍のない者につきましても居住する市町村の小中学校に受け入れ、等しく義務教育を実施しているところであります。 また、教員の配置については、いわゆる「標準法」上では、これら中国からの帰国子女教育を行うための特段の配置はなされておりません。しかし、県教育委員会といたしましては、御指摘のような実態を現地調査の結果把握しておりましたので、帰国者が比較的多い岩槻市及び荒川村において、当該児童の日本語教育を実施するため、昭和五十八年度は、特別な措置として、中国語のわかる非常勤講師を派遣しているところであります。 来年度以降につきましては、本年度の実績や学校並びに地元教育委員会の要望等を踏まえ、前向きに対処してまいりたいと存じます。        〔環境部長(白井 法君)登壇〕 ◎環境部長(白井法君) 四、廃棄物の再利用と再資源についてお答えいたします。 御指摘がありましたように、廃棄物処理を現状のような処理方法で進めてまいりますと、一般廃棄物と産業廃棄物をあわせて、昭和六十五年度までには約四千四百万立方メートルの処分場を確保する必要があります。内陸県で都市化が進み、最終処分場を確保することが難しい本県におきましては、この最終処分量を減らすということが今後の廃棄物行政における最大の課題であると認識いたしております。 また、それは、資源エネルギーの節約という観点からも重要な問題でありますので、中間処理の促進や再資源化を積極的に進める必要があると存じます。 家庭からのごみにつきましては、民間のリサイクリングシステムといたしまして、世界にもあまり類例のない、ちり紙交換などのようなシステムにより再資源化が図られているものもございますが、民間ベースに乗りにくいものにつきましては、市町村においてごみのなかから鉄くずやカレットを回収するなどの資源化の努力が図られております。その量は、昭和五十七年度には約六万二千トンにもなっており、それは年々増加いたしております。 県といたしましては、快適な環境づくりの一環として、「廃棄物有効利用モデル地区」を設置いたしております市町村に対し補助を行うなど、家庭ごみのリサイクリングシステムの確立に努めているところでございます。 また、産業廃棄物の再利用、資源化の施策といたしましては、既に方法が一般化しているものについては、民間ベースで再利用、資源化を促進することが積極的に行われておりますが、排出や流通の情報が乏しいために再利用、資源化がされないものにつきましては、財団法人クリーン・ジャパンセンターの協力を得て、「産業廃棄物交換制度」について調査、検討をいたしますとともに、財団法人埼玉県環境保全公社の関与のあり方についても検討してまいりたいと存じております。        〔農林部長(浅見孝男君)登壇〕 ◎農林部長(浅見孝男君) 五の農協への経営指導についてお答え申し上げます。 まず、(一)の検査、指導の適否についてでございますが、農協の適正な運営につきましては、常日ごろから検査と指導に努めているところでありますが、今回、南河原農協の不祥事件の発生を見ましたことは、誠に遺憾なことと存じております。 このような事件が引き起こされました背景といたしましては、御指摘のとおり、農民の共同組織体としての農協の業務が、信用事業も含めて多様化、複雑化しているなどの事情があることがあげられますが、不祥事件発生の直接的な原因といたしましては、特に農協の役員及び幹部職員の社会的責任感の欠如や経営感覚の甘さにあると考えているところでありまして、従来から、これらの点に着目いたし、農協の組織整備、役職員の教育、研修の実施をはじめといたしまして、経営改善の指導、内部けん制体制の拡充、強化を推進してきたところでございます。 また、農協職員の縁故採用につきましては、県中央会において、各単位農協の職員の採用試験を一括して実施するよう指導するとともに、各農協に対しましても、これに参加するよう指導しているところでございまして、本年度、県下農協の約半数がこれを活用しております。 今後とも、更に農協の組織整備や運営の改善を図るとともに、特に単協に対しましては、中央会が行う統一的採用試験に参加していただくよう、強く指導してまいりたいと考えております。 次に、決算委員会での発言に関連してでございますが、県におきましては、昨年五月の常例検査の時点で、吉野都美男並びに善一の両氏に対し、貸付限度枠の超過等不当貸付額が約一億二千九百八十万円を確認をいたし、この検査結果を全役員に対して講評するとともに、速やかに不当貸付金の回収を行うよう、検査指示書を交付したところであります。 その後、具体的な回収方策といたしましては、本来の商工組合中央金庫資金の導入による借り替えを早期に実施するよう、助言、指導を行ってまいりました。 この間、組合長から、弁済に最大限の努力を傾注しているとの報告もありましたことなどから、決算委員会の開催されました一月の時点では、その経緯を慎重に見守っていた段階でありましたので、明らかにすることをはばかったものであります。しかしながら、このような結果になりましたことを深く反省しております。事情御賢察のほどをお願い申し上げる次第でございます。 今後、御指摘の趣旨を踏まえ、債権の保全に努めるとともに、組合員に損害を及ぼすことのないよう、万全を期してまいりたいと存じております。 次に、(二)の役員の倫理についてでございますが、役員の資産公開という大変貴重な御提言をいただきましたが、一方、農協役職員には、農業と農協活動に深い見識を持ち、高い経営的手腕と責任感に優れた人材を確保するということが基本的に重要でありますので、今後、御提言の趣旨を含め、役職員の倫理の問題につきましては、十分研究してまいりたいと存じております。御了承をたまわりたいと存じます。        〔生活福祉部長(小林 実君)登壇〕 ◎生活福祉部長(小林実君) 六の中国帰国者への援護対策についてのうち、(一)の援護対策の強化と定着促進事業の充実についてお答え申し上げます。 お尋ねの日本語教室についてでございますが、現在、浦和、秩父、岩槻の三会場で実施をいたしているところでございまして、各教室とも、中国語にたん能な職員をリーダーとし、これに補助者二名をつけて運営に当たらせているところでございます。教室の開催状況は、各教室とも、土曜、日曜を含め週二回とし、受講者はそれぞれ十名前後となっている状況でございます。 また、これら教室の開催の日時、方法等につきましては、受講者の意向をも十分取り入れまして各教室ごとに決めるなど、できる限り学習が効果的に進められるよう努めているところでございます。 更に、その学習効果についてでございますが、これは大変気になる点でございますが、年長者でありましても、おおむね半年から一年程度で、買物等日常生活にほぼ支障をきたさない程度になっている模様でございます。いずれにいたしましても、帰国者の大多数の方々は、自活におう盛な熱意が見られまして、生活上さまざまなハンデキャップを克服し、近くの工場、あるいは建設業、食堂等に職を得、将来への希望を見い出しつつあるのが実情でございます。これを、例えば生活保護関係について見ましても、本県への帰国孤児三十世帯のうち、被保護世帯は、現在五世帯にとどまっているところでございます。 県といたしましては、今後とも日本語教室の運営に改善を加えることはもちろん、他の援護施策の充実につきましても一層の努力をいたし、帰国者が一日も早く我が国社会に定着できるよう、最善を尽してまいりたいと存じております。        〔労働部長(関根類千君)登壇〕 ◎労働部長(関根類千君) 六の(三) 職業訓練と職業あっ旋についてお答えいたします。 中国帰国者の就業につきましては、御指摘のとおり、技能の修得をはじめ、多くの困難な問題をかかえております。そうした方々のために、現在、職業転換給付金制度を活用いたしまして訓練手当の支給を受けながら公共職業訓練校において技能を修得する場合と、雇用予約に基づいて職場において技能を修得する場合がございます。この制度の適用の実績につきましては、昭和五十六年度以降、これまで九名の方の訓練を実施しております。 また、就職のあっ旋に当たりましては、公共職業安定所におきまして、きめ細かい職業相談指導や、特別求人開拓を通じまして就職促進に努めており、昭和五十六年度から現在までに七十名の求職申込者がありまして、そのうち、就職された方は二十九名になっております。 就職後におきましても、事業主の方々の御協力を得ながら、定着指導や生活指導を行っているところでございます。こうしたきめ細かい援助を通じまして、中国からの帰国者の方々が一日も早く社会環境はもとより職場生活にもなじんでいただくよう、なお一層努力してまいりたいと存じます。        〔選挙管理委員会委員長(飯塚孝司君)登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(飯塚孝司君) 七のその他について、斎藤大丈夫議員の私に対する御質問に順次お答えいたします。 まず、昨年四月に実施せられました県議会議員選挙において、本来、明るくかつ適正に行われるべき選挙において、御指摘のような公職選挙法違反が摘発せられましたことは、選挙の管理、執行に携わる者として、誠に遺憾に存じております。 選挙管理委員会といたしましては、今後とも、市町村や民間運動団体と連絡しながら、明るく正しい選挙が行われますよう、選挙啓発に一層の努力をいたしてまいりたいと存じます。 次に、昭和五十五年の知事選挙についてでございますが、四月の初めに、参議院の議員の日程も考慮しながら、その日程を定め準備にはいっておりましたところ、五月十九日に衆議院が解散せられ、衆参両選挙とも、知事選挙と同一日に決定せられたという異例の事態に立ち至ったわけでございます。 しかしながら、知事選挙については、既に諸準備が進行しておりましたので、熟慮の末に、日程を変更することなく、トリプル選挙を決断いたしました。 幸いにも、市町村管理委員会等の御協力により、無事、三つの選挙を終了できたわけでございますが、一部に多少の混乱が見られたところでございます。 今後の選挙に当たりましては、この経験を踏まえまして、有権者の利便等も考慮しながら、慎重に対応してまいりたいと存じます。 最後に、ことしの知事選挙についてお答えいたします。 御承知のとおり、知事選挙は、任期満了前三十日以内に行われることになっております。したがって、この期間は、六月十二日から七月十一日までの間となっていますが、過去の例によりますと、六月二十四日か七月一日のいずれかの日曜日が投票日になることが予想されていますが、正式には、四月の県選挙管理委員会で決定することになろうかと存じますので、御了承を願いたいと思います。          ---------------- △休憩の宣告 ○副議長(宮田守夫君) 暫時、休憩いたします。午後二時十二分休憩          ----------------午後二時四十四分再開  出席議員   七十七名   二番   四番   五番   六番   七番   八番   九番   十番   十一番  十二番  十三番  十四番   十五番  十六番  十七番  十八番   十九番  二十番  二十一番 二十二番   二十三番 二十四番 二十五番 二十六番   二十八番 二十九番 三十番  三十一番   三十二番 三十三番 三十五番 三十六番   三十七番 三十八番 三十九番 四十番   四十一番 四十二番 四十三番 四十四番   四十五番 四十六番 四十八番 五十番   五十一番 五十二番 五十四番 五十五番   五十六番 五十七番 五十八番 五十九番   六十番  六十一番 六十二番 六十三番   六十四番 六十五番 六十七番 七十番   七十三番 七十四番 七十六番 七十八番   七十九番 八十番  八十一番 八十二番   八十三番 八十四番 八十六番 八十七番   八十八番 八十九番 九十番  九十一番   九十三番  欠席議員   十五名   一番   三番   二十七番 三十四番   四十七番 五十三番 六十六番 六十八番   六十九番 七十一番 七十二番 七十五番   七十七番 九十二番 九十四番  地方自治法第百二十一条の規定により説明のため出席した人   知事      副知事(松永) 副知事(関根)   出納長     企画財政部長  総務部長   県民部長    環境部長    生活福祉部長   衛生部長    商工部長    農林部長   労働部長    土木部長    住宅都市部長   公営企業管理者 教育長     警察本部長 △再開の宣告 ○議長(丸山俊男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○議長(丸山俊男君) 質疑質問を続行いたします。 三十八番 片貝光次君        〔三十八番 片貝光次君 登壇〕(拍手起こる) ◆三十八番(片貝光次君) 三十八番、自由民主党の片貝光次でございます。質問の通告の順序に従いまして質問をさせていただきます。 まず最初に、県のイメージアップ、愛郷心のかん養などについて、知事、教育長、県民部長にお伺いをしたいと存じます。 知事の提案説明でも触れていますが、県政の窮極の目的は、確立された地方分権のもとに、県民が快適な生活環境のなかで、平和で安全で健康な暮らしが実現されるところにあります。申すまでもなく、今日のデモクラシー政治は、地方自治を基盤として成り立っており、完全な地方自治実現のリーダーシップを握るものは都道府県であります。 しかし、つき詰めていきますと、地方自治を推し進めている力の深部にあるものは、住民の愛郷心であります。知事も、五十九年度における施策方針の中で、愛郷心のかん養を県政の一つのポイントにしております。昔から、愛国心、愛郷心というものが原動力となって成し遂げた偉大な業績は枚挙にいとまがございません。県政の進展のためには、県民が、埼玉県という自分たちの住む地域に誇りと愛着を持つことが大切な要件であります。 しかし、多様化された現在にあっては、ただ単純に愛郷心を養わせることは困難でありますし、特に人口急増の本県では、郷土としての愛着や理解に大きなばらつきがあります。このような状態の中で県民の心を大きくまとめあげるためには、高揚されたイメージ、誇りうる郷土の歴史、発展する地域づくり、文化的な創造等々の何かが必要であります。あるいは、そういったすべてが必要かもしれません。 我が埼玉県は、残念なことに、県政百年の歴史を持ちながら、今日なお誇りうる県民性の確立もなければ、定着をした優れたイメージもないように見受けられます。これは、県政における大きな課題であると考えておるものであります。 ところが、近年、埼玉県や県民をやゆしたり侮辱した言動が、軽薄なタレントばかりでなく、良識あると考えられるマスコミによっても、公然と行われておることはご存じのとおりであります。そのうち消えるだろうという期待に反しまして、「ダサイ」、「ダサイタマ」、「だから埼玉」等々の嘲笑的な言葉が全国的に広まり、有名であります。最近の実例をあげると、サンデー毎日二月二十六日号は、知事選に関した記事をあげまして、その大見出しに、「ダサイタマだなあ」と使い、週刊朝日三月九日号は、「またまたダサイタマ」、週刊読売三月十一日号は、「ヤッパリ埼玉」とかぶせて大見出しに用いております。 あるタレントに至っては、テレビの中で、埼玉の後進性を印象づけるために、農村にも現存をしてない下肥かつぎのゼスチャーを演じているとも聞いております。視聴覚中心の情報伝達速度の早い今日では、このようなイメージの浸透は極めて早いのであります。一緒になってゲラゲラ笑っている県民の姿を想像すると、これは、笑うことのできないブラックユーモアそのものであります。 これでは、県民のプライドや愛郷心を養うということは、至難のわざであります。 しかし、全国的なお笑い草の種にされている埼玉県の姿に対しまして、心ある県民の間に静かな怒りがわき起こっていることも事実であります。例えば、二月十一日付けの読売新聞全国版の投書欄に、本県の五十五歳になる一主婦の投書が載っておりました。「埼玉はダサイか、郷土愛いつまでも」という見出しで、埼玉を侮辱する人たちに抗議するとともに、よその人が何を言おうと長年住み慣れたふるさとに強い愛着を持っているし、こんな素晴しい自然を持っている郷土をいつまでも愛していく、としております。 三月五日付けの埼玉新聞のコラムで、竹井博友氏は、週刊誌が「ダサイタマ」、「ヤッパリ埼玉」と書いているが、やっぱりと見られるところに、他県の人から見ると、埼玉の文化性が低いという偏見があるのは残念である、と述べております。 県政を通じて教育、福祉、文化等の充実を図ったとしても、人はパンのみに生くるにあらず、というように県のイメージ、県民のプライドを著しく傷ついている現状を放置しておいてよいかということにはならないと思うのであります。もちろん、正面きって抗議してみても、即刻効果がある性質のものではありませんが、毅然たる態度を確立し、熱意と理性をもって対応すれば、当面の現象は鎮静化できると確信をいたします。 重要なことは、イメージの高揚を図ることだと考えます。よきイメージは、県民の志気を高め、長きにわたって県政進展にはかり難い力を発揮することは、幾多の先例がこれを実証しておるところでございます。そこで、知事にお伺いをいたします。 第一に、本県のイメージダウンに連なるこのような侮辱的な言動に対し、今までのところ、県としての対応がなされていないようですが、これについてどのように考えておられるのか、御所見を伺いたいと存じます。 二つ目としまして、本県のイメージアップを図ること、愛郷心を養うことなどについて、具体的な施策をどのようにお考えでおられるのか、お伺いをしたいと存じます。 次に、例えば、NHKテレビドラマ「おしん」の中で、佐賀県が舞台になったとき、放映内容が佐賀県人のイメージダウンを招くとして佐賀県知事が抗議をし、後日、ストーリーの中で、イメージの回復を図った事実があります。もちろん、この場合、事情が異なりますが、このような事態に対する試金石として、なんらかの対処をなすべきと考えられますので、これに対する知事のお考えをあわせて伺いたいと存じます。 次に、関連をして、県民部長にお伺いをいたします。 四として、県民部の主要な任務として、広聴広報活動があります。しかし、広報活動の中には、県のイメージアップを図るための対外活動も重要な分野であるはずであります。 従来、県外部に向けての広報活動や、本県の姿をよく理解してもらうための対マスコミ活動はどのように実施をしているのか、御説明をいただきたいと存じます。 五つ目といたしまして、「ダサイタマ」等の本県のイメージダウンを招く言動に対して、今まで、なんらかの対策を講じているのか、更に、今後どのように対応していくのか、具体的に御説明をいただきたいと存じます。 次に、愛郷心のかん養という点から、教育長にお尋ねをいたします。 私は、今まで、世界の多くの国々を訪れてまいりましたが、政治体制のいかんを問わず、どこの国でも愛国心、愛郷心を養うことに熱心であり、そのために、歴史や民族の伝統、風習に対する教育に大きな力を注いでおります。愛国心の源が、肉親愛、郷土愛という素朴なものに発していることは、世界の通説であります。愛国心、と大上段に振りかぶらなくても、郷土を愛する心を持つことによって、自然に発露されることであります。そのためには、郷土の歴史、風土の持つ特質等を理解させることが大切な基本であります。本県においては、小・中学校、高校において、郷土教育をどのように実施しているのか、具体的に御説明を願いたいと存じます。 また、教育局として、どのように現場を指導しているのか、方針等についてもあわせて御説明をお願いいたします。 他の県においては、郷土教育のために、市町村等で副読本をつくって地域の歴史や現状を学習させている実例もありますが、本県に実例があるかどうか説明をお願いします。 六つ目に、郷土教育の具体的な素材となる稲荷山鉄剣についてお伺いします。 この鉄剣は、ある意味において県民の心をまとめる大きな素材だと思っておりますし、本県としてのイメージをつくる要素でもあります。古代において、埼玉が祭りごと、文化の中心であった一つのしるしであり、早くから開けた証明でもあります。立派なシンポジウム報告を読みましたが、少し一般的ではありません。小中学校、高校生に対して、稲荷山鉄剣の意義や歴史的背景を理解させるために、どのように学習をさせているのかお伺いしたいと存じます。 第二番目に、県債償還に対する姿勢につきまして、知事、企画財政部長にお伺いします。 五十九年度末で四千四百億余円と言われる県債に関しましては、我が党の島田議員による代表質問をはじめ多くの同僚議員による質問の中でいろいろ論じられてきました。いずれも、この巨額の県債をどのようにするのか、後代の負担に残らぬよう、いかに解決の方途を講ずるかという、危ぐと責任感からの発言であります県債の累積は、オイルショック以降の経済情勢の激変に対処することをきっかけとして始まったものでありますが、その後の流れの中では、いわゆる借金慣れとでも言うべき安易な姿勢がなかったかと考えるのであります。 そのことは、先日の佐久間議員の質問に答えた債務負担行為の累計金額の大きさがこれを裏付けておると考えます。国の許可を要しない債務負担行為については、安易に設定しないよう、自治省から通達が出されておるはずでありますが、それが地方債とは別枠でふくれあがってきていることは、知事の政治姿勢に基づくところが大きいと思うのであります。 今定例会の提案説明の中で、知事は、再三にわたって、二十一世紀へのかけ橋をつくる、そういう県政を展開すると表現しておりますが、私は、へたをすると、二十一世紀に向けて重い借財の山を残しはしないかと危ぐしておる者であります。それゆえに、畑県政十二年間に累積された県債や債務負担行為設定額の償還については、知事は、より真剣に対処すべき責任があるはずであります。 財政健全化の原則は、ただ一つ、入るを計って出るを制すること以外にないのであることは、だれでも知っていることであります。要は、その実行にあるわけであります。そこで、次の二点についてお伺いをいたします。 第一は、県の行財政改革のより強力な推進であります。 もちろん、県でも、大幅な、課や出先事務所の統廃合を実施したり、いろいろ努力中であることは承知しておりますが、職員定数の削減については、私の不勉強か、方針、計画を聞いておりません。国では、五十九年度三千九百五十三人の純減、六十年度は、二倍の八千人の純減方針を定め、行管庁から各省庁に基準が提示されたことが発表されております。県の方針が立てられておるならば、お聞かせいただきたいと存じます。 次は、経費、事業費等の全面的な見直しと、より一層の節減についてであります。 もちろん、我が自由民主党も、福祉、教育をはじめとして、公共事業等県民が喜ぶことの充実については大賛成であります。しかし、責任政党としての自覚のもとに培われてきた我々は、県政の継続性という中で、現在と将来にわたって、責任ある行動を常に考えておるわけであります。 国は、従来、聖域視してまいりました福祉、教育の分野でも、後代の国民の利益を守るという立場から、制度改革や効率化、合理化を推進をしております。本県でも、財政の硬直状況を見るとき、真剣に手を付けにくい福祉や教育等の面でも、甘えの排除を第一として対応を図るべきだと考えます。 例えば、年々増加する各種福祉施設についての維持管理費、県立の各種医療センターの大きな赤字、増設を続ける県立高校がピーク時を超えたときの将来の姿等々、いずれも考えさせられる問題であります。もちろんいずれも現在では極めて貴重なもので、有意義なものであります。 以上について、知事の御所見を伺いたいと存じます。 次に、企画財政部長にお尋ねをいたします。五十七年度決算ベースで、県債について、公募地方債、縁故債別に、主要な資金調達先と借入金額、平均金利等について概要を御説明いただきたいと存じます。 次に、四つ目といたしまして、外債の発行についてお伺いします。 金融の国際化、自由化は目前に迫っております。近年、民間企業等は、金利の安いスイス等の外国で外債を発行しており、起債額も二兆三千億を超えると言われ、最近では、スイスで一・一七パーセントの超低利ものも発行されておるほどであります。東京、大阪等は外債の実績を持っておりますが、本県でも、その対応を研究すべきと思いますが、御見解を伺いたいと存じます。 三番といたしまして、県行政への電算機の導入に関しまして、総務部長にお伺いいたします。 本県では、四十二年十一月に第一号の電算機を導入して以来、五十八年四月現在で十七の課所で三十三台が設置され、多くのシステムを開発しながら利用が進んでおります。また、幾つかの課所においてはオンライン化され、データバンクへの蓄積も逐次進んでいるようでありますし、五十九年度では、OA機器の導入も具体化されようとしておるとのことであります。 私は、総務部の「電子計算業務の概要」、出納局の「財務会計オンラインシステムの概要」を読んで、昨年の欧米行政事情視察旅行で行政へのコンピュータ導入状況を学ぶために訪れたアメリカ、ペンシルバニア州政府での教訓を思い出したのであります。州政府は、一九五八年から電算機導入を開始し、現在では二十六の行政機関で四十四台が稼働をしているが、機種、メーカーの選定は、当初、それぞれの機関が独自に行ったため機種がばらばらの状態に置かれている、その結果、統一的な情報の入手や交換ができない状況に置かれているので、二年前から、州知事の強力な指示でプロジェクト委員会がつくられ、全庁的な統合的情報処理システムと情報交換センターの実現を目指して活動中とのことでありました。 そこで、まず第一に、総務部長にお伺いしますが、まず機種選定の基本方針について伺いたいと思います。 県では、中央電算機として、日立のHITAC、出納局では富士通のFACOMを導入しております。またほかの課所においては、大中小のパーソナルコンピュータが二十台以上もあり、そのメーカーは七社ぐらいに分かれているようであります。これでは、さきに申し上げましたペンシルバニア州政府と同様に、ばらばらの感がありますが、機種選定の方針について御説明をいただきたいと存じます。 二つ目として、データーバンクへの蓄積やその利用が進んでいるそうでありますが、概要について御説明をお願いいたします。 三番目といたしまして、将来、全庁的な情報処理と交換等が実施するときがくると思うのでありますが、その場合、更に新たな大型電算機のかさをかけるようになりはしないかと思うのでありますが、見通しをお聞かせいただきたいと存じます。 四つ目といたしまして、第一号の電算機の導入以来、入れ替えた機械の回数及びリース又は購入に要した経費は、出納局を含めて五十八年度までにいかほどになっているのか、総計をお答えいただきたいと思います。 五つ目といたしまして、電算機導入の効果についてお尋ねをいたします。 行政への電算機導入は、行政における生産性の向上をねらうことにありますが、県の調査報告書や業務概要においても、積極的効果、消極的効果に分けてこれを説明しております。しかし、一説によると、電算化は決して経費節減にならないという説もあります。電算機は常に進歩しており、大容量のものへと発展中であります。したがって、常に新しい機器の導入が求められ、それに対応する諸設備の更新、要員の技術研修、特定の備品、消耗品等々のために、むしろ経費は増大するというのであります。 ペンシルバニア州で私が同様の質問をしたところ、同州の電算センター所長は、いろいろメリットはあるが経費節減については確答できない、人員の節減については、データがないので答えられないが、一九五〇年代に州政府の職員は約十万名であったが、現在は八万名であることは確かであります、しかし、それがコンピュータ導入の結果かどうかはわかりません、という答えでありました。 四十一年の県の調査報告書でも、導入による節減効果を試算しておりますが、情勢の変化等もありますので実施後の経費節減、人員節減等の効果はどのような状況であるか、概要をお聞かせいただきたいと存じます。 最後に、要員の待遇、健康保持について伺います。 県では、できうる限り外部委託で運営しているようですが、それでも、システム開発、プログラミング等のため専門職員を必要としておるのではないかと思いますし、その研修、訓練も必要なことであります。ペンシルバニア州の話でも、日本の雑誌等でも、電算機の技術者はある期間しか使えないし、知恵を出しきると頭脳的にぼろぼろになると言われております。優れた要員を確保するために、県ではどのように対処しているのか、公務員としての制約のある中で、待遇や健康保持について、現状を御説明いただきたいと存じます。 四番目といたしまして、経済懇話会についてお伺いいたします。 本県への先端技術産業の誘致については、県議会の場で、私をはじめ多くの議員から知事の積極的な対応を求める要望が出されてまいりました。それを受けて、五十六年から知事主催の経済懇談会が東京において続行され、経済界リーダー等の話合いが積み重ねられてきたことは承知をしております。また、商工部に設けられた先端技術産業誘致班により、地道な活動も続けられていることも了承をしております。 その結果、児玉工業団地への日本電気の大型進出も決まりました。また、隣接するキングレコード跡地に、キャノンコンポーネントの進出も決まったわけであります。率直に言いまして、大きな成果であると存じます。 県北は、熊谷、深谷工業団地を除くと、おおむね産業展開の主要地でありますから、緑と田園に囲まれた快適な工業地帯が出現するものと期待をしております。今でこそ先端技術産業であっても、技術革新のスピードの前には、近い将来にはポピュラーなものに転化し、やがて県北の地場産業となる日も近いものと考えます。 いずれの企業分野でも同じでありますが、同種企業の集積があって初めて地域の産業的な特性が生まれ、それが次の展開をよぶことは、鋳物の川口、製鉄の千葉、自動車の豊田等がこれを証明しております。知事、商工部長等においても、この点十分に理解されておることと存じますが、この経済法則の上にたって、あるキャパシティーに達するまでは、児玉工業団地などの受け皿のある県北への企業誘致の努力をお願いをしておきます。 もちろん、既存の地場産業の振興施策については、それぞれ十分に御配慮を願いたいと存じます。 そこで、この経済懇談会と先端技術産業誘致活動を通じての具体的な成果及び近い将来における企業進出の感触や今後の展望などについて、知事の御所見を承りたいと存じます。 五つ目といたしまして、本庄市の水道原水からトリクロロエチレンが検出された件につきまして、衛生部長、環境部長にお伺いいたします。 去る三月八日、落合議員から質問がありましたが、私の地元の重大な問題でもありますので、幾つかの点について質問をいたします。県の有機塩素系化学物質実態調査の結果、本庄市の取水井戸の三本から、厚生省の暫定基準の〇・〇三PPMを七倍以上も上回る高濃度のトリクロロエチレンが検出されたのであります。直ちに取水を中止したとのことでありますが、本庄市民、及び本庄市から原水の供給を受けている児玉町、児玉工業団地の住民約七万五千人は、新聞報道があるまでこの事実を知らされておりませんでした。水道使用者にとって大変ショックなできごとであります。 しかも、この三本の井戸は長年にわたって取水が行われてきたものでありますから、被害があったのではないかという疑惑を持っている者も出てくる現状であります。そこで、まず衛生部長にお尋ねをいたします。 発がん物質と認定されたトリクロロエチレンについて、その毒性を中心に、わかりやすく概要を御説明願います。また、発がん物質とされた経緯につきましても御説明をいただきたいと思います。 また、この調査結果が昨年十月に判明しているにもかかわらず、本年二月二十七日まで公表しなかったのはいかなる事情によるものか、御説明をいただきたいと存じます。 二番目として、発表されたような高濃度のトリクロロエチレンを検出したのに、その後五か月近くも発生源調査が放置されていたのは、いかなる理由によるものか、理解に苦しむところであります。私の知り得たところでは、衛生部から環境部に調査報告の通報と調査要請が行われたのは、新聞発表直前の二月二十日ごろだとのことでありますが、事実でありましょうか。事実とすれば、県民の健康を守ることを優先方針としている県政と大きくかけ離れた話ではないかと思うのであります。この間の事実関係を明らかにしていただきたいと存じます。 三つ目として、水道利用者の健康について問題はないのか、また、なんらかの対策は必要ないのか、あわせて見解を明らかにしていただきたいと思います。 次に、環境部長にお尋ねをいたします。 四番目といたしまして、先日の御答弁では、発生源調査の準備中、とのことでありましたが、準備中、ではばく然たる話であります。調査の具体的手順と現状について御説明をいただけたらと思います。 最後に、調査によって発生源が確認された場合の措置について、一応の見通しを御説明いただきたいと存じます。 なお、六番目の、農協役員の体質改善の問題につきましては、先ほど斎藤議員からの質問、あるいはその答弁のなかでおおむね類似をしておりますので、ここで取りやめさせていただきます。 以上、御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)        〔知事(畑  和君)登壇〕 ◎知事(畑和君) 片貝議員の私に対する御質問に順次お答えをいたします。 まず、県のイメージアップ、愛郷心のかん養についてのお尋ねでございますが、(一)から(三)につきましては、関連がございますので、一括してお答えをいたします。 私も、埼玉を愛する気持ちは人一倍強いものを持っておるつもりでございますが、片貝議員の愛郷心あふれるお気持ちに対しまして、心から改めて敬意を表するものでございます。昨今、マスコミによるいろいろな報道がなされて以来、今日ほど埼玉に対する論議が高まった時期はないと考えております。 県といたしましても、郷土を知り、郷土を愛する心を養い、美しく住みよい県づくりを行うため、各運動団体と連携して、愛郷心のかん養に努めてまいりました。昨年県が行いました県民意識調査でも、埼玉は「住みやすい」、「美しい」という人が大部分を占めまして、八六パーセントの人々が埼玉県が好きであるというふうに答えております。埼玉には埼玉ならではの良さがあるにもかかわらず、正しく理解されていない面があるようでございますので、私も、NHKテレビをはじめ、雑誌などのマスコミに対して、正しい理解を求めてまいりました。 つい、この間も、NHKの本社のディレクターがまいりまして、「ダサイ埼玉」の問題について、埼玉からの逆襲というような内容のものをつくりたいというようなことで、私のところへまいられましたので、じっくりお話を申しまして、埼玉県にも、日本中でほかの他県に誇れるものが少なくとも二十点以上ありますというようなことで、説明などいたしたような次第でございます。 なお、昨年六月以来、職員による調査、研究チーム「埼玉のイメージアップを目指して」を発足させておりまして、近く報告書も提出されることになっております。その内容等も十分検討の上、これからも、機会あるごとに埼玉の良さを認識していただくよう努めてまいりたいと存じます。 本県は、急速に発展いたしましたため、未成熟な面もございまするが、今後とも中枢都市圏構想をはじめ、県内各地域に市町村と共同して、教育、文化、産業など高度な都市機能を持った拠点都市づくりを進めるなどイメージ豊かな諸施策を推進し、県民が愛着や誇りを持てる豊かな県づくりに鋭意取り組んでまいる所存でございます。 次に、県債償還に対する姿勢についての御質問のうち、県職員定数の削減について方針はあるか、とのお尋ねでございまするが、御案内のとおり、本県の人口は引き続き増加の傾向にございまして、これに伴い、行政需要もまた増大するなど、他県とは著しく事情を異にいたしております。こうした状況のなかで、県といたしましては、病院、教育、警察等を除く一般行政部門につきましては、職員の再配置等によって必要な人員を生み出し、これを新たな行政需要に振り向けるというような方針を立ててまいりまして、これに基づき、この三年間、職員定数増をゼロに抑えてまいりました。ちなみに、この三年間に再配置により生み出した人員は八百六十四人に及んでおります。この結果、知事部局における県職員一人当たりの人口負担は、全都道府県のなかで最も高いという実態になっておりまするが、今後とも定数の抑制に更に一層努めてまいりたいと存じます。 次に、全面的な経費の削減を図るべきである、とのお尋ねでございますが、福祉政策につきましては、慈善的、恩恵的ものではなく、権利として我々が全体で考え、創造していくものである、という認識にたちまして今何が必要であるのかを個別に十分吟味をしながら推進してきたところでございます。 また、教育につきましては、次の世代を担う青少年を、自主的な精神に満ちた、心豊かな人材として育成することは、我々に課せられました重大な責務であるとの認識のもとに、機会均等を図るための施設整備を図ってまいったところでございます。 これら施策を推進する上で、行政の効率性を確保することは当然の眼目でございます。そのため、事務事業の見直しなど本県独自の行財政改革を推進してまいりまして、評価いただける成果をあげえたものと存じております。 今後とも、人間尊重、福祉優先の理念のもと、緑と清流、豊かな埼玉を築くため、中期計画施策の実現を図るとともに、行財政改革は終わりなき課題であるとの認識にたって効率的運営に努め、健全財政の確保を図ってまいる所存でございます。 次に、各種施設の運営についてでございまするが、福祉施設、各種医療センター、高等学校などの施設は、運営に相当の経費を必要としておりまするが、県民の資産として、現在、そして将来にわたって県民の福祉の向上に大きく寄与していくことができるものでございます。 したがいまして、今後とも工夫をこらし、効率的な運営と合理的な運営によりまして、その機能が十分に発揮できるよう、引き続き努力してまいりたいというふうに存じております。 次に、経済懇談会についてのお尋ねでございますが、私は、新時代にふさわしい産業構造をつくり、また県内中小企業に技術面や取引面での波及効果を得ることを目的といたしまして、先端技術産業の誘致に努めてまいりました。その結果、今お話のありましたように、日本電気株式会社をはじめ、幾つかの先端技術企業の本県進出を見ましたことは、御質問のとおりでございます。 私は、これらの企業誘致に先だちまして、県内産業の振興や先端技術産業の導入に、県と企業がお互いに相手の考え方や希望を正しく理解することが重要と考えまして、昭和五十六年に初めて経済懇談会を置きまして、その後続けておりまするが、企業のトップの方々と種々意見交換を行うように努めてまいりました。 また、企業誘致のため、必要な場合には直接私も先方へ出向きまして、トップの方々と腹蔵ない意見を交換し、本県の実態を説明申し上げましたこともございます。その経験から申し上げますると、やはり地の利、人の和、受入態勢のよしあし及び熱意が誘致の成否のかぎを握っているようでございまして、その意味で、今後も本県への誘致に大いに期待ができるものと考えております。 現在、商工部内に先端技術産業誘致班を設けまして、先端技術企業と接触しながら、情報の収集や誘致活動を行っているところでございまするが、今後とも地元市町村と連携を図りながら、地域の産業集積にも十分留意いたしまして、誘致を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。        〔県民部長(星野耕一君)登壇〕 ◎県民部長(星野耕一君) 一の、県のイメージアップ、愛郷心のかん養についてのうち、(四) 県外への広報活動、マスコミへの理解促進活動についてお答えいたします。 広報活動のなかで、県のイメージアップを図るための対外活動が重要な位置を占めておりますことは、お話のとおりでございます。そのため、「県民だより」並びに新しく県民になられた方々を対象とする「ガイドブックさいたま」などの定期刊行物につきましては、発行のつど、国をはじめ、他の都道府県及びマスコミ関係などに送付いたしております。また、本年度は、新しい試みといたしまして、埼玉、神奈川、千葉の三県で、伝統文化などをテーマに、共同のテレビ番組を三本製作いたしまして、それぞれの県域テレビで放映、本県のよさや特徴を広報いたしました。 更に、新聞、テレビなどマスコミにつきましては、積極的に情報提供を行うとともに、新聞、雑誌、年鑑などの紙面を購入いたしまして、県の重要施策、物産、観光などをテーマに特集を組み、広域的な広報に努めているところでございます。 したがいまして、御指摘のマスコミ関係に対して、改まった形で要望等行ったことはございませんが、これからも、県に対する正しい理解とイメージアップを図るための対外広報活動につきましては、なおー層意を尽してまいりたいと存じます。        〔教育長(長井五郎君)登壇〕 ◎教育長(長井五郎君) 一、県のイメージアップ、愛郷心のかん養についてのうち、(五) 愛郷心を養うための郷土教育を実施しているのか、との御質問にお答えいたします。 愛郷心のかん養のために、郷土の歴史や風土の持つ特質等を理解させることが大切でありますことは、御指摘のとおりであります。県教育委員会といたしましては、新しい、特色ある埼玉教育を創造する一環として、「埼玉をよく知り、埼玉を愛し、よりよい埼玉をつくるために行動する児童生徒を育成する」ことを指導方針としております。この方針に基づき、昭和五十七年度には、埼玉の風土や歴史に対する認識を深め、ふるさとへの愛情を育てるために、小・中学校の児童生徒の協力のもとに「さいたま郷土かるた」を作成刊行するとともに、毎年一回、全県かるたとり大会を実施し、愛郷心の育成に努めております。 更に、五十八年度には、埼玉にゆかりの民話、伝説、偉人伝、児童生徒作文などにより、小学校用の郷土教育教材集を作成中であり、今後、市町村教育委員会を通して、この活用について指導してまいりたいと存じます。 なお、これとは別に、本県におきましても、各市町村教育委員会において、社会科の郷土資料として「私たちのまち」などと題する印刷物を作成し、郷土学習に役立てております。今後とも、社会科や道徳教育を軸にあらゆる機会を通して郷土愛を育成するよう、各学校を指導してまいる所存であります。 次に、(六) 稲荷山鉄剣についてお答えいたします。 金錯銘鉄剣を含む武蔵埼玉稲荷山古墳出土品は、昨年六月六日国宝に指定された、我が埼玉県の誇る文化財であります。県教育委員会といたしましては、これまでシンポジウムや講演会の開催、各種出版物の刊行などを行い、その活用や普及、啓発を図ることによって県民意識高揚の一助ともしてきたところでありますが、特に小、中、高校生のためには、わかりやすい学習資料として、テレビによる教育放送番組を作成し、放映するとともに、入館者のためのパンフレットも刊行してまいりました。 更に、社会科学習のために、現地を見学させ、資料館を活用することによってその理解を深めさせており、入館者は、過去一年間で、小、中、高等学校約七百校、十二万人の児童生徒を数えております。また、現在「古代埼玉のあけぼの」と題する、金錯銘鉄剣を中心とする稲荷山古墳出土品の内容とその歴史的な意義を解説する映画を作成中であり、この映画フィルムは、四つの県立図書館、九つの教育事務所等の教育機関に配布し、その活用を図ることによって愛郷心の高揚に資してまいりたいと考えております。        〔企画財政部長(角井 信君)登壇〕 ◎企画財政部長(角井信君) 二の(三) 県債について、公募地方債、縁故債ごとの主要な資金調達先と借入金額、平均金利について申し上げます。 まず、公募地方債の資金調達先と借入金額、平均金利につきましては、昭和五十七年度普通会計決算ベースでは、発行残高八百四十六億円を市中銀行二十四行、証券会社八社からなるシンジケート団から調達いたしておりまして、表面金利の平均は、加重平均いたしますと約七・七パーセントでございます。また、縁故債につきましては、五十七年度普通会計決算ベースでは、発行残高千四百七十億円の資金調達先は、市中銀行九百億円、信託銀行などその他の金融機関四百九十億円、共済組合五十四億円、保険会社二十六億円となっておりまして、その表面金利は、加重平均で約七・九パーセントでございます。 次に、(四) 金融の国際化を目前に、低利な外債発行の研究をすべきである、とのお尋ねでございますが、外国市場において外貨債を発行しようとする場合は、当該外国起債市場の金利、余裕資金量等の状況、日本経済全般に対する国際的信用力の状況、発行団体の信用の状況、などがそのポイントになろうかと存じます。特に外貨地方債の場合におきましては、発行団体の国際的知名度及び経済的信用力が要件となるとともに、対象事業が、港湾整備など大規模かつ企業性に富むことなどの諸条件に適合することが要請されております。 そこで、現在、東京、大阪、神戸など五団体を除き、地方団体が個々に外貨債を発行するのではなく、公営企業金融公庫において一括発行する方法がとられているところでございます。 いずれにいたしましても、今後国際金融市場との交流も活発化し、地方債資金の原資も、規模及び種類とも増加することと思われますので、これに対する不断の調査、研究の必要性はあろうかと存じます。        〔総務部長(下總 昇君)登壇〕 ◎総務部長(下總昇君) 三、県行政への電子計算機の導入に関しての御質問に順次お答えいたします。 まず、(一)の機種選定の基本方針についてでございますが、現在本県では、各部局が単独で利用する場合は、その業務内容や事務量から判断をして最適な機種を選定することにいたしておりますが、相互にデータを利用する場合は、互換性のある機種でそれぞれの業務内容に最適な機種を選定することを原則としております。 次に、(二)のデータバンクへの蓄積と利用についてでございますが、データバンクには、現在、人口に関するデータをはじめ、約九十七万件が蓄積されております。このシステムは、現在中期計画や長期構想の策定等に有効に利用されておりますが、今後は、その他の政策立案に役立つ情報も積極的に蓄積することを計画いたしております。 次に、(三)の全庁的な統合情報処理及び交換についてでございますが、総務部の電子計算機を中心とした全庁的な情報処理を計画いたしております。このため、昭和五十九年度は、情報の相互利用及び情報の提供等を目的とした行政情報システムの調査研究を行う計画であります。 次に、(四)の、第一号機以来、機種更新の回数及び購入等に要した経費についてでございますが、本県では、昭和四十三年に第一号機を導入いたしましてから、現在まで四回更新しております。なお、導入以来これまで十六年間の経費の総額は、出納局を含めまして約三十億八千万円となっております。 次に、(五)のコンピューター導入の効果についてでございますが、行政事務を電子計算処理する場合は、あらかじめ省力効果を算定いたしまして、効率的な電子計算機の利用が図られるようにしております。そこで、これらを単純計算で試算いたしますと、年間約二十三億円、人員換算で約六百余人に相当する経費の節減並びに増員抑制が図られておるものと考えられます。ちなみに、税務オンラインシステムを例にとりますと、電子計算処理以前には、当時、自動車登録台数約四十万台の事務を百人で処理しておりましたが、現在は、登録台数が約百五十万台に増加したのに対し、職員数はほぼ同数の人員で処理しており、単純計算でございますが、二百五十六人に相当する抑制効果があったということになります。 次に、(六)の、要員の待遇、健康の保持についてでございますが、優れた要員を確保するため、毎年計画的に専門研修を行い、要員の養成、確保に努めておりますとともに、電子計算業務に従事する職員には、その特殊性を考慮いたしまして特殊勤務手当を支給しております。また、健康の保持につきましては、健康管理には十分配慮いたしますとともに、端末機を操作する職員には毎年特別な健康診断を実施しております。 今後とも、職員の健康管理、安全管理の確保につきましては、十分意を用いてまいりたいと存じます。        〔衛生部長(五十嵐 衛君)登壇〕 ◎衛生部長(五十嵐衛君) 五の本庄市の水道原水のトリクロロエチレン検出についてのうち、私に対する御質問について、順次お答えいたします。 まず、(一)と(三)につきましては、関連がございますので、一括してお答えいたします。 トリクロロエチレンの毒性についてでございますが、この物質は、無色透明で、揮発性の不燃性の液体でございまして、金属機械部品の脱脂洗浄剤、一般溶剤などに広く使用されておりまして、その毒性は、現在までの知見によりますと、直接かなりの高濃度の蒸気を吸入いたしますと、急性の影響として、麻酔作用と神経障害が起こり、また、慢性的な暴露によりましては、けん怠、睡眠障害、頭痛、めまいなどの人体に対する影響があるとされております。 次に、飲料水中のトリクロロエチレンの発がん性についてでございますが、世界保健機構(WHO)におきましては、「安全な飲料水確保のための国連水道と衛生の十か年」、これは一九八一年から一九九〇年に向けてでございますが、その事業の一環といたしまして、飲料水のガイドライン設定の作業が行われつつございます。このガイドラインは、各国が飲料水の安全を保障する基準を策定する際の基礎資料として利用されるべくつくられつつあるものでございます。 この作業におきます発がん性の疑いのある物質に係わりますガイドライン設定の考え方では、二種類以上の動物で信頼のできる発がんデータのある物質につきまして、一日二リットルの水を一生をとおして飲用する場合でも、その人の発がんの危険率が十万分の一に対応する濃度と考えられております。しかしながら、トリクロロエチレンにつきましては、マウスで肝臓がんの発生が認められましたものの、ラットでは認められておりませんで、ガイドラインを設定するのに十分な動物の発がんデータはない状況でございますが、飲料水から検出されることもありますので、暫定ガイドラインを設定するということとされております。 このような背景もございまして、厚生省では、今回、関係審議会の答申を受けまして、人に対する発がん性の有無等は必ずしも明確ではございませんが、国民の健康を保護するために、予防的見地に立って、暫定的な水質基準を設けたとのことでございます。 水道利用者への影響についてでございますが、現在までにトリクロロエチレンの地下水汚染に係わります人体影響の報告例はないと伺っております。 次に、(二)の、調査結果の発表及び環境部に対する通報と発生源調査の要請が遅れた事情についてお答えいたます。 この調査の経過等につきましては、先日落合議員の御質問にお答えしたところでございますが、この調査は昨年九月から十二月までの期間を定めて実施したものでございますので、全調査が終了後、結果をとりまとめて公表することとしていたところでございます。しかしながら、トリクロロエチレンについて、基準を超えました本庄市、及びクロロホルムについてWHOガイドライン案を超えました三市町に対しましては、その結果を速やかに連絡いたしますとともに、対応策について指導いたしたところでございます。 発表が遅れましたのは、調査結果の最終的な取りまとめの段階で、関係事業体から調査地点名を公表するかどうかの問題が提起されまして、その調整に時間を要したためでございます。この点につきましては、県の努力が足らず、誠に遺憾であったと反省いたしております。 このような状況にありましたため環境部との連携が遅れましたが、二月十四日に、調査結果の要点を連絡いたし、また、公表後の二月二十九日には、環境部をはじめ、本庄市を含む関係機関と今後の具体策について打ち合わせを行いまして、汚染範囲の把握などの調査を早急に行うことといたしまして、その準備に入ったところでございます。 衛生部といたしましては、今月中旬に、周辺地域の井戸水についての調査を実施し、汚染範囲の把握を行うこととしておりますが、今後、より一層関係機関との連携を密にして、飲料水の安全性の確保を図ってまいる所存でございますので、御了承をたまわりたいと存じます。        〔環境部長(白井 法君)登壇〕 ◎環境部長(白井法君) 五、本庄市の水道原水のトリクロロエチレン検出についてのうち、私に対する御質問にお答えをいたします。 (四)の発生源調査等の進行状況につきましては、トリクロロエチレンの使用実態を把握するため、汚染井戸を中心に、とりあえず半径約一キロメートルの範囲内でこの物質を取り扱っていると思われます製造業など七十六か所の抽出作業を完了いたしましたので、地元本庄市と共同調査班を編成し、本月の十三日から十五日にかけて、この物質の取扱量、使用方法、回収・処分方法などについて調査をすることといたしております。 原因の究明につきましては、この調査結果、及び既存の地質資料等を基に解析を進めてまいりたいと存じます。 次に、(五)の、発生源が確認された場合の措置でございますが、基本的には、汚染者負担の原則に従って、原因者が一連の措置をとるよう指導してまいりたいと考えております。          ---------------- △次会日程報告 ○議長(丸山俊男君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明十三日は午前十時から本会議を開き、提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○議長(丸山俊男君) 本日は、これにて散会いたします。午後三時四十分散会          ----------------...