群馬県議会 2021-05-31
令和 3年 第2回 定例会-05月31日-03号
令和 3年 第2回 定例会-05月31日-03号令和 3年 第2回 定例会
群馬県議会会議録 第3号
令和3年5月31日 出席議員 47人 欠席議員 0人 欠員 3人
中沢丈一 (出 席) 久保田順一郎(出 席)
星野 寛 (出 席) 岩井 均 (出 席)
狩野浩志 (出 席) 福重隆浩 (出 席)
橋爪洋介 (出 席) 星名建市 (出 席)
伊藤祐司 (出 席) 角倉邦良 (出 席)
井田 泉 (出 席) 水野俊雄 (出 席)
後藤克己 (出 席) 中島 篤 (出 席)
萩原 渉 (出 席) あべともよ (出 席)
岸善一郎 (出 席) 井下泰伸 (出 席)
酒井宏明 (出 席) 金井康夫 (出 席)
金子 渡 (出 席) 安孫子哲 (出 席)
藥丸 潔 (出 席) 小川 晶 (出 席)
伊藤 清 (出 席) 大和 勲 (出 席)
川野辺達也 (出 席) 本郷高明 (出 席)
穂積昌信 (出 席) 井田泰彦 (出 席)
加賀谷富士子(出 席) 泉沢信哉 (出 席)
今泉健司 (出 席) 松本基志 (出 席)
│高 井 俊一郎 │1 新型コロナから見えてきた世界
│ │
│(自由民主党) │ (1) 経済困窮と社会保障について
│健康福祉部長 │
│ 発言割当時間 │ (2) 自殺者の推移とその対応について
│ │
│ 65分
│ ① 自殺者数について
│健康福祉部長 │
│ │ ② 自殺対策について │知 事 │
│ │ (3) 県民の協働と共創の推進に関する条例について
│生活こども部長 │
│ │ (4) 官民共創の社会的投資・SIBについて
│総務部長 │
│ │ (5) 不登校について
│教育長 │
│ │ (6) 高校生の就職について
│ │
│ │ ① 高校卒就職希望者の1人1社制について
│教育長 │
│ │ ② 総合的な探究の時間について
│教育長 │
│ │2 県政にかかる若者との対話について │知 事 │
│ │3 DXと守るべき価値
│ │
│ │ (1) 何を守り、何を革新していくのか │知 事 │
│ │ (2) 「
デジタル田園都市構想」と群馬の新価値について│宇留賀副知事 │
│ │ (3) 榛名湖(県立榛名公園)の新たな展開について │宇留賀副知事 │
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│森 昌彦 │1 職員の人事交流について │知 事 │
│(自由民主党) │2 消費者行政の充実について
│ │
│ 発言割当時間 │ (1) 高齢者の消費者被害の現状と防止対策について
│生活こども部長 │
│ 65分 │ (2)
消費者安全確保地域協議会の設置について
│生活こども部長 │
│ │3 群馬県
気候変動適応センターについて
│ │
│ │ (1) 設置の状況について
│環境森林部長 │
│ │ (2) 今後の取組について
│環境森林部長 │
│ │4 コロナ禍におけるがん検診について
│健康福祉部長 │
│ │5 生活習慣病予防と効率的・効果的な保健指導について
│健康福祉部長 │
│ │6 地場産業について
│ │
│ │ (1) 繊維産業の振興について
│産業経済部長 │
│ │ (2) ブランド力向上と販路開拓について
│産業経済部長 │
│ │7 運転免許証の更新手続きに伴う利便性の向上について │警察本部長 │
│ │8 信号機設置の現状と今後の方針について │警察本部長 │
│ │9 千代田町と熊谷市を結ぶ利根川新橋の架橋について
│県土整備部長 │
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○井田泉 議長 井下泰伸議員御登壇願います。
(井下泰伸議員 登壇 拍手)
◆井下泰伸 議員 おはようございます。シールドがありますので、ちょっとマスクを外させていただきます。
自由民主党、伊勢崎市選出の井下泰伸でございます。
本議会は、
新型コロナウイルス感染者の増加によりまして、国の緊急事態宣言に準じる
まん延防止等重点措置が来月13日まで県内10市町で適用されておりまして、28日には、東京、大阪を含む9都道府県に発令されております緊急事態宣言の期限が本日から来月20日まで延長されることが決まった、そんなさなかの議会であります。機会をいただきましたことに心より感謝いたしますとともに、
コロナウイルス感染症によりましてお亡くなりになられた方々、御家族の皆様に心より哀悼の意をささげさせていただきます。また、長きにわたりまして、現在も最前線で奮闘しておられます医療関係の皆様に心から感謝をいたします。
コロナウイルスの抑え込み、円滑なワクチン接種、苦しんでいる県内の飲食、サービス業、観光業など、県内景気の浮揚だけでなく、影響を受けている県民の日々の暮らしや学校教育など、状況が時々刻々と変わる中で、これから起こる事態に対して、あらゆる角度から対応と対策を考えておかなきゃならない、そのように考えております。
知事はじめ執行部の皆様におかれましては、県民の命と暮らし、なりわいを守る対応をお願い申し上げまして、質問させていただきます。
それでは教育長、お願いいたします。
○井田泉 議長 教育長、答弁席へ。
(平田郁美教育長 登壇)
◆井下泰伸 議員 教育長におかれましては、この春から群馬県教育長に就任をいたしました。長年学校教育の現場や後進の先生方の指導をする中で、教育長自ら教育に対する情熱や理念をお持ちだと思います。教育長の教育に対する思い、これからの群馬の教育に対する抱負など、お考えをお聞かせください。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
県議会での御同意をいただいて、4月1日に教育長を拝命してから2か月が経過しようとしています。この間、
新型コロナウイルスへの対応など、子どもたちの安全と学びの継続をどう両立させていくかを考え続けました。また、
教育イノベーションによる新たな学びをどう作っていくかという課題があり、改めて子どもたちが未来を作っていくことを支える教育行政の重要性、その責任者としての職責の重さを実感し、日々身が引き締まる思いで業務に取り組んでいます。
子どもたちには、今日のような先の見えない予測困難な時代であるから、なお一層、自分の頭で考え、自分で判断し、ほかの人と協力して新しい価値を創造していく力を培ってほしいと考えています。本県では、高校生まで1人1台の情報端末が整備され、子どもたちが主体的に学んでいく道具として活用できる環境になっています。県の新しい総合計画で掲げた始動人の育成に向けて、教育委員会としても、デジタル技術を活用して一人ひとりに応じた個別最適な学びと、多様な人々と関わりながら問題解決を図る協働的な学びを実現する
教育イノベーションを進め、群馬ならではの新しい学びを確立していきたいと考えます。
様々な教育施策を進めていく上では、子どもたちを中心に置いて、関係者がチームとして一丸となって取り組むことが重要です。学校現場や市町村の教育委員会はもちろん、保護者や地域の方々、企業やそのほかの関係機関、庁内の関係部署との連携を一層深めながら、地域に開かれた新しい教育をつくっていきたいと思います。
また、コロナの状況にもよりますが、学校現場にできるだけ足を運び、自分の目で課題をしっかり確認しながら問題解決に当たっていきたいと考えています。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございました。
時代の変わり目の中での教育長就任でございます。これから頑張っていただきたいと思います。
次に、伊勢崎地域の特別支援学校について、お尋ねをしたいと思います。
私は、特別支援教育が非常に大事だと思っております。障害のある子もない子も、それぞれが持っている可能性を最大限に引き出し、みんなが支え合って成長していく、そのような教育を目指すべきだと考えますが、特別支援教育に対する教育長の理念をお伺いしたいと思います。
また、伊勢崎地域では、特別支援学校や特別支援学級などに在籍する児童生徒が2010年から2020年の10年間で約二、三倍に増加をしております。そのような状況の中で、
伊勢崎特別支援学校では、教室数の不足や施設の老朽化、送迎時の駐車場不足など、多くの課題を抱えています。また、旧境高校の校舎を使用しております
伊勢崎高等特別支援学校も、環境が十分に整っているとは言えない状況にあります。
こうした問題に対しまして、文科省におきましても、新たに特別支援学校の設置基準案を公表し、本年7月頃に策定する予定で準備にかかっておりまして、児童の障害や生徒数に応じた校舎や運動場の面積を規定するなど、学習環境を実態に適用させるための取組を始めております。私は、地域で生まれ育った子どもは、障害のあるなしに関わらず地域の中で分け隔てなく育てるような環境づくりと、障害の状況や発達段階等に応じた教育や設備が整った学びの場の選択ができることが非常に重要でありまして、その権利があると思っておりますが、そのためには、例えば小中高一貫した教育を受けられる特別支援学校を整備することなど、そんなことが考えられるんじゃないかと思います。
そこで、伊勢崎地域の特別支援教育を充実させるためには、この地域における
特別支援教育推進の拠点である特別支援学校について、早急にこれらの課題を解消する必要があると思いますけれども、今後どのように取り組んでいくのか、お聞きします。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、私も特別支援教育は非常に大事であると考えています。
児童生徒一人ひとりに応じた目的に向かって、違いを認め合い、みんなで支え合いながら一人ひとりに合った方法で学び、成長していく特別支援教育の取組は、私が考える教育の原点であり、県全体の教育施策を進める上で非常に大切な視点であると思っています。特別支援学校においては、児童生徒の障害の状況や発達段階は様々であり、安全・安心な教育環境の下、個に応じた教育が必要です。障害の状態が重い児童生徒であっても、周囲の人の支援を適切に得ながら、その持てる力を伸ばして幸せな人生を歩めるよう取り組んでまいりたいと考えます。
伊勢崎地域の特別支援学校ですが、障害のある児童生徒が学ぶ環境としては課題が多いことは承知しています。
伊勢崎特別支援学校については、本年3月に知事に現状を視察していただき、私自身も4月に視察をしました。校舎の老朽化や、下校時の
放課後等デイサービス車両等の混雑など、様々な課題を解消するため、今年度当初予算として、
伊勢崎特別支援学校整備に係る用地測量等に必要な経費を計上するとともに、現在、具体的な整備計画を検討しています。また、旧境高校の校舎を使用する
伊勢崎高等特別支援学校については、改修等も行ってきましたが、障害のある生徒が学校生活を送るためには不具合な箇所があることも承知をしています。
今後、県立学校全体の整備を進めていく中で、就労支援に力を入れてきた
高等特別支援学校の特色を踏まえ、必要な改修等を検討してまいります。伊勢崎地域の特別支援学校の現状や役割を踏まえながら、障害のある児童生徒が一人ひとりの教育ニーズに応じて、小学部から高等部段階まで、身近な地域で安全・安心に学ぶことができるよう、教育環境の整備に努めてまいります。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございました。
具体的な整備計画を検討していただいているということでございます。しっかりと検討していただいて、実態に合った安全な教育環境と、子どもたちが将来自立を目指せる就労支援の整備をすることで、全ての子どもたちがしっかり学べるようにお願いをいたします。
続きまして、夜間中学の役割と設置についてお伺いをします。
本国で十分な教育を受けられないまま日本で生活している外国人の方や、本国の中学校を卒業したが、日本の教育を受けたいと希望している外国人の方がいると聞いております。また、中学のときに、不登校で十分に学ぶことができなかったために、中学校の学習をもう一度学び直したいという人がいることも聞いております。今後そのような人たちが共に学び合い、互いに理解を深め合えるような新しい夜間中学が必要であると考えますが、群馬県では、夜間中学の役割についてどのように考えているのか。また、県教育委員会で夜間中学の設置についてアンケートを取っておりますが、設置を求める声が、伊勢崎佐波地区、太田地区、館林邑楽地区など、比較的外国人居住者の多い地域に多いと聞いております。これらの結果や地域の状況などを踏まえまして、群馬県における夜間中学の設置を具体的に促進する時期に来ているというふうに思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
夜間中学については、県内各地域の実態を把握するために行った県民の方々を対象とした調査や、外国人、不登校、高齢者などの支援団体の方との意見交換会等を通じて、設置の必要性や果たすべき役割への期待が高まっていると感じています。また、令和3年1月と3月には、関係市町村教育委員会や、入学希望者を支援する関連団体等の代表を委員とした夜間中学設置に係る検討会を行いました。その中では、多文化共生・共創社会の実現に向け、不登校経験者、高齢者、外国人など、多様なキャリアを持つ方々が互いに学び合い、地域で共に暮らす基盤をつくるとした新しい夜間中学の役割やそのあり方について共有することができました。具体的には、多様なニーズに応えられるカリキュラムを編成することや、これまでに培った外国人児童生徒の日本語指導のノウハウを生かすこと、NPOをはじめとする地域と協働することなどが挙げられます。さらに、ICTを活用した新たな学びを実現することで、これからのデジタル社会を主体的に生きる力を身につけることができるとともに、様々な地域に住んでいる外国人や不登校の方々のニーズに合った学び直しをすることができると考えます。
議員御指摘のとおり、夜間中学設置の必要性を強く感じている市町村や入学希望者にとって、ニーズの高い地域があることを承知しております。関係市町村や関係部局と協議を続け、夜間中学設置に向けて、設置主体や設置場所、設置時期を含めた検討を進めてまいります。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。
いよいよ群馬県におきまして、夜間中学が設置に向けて具体的に動き出したと、そのように受け止めました。夜間中学は、単に学校施設を造るということではなくて、共に群馬の未来を作るパートナーをつくるとともに、多文化共生について実践的に体験し、学ぶ場にもなります。設置の要望のある地区との連携をしっかりと図って、そこで学ぶ意欲のある子どもたちと、外国人やその人たちの母国とも信頼感が生まれるような場が早い時期に群馬に生まれることを期待します。ありがとうございました。
警察本部長、お願いいたします。
○井田泉 議長 警察本部長、答弁席へ。
(千代延晃平警察本部長 登壇)
◆井下泰伸 議員 警察本部長には、県内の治安情勢についてお伺いさせていただきますが、警察の皆さんには365日、日夜を問わず、県民の安心と安全のために尽力していただき感謝をしております。また、コロナ禍の中で、感染の危険を顧みず職務に当たっていただいていることにも敬意を表する次第でございます。
昨年から、外国人による豚や牛などの家畜の盗難や、中心市街地の真ん中で起きた暴力団同士の抗争や拳銃発砲など、かつての日本では考えられないような犯罪が起きておりますが、警察本部長には、群馬県における治安情勢についてお伺いさせていただきます。
◎千代延晃平 警察本部長 お答えいたします。
令和2年中における本県の刑法犯認知件数は9,965件、前年比マイナス1,734件、戦後最少となりまして、本年も減少傾向を維持しております。しかしながら、高齢者を狙った特殊詐欺事件、また、配偶者暴力事案や児童虐待事案、来日外国人犯罪の組織化・潜在化が懸念される事件、また、サイバー空間における犯罪の被害や相談等が後を絶たないなど、依然として予断を許さない状況にございます。
また、昨年中における本県の交通事故死者数につきましては45人、前年比マイナス16人と、こちらも統計を取り始めた昭和28年以降で最少となりましたほか、交通人身事故発生件数、負傷者数はいずれも大幅に減少いたしました。しかしながら、本年の4月末現在の交通事故死者数は20人、前年同期比プラス9人と増加をしておりまして、交通事故死者に占める高齢者の割合も高く、また、高齢者が当事者となる交通事故の比率も年々増加傾向にありますなど、本県の交通事故情勢は依然として厳しい状況にあると認識しております。
県警察におきましては、組織の総合力を結集させるとともに、自治体をはじめ、関係機関団体、県民の皆様と連携しながら、安全・安心を誇れる群馬県の実現に向けた諸対策を推進してまいる所存です。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございました。
刑法犯認知件数、交通事故発生件数ともに減少しているようでありますが、こうした事件や事故に高齢者が巻き込まれるケースが目立っています。繰り返しの注意喚起にかかわらず、なかなか減らない特殊詐欺に対する警察の取組についてお伺いします。
◎千代延晃平 警察本部長 特殊詐欺についてお尋ねいただきました。
本県における令和2年中の特殊詐欺の認知件数は185件で、前年比マイナス78件、被害額は約3億9,680万円で、前年比マイナス2億円余り、それぞれ減少したところでありますけれども、今年は4月末現在、認知件数は84件、被害額は約1億3,250万円で、それぞれ前年同期比で見ましてプラス10件、プラス約3,000万円と増加をしておりまして、厳しい情勢にございます。
こうした中、県警察では、県をはじめとした自治体や関係機関団体と連携をしまして、特殊詐欺の被害防止対策を推進しております。具体的には、高齢者自身がだまされないために、高齢者世帯に対する巡回連絡による注意喚起や、特殊詐欺電話対策装置の普及促進を図るなど、あらゆる機会を通じて被害防止の啓発を行っております。また現状では、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために対面型の防犯講話などは控えざるを得ない状況にございますけれども、それを補完するために、例えばスーパーマーケットの店内放送を活用しての注意喚起ですとか、県の公式ユーチューブチャンネルのtsulunosを活用した動画の配信、また最近、高崎駅構内のデジタルサイネージを活用した情報発信に取り組み始めましたとともに、従来から実施しておりますような上州くん安全・安心メールの配信ですとか、交番駐在所のミニ広報紙など、非接触型の注意喚起に積極的に取り組んでいるところであります。そのほか、金融機関、タクシー事業者、コンビニエンスストア等の事業者や、地域の皆様による積極的な声かけや警察への通報をお願いしておりまして、仮にだまされてしまったとしても、被害を水際で防げるような対策も推進しております。
今後とも、特殊詐欺の被害防止に向けた諸対策を強力に推進してまいる所存であります。
◆井下泰伸 議員 よろしくお願いしたいと思います。
次に、外国人対策についてお尋ねをさせていただきます。
働き手の確保から、近年外国人を技能実習生として積極的に呼び入れていることから、外国人が本県においても増加しておりまして、外国人が関わる犯罪も増えてきているように感じます。今後、外国人はますます増えることが想定されておりますことから、警察には犯罪の取締りのほかに、地元住民と外国人がトラブルを起こすことなく、双方が地域で安心して生活できる環境をつくるための橋渡しの役割も期待されておりますが、それらの取組について伺わせていただきます。
◎千代延晃平 警察本部長 議員御指摘のとおり、県内の外国人住民等が増加傾向にある中、言語や生活習慣の相違等によりまして、外国人住民等が犯罪や事故の被害者となったり、また、一部の者が犯罪を敢行するケースが見られるとともに、また、外国人コミュニティーに犯罪組織が浸透するおそれも懸念されるところでございます。
県警察では、外国人住民等が地域のルールを学び、地域住民と共に安全で安心して暮らせる環境づくりを推進することが重要であるというふうに考えております。具体的には、県内の外国人留学生、各企業が雇用する技能実習生、外国人学校の生徒等を対象に、我が国の法制度について周知を図るとともに、犯罪被害に遭わないための安全対策や、外国人コミュニティーを犯罪の温床とさせないための防犯講話などについて、関係機関や地域住民の御協力をいただきながら、官民一体となって行政対策を推進していくこととしております。
一方で、犯罪の検挙人員に占める来日外国人の比率について、都道府県別に比較をいたしますと、本県は昨年まで、2年連続で全国1位となっております。組織性の高い来日外国人犯罪も発生しておりますことから、これらの不法行為に対しては、日本人によるものと同様に看過することなく厳正に対処してまいる所存でございます。
◆井下泰伸 議員 ぜひよろしくお願いいたします。犯罪の取締りだけではなくて、地域、警察も含めて、地域の住みやすい環境ですとか安全にしっかりとみんなが目を配っているんだ、そういうサインを出すことが一番大事なことだというふうに思いますので、今後とも取組のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
DX推進監、お願いいたします。
○井田泉 議長 DX推進監。
(岡田亜衣子
デジタルトランスフォーメーション推進監 登壇)
◆井下泰伸 議員 DX推進監には、デジタルトランスフォーメーションの取組についてお伺いをさせていただきます。以下、DXと言わせていただきますのでよろしくお願いします。
群馬県では昨年から、デジタルトランスフォーメーション課を――名称ですので――設置しまして、DXを推進してきました。これまでにどのような取組を行ってきたのか、その結果、県民の生活にどのような変化が起きたと捉えているのか、また、システム障害や情報漏えいの心配など、県民が必ずしもデジタルを信頼し切れているとは言えない状況だと思います。一方で、デジタル化によりまして、生活の質の向上に期待を寄せていることも事実であり、今後、
アフターコロナの社会に向けましてどのようにDXに取り組んでいくのか、伺います。
◎岡田亜衣子
デジタルトランスフォーメーション推進監 議員に御紹介いただきましたように、本県では、全国に先駆けてデジタル技術の活用を積極的に行うため、昨年4月にデジタルトランスフォーメーション課、DX課を新設いたしました。当時、DXというのはあまりなじみのない言葉だったかもしれません。しかし、図らずも
新型コロナウイルス感染症対応で、日本社会のデジタル化の遅れが浮き彫りになり、行政運営の効率化、並びに住民の利便性向上のためにDXの必要性が多くの方に認められることとなりました。実際にこれまでも
新型コロナウイルス感染症対策に関するデジタル課の取組が多くございます。一例を挙げますと、相談対応や手続、お役立ち情報を提供する場として、昨年7月に群馬県デジタル窓口を開設いたしました。この窓口では、電話での相談の代替として、感染が心配な方の健康状態に応じた相談先を御案内しております。その結果、時間や場所を問わずに、相談の要否の一次的な判断が可能になり、コールセンターにつながらないといった状況が軽減されました。また、議員御指摘のように、一方で、こうしたシステムは万全ではなく、予期せぬ障害により一時的にサービスが停止するといった課題もございます。こうした課題に対しては、状況に応じたよりよい解決策を探求してまいります。また、国や関係企業と連絡を密に取り、原因の特定や再発防止の対応を検討し、迅速かつ分かりやすく県民に説明をしてまいります。
デジタル技術を活用して、県民の利便性を向上させ、行政の効率化も高める方策に取り組んでいくこと、これが
アフターコロナ社会への備えにもつながると考えております。引き続き、各部局と連携して、本県のDXに取り組んでまいります。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。
各部各課にも、デジタルトランスフォーメーションの担当が張りついて進めているということであります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
知事、お願いいたします。
○井田泉 議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆井下泰伸 議員 知事におかれましては、これからDXによりまして県が目指す姿についてお尋ねをさせていただきますけれども、今後間もなく起こるであろう世界規模のデジタル革命に急ぎ備えるため、日本中がこの準備をしているわけでございます。知事は、この時代の先を読みまして、いち早く、地方自治体の中ではDXを群馬県に導入されました。大変推進に力を入れていただいております。そして、業務の見直しや効率化を進めているわけですけれども、また、新・総合計画におきましても、行政・産業のDXを3年間で集中的に推進しようとしております。これらを推進することで、最終的にはどのような群馬県、群馬を目指していくのか、伺わせていただきます。
◎山本一太 知事 重要な御質問ありがとうございます。
まず、なぜ私がデジタルトランスフォーメーションを推進する必要があるのか、そう考えているのかということを申し上げると、2つ大きな理由があると思います。1つは、デジタル化によって県民の利便性を向上させるということです。もう一つは、例えば我々が直面している様々難しい地域課題があります。例えば少子高齢化とか。こういうものを解決する上で、デジタル化がやはり非常に有効な手段であるというふうに考えているからなんです。私、今から30年以上前にJICA、国際協力機構というところに勤めていたんですが、当時、例えば専門家の方々を派遣する経費計算って電卓でやっていたんですが、あるとき、同じ課の同僚が計算システムのソフトを作ったために、業務が一気に変わりました。これをデジタル化と呼ぶかどうか分からないんですけれども、例えば、ある企業の経理部門でデジタル化が進むと。そうすると、人員に余裕ができると。その人員は、例えば、やはり人が動かなければいけない営業みたいなところに回すと。そういうことによって、その企業全体の競争力が上がっていくと。こういうようなやっぱり流れで進めていくということが大事だというふうに思っています。
今、井下県議がおっしゃったとおり、例の昨年度策定した新・総合計画ビジョンの中で、行政・産業を中心としたDXを飛躍的に進めて、3年以内に群馬県をトップクラスのデジタル先進県にするという目標を掲げました。3年以内というのは相当大胆な目標なんで、並大抵のことではできないと思いまして、私がトップになって、群馬県デジタルトランスフォーメーション推進本部というのをつくりました。メンバーは、岡田推進監を中心とした各部局の長なんですけれども、そこで、19の政策分野を計画の中では掲げているんですが、その分野ごとのDXを進めるために、ぐんまDX推進プロジェクトという名前で今、工程表を一生懸命つくっています。これをしっかりとやっていくということが大事だと思っています。それから、群馬県庁だけデジタルが進んでもしようがないので、ここからいかに市町村を巻き込んでいくか、民間産業を巻き込んでいくかということも大事だというふうに考えております。
最終的にデジタル化の先にどんな群馬県を目指すのかという井下県議の御質問ですけれども、これは新・総合計画ビジョンの中にヒントとなるフレーズがあって、群馬県の土壌と融合したDX化だと思うんですね。簡単に言うと、群馬県に根づいている物とかサービスとか伝統とか文化とか、そういうものとデジタル技術を掛け合わせることによって、ほかの地域にはない群馬独自の魅力とか新しい価値を生み出すということなんだろうというふうに思っています。その先にどんな社会を目指すのかというのは、これはもう新・総合計画ビジョンの中ではっきりと言っていますけれども、100年続く自立分散型の社会だというふうに思っています。全ての県民が取り残されることなく、自らを思い描く人生を生き、幸福感を感じられる社会の構築、ここにデジタル化の推進というものをしっかりと結びつけられるように頑張ってまいりたいと思います。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
ただ、デジタル革命がまだ私たちの生活や社会に何をもたらすのかは分からないところがあります。本来、アナログであります人間の生活を便利にするためのデジタルでありますので、推し進めることで県民が居場所や希望を失うことのないように、目配りをしながら推進していただきたいと思います。
この後、高井議員も午後に質問すると思いますけれど、よろしくお願いします。知事、ありがとうございました。
産業経済部長、お願いいたします。
○井田泉 議長 産業経済部長、答弁席へ。
(鬼形尚道産業経済部長 登壇)
◆井下泰伸 議員 産業経済部長には、
アフターコロナを見据えた経済活性化についてお尋ねをします。
初日の一般質問で川野辺議員が質問させていただき、本県の経済状況について大変厳しいことが分かっておりますが、これは本当に長いトンネルで、一日も早く通り過ぎて、そしてまた、本当に不安で大変な思いをしている県内のいろんな業種に就いている、なりわいをやっている方々にひとつの希望が見えるような形をつくっていかなくてはいけないと思います。そんな意味で、様々な業種について聞かせていただきます。
まず、飲食サービス業、観光業について聞かせていただきますけれども、外出自粛や時短営業などの影響を受けているこの業種に対しまして、どんな支援をこれから考えているのか、お伺いします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 お答えいたします。
御指摘のとおり、コロナの影響によりまして、飲食サービスや観光関連産業ではお客様の足が遠のき、売上げが大きく減少しております。大変深刻な状況にあると認識しております。県では、地域経済を担うこうした事業者の方々が、まずは事業を継続し雇用を維持できるよう、無利子・無担保の県制度融資「
新型コロナウイルス感染症対応資金」を設け、足元の資金繰りをまず支援してまいりました。また、商工会、商工会議所や産業経済部内に設置いたしました県内企業ワンストップセンターにおける相談体制を強化いたしまして、国や県の様々な支援策を積極的に活用するよう助言するなど、きめ細やかな対応に努めているところでございます。さらに、ウイズコロナにおける経済対策といたしまして、業界団体のガイドラインに基づき、感染症対策に適切に取り組む飲食サービス業などの店舗を認定するストップコロナ!対策認定制度や、認定を取得した中小小規模事業者の皆さんが新たなビジネスに連携して取り組むニューノーマル創出支援事業を創設いたしまして、前向きに事業に取り組む中小事業者の皆さんを積極的に支援しているところでございます。
一方、観光業につきましては、大きく落ち込んだ観光需要を取り戻すため、2度にわたり県民限定の愛郷ぐんまプロジェクト「泊まって!応援キャンペーン」を実施いたしました。マイクロツーリズムの普及の契機となったこの事業については、感染が収束し、状況が好転した際には、改めて検討したいというふうに考えております。
今後も
アフターコロナを見据えて、本県経済を支える飲食サービス業や観光業が、消費者ニーズの変化に対応しつつ着実に事業を継続していけるよう、既存の事業に加えまして、Go ToトラベルやGo Toイートなど、国の消費喚起策なども最大限に活用いたしまして、引き続き事業者支援に努めてまいりたいと考えております。
なお、先日、自民党からも要望のございました飲食店の時短営業や外出自粛等の影響を受けた県内中小事業者に対する支援につきましては、県としてどのような対応ができるのか、財源なども含めて検討してまいりたいと考えております。
◆井下泰伸 議員 よろしくお願いしたいと思います。コロナ禍を耐える支援と、これが明けたときにしっかりとそれぞれの企業がV字回復を図れるような、そんな希望が見えるような対策をよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、本県の基幹産業であります製造業に対しまして、現在の取組状況と今後どのような支援に取り組んでいくのか、伺います。
◎鬼形尚道 産業経済部長 県内製造業におきましては、コロナ禍に伴う国際的なサプライチェーンの綻びや半導体などの部材、原材料の需給バランスの不均衡などから、一部の産業においては生産調整が繰り返され、不安定な操業を強いられている中小事業者も多くいらっしゃいます。こうした状況が長期にわたると、事業継続や雇用の維持に影響が及んでくることが懸念されます。これに対応いたしまして、コロナ後の需要をしっかりと取り込むためには、将来を見据えた生産体制やサプライチェーンの見直し、また、新たな分野に進出するための事業再構築などが求められております。
こうした中、県では、先ほど御紹介いたしましたが、県内製造業の資金繰りと雇用を維持するために、県の制度融資や国の雇用調整助成金の活用支援事業などに取り組んできたところでございます。今後も、ものづくり事業の継続と地域の雇用を守るためには、こうした足元の対策にはまず万全を期していきたいというふうに考えております。
一方で、本県経済の競争力を将来にわたって維持・強化していくためには、県内中小製造業におけるDXの推進や、ニューノーマルに対応した新たなビジネスモデルの構築が大きな課題であります。このため、本年度事業といたしまして、ぐんまDX技術革新補助金による新製品開発や、産業技術センターにおけるデジタル技術導入支援など、ウィズコロナ、
アフターコロナを見据えたビジネスチャンス獲得のための支援を行うこととしております。また、県内の産業支援機関や金融機関などと連携いたしまして、国の中小企業等事業再構築補助金、あるいはものづくり補助金などの獲得支援を行うとともに、産業技術センターと大学等との連携により、環境や医療・ヘルスケアなど、市場性、将来性が有望な高度で先進的なものづくりの挑戦、参入なども支援していきたいというふうに考えております。
◆井下泰伸 議員 よろしく御支援のほどお願いいたします。
続きまして、
新規産業団地整備の取組についてお伺いさせていただきます。
先日の報道では、コロナ禍の中ではありますが、本県の製造業等の立地件数が全国4位という高順位でありました。本県の首都圏に近い地の利や災害の少なさが企業の投資先として選ばれているものと思っておりますが、コロナ後の世界経済の立ち直り状況を推しはかりますと、再び産業団地等の急速な需要増が見込まれます。
本県ではそうした社会的な需要に応えるためにも、数年前から産業団地の在庫を確保するために新規の候補地を選定をしておりますけれども、現状の候補地選定の進捗状況をお伺いします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 本県は都心から100キロ圏内に位置しておりまして、充実した高速交通網、また、地震などの自然災害が比較的少ないなど、企業活動の適地として高い評価を得ております。国が実施する工場立地動向調査における立地件数は、例年全国上位を維持しております。こうした中、企業からの引き合いは、コロナ禍にありながらも堅調に推移しておりまして、幅広い業種において、新規立地のほか、設備の更新、あるいは省力化などの投資を目的とした相談が一定数寄せられております。参考までに今年3月末現在での相談件数は68件というところでございます。
一方、受皿となる産業用地の分譲可能な面積でございますが、企業局と市町村造成分合わせて現在約9ヘクタールということで、これはこれまでで最も低い在庫水準にあります。新たな産業用地の確保が急務となっております。このため、これまでに選定いたしました候補地のうち、現在企業局が、玉村町、千代田町の計2地区、29ヘクタールになりますが、で造成を進めております。
また、市や町が独自に開発する産業用地、全部合わせると約22ヘクタールでございますが、これについても事業が現在進行しております。また、事業化に至ってない13地区、合計で361ヘクタールになりますが、このうち、熟度が高いものにつきましては、庁内関係部局や地元市町村と連携いたしまして、早期事業化に向け調整を進めているところでございます。さらに県内の72か所、約96ヘクタール分についての民間物件情報を入手いたしまして、その一部を県ホームページで公開するなど、積極的に情報発信も行っております。
なお、産業用地不足の解消を目指し、現在市町村と連携しながら、新たな候補地の選定作業を進めておりまして、来年度には選定を完了する予定でございます。
今後とも、企業の投資計画にタイムリーに応えるため、業界動向や企業ニーズを十分踏まえまして、引き続き市町村と連携の上、計画的な産業用地の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございました。
最近報道があったわけですけれども、国において、政府の成長戦略の一環としまして、通信サービスの利用拡大を見据えて政府がデータセンターの整備に乗り出しまして、地方都市を中心に進出企業や自治体を支援する、こんなことが表明をされました。今これから地方においてこういった産業団地等々の在庫をいかに用意しておくか、これは地方が生き残る中で非常に重要な生命線になると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、
東毛広域幹線道路周辺における大規模な産業集積についてお尋ねします。
本県の製造品出荷額等の約7割を占める産業集積エリアが、
東毛広域幹線道路周辺に広がっています。これらの幹線道路周辺には、多くの産業団地が整備されておりまして、まさに本県の産業集積の心臓部であるとも言えると思います。今後も、群馬県経済の発展のためには、このエリアへの新規産業団地の造成や企業の誘致が欠かせないところでありますが、激動する昨今の世界情勢を見ますと、DXの推進と相まって、従来とは異なる戦略や規模感、産業団地に対する価値観が求められるようになってきていると感じております。従来の市町村ごとの産業団地の開発では限界を感じることから、市町村の枠を取り払い、土地規制の緩和や災害レジリエンスの対応など、県が広域的かつ戦略的に、
東毛広域幹線道路の周辺に大規模な産業集積を進めることは考えられないでしょうか。よろしくお願いします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 御指摘のとおり本県は伊勢崎市や太田市など、県南東部を中心に輸送用機器をはじめとして、化学工業、食品・飲料などの製造業や、これらの事業活動に欠かせない物流・流通関連など、多様な業種の拠点が数多く立地しておりまして、国内でも有数の内陸型産業集積地域となっております。こうした集積の背景には、本県が4つの高速道路の結節点にあること、また、これらを補完する主要な道路網を整備したことで、交通の利便性が格段に向上した点が挙げられます。中でも、広域幹線道路の整備は本県経済にとって極めて重要な役割を担っております。特に、
東毛広域幹線道路周辺は既に70近くの産業団地や工場用地、合計で2,000ヘクタールを超える面積ですけれども、こうしたものが整備されておりまして、沿線には、大規模な主力工場、あるいは世界有数の外資系企業なども進出いたしまして、市町村をまたぐ広域的な産業集積エリアになっております。
一方で、近年の急速な産業のデジタル化やDXの流れの中で、ビジネスのあり方や物流・生産体制そのものが大きく見直され、企業の事業スタイルが今後劇的に変化していくことも想定されます。今後の企業誘致に際しましては、産業団地に関するこれまでの定説や常識を見直し、大胆な立地戦略に一歩踏み出す段階に来ているとも考えられます。今日的な課題であるSDGsやカーボンニュートラルなどの視点も取り入れながら、今後どのように戦略的に地域産業を集積させていくか、御指摘の点も踏まえまして、前向きに検討してまいりたいと考えております。
◆井下泰伸 議員 前向きに検討していただけるということです。ありがとうございます。
長年、群馬県の経済界を牽引してきました多くの企業が、変化の著しい国際状況の中で生き残るためにその姿を変えてきました。温暖化に代表される地球規模の環境の変化も、これからの私たちの暮らしを変えていくでしょう。それらの課題に立ち向かっていくためには、新しい発想も必要だと思います。産業経済部は、未来を見据えながら、県民の食いぶちをつくっていく、そんな役割を持っております。そのためには、国のビジョンを先取りし、企業のニーズを探り、アンテナを高くして果敢な挑戦をしていかなくてはなりません。群馬県の特性を生かしながら発展の絵を描いていただくことを期待して、産業経済部長の質問は終わります。ありがとうございました。
健康福祉部長、お願いいたします。
○井田泉 議長 健康福祉部長、答弁席へ。
(武藤幸夫健康福祉部長 登壇)
◆井下泰伸 議員 健康福祉部長におかれましては、1年以上にわたりまして気持ちが休まることがないほど、新型コロナ感染対策に奔走をしていただいております。部長をはじめ、担当の皆さんの対応に心から敬意を表します。本当に御苦労さまです。また、懸案でありました障害者の緊急受入れ事業、サービスステーション事業に対しましても、当事者団体や利用者の方々の気持ちをしっかりと受け入れていただきましたことを、この場をお借りしまして心から感謝を申し上げます。
さて、新型コロナ感染症についてお尋ねしますけれども、県内におきまして、新型コロナ感染症の第4波の流行によりまして、各地で感染事例が報道され、特に若い人たちの感染や重症化が指摘されておりますが、現状いかがでしょうか。また、県内での感染原因や感染しないためにどのような行動を取るべきか、伺わせていただきます。
◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えいたします。
まず、県内における
新型コロナウイルス感染症の状況でございます。
変異株の感染が拡大する中、4月下旬から急激に新規感染者数が増加し、5月8日には、県内過去最高となる113人の新規感染者が確認されました。ここ最近の状況といたしましては、
まん延防止等重点措置の効果もあり、一時期より減少しておりますけれども、いまだ病床稼働率は40%台でありまして、重症者も多く、まだまだ全く気を緩められる状況ではないと認識をしております。
次に、感染者の病状でございます。変異株の影響もありまして、県内の重症の入院患者を見ますと、第3波のさなかである1月においては、全体の8割が60代以上で、50代以下の割合は2割でございましたが、第4波のさなかである5月28日現在では、60代以上は7割に減少する一方、50代以下が3割を占めるようになってきておりまして、現役世代の方も重症化に注意が必要だと考えております。
変異株が広がっていく中、これぐらいなら大丈夫だろうという意識は改めていただきまして、警戒の意識を最高レベルに上げていただく必要があると考えております。感染リスクが高まる行動として、これまで知事の記者会見の中で、バーベキューであるとか友人とのカラオケであるとか、職場でのランチ、あるいはマスクなしでの井戸端会議、屋外での飲み会などを挙げておられましたが、本当に家族や親しい友人等であっても、しっかり注意していただきたいと考えております。県民の皆様には、改めてマスク着用はもちろんのこと、小まめな手洗いや換気の徹底、3密を避ける行動など、変異株は僅かな隙も見逃さないんだと、そういった意識を持っていただきまして、もう一度新しい生活様式について再点検をお願いしたいと考えております。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。
感染状況が刻々と変わる中で、まだまだ気が抜けない状況が続きますけれども、部長におかれましては、体に気をつけて頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
知事戦略部長、お願いいたします。
○井田泉 議長 知事戦略部長、答弁席へ。
(田子昌之知事戦略部長 登壇)
◆井下泰伸 議員 知事戦略部長には、情報発信についてお伺いをさせていただきます。
新型コロナ感染防止対策など、県民に広く周知する必要がありますが、なかなか届けたい情報が届けたい人に届いていない場合があります。県として、様々なメディアで情報発信をしておりますが、県民にさらに広く情報を伝えるためにどのような対応が必要であると考えているか、伺います。
◎田子昌之 知事戦略部長 お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症対策の注意喚起などの情報を広く県民に正確かつ迅速に周知することはとても重要であります。また、今回あらゆる世代の方々に情報を伝えることの難しさも痛感しているところでございます。現在、知事記者会見のライブ配信、ホームページ、SNS、群馬テレビ、エフエム群馬、コミュニティー
FM、広報紙などの広報媒体や、広報車での呼びかけ、高崎駅、前橋駅のデジタルサイネージの活用など、県民に情報が広く届くよう様々な手段で情報を発信しております。動画放送スタジオtsulunosでは、感染防止に関する動画の作成をはじめ、生放送で最新の情報を知事自ら説明し、質問に答えるなど、迅速かつ柔軟に情報発信しております。また、飲食店への訪問など、直接的な注意喚起のほか、県内企業、大学等の教育機関などと連携して、県内で働く方々や学生への情報発信も行っております。さらに、外国人県民を雇用する企業や宗教施設などにも直接訪問をし、感染防止対策の徹底を依頼するとともに、母国の大使・総領事や地域のキーパーソンを通じた注意喚起も行っております。
今後の対応でありますが、伝えたい内容や対象者に応じて柔軟に情報を発信するとともに、通常の情報媒体だけでなく、直接行う注意喚起など、引き続き工夫しながら行ってまいります。こうした前例のない非常時における情報発信につきましては、広報担当課だけではなくて、県庁の各所属が持つあらゆる媒体やネットワークを活用しながら、全庁一丸となった対応が必要であると考えております。
◆井下泰伸 議員 ぜひよろしくお願いします。なかなか情報をどういうふうに届けたい人に届けるか、これは永遠の課題もありますけれども、先ほどのDXや何かも駆使しながら、ただ、やはり人間アナログですから、そういう泥くさい努力もやはり一緒に重ねながら戦略を組んでいかなくてはいけないと思うんですね。
先日、伊勢崎で、注意喚起の宣伝カーを見ました。そこでは4か国語に分けて、それぞれの国の人たちが分かるような言葉で宣伝カーを走らせていたんですけれども、大体どの国の人がどこに住んでいるかって何となく分かりますので、それは結構有効なのか、必ず家にいる方もいますので、そんなようなことも泥くさいですけれども、デジタルと相合わせましてしっかりと伝えていただきたいと思いますので、よろしくお願いお願いいたします。ありがとうございました。
知事、お願いします。
○井田泉 議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆井下泰伸 議員 知事には、
県営ワクチン接種センターの設置についてということでお伺いしますけれども、事業を決める決定のプロセス、そしてまた、マスコミへの情報発信についてお伺いをしたいと思います。
今回、様々な形で
県営ワクチン接種センターをやるという話の知事の決断の中で、いろんな質問がなされました。本当にこの緊急時の中でしっかりそれは進めていかなくちゃいけないし、感染対策とワクチン接種もこれは競争だと、とにかく一人でも多くの県民の方々にワクチンを接種することで新型コロナ感染に打ち勝とうと、そういった気持ちは十分もう理解しておりますし、我々もしっかりと協力をさせていただこうと思っています。ただ、やっぱりこの決定に関しましては、ちょっと唐突感が残っておりまして、これから先も県民のお金を使う事業、あるいは本当に大きな決断を必要とするような事業をこれから考えていく中では、やはりその過程というものは、検証は後ですればいいという意見もあるかもしれませんけれども、しっかりと考えていかなくてはいけないと思いますし、その末に、県民が一体となってみんなでひとつのことに注力できる、そんな体制をつくっていきたい、そんな思いの中で質問させていただきますので、よろしくお願いします。
今回、臨時議会で
県営ワクチン接種センターの設置について議案が出ました。県の執行部の方々も急な方針転換がやっぱりあったようで、なかなか事業内容ですとか、接種の打ち手をどうするのかとか、あるいは接種の会場を設営するのに予算をどういうふうにつくって使っていくのか、こういったことがちょっと曖昧のところもありまして、我々議会としては、県民の立場に立って、付託議案という形で、県民に寄り添ったような形の補助的なものを出さざるを得ませんでした。今後、やはりこういったことをやっていく中で、しっかりとしたものをつくっていく。そのために、やはり私はタイミングが非常に大事だと思うんですね。それは、4月27日、政府が大規模接種会場の決定をして、29日に河野大臣が民放番組で、都道府県がこの種の大規模ワクチン接種センターを設置する場合、モデルナ製ワクチンを別ルートで供給するということを表明しています。この翌日には、知事がこの発表を臨時会見という形で行っているわけなんですけれども、その発表を追うように、5月5日に庁内に緊急会議、7日に正式な会議となる第1回ワクチン接種対策本部が開催されておりまして、その間、関係者にはなかなか情報もなくて、事業内容もよく分からないといったのが実情だったというふうに思います。私が疑問に思うのは、なぜこのタイミングで臨時会見を開く必要があったのかということです。河野大臣の表明を聞いた知事が意向を固めるプロセスの中で、県庁ですとか議会、市町村の主だった関係者に相談をして、その後、方針を決めて会見をするほうが、その後よりスムーズな形で準備ができたのではないかと思いますけれども、施策決定のプロセスと情報発信のタイミングについて、知事のお考えをお聞かせください。
◎山本一太 知事 率直な御指摘ありがとうございます。井下県議とはこうしていつも率直に議論ができることを大変ありがたいというふうに思っています。
まず、タイミングの件ですが、私はこのタイミングしかなかったと確信をしています。これはもうこれまでの質疑の中でも申し上げてきたとおり、ワクチン接種を一日も早く終わらせるということが唯一のゲームチェンジャーだと、こういうことはこれまでの質疑でも申し上げてきたので、聡明な井下県議の前で繰り返すようなことはいたしませんが、よく集団免疫をつくるのに7割、8割の接種が必要だというんですけれども、連日、欧米の最新ニュースを必死にチェックする中で、アメリカの例えば例を挙げると、国民の大体5割が1回接種した段階で、新規感染者、それから入院患者は激減しているんですね。だから、一刻も早く接種を希望する県民の5割の方々に何とかワクチンを接種したいとずっと思い続けておりました。
そういう中で、政府が4月の下旬に、今おっしゃったように国営の大規模接種センターを作ると、東京と大阪でやるということを発表し、河野大臣のほうが、たしか民放番組だったと思いますが、もし都道府県で独自のセンターを作るところがあれば、モデルナ製ワクチンを供与すると、こういう話、提供するという話をいただいたので、すぐに河野大臣に連絡をいたしました。ちょっとセンターの発表とか開始が唐突だったんじゃないかと、少しやはりもっと準備をするべきじゃなかったかという御指摘は真摯に受け止めつつも、このタイミングしかないというふうに思いました。それから、庁内については、これは常に毎日のように関係部局と会議もやっていますので、そんな唐突感はなかったというふうに思っています。私、意外といろんなことを思い切ってやるようですが、現場の声を無視したことは一度もありませんので、これは信頼できる、いわゆる部局長と日頃から相談している中で決めたことなんで、そんな唐突感はなかったかなというふうに思っています。それからあと、もちろんおっしゃったとおり、県議会の皆さんに十分その時点で説明ができたかということを言われれば、いろいろ反省すべき点もあると思いますけれども、まず、35の市町村には、私と、それから県の部長クラスが手分けをして全部連絡をいたしました。発表の前に、こういうことでワクチンセンターを群馬県でも作りたいと、電話で了解をいただきました。それから、医師会についても、医師会長と、それから病院協会の会長に私が連絡しましたけれども、各郡市の医師会の会長には全て連絡をして、一応御了解を得て、県議会のほうも、もちろん皆さんには伝えられなかったんですけれども、必要なところに一応御連絡をして、唐突感はあったかもしれませんけれども、とにかくしっかり群馬県が手を挙げることが大事だということを御説明をして、一応了解をいただいて記者会見に臨んだということなんです。
あまり長く言いませんけれども、確かにいろいろ準備が必要だったかもしれませんが、もしあそこで手を挙げなかったら、例えば井下県議御存じのとおり、今、17ぐらいの都道府県が6月中にやると言い出しています。それから、20以上の都道府県が検討したいというふうに言っていると。もし私があのときに手を挙げず、医師会、歯科医師会含めたいろんな医療機関との調整が必要だとか、市町村との協議が必要だと、もちろん太田市長はもう後援会長で盟友ですから御相談はしましたけれども、そういうことで、30からそれ以上のワン・オブ・ゼムになっていたら、絶対に井下前総務会長から電話があって、よく夜電話があるんだけれど、「一太さん、どうしたんですか」と、「群馬県は何やっているんですか」と、「何遅れているんですか」と、「河野大臣との人脈は何のためにあるんですか」と、「総理にいつでも話ができるんでしょう」と言ってお叱りを受けたことは間違いないだろうなと、世の中はそういうもんだと思って。ですから、そういう批判は知事として全部受け止めるつもりであの判断をさせていただいたということですが、しかし、プロセスが大事だということは、しっかりこれは井下県議のおっしゃるとおりなんで頭に置いておきたいと思います。
しかも一応発表する前に、河野大臣とは何度も電話でやり取りしました。担当大臣とはちゃんと一応根回しをした上でやったということで、そこですぐに議論を始めて、どこに置こうかと。やっぱり東毛地域が少し医療資源が弱いから、接種計画を見ても比較的遅れがちなので東毛に置くということにいたしました。東毛センターは、国と同じタイミングでスタートさせました。これは群馬県と愛知県と宮城県だけです。それで、当日、一応視察に行ってまいりました。おかげさまで、医師会の皆さんとか関係団体の皆さんとか、あるいは太田市を含めた東毛の町村の皆さんの御協力もあって、かなりスムーズにいっていたんですけれども、終わった後報告を受けたら、来ておられた高齢者の方々が、早くやっぱりワクチンを打ててよかったと、これで東京の娘に会いに行けると、こういう声をいっぱいいただいて、この決断は私は正しかったというふうに確信をさせていただきました。もう一つ、県央に接種センターを作らせていただこうと思います。川野辺後援会長には十分応えられませんでしたが、できるだけ早く、申し訳ありませんが最後の詰めが残っているんですけれども、決まり次第ちゃんと県議会にも御説明したいというふうに思っていますが、できるだけ早くここで接種を開始したいというふうに思っていますし、少し早急でしたが、1週間の運用期間を置いたことで、6月からの専任接種というものをできる体制は一応整えることができました。でも、県央のセンターって規模が大きいので、モデルナワクチンも必要だし、あるいは、システムのつくり込みとか受付とか、思ったよりお金がかかると思ったので、早速総理と官房長官と河野大臣に続けて会って、よくお願いをしてまいりました。
もう一回言います。あの発表を受けて、都道府県知事で早くやりたいと思わなかった人はおりません。それでも何で群馬県でできたのか。私が責任を取るということをもう覚悟してやったんですけれども、それは医師会の皆さんをはじめ、医療関係者の方々の協力があったからです。市町村長の皆さんに御理解をいただいたからで、何よりも今こうして質問していただいている、井下県議に質問していただいていますが、県議会のほうが後押しをしていただいて、ワクチン接種センターの設置の予算を認めてくれたからだというふうに思っていまして、この件については、とにかくオール群馬県で、一歩でも前に進められるように、もう一回言います、一刻も早く終わらせないと、これからのことをいろいろ考えると、一巡遅れになったときには、恐らく5波、6波が来たときにはもっと大変なことになると思っていますので、井下県議の御指摘をしっかり踏まえて、これからいろいろ県政運営に生かしていきたいと思いますが、ぜひ井下県議にも応援していただきたいと思っています。長くなって申し訳ありません。
○井田泉 議長 井下議員、残り40秒です。
◆井下泰伸 議員 ありがとうございます。
知事、しっかり県が一体となってやれるように、その辺の情報を前もっての相談とか、みんなが共に共有することは大事だと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
あと2つ、県土整備の道路整備の状況が残っているんですけれども、これは時間がないので、後ほどまたお話を伺いたいと思います。よろしいですか。
それでは、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○井田泉 議長 以上で井下泰伸議員の質問が終わりました。
● 休 憩
○井田泉 議長 暫時休憩いたします。
10分後に再開いたします。
午前11時6分休憩
午前11時17分再開
● 再 開
○井田泉 議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
● 質疑及び一般質問(続)
○井田泉 議長 福重隆浩議員、御登壇願います。
(福重隆浩議員 登壇 拍手)
◆福重隆浩 議員 皆さん、こんにちは。公明党の福重隆浩です。会派を代表して、初めての登壇から27回目となる質問をさせていただきます。
振り返りますと、2003年の県議選において、多くの県民の皆様の御支援をいただき、県議会に送り出していただきました。そして、2003年9月定例会において初めての一般質問に立たせていただいた折、質問の冒頭で、先輩議員に教えていただいた言葉を紹介させていただきました。それは、ひもじさに泣く子どもと一緒に泣くのが政治ではない。ひもじさに泣く子どもにパンを探すのが政治であり、しかし、単にパンを探すのではなく、子どもと一緒に泣く心を持たなければ真の政治足り得ないというものであります。以来18年間、県民の小さな声を形にしたいとの思いで活動に取り組んでまいりました。今、我々はコロナ感染症という未曽有の危機に直面する中、多くの県民が厳しい生活を強いられており、今こそ政治が苦しんでおられる方々の思いを我が思いとし、懸命にコロナに打ち勝つ答えを導き出さなければならないと思っております。今日は、県民から寄せられた声を基に、コロナ感染症関連及び県民生活に直結した質問を知事及び執行部の皆様にさせていただきますので、簡潔で分かりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。それでは、質問席に移ります。
まず、
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の対応について、
新型コロナワクチン接種推進局長に質問いたします。
○井田泉 議長
新型コロナワクチン接種推進局長、答弁席へ。
(大久保 聡
新型コロナワクチン接種推進局長 登壇)
◆福重隆浩 議員 昨年3月7日に県内初の感染者が確認されて以来、県民の命と健康を守るため、全力で職務に当たっていただいている健康福祉部の職員の皆さんをはじめとする全ての県庁職員の皆さんに心より感謝を申し上げます。
さて、
新型コロナウイルス、感染力が高いとされる変異株が全国的にまん延する中、東京、大阪などで緊急事態宣言が再延長となり、本県においても、10市町について
まん延防止等重点措置が6月13日まで適用されております。こうした中、今まで以上の感染予防対策の実施や医療提供体制の拡充とともに、何よりも県民への円滑なる迅速なワクチン接種を進めることが重要であります。私も、多くの県民から、予約の電話がつながらない、インターネットを使っての予約など取れないなど、切実な声を聞いております。コロナワクチンの接種は、今までにない国民的事業であり、希望する全ての県民が一日も早く接種することが、コロナとの闘いの収束につながると確信をしております。本県では、全国に先駆けて県営の
東毛ワクチン接種センターを開設するに当たり、5月19日に臨時議会が開催され、様々な議論が行われましたが、改めて私からもこの場にて質問をさせていただきたいと思います。
まず、5月24日から
東毛ワクチン接種センターで、太田市民の接種が試験的にスタートされました。6月からは本格的運用として、東毛地域4市5町の県民に接種が行われることとなっております。先日の臨時議会において、地元選出の藥丸議員から、地域の住民の声として、交通渋滞や事故の懸念について質疑した際に、太田市以外にお住まいの方に接種会場が非常に分かりにくいとの指摘をさせていただきました。私も5月24日、現地を視察させていただき、同様の思いを強くいたしました。私は、この問題の対策として、近くの商業施設、例えば地域のランドマーク的存在であるイオンモール太田さんの駐車場を待ち合わせ場所として活用させていただき、そこからシャトルバスで会場に送迎することが有効ではないかと考えますが、推進局長の御所見をお伺いいたします。
◎大久保聡
新型コロナワクチン接種推進局長 過日、臨時議会におきまして、健康福祉部長のほうからお答えしましたが、
東毛ワクチン接種センターにつきましては、まず、空調などの設備がそのまま利用可能であること、それから駐車場の確保が容易であること、邑楽、館林、桐生方面からアクセスがよくて、インターチェンジからも近いこと等々の理由によりまして、地元の太田市さんと相談して、今年3月に廃校となりましたばかりの旧韮川西小学校を接種会場としたところです。
5月24日の開設から1週間が経過いたしました。この間は人数を絞った試験運用でありましたため、交通渋滞の発生や会場が分からないといった問合せは県のほうにはさほど届いてはおらない状態です。しかしながら、明日6月1日から1日500人体制、来週は1日1,000人体制ということで、多くの方が来場される予定でございます。このため、県のホームページに
東毛ワクチン接種センターまでの案内図を掲載しまして、LINEからも予約の際に、ホームページへリンクができるように対応を進めてまいります。また、誘導員を配置するなどして、周辺の交通渋滞、また事故防止について、できる限りの対策を講じたところです。なお、5月24日、開設初日、議員御視察いただきましたけれども、その際に、私道への迷い込みを防止するための誘導案内、誘導の看板についてアドバイスをいただきました。早速、正門入り口付近に設置をさせていただいたところです。
お尋ねのシャトルバスによる送迎につきましては、まずは1日1,000人の接種となる本格運用時の交通状況、それから駐車場の混雑状況など、よく見極めたいと思います。その上で必要と考えられる場合につきましては、速やかに対応を検討してまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 御答弁ありがとうございました。
1,000人の本格稼働したときには、やはりさっきも言った4市5町の地域にあまり不慣れな方もお越しになるということを考えた場合に、走りながら考えるということも大事でございますので、ぜひそういったシャトルバスや待ち合わせ場所、こういったことの御検討をぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、ワクチン接種の人材確保について質問をさせていただきます。
通告後における知事の記者会見及び初日の一般質問の質疑において、接種の打ち手不足解消に向けた取組について説明がありました。今後、設置予定の県央接種センターは、東毛接種センターよりも大規模なものになると言われております。東毛についても医療人材の確保に御苦労されていると聞いておりますが、さらに大規模な県央の人材確保のめどはついておられるのでしょうか。先日の知事の答弁でも、市町村の接種計画に迷惑をかけないよう運用するとの言及もありました。ぜひ医療従事者の取り合いなどの混乱が起こらないよう、十分な調整をお願いいたします。その上で、安心・安全な接種を行うため、医師、看護師のほか、研修医の皆さんに協力を求めると伺っており、さらには、歯科医師、薬剤師に加えて、国では、救急救命士の方々などの協力も検討していると聞いております。円滑かつ持続可能な接種体制の構築に向け、幅広い医療関係者の御協力を求めるべきと考えますが、推進局長の御意見をお伺いいたします。
◎大久保聡
新型コロナワクチン接種推進局長 ワクチンセンターの人材の確保につきまして、お答えをいたします。
県営ワクチン接種センターの設置の目的のひとつは、市町村の接種体制の補完であります。市町村の計画と競合しないことを前提としております。このため、医療人材の確保に当たっては、これまで県立病院の職員の派遣や研修医制度の活用のほか、県医師会、歯科医師会、看護協会、薬剤師会などの関係団体、また、県内看護系大学などと協議を行ってまいりました。さらには民間会社による人材派遣についても検討を行うなど、これまで市町村接種に関わってこなかった人材の掘り起こしにより、必要な人員確保に努めてきたところです。
先日開催いたしました
県営ワクチン接種センター運営体制協議会においても、出席いただいた皆様から、医療人材の支援について大変力強い言葉をいただきました。県央ワクチン接種センター開設に当たりましても、先ほど議員お話がありました、現在国において検討が進められております臨床検査技師、または救急救命士など、必要な接種体制が確保できるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。
知事の27日のブログを見させていただきました。これは菅総理に要望書を提出していただいた写真を見させていただいたんですけれども、それを拡大してみますと、1、一般向け大規模接種センターの開設とあって、①新型コロナワクチンの必要量の迅速な供給、②が、接種順位の柔軟な対応、6月から一般の接種開始と書かれておりました。本当にこれが実現すれば、本当に県民の安心・安全な日常が一日も早く取り戻せるようになるのではないかなというふうに思っております。私も、県央の大規模接種センターの一日も早い開設を強く望むものであります。
その上で、この接種センターの開設に当たっては、関係者との調整だとか、様々県庁の職員の皆さんに御負担がかかるというふうに思っております。その意味におきまして、ぜひワクチン接種推進局の大幅なる人員体制の見直しというものを行っていただきたいと思いますので、これは要望させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。接種局長、ありがとうございました。
次に、高校現場における
新型コロナウイルス感染症の影響について、教育長にお伺いいたします。
○井田泉 議長 教育長、答弁席へ。
(平田郁美教育長 登壇)
◆福重隆浩 議員 報道によりますと、現在、感染の主流となっているのが、変異型のN501Yと言われており、その特徴として、従来型より感染力が高く、あわせて10代の若い方でも感染のリスクが高く、また、重症化することもあると言われております。私は先日、息子さんが県立高校に通学されている保護者の方と懇談をさせていただきました。その方から、子どもは高校2年生になるが、学校生活の大きな思い出となるべき文化祭が昨年は中止され、今年はオンラインになると聞いている。一日も早く楽しい学校生活が戻るようにしてあげてほしいとのお話をいただきました。私も高校時代のことを振り返りますと、文化祭や体育祭、修学旅行などで、友達とふざけ合ったことしか思い出せないような気がいたします。
そこでお伺いをいたしますが、この1年半、
新型コロナウイルスの影響により、修学旅行や文化祭などの様々な学校行事に影響が出ていることと思いますが、これまでの状況と今後の見通しについて御答弁をお願いいたします。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
昨年度、
新型コロナウイルス感染症の感染が続く中、学校では、長期にわたる臨時休業や分散登校が行われ、学校再開後も、感染リスクの高い活動が制限され、授業や部活動など、学校の教育活動に大きな影響がありました。議員御指摘の学校行事についても、感染防止の観点から、当初の計画どおりに実施できない状況となりました。昨年度、本県県立高校等で修学旅行を計画した60校のうち、55校が中止、または今年度に延期し、文化祭の実施を計画した29校のうち26校が中止、または今年度に延期をしました。また、多くの学校で体育祭や球技大会などの体育的行事についても、中止や規模を縮小するなどの対応が行われました。いずれも生徒の安全を最優先にした判断でありましたが、学校生活の貴重な思い出となるべき行事が中止や規模縮小となったことは、生徒たちにとって本当に残念なことであったと思います。学校行事は学校の集団としての活力を高め、生徒の学校生活に張りを持たせる意義深いものです。愛校心を高め、学校の文化や伝統、よりよい校風をつくることにもつながります。生徒の豊かな人間性を育む上で、大きな役割を果たしている教育活動です。現在、本県の
新型コロナウイルス感染症に係る警戒度は4であり、10市町に
まん延防止等重点措置が適用されている状況です。県立高校等については、感染リスクの低い活動に限定して、原則として通常登校を継続しています。
一方で、これまでに得た感染症についての知見から、学校が実施できる教育活動の範囲も広がりつつあります。学校行事についても、各学校で感染状況に応じて実施の方法や規模などを工夫し、専門家の判断に従いながら生徒の安全を最優先にしつつ、可能な限り行っていきたいと考えています。県教育委員会として引き続き各学校に対する適切な情報提供や指導助言に努めてまいります。
◆福重隆浩 議員 御答弁ありがとうございました。
今、本当に修学旅行が中止になる、それから、球技大会、体育祭、文化祭、本当に様々な影響があるということを今回お調べいただいて、そして、私も学校現場の先生方とお話をしていると、本当に子どもたちに楽しい学校生活の一日も早いこの生活を戻してあげたい、修学旅行ができることならば、延期してでもやってあげたい、そういう熱い思いを伺いました。ぜひそういうような本当に生徒ファーストっていいますか、子どもたちが楽しい高校生活をつくれますように、一日も早い御努力をお願いをしたいというふうに思っております。
そういった中で、これは要望になるんですけれども、私は、効率的なワクチン接種の体制を考えた場合、我々世代が子どもの頃経験した学校単位での集団接種を検討してみてはいかがかと思っております。もちろんワクチン接種はあくまでも希望者に対して行われるものであり、アレルギーのある方や希望されない生徒さんへの同調圧力がかからないような対応などを検討しなければならないことは多いと思いますが、子どもたちの楽しい学校生活が一日でも早く戻るよう、様々な御検討をしていただければと思いますので、教育長、ぜひよろしくお願い申し上げます。
教育長への質問は以上でございます。ありがとうございました。
次に、県内の事業者に対する感染対策支援について、産業経済部長にお伺いをいたします。
○井田泉 議長 産業経済部長、答弁席へ。
(鬼形尚道産業経済部長 登壇)
◆福重隆浩 議員 私は、1年前の第2回定例会の一般質問において、しっかり感染対策に取り組んでおられる店舗に対してマル適マークのような認証制度をつくるべきとの提案をさせていただきました。その後スピード感を持って、ストップコロナ!対策認定制度をつくっていただきました。大変にありがとうございました。本県の認証制度が優れている点として、県の職員や商工団体の職員が実際に申請のあった店舗に出向き、対策を確認した上で認証している点であると思っております。本県同様に現地確認をしている山梨県の取組が、山梨モデルとしてマスコミ等で取り上げておられますが、私は、本県の取組についても遜色がないと考えております。
そこで、これまでの取組や成果について、産業経済部長の御所見をお伺いいたします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 お答えいたします。
県では、福重議員からの御提案もいただきまして、ストップコロナ!対策認定制度を創設いたしました。この制度は、申請のあった全ての店舗を県と経済団体の職員が直接訪問いたしまして、現場を確認の上、県が認定する取組でございます。認定店舗に対しましては、ポスターやステッカー、のぼり旗を配布いたしまして、感染防止対策にしっかりと取り組んでいることをPRしてもらうことを目的としております。あわせて、安全・安心な店舗として、県民の皆さんに御利用いただき、地域経済の活性化にもつなげるという狙いがございます。
昨年7月から事業を開始いたしまして、今月13日現在、5,538店舗を認定しております。本県では、制度開始の当初から現地調査と確認までを職員自ら行う実効性の高い方式を採用しておりまして、こうした例は全国的にも少なく、国や制度の導入を考えている他県からも高い評価をいただいております。また、ストップコロナ!対策認定店は、業界のガイドラインに沿った感染防止対策が徹底されていることを確認した店舗でありまして、特措法に基づく営業時間短縮要請の対象外としてきた経緯もございます。事業者の皆さんからは、安全・安心なお店をPRできるよい機会となった、あるいはのぼり旗は遠くからも目立つので集客に役立っている、こうした声が寄せられております。現在、国ではこうした認定制度の取得をGo Toイート事業の参加店への要件とする検討もなされております。また、県内の市町村においても、この制度とタイアップした独自の支援制度を設けているところもございます。
県としましては、引き続き商工会・商工会議所等の経済団体と関係する業界団体ともしっかり連携いたしまして、積極的に本制度の周知活用を図ってまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 私も、ストップコロナ!対策認定店に何軒か伺いました。もう本当に店舗の皆さんもこれは誇れる認証制度だということで喜んでおられましたので、ぜひこういったことが本県で進むよう、またよろしくお願い申し上げます。
次に、本県独自の取組である飲食・サービス業における
感染症対策実証実験事業についてお伺いをいたします。
県では、店舗における感染対策を講じる上において、空気の流れを分析する必要があるとの考えから、昨年10月に実証実験を行う事業者を公募し、筑波大学発のベンチャー企業と契約、店舗の形状が異なる飲食、社交飲食、宿泊、小売業などの20店舗について、空調設備の状況など、出入口などから空気の流れ等の実証実験を行っていると伺っております。
そこで、お伺いをいたしますが、今回の実証実験において、どのようなことが分かったのか、また、今後の店舗支援についてどのように生かされるのか、御所見をお伺いいたします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 感染症対策実証試験についてでございます。
県では、昨年10月から、ストップコロナの対策認定店を対象といたしまして、科学的なエビデンスを踏まえた感染防止対策を行うこの事業を実施しております。事業の内容については、ただいま御紹介いただいたとおりでございますが、昨年度は、最終的に20店舗で実証を行いまして、事業の有効性を確認したところでございます。
業種ごとの調査からは、例えば飲食店の場合、滞在時間が1時間以上で、酒類の提供があったり、2つの方向以上、窓を開けられず、店内で人の動線が交差するような場合、感染リスクが高まると、そういう可能性があると、こういう指摘ですとか、あるいは席が横並びの場合に、隣の席の人の呼気、エアロゾル、これを防ぐため、やはりサーキュレーターを活用し、上方、上のほうへ空気の動線をつくることが有効である、このような結果が得られたところでございます。また、調査に協力いただいた店舗からは、空気の流れが予測していた箇所とは異なり、感染防止対策に役立ったというような飲食業ですとか、あるいは自己流で対処してきたけれども、実証されたことで安心した理美容業の方、こうした御意見が寄せられております。
今後こうした点を踏まえまして、調査結果を県内事業者に幅広く展開していくため、業種別の対策や注意点をまとめ、県ホームページ等で公表するとともに、昨年度実施の飲食・小売・宿泊等8つの業種の取組を紹介する動画を作成いたしまして、活用いただきたいというふうに考えております。
◆福重隆浩 議員 県独自でそういったエビデンスをしっかり検証していただいたというのはすばらしいことだというふうに思っております。これが本当に感染症に強い店舗づくりの指針となるということを確信いたしますので、ぜひこの展開を今後もよろしくお願い申し上げます。
次に、飲食店等に対する経済的な支援について、お伺いいたします。
先日、日本経済新聞に有名な酒造会社の意見広告が掲載されておりました。一部を紹介させていただくと、「飲食店を守ることも日本の命を守ることにつながります」の言葉が大きく掲げられ、医療現場で必死に頑張ってくださっている医療従事者に敬意と感謝が述べられた後、私たちの願いは、飲食店の経営が最低限の健全さを保ち、飲食店が雇用の受皿であり続けることです。コロナ禍による経営破綻と生活破綻の連鎖を何とか防ぎたい。地域社会を支えている声なき声の多くの人たちの命も救いたい、そう願っていますとつづられており、読んでいて胸が締めつけられそうになったのは私だけではないと思います。そして、私自身、コロナが発生して以来、多くの方々から同様な悲痛な訴えを聞いてまいりました。私は今、経営破綻の危機に直面する事業者さんに対して、財政的な支援を行うことは不可欠であると考えております。そこで、
まん延防止等重点措置が適用され、苦境にあえぐ飲食業及び関連事業者に対して、県として国の支援に上乗せした支援を検討するべきと考えますが、部長の御所見をお伺いいたします。
さらにはまん防の適用によって、これまでの県独自の時短要請等の対象にならなかった店舗について、今回は売上げが50%下がっていた場合、月次支援金の対象になると思いますが、その点についての認識も御答弁をお願いいたします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 御紹介いただきました過日の新聞紙上で全国紙面の広告で御紹介の酒造会社の記事を私も拝見いたしました。大変痛切な思いがつづられていたというふうに思います。
県では5月4日から県のガイドラインにおける警戒度が4に引き上げられたことに伴いまして、県民への不要不急の外出自粛要請や飲食店等への時短要請が行われました。さらに16日からは、
まん延防止等重点措置が適用されまして、県内の経済活動に一段と強い制限が課せられることとなりました。特に飲食店におきましては、昨年12月から本年3月までの時短要請終了後、約2か月余りでの再度の時短要請、これに加えまして新たに酒類の提供自粛を要請することとなりまして、多くの飲食店では、その関連事業者の方も含めまして、極めて厳しい経営を余儀なくされております。こうした苦境にある飲食店や関連事業者への支援につきましては、これまでに時短要請に応じていただいた飲食店、約2万500事業者の皆さんに協力金を、また飲食関連の540の事業者さんに事業継続支援金を支給してきたところでございます。
御質問の
まん延防止等重点措置適用に伴う上乗せ支援についてでございますが、まず、飲食店への協力金は、今回から事業者の売上高による方式に改められましたが、これは国の基準に基づき、売上げ規模に応じ所定の金額が支給される方式となっておりまして、その財源は国の交付金であることから、県独自の上乗せを行うことは難しいと考えております。
次に、関連事業者への支援については、夜間に営業していない飲食店のように、これまで協力金の対象とならなかった飲食店等を含む幅広い業種を対象に、重点措置区域の内外を問わず、月次で法人20万円、個人10万円を上限に支援する国の月次支援金が制度化されたことで、県内事業者が広くこれを活用できるものと考えております。県といたしましては、まず、この月次支援金について、関係団体等を通じて広く事業者に周知いたしまして、活用を呼びかけてまいりたいと考えております。その上で、
まん延防止等重点措置により深刻な影響を受けている県内の幅広い分野の事業者の方々に対して、今後の事業継続のために県としてさらに何ができるのか、事業者や業界団体からの要望、財源などを十分踏まえまして対応を検討してまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。
本当に月次支援金が今まで受けられなかった方にも受けられるようになるというのは、私は朗報だというふうに思っているんですけれども、大事なことは、こういう支援策が窮状にあえぐ人に必ず届くというような形にしていかなくちゃいけない、そういった意味の周知徹底、広報をぜひよろしくしたいと思います。
もう一つは、この50%が本当に、例えば県で30%下がったところは適用にするとか、そういうような県独自の対応というようなことも御検討いただければと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。部長、ありがとうございました。
次に、知事にお伺いをいたします。
○井田泉 議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆福重隆浩 議員 今、部長とるる質疑をさせていただきましたが、私は今後、ワクチン接種が進み、多くの県民に抗体ができ、収束することができたとしても、またいつ新たなウイルスとの闘いが起こるか分からないと思っております。その意味においては、知事が表明する災害レジリエンス・ナンバーワンと同じよう、群馬県は全国で一番感染症に強い県になることが求められていると思っております。山梨県では、感染症に強い超感染社会の構築を掲げて取り組むと表明しましたが、私は、群馬県が日本一感染症に強い県を目指して、群馬県版疾病管理予防センター、県版CDC等の体制整備を含む実を伴った政策に取り組むべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。
昨年度、全会一致で県議会に議決をいただいた群馬県の新しい県土整備プランのコンセプトは、福重県議もちょっとおっしゃっていましたけれども、災害レジリエンス・ナンバーワンの群馬県を目指すと、これが根幹になっております。そのときから、レジリエンスというのは圧力に対する抗堪性みたいなもので、これは自然災害だけじゃなくて、やっぱりパンデミックも入れるべきじゃないかという議論がずっと続いておりました。これは今日改めて大変いい御提案もいただきましたので、やはりレジリエンスを強めるということでいうと、自然災害だけではなく、全く最初の福重県議の言葉に同感なんですけれど、これから第4、第5波って来るかもしれませんので、これはやはりレジリエンスは感染症対策においてもやっぱりナンバーワンを目指していくということで、これからいろんな県の政策を進めていく上では、災害だけじゃなくて、感染症対策についてもレジリエンス・ナンバーワンを目指すということをしっかり頭に置いて政策立案をしていきたいと。大変いい御示唆をありがとうございました。
そこで、感染症への対応力を高めていくためには大事な点が4つあると思っています。1つはまず、感染の発生を予防する、あるいはまん延を防止する、そのための日頃の調査、情報収集、この能力をしっかりと整備していくということだと思います。
2つ目は、そうはいっても万が一、感染症が発生する、アウトブレークした後にいかにこれを抑えていくか。これは御存じのとおり、最前線は各地にある群馬県の保健所なので、ここは積極的疫学調査をやるとか、PCR検査等の検査をやってこれを封じ込めていく、ここがしっかりと原因を分析して究明して、最も効果的な対策を取れると、こういう体制をつくっていくということが非常に大事だと思います。
3つ目は、これは1点目にも関わりますが、当然PCR検査を含めた検査体制を充実させていかなければいけないと。同時に、これまでも病床を積み上げてきましたけれども、医療提供体制も充実させていかなければいけない、これが3点目だと思っています。
4点目は、よく福重県議からもいろいろとお話、この点言及された覚えもありますが、リスクコミュニケーションだと思います。危機管理のときに知事がいかに県民に対してタイムリーに情報を伝えて、例えば行動変容を促していくみたいな、このリスクコミュニケーションの体制をしっかりやるということが大事だというふうに思っています。
最初の点について言うと、群馬県には衛環研、衛生環境研究所というのがありまして、そこが国立感染研究所とかなりしっかりと連携をして、例えばウイルスの早期検知とか、あるいはアラートの早期の発出とか、こういうことを連携してできるような体制をつくっているということが大事で、これをしっかり維持していきたいと思います。それから、衛環研から職員を国立感染研究所に派遣しておりまして、この分野の人材育成ということも我々はしっかりやっていかなければいけないと思っています。それから、今、保健所の体制を強化するというのは常に頭にあるので、人事の面でもそうなんですけれども、保健所長会議をやりながらいろんな現場の要望も踏まえて、ここの体制を強化するということをずっとやってきたんですが、有事の際には、さらに現場の保健所の機能を強化する必要があるんじゃないかと、こういう議論も県庁内で始めております。
山梨県の例を出されて、山梨県に対抗心を持っているわけでもないし、批判のつもりも全くないんですが、このCDCの話というのは実は相当懐かしい議論で、初期の頃、群馬県でも出ました。群馬県のほうが、申し訳ないんですが、山梨県よりもずっと早く感染症管理対策チームというのを立ち上げて、そのときにCDCみたいな話、日本版みたいなことをやると分かりやすいというのはあるんですが、一応群馬県は、私も宇留賀さんもしっかりとアメリカのことを研究していますので、群馬県は真っすぐやるんで、あまり似て非なるものをつくることはやめたいと。CDCって、福重先生もよく御存じだと思いますが、連邦機関ですよね。保健福祉省の下部組織ですけれども、この総合研究所って、まず大体人員でいうと1万6,000人ぐらいいるわけじゃないですか。本部に7,000人、それから多分支部にはもっといる。しかも、よく名前が出てくるアメリカの有名な研究機関、12以上の支部を下部組織として持っているわけですよね。バイオセーフティーレベル4の例えばエボラウイルスも含めて、これを実験する施設を持っている世界でも有数の機関なので、群馬県版CDCとはとても私たちは言えません。ただその代わり、危機管理チームをちゃんとつくって、かなり初期の頃から科学的知見を聞いて政策をやっていると。加えて、群馬県内の医療関係者との知事の懇談会もやっている。全部知事直属と言っていいと思います。さらには、各地の保健所長の方々との定期の懇談会ももう6回ぐらいやっていると。こういうものを総合していきたいというふうに思います。福重先生から質問があるということなので、山梨県のCDCなるものを見たんですけれど、すみません、批判するつもりはないんですよ、その中に例えば、釜萢先生がメインのアドバイザーとして書かれていたんですけれど、釜萢先生は、高崎出身ですよね。釜萢先生は分科会では大事な役目をされているんで、知事と、それから県内医療関係者の会合には常に、もう常に東京からウェブで出ていただいて、意見をもらっています。それから、感染症対策チームは武藤部長がすごく頑張っていただいて、外部のすばらしい有識者もいて、例えば小池知事の横でよく記者会見に同席をしている感染症の専門家の大曲先生、この方もメンバーで、ついこの間もウェブで出ていただいたということで、そこは御心配は要らないと。山梨県よりも群馬県のほうが、申し訳ないですけれど、進んでいると私は思っておりますので、そういうこともしっかり踏まえ、しかし、これから県議が言っているように、いろんなことが出てくると思いますので、科学的知見をしっかり踏まえてやっていきたいと思います。
それからリスクコミュニケーションは、さっきもちょっとありましたが、定例会見、臨時会見、直滑降ストリーム、それから、tsulunos、こういうところでも、あらゆる形で県民に情報を発信し、Ask知事!をやって答えるということもやりましたので、これも大事にしていきたいというふうに思います。いずれにせよ、しっかりとしたこういう体制をつくっていく上でも、当然医師会をはじめとする医療機関の皆さんとの協力も必要だし、市町村との連携も必要だし、特に県議会の皆さんの御理解をいただきたいと思いますので、また福重県議のほうから、いろんな御示唆をいただければと思います。群馬県として、パンデミックもレジリエンス・ナンバーワン、そんな看板とちょっと違うようなスローガンは群馬県は立てませんけれど、真っすぐな真面目な県なんで、だけど、これはトップを目指して頑張っていきたいと思います。
◆福重隆浩 議員 知事の熱い思いありがとうございました。そういった意味では、やはり災害、そしてまたこういった感染症に強い県をつくるということは、やっぱり知事が災害レジリエンス・ナンバーワンと表明したことが、移住だとか企業誘致にも絶対プラスになるというふうにおっしゃっておられましたけれども、私は、感染症に強い、やはり企業の継続を考えた場合に群馬県だな、そういうふうに選択される、そういったことも大事な視点だと思いますので、ぜひ御努力をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
次に、防災・減災における河川対策について、県土整備部長に質問いたします。
○井田泉 議長 県土整備部長、答弁席へ。
(清水昭芳県土整備部長 登壇)
◆福重隆浩 議員 今、知事に熱弁を振るっていただいたので大分時間が押してまいったような気がいたしますので、ちょっと早口になるかもしれませんけれども、質問させていただきたいと思います。
今、日本では気象災害の激甚化が著しく、知事は都道府県で初めて気象災害非常事態宣言をし、ソフト、ハード両面で防災・減災対策を強力、かつ集中的に推進することを県政運営の中心に据えておられます。本県でも、一昨年の台風19号では、県内に大きな被害が発生するなど、激甚化する水害に対応するため、一日も早い流域治水対策が必要と考えております。これについては、昨年度、
流域治水プロジェクトが策定され、今後、国、県、市町村が連携して対策を進めていくと伺っております。
そこでお伺いをいたしますが、
流域治水プロジェクトの内容及び今後の取組につきまして、ぜひ県民の皆様に分かりやすい御答弁を具体的にお願いいたします。
◎清水昭芳 県土整備部長 お答えをさせていただきます。
流域治水に関する御質問でございます。近年頻発化、激甚化する水害に対応するためには、行政のみならず、住民や企業など、流域に関わる全ての関係者が主体的に治水対策に取り組む流域治水でございますけれども、こちらを進めていく必要があると考えております。この流域治水を進めるため、昨年8月に、利根川上流域、渡良瀬川流域、烏川神流川流域、この3つの流域におきまして、県、国、市町村等で構成します流域治水協議会が設置され、今年3月に各機関が取り組む施策を取りまとめた
流域治水プロジェクトが策定されたところでございます。この
流域治水プロジェクトには、河川管理者であります国、県が実施する洪水氾濫を防ぐための河川整備などのハード対策、河川水位情報の発信などのソフト対策のほかに、市町村に主体となって行っていただく市街地の内水対策、住民に行っていただく雨水貯留・浸透などの対策にも位置づけられているところでございます。
これらの対策のうち、県におきましては、国が進める防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算も活用しながら、ハード対策としまして、県土整備プランにも位置づけている利根川や烏川など22か所で約23.3㎞の河川改修、太田市の石田川や高崎市の井野川において、4つの調節池の整備など進めていくこととしております。また、ソフト対策としましては、洪水により家屋の浸水被害が生じるおそれがございます333河川への水位計と河川監視カメラの設置など、計画的に推進していくこととしております。
なお、市町村が主体となって行っていただく内水対策などにつきましても、着実に施策の進捗が図れるよう、市町村の状況をよくお聞きしまして、関係部局が一体となって必要な支援をしてまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。
災害はいつ起こるか分かりません。河川改修などのハード面の整備については、県土整備プランを前倒ししてでも早急に行う必要があると考えております。国も、ポストコロナの経済の好循環を創出するためにも、防災・減災、国土強靱化に資する対策については、積極的に行うこととしておりますので、この機を捉えてスピード感のある御対応をお願いいたします。
次に、
リアルタイム水害リスク情報システムについてお伺いいたします。
県議会公明党として、以前より水害から自らの命を守るために早めの避難行動が大事であり、そのためにも、水害リスクタイムラインの普及が必要であると提案させていただいております。その場合、重要となるのは、県民にリアルタイムで正確な情報が提供されることだと考えております。本県では、新たなシステムを開発中であると伺っておりますが、豪雨時雨量予測や地域データを基に、河川の水質変化や氾濫時の浸水状況を予測するシステムができれば、ハード面の整備と併せて、県民の安全・安心は大きく高まると考えております。
そこでお伺いをいたしますが、開発中の
リアルタイム水害リスク情報システムの現状と今後の見通しについて、御答弁をお願いいたします。
◎清水昭芳 県土整備部長 御質問がございました
リアルタイム水害リスク情報システムでございますけれども、こちらは気象庁が発表します降雨量の予測データを基に、数時間先までの河川の水位や、河川の氾濫等により浸水する範囲を予測するものでございます。市町村が行います避難指示の発令などを支援する目的で開発を進めているところでございます。
今月20日に施行された改正災害対策基本法におきましては、洪水などの警戒レベル4では、避難勧告を廃止しまして、避難指示に一本化するなどの避難情報の見直しが行われたところでございまして、このことによりまして、住民の迅速な避難の実現のためには、市町村長が避難指示を適切なタイミングで確実に発令することの重要性がより一層クローズアップされるものと考えておりまして、その点に鑑みても、リアルタイム水害情報システムに期待される役割は大きくなっているものと認識しているところでございます。
これまでの
リアルタイム水害リスク情報システムの開発に係る取組といたしましては、昨年度、高崎、館林、この2つの地域を対象にシステムの試行運用を行い、動作情報の確認や予測精度の検証、改善などを行ったところでございます。今年度は試行の対象を全県域に拡大しまして、引き続き予測精度の向上に取り組むとともに、利用者であります市町村の御意見もよくお聞きしながら、来年度からの本格的な運用開始を目指してシステムの構築に取り組んでまいりたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 今、来年度から本格的な運用を目指すというふうに言っていただきましたけれども、やっぱり先ほども言いましたけれど、災害はいつ起こるか分からないということを考えた場合に、一日も早い運用ができますように御努力をお願いいたします。部長、ありがとうございました。
次に、教育分野におけるDXの取組につきまして、知事にお伺いをいたします。
○井田泉 議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆福重隆浩 議員 知事は、コロナ禍にあっても児童生徒の学びを止めてはならないとの強い思いから、1人1台パソコンの導入を積極的に推進をされました。私は、パソコンの配布は、児童生徒の学力の向上に向け大変意義のあることだと思っておりますが、一方でパソコンを毎日持ち帰ることによって、重いかばんがさらに重くなるという課題もあります。これらを改善するには、ソフト面の取組として、教科書や副読本を電子書籍化するなどにより軽くするなど、児童生徒の負担の軽減のためのDXの活用も必要ではないかと思っております。さらには、県立図書館に電子書籍を導入することも、県民がDXを身近に感じ、今後のDXを加速させるために、また、県民の利便性を高め、読書活動を推進する意味でも有効だと考えております。教育におけるDXについて多くの可能性があると思いますが、知事の御所見を端的によろしくお願い申し上げます。
◎山本一太 知事 長過ぎちゃって、さっきの答弁申し訳ありません。端的に言いたいと思います。
DXはとにかく大事だと思っていまして、群馬総合計画の中の7つの政策のうちの重点項目なんで、短期的、集中的に取り組んで
教育イノベーションを加速したいと思っています。ちょっと早口で申し上げます。
今おっしゃったお話、パソコンの1人1台の導入、これはもう5年前倒しという、結構かなり型破りの話だったんですけれども、35の市町村に御協力いただいて実現するということなんで、これこそ新しい教育DXの第一歩であり、始動人をつくっていくための大きな一歩だというふうに考えています。とにかくこうやってデジタルツールをどんどんどんどん子どもたち、児童生徒が活用するということでいうと、いろんな可能性があると思いますし、例えば分野横断、科目横断で地域課題というものを解決しようという学習形式のSTEAM教育とかもどんどん取り組めるようになるというふうに思っています。
私も、基本的に福重県議と感覚が非常に似ているなと思ったんですが、なるほど、かばんは重くなるだろうなと思うんですけれども、そもそも教育のICT化が進んで教科書の電子化が進めば、そういう子どもたちへの負担もなくなるんであって、これはやっぱり県のほうも、もうちょっと電子書籍化の問題とかをしっかり進めなきゃいけないし、例えば宿題とか課題だって、オンラインで先に投げておけば全然楽だと思うので、そういうことをしっかり頑張っていきたいと思います。
県立図書館への電子書籍の導入、これは個人的には私いいなと思うんですけれども、これ教育長ともいろいろお話ししましたが、賛否両論あって、やっぱりメリットとして言えば、行く必要がないということもあるし、例えばバリアフリーということで言えば、いろんな形で拡大したりとか音声の面とかでは便利だと思うんですけれども、片や慎重な専門家の人たちもいて、コンテンツが少ないんじゃないか、コストもかかり過ぎるんじゃないかみたいなことがあるので、これは今、導入しているところをよくちょっと県としてもう1回調べたいと思います。その上で、新しい時代にふさわしい県立図書館のあり方構想の中で、よく検討させていただこうというふうに思っています。日本最先端のデジタル県を目指すということは、教育のDXも進めるということにつながりますし、それが始動人への育成につながると思いますので、そういう感覚で頑張っていきたいと思います。短くいたしました。
◆福重隆浩 議員 ありがとうございました。
まず、かばんが重いということに関しまして、私はある高校生の親御さんから、荷物の重さを量っていただいたら、副読本がないときで8.5キロ、副読本があるときには15キロというような非常に重い状況に今陥っていると。本当に子どもの成長を止めてしまうんじゃないかというようなこともありました。それから、電子書籍、公立の図書館化に関しましては、日本ではまだ1割いってないというふうにありましたけれども、アメリカでは9割以上進んでいると。そういった意味でいうと、こういったところにも日本のデジタル化が遅れているのではないか。本当にメリットデメリットを今お話しいただきましたけれども、そういったことを検証していただいて、ぜひこういった問題も前に進めていただければと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
次に、コロナ禍における貧困等、困難を抱える女性の支援について、知事にお伺いをいたします。
私たち公明党は、県下に私を含め44名の地方議員がおり、そのうち15名が女性議員であります。このコロナ禍における貧困等、困難を抱える女性への支援について、県本部の女性局議員の強い思いを受け、私から知事にお伺いをさせていただきたいと思います。
コロナ禍の今、経済的な理由から生理用品を買えない女性がいる問題は、生理の貧困と呼ばれ、顕在化しております。本年の3月時点の集計によれば、過去1年間で、金銭的な理由により、生理用品の入手に苦労したとの回答が20.1%あったと言われております。こういった実態を踏まえ、3月24日、公明党群馬県本部として、女性局の代表と県議3名で、山本知事に対して緊急要望書を提出し、知事と意見交換をさせていただきました。そして、5月3日に山本知事よりお電話で、県内全ての県立学校と県有施設で生理用品を無料提供するとの御回答をいただきました。この群馬県の対応については、5月4日の朝日新聞の社会面で、全国で初めての取組として大きく取り上げられました。知事は、5月6日のブログにおいて、女性活躍にも女性の人権にも全力で取り組んでいる群馬県、県有施設での生理用品の無償提供を決定と題し、発信をされ、その中で、数週間前、群馬県の公明党女性議員の方々から要望を受けたことがきっかけとなった、この問題に関して背中を押していただいたことに感謝したいと書いていただきました。私からも、1か月弱のスピードでこの問題に取り組んでいただいたことに対しまして、知事の強いリーダーシップと、それに応えてくださった職員の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。大変にありがとうございました。
そこでお伺いをいたしますが、知事は常に女性活躍の環境整備に強い思いを持って臨まれておられますが、この支援について、どのように考えておられるのか、知事の御答弁をお願いいたします。
◎山本一太 知事 まず、冒頭、県議のほうからも話ありましたが、公明党の女性局の皆さんから、コロナ禍における女性への支援について、提言要望をいただきました。このことには私も感謝申し上げたいというふうに思います。
新型コロナウイルス感染症の影響で、本県でも、雇い止めとかDVの増加とか、こういうことが明らかに起こっているというふうに思っております。特に不安とか困難を抱える女性が増えているということで、今御指摘のあった経済的な理由などで生理用品が十分に用意できない、いわゆる生理の貧困という問題があります。これは世界的に見てもいろんなNPOがこの問題に取り組んでいるというふうに考えています。こういう不安、困難を抱える女性に対して、やはり県として、先ほども言っていただきましたが、一人ひとりに寄り添った支援というものを進めていきたいというふうに考えています。そこで、これも御紹介いただきましたが、全国に先駆けて、県有施設での生理用品の無償提供というものを決定させていただきましたが、県議に言及していただいたとおり、これは公明党女性局の皆さんの要望がきっかけになったということで、このきっかけがあって実現したということは大変感謝しておりますし、県民の皆さんにもぜひ知っておいていただきたいなと考えています。
生理用品が必要なときに必要な人の手に渡る環境の整備を図るということは、SDGsでいうジェンダー平等の実現にもつながるというふうに思います。5月からまず、県立大学、県立高校で順次提供を始めています。一遍にはできないんで段階踏んでやることになると思いますが、これ当然、実現に向けてしっかりと進めていきたいというふうに思います。さらに、生理の貧困というものには、背後の根本の問題というのもありますので、このために相談支援体制の強化も図りたいと。生理用品を提供するという決定をしたことによって、これがきっかけになって、本当に支援が必要な人たちが相談していただけるような、そういう流れをつくっていきたいとも考えています。これまで以上にきめ細かい対応で、特にコロナ禍で不安、困難を抱える女性を支援してまいりたいと思います。公明党からいただいた要望については、一応しっかりまとまった時点でもう一度回答させていただきたいと考えております。
◆福重隆浩 議員 本当に、知事の困窮されている方に寄り添う、そういう政治姿勢というものを実感をさせていただきました。本当にありがとうございました。
次に、具体的な対応について、生活こども部長に質問いたします。
○井田泉 議長 生活こども部長、答弁席へ。
(平井敦子生活こども部長 登壇)
◆福重隆浩 議員 2点目の県有施設への生理用品の配置について、生理用品の県有施設への具体的な配置の方法やスケジュールについてお伺いしようと思ったんですが、ちょっと時間の関係上割愛をさせていただきます。
これは本当に無償で1枚1枚お渡しするということも大事なことなんですけれども、貧困等にあえぐ女性の支援ということですと、ある程度まとまった支援をしなくてはいけないのではないかなというようなことを、ぜひここでは要望をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、困窮女性への生理用品の配布について、今言いましたけれども、ぜひお願いしたいと思います。
引き続き、困難を抱える女性の支援について、お伺いをいたします。
行政において様々な支援策を講じたとしても、支援策が困難を抱えておられる方々に届かなければ、言葉は悪いのですが、絵に描いた餅であり、画竜点睛を欠くということになってしまいます。そこでお伺いをいたしますが、これまで電話等による相談事業に加え、今年度、具体的な支援策が困難を抱えておられる方々に届くよう、アウトリーチ型の相談支援事業を行うと伺っておりますが、事業の目的や内容について御所見をお伺いいたします。
◎平井敦子
生活こども部長 お答えをいたします。
この事業は、コロナ禍における非正規雇用労働者の解雇や雇い止め、DV、家事育児の負担増など、不安や困難を抱える女性を対象に、しっかりと寄り添った支援を行うことで心身のケアや経済的な不安を解消しようとするものでございます。事業の内容ですが、これまでの電話相談に加えまして、相談者の下に出向くというアウトリーチ型の相談や、市町村、あるいはハローワークなどに同行支援をすることなどによりまして、それぞれの女性が抱えております困難に対応したきめ細かなサポートを行うもので、県内を4地域程度に分けまして、女性支援に実績のありますNPO法人に委託して実施することを予定しております。
なお、この事業におきましても、必要に応じて生理用品の配布を行ってまいりたいと考えております。
また、この事業を通じまして、市町村や学校、社会福祉協議会、フードバンクなどの関係機関がネットワークを構築いたしまして、情報共有等を行うなど、相談支援体制を強化することによりまして、コロナ禍においても女性を孤立させることなく、しっかりと適切な支援につなげていきたいと、このように考えております。
◆福重隆浩 議員 本当にコロナ禍にあって、また、この貧困の問題というのは、コロナ禍に限ることもなくいろいろな部分で問題がございます。そういった意味では、本当にきめの細かい支援、そして、困窮されている方に届くようにぜひ御支援をしていただきたいと思いますので、今後もいろいろな意見交換をさせていただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
最後になりますけれども、
ぐんま結婚応援パスポート事業について、引き続き生活こども部長に質問いたします。
先日、ドラマの共演がきっかけとなり、女優の新垣結衣さんと歌手で俳優の星野源さんの結婚が発表され、日本中が驚きと大きな祝福の声に包まれました。私も、心からのお祝いを申し上げたいと思います。
私たちの日常は、コロナによって暗い話題があふれておりますが、お二人の結婚によって、多くの人がハッピーな気持ちになり、改めて結婚したいという思いを若い方々の大きなエールになったのではないかと思っております。私は、平成27年第3回前期定例会において、結婚される若い方々を社会全体で祝福し、応援する意味を込めて、ブライダル支援カードの創設を提案させていただき、職員の皆さんの御努力によって、平成28年10月より、通称コンパスとして事業をスタートしていただきました。コンパス事業は、本県の主要な事業であるぐーちょきパスポートと同じく、協賛店から様々なサービスを提供していただいており、利用者からは、結婚式の費用の割引や飲食店、不動産や理美容など、様々なシーンでサービスが受けられると大変喜ばれております。コンパスは、群馬県が全国で一番最初に事業をスタートいたしましたが、その後、茨城県や栃木県など、11県で同様な事業が行われるようになったと伺っております。そして、昨年11月22日、いい夫婦の日と言うようですけれども、栃木、茨城、北関東3県でも使えるようになり、コンパスの利便性は大きく向上していると思っております。
そこでお伺いをいたしますが、コンパス事業が始まって4年が経過したわけですが、これまでの成果及び今後の対応につきまして、部長の御答弁をお願いいたします。
◎平井敦子 生活こども部長 お答えをさせていただきます。
ぐんま結婚応援パスポート、通称コンパスは、社会全体で県民の結婚を応援する気運醸成を図るツールとして、平成26年度から県庁内のワーキンググループで、その実施について検討しておりましたところ、福重県議からの提案もいただきまして、28年度に全国に先駆けてこの事業を開始することとなりました。令和2年度末におけるコンパスの交付累計は約3万9,000枚、協賛店舗は約1,500店でございまして、これまで多くのカップルの方に御利用いただきまして、とてもいいサービスでもっと多くの人に使ってもらいたいというような声をSNSで発信していただいているところでございます。
このコンパスをさらに使いやすいものにするために、先ほど議員からもお話がありましたけれど、昨年の11月に大きく3つの改正を行いました。1つは、県と同じ事業を実施しております茨城、栃木と連携をいたしまして、北関東3県の協賛店舗を相互利用できるようにいたしました。2つ目は、利用期間ですが、これまで1年だったものを2年に延長いたしまして、婚約しているカップルについては、交付の日から、結婚した方については、結婚の日から2年間、それぞれ2年間、最長で4年間の利用ができるようになったところでございます。3つ目には、法律婚だけではなくて、事実婚や同性カップルの方にも利用していただけるように、対象者を拡大したところでございます。さらに、コンパスの申請に当たりまして、電子申請を導入いたしましたことから、一層の利便性が図られたものと考えております。
今後の取組ですが、今年度につきましては、インフルエンサーを起用したSNSによるプロモーションを展開いたしまして、コンパスのさらなる周知と利用の拡大を図ることを予定しておりまして、これによりまして、結婚を応援する機運の一層の醸成を図ってまいりたいと考えております。
○井田泉 議長 30秒です。
◆福重隆浩 議員 御答弁ありがとうございました。
私は、これまでぐーちょきパスポート、それからシニアパスポート、そしてこのコンパスと3つのパスポート事業を提案させていただいて、そして、県職員の皆さんの御努力によって実現をしていただきました。ありがとうございました。
私は、このぐーちょきパスポート、県民から本当に愛されているんですけれども、これのデジタル化ということを以前から求めておりまして、これに関しましては、部と、それからDX課が検討していただいて、アイデアソンも3月に行っていただきました。ぜひこういったことが実現をして、こういったコンパスや、そしてまたシニアパスポートのデジタル化をしていただければというふうに思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○井田泉 議長 以上で福重隆浩議員の質問は終わりました。
● 休 憩
○井田泉 議長 暫時休憩いたします。
午後1時20分から再開いたします。
午後0時23分休憩
午後1時19分再開
(安孫子 哲副議長 登壇 拍手)
○安孫子哲 副議長 暫時、議長職を執り行ってまいります。よろしくお願いします。
● 再 開
○安孫子哲 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
● 質疑及び一般質問(続)
○安孫子哲 副議長 高井俊一郎議員御登壇願います。
(高井俊一郎議員 登壇 拍手)
◆高井俊一郎 議員 自民党、高井俊一郎です。通告に基づきまして、質問をさせていただきます。
まず、健康福祉部長お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。
(武藤幸夫健康福祉部長 登壇)
◆高井俊一郎 議員 相沢県議推奨の桐生のイヅハラマスクですけれど、クリアパネルがあるので外させていただきます。よろしくお願いいたします。
ウィズコロナの世界の影響は、社会の人全てに等しく及ぶのではなく、生活に困窮を抱える人、また飲食、旅館業など、人出に左右される業種、また女性、若者等に負の影響が大きくなっています。〔資料①提示〕このパネルを御覧いただけたらと思います。ここに参議院自民党が独自に実施したコロナ禍の不安調査アンケートの非常に示唆的な分析結果があります。本アンケートは、昨年の12月に全国でSNSで拡散されて、自由記述でコロナ禍で不安に感じていることを集めたアンケートで、5,000人から1万3,000件の回答がありました。このパネルは、年代ごと、職種ごとで何に不安を感じているかを色分けしました。この結果によると、より若年かつ就活中やパート、アルバイト、非正規雇用といった不安定な就業形態であるほど、この青い部分、経済不安、経済に不安を抱えていて、逆に、正規雇用や主婦、また、年金受給者などは、感染に不安を抱えている、くっきり分かれております。非常に対応が難しいということがこれだけ見てもお分かりいただけると思います。
さて、経済不安ですけれども、私、このコロナ中に、できるだけいろんな人と向き合ってまいりました。ある日、フードバンクに行きました。フードバンク、また、子ども食堂っていろんなところを回っていたんですけれども、その日に行ったフードバンクは、少し空気が違いました。本当に困っている人がたくさんいるというのを肌で感じました。そこで見た風景、20代前半ぐらいのお母さんが1人、子どもをしょって、1人、2歳ぐらいでしょうか、手をつないで、鍋を持って、その日ちょうど炊き出しの日だったんですけれども、水のようなカレーを鍋に注ぐのを待っていた。隣にある食糧がいつも並んでいる棚に、その日、たまたま何もなかったんですね。がっかり肩を落として帰っていくのが分かりました。それを見て、本当に政治の責任を感じましたし、これは社会全体の責任じゃないかと強く感じました。そこで、経済不安について、低所得、不安定業種の方をはじめとした生活困窮者への支援が重要、これはもう本当にそのとおりですけれども、まず、生活福祉資金及び生活保護の件数をお伺いさせてください。また、福祉資金は、どうも5度目の延長になりそうだということで、一安心でございますけれども、今後は、相談窓口を強化したり、また、アウトリーチ型の支援、また、その種のNPOと支援組織と連携するなど、きめ細やかな対応が必要だと思います。どう対応していくのかというのをまずお聞かせいただきます。
◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えいたします。
生活福祉資金の特例貸付に係る県内の貸付申請の総数でございます。5月14日時点になりますけれども、緊急小口資金が2万3,272件、総合支援資金が延長、再貸付分も含めまして2万1,681件となっております。また、申請状況の推移なんですが、両資金とも、昨年、令和2年3月以降増加しまして、昨年の夏頃に一旦ピークを迎えたんですが、その後減少しました。ただ、今年に入って再び増加している傾向がございます。なお貸付の決定額の総額でございますが、これは約140億円となっております。
一方、生活保護についてでございますけれども、2008年、平成20年のリーマンショックの際には、これが発覚した4か月後から申請が急増いたしました。ただ、今回の新型コロナにつきましてはこのような動きは見られずに、令和元年度は1,818件でしたが、令和2年度は1,780件の県内の申請でございまして、急増しているという動きはございませんでした。この要因として、やはり生活福祉資金の特例貸付など、生活困窮者支援の施策が有効に機能しているものと考えております。
ただし、議員御指摘のとおり、本当に様々な課題を抱えている方に必要な支援を届けていくためには、きめ細やかな対応がどうしてもやっぱり必要なんだと思っています。特に昨今は、ダブルケアですとかあるいは8050問題に代表される複雑化・複合化した課題が本当に顕在化してきております。こうした中で、市町村においては、関係機関との連携をコーディネートする機能ですとか、あるいはアウトリーチを含む継続的な伴走支援など、世代や分野の垣根を越えた包括的な支援体制の整備を進めているところであります。県においても、支援を必要とする方が制度のはざまに陥ることがないよう、市町村と連携いたしまして、包括的な支援体制の早期の構築に努めていきたいと考えております。
◆高井俊一郎 議員 よろしくお願いいたします。今、部長も御答弁で言ったとおり、本当に必要とする人に届くということが大切でございます。聞く心を養っていただいて、ぜひよろしくお願いいたします。多様な取組よろしくお願いいたします。
また、今回非常時だから仕方ないと思うんですけれども、本来であれば、公的扶助制度というのは、自立支援と一体なはずでございます。今回もう仕方ないと思うんですけれど、私も民生委員をやっていた経験があります。正直悪質なケースもあると思います。今後やっぱり必要なのは、複雑・多様化しているこの課題に対して、きめ細やかな制度設計をしっかりとやっぱりきちんとしたものをつくるということが大切だと思いますので、これはぜひ国に要望も上げていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、2番の自殺者の推移とその対応についてお伺いさせていただきます。
全国の令和2年の自殺者が11年ぶりに増加に転じ、中でも女性や10代、20代の若年層の自殺が増加したことが話題になっています。本県でも同様に、女性と若年層の自殺が増えているようです。国の月当たりの推移によると、昨年前半、初めての緊急事態宣言が明けるまでは少し自殺者は減っていたけれども、夏以降に、特に有名な俳優、女優さんの自殺の影響で、一気にまた増えたという状況がございます。
さて、本県ではどのような状況か、また、どのような対応をしっかりしていただけているのかというのをお伺いさせていただきます。
◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えいたします。
先ほど議員がおっしゃられた具体的な本県の数字でございます。令和2年、本県の自殺者数は警察庁の公表資料によりますと363人で、前年と比べ2人減少しておりましたが、ただ、女性につきましては124人と、5人増加している状況です。また、年代別に見たときには、10代、20代の若い世代は55人ということで12人増加しております。今年に入ってからの状況ですが、1月から4月までの自殺者数、これは暫定値になりますけれども、106人と、前年同期比では4人減少してはいるんですけれども、ただ、若者と女性につきましては、前年とほぼ同水準で推移をしております。
コロナ禍の今、経済的な問題や先の見通せない不安などから、社会全体として自殺リスクが高まった状態にあるものと認識をしております。こうしたことから、県では心の健康相談統一ダイヤルを充実しまして、相談体制の強化を図ったところであります。あわせて、インターネット検索連動型広告などを通じまして、ネット利用率の高い女性や若者向けに、相談ダイヤルの周知に取り組んできたところでございます。また、自殺につきましては、生活困窮やいじめなど様々な社会的な要因が重なり、心理的に追い詰められた結果、引き起こされることから、悩みや困難が深刻化、複合化する前に対応することが重要だと考えております。そこで、経済、労働、教育、子ども、女性分野など庁内関係部局が行っております各種相談支援との連携強化を図り、自殺に心が傾く前の早期の対策にも力を入れていきたいと、このように考えております。
今後も県を挙げて総合的に対策して、市町村の協力も得ながら、誰も自殺に追い込まれることのない群馬県の実現を目指して、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
◆高井俊一郎 議員 昨年、年末の委員会で、部長が心強い、群馬県から自殺者は出さないという、心強い御覚悟をお言葉にしていただきました。その頑張りもあって、群馬県は幸い自殺者が増えてないということだと思いますが、が、やっぱり景気が悪化される中で、これから本当心配なんですね。ぜひ御対応、本当にできること全てやっていただきたいと思うんです。よろしくお願いいたします。
続きまして、知事にもこの件お伺いしたいんですけれど、知事、よろしくお願いいたします。
○安孫子哲 副議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆高井俊一郎 議員 知事も同じ件をお伺いさせていただきます。
実は私も3年前に仲間を亡くしました。私のことを「兄貴」と言ってくれるかわいい後輩を自殺で亡くしました。何であの日にLINEひとつ、電話ひとつできなかったのかなというのは、本当に今でも悔いが残っております。
そこで知事にまた同じことをお伺いさせていただきたいんですけれども、自殺者の周りには家族がいて、仲間がいて、それだけの涙が流れています。自殺対策は圧倒的にやるべきだと思います。できる手を全て打っていただきたい。知事の御決意をお願いいたします。
◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。
私は党派に限らず、県議の皆さんのフェイスブックをよくチェックしているんですけれども、今年の2月4日だったと思いますが、高井県議のフェイスブックを見ていたら自殺対策のことが書いてあって、友人から電話があったと、その友人の友達が自殺をしたと、何でもうちょっと相談に乗ってあげられなかったのかなという話も聞いたと。そこでフェイスブックの投稿の中で、自殺問題を取り上げておられて、自殺者がなかなか減らないと、群馬県はちょっと減っているんですけれど、全国的に減らないと。やはり、相談窓口があっても声が届いてないのではないか、やはり群馬県は自殺対策にもっと力を入れてほしいと、こういう投稿を拝見をいたしました。今のお友達を亡くされたというのを初めてちょっと伺った、後輩の方、初めて伺ったんですが、4日の次の日だったと思いますけれども、その日かな、投稿された日に高井県議から電話があって、ちょっとでもいいから会ってほしいと、翌日ぜひちょっとでも時間つくってくださいということだったので、恐らくこのことだなと思って、来庁していただいて少し話をしていただきました。そのときに、今言ったような自殺のトレンドとか自殺対策の重要性というものを非常に訴えておられて、大変熱意には感銘を受けました。そこで、大変感謝したいなと思うのは、とにかくコロナ対策、感染防止対策ばっかりに忙殺されていて、実は自殺対策というのは物すごい大事だなと。特にコロナ禍で全国的に増えているというのは明らかにコロナの影響だと思いますから、これは群馬県として最重点事項のひとつだということを高井県議のお話から改めて痛感をさせていただきました。
そこで、2月18日だったと思いますが、定例会見で自殺の問題を取り上げたんです。3月が群馬県の自殺対策月間ということもあって、そこで県民の皆様に協力を呼びかけたということで、改めて高井県議のお話を聞きながら思ったんですけれど、山本県政では、やはり前向きな提案とか、本当に県民のためになる提案は響きますので、高井県議のおかげで群馬県も自殺対策をちょっともう一回練り直そうというふうに思っていますので、これからも県議の皆さんの前向きな提案にはしっかり耳を傾けていきたいと思っています。
それから、もう言うこともあまりないんですけれど、とにかく人の命って何物にも代え難いと思っていますし、自殺というのは、その人の自由な意思の選択ではなくて、ほとんどの方々が追い込まれて命を絶つということで、今の高井県議のお話を聞いて思いましたし、周りには仲間がいるし、御家族の方もいるので、もう命の重さとか、あるいは遺族の方々の思いを、感情を思えば、なかなか胸が締めつけられる感じがいたします。ということで群馬県も少し減ったとはいえ、300人以上の自殺者が出ていると。しかも、さっきの武藤さんの話を聞いていたら、女性と若年層は若干ながら増えている。特に若年層は増えていますから、やっぱりもう少し対策を練り直したいと思います。まだ具体的な話、いろいろやってきて、ある程度成果が出ていると思うんですけれども、まだまだ年代によって、高井議員おっしゃったように、我々も相談体制は強化しているんですけれど、届かないところもあるんで、もっともっと、例えば効果の検証もしなきゃいけない、それから、データももっと分析しなきゃいけないと思いますし、デジタル最新先端県を目指すんであれば、もっとデジタルも活用して、本当に悩んでいる人の心に届けるような方法も考えなければいけないなというふうに思っています。特に、新型コロナ禍は相当長くなりましたが、今日の高井県議の問題意識も受けて、少し県として、今ちょっとやってもらっていますが、もう1回よくデータを分析して、これ以上何ができるのか、これが群馬県ならではのモデルになるかどうか分かりませんが、少し新たにできることも考えながら提案を、群馬県としての発信をよく練っていきたいと思います。この要望、本当にありがとうございました。
◆高井俊一郎 議員 伝わりました。ありがとうございます。
すごく自殺対策って難しいんだと思います。本当に電話相談とか窓口を強化したりとか、できることというのは本当に限られているんだと思いますけれども、徹底してやっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
続きまして、生活こども部長お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 生活こども部長、答弁席へ。
(平井敦子生活こども部長 登壇)
◆高井俊一郎 議員 生活こども部長には、県民の協働と共創推進に関する条例についてお伺いさせていただきます。
今、お話しさせていただいたように、社会的課題が複雑化・多様化している。この1年間いろんな悲痛と向き合ってきました。他方、厳しいと言われながらも、日経平均の株価が、現在2万8,000円から9,000円台ぐらいで推移しておりますけれども、コロナ禍において、金余りの現象も生まれているのではないかと思っています。世界でおよそ1,500兆という莫大な公的資金を投入している。ですが、本当に支援を必要としているところに届いてないんじゃないかなと思うんですね。それをならす必要というのがあるんだと思います。補助金をいろいろばらまくのもすごくありがたいんです、緊急事態ですので。ただ、それでは社会は成長しないですし、持続可能ではないんだと思います。その中で、先ほどお答えでありましたけれど、担い手となる支援をしてくれるNPOなどの公共の担い手を同時に育てるということも大切なんだと思うんですね。
群馬では、NPOというのが802団体があるそうです。そのうち、税制上優遇される認定NPOというのはたった11だそうでございます。基盤の強化をしっかりしないとお金も集まりませんし、そもそもその情報が届かないということだと思います。その中で、何からやるべきなのかなということでいろいろヒアリングする中で、条例化がやっぱり大切じゃないかということをお伺いしてきました。2019年1月の調査なんですけれども、NPO関連支援の条例がある都道府県は16でした。群馬県では、総合計画の中で「協働」という言葉が入っていますけれども、条例化されてない。現場の声として、これが問題だということを聞きました。条例化されることによって何が変わるかというと、やはりNPOなど担い手の社会的な地位が確立されるということです。なかなかマネタイズが難しい中で、今までだと行政のやっぱり発注というのが多い中で、そうすると、行政が主で受ける担い手が従という関係性になっていたんだと思います。これを協働という立場、また、知事のおっしゃる共創という立場だと、これを平らにしなくてはいけないと思うんですね。その中でこの条例というのが必要なんだと思います。官民共創を着実に進める上で、そのための基盤を整備し、協働・共創を進めるための条例の制定が有効であると思いますが、いかがでしょうか。
◎平井敦子
生活こども部長 お答えいたします。
地域課題の解決に向けましては、行政だけではなくて企業や大学、NPOなどの様々な組織と県民がお互いに信頼関係を深めまして、知恵を出し合っていくことが必要でございます。
本県では、これまでも協働による地域づくりに関する指針に沿って、多様な主体による協働を推進してまいりました。新・群馬県総合計画では、官民共創コミュニティーの育成を政策の柱のひとつに位置づけておりまして、現在、県を挙げて様々な取組が行われており、生活こども部におきましても、今年度、地域の課題を解決するために、基盤強化事業に取り組んでいるところでございます。この事業は、全県的な課題や、地域に身近な課題に対応するミーティングを開催するほか、市民活動、相談窓口の充実や、ボランティアの確保などを盛り込んでいるところでございまして、事業の実施によりまして、幅広い分野のプレーヤーが知恵を出し合い、課題解決に取り組んでいく社会の実現につなげてまいりたいと考えております。
議員御提案の条例でございますが、この官民の協働・共創を推進していくために有効な手段のひとつであると考えておりますが、今後の事業を展開する中で、関係する多くの方々から御意見を頂戴しますとともに、所管いたします部局が複数にまたがることから、十分に調整をした上で検討してまいりたいと、このように考えております。
◆高井俊一郎 議員 策定いただけるというお答えを今日いただけるんじゃないかなと思いましたけれども、残念ですが、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
続きまして、総務部長お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 総務部長、答弁席へ。
(友松 寛総務部長 登壇)
◆高井俊一郎 議員 次にファンドレイジング、資金調達のお話をさせていただきます。
日本の寄附総額はアメリカの約100分の1だそうです。寄附文化と寄附制度が整わないうちに、アメリカのような本格的な格差社会へ突入してしまったんだと思っています。先日、財団法人京都地域創造基金というところにヒアリングをしてまいりました。ここは、日本初の市民立の財団です。財団法人という特性を生かして休眠預金や寄附、公的資金、遺贈や融資、出資などをハイブリッドに運用して、様々な社会的投資、ESG投資で地域で循環させているというところです。この事務局長のお話を聞いて、日本の寄附制度控除というのは国際的には実は優遇されているほうだということをお聞きしました。私は意外だったんですけれども。しかし、その運用がうまくいってないということと、運用そのもののシステムの認知というのがまだまだ足りないんだということをおっしゃっていました。
先日、前橋市でも、中心市街地のにぎわい再生で成果連動型民間委託方式、SIBを活用するという報道がありました。近年でも、ふるさと納税ですとかクラウドファンディングですとか遺言による寄贈ですとか、いろいろお金に自分の思い、意思を乗せる人が増えてきているなと思います。県としても、社会的投資の様々な仕組み、また、志のお金、資金の地域循環の手だてというのをしっかり研究してほしいなと思っています。
〔資料②提示〕ここでひとつお示しさせていただきたいのは、これは東近江市版SIBということで、滋賀県の東近江市のものです。少し説明をさせていただきますと、まず市と三方よし基金、中間支援組織とプラスソーシャルインベストメント、これはファンドをつくれる金融ですね、ここがまず提携をしておりますと。課題抽出をします。例えば子ども食堂をつくろうということになれば、子ども食堂を、ここがみそなんですけれど、例えば高崎市の南八幡地域でつくろうとなったときに、出資してくださいということで下ろします。出資者というのは、やはり南八幡地域の人が多いんですね。で、出資をします。その出資を資金として、子ども食堂を担っていただくNPOに資金を渡すと。サービスを市民に地域に提供しますと。そうすると、こういうことになりましたという成果報告を第三者機関と、またこの協定機関にしっかりと報告をして、この第三者機関が成果をしっかりと評価した上で、ここに戻すんですね。その中で有効だったと思ったときに、きちんとその成果が達成したというときに、その場合によって成果を、これは成果報酬と書いてありますけれども、還付、市民にお金を還付するという仕組みです。これはまさしく三方よしの仕組みだなと思っていますけれども、特徴がハンズオンといって、ただ単に投げるのではなくて、きちんとここが伴走しながらしっかりと地域も含めてやっていくということと、あと、地域の問題を地域も一緒になって解決していくということと、あとは人のつながり、これはSIBというシステムなんだけれども、実は社会関係資本という、ソーシャルキャピタルという人間の関係の濃さというものの上に成り立っている仕組みなんですね。まさにコロナで今、人のつながりが裂かれていますけれども、それを回復させるのに非常にいい、お金が回るということだけではなくて、人のつながりをもう一度やっぱり見直すという中でもすごくいいものだなということを感じました。
NPOとかいろんな団体を私も見てきましたけれども、本当に必要な団体なのに全然ここにお金が回ってないんだとか、時に本当に自分の持ち出しでやっちゃっていて、これは持続可能じゃないなとか、自己破産しちゃったような人も私は見てきています。そうすると、その周りの人、そこに頼って生きていた人というのが本当に困るという状態もございますので、やっぱりここはしっかりと政治として仕組みを整えて、社会としてしっかりと支援するという体制をつくらなきゃいけないんだと思います。社会課題は複雑化していますので、まずは公助でもちろんやるということが大切だと思いますけれども、人的、財政的にも持続可能を鑑みて、社会全体での互助・共助による支え合いの仕組みというのもしっかり整えなきゃいけないんだと思います。官民共創として、この東近江版も含めてSIBの仕組み等の研究を始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎友松寛 総務部長 お答えをいたします。
人口減少社会におきましては、複雑・多様化する社会課題に対しまして行政だけでできることは限られますので、地域のコミュニティやNPO、企業など、多様な主体が行政とともに課題解決に向けて参画することが求められております。ソーシャルインパクトボンドは、社会課題の解決に賛同する住民や企業の出資等による民間資金を活用しまして事業を実施し、その成果に応じて行政が対価を支払う手法でありまして、総合計画ビジョンで目指している官民共創コミュニティの思想と相通ずるものと考えております。また、昨年度策定した行財政改革大綱におきましては、多様化する県民ニーズへの対応や厳しい財政状況において、業務効率を可能な限り向上させていくため、ソーシャルインパクトボンドの活用について検討することとしております。このソーシャルインパクトボンドにつきましては、昨年の国の骨太方針において、健康や就労支援等の社会的事業での積極的な活用も明記されておりまして、議員御指摘の東近江市をはじめ、一部の自治体で事業が実施されています。また、本県では、先ほど御指摘ありましたように、前橋市がまちづくりの分野で導入するとの報道がありました。この制度には、地方自治体のほか、事業に対する資金提供者、成果を評価する第三者機関など、多くの関係者から成るコンソーシアム、連携の仕組みをつくる難しさもありますけれども、民間の資金やノウハウの活用によりまして、質の高い行政サービスの提供が期待できるものであります。
県といたしましては、今後、ソーシャルインパクトボンドの仕組みを具体的にどのような事業で活用していくのが効果的か、検討するとともに、東近江市の先進事例のように、様々な地域課題に継続的に対応できる仕組みにつきましても研究を進めていきたいと考えております。
◆高井俊一郎 議員 ありがとうございます。ぜひ様々な制度あると思いますので、研究をしていっていただけたらと思います。
コロナ禍で思うことは、まだ世の中にはおせっかいというのが必要なんだなということをすごく感じています。私も、今日ここでお話をしようと思ったんですけれども、社会の責任だとか政治の責任だと言っていますので、自分も、この仕組みを自分の住んでいる南八幡地域と、隣の倉賀野でつくりたいなと思っています。ITリテラシーと子どもの居場所というのを地域のお金を回してつくりたいと思います。実はこの後、これが終わったらその場所の契約に行ってきます。ということで、総務部長ありがとうございました。
続きまして、教育長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 教育長、答弁席へ。
(平田郁美教育長 登壇)
◆高井俊一郎 議員 まず、不登校について、教育長、お伺いさせていただきます。
コロナ禍において、不登校の相談が、私のところに来る相談が非常に多くなったなということを感じています。聞いたところ、コロナ禍の推移の統計というのはまだ出てないということをお聞きしましたけれど、感覚的に増えているなと思います。ちなみに2019年の文科省の調べによると、2019年の不登校の児童数は16万4,528人で、前の年から2万人増えているということです。不登校の全体の割合は1.7%で、7年連続増加傾向だということなんです。
不登校の原因って多分いろいろあると思うんです。いじめだったり、先生とかクラスになじめない子もいると思います。また、無気力とか、今だったら感染に対しても本当に不安になっちゃっている子どももいると思います。また、家庭の問題等もあると思います。原因は様々だと思います。そんな不登校が増えている中で、居場所を提供してくれるフリースクール、オルタナティブスクール、ここではフリースクールとさせていただきますけれども、民間施設が県内に大分増えていると思います。私の調べたところ、16校ぐらいあるのかなと思います。まず、学校と民間施設の関係性についてお伺いさせていただきます。
〔資料③提示〕今までは学校しかない、選択肢がないということだったと思うんですね。その中で、今、多分ここの真ん中にあると思うんですけれど、学校と、またフリースクールができて、ここが多分うまく連携が取れていればいいんですけれども、私がいろいろ何人にも聞くところによると、やっぱりこの連携が取れてなくて、学校かフリースクールかという形になっちゃっていると思うんですね。本来であれば、ここは補完機能であるはずだと思います。なので、学校プラスアルファという形で、お互いにやっぱり手が届かないところを補完し合うというところを構築しなくてはいけないと思うんですね。そのことによって、ここにも書いてありますけれども、子どもに対してもそうだし、教員も親も可能性が広がるよということだと思います。全国的にも、N校とかS校の存在感が強くなってきていますけれども、やっぱり相互補完関係というのを構築するべきだと思っています。
文科省でも、令和元年10月25日の通達で、本人の希望を尊重した上で、様々な関係機関等を活用して社会的自立への支援を行うこと、その際フリースクールなど、民間支援やNPO等と積極的に連携して、相互に協力・補完することの意義が大きいこととあります。私、今回20人ぐらいヒアリングをさせていただきました。不登校になっちゃったよという子どもの親御さんとさせていただきましたけれども、その中で、ある1人の話ですけれども、その子は3年間、3年近く学校に行けなくなった。その子はやっと見つけた榛名の里山学校というところで、自然の中で週に2回、3回ですか、自然と触れ合ってたくましさというのが出てきたと。ある日、3年行けなくなっていたのに、そこに通ったら3か月ぐらいで、「俺、お母さん、学校行くよ」と言って、学校に帰れたという事例を聞きました。まさにこれは補完機能だなと思いました。そのお母さんが言っていたのは、これが一番声が大きかったんですけれども、子どもがやっぱり不登校になったときに、どこに相談していいか分からないと。もう本当に自分だけで抱え込んで、情報をどこに行ったら取れるかというところをすごくおっしゃっていました。要は、学校とここ、このフリースクールがやっぱりきちんとつながってほしいんですね。特に情報共有ができることだけでも全然変わってくると思っています。今後、フリースクール等をどう活用して、また連携していくかというのをお聞かせいただけたらと思います。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
不登校児童生徒に対して、社会的自立に向けた様々な支援が行われていますが、不登校児童生徒の増加傾向は、議員御指摘のとおり、続いています。今まで以上に個に応じた適切な支援や働きかけを行う必要があると思います。各学校では、不登校児童生徒への担任による対面での働きかけに加え、ICTを活用したオンライン事業等を取り入れるなど、個々の状況に応じた支援を促進しています。また、スクールカウンセラーの面談を取り入れるなどして、不登校児童生徒やその保護者の心のケアに組織的に取り組んでいます。
一方で、不登校児童生徒の学校外の学びの場として、市町村が設置している教育支援センターや、フリースクールなどの民間施設やNPO等の役割が大きくなっています。学校と連携・協力し、不登校児童生徒の多様な指導、支援を実現していただいています。例えば不登校であった中学生が教育支援センターでの支援を受け、高校進学を果たしたケースや、学校生活で自信をなくしてしまった小学生が民間施設等に通い、自然体験や様々な人と関わる中で、自ら学校復帰に向かったケースなどがあります。教育支援センターが民間施設等と協力して、オンラインによる学習支援を実施するなど、学校外の施設との連携も進んでいる状況です。
議員から御質問のございました、不登校児童生徒や保護者を対象とした相談窓口やNPOフリースクールなどについての情報提供については、教育支援センターが行っています。学校では、教育支援センターと連携して、不登校児童生徒の状況に応じて個別に行っています。県教育委員会では、多様な支援を実現するための学校外の施設とのなお一層の連携に取り組み、不登校児童生徒の個々の状況に応じた支援の充実に努めてまいります。
◆高井俊一郎 議員 いや、教育長、答弁分かるんですけれども、もうちょっと気持ちを入れてほしいと思います。教育支援センターが教えてくれなかったから、こういう状況が起きているんじゃないですか。しっかりと対応していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、高校生の就職についてということで、そのまま教育長にお伺いさせていただきます。
高校生の就職活動は、大学と違って1人1社制を採用しています。〔資料④提示〕1人1社制、皆さん御存じですかね。高校生は、就職をするときに大学生と違って、基本1人1社しか応募ができない。これは制度ではなく慣習、慣例なんですけれども、高校生は1社選考を受けて内定をもらった場合、大きな理由がない限りもう就職活動を終了しなくちゃいけない。じゃ、どうやってここを結ぶかというと、担任の先生が成績順に選んでいるということです。担任の先生は、求人票、紙で判断している。これは70年前にできた団塊の世代、高度成長期など、企業側が強かったときの慣習で、現在は、高校生は逆転して、求人は売手市場なわけです。問題は、ほぼ求人票のみでその情報を選択しなくてはいけないという現状、昔と変わらない情報収集方法なんだと思います。今であれば、インターネット等を使えばいいと思いますけれど、まだ変わっていません。ちなみに、離職率は今4割だということです。
若者に、人生の選択を渡してないということは、これは一番僕は問題だと思っています。先日、文科省と厚労省から見直しの通達が出ました。〔手持ち資料提示〕これはそのときの記事ですけれども、2省から通達が出ております。また、群馬県は、知事の下、始動人の育成とうたっております。1人1社制をどう捉えて、今後どう考えていくのかというのをお伺いさせていただきます。
◎平田郁美 教育長 お答えいたします。
新規高等学校卒業生の就職に係る応募、推薦の方向のあり方については、文部科学省と厚生労働省の指示により、平成14年度から都道府県教育委員会と労働局が共同で、都道府県就職問題検討会議を設置して、各都道府県の状況を踏まえた上、検討を行うとなっています。
本県でも毎年、県教育委員会と群馬労働局が共同して、群馬県就職問題検討会議を開催し、産業界、教育関係機関、行政、職業安定所が参加して議論を行っています。今年度は4月28日に開催され、9月5日の応募開始の時点では1人1社の応募とし、10月1日以降は、1人2社までの複数可とすることが決定され、公表されました。
1人の生徒が応募できる企業を一定期間1社のみとする、いわゆる1人1社制は、全国の学校、企業で広く普及定着しており、現在、秋田県、和歌山県、沖縄県の3県を除く全ての都道府県で採用されています。厚生労働省と文部科学省が設置した就職問題検討会議ワーキングチームによる就職慣行の在り方に関する検討報告によると、1人1社制について、高卒で就職した卒業生、それから企業、職業安定所、学識経験者等からおおむね肯定的に受け止められています。就職を希望する生徒は、キャリア教育などの適切な職業観、勤労観を身につけた上で、自ら興味のある企業を調べ、企業訪問等への参加をするなどを経て、多くの企業の中から1社に絞り、最終的な応募先を決定しています。各学校は、生徒が自らの適性や進路希望に合う企業を選択するよう就職指導を行っており、現状では、1人1社制は生徒と企業のマッチングにおいて一定の役割を果たしているものと考えています。しかし一方、議員御指摘のとおり、1人1社制は、就職の選択肢が少なくなるなどの幾つかの課題も承知をしております。
高校生の就職に関して最も大切なことは、生徒が自分の適性や将来設計をよく考え、自分の強みを生かせる進路先を主体的に選択することです。就職慣行に対する検討についての国の通知も踏まえ、他県の動向等を注視するとともに、群馬労働局との連携を図りながら、適切な就職制度のあり方について引き続き検討してまいります。
◆高井俊一郎 議員 なかなか、1人1社制の工程がほとんどの答弁でしたけれども、そうではなくて、始動人とうたっていて、世の中これだけ変わっているんだから、変えていかなきゃいけないんじゃないかということです。
ちょっと話飛んじゃいますけれども、次で使うパネルを出させていただきます〔資料⑤提示〕。これは次の知事とお話ししたかったパネルですけれど、先に出しました。自分で国や社会を変えられると思うかという質問に対して、日本財団が行った18歳、17歳と19歳の子もいると思いますけれども、対象にした、日本、断トツ18.3%、最下位なんですね。これは非常に私は問題だと思っています。くしくも5月27日の朝日新聞の電子版で、教育長が同じエビデンスを使って、これに対して、自信がない、人任せという18歳の増は18歳にとって幸せなことではない、自分で考えて行動する、それを身につけるための
教育イノベーションが必要だと述べております。本当にこれを読んだときは、まさしく同感だなと思いましたけれども、ただ、今の答弁、その前の答弁というのは、もう正直つながってない気がいたします。もちろん、教育長の言葉で、答弁書があって、教育長の言葉だと思いますけれども、しっかりとやっぱり始動人というところとコミットしていただいて、きちんと世の中の流れというところがあって、変えるべきところは変えてほしいなと思います。
次の質問は割愛させていただきます。教育長、ありがとうございました。
次に、知事お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆高井俊一郎 議員 我々議員にとって65分しか、1年間に与えられてないんです。私たちにとってすごく大切な65分なんです。知事、よろしくお願いいたします。同じパネルを使って質問をさせていただきます。
もちろん知事、この大切さはすごくお分かりだと思います。だから始動人というお言葉をつくられたんだと思います。中で、我々県議会でも平成27年から、GACHi高校生×県議会議員というのを行っております。私は、昨年の11月2日だったと思いますけれども、久保田先生と福重先生と当時の萩原議長と一緒に、共愛学園で高校生の提案をいただいてきました。その提案の内容というのは、勇気の日という提案でした。ウィキペディアに載っていますので、ぜひ皆さんお調べいただけたらと思いますけれども、勇気の日とは、端的に言うと正義を実践できる勇気、人に優しくできる勇気、苦手なものに挑戦できる勇気を身につける日のことで、2000年に開催した参議院の子ども会議、まさに知事そこにいらっしゃったんじゃないかなと思いますけれども、共愛学園出身の現アナウンサーをしている相内優香さんが提言したということです。当初は、知事にぜひ勇気の日を採用してほしいというような質問をしようと思ったんですが、これを見てよく考えて、そうじゃないなと、私のやるべきところはその場をセッティングすることなんだなと思いました。私、青年会議所のときの委員長で、もしも私が市長になったらという、市民が――当時松浦市長でしたけれど――松浦市長に提案するという場をつくって、非常に、自分で言うのもなんですけれど、いい事業だったんですけれども、そういうソーシャルデザインも使って、若者たちの生の声とか提案というのを知事が受けていただくことによって、この数字が変わってくると思いますが、いかがでしょうか。
◎山本一太 知事 御質問ありがとうございます。
勇気の日を覚えています。村上正邦幹事長の時代だったと思いますけれど、参議院が始めだから参議院が中心になって勇気の日をやって、そのときの子ども国会で出てきたのが、これが勇気の日だったということも思い出しました。
こういう行動は、積極的な行動、世の中の流れに関心を持って自分の頭で考えて発信しようというのは、これは非常にいいことだと思いますし、高井県議の口からも何度も出ている始動人、新・総合計画のビジョンの始動人、つまり自分の頭で考えて新しいことに挑戦する一歩を踏み出す勇気を持つということと、ある意味、方向性は同じだというふうに思いますので、これは非常にいいと思います。これはかなりショックな図なんですけれど、大体こういう調査をすると、日本って先進国でびりなんですよ、いつも。夢があるかどうかも含めて。非常に深刻だと思いますが、やっぱり若者の考えを直接聞くって大事だと思います。STEAM教育やっていて、中島さち子さんのおかげで、吾妻中央高校、元中之条高校ですね、あそこでやったときの発表会にも行きましたし、32階のNETSUGENでやった始動人Jr.キャンプ、この発表会にも行ったんですけれども、やっぱりプレゼンはすごくすばらしいと。みんな自分の頭で考えて自分の考えを発信すると。こうやって子どもたちとか児童生徒が生き生きやっているのを見ると、群馬県の未来も暗くないなというふうに思います。
知事として個人的に言うと、県立女子大で講義を持ちました。セメスター13回、全部私が行った、結構ほかには例がないと思います、全部やりましたから。それから、群馬大学も、グローバルフロンティアプログラムみたいのがあって、そこで3回講義やったんですけれど、県立女子大生の感性の豊かさにも感銘を受けたし、群大生ってすごい優秀だなと思って、私自身も大変刺激になりました。向こうも、知事に初めて会ったと。県立女子大のある学生は、政治家というものに初めて会ったと。政治家ってこういう人だったんですねと言うから、あまりスタンダードに考えると勘違いするんじゃないかと思っているんですけれど、私が普通の政治家だと思わないでくれと言ったんですが、向こうもすごく刺激を受けて、地域の課題とか県のことに興味を持ったということなんで、こういうことはどんどんやっていきたいというふうに思います。始動人、誰もが持っているかけらを磨いていくためにも、若者との意見交換って大事だと思いますし、今日改めて高校生の話が出たので、せっかく高井県議から提言を受けたので、高校生とも何らかの形で少し意見交換ができないかというのをちょっと今、県庁内でも議論を始めていますので、どこかでやりたいと思います。普通にやってもあれなので、少しいろんな要素を盛り込みながら、少し面白いやり方はできないかなと思って、ちょっと議論も始めましたので、またそれが決まったら、発信をさせていただこうというふうに思っています。また、引き続きいろんな知恵を貸していただければ幸いです。
◆高井俊一郎 議員 ありがとうございます。
山本知事だから、多分そこはすごく上手にできて、この数字がばんって上がる可能性を僕は秘めているんだと思います。よろしくお願いいたします。
引き続き知事にお残りいただきまして、DXと守るべき価値ということで、何を守り、何を革新していくかという質問をさせていただきます。
コロナとともにDXはもう加速しています。文明の転換期だと思っています。変革期には、進む一方で歴史的にやっぱり多くのものを失っているんですね。例えばですけれども、1860年に、小栗上野介が80人の侍と、まげを結い、紋付で刀を差してニューヨークのブロードウエーを行進しているんです。そのときに、東洋の神秘を一目見ようといって50万人のアメリカ人が集まって大盛況だったということですが、僅かそこから11年後、岩倉使節団が、その写真を見たことがあると思いますけれど、みんな散切り頭で洋服を着ているんですね。多分アメリカ人はがっかりしただろうなと思います。そのように10年、20年、たった10年、20年でがらっと変わってしまう順応性というのが、よくも悪くも日本人にはあるんだと思います。
私はこう見えて神社の神主ですけれども、日々感じている、特にここ5年、10年で感じていることは、もう毎年毎年、伝統芸能ですとか、地域のずっと何百年も続いてきた、大切にしてきたものがなくなっちゃうんだなというものを見ています。例えば里神楽ですとかしゃぎりのようなものですとか、あと道祖神祭りですとか、うちの神社だと、お祭りの前の日にどこの地域も昔、旗を立ててたんですね、そういうものだとかが一気になくなっているなということを感じています。失われたものというのはやっぱり基本的には返ってこないんだと思います。
他方、私はちょっと前までほかの神社のコンサルを、中川政七商店さんとも一緒にやっていたんですけれども、そこで何をやるかというと、まずそこの神社に入って、その神社の歴史とかその地域の文化とかというのを徹底的にまず調べ上げるんです。その中で、何が強みか、どういうエビデンスを基に、エビデンスはなかったりするんですけれども、物語をつくって、その物語をどうブランディングさせていくかということを考えてきました。御承知のとおりシュンペーターの言う新結合、イノベーションというのは新結合じゃないですか。そうすると、もちろんDXとかデザインというものは大切なんですけれども、それはやっぱりもともとの係数、アナログである係数があっての掛け算。だから、DXはもちろん大切なんですけれども、こっちのアナログをどれだけ輝かせるかということも、同時に大切なんだと思います。
これはエドマンド・バークが言った、保守するがための革新なんだと思います。日本の、わび寂とか哀れとか、日本人の特性の感性と、新しい、その都度その都度で入ってきた、歴史で入ってきた感性、技術というのが掛け算で、日本は今までいろんなものを生んできた、新しいものを生んできた。これはやっぱり価値だと思うんです。その中で、この感性を崩さないためにも、やっぱり伝統文化みたいなものも、残すものは残していかなくてはいけないと思っています。知事にそこをお伺いしたいんですけれども、早い流れの中、すばらしいアナログというのはやっぱりいいあんばいに残していきたいと思っていますが、御所見をいただけたらと思います。
◎山本一太 知事 高井県議の感覚はよく分かります。相当考え方が近いなと思っています。一言で言うと、今、デジタル化が加速すると、さっきちょっと井下県議との質疑の中でなかなか言えなかったんですけれど、デジタル化って技術だけじゃなくて、社会とか制度とか考え方も全体に変えると、こういう流れでやってはいるんですが、しかし、デジタル化が加速する中でも、やっぱりアナログとデジタルのバランスはとても大事じゃないかと、こういうことを恐らく高井県議はおっしゃっているんじゃないかと思います。
今日も大事な質問があって、いろいろ県議としてやらなきゃいけないのがあると思うんですけれど、本当はこれだけでやりたかったんですね。これだけで1時間、原稿抜きでやれればなと思うんですけれども、そうもいかないんで、少し原稿にも沿ってしゃべらなきゃいけないんですけれど、新・総合計画ビジョンで、相当何度もここで説明させていただいたんですけれど、20年後のビジョンを実現するために2つの、いろんな手段を語る上で2つの方向軸ってつくりましたよね。1つの方向軸が、持続性、安全性ですよね。横軸。縦軸が、新しい価値の創造だったと思うんですね。新しい価値を創造するというのは、さっき井下県議との質疑で出たデジタル化もそうなんですけれど、デジタル技術だけじゃなくて、やっぱりさっき言ったキーワードの群馬県の土壌と融合したデジタル化というのが物すごく大事なんだというふうに思います。群馬の土壌と融合したデジタル化というのは何かというと、さっきもちらっと言いましたけれども、群馬県に根づいた、まさに伝統とか文化とか考え方とか、物とかサービスもそうですけれども、そういうものとデジタル技術が掛け合わさって、ほかの地域にはない群馬県独自の魅力とか、やっぱり新しい価値を生み出すというのが一番大事なんだというふうに思っています。
湯けむりフォーラムなんかもちゃんと高井県議に見ていただいているんでうれしく思っているんですけれど、落合陽一さんと議論したときに、落合さんは、今言った掛け合わせのことをデジタル発酵と呼んで、よく分からないけれど、分かるような分からないような、デジタルが発酵するみたいなのがポイントなんだというふうに言っていたんで、これはビジョンの中でも考えを引用したんですけれどね。例えば同じ製法で造った日本酒だって、やっぱり地域によって味が違う、コクが違う、風味が違いますよね。それはだって、まず水が違う、お米が違うということで、やっぱりそれぞれの地域に合った特性に合ったお酒ができるということなんだと思います、分かりやすく言うと。
そこで、デジタル化ということについて言うと、これも高井県議と多分同じ感覚だと思うんですが、私の知事の番組「直滑降ストリーム」で、平井卓也デジタル改革担当大臣と対談したときに平井さんが言っていたのは、自分たちが目指すのは、デジタルというものを意識しないで、気がついたら便利になる社会だと言っていたんですね。これは非常に名言だなというふうに私は思いました。デジタルって何でもデジタルにすることじゃないと思います。これも湯けむりフォーラムで、高井県議が見ていただいたっておっしゃったと思いますけれど、ドワンゴの夏野剛さん、この人も時代の最先端を行く人ですけれど、夏野さんが、デジタル化って何でもデジタルでやるということじゃないと、デジタル化というのは、人と人とのよりよい関係をつくるための道具なんだというふうにおっしゃっていました。そうじゃなかったら、社会をデジタル化していく実装する意義というものが、もともと私はないと思います。
私、高井県議のほうが恐らく進化した生物なんで、ちょっと古い世代の人間なんですけれど、さすがにコロナ禍で、群馬県もデジタル化せざるを得なくなって、実は人と会うのがこんなに好きなのに、ほとんどウェブの会議みたいになっちゃって、バーチャルやって、月曜日は無理やりテレワークという日をつくって、無理やりにテレワークやっているんですね。だけど、テレワークでも別に会議はできるんです。でも、改めて思うのは、やっぱり時にはリアルで接したいですよね、こうして。人は、バーチャルだけでは生きられないということを改めてこの1年間で感じました。やっぱり一番大事なのは、何度も言っているように、リアルとバーチャルが合わさったハイブリッドだと思うんです。これは使い分けだと思うんで、アナログとデジタルについてもきっと同じことが言えるんだと思うんですね。
いろいろと神社のお話がありました。神社に実は、別にお世辞じゃなくて、とっても興味があるんですけれど、例えば草津温泉、源頼朝が見つけて1000年の歴史がある草津温泉でも老舗旅館でも、やっぱり今も生き残っているところというのは、もちろん守るべきものは守りながら、時代に合わせて変えるべきところを変えたところなんですね。だからやっぱりこれは両方必要なんだろうというふうに思います。山名八幡宮、3回ぐらい行きました。2回は会いに行ったんだけれど、1回はふらふら散歩したのね。非常に風情があるところだなと思っているんですけれど、やっぱりあそこのよさというのは、そういう伝統に革新的なものを一生懸命、高井県議が考えて織り込んだと。だからデザイン賞なんかを取っているわけなんですけれど、こういうところが脚光を浴びるんだと思うんですよね。別にデービッド・アトキンソンと仲よしだから言うわけじゃないんですけれど、私は寺社を中心としたまちづくりってすごく面白いなというふうに思っています。守るべきアナログ、進めていかなければいけないデジタル、この2つを融合していくというのは、つまりこのあんばいよくしていくというのは、伝統と革新をうまくあんばいしていくということと同義語だというふうに思っています。
いずれにせよ、新・総合ビジョンを実現するために、落合さんの言葉をよく使っていますが、デジタルをうまく発酵させて、アナログとデジタルをうまく混ぜて、とにかく革新と伝統をうまく混ぜて、やっぱり非常に特徴のある、魅力のある、ほかにない価値を持った群馬県をつくり上げていきたいと、改めて今、高井県議のお話を聞きながら強く思いました。
◆高井俊一郎 議員 知事、ありがとうございます。本当に知事からその言葉が聞きたかったです。聞けてよかったです。ありがとうございます。
続きまして、宇留賀副知事、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 宇留賀副知事、答弁席へ。
(宇留賀敬一副知事 登壇)
◆高井俊一郎 議員 今、知事からお話があったように、デジタル発酵はたしか2019年でしたか、宇留賀副知事がサウス・バイ・サウスウエストで、日本パビリオンで、あそこで初めて出てきた言葉なのかなと思っています。あと5分ですけれども、先ほど言ったように、日本人ってすごく順応性が高いと思っています。高度成長期は、大都市が主で地方が従という、産業構造が変わって一気に人の住み方まで変わってしまったと。今、デジタル田園都市と掲げましたけれども、やっとそれがデジタル化によって流れが変わってきたんだと思いますね。その中で、さっき言った、大都市が主で地方が従という関係性が変わってきて、相互補完関係になってきたんだと思います。〔資料⑥提示〕まさにこれはSDGsのウェディングケーキという図ですけれども、生態系があって自然があってその上に社会があってその上に経済がある、このことにみんなが気がつき始めてきた。特に都会に住んでいる人から気づき始めてきたんだと思います。その中で、群馬県の魅力というのがまた再発見される時期に来たんだと思います。
これは私の好きな榛名湖の写真なんです、私が撮ったんですけれども。ちなみに今ここ空き部屋なんですね。こんないいところが空き部屋で、私はこれをZoomの背景に使っていますけれども、非常にみんなにいいねと言われるんです。そうですね、もう時間がないのでひとつにまとめてしまいますけれども、まさしく群馬県の新しい価値というのがこれからどんどん出てくると思います。ひとつモデルケースとして、この県立榛名公園の新たな展開についてお聞かせいただけたらと思います。
◎宇留賀敬一 副知事 今年も議論の機会をいただきましてありがとうございます。本当は15分か20分ぐらいいただけたら結構熱い議論ができたと思うんですが、なかなかちょっとたどり着かずということで大変残念です。
榛名公園なんですけれども、榛名だけではなくて、赤城と妙義、それぞれ県立公園というところが主体の場所になっております。ここは非常に問題意識を持っておりまして、それぞれ自分も訪問して、結構じっくり議論しているというところがあります。このもともとの自分の問題意識というのが、アメリカの最初の国立公園であるイエローストーンに始まります。ちょうど留学時代にイエローストーンに行っていたんですけれども、自然を保護するという目的でできた国立公園なんですが、実際には非常に人がたくさん来ています。しかも入場料、お金を取るというところで、自然を保護するためにはしっかり人間が利用して、そこにお金を落としていかないと、保護していく資金がないというような考え方で、アメリカのほうは、そういうふうにやって国立公園を回して、大体1家族で35ドルぐらい、自分のとき、今はもう少し高くなっているかもしれませんが、1家族四、五千ぐらい、ほぼ全ての家庭が四、五千円みんな払って国立公園を維持していくと。そのときに、自然、つまり動物が住むところと人間が住むところを明確に分けて、ここから先は行っちゃいけないよというふうにしながら、しっかり自然を残していくというところがあります。
一方、日本の場合は、自然保護というところが非常に、公害の影響が強いと思うんですけれども、保護が強くて、利用活用、自然を楽しむというところが弱いというところがあります。ここの部分を、群馬県は大きく3県立公園あります、ここを変えていきたいというところがあります。先ほどからの議論で、榛名公園、自然が豊かというところもありますし、自然だけではなくて、社会的価値とか、文明的価値というふうに言ってもいいのかなと思いますけれども、昔から雨乞いの神様とか水の神様、そういったような形でほこらがたくさんあったり、また、文化人が伊香保とともに愛してきたというようなところ、こういうような価値というのは、やはり日本、特に群馬の中でも非常に貴重な部分だと思います。多分その上でワーケーションみたいな形のイメージもあると思うんですけれども、そういう形で、東京の人たちが移住してきたり、二拠点居住で、そういうワーケーションの拠点にするようなところもあると思いますし、3つの県立公園の中でいうと非常に広くできているので、例えばスポーツみたいなところで広くやってみたり、ただ単にスポーツをやるというだけじゃなくて、データサイエンスみたいな最新のものを入れて、伝統とデジタルが融合する、そんなような形で非常に可能性があるような土地だと思いますし、群馬県のひとつ代表的な場所に今後なり得るというふうに思っております。
○安孫子哲 副議長 高井議員、残り20秒です。
◆高井俊一郎 議員 自然と先ほどの伝統文化も含め、群馬県には本当にすばらしいアナログがいっぱいあって、それを山本知事の下、DXとかデザインと掛けて、群馬県の可能性は無限大だと思います。
以上で質問を終わります。(拍手)
○安孫子哲 副議長 以上で高井俊一郎議員の質問は終わりました。
● 休 憩
○安孫子哲 副議長 暫時休憩いたします。
10分後に再開いたします。
午後2時25分休憩
午後2時35分再開
● 再 開
○安孫子哲 副議長 休憩前に引き続き会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
● 質疑及び一般質問(続)
○安孫子哲 副議長 森昌彦議員御登壇願います。
(森 昌彦議員 登壇 拍手)
◆森昌彦 議員 皆さん、こんにちは。自由民主党、邑楽郡選出の森昌彦でございます。本日、3度目の一般質問の機会をいただきましたことを御礼申し上げます。
まず初めに、新型コロナ感染症拡大防止対策につきまして、医療従事者の皆様及び各関係機関の皆様、そしてまん延防止対策に御協力をいただいている全ての県民の皆様に、敬意と感謝を申し上げます。また、日頃より御支援をいただいております地元邑楽郡の皆様、群馬テレビやインターネットを御覧の皆様へこの場をお借りしまして、心より感謝を申し上げますと共に地域のさらなる発展のために、皆さんの声を県政へお届けしてまいります。
今回は、手話通話の方に御協力をいただいております。知事はじめ執行部の皆様におかれましては、ゆっくりと、そして前向きで簡潔な御答弁をよろしくお願い申し上げます。
それでは、質問席に移り、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
知事、よろしくお願いいたします。
○安孫子哲 副議長 知事、答弁席へ。
(山本一太知事 登壇)
◆森昌彦 議員 職員の人事交流についてお伺いいたします。
改めまして、知事におかれましては、新型コロナ感染症防止対策に御尽力をいただいておりますことに深く感謝を申し上げます。
さて、本年度より、群馬から世界に発信するニューノーマル、誰一人取り残さない自立型分散社会の実現へ向けて、新・総合計画に基づき各施策を実行していくためには、国、市町村との相互理解や、民間企業を含めた連携強化が何よりも重要と考えます。既に県としても、国や民間及び市町村との人事交流を行い、職員一人ひとりの技術や知識などの資質の向上を図っておりますが、今後多様化していく行政サービスに向けて、さらなる連携と人事交流が必要と考えます。
そこで、国や市町村及び民間企業との連携強化のために、人事交流を今後どのように進めていくお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。
◎山本一太 知事 山本県政では、外部の知恵とかリソースを取り入れていくための人事交流を非常に重視しています。ですから、県議のこの質問は大変うれしく思います。
知事に就任して1年10か月になりますけれども、トップマネジメントにも外部からの人材を積極的に登用してまいりました。例えばさっき質問に立った宇留賀副知事、これは当時の世耕経産大臣に直接会って、いい人を探してくれとお願いをして、新しい風を吹き込んでもらうために、最先端の知識を持った宇留賀さんを、全国最年少ですけれども、副知事として来ていただきました。さらには、平田教育長は民間初、女性初の教育長なんですけれども、これまでのICT改革とか
教育イノベーションにおける実績を買って、ぜひとお願いして教育長に就任をしていただきました。それから、経営感覚があって、民間出身の都道府県で唯一の企業管理者である中島企業管理者とか、あるいはもともとアドバイザーでお願いしていたんですけれども、腰を落ち着けて助けていただこうということで、新たにDX推進監になっていただいた岡田さんとか、さらには厚労省から来てもらった坪口病院局長、さらにはもう20年来の友人である宇佐美メディア戦略アドバイザー、それから、ボストン・コンサルティングの森原政策アドバイザー、こういう方々が幅広い視点、専門的な知識を生かして各分野で大変大活躍をしていただいております。
一方で、やはり大多数を占めるプロパー職員が物すごく大事だと思います。津久井副知事をはじめとするプロパー職員の皆さん。県庁職員の知識、発想力、モラル、これは知事として大変高く評価をしています。この間ある地方行政の雑誌が来たので、そのインタビューの中で、群馬県庁職員ナンバーワン説というのを唱えたら、ちゃんと記事に盛り込まれていてうれしく思いましたが、外部からの人材の力と、それからプロパー職員の能力、こういうものがしっかりと組み合わさって最大限の成果を発揮すると、組織としても最大限の能力を発揮すると、こんなふうに考えております。
プロパー職員についてですが、これも県議も御存じのとおり、連携の強化とか人脈構築とか人材育成の観点から、国、市町村、民間企業等へ積極的に派遣しています。メモ作ったんで正確に言いますが、国について言うと、今、各省庁に群馬県から12名の職員を派遣しています。一例を挙げると、昨年10月に、河野大臣の内閣府規制改革・行政改革担当大臣直轄チームにも派遣をさせていただいています。着任後速やかに群馬県からの規制改革の要望を関係省庁と折衝して、成果に結びつけてくれました。この間、河野大臣に会ったときも、わざわざ彼が同席して、大臣のほうから非常に頑張っていると言っていただいたので、知事としては鼻高々、本当にいい人を送ったなというふうに思っています。さらに、今月の21日から、西村大臣の下、内閣官房
新型コロナウイルス感染症対策推進室、ここにも職員を派遣しています。ここに派遣することによって、国の最新情報とか西村大臣の下で立案される様々な政策にも関わっています。
次、市町村についても、これも正確に申し上げたいと思いますが、いつも言っているように、市町村との連携はとても大事だというふうに思っておりますので、この考えを踏まえて、双方の理解を深める、あるいは将来を担う若手職員の視野も広げるという目的で、今、県から、メモによると、3市町村へ3名を派遣しています。同時に、18の市町村から27名を受け入れております。さらに個々の市町村が抱える様々な課題への対応を支援するため、3つの市に3名の専門的な知識、技術を持った役付職員というものも派遣を行っています。さらに、森県議から言及のあった民間企業への派遣は特に力を入れています。これも正確に申し上げますが、これまでは行っていなかった、例えば総合商社、丸紅とか、あるいは経営コンサルタント会社、ボストン・コンサルティンググループです、それからIT企業、LINE、こういったところへの派遣を、もう既に実施をしておりまして、今、県庁職員に最新の知見というものを学んでもらっています。
今後は、さらにコンテンツ関係の企業とかエンタメ関係の企業にもぜひ派遣したいと。例えばネットフリックスも念頭にあって、どうなるか分かりませんが、ネットフリックスにも送りたいなと知事としては考えております。つまり、県の内部では得られないノウハウというものがあるわけで、やっぱり知事の野望としては、10年で県庁内に県職員によるクリエイティブ集団をつくるという目的がありますので、こういう意味でいうと、もう1回言いますが、コンテンツ企業とかエンタメなんかにもどんどんどんどん、どんどんというか人を送って、いろんな知見を集めて、それをtsulunosの運営とか、これから群馬県の様々なデジタルコンテンツの発信にも生かしていきたいというふうに思っています。
県政において、最も重要なリソースは職員だと思います。職員の能力、潜在力を最大限に活用するということが、知事にとって最も重要な仕事のひとつだというふうに思っています。引き続き、積極的な人事交流を通じて職員の育成を図りながら、市とか、もちろん町村等とも国とも連携をして、円滑に行政運営を行ってまいりたいと思います。これはどこかで言いたいと思っていたんで、本当にいい質問ありがとうございました。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
知事の人事交流への熱い思いや考えをお聞きできました。引き続き、人事交流を積極的に取り組んでいただき、培われた見識や技術を市町村まで浸透させていただきたいというふうに思っております。
また一方で、県では全庁を挙げてデジタル化を推進している中、市町村においても、行政のデジタル化が重要なテーマでございます。専門的職員を有する職員も限られております。そうした課題を人事交流により解消できるものと考えます。また、人事交流については、地方創生人材支援制度などが用意されているというふうに思いますが、そういった中で、市町村へ率先して制度の活用を促す必要もあると思います。
知事におかれましては、スピード感を持って、ぜひ今後の円滑な行政運営が図れる人事交流の積極的な取組をお願い申し上げまして、知事への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
生活こども部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 生活こども部長、答弁席へ。
(平井敦子生活こども部長 登壇)
◆森昌彦 議員 消費者行政の充実における高齢者の消費者被害の現状と防止対策についてお伺いいたします。
近年、消費者を取り巻く環境は、高度情報化社会の進展につれて、消費者の利便性が飛躍的に向上しております。しかし、それに伴い、商品やサービスの形態や販売方法が複雑化かつ多様化しており、消費者被害のリスクは高まっております。高齢者を消費者被害から守るためには、相談窓口を充実することはもとより、被害を防止することや、最小限にとどめることが重要と考えます。そこで、本県の高齢者からの消費者生活相談件数の推移と、傾向及び被害防止対策についてお伺いいたします。
◎平井敦子
生活こども部長 お答えいたします。
最初に御質問いただいた高齢者からの相談の件数でございますが、把握しております統計の年齢区分上、60歳以上ということでお答えをさせていただきます。
県内の消費生活センターに寄せられました高齢者に関する相談は、過去5年間の推移を見ますと、平成28年度から30年度にかけては増加傾向にありまして、件数も1万件を超えておりましたが、その後は減少傾向にございます。令和2年度におきます高齢者に関する相談は、暫定値でございますが、6,954件で、前年度と比べまして2,094件減少しておりますが、全体の相談件数の中に占める割合といたしますと41.3%と、依然として高い割合を占めております。
相談内容といたしましては、架空請求や迷惑メールなどに関する相談が1,077件と、最も多うございまして、次いで、有料サイト、インターネット接続回線などの情報通信などに関する相談が多く寄せられているところでございます。
これらの被害の防止対策といたしまして、県では、通常業務、日常業務の中で高齢者に接することの多い生活協同組合などの11事業者と、平成26年3月以降、順次、見守り協定を締結しておりまして、事業者によります見守りや声かけ、消費生活センターへの誘導、情報提供などによりまして、被害の未然防止と拡大防止に努めているところでございます。また、啓発用のリーフレットや、最新の消費者トラブル等を掲載いたしました機関誌でありますぐんまくらしのニュースを作成いたしまして、市町村や社会福祉協議会、地域包括支援センターなど、高齢者の身近な場所に配布しますとともに、各種広報媒体を活用いたしました注意喚起を行っているところでございます。また、
新型コロナウイルス感染症に便乗した悪質商法など、高齢者を狙った手口は日々変化し、巧妙化しているところでございます。こうした消費者被害から高齢者を守るためにも、引き続き市町村など関係機関と連携した取組を進めてまいりたいと考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
最近は相談件数が減少傾向にあるとのことですが、高齢者の占める割合は高いようでもあります。県では、被害防止に向けた啓発活動や高齢者対策として事業者の協力を得るなど、被害の未然防止に取り組んでいますが、今後も関係機関などと連携強化して、より一層、被害防止に取り組んでいただけますようにお願いを申し上げます。
引き続き、
生活こども部長へ、
消費者安全確保地域協議会の設置についてお伺いいたします。
消費者庁では、消費者安全法を改正し、
消費者安全確保地域協議会の設置を推進しております。本県では、第2次群馬県消費者基本計画において、令和5年までには、
消費者安全確保地域協議会を5市町村に設置することを目標に掲げておりますが、進捗状況と今後の取組についてお伺いいたします。
また、市町村協議会設置促進のため、県の協議会設置についてどのようなお考えなのか、併せてお伺いいたします。
◎平井敦子
生活こども部長 お答えいたします。
高齢者や障害者、認知症などの判断能力の不十分な方にありましては、その被害が顕在化しにくいという傾向がございます。
消費者安全確保地域協議会は、地域に密着した見守り活動を通じまして、確実に消費生活センターに相談をつなぐための有効な手段のひとつであると考えております。このため、県では、令和5年度までに、協議会を5市町村へ設置することを目標に掲げまして、市町村を訪問いたしまして、協議会の趣旨や有効性について説明を行うなど、設置に向けた取組を行っているところでありまして、現時点では、渋川市さんに協議会が設置されているところでございます。
高齢者等の消費者被害を少しでも減らすために、今後も引き続きまして市町村を訪問いたしまして、協議会に関する設置の課題などの聞き取りを行いますとともに、既存の見守りネットワークの活用や先進事例を紹介するなど、協議会の設置に向けた支援を進めてまいりたいと考えております。
なお、県の協議会につきましては、市町村の協議会の設置状況を踏まえまして、改めて検討してまいりたいと、このように考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございました。
御説明をいただきましたが、渋川では協議会が設置されましたということで、他の市町村とも連携をし、設置に向けた取組を期待をしております。
また、県におかれましては、市町村協議会のリーダー的存在となるような、設置に向けて検討していただきたいと思っております。今後も質の高い相談、救済体制の充実に向けて取り組んでいただけますよう、よろしくお願い申し上げまして、
生活こども部長への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
環境森林部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 環境森林部長、答弁席へ。
(岩瀬春男環境森林部長 登壇)
◆森昌彦 議員 群馬県
気候変動適応センターについてお伺いをいたします。
地球温暖化対策が世界中で叫ばれている中、我が国でも、気候の上昇や大雨、高温による農作物などの被害が発生し、将来的にも様々な影響が生じる可能性があると言われております。
本県においても、健康被害や農作物被害も発生しております。国は、平成30年12月に気候変動の影響による被害の回避や軽減対策を推進するために気候変動適応法を施行しました。その中で、本年度、県では、群馬県
気候変動適応センターを設置したとお聞きしておりますが、その設置の状況についてお伺いいたします。
◎岩瀬春男 環境森林部長 県では、気候変動問題につきまして、温室効果ガスの排出削減対策、いわゆる緩和策と申しております、これと、気候変動の影響によります被害の回避・軽減対策、適応策というふうに申しております、この2つを車の両輪として対応しているところであります。
県内における気候変動の影響への適応につきましては、関係部局が連携協力して検討するため、2016年度、気候変動影響評価・適応策検討会、このような庁内組織を設置いたしまして、情報共有や意見交換、適応策の検討を行ってまいりました。令和元年東日本台風など、激甚化・頻発化する気象災害、ゲリラ豪雨、真夏日・猛暑日の増加など、地球温暖化の進展に伴い、気候変動の影響はさらに大きくなると、このように予想されているところであります。このため、新たに策定いたしました群馬県地球温暖化対策実行計画、この中のひとつの章といたしまして、本県の地域特性に応じた気候変動への適応策を定めまして、これを群馬県気候変動適応計画として位置づけたところであります。さらにこの適応計画を推進し、適応策を一層推進するため、本年4月、議員の御質問にありましたとおり、気候変動適応法に基づく群馬県
気候変動適応センターを設置したところであります。
群馬県
気候変動適応センターは、適応策推進の中核を担います気候変動対策課、これは行政部門でありますけれども、これと、気候変動に関して科学的知見を有する衛生環境研究所、研究機関であります、行政と研究機関との協働体制により運営しているところであります。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
県民の間では地球温暖化対策に大変関心が高まっております。本県でも、集中豪雨の増加や農作物の品質低下、さらには熱中症リスクの増加などは、気候変動が原因であるとのことであります。気候変動に関する情報について、県民をはじめ、事業者への情報発信をしていただきますようお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
引き続き、環境森林部長へ、同センターの今後の取組と国や市町村との連携について、お伺いいたします。
◎岩瀬春男 環境森林部長 本県は、標高12mの低地から2,500mを超える高地まで、変化に富んだ地形があります。その中に、県土の3分の2を占める森林、利根川に代表される多くの河川や湖沼、これが存在している状況であります。また、内陸性の気候でありまして、夏は40度を超え、また、冬は氷点下10度を下回る地域もあるなど、年間を通じて気温の変化が大きいなどの特性を有しております。さらに、全国有数の日照時間や標高差のある耕作地により、農業や畜産業が盛んで、また、輸送用機器をはじめ、高度な産業技術が集積しております。
このような地域特性を踏まえまして、群馬県
気候変動適応センターでは、農林水産業、水環境・水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動、国民生活、この7つの分野におきまして、県内における気候変動の影響や適応策に関する情報の収集・分析・発信をするとともに、関係部局や市町村等に対し、技術的助言を行うこととしております。また、県民の皆様に対しましては、引き続き、気候変動の影響や適応策を分かりやすくまとめました気候変動適応レター、これを定期発行いたします。また、動画配信等により情報発信することとしているところであります。さらに事業者の皆様に対しましては、気候変動のリスクを最小限に抑える戦略的なマネジメント、これや、気候変動の影響をチャンスに変える新しいビジネスモデルの構築などについても支援していく予定であります。
次に、国との連携につきまして、国や国の
気候変動適応センター、これは国立環境研究所に設置されておりますけれども、国とは引き続き、最新の研究成果や知見等の情報提供を受けるとともに、本県のデータや取組等を提供するなど、連携を深めたいと考えております。さらに、前橋地方気象台からは、これまでもいろいろな情報提供や分析をいただいております。引き続き、気象の各分野にわたる専門の知見をいただきたいと考えているところであります。
一方、市町村につきましては、地域によりまして地形や気象条件が大きく異なることから、それに合わせた適応策が求められております。気候変動の影響や適応策につきまして、情報共有を進めるとともに、適応策を進める上での課題を市町村と一緒に考え、市町村と一緒に取り組めるようにしたいと、このように考えているところであります。
今後とも、群馬県
気候変動適応センターを中心に、国や市町村と連携いたしまして適応策を講じるとともに、気候変動に関する情報を適時適切に発信することにより、気候変動の影響による被害の回避・軽減に努めてまいりたいと、このように考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
気候変動や温暖化から避けられない今、県
気候変動適応センターは大変大きな役割を担っていると思います。地球温暖化対策は、県民が一丸となって対応することが必要と考えます。気候変動による影響を注視して、地域に適した適応策の情報共有と発信ができる体制を構築するためにも、県と国及び市町村とさらなる連携を図っていただくことをお願い申し上げまして、環境森林部長への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
健康福祉部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 健康福祉部長、答弁席へ。
(武藤幸夫健康福祉部長 登壇)
◆森昌彦 議員 コロナ禍におけるがん検診についてお伺いをいたします。
日本対がん協会で実施したアンケートによりますと、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年のがん検診の受診者数は2019年比で30.5%減少したと調査結果が出ております。厚生労働省では、がん検診は不要不急の外出には当たらないとされておりますが、緊急事態宣言下では、受診を控える現状が顕著に表れております。がん検診は、早期発見と早期治療が極めて大切であり、受診率の向上は、県民の生命と健康を守る重要な施策であります。
そこで、コロナ禍における受診控えによるがん検診への影響と受診率向上に向けた取組について、お伺いいたします。
◎武藤幸夫 健康福祉部長 がん検診についてのお尋ねであります。
お尋ねのがん検診なんですが、これは議員も御指摘されましたが、それと同じように、群馬県の健康づくり財団の昨年のがん検診の実績を見ますと、やはり受診者数が大幅に減少しているということが分かりました。これはやはり
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言などによりまして、市町村のがん検診が中止になったりとか、あるいは延期となったことや、あるいはコロナ禍で感染を心配する県民の皆さんの受診控えというものがあったのではないかというふうに考えております。
がんは早期発見、早期治療が重要です。検診を受けないことで発見が遅れまして、がんが進行し、手術ができなくなったりとか、あるいは手術後に再発しやすくなるなど大きなリスクが指摘されております。コロナ禍におきましても、各検診機関は予約制ですとか、あるいは人数制限などで密を避け、しっかりと感染対策を行った上で検診を実施しておりますので、安心してできるだけがん検診を受診していただきたいと考えております。
また、日頃から自己検診を行い、症状があればすぐに受診していただくことも重要でございます。こうしたことから、コロナ禍のがん対策としては、「できればがん検診、自分でも自己検診、症状があったらすぐ受診」、これを受診の診を取って「3つの診」の実践を県民の皆さんに啓発をさせていただいております。
具体的には、医療機関や薬局、連携企業等にポスターを配布したほか、コロナ禍でのがん検診の様子、あるいは「3つの診」を紹介した動画ですとかリーフレットを作成し、がん検診の主体である市町村や連携企業等に周知を図ったところであります。また、今年度は、働く女性や主婦の方などが、通勤ですとか買物のついでに検診が受けやすいよう、市町村等と連携し、平日の夜、ショッピングモールなどで乳がん検診を行う予定も考えております。
現在県では、第3期群馬県がん対策推進計画において、がん検診受診率50%を目標としております。受診率の向上に取り組んでおりますが、今後も、市町村や関係団体、民間企業等と連携を図り、効果的な取組を行いまして、がん検診の受診率向上に努めてまいりたいと、このように考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
先ほど御説明いただきましたが、「3つの診」などということで、積極的にPRを行っているということですが、引き続き普及啓発をお願いしたいというふうに思います。
また、医療機関や医療従事者におかれましては、新型コロナ感染症防止対策などで大変苦慮していることと思いますが、ぜひがん治療は早期発見と早期治療が極めて重要でもあります。発見が遅れますと、やはり治療の選択肢を狭めてしまい、生存率にも大きく影響するものと思っております。ぜひ検診などのデータ集積や分析も迅速に行っていただき、がん検診の受診率向上に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、この質問を終わりにいたします。
引き続き、健康福祉部長へ、生活習慣病予防と効率的・効果的な保健指導についてお伺いをいたします。
近年、高齢化社会の進展により、健康寿命の延伸が一層求められる中、県民の健康への意識はより高まりを見せております。生活習慣病の増加とともに、社会保障費の増大が課題とされている中、栃木県では、個人の健診や医療などのビッグデータを基に、AI技術を用いて解析するなど、より効果的な保健指導を目指す取組が図られております。
そこで、本県においても、健診データやAI技術などを活用し、効率的・効果的な保健指導につなげることが重要と考えますが、県の取組の現状と今後の方針についてお伺いいたします。
◎武藤幸夫 健康福祉部長 お答えいたします。
高齢化が進展する中、全ての県民が生涯にわたり健康で生き生きとした生活を送ることは、県民の幸福度の向上につながるものであり、そのためには、健康寿命の延伸を図る必要がございます。県では、第2次健康増進計画、元気県ぐんま21に基づき、市町村や関係団体等と連携しながら対策に取り組んでいるところであります。
健康寿命の延伸には、生活習慣病の発症予防や重症化予防が重要です。特に本県は、糖尿病性腎症を原因とする新規透析導入患者の割合が全国でも高いことから、国民健康保険等の健診のビッグデータを用いて、糖尿病に関する地域ごとの分析を行い、その結果を市町村や関係機関に提供するなど、活用を図ってまいりました。また、データの活用に関する市町村向けの研修会も開催しており、一部の市では、健診データを活用して地区ごとに健診結果や生活習慣の傾向を独自に分析し、その結果を住民向けの健康教室等で活用している状況もあります。さらにデジタル技術を活用して健診のビッグデータを分析し、特定保健指導につなげる取組も市町村と共同して昨年度から実施しております。この事業は、血圧や血糖などの検査数値から、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを点数化し、健康状態を分かりやすく見える化した資料を対象者宛て個別に送付し、特定保健指導の利用や行動変容を促すものでございます。昨年度は、太田市と沼田市の2市で試行的に実施し、今年度は5市町村程度を計画しております。
県民の健康寿命を図る上で、各種健診や医療データを活用し、エビデンスに基づいた取組を進めることが重要です。これからも、ビッグデータの分析やAI技術の活用などにより、より効果的な取組について研究・検討を行い、全ての県民が元気に活躍できる健康長寿社会の実現に努めてまいりたいと考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
本県においても、2市のほうですか、2市町村というんですかね、その中で5市町村もこれからやっていくというような話もありましたけれど、ぜひ本県においても、そういったものを進めていただき、各種事業の効率化を図っていただきたいと思っております。
また、保健事業におかれましても、AI技術などを導入することで、県民の健康増進はもとより、業務の迅速化や医療費の適正化などにつながると考えますので、引き続きそういったところを御検討お願い申し上げたいというふうに思います。健康福祉部長への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
産業経済部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 産業経済部長、答弁席へ。
(鬼形尚道産業経済部長 登壇)
◆森昌彦 議員 地場産業について、特にニットをはじめとした繊維産業の振興についてお伺いをいたします。
かつて日本の基幹産業として発展してきた本県の繊維産業は、海外の安価な労働力と急激な円高により輸入品が増加し、繊維産業は厳しい状況が続いております。地域の発展には、企業誘致を図って雇用創出することも大切でありますが、本県の繊維産業は、長年にわたって築き上げられてきた素材や技術があり、可能性に満ちた産業と感じております。最近では、ニットに興味を持った地元の若い方がデジタル技術による製品を手がけ、ニットブランドを立ち上げました。そして、オンラインによるブランドの認知度の向上に取り組むなど、ニット産業を盛り上げ、太田といえばニットの町と認識してもらえるよう、ブランド力を高めて地域の活性化を図る動きもあります。
そこで、本県における繊維産業の現状と課題を踏まえて、ニットをはじめとした繊維産業の振興に向けた積極的な取組ときめ細やかな支援が必要と思いますが、県としての考え方をお伺いいたします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 お答えいたします。
本県のニット産業は、戦後、旧中島飛行機の技術を生かしてニット編み機を製造したことから始まり、首都圏からの交通の便の良さや材料である糸の入手が容易であったこと、こうした事情から、太田地域を中心に産地を形成してまいりました。しかし、近年では、御指摘のとおりライフスタイルの変化や海外衣料品の流入などによる需要の減少、また、経営者の高齢化や後継者不足など、ニットをはじめとした繊維産業を取り巻く環境は大変厳しいものがございます。ニットを含む繊維産業が、今後も将来にわたって事業を継続し発展していく上では、時代のニーズに合った新商品の開発や海外を含めた新たな市場の獲得、また、事業を担う人材の確保や技術の継承など、こうしたことが課題であります。
このため県では、地場の中小繊維事業者を対象に、繊維工業試験場において、新製品開発のための技術支援や基礎知識・技術習得のための研修を行うとともに、ジェトロ群馬などと連携した海外市場への進出支援事業なども実施しております。
太田地域には、無縫製ニットの生産で国内トップシェアを誇る中小企業や、超少量生産を強みに顧客を獲得している小規模事業者などが集積しております。2017年には、市内のアパレル企業が新たに太田産ニットのブランド化に取り組み、著名なギタリストとコラボレーションしたマフラーを販売したり、ニット産業に興味を持った若者が新たなブランドを立ち上げるなど、新しい動きも出てきております。
県といたしましては、こうした取組を後押しするため、今後、デジタル技術を活用した先進事例の紹介や、販売展開などをテーマとした新ビジネスモデル展開セミナーを開催することとしております。引き続き、産地組合や企業グループが行う販路開拓、人材育成などの取組を継続的に支援いたしまして、ニットをはじめとする県内産業、県内繊維産業の振興を図ってまいりたいというふうに考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございます。
部長より取組とか様々なお話を今伺うことができましたけれど、重複する点もあるかと思いますけれど、本県では、やはり桐生織が中小企業庁のJAPANブランド育成支援事業に、太田のニットが経済産業省の売れる地域ブランド育成・定着支援事業に採用されるなど、繊維産業の復興のやはり兆しも見えていると思います。太田市にある日本有数のニット製品企業である、やはり部長のほうもお話が出ましたけれど、会社のほうでちょっとお名前のほうも出していいということなんで出させていただきますけれど、株式会社イノウエ様では、デジタル技術を導入し、無縫製のニット製品をデザイン企画から製造、納入まで行っております。経営者はじめそこで働く方々は皆さん、活気あふれ、豊かな発想と独創性により有名ブランドの製品を手がけるなど、国内外を問わず品質と技術に高い評価を得ております。地元東毛地域のニットは、デジタル技術によるさらなる発展が見込まれます。
県といたしましても、この地域の繊維産業の振興と発展に向けて、きめ細やかな支援を前向きに取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。また、デジタル人材不足は全国でも課題でもあります。県としても、国や企業などと連携して、デジタル人材の育成、確保に向けた取組も検討していただきたいと思っております。
引き続き、ブランド力の向上と販路開拓について、お伺いをさせていただきます。
繊維産業の維持となる発展には、生産者の安定的な収入が不可欠であり、そのためにも、製品のブランド力を高め、販路を確保することが重要と考えます。県では、地場産品商談サイト「いっぴん!ぐんま」を開設いたしました。この商品の販売は、PRだけではなく、売手と買手のマッチング支援の役割を果たしており、大変意義のある取組と考えます。最近では、海外での日本文化への興味の高まりもあり、繊維製品における市場の拡大が見込まれております。
そこで、本県繊維産業の発展に向けたブランド力の向上と販路開拓について、県の取組についてお伺いいたします。
◎鬼形尚道 産業経済部長 議員御指摘のとおり、本県の繊維産業の発展のためには、ブランド力の向上、それから販路開拓が大変重要であるというふうに考えております。
ブランド力の向上に当たりましては、地域ブランドの確立に向けて、産地組合などが取り組む独自の技術・素材・デザイン力を生かした新商品の開発、また、広報宣伝を繊維産業産地活性化推進補助金、こうしたもので支援していくこととしております。また、先ほど来御紹介がありましたとおり、特に太田地域、桐生もそうですけれども、今、繊維産業に若い人たちがかなり入ってきております。こういう若い方を対象に、またさらに裾野を広げていくという意味でも、こうした若い世代を対象としたファッションショーを本年9月に開催することとしております。また、インスタグラムなどのSNSを活用した業界の魅力発信事業にも取り組んでいきたいと考えております。
また、販路開拓につきましては、産地組合などが都内や京都で行う新作発表会などに補助を行うとともに、来年1月には、都内で開催するリアルの展示商談会を予定しておりますけれども、これと、昨年度開設いたしました地場産品の商談サイト「いっぴん!ぐんま」、これを両方うまく組み合わせまして、言わばハイブリッド型のオンライン商談会、こうした新たな取組も行っていきたいというふうに考えております。マッチングの効果を高めて取引の拡大につなげたいというふうに考えております。さらにジェトロ群馬と連携いたしまして、輸出に関する基礎知識習得から商談会参加までを一貫して支援するグローバルビジネス実践塾、こうしたものを開催いたしまして、海外販路の開拓にも力を入れていきたいというふうに考えております。
今後とも、繊維産業のブランド力向上と販路開拓に積極的に取り組み、本県繊維産業の発展に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆森昌彦 議員 ありがとうございました。
ブランド力を上げるには、やはり企業の努力も必要ですが、群馬のブランド力を高めるには、県の強力な支援が必要だというふうに思っております。ぜひそういったところをまた取組をしていただきまして、市町村や商工会団体とのさらなる連携も必要だと思いますので、それについてもよろしくお願いいたしまして、産業経済部長への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
警察本部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 警察本部長、答弁席へ。
(千代延晃平警察本部長 登壇)
◆森昌彦 議員 運転免許証の更新手続に伴う利便性の向上についてお伺いいたします。
群馬県は、全国1位の運転免許証保有率を誇る車社会であるため、日常生活において、運転免許証は必要不可欠と考えます。本県の運転免許証の更新は、警察管内では平日しかできず、日曜日の更新は前橋市の総合交通センターまで行く必要があります。特に勤労者の多い東毛地域や遠方の方からは、運転免許証の更新が不便であるとの意見があります。そこで、日曜日更新窓口の拡大と、昨年度導入された高齢者講習等の管理システムの効果及び今後の展開について併せてお伺いいたします。
◎千代延晃平 警察本部長 お答えいたします。
運転免許証の日曜更新窓口は、群馬県総合交通センターにおきまして予約制で行っておりまして、昨年、当県では32万4,768人が運転免許の更新を行いまして、このうち、4.3%に当たる1万3,825人の方々が日曜更新窓口を利用されました。新たな日曜更新窓口の開設には、人的体制の整備のほか、講習室、駐車場、関連機器などが必要となりまして、現状では、これは全てを兼ね備えた県総合交通センターのみで開設しているところでございます。
なお、昨年中の県総合交通センターの日曜更新窓口の予約状況でございますけれども、定員2万人余りのところ、予約数が約1万4,000人ということで、予約率で見ますと約69%という状況でございます。
日曜更新窓口のあり方につきましては、県民の皆様からの御意見や地域の免許人口の推移を勘案しながら必要性を見極めてまいりたいと考えております。
次に、高齢者講習等管理システムについてもお尋ねをいただきました。
県警では、昨年の1月から高齢者講習等管理システムの運用を開始いたしまして、高齢運転者情報と自動車教習所等の空き状況を警察が一元的に管理をすることによりまして、講習や検査の日時・場所を指定して通知できることから、高齢者自ら電話で予約する必要がなくなり、高齢者にとっていつ受けられるのかといった不安感が解消されました。
システム運用後の効果ですけれども、認知機能検査の受検ですとか高齢者講習を受けるまでの待ち時間を合計しますと、運用開始前の令和元年末で107.5日と、全国平均より20日以上待ち時間が長い状態でありましたけれども、昨年1月から運用開始しまして、昨年末の時点では、64.2日と、全国平均より逆に14日以上短くなったということでありまして、県内での待ち時間は、40日以上大幅に短縮、改善されたところでございます。
今後増加する高齢運転者の円滑な免許更新のため、より一層教習所等との連携を図りながら、高齢者講習等管理システムの効果的な運用に努めてまいる所存でございます。
◆森昌彦 議員 ありがとうございました。
日曜更新窓口の拡大については、課題もあるとの、やはり多いということがありますし、必要性を勘案していくという、そういったお言葉もいただきましたので、ぜひ今後もやはり御検討をお願い申し上げたいというふうに思っております。
また、高齢者講習等管理システムは、手続の煩雑の解消や待ち時間の短縮などの効果が得られ、業務が効率的に行われていると思います。今後も、高齢者の増加が見込まれますので、引き続き効果的な運用に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、この質問は終わりにさせていただきます。
続きまして、信号機設置の現状と今後の方針についてお伺いいたします。
本県の信号機整備に関する予算には限りがあり、本年度、信号機新設の計画は6基となっております。道路整備には産業経済の発展及び災害時の広域避難の確保など、大きな役割を担っており、特に、都市計画道路などの新設道路は、県民の利便性の向上に大きく貢献しますが、交通環境の変化に伴う地域住民の方の信号機設置要望に十分に対処できているのか、危惧をしております。
そこで、この3年間の信号機設置の要望と、実績の推移及び今後の信号機の方針についてお伺いさせていただきます。
◎千代延晃平 警察本部長 まず、過去3年間におけます信号機設置要望件数と信号機の設置数についてでありますけれども、平成30年度の要望が230件、設置が22基、同じく令和元年度の要望が156件、設置が10基、同じく令和2年度の要望が103件で、設置が10基となってございます。県内の信号機は、令和3年3月末現在で4,205基が設置されておりますけれども、近年、老朽化したインフラの更新が社会問題となっているところ、信号機などの交通安全施設につきましても、老朽化対策は喫緊の課題でございます。特に、過去に大量に整備した信号機の制御機につきましては、全国統一の基準として更新年数は19年とされているわけですけれども、本県の場合、その基準を超えたものが全体の28%を占めております。これは全国の超過率である約23%を上回る大変厳しい状況でございます。このため、限られた予算の中で、老朽化した制御機等の更新整備を計画的に推進していく必要がございますが、信号機の総数を計画的に抑制していかなければ、更新がなかなか追いつかないという状況にございます。
そこで県警察では、警察庁が定めました信号機設置の指針、これに基づきまして、新設の信号機を抑制するとともに、必要性の低下をした信号機の撤去を進めているところでありまして、指針では、概略で以下のようなことが規定されております。信号機の設置に当たっては、事前に交通量などなどを調査分析するとともに、ほかの対策により代替が可能か否かを考慮した上で、真に必要性の高い場所を選定する。また、交通環境の変化等により交通量が減少するなどした信号機については、ほかの対策により代替が可能か否かを考慮した上で、信号機の撤去を検討する、こういった趣旨の規定がなされてございます。実際、必要性の低下した信号機を設置しておりますと、交通の安全と円滑に支障を及ぼすおそれがありますので、県内全ての信号機を対象としまして、信号機設置の指針に照らして点検を行いまして、撤去すべきものについては、信号機に代わる交通安全対策を考慮し、地元の住民の方々への説明をさせていただいた上で撤去するということとしております。同様に、新設道路への信号機の設置も、先ほどの信号機設置の指針に基づいて判断しておりまして、指針に示されております各種条件を満たした上で、真に必要性が認められる場合には、供用に合わせた設置を検討することとしております。
県警察では、引き続き持続可能な交通安全施設の維持管理に向けた信号機の適正管理に努めてまいりたいと考えております。
◆森昌彦 議員 引き続き、地域住民の交通の安全と円滑な確保に向けて取り組んでいただきますようによろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
また、令和元年に完成した、地元なんですけれど、千代田町の都市計画道路、赤岩新福寺線ですが、地元警察とも、信号機の設置について協議を進めているところでございます。いまだに全面開通できなくて、やはりぜひ地元住民の方から要望も来ておりますので、引き続きお願いを申し上げまして、警察本部長への質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
県土整備部長、お願いいたします。
○安孫子哲 副議長 県土整備部長、答弁席へ。
(清水昭芳県土整備部長 登壇)
◆森昌彦 議員 千代田町と熊谷市を結ぶ利根川新橋の架橋についてお伺いいたします。昨年9月の定例会においても質問させていただきましたが、この利根川新橋につきましては、地元から大変要望が強く、改めて質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。
さて、この利根川新橋につきましては、前回、国の河川事業が進む中、妻沼ゴルフ場は営業終了し、課題の一つでもあった妻沼グライダー滑空場移設も可能となるという内容の答弁をいただきました。利根川新橋設置に向けて環境が変わっているものと考えますので、さらに災害対策として東毛広域避難を考慮した場合に、新橋は大変効果的であると考えます。そこで、進捗状況についてお伺いいたします。
◎清水昭芳 県土整備部長 お答えをいたします。
お尋ねがありました千代田町と熊谷市を結ぶ利根川新橋でございますけれども、群馬県の東毛地域と埼玉県の北部地域を結ぶ広域的な道路ネットワークを強化する路線の一部として計画されているものでございます。新橋の整備は、国道407号の刀水橋や県道足利邑楽行田線の武蔵大橋などの県境部の渋滞緩和だけでなく、利根川の氾濫による大規模な浸水被害が想定される当該地域におきまして、県境をまたいだ広域的な避難、救命・救助や救援物資の輸送などを支援する上でも重要な役割を果たすものと認識しているところでございます。
御説明が先ほどございましたけれども、これまで群馬県と埼玉県の合同による検討では、利根川新橋のルート選定におきまして、妻沼グライダー滑空場などの移設場所が最大の課題となっておりました。国の堤防強化事業に伴いまして、隣接する妻沼ゴルフ場が昨年6月末で営業終了し、この跡地を移転先としまして活用することが可能になりましたことから、現在、群馬県、埼玉県及び熊谷市の3者で調整を進めているところでございます。あわせて、新橋のルートが国の堤防強化対策事業の区間に含まれますことから、治水事業との調整も進めているところでございます。また、当該地域を含む邑楽館林地域は、利根川などの氾濫による大規模な浸水被害が想定されますことから、県境をまたいだ広域的な避難の支援など、災害にも機能する道路ネットワークを構築するため、引き続き埼玉県と連携して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆森昌彦 議員 御答弁ありがとうございました。
利根川と渡良瀬川に挟まれている東毛地域においては、やはり大規模浸水被害などに備えた治水事業とともに、広域避難ルートが強く求められているものと思います。引き続き妻沼グライダー滑空場跡地の調整など、埼玉と連携を図り事業着手に向け、前向きにぜひ取り組んでいただきますようよろしくお願いしまして、県土整備部長への質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
以上で私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○安孫子哲 副議長 以上で森昌彦議員の質問は終わりました。
● 休 会 の 議 決
○安孫子哲 副議長 お諮りいたします。
明6月1日は議案調査のため本会議を休会にしたいと存じますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○安孫子哲 副議長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。
以上をもって本日の日程は終了いたしました。
次の本会議は6月2日午前10時から再開し、上程議案に対する質疑及び一般質問を続行いたします。
● 散 会
○安孫子哲 副議長 本日はこれにて散会いたします。
午後3時42分閉会...