群馬県議会 2020-10-05
令和 2年第3回定例会環境農林常任委員会(農政部関係)−10月05日-01号
不都合な部分も多々あるが、まずは、
防鳥ネットを設置し、鳥の侵入を防ぎたい。
◆
大林裕子 委員
私が聞いた範囲では、CSFを防ぐための
防鳥ネットであるので、
養豚農家にとって、いい
防鳥ネットが
補助対象外となるのはいかがか。
ある程度の
上限金額を決めて使えるような補助であれば、
養豚農家とって、使い勝手のいい制度となるので要望したい。
また、県職員も殺処分で動員となり、短期間の殺処分への尽力に感謝を申し上げる。
豚と接したことがない職員が、殺処分の中で豚の鳴き声など大変な場面を経験したが、
メンタル面はどうか。
◎関口
農政課長
普段、豚に接触していない職員が、殺処分の現場で業務にあたることで、現場は大変なことになっていると聞いた。
職員のメンタルについては、しっかりとフォローしていきたい。
農政部の職員や他部局の応援を依頼した職員も含め、
総務事務管理課に配置されている医監や保健師を活用し、しっかりとメンタルを守るための相談について声をかけていきたい。
また、数日経過してから、
フラッシュバックのように、思い出す場合もあるので、継続的にしっかりフォローしていきたい。
◆
大林裕子 委員
よろしくお願いいたします。
◆
金井康夫 委員
CSFについて、10月1日で殺処分が完了したことについて、関係者に感謝を申し上げる。
今回、殺処分した豚の頭数が5,887頭と報告を受けたが、今後は、
経営支援が必要である。
殺処分について、国と県の支援の割合について伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
発生農場における
防疫措置で、殺処分、埋却、消毒にかかる
義務的経費で、2億3,300万円程度かかると試算している。埋却費用の2分の1は、国からの交付金の対象となるので、残り半分が県の負担となる。
また、
患畜処分手当等交付金として、今後、国との協議の中で、殺処分された家畜に対する手当金が交付されるが、今回の
養豚農家に何かしらの不手際や守られてない事由がある場合は、全額が手当金の対象にはならない。
養豚場の再開に向けて豚を導入する場合は、国と
養豚農家が積み立てる
互助基金から支援金が支給される。今後、処分が完了した段階で、
関係機関と協議し、
互助基金について進めていくこととなる。
◆
金井康夫 委員
国と県が折半で交付金を支出するとのことだが、1頭あたりに換算するといくらか。
また、今回、5,800頭を殺処分し、
養豚場再開にどの程度の期間を要するのか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
豚の評価はその時点の肉豚の価格で、2万円から3万円など豚ごとに評価があり、子豚は子豚の価格として国が評価するが、通常は全額が交付金からは支給されず、5分の4の交付金が支給される。
養豚場の再開については、
イノシシが周りにいる状況では、
養豚農家自身が今回の
CSF患畜の問題点を解決しないと再開できない。
養豚農家と協議をしながら、
CSF対策に不足の資機材や新たに設置が必要な設備の整備など、今後の課題に対応しなければならない。
よって、今ある豚舎へすぐに豚を入れることは、難しい。
◆
金井康夫 委員
今回、
ワクチンの接種時期の関係も議論されているが、
CSF患畜となった子豚は
ワクチンを接種していなかった。
例えば、子豚が生まれて離乳し、
ワクチン接種するときに抗体がどの程度残っていて、いつごろに
ワクチン接種することが適切なのか。今回の
CSF患畜を受け、今後の
ワクチン接種時期について伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
ワクチンの接種時期については、
免疫付与検査で、子豚の抗体がどの時期に切れて、適切な時期がいつごろか国とも協議をしながら決めていた。概ね生後50日前後での
ワクチン接種が、母豚からの抗体が切れず、
ワクチンを打つことで抗体が付与される時期である。本県では、6月から接種を担当する獣医師、
家畜保健衛生所に指導してきた。
◆
金井康夫 委員
今回の
CSF患畜となった子豚が
下痢気味で
ワクチン接種できなかったこともあるので、しっかりと検証していただきたい。
また、
全員協議会で
養豚協会会長から群馬県の
ワクチンの接種料が高いと発言があった。
現在の群馬県の
ワクチン接種料は、1頭340円であるが、全国と比較した場合どうか。
また、
ワクチン接種料を低くする際に、
条例改正の有無を含め、どのような手続きが必要なのか伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
関東近県では、茨城県、栃木県は本県と同額、埼玉県は320円、福島県は540円など、各県の積算により
ワクチン接種料に差がある。
群馬県の
ワクチン接種料は条例で定めている。
他県では、知事の判断によって減免対応している県もあるが、群馬県も、今年度末まで知事の判断で
ワクチン接種料を減免していた。
現在の
ワクチン接種料が、
養豚農家の負担であることは認識しており、国からの支援がない中で、どのように
養豚農家の負担を軽減できるか国に要請していきたい。
◆
金井康夫 委員
ワクチン接種は、母豚に接種していても子豚への接種が必要で負担であることは、以前から問題となっている。
母豚の乳房は、14あることから14頭の子豚を生む可能性もある。
子豚への
ワクチン接種には予算が必要であり、財政的な問題でもあるが、是非とも前向きに検討していただきたい。福島県は
条例改正して
ワクチン接種料を下げる方向である。
本県もしっかり連携してもらいたい。
豚の盗難について、現状どのような状況か伺いたい。
◎富田
畜産課長
7月から、県内の前橋市、伊勢崎市、太田市、館林市の養豚場17軒で、計670頭の子豚が相次いで盗まれている状況で、以降は、警察や報道から豚の
盗難情報はない。
現在、
防犯対策としては、
イノシシに
CSF感染が拡大しているため、
CSF対策の一環として、緊急の
防犯対策を講じている。
◆
金井康夫 委員
豚の
盗難対策は、
CSF対策につながるものでもある。
先般、農協の中央会の代表や前橋の
養豚組合長に伺ったところ、7月から毎日1頭ずつ盗難にあっていたため、豚の盗難に気づかなかったようである。
盗難が継続して繰り返された後、ある時、
大型トラックで100頭盗まれたと確認している。
100頭については、外国人の実習生が風呂場で処理し、食用にしているという情報がある。
今後、県警に被害届を提出して検挙につなげるため、しっかりと対応していただきたい。
◎横室
農政部長
窃盗は、盗まれた豚自体の被害であるが、
CSF対策の観点では、
防疫措置をしていない人間が養豚場に侵入することは、大変な問題であるのでしっかり受けとめて対応していきたい。
○
泉沢信哉 委員長
以上で
付託議案の質疑は終了といたします。
△
所管事項の説明
○
泉沢信哉 委員長
次に、
所管事項について説明をお願いします。
◎倉澤 農政部副部長
(「
次期群馬県
農業農村振興計画骨子(案)」について、資料7により説明した。)
◎船戸
被害対策支援センター所長
(「令和元
年度群馬県
鳥獣被害対策の推進に関する施策の
実施状況」について、別冊3により説明した。)
◎平井
生産環境室長
(「果樹等におけるクビアカツヤカミキリの
発生状況とその対策について」について、資料8により説明した。)
◎砂長
家畜防疫対策室長
(「豚の
窃盗事件への対応(
CSF対策)」について、資料9により説明した。)
◎富田
畜産課長
(「豚熱(CSF)発生への
対応状況等について」について、資料12により説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
以上で
所管事項の説明は終了しました。
その他資料については、説明を省略させていただきます。
△
所管事項の質疑
○
泉沢信哉 委員長
これより、
所管事項の質疑を行います。
こちらは通告制となりますので、ご注意願います。
ただし、
配付資料に関する質疑は通告なく行えますので、希望する委員は適宜、挙手願います。
なお、委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。
◆
本郷高明 委員
コロナの影響もあるのか、果樹に対して
盗難被害が
県内各地の農園で発生している。
警察に被害届を提出し、報道で取り上げられても、これだけの被害が発生している。
防犯カメラも含めた
被害対策について、各農家の負担は相当なものである。
被害が発生した農家の不安や負担を軽減するための
盗難被害対策と被害の実態について伺いたい。
◎関口
農政課長
豚などの畜産物の盗難については、7月から県内の養豚場で600頭を超える子豚が盗まれる事件が発生したことから、CSFの
発生防止対策で、緊急的に
防犯カメラの
導入支援や農家への
注意喚起を行ってきた。
梨やブドウなどの果樹の盗難については、8月から県内の主な産地で、過去に例がない大量の盗難が発生した。
果樹の盗難も警察と連携した
防犯対策に継続して取り組んでいる。
大切なのは、担当課でそれぞれ対応することではなく、
関係機関がより緊密に連携し、より効果的な
防犯対策に取り組むことが重要であることから、農政部の
関係各課や
県警本部の
生活安全企画課、JAの中央会などの
関係機関で、
農畜産物盗難対策緊急会議を9月16日に開催した。
会議では、各部署の現在の
取組状況や県警等からのプロの
アドバイスなどの
情報交換を行い、役割分担をそれぞれで決定し、
取組済みの対策に加え、県警から
アドバイスを受けた4つの効果的な
盗難対策に取り組んでいる。
1つ目は、時間がかかることを嫌がることから、鍵をしっかり施錠すること。2つ目は、光を嫌がることから、
センサーライト等の設置が効果的であること。3つ目は、音を嫌がることから、ブザー音が鳴るものを設置すること。4つ目は、目があることを嫌がることから、カメラの設置や
地域住民の監視の目といった4つの対策に取り組んでいる。
◎倉本
普及指導室長
今回の農産物の盗難の状況については、今年の8月末現在で、農作物の被害の
届け出件数は73件、被害額は約269万円である。
特に、8月から9月にかけて梨やブドウの被害が各地で発生しており、9月15日までで、梨の被害が7件、被害額は約50万円である。
また、ブドウの被害は、4件、被害額が7万円である。
農産物の悪質な盗難に対しては、生産者自らの
防犯対策や地域や
産地ぐるみの取り組み、また、県警や行政等の支援が重要であり、
農業従事者の減少や高齢化が進む中、特に
地域ぐるみでの
防犯意識が高い地域であることを広く周知する対策が重要になる。
県としては、対策の手始めとして、果樹園におけるネットや柵の設置、
防犯カメラや
センサーカメラなどの設置に取り組んでいる。
また、
地域ぐるみでの
防犯パトロールの実施などを呼びかけるチラシを作成し、
県ホームページに掲載して
注意喚起を行うとともに、JA等の
関係機関を通じての啓発や各
農業事務所が実施する
講習会等で、農業者に直接周知を始めたところである。
今後も、生産者とJA、警察、行政等が連携して、
防犯パトロールなど対策を継続して取り組み、
地域一体となって盗難に遭いにくい
産地づくりができるよう支援して参りたい。
◆
本郷高明 委員
8月から9月で73件の269万円と、梨に関しては7件50万円相当、ブドウに関しては4件7万円であったが、例年と比べてどうか。
また、犯人は検挙されたのか。
◎倉本
普及指導室長
この時期は、果樹に限らず、
農畜産物の
盗難事件が発生している。
特に、今年度は、8月から9月にかけて、果樹の
大量盗難が多い状況であった。
県警に確認したところ、73件の被害届のうち、犯人が検挙された件数は26件で、検挙率は、35.6%という状況である。
今後は、県警と連携し、効果的な
防犯対策の
アドバイスに基づき対策にあたるとともに、被害を受けた方には、盗難届の提出を周知していきたい。
◆
本郷高明 委員
今年は、県全体で例年と比べて被害額が多くなっているのか。
◎倉本
普及指導室長
令和元年度の県全体の
被害状況は、
被害件数が64件で被害額が158万円と、昨年度より被害が多い状況である。
◆
本郷高明 委員
コロナの影響なのか、雇用面や生活不安の中で数字だけ見ると果樹の盗難が若干増えている。
注意喚起等含め、
パトロール以外で犯人の侵入を防ぐことは難しい。
CSF対策では、カメラを設置し、市町村においてもカメラを設置しているが、農家に負担が生じるので、今後も対策を検討していただきたい。
前橋の
苗ヶ島町に
ブラックバスの釣り堀があり、そこに農薬が散布される被害が発生した。
ゴールデン
ブラックバスという魚種で、その稚魚が金の卵と言われるほど価値があるため、農薬を散布されたと思慮する。
防犯カメラ設置について、釣り堀を視察したが、果樹の
防犯カメラ設置については、市町村の
補助制度の状況はどうか。
◎倉本
普及指導室長
高崎市では、市の予算で被害の目立つ
果樹園周辺の路上へ、
防犯カメラ設置を検討している。
◆
本郷高明 委員
大量の被害が受けた生産者の衝撃は、相当なものである。
盗難防止対策で各農家ができることは、限られており、負担も大きい。
県全体で
再犯防止に努めていただきたい。
次に、CSFに係る
防疫措置体制について、
発生経緯として9月初旬に、養豚の死亡が確認され、9月25日に連絡があった。
県として落ち度はないが、2、3週間のタイムラグについて、コロナの
クラスター対策と同様の
追跡調査は実施するのか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
国の
疫学調査チームによる調査の報告を受け、対策を講じることとなる。
◆
本郷高明 委員
新たな
感染農場を作らないために、できるだけ対応をお願いしたい。
豚の
健康報告について、毎日の報告は手間がかかるため簡素化が必要である。
豚の
健康報告の簡素化に
スマートフォンを利用することもあるが、
スマートフォンを所持していない農家や高齢でパソコンの操作ができない農家もいる。
講習等の実施は考えているのか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
現在、
発生農場の10キロ圏内の18戸の農家に
健康報告のご協力をお願いしている。
スマートフォンを所持していない農家からの
情報入手が課題であるため、
スマートフォンによる簡便な方法の普及について、問題点を整理し各農家へ普及を進めている。
講習会や
家畜防疫員の獣医師が
養豚農家を訪問する機会を通じて、問題を整理しながら進めていきたい。
◆
本郷高明 委員
防疫対策は、非常に大切であるが、簡素化を含めてお願いしたい。
◆
大林裕子 委員
群馬県の果樹園は、観光農園で採って、食べて、直売する観光を兼ねた農園が多いが、今年は、新型コロナウイルス感染症の中、来園者を迎えることに農家も大変苦慮している。
来園者が来てくれるか、或いは、どのような感染症対策が必要なのかといった声が上がっていた。
観光果樹園の新型コロナウイルス感染症に対する県の取組について伺いたい。
◎土屋
蚕糸園芸課長
観光果樹における新型コロナウイルス対策については、来園者への3密対策、アルコール消毒の設置、安心対策を実施している旨のポスターを掲げるなど、対策の指導資料を作成したところである。
県の対策指針に基づき、各
農業事務所と各産地の連携により、6月下旬開園のさくらんぼを皮切りに、ブルーベリー、ブドウ、りんごの産地において、産地版ガイドラインの整備に取り組んでいる。
また、これらの取組を来園者や全国に広く周知するため、感染防止対策の
実施状況と各品目の開園をPRするため、tsulunosを活用したPR動画を作成し発信した。
さらに、コロナ禍にあっても、本県果樹産地は例年通り生産を行っていることをPRするため、県協会主催のブルーベリー品評会、プラム品評会、ブドウ品評会について、3密対策を行った上で開催をした。
新型コロナウイルス感染症は、収束しておらず、安心できない状況であるが、安心安全な群馬の観光果樹園を消費者に楽しんでいただけるように、引き続き、産地の新型コロナウイルス感染症対策のPRを支援して参りたい。
◆
大林裕子 委員
農家は、組合を通して各
農業事務所と協議しながら、産地の対策マニュアル、ポスターの掲示、手指消毒や売場の衛生管理に取り組んでいた。
農家の衛生に対する意識も高まり、来園者にも安心して来園いただいている。
農家によっては、あらかじめ予約制での受付や3密とならないように採れるブドウの種類を周知し、来園者の名前と住所の記載にも対応していた。
これからも、農家に出向いて寄り添って対応していただきたい。
次に、CSFの職員の協力体制について、どのような協力体制で業務にあたったのか伺いたい。
私の実家は、周囲に豚小屋があり、豚の鳴き声と一緒に生活していた。
母豚は大きく、鳴き声も大きいことから、大変だったのではないか。
◎関口
農政課長
殺処分を行うに当たり、農政部職員から緊急的に対応し、24時間を4クールに分けて対応した。
職員数は、農政部の職員が1クール30名で対応し、28日の月曜日から他部局の職員がワンクール10名、1日あたり40名で2日の金曜日まで対応にあたった。
◆
大林裕子 委員
作業の内容はどうか。
◎関口
農政課長
殺処分等は、獣医師等でないとできないことから、職員は、殺処分後の豚の運搬などが主な仕事であった。
また、早急に埋却する必要があることから、埋却に関連した一連の作業に取り組んでいた。
◆
大林裕子 委員
細かいことは聞かないが、大変な作業であったことから、心から感謝申し上げる。
心のケアをよろしくお願いしたい。
◆金子渡 委員
県内移住者の新規就農支援策について、新型コロナウイルス感染症の影響で、都市部から地方への移住を真剣に考える方が増えている。新聞では、東京で県内の吉岡町が移住先として人気がある報道もあった。
都市部から県内に移住を希望する方の中には、就農を希望する方も多いと思われるが、新規就農支援策について伺いたい。
昨年、一昨年の県外の新規就農者の実績はどうか。
◎相澤
農業構造政策課長
県外から本県への新規就農者は、65歳以下の新規就農者の方のうち、群馬県出身のUターンを除き、平成30年度の新規就農者は265人で、うち県外出身者は31人であった。
同じく、令和元年度は、270人中25人が県外出身者であった。
そのうち、東京、大阪、神奈川、埼玉、千葉の都市部出身者は、平成30年度で14人、令和元年度で 19人が群馬県に移住し就農した。
◆金子渡 委員
群馬県農村振興計画では、群馬県は気候が安定しており、定住移住の促進に努める項目がある。
令和元年度は、19人が新規就農で都市部から移住した。
この流れをしっかりと推し進めることが、今後の群馬県の未来に繋がる。
現在の移住者の新規就農支援策について、様々な取組があるが、効果的なものや評価が高いものについて伺いたい。
◎相澤
農業構造政策課長
主に東京近辺の首都圏での就農支援策は、都道府県や農業団体等が参加し、移住の相談会を行う新農業人フェアに参加している。
また、群馬県独自の事業では、東京の交通会館で群馬就農相談会を開催し、首都圏に出向いて農業に従事したい方に群馬県での農業従事の相談を受ける機会を設けている。
併せて、群馬県内の14か所で、年間を通じていつでも就農相談を受ける体制を構築している。
また、具体的に就農の意思が固まった方には、短期の農業体験を提供したり、さらに、強い意思で農業に従事したい方には、先進農家での研修や農林大学校での技術習得、普及指導機関による経営確立の支援、農業次世代人材投資事業や青年就農給付金での資金面の支援など、独立までの切れ目のない支援を用意している。
◆金子渡 委員
新規で就農し、農業で生計を立てることは、大変厳しいことである。
吾妻管内の花き農家の方は、単身者であったたため移住できたと聞いた。
妻帯者や家族がいる場合は、収入面が課題となる。
群馬県の魅力を発信し、移住する取組を引き続きお願いしたい。
移住者が、
農業従事者となるには、研修等々を受講し、勉強して、地元の人に支援いただくなど、市町村と連携した動きが必要になる。
市町村と連携した取組や市町村の受け入れの傾向等について伺いたい。
◎相澤
農業構造政策課長
各市町村では、空き家対策や
農業従事者の確保など、域外から転入し、農業従事する移住者の確保に努めている。
新規就農者は、資金や住居、農業技術習得が必要であり、新規就農者がそれぞれの関係者へ相談する現状では、就農は進みにくい現実がある。
市町村の特徴的な取組としては、県内の8地区で、他の地域から農業の担い手と移住希望者を技術面、住居面で一体的に受入れる協議会を設置している。
中之条町の六合地区では、平成28年度以降、4組5名が県外から就農し、現在も若者2人が研修を受講している。
市町村農協では、様々な関係者が1人の就農希望者を独立まで支援する効果的なサポート体制を構築している。
また、空き家付き農地を取得する下限面積は50アールであるが、市町村の独自の判断で下限面積を設定できる。
群馬県では、3市が下限面積を1アールまで引き下げ、新規就農を兼ねた移住者の掘り起こしに努力している。
◆金子渡 委員
土地と住居を総合的にサポートする協議会があったからこそ、就農し農業で生計を立てられる。
市町村では、農地付きの空き家等をどのように活用していくのか課題と感じている。
県外から市内に移住して、新規就農した移住者の話を聞く中で、今後は、農地付きの住居をいかに提供し活用するかがポイントである。
市町村と連携し、情報提供等をお願いしたい。
また、3市が、下限面積を1アールまで下げたことで、就農しやすい環境を整えている。
この動きが、全県に広がるように、県として、しっかりとした情報提供をお願いしたい。
また、当初から新規就農を考えていた移住者が、移住後すぐに農業に従事することは難しい。
まずは、群馬に慣れて、農林大学校でトラクターなど様々な技術を習得し、再度、就農を考える移住者もいる。
夫婦で東京23区内に勤め居住する方が、群馬県に移住した場合には、60万円、100万円と補助する制度もあり、この制度を活用して群馬に慣れ、その後に就農していただけた。
そのためには、農林大学校の維持が必要である。
移住については、受付窓口となる市町村が制度を熟知してない。
例えば、この制度を利用したい場合に、市町村では予算都合で利用できないといわれたが、県ではその地区で1件も申請がないことがよくある。
群馬県に移住者を呼び込む点では、全庁を挙げた取組が必要である。
縦割りでなく、連携を取って実施していただきたいと要望させていただきたい。
次に、
CSF対策の
ワクチン接種時期の問題について、
養豚協会会長から、親豚から受け継いだ抗体がなくなるまでの期間に、
ワクチンを接種しなければならないと聞いている。
子豚が各農場に点在してると、農家自身が
ワクチンの接種をできたらと誰もが考える。
法律上の制約はあるが、例えば、獣医師がいなくても、
養豚農家が講習等を受講し、
ワクチンを購入して接種できる仕組みづくりが、いい意味で規制緩和である。
人間の場合も看護師免許がなくても、自己接種は認められている例がある。
養豚農家がCSF
ワクチン接種ができるように、国に地域の要望を上げていただきたい。
群馬県は、本州で一番大きい養豚県であり、豚の頭数が多ければ、
家畜防疫員が不足し
ワクチン接種が間に合わない。
国にしっかりと働きかけていただきたい。
また、農場からのCSFの報告について、
スマートフォンを所持していない
養豚農家からの報告が課題であると説明があった。
コロナが蔓延している介護施設の報告では、数週間も経過すると日常業務として報告されている。
介護施設は、毎日報告することで、職員が注意を払う意識づけにもなった。
介護の仕事は、介護保険制度を利用していることから、行政の指導に従うが、今回の豚熱でも、行政で殺処分し、豚舎の立て直しについても、行政の力が必要である。
スマートフォンを所持していないから報告できないではなく、丁寧なお願いと説明をして、
スマートフォンを導入することで、豚舎の未来が開ける。
あと3年で養豚を廃業する農家であれば、
スマートフォンの所有をお願いできないが、
CSF対策は、全員でやることが大切である。
行政も
スマートフォンで報告を受ければ、5分で報告をまとめることができる。
FAXとメールが混在した報告では、効率が悪い。
予算もかかるが、全員が一丸で
CSF対策を実施するために必要であるので、しっかりとお願いしていただきたい。
◆
金井康夫 委員
金子委員の
ワクチン接種の要望について、是非ともよろしくお願いしたい。
発生農場の飼養頭数5,390頭の内訳や
ワクチンの接種率について伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
殺処分を行った5,889頭のうち、抗体のない豚は748頭いた。
初回の
ワクチン接種は、全頭が
ワクチン接種済みであるが、今後、2回目、3回目と繁殖豚に
ワクチンを接種していく予定である。
また、今回の哺乳豚は1,109頭であったが、これらは、哺乳中であるため
ワクチンを接種していない。
離乳豚1,434頭については、
ワクチン接種適齢期の50日目前後で接種されるべきであったが、
発生農場では、70日と20日ほど遅れても接種していない状況があった。
また、肥育豚3,500頭は、すべて接種済みであるので、離乳豚で
ワクチンを接種していれば、
ワクチン接種に問題はなかった。
◆
金井康夫 委員
全体では何頭か。
◎砂長
家畜防疫対策室長
発生農場で
ワクチンを接種していない豚は、5,800頭のうち、下痢で
ワクチン接種を延期した20頭前後と
ワクチン接種適齢期でない哺乳豚1,100頭である。
◆
金井康夫 委員
ワクチン接種の関係で10キロ圏内の18農場は搬出制限がないが、3キロ圏内に他の農場があった場合はどうなるのか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
防疫指針では、
ワクチン接種地域は移動制限や搬出制限は設定しない。
ただし、異常がないかどうかは聞き取りを行い、異常があれば、農場に様子を確認する。
◆
金井康夫 委員
移動制限は、10メートルでも制限なしでよいか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
発生農場が隣接している場合は、農場への立ち入り等の確認をさせていただくが、豚の出荷等の制限はない。
◆
金井康夫 委員
養豚協会の会長の切実たる要望は、農場から一頭でも
CSF患畜となった場合、全部殺処分することにある。
国の防疫指針では、
発生農場から3キロ圏内農場や10メートル以内の農場であっても、搬出制限の対象とならないが、農場で1頭でも
CSF患畜となった場合、すべて殺処分という状況である。
殺処分について、国にしっかりと要望したほうがいい。
養豚協会の会長から、
ワクチンを接種していない豚が
CSF患畜となったときに、
ワクチンを接種している豚を殺処分する必要があるのか疑義があると聞いている。
手塩にかけて育てた豚を全頭殺処分する状況は、腑に落ちないので、その点について伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
殺処分については、防疫指針策定にあたって、様々な意見があったと聞いている。
全頭殺処分に関する国の説明は、
発生農場内でどの豚がCSFに罹っているのか、全頭検査することは不可能であることを根拠として、全頭殺処分することとしている。
養豚協会の会長や
養豚農家が、
ワクチンを接種している豚を殺処分することに疑問を抱いているのはもっともであるが、全頭殺処分について、国の説明以上の回答はない。
◆
金井康夫 委員
国の搬出制限に基づけば、Aという農家とBという農家がそれぞれ
ワクチン接種していれば殺処分しなくてもよい話である。
農場間の距離が100メートル離れていても、一つの農家でCSFに患畜したら、全頭殺処分することは、法的な問題でもある。
ワクチンを接種して、抗体を維持する施策が必要となるので、よろしくお願いしたい。
◎横室
農政部長
農家が手塩にかけて育てた豚を殺処分する気持ちは理解できるが、制度としては、感染性を抑え込むことを主眼に置いてる。
ただ、実際の運営上は、
矛盾点もあるが、一つの視点として、CSFが発生した農場で発症してない豚を市場に出荷した場合、消費者がどういう受けとめ方をするのかという視点も必要である。
難しい問題であるが、皆さんの声を聞きながら、国にもしっかりと要望していきたい。
◆
金井康夫 委員
農作物の窃盗の関係で、警察に被害届を提出していると思うが、それに対する件数と検挙率はどうか。
また、
地域ぐるみでの対策事例等があれば伺いたい。
◎倉本
普及指導室長
農作物の
盗難被害は、今年度8月末までで、73件の被害届があり、そのうち犯人が検挙された件数は26件で、検挙率にすると35.6%である。
地域での盗難防止の取組事例は、榛東村、吉岡町のブドウの組合で、県警と連携しての
防犯パトロールの実施や組合員が毎日1回、農場内を巡回し、夜間は警察による
パトロールを実施している。
また、
パトロール実施中の看板等を設置をするなど、産地組織全体で
防犯対策に取り組む事例が一つある。
高崎市榛名の梨部会では、各生産者の
防犯対策意識を高めるため、改めて全生産者へ
注意喚起の文書を送付し、
防犯カメラや、センサーライトの設置などを呼びかけていると聞いている。
また、警察と連携して24時間体制で
パトロールを行い、警戒を強化している事例がある。
◆
金井康夫 委員
検挙率が35.6%で、かなり高いので、ホームページで果樹の窃盗に対するリスクが大きいことを周知していただきたい。
果樹産地の
盗難対策にかかる費用等について、県としてどのような支援があるか。
具体的な支援について、現段階での支援内容について伺いたい。
◎土屋
蚕糸園芸課長
防犯知識の向上については、園芸協会と連携して、本日午後に、防犯講習会を園芸農家を対象に実施する。
実際の支援策では、各果樹産地が盗難にあいにくい
産地づくりに向けて、
パトロール用のステッカーの作成やのぼり旗を作成している。これらの防犯に関する資機材を作成する場合は、既存の県単事業の群馬の果樹新時代対応推進事業を活用し、優先して、支援をして参りたい。
事業の考え方は、急遽の対応であることから、各
農業事務所を通じて、各産地の要望をとりまとめるよう依頼する。
また、加えて、動画スタジオtsulunosを活用し、県の防犯設備協会の専門家に依頼して、ハードとソフトを合わせ、果樹園芸農家の
防犯対策に対する啓発動画作成について、現在、調整中である。
◆
金井康夫 委員
防犯カメラ設置に関する支援はないのか。
◎土屋
蚕糸園芸課長
防犯カメラ設置の支援は、補助事業を作っていく中で検討して参りたい。
◆
金井康夫 委員
地元の昭和村の農家では、毎日一個ずつスイカが盗まれ、食事が喉を通らない状況が続き、痩せてしまった方もいる。
農業を営んでいる人にとって、果樹の盗難はやる気がそがれる。
立て看板に
防犯カメラの映像をYoutubeへアップする旨を記載すれば、犯人は果樹園に侵入しないのではないか。
肖像権の問題もあるが、Youtubeへのアップを看板やのぼり旗に記載し、看板やのぼり旗に対する支援を山本知事にtsulunosで発信してもらうとインパクトがある。
多方面からの支援について、よろしくお願いしたい。
◆
久保田順一郎 委員
農作物の
盗難対策について、どのような性能の
防犯カメラを設置するのがいいのか、素朴な疑問である。
4Kの時代にどのような解像度のカメラが必要なのか、連写できるカメラが必要なのか。犯人を検挙するうえで、必要なカメラについて県警に確認したところ、企業秘密なのか教えていただけなかった。
解像度が高いほどいいが、運営のための電気代や
設置費用など経費がかかる。
また、設置場所については、県警や民間の警備会社からの助言が必要である。
カメラについても、日本製のカメラがいいのか、ハイビジョンカメラがいいのか、本当に安い2、3センチのカメラでいいのか、農家への指導があって、初めて、農家は
防犯カメラ設置に係る
必要経費を積算できる。
指導がなければ、申請もできないことから県の認識を伺いたい。
◎富田
畜産課長
防犯カメラについては、
養豚農家の防護柵の門扉や防護壁に接している道路が抑止力となる設置場所であり、
防犯カメラに必要な電源のない場所であると認識している。
防犯カメラの性能については、安価でも写真を鮮明に記録し、防犯に役立てられる機種を選定している。
具体的には、有効画素数が200万画素以上、夜間撮影、人感センサーライト、防塵防水機能が付随しており、電源がない場所でも撮影可能なソーラーパネルタイプの製品である。
撮影範囲は、90度で8メートル程度まで、人の見分けが可能である
価格は2万円程度である。
◆
久保田順一郎 委員
10年ほど前に高崎駅周辺の落書きについて、警察が犯人を検挙した。
ナショナルジオグラフィックというテレビでは、獣道に自動撮影するカメラを設置したが、カメラが高額なため盗難に遭っている。
農場についても、外国人が侵入するため、
防犯カメラの
盗難対策も必要である。
防犯カメラの設置や工事を含め、県の補助をお願いしたい。
次に、豚だけでなく、農作物も盗難の被害にあっている。
手塩にかけて育てた農作物が、美味しいものだと盗まれる。
美味しいものを作ってもらうためには、よい指導者が必要であり、昔は、多くの普及指導員が普及活動を盛んに行っていた。
地元の明和町を担当した古屋普及指導員は、農家からの信頼も厚く、花卉園芸組合の設立に尽力いただいた。その後、担当者の変更で組合が解散したことは、非常に残念である。
新たな品種の開発や新規就農者の育成に関しては、普及指導員が必要である。
普及指導員の人員配置について、どのように要望しているのか伺いたい。
◎倉本
普及指導室長
普及指導員については、全庁的な行政改革の流れの中で人数が減少してきたが、地域農業の発展に果たす役割の重要性から、平成20年度以降は145名程度の人員を確保し、11地区を起点とした体制を維持している。
普及指導員のうち、約25%が35歳以下の若い職員であり、普及技術の継承が急務となっている。
そのため、若手職員に現地でのOJT研修や試験場での研修、先進県での調査研究、また、国の研修を通じて環境制御技術などの新技術を積極的に習得させている。
さらに、中堅以上の職員には、地域の多様なニーズに対応するため、これまで培った技術のレベルアップを図るとともに、地域の課題解決に向けたコーディネート役として活躍できるように研修や資質向上に努めている。
今後もJA等の
関係機関と役割分担を行いながら、重要性や緊急性の高い課題への重点化を図り、個別巡回の対応や講習会、現地研修会などの集団対応やタブレット端末等も活用しながら、効率的な普及活動を展開して参りたい。
◆
久保田順一郎 委員
普及員は、全部で145名ということか。
◎倉本
普及指導室長
そのとおりである。
◆
久保田順一郎 委員
年齢構成は、25%が35歳以下の若い方か。
◎倉本
普及指導室長
そのとおりである。
◆
久保田順一郎 委員
現場のOJTで経験を重ねていただくことが大切である。
農協も事務職が多くなり、農業の相談に伺っても指導ができないので、先輩農家を訪ね指導いただいている。
これからは、特にプロ仕様の普及員が必要となる。
経験の裏付けのある普及指導員が農業の進展には必要である。
引き続き、内容も濃くして教育に励んでいただきたい。
Youtubeでは、バラの剪定からウドンコ病対策などの園芸技術の動画が閲覧可能でよく分かる。
Youtube等を活用した教育、動画の作成による技術の伝承についてはどうか。
◎倉本
普及指導室長
スマート農業等の技術については、これから普及を強化すべきと考えている。
特にタブレット等端末を活用した
農業従事者への迅速な情報提供や動画を閲覧しながらの技術指導などが必要である。
スマート農業の環境制御技術等を導入している農家には、ハウス内の栽培環境等のデータを見える化する指導が必要である。
新規就農者の育成や技術の継承を進めて参りたい。
◆
久保田順一郎 委員
スマート農業は、二酸化炭素制御やドローンの利用のみでなく、園芸技術の継承に導く動画の作成などソフト面が重要である。動画スタジオtsulunosの活用やタブレットや
スマートフォンでも撮影できるので、農業技術継承のための動画を残していただきたい。
群馬の農業は全国市場に打って出られるほど品質が高いことから、引き続きPRしていただきたい。
次に、Gアナライズ&PRチームに関して伺いたい。
環境森林部の委員会でも発言したが、農業関係では食味とか様々なファクターがあるが、環境分野では臭いの基準について、群馬県はいち早く臭気基準を導入した。
臭いという定性的なものをどのように定量化するのか質問したが、今日のぐんま広報では、味の数値化について、様々な特集が記載されいる。
アナライズという面では、どのような形で客観性を持たせるのか伺いたい。
◎小沼
ぐんまブランド推進課長
Gアナライズ&PRチームでは、県産
農畜産物について、多くの消費者が注目するおいしさや健康に関わる成分について分析を行っている。
農畜産物の味について、個人の主観によるものではなく、数値データを用いて事象を客観的に把握し、評価分析する定量分析により、味の数値化に取り組んでいる。
こういった科学的なデータを活用して、他産地との差別化を図っている。
定量分析については、県産業技術センターにおいて、甘み、うまみなどの6種類の味の強弱を味覚センサーという人間の舌を模した分析機を使って測定し、比較対象となる他産地との違いを相対値で示している。
また、県農業技術センターでは、歯ごたえや口あたりなどの食感をレオメーターという装置を使って測定し、食べたときの感覚を数値で示すことで、客観的な評価を行っている。
Gアナライズ&PRチームでは、昨年12月の発足以来、これまで、いちご、豚肉、とうもろこしについて、他産地と分析比較し、本県
農畜産物の優位性を導き出したところであり、次に続く品目として、上州地鶏、リンゴについて、現在分析を進めている。
こうした分析成果を消費者に伝え、消費者の反応を農業生産現場、技術指導に反映させ、科学的データに基づいた本県
農畜産物のPRと生産振興につなげて参りたい。
◆
久保田順一郎 委員
数値データを客観性を持つことで、群馬の物産として自慢ができる。
先日の県内調査でギンヒカリとハコスチを食べて、どちらもおいしいかったが、おいしさの評価はどうか。
◎横室
農政部長
ギンヒカリとハコスチを食べたが、どちらもおいしかったということが、正直な感想である。
ただ、歯ごたえは、数値化できる部分であるので数値化するが、消費者の好み志向という部分もあるので、最終的には消費者に判断を委ねる。
ただ、消費者の判断の元となる客観的なデータを示していくことが大事である。
◆
久保田順一郎 委員
好みについては、千差万別で十人十色である。
ただ、どのようにブランドイメージを作り上げるかについては、基礎になる数値データを応用することが一つである。
例えば、食味について、AさんとBさんでは異なるのが通例である。
今回の盗難にあったシャインマスカットも、甘ければいいという世界もある。
その点について、どのように演出していくのか。
◎小沼
ぐんまブランド推進課長
科学的データに基づいた県産
農畜産物を評価するには、美味しさや味覚、嗅覚、聴覚、視覚、食感などの五感に加え、心理的要素も含まれてくる。食べる人の食習慣や経験、食文化も影響している。
Gアナライズ&PRチームでは、様々な機器等を用いて、主観ではなく客観的に、定性ではなく定量分析に重点を置いて評価していきたい。
◆
久保田順一郎 委員
メロンは、夕張の周辺で作られるメロンの方が、甘くて美味しい。
夕張メロンはネームバリューがあるため、高付加価値商品を生み出している。
そうなると流通園芸の仕事になると理解してよいか。
数値的な見方に加え、マーケティング戦略として、物産の知名度を上げる。
宮崎県の東国原元知事のように、著名な方が発信すると、物産も美味しくなり名産になる。
総合的にブランド化する上で、どのように商品をアピールするのか。
◎小沼
ぐんまブランド推進課長
群馬の
農畜産物は、群馬を売り出す最大の魅力であり、コンテンツである。いかに他の地域との差別化を図るか、そしていかにブランド力の向上を図るかである。
ブランド力の向上は、主観が入らない客観的な評価ができる科学的データに基づき、他産地との差別化を図り、販売戦略を考えていきたい。
◆
久保田順一郎 委員
基本的にそれがあって、どういう展開をするのか。
◎小沼
ぐんまブランド推進課長
良いものを消費者に伝えることで、消費者は食べる価値があるから購入したいと思うようになる。
そのため、例えば、デパートでの販売促進事業や、企業主催の料理教室などで県産の
農畜産物を活用してもらうことで参加者した方等にPRを図り、本県の
農畜産物の魅力を消費者に伝えていきたい。
そして、消費者の反応を生産現場に返して、生産振興を図っていきたい。
◆
久保田順一郎 委員
今後も一層の取組をお願いしたい。
群馬県のシャインマスカットは、上海では1房1万円である。
やる気を持った生産者が取り組める下地をお願いしたい。
次に、ミツバチが農薬によって、死んでいることが日本養蜂協会の機関誌に掲載されていた。
養蜂に係る農薬散布等についての注意点について伺いたい。
◎平井
生産環境室長
農薬によって、ミツバチが大量に死んでしまう事例が、欧米を中心に、過去にあった。
日本では、平成25年から27年まで3年間、全国の都道府県でミツバチの被害と農薬の影響調査を実施した。
農薬の散布とミツバチの死の因果関係は、日本国では明確に確認できなかったが、可能性がゼロではないと国から見解が出ている。
特に、本県は、水稲や果樹のカメムシの農薬で養蜂家のミツバチに被害があった事案が発生している。
養蜂家と果樹農家が、常に頻度高く
情報交換を行い、果樹農家の防除
情報交換を密にすることが重要である。また、農薬の空中散布は、ある一定の面積をまとまって防除することから、養蜂協会へ情報提供し、養蜂協会から会員に周知していただく。
果樹農家に対して、蜂が寄ってこないように、下草管理の指導を徹底するとともに、養蜂家に関しては、農薬散布が多くなる時期に
注意喚起のリーフレットを配布して、常に
情報交換しながら対応できる方法を指導している。
◆
久保田順一郎 委員
カメムシ対策の農薬のダントツ、アブラムシ退治ではスミチオンなどであったが、最近は新たな農薬が開発され、毛虫もつかないほど、農薬が進歩してる。
生産者も含め、県の指導についてよろしくお願いしたい。
今回のクビアカツヤカミキリについても、事前に対策ができないか伺いたい。
◎平井
生産環境室長
クビアカツヤカミキリについては、桜に関して樹幹注入剤という新しい農薬が昨年と今年登録となった。
樹幹注入剤を使うことで、クビアカツヤカミキリの防除が可能である。
樹幹注入剤は、果実に農薬が残るため、果樹には使用できない。
果樹のクビアカツヤカミキリに対する登録農薬は少ない。
既存の登録農薬を活用し、どのように効果的な防除ができるか、今年の9月から実証実験を開始している。
来年の収穫前までの確立について、実証実験に取り組んでいる。
◆
久保田順一郎 委員
クビアカツヤカミキリの発生源はどこか。
埼玉県であると思うが、今、群馬県の東毛地域であるように言われている。
◎平井
生産環境室長
埼玉県や本県の館林が発生源と言われているが、環境森林部が主たる調査を行っているので、農政部としては、桜から影響を受けて明和地域の果樹へ侵入してきたと聞いている。
◆
久保田順一郎 委員
高崎までクビアカツヤカミキリが発生しているので、梅林が心配である。
自宅の紅梅、白梅が、クビアカツヤカミキリの被害を受けたが、高崎市の箕郷の梅林は、産業であることから、是非とも被害を止めていただきたい。
◆
今泉健司 委員
CSFの感染源の一つとされている
イノシシについて伺いたい。
県のホームページでは、9月25日現在、55例目の陽性が確認されている。
1例目の西毛方面から吾妻地域の陽性事例が多かったが、48、50、54、55例目が利根沼田で、北に移動している感覚がある。
県としてどのように考えているのか伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
最初は西毛方面での確認から、徐々に吾妻方面、長野県でも確認され、最近では、渋川市や片品村など北で確認されている。また、最近では福島でも確認をされたことで、
イノシシの感染が、徐々に北へ移動しているが、国からの分析等の結果が出れば、
イノシシの感染の広がり等が判明する。
◆
今泉健司 委員
神流町の方から、最近、山で蛇を見かけることが多くなったと聞いた。
イノシシの捕獲頭数も、この10年で一番多く、
イノシシが増えているのに蛇を食べる
イノシシが減っている現状を踏まえると、山の中で
イノシシがCSFに感染して、死んでいるのではないかと危惧している。
県として、どのような所見があるか伺いたい。
◎田中 鳥獣被害担当参事
イノシシは、人目につかないところで死んでいる。
イノシシの生息数が、CSFによってどのように変化してるか掴めていないが、人目につかないところで死んでる事例はあるといえる。
◆
今泉健司 委員
地域の方々もずっと山で生活をされている方々で、不安に感じるのかもしれないが、不安を取り除く意味でも、情報開示も含め、様々な対策が必要ではないか。
できる範囲での努力をお願いしたい。
◆
久保田順一郎 委員
CSFは前哨戦であり、次のASFが恐ろしい。
ASFの
ワクチン開発状況とASF
発生状況について伺いたい。
◎砂長
家畜防疫対策室長
ASFの
ワクチンは、国内では現時点で開発できていない。
また、海外でも、アメリカ、中国、ヨーロッパと発生し、
ワクチンを開発をしている噂は聞いているが、実際できたという話はない。
近隣国では、韓国で
イノシシの感染が確認をされているが、農場での発生はない。
死んだ
イノシシを検査をすると、CSFだったという情報が、9月に国に入っている
◆
久保田順一郎 委員
CSFの防除体制は対策を講じているが、ASFが発生した場合はお手上げということか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
ASF対策は、
CSF対策を含め講じているもので、防護柵が
イノシシの侵入を防ぐ。
また、
飼養衛生管理基準においても、
野生動物等が農場にウイルスを持ち込むことを防ぐ、農場でのバイオセキュリティー向上が記載されている。
現在、養豚場における出入口での消毒や防護柵は、ウイルスの侵入を防ぐという意味で効果がある。
ASFの
ワクチンはないため、発生した場合には、その地域での予防的殺処分がASFでは行われる。
国のASF対策は、
飼養衛生管理基準として示している。
◆
久保田順一郎 委員
だから、全頭殺処分となっているのか。
◎砂長
家畜防疫対策室長
ASFの場合は、
発生農場だけではなく周囲の農場についても、予防的に殺処分をすることで、ウイルスの伝播を早期に封じ込めるという方法である。
○
泉沢信哉 委員長
以上で、
所管事項の質疑は終了いたしました。
△休憩
○
泉沢信哉 委員長
暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
(午前11時58分休憩)
(午後0時58分再開)
△再開
○
泉沢信哉 委員長
休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
泉沢信哉 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。
議案の採決に先立ち討論される委員は挙手をお願いします。
(「なし」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち
農政部関係の議案について採決いたします。
それでは、第118号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手を願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、第118号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第126号議案について、これを原案のとおり可決することに賛成の委員は挙手を願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、第126号議案は原案のとおり可決することに決定いたしました。
△請願の審査
○
泉沢信哉 委員長
次に、請願の審査に入ります。
本委員会に付託された請願のうち、
農政部関係の請願は、新規3件であります。
それでは、第10号について、執行部から説明願います。
◎砂長
家畜防疫対策室長
(第10号「西毛地区開発に関する請願〈2項2号〉」について説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
説明は終わりました。
第10号の取扱いについて、いかがいたしますか。
(「趣旨採択」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
趣旨採択に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、趣旨採択と決定いたします。
○
泉沢信哉 委員長
次に、第11号について、執行部から説明願います。
◎土屋
蚕糸園芸課長
(第11号「(国)指定野菜価格安定対策事業に係る交付予約数量引き上げについての請願」について説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
説明は終わりました。
第11号の取扱いについて、いかがいたしますか。
(「趣旨採択」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
趣旨採択に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、趣旨採択と決定いたします。
○
泉沢信哉 委員長
次に、第12号について、執行部から説明願います。
◎平井
生産環境室長
(第12号「利根沼田地域の総合開発についての請願(国)指定野菜価格安定対策事業に係る交付予約数量引き上げについての請願<1項>」について説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
説明は終わりました。
第12号の取扱いについて、いかがいたしますか。
(「継続」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、挙手により賛否を問います。
継続に賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、継続と決定いたします。
以上で請願の審査は終了しました。
△意見書の発議の協議
○
泉沢信哉 委員長
それでは、ここで、意見書の発議についてご協議願います。
斉藤副委員長から発言を求められておりますので、お願いします。
◆斉藤優 副委員長
先日の
全員協議会で伺った群馬県
養豚協会会長の意見を踏まえ、意見書の発議について、提案させていただきます。
案文の配付をお願いします。
本県では、昨年10月からCSF
ワクチン接種を実施してきたが、9月26日に県内飼養豚でCSFが発生し、子豚の無抗体期間を生じさせない体制づくりが課題である。円滑に
ワクチン接種を進めるための取組要望が必要であり、関連する取組と合わせて意見書の提出を提案したい。
○
泉沢信哉 委員長
以上で説明は終わりました。
本意見書(案)について、ご確認をお願いします。
それでは、本意見書(案)について、ご協議願います。
(「賛成」の声あり)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、お諮りします。
「養豚場を豚熱(CSF)から守るための意見書(案)」について、本案のとおり委員会から発議することに、賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
○
泉沢信哉 委員長
挙手全員であります。
よって、本意見書は案文のとおり、本委員会から発議することに決定いたしました。
なお、発議案について、字句等の整理に要するものにつきましては、正副委員長にご一任願います。
△基本計画議決条例の適用に係る調査
○
泉沢信哉 委員長
次に、「群馬県行政に係る基本計画の議決等に関する条例」の適用について、ご協議願います。
はじめに、計画の概要について、説明願います。
◎関口
農政課長
(資料10「計画等一覧表」により基本計画の議決等に関する条例の適用の対象となる計画等について説明した。)
◎小泉 研究調整主幹
(資料「計画等の概要書」により「ぐんま農業研究基本計画」について説明した。)
◎相澤
農業構造政策課長
(資料「計画等の概要書」により「ぐんま農業・農村男女共同参画行動計画」について説明した。)
◎平井
生産環境室長
(資料「計画等の概要書」により「群馬県有機農業推進計画」について説明した。)
◎土屋
蚕糸園芸課長
(資料「計画等の概要書」により「群馬県果樹農業振興計画」について説明した。)
◎富田
畜産課長
(資料「計画等の概要書」により「群馬県酪農・肉用牛生産近代化計画」について説明した。)
◎船戸
鳥獣被害対策支援センター所長
(資料「計画等の概要書」により「群馬県カモシカ適正管理計画」について説明した。)
○
泉沢信哉 委員長
以上で、説明は終わりました。
それでは、説明のあった計画について、一括してお諮りしたいと思います。取り扱いはいかがいたしますか。
(「いずれも条例不適用」との声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
それでは、これらの計画の取扱いにつきましては、当該条例の不適用ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり。)
○
泉沢信哉 委員長
さよう決定いたします。
△その他
委員長報告については、正副委員長にご一任願います。
次に、県外調査についてであります。
9月11日に開催された議会運営委員会において、今年度の県外調査は中止することが決定されましたので、報告いたします。
次に、決算特別委員会の環境農林分科会の日程について、ご連絡します。
分科会審査は、10月15日(木)午前中は、農政部を対象とし、CSFをテーマに集中審査を行い、翌16日(金)には環境森林部と農政部の決算全般について審査したいと思います。
詳細につきましては、別途、通知させていただきますが、予めご承知おき願います。
△散会
○
泉沢信哉 委員長
以上で、
農政部関係の審査を終了いたします。
それでは、本日はこれにて散会いたします。
(午後2時3分終了)
委員会記録署名委員
環境農林常任委員会
委員長 泉沢 信哉...